第211回国会 衆議院 文部科学委員会 第11号 令和5年4月26日 令和五年四月二十六日(水曜日)     午前九時一分開議  出席委員    委員長 宮内 秀樹君    理事 池田 佳隆君 理事 橘 慶一郎君    理事 中村 裕之君 理事 根本 幸典君    理事 森山 浩行君 理事 柚木 道義君    理事 堀場 幸子君 理事 鰐淵 洋子君       青山 周平君    石橋林太郎君       上杉謙太郎君    勝目  康君       柴山 昌彦君    田野瀬太道君       谷川 弥一君    辻  清人君       中曽根康隆君    丹羽 秀樹君       西野 太亮君    深澤 陽一君       船田  元君    古川 直季君       穂坂  泰君    三谷 英弘君       山口  晋君    山本 左近君       義家 弘介君    荒井  優君       菊田真紀子君    白石 洋一君       堤 かなめ君    牧  義夫君       吉川  元君    笠  浩史君       金村 龍那君    高橋 英明君       早坂  敦君    平林  晃君       山崎 正恭君    西岡 秀子君       宮本 岳志君     …………………………………    文部科学大臣       永岡 桂子君    文部科学大臣政務官    山本 左近君    政府参考人    (総務省大臣官房審議官) 内藤 茂雄君    政府参考人    (出入国在留管理庁在留管理支援部長)       君塚  宏君    政府参考人    (外務省大臣官房政策立案参事官)         岡野結城子君    政府参考人    (文部科学省総合教育政策局長)          藤江 陽子君    政府参考人    (文部科学省初等中等教育局長)          藤原 章夫君    政府参考人    (スポーツ庁次長)    角田 喜彦君    政府参考人    (文化庁次長)      杉浦 久弘君    文部科学委員会専門員   中村  清君     ――――――――――――― 委員の異動 四月二十五日             補欠選任              岸 信千世君 同月二十六日  辞任         補欠選任   丹羽 秀樹君     三谷 英弘君   船田  元君     深澤 陽一君   古川 直季君     西野 太亮君   梅谷  守君     堤 かなめ君   白石 洋一君     笠  浩史君 同日  辞任         補欠選任   西野 太亮君     古川 直季君   深澤 陽一君     船田  元君   三谷 英弘君     丹羽 秀樹君   堤 かなめ君     梅谷  守君   笠  浩史君     白石 洋一君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律案(内閣提出第二二号)      ――――◇――――― ○宮内委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律案を議題といたします。  この際、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、政府参考人として総務省大臣官房審議官内藤茂雄君、出入国在留管理庁在留管理支援部長君塚宏君、外務省大臣官房政策立案参事官岡野結城子君、文部科学省総合教育政策局長藤江陽子君、初等中等教育局長藤原章夫君、スポーツ庁次長角田喜彦君、文化庁次長杉浦久弘君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○宮内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ――――――――――――― ○宮内委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申出がありますので、順次これを許します。柴山昌彦君。 ○柴山委員 おはようございます。自由民主党の柴山昌彦です。  質問の機会をいただき、ありがとうございます。  法案に関する質問に先立って伺います。  私は、超党派の共同養育支援議員連盟の会長を仰せつかっており、昨年四月二十二日にこの委員会の場で、他方配偶者と別居中の、あるいは離婚後同居されていない親御さんが子の学校行事に参加できないことの問題点を指摘させていただきました。  行事や子供の混乱を防ぎつつ、別居親が子供の様子を確認できるよう工夫している事例について調査していただくと当時おっしゃっていただきましたので、その御報告をお願いいたします。  あわせて、別居親には成績や健康状態を通知しなかったり、居場所を知らせないように転校させたりする事例があるということですけれども、それについての調査もお聞かせください。 ○藤原政府参考人 お答えいたします。  お尋ねの、別居親の学校行事への参加につきまして、文部科学省において昨年五月から七月にかけて教育委員会や教員等に聞き取りを行った中では、学校側で別居親が同居親の了解を得たことを確認し、卒業式への参加を認めた事例、子供の希望等も勘案し、同居親と別居親の動線を分けるなど、両者が行事中に接触しない形で参加を認めた事例などが確認されたところでございます。  また、成績や健康状態等の別居親への通知に関しましては、聞き取りをした範囲では確認できませんでしたが、一般論として申し上げれば、父母の別居後も父母の双方が適切な形で子供の養育に関わることは、子供の利益の観点からも重要と考えます。  父母の離婚後等における子の養育の在り方に関しましては、現在、法務省を中心に議論がなされているものと認識をしており、文部科学省としては、その議論を注視しつつ、今後の対応について、関係府省とも連携の上、検討してまいりたいと考えております。 ○柴山委員 他方親の同意がなければ子供に会えないというのは、やはり子供の観点からすると非常に問題がある例があるかと思います。今、いろいろ工夫されていることについても紹介をいただきましたけれども、そういった工夫については是非横展開をしていただきたいということ。  それから、別居親に対して成績や健康状態を通知しなかったり、居場所を知らせないようにする事例について、未調査というか、調査をした範囲でなかなか詳しいデータがないということですけれども、それが子供の同居親による虐待、ネグレクトなどのSOSを発見する妨げになっている可能性もございますので、これについても引き続きしっかりと調査をしていただきたいというように思います。  法案審議に移らせていただきます。  私の大臣時代に、東京福祉大学の不適切な留学生の在留管理の実態が問題となりました。今回の法案は日本語教育機関の質の向上を目指すものですけれども、大学や大学別科などは対象となるのでしょうか。あわせて、在留管理の徹底のために法務省とどのような連携をしていくのか、法務省そして文科省に伺います。 ○杉浦政府参考人 お答え申し上げます。  本法案におきまして認定の対象となりますのは、日本語教育を行うことを目的とした、一定の要件を満たす教育課程を置く教育機関を想定してございます。  制度発足当初は、在留資格、留学を持って活動する外国人を受け入れることが可能な教育機関といたしまして、法務省が告示する法務省告示校のほか、大学のいわゆる留学生別科が主な認定の対象となると考えております。  また、在留管理の徹底管理につきましてでございますけれども、認定日本語教育機関における生徒の在留管理につきましては、法務省と緊密に連携していくこととしております。  制度創設後も、引き続き法務省が、在留管理の観点から、認定後に在留管理上の問題点を把握した場合には、認定機関等に対する調査、改善指導を行うこととなります。その場合、文部科学省は、法務省から当該在留管理上の問題に関する情報提供を受けまして、必要に応じて本法案に基づく段階的な是正措置を行い、最終的には認定の取消しもあり得るものと考えております。認定の取消しを行った場合は、当該機関は、在留資格、留学による留学生の受入れを行うことができなくなります。  このように、在留管理を所管する法務省とも緊密に連携しながら、適切に対応してまいります。 ○君塚政府参考人 出入国在留管理庁では、現行制度におきまして、留学の在留資格を有する外国人を受け入れることのできる日本語教育機関を法務省の告示で定め、その適正な運営を期するための指導監督を行っております。  本法案成立後は、留学生の在留管理の観点から、日本語教育機関の認定基準に関する協議を受けるとともに、出入国在留管理庁として、文部科学省と相互に連携協力し、認定日本語教育機関における日本語教育の適正かつ確実な実施を図ってまいります。  その一環といたしまして、本法案の施行後は、認定を受けた日本語教育機関であることを、在留資格、留学による外国人留学生の受入れの要件とすることを検討しており、引き続き、日本語教育機関で学ぶ留学生の在留管理及び支援に適切に取り組んでまいります。 ○柴山委員 よろしくお願いいたします。  日本語教育機関の質も大事ですけれども、量も大切であります。  私は、与野党の垣根を越えて、特に、立憲民主党では中川先生そして笠先生、公明党では浮島先生、里見先生、また、維新の会からは金村先生を始めとした先生方の御支援により、日本語教育推進議員連盟の会長を拝命しております。  また、自由民主党では、宮内委員長、また、この後質問に立たれる三谷委員を始め、文部科学部会日本語教育の今後の方向性に関するプロジェクトチームの方々にお力をいただき、日本語教育機関の拡充などの課題に取り組んでおります。  在留外国人が令和四年十二月末現在で約三百七万人と過去最高の数字になっていること、コロナの感染法上の分類が五類となって、留学生が急速に増加することが見込まれることを始めとして、日本語教育の受皿となる教育機関や教師を拡大することが喫緊の課題となっているかと思いますが、そうした教育機関や教師をいつまでに、どれだけ、どのように増やしていくのか、政府から工程表をお示しいただきたいと思います。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  教育未来創造会議の第二次提言素案におきまして、外国人留学生の受入れ数につきましては、二〇三三年までに四十万人とすることを目指す指標が打ち出されております。  これを受けまして、認定日本語教育機関の認定申請や登録日本語教員の登録申請等が増加していくことが見込まれますことから、文部科学省といたしましては、それらの申請に係る事務を円滑に実施できますように、適切に対応してまいりたいと考えております。  また、これと併せまして、登録日本語教員の魅力を発信することは大変重要でございまして、今後は、日本語教育機関や企業、そして地方自治体におきまして登録日本語教員の活用が図られるような、新たな制度の周知を図るほか、国で構築を予定しておりますサイトにおいて、認定日本語教育機関の活動状況等について多言語で発信することを予定しているところでございます。 ○柴山委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。  次に、日本語教師の資格制度について伺います。  試験と実習によって質の高い日本語教師が確保されることは、教えられる学生にとってメリットとなるのみならず、当該教師の地位向上にも役立つと考えますけれども、果たして、本当にそれに見合った適切な報酬などが確保されるのか、また、既に業務に就いている日本語教師にとっては、余り厳格な資格を設けると仕事を続けられなくなってしまって、かえって日本語教師の数が減ってしまうのではないか、こういったおそれも懸念されるところだと思いますが、それぞれに対する施策をお答えください。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  日本語教師の処遇改善や、また人数の確保のためにも、日本語教師の必要性や、また専門性の社会的認知ということが求められることから、本法案におきましては、登録日本語教員の新たな国家資格を設けることとしております。  登録教員の試験につきましては、有識者の意見も踏まえまして内容を検討し、そして、認定日本語教育機関で働く上で基礎的な知識及び技能が備わっているか確認するものとします。こうした基礎的な試験とすることで、日本語教師のなり手が確保できるように、引き続き検討してまいりたいと考えております。  その上で、登録日本語教員となった後は、初任者に対して様々な分野に対応した研修ですとか、また、中堅者を対象といたしました研修を実施をしまして、経験に応じた資質の向上、これを図ってまいりたいと考えております。また、現職の日本語教師の方につきましても、五年の経過措置期間中に円滑に国家資格を取得していただくために、勤務経験ですとか民間試験の合格歴等に応じて試験や実践研修を免除する経過措置を設けることとしているところです。  こうした措置を通じまして、登録日本語教員というのを、魅力あるもの、そういうふうに思っていただきまして、また、処遇改善と人員確保、これをしっかり努めてまいりたいと考えております。 ○柴山委員 ありがとうございます。  引き続き、しっかりと団体等とも意見交換をしていただけたらというふうに考えております。  さて、日本語教育のニーズは、今注目されている就労者ですとか、あるいは一般の生活者でいらっしゃる外国人に対してのものも大変大きいんですけれども、それについてはこの後の質疑者の方々にお任せをするとして、私からは、学齢相当の子供たちに対するものについてお伺いをしたいと思います。  文部科学省の調査によりますと、令和四年度の学齢相当の外国人の子供が、住民基本台帳上把握されているのが十三万六千九百二十三人ということで、前年比で三千六百十三人増えているということであります。  これらの外国人の方々のうち、外国人学校に通う子供の数、それ以外の学校に通う子供の数、不就学の可能性のある子供の数についてそれぞれお答えください。 ○藤江政府参考人 お答え申し上げます。  文部科学省が令和四年度に実施いたしました外国人の子供の就学状況等調査の結果におきまして、外国人学校に通う子供の数は九千百八十人、義務教育諸学校に通う子供の数は十一万六千二百八十八人、不就学の可能性のある子供の数は八千百八十三人となっております。 ○柴山委員 不就学の可能性のある子供さんが八千百名で、外国人学校に通う子供の九千百八十名にほとんど匹敵するほどの子がそういった学校のアクセスに達していないということは、極めて大きな問題だと私は思っています。また、その十倍以上の方が普通の学校に通っているという、今お答えでありました。こういった不就学あるいは一般の学校に通う子供たちの日本語教育のニーズを、今後どのように確保していくおつもりなのでしょうか。  私の聞いた話だと、健常者の外国人児童が特別支援学級で教育を受けている実態もあるということであります。これは、共生社会の実現のためにはあってはならないことだと考えていますけれども、それぞれ対策を是非しっかりと示していただきたいと思います。 ○藤江政府参考人 文部科学省におきましては、小中学校等に通う日本語指導が必要な児童生徒の支援のため、日本語指導が必要な児童生徒に対して取り出し指導などを行う特別の教育課程の制度化、日本語指導に必要な教職員定数の着実な改善、外国人児童生徒等に対する日本語指導に取り組む自治体に対する支援などを行ってきたところでございます。  また、御指摘の不就学の子供に対しては、各自治体が学齢簿を編製する際に外国人の子供の就学状況も一体的に管理、把握するよう求める通知を令和二年度に発出したほか、不就学の可能性のある子供について、これまでも、予算事業を活用しつつ、自治体における就学状況調査の実施ですとか、多言語による就学ガイダンス、学校での指導体制の整備などの支援に努めているところでございます。  文部科学省におきましては、外国人の子供に障害がないにもかかわらず、日本語指導が必要であることをもって特別支援学級や通級による指導の対象とすることは不適切であるということを示してまいりました。  これまでも、日本語指導が必要な児童生徒については、通常学級、特別支援学級のどちらに在籍するかにかかわらず、特別の教育課程による日本語指導、教科指導等、児童生徒の日本語能力や障害の状態等に応じた指導を実施するほか、日本語指導補助員や母語支援員等の外部人材の配置など、外国人児童生徒へのきめ細かな支援が行われてきているところでございます。  文部科学省におきましては、これらに取り組む自治体を補助事業で支援しているところでありまして、引き続き、日本語指導が必要な外国人児童生徒等に対する支援に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ○柴山委員 いろいろと工夫をしていただいているんですけれども、この法案がせっかく通った後は、今、最後におっしゃった、やはり外部指導員をしっかりと現場に入れていただいて、通常の教育をする先生方をしっかりとサポートするような、そういう体制を構築をしていただきたいというふうに、重ねてお願いをしたいというふうに考えております。  時間がなくなりましたので、最後の質問となるかと思います。地域における日本語教育の体制をどのように確保していくかについて伺います。  半数近くの地方自治体が日本語教室を持っていないとされており、今回の法案による制度整備と併せて、自治体と連携して、増え続ける日本語教育のニーズに応えていくことが急務だと考えております。特に、ICTの利活用などを積極的に進める余地があると考えますけれども、具体的な方策について、どのように進めていくか、お伺いします。 ○永岡国務大臣 在留外国人が増加傾向にある中で、地域におけます日本語教育の充実、これは大変重要でございます。  しかしながら、柴山委員おっしゃいますように、今なお、日本語教室が設置をされていない、いわゆる空白地域があります。地域における人材の不足ですとか、また日本語教室運営のノウハウの不足などが課題、そういう認識をしております。  このため、文部科学省では、地域日本語教育コーディネーターの配置や研修、空白地域の市町村への日本語教室開設の支援、それからICT教材を活用した教室の支援などを行います都道府県そして指定都市への支援を通じまして、空白地域の解消に取り組んでおります。  また、本法案を契機といたしまして、令和五年度からは、地方公共団体が専門性の高い日本語教育機関と連携をしたプログラムの提供ですとか、空白地域の市町村への日本語教室開設等の支援の充実を図っております。  今後とも、引き続きまして、日本語教育を行います地方公共団体と連携しつつ、地域の実情ですとかニーズに応じて、必要な支援というものを行ってまいります。 ○柴山委員 先ほど申し上げたとおり、この問題については、各党各会派の皆様としっかりと協力をして進めてきた案件でございます。円滑な成立を是非お願いすることを申し上げて、私からの質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。 ○宮内委員長 次に、三谷英弘君。 ○三谷委員 衆議院議員の三谷英弘です。  今日は、御質問の時間をいただきましたこと、委員各位の先生方、そして理事の先生方に心から感謝を申し上げたいと思います。  差し替えでこうやって質問の機会をいただけるというのは本当にありがたいことでございまして、この法案については非常に、いろいろと私なりにも思い入れがございます。  先ほど柴山先生から、超党派議連、日本語教育推進議連、今こちらにも、中川先生とか笠先生を始めとして、本当に多くの、超党派で進めてまいりました。柴山会長の下で本当に超党派で進めていく、やはり教育というのはそういうことなんだろうというふうに思っております。  自民党の中にもそういったPTというものがありまして、ずっと宮内秀樹文科委員長が日本語教育の今後の方向性に関するPTの座長として引っ張っていらっしゃって、文科委員長に就任をするということでございまして、それまで事務局を務めさせていただいた私が、その最後の提言をまとめさせていただくところだけ座長をやらせていただきました。ありがとうございます。  ということで、早速ですけれども、質問に入らせていただきます。  