後 に 昭和 に 入って 、 反軍 演説 で 名 を 馳せた 憲政 会 の 斎藤 隆夫 が 、 日記 に こう 記した の は 、 いわゆる 男子 普通 選挙 法 が 成立 した 一九二五 年 三 月 二十九 日 の こと であった 。 それ まで 総 人口 の わずか 二 % 程度 だった 有権者 数 が 、 一挙に 二〇 % に 拡大 さ れ 、 確かに 、 選挙 制度 と して 画期的な もの で は あった 。 「 我國 の 政界 に 新 時代 を 畫す べき 當日 の 兩院 の 傍聴 席 に は 流石 に 熱心な 聴衆 の 緊張 した 顔 が 幾重にも ぎっしり と 重なり合ひ …… 」 毎日新聞 の 前身 、 「 東京 日日新聞 」 は 同年 三 月 三十 日 付 朝刊 で 成立 の 様子 を こう 伝えて いる 。 「 選挙 」 と いう 制度 は 、 人間 が 考え 出した 政治 の システム の 中 で は 、 最良 、 最高の 英知 だ と さ れる 。 日本 の 選挙 制度 は 一八八九 年 、 小 選挙 区 制 中心 で スタート した のだ が 、 現行 の 制度 は 、 この 男子 普選 法 が 原型 と なって いる 。 冷戦 の 終えん が 「 どんな 政党 でも 政権 を 担う こと が 出来る 」 状況 を もたらし 、 三十八 年間 の 自民党 支配 から 覚めた 日本 の 政治 だ が 、 同時に 、 行き詰まった 利益 誘導 型 政治 に 代わる 政治 の 目標 と して の 「 価値 」 を 見失って しまい 、 政治 全体 が 漂流 状態 に 陥った 。 政治 へ の 不満 うっせき と 、 政治 から の 逃避 、 しらけ 、 の 両極 ばかり が 混じり合う この 世相 。 政治 が 目指す 「 価値 」 を どう とらえ 直し 、 ポスト 冷戦 や 、 二十一 世紀 に 密着 した 具体 目標 を どう 定める か 、 腰 を 据えて 取りかかる とき だ 。 折しも 「 選択 の 年 」 である 一九九五 年 。 至極 当たり前な こと な のに 、 すっかり 見落とさ れて いる 政治 の 仕組み から 、 まず 点検 して み たい 。 第 一 、 政治 家 も 有権者 も 、 議員 は 「 代表 」 で は なく 「 代理 」 だ と 思い込んで い ない か 。 国会 議員 は 、 全 国民 を 代表 する のであって 、 個々 の 有権者 、 個々 の 地域 の 委任 を 受けて いる わけで は ない こと を 忘れて い ない か 。 そして 、 政治 は 、 官僚 組織 など と 違い 、 国民 が 直接 コントロール し 得る のだ 、 と いう 仕組み を 置き忘れて い ない か 。 なあんだ 、 分かりきって いる 、 と 言わ れる かも しれ ない 。 だが 、 政治 が 自分 たち から 離れて いった 元 を 正せば 、 ここ に たどり着く 。 地域 や 個人 、 業界 の 「 代理人 」 だ と 誤解 して いる から 、 地元 に 橋 や 道路 を 造り 、 業界 など に 利益 を 還元 して くれる 議員 が 「 いい 議員 」 である と いう 「 ねじ曲がった 最良の 英知 」 に なり果てた 。 二五 年 の 男子 普選 法 に 対して 、 東京 日日新聞 は 、 実は 社説 で は 、 当時 の 世界 の 議会 制 の 水準 に ほど遠い 内容 だ と 、 厳しく 批判 した 。 女性 が 有権者 から はずさ れ 、 選挙 年齢 が 二十五 歳 以上 と 高 すぎる こと 、 有権者 資格 を 改悪 した こと 、 など の 内容 だった から である 。 もう 一 つ 、 この 選挙 法 に は 今日 の ねじ曲がり を 生む 発生 源 と も いう べき 重大な 側面 が あった 。 それ まで 相当 部分 、 自由であった 選挙 運動 が 、 党利 党略 に よって 厳しく 規制 さ れる ように なった のである 。 この 時 盛り込ま れた 戸別 訪問 の 禁止 は 、 今日 なお 続く 。 そして 、 候補 者 も 有権者 も 、 本来 、 政策 を 訴えて 支持 を 求める 選挙 運動 の 原点 である 「 戸別 訪問 」 の ノウハウ を 体得 し ない まま 、 今日 まで きて しまった …… 。 日本 は 、 戦後 五十 年 の 節目 で 、 小 選挙 区 制 と いう 、 いわば 「 選挙 と いう 英知 を スタート さ せた 時 の 原点 」 に 立ち戻る こと に なった 。 だが 、 この 小 選挙 区 制 は 、 あげて 選ぶ 側 、 有権者 自身 の 力量 が 問わ れる 制度 だ と いう こと を 、 確認 して おき たい 。 もし 、 議員 を 、 国民 の 「 代理人 」 だ と 誤解 した まま 、 この 選挙 制度 に 臨む こと に なれば 、 金権 選挙 、 利益 誘導 政治 は 解消 さ れる どころ か 、 一層 まん延 する こと が 目 に 見えて いる 。 逆に 、 国民 が 直接 、 政治 なり 、 政治 家 を コントロール する 強い 意思 を 発揮 し 、 国政 の 国民 自治 に 乗り出せば 、 新 制度 は 、 政治 の 復権 に 十 分 有効だ と 思う 。 各 党 の 政策 の 差 が 不鮮明で 選択 し よう が ない 、 政策 が 不在 だ 、 など と 嘆く まえ に 、 まず 、 こんな こと を 実行 し たい 。 候補 者 が 「 国民 の 代表 」 に 足る 「 政治 の 志 」 を もって いる の か を とことん 見極める 。 実績 も 見識 も ない のに 、 だらだら と 議員 を 続け させ ない ため に 、 議員 の 任期 制 を 考えて みる 。 金権 選挙 追放 策 の 一 つ と して 、 戦後 廃止 さ れて しまった 民衆 訴訟 に よる 当選 無効 制度 の 復活 も 試みる …… 。 いま 、 直ちに 戸別 訪問 に よる 選挙 運動 を 解禁 する こと は どだい 無理であろう 。 だが 、 時間 が かかって も 、 志 が 低かったり 不在 の 候補 者 を 、 直ちに 排除 できる システム を 、 どうして も 作りあげ たい 。 生産 者 重視 の 政治 から 、 生活 者 重視 の 政治 へ 。 中央 集権 から 地方 分権 へ 。 効率 重視 型 から 弱者 救済 型 へ 。 許 認可 天国 から 規制 緩和 へ 。 日本 が 直面 する 政治 の ビジョン と して 当然の 指針 だ 。 しかし 、 まず 、 国民 の 「 代表 」 を 根本 から 選び 直す 、 と いった 荒療治 なし に 、 こうした ビジョン が 実像 と して 実 を 結ぶ こと は 、 あり 得 ない ので は ない か 。 官僚 制 に 依存 し 続ける の も 仕方 が ない 、 と あきらめる の なら 話 は 別だ が ―― 。 「 国民 は 賢明だ 。 常に 常識 的な 選択 を して きた 」 など と いう 政治 家 側 の おだて に 乗る の は 、 もう やめよう 。 そんな 甘言 に 惑わさ れて いて は 、 政治 は 何も 変わら ない 。 昨年 八 月 末 の 暑い 日 、 経済 論壇 で 重い 存在 だった 一 人 の 論客 が 世 を 去った 。 通産 官僚 時代 、 「 町人 国家 論 」 を 説いた 天谷 直弘 氏 である 。 「 わが国 は 町人 国 に あり ければ 、 稲穂 の 如く 頭 垂れ なむ 」 通産 省 で 対 米 交渉 を 担当 して いた ころ の “ 戯れ 歌 ” だ が 、 天谷 氏 の 真骨頂 は その “ 天谷 史観 ” に あった 。 「 坂 の 上 に 雲 を 見つめ 、 いま ようやく 坂 の 上 に 上り詰めた 」 と 司馬 遼太郎 式 に 、 戦後 半 世紀 を 経た 日本 経済 の 位相 を 解析 した 。 天谷 氏 が 述べる ように 、 日本 は 坂 の 上 の 雲 を 見つめて ひた走った 。 だが 、 その 方法 論 は 米国 と 対照 的だった 。 米国 が 市場 万能 主義 を 貫いて きた の に 対し 、 日本 の 場合 、 まず 「 公的 規制 」 が あった 。 明治 以来 、 今日 に 至る まで 、 民間 経済 が 発展 し 、 成熟 する に 従って 製造 業 を 中心 に 、 政府 の 規制 を 外して いく と いう もの であった 。 産業 政策 と 市場 経済 の 絶妙な 調和 こそ 、 成功 の 秘けつ だった と 考え られる 。 だが 、 規制 緩和 が うまく 進ま ない 分野 が 残った 。 製造 業 以外 の 農業 ・ サービス 業 など が そう である 。 これ ら の 業界 は 、 比較的 外圧 を 受けにくく 、 また 政治 的 発言 力 が 強い 、 と いう 特徴 が ある 。 しかも 、 政 ・ 官 ・ 業 の 鉄 の トライアングル は 、 これ ら の 業界 の 中 で 増殖 して いった 。 今年 は 「 規制 緩和 」 の 合唱 が 始まって 三 年 目 に なる 。 細川 政権 下 、 平岩 リポート が 「 経済 的 規制 は 原則 自由 」 と いう 提言 を 発表 した の は 、 一昨年 十一 月 であった 。 一 つ の 合唱 が やがて 二 つ 、 三 つ と 輪 を 広げて いった 。 だが 、 残念な こと に 新しい 連立 政権 の 発足 で スピード ダウン した 。 五五 年 体制 の 裏表 の 主役 を 演じた 自民 ・ 社会 両党 の 登場 な のだ から 、 規制 緩和 に 慎重な の は やむ を 得 ない と いう 見方 が ある 。 しかし 、 それでは 日本 経済 の 再 活性 化 など 望む べく も ない だろう 。 ようやく 回復 の 足取り を 固めた と は いえ 、 日本 経済 の 先行き は 不透明 感 を 免れ ない 。 民間 設備 投資 が まだ 眠って いる 。 企業 も 銀行 も バブル 崩壊 で 、 新しい リスク に 立ち向かう 気力 が まだ 出 ない 。 だが 、 これ は 経済 の 循環 的な 問題 である 。 私 たち が 注目 して いる の は 、 東西 の 融和 に よって もたらさ れた 市場 経済 の グローバル 化 である 。 具体 的に は 円高 の 進行 、 東 アジア 経済 の 勃興 で 、 日本 経済 は 世界 的な 規模 で 分業 体制 の 再 編成 を 余儀なく さ れて いる 。 日本 経済 が 、 構造 変革 を 必要 と する 大きな 理由 である 。 この 再 編成 の 過程 で は 、 製造 業 の 一部 は 海外 移転 に 踏み切る だろう 。 それ は やむ を 得 ない と して 、 問題 は これ に 代わって 新しい 産業 が 生まれて くる か どう か 。 ここ に 規制 緩和 の 大きな 役割 が ある 。 新しい 需要 を 生む 可能 性 の ある 産業 が 、 規制 の 網 の 中 に 取り込ま れて い ない だろう か 。 政 ・ 官 ・ 業 の 鉄 の トライアングル から 抜け出す 機会 を 模索 して いる ニュー ビジネス が ある はずだ 。 ここ 一 、 二 年 の うち に 朝 の 食卓 に 登場 して きた オレンジ ジュース も 新しい 市場 を 開拓 した 商品 である 。 オレンジ 果汁 の 輸入 枠 撤廃 と いう 規制 緩和 が 従来 品 より 三 ― 四 割 安い 価格 を 実現 した 。 宅配 便 が 始まった の は 七六 年 だった 。 この 画期的な サービス を 考えついた 小倉 昌男 氏 が 、 小口 荷物 の 運賃 申請 時 最初 、 運輸 省 は これ を 受理 し なかった 。 前例 が なかった から である 。 運輸 官僚 は 貨物 輸送 需要 が 小口 化 し 、 産業 需要 から 消費 者 需要 へ シフト して いる こと に 気づか なかった 。 官僚 が 民間 企業 の 創意 工夫 を 妨げた 一例 であろう 。 小倉 氏 が 投じた 一石 は やがて 巨大な 新 産業 を 生む が 、 同時に 各 業界 を 規制 する 「 事業 法 」 の 在り 方 を 見直す 論議 に 火 を つけた 。 業 法 の 抜本 的 見直し に は 私 たち も 賛成 である 。 官僚 が 産業 を 管理 する 時代 で は ない 。 業界 は 管理 下 に あれば 新規 参入 も なく 、 競争 も 制限 さ れて 居心地 が 良い 。 だが 、 経営 努力 も なおざりに なり 、 サービス の 質 も 落ちる 。 消費 者 が 失う もの は 大きい 。 政府 は 今年 三 月 まで に 「 規制 緩和 推進 五 カ年 計画 」 を 策定 する こと に して いる 。 首相 も 「 内閣 の 命運 を かけて 取り組み たい 」 と 威勢 だけ は いい 。 私 たち は その 検討 の プロセス を 含めて 、 その 結果 を 注視 して いる 。 規制 緩和 が かけ声 だけ の 時期 で なく 、 具体 化 の ステップ を 上る 段階 に なれば 、 反対 や 消極 姿勢 を 示す 業界 も 増える 。 そこ に 官僚 や 族 議員 が つながれば 、 政 ・ 官 ・ 業 の トライアングル の 再 構築 である 。 確かに 痛み を 伴う もの が 多い が 、 小手先 の 改革 に 終わら せて は なる まい 。 規制 緩和 の 実現 に よって 、 自己 責任 の 原則 を 貫く 経済 社会 を 目指す 。 それ が 世界共通の 土壌 に 立ち 、 日本 経済 の 活性 化 に つながる 方策 と いえ ない か 。 中内 功 ダイエー 社長 ・ 会長 は 「 規制 緩和 を 一 時 の ファッション で 終わら せて は なら ない 」 と 心配 して いる 。 天谷 氏 の 後任 、 福川 伸次 電通総研 社長 は 「 各論 の レベル で 議論 を 絞る べきだ 」 と も いう 。 いずれ も 上すべり の 議論 を 警戒 して の 提案 である 。 規制 緩和 と は 、 戦後 半 世紀 の 日本 経済 に とって 何 な の か 。 新しい リーディング 産業 を 目指して 再び 「 坂 の 上 」 に 立つ エネルギー と いえる ので は ない か 。 年明け 早々 、 久山 純弘 さん は 日本 人 初 の 国連 インスペクター と して ジュネーブ に 赴任 する 。 インスペクター は 、 国連 本部 や 各 機関 の 運営 や 活動 を 見直し 、 大所 高所 から 改革 を 提言 する の が 任務 だ 。 世界 の 地域 別に 選ば れ 、 国連 総会 が 任命 する 十一 人 で 構成 さ れる 。 久山 さん は 、 一九七〇 年 に 国連 開発 計画 に 入り 、 途中 、 ニューヨーク の 国連 日本 代表 部 勤務 を 挟んで 、 事務 次長 補 に 昇進 し 、 国連 人間居住センター の 事務 局 次長 を 一昨年 退任 した 。 今回 、 国連 で の 四 半 世紀 に わたる その 豊富な 経験 を 評価 さ れた 。 「 日本 人 は 知恵 を 出す 分野 で もっと 国際 的に 貢献 できる 。 主体 性 を もって 国際 社会 を 引っ張って いく リーダーシップ を とれる 人 。 世界 で 何 が 重要 か を 常に 関心 を 持ち つつ 、 国際 社会 の ため に 役立とう と いう 使命 感 を 抱いて いる 人 。 そういった 人材 を 多く 育てる 必要 が ある 」 久山 さん が 指摘 する ように 、 日本 人 は 国際 社会 で もっと 積極 的な 役割 を 果たす こと を 世界 から 求め られて いる 。 その 期待 は 、 年々 高まる ばかりである 。 現在 、 ボスニア ・ ヘルツェゴビナ で 国連 事務 総長 特別 代表 と して 、 内戦 収拾 に 全力 投球 して いる 明石 康 氏 や 、 ルワンダ など の 難民 救済 を 陣頭 指揮 して いる 緒方 貞子 ・ 国連 難民 高等 弁務 官 ら の 活躍 は 、 そうした 期待 に 十分 応えて いる と 思う 。 しかし 、 日本 が 二十一 世紀 に 向けて 、 国際 社会 で さらに 幅広い 役割 を 果たす ため に は 、 国際 機関 の 頂点 で 活躍 する 両氏 の ような 国際 人 が 一 人 でも 多く 輩出 して ほしい と 願わ ず に は い られ ない 。 問題 は 、 いかに して 国際 人 を 育てて いく か である 。 「 国際 社会 で 通用 する ため に は 、 まず コミュニケーション が きちんと でき なければ なら ない 。 その 手段 と して 外国 語 、 とくに 英語 を 使いこなせる こと が 最低 条件 だ 。 さらに 地球 的 視野 で 物事 を 広く とらえる こと が できて 、 自然 体 で 人 と 付き合える こと が 望ましい 」 。 久山 さん が 挙げる 国際 人 の 条件 だ 。 これ に 当てはまる 最短 距離 に いる の は 、 やはり 国際 機関 で 働く 国際 公務 員 だろう 。 外務 省 国際 機関 人事 センター の 調べ に よる と 、 昨年 一 月 現在 、 主要 国際 機関 で 働く 日本 人 職員 は 八百四十一 人 で 二 年 前 と 比べ 、 百十三 人 増えて は いる 。 しかし 、 他の 主要 先進 国 職員 と 比べる と 、 日本 人 職員 の 数 は なお 極めて 少ない 。 国連 事務 局 の 日本 人 職員 は 、 昨年 六 月 末 現在 で 九十一 人 に 過ぎ ない 。 国際 公務 員 が 少ない の は 、 語学 力 不足 、 国 内 より も 給与 水準 が 低い 待遇 面 で の 不満 など の 理由 から だ 。 しかし 、 日本 に 与え られた 人員 枠 より 大幅に 少ない こと は 、 それ だけ チャンス が 開か れて いる と いう こと で も ある 。 国際 人 を 育成 して いく ため に は 、 まず 官 ・ 民 あげて 国際 公務 員 の 増員 に 取り組む べきだろう 。 もちろん 、 国際 公務 員 ばかり が 国際 人 と いう わけで は ない 。 国際 協力 に 携わる 非 政府 組織 は いまや 約 三百 を 数える 。 ルワンダ 難民 支援 に 素早く 対応 した の も NGO だった 。 NGO は 地球 的 問題 に 関する 世界 会議 に も 、 政府 代表 団 に 伍して 参加 する など 、 行動 範囲 を 広げて いる 。 国際 人 の 供給 源 の 一 つ である NGO を 充実 した 市民 組織 と して 発展 さ せ 、 有為な 人材 を 育てる こと が ますます 重要に なって きて いる 。 一方 、 途上 国 と の 間 で 人材 交流 や 技術 協力 を 進める 国際 協力 事業 団 へ の 就職 希望 者 は 、 この ところ 急増 して おり 、 青年 海外 協力 隊 へ の 一 回 の 応募 者 が 五千 人 を 突破 して いる と いう 。 心強い 現象 である 。 国際 社会 の 広範 かつ 多様な 分野 で 、 日本 人 の 活動 が 増大 すれば 、 それ だけ 日本 および 日本 人 を 見る 世界 の 目 も 変わって くる だろう 。 しかし 、 日本 人 が 国際 社会 で 活動 の 場 を 広げて いく うえ で 、 克服 せ ねば なら ない 根源 的な 問題 が ある 。 世界 の 人々 と 協力 し 合って 共存 ・ 共生 して いく 意識 が 、 私 たち 日本 人 の 間 に 十分に 育って い ない こと だ 。 差異 を 学ぶ 謙虚 さ と 、 差異 を 受け入れる 寛容 さ を 持ち たい もの だ と 思う 。 意識 の 変革 が 必要だ 。 「 日本 人 は 顔 も なければ 個性 も ない 」 と かねて 言わ れ 続けて きた が 、 これ から は 国際 社会 で いや応 なく 主体 的に なる こと を 迫ら れよう 。 肝心な の は 自ら の 分 を わきまえ つつ 世界 の 人々 と 一緒に ゲーム に 参加 する こと である 。 何も それ ほど 難しく 考える 必要 は ない かも しれ ない 。 相手 の 身 に なって 考える こと が でき 、 分かち合い の 心 を 持って 自然 体 で 世界 の 人々 と 交わる こと が できる 。 それ だけ で 立派に 国際 人 の 資格 が ある と いえる ので は ない か 。 冷戦 構造 が 崩壊 し 、 各国 の 相互 依存 関係 が 緊密 化 する 中 で 、 私 たち が 直面 する あらゆる 問題 で 、 国家 の 枠 を 超えた グローバルな 視点 が ますます 必要に なって きて いる 。 私 たち が いま 求め られて いる の は 、 広い 地球 的 視野 で 物 を 考え かつ 行動 できる 「 地球人 」 と して の 生き 方 を 模索 する こと で は ない だろう か 。 その ため に 何より も 大切な の は 、 まず 世界 に 向かって 本当に 開か れた 日本 を 築く ことだ 。 宇宙 誕生 の なぞ や 物質 の 重 さ の 起源 に 迫ろう と いう 世界 最大 の 素粒子 加速 器 建設 計画 が 、 十九 カ国 が 加盟 する 欧州 合同 原子核 研究 所 の 理事 会 で 本決まり と なった 。 この 加速 器 は 大型 ハドロン 衝突 型 加速 器 と 呼ば れ 、 スイス ・ フランス 国境 に またがる 一 周 二十七キロ の 既存 の トンネル を 利用 する 。 約 二千億 円 かけて 建設 し 、 二〇〇四 年 の 運転 開始 を 目指して いる 。 米国 で 進んで いた 超 電導 超 大型 粒子 加速 器 建設 計画 は 一 年 余り 前 に キャンセル さ れた 。 世界 の 物理学 者 たち は 失望 した が 、 欧州 に 同種 の 加速 器 が 建設 さ れる こと で 夢 が また 膨らんだ 。 昨春 、 米国 や 日本 など の 共同 チーム が 米 フェルミ 国立 加速 器 研究 所 の 大型 円形 加速 器 「 テバトロン 」 を 使って 、 物質 の もと と なる 基本 粒子 の 中 で 未 確認 だった トップクオーク を 発見 し 、 科学 界 が 沸いた 。 欧州 の LHC は 水素 の 原子核 である 陽子 同士 を 光速 に 近い 速度 で 衝突 さ せ 、 宇宙 誕生 直後 の 高 エネルギー 状態 を 作り出す 。 そして 物質 に 重 さ を 与える 役割 を 担う ヒッグス 粒子 の 発見 など を 目指して いる 。 LHC 建設 が すんなり 決まった わけで は ない 。 加盟 各国 は 財政 難 に 悩み 、 ドイツ 、 英国 は 建設 で 経済 が 潤う 地元 の スイス 、 フランス に 特別 拠出 を 求めた 。 両 国 は 同意 せ ず 、 対立 が 続いた 。 先月 中旬 の 理事 会 で 、 スイス 、 フランス が 特別な 貢献 を する と いう こと で やっと 決着 した 。 米国 の SSC の 場合 は 建設 費 が 一兆 円 に 達し 、 米国 は 日本 に 二千億 円 も の 資金 協力 を 求めた 。 しかも 米国 は 単独 で 計画 を 決定 し 、 後 に 資金 不足 から 大統領 が 直接 日本 に 要請 して おり 、 科学 者 主導 の 国際 プロジェクト と は 言え なかった 。 LHC の 建設 費 は SSC の 五 分 の 一 で すむ 。 欧州 は 約 四百億 円 の 拠出 を 米国 、 日本 など の 非 加盟 国 に 求める 考え と いう 。 米国 は 約 四百 人 の 研究 者 を 参加 さ せる が 、 参加 者 が その 十 分 の 一 の 日本 は 負担 額 が 少なくて すむ 。 これ まで あまり 縁 の ない 欧州 と の 協力 と いう 面 で も 好ましい 。 この ため 政府 、 研究 者 ともに 参加 に 前向き で 、 SSC の 時 の ような 反対 論 は 少ない 。 夢 が ある 一方 で 膨大な 予算 を 食う 巨大 科学 で は 国際 協力 が 欠かせ ない のだ から 、 私 たち も 今回 の 参加 は 望ましい と 考える 。 だが 参加 に 向けて の 議論 が 十分で は ない 。 欧州 の 日本 へ の 具体 的 要求 や 米国 の 出方 を 見届け たい と いう 気持ち から か 、 文部 省 の 学術 審議 会 加速 器 科学 部会 でも 突っ込んだ 議論 は なく 、 加速 器 に 直接 関係 する 専門 家 同士 が 参加 を 認めた だけ だ 。 物理 学界 や 科学 界 全体 の テーマ に し 、 日本 が できる 学術 的に 価値 の 高い 貢献 と は 何 か 、 どう 国際 協力 を 進める べき か を 真剣に 議論 す べきだろう 。 米国 で は 国 内 の 計画 の 中止 で LHC へ の 思い入れ が 強く 、 加速 器 科学 で は ライバル 同士 の 米国 と 西欧 が 連携 する こと に なる 。 その 一角 に 食い込む に は それなり の 覚悟 が いる 。 ここ で LHC 参加 に 伴う 費用 は 別枠 に する こと を 要求 し たい 。 日本 の 基礎 研究 費 は 少なく 、 その 中 から 合計 で 数十億 円 が 支出 さ れる ようで は 他の 分野 に しわ寄せ が いく 。 価値 ある 国際 プロジェクト に 日本 は 積極 的に 参加 し 、 欧 米 から の 基礎 科学 ただ乗り 批判 を 返上 し たい 。 日本 と 韓国 は 、 今年 で 国交 正常 化 から 三十 年 を 迎える 。 両 国 は 、 一九六五 年 六 月 二十二 日 に 、 日 韓 基本 条約 など に 調印 し 、 十四 年 に 及ぶ 長い 交渉 に 終止符 を 打った 。 批准 書 は 、 同年 十二 月 十八 日 に 交換 さ れた 。 過去 三十 年 の 日 韓 関係 は 、 決して 平たんな もの で は なかった 。 日 韓 条約 合意 に は 、 韓国 で は 学生 を 中心 に した 大々的な 反対 闘争 が 繰り広げ られた 。 日本 で の 、 六〇 年 の 日 米 安保 条約 改定 反対 闘争 を しのぐ ほど の 、 全国 的な 反対 運動 だった 。 反対 の 理由 は 、 日本 が 歴史 の 謝罪 を 明確に し ない こと へ の 、 極めて 倫理 的な 視点 から の もの だった 。 また 、 日本 に 再び 支配 さ れる こと へ の 警戒 論 も 根強かった 。 あれ から 三十 年 、 韓国 で は 日 韓 正常 化 を 強行 した 故 朴 正煕 大統領 へ の 歴史 的 再 評価 論 が 高まって いる 。 かつて 、 日 韓 条約 調印 に 反対 した 学生 たち は 、 今や 韓国 の 政官界 の 実権 を 担う 世代 に なって いる 。 彼ら の 多く が 、 反対 闘争 の 意義 を 評価 し ながら も 、 今 は 日 韓 正常 化 の 成果 を 肯定 的に 受け止めて いる 。 日 韓 正常 化 に ついて は 、 韓国 の 発展 は 日本 の おかげ だ と の 主張 が 日本 の 中 に は ある 。 しかし 、 日 韓 正常 化 の 韓国 で の 歴史 評価 は 、 韓国 の 人々 に まかせる べきであろう 。 日本 の 側 から 、 その 成果 を 押しつける べきで は ない 。 三十 年 の 間 に は 、 暗い 事件 も あった 。 野党 の 指導 者 の 一 人 であった 金 大中 氏 が 、 七三 年 に 東京 の ホテル から 白昼 拉致 さ れた 事件 は 、 両 国 関係 を 最も 緊張 さ せた 。 また 、 在 日 韓国 人 青年 に よる 朴 大統領 の 陸 英修 夫人 暗殺 事件 も 起きた 。 韓国 で は 、 日 韓 関係 が 緊張 する 度 に 、 反 日 デモ が 繰り広げ られた 。 国 内 問題 から 目 を そらす ため 、 反 日 感情 が あおら れた と 思える こと も あった 。 しかし 、 全 斗煥 元 大統領 が 「 歴史 の 責任 は 、 まず 民族 自身 に ある 」 と の 立場 を 表明 して 以来 、 韓国 指導 者 の 姿勢 は 変化 して きた 。 盧 泰愚 前 大統領 、 金 泳三 大統領 も この 姿勢 を 堅持 して いる 。 韓国 の 発展 と 国民 の 自信 回復 に 裏打ち さ れた 歴史 意識 の 変化 が 、 日 韓 関係 を より 望ましい 方向 に 導いて きた 。 これ は また 、 韓国 が 日本 に 一方的に 協力 を 求めて きた 時代 の 終わり を も 意味 する 。 この 歴史 の 変化 を 反映 し 、 金 泳三 大統領 は 、 韓国 の 「 世界 化 」 を 新年 から の 政策 の 柱 に 据えた 。 また 環境 問題 へ の 取り組み 強化 の ため 、 環境 庁 を 省 に 昇格 さ せた 。 韓国 の 関心 は 、 日 韓 や 南 北 関係 と いった 周辺 情勢 から 、 世界 的な 分野 に も 広がろう と して いる 。 我が国 も 、 韓国 の 世界 化 政策 を 前向き に 受け止め 、 協力 関係 を 一層 強化 す べきであろう 。 その ため に も 、 戦後 処理 問題 の 早期 解決 が 望ま れる 。 日 韓 両 国 は 、 過去 三十 年 の 教訓 と 発展 を 基礎 に 、 アジア と 世界 の 平和 と 安定 の ため に 、 新たな 協力 関係 を 築く 時代 を 迎えて いる 。 まず 、 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 の 国際 社会 へ の 仲間 入り を 、 協力 して 促進 す べきであろう 。 この ほか 、 アジア の 環境 問題 解決 へ の 共同 の 取り組み も 重要な 課題 に なる 。 日 韓 両 国 は 今年 を 時代 の 新たな 区切り と して 、 相手 が 何 か を して くれる こと を 期待 する ので なく 、 共同 して いかに アジア の 平和 と 安定 に 寄与 できる か の 理念 と 政策 を 模索 して ほしい 。 欧州 統合 を 十 年 に わたって 指導 して きた 欧州 連合 の ドロール 欧州 委員 会 委員 長 が 一 月 で 退陣 、 ルクセンブルク の サンテール 首相 が 新 委員 長 に 就任 する 。 ドロール 氏 は 域 内 市場 統合 を 完成 し 、 欧州 連合 条約 を 発効 さ せた 。 サンテール 次期 委員 長 は 、 マ 条約 に うたわれた 経済 ・ 通貨 同盟 、 政治 同盟 の 完成 を めざす こと に なる が 、 「 欧州 大統領 」 の 異名 を 持ち 、 強い 個性 で 統合 を 進めて きた ドロール 氏 を 継ぐ 新 体制 の 前途 は 多難だ 。 マ 条約 の 目玉 である 経済 ・ 通貨 統合 は 進展 して い ない 。 通貨 統合 の 基礎 と なる 欧州 通貨 制度 は 機能 せ ず 、 一九九二 年 秋 の 通貨 危機 で 英国 と イタリア が 為替 相場 メカニズム から 離脱 した まま 。 九三 年 夏 に は 事実 上 の 変動 相場 制 へ の 移行 を 余儀なく さ れた 。 加えて 深刻な 不況 が 統合 の 足 を 引っ張った 。 マ 条約 に よる と 、 通貨 同盟 に 加わる 国 は 財政 赤字 、 公的 債務 残高 、 インフレ 率 など 一定 の 経済 指標 を 達成 する 義務 を 負う が 、 同盟 参加 の 条件 を 満たして いる の は EU 加盟 国 の うち 、 人口 四十万 の ルクセンブルク だけ 。 今 世紀 末 まで に 単一 通貨 を 発行 する 目標 は 「 実現 不可能 」 と の 声 も 聞か れる 。 こんな 悲観 論 を 背景 に 、 独 仏 両 国 で 再び 二 段階 統合 論 が ささやか れて いる 。 経済 状況 の よい 独 仏 、 ベネルクス 三 国 で 統合 を 先行 さ せ 、 他の 加盟 国 は 条件 が 整い 次第 、 これ に 加わる と いう 方式 だ 。 英国 や イタリア は 「 欧州 の 分裂 を 招く 」 と これ に 強く 反発 して いる 。 九六 年 に は 通貨 統合 の 段取り を 含め 、 マ 条約 を 全面 的に 見直す 予定 で 、 統合 の 進め 方 を めぐる 各国 の 駆け引き は 活発 化 しよう 。 「 統合 の 深化 」 と 並んで 「 統合 の 拡大 」 も 新 体制 の 課題 だ 。 冷戦 の 終結 で 西欧 の 欧州 共同 体 は 、 全 欧州 を 視野 に 入れた EU に 発展 。 一 月 から 中立 国 の オーストリア 、 スウェーデン 、 フィンランド が 加わり 、 EU は 十五 カ国 に 膨れ上がった 。 ポーランド など 中 ・ 東欧 諸国 の 加盟 問題 も 動き始めた 。 拡大 に あたって も 難問 は 多い 。 豊かな 中立 国 の 加盟 は EU に とって プラス と なる が 、 市場 経済 体制 へ の 過渡 期 に ある 中 ・ 東欧 諸国 の 加盟 は EU の 大きな 財政 的 負担 と なる 。 中欧 諸国 の 一 人 当たり 国 内 総 生産 は 、 EU 内 の 最貧国 である ポルトガル 、 ギリシャ の 半分 程度 に すぎ ない 。 経済 格差 の 大きい 中 ・ 東欧 諸国 の 性急な 加盟 は 統合 に 混乱 を もたらす 、 と の 懸念 は 強い 。 また 中欧 と 隣接 し 、 経済 的に つながり の 強い ドイツ は 中 ・ 東欧 諸国 の 加盟 に 積極 的だ が 、 中欧 に おける ドイツ の 支配 権 確立 を 警戒 する フランス は 東 へ の 拡大 に 消極 的 。 拡大 戦略 を めぐる 両 国 の 姿勢 の 食い違い は 、 独 仏 枢軸 に ヒビ を 入れ かね ない 。 コール 独 首相 と ともに 統合 を リード して きた ミッテラン 仏 大統領 が 、 五 月 の 大統領 選挙 を 機 に 引退 する こと も 不安定 要素 の ひと つ に なろう 。 そして 加盟 国 が 増えれば EU 内 の 意思 統一 は 困難 さ を 増し 、 遠心 力 が 強まる こと は 避け られ ない 。 統合 の 推進 力 を 維持 する に は 、 機構 改革 も 必要 と なろう 。 人口 三億七千万 。 旧 ソ連 を 除く 欧州 人口 の 七〇 % を 取り込んだ EU の 動き は 、 日本 に とって も 大きな 意味 を 持つ 。 サンテール 新 委員 長 の かじ取り を 見守り たい 。 ゴールドラッシュ に わいた ブラジル の アマゾン 川 流域 で 、 金 採掘 者 が たれ流し した 水銀 に よる “ 第 三 水俣 病 ” の 発生 が 憂慮 さ れて いる 。 その 真相 を 明らかに する ため 、 昨年 末 、 リオデジャネイロ で 初 の 「 アマゾン 川 流域 に おける 水銀 に よる 影響 に 関する 国際 ワークショップ 」 が 開か れた 。 日 伯 科学 技術 協力 協定 に 基づき 、 リオ 大学 と ともに 環境 庁 の 国立 水俣 病 研究 センター が この 会議 を 主催 した こと を 評価 し たい 。 ブラジル 側 の 報告 で は 、 いま の ところ 有機 水銀 中毒 症 の 発生 は 確認 さ れて い ない 。 だが 、 フィリピン 、 インドネシア 、 ロシア 、 中国 、 米国 、 スウェーデン 、 コロンビア など 十二 カ国 から 専門 家 が 参加 、 金 の 採掘 や 工場 排水 に よる 水銀 汚染 が 各地 で 発生 して いる こと を 印象づけた 。 水俣 病 四十 余年 の 痛切な 体験 から 、 日本 が 蓄積 した 有機 水銀 の 自然 環境 と 人体 へ の 影響 調査 の 分析 技術 の 水準 は 世界 一 と いえよう 。 未解決の 水俣 病 の 患者 認定 と 補償 問題 を 抱えて の 対外 協力 に は 割り切れ ない 思い も あろう が 、 水銀 中毒 を 救済 し 、 その 拡大 を 防ぐ ため に は 日本 の 疫学 調査 、 医療 の 経験 が ぜひとも 役立て られ ねば なら ない 。 アマゾン 川 上流 の ロンドニア 州 ポルトベリョ 市 近郊 を 流れる マディラ 川 は 、 一九七八 年 から ゴールドラッシュ に 見舞わ れた 。 一獲千金 を 夢見る ガリンペイロ が 、 川底 の 泥 から 砂金 を 分離 採取 する 際 の 媒介 に 水銀 を 用いて きた 。 廃棄 さ れた 水銀 の 量 は タバジョス 、 ネグロ など の 支流 を 合わせて 約 二千 カ所 の 採金 場 から 千八百 トン ないし 二千 トン と いわ れる 。 その 五五 % から 六〇 % は 水銀 蒸気 と なって 採掘 者 に 無機 水銀 中毒 を 招いた ので は 、 と 懸念 さ れて いる 。 四〇 % から 四五 % は 川 に 流さ れ 、 腐葉土 に 含ま れる フミン 質 や 微 生物 に よる 生物 学 的な 反応 を 経て 、 無機 水銀 から 有機 水銀 化 し 魚 に 濃縮 して 蓄積 さ れ 、 水俣 病 と 同じ ように 魚 を 食べる 沿岸 住民 の 体 に 取り込ま れて いる 疑い が 強い 。 国立 アマゾン 研究 所 や 州立 病院 の 医師 ら の 調査 に よる と 、 採金 者 と 漁民 の 毛髪 や 血液 から 世界 保健 機関 の 安全 基準 を 超える 危険な レベル の 水銀 が 検出 さ れて いる 。 初 の 国際 会議 で は 、 多く の 国々 で アマゾン 川 と 同様の 経路 で 水銀 汚染 が 起きる 危険 性 が 報告 さ れた 。 とくに メチル 水銀 に よる 神経 障害 は 回復 が 困難な だけ に 、 現地 で の 疫学 調査 と 医療 が 急が れ ねば なら ない 。 緊急の 課題 は 国立 水俣 病 研究 センター が 開発 した 分析 方法 で 水 、 土壌 、 魚類 と 人間 の 毛髪 、 血液 、 尿 中 の 総 水銀 の 量 と メチル 水銀 量 を 正確に とらえる こと である 。 今回 の 会議 で 日本 が リード して 分析 の 手法 、 サンプル の 採り 方 に 共通の 基準 を 設ける こと を 決めた 。 水俣 病 患者 の 苦痛 を 忘れる こと なく 、 国境 を 超える 人道 的な 国際 協力 に 尽くし たい 。 政府 間 の 協力 に 先立ち 、 原田 正純 ・ 熊本 大 助教授 や 藤野 糺 ・ 水俣 協立 病院 医師 、 中西 準子 ・ 東大 環境 安全 研究 センター 教授 、 水俣 病 被害 者 ・ 弁護 団 全国 連絡 会議 など 民間 の 人々 や 組織 が アマゾン を 踏査 し 、 調査 ・ 研究 の 先べん を つけた こと を 特筆 して おき たい 。 非 政府 組織 の 活動 は 、 日本 でも 健在である 。 シェークスピア の 「 ハムレット 」 は 「 生きる か 死ぬ か 、 それ が 問題 だ 」 の せりふ に 続いて 、 耐え難い 悪夢 を 列挙 する が 、 その 一 つ が 「 長引く 裁判 の もどかし さ 」 だ 。 いつ の 世 でも 、 訴訟 遅延 は 深刻な 問題 である 。 わが国 で は その 度合い が 病理 的 と 言って も 過言 で ない 。 経済同友会 も 報告 書 「 現代 日本 社会 の 病理 と 処方 」 の 中 で 裁判 に かかる 費用 の ほか 、 長期 化 を 取り上げ 「 本来 の 機能 を 果たして おら ず 、 存在 感 すら 薄れて いる 」 と 指摘 して いる 。 訴訟 遅延 は 司法 離れ を 加速 し 、 ひいては 「 裁判 を 受ける 権利 」 保障 の 重大な 障害 に なろう 。 「 法曹 人口 を 考える 日弁連 有志 の 会 」 が 審理 期間 を 調べて いる 。 それ に よる と 、 証拠 調べ の あった 民事 訴訟 一 審 の 中 で 、 一 年 以内 に 判決 が 出た ケース は わずか 一三 % に 過ぎ ず 、 審理 期間 の 平均 は 二十七 カ月 、 和解 でも 二十六 カ月 を 要して いる 。 長期 化 も 審理 の 中身 の 充実 を 意味 して は い ない 。 開か れる 口頭 弁論 は わずか 平均 七 回 、 証拠 調べ の 時間 は 計 四 時間 程度 だ 、 と いう 。 中身 が 薄い のに 、 時間 ばかり かかる のだ 。 控訴 、 上告 の 場合 を 考えれば 、 さらに 二 、 三 年間 を 覚悟 し なければ なら ない 。 このような 長期 裁判 に なって は 、 実際 上 の 救済 に は 役立た ない こと も 多かろう 。 遅延 の 原因 は 個々 の 訴訟 で 異なる 。 原告 、 被告 の 事情 も あろう し 、 中 に は 弁護 士 が 多く の 訴訟 を 抱えて 弁論 期日 の 間隔 が 長く なったり 、 準備 不足 だったり する ケース も あろう 。 しかし 、 原因 の 一端 が 裁判 官 の 数 に ある と 言って も 間違い ない 。 現在 の 裁判 官 数 は 約 二千 人 、 簡裁 判事 を 含めて も 三千 人 弱 だ 。 四十 年 前 と 比較 して 増加 は 一・三 倍 弱 に 過ぎ ない 。 民事 ・ 行政 訴訟 の 受理 件数 は この 間 に 三 倍 に なって いる 。 当然 、 負担 増 と なり 、 地裁 民事 の 裁判 官 一 人 当たり の 手持ち 訴訟 は 平均 で 二百 件 余 と 推定 さ れて いる 。 中 に は 単独 審理 で 三百 件 、 合議 審理 で 百 件 、 合わせて 四百 件 余 の 訴訟 を 抱える 裁判 官 も いる 、 と 聞く 。 ちなみに 裁判 官 一 人 当たり の 人口 を 欧 米 と 比較 する と 、 わが国 が 四万四千 人 に 対して アメリカ で 八千八百 人 、 イギリス で 千六百 人 、 ドイツ で 四千四百 人 。 わが国 の 裁判 官 は ケタ違いに 少ない 。 こんな 現状 だ から 、 同一 期日 に 十 件 余 の 口頭 弁論 が 行わ れる こと も 珍しく ない 。 いきおい 、 裁判 官 が 審理 終結 を 急ぐ 余り 「 判決 に こだわる と 、 さらに 遅く なる 」 と 、 無理に 和解 を 勧める ケース も 見 られる 、 と いう 。 行政 に 追随 する 判決 、 前例 追従 の 判決 も しばしば 指摘 さ れる が 、 負担 の 現状 と 無縁 と も 思え ない 。 過重 負担 の 解消 は 優先 課題 であろう 。 最高裁 も 増員 を 志向 して いる が 「 行革 」 と いう 名 の リストラ が 進行 する 中 で 、 安易に 大幅 増員 は 持ち出し 難い ようだ 。 「 二 、 三百 件 の 手持ち は 決して 過重で は ない 」 と いう 謙抑 的な 発言 も 聞か れる 。 司法 の 機能 は 、 紛争 の 法的 解決 に とどまら ず 、 行政 権力 の チェック と いう 大きな 役割 も ある 。 そうした 面 から も 、 他の 行政 庁 と は 違って 増員 政策 が あって も いい ので は ない か 。 司法 改革 の 柱 と して 法曹 人口 の 問題 が 今 、 法曹 界 内部 で 活発に 論議 さ れて いる 。 ぜひ 裁判 官 増員 を 視座 の 中心 に 据えて ほしい 。 「 悪夢 」 の 放置 は 許さ れ ない のだ から 。 イタリア は やはり 変わって い ない の か ―― 。 ベルルスコーニ 首相 が 昨年 末 、 内閣 総 辞職 を 表明 した とき 、 だれ も が そう 思った ので は ない か 。 汚職 に まみれた 政治 家 と 小党 乱立 、 短期 政権 の 目まぐるしい 交代 。 戦後 イタリア 政治 を 形容 する 言葉 は 芳しい もの で は ない 。 この イタリア 政界 に すい星 の ように 現れ 、 昨年 五 月 に 右派 政権 を 樹立 した ベルルスコーニ 首相 は 戦後 体制 と の 決別 を 宣言 し 、 「 きれいな 政治 」 の 実現 を 約束 した 。 「 第 二 共和 制 」 と 呼ば れる ゆえん だ 。 この 国民 の 期待 を 担った 政権 が 発足 から わずか 七 カ月 余り で 、 それ も 首相 自身 の 汚職 容疑 が 引き金 と なって 崩壊 する と は 、 国民 も 予想 でき なかった だろう 。 ただ 、 同 首相 に ついて は 総 選挙 に 打って出た 当時 から 、 黒い うわさ は あった 。 犯罪 組織 「 マフィア 」 や 汚職 政治 家 と の つながり 、 自分 が 所有 する 企業 グループ 「 フィニンベスト 」 傘下 の マスメディア を 駆使 して の 選挙 戦 など 。 これ ら の 疑惑 は 政治 刷新 を 求める 国民 の 熱狂 の 前 に 色あせ 、 シンデレラボーイ は 最高 権力 の 座 に 駆け上った 。 イタリア で は 一九九二 年 以降 、 大規模な 汚職 捜査 が 進め られ 、 首相 経験 者 ら 政 財界 の 大物 を 含む 二千 人 余 が 贈収賄 容疑 で 摘発 さ れた 。 ベルルスコーニ 氏 に 対する 捜査 は 、 この 戦後 政治 の 崩壊 を 促す きっかけ と なった 浄化 作戦 の 一環 であり 、 問題 の 根 は 深い 。 また 、 同氏 が マスメディア と 政治 権力 を 同時に 手中 に した こと も 問題 を 複雑に した 。 「 メディア の 帝王 」 の 異名 を 取る 同氏 は 、 政権 の 座 に 就いて から も テレビ 網 支配 の 拡大 を 試みた 。 同国 の 主要 全国 テレビ 七 局 の うち 三 局 を 押さえた フィニンベスト は 、 競争 関係 に ある 国営 三 局 を も 支配 下 に 置こう と した 。 マスメディア が 時 の 政治 権力 と 距離 を 保ち 、 適正な 緊張 関係 を 維持 する こと が 民主 主義 社会 の ルール である 。 ベルルスコーニ 氏 は この ルール を 公然と 踏みにじった 。 同氏 は 「 国民 の 多数 に 選ば れた 政府 に 、 国営 テレビ が 反対 する の は 異常だ 」 と 語った と 伝え られる が 、 民主 社会 に おける メディア と 権力 の 関係 を 無視 した 暴言 と 言わ ざる を 得 ない 。 こういう 人物 に 政治 刷新 の 望み を 託さ ざる を 得 なかった こと は イタリア の 悲劇 だ が 、 これ を 機 に 同国 が 政治 腐敗 の 一掃 に 取り組む こと を 望み たい 。 政治 的 圧力 に 屈せ ず 、 現職 首相 の 事情 聴取 に 踏み切った 検察 の 姿勢 、 これ を 支持 した 世論 の 動向 に は 期待 が もてる 。 もう ひと つ 見逃せ ない の は 、 この 国 特有 の 地域 主義 が 政変 の 背後 に 見え隠れ する こと だ 。 三 大 与党 の うち 北部 同盟 が 首相 を 見放した の は 偶然で は ない 。 北部 の 利益 を 代弁 し 、 貧しい 南部 と の 連邦 制 を 主張 する この 地域 政党 は 、 他の 与党 と は 水 と 油 の 関係 に あった 。 内閣 総 辞職 の 背後 に 、 南北 落差 の 大きい 同国 の 政治 風土 の ぜい弱 さ が 見てとれる 。 この 地域 主義 の 克服 も 今後 の 課題 だろう 。 戦後 イタリア 政治 を 主導 した キリスト教 民主党 や 社会党 は 昨年 、 相次いで 解散 した 。 右派 政権 が 退陣 して も 戦後 体制 へ の 復帰 は ない 。 今回 の 政変 が 新たな 混迷 の 幕開け を 意味 する の か 、 真 の 政治 刷新 へ の 陣痛 と なる の か 。 民族 紛争 に 揺れる バルカン と 接する イタリア の 政治 動向 は 欧州 全体 に 影響 を 及ぼす 。 イタリア の 再生 に 注目 し たい 。 「 戦後 五十 年 」 と いう 節目 を 迎えた 新年 。 ことし こそ ポスト 冷戦 、 バブル 崩壊 を 踏まえ 、 二十一 世紀 を 見据えた 新しい 日本 の 在り 方 に 展望 を 切り開く 年 に し たい もの だ が 、 肝心の 政界 の 方 は 依然と して 行き着く あて の ない 漂流 を 続けて いる 。 毎日新聞社 が 先月 実施 した 世論 調査 で は 、 「 支持 政党 なし 」 が 四四 % と 九 月 の 調査 時点 より 三 ポイント 増え 、 有権者 の “ 政治 離れ ” が 一層 加速 して いる こと を 示して いる 。 一昨年 夏 、 日本 の 政界 は 三十八 年 続いた 自民党 に よる 「 一 党 支配 」 の 政治 体制 に 終止符 を 打ち 、 非 自民 の 細川 連立 政権 が 樹立 さ れた 。 そして 昨年 は 、 自民党 と 社会党 、 さきがけ が 連立 を 組み 、 村山 政権 が 発足 した 。 それぞれ に 大きな 政治 的 変化 であり 、 戦後 政治 に 強烈な インパクト を もたらした が 、 いま この 一 年 半 を 振り返って みる と 、 政治 的 大 変化 は あって も それ が 在来 の 政治 構造 の 深奥 部 を 突き崩す 政治 の 大 変革 に 至って い ない ところ に 、 国民 の もどかし さ と 失望 感 の 増幅 が うかがえる 。 細川 内閣 発足 直後 の 一昨年 八 月 の 調査 で は 、 内閣 支持 率 は 空前 の 七五 % を 記録 し 、 「 不 支持 」 九 % 、 「 関心 が ない 」 は 一四 % であった 。 現在 、 村山 内閣 の それ は 「 支持 」 二九 % 、 「 不 支持 」 二五 % 、 「 関心 が ない 」 四二 % である 。 細川 内閣 が 掲げた 「 変革 」 に ふくらんだ 国民 の 期待 は 、 その後 、 細川 護煕 首相 の 政治 スキャンダル に よる 退陣 を はさみ 、 羽田 、 村山 政権 へ と 移行 する 中 で 物 の 見事に 消し飛んで しまった 。 どの 首相 も はやり 言葉 の ように 駆使 する 「 変革 」 が 、 その実 、 いかに 実体 を 伴わ ない 無意味な もの である か を 見せつけ られ 、 国民 は 日 を 追って 政治 的 無関心 の 殻 に 閉じこもり つつ ある 。 映画 の 題名 風 に 言えば 、 今 そこ に 政治 の 危機 が ある に も かかわら ず 、 政党 と 政治 家 は 期待 感 と 失望 感 と の 落差 を 埋める 努力 を して い ない 。 新進党 が 結成 さ れ 、 野党 に 大きな 枠組み が できた こと は それなり に 評価 する が 、 新党 結成 に 参加 した 各 党派 の 政治 理念 の 違い や 政策 的 差異 は 何ら 解消 さ れ ない まま に 内包 し 、 単に 小 選挙 区 制 対応 で 生き残り を 図る ため の 数 合わせ が 優先 さ れた 。 村山 政権 を 支える 基盤 である 社会党 は 、 第 三 極 の 勢力 づくり を めぐる 党 内 対立 が 深刻 化 し 、 中間 ・ 右派 議員 グループ の 集団 離党 含み で 大 揺れ に 揺れて いる 。 同じ 与党 の 自民党 は 、 政権 復帰 を 果たした 安心 感 から か 一 時 の 党 再生 に 対する 熱気 も 冷め 、 党 改革 は おざなりの 手直し で 糊塗 し 、 政権 維持 に きゅうきゅうと して いる 。 衆院 選挙 区 の 区割り 法 が 成立 し 、 小 選挙 区 比例 代表 並立 制 に よる 新 選挙 制度 が 施行 さ れ 、 年明け から いつ 解散 、 総 選挙 が あって も よい 水域 に 入った 。 村山 政権 は 選挙 を 意識 して 、 効率 の よい 「 小さな 政府 」 の かけ声 と は 裏腹に 、 人気 取り の 大盤 振る舞い の 一九九五 年度 予算 を 編成 し 、 骨身 を 削る 政策 は 先 送り した 。 政党 、 政治 家 も 小 選挙 区 制 対応 で 生き残り と 保身 に のみ 目 を 奪わ れ 、 日本 の 政治 の あるべき 「 変革 」 に 目 が 向か ない 。 ことし は 春 に 統一 地方 選 が 、 夏 に は 参院 選 が 行わ れる 。 加えて 時期 は 未定だ が 、 新 選挙 制度 に よる 初 の 総 選挙 が 行わ れる 可能 性 が 大きい 政治 情勢 と なって いる 。 戦後 五十 年 と いう 節目 の 年 に くしくも 「 三 大 選挙 」 が 重なる 、 と いう こと に なれば 文字通り わが国 の 将来 を 左右する 年 に なり 、 その 政治 的 意義 は 極めて 大きい 。 しかし 、 これ ら の 重要な 意味 を 持つ 選挙 を 控え ながら 各 政党 が 何 を 国民 に 訴え 、 選択 を 迫る の か 、 現 時点 で は 全く 不 明確だ 。 基本 理念 こそ 、 自民党 は 自由 、 民主 、 平和 、 社会党 は 公正 、 共生 、 平和 、 創造 、 新進党 は 自由 、 公正 、 友愛 、 共生 と 、 それぞれ に 判 で 押した ように 同じ お 題目 を 並べて いる が 、 いずれ も だれ も 反対 でき ない 建前 論 的 スローガン の 羅列 に 過ぎ ず 、 政策 的 裏付け も 欠如 して いる 。 これ で は 国民 は 何 を もと に して 政党 、 候補 者 を 選択 して いい の か 戸惑う ばかりだ 。 本来 、 小 選挙 区 制 導入 の 眼目 は 政党 中心 、 政策 中心 で 競い合う 政党 政治 の 活性 化 に あった 。 政治 家 は 選挙 区 事情 で の 所属 党派 の 変更 を ほしいままに し 、 狭小 と なった 選挙 区 で は 中 選挙 区 制 以上 の サービス 合戦 や 金権 選挙 の 横行 が 懸念 さ れて いる 。 しかも 、 政策 不在 で 地元 利益 最 優先 の 選挙 と なる と 、 小 選挙 区 制 導入 の 趣旨 は 完全に 裏切ら れ 、 国民 の 政治 に 対する 不信 、 しらけ を 助長 さ せる の は 火 を 見る より 明らかだ 。 各 政党 は 、 定見 なき 権力 争奪 ゲーム 、 離合 集散 を 排し 、 政策 提案 能力 を 磨き 、 論理 的に 整合 性 の ある 、 同時に 差別 化 さ れた 独自の 政策 体系 を 早急に 打ち出す 必要 が ある 。 バブル 崩壊 の 後遺症 は 経済 の 各 部面 に 依然と して 大きな ツメ 跡 を 残し 、 国民 生活 を 圧迫 して いる 。 また 、 ことし も 国際 情勢 の 激動 は 必至であり 、 新たな 日 米 関係 、 アジア 情勢 へ の 対応 など 内 外政 と も 待ったなし の 課題 が 山積 して いる 。 政治 が いつまでも 漂流 を 続けて いる いとま は ない 。 農林 水産 省 が 食糧 庁 の 大幅な 合理 化 計画 を 打ち出して いる 。 今後 五 年間 に 現在 、 四十七 都道府県 に 一 つ ずつ ある 食糧 事務 所 を 十一 カ所 、 全国 に 三百六十一 ある 支所 の うち 百六十 カ所 を 廃止 し 、 定員 を 数千 人 削減 する と いう もの だ 。 これ は 食糧 管理 法 が 今年 秋 に 廃止 さ れる のに 伴う 措置 だ 。 食管 制度 の 下 で は 建前 上 、 コメ は 政府 の 「 全量 管理 」 下 に あった 。 食糧 庁 は その 管理 を 業務 と し 、 コメ の 検査 、 政府 米 の 調達 ・ 管理 、 流通 業者 の 指導 ・ 監視 など を 行って きた 。 新 食糧 法 の 下 で は 、 キーワード 的に 言えば 、 コメ は 政府 の 「 部分 管理 」 と 「 民間 流通 」 に ゆだね られる のだ から 、 機構 の 簡素 化 は 当然である 。 具体 的に は 、 従来 は 生産 者 に は コメ の 政府 へ の 売り渡し 義務 が 、 政府 に は 買い入れ 義務 が 課せ られて いた が 、 そうした 義務 は 解消 さ れる 。 新 制度 の 下 で は 生産 者 は 数量 を 届け出 さえ すれば 、 政府 の 手 を わずらわす こと なく 、 どこ へ でも 自由に コメ を 売れる 。 つまり 、 従来 、 自由 米 と いわ れて いた コメ が 公認 さ れる わけだ 。 一方 、 政府 の コメ 管理 に 関する 主な 役割 は 備蓄 の 確保 に なる 。 備蓄 の 水準 も 最低 輸入 義務 分 も 含めて 百五十万 トン 程度 が 目安 と さ れて いる から 、 国産 米 の 政府 買い入れ 数量 は 百万 トン 強 に とどまろう 。 政府 の コメ 買い入れ 数量 は 数 年 前 まで 三百万 ― 四百万 トン に 上って いた こと から する と 、 食糧 庁 の 役割 は ここ でも 大幅に 縮小 する 。 流通 業者 も 従来 は 許 認可 制 だった が 、 登録 制 に 改まる 。 その 面 で の 事務 処理 や 指導 ・ 監視 の 負担 も 軽減 さ れる 。 以上 の ような 制度 改革 から すれば 、 相当 の 機構 縮小 は 必然 であり 、 むしろ この 程度 の 合理 化 で いい の か 、 と いう 視点 が 必要だろう 。 食糧 庁 の 人員 は 昭和 四十 年 代 の 初め ごろ に は 約 二万九千 人 を 数えた 。 その後 、 自主 流通 米 制度 が 導入 さ れ 、 政府 が 直接 、 売買 に タッチ し ない 自主 流通 米 の ウエート が 高まる に つれ 、 食糧 庁 の 人員 も 削減 さ れて きた 。 例えば 、 最近 でも 一九九三 年度 まで の 五 年間 に 約 二千八百 人 の 定員 削減 が 行わ れ 、 現状 は 約 一万一千五百 人 の 定員 と なって いる 。 今度 の 合理 化 計画 で 数 年 後 に は 一万 人 を 相当に 割り込む こと は 間違い ない 。 ひところ に 比べれば 三 分 の 一 以下 の 規模 に なる わけだ が 、 それ でも 、 なお 大所帯 である こと に は 変わり は ない 。 食糧 庁 の 人員 の 過半 は コメ の 検査 員 だ が 、 新 制度 の 下 でも 政府 米 と 自主 流通 米 に ついて は 検査 が 行わ れる 。 コメ が 国民 経済 や 国民 生活 に 大きな ウエート を 占めて いた 時代 に は 国 に よる 厳格な 検査 も 必要だった かも しれ ない が 、 その 比重 が 大きく 低下 した 現在 も 、 国 が 直接 、 要員 を 抱えて 検査 を 行わ なければ なら ない もの か どう か 。 都道府県 や 民間 へ の 移管 も 含め 、 コメ の 検査 の あり 方 を 根本 的に 見直す べきだろう 。 行政 改革 の 中心 的な 課題 は 、 すでに 役割 を 終えた 行政 機構 が 現実 と かけ離れた 形態 や 規模 で 存続 して いる 状態 に メス を 入れる ことだ 。 基本 的に コメ 不足 時代 の 制度 と 組織 であった 食管 制度 と 食糧 庁 が 今 まで 存続 して いた こと 自体 が 、 異常だった と 言える 。 それだけに 、 小手先 細工 で は ない 、 思い切った 改革 が 望ま れる のである 。 地方 自治 体 は 民主 主義 の 学校 であり 、 地方 自治 は 民主 主義 を 築き上げて いく 母体 だ と いわ れる 。 今年 は 自治 体 の 首長 や 議員 を 選ぶ 統一 地方 選 の 年 である 。 加えて 、 いま 地方 分権 論議 が 高まり つつ ある 。 政府 も 今月 下旬 に 召集 予定 の 通常 国会 に 、 地方 分権 推進 法案 を 提出 する 見込み だ 。 こうして 見る と 、 今年 は 地方 分権 元年 と して 地方 自治 の 在り 方 や 方向 性 など を 考える 絶好 の 機会 である 。 日本 の 行政 システム は 明治 以来 、 中央 集権 型 の システム を 取り 続け 、 とくに 戦後 は その 傾向 に 拍車 が かかった 。 地方 分権 は 、 そうした システム から 脱却 し 、 各 地域 が それぞれ の 個性 や 主体 性 を 発揮 し ながら 、 地方 の 文化 や 経済 が 持つ 潜在 力 を 活用 しよう と いう もの だ 。 それ は また 中央 集権 を 支える 政 ・ 官 ・ 業 の トライアングル を 壊す こと で も ある 。 今回 の 地方 分権 論議 の 直接の きっかけ は 、 臨時 行政 改革 推進 審議 会 が 一昨年 秋 に 出した 最終 答申 だ 。 同 審議 会 は 「 地方 分権 の 推進 と 地方 自治 の 確立 は 、 いまや 避ける こと の でき ない 時代 の 要請 だ 」 と して 、 政府 の 取り組み を 強く 求めた 。 さらに 昨年 秋 に は 、 全国 知事 会 など 地方 六 団体 を はじめ 、 首相 の 諮問 機関 である 地方 制度 調査 会 、 政府 の 行政 改革 推進 本部 の 地方 分権 部会 民間 専門 員 など が 相次いで 意見 書 や 要綱 など を まとめ 、 政府 に 提出 した 。 こうした 動き を 受け 、 政府 は 昨年 十二 月 二十五 日 に 、 地方 分権 に 関する 大綱 方針 を 閣議 決定 した 。 大綱 方針 は 、 国 から 自治 体 へ の 権限 移譲 の 推進 、 自治 体 の 財政 基盤 の 整備 など を 盛り込む と ともに 、 地方 分権 推進 法案 の 通常 国会 提出 を 明示 して いる 。 「 地方 の 時代 」 が 叫ば れて 久しい が 、 これ まで の 地方 分権 論議 は 掛け声 倒れ に 終わって きた と いって も 過言 で は ない 。 その 意味 で 、 今回 の 大綱 方針 は 、 地方 分権 を 一 歩 前進 さ せた もの と して 評価 できよう 。 今後 は 、 大綱 方針 に 基づいて 、 どういう 地方 分権 推進 法案 を 作り 、 国会 に 提出 する か が 焦点 に なる 。 いま の ところ 法案 は 二 月 中旬 に は 国会 に 提出 さ れる 見通し で 、 五十嵐 広三 官房 長官 は 毎日新聞 と の インタビュー で 「 何と して も 今度 の 国会 で 成立 さ せる 」 と 語って いる 。 その 決意 の ほど は いい のだ が 、 より 重要な の は 法案 の 内容 である 。 すでに 大綱 方針 決定 まで の 過程 で 、 中央 省庁 間 の 対立 や 族 議員 の 抵抗 を 受け 、 その 中身 が 当初 構想 より も 後退 した から だ 。 その 一 つ が 、 自治 体 が 国 の 下請け 機関 に なって いる と の 指摘 の ある 機関 委任 事務 制度 だ 。 地方 制度 調査 会 など は 同 制度 の 原則 廃止 を 求めた が 、 大綱 方針 で は 「 制度 に ついて 検討 する 」 と の 表現 に とどまった 。 また 地方 分権 の 進み 具合 など を チェック する 「 推進 委員 会 」 に 、 監視 機能 や 勧告 など の 権限 を 持た せる の か どう かも 、 政府 の 大綱 方針 で は 不明である 。 法案 化 作業 が 本格 化 すれば 、 再び 官僚 たち の 抵抗 で 、 内容 が トーン ダウン する ので は と 心配 さ れて いる 。 法案 化 に 当たって 政府 が 取る べき 道 は 、 機関 委任 事務 の 原則 廃止 や 、 強力な 第三者 機関 と して の 推進 委員 会 設置 を 毅然と して 盛り込む ことだ 。 骨抜き 法案 など 願い下げ である 。 全国 の 公立 学校 は 今年 四 月 から 第 二 、 第四 土曜日 を 休み と する 月 二 回 の 週 五 日 制 に なる 。 六 日 制 を 前提 に した いま の 学習 指導 要領 を 改定 し ない まま 実施 さ れる ため 、 各 学校 は 新しい 授業 時間 表 づくり に 苦労 して いる ところ だろう 。 月 二 回 土曜 休み を 実験 的に 行って きた 六百四十二 の 小 中 高校 の 様子 を 調べた 文部 省 の 協力 者 会議 は 「 いま の 学習 指導 要領 を 変え なくて も 月 二 回 実施 は 可能 」 と の 結論 を 出し 、 それ を 受けて 文部 省 が 今春 から の 実施 を 決めた わけだ 。 しかし 、 それ ら の 学校 の 状況 を 見る と 、 休み と なる 土曜日 の 授業 を 他の 曜日 に 少し でも 上乗せ して いた 小 中学校 は 四 割 前後 、 高校 も 三 割 あった 。 また 、 学校 行事 を 減らした 小学校 は 九 割 、 中学校 は 八 割 、 高校 も 五 割 に のぼった 。 「 ゆとり の 時間 」 を 削って しまった 学校 も 少なく ない 。 春 と 秋 に 行って いた 遠足 を 一 回 に 減らしたり 、 五 時間 授業 を 六 時間 に したり の やりくり で 授業 時 数 を 確保 して いる のだ 。 この ため 「 子ども が 毎日 きつ そうだ 」 「 ゆとり どころ か 、 かえって 忙しく なった 」 「 楽しい 行事 が 減って 学校 が つまらなく なった 」 と いう 声 が 現場 から 聞か れる 。 学校 五 日 制 導入 の 趣旨 は 、 子ども と 教師 に 心身 ともに 「 ゆとり 」 を 保障 する こと に あった はずだ 。 とりわけ 子ども に は 、 雑多な 知識 詰め込み の 学習 から 解放 し 、 さまざまな 体験 を さ せる こと で 、 生きた 学力 と 豊かな 人間 性 を はぐくむ こと が 意図 さ れて いる 。 その 原点 を 踏まえた 月 二 回 の 学校 五 日 制 で なければ なら ない 。 その ため に は 、 どう すれば よい の か 。 まず 各 学校 は 時間割 を 作成 する に あたって 、 休み と なる 土曜日 の 授業 を 他の 曜日 に 上乗せ し ない ように 各 教科 の 授業 内容 を 一層 、 精選 する 必要 が ある 。 教師 は 教科 書 を すべて 教え込む と いう 発想 を 改め 、 子ども に とって 何 が 特に 大切 か を 考え 、 重点 的に 教える ことだ 。 また 学校 行事 を 授業 時 数 確保 の ため の 犠牲 に する こと なく 、 できる だけ 残す ように す べきだ 。 学習 指導 要領 は 子ども たち に 、 さまざまな 体験 を 通して 学習 する よう 求めて いる ところ だ 。 学校 行事 を 通して 子ども 同士 や 教師 と 子ども の 人間 関係 も 深まる 。 そして 何より も 学校 生活 を 楽しく して くれる 。 こうした 学校 行事 の 意義 を 忘れて は なら ない 。 次に 教育 委員 会 に 注文 が ある 。 各 学校 から 提出 さ れる 教育 課程 の 授業 時 数 を 弾力 的に 認める ことだ 。 学校 の 授業 時 数 は 学校教育法 施行 規則 の 別表 で 定め られて いる 。 例えば 小学校 一 年 の 国語 は 年間 三百六 時間 、 総 授業 時 数 は 八百五十 時間 と いう 具合 に 各 教科 、 道徳 、 特別 活動 の 授業 時 数 や 総 授業 時 数 が 各 学年 ごと に 指定 さ れて いる 。 これ ら の 授業 時 数 は 「 標準 」 と なって いる のだ が 、 実際 は 「 最低 限 」 と して 扱わ れて いる 。 教育 委員 会 は 、 これ を 守ら ない 教育 課程 を 受け付け ない 。 これ で は 各 学校 は 学校 行事 を 機械 的に 削ったり 、 授業 を 他の 曜日 に 上乗せ せ ざる を 得 ない 。 教育 委員 会 は 「 標準 」 を 「 目安 」 と して 扱い 、 各 学校 の 創意 ある 「 五 日 制 」 実施 を 認める ことだ 。 一方 、 文部 省 は 、 この 窮屈な 五 日 制 を 早く 改め 、 完全 五 日 制 に 向けて 学習 指導 要領 の 抜本 的 改正 に 取り組む べきだ 。 病気 に なった とき 、 だれ も が 充実 した 医療 を 受け たい と 思う 。 医療 技術 が 進歩 し 、 高齢 化 社会 が やってくる 中 で 、 豊かな 人間 性 を 持ち 、 幅広い 能力 を 身 に つけた 医師 が ますます 求め られる ように なって きた 。 医師 に なる に は 医学 教育 を 受けて 医師 国家 試験 に 合格 した 後 、 二 年間 以上 の 臨床 研修 を 受ける こと が 努力 目標 と なって いる 。 現実 に 医師 免許 取得 者 の うち 、 大学院 進学 者 など を 除いた 八 割 以上 が 大学 病院 や 厚生 省 指定 の 病院 で 研修 を 受けて いる 。 だが 、 研修 が 義務 で は ない こと から 各 病院 の 研修 内容 は ばらばらだ 。 一 つ の 診療 科 だけ で 研修 を 受け 、 実際 の 診療 に 役立つ 広範な 能力 を 身 に つけ られ ない 研修 医 も いる 。 月額 の 手当 が 数万 円 と いう 極端な ケース も あり 、 アルバイト が 多くて 十分な 研修 を 積め ない 人 も 出て いる 。 そこ で 厚生 省 の 医療 関係 者 審議 会 臨床 研修 部会 は 「 臨床 研修 を 必修 と し 、 内容 の 改善 を 図る こと が 望ましい 」 と する 意見 書 を まとめた 。 同 部会 は 広く 意見 を 聞いた うえ で 、 臨床 研修 を 二 年 程度 義務付けた 場合 の 研修 内容 、 研修 施設 、 指導 体制 、 研修 修了 の 認定 方法 、 研修 医 の 処遇 の 改善 に ついて さらに 検討 し 、 今年 中 に 最終 結論 を まとめる 。 厚生 省 は これ を 受け 、 一九六八 年 に 実地 修練 制度 を 廃止 して 以来 の 大幅な 改革 に 着手 する 。 欧 米 でも 卒 後 研修 は 体系 化 さ れて いる 。 日本 で の 臨床 研修 の 義務 化 は 時代 の 流れ であり 、 賛成 する 人 は 多い だろう 。 だが 、 そう 簡単に 実現 できる 事柄 で は ない 。 改革 の 音頭 を 取る 厚生 省 と 、 研修 医 の 多く を 受け入れる 大学 病院 を 管轄 する 文部 省 が 縦割り 行政 の 壁 を 取り払って 協力 し 合う こと が まず 欠かせ ない 。 厚生 省 が 今 年度 から 研修 プログラム に 基づく 臨床 研修 を 求めた の に 対し 、 実際 に プログラム を 作成 した 大学 病院 は 半数 に 満たない 。 研修 医 が 内科 と 外科 で 研修 を 受ける 方式 や 、 両 科 に 加えて 小児 科 や 救急 部 でも 研修 する 総合 診療 方式 は まだ 少ない 。 こうした 状態 が 続く ので は 研修 の 義務 化 は うまく 機能 し ない 。 文部 省 と 大学 病院 は 研修 義務 化 に 向けて の 準備 に 早急に 取り組む べきだろう 。 大学 病院 の 中 に は 「 特定 分野 の 専門 家 を 養成 する に は 一 つ の 診療 科 で の 研修 が 大切 」 と いう 声 も ある が 、 総合 診療 方式 に よって 研修 医 が 患者 を 全人 的に 診察 できる ように なって から 専門 家 の 道 を 歩んで も 決して 遅く は ない と 思う 。 今後 は 財源 の 確保 が 大きな 問題 と なる 。 毎年 約 一万三千 人 が 臨床 研修 を 受けて おり 、 義務 化 に 伴い 研修 医 を きちんと 処遇 する と 年 四百億 円 も の 予算 が いる 。 研修 施設 の 充実 、 指導 医 に 対する 処遇 の 改善 も 行わ なければ なら ない 。 日本 医師 会 など と も 十分 話し合う 必要 が ある 。 臨床 研修 が 義務 化 さ れれば 、 この 期間 の アルバイト は でき なく なる 。 研修 医 を 安く 雇って いた 病院 など に は 痛手 だろう が 、 やむ を 得 ない 。 修業 中 の 医師 に 診察 を 受けて いた 患者 に とって も 好ましい 方向 だろう 。 医師 と 患者 が 信頼 関係 で 結ばれた 良質な 医療 の 実現 に は 臨床 研修 の 充実 だけ で なく 、 医学 教育 、 医師 国家 試験 、 医師 の 生涯 教育 の 改善 が 重要に なる 。 一方 で 特定の 分野 に 優れた 認定 医 も 増えて ほしい 。 全体 を 視野 に 入れた 一貫 性 の ある 医師 養成 が 求め られて いる 。 河野 洋平 外 相 と クリストファー 米 国務 長官 は 、 ワシントン で の 十 日 の 会談 で 、 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 の 軽水 炉 転換 支援 事業 の 推進 努力 で 合意 し 、 「 朝鮮 エネルギー 開発 機関 」 の 二 月 中 の 設置 を 確認 した 。 一方 、 米 朝 の 「 基本 枠組み 合意 」 に 基づく 、 五万 トン の 重油 供給 も 今週 中 に 実施 さ れる 見通し だ 。 北朝鮮 向け 重油 の 船積み が 、 十一 日 に 始まった 。 第 一 船 が 十二 日 に も 、 北朝鮮 に 向かう 予定 である 。 米 朝 の 核 問題 を めぐる 合意 は 順調に 実施 に 移さ れて いる 。 米国 と 北朝鮮 の 努力 を 歓迎 する と 同時に 、 日 米 韓 三 国 の 協力 体制 を 高く 評価 し たい 。 また 、 この 努力 の 成果 を 南北 対話 再開 に よる 朝鮮 問題 解決 に つなげて ほしい 。 米 朝 合意 で は 、 北朝鮮 は 合意 から 一 カ月 以内 に 、 実験 用 原子 炉 など の 核 施設 を 凍結 し 、 米国 は 三 カ月 以内 に 重油 の 供給 を 開始 する こと を 約束 して いた 。 また 、 貿易 投資 の 制限 の 緩和 ・ 解除 も 約束 さ れ 、 北朝鮮 は この 実施 を 発表 した ばかりだ 。 国際 原子 力 機関 は 、 すでに 北朝鮮 が 原子 力 施設 の 凍結 を 、 合意 通り 実行 に 移した 事実 を 確認 して いる 。 また 、 実験 炉 から 取り出した 使用 済み 核 燃料 の 安全 保管 も IAEA の 監視 下 で 行わ れた 。 北朝鮮 へ の C 重油 の 輸送 が 始まれば 、 米 朝 関係 改善 は 次の 段階 に 進む 。 両 国 は 貿易 、 通信 制限 など を 緩和 し 、 連絡 事務 所 を 相互 に 設置 する こと に なる 。 米 朝 合意 の 実施 に ついて は 、 米国 の 中間 選挙 で 共和党 が 議会 の 多数 を 占めた こと から 、 合意 が 白紙 化 さ れる ので は ない か と 憂慮 する 見方 が ある 。 しかし 、 米 議会 の 状況 を 見る と 、 こうした 観測 は 杞憂 に 終わり そうだ 。 米 朝 交渉 の ガルーチ 首席 代表 も 、 約束 通り 北朝鮮 へ の 重油 供給 継続 に 自信 を 示して いる 。 北朝鮮 が 約束 を 順守 する 限り 、 米 議会 が 合意 を 覆す の は 難しい ようである 。 米 議会 の 現況 から して 、 共和党 議員 全員 が 北朝鮮 へ の 重油 供給 に 反対の 決議 案 を 支持 する と は 、 考え にくい から だ 。 合意 さ れた 年間 約 五十万 トン の 重油 の 供給 が 中止 さ れ 、 北朝鮮 が 核 開発 を 再開 すれば 、 共和党 が その 責任 を 負わさ れる こと に なる 。 共和党 の 議員 全員 が 、 そうした 危険な 選択 に 同意 する と は 考え られ ない 。 米 朝 の 合意 は 、 十 年 に 及ぶ 約束 履行 を 必要 と して いる 。 北朝鮮 は 特別 査察 に は 応じ まい と の 展望 から 、 合意 の 実行 が 困難に なれば 、 日本 は 資金 提供 の 必要 が なくなる と の 見方 も 出て いる 。 少なくとも 日本 政府 内 に 、 こうした 見解 が 存在 して いる と は 思い たく は ない 。 日本 は すでに 、 軽水 炉 転換 支援 で 応分の 負担 を 国際 的に 約束 して いる 。 この 約束 を 、 誠実に 履行 する 立場 を 強調 する こと が 、 国際 的な 信頼 を 獲得 できる 道 である 。 また 、 この 負担 の 履行 を 背景 に 、 北朝鮮 に ミサイル 開発 中止 を 求める べきである 。 日本 の 費用 負担 に 応じて 、 軽水 炉 建設 に 日本 企業 の 参加 を 求める 動き も ある と いう 。 しかし 、 百 年 先 を 見通した 日本 と 隣国 と の 望ましい 関係 を 考え 、 対応 す べきである 。 北朝鮮 の 核 問題 で 、 日本 企業 が 漁夫 の 利 を 得た ような 印象 を 朝鮮 半島 の 人々 に 残す の は 得策 で は ない 。 埼玉 県 の 「 愛犬 家 失跡 事件 」 は 衝撃 的な 様相 を 見せ 始めて いる 。 この 事件 で は 、 犬 猫 販売 業者 ら 三 人 が 死体 遺棄 容疑 で 逮捕 さ れて いる 。 現 段階 で は 、 行方 不明 に なって いた 会社 役員 の 遺体 を 焼いて 捨てた と いう 疑い であり 、 その 裏付け 捜査 が 継続 中 だ 。 捜査 の 行方 を 慎重に 見守り たい 。 が 、 この 業者 の 周辺 で は 会社 役員 の ほか に も 埼玉 県 内 の 主婦 ら 三 人 が 行方 不明 に なって いる 。 会社 役員 と この 三 人 の 殺害 に ついて 関与 を 認める 供述 が 一部 容疑 者 から 出て いる と も 伝え られる 。 逆の 供述 も ある ほか 、 断片 的で 不明な 点 も ある と いう 。 昨年 一 月 下旬 に 発覚 した 大阪 の 「 愛犬 家 連続 殺人 事件 」 に 似た 事件 に も なり かね ない 。 捜査 当局 は 早急に 事実 解明 に 努めて ほしい 。 現在 、 調べ の 中心 である 死体 遺棄 事件 で は 、 会社 役員 は 容疑 者 の 業者 から 「 犬 を 繁殖 さ せる と もうかる 」 と 持ち掛け られ 、 アフリカ 原産 の 大型 犬 の つがい を 購入 する こと に なった が 、 一 頭 しか 入手 出来 ず 、 解約 と 一部 代金 の 返還 を 申し込んだ ところ で トラブル に なった 、 と み られて いる 。 「 ペット 利殖 」 が 大阪 の 事件 と 共通 して 底流 に ある 。 犬 など ペット の 飼育 は 心 が 豊かに なる 。 生命 の 貴 さ を 学び 、 愛情 を 注ぐ 喜び も 満たさ れる 。 それ が 全く 対極 の 事態 に 結び付け られる こと に 、 ニュース に 接する 度 に 心 を 痛め 「 愛犬 家 事件 」 の 呼び 方 に も 抵抗 を 感ずる 人 も 多い はずだ 。 ペット ブーム は 利殖 と 結び付いて 年々 盛んに なって きた 。 犬 の 血統 書 を 発行 する ジャパン ・ ケンネルクラブ に 登録 さ れる 純血 種 は ここ 数 年 で 増え 、 一昨年 は 百種 を 超え 約 三十四万 頭 に 上り 、 六 年 前 の 一・五 倍 に 増えて いる 、 と いう 。 数 年 前 に ブーム と なった シベリアンハスキー 犬 は 一 時 、 二十万 円 から 三十万 円 の 高額な 値段 が 付いた が 、 繁殖 が 盛んに なり 、 今では 「 バブル 犬 」 と いわ れ 一万 円 でも 引き取り手 が ない こと も ある 、 と 聞く 。 こうした 外国 産 の 犬 は 投機 性 も あって 、 繁殖 を 手掛ける 人 も 増えた 。 しかし 、 生まれた 子 犬 の 引き取り など を めぐって トラブル も 多い 。 犬 の 可愛 さ に 利殖 が 加われば 、 つい 食指 を 動かした と して も 、 それ を 一概に 責める こと は でき まい 。 だが 、 安易な 利殖 話 は これ まで 幾 度 と なく 暗い 事件 を 起こして いる 。 バブル 経済 期 の 絵画 や 土地 、 先物 取引 など を めぐる トラブル は 記憶 に 新しい 。 悪質な 業者 の 横行 を 許さ ない ため に も 、 利殖 話 に は 慎重な 姿勢 が 求め られよう 。 犯罪 は 一面 「 社会 を 映す 鏡 」 で も あろう 。 この ところ 拝金 主義 が はびこり 、 カネ を めぐって 人 を 殺す ケース が 目立つ 。 深夜 スーパー や レストラン 、 金融 機関 に 押し入り 、 簡単に 発砲 する 強盗 事件 も 続いて いる 。 「 人 の 命 より カネ が 大切 」 と 言わんばかり だ 。 なんと 寒々 と した 風景 であろう か 。 法務 省 の 犯罪 白書 に よって も 、 殺人 、 強盗 、 誘拐 など の 凶悪 事件 は 一 時 減少 傾向 を 示して いた が 、 ここ 一 、 二 年 再び 増加 し 始め 、 手口 も 凶悪 化 して いる 。 刑法 犯 の 件数 は 一昨年 に は 二百四十三万 件 余 で 、 最悪の 記録 と なって いる 。 こんな 流れ は 早急に 止め なければ なら ない 。 早期 検挙 と 背景 の 究明 で その 根 を 絶ち 、 再発 防止 に つなげる こと を 捜査 当局 に は 望み たい 。 「 創造 」 と は 「 新たに 造る こと 」 と 辞書 に ある 。 村山 富市 首相 は 十一 日 の 日 米 首脳 会談 で 「 創造 的 パートナーシップ 」 を キーワード に 使った 。 ところが 報道 を 見る 限り 、 会談 内容 の どこ に も 「 創造 的 」 息吹 は 感じ られ ない 。 安保 に しろ 経済 に しろ 核 問題 に しろ 、 これ まで 事務 当局 が 詰めて きた 路線 に 乗った だけ で 、 首相 の 新たな 考え は 発見 でき なかった 。 米 マスコミ が あまり 評価 し なかった の も 当然である 。 ロード 米 国務 次官 補 は 首相 を 迎える 直前 の 記者 会見 で 「 この 訪 米 は 首相 就任 後 できる だけ 早く ワシントン を 訪問 する 、 日本 の 伝統 行事 」 と 位置付けた 。 俗に いう “ 参勤 交代 ” である 。 そういう 受け止め 方 から すれば 米国 は 「 創造 的 」 訪 米 など 、 期待 して い なかった と も いえよう 。 しかし 、 これ は ひと り 村山 首相 だけ を 責める の は 酷 かも しれ ない 。 これ まで も 日本 の 首相 は 米国 を 訪れる 度 に 「 新たな 関係 」 を 強調 して 、 幾 つ か の 約束 を して きた 。 しかし 、 首相 が 代われば 約束 は 、 ほご 同然 と なった 。 クリントン 大統領 に なって まだ 二 年 、 その 間 に 日本 の 首相 は 四 人 も 代わって いる 。 大統領 が 「 まともに 付き合って い られる か 」 と の 心境 に なった と して も 無理 なかろう 。 しかも 、 昨秋 の 中間 選挙 で 議会 勢力 が 逆転 して 、 同 大統領 も 苦境 に 立た さ れて いる 。 その 議会 が 始まった ばかり 、 まさに 正念場 な のだ 。 盟友 エリツィン ・ ロシア 大統領 の 足場 を 崩し かね ない チェチェン 情勢 も 気掛かりだ 。 隣 の メキシコ の 経済 危機 は もっと 心配だ 。 記者 会見 で 米 記者 団 の 質問 が これ ら に 集中 した の も 、 至極 もっともな こと な のである 。 では 、 なぜ そんな とき に 訪 米 した の か 、 疑問 が わく 。 首相 自身 は 気 が 進ま なかった らしい 。 外務 省 が おぜん立て した 。 言わ れた まま 動く 首相 も 首相 だ が 、 外務 官僚 が 訪 米 に 固執 した 理由 は 、 いったい 何 か 。 抑揚 の 乏しい 首脳 会談 模様 を 、 ここ 数 カ月 の 日 米 事務レベル の 活発な 往来 と 重ね合わせる と 、 ある 一 つ の シナリオ が 浮かんで くる 。 日 米 安保 体制 の 質的 転換 である 。 村山 首相 は 「 アジア ・ 太平洋 の 安定 と 秩序 に は 日 米 安保 が 必要だ 」 と 自ら 進んで 大統領 に 述べた 。 記者 会見 でも 同じ ように 強調 した 。 首相 は 事務 当局 が 日 米 安保 条約 の 意義づけ の 見直し に 取り組んで いる こと を 知ら ない はず が ない 。 それ なら 安保 の 再 規定 と 「 アジア ・ 太平洋 の 安定 と 秩序 」 は どう 関係 する の か 。 同 条約 は 第 六 条 で 米軍 の 日本 の 基地 使用 を 、 日本 と 極東 の 平和 と 安全に 限定 して いる 。 いわゆる 「 極東 条項 」 である 。 この 解釈 を めぐって 首相 の 属する 社会党 は 、 つい 最近 まで 国会 で 政府 に 論戦 を 挑んで きた 。 首相 が 安保 を アジア ・ 太平洋 の 安定 と 秩序 に 結び付けて 発言 する からに は 、 この 極東 条項 と の 関連 認識 が なければ おかしい 。 極東 条項 を 「 アジア ・ 太平洋 条項 」 に 改める と でも いう の か 。 それとも 事務 当局 が もくろんで いる ように 、 何らか の 形 で なし崩し を 図ろう と いう の か 。 一部 報道 に よる と 、 安保 条約 を 補足 する 新 宣言 を 練り 始めて いる と いう 。 首相 が どこ まで 自覚 を もって 発言 した か 、 今 は 「 想像 」 の 域 を 出 ない 。 しかし 、 これ は 日本 の 根幹 に かかわる 重大な 問題 である 。 まさか これ が 首相 の 言う 「 創造 的 パートナーシップ 」 で は ある まい と 思う のだ が 。 春闘 の 前哨戦 が スタート した 。 十二 日 、 日本 経営 者 団体 連盟 は 臨時 総会 を 開いた 。 そこ で 、 今年 の 春闘 に 向けた 基本 方針 を 確認 した 。 日本 労働 組合 総 連合 会 も 同日 、 拡大 中央 闘争 委員 会 を 招集 し 、 春闘 の ヤマ 場 を 設定 した 。 この 不況 が 始まって から 、 賃上げ 面 で は 、 経営 側 が 労働 側 を 抑え 込んで きた 。 経営 側 の 労務 対策 、 戦略 立案 本部 である 日経連 の 永野 健 会長 は 、 早くも 「 賃上げ ゼロ 」 方針 を 打ち上げて いる 。 三 年間 、 同じ スローガン を 掲げて 、 抑え 込み に 成功 して きた のである 。 日本 経済 を 立ち直ら せる に は 、 当分 の 間 、 賃上げ して は なら ない と 、 強調 して いる のである 。 同時に 総会 に 提出 さ れた 日経連 労働 問題 研究 委員 会 報告 「 日本 経済 の 再 活性 化 と 経営 者 、 労使 の 課題 」 は 言う 。 「 生産 性 、 支払い 能力 に 応じた 賃金 決定 」 「 雇用 、 労働 時間 、 賃金 を 一体 で 考えよ 」 「 物価 引き下げ に よる 実質 賃金 の 維持 、 向上 」 。 その 根底 に は 春闘 の 横 並び 賃上げ 方式 打破 が ある 。 そして 、 同 報告 を 貫く 基調 は 日本 が 、 全く の 高 コスト 国 に なって しまった と する 認識 だ 。 その 要因 と して 「 保護 、 規制 の 下 に ある 産業 の 生産 性 の 低 さ 」 「 まだ 高 すぎる 地価 」 「 これ ら を 中心 と する 経済 の ゆがんだ 構造 から 発生 する 円高 」 を 挙げる 。 一方 で 、 いまや だれ も が 日本 経済 の 成熟 化 を 言い 、 産業 の 空洞 化 を 指摘 する 。 規制 を 思い切り 緩和 する 。 市場 を 大胆に 開放 する 。 あらゆる 産業 を 国際 間 の 競争 に さらさ なければ 、 日本 経済 は 出口 なし 、 だ 。 これ ら の 主張 や 見解 が 、 当たって い ない と は 言わ ない 。 しかし 、 労働 者 が 好んで 現況 を 招いた ので は ない 。 労働 側 に 責任 が ある のだ と すれば 、 むしろ 、 大幅な 賃上げ を 獲得 できる 経済 情勢 に ある 時 に すら 、 労使 協調 に 走り 過ぎた 点 だろう 。 その 結果 、 抑制 的な 賃上げ に 終始 し 、 可 処分 所得 を 増やせ なかった 。 名目 賃金 は 上昇 の 一途 を たどった けれども 、 賃金 の 実質 感 は 乏しい 。 内需 が 活発 化 し ない 大きな 理由 である 。 では 、 この 状況 を どう 打開 する か 。 労働 側 と して は 、 目標 に できる だけ 近い 賃上げ を 獲得 して いく 以外 に ない 。 今 春闘 から 要求 を 率 表示 から 額 表示 に 切り替えた 連合 の 目標 は 、 定期 昇給 分 五千六百 円 を 含め 一万四千 円 獲得 である 。 昨年 は 五 ― 六 % の 要求 基準 に 対し 獲得 率 三・一三 % 。 春闘 史上 、 最低だった 。 率 表示 を 額 に 替えた の は 、 ベース の 高い 産業 と 低い 産業 が 同率 を 獲得 して も 、 賃金 格差 は 縮まら ない から だ 。 今年 は ベース の 低い 産業 の 底上げ が 目標 の 一 つ だ 。 だが 、 これ は 日経連 の 支払い 能力 論 と 真っ向 から ぶつかる 。 ベース の 低い 産業 の 多く は 、 支払い 能力 が 小さい 。 また 、 ベース の 高い けん引 役 の 産業 別 組合 が 抑え 込ま れた 場合 、 労働 側 の 免罪 符 に も なり かね ない 。 さらに 、 連合 は 他方 で 、 産業 別 労使 間 の 自決 を 強調 して いる のだ から 、 春闘 は 複雑 さ を 増して いる 。 もともと は 、 横 並び で 賃上げ を 目指す ため に 始まった 春闘 。 だが 、 四十 年 前 の スタート 時 と は 日本 も 大きく 変わった 。 春闘 の 在り 方 も 変化 して 当然だ が 、 少しずつ でも 実質 賃金 を 上昇 さ せ たい 。 質実な 暮らし を 続ければ 、 生活 の 質 を 一 歩 でも アップ できる 社会 。 春闘 本番 を 前 に 、 こういう 社会 を つくる 努力 を 労使 双方 に 強く 求める 。 今に 始まった こと で は ない が 、 言論 の 府 を 標榜 する 政界 なら 、 本来 、 言葉 に は 慎重である べきな の に いたって 無神経である 。 その 最たる もの は 「 リベラル 」 と いう 言葉 。 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら の 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 が 言う リベラル が 何 を 意味 する の か 、 当事 者 から の 正面切って の 説明 は いまだに ない 。 すでに この 新党 構想 が 胸突き 八 丁 な のに 、 である 。 山花 氏 や 社会党 の 久保 亘 書記 長 ら の 言動 から 非 自民 ・ 非 新進 の 総称 である こと は 分かる が 、 これ は アンチ 保守 と いう だけ で 、 積極 的な 意味 や 具体 的 内容 は 付与 さ れて い ない 。 小 選挙 区 比例 代表 並立 制 は 最終 的に は 二 大 政党 制 を 想定 して いる 制度 だ が 、 われわれ は 一気に そう なる こと に は ためらい を 感じる 。 とくに 自民党 と 新進党 を 両極 に 置く 二 大 政党 制 で は 、 まさしく 総 保守 体制 であり 多様 化 する 国民 の 要求 に 対応 でき ない ので は なかろう か 。 この 二 党 だけ で は すくい 切れ ない 国民 要求 を 政治 に 反映 さ せる ため の 第 三 極 の 存在 は 、 当面 必要であろう 。 その 意味 で の 新党 構想 に は 大きな 意義 が ある と 考える 。 しかし この 第 三 極 に 安易に リベラル なり 民主 リベラル と いう 言葉 を 冠する の は いかがな もの か 。 実は 政界 は 連合 時代 到来 前夜 から リベラル の 花盛り だった 。 護憲 新党 ・ あかつき の 上田 哲 氏 は 、 元祖 リベラル を 名乗り 、 田 英夫 氏 ら の 「 護憲 リベラル の 会 」 も あった 。 柿沢 弘治 前 外 相 は 自民党 時代 に 「 リベラルズ 」 を つくり 、 村山 政権 誕生 に 一役 買った の も 自社 両党 議員 に よる 「 リベラル 政権 を 創る 会 」 だった 。 こうした 思い思い の リベラル と どこ が 違う の か 。 リベラル の 深奥 に 立ち入る こと は 避ける が 、 その 意味 は 時代 と ともに 変遷 し 、 欧 米 で の 政治 用語 と して は 今や 一定 の 明確な イメージ が 付与 さ れて いる のである 。 さらに 複雑な の は 西欧 と 米国 で は 用法 が 違い 、 西欧 で は 社民 と 保守 の 間 に 確固たる 地歩 を 固めて いる の に 対し 、 米国 で は 民主党 が 先 の 中間 選挙 で 大 敗北 した こと から リベラル は 不評 な の が 現状 だ 。 民主 リベラル 新党 を 目指す 人々 は 独り善がりに 「 だ から 日本 型 リベラル も あり 得る 」 と 言う が 、 リベラル は 具体 的 イメージ が 伴う もの だけ に 新進党 が ニューフロンティア と 名乗る ような 無邪気な こと で は すまない のである 。 そもそも この 新党 構想 を 不透明に して いる の は 、 純粋に 第 三 極 を 考えて いる 議員 だけ で なく 選挙 区 事情 から 新進党 の 応援 を 得よう と して いる 議員 が 存外 多く 、 それ に 社会党 と 旧 民社党 の また裂き 解消 を 急ぐ 連合 の 思惑 が 重なる ことだ 。 逆に 社会党 本体 の 生き残り 策 と して の 看板 の 書き換え と いう 姑息な 思惑 も 見え隠れ して いる 。 そして 姑息 と いえば 最も 姑息な の が リベラル を 定義付け ない まま に 使う こと で は ない だろう か 。 数 合わせ の ため 、 あえて リベラル の 肉付け を せ ず に 各人 の 勝手な 解釈 に ゆだねて いる 、 と 勘繰り たく なる ほど だ 。 当初 は 「 社民 リベラル 」 と 呼称 さ れて いた のに 「 社会党 色 が 濃い 」 と 、 いつの間にか 「 民主 リベラル 」 に 。 そして 「 市民 リベラル 」 と いう 言葉 まで 飛び出し 、 リベラル の 定義付け から ますます 遠のく の は 一体 何 を 意味 して いる のだろう か 。 メキシコ の 通貨 危機 が 世界 の 為替 市場 に 大きな 波紋 を 広げて いる 。 米 政府 や 国際 金融 機関 など に よる 百八十億 ドル の 支援 計画 が 出さ れた が 、 市場 が 鎮まら ず 、 欧州 、 アジア に 飛び火 した 。 米 政府 と 米 連邦 準備 制度 理事 会 は 、 四百億 ドル の 融資 ・ 資金 調達 保証 を 約束 、 一方 、 メキシコ 政府 も 融資 保証 の 担保 に 石油 収入 を 充てる こと を 表明 した ため 、 先週 末 の 市場 は やっと 落ち着き を 取り戻す こと が できた 。 メキシコ 通貨 危機 に は 、 輸入 が 増え 、 貿易 赤字 が 増大 した こと に 加え 、 国 内 の 政治 不安 が 背景 に ある 。 だが 、 最大 の 理由 は 、 外貨 準備 が 減り 、 対外 債務 の 支払い の 金繰り が 苦しく なった ことだ 。 その 意味 で は 、 一九八二 年 夏 の メキシコ 債務 危機 と 状況 が 異なる 。 当時 は 財政 赤字 が ひどく 、 インフレ は 悪化 し 、 経済 全体 の 構造 が 問題 だった 。 その後 、 財政 赤字 、 インフレ は 著しく 改善 した 。 今回 は 、 流動 性 の 問題 に とどまる 公算 が 大きく 、 メキシコ へ の 支援 は 、 よそ の 国民 の 税金 まで 使う 事態 に なら ないで 済み そうだ 。 世界 の 通貨 ・ 金融 市場 は ますます 一体化 し 、 マネー の 流れ は 激しい 。 メキシコ の 通貨 当局 が 、 インフレ を 防ぐ ため 、 通貨 ペソ の 水準 を 現実 より 高 めに 維持 した 為替 政策 が 、 市場 の 激しい 逆襲 に 遭った と いえる 。 だが 、 問題 は 通貨 不安 が メキシコ だけ に とどまら ず 他の 南米 諸国 、 さらに スペイン 、 イタリア 、 それ から タイ 、 香港 と アジア まで 波及 した こと である 。 つまり 、 通貨 不安 は 局地 的な 現象 で なく 、 通貨 当局 が 協調 して 対応 し なければ なら ない こと を 裏付けて いる 。 世界 経済 は 冷戦 後 の 東西 融合 で 、 九〇 年 から 九二 年 まで 中国 など の 東側 の 景気 が 先行 し 、 その後 、 米国 、 欧州 、 日本 の 回復 が 続き 、 いまや 世界 の 同時 好況 局面 を 迎え つつ ある 。 そこ で 生じて きた の は 、 資金 の ひっ迫 である 。 米国 の 財政 赤字 の 穴埋め の ファイナンス は 、 一 時 は 直接 投資 で 賄わ れて きた が 、 その パイプ が 細って アジア など の 中央 銀行 の ドル買い が 償い 、 今では 短期 金融 市場 で の 取り入れ が 中心 に なって いる 。 つまり 、 世界 の 同時 景気 は 、 マネー の 争奪 を 激しく して いる わけである 。 メキシコ の 通貨 危機 も 、 これ まで 経常 収支 の 赤字 を 賄って きた 米国 から の 資金 流入 が 細り 、 逆に 資本 逃避 に 見舞わ れた こと が ある 。 だから 、 先進 七 カ国 蔵 相 ・ 中央 銀行 総裁 会議 を 早い 機会 に 開き 、 情勢 を 分析 して 、 協調 した 対応 策 を 用意 す べきだ 。 わが国 の 通貨 当局 も 、 貯蓄 過剰 国 で 外貨 準備 が 潤沢 だけ に 、 積極 的に 協力 す べきだ 。 通貨 不安 が 円高 に つながった ように 、 こうした 状況 は 日本 経済 の ため に も マイナス である 。 日本 自身 の ため に も 、 G 7 で リーダーシップ を 発揮 して ほしい 。 メキシコ の 金融 支援 に 対して は 、 北米 自由 貿易 市場 を 防衛 する ため に も 、 米国 が 主要な 役割 を 果たす の は 当然だ 。 日本 も 応分 以上 の 公的 支援 が 必要だ 。 流動 性 の 問題 だけ に 、 積極 的に 対応 す べきだ 。 しかし 、 メキシコ 政府 から 日本 の 民間 銀行 へ の 支援 要請 に 対して は 、 民間 銀行 自身 が 中 長期 に 判断 する 問題 であり 、 通貨 当局 に よる 押し付け は 好ましく ない 。 この ところ 子ども の 自殺 が 相次いで いる 。 誠に 痛ましい こと だ 。 自殺 の 原因 は 、 いじめ など 子ども に よって さまざまだ が 、 先日 明らかに なった 大阪 府 羽曳野 市 の 中学 二 年 女子 の 自殺 は 、 ソフトボール 部 の 顧問 教師 から 厳しい 指導 を 受けた の が 原因 だった 。 学校 側 も その 責任 を 認める 文書 を 親 に 渡して いる 。 この 自殺 に 関連 して 、 二 つ の 問題 点 を 指摘 し たい 。 一 つ は 、 クラブ 活動 が 勝利 至上 主義 に なって い なかった か 、 と いう ことだ 。 この 中学校 の ソフトボール 部 は 、 かつて 西 日本 大会 で 優勝 した こと の ある 強豪 チーム だった と いう 。 その 伝統 を 守ろう と して 厳しい 指導 が 行わ れて いた ようだ 。 自殺 した 女子 生徒 は 捕手 で 副 キャプテン と して チーム の 中心 選手 だった が 、 練習 試合 で 送球 ミス を した ため 交代 さ せ られ 、 罰 と して グラウンド わき で 滑り込み の 練習 を さ せ られた 。 その うえ 「 明日 の 公式 試合 に は 出 なくて ええ 。 背番号 も 返せ 」 と 言わ れた と いう 。 それ が 自殺 の 引き金 に なった のだった 。 部 の 顧問 教師 の 厳しい 指導 で 部員 が 自殺 した ケース は ほか に も ある 。 一九八五 年 、 岐阜 の 県立 高校 二 年 の 女子 陸上 部員 は 「 記録 が 悪い 」 など と ヤリ 投げ の ヤリ で 顔 に ミミズ ばれ が できる ほど 殴ら れたり して 「 もう これ 以上 、 逃げ道 は あり ませ ん 」 と の 遺書 を 残して 自殺 して いる 。 この 部員 は 県下 ナンバーワン の ヤリ 投げ 選手 で 、 将来 が 期待 さ れて いた 。 顧問 教師 も インタカレッジ の ヤリ 投げ で 優勝 した 経歴 を 持ち 、 全国 レベル の 選手 を 育成 して いた 。 中学 、 高校 の 運動 部 が 勝利 を めざして 頑張る の は 、 ごく 自然の こと だ 。 しかし 、 行き 過ぎた 指導 は 慎ま なければ なら ない 。 ある スポーツ 精神 医学 者 は 、 休日 も 返上 して の 激しい 練習 に より 精神 や 体調 に 異常 を 来す 「 オーバートレーニング症候群 」 に 陥る 選手 が いる と 警告 して いる 。 文部 省 は 新 年度 から 中学 、 高校 の スポーツ 活動 の 実態 調査 を 行い 、 望ましい あり 方 を 検討 する が 、 生涯 を 通じて 楽しめる スポーツ を 身 に 着け られる 部活 動 に して ほしい もの だ 。 今度 の 自殺 の 、 もう 一 つ の 問題 点 は 、 教師 の 言葉 だ 。 顧問 教師 は 「 試合 に 出さ ない 。 背番号 も 返せ 」 と 存在 を 否定 する ような 、 きつい 言葉 を 吐いて いる 。 この ため 彼女 は 「 あんな 顧問 と 一緒 やったら 、 好きな ソフトボール も きらいに なる 」 と 遺書 に 書き残して いる 。 教師 が 生徒 の 楽しみ を 奪い 、 結果 と して 生命 まで 奪った こと に なる 。 岩手 県 教組 が かつて 中学生 、 高校 生 に 「 二度と 先生 に 言って ほしく ない 言葉 」 を アンケート したら 「 お前 は バカな んだ 」 「 もう学校 へ 来る な 」 「 お前 なんか 死んで しまえ 」 「 顔 など 見 たく も ない 」 と いった 言葉 が 挙げ られた 。 子ども の 心 を 傷つける 教師 の 無神経な 言葉 が 、 子ども を 登校 拒否 に 追いやったり 、 いじめ の 対象 を 作り出す こと に も なる 。 今回 の ように 死 へ 追い詰める こと も あり 得る のだ 。 教師 や 親 は 子ども を 否定 する ので は なく 、 その 子 の 良 さ 、 持ち味 を 見つけて 伸ばして やる ことだ 。 それ が 、 子ども に 生きる 希望 と 目標 を 与える こと に なる はずだ 。 その 一方 で 、 厳し さ 、 つら さ に 耐える 力 を つけて やる こと を 忘れて は なら ない 。 地球 規模 の 環境 保護 から 高齢 化 社会 の 福祉 問題 まで 、 ボランティア に よる 市民 活動 が 年々 増えて いる なか 、 市民 ら が 作る 草 の 根 組織 に 、 米国 の 民間 非 営利 組織 と 同じ ような 法人 格 を 与えて 社会 的に 認知 する と 同時に 、 税 の 優遇 措置 で 財政 的 基盤 を 確立 さ せる 機運 が 高まって いる 。 日本 社会 の 成熟 化 と 豊かな 社会 の 創出 に は 市民 の ボランティア 活動 が 不可欠である と の 立場 から 、 私 たち は 草 の 根 組織 に 対する 法人 格 取得 条件 の 緩和 へ 積極 的な 取り組み を 政府 に 望み たい 。 全国 に 無数に ある と いって いい ボランティア 組織 の ほとんど が 任意 団体 であり 、 法人 格 を 持て ない 点 が 規模 拡大 の 大きな 壁 と なって いる 。 いわゆる 民法 法人 である 財団 法人 、 社団 法人 と も 、 多額な 基本 金 ほか の 厳しい 条件 が あって 、 なかなか 法人 格 は 取得 でき ない 。 たとえ 取得 できて も 主務 官庁 の 監督 を 受ける ため 、 行政 に 注文 を つける 機会 が 多い 市民 団体 に は そぐわない 面 が 強い 。 人材 の 確保 も 社会 的 認知 が ない ため 困難 を 伴い 、 確保 できて も 社会 保険 が 使え ない うえ 、 事務 所 や 備品 は 個人 名義 の ため 死亡 した 場合 は 相続 税 の 問題 が 出て いる の が 実情 だ 。 この ため 収益 が 出る 事業 部分 を 株式 会社 や 有限 会社 に して 本来 の 非 営利 部門 が 事務 所 など を 借りる 形式 を とって いる 団体 も あり 、 営利 を 目的 と する 会社 名 と 非 営利 の 組織 名 の 看板 が 並ぶ 矛盾 が 現実 に 起きて いる 。 そこ で 米国 社会 の 活性 化 で 強い 原動力 に なって いる と 評価 の 高い NPO 法 の 存在 が 注目 を 浴びた 。 同法 は 利益 を 設立 者 や 出資 者 ら に 分配 せ ず 、 すべて 活動 の 目的 に 再 投資 する 非 配当 を 原則 に 、 名称 や 責任 者 名 など を 書き込んだ 簡単な 書類 を 州 政府 に 提出 する か 郵送 すれば 数 日 の 審査 で 認可 が 下りる 民間 法人 の 制度 で 、 全 米 で 登録 団体 は 約 百万 と いわ れる 。 州 税 、 連邦 税 と も 免税 措置 が とら れ 、 より 公益 性 の 高い 約 五十万 の 団体 に 対する 寄付 金 は 所得 から 控除 を 受け られる システム だ 。 この 米国 の 例 を 参考 に し つつ 、 我が国 でも 「 総合 研究 開発 機構 」 が 行政 や 企業 で 対応 し にくい 問題 に 取り組む 市民 活動 の 組織 を 第 三 の 力 と して 位置付けた 「 市民 公益 活動 基盤 整備 に 関する 調査 研究 」 を 進め 、 「 民間 公益 活動 基本 法 」 の 制定 を 提案 する 一方 、 新党 さきがけ が 法案 作り の 検討 プロジェクト を 発足 さ せた 。 大阪 でも 今月 下旬 に 国際 シンポジウム が 開催 さ れる 。 こうした 動き に 対して 政府 の 反応 は まだ 表立って 出て い ない 。 諸 官庁 の 権限 を 結果 的に 奪う ため 、 ほか の 規制 緩和 と 同様に 官僚 の 抵抗 も 小さく ない だろう 。 免税 措置 に よる 税収 減 、 あるいは 脱税 の 温床 に なる 恐れ が ある 、 と いった 議論 も 起きよう 。 当然 ながら 、 米国 の 制度 を そのまま 直輸入 する だけ で 問題 の 解決 に は なら ない 。 もとより 市民 団体 も 社会 的 責任 を より 自覚 して 行政 の 下請け 的な 存在 から 脱皮 して 政策 提案 を 行う 組織 力 の 強化 も 必要である 。 しかし 、 住民 参加 なく して 近未来 に 迫った 高齢 化 社会 は 成立 し 得 ない こと を 十分に 認識 し 、 政策 の 根本 的な 転換 が より 重要である 。 株式 会社 など の 営利 組織 より も 、 善意 の 非 営利 団体 の 方 が 法人 格 の 取得 が 困難である 矛盾 は 、 一 日 も 早く 解消 し なければ なら ない 。 クリントン 米 大統領 は 、 任期 の 折り返し 点 を 迎え 、 大統領 再選 へ の 大きな 試練 に 直面 して いる 。 新年 早々 に 、 米 CNN テレビ と タイム 誌 が クリントン 大統領 に 関する 世論 調査 結果 を 発表 した 。 それ に よる と 、 来年 の 米 大統領 選挙 で 、 クリントン 大統領 が 再選 さ れる と みて いる 国民 は 、 わずか 二四 % で 、 再選 は 無理 と の 見通し が 、 実に 六五 % に も 達した のだった 。 さらに 、 四 日 から スタート した 新しい 米 連邦 議会 が 、 クリントン 大統領 に 新たな 改革 を 迫って も いる 。 ニュート ・ ギングリッチ 新 下院 議長 の スローガン は 、 「 小さな 政府 」 である 。 ギングリッチ 議長 は 、 議会 初日 から 常任 委員 会 や 小 委員 会 の 削減 と 委員 会 スタッフ の 大幅 縮小 の 議会 改革 を 断行 し 、 クリントン 大統領 に 挑戦 状 を 突き付けた 。 共和党 は また 、 財政 均衡 の ため の 憲法 修正 、 福祉 改革 、 七 年間 で 一兆 ドル の 歳出 削減 、 行政 改革 など の 国家 改造 政策 の 実施 を 迫って いる 。 ギングリッチ 議長 は 、 議会 開会 から 百 日 目 に 当たる 四 月 十三 日 まで に 、 この 改革 案 実施 に メド を つける と 明言 して いる 。 こうした 行政 府 と 議会 の 対立 を 、 米 政治 の 多難な 幕開け 、 あるいは 混迷 と 受け止める べきで は ある まい 。 むしろ 米 政治 の ダイナミズム 、 と 見る べきだろう 。 行政 府 と 議会 の 緊張 関係 が 、 政治 と 改革 の 活力 に なって いる 。 国民 の 意向 が 、 政治 に 頻繁に 反映 さ れる システム が 、 活力 を 持続 さ せて いる 。 そして 、 この 活力 が 米 政治 を 常に 改革 に 取り組ま せ 、 国民 の 意向 に 沿った 変革 を 恐れ ない 気概 を 生み出して いる 。 もちろん 米国 の 政治 が 、 世論 調査 や 人気 に 大きく 影響 さ れる 弊害 も 、 指摘 さ れて は いる 。 政治 家 が 、 国民 へ の 人気 取り 政策 を 優先 し がちだ から だ 。 クリントン 大統領 は 、 昨年 の 中間 選挙 の 敗北 を 受け 、 年 末 に 急ぎ 中間 層 減税 策 を 発表 した 。 これ は 、 財政 赤字 削減 を 政策 の 柱 に して きた クリントン 大統領 の これ まで の 政策 を 変更 する もの で 、 人気 取り の ため と み られて も 仕方 の ない 決断 である 。 米国 で は 、 政権 と 議会 の 主導 権 を 民主党 と 共和党 で 分け 合う 、 「 権力 分担 」 が 、 戦後 政治 の 伝統 に なって いる 。 共和党 政権 時代 に は 、 議会 の 指導 権 を 民主党 が 握って きた 。 これ は 、 米国 民 の 政治 に 対する バランス 感覚 の 表明 で も あった 。 クリントン 大統領 は 「 変化 」 を 旗印 に 、 大統領 に 当選 した 。 これ まで の 二 年間 に 、 米国 の 景気 は 回復 し 、 北米 自由 貿易 協定 も 順調に 運営 さ れて いる 。 財政 赤字 削減 へ の 取り組み は 、 高く 評価 できる 。 それなのに 、 なお 国民 の 支持 率 が 上がら ない の は なぜ か 。 次 から 次に 出て くる スキャンダル へ の 嫌気 と 、 外交 政策 の 不手際 が 、 その 理由 と して 挙げ られて いる 。 また 、 公約 の 医療 保険 改革 も 実現 困難な 状況 に 追い込ま れた 。 国民 に 、 収入 が 増えた 実感 が ない と いわ れる 。 しかし 、 湾岸 戦争 で 絶大な 支持 率 を 誇って いた ブッシュ 大統領 の 人気 が 急落 した ように 、 米国 の 世論 は 、 極めて うつろい やすい 。 だから 、 クリントン 大統領 が 、 所得 増 の 実感 を 国民 に 与え 外交 手腕 を 発揮 できれば 、 人気 が 回復 する 可能 性 は なお 残さ れて いる 。 「 自民党 が 政権 を 降りた の は 腐敗 の 続発 や おごり であり 、 国民 に 『 自民党 は 反省 した 』 と 認めて もらう こと が 政権 復帰 の 第 一 条件 だ 」 一昨年 九 月 、 三十八 年 に わたる 「 一 党 支配 」 に 終止符 が 打た れ 、 下野 した 直後 に 開か れた 自民党 の 臨時 党 大会 で 河野 洋平 総裁 は 党 の 自浄 能力 強化 を 強調 し 、 出直し を 誓った 。 派 闘 の 領袖 で も ない 河野 氏 が 党 再生 の 旗手 と して 総裁 に かつぎ出さ れた ところ に 、 自民党 の 危機 感 が 如実に 表れて いた し 、 大会 に は 党 基本 路線 の 見直し 、 自浄 能力 の 強化 、 派 闘 の 解消 、 定年 制 導入 の 是非 など 数多く の 党 改革 の 検討 課題 が 提起 さ れた 。 あれ から 一 年 五 カ月 が 経過 した 。 この 間 、 自民党 は 野党 を 十 カ月 経験 した だけ で 政権 に 復帰 、 いま 連立 与党 と して 村山 政権 を 支えて いる 。 その 自民党 が 十九 日 に 定期 党 大会 を 開く 。 だが 、 河野 総裁 が 悲壮な 決意 で 所属 国会 議員 、 党員 と ともに 誓った 党 再生 へ の 取り組み は 実行 さ れた のだろう か 。 反省 の 実 が あって の 政権 復帰 だった のだろう か 。 大会 に は 、 党 基本 問題 調査 会 が まとめた 党 再生 を 目指す 「 党 の 理念 」 「 新 綱領 」 「 新 宣言 」 など 基本 文 書案 が 提案 さ れる が 、 はっきり 言って 党 再生 と は 縁遠い 、 緊張 感 も 迫力 も 乏しい 文言 の 羅列 である 。 焦点 であった 憲法 に 関する 扱い は 当初 、 改憲 色 を 薄めた 答申 が 出さ れた 。 私 たち は 、 同じ 連立 の パートナー である 社会党 、 さきがけ と の 垣根 を 低く する ため の 党略 的 色彩 が 濃厚な 点 に 疑問 を 呈し つつ も 、 対立 軸 の 不鮮明な 政界 再編 が 進行 する 中 で 、 対立 軸 を 明確に しよう と した 自民党 の 決断 を 評価 した 。 しかし 、 その後 、 改憲 派 の 巻き返し 、 護憲 派 の 反発 など で 字句 修正 が 二 転 三 転 、 結局 は 両者 の 主張 を 突き合わせた 玉虫色 表現 で 決着 した 。 その ため 自民党 が 憲法 論議 に どう 取り組む の か 全く 分から なく なった 。 こうした あいまい さ は 三 基本 文書 や 党 改革 に おしなべて 共通 する 。 党 改革 で は 、 党 の 永遠の 課題 である 派閥 解消 の 断行 が 打ち出さ れ 、 昨年 十二 月 、 すべて の 派閥 が その 看板 を 降ろし 、 事務 所 を 閉鎖 した 。 だが 、 「 政策 、 親ぼく グループ は 派閥 と みなさ ない 」 と した ため 、 続々 と 政策 集団 が 生まれた 。 何の こと は ない 、 派閥 が 政策 集団 に 衣替え した だけ で 、 活動 ・ 機能 は 従来 通り だ 。 何より も 厳しく 指摘 して おか なければ なら ない の は 、 河野 総裁 が あれほど 力説 した 、 党 の 金権 腐敗 体質 に 徹底 的に メス を 入れ 、 自浄 能力 を 高める ため の 具体 的 措置 が ほとんど 手つかず に なって いる ことだ 。 総じて 、 野党 転落 時 に 党 を 覆った 危機 感 と 、 党 再生 に かける 熱気 は 、 政権 復帰 し 、 のど元 を 過ぎて から すっかり 消えうせた 感 が ある 。 代わって ぎらつき 出した の は 権力 維持 へ の 執着 、 予算 編成 で 露出 した 族 議員 の 全面 復活 、 九 月 の 総裁 任期 切れ を にらんで の 派閥 次元 の うごめき など 旧来 の 自民党 の 再現 である 。 いったい 自民党 は 野党 転落 から 何 を 学んだ の か 。 学んだ の が 政権 の ありがた さ だけ であって は 、 またぞろ おごり と 腐敗 の 続出 と なる の は 目に見えて いる 。 自民党 は 、 党 の 現状 を 厳しく 認識 し 、 党 大会 を 党 再生 、 党 改革 を 誓った 原点 に 立ち返って 徹底 討議 する 場 と し なければ なら ない 。 救助 活動 が 進む に 従い 、 新たな 被害 が 分かり 、 被害 実態 は 拡大 する 。 信じ られ ない ような 数 の 死者 、 負傷 者 、 行方 不明 者 が 出て いる 。 神戸 市 内 の あちこち で 燃え広がった 火 の 手 は 断水 で 消火 も まま なら ず 、 焼失 面積 は 百 ヘクタール 以上 に なった 。 二十万 人 が 避難 生活 を 余儀なく さ れて いる 。 肉親 を 失い 悲しみ に くれる 人 、 行方 の 分から ない 肉親 の 安否 を 気遣う 人 、 わが家 の 燃える の を ぼう然と 眺め ざる を 得 ない 人 …… 。 そうした 方々 の 心情 は 察する に 余り ある 。 過密 都市 を 襲った 阪神 大 震災 。 「 どうして こんな 事態 に 」 と 、 被災 地 だけ で なく 全国 の だれ でも が こんな 思い に あろう 。 被害 実態 の 分析 、 被害 が これほど 拡大 した 原因 の 究明 など は 当然 急が なければ なら ない 。 ただ 、 当面 は 人命 救助 を 最 優先 し 、 行方 不明 者 の 捜索 、 被災 者 の 救援 に 政府 は 全力 を 注いで ほしい 。 地震 被害 から 免れた 他 の 都道府県 も 救助 、 救援 に 力 を 貸す べきであろう 。 地震 列島 の 宿命 と して 「 明日 は 我が身 」 な のだ から 。 ただ 、 今回 の 地震 後 の 現地 の 姿 を 見て 不安 を 募ら せて いる 国民 は 多い はずだ 。 まる 一 日 以上 経過 して も 、 神戸 市 内 の あちこち で 依然 、 煙 が 立ち上って いる 。 ガレキ の 下 に は 行方 不明 者 が いる と いわ れ ながら 、 手つかず と いう 有り様 だ 。 被災 者 へ の 食料 も 十分に 届か ず 、 飢え の 心配 すら 出て いる 、 と いう 。 上下 水道 、 電気 、 ガス 、 通信 、 交通 など の ライフ ライン も ズタズタ の まま だ 。 とても 「 経済 大国 ニッポン 」 の 光景 と は 思え ない 。 いったい 、 災害 発生 時 の 的確な マニュアル を 政府 は 持って いた の か 、 と 疑問 すら 起きる 。 政府 は 地震 直後 、 直ちに 非常 災害 対策 本部 を 設置 し 、 村山 富市 首相 は 「 緊急 、 迅速な 対策 」 を 指示 した と いう 。 自衛 隊 も 三 部隊 を 直ちに 神戸 地区 に 派遣 して いる 。 対応 が 遅れた と は 考え ない 。 しかし 、 援助 物資 を 運ぶ トラック が 被災 地 へ の 途中 で 足止め を 食ったり 、 燃える に 任せた か の ような 火勢 など を 見せつけ られる と 、 もっと 的確な 措置 は なかった の か 、 と 思わず に い られ ない 。 地震 が 避け られ ない 列島 である 。 都市 構造 も 一朝 一夕 に は 改造 でき ない 。 とすれば 、 被害 を 考慮 した うえ で の 事後 対策 は 常に 心す べき テーマ であろう 。 的確な 救助 、 救援 に つながる 政府 の 指揮 命令 系統 の 確立 、 都道府県 と の 活動 分担 、 活動 手順 …… 。 「 危機 管理 」 「 有事 政策 」 と いった マニュアル を 整備 し 、 常に 訓練 して おか なければ なら ない 。 それ が できて いた の か どう か 疑問 だ 。 今回 、 政府 関係 者 の 口 から しばしば 出る 言葉 に 「 予想外の 揺れ 」 「 予測 を 上回る 力 が 働いた 」 と いう の が ある 。 甚だ 気 に なる 。 災害 は すべからく 天災 で 「 行政 に 落ち度 は ない 」 と 言わんばかり だ 。 事実 、 予想 を 超える ケース だった と して も 、 それ は 予想 の 立て 方 に 問題 が あった ので は ない か 。 人知 に も 限界 が あろう 。 だ と したら 、 もっと 自然 に 対して 謙虚に なった 予測 が あって も よかった 。 その 予想 ・ 予測 に 関して 言えば 、 多く の 人 が 衝撃 を 受けた の は 、 「 地震 国 である が ゆえ に 、 建造 物 の 耐震 構造 は 世界 の トップ 」 と 聞か さ れ 続けた 安全 へ の 信頼 が 、 大きく 揺らいだ ことだ 。 ことに 、 関東 大 震災 クラス が 起きて も 大丈夫 と さ れて いた 高速 道路 の 高架 が 崩壊 し 、 技術 大国 の 粋 を 集めた 新幹線 の 橋りょう が 崩れた こと は 、 地震 へ の 恐怖 ・ 不安 を 一層 駆り立てて いる 。 昨年 一 月 の ロサンゼルス 地震 で は 高速 道路 が 崩壊 し 、 大 災害 を もたらした 。 政府 は 調査 団 を 派遣 し 、 二 月 に は 報告 書 を まとめて いる が 、 その 結論 は 「 得る べき 教訓 は なく 、 日本 の 構造 物 は 安全 」 であり 、 米国 の 基準 の 甘 さ を 指摘 した だけ だった 。 過信 が あった ので は ない か 。 耐震 性 に ついて は 細心の 上 に も 細心の 注意 を 払って 再 検討 し 、 早急な 対策 を 望む 。 大きな 地震 が この ところ 、 不気味に 続く 。 一昨年 一 月 の 釧路 沖 、 同 七 月 の 北海道 南西 沖 、 昨年 十 月 の 北海道 東方 沖 、 その 二 カ月 後 の 三陸 はるか 沖 地震 など 、 わずかな 間 に 四 回 も あった 。 こうした 中 で 地震 学 者 の 間 から 「 地震 の 静穏 期 は 過ぎ 、 活動 期 に 入った 可能 性 が ある 」 と いう 指摘 も あった が 、 これ を 契機 に した 積極 的な 地震 対策 が 政府 に おいて 取ら れた 形跡 は ない 。 たまたま 四 回 と も 過密 都市 を 襲わ ず 、 しかも 震源 地 が 陸地 から 離れて いた こと から 慢心 が あった ので は ない か 。 活動 期 の 予想 は 不気味に 実証 さ れ つつ ある 。 「 直下 型 地震 が 切迫 して いる 」 と 指摘 さ れて いる 南 関東 地域 に ついて は 、 差し迫った 対応 が 求め られる 。 関東 大 震災 クラス の 地震 が 起きた 場合 の 被害 想定 を 東京 都 は 四 年 前 に 行って いる 。 それ に よる と 、 都 内 で 死者 九千四百 人 、 負傷 者 十四万 人 に 達する 。 建物 の 四〇 % が 損傷 を 受け 、 三百万 人 が 避難 生活 を 強い られる 、 と いう 。 しかも 当時 と して は 「 高速 道路 は 崩壊 し ない 」 が 前提 だった 。 阪神 大 震災 の 後 の 今 、 その 抜本 的 見直し が 迫ら れる 。 一九四八 年 に 死者 三千七百 人 余 を 出した 福井 地震 に 次ぐ 戦後 二 番 目 の 歴史 的 災害 である 。 繰り返し に なる が 、 まず 、 被災 地 で の 救助 、 救援 、 さらに は ライフ ライン の 早期 修復 に 全力 を 傾ける べきである 。 その うえ で 、 多く の もの を 学び取ら なければ なら ない 。 しかも 、 猶予 は ない 。 阪神 大 震災 は 発生 から 三 日 を 経過 し 、 なお 被害 の 全容 が つかめ ない 。 膨大な 数 の 行方 不明 者 の 安否 が 確かめ 切れ ず 、 生き埋め に なった 人 の 救助 が 続く 。 新たな 火災 が 発生 し 、 余震 も 絶え ない 。 被害 は 継続 ・ 拡大 して いる のだ 。 倒壊 家屋 の 下 で 三 日間 も 頑張り 、 救出 さ れた 人々 が いた 。 絶望 して は なら ない 。 が 、 一刻 を 争う 。 救出 が 一 人 でも 多い よう 、 関係 機関 は 使い うる 手段 を すべて 尽くす べきだ 。 兵庫 県 内 で は 、 十九 日 夜 も 三十万 人 近く が 避難 生活 を 続け 、 水 、 食料 と 暖房 の 枯渇 に 疲労 を 深めて いる 。 三十万 都市 ひと つ が そっくり 壊滅 した の と 同様の 事態 が 進行 中 な のだ 。 被災 者 の 心身 の 疲労 と いう 被害 に 援助 の 手 を 差し伸べ 、 当面 の 衣食住 を 支える こと は 、 人命 救助 と 並ぶ 最 重要 課題 である 。 政府 、 自治 体 、 関係 機関 は もちろん 、 民間 の 企業 や 被災 地 以外 の 市民 を 含む 国民 的な 救援 態勢 の 構築 が 必要 と なって いる 。 その ため に は 、 まず 政府 の 強力な リーダーシップ を 求め たい 。 被災 地 に 入った 村山 富市 首相 は 、 道路 に 噴き出した 水道 水 を すくい取って 飲む 姿 や 三 人 で 一 個 の おにぎり を 分け 合う 事態 を 見聞き した はずだ 。 「 あらゆる 手 を 尽くす 」 と の 約束 実現 に 、 すぐ 取りかかる べきだ 。 兵庫 県 内 の 暗やみ の 中 で 、 人々 が 水 と 食べ物 の 不足に 苦しんで いる 同じ 夜 、 隣接 した 大阪 の 繁華街 で は ネオン が 光り 、 飲食 店 は にぎわって いる 。 水 も 食料 も 、 被災 地 を 離れる と ふんだんに ある 。 これ が 、 戦災 の 避難 生活 と の 違い だ 。 幸い 、 水 や 食料 、 医薬 品 、 生活 物資 の 提供 が 、 民間 の 企業 や 市民 から も 相次いで いる 。 政府 や 全国 の 自治 体 が 送り出す 物資 も 膨大な 量 に なり つつ ある 。 問題 は 、 これ ら 救援 物資 を 早急に 被災 地 へ 届け 、 住民 に 効率 よく 配分 する システム が 十分に 機能 して い ない 点 である 。 モノ は あって も 、 被災 者 の 今日 の 暮らし を 支え られ ない 状況 を 何とか 打開 でき ない か 。 被害 を 免れた 一般 道路 が 絶望 的に 渋滞 し 、 救援 物資 が 各所 で 立ち往生 して いる 。 救出 ・ 救援 用 車両 の 優先 策 など は 一部 始まった が 、 まだ 十分で ない 。 法律 上 さまざまな 制約 は あろう が 非 常時 である 。 陸 、 海 、 空 の 物資 搬入 ルート 確保 に さらなる 努力 を 望み たい 。 その うえ で 、 必要な 物資 を 全 被災 者 に 早く 、 平等 ・ 有効に 配分 する システム を 工夫 す べきだ 。 避難 生活 が 長引く に つれ 、 トイレ や ふろ の 不足 も 深刻に なって いる 。 ほか に も 課題 は 山積 して いる 。 地元 自治 体 に 対する 、 政府 や 全国 自治 体 の 支援 なし に は 、 到底 対応 でき まい 。 全国 の 人 たち が 「 何 か 手助け を し たい 」 と 思って いる 。 神戸 市 が 専門 知識 を 持つ 民間 ボランティア を 募集 した ところ 、 各地 から 大変な 人数 の 応募 が あった 。 食料 や 生活 用品 を 背負って 、 徒歩 や 自転車 で 神戸 に 向かう 市民 ボランティア の 姿 も 目立つ 。 諸 外国 と 国連 から 、 応援 の 申し入れ が 相次いで いる 。 このような 励まし が 、 被災 者 を どれ だけ 元気づけて いる こと か 。 助け合い 、 声 を 掛け合う 被災 者 の 姿 が 、 全国 の 感動 を 呼び 、 激励 の 輪 を 広げて いる 。 市民 、 企業 、 外国 、 すべて の 善意 を 生かし たい 。 多く の 物資 と 善意 が 被災 者 の 元 に 届き 、 役立つ 態勢 の 確立 を 願わ ず に は い られ ない 。 通常 国会 が 二十 日 召集 さ れる 。 政府 、 与野党 は 何より も まず 阪神 大 震災 の 災害 復旧 対策 に 総力 を 挙げて 取り組み 、 被災 者 の 方々 が 一 日 も 早く 避難 生活 を 脱し 安定 した 日常 生活 を 取り戻せる よう 万全の 措置 を 講ずる と ともに 、 今回 の 震災 の 教訓 を 生かした 抜本 的な 地震 、 防災 対策 の 確立 に 努める べきだ 。 今年 の 政治 の 最大 の 特徴 は 「 選挙 の 年 」 と いう 点 に ある 。 今 国会 会期 中 に 統一 地方 選 が あり 、 七 月 に は 参院 選 が 行わ れる 。 さらに 時期 は 未定だ が 、 新 選挙 制度 下 で 初 の 総 選挙 が 行わ れる 可能 性 が 高い 政治 情勢 と なって いる 。 今 国会 は 「 三 大 選挙 」 の 政治 決戦 を にらんで 与野党 が 真っ向 から 激突 する 主 舞台 と 位置づけ られる 。 国会 開幕 に 当たって 与野党 に 注文 して おき たい の は まず 、 一九九〇 年 代 後半 の 政治 動向 を 決定づける 「 三 大 選挙 」 で 有権者 が 何 を 基準 に 投票 行動 を 決めれば いい の か 、 その 選択肢 を 論戦 を 通じて 明確な 形 で 国民 の 前 に 提示 して ほしい 、 と いう 点 だ 。 一昨年 、 宮沢 政権 が 倒れた の を 契機 に 始まった 政界 再編 は なお 進行 の 過程 に ある が 、 遺憾な こと に 政界 再編 の 基軸 と なる べき 基本 理念 、 政策 は わき へ 追いやら れ 、 数 合わせ 先行 の 政権 争奪 ゲーム に 終始 して いる 。 共産党 を 除く 野党 が 結集 した 新進党 も 理念 、 政策 の 違い を 内包 した まま 小 選挙 区 制 対応 で の 駆け込み 結党 の 色合い が 濃厚だ し 、 そもそも 村山 政権 そのもの が 理念 、 政策 を 飛び越えて 手 を 結んだ 連立 政権 である 。 政策 不在 、 対立 軸 の 不鮮明な 政界 再編 が 進行 する 中 、 争点 が 明確で なく 、 選択肢 が 示さ れ ず に 民意 を 問わ れて も 有権者 は 戸惑う ばかりだ 。 だが 、 対立 軸 が ない わけで は ない 。 税制 改革 、 行政 改革 、 年金 制度 改革 、 国連 安保理 常任 理事 国 入り 問題 など 党派 、 あるいは 党派 内部 で 対立 して いる 政治 課題 は 厳然と して 存在 する 。 ただ 、 政権 維持 、 党 内 結束 を 最 優先 する あまり “ ねじれ ” を 封じ込めて いる に 過ぎ ない 。 しかし 、 これ で は 政治 が 分かり にくく 、 政党 と して 国民 に 対し 極めて 不誠実な 態度 と 言わ ねば なら ない 。 村山 富市 首相 の 施政 方針 演説 を 受けた 各 党 代表 質問 や 予算 委員 会 で 、 野党 の 新進党 は 海部 俊樹 党首 を 先頭 に 「 明日 の 内閣 」 の 閣僚 を 押し立てて 、 新しい スタイル の 論戦 を 挑む 、 と いう 。 とりわけ 海部 氏 は 質問 時間 を フルに 使って 提案 型 の 代表 質問 を 行い 、 新進党 の 政見 と 政府 施策 と の 違い を 明らかに して いく 意向 と いう が 、 論戦 を 通じて 対立 軸 が 浮き彫り に なる のであれば 結構な こと だ 。 言いっ放し 、 聞き っ放し の 形がい 化 した 国会 “ 凡戦 ” に 国民 は 飽き が きて 、 耳 を 傾け なく なって いる 折 、 新進党 が 工夫 を 凝らし 、 従来 の 型 を 破った 論戦 の スタイル を 編み出す と いう 試み は 評価 できる 。 議会 政治 の 活性 化 と いう 点 から も 論戦 に 大いに 期待 し 、 注視 し たい 。 選挙 を 控えた 国会 と なる と 、 従来 とかく 政府 は 国民 に 痛み を 伴う 法案 は 出さ ず 、 大盤 振る舞い の 予算 を 編成 し 、 与野党 と も 我田引水 的 宣伝 合戦 に 終始 して 論戦 を 避ける 傾向 に ある 。 この際 、 与野党 に は 安易な ご 機嫌 とり の “ 談合 ” 政治 を 排し 、 ポスト 冷戦 の 日本 の 政治 、 経済 の 在り 方 を 見据えた 真剣な 論戦 の 展開 を 望んで おき たい 。 地震 学 者 の 間 に いま 無力 感 が 広がって いる 。 この 二 年 ほど の 間 に 北海道 、 東北 周辺 で 起きた 四 つ の 大 地震 を 予知 する こと が でき ず 、 さらに 阪神 大 震災 の 不意打ち を 食らった から である 。 政府 も 地震 学 者 も これ まで 「 予知 が 可能な の は 地震 の 規模 が マグニチュード 8 クラス の 東海 地震 だけ 」 と 言い 続けて きた 。 その 意味 で 学者 に 責任 は ない が 、 予想 も し なかった 場所 で 大きな 被害 を もたらす 地震 が 相次いだ のだ から 「 残念だ 」 と いう 気持ち が 強い 。 国民 の 間 に も 「 地震 予知 は 幻 で は ない か 。 東海 地震 の 予知 だって 怪しい 」 と いう 考え が 広まった ので は ない か 。 一部 の 地震 学 者 は 最近 「 予知 は 不可能だ 」 と 主張 して いる 。 地震 予知 に は 限界 が ある が 、 実現 した 場合 の メリット は 大きい 。 今回 の 地震 でも 警戒 宣言 が 出て いれば 、 死者 の 数 や 火災 の 発生 件数 を ぐんと 減らす こと が できた だろう 。 東海 地震 は 海溝 型 の 地震 だ が 、 陸地 の 近く で 発生 し 、 巨大な 直下 型 地震 と いう 見方 も できる 。 予告 なし に 発生 すれば 、 広い 範囲 を 大 震動 と 津波 が 襲い 、 被害 は 阪神 大 震災 を はるかに 上回る と 見 られる 。 なんと して でも 予知 に 成功 して ほしい 。 日本 列島 の 観測 網 を 格段に 強化 する こと も 課題 である 。 地震 活動 など の 常時 監視 と 今後 の 基礎 研究 の 成果 を 合わせれば 、 阪神 大 震災 の ような M 7 クラス の 地震 予知 に も 展望 が 開けて くる かも しれ ない 。 だが 、 やみくもに 人 と カネ を 投入 して も 意味 が ない 。 国 の 地震 予知 計画 が 開始 さ れて 三十 年 たつ が 、 マンネリ化 した と いう 声 が 強い 。 研究 の 公募 など を 行って 新しい 発想 で 予知 計画 を 進め 、 第三者 の 厳しい 評価 を 受ける 必要 が ある 。 国民 に も 可能 性 と 限界 を 十分 説明 して ほしい 。 予知 と 車 の 両輪 に なる の が 防災 である 。 阪神 大 震災 で 高速 道路 や 新幹線 の 安全 神話 は 崩れ 去った 。 近代 技術 を あまりに も 過信 して いた 。 安全 性 の 総 点検 が 必要だ 。 ビル や 住宅 の 耐震 設計 も 見直す べきだ し 、 古い 建物 の 耐震 診断 の 重要 性 も 増した 。 被災 地 に は 各種の 調査 団 が 入って いる 。 教訓 を 十分 学び取って ほしい 。 今回 の 地震 は 活断層 が 動いた 結果 であり 、 活断層 関係 の 調査 も 入念に 行う べきだ 。 直下 型 地震 を 起こす 活断層 は あちこち に 存在 する 。 危険な 活断層 を 見つけだし 、 周辺 で の 開発 の 抑制 や 集中 観測 を 行う こと を 提案 し たい 。 地震 予知 と 防災 で は 気 に なる こと が ある 。 バラバラ 行政 だ 。 日常 的な 地震 観測 と 東海 地震 の 予知 は 気象 庁 、 地震 予知 連絡 会 は 国土 地理 院 、 地震 予知 推進 本部 は 科学 技術 庁 、 地震 予知 計画 の 策定 は 文部 省 、 防災 は 国土 庁 と 分かれて いる 。 これ で は 強力な リーダーシップ を 発揮 でき ない 。 地震 庁 の ような 組織 で 一体 と なって 予知 と 防災 に 取り組んで もらい たい 。 日本 全体 が 地震 の 活動 期 に 入った と いう 見方 が 出て きた ほか 、 東海 地震 や 首都 圏 直下 型 地震 の 発生 が 心配 さ れて おり 、 大 地震 を 迎え撃つ 体制 を 早急に 整える べきだ と 思う 。 戦後 の 地震 活動 静穏 期 に 日本 は 高度 成長 を 果たした 。 科学 技術 を 駆使 した 近代 都市 が 出現 し 、 首都 圏 へ の 一 極 集中 を 生み出した 。 いま その 付け が 回って き つつ ある 。 きちんと した 都市 政策 を 確立 した うえ で 地震 対策 を 強力に 推進 す べきだろう 。 村山 富市 首相 の 三 度 目 の 国会 演説 と なる 施政 方針 演説 を 聞いた 。 戦後 五十 年 と いう 節目 の 演説 。 力こぶ が 入って 当然な のに 首相 は どの 程度 精魂 を 傾けた のだろう か 。 冒頭 に 地震 対策 を 挿入 した こと も あり 全文 一万五千 字 。 前 二 回 の 倍 近い 長 さ で 、 読み上げる だけ で 四十五 分 も かかる “ 大作 ” だ 。 ところが 量 は 質 を 補え ない 。 内容 は 残念な こと に 極めて 平板だ 。 首相 演説 は 各 省庁 から 草稿 を 出さ せ 、 これ に 首相 の 意向 を 加味 して 作る の が 通例 だ が 、 今回 は 草稿 の 取捨 選択 すら 十分に 行わ ず 、 そのまま 漫然と 接続詞 で つないだ だけ の ような 感 すら ある 。 連立 政権 時代 に は 、 政界 の 混乱 に 乗じる 官僚 の 跋扈 が 目立つ が 、 首相 演説 で は 、 は し なく も それ が 露呈 した ようだ 。 当面 する 政策 課題 に 満遍なく 触れて は いる が 、 肝心の 優先 順位 が 不明だ し 、 演説 が 近来 に なく 長く なって しまった の が その 何より の 証拠 で は ない か 。 新党 結成 を めぐり 社会党 は 大 混乱 で 、 政権 基盤 は 大きく 揺らいで いる 。 首相 に とって は 演説 どころ で は なかった の かも しれ ない 。 昨年 七 月 十八 日 の 首相 就任 後 初 の 演説 は 「 やさしい 政治 」 の 理念 を 説き 、 同 九 月 三十 日 の 演説 で は その 肉付け を 試みた もの だった 。 前 二 回 の 演説 に は それなり の 意気込み を 感じた が 、 今回 は 首相 の 顔 が 見え ず 、 肉声 も 聞こえ ない 。 とくに 村山 政権 が 軌道 に 乗って いた 時期 に あたる 前回 の 演説 と 比べる と 微妙な 言い回し の 差 、 あるいは 腰 の 引けた 表現 が 目 に つく 。 端的な 例 が 政治 改革 だ 。 前回 は 「 政治 腐敗 や 、 政 ・ 官 ・ 業 の 癒着 構造 など に 起因 する 国民 の 政治 不信 を 払拭 し 、 真に 国民 の 利益 を 代弁 する 健全な 政党 政治 を 確立 する こと が 今 ほど 求め られて いる とき は ない 」 と 雄弁だった のに 、 今回 は 「 新 選挙 制度 の 趣旨 が 生かさ れる 政党 本位 の 政治 の 実現 と 腐敗 防止 の 徹底 を 図る 」 と 素っ気ない 。 戦後 五十 年 と いう 年 に 日本 から 世界 に 発信 する メッセージ も 逆に か細く なって しまった ようだ 。 もちろん 今回 の 方 が メリハリ が 利いて いる ところ も ある 。 戦後 処理 問題 に ついて 「 個別 問題 に 誠意 を もって 対応 する 。 これ は 日本 自身 の けじめ の 問題 であり 、 アジア 諸国 等 と の 信頼 を 増す 結果 と なる と 確信 して いる 」 と きわめて 明快だ が 、 前回 は 口ごもった 表現 だった 。 さらに 特殊 法人 に ついて 前回 は 見直し を 約束 した だけ だった のに 今回 は 「 政治 的 リーダーシップ を もって 統廃合 を 含めた 整理 合理 化 を 推進 する 決意 」 と きっぱり して いる 。 政治 改革 は 一過性 の もの で は なく 、 これ から の 問題 。 淡泊に 過ぎる の は 首相 の 関心 が もはや そこ に は ない から な のだろう 。 一方 、 戦後 処理 と 特殊 法人 問題 を 含めた 行革 は 、 早くも 先細り と なって きた 村山 政権 が 求心力 を 発揮 できる 最大 の 課題 だ 。 とくに 戦後 処理 は 自衛 隊 ・ 安保 の 容認 に 始まり 数々 の 妥協 を 重ねて きた 中 で 「 社会党 らし さ 」 の 最後 の とりで と も いう べき 課題 で も ある 。 政権 基盤 の 弱 さ や リーダーシップ 不足 を 見透かす ように 、 霞が関 の 官僚 たち が 首相 演説 で 横やり を 通した ようだ が 、 首相 は 政権 の 命脈 を 左右する この 二 つ の 問題 で 辛くも 意地 を 貫いた ので は ない だろう か 。 阪神 大 震災 の 被災 地 で は 、 行方 不明 者 の 救助 作業 と 並行 して 復旧 作業 が 進み始めた 。 いま 、 必要な こと の 一 つ が 政府 ・ 日銀 に よる 復旧 、 復興 を 支援 する 金融 ・ 財政 政策 の 作成 だ 。 村山 内閣 は 「 全力 を 挙げて 取り組む 」 と 表明 。 与党 も 内部 的に 特別 立法 や 補正 予算 の 検討 を して いる ようだ が 、 金融 ・ 財政 措置 に 関して 幾 つ か 要請 して おき たい 。 まず 、 当面 の 措置 と して 急 を 要する の は 被災 者 の 生活 を 守る ため の 金融 対策 である 。 まだ 三十万 人 以上 の 人々 が 避難 場所 で 不自由な 生活 を 強い られて いる が 、 時間 が たつ に つれて 金銭 的な 問題 が 大きく なる こと は 必至だ 。 当座 の 買い物 、 店舗 再開 の 資金 、 住宅 の 修理 など 資金 需要 は 急増 する と 見 られる 。 銀行 を はじめ と した 金融 機関 は 預金 通帳 や カード を 持た ず に 避難 した 人々 に 、 当座 の 必要 資金 を 貸し出して いる が 、 日銀 と 連携 し 十分な 資金 を 供給 する 必要 が ある 。 さらに 被災 者 の ため の 減税 措置 、 公共 料金 の 支払い 延期 など も 必要だ 。 個別 的に は 対策 が 進んで いる ようだ が 、 パッケージ で 示す こと が 大切である 。 関東 大 震災 の 際 は 、 政府 ・ 日銀 が 迅速に 金融 措置 を 決め 、 包括 的に 発表 した こと が 人心 の 安定 に 役立った と いう 。 さらに 、 仮設 住宅 の 建設 、 倒壊 した ビル や 高速 道路 の 復旧 など の 資金 は 巨額に 上る であろう 。 正確な 被害 額 は まだ 調査 中 だ が 、 民間 の 経済 研究 所 は 三兆 円 から 八兆 円 と いう 数字 を 挙げて いる 。 現在 執行 中 の 一九九四 年度 予算 で は とても 間に合わ ない 。 早急に 補正 予算 を 組み 、 手当て する 必要 が ある 。 その 財源 は 国債 発行 で 賄う しか ないで あろう 。 ただ 、 通常 の 建設 国債 と 切り離し 「 震災 国債 」 と いった 形 に する こと が 望ましい 。 政府 も 与党 も ここ まで は 考えて いる ようだ 。 しかし 、 中期 的な 財政 対策 に なる と 全く 心もとない 。 検討 項目 に 上って いる の は 補正 予算 だけ で 、 国会 に 上程 さ れて いる 九五 年度 予算 の 修正 、 歳出 の 組み替え など 、 抜本 策 は 視野 に 入って い ない ようだ 。 九五 年度 予算 に は 一般 公共 事業 費 と して 約 九兆三千億 円 が 計上 さ れて いる 。 補修 、 管理 に 回さ れる 資金 も ある が 、 多く は 新規 事業 へ の 資金 と なって いる 。 新幹線 、 高速 道路 、 港湾 、 空港 、 橋りょう など の 拡大 を 図ろう と いう 発想 で 貫か れて いる 。 これ で いい のだろう か 。 阪神 大 震災 が 私 たち に 突き付けた の は 、 新幹線 や 高速 道路 の 安全 神話 の 崩壊 だった 。 直下 型 地震 に 対する 大 都市 の もろ さ を 全 国民 が 思い知ら さ れた 。 しかも 日本 列島 が 乗る 地盤 は 活動 期 に 入り 、 いつ 、 どこ で 大 地震 が 起こる か 分から ない と いう 。 こうした 認識 に 立てば 、 いま 何 を なす べき か 、 結論 は はっきり して いる 。 日本 列島 を 地震 に 対し 、 より 安全な もの に する ため 総点検 し 、 さまざまな 施設 の 補強 を 最 重点 に 置く こと である 。 道路 や 鉄道 の 延長 計画 など 原則 的に 凍結 して も いい ので は ない か 。 「 利便 性 より 安全 性 」 へ 公共 投資 政策 の 全面 的な 転換 を 求め たい 。 時間 的な 制約 は ある が 、 不可能で は ない はずだ 。 緊急 対策 は 補正 予算 で 処理 し 、 本格 的な 列島 の 安全 性 向上 は 九五 年度 予算 を 修正 して 取り組む よう 強く 要請 する 。 この 一 年 余り 、 米 露 関係 に 奇妙な ねじれ が 生じて いる 。 北 大西洋 条約 機構 の 東欧 へ の 拡大 問題 で は 「 加盟 の 早期 実現 」 を 主張 する 米国 と 、 これ に 反発 する ロシア が 激しく 対立 した 。 クリントン 米 大統領 は 「 NATO 加盟 は 東欧 自身 が 決める こと 」 と ロシア の 干渉 を はねつけた 。 そこ に 示さ れた の は 、 ロシア へ の 配慮 より も 東欧 の 「 ヨーロッパ へ の 正式 復帰 」 の 願い を 優先 さ せよう と する 意思 であった 。 ところが 、 チェチェン へ の 軍事 介入 で は 、 米国 は 「 ロシア の 内政 問題 」 と エリツィン 政権 の 強行 策 に いち早く 理解 を 示した 。 十七 、 十八 日 に ジュネーブ で 開催 さ れた 米 露 外 相 会談 でも 、 対 露 支援 の 継続 を 約束 した 。 ロシア から の 独立 を めざす チェチェン 国民 の 意思 や 非 戦闘 員 に 多大の 犠牲 を 強いた 進攻 の 犯罪 性 に は 、 事実 上 、 目 を つぶった 格好である 。 二 つ の 事例 を 比べた とき 、 同じ ロシア を 相手 に 、 東欧 と チェチェン と で は 米国 の 対応 に 大きな 違い 、 ちぐはぐ さ が 見 られる こと は 明らかだ 。 米国 の 対 露 政策 の 基軸 が どこ に ある の か 、 一貫 性 が ある の か 、 疑問 を 抱か ざる を 得 ない 。 ロシア は まだ 全体 主義 から 脱して 日 の 浅い 過渡 期 に あり 、 「 国 内 の 変動 に 西側 が いちいち 過剰に 反応 する の は 賢明で は ない 」 と いう クリントン 大統領 の 言葉 に は 一理 ある 。 既に 合意 済み の 戦略 兵器 削減 条約 の 批准 ・ 実施 や 核 の 一 元 管理 の 確保 など 、 世界 規模 の 問題 で ロシア と の 協調 が 欠かせ ない の も 事実 である 。 しかし 、 ここ で 想起 し たい の は 、 冷戦 期 に ソ連 や 東欧 相手 に 果敢な 東方 外交 を 展開 した シュミット 西独 首相 の 言葉 である 。 外交 で 最も 重要な の は 一貫 性 であり 、 計算 可能 性 である 。 「 ここ まで は 譲歩 が 見込める が 、 これ 以上 は 踏み込め ない 」 と いう 限界 を 相手方 が あらかじめ 予測 できる ような 原則 を 貫く ことだ 、 と いう のだ 。 この 言葉 を 踏まえ 、 冷戦 後 の 西側 と ロシア の 関係 を 振り返る と 、 基底 に ある 原則 は 「 民主 的 価値 の 共有 」 であった はずだ 。 ロシア は 基本 的 人権 の 尊重 、 政治 的 複数 主義 の 容認 、 市場 原理 に 立つ 自由な 経済 活動 など 西側 と 同等の 価値 体系 を 受け入れ 、 新しい 国 づくり の 基礎 に 据える 。 それ を 条件 に 、 西側 は ロシア の 再生 を 支援 する 、 と いう もの だ 。 だが 、 前 に も 指摘 した ように 、 エリツィン 政権 は この 一 年 余り 、 民主 化 ・ 改革 推進 の 初心 から 大きく ずれて きて 、 反 民主 的な 強権 色 、 閉鎖 性 を 強めて いる 。 チェチェン 進攻 は 、 冷戦 後 の 欧州 大陸 の 国際 関係 を 規定 する 基本 法 と も いう べき 全欧 安保 協力 会議 の パリ 憲章 に うたわれた 「 紛争 の 平和 的 解決 」 「 少数 民族 の 権利 尊重 」 を 踏みにじり 、 国 内 問題 と 言い切れ ない 問題 を はらんで いる 。 日本 も 含め 西側 に よる 対 露 支援 の 原資 は 国民 の 血税 である 。 民主 化 や 経済 改革 を そっちのけ に 、 自己 の 権力 保持 や 無謀な 軍事 冒険 に 走る ような 政権 に 対して 支援 を 続ける の は 、 支援 側 国民 の 意思 に 反する 。 先進 七 カ国 は 改めて 対 露 政策 を 検討 する 会議 を 開く べきで は ない か 。 「 何 を やって も 、 どうせ 西側 は 対 露 支援 を 継続 せ ざる を 得 まい 」 と エリツィン 政権 に タカ を くくら せる の は 、 結局 は ロシア 国民 の プラス に も なら ない はずだ 。 遅かった ので は ない か 。 被災 者 だけ で ない 。 国民 の 多く が そう 感じて いる 。 国会 開会 直後 の 答弁 で 村山 富市 首相 は 、 「 何せ 初めて の 経験 で 」 と 言った 。 だからといって 、 危機 に 対応 する 能力 の 乏し さ を 弁解 する 理由 に は でき ない 。 戦後 最大 の 犠牲 者 を 出した 阪神 大 震災 に あたって 、 どんな 危機 対応 、 管理 が なされた と いう の か 。 災害 対策 基本 法 に 基づく 非常 災害 対策 本部 は 、 比較的 早く 政府 内 に できた 。 しかし 、 首相 が トップ に 立つ 緊急 災害 対策 本部 は 設置 さ れ なかった 。 代わり に 法律 的な 権限 、 背景 を 持た ない 「 緊急 対策 本部 」 が 、 震災 後 三 日 目 に できた 。 緊急の 後 に 災害 の 二 文字 が 入る か どう か の 違い が 実は 大きい 。 緊急 災害 対策 本部 を 設ければ 、 国会 が まだ 開か れて い なかった 地震 直後 から 、 政令 を 出せる 。 政令 に よって 、 煩雑な 上位 官庁 の 許可 を 待たなく と も 、 必要な 方策 を 実務 者 たち が 、 素早く 打ち出せた ので は ない か 。 緊急 災害 対策 本部 を 設け なかった 理由 を 、 政府 は 明確に 説明 する 責任 が ある 。 地元 自治 体 の 混乱 も 大きかった 。 初期 の 情報 収集 の 遅れ が 影響 して いる 。 知事 から の 自衛 隊 出動 要請 が 、 地震 後 四 時間 経過 した 点 も 、 被災 者 に は 不満だろう 。 大 災害 で 、 自衛 隊 の 独自 行動 は 可能だ が 、 これ に よる 大 部隊 出動 は 望ましく ない 。 独自 出動 して も 、 その 時点 で どんな 作業 が 必要な の か 分から ない 、 と いう 防衛 庁 の 言い分 に も 耳 を 傾けて いい 。 自衛 隊 が こうした 際 、 状況 把握 に 努める べき は 当然だ が 、 むしろ 兵庫 県 側 の 出動 要請 の 遅れ に 反省 、 検討 を 加える べきで は ない か 。 想定 でき なかった 事態 が 至るところ に 現れた 。 水 や 食料 の 備蓄 も 足ら なかった 。 逆に 援助 物資 が 山 の ように 積ま れ ながら 被災 者 に 届け られ ない 交通 規制 の 遅れ 。 混乱 の 中 で 、 被災 者 が どこ に 避難 して いる の か すら 、 物資 供給 担当 者 が 把握 しきれて い ない 事態 も あった と いわ れる 。 自治 体 の 長 と は 住民 サービス の 責任 者 である こと を 忘れて は 困る 。 電力 、 ガス の 供給 体 を 含め 政府 、 都道府県 、 市町村 と つながる タテ の 危機 対応 、 管理 能力 を 磨か なければ なら ない 。 政府 が 専門 家 と 、 災害 対応 の 研究 を 深める 。 訓練 も 欠かせ ない 。 マニュアル 作成 だけ で は 実際 に 役立た ない 。 もう 一 つ 重要な の は ヨコ の ネットワーク を 作り 、 そして さびつか せ ない こと だ 。 首都 圏 で は 、 東京 都 を はじめ と する 七 都 県 市 災害 時 相互 応援 に 関する 協定 が 結ばれて いる 。 全国 的に は 神戸 市 も 入って いる 十二 大 都市 水道 相互 援助 協定 が ある が 、 水 不足 に 苦しんだ 被災 者 に とって 、 実質 的な 意味 は 薄かった 。 もっと キメ細かい 自治 体 間 の 助け合い ネットワーク が 要る 。 区 、 隣接 市町村 間 で 援助 システム を つくって おく 。 水 、 食料 を はじめ 生活 必需 品 を どう 届ける か 。 自治 体 間 で 検討 し あい 磨く 。 住民 に システム 内容 を 徹底 する の は 当然である 。 大 災害 時 に は タテ の 系列 、 東京 であれば 東京 都 が 区 、 市 へ の 指示 役 に なる 。 だが 、 小さな 道路 一 本 に 至る まで 、 災害 時 の 援助 に どう 使用 できる か 自治 体 間 で 熟知 して おけば 、 実行 時 に 役立つ 。 区 や 市町村 の 間 で は この 種 の 援助 システム が あまり ない 。 幾重にも つくり たい 。 大 災害 時 の 危機 対応 、 管理 と は 、 実は こういう こと で も ある 。 阪神 大 震災 に よる 山陽 新幹線 の 被害 は 、 当初 の 見積もり より 、 はるかに 深刻である こと が 分かった 。 不 通に なって いる 新大阪 ― 姫路 間 は 「 復旧 に 四 、 五 カ月 は かかる 」 ほど の 惨状 である 。 全国 で 一 日 平均 約 七十五万 人 が 利用 する 新幹線 は 、 ネットワーク と して の 利用 価値 が とりわけ 大きい 。 ビジネス 大 動脈 の 「 欠損 」 は 、 今後 、 列島 中 に 影響 を 拡大 して いく こと に なろう 。 復旧 に 全力 を 挙げて ほしい 。 被害 で 何より 衝撃 的な の は 、 高 架橋 ・ 橋りょう が 八 カ所 も 落下 した ことだ 。 六甲 トンネル に も 、 側壁 の 亀裂 など の 損傷 が 見つかった 。 兵庫 県 尼崎 市 内 の 高 架橋 で は 、 上下 二 段 造り の 四 本 の 橋脚 の 上 半分 が いずれ も 全 壊し 、 長 さ 約 三〇 メートル の 橋げた が 、 そっくり 五 メートル ほど 落下 して いた 。 コンクリート 製 の スラブ 軌道 が 宙づり に なって いる 姿 を 目の当たり に する と 「 列車 が 走って いる 時間 帯 だったら 」 と 、 改めて 背筋 が 寒く なる の を 覚える 。 旧 国鉄 ・ JR の 耐震 構造 の 設計 ・ 施工 技術 は 「 世界 に 誇れる もの で 、 技術 輸出 する ほど まで に なった 」 と 関係 者 は 語って きた 。 関東 大 震災 級 の 地震 に も 耐え られる 構造 を 基本 に 、 その後 、 大きな 地震 に 見舞わ れる たび に 、 構造 物 の 耐震 強化 策 を 図って きた 積み重ね が 大きい 。 しかし 、 いまや 、 最大 加速 度 二〇〇 ガル を 設計 の 標準 と して きた 耐震 構造 の 「 安全 神話 」 が 崩れた 現実 を 直視 する 必要 が ある 。 復旧 工事 に 当たり 、 JR 西 日本 は 「 原則 的に は 、 従来 の 標準 設計 通り に 取り組む 」 構え で いる 。 この際 、 「 非常 事態 」 を 克服 する 過程 で 多く の 技術 革新 が 図ら れて きた 事実 を 想起 し たい 。 事 は 利用 客 の 安全に 深く かかわる 問題 である 。 被害 部分 に だけ でも 、 まず 、 新しい 安全 基準 を 導入 して もらい たい 。 その 意味 で 、 運輸 省 が 専門 家 ら に よる 鉄道 施設 耐震 構造 検討 委員 会 を 設置 し 、 直ちに 活動 を 開始 さ せた の は 評価 できる 。 高 架橋 の 落下 原因 や 問題 点 を 包み隠す こと なく 国民 に 公表 して ほしい 。 調査 検討 目標 を 短 ・ 中 ・ 長期 に 分け 、 緊急に 改善 できる もの に ついて は 、 ためらい なく 復旧 工事 に 生かさ なければ なら ない 。 復旧 に は 、 七百億 円 以上 が かかる と さ れる 。 同 省 が 、 やはり 大きな 被害 を 受けた 阪急電鉄 、 阪神 電鉄 を 含めて 検討 に 入った 鉄道 軌道 整備 法 に よる 助成 に ついて も 、 柔軟に 対応 する こと が 望ま れる 。 その うえ で 、 運輸 行政 と JR 各社 に 強く 要望 して おく 。 第 一 に 、 開業 して 三十 年 が たち 、 施設 の 劣化 が 目立つ 東海道 新幹線 は 無論 の こと 、 全 新幹線 の 保安 総 点検 や 補強 工事 を 早急に 実施 して もらい たい 。 整備 新幹線 も 、 設計 から 工法 まで マニュアル を 再 検討 す べきだ 。 第 二 に 、 JR 東海 や 西 日本 が 熱 を 上げて いる 次 世代 新幹線 の 開発 は 全面 的に 見直す べきで は ない か 。 利用 客 に 対する 最大 の サービス は 、 これ 以上 の スピード アップ で は なく 、 より 一層 の 安全 の 確保 である こと を 肝 に 銘じて ほしい 。 資金 が ある なら 、 保安 強化 に 振り向ける こと こそ が 国民 の 望む ところ だろう 。 それ が 、 新幹線 に 対して 阪神 大 震災 が 突きつけた 教訓 である 。 地震 の 発生 から 、 一 週間 が 経過 した 。 残さ れた 行方 不明 者 の 捜索 、 五千 人 に 及ぶ 死者 の 葬儀 など 、 緊急に なす べき こと は まだ 多い 。 遺族 、 被災 者 の 心情 に 配慮 し 、 迅速 かつ 温かい 対応 を 望み たい 。 同時に 、 震災 へ の 対応 は 新たな 段階 に 入った こと を 認識 する 必要 が ある 。 当面 の 危機 を 乗り越えた 被災 者 の 間 で 、 震災 二 週 目 に 入り 、 生活 再建 へ の 不安 が 膨らんで いる 。 避難 生活 の 長期 化 で 新たな 困難 も 生じ つつ ある 。 救命 活動 や 水道 ・ ガス ・ 電気 の 完全 復旧 作業 と 並行 して 、 中 ・ 長期 的な 視野 から 被災 者 の 暮らし を 立て直す 努力 を すぐ 始めよう 。 政府 、 自治 体 は 、 被害 の 回復 と 生活 再建 へ の 具体 策 を 早急に 示して ほしい 。 家族 が 再び 一緒に 暮らし 、 収入 が 確保 できる 展望 が 見えれば 、 絶望 の 底 に ある 住民 も 希望 を 取り戻せる から だ 。 まず 急ぐ べき は 、 避難 生活 の 長期 化 に 対する 備え だろう 。 被災 直後 の 緊張 感 が 心身 を 支えて きた 状態 に も 限界 が ある 。 過密で プライバシー の ない 集団 生活 は 、 ストレス を 高める 。 多く の 人 が 失った もの の 大き さ に 改めて 気づき 、 打ちのめさ れて いる 。 不眠 に 加え 、 雨 や 寒 さ から 風邪 が はやって いる 。 心身 の 健康 問題 は 、 深刻に なる 一方 だ 。 北海道 ・ 奥尻 島 の 震災 と 、 長崎 県 雲仙 ・ 普賢 岳 の 火砕流 災害 でも 、 避難 住民 に 対する 医療 体制 の 充実 と 、 住宅 へ の 入居 促進 が いかに 重要だった か 。 この 教訓 を 生かさ なければ なら ない 。 被災 者 に は 、 外科 的 治療 以上 に 内科 ・ 精神 科 的 治療 の 必要 が 増して いる 。 行政 と 医療 陣 が 一体 と なり 、 避難 生活 の 現場 で 、 治療 ・ 健康 診断 ・ カウンセリング を 定期 的に 実施 する よう 提言 し たい 。 全国 の 医療 機関 に も 、 現在 を 上回る 応援 を 期待 する 。 老人 や 乳幼児 を 抱える 母親 に とって 、 医師 の 顔 を 見る ほど うれしく 安心な こと は ない のだ 。 仮設 住宅 の 建設 、 申し込み が ようやく 始まった 。 公営 住宅 や 企業 社宅 、 民間 マンション へ の 入居 計画 も 進んで いる 。 元 の 家 に 住め なくて も 、 家族 単位 の 生活 を とりあえず 回復 できる 。 しかし まだ 住宅 の 絶対 量 が 足りない 。 官民 を 問わ ず 、 より 多く の 住宅 提供 を 要請 し たい 。 入居 の 窓口 と なる 自治 体 に は 、 被害 の 深刻 さ を 勘案 した 公正な 手続き の 確保 に 努めて ほしい 。 それ でも なお 、 避難 生活 を 強い られる 住民 は 残る 。 奥尻 島 や 雲仙 の 例 で は 、 一 カ月 も すれば 心身 の 疲労 が 極限 に 達する と いう 。 少なくとも 、 避難 所 の 過密 解消 、 プライバシー を 守る 空間 の 確保 が 必要だ 。 これ ら 中期 的 対策 に 万全 を 期す と 同時に 、 崩壊 ・ 損傷 した 住宅 の 再建 、 生計 の 道 の 回復 など 、 長期 的 課題 へ の 取り組み を 進め ねば なら ない 。 住宅 や 生活 資金 の 融資 、 減税 措置 、 失業 者 の 就職 相談 を 含め 、 すべて の 将来 展望 を ひとまとめ に した 「 青写真 」 を 、 政府 と 自治 体 の 責任 で 示す 時期 だろう 。 避難 生活 に 耐える に は 、 被災 者 同士 が 助け合う 自治 組織 の 存在 が 大きい 。 震災 で 崩れ かけた 地域 共同 体 を 避難 生活 の 中 で 再 構築 する 試み が 、 各地 で 既に 始まって いる 。 避難 が 長引く と 、 当初 の 連帯 感 が 薄れ 、 人間 関係 の トラブル も 予想 さ れる 。 共同 体 作り に 行政 の 支援 も 不可欠だ 。 温かい 心 の つながり を 維持 する こと で 、 被害 の 回復 を 早めて ほしい 。 米 政府 は 、 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 へ の 経済 制裁 の 部分 解除 を 、 二十 日 に 発表 した 。 対 北朝鮮 制裁 解除 は 、 部分 的 と は いえ 一九五〇 年 の 朝鮮 戦争 勃発 以来 で 、 実に 四十五 年 ぶり だ 。 制裁 解除 は 、 米 朝 関係 が 正常 化 に 向け 具体 的な 一 歩 を 踏み出す もの で 、 緊張 緩和 を 促進 する 歴史 的な 措置 である 。 この 経済 制裁 解除 は 、 昨年 十 月 の 米 朝 基本 合意 文書 の 約束 に 従い 行わ れた 。 米 朝 の 合意 で は 、 双方 が 合意 事項 を 実行 に 移す の に 伴い 、 三 カ月 以内 に 貿易 、 投資 障壁 の 緩和 を 約束 して いた 。 北朝鮮 は 、 米 朝 合意 後 短 時間 で 、 多く の 成果 を 上げた 。 まず 、 平壌 と ワシントン へ の 連絡 事務 所 相互 設置 調査 の ため 、 北朝鮮 代表 団 が 初めて ワシントン 入り した 。 また 、 米国 は 合意 に 従い 五万 トン の 重油 を 北朝鮮 に 供給 した 。 北朝鮮 は 、 厳しい 石油 と 外貨 の 不足に 直面 して おり 、 昨年 入手 できた 重油 は わずか 七十万 トン 程度 と 推測 さ れて いる 。 米 朝 合意 に よる 、 五万 トン の 重油 の 無償 入手 は 、 北朝鮮 に とって は 大きな 成果 である 。 しかも 、 今後 は 毎年 最高 五十万 トン まで の 重油 の 無償 供給 が 約束 さ れて いる 。 これ は 北朝鮮 の 年間 使用 量 の 半分 以上 に 当たる 。 北朝鮮 資産 の 凍結 解除 で 、 北朝鮮 は 総額 約 千百万 ドル に 上る 資産 を 手 に する 。 また 四 月 まで に 、 連絡 事務 所 が 相互 に 設置 さ れる 予定 で 、 外交 ・ 経済 面 で の 事実 上 の 正常 化 に 近づく こと に なる 。 冷戦 崩壊 後 、 南北 朝鮮 の 国際 政治 の バランス の 不均衡に 悩んで いた 北朝鮮 は 、 長年 の 念願 を ようやく 実現 できた わけだ 。 わずか 三 カ月 で 、 北朝鮮 は 実に 多く の 果実 を 手 に した と 言って いい だろう 。 この ため 米 議会 内 に は 、 クリントン 政権 が 北朝鮮 に 対し 余りに 譲歩 を し 過ぎた 、 と の 批判 が 共和党 を 中心 に 広がって いる 。 だが 、 共和党 議員 も 米 朝 合意 を 覆す つもり は ない 、 と の 立場 を 明らかに して いる 。 北朝鮮 側 の 合意 不 履行 が ない 限り 、 米 朝 合意 が 米 議会 で 大きな 問題 に なる こと は な さ そうだ 。 この ため 、 米 議会 は 北朝鮮 が 米 朝 合意 を 順守 する か どう か に 、 なお 厳しい 目 を 向けて いる 。 米 政府 の 一部 に は 、 南北 対話 に 何らか の 進展 が ない 限り 、 連絡 事務 所 設置 を 急ぐ べきで ない と の 主張 も ある 。 北朝鮮 は 米 朝 合意 文書 で 、 「 南北 対話 に 取り組む 」 と 約束 して いる 。 米 朝 合意 の 一層 の 推進 の ため に は 、 南北 対話 再開 へ の 北朝鮮 の 努力 が 不可欠である 。 朝鮮 問題 の 自主 的な 解決 と 、 北東 アジア の 平和 と 安定 の ため に も 、 南北 当事 者 の 対話 再開 が 強く 望ま れる 。 南北 対話 は 昨年 の 金 日成 主席 の 死去 で 、 中断 さ れた まま の 状態 に ある 。 南北 朝鮮 の 当事 者 は もとより 、 日 米 両 国 も 、 南北 対話 再開 へ の 環境 作り に 努力 して ほしい 。 阪神 大 震災 は 、 戦後 、 整備 さ れて きた 防災 対策 や 都市 造り に 問題 は なかった の か 、 と いう 政治 、 経済 の 両面 に わたる 重い 課題 を 突き付けた 。 震災 から 一 週間 が 過ぎ 、 国会 で は 代表 質問 が 始まった 。 政府 の 危機 管理 体制 は どう だった の か 、 今後 の 復興 計画 は どう する の か 、 防災 計画 は どう 見直す べきな の か 。 被災 者 だけ で なく 国民 の 多く が 、 国会 で の 本格 的な 論戦 を 期待 して いる 。 とくに 自民党 に 次ぐ 大 勢力 に なった 野党 ・ 新進党 が 、 どんな 姿勢 で 自 社 さ 連立 政権 に 論争 を 挑む の か が 焦点 に なった 。 海部 俊樹 党首 を はじめ 各 質問 者 と も 「 政治 方針 演説 」 を 読み上げ 、 答弁 を 求め ない 提案 型 の 方式 を とった が 、 結論 的に いえば 、 この 新 機軸 は 空回り に 終わった と いう 印象 だ 。 全体 に 政権 担当 能力 を アピール しよう 、 大向こう に 受けよう と 狙い 過ぎた から で は ない だろう か 。 もちろん 、 各 質問 者 と も 冒頭 で 阪神 大 震災 問題 に ついて 質問 を する に は した が 、 全体 に 掘り下げた 論戦 に は なら なかった 。 例えば 海部 氏 。 同氏 も 首相 時代 に 、 湾岸 危機 ・ 戦争 など に 直面 し 、 危機 管理 の 難し さ を 思い知ら さ れた 苦い 経験 を 持って いる 。 今回 の 代表 質問 で は 、 そうした 経験 を もと に 、 大 震災 に 対する 政府 の 対応 の 遅れ や 危機 管理 体制 の 不備 、 首相 官邸 の 機能 や 行政 全般 の 問題 点 、 さらに は 今後 、 災害 復旧 を どう スムーズに 進めて いく か 、 など に ついて 突っ込んだ 論戦 が 行わ れる もの と 期待 さ れて いた 。 確かに 海部 氏 は 、 冒頭 の 約 十五 分間 を 震災 問題 に 費やし 、 災害 対策 基本 法 第 一〇五 条 を 適用 した 緊急 災害 対策 本部 の 設置 、 災害 対策 に 関する 国会 決議 の 採択 、 危機 管理 体制 確立 の ため の 立法 化 など を 提案 した 。 しかし 、 海部 氏 が 村山 富市 首相 に 答弁 を 求めた の は 、 国会 決議 に 関して だけ で 、 首相 から は 「 国会 で 議論 いただいて 対応 す べきだ と 考えて いる 」 と の 差し障り の ない 回答 を 引き出した に 過ぎ なかった 。 ほか に も 海部 氏 は 演説 の 中 に 、 行政 改革 に 関連 して 科学 技術 庁 と 文部 省 、 経済 企画 庁 と 大蔵 省 と の 統合 や 、 特殊 法人 の 五 年間 で の 全廃 、 公共 料金 値上げ の 五 年間 凍結 、 国連 安保理 常任 理事 国 入り や 国連 改革 サミット の 開催 など 大胆な 提案 を 随所 に ちりばめた 。 しかし 、 これ ら の 点 に ついて も 政府 側 に 全く 答弁 を 求め なかった ため 、 結果 的に は 独り善がり 、 上滑りに 終わった 。 本 会議 場 で の 論戦 の 形がい 化 が 指摘 さ れて 久しい 。 「 言いっ放し 、 聞き っ放し 」 は 毎度 の こと だ 。 新進党 が 対案 を 示す こと に より 、 国会 論戦 を 生き生き と した もの に 変えよう と 試みた こと 自体 は 理解 できる 。 しかし 、 それ も 論戦 が 本当に 活性 化 して こそ 意味 が ある と いう もの だ 。 もっとも 村山 首相 の 答弁 も 、 いただけ なかった 。 被災 者 ら に 「 互いに 励まし合い 、 頑張って 下さい 」 と 呼び掛けた 以外 は 、 相変わらず 官僚 作成 の 答弁 書 を 棒読み した だけ である 。 衆議院 規則 で は 、 質問 者 は 三 回 まで 再 質問 する こと が 可能だ 。 野党 側 が この 規定 を 使えば 、 それ こそ 突っ込んだ 論戦 に なって いた ので は ない か 。 海部 氏 は 予算 委員 会 でも 質問 する 予定 と いう 。 次 こそ 地 に 足 の ついた 論戦 を 期待 し たい 。 多く の 読者 は お 気付き だ と 思う が 阪神 大 震災 で 亡くなら れ 身元 が 確認 さ れた 方々 の 名前 が 日々 の 紙面 に 掲載 さ れて いる 。 その 年齢 を 見る と 、 六十 歳 以上 の 方 が いかに 多い こと か 。 半数 を 優に 超えて いる 。 逃げ遅れて 倒壊 した 家屋 や 家具 の 下敷き に なり 、 圧死 ・ 窒息 死 した ケース が 多い ようだ 。 体力 不足 から 救助 作業 の 間 に 亡くなった ケース も あった と 聞く 。 年齢 別人 口 の 構成 比 から 見て も 、 明らかに 犠牲 者 は 高齢 者 に 偏在 して いる 。 「 災害 弱者 」 と いう 言葉 が ある 。 災害 時 に 必要な 情報 を 迅速 かつ 的確に 把握 して 避難 し 、 自ら 身 を 守る と いう 防災 行動 を 取る こと が 困難な 人 たち を 言う 。 高齢 者 、 中でも 寝たきり の お 年寄り や 体 に 障害 の ある 人 、 乳幼児 など が その 範囲 に 入る 。 地震 時 で の 災害 弱者 の 危険 性 は 常々 指摘 さ れて きた ところ だった が 、 不幸に して 実証 さ れて しまった 。 その 対策 が 進んで いたら 、 犠牲 者 は はるかに 少なかった ので は ない か と 思う と 残念で なら ない 。 核 家族 化 が 進む 中 、 若い 世代 は 周辺 地域 へ 流出 して おり 、 都市 部 ほど 高齢 者 だけ の 世帯 が 多く なって いる 。 今回 の 犠牲 者 の 中 に も そうした 世帯 の お 年寄り が 多かった ようだ 。 近隣 住民 に よって 助け出さ れた お 年寄り も 少なく ない が 、 亡くなら れた 高齢 者 の 多 さ を 考えれば 、 災害 弱者 に 対する 対策 が 急務 である こと を 阪神 大 震災 は 改めて 教えた 。 犠牲 者 が 多く 出た 地域 を 見る と 、 戦後 から の 木造 家屋 が 多く 建って おり 、 激しい 揺れ に 耐え られ なかった 。 現在 の 建築基準法 施行令 は 新潟 地震 を 契機 に 、 一九八〇 年 に 改正 さ れた もの で 、 以後 の 建築 物 で は 震度 6 以上 に 耐え られる 設計 が 図ら れて いる 。 ところが 、 それ 以前 の 建築 物 に は 適用 でき ない 。 そうした 事情 も 今回 、 影響 した ので は なかろう か 。 その 点 の 検証 を ぜひ 望み たい し 、 国家 助成 の もと に 新 耐震 基準 の 遡及 そきゅう 適用 も 視野 に 入れる べき と 思う 。 お 年寄り の 住む 古い 家屋 の 安全 性 を 高める こと こそ 、 有効な 災害 弱者 対策 に つながる 。 また 、 高齢 者 世帯 が 増えて いる 現状 で どうしても 必要に なって いる の が 近隣 住民 の 助け合い だ 。 大 地震 の 時 に は 、 災害 が 同時 多発 する こと が よく 分かった 。 警察 ・ 消防 など の 活動 は 制限 さ れ 、 容易に 被災 地域 に 近付け ない し 、 手 も 回ら ない 。 災害 弱者 を 守る の は 隣 近所 の 住民 が 頼り だ 。 自治 体 から 緊急 連絡 用 ペンダント を 支給 さ れて いた 、 ある お 年寄り は 「 ペンダント を 押す より 、 近所 の 人 の 助け の 方 が 早かった 」 と 話して いた 。 東京 都 は この 点 で の 意識 調査 を 三 年 ごと に 実施 して いる 。 「 大 地震 が 起きた 時 、 病人 や 高齢 者 が 避難 する 際 の 力添え が でき ます か 」 の 設問 に 対して 、 毎回 五〇 % 以上 の 人 が 「 できる ・ でき そうだ 」 と 答えて いる 。 頼もしい 限り だ 。 だが 、 半面 「 でき ない ・ でき そう も ない 」 の 答え が 調査 する 度 に 増え 、 八〇 年 の 二四 % が 八九 年 に は 三五 % へ 、 前回 調査 の 九二 年 に は 四五 % に なった 。 なぜ な の か 。 住民 意識 の 実態 の 把握 ・ 分析 も 急が れる 。 政府 ・ 自治 体 は 「 高齢 者 福祉 」 を 標榜 し ながら 、 現実 が いかに もろい か が 図らずも 示さ れた 。 「 社会 的 弱者 に 優しい 街 」 の 観点 から 福祉 政策 は 見直さ れ なければ なら ない 。 現場 を 歩く と 、 これほど の 惨状 の もと で 、 被災 者 が 冷静に 日々 を 過ごして いる こと に 驚か さ れる 。 周囲 の 人々 の 優し さ が ひしひし と 伝わって も くる 。 何といっても 、 大きな パニック が 起きて い ない の は 特筆 に 値する 。 被災 者 の 強じんな 精神 力 が 、 それ を 封じ込めて いる 。 関東 大 震災 の 際 に 飛び交った ような 悪質な デマ が み られ ない こと も 一因 だろう 。 しかし 、 人間 の 品性 が 問わ れる の は 、 むしろ これ から だ 。 不安 感 の 表れ と は いえ 「 震度 6 の 余震 が ある 」 「 新たな 大 地震 が 起きる 」 など の 流言 が 、 各地 に 広がって いる の は 困った ことだ 。 気象 庁 の 呼び掛け を 待つ まで も なく 、 情報 を 正しく 受け止め 、 惑わさ れ ない ように し たい 。 怒り を 禁じ 得 ない 状況 も 頭 を もたげて きた 。 倒壊 した 店舗 や 家人 が 避難 した 留守 宅 を 狙った 空き巣 が 横行 し 、 自販機 荒らし も 続発 して いる 。 神戸 市 や 西宮 市 で は 、 住民 が 自警 団 を 編成 し 、 徹夜 の 警戒 を 余儀なく さ れて いる 。 尼崎 市 の すし 店 で は 、 在宅 中 の 家人 が モニター で 監視 して いて 侵入 男 を 捕まえた 。 兵庫 県警 は 六百 人 規模 の 集団 パトロール を 始めた 。 防犯 を 徹底 し 、 住民 の 不安 を 解消 して もらい たい 。 ぶった くり 商法 や 便乗 値上げ も 目立ち 始めた 。 神戸 市 西部 の 国道 2 号 に は 、 焼き芋 一 個 三千 円 の 屋台 が 現れた 。 他県 から 車 で 乗り付け 、 お にぎり 六 個 を 千五百 円 で 売りさばいた 家族 連れ も いた 。 乾電池 や 箱入り ティッシュ など の 日用 品 を 二 、 三 倍 の 値段 で 売って いる 店 も ある 。 兵庫 県 は 物価 Gメン を 街 に 出動 さ せた 。 悪質 業者 の 名前 を 公表 する など 強い 姿勢 で 臨む べきだ 。 尼崎 市 で は 「 家屋 を 修理 すれば 、 市 から 補助 が ある 」 と 、 うそ を 言って 工事 契約 を 結ぼう と した 詐欺 未遂 事件 が あった 。 被災 者 が 市 に 問い合わせて 実害 は 免れた が 、 住民 の 具体 的 要望 に 即した 、 きめ の 細かい 情報 を 的確に 伝えて いく こと の 大切 さ を 物語る 教訓 的な 事件 と いえよう 。 新聞 、 放送 は 、 前例 の ない 被災 地 密着 型 の 報道 を 連日 続けて いる 。 しかし 、 マスメディア に は 限界 が あろう 。 行政 が 、 行政 ・ 生活 情報 を 個々 の 被災 者 レベル に まで 確実に 下ろして いく システム を 日ごろ から 整備 して おく こと が 肝心だ 。 自治 会 、 公民 館 活動 、 PTA 組織 など の ネットワーク と の 連携 を 、 早急に 検討 して ほしい 。 神戸 市 東灘 区 の 避難 所 など で は 、 住民 を グループ 分け し 、 班長 を 通じて 、 告知 事項 の 徹底 を 図って いる 。 壁面 に 「 お 知らせ 」 を 張り出し 、 情報 を 提供 して いる 避難 所 も 多い 。 ところが 、 「 告知 内容 の ポイント が はっきり し ない 」 「 情報 が 断片 的で 役 に 立た ない 」 と いう 不満 も 聞か れる 。 自宅 に 残る 被災 者 へ の 通知 法 に も 不備 が ある 。 広報 技術 を 磨き 、 体制 を 考え 直す 必要 が ある 。 発生 直後 に は 、 避難 所 に テレビ 、 ラジオ が なかった の も 大きな 反省 点 だ 。 災害 用 物資 の 必須 品 と して リスト に 加え なければ なら ない 。 今回 は 、 被災 者 の たくまし さ に 救わ れて いる 側面 が ある 。 甘えて いて は いけない 。 かゆい ところ に 手 の 届く 情報 提供 が パニック を 防ぎ 、 流言 、 飛語 から 住民 を 守る 手立て である こと を 再 確認 し 、 英知 を 集め たい 。 米国 の 大統領 が 、 思い切った 政策 を 打ち出せる の は 就任 後 二 年間 だけ 、 と 言わ れる 。 大統領 就任 後 三 年 目 の 夏 を 過ぎる と 、 事実 上 の 大統領 選 に 突入 し 大統領 候補 を 目指す 野党 の 政治 家 が 、 次々 名乗り を 上げる から だ 。 大統領 候補 に 名乗り を 上げる 野党 政治 家 は 、 必ず 現職 大統領 を 激しく 攻撃 する 。 今年 の 秋 から は 、 共和党 の 立候補 者 が 一斉に 大統領 攻撃 を 始める の は 、 間違い ない 。 クリントン 大統領 の 二十五 日 の 一般 教書 演説 は 、 予想 さ れる 大統領 攻撃 を 念頭 に 置いた 内容 だった 。 クリントン 大統領 が 率いる 民主党 は 、 昨年 十一 月 の 米 議会 「 中間 選挙 」 で 大敗 し 、 議会 上下 両院 の 過半数 を 共和党 が 握って しまった のである 。 この 中間 選挙 で の 敗北 を 、 何とか ばん回 しよう と の 意気込み が 、 今年 の 一般 教書 演説 に は みなぎって いた 。 米 議会 選挙 で の 敗北 の 原因 と して は 、 前回 の 大統領 選挙 で クリントン 大統領 に 投票 した 中産 階層 の 民主党 離れ が 指摘 さ れて いる 。 この ため 、 クリントン 大統領 は 中産 階層 の 人気 回復 の ため に 、 中産 階層 減税 の 実施 を 強調 した 。 また 、 過去 二 年間 の 実績 と して 、 六百万 人 に 及ぶ 雇用 創出 を 実現 した 実績 を 強調 した 。 さらに 、 景気 浮揚 策 の 継続 と 、 個人 企業 など へ の 支援 と 優遇 策 を 約束 した 。 大統領 は 、 一九九二 年 の 大統領 候補 受諾 演説 で は 、 「 米国 民 と の 誓約 」 を 掲げ 、 変化 の 推進 を 約束 した 。 今回 の 一般 教書 演説 で は 、 これ を 受け継ぐ 「 新しい 誓約 」 を 強調 した 。 この ため か 、 演説 の 九〇 % 以上 が 内政 問題 に 集中 し 、 過去 二 年間 の 実績 に 力点 が 置か れた 。 また 、 中産 階層 減税 と 最低 賃金 引き上げ 策 が 提案 さ れ 、 違法 移民 防止 対策 強化 も 約束 した 。 一方 、 外交 問題 へ の 言及 は 極めて 少なく 、 一 時間 を 超える 演説 の 中 で わずかな 時間 が 割か れた に 過ぎ なかった 。 大統領 は 、 第 二 次 戦略 兵器 削減 条約 の 批准 を 強く 求めた 。 また 、 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 と の 核 問題 の 合意 に 触れ 、 テロ 防止 対策 へ の 各国 の 協調 を 求めた 程度 で 、 新しい 外交 提案 は 行わ れ なかった 。 チェチェン 問題 や 、 アジア 政策 全般 に ついて の 言及 も なかった 。 昨年 の 一般 教書 演説 でも 、 外交 問題 へ の 言及 は 少なく 「 米国 の 内 向き 傾斜 」 へ の 憂慮 が 指摘 さ れた 。 また 、 米国 の 孤立 主義 的 傾向 へ の 危惧 も 語ら れて いた 。 その 半面 、 昨年 の 一般 教書 演説 は 、 健康 保険 制度 改革 の 意義 を 訴え 、 「 変化 」 へ の 意欲 を 強く 打ち出した もの であった 。 しかし 、 今年 の 一般 教書 演説 は 、 「 新たな 誓約 」 を うたい ながら 、 「 変化 」 へ の 意欲 と 米国 再生 へ の 理念 を 感じ させ なかった ようだ 。 財政 赤字 削減 と 、 健康 保険 制度 改革 へ の 言及 は 弱かった 。 この ため 、 保守 化 傾向 が 指摘 さ れる 米 世論 の 動き に 迎合 した と 思わ れる ような 政策 が 目立ち 、 新鮮 さ と 迫力 に 著しく 欠けた こと は 否め ない だろう 。 戦後 生まれ の 大統領 に 、 なお 「 変化 」 へ の 意欲 的な 取り組み を 期待 し たい 。 世論 に いたずらに 迎合 する こと なく 、 米国 の 「 再生 」 政策 に 引き続き 努力 を 続け 、 かつ 孤立 主義 傾向 を 加速 さ せ ない 外交 政策 の 推進 を 強く 望み たい 。 今回 の 災害 ほど 、 ボランティア の 力 が 頼り に さ れた こと は なかった 。 実際 、 その 働き は めざましい 。 自治 体 の 初期 対応 が 遅れた だけ に 、 ありがた さ が 際立った 。 九百 人 近い 死者 が 出た 兵庫 県 西宮 市 で 、 大阪 ボランティア 協会 、 大阪 YMCA など で つくる 「 被災 地 の 人々 を 応援 する 市民 の 会 」 が 頑張って いた 。 登録 会員 は 社会 人 、 学生 、 主婦 ら 約 六百 人 。 自転車 や オートバイ を 活動 の 足 に して 避難 所 や 在宅 の 被災 者 を 訪ね 、 「 よろず 相談 」 に 乗る 。 断水 で トイレ の 水 に 困る 独居 老人 の 訴え が きた 。 「 バケツ リレー で 川 の 水 を くみ上げよう 」 コーディネーター の 同 協会 事務 局長 、 早瀬 昇 さん が 次々 に 集まって くる 被災 者 から の 依頼 事項 を にらみ 、 即断 で 人員 を 張り付けて いく 。 エレベーター の 壊れた ビル で は 、 難病 患者 を 階段 から 下ろして いた 。 「 被災 者 の 役 に 立つ こと は 何でも し ます 。 われわれ の 手 に 負えない 仕事 は 、 行政 や 専門 分野 に 責任 を もって 橋渡し し たい 」 と 早瀬 さん 。 混乱 の 極 に 陥った 災害 現場 で は 、 このように 独自の 判断 で 機動 的に 、 きめ 細かく 活動 できる 民間 ネットワーク の 広がり こそ が 求め られる 。 政府 や 自治 体 は 、 被災 者 の 多様な 要望 に 対応 し 切れ ない 。 今 こそ 、 市民 団体 の 提言 に 耳 を 傾け 、 有効に 働いて もらう こと を 考える 時 だ 。 コーディネーター の 養成 も 急ぐ べきだ 。 日々 、 入れ替わる ボランティア と 住民 の 要望 を 適切に 結ぶ 判断 が 支援 の 力 を 左右する から だ 。 神戸 市 の 場合 。 震災 翌日 から 電話 で ボランティア を 募った ところ 、 近畿 を 中心 に 全国 から 応募 が 相次ぎ 、 登録 者 数 は 医師 や 外国 語 通訳 など 専門 家 を 含め 七千二百 人 に 上った 。 この 人 たち が 救援 物資 の 運搬 に 従事 して から 、 千 カ所 余り に 分散 して いる 避難 所 の 食料 事情 は 好転 した 。 お 年寄り の 介護 や トイレ 清掃 など へ の 貢献 は 、 避難 生活 者 の 不安 と 不満 を 和らげる 役目 も 果たして いる 。 行政 の 補完 役 に とどまら ず 、 被災 者 の 心 の 支え に なって いる のだ 。 精力 的な 活動 を 評価 し たい 。 とはいえ 、 ここ でも 行政 側 が 善意 の 集まり を 十分に 生かして い ない の が もどかしい 。 神戸 市 は 、 ボランティア 募集 を わずか 四 日 後 に 打ち切った 。 その後 の 申し出 は 「 緊急 度 が なくなった 」 と の 理由 で 断って いる 。 本当に そう だろう か 。 不自由 極まりない 生活 を 強い られて いる の は 避難 所 の 人々 だけ で は ない 。 倒壊 を 免れた 自宅 生活 者 へ の 目配り も 不十分である 。 独居 老人 の 世話 など 住民 の 要望 は 、 まだ 人手 が 追いつか ぬ ほど 多い はずだ 。 ボランティア を どこ に どう 配置 し 何 を して もらう か 。 その 受け入れ 態勢 が 整わ ない の が 実情 で は ない の か 。 発生 後 十 日 も 経過 した のに 、 お粗末 すぎる と 言わ ざる を 得 ない 。 「 いく つ か の 分野 は ボランティア に 任せる 」 と 役割 分担 を 明確に し 、 普段 から 官民 連携 の システム を 確立 して いる 米国 の 例 に 学ぶ こと も 必要だろう 。 もちろん 、 外部 の 支援 だけ に 頼る わけに は いか ない 。 被災 地 内 の 住民 組織 の 奮起 も 望ま れる 。 幸い 、 内部 ボランティア と も いえる 地域 の 助け合い 、 励まし合い の 実践 例 が 数多く 見 られる の は 心強い こと だ 。 電気 事業 審議 会 料金 制度 部会 は 、 制度 改正 の 方向 を 示した 中間 報告 を まとめた 。 現行 の 総括 原価 方式 の 枠組み を 維持 し つつ 、 コスト ダウン に 弾み を つける インセンティブ 規制 を 導入 しよう と して いる 。 これ から 具体 的な 論議 に 入る に 当たって 、 いく つ か の 注文 を つけて おき たい 。 第 一 に は 、 効率 化 努力 を 織り込んだ ヤードスティック 方式 は 、 かなり 複雑で 、 一般 の 利用 者 に は 分かり にくい 。 ガラス張り に する と ともに 、 制度 を なるべく 簡素 化 し 、 分かり やすく して ほしい 。 「 ヤードスティック 」 と いう 言葉 自体 が きわめて 難解だ 。 第 二 は 、 こうした 効率 化 の 指標 を 使って 電力 各社 を 競争 さ せ 、 電気 事業 全体 の 経営 を 効率 化 さ せる 趣旨 に は 賛成 だ が 、 問題 は どのように 活用 する か である 。 米国 の ように 電力 会社 の 経営 格差 が 大きい ところ で は 、 この 種 の 手法 が 有効 かも しれ ない 。 だが 、 日本 の 場合 は 、 規模 や 地域 特性 を 除く と 、 各社 間 で 数字 の 違い は 小さい 。 つまり 、 差 が あまり ない と 、 それ だけ インセンティブ が 働か ない 。 実効 の ある 料金 制度 に する ため に は 、 もう 一 工夫 も 二 工夫 も 必要である 。 電力 分野 は 地域 独占 で 、 事業 者 間 で 直接の 競争 が ない 。 だから 、 競争 原理 を 生かす に は 、 新規 参入 の 促進 が 欠かせ ない 。 この 発電 市場 自由 化 の 面 でも 、 すでに とら れた 卸 電気 事業 者 の 規制 緩和 に 続き 、 漸進 的に 自由 化 の 措置 が 望ま れる 。 もちろん 、 その 前提 と して 、 電力 会社 が 背負う 重い 供給 責任 と 、 コスト ダウン と を どのように バランス さ せる の か 、 と いう 根源 的な 問題 を 避けて 通れ ない 。 いま 、 コスト ダウン で 実効 が ある の は 、 資材 、 機材 の 購入 、 工事 請負 契約 で 、 指名 競争 入札 を 広げる こと だろう 。 電力 設備 の 機材 は 、 電力 会社 が 作って いる わけで は ない 。 企業 体質 の 改善 の 一 歩 と して 、 設備 関連 費 の 抑制 が 重要で 、 この 購入 面 で 競争 原理 が 生かせる はずだ 。 原子 力 を とって も 、 設備 の メーカー は 、 東 は 東芝 、 日立 、 西 は 三菱重工 と 、 供給 側 が 寡占 状態 に なって いる こと が 多い 。 円高 を 生かし 、 国際 的な 競争 入札 で 、 コスト を 下げる 余地 は まだまだ ある はずだ 。 最近 、 小規模の 水力 発電 の 設備 の 競争 入札 で 、 中国 が 受注 する ケース が 出て いる 。 こうした 競争 は 、 活発に なった 方 が よい 。 指名 競争 入札 の 割合 は 、 すでに 五 割 に 近付いて いる と いう 。 