第211回国会 衆議院 文部科学委員会 第9号 令和5年4月19日 令和五年四月十九日(水曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 宮内 秀樹君    理事 池田 佳隆君 理事 橘 慶一郎君    理事 中村 裕之君 理事 根本 幸典君    理事 森山 浩行君 理事 柚木 道義君    理事 堀場 幸子君 理事 鰐淵 洋子君       青山 周平君    石橋林太郎君       勝目  康君    塩崎 彰久君       柴山 昌彦君    鈴木 貴子君       田野瀬太道君    谷川 弥一君       辻  清人君    土田  慎君       中曽根康隆君    丹羽 秀樹君       船田  元君    古川 直季君       穂坂  泰君    三谷 英弘君       山口  晋君    山本 左近君       義家 弘介君    青山 大人君       荒井  優君    梅谷  守君       菊田真紀子君    白石 洋一君       牧  義夫君    金村 龍那君       高橋 英明君    早坂  敦君       平林  晃君    山崎 正恭君       西岡 秀子君    宮本 岳志君     …………………………………    文部科学大臣       永岡 桂子君    文部科学大臣政務官    山本 左近君    政府参考人    (文部科学省大臣官房長) 望月  禎君    政府参考人    (文部科学省大臣官房総括審議官)         井上 諭一君    政府参考人    (文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部長)   笠原  隆君    政府参考人    (文部科学省総合教育政策局長)          藤江 陽子君    政府参考人    (文部科学省初等中等教育局長)          藤原 章夫君    政府参考人    (文部科学省高等教育局長)            池田 貴城君    政府参考人    (文部科学省高等教育局私学部長)         茂里  毅君    政府参考人    (文部科学省科学技術・学術政策局長)       柿田 恭良君    政府参考人    (文部科学省研究振興局長)            森  晃憲君    政府参考人    (スポーツ庁次長)    角田 喜彦君    政府参考人    (文化庁次長)      杉浦 久弘君    政府参考人    (文化庁次長)      合田 哲雄君    文部科学委員会専門員   中村  清君     ――――――――――――― 委員の異動 四月十九日  辞任         補欠選任   上杉謙太郎君     塩崎 彰久君   丹羽 秀樹君     三谷 英弘君   荒井  優君     青山 大人君 同日  辞任         補欠選任   塩崎 彰久君     土田  慎君   三谷 英弘君     丹羽 秀樹君   青山 大人君     荒井  優君 同日  辞任         補欠選任   土田  慎君     上杉謙太郎君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  文部科学行政の基本施策に関する件      ――――◇――――― ○宮内委員長 これより会議を開きます。  文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  この際、お諮りいたします。  本件調査のため、本日、政府参考人として文部科学省大臣官房長望月禎君、大臣官房総括審議官井上諭一君、大臣官房文教施設企画・防災部長笠原隆君、総合教育政策局長藤江陽子君、初等中等教育局長藤原章夫君、高等教育局長池田貴城君、高等教育局私学部長茂里毅君、科学技術・学術政策局長柿田恭良君、研究振興局長森晃憲君、スポーツ庁次長角田喜彦君、文化庁次長杉浦久弘君、文化庁次長合田哲雄君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○宮内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ――――――――――――― ○宮内委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。根本幸典君。 ○根本(幸)委員 おはようございます。自民党の根本幸典です。  今日は、質問の機会をいただいたことに、まず心から感謝、御礼申し上げたいと思います。  本日、私は、国立大学が果たすべき役割について質問をしたいというふうに思います。  私の地元には、豊橋技術科学大学という大学がありまして、現在、この大学では、我が国にとって極めて重要な基盤技術であります半導体とか、あとセンシング技術を得意分野としており、学内の施設において、大手企業、さらには地元企業と産学共同研究を実施し、愛知県の自動車産業等における技術革新、イノベーション創出に貢献をしております。  また、一月に、私、学校の方に行きました。実は、大学発ベンチャーの認定を受けていますパワーウェーブという会社がありまして、そこは、豊橋技術科学大学の卒業生、OBが豊橋に戻ってきて、起業して、そして、ワイヤレス電力伝送技術、いわゆる電気自動車にワイヤレスで電力を送電する、こういう技術の開発をしているのを見せていただきまして、そういったことも今大学の中で行われている。  さらに、豊橋技術科学大学というのは、高専の生徒の受入先の大学という役割も果たしております。そういう意味から、高専の生徒、さらには企業関係者を対象とした半導体の製作実習や講習会を開催し、大学の先端共用設備を活用した人材育成などを行うなど、大学関係者だけでない様々な関係者が共創活動を行う、こういった場所に今なっているところであります。  今申し上げましたように、全国の国立大学では、産学連携や人材育成など多種多様な共創活動が行われております。カーボンニュートラル、GXに関しても、大学施設でのネット・ゼロ・エネルギー・ビル化などの推進が社会実装の先導モデルを示すなど、大学での研究開発、実証実験がイノベーションや新産業の創出、さらに雇用の創出にもつながる可能性があります。  また、地域の人材育成の機能に加えて、地域の防災拠点であったり、あとは、地域医療の最後の拠点などの機能を果たしているのも国立大学であります。  しかし、その一方で、重要な活動の舞台となる施設に関しましては、この豊橋技科大もそうですけれども、昭和四十年代から五十年代に建てられたものが多く、老朽化問題が極めて深刻な状況になっております。  そのため、大学関係者だけではなくて産業界や自治体からも、古くて狭い旧来型の大学施設、よくある、大学の、廊下があって、両サイドに小分けした研究室がある、こんなような施設を改修して、地域のための共創活動が行えるような場、例えばオープンラボのような、こういったものにしてほしいという声が上がっているところであるというふうに承知をしております。  そこで、文科省にお伺いをしたいというふうに思います。  国立大学は、果たすべき重要な役割があるにもかかわらず、施設の老朽化が深刻であるというふうにお伺いしていますが、その認識について、現状についてお伺いをしたいというふうに思います。 ○笠原政府参考人 お答えいたします。  先生御指摘のとおり、国立大学の施設につきましては、昭和四十年代から五十年代に整備した膨大な施設の更新時期が到来しており、安全面、機能面、経営面で大きな課題が発生しております。具体的には、安全面では老朽化による外壁の落下等の事故、機能面ではスペース不足や教育研究機能の低下、経営面ではエネルギーロスや事故、故障等の対応による財政負担の増大といった様々な問題を招いております。  これらを改善するためには、令和三年から七年度の五年間でおおむね、老朽改善整備として約七百八十五万平方メートル、ライフライン更新として配管、配線約一千九百キロメートル、設備機器約千八百台等の整備が必要と見込まれているところでございます。 ○根本(幸)委員 ありがとうございます。  令和三年から七年の第五次国立大学法人施設整備計画、これを見ますと、面積もさることながら、金額も一兆円を超えるような予算が必要だ、こういうような状況の中なんですね。  その一方で、令和四年度予算を見てみますと、当初では三百六十三億、それから補正で五百八十二億、合計で九百四十五億。五年間で一兆円というと、年間、大体二千億円ぐらいなんですが、まだ半分ぐらいしかできていないというのが実態でありますし、今年度に関しましても三百六十三億円の当初予算ですから、補正予算を、二千億ということを考える、前年並みと考えると、補正予算、しっかりこれをやっていかなきゃいけないなということで、まだまだしっかり、我々、やるべきことがあるんだな、こういうふうに認識をしております。  しかし、このような深刻な老朽化の状況では、国立大学が重要な役割を果たすことが極めて困難である、私はこういうふうに言わざるを得ないというふうに思うんですが、そこで、更にお伺いしたいと思います。  大学施設の深刻な老朽化の中で、共創拠点をどのように形成をしていこうというふうに考えているのか、お伺いをしたいというふうに思います。 ○笠原政府参考人 お答えいたします。  施設の老朽化問題が深刻である一方、地域における産学連携や人材育成などの多種多様な共創活動の場として国立大学のキャンパス、施設が果たす役割は極めて重要であると認識しております。  そのため、文部科学省におきましては、令和三年に国立大学法人等施設整備五か年計画を策定いたしまして、この中で、老朽化対策のための施設改修等に伴い、キャンパス全体を共創拠点にするという大きな方向性を打ち出して、各大学の戦略的なリノベーションを促進しているところでございます。 ○根本(幸)委員 ありがとうございました。  最初に申し上げたとおり、国立大学のキャンパスは、各地域における中核として、地域密着し、そして、将来を支える人材育成や産業の発展に必要な共創活動の拠点となっています。また、地域におけるイノベーション、新産業創出の中核拠点としてだけではなくて、重要政策課題であるグローバル化に対しても重要な役割があるというふうに考えています。  先ほど、冒頭申し上げました豊橋技術科学大学、ここのグローバル化なんですけれども、積極的に今、取り組んでいるんですね。日本全体でいきますと、日本の高等教育段階全体の留学生割合、生徒に対する留学生の割合は五・九%なんです。それで、世界基準を見ますと、在学者に占める留学生の割合でいきますと、オーストラリアが多くて、三〇%を超えているんですね。それから、英国は二割を超えています。それから、非英語圏のドイツ、フランスも一割を超えている。その中で、日本は五・九%ということで、これは課題があるんですね。  その中で、じゃ、我が地元の豊橋技術科学大学は、実は一三・五%ということで、かなり健闘をしています。もちろん、このことによって、やはり地域との交流も結構盛んでして、豊橋にあります日中友好協会とかは、技科大の学生さんをお呼びして花見をやったり、さらには、彼らが、ギョーザを作っていただいてギョーザパーティーをやったり、いろいろコミュニケーションを取って、地域としっかり触れ合っていただいているんですね。  また、ドイツにおいても、日独協会というのがあって、月に一回、シュタムティッシュというのを定例でやっているんですが、そこにドイツの学生が来て、元々、この豊橋にはフォルクスワーゲンジャパンの本社がありますので、そういった自動車のつながりもありますので、しっかりコミュニケーションを取っている。  さらには、私、ラオスに一回視察で行かせてもらったときは、ラオスの気象大臣の秘書の方が大変日本語のうまいラオスの方だったんですね。よくよく話を聞いたら、豊橋技術科学大学のOBだということで、大層、戻って大活躍をしていただいていまして、そういう意味では、やはり、しっかりと海外から留学生を受け入れる、これは非常に大事だなと私は思っています。  特に、海外からの高度人材の呼び込みは、国際的な高度人材の獲得競争の中、ソフトとしての様々な教育研究活動だけでなくて、それを支える場として、ハードである国立大学のキャンパス、施設も併せて、国際的な活動に適した魅力あるものに生まれ変わらせ、ソフト、ハード一体的に整備充実していく必要があるというふうに考えています。  そこで、最後に大臣にお伺いをします。  地域の中核拠点としての役割に加え、グローバル化の観点からも、国立大学のキャンパスには重要な役割があるというふうに考えていますが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。 ○永岡国務大臣 根本委員にお答えいたします。  随分と、豊橋技術大学、一三%の方が外国人留学生ということで、本当に頑張っていらっしゃるな、そういう感想を持ちます。  また、国立大学のグローバル化を進めていくためには、それを支える場といたしまして、キャンパスの整備充実も、これは重要な観点の一つでございます。  各国立大学におきましては、異分野融合を促進するため、研究室間の壁を取り払いましたオープンな建物の整備など、グローバル化に適した魅力あるキャンパスとなりますように、ソフト、ハード両面から様々な取組が始められております。  文部科学省といたしましては、必要な予算の確保など、魅力的かつ優れた機能を有します国立大学のキャンパスの整備に向けまして、引き続きまして、しっかりと取り組んでまいります。 ○根本(幸)委員 ありがとうございます。大臣からの決意をお伺いをしまして、心強く思います。  自民党も、実は、二月九日に、今日委員でいらっしゃいます柴山先生が会長の自民党教育・人材力強化調査会において提言をまとめていただいています。  その中でも、幾つかあるんですが、一つは、戦略的な外国人留学生受入れの推進の中で、民間資金等も活用した混在型留学生宿舎、外国人教員宿舎の受入れ環境整備、これが大事ですよということを提言させてもらっています。それから、外国人留学生への魅力ある環境の提供ということで、国立大学法人等施設整備補助金の抜本的拡充など、外国人留学生を呼び込むための魅力ある教育研究環境、キャンパス環境の整備、これも提言をさせていただいています。それから、さらに、日本人留学生の留学、さらには優秀な留学生の受入れ、大学の国際化の総合的な促進に必要な基金の設立、こういったことも自民党からも提言させていただいて、しっかりと、やはり、留学生を受け入れる、そういったハード、ソフト両面での体制が必要だということを訴えさせていただいています。  先ほども申し上げましたように、五か年の計画の中では、一兆円を超える資金が必要だと。ただ、今、現状を申し上げますと、昨年末ですと補正含めて九百四十五億、そして今年度は三百六十三億ということでありますので、しっかりとやはり予算を獲得していくということが極めて大事ですし、また、計画的に進めていくということが極めて重要だというふうに思いますので、是非、引き続き、大臣におかれましては積極的に取り組んでいくことをお願い申し上げ、私の質疑を終わらせていただきます。  ありがとうございました。 ○宮内委員長 次に、平林晃君。 ○平林委員 公明党の平林晃と申します。  本日は、質問の機会を与えていただきまして、大変ありがとうございます。  早速質問に入らせていただきます。  まず、高等学校の教科「情報」についてお聞きいたします。  昨年度から内容が大幅に刷新をされまして、新科目「情報1」が多くの高等学校で実施されたと認識をしております。内容は、旧課程と大きく異なりまして、プログラミング、データサイエンスなど高度な内容が必修になっているということです。  担当される先生方には、中には臨時免許とか免許外担当という、正規免許以外の方が含まれますが、その割合は減ってきておりまして、数字上では指導体制は充実されていっているようであります。一方で、「情報」の正規免許をお持ちであっても、元々、家庭科の教員であって、旧課程のときに「情報」免許を取得したが、新課程の内容は結構難しくなっていますので、昨年は担当を余儀なくされたんですけれども、今年度は難しい、こういうようなケースも伺っております。  教員のスキルアップには、文科省さんも特設ウェブページを開設するなど継続して支援をしておられますが、ただし、そのホームページの中身は、情報分野に疎遠の方には活用が容易ではないのかと私は拝見して感じましたし、実際そんな声も頂戴をいたしました。  このように考えますと、情報科教員のサポートをきめ細かく、一歩踏み込んで進めていく必要があると考えますが、政府の見解を伺います。 ○藤原政府参考人 お答えいたします。  昨年十一月に公表した調査の結果、高等学校情報科における免許外教科担任や臨時免許による教員は、前回調査から着実に減少していたものの、なお一六・七%残っておりました。  このため、令和四年度内に抜本的な改善を図るよう、都道府県教育委員会等に具体的方策を示して強い指導を行った結果、本年四月現在では、大幅な改善がなされ、一・七%という数字になっているところでございます。また、令和六年四月にはこれをゼロとするという計画で進めているところでございます。  一方、「情報1」がスタートしてまだ二年目ということもあり、免許を持っていても指導経験が少ない教員や若手教員もいるところであり、先生御指摘のように、現場の実態に寄り添った支援を一層充実させていく必要があると考えております。  このため、文部科学省では、今年度、関連学会との連携を含め、年間を通じた研修機会の提供、全額国費によるアドバイザー派遣などの伴走支援、優れた教師による授業動画のオンデマンド配信など、生徒の学びの機会の充実を行ってまいりたいと考えているところでございます。  また、外部人材による授業支援の充実を求める声もあることから、各都道府県教育委員会が、ステークホルダーである地元の大学や産業界等と人材の供給について協議を行う場を国主導で設置する取組を進めていくこととしております。  今後も、先生の御指摘を踏まえ、引き続き、現場に寄り添った支援の充実を図ってまいりたいと存じます。 ○平林委員 時間がないので、答弁は少し短めにお願いいたします。済みません。  ありがとうございます。是非寄り添って支援していっていただきたいと思います。  それで、二〇二五年度大学入学共通テストでは「情報」が新設されます。