まず、大臣にお伺いをいたします。  今回の法律制定ですけれども、本当によかったと思っています。日本語教育を、しっかりとした水準のものをつくっていく、そして、本当に多くの外国の方に日本語を勉強していただく。それと同時に、日本語教育に携わっている方々の待遇をしっかりと上げていく。そういったものにつながっていくんじゃないかというふうに思っておりますけれども、今回の法律制定の意義、そして目的はどこにあるか、お答えいただけますでしょうか。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  我が国の在留外国人数、これが今後も増加することが見込まれております。我が国におきまして生活をする外国人が必要な日本語を理解して、また、使う能力を身につけられる、その環境の整備というものが必要になってまいります。  こうした背景を踏まえまして、令和元年に成立した日本語教育の推進に関する法律に規定されました検討事項のうち、本法案におきましては、具体的に、質の担保された日本語教育機関を認定する制度、そしてもう一つ、認定日本語教育機関で日本語を指導することができる日本語教員の資格制度、この二つを設けまして、日本語教育の適正かつ確実な実施を図ることとしております。  新たな制度の周知及び促進によりまして、日本語教育の質の維持向上を推進するとともに、日本語教師の社会的認知を高めて、処遇改善につながるように、これを努めてまいりたい、そう考えております。 ○三谷委員 ありがとうございます。  そうですね。本当に、今お答えいただいたとおりなんだろうというふうに思っておりまして、しっかりと日本語教育を行っていく受皿というのをまずはつくっていく、その中で、しっかりと、日本語教育をされる方々にもちゃんとした日本語を勉強していただきたい、そのように考えております。  その上で、ちょっと日本語学習の実態についてお伺いをしていきたいと思います。  現在、多くの方が日本に滞在をされております。様々な理由があるわけですけれども、それの事実関係の回答をお願いしたいんですけれども、現在の在留外国人の数、そして、そのうちの技能実習生の数、特定技能在留外国人の数、そして留学生の数はそれぞれ何人か、お答えいただけますでしょうか。 ○君塚政府参考人 令和四年末現在の在留外国人数は約三百八万人でございます。これを在留資格別で見ると、今御質問のあった在留資格に関して言えば、技能実習約三十二万人、特定技能約十三万人、留学約三十万人でございます。 ○三谷委員 一方で、お伺いしたいんですけれども、現在の日本語学習者の数は何人でしょうか。 ○杉浦政府参考人 お答え申し上げます。  文化庁が実施した調査におきまして、国内の日本語学習者数は、令和三年度では新型コロナウイルス感染症の影響により約十二万人ですが、最も多かった令和元年度で約二十八万人となっております。 ○三谷委員 今お答えいただきましたとおり、今、在留外国人の数が、三百万人を超える方々がいらっしゃる。そのうち、留学生の方だけで約三十万人いる。技能実習生三十二万人、特定技能在留外国人は十三万人。在留外国人が三百万人いて、日本語学習をされている方が二十八万人しかまだいないということを、まずは目を向けるべきなのかなというふうに思っています。留学生の数も三十万人いる。留学生の数は三十万人いるんだけれども、日本語学習をされている方が三十万人ということなんですね。  私も海外留学経験がありますけれども、一生懸命、それなりに自分で英語を勉強していきました。それなりにTOEFLの点数を取ってもいきました。でも、海外に行って、向こうのロースクールに通う前にはイングリッシュスクールにある程度の期間通って、それでしっかりと向こうのロースクールで勉強するということもいたしました。  レイヤーはいろいろあると思うんですけれども、まだまだ実は日本語を勉強してくれていないんじゃないかというような思いが正直ございます。  そういう意味でお伺いしたいんです。これは、日本語教育を所管している官庁として、率直にお伺いしているんですけれども、この現在の三十万人という日本語学習者の数というのが多いと見るか少ないと見るか、お答えをいただきたいと思います。 ○杉浦政府参考人 お答え申し上げます。  今、三谷委員御指摘のとおり、国内の在留外国人のうち、日本語学習者数は約一割ということでございますが、また同時に、出入国在留管理庁が在留外国人を対象に行った調査によりますと、日本語を学べる場所、サービスに関する情報が少ない、自分のレベルに合った日本語教育が受けられない、近くに日本語教室、語学学校等がないといった課題が指摘されているところです。  こうしたことから、日本語学習を受けることを希望しているにもかかわらず、実際には日本語学習を受けられていないなど、潜在的なニーズが存在しているものと考えられます。  このため、本法案におきましては、日本語学習を希望する外国人が必要な情報を得られますよう、認定日本語教育機関に関する情報を文部科学大臣が多言語で発信することとしており、こうした取組を通じて適切に対応してまいります。 ○三谷委員 今お答えいただいたとおり、本当に、潜在的なニーズというのはまだまだ非常に多くあるんだろうと思いまして、今回の法律を作ることによって、ここで勉強すればちゃんと日本語が勉強できるんだよという、安心できる受皿というものをしっかりとつくっていただける法案だと思っておりますので、非常に期待をしているところでございます。  その上でお伺いをしたいんですけれども、かといって、今のお答えというのは、勉強がしたいと思っているんだけれどもどこで勉強したらいいかよく分からないというような人は、なかなか日本語学習者の中には入らないんですよという答えではあるんですけれども、でも、それだけで本当にいいのかという問題意識もあるわけです。  といいますのも、先ほど、留学生の数三十万人と申し上げましたが、そのほかに、技能実習生が三十二万人、特定技能の在留外国人というのは十三万人、合わせて四十五万人いるわけです。この四十五万人の方々、そういった方々については、日本に在留をして、そして日本で働きたいというのであれば、一定程度の日本語水準をむしろ求めていくべきなのではないかと思いますけれども、その辺について御見解はどうでしょうか。お答えください。 ○君塚政府参考人 今、二つの仕組み、技能実習制度と特定技能について言及がございました。  まず、現行制度について現状を申し上げますと、技能実習制度では、技能実習生が技能実習の遂行や日常生活に不自由しない水準の日本語能力を身につけることができるよう、監理団体等が実施する入国後講習において、全ての技能実習生に対し日本語科目の実施を義務づけておりまして、その実施状況につきましては、外国人技能実習機構による監理団体等に対する実地検査により、適正に実施されているかどうかを確認をしております。  それから、特定技能制度につきましては、これは、入国前の、あるいは特定技能に移るときの要件といたしまして、それぞれ各分野ごとに若干の要件は違いますけれども、おおむねN4クラスの日本語能力を試験等により検定をしているという現状にございます。 ○三谷委員 ありがとうございます。  特定技能の方については一定の日本語のレベルを現時点でも確認をしているということを回答いただきましたけれども、技能実習生については、先ほどお答えいただいたとおり、そういう、日本語教育を行うことという義務が課されているわけでありますけれども、私が確認をしているところによれば、何時間、日本語を勉強させるという要件はございません。また、日本語を勉強させた後に、どの程度まで日本語を学習したかという水準についてのチェックもありません。  そういったことで、果たして、本当にしっかりと日本語教育をさせているというような現状があるのか、また、そういった、受入れをしているところが技能実習生に対して日本語教育を行わせる何らかのインセンティブというのがあるかどうかについてお答えいただきたいと思います。 ○君塚政府参考人 お答えいたします。  今、技能実習生受入れにおける日本語学習の課題について御指摘をいただいたわけでございます。  現行制度におきましては、インセンティブに関しまして、技能実習三号の受入れができる、いわゆる優良な監理団体及び実習実施者のポイント計算において、受け入れた技能実習生に対する日本語の学習支援等の取組を行っていることを加算項目とする仕組みとしているところでございまして、これにより実習実施者による日本語教育への取組を推進しているところでございます。  その上で、インセンティブ等々に関しましては、技能実習生に対する日本語教育の在り方として検討を要する課題と認識してございまして、先般、技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議におきまして提示された中間報告案では、検討の方向性として、受入れ企業等と外国人労働者が日本語教育に自発的に参画するためのインセンティブ化を含め、日本語能力が段階的に向上する仕組みを設ける方向で検討すべき、あるいは、地域における外国人労働者に対する生活支援と共生社会実現の観点から、基本的に外国人労働者の負担とはせずに受入れ企業等の負担としつつ、国や自治体が日本語教育環境の整備などの支援を適切に行いつつ、日本語教育の機会を充実させる方向で検討すべきと示されているところでございます。 ○三谷委員 技能実習生への日本語教育の話を聞くと、必ず、受入れ団体に対してはちゃんとインセンティブを設けていますというふうに答えをいただくんですけれども、このインセンティブというのは、全体がどれぐらいのうちのどの程度のインセンティブなのか、ちょっと事実関係を回答ください。 ○君塚政府参考人 失礼いたしました。  現在のインセンティブの件でございますけれども、技能実習生につきましては、日本語能力を身につけているということについての重要性に鑑みまして、例えば、先ほど申し上げた優良な実習実施者の要件といたしましては、日本語の学習の支援を行っていることというのがポイントの中にございまして、現状におきましては、百五十点満点のポイント計算における中では四点の加点要素ということになっているところでございます。これが現状でございます。 ○三谷委員 一生懸命、企業が自分のところの技能実習生に日本語を勉強させる、そうすることによって、その技能実習生が日本の社会で溶け込んで生活できるようになる、周りの方々にとってもプラスしかないものに対して、現状は四点しかインセンティブがないということで、企業が自分の費用でやろうなんて思うはずがないわけですし、技能実習生の方々に対してちゃんと日本語教育をさせようというふうに持っていかないと、これは本当にいつまでたってもどうしようもない状況が続くんじゃないかというふうに思っています。  日本語教育の実態についてはちょっとこれぐらいにして、次に移るんですけれども、やはりこの仕組みを含めてちゃんと見直していかないと、登録日本語教師の制度をつくったところで意味がないと思っているんですね。  今本当に考えているのは、今、日本語教員が四万人います。時間がないので質問のところを答えから言っちゃうんですけれども、四万人いて、うち二万人がボランティアなんです。四万人の方がいて、今、三十万人の日本語学習者がいると、一人当たり七名しか担当していないんですね。二万人がボランティアの方々で、その方々の善意によっているとしたら、二万人の方がお金をもらって日本語教師をやっています。その方々が三十万人を教えているということになれば、一人当たり十五人ということになるんです、単純計算で。  とすると、この十五人を教えることでよっぽどお金をもらえる仕組みをつくっていくか、若しくは三十万人である日本語学習者の数をもっともっと増やしていかないと、幾ら登録してもらったところで、社会的に認知されて、キャリアとしてちゃんとした報酬が稼げるような仕組みというのはつくっていくことができないんじゃないかというふうに考えております。  そういう意味で、我々として登録日本語教員の制度をつくることそれ自体で、収入が得られ、社会的に認知されるキャリアになるのか、また、そういうふうになるためにはどうしたらよいかについて、文化庁からお答えいただきたいと思います。 ○杉浦政府参考人 お答え申し上げます。  日本語教師の処遇改善のためにも、日本語教師の必要性や専門性の社会的認知が求められますことから、本法案において、まずは登録日本語教員の新たな国家資格を設けるということから始まっております。  また、国で構築を予定しておりますサイトにおきまして、本人の希望に応じた研修履歴を蓄積、掲載するなど、日本語教師のキャリア証明に資するような仕組みについて検討するほか、登録日本語教員を対象とした留学、就労、生活などの様々な分野の研修等を充実させて、その専門性が高められるよう支援する予定です。  こうした取組や、新たな制度の周知及び活用促進によりまして、登録日本語教員の適切な処遇改善や量的確保へつなげていくよう努めてまいりたいと考えております。 ○三谷委員 これは繰り返し申し上げますけれども、今本当に、四万人いるうちの半分がボランティアです。もうほとんど地域の善意の方々によって日本語教育というのは成り立っていると言っても過言ではないわけです。その現状を脱していくためには、もっともっと日本語教育に対していろいろな形で投資をしていかなきゃいけない、お金を出していく仕組みというのをつくっていかなきゃいけない。  そのためには、まずは、日本で働きたいとか日本で生活したいという外国の方には、自分のお金で日本語を勉強してもらう。これは一つ、大前提です。でも、それができないんだったら、企業がせめて、働き手として外国の方を日本に入れるんだったら、企業がそこに対してお金を出していくという形にしなきゃいけない。それでも間に合わないんだったら、国とか地方公共団体がしっかりとした予算をつけていく。  そういったことによって、日本語を教えるということがしっかりとした仕事だというふうに認知させていかない限りは、いつまでも、近くの公民館で日本語のボランティアの方々が自分の空いた時間で日本語を教えています、それではなかなか日本語の水準は上がりませんみたいな、今の現状を変えることができないと思っているので、是非とも、国、地方公共団体プラス企業というところでお金をしっかりと出していくような仕組みをつくっていただきたいというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  残す、あと一分ぐらいの時間で、違う質問をさせていただきます。  せっかくなので、アニメの話をします。  外国人が日本に興味を持った、日本語を勉強しようかなと思ってくれるのは、やはりアニメとか漫画とか、そういったものがきっかけだということはよく言われています。それであるのであれば、せっかくなので、もっともっと、アニメとか漫画というのを日本語教育の素材に使ったらいいんじゃないかというふうに思っています。  例えば、私がアメリカにいたときに、「ドーラ・ザ・エクスプローラー」というアニメがあって、実はそれは、メキシカンの、ヒスパニックの方で英語がなかなかしゃべれない方用のアニメで、それを見ることで自然に英語もしゃべれるようになるみたいなアニメが結構流されていたんですね。  そういうツールでもいいんですけれども、しっかりと、そういうアニメとか漫画を使って、日本語がしゃべれない外国人の子供たちに訴求するような、そういったものを作っていって、それを広めていくみたいな施策を打っていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。お答えください。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  外国人の子供への日本語教育にアニメや漫画等を活用するということにつきましては、学習への興味、関心を高めることなど、本当に効果があることと思っております。  文化庁では、地域日本語教育の総合的な体制づくり推進事業におきまして、都道府県等の教材の作成を支援しておりまして、アニメや漫画等を活用した教材を作成し、そして、地域の日本語教室だけではなくて、学校で活用いただくことも可能でございます。  文化庁では、そうした教材の作成も含めまして、引き続きまして、各地域の工夫によります日本語教育の実施を支援してまいります。 ○三谷委員 以上です。ありがとうございました。 ○宮内委員長 次に、笠浩史君。 ○笠委員 立憲民主党の笠でございます。  今日は、こうして、委員外でもありますけれども、発言の機会を、質疑の機会を与えていただきましたことに感謝を申し上げたいと思います。  先ほど来、柴山委員からもありましたように、この法律というのは、ちょうど、二〇一六年、平成二十八年に、十一月、日本語教育の推進議員連盟を超党派で立ち上げさせていただきました。当時は、勇退された河村建夫先生が会長で、我が党の中川正春先生が会長代行で、馳浩さん、今の県知事が事務局長で、私が幹事長を拝命をし、何とか日本語教育を推進をしていこうということで、現在は柴山会長がそのリーダーとなっておるわけでございますが、その議連の結果として、多くの与野党の議員の皆様方のお力をいただきながら、令和元年に、議員立法で、日本語教育の推進に関する法律を成立をさせることができました。  今回の法案は、この日本語教育推進法に基づいて国が検討を行うということで、これを受けて、これまで日本語教師の資格に関する仕組みの整備や、あるいは日本語教育機関の評価制度、整備に関して、閣法としてようやく提出をされたということで、非常に歓迎をしたいと思いますし、しっかりと、速やかに成立ができればというふうに思っております。  ただ、ここが私は実はスタートじゃないかというふうに思っております。  先ほど来あるように、非常に今、日本語教員の置かれている雇用状況というもの、環境というものは、必ずしも安定したものとはまだ言えません。また、日本語教育機関の質も様々な状況にあり、今後はこうした教育環境の改善が喫緊の課題であるというふうに思っております。  そして、やはり、こういった課題を解決するためには、現場で指導する日本語教師の方々、日本語を指導する教育機関、あるいは指導する教育の内容といった、日本語教育の質の維持向上のための施策を一体的に、議論を更に進めていく必要があるのではないかというふうに思っております。  少し振り返りますと、ちょっと時代は違うんですけれども、明治期以降の日本の近代教育制度の発展の歴史を見ても、明治五年に学制が公布されて、小学校を中心とする教育機関が設けられ、官立師範学校や、教員資格検定制度に始まる教員の資格に関わる制度、今の学習指導要領につながる教則といった教育の基準や教育の内容に関わる制度が段階的に整えられて、そして義務教育の制度が成熟し、社会に定着をしていくという過程をたどってまいりました。  こうした歴史と日本語教育の政策を比較しても、日本語教育は、今回の法律により、ようやく教育機関の認定制度とそこで働く教師の資格制度が開始をされたという状況であり、今回の法律の実現は、日本語教育が我が国において定着し、発展をしていくための、ある意味、私は、スタートだ、スタート地点だというふうに思っております。  国内の日本語教育機関は株式会社により設立されている機関も多く、直ちに私立学校のように経常経費を措置できるような状況ではありませんけれども、そのことは承知しておりますけれども、やはり、制度が整備された後に、これが広く活用をされ、日本語教育がこれまで以上に社会のインフラとして位置づけられていくためには、今後、政府においても、日本語教育全体の質の向上に資するような先進的な取組などについては積極的にやはり予算措置を行っていくなど、様々な支援施策を通じて、日本語教師や日本語教育機関の社会的な評価の向上と日本語教育の質の向上の好循環をいかに図っていくか、このことが大きなポイントになると思います。  その点について、まず、大臣の見解を伺いたいと思います。 ○永岡国務大臣 日本語教育の推進の議員連盟では役員をしていただきまして、また、今法律案提出まで御尽力いただきましたこと、まずもって、笠先生には感謝申し上げます。  近年、我が国の在留外国人数、これは増加傾向にございます。留学ですとか就労、生活など、様々なニーズに応じまして、日本語教育の施策の充実、これは図っております。  