第211回国会 衆議院 文部科学委員会 第13号 令和5年5月19日 令和五年五月十九日(金曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 宮内 秀樹君    理事 池田 佳隆君 理事 橘 慶一郎君    理事 中村 裕之君 理事 根本 幸典君    理事 森山 浩行君 理事 柚木 道義君    理事 堀場 幸子君 理事 鰐淵 洋子君       青山 周平君    石橋林太郎君       英利アルフィヤ君    加藤 竜祥君       勝目  康君    神田 潤一君       岸 信千世君    柴山 昌彦君       杉田 水脈君    鈴木 貴子君       田野瀬太道君    谷川 弥一君       中曽根康隆君    丹羽 秀樹君       深澤 陽一君    船田  元君       古川 直季君    穂坂  泰君       山口  晋君    山本 左近君       義家 弘介君    荒井  優君       梅谷  守君    城井  崇君       菊田真紀子君    白石 洋一君       牧  義夫君    吉川  元君       金村 龍那君    高橋 英明君       早坂  敦君    平林  晃君       山崎 正恭君    西岡 秀子君       宮本 岳志君     …………………………………    文部科学大臣       永岡 桂子君    内閣府副大臣       和田 義明君    文部科学大臣政務官    山本 左近君    政府参考人    (警察庁長官官房審議官) 友井 昌宏君    政府参考人    (法務省民事局長)    金子  修君    政府参考人    (文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部長)   笠原  隆君    政府参考人    (文部科学省総合教育政策局長)          藤江 陽子君    政府参考人    (文部科学省初等中等教育局長)          藤原 章夫君    政府参考人    (文部科学省高等教育局長)            池田 貴城君    政府参考人    (スポーツ庁次長)    角田 喜彦君    政府参考人    (文化庁次長)      杉浦 久弘君    政府参考人    (文化庁次長)      合田 哲雄君    文部科学委員会専門員   中村  清君     ――――――――――――― 委員の異動 五月十九日  辞任         補欠選任   上杉謙太郎君     杉田 水脈君   岸 信千世君     加藤 竜祥君   中曽根康隆君     深澤 陽一君   梅谷  守君     城井  崇君 同日  辞任         補欠選任   加藤 竜祥君     岸 信千世君   杉田 水脈君     上杉謙太郎君   深澤 陽一君     神田 潤一君   城井  崇君     梅谷  守君 同日  辞任         補欠選任   神田 潤一君     中曽根康隆君     ――――――――――――― 五月十八日  学校給食法の一部を改正する法律案(菊田真紀子君外九名提出、衆法第一一号) 同月十九日  特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三五号)(参議院送付) 同月十六日  教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(菅直人君紹介)(第九八〇号)  同(土田慎君紹介)(第九八三号)  同(大岡敏孝君紹介)(第一〇〇一号)  同(篠原豪君紹介)(第一〇二七号)  同(鈴木憲和君紹介)(第一〇二八号)  同(中谷一馬君紹介)(第一〇二九号)  同(山崎誠君紹介)(第一〇三〇号)  同(義家弘介君紹介)(第一〇三一号)  同(笠浩史君紹介)(第一〇三二号)  同(青山周平君紹介)(第一〇四四号)  同(今枝宗一郎君紹介)(第一〇四五号)  同(大西健介君紹介)(第一〇四六号)  同(近藤昭一君紹介)(第一〇四七号)  同(田中和徳君紹介)(第一〇四八号)  同(古川元久君紹介)(第一〇四九号)  同(牧義夫君紹介)(第一〇五〇号)  同(八木哲也君紹介)(第一〇五一号)  同(早稲田ゆき君紹介)(第一〇五二号)  同(伊藤渉君紹介)(第一〇八二号)  同(石井拓君紹介)(第一〇八三号)  同(熊田裕通君紹介)(第一〇八四号)  同(長坂康正君紹介)(第一〇八五号)  同(丹羽秀樹君紹介)(第一〇八六号)  同(三谷英弘君紹介)(第一〇八七号)  同(青柳陽一郎君紹介)(第一一一三号)  同(重徳和彦君紹介)(第一一一五号)  同(根本幸典君紹介)(第一一一六号)  同(今村雅弘君紹介)(第一一四二号)  同(神田憲次君紹介)(第一一四三号)  同(伴野豊君紹介)(第一一四四号)  同(吉川元君紹介)(第一一四五号)  同(吉田統彦君紹介)(第一二一八号)  専任・専門・正規の学校司書の配置に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第九八四号)  同(笠井亮君紹介)(第九八五号)  同(穀田恵二君紹介)(第九八六号)  同(志位和夫君紹介)(第九八七号)  同(塩川鉄也君紹介)(第九八八号)  同(田村貴昭君紹介)(第九八九号)  同(高橋千鶴子君紹介)(第九九〇号)  同(宮本岳志君紹介)(第九九一号)  同(宮本徹君紹介)(第九九二号)  同(本村伸子君紹介)(第九九三号)  国の責任による二十人学級を展望した少人数学級の前進、教職員定数増、教育無償化、教育条件の改善に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一〇〇二号)  同(笠井亮君紹介)(第一〇〇三号)  同(穀田恵二君紹介)(第一〇〇四号)  同(志位和夫君紹介)(第一〇〇五号)  同(塩川鉄也君紹介)(第一〇〇六号)  同(田村貴昭君紹介)(第一〇〇七号)  同(高橋千鶴子君紹介)(第一〇〇八号)  同(宮本岳志君紹介)(第一〇〇九号)  同(宮本徹君紹介)(第一〇一〇号)  同(本村伸子君紹介)(第一〇一一号)  同(早稲田ゆき君紹介)(第一〇五三号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三五号)(参議院送付)  文部科学行政の基本施策に関する件      ――――◇――――― ○宮内委員長 これより会議を開きます。  文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  科学技術の研究開発の実情調査のため、去る十七日、宮城県にある次世代放射光施設ナノテラスの視察を行いましたので、参加委員を代表いたしまして、私からその概要を御報告申し上げます。  参加委員は、理事池田佳隆君、橘慶一郎君、中村裕之君、根本幸典君、森山浩行君、柚木道義君、鰐淵洋子君、委員金村龍那君、西岡秀子君、宮本岳志君、そして私、宮内秀樹の十一名であります。  それでは、視察の概要について御報告いたします。  次世代放射光施設ナノテラスは、高輝度の軟エックス線を用いて、物質表面の元素や化学状態をナノレベルで可視化する研究施設であり、令和六年度からの運用開始に向けて、国、地域及び民間企業の出資により、国立大学法人東北大学のキャンパス内において整備が進められております。  まず初めに、茅野量子科学技術研究開発機構理事及び高田光科学イノベーションセンター理事長から施設の概要について説明をいただき、意見交換を行いました。その後、施設の整備状況を視察いたしました。  ナノテラスは、日本企業が製造した機器を多く使用しており、我が国の技術力の高さを確認するとともに、我が国のイノベーションの創出に向けた研究開発に資するために重要な施設であることを確認することができました。  次に、同キャンパス内にある青葉山コモンズにおいて、大野東北大学総長から、大学の概要、人材育成や産学連携など優れた取組について説明をいただいた後、博士課程学生への経済的支援やナノテラスを活用した人材育成などについて意見交換を行いました。  以上が視察の概要でございます。  最後に、今回の視察に当たりまして、御協力いただきました皆様に心から御礼を申し上げまして、御報告とさせていただきます。     ――――――――――――― ○宮内委員長 この際、お諮りいたします。  本件調査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房審議官友井昌宏君、法務省民事局長金子修君、文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部長笠原隆君、総合教育政策局長藤江陽子君、初等中等教育局長藤原章夫君、高等教育局長池田貴城君、スポーツ庁次長角田喜彦君、文化庁次長杉浦久弘君、文化庁次長合田哲雄君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○宮内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ――――――――――――― ○宮内委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。勝目康君。 ○勝目委員 おはようございます。  自由民主党、京都一区選出の勝目康でございます。  本日は、質問の機会を頂戴しまして誠にありがとうございます。持ち時間十五分、短うございますので、早速質問に入りたいと思います。  まず、文化庁の京都移転についてお伺いをしたいと思います。  今週月曜日の十五日、文化庁が京都での業務を本格的に稼働をさせました。文化庁は、去る三月二十七日に既に移転はしておるわけでありますけれども、職員の皆さん、大半の方はこの五月に異動されて、そして、京都で今週から業務を始められた、こういうことであります。  移転プロジェクトとしましてはこれで一つの節目ということでありますけれども、政策展開という意味では、むしろこれからがスタートであります。この文化庁の京都移転をどのように新たな文化政策に生かしてつなげていくかが問われているというふうに思います。  記念式典では、総理の方からも明確に方針というのが示されたわけでありますけれども、そういったことも踏まえて、今後の文化政策の方向性、大臣の思い、お伺いしたいと思います。 ○永岡国務大臣 勝目委員にお答え申し上げます。  本年三月でございました、京都におきまして新しい文化庁が業務を開始するのに先立ちまして岸田内閣総理大臣からお話があったとおり、今回の京都移転を契機として、京都に文化財の修理の拠点となるナショナルセンターとして国立文化財修理センターを整備するとともに、京町家の意匠や伝統的な町並みなど、広く我が国の建築文化の価値を確立する取組を進めまして、そして、食文化ですとか文化観光を始め、伝統×創造で新たな価値を生み出していく、広く世界にこれを発信していく、そういうことなど、新たな文化振興に取り組んでまいりたい、そういうふうに考えているところでございます。  このため、本年三月に閣議決定をいたしました第二期文化芸術推進基本計画に基づきまして、心豊かで活力ある社会を形成するため、文化芸術と経済の好循環の実現を目指しまして、ポストコロナの創造的な文化芸術活動、文化財の適正周期での修理を含む文化財の匠プロジェクトの推進など、文化資源の保存と活用、次代を担う子供たちの育成、それから多様性の尊重、グローバル展開、地方創生、デジタル技術の活用、こういった施策に重点的に取り組んでまいりたいと考えております。  この度の文化庁の京都移転を機にいたしまして、我が国の新たな文化行政、これを一層推進することを通じまして、文化芸術立国の実現に努めてまいりたい、そう考えております。 ○勝目委員 ありがとうございます。  ポストコロナの時期に入ってまいりました。再びグローバルな時代がやってくるというふうに思います。そこで問われるのは、やはりアイデンティティーだと思います。日本に暮らす私たちが大切にしてきたもの、これを見詰め直して、そこから新しく日本ならではの価値というものを創造して、そして発信をしていく。これからの文化政策にはそうしたことが、まさに大臣今おっしゃったように、求められると考えております。  安倍総理の回顧録には、フランス大統領をベルサイユ宮殿をほうふつとさせる迎賓館でお迎えをし、ワーキングランチにフレンチを出したということについて、その微妙な真情を吐露される、そんな箇所がありましたけれども、文化庁移転の意義というのは、単なる地方への移転、地方創生にとどまるものじゃないんだ、このように思っております。欧米キャッチアップ型の国づくりから、より日本らしさを生かすという、日本の国づくりの根本にも関わってくるだろう、こんなふうに考えているところであります。  私も地元議員として、京都の関係者とともに、むしろ京都のためだけの文化庁移転にならないように、ここはしっかり役割を果たしていきたいというふうに思っておりますので、末永くよろしくお願いをいたします。  続きまして、教育人材の確保についてお伺いをいたします。  公教育の質といったものは、これは施設設備によるところももちろんありますけれども、何といっても、その担い手であります教員の質をどう確保するか、これに懸かっているというふうに思います。  私の息子も、現在、地元の公立小学校一年生でございまして、先生方はやる気と情熱を持って、本当に子供たちに向き合っていただいているな、そう感じております。  教員の質をこれからも持続的に確保していく、そのために必要なこと、私は大きく四点あると思っております。  まず第一に、教員の養成段階から、あるいは研修等の機会を通じて、福祉や心理などの専門性、あるいは個別最適な学び、協働的な学びに必要なスキルを身につけて、学び続ける機会を提供することであります。  不登校や発達障害などなど、様々な悩みや生きづらさを抱えている子供たちにしっかりと寄り添って、他方で、子供たちの持てる力を最大限に伸ばしていく。そのためには、昔取ったきねづかで教壇に立つんじゃなくて、教師自身も、今日的に必要な知識を身につけた上で教員になって、そしてその後も成長していける、そういう仕組みを構築することが大事だろう、こう思うところであります。  第二に、可能な限り、事務処理や、あるいは過剰、不当な保護者からの要求への対応から解放して、教員でないとできない仕事に向き合える時間を増やしていくということであります。  先般公表されました勤務実態調査、これは速報値ですけれども、若干改善されたとはいえ、まだまだ長時間労働があるということが明らかになりました。この点、例えば、私の地元京都市では、この四月から、保護者との連絡を、アプリを使ったシステム、これを全ての小中、支援学校に導入をいたしました。こういう校務DX、このフル活用というのも大事になってくると思います。  保護者への対応につきましても、これは教員任せにするんじゃなくて、オール学校として、さらに、必要に応じて教育委員会も関わっていく中で、そういう重層的に対応していく仕組みが要るのかな、こう思うところであります。  三点目は、きめ細かな配置、これによって、子供たち一人一人にもっと関わっていけるようにするということだと思っております。  小学校の三十五人学級、これはまさに今、実施の途上でありまして、この流れを着実に中学校の三十五人学級制につなげていきたい、このように思っておりますし、また、通級による指導が必要な子供たちも増えてきております。そういう意味でも、きめ細かな配置、あるいはセンター機能といったものを持たせていく必要性がございます。  四点目でありますけれども、教員という仕事の責任と、それを果たすための努力に見合う処遇をすることであります。  この点でいきますと、現行の教職の調整額、この水準は果たして今のままでいいんだろうか、こういう議論があります。もっとそれぞれの頑張りに応じた給与体系にできないかということもあります。後ほど申し述べますけれども、この調整額、党の方では、一〇%増額、こんな提言もさせていただいているところであります。  教員の人材確保のためには、これら四点、つまみ食いにすることなく、全てパッケージで実施することが大事だというふうに思っておりまして、文科省さんとしての考え方、方針、これはまず、担当局長お二人からお伺いしたいと思います。 ○藤江政府参考人 お答え申し上げます。  一点目についてでございますけれども、近年の学校教育をめぐる様々な課題に対応するためには、教師一人一人の強みや専門性を高め、さらに、多様な専門性を有する質の高い教職員集団を形成することが重要でございまして、この点、昨年十二月の中教審答申でも指摘されているところでございます。  このため、文部科学省といたしましては、心理や福祉、データ活用や語学力などの強みや専門性を身につける科目の履修と両立を可能とする柔軟な教職課程を特例的に開設できるよう、令和五年度に制度改正を行う予定でございます。  また、喫緊の教育課題への対応ですとか、個々の学校現場及び教師のニーズに即したオンライン研修コンテンツを充実することに加えまして、優れた知識経験等を有する方を教師として学校現場に迎え入れるため、令和三年五月に特別免許状の授与に係る指針の改正を行いつつ、こうした外部人材向けの研修コンテンツの開発にも取り組んでいるところです。  引き続き、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の実現に向け、必要な改革に取り組んでまいりたいと考えております。 ○藤原政府参考人 お答えいたします。  働き方改革等の項目についてでございます。  これまで、文部科学省においては、教員業務支援員を始めとする支援スタッフの充実や、校務のデジタル化等の学校DXの推進等の、学校における働き方改革、スクールローヤーの配置など、保護者等からの過剰な苦情や不当な要求への対応に係る法務相談体制の構築支援、小学校における三十五人学級の計画的整備や、障害のある児童生徒への通級による指導等のために必要な教職員定数の改善などの指導体制の整備等の取組を進めてまいりました。  今後は、働き方改革や学校の指導、運営体制の充実と併せて処遇の改善が重要であると考えており、これらを一体的に進めていきたいと考えております。  このため、中央教育審議会に対して、来週、質の高い教師の確保のための環境整備について諮問を行い、総合的に検討をいただくこととしているところでございます。 ○勝目委員 ありがとうございます。  両局長から御答弁をいただきましたので、その着実な実行を求めたいと思いますけれども、教育改革待ったなしであります。もう手ぬるい改善というのでは間に合わなくなってしまう、こういう強い危機感が私どもにはあります。  こうしたことで、党といたしましては、今週の火曜日、萩生田政調会長を委員長とする特命委員会におきまして、柴山委員長代理を始め、この場にいらっしゃる多くの先輩議員の先生方の御尽力で、令和の教育人材確保実現プランという、政府に対する提言を取りまとめたところであります。  これは、先ほど私が申し上げた要素を全て含んで、より広いパッケージで、教員という仕事の魅力を高めて、教育の質、未来の人づくりの基盤をつくろう、こういうプランでございます。私も幹事として末席を汚しておりましたけれども、有識者の先生方、現場の先生方、先輩議員の見識に触れまして、大変勉強になったところであります。  他方で、先月の財政審、そこでどんな議論があったかといいますと、これは、少子化に伴う加配定数の合理化による財源を教員の勤務環境改善のため活用していくというような指摘があります。教育の在り方を議論するときに、こんなことから議論をスタートするような国はほかにないわけでありまして、私どもの提言におきましては、児童生徒の減少に伴い生じる財源の活用を大幅に超えるような、既成の概念にとらわれない大胆な拡充を求めております。スピード感を持って取り組むことが大変重要だというふうに考えるところでありまして、抜本的改革期間としても、令和六年度からの三年間、こうしておるところであります。  先ほどは初中局長の方から、教員の確保、処遇改善を含めて、これにつきまして週明けにも中教審の方に諮問する、こういう御答弁がありましたけれども、こういうのも、いつまでも議論、検討しているんじゃなくて、しっかり目標時期を定めて取り組んでいかないといけない、このように考えるところであります。