昨年度「情報1」を学んだ生徒の皆さんが受験され、「情報1」が試験科目になります。  ただ、経過措置といたしまして、旧課程の試験も実施されると伺っております。内容が大きく異なる中で難易度に不公平は生じないのか、こうした不安感を受験生に与えないための対策が必要と考えますが、政府の見解を伺います。 ○池田政府参考人 お答えいたします。  令和七年度の大学入学共通テストにおける「情報1」の経過措置につきましては、大学、高校関係団体の代表者などで構成される大学入学者選抜協議会におきまして、旧課程履修者が「情報1」を利用する大学を受験しても不利にならないよう経過措置問題を作成することが適切であるとの結論に至ったものでございます。  御指摘の「情報1」と「旧情報」の試験問題の難易度の点に関しましては、大学入試センターにおきまして、各教科、科目間に著しい平均点差が生じないよう試験問題を作成、点検することとしております。  なお、従来、受験者数が一万人未満の科目は得点調整の対象とはしていなかったところでございますが、「情報1」と「旧情報」は、いずれも令和七年度の大学入学共通テストで初めて出題される科目であるなどの事情を踏まえ、受験者数が一万人未満の場合であっても、新旧の科目間で極端な平均点差が生じた際には得点調整の対象とすることとし、その旨を令和四年十一月に大学入試センターから公表しているところです。  文部科学省としては、各教科、科目間に著しい平均点差が生じないよう試験問題を作成、点検することや、「情報1」の活用方法に関して各大学において丁寧に説明をするよう促していくことなどを通じて、今後とも、受験生が安心して受験できる環境を整えてまいります。 ○平林委員 ありがとうございます。  サンプル問題が公表されておりまして、私もちょっと一回やってみました。点数は申し上げられません。  新旧二種類の問題で、旧課程の中に更に二種類あるんですね。より平易な、かつ履修率も高かった「社会と情報」、これと比べますと、「情報1」は、百点満点において二十五点分、共通問題になっていました。残り七十五点、違います。その七十五点分の中身がどう違うかというと、「情報1」の中では、論理回路、プログラミング、データ処理、こういった内容であるのに対して、「社会と情報」では、情報機器の取扱いや著作権などに関する知識を問う問題である。どちらも重要であることは間違いございませんが、前者は主に思考力が求められるのに対して、後者は知識を問う傾向が強いと感じております。  こうした違いをしっかりと考慮していただいて、難易度に差がない、生じないような問題、作問をお願いしたいと思いますし、これも時間がないくせに言っちゃいますけれども、私、平成元年に共通一次試験を最後で受けました。このときに問題調整が物理と化学の間で行われて、私は化学を受けていて、物理の点数が上がってきてびっくりしたという記憶がございます。なるべくそういったことがないように是非お願いしたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。  続きまして、では、次の問題に移ります。これ以降、私の前回十二月の質問に関連した内容になってまいります。  まず、海外派遣研究者への支援について伺います。  JSPSからの派遣研究員が、短期的には円安、長期的には二十年近く支給額が増えていないことから、現地賃金や物価上昇に符合しないだけでなく、現地大学のポスドク最低賃金に満たない、こういう切実な問題に対して、そのときの答弁で、年度内、一時金の支給、新年度の増額という方向性をお示しいただきました。  その後、進捗状況を教えてください。 ○柿田政府参考人 お答えいたします。  海外特別研究員等に対する各種支援について、前回いただきました質疑以降の進捗についてお答えをいたします。  物価高の影響が著しい国へ渡航している海外特別研究員及び特別研究員等に対する一時金につきましては、既に支給を完了をいたしております。また、今年度より、滞在費等の支給区分に新たに指定都市という区分を新設をいたしまして、物価高の影響が著しい大都市圏への渡航者を対象に支給額を増額させております。  加えて、令和五年二月に、日本学術振興会ワシントン研究連絡センターと海外特別研究員等との情報交換会を開催をいたしておりまして、その場には文部科学省職員もオンラインで参加をいたしました。  引き続き、今後も、研究者の方々との意見交換、あるいは、ほかの地域での開催も含めて進めていけるように取り組んでまいります。 ○平林委員 ありがとうございます。  今の御答弁内容以外にも、支援対象者の拡充でありますとか、大学との雇用制度の改善なども進めていただいていると承知をしております。喜びの声、多数いただいております。  こうした支援、昨年十月に、当事者の研究者と、文科省、JSPS、そして我々政治の三者による話合いから検討を開始いたしましたが、先ほどおっしゃられました学振カフェには我々政治は参加しておりません。当事者と行政の二者の対話の場となっていまして、こういった対話の場を通じて、特別研究員制度は間違いなくよい方向に進んでいるようであります。これが、今の皆さんの後輩が見ていまして、これが波及効果となって、例えば、申請者が今減少している、十年来ですね、そういった問題にも逆転現象が生じたり、そういった効果を期待したいというふうに思っているところです。  その上で、お聞きをいたします。  これも前回、大臣にお聞きした内容でしたけれども、大学研究者と文科省との対話の必要性を訴え、大臣からも、しっかり取り組んでいく、このような御答弁をいただいたところでございます。その後の具体的な取組、あるいは検討中の内容があれば伺います。 ○柿田政府参考人 お答えいたします。  文部科学省におきましては、研究に関する各種政策の立案、実施等に当たりまして、様々な機会を通じて、研究者を含む大学関係者との意見交換などを行いまして、現場の声を政策に生かすべく努めております。引き続き、丁寧に現場の意見を把握してまいりたいと考えております。  その上で、文部科学省では、国公私問わず、大学で行われる独創性に富んだ基礎研究や社会課題の解決に取り組む研究を支援するなど、我が国全体の研究力の向上に向け、必要な予算の確保に取り組んでおります。  具体的には、令和四年度第二次補正予算におきまして、科研費における新たな費目、そしてそれの基金化、国際先導研究といったことについての追加公募などに、合わせて百五十六億円の増額措置でありますとか、独立前後の若手を中心とした多様な研究者による自由で挑戦的な研究を支援する創発的研究支援事業に対して五百五十三億円の追加的措置、あるいは、地域の中核大学や特定分野に強みを持つ大学に対して強力に支援をするための基金の創設を含む二千億円を措置したところでございます。  引き続き、文部科学省としまして、関係府省とも連携し、また研究現場の状況も踏まえながら、我が国全体の研究力の向上に向けてしっかりと取り組んでまいります。 ○平林委員 ありがとうございます。  先ほど根本先生からも御質問がありまして、建物の老朽化といった話がありました。それも本当に大事な問題ですし、研究費、雇用、変化の激しい講義担当などなど、様々な状況によって、研究する時間が取れないという声を本当に切実に伺っております。こういう厳しい状況は、地方に行くほど深刻と感じます。でも、本当に私は、地方の大学は重要であると思っております。  例えばノーベル賞も、東大、京大だけではないですし、トップ大学が元気になるためには裾野の広がりが重要です。でも、今の政策は選択と集中が続いており、現在の基準では選択されないところが見放された感覚を強く持っておられます。そういう、現在の基準で選ばれない研究にも価値がある、これは地方の研究者の、若手研究者の方の生の声です。  一方で、文科省の皆さんは、決してそんなことは、見放されることはないというふうに当然おっしゃるわけです。この乖離を埋めていただくために対話が必要と思いますし、対話によって新しい政策も生まれてくるのではないかと考えております。是非生み出していただきたいと思います。そのことを強くお願いを申し上げます。  最後に、これも前回の続きとなりますが、オープンアクセス論文についてお尋ねいたします。  百万円を超える手数料というお話で、覚えていただいている先生もおられるかもしれません。この百万円が高いということも問題ですけれども、それ以上に、我が国における問題は、オープンアクセスを選択するかどうかが個々の著者の判断になっているということであります。  諸外国、例えばヨーロッパは、二〇一八年に、公的助成を受ける研究者に対してオープンアクセス化を義務づけ、助成団体にも手数料の援助を要請する方針、これを打ち出しています。アメリカも、昨年八月に、論文だけでなく研究データもオープンにするというオープンアクセス化方針を決定し、本年二〇二三年をオープンサイエンスの年と銘打って取組を進めておられます。  日本ではこのような方針が明確になっていないということであります。もちろん、方針を定めますと手数料への手当てが必要になるので、慎重になるのは理解しますし、個々の研究者の御意見も様々と伺っております。  ただ、オープンアクセスあるいはオープンサイエンスが世界の潮流であるならば、日本も方針を定めて世界標準に合流していく必要があるようにも考えます。来月、G7科学技術大臣会合を見定めながらの検討も重要と考えます。文部科学大臣の見解を伺います。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  御指摘のとおり、電子ジャーナルの購読料などが高騰いたしまして、大学ですとか研究機関など、研究者の負担が増大するなど、オープンアクセスに関する様々な問題があることは承知をしているところでございます。  このことを踏まえまして、今委員おっしゃいましたように、五月のG7の科学技術大臣会合を視野に入れまして、政府において、総合科学技術・イノベーション会議を中心に、我が国のオープンサイエンスに関する方向性を今検討しておりまして、具体的には、公的な研究成果プラットフォームの整備、運営ですとか、また、掲載公開料及び購読料の削減に向けました対出版社の交渉力、そして国際連携の推進などにつきまして議論を進めております。  文部科学省といたしましては、新たな価値を生み出しますオープンサイエンスの推進につきまして、内閣府、大学等関係者と連携をいたしまして、しっかりと取り組んでまいります。 ○平林委員 大臣、丁寧な御答弁をありがとうございます。  時間ですので終わりますけれども、日本の科学技術、極めて厳しい状況にあると考えております。様々な事情により科学技術特別委員会が廃止となりましたので、その分この文部科学委員会においてしっかりと議論を行い、危機を乗り越えていきたいと申し上げまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。 ○宮内委員長 次に、梅谷守君。 ○梅谷委員 立憲民主党の梅谷守です。  まずは、大臣、通告はしておらないんですけれども、冒頭、学校給食の無償化について一問お尋ねをさせてください。  これまでも、我々の同僚議員だったりが再三質問をしてきましたし、また、維新さんと共同で、一緒に法案も提出してきました。  そこで、この間、示すべきだと尋ねてきた学校給食の無償化について、補選、統一選の投票日までに実施時期、対象、財源を示すべきだと我々は求めてまいりましたが、これはどうなっているでしょうか。よろしくお願いします。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  総理の下に設置されましたこども未来戦略会議におきまして、子供、子育て施策の強化に向けて更に議論を深めるということで、学校給食の無償化に向けましては、給食実施率ですとか保護者負担軽減策などの実態をまず把握をして、課題の整理を行うことというふうにされておりますので、これから、文部科学省といたしましても、こども家庭庁と連携しながらしっかりと対応してまいりたいと思っております。 ○梅谷委員 実態把握はもちろん大事ですけれども、でも、ある意味、聞こえのいいことだけを先出しして、そして、いつ実施するのか、そして誰が負担をするのか、そもそも誰が無償であり、そこから外れかねないのか、いや、そもそも実施できるのかできないのか、こういったことをやはりきちんと有権者に向けてこのタイミングで示し切ることが誠実な対応だと私は思います。是非、大臣から、そのことを肝に銘じていただきたいですし、御検討いただきたい。  そして、あわせまして、委員長におかれましては、改めて、前に牧議員からもお話がありましたけれども、与野党の理事で善処を、改めて、図っていただきたいことをお願いを申し上げます。  じゃ、続きまして、通告に従って質問に移らせていただきます。  まずは、医学部の運営費交付金の地域枠加算及び定員増についてお尋ねをします。  医師の少ない地域は、医学部の定員を増やしたいというのはもう当然な話です。その工夫としての地域枠はとても重要です。そして、この間、大いに担当の皆さんがお取り組みされていることには敬意を表させていただきます。  ただ、財源としての運営費交付金を増やしたところで、その予算が医学部にまで回るかどうかというのは各大学の判断によるということになります。この点、学費を運営費に乗せることのできる私学、私立大学と異なり、学費が縛られている国公立は、国から運営費交付金をいただいても教員の給与を賄い切れず、そこを、例えば、私は新潟ですけれども、新潟では、県の負担だったり、また各大学の自腹、そして今、県としては、知事の号令の下で寄附を募ったりしているんですね。  そこで尋ねたいんですけれども、新潟大学医学部としては、これまで、この財政的な担保がなければ医学部定員を増やしづらい、定員増に向けて調整が非常に大変だったと聞いております。そこで、国公立の医学部も私立医学部並みに運営費交付金の地域枠分の加算支給額を上げるべきと考えますが、大臣、いかがでしょうか。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  地域におけます医師確保は喫緊の課題であると認識をしております。大学医学部の入学定員につきましては、平成二十年度以降、特定の地域での勤務を条件とする地域枠、これを中心に、臨時的に増員をしてまいりました。  国立大学におきまして臨時定員を増加する場合には、教員の増加であるとか実習に伴います設備、それから少人数教育実施のための体制整備など、運営費交付金等におきまして必要な支援は行っております。  文部科学省といたしましても、引き続きまして必要な支援を行うとともに、国立大学が継続的、安定的に教育研究活動を実施できますように、運営費交付金の確保、しっかりと取り組んでまいります。 ○梅谷委員 是非、確保、取り組んでいただきたいと思います。  ちょっとここで新潟の説明なんですけれども、状況、構図なんですが、新潟県の面積は、今年の一月一日付で一万二千五百八十三・九六平方キロメートル。一方で、北陸三県、富山、石川、福井の面積を合わせると一万二千六百二十四・三五平方キロメートルと、ほぼ同じなんですね。そして、人口では、北陸三県は今年の三月一日付で二百八十七万四千九十四人。一方で、新潟県、これは大分減っちゃったんですが、二百十四万一千八百四十六人。新潟県民歌というのがあるんですけれども、ここには二百五十万人という表記もあるぐらいなんですが、いずれにしても、人口面でも、北陸三県と新潟県というのはそこまで大きな開きがないと私は受け止めています。  にもかかわらず、この北陸三県には、金沢に二つありますけれども、医学部が四つあるんですよ。新潟には一つしか医学部がないんです。これはもう、現在、大学等設置基準によって、原則新たな医学部設置はできませんというふうになっております。  また、文科省令で、新潟大学医学部の定員が百四十名で決まっています。そして、現在はこの上限百四十名になっています。  資料を御覧ください、この資料。この一番右の下、不足医師数の、新潟県が圧倒的に、これは二〇三六年時点ではこれぐらい不足しますよという話なんですね。マイナス千五百三十四人。これを単年度に、一年分で検討していきますと、一年当たりの数字にしますと二百九人なんですね、不足数が、新潟は。必要医師数は二百九人なんだけれども、百四十人が上限、定員という構造的な問題を抱えていることを、どうか大臣から御理解をいただきたいと思います。  そして、平成三十年の閣議決定、これはもう大臣も重々御存じだと思いますが、医師の需給推計に基づいて、これからの見通しに基づいて、将来的な医学部定員の減員、減らそうという方向に向けて、医師養成数の方針を検討するとしているんです。  そして、昨年末の十二月の二十八日に取りまとめられた第八次医療計画等に関する検討会中間取りまとめでは、地域枠の設定等の具体的な内容として、こうあるんですね。「都道府県は、地域枠に加え、柔軟に運用できる地元出身者枠の恒久定員内への設置について、積極的に大学と調整を行うこととする。」何だかよく分かりませんが。これは、とどのつまり、新潟県でいった場合に、上限百四十人のうち、恒久定員百名に、上に乗っかっている地域枠四十名を押し込んでいくという、めり込ませるという言葉で言うんですけれども、どうやら現場では。めり込ませることを意味するんですね。めり込ませるから、総数が百四十から減っちゃうんですよ。  そこで、大臣に是非、これはお願い、ここの場で言うのもあれですが、本当に危機的な状況なので是非真剣に御検討いただきたいんですが、お願いしたいんですが、新潟県は、今申し上げたとおり、構造的な不利な条件にあることや、将来的な必要医師数が全国最多であることを是非考慮していただいて、検討会の最終取りまとめに向けて、全国一律に地域枠を大学の定員の中にめり込ませて定員を減らすべきでないでしょう、全国一律はやめた方がいいということを関係各所に声を上げていただきたい。  すなわち、新潟県の場合、そもそも二百九必要なのに百四十でも足りない新潟県は減らすべきでない、どうしても将来的には減らさなければならないとしても、全国一律でなくて、医師不足数が少ない地域からそれを行っていくべきと進言していただきたいんです、関係各所に。これを是非お願いしたいんですが、いかがでしょうか。 ○永岡国務大臣 お答えいたします。  新潟県も本当に医師不足で大変というのを、今資料を見ながら思いましたが、私も茨城県でございまして、大変、医師不足というのは共通の県の課題なのかなというふうには感じております。  