本法案によりまして認定を受けました日本語教育機関に対しては、当該機関に関する情報の多言語での発信ですとか、また、登録日本語教員に対します研修機会の充実などを通じまして支援は行ってまいります。  また、本法案をやはり契機として、これはスタートというお言葉をいただきましたけれども、さすがそのとおりだと思っておりますが、専門性の高い日本語教育機関と連携をしたプログラムの提供、そして、地域によりましては空白地域がございます、空白地域の市町村への日本語教室開設等の支援というものを行いまして、引き続きまして、地域におけます日本語教育環境の充実に向けて、地方公共団体への支援というものはしっかりと行ってまいりたいと思っております。 ○笠委員 本当にこれはかなりスピードアップをしながら、やはりいろいろな制度、できたのはいいんだけれども、これが本当に根づいていくのか、あるいは、きちんとした形で、現場で働く教員の皆さん、あるいは、一番大事なのは、日本語を学びたいと思っている子供たちのために、あるいは様々なそういった需要に応えていくということが大事だと思っております。  二〇二二年の国際協力機構の調査研究の、二〇三〇、四〇年の外国人との共生社会の実現に向けた取組によれば、二〇四〇年に目標GDPを達成するために必要な外国人労働者数は、二〇二〇年現在の百七十二万人の約四倍の、六百七十四万人とされる見通しが出されております。  実際にこれだけの外国人労働者を我が国として受け入れるかどうか、改めて国民的な議論というものは必要になるかと思いますけれども、いずれにしても、今後、本当に中長期的に我が国が外国人を受け入れていくに当たっては、これまで以上に日本語を学ぶことができる機会を増やしていかなければなりません。  先ほどもありましたように、しかし、この現状を見れば、とにかく日本語教師の、質はもちろんこれからしっかりと担保をしていく、しかし、やはり数、この量的な充実というものが求められてくることになります。  しかしながら、今、法務省の告示校の日本語教師は五十代以上が半数を占めるというような状況で、若い人たちの比率が非常に低い。そして、大学等養成機関においては、約一万三千人が在籍をしているにもかかわらず、実際に、大学学部においては、養成課程を経て教師になる人は一割以下になっているんですね。  そういった、なぜ、こういった養成機関で学びながらも、若い人たちが日本語教育機関で活躍する状況に結びついていないのか。その点を、非常に日本語教育の現場からも、人手不足という実態、私も多くいただいておりますけれども、文科省としてはこうした現状についてどのように分析をしているのか、その見解をお示しをいただきたいと思います。 ○杉浦政府参考人 お答え申し上げます。  我が国の在留外国人数は今後も増加することが見込まれており、日本語教師の質的、量的な確保は喫緊の課題となっています。  これまでも大学の学部等で日本語教師の養成が行われてきたものの、御指摘のとおり、文化庁の調査では、大学の通学制学部の養成課程を経て実際に日本語教師になる者は一割以下となっておりまして、この点につきましては、文化庁の有識者会議において、日本語教師の社会的認知や処遇の低さが原因となっていると指摘されています。  また、文化庁の有識者会議においては、専門性を有する教師が不足する中で、日本語教師の処遇も含めたキャリア形成が明確でないことや、教師を必要とする日本語教育機関、企業等が質の担保された教師を確保することが困難な状況にあるなどの課題も御指摘いただいているものと承知しております。 ○笠委員 やはり、若い人に魅力ある仕事にするためには、待遇も含めて本当に改善をしていかないと、なかなか、例えば、日本語教師だけでは生活ができないとか、あるいは、先ほども指摘があったように、今、半分はボランティアの皆さんによって支えられている。あるいは、日本語教師の中でもまた非常勤の方が非常に多いわけですね。  そういった、これを本当に改善をしていくためには、やはり、もちろん研修などを通じてこれから専門性を高めていく、そして、その結果として、教育現場からのまたニーズが一層高まっていくということになるわけですけれども、私は、日本語教育機関の、もちろん教育機関を始め、例えば経済界であったり地方自治体であったり、いろいろな、本当にニーズはどんどん増えていくと思うんですよ、こういった専門性の高い方々の日本語教師の。  ですから、やはり、そういったところの能力を持った方々と、あるいはこのニーズ、必要とする皆さんの、何かそこをつなぐようなプラットフォームみたいなものを、人材が欲しい、しかし、どこに求めればいいのか分からない。あるいは、日本語教師の立場からすれば、自分もいい待遇でしっかりと働けるところがないだろうか、誇りを持ってやりたいんだと。そうすると、そのマッチングみたいなものを、何か国としてそういう仕組みを検討するということ、これはそんなにお金がかかる話じゃありませんので、そういった点をやはり私は是非つくっていただきたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。 ○永岡国務大臣 我が国の在留外国人数が今後も増加することが見込まれております。そんな中で、やはり日本語教師の質的また量的な確保というのは、おっしゃいますように、喫緊の課題でございます。  このため、日本語教師の必要性や専門性の社会的認知を高めまして、さらに、その処遇改善につなげていくためにも、本法案により、登録日本語教員の国家資格を創設いたしまして、その質の担保を図ることが重要と考えております。  その上で、国で構築を予定しております情報発信サイト上で、本人の希望に応じて研修履歴を蓄積、掲載するなど、日本語教師のキャリア証明に資するような仕組みというものを検討することとしております。  また、登録日本語教員を対象といたしました就労、生活等の指導に必要な研修等を充実させまして、その専門性を高められるよう支援することも予定をしております。  また、さらに、日本語教育機関や企業、地方自治体におきまして活用が図られるように、新たな制度の周知というのも図ってまいりたいと考えております。  こうした取組によりまして、登録日本語教員の社会的地位を確立するとともに、その志願者が増えて、そして活用が促進されるように努めてまいります。 ○笠委員 是非、もう少し、今おっしゃったことの方向性はいいんですけれども、やはりきちんと、発信をするだけじゃなくて、例えば、国が本当にプラットフォームみたいなもので、お互いが、今、地方の自治体なんかでも、もちろん経済界でも、いろいろなところが、そういう非常に能力のある、しっかりとした質の高い日本語教師を求めている。そういったところはたくさんあるわけですから、一方で、ニーズは。だから、それを結びつけるような、そういう具体的な仕組みというものを、是非重ねて検討をお願いを申し上げたいと思います。  それで、今後の日本語教師を目指す人を増やしていくということと併せて、この法案における、今後、試験の実施、受験機会の、やはり、なりたい人がきちんと受験をすることができる、その機会の確保というものも非常に重要であるというふうに思っております。  今も民間団体で日本語教育能力検定試験というのがあるわけですけれども、これは令和五年度、秋に、年一回の実施を予定をしておるということで、これまでも、全国七か所の試験会場で、年一回大体行ってきているわけですね。  しかし、やはり、本当にこれは一回で大丈夫なのか、あるいは、七か所で本当に全国の人たちがきちんと受けることができるのかというと、かなり私は課題があるような気がするんですけれども、国が実施する今後の国家資格、この試験に対して、今、現場の皆さんからどういった要望が出ているのか、あるいは、それに対してどのような対応をしていくおつもりなのか、その点をお聞かせいただきたいと思います。 ○永岡国務大臣 昨年開催いたしました有識者会議の報告書への意見募集でございますけれども、これは日本語教員の試験について意見募集をしたわけでございますが、できる限り実施会場を増やしてほしいということもありました。また、出願や結果通知などの手続を全てオンライン上で実施してもらえるようにしてほしいと。そして、国内外の現場で登録日本語教員が活躍できるように、試験はコンピューターを活用したテスト方式、CBT方式と申しますけれども、その実施が望ましいなど、いろいろな意見が寄せられました。  試験地や、その具体的な数ですとか、また受験手続、試験方式などにつきましては、本法案の成立後、受験見込み者数などの状況を踏まえて検討していかなければいけない、そういうふうに考えております。 ○笠委員 やはり今のオンライン化も含めた、いわゆるCBT化、こういったことも、やはりこれは早くそういった制度も活用しながら、現実的には、四十七都道府県全て会場を設けてというようなことはなかなか難しいと思うので、ただ、今、沖縄県なんかは全くないという、試験会場もないというようなことで、今度、北海道は新たにきちんとやるということですけれども、そういったことも考えていただきたいと思います。  それと、今、海外において、日本語教育機関数は約一万八千機関ということで、海外にいる日本語教師数というものも約七万五千人、学習者は約三百八十万人いると言われておるわけでございますけれども、こういった、今、この制度自体、この法律自体は国内を対象にしているんですけれども、やはり海外における日本語教師の皆さんのいろいろな支援というものも私は大事だと思っているんですが、この中で、例えば、どれくらいの方が登録日本語教員の資格を取ることを希望される、何かそういった見通しがあれば教えていただきたいと思います。 ○岡野政府参考人 お答えいたします。  委員御指摘ございましたように、今回の法案の趣旨は、日本国内の日本語教育機関における日本語教員の資格制度を定めるものと承知しておりますけれども、海外における日本語教師のうち、登録日本語教員資格の取得を目指す日本語教師も一定数存在する可能性があると理解しております。  外務省としましては、文部科学省と連携しつつ、在外公館、また外務省が所管をしております国際交流基金の海外事務所を通じた情報発信、加えて、日本語教師会等への案内など、海外での情報提供に努めてまいりたいと存じます。 ○笠委員 私も、かなり一定数おられると思います。いろいろな、国から派遣をされて行っている方というのは、帰国した際に受験をする機会というものを得ることもできるかもしれませんけれども、なかなかやはりそういう環境にない、そういう環境を持てないという方もやはり今後出てくる可能性はあるので、是非、海外におられる日本語教師の方々の資格、受験機会の確保について、先ほどのオンライン化という、文科省の方でもこれから検討するということですけれども、そういうものも活用してしっかりと取り組んでいただきたい、これは要望をしておきたいというふうに思っております。  それで、次に、今後また、今、日本語教育の現場において活躍されている方々がしっかりこれからも活躍をしていただくということが非常に重要になってくるわけでございますが、日本語教師の数が不足していることが非常に問題となっている中で、こうした方々が資格取得を諦めてしまっては、これはまさに本末転倒であります。  五年間の経過措置というものが取られることになっているわけですけれども、やはり、現職日本語教師の今後の経過措置における対応、これというのは非常に丁寧に私はやってもらいたいと思いますし、今実際に教師をやられている方々が本当にきちっと資格を取っていくことができるように、その辺の検討状況を教えていただきたいと思います。 ○杉浦政府参考人 お答え申し上げます。  一定の質が担保された法務省告示校において一定の指導経験を有する者は、登録日本語教員でなくても法律の施行後五年間は認定機関で勤務できることとしているほか、その五年間で登録日本語教員となるための経過措置につきましても政令以下で定めることとしてございます。  具体的な経過措置の内容につきましては、令和四年度の有識者会議における提言も踏まえまして、法案の成立後に文化庁有識者会議等において検討することとしておりますが、今委員御指摘のとおり、丁寧な対応に努めてまいりたいと考えております。 ○笠委員 やはり非常に、まずは制度設計をしっかりとやった上で、その周知というもの、そしてまた、そういったものを、特にやはり今の現場の皆様方から更にしっかりと意見を伺いながら、是非制度設計をしていただきたいというふうに思っております。  次に、非常に、先ほどもありましたように、地域間格差ですね。  やはり、どこにいても日本語を学ぶことができる、あるいはそういったアクセスができるようにいかにしていくかということが大事だというふうに思っておりますけれども、国がやはり地域の日本語教室の開設支援やあるいは日本語学習環境の整備を行うということ、これは、今、文化庁でも一部に、こうした事業に取り組む自治体への支援を行っているということを承知をしております。  ただ、こういった事業についても、全ての自治体が参加している、手を挙げているわけではありません。いまだに日本語教室の空白地域が多く存在をしている中で、例えば現在政府が開設している日本語学習サイト、「つながるひろがるにほんごでのくらし」、通称「つなひろ」というらしいんですけれども、私、こういったことを使ったオンライン学習機会というのは、これは非常に重要なことだというふうに思います。  しかし、こういったことを更に充実させ、そしてこれを継続し広げていく、このことに対する今後の文科省の対応、方針についてお聞かせください。 ○永岡国務大臣 日本語教育の推進法では、重要な施策の一つの柱といたしまして地域における日本語教育が位置づけられまして、地域の日本語教室の開設支援、また、日本語学習環境の整備などを行うこととされております。  このため、国といたしまして、地域日本語教育コーディネーターの配置、そしてもう一つあります、空白地域の市町村への日本語教室開設支援などを行います都道府県への支援などを通じまして、日本語教育の空白地域の解消に取り組んでいるところでございます。  また、日本語教室がない空白地域に暮らす外国人が独学でも日本語を習得できますように、日本語の学習コンテンツ、「つなひろ」でございます、その名称のコンテンツの作成や、その対応言語の拡大などに取り組んでおります。  文部科学省といたしましては、今回の法案によります制度の創設と併せて、日本語学習を希望する外国人に対しまして日本語教育を受けられる機会が確保されるように、地域におけます日本語教育の推進にも、引き続きまして全力で取り組んでまいります。 ○笠委員 是非いろいろな形で、やはり地方の自治体も、非常にこういう状況を受け止めて、これからやはり自分たちもいろいろな形で取り組んでいこうという動きも出ておりますので、やはり国が、一定の支援、これをやっていくことが大事だと思いますので、地域間格差というものが生まれないように、誰もがどこでもアクセスができる状況を、しっかりとやはりこの機会にこれから推進をしていただきたいと思います。  我々議連がまとめた日本語教育の推進について、その基本理念として、外国人等に係る教育及び労働、出入国管理その他の関連施策等の有機的な連携を掲げております。このためには、各省庁、この連携が非常にやはり不可欠であり、我々も様々、議連としても、常に各省庁に、その連携の在り方というものについては、しっかりとそこを行うように求めてきているわけですけれども。  政府において、この推進法の規定に基づいて、日本語教育推進会議において、制度の活用促進に向けた検討を今行っているということを承知をしておりますけれども、具体的にどういった方策が今検討されているのか。あるいは、この法案が本当にそうした各省連携を担保するような内容になっているのか。その辺についての見解をお願いをいたします。 ○杉浦政府参考人 お答え申し上げます。  本法律案においては、関係省庁と連携した制度の活用の推進が重要でございます。このため、今回の法案提出に当たりましては、日本語教育推進法に基づき、関係省庁が構成員となる日本語教育推進会議を開催し、具体的な制度の活用の推進方策を昨年十二月に取りまとめたところです。  具体的には、法務省と連携し、認定日本語教育機関の認定を、在留資格、留学による留学生受入れの要件とすること、外務省と連携し、認定日本語教育機関の情報を在外公館等で発信すること、法務省、厚労省、総務省、経産省と連携し、認定日本語教育機関の情報をハローワークなどの関係機関を通じて発信することなどの連携を行うことを予定してございます。  このうち、本法律案に関連いたします施策の連携を担保するため、本法律案におきましては、関係行政機関の長との協力に関する規定を新たに設けてございまして、文部科学省としては、当該規定を踏まえ、関係省庁とも密接に連携してまいります。 ○笠委員 連携、連携と言うんだけれども、往々にして、やはり縦割りの中で必ず抜けていくところがありますので。それとやはり、地方の自治体から、国との連携、国とのいろいろな施策の協力体制でいくときに、窓口がばらばらであったり、いろいろな形で、そういったところで、どこでどういうふうに考えていけばいいのかというような問題も出てきますので、やはり、今回、とにかく文科省がきちっと、文化庁が中心になって、しっかりと大臣のリーダーシップの下でやっていただきたいと思います。  最後に、外国人の、先ほどもあった、日本語教育が喫緊の課題になっている中で、その領域の一つが外国人の子供に対する日本語教育でございます。  日本語教育、日本語指導の必要な小中高等学校における外国人の児童生徒は、近年、増加をしております。また、不就学の外国人の子供に対する日本語教育も大変な大きな課題になっておりますけれども、例えば、私、実は夜間中学の推進なんかもやっているんですけれども、この夜間中学なども含めた学校における日本語教育支援について、これまでの文科省の対応、この法律の制定に伴って、何か充実へ向けた新たな政策をしっかりと推進をしていくというようなことが検討されているのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  日本語指導が必要な外国人の児童生徒数というのは、平成の二十四年より約十年間で一・八倍に増加をしておりまして、教育支援の充実ということが求められております。  文部科学省では、日本語指導が必要な児童生徒に対しまして取り出し指導などを行います特別の教科課程の制度化ですとか、日本語指導に必要な教職員定数の着実な改善をしております。そして、外国人児童生徒等に対する日本語指導に取り組む自治体に対する支援ということも行っております。  本法案成立後には、登録日本語教員のうち、特に児童生徒向け研修を実施をした者などを、夜間中学ですとか、また小中高等学校におけます特別の教科課程などの補助者、ごめんなさい、教育課程ですね、特別の教育課程などの補助者といたしまして積極的に活用する具体的な仕組み等を検討していく予定でございます。 ○笠委員 今、夜間中学、非常に、日本語を学びたいという外国人の方々、お子さんも含めて多いんですよね。今、学齢期の子供さんも受け入れることができるようにもなっておりますし。ただ、現場は大変です、日本語をやはり教えるという。  ですから、私は、やはり日本語教師の、今、小学校、あるいは中学校、夜間中学も含めて、小中高等学校は認定日本語教育機関の今回の制度では対象とはなっておりません。しかしながら、国家資格を持った日本語教師の方々が、学校の日本語教育指導の現場において例えば地域のコーディネーターとなるなど、恐らくは活躍できる人材になっていくのではないかということが期待されますので、是非、そういった人材の活用方策について、本当に、どんどん活用してくださいではなくて、やはり、国が財政的な支援も含めてしっかりと配置ができる、そういった制度を大臣にはつくっていただきたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。 ○永岡国務大臣 先ほども申し上げましたとおり、日本語の指導が必要な外国人児童生徒の数というのは増加しておりまして、教育支援の充実が求められておりまして、引き続きまして、日本語指導が必要な外国人児童生徒等の教育ニーズに応じたきめ細かな支援にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  また、本法律案の成立後には、登録日本語教員のうちの、特に児童生徒向け研修を受講した者などを、小中高等学校におけます特別の教育課程などの補助者ですとか、学校と地域をつなぎますコーディネーターとして活用する仕組み、これはしっかりと検討してまいります。 ○笠委員 本当に、先ほど私、申し上げたんですけれども、今、日本語の特別の資格を、今度、登録日本語教員ということでせっかく資格をもって質を担保するわけですから、やはりそういった方々がもっと学校の現場に入っていって、そして先生方のサポートをしながら、あるいは、日本語の、教えることができる、そのいろいろな、様々な能力をしっかりと展開、発揮をしてもらえるような仕組みをつくっていく必要があるということは本当に重要な点でございますので、大臣には、やはり改めてその点だけは、何か、例えばどういうような、特に自治体の方からもいろいろな現場の声あるいは様々な要望というものを聞いていただいて、そして具体的な対策というものを是非取っていただくようにお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。 ○宮内委員長 次に、柚木道義君。 ○柚木委員 おはようございます。  質疑機会をいただき、ありがとうございます。  まさに、先ほどの笠先生、そして柴山先生を始め、本当に、この日本語教育機関認定法、御尽力をされた先生方に心から敬意を表し、私も先日、代表で、本会議で質問に立たせていただいて、その更問いも含めて、新規もちょっと入れておりますが、質問させていただきたいと思います。  そっちをしっかりやれるように、順番をちょっと入れ替えて、そのほかのを先に終わらせますので、大臣、通告していますので、よろしくお願いします。  それで、ちょっとその前に、一点だけ。  御承知のように、昨日は旧統一教会の五回目の質問権行使の回答期限で、レターパック一通の回答が届いたということで、これは大臣も会見で述べておられるわけで、ちょっと一点だけ、私も、その会見で述べられたことの中で、ちょっと確認をしたいことがあります。  これは、旧統一教会の被害者の方々に相当配慮をされながらその被害の実態をお聞きをされてきた、そういうことで、この間、調査の着手から五か月がたつわけですが、やはり時間が必要であるということを述べられているということであります。  ということであれば、我々としては、これはもう、まさに来月の七日に韓国で合同結婚式に多くの方が日本からも行って、まさに献金、資金が、本来なら救済に充たるべき資源も流出してしまいかねない中で、やはり一日も早い解散命令請求を裁判所に行っていただくことがその防止にもつながるし、被害者の方や全国弁連もそれを求めてこられたと思うんですね。  他方で、被害者に配慮をして時間がかかっている、今後も時間がかかるということであるならば、これは、六回目の質問権行使というのもあり得るという御認識を大臣としてはお持ちなのか、教えていただければと思います。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  現時点で、報告徴収、質問権を実施をいたしまして、回答が来たというところでございまして、次の質問権を行使するのかというお答えには、申し訳ございませんが、やはりお答えは差し控えさせていただければと思っております。 ○柚木委員 六回目の質問権行使があるかどうかはなかなか今お答えしづらいということでありますが、昨日の閣議後会見を率直に受け止めれば、そういった被害者の方々からお話もお聞きをされていること、そして、今回の回答の分析、ある程度時間が今後も要する可能性については、それはそういうことだということでよろしいんでしょうか。 ○永岡国務大臣 昨日届きました質問の回答、これもしっかりと精査をさせていただきます。  それで、先のことというのは、やはり、質問権の効果ですとか行使、その後の対応に支障が生じるおそれがありますから、お答えは差し控えさせていただければと思っておりますが、昨日の記者会見では、大分長くかかるねというお話がございました。長くかかるのはなぜかという御質問でございましたので、昨日の記者会見の答えということでございます。 ○柚木委員 私の、今の御答弁を受けての理解は、これまではそういったことで長く時間もかかってきたという御説明だったんだろうと思いますので、今後、まさに来月の合同結婚式も行われるという中で、やはり改めて、もちろん、解散命令請求の後の解散命令が、司法が判断されることが最重要ですので、そこから逆算をして、今、この間やってきたということですが、やはり一日も早い解散命令請求をお願いしておきたいと思います。  資料を今日、皆さんにお配りしているんですが、法案審議の前に、先に、三ページ目以降をちょっと御覧いただきたいんですね。  なぜこのことを取り上げるかというと、ちょっと、当面、一般質疑もなかなか難しいということと、実は、この件は、日本障害者スキー連盟、四月十三日付のホームページの「お知らせ」の中で、「一部週刊誌で報道されたハラスメント行為に関するご報告」の中でるる述べられていますが、これは、私、被害者の方から直接お話も聞いておりますし、連盟の対応が非常に、誠実と言い難い部分、それから、この報道のことも、ちょっと、ここで口頭で説明をしてほしいということでしたので述べますが、次のページを見ていただくと、これは共同通信の配信の東京新聞の記事ですが、「障害者スキー連盟、コーチ解任 スタッフにハラスメント」、ただ、三行目を見ていただくと、「同連盟は行為の内容やスタッフの性別を明らかにしていない。」と。  本当は、今日、実は資料におつけしておったんですが、ちょっと、口頭での説明でということに理事会でなりましたので、どういったことだったかというのが先ほどの共同通信の配信だけでは分からないと思うので述べますと、要は、一部週刊誌というのは週刊文春ですが、被害女性が告発、パラ代表チームの、これは代表コーチですね、イタリア人コーチは私をレイプしたという記事なんですね。  これは、ハラスメントとは全く違う次元の、今まさに、強制性交等罪が不同意性交等罪、まさに刑法改正、そういう議論もある中で、そういうことにまさに匹敵する行為が行われてしまっていたということなんです。  ですから、その記事をちょっとつけておったんですが、その記事はちょっと、口頭でということですから、こういうことです。  今年の一月、二十代の女性スタッフに対する性加害を複数回行った代表コーチが解任されていたことが分かったと。彼女も抵抗したが、身長百八十センチ超のそのコーチの力が強かった、無理やり抱きつき、下半身を執拗に触ってきたという、そしてベッドに連れていくと、彼女の服を強引に脱がせて、性行為に及んだと。  そして、その結果、連盟はこう回答しています。ハラスメント行為があった事実から、チームから離れるように本人に伝え、解任をした、当連盟の常任理事会で決定をしたという内容なんですね。  これは、連盟に今のままの状態で被害女性が任せていたらうやむやにされかねないという強い懸念、そしてまた、私も、もちろん、セカンドレイプのようなことになってはなりませんから、お話を伺うのも、非常に慎重にお話も伺ったんですね。  これは、通告しておりますのは、まず、今回の事実を文科省、スポーツ庁として把握をしているか。また、ちょっともう時間がないのでまとめて聞きますが、把握している場合には、日本障害者スキー連盟、以下、連盟と言いますけれども、この連盟から今回の女性スタッフ被害について報告を受けているのか。そしてまた、報告を受けているのであれば、本日までに文科省、スポーツ庁としてはどのような対応を行ってきたのか。  以上、ちょっとまとめて御答弁をお願いいたします。 ○永岡国務大臣 柚木委員御指摘の、連盟の事案でございますが、これは文部科学省として把握をしております。スポーツ庁の担当課長に、日本障害者スキー連盟会長から、委員御指摘の事案につきまして報告がございました。  私といたしましても、スキー連盟の女性スタッフが被害を受けたということ、今回の事案につきましては、本当に決して許されるものではない、本当に大変遺憾に思っております。  障害者スキー連盟といたしましては、直ちに加害者のコーチを解任するとともに、再発防止策を検討するなどの対応を取っていると承知をしておりまして、今回のような事案が二度と起こらないように、日本障害者スキー連盟において再発防止に向けた取組をしっかり講じてもらいたい、そう考えております。 ○柚木委員 是非しっかり、そういう形での対応をお願いしたいんですが、ちょっとそれも、飛ばしますけれども、やはり本質は、これは文部科学省、スポーツ庁として、今後、今回の件の真相の究明、つまり、これは単なるハラスメント事案ではない、まさに強制性交等罪にも匹敵する行為がなされていたことへの真相の究明。そして、その先に、当然、責任の所在、場合によっては、スポーツ団体ガバナンスコード、これはスポ庁が令和元年六月十日に出して、これはちょっと私も読み込みました。大事なことがたくさん書かれています。まさに責任の所在、場合によっては責任者の処分、これも書かれています。そして、責任者の処分ということも含めた連盟への指導、再発防止、これにどのように取り組んでいかれるお考えか、お答えをお願いします。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  日本障害者スキー連盟からは、直ちに加害者のコーチを解任した上で、今後は連盟内で、対応マニュアルですとかガイドラインの策定等の再発防止策を検討していくこととお伺いいたしました。  文部科学省といたしましては、日本障害者スキー連盟の対応を注視しつつ、スポーツ団体がガバナンスコードの趣旨にのっとった取組がなされますように、必要に応じて促してまいりたい、そう考えております。 ○柚木委員 指導、そしてまた再発防止への今の御答弁は結構なんです。ただ、申し上げておりますように、これは、連盟がホームページで述べているような単なるハラスメントにはとどまらない次元の被害である可能性があるわけですね。  したがいまして、これは是非、この間、私も、被害者の方が文春の取材に答えていることと、それから連盟が文春に答えていること、非常にそごがあるんですよ。そこについても、御本人にも確認しています。それで、実は連盟に対する不信感を深めていて、昨日の通告のときも、ちょっとなかなか御本人と連盟さんとのやり取りが成り立っていないというのは、そういう背景があるんです。  したがって、これは是非、今後、連盟の言う調査が、連盟の言う事実が真実でない可能性があるんですね、御本人からすれば。したがって、これは是非、第三者機関的な形での調査を連盟に指導を促す、こういった形でやっていただかないと、申し訳ないですけれども、まさに今回のことも口止めされているんですよ、外に言うなと、被害者の方は。これは下手をすれば隠蔽ですよ。  だから、やはり第三者機関、このまさにガバナンスコードの中にも書いてあるんですよ、こういう不祥事が起こったときに、第三者、専門家による調査を行った上で対処をすると。これを是非、まさにこのガバナンスコードにものっとった形で、今回連盟に対して、第三者的なそういう調査を行うように、ちょっと指導をお願いできませんか。 ○宮内委員長 まず、柚木議員に申し上げますけれども、物品の提示につきましては、委員長の許可を得て行うようにお願いをいたしたいと思います。 ○永岡国務大臣 障害者スキー連盟からは、被害者本人の意向を最大限に尊重した対応を行っている、そう伺っているところです。障害者スキー連盟においては、被害者を始め関係者の意向を十分に確認しながら、適切な対応をしていただきたいと私は思っております。  そして、障害者スキー連盟を含みます中央競技団体は、やはり、国民、社会に対しまして適切な説明責任を果たしていくことが求められます公共の高い団体として、特にレベルの高いガバナンスの確保というのが求められております。  文部科学省といたしましては、スポーツ団体の適正なガバナンスが確保されますように、スポーツ団体ガバナンスコードを策定いたしまして、各団体に対してその遵守を求めているところでございます。  引き続きまして、今後の障害者スキー連盟の本件への対応がスポーツ団体ガバナンスコードの趣旨にのっとった適切なものとなりますように、しっかり行われるように、しっかりと促してまいります。 ○柚木委員 ちょっと私も、今、質問していて胸が苦しくなってきているんですよ。私の娘と変わらないぐらいのお年なんですよ、はっきり言って、被害者の方。これは、親御さんに知られたくないということで被害届をまだ出していませんけれども、被害届を出せばまさに捜査機関による捜査、そういう事案ですよ。是非、今、被害者の意を酌んでということであれば、第三者機関による調査を、まさに今の答弁、促していただきたいと思います。  もう一点だけ。委員長、済みません、このガバナンスコードは、「懲罰制度を構築すべきである。」と明確に書いているんですね。そして、責任者の処分についても、行う体制を取ることというのを求めていますが、処分基準も規定もないんですよ、この中に書かれていない。ですから、処分規定をしっかりと作った上で、懲罰制度を各スポーツ団体が、連盟も含めてつくる、そういうことでなければ、これははっきり言いますけれども、責任者の処分、処罰がなければ、曖昧なまま、これはコーチを辞めているだけですから、全く不問に付されますよ、もみ消されますよ、口外するなとまで言われて。  懲罰制度を構築していただきたい、責任者の処分規定を作っていただきたい、そのことを是非各団体に促していただきたいと思います。いかがでしょうか。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  令和元年六月、スポーツ庁が、スポーツ団体が適切な組織運営を行う上での原則、規範といたしまして、スポーツ団体ガバナンスコード、これを策定、公表しております。その中の原則十、「懲罰制度を構築すべきである。」というところに、「懲罰制度における禁止行為、処分対象者、処分の内容及び処分に至るまでの手続を定め、周知すること」等、しっかりと対応しているところでございます。 ○柚木委員 ちょっと法案質疑にも入るので、最後にお願いしておきますが、これは本当に、今後、この調査、そして、まさに責任の所在等が、どういう形で行われるか、私も注視しておりますし、御本人とも今後もやり取りしていきたいと思っています。  実は、昨日の報道で、スポーツの暴力、相談窓口、九割ですよ、最多はパワハラ。これは、女子柔道への暴力指導問題もあったし、私も取り上げましたが、女子レスリングの伊調馨選手へのパワハラ問題等様々あって、そして、こういうガバナンスコードについての議論も、これも改定も必要だと思いますよ、必要に応じて改定すると書かれていますから。それも含めて強くお願いを申し上げて、ちょっと法案質疑に入りたいと思いますので、よろしくお願いします。  それで、法案質疑、全部言っていたら時間がないので一個飛ばしますが、これは私、本会議で申し上げましたが、まさに人権侵害としか言いようのない、福岡県の日本語学校の事例を紹介をしました、鎖でつないで拘束をする。本会議で、御答弁は、事実関係を確認した上で、勧告、命令、最終的には認定取消しもできることとしていると答弁されましたが、これは、本法律案によって文科大臣による段階的な是正措置が設けられることを御答弁されたと私は受け止めました。  ただ、仕組みを設けても、実態把握が十分になされない限り、適切な措置は講じることができないと思うんですね。本会議では、今まさに法案審議されている入管法の関係でウィシュマさんの例も挙げさせていただいたわけですが、我が国に来られた外国の方々がそのような扱いを、今まさに入管法も修正の協議がされていると聞いていますが、ああいうことが二度と起こってはならないための万全の対応を期すためには、まさにこちらの方の規定も、この段階的是正措置を実効性あるものにする必要があると考えます。  そこでお聞きしますけれども、本法律案による段階的是正措置の発動の端緒となる報告徴収を行うための情報把握はどのように行うのか。また、この措置を実効性あるものとするために、例えば立入検査、実地調査などを行うこともお考えなのか。そして、日本語教育機関が文科省所管になる以上はこういったことは絶対起こさせないということを、具体的な対策も含めた御決意をお尋ねしたいと思います。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  本法案では、認定日本語教育機関における日本語教育の適正かつ確実な実施を図るため、法務大臣など関係行政機関の長との協力というものが盛り込まれているところでございます。  制度創設後も、引き続きまして法務省が、在留管理の観点から、認定後に在留管理上の問題点を把握した場合には、認定機関等に対する調査、改善指導を行うこととなります。その場合、文部科学省は、法務省から当該在留管理上の問題に関する情報提供を受けまして、必要に応じて本法案に基づく段階的な是正措置を当該機関に対して行うこととなるものと考えております。  いずれにいたしましても、認定日本語教育機関におきまして、留学生に対する人権侵害行為は決してあってはなりません。そのために、このような行為が起こらないよう、在留管理を所管します法務省とも緊密に連携しながら、日本語教育の適正かつ確実な実施を図ってまいります。 ○柚木委員 これは本当に実効性ある対応を、我々も注視をしてまいりますので、よろしくお願いします。  だんだんに行くんですが、ちょっと最後のところを、これは新規の質問なので、資料二ページ目を御覧いただきたいと思うんですが、これは最近の報道ですので、是非ちょっと質問を先にさせていただきたいと思うんですね。  資料の方は、「進む「就学」把握 対応課題に」ということで、外国籍の児童が就学年齢になっても学校に通うことができていない、そういう調査の最新のものが報道されているということを踏まえて質問させていただきたいと思っています。  この文科省の調査、四月二十二日公表なんですが、まさに、小中学校に通う年齢の外国籍の児童のうち、昨年五月時点で何と八千人以上が学校に通っていない可能性があることが、これは分かっているだけでですから、まだまだいらっしゃると思うんですね。もちろん、国内の生徒の不登校問題も大変憂慮すべき状況、小中高生の自殺者、いじめ、そして不登校、過去最多。しかし、外国のお子さんも同じように非常に深刻な実態があると思うんです。  もちろん、昨年の調査から減少はしているんですけれども、外国籍の子供たちの教育環境の整備はいまだ、本当に不十分だと言わざるを得ません。海外から日本語を学びにどんどん来ていただくことはいいにしても、家族で来られる方もおられるわけですからね、お子さん方がこういう状況に陥ることのないように、学校に通うことなく学齢期を経過してしまうことによって十分な学力が、あるいは日本語が身につかず、最終的に、日常生活、社会生活、お仕事も含めて、非常に困難になってしまう。つまり、職業選択の幅も狭まってしまう。技能実習のいろいろな議論が今あって、それも、整理してまた幅を広げるとか、いろいろな議論もありますね。しかし、そもそも選択できない、そういう状況のお子さんが増えてしまう懸念が今あるわけです。  したがって、就学の状況の確認が、この資料二は事例も挙げさせていただいております、いろいろな事例があるんですね。黄色マーカーで引かせていただいておりますので、御覧もいただければと思います。こういったヤングケアラーというのは、外国籍のお子さんの中でも課題になっていたりしますので。  そういったことも含めて、これは是非、外国籍の子供たちが将来的に私たちのこの国で一緒に一員として生活をしていくことができるように、不就学の子供たちに対するフォローアップだったりサポート、具体的に、非常に重要だと思うんですが、今後の対応や方針や支援策についてお答えをお願いいたします。 ○永岡国務大臣 今般の調査結果によりまして、不就学の可能性があると考えられます外国人の子供の数は、前回調査の約一万人から減少いたしまして、約八千人であることが明らかになりました。  不就学であると分かった子供の保護者に対しては、公立の義務教育諸学校への入学も可能であるということを説明するなど、就学を勧めるなどの取組が重要である、そういうふうに考えております。  文部科学省では、令和二年度に、各教育委員会が学齢簿を編製する際に外国人の子供の就学状況も一体的に管理、把握をいたしまして就学案内等を徹底するように求める通知というものを発出をしております。