大臣としての方針をお伺いしたいと思いますし、そもそもこの党の提言というのは、人づくりの一丁目一番地でありまして、最大の少子化対策だ、こういう思いであります。本当に重要なものでございますので、これに対してどのような姿勢、方針で、骨太の方針、あるいはその先の概算要求に臨んでいかれるのか、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  学校教育、うまくいくかいかないか、これの成否というものに関しましては、やはり教師に懸かっているわけでございまして、教職の魅力の向上というものを、やはりしっかりと向上させて、それから、優れた人材というものを確保をしていくことが重要であると考えております。  中央教育審議会のスケジュールに関しましては、現時点で方向性を示す時期が決まっているものではございませんけれども、今回の検討は、様々な論点が総合的また複合的に関わることから、一定程度は時間を要するのではないか、そう考えております。  その上で、施策を迅速かつ着実に実施をしていくためには、その審議の状況に応じ、場合によっては逐次取りまとめていただくことも含めまして、来年の春頃に方向性を示すことを一つの目途として検討を進めてまいりたいと考えております。  また、自民党におきまして取りまとめられました令和の教育人材確保実現プランにおきましては、学校における働き方改革の更なる加速化、そして教師の処遇改善、それから学校の指導、運営体制の充実、優れた人材が教師を目指すための支援、これを一つ、一体的にパッケージとして推進するべきとするなど、重要なことが提言されていると承知をしておりまして、文部科学省といたしましてもしっかりと受け止めたいと考えております。  総理からは、勤務実態調査の速報値を踏まえて、骨太方針に方向性を示すことを目指す旨の答弁がなされているものと承知をしております。私といたしましては、教育の質の向上に向けて、必要な予算を確保しつつ、働き方改革、処遇の改善、そして学校の指導、運営体制の充実というものを一体的に進めていきたい、そう考えております。また、これらが実現できますように、しっかりと努力をしてまいります。 ○勝目委員 私たちも、国会、党の方でしっかりと後押しをしてまいりますので、共に頑張ってまいりましょう。よろしくお願いいたします。  では、質問を終わります。 ○宮内委員長 次に、山崎正恭君。 ○山崎(正)委員 公明党の山崎正恭です。  本日も質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。  早速質問に入りたいと思います。  三月三十一日に文部科学省、永岡大臣が出されました、誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策、COCOLOプランについてお伺いします。  今回のCOCOLOプランにつきましては、私ども公明党が三月二十三日に、子供たちの自己肯定感を育むためにとの不登校対策の提言を行いましたが、我が党の提言内容も多く盛り込まれており、私どもとしましても、今回のCOCOLOプランで示された取組について、公明党の全国三千人の議員ネットワークを駆使して、すぐに取組を開始していきたいと考えております。  具体的には、前回の私の質問で触れました、COCOLOプラン二の〇三で示された、不登校の子供さんの保護者の皆様への支援の充実や、同じく前回お願いしました、COCOLOプラン一の〇二、〇三、〇五で示された、自宅やスペシャルサポートルームとを、また教育支援センターとをつないでオンライン指導やテスト等も受けられるようにするとともに、そういった場での学びの結果が成績に反映されるようにするという点について、今回しっかりと書き込んでいただきましたので、学校現場で推進されていくよう取り組んでまいります。  そしてもう一点は、私ども公明党は、不登校の児童生徒は一人一人の状況が大きく異なるため、丁寧な指導を行うために、多様な学びの場の確保や指導体制を整備することが必要であるとして、教室に行きづらくなった児童生徒が学校内で落ち着いて学習できる環境、スペシャルサポートルーム等の教室などを設置してもらうように提言してまいりましたが、今回のCOCOLOプラン一の〇二において、学校内で落ち着いて学習できる環境の設置が明記されました。  そこでお聞きしたいのが、学校内で落ち着いて学習できる環境、今回のCOCOLOプランで示された校内支援センター、スペシャルサポートルームとか記載されておりますが、要は、不登校の子供さんたちの学校内の別の居場所となる教室の現在の設置状況と、今後の取組についてお伺いいたします。 ○藤原政府参考人 お答えいたします。  ただいまお話がございましたように、この三月に、誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策、COCOLOプランを取りまとめたところでございます。  その中で、校内教育支援センター、こちらは、自分のクラスにいづらいようなことを感じているようなとき、あるいは不登校の兆候のある早期の段階に、学校の中で安心して学習したり、相談支援を受けたりすることができる、そういう点において、その設置を促進することは非常に重要であるというふうに考えているところでございます。  校内教育支援センターの設置状況でございますけれども、市区町村の教育委員会に調査を行ったところ、一二・九%が、全ての学校に整備をしているという回答でございました。また、五七・六%が、整備をしている学校があるという回答でございます。  文部科学省といたしましては、好事例の周知や学習指導員等の支援スタッフの配置支援等を通して、校内教育支援センターの設置促進を推進しているところでございますけれども、今後更にそうした取組を進めていきたいと思っております。  また、先日公表したCOCOLOプランの取組の推進を始め、困難を抱えた児童生徒が学びにつながることができるような環境整備を進めてまいりたいと考えております。 ○山崎(正)委員 先ほど、全ての学校に配置している自治体が一二・九%、どこかの学校が五七・六%という数字でしたけれども、実は、私、今その数字を聞いて、正直驚いております。  といいますのも、私は中学校教員として勤務してまいりましたが、思い起こしてみても、平成九年に私が着任した学校には、既に、そういった子供の居場所となる教室が、私の勤務していた中学校にはありました。だから、二十七年前にはそういった取組が既にされていたと思いますし、感覚的にも、二十年ぐらい前から、文科省としてはそういった居場所となる教室の必要性は訴えてこられたと思いますが、いまだに設置されていない学校がそれだけあるということに正直驚いております。  その理由として考えられるのは二つあるんじゃないかなと思っていまして、一つは、うちの学校には不登校の児童生徒がいないからということが考えられますが、先日私がお話を聞かせていただいた保護者の方は、今、全国で不登校の子供さんが三十万人いる状況である、だから、いつ自分の子供が不登校になるかもしれない、そういったときに、自分の子供が通っている学校にそういった体制がもう既に整備されているのか、そういったことも含めて事前に教えていただけると安心するのですがというふうなお声がありましたが、たとえ今不登校児童生徒がゼロであっても、そのときに備えて、教室に入れない生徒の居場所となる教室の準備が必要であるというふうに思います。  もう一点は、うちの学校は保健室が教室に入れなくなった子供の居場所ですという学校が多くあるのではないかと思いますが、これはかなり古い時代の取組であるというふうに思います。不登校の問題が言われ始めた平成初期の頃は、そういった感じで、保健室の養護教諭の先生が不登校の子供さんを保健室で支援してくださるというのが出始めてきたときの状況でありましたが、保健室は本来、体の具合が悪かったり、けがをした子供さんを手当てする場所でありまして、例えばインフルエンザの流行時期なんかでは感染をしてしまいますし、そもそも養護教諭の先生の業務が過多になってしまいます。  しっかりと別に居場所となる教室を構えて支援していくということが非常に重要でありまして、実際に今、現場でも、やはり養護教諭の先生がそういった子供さんを発見したり事前に手当てしてくださっているケースは非常に多いとは思うんですけれども、やはり保健室以外にしっかり構えていくというのが、その子たちの学習を保障していくという観点でも非常に重要であると思いますので、是非、スペシャルサポートルームの推進においては、この二点について留意しながら進めていただきたいなというふうに思います。  それと、もう一点。先ほど言ったように、随分前からある。先ほど言った、自治体の調査だと思いますので、例えば、全てに設置している自治体と一校でも設置している自治体というと、一校でもというと相当格差があると思いますので、これは学校ごとで、是非、どれぐらいの学校で設置されているのか、もう少し細かい実態調査も併せてお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、部活動の地域移動についてお伺いします。  今、私のところに、中学校の現場の先生、教育委員会関係者、また首長さんを始め自治体の関係者の皆さんから、中学校の部活動の地域移行についての相談が大変増えてまいりました。  主な意見は、やはり、当初、三年間で地域へ完全移行と言っていたのが、三年間は取組集中期間として、できるところから順次移行していくという、方針のトーンが落ちたことと、いまだに、移行後の財政面も含めた部活動の地域移行の明確なゴールイメージ、姿が分かりづらいというか湧かないといったお声であり、正直なところ、今、現場では、本当に地域移行を最後までやるのか、途中でやめて元に戻るのではないかという懐疑的な声が、残念ながら大勢の方の御意見でございます。  私自身は、少子化の中で、子供たちが希望するスポーツや文化を行う機会の確保と教員の働き方改革も含め、地域移行は必要だと思っていますが、現状はそういった状況ですので、何とか今の状況を打開していくために、何問かお伺いさせていただきます。  まず初めに、先日、令和五年度の部活動の地域移行等に向けた実証事業の実施先が決定して発表になりましたが、実は、現場からの声としては、先ほど私が話したような状況で、国の方も当初の予算の概算要求段階の金額よりも実際の予算が随分と縮小されたため、各自治体に下りてくる予算も削られるのではないかという不安があり、自治体においては、見切り発車でスタートして、国の分の予算が大幅に削られ、自治体負担分が大きくなるのではとの不安があり、結局、国の発表をもって今手続を行っていますので、実質のスタートが六月になってしまい、非常にやりづらいとの声が上がっています。  本来ならば、部活動に代わるものであれば、進級した四月からやってあげるのが子供たちにとって一番よいと思います。また、予算の絡むことなので、国会で予算が通っていない段階で、このぐらいの額でやってくださいというのはもちろん文科省としては言えないという状況は理解していますが、来年度に関しては、おおむね今年ぐらいのイメージでやりますという見通しでいいので伝えてあげることで、各自治体が早めのスタートに踏み切りやすくなると思うのですが、来年度以降、難しいとは思うんですけれども、この部分について工夫できる余地があるのか、お伺いいたします。     〔委員長退席、中村(裕)委員長代理着席〕 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  やはり、予算執行、四月の一日、それに合わせて、自治体もしっかり予算を使いたい、その気持ちは重々よく分かります。  また、令和六年度以降、部活動の地域移行に関します事業につきましては、今年度の事業執行状況も踏まえまして、可能な限り年度当初に自治体が事業を開始できますように、公募の進め方などを含めましてしっかりと検討してまいりたいと考えております。 ○山崎(正)委員 大臣、ありがとうございます。是非よろしくお願いします。  次に、地域移行に伴い、地域クラブのスポーツ指導者になってくださる方への研修についてお伺いします。  これも現場が悩んでいます。初めてのことであり、研修の内容をどうするのか、そもそも研修を誰が行うのか。初めてのことなので、非常に労力とお金がかかるというのが実態です。  そこで、この部分に関しては、地域クラブのスポーツ指導者に対する研修内容、例えば、中学生を指導する際に注意することや、事故が起きたときの対応、中学生の特性について、また、ICTの活用や、体罰、ハラスメントの根絶についてなど、国で研修の基準となるものを動画等で作り、全国の研修で活用できるようにすれば、指導者の質の均等化も図れますし、各自治体における研修経費の削減も図れ、大変有意義だと考えますが、そのような方法で地域クラブのスポーツ指導者に対する研修をしていこうというお考えはあるのか、見識をお伺いいたします。 ○角田政府参考人 お答えいたします。  スポーツ庁では、日本スポーツ協会に対し、協会の公認スポーツ指導者の養成に関する費用を補助しております。この補助を活用し、休日の部活動の地域連携や地域クラブ活動への移行を見据え、昨年度、ハラスメント防止の動画を作成したところであり、さらに今年度におきまして、ジュニア期のコーチング、事故、安全管理、救急措置、メンタルヘルス、オンライン指導等の、指導者に求められる様々な知識が習得できる動画を作成することとしております。  スポーツ庁といたしましては、地域の指導者が生徒に対し適切な指導を行うことができるよう、関係団体と連携を図ってまいりたいと考えております。 ○山崎(正)委員 ありがとうございます。  なかなか財源の見通しが立たない中ですので、是非、先ほど言ったように、全国で作ると、経費も削減できますし、質も統一できると思いますので、よろしくお願いします。  済みません、時間がありませんので、次の質問、実は、練習方法とか指導内容についても動画などを作って配信すればということがありましたけれども、この問題は要請にとどめまして、最後の質問に移りたいと思います。  令和五年度の部活動の地域移行等に向けた実証事業の実施先が今年指定されましたけれども、意欲的に取り組んでいくと、団体競技などは必然的に平日の部活動移行に行き着いていくと思います。そのときに、予算的なブレーキがかからずに軌道に乗ってきたところは、そのまま平日にも移行してもらい、地域移行のモデルケースとなってもらうのが、現在、多くの自治体の学校がゴールイメージが湧きづらいと不安に思っている状況においては非常に有効であると思います。  そこで、今後は、平日移行まで視野に入れた、もう一段高いレベルを求めるスーパー実証地域のようなモデル事業の創設も必要であるし、有効であると思いますが、見解をお伺いいたします。     〔中村(裕)委員長代理退席、委員長着席〕 ○永岡国務大臣 お答えいたします。  文部科学省では、まずは、休日の部活動の地域移行に取り組むこととしております。令和五年度から令和七年度までの三年間、これは改革推進期間として位置づけております。  また、令和五年度から、先ほど質問にありましたけれども、実証事業、これを実施しております。この実証事業では、約三百七十の自治体におきまして、地域の実情に応じた様々な取組が行われる予定となっておりまして、優れた取組を支援をして、モデルとして全国に普及をすることが重要、そう考えております。  文部科学省といたしましても、休日と併せて、平日の部活動の地域移行も視野に入れた自治体の取組を含めまして、今年度から実施をする実証事業において、自治体の取組状況を検証しつつ、意欲ある自治体を後押しできるように支援をしてまいりたい、そう思っております。 ○山崎(正)委員 これも、多くの学校現場の指導者が、休日だけって、平日どうなるねんというふうに思っていますので、是非お願いします。  それと、やはり、そういうモデルケースができて、ああ、なるほど、こういうふうになるのか、これだったら子供にとっても教員にとってもいいねと実感できるケースが身近に出てくると、一気に追随してくる学校や自治体が多くなってくると思いますので、是非、もう一段高いレベルのモデルケースづくりは前向きに検討していただけたらと思います。  本日は大変にありがとうございました。以上で質問を終わります。 ○宮内委員長 次に、白石洋一君。 ○白石委員 白石洋一です。  よろしくお願いします。  まず、大学入試の際に行われる共通テスト、一月に行われる、過去は、センター試験とか、その前は共通一次と言われていた、この試験の試験場のことです。  愛媛県については、試験場が県庁所在地一か所に集中しているんですね。それが、センター試験あるいは共通一次試験から四十四年間続いている。松山だけなんです。ということはどういうことかというと、愛媛県で松山市近郊以外のところは、前泊して入試に臨むということで、二泊しないといけないんです。そんなことが四十四年間続いている。  これはほかのところと比べて相当不利だということで、例えば、やはり自分の自宅から試験場に行った方がそれはいいに決まっていますし、そして金銭的なところでも、通常は一泊四千円、五千円のところが、二泊で、そのときだけ三万円近く出さないといけない。しかも、予約のために一年前から電話して予約する。こういうことになっているんです。  そういった状況、ほかの県ではどうかというと、そういったことが残されているのは佐賀県と熊本県。そこもまたどういう事情か私は分かりませんけれども、大体似たような状況じゃないかなと。複数あったとしても、例えば本当に広いところはそれに似たようなところがあるのかもしれません。  でも、やはりこうやって問題が起きて、そして父兄からも改善を求めている。でも、四十四年間ずっとこのままになって、例えば、本当に面積の小さい香川県でもやはり複数ある中で、どうして愛媛県やその他の県だけこういったことになっているのか。ここを是非、文部科学省としても寄り添って、そして、課題があるんだったら、それを解きほぐして解決に導いていただきたいんですけれども、大臣、いかがでしょうか。 ○永岡国務大臣 先生おっしゃいますように、共通テストの試験会場が県庁の所在地のみに設置をしている、そういう県というのは、愛媛県とそして佐賀県と熊本県、三県のみのようではございますが、大学の入試共通テストは、大学入試センターと大学が共同して実施をする試験でございまして、試験会場の設置につきましては、地域ごとに設置をされました各大学の実施責任者による連絡会議におきまして、教育委員会や校長会などの意見を踏まえつつ協議をし、定めているというところでございます。  新たな試験会場の設置に当たりましては、そのコストや当該会場におけます適切な実施体制の確保などについて留意をする必要がありますが、今回、前日に宿泊を要する受験生がいるという実情につきまして御指摘をいただきましたので、このことにつきましては担当部局から関係者にお伝えをするようにしたいと考えております。 ○白石委員 お伝えをするだけじゃなくて、寄り添って、ヒアリングして、解決策を共に見出してほしいんです。  というのは、ほかの、松山市以外でも、明徳短期大学とか岡山理科大学とかありますし、他県では、かなりの割合、高校で会場を設置しているところもあるんです。解決策はあるように見えるのに、なぜそれがなされていないのか。四十四年間、これだけ父兄の、あるいは子供たちの要望があるのにかかわらずです。  ここは、是非入って、見てあげてください。基本はお任せでいいんです。でも、それでうまくいっていないんです。よろしくお願いします。  そして、次です。  大臣、この前は、日本語教育機関の教員不足について訴えさせていただきました。今日は、公立小学校、中学校です。先ほどもありましたけれども、これは全国で湧き上がっている。でも、その対策でもう二年も三年も待っていられないんです。  例えば休職、休職というのはお休みですね、病気によるお休み。これは、やはり突然来ますし、復職を見込んでいても、やはり駄目ですと言われて、対応が難しいんです。そういったことで、今、代替教員を探しているんだけれども、それがすぐには無理なので、教頭先生にピンチヒッターをお願いしている。でも、教頭先生は朝四時に学校に来て、教頭業務をしながら担任もこなしている。こういう状況なんです。  これは休職に関わることなんですけれども、さらに、産休、育休の拡充、それと取得率の向上、これはいいことなんですけれども、それに伴って、代替教員を見つけないといけない。ちょっとイメージが湧くために、十万人規模の市において、産休、育休を取得する見込みの人が、二十人の教員がいて、それに対して代替教員は二、三人しか見つかっていないんです。