全国医学部の臨時定員の地域枠につきましては、令和五年度現在、九百六十一人と過去最大規模でございまして、卒業生は順次地域における医療に従事しているものと認識をしております。  新潟県の地域枠につきましては、令和五年度におきまして十大学と連携をしておりまして、七十名を増員しております。今後の医学部定員の在り方につきましては、厚生労働省の第八次の医療計画等に関する検討会等におけます議論の状況を踏まえまして検討することとされております。  文部科学省といたしましては、引き続きまして、厚生労働省と連携の上で、地域や大学の実情も考慮しながら、しっかりと地域に必要な医師の確保に向けた取組、検討をしてまいります。 ○梅谷委員 そこは最後、検討じゃなく、進言していきたいというふうに力強くおっしゃっていただきたかったですが。  何せ、やはり現場を見ていただくことも非常に重要だと思っています。大臣の御地元も医師不足で大変な御苦労をされているということで共有はさせていただけるんでしょうけれども、どうでしょうかね、是非、新潟の地域、見に来ていただきたいですし、新潟大学医学部の現状を視察していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○永岡国務大臣 これは、機会があれば、大学病院等、拝見をさせていただければと思っておりますので、そのときはよろしくお願いいたします。 ○梅谷委員 機会があれば是非よろしくお願いをします。  それでは、次の項目に入らせていただきます。  天下りの問題についてです。  これは前提の話ですけれども、まずは、国交事務次官OBによる空港施設社の社長人事への介入、これが発生し、またしても天下りかという国民の強い不信感、批判を招いていると思います。  いまだ早期退職慣行が残る霞が関において、再就職自体は決して完全否定されるものではない、私もそう考えています。優秀な人材が再就職の機会を得ることや、官民での人材交流それ自体が即座に問題を生むわけではないからです。  しかしながら、もうこれは言うまでもありませんけれども、他方で、予算や権限を背景にした天下りというのは、官民癒着の温床になり、行政をゆがめたり、また、民間活力を阻害したりする弊害があることは、これはもう大臣も同じ御認識だと思います。  文科省も、かつて役所の一部であった国立大学、規制対象外であった学校法人への再就職は当たり前だった時代があったと伺っています。ただ、天下りのあっせんが全面的に規制された二〇〇八年施行の法改正以後も、組織ぐるみでのあっせんを行った上で、その隠蔽を図ろうとしました。  文科省は、こういう経緯を考えれば、失われた信頼を取り戻すため、他省庁以上に天下りに対し厳格な姿勢が求められることは言うまでもないと思いますが、大臣、そうですよね。 ○永岡国務大臣 これは平成二十九年でしょうか、再就職等規制違反によりまして処分を受けた者の再就職については、国家公務員法に基づきます再就職情報の届出により承知をしております。  文部科学省といたしましては、当該再就職につきまして、弁護士等から成ります再就職コンプライアンスチームにおきまして、提出されました届出の確認を行っております。また、再就職等規制違反の有無を確認しましたが、違法であるような事実、これは二〇一七年以降認められていないというのが結論でございます。 ○梅谷委員 恐らくそういうふうにおっしゃるんだろうなと思います。  ちょっと続かせていただきますが、文科省による組織的な天下りあっせんが問題となった二〇一七年の事件におきまして中心的役割を果たしていたのが嶋貫和男氏、当時、既に文科省を退職して久しいことから懲戒処分の対象とはなりませんでしたけれども、まさにOB側であっせんの構図をつくった中心的張本人であり、当時文科委員長だった永岡大臣の下、当時の文科委員会でも参考人招致されたというふうに伺っています。  そこで、まずお尋ねしますが、この人物が今どこにおられるか、大臣、御存じでしょうか。 ○永岡国務大臣 今、嶋貫氏は札幌国際大学の役員に再就職しているというふうに伺っております。 ○梅谷委員 そうですね。  じゃ、この組織的あっせん事件の中心的人物が今大学で役員をしていることについて、率直に大臣はどう思われますか。 ○永岡国務大臣 平成二十九年に、御指摘の嶋貫和男氏を介しました再就職あっせんについて、文部科学省が組織的に関与したことが国家公務員法の定めます再就職規制に抵触するという指摘がなされたわけでございます。そのため、文部科学省は、有識者の助言、協力の下で、その実態解明の調査報告をまとめまして、幹部職員等を始めとしました関係者に対して厳正な処分を行いました。  この点、法令に抵触していない範囲内で職員が退職後にどのような職業を選択するかにつきましては、基本的に、既に、今お話しの嶋貫氏に関しましては民間人となっているわけでございますので、当人の判断によるもの、そういうふうに考えております。 ○梅谷委員 民間人になった以上は、その先は分かりませんという御答弁でしたけれども。  これはどうなんですかね。中心人物でしたから、どのような動機や経緯で札幌国際大学に職を得たのか、また、あっせん等がないことは確認をされたんですか。 ○永岡国務大臣 その経緯でございますね、再就職の経緯につきましては、存じ上げてはおりません。 ○梅谷委員 これは繰り返しになりますけれども、この方は六年前の事件の中心にいた人物です。その再就職について、今の御答弁だと、事実関係すら確認をしていない、そして関知しないという姿勢は、私は、何も調べようとしていないというふうに受け止められます。これで本当に国民の信頼を取り戻す真摯な努力をしているのか。私は、とても言えないなというふうに思います。  じゃ、次に、二〇一七年の事件で処分された職員の方々について伺います。  この問題で、文科省は、歴代次官を含む四十三人を処分しました。このうち、処分の際に名前が出た幹部十二名のその後について、文科省から提出していただいた資料によれば、現在も省内におられる三名と退職されたばかりの一名を除いて八名の方々が、大学や独立行政法人、金融機関などに再就職をされています。  そこで伺いますが、天下り問題で、この二〇一七年の天下り事件で処分された方々が文科省関係の機関や外郭団体、また関連業界に再就職することを、大臣は適切だと考えますか。 ○永岡国務大臣 二〇一七年に再就職等規制違反によりまして処分を受けた者の再就職につきましては、国家公務員法に基づきます再就職の情報の届出により承知しているわけでございますけれども、文部科学省といたしましては、この再就職につきまして、違法であるということはないというふうに判断をしておりますので、これは、再就職のコンプライアンスチームにおきまして、提出されたその届出の確認というものもしっかりとやっているということで、違法性のある事実は認められないという結論を得ております。 ○梅谷委員 今の御答弁、現行法上、文科省は届出さえ出ていれば口を挟めないといったような姿勢だと思います。しかし、そもそも、再就職の届出手続と、再就職先がその人物にとって適切だったかどうか、これというのは別の問題だと思います。  この再就職先には、文科省所管の独立行政法人もあります。また、国立の大学や学校に理事として現役出向している方もいらっしゃいます。これでは、文科省として再就職を容認しているとしか受け取れません。  政治的判断ができるのは、これは大臣だけです。違法行為で懲戒を受けた職員が外郭団体や関連業界に再就職することは好ましくないと、大臣がはっきりおっしゃるべきではないかと思います。少なくとも、文科省関係の機関や大学等への再就職はやめさせるべきではないでしょうか。いかがでしょう。 ○永岡国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、再就職につきましては、文部科学省におきまして、しっかりと、弁護士等から成ります再就職コンプライアンスチームにおきまして、提出された届出の確認、これをしっかり行っております。再就職等の規制違反の有無を、確認をいろいろとしておりますけれども、違法性のある事実というのは認められておりませんので、それは、この再就職というものは、これは合法である、そういうふうに思っております。 ○梅谷委員 先ほどから、合法、かつコンプライアンスチームで審議してもらっているんだとおっしゃるんですけれども、このコンプライアンスチームは、届出がちゃんとされているかどうかを確認するだけだというんですよ。  しかし、二〇一七年の事件を受けて最終報告が求めたのは、再就職等規制に関する業務が適正に行われているかを定常的に調査することによる再発防止であります。大臣決定にも、コンプライアンスチームは、法令違反行為が行われていないかを調査するとあるんですよ。  時間の関係もあるので、これは指摘にとどめますけれども、私は、あっせんが行われていないか、再就職の具体的事情がどうなのかなど、コンプライアンスチームを含めて調査をすべきだと思います。  その上で、じゃ、次、違法な天下りあっせんで処分を受けた方々が天下り、再就職して、大学の理事なり、また大企業の顧問なりの職を得ているということは、私は、国民の理解を得られないというふうに思っております。  改めて、その上で確認しますが、役所によるあっせん、OBによる組織的あっせんは、二〇一七年事件以降、今は一切行われていない、このことは間違いないですか。 ○永岡国務大臣 再就職の届出ですね、過去の不祥事を踏まえた独自の措置といたしまして、文部科学省では、先ほどもお話し申し上げておりますけれども、弁護士等の外部有識者による個別チェックを実施しております。  その上で、他府省と同様に、内閣人事局に提出をいたしまして、内閣府再就職等監視委員会によるチェックを受けております。こうした取組というものの結果、平成二十九年の再就職等規制違反以降は、文部科学省出身者の再就職について国家公務員法違反の指摘は受けたことはございません。 ○梅谷委員 じゃ、もう一つ確認です。  当時嶋貫氏が行っていたような、OBが組織的に采配するあっせんは、役所が関与しないものであっても行われていないということでよろしいでしょうか。イエスかノーかでお願いします、時間の関係で。 ○永岡国務大臣 職員OB再就職後に、ほかの職員OBに関して、営利企業等に対して再就職をあっせんすることについて、これは規制の対象とは実はなっておりません。  いずれにいたしましても、国家公務員の再就職の在り方につきましては、本制度を所管いたします内閣人事局において検討されるべき事項と思っております。 ○梅谷委員 それでは、次に、再就職規制が施行された二〇〇八年から天下り問題の最終報告がされた二〇一七年三月末まで、八年間余りの間の文部科学省の再就職件数は、これは配付資料を御覧になっていただきたいんですが、三百十八件あるんですね。推移を言いますと、民主党政権が平成二十一年度から二十四年度、そして、そこから自民党政権、自公政権になります。そして、事件があった年が平成二十八年度。すなわち、平成二十年度から平成二十八年度までを、九年弱を足すと三百十八件。  そして、二〇一七年三月から二〇二二年まで、五年余りの件数は、これは平成二十九年度から令和四年度まで足すと二百九十四件になります。時間がないのでちょっとこっちの方で申し上げましたが、本来答弁していただきたかったですが。この事件があって組織的あっせんがなくなったにもかかわらず、文科省の天下りは全く減っていないどころか、この推移でいくと増えちゃうんですよね、再就職数が。  文科省が天下りあっせんに手を出したのは、法改正を受けて、仲間たちが再就職に困ることになるという危機感を人事課やまたOBたちが共有をしていた、抱いたからだ、これが当時の説明だったんです。しかし、現実には、あっせんはなくなったのに、再就職はむしろ増加。懸念されていた再就職先の不足やマッチングの問題はどこへ行っちゃったんだろうと私は思いますね。なぜ再就職は増えているのか、御説明をいただきたいんですが。 ○永岡国務大臣 現行の再就職情報、今資料の方にありましたけれども、届出制度が導入されて以降、届出件数の推移につきましては、おおむね年間四十件から六十件程度で推移をしておりまして、これは特段増加傾向にあるとは言えないと考えております。  また、四十代以降で管理職になって早期退職をする方がいたということもあろうかと思っております。 ○梅谷委員 今、増加にならない見通しだと言いましたけれども、一年当たり六十件だということをお話しされて。そうすると、これは六年間ですから、二百九十四で、ここに平成二十九年度を入れないにせよ、二百五十七足す百八十、だから六十の三年間ですね、百八十人足しても四百三十七件になるんですよ。増えるんですよ、大臣がおっしゃったこの六十件というのを当てはめていくと、一年当たり。  それで、恐らく、再就職した当人たちの努力というのももちろん否定はしません、ただ、事件前は当人たちが努力しなかったわけでもないでしょうから、あっせんがないというのに数字が変わらないどころか増えるというのはおかしいということを私は改めて指摘をさせていただいて、次に移ります。  文科省の資料によると、直近四年余りの再就職の数は二百五十七件、今申し上げました。このうち、国公立大学や学校法人に再就職した件数は幾つでしょうか。 ○井上政府参考人 先生今御指摘のデータについては、今手元にございませんので、また後日お知らせをさせていただければと思います。 ○梅谷委員 通告していたはずですけれどもね。  私が数えたところ、百八件、実に四割が大学だったんです。さらに、その内訳を見ていくと、同じ大学の名前が何回も出てきます。例えば学校法人玉川学園。  時間が終了しちゃったので、じゃ、これで終わりにしますけれども、引き続きどこかの機会で議論をさせていただきますが、一つ、これだけ言わせてください。  他省庁も含めて、OBが抜け穴になっているという指摘はもうさんざんされているんですね。指摘が以前からされているんです、天下りあっせんについて。正当な再就職は守りつつも、政府は、OBによるあっせんについても一定の制限をかける仕組みを検討すべきであり、法改正か議員立法、我々としては議員立法を視野に入れながら、規制をしていく必要性を指摘させていただいて、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。 ○宮内委員長 次に、青山大人君。 ○青山(大)委員 ふだんはほかの委員会ですけれども、今回質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。  それでは、早速質問に行きます。  二月の予算委員会分科会におきまして、不登校の支援について質問しまして、永岡大臣と議論させてもらったんですけれども、その後、三月末に政府の方で、誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策、COCOLOプランが発表されたわけでございますけれども、その主な取組のところに、まず一番目のところに不登校特例校の設置促進とございますけれども、これは具体的にどういった取組を進めていくのでしょうか。 ○藤原政府参考人 お答えいたします。  小中高等学校で不登校の児童生徒が約三十万人と過去最多になったこと等を踏まえ、三月三十一日に、不登校の児童生徒全ての学びの場を確保し、学びたいと思ったときに学べる環境を整えることを含む、誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策プランを取りまとめたところでございます。  本プランにおきましては、不登校特例校や校内教育支援センターなどの多様な学びの場を確保することとしており、特に不登校特例校について、早期に全ての都道府県・政令指定都市に、また、将来的には希望する児童生徒が居住地によらず通えるよう、分教室型も含め全国三百校の設置を目指すこととしているところでございます。  その中でも、いわゆる分教室型という、学級を単位とした小規模な不登校特例校を設置する場合、公民館等の一室を活用した設置も可能であり、様々なニーズに応じた不登校特例校が設置されるよう周知をしてまいりたいと考えております。 ○青山(大)委員 それに対して財政措置はどういうのがあるんでしょうか。 ○藤原政府参考人 不登校特例校につきましては、基本といたしまして、現行の義務標準法に基づく定数配置ということが可能なわけでございますけれども、それに加えて、様々な加配といったような措置も含め、こうした設置の促進を図ってまいりたいというふうに考えております。 ○青山(大)委員 それでは、このCOCOLOプランの主な取組、一の次に書いてあります校内教育支援センター、いわゆる校内フリースクールのことだと思うんですけれども、これについては具体的にどういうふうに取り組んでいくんでしょうか。 ○永岡国務大臣 校内教育支援センター、今先生おっしゃいましたように、校内フリースクールというように呼ぶ方もいらっしゃるかもしれません。自分のクラスにいづらいときですとか、不登校の兆候のある早期の段階に、学校内で安心して学習をしたり、相談支援を受けたりすることができるという点におきまして、その設置を促進するということは大変重要であると考えております。  このため、文部科学省といたしましても、好事例の周知ですとか、支援スタッフの配置支援等を通じまして、校内教育支援センターの設置促進を進めているところでございます。  他方、不登校特例校は、原則といたしまして、既に不登校を経験した児童生徒に対して弾力的な教育課程を編成をして、そして体験的学習時間を多く確保することなどによりまして、基礎学力の定着と社会性の育成を狙いとした柔軟な指導、そして支援等を行う学校でございまして、その設置の目的や対象となる児童生徒が校内教育支援センターとはちょっと異なるのかなというふうには考えております。  以上です。 ○青山(大)委員 じゃ、校内フリースクールを自治体が設置する際に、どういった財政的な支援があるんでしょうか。 ○藤原政府参考人 お答えいたします。  校内支援センターでございますけれども、これは、現在様々な形で各自治体がこの整備に取り組んでいるわけでございますけれども、専任の教員や指導員を配置しているという事例があるわけでございます。  そうした中で、文部科学省といたしましては、現在、学習指導員等の配置の事業を推進しておりますけれども、こうしたスタッフがこうしたセンターで働いていくということもその一つの方策であるというふうに考えております。 ○青山(大)委員 ここはしっかり予算措置をすべきだと私は思うんですけれども。  例えば、不登校特例校の設置ということで、先ほど御答弁で、居住地にかかわらずという答弁がございましたけれども、当然、仮に全国に三百つくったところで、元々不登校ということでなかなか学校に行けない子たちが、全国に三百あって、そこまでどうやって行くんですか、親がそこまで毎日送迎するんですかというのがございます。  そういった中で、校内フリースクールを、今、自治体が独自で設置しているところも増えてきております。非常に効果があるというふうにも伺っていますし、これは都会と地方でちょっと状況が違うかもしれませんけれども、地方ですと、そういった空き教室を活用してそういった校内フリースクールをつくる、ただし、そこの財政的ないわゆる支援が全くないというような状況でございます。  このCOCOLOプランに、校内教育支援センター、すなわち校内フリースクールの設置促進と書いた以上は、今後しっかりそういった予算措置をすべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。 ○藤原政府参考人 お答えいたします。  今御指摘ありましたように、不登校の対策を進めていく上で、不登校特例校の設置も重要でございますし、また、各学校でそうした様々なサポートの場を設けていくということも非常に重要だと思っております。子供たちの状況に応じて多様な場を確保していくという観点で施策を進めているところでございます。  その際に、財政的な支援ということでございますけれども、現在、私ども、申し上げたように、教員の加配や学習指導員の配置などの事業を進めているわけでございますが、今後、更に規模的な拡大を図っていく上で、様々な支援方策ということも併せて検討してまいりたいと考えております。 ○青山(大)委員 不登校特例校の際は、上限五百万円で、そういった設置するような費用の補助があるというふうに聞いたんですけれども、そういったのは校内フリースクールの設置などには使えるんでしょうか。 ○藤原政府参考人 お答えいたします。  不登校特例校の設置の推進を図りたいということで一定の経費を措置をしているわけでございますけれども、これは、不登校特例校は、かなり現場にとってハードルが高いというふうに思われているところがございます。どういった形で不登校特例校をつくっていけばいいのかということについての、まだ試行錯誤の面もあるわけでございますけれども、そうしたところを後押しをしていくという観点でこうした事業を進めているわけでございますけれども、一方、校内の支援センター、こちらの方は、ちょっと取組のアプローチが違うわけでございまして、直接今申し上げた事業が使えるというわけではございません。  ただ、これは、先生御指摘のように、今まさに各現場で取組が始まっているというところでございますので、その他の方策、特にいろいろな情報の収集、提供といったことを始め、支援方策を考えてまいりたいというふうに存じます。 ○青山(大)委員 ちょっと、全く議論がかみ合っていないので、これは途中、もし大臣、答えられたら答えてほしいんですけれども、要は、僕は、不登校特例校の設置促進というよりは、やはり身近な学校で空き教室なんかを活用したりとか、環境を整備して校内フリースクールを進めた方が、私は、費用もそうですし、そして不登校支援の効果が高いというふうに思っております。現場の人からもそういった声を聞いております。  先般も、これは九都県市の首脳会議ですかね、首長さんたちからも、校内教育支援センター、校内フリースクールにおいて、その環境整備とか、費用について、国が十分な財政措置を行うことなどを要望したと。多分、そういった要望があったと思うんですよ。多分、本当に首長さんたちは切実な要望だと思うんです。  今、私の地元の茨城県つくば市でも、市独自で、二十万人の町なんですけれども、市内の全小学校に校内スクールの整備ということで、独自で踏み切って行っております。そんなに、それぞれの学校、立派な改修は必要ないんですよ。ただ、そんなに予算はかからないかもしれないけれども、数が多い中で、それも当然かかってくるし、また、人員の配置もある中で、市としては、会計年度任用職員ということでそういった配置をしているというふうに聞いていますけれども、せっかくここのCOCOLOプランに校内教育支援センターの設置促進と書いた以上は、そこはしっかり予算措置も含めて検討してほしいなと思っていますけれども、いかがでしょうか。 ○永岡国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたように、不登校特例校と、それから先生おっしゃいます校内フリースクール、校内教育支援センターでございますが、やはり、校内支援センターの方は、好事例の周知や、また、支援スタッフの配置支援などはもうやっております。校内教育の支援センターの設置促進、これも進めているわけでございます。  しかしながら、不登校特例校の役割というのは、一旦不登校になってしまった子供たちをいかにして対応するかということに重きが置かれておりますし、また、校内フリースクールの方は、どうも予兆があるような子供たちにとりましては、当然のことながら、今行っている学校で対応していただけるというのでよいかと思っております。  特に今のつくば市のお話、全ての学校で校内支援センターができるということは、大変私も驚きましたし、大変すばらしいことかなと思っておりますが、仮に不登校になったとしても、また、不登校になりそうな子供たちがいたということに対しまして、しっかりとした、今回のCOCOLOプランを通じて、不登校により学びにつながることができない子供たちをゼロにすることというものを目指したい、そういうふうに考えております。 ○青山(大)委員 分かりました。  ちょっと時間がないので、次の質問に行きますね。教員業務支援員の拡充について伺います。  これも本当に現場では非常にありがたがられる制度でございまして、また、これもどうしても国と都道府県の負担割合が、国が一で都道府県が一対二ということで、コロナのときは様々なコロナ関係の交付金もあって支援員の拡充も進んだんですけれども、今後、もちろん国としては支援員を拡充していきたい、しかし、本当に都道府県でしっかりそこの裏負担ができるのかという中で、もちろん交付税措置もしているというふうには聞いていますけれども、しっかりそこは文科省として、都道府県に対しても、各自治体から、必要に応じた教員業務支援員については都道府県もしっかり手当てするということで、改めて国から各都道府県にそういった通知なりを出してほしいと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ○藤原政府参考人 お答えいたします。  教員業務支援員は、学習プリント等の準備や採点業務、来客、電話対応等を行うことを通じ、教師の負担軽減を図り、学校における働き方改革を推進するために配置するものであり、教師がより児童生徒の指導や教材研究等に注力できる体制の整備に大きな役割を果たしているというふうに認識をしております。  令和五年度予算におきましても、一万二千九百五十人分の配置を可能とする経費を盛り込んでおり、前年度と比較しても配置の充実を図っているところでございます。  なお、教員業務支援員の配置に係る経費のうち、三分の一は国が負担、都道府県、政令市が負担する分、三分の二につきましては地方財政措置が講じられているところでございます。  今後、その効果もしっかり周知を図りながら、都道府県も含め、その配置が進むように、しっかりと努めてまいりたいと考えております。 ○青山(大)委員 ちょっといま一度、都道府県の方にはしっかりそこの徹底の方をお願いいたします。  次に、いじめ関係なんですけれども、ちょうど年度の替わり目でもございますし、学校でいじめがあった場合、児童生徒からすると学校の先生に相談するというのが一般的かなと思うんですけれども、とはいえ、いろいろないじめの事件とかの報道を見ると本当につらい思いになる中で、やはりそういった外部の相談窓口、子供たちが気軽に相談できるような窓口が必要だということは言うまでもないわけでございまして、多分、文科省さんとか各省庁さんもいろいろやられていると思うんですけれども、そこがしっかり子供たちに伝わっているのかというところだと思うんですよね。  私もたまに学校に行きますけれども、廊下とかにはそういった、こういう窓口があるよと貼ってあるんですけれども、私は、そういう窓口を各教室に貼ってもらうとか、本当にそういうふうに子供たちの常に目につきやすいところに貼ってもらったりとか、ある意味、それがいじめの抑止効果になるんじゃないかと思っております。是非そういった周知の方法を工夫してほしいというのが一点目の質問。  そして、もう一点目は、各省庁、窓口があるんですけれども、弁護士会がやっている、各都道府県にいじめ相談窓口があります。これが、利用した方の話を聞くと、非常にいいという話も聞きます。文科省さん、そういった弁護士会のいじめ相談窓口なんかとは連携されているのか、二点目の質問をさせてもらいます。 ○藤原政府参考人 お答えいたします。  いじめを含む様々な悩みを抱えた子供たちがいつでも相談できるような体制を整備していくということは極めて重要だと存じます。  こうしたため、文部科学省では、これまでも、二十四時間子供SOSダイヤルや、あるいはSNSの相談窓口、また、法務局が実施している子どもの人権一一〇番など、様々な相談窓口を情報周知しているところでございますけれども、今お話がありましたような弁護士会などの相談窓口の情報提供を含め、今後、そうした情報につきまして更に周知が図られるように努めてまいりたいと存じます。  また、教室内での掲示の仕方等ということでございますけれども、年度末であるとかあるいは長期休業前など、そうした時期に集中的にそうした情報周知を図っているところでございますけれども、各学校においてもそうした取組を進めておられるというふうに存じます。  文部科学省としては、パンフレット等の配布に係る費用も支援をしているところでございますので、こうした取組が進むように努めてまいりたいと存じます。 ○青山(大)委員 済みません、ちょっとこれも、局長よりも、大臣、簡潔で結構ですけれども、本当にそういった、今、元々あるパンフレットを廊下とかじゃなくて教室に貼るだけでも私は目に見える抑止効果があると思いますし、是非、弁護士会のいじめ相談の窓口なんかを含めて、もうちょっと文科省、連携してほしいなと思いますけれども、大臣の見解をお伺いします。これはそんなに予算はかからないことですので、私はすぐにできると思っていますけれども、いかがでしょうか。 ○永岡国務大臣 青山議員おっしゃいますように、パンフレットまたポスターを教室内に貼るという大きな御提言をいただきました。  いじめをなくしていくためには、やはり、いじめは絶対に許さない、そういう気持ちと、社会全体の意識、いじめはいけないんだ、そういう意識を共有しなければいけないと思っております。やはり、児童生徒を加害者にも被害者にも傍観者にもさせてはいけない、そういう教育を実現することが必要なんだと思っております。  このため、学校におきましては、道徳教育ですとか体験活動といった教育活動の中で、立場ですとか意見の異なる他者を理解する能力など、いじめを未然に防止をするための力の育成を促すとともに、いじめを積極的に認知をして、組織的に早期発見そして早期対応に努めることを促しております。  さらに、いじめの未然防止、早期発見、早期対応の観点から、令和五年二月に通知を発出いたしました。学校が警察と日常的に情報共有ですとか相談ができる体制の構築などを周知徹底したところでございます。 ○青山(大)委員 大臣、同じ茨城同士なので、また後、しますけれども、最後、もう一点だけ。  図書館の件でなんですけれども、図書館での書籍の貸出しと著作者への対価について伺います。  ヨーロッパでは、図書館の貸出しに関して、作家への補償金などの対価が支払われる仕組みを採用している国もございます。本の貸出数に応じて著作者へ何らかの補償、対価を払うことや、新刊については図書館での貸出開始までは一定の期間を空けるなど、作家保護の視点が、今の時代、必要かなと思っています。平成十五年、十六年の頃の著作権法の改正で書籍の貸与権の議論が一時盛り上がりましたが、その後の議論の進捗はいかがでしょうか。作家保護、文化育成の視点からも再度検討を始めるべきと考えますが、質問させていただきます。 ○杉浦政府参考人 お答え申し上げます。  文化芸術の振興のため、作家を含めたクリエーターの権利保護は重要と考えております。  図書館における本の貸出しにつきましては、その公共的なサービスとしての性質を踏まえ、非営利かつ無料で行われる場合には、著作権者の許諾なく行うことができることとされております。  この点に関連して、委員御指摘のような著作者への補償を行うべきではないかとの議論は、委員御引用されましたとおり、過去に文化審議会で審議が行われた経緯がございまして、その際には、著作権者、図書館双方が協力して検討したいとの意向でございましたが、現在まで合意には至らなかったものと承知しております。  また、御指摘のような新刊の貸出開始までの期間の取扱いなども含めた公立図書館の運営に関しましては、一般論ではございますが、自治事務とされておりますことから、住民の要望等に応じて、各地方公共団体において適切に判断されるべきものとされております。  いずれにしても、こうしたことから、文化庁といたしましては、今後とも、図書館における利用も含めた公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護に努めてまいりたいと考えております。 ○青山(大)委員 以上です。ありがとうございました。 ○宮内委員長 次に、森山浩行君。 ○森山(浩)委員 おはようございます。立憲民主党、森山浩行でございます。  この文科委員会、大臣のリーダーシップをもってやっていただかなければいけない問題が山積をしておりまして、またなんですけれども、統一教会の解散命令請求、これが、四月の二十五日が回答期限になっていますけれども、そろそろ返ってきましたか。 ○合田政府参考人 事実関係に関することでございますので、私からお答えをさせていただいておりますが、四月二十五日の回答期限の回答が既に来ておるのかという御質問かと承りましたが、まだ到達いたしてございません。 ○森山(浩)委員 これは多くの被害者を出し、また国民の関心事でもございます。  この解散命令請求、本人たちからの言い分ということだけではなくて、ほかの調査も併せて進めて、早急に結論を出していかなければならないと思いますが、改めて、大臣、よろしいですか。 ○永岡国務大臣 旧統一教会につきましては、これまで、宗教法人法に基づきまして、五回にわたりまして報告徴収、質問権を行使をして資料の提出を求め、そして具体的な証拠や資料などを伴います客観的な事実の解明を着実に進めております。  解散命令の要件というのは宗教法人法で厳格に定められておりまして、この要件に該当するかどうかの判断に当たりましては、法人の活動に係ります十分な実態把握と具体的な証拠の積み上げが不可欠と考えております。  そのために、報告徴収、質問権の効果的な行使を通じまして、旧統一教会の業務等に関して具体的な証拠そして資料などを伴う客観的な事実を明らかにするための丁寧な対応を着実に進めて、その上で、法律にのっとりまして必要な措置を講じてまいりたいと考えております。 ○森山(浩)委員 団体に対してきちんとした証拠を積み上げた上でやるんだということなんですが、これも、これ以上被害者が増えないようにという観点もあります。大臣のリーダーシップに懸かっているかと思いますので、ここはしっかり頑張っていただきたいと思います。  給食費の無償化について、先ほどもありましたけれども、我々の方は法案まで出して具体の提案をしています。それに対して政府・与党側がしっかりと、やりますよと言ったままで放置をするのではなく、きちんと内容について明らかにしていただくということが大事なわけです。先ほど統一地方選挙の話もありましたけれども、国政の選挙もやっていますね。回っていると、いや、両方おっしゃっているけれども、政府の案というのは何なんだというふうに聞かれることもあります。これはしっかりとオープンにしていただきたいと思いますけれども、これもリーダーシップをもってやっていただけますか。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  学校給食の無償化につきまして、一部の自治体ですとか学校で学校給食自体が実施をされていない状況もあることなどから、今後、課題を整理する必要があると考えております。  小倉大臣が取りまとめました子供、子育て政策のたたき台の中でも、学校給食費の無償化に向けて、給食実施率ですとか、あと保護者負担軽減策などの実態を把握しながら課題の整理を行うとされております。  総理の下に設置されましたこども未来戦略会議におきまして、子供、子育て政策の強化に向けて更に議論を深めるとされていることから、文部科学省といたしましても、こども家庭庁と連携しながら対応してまいりたいと考えております。 ○森山(浩)委員 昭和二十六年からの議論ですから、ここにいらっしゃる皆さん、みんな知っていますけれども、何十年かかるんだという話であります。  これがコロナの対策によってたまたまスタートをしたというようなことも実態としてあるわけで、コロナの対策については、GIGAスクール、これも進みましたよね、これのランニングコストは今後どうなるのか、五月八日を越えた後はどうなんだというようなことも自治体は心配をされています。あるいは、コロナによって外に出る機会が減って体力が低下したのだというような実態も報告をされているという状況でありますので、こういった部分も、コロナ後の、この間の傷ついた子供たち、あるいは十分な対応ができなかった部分、これを埋めていくというところ、あるいはコロナ対策で特別にスタートをしたけれども、これがまだ、スタートしたままで途中で途切れるというようなことがないようにしていただきたいと思います。  これは通告していませんけれども、お答えいただけますか。 ○永岡国務大臣 ただいまはコロナ後の重要な視点、御意見をいただいたと思っておりますので、しっかりと議論をしながら検討させていただきたいと思っております。 ○森山(浩)委員 やはり自治体なんかは一年単位でしか動いていない、予算はそういうものですから。次の予算をつくるというときに、国からの予算がちゃんとあるのかというのは自治体にとってはもう死活的に重要な問題であると思いますので、早くこれは結論を出していただきたいと思います。  我々、これもこの委員会でこの間ずっと積み残しなんですが、請願を、最終日に、議論をすることなく先に送るというようなことが続いています。  公私間格差、高校あるいは私立学校についての公私間格差というのが非常に開いている、これを何とかしてほしいというのはもう何年も何年も請願に来られて、請願の紹介議員になっている方も多くいるし、昼休みなんかに多くの保護者や先生方が押しかけてこられて、内容を聞いてくれというのに対しては、与野党を超えて多くの議員がそこに参加をして、頑張りますと言っているんだけれども、どう頑張っているのかというのが形になっていないというようなこともあります。  請願について、しっかりこれを議論しましょうということを委員長に申し上げていますけれども、やりましょうよ。 ○宮内委員長 委員会におきまして、また両筆頭を含めて、前向きな調整を、議論をしていただきたいというふうに思います。 ○森山(浩)委員 そうなんですね。だから、この公私間格差というような問題、具体にたくさんの御提案をいただいております。我々野党側としては、常にこれをしっかり議論しようと言っておりますけれども、与党の皆さんも是非乗っていただいて、頑張りたいと議場の皆さんにお呼びかけをしたいと思います。  先ほど梅谷委員から、天下りの点検について具体の話をさせていただいております。これについては引き続き議論をしていきたいと思いますが、我々の方から、衆議院の予備的調査ということで、これは内閣委員会宛てにということでお願いをするということになっておりますけれども、法律で、あるいはルールで決まっている二年以降の次官級の皆さんの行き先について、これを調査して報告をしてくださいというふうにお願いをしておるところなんですね。  二年以降の次官級の皆さん、これは正式な書類がないのは知っています、そういうルールになっていないので。これは調べることは可能ですか。 ○井上政府参考人 お答えさせていただきます。  再就職状況の把握につきましては、先生御指摘のとおり、国家公務員法によりまして、管理職経験のある国家公務員は、その離職後二年間、届出が義務づけられておりますが、この二年を超えた後の再就職については、国家公務員法上、届出の義務はなく、文部科学省は把握していないところでございます。 ○森山(浩)委員 そういう制度は分かっているんですけれども。ですので、もし、総括的に出すことができないということであれば、この方はどこにいますかというのを一人一人聞いていかなきゃいけないということになってまいりますので、御努力をいただいて総括的に出していただいて、今、組織的にあっせんをしていないのだというところにとどまらず、具体的に大丈夫だよというふうに説明できるようにしていただきたいし、それを基に議論をしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。  先ほど梅谷委員の質問の中で、四十代での早期退職が増えているというようなことも把握が難しい原因の一つだということがありました。  ちょっとずれますけれども、四十代の早期退職が増えている理由というのは、御認識ありますか。 ○井上政府参考人 四十代の職員の早期退職が増えておるということでございますが、辞めた理由につきましては様々な理由があると思いますが、これは、統計的に、体系的に、きちんとデータ、様々な分析はございますけれども、必ずしも、正直に申しまして、明確な因果関係等を測るのが難しいところでございますけれども。  文部科学省といたしましては、時代の流れに合わせて、外と中の行き来なども活発になってきている中、どのようなふうに文部科学省において働いていただくのが、若手職員が働くのがいいのかということを、鋭意、省改革の取組でやっておりますので、これをきちんと進めてまいりたいと思っております。 ○森山(浩)委員 勤務の管理というところでいうと、中にいる方についてはコミュニケーションが取れるわけですが、辞められた方がどうだったかという部分については、辞めた後に聞くわけにはいきませんので、お辞めになるというときには、どうしてなの、どんなことが文科省は改革したらいいんだろうかというようなことも含めて聞き取りをしていただくというようなことも、今後是非やっていただきたいなと思います。  天下りの部分。断る基準というんですか、例えば、うちにこの人が欲しいんだと言われたときに、それはいけませんよ、あるいは、途中で派遣をしてほしいというようなときでも、それは駄目ですよというようなときに、こういう形のものは受け入れられるけれども、これは受け入れられないという、断る基準みたいなものというのはありますか。 ○望月政府参考人 お答えいたします。  国立大学等の例を取りますと、大学からのニーズ、例えば、学部の改組、国際化の進展、施設の老朽化等、そうした大学からのニーズを詳細にこちらとしては確認しまして、その場合に、法人で十分に活躍ができると見込まれる者を必要に応じて派遣をさせていただく。  その一方で、求めがありましても、その求めに合った時期に出向をさせることができないといったような状況、あるいは適任者がいないといったようなこと、時期もございます。そういった場合には出向させないという判断も行っているところでございます。  いずれにしましても、大学等から要請がありましたら、引き続き、コミュニケーションを大学等とも取りまして、適切に対応したいというふうに考えてございます。 ○森山(浩)委員 こんな理由じゃ駄目だよというよりは、状況によって出せないこともあるというようなお答えだったと思います。  天下りについては今後も議論をしていきたいと思います。  ブラック校則です。ブラック校則について、変えていいんだよ、あるいは変えようというようなことを、チーム学校による生徒指導体制、生徒指導提要の改訂版ということで、十二月に出していただいているということなんです。  児童生徒が自ら提案に関わっていく、あるいは提案をするというような形での校則の改廃というようなものは望ましいことだと思いますが、いかがですか。 ○永岡国務大臣 校則の見直しに児童生徒が参画するということ、自ら校則を守ろうという意識の醸成につながることも、身近な課題を自分たちで解決をするという経験など、教育的な意義があることというふうに思っております。昨年十二月に改訂をいたしました生徒指導提要においてこれは示させていただいているところでございます。また、こうした経験というのは、社会を生き抜く力ですとか、地域の課題解決、社会の構成員の一人として主体的に担うことができる力を育むことになるということにもつながるなというふうには考えているところでございます。  文部科学省といたしましては、改訂をいたしました生徒指導提要がしっかりと現場で理解をされて、活用をしていただくことが重要と考えておりまして、引き続きまして、生徒指導担当者向けの説明会などでの周知、好事例の紹介等を通じまして、現場への浸透を図ってまいりたいと考えております。 ○森山(浩)委員 先日も、これについては、社会を変えるということの成功体験ということから、投票率の低下などにもいい影響を与える、これが社会の中の一員として育っていくというのに非常に大事だということの議論をさせていただきましたが、先日のNHKの報道におきまして、大阪の建国高校、高校生ですけれども、生徒の生理休暇について、これは、子供たち、生徒からの提案により三年前からスタートしているという報道がありました。  この生理休暇という部分については、先生方については割ともう前からあるんですよね。ところが、生徒たちはなかなかそこに至っていない。でも、欠席日数が増えると、例えば、大学への推薦の不利になるんじゃないかといったことで、無理して行って、倒れて、保健室に行くというようなことも含めて、事例というのはもう大変な事例が出てきているという中において、せめてこれは出席停止というような枠組みの中に入らないのか、いわゆる欠席日数が増えて評価がマイナスになるようなことがないようにしてほしいというようなことから、三年前からスタートをされていて、今、各地の学校から視察等も問合せ等も増えているということなんですけれども、高校生の生理休暇、これは望ましいですか。 ○永岡国務大臣 生理というものは、本当に個人個人で大分、痛みであるとか激しさというものが違いまして、それぞれ、一概に言えるというようなものではないと思っております。  児童生徒が病気又はその他の事故で学校を休んだ場合には、指導要録におきまして欠席日数として記録をすることになっております。  一方、非常変災等児童生徒又は保護者の責任に帰すことのできない事由で欠席した場合ですとか、選抜のための学力検査の受検その他教育上特に必要な場合などで、校長が出席しなくてもよいと認めた場合は、出席停止、忌引等の日数として記録することができることになっております。  このため、一般的に、児童生徒が、月経に伴います症状によるものも含めまして、体調不良により学校を休んだ場合は欠席として扱われているものと承知はしております。  ただし、例えば、入試などにおきまして、月経に伴います欠席の日数が影響するといったようなことがあるならば、それは望ましいものとは考えられません。  今後、どのような対応が適切なものか、関係者の意見を聞きながら、しっかりと検討してまいりたいと思います。 ○森山(浩)委員 学校で自由にやっていいよということだというところまでが現在の状況だということですけれども、これは、校内の推薦の順位を変えるんだということであれば校長先生の判断だけでいいわけですけれども、一般的な推薦入試、AO入試、いろいろな形があります。  そのときに、欠席多いな、この子というようなことで、わざわざそれは制度がなければ書いていないわけですので、大学側は見ることができないということを思うと、やはり、別枠にしておくというようなことについても選択肢として重要ではないのかなと思っておりますので、是非御議論いただきたいし、このブラック校則の話、あるいは生理休暇の話を含めまして、関係者、先生に伝えるだけではなく、中学生、高校生、生徒の方にも直接呼びかけをする、大臣、発信力がありますので、大臣からしっかり子供たちに向けてというようなメッセージも出していただくということも是非検討いただきたいと思います。  昨日、全国学力・学習状況調査、いわゆる全国の共通テストですね、令和五年度、行われています。中三と小六ということでありますけれども、これが、全体の平均点であるとか、自分ができたところ、できていないところをチェックをするというような部分に利用されるということは理解ができるのですが、全体でやることの可否というのは別の問題としてありますけれども、しかしながら、自治体の中で、うちの市は、あるいはうちの県は何位だというようなことを平均点をもって一生懸命アピールをされる首長の皆さんもいらっしゃる、あるいは、そういうのが議論になる、アピールになる、あるいは、低いから駄目だという話になるということですけれども、五十点が五十人であっても平均は五十点。二十五人が零点、二十五人が百点であっても平均は五十点。全然状況は違うわけですけれども、この学力の検査における平均点というのはどういう意義がありますか。 ○永岡国務大臣 今お話ありましたように、平均点のことのみを取り上げるというのは意味がないというのは、確かにそのとおりだと思っております。  全国学力・学習状況調査は、児童生徒の学力や学習状況を把握をいたしまして、分析をして、全ての教育委員会や学校におきまして、調査結果の活用を通じた教育施策や児童生徒一人一人への教育指導の恒常的な改善充実を図ることを目的として実施をしているものでございます。  御指摘の平均正答率というのは、児童生徒の学力ですとか学習状況の一面を示す情報ではありますが、本調査の目的を達成するためには、得られたデータを様々な側面から分析をする必要があると考えております。  このため、本調査の実施後には、平均の正答率だけではなくて、児童生徒の解答内容を整理をした解答類型ですとか、あと、生活習慣や学習習慣に関する質問紙調査と正答率との相関関係など、多様な情報を公表しております。また、調査問題を基にいたしました授業アイデア例など、学校におけます授業の改善に資する資料を提供しているところでございます。  文部科学省といたしましては、本調査の結果を活用いたしまして、教育委員会や学校における教育指導の改善充実に役立てられるような、そういうものに必要な資料、その提供にしっかりと努めていきたいと思っております。 ○森山(浩)委員 文科省としては平均点にこだわるなということであるけれども、それが現場まで伝わっていないということなんですよね。  例えば、道路を挟んで、うちの中学校区は地価が高いけれども向こうは低いなんというようなところにまで影響する。文教地区だから、ここに住んだらいいですよというようなことが起こっております。つまり、学校別あるいは市町村別、都道府県別、これの平均点を競うという状況をつくってしまっている。文科省はそんなつもりはないですよということですけれども、ここは、そんなつもりはない、それは望ましくないということをしっかりと発信をしていただくということが大事で、でないと、市町村の議会などでもこれは随分取り上げられています。平均点が上がった、下がったという話は非常に大きく取り上げられています。  逆に、埼玉県などでは、生徒の伸び率というものをもって、この学校は頑張っているねというようなことの評価につなげるというようなやり方もしていますので、いろいろな事例を参考にしていただいて、それこそ好事例、こういう使い方はいいよ、あるいは、平均点にこだわった発信はよくないよというようなことも含めて、これも発信をしていただきたいと思います。  さて、公私間格差あるいは教育の格差の中で、ランドセルの価格が上がっています。なかなか、ランドセルを、お兄ちゃんお姉ちゃんのお古を背負うとか、あるいは安いのを背負っているとか、そういうようなところがいじめにつながったりというようなことも散見をされます。価格が上がり過ぎることによって、非常に課題になってきている部分もあるわけですけれども、文科省としては、小学校一年生、ランドセルを背負うべきというスタンスですか。 ○藤原政府参考人 お答えいたします。  文部科学省においては、通学の際に用いるかばんを統一的に定めておらず、通学時のかばんをランドセルとするか否かは、各学校において適切に判断すべき事柄であると考えております。 ○森山(浩)委員 でも、入学のときはランドセルですよというのが一般化をしており、また、ランドセルが望ましいというような空気ができている。ランリュックだったら駄目なのか、いや、いいか悪いかが大議論になるというようなことが現場で起こっていますし、保護者になる前なんですね、小学校一年生に入る前の段階でこれは買わなきゃいけませんから、保護者にお伝えをするというのも非常に難しいわけなんですけれども、ランドセルにこだわらない、あるいはランドセルを背負うべきと言ったことはないということでいいですか。 ○藤原政府参考人 先ほどお答えいたしましたように、文部科学省においては、通学の際に用いるかばんを統一的に定めているというものではございません。 ○森山(浩)委員 そうなんですね。文部科学省は言っていないけれども、現場ではそんな感じに受け取られているということが非常に多いと思います。  こういったことも、市議会の議論なんかでも、本当にいいのか、駄目なのかみたいな話になっちゃっているというようなことも含めて、これは決めていませんよ、自由にしていいんですよというところ、あるいは、こういう使い方は望ましくありませんよ、今日、幾つかの話をさせていただきましたけれども、はっきりと伝えていただくというのが大事だと思います。  チーム学校において、教員以外のスタッフ、これを充実をさせるという方向になっていますけれども、この充実、そして、コロナ禍において膨らんだけれども今後どうなるかという部分の財源について、大臣のお考えをお伺いします。 ○永岡国務大臣 チーム、スタッフのことについてお聞きいただきました。  学校におけます働き方改革を推進するためには、学校の事務職員ですとか教師の業務を支援するスタッフ、心理や福祉等に関する専門家等との連携を進めまして、教師が教師でなければできない仕事に全力投球できる環境の整備というものが重要だと思っております。  このため、文部科学省では、令和五年度の予算におきまして、事務機能の強化のための学校事務職員の加配定数の改善のほか、教員業務支援員ですとかスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等の支援スタッフの配置支援充実などに必要な経費を盛り込んでいるところでございます。  文部科学省といたしましては、引き続きまして、学校事務職員を含めます教職員定数の改善ですとか、あとは、教員業務支援員を始めといたします支援スタッフの充実を図れますように、しっかりと予算の確保をしてまいります。 ○森山(浩)委員 ありがとうございます。  学校の事務職員については、予算委員会でも、地方創生の大臣からも前向き答弁をいただきましたが、Uターンの際の切り札にもなるんだというようなことも含めて、総合的に予算確保をお願いしたいと思います。  以上で終わります。 ○宮内委員長 次に、早坂敦君。 ○早坂委員 日本維新の会の早坂敦でございます。  本日は、会派を代表して質問させていただきます。  初めに、旧文通費に関する質問を行いたいと思います。  財務省によれば、日本の現在の国民負担率は四六・八%、国民負担に財政赤字を加えた潜在的な国民負担率は五三・九%となる見通しです。国民は、稼いだ収入の半分以上が国に持っていかれるということになります。  そのような中、岸田政権の打ち出す政策は、全ての財源として、増税や借金など更なる国民負担を求めております。防衛費の財源は増税、少子化対策の財源は保険料値上げが予定されております。歳出削減や、経済成長による増収をもたらす規制改革など、痛みを伴う改革が全く足りず、財源が必要になったら取りやすいところから取って、自分たちの身や既得権を守るという姿勢は、到底容認できません。  