この シェア を もっと 増やす こと が 必要だ 。 さらに 、 電力 各社 は 業務 の 統廃合 や 組織 の スリム 化 に 向けて 、 中 長期 の 改善 計画 を 進めて いる 。 しかし 、 厳しい リストラ に 追わ れる 製造 業 から 見る と 、 生ぬるい と の 指摘 も ある 。 その 意味 で 、 YS 方式 を 活用 した 料金 制度 の 実効 性 ある 具体 化 が 望ま れる 。 要するに 、 電力 分野 は 、 規制 緩和 と 競争 原理 の 導入 に より 、 効率 化 が 必要であり 、 それ に よって 、 安い 料金 が 実現 する こと を ユーザー は 期待 して いる 。 その ため に は 、 電力 会社 は 自己 責任 原則 を 追求 し 、 役所 も なるべく 口 を 出さ ない 体制 に す べきだ 。 まして や 、 政治 の 介入 は 避け たい 。 阪神 大 震災 翌日 の 十八 日 朝 、 韓国 外務 省 は 駐 韓 日本 大使 館 を 通じ 、 医療 チーム と 、 復旧 協力 要員 の 派遣 を 申し入れた 。 日本 の 外務 省 は 「 被災 地域 で 必要 か どう か 検討 さ せて もらった うえ で 」 と 、 返事 を して いる 。 外務 省 は 非常 災害 対策 本部 の 置か れた 国土 庁 に 連絡 した 。 国土 庁 の 判断 を 待って 、 外務 省 が 公式 に 回答 した の は 二十一 日 未明 に なった 。 「 必要に なったら 、 こちら から お 願い する 」 。 結局 、 韓国 政府 から は 一 次 、 二 次 で 計 三百 トン に 上る 生活 必需 品 を 受け取った 。 なぜ 、 韓国 の 医療 チーム を 受け入れ なかった の か 。 被災 者 、 負傷 者 に は 在 日 韓国 人 、 朝鮮 人 も 多い 。 母国 の 医師 の 救援 は 心強い 。 日本 語 の 分かる 医師 も 多かった だろう 。 日本 人 負傷 者 に も 言葉 の 壁 の 不安 は 少なかった はずだ 。 医師 不足 は 、 はっきり して いた のだ から 。 阪神 大 震災 は 、 実に さまざまな 反省 と 、 新たな 方策 の 立案 、 実施 を 迫って いる 。 その 中 でも 、 諸 外国 から 寄せ られる 援助 、 好意 に どう 応える か 、 の 問題 は 見 落とせ ない 。 地震 直後 から 、 諸 外国 は 人命 救出 隊 派遣 を はじめ 、 人 的 、 物的 支援 を 日本 政府 に 伝えて いる 。 それ は これ まで に 、 五十九 カ国 ・三 国際 機関 に 及んで いる 。 政府 は その 中 から 、 行方 不明 者 探索 犬 を 伴った スイス 、 フランス の 救出 隊 に 活動 を 頼んだ 。 在 日 米軍 、 モンゴル など から の 援助 物資 も 受け取って いる 。 アメリカ から は 民間 の 医療 団 も 現地 入り した 。 今後 、 物資 中心 に 二十二 カ国 の 援助 を 受ける 用意 も して いる が 、 随分 と 遅い 。 さらに 、 大 多数 の 国 から の 援助 を 事実 上 、 断る 形 に なって いる 。 なぜ 、 好意 に 応え ない の か 。 不可思議に 感じた 国民 は 多い 。 一 年 前 の ロサンゼルス ・ ノースリッジ 地震 で 、 米国 政府 は 確かに 、 一切 の 他国 から の 援助 は 不要 と 、 いち早く 宣言 した 。 だが 、 阪神 大 震災 の 被害 規模 は 、 ロス 地震 と 全く 違う 。 国土 庁 は 関係 省庁 、 地元 自治 体 に 外国 から の 人 的 救援 を 望む か どう か を 問い合わせ 、 外務 省 に 返事 を して いる 。 大 災害 現場 に 外国 人 が 入って も 、 言葉 、 地理 の 問題 が ある 。 通訳 が 要る 。 宿 や 食事 は どう する 。 この 大 混乱 時 だ 。 その ため の 人員 は 割け ない 。 現場 は そう 思い込み がちだ 。 だが 、 救出 隊 は 、 食事 や 待遇 に 注文 を つけ は し ない 。 宿 なら 近隣 都市 から ホームステイ 先 を 求めて も いい 。 通訳 を 募集 すれば ボランティア の 人々 が 必ず 集まる 。 残念 ながら 遺体 で は あった が 、 スイス 、 フランス の 救助 隊 は 十一 人 を 発見 した 。 実際 、 素早く 救出 隊 を 受け入れて いれば 、 助かった 命 が あった かも しれ ない 。 医療 で は 、 初め 日本 の 医師 免許 が なければ 診察 でき なかった 。 政府 が 救援 外国 人 医師 の 診察 、 手当て を 追認 した の は 、 地震 後 八 日 目 だ 。 これ は 、 医療 チーム 派遣 を 断る 大きな 理由 に なった 。 素早い 決断 が 要る 。 物資 でも そう だ 。 経済 的な 困難 を 抱えた 多く の 国 が 、 手 を 差し伸べた 。 それ を 断る 。 事務 量 が 少し 増える から と いって 、 こんな 消極 的な 態度 で は 国際 社会 の 気持ち を つかめ ない 。 災害 は 今後 も 列島 を 襲う 。 外国 の 好意 を どう スムーズに 受け入れ られる か 。 政府 ・ 自治 体 が 磨いて おく べき 重要な 課題 と して 残った 。 どうして 何の 罪 も ない 子供 たち が こう も 差別 さ れ 、 不利益 を 被る のだろう か 。 国 に 国籍 確認 を 求めて きた 四 歳 の 男児 アンデレ ちゃん は 、 生まれて から ずっと 無 国籍 だった 。 国籍 は 一般 市民 に とって 空気 の ような もの だろう 。 だが 、 無 国籍 と は 「 権利 を 保障 し 、 庇護 して くれる 国 」 を 持た ない こと であり 、 人権 そのもの が 危うく なる 。 二十七 日 の 最高裁 判決 で アンデレ ちゃん は 勝訴 し 、 日本 国籍 を 取得 できる こと に なった 。 が 、 無 国籍 児 は 不法 就労 の 外国 人 労働 者 が 増えて いる 中 、 ほか に も かなり いる はずだ 。 この 日 の 判決 が 、 同じ ような 境遇 に ある 子供 の 救済 へ つながって いく こと を 願う 。 アンデレ ちゃん は 、 日本 人 と み られる 「 父親 」 と 東南アジア 系 の 女性 と み られる 「 母親 」 の 間 に 生まれた 。 父親 の 身元 は 全く 不明だった 。 母親 は 産院 で 名前 など を 語った が 、 身元 を 証明 する もの は なく 、 出生届 を 出さ ない まま 行方 不明 と なった 。 国籍 法 で は 「 日本 で 生まれ 、 父母 が ともに 知れ ない 」 場合 、 日本 国籍 が 取得 できる 。 米国 人 牧師 の 養父母 は この 規定 に 基づき 地方 法務 局 に 国籍 確認 を 求めた が 「 母親 は フィリピン 人 」 と いう 理由 で 拒否 さ れた 。 フィリピン の 大使 館 から は 「 母親 は 特定 でき ない 」 と 逆の 理由 で 拒否 さ れて おり 、 二 つ の 国 から 突き放さ れた 形 で 無 国籍 と なった 。 裁判 は 「 ともに 知れ ない 」 の 要件 を めぐって 争わ れた 。 一 審 は 、 母親 の 特定に ついて 「 国 側 の 立証 は 十分で ない 」 と 判断 して 日本 国籍 を 認めた 。 控訴審 は 「 母親 の 特定 を うかがわ せる 事情 が ある 」 と 反対の 認定 を 示し 、 請求 を 退けた 。 この 法規 定 は 「 無 国籍 の 防止 」 を 目的 に 設け られて いる 。 とすれば 、 この 趣旨 に 沿った 法 解釈 が 裁判 所 に 求め られて いた ので は なかろう か 。 最高裁 は 立法 趣旨 を 確認 した うえ 、 「 父母 の 存在 が 判明 して い ない 状況 で は 『 ともに 知れ ない 』 時 に 当たる 」 と 幅広く 解釈 した 。 常識 に かなった 判決 と いえよう 。 裁判 は 異例の スピード で 終結 した 。 それ でも 、 当然の 権利 を 取得 する の に あまりに も 回り道 し 過ぎた 。 国籍 法 は 、 日本 で 生まれた 無 国籍 児 が 「 三 年 以上 、 日本 に 居住 すれば 帰化 できる 」 と も 規定 して いる 。 国 側 に は この 点 から 「 不利益 の 程度 は 大きく ない 」 と の 見解 も ある 、 と いう 。 そう だろう か 。 国際 人権 規約 は 「 すべて の 児童 は 国籍 を 取得 する 権利 を 有する 」 と 宣言 し 、 子供 の 権利 条約 も 各国 に 無 国籍 防止 を 義務付けて いる 。 国際 的 視野 に 立てば 、 この 感覚 は 受け入れ 難い ので は ない か 。 無 国籍 児 の 背景 に は 、 不法 就労 が 発覚 すれば 処罰 さ れる か 、 強制 退去 と なる ため に 出生 、 登録 を 届け られ ない と いう 事情 も ある ようだ 。 日本 人 男性 が 認知 、 養育 を 放棄 して いる ケース も ある と 聞く 。 わが国 に とって 避け られ ない 問題 である 。 だが 、 外国 人 労働 者 を 送り出して いる 国 も 真剣に 対応 す べき 問題 であろう 。 不法 就労 目的 の 安易な 出国 は 当人 ばかり か 、 子供 の 不幸に も つながる 。 最高裁 で は 、 非 嫡出子 の 差別 相続 を めぐる 裁判 も 審理 中 だ 。 ここ でも 、 親 を 選ぶ こと の 出来 ない 子供 が 不利益 を 被って いる 。 「 自分 に 責任 の ない 理由 で 不利益 を 受け ない 」 と いう 市民 法 の 大 原則 を もう 一 度 、 想起 する 必要 が あり そうだ 。 住友 銀行 は 一九九五 年 三 月 期 の 決算 で 、 思い切って 不良 債権 の 処理 を 断行 、 その 結果 、 二千八百億 円 の 経常 赤字 を 出す 方針 を 発表 した 。 都 銀 の 赤字 決算 は 、 終戦 直後 の 混乱 期 を 除き 、 戦後 初めて である 。 金融 機関 の 不良 債権 問題 の 深刻 さ を 、 改めて 浮き彫り に した と いえよう 。 住 銀 は 都 銀 の なか で 不良 債権 が 突出 して 多い わけで は なく 、 強力な 収益 力 から 考える と 、 十分 処理 が 可能である 。 そして 、 他の 銀行 と 同じ ように 黒字 決算 が 可能であった 。 住 銀 が あえて 赤字 決算 に 踏み切る の は 、 不良 債権 処理 の スピード を 速め 、 前向き の 銀行 経営 に 早く 移行 し たい から であろう 。 赤字 決算 ならば 、 法人 税 が 免除 に なる ばかり か 、 払い戻し も あり 、 債権 処理 が 加速 できる 。 一方 、 赤字 決算 を 市場 や 顧客 が どのように 受け止めて くれる か に 不安 が あった 。 その 意味 で 、 自己 責任 の 原則 に のっとり 、 勇気 ある 決断 を した 住 銀 の 経営 陣 に 拍手 を 送り たい 。 昨今 の 銀行 で は 、 頭取 も 役員 も 責任 を 取り たく ない ため 、 決断 が でき ず 、 銀行 の 体力 回復 を 遅らせて いる 。 かつて 年間 一兆 円 に 上った 銀行 から の 法人 税 が 、 ゼロ に 近付く の は 、 税収 面 から マイナス だ 。 しかし 、 現実 の 銀行 の 姿 は 、 税金 を 払って まで 巨額な 不良 債権 を 償却 できる 余裕 は とても ない 。 八〇 年 代 後半 に 、 米 大手 商業 銀行 も 経営 悪化 の 試練 を 受けた 。 その 中 で 、 米 銀 の トップ クラス の シティバンク は 率先 して 、 不動産 の 売却 など で 不良 債権 の 大量 償却 に 踏み切り 、 赤字 決算 を 計上 、 配当 金 を なくす 措置 を 取った 。 さらに 、 人員 整理 など 、 経費 削減 で 大なた を 振るった 。 ニューヨーク の 株式 市場 は 、 この 赤字 決算 を 経営 体質 の 改善 と みて 評価 し 、 株価 は 逆に 上昇 した 。 その後 の シティバンク は 曲折 は あった が 、 収益 力 を 誇る 銀行 と して よみがえり 、 リード 会長 の 経営 手腕 の 評価 は きわめて 高い 。 住 銀 の 赤字 決算 も 、 シティバンク と 同じ ような 評価 を 受ける だろう 。 むしろ 問わ れる の は 、 どうして 他の 銀行 が いまだに 赤字 決算 に 踏み切れ ない の か であろう 。 さらに 、 なぜ もっと 二 、 三 年 早く 赤字 決算 を 決断 する 銀行 が 一 行 も 現れ なかった の か 、 残念で なら ない 。 日銀 は 二 年 半 前 から 、 赤字 決算 に よる 債権 処理 を 大手 銀行 に 勧めて いた し 、 保守 的で 先 送り 志向 の 強い 大蔵 省 で すら 、 同じ 意向 を 示して いた 。 この 二 年間 で 、 都 銀 、 長信 銀 、 信託 の 二十一 行 の 債権 償却 特別 勘定 残高 は 、 三兆六千億 円 に 膨らみ 、 共同 債権 買取 機構 へ の 債権 売却 も 進んで は いる 。 つまり 、 体力 回復 へ の 努力 は それなり に 行わ れた が 、 十分 と は いえ ない 。 証券 界 の ように 大きな 雇用 調整 は 行わ れ ず 、 製造 業 に 比べて かなり 高い 賃金 水準 も そのまま だ 。 建物 、 グラウンド と いった 不動産 類 の 売却 の 話 も 聞こえて こ ない 。 銀行 が 本業 で 高い 収益 を 上げて いる の は 、 低 金利 と いう 順風 が 吹いて いる ため だ が 、 昨年 から 金利 は 反転 し 始めた 。 株式 売却 に よる 益 出し も 、 だんだん 困難に なった 。 世界 的な 金利 上昇 局面 と いう 逆風 を 、 日本 の 銀行 が 乗り切って いく ため に は 、 リスク を 負う 精神 が 必要だ 。 横 並び 意識 を 捨て なければ なら ない だろう 。 校庭 で 、 仮設 共同 浴場 の 建設 が 進む 。 仮設 トイレ も 思って いた より きれいだ 。 朝食 に ソーセージ や 缶詰 も 配ら れた 。 ホッと さ せ られる 。 兵庫 県 芦屋 市立 精 道 小学校 は 、 市 役所 の すぐ そば に ある 。 地震 直後 から 被災 者 が 続々 と 詰めかけ 、 ピーク 時 に は 千七百 人 が 過ごした 。 今回 の 震災 で は 、 教育 の 場 と して の 学校 が 、 被災 者 の 救援 対策 の うえ で 大きな 役割 を 果たして いる 。 芦屋 市 でも 、 所定 の 防災 計画 に 従い 、 市立 小 ・ 中学校 十二 校 全部 が 避難 所 に 早変わり し 、 全市 の 避難 者 の 半数 余 を 受け入れて きた 。 精 道 小 で は 、 体育 館 と 三十 近い 教室 が 開放 さ れた 。 救護 室 や 遺体 安置 所 も 設けた 。 教職 員 の ボランティア 的 働き も 心強い 。 三十六 人 の ほぼ 全員 が 電話 の 取り次ぎ 、 救援 物資 の 仕分け 、 食事 の 分配 など に 汗 を 流す 。 四 、 五 人 ずつ に よる 泊まり込み 態勢 も ずっと 続いて いる 。 授業 は 中断 した まま だ が 、 先生 たち の 頑張り は 子供 たち の 目 に も 鮮烈な はずだ 。 生きた 教育 に なって いる と 信じ たい 。 市 の 災害 対策 本部 に 、 防災 服 姿 で 詰める 三浦 清 教育 長 は 「 日ごろ の 学校 開放 事業 の 意義 を 再 確認 できた 」 と 語る 。 芦屋 市 は 、 十七 年 前 から 、 小学校 ごと に 、 順次 「 コミュニティー ・ スクール 」 を 開設 し 、 地域 住民 が 文化 講座 を 自主 運営 して きた 。 それ が 、 この 緊急 時 に 思わぬ 形 で 生きた 。 同 スクール の 運営 委員 が 自治 会 役員 ら と 協力 し 、 被災 者 の 要望 の くみ上げ や ルール の 確立 に リーダーシップ を 発揮 して いる と いう のだ 。 「 普段 の 活動 が 活発な ところ ほど 避難 所 運営 が スムーズに いって いる 」 と 教育 長 は 重要な 指摘 を した 。 学校 開放 事業 で は 三十 年 の 実績 を 持つ 神戸 市 でも 、 「 運営 委員 会 の おかげ で 住民 に 強い 連帯 感 が 生まれて いる 」 と いう 。 神戸 市 の 取り組み は 「 学校 公園 」 の 名 で よく 知ら れて いる 。 「 校庭 の 総 面積 が 市 内 の 公園 ・ 緑地 の 一・五 倍 も ある 」 の に 注目 し 、 地域 住民 が スポーツ を 楽しむ 場 と して 、 校庭 を 積極 的に 開放 して きた のである 。 今回 の 体験 に は 、 反省 点 も 出て くる だろう 。 今後 じっくり 検証 し 、 広く 紹介 して もらい たい 。 臨時 教育 審議 会 が 第 三 次 答申 で 「 開か れた 学校 と 管理 運営 の 確立 」 を 提言 した こと を 受け 、 学校 開放 事業 は 社会 教育 ・ 生涯 教育 の 側面 から 全国 の 自治 体 に とって 共通の 課題 に なって いる から だ 。 神戸 、 芦屋 両 市 の ほか 、 東京 都 中野 区 の 「 生涯 地域 学習 館 」 や 横浜 市 の 「 コミュニティー ・ スクール 」 など 先駆 的 事例 も 多い 。 それ が 、 緊急 時 に も 生かさ れる と あれば 、 学校 開放 を 急ぐ に 越した こと は ない 。 趣味 的 内容 が 多い 講座 に 「 地域 の 防災 」 を 加えたり 、 空き 教室 を 防災 資料 室 と して 整備 する こと も 考え たい 。 日本 で は 、 公園 や 防災 広場 など 、 防災 拠点 づくり が 立ち遅れて いる 。 阪神 大 震災 でも 、 はっきり した 。 政治 ・ 行政 の 責任 は 極めて 重い 。 一 つ の 提案 が ある 。 少子 化 社会 に 伴って 進む 廃校 ・ 統廃合 後 の 学校 跡地 の 利用 法 に ついて である 。 避難 広場 、 救護 所 、 地下 水槽 の 設置 スペース 、 情報 伝達 ポイント 、 がれき や ごみ の 一時的 集積 所 …… と 多目的に 利用 する 地域 密着 型 の 防災 拠点 と して 、 せめて 、 それ を 生かせ ない か 。 今後 の 都市 計画 を 見守り たい 。 兵庫 県 南部 の 医療 機関 は 、 約 二千 カ所 の ほぼ すべて が 地震 で 打撃 を 受け 、 小規模の 医院 は 半数 以上 が 機能 停止 に 陥った 。 地域 医療 の 壊滅 的 被害 と 言えよう 。 逆に 、 医療 を 必要 と する 人 は 普段 の 何 倍 も いる 。 被災 二 週間 を 経て 、 外科 的な 緊急 医療 は ピーク を 越した が 、 新たな 患者 が 増えて いる 。 突然の 医療 過疎 を 応援 の 医師 、 看護 婦 が 懸命に 補って いる が 十分で ない 。 ギャップ を 早急に 埋め ねば なら ない 。 死者 数 が 千 人 を 超した 神戸 市 東灘 区 。 全 半壊 した 医院 が 目 に つく 。 負傷 した 医師 も 多い 。 千 人 以上 が 避難 する 県立 御影 高校 の 救護 所 に は 、 大阪 府 内 の 病院 の 勤務 医 と 看護 婦 が 詰めて いる 。 患者 は 一 日 五十 ― 百 人 。 風邪 が 半数 以上 だ が 、 慢性 病 の 悪化 、 疲れ に よる 不調 や 精神 不安定 の 訴え が 増えて いる 。 周辺 の 自宅 に 住む 人 の 求め で 往診 に も 出かける 。 普段 かかりつけ の 医師 が 果たして いた 役割 が 救護 所 に 求め られて いる のだ 。 区 内 の 避難 所 約 百 カ所 の うち 、 救護 所 は 三十数 カ所 。 スタッフ の ほとんど が 他 府県 から 薬品 、 食料 持参 の 応援 だ 。 救護 所 の 設置 比率 は 他の 地域 も 同 レベル だろう 。 行政 当局 に は 現在 の 救護 所 で 周辺 地域 の 患者 も カバー し 、 重症 患者 は 大 病院 や 他 府県 に 転送 する こと で 「 当面 の 医療 体制 は 十分 」 と の 考え が ある 。 一時的な 体制 より 既存 の 医院 を 立ち直ら せ 、 本来 の 地域 医療 体制 を 早く 回復 し たい と も 言う 。 長期 的に 見れば その 通り だ 。 しかし 、 医院 の 復興 は そう 容易で ない 。 一方 で 、 避難 生活 の 長期 化 に 伴う 発病 が ある 。 今 まで 高 血圧 や 糖尿 病 など の 持病 を 我慢 して いた 患者 も 耐え 切れ なく なって いる 。 これ ら すべて に 対応 する に は 、 まだ 医療 スタッフ と 施設 は 十分 と いえ ない 。 応援 の 意思 を 持つ 全国 の 医療 関係 者 は 多い 。 受け入れ に 伴う 事務 の 煩雑 さ や 、 責任 問題 など も あろう が 、 政府 と 自治 体 は もっと 大胆に 応援 を 呼びかけたら よい 。 御影 高校 の 救護 所 に 詰める 大阪 府 私立 病院 協会 も 、 地震 翌日 に 応援 を 申し出た が 「 足りて いる 」 と 言わ れ 出動 が 遅れた 。 同 協会 副 会長 の 佐藤 真杉 医師 は 「 早く 多く 集め 、 うまく 配分 、 活用 する の が 行政 の 仕事 だ 」 と 語る 。 地震 直後 は 行政 の 混乱 も やむ を 得 ない 。 緊急 対応 が 一 段落 した いま 、 患者 に 目 を 向けた 「 災害 後 医療 」 充実 に 全力 を 挙げて ほしい 。 その 点 、 精神 的な 症状 の 増加 に 応じて 、 いく つ か の 保健 所 が カウンセリング コーナー を 開設 した の は 評価 できる 。 今後 も 増設 を 期待 し たい 。 大 災害 時 に は 、 行政 組織 の 混乱 を 前提 に した 医療 応援 システム を 構築 して おく 必要 を 教え られた 。 政府 の 仕事 だろう 。 行政 を 通さ ず 、 とにかく 被災 地 に 入り 、 活動 する チーム は 今回 も 多い 。 そのような 機動 力 、 組織 力 を 医療 関係 者 に も 求め たい 。 これ から 重要な の は 、 医療 需要 の 掘り起こし である 。 既に 一部 の 応援 医師 ら が 実施 中 だ が 、 連絡 も でき ず 自宅 に いる 寝たきり の 人 や 独居 老人 など を 訪問 し 、 医療 や 看護 の 必要 性 を 調べる のだ 。 神戸 市 など も 「 巡回 や 看護 サービス 、 ケースワーカー の 要員 は もっと 必要 」 と いう 。 ボランティア の 応募 を 呼びかけ たい 。 アウシュビッツ 強制 収容 所 が ソ連 軍 の 手 で 解放 さ れて 五十 年 に なる 。 戦後 、 ポーランド 国立 博物 館 と なった 収容 所 跡 で 二十六 、 二十七 の 両日 、 死者 を 悼む 記念 式典 が 開か れた 。 ここ で 虐殺 さ れた 犠牲 者 の 数 は 百十万 人 から 百五十万 人 と 推計 さ れて いる 。 その 九〇 % 近く が ユダヤ 人 であった と いわ れる が 、 収容 所 に 送ら れた 人々 は ポーランド など ナチス 占領 下 の 欧州 各国 の 政治 犯 や ソ連 、 米国 、 英国 の 捕虜 など 二十四 の 国籍 に わたり 、 ドイツ 人 も いた 。 ナチス は 政党 、 教会 、 労働 組合 、 言論 機関 など 、 あらゆる 社会 組織 を ローラー で 押しつぶす ように 強制 的に 均一 化 して いった 。 そして 、 自由 、 平等 、 人間 愛 と いった 近代 民主 主義 の 基本 価値 を 否定 、 嘲笑 する ところ から 攻撃 的な エネルギー を 引き出して いく 「 能動 的 ニヒリズム 」 に 特色 が あった と いわ れる 。 その ニヒリズム が 氷 の ように 冷たい 計画 性 と 組織 力 で つくり上げた の が 、 アウシュビッツ の 大量 虐殺 システム だった 。 「 スキ で 耕す ように 」 欧州 大陸 の 各地 で ユダヤ 人 を はじめ 「 ヒトラー の 敵 」 と さ れた 人々 を 狩り たて 、 貨物 列車 で 収容 所 に 送り込み 、 奴隷 労働 に 適さ ない 者 を 選別 して 殺し 、 焼却 した 。 そして 、 死者 の 毛髪 や 入れ歯 の 貴金属 を 資源 と して 利用 した 。 人間 の 尊厳 の 全面 否定 である 。 ナチス に とって 、 収容 者 は 左腕 に 入れ墨 した 番号 だけ で 識別 する モノ であり 、 収容 所 は モノ を 処理 する 大規模な 工場 に ほかなら なかった 。 アウシュビッツ を 訪ねれば 、 「 人間 に は これほど の 狂気 が ひそんで いる の か 」 と 慄然と さ せ られる 。 アウシュビッツ の 悲痛な 体験 は 、 人類 共通 の 教訓 と して 語り継が ねば なら ない 。 私 たち 日本 人 に 無縁な 出来事 と は 言え ない から だ 。 石井 部隊 は 中国 で 細菌 の 人体 実験 を 行い 、 タイ と ビルマ を 結ぶ 泰 緬 鉄道 の 建設 工事 で は 、 過酷な 強制 労働 と 劣悪な 収容 所 生活 で 多数 の 捕虜 や 現地 の 人々 が 命 を 落とした 。 犠牲 者 の 遺族 の 目 に アウシュビッツ と 日本 軍 の 蛮行 が 二 重 写し に なって も 、 不思議で は ある まい 。 ナチス の 罪 と いう 十字架 は いまなお ドイツ 国民 の 肩 に ずしり と 重い 。 しかし 、 ナチス の 過去 を 真 正面 から 見据え 、 犠牲 者 に 謝罪 と 賠償 を 行い 、 時効 なし で ナチス の 犯罪 を 追及 し 続ける ドイツ の 姿勢 が 、 ユダヤ 人 を はじめ と する 被害 者 と の 和解 を 大きく 進展 さ せた こと も 事実 だ 。 歴史 の 教科 書 に は 強制 収容 所 の 実態 が 詳しく 書か れて いる し 、 アウシュビッツ で は ドイツ の 若者 が 清掃 作業 の 奉仕 も して いる 。 ナチス の 過去 を 直視 する こと で 歴史 を 見る 目 を 鍛え 、 旧 ユーゴ の 内戦 や チェチェン 進攻 に 「 人道 へ の 犯罪 」 を かぎつけ 、 批判 と 犠牲 者 へ の 救援 に 立ち上がった 人 が 少なく ない こと も 指摘 して おき たい 。 これ に 比べ 、 日本 の 学校 で は 南京 虐殺 や 東南アジア で の 日本 軍 の 蛮行 を ろくに 教えて い ない 。 歴史 を ないがしろに する 姿勢 が 続く 限り 、 アジア の 対 日 不信 は 消え ない だろう 。 戦後 日本 は 平和に 恵まれて きた が 、 私 たち の 心 の 奥深く 、 アウシュビッツ の 虐殺 を 引き起こした の と 同様の 狂気 が 息 を ひそめて い ない と は 言い切れ まい 。 この 「 内 なる アウシュビッツ 」 を 問い 直す こと こそ 、 強制 収容 所 で 命 を 落とした 人々 に 対して 、 私 たち が ささげ られる 追悼 の 祈り だ と 思う 。 こんな こと を 改めて 取り上げる こと 自体 、 ためらい を 感じ ざる を 得 ない が 、 村山 富市 首相 は 阪神 大 震災 の 政府 の 対応 に ついて 「 最善 の 策 だった 」 と 答えた 。 後 に 「 最善 の 体制 だった 」 と 修正 した が 、 綸言 汗 の 如し で 、 そもそも 修正 に すら なって い ない 。 これ を 「 暴言 だ 」 と 決めつけた 新進党 の 太田 誠一 、 野末 陳平 両氏 ら が 退陣 要求 の 署名 集 め を 始めた 。 ところが 、 野末 氏 に よる と 首相 は 売り 言葉 に 買い 言葉 で 「 どんどん やって もらって 結構だ 」 と 答えた のだ と いう 。 それ が 火 に 油 を 注ぐ 結果 と なり 、 両氏 は 退陣 署名 活動 を さらに 進めて 三 日 後 の 二十七 日 に 四十三 人 の 署名 簿 を 届ける 一幕 が あった 。 この さなか に 署名 集 め まで して 退陣 を 求める 方 も 求める 方 だ が 、 首相 も どうかして いる 。 付言 すれば 三十 日 の 衆院 予算 委員 会 で は 同じ 新進党 の 二見 伸明 氏 が 「 責任 は しかるべき 時 に とる の か 」 と 暗に 引責 辞任 を 求めた の に 対し 首相 は 「 いろんな 批判 は 知っている が 、 今 は 復旧 、 復興 対策 に 全力 を 挙げる 」 と 答えた 。 二十 日 の 通常 国会 召集 日 に 十 日間 の 政治 休戦 を 呼びかけた の は 、 ほかなら ぬ 新進党 だった が この 時 、 連立 与党 は 「 予算 審議 を 遅らせる ため の パフォーマンス 」 と 取り合わ なかった 。 今 と なって みれば それ が 「 正解 」 だった と 見 ざる を 得 ない ほど 国会 論戦 は 思惑 絡み で 推移 し 過ぎて いる ので は ない だろう か 。 もちろん 、 首相 以下 政府 の 対応 の お粗末 さ は 論外である 。 新進党 なら ず と も 責任 の けじめ は ちゃんと つけて もらわ ねば なら ない 。 政治 の 最低 限 の 要諦 である 「 国民 の 生命 、 財産 、 安全 を 守る 」 の どれ ひと つ とって も 満足に こなせ なかった の は 明々白々たる 事実 であり 、 あいた 口 が ふさがら ない ほど すべて が 後手 に 回り っ放し だった のだ から 。 始末 の 悪い こと に 、 この 状態 が 震災 後 二 週間 以上 が たつ と いう の に まだ 続いて いる 。 倒壊 した 建物 の 撤去 費用 を 公費 で 、 と いう の は 被災 後 十二 日 目 の 決定 。 被災 者 住宅 の 確保 も 泥縄 式 の 追加 で しのいで いる 。 「 足 」 の 確保 は 、 医療 は 、 雇用 は 、 と 問題 が 山積 して いる 。 それ に そもそも 十兆 円 に も 達する と いわ れる 被害 に 対し 、 どのような 財源 の 手当て を する の かも まだ 本格 的 論議 に なって おら ず 、 一九九五 年度 予算 の 組み替え 問題 すら 入り口 で 平行 線 を たどって いる 。 村山 内閣 の 責任 を 問う の は 、 こうした 問題 の 処理 が すべて 終わって から でも 遅く は ない はずだ 。 釈迦 に 説法 を あえて 承知 で 言って おこう 。 五五 年 体制 時代 の 野党 は まさに そう だった が 、 今 でも その 感覚 から 脱して おら ず 、 新進党 も 含め 野党 は 何かにつけ 「 国会 で ただす 」 と いう 。 ところが 広辞苑 に よれば 「 ただす 」 に は 「 正す 」 「 糺す 」 「 質す 」 の 三 つ の 用例 が ある のである 。 なのに 、 野党 の 「 ただす 」 と は これ まで 政府 ・ 与党 の 理非 を 追及 する 意味 の 「 糺す 」 か 、 お うかがい を たてる 意味 の 「 質す 」 の 二 つ の 用例 が あった だけ である 。 政府 ・ 与党 の 対応 が 不手際 だらけ だった のだ から 、 それ を 改め 直さ せる と いう 意味 で の 「 正す 」 論戦 が 国会 に は 期待 さ れて いる の が 今 で は ない か 。 倒閣 の ため の 言質 を 取る こと に 血道 を あげる ような 論戦 は だれ も 望んで い ない 。 六甲 下ろし の 風 は 、 家族 を 奪わ れ 、 家 を 失った 人々 に 身 を 切る ような 寒 さ であろう 。 被災 者 の 間 に インフルエンザ も 流行 する 。 お 年寄り や 乳幼児 の 健康 が 気遣わ れる 。 災害 時 は もちろん の こと 、 高齢 者 は 病気 がちで 医療 費 が かさむ 。 今 国会 に 提出 さ れる 老人 保健 制度 ・ 改正 案 も 、 その 重い 課題 に 直面 して いる 。 国民 医療 費 は 約 二十四・三兆 円 。 うち 七十 歳 以上 を 対象 に する 給付 が 七・三兆 円 で ほぼ 三 分 の 一 を 占める 。 このまま で は 二〇二五 年度 に 七十一兆 円 と 厚生 省 は 推定 する 。 老人 保健 制度 は 、 どの 保険 制度 の 加入 者 であって も 七十 歳 以上 の 医療 費 に ついて は 、 各 制度 の 共同 事業 と して 七 割 を 負担 する 。 残り 三 割 は 公費 で 払う 。 老人 の 加入 者 が 多い 制度 は 負担 が 重く なり すぎる ので 、 どの 制度 も 全国 同じ 割合 で 老人 が 加入 して いる と 仮定 して 、 各 制度 は 共同 負担 する 。 ただし 老人 加入 率 が 二〇 % 超 でも 二〇 % と みなし 、 その 制度 で いわば 二〇 % 超 分 を 独自 負担 する 形 に なる 。 国民 健保 は 市町村 三千二百五十三 が それぞれ 保険 者 に なる 。 老人 保健 制度 発足 時 に 二〇 % 超 は 百五十一 市町村 だった が 、 九三 年度 に は 二千三十八 市町村 に 達した 。 独自 負担 額 も 四百七十七億 円 に 上る 。 改正 案 で は 、 九五 年度 は 緊急 避難 的に 、 上限 二〇 % を 二二 % に 上げ 、 九六 年度 は 二四 % に 再び 引き上げる 運び 。 九三 年度 で 、 加入 者 の 平均 年齢 は 約 四十七 歳 、 老人 加入 率 は 平均 一八 % 。 無職 の 世帯 も 多く 、 平均 所得 は 年間 二百八十万 円 弱 。 一 世帯 当たり の 保険 料 は 、 平均 で 年 に 約 十五万 円 。 組合 健保 は 三十万 円 、 政 管 健保 二十七万 円 。 逆に 、 一 人 当たり 医療 費 は 、 国民 健保 が 年間 平均 十三万七千 円 で 組合 健保 の 九万 円 と 比べ 一・五 倍 に 上る 。 高齢 者 の 長期 入院 が 目立つ 市町村 で は 一 人 当たり の 医療 費 も かさむ 。 それ が 跳ね返り 保険 料 の 差 を 生む 。 国 は 、 国民 健保 の 支出 の 二 分 の 一 、 低 所得 者 に 対する 保険 料 軽減 分 の 二 分 の 一 を 負担 する 。 市町村 も 一般 会計 で 計 五千三百億 円 余 を 補てん する が 、 赤字 に 陥る 市町村 が 後 を 絶た ない 。 老人 加入 率 の 上限 を わずか ずつ 上げて も 当座 しのぎ に すぎ ない 。 厚生 省 は 、 ヘルパー や デイサービス など の 費用 を まかなう 介護 保険 の 創設 を 目指す 。 治療 より 介護 へ 費用 を 注ぐ 狙い である 。 その 費用 分担 の 明確 化 に 合わせて 老人 保健 制度 や 国民 健保 の 改革 に 踏み切る 構え だ 。 長期 入院 の 高齢 者 は 三十万 人 に 上り 、 医療 費 は 約 二兆 円 と 推定 さ れる 。 その 多く は 「 社会 的 入院 」 と 見 られる 。 本来 は 自宅 や 福祉 施設 で 暮らせる 高齢 者 を どれ だけ 病院 から 引き 戻せる か 。 まず 介護 サービス の 普及 ・ 充実 を 全力 で 進める ほか ない 。 いま も 避難 所 で 毛布 に くるまる 体 の 不自由な お 年寄り の 姿 は 、 福祉 施設 や 介護 サービス の 乏し さ を 、 私 たち に 突き付けて いる 。 阪神 大 震災 は 、 被災 地 の 子ども たち から 生活 の 場 ばかり で は なく 、 学び の 場 を も 奪った 。 身 を 寄せた 先 の 学校 に 一 時 転入 を 余儀なく さ れた 児童 ・ 生徒 は 、 一万五千 人 を 超えた 。 受け入れ 先 も 全国 に 及ぶ 。 戦後 は 死語 に なった はずの 「 学童 疎開 」 が 、 半 世紀 ぶり に よみがえった 。 教育 の 場 の 確保 と いう 見地 から やむ を 得 ない 措置 だろう 。 温かく 迎え入れる ため の 特段 の 配慮 を 、 全国 の 学校 、 教育 委員 会 に 望み たい 。 兵庫 県 北部 の 積雪 地 、 豊岡 市 の 市立 豊岡 小学校 で は 、 十八 人 の 転入 児童 が 学ぶ 。 家 が 壊れ 、 両親 の 実家 の 世話に なって いる 子 が 多い 。 神戸 市立 本山 第 一 小 の 梅谷 敬子 ちゃん と 、 同 市立 西脇 小 の 船原 瑛子 ちゃん が いる 三 年 三 組 の 教室 を のぞいた 。 戦争 の 悲惨 さ を 訴えた 物語 「 ちい ちゃん の かげ おくり 」 を 教材 に 、 国語 の 授業 中 だった 。 「 空襲 で 逃げる 途中 、 母 と はぐれた ちい ちゃん は 、 どんな 気持ち だった か な ? 」 。 女 の 先生 の 質問 に 、 敬子 ちゃん が 手 を 挙げた 。 「 不安だった と 思い ます 」 地震 で 怖い 目 に あった 思い が にじんで いた 。 敬子 ちゃん は 転入 後 四 、 五 日間 は 地震 体験 を 話し た がら なかった 。 家族 は 無事だった が 、 県庁 勤め の 両親 と 離れて の 生活 が 続く 。 授業 は 、 地震 の 話 に なった 。 瑛子 ちゃん が 「 幼稚園 の 弟 に 、 落ちて きた 電子 ピアノ が 当たり コブ が できた けれど 、 家族 四 人 は 元気です 」 と 報告 した 。 豊岡 で 、 被災 者 向け の おにぎり づくり を 手伝った 女の子 が 話す 。 「 いっぱい 積み上げて あった おにぎり の 数 だけ 、 やさしい 人 が いる んだ な と 思い ました 」 子ども たち の 言葉 や 態度 から は 、 転入 児童 を 励まそう と いう 気持ち が ひしひし と 伝わって くる 。 被災 の ショック が いやさ れる まで に は 時間 が かかる 。 慣れ ぬ 環境 が もたらす ストレス も 外面 から は うかがえ ない 。 転入 が 長期 に 及ぶ 子ども も ある だろう 。 地域 の 人々 も 一緒に なって 、 元気づけて やって ほしい 。 思いやり を 伴う 交友 は 、 受け入れ 側 の 子ども に とって も 得難い 情操 教育 に なる 。 「 いじめ 」 と は 対極 に ある 人間 関係 を 築く 好機 で も ある こと を 、 先生 方 も 認識 して もらい たい 。 私立 中学 の 受験 の こと が 心配で 、 十 日間 、 現地 で 頑張って いた 六 年生 も いる 。 「 向こう の 授業 が 再開 したら 、 すぐ 帰り たい 。 友達 に も 会い たい 」 と 語る 。 転入 先 で 進学 する 子ども へ の 配慮 も 欠かせ ない 。 とはいえ 、 転入 児童 ・ 生徒 は 被災 地 に 残った 子ども に 比べ 恵まれて いる 。 被災 地 で は 授業 を 再開 する 学校 が 増えて いる が 、 つらい 避難 所 生活 に 耐えて いる 仲間 も まだまだ 多い 。 さらに 望み たい の は 、 この 機会 に 地震 を 含む 防災 学習 に 力 を 入れる ことだ 。 先月 末 、 長崎 市 で 開か れた 日教組 教育 研究 全国 集会 の 全体 会 で 、 兵庫 県 教組 の 石井 亮一 委員 長 は 「 防災 教育 が 必要 」 と 訴えた 。 転入 児童 が 語る 地震 体験 を 、 生きた 教材 に できる 学校 は もちろん 、 すべて の 教育 現場 で すぐ 実践 に 移そう 。 阪神 大 震災 を 契機 に 、 ふだん 人ごと と 思い がちな 災害 を 身近な 問題 と して 受け止めよう 、 と の 動き が 各地 の 学校 に 見 られる 。 この 認識 を 一段 と 確かな もの に して いき たい 。 「 ナチ 『 ガス室 』 は なかった 」 と ナチス に よる ユダヤ 人 大量 虐殺 を 否定 する 記事 を 掲載 し 、 国際 的な 批判 に さらさ れた 月刊 誌 「 マルコポーロ 」 を 発行 する 文芸 春秋 は 、 同 誌 を 直ちに 廃刊 し 、 同時に 編集 責任 者 を 解任 する と 発表 した 。 外交 問題 に も 発展 し かね なかった 一 件 に 素早い 対応 で 処理 した と も いえる が 、 「 掲載 記事 に 事実 誤認 が あった から 」 と いう 説明 だけ で は 、 ジャーナリズム と して の 責任 を 果たした と は 言い難い 。 言論 ・ 出版 の 自由に も かかわる 問題 だけ に 、 同社 は 記事 採用 から 廃刊 まで の 経過 を 分かり やすく 説明 する 義務 が ある はずだ 。 問題 と なった 記事 を 要約 する と 、 アウシュビッツ を はじめ 、 どこ の ユダヤ 人 収容 所 に も ガス室 など は 存在 せ ず 、 大量 殺人 は 行わ れ なかった 。 アウシュビッツ で 公開 さ れて いる ガス室 は 解放 後 に 共産党 政権 が でっち上げた もの で 、 ナチス 指導 者 は ユダヤ 人 絶滅 を 計画 した こと など なかった 、 と 指摘 して いる 。 筆者 は 国立 の 療養 施設 に 勤務 する 医師 で 、 数 年 前 に 大量 虐殺 を 否定 する 論文 に 接して 以来 研究 を 続け 、 今回 も ポーランド に 足 を 運んで 取材 、 執筆 した と いう 。 それ に して は 大量 虐殺 を 覆す 事実 の 検証 も なく 、 あまりに も 歴史 的 認識 を 欠いた リポート と 言わ ざる を 得 ない 。 言論 ・ 出版 の 自由 は 絶対 に 守ら なければ なら ない 。 しかし 、 そこ に 責任 が 伴う こと は いまさら いう まで も ない 。 「 マルコポーロ 」 の 編集 者 は 今回 の 記事 掲載 に 当たって ジャーナリスト と して の 責任 を 自覚 して いた のだろう か 疑い たく なる 。 戦後 五十 年 を 経て も 日本 で は 太平洋 戦争 に おける 事実 の 検証 も きっちり 行わ れて い ない 。 南京 虐殺 事件 に 関し 閣僚 が 「 虐殺 の 事実 は なかった 」 と 発言 し 、 非難 を 浴びて から 当事 者 を 更迭 する と いった あいまいな 措置 を 繰り返して いる 。 今回 の 「 ガス室 は なかった 」 と する 記事 掲載 の 根底 に は 、 編集 者 に この あいまい さ から くる 甘え が あった と 言え ない だろう か 。 今回 の ように 問題 が 起きたら すぐ 謝れば 許さ れる と いう 雰囲気 が 雑誌 ジャーナリズム の 世界 に も ある なら 、 これ は 厳しく 反省 し なければ なら ない 。 文芸 春秋 は 月刊 誌 「 文 藝 春秋 」 で 田中 金脈 を 厳しく 追及 し 、 素晴らしい 成果 を 上げた 実績 を 持ち 、 雑誌 ジャーナリズム 界 を リード する 出版 社 だ 。 その リーダー 社 である 同社 の 刊行 物 で 、 この ところ 問題 が 多発 して いる の は どうした こと だろう 。 「 週刊 文春 」 は 一昨年 、 皇室 報道 キャンペーン で 行き過ぎ を 認めて 謝罪 し 、 昨年 も JR 東 日本 の 経営 体質 を 批判 する 連載 記事 で 事実 誤認 が あった と 謝罪 文 を 掲載 した 。 一連の 事態 を 重視 し 、 同社 で は 社 内 に 各誌 の 記事 を チェック する オンブズマン制度 を 設ける 方向 で 検討 して いた はずだ 。 ジャーナリスト と して の 実績 も ない 筆者 の 、 しかも 「 事実 誤認 が あった 」 と 認め ざる を 得 ない ような 売り込み 記事 を 掲載 した こと は 、 センセーショナルな 扱い で 売ら ん かな の 編集 姿勢 が 優先 して しまった と 責め られて も 言い訳 は でき まい 。 同社 は 明日 に も 社長 ら が 記者 会見 を する と いう が 、 今回 の 記事 掲載 の 経過 と 、 ジャーナリズム と して の 責任 を いかに 考える か 、 明確に 説明 して ほしい もの だ 。 「 放水 なき 火事 の 焼け跡 」 と いう もの を 初めて 見た 。 鉄材 、 トタン板 、 れんが 、 かわら だけ が 残り 、 木材 や 紙 の たぐい は 燃え尽きて 跡形 も ない 。 壁土 が 風 に 舞う 、 乾き 切った 焦土 が 延々と 広がって いる 。 地震 後 火災 で 三千 棟 以上 、 約 四〇万 平方メートル が 炎上 した 神戸 市 長田 区 。 乾いた 焼け跡 は 、 市 内 全域 の 断水 で 消火栓 が 使え ぬ まま 、 燃える に 任せた 痛恨 の 記録 で も ある 。 当時 、 消防 ・ 救急 隊 が 直面 した 困難 は 「 断水 」 「 火災 と 生き埋め の 同時 多発 」 「 交通 、 連絡 の 遮断 」 の 三 点 に 大別 できる 。 特に 断水 は 、 全 都市 に 重く のしかかる 課題 だろう 。 地震 直後 、 長田 消防 署 の 当直 七 隊 二十四 人 が 、 十 件 を 超える 火災 通報 と 、 無数の 救出 要請 を 受けた 。 能力 の 限界 オーバー に 加え 、 現場 から 届いた 「 断水 」 の 悲鳴 に 、 当直 長 の 鍵本 敦 消防 司令 は がく然と した 。 「 水 が 使え ぬ 消火 など 考え も し なかった 」 。 わずかな 地下 水槽 、 学校 プール の 水 は すぐ 使い切った 。 海 と 川 から 一 ― 二キロ 、 百 本 も の ホース を つないだ 。 「 それ も 有効な 力 に は なら ず 」 と 鍵本 司令 は 悔しがる 。 火災 の 多く は 広い 道路 に 至って 鎮火 した 。 消防 が 延焼 防止 に も 無力だった の は 残念 極まる 。 消防 力 の 限界 を 超える 災害 であって も 、 被害 を 小さく する ため の 普段 の 備え が 不十分だった 点 は 問わ れ ねば なら ない 。 政府 は 、 断水 対策 に 地下 の 耐震 水槽 設置 を 促して いる 。 関東 に 比べ 関西 で の 普及 率 は 低く 、 面積 比 の 設置 数 は 神戸 市 で 東京 二十三 区 の 十 分 の 一 と いう データ も ある 。 学校 の プール を 消防 法 上 の 指定 水利 と し 、 冬 でも 水 を 張って おく こと に 学校 側 の 協力 が 得 にくい 事情 も ある 。 大 都市 に 水道 は ある が 自然の 水源 は 少ない 。 人工 の 水源 を 増やす 努力 を 他の 都市 も すぐ 始める べきだ 。 今回 、 ヘリコプター に よる 空中 消火 や 、 建物 を 壊して 火 を 食い止める 破壊 消防 は 「 経験 不足 で 危険 」 「 補償 問題 へ の ためらい 」 など から 実施 さ れ なかった 。 実際 に 役立つ 手段 と なる よう 消防 庁 を 中心 に 研究 と 準備 を 急が ねば なら ない 。 火災 の 同時 多発 に 加え 、 その 何百 倍 も の 人命 救助 要請 が 殺到 した 。 救助 を 求める 住民 に ポンプ 車 が 途中 で 止め られた 例 も 多い 。 消防 力 の 絶対 数 不足 を カバー する の が 近隣 自治 体 の 消防 だ が 、 実戦 的な 広域 協力 体制 が 確立 して いた と は 言え ない 。 しかも 到着 は 道路 の 渋滞 に 阻ま れ 大幅に 遅れた 。 従来 から 必要 性 が 叫ば れて いた 地震 時 の 交通 規制 に 、 警察 は 失敗 した 。 避難 や 知人 の 救援 に 向かう 住民 の 車 の 排除 は 、 情 と して 忍びない が 、 非 常時 は 優先 順位 を つけ ざる を 得 ない 。 消防 に して も 、 延焼 防止 と 生存 者 の 救出 を 優先 し 、 他 は 放置 する 非情 さ を 求め られた 。 問題 点 を 洗い出し 、 今後 に 生かして ほしい 。 延焼 を 食い止める の は 、 広い 道路 、 公園 、 耐火 ビル である こと も 立証 さ れた 。 消防 を 頼れ ない 現実 に 、 古くから の 町内会 が 消火 と 救出 に 活躍 した 例 は 近隣 関係 が 希薄な 大 都市 で の コミュニティー の あり 方 を 教えた 。 被災 各 都市 は 「 災害 に 強い 町 」 を 掲げて 復興 に 動き出した 。 住民 の 合意 形成 を 要する 事業 ばかり だ が 、 震災 の 教訓 を 行政 と 市民 が 共有 し 、 全国 の モデル と なる 防災 都市 と して 蘇って もらい たい 。 阪神 大 震災 の 陰 に 隠れて 目立た ない が 、 関東 ・ 中部 ・ 関西 の 大手 私鉄 十四 社 と 東京 の 営団 地下鉄 が 運賃 値上げ を 申請 して いる 。 私鉄 が 平均 一九 % 、 地下鉄 は 一六 % と いう 大幅 。 価格 革命 に 立ち向かおう と 、 必死で 身 を 削って いる 経済 界 の 中 で 「 赤字 だ から 値上げ 」 と いう 論理 だけ で は 利用 者 の 納得 は 得 られ まい 。 タイミング も 悪い 。 かねて の 予定 と は いえ 、 震災 の 二 日 後 、 世情 騒然と して いる 中 で の 値上げ 申請 と いう の も 、 いささか 無神経で は ない の か 。 しかも 、 阪急 と 阪神 は 地震 に よる 損害 が 大きい 。 そうした 観点 も 含めて 、 運輸 省 は この 申請 に 厳しく 対処 す べきである 。 私 たち は 査定 官庁 である 運輸 省 に 対して 特に 次の 点 を 要望 して おく 。 私鉄 側 は 値上げ の 理由 と して 、 設備 投資 額 が 運賃 収入 の 約 四 割 に 達し 、 鉄道 収支 を 悪化 さ せ 、 赤字 経営 に なって いる こと を 挙げて いる 。 平たく 言えば 政府 の 混雑 緩和 と いう 政策 に 協力 すれば する ほど 、 赤字 額 は 大きく なり 、 値上げ 幅 も 大きく せ ざる を 得 ない と いう もの だ 。 今回 の 申請 で 、 設備 投資 と 運賃 の 関係 を 端的に 示す の は 、 東急 と 西武 の 大きな 値上げ 幅 の 差 だ 。 東急 は 複々線 化 工事 を 進める ため 高率 と なり 、 西武 は 逆に 複々線 化 計画 を 事実 上 断念 した ため 、 小幅 で すんだ 。 利用 者 の 動向 を 予測 した うえ で の 経営 決断 の 差 だ が 、 その 結果 が 突きつける 課題 は 大きい 。 私 たち は もちろん 、 私鉄 各社 が 「 混雑 緩和 の ため の 輸送 力 増強 」 を 推進 する こと を 望み たい 。 宮沢 内閣 が 策定 した 「 生活 大国 五 か年 計画 」 で の 公約 、 「 ラッシュ 時 でも 楽に 新聞 が 読める 程度 」 を 早く 達成 して もらい たい 、 と 考えて いる 。 これ は 切実な 利用 者 の 声 だ 。 だが その 半面 、 輸送 力 増強 の ため の 設備 投資 が 収支 を 悪化 さ せる から と いって 、 大幅な 値上げ が 認め られて いいわけ が ない 。 ここ で 運輸 省 の 査定 に 対する スタンス が 重要に なる 。 つまり 、 輸送 力 増強 の 進展 度合い を 客観 的に 評価 し 、 投資 に 対する 公的 支援 を 検討 して もらい たい 。 かつて 私鉄 は 沿線 の 不動産 や レジャー 開発 に 熱心で 、 鉄道 へ の 設備 投資 を 控えた 時期 が あった 。 しかし 運賃 は 安い まま 据え置か れた 。 いま は 乗客 数 が 低迷 する 中 で 、 設備 投資 が 行わ れて いる 。 このまま で は また 三 年 後 に は 、 大幅 値上げ と いう 図式 が 待って いる 。 一方 、 私 たち は いつも の こと ながら 、 私鉄 の 経営 努力 が 十分 か と いう 問題 を 再 提起 する 必要 が ある 。 何故 か と いえば 、 地域 独占 で 新規 参入 が 制限 さ れて いる 私鉄 の 運賃 は 、 コスト を 積み上げて いく 「 総括 原価 方式 」 が 採用 さ れて いる から だ 。 今回 の 申請 も この 方式 で 行わ れた が 、 重要な こと は その 「 コスト 」 が 合理 的 か どう か である 。 独占 を いい こと に 合理 化 努力 を 怠って 「 コスト 」 そのもの が 高ければ 、 そもそも この 方式 の 合理 性 が 失わ れる 。 最近 、 この 欠陥 が 指摘 さ れ 、 プライス キャップ 制 など が 議論 さ れて いる 。 運輸 省 で は 研究 会 を 設け 、 運賃 政策 に ついて 検討 して いる ようだ が 、 査定 に 当たって 、 そうした 成果 を 活用 して もらい たい 。 今回 の 申請 は 、 村山 政権 の 公共 料金 値上げ 凍結 解除 後 初 の ケース に 当たる 。 公約 通り 、 国民 が 納得 する 十分な 情報 公開 を 望み たい 。 戦後 最悪の 自然 災害 と なった 阪神 大 震災 は 地下 の 活断層 が もたらした もの である こと が 明らかに なって おり 、 活断層 の 脅威 が クローズアップ さ れた 。 専門 家 の 調査 に よる と 、 阪神 大 震災 の 被害 は 神戸 市 から 芦屋 市 、 西宮 市 に かけて の 幅 約 三キロ 、 東西 約 二五キロ の 帯状 地域 に 集中 して いた 。 この ため 震源 地 に 近い 淡路島 を 走る 野島 断層 と 被害 集中 地域 に ある 未知の 活断層 が 同時に 動いた と いう 説 が 有力に なって きた 。 地盤 の 状態 が 関係 した 可能 性 も 残る が 、 活断層 の 動き と 被害 が 密接に つながって いる こと は 間違い な さ そうだ 。 日本 に は 知ら れて いる だけ でも 千五百 本 以上 の 活断層 が ある 。 活断層 は 数百 年 から 数千 年 の 周期 で 地震 を 引き起こして おり 、 活動 度 が 大きく 地震 の 再来 周期 が 短い 順に A 級 、 B 級 、 C 級 に 分類 さ れる 。 A 級 活断層 は 約 二十 本 ある 。 A 級 だけ を 監視 すれば いい の か と いう と 、 そう も いか ない 。 今回 動いた 野島 断層 も A 級 に は 属して い ない 。 逆に A 級 でも 、 最近 動いて 地震 を 発生 さ せた ばかりで 当分 は 安全 と み られる 活断層 も ある 。 阪神 大 震災 後 に 開か れた 地震 予知 連絡 会 で は 、 危険な 活断層 と して 野島 断層 を 含む 六甲 断層 系 の ほか 、 長野 県 の 伊那 谷 断層 、 静岡 県 の 富士川 断層 、 神奈川 県 の 国府津 ― 松田 ― 神縄 断層 の 名前 が 挙げ られた 。 これ まで 活断層 の 調査 は 学者 たち が 自主 的に 行って きた 。 活断層 の 周辺 を 発掘 して 地震 が どの くらい の 間隔 で 発生 して いる か 、 前回 の 発生 は いつごろ か 、 を 調べて いる 。 手間 の かかる 仕事 だ が 、 国 の 地震 予知 計画 でも 重視 して い なかった 。 今後 は 国 が 中心 に なって 専門 家 を 養成 し 、 組織 的な 活断層 調査 を 行って ほしい 。 学者 が 指摘 した 四 つ の 活断層 以外 に 危険な もの が ない の か 早急に 洗い出す 必要 が ある 。 地震 の 発生 が 、 どの 程度 差し迫って いる の か 判断 できれば 一層 役 に 立つ 。 危険 度 が 大きい こと が 分かれば 、 その 周辺 の 地震 活動 など の 観測 を 強化 し 、 さらに 多く の データ を 集める こと が 欠かせ ない 。 それ でも 今回 の ような マグニチュード 7 クラス 地震 の 的確な 予知 は 難しい かも しれ ない 。 だが 、 いつか やって 来る 地震 に 備えて 、 さまざまな 手 を 打つ こと が できる 。 例えば 要注意 の 活断層 の 近く で は 、 新たな 開発 の 規制 や 建築 物 の 補強 、 耐震 基準 の 強化 など を 行う こと が 重要な 課題 に なる 。 自治 体 が 詳細な 活断層 地図 を 公表 し 、 だれ も が 自分 の 家 や 会社 の 置か れた 状況 を 理解 できる ように す べきで は ない か 。 米国 カリフォルニア 州 で は 活断層 周辺 の 開発 を 規制 し 、 成果 を 上げて いる 。 世界 一 の 地震 国 である 日本 も 見習う べきだろう 。 これ まで 地震 予知 や 活断層 、 構造 物 の 安全 性 など の 専門 家 が それぞれ 別々に 研究 を 進めて きた 。 お互いに データ を 公開 し 合う こと も 少なかった 。 これ で は まずい 。 大変な 被害 を もたらす かも しれ ない 活断層 対策 で 連携 する こと が 重要だろう 。 阪神 大 震災 で は 犠牲 者 が 五千 人 を 超え 、 倒 ・ 損壊 家屋 は 十万 棟 を 突破 した 。 想像 を 絶する 数字 と いえる 。 活断層 の 調査 に は 相当 の 人 と カネ が 必要で 、 すぐに 効果 が 現れる か どう かも 分から ない が 、 政府 と 学者 が 協力 して 優先 的に 進めて ほしい 。 子ども の 知性 と 感性 を 育てる 青少年 読書 感想 文 全国 コンクール が 第 四十 回 を 迎えた 。 その 表彰 式 が きょう 三 日 、 東京 で 行わ れる 。 この コンクール が 誕生 した 一九五五 年 は 、 敗戦 後 の 衰退 した 経済 が 立ち直り 「 神武 景気 」 と 言わ れた 年 であり 、 子ども の 世界 に も テレビ や マンガ 、 雑誌 が 広がり 始めて いた 。 そうした 状況 の 中 で 「 子ども に 良書 へ の 関心 を 高めよう 」 と 全国 学校 図書 館 協議 会 が 感想 文 コンクール を 呼びかけた の は 、 誠に 意義 の ある こと だった と いえよう 。 第 一 回 の 応募 数 は 五万三千 点 。 その後 、 回 を 重ねる ごと に 応募 数 は 増え 続け 、 今回 は 三百八十九万四千 点 に 達した 。 全国 の 小 中 高校 生 の 五 人 に 一 人 が 応募 した 計算 に なる 。 審査 員 たち の 話 で は 、 感想 文 の 内容 も 年々 、 向上 して いる と いう 。 質 、 量 ともに ここ まで コンクール が 発展 した の は 、 教師 を はじめ 、 児童 書 を 書く 人 、 作る 人 、 伝える 人 みんな の おかげ であり 、 深く 感謝 し たい 。 この コンクール は 二 つ の 意義 が ある と 私 たち 主催 者 は 自負 して いる 。 一 つ は 、 現場 教師 ら の 手 で 感想 文 の 課題 図書 に 選定 した 優れた 新刊 書 が 、 子ども たち の 心 を とらえて 読み継が れ 、 “ 新しい 古典 ・ 名作 ” と して 定着 して いって いる ことだ 。 例えば 「 橋 の ない 川 」 「 モチモチ の 木 」 「 ガラス の うさぎ 」 など だ 。 課題 図書 の 中 に は 、 その 時代 の 抱える 問題 を 作品 化 した もの が 少なく ない ので 、 子ども たち に 社会 へ の 目 を 開き 、 考え させる きっかけ に も なって いる 。 最近 で は 環境 、 家族 、 いじめ 、 障害 児 、 高齢 者 を テーマ に した 作品 が 多い 。 もう 一 つ の 意義 は 、 感想 文 を 書く こと に よって 、 本 を 深く 読み 、 味わい 、 考え 、 そして 心 に 残った こと を 表現 する 力 が つく ことだ 。 また 登場 人物 を 通して 未知の 世界 を 疑似 体験 する こと で 、 自分 の 生き 方 や 進路 を 決める きっかけ を つかむ こと に も なる 。 全国 コンクール 入賞 者 の 中 に は 、 高校 三 年 の とき 一 冊 の 本 に 出合って 公務 員 志望 を やめて 看護 婦 の 道 へ 転身 した 女性 が いる 。 “ 本 の 虫 ” の まま 大人 に なって 司書 に なった 人 、 母親 に なって 家庭 文庫 を 開く 人 、 そして 児童 文学 作家 に なった 人 も いる 。 一方 、 読書 に よって 「 感動 する 心 を はぐくんで くれた 」 「 生きる 道 を 教え られた 」 「 広い 世界 を 知った 」 と 入賞 者 OB たち は 言う 。 「 読書 感想 文 は 子ども を 本 嫌い に する 」 と の 批判 が ある 。 しかし 、 それ は 感想 文 そのもの に 原因 が ある ので は なく 、 教師 の 指導 の あり 方 に 問題 が ある から で は ない か 。 型 に はめた 書き 方 を 指導 して い ない か 。 同じ 本 でも 子ども に よって 、 さまざまな 読み 方 、 感じ 方 、 表現 の 仕方 が ある 。 その 多様な 感想 を 教師 は 認めて やる べきだ 。 自由に 伸びのび と 、 その 子 らしい 言葉 で 書か せる こと で 、 読書 の 喜び 、 感想 文 を 書く 楽し さ を 味わわ せる こと に なる だろう 。 その 前提 と して 教師 が まず 本 好き に なる 必要 が ある 。 いま 教育 の 流れ は 、 暗記 中心 の 知識 詰め込み 授業 から 、 思考 力 、 判断 力 、 表現 力 、 創造 力 や 豊かな 感性 を 育てる 学習 へ 変わり つつ ある 。 その こと を 踏まえる と 、 本 を しっかり 読み 、 感じた こと 、 考えた こと を 書き表す 読書 感想 文 は 、 今日 、 ますます 大切に なって くる のだ 。 阪神 大 震災 の 復興 財源 を めぐる 論議 が 続いて いる 。 私 たち は 防災 対策 の 観点 から 現在 国会 で 審議 中 の 一九九五 年度 予算 案 の 組み替え を 提案 して きた が 、 財源 問題 から 再度 予算 の 組み替え を 強調 し たい 。 大 震災 の 被害 額 は 日 を 追って 膨れ上がって おり 、 兵庫 県 の 調査 に よる と 十兆 円 を 超えて いる 。 大変な 額 だ 。 道路 、 鉄道 、 港湾 など の 被害 も さること ながら 、 マンション や 一戸建て 住宅 など の 被害 が 巨額に 上って いる と いう 。 被災 さ れた 方々 の こと を 思う と 胸 が 痛む 。 復興 策 を 考える 際 、 最も 大切な こと は できる 限り 対象 を 広く する こと である 。 政府 ・ 与党 の 一部 に は 、 建設 国債 の 対象 に なる 公共 事業 の 復旧 だけ に 絞る べきだ 、 と する 意見 が ある が 、 もってのほかだ 。 便乗 は 厳しく チェック し なければ なら ない が 、 建設 国債 に こだわり 、 対象 を 狭める こと は 本末 転倒 である 。 弔慰 金 、 がれき の 撤去 費用 、 仮設 住宅 の 設置 費 、 所得 税 の 減免 措置 など 、 できる だけ 手厚く す べきである と 考える 。 そこ で 、 財源 が 問題 に なる 。 現在 執行 中 の 九四 年度 予算 の 予備 費 は 一千億 円 程度 で 、 これ だけ で は 全く 足りない 。 赤字 国債 または 特別の 「 復興 債 」 の 発行 が 必至な のだ 。 しかし 、 償還 の めど が 立た ない まま こうした 国債 を 発行 する こと は 、 財政 節度 を ゆがめる 。 議論 の 焦点 は 償還 財源 と して 、 九五 年度 に 実施 さ れる こと に なって いる 特別 減税 を 一 時 中止 する 、 九七 年度 から 予定 の 消費 税 増税 を 一 年 前倒し に する 、 と いった “ 増税 ” 策 の 是非 に 絞ら れて いる 。 こうした 動き の 中 で 納得 でき ない こと が ある 。 それ は 政府 、 中でも 大蔵 省 が 「 二 段階 」 補正 予算 に こだわって いる こと である 。 つまり 、 緊急 手当て は 九四 年度 の 第 二 次 補正 予算 で 対処 し 、 本格 的な 復興 対策 は 九五 年度 予算 が 成立 後 、 その 補正 予算 を 編成 しよう と いう 方針 である 。 九五 年度 予算 案 の 組み替え は 時間 的に 余裕 が ない と いう 。 実に おかしな 弁明 だ 。 九五 年度 予算 案 は 大 震災 前 に 編成 さ れた もの で 、 いまや 事情 は 全く 変わって いる 。 見直す 時間 が ない のであれば 、 一 月 分 程度 の 暫定 予算 を 組んで も よい 。 時間 の 問題 で は なく 大蔵 省 の 本音 は 、 見直し 作業 を 始める と 収拾 が つか ない 事態 に なる こと を 恐れて いる のであろう 。 しかし 、 それ は あまりに も 国民 を 信頼 して い ない 態度 で は なかろう か 。 前 に も 指摘 した が 、 九五 年度 予算 案 に は 約 九兆三千億 円 の 公共 事業 費 が 計上 さ れて いる 。 すべて の 費用 項目 を 見直す ので は なく 、 公共 事業 費 の 枠 内 で 新規 事業 を 可能な 限り 凍結 し 、 その 予算 を 大 震災 の 復興 に 回す こと は でき ない はず は ない 。 例えば 新しい 港湾 の 建設 費 が 被災 地区 の 復旧 費 に 回った 場合 、 その 地域 の 住民 が 猛 反対 する だろう か 。 バランス の とれた 組み替え であれば 、 我慢 する と 信じる 。 緊急の 対策 は 第 二 次 補正 予算 で 対処 し 、 それ に つなぐ 形 で 九五 年度 予算 案 を 組み替えれば 、 国債 発行 額 は 大幅に 圧縮 できる はずだ 。 それ でも 財源 が 不足 する とき 、 私 たち は 痛み を 分かち合う 措置 を 考え たい 。 もう 二十 日 近く に なる 。 避難 所 で 暮らす 人 たち に 疲労 の 色 が 濃い 。 寒くて 、 プライバシー の ない 生活 が こたえて いる 。 状況 に 即応 した 、 きめ の 細かい 住まい の 対策 が 重要だ 。 応急 仮設 住宅 を 一 日 も 早く 、 大量に 提供 し たい 。 兵庫 県 は 仮設 住宅 四万 戸 と 公営 ・ 公団 住宅 の 空き 室 三万 戸 を 確保 する 構え で いる 。 貝原 俊 民 知事 が 「 原則として 希望 者 全員 に 提供 する 」 と の 談話 を 発表 する など 、 県 は 被災 者 の 不安 の 解消 に 努めて いる が 、 まだ 二万 戸 が 足りない 。 早急に めど を つけ なくて は なら ない 。 仮設 住宅 の 場合 、 一部 で 入居 が 始まった と は いえ 、 完成 まで に 時間 が かかる の が 厄介だ 。 今月 上旬 まで に 入れる の は 三千 戸 に 過ぎ ず 、 下旬 まで 待って も 八千 戸 が 追加 さ れる だけ だ 。 全部 が 完成 する の は 四 月 に なる と いう 。 被災 者 に 、 あまりに 長く 、 つらい 日々 を 強いる こと に なる 。 せめて 、 お 年寄り や 病気 の 人 たち の ため に 「 つなぎ の 避難 所 」 を もっと 確保 し たい 。 これ まで の 避難 所 で 体調 が 急変 し 、 病院 に 運ば れて 死亡 する 人 も 増えて きた 。 県 は 、 ホテル や 旅館 の 借り上げ など に 、 さらに 力 を 入れる べきである 。 その うえ で 、 対象 者 を 調査 し 、 そこ に 誘導 する くらい の 積極 的 対応 を 求め たい 。 入居 者 に 対して は 、 これ まで の 居住 地 と の 関係 に も 、 できる 限り の 配慮 を し たい 。 仮設 住宅 の 建設 地 は 現 時点 で 百二十四 カ所 に 及び 、 公営 ・ 公団 住宅 の 空き 室 は 全 都道府県 に わたって いる 。 だれしも 職場 から 遠く 、 近隣 と の 付き合い も ない ところ に は 行き たく ない 。 神戸 市 東灘 区 の 市立 本山 南 小 で 、 初老 の 男性 が 「 仮設 住宅 申し込み 証明 書 」 を 財布 から 取り出して 見せ ながら 「 区 内 の 仮設 住宅 に は 、 まず 入れ まい 。 お 先 真っ暗 や 」 と 寂し そうに 笑って いた 。 高齢 者 ・ 身体 障害 者 ら を 優先 する 原則 は 曲げる べきで ない し 、 抽選 に よる 振り分け も 仕方 が なかろう 。 だが 、 各 避難 所 の 近辺 に 建設 用地 は もう ない の か 。 国 や 企業 も 、 さらに 洗い出して もらい たい 。 社宅 付き で 仕事 を 提供 する 事業 所 の 名乗り に も 大いに 期待 しよう 。 仮設 住宅 入居 後 の 問題 も 山積 して いる 。 本山 南 小 に 近い 本庄 中央 公園 で は 、 十四 棟 ・ 百三十四 戸 の 建設 が 進んで いた 。 壁板 一 枚 の 仕切り で 、 大半 が 一 棟 に 十 戸 も 入って いる 。 部屋 自体 が 二六 平方メートル と 狭い うえ 、 ユニットバス の 規格 も 小さい 。 「 隣 に 声 が つつ抜け で 、 気遣い が 多い 」 「 ふろ が 狭く 、 足 も 伸ばせ ない 」 など の 理由 で ストレス が 募る こと は 、 北海道 ・ 奥尻 町 や 長崎 県 ・ 雲仙 の 被災 者 の 体験 から も 明らかである 。 カウンセリング や メンタルケア を 充実 さ せ 、 「 第 三 次 避難 所 」 と して 公営 住宅 など の 空き 室 確保 に 全力 を 挙げる 必要 が あろう 。 基本 的に は 、 恒久 住宅 の 建設 ・ 提供 を 待たなくて は なら ない 。 教訓 を 生かした 防災 都市 づくり の なか で 、 公的 住宅 を 大量に 確保 して いく こと を ポイント に 据え たい 。 借地 ・ 借家人 の 優先 権 を 認める 臨時 処理 法 が 発動 さ れた こと も 関係 住民 に 徹底 し なければ なら ない 。 住宅 の 建て替え ・ 購入 を 考えて いる 被災 者 の 支援 も 重要である 。 住宅 金融 公庫 や 各 自治 体 の 特別 融資 制度 を 拡大 的に 運用 す べきだろう 。 阪神 大 震災 の 復旧 ・ 復興 対策 を 理由 に 、 特殊 法人 の 整理 ・ 合理 化 案 づくり を 先 送り しよう と いう ムード が 政府 内 に 出て いる 。 とんでもない こと だ 。 震災 対策 に 万全 を 期す こと は 当然だ が 、 だからといって 特殊 法人 の 整理 ・ 合理 化 を “ 一 時 凍結 ” して いい もの で は ない 。 いま 必要な 視点 は 、 行政 改革 と 震災 は 別 問題 と いう もの だ 。 行政 改革 は 、 単に 行政 の 効率 を 良く し 、 ムダ を 省こう と いう だけ で は ない 。 大 震災 に 対し 政府 の 初動 が 後手 に 回った こと でも 明らかな ように 、 機能 不全 に 陥って いる 行政 を 、 新しい 状況 に 対応 できる ように 変えて いこう と いう もの である はずだ 。 今回 の 特殊 法人 の 見直し 作業 は 、 二 年 後 から 消費 税 の 税率 を アップ して 国民 に 負担 増 を 求める 以上 、 政府 自ら も 身 を 削る べきだ と の 世論 の 高まり を 受けて スタート した 。 その うえ 、 阪神 大 震災 で 国民 の 負担 が さらに 増える こと も あり 得る 事態 に なって いる 。 そう である 以上 、 政府 は 、 率先 して 自ら を スリム 化 して いく 必要 が ある 。 政府 は 、 各 省庁 に 対して 今月 十 日 まで に 、 全 九十二 法人 に ついて 見直し 案 を まとめる よう 求めて きた 。 ところが 対象 法人 の うち 日本 開発 銀行 、 阪神 高速 道路 公団 、 住宅 ・ 都市 整備 公団 、 住宅 金融 公庫 など 約 二十 法人 が 大 震災 の 復旧 ・ 復興 事業 に 関係 して いる こと から 、 政府 ・ 与党 内 から 先 送り 論 が 出始めた わけだ 。 野坂 浩賢 建設 相 が 、 阪神 高速 道路 公団 と 住宅 ・ 都市 整備 公団 に ついて 「 猫 の 手 も 借り たい 状況 で 、 現場 に は 何も 考え ず に 全力 を 挙げる ように 言って ある 。 今 は 見直し を 口 に す べきで は ない 」 と 述べた ケース が 、 その 代表 例 である 。 こうした 先 送り 論 に は 、 復興 対策 に 便乗 して 組織 の 温存 を 図ろう と いう 各 省庁 の 下心 も 見え隠れ して いる 。 ただ 山口 鶴男 総務 庁 長官 は 、 九十二 の 特殊 法人 全部 に ついて 同じ レベル で 見直す と し 、 先 送り 論 を 否定 して いる 。 当然の こと だ 。 この 姿勢 を 貫いて ほしい 。 次に 重要な の は 見直し の 内容 である 。 政府 は 九十二 法人 の 一 割 程度 を 減らす 考え の ようだ が 、 これ まで に 出て きて いる 案 を 見た 限り で は 、 蚕糸 砂糖 類 価格 安定 事業 団 と 畜産 振興 事業 団 の 統合 の ように 単なる 数 合わせ に 過ぎ ない 例 が 目立って いる 。 両 事業 団 と も 、 先に さきがけ が 発表 した 見直し 案 で は 、 すでに 役割 を 終わって おり 廃止 す べきだ と さ れた もの だ 。 ところが 所管 の 農水 省 は 農 畜産 物 の 価格 安定 の ため に は 残す べきだ と して 統合 を 持ち出した 。 しかし 、 統合 だけ なら 役員 ポスト が わずかに 減る ぐらい で 、 大幅な コスト 削減 に つながら ない の は 明らかだ 。 政府 は 廃止 す べき 法人 は 廃止 と 明確な 結論 を 出し 、 やむ を 得 ず 統合 する 場合 は 、 その 法人 の 中身 を 徹底 的に 洗い 直し 、 実質 的に 減量 に なる ように す べきだ 。 日本 開発 銀行 や 中小 企業 金融 公庫 と いった 政府 系 金融 機関 の 民営 化 や 統廃合 も 忘れて は なら ない 。 村山 富市 首相 は 国会 冒頭 の 施政 方針 演説 で 「 三 月 末 まで に 、 政治 的 リーダーシップ を もって 統廃合 を 含めた 整理 ・ 合理 化 を 推進 する 」 と の 決意 を 披露 した ばかりである 。 震災 へ の 対応 に 関して 首相 の 言動 は 揺れた が 、 内閣 の 命運 を かける と 言明 した 行政 改革 で は そう は いか ない 。 きちんと 筋 を 通して もらい たい 。 台湾 の 李 登輝 総統 が 、 中国 の 江 沢民 国家 主席 が 先日 行った 台湾 問題 に 関する 八 項 目 提案 を 積極 的に 評価 、 関係 部門 に 十分に 検討 する よう 指示 した 。 中国 大陸 は 「 ポスト トウ 小平 時代 」 と いう 不安定な 時期 に 入ろう と して いる 。 大陸 中国 と 台湾 が 経済 協力 など 各種の 交流 を 促進 し 相互 理解 を 深める こと は 、 不測 の 事態 を 避け 、 台湾 海峡 の 平和 と 安定 を 保つ うえ でも 好ましい こと だ 。 海峡 を 挟んだ 新しい 動き を 歓迎 し たい 。 江 沢民 総 書記 が 春節 前夜 の 先月 三十 日 に 行った 八 項 目 提案 で 注目 さ れる の は 大陸 と 台湾 の 「 経済 交流 と 協力 を 大いに 発展 さ せる 」 こと を うたって いる 点 だ 。 八 項 目 提案 の 前提 と して 、 最高 実力 者 、 トウ 小平 氏 の 「 一 国家 二 制度 」 方針 が 中国 側 の 指導 方針 である こと を 確認 し 、 「 早期 統一 は 中国 人民 の 共通の 願い 」 と 強調 して いる が 、 呼び掛け の 主眼 は あくまでも 経済 交流 の 促進 に ある 。 江 沢民 提案 の もう 一 つ の 特色 は 平和 統一 方針 を 繰り返し 強調 して いる 点 だ 。 手始め に 敵対 状態 終結 交渉 を 始めよう と も 呼びかけて いる 。 武力 不 行使 こそ 約束 して い ない が 、 武力 行使 は 「 外国 勢力 が 干渉 し 台湾 独立 の 陰謀 を 進める 」 の を 防ぐ ため で 、 「 中国 人 同士 が 戦う ような こと は し ない 」 と も 強調 して いる 。 昨年 末 に 行わ れた 台湾 初 の 省 長 直接 選挙 で は 、 大陸 籍 の 外 省 人 で 与党 国民 党 候補 の 宋 楚瑜 氏 が 、 台湾 独立 を 綱領 に 掲げる 野党 の 民進党 候補 を 大差 で 破って 当選 する など 、 台湾 の 民意 が 統一 でも 独立 で も ない 「 現状 維持 」 である こと を 示した 。 経済 界 に は 大陸 と の 直接 貿易 を 求める 声 も 強い 。 江 提案 は このような 台湾 の 民意 を 考慮 、 支持 を 得 られ やすい 経済 交流 促進 に 対 台湾 工作 の 軸足 を 移した と み られる 。 台湾 側 も 「 経済 貿易 を 軸 と して 両岸 関係 を 発展 さ せる 」 こと を 当面 の 基本 方針 と して おり 、 双方 の 主張 が 部分 的に 噛み合い 出した 感じ だ 。 江 提案 に 対する 台湾 側 の 対応 は 興味深い 。 直後 の 反応 は 「 新味 が ない 」 と そっけなかった が 、 李 総統 は 三 日 に なって 「 極めて 重要な 提案 であり 、 重視 する 」 と 評価 した から だ 。 「 新味 が ない 」 から 積極 評価 に 転換 した の は 、 来年 に 予定 さ れて いる 初 の 総統 直接 選挙 と ポスト トウ 小平 時代 に 備える と いう 二 つ の 狙い が あった から だろう 。 総統 選挙 で 当選 する に は 、 現状 の 維持 と 平和 を 願う 民意 に 沿う 必要 が ある 。 また 江 総 書記 は ポスト トウ 小平 時代 の 中国 を 担う 「 第 三 世代 指導 部 」 の 核心 と 位置づけ られて いる 人物 だ 。 同氏 が トウ 氏 の 「 平和 統一 」 方針 を 引き継ぐ と 保証 、 経済 交流 重視 の 姿勢 を 明確に 示した こと は 、 台湾 に とって 不利な 材料 と は いえ ない 。 第 二 世代 の 指導 者 であった トウ 氏 に は 、 自分 の 目 の 黒い うち に 祖国 統一 を 果たし たい と いう 夢 が あった 。 この ため 一九八〇 年 代 、 次いで 九〇 年 代 の 統一 を 目指した 。 しかし 江 総 書記 ら 第 三 世代 の 指導 者 に とって 焦眉 の 急 は 、 統一 より も 、 数 多く の 矛盾 が 噴き出して いる 十二億 中国 の 運営 であろう 。 台湾 に 関して は 統一 を 焦る より も 、 経済 交流 を 柱 に 各種の 交流 を 促進 し 、 相互 理解 を 深める こと の 方 が 長い 目 で みれば 統一 に も 役立つ 。 「 急がば 回れ 」 だ 。 メキシコ の 通貨 危機 に 対して 、 クリントン 米 大統領 が 総額 五百億 ドル に 上る 支援 策 を 打ち出した こと で 、 為替 市場 は ようやく 落ち着き を 取り戻した 。 こうした 通貨 危機 は 、 メキシコ だけ と は 限ら ない 。 地球 経済 は 一体化 を 深め 、 とくに マネー は 瞬時 に 国境 を 越えて 動く 。 新興 市場 と いわ れた メキシコ 、 中国 、 ハンガリー の ような 国 に 、 マネー が 引き寄せ られて も 、 いつなんどき 内外 情勢 の 変化 で 、 逆流 する かも しれ ない 。 そして 、 メキシコ の 通貨 危機 が たちまち 欧州 や アジア の 国 に 波及 した ように 、 その 影響 は 計り知れない 。 トロント で の 先進 七 カ国 蔵 相 ・ 中央 銀行 総裁 会議 で は 、 こうした 緊急 時 に おける 通貨 当局 の 協調 行動 の あり 方 に ついて も 討議 が 行わ れた 。 今後 G 7 を 中心 に 、 国際 金融 の 危機 管理 の 方策 に ついて 、 十分 時間 を かけて 検討 する こと が 必要であろう 。 国際 通貨 基金 や 世界 銀行 など の 国際 金融 機関 は 、 一九八〇 年 代 の 途上 国 債務 危機 に 大きな 役割 を 果たした 。 しかし 、 巨額の マネー が 地球 規模 で 激しく 動く 新 事態 に 、 既存 の 国際 金融 機関 だけ で 対応 する の は 困難だ 。 G 7 は 為替 の 安定 の ため に 経済 運営 を 相互 監視 する 方式 を 導入 した が 、 成功 した と は 言い難い 。 日本 の バブル は 、 こうした 中 で 発生 した 。 この 監視 システム を 途上 国 まで 広げる こと に 、 抵抗 は 大きい だろう し 、 機能 する 保証 も ない だろう 。 心配な の は 世界 が グローバル 化 する の と は 逆に 、 主要 国 の 政治 が 不安定に なり 、 金融 面 で の 協調 態勢 が 脅かさ れる ことだ 。 今回 、 米国 で は クリントン 大統領 は 四百億 ドル の 支援 計画 を 提示 した が 、 議会 が 抵抗 した ため 、 結局 、 議会 を バイパス して 大統領 権限 に より 為替 安定 基金 の 利用 を 中心 と する プラン に 切り替えた 。 大統領 と ルービン 米 財務 長官 に よる 機敏な 対応 が なかった なら 、 メキシコ の 事態 は より 深刻な もの に とどまって いた だろう 。 その 意味 で 、 米 議会 の 判断 力 と 当事 者 能力 に 疑問 を 感じる と 同時に 、 大統領 の 機敏な 措置 を 評価 し たい 。 だが 、 一方 で は 、 欧州 の 通貨 当局 は 米国 の 支援 策 が 、 事前 調整 なし に 進め られた こと に 反発 して いる 。 九二 年 夏 の ポンド 危機 の 際 、 米国 は 地域 的な 問題 と して 、 支援 の 手 を 差し伸べ なかった こと も 関係 して いよう 。 言って みれば 、 G 7 は 一枚岩 で は なく 、 協調 態勢 に 亀裂 が ある 。 為替 安定 の ため に 主要 国 が 動員 できる 資金 は 、 民間 の 巨額の 投機 資金 の 流れ と 比べ 、 ただ で さえ 弱体である 。 だから 、 通貨 当局 は 協調 姿勢 を 保つ こと が 大 前提 であろう 。 不 協和 音 を 奏でる 余裕 は ない はずだ 。 さらに 、 アジア の 新興 工業 国 ・ 地域 の 中央 銀行 に は 、 外貨 準備 が 潤沢な ところ が 増えて いる 。 通貨 安定 の 協調 態勢 に は こうした 国 ・ 地域 の 通貨 当局 の 参加 が 不可欠である 。 繰り返す が 、 安全 保障 と 同じ ように 、 為替 の 安定 の ため に は 、 当局 間 の 信頼 関係 の 構築 が 中心 と なる 。 年 に 四 回 ほど 集まる G 7 が 、 具体 的な 決定 を 下さ なくて も 、 信頼 の ネットワーク づくり に は 役立って いる はずだ 。 日本 の 通貨 当局 は 、 各国 や 国際 金融 機関 と の 信頼 関係 を 深めて ほしい 。 学校 現場 から の 教育 改革 が 進み始めて いる ようだ 。 先月 末 の 四 日間 、 長崎 市 で 開か れた 日教組 の 教育 研究 全国 集会 で 、 創意 工夫 を 凝らした 改革 の 実践 が 相次いで 報告 さ れた 。 例えば 北海道 小樽 市 の ある 小学校 で は 、 毎月 二 回 、 土曜日 を 「 総合 学習 」 に あて 、 「 バナナ の 旅 」 「 チョコレート の 一 粒 が 」 「 ナタデココブーム が 去って 」 など と 名付けた 学習 を 行い 、 子ども たち に 平和 や 人権 、 環境 問題 を 考え させた と いう 。 この 総合 学習 は 各 教科 で 学んだ 知識 を 生かして 、 みんな で 一緒に 調べたり 、 考えたり 、 話し合ったり し ながら 社会 や 自然に 対する 認識 を 深め 、 人間 と して どう 生きる か を 学ぶ の が 狙い で 、 各 分科 会 で 、 いく つ か の 取り組み 事例 が 報告 さ れた 。 子ども 一人ひとり の 「 個 に 応じた 教育 」 が 最近 、 強調 さ れて いる が 、 この 総合 学習 の ように 、 子ども たち が 自分 の 考え や 個性 、 能力 を お互いに 出し合い ながら 、 共に 学び 、 高め 合う 学習 が 、 これ から ますます 必要に なって くる だろう 。 この ほか 、 高校 の 社会 科 、 理科 、 家庭 科 の 教師 が チーム を 組んで 環境 教育 に 取り組んだ 例 や 、 「 表現 」 の 授業 と して 音楽 や 図工 の ほか に 朗読 や 演劇 、 ダンス を 取り入れた 実践 も 披露 さ れた 。 また 第 三 土曜日 を 「 自己 学習 の 日 」 と して 、 家庭 、 学校 、 図書 館 など 学び の 場 を 自由に 選んで 勉強 さ せたり 、 親 や 地域 の 人 たち が 講師 に なり 、 木工 や 料理 など 二十 の コース を 設けて 子ども に 選択 学習 さ せる など の 試み も 報告 さ れた 。 「 学校 の 中 だけ が 学び の 場 で は ない 」 と 、 教室 を 飛び出して 、 地域 の 自然 や 文化 、 歴史 を 学ぶ 授業 の 報告 も 相次いだ 。 こうした 新しい スタイル の 学習 に よって 「 子ども たち は 生き生き と 楽しく 学んで いる 」 と 教師 たち は 口 を そろえた 。 それ は 結構な こと だ 。 詰め込み 中心 の 息苦しい 授業 から 、 子ども が 全身 を 使って 学ぶ 開放 的な 学習 へ の 転換 が 、 学校 の 再生 に つながる はずだ 。 しかし 、 集会 で は 「 いくら 新しい 試み を しようと 思って も 教育 委員 会 が 標準 授業 時 数 を 逸脱 する な 、 と 現場 の 手 を 縛ろう と する 」 と の 声 が 何 人 か から 聞か れた 。 文部 省 は 学校 現場 の 創意 工夫 を 求めて いる のだ から 、 教育 委員 会 も 、 もっと 規制 緩和 して 柔軟に 現場 に 対応 す べきだ 。 そう し ない と 、 せっかく の 現場 教師 たち の 意欲 を そぐ こと に なろう 。 さまざまな 授業 改革 へ の 取り組み が 報告 さ れた 一方 で 、 「 まず 、 日常 的に 改める べき こと が ある ので は ない か 」 と の 指摘 も 相次いだ 。 「 私 たち 教師 は 行政 の 末端 の 人間 の 目 で 子ども を 見て い ない か 。 まず 、 はみ出した 子 に どう 寄り添って いく か が 私 たち の 課題 で は ない か 」 と 、 ある 教師 。 別の 教師 は 「 失敗 を 認める 教育 、 分から ない ところ が 分かる 教育 を 心掛けて いる 」 と 述べた 。 また 、 子ども 同士 、 子ども と 教師 が 人間 的に 触れ合う 「 ぬくもり の ある 教室 に しよう 」 と 呼びかける 教師 も いた 。 日常 の 教室 を まず 、 ぬくもり の ある もの に する こと こそ 、 子ども や 親 が 第 一 に 望んで いる こと だろう 。 そうした 教師 と 子ども ・ 親 と の 信頼 関係 が あって 、 初めて 新しい 学習 の 試み が 生きて くる ので は ない か 。 政界 再編 が いまだ 途上 の せい か 、 日本 列島 は 「 ねじれ 」 の オン パレード だ 。 試しに 本紙 の データベース で 「 選挙 」 「 ねじれ 」 の 二 つ の キーワード を 含む 記事 を 拾う と 、 この 一 年 で 三十六 回 も 登場 する 。 各 党 が 永田 町 の 論理 を 振りかざして も 、 それ を 無視 した 政党 の 組み合わせ で 地方 選 が 戦わ れる 。 何事 も 地方 の 論理 が 最 優先 。 総 与党 化 現象 に も 、 拍車 が 掛かって いる ―― 。 今や 選挙 と ねじれ は 対句 に なった 感 すら ある が 、 そこ に 透かし見える の は 政界 再編 の 地歩 固め の ため 強引に 地方 政界 を 巻き込もう と して いる 政党 の 思惑 と 、 逆に 「 われ 関せ ず 」 で 居心地 の よい 地方 自治 体 与党 に すがりついて いる 地方 議員 の エゴ だ 。 これ に 対する 有権者 の 無言 の 拒否 反応 が 軒並み の 低 投票 率 であろう 。 四 月 統一 地方 選 の 前哨戦 である 青森 、 愛知 、 熊本 の 三 県 知事 選 と 広島 、 北九州 両 政令 市長 選 が 一昨日 の 五 日 に 投 ・ 開票 さ れた 。 与野党 相乗り で 信任 投票 に 近かった 青森 以外 の 首長 選 は 案の定 、 過去 最低 の 投票 率 だった 。 知事 選 全体 で は 一九八一 年 の 千葉 の 二五・三八 % と いう の が ワースト 記録 だ が 、 今回 の 愛知 は 三二・三八 % と 千葉 を 笑え ない 数字 だ 。 唯一 自民 、 新進 の 正面 対決 と なった 青森 で は 「 初 の 新進党 知事 誕生 」 と 意気揚々 だ が 、 実態 は 自民 推薦 現職 の 高齢 や 多 選 批判 と 、 地域 事情 の 「 今度 は 津軽 から 」 。 国政 レベル で の 陣取り 合戦 は 地元 民 に は ピンと こ ず 投票 率 は 前回 選挙 を 四 ポイント 下回る 六二・一九 % だった 。 地方 レベル の 選挙 が 国政 の 大きな うねり に なる こと は よく ある 。 八七 年 の 参院 岩手 補 選 で 社会党 が 圧勝 した こと から 当時 、 売上 税 と 称した 消費 税 が 廃案 と なった の は つとに 有名だ 。 もっとも これ は あくまで 参院 選 であり 、 地方 選 で は ない 。 ところが その 参院 選 で すら 昨年 の 愛知 再 選挙 で は 、 今 の 新進党 に つながる 「 旧 連立 」 が 圧勝 した と は いえ 、 有権者 そっちのけ の 選挙 戦 が 嫌わ れ 低 投票 率 に 甘んじた 。 地方 選 が 政治 の 先行 指標 と して 機能 し なく なって 久しい ので は ない だろう か 。 英 の 政治学 者 J ・ ブライス は その 著 「 近代 民主 政治 」 で 「 地方 自治 は 民主 主義 の 最良 の 学校 、 その 成功 の 最良 の 保証人 」 と 言って いる 。 国政 は 国民 に 縁遠い が 、 地方 自治 は 身の回り の 政治 であり 争点 も 問題 点 も 分かり やすい 。 そこ で 地方 自治 を 通じて 国民 の 政治 的な 訓練 が なされる と いう わけだ 。 しかし 今 、 本来 の 地方 政治 の 争点 は 政界 再編 を 急ぐ 永田 町 の 論理 に 覆い隠さ れ 、 地方 は 地方 で 長年 の 与党 暮らし を 捨てきれ ない 。 この 壮大な ねじれ が 地方 自治 、 あるいは 地方 政治 を いかに 形がい 化 さ せ 、 つまらなく して きた こと か 。 現下 の 政界 再編 は つまるところ 九三 年 総 選挙 の 結果 に 基づいて 永田 町 の 住人 たち が 演じた 権力 闘争 であり 、 有権者 に は 手 が 届か なかった 。 しかし 本来 の 政界 再編 は 有権者 主導 で 、 身の回り の 政治 から の 発想 も 必要な 視点 であろう 。 かつて 革新 自治 体 全盛 時代 の 合言葉 は 「 地方 から 中央 の 政治 を 変えよう 」 だった 。 革新 自治 体 そのもの は 色あせた が 、 その 意気込み 自体 は 今 、 改めて 見習う 必要 が ある ので は なかろう か 。 被災 者 が 受けた 心 の 傷 の 問題 が 深刻 化 して きた 。 地震 の 恐怖 で 夜泣き が 止まら ない 子ども や 、 妻子 を 失った 衝撃 で 仕事 が 手 に つか ない 男性 が いる 。 長引く 避難 所 生活 で イライラ を 募らす 人 も 多い 。 放置 して おく と 、 精神 に 重大な 支障 を 及ぼし かね ない 症状 の 数々 が 被災 地 を 覆って いる 。 これ ら の 心 の 傷 を いやす ため の 社会 的 支援 を 急が なければ なら ない 。 兵庫 県立 女性 センター が 地震 後 に 始めた 「 心 の 相談 」 電話 に は 、 毎日 百 件 前後 の 訴え が ある 。 「 空襲 の 怖 さ を 思い出す 」 と 余震 に おののく 老人 や 、 家 が 壊れて ローン だけ が 残った 会社 員 の 先行き 不安 の 声 が 届く 。 家 を 失った 親 の 引き取り を めぐる 親族 間 の トラブル も 増えて いる 。 このような 電話 相談 は 、 ボランティア の 試み も 多く ある 。 いずれ も カウンセラー が 応対 して 親切に 助言 して いる が 、 見え ない 相手 の 心 の 傷 の 深 さ を 短 時間 で どこ まで 把握 できる か 、 おのずから 限界 が ある だろう 。 心理 学 で は 、 災害 など で 傷ついた 心理 状態 を 心 的 外傷 後 ストレス 症候 群 と いう 。 災害 の 光景 が 忘れ られ ない 、 過度の 緊張 状態 が 続く など の 症状 が 、 不眠 ・ 集中 力 の 喪失 ・ 震え ・ 吐き気 ・ 頭痛 ・ 生理 不順 など 体 の 変調 を 引き起こす 。 電話 の 訴え に 、 その 兆候 を 示す もの が ある の は 明らかだ が 、 厚生 省 や 自治 体 が きちんと 対応 して いる と は 言い難い 。 残念 ながら 、 心 の 傷 の 処置 は 、 わが国 の 災害 対策 に 組み込ま れて い ない のである 。 神戸 や 西宮 市 の 保健 所 で 、 震災 数 日 後 に 精神 科 の 救護 所 が 開設 さ れた が 、 初め は 地域 や 近隣 府県 の 医師 の ボランティア と して の 活動 だった 。 その後 、 厚生 省 の 仕事 に 引き継が れた もの の 、 区 や 市 単位 の 保健 所 と 被害 を 免れた 医療 機関 だけ と いう 診療 態勢 に 進展 は ない 。 膨大な 数 に 上る と み られる 心 の 傷 の 患者 を 引き受ける に は ほど遠い 現状 な のだ 。 厄介な こと に 、 心 の 傷 の 後遺症 は 被災 後 すぐに 出る と は 限ら ず 、 半年 たって 現れる こと も ある 。 子ども の 場合 に は 半年 過ぎて から 症状 が 深刻 化 する 、 と 指摘 する 専門 家 も いる 。 長期 的 支援 が 何より 必要である 。 精神 科 医 を 総 動員 して も 数 に 限り が ある 。 精神 科 医 以外 の 医師 に 協力 を 求め られ ない だろう か 。 被災 者 を よく 知っている の は 、 地域 の 内科 医 や 小児 科 医 である 。 この 人 たち に 精神 科 の 治療 訓練 を して もらって 支援 の ネットワーク を 広げて は どう だろう 。 行政 は 、 その 実現 に 費用 も 労 も 惜しむ べきで は ない 。 若い ボランティア に よる 励まし も 被災 者 の 心 の 大きな 支え だ が 、 その 活動 が いつまで 続く か 心配だ 。 人 の 配置 や 回転 を 合理 的に 進めて 長期 支援 に 心 を 砕いて もらい たい 。 ロサンゼルス 地震 の 際 、 米 連邦 緊急 事態 管理 局 が 地震 直後 に 開設 した 「 援助 相談 所 」 に は 、 もろもろ の 救助 ・ 復興 対策 と 並び 、 「 心 の ケア 」 の 相談 ・ 診療 窓口 が 組み入れ られた 。 三十五億 円 の 巨費 が 投入 さ れ 、 最 盛期 で 六百 人 も の 心理学 者 が 動員 さ れた と 伝え られる 。 心 の 傷 の 問題 は 目 に 見え ない だけ に 日本 で は 軽視 さ れ がちだ が 、 欧 米 で は 肉体 の 病 と 同列 に とらえて いる 。 当然である 。 その 精神 と 、 米国 の 手厚い システム に 学び たい 。 阪神 大 震災 へ の 自衛 隊 の 初動 の 遅れ が 指摘 さ れた 防衛 庁 が 、 大規模 災害 に 対する 活動 の 在り 方 を 研究 する プロジェクト チーム を 庁 内 に 設けて 検討 を 始める こと に なった 。 今回 の 震災 に 対して 「 自衛 隊 は 超 法規 的に 出動 す べきだった 」 など と いった 意見 が 出て いる 。 また 新進党 は 、 災害 対策 基本 法 に 新たな 自衛 隊 の 役割 を 規定 し 、 その ため に 自衛 隊 法 を 改正 する と ともに 、 国家 の 安全 が 脅かさ れた 時 や 災害 時 の 「 国家 の 危機 管理 に 対する 有事 立法 の 実現 」 など を 提案 して いる 。 シビリアンコントロール の 観点 から も 「 超 法規 的な 出動 」 を 求める 意見 は 行き過ぎ であり 、 とても 賛成 できる もの で は ない し 、 防衛 問題 と 自然 災害 対策 を 即座に 結び付けて 有事 立法 を 、 と いう 主張 に ついて も 国民 の 納得 は 得 られ ない ので は ない か と 考える 。 しかし 現実 に 自衛 隊 法 第 八三 条 に は 第 二 項 の 規定 が ある のだ から 、 この 規定 を 使って いれば 、 自衛 隊 は もっと 迅速に 出動 できた はずだ と の 不満 が 政府 、 与野党 内 に 残って いる の も 事実 である 。 自衛 隊 側 は 「 第 二 項 で 出動 した ケース は 過去 、 一 回 も ない 」 と 釈明 して いる が 、 こうした 理由 に こだわり 過ぎ 、 対応 が 後手 に 回った 側面 が あった こと は 否定 でき ない 。 この ため 防衛 庁 は 、 現行 の 法制 自体 に は 問題 は ない と の 考え から 、 法 改正 や 新規 立法 は せ ず 、 自主 的に 出動 する 場合 の 判断 基準 を 政 ・ 省令 で 明文 化 する 方針 と いう 。 自衛 隊 が 実力 部隊 である こと に 変わり は ない 。 それだけに 「 緊急 時 だった 」 と いう 一 時 の 興奮 から 、 自衛 隊 に 大規模 部隊 を 無制限に 出動 さ せる べきだった と 短絡 的に いう の は 避ける べきだろう 。 その 意味 で 防衛 庁 が 「 現行 の 法律 の 枠 内 で 」 と の 姿勢 を とって いる こと は 支持 できる 。 この ほか 防衛 庁 は 、 情報 収集 体制 の 強化 、 自治 体 と の 防災 訓練 の 充実 、 救難 ・ 救援 に 必要な 装備 に ついて も 研究 する 。 当然の こと だ が 、 とくに 情報 収集 体制 の 強化 に 関連 して 、 今回 、 初期 情報 の 伝達 と いう 面 で 防衛 庁 ・ 自衛 隊 が 万全の 体制 だった か と いう と 首 を かしげ ざる を 得 ない 点 が あった 。 震災 当日 の 午前 七 時 十四 分 、 陸上 自衛 隊 の ヘリコプター が 神戸 市 や 淡路島 を 偵察 して 八 時 五十 分 に 帰還 、 「 相当 程度 の 被害 が 出て いる 」 と 中部 方面 総監 部 に 報告 して いる 。 ところが 、 この 情報 が 同 総監 部 段階 で ストップ して しまい 、 首相 官邸 は もちろん 防衛 庁 長官 、 国土 庁 防災 局 に も 届か なかった 。 自衛 隊 側 は 、 災害 対策 基本 法 など 現行 マニュアル に 従った と いう が 、 人命 の 救助 、 被害 の 拡大 防止 の ため に 臨機 応変 に 、 こうした 情報 を 東京 に 伝える べきだった ので は ない か 。 隊員 確保 の ため 、 基地 の 外 に 居住 する 隊員 が 多かった ため 非常 呼集 に 時間 が かかった 点 も 改善 した 方 が いい 。 最高 指揮 官 の 判断 能力 を 高める ため の 情報 収集 ・ 伝達 手段 を 確立 し 、 危機 管理 能力 を 万全な もの に する ため に 、 防衛 庁 は 現在 の 体制 を 根本 的に 見直す べきだ 。 北大 医 学部 付属 病院 が 申請 して いた 遺伝子 治療 の 実施 計画 が 文部 省 と 厚生 省 に よって 相次いで 承認 さ れ 、 日本 初 の 遺伝子 治療 が 近く 実施 さ れる 見通し と なった 。 同じ 先端 医療 である 脳死 者 から の 臓器 移植 は 欧 米 で は 日常 的な 医療 に なった が 、 日本 で は 社会 的 合意 が 得 られて い ない 。 この ため 遺伝子 治療 の ほう が 先行 する こと に なった 。 北大 チーム は 、 酵素 の 一 つ の ADA を 作る 遺伝子 の 異常 から 重症 の 免疫 不全 に 陥った 四 歳 男児 へ の 遺伝子 治療 を 計画 して いる 。 ADA 欠損 症 の 患者 は 感染 症 が もと に なって 四 、 五 歳 まで に 死亡 する ケース が 多い 。 そこ で 北大 は 一 日 も 早い 遺伝子 治療 の 実施 を 希望 した 。 審査 した 厚生 省 の 遺伝子 治療 臨床 研究 中央 評価 会議 、 文部 省 の 学術 審議 会 遺伝子 治療 臨床 研究 専門 委員 会 の 中 に も それ に 理解 を 示す 人 が いた 。 その 一方 で 、 簡単に 遺伝子 治療 の 実施 を 承認 して 結果 が うまく いか なかった 場合 、 社会 的に 非難 の 声 が 高まり 、 脳死 移植 の 二の舞い に なる と いう 心配 が あった 。 北大 チーム は 米国 で ADA 欠損 症 の 遺伝子 治療 を 学んだ ほか 、 治療 で 正常な 遺伝子 を 運ぶ ため に 使う ベクター と 呼ば れる 無毒 化 ウイルス の 提供 も 米国 から 受ける 。 ところが 、 この ベクター の 安全 性 に 関する データ が 十分で は ない こと が 分かった 。 審査 委員 から は 「 日本 で ベクター の 安全 性 を 一 から 確認 す べきだ 」 と いう 声 が 上がった 。 結局 は 北大 が 米国 の 安全 性 データ を 追加 提出 し 、 治療 に あたって は 無毒 化 ウイルス が 増殖 して い ない か どう か を 米国 でも 確認 して もらう こと に なった 。 さらに 委員 の 間 から は 患者 ・ 家族 から の 同意 の 取り付け 方 に 不備 が ある と の 指摘 が 相次ぎ 、 北大 は インフォームド ・ コンセント の 書式 を 修正 し 、 説明 し 直す こと に した 。 申請 から 半年 足らず の ゴーサイン は 急ぎ すぎ の 感 が あり 、 米国 に 頼り切った 治療 は 緊急 事態 が 発生 した 場合 など に 不安 を 残した 。 北大 は この こと を 十分 考慮 する 必要 が ある 。 患者 ・ 家族 へ の 対応 に も 力 を 入れ 、 慎重に 治療 を 進めて ほしい 。 外国 で は 遺伝 性 疾患 だけ で なく 、 エイズ や がん も 遺伝子 治療 の 対象 に なって いる 。 日本 も 同じ 方向 に 進んで いる が 、 これ まで に 遺伝子 治療 の 効果 が 確認 さ れて いる の は ADA 欠損 症 だけ だ 。 遺伝子 治療 の 定着 まで に は 相当 時間 が かかり そうだ 。 その 意味 で 日本 が 遺伝子 治療 の 基礎 研究 を おろそかに し 、 米国 に 完全に 依存 して いる の は 好ましく ない 。 ベクター の 開発 や その 安全 性 の チェック を 自前 で できる ように 体制 の 整備 を 急ぐ べきだろう 。 今回 の 審査 体制 に も かなり 問題 が あった 。 厚生 省 と 文部 省 は それぞれ 独自の 組織 を 設け 、 その 下 の 作業 部会 は 同一 メンバー と いう ややこし さ だった 。 厚生 省 が 中央 評価 会議 を 公開 に した の は 評価 できる が 、 文部 省 は 専門 委員 会 を 非 公開 に した 。 もっと すっきり した 形 で 審議 し 、 公開 度 を 一層 高める 必要 が ある 。 遺伝子 を 操る 遺伝子 治療 は 一線 を 越える と 人間 改造 に 結び付く 。 一方 で 「 究極 の 治療 法 」 と も 呼ば れ 、 期待 は 大きい 。 安全 性 や 倫理 面 の 検討 を 十分 行って 社会 の 理解 を 深める こと が 定着 へ の 道 だろう 。 十 日 に 予定 さ れて いる 特殊 法人 の 見直し 案 取りまとめ を 前 に 、 政府 ・ 与党 の 一部 から 政府 系 金融 機関 の 整理 に ついて の 諮問 委員 会 設置 案 が 飛び出し 、 この 問題 が にわかに 緊迫 化 して いる 。 簡単に 経過 を 振り返る と 、 連立 与党 の 行政 改革 プロジェクト チーム の 水野 清 座長 が 政府 系 金融 機関 の うち 、 日本 開発 銀行 、 日本 輸出入 銀行 、 北海道 東北 開発 公庫 を 一 つ に 、 また 国民 金融 公庫 、 中小 企業 金融 公庫 、 環境 衛生 金融 公庫 を 一 つ に 統合 する ように 指示 。 これ に 大蔵 、 通産 両 省 など が 抵抗 し 、 諮問 委 を 提案 した のである 。 統合 の 対象 と なった 六 機関 は 、 財政 投融資 の 中核 的な 機関 であり 、 郵便 貯金 の 在り 方 など と 一元 的に 検討 す べきだ 、 と する 意見 も それなり に 筋 は 通って いる 。 財 投 を 核 と した わが国 独特 の システム である 「 公的 資金 仲介 システム 」 の 問題 点 は 長年 に わたって 論議 さ れて きた 。 「 入り口 」 の 郵便 貯金 で 貯金 を 集め 、 集まった 資金 は 資金 運用 部 に 預託 する 。 それ を 「 出口 」 の 政府 系 金融 機関 を 通じて 投融資 する 。 この システム が 民間 金融 の 補完 に とどまって いれば 問題 は なかった のだろう が 、 実際 は 拡大 に 拡大 を 続け 、 郵 貯 、 資金 運用 部 資金 と も 残高 は 二百兆 円 規模 に 達して いる 。 一 つ の 銀行 と 考えれば 、 世界 最大 の マンモス 銀行 な のだ 。 そして 、 入り口 でも 出口 でも 民間 金融 機関 と 激しい 競争 を 繰り広げて いる 。 “ 百 年 戦争 ” と さえ いわ れて いる ほど だ 。 抜本 的に 見直す 時期 に きて いる こと は 間違い ない 。 その 意味 で 諮問 委員 会 を 設置 し 問題 点 を 検討 する こと に 異議 は ない 。 しかし 、 現実 は 対象 と なって いる 政府 系 金融 機関 の 統合 を 先 送り する ため の 手段 と して 諮問 委 を 持ち出して きた におい が 強く 感じ られる 。 ある 大蔵 省 首脳 は 「 大蔵 省 は 塩 の 民営 化 案 を 出して いる 。 どうして それ だけ で 駄目な んだ 」 と 述べ 、 開 銀 と 輸 銀 の 統合 に 不 快感 を あらわに して いる 。 また 、 通産 官僚 も 国民 金融 公庫 と 中小 企業 金融 公庫 の 統合 に さえ 否定 的で 、 厚生 省 が 管轄 する 環境 衛生 金融 公庫 を 加えた 三 機関 統合 は 徹底 的に 反対 する 構え だ 。 「 総合 的な 青写真 が ない まま 、 部分 的な 改革 は でき ない 」 と いう 官僚 が よく 使う レトリック である 。 だが これ は 許さ れ ない 。 なぜなら 、 対象 に なって いる 六 機関 は いずれ も 「 時代 的 使命 」 を 終えた か 、 それ に 近い 存在 と 見なさ れる から である 。 少なくとも これ まで と 同じ ように 肥大 化 さ せ なければ なら ない 理由 は 見いだせ ない 。 例えば 開 銀 は 戦後 の 復興 期 に は 大きな 役割 を 果たした が 、 いまや 融資 の 大部分 は 民間 金融 機関 で 代替 できる 。 国民 金融 公庫 と 中小 企業 金融 公庫 も 同様だ 。 私 たち は 村山 富市 首相 が 特殊 法人 の 見直し を 表明 して 以来 、 本腰 を 入れて 取り組む よう 主張 して きた 。 特に 数 合わせ の 統合 で は なく 、 廃止 や 思い切った 縮小 など 、 実質 的な 改革 を 期待 した 。 それなのに 、 小さな 一 歩 と も いえ ない ような 統合 で 立ち止まって いい はず が ない 。 せめて 村山 首相 に は 十 日 の タイム リミット を 絶対 に 変え ず 、 六 機関 の 統合 と 同時に 総裁 、 理事 の 合理 化 を する ぐらい の こと は 断行 して もらい たい 。 損壊 した ビル や 家屋 を いかに 円滑に 解体 する か 。 膨大な がれき 、 廃材 を どう 迅速に 撤去 する か 。 被災 地 の 悩み が 深刻に なって いる 。 早く ルール を 確立 し 、 徹底 を 図り たい 。 神戸 ・ 三宮 で は 、 巨大 ビル の 解体 で 粉じん が 拡散 し 、 作業 員 や 通行人 ら の 健康 へ の 影響 が 懸念 さ れる ほど だ 。 放置 して いて は いけない 。 シート を かぶせ 、 散水 し つつ ビル を 解体 する 原則 が 、 ほとんど 守ら れて い ない の は 困った ことだ 。 余震 に よる 二 次 災害 防止 の ため に 作業 が 急が れ 、 断水 で 水 も ままならない 、 と いう 事情 が ある の は 分かる 。 だからといって 「 粉じん 公害 」 の ばらまき が 許さ れる わけで も ない 。 特に 古い 建物 に 耐火 用 に 使わ れて いた アスベスト の 飛散 は 絶対 に 防ぎ たい 。 肺がん と の 関係 が 憂慮 さ れる 有害 物質 だ から だ 。 解体 前 に 必ず 除去 し 、 作業 員 ら に 防じん マスク を 装着 する よう 強く 指導 しよう 。 濃度 調査 を 始めた 環境 庁 に は 、 幅広い データ の 収集 と 、 詳しい 結果 の 公表 を 求め たい 。 高 濃度 の 汚染 が 確認 さ れれば 、 排出 源 を 特定 し 、 直ちに 作業 方法 を 改善 さ せる べきだ 。 兵庫 県 内 で 、 解体 ・ 撤去 が 必要な 建物 は 約 十一万 棟 に 及び 、 がれき や 廃材 は 公共 施設 分 など を 含める と 一千万 トン を 超える 。 街 の 復興 を 軌道 に 乗せる ため に 、 一 日 も 早い 処理 が 望ま れる 。 神戸 、 西宮 、 芦屋 の 三 市 で は 一 年 以上 も かかる と いう 。 もっと 短縮 する 努力 を して ほしい 。 一般 住宅 は 、 公費 負担 が 決まった こと で 費用 の 面 で の 足かせ は なくなった 。 だが 、 手続き が 「 下見 ・ 許可 ・ 撤去 」 など と 煩雑で 、 市 役所 の 係 も 分かれて いる 。 被災 者 に は 「 同じ ような 申し込み を 何度 も さ せ られ 、 ラチ が あか ない 」 と 極めて 不評 だ 。 さらに 、 解体 ・ 撤去 は 被災 者 の 同意 を 前提 に して いる ため 、 本人 の 所在 確認 など に 手間 を 取ら れ 、 作業 自体 も なかなか はかどら ない 。 行政 が 慎重 を 期す の は 分かる が 、 申請 処理 の 一元 化 は でき ない の か 。 人手 不足 を 補う ため 、 近隣 自治 体 の さらなる 応援 は 求め られ ない の か 。 もう 一 度 、 検討 して は どう か 。 がれき 、 廃材 の 仮 置き場 へ の 運搬 に も 難問 が 多い 。 まだ 、 用地 を 完全に は 確保 できて い ない 自治 体 すら ある 。 路上 に 放置 さ れた がれき 類 は 危険な うえ 、 交通 の 障害 に も なって いる 。 早く 「 がれき 公害 」 を 除去 す べきだ 。 まず 、 各 市 で 用地 確保 に 努力 し 、 都合 が つか なければ 、 広域 的な 協力 を 要請 したら よい 。 半面 で 、 大手 企業 が 工場 の 空き地 を 提供 する など の 動き が 出て いる の は 、 大いに 歓迎 す べき こと だ 。 一層 の 協力 を 呼び掛け たい 。 運搬 に 必要な トラック も 四 トン 車 だ と 二百五十万 台 の 計算 に なる 。 西宮 市 ・ 甲子園 浜 の 仮 置き場 で 確認 した ところ 、 入り口 付近 で は 約 三百 台 の ダンプ 、 トラック が 数珠 つなぎ に なって いた 。 解体 ・ 撤去 が 本格 化 し 、 一方 で 建築 資材 の 搬入 も 始まれば 、 市街 地 の 交通 渋滞 が さらに 深刻 化 する の は 必至 と いえよう 。 「 ダンプ 公害 」 緩和 の ため に も 、 仮 置き場 を 早急に 確保 す べきだ 。 道路 使用 の 優先 順位 を 「 復興 関連 」 重視 の 観点 から 早く 見直し たい 。 がれき を 運び出した 車 が 、 帰り に 資材 を 持ち込む など 車両 の 効率 的 運用 を 図る 必要 も ある ので は ない か 。 阪神 大 震災 で 大きな 打撃 を 受けた 関西 経済 の 立て直し に 向け 、 地元 経済 団体 の 動き が 活発 化 して いる の は 心強い 。 打ちひしが れた 地域 に 、 新たな 活力 を 吹き込む ため に も 経済 の 再建 は 急務 だ から である 。 関西 経済 界 に は 、 国 ・ 自治 体 と の 連携 で 、 数々 の 地域 プロジェクト を 推進 して きた ノウハウ と 実行 力 が ある 。 今度 は 、 それ を 震災 復興 に 存分に 生かし 、 発揮 して ほしい 。 関西 生産 性 本部 と 関西 経済 同友 会 が 九 日 、 大阪 市 内 で 開いた 「 阪神 大 震災 復興 会議 」 に は 、 約 三百 人 の 経済 人 ら が 参加 し 、 「 決起 集会 」 の 様相 を 呈した 。 この 熱気 を 確実に 復興 に つなげ なくて は なら ない 。 会議 で は 、 被災 自治 体 ・ 企業 代表 の 被害 実態 報告 を 聞き 、 「 復興 と 再生 に 向けた 経済 人 の 役割 」 に ついて 全体 討議 で 議論 を 深めた 。 緊急 アピール に は 、 広範な 内容 に わたる 取り組み と 決意 が 盛り込ま れた 。 問題 は いかに 実践 に 移す か だ 。 ライフ ライン や 交通 施設 復旧 に 向け 資材 ・ 労働 力 を 動員 し 、 仮設 住宅 建設 用地 の 提供 、 社宅 ・ 寮 ・ 宿泊 施設 の 開放 に 協力 する こと など 、 きめ の 細かい 対策 が 提示 さ れた 。 地域 住民 の 支持 も 得 られる だろう 。 生産 活動 や 物流 の 回復 に 関し 、 税制 ・ 財政 ・ 金融 の 各 面 で 政府 に 格段の 措置 を 要望 する こと に した の は 、 自治 体 の 側面 支援 に も なる 。 注目 し たい の は 、 新しい 地域 づくり の ビジョン と して 「 魅力 ある 産業 の 育成 」 に 加え 、 「 安全 」 重視 の 姿勢 を 明確に した ことだ 。 「 ボランティア 都市 」 を つくろう 、 と の 提言 も 教訓 を 生かす もの と いえよう 。 同時に 、 これ ら の 推進 ・ 実現 の ため 、 被災 自治 体 の ビジョン づくり に 「 全面 的に 協力 する 」 方針 を 決めた こと も 評価 できる 。 地域 あって の 経済 である 。 自治 体 と の 二人三脚 で 、 新たな 展望 を 切り開き たい 。 関西 は 、 福井 県 を 含めた 二 府 五 県 で 日本 の 国民 総 生産 の 約 一七 % を 占め 、 カナダ 並み の 経済 力 を 持って いる 地域 である 。 アジア 諸国 と の 経済 活動 も 活発 化 して おり 、 今回 の 震災 は 、 国際 的な 影響 も 広げて いる 。 先日 、 大蔵 省 で 開か れた 全国 財務 局長 会議 で は 、 兵庫 県 を 中心 に 個人 消費 や 産業 活動 が 停滞 する 、 と の 見通し が 報告 さ れた 。 神戸 港 の 機能 低下 で 輸出入 取引 の 遅れ が 避け られ ない 、 と の 分析 も 示さ れた 。 全国 シェア で 七〇 % を 占める ケミカル シューズ や 「 灘 の 生一本 」 の 酒造 業界 など 、 地場 産業 が 受けた 被害 も 壊滅 的である 。 神戸 商工 会議 所 や 関西 経済 連合 会 は 、 それぞれ 復興 対策 特別 委員 会 を 設置 した 。 関係 経済 団体 の 首脳 が 村山 富市 首相 に 直接 、 支援 と 協力 を 要請 して も きた 。 関西 の 経済 団体 は 、 これ まで 関西 国際 空港 、 関西 文化 学術 研究 都市 建設 、 大阪 湾 ベイ エリア 整備 など で 、 大きな 成果 を 上げて きた 。 半面 で 、 「 経済 重視 の 開発 」 が 地域 住民 を 疎外 し 、 環境 を 破壊 して いる 、 と の 批判 を 招いた こと は 否定 でき ない 。 この 日 の 会議 の 冒頭 あいさつ で 、 森井 清二 関西 生産 性 本部 会長 は 「 経済 効率 性 や 快適 性 の 追求 に のみ とらわれて いた 」 こと へ の 反省 を 率直に 述べ 、 「 多元 的 ・ 重層 的な 安全 システム を 織り込んだ 総合 的な 都市 政策 の 推進 」 を 呼び掛けた 。 住民 も 望む ところ だ 。 経済 団体 が 果たす 役割 の 大き さ を 自覚 し 、 断固 、 協力 ・ 実行 して もらい たい 。 その 中年 の 女性 は 、 一 人 だけ で しゃがみこんで いた 。 神戸 市 長田 区 、 JR 新 長田 駅 に 近い 小学校 の 避難 所 。 布団 の 敷き詰め られた 体育 館 を 出て 、 たばこ を ふかして いた のだ 。 遠く を 見て 、 ひとみ が 動か ない 。 「 私ら なあ 、 これ から どう すれば よい の か 、 分から ん 」 。 ポツリ と 言った 。 体調 も あまり 良く ない 。 ゴム靴 工場 で 働いて いた 。 従業 員 十 人 足らず 。 できあがった 靴 を 、 きれいに ふき 、 箱 に 収める 単純な 仕事 だった が 、 それ が 女 所帯 の 生活 を 支えて いた 。 いま 、 工場 は ない 。 経営 者 の 生死 も 分から ない 。 生命 の 危機 を 脱し 、 避難 所 で 暮らす 被災 者 の 中 に 、 雇用 へ の 不安 が 、 忍び寄って いる 。 大 中 小 を 問わ ず 、 雇用 関係 を きっちり 定めた 企業 に 働いて いた 場合 は 、 企業 の システム が 、 被災 者 を なんとか 援護 する 。 しかし 、 零細 企業 が 数多い 長田 区 を 中心 に 、 この 女性 の ような ケース が 、 相当 ある だろう と は 想像 が つく 。 家 に も 住め ず 、 職 も 失った 。 収入 の 道 が 絶た れた 。 実は 、 この 女性 の 場合 でも 失業 給付 を 受け取れる 可能 性 が 強い 。 雇用 保険 制度 に 加入 する の は 、 人 を 雇う 以上 、 経営 者 の 義務 である 。 これ が 法律 の 建前 だ が 、 実際 に は 保険 料 の 負担 を 避ける ため に 、 制度 に 加入 して い ない 零細 企業 は 多い 。 そう であって も 、 激甚 災害 法 適用 地域 に 指定 さ れた 以上 、 とにかく 働いて いた こと を 証明 する 何らか の 書類 を 公共 職業 安定 所 に 出す 。 そう すれば 失業 給付 を 受け られる 。 経営 者 の 行方 が 分から なく と も 、 働いて いた 事実 が 分かれば いい 。 雇用 保険 の 遡及 確認 制度 と いう 。 全く 証明 書類 が 見つから なければ 、 同僚 の 証言 で いい 。 なんとか 、 受け取れる ように し たい と 労働 省 は 言って いる 。 こういう 対策 を 、 もっと 被災 者 に 分かって もらう 必要 が ある 。 そう で なければ 、 いたずらに 不安 が 増幅 する 。 現地 の メディア は 繰り返し 伝えて いる が 、 もっと 徹底 した PR が いる 。 未曽有の 事態 である 。 この 雇用 保険 の 弾力 的 運用 は 、 すでに 現地 に 通達 さ れて いる のに 、 被災 者 に 浸透 しきれて い ない 。 例えば 労働 省 と して チーム を つくり 、 避難 所 を PR して 回れ ない か 。 地元 自治 体 や 労働 省 の 現地 出先 機関 は 忙しい 。 だが 、 中央 と 隣接 府県 の 労働 関係 職員 で チーム は 組める 。 そして 、 兵庫 県 内 十七 カ所 の 職安 以外 に も 臨時 の 相談 窓口 を 各所 に 開設 でき ない もの か 。 テント 張り で いい 。 被災 者 に は 「 近 さ 」 が 重要だ 。 被災 地 の 雇用 対策 と して 、 同 省 は ほか に 、 雇用 調整 助成 金 支給 の 特例 措置 を はじめ 幾 つ か の 対策 を 打ち出して いる 。 日本 労働 組合 総 連合 会 も すでに 、 雇用 対策 を 含む 緊急 対策 実施 を 政府 に 申し入れた 。 それぞれ に もっともな 内容 だ 。 しかし 、 現に 打ち出して いる 対策 の 確実な 浸透 が 当面 は 大事だ 。 せっかく の 対策 も 被災 者 に 役立た なければ 意味 が ない 。 中期 的に は 公共 事業 に よる 雇用 創出 、 中小 企業 再生 に よる 職場 の 確保 など が 展望 できる 。 だが 、 いま 大切な の は 行政 の 積極さ だ 。 前例 に とらわれて いる 時 で は ない 。 阪神 大 震災 から 二十五 日 。 やっと 政府 の 復興 体制 が 固まった 。 十 日 の 閣議 で 復興 の 青写真 を 描いて 首相 に 助言 する 「 阪神 ・ 淡路 復興 委員 会 」 の 設置 を 決めた 。 首相 を 本 部長 と する 「 阪神 ・ 淡路 復興 本部 」 も 近日 中 に 設置 さ れる 。 今回 の 大 震災 で 政府 の 初動 の 遅れ は 痛恨 の 一事 だ が 、 その後 も 混乱 の 極み だった 。 まず 災害 対策 基本 法 に よる 「 非常 災害 対策 本部 」 を 設置 した 後 、 被害 の 大き さ に 驚いて 「 緊急 対策 本部 」 に 。 現地 と の 連携 の 不備 が 分かる と 「 現地 対策 本部 」 。 前例 踏襲 の 官僚 主義 と 縦割り 行政 が 混乱 に 拍車 を 掛けた 。 世界 の マスコミ が けなげに 立ち上がる 被災 者 の 姿 と 対照 的な 政府 の 無策 を 指弾 した の は 当然だった 。 それ を 遅ればせ ながら 「 復興 委員 会 」 「 復興 本部 」 の 設置 で 復興 作業 を 一元 化 する のだ から 心機 一転 、 態勢 立て直し の 好機 である 。 我が国 の 都市 復興 は 関東 大 震災 や 終戦 後 を 持ち出す まで も なく 場当たり 的で 無秩序 。 とりあえず の 「 復旧 」 が 優先 さ れ がちだった 。 片仮名 で 「 コウベ 」 と 書く 方 が 似合う 国際 都市 ・ 神戸 は 華やかな 外見 と は 裏腹に 元来 、 重厚長大 産業 と 中小 企業 が 支えて きた 都市 である 。 この 産業 構造 を 巧みに 変容 さ せ ながら 、 一方 で 六甲 の 裏山 を 削って 宅地 造成 、 その 残土 で 海上 都市 を 造る と いう 一石二鳥 の 意欲 的な 都市 づくり を 行って きた 。 これ は 過去 数 代 の 市長 の 努力 と 市民 の 英知 の たまもの だ が 、 今回 それ が 一気に 無 に 帰した のである 。 神戸 の 復興 は 近視眼的な 「 復旧 」 で は なく 、 二十一 世紀 に 通用 する 防災 都市 の モデル に なる ような 本格 的な 「 復興 」 を 目指す べきである 。 神戸 港 一 つ とって も 復興 の 数 年間 で 物流 そのもの が 変わろう し 、 一 度 離れた 船 が 戻って くる と は 限ら ない 。 企業 の 中 に は 神戸 から 撤退 する もの も 出て こよう 。 災害 に 強い 街 づくり に は 、 広い 公共 空間 の 確保 が 不可欠だ が 、 これ に は 私権 制限 が 必要 と なって くる 。 この ため 「 復興 」 より 「 復旧 」 に 流れる の が 人情 だろう が 、 それでは 元のもくあみ だ 。 市民 の 理解 を 得る 努力 を 真剣に 払えば 五十 年 前 の 焼け 野原 から たくましく 立ち上がった ように 市民 は 英知 を 発揮 する だろう し 、 一致 協力 する ので は ない か 。 政府 は 神戸 のみ なら ず 淡路 や 阪神 地区 の 住民 の こうした 努力 を 万全の 態勢 で バックアップ して ほしい 。 復興 委員 会 も 、 悔い の ない アイデア を 出して ほしい 。 何も 安易に 範 を 外 に 求める わけで は ない が 、 シュミット 元 西独 首相 が ハンブルク 特別 市 の 内 相 時代 に 同 市 を 襲った 大 水害 で 果敢な 陣頭 指揮 を 執り 、 一万九千 人 の 命 を 救った 話 は つとに 有名だ 。 シュミット 氏 の 先輩 の アデナウアー 元 首相 も 、 実は ケルン 市長 時代 に 戦災 の 焼け跡 を すべて 市有 地 に する と いう 英断 で 大きな オープン スペース を 確保 し ながら 復興 を 進めた 。 二 人 と も この リーダーシップ が 評価 さ れ 政治 家 と して の 地歩 を 固めた のだ が 、 翻って わが 村山 富市 首相 は 、 と なる と 比較 する だに 、 はばから れる のである 。 しかし それ を 承知 で 注文 して おき たい 。 復興 と いう の は 時間 と の 競争 、 将来 を 見据えた 構想 力 の 勝負 であり 政治 の リーダーシップ が 何より も 求め られる もの である 。 その 中心 に 座る の は 村山 首相 な のである 。 その こと を 肝 に 銘じて おいて ほしい 。 九 日 死去 した 米国 の フルブライト 元 上院 議員 は 、 良質の 国際 主義 を 説き 、 軍事 干渉 主義 に 反対 し 続けた 政治 家 と して 知ら れる 。 米国 の 外交 に は 、 孤立 主義 と 国際 主義 の 二 つ の 流れ が ある 。 日本 の 真珠 湾 攻撃 まで 、 米 外交 の 伝統 は 孤立 主義 であった 。 それ が 、 真珠 湾 攻撃 に よる 米国 民 感情 の 爆発 で 、 米国 は 一夜 に して 国際 主義 路線 に 転じた のだった 。 米国 の 戦後 外交 は 、 米国 で は 国際 主義 と 呼ば れたり 、 干渉 主義 と 言わ れたり して いる 。 国際 主義 と 軍事 干渉 主義 の 違い に ついて 、 明確な 区別 が なされ ない まま 使わ れて も いる 。 フルブライト 氏 は 、 軍事 干渉 主義 の 誤り を 力説 し 、 人間 の 交流 ・ 育成 を 通じた 良質の 国際 主義 路線 を 主張 し 続けた 。 ベトナム 戦争 で は 、 トンキン湾 事件 の 「 北 ベトナム に よる 米 艦艇 攻撃 」 情報 へ の 疑問 を 抱き 、 大統領 の 戦争 権限 を 制限 する 法律 を 採択 さ せた 。 フルブライト 氏 が 、 上院 外交 委員 長 と して 主張 し 続けた の は 、 正確な 情報 と 現実 主義 に 基づく 外交 だった 。 大統領 や 国務 省 、 国防 総 省 など の 行政 機関 の 情報 を うのみ に せ ず 、 情報 と 政策 を チェック する 議会 の 役割 を 徹底 さ せた 。 この 精神 は 、 日本 の 国会 や 政治 家 も 参考 に す べきであろう 。 フルブライト 氏 は 、 戦後 米国 の 外交 を 決定づけた 単純な 「 反共 主義 」 と 「 ソ連 封じ込め 政策 」 に 、 反対 し 続けた 。 米 ソ 冷戦 さなか の 一九六四 年 に は 、 「 米国 は 、 共産 主義 世界 と 和解 の 懸け橋 建設 に 乗り出す べきである 」 と 提案 した のだった 。 フルブライト 氏 の 国際 主義 の 背景 に は 、 米国 が 第 一 次 大戦 後 、 孤立 主義 を 守り 、 国際 連盟 に 参加 し なかった こと へ の 反省 が ある 。 これ が 、 第 二 次 大戦 に つながり 国際 社会 に 危機 を 招いた 、 と の 理解 を 明らかに して いる 。 この 反省 から 、 大戦 中 の 四三 年 に 、 「 恒久 平和 維持 の ため の 国際 機関 設立 と 、 米国 の 参加 」 を 求める 決議 案 を 米 議会 で 採択 さ せた 。 これ が ひいては 国連 創設 に つながった 。 戦後 の フルブライト 交流 計画 が 、 原爆 投下 へ の 反省 から 生まれた こと は よく 知ら れて いる 。 フルブライト 氏 は 、 広島 と 長崎 へ の 原爆 投下 を 「 必要 なかった 」 と 、 批判 した 。 「 若者 たち の 長期 滞在 と 、 学問 研究 を 通じた 交流 」 こそ が 、 国際 平和 を 作り出す と の 理念 が 、 フルブライト 交流 計画 に 込め られて いた 。 「 自分 の 民族 だけ が 、 特殊で 最も 優秀だ と いった 思い上がり 」 を なくす こと が 、 国際 主義 の 始まり である と いう の が 、 交流 に 込め られた 願い だった と いう 。 こうした 考え を 、 若い 時代 の 英国 留学 の 体験 から 学んだ と いう 。 同じ 言語 を 話す 英国 で の 生活 で さえ 、 「 カルチャー ショック であった 」 と 語って いる 。 これ は また 、 「 カルチャー ショック 」 抜き に は 、 国際 的な 相互 理解 は 難しい と の 考え に つながった ようだ 。 フルブライト 交流 計画 に は 、 「 親 米 勢力 作り の 政策 」 と いった 批判 も つきまとった 。 しかし 、 フルブライト 氏 が 提唱 した の は 、 米国 の 利益 で は なく 良質の 国際 主義 の 拡大 であった 。 若者 の 数 年 に 及ぶ 長期 の 外国 滞在 と 、 学問 研究 は 国際 的な 相互 理解 と 緊張 緩和 に 、 着実に 貢献 した 。 日本 の 国際 交流 計画 が 、 その 理念 に 学ぶ ところ は 多い ので は ない か 。 距離 を おいて 見る と 、 阪神 大 震災 は 日本 経済 に おける モノ づくり の 優秀 さ と 大切 さ を 改めて 浮き彫り に した ので は なかろう か 。 被災 した 工場 が 閉鎖 に 追い込ま れた 結果 、 阪神 地区 で しか 作ら れて い ない 特殊な 部品 や 原料 が 不足 し 、 国 内 は おろか アジア 諸国 など の 生産 活動 に も 影響 を 与え 始めて いる 。 これ は 「 ほか で は まね が でき ない 」 モノ や ノウハウ 、 言い換えれば “ オンリーワン ” の 製品 、 技術 を 持つ 企業 群 が 阪神 地区 に 集積 して いた こと を 物語って いる 。 こうした 企業 群 は 全国 各地 に 少なく ない 。 戦後 五十 年 。 日本 経済 の 強 さ は 各 企業 が ひたすら シェア 拡大 を 目指し 、 欧 米 で 開発 さ れた 技術 を うまく 改良 した こと に あった 、 と 言わ れて きた 。 しかし 、 実際 の 姿 は 認識 より ずっと 進んで いる 。 コピー 的に 言えば 「 ナンバーワン から オンリーワン 」 へ の 転換 だ 。 この 果敢な 挑戦 こそ 産業 空洞 化 が 懸念 さ れる 日本 経済 を 再 構築 する 最大 の パワー と 思える 。 北九州 市 八幡西 区 に 「 三井 ハイテック 」 と いう ハイテク 企業 が ある 。 四十六 年 前 、 文字通り 裸 一貫 で 同社 を 創設 した 三井 孝昭 社長 の 歩み は オンリーワン に 挑戦 し 続けた 典型 的な 例 である 。 同氏 は 熊本 県 八代 市 生まれ 。 幼く して 両親 と 死別 し 、 北九州 の 安川 電機 製作 所 に 金型 工 と して 就職 した 。 十四 歳 だった 。 金型 は モーター など の 部品 を 一定 の 形 に 打ち抜く ため の 型枠 。 硬い 鋼材 を 打ち抜く のだ から 、 硬度 と 精密 さ が 要求 さ れる 。 当時 は 日本 刀 を 作る ように 熱処理 と ヤスリ 掛け を 繰り返して 金型 を 製造 した 。 勘 が 物 を 言う 職人 の 世界 だった のである 。 八 年 後 徴用 さ れ 、 佐世保 海兵 団 で 飛行機 の 整備 を 担当 。 終戦 後 、 安川 電機 製作 所 に 復職 した 。 もし 彼 が 職人 に なり切って いたら 全く 別の 人生 を 歩んで いた であろう 。 しかし 、 海軍 の 飛行機 整備 場 で 間接 的 ながら 、 米国 の 物量 作戦 の すご さ を 見た 後 は 、 職人 の 世界 に とどまれ なかった 。 「 金型 の 大量 生産 時代 が きた 」 と 思った と いう 。 二十七 歳 。 仲間 二 人 と ともに 、 独立 する 。 成算 は なし 。 資金 も なし 。 焼け 野原 から 出発 した 戦後 の 日本 経済 と 軌 を 一 に する 旗 揚げ だった 。 当初 は 苦労 の 連続 。 金型 は しょせん 、 生産 工程 の 一部 と いう 認識 で しか ない 。 足 を 棒 に して 注文 取り に 回って も だれ も 相手 に して くれ ない 。 そんな 時 、 「 納期 を 半分 に して くれる なら 注文 して も いい よ 」 と いう 言葉 に 出合い 、 これ に とびついた 。 三 人 が 交代 で 二十四 時間 働く こと で 、 ユーザー の 注文 に 応えた 。 勤勉 さ が 物 を 言って 、 業績 は 順調に 伸び 、 従業 員 も 増やした が 、 下請け 工場 の 範ちゅう を 出 なかった 。 「 日本 で 唯一 の 金型 を 作る 以外 に 発展 の 方法 は ない 」 。 三井 氏 は この 思い に 取りつか れ 、 超 硬度 合金 と いわ れた タングステンカーバイト を 素材 に した 金型 作り に 挑戦 する 。 大学 の 研究 室 や 国 の 研究 機関 に 相談 した が 回答 は なかった 。 一 番 硬い 物質 を 削る こと は 不可能だ 。 矛盾 の 語源 を 想起 さ せる ような 話 である 。 答え は ある 光景 から 見いだした 。 生産 性 本部 の 米国 視察 団 に 参加 した 時 、 ダイヤ の 加工 現場 を 視察 した 。 ダイヤ を ダイヤ で 研磨 して いる 。 「 これ だ 」 と ひらめいた と いう 。 ヤスリ に あたる ダイヤ に スピード を 与える と 研磨 できる 。 後 は 執ような まで の 実験 だけ だった 。 スピード を 変え 、 角度 を 変えて 実験 する 中 で 、 ついに タングステンカーバイト 金型 の 開発 に 成功 した 。 当時 の 常識 を はるかに 超える 「 唯一 」 の 金型 の 誕生 。 これ を 機 に 業績 は 飛躍 的に 発展 、 いまや 、 金型 と 集積 回路 を 主力 と する 東京 証券 取引 所 一部 上場 の 優良 企業 の 地位 を 築いて いる 。 いま も 作業 服 を 着て 工場 回り する の を 楽しみに して いる 三井 氏 は 「 なんとか ここ まで やってこ れた の は 、 ユーザー の 注文 に 必死に 応えた から だ と 思う 。 日本 の ユーザー の 注文 は 品質 、 納期 、 アフタ サービス の すべて の 面 で 世界 一 厳しい 。 死にものぐるい で 対応 した 」 と 振り返る 。 経営 学 で 言えば 「 受け 手 発想 」 だ 。 また オンリーワン の 技術 を 開発 した 原動力 は 「 現場 に ある 」 と 言い切る 。 研究 室 から 開発 さ れる こと も ある だろう が 、 それ 以上 に 生産 現場 で のたうち まわる ような 苦しみ から 生まれる と いう 実感 な のだ 。 日本 経済 は 急激な 円高 に 見舞わ れ 、 システム 全体 が 制度 疲労 を 起こして いる と いわ れる 。 中でも 、 生産 拠点 を 海外 に 移す 企業 が 目立ち 、 産業 の 空洞 化 の 懸念 が 強い 。 「 オンリーワン 」 哲学 を 実践 して きた 三井 氏 の 答え は 明快だ 。 「 現場 を より 強く する しか ない 。 それ が 技術 の 空洞 化 を 防ぐ 唯一 の 道 だ 」 。 言葉 だけ で なく 、 社有 地 に 技術 研修 センター を 造り 、 旋盤 、 溶接 など 基本 的な 社員 教育 を 続けて いる 。 同 センター は 社 外 に も 開放 、 海外 から の 研修 者 に も 門 を 開いて いる と いう 。 日本 経済 が 抱える 問題 は 多く 、 三井 氏 の 答え は その 一 つ に すぎ ないで あろう 。 しかし 、 経験 に 裏打ち さ れた 言葉 は 重み を 持って 響く 。 村山 富市 首相 が 、 内閣 の 命運 を かけて 取り組む と して きた 特殊 法人 の 整理 ・ 合理 化 は 、 三 法人 の 廃止 ・ 民営 化 、 十四 法人 の 統合 が 決まった もの の 、 焦点 の 政府 系 金融 機関 の 見直し は 統一 地方 選 後 の 五 月 以降 に 先 送り さ れて しまった 。 中身 を 採点 すれば 、 残念 ながら 落第 である 。 いずれ も 大幅な 歳出 削減 に つながる もの で は ない し 、 単なる 数 合わせ と しか 言え ない から だ 。 「 三 月 末 まで に 見直す 」 と 公約 し ながら 、 有効な 手 を 打て なかった 村山 首相 の リーダーシップ 不足 は 目 を 覆う ばかりであり 、 その 責任 は 重い 。 行政 改革 の 断行 と 消費税 率 引き上げ は ワンセット に なって いる と 言って いい 。 繰り返し 指摘 して きた ことだ が 、 今回 の 行革 は 、 国民 に 負担 増 を 求める 以上 、 政府 自ら も 合理 化 の 努力 を す べきだ と の 考え から スタート した もの だ 。 それ は また 、 縦割り 行政 の 弊害 を 是正 する と ともに 、 肥大 化 した 官僚 システム を スリム 化 して 、 現状 に 適した 行政 組織 を 再 構築 する こと を 主な 目的 と して いる 。 特殊 法人 の 整理 ・ 合理 化 は その 第 一 歩 である 。 しかし 、 国民 の 期待 を 裏切る 結果 に 終わった 。 今回 の 結論 が 出る まで の 間 、 政府 ・ 連立 与党 が 演じた 「 調整 」 と いう 名 の 迷走 劇 は 醜態 以外 の 何もの で も なかった 。 「 ポスト 村山 」 や 今秋 の 自民党 総裁 選挙 を にらんだ 連立 与党 幹部 間 の 駆け引き 、 武村 正義 蔵 相 を トップ に 「 行革 推進 」 を 看板 と する さきがけ と 自民党 と の 確執 、 天下り ポスト が 減る こと を 警戒 した 官僚 の 抵抗 など 複雑な 要素 や 打算 が 絡み合って 混迷 した 。 そう なった の も 特殊 法人 見直し の 理念 や 目的 意識 が 忘れ られ 、 政争 に 終始 した から に 違いない 。 落第 点 の 第 一 は 、 大詰め に なって 浮上 し 、 結局 は 先 送り さ れた 政府 系 金融 機関 の 見直し 問題 である 。 私 たち は 、 政府 系 金融 機関 の 中 に は 時代 的 使命 を 終えた か 、 それ に 近い 法人 が ある のだ から 、 それ ら の 見直し を 先 送り する ような こと が あって は なら ない と 強く 求めて きた 。 確かに 日本 開発 銀行 と 日本 輸出入 銀行 の 統合 、 開 銀 と 北海道 東北 開発 公庫 の 統合 、 さらに は 国民 、 中小 企業 、 環境 衛生 の 三 金融 公庫 の 統合 など の 見直し 案 が 浮上 した が 、 結局 は 政党 間 の 争い の 中 に 埋没 して しまった 。 第 二 に 問題 な の は 、 計 十七 法人 を 廃止 ・ 民営 化 ・ 統合 する と 言い ながら も 、 それ ら を 詳細に 見る と 、 とても 合理 化 効果 は 期待 でき ない と いう ことだ 。 例えば 、 廃止 さ れる 法人 は 厚生 省 の 所管 で 、 職員 数 わずか 二十三 人 の 社会 保障 研究 所 だけ で しか ない 。 統合 と いって も 、 蚕糸 砂糖 類 価格 安定 事業 団 や 畜産 振興 事業 団 の ように 、 統合 後 も 事業 は そのまま 継続 する と いう ので は 、 理事 長 ポスト が 一 つ 減る 程度 で 、 結局 は 名前 を 変えて の 存続 で しか ない 。 新進党 は 最近 まとめた 「 行政 改革 に 対する 第 一 次 提言 」 で 、 すべて の 法人 を 五 年 以内 に 見直す 「 サンセット 法 」 の 制定 や 、 統合 の 場合 、 役員 数 は 統合 前 の 七 割 以下 に する など 具体 的な 提案 を して いる 。 政府 ・ 連立 与党 は 今後 、 特殊 法人 に 資金 を 提供 して いる 財政 投融資 制度 全体 も 含めて 抜本 的に 見直す と して いる が 、 新進党 の 問題 提起 は 参考 に なる はずだ 。 特殊 法人 改革 を これ で 終わり に して は なら ない 。 経営 が 破たん した 東京 都 内 の 二 信用 組合 を めぐり 、 さまざまな 疑惑 や 問題 が 表面 化 して いる 。 問題 の 東京 協和 、 安全 の 両 信 組 は 十三 日 に 臨時 総代 会 を 開いて 、 組合 の 解散 と 、 新 銀行 へ の 事業 譲渡 と ともに 、 旧 役員 陣 の 責任 を 民事 、 刑事 の 両面 から 追及 する こと を 決めた 。 両 信 組 が 経営 破たん した の は 、 乱脈 経営 の 結果 であり 、 それ を なぜ 公的 資金 で 救済 し なければ なら ない の か 。 なぜ 関係 も ない 都 銀 や 全国 の 金融 機関 が 受け皿 の 新 銀行 に 出資 や 資金 贈与 を し なければ なら ない の か 。 欧 米 で は 考え られ ない 処理 の 仕方 である 。 さらに 、 高橋 治則 ・ 東京 協和 信 組 前 理事 長 と 有力 政治 家 や 高級 官僚 、 金融 当局 者 と の 関係 も 取りざた さ れて いる 。 捜査 当局 の 徹底 した 追及 を 求める と ともに 、 関係 者 は 真偽 を 自ら 明らかに して ほしい 。 両 信 組 の 大口 預金 者 リスト の 一部 が 明らかに なって いる が 、 百億 円 以上 が 二 件 も 含ま れて いる 。 預金 全体 の 九 割 を 占める と いう 一千万 円 以上 の 大口 預金 が 、 甘い 思惑 で 預金 した 自己 責任 を 問わ れて い ない 。 こうした 処理 が モラル ハザード の 助長 に つながる こと を 憂慮 する が 、 問題 は こういう 危ない 金融 機関 が ほか に も あり 、 すぐに 自己 責任 を 求める と 、 金融 システム に 混乱 が 生じる と いう 当局 の 認識 である 。 それ が 仮に 実態 である と する と 、 恐ろしい こと だ 。 では モラル ハザード を 阻止 する ような 方向 に 、 どういう ステップ で 進めて いく の か 。 時間 が たてば 、 金融 機関 が 強く なり 、 自然に 正常 化 する と 期待 できる の か 。 そこ が 問題 だ 。 常識 的に は 、 モラル ハザード を 起こさ ないで 、 金融 システム の 安定 を 図る こと が 必要だ 。 金融 機関 は 預金 者 に 十分な 情報 の 開示 を 行い 、 預金 者 は それ に 応じて 、 金融 機関 を 選択 、 リスク を 承知 の うえ で 預金 する 。 金融 機関 が 経営 破たん したら 、 倒産 さ せる か どう か で 、 合理 的で みんな が 納得 できる 意思 決定 の システム も 必要だ 。 また 、 金融 機関 の 倒産 の リスク が 波及 する の を 防止 する 手立て も いる 。 だが 、 理想 に 対して 、 現実 に は ディスクロージャー が 不十分で 、 両 信 組 の 場合 に は 、 経営 実態 が ほとんど 外部 から 分から なかった 。 金融 当局 は 情報 開示 に もっと 真剣に 取り組ま ねば なら ない 。 また 、 倒産 さ せる べき か どう か の コンセンサス づくり も 遅れて いる 。 国会 で は もっと 、 経営 破たん の 金融 機関 の 処理 に ついて 議論 を 深める べきだ 。 求め られて いる の は 透明で 、 公正な 意思 決定 の システム の 構築 である 。 日銀 法 第 二五 条 に より 、 「 信用 制度 の 保持 育成 」 の ため なら 、 公的 資金 を 国会 の 承認 なし に 日銀 総裁 と 蔵 相 の 裁量 で 無制限に 出せる わけで は ない 。 金融 秩序 の 維持 は 重要である 。 だが 、 当局 の 判断 だけ で なく 、 国会 は 国民 経済 の 見地 から 、 この 問題 を 論議 する よう 繰り返し 促し たい 。 両 信 組 の 問題 は 、 日本 の 金融 システム に 警戒 信号 を 送って いる 。 欧 米 でも このような 経験 が 見 られた が 、 財政 の 思い切った 投入 に より 、 外科 手術 に 成功 して いる 。 日本 は 問題 の 先 送り で 乗り切れる のだろう か 。 経営 に 思想 が 問わ れる 。 限定 した 市場 に 合わせた オンリーワン の 企業 に は 、 同業 他社 が 追随 でき ない 中核 技術 の 確立 と ともに 、 独創 力 豊かな 人材 を 育てる 経営 哲学 が 背景 に ある 場合 が 多い 。 東京 都 江東 区 に 本社 が ある 前川 製作 所 。 産業 用 冷凍 機 の 製造 から 発展 した 会社 で 、 全体 で の 売り上げ は この 不況 期 を 含む 五 年間 に 八百億 円 から 一千億 円 に 増えた 。 訪ねて みる と 、 本社 ビル と いって も 、 アパート の ような 十 階建て 。 かつて は 三 階 まで 本社 で 使い 、 上部 は 貸して いた 。 案内 さ れた 応接 室 と は 、 アパート 改造 の シンプルな 会議 室 。 壁 に 絵画 は ない 。 普通の 会社 に あって 、 この 会社 に は 「 ない 」 もの が 実に 多い 。 社長 室 、 役員 室 が ない 。 幹部 食堂 も ない 。 人事 部 が ない 。 そもそも 部 、 課 が ない 。 部長 、 課長 の 肩書 は 対外 的に 使う だけ 。 実質 的に 借金 が ない 。 「 金 を 集める 必要 が ない から 、 株式 市場 に 上場 して い ない 」 。 バブル の 時期 に 株 、 不動産 に 手 を 出さ なかった 。 経営 の 目標 数字 を 出さ ない 。 数字 が 独り歩き する と 、 「 独創 的に 新しい もの を 造り 、 自由な 生産 活動 を 行う 妨げ に なる 」 から と いう 。 二 階 の 大部屋 の 端に 前川 正雄 社長 が いた 。 専務 、 常務 は 部屋 の 真ん中 あたり に 散らばり 、 机 も いす も 差別 が なく 、 隣 に は 普通の 社員 が 座って いる 。 六十 歳 で 退職 金 を もらった 定年 後 も 働き 続ける こと が できる 。 「 二十 代 は 試行 錯誤 、 三十 代 は 自分 の 方向 を 決める 。 四十 代 から 八十 代 の 五十 年間 が 勝負 」 と 前川 社長 。 部屋 に は 八十 代 で 働いて いる 人 が ちらほら 。 創業 七十一 年 。 現 社長 は 先代 の 前川 喜作 氏 に 継ぐ 二 代 目 。 戦後 、 焼け 野原 から 再 出発 。 一九五五 年 に は 都 内 七 カ所 に 製氷 工場 を 持ち 、 社員 も 百五十 人 ぐらい だった 。 その ころ 、 普通の 会社 の ように 部 課 制 へ と 組織 化 。 生産 効率 は 上がった が 、 人間 関係 が しっくり いか ない 。 人間 らしい 生き 方 を しよう と 、 七〇 年 ごろ から グループ 制 を 導入 、 八〇 年 ごろ から 現場 を 手始め に 、 どんどん 独立 法人 に して いった 。 いま で は 、 国 内 千七百 人 、 国 外 八百 人 の 会社 は 百 以上 の 独立 法人 に 分かれて いる 。 全国 の 営業 所 は みな 独立 法人 。 生産 拠点 の 茨城 工場 も 生産 品目 別 に 六 つ の 会社 に 分けて ある 。 昨年 、 独立 した 前川 製作 所 スキー ・ スケート システム は 三 人 の 取締 役 を 含めて 八 人 の 会社 。 平均 する と 、 一 社 当たり の 従業 員 は 二十五 人 で 、 総務 から 営業 、 経理 まで すべて やる 。 独立 法人 に する と 、 分社 間 の 物 の 移動 は 売り買い に なり 、 その 手続き 、 処理 が 必要に なって 、 無駄 も 増える こと に なる 。 しかし 、 社員 が 生存 を かけた 当事 者 意識 を 持ち 、 「 一千万 円 、 一億 円 の 決裁 を 自分 で 決断 する の は 、 怖い けど 面白い 。 責任 者 と して の 自覚 を 持ち 、 意気込み が 違って くる 」 と 元 副 社長 の 榊原 重男 顧問 は 言う 。 サラリーマン に とって 人生 の 主要な 部分 が 会社 で の 生活 である 。 ここ で つらい こと は 、 人生 の 最大 の 不幸であろう 。 だから 、 人間 の 喜び を 感じ られる 会社 で なくて は いけない 。 前川 社長 は 「 創造 して いく こと が 生きて いく こと であって 、 競争 で は ない 」 と の 持論 から 、 量 より 質 を 追う 経営 を 目指して きた 。 冷凍 機 ひと つ を とって も 顧客 の ニーズ は それぞれ 違う 。 その ニーズ は 言葉 で は 表現 でき ない 。 前川 製作 所 で は 機械 屋 、 電機 屋 など 技術 者 集団 が 出かけて 、 顧客 の 話 を 聞いて 、 提案 する 。 そうして プラント が 出来て も 一 つ しか 売れ ない 。 量 を 求める と 価格 破壊 の 対象 と なる が 、 質 を 売る なら 生き残れる 。 「 他社 は 量 を 追いかけて きた が 、 うち は 質 を 売って きた 。 今 は 質 の 時代 。 結果 と して 量 が 大きく なった 」 と 前川 社長 は 言う 。 採用 も 変わって いる 。 面接 で は 、 会社 側 が 質問 し ない 。 「 あなた たち の 方 が 会社 の こと を 知り たい だろう から 質問 して くれ 」 採用 の 決定 は 、 いま の ところ 会社 側 で なく 、 本人 の 意思 次第 で 、 来る 者 は 拒ま ず 。 さて 、 入社 後 の 配置 も 、 海外 を 含めて 自分 で 決め させる 。 会社 は 百 以上 の 独立 法人 に 分かれて いる から 、 新入 社員 は どこ に 行く か で 、 二 、 三 カ月 、 懸命に 取材 して 回る 。 配置 さ れて も 、 「 ああ しろ 、 こう しろ 」 と だれ も 指図 し ない 。 仕事 で は 役 に 立た ない ので 放置 さ れる 。 自分 で やり始める の を 待つ 。 前川 製作 所 が 目指して きた の は 、 江戸 時代 から の 職人 集団 で 、 親方 を 中心 と した 生活 共同 体 みたいな もの 。 この 中 で 営業 から 設計 、 工事 と いった すべて の こと を 覚え させる 。 「 今 の 教育 は 知識 だけ を 詰め込んで 、 人 を 理解 する こと を 教え ない し 、 自分 も 理解 して い ない 。 昔 の 徒弟 制度 と 同じで 、 己 を 知る のに 二 年 、 ぞうきんがけ でも 何でも よい 」 前川 製作 所 の 独特の 社風 は 、 なかなか まね られ ない し 、 距離 を 感じる 向き も ある だろう 。 だが 、 人間 尊重 と 創造 性 に 原点 を 置き 、 個人 と 組織 の 共存 へ の 試み 自体 は 、 どの 企業 に とって も 普遍 性 を 持つ 。 「 雪国 まいたけ 」 は 豪雪 地帯 の 農村 から 突然 、 舞い上がった 「 オンリーワン 」 企業 だ 。 人口 三万 人 弱 の 新潟 県 南魚沼 郡 六日 町 。 降りしきる 雪 の 中 、 その 十四 階建て の ビル は そびえ 立って いた 。 高級 キノコ 「 マイタケ 」 の 人工 栽培 で 全国 七〇 % の シェア を 占める 「 株式 会社 雪国 まいたけ 」 の 本社 だ 。 周り は 田んぼ 。 同社 は 現在 、 日産 五十五 トン の マイタケ を 生産 、 販路 は 全国 に 及んで いる 。 「 たかが 、 キノコ 」 と 考えて は なら ない 。 デリケートな 生育 条件 を 必要 と する マイタケ を 安定 的に 大量 生産 する に は 、 微妙な 栽培 技術 と 高度の 環境 制御 技術 が 不可欠だ 。 その 技術 こそ が 、 最大 の 企業 秘密 だ 。 資本 金 約 十五億九千万 円 、 一九九三 年度 の 売上高 約 六十四億 円 、 従業 員 は パート を 含め 約 七百 人 。 昨年 三 月 、 新潟 証券 取引 所 に 上場 した 。 創業 から わずか 十三 年 、 一見 、 普通の サラリーマン ふう の 大平 喜信 社長 は 、 農村 地域 に 立地 する 企業 の 将来 展望 を 、 こう 語る 。 「 キノコ を 中心 に さまざまな 食品 類 を 全国 的に 売って いき たい 。 この 地元 の 魚沼 地方 を 一 大 バイオファーム に し たい 」 大平 さん は 戦後 間 も ない 四八 年 、 六日 町 の 山間 部 の 農家 に 生まれた 。 田んぼ は わずか 一 反 。 貧し さ から 抜け出す こと が 、 子供 の ころ から の 最大 の 願い だった 。 「 貧困 から の 脱出 」 は 、 多かれ少なかれ 戦後 の 日本 人 全体 の 念願 で も あった 。 中学 卒業 後 、 大平 さん は 神奈川 県 内 に 就職 する が 、 二 年 ほど で 家 に 帰り 、 地元 に 進出 した 電機 部品 工場 に 勤める 。 しかし 、 この サラリーマン 生活 で 学歴 の 壁 を 感じた 大平 さん は 、 両親 の 反対 を 押し切り 、 それなり に 安定 した 兼業 農家 の 生活 を 捨て 、 自立 の 道 を 選ぶ 。 二十六 歳 だった 。 大平 さん は まだ 少なかった 「 太 モヤシ 」 の 栽培 に 成功 する が 、 やがて マイタケ に 着目 、 「 これ だ 」 と 決断 する 。 マイタケ の 人工 栽培 は 始まった ばかりで 、 全国 的に 生産 者 も 生産 量 も 少なかった から 、 量産 に 成功 すれば 「 オンリーワン 」 に なれる と 確信 した のだ 。 寝食 も 忘れる 試行 錯誤 の 努力 の 末 に 、 ついに 独自の 量産 技術 を もの に する 。 こうして 、 日産 八十キロ で マイタケ の 生産 に 乗り出した の が 八二 年 二 月 。 八三 年 七 月 に は 資本金 一千万 円 で 「 雪国 まいたけ 」 を 設立 、 以後 、 驚異 的な 発展 を 続けて きた 。 しかし 、 その 成功 は 、 決して 偶然 や 幸運に よる もの で は ない 。 それ は 一般 化 し 得る 合理 的な 経営 手法 が もたらした もの であった 。 大平 さん は マイタケ の 事業 化 に 当たって 、 三 つ の 条件 を 考えた 。 第 一 は 、 他社 より も 絶対 優位の 独自の 生産 技術 を 持つ 。 第 二 は 、 流通 ルート が 複雑な 農協 を 通さ ず 直接 、 青果 市場 や 量販 店 に 流す 「 産地 直送 型 」 の 流通 形態 を とる 。 第 三 は 、 あくまでも 「 生産 者 主導 」 を 守る ため 特定の 量販 店 など に 二〇 % 以上 の 取引 シェア を 与え ない 。 これ ら は 、 だれ か の まね を する ので は なく 、 大平 さん が 独自に 編み出した 戦略 だった 。 もう 一 つ 成功 の 要因 と して 見逃せ ない の は 、 大平 さん が 最初 から 量産 に よる マイタケ の “ 価格 破壊 ” を 志向 して きた ことだ 。 マイタケ は 、 ある 程度 、 高い 値段 でも 売れる 。 そこ で 創業 者 利益 を 稼ぐ こと も 可能だ が 、 大平 さん は それ を とら ず 、 値段 を 安く して 消費 の 拡大 を 図った 。 「 いい もの を 安く 」 は 生産 者 の モラル で も ある が 、 同時に 値段 を 低く する こと は 競争 者 の 参入 抑止 に も なる 。 その 戦略 の ため に 、 大平 さん は 初め から 量産 体制 を 目指した 。 それ に は 、 相当 の 設備 投資 資金 が 必要である 。 大平 さん に は 情熱 と 自信 は あった が 、 資産 は 皆無だった 。 銀行 は 融資 に 難色 を 示した 。 そこ で 大平 さん は 多額の 生命 保険 に 入った 。 これ を 担保 に と いう わけだ 。 そこ まで する の なら と 、 地元 の 銀行 が 融資 に 踏み切る 。 最終 的に は 大平 さん の 気迫 と 人間 性 が 、 銀行 側 を 動かした と いう こと だろう 。 ここ に 私 たち は 、 ベンチャー企業 と 銀行 と の 好ましい 結び付き の 一 つ の 例 を 見る こと が できる 。 戦後 半 世紀 を 経て 活力 低下 が 懸念 さ れる 日本 経済 に とって 、 いま 非常に 重要な こと は 、 大きな 可能 性 を 秘めた 無名 の 企業 を 発掘 して 支援 、 育成 して いく こと である 。 いくら アイデア や 技術 、 意欲 が あって も カネ が なければ 事業 を 興す こと は でき ない 。 日本 興業 銀行 特別 顧問 の 中山 素平 氏 は かつて 、 銀行 が 企業 に 対して 融資 する 際 の 判断 条件 と して 、 一 に 経営 者 の 資質 、 二 に 社風 、 三 に 資産 を 挙げた 。 多く の 場合 、 安全 性 を 重視 する あまり 順番 が 逆転 して いる の が 現実 だろう 。 確かに ベンチャー へ の 融資 に は リスク が 伴う 。 判断 は 難しい が 、 バンカー たち に は 機械 的で は ない 、 人間 的な 洞察 力 と 決断 力 が 求め られる 。 同時に 米国 の ように 、 ベンチャー ビジネス に 積極 的な 投資 が 行わ れる ように 証券 市場 など の 制度 的な 改革 を 進める こと も 急務 だろう 。 「 雪国 まいたけ 」 の 経験 は 、 ビジネス チャンス を 成功 に 導く 条件 を 教えて くれる 。 何より も 起業 家 自身 の 決断 と 創意 工夫 が 最大 の 条件 である こと は 言う まで も ない が 、 それ に 加えて 金融 的な 支援 が 極めて 重要な のである 。 一 カ月 前 の きょう 十七 日 、 兵庫 県 南部 は 「 突然の 壊滅 」 に 遭遇 した 。 以後 数 日間 、 被災 地 の 住民 は ほぼ すべて が 救助 隊員 であり 、 消防 士 であり 、 医師 だった 。 手 を 取り合って 、 生き埋め の 人 を 救い 、 火 を 消し 、 けが人 を 手当て した 。 自ら の 危険 を 顧み ず 、 黙々と 災害 に 立ち向かった 。 頼る べき 公 の 機関 が 役立た ない 、 一種 の 「 無 政府 状態 」 に 直面 した とき 、 人間 が 尊厳 を 失わ ず に どう 行動 できる か を 見事に 示した 例 だ 。 その後 も 、 助け合い 、 明るく 他 を 励ます 心 の 基調 は 変わら ない 。 震災 は 自然の 脅威 を 見せつけた が 、 震災 後 の 一 カ月間 は 人間 の 素晴らし さ を 教えて くれた と も 言える 。 いま 、 被災 地 は 復興 へ 動き始めた 。 復興 計画 の 原点 に 据える べき は 、 やはり 被災 地 で 示さ れた 「 住民 の 心 」 だ 。 そう 考えれば 、 計画 に 欠かせ ない 視点 が おのずと 浮かび上がる 。 政府 ・ 自治 体 当局 に は 、 住民 の 心 に 沿った 復興 の 実現 を 強く 求め たい 。 第 一 の 視点 は 、 ビル や 道路 など ハード 面 も 大切だ が 、 被災 地 を 支えて きた 住民 の 心 の きずな を 維持 する こと の 重要 性 である 。 復興 へ 向かう に つれ 、 住民 の 間 で 利害 関係 の 対立 も 生じよう 。 美談 だけ で は 済まない 時期 に 入る のだ 。 被災 者 で も ある 作家 の 田辺 聖子 さん は 本紙 へ の 寄稿 で 「 ビル など の モノ と ちがって 人情 や 気風 は 倒壊 も 消失 も し ない 。 心 が あれば 再建 は できる 」 と 語って いる 。 その 通り だ 。 復興 の 過程 が 、 住民 の 対立 を 助長 したり 、 連帯 感 を 引き裂く もの であって は なら ない 。 外国 籍 の 住民 や 所得 の 少ない 人 へ の 差別 も 許さ れ ない 。 被災 地 の 「 自立 ・ 相互 扶助 」 の 精神 を 、 復興 へ の 大切な エネルギー に 転化 する 計画 であって ほしい 。 第 二 は 、 真 の 意味 で の 住民 参加 に よる 復興 の 実現 である 。 行政 機構 が まひ する 中 で 、 今回 の 震災 ほど 、 住民 自身 が 被災 地 の 秩序 や 生活 を 維持 した 例 は ない 。 その後 行政 の 機能 も 回復 し 、 自ら が 被災 者 の 公務 員 も よく 頑張って いる 。 住民 と 公務 員 が お互い の 働き を 認め 、 協力 し 合う 。 そんな 新しい 関係 を 築く チャンス である 。 商店 街 の 住民 が 自ら 町 の 復興 策 を 作る 動き も ある 。 復興 は 計画 作り の 段階 から 、 ぜひ 住民 参加 を 徹底 して ほしい 。 これ まで 多大な 貢献 を した ボランティア の 手助け も 必要だ 。 住民 抜き で 何も でき ない こと を 自覚 した 自治 体 で こそ 、 全国 の モデル と なる 参加 型 行政 が 実現 する はずだ 。 第 三 は 、 町 づくり の 基本 理念 を 、 従来 の 経済 的な 効率 本位 から 大きく 転換 する こと が 必要だ 。 今回 の 震災 は 、 我々 が 忘れ かけて いた 多く の 大切な もの を よみがえら せた 。 金銭 より 人 の きずな の 重要 性 も 思い知ら さ れた 。 町 づくり でも 、 価値 観 の 転換 を 迫ら れて いる のだ 。 既に 兵庫 県 は 「 利便 ・ 効率 」 追求 型 の 都市 政策 を 「 安全 ・ 安心 」 型 に 転換 する 考え を 表明 して いる 。 地元 財界 でも 「 経済 効率 性 や 快適 性 の 追求 に のみ とらわれて いた 都市 政策 」 へ の 反省 が 語ら れ 始めた 。 モノ 偏重 の 生活 スタイル の 見直し を 含め 、 復興 が 今後 の 日本 の あるべき 姿 の モデル に なる よう 期待 し たい 。 その 意味 で 被災 地 の 今後 は 、 単に 旧 に 復する 復旧 でも 再生 で も なく 、 新たな 価値 を 伴う 復興 であり 新生 であって ほしい 。 破たん した 東京 協和 、 安全 の 両 信用 組合 の 乱脈 経営 の 実態 は 、 目 を 覆う ばかりだ 。 こうした 信 組 を なぜ 公的 資金 を 使って 救済 した の か 。 国民 に とって 到底 、 納得 の いか ない ところ である 。 こういう 事態 を 繰り返さ せ ない ため 、 国会 が 国政 調査 権 で 追及 に 乗り出した の は 当然である 。 官僚 や 有力 政治 家 と の 関係 が 取りざた さ れて いる だけ に 、 真相 を 究明 する と ともに 、 金融 システム の 正常 化 の ため の 政策 づくり に 努力 して ほしい 。 東京 都 と 両 信 組 の 新 経営 陣 は 、 前 理事 長 など を 背任 罪 で 東京 地検 特捜部 に 近く 告訴 し 、 大型 金融 事件 の 捜査 が 本格 化 する が 、 国会 の 役割 は 依然と して 重要である 。 監督 官庁 の 東京 都 と 大蔵 省 は 、 衆院 予算 委員 会 に 一億 円 以上 の 大口 預金 者 リスト を 提出 、 公表 さ れた 。 もちろん 、 この際 、 預金 者 の プライバシー を 保護 する 守 秘 義務 と の 関係 を どう 判断 する か の 慎重 さ が 必要 と さ れる 。 しかし 、 真相 解明 に 欠かせ ない 資料 である 点 、 さらに 、 一千万 円 以上 の 預金 者 は 公的な 資金 で 、 特別な 保護 の 恩恵 を 受けて いる こと を 考える と 、 リスト の 提出 は 妥当であろう 。 さらに 、 リスト が 匿名 である こと に 不満の 声 が 、 国会 内 に も 世論 でも 少なく ない 。 守 秘 義務 の 精神 を 尊重 する と ともに 、 なお 真相 解明 の ため に 必要な 限度 に おいて 、 関係 者 に 明らかに さ れる べきであろう 。 これ まで の 報道 で は 、 融資 と 預金 と の 因果 関係 も 指摘 さ れて いる 。 融資 の 仕方 に も 疑惑 が 多い 。 当然 ながら 大口 融資 の リスト も 国会 に 提出 さ れる べきだ 。 国会 で は 阪神 大 震災 の 復旧 の ため の 来 年度 予算 案 と 第 二 次 補正 予算 案 の 審議 が 重要である 。 だから 、 時間 が ない こと を 口実 に 、 金融 疑惑 の 幕 引き を 早めよう と する 動き も 出て こよう 。 それ に は 反対である 。 国会 は この 問題 で 追及 の 方向 を 決め 、 時間 を 有効に 使って ほしい 。 騒いだ だけ で 終わる ようで は 、 国政 調査 の 名 が 泣く 。 関係 者 の 証人 喚問 も 必要であろう 。 法律 違反 に は なら なくて も 、 政治 家 と して の 道義 を たださ ねば なら ない 場合 も ある 。 司法 で 裁け ない が 、 道義 の 欠けた 政治 家 が 明らかに なれば 、 選挙 で 有権者 の 審判 を 仰ぐ こと に なる 。 同時に 、 国会 が 焦点 を 当てる べきな の は 、 両 信 組 を 救済 した 金融 政策 の 妥当 性 だろう 。 つまり 、 金融 当局 は 今回 、 信用 秩序 の 維持 と 安定 を 重視 して 、 だれ が 借りよう と 、 だれ が 預けよう と 関係ない と いう 態度 を 取って いる 。 だから 今回 、 両 信 組 を 倒産 さ せ なかった 背景 に は 、 信用 秩序 を 不安に する 危ない 金融 機関 が ほか に も ある こと が 前提 に なって いる 。 では 、 ほか に も このような ケース が 出て きたら 、 同じ ように 救済 する の か 。 それとも 救済 し ない の か 。 国会 の 質疑 に は 、 すでに この 議論 が 出て いる が 、 この 点 を 明確に する こと が 必要であろう 。 銀行 で こういう ケース が 出て きた 場合 に は 、 大蔵 省 の 検査 や 日銀 の 考査 と いう 日常 の 金融 行政 が 大きく 絡んで くる 。 だれ が 預けよう が 、 だれ に 貸そう が 関係ない と いう 論理 が 、 どこ まで 展開 できる か 疑わしい 。 自己 責任 を 中心 と した 制度 づくり が 急が れる わけである 。 「 これ は ブラック ユーモア で は ない か 」 。 エリツィン 大統領 が ロシア 議会 で 行った 年頭 教書 演説 に は 、 こんな 印象 が ぬぐえ ない 。 「 人権 保障 の 強化 」 「 国民 和解 の 深化 」 「 経済 改革 の 継続 と 社会 的 充実 」 …… 。 演説 に は 聞こえ が よい 言葉 が ちりばめ られて いる 。 しかし 、 現実 の ロシア は 、 大統領 の 美辞 麗句 と は 正反対の 状況 に ある 。 議員 たち が 白け 切った の も 無理 は ない 。 まず 、 「 人権 保障 」 を 言う の なら 、 非 戦闘 員 に 多数 の 犠牲 者 を 出した チェチェン 進攻 に 対して 、 大統領 は 自己 の 責任 を もっと 明確に 認める べきだ 。 作戦 失敗 の 責め を 軍 や 情報 機関 に 押し付ける ので は 、 「 責任 転嫁 の 保身 」 の そしり を 免れ ない 。 現地 から の 報道 に よる と 、 ロシア 軍 占領 地域 で は 略奪 、 暴行 が 日常 的に 繰り返さ れ 、 残虐な 拷問 事件 まで 起こって いる と いう 。 大統領 は そうした 蛮行 に は 目 を つぶった まま だ 。 「 国民 和解 の 深化 」 と いう 文句 も 白々しい 。 チェチェン 進攻 は ロシア 社会 に 深い 亀裂 を 生んで いる 。 亀裂 を いやす に は 紛争 の 交渉 に よる 解決 以外 に ない はずだ が 、 大統領 は 政治 解決 に は 全く 言及 して い ない 。 チェチェン 進攻 に 対する 内外 の 批判 を かわす ため か 、 演説 は 経済 改革 の 継続 や 民主 的な 国家 運営 を うたって いる 。 しかし 、 これ まで の 改革 の 成果 に も 、 改革 継続 の 公約 に も 大きな 疑問 符 を 付け ざる を 得 ない 。 高級 外車 を 乗り回し 、 カジノ で 大金 を 費消 する 新 富裕 層 は 人口 の 一 割 に も 満た ず 、 食 う や 食わ ず の 生活 苦 に あえぎ 、 葬式 代 に さえ 事欠く 貧困 層 と の 格差 は あまりに 大きい 。 ルーブル の 対 ドル 価値 は この 一 年 足らず で 半分 以下 に 落ち 、 インフレ は 再び 月 率 二 ケタ に なった 。 賃金 欠配 に 怒った 炭鉱 労働 者 が スト に 立ち上がった ように 、 「 額 に 汗して 働く 者 が 報われる 国 」 で は ない から 、 ヤミ 経済 が 増殖 を 続け 、 犯罪 と 汚職 が 広がる 。 いま の ロシア は 「 弱肉強食 の ジャングル の 資本 主義 」 な のだ 。 世直し に 必要な の は 、 強権 の 誇示 や 人気 取り の 空 約束 で は なく 、 確固たる 方向づけ 、 限ら れた 国家 資金 の 重点 配分 、 地道な 努力 の 積み重ね だ 。 ところが 、 演説 は 社会 保障 の 充実 と 軍需 部門 へ の 補助 強化 を ともに 掲げる など 、 「 総花 的な スローガン の 列挙 」 で しか ない 。 教書 演説 は ロシア が 舵 の 利か ない 漂流 状態 に 陥って いる こと を 示して いる 。 しかも 、 予定 通り 今年 末 に 下院 選 、 来年 六 月 に 大統領 選 が 実施 さ れる と なれば 、 改革 そっちのけ の 権力 闘争 が 激しく なる の は 必至だ 。 クリントン 米 政権 や ドイツ など 西欧 は 、 「 エリツィン 政権 が 改革 路線 から 後退 し ない こと を 望む 」 と 緩やかに クギ を 刺した だけ で 、 対 露 支援 を 継続 する 方針 だ 。 しかし 、 その 窓口 に なって いる 国際 通貨 基金 は エリツィン 政権 の 経済 運営 へ の 不信 から 、 予定 して いた 百三十億 ドル の 融資 の 実施 を 渋って いる 。 ロシア の メンツ を いたずらに 傷付ける やり 方 は 賢明で は ない 。 だが 、 国際 社会 が 「 ロシア の 人質 」 に 取ら れ 、 エリツィン 政権 が 何 を やって も 支援 を 継続 せ ざる を 得 ない ワナ に はまり 込む の は 避け ねば なら ない 。 国際 支援 は ロシア が 安定 軌道 に 乗り 、 国民 生活 が 向上 する の を 応援 する ため の もの である 。 国際 社会 は この 原則 を 崩さ ず 、 毅然たる 態度 で エリツィン 政権 に 臨む べきだろう 。 桜 の つぼみ が 膨らむ ころ 、 今年 も 球音 が 阪神 甲子園 球場 に こだま する こと に なった 。 センバツ 大会 に ついて は 、 大 震災 に 見舞わ れた 人々 の 心情 へ の 配慮 など から 、 大会 開催 の プラス 面 と マイナス 面 が 論議 さ れて きた 。 開催 決定 を 受け 、 大会 運営 委員 会 は 、 今 大会 の 精神 を 「 災害 復興 に 寄与 する 大会 」 と 意義づけた 。 運営 費 から 兵庫 県 の スポーツ 教育 へ の 復興 資金 を 贈る の も その 一 つ だ 。 それ 以上 に 、 若 さ あふれる 真剣な 試合 で 被災 者 を 元気づける こと こそ が 、 復興 へ の 寄与 に なる だろう 。 明るい 気持ち を 取り戻す きっかけ に なる こと を 願わ ず に い られ ない 。 もちろん 、 悲しみ と 苦しみ の 中 に ある 被災 者 の 気持ち を くんで 、 お祭り騒ぎ に なら ない 、 質実な 大会 運営 を 心掛ける べきだろう 。 センバツ 開催 を めぐって は 、 各 方面 に 賛否 両論 が あった 。 「 野球 どころ じゃ ない 。 被災 者 の 心 を 逆なで する 」 と 住民 感情 を 推し量って の 反対 意見 も あった 。 犠牲 者 が 五千 人 を 超え 、 家 を 失った 人々 の 避難 所 生活 が 続いて いる こと を 考える と 、 無理からぬ 意見 と は 思う 。 だが 、 白球 に かける 高校 生 の ひたむきな 青春 は 、 これ まで 数 多く の 感動 の ドラマ を 生んで きた 。 彼ら の 笑顔 が 、 はつらつ プレー が 、 被災 者 の 気持ち を 傷付ける と は 考え にくい 。 むしろ 、 沈み がちな 心 を 転換 さ せ 、 力づける きっかけ に も なる ので は ない か 。 与謝野 馨 文 相 は 、 先日 の 国会 で 「 復興 に は 、 高校 生 の 明るい 歓声 も 必要だ 」 と 述べた 。 村山 富市 首相 も 「 被災 地 の 皆さん を 元気づけ られる なら 意義 が ある 」 と 賛成 して いる 。 貝原 俊民 ・ 兵庫 県 知事 も 「 被災 者 を 激励 する 大会 に して ほしい 」 と の 要望 を 表明 した 。 いずれ も 、 センバツ が 復興 に 果たす 精神 的 支援 へ の 熱い 期待 と 受け止め たい 。 読者 など から も 「 こういう 時 に こそ 、 明るい 話 と して 開催 す べきだ 」 と の 賛成 意見 が 多かった 。 この際 、 甲子園 に 来る 選手 や 応援 の 生徒 に 望む の は 、 被災 地 の 真っただ中 で 大会 を 開く こと の 意味 を 考えて ほしい と いう ことだ 。 たくさんの 同 世代 の 若者 たち が 、 ボランティア と して 頑張って いる 。 そんな 被災 現場 で の 助け合い の 息遣い に 触れる こと で 、 自分 に は 何 が できる か を 問う 機会 と して は どう だろう 。 甲子園 出場 も 、 学校 と して の 応援 も 、 教育 の 一環 である 。 決して 物見 遊山 で は ない こと を 改めて 肝 に 銘じて もらい たい 。 開催 に こぎつける まで に 、 運営 上 の 難問 も あった 。 その 一 つ は 球場 へ の 交通 手段 の 問題 だった 。 「 復旧 作業 を 妨げ ない 」 が 至上 命題 の ため 、 今回 は 選手 や 応援 団 の 球場 へ の バス の 乗り入れ を 禁止 した 。 一般 観客 に も 、 マイカー の 使用 自粛 を 呼びかける 。 当然の 対策 だろう 。 阪神 間 を 結ぶ 道路 は 、 生活 用品 や 復旧 資材 を 運ぶ 貴重な 幹線 だ から だ 。 今年 の 甲子園 から は 、 派手な 演出 の 開会 式 も 、 鳴り物入り の 応援 も 消える 。 声援 と 拍手 だけ の 大会 に なる はずだ 。 夏 の 大会 を 含め 、 高校 野球 の 望ましい 在り 方 を 考える チャンス に も なる だろう 。 「 春 は センバツ から 」 の さわやかな 息吹 を 、 被災 者 の 胸 に 届け たい 。 大 震災 は 、 神戸 ・ 阪神 地区 の 文化 財 に も 大きな 被害 を 与えた 。 美術 館 や 博物 館 の 収蔵 ・ 展示 品 が 軒並み 壊れた し 、 伝統 建造 物 の 多く も 破損 した 。 残念 と いう ほか ない 。 「 人 的 被害 に 比べれば 」 と の 議論 も あろう が 、 文化 財 は 地域 文化 の 蓄積 そのもの であり 、 住民 の 誇り である 。 荒廃 の 回復 に 必要な 「 心 の ゆとり 」 で も ある 。 復旧 ・ 修復 を 急ぎ 住民 へ の 励まし に つなげて ほしい 。 文化 庁 が まとめた 国宝 ・ 重要 文化 財 の 被害 は 、 京 阪 神 を 中心 に 百六十 件 に 上った 。 神戸 で は 異人 館 街 の 二十 棟 が 破損 した 。 「 街 の シンボル が 台無しに なった 」 と の 嘆き が 、 住民 の うつろな 心 を 語る 。 幸い 、 すべて が 修復 可能だ 。 全壊 した 居留 地 の 洋館 も 修復 が 進んで いる 。 一 日 も 早く 情緒 ある 街並み を 復活 さ せ 、 神戸 っ子 を 元気づけ たい 。 美術 館 や 博物 館 の 被害 に は 、 心 が 痛む 。 神戸 ・ 阪神 地区 は 文化 の 集積 度 の 高い こと で 知ら れる 。 意外な 所 に 美術 館 が あったり する の も 、 この 地域 ならでは だ 。 建物 が 傾いたり 、 壁 が 落ちた 施設 は 十九 に も 及んだ 。 展示 品 の 被害 も おびただしい 。 油絵 の カンバス が 裂け 、 彫刻 の 裸婦 像 の 首 が もげた 。 中国 の 陶磁器 三千 点 が 破損 し 、 被害 総額 を 約 十億 円 と はじいた 美術 館 も ある 。 収蔵 庫 の 調査 が 進めば 、 さらに 大きな 被害 が 明らかに なろう 。 文化 財 を 保存 する 場 と して 、 地震 へ の 備え は ほとんど 無かった 施設 が 多い 。 現実 を 直視 し 、 今後 の 災害 対策 に 生かして もらい たい 。 当面 する 問題 は 、 余震 対策 と 応急 修復 だ 。 危機 感 を 抱いた 若手 ・ 中堅 の 学芸 員 有志 が 積極 的に 立ち上がった の は 心強かった 。 全国 美術 館 会議 を 通じて 、 被災 した 作品 の 保全 と 応急 修復 を 手伝おう と 呼びかけた のだ 。 今月 に 入り 、 東京 の 美術 館 の 学芸 員 、 米国 ロサンゼルス の ポール ・ ゲッティ 美術 館 の 修復 専門 家 、 文化 庁 調査 官 ら 十一 人 で 作る 「 美術 作品 救援 隊 」 が 三 日間 、 現地 入り した 。 だが 、 活動 の 場 が 数 カ所 に とどまった の が 惜しま れる 。 被害 施設 に 打診 して も 、 大半 が 「 受け入れる 余裕 が ない 」 と 断った 、 と いう のだ 。 公立 の 美術 館 職員 も 避難 住民 の 世話に 動員 さ れて いる の を 、 一行 は 現地 で 初めて 知った 。 西宮 市 大谷 記念 美術 館 の ロビー は 避難 所 に 充て られて いた 。 周辺 の 惨状 から すれば 、 やむ を 得 ない だろう 。 しかし 、 応急 修復 作業 に 立ち会う 職員 も 割け ない の は 、 豊かな 文化 を 誇る 都市 と して は 寂し すぎる 。 「 我々 の 認識 不足 と 準備 不足 を 思い知ら さ れた 。 横 の つながり を 保つ ため の 議論 も 足りなかった 」 と 、 行動 の 推進 役 の 学芸 員 は 述懐 した 。 とはいえ 、 このような 行動 を 起こした 意義 は 決して 小さく ない 。 修復 専門 の 学芸 員 が 少ない 中 で 、 災害 時 の 救援 ネットワーク 作り の 必要 性 を 提起 した 点 は 評価 に 値しよう 。 ポール ・ ゲッティ 美術 館 員 が 持参 した 分厚い 災害 対策 マニュアル も 、 日本 の 関係 者 を 驚かせた 。 地震 から 核 まで 、 あらゆる 災害 から 美術 品 を 守る ノウハウ が 記さ れて いた 。 こうした 海外 で の 取り組み も 、 積極 的に 吸収 して いく 必要 が ある 。 今回 の 教訓 を 加えて 、 本格 的な マニュアル 作り を 急ぐ べきだろう 。 片仮名 交じり の 文語 体 、 しかも 難解な 言葉 が 随所 に あり 、 法学 専攻 の 学生 を すら 悩ま す 現行 刑法 の 法文 が 現代 用語 に 書き換え られる 。 法制 審議 会 が 平易 化 案 を 答申 、 今 国会 に 提出 さ れる 。 一九〇七 年 の 制定 以来 、 実に 八十八 年 ぶり の 大 改正 である 。 刑法 は たびたび 改正 さ れて きた が 、 常に 「 一部 改正 」 であった 。 全体 が 改正 さ れる の は 初めて の こと であり 、 形式 的に みれば 「 全面 改正 」 と いえよう 。 実質 的に は 漢文 調 の 古い 文体 を 現代 文 に 転換 する だけ であり 「 縦 の もの を 横 に した だけ 」 の 声 も ある 。 しかし 、 平易 化 の 意義 は 決して 小さく ない 。 現行 刑法 の 難解 さ の 例示 に は 事欠か ない 。 平易 化 案 で は 「 賭博 を した 者 」 の 一言 である 。 簡単に なった うえ 、 何と 分かり やすい こと か 。 「 罪 刑法 定 主義 」 と いう 法理 が ある 。 あらかじめ 法律 の 規定 が なければ 犯罪 も 刑罰 も 存在 し ない 、 と いう 意味 である 。 当然 、 この 原則 は 憲法 、 刑法 など に も 貫か れて いる 。 現行 憲法 の 施行 後 、 五十 年 近く も 片仮名 交じり の 難解 法文 が 続いた こと は 批判 さ れ なければ なら ない 。 八七 年 に コンピューター犯罪 が 刑法 に 追加 さ れた が 、 条文 「 電子 計算 機 損壊 等 に よる 業務 妨害 」 は 現代 用語 で は なく 、 わざわざ 難解 法文 に 「 翻訳 」 さ れて いる のである 。 もし 、 刑法 制定 当時 の 関係 者 が 今 の 状況 を 見たら 「 まだ われわれ の 法文 が 生きて いた の か 」 と 驚く ので は なかろう か 。 遅 すぎた 改正 と いう べきである 。 が 、 六〇 年 の 「 改正 刑法 準備 草案 」 、 七二 年 の 「 改正 刑法 草案 」 を めぐる 激しい 改正 論議 の 歴史 が 前提 に なって いる こと を 考慮 すれば 、 やむ を 得 ない 面 も なく は なかった 。 「 正す に 憚る こと なかれ 」 である 。 ただ 今回 の 平易 化 案 でも 、 まだまだ 難解だ 。 「 同種 の 刑 は 、 長期 の 長い もの 又は 多額の 多い もの を 重い 刑 と し …… 」 と いった 奇妙な 表現 が 残って いる 。 言葉 は 時代 を 映す 。 だから 、 転換 が 容易で なかった こと は 承知 して いる 。 そう であって も 、 常に 平易 化 を 心掛ける こと は 、 人権 保障 の 面 から も 必要である 。 今回 の 改正 案 で 不十分で は ある が 刑法 が ようやく 主権 者 の 国民 の もと に 取り戻さ れる と いえよう 。 従来 、 刑法 改正 論議 で は 、 法務 省 と 日本 弁護 士 連合 会 の 対立 が まず あった 。 今回 は 、 基本 的に 平易 化 に 限定 さ れた こと で 反対 論議 も あまり なく 、 推移 した 。 しかし 、 そこ で とどまって は いけない 。 内容 に まで 踏み込んだ 実質 的な 改正 が 看過 さ れて いいわけ が ない 。 文化 ・ 社会 ・ 経済 の 変化 を にらみ ながら 「 真実 、 処罰 す べき 対象 は 何 か 」 の 視点 から 、 二十一 世紀 に ふさわしい 姿 を 志向 し なくて は なら ない 。 従来 型 の 一部 改正 の 積み上げ 方式 で いい の か どう か 、 あるいは 実質 的に も 全面 的な 改正 で 臨む べきな の か を 含めた 論議 が 次の ステップ である 。 広く 国民 的 合意 の 得 られる 改正 論議 が 望ま れる 。 余りに ひどくて 、 情けない 。 道路 わき 、 空き地 、 公園 など へ の ゴミ の ポイ 捨て が 日ごと に 増えて いる の は どうした こと か 。 飲み物 の 空き缶 、 紙くず 、 たばこ の 吸い殻 など に 混じって 、 最近 は ビニール 袋 が 目立ち 始めた 。 弁当 の 空き箱 、 発泡スチロール の 容器 など が 詰め込ま れて いる 。 被災 者 を 見舞い 、 手伝う 人 たち に 加え 、 休日 に は 「 見物人 」 の 姿 も 多い 。 にわか 仕立て の 街頭 の 店 で 物 を 売ったり 、 復旧 ・ 復興 作業 に 従事 する 人 たち の 出入り が 激しく なって いる こと と も 無縁で は ある まい 。 被災 者 は 気分 が めいって いる 。 愛着 の ある 生活 環境 を ゴミ で 汚さ れる の は 、 余計に つらい 。 倒壊 した 民家 の 上 に 投げ捨て られた ゴミ も ある 。 家人 の 心中 を 察して ほしい 。 がれき 、 廃材 の 撤去 が 思う ように 進ま ない 事情 は 理解 も できる 。 しかし 、 ポイ 捨て は 心掛け 次第 で 一掃 できる 。 それぞれ が 持ち帰る べきだ 。 いま は 国 や 自治 体 も ポイ 捨て の ゴミ の 回収 まで は 手 が 回ら ない のだ 。 それどころか 、 生活 ゴミ の 回収 も ままならない 状況 に ある 。 避難 生活 者 の ゴミ を 見舞い に 来た 人 たち に 処分 して もらう よう 協力 を 呼び掛けて いる 避難 所 が ある ほど である 。 神戸 市 で は 一般 可燃 物 を 処理 する 五 カ所 の 焼却 場 の うち 、 二 カ所 の 機能 が ずっと 止まった まま だった 。 都市ガス の 復旧 が 遅れ 、 冷却 用 の 水 も 断水 で 確保 でき ない から である 。 うち 一 カ所 は 、 最近 やっと 動きだした が 、 今回 の 震災 は 、 こうした ところ に も 重大な 影響 を 広げて いる 。 非 常時 に 、 焼却 場 の 運転 機能 を いかに 維持 する か 。 今後 の 大きな 検討 課題 と いえる だろう 。 不燃 物 や 大型 ゴミ は 、 最終 処分 場 で 埋め立てたり 、 野焼き を して 処理 して いる 。 こちら も 能率 が 極端に 落ちて いる 。 神戸 市 は 通常 収集 地域 だけ でも 、 東京 都 や 横浜 市 など から の 応援 を 含め 計 約 四百 台 の 収集 車 と 、 千二百 人 の 要員 を 動員 し 、 回収 に 全力 を 挙げて きた 。 だが 、 ゴミ の 集積 所 が 臨時 に 増設 さ れて 立ち寄り 先 が 多く なって いる ほか 、 交通 渋滞 に 阻ま れ 、 いつも の 六 割 程度 の 機能 しか 発揮 でき ない 状況 が 続いた 。 無理 も ない 。 震災 直後 に は 減って いた 生活 ゴミ が 再び 増える 傾向 に ある 。 この際 だ から 、 と 排出 さ れる 大型 ゴミ も 激増 して いる 。 神戸 市 は 、 いつも の 状態 に 戻る まで 「 今年 いっぱい は かかる かも しれ ない 」 と 悲観 的だ 。 行政 に は もちろん 、 最大 限 の 努力 を して もらい たい 。 一方 で 、 こういう とき だ から こそ 、 ゴミ を できる だけ 出さ ない 生活 を 考えて みる 必要 も ある ので は ない か 。 商店 の 営業 も 徐々に 再開 さ れて いる 。 包装 は ほどほどに す べきだ 。 市場 など で は 、 必ずしも 店 ごと に ビニール 袋 を 出さ ないで すむ 商品 も ある はずである 。 できれば 、 客 が 大きな 袋 を 持って 買い物 に 行く ように すれば いい 。 事業 所 でも 用紙 類 を 再 利用 する だけ で 、 ゴミ は 減らせる 。 震災 を 逆手 に 取り 「 神戸 ・ 阪神 方式 」 と 呼べる ような ゴミ の 減量 法 を 工夫 でき ない か 。 それ を 全国 的に 広げ 、 さらに 、 多 消費 型 の 生活 を 見直す きっかけ に も して いけば 、 年 ごと に 深刻 さ を 加える 日本 の ゴミ 問題 の 緩和 に も 必ず 役立つ だろう 。 運輸 省 は 東京 地区 の タクシー 運賃 改定 の 最終 的な 査定 作業 を 進めて いる 。 タクシー 会社 から 出さ れて いた 値上げ 申請 を 半年 間 凍結 して いた ため 、 今月 中 に も 結論 を 出す 意向 の ようだ が 、 私 たち は この 段階 で 具体 的な 提案 を して おき たい 。 それ は プライス キャップ 制度 の 導入 である 。 上限 価格 だけ を 決めて おいて 、 それ 以下 であれば 各 タクシー 会社 が 自由に 決める 制度 である 。 タクシー に よって 料金 が 違う と 混乱 する 、 と の 懸念 は あろう が 、 思い切って 競争 原理 を 活用 す べきだ と 思う 。 東京 地区 の タクシー 運賃 は この ところ 二 、 三 年 おき に 値上げ さ れて いる 。 直近 の 値上げ は 一九九二 年 五 月 で 平均 一二・三 % アップ だった 。 なぜ 、 いま 値上げ が 必要な の か 。 