また、外国人の子供の就学促進等のための、自治体におけます就学状況調査の実施ですとか、また多言語によります就学ガイダンス、これもやっております。就学後における日本語指導補助員の派遣など、学校の指導体制の整備などの自治体の取組というのも支援をしているところでございます。  引き続きまして、自治体の協力を得ながら、不就学の理由も含め、一層の実態把握に努めるとともに、不就学の子供の就学促進に向けて適切な対応策というものを講じていきたい、そう考えております。 ○柚木委員 是非よろしくお願いします。  この資料二の中の下段の真ん中あたりに黄色マーカーを引いている大分の例でも、これはもちろん、アンケートだけじゃなしに、訪問調査等で更に分かって、不就学の方が、ということも出てきている中で、十三人が不就学だった場合の、この大分のケースは、学校の受入れ環境を整えるため、日本語指導ができる支援員を派遣しているが、急に来日する場合があり、ノウハウのある人を探すのが難しいと。つまり、人材、人員の確保ですね。  当然、登録日本語教員の方々の確保や質の向上、あるいはボランティアの方、通告、そこまで行けるか分かりませんが、そういった皆さんとのまさに連携、地域共生社会におけるいろいろな取組の連携も不可欠ですが、やはりそういう人的なリソースを確保、育成、質の向上を図っていく上でも、通告の五番目の質問をさせていただきたいんですが、財政支援ですね。  本会議で、私は、財政面も含めて、国、地方公共団体が積極的な支援を行うべきであるということで、御答弁としては、本法案により認定を受けた日本語教育機関に対しては、情報の多言語での発信や登録日本語教員に対する研修機会の充実などを通じて支援するという御答弁をいただいているんですね。  それを実現もいただきたいんですが、お聞きしたかったのは、地方も含めて、空白地域の問題も挙げましたが、本法律案による認定日本語教育機関、登録日本語教員の仕組みが活用されるように、日本語教室の開催や専門性のある日本語教員の配置を国が直接支援すべきではないかということだったんです。  まさに、空白地域の解消のためにも、これは都市部に集中しているということは、この間、明らかであります。私から、生活の上で必要な日本語教育は国、地方公共団体が責任を持って行うべきではないかという問いに対して、日本で生活される外国人の方が自立した言語を使える方になって生活をいただけるよう、日本語教育の機会を提供することは重要とも答弁されています。  そういう自立した言語使用者というのは、実は中級程度の日本語レベルということになっていて、今、現実との乖離、ギャップがあるわけですね。ただでさえ経験を積んだ人材確保が困難と言われている地方において、私の地元もそうなんですが、認定日本語教育機関の設置、登録日本語教員の配置を促進をして、まさに自立して使える日本語を話せる、そういう方々の生活機会を提供するのであれば、やはり財政支援の、私は、補助率を上げているというのは承知していますが、二分の一から三分の二に、それを四分の三にするとかも含めて、やはり財政支援とマンパワー、この二つを進めないとこの法律の趣旨が果たせないと思いますので、是非、本法律案を契機として、国は地方公共団体に対して更なる財政支援を行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○永岡国務大臣 お答えいたします。  地域におけます日本語教育の質の向上に向けて、日本語教育の専門性を有する機関や、また日本語教師を積極的に活用していくということは重要でございます。  このため、本年度より、専門性の高い日本語教師や日本語教育機関と連携しながら生活者向けの教育プログラムを提供する地方公共団体に対しまして、もう委員お答えいただきましたけれども、補助率をかさ上げしながら重点的に支援をすることとしております。  本法案を契機に、地域におけますこうした取組が更に浸透するように、事業の更なる周知を進めまして、地域におけます日本語教育の質の向上、これをしっかりと図ってまいりたい、そう考えております。 ○柚木委員 更なる補助率の引上げをお願いします。是非、財務省に求めてください。応援しますので。  それで、一番のポイントで、この後、菊田先生も御質問されるかもしれませんけれども、やはり、処遇の改善なくして、まさに専門性のある質の高い日本語教員、確保、育成、不可能です。  私の質問に対して、現在の日本語教員の年収について、法務省告示校で働く常勤日本語教師の方々の年収、四百万未満の方が約七割という御答弁です。日本語教師の処遇改善のために、本法律案による登録日本語教員の制度化を通じて、登録日本語教員を魅力あるものとし、必要な人員確保に努めたいと答弁されています。  魅力あるものということの御答弁の意味は、日本語教師の処遇改善、つまり給料が上がる、そういうことなんでしょうか。そして、その処遇改善や人員確保に向けた具体的検討を、是非これは省内で行っていただきたいと思います。そして、日本語教師の国家資格に伴って、かえって、ハードルは上がるけれども給料は上がらない、志望者減少、こんなことにならないように、今後、具体的に処遇の改善の検討を省内で行って、魅力あるものとは処遇が上がる、給料が上がることだということを明確に発信をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○永岡国務大臣 日本語教師の必要性ですとか専門性の社会的認知を高めまして、さらに、その処遇改善、これは魅力あるものの一つではございます。しっかりとお応えさせていただきます。  そして、人員確保につなげていくためにも、本法案によりまして、登録日本語教員の国家資格を創設いたしまして、その質の担保を図ることが重要でございます。また、これと併せまして、議員御指摘のとおり、登録日本語教員の魅力を発信すること、これは重要でございます。  今後は、日本語教育機関ですとか企業、それから地方自治体において登録日本語教員の活用が図られるよう、新たな制度の周知というものを図るほか、国で構築を予定しておりますサイトにおきまして、認定日本語教育機関の活動状況等において多言語で発信することを予定しておりまして、その中で、登録日本語教員の活躍状況というものにも、これは発信をしてまいりたいと考えております。 ○柚木委員 ちょっと時間がないので最後の質問になると思いますが、今、魅力あるものは処遇改善である、つまり給料が上がることだと明言いただいたわけですから、これは是非、具体的な検討を省内でやってください、そういう場を設けて。お願いをしておきます。  最後、これは先ほどの使える日本語という話も申し上げましたが、日本人に向けた易しい日本語の普及、異文化理解の促進について伺いたいと思うんです。  これは、実は、易しい日本語というのは、阪神・淡路大震災をきっかけに、逃げてくださいというのもどうやってうまく伝えたらみたいなことも含めて、経緯で誕生していて、最近では、災害時のみならず平時における外国人への情報提供手段としても研究され、行政情報、生活情報、毎日のニュース発信など、多分野で取組が広がっています。  団体からもそういった易しい日本語の普及を求める声をお聞きしておりますので、是非、地域の外国住民に一方的に日本語の能力向上を求めるだけではなくて、日本人住民も易しい日本語を積極的に活用する、それによって円滑なコミュニケーションが可能になる、相互理解が深まる、多文化共生社会が実現する、そういう、易しい日本語の普及や異文化理解促進のための政府の今後の具体的な取組と方針を教えてください。 ○宮内委員長 永岡文部科学大臣、簡潔にお願いします。 ○永岡国務大臣 はい。  日本に住みます外国人が増え、そしてその国籍も多様化する中で、日本に住む外国人に情報を伝えたいときに、多言語で翻訳、通訳するほか、やはり、委員おっしゃいますように、易しい日本語を活用することが大変有効でございます。  文化庁といたしましては、出入国在留管理庁と共同で、「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」の作成や普及、そして日本語教育の現場でも活用いただけますように、日本語教師やボランティアに向けまして、易しい日本語の研修等に取り組んでいるところでございます。 ○柚木委員 以上で終わります。しっかり対応をお願いして、質疑を終わります。  ありがとうございました。 ○宮内委員長 次に、菊田真紀子さん。 ○菊田委員 立憲民主党の菊田真紀子でございます。  午前中最後の質疑者ですので、大臣、また委員の皆様、よろしくお願いいたします。  本法案は、超党派による議員立法、日本語教育推進法が令和元年に制定されたことを受けまして、日本語教育機関の認定制度や認定日本語教育機関の教員の資格を創設するものと承知をしております。  これまで御尽力をされてこられました議員連盟の先生方や関係者の皆様、そして文科省の皆様の御努力に、まずもって心より敬意を表したいと思います。  それでは、質問させていただきますが、質問通告はしておりますけれども、これまでの質疑の中で重複したりというところもありますので、順番が変わったり、飛ばすこともありますので、どうぞよろしくお願いいたします。  今回の改正で、外国人に対する日本語教育に関することについて、その所掌が文化庁から文部科学省に移管されることになります。いわば格上げされるわけであります。  二十一日の本会議の質疑で、永岡大臣は、教育機関の質の確保の観点から、日本語教育に関する事務を文化庁から文部科学省に移管し、体制の強化を図りますと御答弁をなさっておられますが、移管することで、どのように体制が強化され、教育機関の質の確保につながるのか、大臣にもう少し詳しく御説明をいただきたいと思います。 ○永岡国務大臣 これまで、外国人に対する日本語教育に関する業務につきましては、日本文化の基盤としての日本語というものを所管いたします立場から、文化庁の国語課において担当してきたところでございます。  本法律案は、一定の要件を満たす日本語教育機関の認定ですとか、認定を受けた機関で日本語教育課程を担当する教員の資格の整備を目的としております。このような制度でございますので、より効果的に、この制度を実効的に、効果的に実施するためには、教育機関に対する指導等や、また教員の養成、研修等に関しましてやはり一定の知見を有する本省におきまして事務を行う必要があると考えております。  そのために、今般の法律に基づきます日本語教育に関する事務を本省に移管いたしまして、体制強化を図ることとしたわけでございます。 ○菊田委員 日本語教育に関しましては、文部科学省以外にも、法務省、外務省、厚生労働省、総務省、そして経済産業省、さらには国際交流基金など、大変多くの省庁、機関が携わることになります。所掌を移管して体制強化を図るのであれば、ここは文部科学省がしっかりと強いリーダーシップを発揮をしていただきまして、これからの日本語教育の政策を力強く推進していくことにつなげていただきたいというふうに期待を申し上げたいと思います。  次に、経過措置期間についてなんですけれども、本法案は令和六年四月一日施行の予定となっていますが、認定日本語教育機関の教員の資格等については、現職の日本語教師が登録日本語教員に移行するまで経過措置を設けるということでありますが、この経過措置の期間は五年間ということでよろしいんでしょうか。確認でございます。 ○杉浦政府参考人 お答え申し上げます。  本法案では、新制度への円滑な移行を図る観点から、経過措置を五年間と定めてございます。このため、法律施行後五年間は、登録日本語教員に準ずるものとして文部科学省で定める資格又は実務経験を有する者も、引き続き認定日本語教育機関において教えることができることとしております。  具体的な経過措置につきましては、質の担保された法務省告示校で指導経験のある者などが円滑に移行できますよう、今後、審議会等の意見を聞いて、省令等で決定してまいります。 ○菊田委員 この法案の審議に当たりまして、私たち立憲民主党部門会議でも、大変多くの関係団体、関係者の方々からヒアリングを行ってまいりましたけれども、その際に、十分な経過措置の期間が欲しい、こういう御意見を何度か聞いたわけでございます。更に言うと、五年という期間がきちんと伝わっていないというような団体もございました。ですから、こういったことをしっかりと周知をしていただきたいと改めて申し上げたいと思います。  さらに、本法案によりまして、今後、日本語教育がどういうふうに変わっていくのか、社会像、そしてビジョン、全体像がなかなかつかめないというような不安を持っておられる方も見受けられました。  本法案が成立されれば、日本語教育機関の認定基準など、省令事項などが今後検討されていくということでございますが、その際にも、よく関係者の皆様と連携をして、丁寧に協議を行うとともに、制度の周知を徹底していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  本法案におけます日本語教育機関の認定制度等の円滑な施行のためには、やはり関係者との連携ですとか、制度の丁寧な周知というものが、委員おっしゃいますように、不可欠だと思っております。  このため、これまでも、日本語教育機関や、また大学等の関係団体などに対しまして、本法案の説明や意見交換を行ってきたところでございますが、今後とも、引き続きまして、関係者の意見を聞きながら連携していくとともに、制度の趣旨を丁寧に周知をしてまいりたいと考えております。 ○菊田委員 次に、生活者向けの日本語教育について伺います。  今回の法案は、日本語教育機関の認定制度や日本語教員の資格の創設など、留学生や就労者向けの日本語教育の充実に主眼があるというふうに見受けられますが、永岡大臣は、二十一日の本会議で、日本で生活される外国人の方が自立した言語使用者として生活できるよう、日本語教育の機会を提供することは重要です、このように答弁をされました。まさにそのとおりだというふうに思います。生活面での日本語教育の質的及び量的確保も非常に重要なわけでございます。  文化庁の令和三年度の調査によりますと、国内の日本語教師の約四八%、先ほど来、質疑の中にありましたが、ほぼ半分をボランティアの方が占めています。日本語学校や大学以外で行われる地域の日本語教室のような、いわゆる生活者向けの日本語教育のほとんどをボランティアの方々が担っている現状でございます。  大臣は、本会議答弁の中で、さらに、本法案に基づき、生活者向けの日本語教育機関についても、要件を満たせば、今回の新たな制度において認定の対象にするとおっしゃいました。これは、生活者向けの日本語教育を資格を持った登録日本語教員が担うことを期待している趣旨の答弁かと思いますが、新制度において、生活者向けの日本語教育は登録日本語教員とボランティア、どちらが主に担うことになると考えているのか、伺います。 ○永岡国務大臣 現状におきまして、生活者向けの日本語教育を主に担っておりますのは、地方公共団体などに設置をされました教育機関と想定されますけれども、その中で、多くのボランティアの方に活躍をしていただいているというのが現状でございます。  それに対しまして、新たな制度では、認定日本語教育機関の教員は登録日本語教員となることとされておりますが、この認定日本語教育機関は主に留学生を受け入れることを想定しております。  こうしたことから、生活者向けの日本語教育というのは、主に地域の日本語教室において行われ、また、ボランティアが主体となることが予想されることから、法施行後も、引き続きまして、ボランティアが活躍されるということが期待をされております。  なお、生活者向けの日本語教育を希望する方であっても、認定日本語教育機関で学んだり、あるいは、地域の日本語教室におきましても、専門性の高い指導が求められる場合なども考えられます。このため、生活者向けであっても、登録日本語教員とボランティアとの連携というのは大切になってくると考えております。 ○菊田委員 生活者向けの日本語教育を質的にも量的にも充実させていくために、ボランティアの方々の日本語教育のスキルをどうやって向上させ、また、どのようにボランティアを増やしていくおつもりでしょうか。文化庁からレクを受けた際には、ボランティアなので、なかなか増やしていくというのは難しいというふうにおっしゃっておられました。まあ、そういう面もありますけれども、しかし、ここは諦めずに知恵を絞っていただきたいというふうに考えますが、大臣、いかがでしょうか。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  お尋ねの、生活者向けの日本語教育のボランティアの質的、量的拡充につきましては、地域日本語教育の総合的な体制づくり推進事業におきまして、ボランティアの育成や質の向上を図る研修について補助をしているところでございます。  また、文化庁では、ボランティアを含みます日本語学習支援者を育成するための研修カリキュラムを開発いたしまして、都道府県、市町村向けの会議や研修会におきまして紹介するなど、その普及を図っているところでございます。  今後とも、一層の質的、量的拡充に向けた取組、これはやってまいりますので、よろしくお願いいたします。     〔委員長退席、中村(裕)委員長代理着席〕 ○菊田委員 ありがとうございました。  先ほど来、質問にもありましたけれども、空白地域の問題についてなんですけれども、全国の市区町村のうち約四六%と、半分近くの市区町村が空白地域となっています。  先ほどの大臣の答弁の中で、この空白地域の課題について、地域日本語教育コーディネーターの配置に取り組むという御答弁がございました。この地域日本語教育コーディネーターが日本語教育の更なる充実の鍵を握ると私も考えております。  資料の一ページ、そして二ページを御覧いただきたいと思います。  資料の一ページにありますように、地域日本語教育コーディネーターというのは、日本語教育に関わる専門的な知見を持って、日本語教育プログラムの策定、日本語教室の運営及び改善、日本語教師や日本語学習支援者に対する指導助言、大学、日本語教育機関等の多様な機関との連携協力がその業務内容となっています。  活動のイメージとしましては、二ページのように、地域日本語教育コーディネーターが、地域の行政機関、NPO、コミュニティー等と連携して、各地域の特徴や学習者のニーズをしっかりと把握をして、その上で日本語教育プログラムを作っていきます。そのプログラムを踏まえ、日本語教師が学習者に応じて日本語教育を実践することになります。いわば先生の先生のような、大変重要な役割を担っていくことになります。  このように、日本語教育が充実するかどうかというのは、地域日本語教育コーディネーターの存在が大変大きいし、その働きに期待を寄せたいというふうに思っておりますが、この地域日本語教育コーディネーターの配置に向けて、具体的にどのような支援をするお考えでありましょうか。文化庁に伺ったところ、地域日本語教育コーディネーターは基本的にボランティアということでありましたけれども、非常勤や常勤での配置に向けた支援策というのは考えておられるのか、伺いたいと思います。 ○永岡国務大臣 地域日本語教育コーディネーターは、各現場におきまして、日本語教育プログラムの策定、また、教室運営の改善ですとか、日本語教師や日本語学習支援者に対する指導助言を行うなど、やはり地域における日本語教育の体制整備をする上で大変重要な役割を果たしております。  このため、地域日本語教育の総合的な体制づくり推進事業におきまして、地域日本語教育コーディネーターの給与ですとかまた謝金につきまして補助できる仕組みとしておりまして、今後とも、その支援ということにはしっかりと努めてまいります。 ○菊田委員 ありがとうございました。  外国人の児童生徒が大変大勢住んでおられる町もあれば、そうではなくて、地方の小さな町でほんの数人の外国人の児童生徒がいるというようなケースもあると思うんですね。それぞれの学校に一人しかいないとか、あるいは本当にごく少人数の児童生徒がいるというケースでございますけれども。  そういう場合に、それぞれの学校がそうした外国人の児童生徒のために日本語教育に専門的に取り組むということは現実にはなかなか厳しい、難しいというふうに考えられるわけでありますが、教育委員会がこの日本語教育コーディネーターをもっと上手に、積極的に採用する、あるいは活用していくということが必要だというふうに思いますけれども、大臣の見解を伺いたいと思います。 ○永岡国務大臣 やはり、新潟もそうかもしれませんし、私の住みます茨城県、やはり地域によりまして、海外から来ている外国人の子供さん、大変多く学校に在籍しているという状況ではございます。  また、日本語指導が必要な外国人の児童生徒の数というのは、平成二十四年度より約十年間で一・八倍増加をしておりまして、教育支援の充実というのがやはり求められております。  文部科学省といたしましては、御指摘のように、日本で、学校で日本語指導を必要とする児童生徒が数名しかいない場合であってもまた子供たちへ日本語指導等のきめ細やかな支援が行き届きますように、地域日本語教育コーディネーター等の日本語教育に関する優れた知見というものを持つ人材、これを支援の担い手として活用できるように、これは検討しているところでございます。 ○菊田委員 ありがとうございました。  ですから、この日本語教育コーディネーターという存在を是非最大限に活用していくということを求めたいというふうに思います。  次にですけれども、国際交流基金の二〇二一年度の調査によりますと、海外における日本語学習者は約三百八十万人だったと伺っております。  まず確認なんですけれども、これはトレンドとして、海外で日本語学習、日本語を学ぶ学習者というのは増加傾向にあるということでよろしいんでしょうか。     〔中村(裕)委員長代理退席、委員長着席〕 ○岡野政府参考人 お答えいたします。  学習者数は増加傾向にありますが、この数年間は高止まりしているという状況にございます。 ○菊田委員 済みません、通告していなかったんですけれども、それはどういう理由かとか、分析とか、外務省として何かこの場で説明できるようなものがありますでしょうか。なければ、また改めてで結構ですけれども。 ○岡野政府参考人 お答えいたします。  詳細は改めてお答えしたいと思いますけれども、やはりコロナの影響で、この数年間は高止まりで、それ以上伸びていないという状況もあるようです。 ○菊田委員 ありがとうございました。  令和元年の議員立法、日本語教育推進法においても、海外における日本語教育を通じ、我が国に対する諸外国の理解と関心を深め、諸外国との交流等を促進することが基本理念の一つに掲げられていて、海外においても質が高く安定した日本語教育が広く実施されていくということは大変重要だというふうに考えます。  資料の三ページを御覧ください。独立行政法人国際交流基金が行っている日本語教師の海外派遣プログラムというものが六つございます。この六つのプログラムについて、内容と派遣人数、それから導入された経緯などを外務省に伺いたいと思います。 ○岡野政府参考人 お答えいたします。  お尋ねのありました国際交流基金のプログラムですが、上から参ります。  日本語パートナーズ事業といいますのは、二〇一三年の日・ASEAN特別首脳会議で日本政府が発表したものでございまして、公募により選考された一般の方々を語学指導助手としてASEAN諸国等の教育機関に派遣しております。今年度末までに約三千人を達成する見込みです。  二つ目の米国若手日本語教員の派遣事業ですが、これは二〇一〇年の日米首脳会談の合意に基づくもので、米国の初中等教育機関に語学指導助手として若手日本語教員を毎年六名程度派遣しております。  三番目のEPA日本語教師の派遣事業ですが、日本との経済連携協定、EPAに基づきまして、インドネシアとフィリピンの看護師、介護福祉士候補者への訪日前日本語研修、これを行っておりまして、毎年、両国合わせて四十八名程度の日本語講師を派遣をしております。  そのほか、下の三つですが、日本語指導助手、日本語専門家、日本語上級専門家を派遣する事業がございまして、令和四年度はそれぞれ、十三ポスト、七十四ポスト、三十ポストへ派遣を行っております。 ○菊田委員 ありがとうございました。  今回の法案で、日本語教員について、登録日本語教員の資格を創設することとしていますが、日本語教師のキャリア形成や地位向上に、これらのプログラムは非常に有意義だというふうに考えます。  六つのうち下の二つ、日本語専門家と日本語上級専門家は修士号以上の学歴が必要ということで高いハードルなんですけれども、そのほかの四つのプログラムに登録日本語教員の方が参加して海外に派遣をされ、経験を積んでまた日本に戻ってきて、更に地域で活躍することができれば、私は大変すばらしいことだというふうに考えます。  しかし、残念ながら、御覧のように、また御説明にありましたように、派遣国、地域というのは限られていて、募集人数もそんなに多いわけではございません。  私は、この海外派遣プログラムをもっと拡充、発展すべきではないかというふうに考えますけれども、外務省の見解を伺いたいと思います。 ○岡野政府参考人 お答えいたします。  外務省としましても、委員御指摘のとおりと考えておりまして、こうした海外派遣プログラムを含めた海外における日本語教育支援を重視しておりますし、引き続き積極的な推進に努めていく所存でございます。 ○菊田委員 財政当局とも厳しい交渉をやらなきゃいけない、そういう状況もあるんだというふうに思いますが、私も是非応援させていただきたいというふうに思っております。  文部科学省としても、これは外務省の事業、外務省の予算でありますけれども、日本語教育推進の取りまとめ役ということでありますので、是非、文科省としても連携をして、永岡大臣としても後押ししていただきたいというふうに考えるんですが、大臣としての見解をお聞かせください。 ○永岡国務大臣 海外で日本語を学ぶ方のニーズに応えるために、外務省が所管いたします国際交流基金の事業におきましても日本語教師等の派遣が行われているものと承知をしております。  このため、海外に派遣される日本語教師に対しまして本法案の登録日本語教員となりますことを促すことなど、本法案を契機といたしまして、外務省と連携をいたしまして、海外においても質の高い日本語教育が行われますように、しっかりと取り組んでまいります。 ○菊田委員 どうぞよろしくお願いいたします。  次に、日本語教師の処遇について、これは先ほど来同僚議員からも質問がございましたけれども、文化庁の調査では、法務省告示校で働く常勤の日本語教師の場合、年収四百万円以下が約七割となっているようです。これは、永岡大臣も二十一日の本会議で御答弁されました。  私は、日本語教育の充実のために、日本語教師の処遇改善をしっかり図っていかなければならないというふうに思っておりますが、果たして、本法案で本当に日本語教師の処遇改善につながるのか、確認をさせていただきたいと思います。  日本語教員となるために学習している方、日本語教育に携わっている方に必要とされる基礎的な知識、能力を検定する、日本語教育能力検定試験という試験があります。  令和四年度の受験者は七千七十六人、合格者数は二千百八十二人、合格率は三〇・八%だったというふうに伺っております。この三〇・八%という合格率は過去最高で、初めて三割を超えたようでありますが、それでも、合格率約三〇%というのはなかなか高難度の試験であります。  文部科学省に伺います。  新制度における登録日本語教員に求められる日本語教育の能力というのは、日本語教育能力検定試験合格者と比較をしてどの程度の水準になるんでしょうか。 ○杉浦政府参考人 お答え申し上げます。  日本語教員の登録に当たりましては、日本語教育に必要な基礎的な知識、技能に係る筆記試験である日本語教員試験への合格と、いわゆる教育実習である実践研修の履修、修了を要件としているものでございます。  このうち、日本語教員試験に係る科目や受験手続、実践研修に係る受講手続や内容につきましては、今後、審議会等の意見を踏まえ、省令で規定することとしています。  このため、これから定められる登録日本語教員の試験と既存の検定試験とを比較することは現段階では困難ではございますけれども、登録日本語教員として専門的な知識や技能の水準が一定以上となりますよう、先ほど申し上げたように、基礎的なところをしっかり踏まえた形をやりながら、教員試験、実践研修の制度設計をしてまいりたい、このように考えております。 ○菊田委員 なかなか比較することは現段階において難しいという答弁でありましたが、国立国会図書館に教えていただいた、二〇一九年、四年前なんですけれども、その研究報告の回答では、日本語教育能力検定に合格した日本語教師は、合格していない日本語教師に比べて平均年収は高くなっているものの、それでも平均年収は四百万円を超えていませんでした。  合格率三〇%の試験に合格した日本語教師でも平均年収が四百万円以下ということは、なかなか厳しい現実であります。これでは職業として選ばれにくいのではないでしょうか。  今回、登録日本語教員という新たな国家資格を設けることで、日本語教師の必要性や専門性の社会的認知が進んだとしても、日本語教師の処遇がどの程度改善されるのか、疑問に思います。  今回の国家資格の創設はまず第一歩として、これからも日本語教師の処遇改善にずっと力を入れて努めていくことが必要になるというふうに考えますが、文部科学大臣の見解を伺います。 ○永岡国務大臣 本法案におきまして、登録日本語教員の新たな国家資格、これを設けております。これによりまして、日本語教師の必要性ですとか、あとまた専門性の社会的認知の向上、これが期待できまして、処遇の改善にもつながるということを考えております。  そのほか、登録日本語教員の方が活躍できるように、社会のニーズが高い就労者等の日本語指導に必要な専門性を高めるための研修ですとか、研修履歴を記録し、そして教員自身のキャリアの証明ができるような、そういうサイトの構築ということを行ってまいりたいと思っております。  このような取組を通じまして、専門性が高い登録日本語教員が社会において適切な評価が受けられますように、その環境整備、これはしっかりと努めてまいります。 ○菊田委員 繰り返しになりますが、やはり生活が安定して、職業として、生涯を通じてこの仕事が選ばれていく、そういうふうに変わっていかないとなかなか難しいと思いますので、是非鋭意御努力をいただきたいというふうに思います。  今回、審議の参考のために様々な方からヒアリングをさせていただいたんですけれども、一般社団法人日本国際協力センターから、就労分野の日本語教育についても伺いました。  単に日本語の会話や読み書きができるだけでなくて、職場での挨拶や、遅刻あるいは休暇取得の連絡、相談、さらに、日程調整、業務上のトラブルの対応など、外国人労働者がすぐ実践できるようなカリキュラムを作成をしているということでした。その結果、日本語学習者からは、学校の日本語と就労の日本語は全然違う、働く上で必要な日本語を学ぶことができて、職場で自信が持てるようになったというような声が上がっていると伺いました。  文化庁によりますと、今現在、日本語学校でも独自の取組としてこのようなカリキュラムを行っているところはあるとのことでありましたが、今回制度として創設されることとなる認定日本語教育機関においては、純粋な日本語教育だけでなくて、日本社会の文化やマナー、価値観、習慣などについても積極的に教えていくべきではないかと考えますが、大臣の見解をお聞かせください。 ○永岡国務大臣 やはり、委員おっしゃいますように、生活者としての日本語の知識というものと学校で習う日本語というものは大分違うと思います。それはやはり、礼儀、習慣、これの認識を適当にできる行為であったりとか、やはりごみの分別とか、こういうものの知識というのも必要になろうかと思います。  日本語教育機関が満たすべき課程の編成ですとか実施方法につきましては、今後、審議会等の意見を踏まえて、政令等で決定をしていくことになります。  他方、文化庁の有識者会議では、留学以外の、就労者、生活者の教育課程におきまして、自立をした言語使用者として必要な日本語能力というのを身につけることが期待をされております。さらに、令和三年十月の文化審議会国語分科会で示されました日本語教育の参照枠におきましては、日本語の、文化、マナーなども含めた、社会的に対処するために必要な教育とともに、生活上の指導面でも支援が必要とされておりまして、具体的には、今後、審議会等の意見を踏まえて検討してまいります。 ○菊田委員 時間が参りましたので、最後の質問にします。  実は私も、二十代の頃、地域に住む外国人の方々、例えば中国からお嫁さんに来られた方々とかにボランティアで日本語を教えるという仕事をしたことがあるんですけれども、例えば、主に中国人を対象に日本語を教える教員が中国語や中国の習慣、文化を理解していれば、よりスムーズに授業を進めることができます。これは体験的にそういうふうに感じているんですけれども。あるいは、ベトナム人の学習者に教える場合には、ベトナムのことを知っていたり、ベトナム語に知見のある教員というのが指導に当たると、これもまた非常にスムーズに、また有意義であるというふうに考えるんですけれども。  学習者に合わせて、教える側の外国語スキルも向上させていく、こういう取組、努力も必要ではないかというふうに考えるんですけれども、大臣の見解を伺いたいというふうに思います。 ○永岡国務大臣 菊田委員おっしゃいますこと、ごもっともと思う次第ではございます。しかしながら、実際の教室では多くの国籍の方々が一つのクラスに入っているということが多いわけでございまして、登録日本語教員につきましては、基本的に日本語で授業を行うことが想定されております。まずは日本語教育の専門性を高めることが求められます。  なお、御指摘のとおり、文化、社会マナーの指導や生活指導などにおきましては、当該生徒の母国語を介して指導する方が有益な場面なども想定されるわけでございます。こうした場合には、日本語教育を専門とする者というよりも、やはり異文化理解を得意とするスタッフが当たることが有効と考えられることから、今後、適切な対応がなされますように、引き続きまして、関係者とよく相談をして、考えてまいりたいと思っております。 ○菊田委員 終わります。ありがとうございました。 ○宮内委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時二十四分休憩      ――――◇―――――     午後一時開議 ○宮内委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。山崎正恭君。 ○山崎(正)委員 公明党の山崎正恭です。  本日も質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。  早速質問に入りたいと思います。よろしくお願いいたします。  最初に、基本的なことについて何点かお伺いします。  我が国の在留外国人は、令和四年六月末で過去最高の約二百九十六万人となり、増加傾向が続いています。日本語学習者も、令和元年には過去最高の約二十八万人となっており、その後、コロナ禍で一時減少しましたが、今後は拡大が見込まれています。  一方で、日本語教師等の指導者は約四万人前後の横ばい状態が続いておりまして、それらの約五割以上がボランティアの方であるということで、指導体制は非常に厳しい状況であると言われています。  まず、基本的な確認で、日本語を学習したいと思っているが学習できない日本語教育の待機者の状況についてお伺いします。 ○杉浦政府参考人 お答え申し上げます。  文化庁が実施した調査において、国内の日本語学習者数は、令和三年度では新型コロナウイルス感染症の影響により約十二万人ですが、最も多かった令和元年度で約二十八万人となっています。  また同時に、出入国在留管理庁が在留外国人を対象に行った調査によりますと、日本語を学べる場所、サービスに関する情報が少ない、自分のレベルに合った日本語教育が受けられない、近くに日本語教室、語学学校等がないといった課題が指摘されているところです。  こうしたことから、日本語学習を受けることを希望しているにもかかわらず、実際には日本語学習を受けられていないなど、潜在的なニーズが存在していると考えられます。この具体の数字までは我々まだ把握はしておりませんけれども、今申し上げたとおりに、潜在的ニーズが存在していると考えられております。  このため、本法案におきましては、日本語学習を希望する外国人が必要な情報を得られますよう、認定日本語教育機関に関する情報を文部科学大臣が多言語で発信することとしておりまして、こうした取組を通じて適切に対応してまいりたいと考えております。 ○山崎(正)委員 ありがとうございました。  なかなか全部の把握は難しいなということで、状況は分かりました。  次に、今回の法案は、日本語教育の適正かつ確実な実施を図るために、日本語教育機関のうち一定の要件を満たすものを認定する制度を創設するという機関の充実と、認定教育機関で日本語教育を行う者の資格を整備するという人材の育成、この二面が大きな目的であると理解していますが、ここでは、人材、日本語教師についてお聞きします。  一定レベルの質の維持と向上には、やはり継続した研修体制が重要であり、文部科学省が作成した資料、認定を受けた日本語教育機関の質の維持向上に関する仕組みの全体像、イメージ図の中では、研修機会充実のための環境整備とともに、研修受講状況の記録と記載がありますが、日本語教師が資格を取得した後の研修について、研修方法や受講記録などについてはどのような形式を想定されているのか、お伺いします。 ○杉浦政府参考人 お答え申し上げます。  今般の法案により登録された日本語教員に対しまして、登録後もその専門性を高められるよう研修を充実することとしております。  具体的には、登録日本語教員として資格取得後、初任者向け研修として留学生、就労者、生活者などの研修を受講できるような仕組みを設けますとともに、中堅者向けの研修も推進してまいります。  また、文化庁の予算事業におきまして、本人の希望に応じて、国で構築を予定しているサイトに研修履歴を蓄積し、日本語教師のキャリア証明につなげることを予定しております。 ○山崎(正)委員 そのような形で蓄積されていると非常にいいなというか、各個人の負担ではなくて蓄積がスムーズにいけばいいなというふうに思います。  次に、本法案では、全ての日本語教育機関に対して国による認定を義務づけるものではないが、先ほど申し上げましたように、待機者やニーズの拡大、そして公明党が今まで提言でも訴えてきた、在留外国人の方にとって日本語教師は日本という国、文化をよりよく知る最初の窓口でもあり、親日家育成のスタート地点でもあると考えた場合、日本語教育機関の質、量共の充実は非常に重要であり、そういった意味では、一定の質が確保できる認定機関が増加していくことが望ましいのではないかと思いますが、政府としては、現在の日本語教育機関のうち、何校程度が認定を受けることを想定しているのか。例えば、将来的に全てが認定機関となっていくようなイメージなのか、認定機関と非認定機関が併存していくようなイメージを想定しているのか、お伺いします。 ○杉浦政府参考人 お答え申し上げます。  文化庁が実施しました日本語教育実態調査によりますれば、令和三年十一月時点で日本語教育機関は約二千五百機関存在しております。  本法案では、留学生のみならず、就労者や生活者を対象として日本語教育を実施する機関も含めまして、一定の要件を満たす場合は認定の対象としています。  制度開始当初は、現行の法務省告示校約八百三十機関、大学の別科約六十機関などが認定を受けることが想定されております。また同時に、地方公共団体等が支援する地域日本語教室などは、ボランティアが主となる教室であり、認定の要件を満たさないものも多いことから、これらについては認定を受けないまま併存することが想定されております。 ○山崎(正)委員 分かりました。併存というような形のイメージを今のところは持っているということで。  次に、令和五年一月の有識者会議報告によれば、認定を受けた日本語教育機関における日本語教育の習得レベルは、留学生、就労者、生活者に共通して、自立した言語教育、使用レベルとされています。