国民の負担を強いるならば、まずはそれを求める国会議員から始めるべきではないでしょうか。既に約束している調査研究広報滞在費の改革くらいできなくては、政治家が国民に負担をお願いする資格はないと思います。  昨年の国会中に既に案がまとまりましたが、今国会、昨年の国会で結論を得るとの与野党の約束を自民党が一方的にほごにしました。岸田政権の中で国民負担をお願いしている大臣であり、かつ与党に属する政治家の一人として、この問題を放置したままでよいのかと考えるんですが、伺います。     〔委員長退席、中村(裕)委員長代理着席〕 ○永岡国務大臣 御指摘の調査研究広報滞在費、いわゆる旧文通費につきましては、議会政治ですとか議員活動の在り方に関わる重要な課題でございまして、これは各党会派におきまして議論いただくべきものと思っております。  国民の皆様方から御理解をいただける合意に至るよう、是非本格的な議論が進むことを期待をしております。 ○早坂委員 そもそも、この旧文通費の問題は、我が党の小野泰輔議員が口火を切り、日割り支給への変更、そして使途の限定、使途公開、未使用分の返還の四つの論点について議論を開始し、与野党で今国会中に結論を得ると合意しました。しかし、実現したのは、文通費の日割りで支給する法改正だけです。  我が党では、ネット上で使途公開を行い、残余について党に返還もしております。是非、与野党の皆さん、お願いを申し上げたいと思います。  続きまして、質問させていただきますが、前回の質問のときに最後に大臣に質問した件なんですけれども、消費者安全調査委員会の報告書についてちょっと質問させていただきます。  先月、消費者庁の消費者安全調査委員会、いわゆる消費者事故調から文科省に対して、学校の施設や設備などが原因で子供が死亡したり大けがをしたりする事故が起きているとして報告書が公表されました。主な内容は、一つ目に安全点検の改善、二つ目に緊急的対策の実施です。また、あわせて、文部科学大臣に報告書を踏まえた意見書を示されました。  つい最近、学校を取り巻く安全について改めて考えさせられる出来事が起きました。報告書が出される二日前、埼玉県の中学校で、不審者に教員が刺されるという衝撃的な事件が起きました。  本来、学びやである学校は、安全でなくてはならない場所です。今回公表された報告書でも、小中学校の設備が原因の死亡事故が、二〇一二年度以降は十年間で九件発生しています。そして、打撲や裂傷などの事故も、二〇一七年度以降の五年間で百三件に上がっております。  学校における安全に対する文科省の認識、考え方、また、前回も伺いましたが、改めて今回の報告書の受け止めを伺います。 ○永岡国務大臣 学校におきまして、児童生徒が生き生きと活動し、そして安心して学べるようにするためには、やはり学校安全の確保が重要でございまして、学校における安全管理が適切に行われて、児童生徒の安心がしっかり確保されるということが不可欠であると思っております。  今年三月三日の消費者安全調査委員会からの報告書におきましては、安全管理に関します手法の改善や担い手の支援、それから、学校内の死亡事故発生の可能性の高い箇所について緊急的対策について対応が求められておりまして、大変重要な御指摘を受けたものと認識をしております。  このため、文部科学省といたしましては、同日の三月三日付で各教育委員会等に対しまして、消費者安全調査委員会の報告書の周知とともに、特に、当該報告書におきまして危険事例とされた教室等のレイアウトについて適切な対策を講じるように要請を行いました。  引き続きまして、学校の安全点検に関する実証的な研究事業も活用しながら、報告書の内容を十分に精査をしながら、実効性のある学校の安全点検について検討を進めてまいります。     〔中村(裕)委員長代理退席、委員長着席〕 ○早坂委員 ありがとうございます。是非よろしくお願い申し上げます。  そこで、これまでの取組と、課題はこれから何かということについてちょっとお伺いをさせていただきますが、これまで文科省も学校安全の推進に積極的に取り組んできたと思います。平成二十年に学校保健安全法が成立し、その後、第一次、第二次学校安全推進に関する計画が策定され、平成二十八年に学校事故対応に関する指針が公表されました。昨年には第三次学校安全の推進に関する計画が策定されるなど、学校安全に対して施策を講じてきたと思っております。  私もこれまで指針や計画を拝見しましたが、とても細かく決められております。事故発生の未然防止の取組や事故発生後の取組、再発防止策、被害児童の保護者支援など、安全に対する考え方、取組について触れております。これだけ細かく決められていれば、そしてこれが実行できれば、問題がないように思われますが、現実には学校で事故や事件が起きてしまっております。  報告書でも、実効性のある安全点検が実施されていないと、実効性の不十分さを指摘されておりますが、これまでの取組と、これからの何が課題かと感じているか、伺います。 ○藤江政府参考人 お答え申し上げます。  学校における安全点検につきましては、学校保健安全法に基づきまして、毎学期一回以上、児童生徒等が通常使用する施設及び設備の異常の有無について系統的に行わなければならないこととされております。  このため、文部科学省におきましては、先ほど委員も触れていただきましたけれども、各学校における安全点検の取組に資するよう、安全点検の指導資料を作成、周知するなどして、各学校の取組を支援してきているところでございます。  一方、実効性ある安全点検のための課題につきましては、令和四年三月に閣議決定されました第三次学校安全の推進に関する計画におきまして、標準的な手法の検討が必要であること、そして、子供の視点を加えること、また、専門家との連携など実施体制の構築を検討することなどが挙げられているところでございまして、また、消費者安全調査委員会の意見におきましても、点検手法の改善と担い手の支援について課題が指摘されているところでございます。  文部科学省といたしましては、これらの課題を踏まえた安全点検の改善につきまして、学校現場や有識者会議の委員の意見等を聞きながら検討を進め、実効性ある取組の方向性を速やかに示してまいりたいというふうに考えております。 ○早坂委員 しっかり取り組んでいただきたいと思うんですが、私、前回も部活動の話をさせていただきましたが、部活動の地域移行とか部活動改革は、とても大賛成です。そこで、部活動の地域移行の際の安全点検や対策についてちょっとお伺いしたいんですが、報告書の事故例では、部活動の事故も見られております。  部活動の地域移行での活動で、学校施設内で学校設備が原因の事故においては、引き続き、施設管理者である学校側に安全点検の責任があるということになるんでしょうか。地域移行の運営主体にはどのような責務、責任が生じるのでしょうか。安全点検の主体は誰で、責任を誰が負うことになるのか、御説明をお願いいたします。 ○角田政府参考人 お答えいたします。  学校運動部活動から移行した地域クラブ活動において、事故防止を徹底して安全に実施するとともに、事故発生時の責任の所在を明確化することは重要だと認識をしております。  このため、昨年十二月に策定をした学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドラインにおきまして、地域クラブ活動の運営団体、実施主体は、活動における安全対策などの事故防止を徹底することになっており、一般的には、適切な指導の実施の観点から責任を負うこととなります。  また、学校管理下にある体育施設等の安全管理については各学校において日常的に実施されており、その施設設備に起因する事故については、態様にもよりますが、一般的には、学校設置者の権限と学校の責任において適切に対応いただくものであると考えられます。  こうした事故発生時の責任の明確化という観点から、ガイドラインでは、首長部局や教育委員会、地域スポーツ団体、学校関係者等から成る協議会等におきまして緊密に連携する体制を整備し、地域クラブ活動中の事故の対応を含む管理責任の主体を明確にし、共通理解を図ることとしております。  文部科学省といたしましては、子供のニーズに応じた多様で豊かな活動を安全、安心に実施できるよう、スポーツ環境の整備に取り組んでまいります。 ○早坂委員 外部の運営してもらう、部活移行とかに変わっていくとなると、普通はやはりスポーツ安全保険とかにみんな入っておりますから、安心なんですよ、けがしても、安心とは言いませんけれども。しかし、体育館の中で、上から、もしかして高いところから、地震があったりして落ちてくるという、電球が落ちてきたりするということもありますので、是非しっかり取り組んでいただきたいんですが、そこで、やはり、学校の先生に全部お願いするというのは、これはちょっときついんじゃないかな、これからと思いまして、安全点検に対しての外部人材の具体的な活用法について次に伺いたいと思います。  学校安全法に基づき、先ほども言っていただきましたが、毎学期一回以上の安全点検が義務づけられておりますが、具体的な点検手法は学校現場に委ねられているのが現実です。そして、安全点検の計画を作成するのも、安全点検を実施する主体も学校、すなわち教職員です。  報告書でも指摘されておりますが、今の学校の先生は本当に多忙で、安全点検にまで手が回らないのが現実だと思うんですが、そしてまた、専門知識のない教職員に安全点検の研修を受けてもらうというのも、多忙な先生を更に忙しくするだけで、現実的ではありません。多忙な教職員に学校の安全を任せきりにするのは、明らかに無理があると思います。  事故調の事故防止に向けた課題を問う複数回答アンケートでも、安全管理活動にかける費用が不足、それが七〇%、安全管理活動に十分な時間を費やすことを困難と回答した学校も六一%にも上がっております。あと、報告書では、安全点検に関する担い手の支援として、外部人材が促進されるよう支援することと指摘しております。  文科省としては、どのような外部人材を活用すると考えているんでしょうか。その際、費用はどうなるんでしょうか。  私から提案ですが、外部人材の活用としてであれば、防災士を考えてもよいのではないかと思います。学校施設や設備における安全点検箇所は、防災の観点からも重複する箇所は多いと思います。安全点検、防災点検をまとめてできるという利点もあると思いますが、いかがでしょうか。伺います。 ○藤江政府参考人 委員御指摘いただきましたように、学校における安全点検におきましては、校長や教職員だけでは困難な点もございまして、地域の実情を踏まえながら、消費者安全調査委員会の報告書でも言及された安全管理士ですとか、あるいは今委員御指摘いただきました防災士等の外部人材の知見等を活用することは重要であるというふうに考えております。  安全点検に関する外部人材の活用につきましては、先ほども申し上げました第三次の学校安全の推進に関する計画におきましても、学校設置者は、専門家との連携など施設設備の点検に関する実施体制を検討すること、国は、学校施設設備に関する専門的な視点からの安全点検の実施体制について、実態を把握し、必要な取組を強化することが指摘されているところでございます。  御指摘のように、各地域で外部人材をいかに確保するか等につきまして非常に課題もあるというふうに考えられますので、文部科学省におきましては、各学校において地域の実情を踏まえながら実効性ある安全点検ができるよう、外部人材の活用やそのために必要な支援につきまして、学校現場や有識者の意見を聞きながら、必要な検討を進めてまいりたいというふうに考えております。 ○早坂委員 よろしくお願い申し上げます。  本当に今、東日本大震災から、防災士の資格を取る方が大変多くなりましたし、また、やはり学校の先生に負担がかかるので、予算がかかります、是非予算を取ってもらって、外部の方を、ちょっと人材を入れていただいて、しっかりと点検していただきたいと思います。  そこで、次に、緊急点検の実施計画、安全点検の今後の方針についてちょっとお伺いしますが、報告書では、緊急的対策の実施として、緊急点検の実施、その結果を把握、検証することとされております。  今後、安全点検に対する方針、考え方、そして緊急点検の実施予定について伺います。 ○藤江政府参考人 消費者安全調査委員会の報告書に基づく意見具申におきましては、安全点検の改善と緊急的な対策の実施が求められたところでございます。  このうち、緊急的な対策の実施につきましては、先ほど大臣からも御答弁させていただきましたけれども、死亡事故が発生する可能性がある箇所の改善を求めるものでございまして、まずは、三月三日付で各教育委員会等に対して、報告書において危険事例とされた教室等のレイアウトについて早急に適切な対策を講じるよう要請を行ったところでございます。また、この危険事例の改善状況等につきましては、学校現場、教職員への負担にも配慮しつつ、今年の夏頃までをめどに確認をしたいというふうに考えているところでございます。  さらに、安全点検の改善という点につきましては、有識者の知見もいただきながら、外部人材の活用を含めた担い手の在り方に係る検討も進め、可能な限り早期に点検要領を示すなどし、より効果的な安全点検が確実になされるよう取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ○早坂委員 ありがとうございます。  本当に事故が起きてからでは遅いので、是非ともしっかり取り組んでいただきたいと思います。  ちょっと時間がないので、次の質問をさせていただきますが、廃校についての利活用についてちょっとお伺いしますが、廃校プロジェクトの概要、内容ですね。次に、本当にこの廃校、皆さん何か余り、廃校プロジェクトというと何かなと思いますが、廃校になった校舎や学校の敷地の利活用について伺うんですが、今、少子化で、統廃合により廃校になった学校が年々増えております。  廃校情報を文科省が整理して外部に発信しております「みんなの廃校」プロジェクトというものがあるんですが、廃校利用は、地方自治体と企業や組織、団体が連携して地域活性化につなげる、大変すばらしい試みだと思います。  どういった施策なのか、どういった効果があるのか、御説明をお願いいたします。 ○笠原政府参考人 「みんなの廃校」プロジェクトの概要でございますけれども、文部科学省におきましては、廃校の活用を促進するために、廃校を使ってほしい地方公共団体と廃校を使いたい事業者等への情報発信、マッチングを行う、「みんなの廃校」プロジェクトを平成二十二年度より実施しております。  具体的には、文部科学省ホームページにおきまして、活用用途を募集している全国の廃校情報の掲載、廃校活用を希望する事業者や地方公共団体に対する廃校活用推進イベントの開催、廃校活用の事例集や利用可能な各省庁の補助制度の紹介などによりまして、地方公共団体の取組を支援しているところでございます。 ○早坂委員 この廃校事例集、皆さん、知っていますかね。本当に、廃校活用に至った経緯や廃校施設ならではのメリット、効果、そして改修費用や補助金など、全国の廃校施設の利活用の事例が載っているんですよね。もし興味があれば、是非読んでいただきたいと思います。  次に、現在の廃校の状況をちょっとお伺いしますが、廃校というと過疎化が進んだ地方が多いのかなと思っていたんですが、文科省さんの資料では、廃校数が一番多いのが北海道、そして、二番目は東京なんですよね。都心でも、やはり少子化による統廃合で廃校が増えております。  現在、全国廃校数の推移はどうなっているのか。また、どんな職種の企業や組織、団体が利用しているのでしょうか。利活用の状況、内容と、内訳を併せて伺います。 ○笠原政府参考人 お答えいたします。  文部科学省が実施いたしました廃校施設等活用状況実態調査によりますと、平成十四年度から令和二年度に発生した公立小中学校等の廃校の延べ数は八千五百八十校となってございます。ちなみに、直近では、令和二年度で三百三十五校、令和元年度ですと三百八十三校というような状況になってございます。  また、現存している廃校のうち、七四・一%につきましては、社会教育施設や福祉施設、企業の施設等、様々な施設として活用されているところでございます。 ○早坂委員 その利活用に関する、次は条件について伺うんですが、廃校といっても、立地も条件も様々ですし、利用する業種や運営主体によってかかる費用も違ってくると思いますが、利用する側からすると、情報開示は大変重要で、検討の参考になるような事項は明示されているんでしょうか。  また、廃校というと、それなりに年月が経過している建物ですから、耐震対策が施されていない建物も多いと思います。耐震対策にはどういった措置がなされているんでしょうか。  さらに、場合によっては、購入したいという企業やまた組織、団体もあると思います。逆に、廃校跡地を処分したいという自治体もあると思うんですね。学校は、これまで国から補助金等を受けておりますから、購入や転用する際などに、購入は、これまでの補助金など返還しなくてはならないんでしょうか。補助金などの扱いも併せて伺います。 ○笠原政府参考人 お答えいたします。  まず、先生からの、情報の開示についてでございますけれども、廃校の利活用に要する費用等の条件につきましては、個々の契約の当事者となります地方公共団体と事業者等の間において決定されることとなりますけれども、文部科学省のホームページにおいて掲載しております全国の廃校の公募情報におきましては、募集に当たっての条件ですとか、希望する用途等を掲載をすることとしております。また、廃校施設等の耐震性の有無につきましては、必ず明示をすることとしております。  もう一つ、先生からお尋ねのありました財産処分についてでございますけれども、国庫補助を受けて整備した公立学校施設を処分制限期間内に転用等する場合は、補助金相当額の国庫納付等の財産処分手続が原則として必要となりますけれども、文部科学省では、廃校活用を推進するなどのために、国庫補助事業完了後十年以上経過した建物等の無償による財産処分の場合は国庫納付を不要とするなど、手続の簡素化、弾力化を図っております。  文部科学省といたしましては、引き続き、地方公共団体による廃校施設の活用が一層推進されますよう、今後とも支援をしてまいります。 ○早坂委員 文科省はマッチングをするだけだということなので、地方自治体がその価格を言うと思うんですが、私、宮城、仙台市なんですけれども、スケートボードパークが欲しいと言われたことがあるんですが、なかなかそういう学校を買うことはできなくても、運営はできるんですね、そういうスケートボードショップとかの方々は。