これは大変なことなんです。  それに対して、もう二年、三年の手当てでなくて、それを待っていたら破綻しますから、具体的な即効性のある対応策というのを文科省にお願いしたいんですけれども、いかがでしょうか。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  全国的な教師不足の状況につきましては、やはり私も危機感を持って受け止めております。  このため、文部科学省も、全国各地の教師募集情報を一覧できるサイトの開設、それからあと、現在教職に就いていない免許保持者に対します教職への入職の支援など、様々な取組を行っているところでございます。  令和五年度から、年度の初期頃に産育休を取得することが見込まれます教師の代替者を、任命権者であります教育委員会が年度当初から任用する、そういう取組の支援というのも行わせていただいております。  こうした中で、学校の業務負担軽減のために、ほかの学校などから、教員の配置換えも含めまして、任命権者であります各教育委員会の権限と責任におきまして、学校現場の実態を踏まえながら、適切に任用を行っていただくものと考えております。  また、文部科学省といたしましては、教職員定数の改善や教員業務支援員などの支援スタッフの配置の充実などに取り組んでおりまして、引き続きまして、学校におけます働き方改革を進めて、そして、教師が教師でなければできないことに全力投球できる環境というものを整備してまいる所存でございます。 ○白石委員 そうですね、大臣、やはりちょっと多めに、余裕も必要なときになっていると思います。休職が増えている、メンタルなところできついという事情もあるみたいですし、そして産休、育休。これが本当にきついので、PTAさんが訴えて、もう自分たちで見つけてください、こういうことになっているみたいです。まあ、それは余談ですけれども、その方が早いぐらいだと言われているぐらい、本当に厳しい状況ですので。  それともう一つは、非常勤でもいいんだというところをもうちょっと徹底してほしい。余りにも、フルタイムで、担任ができる先生を、ハードルが高いところを見つけようとすると、なかなか見つからないという事情もあります。ここはやはり、ちょっと時代に合わせて、価値観をもう少し変えて、非常勤で、教えることに専念する、そういう教員免許を持っている方を集める。フルタイムがもちろん優先順位は高いですよ。でも、そうじゃなくてもいいんだというところを徹底していただきたいなと。現場のところの声です。お願いします。  それから、次ですけれども、今、三歳から五歳児の幼児教育の無償化というのが行われておりますけれども、実はそこに、保育園なのか幼稚園なのかによって違いがあるということです。  保育所というのは、満三歳になった後の最初の四月から、つまり、満三歳になってもまだ無償化されない子供がいるのに対して、幼稚園児というのは、あるいは幼稚園的な、幼稚園型のこども園、以後そのようにしますけれども、幼稚園では、満三歳になった日から入園でき、そのときから無償化になるということです。  こういうばらつきがあるんですけれども、この際、三歳から五歳児までの幼児教育は無償化というふうに言っているわけですから、その言葉どおり、保育園児についても三歳になったときから無償化にしていただきたい。  質問なんですけれども、これはこれまでも幾つか取り上げられているみたいなんですけれども、もう少し解決の糸口を探りたいと思います。  まず、学校教育法で、満三歳から幼稚園に入園できる、これは保育園は違いますけれども、入園できるようにしているのはなぜでしょうか。 ○藤原政府参考人 お答えいたします。  幼稚園の入園可能年齢につきましては、学校教育法第二十六条において、幼稚園に入園することのできる者は、満三歳児から、小学校就学の始期に達するまでの幼児とすると定められているところでございます。これは、子供同士の集団的な関わりの中で社会性を育むことができる年齢が学校教育の対象年齢として適当であるということから、満三歳以上を入園可能年齢としているところでございます。  なお、幼稚園につきましては、修了に必要な修業年限、修業期間や就学の開始時期については法令上規定をされておらず、それぞれの幼稚園の判断で、満三歳に達した幼児を直ちに入園させるなど、年度途中での入園は可能となっているところでございます。 ○白石委員 ちょっと更問いで、それはいつからそういうふうになっていますか。学校教育法で、満三歳から入園させるのが適当であろう、こうおっしゃいますけれども、いつからですか。 ○藤原政府参考人 お答えいたします。  この入園開始年齢がいつからかということでございますけれども、歴史をひもときますと、明治時代に制定をされた附属幼稚園規則というのがございまして、明治十年、その規則が制定されたわけでございますけれども、その際に既に、満三歳児というふうにされていたということでございます。 ○白石委員 昔から、三歳から入園できる、それは、三歳からは教育にふさわしいからであろうと。  全く同じことが保育所についても言えませんでしょうか。保育園についても、三歳から五歳までの幼児教育無償化と言われているのであれば、保育所についても、幼児教育ですから、もうやっているわけですから、無償化することに問題はないと思うんですけれども、何か課題はあるんでしょうか。お答えください。 ○和田副大臣 お答え申し上げます。  幼児教育、保育の無償化では、小学校入学前の三年間分の利用料を無償化することを基本的な考え方としております。  保育所については、満三歳になった後の最初の四月から小学校入学までを対象にしております。  一方、幼稚園につきましては、四月に入園する子供が多いと承知をしておりますが、学校教育法上は、満三歳、三歳になった日でございますね、から入園できるというふうになっておりますことと、満三歳児は翌年度の四月を待たず年少クラスに所属する場合も多いということといった事情を踏まえまして、満三歳から対象としております。  保育所でも満三歳から無償化した場合には、保育所の利用者の間で、生まれた月によって無償化の対象となる期間が異なることや、二歳児クラスの中で有償となる子供と無償となる子供が混在することによる不公平感が生じることなどの課題があると考えております。  このため、御指摘のとおり、生まれた月によって数か月の差は生じることはありますが、こうした課題を踏まえ、小学校入学前の三年間分の利用料を無償化する制度となっており、御理解いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 ○白石委員 副大臣、二つあります。  一つは、不公平感というお話がありますけれども、クラスの中の不公平感よりも、保育園児と幼稚園児の間の不公平感の方が大きいと思います。金額たるや、最大一年分ですから、相当な不公平が生じていると思います。  それともう一つは、三歳から五歳児までの無償化というふうに言いながら、副大臣さっき言ったように、小学校入学前の三年間について無償化するというふうに言い換えるわけですね、こういうときだけ。それはいけないと思います。  やはり一貫性が大事です。三歳児から五歳児までの無償化というふうに政府が言っているんですから、そのように平仄を合わせて、保育園児についても、同じクラスの中で二歳の子もいれば三歳の子もいる、そんな中で、三歳になったらみんな無償化されるんですよ、こういうことで問題はない、むしろ今のままの方が問題があると思うんですけれども、副大臣、もう一度、いかがでしょうか。 ○和田副大臣 お答え申し上げます。  政府の基本的なスタンスとしては、小学校入学前の三年間分の利用料を無償化するという制度というふうにしておりますので、御理解のほどよろしくお願い申し上げます。 ○白石委員 そういうことであれば、そのように言わないとみんな誤解します。三歳から五歳児までの幼児教育の無償化というふうに言うのではなくて、小学校前の三年間の無償化と言わないと、父兄の方、そしてそれを受ける保育所の運営をされている方々は本当に今厳しい。一番厳しいのが、やはり将来の宝である子供たち。やはり無償化の利益をひとしく享受してほしい。三歳になれば、みんな、どこの園に行こうとも享受してほしい。こういうことですから、再検討をお願いしたいと思います。  それから、次ですけれども、やはりその三歳から五歳児までの幼児教育の無償化ですけれども、認可外であったり、認可外にも至らない、これは類似施設、類似幼稚園施設で、自然体験活動を取り入れた幼児教育をしている園もあるわけです。そういったところを認証して、例えば広島県とかは、自然体験活動を取り入れているところに対して、県独自でそういったところを認証しているところもあるわけです。そういったところも幼児教育の無償化の対象とすべき、やはり、多様性の時代ですから、幅広く幼児教育を無償化の対象とすべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ○藤江政府参考人 お答え申し上げます。  幼児教育、保育の無償化の対象範囲となっていない施設等につきましては、それらの施設等を利用する幼児を対象に、令和三年度より、地域における小学校就学前の子供を対象とした多様な集団活動事業の利用支援というものを行っているところでございます。  この事業では、小学校就学前の子供を対象とした多様な集団活動事業を行っている施設等のうち、市区町村が地域において重要な役割を果たしていると認定した場合に、保護者の経済的負担の軽減を図る観点から、国費補助により利用料の一部を保護者に対して給付することとしております。子ども・子育て支援法に基づく地域子ども・子育て支援事業、この中のいわゆる十三事業の中の一つである、多様な事業者の参入促進・能力活用事業のメニューに入っているところでございます。  文部科学省といたしましては、引き続き、各都道府県に対して、様々な機会を捉えまして、この件についても周知を図ってまいります。 ○白石委員 これを取り入れているのは百四十四市町。この制度は基本的にはいいことだと思います。もっと拡充してほしいです。三分の一、三分の一、三分の一、国、県、市、それぞれの負担割合、これももっと国が負担を担っていただきたいですけれども、まずは、この取り入れているところが百四十四、これは、これを知らない市町も多いんじゃないかなというふうに思いますし、これを取り入れてほしいというふうに言う側も知らないということがあると思うんですね。  なので、先ほどおっしゃった、地域における小学校就学前の子供を対象とした多様な集団活動事業の利用支援、これは月額二万円が上限ですけれども、これをもっと活用し、これを充実するということで、行き着く先というのは、三歳から五歳児までの幼児教育の無償化の徹底というところに行く。  これをまず周知するというところを、もう一度、具体的に方策をお願いします。 ○藤江政府参考人 委員御指摘のように、本制度を周知すること、大切だというふうに考えております。  都道府県に対しまして、例えば、子供政策担当の会議ですとか、子ども・子育て支援新制度の説明会等、様々な機会を捉えて周知を図ってまいりたいというふうに考えております。 ○白石委員 よろしくお願いします。もうこれは、国は、県の教育委員会に言ったらそれで終わりじゃなくて、市町、千七百もあって大変だと思いますけれども、そういったところにも目配りをし、対応していただきたいと思います。  そして、最後の質問になりますけれども、保育園の申込条件、これは保育を必要とするというところの縛りでありますが、その中の一つとして、お母さんが妊娠、出産をしている。第二子の出産、一人目の子供がいて、その子を保育園に預けようとしているけれども、その第二子の出産予定を挟んで、自治体によってはその前後の二か月というふうになっている。これはホームページにもうきっぱりと書かれているんですね。  この出産の前後の二か月というのは確かに一番きついときでしょうけれども、きついのはそれだけじゃなくて、妊娠してから出産するまで、出産後も一年ぐらいは厳しいというのが実情じゃないでしょうか。そういうこともあって、ネウボラとかこういったこともやろうじゃないか、そういう機運になっている。  そんな中で、保育の必要とする条件の中で、出産予定日の前後二か月というのは余りにも縛りが厳し過ぎると思うんですけれども、いかがでしょうか。 ○和田副大臣 お答え申し上げます。  保育所の利用に当たりましては、市町村から保育の必要性認定を受ける必要がありますが、妊娠中であるか又は出産後間がないことも、保育の必要性の事由としてお示ししております。この場合の認定の有効期間は、妊娠中として認定の効力が生じた日から、出産日から起算して八週間を経過する日の翌日が属する月の末日までの期間と定めております。  しかし一方で、妊娠中については、妊娠初期のケースであっても、保護者の心身の状況を踏まえて、保育の必要性があると判断されれば認定を行うこと、出産後についても、保護者の個別の状況により、当該期間を超えるケースも必要に応じ認定が可能であることをお示しをしております。  出産予定日の前二か月からという運用は、地域の実情を踏まえ、自治体が独自に定められたものと承知しておりますが、先ほど申し上げた取扱いを踏まえ、各自治体において、保護者の心身の状況等も考慮して適切に対応いただきたいと考えており、国としても、適切な周知に努め、またしっかりと働きかけてまいりたいと思います。 ○白石委員 副大臣、二点あるんですけれども、規則のところでは非常に幅を持たせている、妊娠中か出産後間もないことというふうに幅を持たせている、これはいいことだと思うんです。でも、それを知らない父兄がたくさんいる、交渉は不可能だと思っている若いお母さん、たくさんいるんだと思うんですね。これをどうするかということ。地方自治体に委ねている。地方自治体は、そこはもう紋切り型にしてしまっているところがあると思うんです。  もう一つは、国のQアンドAのところで、産後については、八週間を経過する日の翌日の属する末日、二か月程度ということをQアンドAで示してしまっているんですね。この二か月というのを国の方で示していることによって、せっかく妊娠中か出産後間もないことという幅を持たせた規定が、そこで切られてしまっているということがあると思うんです。  柔軟で、交渉に応じることができるということを若いお母さんにも知らせるということと、もう一つ、このQアンドAで産後は二か月というふうに切ってしまっている、ここの改善を求めたいんですけれども、いかがでしょうか。 ○和田副大臣 お答えを申し上げます。  必要に応じて柔軟に対応するべしというところは、しっかりと政府としても自治体に対して周知をお願いし、そしてそれがちゃんと国民の皆様に伝わるよう、しっかりと働きかけてまいりたいと思います。 ○白石委員 それから、QアンドAの八週間のところ、これの見直しもよろしくお願いします。  終わります。 ○宮内委員長 次に、吉川元君。 ○吉川(元)委員 立憲民主党の吉川元です。  ちょっと、質問に入る前に、まず委員長にお聞きしたいことがあります。  今、配付資料を配らせていただいておりますが、五月十五日、民放地上波のテレビ番組に衆院文科委員長の肩書で出演をして、教員の働き方に関連して、現制度をある程度維持しながら、その中で調整するということか、そういう質問に対して、そうですねというふうに回答しております。これは一体どういう了見なんですか。発言の流れからは、給特法の構造を維持するとしか聞こえません。  当委員会では、私も含め多くの委員から、給特法の構造的な問題を指摘をして、廃止や抜本的な見直しに言及をしてまいりました。現在、我々は、他の野党の皆さんと協力しながら、給特法の廃止を含む抜本的な見直しを内容とする議員立法、これを準備をしております。さきのテレビ番組の発言が給特法の抜本的な見直しを行わないという意味であるとすれば、これは言語道断だというふうに思います。  私見を持つのは結構です。自民党の中で闊達な議論をしていただくのも結構です。ただ、公平中立を旨とする委員長の肩書で、我々の議論やあるいは議員立法を頭から否定するような発言をテレビで行うのは、委員長の職責を放棄する、そういう行為だと私は言わざるを得ないというふうに思います。委員長の見解を伺います。 ○宮内委員長 そもそもここは委員長が御答弁するような場所ではありませんけれども、御指摘の点でございますので、お答えさせていただきますと、一議員としての活動でありまして、委員長としての見解を述べたものではありませんので、今後は、私の立場をしっかり認識した上で、発言、慎重にしていきたいというふうに思っております。 ○吉川(元)委員 ここ、見てください。「文部科学委員長」と書いてあるんですよ。一議員じゃないじゃないですか。私、番組を見ましたけれども、文部科学委員長として紹介されているんですよ。  この場で、我々、今まさに給特法の問題について議論しているんですよ。そのときに、あらかじめ委員長はこういう立場でこれから委員会を差配されるということですか。 ○宮内委員長 いや、そういうわけではございませんで、番組に行ったところ、私の紹介がそういうふうになっていたということでございまして、先ほども申し上げましたように、私の立場をしっかり認識した上で、これから慎重にしっかりと対応していきたいというふうに思っております。 ○吉川(元)委員 先ほども申し上げましたとおり、議員立法を我々準備しています。これは当然、我々としては、当委員会でしっかりと議論をして、そして成立させたい法案です。  これをきちんと委員会の中で議論するということを約束してください。綸言汗のごとしという言葉があります。責任のある人間が発した言葉というのは、訂正やあるいは取消しというのはできません。とするならば、行動で示していただかないといけないと思いますが、この点いかがですか。 ○宮内委員長 公平公正に、しっかりと、委員長としての立場でお仕事をしていきたいというふうに思います。 ○吉川(元)委員 公平公正でないから、中立でないことをしているから私は言っているんですよ。きちんとこれを、自分はあくまで公平中立であるというのであれば、我々が提出した法案、是非当委員会で質疑をして、きちんと議論をしていただきたい。  ほかにも質問しなきゃいけないことがいっぱいありますので、今日はこれで終わりますが、改めて理事会の場で、もう一度、今の話をしていただきたいと思いますが。 ○宮内委員長 理事会で協議させていただきたいと思います。 ○吉川(元)委員 それでは、今日は勤務実態調査について質問したいんですけれども、その前に一点だけ、大臣に、これは要望です。  我々は今、学校給食無償化法案を提出しております。残念ながら、まだ調わない状況の中で、この委員会の中で議論できておりません。ただ、一方で、政府の中でも、この給食の無償化について、以前、文部科学省として、こども家庭庁と連携しながら議論していくというような答弁もございましたので、しっかり、政府の中、文部科学省、イニシアチブを取って、リーダーシップを取ってこの議論をしていただきたいということを要望したいというふうに思います。  それでは、質問に入りたいと思います。  四月二十八日に公表された二〇二二年度の教員勤務実態調査の結果、速報値が出ましたので、これに関連して質問します。  まず最初に、大臣、この調査結果、どのように評価をされているでしょうか。私、非常に、確かに前回の調査に比べると少し時間は短くなっていますけれども、相変わらず、過労死ラインで働いている方、あるいはガイドラインで示した四十五時間以内というのが本当に、小学校で三五・六、中学校では僅か二二・八、極めて低い数字になっております。これは大変私は危機感を持っておりますが、この点について大臣の認識を伺います。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  今回の調査結果からは、平成二十八年度に実施をいたしました前回の調査と比較いたしまして、全ての職種で平日、土日とも在校等時間が減少していること、また、業務内容別では、成績処理や、あとは学校、学級経営、学校事業、部活動など様々な業務で減少が見られていること、そして、働き方改革の取組に一定の進捗が見られていることなどが明らかになったものと考えております。  一方で、今回の調査結果を基に推計をいたしました教諭の月当たりの時間外在校等時間というのは、小学校は約四十一時間、そして中学校は約五十八時間となっておりまして、依然として長時間勤務の教師も多く、引き続きまして取組を加速をさせていく必要がある、そういう認識でおります。  