申請 理由 に は 「 乗務 員 の 労働 条件 の 改善 」 が 挙げ られて いる 。 タクシー の 運送 原価 の うち 約 八○ % が 人件 費 で 、 運賃 を 上げる 以外 に 労働 条件 の 改善 の 余地 が ない 、 と の 主張 だ 。 確かに 運輸 省 の 資料 に よる と タクシー 運転 者 の 年収 は 五百十六万 円 で 全 産業 平均 より 百三十八万 円 少ない 。 逆に 年間 労働 時間 は 二千四百六十 時間 で 三百六十 時間 も 多い 。 こうした 現状 を 知る と 心情 的に は ある 程度 の 値上げ は 必要 と も 思える が 、 これ まで の 経緯 を 振り返る と 話 は 変わって くる 。 前回 の 値上げ の 際 も 理由 は 乗務 員 の 労働 条件 の 改善 だった 。 ところが 値上げ した 結果 、 利用 者 の タクシー 離れ が 広がり 、 労働 条件 は 反対に 低下 して いる のである 。 年収 は 約 五十四万 円 下がり 、 年間 労働 時間 は 十二 時間 増えて いる 。 歩合 給 が 中心 の 賃金 体系 である ため 、 需要 の 減少 は 乗務 員 に しわ寄せ さ れた のだ 。 需給 関係 を 軽視 した 経営 の とがめ と いえる 。 一例 を 挙げれば 、 前回 の 値上げ と 同 時期 から タクシー 各社 が 乗務 員 数 を 増やして いる ことだ 。 九二 年 と いえば 不況 の さなか で 、 多く の 企業 が リストラクチャリング を 強化 した ころ だ 。 タクシー 各社 は 乗務 員 を 増やし 続け 、 この 三 年間 の 増員 は 約 五千 人 に 達して いる 。 運輸 省 が 時間 短縮 を 進める ため に 指導 した ようだ が 、 納得 でき ない 措置 だ 。 厳しく いえば 運賃 を 値上げ すれば 利用 者 が 減る 。 その ため また 値上げ し なければ なら なく なる 、 と いう イタチごっこ に なって いる わけだ 。 冷静に 見て 、 このような 賃金 改定 は 限界 に きて いる 。 これ を 打破 する に は 競争 原理 の 活用 しか ないで あろう 。 需給 関係 を 見定めて 各社 が 運賃 を 決める 。 これ まで の 「 同一 地域 、 同一 運賃 」 から 多様 化 へ 転換 する こと が 活性 化 に 不可欠 と 思わ れる 。 プライス キャップ 制 は 公共 料金 の 値上がり に 悩んで いた イギリス で 導入 さ れた 制度 。 欧 米 で は 電話 料金 など の 分野 で 広く 導入 さ れ 、 料金 抑制 の 効果 が 評価 さ れて いる 。 すでに タクシー 運賃 の 多様 化 は 、 京都 で 一部 実施 さ れて いる 。 東京 地区 で でき ない はず は ない 。 阪神 大 震災 の 影響 が 、 今年 の 春闘 に 、 ダイレクトに 表れて きた 。 春闘 賃上げ 相場 形成 に 、 相当な 影響 力 を 発揮 して きた 私鉄 総連 大手 の うち 、 阪神 、 阪急 の ダメージ が 大きい 。 私鉄 は ストライキ 権 確立 投票 を 行う もの の 、 スト 日程 は 事前 に 組ま ない 方針 だ 。 電力 総連 、 全 電通 など 公益 的 産業 に 従事 する 産業 別 組合 も 、 スト 権 を 背景 に 経営 側 に 迫る 闘争 方式 を 放棄 した か 、 放棄 の 方向 だ 。 私鉄 を 除き これ ら の 産別 は 、 長い 間 スト に 入って い ない 。 したがって 結果 的に は 同じ 、 と する 見方 も ある だろう が 、 スト 権 を 背負って いる か どう か で 、 交渉 の 迫力 は 違って くる だろう 。 日本 労働 組合 総 連合 会 の 打ち出した 要求 目標 は 一万四千 円 である 。 しかし 、 春闘 賃上げ 相場 形成 を 担って きた IMF ・ JC の 主要 産別 である 電機 連合 、 自動車 総連 、 造船 重機 労連 に して も 、 要求 は 一万四千 円 を 下回る 。 連合 は 今 春闘 から 賃上げ 要求 を 率 表示 から 額 表示 に 変えた 。 大手 と 中小 の 賃金 格差 を 縮める の が 大きな 狙い である 。 同じ 賃上げ 率 を 獲得 できて も 、 大手 と 中小 で は 賃金ベース が 違う 。 だから 、 逆に 実体 賃金 は 開く ばかりだ 、 と する 反省 に 立って いる 。 しかし 、 初め から 春闘 の 主力 が 、 このように 低い 賃上げ 要求 で は 、 ひたすら 中小 と の 格差 是正 を 目標 に して いる だけ な の か 、 と 皮肉 の 一 つ も 言い たく なる 。 自ら の 獲得 額 に より 中小 を 引っ張り 上げる 気迫 に 欠ける 。 春闘 の 総合 戦略 を 組み立てる 連合 は 当初 、 JC の 低額 賃上げ 妥結 が 他の 産別 に 波及 する の を 警戒 した 。 それ を 避けよう と 、 集中 して JC 回答 が 出る 三 月 二十 日 過ぎ より 前 、 三 月 中旬 に 、 二万 円 要求 の 私鉄 など 大手 産別 の 回答 引き出し を 模索 した 。 この 回答 を JC に も 反映 さ せよう と した のである 。 阪神 大 震災 は 、 この 戦略 を 問題 外 に して しまった が 、 震災 が なく と も 実現 は 不可能だったろう 。 JC ― 私鉄 ほか の 公益 的 産業 ― 中小 と いう 賃上げ 決定 の 順列 を 変える 気 が 、 経営 側 に ない から である 。 固定 化 した 順列 を 変え させる だけ でも 相当な 闘争 を 必要 と する ので は ない か 。 このまま で は 今 春闘 は 事実 上 、 休戦 状態 化 する 。 春闘 の 危機 と 言って よい 。 しかし 、 本当の 危機 は もっと 根本 的な ところ に ある 。 雇用 形態 、 賃金 形態 の 変化 に 春闘 は 対応 できる か 、 と いう 問題 だ 。 日本 経営 者 団体 連盟 会員 企業 の うち 一四 % が 何らか の 形 で 、 年俸 制 を 賃金 の 一部 に 導入 して いる 時代 だ 。 企業 労務 担当 者 対象 の さまざまな 調査 が 実施 さ れて いる が 、 ごく 最近 で は 、 あさひ 銀行 の 取引先 三百四 社 を 対象 に した 調査 が ある 。 ここ でも 二七 % が 「 すでに 終身 雇用 制 崩壊 が 始まった 」 と 答え 、 四五・七 % が 「 賃金 、 昇進 を 含め 年功 序列 制 は 崩壊 した 」 と 言って いる 。 春闘 は 主に 終身 雇用 の 多かった 大手 現業 労働 者 の 平均 賃上げ を 課題 に して きた 。 それだけに 、 状況 の 変化 に 対応 する 感度 は 鈍い 。 だが 、 技術 革新 の 連続 に よって ブルー カラー と ホワイト カラー の 線 も 引き にくく なって いる 。 いずれ 賃金 の どの 部分 を 、 賃上げ の 対象 に する の か 、 賃金 の 年俸 部分 と 年功 部分 を どんな 比率 で 分ける か など が 、 現業 労働 者 に も 現実 の 問題 に なる だろう 。 労働 側 は 、 このような 事態 に 対応 できる 春闘 の ため の 準備 を 急が なければ なら ない 。 阪神 大 震災 で は 構造 物 に 想定 外 の こと が 次々 に 起こり 、 被害 が 拡大 して いった 。 この 反省 の 上 に 立って 耐震 基準 など の 全面 見直し が 求め られて いる 。 高速 道路 や 新幹線 の 高 架橋 が 崩壊 した 。 地震 に は 強い と さ れた 地下鉄 に 被害 が 出た し 、 超高層ビル の 主柱 に も 破断 が 起こった 。 日本 の 都市 の 基盤 は もろかった こと に なる 。 これ まで の 耐震 設計 は 「 関東 大 震災 級 の 揺れ が 来て も 大丈夫 」 が 合言葉 だった が 、 そんな 安全 神話 は 崩壊 した 。 日本 の 科学 技術 は 底 が 浅い こと も 明らかに なった 。 そもそも 「 関東 大 震災 級 の 揺れ 」 と いう 表現 に 問題 が あった 。 建設 省 は 高速 道路 の 被害 状況 に 関して 周辺 で 記録 した 加速 度 から 「 阪神 大 震災 の 揺れ は 関東 大 震災 の 二 倍 」 と 発表 した 。 だが 関東 大 震災 の 加速 度 は 東京 に あった 地震 計 の 記録 から の 推定 だ 。 しかも 震源 地 の 相模 湾 から 離れた 場所 で の 加速 度 は 小さく なり 、 阪神 大 震災 の 加速 度 が それ を 上回る の は 当然であろう 。 二 年 前 の 釧路 沖 地震 で 今回 以上 の 加速 度 を 記録 した ように 揺れ の 強 さ は 加速 度 だけ で 決まる ので は ない 。 各種の 耐震 基準 は 改良 さ れて は きた が 、 もともと 科学 的な 根拠 に 基づく もの で は なかった こと に なる 。 また 従来 は 一定 の 横揺れ に 耐える こと を 重視 し 、 縦揺れ は ほとんど 考慮 し なかった 。 今回 の 直下 型 地震 で は 上下 の 加速 度 が 水平 加速 度 を 上回った ところ も あり 、 縦揺れ の 強 さ が 目立った 。 それ が 被害 を 大きく した 。 耐震 基準 の 見直し で は 縦揺れ の 影響 を 十分 考える べきだろう 。 一般 の 建築 物 で は 新 耐震 基準 に なった 一九八一 年 以降 に 造ら れた もの の 被害 は 小さかった と いう が 、 例外 も 多い 。 超高層ビル の 被害 が 目立た なかった の は 直下 型 地震 で 長 周期 の 震動 が 弱かった せい であり 、 安全 性 が 確認 さ れた わけで は 決して ない 。 各種の 建造 物 の 被害 状況 を 科学 的に 検証 して 、 それ に 関する 詳しい 情報 の 公開 を 求め たい 。 建設 会社 に よる 手抜き 工事 や 施工 ミス も 指摘 さ れて いる が 、 そうした 実態 も 包み隠さ ず 明らかに す べきだ 。 安全 神話 の 崩壊 で 気 に なる の は 日本 で 四十九 基 稼働 して いる 原発 である 。 原発 は 強固な 岩盤 中 に 直接 建て られ 、 耐震 性 に 優れて いる と さ れる が 、 机上 の 計算 通り 大 地震 に 耐え られる か どう か は 分から ない 。 今回 、 突然 動き出す 活断層 の 怖 さ も クローズアップ さ れた 。 そこ で 国 の 原子 力 安全 委員 会 は 原発 など の 地震 に 対する 安全 性 を 再 確認 する ため 原子 力 施設 耐震 安全 検討 会 を 設け 、 縦揺れ の 及ぼす 影響 など を 見直す こと に なった 。 原発 が 集中 した 地域 も あり 、 国民 の 不安 解消 の ため に 徹底 的に 議論 して ほしい 。 老朽 化 した 原発 の 対策 に も 手 を つける べきだろう 。 地震 に よる 大 災害 に 原発 重大 事故 が 加わる 事態 は 避け なければ なら ない 。 各種の 耐震 基準 の 見直し で は 学者 の 発言 力 は 大きい 。 耐震 工学 者 は 調査 結果 を もと に 政府 に きちんと 注文 を 付けて ほしい 。 行政 と 業界 、 学界 の もたれ 合い は 断ち切り たい 。 「 耐震 基準 を 厳しく すれば する だけ カネ が かかり 、 国民 の 負担 増 に つながる 。 規制 緩和 の 動き に も 逆行 する 」 。 こんな 反論 も ある が 、 国民 の 生活 に 不可欠な もの なら 安全 確保 に 費用 を 惜しむ べきで は ない 。 俗に 三 日 三 月 三 年 目 と いう が 、 何ごと も 三 カ月 も たてば おおよそ の ペース は つかめる もの だ 。 昨年 十二 月 結党 の 新進党 も 間もなく 三 カ月 を 迎える が 、 どうした わけ か 一向に 腰 が 定まって い ない 。 阪神 大 震災 復興 問題 で 政府 ・ 与党 と 真 正面 から 対決 し づらい こと を 差し引いて も 、 元気 が な さ 過ぎる 。 それどころか 寄り合い 所帯 の 内紛 が 続出 し 、 英国 の シャドー ・ キャビネット に ならった トゥモロー ・ キャビネット も 掛け声 倒れ だ 。 そもそも 、 今 の 政治 状況 は 新進党 に は 絶好 の 追い風 の はずである 。 ご 承知 の 通り 村山 内閣 は 阪神 大 震災 で 危機 管理 の お粗末 さ を 露呈 した 。 これ は 国民 の 生命 ・ 財産 を 守る と いう 政治 の 最低 限 の 任務 すら 放棄 した に 等しい 。 首相 が 「 不退転 の 決意 」 で 臨んだ はずの 行革 は 羊頭 狗肉 。 特殊 法人 の 整理 ・ 統合 は 単なる 数 合わせ に 終わった 。 政府 系 金融 機関 統合 問題 は 未 処理 だ が 、 年間 四兆 円 の 補助 金 や 出資 金 は そのまま 。 財政 コスト 削減 効果 は 期待 薄 である 。 二 年 後 に 消費税 率 を 五 % に 引き上げる 大 前提 が 行革 だ から 、 これほど 明白な 公約 違反 も ない だろう 。 にもかかわらず 新進党 は 手 を こまねいて いる 。 危機 管理 の 責任 追及 や 行革 論戦 も 迫力 不足 だ 。 過日 の 青森 県 知事 選 で 初 の 新進党 知事 が 誕生 し 、 四 月 統一 地方 選 で は 岩手 、 秋田 、 三重 など 各 県 で 青森 の 再現 の 手応え を 感じた はずな のに 党 内 は 一向に 弾ま ない 。 不明朗 極まりない 救済 措置 が 講じ られた 東京 共同 銀行 問題 に 党 幹部 ら の 関与 が 取りざた さ れて いる が 、 まさか これ が 足かせ に なって いる わけで は ある まい 。 「 人 に やさしい 政治 」 を 掲げる 村山 政権 の 本質 は 既得 権益 擁護 であり 、 戦後 発展 の 基礎 である 「 日本 型 システム 」 の 維持 だ と 看破 して いた の は 、 ほかなら ぬ 新進党 だ 。 ならば 、 その アンチテーゼ を 構築 する の は そう 困難で は ない はずだ 。 格好の お 手本 に 小沢 一郎 幹事 長 の 「 普通の 国 」 論 が ある で は ない か 。 政党 に は 政策 と 政権 の 双方 を 求める 姿勢 が なければ なら ない が 、 新進党 の 場合 、 目先 の 数 合わせ を 優先 さ せた ため アブ ハチ とら ず に 陥って いる 。 「 日本 型 システム 」 を どう 変換 さ せる か の 議論 を 未 消化 に して おいた ツケ を 今 、 支払って いる ように 見受け られる 。 党務 は 新生 、 国会 運営 は 公明 と いった 旧 政党 ごと の 役割 分担 が 疑心 暗鬼 を 呼び 、 国会 運営 で は 旧 公明 の 専横 を なじる 声 も 聞か れる 。 ところが 、 こと 選挙 で は 基礎 票 の 固い 旧 公明 頼り の 議員 が 多く 、 こうした 声 は くぐもる ばかりだ 。 各種の 世論 調査 で 「 支持 政党 なし 」 が 自民党 を 追い抜いて “ 第 一 党 ” と なった の は そう 古い こと で は ない が 、 この ところ 、 それ が 常態 化 して いる 。 新進党 は その 自民党 の 後塵 を 拝し 、 一向に 浮上 の 兆し が ない 。 しかし 「 支持 政党 なし 」 層 に 食い込める 至近 距離 に いる の も 新進党 で は ない だろう か 。 社会党 の 山花 貞夫 氏 ら の 離党 運動 に 期待 を つないで 総 選挙 の 公認 作業 を 遅らせたり 、 東京 共同 銀行 問題 で 追及 の 矛先 を そらす など 権謀 術数 が 過ぎる の を 国民 は 見抜いて いる 。 新進党 の 奮起 こそ 日本 政治 活性 化 の 決め手 である こと を 今 一 度 、 思い起こして ほしい 。 五百 ページ 近い 「 障害 者 作業 所 全国 電話 帳 」 は 、 約 三千三百 カ所 の 共同 作業 所 と 約 千二百 カ所 の 公的な 授産 施設 を リスト アップ して いる 。 その 兵庫 の 項 に 並ぶ 「 小さな 職場 」 も 大 震災 に 直撃 さ れた 。 障害 者 支援 団体 の 調査 に よる と 、 百三十四 カ所 の 半数 近く が 建物 の 倒壊 、 損壊 、 避難 所 へ の 代替 使用 、 職員 の 避難 など で 再開 不能 や 休業 に 陥った 。 作業 所 に 通う 十五 人 、 職員 二 人 が 亡くなった 。 民家 を 借りたり 、 空き地 に プレハブ 小屋 を 建てて 確保 した 、 ささやかな 職場 は 、 公的 基準 に 合わ ない ゆえ 「 無 認可 作業 所 」 と も 呼ば れる 。 養護 学校 を 卒業 する 年間 一万 人 近い 障害 者 の うち 就職 できる の は 推定 三 割 程度 。 自立 を 目指し 、 生きがい を 求め 、 友人 と 交流 できる 場 を 探して 、 各地 で 共同 作業 所 は 生まれた 。 自宅 から 無理 なく 通える 場所 に 、 格安で 借り られる 土地 や 家 を 探し 、 近隣 の 理解 を 得 なければ なら ない 。 仕事 の 内容 は 実に 幅広い 。 袋 詰め 、 電気 製品 の 組み立て 、 縫製 、 木工 、 園芸 、 印刷 、 食品 加工 、 飲食 店 …… 。 だが 、 長い 不況 下 で 一 人 平均 七千 円 程度 の 月給 を 得る こと さえ 難しい 。 補助 金 を 出す 自治 体 は 増えた もの の 、 専従 で 指導 する スタッフ の 月給 は せいぜい 十万 円 前後 。 どの 共同 作業 所 でも 開設 と 運営 の 苦労 話 が 付きもの だ 。 それ でも 、 授産 施設 の 利用 人数 を 上回る 計 六万 人 近い 職場 群 に 育った 。 総 売上高 も 授産 施設 の 年間 五百億 円 前後 を はるかに 上回る はずだ 。 共同 作業 所 は 、 なぜ 増え 続ける の か 。 授産 施設 の 不足 や 障害 者 雇用 の 停滞 の せい だけ で は ない 。 体 の 不自由な 人 も いれば 、 心 の 病 を 持つ 人 も いる 。 授産 施設 は 働く 人 を 障害 別 に 細かく 分け がちだ が 、 共同 作業 所 の 多く は 、 できる だけ 区別 なし に 働く 場 を 目指す 。 障害 の かなり 重い 人 も 迎えて くれる 。 公的な 授産 施設 の 定員 二十 人 以上 に 比べ 、 五 、 六 人 の 家庭 的な 規模 で 運営 する 例 も 少なく ない 。 さまざまな 個性 が 自発 的に 集まり 、 その 個性 に 合う 仕事 を 見つけて いく 。 自由な 雰囲気 で 、 一人ひとり に 目 の 届く 小規模な 集団 の 魅力 こそ 、 共同 作業 所 を 生み 、 育てて きた 原動力 な のだろう 。 「 小さな 巨人 」 と 、 この 作業 所 群 を 呼ぶ 人 さえ いる 。 だが 、 がれき の 中 に 埋まった 職場 の 再建 は 困難 を 極める 。 自宅 も 職場 も 失った 障害 者 や 専従 スタッフ も いる 。 授産 施設 の 再建 に 行政 が 取り組む の は 当たり前だ が 、 共同 作業 所 へ の 支援 は 「 無 認可 の まま で は 無理 」 と いう 。 もう 一 度 、 共同 作業 所 の 担う 役割 を 考えて ほしい 。 福祉 の 不在 や 欠陥 を 埋め 、 地域 で 普通に 暮らし 、 働ける 場 を 障害 者 と 支援 者 が 自力 で 築いて きた 。 福祉 行政 が 自ら を 正す ため の 、 いわば 先導 役 で は ない か 。 復興 計画 の 中 に 共同 作業 所 の 再生 の 場 を 、 ぜひ 盛り込んで ほしい 。 各種の 公共 施設 を 再建 する 時 、 その 一隅 を 割いたり 、 学校 の 空き 教室 利用 を 認める の は 、 そう 難しい こと でも 、 費用 の かかる こと で も ない 。 複数 の 作業 所 が 手 を 携え 再建 を 目指す ケース に は 原則 二十 人 に こだわら ず 認可 施設 と して 職場 を 提供 する 温かく 、 柔軟な 対応 を 切に 望む 。 戦後 政治 に 巣くった 計り知れない 「 病理 」 が 裁か れた 、 と 言って いい だろう 。 ロッキード 事件 は 重く 、 暗い テーマ を 政界 だけ で なく 国民 に も 突き付けて きた 。 それゆえ に 「 迅速な 審理 」 が 求め られ ながら 、 司法 が 決着 を 付ける のに 足掛け 二十 年 を 要した 。 これ まで も 苦言 を 呈して きた が 、 あまりに も 長 過ぎた と 言わ ざる を 得 ない 。 政治 の 世界 で は とうの昔 に 忘れ去ら れて いる 。 主役 不在 の 中 で 二十二 日 言い渡さ れた 最高裁 大 法廷 の 判決 は 、 刑事法 的に は すべて の 終結 を 意味 する 。 もう 司法 の 場 で 検証 さ れる こと は ない 。 判決 は 事件 を 歴史 の 一 ページ へ 埋没 さ せる 役割 を 担わさ れ かね ない 。 殊更 その こと を 願う 政治 家 も いる であろう が 、 それ は 許さ れ ない 。 総理 大臣 の 職務 が わいろ 罪 に 問わ れた の は 、 疑獄 史上 もちろん 初めて である 。 破天荒な 「 金権 政治 」 であり 、 不正な 献金 が 政治 的 決定 を 左右する 姿 が 描か れた 。 「 国政 は 国民 の 厳粛な 信託 に よる 」 と いう 憲法 の 民主 主義 原理 を 危うく する もの だった 。 その 意味 でも 忘却 は 許さ れ ない 。 殊に 政治 の 世界 で は 不断 に 想起 して もらわ なければ なら ない 。 裁判 は 四 ルート 、 十六 被告 で スタート した 。 長い 裁判 過程 で 六 人 が 死亡 して いる 。 主役 の 田中 角栄 元 首相 も その 一 人 であり 、 公訴 棄却 に なって いる 。 最後 まで 残った 被告 は 元 首相 へ の 五億 円 贈賄 容疑 の 元 丸 紅 会長 と 、 五億 円 受領 で 外為 法 違反 に 問わ れた 元 首相 秘書 官 の 二 人 だった 。 大 法廷 が 直接 裁いた の は この 二 被告 であり 、 元 首相 で は ない 。 だが 、 事件 の 本質 と して は 贈賄 と いう 裏面 から 浮かぶ 「 総理 の 犯罪 」 が 裁か れた 、 と いえる 。 判例 的に も 未知の 分野 だった 「 首相 の 職務 権限 」 が 争点 に なった 。 米国 で 発覚 と いう 特異な 捜査 経過 を たどり 、 嘱託 尋問 の 証拠 能力 と いう 前例 の ない 争点 も 抱えた 。 航空 行政 を めぐる 首相 の 職務 権限 に ついて 、 大 法廷 は 「 運輸 大臣 の 行政 指導 を 介して 、 民間 旅客機 の 機種 選定 に も 及ぶ 」 と 広範な 解釈 を 示した 。 適切な 判断 と 受け止め たい 。 ただ 、 行政 指導 に ついて は 昨年 の 「 行政 手続 法 」 施行 に より ロ 事件 で み られた ような 行政 指導 は 公的 職務 の 範囲 から 外れる と いう 見解 も 出て いる 。 手続 法 と は 別に 、 汚職 を 問う 職務 権限 で は 「 密接 関連 行為 」 論 と いう 法理 も あり 、 安易に その 枠 は 狭めて は なら ない 。 そう で なければ 「 汚職 の 構造 化 」 の 中 で 、 やたら と 「 灰色 」 に 逃げ込む 政治 家 を 生み出す こと に なり かね ない 。 刑事 免責 と 引き換え だった 嘱託 尋問 調書 の 証拠 採用 に ついて は 、 不当 と 判断 した 。 日本 の 法 に は ない 「 刑事 免責 」 は 一般 的に みて も 違法 の 疑い が あった 。 それ でも 、 一 、 二 審 判決 は 「 実体 的 真実 」 主義 の 前 に 違法 性 を 退けて きた が 、 大 法廷 は 認め なかった 。 「 個人 の 人権 の 保障 」 と いう 刑事 訴訟 法 の 精神 から 冷静に 判断 を 下した と いって よかろう 。 ただ 、 犯罪 の 国際 化 に 伴い 、 外国 の 捜査 機関 の 協力 に よって 入手 さ れた 証拠 が 、 わが国 の 法廷 に 登場 する ケース が 増えて いる 。 刑事 免責 が 障害 に なる ケース も あり 得る 訳 で 、 捜査 へ の 影響 は 計り知れない 。 犯罪 の 国際 化 に どう 対応 して いく の か 。 今後 、 刑法 改正 と 並んで 訴訟 法 の 改正 問題 も ぜひ 論議 して もらい たい 。 証拠 の 一角 が 崩れ ながら も 、 検察 が 描いた ロ 事件 の 構図 は 司法 的に 完結 した 。 とはいえ 、 むなし さ を 感じる 国民 は 多い はずだ 。 事件 摘発 時 の 首相 だった 故 三木 武夫 氏 は 「 田中 的な もの に よって 日本 の 政治 は 五十 年 遅れた 」 と 慨嘆 した と いう 。 不幸に も この 洞察 は 生き 続けて いる 。 それ は 金権 政治 であり 、 多数決 原理 の 片面 的な 乱用 である 。 ロ 裁判 の 間 に 「 田中 的な もの 」 の 相似 形 が 蔓延 した 。 その後 に 発覚 した リクルート 事件 、 共和 汚職 、 東京 佐川 急便 事件 、 ゼネコン 汚職 、 政治 献金 脱税 と いった 例示 を 待つ まで も なく 、 金権 腐敗 は 拡大 し 続けた 。 有効な 防止 策 も ない まま 政治 不信 だけ が 残さ れて いる 。 ロ 事件 から 何ら 学ぶ こと の なかった 政治 家 の 厚顔さ に は あきれる ばかりだ 。 それ が 偶発 現象 で ない ところ に 事態 の 深刻 さ が ある 。 そこ で 、 ぜひ 注文 し たい の は 検察 官 、 なか でも 特捜部 検事 の 増員 ・ 充実 だ 。 検察 官 の 数 は 全国 で わずか 千百 人 余 に 過ぎ ない 。 大半 は 一般 事件 の 処理 や 公判 に 追わ れる 日々 と いう 。 これ で は 検察 の 「 巨悪 剔抉 」 に 多く を 望め ない 。 ロ 事件 後 しばらく は 、 政治 家 の 摘発 は なく 「 空白の 十 年間 」 と いわ れた 。 その後 、 数々 の 事件 を 手掛け ながら 「 捜査 が 不徹底 」 「 巨悪 を 逃した 」 と いう 批判 も 聞か れた 。 ロ 事件 の 捜査 に おいて すら 、 軍用 機 疑惑 が 未 解明 と 言わ れた 。 独自 捜査 を 行う 特捜部 は 、 東京 地検 と 大阪 地検 に 設置 さ れて いる だけ である 。 金権 の 悪弊 は 地方 に まで 拡大 して いる 。 特捜部 を 拡充 した うえ 、 全国 の 高検 管 内 に 布陣 して は どう か 。 法務 当局 に 要望 して おく 。 病理 から の 決別 が 急が れる 。 どう 自浄 作用 を 確立 して いく か に 、 当たり前だ が 国会 は 不断 に 取り組ま なければ なら ない 。 国民 の 側 も 心し なければ なら ない 。 「 田中 的な もの 」 が 許容 さ れて きた 背景 が 社会 一般 の 価値 観 と 無縁だった と は 思え ない 。 十八 世紀 の イギリス の 政治 家 が こんな こと を 言って いる 。 「 国会 へ 行く 政治 家 も いれば 、 監獄 へ 行く 政治 家 も いる 。 どのみち 差異 は ない 」 。 手 を こまぬいて いて は 、 この 箴言 が 現実 に なり かね ない 。 「 事業 所 採用 の 一般 職 社員 も 、 男女 に かかわら ず 本社 採用 の 総合 職 へ コース 転換 できる 制度 を 導入 し 、 円滑に 実施 せよ 」 労働 省 大阪 機会 均等 調停 委員 会 は 、 ごく 最近 、 こういう 内容 の 調停 案 を 当事 者 に 提示 、 受諾 を 勧告 した 。 男女 雇用 機会 均等 法 に 基づく 日本 で 初 の 調停 案 である 。 ほか に 「 女性 労働 者 の 企業 内 研修 を 充実 さ せる 」 、 「 女性 労働 者 活性 化 の 大切 さ を 管理 職 に 徹底 する 」 など が 調停 案 の 中身 だ 。 調停 申請 した の は 、 住友 金属 工業 技術 企画 部 など に 働く 女性 社員 七 人 だ が 、 会社 側 も 調停 開始 に 同意 し 、 双方 から 事情 聴取 が 行わ れて いた 。 しかし 、 この 調停 案 に は 「 申請 の 骨子 である 自分 たち の 低い ランク を 同期 男性 なみ に 引き上げて ほしい と いう 昇進 格差 是正 に ついて 、 何も 触れて い ない 」 と 、 当の 女性 たち が 強く 反発 した 。 七 人 は 、 なぜ 申請 に 踏み切った のだろう か 。 例えば その 中心 的 存在 である 女性 は 、 高卒 一般 職 と して 入社 し 、 六十 歳 の 定年 まで あと 五 年 。 仕事 で は ベテラン の 自負 と 同時に 、 一定 の 客観 的 評価 も ある 。 にもかかわらず 同期 同 学歴 の 男性 社員 に 比べ 、 取り残さ れた まま だ 。 あと から 入社 した 男性 社員 に も 追い越さ れる 。 社 内 で 自主 交渉 を 続けた が 、 事態 は 進ま なかった 。 そこ で 労働 省 大阪 婦人 少年 室長 に 調停 申請 した のである 。 均等 法 上 は 、 「 女性 労働 者 から 申請 が あり 、 事業 主 が 同意 し 、 都道府県 婦人 少年 室長 が 必要 と 判断 すれば 調停 を 受け られる 」 。 大阪 の 調停 委 は 法学 者 、 労働 経済学 者 、 弁護 士 の 三 者 で 構成 さ れた 。 男性 二 人 、 女性 一 人 だ 。 女性 労働 者 の 個別 状況 に ついて 検討 し 、 一人ひとり 答え を 出す か どう か を 、 当然 検討 した だろう 。 だが 、 提示 さ れた 調停 案 は 、 会社 の 人事 管理 制度 運用 に 注文 を つけた だけ に 終わって いる 。 これ で は 女性 社員 たち が 、 はぐらかさ れた と 反発 する の も 無理 ない ので は ない か 。 申請 者 たち が 訴えて いる 昇進 差別 が ある の か どう か 、 肝心な 点 の 判断 を 避けた から だ 。 基本 的に 男女 間 昇進 差別 は ない と 判断 した から 、 それ を 前提 に このような 調停 案 に なった の か 。 そう である なら はっきり 示せば よい 。 会社 側 は 、 もともと 申請 者 が 比較 対象 に して いる 男性 社員 は 、 広域 的 転勤 も ある 本社 採用 社員 である 。 申請 者 たち の ような 事業 所 採用 の 一般 職 で 採用 した ので は ない から 、 昇進 の 度合い が 違う の は 当然である 。 これ は 男女 差別 と いう 事柄 で は ない 、 と する 立場 を とって きた 。 その 点 で 、 調停 案 は 一般 職 から 総合 職 へ の コース 転換 システム の 導入 を 勧告 して は いる 。 大 企業 の 多く は 女性 社員 に 対し 、 この 二 つ の 人事 管理 制度 を 用いて いる 。 確かに この システム を 固定 化 せ ず 、 柔軟 性 を 持た せる の は 、 働く 側 に も 意味 合い が 大きい 。 この 申請 の 底 に も 、 固定 化 した 人事 管理 制度 に 対する 批判 が 込め られて いた と 、 読み取れる から だ 。 しかし 、 まず 具体 的に 申請 の 当否 を 判断 し 、 その うえ で 人事 管理 制度 の 在り 方 を 勧告 する の が 筋 だろう 。 また 、 指摘 し たい の は 、 申請 が あって も 調停 開始 に 容易に こぎつけ られ ない 実情 である 。 均等 法 施行 以後 、 十一 社 百三 件 の 申請 が ある のだ が 、 会社 が 調停 に 応じた の は 今回 の 例 だけ だ 。 男女 格差 問題 を 不透明に 処理 する ので は なく 、 せっかく の 調停 制度 を 活発 化 さ せ たい 。 フランス から 日本 に 返還 さ れる 高 レベル 放射 性 廃棄 物 を 積んだ 輸送 船 が 二十三 日 、 シェルブール 港 を 出港 した 。 すでに 約 二十 カ国 が 反対 や 懸念 の 声 を 上げて いる 。 日本 は プルトニウム を 得る ため 原発 の 使用 済み 核 燃料 の 再 処理 を 英 仏 両 国 に 委託 して おり 、 今回 は 仏 核 燃料 公社 に よる 再 処理 で 発生 した 高 レベル 廃棄 物 を 運ぶ 。 ガラス 固化 体 に した 廃棄 物 は 英国 の 専用 船 に 積ま れ 、 四 月 中 に 日本 に 到着 する 。 二 年 余り 前 に 「 あかつき 丸 」 に よって 仏 から 日本 に プルトニウム が 輸送 さ れた 。 核 兵器 に も 転用 でき 、 毒性 の 強い プルトニウム を ルート など を 公表 し ない まま 輸送 した ため 、 多く の 国 から 厳しい 批判 を 受けた 。 高 レベル 廃棄 物 は プルトニウム と は 違って 核 ジャック の 対象 に は なら ず 、 輸送 ルート の 公表 に 支障 は ない はずだ 。 日本 政府 や 電気 事業 連合 会 は ルート 公表 の 方針 だった が 、 英 仏 両 国 が 「 どんな 妨害 活動 が ある か 分から ない 」 と 反対 した 。 この ため ルート は 公表 さ れ ず 、 出港 日 と 輸送 船名 の 公表 だけ に 終わった 。 プルトニウム 輸送 の 時 、 日本 は 「 原則として 輸送 船 は 領海 外 を 通る 」 と 明言 した が 、 今回 は 何も 言って い ない 。 通過 国 に も 事前 通知 は し ない 方針 と いう 。 一 歩 後退 した 印象 すら 受け 、 これ で は 関係 国 の 反発 は 強まる 。 三 国 間 で 協議 を 続け 、 情報 公開 の 徹底 を 図る 必要 が ある 。 輸送 の 安全 性 の 問題 も おろそかに でき ない 。 科学 技術 庁 は ガラス 固化 体 が 容器 ごと 海 に 沈んで も 人体 へ の 放射能 の 影響 は 無視 できる と 説明 する 。 だが 「 ガラス 固化 体 の 耐久 性 に 問題 が ある 」 「 輸送 中 の 重大 事故 を 想定 した 国際 原子 力 機関 の 基準 は 不十分 」 など の 批判 も 出て いる 。 政府 や 電事連 は 提起 さ れた 疑問 に 対して 具体 的な データ や 根拠 を 基 に 説明 し 、 各国 の 理解 を 得て ほしい 。 高速 増殖 炉 や 軽水 炉 で プルトニウム を 利用 する と いう 日本 の 原子 力 政策 の 説明 も 十分 行う べきだろう 。 高 レベル 廃棄 物 の 輸送 は 今後 、 年 に 一 、 二 回 行わ れ 、 十数 年間 で 三千数百 本 の ガラス 固化 体 が 英 仏 から 返還 さ れる 。 輸送 の 日常 化 に あたって 関係 国 と の 協調 は 欠かせ ない 。 高 レベル 廃棄 物 は 青森 県 六ケ所 村 に ある 日本 原 燃 の 一 時 貯蔵 施設 に 三十 ― 五十 年間 保管 さ れる が 、 地元 で は 「 なし崩し 的に 最終 処分 場 に なって しまう ので は 」 と いう 不安 が 渦巻く 。 国 の 原子 力 委員 会 は 高 レベル 廃棄 物 の 処分 事業 の 実施 主体 を 二〇〇〇 年 を 目安 に 設立 し 、 地下 数百 メートル の 地層 を 想定 した 処分 場 の 操業 開始 は 遅く と も 二〇四〇 年 代 半ば と して いる 。 のんびり 構えて いる ようだ が 、 地層 処分 の 研究 開発 は 進ま ず 、 どの 自治 体 も 核 の ごみ 捨て場 に なる こと を 嫌がって おり 、 スケジュール 通り に いく か どう か は 分から ない 。 二〇〇〇 年 以降 に 六ケ所 村 に 商業 用 再 処理 工場 が 完成 する と 、 国 内 で の 高 レベル 廃棄 物 の 発生 も 本格 化 する 。 国 内 外 の 理解 と 協力 を 得る ため に は 情報 の 公開 と 誠意 ある 対応 が 大切だ 。 その 意味 で 今回 の 輸送 費用 を 電事連 が 公 に し ない の は 納得 でき ない 。 電力 料金 に 関係 して くる 問題 であり 、 国民 に 説明 す べきだろう 。 原発 大国 の 日本 に は 安全 性 の 確保 と 並んで 放射 性 廃棄 物 の 問題 が 永久 に ついて回る 。 「 なんとか なる 」 と いう 甘い 姿勢 は 捨て 、 腰 を 据えて 廃棄 物 対策 に 取り組んで ほしい 。 衆院 予算 委員 会 は 、 経営 が 破たん した 東京 協和 、 安全 の 両 信用 組合 の 救済 を めぐる 二 日間 の 集中 審議 を 終えた が 、 実態 の 解明 は 依然 不十分である 。 最も 問題 な の は 、 こうした 信 組 を 救済 した 金融 政策 の 妥当 性 だ が 、 信用 秩序 の 維持 を 大義 名分 に する だけ で は 、 国民 は 納得 でき ない 。 審議 で 明らかに なった の は 、 一昨年 に 大蔵 省 の 応援 を 含めて 東京 都 が 信 組 を 検査 した とき 、 すでに 両 信 組合わせ 五百億 円 近い 回収 不能 の 不良 債権 が ある の を 確認 して いる ことだ 。 武村 正義 蔵 相 は 国会 で 「 当時 の 政府 関係 者 は この 金額 くらい なら 、 合併 など 従来 の 仕組み で 何とか なる と 思って いた ので は ない か 」 と 、 人ごと の ような 答弁 を して いる 。 その後 一 年間 で 、 回収 不能 額 は 一千億 円 以上 と 二 倍 に 膨らんだ 。 その分 、 今回 の 公的 資金 、 つまり 国民 の 預金 や 税金 で 拠出 、 贈与 する 負担 が 増した こと に なる 。 そこ で 疑問 な の は 、 なぜ 大蔵 省 が 検査 に 参加 し ながら 、 一昨年 の 時点 で 回収 不能 額 が それ 以上 増え ない 措置 を 取れ なかった か 、 と いう ことだ 。 なぜ 早く 業務 停止 命令 を 出せ なかった のだろう か 。 東京 協和 の 高橋 治則 前 理事 長 は 、 バブル 崩壊 で 問題 を 抱えた 「 イ ・ アイ ・ イ 」 グループ の 総帥 と して 当時 から 有名で 、 大蔵 省 に とって 日本 長期 信用 銀行 など の 不良 債権 処理 から 重要 関心 人物 だった はずだ 。 さらに 、 今回 救済 した の は 、 似た ような 危ない 金融 機関 が 多く 、 信用 不安 が 波及 する の を 恐れた ため 、 と いう 理由 づ け に なって いる 。 とすると 、 他の 金融 機関 でも 回収 不能な 不良 債権 が 、 今 現在 でも 膨張 して いる のだろう か 。 そして 、 その つけ が やがて 国民 に 回さ れる ので は 、 たまった もの で は ない 。 米国 が 貯蓄 信用 組合 の 救済 で 得た 教訓 の 一 つ は 、 早期 処理 の 重要 性 である 。 S & L の 場合 も 、 経営 破たん 直前 の 一 年間 、 半年 間 に 、 経営 者 が 無理 を して 傷口 を 広げ 、 結果 と して 国民 の 負担 が 急増 した 。 ここ で 判明 した の は 、 日本 の 当局 が この 教訓 を くんで おら ず 、 いたずらに 問題 を 先 送り して 、 事態 を 一層 ひどく して いる ので は ない か と いう 懸念 である 。 一方 、 信用 秩序 の ため 両 信 組 を 救済 した と は いう が 、 乱脈 経営 の 実態 が 次々 と 明るみ に 出る に つれ 、 国民 の 間 で は 金融 システム や 金融 当局 へ の 信頼 が 日々 薄らいで いる 。 七十 年 近く 前 の 昭和 金融 恐慌 の 背景 に は 、 当時 、 台湾 銀行 と 鈴木 商店 と の 腐れ縁 が 暴露 さ れ 、 震災 手形 を 整理 する 二 法案 が 特定 銀行 を 救済 する ため で は ない か と いう 疑惑 が 、 信用 不安 を 助長 した 。 状況 に は 大きな 違い が ある が 、 国民 の 金融 当局 へ の 信頼 が 揺らぐ こと は 避け なければ なら ない 。 昭和 金融 恐慌 時 に は 、 民間 銀行 の 自発 的な 提案 に よって 、 救済 銀行 の 役割 を 持つ 「 昭和 銀行 」 が 設立 さ れ 、 信用 不安 の 沈静 化 に 役割 を 果たした 。 だが 、 今回 の 両 信 組 を 救済 する ため に 設立 さ れた 「 東京 共同 銀行 」 に 、 そうした 役割 の 突破 口 を 開か せる の は 無理 と いう もの だ 。 国民 の 信用 を 失って は 、 政治 と 同様に 金融 も 成り立た ない 。 信用 秩序 の 根底 に ある の は 国民 の 信用 である と いう 事実 を 、 当局 者 は 胸 に 刻んで ほしい 。 情報 公開 を めぐる 訴訟 が 、 この ところ 増えて いる 。 多く は 自治 体 の 公開 条例 に 基づいて 閲覧 を 求める もの だ が 、 二十四 日 の 最高裁 判決 の ケース は ちょっと 違った 。 政治 資金 収支 報告 書 に ついて 単に 見る だけ で なく 、 コピー の 交付 も 請求 できる か どう か が 争わ れた 。 政治 資金 規正 法 の 公開 の 意味 に ついて 、 最高裁 は 「 法 は 『 閲覧 』 を 認めて いる が 、 写し の 交付 まで 権利 と して 保障 して い ない 」 と 判示 した 。 「 閲覧 」 に コピー 交付 を 含ま せる こと は 困難 と いう 解釈 だ 。 公開 の 実務 と して 閲覧 の 際 に 手書き で メモ を 取る こと は 認め られて いる 。 だから 「 十分に 公開 さ れて いる 、 と 言える で は ない か 」 と いう 見解 も ある 。 しかし 、 事 は 政治 資金 の 公開 に かかわる 問題 である 。 メモ で 十分 と 言える のだろう か 。 規正 法 の 立法 趣旨 は その 総則 に 明記 さ れて いる 。 「 政治 活動 が 国民 の 不断 の 監視 と 批判 の もと に 行わ れる ように する ため …… 政治 資金 の 収支 の 公開 に よって 民主 政治 の 健全な 発達 に 寄与 する 」 もともと 収支 報告 書 は 監視 さ れる べき 対象 であり 、 参政 権 行使 に 有用な 情報 を 確保 する ため に ある のだ 。 金権 が 言わ れる 政治 状況 に あって は 、 カネ の 流れ の 把握 は 欠かせ ない 。 数字 の 羅列 である 報告 書 は メモ だけ で は チェック し 切れ まい 。 そもそも 、 今 の コピー 文化 社会 で 手書き メモ に とどめ なければ なら ない 合理 的な 理由 が ある のだろう か 。 判決 に は 疑問 を 感じる 。 大阪 府 の 住民 が 条例 に 基づいて 収支 報告 書 の コピー 交付 を 請求 した 。 ところが 「 認め られ ない 」 と いう 指示 が 自治 省 から あった と して 断ら れ 、 府 選管 に その 取り消し を 求めた 、 と いう の が この 裁判 である 。 府 条例 に は 「 府 が 保有 する 情報 は 本来 は 府 民 の もの であり 、 これ を 共有 する 」 と 書か れて いる 。 府 条例 も 政治 資金 規正 法 と 同じ ように 、 公開 に は 積極 的である 。 この 点 から も コピー 問題 を 考慮 して も よかった ので は ない か 。 情報 公開 は 「 知る 権利 」 の 制度 的 保障 である 。 もちろん 、 国 や 地方 自治 体 の 持つ 情報 が すべて 公開 さ れる べきだ と は だれ も 考えて は い ない だろう 。 プライバシー は 尊重 さ れ なければ なら ない 。 不当な 損害 が 予想 さ れる ならば 企業 情報 も 保護 さ れよう 。 防衛 ・ 外交 など に 絡む 「 実質 秘 」 も あろう 。 しかし 、 コピー 交付 を 含めて 当然 、 公開 さ れて いい 情報 が 安易に 非 公開 に さ れて いる の が 現状 で は なかろう か 。 情報 公開 の 制度 化 に 地方 自治 体 は 積極 的である 。 一九八二 年 に 山形 県 金山 町 で 条例 が 制定 さ れた の が 最初 で 、 今では 二百五十 を 超える 自治 体 で 制度 化 して いる 。 自治 体 に 比べて 、 国 の 方 は これ まで 消極 的な 姿勢 を 取って きた 。 法 制定 の めど は 立って い ない 。 ただ 、 昨年 設置 さ れた 行革 の 監視 機関 「 行政 改革 委員 会 」 は 二 年 以内 に 制度 案 を まとめる 方針 と いう 。 ぜひ 、 進めて もらい たい 。 情報 公開 は 行政 の 「 サービス 」 で は ない 。 国民 の 権利 である 。 この 視点 から 閲覧 者 が 十分に 理解 できる ような 措置 も 当然 、 考慮 す べきだ 。 国民 の 側 も 「 情報 の 適正 使用 」 に 心し なければ なら ない 。 乱用 に よる 権利 侵害 は 決して 許さ れ ない 。 被災 地 復興 の 青写真 づくり が 本格 化 して いる 。 「 防災 モデル 都市 」 の 建設 に 、 幅広い 意見 が 吸収 ・ 反映 さ れ なければ なら ない 。 復興 計画 案 の 策定 に 当たって は 、 住民 が 、 そこ に 住む こと の 幸せ を 実感 できる ような 都市 の 構築 を 主眼 に 置き たい 。 三 つ の 注文 が ある 。 第 一 に 、 都市 の 適正 規模 を どのように とらえる か 、 が 極めて 重要である 。 例えば 瀬戸内海 と 六甲 山系 に 挟ま れた 神戸 市 の 場合 、 市域 の 七 割 が 山地 である 。 平地 は 、 農地 を 含めて 三 割 しか ない 。 そこ に 百五十万 人 が 住んで きた 。 山 を 削り 、 海 を 埋め立てて 住宅 や 事業所 用地 を 確保 する 開発 の 在り 方 は 「 株式 会社 ・ 神戸 市 方式 」 と 呼ば れた 手法 の 特異 さ も あり 、 都市 経営 の モデル と して 評価 さ れて きた 。 しかし 、 半面 で 、 自然 環境 を 大 改造 する こと に 対して 、 地域 住民 が 素朴な 不安 や 疑問 を 感じ取って いた こと は 否定 でき ない 事実 である 。 埋め立て 造成 さ れた ポートアイランド や 六甲 アイランド で は 、 震災 に よる 液状 化 現象 が 広範囲に 発生 し 、 交通 など 二 次 的 影響 の 拡大 で 、 住民 が 不便 を かこって いる こと も 忘れて は なら ない 。 都市 は 、 こう まで して 拡大 ・ 増殖 を 目指さ なければ なら ない の か 。 神戸 市 が まとめた 都市 計画 案 に は 防災 公園 の 整備 、 道路 の 拡幅 、 住宅 の 共同 化 など が 盛り込んで ある 。 各論 と して の 方向 性 は 、 それ で いい 。 だが 、 これ まで の 街 づくり の 基本 的な 発想 に 見直す べき 点 は ない か 。 謙虚に 点検 して ほしい 。 第 二 に 、 恒久 住宅 を どう 確保 する か に ついて の 計画 を 、 最 優先 の 復興 策 と して 煮詰める よう 求め たい 。 避難 所 や 仮設 住宅 で の 生活 が 長引く こと は 住民 の 意欲 を なえ させる 。 特に 、 平均 的な 所得 層 が 入居 し やすい 価格 ・ 家賃 の 住居 を 、 最大 限 に 確保 する こと が 肝心である 。 公的 住宅 で 、 どこ まで 賄える の か 。 民間 住宅 で 、 どう 補う の か 。 建設 場所 、 供給 戸数 、 建設 日程 、 価格 ・ 家賃 の 見通し など を 早く 固め 、 住民 に 提示 し なければ なる まい 。 確かに 、 神戸 市 は 震災 復興 住宅 整備 緊急 三 カ年 計画 で 、 それ ら を 立案 中 だ 。 兵庫 県 も 復興 の ため の 「 ひょうご フェニックス 計画 」 で 耐久 性 ・ 耐震 性 に 優れた 「 新 一〇〇 年 住宅 」 の 建設 と 取り組む 構え で は いる 。 しかし 、 具体 化 まで に は まだ 時間 が かかる 。 そんな 折 、 例えば 兵庫 県 は 運輸 ・ 通信 の 緊急 計画 に 神戸 空港 の 「 早期 着工 」 など を 組み入れた 。 住民 に 「 優先 順位 を 取り違える な 」 と いう 反発 を 招き かね まい 。 関西 国際 空港 の 誘致 で 挫折 した 地元 の 政治 的な 思惑 も 感じ取ら れる から だ 。 第 三 に 、 都市 計画 の 策定 段階 から 住民 参加 の 原則 を 貫く よう 強く 望み たい 。 それ も 可能な 限り 、 多様な 意見 や 要望 を くみ上げる 方式 を 工夫 する こと が 何より 大切である 。 防災 公園 の 建設 など に 際して は 、 ある 程度 の 私権 の 制限 も やむ を 得 まい 。 だが 、 わが国 の 行政 は 事業 の 執行 に 直線 的に 走り がちだ 。 今回 は 時間 と の 競争 と いう 側面 も ある こと を 考える と 、 余計に 懸念 さ れる 。 計画 案 の 提示 、 事業 着手 時点 や 進行 段階 ごと に 、 きめ 細かく 住民 に 説明 し 、 同意 を 得る 努力 を 惜しま ないで ほしい 。 むしろ 「 急がば 回れ 」 の 精神 こそ が 肝要である 。 韓国 の 金 泳三 大統領 は 二十五 日 、 就任 三 年 目 を 迎えた 。 韓国 の 大統領 制 は 、 任期 五 年 で 再選 は 禁止 さ れて いる 。 金 泳三 政権 は 、 次期 政権 に 文民 政権 を 引き継ぐ 韓国 政治 史上 最も 重要な 時期 に 入った 。 これ から 二 年 余 の 韓国 政局 と 、 国民 の 選択 が 百 年 後 の 韓国 の 安定 と 発展 、 さらに 北東 アジア の 平和 を 左右しよう 。 韓国 で は 、 今年 六 月 に 三十五 年 ぶり に 、 道 知事 や 市長 など を 国民 が 直接 選ぶ 統一 地方 選挙 が 実施 さ れる 。 また 、 来年 は 国会 議員 選挙 が 控えて いる 。 その後 に 大統領 選挙 が 待ち受けて いる わけだ 。 最近 の 韓国 の 民間 機関 の 世論 調査 で は 、 金 大統領 へ の 支持 率 は 、 六七 % に も 達して いる 。 韓国 国民 の 支持 率 の 高 さ を 、 文民 政権 の 安定 と 、 民主 化 定着 と して 歓迎 し たい 。 金 大統領 に は 、 一九六一 年 以来 三十二 年 ぶり の 文民 政権 の 復活 と 、 その 安定 に 大きな 期待 が かけ られて いた 。 三十 年 以上 に 及ぶ 軍 出身 の 指導 者 に よる 体制 の 残滓 を 整理 し ながら 、 政治 の 安定 を 図る に は 大変な 政治 手腕 が 必要であった 。 金 大統領 は 、 軍 首脳 の 交代 を 果断に 実行 した 。 混乱 なく 文民 政権 の 決定 が 実行 さ れた 事実 は 、 韓国 国民 の 民主 化 へ の 固い 決意 に 加え 、 時代 の 変化 を 理解 し 得る 韓国 軍人 の 現実 感覚 と 成熟さ も 物語って いる 。 韓国 の 政治 風土 に は 、 政敵 や 敵対 する 勢力 へ の 報復 政治 と 「 恨み の 政治 」 が 、 つきまとった 。 しかし 、 金 大統領 は 、 報復 政治 の 再現 を 果敢に 抑えた のだった 。 軍人 出身 大統領 の 過去 の 責任 を 問わ なかった こと に 、 反対 や 不満の 声 も 聞か れた が 、 韓国 的な 政治 風土 克服 へ の 努力 と して 理解 できよう 。 外交 面 でも 、 これ まで 二 年間 に 大きな 成果 を 上げた 。 日 韓 関係 の 改善 も 進み 、 日本 の 映画 や 音楽 など の 開放 に も 、 前向きの 姿勢 を 示して いる 。 その 実現 に 期待 し たい 。 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 の 核 問題 も 、 日 米 両 国 と の 緊密な 協力 を 基礎 に 、 一応 の 解決 に こぎつけた 。 また 、 歴史 的な アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 首脳 会議 の 実現 と 、 継続 に 金 大統領 は 決定 的な 役割 を 果たした 。 こうした 国際 社会 で の 地位 の 向上 を 背景 に 、 大統領 は 「 韓国 の 世界 化 」 を 新しい 外交 戦略 と して 打ち出した 。 韓国 の 一層 の 国際 化 と 、 北朝鮮 を 国際 社会 に 受け入れる 戦略 と して 歓迎 し たい 。 韓国 で は これ まで 、 外国 の 勢力 に 対抗 する ため に 、 強固な 民族 主義 が 強調 さ れて きた 。 韓国 が なお 経済 力 の ない 時代 に は 、 仕方 の ない 選択 であった 。 しかし 、 アジア でも 有数 の 経済 力 を 誇る ように なった 以上 、 世界 の 基準 や 水準 に 、 制度 と 意識 を 合わせる 必要 が ある 。 また 世界 史 の 流れ に 乗り遅れ ない ため に も 、 韓国 の 世界 化 と 人材 育成 は 不可欠である 。 韓国 の 政界 に は 、 すでに 次期 政権 を にらんだ 権力 へ の 思惑 が 渦巻いて いる 。 世代 交代 論 の 一方 で 、 政党 の 分裂 劇 も 演じ られた 。 韓国 の 政治 家 に は 、 民主 化 と 文民 政権 は 権力 欲 の ため で は なく 、 韓国 国民 の ため であった と の 理念 を 忘れ ないで もらい たい 。 政治 家 は 、 韓国 の 発展 と 未来 の ため に 、 知恵 を 尽くし 自ら の 犠牲 も 覚悟 す べきであろう 。 文民 政権 の 一層 の 定着 と 、 韓国 政治 の 成熟 と 発展 は 、 北東 アジア の 安定 と 平和 の 最大 の 要素 に なる 。 阪神 大 震災 へ の 初期 対応 が 遅れた こと を 教訓 に 危機 管理 体制 の 見直し 作業 が 政府 ・ 与野党 で 進んで いる 。 その 一 つ が 、 二十一 日 の 閣議 で 決定 さ れた 政府 の 「 大規模 災害 発生 時 の 第 一 次 情報 収集 体制 の 強化 と 首相 ら へ の 情報 連絡 体制 の 整備 に 関する 当面 の 措置 」 である 。 震度 5 以上 の 地震 や 火山 の 大 噴火 など が 起きた 場合 、 内閣 情報 調査 室 が 気象 、 警察 、 防衛 、 海上 保安 、 消防 各庁 から の 情報 を 集約 し 、 迅速に 首相 官邸 に 報告 する と いう もの だ 。 また 内閣 官房 副 長官 が 、 関係 省庁 の 局長 ら を 集め 、 さらに は 警察 、 防衛 、 消防 、 海上 保安 庁 出身 の 専門 職員 に よる 「 災害 情報 班 」 が 、 ヘリコプター から の テレビ 画像 も 含めた 情報 を 分析 ・ 評価 する と いう 。 危機 管理 で 最も 優先 す べき こと は 、 事件 や 災害 の 全容 を 早期 に 、 かつ 的確に つかむ ことだ 。 ところが 阪神 大 震災 で は 一 番 重要な 情報 収集 が 遅れ 、 自衛 隊 の 初動 問題 に 代表 さ れる ように 首相 官邸 だけ で なく 政府 全体 の 対応 が 後手 に 回った 。 現在 の システム で は 、 自然 災害 情報 は 、 地元 自治 体 など から 国土 庁 防災 局 に 集中 し 、 さらに 首相 官邸 に 届け られる 仕組み に なって いる 。 しかし 今回 は 、 地元 自治 体 が 被害 に あった こと や 、 縦割り 行政 の 弊害 など から 、 この システム が 機能 せ ず 、 首相 官邸 が “ 情報 過疎 地 ” に なった 。 「 当面 の 措置 」 は 、 その 反省 から まとめた もの で 、 いずれ も 、 やって 当たり前の 措置 ばかり である 。 ただ 中身 を 詳細に 見る と 、 どうも 間に合わ せ の 策 であり 、 急場しのぎ の 感 は まぬかれ ない 。 官僚 に よる 内部 点検 に 終わって いる の も 不十分な ところ だ 。 肝心の 縦割り 行政 の 弊害 も 完全に は 解消 さ れて い ない 。 逆に 、 この 程度 の システム が 、 なぜ これ まで 作ら れて い なかった の か 、 その方 が 不思議である 。 責任 体制 や 緊張 感 の 欠如 、 怠慢 が あった と 批判 さ れて も 仕方 が ない だろう 。 自然 災害 に 対する 危機 管理 を 万全な もの に する に は 、 各 省庁 間 の 垣根 を 超えた 横断 的 機能 を 確保 する と ともに 、 国 、 自治 体 、 住民 が 一体 に なって 取り組む と いう 視点 が 重要だ 。 現在 の システム を 見直そう と する 場合 、 「 当面 の 措置 」 でも 明らかな ように 「 官 」 主導 で は 限界 が ある 。 民間 の 専門 家 に よる 大胆な 発想 を 導入 する など 思い切った 手法 が どうしても 必要だ 。 その 意味 から も 、 村山 富市 首相 ら が 三 月初め に 設置 を 計画 して いる 「 臨時 防災 調査 会 」 構想 は 支持 できる 。 同 臨調 構想 は 、 関西 生産 性 本部 と 関西 経済 同友 会 が 今月 九 日 、 大阪 市 内 で 開いた 「 阪神 大 震災 復興 会議 」 で の 緊急 アピール が きっかけ に なった 。 同 アピール で は 危機 管理 体制 の 確立 を 国民 レベル で 討議 する 「 危機 管理 国民 フォーラム 」 の 開催 を 提案 、 これ を 聞いた 村山 首相 ら が 、 防災 臨調 の 設置 を 思い立った と いう 。 民間 人 十 人 程度 で 構成 、 年 内 を めど に 答申 を 求める 考え だ 。 しかし 、 どう だろう 。 大 災害 は いつ また 起こる か わから ない のだ から 、 年 内 と のんびり した こと は 言わ ず 、 例えば 夏 まで に 答申 を 出して もらい 、 危機 管理 体制 の 本格 的な 構築 を 急ぐ べきで は ない か 。 その 場合 、 行革 に も 関連 する ことだ が 、 災害 担当 庁 と 指定 さ れて いる 国土 庁 の 位置付け など 中央 省庁 の 在り 方 も 、 そ上 に あげて 議論 す べきだ 。 南アジア の 大国 インド が 先進 各国 の 熱い 視線 を 浴びて いる 。 人口 八億 余 の 巨大 市場 の 魅力 を 発揮 し はじめた から だ 。 一九四七 年 の 独立 以来 、 自国 産業 を 手厚く 保護 して きた インド 政府 が 経済 自由 化 政策 に 転じた の は 、 ラオ 政権 が 発足 した 九一 年 。 公共 部門 に 独占 さ れて いた 業種 の 民間 企業 へ の 開放 、 輸入 規制 ・ 為替 管理 の 緩和 など 大幅な 自由 化 を 打ち出した 。 その 目玉 は 外資 規制 の 緩和 。 外資 出資 比率 の 上限 を 四〇 % から 五一 % に 引き上げ 、 その後 外資 一〇〇 % の 企業 も 認可 さ れた 。 政策 転換 の 引き金 と なった の は 、 九一 年 の 湾岸 戦争 。 戦争 で 高騰 した 石油 価格 と 、 中東 の インド 人出 稼ぎ 労働 者 から の 送金 激減 で 外貨 準備 が 落ち込む 一方 、 膨大な 対外 債務 を 抱えて インド は 倒産 状況 に 陥った 。 国際 通貨 基金 は 支援 の 条件 と して 自由 化 を 要求 、 閉鎖 的な 体制 の 下 で 不振に あえぐ 経済 を 立て直す ため 、 ラオ 政権 は 開放 政策 に 踏み切った 。 また 、 インド を 取り巻く 国際 環境 も 変化 した 。 インド は 戦火 を 交えた パキスタン 、 中国 と の 対抗 上 、 旧 ソ連 と 緊密な 関係 を 維持 した が 、 ソ連 崩壊 で 後ろ盾 を 失い 、 西側 と の 関係 改善 に 乗り出した 。 こうした インド 内外 の 情勢 変化 を 背景 に 、 先進 各国 から の 投資 が 急増 。 九一 年 の 二百九十一 件 、 五十三億 ルピー から 九三 年 に は 七百八十五 件 、 八百八十五億 ルピー 、 昨年 は 一 ― 九 月 だけ で 前年 を 上回る 九百十一億 ルピー に 達した 。 中でも 米国 企業 の 進出 が 活発で 、 対 印 投資 の 四〇 % 近く を 占める 。 これ まで 中国 、 東南アジア に 投資 を 集中 した 日本 企業 も インド に 目 を 向け はじめ 、 直接 投資 は 九三 年 の 二十六億 ルピー から 昨年 一 ― 九 月 に は 三十五億五千万 ルピー に 増えて 、 国別 で は 五 位 。 小型 乗用車 の 合弁 生産 を 中心 に 、 家電 、 通信 から 金融 まで 幅広い 分野 に 進出 して いる 。 インド の 一 人 当たり 国民 総 生産 は 三百 ドル 余 だ が 、 中間 所得 層 は 約 二億 人 。 車 や 家電 製品 を 購入 できる 層 は 五 、 六千万 人 に 達し 、 市場 と して の 魅力 は 十分 ある 。 東南アジア を 日本 企業 に 抑え られた 米国 は インド 市場 の 獲得 に 懸命 。 今年 一 月 、 ブラウン 商務 長官 が 財界 人 二十 余人 を 伴って 訪 印 し 、 経済 関係 を 強化 する こと で 合意 した 。 その 前 に 訪 印 した ペリー 国防 長官 も 、 軍事 専門 家 の 協議 機関 設置 で 合意 する など 安保 面 でも 協力 を 密に して いる 。 日本 から は 昨年 、 経済 団体 、 商社 など 六 つ の ミッション が 訪 印 、 この 一 月 に は 橋本 竜太郎 通産 相 が 訪れて 投資 の 促進 を 約束 した 。 先進 諸国 に よる “ インド もうで ” の 感 が ある 。 インド へ の 企業 進出 は 今後 さらに 活発 化 する だろう が 、 市場 と して の インド に のみ 目 を 奪わ れて は なら ない 。 自由 化 の カゲ で 、 その日暮らし の 数億 の 貧しい 人々 が いる こと を 忘れる べきで は ない 。 日本 の 対 印 有償 無償 資金 協力 は 九三 年度 まで に 累計 一兆五千億 円 。 最大 の 援助 国 だ が 、 この 姿勢 を 続けて ほしい 。 西 に 顔 を 向け はじめた 政治 大国 と して の インド も 無視 でき ない 。 日本 の アジア 外交 の 関心 は 、 東南アジア諸国連合 まで だった 。 その 向こう側 の 大国 と の 関係 を 、 腰 を すえて 構築 する 時期 に 来て いる 。 一九九五 年度 予算 が 二十七 日 、 衆院 を 通過 し 、 参院 に 送付 さ れた 。 通過 時期 と して は 戦後 の 最 速 タイ 記録 であり 、 年度 内 成立 も 確定 し 、 村山 内閣 は 一見 、 安定 的に 政権 を 維持 、 運営 して いる や に 見える 。 しかし 、 実体 的に は 全く 逆であって 、 すでにして “ 死に体 ” 内閣 の 評 さえ 出始めて いる の が 現状 だ 。 異例の スピード 審議 も 阪神 大 震災 で 野党 側 が 復興 対策 を 最 優先 し 、 審議 促進 に 全面 協力 した ため だ し 、 村山 富市 首相 の 政権 基盤 を 激しく 揺さぶった はずの 社会党 中間 ・ 右派 の 政策 集団 「 新 民主 連合 」 の 離党 騒動 も 大 震災 で 凍結 さ れた 。 いわば 政局 の 安定 は 、 大 震災 に 端 を 発した “ 政治 休戦 ” に よる 見せかけ の 「 安定 」 に 過ぎ ない 。 復興 対策 関連 の 予算 に ついて 私 たち は 、 財源 措置 は 公共 事業 費 の 全面 見直し など 本 予算 の 組み替え で 行う よう 主張 して きた が 、 時間 的 余裕 が ない など 大蔵 省 の 意向 で 本 予算 に 何ら 手 を 加え ず 素通り さ せた 政府 の 態度 は 極めて 遺憾である 。 それにしても 、 年明け 以来 この 二 カ月 の 政治 の 混迷 は ひど すぎる 。 とりわけ 村山 首相 の 統治 能力 、 指導 力 の 欠如 は 目 を 覆う ばかりだ 。 大 震災 発生 時 の 初動 の 遅れ など 政府 の うろたえ ぶり は 、 戦後 の 歴代 内閣 が 大 災害 など 国難 に 対する 危機 管理システム の 構築 を 怠って きた こと に その 主因 が あり 、 ひと り 村山 首相 の 責め に 帰す の は 酷 かも しれ ない 。 とはいえ 、 震災 発生 時 に 見せた 村山 首相 の 危機 認識 、 ちぐはぐな 言動 、 緩慢な 対応 ぶり は 、 率直に 言って 国政 の 最高 責任 者 と して の 適格 性 、 資質 に 疑問 符 を つけ ざる を 得 ない ほど お粗末な もの であった 。 村山 首相 が 「 内閣 の 最大 の 政治 課題 」 と 位置づけ 、 「 命運 を かける 」 と まで 大見え を 切った 行政 改革 に して も そう だ 。 特殊 法人 の 整理 ・ 統廃合 を めぐり さきがけ の 武村 正義 蔵 相 と 自民党 が 、 中央 省庁 の 代理人 よろしく “ 省 益 ” 擁護 の エゴ むき出し で 真っ向 から 対立 する 狭間 で 、 村山 首相 は 手 を こまぬき 傍観 する だけ で 、 結論 を 先 送り した 。 経済 活動 の 活性 化 を 目的 と し 、 対 米 関係 から も 重視 さ れて いる 規制 緩和 も 「 中間 報告 」 を 出した だけ で 、 首相 の 明確な 方針 は 依然 定まって い ない 。 民間 から の 起用 が 強く 望ま れた 行政 改革 委員 会 の 事務 局長 ポスト に は 、 結局 官庁 の 圧力 に 屈し 官僚 から の 起用 が 内定 した 。 「 行革 の 村山 」 の 姿 は どこ に も 見え ない 。 乱脈 経営 の 信 組 救済 問題 は 、 国民 の 税金 を つぎ込む 政 、 官 、 業 各界 の スキャンダル 絡み の “ 談合 ” 救済 の 様相 を 濃く して いる のに 、 村山 首相 は 何ら 手 を 打とう と し ない 。 この ところ 村山 政権 の 求心力 は とみに 衰え 、 首相 の 威信 も 低下 が 激しく 、 早くも “ ポスト 村山 ” へ の さまざまな うごめき が 目立つ 。 「 なり たくて 首相 に なった わけで は ない 」 が 村山 首相 の 口癖 だ が 、 その 通り だ と すれば 村山 首相 に とって 失う もの は 何も ない はずだ 。 政権 へ の 執着 を 断てれば 、 それ だけ 首相 と して の ポジション が 強化 さ れ 、 難題 に も 勇猛 果敢 に 対処 できる 。 身 を 捨てて こそ 浮かぶ 瀬 も あれ 、 と 言う 。 村山 首相 に は 、 いたずらに 政権 延命 に 憂き身 を やつす ので は なく 、 首相 の 座 を 投げうつ 覚悟 で 指導 力 を 発揮 する よう 望んで おく 。 南沙 諸島 周辺 の 海 が 荒れ模様だ 。 フィリピン が 領有 権 を 主張 して いる 同 諸島 東部 の パンガニバン 礁 に 中国 が コンクリート 製 の 構造 物 を 建設 した の が 今回 の 騒ぎ の 発端 だ 。 フィリピン の ラモス 大統領 は 中国 の 「 侵略 行為 」 を 非難 、 同国 議会 は 数 年間 棚ざらし に して きた 国軍 近代 化 法案 を 急きょ 可決 する など 、 キナ臭い におい も 漂って きた 。 中国 側 は 同 礁 に 構築 した の は 、 フィリピン 側 が 言う ような 軍事 施設 で は なく 、 中国 漁民 の ため の 避難 施設 だ と 弁明 して いる 。 ほぼ 同じ ころ 南沙 諸島 を 管轄 する 海南 省 の 省 長 が 同 諸島 を 視察 、 最 南端 の 岩礁 「 曽母暗沙 」 に 行政 権 を 示す 石碑 を 建立 して いる 。 領有 権 論争 で 結局 もの を いう の は 実効 支配 だ と さ れて いる 。 中国 の 一連の 行動 の 狙い が 、 南沙 諸島 で の 実効 支配 地域 の 拡大 である こと は 間違い ない ようだ 。 周辺 の 海底 に 豊かな 石油 資源 が 眠る 南沙 諸島 に 対して は 、 中国 、 台湾 、 ベトナム が 全域 に 対して 、 フィリピン 、 マレーシア 、 ブルネイ が 一部 諸島 に 対して 領有 権 を 主張 して 争って きた 。 一九八八 年 に は 南沙 諸島 の 岩礁 を めぐって 中 越 両軍 が 海戦 を 繰り広げた こと も ある 。 その後 も 各国 は 、 満潮 に なれば 海中 に ほとんど 没して しまい そうな 岩礁 に まで 歩哨 ポスト を 築き 、 石碑 を 立てて 、 実効 支配 地 を 拡大 して きた 。 中国 も 九二 年 に 領海 法 を 制定 、 南沙 諸島 など を 改めて 自国 領土 と 明記 して から は 、 南 シナ 海 で の 海洋 資源 開発 に 本腰 を 入れて きた 。 今回 の ミスチフ 礁 事件 は 、 中国 の 実効 支配 地 拡大 が 、 東南アジア諸国連合 の メンバー 国 が 領有 権 を 主張 して いる 岩礁 に まで 及んだ ため に 関係 諸国 に 衝撃 を 与えた ようだ 。 各国 の 領有 権 主張 が 複雑に 重なり合う 南沙 問題 を 解決 する 名案 は ない が 、 各国 が 領有 権 論争 を 棚上げ して 、 資源 を 共同 開発 する 方向 で 打開 の 糸口 を 探る の が 最も 現実 的だろう 。 もともと 中国 が 提案 した やり 方 だ が 、 マレーシア の ように 賛成 する 国 も 徐々に 増え 、 インドネシア の 主催 で 九〇 年 以来 毎年 開か れて いる 南沙 問題 に 関する 非公式 国際 協議 でも 取り上げ られて いる 。 共同 開発 の 進め 方 、 利益 の 分配 方法 など も 含めて 、 具体 的な 詰め を 急ぐ べきで は ない か 。 地域 の 大国 と して すでに 強烈な 存在 感 を 示して いる 中国 の 責任 は 大きい 。 中国 は 「 領有 権 棚上げ 」 に よる 共同 開発 を 提唱 して いる 。 それ なら なおのこと 、 自ら 現状 を 変える ような こと は 控える べきで は ない か 。 中国 が 率先 して 南沙 諸島 の 実効 支配 の 現状 凍結 を 提案 する など の イニシアチブ を 発揮 して は どう か 。 また 中国 は 「 南沙 問題 の 国際 化 」 を 拒否 、 二 国 間 交渉 に よる 平和 解決 を 主張 して きた が 、 なぜ 多 国 間 協議 は だめな の か 、 第三者 に は 分かり にくい 。 今夏 、 第 二 回 会議 が 開か れる ASEAN 地域 フォーラム の ような 場 を もっと 積極 的に 利用 す べきで は ない だろう か 。 南 シナ 海 で の 武力 不 行使 と 領有 権 問題 の 平和 的 解決 を うたった 九二 年 の ASEAN 外 相 会議 宣言 は 南沙 地域 で の 紛争 防止 に 大きな 役割 を 果たして きた 。 第 二 回 ARF が 南沙 問題 の 平和 解決 を 促す 新たな 文書 を 生み出す よう 期待 し たい 。 地方 分権 を 計画 的に 進める こと を 目的 に した 地方 分権 推進 法案 が 閣議 決定 さ れ 、 国会 に 提出 さ れた 。 閉ざさ れて いた 地方 分権 の 扉 が やっと 開か れる こと に なった わけで 、 その 意味 は 大きい 。 阪神 大 震災 は 、 大規模 自然 災害 に 対する 行政 の 防災 体制 に 不備 が あり 、 現在 の 中央 集権 的な 国家 経営 システム だけ で は 有効な 機能 を 発揮 し 得 ない こと を 私 たち に 見せつけた 。 国 と 地方 の 権限 配分 の 見直し や 分散 型 国土 へ の 転換 こそ 震災 から 得た 教訓 であり 、 現代 社会 に とって 必要な こと で は ない だろう か 。 地方 分権 推進 法案 の うち 、 最大 の 焦点 と なった の は 、 政府 の 仕事 ぶり を チェック する ため の お 目 付け 役 である 「 推進 委員 会 」 に 、 どの 程度 の 権限 を 持た せる か だった 。 昨年 秋 、 全国 知事 会 など 地方 六 団体 や 地方 制度 調査 会 は 「 推進 委員 会 に 強い 権限 を 与える べきだ 」 と そろって 提言 した 。 ところが 、 政府 が 昨年 暮れ に 決めた 「 地方 分権 に 関する 大綱 方針 」 で は 、 推進 委員 会 は 政府 に 意見 を 提出 できる と の 当たり障り の ない 表現 に 後退 した 。 推進 委員 会 を どう 位置付ける か は 、 この 法案 の 核心 部分 である 。 私 たち は 、 骨抜き の 法案 など 願い下げ に して ほしい と 注文 を つけて きた 。 結果 的に は 、 推進 委員 会 の 権限 は すっきり した 内容 と なった 。 具体 的に は まず 、 委員 会 は 分権 推進 計画 を 作る ため の 具体 的な 指針 を 首相 に 勧告 し 、 実施 状況 を 監視 する と 法案 に 明記 さ れた 。 また 、 こうした 勧告 や 意見 の 尊重 を 首相 に 義務付けた ほか 、 委員 会 が 行政 機関 や 地方 自治 体 に 資料 提出 を 要求 したり 、 調査 に 入る こと も 可能に した 。 いずれ も 妥当な 内容 であり 、 それ ら を 法案 に 盛り込んだ こと は 評価 できる 。 村山 富市 首相 は 、 地方 分権 を 、 行政 改革 、 規制 緩和 、 情報 公開 と 並ぶ 内閣 の 最 重要 課題 と 位置付けて きた 。 行政 改革 で は 、 政府 系 金融 機関 の 統廃合 問題 で つまずいて しまった が 、 地方 分権 まで 中央 省庁 の 抵抗 で 挫折 したり すれば 致命 傷 に なり かね ない 。 地方 団体 の 批判 や 世論 を 受け入れ ざる を 得 なかった のだろう 。 とはいえ 、 これ で 一気に 地方 分権 が 進む と は 思わ れ ない 。 残さ れた 課題 も 多い 。 その 一 つ は 、 推進 委員 会 の 委員 七 人 の 人選 である 。 どういう 人 たち で 構成 する か で 、 分権 の 行方 が 左右さ れる から だ 。 委員 長 に は 中央 省庁 に 、 にらみ の 利く 人物 が 望ましい し 、 委員 に は 分権 に 積極 的な 意見 を 持つ 民間 人 や 地方 自治 体 関係 者 を 多く 登用 す べきだ 。 中央 省庁 OB は 出来る だけ 避けて ほしい 。 もう 一 つ は 、 分権 を どう 具体 化 して いく か が 不明な こと だ 。 機関 委任 事務 など の 権限 を 、 どう 移譲 して いく の かも 含めて 、 すべて を 推進 委員 会 と 内閣 の 作業 に ゆだねた 。 その 意味 で は 扉 は 開か れた もの の 、 まだ 入り口 の 段階 で しか ない 。 政府 案 に 対して 新進党 や 民間 団体 から 、 より 厳しい 内容 の 対案 や 新 提案 が 出さ れて いる 。 国会 論戦 を 通じて 、 明確な 分権 推進 計画 を 作って いく こと を 期待 し たい 。 地方 自治 体 に も 果たす べき 役割 が ある 。 地方 分権 と は 、 中央 から 権限 を 分けて もらう と いう ので は なく 、 「 地方 主権 」 を 目指す のだ と いう くらい の 意識 を 持ち 、 国 へ の 働きかけ を さらに 強める べきだろう 。 米 国防 総 省 が 二十七 日 発表 した 「 東アジア 戦略 報告 」 は 、 アジア で 新たな 不安定 要素 が 生じて いる と 指摘 し 、 十万 人 規模 の 米軍 の アジア 駐留 継続 を 明確に した 。 報告 は 、 クリントン 政権 の 新しい アジア 政策 と いう より は 、 アジア 安保 戦略 の 基礎 と なる 情勢 認識 と アジア 理解 を 明らかに した もの である 。 ソ連 の 崩壊 後 、 国防 予算 削減 と アジア 駐留 米軍 の 削減 を 求める 米 議会 を 中心 に した 孤立 主義 の 雰囲気 に 対し 、 アジア で の 米軍 の 継続 駐留 が なぜ 必要な の か を 、 報告 は 繰り返し 説いて いる 。 また 、 議会 で の 日本 たたき を 意識 して か 、 日本 が いかに 多額の 費用 を ねん出 し 、 米軍 の 駐留 や 国連 平和 維持 活動 に 協力 して いる か を 力説 して いる 。 孤立 主義 の 動き を けん制 し 、 国際 主義 の 必要 性 を 強調 する 内容 に も なって いる 。 報告 は 、 ソ連 の 崩壊 と 米 露 の パートナーシップ 確立 で 、 アジア で の 強大な 脅威 が 消滅 した 事実 を 認めた 。 しかし 、 南沙 諸島 問題 の ような 域 内 紛争 が 、 増加 する 可能 性 を 指摘 して いる 。 こうした 状況 下 で 、 米国 の アジア で の 軍事 的 存在 が 低下 すれば 、 「 他の 国 が 、 米国 や 同盟 国 の 基本 的な 利益 に 沿わ ない 形 で 取って代わる 可能 性 が ある 」 と 警告 。 さらに 、 国務 省 が 進める 「 経済 優先 外交 」 へ の 巻き返し も 試みて いる 。 クリントン 政権 は 、 海外 市場 開放 に よる 米国 の 輸出 拡大 を 、 当初 から 外交 の 最 優先 目標 に 掲げて きた 。 これ に 対し 報告 は 、 アジア の 経済 成長 が あって こそ 、 市場 開放 が 米国 に 利益 を もたらす と 指摘 した うえ で 、 アジア の 経済 成長 は 、 安全 保障 と 地域 の 安定 なし に は 達成 でき ない と 強調 して いる 。 安全 保障 が 確立 して こそ 、 米国 の 輸出 拡大 も 可能に なる と の 認識 を 明らかに した もの で 、 極めて 現実 的な 判断 と いえる 。 日本 と の 関係 に ついて は 、 「 日本 ほど 重要な 二 国 間 関係 は ない 」 と 述べ 、 地域 安保 政策 と 「 米国 の 世界 戦略 目標 の 基礎 に なる 」 と 高く 評価 し 、 米国 の 一部 に 根強い 日本 軽視 論 に くさび を 打ち込んで いる 。 報告 は また 、 東南 アジア 諸国 連合 の 地域 フォーラム など を 通じた 信頼 醸成 と 、 話し合い に よる 紛争 の 解決 を 強調 。 北東 アジア の 信頼 醸成 と 地域 問題 協議 の ため に 、 北東 アジア 安全 保障 協議 機構 の 設立 も 展望 して いる 。 国防 総 省 の 報告 を 、 アジア の 立場 から 「 採点 」 する なら 、 これ まで に なく 冷静な 状況 認識 と アジア 理解 を 示した 内容 と して 評価 できよう 。 しかし 、 沖縄 の 基地 の 役割 が なお 強調 さ れて いる 点 に は 、 懸念 を 覚え ない わけに は いか ない 。 日本 の 憲法 上 の 制約 に 関し 理解 を 示して は いる が 、 日本 の 役割 の 限界 に ついて もっと 明確で 具体 的な 言及 が 欲しかった 。 冷戦 終結 後 の 日 米 関係 と 、 アジア と 米国 の 関係 が 混乱 して いる 一因 は 、 安全 保障 の 共通の 価値 観 を 見いだせ ない ため である 。 今回 の 報告 でも 、 米国 の 利益 は 強調 さ れて いる が 、 共通の 価値 観 と 理念 を なお 見いだす に は 至らなかった ようだ 。 定住 外国 人 に 地方 自治 体 選挙 で の 投票 権 が 認め られる か どう か が 争わ れた 裁判 で 、 最高裁 は その 可能 性 に 道 を 開く 憲法 判断 を 示した 。 定住 外国 人 の 人権 保障 の 面 で 大きく 前進 した 判決 と 言えよう 。 在 日 韓国 人 二世 たち の 訴え 自体 は 棄却 した が 、 日ごろ 謙抑 的な 最高裁 に して は 珍しく 踏み込んだ 判決 と なった 。 ただ 、 「 法律 で 地方 公共 団体 の 選挙 権 を 付与 する 措置 を 講ずる こと は 憲法 上 、 禁止 さ れて い ない 」 と 述べる と ともに 、 「 そのような 措置 を 講じ ない から と いって 違憲 の 問題 を 生ずる もの で も ない 」 と も 述べて いる 。 つまり は 立法 政策 に すべからく 判断 を 一任 した 内容 である 。 国会 は 真摯に 受け止め 、 論議 を 深化 さ せ なければ なら ない 。 国政 選挙 に 関して は 憲法 上 「 国民 固有 の 権利 」 であり 、 最高裁 は 定住 外国 人 の 選挙 権 を 認めて い ない 。 地方 参政 権 に ついて は 「 住民 が 選挙 する 」 と 憲法 は 規定 して おり 、 「 住民 」 の 概念 を めぐる 裁判 で も あった が 、 判決 は 「 住民 の 日常 生活 に 密接に 関連 する 公共 事務 は その 地方 の 住民 の 意思 に 基づき 処理 さ れる 」 と いう 解釈 から 参政 権 に 道 を 開く 判断 を 示した 。 地方 自治 の 理念 に 沿った 結論 と みて いい 。 自治 省 は 従来 「 外国 人 に 選挙 権 を 付与 する こと に は 極めて 難しい 問題 が ある 」 と いう 見解 を 示して いる 。 同様な 立場 の 学説 も ある 。 半面 、 「 国 の 法律 は 地方 条例 に 優先 する ので 、 外国 人 の 意向 を 反映 する 条例 が 定め られて も 、 国民 主権 の 原理 は 損なわ れ ない 」 と 、 地方 参政 権 を 容認 する 学説 も 出て いた 。 地裁 レベル でも 、 請求 を 棄却 し ながら 「 一定 の 外国 人 に 市町村 レベル の 選挙 権 を 憲法 は 許容 して いる と の 見方 も 成り立つ 」 、 あるいは 「 地域 社会 の 重要な 構成 員 である 定住 外国 人 が 自治 体 の 行政 に 参加 でき ない こと を 不当 と する 見方 も できる 」 と 原告 に 一定 の 理解 を 示す 判断 が 現れて いた 。 こうした 積み重ね の 中 で 最高裁 判決 が 出さ れた わけで 、 時代 の 流れ と も 言えよう 。 定住 外国 人 の 地方 参政 権 を 求める 声 は ここ 数 年 高まって いた 。 「 納税 と いう 義務 を 課せ られ ながら 身近な 自治 に も 参加 でき ない 」 と いう 今 の 状況 に 対する 疑問 は 外国 人 の 間 だけ で なく 、 各地 の 地方 議会 に も 広がって いる 。 一九九三 年 九 月 に 大阪 府 の 岸和田 市 議会 が 地方 選挙 へ の 参政 権 を 政府 に 求める 要望 書 を 決議 した の を 皮切り に 、 多く の 地方 議会 で 意見 書 や 請願 の 採択 が 相次いで いる 。 自治 省 に も 参政 権 付与 の 要望 書 が 届いて いる 。 また 、 昨年 の 政治 改革 論議 の 中 で 政党 助成 法 が 成立 し 、 定住 外国 人 も 政党 へ の 公費 負担 を 担う こと から も 参政 権 問題 が 議論 さ れて きた 。 ただ 、 参政 権 問題 は 定住 外国 人 の 間 で 一様に コンセンサス が 出来て いる わけで は な さ そうだ 。 「 今 の 段階 で 参政 権 を 論じる こと は 同化 政策 に つながる 」 と 積極 的に は 求め ない 立場 の 人々 も いる 。 「 あくまで 祖国 を 持つ 海外 公民 と して の 権利 獲得 が 先決 である 」 と いう 主張 も ある 。 昨年 の 選挙 制度 改革 の 論議 の 中 で 、 自治 省 は 海外 在留 邦人 の 選挙 参加 や 選挙 権 の 十八 歳 へ の 引き下げ 問題 と ともに 、 定住 外国 人 の 地方 選挙 参加 問題 を 検討 する と 公言 して いる 。 今回 の 判決 を 機 に 早期 検討 を 促し たい 。 広く 合意 の 得 られる 方向 性 を 出す 時機 が 来て いる 。 英 王室 の 資金 も 運用 して いた 名門 の 投資 銀行 ベアリングズ 社 が 、 なぜ かくも 簡単に 破たん した の か 。 なぜ 二十八 歳 の ディーラー に 、 青天井 で 二兆 円 規模 の 相場 を 張らす こと に なった の か 。 にわかに 信じ られ ない 話 である 。 事実 関係 が まだ はっきり して い ない ため 、 すぐに 結論 を 出す こと は でき ない 。 しかし 、 この 海外 の 失敗 談 が 、 日本 と 無関係 と は 思え ない 。 事態 の 推移 を よく 追い 、 他山 の 石 と して 日本 の 金融 、 証券 、 監督 官庁 は 教訓 を 引き出して ほしい 。 まず 、 今回 の 背景 に ある の は 、 金融 の ハイテク と いわ れる デリバティブ 取引 である 。 先物 取引 を はじめ 、 金利 を 交換 する スワップ 、 株式 など の 売買 権 そのもの を 取引 する オプション と いった 手段 を 使って 、 金融 サービス は 複雑に なって いる 。 デリバティブ は 為替 、 金利 など の 変動 リスク を 減らし 、 金融 コスト を 減らす プラス の 側面 が ある 一方 、 少ない 元手 で 大きな 取引 が でき 、 投機 的な 要素 も ある 。 また 、 デリバティブ は 貸借 対照 表 に 直接 記載 さ れ ない 簿 外 取引 が 普通の ため 、 当事 者 以外 に 中身 の 把握 が 困難だ 。 だが 、 日本 でも この 取引 が 広まり 、 一部 の 都市 銀行 、 長期 信用 銀行 で は 主要な 収益 源 に なって いる 。 大手 銀行 、 証券 は デリバティブ 部門 の 拡充 の ため 、 理数 系 の 大学 院生 の 大量 採用 など 、 人材 確保 に 懸命だ 。 ベアリングズ 社 の 破たん は 、 改めて デリバティブ 取引 の 危険な 側面 に スポット ライト を 当てた 格好だ 。 同社 は なぜ リスク 管理 が でき なかった の か 。 名門 の 投資 銀行 だけ に 、 その 衝撃 波 は 大きい 。 日本 で は 東京 証券 が この 取引 で 三百二十億 円 の 損失 を 出した 。 米 カリフォルニア 州 オレンジ 郡 で は 、 デリバティブ 取引 の 失敗 から 郡 が 破産 に 追い込ま れ 、 教育 ・ 医療 など 公的 サービス の 低下 に つながって いる 。 日本 の 銀行 は バブル の 崩壊 に より 、 巨額の 不良 債権 を 抱えて おり 、 この ため 金融 システム も 揺らぎ かね ない 挑戦 を 受けて いる 。 それ でも 銀行 が 一応 の まともな 決算 が できる の は 、 低 金利 が 続いて いる から だ 。 だが 、 金利 は 反転 局面 に 入り つつ あり 、 前途 は 楽観 でき ない 。 デリバティブ 取引 に 熱心な 米 大手 銀行 で は 、 会長 自ら が 毎日 、 デリバティブ 取引 の チェック を 行って いる と いう 話 も ある 。 それだけに 、 デリバティブ 取引 を めぐる リスク 管理 の 重要 性 は 、 繰り返して 強調 して おき たい 。 一 企業 の 破たん と いって も 、 今回 の ように 、 金融 ・ 資本 市場 の 混乱 に つながって くる 。 国際 金融 機関 の 間 で は 、 これ まで も デリバティブ 取引 の 規制 、 管理 の 在り 方 を めぐり 検討 が 行わ れて きた 。 短 時間 に 巨額の 取引 が ある だけ に 、 情報 開示 や 規制 は 困難 と いう 見方 が 多い 。 しかし 、 金融 ・ 資本 市場 の 混乱 を 防止 する ため に も 、 監督 官庁 や 中央 銀行 の 役割 を 明確 化 す べきだ 。 デリバティブ 取引 の プラス 面 を 否定 し ない が 、 実体 経済 から 離れ 、 金融 の 仲間内 で の 浮き沈み と いう 側面 も 指摘 さ れて いる 。 金融 取引 は それ 自体 が 目的 で は ない はずだ 。 その 意味 で 、 行き 過ぎた デリバティブ 取引 に は 、 やがて 反動 が ある こと を 覚悟 し なければ なら ない 。 あなた が 役所 に 何 か の 用事 で 出掛けた と しよう 。 窓口 で 機械 が 言う 、 「 あなた の 十 ケタ の 番号 を 押して 下さい 」 。 必要な の は 名前 で は ない 、 番号 な のだ …… 。 自治 省 の 一 日 の 発表 に よる と 、 住民 基本 台帳 を 基 に 国民 に 背番号 を つける つもりだ と いう 。 できれば 三 年 後 に 実施 し たい と も いう 。 そう すれば 「 高度な 事務 処理 を 迅速に 行う こと が 可能 」 だ から と いう 。 何 が 高度な 事務 な の か 不明だ が 、 要するに 住所 の 移動 や 所得 の 増減 を 瞬時 に 把握 し たい らしい 。 自治 省 と いう の は よほど 暇な ところ か 、 国民 を 見下ろして いる の か 、 ずいぶん 手前勝手な こと を 考える もの である 。 まず 第 一 に 、 この 報告 を まとめた 研究 会 である 。 「 住民 記録 システム の ネットワーク 構築 研究 会 」 は 同 省 行政 局長 の 私的 諮問 機関 だ そうで 、 十四 人 の 委員 で 昨年 八 月 に 発足 した 。 同 省 が 学識 経験 者 に 委嘱 した と いう が 、 委員 の 半数 は 自治 省 職員 、 その OB 、 自治 体 職員 である 。 しかも 開いた 会合 は たった の 四 回 。 研究 会 と は 名 ばかり で 、 役所 の 思惑 の 隠れみの と 言わ れて も 仕方 が ない 。 第 二 に 公表 の 唐突な こと だ 。 そもそも 研究 会 発足 の 発表 は なかった と 聞く 。 マスコミ を 避けて 研究 会 を 進めて きた らしい 。 厚生 省 も 各種 公的 年金 番号 の 統一 化 に 向けて 動きだして いる 。 大蔵 省 は かねて 税金 の 徴収 徹底 の ため 納税 者 番号 制 に 積極 的だ 。 情報 化 の 進む 中 で 番号 管理 を する 官庁 は 大きな 権限 を 握れる 。 役所 の 縄張り争い か 、 共通 戦略 か は わから ない が 、 国民 と 懸け離れた ところ で 事態 は 確実に 進行 して いる 。 第 三 に 、 そして これ が 最も 重要な こと だ が 、 プライバシー 保護 と 、 その 裏腹の 関係 に ある 情報 公開 の 問題 である 。 研究 会 の 報告 は 「 プライバシー の 保護 に 十分 配慮 した うえ 」 と 条件 が ついて いる が 、 どう 配慮 する か は 書か れて い ない 。 埼玉 県 志木 市 の 市 役所 から 住民 基本 台帳 の コピー が 名簿 業者 に 持ち出さ れて いた こと が 一 月 、 発覚 した 。 内部 の 犯行 の 可能 性 が 強い もの の 、 まだ 犯人 は 分かって い ない 。 恐らく 迷宮 入り に なる だろう 。 役所 と いう の は 、 この 程度 の 管理 能力 な のだ 。 プライバシー も 何も 、 あった もの で は ない 。 それでいて 役所 は 自ら の 情報 は 公開 しよう と し ない 。 情報 公開 法 の 制定 を 求める 市民 運動 が 始まって すでに 二十 年 以上 たつ 。 自民党 政権 時代 から 首相 は 必ず 国会 で 同法 制定 の 早期 検討 を 約束 して きた 。 村山 内閣 も 同様に 公言 して いる が 、 作業 は 遅々と して 進んで い ない 。 官僚 が 強く 反対 して いる から である 。 情報 公開 に は 二 つ の 側面 が ある 。 一 つ は 役所 の 持つ 情報 を 透明に する こと 、 いま一つ は 個人 の 情報 が 役所 に どう 集積 さ れて いる か を チェック する こと 、 である 。 情報 化 時代 に あって 、 国民 は 自己 に 関する 情報 の 流れ を コントロール する 権利 が ある はずである 。 しかし この 側面 は 現在 、 ほとんど 等閑 視 さ れて いる 。 情報 公開 法 の 制定 に は 抵抗 し ながら 、 国民 の 情報 は 一 手 に 管理 しよう と する 。 こんな おごり 高ぶった 役人 が 先進 国 に 存在 する だろう か 。 「 戦争 は 平和である 。 自由 は 屈従 である 。 無知 は 力 である 」 と いう の は ジョージ ・ オーウェル の 描いた 恐怖 政治 の 世界 で の スローガン である 。 小説 から 官僚 たち が 抜け出て きた ような 、 そんな 悪寒 を 覚える 。 「 国籍 なんか 関係 ある かい 。 みんな しっかり 食べて 」 。 地震 後 の 避難 所 で 、 初めて の 熱い 食べ物 を 振る舞った ラーメン 屋 さん が 、 遠慮 気味の 外国 人 に 呼びかけた 言葉 だ 。 非 常時 に おける 外国 人 救援 の 原則 が 、 端的に 語ら れて いる 。 大 震災 は 住民 に 国籍 の 別なく 被害 を 与えた 。 救援 も また 等しく 実施 さ れ ねば なら ない 。 しかし 救援 策 が 具体 化 する に つれ 、 平等 の 原則 が 崩れ がちだ 。 行政 の 諸 制度 に 存在 する 国籍 の 壁 を 、 被災 地 で は 取り払う 決意 と 努力 を まず 望み たい 。 兵庫 県 に は 地震 時 、 約 百 カ国 十万 人 の 外国 人 が 暮らして いた 。 在 日 韓国 ・ 朝鮮 人 など 定住 者 以外 に 、 留学 生 や 企業 の 研修 生 も 多い 。 さらに 在留 資格 の 切れた 超過 滞在 者 が 約 四千 人 いた と 推定 さ れる 。 多く が 死傷 し 、 住居 や 仕事 を 失った が 、 被害 は まだ 十分に 把握 さ れて い ない 。 知人 が 少なく 、 安否 不明 の 学生 も いる 。 調査 を 急ぐ べきだ 。 下宿 や アルバイト 先 を 失い 、 勉強 を 断念 した 留学 生 たち の 帰国 が 相次いで いる 。 彼ら の 帰国 は 不十分な 救援 策 の 証明 で も ある 。 夢 破れた 若者 の 姿 を 見る の は 残念 極まりない 。 民間 団体 が 、 壊滅 した 日本語 学校 に 代わる 学習 の 場 や 下宿 探し に 努めて いる が 、 政府 ・ 自治 体 の 積極 的な 対応 を こそ 期待 し たい 。 仮設 住宅 の 入居 、 義援 金 の 支給 、 医療 費 の 支援 、 未払い 給料 の 行政 に よる 立て替え など 、 いずれ も 国籍 を 問わ ない 運用 は 評価 できる 。 しかし 、 外国 人 の 相談 窓口 である 民間 団体 に は 「 日本 語 だけ の 説明 で は 制度 や 手続き が 分から ない 」 と の 訴え が 絶え ない 。 国籍 の 壁 と 言える 。 理解 可能な 情報 提供 を 徹底 す べきだ 。 死亡 留学 生 へ の 弔慰 金 など も 、 遺族 が 受給 手続き に 何度 も 来 日 せ ず に 済む よう 柔軟に 対応 して ほしい 。 超過 滞在 者 たち は 、 最も 厳しい 状況 に 置か れて いる 。 すべて の 救援 策 から 除外 さ れて いる と 言って よい 。 日赤 など が 窓口 に なる 義援 金 は 支給 の 方針 だ が 、 強制 退去 の 措置 を 警戒 して 名乗り出る 人 は 少ない 。 被害 状況 が 不明な の も その ため だ 。 この際 、 普段 から 彼ら の 相談 に 乗って いる 民間 団体 に 窓口 を 任せる の も 方法 だろう 。 法 の 建前 を 超えた 取り組み が 求め られる 。 外国 人 に 多い 無 保険 者 の 問題 が 深刻に なり つつ ある 。 一 年 以内 の 滞在 者 は 健康 保険 に 加入 でき ず 、 全額 自己 負担 が 原則 だ 。 既に 「 医療 費 が 払え ない 」 と の 訴え が 民間 団体 の 相談 窓口 に 寄せ られて いる 。 病院 や 自治 体 に よって は 、 災害 救助 法 に 基づく 無料 の 現場 救護 班 医療 を 適用 できる よう 努めて いる 。 未払い 医療 費 を 補てん する 市 も ある 。 同じ 地震 被害 で 地域 や 医療 機関 に 格差 が 生じ ない よう 、 政府 が 統一 した 方針 を 打ち出す べきだろう 。 定住 外国 人 の 救援 策 に 国籍 の 壁 は ない はずだ が 、 現実 に は 細かく 点検 する 必要 が ある 。 外国 人 学校 の 再建 補助 、 事業 再開 に 必要な 低利 融資 、 震災 便乗 の 解雇 など 、 不当な 差別 が ない よう 望み たい 。 定住 外国 人 は もちろん 、 留学 生 ら 滞日 中 の 人 たち も 、 地域 の 一員 と して 共に 復興 に 取り組む 仲間 である 。 市民 の 間 で は 、 国籍 を 超えた 助け合い が 続いて いる 。 国籍 の 壁 なき 制度 の 実現 を 、 被災 地 で 先取り する ような 対応 が 政府 に 求め られる 。 阪神 大 震災 は 過密 都市 に おける 地域 と 住民 、 自然 環境 と 人間 の かかわり に ついて 、 われわれ に 厳しい 見直し を 迫って いる と も 言える 。 そんな 折 、 大気 汚染 と 公害 病 の 因果 関係 など を めぐって 十七 年間 も 争わ れて きた 「 大阪 ・ 西淀川 公害 訴訟 」 に 、 一 つ の 、 しかし 大きな 区切り が ついた 。 大阪 地裁 ・ 高裁 に おける 原告 患者 と 被告 企業 の 和解 成立 を 、 まずは 率直に 喜び たい 。 双方 の 決断 に は 、 今回 の 震災 が 大きな 誘因 に なった と さ れて いる 。 原告 ら が 住む 大阪 市 西淀川 区 は 、 市 内 で 最も ひどい 被害 を 受け 、 関西電力 や 大阪ガス など 被告 企業 が 被った 打撃 も また 、 甚大である 。 「 こんな とき に 争って いる 場合 で は ない 」 と の 認識 が 、 双方 ともに 強く 働いた のだろう 。 被告 企業 が 公害 対策 に さらに 努め 、 住民 と ともに 地域 の 再生 を 目指す 決意 を 明確に した の は 歓迎 す べき こと と 言えよう 。 原告 側 は 、 解決 金 の 約 四 割 に 当たる 十五億 円 を 「 個人 補償 」 で なく 、 生活 環境 の 改善 や 地域 再生 の ため に 生かす と いう 。 すがすがし さ さえ 感じ られる 画期的な 取り組み である 。 今後 の 成果 に 大いに 期待 し たい 。 それにしても 、 長 過ぎる 裁判 と 言わ ざる を 得 ない 。 提訴 後 に 死亡 した 原告 患者 も 百 人 程度 は いる 、 と 言わ れる ほど だ 。 その 無念 さ に は 計り知れない もの が あったろう 。 しかし 、 和解 で は 、 被告 企業 側 が 原告 患者 ら に 謝罪 し 、 工場 から の 排出 物質 と 大気 汚染 と の 因果 関係 を 認める など 、 原告 側 の 主張 を 大幅に 受け入れた 。 原告 側 が 「 勝利 の 和解 」 と 喜ぶ 気持ち が 痛い ほど に 分かる 。 被告 企業 側 が 、 従来 の かたくなな 姿勢 を 転換 した 背景 に は 、 大気 汚染 を めぐる 一連の 公害 訴訟 で の 司法 判断 の 定着 が ある 。 千葉 川鉄 、 西淀川 一 次 、 川崎 、 倉敷 の 一 審 判決 が 、 いずれ も 企業 の 共同 不法 責任 を 認め 、 賠償 を 命じて いる から だ 。 今回 の 和解 が 各地 の 公害 訴訟 に 、 とりわけ 、 原告 患者 の 救済 を 急ぐ 方向 で の 決着 を 促す 形 で 、 いい 影響 を 及ぼして ほしい もの である 。 一方 で 、 大きな 課題 が 先 送り さ れた こと は 、 誠に 遺憾である 。 工場 排煙 と の 複合 汚染 と して 、 自動車 排ガス 公害 の 責任 を 問わ れて いる 道路 設置 管理 者 の 国 と 阪神 高速 道路 公団 が 、 和解 に 加わって い ない こと である 。 日本 の 空 は いまや 、 工場 排煙 に 含ま れる 硫黄 酸化 物 より 、 窒素 酸化 物 に よる 汚染 が はるかに 深刻だ 。 車 は その 最大 の 元凶 の 一 つ である 。 健康 被害 と の 因果 関係 も 、 千葉 川鉄 や 倉敷 公害 訴訟 で は 認めて いる 。 車 公害 の うち 騒音 被害 を 認定 した 国道 43 号 訴訟 の 大阪 高裁 判決 が 「 道路 は 住民 へ の 影響 度 を 度外 視 し 、 現状 も 欠陥 」 と まで 言い切った こと も 想起 さ れる 必要 が ある 。 国 や 阪神 高速 道路 公団 は 、 決して 「 責任 なし 」 で は すまさ れ ない こと を 強く 認識 して ほしい 。 同時に 、 車 公害 を なくす 総合 的な 道路 ・ 環境 行政 の 推進 を 政府 に 強く 求め たい 。 西淀川 の 住民 たち が 、 専門 家 の 協力 で 作成 した 地域 の 再生 プラン に は 「 高速 道路 は シェルター で 覆い 、 国道 は 地下 に もぐら せる 」 と の 提言 も 盛り込ま れて いる 。 都市 計画 や 地域 振興 を 真に 住民 の もの に する ため に は 、 このような 発想 の 転換 も 必要だ 。 阪神 大 震災 の 復興 計画 でも 、 まさに 、 それ が 問わ れて いる こと を 肝 に 銘じ たい 。 東京 都 議会 が 東京 協和 、 安全 の 両 信用 組合 の 破たん 処理 の 一環 と して の 低利 融資 を 凍結 した こと で 、 問題 の 決着 は 先 送り さ れた 。 そこ で 今後 の 対応 策 に ついて 、 いく つ か の 注文 を 出し たい 。 まず 、 破たん 処理 を めぐる 大蔵 省 、 東京 都 の 監督 責任 を 明確に す べきである 。 そして 、 必要な 責任 は 早急に 取る 決断 が 望ま れる 。 だらだら 推移 して いる うち に 、 金融 当局 に 対する 国民 の 信頼 は 揺らぐ ばかりだ 。 金融 システム の 再建 で 、 次の ステップ が 踏み出せ なく なる 。 当局 者 の 苦労に 対する 結果 責任 に は 、 同情 する 余地 も ある が 、 ここ は システム 維持 を 優先 して 、 けじめ を つける べきだろう 。 第 二 は 、 両 信 組 から 預金 が 流出 する ばかりで は なく 、 信用 不安 が 他 に 波及 する 懸念 が 現実 に 起きて いる ことだ 。 日銀 は こうした 信用 不安 の 連鎖 を 断固と して 断ち切る ため 、 流動 性 供給 を 言明 す べきである 。 第 三 は 、 両 信 組 の ような 乱脈 経営 を して も 救済 さ れ 、 大口 預金 者 も 保護 さ れる と いう モラル ハザード の 悪 循環 を 断ち切ら なければ なら ない 。 乱脈 経営 の 金融 機関 の ツケ を 公的 資金 で 払う こと は 国民 感情 に 反する 。 その ため の 早道 は 、 預金 保険 機構 で は 一千万 円 まで しか 保証 し ない こと を 当局 は 改めて 宣言 して 、 米国 の ように 銀行 の 窓口 に その 旨 、 掲示 する ことだ 。 残念な こと に 、 両 信 組 で は すでに 大口 預金 者 の 多く が 預金 を 引き出して しまい 、 昨年 十二 月 の 破たん 処理 を 白紙 に 戻す すべ が ない こと だ 。 旧 経営 陣 の 刑事 、 民事 責任 は 司法 の 手 に ゆだねる に して も 、 甘い 思惑 が 通った 大口 預金 者 に 対して は 、 特別に 高い 金利 分 は 不払い に する と いった 負担 の 公正 化 は 考え られ ない だろう か 。 昭和 初期 に 起きた 金融 恐慌 時 に は 、 台湾 銀行 と 鈴木 商店 と の 政商 がらみ スキャンダル が 国民 の 反発 を 買い 、 信用 秩序 維持 に 必要な 震災 手形 整理 法案 など が 国会 で 否決 さ れ 、 混乱 を 助長 した 。 今回 も 、 両 信 組 の 乱脈 経営 や 政 官界 と の 関係 と いった スキャンダル の 追及 と 、 必要な 金融 システム の 再建 と を 峻別 し なければ なら ない 。 金融 は 資本 主義 経済 の 心臓 部 である 。 金融 の 悪者 退治 の バッシング が 、 みんな で 寄ってたかって 心臓 機能 を 破壊 する バッシング に 転じ ない よう 、 細心の 注意 が 必要である 。 思えば 、 米国 から 迫ら れた 金融 自由 化 が 昨秋 、 完成 した が 、 その 途上 に おける バブル 形成 、 崩壊 と 、 今回 の 金融 システム の 動揺 を 見る に つけ 、 大蔵 省 ・ 日銀 は 一体 何 を して きた の か 、 と の 疑問 を 感じ ざる を 得 ない 。 金融 自由 化 は 国民 経済 に どのような 効果 、 意味 を 持って いた の か 。 さらに 、 実体 経済 から 離れた デリバティブ 取引 に 血道 を あげる 銀行 と は 何 である の か 。 原点 を 振り返って 、 それ に 応え 得る 自信 は ない 。 一九七一 年 、 米国 が ドル と 金 と の 交換 性 を 停止 して 以来 、 ペーパーマネー の 世界 は 異常に 膨らみ 、 ドル の 減価 は 、 いまなお 円高 と して 日本 を 悩ま せて いる 。 金融 自由 化 と は 、 結局 の ところ 米国 の 「 ひそみ に 倣う 」 こと で なかった の か 。 冷静に 、 本来 の 議論 を する きっかけ に なれば と 思う 。 評論 家 の 堺屋 太一 さん が 面白い こと を 言って いる 。 二 年 前 、 「 国会 等 の 移転 に 関する 法律 」 が できた とき の こと だ 。 「 法律 は 成立 した が 、 肝心の 国民 は まだ 半信半疑 と まで は いか ない 。 三 信 七 疑 くらい でしょう 。 まず 国民 に 首都 移転 が 実現 する と 信じて もらう こと です 」 堺 屋 さん は 学識 経験 者 と 国会 議員 で つくる 「 国会 等 移転 調査 会 」 の 有力 メンバー の 一 人 。 首都 移転 に ついて の 国民 の 率直な 気持ち を 巧みに 言い当てて いる ので は ない か 。 確かに 遷都 論 は 、 寄せて は 返す 波 の ように 、 むなしい 繰り返し を 続けて きた 、 と 見 られて も 仕方 が ない 面 も あった 。 実現 に 向かって 足 を 踏み出そう と し なかった から である 。 昭和 三十 年 代 に 入って 、 遷都 論 は 百花斉放 の 時代 を 迎えた 。 昭和 三十五 年 、 磯村 英一 氏 は 「 富士 の 都 建設 構想 」 を 提唱 して 話題 を 集めた 。 富士 の すそ野 に 、 国会 など 首都 機能 を 移転 す べし 、 と いう もの である 。 この 遷都 論 に 触発 さ れる 形 で 、 さまざまな 遷都 構想 が 生まれた 。 その 中 でも 最も 実現 に 近 そうな 案 は 、 政界 の 実力 者 、 河野 一郎 建設 相 が 指示 し 、 建設 省 が まとめた 「 浜名湖 周辺 」 へ の 遷都 構想 である 。 第 一期 で 立法 、 司法 、 行政 の 中央 機関 を 移す 、 第 二 期 で 付属 、 関連 部門 を 移し 、 移転 費用 は 一兆三千億 円 と いう 当時 と して は 壮大な スケール の 計画 だった 。 最終 的に 百万 都市 に なる と いう 見通し も プラン に 盛り込ま れ 、 世論 の 支持 も ある 程度 あった が 、 河野 氏 の 急死 で あっという間 に 風船 は しぼんで しまった 。 遷都 論議 を 再 活性 化 しよう と した の か 、 政府 は 昭和 四十二 年 に 自ら 「 二十一 世紀 の 日本 の 国土 と 国民 生活 の 未来 像 」 と 題する コンペ を 行って いる 。 四 年 後 、 三 チーム が 入賞 を 果たした が 、 その 中 で 注目 さ れた の は 、 早稲田 大学 グループ の 「 北上 遷都 論 」 だった 。 この 構想 が 画期的であった の は 、 反 東海道メガロポリス 論 に 立って いる こと である 。 従来 の 遷都 候補 地 と は 全く 逆に 東北 の 地 を 選んだ こと は 東京 一 極 集中 と 東海道 へ の 集中 を 是正 しよう と いう 点 で 、 明らかに これ まで の 遷都 論 から 一 歩 前 に 踏み出した もの と 評価 さ れた 。 この 時代 まで の 遷都 論 に は 幾 つ か の 特徴 が ある 。 話 の 前提 に は 必ず 遷都 候補 地 が あって 、 これ が 論争 を 盛り上げた 。 首都 誘致 運動 が 起こり 、 自薦 、 他薦 が 相次いだ 。 論議 が 活発に なった の は よい が 、 移転 先 の 利害 得失 と いう ように 、 問題 が 矮小 化 さ れる きらい が あった 。 昭和 五十 年 代 から 六十 年 代 に かけて 、 遷都 問題 に かかわる 論争 は 低調に 終始 した 。 その 一方 で 、 東京 へ の 集中 度 は ますます 進み 、 極限 に まで 達して いた 。 住宅 ・ 土地 問題 が 深刻 化 し 、 長 距離 通勤 問題 など 巨大 都市 の 疲弊 は 進行 し 、 地方 の 活力 は 低下 する と いう 状況 だった 。 これ を 受けて 遷都 論 は 再び 息 を ふき返す 。 国政 レベル で は 、 平成 二 年 十一 月 、 国会 開設 百 年 を 機 に 、 衆 参 両院 は それぞれ 「 国会 および 政府 機関 の 移転 」 を 決議 した 。 これ を 受けて 平成 四 年 二 月 、 国土 庁 長官 の 私的 諮問 機関 である 「 首都 機能 移転 懇談 会 」 が 中間 報告 を まとめた 。 同年 に 議員 提案 で 「 国会 等 の 移転 に 関する 法律 」 が 制定 さ れ 、 国会 等 移転 調査 会 が 総理 府 に 設置 さ れた 。 調査 会 は 昨年 六 月 に 中間 報告 を した 。 この 報告 で は 、 東京 一 極 集中 の 是正 ばかり で なく 、 何でも 「 東京 が 一流 」 と いう 東京 中心 の 国民 意識 の 変革 に も 、 首都 移転 が 必要だ と 訴えて いる の が 大きな 特徴 だろう 。 これ まで の 遷都 論議 の 歴史 を 振り返って みる と 、 昭和 四十 年 代 まで は 、 議論 は まず 「 移転 先 あり き 」 だった 。 その 結果 、 首都 移転 論 は 「 移転 先 論 」 の ところ で 行き詰まって しまった 。 今年 夏 に は 調査 会 が 第 二 次 中間 報告 を 出し 、 来春 まで に 結論 を 出す 予定 だ 。 その あと 、 いよいよ 移転 先 の 議論 に 入る こと に なる 。 先 の 阪神 大 震災 で 大 都市 で の 災害 の 恐ろし さ を 見せつけ られ 、 この ところ 低調に なって いた 首都 移転 論 が 再び 活発に なって いる 。 既に 調査 会 で 震災 対策 が 取り上げ られた 。 昨年 九 月 、 国土 庁 が 行った 「 新 首都 の ビジョン に 関する アンケート 調査 」 で 、 「 首都 機能 移転 の 効果 」 に 関して 最も 多かった 回答 は 、 災害 の 対応 力 の 強化 だった 。 つまり 、 政治 ・ 行政 機能 と 経済 機能 の 中枢 が 、 同時 被災 して は 大変な こと に なる 、 と いう 懸念 だ 。 私 たち が これ まで も 指摘 して きた ように 、 首都 移転 に は 常に 公明正大で オープンな 議論 が 前提 と なる 。 不信 感 や 、 妙な 疑惑 が 生じて は 、 せっかく の これ まで の 議論 が 帳消し に なって しまう 。 その 意味 から いえば 、 永らく 遷都 問題 に かかわって きた 金丸 信 ・ 元 自民党 副 総裁 の 退場 は 順風 で は ある 。 国民 的 世論 の 形成 の ため に 、 一 つ だけ 問題 を 提起 して み たい 。 それ は 東京 問題 を どう 考える か 、 と いう こと である 。 調査 会 の 中間 報告 で 最も 共感 した 部分 は 、 東京 中心 主義 、 東京 一流 主義 と いう 根強い 国民 の 意識 を 変える ため に 、 東京 から 首都 を 動かして は どう か と いう 提案 だ 。 首都 が 移転 すれば 、 東京 は ただ の マンモス 都市 に なる の か 。 国民 の 意識 が 変わる か どう か 分から ない が 、 みんな で 考えて みる こと が 肝要だ 。 肉親 を 亡くし 、 家 を 失った 被災 者 で なくて も 心 に 言いよう の ない むなし さ が 残る 。 大 都市 が 一瞬 の うち に 破壊 さ れ 、 五千四百 人 余 の 貴い 命 が 失わ れた 事実 は 重い 。 戦後 五十 年 の 日本 を 襲った 阪神 大 震災 を 語る 時 、 一 人 の 地震 学 者 に 注目 し たい 。 建設 省 建築 研究 所 の 石橋 克彦 ・ 応用 地震 学 室長 である 。 ちょうど 五十 歳 に なった 。 東大 理学部 助手 時代 の 一九七六 年 、 マグニチュード 8 クラス の 東海 地震 の 発生 が 心配 さ れる こと を 訴え 、 大規模 地震 対策 特別 措置 法 の 制定 を 促した 。 小田原 地震 が 約 七十 年 ごと に 発生 する と 警告 も して いる 。 昨年 八 月 に は 「 大地 動乱 の 時代 」 を 出版 した 。 「 地震 学 者 は 警告 する 」 と いう 副題 を 付け 、 首都 圏 を 襲う 大 震災 に スポット を 当てた 。 「 研究 室 に 閉じこもる だけ で は 駄目 」 と 考える 行動 派 である 。 著書 で 「 東京 圏 は 無数の 市民 を 巻き込んで 大 地震 に よる 耐震 テスト を 待って いる 壮大な 実験 場 」 と 書いた 石橋 さん は 「 指摘 した こと の 多く が 現実 と なった 」 と 言う 。 地震 の 場所 こそ 違った が 、 液状 化 した 地盤 が 広範囲に 何 メートル も 移動 する 側方 流動 、 強い 上下 動 など が 実際 に 生じた 。 日本 は 繰り返し 大 地震 に 襲わ れた 。 二三 年 の 関東 大 震災 で は 十四万 人 余 が 死亡 した 。 四三 年 から 四八 年 まで に 鳥取 、 東南 海 、 三河 、 南海 、 福井 地震 と 死者 千 人 以上 の 地震 が 五 つ 集中 した が 、 混乱 期 の ため あまり 注目 さ れ なかった 。 その後 、 地震 活動 は 静穏 化 した ように 見えた 。 この 間 に 日本 経済 は 高度 成長 を 遂げ 、 過密 都市 が 出現 した 。 経済 効率 優先 の 開発 が 行わ れ 、 高速 道路 、 新幹線 、 超高層ビル など が 登場 した 。 「 名 建築 と 耐震 性 は 別 」 と いう 風潮 も 生んだ 。 井戸水 を 使い 、 まき で ごはん を 炊いた 時代 に 比べ 都市 は はるかに ぜい弱に なって いった 。 地震 予知 連絡 会 会長 の 茂木 清夫 ・ 日大 教授 は 昨秋 の シンポジウム で 、 福井 地震 以降 、 日本 周辺 の 地震 活動 が 鈍った わけで は なく 、 九三 年 の 北海道 南西 沖 地震 など 地震 が 陸 を 避けた の に 過ぎ ない と 述べた 。 地学 的に 静穏 な 時代 が 偶然 続いた こと へ の 正しい 理解 が 浸透 し なかった 。 東海 地震 説 で 予知 と 防災 を 結び付けた 新 制度 が スタート し 、 地震 へ の 関心 は 高まった が 、 一過性 の もの に 終わった 。 M 7 クラス の 直下 型 地震 は いつ 起きて も おかしく ない のに 、 防災 は おろそかに さ れ 続けた 。 政府 や 学者 の 間 に は 「 あまり 国民 を 脅かす の は どう か 」 と いう 意識 も 強かった 。 石橋 さん が 「 大地 動乱 の 時代 」 を 出した とき も 「 オーバー 過ぎる 」 と 非難 する 人 が 現れた 。 なぜ か 「 関西 に は 大 地震 は 起こら ない 」 と いう 致命 的な 誤解 も 生んだ 。 そんな 中 で 人口 密集 地 を 狙いすます ように 阪神 大 震災 が 起こった 。 政府 や 各 自治 体 は 適切な 手 を 打て ず に 犠牲 者 の 数 を 増やした 。 行政 が 混乱 する 一方 で 、 全国 から 駆け付けた ボランティア の 活躍 が 目立った 。 戦後 驚異 的な 復興 を 遂げた 日本 が 阪神 大 震災 で 手痛い 被害 を 受けた こと に 世界 は 驚いた 。 素晴らしい 科学 技術 を 持ち 、 防災 に も 他国 より 力 を 入れた はずな のに …… 。 無能な 行政 システム に 落胆 の 声 も 上がった 。 二度と 悲劇 を 繰り返し たく ない 。 西 日本 は M 8 クラス の 南海 地震 の 発生 に 向けて 地震 の 活動 期 に 入った と いう 見方 が ある 。 東 日本 で は 迫り 来る 小田原 地震 が 東海 地震 発生 の 引き金 と なり 、 世界 経済 を も 揺るがす 首都 圏 直下 型 地震 が 続発 する と いう の が 石橋 さん の シナリオ である 。 再び 健忘症 に 陥って は なら ない 。 災害 に 強い 都市 造り に 早急に 取り組む 必要 が ある 。 たくさんの 広場 や 広い 道路 を 持つ ゆとり が 災害 時 に 有効な こと を 阪神 大 震災 は 示した 。 人間 の 生活 の 安全 性 に 重点 を 置いた 阪神 地区 の 復興 を 参考 に し たい 。 都市 を 造り 直す に は 膨大な お カネ と 歳月 が かかる 。 そこ で すぐ 役立つ リアルタイム 地震 学 が 提唱 さ れた 。 網 の 目 状 に 配置 した 観測 機器 の データ を 処理 して 地震 の 震源 地 や M 、 どこ が 一 番 被害 を 受けて いる か など を 即座に つかみ 、 被災 者 の 救助 や 消防 活動 に 当たる と いう もの だ 。 これ に 対し 石橋 さん は 、 三陸 や 北海道 ・ 奥尻 島 など で は 津波 を 警戒 する 、 東海 地震 は 予知 を 目指す 、 活断層 地帯 は 開発 を 規制 する など 各 地域 に 応じた 震災 軽減 対策 に すぐ 取り組む こと が 大切だ と いう 。 地震 予知 の 実現 に も 一層 力 を 入れ たい 。 六五 ― 六七 年 の 長野 県 ・ 松代 群発 地震 の 時 、 当時 の 町長 の 「 今 一 番 欲しい の は 地震 の 学問 だ 」 と いう 言葉 は 現在 に も 通じる 。 地震 予知 や 活断層 の 研究 に 取り組む 理学 者 と 、 各種の 構造 物 の 建設 に かかわる 工学 者 の 間 の 連携 を 強める 必要 も ある 。 岡田 恒男 ・ 東大 生産 技術 研究 所 教授 は 「 これ まで 建築 、 土木 、 都市 計画 、 交通 など の 専門 家 が 横 の 連絡 なし に ばらばらに 都市 を 造って きた こと が 、 今度 の 災害 を 大きく した 一 つ の 要因 で は ない か 」 と 反省 を 込めて 語る 。 災害 に 強い 国土 を 造り 、 地震 予知 を 実現 さ せる こと は 地震 に 悩む 他 の 国 に も 役立つ 。 石橋 さん の ような 発言 する 学者 が 輩出 する こと を 願う と ともに 、 利便 性 を とことん 追求 する 姿勢 を 改めて いき たい 。 公正 取引 委員 会 が 電機 メーカー 九 社 を 悪質な 独占 禁止 法 違反 で 刑事 告発 した 。 独禁 法 に 基づく 刑事 告発 は 、 一九九三 年 の シール 談合 告発 以来 二 年 ぶり 、 九〇 年 に 日 米 構造 協議 を 受けて 公取委 が 独 禁 政策 強化 の 一環 と して 刑事 告発 を 積極 的に 行う こと を 表明 して 以来 三 件 目 である 。 九 社 は 日本 下水 道 事業 団 発注 の 下水 処理 システム の 電気 関係 設備 の 受注 に あたり 、 談合 に よって 受注 工事 を 配分 して いた と いう 。 談合 は 相当 以前 から 行わ れて いた と 推定 さ れる が 、 告発 は 証拠 が 明らかな 九三 年度 分 に ついて 行わ れた 。 独禁 法 に 基づく 刑事 告発 は 、 違反 行為 が 国民 生活 に 広範な 影響 を 及ぼし 、 しかも 違反 が 繰り返さ れる と いった 悪質な もの に 対して 行わ れる 。 その 基準 から して も 今回 の 事件 は 極めて 悪質であり 、 刑事 告発 に 十二分に 値する 。 事件 に は 、 日本 の 基幹 産業 を 担う 、 国際 的に も 名 の 知ら れた 大 企業 が 名 を 連ねて いる 。 これ ら 有力 企業 は 、 経済 的に も 社会 的に も 大きな 影響 力 を 持つ 。 そうした 企業 が 経済 の 基本 ルール を 侵した 責任 は 、 厳しく 問わ れ なければ なら ない 。 談合 は 遅く と も 八九 年 ごろ から 行わ れて いた と いう が 、 日本 の 独禁 政策 は 九〇 年 を 境 に 大きく 転換 した 。 独禁 政策 の 強化 が 打ち出さ れ 、 違反 行為 に 対する 課徴金 や 刑事罰 が 強化 さ れ 、 長年 行わ れ なかった 刑事 告発 も 発動 さ れた 。 それ に 伴い 、 「 悪 」 と して の 談合 や カルテル へ の 認識 も 深まった はずだ 。 そうした 中 で 、 あえて 談合 を 繰り返して きた こと は 、 著しく 順法 精神 に も とる 行為 だった と 言わ ざる を 得 ない 。 特異な こと は 、 発注 者 である 下水 道 事業 団 自体 が 談合 を 指導 したり 、 工事 の 予算 額 や 落札 予定 価格 を 受注 者 に 知らせたり して いた 疑い が 濃厚な こと だ 。 国民 の 税金 を 執行 する 者 と して あるまじき 振る舞い である 。 検察 庁 は 、 事業 団 が 何 を 演じた か を 国民 の 前 に えぐり出して ほしい 。 私 たち は 、 日本 の 代表 的な 企業 に よって このような ルール 違反 が 行わ れた こと を 極めて 遺憾に 思う 。 この こと は 日本 の 企業 社会 の 談合 体質 が いかに 根深い もの か を 示して いる 。 独禁 法 違反 事件 と して 露見 する の は 氷山 の 一角 に 過ぎ ず 水面 下 で は 類似 の 行為 が 広く 行わ れて いる に 違いない と の 疑い を 、 残念 ながら 打ち消す こと は でき ない 。 こうした 事態 を 改善 する ため に は 、 一つには 独禁 政策 を さらに 強化 する こと が 必要だろう 。 刑事罰 の 罰金 は 引き上げ られて 一億 円 と なった が 、 米国 の 十億 円 に 比べれば 軽く 、 しかも 米国 で は 年間 約 八十 件 も の 刑事 訴追 が 行わ れて いる のに 、 日本 で は 五 年 で 三 件 に 過ぎ ない 。 行政 改革 の 大きな 流れ の 中 でも 、 少なくとも 公取委 の 強化 は 積極 的に 考える べき 課題 だろう 。 しかし 、 最も 重要な の は 、 企業 経営 者 の 意識 改革 である 。 今回 の 事件 は 、 独禁 法 の 理念 である 「 自由で 公正な 競争 」 に 対する 認識 が 日本 の 企業 社会 で は 、 まだまだ 足りない こと を 示した 。 認識 不足 は 何より も 企業 経営 者 の 問題 であり 、 今回 の 事件 を 引き起こした 企業 の 最高 首脳 は 自ら の 責任 を 明らかに す べきである 。 同時に 、 日本 の 企業 社会 全体 が 今回 の 事件 を 一罰百戒 的に 重く 受け止め 、 市場 経済 の 原則 である 「 自由で 公正な 競争 」 に 対して 、 改めて 姿勢 を 正す よう 望み たい 。 十二億 の 人口 、 五十六 の 民族 を 抱える 中国 は いま 「 ポスト トウ 小平 時代 」 と いう 不確実な 時代 の 入り口 に さしかかって いる 。 五 日 開幕 した 中国 全国 人民 代表 大会 で の 政府 活動 報告 は 、 この 不確実な 時代 を 前 に 、 江 沢民 国家 主席 、 李 鵬 首相 ら 「 第 三 世代 」 指導 部 が これ まで 以上 に 慎重に 国家 を 運営 しよう と して いる こと を うかがわ せる 内容 と なった 。 報告 を 貫く 基調 は 、 もはや 最高 実力 者 、 トウ 小平 氏 が 提唱 して きた ような 大胆な 市場 経済 導入 や 高度 成長 路線 で は ない 。 貧富 の 格差 、 地域 格差 、 腐敗 、 治安 の 悪化 など すでに 噴出 して いる 諸 矛盾 の 解決 に 注意 を 払い 、 市場 へ の 管理 を 強め 、 より 穏健な 改革 、 より バランス の 取れた 安定 成長 を 目指そう と して いる 。 中国 経済 は 過去 三 年 連続 で 一一 % 以上 の 高度 成長 が 続き 、 経済 が 過熱 、 物価 上昇 率 は 二一・七 % と 過去 最悪に なった 。 庶民 の 不満 は 爆発 寸前 だ 。 李 鵬 報告 が 今年 の 成長 率 目標 を 八 ― 九 % と 昨年 の 目標 より 低 めに 設定 、 物価 上昇 率 に ついて も 一五 % と 達成 可能な 目標 に 定めた こと は 妥当な 判断 と いえよう 。 社会 主義 市場 経済 体制 に ついて も 、 今 世紀 末 まで に 初歩 的に 確立 する 目標 は 確認 した が 、 同時に それ を 完全な もの に する に は さらに 二 、 三十 年 を 要する と 長期 戦 の 構え だ 。 焦ら ず 、 じっくり 、 中国 の 国情 に も 合った 市場 経済 モデル を 模索 し 、 軟 着陸 しよう と いう 考え 方 だ 。 国有 企業 に ついて も 国民 経済 の 支柱 であり 、 国家 の 主要 財源 と 改めて 位置づけた 。 改革 の 中 で 私物 化 さ れ かかって いた 国有 資産 の 保全 を 図ろう と も して いる 。 大半 が 赤字 体質 の 国有 企業 改革 に ついて は 、 国家 に よる 持ち株 会社 制度 など 新しい 実験 も 始めよう と して いる が 、 同時に 改革 は 数 年 がかり で やる と いう 。 昨年 の 報告 に は なかった 「 長期 赤字 企業 の 破産 」 を ちらつかせて いる の は ショック 効果 を 狙った の かも しれ ない 。 実際 に は 黒字 だ が 税金 対策 で 赤字 決算 する 企業 も 増えて いる から だ 。 これ まで の 国有 企業 依存 型 の 社会 保障 制度 に 代わる 新しい 社会 保障 システム が 確立 さ れる まで は 、 失業 者 の 増加 は 天安門 事件 より 深刻な 動乱 の 原因 に なり かね ない 。 失業 者 が 増えれば 西側 諸国 でも 社会 は 不安定に なる 。 この ほか 税制 改革 で は 高額 所得 者 から の 徴税 に 重点 を 置く こと 、 発展 に 取り残さ れた 中 西 部 、 少数 民族 地区 へ の 支援 を 強化 する こと を これ まで に なく 強調 して おり 、 格差 是正 の 姿勢 を 鮮明に した 。 トウ 小平 氏 の 「 先に 一部 の 地域 、 人々 を 豊かに する 」 政策 の 事実 上 の 修正 と いえる 。 二十一 世紀 まで の あと 五 年間 、 中国 が 「 ポスト トウ 小平 時代 」 の 過渡 期 を 無事に 乗り切り 、 着実に 安定 して 発展 して いく こと は 、 周辺 諸国 に とって も 好ましい 。 その 意味 で は 李 鵬 報告 が 示す 安定 成長 、 穏健 改革 路線 は 積極 的に 評価 して よい 。 ただし 懸念 材料 が ない わけで は ない 。 軍 に よる 海洋 権益 の 防衛 を 改めて 宣言 した ことだ 。 昨年 の 報告 に は なかった 表現 だ 。 ベトナム や フィリピン など 周辺 諸国 と 領有 権 を 争う 南沙 諸島 問題 を 念頭 に 置いて いる のだ と すれば 時代 に 逆行 する 動き と いう しか ない 。 中国 の かねて の 主張 である 「 論争 棚上げ ・ 共同 開発 」 の 早期 実現 に 向けて 外交 努力 を 急ぐ べきだ 。 A ・ ビアス の 「 悪魔 の 辞典 」 風 に いう なら 、 さしずめ 政党 と は 「 政治 を 限りなく つまらなく する ため の 談合 組織 」 な のだろう か 。 目前 に 迫った 統一 地方 選 最大 の 焦点 は 東京 ・ 大阪 両 知事 選 だ が 、 その 候補 者 選び で 演じた 政党 の 役割 は 有権者 に 背 を 向けた まま 「 相乗り 」 あるいは 「 総 与党 化 」 シンドローム に 陥って いた と しか 評し よう が ない のである 。 東京 都 で は 石原 信雄 前 官房 副 長官 が 自社 など 都議 会 与党 の 相乗り 候補 と して 担ぎ出さ れる こと が ほぼ 確定 、 大阪 府 でも 非 共産 オール 与党 の 枠組み を 維持 する こと が 大 前提 に なって しまって いる 。 国政 と は 異なり 地方 自治 レベル で は 極力 広い 支持 基盤 を 持つ 方 が やり やすい と さ れて きた 。 さらに は 阪神 大 震災 の 教訓 から 危機 管理 が 行政 の 大 命題 に なって きて おり 、 石原 氏 の ような 行政 手腕 に 定評 の ある 手堅い 人物 に 白羽 の 矢 が 立つ と いう 事情 も 十分 わかる 。 従って 、 あながち 総 与党 化 を 否定 する もの で は ない が 、 こう まで 各 政党 が 露骨に 相乗り を 模索 した の は 野党 に 転落 して 冷や 飯 を 食う こと へ の 恐怖 感 から と しか 思え ない 。 東京 都 の 場合 、 早々 と 立候補 表明 した の が 共産党 推薦 の 黒木 三郎 ・ 早大 名誉 教授 だった が 、 その後 、 大前 研一 ・ 平成 維新 の 会 代表 、 岩國 哲人 ・ 島根 県 出雲 市 前 市長 、 上田 哲 前 衆院 議員 、 青島 幸男 参院 議員 ら が 続々 と 名乗り を 上げ 、 新進党 の 鳩山 邦夫 ・ 前 労 相 の 擁立 論 も 土壇場 まで くすぶって いた 。 十二分 過ぎる ほど の 選択肢 だ が 、 都議 会 各 党 の 各 会派 に は 次期 知事 の 下 でも 与党 で あり 続け たい と の 思い ばかり が 先行 した 。 殊に 自民 に 次ぐ 都議 会 第 二 党 の 公明 が 「 自 公 」 主軸 など 三 原則 を 盾 に した ため 、 独自 候補 擁立 を 探った 新進党 と の ねじれ も そっちのけ に 「 勝てる 候補 」 擁立 に 走り 、 他党 も これ に ほんろう さ れた ようだ 。 一方 の 大阪 府 で は 、 もっと あからさまに 「 非 共産 オール 与党 」 態勢 の 堅持 が 優先 した 。 いち早く 共産党 が 弁護 士 の 小林 勤武 氏 を 擁立 した が 、 与党 側 は 相乗り できる 候補 探し で 右往左往 。 極論 すれば ヤミ 献金 事件 で 再選 断念 の 中川 和雄 知事 時代 の 与党 の 枠組み さえ 維持 できれば 、 候補 者 は 二の次 と しか 思え ない ような 混乱 が 続いて いる 。 「 支持 政党 なし 」 が “ 比較 第 一 党 ” に なって 久しい 。 盤石 に みえる 政党 の 組み合わせ も 無党派 の 反逆 に あえば 簡単に 敗退 する こと は 、 四 年 前 の 山梨 県 知事 選 で 「 反 金丸 派 」 を 標榜 した 天野 建 氏 が 自 社 公民 四 党 推薦 候補 を 破った こと を 嚆矢 に 、 市町村 長 レベル まで 広げる と 枚挙 に いとま が ない ほど だ 。 一 件 落着 の はずの 東京 で 「 もし 無党派 連合 が できれば 、 オール 与党 でも かなわない かも しれ ない 」 と の 危惧 が 、 ほかなら ぬ 与党 の 中 から ささやか れ 始めた が 、 こんな 心配 は 遅 過ぎる ので は ない か 。 それ に 擁立 まで の 事情 が 事情 だけ に 、 肝心の 与党 側 から は 政策 の セ の 字 も 聞か れ ない 。 詳述 する 余裕 は ない が 、 厳しい 財政 状況 下 で の 都政 、 府政 の 在り 方 が 今 問わ れて おり 、 地震 対策 も 焦眉 の 急だ 。 「 勝てる 候補 」 「 相乗り できる 候補 」 探し より 、 向こう 四 年間 の 都政 や 府政 の ビジョン が 肝心だった はずだ 。 その ツケ を 有権者 が 払 わさ れて は たまらない 。 もう そろそろ 円安 に 転じる と いわ れて 、 ずいぶん 時 が たった 。 現実 に は 依然 円高 が 続き 、 史上 最 高値 を 更新 して いる 。 円高 で は なく 、 「 ドル 全面 安 だ 」 「 マルク の 連れ 高 だ 」 と 言って も 始まら ない 。 ドル安 ・ 円高 ・ マルク高 で どこ が 一 番 困る の か と 言えば 、 やはり 日本 が 貧乏 くじ を 引いて いる 感じ である 。 ドイツ は マルク高 を 受け入れて いる 。 米国 の 株 が 史上 最高の 水準 で 、 はた で 「 ドル 危機 」 と 言って も 、 米 当局 は 人ごと の 感じ が する 。 二十 カ国 近い 中央 銀行 が ドル買い の 協調 介入 を した が 、 ドル安 の 動き を 止める こと は 出来 なかった 。 それ も その はず で 、 投機 資金 を 含めて 、 一 日 の 為替 市場 で ドル の 取引 は 世界 で 一兆 ドル に も 上る 。 中央 銀行 が 一 日 で 十億 ドル 、 二十億 ドル 程度 の 介入 を して も 、 流れ を 変え させる こと は 難しい 。 介入 の 効果 が ない と する と 、 先進 国 間 の 金利 調整 しか ない が 、 米国 は メキシコ 通貨 危機 の 関係 から 金利 を 上げる の は 難しい 。 ドイツ も 金利 を 下げる 立場 に ない 。 結局 、 日銀 の 金利 低め 誘導 が 、 今 できる 唯一 実効 的な 手段 であろう 。 一方 、 円高 の 背景 に は 、 投機 資金 の 行き過ぎ が あり 、 放置 して おく の が 賢明 と の 見方 も ある 。 ドル が 持ち 直す に は 、 米国 の 過剰 消費 、 貯蓄 不足 を 直さ ねば なら ない 。 つまり 、 財政 赤字 を 解消 し なければ なら ない 。 だが 、 米国 民 は 馬耳東風 で 、 いくら 言って も 直し そう も ない 。 二十四 年 前 に ドル と 金 と の 交換 性 を 停止 して 以来 、 ドル は ペーパーマネー と なった 。 輪転機 を 回して ドル を 印刷 して 世界 に 垂れ流し を して いる 限り 、 ドル の 減価 は 必然 である 。 八 年 前 の ブラックマンデー で ニューヨーク 株式 が 大 暴落 した 時 、 米 当局 は ドル の 減価 に 神経質に なり 、 財政 赤字 の 削減 に 一 時 は 真剣に なった 。 ドル安 が 株価 、 金利 、 インフレ に 跳ね返ら ない 限り 、 米国 人 は ドル に 気 を 掛け ない もの らしい 。 だが 、 市場 の 法則 は 貫徹 し 、 いつ の 時点 か で 、 ドル 危機 が 表面 化 し 、 米 当局 が 慌てる 場面 が ある もの な のである 。 国際 通貨 の 混乱 は 、 すでに 欧州 を 中心 に 広がって おり 、 アジア へ の 波及 も 心配だ 。 十 年 前 の プラザ 会議 の 時 に 、 一 ドル = 二四二 円 だった 円 相場 は 、 九二 円 まで なった 。 だが 、 この 間 、 内外 価格 差 は それほど 進ま ず 、 外 に 強く 内 に 弱い 円 の 体質 は 変わって い ない 。 その こと は 電気 、 ガス 料金 ひと つ とって も 分かる 。 役人 は やる 気 なく 、 消費 者 向き の 行政 は 掛け声 だけ に 終わって いる 。 貯蓄 超過 、 経常 黒字 と 日本 の 経済 は 健全 そうに 見える 。 だが 、 一八七〇 年 半ば から 世紀 末 に かけて 、 英国 経済 は 同じ 貯蓄 超過 、 経常 黒字 の 中 で 、 株価 が 二十 年 以上 も 下がり 続け 、 産業 が 空洞 化 して 、 大 恐慌 に 陥った 歴史 が ある 。 「 先進 国 の ワナ 」 と 言って 、 成功 した が ゆえ に 、 構造 的な 環境 変化 に 適応 でき ない ケース な のである 。 英国 は この 間 、 調整 に 遅れた ため 、 重 化学 工業 の 発展 は 、 ドイツ 、 米国 に 先 を 越さ れ 、 七 つ の 海 を 支配 した 大 英 帝国 の 没落 に 直結 する のだ 。 日本 も 大 戦略 を 立て ねば 、 二十一 世紀 に は 、 繁栄 を 見 ない まま 没落 する 。 今 は その 分岐 点 に ある 。 日本 と 米国 、 韓国 の 三 カ国 は 九 日 、 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 の 軽水 炉 転換 を 支援 する 朝鮮 半島 エネルギー 開発 機構 を 正式に 発足 さ せる 。 昨年 十 月 に まとまった 米 朝 の 基本 合意 文書 は 「 米国 は …… 軽水 炉 プロジェクト へ の 出資 と 供給 の ため 国際 事業 体 を 設立 する 」 と 明記 して いる 。 開発 機構 は 、 この 合意 に 従い 組織 さ れた 。 米 朝 合意 の 順調な 進展 と して 、 同 機構 の 設立 を 歓迎 し たい 。 米 朝 合意 に は 、 軽水 炉 供給 契約 が 四 月 二十一 日 まで に 「 締結 さ れる よう 努力 する 」 と 、 うたわれて いる 。 この ため 米国 は 機構 を 代表 し 、 北朝鮮 と 軽水 炉 供給 契約 を 結ば なければ なら ない が 、 現状 で は 期限 に 間に合い そう も ない 。 これ は 、 クリントン 大統領 が 中間 選挙 前 の 合意 を 急いだ ため に 、 具体 的な 支援 範囲 を 詰め なかった から であり 、 米国 の 失態 と いえよう 。 軽水 炉 の 形式 を めぐって は 、 「 韓国 型 」 を 主張 する 日 米 韓 三 国 に 対し 、 北朝鮮 は 「 韓国 型 は 安全 性 に 疑問 が ある 」 と して 反対 して いる 。 しかし 、 韓国 が 資金 の 大半 を 拠出 する 以上 、 最終 的に は 、 北朝鮮 も 韓国 型 を 受け入れる 見通し だ 。 ただ 、 コンテナ 埠頭 建設 など で 譲歩 を 引き出す ため の 駆け引き と して 、 主張 して いる に 過ぎ ない と みて いい だろう 。 だが 、 米 朝 両 国 が 供給 契約 締結 に こぎつける に は 、 なお 時間 が かかろう 。 交渉 決裂 寸前 まで 事態 は 緊迫 する かも しれ ない 。 北朝鮮 は 、 期限 まで に 合意 に 達し なければ 、 実験 炉 の 凍結 解除 ・ 運転 再開 など を 通告 して くる だろう 。 KEDO の 発足 は 、 米 朝 合意 の 前進 を 意味 する もの である 。 だが 、 日本 政府 の 対応 に 疑義 が なかった わけで は ない 。 なお きちんと 説明 さ れて い ない 問題 を 、 少なからず 残して いる 。 まず 、 軽水 炉 転換 支援 の 資金 は 、 韓国 と 日本 が 負担 する こと に なって いる 。 なぜ 米国 は 軽水 炉 支援 に 資金 を 提供 し ない の か 。 日本 政府 は 米国 に 資金 提供 を 求め なかった のだろう か 。 軽水 炉 転換 支援 へ の 日本 の 負担 額 は 、 一千億 円 前後 と 報じ られて いる 。 巨額な 資金 である 。 この 資金 が 、 北朝鮮 へ の 融資 な の か 無償 供与 な の かも なお 明確で は ない 。 これ に ついて は 、 「 日本 の 安全 保障 の ため の コスト 」 と 説明 さ れて いる だけ だ 。 北朝鮮 に 、 核 開発 を やめ させる 安全 保障 の コスト と して 仕方 が ない と いう の なら 、 日本 に 届く と いわ れる ミサイル 開発 こそ 問題 である 。 その 開発 中止 に も 言及 す べきで は なかった か 。 米国 の ガルーチ 首席 代表 は 、 北朝鮮 と の 交渉 経過 に ついて 、 折 に 触れ 記者 会見 を 行い 議会 の 公聴会 でも 説明 し 、 国民 に 開か れた 外交 を 展開 して いる 。 外務 省 も 、 北東 アジア の 安全 保障 と 将来 を 見通した 対 北朝鮮 戦略 を 明らかに し 、 KEDO 参加 が どのように 位置づけ られる の か 、 国民 に きちんと 説明 す べきである 。 貧し さ を 減らし 、 雇用 を 広げ 、 差別 を なくして 社会 の 統合 と 安定 を 図ろう 。 それ が 冷戦 後 の 社会 に 本当の 安全 を もたらす 道 である 。 デンマーク の 首都 コペンハーゲン で 国連 が 開催 中 の 「 社会 開発 サミット 」 の 目的 を 私 たち は 強く 支持 する 。 約 百三十 カ国 の 政府 代表 に よる ハイレベル 会議 が 六 日 から 「 宣言 」 と 「 行動 計画 」 の まとめ に かかり 、 十二 日 に 首脳 会議 で 採択 さ れる 。 村山 富市 首相 は 、 日ごろ 主張 する 「 人 に やさしい 政治 」 が どのような 具体 策 を 伴う もの か を 、 首脳 演説 で 明らかに して ほしい 。 途上 国 の 社会 開発 に 欠かせ ない 政府 開発 援助 の 、 金額 で は 世界 一 の 日本 の 代表 と して 、 新しい 理念 と 実践 策 を 明快に 述べて いただき たい 。 社会 開発 と は 経済 の 発展 に 伴い 、 貧富 の 差 が 広がり 、 社会 的な 弱者 が のけもの に さ れて いく ひずみ を 正し 、 社会 の 公正な 発展 を 図る 試み である 。 冷戦 時代 の 軍備 と 力 の 政治 に 代わる 、 新しい 価値 、 秩序 づくり 、 本物 の 安全 保障 へ の 努力 が 社会 開発 に は こめ られて いる 。 冷戦 下 で ないがしろに さ れて きた 環境 問題 や 人権 、 人口 など を 課題 に 開か れた 一九九二 年 の 「 環境 開発 会議 」 、 九三 年 の 「 人権 会議 」 、 九四 年 の 「 人口 開発 会議 」 と 「 社会 開発 サミット 」 は 同じ 性格 の 国際 会議 である 。 宣言 が 前文 で 「 人類 の 幸福に 第 一 の 優先 順位 を 置いた 史上 初 の サミット 」 と 述べて いる の も うなずける 。 だが 、 現実 は 一億二千万 人 が 失業 し 、 十億 人 が 極貧 に あえぐ 。 困難な 課題 は 果てしなく 、 希望 の ありか は 定かで は ない 。 「 宣言 」 案 が なか でも 貧困 、 雇用 、 社会 の 統合 を 重視 して いる の は 生命 、 安全 を 脅かし 、 社会 に 亀裂 を もたらして いる 問題 である から だ 。 貧困 克服 の 方向 と して 、 ODA の 供与 国 と 世界 銀行 など 国際 金融 機関 が 、 途上 国 の 食糧 生産 、 基礎 教育 、 住居 など 暮らし の 土台 づくり を 支援 する よう 求めて いる 。 その 財源 と して 「 人間 開発 の 20 対 20 契約 」 、 すなわち 途上 国 政府 予算 の 二〇 % と ODA の 二〇 % を 社会 開発 に 投資 すれば 足りる 、 と さ れて いる 。 巨額の 防衛 費 が 費やさ れ 、 二 国 間 贈与 の わずかに 七 % が 人間 開発 に 向け られて いる 現状 を 、 どう 改めて いく か が 問わ れて いる 。 ダム や 港湾 設備 など 産業 基盤 へ の 投資 に 偏り がちな 日本 の ODA の 在り 方 を 再考 する きっかけ と し たい 。 雇用 の 創出 は 世界共通の 緊急 課題 である 。 「 宣言 」 は 国 内 貯蓄 を 、 雇用 を 創出 する 生産 的な 投資 へ 向け 、 税制 を 公平に し 、 軍事 費 を 減らす よう 求めて いる 。 まず 私 たち の 足元 から 取り掛から ねば なる まい 。 「 宣言 」 は 構造 調整 融資 に よる 途上 国 の 社会 へ の 影響 も 指摘 して いる 。 国際 通貨 基金 、 世銀 に よる 産業 の 構造 調整 融資 は 、 緊縮 政策 に よる 財政 再建 や 民営 化 に よる 市場 競争 の 促進 を 条件 と して いる 。 この ため 社会 的な 弱者 や 貧困 層 に 社会 保障 水準 の 低下 、 失業 など を もたらす と の 批判 である 。 米国 に 次ぐ 世銀 、 IMF の 出資 国 と して 日本 は 問題 点 に 答え なくて は なら ない 。 社会 の 統合 を 図る に は 、 さまざまな 差別 を なくさ なくて は なら ない 。 人権 を 保護 し 、 差別 を 撤廃 する 条約 を 率先 して 批准 し 、 国 内 法 で 誠実に 実践 して いき たい 。 乱脈 経営 で 破たん した 東京 協和 、 安全 の 両 信用 組合 を 救済 する 東京 共同 銀行 設立 問題 で の 証人 喚問 が 九 日 、 衆院 予算 委員 会 で 行わ れた が 、 一言 で 言えば 隔靴掻痒 、 実態 解明 に ほど遠い 歯がゆい ばかりの 質疑 に 終始 した の は まことに 遺憾である 。 質問 する 側 に 独自の 調査 に 基づいた 資料 、 情報 が なく 、 新聞 報道 や 週刊 誌 を よりどころ に お座なりの 質疑 を 繰り返す ので は 、 著しく 迫力 を 欠く の も 道理 である 。 明らかに 材料 不足 であり 、 単なる “ 政治 ショー ” の 意味 合い しか 持た ない 証人 喚問 ならば 証人 喚問 の 名 に 値し ない 。 事 は 、 乱脈 融資 で 合わせて 約 一千百億 円 も の 焦げ付き を 出し 、 経営 破たん に 陥った 両 信 組 を 救済 する ため に 日本銀行 は 二百億 円 を 出資 し 、 東京 都 は 三百億 円 を 低利 融資 する 、 つまり 国民 、 都民 の 税金 を 乱脈 経営 の 限り を 尽くした 信 組 の ツケ 払い に つぎ込もう 、 と いう 話 である 。 世論 の 憤激 の 前 に 、 都 は 支援 策 を 当面 棚上げ に した が 、 大蔵 省 と 日銀 は 支援 の スキーム を 崩さ ず 、 国会 で の 証人 喚問 を クリア できれば 東京 共同 銀行 設立 の 既定 路線 を 推し進める 腹 構え の ようだ 。 従って 今回 の 証人 喚問 の 持つ 意義 は 極めて 重要であり 、 質問 者 は 徹底 的に 納税 者 の 立場 に 立って 、 なぜ 乱脈 経営 の 信 組 救済 に 公的 資金 を つぎ込ま なければ なら ない の か 、 乱脈 経営 の 実態 、 救済 スキーム づくり の 経緯 など に ついて 真相 を 解明 する 義務 が あった 。 国民 も それ を 期待 し 、 注視 した が 、 完全に 裏切ら れた 。 連立 与党 側 は 監督 責任 を 厳しく 追及 さ れて いる 大蔵 省 、 日銀 を 抱える 一方 、 救済 シナリオ づくり へ の 関与 を 取りざた さ れる 政治 家 の 影 も ちらついて いる 。 また 、 野党 の 新進党 に は 東京 協和 信 組 の 前 理事 長 、 高橋 治則 氏 と の 深い 交友 がらみ で 疑惑 を 持た れて いる 複数 の 政治 家 が いる 。 お互いに スネ に 傷 を 持つ 者 同士 、 統一 地方 選 を 控え 、 なれ合い で 国民 向け に 信 組 救済 問題 追及 の ポーズ を 取った のだ 、 と すれば とんでもない こと である 。 極めて 収穫 に 乏しい 証人 喚問 で は あった が 、 両 信 組 の 乱脈 経営 の 輪郭 は おぼろげで は ある もの の 明らかに なった し 、 高橋 氏 と 政治 家 、 官僚 と の 社会 通念 を はみ出した 交友 ぶり 、 公私 混同 の 異常な 融資 の 一端 も 明らかに さ れた 。 また 、 両 信 組 を 管理 下 に 置いた 日本 長期 信用 銀行 が なぜ 野放図な 融資 を 認めた の か 、 信 組 から の 経営 報告 を 受け ながら 適正な 指導 を 怠った 都 の 監督 責任 など 疑惑 は 一層 深まった 、 と いえよう 。 十六 日 に は 参院 予算 委 で 三重野 康 ・ 前 日銀 総裁 、 堀江 鉄弥 長 銀 頭取 に 対する 参考人 招致 が 予定 さ れて いる が 、 政治 に 対する 国民 の 信頼 を つなぎとめる ため に も 国会 で の 徹底 した 真相 解明 の 努力 を 求めて おき たい 。 証人 喚問 の 際 の テレビ 中継 に ついて も 注文 して おき たい 。 国民 注視 の 証人 喚問 であった に も かかわら ず 今回 も テレビ 中継 は 静止 画像 だった 。 私 たち は かねて 国民 の 知る 権利 を 守り 、 テレビ を 通じて 視聴 者 が 的確な 判断 材料 を 得る ため に も 喚問 中 の ナマ 放映 を 解禁 する よう 主張 して きた が 、 自民党 や 新進党 は 「 党 内 で 検討 中 」 など と して 結論 を 先 延ばし して きた 。 次回 の 喚問 から 動画 中継 を 実現 する よう 早急に 衆 参 両院 の 議 運 委 で 協議 し 、 結論 を 出す べきだ 。 阪神 大 震災 の 被災 者 へ の 義援 金 総額 が 一千百億 円 を 超えた 。 災害 義援 金 と して は 過去 最高 だ 。 国 内 外 から の 熱い 支援 の 気持ち の 表れ である 。 しかし 、 被災 者 へ の 配分 作業 が 遅れて いる 。 損壊 家屋 の 被害 判定 で 、 自治 体 と 被災 者 が もめて いる の が 主な 原因 だ 。 「 当座 の 生活 の 支え 」 と いう 義援 金 の 持つ 意義 を 考えれば 、 憂慮 す べき こと である 。 第 一 次 配分 は 、 死者 ・ 行方 不明 者 と 家屋 の 全 ・ 半壊 に それぞれ 十万 円 を 一律 支給 して いる 。 兵庫 県 を はじめ 兵庫 、 大阪 の 日赤 支部 、 共同 募金 会 、 各 マスコミ など 二十九 団体 で 構成 する 義援 金 募集 委員 会 が 窓口 に なり 、 大阪 府 を 含む 被災 地 の 自治 体 へ 既に 約 三百億 円 を 配分 した 。 トラブル は 、 罹災 証明 書 に 記さ れた 家屋 被害 の 判定 を めぐって 相次いだ 。 支給 対象 外 の 「 一部 損壊 」 と 判定 さ れた 被災 者 から の 不服 申し立て だ 。 再 調査 を 余儀なく さ れ 、 神戸 市 など で は 、 先月 初旬 から 始めた 第 一 次 配分 の 支給 も 終えて い ない 。 この ため 、 募集 委員 会 も 残る 八百億 円 余りに ついて 第 二 次 以降 の 配分 に 踏み切れ ないで いる 。 せっかく の 善意 が 宙 に 浮いて いる 格好だ 。 全壊 、 半壊 、 一部 損壊 の 区分 に ついて は 総理 府 の 統一 基準 が あり 、 損害 程度 を 屋根 、 壁 など ごと に 百分率 で 表示 して いる 。 これ が 市町村 に 徹底 さ れて おら ず 、 判定 基準 が 自治 体 に よって 違う こと も 問題 化 した 。 被災 家屋 が 多い こと や 、 人手 と 時間 不足の ため 、 外観 から の 調査 で 済ませた 自治 体 も あった 。 あの 混乱 の 中 で 、 行政 の 力 に も 限界 が あった こと は 認める 。 だが 、 同じ 被害 な のに 地域 に より 異なる 判定 が あった と したら 、 被災 者 の 気持ち が 収まら ない の は 当然だろう 。 罹災 証明 書 は 、 義援 金 ばかり で なく 、 県 の 災害 援護 金 や 保険 金 の 支払い 、 それ に 減 ・ 免税 の 査定 資料 に も なる 。 当該 自治 体 に は 被災 者 の 立場 を 考えた 公平な 再 調査 を 求め たい 。 とはいえ 、 義援 金 の 支給 は 遅らせて は いけない 。 一 次 配分 で もめて いる 分 は 一 時 棚上げ して でも 、 速やかに 二 次 配分 の 作業 に 着手 す べきだ 。 着のみ着のまま 避難 生活 を 送る 人々 の 切実な 願い で も ある 。 一方 、 義援 金 に は 募集 委員 会 で 集約 した もの の ほか 、 被災 市町村 に 直接 送ら れた もの も 多額に のぼる 。 この 取り扱い が 注目 さ れた が 、 一部 の 自治 体 を 除き 、 募集 委員 会 で 一本化 した うえ で 再 配分 する こと で 調整 が ついた 。 「 個々 に 配る と 、 額 に 差 が 出て 不公平だ 」 と の 理由 だ 。 被災 者 の 心情 を くんだ 適切な 判断 と 言えよう 。 募集 委員 会 は 、 近く 第 二 次 配分 に ついて 話し合い 、 支給 基準 や 方法 を 新たに 決める 。 そこ で 、 一 つ 提案 を して おく 。 支給 対象 の 枠 を もっと 広げて もらい たい 。 死亡 者 の ほか 、 重症 の 入院 患者 に も 一 定額 を 支給 して は どう だろう 。 扶養 家族 の 多い 被災 世帯 や 高齢 者 世帯 へ の 配慮 も ほしい 。 義援 金 の 募集 は 四 月 十七 日 まで 続く 。 善意 の 額 は さらに 増え 、 第 三 次 配分 も 期待 でき そうだ 。 でも 、 被災 者 の 数 が 多 すぎ 、 北海道 ・ 奥尻 島 や 雲仙 ・ 普賢 岳 災害 時 の ような 多額 援助 は とても 無理だ 。 せめて 、 一 人 でも 多く の 被災 者 に 支援 の 心 が 行き渡る ような 配分 の 工夫 を 要望 して おき たい 。 経済 企画 庁 は 三 月 の 月例 経済 報告 で 「 わが国 経済 は 緩やか ながら 回復 基調 を たどって いる 」 と し ながら 、 阪神 大 震災 の 影響 と 円高 を 懸念 材料 と して 挙げた 。 一九九三 年 十 月 を 底 に 回復 して きた 景気 の 先行き に 早くも 注意 信号 が 点滅 し 始めた のだ 。 大 震災 で は 住居 や 道路 、 鉄道 、 港湾 など ストック の 被害 が 大きかった が 、 同 報告 で フロー の 影響 も 確認 さ れた 。 まず 個人 消費 を 見る 有力な 指標 である 全国 百貨店 販売 額 と チェーン ストア 売上高 が 一 月 、 前年 同月 比 で それぞれ 約 五 % 、 二 % 減 と なった 。 また 大手 旅行業 者 の 国 内 旅行 取扱 高 は 約 八 % 減 と いう 大きな 落ち込み を 記録 した 。 これ は 「 被災 さ れた 人 を 思う と 楽しんで い られ ない 」 と いう 自粛 ムード が 全国 的に 広がった 結果 と み られる 。 この 傾向 が 続く と 景気 を 支えて きた 個人 消費 に かげり が 出る こと が 懸念 さ れる 。 さらに 神戸 港 の 被害 に より 輸出入 が 減少 した 。 一 月 の 減少 幅 は 輸出 が 約 一一 % 、 輸入 が 約 三 % に 上って いる 。 貨物 を 他の 港湾 に 移す 動き が ある もの の 、 影響 は 相当 期間 続く と 予想 さ れて いる 。 輸出入 の 減少 は 血液 の 循環 に 支障 が 起きる ような もの で 、 経済 活動 全般 に 悪 影響 を 及ぼす こと に なる 。 一方 で 巨額の 復興 需要 が 見込めて も 、 阪神 大 震災 は 景気 の 先行き を 不透明に して しまった と いえよう 。 そこ へ もう 一 つ の 懸念 材料 である 円高 が 降ってわいた ように 日本 経済 を 直撃 した 。 一 ドル = 九〇 円 を 突破 する 円高 の 影響 は 大きく 、 経済 界 全体 が 悲鳴 を 上げて いる の は 周知 の 通り である 。 同 報告 で は 抑えた トーン で この 二 つ を 「 懸念 材料 」 と する に とどめて いる が 、 実際 は 大変な こと な のだ 。 放置 して おけば 、 景気 回復 が 終わる ばかり か 、 関東 大 震災 後 の ような 長い デフレ 経済 に 落ち込む 不安 さえ 覚える 。 では どう すれば いい か 。 残念 ながら 、 起死 回生 の 妙案 は ない 。 自粛 ムード が いつまで 続く か は 日本 人 全体 の 心 の 問題 であり 「 景気 の ため に 自粛 は やめよ 」 と は 言え ない 。 円高 も 基本 的に は ドル の 全面 安 であり 、 日本 だけ の 政策 で ストップ できる もの で は ない 。 選択肢 は 極めて 少ない のである 。 しかし 、 言う まで も なく 手 を こまぬいて いる わけに は いか ない 。 考え られる 限り の 対策 を 早急に 打ち出す 必要 が ある 。 その 際 、 大切な こと は パッケージ に する ことだ 。 金融 と 財政 を 分けて バラバラ に 対策 を 打ち出して も 効果 は 薄い 。 財政 面 の 対策 と して は 補正 予算 を 直ちに 編成 し 、 財政 事情 が 許す 限度 ギリギリ まで 復興 費 を 計上 す べきである と 考える 。 私 たち は 大 震災 直後 から 九五 年度 予算 を 組み替える こと で 財源 を ねん出 、 復興 費 に 充てる こと を 主張 して きた が 、 そう は なら なかった 。 現 時点 で は 次善 の 策 と して 、 九五 年度 予算 の 公共 事業 費 の うち 、 新規 事業 の 何 割 か を 凍結 、 復旧 費 に 回す よう 提案 し たい 。 金融 政策 で は 短期 を 中心 に 金利 の 低め 誘導 に 全力 を 挙げる べきであろう 。 公定 歩合 の 引き下げ を 巡る 議論 も 避け られ まい 。 タイミング が 遅れれば 遅れる ほど 傷 は 深く なる こと を 改めて 強調 して おく 。 不妊 の 夫婦 が 体 外 受精 で 子供 を 得る など 生殖 革命 が 進み 、 日本 初 の 遺伝子 治療 が 間もなく 北海道 大 で 行わ れる 。 このように 先端 技術 が どんどん 臨床 応用 さ れる が 、 生命 倫理 史上 に 今回 新たな ページ が 加わる 。 鹿児島 大 医学部 倫理 委員 会 が 受精 卵 の 遺伝子 診断 の 臨床 応用 を 事実 上 承認 した のだ 。 遺伝 病 の 子供 の 誕生 が 心配 さ れる 夫婦 に は 朗報 だろう 。 受精 卵 診断 で 疾患 の 原因 と なる 遺伝子 を 直接 調べる の は まだ 技術 的に 難しい 。 この ため 鹿児島 大 で は ほとんど 男性 だけ が 発病 する 血友病 と 進行性筋ジストロフィー など 三 つ の 遺伝 性 疾患 に 限り 、 受精 卵 の 性別 を 遺伝子 診断 し 、 女児 と なる 受精 卵 を 母体 に 戻す と いう 方法 を 認めた 。 どちら か が 重い 遺伝 病 の 遺伝子 を 持つ 夫婦 の 場合 、 従来 は 出生 前 診断 に 頼って いた 。 これ に は 胎児 が 大きく なって から 行う 羊水 診断 と 、 妊娠 から 十 週 前後 に 行う じゅう毛 診断 が ある 。 いずれ も 異常 と 診断 さ れる と 妊娠 中絶 に 結び付く ケース が 多い 。 中絶 は 親 に とって つらい 選択 で 、 倫理 的に も 問題 が ある 。 受精 卵 診断 は 出生 前 診断 の 延長線 上 に ある 。 今回 受精 卵 診断 を 申請 した 医師 は 「 胎児 を 診断 して 運 が 悪ければ 中絶 と いう の が 嫌な のです 」 と 動機 を 語って いる 。 受精 卵 診断 の 場合 は 、 問題 ある 受精 卵 を 使わ ない と いう 選択 を すれば よく 、 中絶 に 比べれば 親 の 心 の 負担 は 軽い 。 母体 に も 影響 し ない 。 だが 受精 卵 診断 は さまざまな 問題 を かかえる 。 一 つ は 安全 性 の 問題 だ 。 受精 卵 が 四 ― 八 個 に 分裂 した 段階 で 一 、 二 個 の 細胞 を 採って 性別 を 判定 し 、 女児 なら 残り の 細胞 を 母体 に 戻す が 、 受精 卵 を 傷付けたり し ない か と いう 心配 が ある 。 欧 米 で は 受精 卵 診断 の 臨床 応用 例 が 数十 例 あり 、 動物 実験 でも 安全 性 を 確認 した と 専門 家 は 主張 する が 、 人間 に 応用 する のに 十分 安全だ と 言える 段階 に は 達して い ない 。 受精 卵 だ から 廃棄 して いい と いう こと に も なら ない 。 生命 の もと に なる 受精 卵 を 人為 的に 選別 する こと は 自然の 摂理 に 背く し 、 遺伝 性 疾患 を 持つ 人 の 否定 や 差別 に つながる と 指摘 する 声 が 強い 。 また 受精 卵 診断 の 前提 と なる 体 外 受精 に よる 妊娠 成功 率 は 低く 、 診断 と 妊娠 の 間 に は かなり の 溝 が ある 。 卵子 の 採取 など に よる 母体 へ の 負担 も 自然の 妊娠 に 比べ 大きい 。 特殊な 方法 に よる 男女 の 産み 分け は 遺伝 性 疾患 の 子供 が 生まれる 恐れ の ある 夫婦 に 限って 日本 産科 婦人科 学会 が 認めて おり 、 受精 卵 診断 は 問題 ない と いう 指摘 が ある 。 しかし 、 受精 卵 診断 を このまま 認めた 場合 、 対象 が どんどん 広がる 可能 性 が あり 、 今 の うち に 十分 議論 して おく 必要 が ある 。 鹿児島 大 倫理 委 は 一 年 半 余 に わたって 検討 した が 、 委員 の 人選 や 審議 内容 の 公開 など の 点 で 万全だった と は 言え ない 。 遺伝子 治療 で は 積極 的に 前面 に 出た 厚生 省 も 遺伝子 診断 に ついて は 触れ たく ない 妊娠 中絶 に 絡んで くる ため 及び腰 だ 。 同 省 や 産科 婦人科 学会 など の 関連 学会 が 議論 を 深める 努力 を して も よい ので は ない か 。 受精 卵 診断 に ついて は 多く の 国民 が ほとんど 知ら ない 。 社会 的 合意 を 得る に は ほど遠い 状況 で 、 一 大学 の 承認 だけ で 済ます わけに は いか ない 。 鹿児島 大 の グループ は 臨床 応用 に は 慎重 を 期して ほしい 。 「 規制 緩和 」 と 題する 一 冊 の パンフレット が 手元 に ある 。 昨秋 、 内閣 官房 が 作成 した いわゆる 政府 広報 物 で 、 表紙 に は サブタイトル の 「 経済 いきいき 」 「 暮らし のびのび 」 と いう 文字 が 躍って いる 。 内容 は 規制 を 緩和 すれば いかに 経済 の 活力 が 増し 、 生活 が 向上 する か 「 規制 緩和 礼賛 」 で 埋め尽くさ れて いる 。 例えば 「 規制 緩和 は これ まで モノ や 情報 など を さまざまな 形 で コントロール して きた 制度 を 根本 的に 見直して 、 より オープンで 自由 、 いきいき した 経済 社会 を 実現 して いこう と する もの です 」 と 意義 を うたいあげ 、 二十一 世紀 へ 向けた 課題 と して 「 需給 調整 の 観点 から の 規制 を 全面 的に 見直す 」 など 七 つ の 柱 を 打ち出して いる 。 額面 通り 受けとる と 、 一万 件 以上 ある 規制 の ほとんど が なくなり 、 霞が関 の 中央 官庁 群 が 不必要に なる ので は 、 と 思える ほど である 。 この パンフレット の 文句 と 十 日 発表 さ れた 規制 緩和 の 中間 報告 は なんと 隔たり が ある こと か 。 中間 報告 で 最終 案 で は ない と いう 状況 を 考慮 して も 話 に なら ない お粗末 さ だ 。 同じ 内閣 の 作業 と は 信じ られ ない 、 と 言って も 言い過ぎ で は ある まい 。 「 大型 店 へ の 酒類 小売 業 免許 の 付与 基準 の 緩和 」 「 農地 転用 の 許可 権限 の 都道府県 知事 へ の 委譲 」 「 農産物 の 価格 支持 制度 の 見直し 」 「 大型 免許 の 取得 条件 の 緩和 」 など 目玉 と 見 られて いた 規制 の 緩和 は 「 実施 困難 」 と あっさり 退け られて いる 。 また 「 レンタカー に 関する 規制 の 見直し 」 「 集合 住宅 付属 駐車 場 に 関する 規制 緩和 」 など の 案件 は 「 検討 中 」 と 先 送り さ れた 。 基本 的に 実施 する 「 措置 予定 」 は 七百 件 を 超えた が 、 大半 は すでに 審議 会 など で 発表 済み の もの 。 新しく 盛り込ま れた 中 で 目 を 引く の は 、 日本 農林 規格 と 日本 工業 規格 を 国際 基準 に 合わせる 緩和 策 程度 である 。 また 注目 さ れて いた ガソリン スタンド の セルフ サービス 化 は 検討 委員 会 の 設置 を 決めた だけ で 、 実施 時期 は 白紙 と なって いる 。 実は 中間 報告 が 及び腰 に なる こと は 作業 手順 から 見て 予想 さ れて いた 。 経済 界 を 中心 に した 民間 が 規制 緩和 の 要求 を まとめ 政府 に 提出 する 。 それ を 各 省庁 に 「 措置 予定 」 「 検討 中 」 「 実施 困難 」 に 三 分割 さ せる ―― と いう やり 方 から 画期的な 緩和 策 が 出て くる はず は ない から だ 。 総論 で は 規制 緩和 を 叫ぶ 経済 界 も 規制 で 保護 さ れて いる 業界 ベース に なる と 、 既得 権益 に 必死に しがみつく 。 官僚 は 規制 緩和 すれば 仕事 が 減り 、 自ら の 存在 意義 を 否定 する こと に なり 、 消極 的な 態度 に 終始 する 。 これ が 偽ら ざる 現実 な のである 。 この 官 と 業 の 癒着 を 断ち切る の は 政治 家 しか い ない 。 政治 が 生活 者 である 私 たち の 要求 を くみ取り 、 大ナタ を 振るう しか 前進 は 望め ない 問題 な のである 。 同 報告 は 十三 日 、 海外 諸国 の 大使 館 関係 者 に 説明 、 要望 を 聞いた うえ で 可能な もの を 積み上げ 、 月 末 に 「 規制 緩和 五 カ年 計画 」 と して 閣議 決定 する 予定 と いう 。 村山 内閣 は 規制 緩和 と 特殊 法人 の 見直し を 行政 改革 の 中心 と 位置付け 「 不退転 の 決意 で 取り組む 」 と 公約 して いる 。 残さ れた 時間 は 多く ない が 今度 こそ 首相 は リーダーシップ を 発揮 して ほしい 。 「 九十 歳 の 義母 、 八十三 歳 の 父 、 八十 歳 の 母 と 同居 して 世話 を して いる 。 デイサービス の 回数 を 増やして ほしい 」 「 九十二 歳 の 母 を 介護 して いる が 、 夫 は 七十二 歳 、 私 も 七十一 歳 で 共に 病院 通い 。 だれ が 倒れて も 不思議で は ない 状態 です 」 日本 労働 組合 総連合 会 が 、 労組 員 や OB ら に 聞いた 介護 アンケート 調査 は 、 生々しい 声 の 集録 に なった 。 約 二千百 人 の 回答 は 、 まず 集計 値 と して 「 介護 の 重 さ 」 を 伝える 。 介護 期間 は 在宅 、 特別 養護 老人 ホーム など の 施設 、 病院 の すべて を 平均 して 五・八 年 。 長期 化 の 目立つ の は 老人 病院 の 六 年 や 特 養 ホーム の 七 年 余 だ 。 そんな 憎しみ の 感情 や 虐待 行為 を 責める 資格 の ある 人 が どれ だけ いる だろう か 。 介護 は 二十四 時間 とぎれる こと なく 続き 、 しかも ゴール を 望んで は なら ない 過酷な マラソン レース である 。 どんな 先導 者 や 伴走 者 を 付ける か 、 沿道 から 何 を 差し入れ 、 どう 励ます か 。 社会 的な 支え が 問わ れて いる のだ 。 アンケート の 自由 記入 欄 に 、 その 答え が 並ぶ 。 「 行政 に 相談 して も タライ 回し 」 「 介護 者 である 私 自身 が 身障 者 な ので 、 介護 講習 を 受け たい の に 断ら れる 。 障害 が あって も 教師 を 続け 、 兄弟 の 生活 も 支えて きた のに 」 「 ホーム ヘルパー が 週 二 回 の 計 四 時間 で は とても 足りない 」 「 一 時 入所 の ショートステイ を 申し込んで も 年齢 制限 と 定員 いっぱい で 断ら れる 」 「 訪問 看護 を せめて 月 二 回 に して ほしい 」 「 十 人 部屋 や 八 人 部屋 は 当たり前の 特 養 ホーム も ある 。 ベッド 間隔 は 五〇 センチ も ない 」 「 初老 期 の 痴呆 症 の 入院 施設 が ほしい 」 「 義母 は 週 に 四 日 、 デイサービス に 通い 、 私 は パート で 勤める 。 要 介護 者 と 離れる 時間 の ある の が 大変 うれしい 」 「 母 が 入った 施設 は 職員 も 設備 も 良好です が 、 自宅 から 遠く 、 もっと 便利な 場所 に 小規模な 施設 が ほしい 」 …… 。 考え込む 調査 内容 だ 。 生活 者 の 喜怒 哀楽 を 、 いわば 「 虫 の 目 」 で 見詰める 、 この 種 の 取り組み こそ 労働 運動 の 最も 大事な 役割 である 。 四 月 から 十 月 まで 時計 の 針 を 一 時間 進め 、 日照 時間 を 活用 し やすく する サマー タイム 法案 が 、 今 国会 に 提出 さ れる 見込み で 、 成立 すれば 二 年 後 に も 導入 さ れる 。 同 制度 の 導入 を 一昨年 から 積極 的に 推進 して いる 通産 省 など は 、 主な メリット と して 、 省エネ 効果 が 照明 や 冷房 で 高知 県 の 年間 電力 消費 量 に 相当 する 、 終業 時間 の 実質 的な 繰り上げ に よる 内需 拡大 を 最大 で 年間 一兆二千三百億 円 と はじき出して いる 。 サマー タイム は 、 二 度 に わたる 石油ショック 時 を はじめ 何度 と なく 検討 さ れ ながら 国民 的 合意 が 得 られ ない まま 見送ら れて きた 。 通産 省 が 今回 、 これ まで に なく 積極 的な 姿勢 を みせて いる 背景 に は 、 二〇〇〇 年 以降 の 国民 一 人 当たり の 二 酸化 炭素 排出 量 に 関する 国際 的な 公約 や 、 バブル 経済 の 崩壊 後 も エネルギー 消費 が 伸び 続けて いる 現実 、 そして 省エネ 施策 の 行き詰まり が ある 。 しかしながら 、 通産 省 が サマー タイム 効果 と 宣伝 する 省エネ 効果 や 追加 内需 は あくまで 予測 の 数字 で しか なく 、 内需 拡大 に よって 予想 さ れる 増 エネ 分 は 算定 不能 と して 除外 さ れて いる ほど である 。 サマー タイム に は 年配 者 に とって は 終戦 後 の 一九四八 年 に 導入 さ れ ながら 、 労働 界 など の 反発 から 四 年 限り で 廃止 さ れた 、 楽しく ない 記憶 が ある 。 また 子ども たち の 塾 通い の 時間 が 増え 、 サラリーマン は 明るい うち に 帰宅 する の を 嫌がり 酒 を 飲む 機会 が ふえる だけ 、 と の 指摘 も ある 。 サマー タイム 導入 に 期待 する もの が ある と すれば 、 机上 計算 の 数字 で は なく 、 とても 先進 国 と は いえ ない 私 たち 日本 人 の ライフ スタイル の 見直し 、 変革 に つなげる きっかけ に し たい 、 と いう 期待 である 。 サマー タイム が 導入 さ れて も 、 個人 や 私企業 が 個別 に 対応 する 余地 が 消える わけで は ない 。 例えば 勤務 時間 を 勤労 者 が 決める フレックスタイム と 連動 さ せたり 、 学校 の 始業 時間 を 思い切って 変えれば 、 生活 時間 の バリエーション が 広がる し 、 相変わらず の 通勤 地獄 の 解消 に も つながる ので は ない か 。 若年者 が 多い 職場 なら 始業 時間 を さらに 早める こと で 終業 後 の 余暇 も 倍増 する など 、 逆に サマー タイム に よる 一 時間 の 違い を 積極 的に 生かす 道 は ある 。 しかし 、 不況 を 脱出 した 業界 で は たちまち 時 短 に 逆行 し 、 労働 時間 が 再び 増加 して いる ような 不安定な 労働 事情 を 考える と 、 これ ら の 期待 は 心もとなく なる 。 その 前提 と なる スポーツ や 文化 活動 を 気軽に 安い 費用 で 楽しめる 公共 施設 が 完備 して い なくて は なら ない 。 弱者 に 対する 細心の 対応 も 必要だ 。 こう 考えて くる と 、 サマー タイム 導入 に は 、 期待 と 不安 が 錯綜 して いる の が 現状 である 以上 、 原案 の 四 月 最初の 日曜日 から 十 月 最後 の 日曜日 まで と いう 七 カ月 は 、 いかにも 長 すぎる 。 梅雨明け の 七 月 から 台風 の ピーク が 過ぎる 九 月 まで が 妥当な 期間 で は ない か 。 さらに 、 サマー タイム の 影響 を 見極める ため 、 まずは 三 年間 ぐらい を めど に 限定 して の 導入 は 、 どんな もの だろう 。 時間 と は 、 つまるところ 生活 である 。 百 人 の 生活 が あれば 、 サマー タイム へ の 考え も 百 通り ある 。 期間 を 縮小 して 試験 的に 導入 する 間 、 サマー タイム へ の 対応 が 個人 や 企業 など に 定着 して から 、 本格 的に 導入 を 目指して も 、 決して 遅く ない 。 早い もの である 。 特殊 法人 の 整理 ・ 合理 化 で 、 政策 金融 機関 の 見直し が 先 送り さ れて 一 カ月 を 過ぎた 。 しかも 約束 の 期限 、 三 月 末 まで 残さ れた 時間 は わずかである 。 にもかかわらず 、 与党 行革 プロジェクトチーム から は 、 何も 聞こえて こ ない 。 「 便り の ない の は いい 便り 」 など と 、 ふざけて いる 場合 で は ない 。 規制 緩和 と 並んで 、 特殊 法人 の 見直し は 、 村山 内閣 の 命運 を 左右する 重要 案件 と 銘す べきである 。 さき の 期限 延長 は 、 阪神 大 震災 に よる 検討 時間 の 不足 を 理由 に した 。 今回 は 二 信 組 の 救済 問題 でも 持ち出す と すれば 、 ますます 国民 の 嘲笑 を 買う に 違いない 。 もう あと が ない のだ 。 改めて 、 私 たち の 立場 を 示して おき たい 。 十三 ある 政策 金融 機関 の うち 、 相当 数 が 歴史 的 役割 を 終えて いる 。 ほか の 機関 で カバー できて 、 最初 から 設立 する 必要の なかった もの も ある 。 ある 機関 は 期限 を 定めて 廃止 す べきであり 、 ある 機関 は 業務 を 縮小 した あと 、 速やかに 民営 化 す べきである 。 また 複数 の ある 機関 は 、 それぞれ が 一 つ の 組織 に なって 、 効率 運営 を 目指す べきである 。 無論 、 合理 的 運営 さえ 心がければ 、 現在 の まま で それなり の 役割 を 果たして いる 機関 も ある の は 当然だ 。 判断 する 基準 は 、 政策 金融 の 役割 が 、 今 でも 必要 か どう か に かかって いる 。 国 の 行う べき 仕事 は 、 「 先駆 」 と 「 補完 」 と いわ れる 。 余りに 先駆 的で 、 失敗 が 許さ れ ない 民間 金融 に は 期待 でき ない 場合 、 また 日本 と して は やる べきだ が 、 民間 に は 採算 上 でき ない 場合 など が ある 。 だが 、 当初 は そう であって も 、 やがて 民間 金融 機関 でも 十分 可能に なって くる ケース が 少なく ない 。 むしろ これ を 放置 して おく と 、 その 政策 金融 機関 が 民間 の 銀行 と 競争 し 始める 。 より 安い 政策 金利 で 民間 の 芽 を 摘み 、 自由 経済 の メカニズム を 損なう こと も ある のだ 。 日本 開発 銀行 や 住宅 金融 公庫 など が これ に 当たる だろう 。 開 銀 や 住宅 金融 公庫 が 、 民間 銀行 から 「 低利 資金 を 武器 に 民業 を 圧迫 して いる 」 と いう 苦情 が 出て 久しい 。 開 銀 は 一九五一 年 に 「 経済 再建 」 を 目的 に 設立 さ れた が 、 その 役割 の 大半 は もう 民間 に 譲る べきだ 。 すなわち ごく 一部 の 公的 分野 で のみ 、 業務 を 続ける こと が 妥当であろう 。 また 、 住宅 金融 公庫 も 、 民間 銀行 の 融資 の パイプ が 太く なった 現在 で は 、 その あり 方 を 問い 直す べきだ 。 民営 化 を 目指す か 、 あるいは 高額 所得 者 向け 融資 を 廃止 する など 事業 分野 を 縮小 す べきで は ない か 。 この 半面 、 「 補完 」 と して の 役割 を 今後 も 果たす こと が 期待 さ れて いる 機関 も ない わけで は ない 。 日本 輸出入 銀行 の 業務 は 、 国際 協力 事業 団 や 海外 経済 協力 基金 を 通ずる 政府 開発 援助 と は 一線 を 画して いる 。 ODA は 何といっても その 原資 の 多く を 、 一般 会計 に 依拠 して いる 。 だが 、 輸 銀 は 財 投資 金 を 用いて 、 ODA より 利息 は 高い が 、 民間 より は 安い 。 まさに 海外 向け 金融 の 「 補完 」 機関 と して 、 対外 経済 交流 を 促進 して いる と いえる 。 再度 書く が 、 残さ れた 時間 は わずかである 。 与党 と 各省 は 、 明快で 合理 的な 基準 に よる プラン を 早急に 示す べきだ 。 大蔵 省 は 幹部 の 接待 問題 に けじめ を つける 処分 を 発表 した 。 当然の 処分 であろう 。 だが 、 これ だけ で 国民 の 信頼 が すぐ 回復 する わけで は ない 。 大蔵 省 を 見る 目 は 依然と して 厳しい こと へ の 自覚 が 必要で 、 修復 に は 長い 時間 が かかる だろう 。 大蔵 省 の エリート 幹部 が 、 乱脈 経営 で 破たん した 東京 協和 信用 組合 の 高橋 治則 前 理事 長 の 自家 用 機 で 香港 へ の 招待 旅行 に 行った と いう 。 エリート に は それ に 見合う 責任 と 自己 規律 が 伴わ ねば なら ない 。 全く 言語道断である 。 今回 の 接待 問題 は 、 金融 スキャンダル の 中 で 出て きた だけ に 、 金融 システム の 再建 に も 悪 影響 を もたらした 。 当局 者 へ の 不信 は 、 政策 へ の 不信 に つながった 。 こうした 不心得者 の ため に 、 大蔵 省 全体 の 権威 と 信用 が 失墜 する こと は 誠に 残念である 。 役所 柄 、 権力 志向 型 の 多い の は 仕方 が ない が 、 ひと昔 前 は 、 つましい 生活 を 苦 に せ ず 、 天下 国家 を 考える 国士 が 多く いた と 思う 。 また 、 いま でも 夜 も 寝 ないで 仕事 に 追わ れる 人 たち が 大勢 いる こと も 知っている 。 大蔵 省 の トップ 陣 に は 、 そういう 人 が まだ いる と 信じ たい 。 だが 、 モラルハザード は 金融 ばかり で なく 、 役所 に も 広がって いる ので は ない か 。 この際 、 他の 中央 官庁 や 自治 体 と も 、 他山 の 石 と して 、 綱紀 を ただす べきだ 。 戦後 、 大蔵 省 は 万 年 与党 だった 自民党 を バック に 、 政策 を 遂行 して きた 。 大蔵 省 の エリート は 、 地域 エゴ や 業界 の エゴ を 代弁 する 自民党 の 族 議員 と 駆け引き し ながら 、 国 全体 の 利益 を 追求 して きた と いう 自負 が ある だろう 。 しかし 、 五五 年 体制 の 崩壊 と 政党 の 多極 化 の 中 で 、 省 内 の 関心 は 、 何 が 正しい 政策 か を 考える より も 、 「 明日 の 国会 が 心配 」 と いう ように 、 目先 に とらわれた 政治 操縦 や 世論 操縦 の 方 に 移って いる ので は ない か 。 つまり 、 根回し の 重視 傾向 であり 、 その 結果 、 あっせん 屋 が 重宝がら れる 風潮 が 生まれて いる 。 そこ で 顔 や ネットワーク を 広げる こと が 、 大蔵 一家 の ため に なる と いう 偏った 考え が 市民 権 を 得て しまった 。 そう なる と 、 だれ と 付き合って よい の か 、 悪い の か の 線引き が 難しく 、 歯止め が なくなり 、 世間 の 常識 に 反する 私的 交際 まで に 発展 して しまった のだろう 。 ある 大蔵 省 OB は 「 昔 ほど 貧乏 して いる わけで は ない のだ から 、 自分 の カネ で 酒 ぐらい 飲めば いい じゃ ない か 。 それ より も やる こと が ほか に いっぱい ある はず 」 と いう 。 確かに 、 情報 収集 も 、 人脈 形成 も 必要だろう が 、 やり 方 は いくら で も ある 。 夜 、 料亭 で 会う より 、 昼 、 ソバ 屋 で 意見 交換 を し ながら 、 情報 を 集める こと だって できる はずだ 。 高橋 前 理事 長 の ように 、 権力 者 に 近付き 、 影響 力 の ある ように 装い たい 人物 は いっぱい いる 。 今回 、 問題 を 起こした の は 、 同期 で 一 、 二 番 を 走る エリート だけ に 、 事態 は 軽視 でき ない 。 予算 、 税制 、 金融 、 徴税 、 財政 投融資 と 大蔵 省 ほど 国民 に 責任 を 負って いる 役所 は ほか に ない 。 彼ら は 本来 、 ものごと を 全体 的に 考え 、 懸命に 勉強 して 、 国民 に 顔 を 向けて 政策 を 立案 す べき 立場 に ある 。 基本 的に は 個人 の 問題 と は 思う が 、 教訓 は 極めて 重い 。 「 反対の 人 が いる こと で 悪い 感情 が 生まれる 可能 性 が ある 」 村山 富市 首相 と デンマーク で 会談 した 韓国 の 金 泳三 大統領 は 、 戦後 五十 年 と いう 節目 を 迎え 、 先 の 大戦 を 反省 し 不戦 ・ 平和 の 決意 を 世界 に 示そう と いう 国会 で の 「 不戦 決議 」 問題 に ついて 、 こんな 懸念 を 表明 した 。 金 大統領 が 、 この 問題 に 言及 した の は 初めて の こと だ が 、 この こと は 、 もしも 日本 が 決議 問題 の 処理 を 誤ったり すれば 、 日 韓 間 だけ で なく アジア 諸国 の 反発 を 招き かね ない こと を 示唆 して いる 。 戦後 、 自民党 の 閣僚 が 何度 と なく 、 歴史 の 事実 を 否定 する ような 発言 を し 、 アジア 各国 の 抗議 を 受け 、 辞任 に 追い込ま れる と いう 悪 循環 が 続いて きた 。 連立 政権 時代 に なって も 、 羽田 内閣 の 永野 茂門 法 相 、 村山 内閣 で の 桜井 新 環境 庁 長官 が 侵略 戦争 で は なかった と いう 趣旨 の 発言 を して 辞任 した 。 過去 の 歴史 を 冷静に 反省 し 、 そこ から どう 将来 に 向けた 展望 を 切り開いて いく べき か は 、 日本 人 に とって は 重く 、 つらい 課題 である 。 被害 者 であった の と 同時に 、 加害 者 で も あった こと を 認め なければ なら ない から である 。 しかし 避けて 通れ ない 課題 である こと も また 事実 であろう 。 私 たち は 、 今年 は 過去 に ついて 国 全体 と して の 共通 認識 を 持ち合う こと を 真剣に 考える べき 年 であり 、 その ため に も 侵略 行為 や 植民 地 支配 へ の 反省 ・ 謝罪 、 未来 に 向けた 不戦 ・ 平和 の 誓い など を 内容 と した 国会 決議 の 実現 を 求めて きた 。 昨年 八 月 の 戦没 者 追悼 式 で 、 土井 たか子 衆院 議長 は 「 私 たち の 過ち に よって 惨澹たる 犠牲 を 強い られた アジア の 隣人 たち と の まこと の 和解 を 今なお なし 得て い ない 」 と 述べた 。 重要な 指摘 である 。 「 不戦 決議 」 こそ 、 日本 が アジア の 一員 と して 今後 も 国際 平和 の ため に 努力 する こと を 表明 し 、 アジア 各国 と の 真 の 和解 を 手 に 入れる こと に つながる 道 だ と 考える 。 昨年 六 月 に 発足 した 自 社 さ 連立 政権 は 三 党 合意 の 中 で 「 戦後 五十 年 を 契機 に 、 過去 の 戦争 を 反省 し 、 未来 の 平和 へ の 決意 を 表明 する 国会 決議 の 採択 など に 積極 的に 取り組む 」 こと を 明言 して いる 。 新進党 の 海部 俊樹 党首 や 羽田 孜 副 党首 、 鹿野 道彦 「 明日 の 内閣 」 外交 政策 担当 ら も 決議 の 必要 性 を 主張 して いる 。 共産党 も 深い 反省 と 謝罪 決議 を 求めて いる 。 こうして 見る と 、 全 政党 が 前向き であり 、 すぐ に でも 決議 は 実現 し そうだ が 、 実際 は 自民党 、 新進党 と も 内部 に 決議 反対 の 多数 の 国会 議員 グループ を 抱え 、 決議 の 内容 を 検討 する こと さえ でき ないで いる の が 実情 である 。 金 大統領 は 、 この 点 を 懸念 した わけだ 。 社会党 は 三 月 中 に 結論 を 出す べきだ と して 文案 を 検討 中 だ が 、 連立 与党 内 の 調整 は 遅れて おり 、 統一 地方 選 後 に 持ち込ま れ そうな 雲行き である 。 自民党 に は 、 さらに 先 送り して 参院 選 後 に と の 意見 も 出て いる 。 自民 、 新進 両党 と も 、 決議 しよう と すれば 党 の 分裂 を 招き かね ない と 心配 して いる のだろう が 、 この 機会 を 逃したら 永久 に 決議 でき ない ので は ない か と 危惧 する 。 その 場合 、 日本 を 見る 各国 の 目 も 変わって こよう 。 今 国会 中 で の 決議 実現 に 向け 、 与野党 ともに 広い 視野 と 見識 、 歴史 観 を 示して ほしい もの である 。 「 恩しゅう を 超え 、 友好 の 手 を 握り合う 」 と の 河野 洋平 副 総理 ・ 外 相 の あいさつ が 外務 省 職員 に よって 代読 さ れた 。 硫黄 島 で 十四 日 行わ れた 戦闘 終結 五十 年 の 日 米 合同 戦没 者 追悼 式典 で の こと である 。 私 たち は 二 つ の 点 で 、 この あいさつ に 引っかかり を 覚える 。 一 つ は 「 代読 」 と いう 行為 である 。 この 硫黄 島 で は 日本 側 約 二万 人 、 米 側 約 七千 人 が 戦死 し 、 合わせて 二万二千 人 を 超える 負傷 者 を 出した 。 文字通り の 激戦 で 、 日本 将兵 は ほぼ 玉砕 した 。 その 霊 を 追悼 する 式典 に 代読 で は 、 何とも やるせない 。 二 つ 目 は あいさつ 文 が 無味乾燥な こと だ 。 字数 に して 五百 字 足らず 。 日 米 の 「 不幸な 一 時期 」 「 悲しむ べき 断絶 」 そして 「 恩しゅう を 超え 」 と いった 無機質な 言葉 が 並ぶ だけ 。 外 相 に も 身 を よじる ような 思い が ある と 推察 さ れる が 、 その 思い の ひだ は いささか も 伝わって こ なかった 。 戦後 五十 年 の 節目 を 迎え ながら 、 日 中 戦争 から 太平洋 戦争 に 至る 歴史 を どう とらえる の か 、 政府 は いまだ 腰 が ふらついて いる 印象 を ぬぐえ ない 。 不戦 決議 で 連立 与党 内 が まとまって い ない の も その 一例 。 共産党 が 国会 で アジア で の 犠牲 者 は 「 二千万 」 と 述べた だけ で 、 その 発言 を 議事 録 から 抹殺 しよう と する 政党 が 支えて いる 政権 だ 。 腰 が 定まら ない の も 、 外 相 あいさつ が 大味に なる の も 、 無理 ない の かも しれ ない 。 日本 人 は 戦争 の 被害 者 であった こと ばかり を 強調 し 、 加害 者 であった こと を 忘れよう と して いる 、 と よく 指摘 さ れる 。 米 博物 館 で の 原爆 展示 を めぐる 米国 内 の 論争 でも 、 同 趣旨 の 意見 が あった 。 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 は この ほど 国連 で 、 国連 憲章 から の 「 敵国 条項 」 削除 に 反対 し 「 侵略 と 犯罪 を 美化 する 日本 の 行為 を 正当 化 する 」 と 述べた と いう 。 