これは、文化審議会が令和三年十月にまとめた日本語教育の参照枠の話すこと(やり取り)B1レベル、具体的には、近所の人とごみ出しなどの問題が生じたときに、自分のごみの出し方についてある程度詳しく状況を説明し、苦情に対応できるレベルとされていますが、このレベルまで指導するためには相応のスキルを持った日本語教師が必要となることから、B1レベルの指導を行うためには、財政的に厳しい地方公共団体にそのレベルの指導を求めることは困難ではないか、また、財政的支援等が必要ではないかと思いますが、大臣の認識をお伺いします。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  令和四年度の文化庁有識者会議の報告書では、認定制度の開始直後においては、就労者、生活者向けのプログラムについて、日本語能力の熟達度を示す日本語教育の参照枠のB1レベル相当以上の教育内容を前提に検討することが提言されております。  現在、国といたしましては、登録日本語教員に対する、生活者の日本語指導等に必要な研修機会の充実を図ることとしております。また、本年度より、地域の日本語教育の総合的な体制づくり推進事業におきまして、日本語教育機関と連携しながら生活者向けのB1レベルの日本語教育プログラムというものを提供する地方公共団体に対しまして、その取組を重点的に支援をしているところでございます。  今後とも、こうした取組を通じまして、地方公共団体への支援の充実、これを図ってまいります。 ○山崎(正)委員 ありがとうございます。  やはり、全体的に日本語教育の質を向上させていくという点で、そういった地域の方にも力を入れていただけるというのはありがたいですので、是非、そういったところからモデルケースなんかが出てきて波及していくような、また力強い支援をお願いいたします。  次に、文化庁の令和三年度日本語教育実態調査報告書を見ると、日本語教育に従事する者について、法務省告示機関と大学機関等ではほぼ一〇〇%が常勤、非常勤であり、ボランティアではありません。一方、国際交流協会、地方公共団体、任意団体では約九割がボランティアであることが分かっています。働く場所に関係なく全体で見ると、五、六割程度がボランティアとなっており、我が国の日本語教育はボランティアの方の存在なくして成り立たないのが現在の状況です。  現在、地域における就労者や生活者に対する日本語教育は、国際交流協会や地方公共団体等が主に行っていると思いますが、これらの機関が日本語教育の認定を受けた場合には、登録日本語教員の資格を取得しないボランティアの方が教えることができなくなります。  逆に、認定を受けない場合は、引き続きボランティアの方が日本語教育を主に担っていくことになると思いますが、ボランティアのままだと、今度は、長期的なキャリア形成が難しく、十分な研修が行われないなど、日本語教育の質の担保がされにくいといったことが考えられます。  非常に難しいこの問題について、長く就労者や生活者の日本語教育に関わられている方にお話を聞くと、やはり、現実的には、ボランティアの方抜きでは現状としては難しいだろうと言われていました。現在、学ぶ側の外国人も多様化していて、ボランティアの日本語教員には現場で相当な知見やノウハウが蓄積されていると考えられ、そのような方々が離れていってしまうことは防がなければなりません。  ですので、ボランティアの方が今まで築いてこられたそういった経験や実績を生かせるように、登録日本語教員の資格に関しては、試験を課すよりも、一旦、ある程度の期間の実績があるボランティアの方には、そういった経験や実績が評価されるような認定制度にして、登録日本語教員に移行してもらい、その後、なった後に研修をしっかり行い、質を担保していくという方法があると思いますが、このことについての大臣の御所見をお伺いいたします。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  認定日本語教育機関における教員につきましては、経過措置を設ける予定でございまして、その詳細につきましては、今後、審議会等で検討する予定でございます。具体的には、新たな制度に円滑に移行ができますように、質が担保された機関で勤務経験がある者を対象といたしまして、講習を修了すれば、試験や実践研修を免除したり、また、登録日本語教員になることができる方向で検討しております。  また、ボランティアが活躍いたします日本語教室等につきましては、そもそも認定を求めない機関が多いと想定をされておりまして、今と同様、そのまま活躍いただけると考えております。  しかしながら、こうした地域の日本語教室でも充実した日本語学習の指導を行うことができますように、ボランティアの方を含め、日本語学習の指導や補助を行う方を対象といたしました研修その他の支援、これはしっかりと充実をさせてまいります。 ○山崎(正)委員 せっかくこの制度をつくるので、ボランティアの方がそのままボランティアのままというのもいいんですけれども、もったいないような気もすごくします。  やはり、質の担保のために、全てのボランティアの方というのではなくて、先ほども言いましたけれども、一定期間の実績とか経験がある人は、そういったノウハウが生かせるような試験なんかにしてあげれば、積極的に、そういう試験なら受けてみてもいいかなという形で、その人たちも認定になって、更に質を上げて、活躍できる機会が増えていくというふうなことが考えられると思いますので、是非御検討していただきたいなというふうに思います。  日本語を学びたい方のニーズが多様化している中で、先ほど、長く関わってきた方が言っていたのが、やはりニーズに合った日本語教育をしてほしいということを言われておりました。その人にとって、学ぶ外国人の方にとって、こんな日本語をどの場面で使うのかというような学習が行われている場合もあるとお聞きしました。より実用的に、学ぶ側の人のためになる日本語教育の環境整備が、やはり日本が外国人の方に選ばれる国になるために非常に重要であると思いますので、何とぞよろしくお願いいたします。  次に、公立学校における日本語指導が必要な児童生徒は、令和三年度で五万八千人、十年間で一・八倍増加している中で、こうした児童生徒の全てが日本語指導等の特別な配慮に基づく指導を受けられていない状況があり、学校現場では日本語学習支援者等が十分ではないとの指摘があります。  この部分に関して、公明党は今まで再三提言を行い、外国人等の児童生徒や未就学の子供に対するきめ細やかな支援の重要性を訴えてきました。外国人の児童生徒等を取り巻く課題や発達段階の状況に応じた学校での教育環境整備として、日本語指導補助者や母語支援員の派遣等の指導体制の構築をお願いしてきました。また、現在、夜間中学においても多くの外国人の方が学んでおり、夜間中学における日本語教育が必要な外国人の方に対する授業における日本語サポート支援の充実とともに、授業に必要な補習において登録日本語教員の積極的な活用も訴えてまいりました。  そこで、本法案では、登録日本語教員は直接的に学校現場で教育を行うことは想定されていませんが、現在の教員不足を踏まえ、またチーム学校という観点から、積極的に、学校現場や多くの外国人の方も学ばれている夜間中学などで活用されてはどうかと思いますが、大臣の御所見をお伺いいたします。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  山崎委員おっしゃいますように、日本語指導が必要な外国人の児童生徒等、これは平成二十四年より約十年間で一・八倍に増加をしておりまして、やはり教育支援の充実というものが求められております。  文部科学省では、日本語指導が必要な児童生徒に対しまして取り出し指導などを行います特別の教育課程の制度化、そして、日本語指導に必要な教職員定数の着実な改善、それから、外国人児童生徒等に対する日本語指導に取り組む自治体に対する支援などを行ってきたところでございます。  本法案の成立後には、登録日本語教員のうち、特に児童生徒に向けた研修を受講した者などを小中学校における特別の教育課程又は夜間中学などにおきまして補助者として積極的に活用する具体的な仕組み等、これをしっかりと検討していく予定でございます。 ○山崎(正)委員 ありがとうございます。  これはかなりの補助者になると思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは最後の質問ですが、本法律案の目的には、「我が国に居住する外国人が日常生活及び社会生活を国民と共に円滑に営むことができる環境の整備に寄与することを目的」とあります。  公明党としても、今までの提言の中で、地域日本語教育コーディネーターの配置や日本語教師、学習支援者等の確保、また、空白地域での日本語教室の新設などに先導的な取組を行うモデルケースを支援していくことの重要性を訴えてきましたが、日本語教育における先進的な取組を行うモデル教室の実証事業などを創設してはどうかと思いますが、既につくられているかもしれませんけれども、こういった先導的なモデル教室実証事業の現状について、大臣の御所見をお伺いいたします。 ○永岡国務大臣 御指摘のとおり、地域における日本語教育の先進的な取組を促して実証することで、他の地域への波及、これは大変重要なことでございます。  このため、文部科学省では、地域の日本語教育の体制整備を支援する中で、専門性のある日本語教育機関と連携をした先進的な日本語教室の開設等を行う都道府県等の取組、これは支援をしております。これにより、例えば山梨県では、専門性の高い日本語学校の教師と地域のボランティアがチームをつくりまして、連携して日本語指導を行う取組が行われておりまして、現在、こうした地方公共団体と日本語学校の連携が少ない中で、意欲的な取組であると認識をしているところでございます。  文部科学省では、引き続きまして、地域の特色ある日本語教育の取組、これはしっかりと支援をしてまいります。 ○山崎(正)委員 ありがとうございました。  そういう事業が進んでいるということで、大変うれしく思いました。  最後に、技能実習生も含めて、今、再編がいろいろと考えられていまして、そこの中で、やはり日本語教育の充実というところも聞いております。しっかりと連携を取りながら、そして、日本が選ばれる国となって、外国人の方にしっかりと日本語が伝わって、よりよいコミュニケーションができるようなことを願っております。  以上で質問を終わりたいと思います。大変にありがとうございました。 ○宮内委員長 次に、金村龍那君。 ○金村委員 日本維新の会の金村龍那です。  どうぞよろしくお願いします。  今回の法案提出に至る過程の中で、やはり超党派で行ってきた議連での議論、これは非常によい役割を果たしてきたと認識しています。私も、一昨年の初当選以来、この議連に加わる機会をいただけて、議論にも参加してまいりました。大きなテーマとして、やはり外国人との共生、その中で、やはり、現段階において、留学生、それから就労者、さらには生活者、様々な外国人が日本にいる中で、なかなか日本語能力の向上を果たせていない、そういう危機感からこの法案の提出に至ったと認識しています。  また、外国人との共生社会の実現に向けたロードマップにおいても、やはり日本語教育、日本語能力の向上というのが一番初めに記載をされておりますので、今回の法案というのは更に意義深いものだと思いますが、改めて、今回の法案、この法案を通して、外国人との共生社会の視点からどのような意義があるのか、大臣からお答えいただけますか。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  近年、我が国の在留外国人数は増加傾向にあります。今後も増加が見込まれているわけでございますが、一方で、在留外国人の中には日本語能力が十分でない者も多く、社会的に疎外されているとの指摘がございます。  このため、昨年六月に政府が取りまとめました外国人との共生社会の実現に向けたロードマップでは、円滑なコミュニケーションと社会参加のための日本語教育等の取組が重要事項の一つとされておりまして、日本語教育を受けられる環境の整備等に向け、具体策が盛り込まれておりました。その中で、本法案に関する、日本語教育機関の認定制度及び日本語教師の資格制度を整備することも盛り込まれております。  本法案によりまして質の担保された日本語教育環境が整備されることで、我が国に居住します外国人の方々が本当に日常生活及び社会生活を国民とともに円滑に、スムーズに営むことができる環境、この整備に寄与する仕組みを構築してまいりました。これによりまして、ロードマップに掲げられました教育や就労等の施策と連携しながら、外国人との共生社会の実現にしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。 ○金村委員 私、先日、ビルメンテナンス会社の社長から相談を受けて、外国人の方の働き方の相談だったんですけれども、その中で、ほとんど仕事における指示書が母国語で変換されて出てくるソフトとかは、もう普通にあるみたいなんですね。だから、余計、外国人の方が働く上で、日本語能力を向上させる必要性をともすると感じていない環境でお勤めの方も増えてきているのがイノベーションの先にある実態だと思いますので、是非この法案を通して、外国人の方が日本語能力が向上するように努めていただきたいと思います。  その上で、今回の認定制度についてお伺いさせていただきます。  認定されることそのものは大変喜ばしいことだと思います。かつて私も、この委員会でも申し上げましたが、自らが営んできた障害児支援の療育施設に外国籍の方が非常に多く通所をし始めた時期に、これは日本語教室を経営した方がいいんじゃないかといって、実際に幾つか教室を回って、事業計画書を立ててやろうとしたんですけれども、やはり授業料だけで人件費を含めてケアすることが困難であると、事業の継続性の見通しが立たなかったので、私は断念した側だったんですね。  そういう意味では、今回の認定制度によって、やはり実際に日本語教育機関がどういうメリットが生まれて、実際に事業としても、そして実際にサービスを受ける側も、この認定制度によって得が生まれてくるのか。つまり、メリットはどういうところにあるのかということをお答えいただけますか。 ○杉浦政府参考人 お答え申し上げます。  本法案により認定された日本語教育機関につきましては、日本語教育を適正かつ確実に実施できる機関として国が質を保証することとなります。  これによりまして、認定のメリットといたしましては、一つ目には、まず、認定機関の情報が国により多言語で国内外へ発信されること、二つ目には、文部科学大臣が定める表示を使用できるようになること、それから三つ目といたしましては、認定を受けますと、制度的に、在留資格、留学による留学生の受入れが認められること、四点目といたしましては、認定を受けますと、自校の登録日本語教員を国が行う研修に参加させることができることが挙げられます。 ○金村委員 今、認定制度の外形的なところをお話しいただいたと理解しています。  やはり、継続性を担保していくためには、認定に効果が伴って、外国人の方が選択しやすいとか、もっと言えば、財政的支援が、例えば認定制度の中でも、継続性が担保されて、そういった財政支援が伴うとか、何かやはりもう少し具体的なメリットを追求していかないと、せっかく認定制度を制度として創設したのになかなかうまく機能しないということも想定されますので、是非もう少し支援の在り方を追求していただきたいなと思います。  その上で、先ほど来申し上げているとおり、いわゆる留学生や就労者、生活者、様々な外国人のお立場によって、しっかりと日本語能力を向上させていかなければなりません。そして、この認定制度の結果、質の向上は、やはり一定程度水準が上がっていくんじゃないかなというのは想定されます。自分が事業所をやっていたときも、やはり公のものであればあるほど、そこは働く人も含めて意識が向上していきますので、その分サービスがよくなることは想定されます。  ただ、一方で、量も追求していかなきゃいけないと思うんですね。そして、質と量というものを同時並行で進めていくことというのは、相当至難の業だと思うんですね。実際に、これは日本語教室とは違うお話になりますが、福祉サービスなんかだと、とにかくまず量を満たして、その後、質を求めていくという、大きな枠組みでいうと、そういう流れがあるんですね。  だから、そういう意味では、両方追うことは正しいし、今回、認定制度によって一定の質を担保されることが保障された今、さらに、数を追求していくためにどのような取組をされていくのか、お聞かせ願えますか。 ○杉浦政府参考人 お答え申し上げます。  認定日本語教育機関の増加に向けましては、日本語教育機関等の関係者に認定のメリットを周知することがまず重要でございます。また同時に、関係省庁と連携し、学習者、外国人を受け入れる企業、地方公共団体などに認定機関の情報を多言語で発信し、その活用を促していくことも重要でございます。  このため、在外公館や独立行政法人などを通じて海外で情報の発信をすることや、外国人雇用サービスセンターや地方公共団体の多文化共生担当部署で情報発信することなどによりまして、認定機関の活用を促進するという形で、増加に向けて努力したいと考えております。 ○金村委員 こちらが一方的に、ここに出してくださいと指定をするようなことができないサービスであるが以上、しっかりと発信をして、そして、経営がうまくいっている日本語教室については、多店舗展開ではないですけれども、少し複数の都道府県にまたがって支援をしていくなど、そういったことを検討していくと事業所側も新たな考え方が生まれてくると思いますので、個別具体的にしっかり支えていただければなと思います。  その上で、いわゆる技能実習、特定技能制度との連携についてお伺いをさせてください。  先日、私、決算委員会の分科会で、この質問を法務省側にさせていただきました。法務省側も、当然、非常に問題意識を持っているところもありますし、あと、有識者会議の中のいわゆる中間報告書案で、技能実習から、それを一旦取りやめて新たな制度に変える、加えて、そこに人材確保を明記していくというような、踏み込んだ内容が検討されています。  やはり、特定技能や技能実習制度で日本に来てお勤めの方に対して、日本語の能力を高めていくための取組というのもしっかりしていかなきゃいけないと思います。なんですが、働く中で必要な日本語は習得していくと思うんですけれども、企業側が、例えば、授業料を負担して日本語能力を高めてくださいというようなサービスを提供しようと思っても、大半が中小零細企業が受入れをしていますので、特定技能や技能実習で来ている人たちに対してそこまでのサービスは提供できないと思うんですね。  そういう意味では、認定教育機関が特定技能や技能実習の人たちに向けてとりわけ強化してサービスを提供していくことが、結果として日本語能力の向上につながると思うんですけれども、この特定技能や技能実習の皆様との連携というのはどのようにお考えか、お答えいただけますか。 ○杉浦政府参考人 お答え申し上げます。  技能実習制度や特定技能につきましては、現在、法務省に、技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議が設置されておりまして、外国人の日本語能力向上に向けた取組が論点の一つとして議論されているものと承知しております。  他方で、本法案により、日本語教育機関や教員の質を保証し、我が国に居住する外国人が日常生活及び社会生活を円滑に営むことができる環境を整備すること、これも大変重要でございます。  いずれにせよ、両制度の見直しに対する本法案の今後の対応につきましては、有識者会議における検討状況を踏まえつつ、関係省庁としっかり相談してまいりたいと考えております。 ○金村委員 ありがとうございます。  この問題というのは非常に多省庁にまたがるので、非常に調整機能も含めて大変だとは思いますが、大切なポイントだと思いますので、引き続き取り組んでいただきたいと思います。  加えて、特定技能や技能実習の問題になると必ずつきまとうのが、現地のブローカーの問題ですね。  やはり悪質なブローカーが、もはや、日本に行ってこの企業に入ったらブラックだから、こっちに逃げてくださいねというのを、まるで初めからフォーマットのように指定をして送り出してしまうとか、実際に監理団体がそこで機能していないとか、こういった問題が幾つか散見されるんですけれども、私は、日本語教室が、送り出し機関や実際に監理団体が日本語教室を運営して、そして現地で一定の日本語能力まで水準を高めて、そこから送り出してくることが一番日本にとって共生社会をつくる上でいいんじゃないかなと思うんですけれども、こういった、例えば、今回の認定教育機関を現地に、例えばサポートしていくとか、そういった考え方というのは、今現在、御検討はあるんでしょうか。 ○杉浦政府参考人 お答え申し上げます。  法務省が設置する技能実習制度や特定技能の在り方に関する有識者会議において、外国人の日本語能力向上に向けた取組が論点の一つとして議論されており、本法案の今後の対応につきましては、まずは有識者会議の議論を踏まえた上で、関係省庁としっかり連携し、相談してまいりたい、これは先ほど申し上げたとおりでございます。  いずれにしても、我が国に在留する外国人に対しまして、本法案による質の高い日本語教育の機会を提供されるよう、制度の周知等を図ってまいりたいと考えておりまして、いろいろな、今委員御指摘のような現地のサポートとか、いろいろあろうかと思いますけれども、いずれにせよ、まずはしっかりと、こうした質の高い日本語教育の機会があるということを周知すること、そこから始まると考えておりますので、そうしたものをしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。 ○金村委員 是非、例えば文科省側で橋渡しをするとか、例えば、日本語を教えられる、この後、登録日本語教員の質問もさせていただきますけれども、そういう教員が海外に行って、実際そういう取組をしていく。そういった、教室ではないけれども、日本語能力を向上させる活動をしっかりとサポートしていくことというのは十分認められるかなと思いますので、御検討いただければと思います。  その上で、登録日本語教員制度について質問を幾つかさせていただきます。  今回、新たな資格が創設されるということで、私は、外国人にとって日本語を学ぶことは、それはまさに相談の入口みたいなところもあって、日本語能力を向上させるだけではなくて、やはり、いろいろな外国人から、例えば、生活者の視点で相談があったり、就労者の視点で相談があったり、また留学生として相談があったり、様々なケースが考えられます。  そういった意味では、この登録日本語教員をただ日本語を教えるだけの資格として創設するのではなくて、いろいろなタスクをしっかりとケアできるようなものに変化をしていくと、地域社会の中で登録日本語教員が活躍できる場が広がっていくと思うんですね。そういった意味では、この登録日本語教員のキャリア形成についてどのようにお考えか、お聞かせいただけますか。 ○永岡国務大臣 本法案におきまして登録日本語教員の資格を設けることによりまして、日本語教員の必要性や、また重要性の認知というものがございます。そして、日本語教員の専門性の確立と、その社会的認証というのもございます。そして、教育現場におけます日本語教員の役割と業務の明確化が図られまして、登録教員のキャリア形成に資するものと考えられます。  また、これと同時に、資格取得の後の登録教員を対象にいたしまして、様々な場面で活躍できるような、分野別の初任者向けの研修等の提供ですとか、あと、本人の希望に応じまして、国が構築するサイト上で登録教員の研修歴などを掲載することなどによりまして、登録日本語教員をしっかりと支援をしてまいりたい、そう考えております。 ○金村委員 いろいろな学びをもちろんしていきながら、地域社会の中で活躍する人材がこの登録日本語教員から誕生していくことが、僕はキャリア形成としてはふさわしいんじゃないかなと考えています。  その上で、ちょっと話は少し伝わりにくいかもしれないですけれども、こども家庭庁の議論のときに、我々、我が党は教育と福祉の一体化みたいなものを掲げていたんですけれども、つまり、教育の現場から福祉的なアプローチもしっかり必要じゃないかという議論をしていたんですね。  その中で、私が言葉の表現として、我が家は子供が三人います、実際そうなんですけれども、上の子二人は健常で、下の子が障害児ですと。障害児の支援ばかりに目が行ってしまうと、この二人の子供たちがいわゆる見えない存在になってしまう、だから、きょうだい児にいるがゆえに、いわゆる定型発達をしている子供たちにもしっかりサポートしていかなきゃいけないんじゃないか、だから教育が福祉を兼ねることがやはり日本の教育にとってはいいんじゃないかという論調で僕らは議論していたんですね。  その気持ちは私は今も変わっていなくて、やはり、今回の登録日本語教員をただ外国人の日本語能力の向上だけに使うよりは、そういった視点で、教育から少し領域を広げていくことで、もっとできることを増やして、より、はざまの中で困難な状況にあえいでしまっているような人たちもサポートができるようにしていくことが、最終的なキャリア形成にとっても一番いいんじゃないかなと私は考えています。  その上で、登録日本語教員が学校の中で、いわゆる教育をつかさどることは難しいと思うんですけれども、様々なサポートを担っていくことは十分可能なんじゃないかなと考えています。  とりわけ、特別支援教育や、そして、普通級の中に存在するいわゆるグレーゾーンと呼ばれる子供たち、いわゆる発達障害の中のですね、そういった子供たちを、例えば、登録日本語教員が学校に行って、教室の中でサポートをするということが可能になると、その児童にとっては、つきっきりじゃないですけれども、しっかり自分を見てくれる人がサポートをしてくれるというのは安心感につながると思うんですね。  なので、こういった、障害児の教育の現場と登録日本語教員を連携させて、しっかりと学校の中の充実を図っていく、こういうお考えはいかがでしょうか。 ○杉浦政府参考人 お答え申し上げます。  登録日本語教員を含めた日本語教師の専門性としましては、まず一つ、外国人に第二言語として日本語を教える知識、技能を有し、日本語教師としての専門性を持っていること、二つ目といたしましては、一定の日本語教育プログラムに基づき日本語指導を行うことができることが求められております。  一方、学校におきましては、障害のある児童生徒に対する教育は、一人一人の障害の状態や教育的ニーズなどを踏まえ、障害に関する専門性を有する教員によって、多様な学びの場で実施されているところでございます。また、特別支援学校や特別支援学級においては、日本語指導が必要な児童生徒も一定程度存在する、このように考えられます。  こうしたことを踏まえまして、また委員からの今日の御指摘も踏まえまして、登録日本語教員の専門性が障害のある児童生徒に対する指導において活用できるかどうかにつきまして、引き続き、関係部局と今後相談してまいりたいと考えております。  また同時に、今回の制度につきましては、特別支援教育の現場にもしっかり周知してまいりたいと考えております。 ○金村委員 非常に僕は今の答弁を聞いてうれしいなと思ったんですけれども、今回、ポイントは、大体、障害児支援の現場というのは福祉の領域の資格を持って療育を提供する人が多い中で、教育の現場に入る人が文科省が創設した資格を有してサポートで入るという、そこが、僕は、よく考えたらスムーズにいくんじゃないかなと思いますので、是非、少しずつですが、領域を広げていただきたいなと。  その上で、私は障害児の支援を行ってきましたけれども、小学校よりは実は未就学児の方が、療育支援というのは、早期発見、早期療育じゃありませんけれども、体も小さいですから、サービスが提供しやすいという視点があります。  そういった意味では、幼稚園の現場に例えば、未就学の療育施設というのは、幼稚園に通いながら療育施設に通う子が一番多いんですね、保育園だと療育に通う日数を担保できないので。だから、幼稚園の現場に、例えばですけれども、登録日本語教員を加配のような形でサポート役で張りつけて、そこでその子の、例えば、発達障害で動き回ってしまうとか、それから指示が入りにくい子に対してサポートをしていくというのは十分検討できるかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ○杉浦政府参考人 お答え申し上げます。  障害のある幼児につきましても、やはり一人一人の障害の状態や教育的ニーズなどを踏まえた教育が重要でございまして、幼稚園等では、幼児期を含めた早期からの教育的対応の必要性が示されてきております。  先ほど申し上げた、障害のある児童生徒の場合と同様でございますけれども、登録日本語教員の専門性が活用できるかどうかにつきまして、引き続き、関係部局と今後相談してまいります。 ○金村委員 キャリア形成の上でも、活躍の場がたくさんあればあるほど、その資格を取る価値が高まって、実際にその現場で活躍していく可能性も大いにあり得ると思いますので、是非御検討いただきたいと思います。  その上で、いわゆる、特定の地域に、例えば同じ国籍の人たちが集落のように町を形成している場所というのは、全国でも幾つかあると思うんですね。例えば、同じ国籍じゃなくて、点在している人たちが日本語教室に通うとか、そういったことを想定してこの制度というのは全体的にはあると思うんですけれども、ただ、特定の国籍の方が例えば数千人その町に住んでいるとか、そういうケースは、やはり個別具体的に地方公共団体を支援していく必要性があるかなと思うんですけれども、そういった取組というのは今回の法案の中に位置づけられているんですか。 ○杉浦政府参考人 お答え申し上げます。  地域に在住する外国人が自立した言語使用者として生活できるよう、希望者が日本語学習の機会を得られることは必要であり、文化庁では、地方公共団体による日本語教育の体制づくりの支援を進めているところでございます。  委員御指摘のとおり、外国人が多く住む地域は日本語教育のニーズがより高いことから、文化庁では、令和元年に地域日本語教育の総合的な体制づくり推進事業を創設いたしまして、外国人の多い地方公共団体とともに、計画的に、地域日本語教育コーディネーターの配置、日本語学習支援者への研修、域内の日本語教室の設置を行うなど、地域日本語教育を積極的に進めているところでございます。  今回の法案の中では、特にそういう、今委員御指摘のような、対応した制度というよりは、今申し上げたとおり、この令和元年度から創設された予算事業、これをうまく今回の法案に合わせまして運用することによりまして、地方公共団体への支援をしっかり充実させたい、このように考えております。 ○金村委員 需要と供給のバランスだと思いますので、そういう外国籍の方が多く住まれている町とか集落があれば、今言われた令和元年のものを使って是非支援いただきたいと思います。  それで、今回の法案は、私は、そもそも外国人との共生とかを考えていくと、あくまでも土台づくりであって、更に進化していかなければならないと私の視点では考えています。  その上で、次のキーポイントは、私は、外国人の子供の教育支援だったり、支援そのものにあると感じています。私が一つ問題視しているのは、外国人の子供の就学相談ですね。  つまり、言葉が話せないと、どうしてもいわゆる発達が満たないんじゃないかという印象を受けて、実際に進学先が、例えば、本来は普通級であっても過ごしていけるのに、支援級や、ともすると支援学校に進学先がなってしまう。こういったことが起きては、私はそもそも、そういった就学相談があるべきではないという立場なんですけれども、実際に外国人の子供に対する就学相談の今の現状というのはどういう状態なのか、お聞かせ願えますか。 ○永岡国務大臣 委員おっしゃいますように、外国人の子供が障害がないにもかかわらず特別支援学級に在籍することは、適切ではないと考えております。  文部科学省といたしましては、障害のある外国人の子供の就学、支援先の決定が適切に行われますように、教育委員会に対しまして、総合的な観点から判断することや、また、言語、教育制度や文化的背景が異なることに留意をすることを示すとともに、外国人の子供に障害がないにもかかわらず、日本語指導に必要であることをもって特別支援学級や通級による指導の対象とすることは不適切であることなどを示してまいりました。  また、あわせて、外国人の子供の就学促進等に取り組みます自治体に対する支援ですとか、ICT機器の活用や多言語オンライン進路ガイダンスなど、先進的に取り組む事例、これの周知にも取り組んできたところでございます。  今後とも、外国人の子供に対しまして適切な就学相談がなされますように努めてまいらなければと思っております。 ○金村委員 ありがとうございます。  ここは相当注意深く見ていかないと、堰を切ったようにそういう配置がされてしまって、後で気づいたらということが起きかねないと思いますので、是非力を入れて取り組んでいただきたいのと、やはり就学相談でそういう判断をされてしまわないようにするためにも、ライフステージに合わせた外国人の子供たちに対する教育支援、それから未就学児の段階からしっかりと教育支援をすることで、そういった、外国人だから配置されてしまうようなことがないように、しっかり取り組んでいただきたいと思います。  その上で、小中学校の現場における今の外国人の子供に対する教育支援について少し伺いたいと思います。  私は、通常学級の中で、普通級が普通に授業をやっている中で、別のクラスに行って日本語能力の向上の日本語教育を受けるというのはなかなか難しいと思うんですね。でも、学校にいる間に日本語教育の支援を受けられれば、子供にとってはストレスなくその時間を過ごせると思うんですね。  そういう意味では、学校の中を使った、一つの考え方として、例えば今の東京の子供たちだと、大半の子が小学校低学年のときは学童保育とかを利用するわけですね。そういった、学校に居残って、居場所として提供する学校の中で例えば外国人の子供に対しては日本語の教育支援をしていくというのは一つの考え方であっていいかなと私は考えているんですけれども、ただ、今現在どういった取組がなされているのか、お聞かせ願えますか。 ○永岡国務大臣 文部科学省では、日本語指導が必要な児童生徒に対して取り出し指導などを行います特別の教育課程の制度化を行っております。また、日本語指導に必要な教職員定数の着実な改善、これも行っております。そして、外国人児童生徒等に対する日本語指導に取り組む自治体に対する支援ということも行っているところでございます。  引き続きまして、日本語指導が必要な外国人児童生徒等の教育的ニーズに応じたきめ細かな支援というものにしっかりと取り組んでまいります。 ○金村委員 やはり、学校の現場において外国人の子供に対して支援をしていこうと思うと、今回の登録日本語教員、ここをどうやって活用していくかというのがポイントになると思うんですね。  例えば、日本語教室だけで登録日本語教員が活躍するだけではなくて、学校の教育現場で外国人の子供に対して支援をしていこうと思うと、それはやはり、今回資格を創設した登録日本語教員が務めていくことがむしろ素直なルートだなと感じているんですね。加えて、その日本語教員がキャリア形成の中でさらに他領域まで担っていけると、より活躍する土台が生まれてくるという考え方なんですけれども、例えば外国人の子供たちに対する日本語教育支援の活用という視点で見ると、どのようなことをお考えいただいておりますか。 ○永岡国務大臣 やはり、日本語指導が必要な外国人の児童生徒等の数というのは大変増加をしておりまして、また、教育支援の充実が求められているわけでございます。  引き続きまして、日本語指導が必要な外国人の児童生徒等の教育的ニーズに応じたきめ細かな支援、これはしっかりと取り組むわけでございますけれども、本法律案の成立後には、登録日本語教員のうちの、特に児童生徒向けの研修を受講した者等を小中高等学校における特別の教育課程などの補助者として積極的に活用する具体的な仕組み、これはしっかりと検討していく予定になっております。 ○金村委員 ありがとうございます。  是非しっかり活用いただきたいのと、ちょっと、質問通告していないんですけれども、例えば、登録日本語教員のいわゆる情報公開というか、発信の仕方というのはどうなっているんですか。例えば、地方自治体からアナウンスが入るとか、文科省からだけ全国に対して周知していくものなのか。どういう周知の仕方を今御検討されているのか、ちょっとお伺いさせてもらってよろしいですか。 ○杉浦政府参考人 お答え申し上げます。  日本語教師の情報につきましては、国で今構築を予定しております情報発信サイト、ここに、御本人の希望が必要でございますけれども、御本人の希望に応じまして研修履歴を蓄積、掲載するということを通じまして、日本語教師のキャリアを証明するような形にしてまいりたいと考えています。  国の方のサイトができますれば、信頼を置けるアクセス先となりますし、また、そういう人材をお求めの学校、企業、地域のいろいろな教室、日本語教室、そういったところとつなぎまして、プラットフォームとしてしっかりと活用していけばいいかな、このようなことを考えております。 ○金村委員 この周知の仕方によってまた活用方法も変わってくると思いますので、是非しっかり取り組んでいただきたいと思います。  その上で、最後の質問になりますが、GIGAスクール構想によって、子供たちがタブレットを今支給されています。我が家も、下の子が小学校一年生に今年の春上がりましたので、お姉ちゃんの三年生がそのタブレットの使い方を教えたり、ほのぼのとした姿を見させていただいたんですけれども。  改めて、幾つかこの委員会でも質問されていると思いますけれども、このタブレットの更新ですね。我々もそうですけれども、パソコンにしろ、携帯にしろ、タブレットにしろ、一定期間消耗すると不具合が生じてうまく機能しなくなる、その結果新しいものに買い換えるというのは、大人であれば、自分のお金を使ってそれは当たり前のようにやっているわけですね。これが、小学校一年生からタブレットを支給されて、六年生までそれを使ってくださいと言われると、大人の感覚でいえば、ちょっとそれは難しいんじゃないかなというのは普通に想像つくと思うんですね。  そういう意味では、どのぐらいの周期で更新をして、しっかりと一人一台を担保していくのか、この辺りについてお聞かせください。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  今後の端末更新に係ります費用の在り方などにつきましては、やはり重要な課題というふうに認識をしております。  この検討を進めていくためにも、まずは、今般整備をされております一人一台端末、積極的に生徒さんには活用していただくことというのが大変重要であると考えております。これらの端末は、個別最適な学びと協働的な学びを実現するための不可欠なものでございます。また、そのほか、不登校ですとか特別支援の児童生徒の学びの保障ですとか、教員の働き方改革にも大きな役割を果たすものと考えております。  GIGAスクール構想は、国が主導して進めてきたものでございまして、令和の日本型学校教育の基盤となるものでございます。その持続的な推進に向けまして、数年後の端末の更新時期、これを見据えまして、地方自治体と連携をしながら、端末の利活用状況などを踏まえつつ、関係省庁と協議をしながらしっかりと検討してまいりたいと考えております。 ○金村委員 国が主導してというところが非常に私には強く聞こえましたので、期待を申し上げたいと思います。  その上で、最後に、タブレットというのは、よく考えれば、外国籍の子にとっても学びがしやすいと思うんですね。加えて、今大臣おっしゃっていただいたとおり、障害を持った子供たちにとっても実は非常に効果が高いということは既に実証されていて、障害児支援の現場では、タブレットを通して学びを追求している施設なんかもちらほら生まれてきています。  そういった意味では、いろいろな可能性を詰めているのがこのタブレット、GIGAスクール構想になると思いますので、是非、途絶えることなく、しっかりと子供たちが学びやすい環境を社会がしっかり提供していけるように、大臣にも頑張っていただきたいですし、また、文科省にもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  それでは、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。 ○宮内委員長 次回は、来る五月十日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時五十九分散会