このため、中央教育審議会に対しまして、来週、質の高い教師の確保のための環境整備につきまして諮問をして、そして総合的に検討していただくこととしております。  私といたしましては、今回の勤務実態調査の速報値等を踏まえまして、教育の質の向上に向けて、働き方改革と処遇の改善、それから学校の指導と運営体制の充実、これを一体的に進めていきたい、そう考えております。 ○吉川(元)委員 それでは次に、実は、今回、文科省、勤務実態調査が行われていますけれども、教育委員会でも調査をされております。これを見ると、おやっと思うことがありました。  勤務実態調査では、文科省がやったやつですね、では、ガイドライン以下の月四十五時間以内が、これは小学校ですけれども三五・六、四十六から八十時間以内五〇・三、八十時間を超える者は一四・二%、こういう数字になっています。  一方、教育委員会が行った調査では、四十五時間以下の割合は六三・二、四十六時間から八十時間が三二・五、八十時間を超える者は三・四、こういう状況の結果が出ております。  同じ母集団で調査をして、例えば超勤が月四十五時間以下、まあ以内ということで、ガイドラインに沿った働き方をしている割合が文科省の調査よりも一・八倍多いという結果が出ております。  これはちょっと、何でこんな差が生じているのか、私は理解できない。統計学的にあり得る誤差の範囲をはるかに超えた調査結果になっているんですけれども、これは一体どういうことなんでしょうか。 ○藤原政府参考人 お答えいたします。  二つの調査の違いということでございました。  この度実施をいたしました教員勤務実態調査、これは、教師の勤務実態や働き方改革の進捗状況等をきめ細かく把握、分析することを目的に、抽出された学校の各教師を対象とした調査でございます。  他方、教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査、こちらの方は、各教育委員会や学校における働き方改革の進捗状況等を把握し、取組事例の展開等を通じて改革を促すことを目的に、教育委員会を対象とした、教育委員会単位の調査でございます。  こうした二つの調査、調査の仕方も異なるわけでございまして、そうしたことによってこの調査の結果が異なっているということであろうと思っております。  なお、いずれにいたしましても、両調査結果同士の比較ということではなく、それぞれの調査の経年比較を通じて働き方改革の進捗を把握し、政策立案等につなげていくことが重要だと考えております。 ○吉川(元)委員 調査の目的が違うから数字がずれているという答弁だったんですけれども、同じ母集団なんですよ。そこから、調査の目的が違うとここまで数字がずれてくることはあるんですか、統計学的に。私はないと思いますよ。何らかのバイアスがかかっているのではないか。  例えば、教育委員会としては、勤務時間の縮減を文科省からも言われていますから、そうしたプレッシャーの下で各学校に対して調査を行う、そうすると、例えば、終業のタイムカード、これを押してなお学校に残って仕事をする、こういうことが実際に起こっているんじゃないか、こういう危惧を持つわけですけれども。  なおかつ、各教育委員会、あるいは学校、管理職を含めてですけれども、これがそういうバイアスのかかった調査結果を出すということは、これは、今後、例えば、様々な働き方改革を行います、そして結果はどうなりましたかと聞いたときに、よく見えるように、統計が、恣意的に何らかのバイアスがかかって、おかしなものが出てくる。そうすると、ますます実態が見えなくなってくる。  私は、ある意味でいうと、統計のずれの原因、これは案外根深い問題があるんじゃないかというふうに思いますけれども、先ほど言ったとおり、終わった後、終業のタイムカードを押した後に引き続き学校に残って仕事をするだとか、朝早く来てタイムカードを押さずに仕事を始めて、ある時間が来たらタイムカードを押すだとか、そうしたことが実際にあるのかないのか、また、私が言ったような問題意識を文科省はお持ちかどうか、お聞かせください。 ○藤原政府参考人 お答えいたします。  そうしたことはあってはならないと考えているわけでございますけれども、今回の勤務実態調査について少し御説明をさせていただきたいと存じますが、今回の勤務実態調査では、対象となる各教師に個別のIDとパスワードを封入した封筒を閉じた上で配付をいたしまして、インターネットを通じて直接各教師から調査委託先の事業者へ回答していただくという形でやっておりますので、いわゆるそうした問題のある取扱いというのは決してできない形になっております。  また、基本的な、これまでの勤務実態の正確な把握という取組につきましても、虚偽の記録を残すことがあってはならない、そうした行為は信用失墜行為になるということを明示をして取組を進めていることでございまして、そうしたことがないようにしっかりと取組を進めてまいりたいと存じます。 ○吉川(元)委員 つまり、文科省の調査というのはかなり精密というか、正しい実態を反映をした調査だというふうに、今、答弁の中身はそういうことだと思います。とするならば、そこから大きくずれている教育委員会の調査というのは、これは何らかの問題が私はあるんじゃないかと。  今後、働き方改革を進めていく上で、教育委員会がどういうふうにそれを取り扱っていくのか、どういうふうに実際に実行していくのかといったときに、いわゆる現場を見て、現場をしっかり把握をしてやるんじゃなくて、まずこういうふうにならなきゃいけないから、時間が縮減されていなければいけないという前提で調査をするとすれば、それは、私は、実態をきちんと把握したものにはならないというふうに思います。  是非、各教育委員会に対して、きちんと実態を把握するように。これは、どう考えても、例えば四十五時間以内、つまり短い、四十五時間が短くはないんですけれども、ガイドライン内というのが、文科省の調査に対して、教育委員会の調査は一・八倍ですよ。過労死を超えるやつについては、文科省の調査の四分の一。こんなおかしなことはあり得ませんから、何らかのものがあるということを是非考えてやっていただきたいというふうに思います。  次に、業務内容別の在校等時間の調査結果について尋ねます。  授業に関する項目。授業の主担当、授業の補助、授業準備、学習指導、成績処理の五つがそれに該当するとした場合、小学校の場合ですけれども、前回よりも在校等時間は減ってはいるんですが、減ったのは授業準備と成績処理の二つだけで、五つの項目のトータルは、一日当たり十一分、月に換算すると三時間四十分延びております。  さきの示した五項目に加えて、朝の業務をつけると、朝の業務は四十一分ありますから、七時間十六分、トータルでなります。そうなると、所定内労働時間は七時間四十五分ですから、あと三十分しか残っていない。これで、つまり、朝の業務と授業関係だけで一日は全部終わってしまう、超勤をしないということを前提にすれば。  ところが、実際には全部で二十六項目、文科省は調査をしておりますから、あと二十項目、業務があるわけです。これを所定内労働時間に収めるというのは、事実上、私は不可能だというふうに思いますけれども、どの業務で労働時間の短縮が可能だというふうに考えているのか、教えてください。 ○永岡国務大臣 学校におけます働き方改革は、教職員定数ですとか、支援スタッフ、それから、あとは勤務制度、そして校務の効率化の在り方など、様々な論点が総合的また複合的に関わっていると思っております。  このため、教育委員会や学校におけます状況も様々でございまして、一概にどの項目で在校等時間が縮減されるとお示しすることは難しいところではございますが、前回調査との比較におきましては、学校行事に係る時間が、小学校で約十一分、中学校で約十二分の減少となっております。また、成績処理に係る時間が、小学校で約八分、中学校で約二分の減少が見られたところでございます。  今後、働き方改革の更なる推進に向けまして、専門的な知見を有する研究者等の協力をいただきながら、働き方改革の取組状況と教師の在校等時間の関係の分析を進めるとともに、中央教育審議会におきまして検討を進めてまいりたい、そう考えております。 ○吉川(元)委員 後で時間があれば聞きますけれども、つまり、授業に関係する、いわゆる教師としての本分といいますか、本業というか、いわゆる教えるということの準備を含めて、授業も含めてやると、もうほぼほぼ七時間四十五分は埋まっちゃう状況なんですよ。  だとするならば、これは、こま数を削減をするなり、あるいは、教員をもっと大量に採用して一人当たりの教師が持つこま数を減らさない限り、働き方改革、幾ら言ったって無理ですよ、もう物理的に入らないんですから。だから、その点について是非考えていただきたいというふうに思います。  次ですけれども、これは先ほど委員長にも厳しくただしましたけれども、給特法の扱いについてです。  前回の給特法改正時、附帯決議で、給特法の抜本的な見直しに向けた検討を加えるというものが入っております。それを前提にしてこの調査は行われたと私は理解をしておりますが、大臣自身、給特法をどうすべきだとお考えですか。 ○永岡国務大臣 お答えいたします。  文部科学省におきましては、教師の処遇を定めました給特法の在り方も含めて、これは具体的には今後検討していくべき課題と認識をしております。勤務実態調査の速報値等も踏まえつつ、有識者などから構成されます調査研究会において整理された論点を基に、中教審におけます検討に速やかに着手をする予定でございます。  このため、中教審に対しまして、来週、質の高い教師の確保のための環境整備について諮問をいたしまして、総合的に検討していただくことにしております。 ○吉川(元)委員 前々回かな、私、一般質疑でこの問題をただしたときに、結局その時点では、いろいろ聞いたんですけれども、今回の調査結果を踏まえて次やっていくというお話でございました。  そこで改めて、前回聞いたようなお話を聞きますけれども、私、やはり給特法の最大の問題というのは六条にあると。つまり、残業命令を出せない、出すことができないというこの規定があるがゆえにへんてこりんなことがまかり通っているというふうに思います。学校教育法で定める校長がつかさどる校務でありながら、四項目以外は超勤命令が出せないので、自主的、自発的なものとして扱われて、超勤の対象、いわゆる超勤ではないというふうな無理くりの理屈、これがなっているのは、これは六条の存在ゆえだというふうに思いますし、ひいては、この六条が長時間労働是正にとって大きな壁になっているというふうに私自身は思っております。  大臣、率直に言って、この六条、どうされるおつもりですか。私はこの六条は少なくとも廃止をすべきだというふうに考えておりますが、いかがお考えでしょうか。 ○永岡国務大臣 給特法等の法制的な枠組みにつきましては、やはり、勤務実態調査の速報値等を踏まえつつ、同じお答えになってしまうんですけれども、有識者等から成ります調査研究会において整理された論点を基に、中教審において検討して速やかに着手をするという予定でございます。 ○吉川(元)委員 調査結果が出る前は、調査結果が出てからやります、今度、調査結果が出たら、調査結果を基に中教審で議論していただきます、これでは何にも大臣のお考えが分からないんですよ。大臣はこの六条についてどう考えているのか。  給特法そのものが大きな問題でありますけれども、特にその中でも、この六条というのがあるがゆえに、先ほど言った、一方で校務である、だけれども、それは自主的、自発的であると。校務は校長がつかさどっている、いわゆる指揮下にあるわけですよ。だけれども自主的、自発的であると。  これは、ヤヌスのような、双頭神のようなへんてこりんな働き方がまかり通っているその最大の原因はこの六条にある、そういう認識には立たないんですか、大臣。 ○永岡国務大臣 お答えいたします。  給特法の六条は、教育職員を正規の勤務時間を超えて勤務をさせる場合は、政令で定めます基準に従いまして条例で定める場合に限るものとする、こういう規定になっております。  この趣旨といたしましては、教師に対しまして時間外勤務を無定量に命じられることがないように、正規の勤務時間の割り振りを適正に行いまして、原則、時間外勤務を命じないことといたしまして、臨時又は緊急のやむを得ない必要があるときに正規の勤務時間を超えて勤務させる場合の基準として、いわゆる、先生おっしゃいます超勤四項目に限定して政令で定めることによりまして、超過勤務の歯止め措置として規定をしているものと認識をしております。  他方で、給特法に関しまして、教師の自主性、自発性が強調される余り、所定の勤務時間の後に行った校務の時間が勤務時間管理の対象にならないという誤解が生じまして、そのために勤務時間を管理するという意識が希薄化し、そして時間外勤務の縮減の取組が進まないなどの指摘がなされていることも事実でございます。  このため、令和元年の改正給特法の指針におきまして、いわゆる超勤四項目以外の業務を行う時間を含めて、在校等時間として時間管理の対象としますことを明確にいたしました。そして、勤務時間管理の徹底を求めてきたところでございます。  以上です。 ○吉川(元)委員 無定量な超勤が起こらないようにと言っていますけれども、今、無定量なんですよ、実態として。だから働き方改革をやっているんでしょう、今。とすれば、法律で、無定量にならないように超勤命令が出せないと言いながら、実際には校務として超勤をやっているんですよ。これは、普通の民間の労基法の世界でいうと、黙示的に超勤命令があったとみなされる話ですよ。それを、法律に書いてあるから超勤じゃないんだ、超勤命令が出せないから超勤じゃないんだ、こんな理屈は通らないですよ。刑法で人を殺してはならないと書いてあるから殺人事件がないというのと同じ理屈を今大臣はとうとうと述べているわけですよ。実態と全然合っていない。  もう一点、時間がないのでお聞きしますけれども、今日お配りした資料の裏側、二ページ目のところに、二〇一九年十二月三日、萩生田大臣が我が党の水岡議員の質問に対して答弁した中身です。これを私、何回もこの場で紹介をしてきましたが、改めて、その全文をここに載っけさせていただきました。  ここに書いてあるのは、いわゆる給特法の仕組み、これが実は、この真ん中あたりですね、給特法の仕組みは、労働基準法の考え方とはずれがあると認識していると。一番下のところに、現在の給特法が昭和四十六年の制定当初に想定されたとおりに機能していないことや、労働基準法の考え方とのずれがあるとの認識は見直しの基本となると書いてあるんですよ。と答弁しているんです。  大臣、この答弁、維持されますね。 ○永岡国務大臣 労働基準法は、客観的に見て使用者の黙示的な指示により労働者が業務を行っていると認められれば労働時間に該当するという考え方となっております。  一方、公立学校の教師の勤務条件の特例を定める給特法の仕組みというものは、教師の自発性、創造性に基づく勤務に期待をする面が大きくて、どこまでが職務であるのか切り分け難いといった教師の職務などの特殊性を踏まえ、勤務時間の内外を問わず包括的に評価をして処遇するものであります。  また、校長の時間外勤務命令は超勤四項目以外の業務については出せないため、所定の勤務の時間後に行った校務の時間が勤務時間に該当しないという考え方となっておりまして、両者の概念は異なっている面がございます。  いずれにいたしましても、勤務実態調査の速報値を踏まえつつ、有識者から成ります調査研究会におきまして整理された論点を基に、中教審における検討、速やかに着手をしてまいります。 ○吉川(元)委員 私が聞いたことに答えていただけないんですね。ずれがあるというのが、つまり、このずれを正すというのが基本にあるんだというのが当時の萩生田大臣の答弁なんですよ。今、大臣の答弁を聞いていても、それを、ずれがあることを正していくという認識があるのかないのか、いまだに私はよく分かりません。  今日は時間が来ましたので、次回、また機会があったら質問したいというふうに思います。  以上で終わります。 ○宮内委員長 次に、城井崇君。 ○城井委員 立憲民主党の城井崇です。  質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。  永岡文部科学大臣、よろしくお願いいたしたいと思います。  まず、生成AI、出力結果、いわゆるAI生成物とも国会答弁でもありますが、これらの権利者について伺いたいと思います。  まず、出力結果の著作権について伺います。文章や画像、動画等の出力結果、AI生成物の著作権は誰にありますかという問いであります。  令和五年四月十二日の当委員会での梅谷委員の質疑での政府参考人答弁によりますと、AIによって自律的に生成されるAI生成物については、現行の著作権法上は著作物と認められないと考えられる、AI生成物を生成する過程での、AI利用者による創作意図があり、かつAI生成物を得るための創作的寄与があれば、利用者がその思想、感情を創作的に表現するための道具としてAIを使用して当該AI生成物を生み出したものといたしまして著作物と認められることは、可能性はあると考えられるとのことでありました。  大臣、ここで言う創作意図、創作的寄与とは、具体的に何を指しますか。両方があって、著作物として著作権が認められない場合はどのようなことを想定していますか。大臣から、国としての公式見解を明確にお示しください。 ○永岡国務大臣 お答えいたします。  まず、AI生成物の著作権者について御質問がありました。  著作権法では、著作物を、思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいうと定めております。  AIの生成物がこの著作物に該当する場合は、AIを利用し生成物を生み出した者がその著作者となりまして、著作権を享有することとなります。  そしてもう一つ、創作意図と創作寄与についてお話がありました。  答弁で指摘いたしました創作意図とは、先ほどの著作物の定義を踏まえますと、思想又は感情を表現したものを創作する意図のことを示すと思います。また、創作的寄与については、思想又は感情を創作的に表現するための指示などの入力や必要な処理、出力されましたものの選択などといった一連の行為を指すと思います。  創作意図と創作的寄与があったとしても著作権が認められない場合については、AIの生成物が例えば事実の伝達にすぎない記述である場合などは、これは著作物にはならないと考えますが、最終的には、個別の事案に応じました司法判断となるということでございます。 ○城井委員 かなり細かく御答弁いただきまして、ありがとうございました。  ここで出力結果の権利関係を確認していますのは、今、世間でも、活用していきたいという方と、活用する場合に、自分たちが作ってきたものの権利が脅かされるのではないかと心配している方々、この両方がおられる。その両方の声に耳を傾けたときに、じゃ、肝腎の権利関係はどう整理されているのかということがなかなかはっきりしないというお声が多いので、是非大臣の口からはっきり確認をしたいということでの質疑でありますので、お願いしたいと思います。個別で司法の判断となりますと、そこはグレーゾーンが残るということは是非指摘をしたいというふうに思います。  続きまして、生成AIと肖像権との関係についても伺います。  画像や動画等の出力結果、AI生成物にまつわる肖像権はどのように守られるか、国としての正式見解を、具体的な方法を示しながら大臣に聞きたいと、質問しようと思ったんですが、文部科学大臣は所管ではないというふうな答えがまず来まして、ではどこですかと聞きましたら、内閣府の知財本部だというふうにあったんですが、ただ、内閣府の知財本部も所管ではないというふうに言われてしまいました。結果的に、どこの府省庁も所管していないと文部科学省から回答がありました。  大臣、この担当府省庁がないというのは問題です。政府全体で、是非、担当府省庁を明確にしてもらって、この生成AIに関わっての肖像権をどのように守るかということをはっきりできますように、文部科学大臣から政府全体に促していただきたいと思いますが、お取り組みいただけますか。     〔委員長退席、中村(裕)委員長代理着席〕 ○永岡国務大臣 AIには、経済社会を前向きに変えるポテンシャルがある一方で、懸念やリスクも指摘されると承知をしております。  AIに関する課題は多岐にわたりまして、政府としては、課題への対応を本格化するために、事務的な連携に加えまして、法制度、倫理などの幅広い有識者により構成されるAI戦略会議を開催するなどいたしまして、検討を進めております。  