その 主張 の 評価 は さまざまだろう が 、 日本 が きちんと 過去 と 向き合って い ない と の 批判 は 、 アジア に 限ら ず かなり の 人々 に ある ので は ない か 。 「 侵略 だ 、 犬死に だ 、 と さ れて たまる か 」 と の 遺族 の 気持ち は 痛い ほど 分かる 。 その 気持ち に 沿わ ないで いくら 議論 を 戦わ せて も 、 彼ら を 納得 さ せる こと は でき ない だろう 。 が 、 国家 に 命 を ささげる こと が 貴い と さ れた その 半面 で 、 戦争 が いかに 残酷であった か 。 彼ら の 死 が いかに 無残であった か 。 その こと まで 思い を はせる ならば 、 やはり 戦争 原因 は ぎりぎり と 突き詰め 、 その 責任 は 問わ ねば なる まい 。 その こと が また 、 戦没 者 に 報いる こと で も ある のだ 。 「 アジア に は 迷惑 を かけた 。 しかし 、 米国 など と の 戦い は 、 いわば 帝国 主義 国家 同士 の 戦い だった 」 と の 説 が ある 。 三十 年 以上 前 に 論壇 を にぎわせ 、 最近 また 復活 して 今度 は 国会 を かっ歩 して いる 。 しかし 、 中国 侵略 が なければ 太平洋 戦争 も なかった はずである 。 戦場 に さ れた 東南アジア 諸国 から すれば 、 迷惑 どころ の 話 で は ない だろう 。 これ から 八 月 の 暑い 日 に 向けて 、 戦後 五十 年 を 考える 行事 が 続く こと に なる 。 その 度 に 過去 を 直視 する ので も ない 、 あいまいな 、 抽象 的な 態度 で 押し通そう と すれば 、 必ずや 世界 から 冷笑 と 軽侮 と 、 そして 怒り を 買う こと に なる だろう 。 過去 を 恥じて も 、 未来 に まで 恥じる こと は し たく ない 。 次に は 心 に 染み とおる 言葉 を 聞き たい 。 政府 系 金融 機関 の 見直し 問題 で 、 政府 ・ 与党 の 結論 が 出た 。 日本 輸出入 銀行 と 海外 経済 協力 基金 が 、 四 年 後 を メド に 統合 する と いう のである 。 特殊 法人 の 統廃合 の 焦点 と して 、 長い 時間 を かけて 詰めた 最終 的な 決定 と は 思え ない ような 愚策 である 。 関係 閣僚 である 武村 正義 蔵 相 と 高村 正彦 経企 庁 長官 は 、 異口同音 に 「 総裁 ポスト が 一 つ 減る 」 と その メリット を 挙げて いる 。 ジョーク に して は 少し きつく は ない か 。 そもそも 行革 の 目玉 と して 特殊 法人 の 整理 を 言いだした の は 、 さきがけ 代表 で も ある 武村 蔵 相 だった 。 消費税 率 を 五 % に 引き上げる こと を 決定 した 際 、 財源 が 足りない 分 は 、 行革 で ねん出 する と いう 触れ込み であった 。 もともと 特殊 法人 の 統廃合 だけ で 、 多く の 財源 を 生み出す の は 無理だ と いう こと は 、 最初 から 分かって いる 。 分かって いる が 、 この 難問 に 堂々と 取り組む 姿勢 を 買って 応援 して きた のである 。 愚策 と 断じた の は ほか で も ない 。 まず 経済 的 メリット が ない も 同然であり 、 統合 で 失う もの の ほう が 大きい こと である 。 前述 した ように 確かに 「 総裁 ポスト が 一 つ 減る 」 し 、 間接 部門 が 省力 化 さ れる かも 知れ ない 。 だが 、 その 程度 の こと は 、 大げさに 言い立てる ほど の こと で は ない のだ 。 それ に 比べて 、 デメリット は いくら で も ある 。 もともと 、 現在 OECF が 担当 する 政府 開発 援助 業務 は 、 輸 銀 の 中 に あった 。 しかし 、 輸出 金融 と ODA が 一体 に なる と 、 援助 政策 が 輸出 促進 に 利用 さ れる 、 と の 批判 が 国際 的に 高まった ため 、 一九七五 年 に 分離 した 。 当然の こと である 。 援助 を テコ に 商売 を する の は 「 アンフェア 」 だ から だ 。 それ を 承知 で 政府 は 再び 統合 を 決定 した 。 武村 蔵 相 に よれば 「 ODA と 非 ODA の 勘定 区分 の 明確 化 を 図って 、 予想 さ れる 国際 的 批判 に 対応 する 」 そうだ 。 しかも 、 政府 ・ 与党 の 合意 内容 に は わざわざ 「 四 年 後 の 統合 まで に 、 経済 協力 開発 機構 など の 国際 機関 、 関係 諸国 の 理解 を 得る よう 努める 」 と した 。 「 総裁 の クビ 一 つ 」 の ため に 、 国際 的な 誤解 を とく と いう 時間 と 費用 は どれ くらい の もの か 。 政府 ・ 与党 の 関係 者 は 、 その コスト と もたらさ れる 効用 を 一 度 はじいて みて は どう だろう 。 その 時間 に 比べて 、 得る もの が いかに 少ない か 、 を 改めて 思い知る だろう 。 それ に 気 が ついたら 、 潔く 白紙 撤回 する こと が 望ましい 。 不思議な こと が ある 。 当初 、 整理 ・ 統合 の 候補 に なって いた 日本 開発 銀行 や 、 中小 金融 機関 、 地域 金融 機関 など は 、 いつの間にか 論議 から すり抜けて しまった 。 その 半面 で 、 政府 系 金融 機関 の うち 、 輸 銀 は 解体 論 さえ 出て いた 。 開 銀 など は 族 議員 の 応援 団 が 多く 輸 銀 は それ が 少ない ので スケープゴート に さ れた 、 と いう 解説 が 聞こえて くる 。 本当だ と したら 由々しい 話 で は ない か 。 行革 に 対する 強い 姿勢 を 示す ため に も 、 特殊 法人 の 見直し を 継続 して 推進 する よう 村山 内閣 に 提案 する 。 その 際 、 財政 投融資 の あり 方 を 含めた 政策 金融 に 真っ正面 から 取り組む こと が 重要だ 。 生活 保護 を 受ける 母親 は 末期 がん に 侵さ れて いた 。 看病 の 合間 に 、 参考 書 を 読む 高校 生 の 長女 の 姿 を 何度 も 見た 。 二女 は 「 他人 の 役 に 立つ 仕事 に 就き たい 」 と 語り 、 他県 に ある 女子 高校 の 看護 学科 に 合格 した 。 その 直後 、 母親 は 亡くなった が 、 長女 は 「 卒業 する まで 頑張る 」 、 二女 も 「 看護 婦 に なる の が 夢 」 と はっきり 答えた 。 兵庫 県 ・ 明石 福祉 事務 所 で は 、 所長 ら 全員 で 協議 した 。 二 人 の 強い 意思 を 尊重 し 、 長女 と 他県 に 寄宿 する 二女 を 同一 世帯 と 認めて 生活 保護 の 継続 を 決めた 。 「 生活 と 福祉 」 に 掲載 さ れた 生活 保護 ケース 研究 の 要約 である 。 当初 から 娘 たち が 担当 の ケースワカー に 心 を 開いて くれた わけで は ない 。 年 四 回 の 生活 指導 を 毎月 訪問 に して 、 民生 委員 、 児童 委員 、 教師 と 連携 し ながら 勉強 に 専念 できる 環境 づくり に 努めた 、 と いう 。 母親 と 一 時 は 交際 した こと の ある アルコール依存症 の 男性 を 近づけ ない ため 地域 の 協力 を 得た 。 二女 の 寄宿舎 を 激励 訪問 した 。 そんな 管轄 を 超えた 長い 取り組み が 続く 。 「 大手 企業 に 就職 が 内定 した 長女 の 声 は 弾んで いた 」 「 二女 も 正 看護 婦 を 目指し 病院 で 研鑽 を 重ねて いる 」 …… 。 この 淡々と つづる 報告 は 、 そう 結ばれて いる 。 生活 保護 の 目標 は 、 受給 者 ・ 家族 が 自立 する ことだ 。 約 八十八万 人 の 受給 者 の うち 高齢 者 世帯 、 傷病 ・ 障害 世帯 、 母子 家庭 が 九 割 以上 を 占める 中 で 、 自活 へ こぎ着ける の は 至難の 業 で は ある が 、 一 件 でも 多く 、 一 歩 でも 目標 に 近づく 姿勢 を 見失って は なら ない はずだ 。 生活 保護 を めぐる 十四 日 の 福岡 地裁 判決 は 、 また 、 この 重い 課題 を 突き付けた 。 父親 の 元 大工 は 、 娘 二 人 の 高校 進学 用 に 学資 保険 を 積み立てて いた が 、 福祉 事務 所 は 「 資産 」 と みなし 、 生活 保護 費 を 減額 した 。 娘 二 人 も 「 不当な 減額 」 と 訴訟 を 続けた 。 判決 は 、 父親 の 死亡 で 「 訴訟 は 終了 」 と 、 いわば 門前払い した が 、 高校 進学 用 の 蓄え の 必要 性 は 認めた 。 父親 に よる 複数 の 生命 保険 加入 など に 疑問 を 示した もの の 、 「 高校 進学 率 は 九五 % 以上 に なり 、 進学 は 生活 保護 家庭 から 脱却 さ せる ため の 一 手段 と も 評価 できる 」 「 生活 保護 家庭 の 子弟 の 高校 修学 は 認め られて いる が 、 現実 に は 費用 的に 極めて 困難な 状況 に ある 」 と 指摘 して いる 。 公費 の 使途 は 厳正で なければ なら ない 。 同時に 、 その 人 や 家族 を 支え 、 励ます 使い 方 で なければ なら ない 。 進学 の 意欲 を 阻止 したり 、 希望 を つぶす 行政 は 、 本来 の 生活 保護 の 理念 や 目標 に 反する 。 一九九三 年 四 月 に は 、 入院 に 備えて 生活 保護 費 を 切り詰め 、 貯金 した 病弱な 老 夫婦 の 保護 費 カット に 対して 、 秋田 地裁 は 「 不健全な 目的 や 違和感 を 覚える ほど の 高額で ない 限り 、 生活 保護 費 から の 預貯金 は 許さ れる 」 と 判断 した 。 高校 進学 を 願う の も 、 入院 に 備える の も 、 「 明日 」 を 考えれば こそ の 行為 で は ない か 。 その 前向きな 姿勢 を 評価 し 、 支援 する の が 行政 の 役割 である はずだ 。 進学 を 希望 する 娘 二 人 が 福祉 行政 に 抱く 思い は 、 冒頭 に 紹介 した 例 と 今回 の 訴訟 例 と で は 、 天 と 地 ほど に 懸け離れる だろう 。 東京 協和 、 安全 の 二 信用 組合 処理 を めぐる 問題 は 、 基本 的に 二 つ の 要素 に 分け られる 。 第 一 は 、 今回 、 東京 共同 銀行 の 設立 と いう 金融 政策 の 妥当 性 であり 、 第 二 は 金融 行政 の 監督 責任 、 ならびに スキャンダル の 解明 である 。 十六 日 の 参院 予算 委員 会 の 参考人 質疑 は 、 まだ 事実 の 解明 の 段階 に とどまって いる 。 だが 、 忘れて なら ない の は 、 同様な 経営 破たん の 金融 機関 が 今後 、 続出 したら 、 どのように 処理 す べき か 、 と いう ことだ 。 参考人 の 日本 長期 信用 銀行 の 堀江 鉄弥 頭取 は 「 イ ・ アイ ・ イ ― インターナショナル 」 に 対する 融資 打ち切り に ついて 、 「 和やかな パーティー で 別れた 」 と 発言 した 。 言葉じり を とらえる わけで は ない が 、 国民 が バブル 期 の 銀行 の 振る舞い と 結果 を どう 見て いる か 、 分かって いる のだろう か 。 バブル 期 の 銀行 は 、 事業 家 へ の 信用 に 対して 融資 する と いう バンカー の 原則 から 離れ 、 モノ や 土地 、 不動産 を 見て 融資 する と いう 愚 を 犯した 。 その 巨額の ツケ が いま 、 国民 に 回さ れて いる 。 「 時流 に 流さ れた 」 で は 反省 が 不足 して いる 。 長 銀 は イ ・ アイ ・ イ の バブル 投資 を 金融 面 から バックアップ して おり 、 その 責任 は 極めて 重い 。 両 信 組 に 対して は 、 資金 繰り の 管理 だけ を して いた と の 説明 も 、 その 責任 を 軽く する もの で は ない 。 この 質疑 を 見た 国民 は 、 銀行 に 対する 信用 を 下げる だろう 。 金融 当局 も 、 自ら に 対する 信用 を 大 安売り して いる 。 信用 秩序 の 維持 を 大義 名分 に 、 乱脈 経営 の 両 信 組 の 救済 に 踏み切った が 、 その 密室 の 決定 過程 、 金融 機関 に 対する 一方的な 協力 の 押し付け は 、 当局 と 金融 機関 トップ と の 間 の 信頼 関係 に 重傷 を 負わ せた 。 一方 、 高級 官僚 の モラル の 退廃 は 、 国民 の 重大な 不信 を 招いて いる 。 当局 は 一時的な 秩序 維持 の 代償 と して 、 信用 を 失い 、 信用 の 失墜 が 、 金融 システム の 動揺 を 増幅 して いる 。 何の こと は ない 。 信用 秩序 の 旗 の 下 で 、 信用 と 秩序 の 双方 を 傷つける 結果 に なって いる のだ 。 そうした 悪 循環 は 、 一九二七 年 から の 昭和 金融 恐慌 の プロセス に も 見 られた 。 当時 の 台湾 銀行 と 鈴木 商店 と の スキャンダル が 、 信用 と 秩序 を 崩壊 さ せて いった のだ 。 だから 、 いま 必要な の は 、 関係 各 方面 で の 信用 の 回復 である 。 大蔵 省 銀行 局 は 権力 と 規制 だけ で は 、 信用 秩序 が 維持 でき ない こと を 思い知る べきだ 。 その ため に は 、 まず 欲得 を 超え 、 経験 豊か で 、 権威 の ある 人 たち に 、 実情 を 知らせ 、 それ を 出発 点 に 現状 認識 で 国民 の コンセンサス を 目指す ことだ 。 回り道 だ が 、 信用 を 拡大 する に は それ しか ない 。 当面 する 金融 システム 問題 は 、 スケール が 大きく 、 平常 の 感覚 で は 処理 でき ない ほど 深刻である 。 自力 救済 でき ない 多く の 金融 機関 を どう する か は 、 株価 に も 、 景気 に も 、 日本 の 将来 に も 直結 する 。 多く の 人 は 、 だれ か が 何 か して くれる だろう と 思って いる 。 しかし 、 実際 に は 当局 に も これといった 備え は ない 。 みんな で 手 を こまぬいて いる と 、 “ 銀行 大 震災 ” が ある 日 、 襲って こ ない 保証 は ない 。 信用 秩序 維持 を オオカミ 少年 の 物語 に して は なら ない 。 阪神 大 震災 から 二 カ月 。 復興 を 本格 化 さ せる 大切な 出発 点 で 、 行政 と 住民 と の 間 に 溝 が できて しまった 。 土地 区画 整理 や 再 開発 で 災害 に 強い 町 を 造ろう と いう 都市 計画 案 の 決定 を めぐり 生じた 不信 感 である 。 早急に 信頼 関係 を 回復 し ない と 「 住民 参加 の 復興 」 は 看板 倒れ に なる 。 都市 計画 案 は 、 十六 日 まで に 兵庫 県 と 各 市町 の 都市 計画 審議 会 で 承認 さ れた 。 十七 日 に は 決定 が 告示 さ れる 。 神戸 市 など 四 市 一 町 の 被害 が 激甚だった 十三 地区 約 二五〇 ヘクタール を 対象 に 、 建物 を 高層 化 して 広い 道路 や 公園 を 造る 大規模な 都市 改造 だ 。 各 自治 体 に とって は 、 防災 と 美観 重視 の 復興 全体 を リード する 事業 であり 、 市民 に とって も 住 環境 が 激変 し 、 所有 地 の 一部 提供 など を 強制 さ れる 重大 事 である 。 地区 に よって 反対 論 に 強弱 は ある が 、 批判 は 「 住民 不在 の 決定 方法 」 に 集中 した 。 確かに 、 二 月 末 の 計画 案 発表 ・ 縦覧 開始 から 二 週間 余 で 市民 の 意見 書 提出 、 都 計 審 開催 、 決定 と いう 性急 さ は 、 行政 に よる 有無 を 言わ せ ぬ 計画 の 押し付け と 受け取ら れて も 無理 は ない 。 計画 作成 に 住民 は タッチ でき ず 、 遠く へ 避難 した 多く の 被災 者 へ の 説明 も 不十分だった 。 計画 案 の 内容 に 対する 反論 も 出た が 、 十分に 論議 する 場 は なかった 。 行政 側 に 住民 と の 話し合い を 尊重 する 姿勢 が 欠けて いた と 言わ ざる を 得 ない 。 神戸 市 の 審議 会 で は 、 ピケ を 張る 市 職員 と 反対 住民 が 庁舎 内 で にらみ合った 。 これ が 復興 の パートナー 同士 の 姿 だろう か 。 「 市民 を 締め出す の か 」 と の 行政 不信 が 噴出 した 。 行政 側 は 話し合い の 不十分 さ と 、 性急 さ を 認め ながら も 「 無秩序な 建築 を 防ぎ 、 計画 的な 復興 を 進める ため 」 と 、 急ぐ 必要 を 強調 する 。 二 カ月 で 切れる 建築 基準 法 の 被災 地 建築 制限 を 継続 する に は 、 都市 計画 決定 以外 の 方法 も ある が 「 復興 の 方向 を 示さ ず に 制限 を 続ければ 、 むしろ 市民 を 混乱 さ せる 」 と も いう 。 行政 の 責任 と して 理解 は できる 。 しかし 「 反対 は 住民 の 一部 」 「 合意 を 待てば 、 五十 年 、 百 年 かかる 」 など 、 行政 側 の 発言 に 住民 不信 が 見え隠れ する 。 強力な 行政 主導 で 開発 を 進める 「 神戸 方式 」 へ の 自信 も ある のだろう 。 相互 理解 を 妨げて いる 原因 と 言える 。 「 相互 不信 」 から 出発 した 開発 計画 が 紛争 の 長期 化 を 招く 。 震災 地 の 復興 でも 、 最初に ボタン を 掛け違えた ので は ない か 、 と 危惧 を 持つ 。 既に 一部 の 地区 で は 、 都市 計画 決定 の 取り消し を 求める 訴訟 を 準備 中 と いう 。 行政 側 は 「 あくまで 枠組み を 示した だけ で 、 具体 的な 事業 計画 は 改めて 策定 する 」 と して いる 。 それ なら 今後 は 、 決定 した 計画 の 話し合い に よる 修正 を 含め 、 復興 計画 推進 に 住民 参加 を 保証 す べきだ 。 対象 と なる 地区 ごと に 、 行政 と 住民 の 話し合い の 場 を 常設 する 必要 が ある 。 そこ で 、 これ まで の 対話 不足 を 取り戻す 努力 を す べきだ 。 各 審議 会 も 計画 承認 に 際し 、 住民 参加 に よる 事業 の 具体 化 を 要望 した 。 忠実に 実行 する よう 求め たい 。 住民 は 、 復興 に 当たり 、 もう 一 度 痛み を 引き受ける 覚悟 が 求め られる 。 乱 開発 の 自粛 も 必要だ 。 そして 、 住民 参加 の 復興 を 実 ある もの に する ため 、 行政 当局 に 対案 を 提起 して 意見 を 戦わ せる よう 期待 し たい 。 村山 内閣 の 失速 と 軌 を 一 に する ように 社会党 の 低迷 ぶり が 際立って きた 。 その 落ち込み 様 を 説明 する に は 数字 が 分かり やすい 。 毎日新聞社 が 十 日 から 十二 日 に かけて 行った 世論 調査 に よる と 、 社会党 の 支持 率 は 七 % と 前回 より 二 ポイント 減って 過去 最低 と 同じ 数字 に なった 。 もう 一 つ 、 統一 地方 選 告示 を 間近に 控え 社会党 の 四十三 道府県 議 選 の 公認 候補 者 数 は 十五 日 現在 で 三百九十五 人 で 、 前回 より 百四十七 人 少なく 、 これ また 過去 最低 と なった 。 社会党 は 有権者 から も 候補 者 から も 見放さ れ 、 社会党 忌避 症候 群 に 陥って いる 。 社会党 は かつて ない 危機 の 真っただ中 に ある 。 しかし 、 不思議な こと に 社会党 から そうした 切迫 した 危機 感 は 伝わって こ ない 。 慢性 的な 危機 状況 に 長く 身 を 置き 過ぎて 感覚 が まひ して しまって いる の かも しれ ない 。 だが 、 有権者 や 地方 議員 から ソッポ を 向か れ 、 どん底 に あえいで いる 政党 が 首相 を 送り出し 、 連立 与党 の 首座 を 占めて いる こと の 矛盾 を 社会党 は 厳しく 認識 する 必要 が ある 。 社会党 は 最近 、 「 九五 年 宣言 」 案 と 新党 問題 に 関する 「 中間 報告 」 の 二 つ の 文書 を まとめた 。 「 九五 年 宣言 」 案 は 、 現在 の 党 の 綱領 的 文書 である 「 新 宣言 」 に 代わる もの と して 、 昨年 九 月 の 臨時 党 大会 で 決定 さ れた 政治 方針 を 具体 化 した 新たな 基本 文書 だ が 、 同時に 新党 の 指針 と して の 性格 を 持つ 。 全体 と して 社会党 の 発展 的 解消 に よって 新しい 政治 勢力 を 生み出す 必要 性 が 強調 さ れ 、 「 新 宣言 」 の 観念 論 を 脱し 、 現実 に 即した 基本 理念 、 政策 目標 が 打ち出さ れて いる 点 など は 、 それなり に 評価 さ れて しかる べきだろう 。 しかし 、 「 九五 年 宣言 」 案 と セット と なる べき 肝心の 新党 構想 と なる と 、 「 中間 報告 」 で は 「 参院 選 前 の 結成 」 を 明記 して いる もの の 、 新党 結成 に 至る 具体 的な 手順 、 どのような 政党 、 グループ と 連携 して いく の か など は 全く 不 明確で 、 単なる 「 意図 表明 」 に 終わって いる 。 これ で は 「 仏 作って 魂 入れ ず 」 で 、 何の インパクト も 持ち 得 ず 、 「 九五 年 宣言 」 案 まで 無意味な 紙切れ 同然 と なって しまう 。 「 中間 報告 」 を 作成 した 新党 問題 検討 委員 会 の メンバー の 大半 が 新党 結成 に 消極 的な 左派 、 村山 富市 首相 支持 グループ で 占め られて おり 、 形 だけ の 「 中間 報告 」 に なる の は 初め から 目 に 見えて いた 。 要するに 、 右派 の 新 民主 連合 に 対する 封じ込め と 、 山花 貞夫 前 委員 長 ら 新党 結成 に 積極 的な グループ の 反発 を 見越して 追い出し を 図った 両面 作戦 の 狙い を 持つ 極めて 派閥 抗争 色 の 濃い 「 中間 報告 」 である 。 そこ に ある の は 、 左右 両 派 の 駆け引き だけ で 、 新党 結成 に よって 新しい 政治 を 切り開いて いこう と いう 「 志 」 も 「 熱気 」 も ない 。 村山 首相 が コペンハーゲン で 同行 記者 団 に 語った 「 社会党 は 上着 を 替える だけ で なく 、 名実ともに 新しい 党 に 変わら なければ なら ない 」 の 言葉 が 空々しく 聞こえる 。 統一 地方 選 で の 社会党 の 惨敗 は 必至 、 と の 声 が 社会党 内 で さえ 公然と 語ら れて いる 。 社会党 を どう する の か 、 社会党 は どう なる の か 。 それ へ の 回答 は 、 その 時 まで 待たなければ なら ない のだろう か 。 エジプト の ムバラク 大統領 が 十三 日 から 四 日間 、 国賓 と して 日本 を 訪れ 、 村山 富市 首相 ら と 会談 した 。 昨年 末 の ラビン ・ イスラエル 首相 に 次ぐ 中東 要人 の 来 日 は 、 わが国 の 中東 外交 に 新たな 弾み を 与えよう 。 エジプト は アラブ の 大国 である 。 一九七八 年 の キャンプデービッド 合意 を 経て 翌 七九 年 、 アラブ 国家 と して 初めて イスラエル と の 和平 に 踏み切り 、 現在 の 中東 和平 の 潮流 を 切り開いた 勇断 は 記憶 に 新しい 。 この 単独 和平 で “ アラブ の 大義 ” を 裏切った と して サダト 大統領 は イスラム 過激 派 に 暗殺 さ れ 、 エジプト は アラブ 世界 から 孤立 した 。 しかし 、 サダト 和平 路線 を 受け継いだ ムバラク 大統領 の 努力 で 、 八〇 年 代 後半 に は アラブ 諸国 の 多く と 復交 、 八九 年 に は アラブ連盟 に 復帰 した 。 エジプト 復活 を 決定づけた の は 、 九一 年 の 湾岸 戦争 だ 。 アラブ 諸国 を 反 イラク 陣営 に 結集 して 主導 権 を 回復 する 一方 、 欧 米 諸国 から の 信頼 を かち得た 。 湾岸 戦争 後 は 米国 主導 の 中東 和平 交渉 を 側面 から 支援 し 、 イスラエル と パレスチナ解放機構 の 暫定 自治 合意 、 イスラエル ・ ヨルダン 平和 条約 など の 成果 が 生み出さ れた 。 そして 、 今後 の カギ を 握る シリア と イスラエル の 間 で 、 米国 と ともに 仲介 の 労 を とって いる 。 こうした 実績 を 背景 に エジプト は 、 これ まで 疎遠だった 地域 と 関係 を 強化 し 、 支援 国 の 幅 を 広げよう と して いる 。 ムバラク 大統領 訪 日 の 狙い も 、 この 戦略 の 一環 と みて よい 。 湾岸 戦争 で アラブ の 結束 は 乱れ 、 パレスチナ 暫定 自治 開始 で その 求心力 は 失わ れた 。 エジプト に 対し 、 イスラエル と の 対決 で アラブ の 盟主 の 地位 を 誇った 当時 の 指導 力 を 期待 する こと は でき ない が 、 今なお 中東 情勢 を 左右する 力 を 保持 して いる こと も 事実 だ 。 この際 、 わが国 と して も 中東 の 雄 と の 関係 を 強化 す べきだろう 。 エジプト の 支払い 延滞 で 債権国 会合 が 九一 年 、 債務 削減 を 決めた こと を 受けて わが国 も 五〇 % 削減 に 同意 、 これ と 引き換え に 貿易 保険 の 引き受け を 停止 した 。 今回 の 会談 で 、 日本 側 が 異例の 引き受け 再開 を 約束 した こと を 歓迎 し たい 。 平和 へ の 懸け橋 と も いう べき スエズ 運河 架橋 建設 へ の 無償 資金 援助 、 技術 協力 も 惜しんで は なら ない 。 パレスチナ 暫定 自治 拡大 の 遅れ から 、 中東 で は イスラム 過激 派 が 台頭 。 エジプト 国 内 でも 慢性 的な 生活 苦 や 貧富 の 差 の 拡大 に 対する 国民 の 不満 を 背景 に 、 原理 主義 組織 に よる テロ が 頻発 して いる 。 エジプト の 動揺 は 中東 全体 の 不安定 を 招き かね ない 。 中東 和平 を 側面 から 支援 する 意味 でも 、 わが国 は 長期 的な 視野 に 立って エジプト の 安定 に 寄与 す べきだ 。 一方 、 核 拡散 防止 条約 の 再 検討 会議 を 来月 に 控えて 、 日本 側 が 条約 の 無 期限 延長 に 応じる よう 要請 した の に 対し 、 ムバラク 大統領 は 「 イスラエル が NPT に 加入 し ない ため 、 不公平 感 を 生んで いる 」 と 指摘 、 現状 で の 無 期限 延長 に は 反対 する 立場 を 明らかに した 。 エジプト は 先月 、 アラブ 八 カ国 外 相 会議 を 開いて イスラエル に 同 条約 調印 を 求める 声明 を 発表 する など 、 この 問題 で アラブ 諸国 に 強い 影響 力 を 持って いる 。 日本 は 米国 と 協力 して 、 エジプト に 延長 受諾 を 働きかける 努力 を 続ける べきだ 。 朝鮮 半島 を めぐる 外交 は 、 複雑で 一筋縄 で は いか ない 。 常に 落とし穴 と 、 どんでん返し が 待ち受けて いる 。 多く の 利害 が 目 に 見え ない ところ で 絡み合って いる から だ 。 南北 朝鮮 の ほか 、 日 米 中 三 カ国 の 入り組んだ 国際 関係 に 加え 、 南北 当事 者 の 日本 へ の 感情 の 違い や 過去 の いきさつ も 考慮 し ない と 、 問題 を むしろ 複雑に して しまう 危険 が ある 。 だから 、 朝鮮 半島 と 日本 の 望ましい 関係 に ついて の 理念 と 戦略 なし の 、 思い付き で の 外交 展開 は 国益 は もとより 、 友好 国 と の 関係 も 損ない かね ない 。 この 意味 で は 、 一九九〇 年 の 金丸 信 ・ 元 自民党 副 総裁 に よる 、 訪 朝 団 の 「 戦後 の 償い 」 問題 は 記憶 に 新しい 。 自民党 は 、 与党 三 党 に よる 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 訪問 団 の 月 内 実現 を 呼びかけ 、 調整 を 続けて いる 。 与党 訪 朝 で 、 国交 正常 化 交渉 の 再開 が 合意 さ れる と いう が 、 なぜ 正常 化 交渉 再開 を 、 両 国 の 与党 が 合意 し なければ いけない の か 。 議員 外交 は 重要であり 、 国際 理解 を 促進 する 。 しかし 北朝鮮 に だけ 、 どうして 与党 代表 団 が 心 要 な の か 。 日 朝 正常 化 交渉 を いつ 再開 し 、 どのような 問題 を 扱う か は 外交 駆け引き の 問題 である 。 外交 交渉 は 、 制約 や 規制 を 受ける こと なく フリーハンド で 進め られる べきで は ない か 。 日 朝 正常 化 交渉 は 、 金丸 訪 朝 団 の 三 党 共同 宣言 に よって 開始 さ れた 。 この ため 、 北朝鮮 は 三 党 宣言 に 明記 さ れた 「 戦後 の 償い 」 を 要求 して いる 。 正常 化 交渉 は 三 党 共同 宣言 に 縛ら れる と いう の が 、 北朝鮮 の 主張 である 。 北朝鮮 の 立場 から すれば 当然であろう 。 問題 は 、 共同 宣言 に 署名 すれば 外交 交渉 の 足かせ に なる と の 外交 常識 の なかった 日本 の 政治 家 の 危う さ である 。 また 、 核 問題 が 解決 して い ない 状況 下 で 日 朝 国交 正常 化 交渉 を 進めれば 、 米 韓 両 国 の 強い 反発 を 招く こと へ の 認識 も なかった 。 同じ 轍 を 、 今回 の 与党 訪 朝 団 が 踏む こと は ないだろう か 。 用意 さ れて いる 合意 文書 に は 、 正常 化 交渉 再開 の 時期 は 明記 さ れて いる が 「 戦後 の 償い 」 白紙 化 の 合意 は ない と いう 。 交渉 再開 の 時期 は 外交 駆け引き の 問題 である 。 政党 が 押し付ける もの で は ある まい 。 金丸 訪 朝 団 は 、 国会 対策 の 感覚 で 政党 が 外交 に 乗り出す こと の 危う さ を 教訓 と して 残した 。 また 、 利権 を 求める 動き も あった 。 今回 の 訪 朝 団 派遣 に も 、 党 内 事情 や 政権 へ の 思惑 が 絡んで は い ない の か 。 さらに 、 正常 化 に 伴う 利権 あさり の 動き は ない のだろう か 。 政治 家 と 企業 関係 者 は 、 北朝鮮 へ の 利権 を 求めて は なる まい 。 与党 代表 団 が 出かける だけ で 正常 化 交渉 が 再開 できる の なら 、 双方 の 外務 当局 の 接触 で 再開 に 合意 する の が 筋 で は ない か 。 外務 省 高官 も 、 与党 訪 朝 団 派遣 合意 の 舞台 裏 接触 に 深く かかわった と の 報道 も ある 。 もし 事実 なら 問題 であろう 。 韓国 は 、 南北 対話 再開 の 見通し が 立た ない 状況 下 で の 日 朝 交渉 再開 に 疑問 を 呈して いる 。 また 米国 内 に も 、 米 朝 の 軽水 炉 供給 契約 が 締結 さ れ ない のに 正常 化 交渉 が 再開 さ れる こと へ の 、 不安 の 声 が ある 。 なぜ 与党 訪 朝 団 で なければ いけない の か 。 友好 と 将来 展望 、 外交 戦略 の 道筋 を 明らかに して ほしい 。 冷戦 の 終焉 は 核 軍縮 へ の 道 を 開いた 。 生物 ・ 化学 兵器 の 規制 に ついて も 真剣な 努力 が 重ね られて いる 。 しかし 、 世界 規模 の 軍備 管理 ・ 軍縮 の 枠組み に は 、 まだ 大きな 空白 が ある 。 通常 兵器 の 分野 である 。 世界 全体 で 一 年間 に 約 一兆 ドル が 兵器 調達 に 費やさ れ 、 その 七五 % が 通常 兵器 に 充て られて いる 。 輸出 額 を 物差し に すれば 、 兵器 産業 は 世界 第 二 位 の 製造 業 で も ある 。 しかも 、 大型 兵器 や 先端 技術 兵器 の 供給 は 寡占 状態 が 続き 、 兵器 輸出 の 八〇 % 強 を 核 保有 国 であり 、 国連 の 常任 理事 国 で も ある 米 、 露 、 仏 、 英 、 中 が 占めて いる 。 当面 の 課題 と して 、 兵器 の 国際 取引 に 歯止め を かける 必要 が ある 。 「 通常 兵器 の 移転 」 を テーマ に 先週 、 東京 で 開か れた 国際 シンポジウム は 、 この 問題 に 取り組む うえ で 貴重な ヒント を 与えて くれた 。 まず 指摘 す べき は 、 冷戦 の 終焉 が 世界 各地 に 均等な 恩恵 を 及ぼして は い ない こと だ 。 昨年 の 世界 の 兵器 輸出 額 は 、 冷戦 期 の 一九八〇 年 代 半ば の 三 分 の 一 程度 に 減少 して いる 。 米 ソ の 確執 が 消えた こと で 中東 や アフリカ へ の 兵器 輸出 が 減り 、 欧州 で 軍縮 が 進んだ こと が 大きく 働いて いる 。 これ と 対照 的に 、 ダイナミックな 経済 発展 を 続けて いる アジア は 、 国際 兵器 市場 で シェア を 増して いる 。 八〇 年 代 半ば まで は 世界 の 輸入 量 の 一〇 % 程度 だった の が 、 現在 は 三〇 % 強 に 急増 した 。 輸出 面 でも 七 % を 超えた が 、 その 理由 は 中国 が 輸出 力 を 強めて きた から だ 。 とりわけ 東南アジア 諸国 は 兵器 輸出 の ターゲット に なって いる 。 国 内 調達 が 激減 した 米 、 露 の 兵器 産業 は 、 経済 力 の ついた 東南アジア へ の 売り込み に 拍車 を かけて いる 。 同じ こと は 欧州 に ついて も いえる 。 ドイツ が 旧 東独 軍 の コルベット 艦 や 掃海艇 を インドネシア に 格安で 売った の は 、 欧州 の 軍縮 が アジア の 軍備 増強 に 跳ね返って いる 一例 である 。 こうした 変化 で 、 兵器 取引 は 売り手 市場 から 買い手 市場 に なった 。 売り手 は 厳しい 競争 に 直面 し 、 価格 引き下げ や 先端 兵器 を 目玉 に セールス に 懸命だ 。 特に ロシア は 外貨 獲得 と 軍需 産業 維持 の ため に 、 戦闘 機 、 潜水 艦 、 戦車 、 対空 ミサイル まで なりふり 構わ ぬ 売り込み に 出て いる 。 国家 エゴ が からむ 兵器 取引 の 規制 に は 高い 壁 が ある 。 しかし 、 兵器 輸出 に 手 を 染めて い ない 日本 は 積極 的な イニシアチブ を 取る べきだ 。 九二 年 から 始まった 国連 へ の 兵器 取引 の 登録 制度 の 強化 も 、 課題 の 一 つ だろう 。 制度 の 狙い は 兵器 移転 の 透明 性 を 高め 、 国際 取引 に 間接 的に 歯止め を かける ことだ が 、 登録 対象 に は 機関 銃 、 地雷 、 ライフル など の 軽 火器 が 含ま れて い ない 。 旧 ユーゴ を はじめ 紛争 地域 で は 軽 火器 が 多く の 犠牲 者 を 出して いる 。 軽 火器 を 含めた 通常 兵器 全般 の 軍備 管理 を 強め ない 限り 、 地域 紛争 の 解決 や 未然 防止 は 難しい 。 通常 兵器 の 管理 強化 に ついて 、 P 5 の 責任 は 重い 。 政府 開発 援助 の 最 大供 与国 である 日本 は 、 開発 途上 国 や 非 同盟 諸国 と 連携 し 、 国連 で 通常 兵器 の 輸出 規制 を P 5 に 迫る 度胸 を 示す べきで は ない か 。 これ と 並んで 、 アジア 諸国 と の 対話 を 深め 、 アジア ・ 太平洋 地域 に おける 信頼 醸成 と 軍備 管理 の 将来 設計 に も 力 を 入れて ほしい と 思う 。 いつ の 日 か 「 ああ 、 あの 年 が 、 終わり の 始まり だった の か 」 と 、 思い起こす のだろう か 。 ここ 数 年 、 春闘 は 曲がり角 に ぶつかった 、 と いわ れて きた 。 しかし 、 春闘 四十 周年 の 今年 は 、 本当に 岐路 に 立った ので は ない か 。 春闘 の 入り口 で 阪神 大 震災 が あった 。 その 渦中 で 、 急激な 円高 が 襲った 。 それ で なく と も 、 失速 すら 懸念 さ れる 足取り 重い 景気 回復 、 物価 の 沈静 化 、 リストラクチャリング に よる 雇用 不安 。 すでに 賃上げ は 三 % に 乗ら ない まま 終わる 、 そんな 雰囲気 が 春闘 全体 を 覆う 。 だが 、 当面 の 客観 情勢 の ほか に 底流 で 動く もの は 大きい 。 年功 賃金 と いう 賃金 体系 の 柱 が 、 崩れ 始めて いる 。 ダイエー の 全 従業 員 を 対象 と する 年俸 制 導入 構想 、 松下 電器 産業 の 管理 職 に 対する ボーナス 制度 改革 は 象徴 的だ 。 日産自動車 は 定期 昇給 削減 に 踏み込もう と して いる 。 賃金 体系 の 変化 は 雇用 形態 の 変化 を 呼ぶ 。 終身 雇用 を 前提 に した 日本 の 雇用 慣行 も 変わる 。 日本 の 労働 者 の 組織 率 は 二四・一 % に 過ぎ ない 。 その 六○ % 以上 を 占める 日本 労働 組合 総 連合 会 は 、 従業 員 百 人 未満 の 企業 で 労働 者 の 一・七 % しか 組織 して い ない 。 労働 基本 権 保護 の 法 は あって も 経営 者 が その 気 に なれば 人員 削減 は し やすい 。 製造 業 は 海外 へ 工場 を シフト さ せ 、 固定 費 である 人件 費 削減 傾向 は 加速 さ れる 一方 だ 。 製造 業 から サービス業 へ 、 産業 構造 転換 も 一段 と 進む 。 すでに サービス業 で 働く 人 の 数 は 、 製造 業 の それ を 追い越した 。 さらに 規制 緩和 の 波 だ 。 起業 家 待望 、 新規 企業 に よる 雇用 創出 は 、 労働 運動 を 弱体 化 さ せる 恐れ を はらむ 。 新たな 企業 の 多く で 、 「 組合 は 企業 の 発展 に も 、 働く 者 の 自己 実現 に も 足かせ 」 。 そんな 声 さえ 聞こえて くる 。 米国 の 労組 組織 率 は なお 低い 。 一五・五 % 。 十 年 前 は 一八・○ % だ 。 日本 より 高い 組織 率 を 誇った 西欧 主要 国 も 、 組織 率 を 低めて いる 。 組合 離れ だ 。 産業 構造 の 転換 に 伴う 冷厳な 事実 。 それ 自体 は 実現 す べき 点 の 多い 規制 緩和 と ともに 、 賃金 体系 、 雇用 慣行 が 、 大きく 変わろう と する 門前 に 立つ 日本 である 。 米 欧 と 同じ 状況 を 迎えて よい のだろう か 。 日本 の 名目 賃金 が 世界 の トップクラス に 躍り出た の は 、 言う まで も なく 円高 が 大きな 要因 である 。 同じ 金額 で どれ だけ の モノ を 購入 できる か を 比べた 購買 力 平価 で は 、 一 ドル = 一八〇 円 程度 の 実力 と さ れて いる 。 いま の 円 は 実力 の 二 倍 。 住宅ローン 、 家賃 、 教育 費 の 負担 は 、 賃金 の 名目 上 の 高 さ と は うらはらに 、 可 処分 所得 の 絶対 的 少な さ に つながる 。 暮らし の 固定 費 削減 は 難しい 。 それ でも 名目 賃金 の 高 さ は 、 人件 費 総 枠 を 膨らま せ 、 輸出 に 苦しむ 矛盾 を 生む 。 まともに 働く 人 と 別 次元 で 円高 の 循環 軌道 が できて いる 。 この ジレンマ を 招いた 相応の 責任 を 、 実は 労働 側 も 負わ ねば なら ない 。 労働 運動 は 随分 と 長い 間 、 賃上げ 面 で 自ら を 抑制 した 。 体質 強化 の 名 の 下 に 企業 に たまった 内部 留保 は 、 結局 、 地価 狂乱 を 生み出した 。 実需 に よる 内需 拡大 で は なく 仮 需 に よる バブル 経済 を つくった 。 春闘 四十 年 、 第 一 の 分岐 の 年 は 一九七五 年 だった 。 その 前年 、 労働 側 は 三三 % に 上る 賃上げ を 獲得 した 。 オイルショック 後 の 狂乱 物価 を 確かに クリア し 、 実質 賃金 は 確保 した 。 しかし 、 これ で は 日本 経済 が 破滅 の 淵 に 向かう と 危機 感 を 強めた の は 、 政治 であった し 、 むしろ 民間 実力 労組 の 一部 だった 。 労 と 政 が 引っ張り 打ち出した の が 、 日経連 の 賃上げ 一五 % ガイドライン 。 日本 版 所得 政策 と いえた 。 結果 は ガイドライン を も 下回る 一三 % 台 で 終わった 。 日本 経済 は 安定 軌道 に 向かった 。 その 限り で は 評価 さ れる 方策 だったろう 。 同じ 年 の 晩秋 、 公共 企業 体 等 労組 協議 会 が ストライキ 権 を 求めた 壮大な 権利 闘争 、 スト 権 スト は 完敗 した 。 その後 の 春闘 は 物理 的 闘争 力 を 失って いく 過程 で も あった 。 同時に 、 賃上げ 面 でも 七五 年 以降 、 あまりに 長く 「 物分かり 」 の よ すぎる 運動 を 続けた ので は なかった か 。 「 春闘 の 終わり 」 を 始め させ ない ため に は 、 まず 労使 間 で よい 意味 の 緊張 感 が もっと 要る 。 そして 一 発 回答 に こだわら ない 交渉 を 展開 する 。 次に 新たな 状況 に 対応 できる 方策 を 労働 運動 は 編み出す 必要 が ある 。 春闘 は ブルーカラー の 平均 賃上げ を 基調 に して きた 。 今後 は 、 年俸 制 や 業績 給 、 職能 給 に シフト して いく 賃金 体系 の 変化 に 、 働く 側 の 利益 を 見失わ ず に 対応 できる 闘争 方式 を 打ち立て ねば なら ない 。 連合 が 今 春闘 で 打ち出した 「 標準 労働 者 賃上げ 表示 」 要求 は 、 その 模索 の 表れ と 見 られる が 、 位置付け が 不 明確だ 。 女性 の 進出 も 課題 。 組合 が いつまでも 男性 社会 で あって よい わけ は ない 。 成熟 化 社会 は 、 組合 が おとなしければ よい と いう もの で は ない 。 賃上げ は もとより 、 労働 者 の 権利 を さらに 豊かに する ため の 行動 、 そして 労働 者 と 生活 者 と して の 欲求 が 一致 する 国民 的 政策 、 制度 要求 の 実現 を 一層 図る 。 どんな 時代 に なって も 大切な の は 国民 の 堅実な 暮らし だ 。 これ を 発展 さ せる ため の 春闘 である なら 古び させて は なら ない 。 労働 運動 の 指導 者 たち に は その 責任 が ある 。 無差別 殺人 を 狙った の か 。 有機 リン 系 の 「 サリン 」 と み られる 有毒 ガス が 同時 多発 的に 立ち込め 、 多く の 犠牲 者 を 出した 。 背筋 の 寒く なる 事件 である 。 だれ が どんな 目的 で こんな 残忍な こと を 。 捜査 当局 に は 早急な 検挙 を 望む 。 二十 日 朝 の ラッシュ 時 である 。 東京 都 内 を 走る 地下鉄 ・ 日比谷 線 、 丸ノ内 線 の 車 内 や 駅 構内 で 刺激 臭 が 立ち込め 、 多数 の 乗客 が 次々 と 倒れた 。 信じ られ ない 数 の けが人 が 出て いる 。 死者 も 少なく ない 。 警視 庁 は 「 遺留 品 分析 の 結果 、 サリン の 可能 性 が 高い 」 と 発表 し 「 地下鉄 駅 構内 毒物 使用 多数 殺人 事件 」 と 名付けた 捜査 本部 を 設置 した 。 サリン は 第 二 次 世界 大戦 中 に ドイツ が 開発 した 有毒 ガス であり 、 一 立方メートル に 百ミリ グラム を 含んだ 空気 に 三十 秒間 触れた だけ で 大半 の 人 が 死 に 至る 、 と いう 。 車 内 に あった 新聞紙 包み から ガス が 出た と いう 情報 も ある 。 地下鉄 と いう 、 逃げ場 の ない 密室 に そうした ガス が 仕掛け られた わけであり 、 そこ に 犯人 の 狙い が あった と したら 想像 を 絶する 犯行 と 言わ ざる を 得 ない 。 サリン と いえば 、 昨年 六 月 に 七 人 が 死亡 、 二百 人 余 が 重 軽症 を 負った 長野 県 松本 市 の 有毒 ガス 事件 でも 捜査 当局 は 「 サリン 」 と みて いる 。 その 翌月 、 山梨 県 内 の 山林 で 発生 した 悪臭 事件 でも サリン に 似た 有機 リン 系 物質 が 検出 さ れて いる 。 いずれ も 未解決だ 。 また 、 多数 の 乗客 が 利用 する 電車 や 駅 構内 を 狙った と いう 類似 ケース を みる と 、 首都 圏 で は 今月 に 入って 既に 二 件 発生 して いる 。 地下鉄 ・ 霞ケ関 駅 の 改札口 近く で は カバン から 蒸気 が 噴き出し 、 横浜 市 内 を 走行 中 の 京浜 急行 車 内 で は 刺激 臭 が 立ち込める と いう 事件 が あった 。 昨年 来 、 銃弾 が 一般 市民 の 顔 前 を 飛び交い 、 銃 汚染 が 人々 を 震撼 さ せた 。 学校 で は 「 いじめ 自殺 」 も 後 を 絶た ない 。 そして 、 今度 は 音 も なく 忍び寄る 「 ガス 」 の 恐怖 。 明らかに 今 の 日本 は 病理 に 苦しみ 「 安全な 国 」 と いわ れた 列島 は 不安 の どん底 に 陥れ られて いる 、 と いって 過言 で なかろう 。 一体 、 日本 は どうして しまった の か 。 総理 府 は 「 国民 の 社会 意識 に 関する 世論 調査 」 を 毎年 実施 して いる 。 三 月 の 調査 結果 に よる と 、 「 誇り に 思う こと 」 と いう 質問 に 「 治安 の よ さ 」 と 答えた 人 は 四二・六 % 、 前回 調査 に 比べて 一〇 ポイント も 下がった 。 「 日本 が どのような 方向 に 向かって いる か 」 の 問い に は 「 悪い 方向 」 と 答えた 人 が 四一・六 % いた 。 安全 神話 の 中 で 、 無防備に 暮らして いた 国民 も 忍び寄る 病理 に 不安 を 隠せ なく なって いる ようだ 。 こうした 状況 に 捜査 当局 は 的確に 対応 して いる のだろう か 。 残念 ながら 「 否 」 と 言わ ざる を 得 ない 。 企業 テロ 事件 など 、 凶悪な 重大 事件 が たびたび 起き ながら 検挙 率 は 決して 高く ない 。 松本 市 の 有毒 ガス 事件 でも 九 カ月 も たち ながら 、 解決 へ 向かって いる と いう 話 は 聞か ない 。 多く の 死者 を 出し 、 多く の 遺留 品 が あり ながら どうした こと な の か 。 未解決 は 犯行 を 狙う 者 を 助長 し かね ない 。 「 検挙 に 勝る 犯罪 防止 は ない 」 と いう で は ない か 。 今回 の 事件 は どうしても 検挙 さ れ なくて は なら ない 。 しかも 急が れる 。 もし 、 未解決 事件 の ファイル に 入れる ような こと に なれば 、 捜査 当局 の 威信 は 地 に 落ちよう 。 経営 破たん の 東京 協和 、 安全 の 二 信用 組合 を 救済 する 東京 共同 銀行 が 業務 を 開始 し 、 二 信 組 は 名実ともに 消滅 した 。 既定 路線 と は いえ 、 ここ まで たどり着いた こと で 捜査 当局 の 動き は 一段 と 活発 化 する であろう 。 拙速 は 望ま ない が 、 ぜひ 全容 解明 を 急いで もらい たい 。 金融 機関 を 取り巻く 環境 は 厳しい もの が ある 。 危険 水域 に ある 金融 機関 は かなり の 数 に 上る と 聞く 。 二 信 組 が 抱えた 問題 を 徹底 的に 解明 して 、 責任 の 所在 を 明確に する こと で 金融 システム 全体 に 対する 信頼 を 一刻 も 早く 取り戻さ なければ なら ない 。 国民 の 不信 感 が これ 以上 増幅 すれば 、 日本 経済 へ の 悪 影響 は 計り知れない 。 高橋 治則 、 鈴木 紳介 両前 理事 長 が 背任 罪 で 告訴 さ れて から 、 まだ 日 は 浅い 。 だが 、 捜査 当局 は 昨年 暮れ から すでに 資料 収集 に 着手 して いる 。 関係 者 から の 事情 聴取 も この ところ 活発だ 。 強制 捜査 へ 向けて の 布石 は 進んで いる と み たい 。 組織 の 小さい 信 組 と は いえ 、 一千億 円 余 の 不良 債権 を 抱える だけ に 、 その 資金 の 流れ を 追いかける の も 至難だ 。 しかも 、 背任 罪 は 財産 上 の 損害 を 与えた だけ で は 成立 し ない 。 「 図 利 ・ 加害 目的 」 「 任務 違背 」 が 構成 要件 であり 、 立証 の 難しい 犯罪 である 。 通常 ならば 解明 に 半年 は 要しよう 。 だが 、 そう は 待て なかろう 。 もともと 信 組 は 「 中小 企業 等 協同 組合 法 」 に 基づく 組織 であり 、 中小 企業 や 勤労 者 の 相互 扶助 、 地域 経済 の 向上 を 目的 と する 非 営利 の 金融 機関 である 。 預金 ・ 融資 は 原則 、 組合 員 に 限ら れ 、 組合 員 以外 へ の 貸し付け や 一 件 当たり の 貸付 額 に ついて は 厳しい 制限 が ある 。 二 信 組 は こうした 規制 を 守って い なかった 。 そればかりか 、 特定の 大口 預金 者 から 高利 で 資金 を 集め 、 自己 貸し や 無 担保 融資 、 迂回 融資 など 、 公的な 立場 を 無視 した 乱脈 経営 を 続けて いた 。 二 人 の 前 理事 長 は 国会 喚問 で 、 乱脈 融資 に 関して は 「 経営 改善 の ため 」 を 強調 し 、 経営 実態 に ついて も 「 東京 都 に は 報告 して いた 」 「 日本 長期 信用 銀行 の 管理 下 に あった 」 と 犯意 否認 と 受け取れる 弁明 を 繰り返した 。 しかし 、 融資 が 債権 回収 の 目的 だ と して も 度 が 過ぎれば 「 現実 的 可能 性 に 乏しい 単なる 願望 」 と いう 判決 例 も ある 。 刑事 責任 の 有無 は 今後 の 捜査 待ち だ が 、 過去 の 金融 機関 の 背任 事件 と 見比べて みて 、 大型の 経済 事件 に 発展 する 可能 性 は 高い と みて よかろう 。 「 こういう 金融 機関 の 存在 した こと が 信じ られ ない 」 と 武村 正義 蔵 相 が 嘆いた そうだ が 、 従来 、 大型の 経済 疑惑 ・ 事件 が 起きる と 政治 家 の 影 が 見え隠れ する ケース が しばしば み られた 。 今回 も 例外 で は ない 。 庶民 感覚 から する と 、 政治 家 や 官僚 の 関与 が あった から こそ 、 ここ まで 乱脈 が 膨れ上がった と 映る 。 刑事 責任 と 並行 して 政治 上 、 さらに は 行政 上 の 責任 に まで 切り込んで もらい たい 。 もちろん 、 捜査 は 刑事 責任 の 追及 と いう 範囲 に 限定 さ れる 。 司直 に すべて を ゆだねる わけに は いか ない 。 監督 責任 を 持つ 都 や 大蔵 省 、 さらに は 高橋 前 理事 長 の 企業 グループ の メーンバンク だった 長 銀 など は 率先 して 情報 を 公開 し 、 解明 に 努める べきだ 。 金融 システム へ の 不信 を 除去 する ため に は 、 責任 回避 ・ 転嫁 に 終始 して きた これ まで の 姿勢 から の 決別 を どうしても 求め たい 。 統一 地方 選挙 前半 の 第 一陣 である 十三 都道府県 知事 選 が きょう 二十三 日 に 告示 さ れる 。 続いて 四十三 道府県 議 選 と 十 政令 市議 選 が 三十一 日 に 告示 さ れる 。 いずれ も 四 月 九 日 が 投 開票 日 。 後半 の 一般 市区 長 、 市区 議 、 町村 長 、 町村 議 選 は 四 月 二十三 日 が 投 開票 日 である 。 統一 地方 選 も 戦後 十三 回 目 と も なる と 次第に 「 統一 」 の 実態 が 伴わ なく なって きて いる 。 とくに 知事 選 は 全 都道府県 中 三 割 弱 に すぎ ず 、 プレ 統一 選 と して 実施 済み の 山梨 、 愛媛 、 青森 、 愛知 、 熊本 を 加えて も 半数 に 達し ない 。 しかし 、 それ でも 四 年間 で 全国 六千六百 も の 各種 地方 選 の うち 四 割 弱 の 約 二千五百 の 選挙 が 一斉に 行わ れる わけで 、 日本 列島 は 選挙 一色 に 塗りつぶさ れる こと に なる 。 今回 選挙 で まず 注目 し なければ なら ない の は 、 地方 選 と は いえ 五五 年 体制 崩壊 後 初 の 全国 規模 の 選挙 であり 、 夏 の 参院 選 、 あるいは そう 遠く ない 時期 に 行わ れる と み られる 総 選挙 に 先駆けて 行わ れる こと である 。 知事 選 を はじめ 、 首長 選 で 目立つ の は 地方 議会 の 「 総 与党 化 」 現象 と 、 それ が 一 つ の 引き金 と も なって いる 中央 政界 と の 「 ねじれ 」 現象 である 。 この ため かつて は 統一 地方 選 が 国政 選挙 の 先行 指標 と して 機能 し 、 例えば 昭和 四十 年 代 に 革新 自治 体 が 燎原 の 火 の ように 広がる と 、 続いて 衆 参 両院 で 与野党 伯仲 時代 を 招来 する など 国政 選挙 と 地方 選挙 が 相互 に 影響 し 合って いた 。 それ が 不鮮明に なって しまって いる の が 現状 だ 。 これ は 国政 レベル の 政治 勢力 ごと に 地方 議会 が 系列 化 さ れて いた 時代 と は 異なり 、 今や 政党 そのもの が 離合 集散 を 繰り返す うち に 流動 化 して しまった ため 、 地方 レベル まで 系列 化 が 進ま ず 、 また 国政 で の 政策 的な 対立 軸 と 地方 で の それ が 単純に は 平行 移動 でき ない こと も 一因 だろう 。 しかし 、 実は 地方 議会 の 総 与党 化 は もっぱら 「 居心地 の よい 与党 暮らし を 続け たい 」 と いう 議員 の 側 の 都合 の 押し付け であり 、 有権者 は それ を 甘受 さ せ られて いる だけ で は ない だろう か 。 今や 地方 議会 の チェック 機能 は 働か ず 、 地方 政治 に 緊張 感 が ない 。 首長 選 で の 与党 間 の 談合 的な 候補 者 選考 が 有権者 の 離反 を 招き 、 ますます 緊張 感 の 欠如 を 助長 して いる 。 今 こそ 、 有権者 が こうした 「 選ば れる 側 」 の 論理 へ の 反撃 を 加える 時 で は ない か 。 地方 政治 を 活性 化 する こと で 国政 レベル の 政界 再編 に も 一石 を 投じる こと は 十分 可能だ 。 身の回り の 政治 と 国政 が 断絶 した 形 に なって いる こと こそ 民主 主義 と して 不健全な こと を 想起 す べきだろう 。 その 意味 で 情報 公開 制度 を 強く 自治 体 に 求めて いく こと は 、 地方 政治 へ の 関心 と 監査 機能 を 高めて いく うえ でも 効果 的な 方法 であろう 。 今回 の 選挙 で もう 一 つ 注目 す べきな の は 、 阪神 大 震災 の 傷跡 が 生々しい 中 で 行わ れる こと である 。 阪神 大 震災 は 都市 の 防災 対策 の 構造 的 欠陥 を 浮き彫り に した ため 、 地震 など 大 災害 に 強い 街 づくり が 有権者 の 強い 関心 を 呼んで おり 、 高齢 化 社会 へ の 対応 や 地方 分権 問題 と 並ぶ 大きな 争点 に 浮上 する こと に なり そうだ 。 神戸 市 に 限ら ず 全国 至る所 で 開発 至上 型 の 街 づくり に 走って きた の が 今 の 地方 自治 体 の 姿 だ が 、 これ に 対する 反省 の 一 票 を 投じる こと も 有権者 の 大きな 責任 な のである 。 東京 都 品川 区 の 公証 役場 事務 長 が ら致 さ れた 事件 で 、 捜査 当局 は 新興 宗教 団体 ・ オウム 真理 教 の 教団 施設 を 家宅 捜索 した 。 教団 関係 者 が 関与 した 疑い が ある と いう こと から 、 捜査 当局 は 逮捕 監禁 容疑 で 一 人 の 逮捕 状 を 取って いる と いう 。 二千五百 人 の 捜査 員 、 機動 隊員 を 動員 して おり 、 そこ に 並々 なら ぬ 決意 が うかがわ れる 。 教団 側 は 「 違法な 強制 捜査 であり 、 宗教 弾圧 だ 」 と 抗議 して いる 。 予断 は 厳に 慎ま なければ なら ない 。 だからこそ 、 捜査 当局 に は 厳正な 真実 を 一刻 も 早く 明らかに して もらい たい 。 捜索 の 光景 で 目 を 引いた の は 、 捜索 陣 の 中 に 戦闘 用 防護 服 と 防毒マスク 着用 の 捜査 員 が 多数 いた ことだ 。 どちら も 防衛 庁 から 借りた もの だ 。 さらに 有毒 ガス 処理 の 技術 指導 で の 協力 を 要請 した 、 と も 聞く 。 自衛 隊 の アドバイス で 有毒 ガス に 敏感な カナリア も 持ち込ま れて いた 。 山梨 県 内 の 教団 施設 の 近く で は 昨年 七 月 に 異臭 騒ぎ が あり 、 サリン 副 生成 物 が 検出 さ れて いる 。 有毒 ガス へ の 警戒 の 表れ であり 「 不測 の 事態 」 も 考えた ようだ 。 捜索 で は 、 二十 日 の 「 地下鉄 サリン 事件 」 の 際 に 検出 さ れた 有機 溶剤 と 同種 の アセトニトリル が 押収 さ れた 、 と いう 情報 が ある 。 この 溶剤 自体 は 「 実験 用 」 と して だれ でも 簡単に 入手 できる 。 そう であって も 、 この 事件 で は 五千 人 余 の 死傷 者 が 出て いる 。 サリン の 恐怖 に おののく 国民 は 捜索 ・ 捜査 の 行方 を 目 を 凝らして 見守って いる 。 関連 性 の 有無 を 当局 は 早急に はっきり さ せ なければ なら ないで あろう 。 捜索 の 容疑 である ら致 事件 は 先月 二十八 日 、 品川 区 内 で 起こった 。 まだ 辺り の 明るい 午後 四 時 半 ごろ 、 帰宅 途中 の 事務 長 は 四 、 五 人 の 男 に 襲わ れた 。 「 助けて 」 と いう 再三 の 叫び に も かかわら ず 、 ほんの 一 分 ほど の 間 に ワゴン 車 に 押し込め られて 消息 を 絶った 。 大人 が 大 都会 の 真ん中 で 日中 に 消えた こと で 、 大きな 衝撃 を 与えた 事件 だった 。 事務 長 の 妹 は 教団 の 信者 で 脱会 を めぐって トラブル が あった 、 と いう 。 ワゴン 車 は レンタル 会社 から 借り出さ れた もの で 、 借用 書類 から の 指紋 採取 が 進んで いた 。 ら致 と いえば 、 一九八九 年 十一 月 に 横浜 市 で 起きた 弁護 士 一家 三 人 失跡 事件 が 記憶 に 新しい 。 この 事件 は いまもって 手掛かり は ない と いう 。 だれ が 何の 目的 で ら致 した の か 。 この 解決 も 急が れよう 。 それにしても 最近 の 日本 で は 不気味な 事件 が 多 すぎる 。 愛犬 家 殺人 事件 や バラバラ 殺人 、 けん銃 射殺 など 法 秩序 に 挑戦 する ような 事件 が 目立つ 。 その上 に サリン の 恐怖 が 加わった ので は たまらない 。 秩序 破壊 から 何 が 生まれる と いう のだろう か 。 いたずらに 世間 を 震撼 さ せる だけ で は ない か 。 社会 の 安全 システム を 構築 する こと は 決して 容易で ない 。 が 、 それ を 崩壊 さ せる こと は いとも 簡単だ 。 今 、 ここ で 踏みとどまら なければ 取り返し が つか ない 。 犯罪 の 増加 、 凶悪 化 は 先進 国 に 共通の 病理 に なって いる ようだ 。 東京 ・ 地下鉄 サリン 事件 は 欧 米 で 異常な 関心 、 反応 を もって 報じ られた 。 模倣 性 を 恐れて の こと である 。 この ところ 、 安全 が 「 神話 」 と 化した 感 の ある 日本 だ が 、 諸 外国 で は 「 安全 国 」 の イメージ が まだ 残って いる 。 その 日本 が 世界 を 不安に さ せて いる 。 残念で なら ない 。 春闘 の 戦略 は 今年 、 破たん した と 言わ なければ なら ない 。 労働 側 が 交渉 の 過程 で バラバラ に なって しまった のである 。 その うえ に 、 昨年 より 千五百 円 低い NTT の 回答 に 吸い寄せ られる 下方 平準 化 現象 を 招いた 。 労働 側 が 、 矛盾 に 満ちた 道 を 歩んだ 春闘 である 。 二十三 日 、 一斉に 回答 の 出た 金属 労 協 の 電機 、 自動車 など 主要 産業 別 組合 の 春闘 は 、 史上 最低の 賃上げ 内容 で 終わった 。 なぜ 、 こう なった の か 。 戦略 に 、 矛盾 が 大き すぎた と 言う ほか ない 。 春闘 四十 周年 の 今年 、 大手 産別 を 束ねる 日本 労働 組合 総 連合 会 は 、 産別 自決 の 方針 を 強く 打ち出した 。 昨年 末 に かけて 設備 投資 の 回復 基調 も 見 られて いた 。 業 況 の 違い に より 、 産業 間 で 賃上げ に 相当な 格差 が 出て も やむ を 得 ない 。 そう 割り切った のである 。 やはり 春闘 史上 最低だった 昨年 を 反省 した 結果 であった 。 たとえ 求心力 を 弱めて も 、 可能 性 の ある ところ は 、 他の 産別 の 状況 に かかわら ず 高額 賃上げ 実現 を 図る 。 それ が 連合 の 産別 自決 の 目的 だった 。 同時に 、 春闘 に 二 つ の ヤマ場 を 作ろう と した 。 春闘 の 五五 年 体制 と いう べき パターン の 変革 。 JC の 集中 回答 を 最大 の ヤマ場 と し 、 これ を 後続 に 波及 さ せる 戦術 を 変える 。 今年 は JC より 前 、 三 月 十五 、 十六 日 に 私鉄 、 電力 、 NTT の 公益 大手 の 産別 が 回答 を 引き出そう と した 。 この 回答 水準 を 逆に JC に 波及 さ せ たい 。 結果 は どう だった か 。 私鉄 、 電力 は 経営 側 が 応じ ない 。 NTT の 組合 ・ 全 電通 は 三 月 三 日 に いち早く 九千三百 円 、 二・八 % で 妥結 した 。 阪神 大 震災 の 被害 が 大きく 、 公益 産業 と して 復旧 を 急ぎ たい 。 それ が 表向き の 理由 だった 。 背景 に NTT 分割 問題 が 浮上 して いる 。 分割 反対 の 組合 に 、 春闘 を 長引か せ たく ない 、 と する 判断 が あった 、 と 見なさ れて いる 。 連合 の 構想 に 反する 三 月 初旬 に 妥結 した の は 、 低い 妥結 内容 を 他 に 波及 さ せ ず 、 切り離し たい から 、 と いう 弁明 が ついた 。 同様に 問題 な の は 、 JC を はじめ 大手 産別 が 、 この NTT 回答 水準 を 、 抜け ない 点 に ある 。 電機 連合 だけ が 額 で 、 昨年 近く まで 追い上げた が 、 賃上げ 率 で は 三 % に 乗せ られ なかった 。 これ で は 産別 自決 は 掛け声 倒れ 、 と 指摘 せ ざる を 得 ない 。 連合 が 求心力 を 失った 結果 で は ない の か 。 経営 側 に 組合 の 力 を 感じ させ なく なった から か 。 確かに 今年 は 春闘 改革 を 試そう と して は いた 。 賃上げ 率 で は なく 賃上げ 額 に よる 回答 要求 、 そして 標準 労働 者 賃上げ 表示 要求 も その 一環 である 。 しかし 、 実質 上 大半 が 経営 側 に 跳ね返さ れて いる 。 改革 を 実現 する に は 、 労働 側 だけ で 構想 して も 困難だ 。 改革 を 経営 側 に 応じ させる だけ の 交渉 力 、 闘争 力 が 必要な のである 。 春闘 の 順列 を 変え 、 ヤマ場 を JC 回答 以外 に も 設定 する の なら 、 いま から その 交渉 の 準備 に 入ら なければ なら ない 。 組合 の 闘争 力 が 弱くて は 、 それ も 経営 側 に 跳ね返さ れる 。 一 発 回答 に こだわら ず 、 回答 が 不満 なら 闘争 を 継続 する 。 鋭い 交渉 力 、 闘争 力 を 身 に 着ける こと こそ 急務 だ と 、 春闘 の 結果 は 教えて いる 。 それ が 、 今後 の 賃金 体系 や 雇用 慣行 の 変化 に も 、 組合 と して 対応 し 得る 原点 だろう 。 かつて 不動産 は 「 今日 が 一 番 の 安値 」 だった 。 明日 は 今日 より 高く 、 明後日 は さらに 高い 。 「 土地 神話 」 は こうして 形成 さ れた 。 今 は 違う 。 「 今日 が 最 高値 」 であり 、 明日 は 今日 より 安く なる ―― 。 国土 庁 が 一 月 一 日 時点 で 調査 した 公示 地価 で は 、 前年 に 比べ 住宅 地 も 商業 地 も マイナス と なった 。 これ で 初 の 四 年 連続 下落 である 。 住宅 地 に 限って いえば 、 下落 率 は 小さく なった 。 その 半面 、 バブル の 温床 だった 商業 地 は 、 大 都市 圏 で 二 ケタ の 大幅 マイナス と なった 。 特に 東京 都 区部 は 二 割 の ダウン である 。 今年 に 入って も なお 下落 の 傾向 は 続いて いる 。 株 と ともに バブル 経済 の 柱 だった 地価 は 、 今もなお 調整 過程 に ある と いえる ので は ない か 。 こうした 地価 下落 の 動き を 反映 して 、 マイホーム 取得 の ため の 年収 倍率 も 首都 圏 で 昨年 の 五・三 倍 から 五・二 倍 へ と わずか ながら 改善 した 。 国土 庁 が 首都 圏 の 新規 発売 マンション 価格 を 基 に 算出 した もの だ が 、 床面積 が 六五 平方メートル と 狭い 。 これ を 七〇 平方メートル で 換算 する と 、 年収 倍率 は 五・六 倍 に なる 。 買う 側 から する と 、 もう 少し 安く なって ほしい 、 と いう の が 正直な 気持ち だろう 。 一 次 所得 者 層 の 年収 倍率 を 五 倍 以内 に 、 と いう 目標 から する と 、 四千万 円 未満 が 手 の 届く 一 つ の メド と いえる ので は ない か 。 この 水準 に 近づける に は 、 単に 地価 の 下落 だけ が 条件 で は ない 。 政府 の 住宅 政策 の 充実 、 とりわけ 土地 や 住宅 に 関する 規制 緩和 が 必要に なって くる 。 土地 の 有効 利用 を 促す 緩和 策 は 、 住宅 の 供給 増 に つながり 、 これ が 価格 を 引き下げる 。 住宅ローン 減税 の 拡充 も 、 取得 者 に とって 事実 上 の 価格 引き下げ と 同じ 効果 が ある こと を 改めて 指摘 して おき たい 。 一九八三 年 を 基準 と した 東京 圏 の 住宅 地価 は 、 一 時 二・五 倍 まで 上がった が 、 今回 は 一・七三 倍 まで 下落 した 。 これ は ほぼ 名目 国民 総 生産 の 伸び と 同じだ 。 従って 地価 は ほぼ リーズナブルな 水準 に 落ち着いて きた 、 と 評する 向き も ある 。 確かに 、 これ まで の トレンド を 見る と そうした 見方 が 成立 する 根拠 は ある 。 だが 、 高騰 以前 の 八八 年 ごろ の 水準 自体 が そもそも 構造 的な バブル を 含んで いた と すれば どう か 。 あるいは 、 土地 価格 が 名目 GNP と 同じ 伸び を 示す こと 自体 、 異常な 騰貴 と いえ ない か 、 と いった 疑問 も あろう 。 むしろ 物価 水準 と 地価 水準 を 同列 に 置く べきだ 、 と の 議論 も ある 。 いずれ に して も 、 次の こと は はっきり して いる 。 第 一 に 、 国際 的に 見て 、 東京 の 地価 は 群 を 抜いて 高い 。 ニューヨーク の 約 七 倍 、 ソウル の 約 二 倍 と いう 高 さ だ 。 これ は そのまま 、 東京 で 働く 勤労 者 の 住宅 問題 を 表して いる 。 第 二 に 、 その 原因 の 大宗 は わが国 に 根強く 生き 続けて いた 「 土地 神話 」 の 存在 である 。 企業 や 個人 の 資産 形成 の 手段 と して 、 土地 投資 が 地価 の 右 肩上がり を 前提 に 行わ れて きた ため だ 。 だが 、 バブル の 崩壊 を 契機 に 、 土地 が 日本 経済 の 座標 軸 に 占めて いた 位置 を 変え つつ ある と すれば どう だろう か 。 「 今日 が 最高 」 の 意味 は 、 いよいよ 重く なる 。 景気 が どうも 思わしくない 。 東京 証券 取引 所 第 一部 の 平均 株価 が 、 二 年 四 カ月 ぶり に 一万六千 円 台 を 割り込んで いる が 、 これ は 景気 の 先行き 不安 を 反映 して いる 。 それ に 円高 ・ ドル安 の 動き が 止まら ない 。 ニューヨーク 市場 で は 一 時 、 一 ドル = 八七 円 台 まで つけた 。 円高 が 景気 や 企業 業績 に 暗雲 を 広げ 、 株価 に も 悪 影響 を 及ぼして いる 。 ドル の 下落 を 食い止める ため に は 、 最低 限 と して 先進 主要 国 の 通貨 当局 の 協調 が 必要だ 。 しかし 、 今週 初め の 欧州 連合 蔵 相 会議 が ドル 支援 で 意見 が 分かれた ように 、 先進 国 当局 間 の 亀裂 が 目立って いる 。 さらに 、 金融 システム の 動揺 が これ に 加わる 。 株安 で 金融 機関 が 頼り に して いる 株式 の 含み益 を 急減 さ せて いる 。 これ で 不良 債権 の 処理 の 展望 が ますます 暗く なった 。 旧 東京 協和 、 安全 の 二 信 組 の 経営 破たん を めぐる 問題 は 、 ほか の 金融 機関 へ の 波及 の 動き も あり 、 経営 苦 の 金融 機関 から 預金 の シフト が 起きて いる 。 スキャンダル の 追及 と 信用 秩序 の 維持 と いう 違う 次元 の 問題 が 入り乱れ 、 大蔵 省 は 信用 が 落ち 、 当事 者 能力 も 弱まった 。 世間 は 割と のんびり して いる が 、 実際 は 危機 的 状況 に 直面 して いる 。 事態 は 平均 株価 が 一万四千 円 台 まで 落ちた 一九九二 年 八 月 と 比べ 、 より 深刻である 。 では 、 何 を す べきな の か 。 春闘 の 賃上げ 率 が 低い こと が 示す ように 、 民間 の 活力 が 依然 パッと し ない 。 だから 、 基本 的に 公的 部門 の 強い 支え が 欠かせ ない 。 短期 対策 と して は 、 九五 年度 の 公共 事業 費 の 前倒し 執行 が ある 。 契約 を 早め 、 年度 前半 で の 執行 を 促進 する 。 また 、 十兆 円 規模 の 震災 復興 対策 を 立て 、 新 年度 の 一 次 補正 に かなり の 規模 を 組み込む ことだ 。 最近 、 震災 復興 や 景気 対策 を めぐる 下馬評 や アドバルーン の 数字 と 比べ 、 政府 の 決定 が 小さく 縮んで しまう 傾向 が ある 。 ひと昔 前 は 、 数字 が だんだん 大きく なった もの だ 。 これ で は アナウンス 効果 が 出 ない 。 財源 は 当初 予算 の 公共 事業 費 の 一部 を 留保 して 、 復興 対策 に 回す 手 も ある が 、 景気 刺激 を 重視 して 、 財政 支出 増加 分 は 建設 国債 で 賄う の も やむ を 得 ない 。 同時に 、 金融 政策 で は 公定 歩合 の 引き下げ が 視野 に 入って こよう 。 公定 歩合 は 一・七五 % と 歴史 的な 低 水準 に あり 、 これ 以上 下げる と 、 いつ の 日 に か インフレ の 火種 に なる 恐れ は ある 。 だが 、 土地 本位 制 と いわ れる 日本 で 、 東京 、 大阪 圏 商業 地 の 公示 価格 が 年 一五 % 下がって いる 資産 デフレ を 考える と 、 実質 金利 は まだ かなり 高い 。 利下げ して 、 過剰 貯蓄 の 日本 の マネー の 一部 を 海外 に 押し出せば 、 円高 の 流れ を 変える こと が できる かも しれ ない 。 円高 、 株安 に ブレーキ を かけ られる ならば 、 思い切った 決断 も 必要だろう 。 一方 、 中 長期 対策 と して は 、 規制 の 撤廃 ・ 緩和 が 必要だ 。 新型 の 投資 信託 など 新 商品 の 認可 で 大蔵 省 は うるさい こと を 言う べきで ない 。 官僚 の 意識 改革 に は 時間 が かかる が 、 規制 撤廃 ・ 緩和 の 成否 は 、 将来 の 日本 経済 の 活力 を 左右する 。 住宅 金融 専門 会社 の 再編 を めぐる 青写真 の 作成 など 、 金融 システム 対策 は 最 重要 事項 である 。 「 がんばり ましょう 」 の メロディー が 、 きょう 開幕 する 第 六十七 回 選抜 高校 野球 大会 の 阪神 甲子園 球場 に 流れる 。 SMAP の この 曲 が 今年 の センバツ 行進 曲 に 選ば れた の は 、 阪神 大 震災 の 前 である 。 「 被災 地 を 励まし 、 復興 の 応援 歌 に なろう 」 が 今 大会 を 貫く 理念 だ から 、 まさに うってつけの エール だ 。 弾む ような 調べ に 乗って 、 三十二 校 の 球児 たち が 、 心待ち に した 夢 舞台 を 踏む 。 若 さ と 練習 の 成果 を 思う存分 、 ぶつけ合って 、 新生 と 復興 の 春 を 活気づけて もらい たい 。 初 出場 こそ 七 校 だ が 、 復活 校 が 二十 チーム に も 上る の は 喜ばしい 。 四 半 世紀 ぶり に カムバック の 富山 商 、 十八 年 ぶり の 銚子 商 など 懐かしい 名 が 並ぶ 。 顔ぶれ 一新 の 大会 だ 。 とりわけ 関心 が 深い の は 、 被災 地 から 名乗り を 上げた 神港 学園 、 育英 、 報徳 学園 の 三 校 の 戦い ぶり だ 。 全国 の ファン の 目 も 集まる だろう 。 震災 の 精神 的 衝撃 から 、 どう 立ち直った の か 、 練習 不足 を どこ まで 克服 できた のだろう か 、 と 。 三 校 の 部員 と も 被害 を まともに 受けた 。 神港 は 二 人 、 報徳 は 一 人 の 校友 を 亡くした 。 育英 の 体育 館 は 今 も 避難 所 だ 。 家 が つぶれ 、 避難 所 や チームメート 宅 から 学校 に 通った 部員 も 多い 。 しばらく は 野球 どころ で は なかった に 違いない 。 しかし 、 被災 地 の 球児 は たくましかった 。 練習 時間 を 削り 、 被災 者 仲間 の ため に 清掃 や 荷 の 積み下ろし の ボランティア 活動 も した 。 震災 体験 から 得た もの の 大き さ を 育英 の 藤本 敦士 主将 が 語って いる 。 「 震災 を 通じて 、 助け合う 人 の 心 の 素晴らし さ を 知り ました 。 センバツ が 神戸 復興 の 春 に なる よう 全力 を 尽くし たい 」 重い 体験 に 裏打ち さ れた 、 奮起 の 心意気 であろう 。 練習 へ の 気合 から して 「 震災 前 と は 見違えた 」 と 監督 ら は 目 を 見張る のだ 。 被災 者 を 勇気づける 健闘 が 十分 期待 できよう 。 この 心意気 を 、 彼ら と 対戦 する チーム も 、 し ない チーム も しっかり と 受け止め たい 。 被災 校 に 負け ない 気迫 で ゲーム に 臨む と いう ことだ 。 加えて 、 選手 に は 被災 地 の 現状 を 自分 の 目 で 確かめて ほしい 。 震災 の ツメ 跡 は なお 生々しい 。 避難 所 で の 生活 も 続いて いる 。 それ ら の 光景 が 、 地震 列島 に 住む 我々 に は 決して 人ごと で は ない と 実感 する こと が 大切な のだ 。 鳴り物入り 応援 の 自粛 など 被災 者 の 心情 を くんだ 今 大会 は 、 被災 地 の 住民 参加 の 大会 で も ある 。 入場 行進 曲 の 演奏 を 、 被災 地 警備 に 忙しい 警察 の 音楽 隊 に 代わって 地元 ・ 西宮 市 の 高校 七 校 の 吹奏 楽部 が 買って出た 。 小学生 の バッテリー 二 組 が 、 文部 大臣 と 一緒に 始球式 を する 。 西宮 市長 の アイデア だ 。 未曽有の 災害 に 遭い 、 その 対策 に 追わ れる 日々 である 。 にもかかわらず 、 地元 で 開催 の 伝統 行事 を もり立てよう と の 心意気 に は 頭 が 下がる 。 利害 を 超えた このような 気持ち の 結集 こそ が 、 都市 復興 と 生活 再建 へ の 確かな 力 に なる と 信じ たい 。 アマチュアスポーツ の 商業 主義 化 が 憂慮 さ れて 久しい 。 教育 の 一環 と して の 甲子園 が 目指す もの は 、 一握り の ヒーロー を 生み出す こと でも 、 プロ 野球 の 予備 軍 を 育てる こと で も ない 。 地味で 、 飾ら ない 、 不屈の 敢闘 精神 で は ある まい か 。 高校 野球 の 原点 に 接近 可能な 予感 が する 、 今年 の センバツ である 。 「 新しい 選挙 制度 が 果たして 狙い 通り に 機能 する の か 、 今なお 私 は 懐疑 的だ が 、 実施 さ れる 以上 、 一 度 、 二度と 実験 して 不都合な 点 が 出て くれば 是正 する 。 それ でも まずければ 制度 の 根本 から 考え 直す しか ない 。 新 制度 に 対する 監視 は 私 たち の 運動 の 新たな 目標 です 」 弁護 士 の かたわら 市民 の 立場 で 選挙 制度 改革 に 取り組んで きた 越川 康 さん は 長い 運動 の 歴史 を 振り返り ながら 、 決意 を 新たに して いる 。 越川 さん と 選挙 制度 と の かかわり は 一九六二 年 に さかのぼる 。 衆院 議員 の 定数 配分 の 不均衡で 国民 の 参政 権 が 平等に 扱わ れ ない の は 憲法 一四 条 に 規定 さ れた 「 法 の 下 の 平等 」 に 反する 、 と 「 選挙 無効 」 の 訴訟 を 起こした 時 から “ 戦い ” は 始まった 。 以来 、 計 十三 回 の 訴訟 を 通じて 一貫 して 追求 して きた テーマ は 「 一 票 の 価値 」 を 通して の 「 民意 の 公平 」 であった 。 八五 年 に は ついに 最高裁 から 「 定数 配分 違憲 判決 」 を 勝ち取った 。 「 違憲 判決 」 は 場当たり 定数 是正 で 現状 を 糊塗 して きた 政界 に 大きな 衝撃 を 与えた 。 定数 操作 の 限界 に 突き当たった 政界 は 、 折から 頻発 した 政治 腐敗 の 防止 策 と 相まって 選挙 制度 改革 へ の 着手 を 余儀なく さ れた 。 自民党 が 第 八 次 選挙 制度 審議 会 の 答申 を 基 に 小 選挙 区 制 に 比例 代表 制 を 加味 した 小 選挙 区 比例 代表 並立 制 の 導入 を 前面 に 押し出した 時 、 越川 さん は 政府 の 審議 会 の 向こう を 張り 学者 、 法律 家 、 ジャーナリスト に 呼びかけて 「 民間 人 に よる 選挙 制度 審議 会 」 を 創設 、 「 並立 制 」 反対 の 提言 を まとめ 、 国会 、 政党 に 働きかけた 。 わが国 の 選挙 は 二五 年 から 戦後 の 一 時期 を 除き 今日 まで 約 七十 年間 に わたって 中 選挙 区 制 で 施行 さ れて きた 。 この 間 、 自民党 は 五五 年 の 結党 以来 、 鳩山 、 田中 、 海部 、 宮沢 の 四 内閣 で それぞれ 小 選挙 区 制 の 導入 を 試みた が 、 いずれ も 野党 の 強い 抵抗 の 前 に 挫折 。 九四 年 、 自民党 が 下野 して 樹立 さ れた 非 自民 の 細川 内閣 の 下 で 「 並立 制 」 の 導入 が 決定 さ れる と いう 経緯 を たどった 。 海部 内閣 以降 、 選挙 の 区 制 改革 論議 が 高まった の は 、 「 違憲 判決 」 が 効いた こと も あった が 、 決定 的な パンチ は リクルート 事件 を 契機 と して 政治 腐敗 が 国民 的 指弾 を 浴びる 中 で 沸き上がった 政治 改革 の 柱 に 位置づけ られた こと だった 。 同一 政党 の 候補 者 間 に よる サービス 合戦 が 政治 腐敗 に 結びつく と さ れる 中 選挙 区 制 に 比し 、 一 政党 一 候補 者 の 小 選挙 区 制 は カネ の かから ない 、 政治 浄化 に 適した 区 制 だ 、 と いう の が 小 選挙 区 制 導入 の 有力な 論拠 であった 。 だが 、 小 選挙 区 制 を 核 と した 「 並立 制 」 の 導入 が 決定 して から この 一 年 二 カ月 の 政界 の 動き を 見て 、 新しい 選挙 制度 の 下 で これ ら の メリット が うたい文句 通り に 発揮 さ れる の か どう か 、 甚だ 疑わしく なって きて いる の が 現状 で は なかろう か 。 小 選挙 区 制 導入 の 大義 名分 と した 政治 浄化 効果 は 、 選挙 区 単位 が 中 選挙 区 より 狭小 と なった ため ドブ 板 選挙 の 様相 が 濃く なり 、 腐敗 の 拡大 の 恐れ が 指摘 さ れて いる 。 一部 で は 支持 者 の 系列 化 を 狙って 早くも 本番 さながら の 汚い カネ の 授受 が 横行 し 始めて いる と 聞く 。 政党 本位 、 政策 本位 の 政治 は 、 理念 、 政策 の 一致 を 棚 に 上げて の 政権 づくり や 新党 づくり が 先行 する 中 で 、 与野党 間 の 対立 軸 は 失わ れ 、 選挙 は 個人 本位 で 行わ れる 様相 だ 。 二 大 政党 へ の 収れん は 、 第 三 極 の 形成 いかん に も よる が 、 逆に 巨大 政党 の 出現 に よる ガリバー 型 一 党 支配 の 長期 固定 化 の 懸念 を 生んで いる 。 何より も 嘆かわしい の は 、 小 選挙 区 制 確定 から この 方 、 政党 、 政治 家 の 顔 が 小 選挙 区 対応 に ばかり 向いて 本来 の 任務 である 国政 が おろそかに なり 、 政界 全体 が 浮遊 して 政治 不在 の 観 を 呈して いる ことだ 。 毎日新聞社 が 今月 実施 した 世論 調査 で は 、 「 支持 政党 なし 」 が 五一 % と なり 、 調査 史上 初めて 五〇 % を 上回った 。 政治 の 活性 化 を 目指し 、 七 年 越し に 政界 を 挙げて 取り組んだ 政治 改革 の 成果 が 、 かつて ない 政治 不信 の 増大 と は 皮肉 の 極み である 。 成立 した 「 政治 改革 法 」 は すでにして セピア 色 に かすんで 見える 。 「 支持 政党 なし 」 と は 詰まるところ 、 政党 の 存在 感 の 喪失 であり 、 政党 の 機能 低下 の 証左 である 。 国民 の 政治 に 対する 信頼 を 回復 さ せる 手だて を 早急に 取ら なければ 、 選挙 制度 以前 に 政治 システム 全体 の 崩壊 に つながる 危険 性 なし と し ない 。 選挙 制度 は 民意 を 政治 に 反映 さ せる 重要な チャンネル である 。 欠陥 が 生じれば 直ちに 補う 努力 が 不断 に 行わ れ ねば なら ない の は 当然である 。 同時に 政党 は 有権者 の “ 愛想づかし ” を 厳しく 直視 し 、 民意 に 敏感な 政治 の 確立 へ 向けて 真摯に 取り組む べきであろう 。 地方 分権 推進 法案 が 国会 に 提出 さ れ 、 「 地方 分権 元年 」 と 言わ れる 中 で 、 戦後 十三 回 目 の 統一 地方 選 が スタート した 。 地方 自治 、 地方 分権 に とって 重要な 意味 を 持つ 選挙 である はずな のに 、 無党派 、 無関心 、 無 投票 、 無 所属 、 無 原則 …… など 「 無 」 の 書き出し で 始まる 言葉 が 蔓延 して いる の は どういう こと だろう か 。 無党派 層 は 各種 世論 調査 で 五 割 を 超えて いる 。 各地 の 知事 選 で は 、 この 無党派 層 の 存在 に おびえた 政党 の 側 が 、 中央 と の ねじれ も もの か は 、 相乗り を 進め 「 総 与党 化 」 の 傾向 を ますます 強めて いる 。 各 党 は 「 中央 の 論理 を 地方 に 押しつける わけに は いか ない 」 「 政策 の 違い が 薄れた から 」 など と 説明 する が 、 政治 の 側 の 無 原則 ぶり が 、 有権者 を さらに 無関心 の 方 に 追いやって いる 。 その 責任 は 大きい 。 四十三 道府県 議 選 が 三十一 日 に 告示 さ れる が 、 毎日新聞社 の 調べ で は 、 立候補 予定 者 の 減少 で 総 定数 に 対する 競争 率 は 史上 最低で 、 全体 の 三 割 弱 が 無 投票 当選 に なる 公算 が 大きく なって いる と いう 。 複数 の 候補 者 が 立ち 、 身近な テーマ を 争点 に 競い合えば 、 有権者 の 関心 も 高まり 投票 率 も 上がる のだろう が 、 候補 者 間 の 競争 率 が 下がれば 下がる ほど 有権者 の 関心 は 薄れ 、 結果 と して 投票 率 の 低下 を 招く 。 事実 、 統一 地方 選 の 投票 率 は 回 を 重ねる ごと に 落ちて いる 。 こうして 見る と 、 統一 地方 選 と いう システム に も 制度 疲労 が 出て きて いる と 考え ざる を 得 ない 。 中央 が 「 政治 と カネ 」 を めぐる スキャンダル を 続け 、 政治 不信 を 増大 さ せた の と 同様に である 。 ゼネコン 汚職 を はじめ 地方 の 首長 や 議員 の スキャンダル が 後 を 絶た ない こと を 想起 す べきだ 。 戦後 の 地方 選挙 を どう する か を めぐって は 、 一九四六 年 の 連合 国軍 総 司令 部 と 旧 内務 省 と の 論争 から 制度 作り が 始まった 。 新 憲法 の 草案 作り と の 関連 で 、 GHQ が 地方 自治 体 の 首長 や 議員 は 直接 ・ 普通 選挙 で 選ぶ べきだ と 主張 した の に 対し 「 内務 省 は 、 地方 制度 の 改革 に ついて 極めて 保守 的な 姿勢 を とって いた 。 しかし GHQ の 積極 的な 介入 に よって 大幅に 民主 化 さ れた 地方 制度 の 選挙 制 が 実現 した 」 のである 。 具体 的な 民主 化 策 と して は 、 首長 、 議会 の 直接 投票 制度 や 、 首長 の 罷免 や 議会 の 解散 を 求める こと の できる リコール 制度 など が 挙げ られる 。 その後 、 地方 自治 法 が 公布 さ れた 四七 年 四 月 に 第 一 回 統一 地方 選挙 が 行わ れた 。 統一 した の は 経費 の 節約 に なり 、 有権者 の 関心 も 高まる と いう もの だった 。 それ から 四十八 年 。 衆 参 両院 の 国政 選挙 の 方 は 大きな 手直し が さ れた が 、 地方 選挙 制度 の 方 は 基本 的な 部分 は 全く 変わって い ない 。 定着 して いる と 言えば 、 それ まで だ が 、 現状 を 見れば 、 統一 地方 選 を 中心 と した 現在 の 地方 選挙 制度 に 根底 から 改革 の 手 を 加える 時期 に 来て いる と の 印象 を 強く する 。 この うち 統一 地方 選 の 「 再 統一 」 と 、 議員 の 半数 改選 方式 は 七六 年 の 第 十六 次 地方 制度 調査 会 が 答申 済み である 。 祝日 と して 「 地方 自治 の 日 」 を 新設 し 、 この 日 に 再 統一 すれば 投票 率 が 上がる はず と の 構想 だ が 、 答申 は 出し っ放し に 終わって いる 。 定住 外国 人 へ の 地方 参政 権 の 付与 問題 に ついて 最高裁 は 先月 、 「 立法 措置 を 講じれば 、 地方 選挙 で の 投票 権 を 付与 して も 憲法 に 反し ない 」 と の 判断 を 初めて 示した 。 世界 的に は 北欧 諸国 は すでに 地方 参政 権 を 認め 、 欧州 連合 参加 国 間 でも 参政 権 付与 の 条件 整備 が 進め られて いる 。 国 内 で は 最高裁 の 判決 後 、 政府 は 地方 参政 権 付与 の ため の 立法 措置 を 講ず べきだ と の 意見 書 を 採択 する 地方 議会 が 急増 、 すでに 三百二十 議会 に 達して いる 。 この 問題 は 日本 の 国際 化 や 、 海外 に 在住 して いる 日本 人 へ の 投票 権 付与 と も 連動 して いる 。 実現 すれば 地方 選挙 に 対する 関心 を 高める 一助 に なる はずである 。 政府 、 各 党 は 司法 判断 を 踏まえ 早急に 関係 法 を 改正 す べきだろう 。 この ほか 地方 議員 は 必ずしも 職業 政治 家 である 必要 は ない と の 考え から 、 ボランティア 議員 制度 を 新設 す べきだ と の 意見 も ある 。 アマチュア 感覚 で 自治 体 側 を 監視 、 監査 する わけだ が 、 今 の 時代 状況 から 見て も 検討 に 値する 案 だろう 。 もちろん 制度 を いじり さえ すれば いい と いう もの で は ない 。 しかし 制度 改革 を 通じて 政治 の 側 の 意識 や 有権者 の 関心 を 高める こと は 可能だ 。 今 は 国 と 地方 の 役割 を 見直し 、 自治 体 や 住民 の 自立 性 を 高める こと を 目的 に した 地方 分権 を 推進 しよう と いう 時 である 。 制度 改革 を 通じ 首長 の あり よう を 問い 、 チェック 機能 を 低下 さ せ 、 飾り物 的に なって いる 議会 を 変え なければ なら ない 。 山梨 県 上九一色 村 に ある オウム 真理 教 の 施設 に 対する 捜索 は 、 拉致 容疑 から 殺人 予備 容疑 に 切り替わった 。 捜査 の 流れ が 新たな 段階 に 入った こと を 示す と みて よかろう 。 これ まで の 捜査 で 大量の 薬品 が 見つかって いる 。 その 種類 は 三十 から 四十 種 に も 上り 、 猛毒 ガス ・ サリン の 合成 原料 が そろって いた と いう 。 新たに 実験 施設 も 見つかって いる ようだ 。 宗教 活動 と どのように 関係 する と いう のだろう か 。 教団 側 は 種々 弁明 し 「 農薬 の 原料 」 「 陶器 製作 に 使う ため 」 「 自分 たち が ガス 攻撃 を 受けて いる 」 など と 反論 して いる と いう が 、 説得 力 は 乏しい と 言わ ざる を 得 ない 。 殺人 予備 罪 は 、 人 を 殺す 目的 で 凶器 や 毒薬 など を 準備 した ケース で 適用 さ れる 。 今回 の 事件 で は 、 いま の ところ 施設 内 で サリン が 作ら れた と いう 直接 証拠 は 出て い ない 。 しかし 、 殺人 目的 以外 に 用途 の ない 猛毒 ガス の 合成 の 可能 性 が 浮上 した 以上 、 放置 でき ない と いう わけで 、 殺人 予備 容疑 で の 捜索 と なった 。 捜索 は 入り口 であり 、 今後 、 捜査 当局 は 証拠固 め に 努める だろう 。 教団 を めぐる トラブル は 多々 ある 。 監禁 、 営利 誘拐 、 盗聴 など の 疑い で 各地 の 警察 に 多数 の 届け出 が 出て いる 。 財産 の 寄進 を めぐる トラブル も ある 。 宗教 団体 であって も 法 規範 の 厳守 は 求め られる 。 刑事 責任 を 問う べき ケース が あれば 迅速な 捜査 が 展開 さ れ なくて は なら ない 。 それ だけ で は ない 。 公証 役場 事務 長 の 拉致 事件 で は 、 まだ 本人 の 発見 に 至って い ない 。 松本 サリン 事件 や 地下鉄 サリン 事件 と いう 重大 事件 も 未 解明 の まま である 。 関連 性 の 有無 を 早急に 明らかに し なくて は なら ない 。 不安に 陥れ られて いる 国民 の 関心 事 は ここ に ある 。 それにしても 、 考え させ られる の は 猛毒 ガス ・ サリン の 主要 原料 である 「 三 塩化 リン 」 が 捜索 で 大量に 見つかった と いう ことだ 。 化学 兵器 は 「 貧者 の 核 兵器 」 と も いわ れ 、 中でも サリン は 毒性 が 青酸カリ の 五百 倍 で 、 極めて 大きな 殺傷 力 を 持つ 。 六十 年 ほど 前 に ドイツ で 開発 さ れた が 、 第 二 次 世界 大戦 で は 使用 が ためらわ れた と も いわ れて いる 。 今回 の 押収 の 三 塩化 リン を そっくり サリン に 合成 した と 仮定 する と 、 何百万 人 分 も の 致死 量 に 相当 する であろう 。 想像 した だけ で 身 の 毛 が よだつ 。 比喩 的に 表現 する なら 、 三 塩化 リン は 「 原爆 に おける プルトニウム に 当たる 」 と いう こと に なり は し ない か 。 サリン に 結び付く 危険 性 から 化学 兵器 禁止 条約 の 交渉 の 場 で 取り上げ られた こと も あった 。 それ が 「 野放し 状態 」 に 近い こと が 今回 の 捜索 で 分かった 。 農薬 や 除草 剤 の 原料 で は あろう が 、 危険 極まりない 。 地下鉄 サリン 事件 に 関連 して サリン など 特定 有毒 物質 の 所持 、 製造 を 禁止 する 法 が 今 国会 で 成立 する 見通し だ 。 もちろん 結構な こと だ が 、 これ だけ で は 違法 性 承知 の 確信 犯 に とって は ほとんど 意味 を 持た ないで あろう 。 肝心な の は 、 その 前段 で の チェック だ 。 プルトニウム 管理 と 同じ ように 、 三 塩化 リン など サリン の 基本 原料 と なる もの の 流れ を 管理 ・ 監視 する 、 より 厳しい 規制 が 求め られる ので は ない か 。 一連の サリン 事件 は 世界 的に 大きな 衝撃 を 与えて いる 。 捜査 と 並行 し つつ 、 再発 防止 の 諸 策 を さらに 打ち出す べきだ 。 地球 温暖 化 の 速度 を 遅らせよう と 二十八 日 から 四 月 七 日 まで ベルリン で 初 の 「 気候 サミット 」 が 開か れる 。 一九九二 年 の 地球 サミット で 調印 さ れた 「 気候 変動 枠組み 条約 」 に は 百二十二 カ国 が 加盟 、 昨年 三 月 に 発効 した 。 条約 は 締約 国 に 、 石油 や 石炭 を 燃やす と 発生 する 二 酸化 炭素 の 国別 発生 量 を 「 二〇〇〇 年 の 時点 と それ 以降 も 一九九〇 年 の 水準 に 抑える よう 」 求めて いる 。 締約 国 の うち 日本 、 米国 など 工業 先進 十五 カ国 は 昨年 、 CO 2 など 温暖 化 ガス を どのような 方法 で 減らす か 報告 書 を 提出 した 。 おおむね 消極 的で 、 日本 は 二〇〇〇 年 に 九〇 年 より も 三 % ほど 排出 量 が 増える 見通し だ 。 だが 、 現状 の 温暖 化 傾向 に 大部分 の 責任 を 負う 工業 先進 国 の 効果 ある 対策 なし に 改善 は 望め ない 。 日本 自身 は 七三 年 の 石油 危機 を 境 に 、 エネルギー 消費 量 を それ 以前 より 鉄鋼 産業 で 三八 % 、 化学 産業 で は 一六 % も 減らした 。 世界 の 工業 生産 の 約 一五 % を 占め ながら 、 CO 2 の 排出 量 を 世界 全体 の 四・八 % に とどめて いる 理由 だ 。 米国 二一・八 % 、 旧 ソ連 一五・八 % 、 中国 の 一一・二 % に 比べ 、 日本 の エネルギー 効率 の よ さ が 目立つ 。 それ を 理由 に 「 日本 は もう なす べき こと を した 」 と 条約 の 課題 に 消極 的な 意見 が 支配 的だ 。 だが 、 国際 的に 通用 する 見解 で は なかろう 。 世界 の CO 2 排出 量 に 占める 割合 は 全 アフリカ の 三 % 、 全 南米 の 二・六 % に 対し 日本 一 国 で 四・八 % に 達する 。 人口 比 で 約 二 % の 国 の 排出 量 と して は なお 膨大である 。 温暖 化 は 過去 に 排出 さ れ 、 大気 に 蓄積 して いる CO 2 が 主な 原因 と さ れる 。 本格 的な 工業 化 の この 四十 年間 に 日本 が 排出 した CO 2 の 総量 は 巨大である 。 オゾン 層 を 破壊 して いる フロン も また CO 2 の 一万 倍 も の 温室 効果 を 持つ 。 今年 末 で 製造 は 中止 さ れる が 、 日本 は 世界 の 総 生産 量 の 一〇 % 、 毎年 約 十万 トン の フロン を 消費 して きた 。 その 蓄積 が ピーク に 達する の は これ から だ 。 ベルリン 会議 に 臨む 中国 と G77 の 途上 国 グループ が 、 先進 国 が 自ら CO 2 の 発生 を 抑える こと が 出来る まで 交渉 を 進める の は 疑問 、 と して いる の も うなずける 。 日本 は 温暖 化 対策 の 優等 生 だ と いう 考え を 改めて 、 歴代 の 首相 が 公約 して きた 「 環境 立国 ・ 日本 」 の 実 を 示す べき 時 である 。 この 会議 は 二 つ の 重要な 議題 を かかえて いる 。 キリバス など 三十六 の 島しょ 国 連合 は 温暖 化 に よる 海水 位 の 上昇 で “ 沈没 ” する 恐れ が ある と して 、 先進 国 に 「 二〇〇五 年 まで に CO 2 の 排出 量 を 九〇 年 レベル より 二〇 % 減らす よう 」 求めて いる 。 また ドイツ の 提案 で 、 先進 諸国 が 太陽 や 風力 など 再生 可能な エネルギー に 切り替え 、 さらに エネルギー 効率 を 高め 、 二〇〇〇 年 以後 の CO 2 の 発生 量 を 固定 化 する ため の 議定書 づくり も 話し合わ れる 。 三百 人 を 超す 世界 の 科学 者 が 予測 する 「 気候 変動 に 関する 政府 間 パネル 」 の 温暖 化 シナリオ に 比べ 、 根拠 の 弱い 温暖 化 へ の 懐疑 論 に 逃げ込ま ず 、 CO 2 の 抑制 策 に 協力 し たい 。 有限な 化石 燃料 資源 を 考え合わせれば 、 省エネ ・ 省 資源 を 基本 と する CO 2 減らし は 、 同時に 経済 合理 性 に も かなって いる から だ 。 日本 は 先行 して いる 省エネ 技術 に 加え 、 後れ を 取った 代替 エネルギー の 実用 化 を 急が ねば なら ない 。 何度 も うわさ に 流れた 三菱 銀行 と 東京 銀行 と の 合併 が 現実 と なった 。 都 銀 の 合併 と して は 、 協和 、 埼玉 銀行 が 合併 して 協和 埼玉 銀行 が 誕生 して 以来 の こと に なる 。 最近 、 三菱 銀行 の 若井 恒雄 頭取 は 、 時世 に 流さ れ ず 、 勇気 ある 行動 が 大事だ 、 と 強調 して いた 。 今回 の 合併 は 、 両 行 首脳 に とって 勇気 ある 決断 だったろう 。 合併 に より 単に 規模 の 大き さ だけ で なく 、 ユニークな 銀行 に なる 。 すでに 三菱 銀行 が 日本 信託 を 傘下 に 組み込んだ こと で 、 信託 業務 が 全 分野 で 可能だ し 、 東京 銀行 と の 合併 で 金融 債 も 発行 できる こと に なる 。 三菱 の 円 ビジネス と 東京 の 外貨 ビジネス と いった 得意 分野 の 補完 性 も 指摘 さ れる 。 証券 は 子会社 を 通じて しか でき ない が 、 それ を 除く と 金融 業務 全体 を カバー する ユニバーサル ・ バンキング に 近づく 。 本来 業務 は それぞれ しっかり やり ながら 、 他の 業務 は 補完 し 合う の が 目的 である 。 規模 の 利益 と ともに 、 業務 の 多角 化 の メリット も 狙って いる 。 東京 は 金融 派生 商品 を 含む ノウハウ に は 一日の長 が ある 。 信託 と 保管 ・ 振替 業務 と の 組み合わせ と か 、 東京 に 認め られた 外国 為替 特別 業務 の 活用 と か 、 複合 分野 で 力 を 発揮 して 、 顧客 に 多様で 高度の 金融 商品 を 提供 できれば 、 預金 者 や 資金 の 借り手 の 企業 の 利益 に つながる 。 注目 さ れる の は 、 他の 大手 銀行 が この 合併 に 触発 さ れて 、 どのような 行動 を 起こす か だ 。 新 銀行 が スタート すれば 、 都 銀 間 の 競争 条件 が 全く 変わって くる 。 つまり 、 これ まで の 横 並び の 金融 行政 の 土台 が 崩れれば 、 内外 の 競争 も 強まる こと は 必至である 。 バブル の 後遺症 で 、 各 行 と も 巨額の 不良 債権 処理 に 苦しんで おり 、 この ため 日本 の 銀行 は 全体 と して 後ろ向き の 姿勢 が 目立ち 、 欧 米 の 銀行 の 厳しい 巻き返し に 遭って いる 。 これ が 刺激 と なって 、 大いに 活性 化 し 、 競争 が 活発に なる こと を 期待 し たい 。 新 銀行 は 国 内 で リーダー の 役割 を 果たす と ともに 、 国際 舞台 で 活躍 して もらい たい 。 マンモス 銀行 が 生まれる と 、 産業 や 社会 へ の 影響 力 が 強まる 。 当然の こと ながら 、 それ だけ 社会 的 責任 の 自覚 が 求め られる 。 一方 、 大蔵 省 も 金融 の 自由 化 の 精神 に 立ち返り 、 銀行 行政 を 抜本 的に 見直す べきである 。 行政 で は 余計な 規制 は できる だけ 撤廃 す べきだ 。 同時に 、 金融 システム の 維持 で は 、 困難な 問題 を 先 送り に せ ず 、 責任 を 果たさ ねば なら ない 。 経営 破たん の 二 信 組 の 処理 で 国民 の 反発 を 招き 、 動揺 が 広がって いる 。 事態 が 深刻 化 した 一九九三 年 八 月 の 時点 で 、 抜本 的な 措置 を 取れば 、 いまごろ 様子 は 変わって いた だろう 。 いま の ように 金融 が 機能 不全 に 陥って いる ようだ と 、 景気 回復 は なかなか 進ま ない 。 金融 機関 の 不良 債権 の ほとんど は 不動産 担保 融資 で 、 大 都市 の 商業 地 は ピーク から 四 分 の 一 前後 まで 下がって いる 。 それ を どう 流動 化 さ せ 、 長期 の スキーム で 債券 化 して いく か が 解決 の かぎ だ 。 三菱 、 東京 銀行 の 前向きな 決断 が 、 日本 の 金融 業 や 行政 の 活性 化 に つながる こと を 望み たい 。 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 と の 外交 交渉 は 、 入り口 と 出口 が 最も 難しい ―― と いう の が 、 米 朝 高官 会談 で ガルーチ 米 首席 代表 が 得た 教訓 だった と いう 。 同 首席 代表 に よる と 、 北朝鮮 は 交渉 の 冒頭 に とても 受け入れ られ ない 提案 を 持ち出し 、 相手 の 譲歩 に 従い ハードル を 下げる 。 そして 、 合意 直前 に また 難しい 要求 を 持ち出す 。 ドイツ の ベルリン で 行わ れて いた 米 朝 の 軽水 炉 支援 を めぐる 実務 交渉 が 、 合意 を 目前 に し ながら 二十七 日 打ち切ら れた の も 、 北朝鮮 の こうした 外交 戦術 に 従った もの であろう 。 北朝鮮 は 、 目標 期限 の 四 月 二十一 日 まで に 軽水 炉 契約 が でき ない 場合 は 核 開発 を 再開 する と 表明 して いる 。 交渉 を 行き詰まら せて いる の は 、 「 韓国 型 軽水 炉 」 の 明記 を めぐる 問題 である 。 日 米 韓 三 国 は 「 韓国 型 」 明記 を 北朝鮮 に 求めて いる 。 一方 、 北朝鮮 は 「 韓国 型 と いう 軽水 炉 は ない 」 と 拒否 して いる 。 軽水 炉 問題 混乱 の 原因 は 、 昨年 十 月 の 米 朝 基本 合意 に ある 。 合意 文書 で は 、 供給 さ れる 軽水 炉 の 型式 や 支援 に ついて 具体 的な 範囲 を 明記 し なかった 。 北朝鮮 は 、 この 「 空白 」 を うまく ついて いる わけだ 。 米 政府 当局 者 に よる と 、 ガルーチ 首席 代表 は 細部 に わたる 確認 が できる まで 、 合意 文書 に 署名 し ない 意向 だった が 、 クリントン 大統領 が 合意 を 急いだ と いう 。 大統領 は 、 昨年 十一 月 の 米 中 間 選挙 を 前 に 外交 的な 成果 を 必要 と して いた のだった 。 外交 交渉 が 一種 の ゲーム である 以上 、 北朝鮮 の 要求 を 必ずしも 不当 と は いえ まい 。 韓国 が 「 韓国 型 」 に こだわれば 、 北朝鮮 が 体面 上 反対 する の は 当然 予想 さ れる こと であった 。 むしろ 日 米 韓 三 国 が 、 「 韓国 型 」 明記 に こだわれば こだわる ほど 、 北朝鮮 に 新たな 「 外交 カード 」 を 与える と いう 皮肉な 現象 を 生んで いる 。 実利 より も 「 体面 」 を 優先 さ せる 南北 朝鮮 の 価値 観 から すれば 、 「 韓国 型 」 を めぐる 「 メンツ の 争い 」 の 妥協 は 簡単で は ない 。 コンテナ ふ頭 と 道路 建設 なし に は 、 軽水 炉 の 建設 に 着手 でき ない から だ 。 北朝鮮 は 、 軽水 炉 問題 で 妥協 する 代わり に この 要求 を 受け入れ させる 作戦 であろう 。 米国 は 、 もし 北朝鮮 が 米 朝 合意 を 破棄 する ような 行為 に 出れば 、 国連 安保理 で の 制裁 に 踏み切る と の 方針 を 明らかに して いる 。 この 背景 に は 、 米 議会 や 国務 省 内 に 広がる 強硬 論 の 台頭 が ある 。 北朝鮮 も 、 米国 の 空気 の 変化 を 十分 理解 す べきだ 。 渡辺 美智雄 元 副 総理 ・ 外 相 を 座長 と する 与党 三 党 訪 朝 団 は 、 二十八 日 に 日 朝 国交 正常 化 交渉 再開 で 合意 した 。 しかし 米 朝 交渉 が 打ち切ら れ 、 南北 対話 の 見通し が たた ない 状況 下 で の 正常 化 交渉 再開 合意 に 、 米 韓 両 国 が 神経 を とがら せて いる 事実 は 認識 して おく べきだろう 。 日 朝 正常 化 交渉 再開 の 時期 に ついて は 、 南北 対話 の 行方 や 米 朝 交渉 の 駆け引き に 悪い 影響 を 及ぼさ ない ように 、 慎重な 配慮 が 望ま れる 。 軽水 炉 を めぐる 交渉 の 行き詰まり は 、 米 朝 高官 会談 で の 合意 文書 の 内容 を あいまいに 残した こと に 原因 が ある のだ から 、 ガルーチ 首席 代表 と 姜 錫柱 ・ 第 一 外務 次官 に よる 米 朝 高官 会談 を 再開 し 、 合意 の 具体 的な 詰め と 妥協 に 知恵 を 絞って ほしい 。 「 桜 が 咲く ころ に は 、 住民 の 避難 生活 も 解消 できる だろう 」 兵庫 県 の 貝原 俊民 知事 が 今月 初め に 語った 見通し だ 。 今 、 阪神 大 震災 の 被災 地 で は 、 ソメイヨシノ が 咲き始めた が 、 公園 の テント や 学校 で 避難 生活 を 続ける 住民 は まだ 六万 人 以上 も いる 。 花見どき 、 四 月 上旬 の 避難 所 閉鎖 も 絶望 的である 。 避難 生活 の 早急な 解消 は 、 復興 の 基本 だろう 。 都市 計画 を いくら 立案 して も 、 住民 が 安息 の 場 を 確保 でき ない まま で は 、 復興 の エネルギー は 生まれ ない 。 政府 、 自治 体 に 「 避難 者 ゼロ 」 へ の 努力 を 要請 する 。 経済 大国 の 大 都市 圏 で 、 震災 三 カ月 目 と いう のに 、 数万 単位 の 人々 が 難民 の ような 生活 を 続けて いる の は 異常な 事態 である 。 被災 者 側 に 立った 「 住まい の 対策 」 が 不十分だった と 言わ ざる を 得 ない 。 計画 に よる と 、 必要な 臨時 住宅 は 仮設 と 公営 の 空き家 など 計 五万 戸 。 これ まで に 約 半数 が 用意 さ れた だけ だ 。 用地 確保 の 遅れ と 建設 資材 や 作業 員 の 不足 が 原因 と いう 。 見通し の 甘 さ は 否定 でき ない 。 自治 体 に よって は 、 臨時 住宅 へ の 入居 資格 を 自宅 の 全壊 ・ 全焼 世帯 に 限定 し 、 半壊 世帯 を 除外 した の も 行き場 の ない 避難 者 を 増やした 。 自宅 に 戻れる まで の 入居 を 認める など 、 柔軟な 対応 が 求め られる 。 入居 できる の に 辞退 した ケース も 六百 件 以上 ある 。 プライバシー の ない 避難 所 に 比べる と 恵まれて いる のに 、 なぜ な の か 。 「 遠くて 交通 の 便 も 悪く 、 壊れた 自宅 や 家財 の 管理 も でき ない 」 「 生活 環境 の 激変 が 、 老人 や 病身 の 者 に は いかに 大変な こと か 」 など と 辞退 者 は 訴える 。 震災 前 の 住まい に 目 の 届く 場所 に とどまり たい 。 そんな 被災 者 の 願い を 「 わがまま 」 と 切り捨てる こと は 難しい 。 可能な 限り くみ取る の が 震災 自治 体 の 役目 だろう 。 神戸 市 灘区 で は 区 内 に 仮設 住宅 が 三百 戸 余 しか 確保 でき ず 、 まだ 一万 人 も いる 避難 者 は 遠く へ の 居住 を 迫ら れて いる 。 住民 団体 は 「 自宅 近く に もっと 仮設 住宅 を 。 未 利用 の 公園 や 空き地 など を 活用 すれば 約 五千 戸 の 建設 が 可能 」 と 、 調査 に 基づく 具体 策 を 添えて 市 に 要望 した 。 避難 者 と 臨時 住宅 の 単なる 数 合わせ で なく 、 可能 性 を きめ細かく 追求 する 施策 が 必要な 段階 だ 。 お 年寄り や 借家人 の 中 に は 、 将来 の 生活 設計 が 崩れ 、 自立 へ の 気持ち が なえた まま 避難 所 暮らし を 続ける 人 も 多い 。 所得 の 不安定 や 低 さ が 、 避難 所 離れ を 難しく さ せる ケース も ある 。 精神 的な ケア や 生活 相談 、 恒久 的な 住まい へ の 入居 あっせん など 「 避難 者 ゼロ 」 の 促進 に は 総合 的な 取り組み が 求め られて いる 。 被災 者 の 自宅 再建 に 行政 が 早く 明確な 指針 を 示す こと も 大切だ 。 補修 で 済む の か 建て替え ない と 危険な の か 、 公的 補助 や 低利 融資 が 適用 さ れる の か 。 迷い 困り果てて 避難 所 暮らし を 続ける 人 も いる から だ 。 二 カ月 を 超す 避難 生活 は 、 健康 へ の 悪 影響 を 避け られ ない 。 避難 所 で 病死 する 高齢 者 も 少なく ない 。 ボランティア の 撤退 が 続き 、 今後 は 被災 者 の 力 だけ で 避難 所 生活 を 支える 必要 が ある 。 困難 は 増す ばかりだ 。 兵庫 県 は その後 、 避難 生活 解消 の 見通し を 修正 し 、 先に 延ばした が 、 せめて 桜 が 散り 果てる 四 月 下旬 まで に は 、 すべて の 自治 体 で 避難 所 が 閉鎖 さ れて いる こと を 願い たい 。 警察 組織 の トップ が 銃撃 さ れた 。 法 秩序 維持 へ の 、 さらに は 社会 ・ 国民 全体 へ の 挑戦 である 。 「 安全 社会 」 の 崩壊 を 思わ せる 重大 事 だ 。 早急な 犯人 検挙 を 望む 。 そう で なければ 、 重く 、 深い 暗雲 が 今後 、 列島 に 垂れこめよう 。 国松 孝次 ・ 警察 庁 長官 は 雨 の 三十 日 朝 、 出勤 の ため 自宅 マンション を 出た ところ で 、 背後 から 四 発 撃た れ 、 重傷 を 負った 。 倒れた 後 も 撃った と いう 情報 も あり 、 殺意 が うかがわ れる 。 傘 を 持った 秘書 が 付き添って いた が 、 身辺 警護 は い なかった 。 犯人 は 自転車 で 逃げた 。 地下鉄 サリン 事件 で は 、 警察 庁 を 含め 諸 官庁 の 集まる 東京 ・ 霞が関 が 「 ターゲット 」 と いう 見方 も あり 、 長官 自宅 周辺 も 警戒 中 だった と いう 。 それなのに 、 どうして こう も 簡単に 狙わ れて しまった の か 、 と いう の が 一般 市民 の 偽ら ざる 思い だ 。 オウム 真理 教 施設 へ の 捜索 が 進行 中 であり 、 この 日 は 株主 総会 の 集中 日 で その 警戒 も あった 。 警察 官 が 手薄 と いう 間隙 を つかれた と も 言えよう 。 が 、 警察 の 警備 能力 、 捜査 能力 へ の 疑問 も 出 かね ない 。 威信 も 揺らぎ かね ない 。 捜査 当局 は 捜査 に 全力 を 傾注 して ほしい 。 国松 長官 は 暴力 団 や 総会 屋 に 対する 取り締まり を 積極 的に 推進 して きた 。 銃 汚染 対策 でも 摘発 の 専従 体制 を 作り 、 強力に 取り組んで いる 。 また 、 最近 で は 地下鉄 サリン 事件 や 松本 サリン 事件 、 さらに は オウム 真理 教 施設 の 捜索 でも 警察 の 最高 責任 者 と して 指揮 して いた 。 重大 かつ 不気味な 数々 の 事件 を 背負う 警察 の トップ に 敵意 を 持つ 人間 や 組織 も なく は なかろう 。 今回 の 事件 と どう 関連 する か は 、 今 の 段階 で は もちろん 不明だ 。 ただ 長官 個人 で は なく 、 当局 へ の 敵意 が あった こと は 否め まい 。 ユートピア で ない 限り 、 人間 社会 から 「 敵意 」 が 消える こと は なく 、 時に 犯罪 へ と つながる こと も ある 。 それ でも 、 かつて は 守ら れた 「 一線 」 が あった ように 思う 。 それ が 破ら れて いる の が 昨今 の 状況 で は ない か 。 二 つ の サリン 事件 、 長官 銃撃 は その 象徴 で は ない か 。 「 世界 一 の 安全な 国 」 は 「 世界 一 の 危険な 国 」 へ 変換 した か の ようだ 。 これ から も 何 が 起こる か 、 だれ に も 判断 が つか ない 。 そこ で 一 つ の 提案 を 投げ掛け たい 。 警備 を 日常 的に 強化 する ことだ 。 「 こっそり 」 で は なく 表立って 街 中 に その 姿 を 見せる のだ 。 抑止 力 に は なろう 。 いつまでも 、 と いう ので は ない 。 今 一 度 、 国民 に ある 大きな 不安 が 払拭 さ れる まで の 期間 だ 。 威圧 感 が 漂う かも しれ ない 。 社会 が 暗く なる かも しれ ない 。 それ を 忍ば なければ なら ない ほど 、 日本 の 病理 は 進んで いる ので は なかろう か 。 論議 を 深めて ほしい 。 戦後 五十 年 、 経済 的に は 大きな 発展 を 遂げ ながら 「 たるみ 現象 」 が まん延 して いる ように 思えて なら ない 。 社会 秩序 の 面 だけ で ない 。 政治 でも 、 経済 の 面 でも しかり だ 。 それ が また 、 社会 秩序 に 影響 を 与える 側面 も あろう 。 その 責 は 政治 に も 行政 に も ある 。 しかし 、 一般 国民 も 心し なくて は なら ない 。 ことに 、 都会 で は 「 見て 見 ぬ ふり 」 の 事なかれ主義 、 無関心 姿勢 が 時 に 犯罪 を 容易に して いる のだ 。 「 安全な 日本 」 を 取り戻す ため に 一人ひとり 今 、 何 が できる か を 真摯に 考え なければ なら ない 。 「 HIV に 感染 した から と いって 、 その こと を 理由 に 解雇 して は なら ない 」 。 東京 地方 裁判 所 は 三十 日 、 そう 明快に 言い切った 。 HIV に かかわる 雇用 裁判 と して は 、 初 の 判決 である 。 今後 の 社会 の 在り 方 、 規範 に 大きな 影響 を 与える だろう 。 妥当な 判決 である と 評価 し たい 。 同時に 、 企業 社会 が 判決 の 精神 を 実際 に 生かせる か どう か を 注視 し たい 。 原告 は 東京 都 内 の コンピューターソフト 製作 会社 に 採用 後 すぐ 、 関連 の 同 ソフト 販売 会社 に 出向 した 三十五 歳 の 男性 である 。 東南アジア の 国 で 働く 予定 で 、 一九九二 年 秋 、 赴任 した 直後 、 健康 診断 を 受けた 。 その 際 、 本人 の 知ら ぬ 間 に HIV 抗体 検査 が 実施 さ れ 、 陽性 反応 が 出た 。 検査 した 病院 は 、 出向 先 販売 会社 に 結果 を 通知 した 。 販売 会社 から 出向 元 の 製作 会社 に 連絡 さ れ 、 本人 に は 帰国 指示 が 出さ れた 。 この 間 、 本人 に は 検査 の 結果 が 知ら さ れて い ない 。 帰国 直後 に 出向 元 から 知ら さ れる と ともに 、 間もなく 解雇 通知 を 受け取った 。 これ は 「 HIV 感染 を 理由 に した 解雇 である の は 明白 」 と 、 両 社 を 相手 に 裁判 を 起こした 。 解雇 無効 と 未払い 賃金 、 慰謝料 の 支払い を 求めた のである 。 裁判 の 中心 的な 争点 は 二 つ あった 。 一 つ は 「 HIV 感染 者 だ から 解雇 を 通知 した の か 」 。 二 つ は 「 原告 の プライバシー は 守ら れた の か 」 。 会社 側 は 解雇 理由 に ほか の 点 を 挙げ 、 プライバシー 保護 に も 注意 を 払った と 主張 した 。 しかし 、 東京 地裁 は いずれ に ついて も 、 原告 側 の 主張 を 全面 的に いれた のである 。 HIV 感染 者 と 、 雇用 、 職場 の 関係 を どう 律する か 。 実は 今年 二 月 、 労働 省 が ガイドライン を 作って いる 。 そこ に は 「 HIV に 感染 して いる こと 自体 は 解雇 の 理由 に なら ない 」 と 明記 して いる 。 また 、 「 HIV 感染 の 有無 に 関する 情報 の 秘密 保持 徹底 」 を 事業 者 に 求めて いる 。 ガイドライン は 各 企業 に も 流さ れて いる 。 昨年 、 専門 家 に より 半年 間 、 論議 した 結論 が 骨子 であり 、 説得 性 を 持つ 内容 である と 言って よい 。 医学 が これ まで 明らかに した ところ で は 、 HIV に 感染 した だけ で は 労働 能力 で 、 他 に 劣ら ない 。 血液 、 体液 以外 の 日常 的 接触 で は 二 次 感染 の 恐れ は 考え られ ない 。 感染 した こと と 、 エイズ を 発症 する こと と は 、 全く 違う 段階 な のだ と 、 理解 さ れ なければ なら ない 。 だが さらに 、 ガイドライン は こう も 言う 。 エイズ 関連 症候 群 が 発症 して も 「 それ 以外 の 病気 の 労働 者 の 場合 と 同様に 扱う 」 。 いま 厚生 省 が 把握 して いる だけ で 四千 人 余り の エイズ 患者 、 HIV 感染 者 が いる 。 輸入 血液 製剤 投与 被害 者 の ほか に 、 性 的 接触 に よる 感染 者 も 多い 。 感染 の 経緯 は どう であれ 、 職場 、 ひいては 社会 に おける 差別 は 認め られ ない と 、 企業 人 、 市民 の 間 で 常識 化 する の が 望ましい 。 ただ 、 社会 意識 の 変革 は 必ずしも 簡単で は ない 。 一昨年 夏 、 労働 省 が 六百三十三 社 の 企業 人事 担当 者 ら から 回答 を 得た 調査 結果 が ある 。 ここ で は 社員 の HIV 感染 が 分かった 場合 、 企業 の とる 態度 に ついて 「 分から ない 、 長期 休暇 、 退職 勧告 、 できれば 解雇 」 を 合わせる と 、 二○ % 近く に 上った 。 東京 地裁 の 判断 は 、 企業 人 、 市民 の 意識 の 変革 に 意味 を 持つ だろう 。 共に 働く 。 それ が 肝心だ 。 「 規制 緩和 推進 五 カ年 計画 」 が 三十一 日 閣議 決定 さ れた 。 これ で 一昨年 夏 、 細川 内閣 が 取り上げて 以来 四 次 に わたった 規制 緩和 策 が 一応 の 区切り と なった わけである 。 村山 富市 首相 は 「 内容 の 充実 した 結果 に なった 」 と 感想 を 述べて いる が 、 果たして そう だろう か 。 確かに 緩和 件数 は 住宅 ・ 土地 、 情報 ・ 通信 、 流通 など 十一 分野 、 千九十一 項 目 に および 中間 報告 の 約 七百 項 目 から 、 かなり 上積み さ れて は いる 。 しかし 、 すでに 方針 が 決定 して いた 案件 を 「 実施 時期 を 確定 した 」 と いう 理由 で 計画 項目 に 織り込んで いる し 、 農産物 の 価格 支持 制度 など 先 送り した もの も 少なく ない 。 おそらく 、 首相 は 中間 報告 以後 の 積み上げ を 評価 して 「 充実 した 」 と の 感想 を もらした のだろう が 、 そんな 目線 の 低 さ で は 困る 。 スタート 時点 で の 問題 意識 は 経済 的 規制 を 思い切って 廃止 、 緩和 する こと で 内外 価格 差 を 縮小 、 日本 の 経済 システム を 作り 変える こと に 置か れて いた はずだ 。 五 カ年 計画 が 予定 通り 実行 さ れた と して 、 内外 価格 差 や 経常 黒字 の 縮小 に どの 程度 の 効果 が ある か 。 定量 的な 分析 は 難しい が 「 二 階 から 目薬 」 ぐらい で は なかろう か 。 私 たち は 一万 件 以上 ある 各種 規制 の 中 でも 特に 需給 調整 の ため の 規制 を 廃止 、 緩和 する よう 求めて きた 。 中央 官庁 が 需要 を 想定 し 、 設備 過剰 に 陥る こと が ない ように 新規の 参入 を 規制 する の は 典型 的な 「 生産 者 重視 」 の 発想 である から だ 。 欧 米 の 先進 諸国 に キャッチ アップ する ため に は 効率 的な 制度 だった と いえる が 、 いま 求め られて いる の は 「 消費 者 重視 」 である 。 こうした 観点 に 立てば 需給 調整 関連 規制 へ の 切り込み の 必要 性 は 明白だ 。 にもかかわらず 、 農産物 の 価格 支持 制度 、 大規模 小売 店舗 法 、 情報 ・ 通信 へ の 参入 規制 など は すべて 実質 的に 先 送り さ れた 。 総論 で は 緩和 を 主張 する 経済 界 が 個別 業界 の 話 に なる と 反対に 回ったり 、 地方 自治 体 が 強硬に 抵抗 する 場面 も あった ようだ 。 規制 緩和 は それ に 守ら れて いた 人々 に とって は 既得 権益 が なくなる こと であり 、 痛み が 伴う 。 しかし 、 当初 いわ れた 理念 を 思い起こせば 安易な 妥協 は 許さ れ ない はずである 。 また 規制 緩和 と 一体 と なる べき 競争 政策 強化 の ため の 公正 取引 委員 会 の 拡充 が 見送ら れた の も 残念だ 。 五 カ年 計画 の 内容 は 大いに 不満だ が 、 作業 方法 と 今後 の 推進 システム に ついて は 一応 評価 できる 。 今回 の 作業 は 全 省庁 が それぞれ 規制 を 点検 し 、 それ を 総務 庁 が 取りまとめた が 、 同時に 経済 界 を はじめ 内外 の 要望 を 幅広く 聞いて いる 。 当然の こと で は ある が 、 これ まで の 政策 決定 過程 で は 異例である 。 従来 の ように すべて を 官僚 の 手 に ゆだねる 方式 を とって いた なら 、 もっと ひどい 結果 に 終わって いた に 違いない 。 今後 の 推進 に ついて も 各 省庁 に 内外 の 意見 ・ 要望 を 聞く 窓口 を 設置 して フォロー アップ の 充実 を 図り 、 「 規制 緩和 白書 」 を 毎 年度 、 発行 する と して いる 。 このように 考える と 、 五 カ年 計画 の 策定 は ゴール で は なく 新たな スタート と も いえる 。 私 たち みんな が 計画 の 推進 状況 を 監視 、 不必要な 規制 、 不合理な 規制 に ついて 廃止 、 緩和 の 声 を 出し 続ける しか ある まい 。 須之部 量三 元 外務 次官 は 駐 韓 大使 時代 に 、 政治 家 が 朝鮮 半島 外交 に 干渉 したり 外交 官 が 政治 的 思惑 に 巻き込ま れる こと を 極度に 警戒 した 。 朝鮮 半島 外交 に は 、 他の 地域 以上 に 日本 の 命運 と アジア の 平和 が かかって いる 、 と の 思い が あった から だ 。 それだけに 、 朝鮮 半島 外交 に 思いつき や 政局 絡み の 感覚 で 取り組む の は 危険である 。 駆け引き の 準備 を 欠く と 、 相手 の 手のひら で 踊る こと に なる 。 連立 与党 三 党 の 訪 朝 団 は 、 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 と の 正常 化 交渉 を 再開 する 合意 文書 に 、 三十 日 署名 した 。 正常 化 交渉 の 再開 合意 は 、 歓迎 し たい 。 しかし 、 与党 訪 朝 団 に 期待 さ れた 成果 は 、 一九九〇 年 の 三 党 共同 宣言 に 盛り込ま れた 「 戦後 の 償い 」 の 撤回 であった 。 ところが 、 今回 の 四 党 合意 書 は むしろ 「 三 党 共同 宣言 」 の 効力 を 確認 する ような 内容 に なって いる 。 また 、 北朝鮮 側 の 主張 と 条件 が 十分に 盛り込ま れた と 解釈 できる 文書 に なって いる 。 合意 書 に は 「 歴史 的な 三 党 共同 宣言 を 採択 した 。 これ に よって …… 」 と ある 。 朝鮮 語 の 「 歴史 的 」 と の 語感 に は 「 なお 生きて いる 」 と の 意味 が 込め られて おり 、 北朝鮮 と して は 、 正常 化 交渉 が 三 党 共同 宣言 に 縛ら れる こと を 確認 した こと に なる 。 また 、 正常 化 交渉 は 「 前提 条件 も ない こと …… 、 徹底 して 関係 改善 の ため 」 と いう 点 でも 合意 した 。 さらに 、 「 交渉 は …… 、 自主 的 かつ 独自の 立場 で 」 と 確認 して いる 。 これ は 、 北朝鮮 側 から すれば 「 徹底 して 」 関係 改善 に 関係 の ない 核 問題 や 行方 不明 日本 人 の 「 李 恩恵 」 問題 は 、 持ち出せ ない と の 合意 に なる 。 また 、 南北 対話 再開 や 軽水 炉 契約 に ついて 、 日本 側 が 韓国 と 米国 の 主張 を 持ち出す の は 「 自主 的 、 独自の 立場 」 に 反する と 反論 できる 足掛かり が できた 。 とすれば 、 今回 の 四 党 合意 は 正常 化 交渉 の 障害 を 取り除く より は 、 一層 足かせ を 増やして しまった ので は ない か と 懸念 さ れる 。 外務 省 高官 も 同行 して いる 以上 、 これ まで の 「 政党 の 合意 に 政府 交渉 は 縛ら れ ない 」 と の 主張 も 難しく なら ない か 。 外交 交渉 は 、 国 と 国 と が 知恵 を 尽くし 自国 の 利益 と 目的 を 達成 する ゲーム である 。 外交 ゲーム の 「 達人 」 の 北朝鮮 相手 の 交渉 は 、 与党 代表 団 に は 荷 が 重 すぎた のだろう か 。 実は 、 北朝鮮 は 今年 に 入って から 「 無 条件 の 朝日 交渉 再開 」 を 繰り返し 表明 して いた 。 交渉 再開 を 強く 求めて いた の は 、 北朝鮮 側 であった 。 外務 当局 の 接触 で 正常 化 交渉 再開 に 取り組める 見通し は 、 すでに 芽生えて いた のである 。 相手 が 交渉 を 求めて いた のだ から こそ 「 戦後 の 償い 」 を 正常 化 交渉 の 議題 に さ せ ない 駆け引き を 、 十分 展開 できた はずであった 。 日本 に とって は 、 最大 の 駆け引き の チャンス を みすみす 失った と いえよう 。 こうした 失敗 を 繰り返さ ない ため に は 、 一貫 した 戦略 的 外交 が 望ま れる 。 日 朝 正常 化 と 南北 統一 を 視野 に 入れ 、 米 韓 両 国 と の 協力 を 基礎 に 北東 アジア の 将来 を どう 構想 して いる の か を 明らかに す べきだ 。 北朝鮮 の 長 距離 ミサイル 開発 中止 も 、 求める べきであろう 。 地域 の 平和 と 安定 の ため の 戦略 と ロードマップ を きちんと 示す 時期 に きて いる 。 核 兵器 の 拡散 防止 は 国際 社会 が 直面 する 最 重要 課題 の 一 つ である 。 旧 ソ連 から の 核 物質 の 密輸 事件 や 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 の “ 核 疑惑 ” は 、 冷戦 の 終結 が 自動 的に 「 より 安全な 世界 」 に つながる もの で は ない こと を 示した 。 核 拡散 を 食い止める ため に 、 一層 の 国際 協調 と 努力 が 必要だ 。 この 意味 で 、 十七 日 から ニューヨーク で 始まる 核 拡散 防止 条約 の 延長 会議 は 、 核 管理 体制 の 今後 を 左右する 重み を 帯びて いる 。 NPT は 核 兵器 の 拡散 防止 を 目的 に 結ばれた 唯一 の 多 国 間 条約 で 、 一九六八 年 に 締結 さ れ 、 七〇 年 に 発効 した 。 日本 は 七六 年 に 加盟 した 。 NPT は 発効 から 二十五 年 後 に 、 条約 の 無 期限 延長 か 、 期限 を 切った 延長 か を 決める 会議 の 開催 を 定めて いる 。 ニューヨーク 会議 は この 規定 に 基づいて 開か れる もの で 、 現在 まで に 加盟 して いる 百七十五 カ国 の 過半数 の 賛成 で 決定 が 下される 。 ただし 、 会議 で どのような 結論 が 出る か 、 情勢 は 予断 を 許さ ない 。 米国 は NPT 体制 の 維持 が 世界 規模 の 核 管理 に 不可欠 と して 、 条約 の 無 条件 ・ 無 期限 延長 を 主張 し 、 英 、 仏 など 北 大西洋 条約 機構 加盟 諸国 や ロシア も これ に 同調 して いる 。 日本 は 細川 内閣 時代 に 無 条件 ・ 無 期限 延長 支持 を 表明 し 、 村山 内閣 も これ を 受け継いだ 。 これ に 対し 、 アフリカ 、 中南米 、 東南 アジア など の 非 同盟 諸国 の 多く は 、 「 NPT は 核 保有 国 の 優越 的 地位 を 固定 する もの 」 と の 立場 から 無 期限 延長 に 反対 して いる 。 NPT の 主眼 は 米 、 ソ 、 英 、 仏 、 中 の 核 保有 を 既成 事実 と して 容認 し 、 それ 以外 の 国 へ の 核 拡散 を 阻止 する こと に ある 。 条約 加盟 の 非核 保有 国 は 、 発電 など 平和 目的 の 原子 力 の 利用 が 軍事 目的 に 転用 さ れ ない よう 国際 原子 力 機関 に よる 査察 を 受け入れる 義務 を 課さ れて いる 。 核 拡散 防止 は 必要だ が 、 現行 の NPT 体制 は 修正 し なければ なら ない と いう の が 非 同盟 諸国 の 立場 だ 。 その 主張 は 「 核 保有 国 に よる 核 軍縮 努力 が 不足 して いる 」 「 核 保有 国 は 非 保有 国 に 対する 核 の 不 使用 や 安全 保障 を 誓約 す べきだ 」 「 新型 核 兵器 の 開発 と 核 実験 の 全面 禁止 を 早期 に 実現 す べきだ 」 など に 要約 できる 。 イスラエル 、 インド 、 パキスタン は 事実 上 の 核 兵器 保有 国 と み られて いる が 、 NPT に 加盟 して い ない 。 エジプト など アラブ 諸国 は イスラエル の NPT 未 加盟 を 無 期限 延長 に 反対 する 主な 理由 に 挙げて いる 。 NPT が 核 保有 国 優位 の 不平等 性 を はらんで いる の は 事実 だ が 、 条約 が 核 拡散 防止 に 果たして きた 役割 は 評価 し なければ なら ない 。 条約 が 五 年 と か 十 年 の 短期 延長 に 決まれば 、 核 拡散 防止 体制 の 先行き が 不確かに なり 、 その 跳ね返り は 大きい 。 しかし 、 核 保有 国 が 「 持てる 者 の 責任 」 を 十分に 果たして い ない こと も 事実 だ 。 唯一 の 被爆 国 、 非核 三 原則 を 掲げる 国 と して 、 日本 は 核 拡散 防止 と 核 軍縮 の いずれ に 対して も 勇気 ある 主張 と 行動 を 展開 す べきだ 。 政府 は 国民 の 願い が 一層 の 核 軍縮 の 推進 であり 、 最終 的に は 核 兵器 の 廃絶 である こと を 十分に 踏まえ 、 延長 会議 に 臨んで もらい たい 。 核 軍縮 の 促進 や 核 実験 の 全面 禁止 を 核 保有 国 に 義務づける 議定書 調印 ぐらい は 働きかける べきであろう 。 開か れた 行政 、 国民 の 「 知る 権利 」 を 確保 する ため の 情報 公開 条例 を 独自に 制定 した 自治 体 は 全国 で 、 すでに 二百五十 団体 を 超えて いる 。 地方 に せっつか れる 形 で 、 これ まで 腰 の 重かった 国 も 「 行政 改革 委員 会 」 の 行政 情報 公開 部会 で の 審議 を 三 月 中旬 に ようやく スタート さ せた 。 情報 公開 制度 で 、 大きな 壁 に なり そうな の は 防衛 や 外交 上 の 秘密 を どこ まで 公開 する か と いう 点 だ 。 その 防衛 秘密 と 情報 公開 の 在り 方 と の 関係 を 考える うえ で 重要な 意味 を 持った 行政 訴訟 の 判決 が 三 月 二十八 日 、 那覇 地裁 で 出さ れた 。 訴訟 の 対象 に なった の は 、 P 3 C 対 潜 哨戒 機 に 対する 戦術 支援 や 指揮 管制 を 主要 任務 と した 海上 自衛 隊 那覇 基地 内 の 対 潜水 艦 戦 作戦 センター である 。 自衛 隊 は 現在 、 那覇 を 含め 全国 五 カ所 に ASWOC を 持ち 、 日本 の 周辺 海域 を 行動 する 極東 ロシア 軍 など の 潜水 艦 を P 3 C で 捜索 し 、 その 艦名 や 動向 など を 調べて いる 。 那覇 防衛 施設 局 は 一九八八 年 、 建築 基準 法 に 基づいて 、 同 センター の 建築 工事 計画 通知 書 を 那覇 市 に 提出 した 。 これ に 対して 同 市民 ら が 、 市 の 情報 公開 条例 に 基づいて 建築 計画 通知 書 など の 公開 を 請求 。 市 は これ に 応じ 、 八九 年 九 月 、 全 資料 四十四 点 の 公開 を 決定 した 。 国 は その後 、 この うち 二十三 点 の 公開 は 「 やむ を 得 ない 」 と 認めた もの の 、 主に 電子 機器 など を 置いて ある 地下 部分 の 資料 二十一 点 に ついて は 「 ASWOC は シーレーン防衛 の ため の 中枢 基地 であり 、 公開 さ れる と 国防 や 警備 上 、 重大な 支障 が 生じる 」 など と 主張 、 決定 の 取り消し など を 要求 して 争って きた 。 裁判 で は 、 国 が 市 に 対して 行政 事件 訴訟 法 に 基づく 抗告 訴訟 を 起こす こと は 可能 か など の ほか 、 情報 公開 条例 で 防衛 秘密 を どこ まで 公開 できる の か が 最大 の 争点 に なった 。 判決 は 、 抗告 訴訟 に ついて の 国 側 の 主張 を 門前 払い に した うえ で 、 二十一 点 に ついて も 「 秘密 と して 保護 に 値する 内容 で は ない 」 と 公開 を 求めた 。 知る 権利 を 優先 さ せ 、 防衛 上 の 秘密 と いえ ども すべて が 聖域 で は ない と の 判断 を 示した わけだ 。 防衛 上 の 秘密に は 「 防衛 秘密 」 と 「 庁 秘 」 の 二 種類 が ある が 、 合計 する と 件数 で 十四万 件 、 書類 点数 で 百八十万 点 も ある と いう 。 それぞれ 十一万 件 、 百二十三万 点 だった 十 年 前 と 比べる と 、 かなり の 増え 方 である 。 防衛 庁 の 訓令 だけ を 根拠 に 恣意 的に 水ぶくれ さ せて いる と の 批判 も ある 。 確かに 防衛 上 の 秘密の 中 に は 、 公開 さ れれば 国民 の 生命 、 身体 、 財産 を 害し 、 防衛 の 目的 を 失う こと が 明らかな もの も ある だろう 。 だから 、 一概に すべて を 公開 すれば いい と いう もの で は ない 。 防衛 庁 も 、 かつて は 秘密だった が 、 今 は そう で は なく なった もの は 公開 して いる と いう が 、 それ だけ で 十分 か どう か 。 防衛 政策 に 不可欠な の は 国民 的 合意 であり 、 可能な 限り 防衛 情報 を 開示 する こと に よって 国民 の 理解 を 高める 努力 が 必要だ 。 社会 状況 や 周辺 の 軍事 情勢 の 変化 に 合わせて 、 本当に 秘密に し なければ なら ない 情報 と 、 そう で ない 情報 を 明確に 区別 した 、 国民 に 分かる 形 の 基準 を 作って いく べきで は ない だろう か 。 今回 の 那覇 地裁 判決 は その こと を 迫って いる 。 戦後 の 国際 通貨 秩序 の ブレトンウッズ 体制 が 崩壊 して から 、 四 半 世紀 近く に なる 。 一九七一 年 に ドル と 金 と の 交換 性 は 停止 さ れ 、 ドル は ペーパーマネー と なり 、 七三 年 に は 世界 の 主要 通貨 は 変動 相場 制 に 移行 した 。 いま 、 日本 は 輸出 など を 通じて 、 年間 一千億 ドル 以上 の ドル を 稼いで いる が 、 ドル 資産 は 急速に 減価 して いる 。 金庫 の 中 の ドル 紙幣 は 、 下 の 方 から どんどん 木 の 葉 に 変わって いる 。 ドル の 減価 の 原因 は 、 米国 が 財政 赤字 と 経常 赤字 を 世界 に たれ流して いる ため だ 。 基軸 通貨 国 の 米国 だけ が 対外 赤字 を 自国 通貨 で 支払う こと が できる 。 ドル と 金 と の 交換 性 が 停止 さ れて から は 、 米国 は ドル の 印刷 機 を 回せば 済む こと に なった 。 だが 、 こうした 状況 は 、 永遠に 続く わけ は ない 。 最近 の ドル 下落 は 、 ペーパーマネー の ドル 本位 制 が 終わり に 近付いて いる こと を 告げて いる 。 世界 の 国民 総 生産 の 四 分 の 一 に 過ぎ ない 米国 の ドル が 、 国際 通貨 の 六 割 の シェア を 維持 する こと に 無理 が ある 。 過去 二十 年 以上 に わたり 、 主要 国 は 通貨 の 安定 を めぐり 、 協調 の 努力 を して きた が 、 限界 が 見えて いる 。 先進 七 カ国 蔵 相 ・ 中央 銀行 総裁 会議 や 先進 国 首脳 会議 も その 一環 であった 。 財政 ・ 金融 など の 政策 を 相互 監視 する こと で 整合 を 求める 試み も 行わ れた が 、 米国 の 財政 赤字 の 縮小 に 結び付か なかった 。 米国 民 の 消費 過多 と 過少 貯蓄 が 改善 する 見通し は なく 、 ドル の たれ流し は 続く だろう 。 この 状態 を 放置 すれば 、 いつ の 日 に か 、 ドル は 大 暴落 し 、 国際 通貨 体制 の 抜本 的な 改革 は 避け られ ない 。 そう だ と すれば 、 それ に 備える 必要 が ある 。 米国 が ドル の 印刷 機 の 特権 に あぐら を かく 現状 で は 、 その メッセージ は 日本 と ドイツ が 発信 す べきであろう 。 日本 の 通貨 当局 は 、 国際 通貨 問題 で 消極 的な 態度 は 許さ れ ない 。 世界 経済 の 発展 と 通貨 の 安定 の ため 、 国際 通貨 体制 を どのように 改革 す べきな の か 。 世界 の ノーベル 賞 級 学者 や 実務 家 を 集め 、 通貨 改革 の あるべき 姿 を 一 年 ぐらい の 期間 を かけて 検討 して もらって は どう だろう か 。 日本 の 国益 で は なく 、 世界 の ため の 中立 、 公正な 政策 提言 を 求め 、 公表 する のである 。 この 提言 を 米 当局 が 受け入れる 可能 性 は 少ない かも しれ ない 。 それ でも いい で は ない か 。 日本 から の メッセージ は 、 必ずや 通貨 改革 の 布石 と なり 、 日本 の 発言 権 と 信頼 を 高める こと に つながる はずである 。 通貨 改革 の 方向 と して は 、 ドル 、 マルク 、 円 の 三 つ の 基軸 通貨 に よる 目標 相場 圏 の 設定 と か 、 金 、 石油 など の 商品 バスケット と 通貨 を リンク さ せる 方法 が ある 。 通貨 に おける 国際 協調 で 重要な の は 、 協調 が 他国 の 犠牲 を 強制 して 、 一部 の 国 が 利益 を 受ける ので は なく 、 全 参加 国 の 利益 に つながる システム の 創設 であろう 。 世界 経済 の 現実 は 、 米州 、 欧州 、 アジア の 三 つ に 分かれる ブロック 化 の 道 を 歩み 出して いる 。 さらに 、 基軸 通貨 の ドル が たれ流し 態勢 に 入った こと で 、 通貨 市場 の 投機 化 が 進み 、 金融 で の 混乱 が 加速 して いる 。 世界 経済 は 、 三〇 年 代 に 似た 危機 から の 脱却 が 急が れる 。 南西 アジア の 内陸 国 アフガニスタン で 内戦 が 続いて いる 。 冷戦 時代 の 一九七九 年 末 、 ソ連 軍 十万 が 同国 に 侵攻 して 社会 主義 かいらい 政権 を 樹立 、 これ に ゲリラ 勢力 が 激しく 抵抗 した 内戦 は 、 記憶 に 新しい 。 ソ連 軍 は 国連 の 調停 と ソ 連邦 の 動揺 で 、 八九 年 に 撤退 した 。 後ろ盾 を 失った アフガニスタン 社会 主義 政権 は 崩壊 、 九二 年 に は ゲリラ 勢力 が 首都 カブール を 奪い 、 暫定 的な 統治 機構 を つくった が 、 今度 は ゲリラ 勢力 間 の 利害 対立 が 表面 化 、 再び 激しい 内戦 に 突入 した 。 ソ連 軍 侵攻 下 の アフガニスタン 情勢 に 大きな 関心 を 示した 国際 世論 も 、 第 二 の 内戦 に は すっかり 関心 を 失って しまった 。 “ 忘れ られた 内戦 ” と 呼ば れる ゆえん だ 。 しかし 、 アジア の 一角 で 流血 が 続き 、 国民 が 飢え と 寒 さ に 苦しんで いる 事実 を 忘れて は なら ない 。 同国 の 混迷 の 原因 は 複雑な 民族 構成 、 イスラム 教 の 宗派 的 対立 に ある 。 周辺 諸国 が ゲリラ 各 勢力 に 武器 や 資金 を 供与 して いる 、 と の 情報 も 気掛かりだ 。 タジク 人 主体 の ラバニ 大統領 派 は 首都 を 抑えて いる もの の 、 南部 は 同国 の 主要 民族 パシュトン 人 の 神学 生 から 成る 新興 組織 「 タリバン 」 に 、 北部 は ウズベキスタン と 関係 の 深い ウズベク 人 、 南西 部 は イラン と の つながり を 指摘 さ れる イスラム 教 シーア 派 の モンゴル 系 ハザラ 人 に 支配 さ れて いる 。 アフガニスタン に は 中央 政府 は 事実 上 存在 し ない 、 と 言って よい 。 こうした 状況 の 中 で 、 内戦 終結 の 調停 役 を 果たせる の は 、 やはり 国連 しか ない 。 国連 は 昨年 から 本格 的な 調停 に 乗り出し 、 ミスティリ 元 チュニジア 外 相 が 国連 特使 と して 現地 入り 、 ゲリラ や 部族 代表 、 宗教 関係 者 ら と 交渉 に 当たって いる 。 暫定 的な 統治 機関 を 設置 した あと 、 総 選挙 に よる 国民 和解 政府 の 樹立 を 目指して いる 。 国連 は すべて の 武装 勢力 に 交渉 参加 を 呼び掛けて いる が 、 タリバン など 一部 は 参加 に 前提 条件 を つけて おり 、 交渉 実現 まで の 道 のり は 険しい 。 ゲリラ 勢力 は 無 条件 に 交渉 の テーブル に 着く べきだろう 。 また 、 ゲリラ 各派 へ の 武器 、 資金 援助 を うわさ さ れる 周辺 諸国 に 対して も 、 関与 が 事実 なら 即時 停止 を 求め たい 。 アフガニスタン 国民 約 二千万 の うち 、 ソ連 軍 侵攻 で 五百万 余 が 難民 と なって パキスタン 、 イラン など 周辺 諸国 に 流出 した 。 ソ連 軍 撤退 後 、 難民 の 一部 は 帰国 した が 、 今なお 三百万 人 以上 が 異国 の 地 で 不自由な 生活 を 強い られて いる 。 社会 主義 政権 崩壊 後 の 内戦 に よる 死者 は 三万 人 を 超える と いう のに 、 市民 を 巻き込んだ 戦闘 は いつ 果てる と も しれ ない 状況 だ 。 産業 と インフラストラクチャー は 破壊 さ れ 尽くした 。 同国 の 主要 産業 である 農業 耕地 の 三 分 の 一 が 耕作 不能に なった 、 と いわ れる 。 一 日 も 早く 流血 を 止め 、 国民 和解 を 実現 する ため 、 国連 の 粘り強い 調停 に 期待 し たい 。 第 十三 回 統一 地方 選挙 前半 の 投票 日 が 近づいた 。 十三 都道府県 知事 選 と 四十三 道府県 議 選 、 十 政令 市議 選 、 札幌 市長 選 が 一緒に 戦わ れて いる のだ から 、 列島 は 選挙 一色 の はずだ 。 なのに 選挙 戦 が 一向に 弾ま ない の は どうした わけ だろう か 。 先月 二十三 日 の 知事 選 告示 直前 に 地下鉄 サリン 事件 が 発生 、 世界 を 震撼 さ せた 。 間髪を入れず オウム 真理 教 に 対する 捜索 が 始まり 、 三菱 ・ 東京 両 銀行 の 合併 で 世界 一 の スーパーバンク 誕生 と いう ニュース も あった 。 円高 は とどまる ところ を 知ら ず 知事 選 告示 日 の 一 ドル = 八七 円 から ついに 八五 円 台 である 。 「 観客 民主 主義 」 と いう 言葉 を ご存じ だろう か 。 最近 の 有権者 は テレビ を 見る ように 政治 や 選挙 を 眺める が 、 実際 の 政治 行動 に は 移さ ない と いう もの で 政治 的 関心 の 高 さ と 投票 率 の 低 さ の 乖離 の 説明 に 使わ れる 。 ところが 、 今や 「 観客 」 に とって 選挙 より も もっと 関心 を 引く 事象 ばかり な ので 、 選挙 そのもの が 「 観客 」 の 視野 に 入ら ない の が 実情 だろう 。 予断 は 禁物 だ が 本社 が 東京 、 大阪 など 六 知事 選 で 行った 世論 調査 で は 各地 で 地殻 変動 が 起こり そうな 兆候 が 読み取れる 。 端的に いえば 政党 が 用意 した “ 談合 ” 候補 へ の 拒否 反応 であり 、 世代 交代 の 潮流 だ 。 にもかかわらず 、 例えば 東京 で は 「 投票 に 必ず 行く 」 と いう 人 が 五九 % で 前回 知事 選 より 一〇 ポイント も 減って いる のである 。 「 観客 」 は 地方 政治 の 大 変動 を このまま 黙って 眺めて いよう と いう のだろう か 。 世論 調査 段階 で の 「 必ず 行く 」 は 投票 日 に は 目減り する の が 通例 で 、 前回 の 東京 で は 、 調査 で は 六九 % だった の が 実際 の 投票 率 は 五二 % 弱 だった 。 この 趨勢 で は 軒並み 投票 率 を 下げ 一九八一 年 の 千葉 県 知事 選 で の 二五 % と いう ワースト 記録 を 破る 選挙 が 出て くる かも しれ ない のである 。 最近 、 世界 の 為替 市場 を 混乱 さ せて いる の は デリバティブ と いう 金融 派生 商品 。 わずかな 資金 で 大きな 取引 が 可能だ 。 二十八 歳 の 青年 が 英 名門 投資 銀行 を 倒産 さ せた の も この デリバティブ 。 妙に 聞こえる かも しれ ない が 、 投票 率 が 低く なれば なる ほど 、 少人数 の 意向 で 政治 の 方向 が 決まって しまう の に 似て いる 。 政治 の 世界 まで 、 デリバティブ まがい に はびこら れて は たまらない 。 夜 十 時 まで 投票 可能な 英国 、 イタリア 、 義務 投票 制 な ので その 制裁 と して 投票 し ない 人 に 罰金 を 科す オーストリア 、 オーストラリア 、 ベルギー など 各国 も 投票 率 アップ に 懸命 の ようだ 。 そんな 知恵 も 動員 する 必要 が 出て き そうだ 。 しかし 最大 の 問題 は 政党 が 魅力 ある 選択肢 を 用意 して い ない こと であろう 。 自ら の 都合 だけ で 候補 者 の 選定 を 行い 、 選挙 を 楽に 戦い たい が ため に 無風 に 持ち込む 談合 を 繰り返して いる ようで は 、 どんな 手 を 講じて も 投票 率 は 高く なら ない 。 道府県 議 選 の 無 投票 当選 が 五百五十 人 に も 上る ようで は 観客 が そっぽ を 向いて しまう の は 当然だ 。 「 政治 を 軽蔑 する 者 は 軽蔑 に 値する 政治 しか 持ち え ない 」 と いう 。 桜 前線 が 北上 中 で 、 九 日 は 絶好 の 行楽 日和 に なり そうだ 。 しかし 、 それ に 浮かれて 投票 を 忘れる ようで は 、 いつの間にか 政治 が 知ら ない ところ で 決まって しまう こと を 、 有権者 は 肝 に 銘じて おく べきだろう 。 一 日 から 予定 さ れて いた 長良 川 河口堰 の 運用 が 、 野坂 浩賢 建設 相 の 判断 で 少なくとも 向こう 一 カ月 、 おそらくは アユ の 遡上 調査 が 終わる 五 月 十八 日 以降 へ 延期 さ れた 。 この 間 、 堰 は 調査 の 目的 に 限り 運用 さ れる 。 われわれ は 建設 相 の この 判断 を 妥当な もの と 評価 する 。 堰 づくり に よる 安全 防災 の 問題 から 自然の 生態 系 へ の 影響 まで 、 少なから ぬ 疑問 点 が 、 まだ 十分に 解明 さ れて い ない から だ 。 加えて 、 成田 空港 問題 を 解決 に 導いた 「 成田 円卓 会議 」 に 倣おう と 、 賛否 両 グループ と 建設 省 が 同じ テーブル に 着いた 「 長良 川 河口堰 円卓 会議 」 の 成果 が まだ 見えて こ ない 。 先月 十二 日 に 、 現地 の 三重 県 長島 町 で 始まり 、 十 日間 で 四 回 の 公開 会議 を こなす 異常な 日程 が 組ま れた 。 調査 結果 の 公表 など 建設 省 側 の 情報 公開 も ようやく 緒 に 就いた ばかりな ので 、 私 たち は 、 円卓 会議 が 目指す 共通の 認識 を 得る に 至る に は 、 機 は まだ 熟して い ない と 考える 。 円卓 会議 が 四 月 以降 も 継続 さ れる こと を 歓迎 する 。 循環 、 共生 、 参加 を 柱 と する 環境 基本 法 が つくら れた の を 機 に 、 建設 省 は 昨年 一 月 、 「 環境 政策 大綱 」 を 定めた 。 環境 影響 評価 を 充実 し 、 公共 事業 の 内容 や 環境 保全 策 に ついて 情報 を 適時 、 適切に 国民 へ 提供 する 。 環境 アドバイザー 制度 など に より 、 第三者 の 意見 を 政策 へ 、 積極 的に 反映 する こと など を 大綱 で 公約 して いる 。 五十嵐 広三 前 建設 相 は 「 長良 川 河口堰 建設 を やめ させる 市民 会議 」 の 求め に 応える 形 で 、 昨年 四 月 に 学識 経験 者 に よる 「 長良 川 河口堰 調査 委員 会 」 を 発足 さ せた 。 五十嵐 前 建設 相 を 継いだ 野坂 建設 相 も また 反対 派 の 意向 を 尊重 しよう と 努めて いる 。 調査 委 に 加わった 学者 を 座長 に 、 建設 省 、 地元 自治 体 、 住民 の 代表 、 反対 派 代表 が 加わる 「 長良 川 河口堰 円卓 会議 」 を 発足 さ せ 、 合意 点 を 模索 し 続けて いる 。 社会党 出身 の 両 大臣 と 建設 省 は 、 少なくとも 形 の うえ で は 「 環境 政策 大綱 」 を 実行 しよう と 努めて いる か に みえる 。 だが 、 せっかく の 内容 が 、 徹底 を 欠く の は どうした こと か 。 防災 、 水 の 需給 、 環境 、 塩害 と 焦点 の 四 項 目 を 検討 課題 と し ながら 、 円卓 会議 は 三 月 後半 の 半月 間 に 延べ 四 回 、 各 三 時間 に 限って 開か れた に 過ぎ ない 。 成田 空港 の 反対 派 と 運輸 省 が 延べ 十二 回 、 一 年 を かけて 共通の 理解 を 見いだした 成田 円卓 会議 と は 比較 に なら ない 。 四 月 一 日 から 、 何と して も 河口堰 を 本格 的に 運用 しよう と する 建設 省 、 水 資源 開発 公団 の 意図 が あった から で は ない か 。 本来 、 環境アセスメント と は 、 その 結果 次第 で は 工事 そのもの の 中止 、 代替 計画 へ の 変更 を 余儀なく さ れる 手続き である 。 事後 アセスメント の 難し さ は ある が 、 初め に 「 堰 の 運用 あり き 」 で は 、 環境アセスメント の 目的 に 反する 。 時間 と 情報 が 限ら れた 円卓 会議 で は ある が 、 賛否 双方 に 共通の 、 注目 す べき 問題 提起 が 見 られる 。 例えば 、 阪神 大 震災 の 教訓 に 学び 、 長良 川 河口堰 付近 の 活断層 、 とりわけ 下流 域 の 水底 を 走る 天白 河口 断層 と 伊勢 湾 断層 間 の 探査 を 新たに 行う 必要 が ある 、 と の 合意 点 は 注目 さ れる べきだ 。 調査 委 、 円卓 会議 と も なお なす べき こと は 少なく ない 。 合意 を 見る こと も 不可能で は ある まい 。 関係 者 に 一層 の 努力 を 期待 し たい 。 阪神 大 震災 で 損壊 した JR 東海道 線 が 全面 復旧 した の に 続き 、 山陽 新幹線 が 週 末 の 八 日 に も 全線 開通 する 。 東京 と 中国 ・ 四国 、 九州 を 結ぶ 大 動脈 の 分断 が 、 日本 の 経済 や 国民 生活 に 及ぼした 損害 は 計り知れない 。 被災 地 に とって も 、 鉄道 は 復興 の 「 けん引 車 」 であり 、 住民 を 勇気づける 大切な 要素 だ 。 開通 が 予定 より 一 カ月 も 早まる こと へ の 期待 は 大きい 。 その 一方 で 、 忘れて なら ない の は 安全 を 誇って きた 新幹線 の 高架 が 八 カ所 で 崩落 した 事実 だ 。 在来 線 や 私鉄 を 含めた 鉄道 被害 の 惨状 が 、 今 も 我々 の まぶた に 焼きついて いる 。 鉄道 の 安全 性 見直し は 、 実は まだ 始まった ばかりな のだ 。 現在 、 新幹線 の 営業 再開 へ 向けた 最終 検査 を 実施 中 の 運輸 省 に は 、 その こと を 改めて 認識 し 、 少し でも 不安 が あれば 開業 を 急ぐ こと なく 、 点検 を 徹底 する よう 要望 し たい 。 「 早期 復旧 か 安全 対策 か 」 の 議論 も あった が 、 JR 西 日本 は 「 二律背反 し ない 」 と 、 昼夜 兼行 の 突貫 作業 を 進めて きた 。 急ぐ あまり 、 安全に 抜かり が なかった か 。 運輸 省 の 検査 に は 第三者 の 目 が 求め られる 。 復旧 に 際し JR 側 は 「 施設 の 耐震 性 強化 」 と 「 運行 の 安全 対策 向上 」 を 目標 に 掲げた 。 高架 の コンクリート 柱 を 鋼板 で 巻く など した 結果 、 耐震 性 は 従来 の 二・五 倍 に 向上 し 、 今回 程度 の 地震 に 耐える 構造 に なった と いう 。 運行 面 で は 、 東海道 新幹線 で 採用 さ れて いる 「 ユレダス 」 導入 など も 決めた 。 最低 限 必要な 対策 を 講じた が 、 開通 時 に は 間に合わ ない 安全 策 も あり 、 これ で 十分 と は 言い切れ まい 。 事故 は いつも 人間 の 予測 を 超え 、 安全な はずの システム に 人間 の ミス が 入り込む から だ 。 東海道 線 が 開通 した 日 の 深夜 、 復旧 区間 で 寝台 特急 が 工事 用 トロッコ を はね飛ばす 事故 が あった 。 安全 を 確認 せ ず に トロッコ を 線路 上 に 出した 疑い が ある 。 新幹線 で 同様の ミス が ない と は 断言 でき ない 。 全線 開通 に 安心 する こと なく 、 まだ 非常 事態 の 中 で の 「 仮 復旧 」 と 考える くらい の 緊張 感 と 慎重 さ を 、 すべて の 関係 者 が 共有 して ほしい 。 JR 側 は 、 まず 徐行 運転 し 、 早急に 全速 運転 へ 移行 し たい 考え だ 。 自慢 の 「 のぞみ 」 も 既に 二七〇キロ の 営業 最高 時速 で テスト 走行 して いる 。 乗客 へ の 迷惑 と 自ら の 大 損害 を 早く ばん回 し たい 気持ち が 伝わる 。 しかし 、 焦る こと は ない 。 JR 西 日本 の 井手 正敬 社長 は 「 安全 を 無視 して 鉄道 会社 は 成り立た ない 」 と 繰り返して きた 。 この 精神 を 第一線 に 徹底 して もらい たい 。 大 震災 は 、 当然の こと ながら 他の JR 、 私鉄 全線 の 安全 対策 見直し を 迫って いる 。 開業 三十 年 を 過ぎた 東海道 新幹線 を はじめ 、 耐震 性 の 強化 が 緊急 課題 だ 。 橋脚 を 鋼板 で 強化 する 措置 など は 、 被災 区間 以外 でも 必要だろう 。 復旧 工事 を 指導 した 運輸 省 の 鉄道 施設 耐震 構造 検討 委員 会 など で 論議 を 急いで ほしい 。 それにしても 、 この 二 カ月 半 は 一 地区 で の 交通 幹線 切断 が 、 人 と モノ の 流れ 全体 を 停滞 さ せる 列島 の もろ さ を 浮き彫り に した 。 道路 ・ 鉄道 幹線 の 特定 地域 へ の 集中 是正 、 有効な 代替 ルート の 構築 など 、 列島 交通 網 全体 を 考え 直す 機会 に し たい 。 プロ 野球 は 、 パ ・ リーグ に 続いて セ ・ リーグ が 七 日 に 開幕 、 すでに 熱戦 が 続く J リーグ と ともに スポーツ の 春 が 全開 と なる 。 今季 の 話題 は 、 まず “ 王 ダイエー ” の 戦い ぶり 。 永らく B クラス が 続いた ダイエー を 率いて どこ まで 波乱 の 目 と なる か 。 そして 、 秋 の 日本シリーズ で “ 長嶋 巨人 ” と かつて の 「 O N 対決 」 が 再現 する の か どう か 。 イチロー が 昨年 と 同じ 活躍 を 今年 も また 見せて くれる だろう か 、 など 野球 ファン に とって は 待ち焦がれた 球春 の 到来 に 違いない 。 だが 、 一昨年 秋 に 「 プロ 野球 の 危機 」 が 叫ば れ 、 アマ も 含めた 球界 全体 が 改革 に 乗り出した 、 あの 改革 論議 は どこ へ 行って しまった の か 。 折しも 、 一 時 は 米国 の 国技 ・ 大リーグ 野球 が 消滅 する ―― と まで 内外 に 大きな ショック を 与えた 二百三十二 日 に 及ぶ 選手 会 の ストライキ に ようやく 終結 宣言 が 出さ れ 、 二十六 日 から の 開幕 が 決まった 。 選手 の 平均 年俸 が 百八十万 ドル と いう 人件 費 の 高騰 に 危機 感 を 募ら せた オーナー 側 が 各 チーム の 人件 費 総額 に 上限 を 設ける サラリーキャップ 制度 の 導入 を 提案 した の が スト の 発端 。 昨年 八 月 中旬 で シーズン を 中断 、 二 度 の 世界 大戦 中 も 開催 さ れた ワールドシリーズ が 九十 年 ぶり に 中止 さ れる など 関連 の 損害 総額 は 一千億 円 に 迫る と いう 。 金銭 に 換算 さ れ ない ファン 離れ 、 イメージ ダウン など を 考える と 、 スト に よる ダメージ は 計り知れない 。 しかも 、 裁判 所 の 裁定 で オーナー 側 の 事実 上 の 敗北 と なって スト は 解除 さ れた もの の 、 旧 労使 協定 が 復活 した だけ 。 対立 を 持ち越した まま 「 痛み分け 」 の 開幕 である 。 日本 の プロ 野球 でも 一昨年 に 導入 さ れた フリーエージェント 制度 に よって 人件 費 が 急速に 上がり 、 選手 会 の 調査 に よる と 、 二千万 円 程度 だった 外国 人 を 除く 一 軍 選手 の 平均 年俸 が 、 昨年 は 二 倍 以上 の 四千二百二十万 円 に なった 。 今 でも 野球 少年 の 夢 である プロ 野球 選手 の 平均 年俸 が 四千万 円 台 で 安い の か 、 高い の か は 意見 が 分かれる ところ で は ある 。 しかし 、 球団 オーナー 側 に 人件 費 の 高騰 が 球団 経営 を 以前 より 圧迫 して いる と の 危機 感 が 広がって いる の は 事実 であり 、 三 月 末 の プロ 野球 制度 改革 本部 で 吉国 コミッショナー が 「 これ で は 大リーグ の 二の舞い に なる 」 と 言明 、 アップ 率 の 上限 を 決める 具体 策 を 六 月 まで に まとめる 作業 を 進めて いる 。 その 意味 で は 日本 球界 も 米 大リーグ と 同じ 問題 の 芽 を 抱えて いる と 言える が 、 制度 改革 本部 は J リーグ が 熱狂 的な 人気 の もと で スタート した 一昨年 九 月 に 設置 さ れた もの の 、 いまだに 確固たる 改革 案 を 発表 する まで に 至って い ない 。 人件 費 の 高騰 を 実力 行使 で 解決 でき ない こと は 今回 の 米 大リーグ が 示した 通り である 。 野球 少年 の 数 が じりじり と 減り 続け 、 主たる 収入 源 である 観客 動員 数 は ほぼ 横ばい 、 テレビ 放映 権 料 や 入場 料 も 値上げ でき にくい 時代 に あって 、 人件 費 の 増加 に 上限 を 設ける 小手先 の 対策 で は 問題 の 解決 に ほど遠い 。 プロ 野球 を 企業 が 宣伝 の 道具 と して いる 現状 から 論議 を 始め 、 「 ファン あって の プロ 野球 」 と して 魅力 ある 野球 へ 、 球界 全体 の パイ を 大きく 育てる 積極 的な 方策 に 、 真剣な 取り組み を 希望 して おき たい 。 連立 与党 と 政府 が 、 今月 十 日 から ゴラン 高原 で の 国連 平和 維持 活動 に 自衛 隊 を 派遣 す べき か どう か を 調べる ため 、 それぞれ の 調査 団 を 派遣 する 。 イスラエル 占領 地 の 同 高原 で は 、 一九七四 年 から 国連 兵力 引き離し 監視 軍 が イスラエル 、 シリア 間 の 停戦 監視 を 続けて いる 。 国連 は 昨年 五 月 、 カナダ の 後方 支援 部隊 の うち 輸送 部門 を 肩代わり して ほしい と 日本 に 非公式に 要請 した 。 これ を 受け 、 政府 は カナダ に 調査 団 を 送る など ゴラン 高原 へ の 自衛 隊 派遣 の ため の 計画 を 練って きた 。 一 時 、 カナダ の 一部 隊員 が 交代 する 今年 八 月 に も 自衛 隊 を 派遣 する 計画 が 持ち上がった こと も あった が 、 政権 交代 や 連立 与党 内 の 調整 が 進ま なかった うえ 、 自衛 隊 派遣 を 急ぐ 外務 省 に 対して 「 独走 批判 」 の 声 が 連立 与党 内 から 高まった こと など から 結論 は 持ち越さ れて いた 。 とくに 社会党 は 、 UNDOF は PKO 協力 法 で 参加 凍結 中 の 平和 維持 軍 そのもの であり 、 後方 支援 の 輸送 部隊 へ の 参加 と いって も 問題 が 多い など と 主張 、 調査 団 の 派遣 自体 に 反対 して きた 。 結局 、 社会党 も 「 自衛 隊 の 参加 を 前提 に し ない 」 と の 条件 付き で 、 調査 団 の 派遣 を 認めた 。 外務 省 は 「 中東 和平 に 向けて の 貢献 に なる 」 と 自衛 隊 派遣 の 意義 を 唱える 一方 、 UNDOF に ついて 停戦 合意 、 受け入れ 国 の 同意 など 日本 の PKO 参加 五 原則 は 完全に 満たさ れて いる と 説明 して いる 。 しかし 果たして そう だろう か 。 懸念 材料 が いく つ も ある 。 その 一 つ は 、 PKF へ の 参加 凍結 解除 問題 と の 関連 である 。 今年 は 、 PKO 協力 法 が 施行 さ れて から 三 年 目 であり 、 八 月 が その 見直し 期限 である 。 見直し に 当たって は 凍結 を 解除 する か どう か が 最大 の 焦点 だ 。 カナダ の 輸送 部隊 の 任務 を 引き継いだ 場合 、 他国 の 歩兵 や 武器 ・ 弾薬 を 運ぶ こと は ない のだろう か 。 もし 、 それ が 現実 の もの に なれば 、 PKF に 大きく 踏み込み 、 派遣 部隊 の 性格 が 変わり かね ない 。 二 つ 目 は 、 現地 情勢 は なお 不透明であり 、 いったん 自衛 隊 を 派遣 すれば 、 その 期間 が 長期 化 する 公算 が 大きい と いう ことだ 。 外務 省 は 、 ゴラン 高原 から の イスラエル 軍 の 撤退 問題 を めぐって は 米国 、 イスラエル 、 シリア の 三 カ国 間 で 話し合い が 続いて おり 情勢 は 安定 して いる 、 派遣 期間 も あらかじめ 区切れば いい と 説明 して いる が 、 情勢 が 急変 する 可能 性 も 皆無で は ない だろう 。 その 場合 、 日本 独自 の 判断 で 撤収 できる の か どう か 。 さらに 、 この 地域 に 日本 から 渡った 過激 派 グループ が 残って いる ため 、 自衛 隊 が 標的 に さ れる ので は ない か と の 懸念 も 防衛 庁 に ある 。 いったん 調査 団 を 派遣 して おいて 、 やはり 参加 し ない こと に した 、 と いう 言い訳 が 世界 に 通用 する か どう か と いう 心配 も 残る が 、 調査 団 は 自衛 隊 派遣 を 前提 と せ ず に 入念な 調査 を す べきだ 。 その 結果 、 これ まで 日本 が 続けて きた 中東 復興 の ため の インフラ 整備 や 経済 支援 を さらに 充実 する こと で 貢献 度 を 高める と いう 選択 も ある ので は ない か 。 既成 事実 を 積み上げる こと に よって PKO 参加 五 原則 を なし崩し 的に 拡大 する こと の ない よう 連立 与党 、 政府 の 双方 に 注文 して おく 。 五 年間 、 凍結 さ れて いた 日本 電信 電話 の 経営 形態 の 見直し 論議 が 再開 さ れる 。 六 日 、 郵政 省 が 電気 通信 審議 会 に NTT の 経営 の あり 方 に ついて 諮問 、 審議 会 は 今 年度 内 に 答申 を 行う 。 五 年 前 、 電気 通信 審議 会 は 、 情報 通信 市場 の 活性 化 と 効率 化 の ため に は まず 公正 有効な 競争 の 実現 を と 、 NTT の 分割 を 答申 した 。 長 距離 通信 部門 と 地域 通信 部門 と の 二 社 に 分割 する と いう もの だった 。 しかし 、 政府 は 分割 実施 を 見送り 、 五 年 後 に 改めて 検討 する こと と した 。 見送ら れた 最大 の 理由 は 、 当時 NTT 株価 の 下落 が 社会 問題 化 して いて 、 大蔵 省 や 自民党 内部 に 、 分割 が さらに 株価 に 悪 影響 を 与える の を 恐れる 声 が 強かった ため だ 。 五 年 たった 現在 、 NTT の 経営 形態 の あり 方 は 、 一層 、 問題 の 重要 性 を 増して いる 。 五 年 前 に は 存在 し なかった 「 マルチメディア 社会 」 と いう 言葉 が 市民 権 を 得て 、 通信 、 放送 、 コンピューター が 融合 した 「 高度 情報 化 社会 」 の イメージ が クローズアップ さ れて きて いる 。 その 基盤 を なす 情報 通信 網 の 中核 を 担う 企業 の あり 方 が 問わ れる わけである 。 検討 の 基本 的 視点 は 、 当然の こと ながら 国民 の 利益 を 最大 限 に 実現 する ため に どう ある べき か 、 と いう こと で なければ なら ない 。 言い換えれば 、 高度 化 した 多様な サービス を 効率 的 、 かつ 安定 的に 供給 する の に 最も ふさわしい 体制 は どのような もの か 、 と いう ことだ 。 それ は 、 公正 有効な 競争 を 実現 する ような 体制 と いう こと に なろう 。 NTT は 、 この 五 年間 、 移動 体 通信 部門 の 分離 や 事業 部 制 導入 に よる 経営 内容 の 公開 、 長 距離 料金 の 引き下げ 、 相当 大幅な 人員 削減 など を 行って きた 。 それなり の 経営 努力 と して 評価 できる が 、 同時に 、 NTT の 独占 体質 の 弊害 が さまざまな 問題 で 露呈 した こと も 否定 でき ない 。 その 典型 が 、 他の 通信 事業 者 と の 接続 問題 で の トラブル だった 。 他の 通信 事業 者 は NTT の 独占 する 地域 通信 網 に 接続 し ない こと に は 末端 サービス を 実現 でき ない 。 ここ に 競争 の ボトルネック が ある 。 この NTT の 地域 独占 体制 の 下 で 、 果たして 情報 通信 市場 の 活性 化 や 効率 化 が 実現 できる か と いう の が 、 最も 基本 的な 問題 である 。 その 点 で 参考 に なる の は 、 米国 の AT&T 分割 だ 。 AT&T は 一九八四 年 に 一 つ の 長 距離 会社 と 七 つ の 地域 会社 に 分割 さ れた 。 その 結果 、 米国 の 情報 通信 市場 は 競争 に よって 多様な 新 サービス が 登場 する など 、 著しく 活性 化 した と いう 。 日本 が 情報 通信 産業 分野 で 米国 に 大きく 後れ を 取った の も 、 こうした 両 国 市場 の 競争 条件 の 差 と 無縁で は ある まい 。 そのほか 検討 す べき 問題 と して は 、 技術 進歩 や 国際 的な 通信 自由 化 の 流れ に 伴う 市場 環境 の 変化 が ある 。 携帯 電話 の 急速な 普及 、 有線テレビ 放送 網 の 広がり など で 、 NTT の 地域 独占 は やがて 崩れる と いう 指摘 も ある 。 グローバル 化 する 情報 通信 の 性格 から して 、 地域 、 長 距離 、 国際 など と 業務 分野 を 分ける 必然 性 が ある の か と いう 問題 も ある 。 研究 開発 も 含めて 日本 の 情報 通信 産業 の 国際 競争 力 を 高める こと も 考え なければ なら ない 。 事 は 将来 の 日本 の 産業 社会 や 国民 生活 の 根幹 に も かかわる 問題 である 。 国民 各層 の 意見 を 幅広く 踏まえた 検討 が 必要である 。 「 なぜ 、 ラグビーボール は 楕円 球 な のです か 」 ―― 。 かつて 東京 教育 大学 付属 高校 の 教壇 に 立って 間もなく 、 生徒 の 質問 に 中村 敏雄 さん は がく然と した 。 体育 科 教師 と して の 専門 教育 を 含めて スポーツ と 二十 年 近く も 親しんで きた 。 それなのに 自分 が やってきた バレーボール でも 、 なぜ 三 回 以内 に ボール を 相手 に 返さ なければ いけない の か 、 疑問 は 無数に 出て きた 。 これ だけ なら クイズ に 過ぎ ない 。 だが 、 用品 用具 や ルール の 歴史 を コツコツ と 調べ 、 狩猟 や 農耕 の 生活 様式 から 生まれ 、 スポーツ と して 成立 した 民族 や 文化 の 背景 を 知る うち に 「 日本 の 体育 は 根本 的に スポーツ 本来 の 姿 で は ない 」 と の 確信 を 持ち 一九六八 年 、 初 の 著書 「 近代 日本 スポーツ 批判 」 を 出す 。 中村 さん に よれば 、 「 体育 」 の 源 は 外来 スポーツ が 渡来 した 明治 初頭 に 、 教育 の 場 で 「 体育 」 と して 富国 強兵 の 国是 に 組み込ま れた 時点 に さかのぼる 。 そして 、 第 二 次 大戦 の 終戦 と いう 、 変革 の 絶好 機 に も 旧来 の 姿 を 変え ない まま 、 今なお 日本 の スポーツ 界 は 草 野球 の レベル から 日本 代表 クラス まで 、 練習 方法 や 人間 関係 を 含め 、 すべて 「 体育 」 の 世界 から 抜け出せ ないで いる 、 と 言う 。 約 三十 年間 の 高校 教師 の あと 山口 大 と 広島 大 の 教授 を 経て 「 今 は 年金 生活 者 」 と いう 中村 さん が 書き 続けた 著書 は 「 スポーツ の 風土 「 戦後 五十 年 で いえば 、 戦時 中 に 野球 用語 の 邦語 化 など の 弾圧 を 受け 、 翼賛 体制 に 組み込ま れた のに 、 スポーツ 界 は 平和 や 戦争 と スポーツ の 関係 を シビアに 追求 し なかった の が 変革 でき なかった 最大 の 原因 」 と 中村 さん は いう 。 終戦 から 三 カ月 で 早くも プロ 野球 と 大相撲 が 再開 さ れ 、 二 年 後 に は 「 フジヤマ の トビウオ 」 が 出現 して 国民 が 熱狂 する うち に 「 競技 水準 を 上げる こと だけ に 狂奔 する 勝利 至上 主義 に 走った 」 と 。 敗戦 の 焦土 から の 復興 、 “ 世界 に 追い付き 、 追い越せ ” を 合言葉 に 、 日本 全体 が 突っ走って いた 時代 背景 も 「 だ から こそ 国際 舞台 復帰 へ の 指標 と 高度 経済 成長 の 一環 と して 東京 五輪 が 開催 さ れ 、 なお 一層 、 金 メダル 至上 主義 に 陥った 。 スポーツ を 文化 と か 文化 遺産 の 継続 と いう 視点 が ない まま 、 スポーツ 本来 の 遊び や 楽し さ を 否定 し 、 スポーツマン の 自立 心 、 独立 心 を ないがしろに する スポーツ 観 に 拍車 が かかった 」 と 分析 する 。 戦後 の スポーツ 界 最大 の イベント だった 東京 五輪 。 「 東洋 の 魔女 」 に よる 女子 バレーボール の 金 メダル は 象徴 的だった が 、 大松 博文 監督 は 選手 を しごき に しごいた ゆえ に “ 鬼 の 大松 ” と 呼ば れた 。 円谷 幸吉 選手 が マラソン で 三 位 と なり ながら 「 父上 さま 、 母上 さま 、 幸吉 は もう 走れ ませ ん …… 」 の 遺書 を 残して 自殺 した の も 、 次の メキシコ 五輪 で の メダル が 重圧 と なった と いう の が 、 いまや 定説 だ 。 「 勝利 至上 主義 は 封建 的な 人間 関係 を 生む 。 最近 、 国際 大会 で 日本 選手 が 土壇場 で 勝て ない の は 、 指導 者 の 言う が まま の 練習 を して 自立 心 を 失って いる から 。 また 高校 野球 で いえば 滅私 奉公 的な 連投 に 次ぐ 連投 。 プロ 野球 で さえ 管理 野球 が 主流 を 占めて いる 」 「 勝利 至上 主義 は 、 また 、 五輪 で 金 メダル を 多く 取る ほど スポーツ の 技術 高度 化 と 大衆 化 に 役立ち 、 それ が 国際 競争 力 の 向上 に つながる と 主張 して きた が 、 日本 の 金 メダル 数 は 東京 五輪 を ピーク に 減り 続けて いる 。 戦後 とりつか れた 勝利 至上 主義 が いかに 矛盾 と 欺瞞 に 満ちて いる か 。 戦後 五十 年 を 経て 、 今 、 明らかに なった 」 と 、 どこまでも 舌鋒 鋭い 。 だが 、 近著 の 「 日本 的 スポーツ 環境 批判 」 で は 従来 の 勝利 至上 主義 を 批判 し つつ 新たな 視点 に 立つ 「 スポーツ 環境 学 」 を 提案 する 。 戦後 五十 年 たった 今 、 世界 的な 規模 で スポーツ を する 自然 環境 が 汚染 あるいは 破壊 さ れ 、 社会 環境 も 勝利 至上 主義 に よって 「 落ちこぼれ 」 や 「 使い捨て 」 を 生み 、 コマーシャリズム に よる 腐敗 や 堕落 が 象徴 的に ドーピング と なって 表れて いる 、 と 中村 さん は みる 。 そして 「 勝つ ため に は 手段 を 選ば ない 風潮 は 、 スポーツ 適性 の 遺伝子 を 操作 する クローン 人間 の 出現 を 想像 さ せる 」 と 危機 感 を 募ら せる 。 一方 で は 、 スポーツ を 「 見る 者 」 と 「 する 者 」 の 二 極 分化 が 急速に 進む 。 特に バブル 崩壊 後 は アウトドア 志向 が 高まり 、 週 末 の 公園 、 河川敷 など オープンスペース で は 家族 ぐるみ で さまざまな ニュー スポーツ を 楽しむ 人 の 輪 が 見 られる 。 こうした 「 する 者 」 の 新しい 波 は 、 「 古い アマチュアリズム が 崩壊 して 、 スポーツ が 金もうけ の 手段 に なって いる 現実 を 知り つつ 、 さまざまな ニュー スポーツ を 楽しむ 。 これ は 従来 の 体育 的 思考 、 競争 中心 主義 から の 脱皮 を 目指す 多様 化 が 進んで いる わけで 、 この 多様 化 を 過去 へ の 回帰 や 伝統 重視 の 方向 に 向かわ せて は なら ない 。 人間 に 優しく 住み やすい < スポーツ 環境 > の 視点 に 立って 再 統一 して いく 必要 が ある 」 と 訴える 。 それ を 要約 すれば 、 戦後 五十 年 どころ か 明治 初頭 から 連綿と わが国 の スポーツ 界 が どっぷり と 漬かって きた 「 体育 」 の あしき 呪縛 から の 解放 であり 、 「 体育 」 へ の 弔鐘 である か の よう に 聞こえる 。 当時 の 新聞 に 「 直線 的な スピード と シュート の 強 さ は 抜群 」 と ある 。 日本 プロサッカーリーグ チェアマン 、 川淵 三郎 さん は 東京 五輪 の 日本 代表 選手 。 現役 時代 の 馬力 そのまま 、 時に は 「 独裁 者 」 呼ばわり さ れる 強力な リーダーシップ で 、 自ら 「 壮大な 実験 」 と 言う J リーグ を 引っ張る 。 スタート 時 に 熱狂 的な ファン の 支持 で 社会 現象 に まで なった J リーグ は 三 年 目 を 迎えた 。 が 、 二 年 目 の 昨年 は テレビ 視聴 率 が 落ち 「 ブーム は 終わり 」 の 声 も 聞か れた 。 そんな 声 を 川淵 さん は 意 に 介し ない 。 「 一 年 目 が 良 すぎた だけ 。 一 試合 平均 の 観客 数 は 増えて いる し 、 すべて は 順調だ 。 やる べき こと が 百 ある と すれば 二 か 三 しか 実現 して い ない が 、 なんら 問題 ない 。 一つ一つ を 確実に 実現 して いく 」 中学 まで は 野球 少年 。 大阪 ・ 三国丘 高校 で サッカー を 始め 、 戦後 五十 年 の 大半 を サッカー 界 に 身 を 置いて きた 。 早大 に 在学 中 から 全 日本 代表 に 。 実業 団 の 雄 ・ 古河 電工 入り して アジア 大会 、 東京 五輪 に 出場 、 日本 リーグ で 活躍 の のち 古河 、 全 日本 の 監督 も 経験 した 。 そして 日本 リーグ 総務 主事 だった 九一 年 二 月 、 「 失う もの は 何も ない 」 と 、 J リーグ の 創設 準備 室長 と して 陣頭 指揮 に 当たる 。 その 時 、 川淵 さん の 脳裏 に 鮮やかに よみがえった の は 、 三十数 年 前 の 「 デュイスブルク で 見た 緑 の 絨毯 」 。 東京 五輪 前 の 欧州 合宿 で 訪れた 旧 西ドイツ は ケルン 近く の 町 だった 。 「 深い 緑 の 森 に 囲ま れた 広大な 敷地 に 、 緑 の 絨毯 の ような 分厚い 芝生 が あたり 一面 を 覆う 。 合宿 所 から 体育 館 は もちろん 医事 施設 や レストラン が 完備 して いた が 、 それ 以上 に 驚いた の は 、 身体 障害 者 が ボランティア の 介助 で 生き生き と スポーツ を 楽しんで いた こと 。 当時 は 障害 を 持つ 人 たち が スポーツ を 楽しむ なんて 、 考え も し なかった 」 と いう 。 同じ 敗戦 国 な のに 、 日本 と 比べ 何と 幸せな 生活 を して いる のだろう か 、 日本 で は まず 不可能に 違いない と 考えた 川淵 さん は 「 生涯 忘れ られ ない ショック を 受けた 」 。 障害 を 持つ 人 たち も 気軽に スポーツ を 楽しむ 、 地域 に 根差した スポーツクラブ が ドイツ 全土 の 都市 に あり 、 その 頂点 に プロ の サッカーチーム が 位置 する 。 運営 資金 を 稼ぐ 一方 、 ボランティア で クラブ 運営 を 担う 地域 の 人々 から “ おら が 町 の チーム ” と 熱狂 的な 応援 を 受ける 。 ひるがえって 日本 は どう か 。 戦後 とくに 東京 五輪 が 終わって 昭和 四十 年 代 に 入る と 日本 の スポーツ の 中心 は 企業 に 移る 。 しかし 「 企業 が 日本 の スポーツ を いびつに した 。 企業 の 宣伝 や 愛 社 精神 の 醸成 を 目的 に 始まり 、 やがて 企業 アマ を 主力 に 企業 間 競争 を 展開 する 時代 が 来た 。 でも 、 身分 が 保障 さ れて いる だけ レベル は プロ と ほど遠く 、 従って 観客 も 少ない 。 まさに 企業 アマ の 限界 。 私 が 引き継いだ 日本 リーグ は 、 その 典型 だった 」 と 振り返る 。 企業 スポーツ と いえば プロ 野球 も 親会社 の 支配 で は 同じ 状況 だ 。 J リーグ 創設 を 前 に プロ 野球 を とことん 研究 した だけ に 川淵 さん は 「 六十 年 の 歴史 の うち プロ スポーツ と して 一人前 に なった の は 、 ここ 二十数 年 。 王 と 長嶋 が 入って から の 人気 に あぐら を かき 、 赤字 が 出れば 親会社 に 頼る 安易な 経営 だった 。 親会社 も ただ 単に 宣伝 の 道具 と しか 考えて い ない 。 例えば 大リーグ の 地域 に 根 を 張った 本拠 地 制 を きちんと 勉強 すれば 財政 的な 基盤 も できた はず 」 と 、 手厳しい 。 そこ で J リーグ は プロ 野球 を “ 反面 教師 ” と して 、 支援 する 企業 名 を 表 に 出さ ず に 地域 名 と 愛称 で 呼び 、 年齢 別 の 下部 組織 を 地域 に 密着 さ せた 形 で 義務付けた 。 自治 体 の 支援 に よる 施設 造り 、 市民 の ボランティア 活動 に よる 運営 など 独自の システム を 構築 した 。 最終 目標 である 「 地域 に 根差した 欧州 型 の スポーツ クラブ 」 実現 に 向けた 戦略 だ 。 それでは 「 デュイスブルク の 理想 」 は 、 実現 する のだろう か 。 「 始める 前 は 五十 年 かかる と 考えて いた が 、 最近 の 各地 の 動き を 見る と 五十 年 と は 言わ ず 三十 年 で 実現 できる んじゃ ない か 。 問題 は 施設 造り だ が 、 ゼロ から ともかく 一 歩 を 踏み出した 。 こう なる と 早い の が 日本 の 行政 力学 だ 」 と 川淵 さん 。 施設 造り は 二〇〇二 年 の ワールドカップ 大会 開催 を 念頭 に 建設 、 通産 、 自治 、 国土 の 各 省庁 が J リーグ の 理想 実現 の ため 種々の 施策 に 立ち上がった 、 と いう 。 「 W杯 の 招致 も 八割 方 見通し が 立った 。 W杯 を 開催 できれば もっと 世の中 が 変わる 。 スポーツ を 中心 に した コミュニティー の 核 が 、 東京 だけ で 千 や 二千 は 必要 。 会社 人間 から 脱皮 して コミュニティー に 生きる 時代 が 必ず 到来 する 」 。 近未来 の 潮流 を 、 川淵 さん は しっかり と 見すえて いる 。 戦後 五十 年 、 学校 体育 と ともに スポーツ を 支えて きた の が 企業 。 しかし 、 バブル が はじけた 後 、 大 企業 の いく つ か は 歴史 と 伝統 を 誇る 名門 野球 部 など を あっさり と 休 廃部 に して 切り捨てた 。 スポーツ を 労務 政策 と 宣伝 の 道具 と する 、 世界 に 通用 し ない 日本 の 企業 論理 の 前 に 、 企業 スポーツ の 命運 は かくも はかない 。 だれ も が 気軽に 、 いつでも 、 それ も 生涯 に わたって スポーツ を 楽しめる クラブ 作り 。 その 象徴 である 「 緑 の 絨毯 」 の 実現 を 「 壮大な 実験 」 に 終わら せて は なら ない 。 台湾 の 李 登輝 総統 が 大陸 中国 と の 統一 問題 に ついて 六 項 目 から 成る 和平 提案 を 行った 。 大陸 側 の 江 沢民 国家 主席 が 一 月 末 に 行った 八 項 目 提案 に 対する 正式 回答 であり 、 中 台 双方 の 和平 提案 が 出そろった こと に なる 。 両 提案 を 比較 する と 、 相違 点 も 目立つ が 、 共に 経済 を 軸 と した 各種の 交流 、 協力 の 拡大 を 希望 する など 重なり合う 部分 も 少なく ない 。 先 の 江 沢民 提案 は 最高 実力 者 、 トウ 小平 氏 の 「 一 国家 二 制度 」 に よる 平和 統一 方針 を 前提 と し ながら も 、 どちら か と いえば 「 独立 反対 、 経済 交流 促進 」 に 呼びかけ の 重点 を 置いた ところ に 最大 の 特色 が あった 。 統一 を 急ぐ より も 当面 は 現状 を 維持 し 、 交流 拡大 に よる 互恵 協力 、 相互 理解 を 深めよう と いう 考え だ 。 統一 交渉 の 第 一 歩 と して 、 戦争 状態 を 正式に 終結 さ せる 交渉 を 始める こと や 首脳 の 相互 訪問 も 提案 して いた 。 中 台 間 で は 台湾 当局 の 直接 貿易 を 禁止 する 政策 に も かかわら ず 、 香港 経由 の 経済 貿易 関係 が 近年 急速に 拡大 、 台湾 経済 界 で は 直接 貿易 の 解禁 を 望む 声 が 強まって いる 。 各種の 世論 調査 でも 、 即時 統一 でも 即時 独立 で も ない 現状 維持 を 支持 する 声 が 圧倒 的だ 。 昨年 末 の 地方 首長 選挙 でも 現状 維持 を 望む 民意 が 示さ れた 。 李 登輝 総統 が 江 提案 を 「 重要な 提案 だ 」 と 評価 した こと も あり 、 台湾 側 の 正式 回答 が 注目 さ れた が 、 結局 は 四 年 前 に 制定 さ れた 国家 統一 綱領 に 基づく これ まで の 方針 の 域 を 出る もの で は なかった 。 