本格的なのが欲しいというと、そして、宿泊施設にするとか、やはり親子で来たいというふうになれば、やはり学校の利活用というのは非常に大事だなと思うんですね。  大きな、要はスポーツのブランドに買ってもらって、運営はそういう地方のスケートボードショップの方にお願いするという取組とか、なかなかこの廃校プロジェクトを知らないということで、この認知度と周知の方法について次にお伺いしますが、この廃校プロジェクトは大変よい試みだと思うんですが、私の周りの人に聞いても、本当に誰も知らないんですよ。  課題は認知度の向上だと思うんですが、どういった方法で周知しているんでしょうか。活用事例集などをどういったところで配付しているんでしょうか。最初に御説明ありました、社会教育、文化施設や、また医療福祉施設が多いということですが、利用したいと思う一般企業さんも大変多いと思うんです。残念ながら、文科省さんのホームページを見に来る企業さんが多いとはなかなか思えないんですが、待っているだけでは駄目だと思います。どんどん積極的に営業すべきじゃないでしょうか。方策を伺います。 ○笠原政府参考人 お答えいたします。  「みんなの廃校」プロジェクトの実効性を上げるためには、同プロジェクトについて、先生も御指摘いただいておりますけれども、廃校を有する地方公共団体と、その廃校を活用し得る事業者と、双方の認知度を向上させることが重要であるというふうに我々も思っております。  そのため、文部科学省といたしましては、同プロジェクトの一環といたしまして、毎年、自治体、事業者等を対象に、特徴的な廃校活用事例の発表ですとか、活用用途を募集している自治体のPRイベントを開催しております。その際、各地方公共団体に周知するとともに、関係省庁ですとか経済団体等を通じて事業者などへの周知に努めているところでございます。  こうした取組を通じまして、実際にこのプロジェクト内のホームページに掲載した廃校情報に民間事業者が関心をお持ちになりまして、具体の廃校活用につながる事例なんかも生まれてきているところと認識しております。  引き続きまして、文部科学省といたしましては、「みんなの廃校」プロジェクトについて、各自治体向けの会議ですとか、廃校活用推進イベントなど、様々な機会を捉えてその周知、広報に努めてまいりたいと思います。 ○早坂委員 是非どんどんどんどん宣伝していただいて、私も、これを持って地元の方々にちょっと話をしてみたいと思いますが。  宮城県の、東日本大震災が起きた、東松島市には、防災体験型の施設のKIBOTCHAという、宿泊もできて、そして食事もできて、大浴場まであるという。  そしてまた、私の地元の隣町の加美町では、音楽と福祉の地方再生プロジェクトとして、国立音楽院宮城キャンパスを開校しております。加美町は、本当に音楽の町として有名なんですけれども、バッハホールという音楽ホールも大変有名でございます。その施設は音楽技能修得施設なんですね。  加美町のホームページを開いたら、「廃校は、終わりでなく、始まり。」と大変格好いいキャッチフレーズになっていましたので、是非本当にこのプロジェクトをもっともっと知っていただきたいという思いでございます。  次に、最後になりますが、全国的に増え続けている廃校施設を地方の自治体単独ではなかなか全国に周知することは難しいですが、文科省さんが仲介して潜在的価値のある廃校施設を紹介できる試みは大変面白いと思います。是非多くの人に知っていただきたいと思います。  まず、文科省さんにおいてこのプロジェクトの認知度を上げるような最大限の努力をしていただきたいと思いますが、最後に、この廃校プロジェクトに対する大臣の意気込みを聞かせてください。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  廃校は、先ほど委員が、これからがスタート、廃校からのスタートということでございましたが、やはり、地方公共団体にとりましては大変貴重な財産でございまして、地域の実情ですとかニーズを踏まえて積極的に有効活用していくことが重要と思っております。  廃校の利活用を進めていくためには、そのメリットですとか活用に当たっての課題と解決策など、具体的なケースを通じて情報発信をして、そして、各自治体や事業者等に関心を持っていただくことが重要だと思っております。関心を持った自治体と事業者等が実際に出会える環境、これを整える仕組みが必要だと思っております。  文部科学省といたしましては、引き続きまして、「みんなの廃校」プロジェクトといたしまして、廃校活用事例集の周知であるとか、また、毎年行います廃校活用推進イベントの充実等を通じまして、各自治体や事業者への情報発信やマッチングを行いまして、廃校活用の推進に努めてまいります。 ○早坂委員 是非よろしくお願い申し上げます。  これで質問を終わります。ありがとうございました。 ○宮内委員長 次に、西岡秀子さん。 ○西岡委員 国民民主党・無所属クラブ、西岡秀子でございます。  今日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。  前回から引き続きまして、少子化対策、こども・子育て支援加速化プランにつきまして質問させていただきます。政策の内容と財源については別々に質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  異次元の対策という総理のお言葉はあったわけでございますけれども、子育て当事者ですとか、これまで子育て支援に取り組んできた団体の皆様からは、異次元ではなくて当たり前の子育て政策を早急に進めてほしいという御意見、そういうお声が聞かれております。若年層の六割が日本は子育てがしにくい国と感じている現状を変えていく必要性は、私たち共通の思いであると考えております。  まず初めに、たたき台の内容として、全体の項目としては、国民民主党が従来から提案をして政府にも要望してきた内容が盛り込まれておりまして、これまでの流れからすると、かなり内容的には前進した内容が盛り込まれていると認識をいたしております。  特に、国民民主党は、親の年収にかかわらず、日本の将来を支える子供たちをひとしく支援するために、児童手当ですとか奨学金、子育て、教育政策の所得制限撤廃というものについて取り組んでまいりまして、法案も既に提出をさせていただいております。  特に、高等教育の家庭における負担はかなり重いものがございます。この負担軽減が大変重要だと考えております。  先般、大臣からも御説明がありましたけれども、令和六年度から実施予定の奨学金制度につきましては、中間層への拡大ということは打ち出されておるんですけれども、多子世帯ですとか理工農系の学生ですとか、様々な要件が課されております。年収は六百万円まで支払い対象とするということでございますけれども、多子世帯、子供が三人以上、理工系人材、この育成というものも大変重要だと認識をいたしておりますけれども、この理工系の人材育成の観点からは、子供の人数にはよらないということが示されておりますけれども、なかなか、この中間層への支援の拡充という観点からしますと、まだまだ支援内容が不十分ではないかと考えております。  今回の拡充で新たに対象となる人員がどれくらいと想定しているのかどうかということをお尋ねをさせていただきますと同時に、先ほども申し上げましたけれども、理系人材の育成、大変重要だと認識をいたしておりますけれども、様々な要件が課されることによって、学生の間ですとか学問の間の分断につながらないかどうか、今回の政策の目的や目指すべき方向が何であるかがなかなか明確にメッセージとして示されておらないというふうに考えておりますけれども、所得制限の在り方も含めて議論する必要が大変あるというふうに思いますが、このことについての御見解をお伺いをしたいと思います。 ○池田政府参考人 お答え申し上げます。  先週の委員会でも大臣から御答弁申し上げましたように、昨年六月、骨太の方針二〇二二におきまして、給付型奨学金と授業料等減免を併せて行う高等教育の修学支援新制度の対象を中間所得層の多子世帯や理工農系の学生へ拡大する方針が示されました。  これを受け、文部科学省としても、制度設計のための有識者会議におきまして、拡充の対象はどうあるべきか、改めて議論をいたしましたが、政府としての大きな課題である少子化対策、デジタルやグリーンなど成長分野の振興にいかに資するかという観点で、委員御指摘のとおり、多子世帯や理工農系への支援とすることが適当ということで今進めております。  今回の制度改善によりまして、現在は対象となっていない中間所得層のうち、拡充による追加的な対象者は約二十万人程度を見込んでおりまして、新たな対象者にとってより選択肢が広がり、教育機会が拡大することを期待しております。  その上で、今後の少子化対策につきましては、総理が主導する体制の下で更に議論を深め、六月の骨太方針までに将来的な子供予算倍増に向けた大枠を提示されると承知しております。  文部科学省としては、引き続き、教育費負担の軽減を求める声にしっかりと応えるよう、関係省庁と連携協力し、この議論に積極的に参加してまいりたいと考えております。  また、学生間や学問間の分断というような御指摘もございましたけれども、今回の制度拡充につきましては、現在対象となっていない中間所得層のうち一定の条件に合う対象者を拡大するというものでございますので、分断ということには当たらないのではないかと考えております。 ○西岡委員 御説明ありがとうございます。  なかなか、様々な要件が課されているために、中間所得層への拡充という面ではまだまだ不十分なものだというふうに認識をいたしておりますので、また引き続きの議論をさせていただきたいと思います。  続きまして、財源についてお尋ねをさせていただきます。  財源につきましてはまだ明確に示されない中で政策のメニューが示されてきたわけでございますけれども、先般からこども未来戦略会議の議論がスタートいたしまして、有識者ですとか当事者の皆様の中で議論が進んでいくものと認識をいたしておりますけれども、社会保険料を財源にというお話もあるんですけれども、もしそれを財源とするということになりますと、かえって子育て世帯、また現役世代の負担を増やすこととなります。  今回の政策を立案される基となるというか、参考にされたというフランスの少子化対策の考え方、シラク三原則の、子育てに係る経済的な負担を軽減することという、この柱と反することとなりますと、本末転倒な議論となるというふうに思います。  国民民主党は、全ての子供たちが人生の平等なスタートラインに立つためには、人づくりこそ国づくりの理念の下、子育て十の無料化を提案しておりまして、家庭の教育費負担を軽減する政策を打ち出しております。この十のゼロの中には、給食費の無料化、また地産地消、有機食材の推進というものも盛り込んでおります。また、現状の経済状況を踏まえますと、物価高騰が続く中で、社会保険料の引上げについては、一層可処分所得を減少することにつながりかねず、方向性が違うのではないかと考えます。  国民民主党は、永岡文部科学大臣もよく御承知のように、従来から一貫して、未来への投資という観点で、財源としては教育国債の発行が必要であるということを主張をし続けております。  これからしっかりと予算を確保して、財源をどういうふうにするかということも含めて、この政策を推進しなければいけないと考えますけれども、文部科学大臣というお立場で、社会保険料も含めた今後の財源の在り方について、大臣の御見解をお伺いをしたいと思います。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  今後の財源等につきましてでございますが、四月の七日に総理の下に設置をされましたこども未来戦略会議におきまして更に議論を深めて、六月の骨太方針までに将来的な子供予算倍増に向けた大枠をお示しするものと承知をしております。  文部科学省としましても、こども家庭庁を始めとする関係省庁と連携協力をいたしまして、この議論に積極的に参加をしてまいりたいと思っております。  なお、御指摘の教育国債の発行につきましては、安定財源の確保や、また財政の信認確保の観点から、慎重に検討する必要がある、そう考えております。 ○西岡委員 まだこれから会議で議論されるという中で、社会保険料について大臣として言及するということは大変難しいというふうに思いますけれども、子育てに係る経済的な負担を軽減するということがこの政策の大きな柱でございますので、財源につきましてもしっかりその観点に立った方向性を示さなければいけないと思いますし、国民民主党としては、引き続き、教育国債の必要性というものをお訴えをしていきたいと思っております。  続きまして、次に、私立学校振興助成法の実効性のある取組の必要性について質問させていただきます。  先般、私立学校法の改正案が審議をされまして、その議論の中でも、私立学校が、大学生全体の七五%が学んでおりまして、公教育に果たす私立学校の重要性というものが改めて再認識されたところでございます。  ただ、私立学校を取り巻く環境も今大きく変化をしておりまして、極めて厳しい経営状況となっていると認識をいたしております。学生の募集を停止する学校が増加をしてきておりまして、少子化の進展によって十八歳人口が減少傾向となる中で、令和四年度の調査によりますと、私立学校において入学定数を充足していない学校数が四七・五%に上り、令和三年度決算値では、赤字経営となる学校法人が全体の二九・七%、特に地方の中小規模の私立大学においては約四〇%が赤字傾向となっているというデータもございます。  一方で、私立大学の初年度納付金の平均額は過去最高の百三十五万七千八十円となっており、家計に与える昨今の物価高騰の影響も深刻でございますし、保護者の家計に重い負担がのしかかっている状況だと認識をいたします。  私立学校においても、ICT環境の整備やDXへの対応、施設整備の充実など、課題が山積をしております。従来から議論をされております学生一人当たりの公財政支出の公私間格差、この是正は急務であると認識をいたします。  私立学校助成法においては、一九七五年、公教育における私立学校の果たすべき役割の重要性に鑑み成立をした法律でございますけれども、経常経費の二分の一の補助を目指すとした制度創設当時の目的からは、現状、大きく乖離をしておりまして、現状では一〇%の低水準のままで推移をいたしております。参議院の附帯決議も経常経費の二分の一の補助の速やかな実現を求めていることも踏まえまして、早急に取り組むべき課題だと認識をいたしますけれども、永岡文部科学大臣の御見解、できれば取り組む決意についてお伺いできればと思います。 ○永岡国務大臣 私立学校は、大学などで七割を超えます学生が在籍をしておりまして、建学の精神に基づいた個性、特色のある教育を実施しておりまして、我が国の学校教育において重要な役割を果たしていると考えております。  御承知のとおり、私学に対する助成は、こうした私立学校が果たします役割の重要性に鑑みまして、私立学校の教育条件の維持向上、学生等の修学上の経済的負担の軽減、私学の経営の健全性の向上を図ることを目的としておりまして、私立学校の振興に大きな役割を果たしております。  文部科学省といたしましては、基盤的経費でございます私学助成を確保するとともに、高等教育の修学支援も含めて、私立学校への総合的な支援を行いまして、教育の質向上とアクセス機会の拡充に取り組んでまいりたいと考えております。 ○西岡委員 この助成法の成立当初の方針というものが、経常経費の二分の一の補助を目指すということがしっかり明記されておりますし、参議院の附帯決議のこともございますので、是非、実効性のある取組について、引き続きお取組をお願いをさせていただきたいと思います。  それでは、不登校対策について、続きまして質問させていただきます。  令和三年度、問題行動などの調査によりますと、不登校児童生徒数は二十四万四千九百四十人、九年連続で増加をし、過去最多の数となっております。全児童生徒の二・六%に当たるという大変深刻な状況だと受け止めております。  ただ、不登校と一口に言いましても、不登校となった要因ですとか背景は大変多様であるということの中で、求められる支援や必要な支援も大変様々でありまして、きめ細やかな支援が求められているところでございます。令和五年度予算においても二・六億円が計上されております。そして、昨年六月の骨太方針二〇二二の中に初めて盛り込まれたんですけれども、不登校特例校の全都道府県等での設置や指導の充実の促進というものが明記をされました。  不登校特例校の全都道府県における設置推進へ向けた取組状況、また支援強化の拡充についてお伺いをさせていただきます。 ○藤原政府参考人 お答えいたします。  三月三十一日に不登校対策のプランを公表したところでございますけれども、その中におきまして、特に不登校特例校について、早期に全ての都道府県・政令指定都市に、そして、将来的には希望する児童生徒が居住地によらず通うことができるよう、分教室型を含め全国三百校の設置を目指すというふうにしておるところでございます。  文部科学省においては、これまでもスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの重点配置、学習指導員等の支援スタッフの配置を行っておりますが、令和五年度より、新たに不登校特例校の設置準備に関する支援を開始するとともに、生徒指導等のための加配定数の優先配置の措置を行い、これらを活用しながら、各教育委員会等における設置を支援しているところでございます。  引き続き、多様な学びの場が確保されるよう取り組んでまいりたいと存じます。 ○西岡委員 全都道府県における設置に向けて取り組んでいただいているということでございますけれども、やはり、どこに住んでいてもしっかりとそういう体制が整備されることは重要でございますので、引き続きのお取組をお願い申し上げたいと思います。  不登校児童生徒の中では、教育支援センターですとかフリースクールなど、学校内外の相談や指導を受けた、そういう数字というかデータで、六三・七%の不登校児童生徒がそういうところで相談、指導を受けたというデータがございますけれども、逆に言いますと、残りの児童生徒は支援に結びついていないということも言えるというふうに思います。  不登校支援につきましては、学校や家庭、そして地域社会、関係機関が一体となって取り組むことが大変重要でありますし、相談体制の強化が大変必要です。  