文部科学省といたしましても、必要な協力、しっかりと行ってまいります。 ○城井委員 今の、各省との調整ということですが、その中には肖像権の話も含まれるという理解でよろしいですか。もう一回お答えいただけますか。 ○永岡国務大臣 しっかりと含ませるように対応してまいりたいと考えております。 ○城井委員 よろしくお願いいたしたいと思います。  続きまして、プロンプトの著作権について伺いたいと思います。  生成AIで出力結果を引き出すためのプロンプトには著作権が認められますか。一般名詞の組合せに権利を認めますと、自由な発想で活用することが妨げられるとの意見があります。一方、内容が詳細な指示、命令にわたれば、その言葉の組合せによっては、創造性、オリジナリティーが認められるケースがあるのではないかとの考え方もあります。  先ほど、大臣からも、創作の意図や創作的な寄与、この点についての言及があったというふうに受け止めておりますが、さて、大臣、このプロンプトエンジニアリングに著作権を認めますか。著作権が成立する場合の条件は何でしょうか。著作権を認めないケースは具体的に何ですか。大臣から、国としての正式見解を明確にお示しください。 ○永岡国務大臣 プロンプトの著作物性につきまして御質問がありました。  著作権法では、著作物を、思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、そして美術、学術又は音楽の範囲に属するものをいうと定めております。  このような著作物の定義に照らしますと、プロンプトと呼ばれるAIへの指示の文章につきまして、一般的な名詞を単純に合わせただけの場合は、創作性がなく、著作物と認められない可能性があります。  プロンプトエンジニアリングの著作物性につきましてお答えいたします。  御指摘のプロンプトエンジニアリングにつきましては、AIに対する指示などの命令に関する手法や技術と捉えますと、その内容がアイデアや技術で表現されるものでなければ著作物には含まれません。  いずれにいたしましても、著作権が認められるかどうかについては、著作権法に定める著作物に当たるかどうかに基づきまして、最終的には司法において判断されることになろうと思っております。     〔中村(裕)委員長代理退席、委員長着席〕 ○城井委員 一般名詞の組合せだけということですとということなんですが、なかなか日本語も難しいところがありまして、例えばキャッチコピーなどだと、十文字以内で短く表現するケースがあり得る、でも、その組合せに、ある意味でオリジナリティー、独創性を認めてやってきているという部分もあります。その意味では、その線引きは本当に難しいんじゃないかというふうに思っています。  特に、今まだ技術が発展途上ということもありますので、プロンプトそのものも今まさに生成、発展していますし、これは今後ビジネス化していく可能性もあるだろうというふうに思っていまして、その点での権利関係の整理は間違いなく必要になってくる、司法にお任せということにはならないというふうに思っています。  その点を踏まえての今後の整理、是非いただきたいと思っているんですが、その点についてはいかがでしょうか。 ○永岡国務大臣 これからも、しっかりと論点整理をいたしまして対応してまいりたい、しっかりやって、途切れませんでずっと続くわけでございますので、ずっと勉強しながら、その対応をしてまいりたいと考えております。 ○城井委員 続きまして、クリエーターの権利擁護についてお伺いしたいと思います。  生成AIの研究開発、活用を促進していく中で、出力結果に伴うクリエーター、特に既存のクリエーターの権利を国としてどのように守りますか。  特に難しいと私が考えますのは、作品そのものとともに、クリエーターの画風ですとか作風に関する権利をどのように守るか、これが難しいと思っています。一方で、現存する芸術作品などでも、既存の優れた作品にインスパイア、ある意味で感化、影響された作品は過去にもたくさんあります。  生成AIの出力結果に関して、クリエーターの権利を守る具体的な方策を大臣からお示しください。 ○永岡国務大臣 クリエーターの権利を守る具体的方策につきまして、作風ですとか画風はアイデアに当たりまして、これは著作権法上、著作物には当たりませんが、AIの生成物との関係において、クリエーターの著作物に当たるものが許諾なく利用されていれば著作権の侵害に当たります。  この侵害の判断については、最終的には個別の司法判断によりますけれども、AIの生成物の既存の著作物との類似性や、それからあと依拠性が認められる場合には著作権侵害となりまして、著作権者は損害賠償請求や差止め請求が可能となるほか、刑事罰の対象ともなります。  文部科学省といたしましては、このような著作権法の考え方を理解していただけるように、セミナー等を開催いたしまして、速やかに普及啓発をしてまいります。  また、AIと著作権に関する論点を整理するため、文化庁におきまして、知的財産法に詳しい専門家や弁護士などを交えまして検討を進め、その成果を踏まえた周知啓発も行ってまいりたい、そう考えております。 ○城井委員 今の大臣のお答えは、基本的には著作権法、現行法の解釈に基づいての対応、それを踏まえて、新たに持ち上がってきた論点について整理をして、また周知啓発をする、こういう御答弁だったかと存じますが、関連する著作権法の改正を議論いたしましたときに、過去にですね、生成AIのここまでの技術革新は想定していなかったんじゃないかというふうに考えます。  図らずも、現在の状況を見ると、日本の著作権法は、国際的に見ても最も生成AIに有利な法制になっております。  AIの利用を完全に排除することは現実的には難しいことも考慮しますと、技術的な革新を促しながら、著作権者の意向に反する著作物利用から権利者を守る仕組みづくり、例えばということで、法規制の強化も一つの方法かもしれませんが、そのほかにも、権利者側の技術的な防衛、いわゆるクローリング、自動プログラムなどによる情報収集の防止ですとか、権利侵害を発見する技術開発への支援ですとか、また、権利者たるクリエーターにも恩恵が還元される仕組みづくり、こうした幾つかの方法を組み合わせながら行っていくべきだというふうに考えますが、大臣、先ほどの現行法の趣旨周知に加えて、こうした新たな権利者を守る手法についての検討を是非文部科学省、政府においても指示をいただいて、取組をいただけないでしょうか。 ○永岡国務大臣 生成AIと著作権との関係に関する議論は、AIに関する平成三十年の著作権法改正を検討する際にも行われております。  具体的に申し上げますと、平成二十七年から平成二十九年に開かれました知的財産戦略本部の検討会議におきまして、AI生成物が既存の著作物の著作権を侵害するおそれといった点を含めまして、著作権法上の取扱いに関する議論が行われております。  また、文化審議会におけます検討につきましても、知的財産戦略本部における議論を踏まえて検討いただきまして、その中では、AIによるコンテンツの生成とその後の利用についての議論や説明も行われていたと承知をしております。  今後の仕組みづくりについてのお尋ねでございますけれども、AIと著作権の関係に関する著作権法第三十条の四を含めて、著作権法は、著作物の利用実態や技術の進展などの社会の状況の変化を踏まえて、権利者を含む関係者の意見を伺いながら、著作物の保護と利用のバランスを取った規定となっているところでございます。  文部科学省といたしましては、クリエーターを含め、現行の著作権制度の分かりやすい説明に努めるとともに、AIと著作権に関する論点、これを整理をするために、文化庁におきまして、知的財産法に詳しい専門家また弁護士などを交えて検討を進めて、その成果を踏まえた周知啓発というのも行ってまいりたい、そう思っております。 ○城井委員 大臣、バランスというふうにおっしゃるんですが、先ほどおっしゃった平成三十年の著作権法の改正の折には、やはり、ここまでの技術革新のスピードになるというのは想定外だったんじゃないか、つまり、その点については検討が不十分だったというふうに私は考えます。  更に申しますと、現在の機械学習での大量のデータの学習、収集が進んでいく段階で、本当にクリエーターの権利が守られる形になるか。先日も、決算行政監視委員会の分科会で大臣に伺いましたときにも、例えば、違法コンテンツ、本来だったら止めなきゃいけないところなんですが、大量だとなかなか区別がしづらい、こうした趣旨の答弁もいただいたところでありました。  クリエーターを守るためにはやはり具体的な手段が必要だ、しかもそれは複数あった方がいいということで私からは提案しています。是非、提案した部分を御検討いただきたいということをお願いしたいと思います。  続きまして、生成AIに関して、教育現場における取扱いについて伺いたいと思います。  子供の思考力や表現力への影響について懸念する声があります。批判的な思考力や創造性を伸ばす妨げになるおそれであります。こうした生成AIの子供への影響についての大臣の認識、今後の対応への考えをお聞かせください。 ○永岡国務大臣 学校現場での生成AIの利用につきましては、様々な議論や懸念がございます。子供たちの批判的思考力ですとか、また創造性への影響などについて、やはりリスク整理が必要である、そう考えております。  一方で、学習指導要領では、学習の基盤となる資質、能力として情報活用能力を位置づけておりまして、新たな技術であります生成AIをどのように使いこなすかという視点ですとか、自分の考えを形成するのに生かすといった視点も重要だと思っております。  先般の教育大臣会合、G7の教育大臣会合でございますが、その議論ともなったわけでございまして、生成AIが教育に与える正負の影響を見極めて適切に活用していくことが重要である、そう考えております。 ○城井委員 具体的な利用のケースについて、一点伺います。  児童生徒や学生が利用する場合、例えば小中学校の読書感想文の課題での利用や大学での論文等の課題への利用について、悪用と言えるケースも十分に想定をされます。この学校での課題にまつわる利用の課題についての認識、対応について、大臣からお聞かせください。 ○永岡国務大臣 城井委員御指摘のように、やはり、生成AIについては、教育現場で様々な議論や懸念があるというのはもうお話ししたとおりでございますけれども、特に、論文や感想文、こういう課題の対応、これは、不正行為を行うことは許されるものではないと考えております。  また、教職員も含めて、生成AIを利活用するに当たっては、やはり、個人情報の扱いですとか著作権との関係についても十分留意をするということが必要だと思っております。  現在検討中の学校現場向けのガイドラインでは、こうした様々な点にも目くばせをして対応していきたい、そう考えております。 ○城井委員 通告を一問飛ばしまして、今大臣から言及いただいた、いわゆる指針、ガイドラインの件について伺います。  夏前にも学校現場での活用方法や注意点などをまとめた指針を公表する方針という報道に接しました。この点は、先日の決算行政監視委員会分科会で私から提案をした内容でございました。取り入れていただき、感謝を申し上げたいと思います。  改めて、この指針の発表の具体的なめどを大臣に伺うとともに、その際に適切な学校現場への支援が必要だと考えますが、その点についても併せてお答えいただけますでしょうか。 ○永岡国務大臣 お答えいたします。  指針の公表の時期につきましては、やはり、有識者からの意見聴取の内容ですとか、また政府全体の検討状況、さらには中教審の議論を踏まえて、夏前を目途に策定、公表してまいりたいと考えております。  学校現場への支援につきましては、指針となりますガイドラインを取りまとめた上で、都道府県や市町村、教育委員会とも連携をいたしまして、適切に対応していきたいと考えております。  また、ガイドラインにつきましては、一度作って終わりとするのではなくて、技術の進展の状況を踏まえて、学校現場の皆様方の声を、そこに耳を傾けつつ、機動的に更新をして、現場に支援をしてまいりたい、そう考えております。 ○城井委員 活用と、そしてルール違反を防いでいく、バランスをしっかり見ていきたいと思いますし、不断の見直しも是非お願いしたいと思います。また、現場からの声も、我々からも提起をしていきたいというふうに思います。  続いて、がらっと変わりまして、令和四年度の教員の勤務実態調査の結果について伺いたいと思います。  時間外勤務の時間を減らした人が増えたとの結果の一方、過労死レベルの時間外勤務が続いている教職員がいまだに相当数存在するとの結果でした。  調査自体は一週間の勤務実態の調査でしたが、小学校、中学校共に、一か月に換算した場合の時間外勤務時間が過労死レベルを超えているのは、大臣、それぞれ全体のどのぐらいおられたでしょうか。過労死レベルが続いているというのは命に関わる重大な事態ですから、今後の対応を早急にすべきだと考えます。大臣の見解をお聞かせください。 ○永岡国務大臣 お答えいたします。  今回の調査は一週間の勤務実態を調査したものでありまして、調査対象週以外の週の勤務実態が不明であるために、厚労省の通達を受けて一般的に過労死ラインと呼ばれます月八十時間を超えて時間外勤務をしている教師の割合を正確に把握することは、やはりちょっと困難ではございます。  その上で、仮に、調査対象週と調査対象週以外の週の各教師の在校等時間が全く同じ、そういうふうに仮定をした場合、おおむね一週間に二十時間以上の時間外在校等時間のものが相当すると考えられ、その割合は、通常期におきまして、小学校で約一四%、中学校で約三六%となっております。  文部科学省といたしましては、教師の勤務時間や業務量の適切な管理、学校におけます働き方改革を一層進めることは重要なことと考えております。  引き続きまして、各教育委員会に対しまして、様々な機会を捉えて、給特法に定めた指針に基づく適正な勤務実態の把握や改善が行われるように、周知徹底をしてまいります。  また、あわせまして、先日公表いたしました実態調査において把握した教師の勤務実態や働き方改革の進捗状況などを踏まえつつ、有識者から構成されます調査研究会において整理された論点に基づきまして、中教審において具体的に検討をしっかりと進めてまいります。 ○城井委員 時間が参りましたので終わりますが、今ほどの、正確に把握困難ということでは困る。過労死レベルでの働き方になっているという指摘は以前からありましたし、そこを把握するというのは今回の調査の大きな眼目の一つだったというふうに考えます。  このことも含めて、まず、業務量の削減、更なる業務の見直し、そして、今日も議論があったと聞きましたが、給特法の廃止と時間外勤務手当の支給等の処遇の改善、そして教職員定数の改善、この三点セットをやはりやらなきゃいけないというふうに考えます。  我々からも近く、給特法廃止・教職員の働き方改革促進法案を国会提出します。やりがい搾取や、そして定額働かせ放題になっている給特法を間違っても続けるということにならないように、大臣にも是非、そして与野党の議員の皆さんにも是非御協力をお願い申し上げて、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。 ○宮内委員長 次に、堀場幸子さん。 ○堀場委員 日本維新の会、堀場幸子です。  今日は、とても学校現場のお話がこの委員会の中でたくさん議論されているのを聞いて、ちょっと本当に、どれだけ危機的な状況なのかというのを分かっていただいた上で、これをスピーディーに進めなきゃいけないということを是非是非御理解いただきたいなと思いました。  私も、先生方の働き方について、給特法も含めて抜本的な改革、こういったことも党内でずっと議論させていただいておりますけれども、やはり先生たちを増やしていかなきゃいけないなというところを、どういう意味でやらなきゃいけないかという話をちょっとやらせていただこうかなと思います。  不登校に関する様々な調査結果もありますし、いじめ、そして、自殺者数がやはり今本当にこれだけ多いということを、私たちはもっと重く受け止めなければならないと感じています。  前回も不登校についてやらせていただいたんですが、そのときは、本当は学校に行きたいけれどもなかなか行けない子、そして、その中でも特に、学校の勉強が分からないなと思っていて学校が嫌になってしまっているという根底にあるものと指導についてということをやらせていただきました。  今回は、学校に行くのは大好きなんだけれども、どうしても教室に入るのが嫌だなというお子さんが最近多いということについてやらせていただきたいなと思います。教室に入れない児童生徒と集団における一斉指導と個別最適な学びについてお尋ねをしたいと思います。  この個別最適な学び、これについてはずっと何度も何度も大臣とやらせていただいていて、またかと思われるかもしれないんですけれども、これは本当に大事なことで、一斉指導というものと個別最適な学びというものをどのように両立させるのか、そして、そのクラスの人数、そして先生の数、そしてそのときの子供たちの様子、これを全部加味してそれを実現していっている学校現場の大変さについて少しやらせていただきたいと思います。  一斉指導というのは、学力の底上げの効果があって、世界的にも高い評価を得ていると承知しています。日本の教育の方法としてずっとやられてきた方法なんですけれども。また、対面での一斉指導というものが本当に有用だということは、このコロナ禍を経て、オンラインとか様々ありましたけれども、それを経て、やはり対面であること、そして一斉指導のよさというものも再度私たちは感じることができたんじゃないかなと思っているんですけれども、でも、その一斉指導の中で個別最適な学び及び協働的な学びの充実ということをやっていくというのはとても大変なことなんですけれども、具体的にどのような指導方法を意味しているのか、大臣、お願いします。 ○永岡国務大臣 堀場委員おっしゃいますように、コロナ禍を経まして、やはり対面での子供たちへの授業というものがどれだけ大切なものであったかというのは実感しているわけでございますが、今御質問の、まずは個別最適な学びにつきまして申し上げます。  例えば、子供一人一人の興味、関心や学習進度に応じて、一人一台端末も活用し、そして、子供たち一人一人が最適な学習方法を選択する学習を指導に取り入れることや、自分のペースで学ぶ順序や内容を選びながら学習を進める、これはいわゆる自由進度学習と言われておりますが、そういうことを取り入れることなどが考えられます。  そしてまた、協働的な学びといたしましては、例えば、授業の、これは教科の授業でですね、グループ別学習など、ほかの子供とも意見を共有することで、異なる感性やまた考え方に触れまして、刺激をし合いながら学びを深めていく、そういう活動を指導に取り入れることが考えられます。  こうした学びを実現するため、文部科学省といたしましては、小学校三十一人学級、済みません、三十五人学級の計画的整備や、GIGAスクール構想によります一人一台端末の活用事例の紹介などを行っているところでありまして、各学校におきまして子供たち一人一人に寄り添った教育が展開されますように、引き続きまして取組を進めてまいりたいと思っております。 ○堀場委員 三十一人だったらいいなと思いますけれども、三十五人なんですが、その三十五人に目を配らせながら、一人一人が別な進度で授業を受けるということ。そして、それで、小集団を組みながらグループ学習したりして、それはアウトプットをするということだと思っているんですけれども、やはり、インプットだけの学習から、アウトプットをしていく、より定着をしていく、そういった効果があるということは重々承知しているんですが、では先生は何人いますかとなったとき、一人ですね。  また、その話をレクで話すと、いやいや、学習指導員とか支援員の先生がT2に入るときがあるとか、そういうことをおっしゃられます。でも、全クラスに入れますか、入れないですよねと。  じゃ、三十五人程度の学級の中、小学校では三十五人、そして中学校では四十人の、まあ、少人数算数とか数学をやっている場合はちょっと話はあれですけれども、そういうふうな状態の中で、個別に違う進度で、そして自分に合わせた楽しいと思うことをやるというふうな、自分で選択をして勉強をしていくということを一斉指導の中でやるというのは、先生たち、実は皆さんが思っている以上にとても大変なことだと思うんですね。  そんな中で、一斉指導になじまない子供たちというのが増えていると思っています。