李 総統 は 、 大陸 と 台湾 が 台湾 海峡 を 挟んで 「 分裂 、 分治 の 状態 」 に ある 二 つ の 「 政治 実体 」 である こと を 改めて 強調 、 国際 組織 へ の 平等な 参加 を 認める よう 要求 、 戦争 状態 終結 交渉 に ついて も 、 大陸 側 が 武力 不 行使 を 宣言 する なら 交渉 の 予備 会談 に 応じて も よい と 提案 して いる 。 江 沢民 国家 主席 は 八 項 目 提案 の 中 で 、 武力 不 行使 を 約束 でき ない の は 「 外国 勢力 」 に よる 「 台湾 独立 の 陰謀 」 を 防ぐ ため だ と 説明 して いた 。 最近 、 米 議会 で は 台湾 の 国連 参加 や 李 登輝 総統 の 私的な 訪 米 を 認める よう 政府 に 要求 する 動き が 具体 化 して おり 、 「 外国 勢力 」 の からんだ 動き に 対する 中国 側 の 警戒 は むしろ 強まって いる 。 李 登輝 総統 は 両岸 の 首脳 交流 に ついて も 、 国際 会議 の 場 で なら 会う と いう これ まで の 方針 を 繰り返す に とどまった 。 台湾 側 は 従来 から 李 登輝 総統 の アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 首脳 会議 出席 を 目指して いる が 、 大陸 側 は 元首 に 相当 する 李 登輝 氏 の 出席 を 認めれば 、 「 二 つ の 中国 」 の 承認 に つながり かね ない と 断固 反対の 立場 だ 。 このように 二 つ の 提案 は 原則 的な 問題 で は すれ違い の 方 が 目立つ が 、 重なり合う 部分 も ある 。 李 提案 の 「 経済 貿易 往来 の 増進 と 両岸 の 互恵 、 相互 補完 関係 の 発展 」 は 江 提案 の 核心 である 「 経済 交流 、 協力 の 強化 」 の 呼びかけ に 応えた もの だ 。 大陸 と 台湾 と の 間 に 現実 に 存在 する 経済 レベル 、 社会 制度 など の ギャップ を 考える と 、 経済 を 軸 と した 各種の 交流 を 深める こと は 中 台 双方 の 利益 に も なる し 、 統一 に 必要な 相互 理解 と 格差 の 縮小 に も 役立つ 。 不確かな 「 ポスト トウ 小平 時代 」 が 間近に 迫って いる 。 中 台 双方 の 指導 者 が 、 不 一致 点 に 目 を 向ける より 、 共通 点 を 足掛かり に 共存 共栄 の 新しい 道 を 模索 する よう 期待 し たい 。 十 日 の 東京 外国 為替 市場 の 円 相場 は 、 一 時 一 ドル = 八〇 円 一五 銭 を つけた 。 十 年 前 の プラザ 会議 直前 の 一 ドル = 二四二 円 と 比べて ドル 価値 が 三 分 の 一 に 下がった わけだ 。 この 長い 円高 局面 は そろそろ 天井 に 近づいて いる 。 為替 ディーラー たち も 、 いつ 反動 が 訪れる か 神経質に なって おり 、 その ため に 為替 相場 が かなり 乱高下 して いる 。 市場 は 通貨 当局 が 円高 に 困って 、 公定 歩合 を 引き下げる よう 催促 して いる 。 金利 引き下げ を めぐり 、 日銀 と 大蔵 省 と の 間 の 亀裂 に つけ入り 、 当局 が 市場 に なめ られた 相場 展開 と も いえる 。 しかし 、 円 の 購買 力 など を 冷静に みれば 、 行き 過ぎた 円高 である 、 と みる 専門 家 が 多い 。 プラザ 会議 前 に は 、 ドル が 市場 で 過大 評価 さ れて いた 。 市場 の 評価 が 行き 過ぎる ケース は 、 過去 に たくさん あった 。 ここ で 最も 避け ねば なら ない の は 、 円高 に うろたえる ことだ 。 被害 の 大きな 輸出 産業 は 、 海外 で の 値上げ を 図る と ともに 、 流れ の 変化 を 待って いる 。 当局 者 間 の 責任 の なすり合い は 禁物 だ 。 通貨 当局 は しっかり して もらい たい 。 情勢 を 見極め 、 大胆な 措置 を 機敏に とって ほしい 。 この 円高 水準 が 定着 すれば 、 輸出 産業 へ の 打撃 は 計り知れない 。 規制 緩和 など の 中 長期 の 手段 も 重要だ 。 求め られる の は 、 資金 の 流れ を 変える 劇的な メッセージ であろう 。 公定 歩合 の 引き下げ も 手段 の 一 つ である 。 米国 から 大量に 乗用車 を 買う と いう 大 輸入 計画 でも よい 。 円高 に は いろいろな メリット が ある 。 円 の 購買 力 が 平均 して 一 ドル = 一四〇 円 ぐらい しか ない の は 、 円高 を 生かして い ない 証拠 である 。 政府 は 消費 者 優先 を 唱えて いる のだ から 、 円高 を 消費 者 の 利益 の ため に どう 活用 する の か 、 内外 価格 差 是正 の ため の 具体 的な プラン を 打ち出す べきだ 。 いずれ に せよ 、 これ まで 官僚 に なかった 発想 を 、 政治 が 実現 して いく こと が 肝心だ 。 日本 は 変革 、 変革 と 叫んで も 何も 実行 でき ない と いう 海外 の 見方 を 覆す 行動 が いる 。 主要 通貨 国 の ドル買い の 協調 介入 は 、 市場 に 対する 警告 の メッセージ だ が 、 効き目 が ない 。 金利 の 調整 で は 、 ドイツ の 利下げ が 、 絶好 の タイミング だった が 、 日銀 が 公定 歩合 引き下げ の 機会 を 逃して しまった 。 そして 、 市場 は 日銀 バッシング の 論調 の 広がり に 便乗 して いる 。 日 米 当局 間 で 緊密な 協調 が 行わ れて いる と いう 演出 も 必要である 。 ルービン 米 財務 長官 は 、 ウォール街 の 出身 だけ に 、 ドル 暴落 の 恐ろし さ を 知っている 。 少なくとも ドル を 九〇 円 レベル に 戻す こと で 、 日 米 は 協調 できる はずだ 。 今月 末 、 ワシントン で 開か れる 一連の 通貨 ・ 金融 会議 の 機会 を 生かさ ねば なら ない 。 景気 回復 は 消費 面 で 変調 を きたし 、 先行き は 不透明に なって きた 。 金融 だけ で なく 、 財政 面 から の 景気 テコ入れ が 不可避である 。 十兆 円 規模 の 震災 復興 対策 を 早急に 立て 、 新 年度 の 第 一 次 補正 予算 に 組み入れる べきである 。 政府 は 今 年度 で 、 二・八 % の 実質 成長 を 見込んで いる 。 このまま だ と 一 % 成長 が やっと だろう 。 財政 ・ 金融 の 両面 から 景気 を 刺激 する こと は 正統な 政策 である 。 知事 選 で は 「 無党派 」 知事 の 誕生 が 中央 政界 に 衝撃 を 与えた 統一 地方 選 前半 戦 だ が 、 各 政党 の 勢力 の 消長 を 示す 四十三 道府県 議 選 でも 自民 、 社会 両党 が 大きく 議席 を 減らし 、 無 所属 候補 の 当選 者 が 激増 する など 既成 政党 に 対する 有権者 の 不信 が くっきり と 表れた 。 県議 など 地方 議員 は 政党 に とって は 足腰 の 部分 に あたる 。 その 県議 選 で 自民 、 社会 両党 が そろって 敗北 した こと は 「 五五 年 体制 」 が 地方 でも 崩れ つつ ある こと の 証左 だ が 、 とりわけ 社会党 の 退潮 ぶり が 際立つ 。 道府県 議 選 で の 社会党 の 当選 者 は 二百七十七 人 で 、 五五 年 の 左右 社会党 の 統一 以降 、 過去 最低 だった 前回 の 三百三十三 人 を 五十六 人 も 下回る 惨敗 に 終わった 。 もともと 今回 の 県議 選 で の 公認 候補 者 数 そのもの が 候補 者 難 や 公認 返上 の 続出 で 過去 最低 と なった と あって は 、 戦う 前 から 負け 戦 は 決まって いた と 言って よい 。 二 年 前 の 総 選挙 で 議席 を 半減 さ せた の に 次ぐ 地方 選 で の 大 敗北 であり 、 同 党 の 凋落 ぶり は 目 を 覆う ばかりだ 。 有権者 の 社会党 離れ の 要因 に ついて は 、 東西 冷戦 の 崩壊 と いう 国際 政治 の 激変 に 柔軟に 対応 し 切れ ぬ 硬直 的な 党 体質 も ある が 、 何より も 昨今 の 社会党 に は 分かり にくい こと が 多 過ぎる 、 それ が 社会党 離れ を 加速 さ せて いる ので は なかろう か 。 小 選挙 区 制 の 導入 に 反対 し ながら 総 選挙 後 に は 賛成 に 転換 し 、 理念 や 基本 政策 で 大きな 差異 の ある 新生 党 と 「 非 自民 」 の 一 点 で 手 を 結び 連立 を 組んだ か と 思えば 、 一転 して その 自民党 と 連立 政権 を つくる 。 党是 と して きた 基本 政策 は 政権 の 座 に つく と 国民 、 党員 に 何の 説明 も なく 一夜 に して 転換 する 。 そのほか 、 税制 改革 へ の 対応 、 新党 結成 問題 を めぐる お家 騒動 、 など と 枚挙 に いとま が ない 。 一言 で いえば 党 と して の 体 を なして い ない 。 今回 、 東京 、 大阪 の 二 都 の 知事 選 で 示さ れた 既成 政党 の 機能 不全 ぶり を 象徴 的に 体現 して いる の が 、 社会党 の 現状 である 。 さらに 不思議な の は 、 これほど の 深刻な 状況 である に も かかわら ず 、 党 内 に は 一向に 危機 感 の 盛り上がり が 見 られ ない こと だ 。 四 年 前 、 前回 の 統一 地方 選 で は 、 当時 の 土井 たか子 委員 長 が 敗北 の 責任 を 取って 辞任 した 。 しかし 今回 、 知事 選 、 県議 選 敗北 の 責任 問題 に ついて 久保 亘 書記 長 ら は 「 村山 富市 委員 長 の 責任 に は 直接 つながら ない 」 と の 論理 で うやむやに しよう と して いる 。 このまま で は 、 夏 の 参院 選 、 小 選挙 区 比例 代表 並立 制 の 下 で 初めて 行わ れる 次期 衆院 選 と も 社会党 に とって 一層 厳しい 結果 が 出る の は 自明であろう 。 党 の 発展 的 解党 で 新たな 生きる 方途 を 模索 しよう と いう 新党 構想 は 先月 、 党 執行 部 が 「 参院 選 前 の 新党 結成 」 方針 を 打ち出し ながら 、 最近 で は 「 参院 選 後 」 に 持ち越す 空気 が 支配 的 と いう 朝令暮改 ぶり だ 。 「 参院 選 後 」 に は 新党 結成 に 最も 効果 的な 条件 が 整う と いう のであれば 別だ が 、 いったい 「 参院 選 後 」 に どんな 明るい 展望 が 開ける と いう のだろう か 。 無為の まま 、 伝統 的 手法 の 玉虫色 先 送り 方式 を 駆使 する だけ で は 、 何も 解決 でき ない 。 ある の は 党 の “ 流れ 解散 ” だけ だ 。 二十八 年 前 、 革新 知事 と して 都庁 に 乗り込んだ 美濃部 亮吉 氏 は 「 敵陣 に ひと り 落下傘 で 降下 する 覚悟 だった 」 と 後 に 述懐 して いる 。 青島 幸男 氏 に そんな 悲壮 感 は 無縁だろう が 美濃部 氏 以上 に 気 に なる こと が ある 。 そもそも 美濃部 氏 は 前任 の 東 竜太郎 氏 から 大きな 宿題 は 残さ れて おら ず 、 当初 は 都議 会 に 対して も ソフトに 臨んだ が 、 青島 氏 は 選挙 中 に 鈴木 都政 の 目玉 だった 臨海 副 都心 計画 や 世界 都市 博覧 会 に 強い 疑義 を 表明 して おり 、 都議 会 と の 摩擦 も 相当 程度 覚悟 して いる フシ が ある から だ 。 それ に 経営 破たん の 旧 東京 協和 ・ 安全 二 信 組 救済 の 三百億 円 融資 も 青島 氏 は 断固 拒否 で 譲る 気配 は ない 。 あくまで 純 法律 的 想定 だ が 、 知事 が 議会 と 正面 衝突 する と 知事 は 首相 と 違って 大統領 的 存在 な ので 事 は 複雑だ 。 それ に 都 職員 が 「 面従 腹背 」 なら 相乗 作用 で 混乱 は 倍加 する 。 仮に 何とか 役人 を 説得 して も 、 知事 の 提出 案件 が ことごとく 否決 さ れる なら 行政 そのもの が 完全に まひ する 。 知事 に は 首相 の ような 議会 解散 権 は なく 受け身だ から である 。 知事 は 不 信任 案 の 可決 か 、 不 信任 案 可決 と 見なせる ような 義務 的 経費 など の 予算 否決 で しか 解散 でき ない し 、 議会 の 方 も 出席 が 三 分 の 二 以上 で その うえ 四 分 の 三 の 賛成 が ない と 不 信任 案 は 可決 でき ない 。 そもそも 地方 自治 法 自体 が 知事 と 議会 の 抜き差し なら ぬ 対決 を 想定 して い ない 。 都道府県 レベル で は 一九七六 年 に 岐阜 県 で 不 信任 案 可決 と 知事 から の 辞職 願 が 相 打ち に なった 一 件 が ある だけ で 、 議会 解散 は 皆無だ 。 そこ で 青島 氏 。 二 信 組 へ の 融資 は 都議 会 が すでに 凍結 を 決め 、 新 知事 に 判断 を ゆだねた 形 に なって いる 。 ならば 都議 会 は 青島 氏 に 従う べきだろう 。 大蔵 ・ 日銀 当局 は 困惑 の ようだ が 、 青島 氏 も ただ ノー と いう だけ で は 知事 失格 だ 。 都 の 責任 は 厳然と して ある 。 その ケジメ を つけ 信用 秩序 維持 の 代案 を 示す べきである 。 臨海 副 都心 開発 計画 は 確かに バブル 経済 の 副 産物 で は ある が 、 すでに 一兆八千億 円 近い 資金 が 投じ られ 、 レインボーブリッジ 、 新交通システム など の 整備 も 着々 進んで いる 。 計画 の 大幅 見直し と いって も どこ で 折り合い を 付ける か 、 最大 限 に 慎重な 配慮 が 必要 と なって こよう 。 一方 の 世界 都市 博 。 来春 の 開幕 まで 一 年 を 切って おり 、 パビリオン の 建設 も 始まって いる 。 世界 四十六 都市 ・ 港 も 出展 する 予定 で 入場 券 まで 売り出さ れて いる 。 「 チャラ に する 」 で は 国際 信用 に かかわる し 、 訴訟 ざた も 覚悟 し なければ なら ない 。 いずれ に せよ 進む か 退く か 、 の 指示 は 対 マスコミ 向け で は なく 実働 部隊 に 早く 示す べきだ 。 その 際 、 大向こう 受け を 狙う だけ で は 行政 は 動か ない こと を 青島 氏 は 認識 す べきだろう 。 臨海 開発 と 都市 博 は 一体 だ が 、 想起 して おか ねば なら ない こと は 都 知事 選 有力 六 候補 の うち 、 石原 信雄 氏 以外 は 全員 が 臨海 開発 の 大幅 見直し か 凍結 を 公約 して いた ことだ 。 五 人 の 得票 を 合算 する と 優に 七 割 を 超す が 、 これ が 民意 と いう もの である 。 「 選挙 向け の 公約 だった 」 など と いう の は 天 に ツバする もの だ 。 行政 の 継続 性 を 担保 しながら 新 機軸 を 打ち出す の は 容易な 作業 で は ない 。 前後 の 見境 なく 急 ハンドル を 切ら れて 迷惑 する の は 百二十八 人 の 都議 会 議員 、 十九万 都 職員 で は なく 千二百万 都民 な のだ から 。 松下 電器 産業 は 傘下 に おさめて いた 米 映画 ・ 娯楽 会社 MCA の 株式 の 八 割 を カナダ の 大手 飲料 メーカー 、 シーグラム に 売却 する こと を 決めた 。 五 年 前 、 最大 規模 の 企業 買収 と して 注目 さ れた 松下 の 企業 戦略 は ついに 失敗 に 終わった わけである 。 このような 失敗 は 松下 だけ で は ない 。 バブル に 浮かれて 一九八〇 年 代 後半 から 九〇 年 代 初め に かけて 、 日本 企業 が 海外 で 買い まくった 企業 、 不動産 の 多く が 、 いま 厳しい 状況 に 置か れて いる 。 どこ に 問題 が あった の か 。 第 一 は 産業 を 取り巻く 文化 的な 違い を 軽視 した こと であろう 。 MCA は ハリウッド を 拠点 と する 映画 ・ 娯楽 の 大手 企業 。 松下 が 数多く 手掛けて きた 海外 の 家電 組み立て 工場 と は 企業 風土 が 全く 違って いる 。 例えば 、 映画 を 一 本 つくる 経費 は プロデューサー に よって 大きく 変わる 。 よく いえば 「 誇り 高い 芸術 家 」 、 悪く いえば 「 金銭 に こだわら ない 自由 人 」 集団 と 、 日本 的 規律 を 求める 松下 側 と の 亀裂 は 次第に 深まって いった と いう 。 松下 に 先駆け 、 八九 年 に 米 映画 会社 コロンビア ・ ピクチャーズ ・ エンタテイメント を 買収 した ソニー も 似た ような 経験 を して いる 。 日本 企業 は 海外 進出 する 際 、 相手 国 の 政治 、 経済 情勢 は それなり に 研究 して いる 。 ところが 、 文化 的 風土 に ついて の 認識 は 甘かった と しか 言え まい 。 第 二 は ここ 数 年 の 円高 で 精算 の タイミング が 遅れた こと である 。 松下 は 九〇 年 に MCA を 六十一億 ドル で 買収 して いる 。 当時 の 為替レート は 一 ドル = 一二七 円 前後 だった 。 以後 円 は 一本調子で 上がり 続けて いる 。 円高 ・ ドル安 に なれば 、 投資 を 精算 して 資金 を 日本国 内 に 持ち帰る 際 、 差損 が 生じる 。 松下 側 に 「 為替 の 流れ が 円安 ・ ドル高 に 変わる の を 待ち たい 」 と の 思惑 が あった の は 間違い ない だろう 。 今回 の 売却 額 は 五十七億 ドル 。 一 ドル = 八〇 円 前半 で 計算 する と 二千億 円 近く 損 を する 勘定 だ 。 この ため 松下 は 直ちに 円 に かえ ず 、 ドル で 再 投資 する 方針 と いう が 、 効率 の よい 投資 先 を 見付ける の は 容易で は ない 。 バブル の 時代 、 日本 企業 が 米国 を はじめ 海外 に 投資 した 資産 は 円高 に より 大幅な 評価損 を 出して いる 。 その 多く は 、 これ から 精算 し なければ なら ず 、 人ごと で は ない 。 第 三 は メーカー 主導 の マルチメディア 対応 の 代表 例 が 挫折 した こと である 。 松下 が MCA を 買収 した 最大 の 狙い は マルチメディア 時代 に 備え 、 ソフト 部門 を 充実 さ せる こと に あった 。 「 ハード と ソフト の 連携 に よる 相乗 効果 」 を 目指した のである 。 しかし 、 狙い は 外れた 。 MCA が 制作 し 松下 の ハード に 乗った ソフト は 映画 「 ジュラシック ・ パーク 」 ぐらい の もの と いう 。 この 事実 は 家電 メーカー が ソフト まで 主導 する こと の 困難 さ を 浮き彫り に した と も いえ そうだ 。 日本 メーカー の 優秀 さ は 生産 工程 や 品質 管理 に ある 。 マルチメディア に 関して も 光ファイバー や 電話 の 端末 機 は 高 品質 の 商品 を 開発 して いる が 、 ソフト 面 で は 米国 に 大きく 遅れて いる 。 このように 見て くる と 、 松下 の MCA 売却 劇 は 海外 で の 企業 買収 失敗 の 重い 代償 を 見せつけた と いえる 。 と同時に マルチメディア 時代 を 迎え 、 ソフト 開発 の 難し さ を も 明らかに した 。 医療 の 高度 化 や 高齢 社会 を 背景 に 先進 国 は 、 いずれ も 医療 費 の 高騰 に 頭 を 痛め 、 とりわけ 膨大な 薬剤 費 の 重圧 に もがく 。 最近 、 中央 社会 保険 医療 協議 会 は フランス と ドイツ へ 調査 団 を 送り 、 薬剤 の 使い 方 や 値段 の 実態 を 調べた 。 その 報告 書 を 読む と 、 いわば 「 同病 相 憐れむ 」 現状 が よく 分かる 。 フランス は 日本 と 同様に 医薬 品 の 公定 価格 を 定める 。 全般 的な 値段 は 欧州 連合 諸国 の 平均 に 比べ 四 割 近く も 安い 。 だが 、 低 価格 ゆえ の 大量 投与 に 走った 。 ドイツ で は 製薬 企業 に よる 自由な 価格 設定 が 認め られて いる 。 医師 も 患者 も コスト 意識 を 持て ず 、 より 高価な 薬 を 多用 した 。 出発 点 は 違って も 、 薬剤 費 の 高騰 と いう 同じ 地点 に 迷い 込んだ 。 わが国 も 、 やはり 同じ 急坂 を 上る 。 保険 料 を 上げる に して も 、 すでに フランス は 収入 の 一九・六 % を 労使 一 対 二 で 、 ドイツ は 平均 一三・四 % を 労使 折半 で 負担 する 。 わが国 の 保険 料 より はるかに 高い 。 薬剤 費 を 含めた 医療 費 の 伸び を いかに 抑える か 。 フランス で は 、 薬 ごと に 治療 上 の 必要 度 を 決めて 、 保険 で 払う 率 を 全額 から ゼロ まで 細かく 定めた 。 日本 でも 栄養 補給 的な ビタミン 剤 使用 は 保険 で の 支払い を 認め なく なった が 、 その 徹底 化 である 。 治療 指針 に より 、 例えば 、 軽い 高 血圧 に は 血圧 降下 剤 の 投与 や 過度の 検査 を 控え させる 。 違反 すれば 医師 の 診療 報酬 を カット する 。 患者 は 主治医 の 医療 記録 控え を 示して 保険 の 支払い を 受ける 。 薬 の 重複 投与 、 医師 の 不必要な 投薬 、 掛け持ち 受診 を 防ぐ 狙い で 、 一九九六 年 から 、 まず 複数 の 疾病 で 長期 療養 の 七十 歳 以上 の 患者 に 適用 さ れる 。 ドイツ でも 、 さまざまな 対策 が 進め られて いる 。 医薬 品 ごと に 三 段階 で 患者 に 保険 外 負担 を 課す 。 薬 は 自由 価格 だ が 、 保険 支払い の 上限 に なる 参照 価格 を 定めた 。 その 値段 を 超える と 差額 は 患者 負担 に なる 。 病院 に 加えて 開業 医 に も 使用 薬剤 の 総額 予算 枠 を 設け 、 その 枠 を 超える と 開業 医 の 報酬 を カット したり 、 製薬 企業 に 負担 さ せる 。 ドイツ の 試み は 「 処方 の 劇的 変化 」 を もたらし 、 九三 年 は 前年 比 一 割 強 の 支出 削減 に なった 、 と いう 。 ドイツ で は 医師 が 一 回 の 診察 で 処方 する 薬剤 は 平均 一・七 剤 、 大量 投与 が 問題 に なった フランス でも 三・二 剤 と いう 。 日本 で は 開業 医 で 三・五 剤 、 処方 数 の 少ない はずの 医薬 分業 の 病院 で 三・九 剤 。 風船 みたいに 膨れた 薬袋 を もらう せい であろう 、 総 医療 費 に 占める 薬剤 費 は 独 、 仏 の 推定 二 割 弱 に 比べ 年間 二十四兆 円 余 の 三 割 、 七兆 円 を 超す 。 「 医薬 分業 」 に よって 医師 は 主に 技術 を 売る 環境 の 中 で 進む 独 、 仏 の 改革 手法 を そっくり 持ち込む わけに は いか ない 。 だが 、 両 国 ともに 本当に 必要な 薬 の 質 と 量 を 考える 姿勢 を 打ち出して いる 。 私 たち も そこ から 再 出発 し たい 。 日本 の 政府 開発 援助 の 総額 が 、 世界 最大 級 だ と は よく 知ら れて いる 。 今 年度 予算 でも 一兆一千六十一億 円 の 巨額である 。 しかし 、 ここ から 非 営利 ・ 非 政府 組織 である 途上 国 の NGO が 受け られる 補助 金 総額 は 、 三十億 円 に 過ぎ ない 。 これ を 外務 省 は 「 草 の 根 無償 」 協力 と 呼ぶ 。 国 内 の NGO が 、 途上 国 で 活動 する ため の 予算 は 別に 七億六千万 円 ある 。 毎年 、 増えて は いる が 、 少ない し 、 活動 が 活発 と は 言い難い 。 では 、 日本 の NGO に 何 が 必要な の か 。 日本 労働 組合 総 連合 会 が 、 欧 米 五 カ国 の NGO 活動 を 調査 した 結果 を まとめ 、 最近 外務 省 に 提出 した 報告 書 は なかなか に 示唆 に 富む 。 いく つ か の 提言 を 掲げて いる 。 日本 の NGO の 歴史 は 浅い 。 外務 省 が NGO へ 補助 を 始めた の は 一九八九 年 だ 。 欧 米 の NGO は キリスト 教会 や 財団 、 労働 組合 、 消費 者 運動 の 長い 歴史 と ともに 育って きた 。 それだけに 政府 と 対等で 、 信頼 関係 を 築き やすい 。 報告 書 の 指摘 する 五 カ国 の 現状 は 、 根本 に 、 政府 と NGO と の 信頼 関係 が ある 。 したがって 、 その 国 の ODA で NGO が 担う 分野 は 極めて 大きい 。 ドイツ で は NGO に かかわる 予算 が 毎年 八億 マルク 前後 ある 。 アメリカ で は 九二 年 の 実績 が 十五億一千万 ドル 。 日本 と は 比較 す べく も ない 。 国 内 で 活発な NGO の 活動 を 連想 さ せた の は 、 阪神 大 震災 に おける ボランティア の 活躍 だろう 。 ODA に よる NGO は 、 むしろ 日常 的な 活動 が 中心 に なる 。 核心 は 、 途上 国 の 貧困 緩和 や 、 生活 条件 向上 に 、 その 国 の 人々 と 手 を 取り合い 働く ところ に ある 。 そして 、 その 国 の 人々 が 自力 で 立ち上がる の を 助ける 。 日本 の ODA 総額 は 巨大だ が 、 公共 事業 や 建設 土木 事業 援助 に 傾き がちだ と いう 批判 が 繰り返さ れて きた 。 これ から は ODA の ソフト化 が 重要に なる 。 NGO に とって 働き 場所 だ 。 労働 関係 事業 一 つ とって も 、 「 アメリカ 労働 総 同盟 産別 会議 」 が 六八 年 に 設立 した アジア ・ アメリカ 自由 労働 協会 だけ で 、 九三 年 は 同国 の 国際 開発 庁 から 二百五十八万 ドル が 支出 さ れた 。 日本 に も 、 途上 国 で 開く 労働 者 セミナー や 教育 プログラム 、 医療 援助 の 実施 を 始めた 国際 労働 財団 が ある 。 ここ に 昨年 度 初めて 、 ODA 予算 二千万 円 が ついた に 過ぎ ない 。 NGO 活発 化 に は 、 課題 が 数多い 。 政府 支出 を 受ける ため の 煩雑 すぎる 手続き の 簡素 化 や NGO の 法人 格 を もっと 取り やすく する ―― こと も 必要だ 。 NGO 先進 国 に も 問題 は ある 。 大きな NGO は 政府 や 政党 の マシン 化 、 下請け 化 し やすい 。 同時に 団体 自ら の 宣伝 に 用い ない か 。 NGO 同士 の 予算 獲得 合戦 、 足 の 引っ張り 合い 。 獲得 した 予算 の ルーズな 費消 。 しかし 、 この 種 の 危惧 が ある から と いって 民間 の 自発 性 に 手 を 貸す こと が 少ない の は おかしい 。 NGO 活発 化 は 、 政府 が 民間 を 信頼 する こと から 始め なければ なら ない 。 公正 取引 委員 会 は 今月 末 から 、 持ち株 会社 に 関する アンケート を 開始 する 。 これ で 「 三 年 以内 に 結論 を 出す 」 と 閣議 決定 さ れた 持ち株 会社 問題 の 検討 が スタート する わけである 。 そこ で 、 事実 関係 の 研究 を 深め 、 徹底 的に 議論 する こと を 注文 して おき たい 。 持ち株 会社 を 禁止 して いる 独占 禁止 法 第 九 条 は 戦争 放棄 を 規定 した 憲法 第 九 条 に 対比 して 「 もう 一 つ の 九 条 」 と も 言わ れて いる 。 ある 意味 で 戦後 五十 年間 に わたり 、 日本 経済 の 枠組み を つくって きた 極めて 重要な 条文 な のだ 。 歴史 的に 振り返る と 「 戦前 の 財閥 が その 巨大な 経済 支配 力 を 行使 して 日本 を 戦争 に 導いた 」 と いう 認識 から 、 連合国 軍 総 司令 部 が 経済 民主 主義 を 推進 する 目的 で 日本 政府 に 強く 指示 し 、 独禁 法 の 柱 と して 盛り込ま れた もの である 。 同法 で いう 持ち株 会社 は 「 株式 を 所有 する こと に より 、 国 内 の 会社 の 事業 活動 を 支配 する こと を 主たる 事業 と する 会社 」 で 、 純粋 持ち株 会社 と 呼ば れて いる 。 ある 事業 を 行って いる 会社 が 一〇〇 % 子会社 を 所有 する こと は 抵触 せ ず 、 いわゆる 事業 兼営 持ち株 会社 は 多数 存在 して いる 。 今回 、 規制 緩和 の 一環 と して 純粋 持ち株 会社 の 解禁 を 強く 主張 した の は 通産 省 と 経済 界 の 一部 だった 。 その 骨子 は ( 1 ) 企業 が リストラクチャリング を 進める に は 柔軟で 迅速な 決定 を 行わ なければ なら ない 。 それ に は 戦略 部門 に あたる 純粋 持ち株 会社 が 不可欠 だ 欧 米 諸国 で は 純粋 持ち株 会社 を 認めて おり 、 経済 摩擦 の 要因 の 一 つ に なって いる ―― など だ 。 これ に 対して 公取委 は 次 の ような 理由 を 挙げ 、 猛 反発 した 。 この 論争 は 与党 議員 を 巻き込み 、 「 規制 緩和 推進 五 カ年 計画 」 の 閣議 決定 直前 まで 大 論議 に なった が 、 方向付け を し ない まま 、 三 年 以内 に 結論 を 出す と いう 日程 を 決める だけ に とどまった 。 こうした 経緯 を みて 感じる こと は 、 双方 の 主張 が かみ合って い ない こと だ 。 例えば 、 解禁 論者 は 「 持ち株 会社 が リストラ の 有効な ツール 」 と 主張 して いる が 、 兼営 持ち株 会社 で は なぜ 駄目な の か 、 もう 一 つ 説得 的で ない 。 さらに 海外 の 持ち株 会社 が 実際 に どんな 行動 を とって いる の か 、 詳細な 調査 に 基づいた 主張 と は 言え ない だろう 。 一方 、 擁護 論者 の いう 「 系列 」 化 の 恐れ も 分かり にくい 。 それ を 言う に は 、 現在 の 日本 に おける 系列 の 実態 を 示し 、 純粋 持ち株 会社 が どんな 形 で 支配 した 場合 が 問題 な の か 、 詰める 必要 が あろう 。 解禁 論者 は 経済 の 国際 化 、 産業 構造 の 変化 だけ を 強調 する 。 擁護 論者 は 過去 の 教訓 に とらわれ 、 集中 の 弊害 だけ を 繰り返す 。 議論 が 擦れ違い 、 深まって い ない の が 現在 の 姿 で は ある まい か 。 独禁 法 の 理念 は 、 企業 が 公正な 競争 を 行う こと に より 、 消費 者 が 利益 を 受ける こと に ある 。 原点 に 立ち返った 真剣な 議論 を 望み たい 。 大阪 府 の 新 知事 に 当選 した 横山 ノック 氏 は 、 十 日 後 の 二十四 日 に 府庁 入り し 、 八百七十万 府 民 の 暮らし と 健康 を 守る べき 重責 を 担う 。 東京 都 の 場合 と 違い 、 新 知事 が 府政 の 継続 性 を 劇的に 断ち切る ような テーマ は ない が 、 多く の 懸案 に 対する 新 知事 の 考え は まだ 明確で ない 。 十 日間 は 短い が 、 可能な 限り 問題 点 を 詰め 、 府政 運営 の 具体 的な 方向 を 就任 第一声 で 示して もらい たい 。 無党派 層 の 沸き立つ 熱気 が 去る と 厳しい 実務 の 世界 が 待って いる 。 支持 政党 も なく 府庁 入り する 横山 氏 に は 、 選挙 の 大勝 に 酔い 、 笑って いる 暇 は ない のだ 。 当面 する 重要 課題 に は 、 関西 国際 空港 の 全体 構想 、 アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 の 受け入れ 態勢 、 広域 防災 対策 など が ある 。 一 本 だけ で 開港 した 滑走 路 を 三 本 に 増やす 全体 構想 は 、 巨額の 資金 を 国 と 地元 で どう 負担 する か が 現在 の 焦点 だ 。 運輸 省 は 大幅な 地元 負担 を 条件 に して 、 国 の 空港 整備 計画 の 中 に 位置づける 考え で いる 。 横山 氏 は 当初 、 「 空港 整備 は あくまで 国 の 責任 」 と して いた が 、 その後 「 国 が 応分の 負担 を すれば 府 も 考える 」 と 修正 した 。 確かに 、 アジア の 中 で 日本 が 空 の ハブ と なり 得る か どう か は 国家 的な 課題 である 。 しかし 、 国 の 責任 を 言い 募る だけ で は 前 に 進ま ない の も 事実 だ 。 関西 空港 は 、 もともと 国 と 地元 の 共同 事業 だった 。 これ ら の 経過 と 、 横山 氏 が 考える 府 民 の 利益 を 集約 して の 、 早急な 決断 が 求め られる 。 今秋 、 大阪 で 開く APEC で は 、 開催 地 の 知事 と して 、 大阪 や 関西 を 世界 に アピール する こと を 期待 さ れて いる 。 防災 に ついて も 「 庶民 の 心 を 知る 」 知事 と して 、 真に 有効な 対策 を 打ち出して ほしい 。 これ ら 個々 の 問題 と 並んで 重要な こと は 、 新 知事 の 公私 に わたる 清潔 さ と 府議 会 と の 関係 だろう 。 横山 氏 の 当選 は 、 現 知事 後援 会 の ヤミ 献金 問題 に 対する 有権者 の 怒り が 原点 だ 。 知事 に 求め られる 清潔 さ は 、 一 私人 や タレント に 比べて 厳しい こと を 認識 する 必要 が ある 。 まずは 公約 通り 知事 交際 費 を 公開 する と ともに 、 個人 の 資産 ・ 負債 など も 明らかに す べきだろう 。 都道府県 レベル で は 初 の 政治 倫理 条例 を 提案 し 、 他の 府県 を リード する くらい の 覚悟 も 欲しい 。 横山 氏 に は 百六十二万 の 支持 票 が ある 。 しかし 、 府庁 入り すれば 独り で オール 野党 と 向かい合う 。 横山 氏 が 「 議会 で 密室 の 談合 は し ない 」 と 話して いる の は 、 相乗り 与党 の 談合 体質 が 批判 さ れた 選挙 の 経過 から 当然だ 。 問題 に よって は 「 議会 と 協調 し 、 妥協 が 必要 なら 府 民 に 諮る 」 と 言う の も 共感 できる 。 議会 の 各 会派 も 、 いたずらに 府政 の 混乱 を 求め ず 「 府 民 の 利益 」 の 一 点 で 対応 する よう 要望 する 。 ただ 、 横山 氏 が 今後 も テレビ など の 利用 を 公言 し 、 「 議会 運営 を 妨げる 人 は 、 府 民 に 知らせる 」 と 語ったり 、 就任 後 も タレント 活動 に 執着 する 発言 は 、 誤解 を 生み かね ない 。 既に 「 メディア を 使った 個人 攻撃 の 脅し 」 と 反発 する 議員 も いる 。 選挙 戦 で 発揮 さ れた 「 イメージ こそ 力 」 に おぼれる こと なく 、 行政 に は 地道な 努力 も 必要な こと を 認識 す べきだ 。 タレント 活動 の 継続 も 、 知事 の 仕事 を 経験 した うえ で 判断 する 謙虚 さ を 求め たい 。 政府 、 日銀 の 「 緊急 円高 ・ 経済 対策 」 が 十四 日 決定 した 。 村山 富市 首相 は 「 当面 の 対策 と して 考え られる あらゆる 対策 を 盛り込んだ 」 と 語った が 、 同日 の 為替 市場 は ほとんど 反応 し なかった 。 これ は 「 背水 の 陣 」 を 敷く 思い で まとめた 政府 の 六 項 目 の 対策 も 、 日銀 の 公定 歩合 の 引き下げ も 市場 は 織り込み 済み だった から であろう 。 政府 が 緊急 対策 の 最大 の 目玉 に 挙げて いる 一九九五 年度 の 第 一 次 補正 予算 の 編成 は 阪神 大 震災 の 直後 から 当然 視 さ れて いた 。 また 、 史上 最低の 一 % の 公定 歩合 も 二 週間 前 、 日銀 が 短期 金利 の 低め 誘導 に 踏み切った 時点 で 予想 さ れて いた 。 円高 ・ ドル安 に 向かって いる 奔流 の ような 流れ を 一気に 変える に は 、 市場 心理 を 一変 さ せる ような 要素 が 必要だ 。 今回 の 対策 は タイミング 、 内容 の 両面 で 力 不足 、 と 市場 が 受け止めた と いえよう 。 市場 の 評価 は さておき 、 国民 経済 的な 視点 から 、 対策 の 意味 を 考えて み たい 。 その 狙い は 「 緩やかな 回復 基調 」 に ある 景気 が 円高 で 失速 する 恐れ が あり 、 それ を 防止 する 点 に 置か れた 。 物価 、 賃金 が らせん 状 に 下がる デフレ の 悪 循環 を 未然 に 防ぐ ため の 対策 だった 。 しかし 、 これ は 極めて 難しい 課題 な のである 。 人間 の 病気 に 例える と 、 風邪 が 長引き 肺炎 を 起こし そうな 病人 に 、 とりあえず 応急 措置 を 行った ような もの と 言える 。 応急 対策 と して は かなり 強い 薬 を 用いて いる 。 一 % の 公定 歩合 は 年金 生活 者 の 生活 を 一段 と 苦しく さ せる 。 補正 予算 の 財源 と して 赤字 国債 の 発行 を 盛り込んだ の も 、 できる かぎり 財政 の 健全 化 を 守る と いう 政策 に 反する 。 相当な 「 副 作用 」 を 認め ながら 、 当面 の 景気 失速 の 防止 を 優先 さ せた わけだ 。 普通の 健康 体 で 風邪 を ひいた 時 であれば 、 応急 措置 を 施し 、 後 は 静養 して いれば よい 。 しかし 、 日本 経済 は 円高 が 進んで 輸出 製品 の 価格 競争 力 が 落ちて も 、 企業 が 懸命 の リストラクチャリング を 行って 輸出 が 減ら ない 体質 に なって いる 。 つまり 、 応急 措置 と 同時に 体質 改善 を 行わ なければ なら ない 局面 を 迎えて いる のだ 。 与党 が 経常 黒字 削減 の 数値 目標 に 固執 した の も この 認識 から だろう 。 私 たち は かねて 体質 改善 の 必要 性 を 強調 して きた 。 産業 構造 を 転換 し 企業 の 行動 様式 を 改めて 、 世界 貿易 の 場 で の 「 独り勝ち 」 を やめる 以外 、 日本 独自 で 円高 に ストップ を かけ られ ない から だ 。 こうした 観点 に 立てば 、 今回 の 対策 に は 体質 改善 策 が いく つ か 盛り込ま れて いる 。 「 規制 緩和 五 カ年 計画 」 を 三 年間 に 短縮 する 、 円高 差益 の 還元 を 徹底 的に 行う ―― など だ 。 遅々と した 歩み に なる と 思わ れる が 、 確実に 実施 する こと を 強く 要請 して おき たい 。 もう 一 つ は 国際 通貨 会議 など の 場 で もっと 積極 的に 打って出る ことだ 。 村山 内閣 と して 「 日本 と して 精いっぱい の 対策 は 決めた 」 と いう のであれば 、 ドイツ と 共に ドル安 を 容認 して いる 米国 に ドル 防衛 を 強く 迫れる はずである 。 当面 、 月 末 に 予定 さ れて いる G 7 で 政策 協調 の 必要 性 を 強く 訴え 、 投機 筋 に 断固 立ち向かう 姿勢 を 打ち出す こと を 望み たい 。 捜査 当局 は 、 オウム 真理 教 関連 の 施設 に 対して 全国 一斉 の 家宅 捜索 を 行った 。 二十五 都道府県 、 百 カ所 以上 に 及ぶ と いう 。 史上 空前 の 捜索 と いって も よかろう 。 捜索 容疑 は 殺人 予備 、 毒物 劇物 取締 法 違反 、 監禁 …… など だ 。 教団 を めぐる 疑惑 に ついて 、 その 全容 を 解明 する 目的 も あろう が 、 大量の 危険 物 や 武器 が 隠さ れて いる 可能 性 が あり 、 不測 事態 の 未然 防止 が 主要な 狙い であろう 。 野中 広務 国家 公安 委員 長 が 「 国民 の 不安 解消 の ため 、 事件 の 徹底 解明 と 再発 防止 に 全力 を 挙げ たい 」 と 語って いる こと から も 意図 は うかがえる 。 先月 下旬 から 続く 教団 関連 施設 へ の 捜索 で は 、 多く の 国民 が 驚き 、 そして 不安 を 募ら せた 。 パイプ が 林立 する 工場 施設 が あり 、 サリン など の 猛毒 ガス の 原料 が 続々 と 見つかった 。 銃器 製造 が 可能 と さ れる 材料 や 機器 も 次々 と 発見 さ れて いる 。 教団 側 は 疑惑 を 否定 する 。 施設 内 に あった 原料 ・ 材料 や 機器 類 で は 毒 ガス 生成 も 武器 製造 も 不可能であり 、 作った 事実 も ない 、 と 。 しかし 、 宗教 団体 に は 似つかわしく ない 物 が あれ だけ 出て きて 、 しかも 「 可能 性 」 「 疑い 」 が 集積 すれば 、 だれ も が 不測 の 事態 を 思い描き 、 不安 を 膨らま せよう 。 それ も 並 の 不安で は ない 。 首都 圏 の 地下鉄 で は 連日 「 不審 物 が あったら 触れ ないで 、 連絡 して 下さい 」 の アナウンス が 流れる 。 ごみ箱 は 撤去 さ れ 、 コインロッカー は 封鎖 さ れ 使用 出来 なく なって いる 。 瓶 が 割れ 酒 が 流れ出した だけ で 「 不審 物 あり 」 と JR 数 本 が 運休 する 騒ぎ も 起きて いる 。 教団 がらみ で 「 十五 日 に 異変 」 と いう うわさ が 流布 し 、 当日 臨時 休業 と する 駅ビル 、 特別 警戒 の デパート も 現れた 。 事態 は 深刻だ 。 教団 関係 者 の 逮捕 も 相次いで おり 、 既に 百 人 を 超える と いう 。 容疑 は 多岐に わたる 。 公務 執行 妨害 、 建造 物 侵入 、 有 印 私 文書 偽造 、 道路 交通 法 違反 、 軽 犯罪 法 違反 …… 。 あらゆる 刑事 関係 の 法 が 駆使 さ れて いる 。 これ まで の 「 物差し 」 から は 外れよう 。 その こと は だれ も が 感じて いる 。 だが 、 大きな 声 に は なって い ない 。 なぜなら 、 それ を 甘受 せ ざる を 得 ない の が 、 今 の 日本 の 状況 だ から だ 。 勢い マスコミ は 過熱 する 。 その 中 で 根拠 も なく 不安 を 煽る ような 番組 を 流して いる ところ も ある 。 残念だ 。 村山 富市 首相 に は がっかり する 。 「 徹底 捜査 」 「 対策 に 取り組ま なければ 」 と 決意 を 披歴 する のみ で 、 有効な 対策 が とんと 出て こ ない 。 確かに サリン を 禁止 する 法律 は できた 。 しかし 、 法 を 犯す 覚悟 の 確信 犯 が 現れれば 、 無力に 近い 。 阪神 大 震災 以来 の 「 危機 管理 体制 の 不備 」 は 依然 改まって い ない 。 「 社会 秩序 維持 に 向けて の 決断 の 欠如 」 と いう 批判 も 的 を 射て いよう 。 機能 不全 に 陥って いる か の よう に 見える 。 米国 で は 地下鉄 サリン 事件 を 議会 公聴会 で 取り上げ 、 無差別 テロ 対策 を 進めて いる 。 国際 的な 防止 協力 も 訴えた 。 ニューヨーク で は 解毒 剤 を 救急 車 に 常備 さ せる 、 と いう 。 隣 の 韓国 でも 空港 職員 が 防毒マスク 装着 の 訓練 を 受け 、 不測 の 事態 に 備えて いる 、 と 伝え られる 。 わが国 が 率先 して 有効な 防止 策 を 作り 、 国際 協力 で は イニシアチブ を 取る べきで は ない の か 。 一刻 も 早く 安全 構造 を 構築 す べきだ 。 司法 は 国民 から 遠ざかり つつ ある 。 「 形骸 化 」 が 言わ れ 、 「 存在 感 すら 薄れて いる 」 と も 指摘 さ れる 。 それ でも 、 ヤミ 米 を 拒否 して 餓死 した と いう 裁判 官 の 話 を 、 心 の どこ か に 留めて いる 人 は 多い はずだ 。 終戦 直後 の こと である 。 その 人 は 東京 地裁 判事 の 「 山口 良忠 」 。 食糧 難 が 続く 中 、 衝撃 は 大きかった 。 遺書 に は 「 食糧 統制 法 は 悪法 だ が 、 法律 と して 存在 して いる 以上 、 服従 し なくて は なら ない 。 自分 は 喜んで 餓死 する 」 。 哲学 者 ・ ソクラテス に も 似た 「 生き ざま 」 である 。 「 法曹 界 の ドン 」 と して 影響 力 を 持つ 、 前 の 最高裁 長官 ・ 矢口 洪一 さん は 当時 、 司法 修習 生 だった 。 「 ミスター 司法 行政 」 と 言わ れ 、 長く 司法 制度 の 改革 に かかわって きた が 、 この 歴史 の 一 コマ が 頭から 離れる こと は なかった 、 と いう 。 そして 今 も 「 司法 行政 の 節目 節目 で 思い起こす 象徴 事 だった 。 『 山口 判事 は あまりに も 世間知らず 』 と も 言えよう 。 しかし 、 あの 純粋 さ の 中 に 、 清く 正しく 、 かつ 狭く 生き ざる を 得 なかった 裁判 官 の 戦後 の 出発 点 を 見る 思い が する 」 と 語る 。 裁判 官 生活 は 確かに 世間 一般 と は 異なる ようだ 。 酒 を 飲む に も 行き場 や 相手 を 限定 し 、 閉鎖 的 生活 に 埋没 する ケース も 多々 見 られる 。 その うえ 「 身辺 清潔 である べし 」 の 強い 倫理 観 に も 包ま れて いる 。 それ が 時 に 「 世間 常識 から 離れ 、 思い上がり に つながる 」 と 、 矢口 さん が まず 手掛けた 改革 が 新聞 社 へ の 長期 派遣 制度 だった 。 「 記者 と 行動 さ せる こと で 、 世間 と は 何 か を 見せ たい 」 と いう 思い が あった 。 記者 の まね 事 であり 、 かつて の 最高裁 の 発想 に は 絶対 に あり 得 なかった 研修 方式 だった 。 その後 も 、 さまざまな 方策 を 打ち出した 。 研修 先 は 商社 さらに は 省庁 へ と 広がり 、 海外 研修 も 積極 的に 進めた 。 「 司法 の 民主 化 の ため に 」 と 陪審 制度 や 参審 制度 の 研究 に 踏み出し 、 裁判 官 を 欧 米 諸国 に 留学 さ せた 。 日本 弁護 士 連合 会 から の 要請 で は あった が 、 弁護 士 から の 裁判 官 採用 に も 踏み切った 。 「 完全 」 と は いえ ない まで も 法曹 の 一元 化 である 。 矢口 さん は 常に 司法 官僚 の 中枢 を 歩いて きた 。 山口 判事 の あの 事件 から 半年 後 、 判事 補 と して 大阪 地裁 に 赴任 した 。 翌年 に は 早くも エリート 集団 の 最高裁 事務 総局 に 入った 。 一九九〇 年 に 退官 する まで の 四十二 年間 、 裁判 の 場 に 身 を 置いた の は わずか 八 年 、 大半 を 最高裁 事務 総局 で 過ごし 司法 行政 に 携わった 。 最高裁 判事 時代 に は 九 人 の 先輩 を 飛び越えて 十一 代 長官 に 就任 した 。 「 ミスター 司法 行政 」 は 誇張 で は ない 。 経歴 と リンク した 「 矢口 批判 」 に も 事欠か ない 。 弁護 士 の 間 から 「 司法 消極 主義 の 原点 」 と いう 矢口 評 が 流れ 、 長官 就任 に 際して は 「 彼 は 官僚 そのもの であり 、 長官 に ふさわしく ない 」 と いう 批判 も 漏れた 。 改革 に 踏み出した 裏 に は 、 矢口 さん が 事務 総長 だった 八〇 年 前後 に 裁判 官 の 不祥事 が 続き 、 「 裁判 官 づくり 」 が 至上 命題 だった こと も ある 。 しかし 、 経歴 が 示す 官僚 イメージ と 、 改革 案 の ユニークさ は にわかに 結び付か ない 。 フレキシブルに 発想 できた の に は 、 同じ 裁判 官 だった 父親 の 影響 が あった ようだ 。 裁判 官 へ の 批判 は 、 何も 最近 の こと だけ で は ない 。 大正 時代 に も 、 時 の 司法 大臣 が 「 司法 官 は 化石 で 有機 体 の もの と は 思わ ぬ 」 と 発言 した 事件 が あった 。 当時 、 京都 地裁 に いた 父親 は これ に 反発 して 、 判事 の ポスト を 投げ出し ドイツ へ 留学 した 。 帰国 後 は 高校 教授 と なり 、 その後 も 弁護 士 や 判事 、 大学 理事 と 次々 に 転じた 。 「 あの 率直で 自由な 生き 方 の 影響 は 多分 に ある 」 と いう 。 数々 の 改革 案 を 出し ながら 、 それ が 実 を 結んで いる わけで は ない 。 陪審 や 参審 が 現実 化 する 見通し は 立って い ない 。 弁護 士 の 裁判 官 任官 も 確かな 流れ に は なって い ない 。 矢口 さん の 口 から は 今 、 嘆き が 聞か れる 。 「 陪審 と は 、 国民 が 社会 正義 維持 に 自ら 責任 を 持つ こと で も ある 。 見て 見 ぬ ふり の 日本 人 に その 覚悟 が ある のだろう か 。 司法 の 民主 化 と か 、 開か れた 裁判 を 言い ながら 『 自分 だけ は かかわり たく ない 』 と 思って いる ので は ない か 」 「 弁護 士 も 裁判 批判 は する が 、 自ら 裁判 官 に なって 応えよう と いう 人 は 見かけ ない 。 任官 の 門 は 開いた のに …… 」 裁判 官 の 在り 方 に も 不満 を 持つ 。 修習 後 十 年間 は 判事 補 であり 、 その後 に 判事 に 任官 する の が 現行 制度 である 。 いわば 、 十 年間 は 教育 期間 。 「 教育 を 受け ながら 、 裁判 も する と いう の は 矛盾 する 。 判事 補 を なくして 、 経験 豊かな 法曹 から 広く 判事 を 取る と いう 方向 が 検討 さ れる べきだ 」 と 語る 。 そこ に は 裁判 批判 に 対する いら立ち も 垣間見える 。 戦後 の 司法 は 新 憲法 に よって 新しく 生まれた が 、 まもなく 「 臨時 司法 制度 調査 会 」 が 設置 さ れ 、 いつも 改革 と セット に なって 推移 して きた 。 昨今 「 司法 離れ 」 は 進み 、 病理 的 に まで なって いる 。 プログラム だけ の 改革 は もはや 許さ れ ない 。 そんな 折 、 矢口 さん の 登場 で 「 改革 は 現実 味 を 帯びた 」 と まで 一部 で 言わ れた が 、 依然 、 展望 は 開けて い ない 。 「 あの 山口 判事 の 精神 と 、 常識 人 である こと と は 対立 する 概念 で は ない 」 と も 矢口 さん は 言う 。 本音 であろう が 、 ないものねだり の 理想 主義 に 映る 。 改革 作業 の 中 で どう 現実 性 を 担保 して いく か 。 ここ が クリア さ れ ない と 、 次代 の 裁判 官 の 「 青写真 」 は 描き切れ ない 。 山伏 の 総 本山 である 京都 ・ 聖護院 門跡 で 、 弁護 士 ・ 中坊 公平 さん は 剃髪 の 作法 に 臨んだ 。 「 いよいよ だ な 」 の 思い が 胸 に 込み上げる 中 、 僧籍 に 入った 。 聖護院 の 末寺 に 入る 約束 も 取り付けて あった 。 五 年 前 の 一九九〇 年 二 月 、 氷雨 の 降る 寒い 日 だった 。 この 時期 、 会員 一万五千 人 の 日本 弁護 士 連合 会 で 会長 選挙 が 進んで いた 。 票読み から 、 大阪 弁護 士 会 ・ 中坊 さん の 「 新 会長 」 は 動か なかった 。 「 会長 に 就任 したら 、 司法 改革 に 手 を つける 。 最高裁 や 法務 省 と けんか に なって 、 会長 は おろか 弁護 士 も やって い られ ない かも しれ ない 。 その 時 に は 弁護 士 稼業 を 捨てて 、 寺 に 入る 」 と 心 に 決めて 、 剃髪 に 臨んだ のである 。 甲高い 声 で まくし立てる ので 「 けんか 中坊 」 と いう 異名 を 持つ 。 常々 「 司法 の 形骸 化 」 を 口 に し 「 司法 の 在る べき 姿 と は 、 市民 が 法 を 道具 と して 自在に 使い 、 社会 を 透明 化 する こと で は ない か 。 現実 は 逆だ 」 と 言って はばから ない 。 会長 に なって 、 まず 「 司法 改革 に 関する 宣言 」 を 出して 現状 認識 を 示した 。 九一 年 七 月 に は ジュネーブ の 国連 人権 センター に 「 裁判 官 の 独立 と 弁護 士 活動 の 保護 」 に 関する 報告 書 を 提出 した 。 この 中 で 最高裁 事務 総局 の 影響 力 に 触れ 「 裁判 官 は 、 人事 権 など 司法 行政 を 掌握 する 事務 総局 の 法 解釈 や 見解 を 無視 でき ない の が 実情 である 」 と 裁判 の 独立 が 危うい 現状 を 訴えた 。 当然 、 最高裁 から 抗議 が あった が 、 意 に 介する ふう も なく 突き返した 。 剃髪 の 決意 は 微動 だに し なかった 。 日弁連 の 推計 調査 に よる と 、 職場 ・ 家庭 問題 、 欠陥 商品 、 行政 へ の 苦情 …… など 潜在 的な 法的 需要 は 年間 七百万 件 余 生じて いる 。 弁護 士 に 相談 する か 裁判 所 に よる 司法 解決 を 求める 人 は 二 割 余 、 残り 八 割 弱 の うち の 多く は 泣き寝入り する の が 今 の 状況 である と いう 。 法務 省 の 世論 調査 でも 、 司法 が いかに 遠い 存在 か が うかがえる 。 「 最近 十 年間 に 法的 問題 を 抱えた 人 」 は 二七 % に 上った が 、 その 中 で 裁判 手続き を 利用 した 人 は わずか 七 % だった 。 日弁連 の 調査 でも 裁判 経験 者 の 九五 % の 人 が 「 二度と 裁判 は し たく ない 」 と 答えて いた 。 経済 同友 会 の リポート 「 現代 日本 社会 の 病理 と 処方 」 の 中 でも 「 司法 は 本来 の 機能 を 果たして おら ず 、 存在 感 すら 薄れて いる 」 と 手厳しい 批判 を 受けて いる 。 裁判 官 の 数 は 欧 米 の 法 先進 国 に 比べて 極端に 少なく 、 多く の 裁判 官 は 常時 、 三百 件 前後 もの 訴訟 を 抱える 、 と いう 。 この 過重 負担 が 遅延 を 招き 、 「 行政 追随 」 や 「 裁判 例 追従 」 の 判決 に つながり 、 司法 離れ の 要因 に なって いる と 日弁連 は みる 。 だから 、 裁判 官 増員 を 訴え 続け 、 耳 を 貸さ ない 最高裁 を 批判 し 続けて きた 。 「 批判 自体 は 当たって いる 。 だが 、 ほか を 批判 する 前提 と して 自ら を 浄化 し なくて は 、 前 に 進ま ない 」 と いう の が 中坊 さん の スタンス だ 。 それゆえに 弁護 士 会 に 向かって は 「 汗 を 流せ 、 血 を 流せ 」 と 言い 続けた 。 「 裁判 官 を 増やそう と 思えば 、 弁護 士 増員 も 認め なくて は なら ない 。 弁護 士 は 足りて いる 。 増やせば 、 仕事 の 取り合い に なる と 言って いた ので は 、 国民 に は 『 エゴ 』 と 映る 」 。 この 決断 で 司法 試験 合格 者 は 、 これ まで の 年 約 五百 人 から 七百 人 に 増えた 。 法曹 人口 増 は たちまち 弁護 士 増 と なる が 、 やがて 裁判 官 増 に も つながる と いう 期待 が あった 。 大阪 市 の 中心 ・ 北 区 西天満 に 「 プロボノ ・ センター 」 の 看板 が かかった 五 階建て ビル が ある 。 三 階 の 全 フロア が 二十四 時間 利用 可能な スペース であり 、 会議 室 や サロン 、 資料 保管 庫 の ほか OA 機器 も そろって いる 。 専従 の 事務 員 も いる 。 「 プロボノ 」 と は ラテン語 の 略語 で 「 公共 の ため に 」 と いう 意味 である 。 弁護 士 に は 「 公正な 社会 の 実現 」 に 寄与 して もらい たい が 、 実行 し たくて も 活動 拠点 が ない 、 と いう 。 それ で は と 中坊 さん が 所有 する ビル を 提供 した のである 。 「 三 時間 千 円 」 で 、 自由に 利用 できる 。 この 低 料金 で 維持 できる わけ は なく 、 ほか の フロア から の 賃貸 収入 を つぎ込んで いる 。 「 プロボノ 精神 が なくて は 、 司法 は 本当に 信頼 さ れ 、 受け入れ られる システム に は なら ない 」 と 言い 続ける 、 自身 の 「 有 言 実行 」 の 場 で も ある 。 「 弁護 士 報酬 が 高 すぎる ケース が 多い 。 これ も 裁判 が 敬遠 さ れる 理由 に なって いる 。 本来 、 報酬 は 依頼 者 の 気持ち 次第 で なくて は なら ない 」 と 「 お布施 論 」 も 展開 する 。 日弁連 ・ 中坊 時代 に は 法曹 人口 問題 に 限ら ず 「 当番 弁護 士 」 や 「 弁護 士 任官 」 など の 制度 も 推し進め られた 。 中坊 さん は 二 年間 の 会長 職 を 全うした 。 今もって 司法 改革 の 旗 を 降ろして は い ない が 、 改革 の 道 は 遠い 。 一 人 の 特異な 存在 で 治癒 する ほど 病理 は 軽く ない 。 立法 と 行政 に 対峙 する 司法 は 、 社会 システム の 中 で 最も 改革 が 難しい 。 「 プロボノ 精神 」 が どこ まで 弁護 士 、 さらに は 法曹 界 全体 に 受け入れ られる のだろう か 。 「 精神 論 に 過ぎる 」 の 声 は 当然 出る 。 裁判 が 国民 から 敬遠 さ れる 現状 は 「 政治 家 に とって も 、 官僚 に とって も 好都合 」 と いう 見方 が ある 。 的 を 射て いる と 思う 。 とすれば 、 この 打破 と 絡んだ 改革 が 求め られる 。 法曹 一体 と なって 処方せん を 作ら なければ なら ない 。 戦後 五十 年 、 その 時期 は 既に 来て いる ので は ない か 。 今月 から 学校 五 日 制 が 月 二 回 の 実施 と なる 。 二十二 日 は 第 四 土曜日 と して 初めて の 公立 学校 の 休日 である 。 一般 社会 で 週休 二 日 制 が 定着 して 何 年 も たった のに 、 学校 は ようやく 隔週 週休 二 日 が 実現 した の か と いう 印象 は 否め ない 。 遅き に 失した の は 事実 だ が 、 早急に 完全 週休 二 日 制 に 移行 する こと を 望み たい 。 この 問題 で 気 に なる の が 一般 社会 の 反応 である 。 毎日新聞社 が 先月 中旬 に 行った 世論 調査 に よる と 、 土曜 休日 が 月 二 回 に なる こと に ついて 、 賛成 は 五二 % 、 反対 は 四五 % と いう 結果 だった 。 五 年 前 の 一九九〇 年 四 月 の 調査 で は 、 月 一 回 の 土曜 休日 に ついて 賛成 が 三四 % 、 反対 が 六三 % だった 。 賛成 派 が 大幅に 増えた の は 、 学校 五 日 制 へ の 理解 が 進んだ と 歓迎 し たい 。 しかし 、 男女 別 で 見る と 、 賛成 は 男性 が 五七 % な のに 女性 は 四八 % 。 反対 は 女性 が 四八 % 、 男性 は 四二 % だった 。 年代 別 を 加味 して 反対 が 五 割 を 超えた の が 、 三十 代 から 六十 代 まで の 女性 だった 。 つまり 小 中 高校 に 通う 児童 、 生徒 を 持つ 母親 に 反対 意見 が 強い のである 。 こうした 傾向 は ほか の 世論 調査 でも 似通って いる 。 この 年代 層 の 女性 は 、 自分 の 生活 を 自由に エンジョイ し たい と 望み 、 夫 の 勤務 が 週休 二 日 に なる の も 反対だった と いわ れる 。 休み で 家 に いる 夫 を 「 粗大 ごみ 」 呼ばわり する 風潮 も その あたり から 生まれた ようだ 。 家庭 で のんびり する に も 、 カルチャー を 楽しむ に も 、 夫 が 家 に いる の は 邪魔 と いう 気持ち は 、 分から ない で も ない 。 しかし 子供 に ついて も 同じ 扱い で いい のだろう か 。 それ は 子供 を 家庭 生活 から 、 ひいては 地域 社会 から 締め出す こと で は ない だろう か 。 母親 と 思わ れる 女性 層 が 反対 する から と いって 、 学校 五 日 制 の 前進 が とん挫 する わけで は ない 。 しかし この 意識 の まま で 週休 二 日 制 が 実施 さ れて も 、 結局 の ところ 子供 の 自由 時間 が 増える と いう 効用 は 期待 でき ない ので は なかろう か 。 休日 と なった 土曜日 、 子供 を 学校 の 代わり に 塾 に 通わせる 。 あるいは 少年 野球 、 サッカー など の チーム に 参加 さ せる 。 こういう こと も 意義 は あろう 。 しかし 、 子供 の 生活 から みる と 、 あくまで 他 に しばら れ ず 好き勝手に 過ごせる 時間 が できる こと が 、 学校 五 日 制 の 意義 な のである 。 子供 たち を 家庭 で ほうっておく と 、 最初 は だらしない 生活 を する かも しれ ない 。 それ は 学校 生活 の 負担 を 解消 する ため に 必要な 時間 と みる べきだろう 。 そのうち 、 必ず 子供 自身 が 自分 の 時間 を 管理 し 、 二 日 続き の 休日 を 有意義に 使う ように なる はずである 。 そういう 成長 を 実現 する こと が 、 子供 が 家庭 と 地域 社会 の 中 で 育つ と いう こと な のだ 。 子供 たち も また 、 夫 と 同様 、 家 に い ない 方 が いい ―― 。 多く の 母親 が こういう 意識 の まま 学校 五 日 制 を 迎える ならば 、 休日 の 土曜 の 塾 通い が 増える だけ で 、 子供 たち の 生活 は ちっとも 変わら ない 。 これ で は 五 日 制 は 失敗 に 終わって しまう 。 土曜 の 休日 に 、 母親 は これ まで 通り の 生活 を する 。 その代わり 子供 に も 自由な 生活 を 認める 。 現実 的な の は 、 こういう 割り切り 方 かも しれ ない 。 子供 は 別に 、 休日 だ から と いって 母親 に 何 か を して もらおう と 望んで は い ない のである 。 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 は 、 大国 相手 の がけっぷち 外交 を 得意 と して いる 。 交渉 の 決裂 が 制裁 や 戦争 に つながり かね ない ような 状況 に 相手 を 追いこみ 、 譲歩 を 引き出す 手法 である 。 一昨年 以来 の 北朝鮮 の 核 開発 問題 を めぐる 米 朝 の 交渉 で は 、 北朝鮮 の こうした 外交 手腕 が 十分に 発揮 さ れた 。 米国 は 、 多く の 譲歩 を 重ねた 末 に 昨年 十 月 二十一 日 に 、 北朝鮮 の 核 施設 の 凍結 ・ 廃棄 と 軽水 炉 支援 の 合意 に 達した のだった 。 この 合意 文書 に は 、 半年 後 の 今月 二十一 日 まで に 米国 は 軽水 炉 供給 の 「 契約 締結 が 確保 できる よう 最善 を 尽くす 」 と 明記 さ れて いる 。 しかし 、 この 期限 を 数 日 後 に 控えて いる もの の 、 なお 契約 締結 は 困難な 見通し である 。 北朝鮮 は 、 二十一 日 の 「 期限 」 まで に 契約 締結 の ため の 合意 に 達し ない 場合 に は 、 凍結 した 実験 用 原子 炉 に 燃料 棒 を 再 装てん する と の 立場 を 明らかに して いる 。 一方 、 米国 は 二十一 日 は 「 期限 」 で は なく 、 あくまでも 「 最善 を 尽くす 」 目標 である と の 解釈 を とって いる 。 さらに 米国 は 「 もし 燃料 棒 を 再 装てん する ような 事態 に なれば 、 国連 安保理 で 制裁 措置 を とる 」 と も 警告 して いる 。 こうした 米国 と 北朝鮮 の 駆け引き は 、 これ まで も よく 見 られた もの で 、 いずれ に しろ 最終 的に は 妥協 に こぎ着ける と 期待 し たい 。 しかし 、 昨年 と は 米 韓 両 国 の 事情 が 異なって いる 事実 も 、 北朝鮮 は 十分に 認識 して おく べきであろう 。 国務 省 で は 、 北朝鮮 政策 の 主導 権 を 強硬 派 の ロード 次官 補 が 握った と いわ れる 。 米 議会 で は 、 北朝鮮 に 厳しい 対応 を 要求 する 共和党 が 多数 を 占めて いる 。 また 韓国 で は 、 北朝鮮 と の 交渉 に たけて いる 孔 魯明 前 駐 日 大使 が 外 相 に 就任 した 。 孔 外 相 は 、 北朝鮮 に 対して は 原則 を 譲る べきで ない と の 政策 を とって いる 。 こうした 要素 は 、 米 韓 両 国 が これ まで の ように 簡単に は 譲歩 し にくい 要因 に なって いる 。 日 米 韓 三 国 は 、 韓国 の 呼びかけ で 、 すでに 北朝鮮 制裁 の 際 の 対応 に ついて の 協議 も 始めて いる 。 北朝鮮 が 、 駆け引き の タイミング を 間違える と 、 昨年 の ような 緊迫 した 事態 を 再び 招き かね ない 状況 に ある 。 交渉 を 難しく して いる の は 、 日 米 韓 三 国 が 合意 して いる 「 韓国 型 軽水 炉 の 供給 」 を 、 北朝鮮 が 受け入れる か どう か の 問題 である 。 北朝鮮 は 、 軽水 炉 供給 契約 は 北朝鮮 と 米国 が 締結 する もの であり 、 この 文書 に は 「 韓国 型 軽水 炉 供給 」 と は 明記 でき ない と の 立場 を 譲って い ない 。 北朝鮮 は 、 韓国 型 軽水 炉 と いう の は 存在 も 稼働 も して おら ず 、 安全 性 に 問題 が ある と 反発 し 、 米国 の 設計 の 下 で 韓国 企業 が 参加 する のであれば 受け入れる と の 立場 を 示して いる 。 これ に 対し 韓国 は 、 軽水 炉 建設 の 資金 の 大部分 を 韓国 が 拠出 する からに は 、 韓国 が 設計 と 建設 の 主導 権 を 握る べきだ と 主張 して いる 。 また 六 月 の 地方 選挙 前 に は 、 譲歩 し にくい 事情 が 金 泳三 政権 に は ある 。 北朝鮮 は 、 これ まで の 成果 を 台無しに し ない ため に も 二十一 日 を 最終 期限 と は せ ず に 、 なお 話し合い 解決 に 努力 して ほしい 。 五万二千 人 も の 人々 が 、 なお 避難 所 生活 を 送って いる 。 震災 の 日 から 三 カ月 を 過ぎた と いう のに である 。 水道 、 ガス など の ライフライン は ほぼ 復旧 した 。 JR も 開通 を みた 。 被災 地 の 繁華街 に は 若者 や 買い物 客 の にぎわい も 戻って きた 。 再生 の 息吹 が 周り に 満ちて きた のに 、 学校 の 体育 館 や 公園 の テント で 不自由な 暮らし を 強い られる 被災 者 の 苦悩 は 察する に 余り ある 。 仮設 住宅 四万 戸 の 完成 目標 は 今月 末 だった 。 しかし 、 高齢 者 や 障害 者 向け 住宅 の 完成 が 、 五 月 に ずれこむ と いう の は 残念だ 。 そして 、 公営 の 恒久 住宅 へ の 要望 も 一層 強まって いる 。 政府 と 関係 自治 体 に は 、 一 日 も 早い 住宅 の 供給 が 何より 優先 す べき 人道 的 課題 である こと を 、 重ねて 指摘 して おき たい 。 被災 者 支援 の 主役 だった 民間 ボランティア の 姿 が 、 今月 に 入って 激減 した 。 当初 一 カ月間 は 一 日 平均 で 二万 人 を 数えた が 、 今 は 二千七百 人 程度 と いう 。 学生 の 大半 が 新 学期 で 大学 に 戻った の と 、 被災 地 の 生活 が ようやく 落ち着き 、 物資 運搬 や 水くみ など 緊急 活動 の 必要 性 が 薄れた ため である 。 ボランティア が 被災 者 の 生活 に 深く かかわり 過ぎる と 、 自立 を 妨げて しまう と も 指摘 さ れた 。 いま 、 地元 の ボランティア 団体 の 多く は 、 復興 期 の 支援 活動 を どう 位置づける か 模索 して いる 。 一 つ 提案 が ある 。 今後 は 避難 所 だけ で は なく 、 仮設 住宅 の 居住 者 に もっと 目 を 向け られ ない か 。 避難 所 で 顕在 化 した 高齢 者 の 健康 不安 や 介護 の 問題 、 子供 の 心身 の 健康 問題 など が 、 そっくり 仮設 住宅 に 引き継が れて いる から だ 。 加えて 仮設 住宅 に は 、 現 住所 から 遠かったり 、 元 の 町 内 の 住民 が バラバラ に なる など 、 地域 の 人間 関係 を 断ち切る 側面 が ある 。 曲がりなりにも 地域 の コミュニティー である 避難 所 に は なかった 難問 だ が 、 この 仮設 住宅 街 に 新たな 人間 関係 を 築く べく 、 自治 組織 の 育成 に ボランティア が 貢献 でき ない だろう か 。 お 年寄り 宅 に は 話し相手 を 派遣 し たい 。 子供 たち と 友達 に なって 遊ぶ 試み も 欲しい 。 今後 は そうした 「 心 の ケア 」 など 精神 面 で の 支援 の 比重 が 高まる と み られる 。 もちろん 、 行政 の 責任 は 重大だ 。 住宅 づくり など の ハード 面 と 並行 して 、 地域 に 根ざし 生きて きた 住民 の 気持ち に 沿った ソフト 面 を 重視 す べき 段階 な のだ 。 民間 に よる 精神 的 支援 で は 、 被災 地 ・ 西宮 市 に ある 関西 学院 大 の 取り組み に 注目 し たい 。 長期 的に 被災 者 と 触れ合う こと を 目標 に 、 学生 と 教授 陣 が スクラム を 組んで 今月 から 、 ボランティア の 実践 ・ 教育 ・ 研究 に 乗り出した 。 他 大学生 を 含め 約 三千 人 が 登録 して いる 。 この 三 カ月間 、 十五 の 避難 所 を サポート した 実績 が ベース だ 。 当初 の 「 何 を さておいて でも 」 で なく 、 今後 は 「 生活 の 一部 と して 」 粘り強い 活動 に 取り組む と いう 。 被災 者 自身 に も 努力 は 必要だ 。 自ら 新しい コミュニティー を 創出 し 、 いま しばらく 続く だろう 仮住まい の 苦労 を 乗り越えて 欲しい 。 政府 と 自治 体 に は 、 被災 地 に おける 福祉 サービス の 水準 を 緊急に 引き上げ 、 被災 者 を 精神 面 でも 長期 的に 支える 方策 を 示して もらい たい 。 日本 農業 は 新しい 時代 を 迎えた 。 この 四 月 から 新 多角 的 貿易 交渉 合意 が 、 いよいよ 実施 に 入った から だ 。 その 体制 の 下 で は コメ 以外 の すべて の 農産物 の 輸入 は 関税 化 さ れ 、 関税 率 は 段階 的に 引き下げ られて いく 。 例外 を 認め られた コメ に は 最低 輸入 義務 が 課せ られ 、 その 枠 は 次第に 拡大 さ れる 。 つまり 、 日本 農業 は これ まで 以上 に 厳しい 国際 競争 に さらさ れる わけだ が 、 消費 者 に とって は 選択 の 幅 が 広がる の は プラス である 。 しかし 農業 関係 者 も 、 いたずらに 悲観 的に なったり 、 うろたえたり して は なる まい 。 新たに 関税 化 さ れた 農産物 に は 内外 価格 差 を 埋める だけ の 高 関税 率 が 設定 さ れる から 、 急激に 打撃 が もたらさ れる わけで は ない 。 あわて ず に 国際 化 時代 に 対応 した 農業 の 実現 に 努めて ほしい 。 日本 の 食料 市場 は 総額 で 見て も 、 一 人 当たり 支出 額 で 見て も 、 世界 有数 の 市場 である 。 一方 、 国民 の 食料 消費 水準 は カロリーベース で 飽和 状態 に 達して いる と いう 事実 も ある 。 つまり 、 この 市場 は 量的な 拡大 は 望め ない と して も 、 質的な 高度 化 は まだまだ 期待 できる から 、 そこ で の 競争 は 「 質 」 が 中心 に なる 。 日本 農業 の 生きる 道 は 、 そこ に ある 。 日本 の 農産物 は 価格 的に は 輸入 農産物 に 到底 かなわない が 、 消費 者 が 値段 だけ で 選択 する もの で ない こと は 、 昨年 の コメ 騒動 を 振り返れば 分かる 。 食味 や 鮮度 、 安全 性 と いった 品質 と 値段 と の 兼ね合い が 問題 な のである 。 その 点 で 消費 者 ニーズ に 的確に 応えて いけば 、 日本 農業 は 国際 競争 を 生き抜く こと が できよう 。 そうした 農業 を 成立 さ せる の に 最も 重要な の は 、 市場 志向 の 強い 企業 的な マインド を 持つ 農業 経営 体 が 日本 農業 の 大きな 部分 を 担う ように なる ことだ 。 その ため に は 、 個人 であれ 組織 であれ 、 意欲 と 能力 を 持つ 担い手 を 育成 して いく こと が 、 当面 の 最大 の 課題 である 。 特に 稲作 の 場合 は 、 少数 の 担い手 に 農地 を 集積 して いく こと を 急が なければ なら ない 。 問題 は 、 その 担い手 である 。 日本 農業 の 危機 的 現象 を 示す もの と して 、 しばしば 新規 学卒 の 就農 者 が 年 に 二千 人 弱 しか い ない こと が 指摘 さ れる 。 しかし 、 これ は 事態 を いささか 誇張 して いる 。 今年 の 農業 白書 に よれば 、 一九九三 年 に は 約 二千 人 の 新卒 就農 者 以外 に 、 他の 仕事 に 主に 従事 し ながら 農業 に も 従事 する 新卒 者 が 約 三万 人 、 三十四 歳 以下 の Uターン 就農 者 も 三千 人 以上 いた 。 仮に 、 そのうち の 約 一万 人 が 将来 も 農業 に 携わる と すれば 、 担い手 が 極端に 不足 する こと は ない 。 むしろ 、 少数 の 意欲 的な 経営 体 に 日本 農業 を ゆだねる と いう 方向づけ から すれば 、 好ましい 動き と いえる 。 白書 に よれば 、 若い 就農 者 の 農業 に 対する 評価 は 、 所得 は 「 少ない 」 、 労働 時間 は 「 長い 」 、 労働 内容 は 「 きつい 」 と し ながら も 、 総合 評価 と して は 就農 して 「 よかった 」 と いう もの が 多い 。 農業 は 自由 度 が 高く 、 努力 の 成果 が 直接 表れ 、 自然 や 動物 と 接し られる と いった こと が 、 その 理由 である 。 農業 を 見直し 、 他 産業 から 就農 を 希望 する 人 も 、 わずか ながら 年々 増えて いる 。 若い 担い手 たち が 農業 に 積極 的な 価値 を 見いだして いる こと に 心強 さ を 感じる 。 そこ に 日本 農業 の 希望 を 託し たい 。 「 言う は 銀 、 黙す は 金 」 と いう ことわざ が 英語 に ある 。 日本 語 流 に 言えば 「 言わ ぬ は 言う に まさる 」 。 クリントン 米 大統領 の 原爆 発言 を 聞いて 、 思い出した 。 もっとも 同 大統領 も 好んで 口 に した ので は ない 。 七 日 、 テキサス 州 ダラス で 開か れた 全 米 新聞 編集 者 協会 年次 大会 で 出席 者 に 問わ れ 、 答えた 。 質問 は 二 つ 。 「 広島 ・ 長崎 へ の 原爆 投下 に 対し 謝罪 す べき か 」 「 当時 の トルーマン 大統領 の 原爆 投下 の 決断 は 正しかった か 」 クリントン 大統領 は 最初の 質問 に 「 ノー 」 と だけ 答え 、 後 の 問い に は 「 トルーマン が 直面 して いた 現実 を 考える なら 、 イエス だ 」 と 述べた 。 多弁な 同 大統領 に して は 珍しく 言葉少なだった 。 あるいは 不意 を つかれた 質問 だった の かも しれ ない 。 質問 した 編集 者 の 新聞 は この やり取り を 大きく 報じた が 、 主な 米 報道 機関 は 無視 同然 だった ようだ 。 扱う 価値 なし と 判断 した から だろう 。 ところが 、 日本 側 が 強く 反応 した 。 村山 富市 首相 も 不 快感 を 表明 した し 、 自民党 も 社会党 も 反発 、 野党 の 新進党 は 政府 揺さぶり の 思惑 も 秘めて か 激しく 政府 を 突き上げた 。 この 反応 が 米国 に 報道 さ れ 、 ワシントン ・ ポスト 紙 は 社説 で 大統領 支持 を 表明 する まで に 火 は 拡大 した 。 この 経緯 は 、 これ まで も 貿易 摩擦 など で 見た ように 、 日 米 感情 対立 の らせん 階段 を 上る 典型 である 。 河野 洋平 副 総理 ・ 外 相 は 核 拡散 防止 条約 再 検討 ・ 延長 会議 に 出席 す べく ニューヨーク 入り し 、 クリストファー 米 国務 長官 と 十八 日 会談 した 。 同 外 相 は 原爆 に 対する 日本 の 国民 感情 を 説明 し 、 同 長官 は 理解 を 示した 。 同じ 日 の 記者 会見 で 日本 の 反応 を 問わ れた クリントン 大統領 は 、 前言 を 繰り返し ながら も 「 日本 を 傷つける 意図 で 言った ので は ない 」 と 述べた 。 私 たち は 大統領 の 立場 を 理解 し つつ も 、 原爆 発言 そのもの を 認める わけに は いか ない 。 「 NPT は 核 保有 国 に 特権 を 与える 不平等 条約 」 と の 不満 が 渦巻く 中 で 、 日本 政府 は 同 条約 無 期限 延長 支持 を 積極 的に 表明 、 他国 に も 同意 を 働きかけて いる 。 それ は 河野 外 相 が NPT 会議 で 演説 した ように 、 日本 は 「 広島 ・ 長崎 の 悲惨な 被爆 体験 に 基づいて 、 究極 的な 核 廃絶 を 求め 」 て いる から だ 。 もし 原爆 投下 を 正当 化 する なら 、 将来 の 核 兵器 使用 を 容認 する こと に も つながり かね ない 。 原爆 投下 の 結果 が いかに 残酷だった か 、 どれほど の 被爆 者 が 後遺症 に 苦しんで いる か 、 クリントン 大統領 は 正確に 理解 して いる かも 疑わ ざる を 得 ない 。 もし 理解 不足 が ある と する なら 、 それ は 日本 に も 責任 なし と し ない 。 日本 政府 は 敗戦 直前 に は 原爆 投下 を 激しく 非難 した が 、 占領 中 は 沈黙 を 守った 。 その後 も 冷戦 の 中 で 、 米国 へ の 気兼ね から 十分に 発言 して こ なかった 。 米国 民 が 原爆 の 恐ろし さ を 十分に 知ら ない と する なら 、 日本 の 「 遠慮 」 の 結果 で も ある 。 もちろん 私 たち は 原爆 の 被害 者 を 強調 する こと で 、 日 中 戦争 から 太平洋 戦争 に 至る 加害 者 の 行為 を 忘却 し よう など と 思って い ない 。 被害 者 と 痛み を 共有 し たい と 念じて いる 。 大統領 発言 に 猛然と 反発 し ながら 日本 の 過去 を 恥じ ない 人 たち が 、 い ない で は ない 。 彼ら の 米国 批判 は 米国 民 の 神経 に 触る し 、 日 米 間 の 感情 対立 を あおる だけ で も ある 。 不可解で 不気味な 異臭 事件 が 横浜 市 で 起きた 。 数百 人 が のど や 目 の 痛み を 訴え 、 手当て を 受けた と いう 。 捜査 当局 は 傷害 事件 と して 捜査 して いる が 、 「 事件 」 か 「 事故 」 か に ついて は 、 まだ 断定 は して い ない 。 一刻 も 早い 全容 の 解明 を 望む 。 東京 の 地下鉄 サリン 事件 、 警察 庁 長官 の 狙撃 事件 が あった 。 さらに 、 オウム 真理 教 施設 へ の 家宅 捜索 など 、 この ところ 国民 の 不安 を 増幅 さ せる 事件 が 続いて いる 。 その 最中 の 「 異臭 」 であり 、 現場 は パニック と なった 。 当然であろう 。 異臭 が あった の は 、 十九 日 午後 一 時 ごろ である 。 横浜 市 の JR 横浜 、 関内 、 石川 町 の 各駅 で 利用 客 や 通行人 が 相次いで 「 異臭 が する 」 と 、 のど の 痛み を 訴え 、 中 に は 目 に 痛み を 感じた 人 も いた 。 この あたり は 商業 地区 で 日中 は 多く の 人 で ごった返す 。 「 そんな ところ で 、 地下鉄 サリン 事件 の ような 事態 に なれば …… 」 と 、 周辺 は 救急 車 で 埋まった 。 痛み を 訴える 数百 人 が 病院 に 運ば れた 。 政府 は 関係 十五 省庁 と 連絡 を 取って 情報 収集 に 努め 、 内閣 安全 保障 室 を 中心 に 対策 室 を 作った 。 自衛 隊 から も 化学 防護 隊 が ヘリコプター で 現場 に 出動 し 、 二 次 被害 の 防止 と 発生 源 の 追及 に 当たった 。 前例 を 見 ない 対応 と いえよう 。 現 段階 で は 、 事件 か 事故 か が 分から ない だけ で なく 、 異臭 の 原因 も 、 どこ が 発生 源 か に ついて も 細部 は 不明である 。 JR 東 日本 で は 、 異臭 に ついて 「 クーラー を 使った ため で は ない か 」 と 話して いる が 、 それ だけ で は なかろう 。 広範な 異臭 、 目 や のど の 痛み は 説明 し きれ ない 。 被害 者 から の 聞き取り 調査 から 「 塩素 系 の 薬物 で は ない か 」 と いう 推測 も 出て いる 。 はっきり は し ない が 、 何らか の 薬品 が 原因 と みて よかろう 。 入院 した 人 も いた が 、 大半 は 軽症 と いう 。 最悪の 事態 に は 至ら ず 、 ホッと する 。 だからといって 、 この 事態 を 軽く 見る こと は でき ない 。 事件 に しろ 事故 に しろ 、 もし 、 異臭 の 原因 が 毒性 の 強い もの だったら 、 どう なって いた か 。 そこ まで 思い巡らさ なければ なら ない 。 警察 組織 の トップ で すら 、 出勤 時 に 自宅 前 で 簡単に 狙撃 さ れて いる 。 一般 国民 は 「 どう 安全 を 守れば いい の か 」 と 不安 が いっぱいだ 。 かつて の 日本 の 「 安全 システム 」 は なき に 等しい の が 、 今 の 状況 だ 。 何度 も 繰り返す が 、 「 安全 確保 」 は 国民 全体 の 切なる 願い だ 。 捜査 当局 だけ で ない 、 政府 当局 も それ に 早急に 応え なければ なら ない 。 地下鉄 サリン 事件 の 直後 に 、 治療 協力 の ため に 来 日 した 米国 ・ 専門 チーム は 「 高度に 工業 化 した 社会 で は 化学 物質 へ の 備え が 一層 大切だ 」 と 語って いた 。 その 通り である 。 自由で 民主 化 の 進んだ 社会 の 中 で 、 化学 薬品 の 悪用 が あれば 、 たちまち 重大 事 に 至る のである 。 その 点 を わきまえた 安全 対策 が できて いる と は とても 思え ない 。 安全な 社会 を 構築 する の に は 多く の 時間 が かかる 。 しかし 、 それ を 崩す の は いとも 簡単だ 。 高度の 科学 、 工業 化 は 核 兵器 を 生み出し 、 化学 兵器 を 可能に した 。 さらに 、 環境 を 破壊 し 続けて いる 。 工業 化 の 持つ 「 進歩 ・ 発展 」 の イメージ に あまりに も もたれ掛かって きた ので は ない か 。 その 「 負 」 の 側面 も 十分に 考慮 し 、 「 安全 」 を まず 第 一 に した 社会 づくり が 最 重要 課題 だ 。 トイレ の ない 豪邸 よろしく 、 ごみ を 際限 なく 排せつ し 続ける 資源 浪費 環境 汚染 型 社会 を 、 逆 向き に 改めよう と する 画期的な 「 容器 包装 分別 収集 ・ 再 商品 化 促進 法案 」 が 、 業界 と つながる “ 省 益 ” に よって 規定 が あいまいに さ れ 、 今 国会 へ の 提出 が 危ぶま れて いる 。 厚生 、 通産 、 農水 、 大蔵 各省 と 調整 役 の 環境 庁 は 、 昨年 十二 月 に 政府 が 閣議 決定 し 、 国民 に 公約 した 「 環境 基本 計画 」 が 定めた 「 環境 へ の 負荷 の 少ない 持続 的 発展 が 可能な 社会 の 実現 」 を 図る 第 一 の 試金石 と して 、 この 法案 を 過不足 の ない 内容 に する 義務 を 負って いる はずだ 。 家庭 、 事業 所 ごみ の 六〇 % は 瓶 、 缶 、 袋 など の 容器 、 包装 類 で 、 その 処理 費用 に 国民 一 人 が 年 に 平均 一万二千八百 円 を 負担 して いる 。 そして 自治 体 の 最終 処分 場 の 余地 は 全国 平均 で あと 七 年 余 、 首都 圏 で は 四 年 余り しか ない 現実 に 基づいて 主張 し たい 。 大量 生産 、 大量 消費 、 大量 廃棄 型 の 社会 経済 活動 を 、 環境 へ の 負荷 が 少ない 持続 可能な もの と する ため に は 、 法案 は 環境 基本 計画 に 示さ れた 四 原則 を 満たさ ねば なら ない 。 だが 、 法案 は 使い捨て 商品 や 過剰 包装 の 自粛 、 製品 の 長寿 命 化 など 、 ごみ 発生 量 抑制 の 原則 を 努力 規定 に とどめ 、 明記 を 避けて いる 。 ごみ を 分別 収集 し 原材料 と して リサイクル する だけ で は 「 大量 生産 、 大量 消費 、 大量 リサイクル 型 」 に なる だけ で 、 環境 へ の 負荷 の 少ない 持続 可能な 社会 へ の 道 と は なら ない 。 ポイント は 対象 と なる 容器 類 の 範囲 、 引き取り 義務 、 リサイクル の 費用 負担 に ある 。 通産 省 は 当初 、 需給 の バランス など から 紙製 の 容器 を はずそう と した が 、 厚生 省 の 反対で すべて の 包装 容器 が 法案 の 対象 と さ れた 。 この 判断 は 、 制度 の 公平 を 保つ ため に 妥当である 。 問題 は 厚生 ・ 通産 省 案 で は 、 ジュース など 容器 の 中身 を 製造 する 業者 に のみ 、 回収 容器 の 引き取り 義務 と 再生 コスト が 課せ られた 点 だ 。 中身 メーカー の 容器 の 選択 を 通して 、 再生 市場 に 生き残る 容器 の 条件 は 自ら 決まる 、 と の 理由 から だ 。 しかし 、 中身 メーカー を 所管 する 農水 省 は 、 通産 省 が 所管 する 素材 の 製造業 者 と 容器 メーカー へ も 費用 負担 を 求めて いる 。 こちら の 方 が 公平な ようだ が 、 その 代わり に 農水 省 案 は これ まで 通り 市町村 に 引き取り 義務 を 残し 、 その 費用 を 一 定額 だけ メーカー が 負担 する と 逃げ 、 通産 省 は 「 認め 難い 」 と 言う 。 論点 は 出尽くした 。 負担 の つけ回し を やめる べき 時 である 。 政府 は 環境 基本 法 の 四 つ の 原則 を 明快に 盛り込んだ 法案 を 早急に まとめ 、 今 国会 へ 提案 して ほしい 。 ワシントン で 開か れて いた 自動車 ・ 自動車 部品 分野 の 日 米 交渉 が 物別れ に 終わった 。 日 米 政府 は 明らかに 衝突 コース を 進んで いる 。 このまま だ と 五 月 上旬 の 大臣 会合 でも 決裂 して 、 米国 側 が 通商 法 三〇一 条 に 基づく 制裁 リスト の 発表 、 日本 も 逆 制裁 リスト で 対抗 ―― と 、 かつて ない 激しい 自動車 戦争 に 進む 公算 が 大きく なって いる 。 「 制裁 合戦 は 米 欧 で よく ある 経済 ゲーム 」 と 割り切る 向き も 日本 の 交渉 関係 者 に 出て きた 。 「 いつまでも 米 政府 、 業界 の 無理 難題 を 聞か ない ぞ 」 と 、 若手 官僚 は 「 一 戦 交える べし 」 と 局長 、 次官 を 突き上げて いる と いう 。 こうした 主戦 論 は 、 米 クリントン 政権 や 議会 に も 強い だろう 。 自動車 業界 、 労組 は 強い 政治 基盤 を 持ち 、 民主党 だけ で なく 、 共和党 も 自動車 分野 の 不均衡 是正 に 強硬 手段 を 辞さ ない と いう 雰囲気 が 濃い 。 日本 の 産業 界 で は もっと うがった 見方 も ある 。 米 側 は 今回 妥結 を 望んで おら ず 、 一層 の 円高 を 促して 、 日本 の 産業 競争 力 が どこ まで 落ちる か 見極めよう と して いる 、 と いう のである 。 いずれ に せよ 、 衝突 の シナリオ は 現実 味 を 増して いる が 、 日 米 政府 と 議会 に 忘れて もらって は 困る の は 日 米 の 安全 保障 を 含む 同盟 ・ 政治 関係 である 。 クリントン 大統領 は 日本 へ の 原爆 投下 の 肯定 発言 で 、 日本 の 国民 感情 を 刺激 した が 、 自動車 分野 の 衝突 で 、 日 米 同盟 を 揺るがさ ない と いう 確信 を 持って いる のだろう か 。 日本 は いま 政治 の 空白 、 経済 低迷 に 加えて 、 阪神 大 震災 、 地下鉄 サリン 事件 の 人心 不安 と 三重 苦 の さなか に ある 。 当然の こと ながら 、 内政 に 国民 の 関心 が 集中 して おり 、 低 成長 下 で 、 放置 して おいて も 、 日本 の 輸出 余力 が 増えて 貿易 不均衡 が 拡大 する と いう 心配 は ない 。 米 国防 総 省 が 二 月 に 発表 した 「 米国 の 東 アジア ・ 太平洋 地域 に おける 安全 保障 戦略 」 で 、 日 米 間 の 協力 の 重要 性 を 再 確認 して いる 。 経済 関係 で 目先 の 利益 を 追う あまり 、 パートナーシップ に 亀裂 を 広げる 政策 は 、 米国 民 の 支持 を 得 られ まい 。 確かに 、 自動車 分野 の 不均衡 は 、 解決 が 急が れる べきで 、 その 責任 は 政府 や 業界 に も ある 。 だが 、 一九九二 年 以降 、 米 自動車 部品 、 完成 車 の 輸入 と も 急増 して いる 。 米 メーカー が 右 ハンドル など 日本 の 顧客 の ニーズ に あった 乗用車 の 輸出 を 増やす ならば 、 日本 市場 へ の 食い込み は 加速 する だろう 。 米 政府 が 最も 優先 する 対 日 要求 は 、 日本 メーカー の 自主 的 購入 計画 の 上積み だ が 、 これ に は 無理 が ある 。 九四 年度 で すでに 百九十億 ドル と 高 水準 の うえ 、 国 内 の 生産 が 大きく ダウン し 、 物理 的に 部品 の 輸入 を 増やす 余地 が ない ため だ 。 それ に 欧州 に も 同じ 措置 を とら ねば なら ない 。 モンデール 駐 日 米 大使 が 日本 メーカー を 回って 丁重に 要請 した が 、 各社 と も 「 ノー 」 と 言わ ざる を 得 なかった いきさつ が ある 。 その代わり 、 日本 側 は ディーラー の 紹介 、 斡旋 や 、 補修 部品 市場 で の 規制 緩和 で 譲歩 して いる 。 それ でも 米 側 は 不満だろう 。 問題 の 多く は 政府 の 権限 外 に あり 、 米 メーカー が 日本 の 流通 網 に 食い込む 努力 と 、 業界 間 の 協力 関係 に かかって いる が 、 解決 に は 時間 が かかる 。 欧州 連合 が 衛生 管理 状態 が 悪い こと を 理由 に 、 日本 から の 水産 食品 の 輸入 を 全面 的に 禁止 した 。 唐突で 一方的 と いう 印象 は 否め ない が 、 事 は 安全に かかわる 問題 である 。 反発 する より も 、 まずは 謙虚に 、 かつ まじめに 事態 を 受け止め 、 問題 解決 に 当たる べきである 。 事実 関係 は 次 の ような もの だ 。 三 月 末 、 EU から 査察 官 が 来 日 して 、 青森 、 宮城 、 神奈川 の 三 県 で 七 工場 に ついて EU の 定めた 衛生 条件 を 満たして いる か どう か を 査察 した 。 日本 側 から も 厚生 省 と 水産 庁 、 各 県 の 担当 官 が 同行 した と いう 。 EU は 日本 の ホタテ に 貝 毒 が 発見 さ れた こと から 、 ホタテ の 輸入 を 一九九二 年 から 二 年間 禁止 して いた 。 その 輸入 が 再開 さ れる に 当たって 、 安全 を 確認 する こと も 査察 の 目的 だった 。 査察 から 約 一 週間 後 、 EU は 事前 通告 も なく 、 すべて の 水産 食品 に ついて 日本 から の 輸入 を 禁止 する と 発表 した 。 これ に ついて 、 冷蔵 庫 の 査察 を 拒否 した 工場 は 、 その 冷蔵 庫 に ある 製品 は 国 内 向け の もの だった から だ と 弁明 して いる 。 古い 包装 容器 に ついて は 、 古い 容器 を 使った だけ で 中身 は 新しい もの だった と 言って いる 。 EU が ホタテ を 禁輸 した ため EU が 定めた 古い 容器 が たくさん 残って いて 、 それ を とりあえず 使って いた だけ だ と いう のだ 。 このような 日本 側 当事 者 の 対応 は 、 いかにも 無神経で 、 疑惑 を 招いて も 仕方 が ない もの だった と 言わ ざる を 得 ない 。 中 を 見せ なければ 、 見せ たく ない もの が ある から だ と 思う だろう 。 査察 に 際して 古い 容器 を 使う 鈍感 さ は 、 衛生 管理 へ の 鈍感 さ に つながる と も 判断 さ れよう 。 同時に 私 たち は 、 日本 側 の 行政 当局 は 何 を やって いた の か と 問い たい 。 EU へ 輸出 さ れる 水産 食品 は 、 EU が 定めた 衛生 管理 基準 を 満たして いる と 都道府県 知事 が 認定 した 工場 で 生産 さ れる 。 認定 工場 は 現在 、 全国 で 九十三 ある と いう 。 それ ら の 工場 の 衛生 管理 状態 を 実際 に 点検 ・ 指導 する の は 各地 の 保健 所 である 。 保健 所 の 対応 は 極めて ずさんだった と 言わ ざる を 得 ない 。 私 たち は 国 内 向け の 製品 に ついて も 、 そのような いい加減な チェック しか 行わ れて い ない の か と 疑う 。 これ に ついて 行政 側 は 、 食品 の 安全 性 確保 の やり 方 が 日本 と EU と で は 違う と 説明 する 。 EU は 製造 や 保存 の 過程 に ついて 衛生 基準 を 設けて いる が 、 日本 や 大 多数 の 国 は 食品 そのもの に ついて 基準 を 設け 安全 性 を チェック して いる と いう のだ 。 それ は それ で 納得 も いく が 、 プロセス の 衛生 管理 が EU から 顔 を しかめ られる ような 状態 であって も 困る 。 問題 解決 の ため 日本 側 は 厚生 省 や 水産 庁 の 担当 官 を EU に 派遣 して 、 専門 家 に よる 協議 を 行い たい 意向 である 。 水産 食品 の EU へ の 輸出 は 九四 年 で 三十八億 円 と 金額 は 小さく 、 全 水産 食品 輸出 に 占める 割合 も 五 % 弱 に 過ぎ ない 。 しかし 、 個別 企業 で は 大きな 打撃 を 被る ところ も あろう し 、 ヨーロッパ 在住 の 日本 人 も 食 生活 に 物足りな さ を 感じよう 。 早期 解決 の ため に 誠意 を もって 話し合い 、 改める べき ところ は 速やかに 改める べきである 。 軽水 炉 供給 の 契約 を めぐる 米国 と 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 の 専門 家 会議 で 、 北朝鮮 の 金 正宇 代表 は 二十 日 「 交渉 は 決裂 した 」 と 語った 。 一方 、 米国 側 は 「 北朝鮮 が 望めば 、 協議 は 続ける 」 と の 立場 を 表明 し 、 決裂 回避 へ の 希望 を 強調 して いる 。 軽水 炉 供給 を めぐる 専門 家 会議 は 、 昨年 十 月 二十一 日 の 米 朝 高官 会談 の 基本 合意 を 受けて 始め られた 。 この 基本 合意 文書 に は 、 両 国 は 「 署名 の 日 から 六 カ月 以内 に 、 北朝鮮 と の 供給 契約 が 締結 さ れる ように 最善 を 尽くす 」 と 明記 さ れて いる 。 この ため 北朝鮮 は 、 六 カ月 の 期限 に 当たる 二十一 日 まで に 契約 が でき なければ 、 凍結 した 軽水 炉 へ の 燃料 棒 装てん を 開始 する と 警告 して いた 。 これ に 対し 米国 は 、 もし 燃料 棒 を 再 装てん すれば 対話 を 直ちに 打ち切り 国連 安保理 に 制裁 を 要請 する と 反発 して いた 。 こうした 双方 の やり取り が 、 なお 交渉 の 駆け引き である こと を 期待 し たい 。 最悪の 事態 を 、 自ら 選択 する ほど 愚かで は ない であろう 。 北朝鮮 は まず 、 米 企業 中心 の 設計 ・ 建設 を 主張 し 、 「 韓国 型 炉 」 の 名称 は もとより 建設 に も 反対 して いた 。 しかし 、 名称 に ついて は 韓国 側 が 譲歩 案 を 示した と いう 。 契約 の 当事 者 に ついて は 、 北朝鮮 は 日 米 韓 三 国 を 中心 に した 朝鮮 半島 エネルギー 開発 機構 と の 契約 に 応じる こと に なった 。 なお 対立 して いる の は 、 発注 主 と 建設 監督 ・ 管理 者 の 問題 である 。 北朝鮮 は 、 北朝鮮 の 企業 が 発注 主 に なる べきだ と の 立場 を 譲って い ない 。 北朝鮮 は 、 あくまでも KEDO から 資金 を 借りる のであり 、 ただ で もらう わけで は ない のだ から 、 発注 主 は 北朝鮮 に なる と 主張 して いる 。 日 米 韓 三 国 は 、 建設 資金 を 提供 する KEDO が 発注 主 に なる と 譲ら ず 、 韓国 企業 を 中心 に した 設計 と 工事 の 方針 も 再 確認 して いる 。 この ほか 、 北朝鮮 は なお 韓国 型 炉 の 安全 性 など の 問題 に 納得 して おら ず 、 送電 設備 など の 付帯 工事 など も 含める よう 求めて いる と いわ れる 。 凍結 した 実験 炉 に 燃料 棒 を 再 装てん する と の 北朝鮮 の 警告 は 、 北朝鮮 政府 内 で かなり 検討 を 重ねた 末 の 戦術 であろう 。 国際 原子 力 機関 の 立ち会い が ある 限り 、 違法 と は 言え ない から だ 。 また 米 朝 合意 違反 を 理由 に 、 国連 安保理 が 直ちに 制裁 措置 に 踏み切る わけに も いか ない こと も 、 計算 に 入れて いる ようだ 。 北朝鮮 の 警告 は 、 こうした 点 と 残さ れた 時間 を 十分に 計算 した うえ で の 戦術 であろう 。 しかし 、 昨年 と は 違い 米国 と 韓国 は かなり 真剣に 最悪の 事態 に 備えた 協議 を 進めて いる 。 北朝鮮 は 米 韓 両 国 の 警告 を 甘く 見て は なる まい 。 朝鮮 半島 に は 「 最初の 一杯の 酒 で は 、 腹 は 満たない 」 と の 、 ことわざ が ある 。 これ に 従う なら 、 わずか 数 回 の 専門 家 会議 で すべて が 解決 する わけで は ない 。 いたずらに 期限 に こだわる こと なく 、 何 回 も 交渉 を 重ねて ほしい 。 米 朝 高官 会談 再開 を 探る など 、 対話 解決 へ の あらゆる 努力 と 意志 を 放棄 して は なら ない 。 「 カナダ 部隊 が うまく やって いる ところ に 押しかけて いく の は どんな もの か 」 「 国連 、 カナダ ともに 日本 に 協力 して ほしい と 言って きて おり 、 決して 割り込んだ ので は ない 」 中東 の ゴラン 高原 で 展開 さ れて いる 国連 の 兵力 引き離し 監視 軍 に 自衛 隊 部隊 を 派遣 す べき か どう か を めぐり 、 二十一 日 の 閣僚 懇談 会 で 社会党 閣僚 と 自民党 閣僚 と の 間 で こんな やりとり が あった 。 閣僚 懇談 会 で は 、 冒頭 の 発言 の ほか に 、 自民党 や さきがけ の 他 閣僚 から も 慎重 論 が 出た 。 当然の こと だろう 。 同 高原 へ の 自衛 隊 派遣 に は 国連 平和 維持 活動 協力 法 で 凍結 中 の 平和 維持 軍 へ の 参加 に 道 を 開く こと に なら ない か 、 派遣 期間 が 長期 に なり は し ない か 、 など の 懸念 材料 が それ だけ 残って いる こと を 意味 する 。 今月 初旬 、 連立 与党 と 政府 の 両 調査 団 が ゴラン 高原 に 出かける 前 、 私 たち が 「 自衛 隊 派遣 だけ を 前提 と する な 」 と 注文 を つけた の も 、 そうした 理由 から だった 。 その 連立 与党 調査 団 は 十九 日 に 帰国 し 、 調査 結果 を 各 党 に 報告 した 。 なお 詰める べき 点 は 残って いる と し ながら も 、 全体 に 自衛 隊 派遣 に 前向きな 姿勢 を にじま せた 内容 である 。 連立 与党 は 、 この 報告 書 に 基づいて 意見 調整 を 進め 、 今週 中 に も 結論 を 出す 方向 と いう 。 これ を 受け 「 政府 は 五 月 中 に 自衛 隊 派遣 と いう 結論 を 出し 、 今年 十一 月 か 来年 二 月 に は 自衛 隊 が 現地 入り する 」 と の 気 の 早い 見方 さえ 出て いる 。 しかし 、 どんな もの だろう か 。 ここ は 腰 を 落とし 、 慎重な うえ に も 慎重に 検討 す べきで は ない だろう か 。 幸い 現地 情勢 は 落ち着いて いる し 、 UNDOF 司令 官 や カナダ 部隊 も 、 早期 に 自衛 隊 に 交代 して ほしい と 考えて いる ようで も ない から だ 。 その 際 、 重要な の は 亀井 静香 運輸 相 の 指摘 通り 、 ゴラン 高原 PKO は 「 国 と 国 と の 陣取り 合戦 の 中 に 割って 入る 」 こと であり 、 国 内 紛争 解決 後 の 新 政権 の 構築 や 難民 に 対する 人道 支援 が 中心 だった カンボジア や モザンビーク 、 ルワンダ の 場合 と は 質的に 違う と いう ことだ 。 つまり 日本 の PKO が 新 分野 に 踏み込む こと を 許容 する か どう か 、 と いう 重い 課題 を 投げかけて いる と 言って いい 。 ほか に も 武器 の 使用 を めぐる UNDOF 側 と 日本 の 規定 の 相違 、 実弾 を 使った 演習 へ の 参加 の 是非 、 指揮 権 の 所在 、 武器 ・ 弾薬 の 輸送 業務 に 関与 する こと の 可能 性 など の 問題 点 が 指摘 さ れて いる 。 与党 調査 団 に 対して イスラエル 、 ヨルダン 、 パレスチナ解放機構 の 各 首脳 は 、 中東 和平 に 関連 して 、 アラブ 諸国 の 社会 ・ 経済 発展 へ の 日本 の 支援 を 強く 求めた 。 いま 第 一 に 必要な の は 、 こうした 分野 へ の 貢献 を 含め 日本 と して 中東 和平 に 対する 包括 的で 確固と した 方針 を 提示 する こと で は ない だろう か 。 それ なし に 自衛 隊 派遣 だけ を 優先 すれば 、 国連 安保理 常任 理事 国 入り の 条件 整備 の ため の 押しかけ と 見 られ かね ない 。 仏 大統領 選挙 の 第 一 回 投票 が 二十三 日 に 行わ れる 。 保守 の バラデュール 首相 、 シラク 元 首相 、 社会党 の ジョスパン 元 第 一 書記 の 三 氏 が ポスト ・ ミッテラン の 座 を 目指して 激しく 争って いる が 、 過去 の 選挙 に 比べて 熱気 に 欠ける ようだ 。 その 原因 の 一 つ は 、 革新 陣営 の 弱 さ に ある 。 世論 調査 に よる と 、 ジョスパン 氏 は 社会党 支持 層 に 中道 の 一部 を 取り込んで 健闘 、 シラク 氏 を 追って いる が 、 五 月 七 日 の 上位 二 候補 に よる 決選 投票 で 勝ち目 は 薄い 、 と み られる から だ 。 当初 、 社会党 の 有力 候補 と み られた 欧州 連合 の ドロール 前 委員 長 が 立候補 を 見送った 時点 で 、 同 党 の 敗北 は 決まった も 同然 と の 見方 も ある 。 そして 二 期 十四 年 に 及んだ ミッテラン 長期 政権 に 対する 国民 の 飽き も 、 社会党 の 足 を 引っ張って いる 。 ミッテラン 大統領 が 就任 した 一九八一 年 当時 、 七・四 % だった 失業 率 は 昨年 末 に は 一二 % を 超え 、 失業 者 は 三百三十万 人 に 膨れ上がった 。 九三 年 春 の 総 選挙 で 惨敗 した 社会党 に 、 この “ 負 の 遺産 ” は 大きな マイナス 材料 だ 。 盛り上がり に 欠ける もう 一 つ の 原因 は 、 有力 候補 の 間 に 政策 上 の 大きな 争点 が ない こと だ 。 ドゴール 派 の 共和 国 連合 を 割って 出馬 した バラデュール 、 シラク 両氏 は 深刻な 失業 問題 を 背景 に 、 ともに 雇用 の 確保 を 公約 に 掲げて おり 、 政策 の 違い は 「 ニュアンス の 差 」 しか ない 。 公共 事業 拡大 に よる 雇用 創出 、 国有 企業 民営 化 の 中止 を うたう 社会党 も 、 これといった 決め手 は ない 。 わずかに 現在 凍結 中 の 核 実験 を めぐって 「 再開 」 を 主張 する シラク 氏 と 、 「 凍結 延長 」 を 掲げる 社会党 が 対立 して いる が 、 大きな 争点 に は なって い ない 。 ドゴール 、 ポンピドー 、 ジスカールデスタン 、 ミッテラン と 、 五八 年 に 発足 した 第 五 共和 制 を 指導 した 歴代 大統領 に 比べて 、 今回 の 候補 者 たち は 小粒 、 と の 印象 を 仏 国民 は 抱いて いる 。 これ ら 既成 政党 に 対する 失望 と 不満 を すくいあげる 形 で 、 ポピュリスト と 呼ば れる 左右 の 小 政党 が 進出 する 、 と の 見方 が 強い 。 移民 労働 者 排斥 を 主張 する 極右 ・ 国民 戦線 の ルペン 党首 、 政治 腐敗 根絶 を 叫ぶ 中道 右派 の ドビリエ 候補 ら が その 代表 的な 存在 と いえよう 。 昨年 六 月 の 欧州 議会 選 で 保守 、 中道 、 社会 、 共産 の 既成 政党 の 得票 率 は 計 四七 % に とどまった の に 対し 、 欧州 統合 反対 など を 叫ぶ 小 政党 は 二四 % を 獲得 した 。 失業 や 移民 労働 者 問題 を 背景 に 、 有権者 の 既成 政党 離れ は 進行 して いる 。 根 の 深い 政治 問題 を 単純 化 して 大衆 に アピール する ポピュリスト の 動向 は 、 今後 の 仏 政治 を 占う うえ で 見逃せ ない 。 しかし 、 熱気 を 欠く 選挙 と は いえ 、 その 結果 は 国際 社会 に 大きな 影響 を 及ぼす 。 統一 で 大国 化 した ドイツ に 比べ 、 欧州 に おける 仏 の 地位 は 相対 的に 低下 し つつ ある が 、 仏 が 今後 と も 欧州 統合 の 推進 役 である 事実 に 変わり は ない 。 EU は 今 世紀 中 の 通貨 統合 を 目指して いる 。 欧州 連合 条約 見直し の 政府 間 会合 を 来年 に 控えて 、 通貨 同盟 の 中核 を 担う 仏 の 進路 は 統合 の 前途 を 左右する 。 その 意味 でも 仏 国民 の 審判 に 注目 し たい 。 「 中教審 の 第 一期 から 第 十三 期 まで の メンバー の 一覧 表 を 最近 みせて 頂いて 、 わたし びっくり 致し ました 。 同じ 方 が 何度 も 委員 に なって る んです ね 。 それ に 今 まで の 答申 も 全部 読み ました が 、 個性 化 と か 多様 化 と か 、 画一 性 の 打破 と か 、 同じ いい こと ずくめ ばっかし 、 昔 から 繰り返し ずっと 言って きて いて 、 それ で 日本 の 教育 は ちっとも 良く なって い ない でしょう 」 前回 、 第 十四 期 中央 教育 審議 会 で の 村崎 芙蓉子 委員 の 発言 である 。 十四 期 中教審 委員 の 任命 者 は 、 当時 の 西岡 武夫 文 相 。 医師 の 村崎 さん と 電気 通信 大 教授 の 西尾 幹二 さん の 二 人 は 、 西岡 氏 から 直接 電話 で 委員 就任 に 応じて もらえる か どう か の 打診 が あった と いう 。 この 二 人 は 教育 の 現状 に ついて 、 文部 省 の 行政 に ついて 、 さらに 中教審 の あり 方 に ついて まで 、 おかしい と 思う こと は 率直に 発言 した 。 そして 学歴 社会 打破 の ため に 各 方面 の 協力 を 呼びかける 異色の 中間 報告 を まとめた 。 しかし 答申 の 段階 で は 、 文部 官僚 と 「 常連 」 委員 の 粘り強い 抵抗 で 骨抜き に さ れた ―― 。 西尾 さん の 著書 「 教育 と 自由 ― 中教審 報告 から 大学 改革 へ 」 は 、 その 経過 を 詳述 した 報告 書 である 。 さて 第 十五 期 中教審 の 審議 が 二十六 日 の 初 会合 から スタート する 。 「 常連 」 的な 委員 も いる が 、 ノーベル 賞 受賞 の 筑波 大 学長 、 江崎 玲於奈 さん 、 国際 日本 文化 研究センター 名誉 教授 の 河合 隼雄 さん 、 サントリー 常務 で 元 通産 省 官房 審議 官 の 川口 順子 さん 、 歌人 の 俵 万智 さん ら 、 率直な 教育 論議 を 期待 でき そうな 人 も 多い 。 文部 省 の 委員 人選 の 伝統 的 手法 は 、 教育 関係 団体 の 代表 や 文部 官僚 の 代弁 者 に 、 有名 人 も 加え 、 バランス の 良い 構成 に する ことだ と いう 。 有名 人 は 審議 会 へ の 期待 感 、 信頼 感 を 強める 効果 が ある 。 答申 を まとめる など 、 運営 の 主導 権 は 、 「 常連 」 組 や 、 官僚 の 代弁 者 が 握れば いい のである 。 審議 会 は 役人 の 隠れみの に すぎ ない と いう 評価 は すでに 定着 して いる 。 どの 省庁 の 場合 も 、 役所 が 決めた スケジュール に 沿って 審議 し 、 役人 の 注文 通り の 報告 、 答申 を 出す のである 。 文部 省 の 場合 も 同じ こと さ 、 と いう 声 も ある 。 しかし 他 省庁 の 場合 、 ともかく 対応 す べき 現実 の 課題 が あり 、 失敗 する と 役人 の 責任 が 問わ れる 。 ところが 教育 の 世界 で は 、 現実 対応 と いう の は 親 と 子 が やる もの であり 、 その ため の サービス 機関 と して 受験 産業 が ある 。 文部 官僚 は 、 都道府県 、 市町村 教委 を 通じた 巨大な 管理システム の 上 で あぐら を かいて いれば いい 。 失敗 続き で 教育 を 悪く して も 、 だれ から も 責任 を 問わ れる こと は ない のである 。 戦後 十四 回 も の 中教審 が 美辞 麗句 を 並べた 答申 を 出し 、 文部 官僚 が 都合 の いい ところ だけ つまみ食い した 。 その 結果 、 いまや 学校 教育 は 、 教師 と 子ども 、 子ども 同士 の 心 が 通い 合う など と いう 期待 を 抱く の も 甘い と いわ れる ほど 、 絶望 的な 状況 に なって しまった 。 その 中 で 子ども たち の 人間 関係 は ゆがみ 、 いじめ と いう 、 さ れる 方 は もとより 、 する 方 も 悲惨な 行為 が 日常 化 した のである 。 今回 の 中教審 に は 、 こういう 構図 を しっかり 見据えて 、 教育 の 荒廃 を 克服 する ため に 何 が 必要 か 、 徹底 的な 論議 を する こと を 望む 。 文部 官僚 の 代弁 だけ は やめて ほしい 。 日本 で 地震 予知 計画 が 国家 プロジェクト と して 動き出して 三十 年 たった 。 昨年 四 月 から は 第 七 次 地震 予知 計画 が スタート した 。 計画 に 基づく 観測 研究 は それなり に 成果 を 上げて きた が 、 地震 の 予知 に は 一 度 も 成功 して い ない 。 この 一 年間 を みて も 昨年 十 月 の 北海道 東方 沖 地震 、 十二 月 の 三陸 はるか 沖 地震 と 大 地震 の 不意打ち を 食った 。 今年 一 月 に は 阪神 大 震災 が 発生 し 、 五千五百 人 余 の 貴い 命 が 失わ れた 。 大 災害 を 目の当たり に して 地震 学 者 たち は 無力 感 に とらわれた 。 「 地震 予知 計画 の 見直し を 」 と いう 声 を 受け 、 文部 省 の 測地学 審議 会 が 第 七 次 計画 の 総 点検 に とりかかり 、 二十 日 に その 見直し を 村山 富市 首相 や 関係 大臣 に 建議 した 。 見直し は 多岐に わたって おり 、 まず 日本 に 多数 存在 する 活断層 の 調査 研究 を 一層 推進 する 。 人口 密集 地 の 活断層 や 活動 度 が 高い と 考え られる 活断層 の 調査 を 優先 し 、 長期 的な 予知 の 基礎 資料 に する 。 地震 に 関連 した さまざまな 情報 が 社会 に 役立つ ように 情報 の 公開 を 目指し 、 それ を 防災 対策 に どう 生かす か を 地震 予知 関係 者 と 防災 関係 者 が 連携 して 検討 する こと も 打ち出した 。 巨大な 南海 地震 の 発生 が 予想 さ れる 南海トラフ に 近い 紀伊 半島 や 四国 でも 観測 網 を 充実 さ せて いく こと に なった 。 予知 へ の 取り組み を 強化 しよう と いう 意気込み は 感じ られる が 、 今回 の 見直し は まだまだ 従来 の 枠 に とらわれて おり 、 不十分である 。 この 二 年 余 でも 五 つ の 大 地震 の 予知 が でき なかった こと を 考える と 、 国民 に 過大な 期待 を 与えて きた こと を 謙虚に 反省 し 、 しっかり した ビジョン の もと に 予知 計画 を 根本 から 見直す 必要 が あった 。 気象 庁 や 国土 地理 院 、 科学 技術 庁 、 文部 省 など に 分かれた バラバラ 行政 を 改め 、 地震 庁 の ような 新 組織 に よる 地震 観測 の 一元 化 も 検討 して ほしかった 。 従来 は 地震 予知 計画 に 参加 できる 機関 や 研究 者 が 固定 さ れ 、 新しい アイデア に 基づく 研究 が 行わ れる こと が 少なかった 。 見直し で は こうした 欠陥 が 是正 さ れた と は 言い難い 。 地中 を 流れる 微弱な 電流 の 変化 から 地震 を 予知 する と いう ギリシャ の VAN 法 など を もっと 積極 的に 予知 計画 に 組み込んで も いい ので は ない か 。 今後 は 第三者 に よる 予知 計画 の 進展 度 の 評価 、 参加 する 学者 同士 の 相互 批判 が 課題 と なる 。 「 でき も し ない 地震 予知 に 予算 を 投入 する の は 意味 が ない 」 と いう 地震 予知 無用 論 も 出て いる 。 阪神 大 震災 の 発生 で こうした 考え 方 が 強まる 可能 性 も ある 。 地震 予知 に 携わる 機関 や 学者 は 、 日本 で 予知 研究 が 必要な 理由 と 研究 が どこ まで 進んで いる の か を 、 国民 に もっと 分かり やすく 説明 する 義務 が ある だろう 。 測地学 審議 会 が わずかな 検討 期間 で 地震 予知 計画 を 全面 的に 見直す こと は 無理だった の かも しれ ない が 、 このまま で は どれ だけ 効果 が 上がる か 分から ない 。 遅く と も 第 八 次 地震 予知 計画 に 生かせる よう 組織 の 統合 問題 など の 検討 を 進めて ほしい 。 政府 も 予算 措置 など で 全面 的に 予知 計画 を バックアップ す べきだ 。 国土 庁 、 消防 庁 、 各 自治 体 など 防災 機関 の 協力 も 欠かせ ない 。 気象 庁 や 地震 学 者 が 東海 地震 を 予知 する だけ で なく 、 阪神 大 震災 クラス の 地震 でも 事前 に 何らか の 情報 を 国民 に 出せる ように 早く なって ほしい 。 一 カ月 に わたる 長丁場 の 第 十三 回 統一 地方 選挙 が 終わった 。 阪神 大 震災 の 傷跡 生々しく 、 地下鉄 サリン 事件 と オウム 真理 教 捜査 、 底無し の 円高 など 世情 騒然と した 中 で 盛り上がり に 欠けた の は 事実 だ が 、 そこかしこ で 自民党 幹部 が 「 怪物 」 と 形容 した 無党派 層 が 既成 政党 を 脅かした 。 中央 政界 の 動き は 少し 遅れて 地方 政治 に と いう の が 常識 だ が 、 今回 は 全く 逆の ようである 。 細川 政権 以降 に 本格 化 した 政界 再編 は 実は 旧態 依然 の 権力 抗争 ・ 合従 連衡 に 過ぎ なかった 。 有権者 は そこ を 鋭敏に 見透かし 、 既成 政党 に 根こそぎ 不 信任 の ブーイング を 浴びせた の が 今回 選挙 だった と いえる 。 その 意味 で 無党派 層 は 健全な 判断 を した ので は ない か 。 少なくとも そこ に ファシズム や 全体 主義 の 足音 を 感じる の は 、 過敏に 過ぎる ので は ない だろう か 。 青島 幸男 、 横山 ノック 両氏 を 二 都 の 知事 に 押し上げた 無党派 層 は 、 地域 密着 の 旧来 型 選挙 が 有効な 統一 地方 選 後半 の 各 級 選挙 でも 目立った 。 と いう より むしろ 既成 政党 側 が 無党派 の 反乱 に おびえ 、 各 候補 が 政党 隠し を する など 右往左往 だった 。 東京 都 東大和 市 で 無党派 市長 が 誕生 した の を はじめ 、 二十三 日 投票 の 八十六 市長 選 で は 政党 の 推薦 を 受け ない 候補 が 三十一 人 当選 、 各 政党 相乗り 市長 の 三十二 人 に 肩 を 並べた 。 市議 選 で の 政党 離れ は より 深刻だった 。 三百八十三 市議 選 の 総 定数 は 一万一千五十二 だ が 、 その 六四 % の 七千二十八 人 が 無 所属 で 、 五五 年 体制 を 地方 から 支えた 自社 両党 の 公認 組 は 三 ケタ に 滑り落ちて しまった 。 前 なら 当選 を 保証 した 政党 の 公認 ・ 推薦 が 敬遠 さ れて しまった のだ 。 有権者 の 政党 離れ 、 とくに 既成 政党 が 見限ら れる の は 世界 的 現象 だ 。 一九九二 年 の 米 大統領 選 で の ペロー 現象 は 次期 大統領 選 を も 左右し そうだ し 、 ロシア で の 極右 政党 の 健在 ぶり や 、 すでに 倒れた が イタリア で の ベルルスコーニ 政権 の 登場 も 同じ 文脈 で とらえる こと が 可能だ 。 メディア 政治 が 選挙 戦術 から 指導 者 像 まで 変えて しまった こと が 大きい が 、 東西 冷戦 構造 に 深く 組み込ま れた 政治 システム は 「 より 環境 に 適応 した 生物 ほど 環境 変化 に 弱い 」 と いう 生物 学 の 常識 さながら に 、 冷戦 終結 後 の 新たな 政治 状況 に 適応 でき なく なって しまって いる のである 。 加えて 今 の 日本 の 政界 は より 深刻な 事態 に 陥って いる 。 一口 で 言う なら 政党 が 自ら の 病状 の 重 さ を 認識 して い ない こと だ 。 イデオロギー 対立 が なくなり 、 政党 間 に 政策 の 差 が なくなった こと で 「 相乗り 」 に 抵抗 感 が なくなった 。 また それ が 他党 の 支持 者 を 切り崩す 手掛かり だ と 誤算 して しまった 。 政策 の 差 が ない から こそ 他党 と の 差異 化 を いかに 図る か が 自ら の アイデンティティー を 確保 する ため に 重要で 、 有権者 を つなぎ留める ため の 有効な 方策 だ と いう 単純な 理屈 に 気 が つか なかった のであろう 。 理念 、 政策 の 違い を 打ち出せ ない の は 政党 の 自殺 行為 だ 。 政党 の 政策 に 違い が なく 談合 ・ 相乗り 候補 を 押し付ける なら 、 有権者 は 勝手に 選ば せて もらう 、 と いう こと に なる の は 自明の 理 で は ない か 。 無党派 は 昔 から 存在 した ので は ない 。 政党 の 怠慢 が 政治 意識 の 高い 有権者 を いつの間にか 無党派 に 追いやって しまった のである 。 巷 を 歩けば サリン ・ オウム 、 青島 ・ 横山 、 円高 ・ 不況 の 話題 で もちきり である 。 つい 先ごろ は 阪神 大 震災 一色 であった 。 わが国 は 今 、 社会 不安 、 政治 不信 、 経済 の 先行き 不透明 の 三重 苦 に あえいで いる 。 危機 に ひんした 国民 生活 を 守る うえ で 一刻 の 猶予 も 許さ れ ず 緊急 対応 を 迫ら れて いる 課題 が 山積 して いる のに 、 村山 連立 政権 の 対応 は 鈍く 後手 々々 に 終始 し 、 機能 不全 に 陥って いる 。 それでいて 危機 的 状況 に ある 、 と の 切迫 した 認識 も 一向に 伝わって こ ない 。 政府 あって 統治 なく 、 統治 の ない ところ に 社会 の 安定 は ない 。 統一 地方 選 で は 既成 政党 に 対して 有権者 から 厳しい 不信 の 刃 が 突きつけ られた 。 とりわけ 連立 政権 与党 である 自民 、 社会 両党 の 退潮 が 歴然と なった 。 それ は とりもなおさず 、 村山 政権 の 統治 に 対する 有権者 の 拒否 回答 である 。 統一 地方 選 を 終え 、 政局 の 焦点 は 後半 国会 で の 与野党 の 攻防 に 移った が 、 自民 、 社会 両党 は まず 選挙 で 示さ れた 民意 を 正しく 認識 し 、 その 厳しい 総括 の うえ に 、 政治 に 対する 国民 の 信頼 回復 の ため に 政治 の 刷新 へ 向けた 真摯な 取り組み を 始め なければ なら ない 。 しかし 、 両党 の 動き を 見る と 、 執行 部 の 責任 追及 が 政局 の 流動 化 を 促し 、 連立 政権 の 基盤 を 揺るがす 事態 に 発展 する こと を 恐れ 、 連立 政権 維持 を 最 優先 に 、 「 地方 政治 と 中央 政治 は 別 」 と の 奇弁 を 弄して 責任 問題 は あいまいな まま に 先 送り しよう と の 空気 が 濃厚だ 。 統一 地方 選 で 否定 さ れた の は 、 こうした 政党 の 本来 の 責務 を 放棄 した 無責任 政治 、 執行 力 の 低下 を 談合 と なれ合い で ごまかす 先 送り 政治 、 五五 年 体制 の 残滓 を 根強く 引きずる 自民 、 社会 両党 の 旧態 依然 の 体質 そのもの で は なかった の か 。 与党 である 両党 が 国民 から 背 を 向け られた こと の 総括 も なく 、 民意 を 無視 して 、 政権 維持 に 走る こと は 政党 に とって の 自殺 行為 であり 、 許さ れる こと で は ない 。 後半 国会 で は 、 当面 、 円高 対策 、 阪神 大 震災 復興 対策 を 織り込んだ 一九九五 年度 予算 の 第 一 次 補正 予算 、 不戦 決議 、 規制 緩和 、 行政 改革 など 差し迫った 政治 課題 に 取り組ま ねば なら ない が 、 執行 力 を 喪失 した 浮遊 政権 で 、 果たして これ ら の 懸案 を 適正に 処理 できる の か 甚だ 疑わしい 。 村山 政権 は 、 弱体 政権 の 足元 を 見透かす ように 浴びせて きた 円 買い に 対し 、 何ら の 有効な 手 も 打て ず 経済 無策 ぶり を 露呈 した し 、 景気 対策 、 阪神 復興 対策 に も 機動 的な 対応 が でき ないで いる 。 政府 が 最 優先 課題 に 掲げて いた 行政 改革 に 至って は 、 規制 緩和 、 特殊 法人 の 整理 ・ 統合 と も 官僚 任せ で 、 後退 に 次ぐ 後退 を 余儀なく さ れて いる 。 信用 秩序 維持 を 大義 名分 に 強行 さ れた 東京 の 二 信 組 救済 は 官僚 本位 政治 の 典型 である 。 村山 政権 を 取り巻く 八方ふさがり の 状況 を 見る と 、 危機 管理 能力 を 欠いた この 政権 が 存続 する 積極 的な 意義づけ は もはや どこ に も 見当たら ない 。 閉塞 状況 を 脱却 する ため に は 、 補正 予算 を 処理 した 一定 の 段階 で 、 国政 に ついて 民意 を 問う しか ない ので は ない か 。 これ 以上 、 政治 の 漂流 を 許す こと は 国民 に さらに 大きな 不幸 を もたらす だけ だ 。 原子 力 発電 所 は 「 トイレ なき マンション 」 と 言わ れて きた 。 発電 に よって 大量の 放射 性 廃棄 物 が 発生 し 、 中でも 高 レベル 放射 性 廃棄 物 の 処分 の めど が つか ない から だ 。 先日 、 国際 的な 環境 保護 団体 の グリーンピース が 田中 真紀子 科学 技術 庁 長官 に 巨大な 模擬 便器 を 贈ろう と した 。 原子 力 開発 の 現状 を 皮肉った パフォーマンス と して 話題 に なった 。 そんな 原子 力 の 弱点 を 改めて 露呈 した 出来事 が 二十五 日 発生 した 。 フランス から の 高 レベル 廃棄 物 を 積んだ 英国 の 輸送 船 が 青森 県 六ケ所 村 の むつ 小川原 港 へ の 入港 を 前 に 、 同県 の 木村 守男 知事 の 「 接岸 拒否 」 で 立ち往生 して しまった のだ 。 日本 は 英 仏 両 国 に 使用 済み 核 燃料 の 再 処理 を 委託 して おり 、 今回 の 輸送 は プルトニウム を 取り出した あと に 残った 高 レベル 廃棄 物 の 返還 第 一 便 だ 。 同村 に ある 日本 原 燃 ・ 核 燃料 サイクル 施設 内 の 貯蔵 施設 に 三十 年 から 五十 年間 一 時 貯蔵 さ れる が 、 その後 の 処分 法 は 決まって い ない 。 なし崩し 的に 最終 処分 地 に なる こと を 心配 する 木村 知事 は 日本 原 燃 や 科学 技術 庁 に 「 青森 を 最終 処分 地 に し ない 確約 を 」 と 迫った 。 同 知事 は 国 の 回答 に 一 時 反発 し 、 入港 が 一 日 遅れる こと に なった 。 国 の 原子 力 委員 会 は 地下 数百 メートル の 地層 を 想定 した 高 レベル 廃棄 物 の 最終 処分 地 の 操業 開始 を 遅く と も 二〇四〇 年 代 半ば と して いる 。 だが 、 その 前 段階 の 研究 施設 である 北海道 幌延 町 の 貯蔵 工学 センター の 建設 すら 地元 の 反対で 宙 に 浮いて いる 。 最終 処分 地 の 決定 が もっと 困難な こと は 今回 の 青森 県 の 動き から も 分かる 。 強い 放射能 が 何千 年 も 残り 、 ごみ の 中 でも 最も やっかいな 高 レベル 廃棄 物 の 受け入れ に どの 自治 体 も 二の足 を 踏む だろう 。 処分 地 の 誘致 に 傾く 自治 体 が あった と して も 将来 の 世代 を も 巻き込む 大 問題 だけ に 、 地層 処分 の 安全 性 の 確保 に は 大変な 努力 が 必要だろう 。 世界 的に も 処分 の 見通し が 立った 国 は ない 。 一方 で 高 レベル 廃棄 物 は 増え 続ける 。 今回 運んだ の は 高 レベル 廃棄 物 の ガラス 固化 体 二十八 本 だ が 、 英 仏 から は 今後 十数 年間 に 三千数百 本 返還 さ れる 。 二〇〇〇 年 以降 に は 商業 用 再 処理 工場 の 運転 で 国 内 でも 高 レベル 廃棄 物 の 発生 が 本格 化 する 。 将来 を しっかり 見据えた 政策 を 持ち 、 国 内 外 の 理解 と 協力 を 得る こと が 大切だ 。 現実 は どう か 。 今回 の 輸送 で は 英 仏 両 国 の 意向 で 輸送 ルート は 公表 さ れ ず 、 三十五 カ国 ・ 地域 が 輸送 に 反対 や 懸念 を 表明 した 。 青森 県 も 政府 に ルート など の 情報 公開 を 求めた が 、 入港 日 の 公表 が 実現 した だけ だ 。 ルート や 輸送 の 安全 性 データ を 公開 する 原則 を 確立 して ほしい 。 原子 力 開発 を 続ければ 、 高 レベル 廃棄 物 の 処分 問題 に 突き当たる こと は 目に見えて いた 。 だが 政府 や 電力 会社 は トイレ の 問題 を 前面 に 出す こと を 避けて きた 。 今後 は そう は いか ない 。 地層 処分 が 理 に かなった 方法 か など も 含め 一 から 出直す つもりで 処分 問題 に 取り組んで ほしい 。 百万キロ ワット 原発 一 基 を 一 年間 運転 する と 今回 の 輸送 分 に 相当 する 高 レベル 廃棄 物 が 出る 。 日本 が 従来 の 方針 通り 原子 力 発電 へ の 依存 度 を 高めて いけば 、 高 レベル 廃棄 物 は どんどん 蓄積 する 。 今回 の 輸送 船 立ち往生 を 原子 力 政策 を 問い 直す 一 つ の きっかけ に し たい 。 ワシントン で 開か れた 先進 七 カ国 蔵 相 ・ 中央 銀行 総裁 会議 は 、 下馬評 通り ドル安 の 処方せん を 書け ず に 終わった 。 会議 後 の 声明 を 見る と 、 ドル安 の 行き過ぎ の 認識 で は 一致 して いる が 、 具体 的な 協調 行動 に は 触れ ず 、 「 秩序 ある 形 で 反転 さ せる こと が 望ましい 」 と 評論 家 の ような コメント が ある だけ だ 。 これ で は 、 市場 に 対する 「 ドル安 の 行き過ぎ 」 の メッセージ な の か 、 「 G 7 無策 、 G 7 ひび割れ 」 の 告白 な の か 分から ない 。 ドイツ の ワイゲル 蔵 相 が 指摘 する ように 、 ドル安 の 根底 に は 米国 の 財政 赤字 の 問題 が あり 、 「 弱い ドル は 世界 経済 の ため に も 、 米国 の 利益 に も なら ない 」 のであろう 。 そして 、 ドル安 放置 政策 は 、 やがて 米国 経済 、 世界 経済 と も 破局 に 追い込み かね ない 危険 性 を 帯びて いる 。 だが 、 ルービン 米 財務 長官 は 、 米国 が ドル安 に 全面 的な 責任 が ある と の 論理 を 拒絶 。 日 米 蔵 相 会談 で は 「 円高 は 日本 の 責任 」 と まで 言い放って いる 。 ドル 問題 の 本質 は 、 長期 的に 危険な ドル安 も 、 当面 、 米国 は 困って い ない と いう 矛盾 である 。 ドル は 円 や マルク に 比べて 落ちて いる が 、 メキシコ など の 開発 途上 国 の 多く の 通貨 と 比べる と 強く なって いる 。 だから 、 短期 的な 米国 の スタンス は 、 困って いる 日本 、 ドイツ の 方 こそ 対策 を 考える べきだ 、 と いう こと に なる 。 クリントン 政権 は 来年 の 大統領 選挙 で 頭 が いっぱいだ 。 景気 を 悪く する 利上げ など まっぴら と 判断 して いる 。 自国 の 目先 の 利益 しか 考える 余裕 が ない 。 もちろん 、 前川 プラン の 実行 さえ でき ず 、 黒字 減らし も 進ま ない 日本 の 発言 権 が 大きく ない の も やむ を 得 ない だろう 。 とはいえ 、 今回 の G 7 で は 、 米国 が 孤立 して 、 各国 の 集中 砲火 を 浴びた 。 国際 通貨 基金 の 専務 理事 まで が 、 ドル安 に 歯止め を かける ため 、 米 公定 歩合 の 引き上げ を 求めた ほど だ 。 しかし 、 G 7 の 政策 協調 を めぐり 、 これほど 無力 感 が 漂った 会議 も 珍しかった 。 十 年 前 の プラザ 会議 以来 、 各国 は 声 を 大 に して 財政 赤字 の 削減 を 米 政府 に 求めて きた が 、 馬耳東風 だった 。 基軸 通貨 国 が 財政 赤字 と 貿易 赤字 の たれ流し の 態勢 に 入った こと が 、 国際 通貨 体制 の 混乱 の 源流 に ある 。 今回 の 会議 で は 、 日本 、 フランス が 、 政策 協調 の 強化 に まだ 望み を かけて いた と いう 。 しかし 、 ドイツ 、 英国 は 、 米国 の 政策 変更 が ない 限り 、 為替 市場 で の 協調 介入 など は 効果 が ない と 、 あきらめ 気味だった 。 いま G 7 に 必要な の は 、 単に 米国 を 責める だけ で なく 、 現状 の 抜本 的な 変革 に 挑戦 する こと だろう 。 世界 経済 の 繁栄 と 為替 の 安定 に 役立つ 新しい 国際 通貨 体制 の 構築 へ の 意欲 が 求め られて いる 。 だが 、 主要 国 の 政治 は どこ も 揺れて おり 、 首脳 、 蔵 相 に 通貨 体制 の 大 改革 の リーダーシップ を とれる 人物 は い そう も ない 。 米国 は 基軸 通貨 国 の 特権 を 放棄 し ない だろう し 、 今回 は ドル安 に 歯止め を かける 金利 引き上げ さえ 拒否 して いる 。 「 長期 的な こと を 話して いる うち に ドル は 落ちる 」 と 、 為替 の トレーダー が 会議 を 皮肉って いる 。 日本 も 自国 経済 の 防衛 の ため 、 ドル 離れ を 進める しか ない 。 第 三 世界 で は 「 人 の 命 は 紙 より 薄い 」 と 、 よく 言わ れる 。 この 地球 上 で 今 、 最も 人命 が 軽んじ られて いる 地域 の ひと つ は 、 アフリカ 中部 の 小国 ルワンダ だろう 。 同国 南西 部 キベホ の 難民 キャンプ で 二十二 日 発生 した 虐殺 事件 が それ を 示して いる 。 当初 約 八千 人 と 伝え られた 犠牲 者 の 数 は その後 、 国連 の 調査 で 約 二千 人 に 修正 さ れた 。 その 差 六千 人 。 現場 を 視察 した ルワンダ の ビジムング 大統領 は 「 実際 の 死者 は 三百 人 だ 。 数字 は 誇張 さ れて いる 」 と 、 国連 の 数値 すら 否定 した 。 「 人命 は 地球 より 重い 」 と いう 先進 国 の 通念 は 、 ここ で は 全く 通用 し ない 。 虐殺 の あらし が 生命 の 重み を 消し去り 、 それ が また 虐殺 を 招く 。 現代 の 出来事 と は 思え ない 、 人命 軽視 の 悪 循環 を 断て ない もの か 。 事件 の 真相 は 、 よく 分から ない 。 現地 から の 報道 は 、 雨 を 避けよう と して 先 を 争う 数万 の 難民 が パニック 状態 に 陥り 、 難民 の 一部 が キャンプ から 脱出 を 図った ため 政府 軍 が 自動 小銃 、 手投げ弾 など で 攻撃 した と 報じて いる が 、 ルワンダ 政府 は これ を 否定 。 キャンプ 内 の フツ 族 難民 が 発砲 した ので やむなく 応戦 した 、 と 主張 して いる 。 いずれ に せよ 、 同国 の 少数 民族 ツチ 族 と 、 多数 派 フツ 族 の 根深い 対立 を 改めて 浮き彫り に した 。 部族 抗争 の 再燃 が 懸念 さ れる 。 では 、 犠牲 者 五十万 ― 百万 と いわ れた 内戦 の 再現 を 避ける に は 、 どう すれば よい の か 。 国連 は ルワンダ 支援 団 約 五千五百 人 を 派遣 して 医療 、 食料 供給 など 人道 援助 に 協力 して いる が 、 治安 維持 は 任務 に 含ま れて い ない 。 この ため 部族 紛争 を 未然 に 防止 する 力 が なく 、 ルワンダ の 治安 回復 は 両 部族 の 和解 に 待つ しか ない 。 内戦 で は 、 主に フツ 族 民兵 が ツチ 族 住民 や フツ 族 穏健 派 を 虐殺 した 、 と 報じ られた 。 キベホ の 事件 は 、 ツチ 族 主体 の 政府 軍 に よる 報復 と の 見方 も ある 。 政府 軍 犯行 説 の 真偽 は 不明だ が 、 ルワンダ 政府 の 責任 は 免れ ない 。 昨年 七 月 全土 を 制圧 し 、 新 政権 を 樹立 した ツチ 族 の 実力 者 は 「 内戦 中 に 起きた 虐殺 事件 の 犯人 は 公正な 裁判 に かける 。 私的な 報復 は 許さ ない 」 と 語った 。 この 原則 を 踏まえて 内戦 下 の 虐殺 の 実態 を 解明 し 、 法 に 基づく 秩序 の 回復 に 全力 を 挙げる べきだろう 。 「 国民 和解 」 を 掲げる 政府 は 、 閣僚 ポスト の 一部 を フツ 族 代表 に 与えた 。 大統領 、 首相 と も フツ 族 出身 である 。 政府 は 報復 の 機 を うかがう ツチ 族 過激 派 を 抑えて 、 和解 の 道 を 模索 して ほしい 。 一方 、 フツ 族 過激 派 は ザイール の 難民 キャンプ に 兵力 を 温存 、 しばしば 国境 を 越えて ルワンダ 国 内 で ゲリラ 活動 を 展開 して いる 。 今回 の 事件 を 機 に 、 政府 攻撃 を 強める 事態 が 懸念 さ れる 。 ルワンダ の 部族 抗争 は 同じ 民族 構成 を 持つ 隣国 ブルンジ に も 波及 、 先月 に は 首都 ブジュンブラ で 大規模な 衝突 事件 が 発生 した 。 部族 抗争 の 拡大 を 食い止める ため に も 、 ルワンダ の 早急な 治安 回復 が 望ま れる 。 また 、 フツ 族 過激 派 の 温床 と なって いる ザイール の 難民 キャンプ の 環境 を 改善 する こと が 、 人心 の 荒廃 を 防ぐ 意味 から も 重要だ 。 国連 難民 高等 弁務 官 事務 所 や 各種 非 政府 組織 に よる 粘り強い 難民 援助 活動 に 期待 し たい 。 東京 都 の 青島 幸男 知事 が 、 世界 都市 博覧 会 中止 方針 を 会見 で はっきり 述べ 、 都議 会 に も 協力 を 求めた 。 この 知事 の 決断 を 、 基本 的に 理解 し たい 。 本欄 で は 青島 氏 当選 直後 に 、 早い 時期 の 判断 と 行政 を 動かす 知恵 を 求めた 。 今後 さまざまに 予想 さ れる 摩擦 や 困難に 対し 、 新 知事 は 知恵 を 絞り 、 一 つ ひとつ 乗り越え なければ なら ない 。 来年 三 月 の 開催 まで 一 年 を 切った のに 、 世界 都市 博 ほど 都民 の 関心 が 盛り上がら ない 大型 イベント も 、 あまり 聞か ない 。 バブル の さなか 、 鈴木 俊一 前 知事 の 強い 意向 も あって 開催 が 打ち出さ れた 。 総 事業 費 二千億 円 。 そのうち 今 年度 の 都 費 六百億 円 を すでに 予算 化 して いる 。 これ に 対し 、 都市 博 を 中止 すれば 東京 都 は 九百八十億 円 程度 の 損害 を 被る と 試算 した 。 出展 の ため の 工事 に 入って いた 企業 グループ や 、 外国 の 自治 体 に 違約 金 を 支払う 事態 を 招く と 予想 さ れて いる から だ 。 しかし 、 この 損害 予測 の 根拠 は 明確に 伝え られて い ない 。 中止 に 向かう のであれば 、 都 は それ に 伴う 出費 を 少なく する 努力 を 惜しんで は なら ない 。 新 知事 は 公約 の 重 さ 、 信義 の 大切 さ に 言及 した が 、 公金 の 無駄遣い も また 、 許さ れ ない 。 さらに 、 外国 の 自治 体 に きちんと した 説明 が いる 。 都 知事 が 選挙 で 選ば れる の は 、 出展 予定 の 外国 都市 も 知っている はずだ 。 誠意 を もって 説明 すれば 、 それほど 難問 化 は し ない だろう 。 都議 会 は 難問 を 突き付け られた 。 予算 を 通して しまって いる 。 知事 と して は 中止 に 伴う 関連 予算 を 、 改めて 都議 会 で 通過 さ せる 必要 が ある 。 議会 各派 は どう 対応 す べきな の か 。 都市 博 の 事業 費 が 予算 化 さ れ 、 一部 が 工事 に 入って なお 、 都民 は 青島 氏 を 知事 に 選んだ 。 青島 氏 の 公約 の 一 つ は 、 世界 都市 博 中止 だった 。 都 知事 選 各 候補 の うち 中止 を 主張 した 候補 の 得票 を 合算 すれば 、 圧倒 的だ 。 いかに 都民 の 期待 を 呼んで い ない か が 分かる 。 これ を 考えれば 、 都議 会 各派 の 取る べき 態度 が 決まって くる ので は ない か 。 中止 方針 が 今後 の 政治 、 行政 の 在り 方 に 投げかけた 意味 も 大きい はずだ 。 その 一 つ に 予算 硬直 化 に 関する 問題 が ある 。 ほとんど 利用 する 人 の い ない 事業 で すら 、 前年 も 予算 化 さ れた と いう 理由 で 継続 さ れる 。 予算 の スクラップ 化 を 進め 、 本当に 需要 の 多い 事業 に 配分 を シフト さ せる の が 当然な のに 、 でき ない 。 予算 配分 硬直 化 は 「 既得 権益 の 王国 」 を 生む 要因 だ 。 今回 の 決断 が 、 国民 、 住民 に よる 国 、 自治 体 の 予算 監視 の 契機 に なれば 大きな プラス だ 。 都 の 職員 に は 、 知事 の 決断 に 背 を 向ける 権利 は ない 。 この こと を 忘れて は 困る 。 歓迎 さ れ ない 事業 推進 に 突出 する 都 官僚 を だれ も 望ま ない 。 付け加えて おき たい 点 が ある 。 今回 は 知事 が 決断 した 。 だが 、 住民 の 意見 を 二 分 する 地域 の 大きな 問題 に ついて 、 住民 投票 で 決着 を つけた 方 が よい 場合 が ある ので は ない か 。 必ず 議会 軽視 の 声 が 出る 。 しかし 、 選挙 公約 と 当選 後 の 議員 の 行動 が 、 違う ケース は 数 ある 。 国政 で は 憲法 上 の 制約 が ある が 、 地方 自治 体 で 条例 を つくれば 可能で は ない か 。 議会 が 条例 制定 を 拒否 する 場合 でも 、 行政 側 が 世論 調査 の 代わり に 住民 投票 を 実施 は できる 。 結果 を 住民 の 最新 の 意思 と して 尊重 する 。 地方 自治 体 運営 に は 、 それ だけ の 柔軟 さ が あって よい と 思う 。 大型 連休 が 始まる 。 阪神 大 震災 の 被災 者 、 サリン 事件 や 急激な 円高 の 対応 に 追わ れる 人々 は 「 連休 どころ で は ない 」 の が 実情 かも しれ ない 。 とはいえ 大 多数 の 人 たち に とって 、 春 の 大型 連休 は 家族 や 友人 たち と 楽しい ひと時 を 過ごせる 数 少ない 期間 だ 。 これ を 機会 に 「 ゆとり ある 生活 」 を 目指す 私 たち の 自由 時間 や 余暇 の 過ごし 方 を 考えて み たい 。 二十六 日 に 発表 さ れた 「 レジャー 白書 95 」 に よる と 、 昨年 は 長引く 不況 など で 仕事 より レジャー 活動 を 重視 して いる 人 、 あるいは 両方 と も 同じ ぐらい 力 を 入れて いる 両立 派 は 前年 比 で 減少 、 仕事 重視 型 の 人 が 増えて いる 、 と いう 残念な 結果 が 出た 。 レジャー に 費やす 時間 も お 金 も 増えた 人 が 減って いる の は 、 不況 で 勤労 者 の 所得 の 伸び悩み や 減収 の ほか 円高 や 法人 需要 の 縮小 傾向 も ある 。 当然 ながら 全体 の 余暇 市場 は 総額 七十七兆二千五十億 円 で 前年 比 わずか 〇・四 % の 微増 に 終わって いる 。 わずかに 明るい 分野 と して 、 円高 効果 を 享受 できる 海外 旅行 、 健康 志向 に よる アウトドアレジャー 、 家族 志向 に マッチ した オートキャンプ 、 さらに は 芸術 や 文化 へ の 関心 の 高まり から 音楽 会 や 美術 鑑賞 が ある 。 逆に カラオケ や 外食 など 都市 型 娯楽 は 伸び悩み 、 不況 に 強かった パチンコ は ハイテク 化 で 年間 に 使う 一 人 の 平均 金額 だけ は 、 やや 増えて いる が 楽しむ 回数 は 減少 。 中央 競馬 も 女性 参加 で ファン 層 は 広がって いる が 総 売り上げ は わずか 〇・九 % 増 だ 。 だが 、 限ら れた 分野 で しか 見 られ なかった 価格 破壊 の 波 が 昨年 から は 余暇 市場 の 多方面に 浸透 して 、 内容 が 多様な レジャー を 手軽な 料金 で 楽しめる 、 消費 者 の 立場 から みる と 大変 好ましい 傾向 が 出て いる 。 例えば スキー 場 で は 全日 と いう 画一 的な 料金 設定 から 時間 券 を 発行 する 弾力 的 設定 に なり 、 あるいは 旅館 ・ ホテル で は シーズンオフ の 格安 料金 に よる 薄利 多売 が 増えた 。 過剰な サービス を 簡略 化 する セルフ 化 と して 、 ペンション で 夕食 を 省く 欧 米 型 の 泊 食 分離 が 進む 。 スキー 場 の リフト 券 と 昼食 券 の セット を 事前 割引 を 付けて コンビニエンスストア で 発売 する 流通 ルート の 開発 など が ある 。 価格 破壊 と いって も 単なる 低 料金 化 で は なく 、 料金 を 下げる ため に 既存 の ビジネス を 見直す 構造 改革 と も 呼ぶ べき 動き に 及んで いる 、 と 同 白書 は 指摘 する 。 自由 時間 と 表裏 の 関係 に ある 労働 時間 の 短縮 は 、 一九九三 年 まで の 二 年間 で 年間 労働 時間 が 百三 時間 減 と 急速に 進んだ が 、 昨年 は わずか 九 時間 減 の 千九百四 時間 。 一部 で 「 平成 の 時短 は 終わり 」 と の 見方 も 出て いる 。 時短 の スピード が 鈍化 し 、 政府 目標 の 千八百 時間 に 届いて い ない が 、 千九百四 時間 と いえば ほぼ 欧 米 に 近い レベル である 。 こうした 時代 に あって は 余暇 を 文字通り 「 余った 暇 」 に 終わら せる ので は なく 、 「 ゆとり ある 生活 」 実現 の ため に 積極 的 活用 が 重要な こと は 言う まで も ない 。 価格 破壊 が レジャースタイル の 選択肢 を 増やし 、 より 豊かな レジャー の 可能 性 が 広がって いる 、 と いう 同 白書 の 指摘 通り であれば 、 「 皆 が 行く から 」 「 ブーム だ から 」 と いった 旧来 の 発想 から 抜け出る 、 絶好 の チャンス である 。 この際 、 自分 なり に 工夫 した 、 手づくり レジャー に よる 大型 連休 の 、 賢い 過ごし 方 に 挑戦 して みたら どう だろう 。 戦争 は すべて 残虐であり 、 悲惨である 。 国家 あるいは 民族 の 名 の もと に 殺人 、 財産 破壊 が 正当 化 さ れ 、 人々 の 運命 を 大きく 狂わせる 。 最大 級 の 人権 侵害 である 。 しかし 、 歴史 を ひもとけば 、 侵略 を 受けて 、 戦い を 強い られた ケース も ある 。 第 二 次 大戦 中 の フランス で 果敢に 展開 さ れた レジスタンス は 、 その 一例 と いえる 。 レジスタンス の 闘士 たち に とって ナチス へ の 抵抗 は 「 自由 と 正義 の ため の 戦い 」 であり 、 「 人間 の 証 」 で も あった 。 目 を 旧 ユーゴ の 内戦 に 転じた 時 、 こうした 大義 や 英雄 性 は 到底 、 感じ取れ ない 。 そこ に 民族 紛争 の 重苦し さ と やり切れな さ が ある 。 一九九二 年 春 に 火 を 噴いた ボスニア・ヘルツェゴビナ 内戦 は 、 三 年 を 経て なお 終息 の 兆し すら ない 。 内戦 を 引き起こした 一義的 責任 が 、 大 セルビア 主義 の 野望 を むきだしに 武力 で 領土 拡張 を 図った セルビア 共和 国 と ボスニア 内 の セルビア 人 勢力 と に ある こと は 否め ない 。 だが 、 憎しみ が 憎しみ を 呼ぶ 殺し 合い の 中 で 、 イスラム 教徒 と クロアチア 人 勢力 も 「 歯 に は 歯 」 の 報復 の 論理 に とらわれて いった 。 いまや 内戦 は 「 正義 なき 戦い 」 と なって 、 殺し 合い が 自己 目的 化 した 感 が 強い 。 「 集団 的な 暴力 信仰 」 の 呪縛 に 陥った 内戦 当事 者 に 理性 の 声 は 通じ にくい 。 米 露 仏 英 独 の 国際 連絡 グループ が まとめた 新 調停 案 も 当事 者 に 拒否 さ れ 、 宙 に 浮いた まま だ 。 その ボスニア 問題 は いま 、 より 深刻な 局面 を 迎えよう と して いる 。 カーター 元 米 大統領 の 奔走 で 今年 一 月 に 発効 した 停戦 協定 は 四 月 いっぱいで 期限 切れ と なる が 、 内戦 当事 者 の いずれ も が 更新 に 否定 的な のだ 。 協定 期間 中 も 戦い は 絶え なかった が 、 一定 の 抑制 効果 は あった 。 この ブレーキ が 外れれば 、 戦闘 の 激化 は 避け られ ない 。 すでに 国連 防護 軍 の 自国 部隊 に 三十 人 を 超す 死者 を 出した フランス で は 、 ボスニア から の 撤退 を 求める 声 が 強まって いる 。 米国 で は 、 イスラム 教徒 主導 の ボスニア 政府 軍 に 武器 支援 を 行って 兵力 バランス を 変える こと が セルビア 人 側 の 譲歩 を 引き出す 早道 だ と の 「 武力 解決 論 」 が 有力に なって いる 。 もし 、 国連 防護 軍 が 撤退 したり 、 ボスニア 政府 軍 へ の 武器 支援 が 始まれば 、 戦闘 の 激化 で 和平 の チャンス は さらに 遠のく だろう 。 それぞれ イスラム 教徒 と セルビア 人 に 親近感 を 持つ トルコ と ロシア が 公然と 内戦 に 介入 して くる 危険 性 すら ある 。 バルカン 半島 は 昔 も 今 も 「 火薬 庫 」 である のだ 。 戦争 を 終わら せる 決め手 を 握る の は あくまで 内戦 当事 者 である 。 だから 彼ら に 呼び掛け たい 。 あなた 方 は 長年 、 ユーゴ 連邦 と いう 同じ 屋根 の 下 で 暮らした 兄弟 民族 で は ない か 。 兄弟 相 打つ 内戦 で 何 を 得た と いう の か 。 チトー 指導 の 下 、 ナチス 軍 を 祖国 から たたき出した パルチザン の 英雄 精神 は どこ に 行った の か 。 家族 が 安心 して 暮らせる 生活 を 取り戻す こと こそ が 「 兵士 」 の 最大 の 任務 で は ない の か 。 欧 米 や ロシア の 指導 者 に も 呼び掛け たい 。 五 月 に 第 二 次 世界 大戦 終結 五十 周年 の 記念 式典 が 開か れる が 、 旧 ユーゴ の 戦火 が 続く 限り 欧州 に 真 の 平和 は ない 。 自由 と 平和 の ため に 手 を 携えて ヒトラー と 戦った 精神 に 再び 息 を 吹き込み 、 民族 紛争 と いう 新たな 敵 に 団結 して 取り組み 、 和平 実現 の 努力 を 強めて ほしい 。 「 みどり の 日 」 に 始まる 連休 に は 大勢 の 人 が 新緑 の 山野 に 繰り出す だろう 。 その 時 、 日本 の 森林 が 抱える 問題 に も ぜひ 、 思い を 寄せて ほしい もの だ 。 日本 の 森林 は 深刻な 問題 を 抱えて いる 。 それ は 、 森林 に 手入れ が 行き届か なく なって いる と いう 問題 だ 。 手入れ を し なければ 、 やがて 森 が 荒れる 。 森 が 荒れれば 、 そこ から 流れ出る 川 も 荒れる 。 森林 荒廃 の 恐れ を 、 国有 林 を 例 に とって みよう 。 日本 の 国土 は 約 七 割 が 森林 で 、 国有 林 は その 森林 の 約 三〇 % 、 国土 全体 の 約 二〇 % を 占めて いる 。 民有林 に 比べて 多く が 奥地 に あり 、 日本 の 自然 環境 の 最も 重要な 部分 を 担って いる と 言って いい 。 国有 林 は 、 特別 会計 の 国有 林野 事業 と して 林野 庁 に よって 経営 ・ 管理 さ れて いる 。 同 事業 は この 二十 年 来 赤字 を 続け 、 累積 債務 は 一九九三 年度 で 約 二兆九千億 円 に 達した 。 ここ 数 年 、 毎年 一千億 円 以上 の 欠損 を 出し 、 経営 改善 の 兆し は 見 られ ない 。 国有 林野 事業 は 、 木材 など 林産 物 の 販売 収入 など に よって 、 造林 、 育苗 、 林道 整備 、 治山 、 森林 保全 など の 事業 を 営む べき もの と さ れて いる 。 しかし 、 自己 収入 だけ で は 事業 支出 を 賄い 切れ ず 、 足りない 分 は 、 一般 会計 から の 支出 と 財 投 から の 借り入れ で 補って きた 。 国有 林野 事業 の 経営 悪化 は 、 まず 国産 材 が 輸入 材 に 対して 競争 力 を 失った ため に もたらさ れた 。 加えて 、 環境 保全 の 機運 の 高まり から 、 国有 林 に 対して は 経済 的 機能 より も 、 自然 環境 や 国土 、 景観 の 保全 と いった 公益 的 機能 が 強く 期待 さ れる ように なった こと に も よる 。 問題 は 、 経営 悪化 の 結果 、 国有 林 の 管理 が おろそかに なる こと である 。 国有 林野 事業 が 今後 も 人員 や 組織 の 合理 化 、 事業 収入 の 増大 に 努め なければ なら ない の は 当然だ が 、 採算 性 に こだわる あまり 公益 的 機能 が 損なわ れて は なら ない 。 国有 林 の 公益 的 機能 の コスト は 、 どのような 形 で 賄わ れる べき か 。 国有 林野 事業 へ の 一般 会計 から の 支出 は 年々 増え 、 九三 年度 に は 事業 支出 の 約 一五 % を 占めた 。 国民 共有 の 財産 を 守って いく ため の 公的 負担 と して 、 これ を 多い と 見る か 少ない と 見る か 。 みんな の 問題 と して 、 考えて みる 必要 が ある 。 国有 林 が 抱える 問題 は 、 実は 日本 の 森林 全体 が 抱える 問題 で も ある 。 国有 林 の 場合 、 森林 を 維持 して いく ため に 必要 最低 限 の こと は 借金 を して でも 行わ れよう が 、 民有林 の 場合 、 採算 が 取れ なければ 放置 さ れる だけ だ 。 事実 、 山村 は 過疎 化 し 、 そういう 森林 が 増えて いる 。 民有林 は 国土 の 半分 近く を 占めて いる 。 民有林 も 国土 や 環境 の 保全 、 水 資源 の かん養 と いった 重要な 公的 機能 を 担って いる 以上 、 それ を 健全に 維持 して いく ため に は 財政 措置 も 含めて 国民 的な 支援 が 必要だ 。 今年 の 林業 白書 に よる と 、 九三 年 の 総理 府 の 世論 調査 で は 六六 % の 人 が 何らか の 形 で 「 森林 づくり に 参加 し たい 」 と 答えて いる 。 実際 、 ボランティア 活動 に よる 森林 作業 へ の 参加 、 「 緑 の オーナー 」 と して の 経営 参加 、 上流 の 山村 に 対する 下流 都市 の 支援 、 企業 の 造林 活動 、 緑 を 守る ため の 基金 と いった 支援 活動 が さまざまな レベル で 生まれて いる 。 国民 一人ひとり が 森林 に 対する 関心 と 認識 を 深め 、 そうした 支援 の 輪 を 大きく 広げて いき たい 。 急激な 円高 を 背景 に 生産 拠点 を 海外 に 移す 動き が 加速 して いる 。 放置 して おけば 産業 の 空洞 化 は 必至であり 、 その 対策 と して 新たな 地平 を 切り開く 「 経済 の フロンティア 拡大 」 が 叫ば れて いる 。 いずれ も 着実に 推進 する 必要 が ある が 、 その 一 つ と して 産業 と 大学 と の ネットワーク 強化 に 注目 し たい 。 産学 協調 は 民間 企業 の ニーズ と 大学 の 研究 を 有機 的に 結び 、 新しい 商品 を 開発 する 方法 と して 世界 的な 広がり を 見せて いる 。 中でも 、 技術 革新 の 著しい エレクトロニクス や バイオテクノロジー の 分野 で は 、 基礎 的な 研究 と 応用 ・ 開発 研究 を 同時 並行 的に 進める 必要 が 強まって おり 、 産学 協調 の 中核 と なって いる 。 通産 省 の 調査 で は 一九九三 年度 、 国立 大学 と 企業 が 行った 共同 研究 は 約 千四百 件 に 達して いる 。 私学 を 含めた 事例 を 見る と 、 実に バラエティー に 富んで いる 。 日本 女子大 と 大手 冷凍 食品 企業 に よる 「 甲殻類 に 含ま れる キチン 質 を 用いた 発がん 抑制 剤 」 。 関西 学院 大 と 中堅 エレクトロニクスメーカー に よる 「 世界 最 高速の 医療 用 半導体レーザー 素子 」 。 北里 大 と 製薬 会社 に よる 「 豚 の 母乳 量 を 増加 さ せる 飼料 」 。 武蔵 工業 大 と 自動車 メーカー に よる 「 低 公害 の 水素 エンジントラック 」 ―― など 注目 さ れて いる 共同 研究 は 多い 。 今 国会 で 成立 した 「 事業 革 新法 」 に は 、 企業 の 革新 を 円滑に する 目的 で こうした 産学 協調 の 推進 策 が 盛り込ま れて いる 。 具体 的に は 通産 、 文部 両 省 が 緊密な 連絡 を 取り合って 、 企業 の ニーズ と 大学 の 研究 シーズ を 結びつけ 、 専門 家 の あっせん を 行う 。 その 研究 、 開発 に は 資金 、 税制 面 など から 優遇 措置 を 講じる ―― など 。 両 省 で は 専門 の 室 を 新設 する など 体制 づくり を 急いで いる 。 こうした 産学 協調 に 疑問 を 投げ掛ける 向き が ない で は ない 。 例えば 、 大学 側 が 産学 協調 に 熱心な の は 、 予算 が 少なく 、 研究 設備 が 劣悪な ため 、 企業 から の 資金 に 頼ら ざる を 得 ない から で 、 産学 協調 が 進めば 基礎 研究 が 一段 と おざなりに なり は し ない か 、 と いう 見方 が ある 。 また 、 特定の 企業 だけ が 大学 と 提携 し 「 産学 の 癒着 」 を 懸念 する 人 も いる 。 しかし 、 こうした 声 は 取り越し苦労 だ と 思う 。 と いう の は 今回 の 政策 は 円高 の 下 で 苦戦 を 続けて いる 企業 、 特に 研究 設備 が 不足 して いる 中堅 、 中小 の 企業 が 大学 と ネットワーク を 作る こと で 、 新 商品 、 新 サービス に 挑戦 する 環境 を 整える こと に 重点 が 置か れて いる 。 この 理念 を 厳守 すれば 問題 は 起き ないで あろう 。 いま 、 日本 経済 は 閉そく 状況 に 陥って いる 。 これ を 打破 する 主体 と して 最も 期待 さ れて いる の は 身軽な 中堅 、 中小 企業 である 。 新しい 感覚 で 大学 と の ネットワーク を 作って ほしい もの だ 。 また 大学 側 も 柔軟な 思考 で 共同 研究 に 応じる べきであろう 。 特に 、 各地 の 大学 は 特色 ある 地方 ニーズ に 応える よう 配慮 して ほしい 。 「 サイゴン 陥落 」 に よって ベトナム 戦争 が 終結 して から 三十 日 で ちょうど 二十 周年 を 迎える 。 小国 ベトナム が 大国 アメリカ を 翻弄 した ベトナム 戦争 は 、 民族 解放 闘争 の 大義 を 国際 社会 に 認め させた と いう 点 で 、 歴史 に 刻ま れよう 。 一九六〇 年 代 初め から 十 年 以上 に 及んだ この 戦争 で 、 ベトナム の 国土 が 破壊 し 尽くさ れた ばかり か 、 おびただしい 血 が 流さ れた 。 しかし 、 ベトナム 戦争 終結 の 三 年 後 に は 、 ベトナム は カンボジア に 侵攻 する 。 ベトナム に 平和 が 訪れる の は 、 八九 年 に カンボジア から の 撤退 が 完了 し 、 九一 年 に カンボジア 和平 協定 が 調印 さ れて から だ 。 ベトナム は 今 、 市場 経済 を 導入 して 開放 経済 を めざす 「 ドイモイ 」 政策 を 、 国 を 挙げて 推進 して いる 。 同 政策 の 成功 で 、 経済 は 急 成長 を 遂げ 、 戦後 復興 が ようやく 軌道 に 乗り始めた 。 外交 面 でも 、 ベトナム は 九一 年 に 中国 と の 関係 を 正常 化 し 、 東南 アジア 諸国 連合 と も 関係 強化 を 図り つつ 、 積極 的な 全 方位 外交 を 展開 して いる 。 今月 に は ド ・ ムオイ 共産党 書記 長 が 韓国 、 日本 を 訪問 した 。 七 月 に は ベトナム は 、 いよいよ ASEAN に 加盟 する 。 残る 最大 の 懸案 は 米国 と の 関係 正常 化 である 。 昨年 二 月 、 米国 は 北 ベトナム 時代 を 含め 三十 年 ぶり に 経済 制裁 を 解除 した 。 今年 一 月 に は 相互 に 連絡 事務 所 を 設置 する こと に なり 、 あと は 正式な 大使 交換 を 残す のみ と いう 段階 に 到達 して いる 。 ド ・ ムオイ 書記 長 は 先 の 訪 日 中 に 「 過去 を 乗り越えて 、 できる だけ 早い 機会 に 米国 と の 関係 正常 化 を 希望 する 」 と 述べて いた 。 一方 の 米国 は 、 過去 の わだかまり から 完全に 抜け切れて い ない 。 ベトナム 戦争 は 米国 に とって 軍事 的 ばかり で なく 、 道義 的に も 勝て なかった 戦争 だった 。 米 国民 は 傷ついた 誇り を なお 取り戻せ ず に いる 。 そんな 国民 感情 が 両 国 間 交渉 の 進展 に 微妙な 影 を 落とし 、 関係 正常 化 へ の ひと 押し を 阻んで いる ようだ 。 私 たち は ベトナム と 米国 が 恩讐 を 超えて 和解 し 、 関係 正常 化 に 進む よう 望んで きた 。 東南 アジア の 平和 と 安定 を 保持 する ため に も 、 米国 と ベトナム と の 早期 関係 正常 化 を 改めて 期待 し たい 。 日本 と の 関係 で は 、 多く の 日本 人 に は 、 ベトナム に 対する 格別の 思い が ある ようだ 。 日本 人 の 気持ち の うえ で 、 ベトナム は 最も 身近な 国 の 一 つ に 数えて も よい だろう 。 そうした 空気 を 反映 して か 、 今 ちょっと した ベトナム ・ ブーム が 起きて いる 。 書店 に は 投資 の 手引 や 観光 案内 など 、 ベトナム 関連 の 新刊 書 が 並ぶ 。 昨年 十一 月 、 日本 と ベトナム を 結ぶ 旅客 直行 便 が 再び 就航 して 以来 、 ベトナム を 訪れる 日本 人 は 増える 一方 と いう 。 急ピッチの 経済 成長 を 実現 して いる と は いえ 、 ベトナム の 一 人 当たり 国民 総 生産 は 約 二百 ドル に 過ぎ ず 、 世界 最貧国 の 一 つ だ 。 豊か さ を 求め 始めた 国民 の 要求 に どう 応える か は 、 ベトナム 指導 部 が 直面 して いる 大きな 課題 だ 。 ド ・ ムオイ 書記 長 が 、 先進 国 の 中 で 最初の 訪問 国 と して 日本 を 選んだ ところ に も 、 日本 へ の 期待 の 強 さ が うかがわ れる 。 ベトナム 戦争 終結 後 二十 年 を 経て なお 復興 途上 に ある ベトナム に 対して 、 日本 は 助力 を 惜しむ べきで は ない 。 福祉 ・ 医療 ・ 保健 に かかわる 人々 の 間 で 「 介護 保険 」 へ の 関心 が 急速に 高まって いる 。 無理 も ない 。 介護 する 人 、 介護 さ れる 人 は もちろん 、 関連 する 職場 に 大きな 変革 を もたらす 新しい 公的 保険 に なる から だ 。 健康 保険 証 を 使って 診療 を 受ける と 同様に 、 寝たきり や ぼけ 症状 の 高齢 者 は 「 介護 保険 証 」 で ホームヘルパー 派遣 や 訪問 看護 を 頼める 。 特別 養護 老人 ホーム など に 入る 場合 も 費用 の 大半 を 保険 で 払える 。 当然 ながら 保険 料 と いう 新たな 負担 を 伴う 。 厚生 省 は 保険 料 と 公費 の 二人三脚 で 財源 の 確保 と 新 制度 の 運営 を 模索 する 。 この システム を 、 同 省 は 一九九七 年度 に も 創設 する 方針 だ 。 まず 厚 相 の 諮問 機関 「 老人 保健 福祉 審議 会 」 で 具体 像 を 描く 作業 に 着手 した 。 医師 会 、 看護 協会 、 健康 保険 組合 など が 次々 に 介護 保険 に 「 総論 賛成 」 の 姿勢 を 明らかに した 。 一方 、 福祉 の 再 構築 と なる だけ に 、 福祉 職場 から は 不安 や 疑問 の 声 も 上がる 。 介護 保険 を 軸 に する 新しい システム が 、 なぜ 必要な の か 。 そこ から 国民 的な 論議 を 深めて いき たい 。 高齢 社会 の 進展 は 推定 二百万 人 の 要 介護 者 を 二〇一〇 年 に は 倍増 さ せる 見込み である 。 だが 、 在宅 福祉 を 進める に も ヘルパー で 見て 、 希望 に 比べ 一 割 程度 の 供給 しか でき ない 。 施設 も 慢性 的に 不足 する 。 福祉 途上 国 ゆえ 、 医療 の 場 に 要 介護 者 が なだれ込む 。 長期 入院 は 三十万 人 に 上り 、 大半 は 帰る 場 の ない 「 社会 的 入院 」 と 見 られる 。 現状 で は 、 量的に 次の 世紀 を 乗り切れ ない 。 それ なら 「 もっと 公費 の 投入 を 」 と の 声 が 起きる 。 確かに 正論 だ が 、 高齢 者 保健 福祉 推進 十 か年 戦略 は 今 年度 から 公費 を 倍増 して 再 出発 した 。 その サービス 基盤 整備 の 上 に 、 どんな 介護 の 体制 を 築く か を 論点 に し たい 。 今 の 福祉 の 骨格 である 「 措置 制度 」 は 、 行政 が 利用 者 の 困窮 度 を 判断 して ヘルパー の 派遣 や 施設 入所 を 決める 。 そんな 社会 的な 弱者 へ 優先 的に 手 を 差し伸べる 使命 は 新 システム も 担わ なければ なら ない が 、 いわば 救急 病院 的な 対応 で は 乗り切れ ない 事態 に なった 。 広く 国民 全体 に 向けて 介護 サービス を 飛躍 的に 高め 、 供給 する 時代 を 迎えた 。 その 認識 を 共有 する こと が 不可欠に なる 。 次に 、 福祉 の 質 を いかに 向上 さ せて いく の か 。 税金 で 払う より 直接に 保険 料 で 払う 方 が 、 介護 サービス を 受ける の は 自分 の 権利 と いう 意識 を 持ち やすい 。 サービス の 供給 量 を 増やせば 、 こんな 在宅サービス を 利用 し たい 、 あの 施設 に 入り たい 、 と 選ぶ 権利 を 得 られる 。 その 中 で 、 供給 側 に は 、 より 手厚い 介護 を 目指す 競争 原理 も 働き始める はずだ 。 こんな 楽観 的な 筋書き に は 、 多く の 反論 や 異論 が ある だろう 。 しかも 制度 設計 は まさに これ から 始まる 。 保険 料 は どの 程度 か 。 何 歳 から 払い 始める の か 。 どんな 介護 サービス を 、 どこ まで 保険 で 賄える の か 。 要 介護 者 の 状態 に よって 保険 に よる サービス 供給 や 現金 支給 に どんな 差 を つける か …… 。 審議 会 ― 法案 作り ― 国会 提出 、 の いわば 「 措置 」 体系 めいた “ 定食 コース ” で は 困る 。 厚生 省 、 関係 省庁 は もちろん 福祉 や 医療 の 団体 、 自治 体 や 労使 も 、 それぞれ に 市民 参加 の 討議 の 場 を 持って ほしい 。 神戸 の ルーツ は 港 である 。 幕末 の 開港 から 約 百三十 年 の 間 、 町 は 港 と ともに 栄え 、 発展 して きた 。 その 神戸 港 が 、 今回 の 地震 で 壊滅 的な 打撃 を 受けた 。 三 カ月 余 の 応急 修理 期間 を 経て 、 五 月 から 本格 復興 の 段階 に 入る 。 「 ミナト 神戸 」 が 、 日本 、 そして アジア の 拠点 港 と して の 地位 を 取り戻せる か どう か 、 今 その 瀬戸際 に 立って いる と 言える 。 神戸 市 の 就業 者 の うち 一七 % が 港 に 依存 し 、 港 関連 の 所得 は 全市 の 三九 % を 占める 。 経済 だけ で は ない 。 世界 の 人 、 情報 、 文化 の 窓口 で も ある 。 港 を 被災 地 復興 の 「 けん引 車 」 と 位置づけ 、 最 重点 で 取り組む よう 国 と 自治 体 に 期待 し たい 。 神戸 港 の 機能 停止 は 、 日本 経済 全体 に も 深刻な 影響 を 与えて きた 。 コンテナ を 主体 に 、 総 取扱 貨物 量 で わが国 最大 の 港 である 。 貿易 関連 企業 は 、 横浜 や 東京 港 へ の 振り替え で 、 物流 コスト の 急騰 に 頭 を 痛めた 。 円高 環境 の 中 で 、 これ ら 企業 の 国際 競争 力 低下 に も つながる 事態 だ 。 日本 から の 部品 供給 が 滞り 、 アジア で の 自動車 生産 ライン が 一 時 止まる など 、 海外 に も 悪 影響 が 及んだ 。 一 日 も 早い 復興 は 、 政府 に とって も 最 重要 課題 である 。 一兆 円 と さ れる 復興 費用 の 、 国費 負担 率 アップ を 含め 、 手厚い 措置 を 望み たい 。 神戸 港 は 、 四 月 末 まで の 応急 的な 修理 で 一八六 バース の うち 一〇七 が 着岸 可能 と なった 。 コンテナ 専用 岸壁 を 含め 、 港 の 機能 の ほぼ 五 割 が 回復 した と いう 。 当初 は 半年 後 と さ れた 目標 を 、 三 カ月 余 で 実現 した 関係 者 の 努力 は 特筆 す べきだろう 。 しかし 、 機能 が 戻って も 、 以前 通り の 船 、 荷物 が 戻る と は 限ら ない 。 現に 入港 する 船 と 荷物 は 震災 前 の まだ 二 割 程度 だ 。 復興 を 待た ず 、 他の 港 、 他の 国 へ 逃げて しまう 例 も あろう 。 港 と 結ぶ 道路 網 の 回復 の 遅れ も 荷主 の 不安 材料 だ 。 だから 、 道路 を 含む 本格 復興 が 急が れる 。 本格 復興 は 、 早くて 二 年 かかる と いう 。 国際 海運 が 日々 激動 する 中 で の 二 年 は 長い 。 その 間 、 政府 と 神戸 市 は 荷主 など に 神戸 港 利用 拡大 の 働きかけ を 強める 必要 が ある 。 復興 に は 、 元 の 神戸 港 の 再生 で は なく 、 魅力 ある 新 港 に 生まれ変わる 発想 が 求め られる 。 まず 「 強い 港 」 が 重要だ 。 国 の 基準 で 神戸 港 の 耐震 性 は B ランク と さ れて きた 。 A ランク の 関東 に 比べ 地震 の 可能 性 が 低い 、 と の 理由 は 既に 破たん した 。 国 が 神戸 の 耐震 性 強化 を 決めた の は 当然である 。 弱く 不安定な 港 に 世界 の 船 は 集まら ない 。 この 数 年 、 アジア で の 拠点 港 競争 は 激化 して いる 。 コンテナ 取扱 量 で 神戸 は 、 香港 、 シンガポール 、 高雄 に 差 を つけ られ 、 釜山 に も 最近 追い抜か れた 。 内外 海運 会社 の 日本 寄港 取りやめ も 続いて いる 。 震災 で 悪 条件 が 加わった 。 港湾 の 稼働 率 向上 や 利用 コスト の ダウン など 、 生き残る ため 取り組む べき 課題 は 多い 。 来るべき 超 大型 コンテナ 船 時代 へ の 対応 は 、 さらに 重要である 。 今 の 倍 近い 五 、 六千 個 積載 の 船 に は 、 水深 の 深い 岸壁 と 水準 の 高い 設備 、 労働 力 が 必要だ 。 香港 など に は 大 水深 岸壁 が ある 。 神戸 は 日本 初 の 一五 メートル 水深 岸壁 を 向こう 三 年 で 五 バース 造る が 、 計画 の 前倒し も 含む 積極 策 を 検討 す べきだ 。 広く 世界 と アジア を 視野 に 入れた 神戸 港 の 復興 が 待た れる 。 日本 の 空港 建設 ほど 、 利用 者 の 負担 に 大幅に 依存 して いる システム は 世界 でも 珍しい ので は ない か 。 よく 引き合い に 出さ れる が 、 国 内 航空 運賃 の 二 割 強 は 、 空港 着陸 料 など 公租 公課 に よって 占め られて いる 。 これ は 外国 の 水準 に 比べて 極めて 高い 。 国 内 航空 運賃 が 高い 原因 の 一 つ は 、 間違い なく 運賃 に 占める この “ 空港 代 ” の せい である 。 日本 の 空港 整備 が 、 計画 的に 進め られる ように なった の は 、 一九六七 年 の 第 一 次 空港 整備 五 カ年 計画 から である 。 以来 、 第 六 次 空整 まで の 三十 年 近く に わたって 、 空港 整備 の 財源 の 多く を 利用 者 負担 の “ 空港 代 ” に 頼って きた 。 言い換える と 、 この システム が 次々 と 新 空港 を 誕生 さ せた 、 と いって も 過言 で は ない 。 だが 、 こうした 空港 建設 システム そのもの が いま 問い 直さ れよう と して いる 。 もっと 国費 を 充当 す べきだ 、 と いう 視点 も その 一 つ である 。 第 一 は 航空 運賃 の レベル そのもの が 諸 外国 に 比べ 高い と いう 批判 が 高まって いる こと である 。 前述 した ように 、 日本 の 空港 整備 が 本格 的に 行わ れる ように なった 六〇 年 代 後半 は 、 航空 機 の 利用 者 そのもの が 少数 であった 。 限ら れた ごく 少数 の エリート が 、 受益 者 負担 の 原則 で 「 未来 の 空港 代 」 まで 負担 さ せ られた と して も 、 これ は 許さ れた であろう 。 だが 現在 の 利用 者 は ごく 一般 の 大衆 であり 、 航空 路 は 鉄道 や 道路 と 同様に 公共 輸送 網 である 。 第 二 に 民間 航空 会社 サイド から も 、 現行 システム へ の 不満 が 極めて 高く なって いる 。 当初 、 航空 会社 も 空港 ネットワーク の 整備 は 、 営業 圏 の 整備 に 直結 する もの と して 、 受益 者 負担 を やむ を 得 ない もの と して きた 。 だが 、 地方 の 空港 整備 が ほぼ 完成 に 近づいて きた 今日 で は 、 空港 建設 費 の ほとんど を 利用 者 の 負担 に 頼る と いう 現行 の 体制 を 変更 す べきだ 、 と 強く 主張 する に 至った 。 利用 客 から も 、 航空 企業 から も 、 批判 に さらさ れて いる 空港 整備 システム だ が 、 こうした 中 で 来 年度 を 初年度 と する 第 七 次 空港 整備 五 カ年 計画 の 検討 が 航空 審議 会 で 始まった 。 空港 整備 の 転換 期 に 当たって 、 私 たち の 考え 方 を 述べて おく 。 まず 、 キーワード を 「 利用 者 」 に 置いて もらい たい 。 当然の こと ながら 、 議論 の 原点 を 「 利用 者 」 に 求める こと に よって 、 検討 の 道筋 を 見つける こと が 容易だ 。 例えば 、 首都 圏 の 容量 不足 は いまさら いう まで も ない が 、 同時に 国 内 ・ 国際 線 の 乗り継ぎ が 出来 ない 。 首都 圏 に 住んで いる 利用 者 は 、 案外 気づか ない が 、 これ は 大変 不便な こと だ 。 成田 空港 を 利用 する 日本 人 の 約 三〇 % は 、 首都 圏 以外 に 住んで いる 人 たち だ 。 最近 、 地方 空港 から の ソウル 便 が 目立つ 。 地方 自治 体 サイド で は 、 地方 空港 の 国際 化 と 喜んで いる が 、 マクロ 的に 見る と 、 むしろ 悲しむ べき 現象 と も いえる 。 ソウル の 金浦 空港 が 「 国 内 ・ 国際 線 乗り継ぎ 」 の 機能 を 果たして いる と 言える から だ 。 その 意味 で 成田 の 拡張 工事 、 羽田 の 三 期 工事 の 完成 を 前提 に し ながら 、 なお 次 世代 の 首都 圏 空港 の 具体 的 検討 が 必要に なろう 。 さらに 、 拠点 空港 整備 は 、 ナショナルプロジェクト と して 位置付け 、 大幅な 国費 の 投入 が 「 利用 者 優位 」 の 視点 である こと を 強調 して おく 。 南沙 諸島 問題 が キナ臭 さ を 増して いる 。 香港 の 中国 系 雑誌 が 、 中国 側 の 度重なる 警告 が 無視 さ れる なら フィリピン と の 一 戦 も あり 得る 、 と の 文章 を 掲載 したり 、 中国 の 軍事 専門 誌 が 南沙 の 領有 権 を めぐり 「 局地 戦 もしくは 武力 衝突 の 可能 性 が 高まって いる 」 と 警告 して いる から だ 。 東南 アジア 諸国 連合 諸国 の 軍 首脳 が 四 月 に マニラ で 開いた 非公式 協議 でも 、 最悪の 場合 、 中 越 間 で 局地 的な 軍事 衝突 が 再発 する 可能 性 が ある と の 見方 で 一致 した 、 と 伝え られる 。 このような 不気味な 予測 を 現実 の もの に して は なら ない 。 南沙 諸島 自体 は 南 シナ 海 に 浮かぶ 二百 余り の 小さな 島しょ や 岩礁 、 砂州 に すぎ ない が 、 付近 の 海底 に 中東 並み の 豊富な 石油 資源 が 眠って いる と み られて おり 、 中国 ・ 台湾 、 ベトナム 、 フィリピン 、 マレーシア 、 ブルネイ が すべて 、 あるいは 一部 の 領有 権 を 主張 して 争って きた 。 今回 の 最新 の 紛争 は 、 南沙 諸島 の 一部 で 、 フィリピン が 領有 権 を 主張 して いる カラヤアン 諸島 内 の パンガニバン 礁 に 中国 当局 が 「 漁民 の ため の 避難 用 施設 」 を 建設 した の が きっかけ だった 。 両 国 は 三 月 に 北京 で 外務 次官 級 協議 を 開き 、 平和 的に この 問題 を 解決 する と いう 原則 で は 一致 した が 、 実質 的な 進展 は なかった 。 その 一方 で は フィリピン 軍 が ミスチフ 礁 周辺 の 岩礁 に 中国 側 が 設置 した 標識 を 次々 に 爆破 したり 、 付近 で 操業 して いた 中国 漁船 を だ捕 し 、 六十二 人 の 中国 漁民 を 不法 操業 で 起訴 する など の 実力 行使 に 出て いる 。 私 たち は ミスチフ 礁 事件 が 起きた 時 、 中国 に 対して 現状 を 変え ないで 平和 的 解決 に 努力 す べきだ と 訴えた が 、 フィリピン 側 の 対応 も 穏当で は ない と 考える 。 国力 の 大小 に かかわら ず 、 関係 諸国 は 実力 行使 を 控え 、 あくまでも 話し合い に よって 、 問題 解決 の 糸口 を 見つける べきだ 。 これ まで も 指摘 した ことだ が 、 領有 権 主張 が 複雑に 絡み合う 南沙 問題 で は 「 論争 を 棚上げ し 、 資源 を 共同 開発 する 」 と いう 中国 案 が 最も 現実 的な 解決 方法 であろう 。 中国 が この アイデア を より 具体 的な 提案 に まとめて 関係 諸国 に 提示 する よう 、 もう 一 度 要望 して おき たい 。 第 二 次 大戦 直後 から 南沙 最大 の 太平 島 を 占領 、 領有 権 主張 で は 中国 と 同一の 立場 を 取る 台湾 が やはり 最近 「 論争 棚上げ 、 共同 開発 」 を 提案 して いる こと に も 注目 し たい 。 共同 開発 に 先例 が ない わけで は ない 。 タイ と マレーシア が 領有 権 主張 が 重なり合う 海域 で 海底 資源 の 共同 開発 に 合意 して いる 。 各国 が 知恵 を 絞り 、 アイデア を 出し合う べきだ 。 四 月 初め に は 中国 の 杭州 で 中国 と ASEAN 諸国 が 南 沙 問題 で 初 の 非公式 外務 次官 級 協議 を 開いた 。 やはり 南沙 問題 の 平和 的 解決 、 武力 不 行使 の 原則 を 確認 した だけ に 終わった が 、 悲観 する こと は ない 。 このような 原則 を 確認 する だけ でも 武力 行使 の 抑止 効果 が 期待 できる から だ 。 また 一貫 して 二 国 間 協議 に よる 解決 を 主張 、 多 国 間 協議 を 拒否 して きた 中国 が 、 たとえ 非公式に せよ ASEAN と の 協議 に 応じた こと は 一 歩 前進 だ 。 中国 は 七 月 の 第 二 回 ASEAN 地域 フォーラム で 南沙 問題 を 討議 する こと を 拒否 して いる が 、 今回 と 同様 、 非公式 協議 の 形 を とる こと も できる 。 話し合い を 続ける こと が 何より も 大切だ 。 五 月 は 重たい 月 である 。 この 日 の 近づく たび に 新聞 は 憲法 を 読み 直し 、 平和 を 考えて きた 。 再 軍備 の 始まった とき 、 日 米 安保 改定 の とき 、 ベトナム 戦争 の とき 、 沖縄 返還 の とき 。 憲法 論議 は 一段 と 高まった 。 最近 で は 湾岸 戦争 が 記憶 に 新しい 。 いずれ も が 憲法 第 九 条 の 「 戦争 の 放棄 」 に かかわって いた 。 中でも 警察 予備 隊 から 保安 隊 、 さらに は 自衛 隊 へ と 膨張 する 再 軍備 を めぐって 、 新聞 は 最も 揺れた 。 いまさら 繰り返す まで も ない が 、 憲法 の 原案 が 日本 を 占領 して いた 連合 国軍 総 司令 部 に よって 書か れた の は 歴史 の 事実 である 。 その 憲法 の 成立 過程 を 、 新聞 が 十分に 国民 に 伝え なかった こと も 本当である 。 憲法 の 是非 を 論じる こと は 、 GHQ に 封じ られて いた 。 にもかかわらず 憲法 の 意図 する ところ を 国民 が 支持 し なかった か と いう と 、 そう で は ない 。 詳述 を 避ける が 、 戦争 放棄 に 限って いう なら 、 当時 の 政府 や 国民 は あっさり と これ を 受け入れた 。 半 世紀 に わたる 戦争 に 次ぐ 戦争 に 、 うんざり して いた から である 。 新聞 は 当時 、 戦争 放棄 を 熱烈に 歓迎 した 。 私 たち の 先輩 は その 理念 に 酔った 。 自衛 の 戦争 だの 正義 の 戦争 など は 、 この世 に あり 得 ない と いう 全く 新しい 世界 に これ から 船出 して 行く のだ 、 と 。 だからこそ 憲法 が 提出 さ れた 国会 で 、 当時 の 吉田 茂 首相 は 「 全 世界 の 平和 愛好 国 の 先頭 に 立って 、 世界 の 平和 確立 に 貢献 する 決意 を まず この 憲法 に おいて 表明 し たい 」 と 演説 、 満場 の 拍手 を 浴びた のだった 。 それ は 日本 政府 の 、 日本 国民 の 偽ら ざる 気持ち だった と 思う 。 だが 、 この 高く 掲げ られた 理想 は 冷戦 の 深まり と ともに 、 次第に ゆがんで いった 。 理想 の 堀 が 一 つ 、 また 一 つ と 埋め られた とき 、 国民 は どう した か 。 あれほど 熱狂 した 新聞 は 何 を して いた か 。 理屈 を こねて 肥大 化 する 再 軍備 に 新聞 は 抵抗 した 。 少なくとも 縮刷版 を 読む 限り 、 そう 言える 。 が 、 為政者 を 激しく 非難 する 一方 で 、 自ら は 安全な ところ に 置いて いる 、 そんな 手軽 さ も 読む 人 に よって は 垣間見る こと も できる 。 もちろん 先輩 たち に も 、 言い分 が あろう 。 米 ソ 対立 の 中 で 、 有無 を 言わ せ ぬ 重圧 の 下 で 、 憲法 を 変える か 、 不合理な 解釈 改憲 に 身 を ゆだねる か の 選択 を 迫ら れた とき 、 後者 を 選ば ざる を 得 なかった 。 建前 主義 に 逃げ込んだ の も 、 平和 憲法 を 守る ため の 次善 の 策 だった 、 と 。 別の 選択 が あった か と 迫ら れれば その 場 に い ない 私 たち は 黙さ ざる を 得 ない 。 が 、 それ は 解釈 改憲 を 追認 し 、 憲法 の なし崩し を 許した と の 批判 を 生んだ 。 そこ から 「 あいまいな 日本 」 の 傷口 が 広がった と も いえる 。 その 傷口 に 現実 と いう “ 塩 ” が 、 すり込ま れた 。 最初 は 痛 さ に のたうち 回った 新聞 も 、 やがて その 痛み を 自分 の それ と 感じ なく なった 。 そこ へ 塩 なら ぬ 刃物 が 押し当て られた 。 国民 は 跳び上がった 。 新聞 は うろたえた 。 湾岸 戦争 である 。 この 戦争 で 日本 および 日本 人 は 、 欧 米 先進 国 から 取り残さ れた ような 孤立 感 を 味わった 。 欧 米 の マスコミ は 日本 を 、 戦争 を 起こした イラク と 同様 「 敗者 組 」 に 突き落とした 。 国民 一 人 当たり 一万 円 も の 増税 を して 百三十億 ドル の 財政 支援 を した のに “ 小切手 外交 ” と 冷笑 した 。 対応 の まず さ に “ 平和 ぼけ ” の 自ちょう も 国 内 に 生んだ 。 「 カネ だけ で なく ヒト も 。 ヒト なら 自衛 隊 を 」 と 迫る 政府 に 、 新聞 も 「 このまま で は いけない 」 と 、 もだえ 苦しんだ 。 戦争 終結 間 も ない 一九九一 年 の 憲法 記念日 に 、 私 たち は 「 平和 憲法 に 弱い 面 、 もろい 面 が ある ならば 、 それ を 直視 する こと を 避けて は なる まい 。 むしろ 、 その ため に こそ 、 どんなに 苦しく 難しく と も 論議 を 深め 、 難問 を 乗り越えて いか ねば なら ない 」 と 書いた 。 苦しみ 、 深めた 議論 の 結果 は 、 いずれ 示さ ねば なる まい 。 今 私 たち の 前 に 二 つ の 道 が ある 。 一 つ は そもそも の 出発 点 が 間違って いた と する 道 。 戦争 は 現に 存在 する 。 国連 は 頼り に なら ず 、 世界 政府 の 実現 は 夢のまた夢 。 ならば 憲法 を 現実 に 合わせる べきで は ない か 、 と 。 もう 一 つ は 出発 点 は 、 実は ゴール である と する 道 。 憲法 は 私 たち が 、 主体 的に 勝ち取った もの で は ない 。 確かに その 理想 に 胸 を 躍ら せた けれど 、 私 たち が 苦しみ 抜いて 編み出した もの で は なかった 。 だから 「 これ が 現実 だ 」 と 突きつけ られる と 、 腰砕け に なった 。 しかし 目指す ところ は 間違って い ない 。 だから 理想 の 灯火 だけ は 残して おこう 。 そして それ に 一 歩 々々 近づいて 行こう 。 どんなに 回り道 を して も 。 私 たち は 過去 の 傷口 を 再 切開 して 見据え つつ 、 後者 の 道 を 選び たい 。 平和 は ただ 唱えて いれば 手 に 入る もの で は ない 。 