その中で、民間団体との連携というものが極めて重要であると認識をいたしておりますけれども、その民間団体との連携強化について、文部科学省の方針をお伺いをして、また、加えまして、学校内における別室登校への支援についても、学校の別室運営の在り方については、学校によって様々な取組をされております。  例えば、NPO法人など民間団体が、教員の負担軽減のために、不登校等の子供たちの居場所を学校内に確保して、研修を受けた支援員を派遣する先進的な事例も行われております。これは、教員の負担軽減だけではなくて、教員でない外部人材が学校内で支援をするということは、例えば、児童生徒が相談しやすい環境をつくるなどのメリットもあるというふうに思います。  全国の取組状況の把握なども含めて、国として支援体制を構築していく必要があると考えますけれども、文部科学省の方針についてお伺いをさせていただきます。 ○藤原政府参考人 不登校児童生徒への支援に当たって、NPO法人等民間団体との連携は大変重要であると考えております。  文部科学省といたしましては、学校や教育委員会と民間団体等との連携が適切になされるよう、教育委員会等と民間団体等の連絡協議会の設置や、民間団体等と合同で行う教職員、保護者向けの研修会の実施などの支援を行っているところでございます。  また、NPO法人等民間団体が校内の別室を活用した支援を行う事例についても承知をしておりまして、文部科学省といたしましても、校内の別室を活用した様々な事例について収集し、横展開を図っていきたいと考えております。  引き続き、個々の状況に応じた多様な学びの場の確保について、民間団体等とも連携しながら推進してまいりたいと存じます。 ○西岡委員 引き続きの強力な支援体制をお願いして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。 ○宮内委員長 次に、宮本岳志君。 ○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。  今日は、学校給食の無償化について聞きたいと思います。  三十一日、政府により、少子化対策のたたき台が発表されました。そこに、学校給食無償化へ課題を整理することが盛り込まれたことから、やっと給食費の無償化が実現するのかと、全国で期待が高まるのは当然のことであります。  ところが、この間の当委員会での質疑を聞いておりましたら、永岡文部科学大臣は、一、給食の実施状況や保護者負担軽減策等の実態をまず把握した上で、今後の課題を整理する必要がある、二、中学校でも完全給食の実施率が自治体ごとに大きなばらつきがあり、児童生徒数比で六割を切るような県もあり、性急に進めれば現場の混乱や自治体の不公平感を招きかねない、三、小倉大臣が取りまとめたたたき台については、今後、総理の下に設置される新たな会議で更に議論を深めたいとの答弁を繰り返すばかりであります。  大臣、率直に聞きますけれども、これははっきり言って、文科省はやる気がない、こういうことでございますか。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  学校給食の無償化につきましては、一部の自治体ですとか学校で、学校給食自体が実施されていない状況もあります。そういうことから、それらの実態を把握をした上で課題を整理をする必要がある、そう考えているところでございます。 ○宮本(岳)委員 大臣が把握する必要があると言う給食の実施状況や保護者負担軽減策等の実態はつかんでいるんじゃありませんか。  藤原局長、文科省は、当然日常的につかむべき給食の実施状況や保護者負担軽減策等の実態をつかみもしていないんですか。 ○藤原政府参考人 お答えいたします。  学校給食の実施状況につきましては、学校給食法においてその実施が設置者の努力義務となっていることから、学校給食の実施率向上を図ること等を目的に、学校給食実施状況調査を実施し、学校給食を実施している学校数やその形態等の概要について把握を行っているところでございます。  令和三年度の調査によりますと、九五・六%に当たる全国二万九千六百十四校において学校給食が実施されており、実施率は、小学校において九九・〇%、中学校において九一・五%となっているところでございます。  また、保護者の負担軽減策の実態ということでございますけれども、昨年度、物価高騰に伴い、地方創生臨時交付金に活用が可能な事業例として、学校給食費等の負担軽減が位置づけられたこと等を踏まえ、この交付金を活用した学校給食費の保護者負担軽減に向けた取組状況等を調査したところでございます。この調査において、ほとんどの自治体で学校給食費の値上げが抑制され、保護者の負担軽減に取り組まれているとの結果を得たところでございます。 ○宮本(岳)委員 だから、今、そうしてつかんでいるわけですよね。  ただ、聞きたいんですが、じゃ、昨年の七月に学校給食費の保護者負担軽減事業の実態を、今、つかんだということで、ほとんどの学校でと言われましたけれども、無償化、これはどれだけでやっているか、昨年つかみましたか。 ○藤原政府参考人 お答えいたします。  これは保護者負担の軽減策を講じている自治体ということで調査を行ったものでございまして、その中で無償化を行っている自治体が幾らあるのかということについては、これは把握をしておりません。 ○宮本(岳)委員 つかんでいないんですね。昨年の調査で、一体どれだけが無償化しているかというのはつかんでいないんです。  そもそも、文部科学省は、学校給食の無償化を調査したことがあるんじゃないですか。それは何年度の調査であり、その結果、実施自治体数、どれだけだったか、お答えいただけますか。 ○藤原政府参考人 お答えいたします。  平成二十九年度に調査を実施しております。学校給食費の無償化等の実施状況について調べたわけでございますけれども、この調査において、小学校、中学校とも無償化を実施しているとの回答があったのは、七十六自治体ということでございました。 ○宮本(岳)委員 小中学校とも無償化を実施が七十六、小学校のみ無償化を実施が四、中学校のみ無償化を実施が二、合わせて八十二自治体がやったと。これはでも二〇一七年の調査、二〇一八年七月二十七日に発表した調査結果ですね。  大臣に聞きますけれども、この調査は何のために行いましたか、大臣。 ○藤原政府参考人 この調査の方では、自治体の数、それからその目的や成果、課題について調査をしたところでございます。 ○永岡国務大臣 二〇一七年当時でございますが、学校給食費の保護者負担を無償とする独自の支援に取り組む自治体が見られる中で、その実態について把握するため、無償化に至った経緯ですとか目的、そして無償化による成果、無償化前後の課題等について調査を実施したものでございます。 ○宮本(岳)委員 今年三月九日の参議院文教科学委員会で、今おっしゃったとおりの答弁を我が党の吉良よし子議員にやっておられますから、これは変わりようがないと思うんですね。  三月九日に同じ答弁を大臣はされて、そして、そう答弁した上で、新たな調査を行う考えはないと、新たな調査については突っぱねられました。ということは、既に、無償化に至った経緯や目的、無償化による成果、また無償化実現前後の課題などの把握はできている、新たな調査の必要はない、こういうことでございますね、大臣。 ○永岡国務大臣 子供政策の強化について検討を行っていました小倉大臣の下で取りまとめられましたたたき台の中で、ライフステージを通じた子育てに係る経済的支援の強化の観点から、学校給食費の無償化に向けて、給食の実施率ですとか保護者の負担軽減策等の実態を把握しつつ、課題の整理を行うということが盛り込まれたところでございますので、たたき台につきましては、総理の下に設置されたこども未来戦略会議におきまして、子供、子育て政策の強化に向けて更に議論を深めるとされていることから、そうした議論を踏まえまして、文部科学省といたしましては、必要な対応、これは行ってまいりたい、そう思っております。 ○宮本(岳)委員 だから不思議に思うんですね。三月九日時点では調査する必要がないとおっしゃったのに、今おっしゃった、小倉大臣の下で本格的な無償化策の課題の整理ということが始まったら、調査する必要があると今おっしゃっているから。  つまり、これは、あれですか、そういうたたき台が決まるまでは本格的な無償化策を検討する気もなかった、こういうことでございましょうか。 ○藤原政府参考人 お答えいたします。  学校給食の実施状況につきましては、先ほど答弁申し上げましたように、これまでも様々な形で状況を把握をしてきたわけでございます。  そうした中で、今般、小倉大臣の下のたたき台の中で、「学校給食費の無償化に向けて、給食実施率や保護者負担軽減策等の実態を把握しつつ、課題の整理を行う。」ということが盛り込まれたところでありまして、こうした状況を踏まえて、今後更にそうした状況の把握をしていきたいと考えているところでございます。 ○宮本(岳)委員 そこまでおっしゃるんだったら、一つ初中局長に聞きたいんですが、平成二十九年調査というのはなぜやったんですか。 ○藤原政府参考人 こちらにつきましては、先ほどお答えいたしましたように、学校給食費の無償化を実施している自治体の数のほか、その目的や成果、課題などについて調査をしたという、これがそのときの調査の実施の状況でございます。 ○宮本(岳)委員 いや、調査の内容は分かっていますよ、そういうことを調査したんでしょうが。  いいですか、三月九日には、もうやる必要がない、こう述べたような調査を、そして、実は、二〇一七年以前にはやっていなかったんです、やったことはなかったんです。過去一回限りやったのがこの二〇一七年の調査なんですね、無償化ですよ、無償化調査。  これはなぜやることになったのかということですけれども、私は、実はその理由については大体分かっております。二〇一七年四月四日、参議院厚生労働委員会で、与党議員の質問に答えて、ここにおられる、当時の義家副大臣がやると答弁されたからやったのではなかろうかと。うなずいておられますから、そうなんでしょうね。そういうことでやった。  だから、もちろん、必要があるから、やってくれ、今すぐにもやれと言ったんですが、それは必要ないというふうに、この前、三月九日には突っぱねられたわけですよ。  ということは、三月三十一日に政府の少子化対策のたたき台で無償化へ課題を整理すると盛り込まれたから、慌てて調査とか実態把握とか言い始めたのであって、それ以前は、つまり三月末までは、そういうことを本気で考えたこともなかったということを言っているに等しいわけですね。つまり、ここに至るまでは検討してこなかった、そういうことですか、局長。 ○藤原政府参考人 お答えいたします。  無償化の状況ということでございますけれども、これにつきましては、これまでも随時、その必要性に応じて、その実施の状況などを調査をしてきたところでございます。  学校給食費の無償化に向けた実態の把握につきましては、今後、児童生徒間の公平性の観点といったことも含めまして、学校給食を実施していない自治体、学校について、どのような理由や事情があるのか、また、学校給食を実施している自治体、学校についても、配食数の上限等の提供側の事情や、食物アレルギー等により学校給食の提供を受けていない児童生徒がどれぐらい存在するのか、また、完全給食や補食給食、ミルク給食等の実施内容により学校給食費にどれぐらいの差異があるのかといった詳細な実態について把握することが必要であると考えております。  また、学校給食費の負担の在り方の観点から、現在、設置者により実施されている保護者負担軽減に関する取組について、支援の対象や額、財源等の詳細も把握する必要があるのではないかというふうに考えております。 ○宮本(岳)委員 そんなことは日常的につかんでおかなきゃならないことですよね。アレルギー食みたいなことを今おっしゃいましたけれども、今、子供に合わせたアレルギー給食ということを子供に合わせてやっている自治体もあります。  それから、私のところの子供はアレルギー食しか食べられないから、無償化をされたら不公平だからやめてくれというような声を私はついぞ聞いたことがないですし、既に無償化をやっている自治体はあるわけですけれども、そこで不公平だという声が上がっているということは私は聞いたことがない、ないと思いますよ、みんな喜んでいると思うんですね。やはり、給食の無償化はできるだけ先延ばししたい、こういうことだと言わざるを得ないです。  資料一を見ていただきたい。かつての文部省は大変立派でした。先ほど森山先生も触れられましたけれども、昭和二十六年三月十九日、参議院文部委員会における日本共産党の岩間正男参議院議員と当時の辻田力初等中等教育局長との質疑の議事録であります。  傍線部、「我々のほうでは普通の生活のための費用以外の、要するに義務教育を教育として実施する場合に必要な経費はこれは公共のほうから出しまして、義務教育を受ける立場からはこれは無償とすることといたしたいというふうな理想を持つておるわけでございます。即ちその内容といたしましては、現在は授業料でございますが、そのほかに教科書とそれから学用品、学校給食費というふうな、なおできれば交通費というふうなことも考えておりますが、」と明確に答弁しておりますね。  大臣、文科省はこの理想を一体どこで失ってしまったんですか。 ○永岡国務大臣 今の昭和二十六年の参議院の文教委員会におけます政府委員の答弁につきまして、これは承知はしております。  現在、教科書の無償化につきましては、日本国憲法第二十六条に掲げます義務教育無償の精神をより広く実現するものといたしまして、義務教育諸学校の教科用の図書の無償措置に関する法律等の関係法律に基づきまして実施をされているところでございます。  他方で、学校給食費につきましては、昭和二十九年に制定されました学校給食法におきまして、学校の設置者と保護者との協力によりまして学校給食が円滑に実施されることが期待されるとの立法趣旨の下に、保護者の負担とするとされております。  現在は、この立法趣旨を踏まえた対応を行っているところでございまして、学校給食費の無償化につきましては、給食の実施状況や保護者負担の軽減策等の実態、これを把握した上で、課題を整理する必要があると考えております。 ○宮本(岳)委員 二言目には学校給食法の立法趣旨と言うんですけれども、学校給食法十一条の経費の負担の規定は、学校給食の保護者の負担を補助することを禁止するような趣旨ではありません。  資料二を見ていただきたい。その昭和二十九年の学校給食法が施行されるに当たって文部省が発出した文部事務次官通達です。資料二の二の下線部には、「たとえば保護者の経済的負担の現状からみて、地方公共団体、学校法人その他の者が、児童の給食費の一部を補助するような場合を禁止する意図ではない。」と明確に述べております。  先ほどの二〇一七年調査でも、小中とも給食費無償化が七十六自治体、全部で八十二自治体が既に学校給食を無償化しております。  初等中等教育局長、この八十二自治体は学校給食法第十一条に反している、そういうことになるんですか。 ○藤原政府参考人 お答えいたします。  学校給食法十一条の規定の関係のお尋ねでございます。  学校給食を実施するに当たっては、必要となる経費といたしまして、施設及び設備に要する経費やその維持修繕費、また学校給食に従事する職員の給与等の人件費のほか、食材料費などが挙げられるわけでございます。  そして、今御指摘の学校給食法第十一条における学校給食に関する経費の負担の規定につきましては、施設設備に要する経費や人件費等について学校設置者が負担することなど、経費の負担区分の基本的な考え方を示したものでありますけれども、保護者が負担する学校給食費を自治体等の判断により補助することを妨げるものではないと考えております。 ○宮本(岳)委員 学校給食法第十一条は障害にならない、当たり前です。  しかも、自民党は長らく、一九五一年の文部省初等中等教育局長の理想を投げ捨てるばかりか、学校給食無償化を求める世論や運動に敵対し、妨害してきたと言わざるを得ません。  資料三の一を見ていただきたい。昨年六月二十一日に和歌山県議会に提出された学校給食の無償化を求める意見書案であります。残念ながら、これは否決をされました。  資料三の二の下線を見ていただきたい。この意見書の採決結果であります。自民、公明、無所属の会が反対して、否決をしております。今から僅か十か月前のことであります。  そして、資料四は、今年三月二十五日付の毎日京都版の記事であります。京都府大山崎町で、町長が選挙公約にも掲げた大山崎中学の給食無償化の予算を、自民党など野党がわざわざ、ここは自民党が野党なんですが、野党がわざわざ予算を減額修正して削ってしまった。これは、三月三十一日に政府が少子化対策のたたき台に学校給食無償化へ課題を整理すると書き込む僅か一週間前に、京都府大山崎町ではこれがやられているんですね。  大臣、こんなことで恥ずかしくないのかと。自民党が本気で学校給食無償化をやる気だというのであれば、こんな地方議会での態度は改めさせていただきたい。  そして、何よりも文部科学大臣自身が、これから把握とか課題が多いとか言っていないで、「義務教育は、これを無償とする。」という憲法二十六条の精神にしっかり立ち切るべきだと言わなければならないと思います。  最後に大臣の御決意を伺って、質問を終わりたいと思います。 ○永岡国務大臣 先日小倉大臣が取りまとめました子供、子育て政策のたたき台の中で、学校給食費の無償化に向けまして、給食実施率ですとか、また保護者負担軽減策等の実態を把握しつつ、課題の整理を行うというふうにされております。  繰り返しとなりますけれども、学校給食費の無償化に向けましては、児童生徒間の公平性や学校給食費の負担の在り方といった観点から課題を整理していく必要があると考えております。  総理の下で設置されましたこども未来戦略会議におきまして、子供、子育て政策の強化に向けて更に議論を深めるとされていることから、文部科学省といたしましても、こども家庭庁と連携しながらしっかりと対応してまいりたいと思っております。 ○宮本(岳)委員 冒頭申し上げたとおり、やはりやる気がないと申し上げて、質問を終わります。 ○宮内委員長 次回は、来る二十一日金曜日午後一時三十五分理事会、午後一時四十五分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時七分散会