これは発達障害という意味ではなくて、発達障害があって特性があって、じっとしていられない、例えば、ADHDの傾向があるとか、集団でいることに恐怖を覚えるASDの傾向があるとかという意味ではなくて、ただただ一斉指導になじまないという、様々な理由はあると思いますよ、だけれども、そういった子供たちが増えていると思います。学校には来ているんだけれども、教室で授業を受けられないという状況の子供たちがたくさんいると思います。  この状態のときは、出席はしているので不登校ではないんですけれども、多くの学校では、校長室とか保健室登校というようなことをしていると思います。そして、図書室で登校して対応しているようなところもあるかと思います。  こういった現状に対する大臣の御所見をお願いいたします。 ○永岡国務大臣 議員御指摘の、学校に来ているけれども教室にいづらい、こういう児童生徒、一定数、保健室ですとか校長室などで生活していることについては承知をしております。  文部科学省では、先日取りまとめました、誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策におきまして、自分のクラスにいづらい児童生徒が学校内で自分に合ったペースで学習、生活できる環境といたしまして、校内教育支援センターの設置を促進しております。  文部科学省といたしましては、好事例の周知や、また学習指導員などの支援スタッフの配置支援などを通じまして、困難を抱えた児童生徒が学びにつながることができるように、環境整備を進めてまいりたいと考えております。 ○堀場委員 この校内教育支援センター、すばらしい取組だと思うんですよ。空いている教室があればできると思うんですけれども。  でも、これは場所をつくるだけじゃなくて、ここに人が配置されているんですかというと、いや、学校の中の今いる支援員さんとかでやってください、いやいや、さっきT2も支援員さんと言いましたよね、じゃ、支援員さんは学校に何人配置されているんですかとなっていくと、点々々となってしまいますよね。  ということは、この校内教育支援センター、すばらしい取組だと思いますし、やった方がいいと思いますけれども、ここには人は配置しない、専門的な人を配置するわけでもない。じゃ、学校に来ているけれども教室に入れない子供たちの学びはどのように保障されるのかなというふうに思うんですね。  この後、ちょっと不登校についてやりますけれども、不登校の子供たちに対する学びというものは考えなきゃいけないということで、不登校特例校のお話であったりフリースクールのお話であったり、たくさんの居場所というものを考えられています。  でも、学校の中には、学校に楽しくやってくるんだけれども、学校大好きだし、あとは、おうちがいづらいという方もいるでしょう、そういった状態の中で学校に来ていて、教室には入れない、一斉指導にはなじまない、なぜならば、いっぱい語り合ったりとか教え合ったりもしなきゃいけないし、余り得意じゃないんだよねという子供たちがいる中で、支援センターをつくる、それも分かります。でも、人は配置しない。だから、ここは何でなのかなということを言わせていただきたいんですね。  多くは保健室登校、とてもたくさん来ています。じゃ、保健室の養護の教諭の人員配置、これについてどのように思っているのかなということが聞きたいんですね。今の現状の配置では、小学校八百五十一人以上で複数配置です。中学校は八百一人以上で複数配置です。つまり、八百人の学校は、中学生で八百人までは一人しかいないわけですよね。小学校で八百五十人までは一人で見なさいと言っている。じゃ、八百五十人の生徒の中で一体何人教室に入れないんですか。  今、教室に入れない子供の調査はないと聞いています。大臣、この養護教諭の人員配置について、大臣の御所見をお願いします。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  養護教諭の教職員の定数につきましても、やはり、複数配置基準、今先生がおっしゃいましたけれども、それを、引下げを行うなど計画的に改善を図ってきたほか、近年では、児童生徒の心身への対応が求められていることを踏まえまして、加配措置を行っているところです。  令和五年度予算におきましてもこうした加配定数の改善を図ったところでありまして、引き続きまして、基礎定数を含めた必要な定数の確保に取り組んでまいります。 ○堀場委員 もうこれは加配の問題じゃないと思っているんですね。基礎定数の問題だと思っています。  この基礎定数をなかなか触りたくないなと思われる、保育園のときもなかなか、いつもそのハードルがあるなと思っているんですけれども、この定数を変えなければ、やはり、今、養護の先生には、増えている発達障害の皆さんに対する対応をお願いしていますよね。そして、貧困を含む様々な、御家庭に課題を持っている子供たちに対する対応もやっていらっしゃいますよね。当然、いじめ等で精神的にしんどい子供たちのフォローアップもされていますよね。純粋に転んでけがをしている人たちとか、コロナ禍を含め、インフルエンザとかその時々にはやる病気に対する御対応もされていますよね。その間まで消毒とかいろいろなものもやっていた。もっと言うと、水道の水質検査もやる。こういうところまで全部養護の先生がやっているんですね。  これを、大きければ大きいほど、来る方の、子供たちの人数も多い、そう考えたときに、やはり大型校と言われている部分、五百人を超えてくる学校で、八%、発達障害の皆さんがいるというのであれば、それに対する措置をやはり急がないといけないというふうに思っております。これが、保健室の先生が何でもっとたくさん必要かという一つの事例と根拠です。是非ここを本当に急いでやっていただきたいなと思います。  その次に、多様な学びの保障について御質問をさせていただきたいと思います。  そもそも、フリースクール、たくさんあります。でも、文部科学省が所管をしている学びとはまたちょっと違うのではないかと思っております。フリースクールに期待していることは何か、教えてください。 ○永岡国務大臣 不登校児童生徒の支援に当たりましては、先日取りまとめましたCOCOLOプランにおきましても、教育委員会や、また学校とフリースクールなど民間団体との連携強化を掲げております。不登校の児童生徒への支援の知見ですとか実績を有するフリースクールなどの民間施設へ、教育支援センターが、業務委託などを通じまして、必要な体制の構築ですとかノウハウの共有などを行うことを推進しているところでございます。  具体的には、教育支援センターの民間委託に関する調査研究の実施ですとか、また教育委員会等と民間団体などの連絡協議会の設置ですとか、また、民間団体等の、合同で行います教職員、保護者向けの研修会の実施を支援をしているところでございます。 ○堀場委員 このたくさんの研修会に、学校長及び、学校長なのか、副校長、教頭なのか、教員なのか分からないですけれども、またそういった会議に出ていって、いろいろなことが起こるということになるんですけれども。  フリースクール、本当に多種多様だと思っているんですね。すごく頑張ってくださっているところもあるし、本当に学校法人でやっていらっしゃるところもあれば、いろいろな状態にある。  多様な事業形態があるフリースクールなんですけれども、今後、どのようにしていくのか。今おっしゃられているので、そこは割愛していただいて結構なんですが、その際に、保護者というものは、憲法二十六条第二項の教育を受けさせる義務を果たすことがそれはできているのですかということについてもお答えいただきたいと思います。 ○永岡国務大臣 お答えいたします。  憲法第二十六条の第二項や学校教育法の第十七条等におきましては、学齢の児童生徒の保護者に対しまして、その保護をする子を小中学校などに就学させる義務というものは課しております。  このことに関しまして、不登校の児童生徒がフリースクール等の民間施設に通うことにつきましては、不登校児童生徒の心理的要因などで学校に行けないことという事情に鑑みまして、子供を学校に出席させないことについて保護者に正当な事由がある状況だと考えております。 ○堀場委員 フリースクールに行って勉強していただくというのはいいんですけれども、計画的な学習プログラムと、在籍校で置いている、年間学習指導計画というのを立てていると思いますが、そういったものとの関係性というのはどうでしょうか。 ○永岡国務大臣 お答えいたします。  不登校の児童生徒の中には、学校に行きたくとも行くことができない者もおります。こうした不登校児童生徒が学校外の施設において相談、指導を受けるということによりまして教育の機会を確保することは大変重要であると考えております。  この考え方の下、従前より、学校外の公的機関ですとか民間施設におけます学習の計画や内容が、その学校の教育課程に照らし適切と判断されるなどの一定の要件を満たした場合は、これは校長先生が指導要録上の出席扱いとすることができることとしております。  引き続きまして、個々の状況に応じた多様な学びの場の確保、これを民間団体とともに連携しながら推進してまいりたいと考えております。 ○堀場委員 フリースクールのいいところは、子供たちの特性に合わせた、やりたいことができるというところなんだろうなと思うんですけれども、これは学校長が出席を判断するわけですよね。教育委員会は、このフリースクールならいいですよと言って決めてくれればいいですけれども、そうしてくれるわけでもなく、新たなものがいっぱい出てきて、これは学校長が実際に会ってミーティングを重ねればいいですよみたいな、何か本当に現場任せな状態なんですよね。でも、学びを保障していくということは、やはり私たちはもう少し責任を持って考えなければならないんじゃないかなというふうに思っているんです。  だから、何でもかんでもフリースクールはオーケーですよと言うことが本当にできるのかなというのが私の疑問なんです。いいと思っているんです。必要だと思っているんです。すごく頑張ってくださっているところもあるし、すばらしいところもある、それも分かっているし、熱い思いで、自分の子供が不登校になっちゃったから、学ぶところがないんだよねといって、保護者でつくられたところがあるというのも承知しています。  だから、すばらしい情熱を持ってやられているのも分かっていますし、そういうところをしっかりと守るためでもあると思うんですよね。そういうところは、しっかりと頑張っていますよねと言ってあげられるように、そして、そういうところがやはりなかなか、フリースクールの経営が厳しいと言われている。じゃ、厳しい中で、私たちは、子供たちの教育を担っていただいているのであれば、何かしらのと考えるけれども、そこにやはり一定の学びの保障という基準が必要なのではないかなということを考えているところです。  指導要録上出席扱いになるというところで、フリースクールもそうなんですけれども、ずっとおうちにいる子の場合、対面指導というものがあると承知しています。この対面指導というのは誰がどのような学習活動を行うのかというところなんですが、多くは担任の先生が行っているとは聞いているんですが、教育委員会による事前の指導や研修を受けたボランティアスタッフというふうに書いてあるんですが、現在どの程度ボランティアスタッフが活動しているのか、そして、それでちゃんとこれを対面指導と言うことができるのかどうか、そこについて大臣の御所見をお願いします。 ○永岡国務大臣 堀場委員おっしゃいますように、フリースクールと一くくりにしても、学校の校長先生が、いいね、悪いねと言える、その基準というものは必要かと思います。  不登校児童生徒がフリースクールなども含みます学校以外の多様な場におきまして社会的に自立に向けた学習等に取り組む機会というのを確保することは、本当に重要なんですね。  そのために、学校ですとか教育委員会がフリースクール等の民間施設との連携を図る際に参考となるガイドラインなどの作成、周知を今行っているところでございます。具体的には、相談、支援スタッフについてでございますが、児童生徒の教育に深い理解を有し、不登校児童生徒への支援について知識経験を持っていること、また、心理学や精神医学等、それを行うにふさわしい専門的知識と経験を備えていることなどを記載しているところです。  なお、お尋ねの、学校以外の様々な場面で従事をしているボランティアスタッフの人数などについて、文部科学省はちょっと残念ながら把握はしていないということになります。 ○堀場委員 別に、人数が分からないからどうのこうのというわけじゃないんですけれども、私の思いは、私たちは、私たちというか、私は、教員免許を取ったときには本当に超氷河期ですから、特に社会科の免許というのは、高校の地歴、公民とかというのは枠が全然空いていなかったんですね。先生になりたいなと思ってもなれない時代だった状態なので。  ただ、私たちの友達はかなり教員免許を持っていますから、この四十代の世代、私は四十四ですが、常に氷河期の世代だった人というのは、教員免許を持っているけれども活用していない人がたくさんいるんですね。でも、できなかった。だって、更新制度ができちゃって、更新なんて知らないからみんな失効しちゃっているし、それをまた一からやるためには何十万もお金をかけてまた取り戻さなきゃいけないしという、それじゃいいかなという人はたくさんいますよねというところなんですよね。  だから、そのボランティアという人たちがどういう人たちなのかというのは非常に重要なところで、やはり子供と直接、接するというところに大きな意味があって、ここに余りそぐわない人が行ってしまうと、私が危惧するのは、何かよくある、近所のおばちゃんが行ってくれましたよとなって、ボランティアスタッフとしてすごく行ってくれましたよという、だけれども、いや、あの子、こうだったのよみたいにうわさになっても嫌だし、そういった懸念を持って、私たちが何に守秘義務を持って、何に責任を持てるのかということを学校現場というのはしっかりと持たなければいけないということを声を大にして言いたいというところなんですね。  もう一個、自宅におけるICTを活用した学習活動の出席扱い、これについてもお尋ねしたいと思います。  メリットもあると思っているんですね。やはり、子供と直接会うことはできなくても、学びの機会ということは非常に提供できると思っております。けれども、デメリットとして、家庭に引きこもりがちな期間が長期化するというふうに記載をされています。  つまり、だから、ICTでの自宅学習をずっと認めちゃうと学校にもっと来なくなっちゃうから、それはどうなのという懸念を示していると思うんですけれども、そもそも、学校に来るということが全てじゃないと言いつつこの文言はどうなんだということと、これについて大臣はどのように思っていらっしゃるのかなというところをお尋ねしたいと思います。 ○永岡国務大臣 不登校児童生徒が自宅などにおいてICT等を活用して学習活動を行うということは、社会的自立を目指す上で重要であります。  また、文部科学省では、一定の要件の下で、校長の判断で指導要録上の出席扱いとできるということにしているわけでございます。  一方で、自宅におけますICT等を活用した学習活動を出席扱いとすることによりまして、不登校が必要な程度を超えて長期にわたってしまって、その助長をしてしまう、そういうことにつきまして留意をする必要があると考えております。  個々の児童生徒の状況を踏まえつつ、学校外の公的機関ですとか民間施設などでの相談、指導を受けることができるように、段階的に調整していくことも重要だと思っております。  文部科学省としては、引き続きまして、不登校児童生徒の社会的自立を目指して、個々の状況に応じた多様な支援というものを進めていきたいと思っております。 ○堀場委員 ここまで、不登校の子供たちの学びという視点でやらせていただきました。その前は、一斉指導になじまない子供ということなんですけれども。ここまで来て、やはり学校に先生というのはもっと必要だなと思っていただけないかなということなんですね。  じゃ、対面指導、行きますといって、学校の先生が行くのは授業時間ですかということなんです。小学校の先生は、今配置基準について考えているんですけれども、配置基準の最初の基となるこま数というのは、大体平均二十四こまです。二十四こまというのは、今、週休二日ですから、月、火、木、金と五こまやって、大体水曜日が四こまかなというので二十四じゃないですか。どこのタイミングで行くんですかということなんですよね。そうすると、じゃ、授業が終わってから行く、これは明らかに勤務時間を超えてしまいますよねということを言っているわけですよね。  じゃ、やはりそういう専門的なスタッフ、今、不登校支援員という資格もありますし、様々な不登校に関するプロフェッショナルの人たちもいらっしゃるわけですから、そういった人材を活用するということも一つだと思いますし、スクールソーシャルワーカーという人たちが家庭に行って、しっかりと家庭と学校をつなぐこともできますし、若しくは、何か支援が必要なのであれば、SCは学校の外に出ていく権限があるんですかといったら、やはり学校の中で子供を見るというのがお仕事ですから、学校の外まで行って対面指導できないよねとなってくると、権限との兼ね合いで、できないことが学校というのは山ほどあるんですよね。  だから、例えば、よくSSSのスタッフの人を増やしますと言いますけれども、採点をやってもらいますと言いますけれども、採点というのは、私たちは昔は、先生が丸つけしてくれていると、部分点とかもらえたわけですよね。でも、そういうんじゃなくて、もう答えが一発で、マルかバツかなんですよ。だったらデジタル化すればいいと思うんですよね。マークシートで書かせればすぐできるし、今は、マークシートがなくても、採点さんとかいうアプリが、アプリというかソフトがあって、それで丸つけを自動にしてくれますよね。そっちを導入したらいいんじゃないですかと思うんですよね。  じゃ、その人材をどういう権限で、どういうことに活用できるのかということを考えたときに、本当にそのお金を別に使う必要はないんですか、例えば学校の外に出て支援ができる人をもうちょっと増やす必要はあるんじゃないですかとか、若しくは、学校の先生にやらせるのであれば、先生を絶対的に増やさなきゃいけないんじゃないですか、こういったことをやはり文部科学省さんの中でしっかりと、まあ、もう把握されていると思うんですね。  でも、わざわざここで言っているのは、足りないということを違う角度からも言ってみたいなと思っているんです。今起きている子供たちの状況というのは、先生たちが足りないということで悪化をしているという可能性は非常に高いですよね、やはり先生たちを増やしていただかないと困りますというふうなところをお話をさせていただきました。  今日何度も出ております、教員の勤務実態調査が出て、どこでも、中教審で検討しますとおっしゃられて、私たちは、それじゃおかしいですよねと大臣に皆さん聞いているんだと思うんですね。  教員の処遇改善、これに関して大臣はどういう対応をするのか、大臣の思いを聞かせていただきたいと思います。中教審で検討するお話は要らないので、是非お願いします。 ○永岡国務大臣 本日は、いろいろと教師の処遇改善につきまして御質問いただきました。  教師の処遇を定めた給特法の在り方、こういうものも、変えないじゃないかという質問はあるんですけれども、変えるとか変えないとかは今言えないわけでございますので、そこは御理解をいただければと思いますけれども、給特法の在り方も含めて、具体的には今後検討していくべき課題、そういう認識はあるんです。勤務実態調査の速報値を踏まえまして、同じ答えで申し訳ないんですが、有識者等から構成されます調査研究会において整理をされた論点を基に、中教審における検討、速やかに着手をするということになります。  このため、中教審に対しては、来週、質の高い教師の確保のための環境整備について諮問いたしまして、総合的に検討していただくということにしております。  そして、やはりいろいろと、この問題について、大変御意見、様々おありでございましょうから、一定程度は時間をかけないとなかなか結論が出ないというふうになります。いろいろな論点が、総合的に判断をして議論をしていただかなければならないということがありますので、時間がかかる、ある一定程度かかるとお話し申し上げておりますが、その上で、施策を迅速かつ着実に実施していくために、状況に応じて逐次取りまとめていただくということも含めて、来年の春頃には方向性を示すことを一つの目途として検討を進めてまいりたい、そう思っております。 ○堀場委員 来年の春って、結構もう皆さん卒業してくださって、どんどん子供というのは成長すると思うんですね。  