平和 を 守り 、 維持 して いく こと は 、 戦争 へ 国民 を 鼓舞 する より も 、 ずっと 難しい だろう 。 理論 に おいて も 、 行動 に おいて も 。 私 たち に いま 求め られて いる の は その 平和 へ の 戦い である 。 先輩 を 非難 する こと に なる が 、 これ まで の 新聞 は 過激な 主張 を し ながら 、 実態 と の すき間 に 目 を つむり がちだった 。 これ から の 私 たち は 、 柔らかな 理論 の 中 に 、 堅固な 信念 を 秘め 、 だれ も が 納得 できる 言説 を 展開 して いき たい 。 戦後 五十 年 目 の 憲法 記念日 を 新たな 出発 点 と して 。 ちょうど 十 年 前 、 「 戦後 四十 年 」 と いう 区切り に 当たって の 総括 が 、 わずか ながら 行わ れた もの だ が 、 当時 の 西独 側 から みた 「 日本 の 戦後 四十 年 」 論 の 一 つ に 、 こんな 指摘 が あった 。 「 日本 全体 を 覆う 上滑り の 楽観 主義 の 中 に 埋没 して いる 」 …… 。 「 日本 は 、 過去 の 歴史 と の 折り合い を つけ やすい 体質 を もって いる 。 また 自ら 、 折り合い を つけ やすく して しまって も いる 」 …… 。 とにかく 、 歴史 の 反すう に 縁 が 薄い の が 、 この 日本 な のである 、 と の 体質 は 認め ざる を 得 まい 。 残念 ながら 、 その 上滑り の 楽観 主義 や 、 歴史 の 重 さ に 鈍感な ツケ は 、 偶然 か 必然 か 、 その後 十 年 を 経た 戦後 五十 年 に して 一挙に さまざまな 形 で 噴き出た 。 政治 の 漂流 化 、 経済 の 長期 不振 、 かつて ない 社会 不安 の 現出 と ―― 。 憲法 を 取り巻く 情景 も 、 そうした 構図 の 例外 で は ない 。 過去 の 戦争 に 対する 責任 と 謝罪 、 戦後 処理 など を めぐって 、 歴史 認識 の 違い と いう 従来 の 姿 に 加え 、 世代 間 の 受け止め 方 の 違い が 、 かつて なく 増大 した こと が 、 ここ 数 年 来 の 特徴 だろう 。 例えば 、 歴史 認識 に も かかわる 従軍 慰安 婦 へ の 補償 問題 で は 、 若手 官僚 ほど 、 すでに 国 と 国 と の 間 で 条約 上 決着 済み で は ない か 、 と いった 感覚 が 強い と 聞く 。 こうした 傾向 を 本社 世論 調査 で の 憲法 状況 に 見る と 、 「 解釈 が 分かれる 条文 を はっきり さ せた 方 が よい 」 と 割り切る 理由 を 改正 論 の 論拠 に あげる 率 が 、 二十 、 三十 、 四十 代 に 急増 し 、 五十 代 以上 の 感覚 と 際立った 違い を うかがわ せて いる 。 だが 、 憲法 の 体現 化 と いう 課題 で は 、 例えば 、 過去 に 戦争 を 体験 した か 否 か 、 と いう 次元 の 世代 間 の 単なる 格差 は 、 憲法 感覚 を 測る 物差し で は 決して ない 。 過去 の 苦しい 悲しい 体験 と 歴史 ―― それ の 加害 者 と 被害 者 の 両面 で ―― から 学ぼう と する 姿勢 を 持って いる か 持た ない か 、 それ が 憲法 に 対する 感覚 や 認識 の 中身 に も 大いなる 違い を もたらす はずである 。 現行 の 憲法 も 、 この世 に 出て から 間もなく 五十 歳 と いう 年輪 を 重ねる こと に なる 。 人間 で いえば 、 体 の 調子 に も 変調 が 出始め 、 そろそろ 、 老い の 時期 へ の 入り口 に さしかかる 。 骨格 は しっかり して いて も 、 環境 の 激変 に 身体 が ついて いけ なく なった 状況 も なし と し ない 。 だが 、 現実 と 合わ なく なった から 、 骨格 なり 輪郭 なり を 、 すぐ 変えて しまおう と いう に は 、 この 五十 年 は あまりに も 、 憲法 の 理念 を 心 と 身体 の 両面 で 具現 化 して いく 努力 を 怠った まま に 過ごして きた 。 環境 の 激変 に も 、 「 自信 が ある 身体 」 に 安住 する ので は ない 。 さりとて 、 現状 を 追認 し 、 短絡 的に 現実 の 姿 に 合わせる ので も ない 。 日本 の 将来 の 輪郭 に 対する 構想 力 を じっくり と 組み立て 、 広範な 模索 の 中 で 論議 する こと こそ 、 「 老境 」 の 時期 に さしかかって きた 憲法 に 必要な カンフル 剤 で は ない か 。 「 軍備 の 非合法 化 」 を 規範 と して メッセージ に 込めた と も いえる 平和 憲法 は 、 国際 的 共生 の 価値 を 実現 さ せる ため の 手段 、 と いう 視点 が やや 弱い の は 確かだ 。 と いって 、 あわてる こと は ない 。 地球 規模 の 環境 保全 、 人口 、 食糧 、 エネルギー 、 難民 と いった 来 世紀 に かけて の 難問 解決 へ 、 日本 の 特性 を 生かした 貢献 の 在り 方 に 英知 を 結集 する こと である 。 その ノウハウ も 、 国 と して 、 組織 と して 、 と いった 次元 の 前 に 、 かけがえのない 個人 の 自由 と 生存 と いう 次元 から 出発 して 、 国 や 社会 の 理念 を 考える 、 と いう 原点 に 返る とき な のだ 。 国際 的 共生 へ の 方策 が 「 ポスト 戦後 五十 年 」 の 憲法 状況 の 主軸 の 一 つ だ と すれば 、 憲法 の いう 理念 、 規範 を どこ まで 柔軟に ときほぐす の か 、 が 問わ れる 。 その 場合 、 どこ まで ときほぐす か 、 の 限界 線 を 決める の は 、 まぎれ も なく 、 憲法 の 理念 に 対して 個人 一人ひとり が 抱く 健全な 判断 力 や 確信 力 である から だ 。 こうした 道 は 、 一人ひとり に とって 、 実は 多く の 場合 、 大変 厳しく 、 悩ましい 場面 に 突き当たる 。 本当に 開か れた 国 に する 気 が ある の か 、 冷戦 後 の 地域 紛争 を 、 本当に 自分 たち の 問題 と して とらえる こと が できる の か 、 軍縮 を 本当に 支持 する 気 が ある の か 、 環境 、 難民 、 病気 と いった 国際 的な 難問 解決 に 本気で 取り組む の か 。 こうした 課題 を 前 に して 、 身 を よじり 悩みぬいた 末 の 行動 で しか 、 憲法 の 体現 化 に よって 日本 の 輪郭 を より 強固に 、 鮮明に 描く こと は 不可能な ので は ない か 。 そして 、 憲法 の これ から の 世紀 は 、 敗戦 に よって 、 あっけない ほど スムーズに 民主 主義 や 自由 を 受け入れた の は 、 長い 物 に まか れて しまう 国民 性 の ため で は なく 、 実は 明治 維新 以来 、 こうした 新しい 価値 に 呼応 する 下地 が 、 人々 の 懐 の 奥 に 内在 して いた のだ 、 と いう 証明 が 出来る か どう か 、 問わ れる こと に なる だろう 。 二 年 近く 続け られて きた 「 日 米 自動車 分野 協議 」 は 、 ついに 決裂 した 。 今後 、 米 政府 は 通商 法 三〇一 条 に よる 制裁 リスト を 公表 し 、 日本 側 は 世界 貿易 機関 へ の 提訴 で 対抗 、 舞台 は 多 国 間 協議 に 移る 。 決裂 の 原因 は 、 米 側 が 自動車 部品 の 自主 購入 計画 の 上積み に 固執 した こと に ある 。 自動車 分野 の 不均衡 是正 の 手段 と して 、 購入 目標 の 設定 が 有効である こと は 分かる が 、 それ は 政府 権限 の 範囲 外 に ある こと も 自明である 。 交渉 は 政府 権限 の 範囲 内 が ルール の はずだ 。 通産 省 は これ まで 米国 の 要請 に 従い 、 業界 に 対する 介入 や 指導 を 減らし 、 管理 貿易 と 決別 して きた 。 今回 の 自動車 交渉 でも 、 日本 市場 へ の 参入 で 、 ディーラー 網 の 拡大 や 、 自動車 の 補修 部品 の 規制 緩和 要求 は 、 市場 開放 の 流れ に 沿う もの である 。 ところが 、 「 自主 購入 計画 の 上積み 」 を 迫る の は 、 管理 貿易 へ の 逆行 を 強要 する に 等しい 。 しかし 、 日本 側 も 対 米 貿易 不均衡 が 改善 し ない こと へ の 反省 が 必要である 。 自動車 分野 の 巨額な 黒字 も 問題 だ 。 黒字 削減 目標 を 掲げる と か 、 不 採算 輸出 を やめる と か 、 より 抜本 的な 措置 を とる べきだ 。 行き 過ぎた 拡大 志向 の 後始末 に は 、 困難 さ が 伴う が 、 それ は 避け られ ない 。 日 米 自動車 問題 が 、 WTO の 多 国 間 の 紛争 処理 手続き の 審判 を 仰ぐ こと に は 賛成 である 。 日 米 と いう 世界 一 、 二 位 の 経済 大国 の 衝突 を 裁く の は 、 WTO に とって も 試練 だろう が 、 成功 すれば WTO の 権威 の 確立 に つながる だろう 。 最も 警戒 す べき こと は 、 今回 の 亀裂 を 日 米 の ほか の 分野 に 波及 さ せ ない 配慮 である 。 国民 の 感情 的な 対立 を あおる ような 言動 は 、 厳しく 避け ねば なら ない 。 日 米 関係 は 国際 政治 、 世界 経済 、 地球 環境 と いった グローバルな 分野 の いずれ を とって も 、 極めて 重要である 。 日 米 関係 を 犠牲 に して 得る もの は 少なく 、 それ に よって 失う もの は 計り知れない 。 米 政府 が 通商 交渉 で 、 通商 法 三〇一 条 の 一方的 措置 を 発動 した ケース は 過去 に 多い 。 欧州 の ように 、 対抗 措置 を とって 、 制裁 合戦 に 発展 した 場合 も ある 。 先 の 米 中 の 知的 所有 権 交渉 で は 、 中国 が 米国 の 制裁 リスト の 公表 と 同時に 、 対抗 措置 リスト を 発表 して いる 。 日本 も 今回 の 経済 紛争 に は 、 ビジネスライクに 、 淡々と 臨む の が 好ましい 。 交渉 決裂 が 円高 に 跳ね返ったり すれば 、 感情 論 も 生まれよう が 、 対立 を エスカレート さ せ ない 慎重な 配慮 が 望ま れる 。 米 政府 が 強要 した 「 数値 目標 」 は 、 米国 内 で 不評 を 買い 、 クリントン 政権 の 減点 と なった 。 「 自主 購入 計画 の 上積み 」 に 対して 、 米 議会 の リーダー から 、 反対 論 も 出て いる 。 日 米 貿易 不均衡 の 改善 で 、 日本 側 は もっと 知恵 を 出さ ねば なら ない 。 アラスカ 原油 は 、 国際 相場 と 比べ かなり 割高だ が 、 長期 契約 など の 工夫 を して 、 大量に 輸入 すれば 、 黒字 削減 に かなり 役立つ はずだ 。 円高 に よる 国 内 産業 へ の 打撃 を 緩和 する ため 、 貿易 で ドル建て の 取引 を 減らし 、 円 市場 の 国際 化 を 加速 する こと も 重要だ 。 短期 的に は 円 需要 が 増えて 、 円高 に 動く が 、 長期 的に は 落ち着く 。 ここ まで 円 の 価値 が 上昇 した のだ から 基軸 通貨 の 一角 を 目指す べきだ 。 二 日 から 訪 中 して いた 村山 富市 首相 が 六 日 帰国 した 。 ゴールデンウイーク を 利用 して か 、 それとも 便乗 して か は 分から ない が 、 古都 ・ 西安 に 足 を 延ばしたり 、 上海 を 見学 したり の 結構な 旅 だった ようだ 。 この ゴールデンウイーク に は 、 約 半分 の 閣僚 が 外遊 した 。 サリン 事件 の 国民 的 不安 が 解決 さ れて い ない のに 、 など と 不満 を 述べる つもり は ない 。 国際 会議 も あろう し 、 見聞 を 広める こと も 必要だろう 。 ただ 、 日 中 首脳 会談 の 報道 を 見て いる 限り 、 首脳 外交 って 、 なに ? と 考え込んで しまった 。 「 大きな 懸案 は ない 。 気楽な 旅 に し たい 」 と 政府 が 事前 に 言って いた ように 、 今回 の 訪 中 に は これといった 課題 が あった わけで は ない 。 ある と すれば 八 月 十五 日 の 戦後 五十 年 を にらんだ 政治 的 思惑 だけ だった 。 首相 サイド から すれば 、 国会 で 不戦 決議 を 果たし 、 それ を 踏まえて の 訪 中 で 「 未来 志向 の 日 中 関係 」 を うたい上げ たかった に 違いない 。 しかし 自民党 の 一部 が 決議 に 反対 、 指導 力 の ない 首相 に は 閣 内 を まとめて 連立 政権 を 引き締める 力 も なく 、 結局 何も でき ない まま の 訪 中 と なった 。 その 埋め合わせ の ように 日程 に 追加 さ れた の が 日 中 戦争 の 発端 と なった 盧溝橋 の 訪問 だった 。 ケガ の 功名 と いう べき か 、 今回 の 訪 中 で 日 中 双方 の 報道 機関 に 大きく 取り上げ られた の が 、 この 盧溝橋 訪問 だった 。 新聞 用語 で いえば 社会 面 の 雑感 に すぎ ない この 出来事 が ニュース の 中心 に 座った ところ に 、 今回 の 訪 中 の 置か れた 位相 が 分かろう と いう もの である 。 首脳 同士 の 意見 交換 が 不要だ と いう ので は ない 。 日 米 に 比べれば 日本 と アジア 諸国 の 首脳 同士 の 接触 は 、 まだ 少ない 。 相互 に 訪問 し 合う こと は その こと だけ でも 意味 が ある 。 が 、 問題 は 中身 である 。 村山 首相 と 李 鵬 中国 首相 と の 会談 は 、 報道 を 見る 限り 「 御 用聞き 」 の 感 が ぬぐい 切れ ない 。 台湾 問題 で は きつい 注文 を つけ られ 、 対 中 借款 で は ムシ の いい 要請 を 受けた 。 日本 から 持ち出した 中国 の 核 実験 問題 で は 「 実施 し ない よう 配慮 を 」 懇請 した に も かかわら ず 、 無視 さ れた 。 返事 も して くれ なかった のである 。 それ なら 再度 尋ねれば よい だろう に 、 そう し なかった 。 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 の 核 開発 問題 に して も 中国 側 の 答え は これ まで 何度 も 聞か さ れて きた もの で 、 日 中 双方 が 突っ込んで 話し合った フシ も なかった 。 外務 省 は 首脳 会談 が 二 時間 五十 分 と 、 予定 を 大幅に 超えた こと を 宣伝 して いる 。 まさか よもやま話 に 花 を 咲か せて いた わけで は ある まい 。 それとも 国民 に 発表 でき ない 重要な 協議 で も あった と いう のだろう か 。 首脳 会談 に は 、 それなり の 首脳 の 識見 と 、 相手 を して 耳 を 傾け させる 信頼 が 不可欠だ 。 信頼 の 源 は 、 いう まで も なく 首脳 の 内外 に おける 政治 力 である 。 中国 首脳 の 応答 を 見て いる と 、 すっかり 日本 の 足元 を 見透かして いた ような 気 が する 。 一 月 の 米国 訪問 の とき も そう だった 。 外務 省 の おぜん立て に 乗った 、 まるで 手軽な ファストフード の ような 首脳 外交 ばかり 見せつけ られる と いい加減に 食傷 気味に なる 。 外務 省 も 首相 を 引っ張り出す 以上 もっと 真剣に 味付け を す べきだ 。 もっとも 同 省 自身 が ファストフード 好み に 陥って いる なら 論外だ が 。 阪神 大 震災 から 百 日 以上 が 過ぎた 。 ビル や 家屋 の 解体 ・ 撤去 が 進み 、 復興 は 軌道 に 乗った か に 見える 。 しかし 復興 作業 の 陰 で 、 アスベスト 、 野焼き 、 粉じん など に よる 健康 被害 を 懸念 せ ざる を 得 ない 大気 汚染 の シグナル が 出て いる 。 環境 庁 は 、 被災 七 市 一 町 で 、 二 回 に わたり 大気 中 の アスベスト 濃度 を 測定 した 。 その 結果 、 十七 地点 の うち 、 八 地点 で 前回 の 濃度 を 上回り 、 都市 地域 で は 、 全国 平均 濃度 より 八 倍 も 高かった 。 数値 的に は 、 大気 汚染 防止 法 の 基準 を 下回り 、 「 直ちに 健康 へ の 影響 が 問題 と なる レベル で は ない 」 と して いる が 、 「 全く 心配 ない 」 と 言い切れる のだろう か 。 アスベスト は 、 肺がん の 原因 に も なる 危険な 物質 だ が 、 吸い込んで 、 「 直ちに 」 発症 する わけで は ない 。 将来 を にらんで 、 慎重 の 上 に も 慎重に 対応 す べきである 。 ビル の 解体 ・ 撤去 は 、 これ から も 当分 続く 。 アスベスト 濃度 が さらに 高まる こと も 十分 考え られる 。 県 や 市 は 、 解体 業者 に 対し 、 アスベスト の 事前 除去 、 シート に よる 工事 現場 の 囲い込み 、 解体 前 の 届け出 を する よう 指導 して いる 。 ここ で 肝心な の は 、 指導 が どれ だけ 確実に 実行 さ れて いる か 、 厳しく チェック する こと だろう 。 解体 中 に 思わぬ 所 から アスベスト が 見つかる こと も ある 。 指導 を 軽視 する 業者 も ない と は 言え まい 。 解体 現場 の 巡回 や 指導 の 実行 の 確認 を 一層 強化 して もらい たい 。 また 、 大気 環境 モニタリング 調査 を 長期 的 、 かつ 定期 的に 実施 し 、 データ を 公表 する こと は 、 市民 へ の 当然の 義務 である 。 全 半壊 した 建物 の 取り壊し で 出る 廃材 、 がれき の 量 は 兵庫 、 大阪 両 府県 で 約 千四百万 トン に 上る 。 三 カ月 を 経て 、 処理 できた の は 、 この うち の 三〇 % 程度 に 過ぎ ず 、 各 自治 体 が 処理 に 悪戦 苦闘 して いる 事情 は 今 も 変わら ない 。 震災 直後 は 、 各 市 と も 廃棄 物 処理 法 違反 を 承知 の 上 で 、 緊急 避難 的に 廃棄 物 を 野焼き して いた 。 それぞれ に 、 やむ を 得 ない 事情 が あった に せよ 、 兵庫 県 が 野焼き の 中止 を 指導 した の は 妥当な 措置 だ と 言えよう 。 西宮 など 三 市 の 野焼き 現場 近く を 調査 した 学者 グループ は 、 発がん 性 の ある ホルムアルデヒド 、 猛毒 の シアン化水素 、 粘膜 を 傷める 塩化 水素 など 多く の 有害 物質 を 検出 した 。 のど や 目 の 痛み 、 ぜんそく の 悪化 を 訴える 市民 も 多い 。 現在 は 、 一部 の 市 を 除いて 野焼き を 中止 して いる 。 焼却 炉 の 建設 に は 数十億 円 の 費用 と 約 三 カ月 の 日数 が かかる と は いえ 、 震災 後 百 日 を 過ぎて なお 大気 汚染 を 続ける こと を 正当 化 できる もの で は ない 。 野焼き は 、 即刻 中止 して もらい たい 。 復旧 工事 現場 の 粉じん も 問題 だ 。 防じん マスク で の 自衛 に も 限界 が ある 。 これ から 気温 が 上がり 、 窓 を あける 機会 が 多く なる と 、 粉じん は 、 さらに 深刻な 悩み と なる だろう 。 工事 を 急ぐ 業者 が シート で 囲わ ず に 突貫 工事 で 解体 して いる こと が 粉じん を 多く して いる 。 貝原 俊民 知事 は 「 三 年 後 に 神戸 を 一 月 十七 日 以前 の 状態 に する 」 と 語った 。 復興 を 急ぎ 「 目標 は 達成 した が 多く の 人 が 病んだ 」 と したら 復興 の 喜び は 半減 する に 違いない 。 フランス の 新しい 顔 は 、 シラク 氏 に 決まった 。 十四 年 に 及んだ ミッテラン 社会 主義 政権 に ピリオド が 打た れ 、 仏 国民 は 保守 の シラク 大統領 に 政策 運営 を 託す 。 ドイツ と ともに 欧州 統合 を 担う 仏 の 新 リーダー の 、 二十一 世紀 へ 向けて の かじ取り に 注目 し たい 。 左翼 の シンボル 、 赤い バラ を 手 に 一九八一 年 登場 した ミッテラン 大統領 誕生 時 の 衝撃 と 新鮮 さ は 、 今回 の 政変 に は ない 。 冷戦 と イデオロギー 時代 の 終焉 、 内外 政策 を めぐる 左右 対立 の 不鮮明 が その 背景 に あり 、 国際 情勢 の 変化 を 改めて 感じ させ られる 。 勝利 を 決めた 七 日 夜 、 シラク 氏 は 「 まず 失業 者 、 社会 的 弱者 の 救済 に あらゆる 努力 を する 」 と 語った 。 新 大統領 に とって 、 最大 の 課題 は 経済 立て直し に ある 。 失業 問題 に 苦しむ 欧州 諸国 の 中 でも 仏 の それ は 特に 深刻だ 。 ミッテラン 政権 下 で 失業 者 は 倍増 、 昨年 末 に は 約 三百三十万 人 、 失業 率 は 一二 % を 超えた 。 失業 の 増大 を 背景 に 犯罪 増加 など 社会 問題 も 生じ つつ あり 、 仏 国民 は 新 大統領 に 具体 的な 処方せん を 期待 して いる 。 シラク 氏 は 選挙 戦 で 構造 的 失業 を 克服 する ため 、 長期 失業 者 を 雇用 した 企業 へ の 補助 金 支給 、 社会 保障 費 負担 の 免除 など を 公約 、 景気 刺激 策 と して 法人 税 軽減 、 技術 革新 へ の 投資 促進 など を 打ち出した 。 多分 に 選挙 戦術 の 色 濃い これ ら の 政策 を 実施 する 財源 を どう する の か 。 財政 支出 拡大 を 伴う 政策 に は 問題 点 も 多い 。 欧州 通貨 統合 に 参加 する に は 、 国 内 総 生産 の 六 % 近く に 達した 財政 赤字 を 三 % 以下 に 削減 する 必要 が ある が 、 財政 支出 の 拡大 は この 流れ に 逆行 し 、 通貨 フラン の 下落 を 招き かね ない 。 バラデュール 内閣 は 強い フラン 維持 の ため 緊縮 財政 を 重視 して きた 。 シラク 新 大統領 も 失業 対策 、 景気 回復 と 通貨 統合 を にらんだ フラン 維持 と の 間 で 苦しむ だろう 。 欧州 統合 に 関する シラク 氏 の 発言 は 選挙 期間 中 、 揺れ 動いた 。 国 内 に 根強い 反 統合 機運 を 考慮 して 「 通貨 統合 参加 は 国民 投票 に 問う 」 と 述べ ながら 、 選挙 綱領 で は 「 九九 年 統合 実現 」 に 転換 、 社会党 や 保守 陣営 の 反対 派 から 変身 を 批判 さ れた 。 通貨 統合 の 段取り を 含め 、 欧州 連合 条約 見直し の ため の 政府 間 会合 が 来年 開か れる 。 統合 の 流れ は 加盟 一 カ国 の 政権 が 交代 した くらい で 大きく 変わる ほど 弱い もの で は ない が 、 ドイツ と ともに 統合 を 推進 する 仏 の 政策 は やはり 重み を 持つ 。 その 意味 でも 統合 に 対する シラク 氏 の 姿勢 を 、 欧州 各国 は 注視 して いる 。 シラク 氏 は 、 九二 年 以来 凍結 して いる 核 実験 の 早期 再開 を 公約 に 掲げた 。 核 抑止 力 の 信頼 性 維持 は 仏 共和 国 連合 の 基本 政策 だ が 、 核 拡散 防止 条約 の 無 期限 延長 問題 が 話し合わ れて いる 現在 、 核 軍縮 に 逆行 する 動き と いわ ねば なら ない 。 ニュージーランド の 閣僚 は 「 新 大統領 が 核 実験 は 不要 と 結論 する こと を 強く 希望 する 」 と 述べ 、 南 太平洋 で の 実験 再開 を けん制 した 。 国際 世論 を 配慮 して 、 シラク 氏 が 賢明な 道 を 選択 する こと を 望み たい 。 また 、 旧 ユーゴ 紛争 で 国連 防護 軍 に 派遣 して いる 仏 兵 の 撤退 問題 でも 態度 決定 を 迫ら れて いる 。 シラク 氏 が どう 対応 する か 、 バルカン 情勢 に 及ぼす 影響 は 大きい 。 連休 は 明けた が 、 しかし 、 なお 中小 企業 労使 間 で 春闘 の 続いて いる ところ が ある 。 大手 労使 の 賃上げ を はじめ と する 労働 条件 改善 闘争 が 妥結 する と 、 春闘 の 終了 か 、 と いえば そう で は ない 。 日本 労働 組合 総 連合 会 に 入って いる 労働 者 千 人 未満 の 組合 で 、 まだ 三 割 程度 が 闘争 を 継続 して いる 。 連合 は 今年 の 春闘 で 、 初めて 内部 に 中小 共闘 センター を 設けた 。 二十六 以上 の 産業 別 組合 組織 が 加わり 、 大手 と 中小 の 賃上げ 格差 縮小 を 目指す ため だった 。 連合 の 春闘 は 今年 、 大手 産別 の 闘争 に 賃上げ 率 で は なく 、 要求 も 獲得 も 額 表示 で 臨む よう 求めた 。 賃上げ 率 で 同 水準 を 獲得 して も 、 もともと 賃金ベース の 高い 大手 と 低い 中小 で は 、 賃金 格差 が 縮まる どころ か 開く 。 その 矛盾 を 打開 する 狙い だった 。 格差 解消 は 、 進んだ のだろう か 。 連合 の 集計 に よる と 、 いま の ところ 千 人 未満 の 中堅 企業 は 、 平均 で 七千二百八十三 円 、 二・七九 % 。 三百 人 未満 で は 七千三百四十一 円 、 二・八四 % に 終わって いる 。 この 中 で 百 人 未満 に 限れば 平均 六千 円 台 の 賃上げ で 終わる だろう 。 千 人 未満 も 三百 人 未満 も 、 大手 並み の 賃上げ 率 を 獲得 した 昨年 より 、 格差 が 広がり かね ない 。 個別 に は 、 大手 を 追い越す 賃上げ を 獲得 した 組合 も あった が 、 ごく 少数 だ 。 目標 に は 意味 が あった のだ が 、 経営 側 の 壁 は 大手 以上 に 厚かった 。 円高 の 急進 、 親会社 の リストラ 要求 、 阪神 大 震災 、 物価 沈静 化 など 客観 情勢 は 確かに 賃上げ に 有利で は なかった 。 バブル 期 に 投機 に 走った 銀行 が 、 多く の 不良 債権 を 抱え込んだ 結果 、 今度 は 融資 対象 に して よい はずの 中小 企業 に まで 、 腰 を 引く 状況 も 指摘 さ れて いる 。 そして 賃上げ 率 は 大手 でも 三 % を 切った 。 中小 組合 に とり 、 今年 の 春闘 は 生易しく は なかったろう 。 結局 は 大手 が 低かった の と 、 ほぼ 同じ 比率 で 押し下げ られた のである 。 そんな 中 で 、 中小 組合 に 対し 、 賃上げ の 「 歯止め 水準 額 」 、 つまり これ 以下 で は 収拾 でき ない と する 額 を 、 連合 が 七千 円 と 打ち出した 点 に は 、 一定 の 意義 が あった 。 たとえ 七千 円 を クリア でき なく と も 、 その 水準 に 近づく ため の 、 つえ に なった ので は ない か 。 大手 産別 の 一部 に は 、 ナショナルセンター である 連合 が 一律 の 賃上げ 目標 を 掲げる 必要 は ない 、 と する 意見 が 強い 。 春闘 再 構築 で 横 並び 発想 を 排する 目的 が ある 。 しかし 、 中小 組合 が それ に 耐え られる だろう か 。 そう し なければ なら ない 日 は 来る かも しれ ない 。 今後 、 連合 が 時代 の 変化 に 遅れ ぬ 闘争 形態 を 構築 して いく 必要 を 否定 でき ない のだ から 。 だが 、 それ が 中小 組合 を 苦しい 立場 に 追いやる ので は いけない 。 やはり 中小 の 場合 も 、 組合 そのもの の 強化 に 努め なければ なら ない だろう 。 連合 であろう と 、 全 労連 など 他の ナショナルセンター であろう と 、 それぞれ の 組合 を 強める ため の 努力 を 惜し め ない 。 基本 は その 点 に 帰着 する 。 闘争 す べき は 闘争 し 、 収拾 す べき は きっちり 収拾 する 。 基本 に 立ち返り つつ 、 同時に 新たな 発想 を 実行 に 移し たい 。 日本 の 労働 者 の 大 多数 は 、 中小 企業 に 働いて いる 。 賃上げ だけ で ない 。 労働 時間 短縮 を はじめ 、 さまざまな 労働 条件 で 、 中小 と 大手 を 近づけて こそ 、 実 の ある 春闘 改革 が 実現 に 向かう だろう 。 「 次の 総 選挙 で 自民党 が 単独 過半数 を 獲得 した 場合 でも 、 村山 連立 政権 を 維持 して いく 」 「 夏 の 参院 選 で 社会党 が 敗北 して も 、 与党 三 党 の 獲得 議席 が 改選 議席 を 上回れば 村山 連立 政権 が 支持 さ れた と 判断 し 、 政権 を 維持 する 」 最近 、 河野 洋平 総裁 ら 自民党 の 首脳 、 有力 幹部 、 党 出身 閣僚 など の 間 から 次の 衆 、 参院 選挙 で の 自民党 勝利 、 社会党 敗北 を 前提 に した 村山 政権 維持 論 が しきりと 飛び出す ように なった 。 内閣 支持 率 の 低下 傾向 、 既成 政党 や 村山 政治 に 対する 不信 が 明確に 示さ れた 統一 地方 選 の 結果 など から みて 、 あまりに も 楽観 的な 時局 認識 と いう ほか ない が 、 そこ に 見て取れる の は 理屈 抜き で 何と して でも 政権 の 座 に とどまろう と する 権力 へ の しがみつき の 姿勢 である 。 しかし 自民党 に 今 、 取ら ぬ タヌキ の 皮算用 的な 政権 維持 論議 に うつつ を ぬかす 余裕 が ある のだろう か 。 自民党 は 先 の 統一 地方 選 で 、 党 の 総力 を 挙げて 戦った 東京 、 大阪 両 知事 選 で 無党派 候補 に 敗北 した だけ で なく 、 党 の 足腰 と も いえる 道府県 議 選 でも 社会党 と ともに 歴史 的 大 敗北 を 喫した 。 無党派 層 から 不 信任 を たたきつけ られた 既成 政党 の 右 代表 と して 、 党 の 存在 意義 そのもの が 厳しく 問わ れて いる の が 自民党 で は ない の か 。 当然 、 自民党 は 統一 地方 選 結果 の 厳しい 総括 の うえ に 執行 部 の 責任 を 明らかに し 、 党 再生 の 方策 を 確立 し なければ なら ない 。 にもかかわらず 自民党 は 、 村山 政権 の 基盤 や 参院 選 を 控えた 党 運営 に 混乱 が 生じる の を 恐れ 「 地方 政治 と 中央 政治 は 別 」 と の 奇妙な 論理 で 敗北 の 責任 を 回避 しよう と して いる 。 政治 責任 の 所在 が 明確で ない 政党 に 、 政党 と して の 責任 ある 執行 能力 が 果たして 期待 できる のだろう か 。 政権 与党 の 中核 であれば なおさら である 。 自民党 は 一昨年 の 夏 、 総 選挙 に 敗れ 、 野党 に 転落 した 際 、 政治 改革 の 実現 、 党 改革 の 断行 を 真 正面 に 掲げ 、 その うえ に 政権 復帰 を 誓った 。 それ から 一 年 半 を 経て 今 、 政治 改革 は おざなりに 流れ 、 党 改革 は 言葉 だけ が 先行 して 実効 に 乏しく 、 達成 できた の は 最終 目標 の 政権 復帰 だけ と いう の が 党 の 現状 である 。 党 改革 に 至って は 、 昨年 末 に 全 派閥 の 解消 に 踏み切った が 、 ここ 数 カ月 の うち に 新 政策 集団 の 旗 揚げ と いう 形 で 実質 的に 一斉 復活 し 、 元のもくあみ と 化した 。 すでに 九 月 の 総裁 任期 切れ を 視野 に 入れた 派閥 次元 の 駆け引き も 活発 化 して いる 。 党 改革 の 中心 柱 である 金権 腐敗 体質 の 脱却 は 遅々と して 進ま ず 、 逆に 財界 、 業界 団体 、 企業 に 百二十億 円 も の 政治 献金 を 要請 する など 党 改革 の 自己 否定 と も いう べき 行為 が 平然と 行わ れて いる 。 痛撃 を 浴びせ られた 無党派 層 へ の 対策 と して 唯一 打ち出さ れた の が 、 国政 選挙 で の タレント 候補 の 担ぎ出し と いう ので は あまりに も 安易に すぎ ない か 。 族 議員 の 復活 と いい 、 今 の 自民党 は 河野 総裁 の 唱える 「 ニュー 自民党 」 どころ か 、 まさに 旧態 依然 である 。 目下 の 急務 は 選挙 後 の 政権 論議 の 前 に まず 、 党 再生 の 方策 を きっちり と 立て 、 実行 に 移す こと 、 そして 二十一 世紀 を 展望 した 独自 性 ある 政策 を 明示 し 、 党 の 存在 意義 を 確立 する こと で は ない か 。 高度 成長 時代 、 「 財界 四 団体 」 と 呼ば れ 、 大きな 力 を 誇示 して いた 経済 団体 連合 会 、 日本 商工 会議 所 、 日本 経営 者 団体 連盟 、 経済 同友 会 が 、 いま 改革 を 模索 して いる 。 いずれ も 経済 、 政治 状況 の 大きな 変化 で 存在 意義 を 問わ れて いる から だ 。 各 団体 と も 新しい 地平 を 切り開こう と 懸命だ が 、 楽観 は 許さ れ そうに ない 。 まず 経団連 は 、 事務 局 の 改革 に 踏み切った 。 房野 夏明 、 小山 敬次郎 の 両 専務 理事 を 今月 末 で 退任 さ せる 、 と いう もの 。 豊田 章一郎 会長 は 「 両 専務 理事 と も 役 職歴 が 十一 年 と 長く 、 人事 の 若返り を 図る 」 と 説明 して いる が 、 この 人事 に 込め られた 意味 は 大きい 。 房野 氏 は 「 財界 の 政治 部長 」 と 言わ れた 花村 仁八郎 事務 総長 の 下 で 政治 献金 の あっせん を 担当 し 、 花村 氏 の 退任 後 は 献金 の 最高 責任 者 だった 。 一方 、 小山 氏 は 予算 や 税制 改革 に 関する 産業 界 の 要望 を まとめる 理財 関係 の 責任 者 を 長く 務めた 。 かつて 経団連 の 力 の 源泉 は 政治 献金 を 自民党 に あっせん する こと に あった 。 いわゆる 政 ・ 官 ・ 財 の 「 トライアングル 」 の かなめ だった と 言えよう 。 しかし 二 年 前 、 あっせん を やめた こと で 、 経団連 の 性格 は 様変わり した 。 シンクタンク 的 機能 を 重視 、 政策 で リーダーシップ を 発揮 する 方向 へ ハンドル を 切り つつ ある 。 政界 と 大蔵 省 を はじめ と した 中央 官庁 に 太い パイプ を 持つ 両氏 の 退任 は 、 それ を 象徴 する もの と 言える 。 同友 会 も 存在 が 目立た ない 時代 が 続いた 。 規制 緩和 、 行政 改革 など 提案 活動 は 行って いる もの の 、 他の 団体 と 似た 内容 が 多く 、 「 企業 の 社会 的 責任 」 を 打ち出し 、 企業 理念 を 一新 した ころ の 活躍 は 影 を ひそめて いる 。 この ため 会員 の 間 から も 「 同友 会 と は どういう かい ? 」 と 皮肉 さえ 出て いる ほど 。 こうした 状況 の 下 で 四 月 末 、 牛尾 治朗 氏 が 代表 幹事 に 就任 、 「 二十一 世紀 へ 向けた アクション ・ プログラム 」 づくり を 掲げた 。 しかし 、 急激な 国際 化 、 価値 観 の 多様 化 、 高齢 化 の 進展 など を 見据えた うえ で どこ まで 総合 的な シナリオ を 描ける の か 、 早くも 不安 視 する 向き も ある 。 こうした こと から 「 同友 会 は 経営 者 が 自由に 議論 し 合う サロン に して は どう か 」 と いう 声 さえ 出て いる 。 今月 、 会長 が 永野 健 氏 から 根本 二郎 氏 に 代わる 日経連 も 自己 革新 を 迫ら れて いる 。 かつて の 日経連 は 日本 労働 組合 総評 議会 と 渡り合う 「 戦う 財界 労務 部 」 だった 。 しかし 、 デフレ 現象 が 強まる 中 で 、 春闘 自体 が 問い 直さ れよう と して おり 「 日経連 不要 論 」 も 少なく ない 。 根本 氏 は 日ごろ 「 信頼 し 合える 労使 関係 の 強化 」 を 強調 して おり 、 この 延長線 上 で 目標 を 掲げる と 見 られる が 、 具体 的な イメージ は 浮かび上がって こ ない の が 現状 である 。 中小 企業 の 団体 である 日商 も 大規模 小売 店舗 法 の 改廃 と いう 大 問題 に 悪戦 苦闘 して いる 。 稲葉 興作 会頭 は 「 大店 法 の 廃止 は 絶対 許さ ない 」 と 言い 続けて いる が 、 規制 緩和 の 大 合唱 を 前 に 、 主張 を 貫く の は 極めて 厳しい 。 戦後 五十 年 。 日本 の 経済 、 社会 システム が 大 転換 して いる なか で 経済 四 団体 も また 待ったなし の 変革 を 迫ら れて いる のだ が 、 明確な 将来 像 は まだ 見えて こ ない 。 大きく 開き かけた 「 再審 の 門 」 は 狭き門 に 逆戻り した 。 日産 サニー 事件 の 再審 請求 抗告審 で 仙台 高裁 は 十 日 、 再審 開始 を 認めた 福島 地裁 支部 の 決定 を 退け 、 元 被告 の 請求 を 棄却 した 。 再審 へ の 門 を 広げた 最高裁 「 白鳥 決定 」 以後 、 開始 決定 が 逆転 する こと は なかった 。 この 逆転 の 意味 する もの を 探り 、 「 再審 の 在り 方 」 を めぐる 論議 を 深め ねば なる まい 。 事件 は 三十 年 近く 前 に 起きた 。 福島 県 いわき 市 の 日産 サニー 営業 所 で 宿直 員 が 刺し殺さ れ 、 カネ が 奪わ れた 。 当時 、 電電公社 職員 だった 元 被告 は 別の 窃盗 事件 で 逮捕 さ れ 、 殺害 を 自供 した と して 再 逮捕 さ れた 。 裁判 で は 有力な 物証 が ない まま 、 自白 を もと に 無期 懲役 が 言い渡さ れ 、 確定 した 。 仮 出所 後 に 冤罪 を 訴え 、 たった 一 度 の 再審 請求 で 九二 年 に 開始 決定 を 受けた 。 主要な 事件 で は 前例 の ない こと だった 。 この 日 の 高裁 は これ を 否定 した のである 。 開始 を 認めた 原 決定 は こう だ 。 自白 が 任意に なされた こと は 疑い の 余地 は ない が 、 その 内容 に は 疑問 が 多々 ある 。 次いで 凶器 と 刺し傷 の 関係 に ついて の 新たな 鑑定 結果 と 合わせて 「 総合 的に 判断 する と 、 元 の 確定 判決 の 有罪 認定 に 合理 的 疑い が 生ずる 」 と 判示 し 、 再審 開始 の 理由 と した 。 「 真 犯人 で は ない か 」 と の 疑問 を 残し ながら も 「 疑わしき は 被告人 の 利益 に 」 の 法理 を 徹底 さ せた 。 再審 は 刑事 訴訟 法 の 中 で 規定 さ れて いる が 、 開始 の 理由 に は 「 無罪 と す べき 明白な 、 新しい 証拠 を 発見 した 時 」 と いう 厳格な 制限 が ある 。 この 規定 に より 、 かつて は 別の 真 犯人 が 名乗り出て も 「 真 犯人 の 供述 に 矛盾 は ない が 、 完全に 真 犯人 と する 証明 が ない 」 と 再審 を 認め なかった ケース も あった ほど で 、 再審 に こぎ着ける に は 「 針 の 穴 に ラクダ を 通す より 難しい 」 と まで 言わ れた 。 この 狭き門 を 広げた の が 、 白鳥 決定 である 。 再審 請求 で の 新 証拠 と 元 の 裁判 の 旧 証拠 を 総合 的に 判断 す べきであり 「 疑わしき は 被告人 の 利益 に 」 の 法理 は 請求 審 でも 適用 さ れる 、 と 従来 の 枠 を 超える 判断 を 示した 。 その後 、 死刑 事件 の 免田 、 財田川 、 松山 、 島田 の 各 事件 で 再審 公判 が 開か れ 、 無罪 が 出さ れた 。 最高裁 判例 は 定着 し 、 現行 法 の 下 でも 再審 の 門 は 広げ られた と いう 見解 も 示さ れた 。 しかし 、 この 日 の 決定 は 「 鑑定 は 明白な 無罪 の 証拠 と は いえ ない 」 と 判断 して 請求 を 退けて いる 。 たとえ 法 形式 論 と して は 妥当な もの と して も 、 やはり 「 狭き門 」 に 変わり は なかった と の 印象 は ぬぐい 切れ ない 。 検察 側 に も 確定 判決 が 揺らげば 「 法的 安定 性 」 が 崩れる 、 安易な 再審 公判 は 事実 上 の 「 四 審 制 」 に なり かね ない 、 と いう 思い が あろう 。 しかし 、 狭き門 に して いて いい のだろう か 。 開始 決定 が もし 誤って いた と して も 、 検察 側 が 再審 公判 で 再度 、 有罪 判決 を 得る こと は 法的に は 可能であろう 。 だ と したら 、 再審 の 門 を 広げる こと に かたくなな 姿勢 を 取り 続ける の は いかがな もの か 。 今回 も 検察 側 の 即時 抗告 に よって 、 逆転 決定 と なった 。 ドイツ など で は 再審 は 「 冤罪 者 の 救済 」 の 理念 の 下 に 、 検察 側 に 抗告 を 認めて い ない と も 聞く 。 「 十 人 の 有罪 者 を 見逃す と も 、 一 人 の 無辜 を 罰して は なら ない 」 と いう 法 格言 も ある 。 再審 機能 が 有効に 働く 法 システム が 求め られて いる 。 アジア より 一足 早く 第 二 次 大戦 の 戦火 が 収まった 欧州 で 、 終戦 五十 周年 の 記念 式典 が 相次いで 開か れた 。 締めくくり の モスクワ で の 戦勝 記念 行事 に は 、 米 、 英 、 仏 、 中国 など 旧 連合 国 首脳 に 加え 、 かつて 敵国 であった ドイツ の コール 首相 も 参加 した 。 ゴルバチョフ 政権 末期 以来 、 途絶えて いた 正規 軍 に よる 軍事 パレード も 復活 した 。 こうした 演出 は 、 大国 と して の 威信 を 内外 に 示そう と いう エリツィン 政権 の 意図 の 表れ であろう 。 しかし 、 大掛かりな 記念 行事 は 大 多数 の ロシア 国民 の 生活 実感 と は 無縁の 「 空虚な ショー 」 の 印象 が ぬぐえ ない 。 大戦 で ソ連 は 最大 の 被害 を 出した 。 ロシア 側 の 数字 で は 、 死者 は 約 二千七百万 人 。 ドイツ 軍 は モスクワ 郊外 まで 攻め 寄せ 、 ソ連 欧州 部 の 都市 と 産業 施設 は 、 がれき と なった 。 前線 あるいは 銃後 で この 戦争 を 戦った ロシア 市民 に とって 、 ナチス ドイツ に 対する 勝利 の 日 は 、 ソ連 と 赤 軍 が 最も 栄光 に 輝いた 日 と して 深く 胸 に 刻ま れて いる 。 戦後 を 生き延びた 戦中 世代 は いま 二 重 の 悲哀 に 沈んで いる 。 指導 者 が 約束 した 「 資本 主義 国 を しのぐ 豊かな 生活 」 は 空手形 に 終わり 、 社会 主義 ソ連 は 崩壊 した 。 戦勝 国 ソ連 は 、 冷戦 過程 を 経て 結局 は 最大 の 敗者 と なった のだ 。 しかも 、 ポスト 共産 主義 の 新 ロシア 建設 を 掲げる エリツィン 政権 の 下 で 高齢 者 は しわ寄せ を 食い 、 老後 を 支える はずの 年金 は やせ細る 一方 だ 。 彼ら に とって 、 胸 に 勲章 を 飾って 戦勝 記念 の パレード に 加わる こと は 、 生涯 最後 の 晴れの 場 の 意味 を 持つ 。 大統領 の 目 に は 、 戦勝 記念 行事 は 一 ケタ まで 落ちた 支持 率 を 少し でも 上向か せる 絶好 の 機会 と 映った のであろう 。 だが 、 こんな 安直な 手段 で 緩和 できる ほど 、 ロシア が 抱える 問題 と 国民 の 不満 は 生易しく は ない 。 経済 改革 は 「 強い 者 勝ち 」 の ルール なき カネ も うけ の 風潮 と 地位 利用 の 腐敗 を はびこら せ 、 国民 生活 は 安定 化 と は ほど遠い 。 犯罪 対策 や 社会 保障 制度 の 改革 など 山積 する 課題 は 手付かず の まま 、 無責任な 政治 運営 が 続いて いる 。 巨額の 不良 債権 を 抱えて 解散 した 東京 協和 、 安全 の 二 信用 組合 の 乱脈 融資 事件 で 、 捜査 当局 は 捜索 に 踏み切った 。 十 、 十一 の 両日 で 捜索 個所 は 約 八十 カ所 に 上る 。 バブル 経済 の 残滓 であろう 経営 実態 の 深部 に まで 踏み込み 、 ぜひとも その 全容 を 明らかに して もらい たい 。 捜索 の 容疑 は 、 二 信 組 の 高橋 治則 、 鈴木 紳介 両 理事 長 に かかわる 百十億 円 余 の 背任 と 、 十数億 円 の 導入 預金 取締 法 違反 である 。 刑事 責任 が どこ まで 問える の か と いう 問題 は 別に して 、 捜索 容疑 は 乱脈 経営 の 「 氷山 の 一角 」 である 。 非 営利 の 金融 機関 である 信 組 に は 厳しい 法規 制 が ある が 、 両 理事 長 は 規制 を 無視 して 、 巨額の 無 担保 融資 や う回 融資 を 繰り返して いた 。 昨年 六 月 時点 で 不良 債権 は 一千億 円 余 に も 上って いた と いう 。 多く は 両 理事 長 関連 の 企業 へ の 「 自己 貸し 」 であり 、 私物 化 も 甚だしい 。 背任 罪 の 立件 は 簡単で は ない 。 が 、 証拠 に よって 問わ れる べき 容疑 が 裏付け られれば 、 厳しく 追及 して ほしい 。 ただ 、 事件 は 二 人 の 責任 問題 を 論じて 済む 問題 で は ない 。 規模 の 大きく ない 信 組 が 、 なぜ ここ まで 放漫 な 経営 を 続け られた の か 、 と いう 背景 に まで 迫る 必要 が ある 。 さらに 、 大口 預金 者 を 保護 する に 等しかった 大蔵 省 ・ 日銀 に よる 救済 スキーム が どういう 経緯 で 登場 した の か 。 「 政治 家 が うごめいた 」 と いう 話 も 出て いる 。 その 真偽 を 含めて 国民 の 抱く 疑問 に 応える 捜査 である べきだろう 。 スキーム に 関連 して 東京 都 は 三百億 円 の 低利 融資 を 求め られて いる 。 青島 幸男 都 知事 は 「 選挙 公約 」 だ と して 拒否 の 姿勢 だ 。 乱脈 の ツケ を 都税 で カバー する こと に 都民 が 納得 でき ない の は 自明の 理 だ 。 だからといって 、 無責任 を 決め込む こと も でき まい 。 二 信 組 に 対して 直接 監督 権 を 持つ 都 は 「 なぜ ここ まで 放置 して きた の か 」 に 答え なければ なら ない 。 一昨年 、 大蔵 省 と 合同 検査 した 際 に 乱脈 の 実態 は ある 程度 把握 さ れて いた はずである 。 有効な 手 を 打た なかった ばかりに 、 不良 債権 が 急速に 膨れ上がって いる 。 もし 早期 に 適切な 処理 を して いたら 、 公金 を つぎ込む ような スキーム は 出て こ なかった 、 と も いわ れて いる 。 大蔵 省 を 含めて 監督 当局 の 責任 の 所在 が どこ に あった かも この際 、 解明 して ほしい 。 捜索 二 日 目 は 、 山口 敏夫 元 労 相 の 親族 企業 など が 対象 に なった 。 両 理事 長 の 背任 容疑 に 関連 した 捜索 であろう が 、 親族 企業 側 に は 二 信 組 から 昨年 段階 で 約 四十億 円 と いう 巨額 が 融資 さ れて いた 。 法定 限度 を 超えて おり 、 担保 も 十分で なかった と いう 。 どうして こんな 融資 が まかり通った の か 。 山口 氏 の 政治 力 が 裏面 に あった の か どう か 。 こうした 問題 は 捜査 に ゆだねる だけ で なく 、 国会 の 場 でも 追及 さ れ ねば なる まい 。 ところが 、 証人 喚問 や 参考人 招致 が 何度 も 繰り返さ れ ながら 、 何の 解明 も でき ず 疑惑 を 増幅 さ せた だけ で 終わって いる 。 政争 の 舞台 に 堕して いる から だ 。 複雑な 背景 を 持つ 経済 事件 であり 、 捜査 の 長期 化 は 避け られ ない 。 しかし 、 金融 システム 全体 に かかわって いる 。 チェックシステム の 再 構築 、 法 の 不備 の 洗い 直し は 金融 へ の 信頼 性 確保 の ため に も 急が れる 。 早急な 捜査 、 解明 を 要望 し たい 。 中国 の 江 沢民 総 書記 ら 「 第 三 世 代 」 指導 部 が トウ 小平 以後 に 備える ため 積極 的に 動き出した 。 第 一 は 「 地方 指導 者 」 の 腐敗 の 摘発 だ 。 首都 の 財政 を 握り 、 疑惑 の 中心 に いた 王 宝森 ・ 常務 副 市長 の 自殺 は 政治 局 委員 を 兼務 する 陳 希 同 書記 の 引責 辞任 へ と 発展 した が 、 いまだに 詳しい 公式 発表 は なく 、 うわさ だけ が 飛び交って いる 。 北京 市 中心 部 の 再 開発 プロジェクト に からむ 疑惑 、 総額 三十三億 元 と いわ れる 江蘇 省 で の 違法な 資金 調達 、 二〇〇〇 年 五輪 誘致 運動 で 集めた 巨額の 募金 の 使途 など 、 さまざまな 疑惑 が うわさ さ れて いる 。 書記 や 市長 の 秘書 、 子息 、 局長 級 幹部 を 含め 数十 人 が 事情 を 聴取 さ れて いる と も 伝え られる 。 真相 は 不明だ が 、 第 三 世 代 指導 部 が 首都 の 腐敗 摘発 で 断固たる 姿勢 を 示す こと に よって 、 庶民 の 信頼 を 取り戻し 、 自ら の 威信 を 確立 しよう と して いる こと は 間違い ある まい 。 権力 者 の 腐敗 は 、 昨年 二四 % に 達した インフレ 、 貧富 の 格差 、 地域 格差 拡大 と ともに 、 庶民 の 不満 が 大きく 、 天安門 事件 の 原因 と も なった 。 「 社会 主義 か 資本 主義 か 」 の 論争 を 禁じ 、 大胆に 市場 経済 を 導入 する よう 呼び掛けた 一九九二 年 の トウ 氏 の 南方 講話 以来 、 「 諸侯 」 と 呼ば れる 地方 の 党 ・ 政府 官僚 の 一部 は 株 や 不動産 投機 に 熱中 、 私腹 を 肥やした 。 国有 企業 の 改革 に 便乗 して も うけた 者 も いる 。 北京 で の 腐敗 摘発 は 第 三 世 代 指導 部 を 、 ともすれば 軽く みる 「 諸侯 」 を 震え上がら せ 「 中央 」 の 優位 を 確立 する の に も 役立つ と み られて いる 。 トウ 以後 に 備える もう 一 つ の 動き は 第 三 世 代 指導 部 が 「 先に 一部 の 人々 、 地域 を 豊かに する 」 と いう トウ 氏 の 「 先 富 論 」 の 実質 的な 修正 を 図ろう と して いる ことだ 。 「 先 富 論 」 は 確かに 一 時期 、 中国 経済 を 活気づける の に 役立った 。 しかし 半数 の 国有 企業 が 赤字 で 五 、 六百 元 程度 の 月給 さえ まともに もらえ ない 労働 者 が 増えて いる 一方 で 、 一握り の 億万 長者 が 誕生 して いる 。 このような 現状 で は 「 先 富 論 」 の 堅持 は 、 逆に 社会 不安 の 原因 と なり かね ない 。 三 月 の 全国 人民 代表 大会 でも 、 格差 是正 を 求める 声 が 圧倒 的だった 。 今年 に 入って から 中国 共産党 機関 紙 「 人民 日報 」 は トウ 氏 の 理論 を 「 全面 的 、 体系 的に 」 理解 する ように 呼び掛ける ように なった 。 「 先 富 」 より も 「 共同 富裕 」 に 宣伝 の 力点 を 置き 、 貧富 の 格差 、 地域 格差 の 是正 こそ が トウ 理論 の 目標 である こと が 強調 さ れて いる 。 昨年 十一 月 に は トウ 氏 の 発言 を 収めた トウ 小平 文選 全 三 巻 の 増補 版 を 出版 、 学習 を 呼び掛けた 。 バランス の とれた トウ 氏 の 前半期 の 思想 で 南方 講話 に 象徴 さ れる 晩年 の 思想 を 薄めよう と する 苦肉の策 と も いえる 。 晩年 の トウ 氏 に は 南方 講話 に み られる ように 、 さまざまな 矛盾 、 問題 、 批判 は 無視 し 、 大胆な 改革 に よって 成長 の 加速 を 図ろう と する 傾向 が 強かった 。 一 日 も 早く 周辺 の アジア 諸国 の 発展 に 追い付き たい と いう 焦り が あった の かも しれ ない 。 しかし インフレ 、 経済 の 根幹 を 支えて きた 国有 企業 の 不振 、 農業 の 低迷 、 治安 の 悪化 、 中央 政府 の 威信 の 低下 …… と 難問 は 山積 して いる 。 腐敗 の 摘発 と ともに 、 矛盾 を 激化 さ せ ず 、 より バランス の とれた 着実な 成長 を 目指す こと が 肝要だろう 。 ニューヨーク の 国連 本部 で 開催 さ れた 、 核 拡散 防止 条約 を めぐる 再 検討 ・ 延長 会議 は 十一 日 、 NPT の 無 期限 延長 を 採択 した 。 核 廃絶 へ 向けて の 歴史 的な 一 歩 と して 歓迎 し たい 。 NPT は 一九七〇 年 に 発効 し 、 非核 保有 国 の 核 開発 の 放棄 と 、 核 開発 へ の 監視 を 柱 に して きた 。 核 保有 国 の 核 兵器 放棄 まで は 規定 して い ない 。 この 条約 の 当初 の 目的 は 、 核 兵器 を 保有 する 大国 が 、 核 兵器 保有 国 が 増える こと を 防止 する こと に あった 。 この ため 、 核 兵器 保有 国 の 非核 保有 国 へ の 核 兵器 や 核 開発 技術 の 移転 を 禁止 して いる 。 さらに 、 非核 保有 国 の 原子 力 開発 が 核 開発 に つながる こと を 防止 する ため 、 国際 原子 力 機関 の 査察 を 受ける 保障 措置 協定 の 締結 など を 義務づけて いる 。 条約 は 、 締結 から 二十五 年 後 の 再 検討 を 明記 し 、 米国 は この 再 検討 の 機会 を とらえ 、 条約 の 無 期限 延長 を 提案 して いた 。 米国 は 多数 派 工作 を 活発に 展開 し ながら 、 非 同盟 国 の 要求 も 取り入れる 妥協 を 示した 。 この 努力 と 議長 国 の 働きかけ で 、 無 期限 延長 の 採択 に こぎつけた 。 これ まで 、 非核 保有 国 に は NPT が 核 大国 の 核 兵器 独占 保有 を 保証 する 条約 に なって いる 、 と の 批判 が 強かった 。 核 実験 の 全面 禁止 が 実現 し ない こと へ の 不満 も 広がって いた 。 さらに アラブ 諸国 は 、 NPT の 不平等 性 を 批判 して きた 。 また 米国 が イラン や イラク の 核 開発 に 厳しい 姿勢 を 示す 一方 で 、 イスラエル の 核 兵器 保有 を 放置 して いる と 、 非難 して いた 。 しかし 、 非核 保有 国 の 不満 や 批判 は ある もの の 、 NPT が 核 兵器 拡散 防止 に 果たして きた 役割 は 十分に 評価 す べきであろう 。 NPT は なお 核 拡散 防止 の 大きな 力 に は なって おり 、 その 強化 は 必要である 。 核 戦争 の 回避 と 核 兵器 削減 の ため に 、 米 ソ の 超 大国 は 、 軍備 管理 交渉 を 重ね 、 多く の 成果 を 上げた 。 米 ソ 核 軍拡 競争 から 、 軍備 管理 、 そして 軍縮 へ と 戦後 の 国際 政治 は 進んで きた 。 NPT 無 期限 延長 は 、 核 軍縮 から 核 廃絶 へ の 一里塚 を 意味 する 。 しかし 、 その ため に は 核 保有 国 の 一層 の 努力 が 不可欠である 。 核 保有 と 核 開発 疑惑 が 消え ない イスラエル と インド 、 パキスタン の NPT 加盟 に 核 保有 大国 は もっと 協力 して 努力 す べきである 。 NPT の 無 期限 延長 は 、 核 廃絶 へ の 手段 であって 目的 で は ない 。 無 期限 延長 が 効果 を 上げる ため に は 、 核 査察 の 強化 に 加え 、 核 保有 国 の 一層 の 核 軍縮 努力 が 不可欠である 。 採択 文書 に 明記 さ れた ように 、 核 保有 国 は 来年 まで の 核 実験 全面 禁止 に 合意 し なければ なる まい 。 また 、 米 露 両 国 は 締結 した 第 二 次 戦略 兵器 削減 条約 の 早期 批准 を 実現 し 、 第 三 次 戦略 兵器 削減 交渉 に も 手 を つけて ほしい 。 核 兵器 廃棄 に 伴う 核 物質 の 国際 管理 も 、 早期 に 実現 す べきである 。 NPT 無 期限 延長 は 、 核 保有 国 に 多く の 課題 を 突きつけて いる 事実 を 忘れて は なら ない 。 沖縄 県 の 米軍 基地 整理 ・ 統合 に 関する 、 いわゆる 「 三 事案 」 の うち 、 那覇 軍港 と 読谷 補助 飛行 場 が 、 移設 を 条件 に 返還 さ れる こと に なった 。 十一 日 、 東京 都 内 で 開か れた 日 米 合同 委員 会 で 正式に 合意 した もの だ 。 具体 的に は 、 那覇 軍港 は 隣接 の 浦添 市 内 に 移す 、 読谷 補助 飛行 場 で の パラシュート 降下 訓練 は キャンプ ハンセン に 移し 、 同 飛行 場 を 返還 する と いう 内容 である 。 残る 県道 104 号 越え 実弾 砲撃 演習 の 中止 問題 は 、 決着 を 持ち越した 。 三 事案 に ついて は 今年 一 月 、 ワシントン で の 日 米 首脳 会談 でも 取り上げ られ 、 村山 富市 首相 が 基地 の 整理 ・ 統合 に 向け 米 側 の 協力 を 求めた の に 対し 、 クリントン 大統領 が 「 モンデール 駐 日 大使 に 解決 を 指示 した 」 と 答えた 経緯 が ある 。 村山 首相 は 就任 以来 、 沖縄 など の 米軍 基地 が 周辺 住民 の 生活 に 影響 を 与え 、 地域 開発 の 支障 に なって いる と して 、 こと ある ごと に 基地 の 整理 ・ 統合 を 米 側 に 求める 一方 、 内々 に は 「 三 事案 を 何とか 解決 し たい 」 と の 意欲 を 見せて きた 。 今年 が 戦後 五十 年 である こと から 、 軍縮 ・ 基地 撤去 を 主張 して きた 社会党 の 党首 と して 何とか ポイント を 挙げ たい と いう 思い や 、 日 米 安保 体制 の 見直し 抜き に 「 戦後 」 の 総括 は 進ま ない と いう 意識 が 首相 に あった ようだ 。 一方 、 日 米 安保 体制 の 新たな 位置付け を 模索 して いる 米 側 に とって も 、 沖縄 に 配慮 する 形 で 日本 と の 協調 姿勢 を とる 方 が 得策 と 判断 した のだろう 。 日 米 双方 の 、 こうした 政治 的な 思惑 が かみ合って 今回 の 合意 に 達した と 言って いい 。 なか でも 那覇 軍港 は 一九七四 年 の 日 米 安保 協議 委員 会 で 、 移設 条件 付き で 返還 が 合意 さ れ ながら 、 これ まで 延び延び に なって いた 経緯 を 考えれば 、 一 歩 前進 と 評価 できる 。 しかし 重要な こと は 、 今回 の 二 事案 だけ で は 、 沖縄 の 基地 問題 の 解決 に は ほど遠い と いう ことだ 。 専有 施設 面積 で 見た 場合 、 沖縄 県 に は 在 日 米軍 基地 の 七五 % が 集中 し 、 沖縄 県 が 米軍 に 提供 して いる 面積 は 計 二四 、 五三〇 ヘクタール に も 達して いる 。 ところが 今回 、 返還 さ れる 那覇 軍港 と 読谷 補助 飛行 場 の 合計 面積 は 、 わずか その 一 % 分 に 相当 する 二四七 ヘクタール で しか ない 。 それ だけ 沖縄 の 負担 は 大きい 。 さらに は 今回 の 合意 に は 、 基地 が 外 に 出て いく 自治 体 ・ 住民 と 、 それ を “ 押しつけ られる 側 ” の 自治 体 ・ 住民 と の 間 に 亀裂 が 入り かね ない 、 と いう 深刻な 問題 点 も ある 。 例えば 那覇 軍港 。 那覇 市 に は 跡地 を 再 開発 する こと で 経済 振興 の 起爆 剤 に し たい と 、 移転 を 喜ぶ 空気 が ある と 聞く 。 しかし 浦添 市 側 は 、 軍用 地 が 拡大 さ れる だけ だ と 反発 、 受け入れ 拒否 の 姿勢 を 見せて いる 。 今後 、 防衛 施設 庁 など 国 や 県 は 移設 先 の 自治 体 と の 調整 作業 に 入る が 、 行政 側 は 自治 体 や 住民 の 十分な 納得 を 得る よう 努力 す べきだ 。 決して 拙速であって は なら ない 。 沖縄 に は 現在 、 あまり 使わ れて い ない 米軍 基地 も ある 。 日本 側 に 、 不要に なった 基地 は どんどん 返還 して もらう ぐらい の 姿勢 が あって いい 。 その ため に も 日 米 両 国 は 、 冷戦 終結 後 の 日 米 安保 体制 の 在り 方 や 、 アジア ・ 太平洋 地域 の 安全 保障 の 枠組み 作り と 関連 さ せ ながら 、 在 日 米軍 の 規模 や 基地 配置 が 今 の まま で いい の か 広い 観点 から 見直す べきだ 。 自民党 の 森 喜朗 幹事 長 の 「 限界 」 発言 を めぐって 連立 政権 内部 の 不 協和 音 が 高まり 、 政局 が 一気に 流動 化 する 様相 を 呈して きた 。 森 幹事 長 が 十 日 の 講演 会 で 明らかに した 「 限界 」 発言 と は 「 第 一 党 で ない 党首 が 内閣 を つくる の は 過渡 的 内閣 であり 、 仕事 を して いく のに 限界 が ある 」 と 村山 富市 首相 が 森 幹事 長 に 心境 を 吐露 した 、 と いう もの だ 。 森 幹事 長 は 七 日 夜 に 村山 首相 と 会談 して いた こと も あり 、 村山 首相 が 「 退陣 」 を 示唆 した 、 と 受け取ら れ 、 政界 に 大きな 波紋 を 投じた 。 村山 首相 は 、 与党 第 一 党 で ない 社会党 の 首相 と して 政権 運営 の 難し さ を 一般 論 的に 述べた に 過ぎ ない 、 と した うえ で 、 「 退陣 」 説 を 明確に 否定 、 不 快感 を 表明 する 一方 、 社会党 は 森 「 発言 」 に 猛 反発 する など 自民 、 社会 両党 関係 は 険悪 化 し 始めた 。 森 幹事 長 も 「 限界 」 発言 の あと に 「 これ が 伝わる と 首相 は 内閣 を 投げ出し たく なって いる 、 と 言わ れる から 気をつけ ない と いけない 」 と “ 注釈 ” を つけて いた が 、 村山 首相 を 支える 与党 第 一 党 の 幹事 長 の 発言 と して は 不用意の そしり を 免れ まい 。 だが 「 発言 」 の 真意 いかん は 別 と して 、 村山 政権 の 内実 、 あるいは 政権 を 取り巻く 四囲 の 状況 から して 、 村山 政権 が すでに 「 限界 」 を 突き抜けて いる こと は 自明である 。 阪神 大 震災 から 地下鉄 サリン 事件 、 警察 庁 長官 狙撃 事件 、 オウム 真理 教 疑惑 と 一連の 社会 不安 を 増幅 さ せる 事件 の 頻発 は 政権 の 危機 管理 能力 の 欠如 を 露呈 し 、 深刻な 不況 を もたらす 円高 に は 無為の まま 何ら 有効な 対策 を 打ち出せ ないで いる 。 “ 村山 色 ” 濃い 政治 課題 と して 意気込んだ 「 不戦 決議 」 は 自民党 内 の 反対 勢力 の 抵抗 で 宙づり 状態 と なり 、 ゴラン 高原 の 国連 平和 維持 活動 へ の 自衛 隊 参加 も 自民 、 社会 両党 の 意見 が 衝突 して 目鼻 が ついて い ない 。 そもそも 、 衆院 七十 議席 程度 の 社会党 から 首相 を 出せば 政権 運営 が 容易で ない こと は 、 連立 政権 樹立 の 時点 から 分かって いた こと である 。 その 「 限界 」 が あれば こそ 、 首相 と して の リーダーシップ を 発揮 して 他 与党 と の 調整 に 心 を 砕き 、 ぎりぎりの 一致 点 を 見いだす べく 努力 する こと が 求め られる のであって 、 そこ に 連立 政権 運営 の 妙味 も ある 。 今さら の 泣き言 は 許さ れ ない 。 何もかも 手詰まり 状態 の 中 で 政権 の 求心力 は 極度に 低下 、 すでにして 政権 末期 の 様相 を 色 濃く して いる 。 政権 の パートナー である 自民党 の 幹事 長 から 「 限界 」 発言 が 飛び出して くる こと 自体 が 末期 症状 の 最たる もの で は ない か 。 村山 首相 の おひざ元 の 社会党 は 、 山花 貞夫 前 委員 長 ら 七 人 の 離党 騒ぎ が 表面 化 、 大 揺れ に 揺れて いる 。 ただ で さえ 脆弱な 政権 基盤 が 一層 細く なる の は 必至の 雲行き だ 。 党 内 も 治め られ ない 党首 に 国家 の 統治 を ゆだねる こと 、 その もの に 無理 が ある 。 村山 首相 は 退陣 、 衆院 の 解散 ・ 総 選挙 に ついて 「 政治 の 空白 を 招く 」 と して 否定 して いる が 、 永野 健 日経連 会長 の 言 を 待つ まで も なく 「 今 だって 政治 空白 」 である 。 これ 以上 の 政治 の 浮遊 を 食い止める ため 、 一九九五 年度 予算 の 第 一 次 補正 予算 など 緊急の 案件 処理 を 終え 次第 、 衆院 を 解散 し 、 民意 を 問う べきであろう 。 日本 の 産業 に これ まで に なかった 現象 が 起きて いる 。 一九九四 年度 中 小企業 白書 に よれば 、 ここ 数 年 、 全 産業 ベース で 事業 所 数 と 従業 者 数 が 減り 続けて いる 。 これ は 戦後 の 混乱 期 以来 初めて 起きた 現象 である 。 特に 製造 業 で の 減少 が 大きい 。 これ を もたらした 要因 は 、 大きく 言って 二 つ ある 。 一 つ は 長引く 不況 、 もう 一 つ は 円高 の 追い打ち だ 。 特に 円高 は 、 アジア 諸国 から の 製品 輸入 を 急増 さ せる と 同時に 、 国 内 製造 業 の 海外 移転 を 促した 。 「 事業 所 数 と 従業 者 数 の 減少 」 は 、 「 産業 の 空洞 化 」 に ほかなら ない 。 新しい 産業 が 起きて こ なければ 、 空洞 化 は 定着 する 。 新 成長 産業 と して 「 マルチメディア 産業 」 など が 期待 さ れて いる が 、 その 姿 は まだ 定かに は 見えて こ ない 。 私 たち は 、 むしろ 空洞 化 を 埋める もの と して 中小 企業 の 活動 に 大きく 期待 し たい 。 中小 企業 は 戦後 の 日本 経済 の 発展 の 中 で 、 常に 活力 の 源泉 だった 。 多く の 新 製品 や 新 産業 が 中小 企業 から 生み出さ れ 、 それ を 担う 中小 企業 が 世界 的 企業 に のし上がった 例 も 少なく ない 。 変化 に 対して 柔軟に 、 かつ 大胆に 挑戦 できる の は 中小 企業 の 特性 である 。 今回 も 中小 企業 の 同時 多発 的な 挑戦 が 、 新たな 産業 エネルギー を 生み出し 、 閉塞 状況 を 打ち破って ほしい と 思う 。 中小 企業 を 取り巻く 環境 は 極めて 厳しい が 、 それ を マイナス だけ で なく プラス に 受け止め 、 積極 的に 活用 しよう と する したたかな 姿勢 も 見 られる 。 例えば 、 不況 に 伴う 労働 需給 の 緩和 を 人材 確保 の チャンス と みる の が 、 その 代表 的な もの だ 。 また 、 円高 を プラス と する 企業 も 少なく なく 、 円高 メリット を 積極 的に 生かそう と する 姿勢 が うかがわ れる 。 事業 展開 に ついて も 、 製造 業 の 六〇 % の 企業 が 新 分野 へ の 進出 を 試みて いる 。 海外 進出 も 盛んだ が 、 その 中身 に 注目 し たい 。 進出 企業 は 繊維 など 人件 費 比率 の 高い もの が 多い 半面 、 技術 的に 高度な もの を 持つ 金型 など 素 形 材 産業 の 九 割 近く が 今後 も 国 内 で やっていく 意向 を 示して いる 。 これ は 空洞 化 が 全面 的に 進む もの で ない こと を 示して いる 。 中小 企業 が チャレンジ する 姿勢 を 失って い ない こと に 、 私 たち は 心強 さ を 感じる 。 しかし 、 活力 低下 を 懸念 さ せる 動き も ある 。 それ は 創業 が 次第に 困難に なって いる ことだ 。 例えば 、 開業 に 要した 一 企業 平均 の 資金 は 九四 年度 に は 五 年 前 の 二 倍 近く に なって いる 。 それ だけ 創業 の ハードル が 高く なって いる のである 。 白書 に よれば 、 創業 を 希望 する 「 創業 予備 軍 」 は 依然と して 多く 、 創業 意欲 が 衰えた わけで は ない 。 それ ら の 人 たち が 挙げる 創業 上 の 問題 と して は 、 物的 担保 が ない と 融資 して くれ ない 金融 機関 の 姿勢 が 最も 多く 、 次いで 創業 支援 体制 が 官民 ともに 不足 して いる と いう もの が 多い 。 銀行 家 たち は 、 経営 者 の 資質 や 企業 の 成長 力 を 見抜く 眼力 を もっと 磨いて ほしい 。 公的な 支援 体制 と して は 、 ここ 一 、 二 年 、 中小 企業 の 新 分野 進出 など に ついて 融資 制度 や 税制 面 で の 措置 を 中心 と する いく つ か の 支援 策 が 準備 さ れた 。 それ は それ で 前進 で は ある が 、 起業 家 が 最も 問題 と して いる 資金 調達 に 十分 応える ような もの で は ない 。 その 点 で 、 ベンチャー企業 など の 資金 調達 に 道 を 開く 株式 店頭 市場 の 改革 を 急ぐ 必要 が ある 。 日本 と 朝鮮 半島 の 交流 は 、 およそ 二千 年 に も 及ぶ と いわ れる 。 この 長い 歴史 の 中 で 、 国民 同士 が 自由に 行き交い 信頼 し 合える 関係 を 築き 得た 時期 が あった か どう か は 、 論議 の 分かれる ところ である 。 国際 関係 の 視点 から 見る と 、 わが国 の 先祖 たち は 隣 の 国 と の 友好 関係 作り に ことごとく 失敗 し 、 後 の 世代 に 責任 を 押しつけて きた ので は ない か と 思える 。 これ は 、 その 時々 の 指導 者 が 後世 の 国民 の こと を 考え ず に 、 近視眼的な 外交 政策 を 取って きた ため で は ない だろう か 。 歴史 に 「 もし 」 が 許さ れる のならば 、 日本 が 百済 を 支援 せ ず 統一 新羅 と 友好 関係 を 築いて いたら その後 の 朝鮮 半島 と の 関係 は 変わって いた かも しれ ない 。 また 、 豊臣 秀吉 が 朝鮮 半島 侵略 の 計画 を 実行 し なかったら 、 さらに 朝鮮 半島 を 植民 地 に し なかったら 、 隣 の 国 と の 関係 は もっと 良好だった かも しれ ない 。 韓国 の 金 泳三 大統領 は 、 本社 社長 と の 十 日 の 会見 で 「 未来 志向 の 日 韓 関係 」 を 強調 した 。 これ は 、 両 国 の 指導 者 が これ まで 未来 を 見据えた 関係 を 構想 し なかった こと へ の 反省 である と ともに 、 将来 の 国民 に 対する 指導 者 と して の 責任 を 強く 自覚 した 言葉 であろう 。 大統領 は また 、 アジア の 建設 と 地域 安定 、 平和 の ため に 日 韓 両 国 の 協力 関係 の 強化 を 強調 した 。 これ は 、 韓国 が わずか 三十 年 余 で 極貧 国 から 先進 国 の 入り口 に 立って いる 事実 を 踏まえた うえ で の 、 発言 である 。 韓国 は 、 すでに アジア でも 有数 の 経済 力 を 誇り 、 国連 平和 維持 活動 に も 積極 的に 参加 して いる 。 また 、 経済 協力 開発 機構 へ の 加盟 も 表明 した 。 韓国 の 発展 を 背景 に 、 大統領 は 今年 から 「 韓国 の 世界 化 」 を 新しい 内外 戦略 と して 打ち出して いる が 、 この 「 課題 の 推進 」 も 強調 した 。 韓国 は 、 大国 中国 と 日本 に 挟ま れた 小国 の 悲哀 を 、 何度 と なく 味わわさ れて きた 。 この 不利な 国際 環境 を 打開 する ため に 打ち出さ れた の が 「 世界 化 戦略 」 である 。 韓国 の 歴史 を 日 中 の 歴史 の 中 に 埋没 さ せ ず に 、 直接 世界 の 歴史 の 中 に 位置づけ たい と の 思い が 込め られて いる 。 後世 へ の 遺産 と して 「 世界 的 存在 の 韓国 」 を 残そう と する 大統領 の 挑戦 を 、 高く 評価 し たい 。 大統領 は 、 朝鮮 半島 の 平和 と 安定 、 さらに は 統一 の ため に 南北 首脳 会談 実現 へ の 意欲 を 示した 。 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 の 金 日成 主席 の 突然の 死去 で 延期 さ れた 南北 首脳 会談 の 実現 に 期待 し たい 。 日 韓 両 国 は 、 今年 八 月 に 戦後 五十 年 を 迎える 。 五十 年 の 意味 は 、 両 国 で は まったく 異なる 。 韓国 の 八 月 十五 日 は 、 日本 の 支配 から の 解放 ・ 独立 を 意味 する 。 また 十二 月 に は 、 日 韓 正常 化 三十 年 を 迎える 。 これ から 年 末 まで の およそ 半年 間 は 、 日 韓 の 国民 に とって 過去 の 歴史 の 教訓 を 確認 する と 同時に 、 未来 の 国民 に どのように 歴史 を 引き継ぐ か を 考える 重要な 時期 に なる 。 金 泳三 大統領 が 力説 する 「 未来 志向 の 関係 」 と は 、 過去 を 教訓 に 望ましい 未来 関係 を 作る ため の 構想 を 求める もの である 。 言葉 の 響き は 美しい が 、 その 実現 と 責任 は 決して きれいごと で 済まさ れる もの で は ない 。 将来 の 国民 と 歴史 の 未来 は 、 後世 に 責任 と つけ を 回さ ない 隣 の 国 と の 望ましい 関係 作り へ の 構想 を 、 求めて いる のである 。 「 ニッポニア ・ ニッポン 」 の 名 を 持つ 日本 産 トキ の 絶滅 が 確実に なった 。 豊かだった 日本 の 自然 が 育てた トキ 科 トキ 属 の 一 属 一種 。 “ 桃花鳥 ” “ 美人 鳥 ” の 風切り羽 の 、 においたつ ような 桃色 の 記憶 を 和服 の 伝統 色 朱鷺 色 に しのぶ のみ だ 。 新潟 県 新穂 村 の 環境 庁 トキ 保護 センター に 飼わ れて いた 国 の 特別 天然 記念 物 、 国際 保護 鳥 の トキ 最後 の 雄 ミドリ は 、 中国 産 の 雌 「 フォンフォン 」 と の 間 に 、 かえら ぬ 五 つ の 卵 を 残して 死んだ 。 もはや 繁殖 能力 の ない 高齢 の 雌 「 キン 」 一 羽 しか 残さ れて い ない 。 美しい 生きもの 、 日本 列島 の 生命 の 輪 が 、 また ひと つ 断ち切ら れた 。 優雅 さ 、 品位 の ありか は 、 こうして 滅ぼさ れて いく 。 トキ は なぜ 絶滅 に 追い込ま れた の か 。 その いきさつ を 記憶 し 「 生物 の 多様 性 を 守る 条約 」 が 結ばれた 、 自然 と の 共生 を 目指す 時代 に 備えて おき たい 。 第 一 の 原因 は 、 銃 に よる 狩猟 である 。 日本 中 に 群生 して いた トキ は 、 江戸 時代 まで その 羽根 を アユ 釣り の 毛針 や 矢羽 に 用い られる 程度 だった 。 だが 、 明治 時代 の 銃猟 解禁 で 乱獲 さ れ 、 羽根 ぶとん の 原料 と して 輸出 まで さ れた 。 狩猟 法 が つくら れた 明治 二十八 年 当時 、 トキ は すでに “ 幻 の 鳥 ” に なろう と して いた 。 この 経過 を 現代 へ の 警鐘 と して とらえ たい 。 ツキノワグマ や ヒグマ 、 ヨシガモ など は 、 絶滅 の おそれ が ある 地域 で 狩猟 の 対象 と さ れて きた 。 総務 庁 は 一九九二 年度 行政 監察 で 、 狩猟 が 野生 動物 に 危険な 圧力 を 加えて いる と 警告 して いる 。 希少 種 の 生息 地 に 保護 区 を 設け 、 全国 を 禁猟区 と して 限ら れた 区域 に 狩猟 を 制限 して は 、 と の 同 庁 の 勧告 に 賛成 する 。 トキ 絶滅 の 第 二 の 原因 は 、 自然 環境 の 汚染 、 破壊 である 。 ドジョウ や タニシ を 生き餌 に し 、 森 に 営巣 する トキ の 習性 に 、 農薬 汚染 と 自然 林 の 減少 は 致命 的だった 。 体 内 から 高い 濃度 で 農薬 が 検出 さ れ 、 その せい と み られる 卵殻 の 薄い “ 軟 卵 ” は ふ化 し なかった 。 残り 少ない 野生 生物 の 生息 地 は 、 点 と して で は なく 自然の 生態 系 を 保つ 広い 面 と して 保存 す べき こと を 、 トキ の 絶滅 は 教えて いる 。 「 絶滅 の おそれ の ある 野生 動植物 の 保存 法 」 を 積極 的に 生かして いき たい 。 第 三 に 、 天然 記念 物 行政 の 在り 方 を 科学 的に 改めて もらい たい 。 昭和 五 年 、 佐渡 と 石川 県 能登 で それぞれ 四 、 五 羽 の トキ が “ 発見 ” さ れた 。 しかし 、 国 が 特別 天然 記念 物 に 指定 した の は 昭和 三十五 年 の こと で 、 新穂 村 に 二〇〇〇 ヘクタール の 保護 地 が 設け られた 。 ここ で 四十八 年 に は 十五 羽 まで 増えた 実績 が ある 。 もっと 早く 保護 区 が 設け られて いたら 、 と 悔やま れる 。 大正 十四 年 に 北海道 釧路 湿原 の 奥 で 十数 羽 が “ 発見 ” さ れた タンチョウ の 場合 は 、 生息 地 の 自然 が 保た れる 一方 で 地元 の 人々 の 給餌 が 続け られ 、 今年 一 月 現在 で 六百二十八 羽 まで 回復 して いる 。 野生 生物 の 保護 増殖 は 、 話題 の 動植物 に とどまり がちだ 。 日本 列島 で 絶滅 の おそれ が ある 動植物 二百四十七 種 の うち 保護 、 増殖 が 図ら れて いる の は 、 イリオモテヤマネコ など 十一 種 に すぎ ない 。 北海道 の シマフクロウ や エトピリカ に 、 トキ の 運命 を たどら せ ない よう 努め たい 。 国 と 地方 の 役割 を 見直し 、 権限 と 財源 を 国 から 地方 に 移す こと を 目的 に した 地方 分権 推進 法 が 成立 した 。 日本 の 国家 体制 は 明治 以来 、 効率 を 重視 する あまり 、 中央 集権 型 の システム を 取り 続けて きた 。 とくに 戦前 の 一九四〇 年 ごろ に 形成 さ れた 「 一九四〇 年 体制 」 と も いう べき 中央 集権 体制 が 、 基本 的に は 戦後 も 続いて きた 。 阪神 大 震災 は 防災 体制 に 不備 が あり 、 現在 の 国家 経営 システム で は 有効に 機能 し 得 ない こと を 如実に 示した 。 大 震災 から 得た 教訓 は 、 国 と 地方 の 権限 配分 の 見直し 、 分散 型 国土 へ の 転換 など が 必要 と いう こと だった 。 地方 分権 を 求める 声 は 「 地方 の 時代 」 が 叫ば れた 八〇 年 代 から 全国 的に 巻き起こって きた が 、 これ まで は 掛け声 倒れ に 終わって きた 。 しかし 推進 法 が 成立 した こと に より 、 地方 分権 実現 に 向け 第 一 歩 が 踏み出さ れた わけで 、 その 意義 は 大きい 。 村山 富市 首相 は 、 地方 分権 を 行政 改革 、 規制 緩和 、 情報 公開 と 並ぶ 最 重要 課題 と 位置付けて きた 。 首相 は 行政 改革 や 規制 緩和 で つまずき 、 危機 管理 能力 の 欠如 や 最近 の 「 限界 」 発言 問題 で 、 政権 へ の 求心力 を 著しく 低下 さ せて いる 。 そうした 状況 下 で 地方 分権 だけ は 一応 の レール を 敷いた と 言って いい だろう 。 ただし 推進 法 は 、 総論 的な 宣言 法 の ため 、 何 を どこ まで 進め 、 どんな 中身 に して いく か など 分権 の 具体 像 は 示して い ない 。 そこ で 重要に なって くる の が 、 第三者 機関 と して 総理 府 内 に 設置 さ れる 地方 分権 推進 委員 会 の 人選 と 、 法律 や 財政 上 の 改正 など を 盛り込んだ 政府 の 「 地方 分権 推進 計画 」 の 策定 作業 だ 。 推進 委員 会 は 「 推進 計画 」 作成 の ため の 具体 的な 指針 を 首相 に 勧告 する と ともに 、 政府 の 仕事 ぶり を 監視 し 、 意見 を 述べる と いう 重要な 役割 を 持って いる 。 政府 は 今 国会 中 に 委員 を 決める 方針 だ が 、 その 人選 次第 で は 分権 の 進み 具合 や 行方 が 左右さ れ かね ない 。 私 たち は 、 委員 に は 政府 に にらみ が 利き 、 分権 に 積極 的な 民間 人 や 地方 自治 体 関係 者 を 多く 登用 し 、 中央 省庁 OB は 避けた 方 が いい と 主張 して きた が 、 政府 は ぜひとも この 点 に 留意 して ほしい 。 「 推進 計画 」 の 策定 で 焦点 に なり そうな の は 、 国 と 地方 と の 役割 分担 を どう する か だろう 。 自治 体 が 国 の 仕事 を 代わって 行って いる 機関 委任 事務 の 扱い も 大きな 課題 だ 。 中央 省庁 や 族 議員 の 抵抗 で 「 推進 計画 」 が 骨抜き に なる ような 事態 は 避け ねば なら ない 。 参院 段階 で 「 地方 税 財源 の 充実 を 図る べきだ 」 と の 付帯 決議 が ついた が 、 自治 体 の 自主 性 ・ 自立 性 を 高める 観点 から も 、 この 指摘 は 重要だ 。 経済 界 に は 、 地方 公共 サービス や 税収 に 関して 、 均一 性 を 重視 する 「 ナショナル ・ ミニマム 」 は ある 程度 、 達成 さ れた のだ から 、 今後 は 多少 、 不 均一に なって も 多様 性 の 方 を 重視 する 「 ローカル ・ マキシマム 」 を 認める べきだ と の 意見 も ある 。 一考 に 値する 提言 だろう 。 地方 分権 と は 、 各 地域 が 個性 を 競い合う サバイバル の 時代 に 入る こと を 意味 する 。 分権 を 国 まかせ に する ので は なく 、 権限 の 受け皿 と して の 能力 が 自治 体 側 に ある の か と 揶揄 さ れる こと の ない よう 、 各 自治 体 は 職員 の 資質 や 住民 の 関心 を 高める など 受け入れ 態勢 づくり を 始め なければ なら ない 。 七 年 前 に まとめ られた 「 ハンセン 療養 所 歌人 全集 」 は 、 社会 から 隔離 さ れた 人々 の 思い を 切々と 伝える 。 そんな 境遇 に 追い込んだ 「 らい 予防 法 」 が ようやく 廃止 さ れる 運び に なった 。 制定 から 実に 九十 年 近い 歳月 の 末 である 。 昨春 から 全国 国立 ハンセン 病 療養 所 所長 連盟 、 全国 ハンセン 病 患者 協議 会 、 日本 らい 学会 が 次々 に 同法 の 廃止 を 求め 、 だめ 押し の 形 で 厚生 省 委託 の 「 ハンセン 病 予防 事業 対策 調査 検討 会 」 が 十二 日 「 法 は 必要 なし 」 と 報告 した 。 悪法 が 、 なぜ 、 これほど に 長く 放置 さ れた の か 。 報告 書 を 読む に つけ 改めて 、 つくづく 感じる 。 らい菌 の 感染 力 は もともと 極めて 弱く 、 その 菌 に 対する 免疫 力 の ない 人 だけ が 例外 的に 発病 する 。 一九四三 年 に は 特効 薬 が 生まれ 容易に 治る ように なった 。 最近 の 多 剤 併用 療法 で は 治療 開始 から 数 日 で 感染 力 を 失う こと も 証明 さ れて いる 。 わが国 で は 新たな 発病 は 九三 年度 で 八 人 。 だが 、 全国 十五 カ所 の 療養 所 に 入所 し なければ 治療 は 受け られ ない 。 報告 書 は 「 つまり 隔離 が 先 で 治療 が 後 に なる 仕組み 。 患者 は 入所 を 恐れて 躊躇 し 、 早期 治療 は 遅延 する 。 らい 予防 法 が 逆に 早期 発見 、 早期 治療 を 阻む 」 と まで 断じた 。 こんな 隔離 主義 の 法律 を 持つ 国 は ない 。 ノルウェー の 医師 、 ハンセン が 病原 菌 を 発見 した の は 一八七三 年 、 明治 六 年 の こと だった 。 ノルウェー は 自宅 療養 を 軸 に する 穏やかな 対策 を 取る が 、 わが国 は 一九〇七 年 の らい 予防 法制 定時 は ともかく 、 その後 は 急速に 「 絶対 隔離 」 の 強権 策 を 推し進めた 。 第 二 次 大戦 後 の 五三 年 の 法 改正 でも 、 強制 隔離 は もちろん 入所 者 の 外出 禁止 まで 残して 、 この 病気 へ の 偏見 を 助長 し 、 患者 の 人権 を 踏みにじって きた 。 現実 に 法律 の 規定 は 空文 化 して 入所 者 は 外出 できる 。 だが 、 「 行く先 は 療養 所 と 告げる と 、 タクシー の 運転手 に 、 料金 は シート に 置け と 言わ れて …… 」 。 一 世紀 に も わたって 恐ろしい 病気 と 社会 的な スティグマ を 押し 続けて きた 反省 から 、 私 たち は 再 出発 し なければ なら ない 。 瀬戸内 の 小島 に 、 住人 も まばらな 山間 部 で 、 入所 者 たち は 世間 と の 交流 も なく 暮らす 。 約 五千八百 人 の 平均 年齢 は 七十 歳 と いう 。 居住 ・ 医療 は 保障 さ れ 「 給与 金 」 が 出る 。 らい 予防 法 に 、 その 保障 規定 が 含ま れる ゆえ 、 入所 者 は 単なる 廃止 に おびえた 。 法 の 廃止 と 同時に 、 報告 書 は 「 現状 の 療養 所 の まま 従来 通り の 生活 、 医療 、 福祉 の 保障 を 」 と 要請 した 。 たとえ 少数 であって も 懐かしい 郷里 や 家族 の もと に 戻れる 対策 を 忘れ ないで ほしい 。 風邪 を ひいたり 、 腰痛 に 悩んで も 療養 所 以外 で 診て くれる 病院 は 全国 に 数 カ所 しか ない 。 わが国 の ハンセン 病 の 歴史 は 、 強権 発動 に よる 人権 じゅうりん 、 恐怖 を あおり 偏見 を 広めた 重い 教訓 を 引きずる 。 それ は 推定 六百万 人 と 言わ れる 開発 途上 国 の ハンセン 病 対策 や 新たな 脅威 ・ エイズ 克服 で 繰り返して は なら ない 共通の 課題 である 。 小説 、 映画 、 テレビ の ドラマ に 、 作者 が 想像 力 を 絞って 作り上げた 奇怪で おぞましい 事件 が 登場 する こと が ある 。 しかし 、 オウム 真理 教 を めぐる 疑惑 は その フィクション を はるかに 超える 。 私 たち が 持ち合わせて いる 「 物差し 」 で は 、 測り にくい 出来事 が 現実 の 社会 で 起きて いる こと に 、 驚き と 戸惑い を 感じる 。 警視 庁 は 十六 日 、 教団 代表 の 麻原 彰晃 容疑 者 と 幹部 ら を 殺人 、 殺人 未遂 の 容疑 で 逮捕 した 。 麻原 容疑 者 ら に は 山梨 県 上九一色 村 の 施設 で サリン を 作り 、 東京 の 地下鉄 車 内 で まいた 疑い が 持た れて いる 。 事件 は 多岐に わたる が 、 サリン 製造 と 十二 人 が 死亡 し 、 多数 の 重 軽症 者 が 出た 地下鉄 サリン 事件 と の かかわり が 、 最大 の 疑惑 である 。 一連の 捜査 は 最初の 大きな 壁 を 越えた 。 しかし 、 拉致 さ れた 東京 ・ 目黒 公証 役場 事務 長 の 行方 、 銃器 密造 の 疑惑 の 解明 が 残って いる 。 捜査 当局 が 視野 に 入れて いる 模様 の 警察 庁 長官 の 狙撃 、 それ に 松本 サリン 事件 など 、 まだ 乗り越え なければ なら ない 山 が いく つ も ある 。 地下鉄 サリン 事件 の 動機 も 分から ない 。 宗教 団体 に よる 無差別 テロ の 疑い が 強い 事件 だ 。 前例 の ない 事件 の 全容 を 明らかに する に は 、 まだ 時間 を 要する だろう 。 そこ に 到達 する に は 、 証拠 を 一つひとつ 慎重に 積み上げて いく しか ない 。 私 たち は 、 これほど おぞましい 事件 と 直面 した こと が ない 。 「 この 国 は どうして しまった のだ 」 と の 声 を 聞いた 。 麻原 容疑 者 が 一九八四 年 に 設立 した 教団 が なぜ 反 社会 的な 集団 に なり 、 そこ に 大勢 の 若い 人 たち が 集まった の か 。 多く の 学者 、 評論 家 ら が さまざまな 視点 から 語って いる 。 極めて 深刻な 問題 を 突き付け られた から である 。 ある 人 は 戦後 の 経済 優先 主義 や 偏差値 教育 の ランク 付け が 、 潤い の ある 社会 を 支える 人 と 人 の 結び付き を 薄れ させた こと が 背景 に ある と 述べる 。 別の 人 は 閉塞 感 や 不透明な 社会 と 絡め 、 そこ から の 脱出 を 超 能力 に 求めた と 語る 。 「 仏教 系 」 の 教団 と 「 一神教 の 終末 論 」 と の 奇妙な 結び付き が 、 教団 を 変質 さ せた と の 分析 や 、 テレビ ゲーム 世代 の 仮想 と 現実 の 錯誤 と の 説明 も ある 。 「 なぜ 」 に 答える 論議 は 、 同じ ような 事件 の 再発 を 避ける ため に 欠かせ ない 。 しかし 、 まだ 分から ない こと が 多い 。 全体 像 を つかもう と する と 、 まるで 巨大な 迷路 に 入った 思い に なる 。 いら立ち を 覚える が 、 結論 を 出す に は 今 少し の 時間 が 必要の ようだ 。 私 たち は 重い 宿題 と 受け止めて いる 。 「 社会 の ゆがみ を 映した もの 」 の 指摘 に は 、 「 考え 過ぎ だ 」 の 反論 は ある 。 それ でも 「 どうして 」 の 疑問 は 残る 。 しかし 、 うろたえる 必要 は ない 。 阪神 大 震災 の 時 、 全国 から 若い ボランティア が 大勢 、 自発 的に 現地 に 駆け付け 、 私 たち の 胸 を 熱く さ せて くれた こと を 思い出して ほしい 。 彼ら の 活躍 も また 、 今 の 日本 の 姿 な のだ 。 緊急に 対応 し なければ なら ない 問題 に 話 を 移し たい 。 どのような 社会 的 背景 が あろう と 、 おぞましく 、 私 たち が 厳しく 対決 し なければ なら ない 犯行 に は 変わり が ない 。 今回 の 事件 で は 「 また サリン が まか れる かも しれ ない 」 の 恐怖 が 付きまとって いた 。 井上 幸彦 ・ 警視 総監 は 十六 日 の 記者 会見 で 「 残存 した サリン は 、 まず ない 」 と 語った 。 少し 胸 を なで下ろした が 、 「 別の 毒物 で 」 の 恐れ は 消え ない 。 いたずらに 恐怖 感 を 抱く の は 犯人 の 思うつぼ かも しれ ない 。 捜査 当局 に は 、 市民 が 冷静に 対応 できる の に 必要な 情報 の 提供 を 求め たい 。 私 たち 一般 市民 は サリン に よって 「 人質 」 に さ れて いる ような もの だった 。 十 年 ほど 前 、 グリコ ・ 森永 事件 で 同じ 思い を さ せ られた 。 この 時 、 犯人 は 製菓 会社 に カネ を 要求 した 。 しかし 、 今回 は 何 が 狙い な の か よく 分から ない 。 よけい 不気味だ 。 警察 は 今後 も 、 駅 など を 中心 に 大勢 の 警察 官 を 配置 し 、 警戒 を 続ける 。 だが 、 警察 の 力 だけ で ゲリラ 的な 犯行 を 完全に 抑え 込む の は 難しい 。 五 日 夜 、 東京 ・ 新宿 の 地下鉄 丸ノ内 線 新宿 駅 の トイレ に 青酸 ガス 発生 装置 が 仕掛け られた 事件 から 教訓 を 学び たい 。 教団 と の 関係 は 今 も 不明だ が 、 凶悪な テロ 行為 である こと は 、 地下鉄 サリン 事件 と 同じ ような 性格 を 持って いる 。 燃えて いる 袋 を 見つけた 会社 員 が 駅員 に 伝え 、 すぐ 消火 し 幸い 死傷 者 は 出 なかった 。 「 不審 物 を 見たら 、 すぐ 係員 に 連絡 」 が 、 ガス が 地下 街 に 広がる 惨事 を 寸前 で 防いだ 。 犯人 たち は 「 すき 」 を 狙って いる だろう 。 会社 員 の この 当たり前の 行動 が 彼ら の もくろみ を つぶした 。 繰り返す が 、 麻原 容疑 者 の 逮捕 で 事件 が 終わった わけで は ない 。 逃げて いる 容疑 者 も いる 。 おぞましい 事件 を 起こした 犯人 たち に 、 少し の すき も 見せて は なら ない 。 彼ら と の 戦い は 、 まだ 続いて いる 。 教団 から 保護 した 子供 たち や 脱会 した 信者 たち の 社会 の 受け入れ 、 宗教 法人 の 認可 ・ 解散 請求 の 問題 。 政府 の 危機 管理 や 「 微罪 逮捕 」 の 問題 を 含め 、 こうした 事件 の 捜査 の 在り 方 など 取り組ま なければ なら ない 課題 が 山 の ように 待って いる 。 この 社会 に は とんでもない ゆがみ が 隠れて いる ので は ない か 。 それ を 確認 しよう と する 作業 は 気 が 重く 、 やっかいだ 。 しかし 、 それ を 続ける 勇気 を 持ち たい 。 そう で なければ 、 これ ら の 問題 を 解決 する こと は でき ず 、 さらに 同様の 事件 が 起きる かも しれ ない 恐れ が 残る こと に なる 。 米国 が ついに 通商 法 三〇一 条 に よる 制裁 候補 リスト を 発表 した 。 日 米 自動車 ・ 同 部品 分野 交渉 の 物別れ を 受けた もの で 、 日本 製 の 高級 乗用車 十三 車種 に 一〇〇 % の 報復 関税 を かける と いう もの 。 対象 輸入 総額 は 五十九億 ドル で 制裁 に 関する 措置 で は 史上 最大 の 額 である 。 これ に 対し 、 日本 政府 は 直ちに 世界 貿易 機関 へ 提訴 。 さらに 対抗 措置 を 検討 する など 「 自動車 戦争 」 必至 の 様相 を 見せて いる 。 しかし 、 慌てる こと は 禁物 である 。 いま こそ 冷静に 局面 打開 の 策 を 見いだす 努力 が 必要だ 。 最終 段階 まで 三十 日間 の 時間 が 残さ れて おり 、 双方 が 感情 的な 対応 を 慎めば 、 決裂 を 回避 できる 道 は ある と 信じ たい 。 米国 側 が 最終 リスト の 決定 を 六 月 二十八 日 に した 意味 を 考え たい 。 国 内 的に は 公聴会 を 開く 必要 が ある ため だ が 、 同時に カナダ の ハリファクス で 開か れる 先進 国 首脳 会議 の 後 に 設定 した と 思わ れる 。 日 米 首脳 会談 で 解決 策 を 探り たい と いう 意図 の 表れ であろう 。 日本 と して は この 時間 を フルに 活用 する ことだ 。 公聴会 に 向けて 、 米 国民 に 日本 側 の 主張 の 正当 性 を 訴える こと が 肝要だろう 。 今回 の 交渉 を 振り返る と 、 最大 の 争点 は 日本 メーカー に よる 米国 製 部品 の 購入 量 だった 。 米国 側 は 日本 メーカー が 自主 的に 購入 量 を 増やす よう 執拗に 迫り 、 日本 側 が 拒否 、 最後 まで 平行 線 を たどった 。 自由 貿易 の 理念 から いって 、 政府 が 数値 目標 を 決め メーカー に 押し付ける の は おかしい 。 また 、 実態 面 から いって も 日本 の 部品 メーカー は 厳しい リストラクチャリング を 迫ら れて おり 、 自動車 メーカー が 外国 製 部品 の 購入 を 増やせる 余地 が ない こと は 明白だ 。 客観 的に いって 米国 の 主張 に 無理 が ある 。 ヨーロッパ 各国 も 日本 の 正当 性 を 認めて おり 、 米国 内 に も 米 政府 に 批判 的な 論調 が 見 られる 。 この 事実 と 、 制裁 が 実施 さ れた 場合 、 米国 内 の ディーラー が 大きな 打撃 を 受ける こと を 米 国民 に 広く 知って もらう 努力 が 望ま れる 。 同時に 、 日 米 間 の 貿易 不均衡 を 是正 して いく 政策 を 一段 と 進める 必要 が ある 。 日本 の 経常 黒字 は ざっと 千二百億 ドル 。 米国 の 貿易 赤字 は 約 千五百億 ドル に 達し 、 そのうち 、 約 半分 が 対 日 貿易 に よる もの だ 。 一向に 改善 し ない この 不均衡に 米国 側 が いら立ち 、 それ が 強硬な 主張 の 背景 に なって いる 事情 は 理解 す べきだ と 思う 。 このように 考える と 、 内需 を 拡大 する こと で 輸入 を 増やし 、 不均衡 を 縮小 して いく 政策 を 推し進める こと が 何にもまして 重要だ 。 万能 薬 の ような 対策 は 見当たら ない が 、 この ほど 決定 した 緊急 「 円高 ・ 景気 対策 」 を 着実に 実施 して いく こと が 大切だろう 。 仮に こうした 努力 に も かかわら ず 決裂 した 場合 、 WTO に 持ち込ま れる 。 今年 一 月 発足 した ばかりの WTO の 場 で 、 経済 大国 の 日 米 が 争う こと を 懸念 する 向き も 少なく ない 。 しかし 、 二 国 間 で 紛争 が 処理 でき ない 場合 、 多 国 間 の 協議 に 任せる の が 最も 賢明だ 。 過剰 反応 は 避ける べきである 。 もう 一 度 繰り返し たい 。 「 まだ 、 交渉 の 時間 は 残って いる 。 政府 も 自動車 業界 も 冷静に 対処 せよ 」 と 。 東京 都 庁 の 秘書 室 で 青島 幸男 都 知事 あて に 送ら れて きた 小包 が 爆発 した 。 包み を 開けた 職員 が 両手 や 顔 に 全治 二 カ月 の 大けが を 負って いる 。 私 たち の 不安 を かきたてた 東京 地下鉄 サリン 事件 で 、 オウム 真理 教 代表 の 麻原 彰晃 容疑 者 と 教団 幹部 ら が 警視 庁 に 殺人 、 殺人 未遂 の 疑い で 逮捕 さ れ 、 少し は ホッと した 十六 日 の 夜 の こと だ 。 公人 を 狙った 憎む べき テロ である 。 議会 の 特別 委員 会 に 出席 し 、 無事だった 青島 知事 は 「 卑劣な 手段 だ 。 全く 許す こと の でき ない 犯行 」 と 述べて いる 。 その 通り だ 。 これ まで に も 指摘 して きた が 、 このような 凶悪な 犯罪 を 防ぐ に は 、 まず 犯人 を 逮捕 する こと である 。 捜査 当局 に 早急な 解決 を 期待 し たい 。 青島 知事 は 今 、 動向 が 最も 注目 さ れて いる 人物 の 一 人 である 。 オウム 真理 教 の 宗教 法人 の 解散 請求 や 中止 の 意向 を 表明 して いる 世界 都市 博 の 問題 を 抱えて いる 。 さらに 、 議会 答弁 で の 「 自衛 隊 違憲 発言 」 も 波紋 を 投げ掛けた 。 犯人 の 狙い が 何 な の か は 、 もちろん 捜査 の 進展 を 待たない と はっきり し ない 。 しかし 、 警視 庁 は 青島 知事 の こうした 方針 や 行動 に 反発 した 人物 の 犯行 の 可能 性 が ある こと も 視野 に 入れて いる 。 捜査 当局 は 、 昨年 十二 月 に 東京 都 千代田 区 の 日本 テレビ で 封筒 が 爆発 した 事件 と の 関連 を 重視 して いる 模様 である 。 この 時 は 、 人気 ドラマ に 出演 して いた 子役 女優 の 安達 祐実 さん あて に 送ら れて きて いた 。 プロダクション の 社員 ら 二 人 が けが を した が 、 犯人 は 捕まって い ない 。 都庁 知事 室 の 現場 から は 、 無線 操縦 模型 の エンジン 部分 に 使用 さ れて いる プラグ が 発見 さ れて いる 。 起爆 装置 の 一部 に 使った ようだ 。 同じ 部品 が 封筒 爆発 でも 使わ れて いる 。 「 話題 の 人 」 を 狙って いる ところ も 似て いる 。 地下鉄 サリン 事件 は 、 市民 を 無差別に 狙った テロ の 疑い が 強い 。 私 たち に は 「 また サリン が 使わ れる ので は ない か 」 と の 恐怖 が つきまとい 続けた 。 今 も 、 その 恐れ は 消えて い ない 。 警察 の 厳戒 態勢 も 続いて いる 。 犯人 は それ を 見越し 、 社会 的 不安 を 広げよう と して 、 犯行 を 思いついた の か 。 「 話題 の 人 」 に 爆発 物 を 送りつけ 、 大きな 騒ぎ を 引き起こした こと で 、 私 たち の 恐怖 感 に 手 を 突っ込んで 、 かき回した と 、 ほくそ笑んで いる のだろう か 。 それとも 、 凶器 を 突き付け 、 青島 知事 の 方針 を 、 ねじ曲げよう と でも もくろんで いる の か 。 これ まで に も 、 郵便 物 を 利用 した 爆発 事件 は 起きて いる 。 私 たち は ガード を さらに 固める 必要 が あり そうだ 。 郵政 省 は 日本 テレビ で の 事件 を 契機 に 対策 を 検討 し 、 この 四 月 から 主要 郵便 局 に 金属 探知 機 の 配置 を 始めて いる 。 約 百五十 局 に 備え 、 残り 百 局 を 計画 して いる 。 配置 を 急ぐ こと と 不審 物 チェック の 再 点検 を 求め たい 。 犯人 像 が 、 なかなか 絞り 込め ない 今回 の ような 事件 の 捜査 は 難しい だろう 。 しかし 、 このような 犯人 は どうしても 、 私 たち の 前 に 引きずり出さ なければ なら ない 。 「 悪 の 報い は 針 の 先 」 。 こんな ことわざ が ある 。 悪事 の 報い は 、 針 の 先 を 回る ような もの で 、 たちまち の うち に 巡って くる 、 と いう 意味 だ 。 ぜひ 、 そう あって ほしい 。 防毒マスク の 捜査 員 に よる オウム 真理 教 施設 へ の 大 捜索 が 始まって から 、 教団 代表 逮捕 まで の 二 カ月 は 衝撃 の 連続 だった 。 捜査 が 終わって いる わけで は なく 、 厳戒 態勢 は 依然 続く 。 それ でも 大きな ヤマ を 越した 今 、 一 つ の 検討 課題 を 提示 し たい 。 捜査 と 情報 公開 の 問題 だ 。 事件 ・ 捜査 に かかわる 公式 の 情報 は 極めて 少なく 、 独自 取材 に よる 情報 が はんらん した 。 テレビ の ワイドショー など は 過熱 し 、 疑問 を 禁じ 得 ない 検証 不足 の 情報 も あふれた 。 確固と した 公式 情報 の 不足 は いたずらに 憶測 を 呼び 、 無責任な うわさ を かきたてる 。 国民 は 戸惑い 、 不安 を 募ら せる 。 「 もっと 情報 を 」 の 声 が 強まって いた の は 事実 だ 。 「 教団 幹部 が 連日 、 テレビ に 登場 して いる のに 政府 ・ 捜査 側 の カオ が 見え ない 」 と いう 、 いら立ち も 聞いた 。 今回 の 事件 は 、 国民 が 「 人質 」 に 取ら れた 国 の 治安 に かかわる 重大 事 である 。 単なる 刑事 事件 で は ない 。 捜査 の 経緯 など が もっと 明らかに さ れて も よかった 。 確かに 村山 富市 首相 や 政府 首脳 、 捜査 当局 の 責任 者 の 公式 発言 を 耳 に した 。 しかし 、 多く の 人 の 「 知り たい 」 の 声 に どこ まで 応えて いた だろう か 。 村山 首相 は 「 捜査 の 徹底 」 「 再発 防止 」 など を 言い ながら も 抽象 的 表現 に 終始 した 。 捜査 の 「 密行 性 」 は 重々 承知 して いる 。 犯罪 予防 や 捜査 の 執行 に 支障 を きたし 、 プライバシー を 不当に 侵害 する ような 情報 開示 を 求める 人 は い ない 。 それ でも 、 事 の 重大 性 を 考えれば 可能な 限り 情報 を 公開 し 、 冷静 さ を 欠いた 不安 を 取り除く こと も 必要で は なかったろう か 。 殊に 、 サリン の 残量 問題 は 速やかな 情報 開示 が 求め られた 。 「 まず 、 残存 は ない 」 「 少量 でも 、 隠匿 の 可能 性 は ある 」 と いう 公式 見解 は 、 教団 トップ の 逮捕 時 まで 待た さ れた と いう 印象 を 持った 人 も 多い 。 捜査 当局 が いつ の 時点 で この 結論 に 達した か は 分から ない 。 蓋然 的であって も 節目 々々 で 明らかに して いく べきだった ので は ない か 。 微罪 逮捕 の 問題 でも 、 事情 説明 を 重ねる べきだった 。 批判 、 困惑 の 声 が ある の も 事実 だ 。 きめ細かに 説明 して 国民 に 理解 を 求めて いけば 、 捜査 へ の 信頼 、 さらに は 協力 を 一層 期待 できよう 。 かつて 、 ダグラス ・ グラマン 疑惑 で 捜査 中 に も かかわら ず 当時 の 法務 省 刑事 局長 が 、 国会 の 場 で 政治 家 へ の 五億 円 供与 など 捜査 情報 を 詳細に 答弁 した こと が あった 。 政治 家 の 刑事 責任 が 職務 権限 など の 関係 で 問え ない と いう 背景 事情 は あった が 、 検察 当局 に は 「 国民 の 前 に 真実 が 解明 さ れる こと が 望ましい 」 と いう 姿勢 が 見 られた 。 刑事 訴訟 に 関する 資料 は 公判 前 に は 原則 非 公開 である 。 しかし 、 「 公益 上 の 必要 が あれば 、 この 限り で ない 」 と いう 例外 規定 も ある 。 今 、 行政 改革 委員 会 の 部会 で 情報 公開 法 の 要綱 作り が 進んで いる 。 その 専門 委員 の 一 人 は かつて 論文 の 中 で 「 犯罪 に 関する 行政 上 の 意思 決定 過程 も 国民 参加 が 保障 さ れ なければ なら ない 」 と 論じ 、 適用 除外 も 視野 に 入れ ながら 捜査 情報 の 公開 の 必要 性 を 主張 して いた 。 捜査 に は 情報 公開 が なじみ にくい 面 も あろう 。 が 、 今回 の 事件 から 国民 の 「 知る 権利 」 に 応える 意義 も 浮かび上がった 。 ぜひ 前向き の 論議 を 要望 し たい 。 大 震災 から 四 カ月 が 経過 し 、 復興 が 本格 化 する と ともに 、 法的な トラブル が 急増 して いる 。 震災 関連 の 訴訟 や 調停 は 既に 八百 件 を 数える 。 近畿 弁護 士 会 連合 会 は 、 被災 地 で 数万 件 の 法律 相談 に 応じて きた 実績 から 「 今後 も 深刻な 法律 紛争 が 大量に 発生 する 」 と 予測 する 。 司法 が 、 紛争 の 解決 を 通じて 住民 の 生活 再建 に 貢献 できる か どう か 、 その 力量 を 問わ れて いる のだ 。 紛争 の 長期 化 は 、 復興 の 障害 に なる 。 被災 者 間 の 信頼 関係 を 断ち 、 地域 の 協力 関係 を 破壊 する から だ 。 裁判 所 、 法務 当局 、 弁護 士 会 、 自治 体 は 、 一致 して 震災 紛争 を 適正 、 早急に 解決 する 努力 を 強めて ほしい 。 関東 大 震災 で は 、 十数 カ所 に 借地 借家 法 の 調停 出張 所 が 作ら れ 、 三 カ月 で 二千 件 の 調停 を 成立 さ せた と いう 。 現在 の 大 都市 は 、 当時 に 比べ 権利 関係 が 複雑 化 して いる 。 被災 地 で の 法律 相談 も 、 住まい 、 ローン 、 雇用 など 多様で 、 マンション 再建 など は 多数 の 利害 調整 を 要する 。 質量 ともに 、 司法 と 法律 家 へ の 期待 は 大きい のだ 。 まず 急ぐ べき は 、 法律 家 に よる 調停 や 示談 ・ 仲裁 の システム を 飛躍 的に 充実 さ せる こと だろう 。 紛争 の 大半 は 暮らし に 密着 して おり 、 緊急 性 が 高い 。 速やかな 手続き を 望む 被災 者 が ほとんど な のだ 。 民事 調停 は 、 裁判 所 の 調停 委員 や 裁判 官 が 仲介 して 、 和解 を 成立 さ せる 。 裁判 の 一種 だ 。 仲裁 は 、 裁判 に 頼る 前 に 弁護 士 など が 間 に 入り 、 話し合い 解決 を 図る 。 いずれ も 、 明確に 勝敗 を 決める 本 訴訟 に 比べ 、 当事 者 の 譲り 合い に よる 解決 を 目指す の が 特徴 で 、 法的に は 判決 と 同じ 効力 が ある 。 時間 も 経費 も かかる 本 訴訟 に 対し 、 被災 者 の 「 簡便 、 迅速 、 低廉 」 の 要求 に も 合致 する 。 既に 神戸 と 西宮 の 簡易 裁判 所 に は 震災 専門 の 調停 係 と 相談 窓口 が 新設 さ れた 。 神戸 、 阪神 地区 の 調停 委員 も 約 二百 人 増員 さ れた 。 近畿 の 各 弁護 士 会 は 協力 して 、 被災 地 七 カ所 に 「 臨時 示談 斡旋 仲裁 センター 」 を 開設 、 現在 約 七十 件 を 仲裁 中 だ 。 大阪 高裁 に よる と 、 近畿 各地 の 裁判 官 六 人 が 被災 地 に 応援 派遣 さ れて いる 。 いずれ も 、 積極 的な 取り組み であり 、 評価 し たい 。 しかし 、 今後 も 増加 が 予想 さ れる 法律 紛争 に 備える に は 、 十分な 体制 と は 言い切れ ない 。 受け皿 を もっと 用意 でき ない もの か 。 本 訴訟 の 増加 に 備え 、 神戸 地裁 に 震災 専門 の 特別 部 を 設置 する 案 や 、 近畿 以外 から も 裁判 官 の 応援 が 可能な 体制 を 求める 声 も ある 。 実現 する よう 望み たい 。 ほか に も 多く の 提案 が なされて いる 。 「 日常 の 地域 別 管轄 の 壁 を 特別 立法 で 取り払い 、 震災 関連 に 限って は 管轄 外 の 裁判 所 でも 調停 を 行う 」 「 簡裁 の ない 地域 で は 自治 体 の 協力 で 調停 室 を 用意 する 」 「 手続き 促進 の ため 、 夏季 の 休廷 期間 を 利用 して 集中 審理 を 実施 する 」 など だ 。 検討 の 価値 が あろう 。 紛争 を 抱えた 被災 者 は 、 経済 的に も 困って いる 。 特別 立法 に よる 訴訟 費用 減免 の 道 も 考えて ほしい 。 市民 に 身近な 司法 、 市民 が 気軽に 道具 と して 使う 司法 は 、 現在 叫ば れて いる 日本 の 司法 改革 の 大きな 目標 である 。 「 待ち の 司法 」 で なく 「 市民 の 中 に 飛び込む 司法 」 を 、 被災 地 で 実践 して ほしい 。 それ が 、 司法 改革 の 一 歩 に も なる はずだ 。 一九九五 年 版 「 通商 白書 」 が 発表 さ れた 。 唐突 かも しれ ない が 二 昔 前 流行 した 演歌 の 「 花 と 蝶 」 を 連想 さ せる 内容 に なって いる 。 蝶 は 企業 、 花 は 国家 。 経済 の 国際 化 が 急 進展 する 中 で 、 企業 は 国境 を 越えて 魅力 ある 国 、 地域 に 自由に 飛び回る 。 魅力 の ない 花 は 立ち 枯れ に なって しまう 。 だから 、 蝶 が 喜んで 飛んで 来る ような 花 に なら なければ なら ない 、 と いう シナリオ だ 。 白書 に よる と 、 わが国 の 輸入 は 九三 年度 から 急カーブ で 増加 して いる が 、 中でも 機械 類 部品 の 伸び が 目覚ましく 九四 年 の 部品 輸入 額 は ドルベース で 九〇 年 の 五七 % 増 に なって いる 。 地域 別 で は 中国 を はじめ と した アジア 地域 が 圧倒 的に 多い 。 一方 、 輸出 も 機械 類 部品 を 中心 と した 資本 財 が 急増 して おり 、 アジア 向け と 米国 向け が 目立って いる 。 付加 価値 の 低い 汎用 品 は アジア 地域 から 輸入 、 高 付加 価値 の 部品 を アジア や 米国 に 輸出 する 形 の 貿易 が 増えて いる と の 分析 だ 。 さらに 、 部品 の 輸出入 は 工場 の 建設 など 日本 企業 が 直接 投資 した 地域 ほど 増えて いる こと を 指摘 。 多く の 企業 が 国際 的な 分業 体制 を 強めて いる 姿 を 描き出して いる 。 こうした 事実 から 白書 は 「 わが国 の 貿易 と 投資 は 東 アジア を 核 に 深く 絡み合い 、 貿易 構造 が 大きく 変化 した 」 と 強調 して いる 。 問題 は この 貿易 構造 の 変化 に 日本 の 経済 的 システム や 産業 構造 が 適応 できる か どう か だ が 、 白書 は 日本 の 高 コスト 体質 に 強い 危機 意識 を 表明 して いる 。 つまり 急激な 円高 で 内外 価格 差 が 広がり 、 これ を 放置 して おけば 生産 拠点 だけ で なく 研究 開発 部門 、 さらに 本社 機能 まで 海外 に 移転 する 動き が 強まる 。 それ を 埋める ような 外国 企業 の 対 日 投資 は 極めて 少ない 。 長期 的に 見て 「 産業 の 空洞 化 」 が 懸念 さ れる 、 と いう わけである 。 冒頭 の 例 で 言えば 、 日本 と いう 花 は 急速に 魅力 を 失い だし 、 これ まで と まって いた 蝶 が 飛び去り 始め 、 しかも 別の 蝶 も 飛んで こ ない 状況 と 言えよう か 。 そこ で 白書 は 各国 の 魅力 ある 花 に なる ため の 努力 、 「 競争 条件 の 整備 」 へ の 取り組み を 紹介 する 。 米国 は 店頭 市場 を 整備 し ベンチャービジネス など リスク の ある 企業 に 多額の 資金 供給 を 実施 して いる 。 ドイツ は 「 産業 立地 法 」 を 、 イギリス は 産業 競争 力 白書 で 「 ビジネス を 勝利 さ せる 政策 」 を 打ち出し 、 ともに 総力 を 挙げて いる 。 先進 国 以外 で は シンガポール が 国家 戦略 と して 国際 ビジネス の 拠点 づくり に 取り組み 、 中国 も 豊富な 労働 力 を 武器 に 外資 導入 を 加速 化 して いる ―― など 具体 例 を 挙げて いる 。 その 結論 と して 「 わが国 は 早急に 市場 条件 の 整備 を 行い 、 企業 が 競争 力 を 最大 限 に 発揮 できる 環境 に する こと が 不可欠 」 と して いる 。 その 通り であろう 。 企業 が 活動 し やすい 条件 整備 の 国際 競争 で 遅れて は 大変だ 。 もちろん 現実 問題 と なる と 、 こと は 簡単で は ない 。 賃金 水準 を 大幅に 下げる わけに は いか ない し 、 一部 の 経営 者 が 主張 して いる 法人 税 の 軽減 も 税 体系 を 総合 的に 検討 し なければ なら ない 問題 である 。 しかし 、 本腰 を 入れた 市場 条件 整備 へ の 取り組み は 急務 である こと は 間違い なく 、 衆知 を 集める 必要 が あろう 。 「 隊員 は 、 わが国 の 平和 と 独立 を 守る 自衛 隊 の 使命 を 自覚 し 、 一致 団結 、 厳正な 規律 を 保持 し 、 常に 徳操 を 養い …… 強い 責任 感 を もって 専心 その 職務 の 遂行 に あたり …… もって 国民 の 負託 に こたえる こと を 期する もの と する 」 自衛 隊 法 は 第 五二 条 「 服務 の 本旨 」 で 、 自衛 隊員 の 使命 や 心構え を 、 このように 明記 して いる 。 自衛 隊 は 、 設置 さ れて から 四十 年 が 過ぎた 。 人間 で 言えば 「 不惑 」 の 年代 である 。 ところが 何 に 惑わさ れた の か 、 現職 自衛 隊員 や 元 自衛 隊員 が オウム 真理 教 の 事件 に 関与 して いた と いう ケース が 続出 して いる 。 最初に 驚か さ れた の は 、 陸上 自衛 隊 の 最 精鋭 部隊 である 第 一 空挺 団 所属 の 三曹 二 人 が 、 教団 施設 に 対する 家宅 捜索 の 際 、 部隊 の 待機 態勢 に 関する 情報 を 教団 側 に 流して いた ケース である 。 二 人 は オウム 真理 教 の 信者 で 、 オウム 教団 東京 総 本部 に 火炎 瓶 を 投げつける 自作 自演 劇 に 加わったり 、 運転 免許 試験 場 に 侵入 したり と 信じ られ ない 行動 に 走って いた 。 十七 日 に なって 、 今度 は 陸上 自衛 隊 対戦 車 ヘリコプター 隊 の 二 等 陸尉 が 、 サリン など 化学 兵器 の 特性 や 解毒 など の 防護 法 が 記載 さ れた 資料 を オウム 真理 教 側 に 手渡して いた こと が 明らかに なった 。 防衛 庁 は 「 秘 」 扱い で は なく 「 部 内 限り 」 の 資料 であり 、 内容 も 一般 的な 知識 程度 で 実害 は なかった と 説明 して いる が 、 オウム 教団 の 反 社会 性 を 考えれば 、 安易に 手渡して いい もの で ない こと は 明らかだ 。 防護 中心 と いって も 、 裏返せば 毒 ガス を 作ったり 、 使用 したり する こと に 役立ち かね ない から だ 。 オウム に 関与 して いた これ まで の 自衛 隊員 は 、 二十 代 の 若い 隊員 ばかり だった 。 ところが 今回 の 資料 手渡し 事件 で 、 幹部 クラス に まで オウム 側 が 手 を 伸ばして いた こと が 明らかに なった わけで 、 防衛 庁 は その 深刻 さ を 考える べきだろう 。 防衛 庁 は 本人 から の 事情 聴取 を 続け 、 来週 中 に も 懲戒 処分 と する 方針 の ようだ が 、 厳正な 措置 を とる よう 求め たい 。 自衛 隊員 が 関与 した 一連の ケース を 見て 気 に なる の は 、 隊員 の 日常 生活 など を 上司 が 把握 して いた か どう か 、 と いう 点 だ 。 二 等 陸尉 の 場合 、 隊舎 内 で オウム 式 の ヨガ を やって いた のに 、 上層 部 は 信者 と 気付か なかった と いう 。 自衛 隊 は 、 人材 募集 や プライバシー の 確保 など の 観点 から 、 隊員 が 隊舎 外 に 住んだり 、 外出 したり できる 基準 を 緩やかに する 処遇 改善 を 続けて きた 。 結果 的に 、 上司 の 目 が 届き にくく なって いる わけだ が 、 この 点 は 再 検討 の 余地 が ある ので は ない か 。 阪神 大 震災 の 際 、 隊舎 外 の 隊員 を 集める の に 手間どった と いう ケース が 指摘 さ れた が 、 緊急 時 の 対応 と 併せて 見直す べきだろう 。 末端 の 隊員 から 幹部 まで 「 自衛 隊 の 使命 は 何 か 」 を 改めて 確認 し 合う べきだ 。 守 秘 義務 や 服務 規律 の 徹底 も 含め 隊員 教育 の 在り 方 に 問題 は なかった かも 再 検討 して ほしい 。 憲法 で 保障 さ れた 信教 の 自由 は 最大 限 、 尊重 さ れ なければ なら ない 。 しかし 、 自衛 隊 は 武装 集団 であり 、 それだけに 一般 より 高い モラル が 求め られて いる こと を 忘れて もらって は 困る 。 こうした 事件 が さらに 続けば 、 自衛 隊 に 対する 国民 の 信頼 が 揺らぎ かね ない 。 そんな 事態 に なる こと を 私 たち は 強く 懸念 する 。 「 いじめ られた 」 と いう 遺書 を 残して 自殺 する と いう 、 中学生 の 悲しい 行動 が 続いて いる 。 福岡 県 豊前 市 の 中学 二 年 男子 生徒 が 先月 十六 日 、 長崎 市 の 中学 二 年 女子 が 同 二十八 日 に 、 それぞれ 自殺 し 、 両親 など に よって 遺書 が 公開 さ れた 。 昨年 十一 月 、 愛知 県 西尾 市立 東部 中学 二 年 の 大河内 清輝 君 が 自殺 した とき と 同じ パターン である と いえる 。 私 たち は 何より も まず 、 いじめ の 被害 者 たち に 「 死んで は いけない 」 と 呼びかけ なければ なら ない だろう 。 教師 や 親 に 訴えて も 、 真剣に 対応 して くれ ない 。 あるいは 訴えた こと に よって 、 いじめ が ひどく なる と いう 不信 感 が 子供 たち に は ある ようで 、 その 点 は 子供 たち に わび なければ なら ない 。 しかし 、 とにかく 十代 に 入った ばかりで 自ら の 命 を 絶つ の は 、 いくら 何でも 早 すぎる 。 被害 者 の 中学生 に は 、 無力 感 に とらわれ ず 、 いじめ を 告発 し 、 いじめ と 闘い ながら 生きる 勇気 を 持って ほしい と 思う 。 私 たち 大人 が こういう 呼びかけ を する ため に は 、 子供 たち の いじめ の 訴え に は 、 どんな 小さな もの でも 誠実に 対応 して いく と いう 姿勢 が 必要不可欠である 。 東京 の 中野 富士見 中 二 年 、 鹿川 裕史 君 が 「 このまま で は 生き ジゴク に なっちゃ う 」 と 遺書 を 残して 自殺 した の が 一九八六 年 二 月 。 その 八五 年度 に は 、 全国 で 九 人 の いじめ に よる 自殺 者 が 出た と さ れて いる 。 少なくとも その 前後 から 、 いじめ は 一貫 して 子供 社会 の 大 問題 であった 。 ところが 大人 の 社会 は 、 子供 たち が 命 と 引き換え に 告発 し なければ 、 いじめ の 問題 に 対応 しよう と し なかった 。 私 たち 大人 に 必要な の は まず この 点 に ついて の 反省 である 。 それ が なければ 子供 たち の 自殺 は いつまでも 続き かね ない 。 与謝野 馨 文 相 は 、 大河内 君 の 事件 を きっかけ に 行わ れた 文部 省 の 総 点検 に よって 約 一万八千 件 も 新たな いじめ が 見つかった こと に ついて 、 三 月 十四 日 「 正直 言って 数 が 多い の に ショック を 受けた 」 と 述べた 。 また 今月 九 日 に は 、 福岡 、 長崎 両 県 の 自殺 事件 に ついて 「 大変 申し訳ない と いう 気持ち だ 」 と 述べた 。 その 率直 さ を 評価 し たい 。 文部 省 が いじめ へ の 取り組み を 強化 する の は 、 もちろん 結構な こと である 。 しかし 、 いじめ 対策 が 強化 さ れる こと に よって 、 現場 の 教師 が 子供 と 向き合い 、 会話 する 時間 が 減る と いう 笑え ぬ 現実 が ある こと を 指摘 して おき たい 。 いじめ 問題 に 限ら ず 、 文部 省 が 指示 や 通達 を 流す と 、 現場 の 学校 で は それ を 具体 化 する ため 会議 を 開き 、 その 問題 に ついて の 担当 者 を 決め 、 書類 を 作る と いった 作業 が 行わ れる の が 普通である 。 文部 省 の 管理 主義 が 度 が 過ぎる ため 、 このような 雑務 が あまりに 多く 、 教師 が 生徒 と 語り合う 時間 は 極めて 少なく なって いる の が 、 今 の 学校 の 実態 である 。 いじめ が はびこり 、 学校 が その 実態 を 把握 でき ない の は 、 その 管理 主義 の ゆえ だ と いう 指摘 は 根強い 。 「 いじめ 対策 強化 」 の 号令 が 、 この 学校 現場 の 「 逆立ち 」 的な 状況 を さらに 推し進める ので は 、 かえって 逆 効果 に なり かね ない のである 。 戦後 五十 年間 、 一貫 して 管理 が 強化 さ れて きた 教育 現場 の 流れ は 今 、 逆転 さ せ なければ なら ない 。 教師 が 校長 、 教委 、 文部 省 の 方 で なく 、 子供 の 方 を 向いて いる 学校 を つくら なければ なら ない のである 。 中国 の 地下 核 実験 は 傍若無人 の 振る舞い と 言う しか ない 。 今月 半ば の 核 拡散 防止 条約 再 検討 ・ 延長 会議 で 非 同盟 諸国 を 中心 と する 非核 保有 国 が 、 不平等 性 の 強い 同 条約 の 無 期限 延長 に 最終 的に 同意 した の は 、 核 保有 国 から 核 軍縮 努力 を 強める と いう 約束 を 取りつけた から だ 。 中国 の 通算 四十二 回 目 の 核 実験 は 、 それ から わずか 四 日 後 に 強行 さ れた 。 核 五 大国 の うち 米 露 英 仏 の 四 カ国 は 一九九二 年 以来 、 核 実験 の 一 時 停止 を 守って いる 。 それなのに 、 中国 だけ が 半年 に 一 回 の ペース で 実験 を 続けて いる 。 中国 は 核 実験 の たび に 「 これ でも 自制 して いる 。 中国 の 実験 回数 は 米国 など より はるかに 少ない 。 九六 年 に 核 実験 全面 禁止 条約 が 締結 、 発効 すれば 核 実験 は 完全に 停止 する 」 と 強調 して きた 。 確かに 中国 の 核 実験 回数 は 米国 の 約 千 回 、 ロシア の 七百十五 回 、 フランス の 百九十一 回 より はるかに 少ない 。 しかし 、 だからといって 核 実験 を して も 構わ ない と 言う の は 勝手な 理屈 だ 。 英国 は 四十五 回 で 中国 と ほぼ 同じだ が 、 それ なら 英国 も 米国 並み に 実験 する 権利 が ある のだろう か 。 フランス も 米 露 より 少ない が どう か 。 一 回 も 実験 して い ない 非核 国 は どう な の か 。 もし 中国 が 自分 だけ は 例外 だ と 考えて いる の なら 、 あまりに も 独善 的で は ない か 。 かつて の 東西 冷戦 時代 に 、 米 ソ の 核 の はざま に あった 中国 が 核 開発 に 走った の は 、 それなり の 歴史 的 背景 が あった と 言える の かも しれ ない 。 しかし 、 中国 自身 が 「 平和 と 発展 の 時代 」 と 位置づけて いる 今日 、 なぜ 核 実験 で 核 兵器 の 性能 向上 を 図ろう と する の か 、 理解 に 苦しむ 。 フランス で は 核 実験 再開 を 公約 に 掲げた シラク 氏 が 大統領 に 当選 した ばかりだ 。 中国 の 実験 強行 で 米 露 英 仏 の 核 実験 モラトリアム の 一角 が 崩れたら 、 核 実験 再開 の ドミノ 現象 が 起き かね ない 。 NPT 未 加盟 の 核 保有 国 や 核 保有 志願 国 も 刺激 さ れる だろう 。 中国 は 核 大国 と して の 責任 の 大き さ に 気づく べきだ 。 八九 年 の 天安門 事件 以来 、 中国 指導 部 が 軍部 の いいなり に なって いる ので は ない か と の 懸念 も 強まって いる 。 国防 費 は 毎年 大幅な 伸び を 示し 、 九二 年 の 党 大会 で は 軍 の 任務 と して 海洋 権益 の 防衛 が 初めて うたわれた 。 南沙 諸島 問題 へ の 対応 など 最近 の 中国 に は 周辺 諸国 に 軍事 的 懸念 を 抱か せる ような 言動 が 目立つ 。 ポスト トウ 小平 時代 と いう 政治 的に 微妙な 時期 を 控え 、 江 沢民 総 書記 ら 「 第 三 世 代 」 指導 部 は 軍 の 協力 を 必要 と して いる 。 しかし 党 が 軍 を 指揮 する 、 つまり 政治 家 が 軍人 を コントロール する の が 中国 人民 解放 軍 の 伝統 だった はずだ 。 中国 首脳 は 政治 家 と して 大局 的 判断 に 立ち 、 イニシアチブ を 発揮 す べきで は ない か 。 今回 の 実験 は 村山 富市 首相 が 訪 中 して 核 実験 中止 を 要請 した 直後 に 強行 さ れた 。 中国 経済 が 着実に バランス よく 発展 する こと は 日本 に とって も 望ましい 。 円 借款 など 日本 の 対 中 経済 援助 も この 観点 から 行わ れて いる 。 しかし 援助 で 浮いた 金 が 核 開発 など に 回さ れて いる ので は ない か 、 と いう 疑問 の 声 は 日本国 内 で 次第に 高まり つつ ある 。 私 たち は 核 廃絶 を 願う 被爆 国 と して 中国 の 指導 者 に 強い メッセージ を 送る 必要 が ある 。 いわゆる 介護 休業 法案 が 、 衆院 を 通過 した 。 今後 の 参院 の 審議 に も 注目 を 要する が 、 ヤマ場 は 越えた と 見る べきだろう 。 与野党 間 で 一 時 は 対決 法案 に なる 、 と いう 見方 も あった 。 しかし 、 政府 案 に 与党 が 若干 の 修正 を 加え 、 押し切った 。 この 法案 は 法律 と して は 、 育児 休業 法 に 介護 休業 制度 を 新設 、 導入 する 形 を とって いる 。 「 育児 ・ 介護 休業 法 」 と 略称 さ れる べき 法律 だ が 、 育児 休業 に かかわる 内容 は これ まで と 同じである 。 では 介護 休業 制度 導入 に 当たり 、 法案 の どこ が 与野党 間 の 対立 点 に なった か と 言えば 、 次の 通り である 。 休業 中 の 賃金 保障 に は 触れて い ない 。 これ に 対し 、 新進党 は 休業 期間 を 最長 一 年 と 主張 した 。 共産党 は 一 人 の 要 介護 者 に 関し 労働 者 一 人 が 、 一 年 に 複数 回 休業 できる よう 修正 を 求めた 。 両党 は 法 の 施行 も 来 年度 から と 主張 した 。 日本 労働 組合 総 連合 会 の 要求 も 似た 内容 だった 。 結局 、 与党 は 政府 案 に 、 「 法 の 施行 前 でも 事業 主 は 可能な 限り 制度 導入 に 努めよ 」 と する 努力 義務 を 課す 修正 を 施した 。 法 の 施行 が 四 年 後 と は 、 いかにも 悠長 すぎ ない か 。 背景 に 中小 企業 側 の 強い 抵抗 が あった 。 介護 制度 導入 に ついて 、 昨年 秋 まで 論議 を 続けた 労働 省 婦人 少年 問題 審議 会 婦人 部会 で は 、 最後 まで 労使 間 の 主張 が 縮まら なかった 。 その 結果 、 公益 委員 が 独自に 導入 案 の たたき台 を 作った 。 これ が 法案 の 骨 である 。 大 企業 は ともかく 中小 企業 に とり 、 休業 者 の 代替 要員 を 確保 する の は 大きな 負担 に なる 。 事業 主 側 の 主張 の ポイント だった 。 だが 、 その 主張 に うなずいて いる だけ で は 、 中小 企業 の 大半 は 、 四 年 後 まで 介護 休業 制度 を 導入 でき ない 。 すでに 国家 公務 員 を はじめ 、 民間 でも 大 企業 中心 に この 制度 は 普及 し 始めて いる 。 今後 は 中小 企業 に も 広め なければ なら ない 。 四 年 後 施行 は 納得 でき ない が 、 修正 に よって 努力 義務 が 付け加え られた 。 今後 は 労働 側 が 、 法 の 施行 を 待つ だけ で なく 、 介護 休業 制度 を 運動 で 獲得 する 番 だ 、 と 言える 。 連合 は 今年 の 春闘 で 、 介護 休業 制度 確立 を 求めた 。 制度 獲得 要求 の 核 に 位置づけた のである 。 現に 全 日本 海員 組合 は 、 春闘 で 休業 期間 最長 一 年 の 労使 協定 を 結んだ 。 石油 労連 の 一部 組合 で は 休業 期間 の 賃金 の 一部 を 実質 的に 保障 さ せて いる 。 育児 休業 に は 雇用 保険 会計 から 、 賃金 の 二五 % を 給付 する システム が できて いる 。 介護 休業 に ついて も 賃金 保障 は いずれ 大きな 課題 に 浮上 する ので は ない か 。 ただ 、 企業 規模 の 大小 で 導入 に 時間 差 を 設け なかった の は 、 意義 が ある 。 四 年間 も 準備 期間 が ある のだ から 当然 と 言えば そう かも しれ ない 。 が 、 介護 の 権利 は 大 企業 であれ 、 中小 企業 であれ 、 働いて いる 場 で 差 が あって は なら ない 。 人権 に 属する と 考えて 良い であろう 。 中小 企業 事業 主 に は 、 容易で ない 制度 である の も 事実 だ 。 しかし 、 ここ は 知恵 と 能力 で 、 法 の 施行 前 に 制度 を 導入 、 定着 さ せる 努力 を 惜しま ないで ほしい 、 と 訴えて おき たい 。 「 教団 の 歌 を 口ずさむ と 、 今 でも 心 が 落ち着き ます 」 三 年 前 オウム 真理 教 から 離れた 元 出家 信者 の 証言 である 。 彼 は 今 、 同じ 立場 に ある 人 たち の 心 の ケア の 活動 を 続けて いる 。 それ でも 、 一 年間 の 出家 中 に 、 二十四 時間 流さ れた 教団 の 歌 が 出て くる 。 セルフ コントロール を 取り戻す こと が 、 いかに 難しい か を 物語って いる 。 教団 に 入った 人 は 、 一万五千 人 から 二万 人 と 見 られて いる 。 現在 は 約 一万 人 。 この 数字 から 考える と 、 元 信者 は 相当 の 人数 に なり そうだ 。 教団 代表 の 逮捕 で 、 この 数 は さらに 増える だろう 。 被害 者 の 会 など が 、 元 信者 の 社会 復帰 の ため カウンセリング を 始めた 。 寄せ られる 電話 は 、 ほか の 相談 を 含めて 、 ほぼ 全国 に わたって いる 。 この 対応 だけ で は 限界 が ある だろう 。 厚生 省 、 地方 自治 体 に 受け皿 作り を 求め たい 。 利用 できる ネットワーク は ある 。 全国 を カバー して いる 保健 所 は 「 心 の 相談 窓口 」 を 置いて いる 。 各 県 の 精神 保健 センター と 結ばれ 、 センター 長 会 で 情報 の 交換 を する 。 受け皿 の 組織 = ハード は ある 。 問題 は どのように ケア する か の ソフト だ 。 宗教 が 絡んだ カウンセリング の 専門 家 は 極めて 少ない 。 データ の 蓄積 も ほとんど ない の が 現状 である 。 やむ を 得 ない かも しれ ない 。 今回 の ような 事件 に 直面 した こと が なかった 。 日常 の 生活 と 宗教 が 深く 結び付いた 欧 米 と 日本 の 歴史 的な 環境 の 違い が ある 。 さらに 、 ちょっと した 心 の 悩み でも 、 かかりつけ の 医師 に 相談 する と いう 、 欧 米 の ような 習慣 は わが国 に は ない 。 厚生 省 は 、 この 問題 で は 「 先進 国 」 の アメリカ に 、 専門 家 と 資料 提供 の 協力 を 求める べきである 。 おそらく 元 信者 の 入信 の いきさつ や 家庭 、 経済 環境 も 一人ひとり 違う 。 まさに ケース ・ バイ ・ ケース だ 。 それだけに 、 実績 の ある 専門 家 の アドバイス が 欠かせ ない のである 。 元 信者 が 、 セルフ コントロール を 取り戻す に は 時間 が かかる 。 「 最低 でも 三 年 から 五 年 」 と 指摘 さ れて いる 。 それ も 周辺 の 人 たち の 支え が 、 あって こそ である 。 焦ら ず に 、 じっくり と 進めよう 。 残念な こと である が 、 私 たち は これ まで 、 偏見 から さまざまな 人 たち を 排除 し 差別 する 苦い 体験 を いく つ も 持って いる 。 ハンセン 病 患者 を 「 らい 予防 法 」 で 、 社会 から 隔離 して きた こと も 、 その 一 つ だ 。 五十 年 前 に 特効 薬 が 開発 さ れ 、 容易に 治癒 できる ように なって も 、 隔離 は 続いた 。 この ほど 、 法律 が 廃止 さ れる こと が 決まる まで に 、 制定 から 約 九十 年 を 費やした 。 この 間 、 悲劇 を 拡大 さ せた 。 元 信者 の 受け皿 に 、 まず 必要な の は 社会 が 彼ら を 受け入れる 寛大 さ で は ない だろう か 。 元 信者 の 就職 など で 、 「 異質な もの 」 と して 排除 する こと が 続けば 、 今回 の 悲劇 は さらに 大きく なる 。 もちろん 、 教団 の 無差別 テロ など 反 社会 的 行為 は 厳しく 追及 し 、 対決 し なければ なら ない 。 それ でも なお 、 社会 に 復帰 しよう と する 元 信者 を 迎え入れる 寛大 さ を 持とう で は ない か 。 それ は また 、 私 たち の 社会 が 、 サリン など で 崩れる ような 懐 の 狭い もの で は ない こと を 示し 、 似た ような こと が 起きる の を 防ぐ こと に も つながる 。 「 遠慮がちに 」 と す べき か 「 思い切って 」 と 言う べき か ―― 。 外務 省 サイド から 言えば 後者 かも しれ ない が 、 国民 の 実感 から 言えば 前者 だろう 。 中国 の 核 実験 強行 に 対する 政府 の 対応 を 見て いる と 、 そう 思わ ざる を 得 ない 。 五十嵐 広三 官房 長官 は 二十二 日 の 記者 会見 で 、 中国 に 改めて 遺憾の 意 を 表明 した こと を 明らかに する と ともに 「 端的に 言って 中国 へ の 無償 援助 に 影響 せ ざる を 得 ない 」 と 語った 。 記者 団 から 「 そう 伝えた の か 」 と 問わ れて 、 直接 的に は 言及 し なかった こと も 漏らした 。 なぜ 直接 言及 し なかった か 。 理由 は 幾 つ か 考え られる 。 まず 第 一 は 日 中 関係 に ひび の 入る こと を 恐れた から だろう 。 第 二 は 無償 援助 を 削って みて も 中国 が 実験 を やめる 気配 は ない 。 かえって 日本 が 恥 を かく こと に も なり かね ない 。 外務 省 は こうした 経緯 が 表ざた に なる こと 自体 に 消極 的だった 。 五十嵐 官房 長官 が 「 総理 が 核 実験 抑制 を 申し入れた 直後 に 再度 実施 した こと は 、 わが 政府 ・ 国民 に 衝撃 を 与えた 」 と 述べた 通り 、 村山 富市 首相 に とって 腹 に 据え かねた こと だった に 違いない 。 日 中 首脳 会談 で は 首相 の 申し入れ は 完全に 黙殺 さ れ 、 返事 さえ して もらえ なかった 。 それ から 二 週間 足らず の 実験 実施 な のだ から 、 コケ に さ れた も 同然である 。 首相 の 不満 は 分かる が 、 さりとて 日 中 関係 を 損なう わけに も 、 これ 以上 恥の上塗り を する わけに も いか ない 。 その 妥協 と して 生まれた の が 今回 の 官房 長官 発言 な のだろう 。 日本 の 対 中 政策 は 「 負い目 」 と 「 脅威 」 の 間 を 揺れ 動いて いる 。 負い目 は いう まで も なく 日 中 戦争 から 太平洋 戦争 に かけて 中国 を 侵略 し 、 中国 国民 に 多大な 被害 を 与えた と いう 加害 者 意識 から くる 。 中国 が 請求 権 を 放棄 した ため 日本 は 戦争 賠償 を 払って い ない が 、 中国 国民 の 中 に は 個別 補償 を 求める 動き も ある 。 政府 開発 援助 を その 埋め合わせ と とらえる 向き も ある が 、 中国 国民 から 見れば 別個の 認識 だろう 。 脅威 と は 、 中国 の 大国 意識 の 高まり を 指す 。 中国 が 安定 の 中 で 民主 化 さ れる こと が 日本 に とって 最も 望ましい 。 が 、 国土 から 言って も 人口 から 言って も 中国 は 大変な 大国 だ から 、 周辺 国 を 威圧 する 超 大国 に なら ない と も 限ら ない 。 南沙 諸島 へ の 対応 や 軍事 力 の 増強 を 目 に する に つけ 、 心配 は 消え ない 。 しかし 、 と 思う 。 核 問題 だけ は 別だ 。 日本 は 核 問題 で は 、 しつこく 発信 して いく べきだ と 考える 。 ODA 四 原則 に も 、 相手 国 の 軍事 支出 、 大量 破壊 兵器 ・ ミサイル の 開発 ・ 製造 、 武器 の 輸出入 の 動向 など に 十分 配慮 して 行う こと が 盛り込ま れて いる 。 「 負い目 」 も 「 脅威 」 も 振り払って 敢然と 筋 を 通す べきである 。 キーティング 豪 首相 が 二十四 日 来 日 する 。 同国 も 核 問題 に は 真剣だ 。 中国 の これ 以上 の 核 実験 と フランス の 実験 再開 を 阻止 する ため に 、 大いに 議論 して 国際 世論 を 沸き立た せる よう 努力 して ほしい 。 と同時に 、 中国 、 台湾 、 ロシア 、 朝鮮 半島 を 含む 東 アジア 全体 に 非核 地帯 を 構築 す べく 、 日本 は 関係 国 に 粘り強く 呼びかけて いく べきで は ない か 。 自分 は 米国 の 核 の 傘 の 中 に いて 他国 の 核 問題 を うんぬん する の は 、 干渉 さ れる 側 から すれば 手前勝手に も 映ろう 。 政府 の 前向きな 取り組み を 期待 し たい 。 長良 川 河口堰 が 二十三 日 から 本格 的に 稼働 する 。 成田 空港 問題 円卓 会議 に ならった 「 長良 川 河口堰 円卓 会議 」 で の 延べ 八 回 に 及ぶ 話し合い は 、 結局 の ところ 問題 解決 の 糸口 を 見いだす こと なく 建設 省 の 既定 方針 通り 「 二十三 日 以降 、 堰 上流 の 淡水 化 を 伴う 本格 運用 を 行う 」 こと に なった 。 野坂 浩賢 建設 相 は 二十二 日 、 この 方針 を 公表 し 、 河川 行政 を つかさどる 建設 大臣 と して 長良 川 河口堰 問題 に 決着 を つけた 、 と して いる 。 だが 、 賛否 両 グループ が 参加 した 円卓 会議 で の 反対 論 と 、 五十嵐 広三 元 建設 相 が 昨年 四 月 に 発足 さ せた 学識 経験 者 に よる 「 長良 川 河口堰 調査 委員 会 」 の 見解 が 、 野坂 建設 相 の 意見 に 合理 的に 反映 さ れて いる と は とても 言え ない 。 防災 、 水 の 需給 、 環境 、 塩害 と 四 項 目 の 重要 課題 に まつわる 疑問 点 は 、 なお だれ に も 納得 の いく まで 解明 さ れて は い ない 。 一 年間 の 調査 期間 と 三 、 四 月 に 四 度 ずつ 開か れた 円卓 会議 と いう 名 の “ モラトリアム ” の 時間 が たち 、 「 時間 切れ 」 と いう 内容 の ない 判断 に 野坂 建設 相 は 逃げ込んだ と いえる 。 実際 の ところ 、 円卓 会議 に 臨んだ 建設 省 ・ 水 資源 開発 公団 の 言動 は 、 既定 方針 を いささか も 変更 する 意思 が ない こと を 強調 する の に 終始 した 。 野坂 建設 相 の 発言 は 、 成田 空港 問題 円卓 会議 を まとめた 「 隅谷 調査 団 」 の 報告 の ような 、 新しい 状況 を 開く 熱意 に 欠ける 。 「 国 が 過去 の 手法 を 反省 し 、 空港 建設 に 臨む 国 の 基本 姿勢 を 大きく 転換 する 考え 方 から 生まれた 。 すなわち 、 空港 の 建設 に 当たって は 、 自然 と 歴史 を 内包 した 地域 社会 の 原 存在 を 前提 と した うえ で 、 これ と 共生 する ため に は 国 は いかに ある べき か を 示した もの である 」 と 隅谷 調査 団 は 、 円卓 会議 の 背景 を 明らかに して いる 。 しかし 、 新たな 規範 が 長良 川 円卓 会議 から は 作ら れ ず じまい だった 。 円卓 会議 は 対立 して ばかり いた ので は ない 。 洪水 を 防ぐ ため に 堰 の 下流 の 川底 を しゅんせつ して 、 流量 を 増やす 工事 に は 、 堰 に 反対 する 参加 者 も 同意 して いた 。 自然 環境 へ の 影響 、 塩害 の 規模 と 対策 、 しゅんせつ の 必要 性 に ついて 円卓 会議 で の 議論 が 続いて いる 時 に 、 “ 時間 切れ ” に よる 話し合い の 打ち切り を 宣言 した の は 「 初め に 河口堰 あり き 」 の 建設 省 方針 を 既定 通り に 進める こと を 意味 して いよう 。 二 人 の 社会党 建設 相 に 希望 を 託して きた 「 長良 川 河口堰 建設 を やめ させる 市民 会議 」 など の 失望 は 大きい 。 しかし 、 この 事態 に めげ ず 、 河口堰 が かかえて いる 問題 点 を 徹底 追及 し 続けて もらい たい 。 防災 、 水 の 需給 、 環境 、 塩害 など の 調査 結果 に よって は 、 堰 の 運用 が 変更 さ れる 可能 性 が ある 。 そのような 情報 は 円卓 会議 や 河口堰 調査 委員 会 など の 場 で 公開 さ れ なくて は なら ない 。 現に 建設 省 は 最近 、 河口堰 下流 部 の 川底 の 形 の 調査 結果 を 公表 して いる 。 流 下 する 水量 と 川底 の 摩擦 を 示す 粗 度 係数 の 計算 が 部 外 者 に も 可能 と なり 、 今後 、 しゅんせつ そのもの の 必要 性 が 再 検討 さ れる きっかけ と なる かも しれ ない 。 著しい 秘密 主義 に 閉ざさ れて きた 建設 省 ・ 水 資源 開発 公団 の 環境 影響 評価 の 情報 が こうして 公開 へ 向かう 兆し を 見せて いる の は 円卓 会議 の 成果 だ と いえる 。 河口堰 の ゲート は 永久 に 閉ざさ れる わけで は ない 。 八百万 人 近い 「 団塊 の 世代 」 と その 前後 に 密集 する 大 集団 は 、 常に 社会 の 変革 を 迫る 年齢 層 である 。 幼少 期 は 幼稚園 や 小学校 の 増設 を 求め 、 思春期 、 青年 期 は 激烈な 入試 競争 や 大学 紛争 を 展開 した 。 いま は 組織 内 の ポスト 不足 に 悩み 、 将来 的に は 高齢 化 を 一気に 加速 して いく 。 一九九五 年 版 ・ 厚生 白書 は 「 医療 」 を 特集 し 「 大量 死 時代 」 の 到来 を 告げた 。 永らく 七十万 人 台 だった 年間 の 死亡 数 は 九四 年 に 八十七万 人 を 数え 、 九九 年 で 百万 人 、 二〇一二 年 に は 百四十万 人 超 と 推計 さ れる 。 すでに 五十 歳 に 近づき つつ ある 団塊 世代 が 高齢 者 の 仲間 入り する ころ に 当たる 。 この 人口 構造 の 激変 を 基礎 に 、 白書 は 医療 の 在り 方 を 考える 。 赤痢 や 結核 など の 感染 症 対策 に 追わ れた 過去 から 、 がん 、 心 疾患 、 脳 血管 疾患 の 成人 病 時代 を 経て 、 将来 は 七十五 歳 以上 の 人々 が 虚弱な 身体 に 肺炎 や 気管支炎 を 併発 して 死 に 至る 「 成人 病 を 超える 時代 」 に 移る と いう 。 いわば 病気 と 共存 し ながら 、 いかに 安らかな 最 晩年 を 送る か 。 それ に は 「 治療 」 より 老後 の 「 生活 」 全体 を 支える 社会 サービス の 中 に 「 医療 」 を 位置付ける 取り組み が いる 。 白書 は 興味深い 統計 や 推計 を 掲載 して おり 、 その 数値 を 拾って いく と 、 医療 の 直面 する 事態 が 見えて くる 。 三十 年 前 、 大半 は 自宅 で 死 を 迎え 、 病院 など 施設 で 生 を 終える 人々 は 全体 の 二二 % 。 それ が いまや 七七 % に 上り 比率 は 全く 逆転 した 。 病院 も 医師 も 、 それ に 見合う 形 で 急増 した が 、 九二 年 から 病院 数 は 減り 始め 一万 カ所 の 大台 を 割った 。 しかも 今後 五 ― 十 年 の 間 に 約 二千 病院 が 建て替え 時期 を 迎える 。 先行き の 「 大量 死 時代 」 に 備えて 、 再び 大量の 病院 建設 が 必要な の か 。 医師 数 は 人口 十万 人 に 百五十 人 の 目標 を 上回り 百七十七 人 に なった 。 医学部 の 学生 数 は 一 学年 八千 人 弱 に 凍結 さ れて 久しい 。 これ も 増員 す べきな の か 。 いずれ も 答え は 「 ノー 」 であろう 。 より 快適な 病院 へ 改良 は 必要だ が 、 「 成人 病 を 超える 時代 」 は 大 病院 に 代表 さ れる 重 装備 の 医療 より 、 むしろ 軽装 備 で 機動 力 の ある 医療 の 拡充 を 求めて いる 。 かかりつけ 医 、 訪問 看護 婦 と 介護 、 福祉 スタッフ の 連携 ・ 一体化 や 医療 機関 が 老人 保健 施設 など へ 転換 を 図る こと も 期待 さ れる 。 現在 は 医療 従事 者 の 総数 に 占める 割合 が 一四 % の 医師 ・ 歯科 医 で 総 人件 費 の 四三 % を 使い 、 残り が 看護 婦 、 介護 スタッフ 、 薬剤 師 ら に 配分 さ れる と いう 。 高齢 者 の 「 生活 」 全般 を 支援 する 態勢 を 実現 する ため に は 、 この 配分 の 見直し に まで 踏み込む こと も 課題 に なって いく だろう 。 医師 は 、 医療 の 主宰 者 の 座 から 転がり 落ちる わけで は ない 。 ひたすら 難病 の 克服 を 目指し 医学 の 高峰 を よじ登って きた が 、 いま 眼下 に 広がる 疾病 構造 の 変化 に 対して 自己 変革 を 迫ら れて いる ので は ない か 。 医術 や 医科 を 超えて 新しい 社会 的な 使命 を 担って ほしい と いう 要請 だ 。 それ は 厚生 行政 に 対する 社会 の 期待 で も ある 。 医療 ・ 保健 ・ 福祉 の ネットワーク 構築 は 、 縦割り 行政 を 廃する 総合 的な 取り組み と 中央 から 地方 へ の 大胆な 権限 移譲 を 求めて やま ない 。 医療 へ の 抜本 的な 注文 は 、 同時に 行政 改革 へ の 決意 で なければ なる まい 。 この 数字 を 見て ほしい 。 一九四七 年 の 第 一 国会 以来 、 国政 調査 権 の 発動 と して 証人 喚問 さ れた の は 延べ 千八十八 人 。 うち 国会 議員 は 九十六 人 。 元 議員 や 民間 出身 の 閣僚 経験 者 を 含めて も 計 百二十五 人 で 、 証人 喚問 に は 人権 問題 が 付きまとう が 、 こと 国会 議員 は お手盛り 的に 手厚く 保護 さ れて いる ようだ 。 旧 東京 協和 、 旧 安全 の 二 信用 組合 の 乱脈 融資 事件 で 東京 地検 は 強制 捜査 に 踏み切った が 、 国会 で の 疑惑 解明 は 両 信 組 の 元 理事 長 ら 民間 の 八 人 が 証人 喚問 さ れた だけ で 、 しり切れトンボ の まま に なって いる 。 この 事件 に は 国会 議員 や 高級 官僚 絡み の 疑惑 が つとに 指摘 さ れて いる のに 、 証人 喚問 で の 議員 バッジ の 威光 は 今回 も また 絶大な のである 。 重い 腰 を 上げた 衆院 予算 委員 会 は 二十六 日 に 理事 会 を 開き 、 二 信 組 から 親族 が 経営 する 企業 に 約 四十億 円 の 融資 を 受けた こと が 判明 して いる 山口 敏夫 元 労 相 と 、 高橋 治則 ・ 東京 協和 信 組 元 理事 長 が オーナー の 企業 に 六千万 円 の パーティー 券 を 買って もらった 中西 啓介 元 防衛 庁 長官 の 証人 喚問 問題 を 協議 する と いう 。 しかし これ も 予断 を 許さ ない 。 新進党 は 補正 予算 審議 を 不満 と して 審議 拒否 に 入った ため 予算 委 理事 会 開会 自体 が 不確定な うえ 、 同 党 の 神崎 武法 国会 運営 委員 長 は 「 国会 で 議論 す べき こと は 旧 二 信 組 を 異例な 形 で 救済 した 金融 システム の 在り 方 。 国会 議員 の 証人 喚問 は 事 の 本質 に かかわる 問題 で は ない 」 と の 理由 で 拒否 する 構え を みせて いる 。 一昨年 秋 に 政治 改革 法案 の 審議 促進 と いう 国会 対策 上 の 配慮 から 、 当時 の 連立 与党 、 つまり 今 の 新進党 など が 電光 石火 で テレビ 朝日 の 元 報道 局長 の 証人 喚問 を 決めた の と は 大 違い だ が 、 なぜ 新進党 が 山口 、 中西 両氏 を それほど まで かばう の か 。 それ は 両氏 が 小沢 一郎 幹事 長 の 側近 だった こと と 無縁で は ある まい 。 山口 氏 は 幹事 長 代理 、 中西 氏 は 選 対 事務 局長 だった 。 山口 氏 は 親族 企業 の 家宅 捜索 後 に 離党 、 一方 の 中西 氏 は 子息 の 大麻 疑惑 で 議員 辞職 して いる ため 「 惻隠 の 情 」 まで 持ち出す 空気 すら ある と いう 。 もっとも 党 内 の 若手 から は 「 新進党 は 『 たゆま ざる 改革 』 を 掲げて 旗揚げした はずだ 」 と して 、 喚問 に 応じる べきだ と の 声 が 上がり 始めて いる 。 当然である 。 山口 氏 自身 、 離党 に 際して の 記者 会見 で 「 捜査 当局 から 事情 を 聴か れれば きちんと 説明 する 。 証人 喚問 は 委員 会 の 判断 に まかせる 」 と 言明 して いる 。 もはや 証人 喚問 を 見送る 理由 は 全く ない ので は ない だろう か 。 戦後 の 混乱 期 に は 隠匿 物資 摘発 に 証人 喚問 が 乱発 さ れた など の 歴史 も あり 、 国会 議員 の 喚問 が 少ない の は あながち “ 議員 特権 ” の ゆえ ばかり で は ない の も 確かだ が 、 五〇 年 ごろ まで は 時 の 首相 や 閣僚 も 証人 台 に 立つ など 活発に 運用 さ れた 。 それ が 人権 配慮 と いう 理由 で ついに は テレビ の 静止 画像 と いう 珍妙な アイデア に まで 行き着いて いる が 、 同時に 証人 喚問 が 与野党 間 の 取引 材料 に 堕した こと は 極めて 遺憾な こと だ 。 与野党 議員 、 特に 新進党 議員 は 「 われわれ は 、 政治 倫理 に 反する 事実 が ある と の 疑惑 を もた れた 場合 に は みずから 真摯な 態度 を もって 疑惑 を 解明 し 、 その 責任 を 明らかに する よう 努め なければ なら ない 」 と いう 十 年 前 に 議決 した 政治 倫理 綱領 を 今 一 度 読み返して ほしい 。 二十一 世紀 を 前 に 世界 の 科学 技術 は 混迷 の 度 を 深めて いる ように 見える 。 専門 分野 が さらに 細分 化 さ れ 、 個々 の 研究 者 は 明確な 展望 を 持て ない 。 何の ため に 科学 を 学ぶ の かも 分から なく なって いる 。 折しも 若者 の 理工 系 離れ が 進んで いる 。 こうした 危機 を 克服 しよう と 毎日新聞社 は 二十九 日 に 東京 で 「 日 米 ― 知 の 交流 シンポジア 1995 」 を 開く 。 「 横断 的 知性 を 求めて ― 科学 技術 の 新たな 方法 を 探る 」 を テーマ に 日 米 の 代表 的 学者 七 人 が 、 学問 分野 を 横断 して 科学 に 総合 性 を 加味 する に は どう す べき か を 議論 する 。 シンポジア に 参加 する マレー ・ ゲルマン 米 サンタフェ 研究 所 教授 は 基本 粒子 の クオーク の 存在 を 予言 し 、 一九六九 年 に ノーベル 物理 学 賞 を 受けた が 、 横断 的 知性 を 持つ 学者 と して も 知ら れる 。 子供 の ころ から 動植物 の 観察 を 好み 、 考古 学 や 言語 学 に も 興味 を 持つ など 、 物理 学 の 分野 だけ に 閉じこもら なかった 。 今や ゲルマン 教授 の ような 知性 が 欠かせ ない 。 人間 の 脳 、 進化 、 宇宙 論 、 環境 論 、 情報 処理 など 最 先端 の 研究 を 進める に は 独創 性 の ほか に 、 さまざまな 分野 に またがる 幅広い 知識 が 必要に なって いる 。 阪神 大 震災 でも 、 地震 学 者 は 地震 の 予知 、 工学 者 は 構造 物 の 耐震 性 の 向上 と ばらばらに 取り組む ので は なく 、 全体 的な 被害 の 軽減 の ため に 多分 野 の 学者 が 知恵 を 出し合って いく べきだ と いう 教訓 が 残さ れた 。 九二 年 末 に 開か れた 第 一 回 シンポジア に 引き続いて 今回 も コーディネーター を 務める 有馬 朗人 ・ 理化学 研究 所 理事 長 は 「 横断 的 知性 は 科学 技術 へ の 信頼 感 の 回復 に も 必要だ 」 と 強調 する 。 ところが 科学 技術 へ の 不信 感 を さらに 深める ような 事件 が 起こった 。 オウム 真理 教 に よる 地下鉄 サリン 事件 である 。 大学 や 大学院 で 科学 を 学んだ 信者 たち が 毒 ガス の サリン を 製造 し 、 それ を 使って 無差別 殺人 を 図った こと は 「 科学 技術 は 怖い 」 と いう 印象 を 国民 に 与えた 。 大学 で の 研究 に 意義 を 見つけ出せ ず に いた 時 に 、 ふんだんな 研究 費 と 「 人類 救済 」 と いう おこがましい 目的 が 与え られて 倫理 の 歯止め を 失った ようだ が 、 研究 者 が 夢 や ロマン を 失い つつ ある 日本 の 科学 界 の 閉そく 状態 を 反映 して いる 一面 も ある 。 総理 府 が まとめた 「 科学 技術 に 関する 世論 調査 」 結果 で は 、 科学 技術 の 悪用 ・ 誤用 に 不安 を 抱いて いる 人 が 七八 % に も 達した 。 中でも 「 非常に 不安 」 と 答えた 人 が 五 年 前 の 調査 より 一一 ポイント も 増えた 。 調査 時点 は 二 月 だ が 、 地下鉄 サリン 事件 の 後 に 調査 が 行わ れて いたら 、 数字 は さらに 跳ね上がった もの と み られる 。 有馬 氏 は この 事件 の 背景 を 憂慮 し 、 シンポジア の 一環 と して 開か れた サテライト ・ スクール でも 中高 生 を 中心 と した 参加 者 に 「 科学 と 技術 の 知識 を 使って 社会 に 迷惑 を かける こと の ない ように 」 と 訴えた 。 シンポジア で は 横断 的 知性 と 並んで 科学 者 の 社会 的 責任 、 教育 の 在り 方 に ついて も 急きょ 取り上げる 意向 だ 。 横断 的 知性 と ともに 深い 倫理 観 を 持つ 学者 が 出て 科学 技術 を 健全な 方向 に 導き 、 国民 の 間 に も 「 科学 は やはり 素晴らしい 」 と いう 意識 が 広まら なければ 、 二十一 世紀 の 科学 に 展望 は 見いだせ ない だろう 。 シンポジア が 新たな 「 知 の 地平 」 を 切り開く 一助 に なる こと を 期待 し たい 。 参院 比例 区 選挙 の 繰り上げ 当選 に 絡む 党 除名 問題 の 訴訟 で 、 最高裁 は 二十五 日 「 除名 届 」 に ついて 選挙 会 は 形式 的な 審査 に とどめる べきで 、 手続き に 瑕疵 が なければ 有効である と いう 初 判断 を 示した 。 憲法 が 保障 する 「 結社 の 自由 」 権 の もと に 政党 の 自律 権 を 高度に 重視 した 結果 である 。 政党 離れ が 進む 最近 の 政治 状況 の 中 で 、 各 政党 は 判決 が 突き付けた 政党 の 責任 の 重み を かみしめ なければ なら ない 。 訴訟 の 概略 は 次 の ようだった 。 一九九二 年 の 参院 比例 区 選 で 、 日本 新党 は 拘束 名簿 の 上位 四 人 が 当選 した 。 翌年 の 衆院 選 に 当選 者 二 人 が 出馬 する ため に 辞職 し 、 五 位 の 次点 者 が 当然 繰り上げ 当選 する はずだった 。 しかし 、 二 人 の 辞職 の 直前 に 次点 者 の 除名 届 が 選挙 会 に 出さ れ 、 六 、 七 位 の 下位 二 人 が 当選 者 に なった 。 この 決定 に 次点 者 が 「 除名 は 無効 」 と 、 一 人 の 下位 当選 の 無効 を 求めて 東京 高裁 に 訴えた 。 高裁 は 、 除名 届 に ついて 公権力 が 政党 の 判断 や 内部 規律 に 介入 する こと を 戒め 、 最高裁 と 同様に 政党 の 自律 性 を 尊重 する 判断 を 示した 。 ただし 、 拘束 名簿 式 の もと に 既に 投票 が 行わ れて いる こと から 、 当選 人 を 左右する 除名 行為 は 「 公的 性格 」 を 帯びる と して 、 事実 関係 に まで 踏み込み 「 除名 手続き は 非 民主 的であり 、 公序 良俗 に 反し 、 無効である 」 と 下位 当選 の 無効 を 認定 した 。 拘束 名簿 式 に 基づく 投票 後 に 、 その 順位 が 変更 さ れる こと は 有権者 の 意思 を 無視 する こと に なろう 。 まして 、 判決 が 指摘 する ように 非 民主 的な 変更 は 断じて 認め られ ない 。 この 判決 の 直前 に 、 日本 新党 が 初 の 党 大会 を 開いた が 、 即 「 解党 大会 」 と なった こと から 「 党 は 党首 ・ 細川 護煕 氏 の “ 個人 商店 ” 」 「 すべて は “ 殿 の 一存 ” で 決まる 」 と いう 世評 も 流れ 、 党 運営 の 恣意 性 を 排した 高裁 判決 を 評価 する 声 は 強かった 。 一方 、 この 日 の 最高裁 判決 が 強く 指摘 する 「 政党 の 自律 性 」 も 、 戦前 の 政党 弾圧 と いう 苦い 経験 を 回顧 すれば 、 揺るがせ に でき ない 重い 権利 である 。 政党 の 公的 性格 と 自律 性 の いずれ に 重き を 置く か で 結論 が 変わって しまう の が 、 今回 の 訴訟 の 難し さ で も あった 。 ただ 、 最高裁 判決 に 従って 自律 権 の 面 だけ から みる と 、 比例 区 選挙 で 著名な タレント を 名簿 の 上位 に ズラリ と 並べて 票 を 集め 、 当選 後 に 除名 に よって 当選 者 を 入れ替える と いう 選挙 手法 も 適法 と なる 。 比例 区 選挙 で は ない が 、 東京 都 東村山 市議 選 で は 当選 者 が 次点 者 の 仲間 に 議席 を 譲る ため に 当選 を 辞退 し 、 物議 を 醸した 。 これ も 公職 選挙 法 上 もちろん 適法である 。 除名 で 当選 人 を 変えたり 、 議席 の 譲渡 は 結局 は 「 有権者 、 選挙 の 軽視 」 であり 「 議席 の 私物 化 」 である 。 公職 選挙 法 は そういった 姑息な 抜け道 を 予想 して い ない 。 法 の 「 不備 」 と も 言え なく は ない が 、 法 の 精神 である 議会 制 民主 主義 の 原理 を 真摯に 受け止めて いれば 、 こうした 懸念 は 無用の はずだ 。 そこ まで 心 を 配ら ない と 適正な 運用 が 実現 し ない と したら 、 あまりに も 情けない 。 「 政党 の 自律 性 」 に 重き を 置いた 最高裁 判決 の 意図 する 点 を くみ取って 、 法 の 精神 を 逸脱 し ない の が 党 を 預かる もの の 最低 限 の 倫理 であろう 。 衆院 選 でも 次回 から 二百 議席 は 比例 区 選挙 と なる 。 有権者 の 意思 を 裏切って は なら ない 。 まるで 車 に 乗っ取ら れた ような 、 そんな 印象 を 受けた 経済 協力 開発 機構 閣僚 理事 会 だった 。 二十四 日 閉幕 した 同 会議 で は 、 もちろん マクロ 経済 も 話し合わ れた 。 自動車 問題 が 肥大 化 して 映った の は 、 日本 と 米国 の メディア だけ だった かも しれ ない 。 それにしても 異様な 雰囲気 だった 。 日本 の 対 米 貿易 黒字 の 半分 を 占める と は いえ 、 経済 外交 は 車 だけ で は ない 。 まして 外交 全体 に とって 、 自動車 協議 は ほんの 一部 に すぎ ない 。 にもかかわらず 車 を めぐる 日 米 の 対立 は 、 日 米 外交 全般 に も 影響 を 与える 懸念 なし と し ない 。 対立 が 先鋭 化 する 原因 は 、 日 米 双方 の 政治 事情 に ある ように 思えて なら ない 。 まず 日本 。 村山 富市 首相 を 「 古い お 寺 の 年老いた 住職 」 と 形容 した の は 元 衆 ・ 参院 議員 で 九十八 歳 に なる 加藤 シヅエ さん 。 「 首相 の 資質 を 欠いて いる 」 と も 述べて いた が 、 その 指導 力 不足 は 今さら うんぬん する まで も ない 。 その 後がま を 狙って 河野 洋平 副 総理 ・ 外 相 と 橋本 竜太郎 通産 相 が 、 角突き合わせて いる らしい 。 「 首相 を 目指す 橋本 通産 相 の 政治 的 野心 が 交渉 過程 を 混乱 さ せた 」 と 、 幾 つ か の 米 紙 が 面白おかしく 伝えて いた 。 内政 が 外交 を 混乱 さ せて いる の は 米国 も 同じだ 。 米 政界 は 来年 の 大統領 選 に 関心 を 移し つつ ある が 、 クリントン 大統領 の やり 方 を 見て いる と すべて が 再選 へ の 布石 の ように も 見える 。 イラン 制裁 に して も 台湾 問題 に して も 、 である 。 共和党 が そう 攻撃 する の は 割り引く と して も 「 ホワイトハウス は 危険な ゲーム に 入って いる 」 と 、 自動車 協議 で は 米 紙 の 見方 も 厳しかった 。 十五 日 に ホワイトハウス の 報道 官 が 「 他の 側面 に も 影響 を 与える こと は 避け られ ない かも しれ ない 」 と 述べ 、 ショック を 与えた 。 日 米 安保 に も 影響 し かね ない と 示唆 した もの と 受け取ら れた から だ 。 同じ ころ テレビ で 米 紙 の 元 東京 特派員 が 「 米 議会 に は 、 そんな 日本 を なぜ 守る 必要 が ある の か と の 意見 が 出て いる 」 と 語って いた 。 こういう 意見 が 出る と 決まって 日本 から 「 思いやり 予算 を 削れ 」 と いう 反論 が 出て くる 。 米 スミソニアン 博物 館 の 原爆 展 騒動 に 始まった 広島 ・ 長崎 の 原爆 投下 問題 は 、 日 米 両 国民 の 間 に 埋め 難い 溝 の ある こと を 印象づけた 。 その 直後 だけ に 車 の 問題 は 、 余計な 感情 を 刺激 し かね ない 。 OECD 閣僚 理事 会 の 共同 声明 の 読み 方 は いろいろ あろう 。 橋本 通産 相 は 「 しっかり と した 姿勢 が 反映 できた 」 と 語って いた 。 なるほど 米国 の やり 方 は 理 に 合わ ない 。 しかし 共同 声明 に も 間接 的に 指摘 さ れ 、 また 欧州 諸国 の 代表 が 明言 して いた ように 、 日本 の 市場 閉鎖 性 に も 問題 が ある のだ 。 日本 は 米国 の 行為 を 不正 と して 世界 貿易 機関 に 訴えて いる が 、 米国 は 日本 の 構造 的 不正 を 訴えて いる 。 通産 相 も 米国 代表 も 会議 で は 顔 を 合わせる の を 避ける ように して いた らしい 。 せっかく の 機会 な のに 二 国 間 交渉 を する 気配 すら 見せ なかった 。 これ は もはや 政治 の 世界 で は ない 。 政治 家 に とって メンツ は 大事 かも しれ ない が 、 それ に 振り回さ れる 国民 は えらい 迷惑だ 。 まして 未来 に 禍根 を 残す と なれば 、 なおさら だ 。 両 政府 と も 頭 を 冷やして ほしい 。 自民党 と の 政権 共有 が 唐突であった 。 基本 政策 の 転換 に よる 支持 者 離れ 。 新しい 支持 者 の 獲得 が 不成功 。 政権 内部 で の 存在 感 が 希薄で 自民党 と 官僚 主導 の 政権 に 見えた 。 議員 の 若返り が 進展 して い ない 。 労組 依存 の イメージ が ある 。 右 に 挙げた の は 、 社会党 執行 部 が 二十七 日 開催 の 臨時 党 大会 に 提案 する 議案 の 中 で 、 大 敗北 した 先 の 統一 地方 選 の 敗因 と して 総括 した 部分 である 。 社会党 の 選挙 総括 と いえば 従来 、 とかく 自ら の 主体 的 力量 の 不足 や 党 の 路線 の 誤り など に は 甘く 、 もっぱら 自己 弁護 と 客観 情勢 の 悪化 に 責任 を 転嫁 する きらい が あった こと と 比べれば 、 厳しく 足元 を 直視 し 出した 表れ と 評価 して よかろう 。 選挙 技術 上 の 問題 に とどまら ず 、 政権 与党 と して の 在り 方 、 政権 パートナー と の 政策 の 差異 化 、 改革 的な 政策 構想 など に ついて 論議 する 必要 性 を 訴えて いる 点 も 首肯 できる 。 しかし 、 いま 社会党 に とって 最も 大切な こと は 具体 的な 党 再生 の 行動 プログラム を 早急に 策定 し 、 直ちに 実施 に 移す こと である 。 議員 党 的 体質 の 克服 、 労組 依存 の 脱却 など 党 改革 の 「 成田 三 原則 」 が いわ れて 久しい が 、 結局 、 スローガン あって 行動 が 伴わ ない まま 長期 低落 の 道 を たどって きた の が 今日 の 社会党 の 姿 である 。 この 点 、 議案 書 全体 から 受ける 印象 は 依然と して 議論 と 提言 の 域 を 脱し 切れて おら ず 、 行動 に 移す エネルギー と 気迫 が 全く 伝わって こ ない 。 第 一 、 なぜ この 時期 に 臨時 党 大会 を 開催 する の か 、 その 性格づけ 、 目的 を めぐって の これ まで の 党 内 論議 を 見て いる と 、 社会党 は もはや 、 政党 と して の 体 を なして い ない 、 と の 感 を 深く する 。 右派 の 久保 亘 書記 長 支持 派 が 新党 構想 を 具体 化 する 大会 と 意義づける の に 対し 、 左派 の 村山 富市 首相 支持 派 は 「 参院 選 へ 向けて の 総 決起 集会 と し たい 」 と の 村山 首相 の 意向 を 受け 、 対立 要素 を 極力 抑え 込む 挙 に 出て いる 。 もともと 新党 構想 は 新党 問題 検討 委員 会 で 「 参院 選 前 に 結成 」 の 結論 が 出 、 党 の 方針 と なって いる に も かかわら ず 、 現在 で は 全く 有名無実 化 さ れ 、 いつの間にか 「 参院 選 後 」 が 独り歩き して いる 。 新党 の 理念 、 政策 に 直結 する 「 九五 年 宣言 」 の 取り扱い は 、 久保 書記 長 支持 派 が 代議員 の 三 分 の 二 の 賛成 を 必要 と する 「 綱領 的 文書 」 と して の 扱い を 求め 、 書記 長 の 「 党務 報告 」 に 盛り込み 、 拍手 で の 承認 を 主張 する 村山 首相 支持 派 と 対立 、 採択 方法 が 大会 最大 の 焦点 と み られて きた 。 ところが 、 これ も 村山 ・ 久保 会談 で 激突 回避 を 優先 さ せ 、 過半数 の 賛成 で 採択 する 「 政治 宣言 」 と して 扱う こと で 折り合って しまった 。 新党 結成 へ の 取り組み を 批判 して 会派 離脱 と 離党 届 を 提出 して いる 山花 貞夫 前 委員 長 ら の 取り扱い も 、 ここ に きて にわかに 「 離党 者 を 敵対 視 せ ず 、 新党 の 対象 者 に 含める 」 と の 妙案 を 編み出し 、 離党 届 は 受理 せ ず 、 宙 に つるした まま だ 。 融通無碍 と 言えば 聞こえ は いい が 、 党 の 執行 能力 は ない に 等しく 、 液状 化 の 極み に ある 。 すでにして 激論 を 戦わす エネルギー も 喪失 した と 見える 。 目前 の 参院 選 、 次期 衆院 選 いずれ も 敗北 、 “ 流れ 解散 ” 必至 と いわ れる 状況 の 中 で “ シャンシャン ” 大会 を 開いて 何の 意味 が ある のだろう か 。 一九九五 年 三 月 期 決算 が ほぼ 出そろった 。 銀行 、 証券 を 除く 全 産業 で 減収 、 増益 決算 と なった 。 経常 利益 の 増益 は 実に 五 期 ぶり 。 しかも 増益 幅 は 中間 決算 の 二 % 程度 から 二 ケタ に 乗った 。 この 数字 だけ を 見る と 、 結構な こと である 。 しかし 、 内容 的に は 手放し で 喜べる もの で は ない 。 歴史 的な 転換 期 と いわ れる 日本 経済 が 直面 して いる 厳しい 実態 を 浮き彫り に する ような 現象 が 散見 さ れる 。 最大 の 特徴 は 製造 業 と 非 製造 業 の 明暗 が はっきり した こと であろう 。 製造 業 は 赤字 決算 が 続く 鉄鋼 を 除き 、 急 回復 した 業界 が 多い 。 中でも 化学 や 非 鉄 は 五〇 % から 二 倍 近い 増益 と なった 。 これ は リストラクチャリング の 効果 と 国際 的な 商品 市況 の 好転 が 重なった から と 見 られる 。 これ に 対し 、 非 製造 業 は 不況 に あえいで いる 。 特に 建設 、 不動産 業界 で は 軒並み 減益 が 続いて いる 。 バブル の 崩壊 と いう 資産 デフレ の 後遺症 と 設備 投資 の 冷え込み の ダブル パンチ を 受けた 形 である 。 機械 業界 の 業績 回復 は 設備 投資 の 増加 を 裏付けて いる の に 建設 業界 が 不振な の は 、 海外 へ の 投資 が 多く 、 国 内 投資 が 盛り上がって い ない こと を 意味 して いる 。 「 産業 の 空洞 化 」 の 表れ だ 。 第 二 の 特徴 は 「 今年 に なって 業績 が 落ちて きた 」 と 語る 経営 者 が 増えて いる 事実 だ 。 阪神 大 震災 、 地下鉄 サリン 事件 、 円高 など の 影響 で 個人 消費 が 冷え 始め 、 その 影響 を 受けて いる 、 と の 分析 だ 。 商業 は 昨年 まで の 「 貯金 」 で なんとか 増益 を 保った が 、 経営 者 は 一様に 価格 破壊 に よる 減収 に 強い 危機 意識 を 口 に して いる 。 では 九六 年 三 月 期 の 見通し は どう か 。 各社 と も いろいろな 前提 を 置き ながら 計算 して いる が 、 「 視界 不良 」 に 悩み抜いて いる の が 実情 である 。 見極め がたい 大 問題 が 三 つ ある 。 第 一 は 為替レート 。 証券 会社 系 の シンクタンク の 集計 で は 、 今期 の 予想 を 一 ドル = 九〇 円 に 置いて いる 企業 が 多い と いう 。 これ を 前提 と する と 、 主要 二百 社 の 経常 利益 は 一六 % の 増益 に なる 。 しかし 、 円高 が 進み 一 ドル = 八五 円 を 突破 する と 利益 が ほとんど ゼロ に なる と いう 。 第 二 は 円高 と 関係 する が 、 デフレ 現象 が どこ まで 高進 する か だ 。 物価 が 下がり 、 賃金 が 下がり 、 消費 が 減る ―― と いう デフレ の 悪 循環 が とめど なく 進めば 、 企業 の 収入 も 利益 も 計算 根拠 が 全く 変わって しまい 、 現 時点 の 予想 は 無意味 と なる 。 第 三 は 世界 経済 、 中でも アジア 経済 の 動向 だ 。 前 三 月 期 決算 の 製造 業 が 好調だった 要因 の 一 つ は 中国 を 中心 と した アジア 経済 の 活況 が あった 。 アジア が 日本 から 資本 財 を 大量に 輸入 した こと が 業績 改善 に 大きく 寄与 した のである 。 その アジア 諸国 で 物価 上昇 が 勢い を 増し 、 景気 が ピーク アウト する 懸念 が 出て いる 。 これ が 現実 に なる と 業績 予想 を 覆して しまう 。 以上 三 つ の 大 問題 が 最悪の 方向 に 動けば 、 「 緩やかな 拡大 局面 に ある 」 と さ れて いる 景気 は 失速 を 免れ 難い 。 「 視界 不良 」 の 下 で 航海 する 時 、 成否 を 分ける の は 航海 士 の 腕 と いう 。 日本 経済 が 未知の 海域 に 入った 今 、 企業 経営 者 も また 細心に して 大胆に かじとり する 必要 が ある 。 五 期 ぶり の 増益 に 浮かれて は なら ない 。 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 が 、 日本 の 輸入 余剰 米 の 貸与 を 要請 して きた 。 北朝鮮 は また 、 韓国 から の コメ 貸与 も 「 検討 し たい 」 と の 意向 も 初めて 明らかに した 。 朝鮮 貿易 促進 委員 会 の 李 成禄 会長 は 二十六 日 、 与党 三 党 幹部 に 「 天候 不順 で 農作物 に 大きな 被害 が 出て いる 」 と 明らかに し 、 日本 から 「 一定 の 量 、 一定 の 期間 コメ を 貸与 して ほしい 」 と 申し入れた 。 北朝鮮 が 、 食糧 不足 を 公式 に 認めた の は 初めて と いわ れる 。 それ だけ 食糧 事情 が 厳しい 、 と いう こと であろう か 。 北朝鮮 の コメ 生産 は 、 一昨年 の 冷害 の 際 は 百万 トン を 大きく 割った と いわ れて いる 。 また 昨年 の 生産 も 百万 トン 前後 と 推測 さ れて いる 。 二千二百万 の 人口 から すれば 、 およそ 三百万 トン が 必要で 、 約 二百万 トン が 不足 して いる と み られて いる 。 誇り 高い 隣人 が 、 率直に 食糧 事情 の 悪化 を 認め 支援 を 要請 して いる 以上 、 人道 的な 問題 と して これ に 応える の は 当然であろう 。 困って いる 隣国 の 要請 を 早期 に 実現 する ため 、 政府 は 積極 的に 取り組む べきである 。 しかし 、 この コメ の 支援 が 朝鮮 半島 の 緊張 緩和 と 南北 の 和解 に つながる よう 配慮 す べきで も ある 。 また 、 日本 国民 の 善意 が 北朝鮮 国民 に 十分に 伝わる ように して ほしい 。 韓国 は 、 日本 の 北朝鮮 へ の コメ 支援 問題 に ついて 、 これ まで 反対の 立場 を 明らかに して きた 。 韓国 が 呼びかけて いる 食糧 支援 を 、 北朝鮮 が 受け入れて い ない から だ 。 この ため 、 韓国 は 日本 から の コメ 支援 に ついて は 「 北朝鮮 が 韓国 の 支援 を 受け入れる か 、 日 韓 共同 で の 支援 ならば いい 」 と の 立場 を 、 日本 側 に 伝えて きて いた と いう 。 李 会長 は 「 政治 的な 条件 が ない の なら 、 南 朝鮮 から の コメ の 貸与 受け入れ も 検討 し たい 」 と の 立場 を 明らかに した 。 これ は 、 韓国 から の コメ 受け入れ に ついて も 日 韓 と 北朝鮮 の 間 で 、 ある 程度 の 根回し が すでに 行わ れて いる 事実 を 示唆 して いる 。 韓国 の 羅 雄培 ・ 副 首相 兼 統一 院長 官 も 、 「 前提 条件 なし の 穀物 提供 」 と 南北 協議 を 提案 した 。 日本 の コメ 支援 実現 を 、 ぜひとも 南北 対話 の 再開 に つなげて ほしい 。 政府 は 、 こうした 面 で の 韓国 へ の 配慮 と 北朝鮮 へ の 働きかけ を 忘れて は なら ない 。 しかし 、 今回 の 北朝鮮 の コメ 貸与 要請 に ついて は 、 気 に なる 点 が ない わけで は ない 。 李 会長 は 、 コメ の 貸与 要請 が 訪 日 の 最大 の 目的 である に も かかわら ず 、 大阪 から 入国 し 京都 を 経て 東京 に 入った 。 この 背後 に 日 朝 貿易 に 携わる 業者 や 政治 家 の 影 が 、 ちらついて も いる 。 「 人道 的 」 と いう 美名 に 隠れて 、 コメ 支援 が 利権 や いかがわしい 政治 目的 に 利用 さ れて は なら ない 。 また 、 南北 関係 を 緊張 さ せる 結果 を 招いて も 困る 。 さらに 、 李 会長 ら の 入国 ビザ は 異例の 速 さ で 発給 さ れて いる 。 この ビザ 発給 に は 、 自民党 政治 家 の 強い 要請 が あった と いわ れる 。 日 韓 、 日 朝 関係 に は 通常 の 手続き を 無視 する 行為 や 、 政治 関係 者 の 利権 疑惑 が つきまとった 。 今回 は 大丈夫だろう か 。 北朝鮮 へ の コメ 支援 に 関して は 善意 を 利権 に 変える 行為 が 横行 し ない よう 、 ガラス張り の システム で 実行 して ほしい 。 また 、 日本 から の コメ が 軍事 備蓄 用 など に 流用 さ れて は なら ない 。 ビール や 酒 の 自動 販売 機 が 街角 から 消える 。 六 月 から カウント ダウン が 始まり 、 五 年 後 の 五 月 末 に は 撤廃 が 完了 する 。 酒類 販売 の 十四万 業者 加盟 の 「 全国 小売 酒販 組合 中央 会 」 が 、 総会 で 「 酒類 の 社会 的 管理 」 の 必要 性 を 訴え 、 撤廃 を 決議 した 。 自販機 の 普及 で ビール や 酒 の 入手 が 容易に なり 、 未 成年 者 飲酒 など が 社会 問題 化 して いる だけ に 、 多く の 人 は 歓迎 する はずだ 。 酒類 の 自販機 の 歴史 は それほど 古く は ない 。 三十 年 近く 前 に 日本 酒 から 始まった 。 買う 側 の 利便 さ 、 店 側 の 省力 化 を 背景 に 急速に 普及 した 。 現在 、 ビール や 酒 の 自販機 普及 台 数 は 約 二十万 台 、 その 売上高 は 三千六百億 円 で 、 総 売り上げ の 五 % 余 と 推定 さ れて いる 。 販売 形態 と して すっかり 定着 して いる が 、 酒類 の 自販機 を 戸外 で 見掛ける の は 世界中 で 日本 だけ と 聞く 。 利便 さ と 裏腹に 、 弊害 も 伴う 。 殊に 、 未 成年 飲酒 の 問題 が 深刻だ 。 高校 生 を 対象 に 調査 した 厚生 省 「 アルコール 白書 」 に よる と 、 「 酒 を 飲んだ こと が ない 」 は 年々 減り 、 既に 二〇 % を 割って いる 。 一五 % が 「 週 一 回 以上 の 飲酒 」 であり 、 一 % 弱 が アルコール依存症 と 推定 さ れる 「 重篤 問題 飲酒 」 だった と いう 。 驚く べき 実態 と いえる 。 酒類 の 入手 先 は 「 居酒屋 ・ 飲み屋 で 飲んだ 」 が もっとも 多く 、 次いで 「 自販機 ・ スーパー で 購入 した 」 「 親 の 許し を 得て 、 家 に あった 酒 を 飲んだ 」 。 わが国 に は 「 未 成年 者 飲酒 禁止 法 」 と いう 法律 が ある 。 嘆かわしく も 空文 化 して いる 。 自販機 の 廃止 は 、 アルコール 関連 の 団体 を 中心 に これ まで も 要請 さ れて きた 。 一九九一 年 に 世界 保健 機関 から は 「 自販機 に よる アルコール 飲料 の 販売 禁止 」 を 勧告 さ れた 。 昨年 十 月 に は 国税 庁 長官 の 諮問 機関 「 中央 酒類 審議 会 」 が 撤廃 を 提言 し 、 これ を もと に 国税 庁 が 業界 へ の 行政 指導 を 行って きた 。 今回 の 中央 会 の 撤廃 決議 で は 、 六 月 一 日 を 起点 に して 五 年間 の 猶予 期間 を 設けて いる 。 自販機 の 法定 耐用 年数 を 考慮 した もの で 、 耐用 年数 が 到来 した 自販機 に ついて は 更新 し ない と いう こと であり 、 順次 、 姿 を 消して いく 。 ただ 、 大 都会 の 駅 周辺 店 など で は 売り上げ の 多く を 自販機 に 負って おり 、 「 全廃 は 死活 問題 」 と いう 反対 も 根強かった ため 、 「 ID カード 式 自販機 の 導入 」 を 検討 課題 と して 残した 。 それ でも 「 未 成年 が アクセス でき ない 」 こと を 最 優先 に 、 銀行 カード の ような 厳格な 案 が 浮上 して おり 、 既に 「 もう 自販機 の 普及 は ない 」 と いう 声 が 出て いる 。 「 飲酒 環境 」 悪化 の 背景 に は 、 だれ に も 見 られ ず 、 罪 の 意識 も なく 買える 自販機 の 存在 が ある 。 責任 の すべて が 自販機 に ある わけで も なかろう 。 アルコール 白書 に 見 られる ように 、 未 成年 の 飲酒 を 安易に 容認 して いる 社会 風潮 も 甚だ 問題 だ 。 わが国 に は こんな 法 も ある 。 「 酒 に 酔って 公衆 に 迷惑 を かける 行為 の 防止 等 に 関する 法律 」 。 その 二 条 に は 「 飲酒 を 強要 する 悪習 を 排し 、 飲酒 の 節度 を 保つ 」 と ある 。 酒 の 飲み 方 まで 、 法 に よって 指導 さ れ なければ なら ない の も 情けない 。 自販機 の 撤廃 を きっかけ に 、 未 成年 に 飲ま せ ない の は もちろん 、 大人 自ら も 適正 飲酒 に 努める 大切 さ を 今 一 度 、 考える 必要 が ある 。 クリントン 米 大統領 が 、 台湾 の 李 登輝 総統 が 母校 の 米 コーネル 大学 の 同窓 会 に 出席 する こと を 認めた ため に 、 米 中 関係 が 悪化 して いる 。 中国 側 は 空軍 代表 団 や 李 貴鮮 国務 委員 の 訪 米 日程 を 途中 で 切り上げ 、 遅 浩田 国防 相 の 六 月 訪 米 も 延期 した 。 米 側 の 態度 に よって は さらに 「 強烈な 対応 」 を 取る と も 警告 して いる 。 中国 は 事実 上 「 ポスト トウ 小平 時代 」 と いう 政治 的に も 不安定な 時期 に 入って おり 、 柔軟な 対応 は 難しく なって いる 。 米 中 関係 の これ 以上 の 悪化 は 避け ねば なら ない 。 米 政府 は 昨年 九 月 、 台湾 政策 を 十五 年 ぶり に 修正 し 、 経済 、 技術 関係 の 高官 交流 を 復活 した 。 しかし 李 総統 の 訪 米 は 同窓 会 出席 の ような 私的な 訪問 も 認め ない と 強調 、 最近 まで この 方針 を 確認 して いた 。 それ を 急に 変えた の は 米 議会 から 強い 圧力 が かかった から だ 。 五 月 上旬 、 米 下院 は 全会 一致 で 、 上院 も 反対 一 の 圧倒 的 多数 で 、 李 総統 の 同窓 会 出席 を 認める 決議 を 採択 して いた 。 クリントン 政権 の 豹変 に 台湾 は 大喜び し 、 中国 は 憤慨 して いる 。 しかし あまり 興奮 する と 大局 を 見誤り かね ない 。 今回 の 政策 転換 に は 来年 の 米 大統領 選 を 前 に した 国 内 政治 の 駆け引き が 投影 さ れて いる 。 ソ連 崩壊 で 中国 カード の 価値 が 低下 した ため と の 指摘 も ある が 、 とどのつまり は 米 側 が 「 たかが 同窓 会 」 と 軽く 考えた こと に 尽きる ので は ない か 。 米 議会 内 に は 台湾 の 国連 復帰 など を 支持 する 動き も ある が 、 議会 の 大勢 で は ない 。 アジア ・ 太平洋 地域 の 平和 と 発展 は 中国 抜き に は 語れ ない 。 すでに 十六 年 前 に そう だった 。 だからこそ 米国 は 対 中 関係 を 正常 化 した のだ 。 中国 の 存在 は 当時 より も 、 さらに 大きく なって いる 。 