ちょっと他のところで恐縮なんですけれども、デジタル庁で質疑したときは、大臣は、三年だったものを二年にしました、そして、できるところからどんどんやって、もう終わっているものもありますというような答弁を頂戴したんですよね。わあ、やはり速いな、やはりデジタルというものは加速化なんだみたいな強い思いを聞いたところで、教育はもっと速くないと、子供はどんどん成長しちゃうわけですよね。  何人先生が倒れて、何人先生が辞めたらこれは変わるのかというのを、私は、仲間だった人も、何度もお休みをして、やっと、子供がやはり好きだからと復帰して、でもお休みしてということを繰り返しているのに、どうして変えていただけないのかな。どうしてこれにこれだけの時間がかかるのかな。大分前から、先生たちが過労でしんどいと分かっていて、今日、自民党さんも、皆さん、もうこれは絶対変えるんだとおっしゃっているのに、何でこんなに時間をかける必要があるのかなというのを言ってほしい。  あと、もっと一つお願いなのは、現場の人を見てほしいんです。大臣が、大臣だけじゃなくてもいいんですけれども、現場、中教審で専門家とか大学の先生とか偉い人の話を聞くことも非常に重要ですけれども、実際に働いている人がへろへろなんだよというのを見ていただかないと分からないと思いますし、もっともっと、現場の、先生たちのお声だけじゃなくて、いろいろなものを、角度から、多角度的に見てほしいんですね。学習支援をしている人とかSCをしている人とか、いろいろな現場の声をもっともっと聞くなり見るなりして、そして、この春と、来年の春と言えるのかということをもう一回聞きたいなと思っています。  教員の処遇改善について、じゃ、最大の課題は何だと大臣は思っていらっしゃるのか、お願いします。 ○永岡国務大臣 来年の春までと申し上げましたけれども、議論の中で、それぞれの多岐にわたる分野があるので、全部を包括して結論が出るのはちょっと時間がかかると申し上げました。  その中で、それぞれの議論がございますので、一つ一つ、でき上がった議論という内容は逐次公表していきたい、そう考えております。  そして、働き方改革というのは、教職員定数ですとか支援スタッフ、そして勤務制度、また校務効率化の在り方など、本当に様々な総合点があります。複合的に関わっている課題であるんですね。  ですから、やはり論点というものは、有識者から構成されます調査研究会の論点整理でしっかりと、教師を取り巻く政策について、国、都道府県、市町村、各学校などの多くの主体が関わることを踏まえまして、給与や勤務制度、更なる働き方改革、そして教職員定数、支援スタッフなどの一体的、総合的な検討の必要性など、そういう論点が盛り込まれておりますので、しっかりと、それを一体としてしっかりと議論をして、また結論を出していただきたい、そう思っております。 ○堀場委員 やはり期日を決めてどんどんやっていくということが必要ですし、本当に先生たちは大変だということをここにいる皆さんが思っていて今日のこの質疑があると思いますので、可及的速やかに物事を進めていただきたいと思います。  本日はありがとうございました。 ○宮内委員長 次に、西岡秀子さん。 ○西岡委員 国民民主党・無所属クラブ、西岡秀子でございます。  本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。  早速質問に入らせていただきます。  まず、学校におけるICT利活用の推進についてお尋ねをさせていただきます。  学校現場におけるICTの利活用につきましては、学習指導要領において、情報活用能力は言語能力などと同様に学習の基盤となる資質、能力であると位置づけられておりまして、大変重要な取組でございます。  今般の新型コロナウイルス感染症感染拡大によりまして、どんな状況にあっても児童生徒の学びが継続し、保障されることの重要性が改めて認識をされまして、その必要性が急務となり、GIGAスクール構想におきましては、当初の予定を前倒しをいたしまして、一人一台端末の配置が進むこととなりました。  令和三年三月末におきましてはかなりの部分で配置が整い、GIGAスクール構想における一人一台端末の利活用がそれぞれの教育現場で進んでいく中で、一方では、その利活用の状況においては、地域間であったり学校間であったり、また教員の先生方の間においても格差が生じてきているという現状がございます。  今日お配りをしております資料を見ていただければ分かるというふうに思いますけれども、特に地域間、学校間における格差について、この現状を文部科学省としてどのように認識、把握をしておられるのでしょうか。また、この格差是正のための現状の取組を含めた今後の方針についてお伺いをしたいと思います。 ○藤原政府参考人 お答えいたします。  今御指摘ありましたように、昨年四月段階の調査によれば、一人一台端末の活用状況につきましては、全国の八割以上の学校で週三回以上、授業で端末の活用がなされている、こういう結果が出ている一方で、都道府県ごとにこれを分析いたしますと、ほぼ毎日端末を活用していると回答した学校の割合は、最も高い県で八割、最も低い県で二割となるなど、地域間や学校間でばらつきが見られるところでございます。  こうした差が生じている背景は様々でございますけれども、例えば、地域によっては、研修やサポート体制が十分整っていない、あるいは端末活用の意義や指導方法が十分浸透していない、ネットワーク環境が十分整っていないなどが課題として考えられるところでございます。  こうした格差を是正するため、令和四年度第二次補正予算及び令和五年度予算も活用しつつ、学校のICT活用を広域的かつ組織的に支援するGIGAスクール運営支援センターの機能強化や、効果的な実践例を創出、モデル化し、横展開するリーディングDXスクール事業、国費によるアドバイザー派遣を始めとする伴走支援等の取組を進めているところでございます。  引き続き、現場の声に耳を傾け、国が責任を持ってGIGAスクール構想を加速させてまいりたいと考えております。 ○西岡委員 先ほど申し上げましたように、言語能力と同様に大変重要な取組という中で、やはり地域間、学校間の格差というのは、解消をしていく方向で全力で取り組んでいただく課題だというふうに思います。GIGAスクール運営支援センターの機能強化を含めて、学校DX戦略アドバイザー事業によって自治体を支援をしていただいているというふうに承知をいたしておりますけれども、更なる格差是正の取組を引き続きお願いを申し上げたいと思います。  続きまして、教育現場においてICTの利活用を推進していくために欠かせないICT支援員の配置促進も今進めていただいているわけでございますけれども、目標としては四校に一人、八千人を目標としている状況の中で、現状は五・八校に一人、五千六百二十人という現状でございます。この支援員の配置についても、先ほどの利活用と同様に、自治体間格差が生じている状況がございます。  それに対する対応を含めて、この目標達成に向けた取組について、文部科学省にお伺いをいたします。 ○藤原政府参考人 お答えいたします。  ICT支援員の配置につきましては、四人に一人という基準で地方財政措置を講じているわけでございますけれども、その配置状況は大きな地域差が生じている、こういった状況でございます。こうした状況を改善をし、配置の加速が必要と認識をしているところでございます。  このため、文部科学省としては、昨年十一月に、市町村別の配置状況を可視化、公表いたしまして、配置割合の低い自治体に強く配置の要請を行いますとともに、配置により教育活動の充実が図られている好事例の提供、ICT支援員の人材確保、養成につながる研修事業に財政支援を行うなどの取組を進めているところでございます。  引き続き、ICT支援員の配置状況をしっかりとフォローアップし、取組を加速させてまいりたいと考えております。 ○西岡委員 コーディネーターも含めて、やはり、人材確保については、地域によって、人材を確保するということが大変厳しい状況というものもあるというふうに思いますので、財政措置の充実を含めて、この人材確保につきましても是非御支援をお願いをしたいというふうに思っております。  また、このことは教員の先生方の負担軽減にもつながることでございますし、教師間でも利活用に格差があるということについても格差を是正するということの意味でも、大変、このICT支援員の皆様の活躍というものが必要だというふうに思いますので、引き続きのお取組をお願い申し上げたいと思います。  続きまして、永岡大臣に質問させていただきます。  これまでも数回、委員会で質問をさせていただいてまいりましたけれども、GIGAスクール構想における一人一台端末の端末更新などに係る費用負担、財政措置の方向性について質問させていただきます。  端末の更新時期につきましては、今日お配りをしております資料によりますと、文部科学省の調査によって、自治体の財政措置の時期という中では、令和七年以降を予定している自治体が約八割となっている一方で、先行してICTを利活用してきた自治体におきましては、令和六年に更新時期を迎える自治体も七・八%あるという調査結果が出ております。  今後も、持続可能的に学校現場において、また、先を見据えた中で利活用が一層進んでいくためには、初期の整備費用に限ることなく、今後確実に必要となる端末更新などに係る費用負担について早急に国が方針を示す必要があると考えておりますけれども、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。 ○永岡国務大臣 西岡議員御指摘の、令和六年に更新時期を迎える自治体も含めまして、今後の端末の更新に係ります費用の在り方につきましては、重要な課題、そう認識をしておりますが、この検討を進めていくためにも、まずは、今般整備されました一人一台端末を積極的に活用していただくことが重要であると考えております。これらの端末は、個別最適な学びと協働的な学びを実現するために不可欠なツールであるほか、不登校や特別支援の児童生徒の学びの保障や、教員の働き方改革にも大きな役割を果たすものでございます。  GIGAスクール構想は、国が主導して始めて、進めてきたものでございまして、令和の日本型学校教育の基盤となるものでございます。その持続的な推進に向けまして、地方自治体と連携をして、そして、端末の利活用状況等を踏まえつつ、関係省庁と協議しながら、しっかりと検討してまいりたいと考えております。 ○西岡委員 大臣の御答弁、これまでもいただいた御答弁の中でも、大変重要な課題であること、ただ、積極的に活用していただくことがまず重要であるという御答弁があるわけでございますけれども、どのような状況になったら方針を示す状況になるのか。積極的な利活用をまずしていただくことが重要であるということでございますけれども、どういう状況になったらその方針が示されることが可能になるのかということについて、大臣、お答えがもしいただければ、また、文部科学省からでも結構でございますけれども、どういう状況になると方針が明確になるのかということについて、もしお答えいただければというふうに思います。 ○藤原政府参考人 お答えいたします。  端末の更新時期が迫ってきているということで、これにつきましては、今、様々な形で、関係省庁等と協議をしながら進めているわけでございますけれども、いずれにいたしましても、その前提といたしまして、配備をされました端末がしっかりと活用されているということが必要であろうというふうに考えておりまして、私どもといたしましては、あわせて、その端末の活用の推進ということを強力に進めてまいりたいと考えているところでございます。  あと、済みません、先ほどの私の答弁の中で、ICT支援員につきまして、四校に一人と申し上げるべきところを、四人に一人というふうに誤って申し上げたようでございます。修正しておわび申し上げます。 ○西岡委員 先を見通した中で大切な教育を進めていくという中では、やはり、自治体においても学校現場においても、早急にその方針を示していただくということを要望、大変強い要望がございますので、大臣には、引き続きこのことを、早急に方針を示していただけるようにお願いを申し上げて、次の質問に移りたいというふうに思います。  今のこととほぼ関連をいたしますけれども、同様に指導者用の端末の端末更新につきましても、この費用負担についてもどのようにお考えかということを併せてお伺いをさせていただきます。 ○藤原政府参考人 お答えいたします。  お尋ねの指導者用端末につきましては、授業を担任する教師一人につき一台を整備、維持できるよう、教育のICT化に向けた環境整備計画に基づき、地方財政措置を講じてきたところでございます。  こうした中で、令和四年八月時点の調査では、本務教員数に対する整備率が全国平均で一〇九・五%となっているところでございまして、全国の約六割の自治体で一〇〇%以上の整備がなされている、そういう状況がある一方で、整備が十分でない自治体も約三五%あるというふうに考えてございまして、こうした状況の改善を更に進めていく必要があると考えてございます。  このため、文部科学省では、本年三月にも通知を発出いたしまして、これらの自治体に早急な整備を要請するとともに、地方財政措置も令和五年度から令和六年度までの二年間延長したところであり、こうした支援措置を十全に活用して整備を進めていただきたい、このように考えているところでございます。  その上で、先般、中央教育審議会において、令和七年度からの新たな地方財政措置に向けた検討を開始したところであり、その中では、指導者用端末の在り方についても必要な検討を行ってまいりたいと考えております。 ○西岡委員 今、整備促進についても様々お取組をしていただいているというふうに御答弁がございました。それもしっかり進めていただくと同時に、先ほども申し上げました、やはり、端末の更新というものに対しての方針を早急に示していただく必要があるということを併せて申し上げたいというふうに思います。  続きまして、全国の教育現場におきまして、AIドリル、いわゆる、子供たちの学習のレベルに合わせて最適化された学びを可能にする反復習得学習のための問題集ですとか、動画教材のソフトウェアであるデジタルドリルの活用が進んでおります。  現在の学校現場における、AIドリルに代表されるデジタルドリルの利用状況と費用負担の在り方について、文部科学省にお伺いをいたします。 ○藤原政府参考人 お答えいたします。  文部科学省としては、GIGAスクールの標準スペックに含まれる基本ソフトウェアをクラウド環境の下でまずはしっかりと活用していただくことが必要であろうと考えております。  その上で、こうしたことを前提として、各自治体の判断で、追加でソフトウェアを導入することも考えられるところであり、実際に、令和四年八月時点の調査におきましては、小中学校共に約六割の自治体でデジタルドリルが活用されているところでございます。  こうした学習者が使用するソフトウェアは、種類も様々で、有償のものもあれば無償のものもあり、導入経費についても、設置者負担としているケースがあれば、保護者負担で導入しているケースもある、こういった状況でございます。  文部科学省としては、現時点では、費用負担も含めて、設置者において適切に判断をいただきたいと考えておりますが、財政支援の要望も自治体からは寄せられているところであり、財政支援の適否につきましては、今後の学校のICT環境整備方針等を総合的に議論する中で検討していきたいと考えております。 ○西岡委員 自治体におきましては、このAIドリルについて、今、試行期間ということで、その時点では保護者負担というのは生じないわけでございますけれども、本格導入になったときに、やはり保護者の皆様の方からも、大変負担が増加するのではないかという危惧の声もございますし、自治体にとっても大変財政的な問題で、導入したくてもできないという自治体もあるというふうに思っておりますので、今、今後の課題で、取り組んで、議論していくというお答えがございましたけれども、AIドリルにつきましても、デジタルドリルにつきましても、この活用、大変重要な課題であるというふうに思いますので、文部科学省としても、その支援の在り方について引き続き御検討いただいて、積極的な活用についての支援を是非お願いを申し上げたいというふうに思っております。  続きましての質問でございますけれども、大学進学率と自治体の関係、自治体間格差についてお伺いをしたいというふうに思います。  文部科学省の学校基本調査によりますと、昨年春の大学進学率、五六・六%となっておりまして、各都道府県における大学進学率の現状というものを、どういう状況であるかということを文部科学省にお伺いをいたします。 ○池田政府参考人 お答え申し上げます。  令和四年度の都道府県別高校新卒者の大学進学率は、東京都が最も高く六九・八%、鹿児島県が最も低く三六・一%といった状況であり、地域によって進学率に差が生じていると認識しております。 ○西岡委員 今、東京と鹿児島の数字、御紹介いただきましたけれども、大変大きな格差が数字的にも明確であるというふうに思います。  都道府県においてこれだけの格差が生じている要因であるとか原因について、文部科学省としてどのように分析をされ、検証されているのかということについてお伺いをいたします。 ○池田政府参考人 お答え申し上げます。  都道府県別の大学進学率につきまして、地域によって差が生じている原因は、一概には申し上げられませんが、例えば、都道府県ごとの大学の立地状況の違いや、家庭の所得の状況の違いなど、様々な要因が考えられると思っております。 ○西岡委員 今御紹介、御答弁があったように、当然、一概に言えないということは十分承知をいたしておりまして、大学の立地状況、例えば、大学があるのかないのか、また、国立大学、私立大学、どういう割合で立地をするのか等含めて、様々な状況があるというふうに思いますけれども、これは複合的な要因があるという前提の中で、先ほど御答弁にもありました、やはり家庭の経済状況によることというものも、大変、私は、この大きな経済的な状況というものが要因になっているのではないかと考えております。  やはり、居住地の大学が、今のような立地状況を含めて選択肢が限られている中で、例えば、居住地以外の大学に進学をしたくても、教育費の負担の状況を含めて、経済的な問題で進学を諦めざるを得ない、そういう状況もあるというふうに思います。  そういう意味では、次の質問になりますけれども、高等教育の家計に及ぼす影響というものは大変深刻な負担となっておりまして、特に、コロナ禍が長期化をする中で、現在、様々、燃料油、電気代を含めた生活必需品、あらゆる物価が高騰する中で、より深刻な状況となっているというふうに思います。  そのような中で、奨学金を含めて、これまで様々な拡充措置が図られてきた経緯もありまして、今般のたたき台にも奨学金の拡充が盛り込まれておりますけれども、一層の給付型奨学金の拡充や、所得制限の在り方、大変要件が様々課せられているために、大変給付を受けることが厳しい状況もあって、まだまだ不十分な内容であるというふうに思いますけれども、この格差がある現状について、文部科学省としてどのような方針で取り組まれていくのか、このことについて御見解をお伺いいたします。 ○池田政府参考人 お答え申し上げます。  多くの高等学校卒業者が大学進学を希望し、教育の質が確保された大学教育の裾野が広がっていくことは、学生にとっても社会にとっても望ましく、社会の発展にもつながっていくものと認識をしております。このため、各地域において教育機会を確保していくことは大変重要な課題だと考えております。  文部科学省としては、一つは、大学等に対する基盤的経費による支援のほか、例えば、地域社会と大学との連携を通じて地域を牽引する人材を育成する地域活性化人材育成事業、SPARCといった事業や、地域の高等教育機関や地方自治体、産業界が地域の将来ビジョン等を恒常的に議論する地域連携プラットフォームの構築促進などを通じて、地方大学の振興を図るとともに、地域における質の高い高等教育へのアクセスの確保について中央教育審議会で議論をしているところでございます。  また、委員御指摘の、家庭の経済状況にかかわらず、希望する質の高い教育を受けられるよう、これまでも日本学生支援機構の奨学金事業の拡充に努めてまいりました。これは、自宅通学と自宅外通学など、きめ細かな支援を行ってまいりましたし、令和二年度より、真に支援の必要な低所得層の学生に対して大学等の授業料減免と給付型奨学金の支給を行う、高等教育の修学支援新制度を実施しておりまして、先ほど御指摘のあった小倉大臣の下のたたき台でも、令和六年度からの拡充の方向性を打ち出したところでございます。  