李 総統 の 昨年 来 の 「 実務 外交 」 は 一見 成功 した か に みえる が 、 果たして そう だろう か 。 李 総統 は 同年 春 、 フィリピン 、 インドネシア 、 タイ を 非公式 訪問 し 、 大統領 や 国王 と も 会談 した 。 「 同窓 会 出席 」 どころ で は ない 。 しかし 東南 アジア 諸国 へ の 非公式 訪問 は 今年 は まだ 実現 せ ず 、 外交 関係 復活 の 気配 も ない 。 李 総統 は 最近 、 中東 二 カ国 を 非公式に 訪問 した が 元首 に は 会えて い ない 。 李 総統 は 「 実務 外交 」 の 目的 を 「 台湾 に ある 中華民国 」 の 存在 を 世界 に 知らせる ため だ と 説明 して いる 。 しかし 台湾 承認 国 が 二十九 カ国 まで 減った の は 各国 が 台湾 の 存在 を 知ら ない ため で は ない 。 中国 か 台湾 か の 二 者 択一 で は 中国 を 選ぶ しか ない から だ 。 状況 は 仮に 台湾 が 独立 を 宣言 して も 変わら ない 。 「 実務 外交 」 で 確かに 李 総統 個人 の 活動 空間 は 広がった が 、 それ は 必ずしも 台湾 の 活動 空間 が 広がった こと を 意味 し ない 。 むしろ 中国 側 を いたずらに 警戒 さ せ 、 中国 側 の 了解 も 得て 広がった 活動 空間 が 今後 狭まる 可能 性 すら ある 。 中 台 関係 の 緊張 は 李 総統 の 再選 に も 不利に 働こう 。 李 総統 は 「 私的 訪 米 」 の 次の 目標 を 日本 に 定め 、 母校 京大 の 同窓 会 や 十一 月 の アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 非公式 首脳 会議 へ の 出席 を 目指して いる と いわ れる 。 日本 は 台湾 を 植民 地 と して 五十 年間 統治 した 。 不用意な 行動 は 誤解 を 招き かね ない 。 日本 政府 が 台湾 問題 で 米国 以上 に 慎重な 態度 を 取って いる の は 当然だ 。 幸い 中 台 民間 協議 の パイプ は つながった 。 台湾 が 活動 空間 を 広げる ため に 話し合い 、 相互 理解 を 深める べき 相手 は 中国 だ 。 青島 幸男 東京 都 知事 は 、 世界 都市 博覧 会 の 中止 か 、 開催 か を めぐり 、 迷い に 迷って いる ようである 。 一 度 は 会見 で 中止 方針 を 断言 した 。 にもかかわらず 、 都議 会 の 開催 決議 に 押さ れ 、 決断 を 延ばして きた 。 考え抜いた 末 の 結論 と して 説得 力 を 持た せる ため の 、 パフォーマンス だ 、 と 見る 人 も い ない で は ない 。 しかし 、 十八 日 の 臨時 都議 会 閉会 以後 、 都政 モニター や 中止 支持 、 開催 支持 の 都民 から 、 意見 聴取 も 行って きた 。 「 世論 の 動向 を 見て 」 など と 、 いささか 自信 喪失 と も 受け取れる 発言 も あった 。 正直 迷って いる のだろう 。 それ なら ここ で 、 「 知事 の 公約 」 に ついて 原点 に 立ち戻り 、 再考 すれば よい ので は ない か 。 知事 は 直接 選挙 で 選ば れる 。 政治 、 政局 上 の 力学 が 影響 した のち に 、 国会 議員 の 議決 で 決まる 首相 と は 、 その 座 の 性格 が 違う はずである 。 地域 住民 である 有権者 は 、 公約 実現 に 忠実である こと を 前提 に 、 知事 候補 者 に 投票 する 。 国会 議員 は 、 数多く 選ば れる 。 彼ら の 公約 も 重視 さ れ なければ なら ず 、 その 実現 に 努力 した か どう か 、 有権者 は 監視 を 怠れ ない 。 だが 、 所属 政党 の 動き 、 議員 自身 の 他 に 対する 影響 力 の 大小 を はじめ 、 もともと ハードル が ある 。 必ずしも ストレートに 公約 実現 に 向かえる と は 限ら ない 。 政党 政治 に おける 一 議員 の 限界 と いう もの である 。 その 点 は 有権者 も 分かって いる 。 しかし 、 知事 の 座 は 地域 行政 の トップ である 。 障害 は 多く あって も 、 公約 実現 へ 努力 する と 考え 投票 する のだ 、 と 言える 。 世界 都市 博 中止 は 青島 知事 の 公約 の 核心 の 一 つ だ 。 青島 知事 の 当選 に は 横山 ノック 大阪 府 知事 の それ と 合わせ 、 さまざまな 分析 が あった 。 談合 色 濃い 政党 相乗り を 都民 、 府 民 が 拒否 した 。 それ が 大方 の 分析 の 結論 だった 。 必ずしも 公約 を 吟味 して 、 青島 氏 に 投票 した ので は ない …… 。 街頭 で 選挙 運動 を し ない 青島 氏 自身 も 、 マスコミ の 世論 調査 で 支持 の 盛り上がり を 知る まで 、 当選 する 自信 は なかった ので は ない か 。 だから 中止 を 公約 し ながら 、 当選 後 まで 都市 博 会場 を 視察 も して い ない 。 そういう 見方 も ある 。 青島 氏 圧勝 に は 知名度 、 キャラクター へ の 好感 度 の 高 さ が 、 当然 あったろう 。 しかし 、 街頭 で 選挙 運動 を し なかった のだ から 、 有権者 は 少ない 情報 から 、 選挙 公報 など に 書か れた 公約 を より 素直に 支持 した のだ 、 と 見る こと も できる 。 青島 知事 に は 、 そう 考えて もらい たい 。 現実 の 状況 は どう か 。 都議 会 は 百 対 二十三 で 開催 決議 を 可決 した 。 議会 と 都 の 混乱 を 恐れる 都庁 幹部 職員 も 多い 。 政府 も 、 運輸 事務 次官 が 、 「 中止 の 影響 は 重大 」 と 言い 、 後 に 運輸 相 が 「 都 知事 の 判断 に 政府 は 関与 し ない 」 と 、 発言 して いる 。 中止 すれば 九百八十億 円 程度 の 損害 が 出る と した 都 の 試算 も 、 あくまで 大づかみな 概算 に 過ぎ ない 。 都市 博 の 今 年度 支出 分 を 減額 修正 し 、 改めて 新たな 事業 に 投資 すれば 、 その 波及 効果 も 生まれる 。 知事 は 今後 、 中止 や 見直し だけ で なく 、 行おう と する 事業 の ビジョン と 内容 を 早く 都民 に 示さ なければ なら ない 。 都議 会 は 開催 決議 の 可決 で その 立場 を 、 すでに 都民 の 前 に 明らかに した 。 あと は 中止 の 判断 が 出て も 、 自制 的な 対応 を 望んで いる の が 、 多く の 住民 の 心 で は ない か 。 サハリン 北部 で 強い 地震 が 起きた 。 震源 地 に 近い ネフチェゴルスク 市 は 壊滅 的 状態 と いう 。 随所 で がれき の 山 が 生まれ 、 火災 も 発生 し 、 死傷 者 も 多数 、 確認 さ れて いる 。 がれき の 下 に は 何千 人 も の 人 が 埋まって いる と いう 情報 が ある 。 何より も 早急な 救援 が 望ま れる 。 地震 は 二十七 日 深夜 に 起きた 。 マグニチュード は 7・5 と 推定 さ れて おり 、 阪神 大 震災 と ほぼ 同 規模 だ 。 テレビ 画面 に 映し出さ れた 市 内 の 惨状 は 目 を 覆う ばかりだ 。 震源 地 沖合 に は 油田 が あって 、 一帯 で は 石油 開発 が 進め られて おり 、 パイプライン が 破裂 して いる と も 伝え られる 。 石油 流出 に よる 環境 破壊 も 心配だ 。 日本 政府 は 救助 隊 や 消防 隊 、 医療 チーム の 派遣 を 準備 、 検討 して いる 。 既に 医療 品 や 毛布 、 食料 など 救援 物資 は スタンバイ して いる ようだ 。 一刻 も 早く 行動 に 移す べきだ 。 阪神 大 震災 の 際 に 多く の 国 から 援助 ・ 救援 を 受けた 。 ロシア から も あった 。 その 「 お返し 」 と いった 狭い もの で なく 、 人道 的な 立場 から 「 当然の 救援 」 と 考え たい 。 外国 の 災害 に 際して わが国 は これ まで も 援助 ・ 救援 を 行って きた が 、 政治 レベル で の 判断 が 遅れ 、 出遅れる こと が まま あった 。 海外 から は 「 カオ が 見え ない 日本 援助 」 の 言葉 も 聞か れた 。 今回 は そうした 事態 を 避け たい 。 それ に は 、 漠然と した 救援 の 申し出 で は なく 、 阪神 大 震災 で 学び取った 具体 的な 災害 対応 の 「 ノウハウ 」 を ロシア 側 に 提示 して 促したら いい 。 そもそも 、 地理 的に も わが国 が もっとも 出動 し やすい 。 北海道 と は 目 と 鼻 の 先 で は ない か 。 地震 発生 の 原因 に ついて は 調査 中 だ が 、 震源 地 は 北米 プレート と ユーラシア プレート の 境界 近く に あり 、 プレート 同士 が 水平に 「 横 ずれ 」 した ため か 、 内陸 部 の 直下 型 で は ない か と いう 二 つ の 見方 が 出て いる 。 日本 列島 は この 両 プレート の 影響 下 に ある ほか 、 太平洋 プレート と 北米 プレート の 境界 線 も 近く を 走って おり 、 列島 周辺 は 「 地震 の 巣 」 と いわ れて いる 。 一九八三 年 の 日本海 中部 、 九三 年 の 釧路 沖 と 北海道 南西 沖 、 昨年 の 北海道 東方 沖 、 三陸 はるか 沖 地震 など 、 この ところ 不気味に も 大きな 地震 が 立て続け に 起きた 。 その うえ 、 阪神 大 震災 で は 活断層 に よる 直下 型 大 地震 が 起き 、 耐え難い 犠牲 ・ 被害 を 出した 。 地震 学 者 の 間 で は 「 列島 周辺 は 地震 の 活動 期 に 入って いる 。 今後 も 、 同じ ような 地震 が 起きる ので は ない か 」 と の 警告 が 出さ れて いる 。 真剣に 受け止め ねば なら ない 。 阪神 大 震災 の 後 、 しばらく は 国民 の 関心 事 は 地震 一色 に なって いた 。 ところが 、 オウム 真理 教 事件 など の 衝撃 的な 事象 が 相次ぎ 、 震災 報道 が 減った の に 伴って 、 被災 地 や その 周辺 を 別に して 震災 へ の 関心 が 薄らいで きて いた ので は なかろう か 。 阪神 大 震災 の いやし 難い キズ跡 は まだ 生々しく 残って いる 。 本格 復旧 も これ から であり 、 課題 は 多い 。 当然 、 あらゆる バックアップ を 考え なくて は なら ない 。 決して 過去 の こと で は ない 。 建設 省 、 運輸 省 など 関係 省庁 は 耐震 基準 の 見直し を 進め 、 土木 学会 も 新 基準 を 提言 して いる 。 地震 列島 で は 常に 対応 を 念頭 に 置か ねば なら ない 。 サハリン 大 地震 で その こと を 再 確認 し たい 。 滅亡 した 古代 文明 から 何 を 学ぶ か 。 ギリシャ ・ ローマ 文明 の 流れ を くむ 西欧 文明 と その 一種 の アメリカ 文明 に 未来 は ある か 。 三十 日 、 閣議 了承 さ れた 平成 六 年度 版 環境 白書 は 、 現代 文明 と 呼ば れて いる 西欧 ・ アメリカ 文明 の 歴史 を 自然 環境 と の 関連 から とらえ 、 その 未来 に 疑問 を 呈して いる 。 人類 と は 地球 環境 に ひと り 大きな 負担 を かけて いる “ 特殊な 存在 ” である こと を 歴史 に 学び 、 その 振る舞い を 改め ない 限り 、 現代 文明 に 未来 は ない 、 と 白書 は 冒頭 で 警告 する 。 このような 歴史 観 に は とりたてて 新しい 視点 が ある わけで は ない 。 注目 して おき たい の は 、 文明 論 に 力点 を 置く この 異色の 環境 白書 が 、 二十一 世紀 へ 向かう 私 たち の 社会 ルール と なる 「 環境 基本 法 」 と 「 環境 基本 計画 」 の 根本 の 考え 方 、 価値 観 を 明らかに する 狙い を もって 初めて 編集 さ れた もの である こと だ 。 「 自然 と 人間 が 共生 する 」 「 経済 の 仕組み を 循環 型 に 改める 」 「 だれ も が 環境 保護 に 参加 する 社会 へ 」 、 そして 「 国際 環境 協力 を 盛んに する 」 こと が 基本 法 と 計画 の 四 つ の 目標 である 。 強制 や 規制 に よって これ ら の 目標 に 近づく こと は 難しい 。 社会 の 各 分野 、 一人ひとり が 、 人類 と は 有限な 資源 と 環境 を 際限 なく 消費 し 、 人口 を 著しく 増やし 、 生態 系 に 負担 を かけて やま ない “ 地球 の お 荷物 ” である と 自覚 する こと から 、 環境 の 危機 を 克服 する 道 が 始まる のだ 、 と 白書 は 訴えて いる 。 白書 が 批判 する 現代 文明 の 傾向 と は 「 拡大 の 基調 」 である 。 自国 の 森林 を 切り 尽くした ローマ は 、 イタリア 、 ガリア 、 イベリア 、 北 アフリカ 、 小 アジア など 他国 を 征服 する こと で 木材 を 賄った 。 ペスト 流行 から 立ち直った 十六 世紀 の 西 ヨーロッパ は 、 食糧 と 森林 資源 の 不足 を アメリカ 大陸 、 オーストラリア 大陸 を はじめ 世界中 に 求めた 。 「 だが 、 いま 世界 全体 に 拡大 した 現代 文明 は 、 地球 と いう 制約 を これ まで の 拡大 の 基調 で 乗り越える こと は でき なく なった 」 と 白書 は 「 見えて きた 資源 と 環境 の 限界 」 に 注意 を 促す 。 事実 、 人口 の 激増 、 砂漠 化 、 熱帯 雨 林 の 荒廃 、 温暖 化 など を 食い止める 協定 や 条約 が 相次ぎ 作ら れて いる の は その 証拠 であろう 。 従って 技術 革新 の 役割 も 大量 生産 、 大量 消費 、 大量 廃棄 を もたらす ので は なく 、 生産 と 消費 の 在り 方 を 、 持続 可能な もの に 変えて いく もの に なら ざる を 得 ない 、 と 白書 は 分析 して いる 。 今さら 、 なに を 。 水俣 病 ひと つ 解決 でき ない 環境 庁 が 、 文明 論 に 逃げ込んで いる 場合 か 、 と の 批判 が 聞こえて き そうだ 。 だが 、 いま 環境 庁 が この 種 の 文明 論 を 持ち出さ ざる を 得 ない ほど 、 日本 の 内外 で 事態 は 「 拡大 の 基調 」 へ 傾斜 を 強め つつ ある ので は ない か 。 政府 の 一 政策 調整 官庁 である 環境 庁 を 批判 して 済む ほど 状況 は 単純で は ない 。 環境 庁 は 環境 影響 評価 法 の 制定 を 望み ながら 自民党 と 事業 官庁 の 反対で 果たせ ない まま だ 。 大量 生産 、 大量 消費 、 大量 廃棄 の 社会 を 環境 基本 法 で 否定 し ながら 、 現に 国会 へ 提案 さ れて いる 「 容器 包装 分別 収集 ・ 再 商品 化 促進 法 」 は 厚生 、 通産 、 農水 三省 の 介入 で 例外 や 延期 の 骨抜き 立法 に 追い込ま れよう と して いる 。 白書 の 文明 論 を こうした 社会 風潮 へ の 抵抗 、 批判 と して 受け止め たい 。 ボスニア ・ ヘルツェゴビナ 情勢 が 緊迫 して いる 。 国連 の 要請 を 受けて 北 大西洋 条約 機構 が セルビア 人 勢力 の 拠点 に 空爆 を 加えた あと 、 セルビア 人 勢力 側 が 国連 防護 軍 に 報復 、 兵士 多数 を 人質 に とった 、 と いう 。 防護 軍兵 士 を 弾薬 庫 など 軍事 施設 に 鎖 で つなぎ 、 見せしめ に その 光景 を テレビ で 放映 する と いう 事態 は 異常だ 。 国連 の 平和 維持 活動 は 本来 、 紛争 当事 者 の 間 で 中立 姿勢 を 保ち 、 和平 を 促進 する 機能 を 果たす べき もの だ が 、 ボスニア で は セルビア 人 勢力 が 国連 を 「 敵 」 と みなして いる 。 ここ に 問題 の 深刻 さ が ある 。 国連 は 空爆 を 平和 維持 活動 の 崩壊 を 防ぐ 最後 の 手段 と 位置づけて いる が 、 セルビア 側 は そう は み ない 。 空爆 に 際して 防護 軍兵 士 が 地上 で 爆撃 対象 を 確定 する 役割 を 果たす ので 、 空爆 の 「 手先 」 と みる 。 「 手先 」 だ から 、 再度 の 空爆 を 避ける “ 盾 ” に 使う の は 当然 、 と いう 論理 だ 。 国連 安保理 は セルビア 人 勢力 の 「 脅し に は 屈し ない 」 こと で 一致 した もの の 、 打つ手 に 窮して いる の が 実情 だ 。 ソマリア に 次いで 、 PKO は 再び 重大な 試練 に 直面 して いる と 言えよう 。 イスラム 教徒 主導 の ボスニア 政府 軍 と セルビア 人 勢力 の 対立 に 国連 防護 軍 も からんで 、 ボスニア 情勢 は 混迷 の 度 を 深めて いる 。 懲罰 的な 空爆 の たび に セルビア 人 勢力 が 反発 し 、 防護 軍 や 市民 に 報復 攻撃 を 加える 、 と いう “ 憎悪 の 連鎖 ” を 断つ 手立て は ない もの か 。 われわれ は まず 、 セルビア 人 勢力 に 国連 派遣 の 兵士 を 人質 に とったり 、 空爆 よけ の “ 盾 ” に する 行為 の 即時 停止 を 求め たい 。 明らかに 国際 ルール 違反 の 行為 だ から だ 。 一方 、 国連 も NATO の 空爆 に 頼る 手法 を 安易に 使う べきで は ない 。 NATO は 昨年 春 以来 、 空爆 を 数 回 実施 した が 、 戦闘 が 鎮静 化 する 兆し は ない 。 セルビア 人 勢力 を 心理 的に 追い込み 、 報復 に 走ら せる 逆 効果 しか 持た ない ように みえる 。 力 に よる 解決 に は 限界 が ある こと を 、 現在 の 事態 は 示して は い ない か 。 われわれ は 国連 の 活動 が 挫折 し 、 防護 軍 が 全面 撤退 に 追い込ま れる 事態 を 恐れる 。 国連 は イスラム 教徒 居住 区 を 保護 する 名目 で 、 六 カ所 に 安全 地域 を 設置 した が 、 東部 の 三 地域 で は 国連 に よる 防衛 は 不可能に なって いる 。 仮に 防護 軍 が ボスニア から 全面 撤退 する ような 事態 に なれば 、 ボスニア は 国際 社会 の 監視 の 外 で 、 果てし の ない 民族 殺りく の 荒野 と 化す 恐れ が ある 。 国連 が 本来 の 中立 的な 平和 維持 機能 を 回復 できる よう 関係 各国 の 努力 を 期待 し たい 。 事態 打開 の カギ を 握る の は 、 セルビア 人 勢力 に 影響 力 を 持つ ロシア 及び 新 ユーゴスラビア だろう 。 セルビア 人 勢力 は 防護 軍 の ロシア 兵 を 人質 に する など ロシア に 対する 姿勢 を 硬化 さ せて いる が 、 欧 米 諸国 に 比べれば セルビア 人 勢力 を 説得 する 力 を 持って いる 。 国連 制裁 解除 を 目指して 姿勢 軟化 を 伝え られる 新 ユーゴ に 対して も 、 米 露 は 働きかけて ほしい 。 また 、 最近 は ボスニア 政府 軍 が 攻勢 に 転じ 、 今回 の 空爆 も 同 政府 軍 に よる 戦闘 激化 が 引き金 に なった 。 同 勢力 に 影響 力 を 持つ 米国 は 、 ボスニア 政府 に 自制 を 求める べきだ 。 国連 だけ で なく 、 国際 社会 全体 が 地域 紛争 封じ込め の 能力 を 問わ れて いる 。 青島 幸男 東京 都 知事 は 三十一 日 、 世界 都市 博覧 会 の 中止 を 決めた 。 今後 は 、 大差 で 開催 決議 を 可決 した 都議 会 と 、 対立 だけ で ない 新たな 関係 の 構築 を 迫ら れる 。 その ため に 知事 の 努力 が 必要な の は 当然だ が 、 議会 側 に も 同様の 努力 が 求め られる 。 青島 知事 は 、 中止 に よって 影響 を 受ける 事態 に 誠実に 対処 する 、 と 言及 した 。 そう ある べき は 当然だ 。 しかし 、 九百八十億 円 と 推定 した 都 の 中止 に 伴う 損害 見積もり に は 、 「 過大 」 と する 指摘 が ある 。 「 損害 賠償 を 求め ない 」 と 発言 して いる 出展 予定 企業 トップ も すでに いる 。 損害 補てん も 公金 の 支出 だ 。 この 点 も 都民 が 納得 できる ように 進める 責任 が ある 。 議会 と 都民 へ の アカウンタビリティー が 問わ れる 。 これ ら の 点 を 指摘 した うえ で 、 住民 の 気持ち と 離れて しまった 大型 イベント 中止 に 踏み切った 決断 を 評価 する 。 この 決断 は 都民 だけ で なく 、 全国 的に も 住民 の 意識 に 影響 する だろう 。 地域 行政 の 在り 方 を 、 改めて 考える 契機 に も し たい 。 都政 上 から は この際 、 都市 博 の 背後 に ある 「 東京 都 臨海 副 都心 開発 計画 」 そのもの の 在り 方 に 議論 を 深める 必要 が ある 。 四百四十八 ヘクタール の 埋め立て 地 に 、 就業 人口 十万六千 人 、 居住 人口 六万 人 の 史上 空前 規模 の ウオーターフロント 再 開発 の 試み だ 。 都市 博 も 臨海 副 都心 開発 計画 の 「 入り口 」 と して 、 位置づけ られて いた 。 この 開発 計画 に は 、 大きく 言って 二 つ の 疑問 が ある 。 まず 都 が 計画 を 公表 した 一九八八 年 三 月 当時 の 社会 情勢 と 現状 の 違い だ 。 国際 金融 都市 、 情報 交流 拠点 を 目指した 東京 に 、 国 内 は もちろん 世界 の 企業 が オフィス 立地 を 目指す と 想定 した 。 東京 都心 部 に 猛烈な 土地 の 仮 需 が 起きた 。 そこ で 臨海 部 の 土地 を 開放 して 地価 狂乱 に 水 を かける 。 それ が 臨海 副 都心 開発 計画 の 緊急 目的 だった 。 東京 都 は 土地 の 売却 を 禁じる 「 新 土地 利用 方式 」 を 編み出した 。 三十 年間 の 賃貸 契約 と し 、 進出 企業 から の 権利 金 と 毎年 八 % ずつ 上げる 借地 料 を 元手 に 、 道路 や 下水 道 など 街 の 基盤 を つくる 、 と して いた 。 現実 は どう か 。 地価 の 下落 で 都市 博 まで に 進出 する 企業 第 一陣 に 三六 % の 値引き を 余儀なく さ れた 。 年間 八 % の 地価 上昇 を 見込んだ 都 の 財政 政策 の 失敗 である 。 計画 全体 で は 今後 三十 年間 に 二兆一千億 円 の 減収 と なり 、 収支 均衡 は 予定 より 五 年 遅れ 、 二〇二六 年度 へ ずれ込む 。 第三セクター 「 東京 臨海 副 都心 建設 公社 」 が 建設 中 の オフィスビル に は 、 借り手 が つか ない 。 税金 に 頼ら ない と した 当初 の 公約 は 、 計画 の 目的 を 根本 から 変え ない 限り 、 実行 でき ない ので は ない か 。 それ は 、 臨海 部 の 機能 を 、 業務 、 商業 から 居住 、 文化 、 スポーツ 、 レクリエーション 用地 へ の 大幅な 切り替え を 意味 する こと に なら ない か 。 次に 知事 と 都議 会 は 、 臨海 副 都心 開発 計画 が その 名 の 通り 、 都心 部 から 独立 した 職住近接 の コア 型 副 都心 づくり に ある こと を 忘れる な と 言い たい 。 開発 現場 に 立てば 、 この 計画 が 目的 に 反して 、 都心 の 拡大 延長 、 つまり 一 極 集中 の 新たな 受け皿 に なろう と して いる こと を 実感 できる 。 東京 都 は 新しい 時代 に 合わせた 都市 計画 を どう 組み上げて いく の か 。 都議 会 の 議論 を そこ から やり 直し 、 新たな ルール を 示して もらい たい 。 数多く ある 官庁 の うち 国民 に 最も 親しま れて いる の は 気象 庁 で は ない だろう か 。 その 気象 庁 が きょう 一 日 で 業務 を 開始 して から 百二十 周年 を 迎え 、 初 の 気象 白書 と も 言う べき 「 今日 の 気象 業務 ― 自然 と 地球 を みつめて 」 を 刊行 する 。 天気 予報 、 地震 ・ 火山 の 観測 と 監視 、 気候 変動 対策 など の 気象 業務 は 着実に 進展 して おり 、 今後 も 国民 や 防災 機関 の 幅広い 理解 を 得よう と いう の が 白書 発行 の 狙い だ 。 確かに 最近 の 気象 業務 は 大きく 変化 して いる 。 国家 試験 に よる 気象 予報 士 制度 が 設け られ 、 この 五 月 中旬 から 民間 気象 会社 が 一般 向け の 局地 的な 天気 予報 を 開始 した 。 天気 予報 の 自由 化 と して 歓迎 さ れて いる 。 また 北海道 南西 沖 地震 を きっかけ に 津波 地震 早期 検知 網 など が 整備 さ れ 、 地震 発生 後 三 分 以内 で 津波 予報 を 発表 できる ように なった 。 今年 四 月 から は 震度 3 以上 の 地震 が 発生 した 場合 、 二 分 程度 で その 地域 名 を 震度 速報 と して 発表 して いる 。 来年 三 月 に は コンピューター を 駆使 した 気象 資料 総合 処理 システム を 更新 し 、 処理 能力 を 向上 さ せる 。 これ で 三 時間 ごと の 天気 や 気温 の 推移 を 二十四 時間 先 まで 予報 できる ように なる など 、 予報 精度 は 大幅に 向上 する 。 気象 庁 の 意気込み は よく 理解 できる が 、 実は さまざまな 問題 も 抱えて いる 。 まず 気象 衛星 「 ひまわり 」 の 運用 に かなり の 予算 を とら れ 、 地震 の 観測 機器 の 新設 や 更新 が ままならない 状態 が 続いて きた 。 自動 観測 や コンピューター に よる 天気 予報 が 成果 を 上げる 一方 で 、 地域 住民 と 最も 密着 した 測候所 の 夜間 無人 化 が どんどん 進む と いう 一面 も ある 。 また 阪神 大 震災 で 神戸 と 洲本 の 震度 6 の 発表 が 遅れた 。 神戸 海洋 気象 台 で は 専用 線 が 不通 と なり 、 淡路島 の 洲本 測候所 は 夜間 は 無人で 自動 震度 計 は 地震 で 作動 し なかった 。 両方 と も 致命 的な ミス であり 、 救助 活動 の 初動 に も 影響 した が 、 白書 に は 一言 の 反省 も 示さ れて い ない 。 地震 の 予知 が 可能 か どう か が 大きな 議論 に なり 、 地震 防災 対策 強化 地域 判定 会 の 茂木 清夫 会長 は 「 東海 地震 の 予知 が 一 発 で うまく いく と は 思って い ない 。 注意 報 的な もの を 出せ ない か 」 と 述べて いる 。 だが 、 気象 庁 は 茂木 会長 の 提案 を 二 年 半 以上 も たなざらし に した まま だ 。 なぜ 気象 庁 が そういう 態度 を とる の か 国民 に は よく 分から ない 。 日本 全体 が 地震 の 活動 期 に 入った と いう 見方 が ある こと に 対し 、 どう 考える の か など を 含め 、 気象 庁 は きちんと 説明 す べきで は ない か 。 この ほか 、 明日 の 天気 予報 の 的中 率 は 八〇 % に 達した と いう のに 長期 予報 の 精度 は まだまだ よく ない 。 一昨年 の 冷夏 、 昨年 の 猛暑 ともに 長期 予報 で は 全く 予測 でき なかった 。 一層 の 充実 を 望み たい 。 高度 情報 化 社会 を 迎え 、 国民 の 気象 情報 に 対する 要望 は さらに 多様 化 する 。 地球 温暖 化 に 伴って 多発 する と み られる 異常 気象 へ の 適切な 対応 も 、 これ まで 以上 に 気象 庁 に は 求め られる だろう 。 阪神 大 震災 を はじめ と した 相次ぐ 大 地震 、 雲仙 ・ 普賢 岳 の 噴火 、 冷夏 や 猛暑 と 、 国民 は 自然 現象 の 怖 さ を 思い知ら さ れた 。 気象 庁 は 現在 の 問題 点 を 率直に 明らかに する と ともに さまざまな 疑問 に 対し 分かり やすく 説明 する 努力 を 続け 、 国民 に 一層 親しま れる ように なって ほしい 。 英国 の 著名な 歴史 家 E ・ H ・ カー は 、 その 著書 「 歴史 と は 何 か 」 の 中 で 「 歴史 と は 、 現在 と 過去 と の 間 の 尽きる こと を 知ら ぬ 対話 である 」 と 述べた うえ で 、 歴史 と いう 過去 の 記録 を 保存 する こと は 「 未来 の 世代 の ため である 」 と 語って いる 。 戦後 五十 年 を 期して 、 先 の 大戦 を 反省 し 、 いわゆる 不戦 の 誓い や 平和 へ の 決意 を 世界 に 示そう と いう 国会 決議 の 文案 を めぐって 連立 与党 内 の 大詰め の 調整 が 続いて いる 。 カー の 言葉 を 借りれば 、 国会 決議 は 、 過去 を 直視 する だけ で なく 、 二十一 世紀 に 向けた 重要な メッセージ と 言って いい 。 それだけに 、 あいまいな 内容 であって いい はず が ない 。 各 党 は きょう 二 日 中 に 原案 を 取りまとめる 方針 だ が 、 ぜひ こうした 視点 から 文案 を 煮詰めて もらい たい 。 国会 決議 に ついて 私 たち は 、 過去 を 直視 し 、 反省 す べき 点 は 冷静に 反省 し 、 その こと を 通じて 将来 に 向けた 展望 を 切り開いて いく べきだ と 重ねて 主張 して きた 。 そう する こと に よって 、 アジア ・ 太平洋 諸国 と の 真 の 和解 を 日本 は 手 に する こと が できる と 考える から だ 。 これ まで に 明らかに なった 与党 三 党 の それぞれ の 文案 を 見た 限り で は 、 決議 の 必要 性 に 関して は 評価 できる 表現 が 盛り込ま れて いる 。 例えば 「 歴史 の 教訓 を 謙虚に 学び 、 平和な 国際 社会 を 築く 糧 と し なければ なら ない 」 、 「 学ぶ べき 教訓 は 十分に 学び 、 これ を 未来 に つなげて いか なければ なら ない 」 など だ 。 ところが 、 決議 の 核心 部分 である 旧 日本 軍 の 行為 に 対する 認識 に ついて は 、 社会党 ・ さきがけ が 、 侵略 行為 ・ 侵略 戦争 や 植民 地 支配 の 反省 の 言葉 を 盛り込む べきだ と して いる の に 対して 、 自民党 は これ に 抵抗 する など 隔たり が 残さ れて いる 。 自民党 が こうした 姿勢 を とる の は 、 決議 慎重 派 の 議員 や 日本 遺族 会 など の 支持 団体 から 、 ブレーキ を かけ られて いる から だろう 。 しかし 、 どんな もの だろう か 。 日本 が 朝鮮 半島 や 台湾 を 植民 地 支配 し 、 中国 に 侵略 した 事実 から 目 を そらす わけに は いか ない ので は ない か 。 すでに 自民党 単独 政権 時代 の 歴代 首相 が 「 侵略 的 事実 を 否定 する こと は でき ない 」 など と 国会 で 答弁 して きた 経緯 を 慎重 派 は 忘れて しまった のだろう か 。 文案 作り が 支持 団体 や 党 内 力学 と いった 国 内 要因 を 意識 した ワーディング の 世界 に はまり こんで しまって いる の は 残念で なら ない 。 自民党 を 中心 に 各 党 に 考えて ほしい こと は 、 こうした 混迷 ぶり を 世界 が どう 見て いる か と いう 点 だ 。 最終 場面 で は 、 あいまいな 日本 語 で 妥協 を 図る 事態 も 予想 さ れる 。 例えば 「 侵略 的 行為 」 と いう 言葉 の 場合 、 日本 語 で は 「 侵略 の ような 行為 」 だ が 、 中国 語 で は 「 侵略 と いう 行為 そのもの 」 と 解釈 さ れる と いう 。 これ まで 日本 政府 が 示して きた 歴史 へ の 反省 は 、 こうした 言葉 の 解釈 の 差 を うまく 利用 して 、 国 内 の 反発 を 回避 する やり 方 を とって きた 。 こんな こと は 、 もう 願い下げ に して ほしい 。 英語 、 中国 語 、 韓国 ・ 朝鮮 語 に 翻訳 した 場合 でも 、 決議 の 趣旨 が 明確に 伝わる ような ワーディング に こそ 留意 す べきだろう 。 今回 の 決議 の 最大 の 眼目 は 、 同じ 過ち を 繰り返さ ない と いう 明快な メッセージ を 世界 に 向けて 発信 する こと に ある はずだ から だ 。 「 大雨 警報 が 出た 先日 、 神戸 市 の 東部 、 住吉 川 沿い を 通り 、 ぞっと した 。 濁流 が 川 沿い の 遊歩道 に まで あふれて いた のだ 。 昭和 十三 年 の 阪神 大 水害 の 時 、 住吉 川 は 暴れ 川 に なった と いう 。 現在 、 住吉 川 上流 の 六甲 山系 は 日増しに 土砂 が 崩れ 、 山肌 を あらわに して いる 」 阪神 大 震災 の 被災 地 に 先月 、 “ 百 年 に 一 度 ” の 雨 が 降った 。 梅雨入り を 目前 に 控えて 、 雨 に よる 二 次 災害 が 懸念 さ れて いる 。 神戸 海洋 気象 台 に よる と 、 五 月 の 降水 量 は 三四八ミリ 。 平年 値 の 一四四ミリ を 大幅に 上回った だけ で は なく 、 海洋 気象 台 が 九十八 年 前 に 雨量 の 測定 を 始めて 以来 最高の 月間 降水 量 記録 三一二ミリ を も 更新 した 。 震災 で 地盤 が 緩み 、 がけ崩れ や 土石流 の 恐れ の ある 危険 個所 は 、 兵庫 県 内 に 千四百五十一 地点 、 危険 宅地 も 約 二千七百 地点 に 上る 。 最大 限 の 警戒 が 必要であろう 。 二 次 災害 に 備えて 県 と 各 市 は 先月 末 、 自衛 隊 や 県警 と ともに 訓練 を 実施 、 情報 システム の 確認 や 緊急 対策 の 検証 など に 「 おおむね 、 所期 の 目的 を 達した 」 と いう 。 しかし 、 これ は 、 あくまで 訓練 である 。 阪神 大 震災 の 経験 が 教えて いる ように 、 大きな 災害 に は 、 マニュアル は ほとんど 役 に 立た ない 、 と 考えた 方 が いい 。 昭和 十三 年 の 阪神 大 水害 は 七 月 三 日 から 五 日 に かけて 降った 四〇〇ミリ を 超える 豪雨 に よって 発生 した 。 六甲 山系 で 山崩れ が 続発 、 大量の 土石流 が 市街 地 を 襲い 、 兵庫 県 の 死者 ・ 行方 不明 は 六百八十六 人 に 達した 。 交通 網 は 寸断 さ れ 、 神戸 の 全戸 数 の 七〇 % 以上 が 被災 した と いう 。 典型 的な 梅雨 前線 豪雨 災害 である 。 その後 、 河川 を 改修 し 、 砂防 ダム も 建設 した と は いえ 、 六甲山 の 斜面 に 造成 さ れた 宅地 の 規模 は 、 当時 と は 比較 に なら ない 。 都市 の 弱点 は 、 むしろ 拡大 さ れて いる 。 阪神 大 水害 クラス の 大 災害 が 再び 起こら ない と いう 保証 は ない 。 通信 が 途絶 し 、 交通 網 が ずたずたに なった 時 、 どのように 情報 を 伝達 し 、 被害 状況 を 把握 する の か 。 住民 の 避難 誘導 や 救出 は 、 どう する の か 。 災害 の 発生 時間 に よって は 、 対策 本部 の 招集 すら 困難な こと も あり 得る 。 考え られる 限り の リスク を 計算 し 、 常に 最悪の 事態 を 想定 し なければ なら ない 。 地震 と 違って 、 風水害 は 、 ある 程度 の 被害 予測 は 可能である 。 状況 に 応じた 臨機 応変 の 対応 が 必要な こと は 言う まで も ない が 、 対策 本部 の トップ ダウン に よる 指示 を 待つ ので は なく 、 危険な 兆候 の 通報 など 一般 市民 を 含めた 末端 から の ボトムアップ に も 努める べきである 。 被災 に よって 強まった 住民 の 結束 や 危機 管理 の 知恵 を 万一 の 事態 に 役立てる 工夫 も 必要だ 。 神戸 海洋 気象 台 は 、 平地 の 雨量 が 一 時間 に 四〇ミリ 以上 と 予測 さ れる 時 に 大雨 洪水 警報 を 出して いた 。 しかし 、 震災 後 は 基準 値 の 七〇 % 程度 に 引き下げて 発表 、 五 月 は 例年 に なく 多く の 注意 ・ 警報 が 出さ れた 。 幸い 大きな 被害 は なかった が 、 警報 に 慣れ 、 「 今度 も 多分 、 大丈夫だろう 」 と 油断 する の は 禁物 である 。 梅雨 の 後 に は 台風 の 季節 が 来る 。 兵庫 県議 選 など 、 きょう 告示 の 被災 地 選挙 でも 、 水害 へ の 備え を 十分に 論議 して もらい たい 。 「 人道 」 に 反する 法律 や 制度 は 改善 し なければ なら ない 。 だが 、 「 不正 」 に 目 を つむる 法律 や 制度 であって も 困る 。 観光 目的 など で 来 日 して 不法 残留 する 外国 人 労働 者 の 医療 問題 は 、 「 人道 」 と 「 不正 」 が からみつく 。 急病 や 大けが で 運び込ま れた 時 、 病院 も 診療 所 も 懸命に 手当て する 。 不法 滞在 で 支払い 能力 なし と 分かって も 重症 なら 追い 出せる わけ が ない 。 行政 は 「 不正 」 を 重く 見て 、 良心 的な 医療 機関 ほど 「 人道 」 的に 対応 して きた 。 その 結果 が 治療 費 未払い に なって 医療 機関 を 苦しめる 。 全国 自治 体 病院 協議 会 調べ で 一億六千万 円 、 済生 会 や 日本赤十字社 で は 月 に 五 、 六百万 円 に 上る 。 放置 でき ず 補助 金 を 出す 自治 体 が 増えて きた 。 厚生 省 の 「 外国 人 に 係わる 医療 に 関する 懇談 会 」 も 迷路 に 入り込んだ が 、 報告 書 で 方向 性 は 示した 。 まず 「 常時 雇用 さ れて いる 外国 人 は 、 事業 主 の 届け出 で 被用者 健康 保険 制度 を 適用 する こと が 適当 」 と 、 大 企業 向け の 健保 組合 や 中小 企業 向け 政府 管掌 健保 へ の 加入 を 求めた 。 明確に 書いて は い ない が 、 合法 、 不法に かかわら ず 現に 働いて いる のだ から 雇用 主 と 労働 者 が ほぼ 折半 で 保険 料 を 払え と いう ことだ 。 自営 業者 ら 向け の 国民 健保 へ の 加入 に は 、 その 市町村 で 暮らす 在留 資格 の 確認 が 必要な ため 「 不法 滞在 」 で は 入り よう が ない 。 被用者 健保 なら 、 その チェック が ない 。 これ まで 厚生 省 は 「 健保 の 適用 は 不法 滞在 を 助長 する 」 と 認め なかった から 方針 変更 を 迫ら れる 。 しかし 、 これ だけ で は 解決 に ほど遠い 。 法務 省 に よる と 、 不法 残留 は 約 三十万 人 。 不法 就労 は 男性 が 建設 作業 員 、 工員 、 女性 は ホステス 、 工員 が 目立ち 、 ほとんど は 零細 企業 や 個人 経営 の 職場 で 働く 。 加入 促進 は 容易な こと で は ない 。 もともと 合法 滞在 の 外国 人 さえ 国民 健保 の 加入 率 で 見て 、 自治 体 に よって 一五 % から 五八 % に すぎ ない 。 合法 滞在 の ケース から 体制 立て直し を 迫ら れて いる の が 現状 だ 。 雇用 主 の 責任 を 問い 続け 、 労働 者 たち に 「 保険 」 の 意義 や 大事 さ を PR する 地道な 努力 を 続けて ほしい 。 単純 労働 者 に 対する 「 鎖国 」 状態 を 緩和 する 「 技能 実習 制度 」 も ある 。 半年 間 の 研修 の うえ 一 年 半 の 実習 を 認め 、 人手 を 求める 雇用 側 と 技能 を 身 に 着け たい 労働 側 を 結び付ける 。 研修 生 に は 雇用 側 負担 の 「 総合 保険 」 が ある 。 企業 や 団体 が この 制度 を 利用 する ように 勧め たい 。 外国 人 労働 者 から 月 に 二千 円 前後 の 会費 を 集め 三 割 程度 の 自己 負担 で 診療 する 互助 会 方式 も 各地 に 生まれ つつ ある 。 「 軽い 症状 の うち に 手当て した 方 が 有効です 」 。 しかし 、 台所 は どこ も 火 の 車 だ 。 「 赤い 羽根 募金 」 は 、 暴力 や 売春 強要 から 外国 人 を 助ける ボランティア 団体 に 寄付 金 を 少額 ながら 回して いる 。 互助 会 も 、 その 趣旨 に 賛同 する 目的 募金 扱い でき ない か 。 だれ が 資金 提供 する か 難問 を 抱える が 、 外国 人 救急 医療 の 「 基金 」 構想 も 再考 す べきだ 。 この 問題 に 即効 薬 は ない が 、 「 人道 」 の 一 点 で 知恵 を 絞って 半 歩 でも 一 歩 でも 解決 へ 向け 歩み たい 。 「 道路 交通 事故 に よる 年間 の 死者 を 一万 人 以下 に 」 国 の 関係 機関 が 参加 して いる 「 中央 交通 安全 対策 会議 」 が 、 一九九一 年 から 掲げて きた 目標 である 。 最終 目標 年 は 今年 だ 。 しかし 二 日 、 総務 庁 が 発表 した 九五 年度 「 交通 安全 白書 」 に よる と 、 達成 は 厳しい 状況 に ある と いう 。 達成 する ため に は 、 死亡 事故 の 約 六 割 を 占める 夜間 で の 発生 を いかに して 抑える か に かかって いる ようだ 。 九四 年 の 死亡 者 は 前年 より 二百九十三 人 減少 した もの の 、 一万六百四十九 人 と 、 七 年 連続 一万 人 を 超えて いる 。 今年 も 一 日 まで の 死亡 者 は 前年 に 比べ プラス 一 と いう 状況 だ 。 わが国 の 交通 死亡 事故 は 、 七〇 年 を ピーク に いったん 減少 に 向かった もの の 、 八〇 年 から 高度 経済 成長 に 伴う 交通 量 の 急激な 増大 で 再び 増加 に 転じて いる 。 ここ で 目 に つく の は 、 夜間 の 事故 である 。 この 年 、 昼 と 夜 の 死亡 事故 の 割合 が 逆転 、 それ 以降 、 差 は 広がる 傾向 を 示して いる 。 この 背景 に は 私 たち の ライフ スタイル と 経済 環境 の 変化 に より 、 生活 パターン が 二十四 時間 化 した こと が ある 。 夜間 の 事故 を 時間 帯 と 亡くなった 人 の 年齢 で 分析 して みる と 、 午後 六 時 から 十 時 まで は 歩行 中 の お 年寄り が 多い 。 それ も 歩道 以外 で の 横断 中 が 目立つ 。 午後 十 時 以降 は 車 同士 や 単独 の 事故 に よる 、 十六 歳 から 二十四 歳 の 若い 人 の 死亡 が 四 割 以上 を 占めて いる 。 運転 歴 の 浅い 人 たち だ 。 共通 して いる 原因 は 、 「 夜 は 視界 が 悪く なり 、 危険 を 発見 する の が 遅れ がち 」 を 頭 で は 分かって いる が 、 体 の 方 は 分かって い ない 。 「 車 から 見える はずだ 」 の 思い込み から 、 歩道 以外 を 横断 する 。 「 この くらい は 大丈夫 」 と 、 ついつい スピード を 出す 、 と いう こと か 。 白書 で は 、 こうした 現状 から 夜間 事故 対策 の 重点 対象 と して 、 お 年寄り の 歩行 者 と 若い ドライバー を 挙げて いる 。 体 でも 分かって もらう に は 夜 、 運転 席 から の 視界 が どの くらい 落ちる の か 、 疑似 体験 して もらう の も 一 つ の 方法 だろう 。 夜間 、 実際 に お 年寄り たち に 車 の ライト の 届く 距離 や 、 服装 の 色 の 違い に よる 確認 できる 時間 の 差 など を 体験 して もらう 。 従来 の 講義 型 より 、 この 参加 ・ 実践 型 の 方 が 効果 が あり そうだ 。 こうした 試み は 、 老人 クラブ など を 通して すでに 始まって いる 。 しかし 、 今 の ところ 年間 四千 人 以下 で 、 あまりに も 少ない 。 早急に 広げる 必要 が ある 。 もちろん 、 問題 は ドライバー の 方 が 大きい 。 自動車 教習 所 でも 、 昼 の 教習 生 に 対して 映像 に よる 模擬 装置 を 活用 し 、 夜 の 運転 を 体験 さ せて いる ところ が 増えて いる 。 コース を 利用 して の 夜間 技能 を 採用 して いる 教習 所 も ある 。 しかし 、 まだ 「 行政 指導 」 の 段階 である 。 「 交通 安全 白書 」 は 、 現在 を 「 第 二 次 交通 戦争 」 と 位置づけて いる 。 それ は 、 「 夜 と の 戦い 」 と 言って いい だろう 。 勝つ ため に 教習 所 に 夜 の 運転 の 体験 を 「 行政 指導 」 から 一 歩 踏み込んで 、 教程 へ の 組み込み を 制度 化 する こと を 提案 し たい 。 道路 交通 法 の 改定 は 難しい かも しれ ない が 、 高速 道路 の 教習 の ように 規定 の 運用 で 可能な はずである 。 日本 の 雇用 が 、 一段 と 深刻 化 する ので は ない か と 懸念 さ れる 情勢 に なった 。 総務 庁 が 明らかに した 四 月 の 完全 失業 率 は 、 前月 より ○・二 ポイント 上昇 し 、 三・二 % に 達した 。 一九五三 年 以降 最悪である 。 求職 者 に 対する 求人 の 比率 である 四 月 の 有効 求人 倍率 も ○・六五 倍 。 やはり 三 月 より 、 わずかで は ある が 低下 した 。 有効 求人 倍率 の 低下 は 十一 カ月 ぶり である 。 さらに 新規 卒業 者 で 就職 でき ない いわゆる 就職 浪人 は 、 四 月 末 で 十六万 人 。 昨年 四 月 の 十五万 人 を 上回る 。 これ も 調査 開始 以来 最も 多い 。 雇用 情勢 の 悪化 は 、 ヤマ場 を 越え 、 徐々に 回復 に 向かう と いう 見方 も あった 。 しかし 、 踊り場 に あった 雇用 情勢 は 、 再び 下り 階段 に 向かい 始めた 。 景気 回復 どころ か 景気 腰折れ の 不安 も 強い 。 それだけに リストラ で 不況 に 耐えて きた 企業 は 、 設備 先端 化 、 オフィス オートメーション 化 は 進めて も 、 人員 を 増やさ ない 。 新卒 者 の 採用 は 引き続き 絞る 。 「 完全 雇用 型 社会 」 が 、 崩れて いく 過程 に ある 感 が 深い 。 むろん 、 西欧 の 先進 国 と 呼ば れる 各国 と 比べれば 、 失業 率 は 格段に 低い 。 先 の 大統領 選挙 で 、 雇用 創出 が 最大 の 争点 に なった フランス の 失業 者 は 三百万 人 を 超す 。 日本 の 完全 失業 者 は 二百十四万 人 。 しかも フランス の 人口 、 就業 者 は 日本 の 半分 に 満たない 。 フランス だけ で は ない 。 西欧 各国 で 雇用 創出 は 、 最大 の 政策 課題 に なって いる 。 だからといって 、 日本 が 安閑と して は い られ ない 。 雇用 情勢 が 今後 、 深刻 化 する と 見 られる 要素 は 幾 つ か ある 。 その 根底 に は 、 「 安定 は して いる が 、 停滞 に 陥り かね ない 社会 」 から の 脱皮 を 日本 が 目指し 始めた 点 が ある 。 具体 的に は 規制 緩和 を 推進 し 、 もっと 風通し よい 社会 を つくろう と する 願望 だ 。 同時に それ は 、 対 日 貿易 赤字 縮小 を 求める 主として 米国 の 要請 で も ある 。 が 、 規制 緩和 の 推進 は 、 生産 者 、 事業 者 、 起業 家 の 能力 発揮 の 側面 を 重視 する 結果 に なり やすい 。 働く 側 、 つまり 雇用 面 が 置き去り に さ れる 。 確かに 規制 緩和 が 、 やる 気 を 起こさ せ 、 新たな 事業 、 職場 を 生み はぐくむ 土壌 に なって ほしい と 思う 。 けれども 、 そこ まで 進む に は 時間 が かかる 。 職 を 失ったり 、 新たな 職 に 就け ない の は 、 日々 を 生きる 人間 に ほかなら ない 。 労働 組合 は 、 雇用 確保 に 全力 を 挙げ なければ なら ない 。 「 百万 人 の 雇用 」 を 宣言 した 日本 労働 組合 総 連合 会 は 、 結果 を 出して ほしい 。 以上 の ところ まで は 指摘 できる 。 しかし 、 労働 力 流動 化 の 流れ は 変わら ない だろう 。 賃金 体系 、 雇用 慣行 の 変化 は 、 依然 、 進んで いる 。 大きく 言えば 、 グローバル 化 した 世界 経済 の 中 に 、 日本 の 労働 者 も いる から だ 。 「 一 国 経済 主義 」 が 、 多く の 面 で 通用 し 難く なり つつ ある 。 プラス 面 を 計れば 、 「 会社 人間 」 から の 脱皮 に よる 社会 意識 の 変化 が 、 労働 力 流動 化 で 生まれる だろう 。 それ も 風通し よい 社会 を つくる 大事な 要素 だ 。 ただし 働く 側 は 、 まず 基本 的な 暮らし を 維持 し なければ なら ない 。 政府 は 幾 つ も の 細かい 雇用 推進 、 確保 の 施策 を 持って いる が 、 各省 で バラバラに 実施 して いる 。 分かり にくい 。 中小 企業 が もっと 積極 的に 活用 できる ため に 工夫 が 必要だ 。 学生 や 市民 の 民主 化 運動 を 戦車 で 鎮圧 した 天安門 事件 の 六 周年 が やってきた 。 昨年 の 「 六・四 」 は 五 周年 と いう 節目 だった が 何事 も なく 終わった 。 当局 が 事前 に 「 断固たる 措置 」 を 取る と 警告 、 厳戒 態勢 で 臨み 、 海外 の 民主 化 グループ も 分裂 状態 、 国 内 の 知識 分子 も 市場 経済 化 の 熱気 の 中 で 意気 が 上がら なかった ため だ 。 今年 は 節目 の 年 で も なかった のに 当局 側 は 昨年 以上 に 厳しい 警戒 態勢 を 敷いた 。 事件 の 真相 究明 を 求める 嘆願 書 に 署名 した ため 一 時 連行 さ れたり 拘束 さ れた 活動 家 や 知識 人 は 数十 人 に 上る と いう 。 当局 側 が 海外 から の 批判 を 無視 して 過剰に 対応 した の は 、 今年 が 「 国連 寛容 年 」 で 活動 家 や 事件 の 遺族 たち が 嘆願 書 の 署名 運動 に 例年 に なく 活発に 取り組んだ ため の ようだ 。 ポスト トウ 小平 時代 が 間近に 迫って いる こと も 関係 して いよう 。 民主 化 グループ は トウ 小平 氏 の 死去 を 民衆 運動 を 起こす 絶好 の 機会 と 考えて きた 。 江 沢民 総 書記 ら 「 第 三 世 代 」 指導 部 を 取り巻く 環境 は 昨年 より 厳しい 。 国際 的に は 米国 の クリントン 政権 が 「 同窓 会 出席 」 名目 と は いえ 台湾 の 李 登輝 総統 の 訪 米 を 認め 、 「 一 つ の 中国 」 政策 を さらに 緩めた 。 南沙 諸島 や 地下 核 実験 の 問題 で アジア の 周辺 諸国 と の 関係 も ギクシャク して いる 。 一九八九 年 に 死去 した パンチェン ・ ラマ の 「 生まれ変わり の 子供 」 を インド に 亡命 中 の ダライ ・ ラマ が 中国 側 より 先に 認定 した ため 、 チベット 問題 でも 新たな 難題 を 抱え込んで いる 。 国 内 環境 も 厳しい 。 天安門 事件 の 原因 と なった インフレ は さらに 悪化 、 貧富 の 格差 、 沿海 部 と 内陸 部 の 地域 格差 は さらに 拡大 して いる 。 赤字 国有 企業 の 整理 に 伴って 失業 率 は 高まり 、 給料 を まともに もらえ ない 労働 者 の 不満 は 強まって いる 。 天安門 事件 の もう 一 つ の 引き金 に なった 腐敗 の 問題 も 深刻だ 。 汚職 容疑 の 北京 市 副 市長 の 自殺 、 政治 局 委員 を 兼ねる 陳 希 同 北京 市 党 委 書記 の 辞任 は 地方 の 高級 官僚 の 腐敗 問題 の 底 の 深 さ を みせつけた 。 第 三 世 代 指導 部 は 、 税制 改革 や 外資 導入 政策 の 手直し に よって 地域 格差 や 所得 格差 を 是正 、 「 先に 一部 の 人々 、 地域 を 豊かに する 」 トウ 小平 理論 を 事実 上 修正 して 、 この 難局 を 乗り切ろう と して いる 。 北京 市 の 腐敗 摘発 も 、 トウ 小平 以後 に 備えて 「 中央 の 権威 」 を 高める と いう 政治 的な 狙い が ある ようだ が 、 庶民 の 不満の 強 さ を 知っている ため で も あろう 。 今春 の 全国 人民 代表 大会 で は 地域 格差 の 是正 が 最大 の テーマ と なった 。 社会 矛盾 を 激化 さ せ ない ため に は 、 これ まで の 経済 改革 で なおざりに さ れて きた 所得 の 公平な 分配 に 注意 を 払い 、 社会 の 弱者 に も 目 を 配った 政策 調整 を さらに 進める 必要 が あろう 。 トウ 小平 時代 に は 同氏 の “ ツル の 一声 ” で 重要な 国策 が 決まった 。 しかし 、 中国 は 十二億 の 民 、 五十六 の 民族 が 共生 する 世界 でも 類 を み ない 国 だ 。 全人代 や 全国 政治 協商 会議 を 、 年 に 一 度 の 議論 の 場 だけ に 終わら せる ので なく 、 庶民 の 声 や 専門 家 の 声 を 国政 に 反映 し 、 政策 の ひずみ を 正す 場 と して 制度 的に 活用 する こと が 今後 は もっと 必要に なる だろう 。 政策 決定 の 民主 化 と も いえる 。 トウ 小平 以後 、 天安門 事件 の より 客観 的な 再 評価 も 必要 と なる に 違いない 。 参院 は 四 日 付 で 、 旧 憲法 下 の 貴族院 で 行わ れた 秘密 会 の 議事 速記 録 二十三 件 を 公開 した 。 議事 録 から は 、 二・二六 事件 以降 、 軍部 の 政治 へ の 介入 が 強まる 中 で 、 津村 重舎 議員 が 粛軍 演説 を し 、 議員 辞職 に 発展 した 経過 の ほか 、 支那 事変 に 関する 米内 光政 首相 の 演説 や 近衛 文麿 首相 の 「 国 の 内外 情勢 に 関する 演説 」 で は 、 質問 して も 政府 側 が それ に 答え ない と いう 議会 運営 を 余儀なく さ れて いた 実態 など が 読み取れる 。 びっくり する ような 新 事実 は ない もの の 、 時代 の 変遷 を 検証 する うえ で 貴重な 資料 と 言える 。 第 一 回 帝国 議会 は 一八九〇 年 に 開か れた 。 それ 以来 、 帝国 議会 で は 内容 が 公表 さ れ ない 本 会議 や 委員 会 が たびたび 開催 さ れ 、 その 回数 は 衆院 で 二百十五 回 、 貴族院 で 五十 回 近く に 上った 。 これ ら の 秘密 会 の 議事 録 は 、 当時 の 議院 法 が 「 秘密 会 は 刊行 を 許さ ず 」 と 規定 して いた ため 、 一般に は 基本 的に 公開 さ れ ず 、 戦後 も 一貫 して “ 密封 保管 ” さ れて きた 。 しかし 、 国民 の 知る 権利 や 情報 公開 法 制定 の 機運 が 高まる 一方 、 歴史 的 資料 と して 研究 者 から 公開 を 望む 声 が 寄せ られて いた こと など から 、 参院 は 昨年 十一 月 に 改革 協議 会 小 委員 会 を 設け 、 公開 する か どう か 検討 を 始めた 。 その 結果 、 戦後 、 貴族院 が 参院 に 改め られた こと に より 、 統治 機構 と して の 継続 性 が なくなり 、 参院 が 自ら の 判断 で 公開 する こと は 可能だ と の 結論 に 達し 、 公開 に 踏み切った 。 遅 すぎた 公開 と 言え なく も ない が 、 戦後 五十 年 の 節目 の 時 であり 、 また 「 開か れた 国会 」 を 実現 する うえ で 意義 の ある 措置 と 評価 し たい 。 ただ 国会 に は 、 なお 未 公開 の 重要な 議事 録 が 残って いる 。 それ は 衆院 の 方 の 秘密会 議事 速記 録 である 。 その 中 に は 一九四六 年 夏 に 十三 回 、 開か れた 「 帝国 憲法 改正 案 委員 小 委員 会 」 の 議事 録 の ほか 、 粛軍 演説 を 行った 斎藤 隆夫 議員 や 足尾 銅山 鉱毒 問題 を 追及 した 田中 正造 議員 に 対する 懲罰 論議 など も 含ま れて いる 。 特に 芦田 小 委 の 議事 録 に ついて は 、 現行 憲法 の 審議 、 修正 過程 が 分かる 資料 と して 、 五五 年 ごろ から 公開 を 求める 意見 が 出さ れ 始めた 。 この ため 五六 年 から 国会 議員 だけ は 閲覧 が 可能に なった もの の 、 一般に は 公開 さ れて い ない 。 この 議事 録 は 連合国 軍 総 司令 部 に 提出 さ れ 、 削除 部分 は ある もの の 、 英訳 文 が 米 国立 公文書 館 で すでに 公開 さ れ 、 その 日本 語 訳 も 出版 さ れて いる 。 にもかかわらず 本体 が 一般に 公開 さ れて こ なかった の は 、 当時 の 社会党 や 旧 公明党 など が 改憲 論議 に 利用 さ れ かね ない と 反対 した から だ が 、 衆院 全体 と して の 怠慢 と 批判 さ れて も 仕方 が ない ので は ない か 。 公開 する に は 国会 法 の 改正 が 必要だ 。 参院 側 に 押さ れる 形 で 、 衆院 も 公開 基準 策定 など の 論議 を 開始 する が 、 情報 公開 は 民主 主義 の 基本 であり 、 国会 も その らち外 で は ない 。 外交 文書 は 三十 年 たてば 公開 さ れて いる が 、 情報 公開 先進 国 の 米国 は 今年 四 月 、 機密 文書 でも 十 年 で 原則 公開 に する 新しい 情報 公開 政策 を 採用 した ほど だ 。 衆院 は 、 こうした 時代 の 趨勢 を 見極め ながら 、 明快な 公開 基準 を 急いで 作り 、 議事 録 公開 に 踏み切って もらい たい 。 社会 福祉 の モデル と いわ れた スウェーデン など 北欧 諸国 は 、 いま 厳しい 試練 に 直面 して いる 。 ソ連 の 崩壊 など 経済 環境 の 構造 変化 が 、 福祉 国家 の 基盤 を 崩し 、 増大 した 失業 と 財政 赤字 の 対応 に 悩んで いる 。 福祉 関係 で 肥大 化 した 公的 部門 の 削減 は 不可避だ が 、 歳出 カット は 急激に は でき ない 。 フィンランド で は 、 中央 政府 の 債務 残高 の 国 内 総 生産 に 対する 比率 は 、 一九九一 年 の 一七 % から 九五 年 に 六七 % へ と 五〇 ポイント も 悪化 する 見通し 。 年率 三 % の 大幅 歳出 カット でも 、 間に合わ ない のである 。 スウェーデン 、 フィンランド は 、 今年 一 月 から 欧州 連合 に 加盟 、 規制 の 緩和 など 競争 政策 を 導入 して 、 産業 競争 力 の 強化 を 図って いる 。 昨年 から 長期 不況 を 脱し 、 回復 期 に 入って いる が 、 輸出 が リード して いる 。 通貨 価値 の 下落 と 規制 緩和 で 外国 資本 の 投資 が 増え 、 経済 成長 を 支える 要因 と なって いる 。 スウェーデン 、 フィンランド と も 社会 民主党 政権 が 復帰 した の は 、 急激に 福祉 を カット し ないで ほしい と いう 国民 の 意思 な のだろう 。 しかし 、 両 国 と も かなり 思い切った こと を やって いる 。 人口 が 一千万 に 満たない 小国 と 日本 と の 比較 は 困難だ が 、 参考 に は なる 。 スウェーデン の 今年 後半 から の 九六 年度 予算 は 、 議会 と の 折衝 で 、 何度 も 歳出 削減 の 修正 が 行わ れて いる 。 歳出 削減 か 増税 か の 綱引き と 、 政治 の 対抗 軸 は 明確だ 。 公的 部門 の 削減 と ともに 、 労働 市場 の 柔軟 化 、 人材 投資 、 技術 革新 と 政策 目標 が はっきり して いる 。 ここ で は 政治 が 機能 して いる こと が 分かる 。 バブル 崩壊 と 、 金融 システム の 危機 は 、 スウェーデン 、 フィンランド でも 起きた 。 だが 、 両 国 と も 早 めに 対応 して 、 最悪 期 を 脱した 。 政府 ・ 日銀 が 問題 を 先 送り に して いる 日本 と は 対照 的である 。 北欧 は 九〇 年 代 初め の 税制 改革 で 、 課税 基盤 を 広げ 、 法人税 率 の 大幅 引き下げ を 敢行 して いる 。 五〇 % 以上 だった 税率 を 、 スウェーデン 、 ノルウェー で は 二八 % 、 フィンランド で は 二五 % に 引き下げた 。 企業 の 社会 保障 に 対する 負担 は まだ 重く 、 国民 負担 率 は 日本 と 比べて かなり 高い が 、 民間 の 競争 力 強化 の 努力 は 評価 さ れる だろう 。 スウェーデン は 貧困 の 絶滅 と 高 福祉 を 目標 に 、 所得 の 再 配分 、 高 負担 の 福祉 システム を 構築 した 。 その 結果 、 公的 部門 が 膨れ上がり 、 いまや 財政 上 、 持続 でき ない ところ まで 追い込ま れた 。 今後 の 構造 転換 が どのように 行わ れる か 。 これ から 高齢 化 社会 を 迎える 日本 は 、 事態 の 推移 を 注意 して 、 経験 を 真剣に 学ば なければ なら ない だろう 。 日本 に とって モデル に なら ない こと は 確かだ が 、 どう すれば 効率 的な 日本 型 システム を 構築 できる か 、 女性 の 雇用 拡大 の 要請 を も 踏まえて 、 教訓 は 多い はずだ 。 日本 の 社会党 は 、 もっと 北欧 の 社会 民主党 から 学ぶ べきだろう 。 現実 主義 の 点 で は 近付いた が 、 政策 形成 能力 を はじめ 、 多く の 点 で かなり 見劣り が する 。 巧みな 中立 外交 や 、 国際 機関 で の 活躍 は 、 北欧 の 知的に 優れた 側面 を 示して いる 。 日本 が 国際 的に 孤立 し ない ため に は 、 こうした 諸国 と 友好 を 強める こと が 重要だ 。 ほっと 一息 ついて いる ような 厚生 省 「 人口 動態 統計 ・ 概況 」 である 。 一九九四 年 は 、 二十一 年 ぶり に 赤ちゃん が 大幅に 増えて 百二十三万八千 人 。 一 人 の 女性 が 生涯 に 産む 平均 的な 子供 数 「 合計 特殊 出生 率 」 も 十 年 ぶり に 上昇 して 一・五〇 まで 回復 した 。 人口 を 静止 状態 に 保つ 合計 特殊 出生 率 二・〇八 に は なお 遠い が 、 「 少子 化 」 に 歯止め が かかった の か 。 「 三十 代 の 母親 の 頑張り で アップ した 」 と 同 省 は 分析 する 。 その 年齢 層 が 出生 動向 の カギ を 握る の は 間違い ない 。 第 一 子 を 産む 母親 の 平均 年齢 は 二七・三 歳 まで 上がった 。 第 二 子 と なれば 三十 代 が 主力 に なる 。 女性 の 職場 進出 や 高 学歴 化 ― 晩婚 化 ― 晩産 化 ― 少子 化 と いう サイクル が 回り 続けて いる 。 先進 国 共通 の 現象 である 。 それ に 伴って 結婚 、 出産 、 家庭 の 姿 も 変化 する 。 国連 の 統計 に よる と 、 全 出産 数 に 占める 婚 外 出産 の 率 は スウェーデン で は 四七 % に 達して 、 ほぼ 半数 は 子供 が 産まれて から 結婚 する か どう か 考える 。 何しろ 二十 ― 二十四 歳 の 同棲 は 四四 % に 上る 。 女性 一 人 でも 子供 を 育て られる 社会 的な 環境 が 整って いる 。 いわば 「 母系 社会 」 あるいは 「 母権 社会 」 と も 言う べき 時代 へ 北欧 は 動いて いる か の ようだ 。 婚外 出産 率 で 見て 、 英国 は 二七 % 、 フランス は 二六 % 。 わが国 に は 正確に 比較 できる 統計 は ない もの の 、 推定 一 % 強 に すぎ ない 。 伝統 的な 結婚 ・ 出産 の スタイル は なお 揺らぎ ない か に 思える 。 だが 、 母系 化 へ 、 時代 の 風 を 感じる 傾向 は 少なく ない 。 ここ 数 年 の 統計 値 を 見る と ―― 。 「 結婚 は して も し なくて も いい 」 と 考える 女性 が 六六 % 、 「 未婚 の 母 に 抵抗 感 が ない 」 と 言う 男女 は 三五 % 。 「 子供 を 一 人 産む なら 女の子 が ほしい 」 と 願う 夫婦 が 七六 % 。 妻 が 夫 より 年上 の カップル は 、 七〇 年 の 一〇 % 強 から 一六 % 強 に 増えた 。 もう いち ど 生まれ 変われる なら 「 また 女 」 と 答えた 女性 は 五八 年 の 二七 % から 六五 % へ 。 これ ら の 数値 を どう 読む か 、 意見 は 分かれる 。 しかし 、 女性 たち は 精神 的に も 経済 的に も ますます 自立 し 、 より 自由な 結婚 の 形態 や 出産 を 求めて やま ない の は 確かだ 。 今回 の 調査 で 、 離婚 は 過去 最高 の 十九万五千 組 を 数え 、 同居 「 二十 年 以上 」 で 破局 を 迎える ケース が 急増 して いる 。 自立 を 求めて いる の は 若い 世代 だけ で は ない 。 出生 率 の 回復 に ついて は さまざまな 分析 が できる 。 不況 に よる 女性 の 家庭 Uターン 現象 、 皇太子 ご 結婚 に よる 九三 年 の 結婚 ブーム 、 少子 化 キャンペーン に よる アナウンス 効果 など は 一定 の 影響 を 与えた だろう 。 ここ 四 、 五 年 先 の 出生 率 も 第 二 次 ベビーブーム 世代 が 結婚 ・ 出産 の 適齢期 に 入り つつ ある から 一定 の 水準 は 維持 できる はずだ 。 しかし 結婚 ・ 出産 ・ 育児 と 、 仕事 ・ 自立 ・ 生きがい を 両立 さ せよう と する 女性 たち の 願い を 社会 的に 支援 し 、 包み込む 取り組み が ない 限り 、 長期 的な 出生 率 の 低下 は 避け られ そうに ない 。 「 政治 家 は 税制 上 、 政党 や 政治 団体 に 優遇 措置 が とら れて いる こと を 悪用 して 、 税金 を 逃れて いる ので は ない か 」 悲しい こと である が 、 そんな 疑い を 私 たち は 抱いて いる 。 政治 家 の 税金 を めぐって 、 うさん臭い 話 が 後 を 絶た ない から だ 。 今 また 一 つ 、 表面 化 した 。 スポーツ 平和 党 の アントニオ 猪木 参院 議員 の 申告 漏れ である 。 個人 の 所得 と す べき 収入 を 、 党 の 収入 と して 処理 し 、 申告 して い なかった 。 金丸 信 ・ 元 自民党 副 総裁 の 巨額 脱税 事件 の ように 、 強制 調査 を 受ける ほど 悪質な もの で は なかった ようだ 。 しかし 、 公私 の 混同 と 税金 に 対する いいかげん さ が 伝わって くる 。 それ が 政治 と 政治 家 へ の 不信 感 を 増幅 さ せる こと を 認識 し なければ なら ない 。 負う べき 責任 は 、 決して 小さく ない 。 申告 漏れ は 東京 国税 局 の 税務 調査 で 明らかに なった 。 関係 者 の 話 に よる と 、 猪木 議員 は 一九九三 年 まで の 四 年間 に わたって 、 テレビ 出演 料 、 講演 料 や プロレス 興行 の 収入 を 党 や 後援 会 など に 振り分けて 処理 して いた 。 国税 局 は この うち 、 党 の 収入 と なって いた 約 五千万 円 に ついて 「 個人 の 所得 である 」 と 判断 。 猪木 議員 も これ を 認め 、 修正 申告 に 応じて いる 。 最終 的に 、 約 三千万 円 は 党 へ の 寄付 と 認め られ 、 政党 へ の 寄付 金 控除 が 適用 さ れた 。 残り 二千万 円 の 所得 に 対して 、 約 八百万 円 が 追徴 課税 さ れた と いう 。 猪木 議員 は 九二 年 から 、 所得 税 、 住民 税 約 一億五千万 円 を 滞納 して 、 議員 歳費 など が 差し押さえ られて いる 。 これ を 避ける ため 、 党 の 収入 に した と も 指摘 さ れて いる 。 政党 へ の 個人 の 寄付 は 、 租税 特別 措置 法 で 控除 が 認め られて いる 。 これ は 、 癒着 の 温床 に なって いる と の 指摘 も ある 企業 献金 より 、 個人 献金 を 伸ばそう と の 趣旨 が 込め られて いる 。 しかし 、 この 制度 は これ まで しばしば 悪用 さ れて きた 。 愛知 県 選出 の 近藤 豊 衆院 議員 は 自分 の 政治 団体 を 利用 して 支持 者 ら に 水増し の 献金 領収 証 を 発行 。 十六 人 に 約 四千万 円 の 所得 税 の 不正 還付 を 受け させた と して 、 名古屋 地裁 に 所得 税法 違反 で 起訴 さ れた 。 近藤 議員 は 今年 三 月 、 懲役 一 年 六 月 の 実刑 判決 を 受けて いる 。 近藤 議員 側 は 公判 で 「 政治 活動 に 必要な カネ は 庶民 の 金銭 感覚 と は 隔絶 して おり 、 庶民 感覚 で 脱税 額 を 判断 して は なら ない 」 と 主張 した 。 これ に 対して 、 裁判 長 は 判決 で 、 こう 指摘 して いる 。 「 …… 一般 有権者 の 考え と あまりに 懸け離れた 、 政治 に かかわる 独り善がりの 見解 である 」 猪木 議員 に は 、 議員 の 特権 意識 から 、 同じ ような 思い が あった ので は ない か 。 そう 受け取ら れて も 仕方 が ない 。 税 の 基本 は 税制 、 徴収 と も 公平である こと だ 。 猪木 議員 の 申告 漏れ は 、 政治 家 である だけ に 、 徴収 の 公平 へ の 疑問 を 助長 する もの で も ある 。 政治 家 は 、 そのような 立場 に ある こと を 忘れて は なら ない 。 さらに 国税 当局 に は 、 徴収 の 公平 さ を 担保 する ため に も 、 政治 家 の カネ の 出し入れ に 、 より 厳しい 目 を 向ける こと を 望み たい 。 「 なぜ 」 「 どうして 」 オウム 真理 教 を めぐる 疑惑 に は 、 この 言葉 が 、 数え 切れ ない ほど 付いて回って いる 。 疑惑 の 中心 である 東京 ・ 地下鉄 サリン 事件 で 、 教団 代表 の 麻原 彰晃 被告 ら が 殺人 罪 など で 起訴 さ れた 今 も 、 多く の 疑問 は 消えて い ない 。 私 たち は 、 このような 反 社会 的な 集団 が 再び 出現 する の を 防ぐ ため に 、 社会 的な 背景 を 解明 し 、 幾 つ も の 教訓 を 学ば ねば なら ない 。 犯罪 の 事実 認定 を 行う 裁判 に 、 すべて に 答える こと を 求める の は 、 ないものねだり かも しれ ない 。 しかし 、 あまりに も 深刻な 影響 を 社会 に 与えた 事件 である 。 審理 の 過程 で 手掛かり と なる 事実 が 、 次々 と 私 たち に 示さ れる こと を 切望 し たい 。 起訴 に 当たって 私 たち が 最も 注目 した の は 、 彼ら が 地下鉄 で サリン を まいた 動機 である 。 「 なぜ 」 に 迫る 大きな 手掛かり で も ある から だ 。 これ まで 、 「 捜査 の 撹乱 」 「 ハルマゲドン の 自作 自演 」 「 警視 庁 の 職員 を 狙った 」 と 伝え られて きた 。 起訴 状 で は 「 不 特定 数 の 乗客 等 を 殺害 しよう と 企て 」 と 述べて いる 。 無差別 テロ である 。 事件 を 指揮 した と さ れる 麻原 被告 が 黙秘 を 続けて いる こと も ある が 、 「 それでは なぜ 無差別 テロ を 」 と 、 問わ ざる を 得 ない 。 「 いったい 日本 は 、 どう なる のだろう 」 一九七二 年 末 から 始まった 洋酒 メーカー の テレビ CM に 、 釣り人 と して 登場 した 作家 の 開高 健 氏 が 一 匹 の 魚 も 釣れ ず 、 つぶやいた 言葉 だ 。 翌年 起きた オイルショック 、 狂乱 物価 の 世相 と 重なり 、 流行 語 と なった 。 二十三 年 後 、 オウム 真理 教 事件 で 、 この せりふ は 「 日本 は どう なって しまった のだ 」 に 変わった 。 何 が あった の か 。 八四 年 に 発足 した 教団 は バブル 経済 が 崩壊 し 、 不透明 感 と 閉塞 感 が 広がる 中 で 九〇 年 以降 、 急激に 膨張 する 。 麻原 被告 の 周辺 を 、 偏差値 競争 に 勝ち抜いた 「 秀才 」 たち で 固めた 教団 は 、 やがて 暴走 を 始める 。 怪しげな 教祖 が 掲げる 荒唐無稽な 教義 に 彼ら が なぜ 吸い寄せ られた の か 。 今回 の 事件 が 社会 の ひずみ と 関連 して 語ら れる とき 、 多く の 学者 や 評論 家 に よって 、 幾 つ も の 視点 から 最も 論じ られて いる ことだ 。 そこ に 、 戸惑い と 教団 と 事件 に まつわる 、 言いよう の ない 深い 「 闇 」 を 感じる から だろう 。 注目 し たい の は 、 彼ら の うち 少なから ぬ 人 たち が 他の 宗教 団体 に も 入信 し 、 たどり着いた の が オウム 真理 教 だ と いう ことだ 。 「 彼ら が 幼稚だ から だまさ れた 」 と 片付ける わけに は いか ない 。 麻原 被告 は 事件 へ の 関与 を 否認 して いる 。 公判 で は 麻原 被告 が どんな 役割 を 果たした の か の 立証 が 最大 の 焦点 に なる だろう 。 事件 に 深く かかわった と 見 られる 、 教団 幹部 の 村井 秀夫 氏 が 刺殺 さ れて いる 。 検察 側 は 、 この 「 ハンディ 」 を 乗り越えて いか ねば なら ない 。 暴走 まで の いきさつ を 知る ため に は 、 警視 庁 など が 捜査 を 進めて いる 坂本 堤 弁護 士 一家 の 失跡 や 松本 サリン 事件 の 解明 も 欠かせ ない 。 公判 で は 、 犯罪 が 生じた 経緯 に 触れる 場面 が ある だろう 。 その 時 、 なぜ 宗教 団体 が 武装 化 を 図り 、 どうして 、 市民 を 巻き込む 無差別 テロ に 走った の か を 解く 手掛かり と なる 事実 が 、 明らかに さ れる こと を 期待 して やま ない 。 日 韓 両 国 関係 に とって 残念な 事件 が ソウル で 起きた 。 在 韓国 日本 大使 館 の 公報 文化 院 に 韓国 の 学生 グループ が 押し掛け 、 渡辺 美智雄 元 副 総理 ・ 外 相 が 「 日本 は 韓国 を 統治 して いた こと は ある が 、 植民 地 支配 で は なかった 」 「 韓国 併合 条約 は 円満に 結ばれた もの で 、 武力 で 出来た もの で は ない 」 など と 発言 した こと に 抗議 し 、 火炎 瓶 を 投げつけた のだ 。 渡辺 氏 の 発言 は 三 日 に 行わ れた もの で 、 連立 与党 内 で 最終 調整 が 続き 、 六 日 深夜 、 合意 に 達した 戦後 五十 年 の 国会 決議 に ついて も 「 植民 地 支配 」 や 「 侵略 戦争 」 を 入れる 必要 は ない と 語って いた 。 渡辺 発言 に 対して 韓国 外務 省 は 「 うっ憤 と 憤怒 を 禁じ 得 ない 」 と 論評 、 李 洪九 ・ 韓国 首相 も 「 常識 外れ 」 と 批判 した 。 日本 の 閣僚 が 侵略 や 植民 地 支配 を 否定 する 発言 を し 、 韓国 政府 や 国民 が 反発 する ケース が 繰り返さ れて きた が 、 ソウル 特派員 に よる と 、 今回 の 反発 は 過去 の どの ケース より も 激しい と いう 。 渡辺 氏 は 五 日 、 発言 の うち 「 円満に 」 の 部分 を 取り消す 謝罪 の コメント を 公表 した 。 早期 収拾 を 図ろう と した のだろう が 、 火炎 瓶 事件 に まで 発展 して しまった 。 しかし 、 同氏 の 謝罪 の コメント は 植民 地 支配 だった か どう か に ついて は 言及 して い ない 。 そうして 見る と 、 せっかく の コメント も 、 歴史 認識 に ついて 重大な 過ち が ある と 同時に 、 すり替え 的な 言い訳 で しか ない と 指摘 せ ざる を 得 ない 。 征 韓 論 から 始まって 、 明治 政府 は 一貫 して 朝鮮 半島 の 植民 地 化 を 対外 政策 の 重要 課題 に して きた 。 日 清 、 日 露 両 戦争 を 経て 、 日本 は 韓国 へ の 内政 干渉 を 強め 、 外交 権 を 奪い 、 「 保護 」 と いう 名 の 統治 、 軍隊 の 解散 、 警察 権 の 奪取 など を 通じて 植民 地 化 を 完成 さ せ 、 一九一〇 年 の 日 韓 併合 条約 に 至った ので は なかった か 。 植民 地 支配 であった こと は 日本 政府 も すでに 認め 、 自民党 単独 政権 時代 の 宇野 宗佑 首相 や 海部 俊樹 首相 ら が 「 三十六 年間 の 植民 地 支配 と いう 暗い 歴史 が ある 」 「 植民 地 支配 の 事実 を 顧みて 、 歴史 の 経緯 を 踏まえて 、 これ は 率直に 反省 し …… 」 など と 国会 で 答弁 して いる こと を 思い出して もらい たい 。 戦後 五十 年 の 国会 決議 に ついて 社会党 と さきがけ は 、 「 侵略 行為 」 「 植民 地 支配 」 「 反省 」 の 三 点 を 盛り込む べきだ と 主張 。 結局 、 自民党 は 間接 的な 表現 ながら 三 点 を 盛り込み 、 日本 の 責任 を 認めた が 、 渡辺 氏 の 発言 は 、 自民党 内 の 決議 反対 派 の 主張 と 軌 を 一 に した もの であった こと に 疑い は ない 。 渡辺 氏 の 放言 癖 は 今に 始まった こと で は ない が 、 こうした 微妙な 時期 に 、 こんな 発言 を する 感覚 が 分から ない 。 それどころか 政治 家 と して の 資質 に さえ 首 を かしげ ざる を 得 ない 。 副 総理 ・ 外 相 の 経験 者 である こと を 考えれば 、 その 責任 は 大きい 。 発言 の 全面 取り消し と 、 明確な 謝罪 が 必要で は ない か 。 入江 昭 ・ 米 ハーバード 大 教授 は 、 私的 レベル で の 過去 観 と は 別に 、 公 の レベル で の 過去 観 が 作ら れて こ なかった ところ に 、 日本 の 現在 の 混乱 が ある と 説いて いる 。 同感 である 。 パブリック ・ メモリー の 構築 を 急が なければ 、 また 同じ ような 事態 を 繰り返し かね ない 。 国会 決議 は その 一 つ の 手掛かり と 言って いい 。 言葉 は 並んで いる が 、 もう 一 つ 心 が 伝わって こ ない 。 この 程度 の 文案 を まとめる のに 、 なぜ こんなに 時間 が かかった のだろう か 。 連立 与党 が まとめた 戦後 五十 年 決議 案 を 読んで みて 、 こんな 感想 を 持った 人 が 多かった ので は ない か 。 私 たち は 、 世界 が 分かる 文案 に して ほしい 、 これ が 最後 の チャンス だ と 注文 して きた 。 しかし 、 決議 案 は 極めて あいまいで 、 インパクト に 欠ける 。 確かに 、 その 一方 で 「 こんな 内容 でも 、 まとまら ない より は 、 まだ ましで は ない か 」 と いう 見方 も あり 得よう 。 世界 に 広言 して おき ながら 、 決議 案 を まとめる こと が でき ず に 世界 から 嘲笑 さ れる ような 最悪の シナリオ は 少なくとも 回避 さ れた と 言える から だ 。 しかし 、 それにしても 、 やはり 合格 点 から は ほど遠い 決議 案 と 指摘 せ ざる を 得 ない 。 その 代表 例 が 、 キーワード と さ れた 「 植民 地 支配 」 「 侵略 行為 」 「 反省 」 の 扱い である 。 決議 案 は 「 近代史 上 に おける 数々 の 植民 地 支配 や 侵略 的 行為 に 思い を いたし 、 わが国 が 過去 に 行った こうした 行為 や 他 国民 とくに アジア 諸国 民 に 与えた 苦痛 を 認識 し 、 深い 反省 の 念 を 表明 する 」 と の 表現 で 、 三 つ の 言葉 を 盛り込んで は いる 。 ところが 一読 すれば 、 すぐ 分かる ことだ が 、 植民 地 支配 や 侵略 的 行為 は 、 一般 的な 歴史 の 流れ と して 触れて いる だけ で 、 主体 的に 日本 は 何 を やった の か は ぼかさ れて いる 。 三 党 側 は 、 その 次の 「 わが国 が 過去 に 行った こうした 行為 」 の 文章 に 、 日本 と の かかわり合い が 表現 さ れて いる と 説明 して いる が 、 これ とて も 不 明確だ 。 現に 自民党 の 森 喜朗 幹事 長 も 「 文脈 上 、 間接 的な 表現 だ と の 批判 が ある と 思う が 、 それ 以上 、 進んだ と も 言える し 、 日本 と は 特定 して い ない と も とれる 」 と 、 玉虫色 である こと を 認めて いる ほど だ 。 村山 富市 首相 は 、 この 決議 案 で アジア 諸国 の 理解 が 得 られる と 楽観 視 して いる ようだ が 、 世界 の 反応 は 必ずしも そう で は ない 。 韓国 や 中国 の マスコミ の 論評 を 見た 限り でも 、 決議 案 から 不戦 や 謝罪 の 要素 が 抜け落ちた こと に 失望 や 不満 が 広がって いる 。 こうした 結果 に なった の も 、 文案 作り が 、 自民党 内 の 決議 反対 派 の 突き上げ に 象徴 さ れる 国会 議員 間 の 歴史 観 の 違い と 、 何がなんでも 連立 政権 を 維持 し 政権 の 弱体 化 は 避け たい と いう 政治 的 思惑 と の はざま で 揺れ 続け 、 結局 は 妥協 に 走った から だろう 。 国権 の 最高 機関 と して 明確な 意思 を アジア を 含む 世界 に 、 広く 発信 する のだ 、 と いう 意気込み や 格調 の 高 さ が 見 られ ない の は 、 いかにも 残念である 。 とはいえ 今回 の 決議 を 、 従軍 慰安 婦 問題 を はじめ 、 残る 多く の 戦後 処理 問題 を 解決 する ため の 出発 点 に すれば 、 決議 の 趣旨 も 生きて くる と 考え たい 。 決議 案 が できる まで の 政治 の 迷走 は 、 戦争 責任 や 過去 の 清算 を あいまいに した まま 過ごして きた 「 五十 年間 」 の 反映 で も ある 。 良心 に 恥じる こと を やった の なら 自ら 反省 する と いう 行為 は 、 過去 を 正確に 直視 する と いう 作業 を 抜き に して は 不可能である 。 今回 の 決議 問題 は 、 歴史 教育 の 在り 方 も 含め 、 重い 宿題 を 私 たち に 残した 。 入札 談合 の 被害 者 的な 立場 に ある はずの 発注 者 側 が 独占 禁止 法 違反 の ほう助 容疑 で 告発 さ れた 。 事業 者 側 の 談合 に 協力 して いた と いう のである 。 わが国 の 産業 界 が 談合 体質 に 深く 汚染 さ れて いる こと を 如実に 示した 事例 と 言って よかろう 。 公正 取引 委員 会 は 七 日 、 日本 下水 道 事業 団 発注 の 電気 設備 工事 を めぐる 談合 事件 で 追加 告発 を 行った 。 三 月 段階 で は 電機 メーカー 九 社 の 法人 のみ を 告発 して おり 、 二 度 目 の 告発 である 。 今回 は 、 談合 に かかわった メーカー 九 社 の 担当 者 の ほか 、 事業 団 の 当時 の 幹部 一 人 が 加わった 。 日本 下水 道 事業 団 は 建設 省 の 認可 法人 であり 、 地方 自治 体 から の 委託 に よって 下水 処理 場 の 設計 や 工事 の 発注 を 行う 。 公共 性 が 高く 、 職員 は 公務 員 と 見なさ れる 。 まさしく 「 官製 談合 」 であり 、 悪質な ケース と 言わ ざる を 得 ない 。 告発 に よれば 、 談合 の 構図 は こんな 具合 だ 。 電機 メーカー 担当 者 は 工事 の 受注 調整 会合 を 開いて 、 各社 の 割り当て を 取り決めた 。 事業 団 幹部 は 受注 調整 を 呼び掛けて いた うえ に 、 発注 工事 の 一覧 表 や その 予算 額 を 提示 して いた と いう 。 単なる ほう助 で ない 。 主導 的な 役割 を 担って いた 、 と 指弾 さ れて も 致し方 の ない ほど の 関与 だ 。 工事 は 住民 の 税金 を 財源 に した 公共 事業 である 。 事業 団 と して は 、 安価で かつ 適正な 工事 を 心掛ける の が 義務 であろう 。 もし 、 談合 に よって 不当に つり 上げ られた 工事 費 が 支払わ れて いた と する ならば 、 賠償 を 求める 立場 で は ない か 。 現に 、 一昨年 発覚 した シール 談合 事件 で は 国 側 は 業者 に 対して 不当 利得 の 返還 を 求める 民事 裁判 を 起こして いる 。 事業 団 が なぜ 談合 に かかわった の か は 今一つ 不明だ 。 否認 して いる うえ 、 発覚 当時 、 理事 長 は 「 談合 自体 が なく 、 事業 団 の 談合 へ の 関与 も あり 得 ない 」 と 言い切って いる 。 自ら 事実 関係 を 調べて 、 国民 の 前 に 全容 を 明らかに して いく と いう 姿勢 を 求める の は 無理 の ようだ 。 起訴 が 前提 の 告発 であろう から 、 検察 側 に は 公判廷 で ぜひ 官製 談合 の 背景 ・ 動機 を 明らかに して もらい たい 。 「 官 」 の かかわった 独禁 法 違反 の 摘発 は 初めて だ 。 が 、 その 疑惑 は しばしば 指摘 さ れて きた 。 オイルショック 時 の 「 石油 ヤミカルテル 事件 」 で は 通産 省 の 行政 指導 が 背景 に あった こと が 判決 で 叱責 さ れた 。 当時 、 法務 省 は 「 共犯 に なる こと も ある 」 と 糾弾 して いる 。 現在 、 裁判 中 の ゼネコン 汚職 でも 「 天 の 声 」 に よる 談合 が あり 、 官 側 から の データ 漏えい が 疑わ れた 。 独禁 法 は 事業 者 を 念頭 に 置いて おり 、 発注 者 側 の 処罰 を 想定 して い ない 。 事業 者 の 中 に は 「 談合 を さ せ られて いる 面 が ある 」 と いった 声 も ある 。 「 官 ・ 業 癒着 」 の 談合 まん延 に あって は 、 発注 者 側 の 責任 を 明記 した 法 改正 も 検討 さ れ ねば なる まい 。 今回 の 談合 で は 、 経済 大国 ・ 日本 を リード して きた 基幹 企業 の 電機 メーカー が 告発 さ れて いる 。 日本 経済 の 排他 性 を 改めて 海外 に 印象づけた ので は ない か 。 「 官 」 の 関与 と ともに 、 事態 を 深刻に 受け止め ねば なら ない 。 独禁 法 の 法 目的 は 「 公正 かつ 自由な 競争 を 促進 し …… 消費 者 の 利益 を 確保 する と ともに 、 国民 経済 の 民主 的な 発達 を 促進 する 」 である 。 脱 談合 の 健全な 経済 風土 を 一刻 も 早く 確立 し なければ なら ない 。 捜査 に よって 明らかに さ れ つつ ある オウム 真理 教団 の 実体 は 有害 と 言う ほか ない 。 宗教 法人 の 衣 が 、 この 有害 集団 を 膨張 さ せる 要因 であった 、 と する 声 が 強い 。 政府 が この 教団 の 解散 を 請求 する の は 当然だ 。 実際 に は 東京 地検 が 請求 準備 を 進めて いる 。 宗教 法人 と して 認証 し 、 所管 する 立場 に ある 東京 都 も 解散 請求 の 意向 を 示して いる 。 いずれ に して も 、 必要な 書面 準備 が 要る 。 時間 も 要る 。 請求 は 初めて の 事態 だ 。 準備 に 遺漏 の ない ように し つつ も 、 できる だけ 早く 、 が 国民 の 気持ち だろう 。 宗教 法人 法 第 八一 条 は 、 宗教 法人 が 法 に 違反 し 、 著しく 公共 の 福祉 を 害する と 認め られる 行為 を した 場合 、 裁判 所 が 解散 命令 を 出す こと が できる 、 と 定めて いる 。 一 審 で 仮に 解散 命令 が あって も 、 教団 側 が 最高裁 まで 争えば 、 解散 が 確定 する まで に は 相当 の 年月 を 要する 。 手続き 上 は まだ 、 起訴 に よって 代表 の 麻原 彰晃 被告 ら の 殺人 の 罪 を 、 検察 側 が 認定 した 段階 に 違いない 。 しかし 、 この 教団 の 解散 に 、 異論 を 持つ 人 は 少ない はずだ 。 問題 は 宗教 法人 法 そのもの の 改定 が 必要 か どう か である 。 宗教 法人 審議 会 が 、 特別 委員 会 を 設け 検討 に 入ろう と して いる 。 改定 に は 専門 家 の 間 でも 見解 が 二 分 して いる 。 憲法 第 二〇 条 は 信教 の 自由 を 保障 し 、 二一 条 は 結社 ・ 表現 の 自由 を 保障 する 。 憲法 を 受け 宗教 法人 法 は 、 基本 的に 宗教 法人 性善説 に 立つ 。 宗教 法人 は 、 悪 を なす ため に 設立 さ れる ので は ない 、 と する 考え 方 だ 。 その 結果 、 法人 と して 認証 を 受ける の に も 、 書面 が 整備 さ れて いれば よい 。 認証 する の は 、 主に 都道府県 である 。 一 度 認め られる と 、 経理 の 公開 も 義務づけ られ ない 。 非 課税 の 公益 事業 は もとより 、 収益 目的 の 事業 を 実施 できる 。 その 収益 へ の 課税 は 、 一般 の 行う 事業 に 比べ 格段に 低い 。 経理 監査 は 外部 の 目 に 触れ ない のだ から 、 事実 上 教団 トップ の 専権 に 任さ れ やすい 。 宗教 教団 が ブラックボックス 化 する の を 外部 から 阻止 する 手立て は 、 ほとんど ない 。 いつの間にか 宗教 法人 の 財政 は 膨らむ 。 それ ら の 収益 が 、 政治 の 背後 から 提供 さ れる 。 宗教 法人 の 存在 が 、 政治 に 過大な 影響 を 持つ 国 を 国民 の 多く が 望む だろう か 。 宗教 団体 が 政治 上 の 権力 を 行使 して は なら ない こと は 憲法 が 定めて いる 。 権力 の 行使 と 影響 力 の 行使 は 違う が 、 政治 が 宗教 に 左右さ れて は なら ない と 思う 。 日本 は 政教 の 分離 さ れた 国 であり 、 祭政 一致 の 国 で は ない 。 こう 見る と 、 少なくとも 宗教 法人 審議 会 は 「 公益 事業 か 収益 事業 か の 区別 を 厳格 化 し 、 収益 事業 の 低減 課税 を 見直す 」 「 宗教 法人 経理 の 監査 、 公開 に ついて 法 が 義務づける 方向 」 で 論議 する 必要 が ある 。 特別 委 に は 宗教 団体 代表 が 多く 加わる が 、 直接の 利害 を 超えた 論議 が 肝要だ 。 ほか に 、 宗教 法人 の 認証 、 所轄 を 国 に 一元 化 する 主張 も ある 。 だが 、 国家 が 前面 へ 出る の は どう か 。 それ より 、 宗教 団体 に 透明 性 を 求める 方向 で 、 どう すれば よい の か 論議 を 深める 。 そこ が 重要だろう 。 宗教 法人 も また 、 国民 の 批判 に さらさ れて よい 社会 的 存在 だ 。 しかし 、 国家 が 介入 できる の は 行為 と して の 犯罪 に 限定 さ れる 。 ここ の ところ も 同時に よく 頭 に 入れて おき たい 。 性懲り も なく 、 また 談合 政治 が まかり通った 。 戦後 五十 年 国会 決議 と 並び 終盤 国会 の もう 一 つ の 焦点 と なって いた 旧 東京 協和 、 旧 安全 二 信 組 の 乱脈 経営 問題 に からむ 山口 敏夫 元 労 相 と 中西 啓介 元 防衛 庁 長官 の 証人 喚問 問題 が 、 与党 三 党 と 新進党 が 話し合った 結果 、 結局 、 今 国会 は 見送る こと で 一致 した 、 と いう のである 。 山口 、 中西 両氏 の 証人 喚問 は 、 喚問 実現 を 求める 与党 三 党 と 、 参院 選 を 控え 身内 から 証人 を 出す こと で の イメージ ダウン を 避け たい 新進党 と の 対決 、 駆け引き が 続き 、 一 日 延ばし に 延ばさ れて きた 。 与党 三 党 は 、 喚問 実現 を 求める 世論 を 背 に 両氏 の 喚問 要求 動議 を 提出 した が 、 新進党 側 は 政治 家 の 証人 喚問 は 全会 一致 が 慣例 である こと を 盾 に 反発 、 動議 を 撤回 し ない 限り 戦後 五十 年 の 国会 決議 に ついて の 与野党 協議 に 応じ ない 方針 を 打ち出した ため 事態 は 怪しく なった 。 動議 の 採決 を 強行 すれば 、 新進党 は 一切 の 国会 審議 を ボイコット 、 国会 は 空転 する 。 せっかく 与野党 合意 に 進み つつ ある 戦後 五十 年 の 国会 決議 、 採択 の ため の 本 会議 が 開会 でき ない まま 十八 日 の 国会 会期 末 を 迎える と なる と 、 国会 決議 の 今 国会 実現 も 流れて しまう 。 証人 喚問 見送り は 国会 決議 を 最 優先 する ため で 致し方ない 、 と 与党 側 は 弁明 し 、 佐藤 観樹 衆院 予算 委員 長 は 国会 決議 採択 後 の 証人 喚問 は 「 日程 上 、 困難に なった 」 と 説明 する 。 しかし 、 この 証人 喚問 見送り 決着 に は 何 か 胸 に すとん と 落ち ない うさん臭 さ が つきまとう 。 第 一 、 仮に 国会 決議 採択 を 優先 さ せた と して も 、 会期 末 最終 週 と なる 来週 は 十分な 時間 的 余裕 が あり 、 「 日程 上 、 困難に なった 」 の 説明 は つか ない 。 村山 富市 首相 は 週央 に サミット 出席 の ため 出発 する が 、 首相 や 関係 閣僚 の 不在 は 証人 喚問 に 何の 妨げ と も なら ない 。 もともと 山口 氏 は 求め られれば 喚問 に 応ずる 意向 を 示して いた のに 、 なぜ 国会 が 山口 氏 の 意思 を 無にする の か 、 合点 が いか ない 。 山口 、 中西 両氏 の 証人 喚問 を めぐって は 、 かねて 、 新進党 の 抵抗 戦術 の ほか に 、 「 山口 氏 の 証言 次第 で は 自民党 に も 波及 する ので は ない か 」 など 、 とかく の うわさ が 流れて いた 。 喚問 要求 動議 提出 ― 新進党 反発 ― 国会 決議 最 優先 で 動議 “ 凍結 ” ― 証人 喚問 見送り 、 と いう 一連の 流れ に は 与野党 の 党利 党略 が 絡んだ 出来 レース の におい が ぷんぷん だ 。 喚問 を 見送ら ざる を 得 ない 合理 的 理由 が 何も ない の に 喚問 を 行わ ない の は 、 与党 三 党 と 新進党 の 党略 的 談合 に よる 幕 引き 以外 の 何もの で も なく 、 断じて 許さ れる こと で は ない 。 戦後 五十 年 の 決議 も 大切だ が 、 与野党 の 合意 さえ できれば 、 残り の 会期 日数 内 で の 証人 喚問 は 十分 可能である 。 政治 家 関与 の 疑惑 を 徹底 究明 する ため 、 国会 決議 と は 切り離して ぜひ 証人 喚問 を 実現 す べきだ 。 先 の 統一 地方 選挙 で 既成 政党 と 中央 政界 で の 談合 政治 が 有権者 から 断罪 さ れて まだ そう 日 が たって い ない 。 各 党 は 一様に 「 反省 」 を 口 に した が 、 その 舌 の 根 が 乾か ぬ 間 に 、 またぞろ 党利 党略 的 なれ合い 政治 を まかり通ら せよう と して いる 。 夏 の 参院 選 で 有権者 の 糾弾 を 受ける の は 必至だろう 。 大蔵 省 が 発表 した 「 金融 システム の 機能 回復 に ついて 」 の 基本 方針 は 、 具体 的な 内容 に 乏しく 、 なぜ この 時期 に 出さ れた の か 憶測 を 呼んで いる 。 うがった 見方 で は 、 公的 資金 を 積極 的に 活用 する 布石 で は ない か 、 と いう こと に なる 。 その 根拠 と なる の は 、 「 おおむね 五 年間 に 不良 債権 問題 の 解決 の めど を つける 」 と いう 決意 を 表明 する 一方 、 全国 銀行 ベース で の 不良 債権 の 総額 が 四十兆 円 に 上る こと を 明らかに して 、 通常 の 方策 で は 乗り切れ ない こと を 示唆 して いる から である 。 いきなり 公的 資金 を 持ち出せば 、 世論 の 反発 を 招く ので 、 フェイント を かけ 、 具体 的な こと は その 都度 、 打ち出す つもりな の かも しれ ない 。 そして 、 「 公的な 関与 の あり 方 を 含めた 議論 」 を 通じて 、 国民 の 合意 形成 を うたって いる が 、 実際 やって いる の は 、 典型 的な 審議 会 スタイル である 。 米国 の 不良 債権 処理 で 得た 教訓 は 、 時間 が たてば 社会 コスト が 増す ので 、 早期 処理 を 目指す こと と 、 できる だけ 幅広い 情報 の 開示 の 必要 性 だった 。 ところが 、 大蔵 省 は この 教訓 を 学んだ と は 言い難い 。 個別 銀行 は 確かに 、 不良 資産 の 償却 、 不 稼働 資産 の 稼働 化 など の 経営 努力 で 、 改善 は 見 られる が 、 金融 システム を めぐる 環境 は 依然と して 厳しい 。 全国 銀行 の 貸出 残高 は 前年 と 比べて マイナス が 続き 、 金融 仲介 能力 の 低下 は 、 実体 経済 に 悪 影響 を もたらして いる 。 事なかれ主義 で 、 やる べき こと を やら ない ため 、 いつまでも 金融 が 景気 の 足 を 引っ張る こと に なり かね ない 。 大蔵 省 ・ 日銀 は 、 今回 の 方針 で 述べた 「 果断な 対応 」 が 、 求め られて いる のである 。 だが 、 大蔵 省 ・ 日銀 が 二 信用 組合 の 処理 で 不手際 が 目立った ように 、 金融 システム の 機能 回復 の 主導 権 は 民間 が 握った ほう が よい かも しれ ない 。 昭和 初期 の 金融 恐慌 時 に 、 民間 が 破たん 金融 機関 の 受け皿 の 「 昭和 銀行 」 を 設立 した 例 も ある 。 不良 債権 問題 の 本質 は 、 バブル の 崩壊 で 暴落 した 不動産 など が 原因 で 、 関係 の 金融 機関 、 企業 と も 身動き が 取れ なく なって いる こと に ある 。 この ため 、 いかに 不動産 取引 を 活性 化 さ せ 、 債権 の 流動 化 を 促進 する か が 、 問題 解決 の かぎ である 。 この 点 に ついて 、 今回 の 大蔵 省 の 方針 は 「 不良 債権 の 処理 方策 の 拡充 」 に ついて の 簡単な 指摘 しか ない 。 本来 は 、 この 分野 に 全 精力 を 集中 し 、 税制 を 含めた 具体 的な 政策 の 枠組み と 支援 策 を 打ち出さ ねば なら ない 。 一方 、 最も 強調 さ れ ねば なら ない の は 、 やはり 金融 機関 の 自己 責任 の 徹底 だろう 。 経営 の 自主 努力 と して 、 「 最大 限 の 合理 化 」 を 求めて いる の は 当然だ 。 経営 悪化 に 陥り 、 自助 努力 に 限界 が ある 金融 機関 に は 、 国民 の 税金 へ の シワ寄せ を 最小 に す べく 、 早期 の 対策 が 欠かせ ない 。 公的 資金 の 導入 は 、 行政 の 監督 の 怠慢 や 放置 で 社会 コスト が 増加 する の を 防ぐ ため のみ 是認 できる 。 その 場合 、 経営 責任 の 明確 化 が 前提 と なる のである 。 バブル の 崩壊 に 伴う 金融 システム 問題 は 、 米国 で 改善 さ れた だけ で は なく 、 スウェーデン 、 フィンランド と いった 国 でも 、 果敢な 措置 を 早 めに とる こと で 、 危機 を 脱して いる 。 なぜ 日本 が 、 かくも 無策な の か 、 関係 者 の 奮起 が 望ま れる 。 法律 上 の 結婚 を して い ない 夫婦 から 生まれた 「 非 嫡出子 」 の 法定 相続 分 を めぐる 民法 の 格差 規定 は 合憲 か 違憲 か 。 最高裁 で 審理 中 の 遺産 分割 審判 ・ 特別 抗告審 は 口頭 弁論 を 終え 、 今夏 に も 大 法廷 裁判 官 十五 人 の 判断 が 示さ れる 。 「 個人 の 尊厳 」 から の 明快な 答え を 期待 し たい 。 民法 九〇〇 条 は 、 非 嫡出子 の 相続 分 に ついて 「 嫡出子 の 二 分 の 一 と する 」 と 定めて いる 。 この 相続 規定 に より 、 遺産 分割 で 嫡出子 と の 間 で 格差 を 付け られた 二 件 の ケース が 弁論 の 対象 に なった 。 ともに 一 審 の 家裁 と 抗告審 の 高裁 で 訴え が 認め られ ず 、 最高裁 に 特別 抗告 して いた 。 二 件 の 審判 で 下級審 は ともに 格差 を 適法 あるいは 合憲 と した が 、 前後 して 別の 遺産 分割 審判 で 東京 高裁 は 二 度 に わたって 「 二 分 の 一 」 規定 を 違憲 と する 逆の 判断 を 示して いる 。 最高裁 判例 は なく 、 下級審 で 判断 が 分かれた まま である 。 とかく 「 消極 主義 」 と 批判 を 受ける 最高裁 だ が 、 この 件 で は 憲法 判断 を 避ける べきで は なかろう 。 憲法 一四 条 は 「 法 の 下 に 平等であって 、 差別 さ れ ない 」 と 定めて いる 。 この 基本 権 から みれば 、 民法 の 相続 規定 は 憲法 に 違反 しよう 。 ところが 、 かつて 学説 の 趨勢 は 「 法律 上 の 結婚 に 基づく 家族 関係 を 保護 する こと に 立法 目的 が あり 、 格差 が あって も 相続 規定 は 尊重 さ れ なければ なら ない 」 と いう 法律 婚 重視 の 趣旨 から 、 合憲 と して きた 。 近年 、 女性 の 社会 進出 や 地位 向上 など に よって 結婚 観 が 変化 して いる 。 法律 上 の 結婚 に こだわら ない 男女 も 増えて きた 。 同時に 、 子ども の 人権 保障 に 対する 意識 も 高まった 。 時代 の 流れ の 中 で 相続 の 格差 規定 を 疑問 視 する 見解 が 強まり 、 違憲 と する 学説 が 有力に なって いる 。 法律 婚 は 尊重 さ れ なければ なら ない 。 ただ 、 生まれて くる 子ども に は どうにも なら ない 法律 婚 の 有無 に よって 、 一律に 差別 さ れる の は いかがな もの か 。 民法 に は 「 寄与 分 」 など の 相続 の 諸 規定 も ある 。 格差 は こうした 個々 の 事情 に とどめる 方 が 合理 的であろう 。 総理 府 の 「 法 制度 に 関する 世論 調査 」 に よる と 、 一九七九 年 調査 で は 相続 の 格差 に ついて 四八 % が 「 今 の 法律 で よい 」 と 答え 、 廃止 は わずか 一六 % だった 。 十五 年 後 の 昨年 調査 でも この 傾向 は 変わら ず 、 四九 % が 「 制度 を 変える 必要 は ない 」 、 二八 % が 「 同じに す べき 」 だった 。 多く は 法律 婚 に よって 子ども を 産む べき と する 倫理 観 を 求めて いる 、 と 解釈 できよう 。 法律 婚 の 尊重 と 子ども の 尊厳 。 二 つ の 理念 の いずれ を も 犠牲 に は でき まい 。 幸い 、 両 理念 は 二律背反 で は ない 。 とすれば 、 最高裁 大 法廷 は 双方 が 両立 する 形 で の 判断 を 示さ なくて は なら ない 。 格差 規定 は 国際 的に も 見直し を 迫ら れて いる 。 九三 年 、 国際 人権 規約 委員 会 で この テーマ が 取り上げ られ 「 子ども に 対する 残虐な 取り扱い であり 、 除去 さ れる べきだ 」 と いった 意見 が 出さ れ 、 改正 の 勧告 を 受けて いる 。 昨年 、 政府 は 子ども の 権利 保護 を うたった 「 子ども の 権利 条約 」 も 批准 して いる 。 見直し の 機運 は 高まって いる 。 昨年 七 月 に は 法制 審議 会 民法 部会 の 「 民法 改正 要綱 試案 」 で 相続 分 を 同一 と する 是正 が 盛り込ま れた 。 立法 府 も 時代 の 流れ を 視野 に 入れた 施策 に 心す べきだ 。 衆院 総 定数 は 五百十一 。 その 三 分 の 一 の 百七十一 人 の 出席 で 本 会議 を 開会 できる の が 憲法 上 の 規定 だ 。 まさか それ を 盾 に 取って 強行 した わけで も ある まい が 「 戦後 五十 年 決議 」 を 採択 した 九 日 の 衆院 本 会議 は 議場 真ん中 に 陣取る 新進党 百七十一 人 が 全員 欠席 した だけ で なく 、 与党 席 も くし の 歯 を 欠く ように 空席 が 目立ち 出席 者 は ほぼ 半数 だった 。 前代 未聞 の 決議 採択 に なった の は 決議 に 無関係 の 二 信 組 疑惑 に 関する 証人 喚問 問題 や 政局 へ の 思惑 が 絡んで しまった から に ほかなら ない 。 国会 決議 の 法的 性格 や 拘束 力 に 明文 規定 は ない が 、 今回 の 決議 は 国 内 のみ なら ず 全 世界 、 とくに 先 の 大戦 で 犠牲 を 被った 国々 の 人々 に 送る 重大な メッセージ だった はずだ 。 つい 先日 、 本欄 で 決議 の 内容 に ついて 「 とても 合格 点 と は いえ ない 」 と 辛い 点 を 付けた が 、 今回 の 醜態 で 手続き まで 不 合格 だった こと を さらけ出して しまった 。 全 世界 注視 の 中 で の 決議 だけ に 、 各国 から 物笑い に なる ので は ない だろう か 。 十三 日 に は 参院 で 同じ 決議 を 採択 する 予定 だ 。 先例 踏襲 の 国会 に は 抵抗 が あろう が 、 一 つ 提案 が ある 。 と いう の は 新進党 は 衆院 本 会議 欠席 の 理由 を 「 修正 案 を 出した の に 聞く 耳 を 持た なかった 」 と して いる から である 。 同 党 の 修正 案 は 、 実は 自民党 の 決議 反対 派 説得 の キーワード だった 「 過去 の 戦争 に ついて の 歴史 観 の 相違 を 超え 」 と いう 部分 を 削除 したり 核 廃絶 を うたう など 、 社会党 の 原案 に 近い もの に なって いる が 、 あえて 大幅 修正 を 見送り 「 微 調整 」 に とどめた のだ と いう 。 ならば 歩み寄り は 不可能で は ない はずだ し 、 仮に 修正 が 成ら なく と も 円満に 議決 は 可能だ 。 「 あの 修正 案 は 通ら ない こと を 見越して 自民党 の かく乱 を 狙った だけ 」 と か 「 決議 つぶし の 批判 を 浴び たく ない ため の 方便 」 など の 言い訳 は 許さ れ ない し 、 まして や 二 信 組 疑惑 で の 山口 敏夫 元 労 相 ら の 証人 喚問 問題 と の 取引 材料 に する など 言語道断である 。 そもそも 歴史 観 と いう 国会 決議 に なじみ にくい もの を あえて 戦後 五十 年 と いう 節目 に まとめよう と して きた の は 、 我が国 の 来し方 行く末 を 考えた 場合 に 、 過去 に 対する 真摯な 反省 なし に 近隣 諸国 の わだかまり は 解け ない 、 と 判断 した から で は ない か 。 国家 と して の 誇り は 大いに 持つ べきだ が 、 我々 日本 人 は ともすれば 内 向き の 論理 と 外 向き の 論理 を 使い分け がちである 。 外国 で は 到底 通用 し ない 自己 正当 化 の 議論 も 大手 を 振って まかり通る 土壌 が ある 。 その 鏡 が 国会 議員 で も あり 五十 年 決議 で の ドタバタ は 内 向き の 論理 が 高じて ついに 狭い 永田 町 の 駆け引き に 堕して しまった から だ と 言わ ざる を 得 ない 。 永田 町 の 議論 は 世界 に 筒抜け である こと に 思い を 致せば 、 おのずと 道 は 開か れる し 、 外 に 向かい 胸 を 張れる 結論 を 導き 出す こと も 可能な はずだ 。 くしくも 決議 当日 の 九 日 、 民間 政治 臨調 が 政界 を 「 不毛な 数 合わせ の 便宜 主義 と 自己 保身 の 狂想曲 を 繰り広げて いる 」 と 断じ 、 早期 解散 ・ 総 選挙 を 求める 提言 を まとめた 。 民間 政治 臨調 は さすが に 想定 して い なかったろう が 、 五十 年 決議 の 混迷 こそ 厳粛な 対外 的な メッセージ を 政争 の 具に 矮小 化 した もの だ し 、 便宜 主義 と 自己 保身 の 典型 である 。 これ 以上 醜態 を 続ける なら 、 民間 政治 臨調 の 言 に 従う べきだろう 。 台湾 の 李 登輝 総統 の 歴史 的な 訪 米 が 終わった 。 母校 コーネル 大学 の 同窓 会 出席 を 表向き の 理由 と した 「 非公式の 私的 訪問 」 だった が 、 台湾 の 存在 を 改めて 世界 に アピール する うえ で は 効果 が あった ようだ 。 空港 で は 一部 有力 上院 議員 が 出迎え 、 経済 発展 と 政治 の 民主 化 に 成功 した 総統 を 歓迎 した 。 李 総統 は 講演 で 台湾 が 「 国際 社会 で しかるべき 外交 承認 を 受けて い ない 」 と 不満 を 表明 、 「 外交 的 孤立 の 打破 」 と いう 「 不可能に 挑戦 する 」 と 改めて 宣言 した 。 台湾 内部 で は 台湾 独立 を 綱領 に 掲げる 最大 野党 ・ 民進党 の ほか 、 李 総統 の “ 独立 志向 ” を 批判 して きた 国民 党 非 主流 派 や 野党 の 新党 支持 者 も 訪 米 の 意義 を 高く 評価 して いる 。 李 総統 自身 は まだ 名乗り を 上げて い ない が 、 来春 の 総統 直接 選挙 で の 勝利 は 確実 と の 見方 も 生まれて いる 。 しかし 、 より 長期 的に 見れば 、 訪 米 の 代償 も 大きかった ので は ない だろう か 。 中 米 、 中 台 間 に 新たな 不信 の 種 が まか れた から だ 。 中国 側 の 反発 は 「 たかが 同窓 会 」 と 考えて いた 米 側 を 驚かせた 。 空軍 司令 官 や 国務 委員 の 訪 米 を 中断 、 国防 相 の 六 月 訪 米 や ミサイル 関連 技術 輸出 規制 と 核 エネルギー 協力 に 関する 米 中 協議 も 延期 した 。 中国 共産党 機関 紙 「 人民 日報 」 は 台湾 問題 を 「 火薬 ダル 」 に 例え 、 米国 や 李 登輝 氏 が 引き続き 熱気 を 送り込む なら いつか は 爆発 する と 警告 した 。 専門 家 の 間 で は 今回 の 訪 米 を 機 に 中国 内部 で 反米 強硬 派 が 発言 力 を 増した と の 見方 が 強まって いる 。 事態 を 憂慮 した 米 政府 は 「 行動 は 自由 」 と いう 当初 の 方針 を 改め 、 李 総統 の 行動 に 厳しい 枠 を はめた 。 記者 会見 は 中止 、 ブッシュ 前 米 大統領 ら と の “ ゴルフ 会談 ” も 実現 し なかった 。 李 総統 の 講演 当日 に は 大統領 が 中国 大使 を わざわざ ホワイトハウス に 招き 、 「 台湾 側 が どのように 宣伝 しよう と 『 一 つ の 中国 』 政策 は 不変だ 」 と 強調 した 。 クリントン 政権 が 今後 は この 種 の 問題 に より 慎重に 対処 する こと は 間違い ない 。 中国 側 は これ まで 、 李 総統 の 中 台 は 「 二 つ の 政治 実体 」 と いう 発言 に 不 快感 を 覚え ながら も 、 台湾 内部 で の 同氏 の 圧倒 的 人気 を 前 に 攻め あぐんで いる ような ところ が あった 。 しかし 、 今回 の 訪 米 で 吹っ切れた ように 本格 的な 李 総統 攻撃 に 転じた 。 その 一方 で 、 台湾 海峡 両岸 の 民間 交流 組織 の トップ 会談 に は 積極 姿勢 を 示した 。 批判 の 対象 は あくまで 台湾 独立 に つながる 動き だけ と の シグナル であろう 。 中国 側 が 李 総統 攻撃 を エスカレート さ せれば 、 海峡 の 緊張 は 高まる だろう 。 いずれ に せよ 、 台湾 側 は 李 総統 の 「 私的 訪問 」 の 次の 目標 を 日本 に 定め 、 京大 の 同窓 会 や 十一 月 に 大阪 で 開か れる アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 非公式 首脳 会議 へ の 出席 を 狙って いる ようだ 。 しかし 、 今回 の 訪 米 騒ぎ で 「 たかが 同窓 会 」 でも 元首 の 「 私的 訪問 」 は 大きな 政治 的 波紋 を 引き起こす こと が 改めて 確認 さ れた 。 日本 は 台湾 を 五十 年間 、 植民 統治 した 。 行動 は 米国 より も 慎重で なければ なら ない 。 APEC 非公式 首脳 会議 に ついて は シアトル 、 ボゴール の 二 度 の 会議 で 「 台湾 は 経済 閣僚 レベル 」 と いう ルール が すでに 確立 して いる 。 日本 が なす べき こと は 中 台 の 対立 と 不信 の 火 に 油 を 注ぐ ので は なく 、 海峡 両岸 の 相互 理解 に 力 を 貸す ことだ 。 阪神 大 震災 の 仮設 住宅 で 暮らす 高齢 被災 者 ら の 「 孤独な 死 」 が 相次いで いる 。 この 一 カ月 だけ でも 、 四 人 が 病死 し 、 かなり 時間 が たって から 発見 さ れて いる 。 いずれ も 、 独り暮らし だった 。 ほか に 仮設 住宅 に 移った 直後 の 八十 代 の 女性 と 男性 が 道 に 迷い 、 凍死 したり 、 神戸 港 に 落ちて 水死 した 。 震災 以来 、 自殺 した 人 も 少なく ない 。 大 災害 に 遭遇 し 、 幸運に も 生き延びた のに 、 多く の 人 が 人知れず 死んで いく 。 あまりに も 痛ましい 。 病気 が 悪化 する 前 に 、 自ら 命 を 絶つ 前 に 、 何とか 手 を 差し伸べ られ なかった のだろう か 。 高齢 者 の 孤独な 死 は 、 現代 の 日本 が 抱える 共通の 問題 で も ある 。 しかし 、 あまりに も 多く の もの を 失った 被災 者 に 、 孤独 は 一層 重く のしかかる 。 背景 に 地域 の コミュニティー の 突然の 崩壊 が ある から だ 。 各地 から 仮設 住宅 に 入居 した 被災 者 は 、 顔見知り が 少なく 、 「 向こう 三 軒 両 隣 が 声 を 掛け合う 」 関係 に は ない 。 「 自治 会 を 作って は どう か 」 と 言う の は 酷である 。 震災 弱者 を 優先 的に 入居 さ せた 初期 の 仮設 住宅 に は 、 高齢 で 身寄り が なく 、 働く こと も でき ない 人 たち が 多い 。 激変 した 境遇 と 将来 へ の 不安 は 察する に 余り ある 。 体力 も 気力 も 衰えて いる 。 やはり 、 ここ は 行政 と ボランティア に 期待 し たい 。 第 一 に 医療 体制 の 整備 だ 。 兵庫 県 と 県 医師 会 は 、 周辺 に 医療 機関 が 少ない 仮設 住宅 地 九 カ所 に プレハブ の 仮設 診療 所 を 設置 する が 、 県 内 に は 五百十七 カ所 も の 仮設 住宅 地 が ある 。 もう 少し 細かく 医療 の 網 が かけ られ ない もの だろう か 。 第 二 に 、 独居 老人 ら に 入居 者 の 心身 の 状態 を 常に ケア する システム が 必要だ 。 だれ か が 訪問 し 、 根気 よく 話しかける こと が 自治 会 や 町内会 の 代わり に なる 。 最も 多く の 仮設 住宅 が ある 神戸 市 西 区 で は 、 ボランティアセンター に 登録 する 計 三百十八 人 の メンバー が 入居 者 の 買い物 代行 や 病院 同行 など の 求め に 応じて いる 。 行政 も 、 これ と は 別に 保健 所 、 福祉 事務 所 、 区 役所 の 三 者 が 協力 、 健康 状態 や 援護 の 必要 性 に ついて 全戸 調査 を 進めて いる 。 こうした ボランティア や 行政 に よる 土 ・ 日 返上 の 努力 は 評価 す べきだろう 。 しかし 、 その 活動 も いま 大きな 壁 に ぶつかって いる 。 高齢 ・ 独居 者 の “ 引きこもり ” である 。 保健 婦 ら が 何度 訪問 して も 、 「 応答 なし 」 が 目立つ のだ 。 「 心 の 傷 が 深く 、 だれ に も 会い た がら ない 人 が 多い 」 と 関係 者 は 言う 。 生きる 意欲 を 失った 人 も あろう 。 プライバシー の ない 避難 所 を 出て せっかく 仮設 住宅 に 入居 できた のに ドア を 閉ざし 、 孤独 死 する 事態 は 、 何と して も 避け たい 。 震災 から 間もなく 五 カ月 に なる 。 鉄道 が 回復 し 、 数 だけ は 十分な 仮設 住宅 が 建設 さ れて も 、 多く の 被災 者 の 将来 へ の 不安 は 消え ない 。 このまま で は 孤独 死 や 自殺 者 の 数 は さらに 増え かね ない 。 復興 と 並行 して 「 孤独 」 へ の 取り組み を 一層 強めて ほしい 。 行政 と ボランティア 、 そして メンタルケア の 専門 家 が 協力 して の 対応 が 望ま れる 。 ドア の 内側 に こもる 人 たち の 微弱な 声 に 耳 を 傾ける の は 、 復興 を 公約 して 十一 日 の 被災 地 選挙 に 当選 した すべて の 議員 の 務め で も ある 。 首相 の 諮問 機関 である 経済 審議 会 が 「 新 経済 計画 」 の 中間 とりまとめ を 発表 した 。 同 会 は 今年 初め から 現行 の 「 生活 大国 五 か年 計画 」 に 代わる 新しい 五 か年 計画 作り を 進めて おり 、 その 成果 を 集約 した もの 。 村山 富市 首相 は 要旨 を 十五 日 から 始まる 先進 国 首脳 会議 で 各国 首脳 に 説明 する こと も 考えて いる と いう 。 日本 を 覆って いる 閉塞 感 を 打破 し 、 今後 の 進路 を 示す 海図 と いう 位置付け 。 相当な 力 の 入れ 方 と いって よい 。 しかし 、 内容 は どう 見て も 褒める こと は でき ない 。 なぜなら 、 肝心の 数字 が 全く 書き込ま れて い ない から である 。 これ から 西暦 二〇〇〇 年度 まで の 五 年間 、 何 % 成長 を 見込む の か 、 物価 動向 を どう 読む か 、 国民 負担 率 を どう する か ―― など 計画 を 考える 際 、 最低 限 必要な 数字 が なにも ない のである 。 軟 体 動物 の ように つかみ どころ が ない 代物 と いう しか ない 。 事務 当局 の 経済 企画 庁 は 「 今後 、 広く 国民 各層 の 意見 を 聴き 、 具体 的な 政策 目標 を 掲げる と ともに 、 わが国 の 経済 の 姿 を 定量 的に 展望 した 最終 答申 を 可及的 速やかに 策定 する 」 と して いる 。 中間 報告 に は 数字 を 書か ない が 、 最終 的に は きちんと 詰める 、 と いう わけだ 。 一見 もっともらしい 理屈 だ が 、 実際 に は 逃げ を うった と しか 思え ない 。 経済 企画 庁 が なぜ このように 及び腰 な の か 。 その 理由 は 二 つ ある 。 まず 、 日本 経済 が 戦後 経験 した こと の ない 状況 に 直面 して いる ことだ 。 一九九四 年度 版 の 「 経済 白書 」 は 物価 が ほとんど 上昇 し ない 「 ディスインフレ 」 の 経済 に なった 、 と 指摘 した が 、 最近 は それ を 通り過ぎて 「 デフレ 」 経済 に 突入 して いる 、 と 推測 さ れて いる 。 すでに ここ 二 、 三 年 、 実質 成長 率 で 言えば ゼロ か 一 % 前後 の 低 成長 と なって おり 、 経済 環境 が 劇的に 変化 し ない 限り 力強い 成長 は 望み 難い 。 村山 首相 が 現行 の 「 生活 大国 五 か年 計画 」 を 見直し 新 計画 を 諮問 した の は 、 三 % 成長 と いう 前提 が 現実 と 合わ なく なった から と いう 。 この 認識 は 正しい 。 が 、 その後 の 議論 が 間違って いる 。 「 デフレ 」 経済 を 前提 と した 数字 を 書き込めば 、 明るい 展望 を 描け ず 、 悲観 的な シナリオ に なって しまう ため 見送って しまった の が 真相 らしい 。 右 肩上がり の 計画 に 慣れた 官庁 エコノミスト の 限界 か 。 もう 一 つ は 村山 内閣 の 不安定 さ だ 。 諮問 さ れた もの の 、 最終 答申 を 出した 時 は 別の 内閣 に なって いる 可能 性 が 高く 、 本気に なれ ない と いう 心境 らしい 。 最終 答申 の 提出 時期 を あいまいに して いる の も 、 こんな 読み が あって の こと と 思わ れる 。 しかし 、 中間 とりまとめ まで に 四 部会 、 二 小 委員 会 の 委員 たち が 真剣な 議論 を 行って おり 、 各論 段階 で は 注目 す べき 提案 は 少なく ない 。 厳しい 作業 に なる だろう が 、 問題 点 を 絞り 込み 、 骨 の ある 計画 に まとめあげる べきだ と 考える 。 国会 議員 なら 先刻 ご 承知 の はずの 憲法 を おさらい して おき たい 。 第 六九 条 に 「 内閣 は 、 衆議院 で 不 信任 の 決議 案 を 可決 し 、 又は 信任 の 決議 案 を 否決 した とき は 、 十 日 以内 に 衆議院 が 解散 さ れ ない 限り 、 総 辞職 を し なければ なら ない 」 と ある が 、 これ は 衆院 の 首相 指名 と 並ぶ 議院 内閣 制 の 柱 であり 、 きわめて 重い 条文 だ 。 新進党 が 提出 した 村山 内閣 の 不 信任 案 が 十三 日 の 衆院 本 会議 で 否決 さ れた 。 与野党 の 議席 差 は 百 以上 も ある 。 従って 否決 は 当然の 帰結 だ が 、 議場 に 緊迫 感 は なく 、 むしろ 「 出来 レース 」 の 感 すら つきまとって いた の は どうした わけ だろう か 。 かつて 五五 年 体制 下 で 野党 ・ 社会党 が 国会 の 会期 切れ 直前 に 党 内 引き締め の ため 、 お座なりに 内閣 不 信任 案 を 提出 する こと が 往々 に して あった 。 新進党 の 今回 の 戦術 は それ と 一向に 変わら ない どころ か 、 与野党 こぞって 内閣 不 信任 案 を もてあそんで いた と しか 思え ない のである 。 新進党 が 内閣 不 信任 案 提出 を 最後 まで ためらった の は 与党 が 切り返して 衆院 の 解散 ・ 総 選挙 に 踏み切る ので は ない か 、 と いう おそれ だった 。 そう は なら ない と いう 瀬 踏み を 繰り返し 行った 揚げ句 の 提出 で は 足元 を 見 られる の は 当然だろう 。 また 、 内閣 不 信任 案 否決 で 村山 内閣 が 信任 さ れた と 強弁 する 与党 も 与党 である 。 新進党 に 指摘 さ れる まで も なく 村山 内閣 の 失政 は 目 を 覆う ばかりであり 、 辛うじて 与野党 の 議席 差 に 救わ れた と 謙虚に 受け止める べきである 。 つまるところ 政界 全体 が 国民 から 見放さ れ 沈没 し 始めて いる 中 で 、 形 だけ 緊迫 感 を 演出 して 見せた に 過ぎ ない の が 今回 の 内閣 不 信任 案 否決 だった ので は なかろう か 。 村山 内閣 と 細川 内閣 を こと 時系列 で 見て みる と 、 その 軌跡 は うり二つ と も いえる 。 それ は 内閣 と して の 存在 感 の あった 前半 と 、 一転 ほころび と 失態 が 目立つ 後半 の 際立った 落差 である 。 その 分岐 点 が 細川 内閣 で は 出し抜けの 国民 福祉 税 提案 だった が 、 村山 内閣 で は 阪神 大 震災 で 、 危機 管理 の 何 たる か さえ 心得 ない ような 対応 が 国民 の 怒り を 買った 。 一九九七 年度 から の 消費 税 二 % アップ の 大 前提 は 行革 。 村山 富市 首相 は 「 不退転 で 臨む 」 と まで 明言 した のに 、 真っ先 に 手掛けた 特殊 法人 の 整理 ・ 統合 問題 で は あえなく 「 官 」 の 壁 に 跳ね返さ れた 。 円高 無策 は もっと 甚だしい 。 政権 弱体 化 を 狙い撃ち した ように 三 月 八 日 に 九十 円 の 大台 を 突破 、 四 月 に 入り 一層 、 円高 基調 と なり 一時的に 七十 円 台 に も なった 。 これ に 対して 、 同月 十四 日 に 政府 が 打ち出した 緊急 円高 対策 は わずか 数十 銭 円安 に なった だけ 。 株価 も 低迷 を 続け 、 日 米 経済 交渉 も 行き詰まって いる 。 それぞれ が 十二分に 内閣 不 信任 に 値する もの であり 、 新進党 が 責任 野党 なら 、 駆け引き に 堕す こと なく 不退転 の 決意 で 内閣 不 信任 案 を 提出 す べきだった 。 そして 政府 ・ 与党 は それ を 重く 受け止め 、 真剣に 内閣 の 立て直し を 図る の が 本来 の 筋 である 。 国会 終盤 で この 内閣 不 信任 案 の 扱い に 戦後 五十 年 決議 や 二 信 組 疑惑 の 証人 喚問 問題 が 絡んで 取引 めいた うわさ が 立った の は 何と した こと か 。 国民 の 目 に は 与野党 と も 結局 は 自己 保身 しか 考えて い ない こと を 改めて 印象付けて しまった ので は ない だろう か 。 米国 と 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 の 、 軽水 炉 支援 を めぐる 交渉 が ようやく 合意 に 達した 。 南北 朝鮮 は もとより 、 米 外交 当局 の 妥協 へ の 努力 を 高く 評価 し たい 。 昨年 十 月 に 調印 さ れた 米 朝 の 基本 合意 文書 は 、 北朝鮮 へ の 軽水 炉 支援 を 約束 した が 、 軽水 炉 の 型式 など の 具体 的な 内容 に ついて は 明記 さ れて い ない 。 クリントン 米 大統領 が 、 中間 選挙 前 の 合意 を 急いだ ため であった 。 軽水 炉 支援 の 内容 を 、 具体 的に 明確に し なかった こと が 、 その後 の 交渉 を 難航 さ せた 原因 である 。 北朝鮮 は 、 軽水 炉 建設 に 当たって 韓国 と の 直接 交渉 や 接触 を 嫌い 、 常に 米国 が 間 に 入る 「 米国 の 中心 的 役割 」 を 求めた 。 しかし 、 韓国 は 南北 の 直接 接触 と 「 韓国 の 中心 的 役割 」 に こだわった 。 また 、 北朝鮮 は 韓国 が 朝鮮 半島 エネルギー 開発 機構 に 継続 して 資金 提供 し うる か に 、 不安 感 を 表明 した と いう 。 南北 関係 が 悪化 し 、 韓国 が 資金 提供 を 中断 した 場合 に は 、 米国 が 責任 を 持つ 保証 を して ほしい と 迫った 。 北朝鮮 は なお 「 大韓民国 は 存在 し ない 」 と の 立場 を 取って いる 。 この ため 、 韓国 の 中心 的な 役割 を 認め たく ない 。 これ に 対し 、 韓国 は 多額の 資金 を 提供 する 以上 、 韓国 主導 で なければ 困る と の 立場 であった 。 結局 、 米国 と 韓国 は 、 北朝鮮 の 要求 に 妥協 し 「 韓国 型 炉 」 の 表現 を 使わ ない 代わり に 、 「 二 つ の 冷却 回路 を 持つ 軽水 炉 」 と 具体 的に 表記 する こと で 、 実際 に は 韓国 型 が 供給 さ れる こと に なった 。 この 表記 に 合致 する の は 「 韓国 型 炉 」 しか ない 。 最後 の 土壇場 で 体面 より も 「 実利 」 を 選んだ 韓国 の 決断 は 評価 できる 。 韓国 外交 は これ まで 、 儒教 の 伝統 から 「 実 より も 目先 の 名 」 に 縛ら れて きた から だ 。 北朝鮮 は 当初 、 米 朝 交渉 が 決裂 すれば 「 燃料 棒 を 再 装てん する 」 と の 立場 を 表明 して いた 。 しかし 、 その後 は 表現 を 「 核 施設 凍結 解除 」 など に 変え 、 直ちに 燃料 棒 を 再 装てん し ない 立場 を 示唆 した 。 北朝鮮 が 今月 初め に 一方的に 「 交渉 合意 」 を 発表 した の も 、 交渉 を 決裂 さ せる 意思 の ない 立場 を 伝える シグナル であった 。 米国 も 、 この シグナル を 受け止めた のだった 。 こうして みる と 、 今回 の 合意 は 南北 朝鮮 と 米国 が ようやく 交渉 に よる 問題 解決 の 「 方程式 」 を 手 に した こと を 意味 して いる 。 しかし 、 今回 の 合意 で 軽水 炉 支援 問題 が すべて 解決 した わけで は ない 。 次に は 、 軽水 炉 供給 契約 を めぐる 具体 的な 交渉 が 控えて いる 。 また 厳しい 交渉 が 始まる の は 間違い ない 。 軽水 炉 建設 が 始まる まで に は 、 なお 多く の 問題 が 解決 さ れ なければ なら ない 。 今回 の 合意 を 受け 、 日 朝 国交 正常 化 交渉 再開 へ の 機運 が 高まろう 。 日本 は 、 韓国 の 体面 に 配慮 し 不必要な 誤解 と 不信 を 生ま ない ように す べきである 。 日 朝 交渉 再開 が 、 日 韓 関係 や 南北 関係 を 緊張 さ せ ない よう 気 を 配る 必要 が ある 。 南北 の 当事 者 に は 、 今回 の 外交 成果 を 生かし 体面 に こだわら ず 南北 の 和合 と 民族 の 未来 の ため に 、 対話 再開 に つなげる 努力 を 期待 し たい 。 フランス が 核 実験 の 再開 を 決定 した 。 実験 は 今年 九 月 から 南 太平洋 の ムルロア 環礁 で 計 八 回 実施 の 予定 と いう 。 ミッテラン 前 大統領 は 一九九二 年 四 月 、 率先 して 核 実験 の 停止 に 踏み切り 、 核 保有 五 カ国 の うち 中国 を 除く 米 英 露 が これ に 同調 した 。 シラク 大統領 は 選挙 期間 中 から 「 核 抑止 力 維持 の ため の 実験 再開 」 を 公約 に 掲げて いた 。 今回 の 決定 は 公約 を 実行 した 形 だ が 、 核 軍縮 を 求める 国際 世論 に 逆行 する 無分別な 行為 と いわ ざる を 得 ない 。 仏 政府 に 強く 抗議 する と ともに 、 決定 を 撤回 し 、 実験 停止 を 継続 する よう 求め たい 。 先月 ニューヨーク で 開か れた 核 拡散 防止 条約 の 再 検討 会議 で 、 インドネシア など 非 同盟 諸国 は 同 条約 の 無 期限 延長 に 反対 し 、 期限 付き 延長 を 主張 した 。 その 背景 に は 、 条約 を 無 期限 に 延長 すれば 、 核 保有 国 の 優位 性 が 恒久 的に 固定 さ れ 、 非核 保有 国 の 安全 が 十分に 保障 さ れ ない 、 と の 不安 が 横たわって いた 。 この 非 保有 国 の 懸念 に 配慮 して 、 会議 で は 核 保有 国 に 核 軍縮 へ の 努力 を 義務づける 文書 が 採択 さ れた 。 「 核 不 拡散 と 核 軍縮 の 諸 原則 及び 目標 」 と 題する この 文書 は 、 核 保有 五 カ国 に 対し 「 核 廃絶 を 究極 の 目標 に 、 世界 規模 の 核 削減 努力 を 進める 」 こと を 義務づける と ともに 、 核 実験 全面 禁止 条約 を 九六 年 中 に 締結 する こと 、 同 条約 が 発効 する まで 核 実験 停止 を 継続 する こと を 求めて いる 。 また 、 同 文書 は 核 関連 物質 生産 禁止 条約 の 交渉 即時 開始 と 早期 妥結 を うたう など 、 「 核クラブ 」 に 軍縮 へ の 大きな 責務 を 負わ せて いる 。 NPT の 無 期限 延長 と 引き換え に 、 核 保有 国 は 核 軍縮 へ の 努力 を 誓った こと に なる 。 同 文書 は 条約 と 異なり 拘束 力 は 特に 持た ない が 、 五 月 の 中国 核 実験 に 次ぐ 仏 の 実験 再開 決定 は 、 NPT 無 期限 延長 の 精神 と 原則 に 触れる ルール 違反 であり 、 非核 保有 国 に 対する 裏切り と 非難 せ ざる を 得 ない 。 インド 、 パキスタン 、 イスラエル など は 潜在 的に 核 保有 能力 が ある か 、 すでに 保有 の 疑惑 を 持た れ ながら NPT 加盟 を 拒否 して いる 。 これ ら 未 加盟 国 は 核 保有 国 と の 「 不平等 性 」 を 未 加盟 の 論拠 の 一 つ に して おり 、 仏 の 方針 は これ ら の 国々 の 加盟 拒否 の 論理 を 側面 から 補強 し かね ない 。 仏 国 内 で 社共 両党 など が シラク 大統領 の 決定 を 非難 した ほか 、 実験 場 に 近い オーストラリア 、 ニュージーランド は 仏 と の 軍事 協力 の 凍結 を 発表 、 米国 も 遺憾の 意 を 表明 した 。 環境 保護 団体 「 グリーンピース 」 は 現地 に デモ 船 を 派遣 する 構え だ 。 先進 国 首脳 会議 直前 の 仏 の 決定 が 、 国際 的 波紋 を 広げた の は 当然 と いえよう 。 わが国 も 河野 洋平 外 相 が 「 非核 保有 国 の 信頼 を 裏切る 」 措置 だ と して 、 仏 外 相 に 電話 で 抗議 した 。 村山 富市 首相 は サミット 終了 後 、 仏 に 立ち寄り 、 パリ で シラク 大統領 就任 後 初 の 日 仏 首脳 会談 に 臨む 。 被爆 五十 周年 を 迎えた 長崎 市 で は 現在 、 国連 軍縮 会議 が 開か れて いる 。 会議 に 反映 さ れた 内外 の 軍縮 世論 を 踏まえて 、 村山 首相 は シラク 大統領 と の 会談 で 、 核 実験 再開 の 方針 に 抗議 し 、 核 実験 停止 の 継続 を 働き掛けて ほしい 。 さらに 核 保有 国 は 非 保有 国 の 信頼 を 回復 する ため 、 核 実験 全面 禁止 条約 の 締結 へ 努力 す べきだ 。 「 日本 の 品格 、 あるいは “ 国 徳 ” が 問わ れて いる 」 と 、 かつて 須之部 量三 元 駐 韓 大使 は 語った 。 従軍 慰安 婦 問題 で 政府 が 行きつ戻りつ の 議論 を して いる ころ の こと である 。 事務 次官 まで 務めた 同氏 から そのような 言葉 を 聞く の は 意外だった ので 、 強い 印象 が 残った 。 と同時に 、 外務 官僚 の 苦渋 を そこ に 感じた 。 同氏 が いわゆる 「 慰安 婦 基金 」 の 呼び掛け 人 を 引き受けた の も 、 同氏 なり の 感慨 あって の こと だろう 。 政府 が 十四 日 発表 した 「 女性 の ため の アジア 平和 友好 基金 」 の 事業 計画 は 寄り合い 所帯 の 妥協 の 産物 である 。 したがって 不 明確な 部分 が 少なく ない 。 例えば 民 間 任せ に せ ず に 政府 が 支援 する と いう が 、 どの 程度 、 どういう 形 で 支援 する の か が 不明だ 。 元 慰安 婦 に 一 時 金 を 支払う と いう が 、 どれ だけ 、 いつまで に 支払う かも 分から ない 。 国 と して 反省 と おわび を 表明 する と いう が 、 その 形式 が 判然と し ない 。 村山 富市 首相 は 元 慰安 婦 個人 々々 に 手紙 を 送り たい と して いる もの の 、 自民党 は 反対 して いる 。 つまり 下手 を する と 計画 倒れ 、 あるいは 形がい 化 する 恐れ も なし と し ない 。 政府 が 個別 補償 を 避け 、 民間 基金 に こだわった の に は 理由 が ある 。 建前 から いけば 、 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 など 一部 を 除いて 戦争 賠償 は 政府 間 交渉 で 済んで いる 。 中国 など は 請求 権 を 放棄 した 。 ここ で 個別 補償 を 認めれば 、 これ まで の 政府 間 交渉 は 何 だった の か 、 と も なり かね ない 。 際限 なく 補償 が 広がら ない か と の 心配 も 、 政府 に なし と し ない 。 いま一つ 、 いつまで 謝り 続ける の か と の 不満 が 自民党 など 保守 層 に 根強い 。 その 心情 は 不戦 決議 へ の 抵抗 と 同根 で 、 詰まるところ 国 の 戦争 責任 の 根本 問題 に かかわって くる 。 逆に 個別 補償 を 求めて きた 元 慰安 婦 と その 支援 団体 の 多く が 基金 に 反対 する の も 、 この 戦争 責任 こそ 肝心 と して いる から に ほかなら ない 。 戦争 賠償 は 日本 の 復興 期 に 進め られた ので 、 どこ まで 償う か で は なく 、 いかに 値切る か に 力点 が 置か れた 。 交渉 者 の 認識 から 欠落 して いた もの も あった 。 国 に とって も 個人 に とって も 触れ たく ない 問題 だった ので 、 黙殺 さ れた もの も あった 。 従軍 慰安 婦 問題 が その 典型 だった 。 須之部 氏 が “ 国 徳 ” を 自問 自答 する の も 、 それ 故 だろう 。 私 たち は 、 政府 の 「 慰安 婦 基金 」 計画 に 不満である 。 不透明な 部分 も 多い 。 まして 元 慰安 婦 へ の おわび まで あいまいに しよう と する 一部 の 政府 ・ 与党 の 動き に 強い 憤り を 持つ 。 いまだ 自分 の 過去 を 率直に 認めよう と し ない 一部 指導 層 に 、 怒り を 通り越して 悲しみ すら 覚える 。 この 問題 は 国 と して の 尊厳に かかわる 。 国民 の 名誉 の 問題 である 。 この 程度 の 計画 しか 持ち 得 ぬ 政府 に 、 甚だ 遺憾の 意 を 禁じ 得 ない 。 が 、 私 たち 自身 の 名誉に かかわる こと である 以上 、 恥の上塗り は 避け なければ なら ない 。 国民 一人ひとり の 自覚 と 力 で 、 立派な 基金 を 作り上げよう で は ない か 。 私 たち の 心から の おわび の 気持ち を 率直に 伝える よう 一緒に 努力 しよう で は ない か 。 経団連 が 政府 から の 募金 要請 を 拒否 した と いう 。 まさか 中国 ・ 朝鮮 の 人々 を 戦中 に 強制 労働 さ せた 責任 を 問わ れる こと を 嫌って で は ある まい と 信じ たい 。 良識 ある 企業 の 品格 ある 行動 を 期待 する 。 オウム 真理 教 の 代表 、 麻原 彰晃 被告 = 東京 ・ 地下鉄 サリン 事件 で 起訴 = と 教団 が 、 どれほど 多く の 人 たち に 不幸 を ばらまいた のだろう か 。 そう 思う 時 、 胸 が 詰まる 。 同時に 、 どうして ここ まで 暴走 を 許して しまった の か 。 食い止める 機会 や 手立て は なかった の か と 考え ざる を 得 ない 。 警視 庁 は 元 信者 の リンチ 殺害 を 指示 して いた と して 、 麻原 容疑 者 を 殺人 の 疑い で 再 逮捕 した 。 どのように 残忍な 犯罪 であろう と 、 冷静に 直視 し 、 その 裏 に 潜む もの を 明らかに し なければ なら ない 。 それ は 分かって いる が 、 思わず 、 目 を 覆い 、 耳 を ふさぎ たく なる ような 事件 だった 。 調べ に よる と 、 事件 が 起きた の は 昨年 二 月 一 日 未明 の こと 。 ロープ で 絞殺 さ れた 元 信者 の 落田 耕太郎 さん は 元 信者 の 保田 英明 容疑 者 と 、 女性 信者 を 救おう と 教団 施設 に 忍び込んだ もの の 、 発見 さ れた 。 二 人 が 助け出そう と した の は 、 保田 容疑 者 の 母親 だった 。 麻原 容疑 者 は 、 命ごい を する 保田 容疑 者 に 「 殺せば 助けて やる 」 と 、 殺害 を 指示 した と 伝え られて いる 。 捜査 当局 は 、 この ほか に も 教団 内 で 数十 件 の 変死 事件 が あった と みて いる 。 教団 を めぐる 「 闇 」 は 深まる ばかりだ 。 それ を 解き明かす ため に も 、 徹底 した 捜査 と 供述 を 始めた 麻原 容疑 者 を 全面 自供 に 追い込む こと を 望む 。 麻原 容疑 者 は 信者 一万 人 を 抱える 教団 に 、 絶対権 力者 と して 君臨 して いた 。 それ は 、 教団 を 覆う 「 死 の 恐怖 」 に よって 支え られて いた 。 今回 の 事件 は 、 こうした 構図 を 浮かび上がら せた 。 治外法権 化 した 教団 内 で 、 信者 は 彼 に 生死 を 握ら れて いた と 、 言って いい 。 この 構図 の 中 で 、 麻原 容疑 者 は 幹部 ら に 地下鉄 サリン 事件 を 指示 した のだろう 。 教団 を ここ まで 暴走 さ せた もの は 、 何 な のだろう 。 麻原 容疑 者 から は おごり と 社会 、 とりわけ 警察 に 対する 侮り が 伝わって くる 。 教団 の 犯行 の 疑い が 濃厚に なって いる 松本 サリン 事件 が 発生 した の は 、 リンチ 絞殺 事件 の 約 五 カ月 後 である 。 さらに 八 カ月 後 に 、 東京 ・ 目黒 公証 役場 事務 長 の 拉致 事件 が 起きて いる 。 拉致 の 犯行 場所 を 見て 、 驚いた 。 現場 は JR 山手 線 目黒 駅 東 口 から 三百 メートル ほど しか 離れて い ない 。 商店 も 多く 、 繁華街 と 言って いい 通り だ 。 拉致 は まだ 明るく 、 相当 の 人通り が あった 時 に 起きて いる 。 当然 、 犯行 は 複数 の 通行人 に よって 目撃 さ れた 。 「 宗教 法人 の おれたち に 、 捜査 の 手 が 伸びる わけ が ない 」 。 犯人 は 、 そう 思った のだろう と しか 考え よう が ない ほど 、 荒っぽい 手口 だ 。 捜査 当局 が 教団 の 犯行 と 疑い を 強めて いる 最も 古い 事件 は 、 一九八九 年 十一 月 に 横浜 市 で 起きた 坂本 堤 弁護 士 一家 の 失跡 である 。 坂本 さん は 当時 、 教団 と 激しく 対立 し 、 さらに 自宅 に は 、 教団 の バッジ が 残さ れて いた 。 しかし 、 強制 捜査 まで に は 至らなかった 。 「 うまく 逃げる こと が できた 」 と 、 彼ら が 考え 、 それ が 宗教 法人 を 「 盾 」 に 、 教団 の 暴走 が 始まる きっかけ と なった ので は ない か 。 「 検挙 に 勝る 、 犯罪 の 防止 は ない 」 。 この 言い古さ れた 言葉 を 、 かみしめ ざる を 得 ない 。 「 いい 結果 だった 」 と 首相 臨時 代理 の 五十嵐 広三 官房 長官 が 十六 日 の 閣議 に 報告 した と 聞いて 、 あぜんと した 。 しかも 他の 閣僚 も これ に 同意 した と いう 。 十五 日 の カナダ ・ ハリファクス で 行わ れた 日 米 首脳 会談 の 評価 に ついて 、 である 。 現地 の 特派員 に 聞く と 「 会談 は 自動車 問題 に 決着 を つける 性格 の もの で は ない 」 と 外務 官僚 が くどい ほど 事前 説明 して 、 記者 団 の 期待 感 の 芽 を 摘み取って いた と いう 。 これ に 先立つ 外 相 会談 で 同 問題 を ちょっと 話し合って 首脳 会談 に 持ち込ま ない よう 根回し 。 首脳 会談 も サシ で 話し合う こと は なく 、 外 相 、 蔵 相 、 通産 相 ら が 終始 、 同席 して いた 。 会談 で は 村山 富市 首相 が 阪神 大 震災 から 地下鉄 サリン 事件 まで 、 およそ 首脳 会談 と は 直接 関係 の ない 話 を 長々 と 説明 。 これ に 対し クリントン 大統領 が やはり 長々 と 応答 し 、 そして 最後に 首相 が 「 日 米 関係 を 損なって は なら ない 」 と 結んで お開き に なった と いう 。 いわば 論議 が 発展 し ない ように 仕組ま れて いた わけで 「 これ が 首脳 会談 か 」 と 、 特派員 は 絶句 して いた 。 もっと 言えば 、 そもそも クリントン 大統領 は 「 中身 が ない から 」 と 村山 首相 に 会う こと すら 敬遠 して いた と 聞く 。 今年 一 月 の 首相 訪 米 も 日本 側 が 無理 して 押し込んだ と さ れて いる が 、 今回 も 同様だった らしい 。 こんな 会談 が 、 どうして 「 いい 結果 」 な の か 。 なぜ 一 人 の 閣僚 も それ に 疑義 を 挟ま なかった の か 。 日 米 関係 が 自動車 問題 だけ で ない こと は 言う まで も ない 。 日 米 安保 問題 も ある し 、 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 、 中国 など 近隣 諸国 問題 、 さらに は 今秋 、 大阪 で 開か れる アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 の こと も 十分に 意見 交換 し なければ なる まい 。 しかし これ ら が 自動車 問題 と 無関係 か と いう と 、 とんでもない 。 現実 に 自動車 問題 が こじれて いる こと から 、 日 米 安保 に 危険な 兆候 が 見え隠れ し 始めた と の 指摘 は 少なく ない 。 日本 は 今秋 の 首脳 会談 で 、 日 米 安保 の 新たな 意義付け を 打ち上げ たい と して いる が 、 大統領 周辺 は すでに 熱意 を 失って いる と いう 。 近隣 諸国 は 日 米 が 角 を 突き 合わす こと で 日本 に 新たな ナショナリズム が 台頭 する ので は 、 と 警戒 して いる 。 自動車 問題 の 破局 が 波及 し ない か と 東南 アジア 諸国 も 心配 して いる 。 自動車 問題 は 日 米 会談 の すべて で は ない が 、 同 問題 に 正面 から 向き合わ ない ようで は 首脳 会談 は 成り立た ない 。 しかも 米国 の 制裁 発動 の 期限 は 二十八 日 に 迫って いる のだ 。 本来 であれば 政治 家 同士 が 腹 を 割って 話し合い 、 相互 に 譲歩 して 妥協 点 を 見いだし 、 首脳 の 責任 に おいて 双方 の 陣営 を 説得 する 。 それ で こそ 首脳 同士 の 会談 と 言える 。 官僚 が 筋書き を 書き 、 その 脚本 に 従って 下手な せりふ を しゃべる 、 そんな 出来 の 悪い 儀式 は 心底 、 もう たくさんだ 。 なぜなら それ に よって 問題 が 先 送り さ れ 、 より 危険な 状態 が 膨らむ ばかりだ から である 。 もちろん 首相 だけ に 非 が ある ので は ない 。 大統領 周辺 も 来年 の 再選 を 目指した 選挙 参謀 で 固め られて おり 、 一挙手 一投足 に も 選挙 の 影 が ちらついて いる 。 政治 家 が 本来 の 政治 家 の 役割 を 果たさ ず 、 目先 の こと ばかり に 神経 を すり減らして いる 。 この 驚く べき 現実 を 、 日 米 の 両 国民 は 真剣に 考える 必要 が あり そうだ 。 今年 の 防災 白書 が 十六 日 、 閣議 に 報告 さ れた 。 当然 の ごとく 、 阪神 大 震災 に 関する 「 災害 の 状況 と 対策 」 が 主要 テーマ と なった 。 死者 は 五千五百 人 余 、 負傷 者 は 四万一千五百 人 余 、 家屋 全壊 と 半壊 は 約 二十万 棟 、 焼失 面積 は 約 六十六万 平方メートル …… 。 震災 から ちょうど 五 カ月 。 改めて 、 被害 の 甚大 さ を 思い知ら さ れる 。 ライフライン は おおむね 当面 の 応急 復旧 を 終えた 、 と 白書 は 指摘 する が 、 生活 再建 や 復興 に は まだまだ 多く の 課題 が 残る 。 一刻 も 早い 再建 ・ 復興 を 願わ ず に は い られ ない 。 このように 甚大な 被害 から 政府 は 多く を 学び 、 今後 に つなげ なければ なら ない 。 この 視点 から 見る と 、 白書 の 記述 に は 不満だ 。 白書 と は 一般 論 で 言えば 、 国民 も 一緒に なった 問題 解決 の ため に 「 ありのままの 現状 を 直視 する 」 こと に 作成 の 主眼 が あろう 。 殊に 、 防災 白書 は 「 災害 対策 基本 法 」 で 国会 報告 を 義務づけ られて おり 「 防災 行政 の 整備 、 推進 を 図り 、 社会 の 秩序 維持 と 公共 の 福祉 の 確立 」 に 役立つ もの で なくて は なら ない はずだ 。 この 趣旨 を 踏まえる ならば 、 当時 の 現実 を 包み隠さ ず に 記述 し 、 その うえ で の 自己 批判 が 必要だ 。 それ が 見 られ ない の が 甚だ 問題 だ 。 当時 、 村山 富市 首相 が 「 いろいろ 反省 点 も ある 」 と 認めた ように 、 官邸 の 情報 収集 体制 に 不備 が あり 、 首相 へ の 地震 の 一報 は 一 時間 半 以上 も たって いた 。 自衛 隊 の 出動 に ついて も 「 遅 すぎる 」 と する 声 が 続出 した 。 交通 規制 も 遅れ 、 渋滞 が 救助 ・ 救援 活動 を 阻害 した 。 「 政府 対応 は 絶望 的 」 と いった 非難 の 声 も 出た 。 白書 は 政府 の 取った 応急 対策 、 被災 者 支援 ・ 助成 、 復興 対策 など を 詳細に 網羅 して いる 。 制度 面 でも 、 援助 や 助成 など に 関して 十六 件 の 法律 が 制定 さ れた こと を 強調 し 、 その うえ で 「 新たな 災害 対策 へ の 取り組み 」 を 列挙 して いる 。 新たな 取り組み の 中 に は 、 米国 緊急 事態 管理 局 に 学び 「 初動 対応 の 迅速 化 」 を 図る など 、 評価 できる 施策 も 多々 ある 。 それ は それ で 推し進めて ほしい 。 が 、 政府 対応 の PR 白書 と 誤解 さ れ かね ない 。 そもそも 、 謙虚な 自己 批判 が なくて は 、 「 新たな 災害 対策 」 も 説得 力 を 欠く 。 被災 地 の 話 を 真摯に 受け止め 、 耳 に 痛い 事柄 も 洗いざらい 報告 する こと から 、 国民 を 巻き込んだ 問題 解決 へ の 切実な 姿勢 も 出て こよう 。 もう 一 つ 、 苦言 を 呈し たい の は 、 取り組み の 中 に 、 いまだ 検討 段階 の 項目 が 目立つ ことだ 。 つい 先ごろ 、 サハリン 北部 で 大 地震 が 起きた ばかりだ 。 「 活動 期 に 入って おり 、 列島 周辺 で 今後 も 大きな 地震 が 起きる 可能 性 が ある 」 と いう 地震 学 者 の 指摘 も 出て いる 。 と する ならば 「 検討 」 と いった 悠長な 姿勢 は いかがな もの か 。 機敏な 対応 が 求め られる 。 防災 白書 の 編集 に あたった 国土 庁 に ついて は 、 「 無用 」 と いう 極論 も なく は ない 。 FEMA の ように 、 被害 状況 の 即座 の 把握 と 、 迅速な 初動 が 可能な 組織 に 作り替える こと も 課題 に したら どう か 。 一九九〇 年 に スタート した 「 国際 防災 の 十 年 」 は ちょうど 中間 年 。 防災 先進 国 の イメージ は 阪神 大 震災 で 揺らいだ と は いえ 、 日本 に 期待 する 声 は 依然 、 少なく ない 。 その 役割 を も 念頭 に 置いて ほしかった 。 ひと 口 に 「 戦後 五十 年 」 と いって も 、 戦争 と 平和 を めぐる 人々 の 意識 や 考え 方 は 国 に よって 大きく 違う 。 例えば 、 ハワイ を 除いて 自国 が 戦場 に なら なかった 米国 と 、 都市 爆撃 など 戦火 が 銃後 の 市民 に まで 及んだ 日本 や 欧州 と で は 、 人々 の 戦争 観 に かなり の ずれ が ある 。 まして 原爆 と なれば 、 被爆 国 は 日本 だけ 。 広島 、 長崎 両 市民 の 悲痛な 体験 と 核 兵器 の 非道 さ を 外国 の 人々 に 真に 理解 して もらう の は 容易で は ない 。 三十五 カ国 の 代表 九十 人 を 集め 、 十六 日 まで 長崎 で 開か れた 第 七 回 国連 軍縮 会議 は 、 半 世紀 に 及ぶ 「 核 の 時代 」 を 共通の 体験 と とらえ 、 核 軍縮 から 核 廃絶 に 向けて の 展望 を 切り開こう と する 試み の 一環 である 。 だが 、 核 を 持てる 国 と 持た ざる 国 の 認識 ギャップ は 依然と して 大きく 、 会議 に 色 濃く 影 を 落とした 。 先月 の ニューヨーク で の 核 拡散 防止 条約 延長 会議 で は 、 核 保有 国 に 一層 の 軍縮 努力 を 求める 文書 が 採択 さ れた 。 これ を 踏まえ 、 地元 長崎 の 代表 は 「 核 軍縮 より も 核 廃絶 に 向けて の 具体 的 道筋 を 示す 時期 だ 」 と 、 軍縮 会議 に 注文 を 付けた 。 被爆 者 の 心情 を 反映 した 要求 であった が 、 核 保有 国 である 英国 代表 は 「 安全 保障 面 の 検討 を 抜き に した 核 廃絶 論 は 非 現実 的 」 と 突き放し 、 両者 の 議論 は かみ合わ なかった 。 また 、 中国 の 核 実験 に 続き 、 フランス が 核 実験 再開 を 宣言 した こと は 、 軍縮 会議 に 冷水 を 浴びせた 。 しかし 、 全体 の 流れで 見れば 、 今回 の 軍縮 会議 から は 、 新しい うねり を 予感 さ せる 前向きの 動き が 強く 感じ取れた 。 その うねり と は 、 「 核 の 抑止 力 こそ が 平和 を 支える 」 と の 冷戦 期 の 核 戦略 論 に 対する 異議 申し立て である 。 NPT 延長 会議 の 議長 を 務めた スリランカ の ダナパラ 駐 米 大使 は 「 NPT の 究極 目標 は 核 廃絶 に ある 。 その 実現 の ため に は 、 生物 ・ 化学 兵器 の 禁止 条約 と 同じく 、 核 兵器 の 禁止 条約 を 結ぶ 必要 が ある 」 と 言って のけた 。 核 兵器 を 生物 ・ 化学 兵器 と 同列 に 据え 、 禁止 条約 を 提案 する など 、 十 年 前 の 冷戦 期 の 国際 会議 で は 考え られ なかった こと だ 。 エジプト の シャケル 軍縮 担当 大使 は 、 南ア の 核 廃棄 の 意義 を 強調 し 、 今年 中 に 全 アフリカ 大陸 を 対象 に した 非核 地帯 宣言 が 出さ れる と の 見通し を 紹介 した 。 軍縮 会議 の ダビニッチ 議長 の 表現 を 借りれば 、 「 再び 原爆 を 許す な 」 と いう 広島 、 長崎 の 祈り が 、 「 二十一 世紀 の 世界 を 律す べき 平和 規範 」 と して 認識 さ れ 始めた と いう のだ 。 核 軍縮 を 核 廃絶 に つなげる 道 のり は 遠く 、 険しい 。 だが 、 前途 に 一片 の 明かり が ともった の は 心強い 。 この 明かり を 消さ ない ため に も 、 日本 は 核 実験 全面 禁止 条約 の 期限 内 締結 と 、 軍事 用 核 分裂 物質 の 生産 禁止 条約 の 早期 実現 を 目指し 、 外交 努力 を 惜しんで は なる まい 。 会議 で は 、 冷戦 後 、 アジア を 中心 に 通常 兵器 の 軍拡 が 進んで いる 現状 を 憂慮 する 声 も 出た 。 兵器 ビジネス で 手 を 汚して い ない 日本 は 、 軍拡 を あおって いる 国際 的な 兵器 移転 の 規制 強化 を 主張 す べきで は ない か 。 核 兵器 と 通常 兵器 を ともに 視野 に 収めた 複眼 の 発想 で 、 積極 的に 軍縮 推進 に 取り組む 。 それ こそ が 五十 年 を 迎えた 被爆 体験 を 世界 に 向けて 普遍 化 して いく 方途 だ と 思う 。 日本 選手 が 強豪 ひしめく 国際 舞台 で 世界 を 相手 に 活躍 する 、 スポーツファン に は 至福 と も いえる 朗報 が 、 この ところ 続いて いる 。 まず 筆頭 は 、 米国 に 渡った 元 近鉄 の 野茂 英雄 投手 。 シーズン 序盤 に 好投 し ながら 勝ち星 に 恵まれ ない 不運 から 抜け出し 、 今月 二 日 に 日本 人 投手 と して 三十 年 ぶり の 初 勝利 を あげて から 三 連勝 。 いまや オールスター 出場 や 新人 王 獲得 も 夢 で は ない 。 女子 テニス でも 伊達 公子 選手 が 全 仏 オープン で 日本 女子 と して 初 の 準 決勝 に 進出 。 さらに サッカー で は 女子 が 世界 選手 権 で 来年 の アトランタ 五輪 出場 権 を 獲得 した 。 男子 も 招待 試合 と は いえ 日本 代表 が “ 聖地 ” と いわ れる 英国 は ウェンブレー 競技 場 に 初 登場 、 世界 の 強豪 に 健闘 した 。 ただ 一 つ 、 ラグビー の W杯 大会 で ニュージーランド に 145 点 を 奪わ れ 歴史 的 大敗 を 喫する 例外 は あった もの の 、 五輪 や アジア 大会 など を 別に する と 、 最近 に ない 日本 選手 の 際立った 健闘 ぶり である 。 野茂 投手 や 伊達 選手 ら の 活躍 を 私 たち が 痛快 と 感じる の は 、 当然 ながら 、 狭量 の 愛国 心 から で は ない 。 もはや 選手 たち が 「 国 の ため 」 に 戦って いる 時代 で も ない 。 心から 拍手 を 送る の は 、 スポーツ ばかり で は なく 、 だれ も が 子供 の ころ に 抱く 夢 、 その 夢 の 実現 に 向けて 何 年 に も わたって 続けて きた 努力 、 その 努力 が 開花 して 手 に し つつ ある 自己 実現 の 姿 に こそ 、 「 おめでとう 、 良かった ね 」 と 共感 する から だ 。 野茂 投手 は 近鉄 当時 から 、 あの 独特の 「 トルネード 」 投法 の ため か 肩 を 痛め 、 球団 と の 契約 更改 が こじれた 末 に 、 少年 の 日 の 夢 であった 大リーグ 入り を 球団 側 に 認め させて 渡 米 。 選手 会 の ストライキ に 遭遇 して 送った 不安な 日々 、 言葉 や 生活 習慣 の 壁 を 克服 した 努力 に 脱帽 して 心から 祝福 を 贈る のだ 。 女子 サッカー に して も 、 十五 年 前 に 初めて 全 日本 選手 権 が 開催 さ れた と は いえ 、 当時 の 競技 人口 は 全国 で 千 人 足らず 。 数 少ない サッカー 好き の 少女 たち が ずっと 夢 を はぐくみ 続け 、 今回 の 五輪 出場 権 を 獲得 した イレブン の 中 に は 、 全 日本 チーム が 初めて 結成 さ れた 一九八一 年 から の メンバー が いる と いう 。 だが 、 こうした 国際 舞台 で 活躍 を 夢見る 少年 少女 に とって 、 わが国 の スポーツ 環境 は 決して 整って いる と は 言え ない の は 残念である 。 プロ 野球 で は 、 たとえ 大リーグ 入り を 熱望 して も 、 入団 に 際して 統一 契約 書 に サイン したら 最後 、 所属 球団 が 許可 し ない 限り 不可能である 。 野茂 投手 の 場合 は 近鉄 球団 と 紆余 曲折 が あって 球団 側 の “ 英断 ” で 実現 した もの の 、 極めて 例外 的である 。 もはや 日 米 で 交換 トレード を 制度 化 する 時期 に 来て いる ので は ない か 。 プロ 野球 の 改革 論議 は しりすぼみに なって いる が 、 野茂 投手 が 大リーガー 相手 に 快投 する だいご味 を 知った ファン に は 、 小手先 の 規則 いじり より 最大 の 改革 案 と して 受け入れ られる だろう 。 単身 で 大リーグ に 果敢に チャレンジ して いる マック 鈴木 選手 の 例 も ある 。 サッカー でも 、 本場 の ブラジル など 南米 に 私費 留学 して 世界 の ひのき舞台 を 目指す 若者 は これ まで に 千 人 近い と いう 。 若者 に 「 世界 に はばたく 夢 を 」 と 言える よう 、 門戸 を 広げる よう 関係 者 に 望み たい 。 先進 国 首脳 会議 は 事前 の 期待 が 小さかった だけ に 、 成果 が 少なくて も 騒が れ ない 。 良く 言えば 定着 した こと に なる かも しれ ない が 、 存在 意義 は 減って いる 。 経済 宣言 と いった 事務 方 の 長い 文書 に は 魅力 が ない 。 こんな 官僚 の 作文 と 決別 して 、 サミット の 初心 に 帰り 、 首脳 同士 の 話し合い だけ に 重点 を 置く べきだ が 、 そう 主張 し 続けて 二十 年 が たって しまった 。 昨年 まで の 数 年間 の サミット の 目玉 は 、 新 多角 的 貿易 交渉 の 成功 と 世界 貿易 機関 の 発足 に 置か れた 。 この 大 テーマ が なくなって みる と 、 改めて サミット の 形骸 化 が 浮き彫り に さ れて いる 。 首脳 たち が パフォーマンス を 国民 に 印象づける ショー 化 の 努力 も 続け られて いる が 、 最近 で は ショー に も なら なく なった 。 それにしても 、 村山 富市 首相 の 存在 感 は 薄かった 。 首脳 夕食 会 で ボスニア 紛争 の 議論 に ついて いけ ず 、 日本 は この 混迷 する 世界 で 何 を しよう と 考えて いる の か 、 示せ なかった 。 欧 米 間 で は 首脳 の 会議 が ある が 、 日本 は この 場 しか ない 。 日本 で の 首相 選び は 、 世界 の 舞台 も 意識 して 行う べきだろう 。 村山 首相 と ロシア の エリツィン 大統領 と は 顔合わせ だけ に 終わった の も 、 日本 外交 の 弱 さ を 表して いる 。 サミット 無用 論 が 増えて いる が 、 なくして 最も 困る の は 日本 である 。 やはり 貴重な 出番 を 活用 し なくて は なら ない 。 アジア で 日本 だけ しか 参加 して い ない ため 、 アジア の 意向 を 反映 す べき 立場 に ある 。 日本 の 影 が 薄かった 原因 に は 、 日 米 が 自動車 ・ 同 部品 交渉 の 影響 で 、 サミット の 場 で 共同 歩調 を 取れ なかった こと に も ある 。 それ でも 、 為替 の 安定 で は 日 米 間 に 一定 の 協調 関係 が 維持 できて いた の は 救い だった 。 米国 は 本気で 為替 市場 に 介入 する 気 は ない が 、 これ 以上 の ドル安 は 望んで い ない 。 経済 的な ナショナリズム が 広がる 中 で 、 日 米 は 手 を 携えて 自由 貿易 を 守ら ねば なら ない 。 米 議会 と 政府 は 、 長年 の 懸案 だった 財政 赤字 の 削減 に 本気に なり 始めて いる 。 これ は 画期的な こと で 、 実行 すれば 対外 的な 交渉 力 が 強まる こと に なる 。 日 米 間 で は 、 対立 関係 に よる デメリット より も 、 協力 関係 の メリット の 方 が 、 はるかに 大きい こと を 確認 す べきだ 。 先進 国 の 景気 は スローダウン して きた が 、 まだ 明る さ を 失った わけで は ない 。 インフレ の 危機 は 薄らぐ 一方 、 各国 と も 失業 が 減ら ず 、 構造 調整 が 依然 、 深刻だ 。 今回 は 、 メキシコ 型 の 金融 危機 に 備える ため 、 緊急 融資 制度 が 強化 さ れた こと は 評価 さ れて よい 。 国際 通貨 基金 が 中心 に なって 、 関係 国 の 経済 、 金融 の データ を 収集 して 、 早期 に 警戒 、 予防 する 制度 が 、 実効 を 上げる よう 期待 し たい 。 また 、 債務 返済 の 困難な 国 に 対する 救済 措置 に ついて の 検討 も 進め られて いる が 、 国際 機関 の こうした 努力 を 支持 し たい 。 日本 は この 面 で 大きな 役割 を 果たす べきである 。 今年 の サミット の 課題 に 、 国際 機関 の 改革 が あった 。 国際 機関 の 経費 削減 や 効率 化 、 重複 の 排除 、 透明 性 に は 時間 が かかる 。 今後 も この 面 で 不断 の 努力 を 求め たい 。 かつて 欧州 から 「 日本 人 は ウサギ 小屋 に 住む ワーカホリック 」 と 皮肉ら れた こと が あった 。 いくら 何でも ウサギ 小屋 と は ひどい と いう 反発 の 声 も あった 。 あまりに も 土地 価格 の 差 が 大きい から だ 。 例えば 一般 的な 戸 建て 住宅 地域 に ついて 比べる と 、 一 平方メートル 当たり 東京 は 五十六万 円 であり 、 ロサンゼルス は 何と 三万三千 円 である 。 ロンドン は 五万六千 円 で 、 いずれ も 東京 の 六 % と 一〇 % に 過ぎ ない 。 もし 土地 の 条件 が 欧 米 と 同じ なら 「 王様 の 宮殿 」 だって 建て られる 計算 に なる 。 口惜しい 思い を せ ず に すんだ はずだ 。 一九九五 年 の 地価 公示 に よる と 、 全国 平均 の 地価 は 四 年 連続 で マイナス と なった 。 国土 庁 の 分析 に よれば 「 右 肩上がり の 地価 上昇 期待 が 縮小 し 、 土地 の 利用 価値 に 着目 した 価格 形成 に 向かい つつ ある 」 と いう 。 国民 の 土地 に 関する 意識 は どう だろう か 。 国土 庁 の 調査 に よる と 、 全体 の 六四 % が 、 地価 が 全国 的に 下落 または 横ばい 傾向 に ある こと に ついて 、 好ましい と 考えて いる 。 東京 圏 で は さらに 増え 七〇・五 % が 肯定 的に 評価 した 。 また 、 今後 の 地価 の 見通し に ついて 、 約 六 割 が なお 下落 する こと が 望ましい と 答えて いる 。 地価 の バブル 化 に よって 、 大 都市 圏 の 勤労 者 は いったん は 持ち家 住宅 を あきらめ かけた こと も あった 。 だが 、 地価 の 下落 に よって 再び 持ち家 へ の 希望 が 膨らみ つつ ある 。 先 の アンケート に は 、 こうした 思い が 込め られて いる ので は ない か 。 この 白書 で は 、 東京 圏 の マンション 価格 が 、 サラリーマン の 平均 年収 の 五・六 倍 に 当たる 平均 四千七百七十四万 円 に まで 下がって きた こと を 明らかに した 。 ピーク で は 八・五 倍 、 前年 は 五・八 倍 であった 。 先日 、 政府 が 発表 した 「 新 経済 計画 」 の 中間 とりまとめ で は 、 「 住宅 価格 の 年収 倍率 に ついて は 、 バブル 発生 以前 の 水準 を 目指す 」 と して いる 。 バブル 発生 前 の 三 年間 の 平均 年収 倍率 は 四・七 倍 である から 、 政策 目標 の 実現 は まだ 先に ある こと を 指摘 して おき たい 。 もっとも 、 東京 の 地価 を 欧 米 の 主要 都市 並み に 下落 さ せる こと を 論じる の は 現実 的で ない 。 しかし 、 住宅 取得 環境 を それ に 近付ける と いう 意味 で 、 白書 は 九二 年 八 月 に 誕生 した 定期 借地 権 制度 に 大きな 期待 を 寄せて 、 かなり の スペース を 割いて いる 。 国土 庁 の 「 定期 借地 権 の 活用 に 関する 調査 」 結果 で 最も 特徴 的な こと は 、 定期 借地 権 付き 住宅 購入 者 は 従前 の 住宅 より 、 はるかに 広い 物件 を 取得 して いる ことだ 。 取得 価格 に 占める 土地 代 の 割合 が 小さい メリット が 、 この 広 さ に 出て いる 。 無論 、 土地 の 貸し 主 、 借り主 双方 と も 「 定 借 制度 」 へ の 理解 が 十分 と は いえ ない 。 今後 、 行政 と して この 制度 を 有効 活用 する 方策 を 講じる べきだろう 。 通常 国会 が 閉幕 して 、 政局 の 焦点 は 参院 選 の 動向 に 移った が 、 与党 三 党 は 村山 富市 首相 の 意向 を 受け 連立 政権 の 今後 の 重点 政策 と なる 「 新 三 党 合意 」 の 作成 に 本格 着手 した 。 村山 政権 の “ 死に体 ” 化 が 言わ れる 中 、 ゆるみ の 目立つ 政権 の タガ を 国会 閉幕 と いう 節目 を とらえて 締め 直し 政権 の 浮揚 を 図る と ともに 、 参院 選 へ 向けて 目玉 政策 を 掲げ 連立 政権 の 存在 を アピール しよう と の 狙い が 「 新 三 党 合意 」 作り の 背景 に ある 、 と いう 。 村山 連立 政権 が 発足 して 今月 末 で 一 年 を 迎える 。 昨年 六 月 、 政権 樹立 に 当たって 三 党 が 交わした 現在 の 「 政権 合意 」 は 、 政権 樹立 を 最 優先 した ため 、 連立 政権 の 命 と も いう べき 「 合意 」 の 内容 に ついて は 各 党 内 、 あるいは 三 党 間 で の 十分な 論議 、 すり合わせ が 行わ れ なかった 。 その ため に “ 野合 政権 ” の 批判 を 浴び 続けて きた し 、 「 合意 」 の あいまい さ が 折に触れて 政権 の 結束 力 を 乱す 元 と も なって きた 。 与党 三 党 が 政権 発足 一 年 を 契機 と して 、 連立 政権 の 一 年間 を 謙虚に 振り返り 、 政権 運営 の 方法 や 「 合意 」 を 見直す と 同時に 、 今後 、 連立 政権 と して どのような 政治 を 目指す の か 、 具体 的な 政策 目標 を 改めて 国民 に 提示 する の は 時宜 に かなった こと で も ある 。 また 、 それ が 目前 に 迫った 参院 選 を 強く 意識 した 多分 に 党略 的な もの であって も 、 実効 的な 「 合意 」 である 限り に おいて 、 ことさら に 目くじら を 立てる こと で は ある まい 。 しかし 、 与党 三 党 の 「 新 合意 」 に 絡む 一連の 動き を 見て いる と 、 それほど 純粋な 動機 に 基づく もの で は ない こと が 明確に なり つつ ある 。 参院 選 で の 社会党 の 大敗 は 必至 と 言わ れる 。 そこ で 「 新 合意 」 を 「 三 党 共同 の 公約 」 化 する こと で 、 社会党 が 大敗 して も 三 党 で 過半数 を 確保 できれば 、 村山 連立 政権 は 支持 さ れた と して 政権 を 維持 できる 。 また 、 村山 首相 が 退陣 して も 三 党 の 枠組み に よる 連立 政権 は 維持 できる ―― 「 新 合意 」 の 主たる 狙い は そこ に ある 、 と いう 。 何の こと は ない 、 社会党 の 大敗 を 見越し つつ 、 民意 の 表れ を 政権 維持 に 無理やり 結びつける 理論 的 根拠 づくり を 事前 に 施して おこう と いう わけである 。 そこ に 見て取れる もの は 、 小児病 的 マキャベリズム を 駆使 した 権力 しがみつき の 醜態 である 。 国民 を そっちのけ に 、 すでに 民心 の 離れた 政権 の 維持 だけ を 自己 目的 化 した 「 三 党 合意 」 見直し に いったい 何の 意味 が あろう か 。 与党 三 党 は 昨年 の 「 政権 合意 」 に 盛ら れた 政策 課題 六十八 項 目 の うち 六四・八 % が 「 実施 済み 」 と 、 連立 政権 の 成果 を 誇る 。 だが 、 政策 の 実施 で 重要な の は 量 より も 質 、 中身 である 。 「 実施 済み 」 と 称する 政策 も 一 つ ひとつ を 点検 する と 、 税制 改革 など 中途半端で 、 実質 的 決着 を 先 送り した もの が やたら と 目 に つく 。 村山 首相 が 施政 方針 演説 で 「 政権 の 命運 を かける 」 と 大見え を 切った 規制 緩和 、 特殊 法人 の 整理 ・ 統合 など 行政 改革 は 全く 切り込み 不十分な まま 放置 さ れて いる で は ない か 。 経済 は 無為 無策 に 打ち 過ぎ 、 日 米 関係 は 一層 険悪 化 した 。 やる べき こと も 断行 せ ず 、 参院 選 目当て の 「 合意 」 の お 化粧 直し と スローガン の 羅列 程度 で 有権者 を だませる 、 と でも 思って いる のだろう か 。 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 へ の コメ の 支援 を めぐる 韓国 と 北朝鮮 の 次官 級 の 交渉 が 、 順調に 進んで いる 。 一両日 中 に 、 合意 が 発表 さ れる 見通し だ 。 南北 当局 者 の 会談 は 、 昨年 七 月 の 金 日成 主席 の 死後 初めて である 。 南北 の コメ の 支援 を めぐる 交渉 の きっかけ は 、 先月 末 の 北朝鮮 の 国際 貿易 促進 委員 会 の 李 成禄 会長 の 訪 日 だった 。 李 会長 は 、 東京 で 与党 三 党 の 代表 者 と 会談 し 、 日本 から の コメ の 貸与 を 申し入れた 。 この 席上 、 日本 側 が 韓国 から の コメ の 受け入れ を 求めた の に 対し 、 李 会長 は 検討 を 約束 した 。 この 約束 に 従い 、 北朝鮮 側 は 韓国 に 北京 で の 会談 を 申し入れた 。 これ に 対し 韓国 側 は 、 次官 級 の 高官 に よる 会談 を 求めた 。 この 韓国 側 の 要請 に 対し 、 北朝鮮 は 全 琴哲 ・ 朝鮮 アジア 太平洋 平和 委 副 委員 長 を 派遣 した 。 韓国 側 も 、 財政 経済 院 の 李 錫采 次官 を 派遣 し 南北 次官 級 会談 が 実現 した 。 会談 の 性格 に ついて は 、 北朝鮮 は あくまでも 民間 代表 に よる 会談 を 主張 し 、 韓国 は 政府 当局 者 接触 を 譲ら なかった が 、 過去 に 南北 対話 の 政府 代表 団員 と して 加わった こと も ある 全 琴哲 氏 を 派遣 する こと で 調整 を 図った ようだ 。 北朝鮮 と して は 、 形式 上 は 民間 団体 の 代表 を 送り ながら も 、 実質 的に は 韓国 側 が 政府 代表 に よる 接触 と も 解釈 できる ように 配慮 した 跡 が うかがえる 。 この 次官 級 会談 実現 まで の 南北 の 努力 を 、 高く 評価 し たい 。 南北 双方 は 、 最終 的に 十五万 トン の コメ 支援 と 、 とりあえず 五万 トン を 緊急 輸送 する こと で 基本 合意 した と いう 。 北朝鮮 が 今回 の 南北 対話 に 応じた の は 、 日本 側 が 韓国 の コメ の 受け入れ を コメ 支援 の 条件 と した ため である 。 日本 の 対応 が 、 南北 対話 再開 の きっかけ を 生んだ こと に なる 。 北京 で の 南北 の 次官 級 交渉 は 、 コメ の 支援 で は 基本 合意 した もの の 、 支援 の 実施 方法 や 関連 問題 で 最後 の 詰め を 残して いる 。 韓国 側 は 、 抑留 漁船 員 の 釈放 や コメ が 軍事 用 に 転用 さ れ ない 保証 など を 強く 求めて いる と いう 。 北朝鮮 側 は 、 コメ の 支援 問題 以外 の 政治 問題 は 今回 の 会談 で は 話し合い たく ない 、 と の 立場 を 譲って い ない ようだ 。 南北 ともに 、 今回 の チャンス を 本格 的な 南北 対話 再開 に つなげる こと が できる よう 、 慎重で 誠意 ある 話し合い を 進めて ほしい 。 また 、 南北 間 の 信頼 醸成 を 促進 し 得る 機会 と して 活用 して もらい たい 。 交渉 を 決裂 さ せる ような 、 無理な 条件 を 付けて は なる まい 。 南北 の コメ 支援 を めぐる 交渉 の 進展 に 合わせ 、 日本 政府 も コメ 支援 へ の 準備 を 進めて いる 。 これ に ついて 、 五十嵐 広三 官房 長官 は 「 韓国 と 足並み を そろえる 必要 が ある 」 と の 方針 を 明らかに した 。 韓国 の 体面 を 尊重 し 、 日本 は 韓国 の コメ が 北朝鮮 に 到着 した 後 で 、 コメ の 支援 に 踏み切る べきであろう 。 食糧 難 に 直面 する 隣人 へ の コメ の 支援 に は 、 積極 的に 取り組む べきである 。 しかし 、 核 や 日本 に 届く ような ミサイル 開発 疑惑 が 残る 国 へ の コメ 支援 に 、 疑問 を 呈する 声 が ある の も 否定 でき ない 事実 である 。 支援 さ れた コメ が 、 軍事 用 に 転用 さ れる こと なく 北朝鮮 の 国民 の 手 に きちんと 届け られる 配給 方法 に ついて も 明確な 説明 を 受ける べきだ 。 空 の 世界 でも 日 米 の 対立 は 深刻な 段階 に 入った 。 米 運輸 省 は 十九 日 、 日本 の 航空 会社 の 貨物 輸送 を 一部 制限 する 制裁 案 を 発表 した のである 。 日 米 航空 交渉 の 物別れ に よって 、 米国 の 制裁 は 時間 の 問題 と 見 られて いた もの の 、 一方的 制裁 は 遺憾な 行動 と 受け止め ざる を 得 ない 。 運輸 省 は 「 対 日 制裁 措置 を 実際 に 発動 する なら 、 適切な 措置 を とる 」 と 対抗 的 行動 を 示唆 して いる 。 しかし 、 双方 の 制裁 合戦 は 結局 両 国 の 損害 を 大きく する ばかりで なく 、 民間 の 航空 業界 へ の 影響 も 大きい 。 私 たち は 重ねて 協議 に よる 冷静な 対応 を 呼び掛け たい 。 とはいえ 、 米国 側 の 態度 は 一方的 と 受け止め られて も やむ を 得 ない もの だ 。 今回 の 日 米 航空 摩擦 の 発端 は 、 米 貨物 大手 の フェデラル ・ エクスプレス 社 が 日本 を 経由 して 東南 アジア など 七 地点 を 結ぶ 大量の 新 路線 の 開設 を 申請 して きた こと である 。 米国 は 協定 上 、 当然の 権利 と 主張 して 早期 に 認可 する よう 求めた 。 これ に 対して 日本 は 「 協議 で 合意 する こと が 必要 」 と して これ を 拒否 した 。 理 は 日本 に ある 。 米国 は 「 新しい 路線 は 日本 に 通知 する だけ で 開設 できる 」 と いう 立場 を とって いる 。 これ は 無 条件 の 「 以遠 権 」 行使 と いう べき もの だ 。 しかし 、 日本 側 は 以遠 権 は 日 米 航空 協定 の 「 副次的 権限 」 で 、 第三国 へ の 米国 民 の 利用 率 制限 を 主張 して いる 。 航空 協定 が 結ばれた 一九五二 年 当時 の 日 米 の 国力 差 が もたらした 不平等 条約 と 割り切って も 、 なお 米国 の 主張 は 、 エゴイスチックに 過ぎる ので は ない か 。 もう 一 つ 気 に なる こと が ある 。 日 米 自動車 協議 の 決裂 で 対 日 制裁 方針 を 明らかに した 米 政府 は 、 その 延長線 上 に 航空 問題 も 置いた と 思わ れる こと である 。 もし 、 ビッグスリー と フェデラル 社 の 利益 拡大 を 同じ 次元 に 据えた と すれば 、 それ は 大いなる ミステーク である と 言わ ざる を 得 ない 。 それ を 何より も 物語って いる の は 、 日 米 間 の 旅客 輸送 実績 だ 。 特に 航空 協定 上 紛争 の 種 に なって いる 「 以遠 区間 」 の 年間 旅客 数 に 至って は 、 日本 が 四千 人 に 対して 、 米国 が 百三十九万 人 と 圧倒 的 格差 である 。 自動車 の 通商 関係 と 同じ 舞台 に 乗せる の に ふさわしい と は 言え まい 。 私 たち は 日 米 双方 に 、 九三 年 夏 以来 中断 して いる 日 米 航空 交渉 の 再開 を 呼び掛け たい 。 日本 側 に 異論 の あり よう は ない が 、 問題 は 米国 の 交渉 開始 に 向けた 英断 である 。 いま の ところ 米国 側 は 「 フェデラル 社 の 認可 を 協定 交渉 より 先行 さ せる べきだ 」 と の 立場 を とって いる 。 だが 重ねて 言う が 日 米 航空 協定 は 既に 四十 年 余 の 時間 経過 の 中 で 実態 に 合わ ない 点 が 目立って いる 。 フェデラル 社 の 問題 のみ なら ず 、 アメリカン 航空 と デルタ 航空 の 関西 空港 へ の 乗り入れ など 、 米国 側 の 個別 要求 を 協議 する に は 、 協定 に さかのぼって 議論 せ ざる を 得 ない 問題 が 多い はずだ 。 いま 世界 の 空 は 、 東西 融和 を きっかけ に 自由 化 の 動き が 顕著だ 。 その 「 オープンスカイ 」 と いう 潮流 の 中 で 、 日 米 が 新しい 航空 協定 を 構築 す べきで は ない か 。 今度 の 空 の 摩擦 が 、 二 国 間 協定 の 新しい 展望 を もたらす なら 、 決して 高い 授業 料 で は ない はずである 。 少年 法 、 少年 審判 の あり 方 は 今 の まま で いい のだろう か 。 運用 、 改正 問題 を 含めて 、 真摯に 考え なければ なら ない 時期 は すでに 来て いる 。 少年 事件 である が 故 に 事実 上 、 二 度 裁か れる こと に なった 「 調布 駅前 事件 」 は 少年 法 の 抱える 問題 を 種々 含んで いた 。 この 事件 で は 傷害 、 暴行 罪 で 五 人 が 起訴 さ れ 、 そのうち 一 人 に 二十 日 、 東京 地裁 八王子 支部 で 判決 が 言い渡さ れた 。 判決 は 検察 の 起訴 自体 を 「 違法 、 無効な 措置 」 と 判断 し 、 公訴 棄却 と した 。 少年 法 の 運用 に 枠 を 設定 した もの で 、 評価 し たい 。 事件 は 次 の ような 概要 だった 。 一昨年 三 月 、 東京 都 調布 市 の 駅前 広場 で 学生 たち が 暴行 を 受け 、 一 人 が 負傷 した 。 判決 を 受けた 少年 を 含む 七 人 が 逮捕 さ れ 、 家裁 に 送致 さ れた 。 家裁 の 少年 審判 で この うち の 五 人 が 保護 処分 を 受け 執行 さ れた 。 五 人 は 高裁 に 抗告 し 、 高裁 は 検察 側 の 証拠 に 疑問 が ある 、 と 家裁 に 差し戻した 。 差し戻し 審判 で 、 一 人 は 無罪 に 当たる 不 処分 と なり 、 残る 四 人 が 「 刑事 処分 相当 」 など の 理由 で 検察 庁 に 逆送 さ れた 。 これ を 受けた 検察 は 不 処分 確定 の 一 人 を 含め 五 人 全員 を 起訴 した 。 これ が 今回 の 裁判 である 。 この 起訴 まで の 過程 で 少年 審判 ならでは の 問題 を 三 つ 指摘 して おき たい 。 一 つ は 、 少年 側 が 抗告 した こと が 「 起訴 」 と いう 不利益 を 被った と いう 点 。 通常 の 刑事 裁判 であれば 、 「 不利益 変更 の 禁止 」 と いう 原則 に より 被告 側 が 控訴 して も 元 の 判決 より 重い 刑 を 受ける こと は ない 。 少年 法 に この 規定 が ない こと から 生じた 問題 だった 。 判決 は 、 この 点 に 検討 を 加え 「 刑事 裁判 の 原則 は 少年 事件 でも 適用 さ れる 」 と 結論付け 、 検察 の 起訴 ばかり か 家裁 の 逆送 措置 を も 「 違法 」 と して 批判 した 。 少年 の 人権 保障 と いう 点 から 、 常識 に かなった 当然の 判断 であろう 。 二 つ 目 は 、 少年院 送致 が 執行 さ れて いる のに 再度 、 起訴 さ れ 裁か れた と いう 点 だ 。 憲法 に は 「 二 重 の 処罰 禁止 」 の 原則 が ある 。 これ に 反し ない の か どう か 。 検察 側 に は 「 保護 処分 は 保護 、 育成 が 目的 であり 、 処罰 で ない 」 と いう 姿勢 が あろう 。 しかし 、 少年院 送致 と いった 保護 処分 は 自由 を 拘束 さ れる など 、 その 不利益 性 を 考える と 、 検察 の 主張 に 疑問 を 感ずる 法曹 関係 者 は 多い はずだ 。 もう 一 点 、 不 処分 確定 の 被告 の 起訴 に ついて 「 一事不再理 」 の 原則 に 反する ので は ない か と いう 問題 も 抱える 。 およそ 、 通常 の 刑事 裁判 で は 起こり 得 ない 事態 だけ に 、 少年 法 独自 の 問題 と して とらえ なければ なる まい 。 あと に 指摘 した 二 点 に ついて 、 この 日 の 判決 は 触れ なかった が 、 残り の 四 被告 の 判決 で は 明確な 判断 が 示さ れる ので は なかろう か 。 少年 審判 は 、 これ まで も 「 事実 認定 が 厳密で ない 」 と 批判 さ れ 続けて きた 。 問題 が 生ずる 理由 は 、 少年 法 が 刑事 法 の 枠 内 に あり ながら 、 理念 が 「 保護 、 育成 」 と いう 行政 的な 側面 を 持つ から であろう 。 理念 は 守ら れる べきだ 。 この 点 を 守り ながら 、 どう 改めて いく の か 。 少年 法 改正 の 論議 は かつて 盛んだった が 、 今 は 立ち消え に なって いる 。 法務 当局 と 弁護 士 会 の 対立 が 底流 に あった ようだ が 、 もう 放置 でき ない はずだ 。 この 日 の 判決 を 契機 に して 論議 を 深めて ほしい 。 連立 与党 三 党 が 意見 の 相違 を 乗り越え 、 未 認定 の 水俣 病 患者 を 救済 する 政策 を 二十一 日 まとめた 。 有機 水銀 中毒 の 患者 が 公式 に 確認 さ れて から 三十九 年 、 心身 の 苦痛 に さいなま れて きた 未 認定 患者 の 平均 年齢 は 七十 歳 を 数える 。 遅き に 失した が 、 この 困難な 問題 に 話し合い 解決 の 道筋 を つけた 関係 者 の 努力 を 評価 し たい 。 国 、 熊本 県 、 チッソ は 早急に 話し合い の テーブル に 着き 新たな 患者 認定 基準 、 一 時 金 の 支払い から なる 救済 策 を 誠実に 実施 し なくて は なら ない 。 患者 側 も 訴訟 派 、 自主 交渉 派 の 主張 に 共通 点 を 見いだし 、 一 日 も 早い 解決 を 目指して ほしい 。 救済 策 は 、 焦点 の 国 の 賠償 責任 に ついて 不問 と する が 、 国 と 熊本 県 は 遺憾の 意 を 表明 する など 責任 ある 態度 を 示して いる 。 チッソ から 被害 者 へ の 一 時 金 の 支払い は 、 これ まで の 司法 判断 を 参考 に 当事 者 間 の 話し合い と なる が 、 国 は 支払い を 担保 する ため 、 チッソ へ 資金 援助 する 。 