文部科学省としては、意欲と能力のある若者が置かれた環境によって進学、修学を断念することのないよう、これらの施策等を一層進めてまいりたいと考えております。 ○西岡委員 時間となりましたので、質問を終わります。  ありがとうございました。 ○宮内委員長 次に、宮本岳志君。 ○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。  まず、統一協会の問題について聞きます。  統一協会に対する報告徴収、質問権の行使はこれまで五回に及び、対応が長期化する中で、結局、文部科学省は解散命令を請求しないのだろうというような見方も広まっております。  四月の二十六日、週刊文春が、「統一教会の解散命令請求は困難な情勢 文化庁事務方トップは「全く見通しが立っていない」」と題した記事をインターネット上で配信をいたしました。この文化庁事務方トップとは、合田哲雄文化庁次長のことだと思います。まるで合田次長が解散命令は困難だと語ったかのような見出しであります。  確認ですけれども、これは合田次長に、週刊文春の取材に対し、解散命令請求が困難だと回答した事実はあるんですか。 ○合田政府参考人 お答え申し上げます。  旧統一教会について、解散命令の請求を行わないことを決定したという事実は一切ございません。そのことは週刊文春編集部にもお伝えしたとおりでございます。  文化庁としては、解散命令請求の可否を判断するため、旧統一教会に対する報告徴収、質問権の行使等を行っているところであり、情報の収集、分析に引き続きしっかりと取り組んでまいります。 ○宮本(岳)委員 質問が五回にもなって、最初の行使から半年が経過をいたしました。  先日、五月七日には韓国で集団結婚式が実施をされ、新たな本部施設が完成するなど、統一協会は、まるきり反省する様子もなく、派手に活動しているように見えます。それどころか、さきの統一地方選挙では、堂々と、自民党も認める統一協会の関連団体である国際勝共連合名で、我が党を攻撃する事実無根の謀略ビラまで全国でばらまきました。  解散命令を請求しないと決定したわけではないとおっしゃっても、このままずっと報告徴収、質問権を行使し続けていたのでは、どうせ解散命令請求はできないと思われて、統一協会は、まるで社会的な問題など一切なかったかのように、活動を元に戻してしまう。その結果、被害者がますます増えることになりかねません。  この五回の報告徴収、質問権で積み上げた事実があるのですから、それを基に、一刻も早く解散命令を請求すべきだと私は考えますけれども、これは大臣の御見解をお伺いいたします。 ○永岡国務大臣 解散命令の要件というのは、宗教法人法で厳格に定められております。この要件に該当するかどうかの判断に当たりましては、法人の活動に係ります十分な実態把握と、そして具体的な証拠の積み上げが不可欠である、そう考えております。  そのために、報告徴収、質問権の効果的な行使などを通じて、旧統一教会の業務などに関して具体的な証拠ですとか資料などを伴います客観的な事実を明らかにするための丁寧な対応を着実に進めまして、その上で、法律にのっとり必要な措置を講じてまいりたいと思っております。 ○宮本(岳)委員 裁判所で否定されては元も子もない、誤ったメッセージになる、こう文化庁はおっしゃるんですけれども、このように、ずっと請求しないこと自体が、当初持っていた統一協会への疑いが既に晴れた、あるいは薄まったのではないかという誤ったメッセージにもなりかねないと思うんですね。  昨年十一月、統一協会に法令違反による広範な被害や重大な影響が生じている疑いがあると永岡大臣が判断をされて、報告徴収、質問権の行使を始めたわけでありますけれども、解散命令請求を諦めたのではないというのであれば、その疑いが晴れているはずはありません。  そこで、明言していただきたいんです、大臣に。  報告徴収、質問権の行使を続けているということは、統一協会に解散命令事由に該当する疑いがある事実は変わらず、初回行使のときだけでなく、その疑いはその後もずっと続いてきている、こういうことでよろしいですね、大臣。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  委員御指摘のように、宗教法人法上、報告徴収、質問権は、宗教法人について解散命令の事由などに該当する疑いがある場合に所轄庁が行使できる権限とされておりまして、この行使の一般的な基準といたしまして、昨年、宗教法人審議会と同じ委員から成ります有識者会議の報告書が示されたところでございます。  その上で、今般、旧統一教会に対して報告徴収、質問権を行使しているのは、当該基準に照らしまして検討した結果として、旧統一教会や信者などの行為に関する不法行為責任、これを認めた判決が多数あります。また、民事裁判の判決において認められた損害賠償も多額に及ぶことなどから、法令違反による広範な被害や重大な影響などが生じている疑いがあると認められるからでございます。  これまでの五回の報告徴収、質問権は、その都度、宗教法人審議会の全会一致の了承を得るなど、法に定める手続を踏んでおります。初回のみならず、いずれの回におきましても、旧統一教会に解散命令事由に該当します疑いがあることを前提といたしまして権限を行使してきたもの、そういう認識でございます。 ○宮本(岳)委員 合田次長は、質問に対する回答の分量が減ってきているという文春の指摘に対し、相当な分量のレポートが返ってきていますと述べております。  それならば、これ以上の被害を拡大させないためにも、速やかに分析を進め、解散命令請求を行うことを求めておきたいと思うんです。  次に、ギャンブル依存症問題に関する教育について質問いたします。  IR法附帯決議十項を受け、学校教育においてギャンブル等依存症に関する知識の普及及び啓発が求められ、二〇一八年三月公示の高校学習指導要領にも取り入れられることになりました。  二〇一八年七月公表の高校学習指導要領解説で、ギャンブル依存症について、アルコール、薬物などの物質への依存症に加えて、ギャンブル等への過剰な参加は習慣化すると嗜癖行動になる可能性があり、日常生活にも悪影響を及ぼすことに触れるようにすると述べられております。  これを受け、文科省指導参考資料が作られたわけですけれども、これによれば、「一般的にニコチン、アルコール、薬物、ギャンブル等、ゲームなどを「やめたくてもやめられない」状態のことを「依存症」といいますが、医学的には「嗜癖(しへき)」という用語を使います。」とあり、対象が物質摂取の場合を物質依存、対象が行動の場合を行動嗜癖と呼ぶとされております。  つまり、物質摂取か行動かの違いであって、どちらも依存症、嗜癖という点では同じだということで、これは、大臣、間違いないですね。 ○永岡国務大臣 そのとおりでございます。 ○宮本(岳)委員 そのとおりだ、違いはないという御答弁でした。  民法改正の中で成年年齢が二十歳から十八歳に引き下げられましたけれども、これに関わって、民法(成年年齢関係)改正Q&Aというものが法務省で作成をされております。このQ&Aの「Q4 お酒やたばこが解禁される年齢も十八歳になるのですか?」に対する回答はどのようになっているか、法務省民事局長、お答えいただけますか。 ○金子政府参考人 お答えいたします。  お尋ねの回答部分の記載は次のとおりです。  「民法の成年年齢が十八歳に引き下げられても、お酒やたばこに関する年齢制限については、二十歳のまま維持されます。また、公営競技(競馬、競輪、オートレース、モーターボート競走)の年齢制限についても、二十歳のまま維持されます。これらは、健康被害への懸念や、ギャンブル依存症対策などの観点から、従来の年齢を維持することとされています。」 ○宮本(岳)委員 成年年齢は引き下げられたが、喫煙、飲酒、公営ギャンブルの年齢制限について二十歳から十八歳に引き下げるかどうかについては、各所管省庁において検討された結果、二十歳を維持することとなったと聞いております。  飲酒、喫煙については健康上の問題や非行防止、公営ギャンブルについてはそれぞれのギャンブル依存症対策の問題などの理由から従来の年齢を維持する、もちろん、個々にはその役所で判断したということでありますけれども、そういうことになったというふうに説明を受けましたが、これは、民事局、いいですね。 ○金子政府参考人 委員御指摘のとおりと認識しております。 ○宮本(岳)委員 そのとおりと確認されました。  ギャンブル等依存症対策基本法十四条は、予防教育、普及啓発について定めております。  文科省は、小学校学習指導要領の解説、体育編の中で、二十歳未満の喫煙や飲酒については、低年齢からの喫煙や飲酒は特に害が大きいことについても取り扱うようにし、未成年の喫煙や飲酒は法律によって禁止されていることを教えるとしております。  ところが、資料一の下線一を見ていただきたい。「「ギャンブル等依存症」などを予防するために」と題した文科省の指導参考資料であります。「パチンコは十八歳、公営競技は二十歳から行うことができ、また、参考資料に示すように、ギャンブル等へののめり込みにより病院に訪れた患者のギャンブル等の開始年齢が二十歳頃であることを考えると、ギャンブル等に関する問題は、高校生にとっても近い将来に生じうる身近な問題といえます。」と書いてあります。  これは、公営ギャンブルについては二十歳に、パチンコは十八歳になればやってよろしい、こう教えろということになるんですか、大臣。 ○永岡国務大臣 いやいや、そういうわけではございません。  学校教育では、小中高等学校を通じまして、学習指導要領に基づいて、児童生徒の発達段階に応じて、体育科、保健体育科において喫煙、飲酒と健康について指導することとしております。  具体的には、小学校では、喫煙、飲酒などの行為は健康を損なう原因となること、また、中学校では、喫煙、飲酒などの行為は心身に様々な影響を与えまして健康を損なう原因となること、また、これらの行為には、個人の心理状況や、また人間関係、社会環境が影響することから、それぞれの要因に適切に対処する必要があることなど教えておりますし、また、高等学校では、喫煙と飲酒は生活習慣病などの要因になることなどの健康への影響について指導が行われているところでございます。  未成年の喫煙や飲酒、また、法律によって禁止をされていることなどについても学習をしているところでございますので、今後とも、学習指導要領に基づく着実な指導というものが行われますように取り組んでまいりたいと思っております。 ○宮本(岳)委員 法律により禁止されているものを駄目だと教えるのは当然のことなんですね。問題は、公営ギャンブルについては、例えば二十歳になればやれるわけですよ、そういうものを学校でどう教えるかということですよね。  それで、いろいろ、事務方にも来ていただいてやり取りをいたしました。例えば、依存症、ギャンブルだけでなくゲームも含まれる、ゲームは禁止されていないではないかというような話も事務方からは出たわけですね。  資料二の一を見ていただきたい。国民生活センターには、オンラインゲームに関する相談が多数寄せられております。資料二の二につけました相談事例を見ていただけば、小学生の子供が、友達に、キャリア決済を使うとお金がかからないと間違った情報を教えられ、スマホでオンラインゲームに高額課金していた、小学生の子供がオンラインゲームで百五十万円以上も課金していたが、決済完了メールが子供に削除されていたため気がつかなかったなどの相談が現に寄せられているわけですね。  大臣、ここはもう本当に、私も実はオンラインゲームなどをやるような孫を持っておりまして、中学生ともなればそういうことをやって課金したり時々するんですけれども、一応私に許可を取ってくるんですけれどもね。私たち、子育ても、そして孫育てもやっている者として、日本の子供たちに、ギャンブル依存症は意思が強いとか弱いとかにかかわらず誰でもが陥る危険があるので、やはり安易に近づいてはならないと教えるべきなのか、それとも、大人になったら依存症にさえ気をつければやっていいんですよ、どうぞやりなさいと教えるのか、大臣、どちらなんですか。 ○永岡国務大臣 法律の枠内で認められております公営競技などまで一律に全て排除するようなことを教えることはやはり大変難しい面もある、そう考えております。  繰り返しになりますけれども、やはり、ギャンブルなどは習慣化すると嗜癖行動になる危険性がありまして、ギャンブルなどにのめり込むことによる問題ですとか、それらが問題化するプロセスについて学習することを通じまして、子供たちがギャンブル等についての様々な影響を理解をして、そして、自らの将来において適切に判断をして行動ができるような能力を身につけるということが重要と考えております。 ○宮本(岳)委員 情けない答弁ですね。  資料三を見ていただきたい。一九五〇年九月二十日の参議院文部委員会の議事録であります。以前、学校給食でも紹介した我が党の大先輩、岩間正男参議院議員の議事録ですけれども、岩間議員が、競輪の影響するところは単に射幸心をあおるだけでなくて、家庭の破壊の問題、社会に対する悪影響、こういうこともありますが、教育的に非常な大きな影響を与えておると思うと述べたのに対して、当時の天野貞祐文部大臣は、岩間さんと私は全然同意見でございまして、競輪というようなものが、その最も先端を成すもので、一般に人間の僥幸心を誘発するというようなことは教育上非常によくない、だから私の力の及ぶ限りあらゆる機会においてこれを除去するように努力したいと答弁をされました。  公営ギャンブルは教育上非常によくないというのが文部省たるものの当然の認識だったはずであります。大臣、いつから、いやいや、法律で認められているものはそうは言えないというようなことになったんですか。いかがですか。 ○永岡国務大臣 なかなか難しい御質問でございますが、お答え申し上げます。  本日の委員会におけます質問、質疑、これを通じまして、宮本議員のお考えというものをやはり十分に承知をさせていただきまして、理解をさせていただきました。  私も、やはり、子供たちへの将来の影響を心配するお考えについては理解をしております。法律上賭博が禁止されていることはもちろんですけれども、お尋ねのカジノ施設やパチンコのほか、競馬、競輪といった公営競技につきましても、個別の法律によりまして年齢制限がされているもの、そういう認識でございます。  文部科学省といたしましては、子供たちが自らの将来において適切に判断をして行動ができるように、賭博が禁止されているということですとか、カジノ施設やパチンコ、公営競技についても年齢制限が設けられていますということと併せて、ギャンブル等は習慣化すると嗜癖行動になる危険性があり、また日常生活にも悪影響を及ぼすことなどについて指導していくことが重要と考えておりまして、各学校においてしっかりとした取組が行われるように、必要な取組をやってまいりたいと考えております。 ○宮本(岳)委員 資料四を見ていただきたい。警察庁と消費者庁が連名で作成した、オンラインカジノは犯罪です、知らなかったでは済まされませんというポスターであります。  山口県阿武町で新型コロナ対策の十万円を誤って一人に四千六百三十万円も入金してしまった事件で、受け取った人物がオンラインカジノで使い果たしたと語ったことから大騒ぎになりました。この事件を受けて作成されたのがこのポスターなんですね。  警察庁、このポスターは、何枚印刷され、そのうち大阪には何枚配布されましたか。 ○友井政府参考人 お答えいたします。  お尋ねのポスターにつきましては、昨年、約五万枚を作成し、全国の都道府県警察に対し配布したものでありまして、大阪府警察に対しては二千九百枚を配布したところであります。 ○宮本(岳)委員 大阪には二千九百枚でありますが、最後の資料五に各県への配布枚数をつけておきました。  そして、もう一度資料一に戻って、赤線二を見ていただきたい。インターネット上にはオンラインギャンブルのサイトもあり、それらのサイトを利用する場合、年齢制限が設けられてはいますが、年齢確認が十分ではなく、子供たちでも参加できてしまう危険性がありますとあります。これは文科省の資料ですよ。  大臣、大阪で教員が、オンラインカジノは犯罪だ、近づくなと教えようとするとき、では先生、何で夢洲に実物のカジノは造っていいの、オンラインですれば犯罪なのに、実際にカジノをやってもよいのはなぜなんですかと子供に聞かれたら、教員は一体どう答えたらいいのか、大臣の御見解をお伺いして、質問を終わりたいと思います。 ○永岡国務大臣 お答えいたします。  学校現場において様々な指導の工夫が行われるものと考えておりますが、例えば、いわゆるIR実施法の趣旨ですとか、IR実施法という個別の法律が立法されたことによりまして、賭博を禁止している刑法の規定が適用されないことなどについて、しっかりと指導を行うことが考えられます。  また、IR実施法と刑法との関係性に関する詳細につきましては、申し訳ございませんが、所轄の省庁にお聞きいただければと思っております。 ○宮本(岳)委員 天野さんの魂を取り戻していただきたいと申し上げて、本日の質問を終わります。      ――――◇――――― ○宮内委員長 次に、本日付託になりました内閣提出、参議院送付、特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  趣旨の説明を聴取いたします。永岡文部科学大臣。     ―――――――――――――  特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ――――――――――――― ○永岡国務大臣 この度、政府から提出いたしました特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  我が国の科学技術を振興し、国際競争力の飛躍的な向上につながる研究成果を世界に先んじて創出するためには、先端的かつ高度な研究等を行うための施設を多様な研究者等に開放し、その共用を促進する等、我が国の科学技術に関する研究等の基盤の強化を図ることが必要です。  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構により設置される放射光施設は、世界最高水準の性能を有する研究施設であり、本施設から発生する放射光は、生命科学、物質科学等の様々な研究分野において、画期的な計測等の手段として用いることが可能です。そのため、産業界も含めた多様な研究者等に対して、本施設の共用を促進することが強く求められています。  この法律案は、このような状況を踏まえ、同機構により設置される放射光施設の共用を促進し、科学技術に関する研究等の基盤の強化等を図るため、本施設を特定先端大型研究施設に追加するとともに、同機構に放射光共用施設を研究者等の共用に供する業務等を行わせることとする等の措置を講ずるものであります。  次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。  第一に、この法律の対象となる特定先端大型研究施設のうち特定放射光施設として、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構により設置される放射光施設を追加することとしております。  第二に、同機構は、特定先端大型研究施設の設置者として、放射光共用施設の建設及び維持管理を行い、並びにこれを研究者等の共用に供すること等の業務を行うものとするとともに、文部科学大臣の定める基本方針の内容に即して当該業務の実施計画を作成し、毎事業年度、文部科学大臣の認可を受けなければならないこととしております。  第三に、文部科学大臣は、特定先端大型研究施設の設置者として同機構が行うものとされた業務のうち、施設利用研究を行う者の選定や支援等の業務の全部又は一部を登録施設利用促進機関に行わせることができることとしております。  このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。  何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。 ○宮内委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  次回は、来る二十四日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時十九分散会