一 時 金 は 症状 に 応じ ランク 分け する 。 救済 対象 者 か 否 か の 判定 資料 は 、 行政 が 指定 した 七 カ所 の 医療 機関 の 診断 書 に 限ら ず 、 民間 の 医師 の 診断 書 も 広く 活用 し 、 熊本 県 の 判定 検討 会 が 決定 する 、 と いう もの だ 。 これ ら の 内容 は 社会党 、 熊本 県 の 原案 に 近い 。 「 行政 の 在り 方 の 根幹 に かかわる 問題 を 含んで いる から 」 と の 理由 で 、 和解 を 拒否 し 続けて きた 環境 庁 と 同じ 考え だった 自民党 が 譲歩 した もの だ 。 現実 を 直視 した 判断 である と 評価 する 。 私 たち が 救済 策 を 支持 する の は 、 法律 の 規定 を 盾 に した 国 の 形式 的な 免責 の 論理 や 有機 水銀 中毒 の 複雑な 病 像 を めぐる 医学 論争 が 、 もはや 裁判 が 判断 す べき 範囲 を 超え 、 手詰まり 状態 に 陥って いる から だ 。 新潟 水俣 病 を 含め 、 いま 全国 の 八 つ の 地 ・ 高裁 で 国 、 県 、 チッソ に 損害 賠償 を 求める 未 認定 患者 、 約 二千三百 人 の 裁判 が 行わ れて いる 。 だが 、 過去 の 六 件 の 地裁 判決 は 、 国 の 責任 の 有無 に ついて 三 対 三 の 対立 する 判断 を 示して いる 。 また 東京 、 大阪 など の 各 地裁 と 福岡 高裁 で 、 相次ぎ 和解 へ の 勧告 が なされて いる 。 熊本 、 鹿児島 、 新潟 で 約 九千 人 が 、 現行 制度 で いったん 患者 へ の 認定 を 棄却 さ れ ながら 最終 判断 を 望んで いる 。 この 現状 を 考えれば 、 政治 の 決断 が 患者 救済 に 向かう べき 時 は とうに 来て いた のだ 。 村山 富市 首相 が 水俣 病 問題 の 解決 を 最 重要 の 政治 課題 と して いる 認識 を 、 私 たち も また 分かち合う もの である 。 だが 、 話し合い 解決 へ の 道 は 決して 平たんで は ない 。 多く の 未 認定 患者 に とって 、 有機 水銀 の 中毒 症状 が より 広く 認め られ 、 損害 賠償 の 一 時 金 を 得る こと 、 さらに 国 が 被害 の 発生 と 拡大 を 防ぐ 適切な 措置 を 欠いて いた 責任 を 認め 、 謝罪 する こと が 和解 へ の 条件 と なろう 。 問題 の 一 つ は 賠償 金 の 支払い が 保証 さ れる こと である 。 福岡 高裁 の 和解 案 を 基 に 想定 する と 、 少なくとも 熊本 水俣 病 で 五千 人 へ 約 三百億 円 、 新潟 水俣 病 で 約 三百 人 、 数十億 円 に 及ぶ と み られる 。 チッソ は すでに 熊本 県 から 千六百四十億 円 の 県債 に よる 支援 を 受けて いる 。 汚染 原因 者 負担 の 原則 に より 、 当然に 返済 し なくて は なら ない 借金 である 。 和解 交渉 で さらに 賠償 金 を 支払う と なれば 、 国 に よる 金融 支援 なし に 資金 の 調達 は 困難である 。 和解 の 成果 を 担保 する ため に も 国 、 県 の 努力 を 望み たい 。 全日空 機 が 二十一 日 、 ハイジャック さ れた 。 犯人 像 は 、 はっきり して い ない 。 しかし 、 犯人 が どのような 人物 であろう が 、 関係 の ない 大勢 の 人 たち を 巻き込んだ 、 許す こと の でき ない 卑劣な 行為 である 。 ハイジャック さ れた の は 、 羽田 発 函館 行き の ジャンボ 機 である 。 これ まで の 調べ に よる と 、 二 階 の 座席 に 座って いた 犯人 は 山形 の 上空 で 、 スチュワーデス に アイスピック の ような もの を 突き付け 、 飛行機 を 乗っ取った 。 北海道 旅行 を 楽しもう と 、 ツアー に 参加 した 人 たち など 三百五十 人 の 乗客 と 十五 人 の 乗員 が 乗って いた 。 長 時間 、 機 内 に 閉じ込め られた 乗客 の 中 に は 、 八 人 の 幼児 も いた 。 言う まで も ない こと だ が 、 何より も 優先 さ れる の は 、 乗客 と 乗員 の 安全である 。 多く の 人 たち が 全員 の 無事 救出 を 祈り 、 事件 を 伝える テレビ の ニュース に 、 目 を 凝らした こと だろう 。 村山 富市 首相 は 「 乗員 ・ 乗客 の 安全 確保 に 万全 を 期し たい 」 と 述べ 、 政府 は 対策 本部 を 設置 した 。 政府 が 総力 を 挙げて 解決 し なければ なら ない 事件 である こと を 考えれば 、 当然の 措置 である 。 一九七〇 年 三 月 に 起きた 、 赤軍派 に よる 日航 「 よど 号 」 事件 以来 、 モデル ガン を 持った 男 に よる 全日空 「 あかしや 号 」 事件 、 日航 機 が 手製 の 爆弾 を 所持 した 男 に 乗っ取ら れた 事件 など 、 日本 の 航空 会社 は 国 内 でも 何度 か ハイジャック に 遭遇 して いる 。 苦い 体験 から 空港 も 航空 会社 も ハイジャック 防止 の 対策 を 立てて きた 。 しかし 、 警備 が 十分だった の か 、 死角 が あった ので は ない か と の 疑問 を 抱か ざる を 得 ない 。 しかも オウム 真理 教 を めぐる 事件 の 捜査 が 続いて いる 時 である 。 東京 の 地下鉄 で サリン に よる 乗客 の 無差別 テロ が 起きて いる 。 警視 庁 の これ まで の 捜査 から 、 新宿 駅 に 青酸 ガス 発生 装置 を 仕掛けた 事件 も 、 信者 ら の 犯行 の 疑い が 強まって いる 。 二十一 日 も 羽田空港 周辺 で は 約 百 人 の 警察 官 が 警戒 に 当たって いた 。 交通 機関 の 関係 者 に は 、 わずかの すき も 許さ れ ない 状況 が 続いて いる 、 と 言って いい だろう 。 それだけに 、 空港 や 航空 会社 に は 、 利用 者 から 「 神経質 すぎ やしない か 」 と の 苦情 が 出る ほど の 厳重な 警戒 が 求め られて いた 。 羽田空港 の 探知 機 は 正常に 作動 して いた と 伝え られて いる 。 全日空 は 「 機 内 に アイスピック は ない 」 と 説明 して いる 。 それでは 、 犯行 に 使わ れた アイスピック の ような もの を 、 どう やって 犯人 は 機 内 に 持ち込む こと が できた のだろう か 。 事前 に 探知 機 に 反応 し ない ように 、 何 か 細工 でも して いた の か 。 関係 者 は 重大な 問題 と 受け止めて 、 早急に ハイジャック 防止 策 の 再 点検 を する 必要 が ある 。 今回 ハイジャック の 犯人 の 男 は 、 「 オウム 真理 教 の 信者 だ 」 と 名乗った と いう 情報 も あった 。 しかし 政府 や 捜査 当局 は 「 犯人 と 教団 と の 関係 は 薄い ので は ない か 」 と の 見方 を 強めて いる 。 オウム 真理 教 を めぐる 事件 で 、 列島 は 重苦しい 空気 に 包ま れて いる 。 これ に 「 便乗 」 しよう と する 卑劣な 人物 が 現れる 恐れ も 、 否定 でき ない 。 すき を 見せて は なら ない 。 韓国 で は 、 日 韓 基本 条約 に 反対 した 学生 ら を 「 ユクサム 世代 」 と 呼ぶ 。 条約 締結 一 年 前 の 一九六四 年 六 月 三 日 に 、 大規模な 反対 デモ が 騒乱 に 発展 し 、 警察 署 が 襲撃 さ れ 、 戒厳 令 が 敷か れた 。 この デモ を 指導 した の は 、 当時 、 ソウル 大学 の 「 屈辱 外交 反対 闘争 委 」 委員 長 の 金 徳竜 さん だった 。 彼 は いま 金 泳三 大統領 の 側近 と して 与党 民自党 の 事務 総長 の 職 に ある 。 条約 に 反対 した かつて の 学生 たち も 、 政 財界 の 指導 的 地位 に 就いて いる 。 日 韓 両 国 は 二十二 日 に 、 基本 条約 調印 三十 周年 を 迎えた 。 なぜ 彼ら は 、 日 韓 基本 条約 に 反対 した の か 。 金 徳竜 事務 総長 は 「 韓 日 正常 化 に は 賛成 だ 。 しかし 、 日本 の 歴史 的 反省 なし の 正常 化 は 、 歴史 の 過ち を 再び 繰り返す こと に なる 」 と 、 語って くれた こと が あった 。 これ は 、 韓国 の 人々 に 共通 する 感情 であろう 。 それだけに 、 日本 の 政治 家 の 「 日 韓 併合 条約 は 円満に 結ばれた 」 など の 不用意な 発言 が 繰り返さ れる 度 に 「 やはり 日本 は 反省 して い ない 」 と の 思い が 確認 さ れる こと に なる 。 日本 の 政治 家 は 、 再び こうした 発言 を 口 に す べきで は ある まい 。 隣国 と の 関係 が 最も 重要だ と の 国際 感覚 が ある の なら 、 植民 地 支配 を 正当 化 しよう と する 発言 は 控える べきだ 。 三十 年 前 の 韓国 は 、 一 人 当たり の 国民 総 生産 が わずか 百 ドル の 貧しい 国 だった 。 それ が いま で は 、 一万 ドル に 達する 勢い だ 。 輸出 も 一億 ドル そこそこ だった の が 、 一千億 ドル を 超える 水準 に 成長 した 。 こうした 韓国 の 発展 に 、 日 韓 正常 化 と その後 の 日本 の 経済 協力 が 役立って は い ない の か 。 日本 の 経済 関係 者 の 多く は 、 韓国 の 発展 は 日本 の おかげ だ と の 見方 を 強調 して いる 。 しかし 、 韓国 の 半導体 産業 育成 や 第 二 浦 項 製鉄 所 建設 で は 、 日本 の 企業 は 協力 を 拒否 した 。 ところが 、 日本 が 協力 し なくて も 欧 米 の 企業 の 協力 で 半導体 産業 と 鉄鋼 業 は 飛躍 的な 発展 を 遂げた のだった 。 「 ブーメラン効果 」 を 恐れた 当時 の 日本 の 財界 は 「 協力 し ないで 恨み を 買って 損 を する より は 、 協力 して 感謝 さ れた 方 が いい 」 と の 発想 を 生み出す こと が でき なかった 。 それ でも 、 過去 三十 年間 に 日 韓 関係 は 大きく 発展 し 、 なお 前進 して いる の は 間違い ない だろう 。 韓国 は 、 かつて の ように 反日 感情 を 国 内 の 不満 を 外 に そらす 外交 手段 と して は 使わ なく なって いる 。 また 日本 の 政治 家 の 無分別な 発言 に ついて も 、 韓国 紙 の 東京 特派員 の 間 から は 「 特殊な 一部 の 人 の 意見 」 と の 冷静な 判断 も 聞か れる ように なった 。 こうした 対応 は 、 かつて は 考え られ ない こと だった 。 日本 と 朝鮮 半島 と の 交流 は 、 およそ 千 年 に も 及ぶ と いわ れる 。 しかし 、 一般 の 国民 が 自由 かつ 対等に 行き来 できる ように なって から 、 まだ わずか 三十 年 しか たって い ない 。 日 韓 両 国 は 、 最も 近い 隣人 同士 である 。 地理 的に は 離れよう に も 離れ られ ない 関係 に ある 。 それ なら 、 お互いに 尊敬 し 合い 助け合う 関係 を 積極 的に 築いて いく べきであろう 。 隣国 と の 友好 関係 は 、 日本 の 外交 展開 は もとより 国際 化 に とって 必要不可欠な 条件 である 。 隣人 と の 良好な 関係 を 維持 する に は 、 何 が 必要な の か 。 日 韓 共同 の プログラム や 事業 、 外交 展開 に もっと 積極 的に 取り組む べきである 。 「 乗客 乗員 の 安全 を 確保 し 、 犯人 に 対して は 毅然と して 対応 する 」 全日空 機 の ハイジャック 事件 で 、 政府 の 対策 本 部長 を 務めた 五十嵐 広三 官房 長官 は 、 基本 方針 を こう 説明 して いた 。 一九七七 年 の ダッカ 空港 事件 を きっかけ に 、 政府 は 「 ハイジャック ・ マニュアル 」 を 作成 して いる 。 それ に 基づく 方針 である 。 しかし 、 最初の 行使 だ 。 危ない 綱渡り は 覚悟 し なければ なら ない 。 この 中 で 、 わが国 の ハイジャック 事件 と して は 初めて 警官 隊 の 突入 を 決断 し 、 三百六十四 人 の 乗客 乗員 全員 を 救出 した 。 政府 ・ 警察 当局 の 努力 に ねぎらい の 言葉 を 送り たい 。 乗客 の 行動 は 冷静だった 。 緊迫 した 状況 で 、 恐怖 に 耐えた 。 乗客 に 混乱 が 起きて いたら 、 救出 は さらに 困難に なって いた だろう 。 乗客 の 皆さん に 拍手 を 送り たい 。 ハイジャック 事件 の 解決 で 、 欠く こと が でき ない の は 、 機 内 の 状況 に ついて 、 当局 側 が どれ だけ 正確な 情報 を 得て いる か である 。 政府 が 警官 隊 の 突入 を 決断 する のに 、 最も 神経 を 使った の は 、 単独 犯 か 、 複数 犯 か の 見極め であった 。 携帯 電話 を 持って いた 乗客 は 、 犯人 の 目 を 盗み 、 自宅 や 勤め先 、 警察 に 機 内 の 状況 を 伝えて いる 。 この 情報 は 、 政府 の 決断 の 大きな 支え に なった 。 容疑 者 は 五十三 歳 の 銀行 員 だった 。 凶器 は ドライバー の 柄 に 千 枚 通し の ような もの を つけた もの だった 。 動機 は まだ はっきり して い ない 。 救出 する まで に 十六 時間 かかった 。 この 程度 の 凶器 なら 乗員 が 押さえ られた はずだ 。 こんな 指摘 が ある かも しれ ない 。 しかし 、 オウム 真理 教 を めぐる 悲惨な 事件 が 、 多く の 人 たち の 頭 に こびりついて いる 時 である 。 無理な 注文 で は ない か 。 犯人 は 液体 を 入れた 袋 を 持って いた 。 乗客 の 中 に 、 「 サリン を まか れたら 」 と 考えた 人 も いた 。 犯人 は 「 オウム 真理 教 の 麻原 教祖 の ため ハイジャック した 」 と も 言って いた と いう 。 「 オウム の 影 」 を 一 つ ひとつ つぶして いく の に は 、 時間 が 必要だった 。 問題 は 、 羽田空港 が 厳戒 態勢 下 に あった に も かかわら ず 、 それ を すり抜け 、 凶器 が 機 内 に 持ち込ま れた ことだ 。 航空 会社 の 現在 の 防止 マニュアル は 、 九一 年 の 運輸 省 の 通達 に 基づいて いる 。 エックス線 装置 で 手 荷物 を 、 金属 探知 機 で 乗客 を チェック して いる 。 探知 機 が 反応 した 乗客 に は ボディー チェック を する 。 探知 機 の 感度 は 操作 で 高める こと が できる 。 要注意 は 手 荷物 検査 に あり そうだ 。 機 内 に 持ち込める の は 一 つ だけ と なって おり 、 大き さ に も 制限 が ある 。 しかし 、 この 「 ルール 」 が 無視 さ れて いる 光景 を 見かける こと が ある 。 飛行機 の 貨物 室 で 預かる 受託 手 荷物 を 受け取る のに 、 時間 が かかる の が 原因 の ようだ 。 手 荷物 を 十分 調べる に は 、 少ない 方 が いい 。 航空 会社 に は 受託 手 荷物 の 受け渡し を スピード アップ する 工夫 を 求め たい 。 乗客 も 少々 不便な の は 我慢 して 、 一 人 一 個 など の 「 ルール 」 を 守ろう 。 今回 の 事件 は 、 乗客 の 冷静な 行動 が あって 解決 した 。 防止 も また 、 利用 客 の 協力 が なければ うまく いか ない 。 協力 を 得る ため に は 、 航空 会社 が 、 まず 具体 的な 工夫 と 改善 策 を 示す の が 前提 と なる こと は 言う まで も ない 。 三 カ月 の 激戦 後 、 沖縄 は 一九四五 年 六 月 二十三 日 米軍 の 手 に 落ちた 。 日本 側 の 死者 二十万 余 、 米軍 は 一万二千五百 余 。 日本 側 は 軍人 を 上回る 住民 が 死んだ 。 全島 の ほとんど が 焦土 と 化し 、 文字通り 沖縄 県 全体 が 戦火 に 巻き込ま れた 。 五十 年 後 の この 日 、 村山 富市 首相 も 出席 して 「 平和 の 礎 」 の 除幕 式 が 行わ れた 。 百十四 の 石碑 に は 国籍 、 軍民 を 問わ ず 、 二十三万四千 余 の 犠牲 者 の 名前 が 刻ま れて いる 。 日 米 の 隔て なく 戦死 者 の 名 が 刻印 さ れ 、 沖縄 で 戦った 米 退役 軍人 も 参列 して 記念 式典 が 行わ れた こと は 、 戦後 五十 年 に ふさわしい 行事 だった と いえよう 。 大田 昌秀 知事 は 「 朝鮮 半島 から 強制 連行 さ れた 人 や 、 台湾 出身 の 兵士 が いた 事実 を 忘れる こと は でき ない 」 と あいさつ した 。 礎 の 前 で 村山 首相 が 「 その 惨禍 を 風化 さ せて は なら ない 」 と 誓った ように 、 私 たち は 沖縄 で 「 あった こと 」 を 忘れて は なら ない 。 きちっと 後世 に 伝えて いか なければ なら ない 。 それ が いかに 痛ましく 、 不名誉な こと だった と して も 。 沖縄 戦 は 時間 と の 戦争 だった 。 少し でも 長く 、 少し でも 米 側 の 損害 を 生み出す べく 、 日本 軍 の 将兵 は 過酷な 戦い を 強い られた 。 二千五百 余 の 特攻 機 が 飛び立ち 、 その ほとんど が 帰ら なかった 。 正確に は 「 帰れ なかった 」 。 地上 戦 でも 圧倒 的な 米 上陸 軍 に 対し 、 日本 軍 は ゲリラ 的に 戦う 持久 戦術 を 取った 。 だから 軍 は 、 沖縄 住民 を ざんごう 掘り や 砲弾 運び に 駆り出し 、 女子 学生 を 負傷 兵 の 看護 に 当たら せる こと を 当然 と した 。 そして 戦局 が ぎりぎりに なる と 、 今度 は 住民 を 足手まとい 視 し 、 自ら の 安全 の ため に 彼ら を 戦火 に さらさ せた 。 住民 の 安全に ついて 米 側 と 交渉 する ような 手立て は 一切 取ら なかった 。 これ が 住民 の 被害 を 大きく し 、 彼ら に ぬぐい 難い 不信 感 を 残した のである 。 戦争 と は 、 決して 格好いい もの で は ない 。 残虐で 、 陰惨で 、 ひきょうで 、 後ろ暗い もの である 。 戦争 美談 が 気まぐれ 的な もの で しか ない こと を 、 沖縄 戦 は 教えて くれる 。 沖縄 県民 は 戦前 ・ 戦中 を 通じて 、 本土 から 有形 無形 の 差別 を 受けた 。 いや 、 いま も 受けて いる 。 日 米 安保 条約 に 基づき 、 日本 に は 百 カ所 弱 、 約 三億 平方メートル の 米軍 施設 が 点在 して いる 。 面積 に して その 七 割 強 が 沖縄 県 に 存在 する 。 最近 ようやく 集約 化 に 動き出した が 、 その こと が また 県民 の 一部 に 基地 強化 と なって 跳ね返り 、 さまざまな 波紋 を 広げて いる 。 「 なぜ 沖縄 だけ が 」 と いう の が 、 県民 の 率直な 気持ち だろう 。 私 たち は 基地 問題 を 安保 の 名 に おいて 、 あまりに 安易に 沖縄 県 に 押し付けて いる ので は ない か 。 日 米 安保 は 、 いま 日本 の 安全 保障 の かなめ に 座って いる 。 しかし 、 その 負 の 大部分 を 沖縄 県 だけ に 負わ せて 、 どうして 本土 の 人 は のほほんと して い られる の か 。 そこ に 何の 痛み も 覚え ない と する なら 、 それ は 戦中 の 日本 軍 と 少しも 変わら ない と いえる 。 「 祖先 が 築き上げた 文化 遺産 は 失わ れ 地形 を も 変えた 。 その 傷あと は 今なお 癒え ない 」 と 、 この 日 の 非核 ・ 平和 沖縄 県 宣言 に 盛り込ま れた 。 が 、 癒え ない の は 戦争 の 傷あと だけ で は ない 。 今 も 続く 差別 の 傷 こそ 、 もっと 深い 。 その こと を 政府 も 国会 も 、 そして 本土 の 国民 も 、 反すう して みる 必要 が ある 。 行政 寄り の 判決 が 、 また 最高裁 で 出た 。 今回 は 薬害 に 関して だ が 、 水害 、 基地 公害 を めぐって も 行政 に 追従 する 姿勢 が 目立つ こと は 従来 から 指摘 さ れて きた 。 行政 に 対する 司法 の チェック 機能 に 疑問 を 感ずる 国民 は 多い はずだ 。 じん炎 治療 など に 使わ れた クロロキン 製剤 の 副 作用 で 失明 など の 網膜 症 被害 を 受けた 患者 ・ 家族 が 国 に 賠償 責任 を 求めた 薬害 訴訟 で 、 最高裁 は 国 の 責任 を 否定 した 二 審 判決 を 支持 、 上告 を 棄却 した 。 国 の 責任 を 認めた スモン 訴訟 で の 司法 判断 の 流れ は 断ち切ら れた 。 医薬 品 の 場合 、 食品 と 違って 副 作用 が 心配 さ れる ほか 、 健康 と 安全に 直結 する だけ に 製造 自体 、 国 の 承認 ・ 許可 を 必要 と する が 、 同時に 国 の 「 お墨付き 」 であり 、 そこ に 国民 は 信頼 を 置いて いる 。 国 の 責任 は それ だけ 重い のである 。 今回 の 訴訟 は 、 金銭 的な 問題 と して は 決着 して いる 。 製薬 会社 の 過失 責任 は 一 、 二 審 を 通じて 認め られ 、 和解 が 成立 して いる 。 原告 ら の 訴え は ひたすら 国 の 責任 問題 だった 。 クロロキン 製剤 は ドイツ で 開発 さ れ 、 日本 で は 一九五五 年 以降 、 じん炎 など の 治療 薬 と して 使わ れて きた 。 その後 、 副 作用 が 問題 化 し 、 国 は 七六 年 に 「 副 作用 が 有効 性 を 上回る 」 など と いった 再 評価 を した 。 しかし 、 被害 は 拡大 して いた 。 原告 側 が 問題 に する の は 、 再 評価 の 約 十 年 も 前 に 、 当時 の 厚生 省 担当 課長 が 網膜 症 の 症例 報告 を 知り 、 自ら 使用 して いた クロロキン 製剤 の 服用 を やめて いた と いう 事実 だ 。 さかのぼれば 五九 年 に は 網膜 症 と の 因果 関係 を 証明 した 外国 論文 も あった 。 危険 兆候 が あった に も かかわら ず 、 国 の 対応 が 遅れた こと は 原告 側 に すれば 当然 、 国 の 「 怠慢 」 と 映る 。 判決 は 、 国 が 防止 策 を 取ら なかった こと に ついて 「 副 作用 が 発生 して も ただちに 国家 賠償 の 違法 性 が 生じる もの で なく 、 著しく 合理 性 を 欠く 場合 に 違法 と なる 」 と いう 一般 基準 から 「 当時 の 医学 水準 で は 厚 相 の 措置 に は 合理 性 が あった 」 と 国 の 責任 を 狭く 解釈 した 。 「 合理 性 」 と いう 抽象 概念 で 国 の 裁量 を 大幅に 認めて は 原告 も 納得 でき まい 。 薬事法 に ついて 判決 は 「 医薬 品 の 安全 性 を 確保 し 、 不良 医薬 品 に よる 国民 の 生命 、 健康に 対する 侵害 を 防止 」 と 法 の 趣旨 を 述べて いる 。 この 点 を 徹底 さ せた 責任 論 を 展開 して ほしかった 。 ちなみに 、 一 審 判決 は 「 網膜 症 の 危険 防止 に は 厚生 大臣 の 権限 発動 以外 に は なく 、 権限 行使 が 義務 と なって いた 」 と 責任 を 認めて おり 、 最高裁 判断 の 消極 性 と は 好 対照 である 。 スモン や クロロキン 網膜 症 が 問題 化 して 、 国 は 七九 年 に 薬事法 を 改正 して 「 安全 確保 義務 」 を 盛り込んだ 。 今回 の 訴訟 は 旧 薬事法 の 下 で 責任 論 を 展開 せ ざる を 得 なかった が 、 患者 に とって 「 法 の 解釈 上 、 やむ を 得 ない 」 と いった 論理 が 納得 できる わけ が ない 。 一 審 の 明確な 判断 が ある だけ に なおさら だ 。 改正 薬事法 の 下 でも 、 HIV 感染 や ソリブジン 禍 など 薬害 は 絶え ない 。 医薬 品 の 安全 性 に まず 責任 を 負う の は 当然 、 製薬 会社 だ 。 だが 、 繰り返さ れる 薬害 に 対して 「 二度と 起こさ ない 」 と いう 重い 責任 が 国 に も ある 。 その チェック を 最高裁 が 果たさ なければ 信頼 が 揺らごう 。 定価 販売 が 主流 の 化粧 品 に も 、 価格 破壊 の 波 が 押し寄せる こと に なり そうだ 。 資生堂 が 化粧 品 の 小売 価格 を 維持 しよう と した 行為 に 対して 、 公正 取引 委員 会 が 独占 禁止 法 に 違反 する 不 公正な 取引 と して 排除 勧告 を 行った のだ 。 化粧 品 の 価格 拘束 に 対して 排除 勧告 が 行わ れた の は 初めて の こと である 。 公取委 に よる と 、 事実 関係 は こう だ 。 一九九三 年 四 月 、 公取委 が 化粧 品 の 再販 指定 品目 の 約 半数 を 指定 解除 した の を 受けて 、 大手 スーパー 二 社 が 解除 商品 に ついて 値引き 販売 しよう と した ところ 、 資生堂 は あの手この手 で 安売り を やめ させた 。 それ と は 別に 、 生協 と は 法律 上 、 再販 契約 が でき ない のに 、 十九 の 生協 と 再販 契約 を 結んで いた ―― 。 今回 の ケース は 、 大手 化粧 品 メーカー の 末端 価格 支配 力 の 強 さ と 価格 維持 の 執念 を 改めて 浮き彫り に した 。 価格 破壊 の 旗手 を 自負 する 大手 スーパー も メーカー の 意向 に 従わ ざる を 得 なかった し 、 資生堂 は 生協 と 違法 の 契約 まで して 価格 を 維持 しよう と した と いう 。 大手 化粧 品 メーカー の 小売 業者 に 対する 締め付け は 、 ここ 数 年 、 さまざまな トラブル を 引き起こして いる 。 例えば 、 対面 販売 を 行わ なかった こと を 理由 に 、 小売 業者 に 対して 化粧 品 の 出荷 停止 や 特約 解除 と いった 制裁 が 行わ れた ケース が いく つ か ある 。 それ が 安売り 防止 を 狙った 違法な もの か どう か に ついて は 、 裁判 所 の 見解 は 分かれて いる が 、 メーカー が 小売 店 に 極めて 強い 支配 力 を 振るって いる こと は 疑い ない 。 ほとんど の 商品 で メーカー の 末端 価格 支配 力 が 大きく 崩れて いる のに 、 化粧 品 業界 に 依然と して それ が 強く 維持 さ れて いる の は 、 化粧 品 の 多く が 長年 、 再販 制度 の 下 に 置か れて きた こと に よる ところ が 大きい 。 メーカー が 販売 業者 に 対して 製品 の 販売 価格 を 守ら せる 「 再 販売 価格 維持 行為 」 は 原則として 独禁 法 違反 だ が 、 化粧 品 と 一般 用 医薬 品 の 低 価格 商品 に ついて は 例外 的に 再販 が 認め られて きた 。 理由 は 零細 小売 店 の 保護 だ 。 化粧 品 メーカー は 、 こうした 制度 的な 仕組み を 土台 に 、 非 再販 化粧 品 に ついて も 強力な 定価 販売 体制 を 敷いて きた 。 自由な 市場 経済 の 下 で 一般 商品 の 値段 は 本来 、 メーカー の 都合 通り に なら ない はずだ 。 時代 の 流れ は 、 過去 の しがらみ を 取り払い ながら 、 まさに その 方向 へ 大きく 動いて いる 。 政府 は 九八 年 まで に 著作 物 を 除いて 一般 商品 に ついて は 再販 全廃 の 方針 を 打ち出して いる 。 化粧 品 業界 も 、 そうした 時代 の 流れ は 百 も 承知 の はずだ 。 だから 、 早期 に 体質 を 改善 して 、 競争 に 対応 できる 経営 姿勢 が 求め られて いる 。 大手 化粧 品 メーカー の 製品 原価 比率 は 四〇 % 程度 と いわ れ 、 一般 製造 業 の それ に 比べて 著しく 低い 。 それ だけ 多額の 販売 コスト が かけ られ 、 それ が 消費 者 に 転嫁 さ れて いる わけだ 。 値下げ と 流通 合理 化 の 余地 は 大きい 。 化粧 品 に ついて も 他の 商品 と 同様 、 より 自由な 価格 競争 が 行わ れる べきだ 。 売り 方 も 、 さまざまであって いい 。 高い 化粧 品 を 対面 で 買う こと を 選ぶ 消費 者 も いよう 。 要は 消費 者 が 多様な 選択 が できる ことだ 。 メーカー の 都合 次第 の やり 方 を 押し付ける の は 好ましく ない 。 年金 は よく 建物 に 例え られる 。 一 階 は 全員 加入 の 基礎 年金 、 二 階 に は 勤め人 加入 の 厚生 年金 と 公務 員 や 旧 公社 職員 ら の 共済 年金 が ある 。 厚生 年金 基金 は 民間 勤め人 の 三 階 部分 に なり 、 平均 で 月額 五万七千 円 の 年金 を 上乗せ して いる 。 この 高層 化 を 進める 企業 や 同業 者 団体 は 年々 増えて 千八百六十八 基金 、 加入 者 千二百三十万 人 。 もっとも 、 三 階 は 一部 が 中二階 の ような 構造 に なる 。 厚生 年金 の 保険 料 は 月収 の 一六・五 % 。 そのうち 三・五 % 分 は 厚生 年金 基金 に ゆだね 、 より 手厚い 給付 額 に する ため 主に 事業 主 負担 の 独自 保険 料 と 合わせて それぞれ の 基金 が 運用 する 。 この 将来 の 給付 に 充てる 積立 金 は 昨年 度 で 三十八兆四千億 円 に 膨れ 、 信託 銀行 で 六 割 弱 、 生命 保険 会社 で 四 割 弱 、 残り を 投資 顧問 会社 で 運用 する 。 だが 金利 の 低下 や 株価 の 低迷 で 運用 状況 は 極めて 苦しい 。 運用 ルール が あって 、 債券 や 貸付金 など 安全 性 の 高い 資産 に 五 割 以上 、 株式 と 外貨建て 資産 は 各 三 割 以下 、 不動産 二 割 以下 。 いずれ も 簿価 で 評価 さ れる 。 バブル 時代 に は 簿価 より 時価 が はるかに 高く 、 基金 は 我が 世 の 春 で 剰余金 を 使い 保養 所 や 会館 の 建設 ブーム だった 。 今 は 逆転 現象 に 泣く 。 昨年 末 で 「 含み損 」 は 二兆 円 を 超えた 。 この 冬 の 時代 に 、 厚生 省 の 厚生 年金 基金 財政 運営 基本 問題 研究 会 は 二十二 日 報告 書 を 提出 した 。 もっともな 内容 で 、 年金 の 評価 ・ 運用 の 開放 を 求める 米国 と の 交渉 で 九七 年度 中 に は 時価 評価 へ の 切り替え を 約束 して も いる 。 しかし 、 基金 の 運用 原則 である 予定 利率 五・五 % を 認めた うえ で の 提言 だ 。 ここ 数 年 、 そんな 予定 利率 を 確保 できる 状況 で は ない 。 報告 は 「 当面 、 運用 収益 の 低下 に 対して は 財政 再 計算 など に よる 適切な 対応 を 行い つつ 」 と 述べる に とどまった 。 収益 が 悪化 すれば 保険 料 を 引き上げろ と いう ことだ 。 現に 今春 から 百七十 基金 が 保険 料 の 値上げ に 追い込ま れた 。 時価 評価 で 含み損 を 明確に すれば 、 提言 通り 長期 に 含み損 を 穴埋め して いく に して も 保険 料 アップ は 避け られ ない 。 現状 で は 絵 に かいた もち の ような 予定 利率 で いい の か 。 現に 自営 業者 ら 加入 の 国民 年金 基金 は 今春 から 予定 利率 を 五・五 % から 四・七五 % に 引き下げた 。 それ に 伴い 新規 加入 者 の 保険 料 は 平均 一五 % アップ した 。 確かに 年金 運用 は 数 年 単位 の 浮き沈み で は なく 、 数十 年 先 の 長期 展望 が いる 。 だが 、 基金 の 在り 方 を 根本 的に 論じる 時期 を 迎えて いる 。 一律 の 運用 ルール で は 手足 を 縛って 踊れ と いう に 等しく ない か 。 もっと 基金 の 自主 性 を 高め 、 その代わり 運用 実績 に 応じて 給付 額 も 変わる 米国 流 の 設計 変更 も 考え られる 。 基金 ごと に 事務 費用 も かさむ 一方 だ 。 運用 の プロ であれば 天下り も 納得 できる が 、 認可 事務 に 通じる だけ で 高給 を 取る 役人 OB は 必要 ない 。 基金 の 財政 悪化 は 厚生 年金 の 本体 に も 影響 する 構造 である こと に 注意 し たい 。 防衛 産業 界 を 中心 に 、 武器 製品 や 部品 の 海外 へ の 輸出 を 禁止 して いる 「 武器 輸出 三 原則 」 を 緩和 しよう と いう 動き が 出て いる 。 経団連 の 防衛 生産 委員 会 や 日本 防衛 装備 工業 会 が 五 月 中旬 、 武器 部品 の 対 米 輸出 が 可能に なる ように 三 原則 の 弾力 的 運用 を 通産 省 など に 要望 した の が 直接の きっかけ である 。 産業 界 側 の 主張 は 、 防衛 予算 の 伸び が 頭打ち に なり 、 防衛 庁 の 装備 調達 額 が 減って いる ため 、 このまま で は 産業 と して 維持 でき ない 、 米国 向け に 部品 ぐらい は 輸出 さ せて ほしい と いう もの だ 。 背景 に は 、 現在 、 米国 など で 研究 開発 が 進め られて いる 戦域 ミサイル 防衛 構想 と いった 大型プロジェクト など に 食い込み 、 なんとか 生き残り 策 を 確保 し たい と いう 計算 の ほか 、 将来 的に は 艦船 や 戦車 など の 輸出 も 可能に し たい と の 思惑 も ある と 言わ れて いる 。 産業 界 の 要望 に 呼応 して 政党 サイド も 三 原則 の 見直し に 向けた 動き を 始めて いる 。 新進党 が 、 今月 初旬 に 発表 した 安全 保障 政策 要綱 の 中 で 「 日 米 安保 体制 強化 の ため に 三 原則 を 弾力 的に 運用 する 」 と の 方針 を 打ち出した の を はじめ 、 自民党 も 運用 の 緩和 を 含めて 検討 を 開始 した 。 私 たち は 、 こうした 動き に 強い 危惧 の 念 を 持つ 。 武器 輸出 三 原則 は 、 非核 三 原則 と ともに 、 日本 の 外交 ・ 安全 保障 政策 の 根幹 を なす もの であり 、 私 たち は 今 これ を 見直したり 、 緩和 したり する 必要 は ない と 考える 。 東西 冷戦 が 終わり 、 軍縮 の 機運 が 高まって いる と いう のに 、 防衛 産業 界 など の 動き は 、 それ ら に 逆行 する もの と 言え ない だろう か 。 アジア 各国 の 警戒 感 を 招き かね ない と いう 側面 も ある 。 武器 輸出 三 原則 は 一九六七 年 、 佐藤 栄作 首相 時代 に 作ら れた 。 戦後 、 日本 の 防衛 産業 は 朝鮮 戦争 や ベトナム 戦争 の かげ で 、 武器 の 生産 体制 を 整え 、 東南 アジア や 中東 諸国 に 銃弾 や 砲弾 など の 小型 武器 を 輸出 して きた 。 これ に 対して 当時 の 野党 は 、 平和 憲法 の 趣旨 から 武器 輸出 を 規制 す べきだ と 主張 、 佐藤 内閣 も これ を 受け入れ 、 共産 圏 諸国 、 国連 が 武器 輸出 を 禁止 して いる 国 など へ の 輸出 は 禁止 さ れた 。 その後 、 三木 武夫 首相 時代 に は 、 より 規制 が 強化 さ れ 、 あらゆる 国 に ついて 「 武器 輸出 を 慎む 」 こと に なった 。 ただ 中曽根 康弘 首相 時代 の 八三 年 、 米国 側 から の 強い 要請 を 受け 、 政府 は 武器 技術 に 限って 対 米 供与 する こと が できる と の 方針 を 決定 、 これ まで に 次期 支援 戦闘 機 の 開発 計画 に かかわる 技術 など 計 六 件 が 供与 さ れて いる 。 こうした 変容 は あった もの の 、 武器 製品 や 部品 など を 輸出 し ない と いう 基本 線 は 現在 も 守ら れて いる 。 もちろん 、 武器 と して 使わ れる 可能 性 が 高かったり 、 武器 すれすれ の 汎用 品 が 大量に 輸出 さ れて いる 事実 や 、 相変わらず 日本 は 世界 有数 の 武器 輸入 大国 だ と いう 現実 も 直視 し なければ なら ない 。 しかし 、 それにしても 武器 輸出 三 原則 は 、 日本 が 平和 国家 で あり 続ける こと を 世界 に 伝える 貴重な メッセージ と なって きた こと も 、 また 事実 だろう 。 五十嵐 広三 官房 長官 は 記者 会見 で 、 いま 政府 と して 三 原則 を 緩和 する 考え の ない こと を 強調 した 。 当然であり 、 この 方針 を 堅持 する よう 政府 に 求め たい 。 阪神 大 震災 は 直下 型 地震 に 対する 地震 予知 の 無力 さ を 示し 、 過密 化 する 都市 へ の 警鐘 と なった 。 今後 は 大 地震 が 起こって も 被害 を 最小 限 に とどめ なければ なら ない 。 その ため に さまざまな 手 を 打つ 必要 が ある 。 文部 省 の 測地学 審議 会 は 第 七 次 地震 予知 計画 を 見直し 、 情報 公開 や 防災 関係 者 と の 連携 を 打ち出した 。 これ に 続いて 議員 立法 の 地震 防災 対策 特別 措置 法 が 成立 した 。 「 日本 を 地震 から 守る 国会 議員 の 会 」 が 提出 した もの で 、 七 月 中 に も 施行 さ れる 。 この 法律 に は 二 つ の ポイント が ある 。 一 つ は 都道府県 が 避難 地 、 避 難路 、 病院 、 学校 など の 施設 の 整備 に 関した 地震 防災 緊急 事業 五 カ年 計画 を 作成 し 、 国 が 財政 上 の 特別 措置 を 行う と いう もの だ 。 これ に 異論 を 唱える 人 は 少ない であろう 。 もう 一 つ の ポイント は 地震 に 関する 調査 研究 を 推進 し 、 国民 に 一元 的な 広報 を 行う ため 科学 技術 庁 長官 を 本 部長 と する 地震 調査 研究 推進 本部 を 総理 府 に 置く ことだ 。 同 本部 は 観測 計画 など を 立てる 政策 委員 会 と 、 観測 や 調査 結果 の 収集 と 評価 を 行う 地震 調査 委員 会 で 構成 さ れ 、 メンバー は 首相 が 任命 する 。 新 法律 の 成立 を 見越して すでに 二 つ の 委員 会 を 設けた 地震 予知 推進 本部 は 新しい 本部 の 発足 後 に なくなる 。 方向 と して は 望ましい が 、 急ぎ 過ぎ の ため さまざまな 問題 を 含んで いる 。 まず 新しく できる 地震 調査 委 と 全国 の 地震 学 者 の 情報 交換 の 場 と して 存在 する 地震 予知 連絡 会 の 関係 が 不 明確だ 。 両者 が 異なる 見解 を 発表 した 場合 、 国民 は どちら を 信じたら いい の か 。 「 関西 に は 大 地震 は 起こら ない 」 と いう 誤解 が 油断 を 生み 、 今回 の 被害 を 大きく した 。 地震 調査 委 は そうした こと の ない よう 力 を 尽くす と いう が 、 地震 予知 連 に は 「 われわれ が 役立た なかった と 言わ れる の は 心外だ 」 と いう 思い が ある 。 地震 予知 に 関する 情報 の あいまい さ は 避け られ ず 、 活断層 の 評価 など 中 長期 の 地震 予知 に 重点 を 置く 地震 調査 委 が 国民 に 適切な 情報 を 出せる か どう か は 未知 数 だ 。 いずれ に しろ 地震 学 者 の 全面 協力 が 必要に なる 。 行政 と 学者 の 間 に できた 溝 を 早急に 埋め 、 地震 予知 連 の 位置付け など を はっきり さ せる 必要 が ある 。 大学 は 研究 用 に 観測 して いる が 、 法律 で 「 地震 に 関する 調査 研究 の 推進 」 を うたった こと から 「 大学 の 研究 の 自由 や 成果 公表 の 自由に 支障 が 出る ので は 」 と 心配 する 声 も ある 。 十分な 説明 が 必要だろう 。 地震 予知 は 困難な 状況 に あり 、 いたずらに 予知 へ の 期待 を 国民 に 与えて は いけない と いう 配慮 から 法律 に は 「 予知 」 の 言葉 は 出て こ ない 。 だが 、 東海 地震 に 備えた 一九七八 年 施行 の 大規模 地震 対策 特別 措置 法 は 東海 地震 の 予知 を 前提 と して いる 。 その 予知 を 目指す 地震 防災 対策 強化 地域 判定 会 の 茂木 清夫 会長 は 「 一 発 で 東海 地震 を 予知 して 警戒 宣言 を 発令 する の は 難しい ので 注意 報 的な もの を 出し たい 」 と 発言 し 続けて いる 。 予知 は 難しい と 認める 以上 、 気象 庁 や 国土 庁 は 茂木 会長 の 主張 の 実現 を 図る べきで は ない か 。 日本 付近 が 地震 の 活動 期 に 入った ようだ 。 行政 が 対策 を 急ぐ の は 当然だ が 、 観測 研究 に 地道に 取り組む 学者 の 意向 を よく 聞か ず に こと を 急いだ ので は 効果 は 上がら ない 。 平たく 言って しまえば 、 税金 を 政党 運営 の 足し に する と いう の が 政党 助成 。 その 各 党 配分 額 が 確定 した 。 国民 一 人 当たり 二百五十 円 で 総額 二百九十九億 円 。 参院 選 の 結果 を 受けて 再 計算 さ れる が 、 とりあえず 今回 確定 額 の 半額 が 七 月 二十 日 に 交付 さ れる 予定 だ 。 ご 承知 の ように 政党 助成 は 昨年 一 月 に 成立 した 政治 改革 の 一環 だ 。 選挙 制度 の 改革 で 政党 本位 、 政策 本位 の 選挙 を 実現 し 、 併せて 政治 資金 面 で の 腐敗 防止 の 強化 と 政党 中心 の 資金 の 流れ を 確立 する の が 狙い と さ れて いた 。 しかし 、 その後 の 経緯 を みる と 奇妙な 議論 や 現象 が 相次いで いる の は 何と した こと だろう か 。 小 選挙 区 比例 代表 並立 制 は まだ 一 度 も 実施 さ れて い ない のに 中 選挙 区 制 復活 論 が 公然と ささやか れ 、 政党 助成 で は 「 三 分 の 二 条項 」 の 撤廃 論 が 与野党 挙げて の 声 と なって いる 。 この 「 三 分 の 二 条項 」 は 、 交付 額 は 前年 実質 収入 の 三 分 の 二 を 超えて は なら ない と いう もの で 、 現に 今回 、 社会党 は 本来 六十六億九千二百万 円 配分 さ れる 予定 が 、 前年 収入 の 不足 に より 七億 円 以上 も 減額 さ れた 経緯 が ある 。 この ため 交付 額 「 満額 」 獲得 の 実績 づくり の ため の 資金 集め パーティー が かつて 以上 に 横行 する もと と も なって いる のである 。 新進党 は 五 月 末 から 全国 八 カ所 で 資金 集め パーティー を 開き 、 議員 に パーティー 券 売りさばき の ノルマ を 課す など 、 なり ふり 構わ ぬ 挙 に 出た が 、 他党 も 似たり寄ったりだ 。 自民党 も 年初 に 企業 や 業界 団体 に 総額 百二十億 円 の 献金 を 要請 した 。 さすが に 、 前 通常 国会 で は 「 朝令暮改 」 を 恥じて 「 三 分 の 二 条項 」 の 撤廃 を 見送った が 、 秋 の 臨時 国会 で 実現 を 図る 方向 も 模索 さ れて いる 。 そもそも この 「 三 分 の 二 条項 」 は 「 公費 に だけ 頼る 政党 運営 は よく ない 」 と して 導入 さ れた もの だ が 、 隠さ れた 狙い は 前年 実績 を 盾 に した 新党 の 排除 に あった と さ れ 、 動機 不純な もの だった こと は 否め ない 。 しかし 、 この 条項 を 撤廃 すれば 「 国費 丸抱え の 政党 」 が 出 かね ない 。 それ が 政党 な のだろう か 。 血税 を 政党 に つぎ込む と いう のに 使途 は 無制限 。 五万 円 以上 は 公表 する 仕組み だ が 、 もらう もの は もらって あと は 口 を ぬぐって いれば すむ と いう 身勝手 さ が 見て取れる 。 「 三 分 の 二 条項 」 の 撤廃 を 言う なら 、 それ 以上 に 重要な の は 使途 の 制限 と 明確 化 など で の 修正 だろう 。 さらに は 「 満額 」 獲得 の ため 資金 集め パーティー を 、 など と いう の は 本末 転倒 そのもの だ 。 政治 に カネ が かかる の は 理解 できる が 、 実態 は カネ を 「 かけて いる 」 のである 。 冗費 を 節約 して 助成 金 の 交付 額 も 減らす 「 マイナスシーリング 」 も あって しかるべき だろう 。 先進 民主 主義 諸国 で 政党 へ の 国庫 補助 を 行って いる 国 は 独 、 仏 、 オーストリア など 。 為替 の 変動 も ある が 平均 して 国民 一 人 当たり 百五十 円 から 二百 円 強 と いった ところ だ 。 日本 より 低額 だ し 、 使途 に は はるかに 厳しい 条件 が 付さ れて いる 。 共産党 は 政党 助成 自体 を 憲法 違反 だ と して 、 交付 の 申請 手続き すら 行わ なかった 。 我々 は 政党 が 議会 制 民主 主義 の 不可欠な 構成 要素 である と 考える し 、 政党 助成 そのもの は 認める が 、 それ も あくまで 政治 浄化 の 方策 と して である 。 血税 に たかる ような 振る舞い は ご 免 こうむり たい 。 「 この 二 つ の 事案 は 性格 が 全く 異なる が 、 共通の 課題 を 日本 の 警察 に 突き付けた 」 二十六 日 の 全国 警察 本部 長 会議 で 、 国松 孝次 ・ 警察 庁 長官 は 訓示 の 冒頭 、 そう 指摘 した 。 二 つ の 事案 と は 、 阪神 大 震災 と オウム 真理 教 を めぐる 事件 である 。 長官 自身 、 警視 庁 が 教団 を 捜査 の 視野 に 入れて いる 狙撃 事件 で 重傷 を 負った 。 訓示 は こう 続いて いる 。 「 それ は 、 こうした 想像 を 超えた 事案 が 発生 した 時 に 、 警察 は 、 これ に 有効に 手 を 打つ 力 を 持って いた か と いう 問題 である 」 長官 は 「 限ら れた 条件 の もと で 、 精いっぱい の 成果 を 上げた と 確信 して いる 」 と し ながら も 、 「 事案 処理 の 過程 で 、 数 多く の 反省 ・ 教訓 事項 が ある の も 事実 である 」 と 述べて いる 。 反省 ・ 教訓 の 中 に は 、 ちょうど 一 年 前 に 起きた 松本 サリン 事件 の 捜査 が 、 誤った 方向 に 向かった こと も 含ま れて いる だろう 。 昨年 六 月 二十七 日 夜 、 長野 県 松本 市 で 発生 した サリン 事件 に ついて 、 捜査 当局 は 今 、 教団 幹部 ら に よる 犯行 の 疑い を 強めて いる 。 しかし 当初 、 長野 県警 の 目 は 、 第 一 通報 者 である 会社 員 、 河野 義行 さん に 向け られた 。 発生 の 翌日 、 県警 は 被疑者 不詳の まま 、 河野 さん の 自宅 を 殺人 の 疑い で 捜索 し 、 薬品 など を 押収 した 。 住民 を 襲った 有毒 ガス が サリン と 確認 さ れ 、 発表 さ れた の は 七 月 三 日 の こと 。 退院 した 河野 さん は 月 末 、 県警 の 事情 聴取 を 受けて いる 。 この 時期 、 専門 家 ら から 「 押収 した 薬品 類 で は サリン を 作れ ない 」 と の 指摘 が 出て いる 。 県警 が 教団 に も 目 を 向けた の は 、 昨年 九 月 ごろ と 伝え られて いる 。 振り返って みれば 、 県警 の 捜査 が 誤った 方向 に 向かった 最初の 要因 は 、 捜査 員 の 薬品 に 対する 知識 が 乏しかった こと だろう 。 次に 、 そうした 状態 の まま 、 流さ れた ガス が 何 である か の 確認 を 待た ず に 、 河野 さん 宅 の 捜索 に 踏み切った こと が 挙げ られる 。 「 知ら ない こと は 、 専門 家 の 意見 を よく 聞いて 」 の 慎重 さ と 謙虚 さ が あれば 、 捜査 の 方向 は 早い 段階 で 軌道 修正 が 可能であったろう 。 県警 の 幹部 が 今月 十一 日 、 河野 さん に 「 遺憾の 意 」 を 表明 した 。 本紙 も 、 河野 さん に ついて の 報道 で 間違い が あった 。 六 日 の 朝刊 で 、 報道 の 検証 と ともに 河野 さん へ の 謝罪 を 掲載 した 。 私 たち も 重く 受け止めて いる 。 激しく 変わる 時代 である 。 国松 長官 は 訓示 で 「 疾風 怒涛 」 と 表現 して いた 。 犯罪 も また 、 その 変化 を にじま せ 、 予想 も し ない こと が 起きる 。 教団 を めぐる 事件 は 、 それ を 象徴 して いる 。 長官 は 「 反省 ・ 教訓 を 謙虚に 踏まえ 、 新しい 発想 に よる 取り組み 」 を 強調 した 。 警察 に は 今 、 時代 の 変化 を しっかり と つかみとる 、 確かな 目 が 求め られて いる 。 犯罪 は さらに 複雑 化 し 、 広域 化 する だろう 。 警察 は これ まで も 努力 した であろう 、 組織 内 の 各 セクション や 県警 間 の 垣根 を より 低く する 作業 を 続け なければ なら ない 。 高度の 専門 知識 を 持った 捜査 員 の 育成 も 急が れて いる 。 ハイテク の 悪用 に も 備え なければ なら ない 。 基本 と なる の は 、 「 これ で いい のだろう か 」 と いう 、 大きな 力 を 与え られた 組織 に 身 を 置く 者 と して の 謙虚 さ だ 。 これ は また 、 松本 サリン 事件 の 最大 の 教訓 で も あろう 。 旧 二 信 組 の 不良 債権 は 計 一千億 円 を 超える と いう 。 規模 の 小さな 信 組 に は 不釣り合いな 巨額だ 。 捜査 当局 は この 中身 を 徹底 的に 調べて いる はずであり 、 不正 融資 額 は さらに 増える と みて よかろう 。 背任 容疑 と して の 事件 の 基本 は こんな ところ であろう が 、 捜査 当局 に 解明 して もらわ なければ なら ない 点 は ほか に も ある 。 この 乱脈 経営 の 二 信 組 に 群がった 政治 家 や 官僚 たち の かかわり 方 の 実態 だ 。 両 元 理事 長 関連 の 企業 群 の 中 に は 「 元 理事 長 は 悪い が 、 それ に たかった 政 ・ 官 は もっと 悪質だ 」 と いった 声 も ある と いう 。 常識 を 超えた 乱脈 が なぜ あそこ まで 膨れ上がった の か 。 政 ・ 官 と の 癒着 が 無縁だった の か どう か 。 その 答え を 多く の 国民 は 期待 して いよう 。 なか でも 、 山口 敏夫 元 労 相 と 中西 啓介 前 衆院 議員 の 二 人 を 取り巻く 疑惑 は 重大だ 。 刑事 責任 の 有無 は 別 問題 と して も 、 やはり 事件 の 背景 と して 司直 の 手 に よる 解明 を 待た ざる を 得 ない 。 山口 氏 を めぐる 疑惑 は 多い 。 親族 関連 の 企業 が 昨年 六 月 時点 で 二 信 組 から 約 四十億 円 、 高橋 容疑 者 関連 の ノンバンク など から は 一 時 、 二百五十億 円 余 の 融資 を 受けて いた 。 一部 融資 に は 山口 氏 が 個人 保証 して いた ほか 、 山口 氏 が 理事 を 務める 財団 法人 の 資産 が 無断 で 融資 担保 と なって いた こと も 指摘 さ れて いる 。 この 中 に は 不良 債権 化 した 融資 も ある 。 国会 喚問 で は 「 親族 が やった こと 」 と 直接の 関与 を 否定 した が 、 それ で 済む 問題 で は なかろう 。 少なくとも 、 政治 家 の モラル と して 、 二 信 組 の 経営 破たん に 対して 厳しく 責任 を 感じる べきで は ない の か 。 六千万 円 の パーティー 券 購入 や マンション の 無償 提供 と いった 疑惑 を 抱える 中西 氏 に も 同じ ように 政治 家 と して の 責任 を 指摘 し たい 。 癒着 の 構図 を 放置 すれば 、 政治 不信 の 増幅 に つながる 。 二 信 組 の 救済 スキーム に ついて も 東京 都 の 低利 融資 問題 が 行き詰まって いる が 、 責任 の 所在 を めぐる 糾明 が ない 限り 、 公的 資金 の 導入 に 国民 の 理解 が 得 られる わけ が ない 。 司直 に すべて を ゆだねる ので は なく 、 政 ・ 官界 ともに 逮捕 を きっかけ に 今 一 度 、 自ら なす べき こと を 肝 に 銘じて ほしい 。 雇用 状況 が 不安定であれば 、 不安な 社会 が 現れる 。 職 を 失った 身 に も 家族 に も 事態 は 深刻だ 。 戦後 の 混乱 期 を 脱した あと 、 幸い 日本 社会 は 「 大 失業 時代 」 を 迎える こと は なかった 。 不況 期 は 何度 か あった が 、 回復 まで に 長い 年月 を 要さ なかった 。 戦後 は 高 品質 製品 の 大量 生産 システム を 磨き 、 欧 米 に 追い付き 追い越せ と 、 励む 過程 だった 。 それ で 済んで いた と も 言える 。 だから 、 景気 が 回復 する と 、 雇用 は 堅調 を 取り戻した 。 輸出 利益 が 、 まわり まわって 国 内 消費 を 支え 、 ひいては 雇用 を 呼んだ 。 だが 、 バブル 消滅 後 の 長い 不況 は 、 我慢 して いれば 、 いずれ 回復 する と 言って い られる 事態 で は ない 。 雇用 情勢 は 今 、 確実に 悪化 して いる 。 完全 失業 率 は 三 % を 超えた 。 戦後 の 混乱 期 を 除き 、 最高の 失業 率 である 。 求職 者 に 対する 求人 の 割合 、 有効 求人 倍率 は 今年 五 月 で 〇・六三 倍 。 西欧 工業 国 と 比較 し 、 失業 率 が 低い こと は 事実 だ が 、 だからといって 軽視 でき ない 。 欧 米 と 違い 日本 は 安定 した 雇用 状況 が 、 社会 の 在り 方 を も 規定 して きた のだ から 。 輸出 に 支え られ 、 製造 業 に 十分な 雇用 吸収 力 が あった 時代 、 長期 雇用 を 柱 と し なければ 、 企業 の 発展 は 望め なかった 。 それ が 過剰な まで の 所属 企業 へ の 忠誠 心 を も 作り出した 。 風通し は 悪い が 、 仕事 に 困る 社会 で は ない 。 それ が 良く も 悪く も 日本 社会 の 在り 方 を 決定づけて きた 。 だが 、 もはや 追い付き 追い越せ の 時代 で は ない 。 製造 業 中心 から 情報 通信 を 核 と する サービス業 の 進出 。 産業 構造 の 転換 が 進んで いる 。 そんな 中 で 労働 省 が まとめた 一九九五 年 版 の 「 労働 経済 の 分析 」 は 、 雇用 の 在り 方 に 第 三 の 道 は ない か を 探る 姿勢 を にじま せて いる 。 では 第 三 の 道 と は 何 か 。 これ まで の 日本 の 終身 型 雇用 が 、 変化 し つつ ある 点 は 白書 でも 指摘 して いる 。 不況 期 に は 労働 力 の 流動 化 を 促し にくい 。 それ でも 、 産業 構造 転換 、 生産 現場 の 海外 進出 、 そして 企業 の スリム 化 が 流動 化 の 流れ の 幅 を 太く しよう と して いる 。 一方 で 米国 型 の 労働 市場 が ある 。 職 を 失い やすい が 、 就業 の チャンス も 多い 社会 だ 。 白書 に よれば 米国 で は 失業 率 七 % の 時代 でも 一 人 平均 失業 期間 が 一 カ月 半 だった 。 六 % 弱 の 現在 は 、 さらに 短い はずだ 。 日本 は 昨年 で 四 カ月 近い 。 規制 の 少ない 米国 労働 市場 の 流動 性 は 高い 。 失業 率 二 ケタ 台 に 苦しむ 西欧 工業 国 の 硬直 化 した と も 言える 労働 市場 と は 性格 を 異にする 。 だが 、 流動 性 の 高 さ は 労働 条件 を 豊かに は して い ない 。 逆に 雇う 側 の 優位 性 を 定着 さ せた 。 米国 の 実質 賃金 は 長 期間 、 低落 傾向 を 続けて いる 。 統計 が 示す の は 、 流動 性 が 活発で も 、 働く 側 に とって 良い 職場 が 少ない と いう 事実 である 。 規制 緩和 の 徹底 に よる ニュービジネス の 創出 支援 は 、 雇用 創出 の カギ の 一 つ に は 違いない が 、 それ が 労働 条件 悪化 を 呼ぶ だけ で は 困る 。 日本 でも 労働 力 流動 化 の 流れ が 太く なる の は 客観 情勢 だ が 、 米国 型 の 労働 市場 を 歓迎 できる の か 。 比較的 安定 して いた 日本 型 雇用 の 利点 を 生かし つつ 、 労働 市場 の 活発 化 を 目指す 。 困難で も 、 それ が 第 三 の 道 だ 。 この 道 を 歩もう と する の なら 、 労働 省 だけ で なく 政府 全体 が 、 雇用 政策 に 一段 と 明確な 方向 性 を 打ち出さ なければ なら ない 。 政府 は 二十七 日 、 景気 対策 を 決定 した 。 四 月 に 実施 した 緊急 「 円高 ・ 経済 対策 」 を 補完 する 措置 と いう 位置づけ である 。 しかし 、 その 効果 は 全く なかった 、 と 言わ ざる を 得 ない 。 東京 株式 市場 の 平均 株価 は 、 失望 感 から 売ら れ 、 二十八 日 午前 中 に は 一 時 、 今年 最 安値 を 記録 した 。 為替レート に も 変化 の 兆し すら 見 られ なかった 。 この 市場 の 冷たい 反応 は 当然である と 思う 。 内容 的に 全く 新味 が なく 、 景気 の 現状 認識 が 民間 の それ と 大きく 隔たって いる から だ 。 民間 の シンクタンク の 多く が 「 デフレ に 突入 した か 、 または その 入り口 」 と いう 認識 な のに 対し 、 政府 は 依然 「 緩やかな 拡大 が 続いて いる 」 と の 見方 を 変えて い ない 。 むしろ 、 この 対策 発表 に よって 経済 界 を 覆って いる 閉塞 感 が 一段 と 強まった ように も 感じ られる 。 一言 で 言えば 「 政府 は デフレ と いう 深刻な 病気 に 必要な 根本 的な 治療 を 放棄 して 対症 療法 で 一時しのぎ を 図って いる 」 と の 不満だろう 。 実際 、 対策 の 中 で 直接 的な 効果 を 目的 に した 具体 策 を 見れば 、 危機 意識 は ほとんど 感じ られ ない 。 公共 事業 の 前倒し は いつ の 対策 でも 登場 する 措置 だ し 、 第 二 次 補正 予算 の 編成 は 阪神 大 震災 直後 から 決まって いた もの だ 。 特別 減税 の 継続 も 織り込み 済み と いえる 。 それなり の 効果 は ある かも しれ ない 。 しかし 、 みなし配当 課税 を 凍結 する に は 租税 特別 措置 法 の 改正 が 必要で 、 次期 通常 国会 で 成立 さ せて も 実施 は 来年 と なる 。 店頭 特別 市場 の 創設 は 今秋 と 見 られて いる うえ 、 ハイリスク の 市場 に 向かう 資金 は 多く ない と の 見方 が ある 。 この ため 、 この 二 つ だけ で 低迷 して いる 証券 市場 が 息 を 吹き返す 期待 は 極めて 少ない と いう の が 客観 的 評価 だ 。 応急 手当て に も なって い ない 、 と 言って も 厳し すぎる こと は ある まい 。 対策 は この ほか に 二 点 、 抽象 的な 項目 を 打ち出して いる 。 一 つ は 規制 緩和 の 一層 の 推進 で 、 これ は 決まり文句 の ような もの 。 もう 一 つ は 金融 機関 の 不良 債権 問題 解決 の ため の 「 公的 資金 導入 」 である 。 不良 債権 は 約 四十兆 円 と いわ れ 、 デフレ の 原因 に なって いる 。 金融 機関 の 自助 努力 を 待って いて は 時間 が かかり 過ぎる ため 、 公的 資金 の 導入 を 直ちに 検討 する ―― と した のである 。 その 必要 性 は かねて 言わ れて きた 。 その 意味 で は 一 歩 踏み込んだ と 言え なく も ない が 、 政府 が 本気で 実施 する に は 金融 機関 の 責任 追及 が 前提 に なら なければ なら ない 。 巨額の 不良 債権 を つくった 銀行 の 行員 ハイジャッカー の 手当 など が 休職 中 で 七十三万 円 と 聞か さ れて は 、 公的 資金 の 導入 に 賛成 する 人 は い まい 。 経営 責任 を きちんと して から の 話 と なろう が 、 対策 を 見る 限り 責任 追及 は 不透明に 終わって いる 。 いま 必要な の は デフレ に 備えた 根本 的な 治療 な のだ 。 韓国 で 、 地方 自治 が 本格 的に スタート した 。 アジア で 日本 に 次ぐ 民主国 家 が 実現 した と いえよう 。 史上 初 の 韓国 の 統一 地方 選挙 で は 、 ソウル 市長 や 京畿 道 知事 など 十五 の 道 知事 ・ 大 都市 市長 を はじめ 市 ・ 郡 ・ 区長 と 、 道 ・ 市 ・ 郡 ・ 区 議会 の 議員 が 選出 さ れた 。 本格 的な 地方 自治 時代 が 幕 を 開けた こと に なる 。 今回 の 統一 地方 選挙 を 、 野党 は 「 金 泳三 大統領 へ の 中間 評価 」 と 位置付けて 、 激しい 与党 攻撃 を 繰り返した 。 一方 、 与党 は 「 世代 交代 論 」 や 「 国政 の 争い を 地域 に 持ち込ま ない 」 など を スローガン に 、 巻き返し を 図った 。 選挙 結果 の 判断 材料 に なる 十五 の 大 都市 市長 ・ 道 知事 選 は 、 与党 ・ 民 自党 も 認め ざる を 得 ない 大敗 である 。 野党 は 、 与党 の 候補 者 選び の 混乱 と ソウル 市長 選 で の 無党派 候補 攻撃 など 、 戦略 ミス に も 助け られた 。 だが 、 野党 の 民主 、 自民 連 の いずれ も 圧倒 的な 勝利 を 手 に した わけで は なかった 。 事実 上 、 民自党 と 民主党 、 自民 連 の 痛み分け に 終わった と いえよう 。 金 大中 氏 の 民主党 も 、 金 鍾泌 氏 の 自民 連 も 二 人 の 出身 地 ・ 選挙 地盤 以外 の 地域 で の 勝利 は 手 に でき なかった 。 その 意味 で は 、 韓国 民 の 政治 へ の バランス 感覚 と 地域 対立 感情 が 、 そのまま 反映 さ れた 選挙 であった 。 韓国 の マスコミ は 、 今回 の 選挙 を 金 泳三 大統領 と 次期 大統領 選挙 を 目指す 金 大中 氏 、 金 鍾泌 ・ 自民 連 総裁 の 怨念 の 「 三 金 対立 選挙 」 と 呼んだ 。 三 金 対立 は 、 朴 正煕 大統領 暗殺 直後 の 「 ソウル の 春 」 の 時代 から これ で 四 回 目 。 代わり映え し ない 対立 構図 に 「 サーカス 見物 も 一 度 や 二 度 なら 」 と いう 指摘 も 聞か れた 。 今回 の 投票 結果 に は 、 こうした 国民 の 批判 精神 も 十分に 反映 さ れた 。 前回 の 総 選挙 や 大統領 選挙 の 投票 率 が 、 それぞれ 七〇 % と 八〇 % を 超えて いた の に 比べ 、 今回 は 六五 % の 低 さ に とどまった 。 これ は 、 政治 家 の 熱い 戦い に 対し 、 国民 が 冷ややかな 目 を 向けて いた から であろう 。 もう 一 つ 注目 す べき は 、 無党派 候補 の 活躍 である 。 与党 の 地盤 であった 大邱 市長 と 済州 道 知事 に 、 無 所属 候補 が 選ば れ 、 ソウル でも 無党派 候補 が 多く の 票 を 集めた 。 これ まで の 韓国 の 政治 風土 で は 見 られ なかった 現象 である 。 「 三 金 政治 」 の 継続 に 対する 国民 の 反発 の 芽生え を 、 示唆 して いる 。 既成 政党 と 政治 家 へ の 不満 と 不信 が 第 三 勢力 の 台頭 を 促し 無党派 候補 が 浮上 する の は 世界 的な 潮流 である 。 韓国 に も 、 この 国際 的な 変化 の 波 が 打ち寄せ 、 韓国 民 が これ に 敏感に 反応 して いる 事実 を 選挙 結果 は 物語って いる ようだ 。 さらに 、 韓国 で の 中産 階層 の 拡大 が 偉大な 政治 家 に 指導 さ れる 政治 より も 、 世界 史 の 潮流 を 読み取り 民意 を 政治 に 反映 さ せる 政治 家 を 求めて いる と いえよう 。 選挙 と 政治 が 、 政治 家 の 権力 へ の 野心 を 満足 さ せる 道具 に なり下がって は なら ず 、 より よき 国民 生活 と 国家 の 発展 の ため に 機能 す べきである 、 と の 意識 が 広がって いる こと に なる 。 こうして みる と 、 韓国 民 は 歴史 の 変化 に 敏感に 対応 しよう と して いる ように 思える 。 南北 統一 を 視野 に 入れた 韓国 政治 の 新たな 発展 に 期待 を かけ たい 。 韓国 民 の 選択 が 、 韓国 の 発展 は もとより 北東 アジア の 安定 と 平和に 直接 影響 を 及ぼす から だ 。 日 米 自動車 ・ 同 部品 交渉 は 瀬戸際 で 妥結 し 、 制裁 発動 は 直前 に 回避 さ れた 。 数値 目標 を 取り下げた の は クリントン 米 大統領 の 決断 であり 、 形式 の 争い より も 実利 で 歩み寄る 結果 と なった 。 袋小路 に 迷い 込んだ ような 難 交渉 を まとめ上げた 関係 者 の 労 を 多 と し たい 。 日本 側 は 管理 貿易 を 避け 、 数値 目標 を 最後 まで 拒否 し 続けた 。 この 断固たる 姿勢 は 内外 から 評価 さ れて いる 。 今回 の 合意 内容 に は 、 玉虫色 で 紛争 の 火種 を 残した 面 が ある こと は 否め ない 。 しかし 、 数字 が 独り歩き し かね ない 目標 値 を 「 期待 値 」 まで 格下げ し 、 それ が 先例 に なら ない ように 、 また 、 他の 分野 に 影響 を 与え ない ように 文書 化 できた こと は 成功 だった 。 一方 、 米国 側 は 自動車 部品 の 販売 、 日本 で の ディーラー 網 の 拡大 、 補修 部品 の 規制 緩和 で かなりの 実利 を 期待 できる 。 クリントン 大統領 は 来年 秋 の 大統領 選 を 照準 に 、 かなり の 点 を 稼いだ と 言えよう 。 同時に 、 数値 目標 で の 譲歩 は 、 一方的な 制裁 措置 が 、 新しく 発足 した 世界 貿易 機関 の ルール に 反する と いう 国際 世論 に 配慮 せ ざる を 得 なかった から だろう 。 WTO は 世界 一 、 二 位 の 経済 大国 の 争い で もみくちゃ に さ れ そうに なった が 、 試練 を 乗り切った 。 今後 、 日本 は 貿易 問題 で 二 国 間 協議 に よる 処理 より も 、 WTO に 依拠 した 多 国 間 処理 を より 重視 す べきだろう 。 自動車 分野 で の 決着 は 、 日 米 間 の 経済 摩擦 の 終わり を 意味 し ない 。 航空 貨物 、 カラーフィルム で 火 を 噴いて いる し 、 経済 の ナショナリズム の 高まり の 中 で 、 紛争 が より 激化 する と いう 覚悟 が 必要だ 。 日本 は 今回 、 自己 主張 を 押し通した が 、 日本 市場 の 閉鎖 性 を 自ら 開放 する 責任 を 免れる もの で は ない 。 巨額の 貿易 黒字 削減 の ため 、 数値 目標 を 掲げる こと に は 賛成 である 。 今 こそ 対 米 経常 黒字 の 削減 に 真剣に 取り組む 姿勢 を 求め たい 。 数 年 前 から 米国 で 、 日本 に 打撃 を 与え られる の なら 、 米国 が 返り血 を 浴びて も よい と いう 議論 が あった 。 その 意味 で 、 米 側 に は 自動車 交渉 を 決裂 さ せた まま 大統領 選 を 迎える 戦略 も あった だろう 。 だが 、 結果 的に みて 、 日 米 関係 全体 を 危機 に さらして は なら ない と いう 理性 的な 判断 が 双方 に 働いた 。 日 米 は やはり 最 重要な 二 国 間 関係 な のである 。 今回 の 合意 を 機会 に 、 日 米 関係 を より 強固 の もの に する ため の 努力 を 求め たい 。 人口 、 エイズ の ように 、 すでに 共通 課題 と して 取り組んで いる もの も ある が 、 今後 も 共通 点 を 探し 、 協力 体制 の 強化 を 意識 的に 努力 す べきである 。 情報 システム産業 の ように 米国 が 圧倒 的に 優位 に ある もの は 、 日本 が 積極 的に 市場 を 開放 して 取り込む べきである 。 もう 一 つ 重要な の は 、 アジア 市場 で の 日 米 協力 である 。 日 米 は アジア と いう 広い 舞台 で 、 安全 保障 を 含めた 共存 共栄 の 関係 を 広げる こと は 双方 の 利益 に なる 。 米 政府 、 議会 も 財政 赤字 の 削減 に 本気に なって 取り組み 始めて いる 。 この こと は 日 米 不均衡 の 改善 に 役立つ だろう 。 日 米 は 今回 の 合意 を きっかけ に 、 求心力 を 強める 総合 的な 戦略 を 希求 す べきである 。 生産 者 米価 は 別名 「 政治 米価 」 と 呼ば れて きた が 、 現行 食糧 管理 制度 最後 の 生産 者 米価 も 参院 選 を 控えて 露骨に 政治 的に 決定 さ れた 。 昨年 の 大 豊作 で 米価 算定 の 基礎 と なる コメ の 生産コスト は 大幅に 低下 して いた 。 政府 は これ に 基づき 三・四 % 引き下げ の 算定 値 を 示した が 、 連立 与党 が 頑強に 抵抗 、 お決まり の 未明 に もつれ込む “ 儀式 ” の 末 に 据え置き で 決着 した 。 米価 審議 会 の 機能 は 、 もう 何 年 も 前 から その 政治 決着 を 事後 承認 する だけ 。 米価 は 本来 引き下げる べき 分 を 政治 加算 して 、 四 年 連続 の 据え置き と なった 。 政治 加算 の 理由 と して は 、 今年 初めて コメ の 市場 開放 に 伴う 輸入 米 が 入って くる こと や 、 この 秋 から 新 食糧 法 が 施行 さ れる こと に 対する 配慮 が 強調 さ れた と いう 。 しかし 、 それ は 昨年 決定 した 六兆 円 の 対策 に 含ま れて いる はずの もの だ 。 どこ まで バラまけば 気 が すむ の か 。 理不尽な 政治 米価 の 積み重ね が 犯した 罪 は 大きい 。 それ は 目先 の 農村 の 票田 を 意識 する だけ で 、 日本 の 農業 の あり 方 や 国民 的な 利益 は 視野 に なかった 。 需給 を 無視 した 米価 引き上げ は 、 二 度 に わたる 大 過剰 を 発生 さ せ 、 過剰 米 処理 に 合計 三兆 円 も の 国費 を 無駄に 費やした 。 もっと 罪深い の は 、 稲作 ばかり か 日本 の 農業 構造 全体 を ゆがめた ことだ 。 高 過ぎる 米価 は 小規模 農家 を 温存 し 、 稲作 の 規模 拡大 を 阻んだ 。 十一 月 から は 新 食糧 法 の 下 で の 新 体制 が スタート する 。 そこ で は 、 前 車 の 轍 を 踏んで は なら ない 。 新 体制 の 下 で は コメ の 生産 と 流通 は 原則として 自由 と なる が 、 そこ でも 生産 者 米価 的な もの は 残る 。 政府 の 主な 役割 は コメ を 備蓄 し 、 その 操作 を 通じて コメ の 需給 安定 を 図る こと に なり 、 その 備蓄 米 の 買い上げ 価格 が 新しい 生産 者 米価 と なる わけだ 。 備蓄 米 の 買い上げ は 、 百五十万 トン 前後 を 限度 に 減反 参加 者 だけ を 対象 に して 行わ れる 。 新 制度 の 下 でも 引き続き 減反 は 行わ れる が 、 それ に 参加 する か し ない か は 、 建前 と して 生産 者 の 自主 的 判断 に ゆだね られる 。 その 判断 材料 と して 、 新しい 生産 者 米価 は 毎年 、 十一 月 ごろ に 決め られる 。 新 米価 の 算定 方式 は まだ 不明だ が 、 新 食糧 法 の 条文 は 、 自主 流通 米 の 価格 動向 を 反映 さ せる ほか 再 生産 の 確保 も 考慮 する と ある 。 新しい 生産 者 米価 は 、 これ まで の ような 恣意 的な 政治 介入 を 許す ような もの であって は なら ない 。 その 点 で 、 私 たち は 「 再 生産 の 確保 」 と いう 文句 に 危惧 を 感じる 。 下手 を する と 、 それ は 政治 介入 の とっかかり に なり かね ない 。 政治 米価 の 苦い 経験 を 繰り返さ ない ため に も 、 私 たち は 強く 要望 して おき たい 。 新 米価 は 自主 流通 米 の 市場 価格 に 連動 して 決まる ように す べきだ 、 と 。 その ため に は 、 現行 の 自主 流通 米 の 価格 形成 の 仕組み を 、 市場 動向 を より 的確に 反映 する ような もの に 改善 する 必要 が ある 。 少なくとも 、 もっと 取引 回数 を 増やし 、 入札 価格 の 値 幅 制限 を 弾力 化 す べきである 。 市場 で 形成 さ れる コメ の 価格 は 、 減反 の 度合い や 作柄 に も よる が 、 潜在 的 生産 過剰 が ある 限り 基本 的に 低下 傾向 を たどる だろう 。 それ は 望ましい こと であり 、 人為 的に ゆがめる ような こと が あって は なら ない 。 価格 低下 は 、 必然 的に 日本 の コメ 農業 の 体質 改善 を 促す こと に なる 。 政治 米価 よ 、 さようなら 。 東京 地検 と 東京 都 は 三十 日 、 宗教 法人 と して の オウム 真理 教団 に 解散 を 命ずる よう 東京 地裁 に 請求 した 。 宗教 法人 法 八一 条 一 項 は 「 法令 に 違反 して 、 著しく 公共 の 福祉 を 害する と 明らかに 認め られる 行為 を した 」 ならば 、 裁判 所 が 当該 宗教 法人 に 、 解散 を 命ずる こと が できる と 定めて いる 。 今回 の 請求 は 、 この 条項 に 基づく 。 組織 ぐるみ の サリン 製造 関与 を 反 公共 性 の 事由 に あげた が 、 国民 の 大半 が 望んで いた 請求 だ 。 今後 、 決定 が 出る まで に は 、 通常 の 裁判 と 違い 、 東京 地裁 が 非 公開 の 審問 を 開く 。 そこ で 請求 者 、 教団 の 両者 から 裁判 官 が 意見 を 聞く 。 必要 が あれば 現地 を 検証 し 決定 を 下す 。 速やかな 審問 に よる 決定 を 、 多く の 国民 が 望んで いる だろう 。 宗教 法人 は 日本 に 十八万 以上 ある 。 宗教 法人 法 に よる 解散 命令 は 、 これ まで も 出さ れて きた 。 小規模 宗教 法人 が 代表 役員 を 失い 、 後継 者 が い ない 時 や 、 礼拝 施設 を 欠いた まま の 場合 である 。 しかし 、 八一 条 一 項 に 基づく 解散 請求 は 初めて だ 。 それだけに 、 非 公開 で 同 地裁 が 開く 審問 に 、 解散 請求 者 が 、 どれ だけ の 証拠 を 提示 し 、 反 公共 性 を 立証 し なければ なら ない か 。 提示 する 証拠 に よって は 、 地下鉄 サリン 事件 公判 へ 影響 する こと を 考慮 し 、 請求 まで に 時間 を 要した 。 地下鉄 サリン 事件 が 同情 の 余地 なき 犯行 だけ に 、 今回 は やむ を 得 ない ところ だろう 。 問題 は 今後 に ある 。 審問 が 順調に 進み 、 解散 命令 が 出さ れた と して も 、 教団 が 即時 抗告 すれば 、 命令 の 執行 は 停止 さ れる 。 高裁 で 再び 争わ なければ なら ない 。 さらに 最高裁 まで 争えば 、 命令 が 確定 する の に 相当な 時間 が かかる 。 確定 すれば 教団 財産 は 清算 さ れる 。 だが その 間 に 、 財産 が 教団 に よって 処分 さ れる 恐れ が 当然 出て くる 。 教団 に は 「 お布施 」 と 称する 強引な 手法 で 集め られた 資産 、 財産 も 多い 。 返還 を 求める 人 も 続出 する だろう 。 審問 で 解散 命令 が 出た 場合 、 教団 が 服すれば 別だ が 、 そう で なければ 、 教団 の 取引 に 社会 的 監視 を 怠れ ない 。 とりわけ 行政 の 監視 が 必要だ 。 これ は オウム 信者 の 社会 復帰 を 妨げよう と いう ので は ない 。 マインド コントロール を 脱し 、 市民 社会 に 戻ろう と する 一般 信者 に 、 冷酷な 社会 は 望ましく ない 。 もちろん 、 事 は 法廷 の 問題 だ 。 請求 者 に は 、 解散 命令 に 堪え 得る だけ の 証拠 が いる 。 審問 は 公平に 進め なければ なら ない 。 だが 、 捜査 段階 と は いえ 地下鉄 サリン 事件 だけ を とって も 、 オウム 教団 の 在り 方 は だれ を も 戦慄 さ せる 。 刑事 裁判 で 容疑 者 を 有罪 に する に は 当然 、 一人ひとり の 犯罪 の 立証 が 必要だ 。 ただ 、 この 事件 は 教団 組織 が なければ 起き なかったろう 。 全く 犯行 に 無関係 の 人間 を 、 被告 に した 過去 の 冤罪 事件 の ケース と は 様相 が 異なる 。 また 、 たとえ 宗教 法人 と して の 解散 命令 が 確定 して も 、 任意の 宗教 団体 と して 教団 は 存続 可能だ 。 この こと に 関連 して 破壊 活動 防止 法 の 初 適用 も 論議 の 対象 に なろう と して いる 。 教団 の 息 の 根 を 止めよう と いう わけだ が 、 これ に は 慎重 すぎる ほど であって いい 。 スタート の 遅れ など 、 さまざまな 批判 は ある が 、 現行 刑法 に 基づき ここ まで 捜査 が 進んだ 。 教義 で は なく 、 一つ一つ の 犯罪 に 捜査 が 立ち向かう 。 時間 が かかって も 、 そこ を 大事に し たい 。 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 へ の コメ 支援 を めぐる 実務 者 協議 が 三十 日 合意 に 達した 。 食糧 難 を 訴える 隣人 へ の コメ の 支援 は 当然である 。 誇り 高い 隣人 が 、 これ まで の 立場 を 変え 日本 に コメ 支援 を 要請 した 背景 に は 、 余程 の 事情 が あった のだろう 。 支援 さ れる コメ が 、 日本 人 の 善意 と して 北朝鮮 の 国民 に 伝わる こと を 望み たい 。 しかし 、 日本 側 の 対応 に は 納得 の いか ない 点 が 少なく なかった 。 また 国民 へ の 説明 が 極めて 不十分であった 事実 を 指摘 し たい 。 コメ 支援 の 交渉 は 、 北朝鮮 の アジア 太平洋 平和 委員 会 の 李 種革 副 委員 長 が 入国 した の を 受けて 始め られた 。 李 副 委員 長 が 所属 する アジア 太平洋 平和 委員 会 を 、 外交 当局 は どのような 団体 と 認めた のだろう か 。 この 委員 会 は 民間 団体 な の か 、 あるいは 政府 機関 な の か 。 民間 団体 ならば 、 なぜ 外務 省 高官 や 食糧 庁 長官 が 、 その 幹部 を 相手 に 交渉 せ ざる を 得 なかった の か 。 その 位置づけ を 明確に して ほしかった 。 政府 高官 の 交渉 相手 は 、 北朝鮮 政府 の 当局 者 か その 公式 な 委任 を 受けた 団体 や 人物 である の が 筋 であろう 。 もちろん 、 北朝鮮 と の 外交 関係 が 正常 化 さ れて い ない こと から 、 政府 間 の 交渉 が 難しい 事情 は 理解 でき ない わけで は ない 。 しかし 後 で 、 合意 の 効力 と 権限 に ついて 混乱 を 招か ない ため に も 、 北朝鮮 の 代表 団 が いかなる 立場 に ある の か を 明らかに し 、 その 内容 を 国民 に きちんと 説明 す べきであった 。 今回 の コメ 支援 に は 、 最初 から うさん臭 さ が つきまとって いる 。 五 月 末 に 訪 日 した 北朝鮮 の 国際 貿易 促進 委員 会 の 李 成禄 会長 が 、 初めて 与党 三 党 の 代表 に コメ の 支援 を 要請 した が 、 同 委員 長 訪 日 招請 の 背後 に 政治 家 や 業者 の 影 が 見え隠れ した 。 また 李 成禄 会長 や 李 種革 副 委員 長 の 入国 ビザ 発給 は 、 通常 一 カ月 は かかる 手続き を 一 日 から 数 日 で 終えて いる 。 きわめて 異例な 政治 的 措置 と いう しか ない 。 外務 省 高官 は 、 北朝鮮 と の 実務 交渉 の 途中 で 自民党 の 実力 者 に 交渉 や 合意 の 内容 に ついて 、 しばしば 了解 を 求めた と いわ れる 。 また 、 交渉 の 途中 で 政治 家 から の 強い 要請 も 伝え られた と いう 。 交渉 へ の 政党 実力 者 の 干渉 が 目立った 。 外交 が 、 政治 家 の 無分別な 思惑 に 振り回さ れて は なら ない 。 支援 に 回さ れる コメ は 、 政府 の 予算 を 使い 輸入 さ れた 国民 の 財産 であり 、 政治 家 や 外交 官 の 私物 で は ない のである 。 慎重 かつ 有効に 使わ れる べき もの である 。 日 朝 間 の 望ましい 関係 と は 、 お互いに 尊敬 でき かつ 信頼 できる 状態 を 築く こと である 。 誤解 を 生み やすい 関係 を 理解 し 合える 間柄 に 発展 さ せ なければ なら ない 。 その ため に は 、 国民 の 信頼 を 得 られる 交渉 の やり 方 と 、 透明 度 の 高い 関係 が 重要である 。 今回 の 交渉 過程 で は 国民 の 間 に 、 なぜ コメ を 支援 する 方 が 弱腰な の か と いった 疑問 も 生まれて いる 。 いたずらに 卑屈な 対応 は もちろん 、 逆に 居丈高な 対応 も 、 両 国民 の 感情 を 悪化 さ せ かね ない 。 外交 交渉 に は 、 国家 の 命運 と 国益 が かかって いる のだ から 、 先 の 見通し と 戦略 に 基づいて 行わ れる べきである 。 コメ 支援 交渉 で は 韓国 に 対する 事前 の 説明 も 不足 して いた 。 日本 の 外交 が 、 南北 関係 を 緊張 さ せ 日 韓 関係 を 悪化 さ せる 結果 を 招いて も なら ない 。 村山 連立 政権 が 発足 して から 満 一 年 を 経過 した 。 五五 年 体制 を 左右 の 両翼 で 支え 、 「 水 と 油 の 関係 」 と 言わ れた 自民 、 社会 両党 が 突如と して 合体 し 、 連立 政権 を 樹立 した こと から 、 発足 当初 は “ 野合 ” 政権 の 批判 を 浴びた 。 年 が 明けて から は 、 阪神 大 震災 で 「 危機 管理 対応 能力 」 の 欠如 を 露呈 し 、 急激な 円高 に も 有効な 対応 策 を 打ち出せ ず 、 「 経済 無策 」 「 指導 力 不足 」 の 批判 を 浴び 続け 、 政権 内部 の 求心力 も 極度に 低下 、 「 死に体 」 内閣 の 形容 が 定着 して 久しい 。 毎日新聞社 が 六 月 に 実施 した 世論 調査 で は 、 村山 内閣 の 支持 率 は 二五 % と 低落 傾向 を 脱し 切れ ず 、 民心 も 村山 政権 を 見放し つつ ある こと を 明白に 裏付けて いる 。 しかし 、 村山 政権 を めぐる 最近 の 客観 状況 は 、 ひところ の 逆風 に あおら れ 「 失墜 寸前 」 状態 に あった 時期 に 比べる と 、 かなり 良 化 し つつ ある 。 阪神 大 震災 から 五 カ月 余 を 経過 、 世間 を 震撼 さ せた オウム 真理 教 疑惑 も 全容 解明 に 向かって 走り出した 。 「 村山 政権 の 命 」 と 村山 富市 首相 が 意欲 を 燃やした 「 戦後 五十 年 の 国会 決議 」 は 極めて 不満足な 内容 ながら 一応 、 形 に は なった 。 三 度 目 の 「 危機 管理 」 を 試さ れた 全日空 機 ハイジャック 事件 は 迅速な 対応 で 無事 解決 、 日 米 関係 の 険悪 化 が 憂慮 さ れた 懸案 の 自動車 ・ 同 部品 交渉 も 対 日 制裁 発動 直前 で 決着 した 。 村山 政権 は 風向き が 変わり 順風 に 乗って ようやく ピンチ を 脱し つつ ある や 、 に 見える 。 それでいて なかなか それ が 政権 そのもの の 浮揚 感 に つながって い ない ところ に 、 この 政権 の 特徴 が ある 。 一言 で 村山 政権 の 現況 を 表現 すれば 「 奇妙な “ 安定 ” 」 政権 と でも 言おう か 。 村山 政権 は 自民党 と 社会党 の 強い 政権 復帰 願望 が 「 反 小沢 一郎 」 を 媒介 項 と して 成立 した 政権 であり 、 自民党 の 三 分 の 一 の 勢力 で しか ない 社会党 の 党首 を 首相 に 担ぎ出す こと で しか 成立 し 得 なかった 変則 的な 性格 を 帯びた 政権 である 。 現在 でも その 構図 に 変わり は ない 。 順風 に も かかわら ず 、 「 奇妙な “ 安定 ” 」 の 中 で 浮揚 し 切れ ない 源 も ここ に あり 、 それ は 自民 、 社会 、 さきがけ の 三 党 の 枠組み で 成り立つ 村山 政権 に つきまとう 宿命 で も ある 。 だが 、 村山 政権 の 一 年 を 総括 する 時 、 政権 に 内在 する 脆弱 性 、 矛盾 に ダッチロール を 繰り返し つつ も 、 自民党 単独 政権 下 で は 実現可能 性 の 乏しかった 積年 の 政治 、 政策 課題 が 相次いで 日 の 目 を 見た こと は 正当に 評価 さ れて しかる べきだろう 。 「 戦後 五十 年 の 国会 決議 」 を はじめ 、 原爆 被爆 者 援護 法 の 制定 、 元 従軍 慰安 婦 へ の 見舞 金 支給 機構 の 創設 、 水俣 病 認定 患者 に 対する 救済 策 など 一連の 「 戦後 処理 」 は 、 それぞれ に 十全な 内容 と は 言え ない まで も 、 社会党 が 政権 に 参加 し 、 首相 を 送り出した 成果 、 と 意義付けて よい 。 問題 は 、 「 戦後 処理 」 と いう 村山 政権 の 当初 の 政治 目標 を 一応 、 達成 した あと 、 二 年 目 に 入った 政権 の 政治 目標 が 「 新 三 党 合意 」 でも 明確に 設定 し 切れて い ない 点 に ある 。 参院 選 後 の 政局 展開 、 見通し が 極めて 不透明である こと に 起因 する のだろう が 、 何の ため の 政権 か 、 明確な 政治 目標 を 欠いた 政権 は 畢竟 、 踊り場 に 立つ “ つなぎ 政権 ” と して の 役割 しか 持ち 得 ない こと を 銘記 して おく べきだろう 。 製造 物 責任 法 が 一 日 、 施行 に なった 。 消費 者 の 立場 に 立って 、 生きた 法 に なる こと を 願う 。 製品 に よる 事故 で 損害 を 受けた 場合 、 従来 ならば メーカー 側 の 責任 追及 で は 「 過失 」 を 立証 し なければ なら なかった 。 ハイテク 時代 に 消費 者 が それ を 立証 する こと は 不可能に 近かった 。 PL 法 で は 「 欠陥 」 の 証明 に よって 責任 を 問える 。 立証 の 負担 は 軽減 さ れ 、 被害 救済 は 容易に なる 。 PL 法 の 概要 を 語れば 、 こんな ところ である 。 本来 、 施行 は もっと 歓迎 さ れる べきな のだ が 、 批判 の 声 は 少なく ない 。 法 が 種々の 問題 点 を 残して いる から だ 。 その 一 つ は 「 推定 規定 」 が 法 に 盛り込ま れ なかった 点 だ 。 消費 者 に とって は 欠陥 を 証明 する こと も 容易で ない 。 だから 「 通常 予想 さ れる 使用 方法 で 損害 が 生じた 場合 、 欠陥 が あった と 推定 する 」 と いった 規定 が 種々の 立法 試案 で 主張 さ れた が 、 入れ られ なかった 。 メーカー 側 に 「 開発 危険 の 抗弁 」 を 認めた 点 に も 批判 が 強い 。 「 当時 の 科学 ・ 技術 知識 」 で 欠陥 を 予見 でき ない 時 は 責任 を 免れる 、 と いう 免責 規定 である 。 メーカー 側 が この 抗弁 を 持ち出して きた 場合 、 過失 責任 の 争い と 実質 的に 同じに なって しまう 、 と いう 懸念 が 出て いる 。 そのほか 、 メーカー 側 に 情報 開示 を 求める 「 情報 請求 権 」 が 盛り込ま れ ず 、 不満 を 残した 。 いずれ も もっともな 指摘 である 。 「 企業 寄り だ 」 と いう 批判 も 当然である 。 しかし 、 裁判 上 の 運用 に よって は 法 を 生かして いく こと も 不可能で は なかろう 。 わずか 六 つ の 条文 から なる 簡素な 法 であり 、 解釈 の 余地 が 多い 。 と いう こと は 司法 の 解釈 ・ 判断 が 重要な 意味 を 持つ わけだ 。 法律 上 の 推定 規定 は なく と も 、 これ まで の 裁判 例 に は 「 事実 上 の 推定 」 を 展開 した ケース は 多い 。 司法 が この 活用 に よって 消費 者 側 の 立証 負担 を 軽く する こと は 可能だ 。 「 開発 危険 の 抗弁 」 に ついて も 薬害 裁判 で は 、 業界 の 平均 的な 知識 水準 で は なく 「 入手 可能な 最高 」 の 知識 に よって 予見 可能 性 を 判断 して いる 。 メーカー に 厳しい この 司法 判断 を 守る ように して いけば 、 抗弁 の 乱用 は 抑制 できる 。 とにかく 、 法 は スタート した ばかりである 。 判例 の 積み重ね が 大切だ 。 PL 法 を 生かす に は 、 裁判 外 紛争 処理 機関 の 充実 も 求め られる 。 現実 に は 小規模な 事故 が 大半 であり 、 裁判 は 似合わ ない 。 コスト も 時間 も かから ない 処理 システム が 必要だ 。 自治 体 の 消費生活センター が 従来 から 紛争 処理 の 相談 窓口 に なって いる ほか 、 法 の 施行 を 前 に 業界 ごと に PL センター が 相次いで 設立 さ れた 。 しかし 「 充実 」 に は ほど遠い 。 ことに PL センター に 関して は 、 業界 主導 の 機関 が 中立 ・ 公正な 立場 で 事故 原因 の 究明 が できる の か 、 と いう 疑問 が ついて回る 。 疑問 を どう 払拭 する か が 課題 だ 。 PL 法 は 企業 責任 を 重く した 法律 と 受け取ら れて いる 。 その 側面 は 否定 でき ない と して も 、 本来 の 法 目的 は 安全 性 の 向上 を 図り 、 事故 に よる 被害 を なくす こと に ある 。 メーカー の 中 に は 敗訴 し ない ため の 法 技術 の 対策 に 躍起に なって いる ところ も ある と 聞く 。 本末 転倒 である 。 PL 法 を 使わ ないで 済む 安全な 製品 作り が もっとも 求め られて いる 、 と いう こと を 忘れ ないで もらい たい 。 ポスト 冷戦 構造 が 定着 する 中 で 防衛 庁 ・ 自衛 隊 は 、 どんな ビジョン を 持ち 、 その 存在 価値 を どう 表現 すれば いい のだろう か ―― 。 一九九五 年 版 防衛 白書 は 、 こう 自問 自答 して いる ように 見える 。 それ を 如実に 示して いる の が 、 第 三 章 と して 「 わが国 防衛 の 今後 の 課題 」 と いう 新しい 章 を 立てた ことだ 。 内容 は 今後 の 防衛 力 や 冷戦 後 の 日 米 安全 保障 体制 、 安定 的な 安保 環境 の 構築 、 今後 の 災害 派遣 体制 など の 在り 方 に ついて 問題 提起 する 形 を とって いる 。 その 理由 に ついて 防衛 庁 は 、 冷戦 終結 と いう 歴史 的 変化 の 下 で 、 日本 の 安全 保障 の 在り 方 、 日本 の 防衛 力 が 果たす べき 役割 と 防衛 力 の 在り 方 など が 問わ れて おり 、 この ため 国民 的な 論議 が 起きる こと を 期待 して の こと だ と 説明 して いる 。 政府 は 六 月 初旬 、 安全 保障 会議 を 開いて 、 過去 十九 年間 、 冷戦 時代 の 防衛 力 整備 の 指針 だった 「 防衛 計画 の 大綱 」 の 見直し を スタート さ せた 。 もともと 大綱 は 旧 ソ連 の 脅威 に 対抗 する と の 考え に 貫か れて いた 。 その 脅威 の レベル が 大きく 低下 した のだ から 、 それ を 見直し 、 現在 の 情勢 に 見合った スリムな 防衛 力 、 防衛 政策 を 構築 する の は 当然である 。 どう 見直す か は 、 年 末 まで に 結論 が 出る 。 その 意味 から も 、 防衛 庁 が 国民 に 関心 を 持って もらおう と 意気込む こと に 異論 は ない 。 ただ 残念な こと は 、 論議 を しよう に も 白書 に は 、 その 材料 に なる ような データ が 盛り込ま れて い ない と いう ことだ 。 一 つ は 、 今後 の 防衛 力 の 在り 方 に ついて である 。 防衛 計画 の 大綱 の 見直し に 関して は 、 昨年 八 月 、 首相 の 諮問 機関 である 「 防衛 問題 懇談 会 」 が 報告 書 を 出す と ともに 、 防衛 庁 も 内部 に 「 防衛 力 の 在り 方 検討 会議 」 を 発足 さ せ 、 議論 を 重ねて きて いる 。 ところが 白書 は 、 最近 の 軍縮 圧力 を 心配 する あまり 及び腰 に なった の か 、 懇談 会 の 報告 書 に ついて は 「 一 つ の 参考 に する 」 と さらりと 触れた だけ である 。 庁 内 で の 検討 結果 に いたって は 何も 記載 して い ない 。 同 懇談 会 の 報告 書 は 、 防衛 力 の ハイテク 化 ・ 近代 化 を 図る べきだ など と し 、 かえって 今 まで 以上 に 防衛 費 が 膨張 し そうな 部分 も 多々 ある もの の 、 陸上 自衛 隊員 の 削減 、 航空 自衛 隊 の 戦闘 機 や 海上 自衛 隊 の 対 潜 哨戒 機 の 削減 など 具体 的な 軍縮 目標 を 定めた 内容 だった 。 防衛 庁 は 、 報告 書 、 庁 内 の 検討 結果 と も 、 まだ 正式な 政府 見解 で は ない から 掲載 し なかった と 説明 して いる が 、 「 国民 の 論議 に 供する 」 と いう の なら 、 それ ら を 盛り込んで 、 国民 の 判断 を 求める と いう 姿勢 が あって よかった ので は ない か 。 もう 一 つ は 、 阪神 大 震災 へ の 対応 や 現職 自衛 官 の オウム 事件 へ の 関与 など 国民 の 批判 を 浴びた 部分 だ 。 自衛 隊 は 阪神 大 震災 で の 救援 活動 や オウム 真理 教団 に よる 地下鉄 サリン 事件 で の 毒 ガス 除去 など に 出動 し 、 国土 防衛 と いう 主任 務 と は 別の 部分 で 存在 価値 を アピール した 。 国民 も 自衛 隊 を 身近な 存在 と して 認識 し 、 歓迎 した 。 白書 は 、 こうした 活躍 ぶり は 詳細に 紹介 して いる が 、 震災 時 の 初動 の 遅れ 、 オウム 事件 に 関する 反省 や 再発 防止 は 間接 的な 表現 など で 簡単に 触れる に とどまって いる 。 国民 の 理解 を 得る に は 、 防衛 庁 は 自問 自答 して いる 姿 を 、 もっと 素直に 示した 方 が いい 。 社会 保障 制度 審議 会 に よる 勧告 が 四 日 、 村山 富市 首相 に 提出 さ れた 。 戦後 ま も ない 混乱 期 、 高度 成長 期 に 次いで 三 回 目 に なる 。 「 社会 保障 体制 の 再 構築 」 と 題する 全般 的な 提言 だ が 、 やはり 「 介護 保険 」 創設 の 勧告 と して 後世 に 記憶 さ れる だろう 。 それ が 、 今回 の 内容 の 長所 であり 短所 で も ある 。 勧告 は 、 社会 保障 推進 の 原則 を 「 普遍 性 」 「 公平 性 」 「 総合 性 」 「 権利 性 」 「 有効 性 」 と 規定 する 。 その 要件 は 新たな システム ・ 介護 保険 の 趣旨 に そっくり 当てはまる 。 寝たきり や 、 ぼけ 症状 の 高齢 者 介護 に 「 所得 や 資産 の 有無 ・ 多寡 に かかわら ず 必要な 給付 を 行い 、 その 費用 は サービス の 性質 に 応じ 、 負担 能力 の ある 者 に 応分の 負担 を 求める 」 。 老人 病院 、 特別 養護 老人 ホーム 、 在宅 で 自己 負担 に 格差 の 目立つ 現状 を 、 今後 は 「 給付 と 負担 の 両面 で より 公平な 制度 に して いく 」 。 高齢 者 の 「 社会 的 入院 」 に 象徴 さ れる 医療 に よる 福祉 の 肩代わり を 改め 「 保健 ・ 医療 ・ 福祉 の 総合 化 が 社会 保障 の 政策 効果 を 高める 」 。 しかも 行政 が 施設 入所 や ホーム ヘルパー 派遣 を 決める 「 措置 」 で は なく 「 種々の サービス を 利用 者 の 意思 で 選べる 選択 性 を 備える こと が 、 権利 性 を 高める うえ で 必要に なる 」 。 介護 に 代表 さ れる 高齢 社会 の 負担 増 に 「 政策 を 常に 見直し 効率 的な 資源 配分 を 図ら なければ なら ない 」 。 介護 保険 システム に ついて は 、 人材 の 確保 ・ 養成 、 サービス 供給 体制 と ネットワーク の 整備 、 サービス 評価 基準 の 設定 、 要 介護 者 の ニーズ に 応じた サービス を 提供 する ケア マネジメント の 普及 ―― と 成立 条件 も 掲げた 。 さらに 、 保険 証 は あって も 必要な 介護 サービス が 見当たら ない 事態 に 陥ら ない ため 「 基盤 整備 は 一般 財源 」 「 運用 に 要する 財源 は 主として 保険 料 」 と 財源 調達 の 在り 方 を 示す 。 その 通り ハード は 公費 、 ランニング コスト は 保険 で 調達 し たい 。 福祉 施設 の 土地 確保 も 、 大 都市 で は 少子 化 に よって 空き 教室 を 抱える 学校 を 利用 し 、 福祉 と の 「 複合 化 や 高層 化 」 を 提案 した 。 私 たち が 何度 も 主張 して きた 社会 資産 の 活用 だ 。 いずれ も 説得 力 が ある 。 もっとも 「 制度 設計 に 当たる 審議 会 で は ない から 」 と 踏み込ま なかった 点 が 今後 の 課題 に なる 。 介護 の 費用 は 保険 と 公費 で 何 割 ずつ 調達 する の か 。 保険 者 は 国 か 自治 体 か 。 自営 業者 の 保険 料 は 定率 か 定額 か 。 介護 保険 の 給付 対象 に 障害 者 は 含ま れ ない の か …… 。 この 介護 保険 の 提唱 の ように 全体 的に 厚生 省 や 労働 省 が 進める 制度 創設 や 制度 改善 に 寄り添う 形 の 勧告 である 。 社会 の 成熟 化 が 選択肢 を 限定 して いる 時代 ゆえ と 言える 。 だが 、 五〇 年 勧告 は 「 社会 保障 省 」 へ の 統合 を 求め 、 それ を 引き継ぎ 六二 年 勧告 も 社会 保障 制度 に かかわる 「 所管 官庁 の 統合 」 を 迫った 。 「 財源 を 合理 的に 配分 し 、 給付 と 負担 を 公平に 、 また 積立 金 の 運用 を 合理 化 する こと が 今 より はるかに 実現 し やすく なる 」 今回 の 勧告 は 、 この 大 命題 を 避けて 通った 。 単に 行政 改革 の 視点 だけ で なく 、 次の 世紀 を 切り開く 長期 戦略 と して 過去 二 回 の 勧告 内容 を 深める べきで は なかった か 。 その 意味 で は 、 行政 寄り 勧告 の 印象 が 残った 。 十五 階建て の ビル に 相当 する 高 さ の 巨大 構造 物 が 五 日間 、 宇宙 に 存在 し 、 地球 の 周り を 回った 。 米国 の スペースシャトル 「 アトランティス 」 と ロシア の 宇宙ステーション 「 ミール 」 が 合体 した もの である 。 総 重量 は 二二三 トン 。 大き さ 、 重量 ともに これ まで の 宇宙 構造 物 で は 最大 だ 。 ここ で 米国 人 六 人 、 ロシア 人 四 人 の 計 十 人 が 仲良く 共同 生活 を 送り 、 日本 時間 四 日 夜 に ドッキング が 解か れた 。 こんなに 多く の 飛行 士 が 宇宙 で 寝食 を 共に した 例 は ない 。 この ドッキング は 東西 冷戦 の 終結 を 受け 、 米 露 が 本格 的な 宇宙 協力 を 行う 第 一 歩 と 位置付け られた 。 日本 も 参加 して 一九九七 年 から 始まる 国際 宇宙ステーション 「 アルファ 」 建設 の ため の 予行 演習 と も なった 。 二十 年 前 の 七五 年 七 月 に も 米国 の 宇宙 船 「 アポロ 」 と 旧 ソ連 の 「 ソユーズ 」 が ドッキング した 。 冷戦 の さなか に 実現 した 共同 飛行 は 世界 の 話題 に なり 、 当時 の フォード 米 大統領 は 「 宇宙 で の こうした 国際 協力 が 日常 化 する の は 遠く ない と 信じる 」 と 語った 。 しかし 、 この 予言 は 大きく はずれた 。 両 国 は 宇宙 開発 で また 独自の 道 を 歩んだ のだった 。 両 国 に とって 宇宙 開発 は 軍事 的に 大きな 意味 を 持つ と ともに 国威 発揚 の 手段 で も あった 。 米国 が 月 に 人間 を 送った 背景 に は 「 ソ連 に は 負け られ ない 」 と いう 意識 が 働いた 。 そうした 宇宙 開発 が 様変わり した 。 米国 で は 宇宙 開発 に 予算 が つき にくく なった 。 アポロ 計画 に は 国家 予算 の 五 % が 使わ れ 、 これ は 現在 の 年 八百億 ドル に 相当 する が 、 いま の 米 航空 宇宙 局 の 年間 予算 は 百四十億 ドル に すぎ ない 。 二〇〇〇 年 まで に 予算 の さらなる カット を 求め られ 、 スペースシャトル の 民営 化 も 取りざた さ れて いる 。 当然 、 目玉 商品 も 減った 。 一 つ 残った 宇宙ステーション計画 は 予算 が かかり すぎる こと から 何度 か 計画 を 縮小 さ れた 。 米国 、 欧州 、 日本 、 カナダ で 計画 を 進めて きた が 、 出費 を 少し でも 減らそう と 九三 年 に は ライバル の ロシア の 参加 が 決まった 。 連邦 の 崩壊 で 財政 が 破たん 状態 の ロシア も 国際 協力 に 積極 的だった 。 ロシア の 参加 で 宇宙ステーション の 名称 は フリーダム から アルファ に 改め られた 。 アルファ が 二〇〇二 年 に 完成 する と 、 無 重量 環境 下 で の 新 材料 実験 、 生命 科学 実験 、 地球 や 天体 の 観測 など が 行わ れ 、 飛行 士 の 宇宙 滞在 は 長期 化 する 。 宇宙 滞在 が 一 年 を 超えた 飛行 士 も いる ロシア の 医学 的 データ は 非常に 役立つ 。 宇宙 開発 が 「 冬 の 時代 」 を 迎え 、 残さ れた 道 は 国際 協力 しか ない 。 だが 、 国際 協力 の 大きな 一 歩 と なる 宇宙ステーション計画 は 科学 者 の 評判 が よく ない 。 「 膨大な 予算 を 必要 と する 割に は 科学 的 成果 は 上がら ない 」 と いう のだ 。 アルファ の 有効 利用 の ため に 改めて 各国 の 知恵 を 結集 する こと が 大切だろう 。 米国 の アポロ 計画 で 人類 が 月 に 降り立った 時 の 感動 を 覚えて いる 人 は 多い に 違いない 。 「 アポロ 計画 に 匹敵 する ロマン を 求める なら 、 相手 は 火星 だろう 」 と いわ れる 。 だが 、 火星 へ の 有人 飛行 の 実現 まで に は 多額の 費用 と 長い 歳月 が かかる 。 当面 は 惑星 や 衛星 、 小 惑星 など の 無人 探査 を 行い 、 太陽 系 の なぞ解き に 全力 を 挙げる べきだ と いう 声 が 少なく ない 。 無人の 科学 探査 なら 日本 も 大いに 国際 貢献 できる 。 犯人 たち よ 。 君 たち は 大量の 青酸 ガス が 流れた 時 、 大勢 の 市民 に 被害 が 及ぶ こと を 考え 、 胸 が 痛ま なかった の か 。 無数の 悲劇 を ばらまく こと を 思い浮かべ 、 思いとどまろう と し なかった の か 。 東京 の 営団 地下鉄 茅場 町 駅 と JR 新宿 駅 の トイレ に 青酸 ガス 発生 装置 を 仕掛けた 犯人 に 、 そう 問い詰め たい 。 警視 庁 は 東京 駅 で の 異臭 発生 を 含め 、 組織 的な 無差別 テロ と 見て いる 。 茅場 町 駅 の 装置 は 、 ガス 発生 前 に 女性 清掃 員 に 発見 さ れた 。 清掃 員 は 、 こう 話して いる 。 「 新宿 の 事件 が あった ので 、 すぐ 駅員 に 知らせた 」 五 月 五 日 夜 、 地下鉄 新宿 駅 の トイレ で 同じ ような 事件 が 起きて いる 。 通り掛かった 人 が 見つけ 、 駅員 に 連絡 、 惨事 は 未然 に 防が れた 。 この 教訓 が 生かさ れた こと に なる 。 しかし 今回 、 新宿 駅 地下 トイレ に 仕掛け られた もの は 、 清掃 員 が 見つけた 時 に は 、 すでに 時限 装置 は 作動 して いた 。 硫酸 の 濃度 が 薄く 、 シアン化ナトリウム も 少量 だった ので 、 大事に は 至らなかった 。 現場 は 、 前回 事件 と 三百 メートル しか 離れて い ない 。 なのに 、 なぜ もっと 早く 発見 でき なかった の か 、 の 疑問 が わいて くる 。 JR 新宿 駅 は 東京 ・ 地下鉄 サリン 事件 の 発生 以来 、 特別 警戒 を 続けて いた 。 ところが 、 「 落ち着いて きた 」 と の 判断 で 、 六 月 一 日 から 通常 の 態勢 に 戻して いる 。 警察 当局 も 先月 末 から 、 厳戒 態勢 を 緩めて いた 。 この すき を 突か れた 格好だ 。 「 オウム の 影 」 を 引きずった 全日空 機 ハイジャック 事件 が 示す ように 、 関係 者 は 警戒 を 緩める 時期 で は ない こと を 、 認識 し なければ なら ない 。 もし 大量の 青酸 ガス が 発生 して いたら 、 どのような こと に なって いた か 想像 して ほしい 。 今回 の 事件 は 、 多数 の 駅 利用 客 が いる 中 で 、 犯人 は 「 危険 」 覚悟 で 起こした こと や 、 ガス 発生 装置 が 極めて 精巧である こと から 、 単なる 「 愉快 犯 」 と は 考え にくい 。 警視 庁 は 、 五 月 の 事件 に ついて オウム 真理 教 信者 ら に よる 犯行 と の 疑い を 強めて いる 。 今回 の 手口 も よく 似て いる こと から 、 双方 の 関連 を 重視 して いる が 、 結び付ける 遺留 品 の 発見 や 情報 は 伝え られて い ない 。 しかし 、 いずれ も 反 社会 的 性格 が 極めて 強い 事件 である 。 早急な 解明 を 望み たい 。 捜査 当局 は 多方面に わたる 教団 の 事件 を 、 一 つ ひとつ 解決 する 作業 を 続けて いる 。 松本 サリン 事件 の 強制 捜査 も 近い と 伝え られて いる 。 しかし 、 「 オウム の 影 」 は 依然 、 列島 を 覆い 続けて いる 。 こうした 状況 で 、 気 に なる こと が ある 。 地下鉄 サリン 事件 で 殺人 など の 容疑 で 特別 手配 さ れて いる 、 教団 幹部 ら 七 人 が 依然 、 逃亡 を 続けて いる ことだ 。 逮捕 状 が 出た の は 、 教団 代表 の 麻原 彰晃 被告 が 、 この 事件 で 逮捕 さ れた 時 。 もう 、 一 カ月 半 を 超えて いる 。 他の 事件 に かかわった 疑い の 強い 七 人 が まだ 逮捕 さ れて い ない こと が 、 「 オウム の 影 」 を 濃く して い ない か 。 別の 事件 で 逃げて いる 容疑 者 も いる 。 逮捕 を 急が ねば なら ない 。 繰り返して 述べる が 、 まだ 警戒 を 緩める 時 で は ない 。 運輸 省 は 交通 機関 に 厳戒 態勢 に 入る よう 指示 した 。 当然の 措置 だろう 。 警察 当局 に も 、 再 検討 を 求め たい 。 自動車 から 排出 さ れる 二 酸化 窒素 と 健康 被害 に は 因果 関係 が ある 。 従って 、 国道 や 高速 道路 の 設置 ・ 供用 は 違法であり 、 道路 管理 者 は 賠償 責任 を 負う 。 工場 の ばい煙 と 車 の 排ガス に よる 「 複合 大気 汚染 」 の 責任 を 初めて 追及 した 「 大阪 ・ 西淀川 公害 訴訟 」 の 大阪 地裁 判決 は 、 国 と 阪神 高速 道路 公団 に 賠償 を 命じる こと で 、 道路 行政 を 厳しく 批判 した 。 大 都市 に 共通 する 道路 公害 の 解決 を 、 行政 に 促す 判決 と して 高く 評価 し たい 。 被告 の うち 企業 ・ 工場 側 は 既に 責任 を 認め 、 全 原告 と 和解 して いる 。 今回 の 賠償 対象 は 公害 病 認定 患者 十八 人 だけ だ が 、 判決 が 国 ・ 公団 に 課した 道路 公害 防止 義務 は 、 約 五百 人 の 原告 と 同種 被害 に 苦しむ 全国 の 住民 に 効果 を 及ぼす だろう 。 国 と 公団 は 、 この 内容 を 重く 受け止める べきだ 。 提訴 から 十七 年 を 経て 、 原告 百九十 人 が 既に 死亡 して いる 。 これ 以上 、 裁判 を 長引か せる こと なく 、 公害 軽減 と 患者 救済 に 努力 を 転じて もらい たい 。 道路 網 の 延長 ・ 整備 が 戦後 の 経済 成長 を 支えた こと は 否定 でき ない 。 だが 、 自動車 保有 台 数 の 増加 に 伴い 、 道路 沿線 住民 の 大気 汚染 被害 が 拡大 した こと も また 事実 である 。 判決 は 、 道路 の 公共 性 を 認め ながら も 、 「 全国 有数 の 大気 汚染 地域 に 巨大 道路 を 設置 すれば 、 さらに 深刻な 汚染 を もたらす こと は 十分に 予測 できた のに 、 特別の 環境 対策 を 取ら なかった の は 違法だ 」 と 、 国 など の 責任 を 明快に 指摘 した 。 また 、 道路 設置 後 の 公害 軽減 努力 に も 踏み込み 、 「 健康 被害 の 危険 が あれば 、 道路 構造 の 改善 や 走行 車両 の 制限 を 行う べきだった のに 、 不十分だった 」 と 具体 策 を 列挙 した 。 いずれ も 、 実現 に は さまざまな 制約 が あろう 。 だが 、 経済 効率 を 最 優先 する 道路 建設 と 歯止め なき 自動車 利用 の 拡大 に 対する 司法 から の 警告 と して 、 謙虚に 耳 を 傾け たい 。 阪神 大 震災 で 倒壊 した 阪神 高速 道路 の 高架 は 、 現在 、 元通りの 国道 上 に 再建 する 工事 が 進め られて いる 。 地域 の 住民 ら が 環境 など へ の 配慮 から 「 高架 を 地下 化 す べきだ 」 など と 提言 した が 、 「 工期 が かかり すぎる 」 と 退け られた 。 効率 優先 の 現実 論 だけ で は 、 環境 も 住民 生活 も 改善 さ れ ない 。 国 を 含め 、 今後 は 各地 の 道路 整備 に 住民 の 声 を 反映 して もらい たい 。 判決 で は 触れ られ なかった が 、 自動車 の 排ガス 規制 など 、 発生 源 対策 も 、 並行 して 強化 す べき 時期 だ 。 環境 行政 に も 苦言 を 呈し たい 。 環境 庁 は 先月 、 「 気管支 ぜんそく の 発症 や 悪化 に NO 2 が 関与 して いる と は いえ ない 」 と する 「 大 都市 ぜんそく 調査 」 を 発表 した 。 NO 2 と 健康 被害 と の 関係 に ついて は さまざまな 議論 が ある 。 昨年 三 月 の 「 倉敷 公害 訴訟 」 の 判決 で は 、 国 ・ 公団 が 当事 者 で は なかった が 、 因果 関係 が 認め られて いる 。 大気 中 の NO 2 濃度 は 一向に 改善 さ れて い ない のに 、 大気 汚染 地域 の 指定 が 解除 さ れ 、 新たな 公害 病 患者 認定 も 打ち切ら れた 。 環境 行政 の 後退 を 指摘 する 声 は 根強い 。 環境 庁 は 「 NO 2 は 恐れる に 足ら ず 」 と 主張 する ので は なく 、 環境 と 国民 の 健康 を 守る 本来 の 務め を 果たす べきであろう 。 「 西淀川 判決 」 は 、 その 原点 に 立ち返る こと を 教えて いる 。 第 十七 回 参院 選挙 が 六 日 公示 さ れ 、 二十三 日 の 投票 日 に 向けて 選挙 戦 の 火ぶた が 切って 落とさ れた 。 今回 の 参院 選 は 、 二十一 世紀 へ 向けて わが国 の 進路 を 問う 選挙 である と 同時に 、 自民党 長期 単独 政権 が 崩壊 し 、 連立 政権 時代 に 入って から 初めて の 国政 選挙 である 。 政界 再編 の 途上 で 離合 集散 を 繰り返した 政党 政治 の 在り よう に ついて 有権者 の 判断 が 示さ れる が 、 とりわけ 先 の 統一 地方 選 で 中央 の 既成 政党 に 厳しい 拒否 反応 を 示した 約 五 割 の 無党派 層 の 動向 も 大いに 注目 さ れる 。 しかし 気 に なる の は 、 いく つ か の 点 で 極めて 重要な 意義 の ある 選挙 である の に 早くも シラケ 選挙 の 様相 を 帯びて いる ことだ 。 デフレ 現象 へ の 突入 など 経済 の 先行き 不安 が 強まる 中 で 、 これ から の 日本 の 政治 、 経済 を どう 立て直して いく の か 、 かつて なく 政治 、 政党 の 役割 が 強く 求め られて いる 。 にもかかわらず 、 各 政党 が 相変わらず 権力 ゲーム と 数 合わせ に うつつ を 抜かし 、 目指す べき 国家 目標 なり 、 新しい 政治 理念 、 基本 政策 で 明確な 選択肢 を 有権者 に 提示 し 得て い ない 点 に 、 シラケ の 原因 が ある 。 政党 へ の 投票 と 政権 に 対する 信任 と の かかわり に ついて の 選択肢 も そう だ 。 一般 的に 政権 の 帰すう を 決める の は 衆院 選 と さ れて いる が 、 今回 の 参院 選 が 村山 政権 が 発足 して から 初めて の 国政 選挙 と いう こと から 必然 的に 村山 政権 の 信任 を 問う 選挙 と いう 性格 を 併せ持つ 。 社会党 の 獲得 議席 いかん で は 村山 富市 首相 の 進退 問題 に 発展 し 、 選挙 後 の 政局 の 激動 化 も 予想 さ れる 。 単独 政権 の 場合 は 与党 である 政党 の 消長 が そのまま 有権者 に よる 政権 の 信任 、 不 信任 と いう 形 で 表現 さ れる が 、 村山 政権 は 連立 政権 である 。 加えて 村山 政権 に ついて は 、 毎日新聞社 の 六 月 の 世論 調査 でも 二五 % の 支持 率 しか なく 、 民心 の 離れた “ 死に体 内閣 ” 化 して いる うえ 、 自民党 支持 層 の 三四 % しか 村山 政権 を 支持 し ない など 与党 支持 層 の 村山 政権 離れ が 加速 化 して いる 。 しかも 、 首相 を 送り出して いる 社会党 の 大敗 が 必至 と 言わ れる 状況 の 中 で 、 常識 論 と して は 国民 に 否定 さ れた 政党 の 党首 が 国 の 最高 責任 者 の 座 に とどまる こと は 許さ れ ない 。 ところが 、 自民党 など 与党 は 公示 を 前 に 「 社会党 が 大敗 して も 、 与党 三 党 の 獲得 議席 の 合計 が 三 党 の 改選 議席 を 上回れば 、 村山 政権 が 信任 さ れた もの と みなす 」 と 「 三 党 合算 論 」 を 持ち出して 参院 選 後 も 村山 政権 を 維持 する 根拠 づくり を 行った 。 ポスト 村山 の 受け皿 を めぐる 党 内 抗争 の 激化 回避 と 当面 の 政権 維持 を 最 優先 した 自民党 の 思惑 と 、 社会党 、 さきがけ の 利害 が 一致 した “ 村山 続投 ” の ため の 「 三 党 合算 論 」 だ 。 これ で は 有権者 の 投票 意思 が 「 合算 」 の 中 で ねじ曲げ られる と いう 奇妙な 現象 が 起こる 。 かといって 、 自民党 へ の 投票 が 即 “ 村山 続投 ” に つながる と の 河野 洋平 総裁 の 公式 コメント も 聞か ない 。 有権者 の 戸惑い を 解消 する ため に も 、 河野 総裁 は 明確な 見解 を 打ち出す べきで は ない か 。 与党 三 党 も 巨大 野党 の 新進党 も 内部 の ねじれ と 矛盾 を 覆い隠し 、 有権者 の 意向 お構いなし の イス取り 合戦 を 選挙 と 心得て いる ようで は 、 再び 有権者 から 厳しい 指弾 を 受ける の を 覚悟 し なければ なる まい 。 法律 上 の 結婚 を して い ない 夫婦 から 生まれた 「 非 嫡出子 」 の 相続 分 を めぐる 民法 の 格差 規定 に ついて 、 最高裁 大 法廷 は 「 平等 原則 に 反せ ず 、 合憲 」 と 判断 し 、 非 嫡出子 側 の 訴え を 棄却 する 決定 を 出した 。 前提 と して 「 この 規定 は 立法 裁量 の 範囲 内 に 属する 」 と も 判示 した 。 格差 規定 に ついて 下級審 で 違憲 判断 が 相次ぎ 、 「 差別 是正 」 論議 が 盛んに なって いた が 、 これ に 水 を 差す もの であり 、 最高裁 に 付いて回る 「 司法 消極 主義 」 の 批判 は 今回 も 免れ そうに ない 。 民法 九〇〇 条 は 、 非 嫡出子 の 法定 相続 分 を 「 嫡出子 の 二 分 の 一 と する 」 と 定めて いる 。 この 規定 で 格差 相続 を 余儀なく さ れた 二 件 の 遺産 分割 審判 が 最高裁 に 特別 抗告 さ れて いた 。 下級審 で は 違憲 の ほか 合憲 の 判断 も 出て おり 、 最高裁 と して の 憲法 判断 を 示す ため に 、 大 法廷 で 審理 を 進めて きた 。 合憲 と する 決定 は 判事 十五 人 の うち 十 人 の 多数 意見 、 五 人 は 「 違憲 」 と する 反対 意見 を 述べた 。 多数 意見 は 相続 制度 に ついて 「 国 の 伝統 、 社会 情勢 、 国民 感情 、 さらに は 婚姻 や 親子 関係 に 対する 規律 など を 総合 的に 考慮 する 必要 が ある 」 と いう 見解 を 示し 、 立法 府 の 裁量 判断 を 尊重 する 立場 を 明示 した 。 その うえ で 「 合理 的 理由 の ない 差別 と は 言え ず …… やむ を 得 ない 」 「 立法 趣旨 は 、 非 嫡出子 を 保護 する ため の もの である 」 と 述べて いる 。 格差 が あって も 非 嫡出子 に 相続 を 認めた 点 に 意義 を 見いだそう と する 判断 が 果たして 説得 力 を 持つ であろう か 。 法律 婚 の 重視 から 「 個人 の 尊厳 」 へ の 配慮 を 欠いた 決定 と 言わ ざる を 得 ない 。 むしろ 五 人 の 反対 意見 に 見る べき 点 が ある 。 「 出生 に ついて 何の 責任 も 負わ ない 非 嫡出子 を 法律 上 差別 する こと は 法律 婚 の 尊重 ・ 保護 の 枠 を 超え 、 合理 性 を 持た ない 」 と 、 個人 の 尊厳 を 前提 に 格差 規定 の 排除 を 結論付けて いる 。 かつて 、 ヨーロッパ 諸国 でも 嫡出子 と 非 嫡出子 と の 間 で 格差 が あった 。 相続 権 を 全く 認め ない 国 すら あった 。 しかし 、 各国 で は 格差 是正 の 法 改正 が 進み 、 大勢 に なって いる 。 わが国 でも 一九七九 年 に 「 相続 分 を 同等 と する 」 と いう 法 改正 試案 が まとめ られた こと も あった 。 これ は 実現 は し なかった が 、 昨年 七 月 に 再び 民法 改正 要綱 試案 が 出さ れ 、 是正 に 向けて 作業 が 進行 して いる 。 反対 意見 は こうした 動き を も 考慮 して 「 現在 で は 格差 規定 は 意味 を 失って いる 」 と まで 言い切って いる 。 非 嫡出子 側 が 主張 して きた の も この 点 であり 、 少数 意見 に とどまった の が 残念だ 。 世論 調査 に よれば 、 格差 是正 に 賛成 する 人 は 少数 派 だ 。 多く の 人 は 今 の 制度 を 守ろう と して いる 。 法律 婚 を 重視 しよう と いう 姿勢 も 尊重 さ れ なければ なら ない 。 かつて 別の 遺産 分割 審判 で 違憲 判断 を 示した 東京 高裁 は 、 法律 婚 と 子ども の 尊厳 の 両立 を 訴えた こと が あった 。 この 姿勢 が 最高裁 に も 求め られて いた ので は ない か 。 国連 人権 規約 委員 会 で 一昨年 十 月 、 わが国 は 格差 を 指摘 さ れ 「 相続 権 の 差別 は 人権 規約 に 反する 。 改正 に 向け 世論 を 変える の が 日本 政府 の 義務 である 」 と まで 勧告 さ れて いる 。 大 法廷 の 合憲 判断 に 寄り掛かる こと なく 、 政府 は 改正 論議 を 進め なくて は なら ない 。 道路 を 走る 自動車 が まき散らす 排ガス や 騒音 。 こうした 車 被害 は 程度 の 差 こそ あれ 、 どこ に も 見 られる 身近な 公害 である 。 とかく 見逃さ れ がちな 「 生活 妨害 」 だ が 、 最高裁 は 七 日 、 道路 管理 者 の 賠償 責任 を 認め 、 沿線 住民 を 救済 した 。 生活 重視 の 立場 から 、 車 社会 に よる 環境 悪化 に 警鐘 を 鳴らした 司法 判断 である 。 高く 評価 し たい 。 この 裁判 で は 、 大阪 市 と 兵庫 県 東部 を 結ぶ 幹線 道路 の 国道 43 号 と その上 を 高架 で 走る 阪神 高速 道路 の 沿線 住民 が 、 道路 管理 者 の 国 と 阪神 高速 道路 公団 に 騒音 と 排ガス 発生 源 の 差し止め と 、 損害 賠償 を 求めて 訴えた 。 被害 と して は 睡眠 妨害 や 精神 的 苦痛 、 排ガス に よる 洗濯物 の 汚れ など だった 。 差し止め と 将来 賠償 の 訴え に ついて は 、 経済 活動 に 果たす 道路 の 公共 的 役割 から 二 審 判決 が 退けて いた が 、 最高裁 は この 判断 を 支持 した 。 ただ 、 これ まで に 住民 が 受けた 被害 に ついて 、 最高裁 は 二 審 の 判断 を 「 正当 」 と する と いう 形 で 判断 を 示し 、 道路 に 構造 上 の 欠陥 が なく と も 供用 の 仕方 に 問題 が あり 、 被害 防止 対策 も 十分に 講じ られて い ない と 認定 した 。 その うえ で 、 道路 の 公共 性 と 公益 性 を 考慮 して も 住民 の 被害 は 「 受忍 す べき 範囲 内 に は なく 、 違法な 法益 侵害 」 と 結論づけた 。 国 や 公団 は 「 可能な 限り の 公害 防止 対策 は 実施 して きた 」 「 公共 性 を 考えれば 、 不 快感 と いった 被害 は 受忍 限度 内 」 と 反論 して きた が 、 判決 は ことごとく 退け 、 安易な 道路 行政 を 許さ ない 姿勢 を 明確に した 。 公共 性 の 名 の 下 に 、 経済 的 効率 の 面 から 道路 は 造ら れて きた 。 今 また 、 内需 拡大 や 公共 投資 拡大 が 錦 の 御 旗 と なり 、 全国 的に 道路 建設 は 進んで いる 。 もし 住民 の 犠牲 で 推し進め られれば 、 同じ ような 厳しい 批判 を 受ける こと に なる 。 道路 、 殊に 住宅 地 の 中 の 幹線 道路 は 、 十全な 公害 防止 策 と セット に なって 初めて 胸 の 張れる 存在 に なる と いう 思想 が 必要の ようだ 。 それにしても 、 訴訟 の 対象 に なった 地域 は 、 騒音 や 排ガス 被害 の 程度 に ついて 「 全国 の 最 上位 に は ない 」 と いう 点 は 考え させ られる 。 判決 の いう 「 違法 」 が ここ 以外 に も 各地 に ある わけで 、 国 や 公団 は 早急に 対策 を 取ら ねば なる まい 。 車 の 騒音 対策 で 環境 庁 は 「 世界 でも もっとも 厳しい 規制 基準 を 適用 して いく 方針 」 と いう 。 これ も 急が れよう 。 司法 消極 主義 が いわ れ 、 司法 は 時に 「 行政 追随 」 の 批判 を 受けて きた 。 今回 の 訴訟 でも 被害 の 程度 から 、 どこ まで 住民 の 訴え が 認め られる か 分から ない と する 見解 も あった 。 しかし 、 下級審 を 通して 健康 被害 を 否定 し ながら も 生活 妨害 を 「 受忍 限度 を 超える 」 と した 判断 から は 、 心理 的な 被害 の 重 さ に 目 を 向ける 司法 の 積極 的 姿勢 が 読み取れる 。 五 日 に は 、 「 西淀川 公害 訴訟 」 で 大阪 地裁 が 車 から の 二 酸化 窒素 と 健康 被害 と の 因果 関係 を 初めて 認め 、 国 や 道路 公団 の 賠償 責任 を 明確に した ばかりだ 。 相次ぐ 道路 行政 批判 に 国 は 真摯に 応え ねば なる まい 。 ただ 、 今回 の 裁判 は 提訴 から 十九 年 を 要して ようやく 決着 した 。 明らかに 長 すぎた 裁判 だ 。 訴訟 遅延 は 現在 進め られて いる 司法 改革 の メーン テーマ で も ある 。 速やかな 訴訟 進行 に も 裁判 所 は 心して もらい たい 。 それ が より 意義 ある 救済 と なろう 。 「 南アフリカ の 治安 状態 が 日本 に 悪い 印象 を 与えて いる ようだ が 、 わが国 の 治安 は 改善 さ れ つつ ある 」 二 日 から 六 日 まで 日本 を 訪れ 、 村山 富市 首相 ら 政 財界 要人 と 会談 した ネルソン ・ マンデラ 南アフリカ共和国 大統領 は 、 国 内 秩序 の 回復 を 誇示 して 日本 企業 に 投資 を 呼びかけた 。 三百 年 余 に 及んだ 白人 支配 に 終止符 を 打ち 、 人種 融和 政府 を 発足 さ せて から 一 年 余 。 日本 に 寄せる 新生 南ア の 期待 の 大き さ を うかがわ せる 言葉 だ 。 民主 化 さ れた 南ア は 昨年 、 二十 年 ぶり に 国連 総会 で 議席 を 回復 した ほか 、 非 同盟 会議 、 アフリカ統一機構 など 地域 諸 機構 に 相次いで 加盟 、 白人 政権 下 で 対立 関係 に あった アンゴラ 、 キューバ と も 外交 関係 を 樹立 する など 国際 社会 へ の 復帰 は めざましい 。 今回 の マンデラ 大統領 訪 日 は 、 国家 再建 を にらんだ 南ア の 長期 的な 外交 戦略 の 一環 と みて よい 。 五 日 発表 さ れた 両 国 共同コミュニケ で 、 日本 は 南ア に おける 「 民主 化 、 民族 融和 」 を 歓迎 、 その 国 造り に 「 可能な 限り の 支援 」 と 、 南部アフリカ 地域 経済 協力 へ の 支援 を 約束 した 。 南ア 側 は 日本 の 「 効果 的な 支援 」 に 期待 を 表明 して いる 。 多数 派 黒人 と 白人 の 経済 格差 是正 を 最 優先 課題 に 掲げる マンデラ 政権 は 、 復興 開発 計画 を 策定 して 黒人 の 生活 改善 と 地位 向上 に 取り組んで いる が 、 現実 の 壁 は 厚い 。 四〇 % を 超す 黒人 の 失業 率 、 粗末な 小屋 住まい を 強い られる 数百万 の 黒人 、 白人 に よる 土地 所有 の 独占 、 教育 格差 など 、 どれ ひと つ とって も その 解決 は 容易で は ない 。 「 問題 の 解決 に 五 年 は かかる 」 と 、 同 大統領 も 状況 の 困難 さ を 認めて いる 。 多難な 国 造り で 注目 さ れる の は 、 同 政権 が 当初 予想 さ れた 鉱物 資源 国有 化 など 急激な 社会 主義 路線 に 走ら ず 、 自由 競争 に 基づく 市場 経済 政策 を 推進 して いる ことだ 。 公的 機関 に おける 黒人 優先 雇用 も 極端な もの で は ない 。 「 人種 融和 」 を 重視 する 同 政権 の 方針 は 、 少数 派 の 白人 から 歓迎 さ れて いる 。 マンデラ 大統領 の 現実 路線 を 定着 さ せる ため に も 、 国際 社会 は 物心 両面 で 南ア を 助ける べきだ 。 その 意味 で 日本 が 南ア に 、 二 年間 に わたって 計 十三億 ドル の 援助 を 約束 した こと を 歓迎 し たい 。 豊富な 資源 と 工業 生産 力 を 基盤 に 、 南ア は 地域 大国 に なる 可能 性 を 秘めて いる 。 南ア は 地域 十一 カ国 で 構成 する 「 南部 アフリカ 開発 共同 体 」 の 中心 メンバー と して 、 地域 協力 の 核 に なり 得る 国 だ 。 南ア 支援 は 、 この 地域 の 安定 に 寄与 する だろう 。 アジア 重視 だった わが国 の 政府 開発 援助 も 、 アフリカ を 視野 に 入れる 時期 に きて いる 。 日本 企業 に よる 対 南ア 投資 は 欧 米 に 比べれば 少ない 。 地理 的に 離れて いる うえ 、 現地 労働 賃金 の 高 さ が ネック に なって いる が 、 南ア の 環境 が 整備 さ れれば 進出 の 余地 は ある 。 南ア は 白人 支配 時代 の 一九九三 年 、 保有 して いた 核 爆弾 を 解体 した こと を 明らかに した 。 現 政権 も 核 兵器 不 保持 を 誓約 、 日本 と の コミュニケ でも 核 拡散 防止 条約 の 無 期限 延長 を あらためて 歓迎 した 。 先月 末 、 OAU 首脳 会議 で 採択 さ れた アフリカ 非核 化 条約 は 年 内 に も 調印 さ れる 。 アフリカ 非核 化 の リーダー と して 、 南ア が 核 軍縮 に 貢献 する こと を 期待 し たい 。 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 で は 、 故 金 日成 主席 一周忌 を 迎え 金 正日 書記 出席 の 追悼 式典 が 行わ れた 。 北朝鮮 は 名実ともに 金 日成 時代 に 別れ を 告げ 、 これ を 引き継ぐ 新たな 時代 の 幕 を 開けた こと に なる 。 昨年 の 金 日成 主席 死去 直後 に は 内部 混乱 ・ 崩壊 を 予測 し 、 朝鮮 半島 で の 戦争 の 可能 性 を 指摘 する 短期 的な 見通し が 少なく なかった 。 しかし 、 こうした 観測 は すべて 外れた 。 ここ 数 年 の 日本 で の 北朝鮮 分析 の 混乱 は 、 国際 問題 を 理解 する 際 に 現実 的な 理解 と 、 正確な 情報 収集 を 欠いて いた ため である 。 国際 問題 の 判断 と 分析 は 、 その 国 の 政策 決定 過程 と 物 の 考え 方 、 それ に 歴史 ・ 文化 へ の 理解 なし に は 難しい 。 一方的な 思い込み と 日本 的な 価値 観 を 基準 に 、 国際 問題 に 取り組む の は 危険である 。 文化 も 歴史 も 、 生活 風習 も まったく 異なる 外国 の 理解 に は 、 どこまでも 冷静で 感情 論 に 左右さ れ ない 冷めた 視点 から の 取り組み が 重要である 。 北朝鮮 に とって 故 金 日成 主席 一周忌 は 、 指導 者 を 失い 最も 不安で 困難な 時期 を 乗り切った 記念 す べき 日 に なる 。 多く の 社会 主義 国 が 崩壊 し 、 中国 など が 経済 開放 政策 を 進める 中 で 、 北朝鮮 は 国家 の 生き残り を かけた 課題 に 直面 して きた から だ 。 北朝鮮 は 、 故 金 日成 主席 の 生前 の 政策 と 方針 を 遺訓 と して 、 政策 の 継続 を 掲げて いる 。 核 問題 に ついて の 米 朝 基本 合意 は 、 この 「 遺訓 」 の 実行 で も あった 。 したたかで 厳しい 交渉 を 展開 し ながら も 、 交渉 に よる 解決 を 求め 続けた 。 また 軽水 炉 支援 を めぐる 先月 の 交渉 でも 、 米国 に 常に 「 交渉 を 決裂 さ せ ない 」 と の メッセージ を 送り 続け 、 合意 を 実現 した 。 この 北朝鮮 外交 の 現実 路線 は 、 最近 の コメ 支援 問題 でも 韓国 と の 南北 対話 に およそ 一 年 ぶり に 応じ 、 これ まで の 姿勢 を 変え 韓国 から の コメ を 受け入れた 。 南北 朝鮮 は 、 コメ 支援 問題 で 十五 日 に 会談 を 行う 。 この 機会 を 、 南北 対話 の 本格 再開 に 生かして ほしい 。 北朝鮮 は 、 九 月 ごろ に は ワシントン に 連絡 事務 所 を 開設 できる 見通し だ 。 米国 も また 、 平壌 に 連絡 事務 所 を 開設 する 。 これ は 、 北朝鮮 に とって 新しい 歴史 の 始まり を 意味 する 。 だが 、 米 朝 正常 化 の ため に は 人権 問題 の 改善 と ミサイル 問題 の 解決 が 必要に なる 。 北朝鮮 内 で は 、 日 米 を はじめ 韓国 が 北朝鮮 社会 主義 の 崩壊 を 望み 、 そうした 戦略 を 進めて いる と の 見方 が なお 支配 的である 。 しかし 、 各国 の 対応 は 北朝鮮 の 崩壊 を 望ま ない と いう 方針 で 一致 して いる 。 北朝鮮 は この 点 を 見誤ら ないで ほしい 。 北朝鮮 は 、 ことし 十 月 十 日 の 朝鮮 労働 党 創建 五十 周年 まで に 、 金 正日 書記 を 党 総 書記 と 国家 主席 に 選出 する と み られて いる 。 若い 世代 が 、 名実ともに 最高 指導 者 と して リーダーシップ を 発揮 する こと に なる 。 金 正日 書記 は 、 この 一 年間 に 二 つ の 論文 を 発表 し 、 国家 運営 の 方針 を 明らかに して いる 。 最近 発表 さ れた 論文 で は 、 思想 教育 の 最 優先 を 説き 「 公開 性 」 と 「 多元 主義 」 を 否定 して いる が 、 これ は 経済 の 部分 開放 政策 推進 の ため の 環境 整備 と みて いい ようだ 。 北朝鮮 の 若い 指導 者 が 、 どのような 内外 政策 を 明らかに する の か 、 世界 は 注目 して いる 。 国際 社会 へ の 扉 を 自ら 閉ざす こと なく 、 歴史 の 流れ と 変化 に 適応 する よう 望み たい 。 全国 の 国税 局 、 税務 署 が 実施 する 調査 は 年間 百万 件 を 超える 。 脱税 の 手口 は 、 年々 巧妙に なり 、 署員 ら を 悩ま して いる と いう 。 この 中 で 、 巨額で 悪質な 事犯 に 立ち向かう の は 、 国税 局 で 唯一 、 強制 調査 権 を 持つ 査察 部 である 。 伊丹 十三 監督 の 映画 「 マルサ の 女 」 の 舞台 と なった ところ だ 。 税金 を 逃れた 汚れた カネ に とって 、 最後 の 関門 と いって いい 。 それだけに 、 ここ が 緩む と 「 徴収 の 公平 」 に 対する 不信 感 を 増大 さ せる こと に なる 。 その 査察 の 一九九四 年度 の 実績 が 、 この ほど まとまった 。 処理 件数 は 個人 、 企業 を 合わせて 二百十六 件 であり 、 摘発 した 所得 隠し の 総額 は 八百一億 円 だった 。 まず 目 に つく の は 額 が 前 年度 に 比べ 二 割 以上 、 減少 して いる こと 。 バブル 経済 時代 の 調査 が ほぼ 終わった ため だ 。 問題 は 「 質 」 である 。 年間 百万 件 以上 の 税務 調査 の 中 に あって 、 二百 件 ちょっと の 査察 は 件数 で は 少ない 。 つまり 、 査察 が 問わ れて いる の は 「 量 」 で は なく 、 「 質 」 である と いう ことだ 。 それ が 、 脱税 を 抑える 「 波及 効果 」 を 持つ 。 しかし 残念 ながら 今回 、 そのような 摘発 は 見当たら ない 。 最も 隠した 所得 が 大きかった の は 、 埼玉 県 の 建設 会社 社長 の 四十五億 円 だった 。 借名 口座 を 使う と いう 「 古典 的な 手口 」 で 、 貴金属 の 先物 取引 を し 、 その 利益 を 隠して いた 。 個人 の 脱税 と して 史上 二 番 目 の 額 だ が 、 印象 は 薄い 。 査察 に 期待 さ れて いる の は 、 巨大な 組織 や 政治 力 を 壁 に し 、 ぬくぬく と 税金 を 逃れて いる 者 の 摘発 だ から だ 。 これ ら の 人 たち の 背筋 を 寒く さ せる 、 「 一罰百戒 」 の 効果 の ある 事件 の 摘発 が 、 絶えず 求め られて いる と 言って いい 。 二 年 前 の 三 月 六 日 、 金丸 信 ・ 元 自民党 副 総裁 が 東京 地検 に よって 脱税 の 疑い で 逮捕 さ れた 。 東京 国税 局 査察 部 が 大きな 役割 を 果たして いる 。 「 国税 局 など の 協力 で 、 捜査 が 順調に 進展 した の は 幸運だった 。 感謝 し たい 」 起訴 した 日 、 記者 会見 した 増井 清彦 ・ 東京 地検 検事 正 の 感想 である 。 この 言葉 から 、 それ を うかがう こと が できる 。 事件 は 、 建設 会社 の 使途 不明 金 や 裏金 が わいろ に 使わ れた ゼネコン 汚職 の 摘発 に つながる 。 脱税 の 温床 と 言わ れて いた 使途 不明 金 が 、 急激に 減って いる と いう 。 「 抑止 効果 」 である 。 国税 局 に は 、 優秀な 査察 官 の 名前 を かぶせた 「 ○○ 学校 」 と 呼ば れる もの が ある 。 その 査察 官 が 磨き上げた 伝統 的な 調査 手法 が 引き継が れて いる 。 それ が 、 これ まで は 大きな 効果 を 上げて きた 。 しかし 情報 化 、 国際 化 が 急激に 進む 社会 に あって 、 脱税 の 手口 も また 変わり つつ ある 。 脱税 に コンピューター が 使わ れる の は 珍しく ない 。 帳簿 に 操作 の 痕跡 が 残り にくく なって きた 。 汚れた カネ を 「 洗浄 」 する ため に 海外 の 金融 機関 も 利用 さ れて いる 。 語学 に 強い 人材 も 欠かせ ない 。 査察 の 摘発 の 技術 も また 、 伝票 と 帳簿 の 追跡 が 中心 の 「 伝統 」 に こだわって いて は 、 時代 に 遅れる 。 切れ味 鋭い 、 新たなる 調査 手法 を 身 に つけ 、 脱税 者 が 「 次 は 自分 か 」 と 眠れ なく なる ような 、 「 一罰百戒 」 の 事犯 の 摘発 を 期待 し たい 。 それ が 「 抑止 力 」 で も ある 。 先週 末 の 日 米 の 相次ぐ 利下げ と 、 為替 市場 で の 協調 介入 は 、 円高 と 株 安 の 流れ を すっかり 変えた 。 通貨 当局 の タイミング の よい 協調 行動 を 評価 し たい 。 週明け の 東京 株式 市場 は 、 結果 と して 横ばい に 終わった が 、 デフレ 懸念 と 金融 システム 不安 は やや 後退 した 。 実体 経済 が 変わった わけで は ない ので 、 警戒 を 要する が 、 通貨 当局 と して は 久しぶりに ヒット を 飛ばした 格好である 。 米 連邦 準備 制度 理事 会 が 短期 の 指標 金利 を 三 年 ぶり に 低め 誘導 した の は 、 この ところ 急速に 停滞 感 を 強めて いる 景気 へ の 配慮 だろう 。 FRB は 「 穏やかな 調整 」 と して いる が 、 金融 政策 の 基調 は 、 一 年 以上 続いた 予防 的 引き締め から 緩和 へ 大きく 舵 が 切り替え られた と いえよう 。 これ に 対して 日本 は 四 年 前 から 金融 緩和 政策 を 続け 、 公定 歩合 は 一 % の 歴史 的な 低 水準 に あり 、 市場 で は 日銀 が 翌日 物 市場 金利 を 、 公定 歩合 より も 低 めに 誘導 する と 予想 する 向き は 少なかった 。 それだけに 市場 で は 金融 当局 の 強い メッセージ と 受け取った 。 金利 面 で の 日 米 の 同時 緩和 は 、 示し合わせた と は 思わ れ ない が 、 方向 性 で は 通貨 当局 間 で 相談 済み であろう 。 一方 、 為替 市場 で の 日 米 協調 介入 は 、 日 米 が 「 強い ドル 」 を 目指して いる こと を 鮮明に 印象づけた 。 四 月 の 先進 七 カ国 蔵 相 ・ 中央 銀行 総裁 会議 で 、 「 ドル の 秩序 ある 反転 」 で 基本 合意 して いた が 、 米国 が どれほど 真剣 か 、 疑念 も 残って いた 。 だが 、 今回 の 協調 介入 で 、 米 当局 の ドル高 志向 が 本気である こと が 明確に なった 。 米国 に とって 、 ドル安 は 輸出 競争 力 で プラス だ が 、 円高 が 日本 の 景気 に 打撃 を 与えて 、 米国 の 対 日 輸出 が 減る の は 困る 。 また 、 ドル高 の 輸入 物価 上昇 に 対する 抑制 効果 を 重視 して の こと だろう 。 米 政府 は 為替 を 、 通商 交渉 で 日本 に 圧力 を かける 武器 と して 使って きた 。 しかし 、 自動車 ・ 同 部品 交渉 の 決着 で 、 日 米 の 通商 摩擦 は 当面 の ヤマ を 越した 。 航空 貨物 と か フィルム 市場 など が 残って いる が 、 自動車 と 比べて スケール は 小さい 。 今回 の 金融 ・ 通貨 で の 協調 は 、 きしみ の 目立った 日 米 関係 を 前向きな 協力 関係 に 変える きっかけ に なり うる 。 米 政府 、 議会 が 財政 赤字 削減 に 真剣に 取り組み 始めた 折 で も あり 、 世界 経済 の 活性 化 に 、 日 米 が 協調 して 貢献 して ほしい 。 市場 は 日 米 協調 の 可能 性 を 、 実態 以上 に 受け取って いる はずだ 。 ここ は 日本 経済 に とって 、 状況 を 大きく 変える チャンス だろう 。 デフレ の 罠 わな に はまった 経済 は 、 さまざまな 構造 欠陥 を 露呈 して いる 。 市場 の 焦点 が 再び そこ に 戻れば 、 株価 が 反落 する 恐れ も ある 。 政府 ・ 日銀 は この 機会 を 生かし 、 デフレ 経済 に 対する 果断な 対応 策 を 打ち出す ことだ 。 財政 に よる 追加 刺激 策 、 政府 規制 撤廃 ・ 緩和 へ の 一層 の 取り組み 、 土地 の 流動 化 対策 、 産業 ・ 金融 空洞 化 対策 など 、 思い切った 取り組み が 求め られて いる 。 問わ れて いる の は 、 事態 を 打開 する と いう 政府 ・ 日銀 の 決意 と 持続 する 意志 である 。 金融 システム の 安定 に 背水 の 陣 で 取り組む と いう 姿勢 だけ でも 鮮明に 示して もらい たい 。 それ を 市場 が 評価 すれば 、 事態 の 好 循環 に つながり うる のである 。 英 植民 地 、 香港 の 中国 返還 まで あと 二 年 足らず と なった 。 一九九七 年 七 月 一 日 午前 零 時 を 期して 、 香港 は 百五十 年 以上 に わたった 植民 地 の 歴史 に 終止符 を 打ち 、 「 国防 、 外交 以外 の 高度の 自主 権 」 を 行使 する 中国 の 特別 行政 区 に なる 。 香港 の 上空 に は 、 これ まで 重い 雨雲 が 垂れこめて いた 。 返還 前 の 香港 に 、 代議 政治 の 要素 を 導入 しよう と した パッテン 総督 の 政治 改革 に 中国 が 猛 反発 、 返還 まで の 過渡 期 の さまざまな 問題 を 話し合う 英 中 交渉 が 暗礁 に 乗り上げて しまった から だ 。 しかし 、 この 雨雲 も 「 返還 まで あと 二 年 」 の 秒読み の 中 で ようやく 消え去った ようだ 。 英 中 双方 の 譲歩 で 、 滞って いた 交渉 が 次々 に 妥結 した から だ 。 十 月 に は 銭 其シン 外 相 が 三 年 ぶり に 訪 英 し 、 英 中 関係 の 完全 修復 を 印象づける 予定 だ 。 中国 の 国家 行為 以外 の 問題 に ついて 最終 的な 司法 判断 を 示す 終審 法 院 は 、 九七 年 の 返還 当日 に 設置 する こと で 英 中 の 折り合い が ついた 。 英 側 は 返還 一 年 前 の 設置 を 目指して いた が 「 主権 回復 前 の 設置 は 認め ない 」 と いう 中国 の 主張 に 譲歩 した 。 しかし 中国 も 終審 法 院 関連 法案 を 総督 の 諮問 機関 である 立法 評議 会 が 審議 、 決定 する こと を 認めた 。 総額 二兆 円 を 超える 大 プロジェクト である 新 空港 建設 に 関する 四 年 越し の 英 中 交渉 も 、 六 月 末 に 最後に 残って いた 財務 問題 が 片付き 、 新 空港 関係 の 交渉 は すべて 妥結 した 。 当初 の 目標 だった 返還 前 の 開港 は 無理だ が 、 九八 年 春 に は 何とか オープンに こぎ着け られ そうだ 。 返還 前 に 駆け込み 的な 政治 改革 を 強行 した パッテン 総督 に 対する 中国 側 の 反感 は 今なお 強い 。 しかし 返還 が 迫って きた こと も あって 、 総督 以外 の 香港 政庁 高官 や 十八万 人 の 公務 員 へ の 融和 姿勢 が 目立ち 始めた 。 香港 人 初 の 行政 長官 である アンソン ・ チャン 女史 が 中国 の 招き で 六 月 末 に 秘密裏 に 訪 中 、 銭 外 相 や 魯 平 国務院 香港 マカオ 弁 公室 主任 と 会談 、 過渡 期 の 諸 問題 や 特 区 準備 委員 会 、 初代 行政 長官 の 選任 など に ついて 幅広く 話し合った 。 中国 は これ まで 、 チャン 長官 ら 香港 政庁 高官 を 総督 と 同様に 敵視 し 、 会見 すら 拒んで いた 。 「 返還 まで 二 年 」 と は いって も 、 実際 に は 来年 初め に は 特別 行政 区 準備 委員 会 が 正式に 旗揚げし 、 年 末 まで に 特別 行政 区 行政 長官 の 選出 や “ 影 の 内閣 ” の 組閣 も 完了 する 。 九七 年 七 月 一 日 まで に 香港 特別 行政 区 に 必要な 新しい 行政 、 司法 機構 など は 事実 上 すべて 整い 、 返還 当日 は 返還 を 法的に 確認 する 儀式 が 行わ れる だけ だ 。 英 中 関係 が 好転 し 、 政治 的 難題 は なくなった と は いえ 、 香港 の 景気 を 支えて きた 不動産 価格 が 低迷 、 失業 率 も 高まる など 、 この ところ 経済 的に は 不安 材料 の 方 が 目立つ 。 英国 式 の 法治 社会 が 、 返還 に 伴って 大陸 の ような 人 治 社会 に なる ので は ない か 、 腐敗 が 広まる ので は ない か と 懸念 する 声 も 強い 。 香港 の 繁栄 と 安定 を 維持 する に は 、 中国 側 が 社会 主義 中国 の 中 に 資本 主義 の 特別 行政 区 の 存在 を 認め 、 現地 の 香港 人 に 香港 を 統治 さ せる 「 一 国家 二 制度 」 「 港 人 治 港 」 の 約束 を きちんと 守る こと が 肝要だ 。 世界 に 類 を 見 ない 「 一 国家 二 制度 」 プラン が 確かに 実行 可能である こと を 事実 に よって 証明 できれば 、 台湾 問題 の 平和 解決 に も 役立つ だろう 。 ミャンマー の 民主 化 運動 指導 者 で 、 ノーベル 平和 賞 受賞 者 の アウン ・ サン ・ スー ・ チー さん が 六 年 ぶり に 自宅 軟禁 を 解か れた 。 私 たち は 軍事 政権 が 「 国家 の 破壊 に 手 を 貸した 」 と して 野党 の 国民 民主 連盟 指導 者 だった スー ・ チー さん の 自由 を 奪って 以来 、 早期 解放 する よう 呼びかけて きた 。 今月 十一 日 は 軍事 政権 下 の 法律 で 許さ れる 自宅 軟禁 の ギリギリ の 期限 だった 。 その 意味 で は 「 早期 解放 」 で は ない 。 しかし 、 スー ・ チー さん が 何はともあれ 、 再び 元気な 姿 を 私 たち の 前 に 現す こと が できた こと を 心から 喜び たい 。 スー ・ チー さん の 自宅 軟禁 は 、 日本 を 含む 西側 諸国 が 経済 援助 を 復活 する うえ で 最大 の 障害 と なって きた 。 政府 が 今後 の 人権 や 民主 化 の 動き を 見定め ながら 本格 援助 の 検討 を 始めた こと は 妥当な 判断 と いえる 。 軍事 政権 側 は 「 無 条件 解放 」 だ と 強調 して いる が 、 再び 舞台 が 暗転 する 可能 性 は 残って いる 。 解放 の 三 日 前 に 軍事 政権 の キン ・ ニュン 第 一 書記 が 「 四千五百万 人 の 人権 の 方 が 一 人 の 人権 より 大切だ 」 と 、 あらかじめ くぎ を 刺して いる から だ 。 民主 化 勢力 は 一九九〇 年 五 月 の 軍事 政権 下 で の 選挙 で 議席 の 八 割 を 獲得 して 圧勝 した が 、 その後 の 弾圧 で 弱体 化 した 。 しかし キン 第 一 書記 は この 演説 で 、 仮に 民主 化 勢力 が 再び 社会 を 騒然と さ せる なら 容赦 し ない 、 と 警告 した のだ 。 スー ・ チー さん は 記者 団 に 対話 に よる 民族 和解 へ の 抱負 を 語った 。 軍事 政権 の 術中 に はまら ず 、 より 成熟 した 政治 活動 を 展開 する よう 望み たい 。 今回 の 解放 は 、 東南 アジア 諸国 連合 の 「 建設 的 関与 」 政策 の 成果 と も いえる 。 米国 や 欧州 諸国 は 、 選挙 の 結果 を 軍靴 で 踏みにじった 軍事 政権 に 経済 制裁 を 実施 、 一切 の 対話 を 拒否 した 。 しかし ASEAN 諸国 は 軍事 政権 と の 対話 や ミャンマー へ の 投資 に よって 接触 を 深め 、 説得 する 道 を 選んだ 。 昨年 の ASEAN 外 相 会議 から は ミャンマー を ゲスト と して 招待 して いる 。 ASEAN の 「 建設 的 関与 」 に は ミャンマー と 中国 と の 過度の 接近 を 防ぐ と いう 思惑 も あった ようだ 。 しかし 、 この ソフトな 対話 路線 が 、 結局 は 軍事 政権 の 警戒 心 を 徐々に 和らげ 、 昨年 九 、 十 月 の 軍事 政権 首脳 と スー ・ チー さん と の 二 度 の 対話 に つながった と も いえる 。 その後 、 強硬 派 の 米国 や 英国 も ミャンマー と の 「 批判 的 対話 」 に 踏み切った 。 軍事 政権 が スー ・ チー さん の 解放 を 決意 した の は 、 数 年 来 の 外資 導入 と 市場 経済 化 で 経済 活性 化 に 成功 、 ほとんど の 反 政府 少数 民族 ゲリラ と の 和解 に こぎつけた と いう 内政 面 で の 自信 に も 裏打ち さ れて いる 。 ミャンマー で 民主 化 運動 が 盛り上がった の は 、 豊かな 資源 国 で あり ながら 六〇 年 代 以来 の 「 ビルマ 型 社会 主義 」 路線 で 経済 が 低迷 、 世界 の 最貧国 に 転落 した こと へ の 民衆 の 強い 不満 が あった から だ 。 軍事 政権 が 少数 民族 と の 和解 と 経済 発展 に 力 を 注ぎ 、 インフレ 、 貧富 の 格差 など の 問題 は ある に せよ 、 一定 の 成果 を 上げ つつ ある こと は 評価 さ れよう 。 キン 第 一 書記 ら 軍事 政権 首脳 と スー ・ チー さん の 対話 は 昨年 十 月 以来 行わ れて い ない 。 軍事 政権 は スー ・ チー さん の 呼びかけ に 応えて 対話 を 深め 、 ミャンマー の 政治 的 和解 と 経済 発展 の 方策 に ついて 率直に 話し合い 、 民族 和合 に 努力 す べきだ 。 地球 と いう 名 の 巨大な 船 は 、 五十七億 人 余 の 乗客 に 加え 、 毎年 八千六百万 人 の 新たな 仲間 を 乗せ 続ける 。 いったい 何 人 まで 乗船 可能な の か 。 その 大 命題 と ともに 、 快適な 一 等 船室 から 船底 まで 、 余りに も 激しい 船 内 環境 の 差 が 常に 問わ れて きた 。 国連 人口 基金 の 「 世界 人口 白書 」 は 今年 も 、 この 途方 も なく 重い 、 ふた つ の 課題 を 抱えて 呻吟 する 。 世界 人口 は 、 十億 人 から 二十億 人 に なる まで 百二十三 年 かかった が 、 その後 の 十億 人 ずつ の 増加 は 三十三 年 、 十四 年 、 十三 年 に すぎ なかった 。 さらに 六十億 人 台 に 乗る まで わずか 十一 年 と の 予測 である 。 飢餓 、 疫病 、 大戦 、 天変 地異 に よる 淘汰 を 待つ ような 運命論 者 で いる わけに は いか ない 。 人口 圧力 ― 環境 破壊 ― 経済 停滞 の 泥沼 に はまり 込む 地域 ・ 国家 群 が 現に 広がる 。 遠い 将来 の 子孫 たち の 問題 で は ない 。 一方 で 、 国際 機関 や 各国 の 非 政府 組織 に よる 努力 は 着実に 成果 を 上げて いる 。 過去 二十 年間 に わたる 家族 計画 の 普及 は 、 開発 途上 国 の 合計 特殊 出生 率 を 一九五〇 年 代 の 六・一 から 現在 の 三・七 まで 下げた 。 それ でも 、 なお 三億五千万 組 の カップル は 近代 的な 避妊 の 情報 も サービス も 手 に でき ないで いる 、 と いう 。 十代 の 若 すぎる 母 を 中心 に 途上 国 の 妊産婦 死亡 率 は 、 先進 国 に 比べ 十五 倍 から 最高 五十 倍 も 高い 。 適切な 産 前 検診 や 応急 処置 が あれば 、 年間 五十万 人 も の 女性 たち の 死 は ほとんど 避け られた はずだ 。 白書 は 、 さまざまな 解決 の 方向 性 を 示す が 、 もっとも 説得 力 の ある の は 教育 水準 を 高める こと の 大事 さ だ 。 「 読み書き の でき ない 人 が 九億六千万 人 も いて 、 その 三 分 の 二 が 女性 である 。 一億三千万 人 の 子供 たち が 初等 教育 へ の 道 を 閉ざさ れ 、 そのうち 九千万 人 以上 は 女児 である 」 教育 は 、 女性 たち の 身 を 守り 、 権利 を 育て 、 社会 的な 地位 を 高める 。 あまりに も 早い 結婚 を 避けたり 、 夫 と 話し合い 、 避妊 したり 出産 間隔 も 調整 できる 。 赤ちゃん が 健やかに 成長 する ため の 社会 環境 作り も 女性 の 参加 が カギ に なる 。 すでに 「 多産 多 死 」 で は なく 「 多産 少 死 」 の サイクル が 回って いる と の 指摘 も ある 。 だが 、 サハラ 以南 の アフリカ や 南西 アジア など で は 健やかに 育つ 子 が 少ない ゆえ に 、 より 多く の 子供 を 望む 傾向 は 続く 。 この 白書 に 先立つ 国連 児童 基金 の 「 国々 の 前進 」 は 、 ビタミン A の 欠乏 が 失明 の 主な 原因 に なる だけ で なく 、 栄養 の 十分な 子供 たち の 死亡 率 まで 高める 実証 例 を 載せた 。 一 個 わずか 二 セント の ビタミン A の カプセル で 毎年 百万 人 から 三百万 人 も の 子供 たち を 救える のだ 。 年間 三百万 人 に 上る 子供 が 下痢 性 の 病気 で 亡くなる が 、 これ も 一 個 十 セント の 経口 補 水 剤 で 大半 を 救える 。 世界 最 高額に なった わが国 の 政府 開発 援助 は 、 この 教育 ・ 保健 分野 に もっと 力 を 注ぐ べきだ 。 九 月 に は 北京 で 「 国連 世界 女性 会議 」 が 開か れる 。 昨年 の カイロ 「 国際 人口 開発 会議 」 で の 議論 を 深める 絶好 の 機会 に なる 。 妊娠 ・ 出産 から 社会 全般 に 及ぶ 女性 たち の 権利 の 確保 と 地位 の 向上 を 目指し 、 具体 的な 道筋 を 切り開いて ほしい 。 日本 で は いったん 決まった 大型プロジェクト が 途中 で 中止 したり 、 方向 転換 する こと は まず ない 。 一千億 円 以上 の 開発 費 を 投じ ながら 見る べき 成果 が なかった 原子 力 船 「 むつ 」 は その 代表 例 であろう 。 この ため 大型プロジェクト でも 目標 の 達成 度 が 低い 場合 は 中断 する など の 勇気 を 持つ べきだ 、 と いう 意見 が 国 内 で 強まって きた 。 そうした 声 に 応えよう と する ケース が 「 むつ 」 と 同じ 原子 力 分野 で 現れた 。 電力 九 社 で 構成 する 電気 事業 連合 会 が 十一 日 、 青森 県 大間 町 に 計画 さ れて いる 新型 転換 炉 実証 炉 の 建設 を 断念 し 、 改良 型 の 沸騰 水 型 軽水 炉 に 変更 する よう 、 科学 技術 庁 や 通産 省 、 建設 に あたる 電源 開発 など に 申し入れた のだ 。 ATR は 動力 炉 ・ 核 燃料 開発 事業 団 が 開発 した 国産 原子 炉 。 プルトニウム や ウラン を 燃やす が 、 ウラン が プルトニウム に 転換 さ れる 割合 が 通常 の 軽水 炉 より 高い 。 日本 は 核 燃料 の 有効 利用 の ため 、 ATR や 核 燃料 を 増やす 高速 増殖 炉 の 開発 を 進め 、 ATR を FBR 実用 化 まで の つなぎ と 位置付けて いた 。 ATR は 技術 的 可能 性 を 確認 する 原型 炉 「 ふげん 」 の 開発 まで は 順調に 進んだ が 、 経済 性 を 評価 する 実証 炉 の 段階 で つまずいた 。 計画 が 遅れて いる 間 に 、 出力 六十万六千キロ ワット の 実証 炉 建設 費 が 当初 の 三千九百六十億 円 から 五千八百億 円 に 跳ね上がった のだ 。 これ で は 発電 コスト が 高く つき 、 今 で さえ 「 日本 の 電力 料金 は 割高 」 と 批判 を 浴びて いる 電事連 に とって は 受け入れ にくかった 。 しかも 軽水 炉 で プルトニウム と ウラン の 混合 酸化 物 燃料 を 燃やす 方式 の 技術 的 メド が つき 、 ATR の 価値 は 半減 した 。 そこ で 電事連 は 今回 の 申し入れ を 行った 。 政府 や 電力 会社 は もともと 「 ATR の 実用 化 は 難しい 」 と 考えて おり 、 電事連 の 判断 は 評価 できる 。 政府 は メンツ を 捨て 、 早急に ATR 開発 を 断念 す べきだろう 。 ATR の 開発 に は これ まで 官民 合わせて 二千八百億 円 の 巨費 を 投じて きた 。 なぜ もっと 早く 撤退 し なかった の か 。 政府 の 原子 力 委員 会 は 昨年 六 月 に 今後 の 原子 力 政策 の 指針 と なる 原子 力 開発 利用 長期 計画 を 改定 して おり 、 この 時 が チャンス だった と 思う 。 政府 は これ まで の 経過 と 、 惰性 で 計画 を 進めて きた 責任 が どこ に ある の か を 国民 の 前 に 明らかに し 、 大型プロジェクト を 進める に 当たって の 今後 の 教訓 に す べきだろう 。 ATR の 代わり に 大間 町 に 出力 百三十五万キロ ワット 級 の 改良 型 軽水 炉 を 建設 し 、 MOX 燃料 を 百 % 使う ように し たい と いう 提案 は 唐突 すぎる 。 地元 も 驚いて いる こと だろう 。 政府 や 電源 開発 は 漁業 補償 など 地元 と の 対応 に は 今後 、 誠意 を もって あたって ほしい 。 プルトニウム の 積極 利用 路線 を とる 政府 は 核 拡散 へ の 懸念 に 配慮 し 、 余剰 プルトニウム を 持た ない と 強調 して きた が 、 数字 は つじつま 合わせ の 部分 が 多い 。 今回 の 新 提案 も そうした 一環 と 見 られる 。 これ で は いつ 矛盾 が 表面 化 する か 分から ない 。 プルトニウム 利用 の 本命 は 二〇三〇 年 ごろ の 実用 化 を 目指す FBR だ が 、 この 建設 費 も かさみ 、 コスト 計算 を すれば ATR の 二の舞い に なる 可能 性 が ある 。 ATR と いう 一角 が 崩れた 以上 、 もう 一 度 プルトニウム 政策 を 見直す べきで は ない か 。 生きる 時間 は 長く なる 一方 だ 。 女性 は 八二・九八 歳 、 男性 七六・五七 歳 。 それにもかかわらず 二〇〇一 年 から 年金 制度 が 変わる 。 六十五 歳 から で なければ 満額 を 受け取れ なく なる の は 二〇一三 年 から だ 。 しかし 二一 世紀 に 入って 二 年 目 で 一九四一 年 四 月 生まれ 以降 から は 、 段階 的に 年金 受給 年齢 が 上がる 。 青年 の 人口 は 少なく なる 一方 だ 。 就労 人口 が 支えて きた 年金 財政 が 、 このまま で は パンク する と 恐れた の が 、 年金 制度 改定 の 理由 だ 。 そこ で 六十五 歳 まで の 職場 を どう つくる か 。 これ は 世紀末 日本 の 大きな 課題 だ 。 六十 歳 定年 が 常識 に なって いる 社会 で 、 生活 に 直接 影響 する と いう 意味 で 最大 課題 の 一 つ だ 。 そういう 状況 下 で 、 大阪 地裁 堺 支部 は 十二 日 、 注目 す べき 判決 を 言い渡した 。 「 定年 引き下げ は 時代 の 流れ に 逆行 して いる 」 と 判示 した のである 。 判決 は 併せて 「 五十八 歳 から 昇給 停止 」 規則 も 無効 と した 。 訴訟 そのもの は 大阪 府 全額 出資 の 外郭 団体 である 社会 福祉 法人 「 大阪 府 精神 薄弱 者 コロニー 事業 団 」 職員 百八十三 人 が 、 同 事業 団 の 理事 者 側 を 相手 に 起こした 。 大阪 府 が 八五 年 、 六十 歳 定年 制 を 導入 した の に 伴い 、 それ まで 六十三 歳 定年 制 であった 事業 団 も これ に 合わせよう と した 。 その うえ で 昇給 も 五十八 歳 で 停止 する 方針 を 打ち出した 。 労使 間 で 就業 規則 改定 を 巡り 、 四十 回 近い 交渉 が 行わ れた が 、 合意 でき ない まま 、 理事 者 側 が 導入 を 図った 。 これ を 無効 と して 提訴 した 裁判 である 。 同 地裁 堺 支部 の 判決 は 、 労働 条件 を 定めた 就業 規則 を 、 社会 的 規範 と した 。 その うえ で 、 労働 者 に とって 不利益に なる 就業 規則 の 作成 、 変更 に ついて は 、 これ を 受け入れ させる だけ の 高度の 必要 性 と 、 合理 性 が なければ なら ない と して 、 理事 者 側 の 主張 を 全面 的に 退けた 。 事業 団 の 職員 も 大阪 府 職員 に 準ずる 賃金 を 受けて いる 。 その 大阪 府 職員 の 賃金 は 東京 都 、 神奈川 県 に 続き 相対 的に 高い こと が 指摘 さ れて きた 。 したがって 今後 、 判決 が 確定 し 六十三 歳 定年 が 定着 する と 、 退職 金 も 民間 に 比較 し 、 高額に なる だろう と は 容易に 推定 できる 。 しかし 、 その こと 自体 は いま 問わ ない 。 注目 す べき は 判決 が 結論 に いたる 過程 で 、 かなり の 部分 を 割いて 検討 した 「 定年 制 の 社会 的 趨勢 」 に ついて である 。 その 中 で 判決 は 、 六十五 歳 まで の 職場 確保 の 必要 性 を 強く にじま せて いる 。 四 月 から 改定 施行 さ れた 高齢 者 雇用 安定 法 は 、 六十 歳 定年 後 の 労働 者 が 六十五 歳 まで 働く こと を 希望 する 場合 に 応え 、 継続 雇用 計画 の 策定 を 事業 主 に 求めて いる 。 これ は 雇用 審議 会 の 答申 に 基づく 改定 だった が 、 再 雇用 を 求める だけ で は 、 高齢 者 職場 を 確保 でき ない と 見る 危機 感 が 、 背景 に ある と 言って いい 。 一方 で 日本 の 経営 は 、 まだ リストラクチャリング の さなか に ある 。 これ 以上 の 高齢 者 雇用 は 不可能 と いう 経営 側 の 悲鳴 も 聞こえる 。 規制 緩和 が 、 仮に 新たな 事業 を 生み出せて も 、 高齢 者 の 就職 の 場 は 容易に ない だろう 。 多く の 違った 方向 の 問題 が 山積 し 、 矛盾 に 満ちた 経済 社会 で 、 どう 高齢 者 雇用 の 道 を 切り開く の か 。 答え は 簡単に 出 ない 。 だが 、 その ため に いま から 知恵 を 結集 し たい 。 総合 的な 政策 づくり に 取り組む 時 である 。 証券 取引 法 が 禁じる 「 風説 の 流布 」 容疑 で 元 会社 社長 が 東京 地検 特捜部 に 逮捕 さ れ 、 取り調べ を 受けて いる 。 ディスクロージャー の 責務 を 負う 社長 自ら が 虚偽 情報 を 流し 、 株価 を つり 上げた と して 証券 取引 等 監視 委員 会 から 告発 を 受けて いた 。 真偽 入り交じった 「 風説 情報 」 が 常々 、 駆け巡る 証券 市場 に とって は 大きな 警鐘 と なろう 。 証 取 法 は 「 相場 の 変動 を 図る 目的 を もって 、 風説 を 流布 して は なら ない 」 と 規定 して いる 。 違反 に 対して は 三 年 以下 の 懲役 もしくは 三百万 円 以下 の 罰金 と いう 罰則 が ある 。 公正で 自由な 証券 市場 を 守る ため 、 と いう の が 法 の 趣旨 である 。 重い 法益 を 持ち ながら 、 旧 証券 取引 法 の 時代 を 含めて これ まで に 摘発 事例 は ほとんど なく 、 唯一 、 警視 庁 が 三十 年 余 前 に 摘発 した ケース が ある だけ と 言わ れる 。 ただ 、 この ケース は 虚偽 記入 の 株券 を 発行 した と いう 詐欺 的 要素 が 本筋 であり 、 風説 流布 の 刑事 責任 を 真 正面 から 問う の は 今回 が 初めて と 言って よかろう 。 告発 に よれば 、 エイズ ・ ワクチン の 事業 化 を 計画 して いた ソフトウエア 開発 会社 の 社長 は 一九九二 年 、 記者 会見 を 行い 「 タイ で 合弁 会社 を 設立 し 、 臨床 試験 を 始めた 」 と 虚偽 の 事実 を 発表 した 。 当時 、 臨床 試験 を 始める 段階 に なかった と いう 。 社長 は 「 始まった と 思い込んで いた 。 株価 を 上げる 目的 は なかった 」 と 反論 した が 、 監視 委 は 「 転換 社債 の 償還 が 進む の を 回避 しよう と 、 株価 つり上げ を 計画 した 」 と 判断 し 、 告発 に 踏み切った 。 この 虚偽 の 発表 で 、 二千 円 近く で 推移 して いた 株価 は ピーク に は 三千六百 円 台 に 急騰 した 。 虚偽 と 分かって から は 急落 し 、 社 は 倒産 した 。 大きな 代償 を 払った わけだ が 、 振り回さ れた 一般 投資 家 は たまらない 。 市場 関係 者 の 間 に は 、 真偽 不明 の 風説 も 株価 の 活性 化 に 役立つ と 、 もてはやす 風潮 も ある と 聞く 。 株価 低迷 で 一般 投資 家 の 株 離れ が 進んで いる 昨今 、 こうした 体質 が 受け入れ られる はず も なく 、 株 離れ に 拍車 を かける だけ で は ない か 。 かつて 証 取 法 が 禁止 する 「 相場 操縦 」 事件 で 、 東京 地裁 は こんな 判決 理由 を 述べて いる 。 「 相場 操縦 ないし 、 その 疑い の ある 実例 が 少なからず 存在 する と 指摘 さ れる が 、 監視 機構 の 不備 から 制裁 が 十分に 行わ れて おら ず …… 被告 の 刑事 責任 のみ を 厳しく 追及 する こと は 酷に 過ぎる 」 。 何も 刑事 責任 が 軽くて も いい と 言って いる わけで は なかろう 。 証 取 法 の 峻厳な 適用 が なされて い ない こと を 嘆いた と 解し たい 。 判決 の 指摘 と の 関係 は 不明だ が 、 九一 年 の 証券 ・ 金融 不祥事 を 契機 に 翌年 「 投資 家 の 信頼 保持 」 を 目的 に 監視 委 が 設置 さ れた 。 今回 は それ が 実った 事件 である 。 ただ 、 設立 から 今日 まで 告発 は 計 五 件 と 少なく 、 行政 処分 を 求める 勧告 も 九三 年度 は 十三 件 に とどまる 。 規模 ・ 権限 の 違い は ある もの の 、 米 証券 取引 委員 会 の 摘発 が 毎年 何百 件 に も 上る の と は 比較 に なら ない 。 風説 流布 の 摘発 が 少ない の は 構成 要件 の 「 相場 変動 の 目的 」 の 立証 が 難しい ため だ 。 「 空文 」 と も いわ れて いた が 、 「 法律 は 眠る こと は あって も 、 死ぬ こと は ない 」 と いう 法 格言 が ある 。 「 透明な 市場 」 実現 の ため に 、 監視 委 は ぜひ 証 取 法 の 適用 に 積極 的であって ほしい 。 たった 半年 しか たって い ない 。 震度 7 の 激震 が 、 二十万 戸 に 上る 家屋 を 一瞬 の うち に 倒壊 ・ 焼損 さ せ 、 五千五百 人 を 超す 貴い 命 を 奪った あの 日 から である 。 一 時 は 、 三十万 人 も の 市民 が 避難 生活 を 強い られた 。 延べ 百万 人 余 の ボランティア が 救援 に 走り回った 。 みぞうの 混乱 と 熱気 は 、 遠い 日 の 出来事 で は ない はずだ 。 なのに 、 被災 地 以外 で は 、 関心 が 日々 薄れ ゆく 感じ が 否め ない 。 報道 の 立場 で いう と 、 その後 起きた オウム 真理 教 事件 の 影響 が 大きい ので は ない か 。 次々 に 発覚 する 、 あの 「 おどろおどろし さ 」 の 前 に 、 大 震災 へ の 目 を そらさ れた と いう 側面 が 、 残念 ながら あった 。 しかし 、 今なお 一万八千 人 の 人々 が 公園 の テント 村 や 学校 で 生活 して いる 。 数十万 人 の 被災 者 が 住宅 再建 や 商売 再開 の 方策 に 悩む 。 失業 に 苦しんで いる 人 も いる 。 被災 地 の あちこち で 半 崩壊 の 姿 を さらして 解体 ・ 撤去 を 待つ ビル が 、 立ち直り の 道 の 険し さ を 物語る 。 復興 は これ から だ 。 大 震災 後 六 カ月 を 機 に 、 しっかり 再 認識 し たい 。 兵庫 県 と 神戸 市 の 復興 計画 案 が 、 政府 の 阪神 ・ 淡路 復興 委員 会 に 示さ れた 。 十 年間 で 実施 する 計画 と して 県 は 六百六十 、 神戸 市 は 千 の 事業 を 盛り込んで いる 。 計画 案 づくり は 当初 、 都市 整備 など ハード 面 優先 に 傾いて いた 。 専門 家 と 住民 が 参加 して の 幅広い 論議 を 経て 、 福祉 に 重点 を 移す 内容 に 変わった 。 この 点 は 評価 して いい 。 なか でも 、 復興 の シンボル 事業 と 位置づけた 「 神戸 市 東部 新 都心 」 は 高齢 化 社会 に 配慮 した モデル 都市 と して 期待 さ れる 。 災害 医療 センター や ボランティア 推進 センター など 福祉 ・ 医療 と 各種 研究 機関 など 文化 機能 が 一体 と なる 住宅 地 づくり だ 。 問題 の 恒久 住宅 は 、 三 年間 で 十二万五千 戸 を 建設 する 。 うち 七万七千 戸 を 公的 住宅 で 賄う 。 「 仮設 住宅 の 居住 期限 が 切れたら 、 どこ に 住めば いい の か 」 と 頭 を 抱える 被災 者 を 安心 さ せる 取り組み である 。 机上 の プラン に 終わる こと なく 、 何と して も 実現 を み たい 。 半面 、 生活 基盤 の 整備 で は 、 防災 性 を 強調 し つつ も 従来 型 の 開発 行政 から 脱して い ない 。 海面 を 埋め立てる 空港 建設 や 幹線 道路 の 増設 など 、 震災 前 から 予定 さ れて いた 大規模 プロジェクト が そっくり 盛り込ま れた 。 しかも 、 国道 43 号 や 阪神 高速道 を 騒音 と 排ガス の 「 公害 道路 」 と 認めた 判決 が 相次いだ のに 、 対策 に 言及 して い ない 。 これ で は 、 車 社会 見直し と いう 時代 の 流れ へ の 視点 が 欠けて いる 。 開発 優先 の 都市 政策 へ の 反省 も 感じ取れる 復興 であって ほしい のだ 。 復興 委員 会 は 計画 案 に ついて さらに 論議 を 重ねた うえ 、 国 が 重点 的に 推進 する 特別 事業 を 絞り 込む 。 復興 費用 は 十兆 円 を 上回る と み られ 、 成否 の カギ は 国 の 決断 に かかる 。 思い切った 財政 措置 を 期待 し たい 。 復興 計画 案 は 中 ・ 長期 事業 が 中心 であり 、 困難に あえぐ 被災 地 住民 の 「 今 」 を 改善 する 内容 に 乏しい 。 例えば 、 この 人々 へ の 生活 支援 金 支給 と いった 国 の 配慮 が 望め ない だろう か 。 被災 者 の 自殺 が 増えて いる 現実 も 見据えて ほしい 。 復興 の 主役 は 住民 である 。 住民 が へこたれて しまって は 、 復興 も おぼつかない 。 住民 支援 に 踏み込んだ 判断 を 求める ゆえん だ 。 氷河 期 を 通り越して 超 氷河 期 だ と 言わ れて い ます 。 来春 卒業 予定 学生 の 就職 状況 に ついて です 。 地下鉄 で 、 JR で 、 私鉄 電車 で リクルートルック に 身 を 包んだ 真剣な 表情 の 学生 を 目 に する と 、 大変だ なあ 、 と 心 の 中 で 呟いて しまい ます 。 会社 訪問 スタート から 半月 が 過ぎ ました 。 まだ よい 感触 を 受けて い ない 学生 が 多い でしょう 。 今春 、 四 年 制 大学 、 短大 および 専修 学校 を 卒業 して 、 職 に 就け なかった 人 は 十六万 人 弱 です 。 昨年 卒業 の いわゆる 就職 浪人 は 十五万 人 でした 。 増加 傾向 です 。 一 年間 就職 浪人 を して 、 今年 採用 内定 した ケース も あり ます 。 しかし 、 そういう 例 は わずかでしょう 。 いま 日本 で 多く の フリーター が 生まれて い ます 。 考えて みれば 工業 国 と 言わ れる 国 で 、 大学 卒業 者 を 新 年度 に 一斉 採用 する システム を 、 これほど 画然と 持って いる の は 日本 しか あり ませ ん 。 これ も 日本 型 雇用 の 一典 型 と 言って よい でしょう 。 それ が 少しずつ 変わり 始めて い ます 。 ソニー や オリックス 、 大手 スーパー など が 取り入れたり 、 取り入れよう と して いる 通年 採用 システム が ある から です 。 春 に ○○ 人 採用 と 初め から 決めて かから なくて いい 。 必要な 人材 を 必要な 時点 で 採用 すれば よい と する 考え 方 です 。 雇用 慣行 、 雇用 形態 は 動き始めて い ます 。 現在 の 新規 学卒 者 採用 方式 も 、 雇用 流動 化 局面 の 入り口 に 差しかかった ところ で 存在 して い ます 。 そう は 言って も 、 あまり よい 言葉 で は あり ませ ん が 買い手 市場 の 中 で 、 内定 が 取れ なければ 、 だれ でも 不安に なり ます 。 日本 経営 者 団体 連盟 が 十四 日 、 東京 ・ 新宿 で 開いた 二 回 目 の 会社 合同 説明 会 に も 学生 の 長い 列 が でき ました 。 この 会場 で 学生 と 面接 する の は 、 日経連 に 加盟 して いる と は いえ 中堅 企業 が 主体 に なり ます 。 そこ に 長い 列 を つくる と いう こと は 、 就職 の 困難 さ を 表して いる と 同時に 、 学生 の 視線 が 中堅 企業 に 向いて いる と いう 意味 で も あり ます 。 これ まで は 大手 企業 の 採用 が 一 段落 した 後 に 、 中小 企業 や 労働 省 が 合同 説明 会 を 企画 して き ました 。 今年 は 日経連 主催 と は いえ 、 中堅 企業 が 、 大手 と 張り合って 面接 して いる わけです 。 採用 活動 に 気合 が 入って いる と 言え ましょう 。 日本 経済 全体 の 立場 から 言えば 、 中小 企業 に もっと 人材 が 入って いく こと が 望ましい に 違い あり ませ ん 。 系列 で は なく 独自の 技術 力 、 あるいは 小回り の 利く 技術 に よって 、 誇り を 持って 自立 した いく つ も の 中小 企業 が 林立 する 状況 。 そして オリジナルな 発想 に 基づき 営業 力 を 発揮 する 小ぶりな 会社 。 それ ら が 大 企業 の 下請け で は なく 、 互いに 平等 の 立場 で ビジネス で きる 社会 こそ 望ましい 社会 である はずな のです 。 そんな 望ましい 社会 は 現実 に は なかなか 来 ませ ん 。 しかし 、 日本 の 企業 系列 社会 が このまま で よい わけで は あり ませ ん 。 だれ か が 変え なければ なら ない の なら 、 ひと つ 気 に 入った 中小 企業 で やって みよう か 、 そんな 気概 も ほしい ところ です 。 ただし 就職 は いつでも 人生 の 大きな 選択 です 。 学生 諸君 に こうした 方 が いい 、 と 説教がましい 言葉 は 容易に 吐け ませ ん 。 それ でも 中小 企業 の 事業 主 の 方々 に これ だけ は 言える でしょう 。 働く 条件 を できる だけ よくして 、 ぜひ 気力 ある 学生 を 積極 的に ドラフト して ほしい と 。 参院 選 が 燃え ない 。 連立 時代 に 入り 初 の 国政 選挙 な のに 、 である 。 政界 の 関心 は 各 党 勝敗 ライン 、 つまり 選挙 後 政局 に 移って しまい 、 有権者 と どう 向き合う か 真剣に 取り組んで いる ように は 見え ない 。 さまざまな 理由 が あろう が 、 こと 政党 や 候補 者 と 有権者 の 接点 を 見る と 、 公選 法 が 認める 選挙 運動 に は 致命 的な 欠陥 が ある こと も 大きな 要因 だ 。 もちろん これ は 「 積年 の 病弊 」 であり 、 今さら 指摘 する こと で は ない かも しれ ない 。 しかし 現に 今 選挙 戦 の 最中 だ から こそ 、 改めて 警鐘 を 鳴らして おき たい 。 何しろ 有権者 が 見向き も し ない 選挙 運動 が 日本 全国 で 連日 展開 さ れて いる のだ から 。 例えば 関東 地方 で 。 NHK の 朝 の 連続 テレビ ドラマ で 二六・四 % あった 視聴 率 が 、 午前 八 時 半 に 政見 放送 が 始まる と 二・四 % に 急落 した 。 関西 で は もっと 極端だ 。 連続 テレビ ドラマ で 二七・七 % の 視聴 率 が 政見 放送 で 一・五 % に 。 関東 、 関西 と も この 十二 日 の こと である 。 まさか この 低 視聴 率 を 見越して いた わけで も ある まい が 、 東京 選挙 区 で は 七十二 人 の 立候補 者 中 、 政見 放送 の 出演 者 は NHK で わずか 二十六 人 。 三 人 に 一 人 で しか ない 。 一方 の ポスター 掲示板 。 東京 で は 公示 直前 に なって 候補 者 が 続々 と 名乗り を 上げた ため 、 五十 二面 から 七十六 面 に 増やした 。 しかし 実際 に 掲示 して いる の は 十 人 程度 。 周辺 の 視界 を さえぎる ほど 大きな 看板 に 、 ポスター を 張る 位置 を 示す 数字 ばかり が 空々しい 。 選挙 公報 も 十二 人 が 辞退 した と いう 。 参院 選 の 選挙 運動 期間 は 、 当初 三十 日間 だった が 、 カネ が かかる と の 理由 で 今では 十七 日間 に 短縮 さ れた 。 個別 具体 的な 選挙 運動 も 一貫 して 規制 が 強化 さ れ 、 有権者 と の 関係 は ますます 希薄に なる ばかりだ 。 なら ば こそ 政見 放送 や ポスター 掲示 など は 有効な 手段 の はずだ が 、 それ すら し ない の は どこ か おかしい 。 没収 覚悟 の 供託 金 を 節約 する ため 選挙 区 に 名前 だけ の 候補 者 を 並べる など 、 ミニ政党 の 苦肉の策 も 見て取れる し 、 個別 の 事情 も あろう 。 しかし 、 あえて 言えば 「 売名 」 に すら なら ない ほど 有権者 の 関心 度 が 低い から で は ない か 。 無党派 の 追い風 に 乗った 青島 幸男 都 知事 は 政見 放送 と 選挙 公報 など 最小 限 の 選挙 運動 で 当選 した 、 と さ れて いる 。 しかし 青島 氏 に は それ 以前 に 抜群の 知名度 が あった 。 青島 氏 の 当選 で 政見 放送 と 選挙 公報 の 有効 性 を 示した 、 と いう の は こじつけ だ 。 公選 法 の 認める 選挙 運動 は 、 形式 的な 公正 さ 、 公平 性 ばかり を 重視 し 、 有権者 が どう 受け止める か は 一切 顧慮 さ れて い ない 。 皮肉れば 、 いかに つまらなく 、 関心 を 持た れ ない ように する か の 知恵 比べ の 行き着いた 先 が 、 今 の 公認 選挙 運動 である 。 候補 者 一 人 当たり の 公営 選挙 費用 は 比例 区 で 千二百万 円 、 選挙 区 で 三千二百万 円 。 先進 国 で これ だけ 公営 選挙 を 行って いる 国 は 少ない 。 にもかかわらず 、 有権者 から 見向き も さ れ ない の は 、 ポスター を 張ら ない こと など と は 比較 に なら ない ほど の 公費 の 無駄遣い である 。 「 べから ず 集 」 ばかり 作る ので は なく 逆の 発想 を 導入 して ほしい 。 なかなか 名案 は 浮かば ない が 、 今 一 度 、 選挙 運動 を どこ まで 自由 化 できる か 、 の 観点 から すべて を 見直して みる の も 一法 で は ない だろう か 。 オウム 真理 教 を めぐる 疑惑 は 、 多方面に わたって いる 。 捜査 当局 は 東京 ・ 地下鉄 サリン 事件 に 続いて 、 今回 、 松本 サリン 事件 で 教団 代表 、 麻原 彰晃 被告 ら を 逮捕 し 、 二 つ 目 の 大きな 山 を 越えた 。 しかし 当初 、 長野 県警 の 目 が 第 一 通報 者 である 河野 義行 さん に 向け られた こと が 尾 を 引き 、 傷 だらけ の 山越え と なった 。 河野 さん に ついて の 本紙 の 報道 に も 、 事実 に 反する 部分 が あった 。 重い 教訓 と 受け止めて いる 。 松本 サリン 事件 で 逮捕 者 ら の 役割 は 、 ほぼ 明らかに さ れて いる 。 しかし 、 犯行 の 動機 が はっきり して い ない 。 警視 庁 は 、 「 今 の 段階 で は 確定 的な こと は 申し上げ られ ない 」 と して いる 。 地下鉄 サリン 事件 の 目的 も 、 起訴 状 で は 「 不 特定 多数 の 乗客 等 を 殺害 しよう と 企て 」 の 表現 に とどめ られて いた 。 動機 が 不明な 無差別 テロ に 、 教団 の 闇 の 深 さ を 感じる 。 なぜ 、 このような 反 社会 的な 集団 が 生まれ 、 暴走 した の か を 解明 する ため に は 、 動機 を はっきり さ せる こと が 、 ぜひとも 必要だ 。 どう したら 同じ ような 集団 が 出現 する こと を 防げる か を 、 考える ため に も 欠かせ ない 。 サリン と いう 化学 兵器 が 、 殺人 の 凶器 に 使わ れた 。 もちろん 、 捜査 当局 に とって 、 経験 した こと の ない 事件 である 。 当初 、 正体 不明 の 有毒 ガス の 発生 に 、 戸惑い や 焦り も あったろう 。 住民 の 不安 を 早急に 解消 し なければ なら ない と いう 、 治安 上 の 問題 も 抱えて いた 。 未経験の 事件 に 直面 した 時 、 それ は 捜査 の 基本 で も ある だろう が 、 最も 求め られる の は 、 慎重 さ である 。 時間 が かかって も 、 遺留 品 と 情報 を 一 つ ひとつ つぶし 、 さらに 知識 を 積み上げて 、 犯人 に 迫る しか ない 。 今回 の 事件 で は 、 まず 有毒 ガス の 正体 を 突き止める 必要 が あった 。 しかし 、 長野 県警 は 毒物 が 何 である か まだ 判明 して い ない 事件 発生 の 翌日 、 被疑者 不詳 と し ながら も 、 河野 さん の 自宅 を 殺人 の 容疑 で 捜索 した 。 県警 は 「 法律 上 、 問題 は ない 」 と して いる が 、 情報 が これ で 独り歩き する こと を 考え なかった の か 。 慎重 さ と は 別の 力 、 つまり 思い込み が 働いた と 、 思わ ざる を 得 ない 。 振り返って みれば 、 これ が 教団 に つながる 重要な 情報 を 見落とす こと に なった ので は ない か 。 やがて 、 捜査 の 目 は 河野 さん から 教団 に 向け られて いく 。 しかし 、 長野 県警 が 河野 さん に 「 謝罪 」 する まで に 一 年 が かかった 。 捜査 の 軌道 修正 に こだわり を 感じる 。 事件 の 処理 が 一 段落 した 時点 で 、 県警 に 捜査 の 検証 と 公表 を 求め たい 。 苦い 経験 から 教訓 を 得る ため に は 、 不可欠の 作業 と 考える から だ 。 私 たち も また 、 情報 の 独り歩き に 歯止め を かける こと が でき なかった 。 一部 、 はっきり と 裏付け が とれ ない まま の 情報 を 紙面 化 し 、 独り歩き を 加速 さ せた 面 も あった 。 麻原 被告 ら 松本 サリン 事件 で の 逮捕 者 は 全員 、 地下鉄 サリン 事件 の 容疑 者 と 重なって いる 。 もっと 早く 解決 して いれば 、 二 つ 目 の 事件 を 防ぐ こと が できた かも しれ ない 。 そう 考える と 、 残念で なら ない 。 社会 が 激しく 変化 して いる 時代 である 。 警察 も また 変化 に 対応 できる か どう か 、 絶えず 組織 を 点検 する こと が 求め られて いる 。 教団 を めぐる 事件 は 、 それ を 示した 。 私 たち マスコミ も 同様である と 、 自戒 を 込めて 受け止めて いる 。 韓国 ・ ソウル の デパート 崩壊 現場 で 、 取材 の テレビ朝日 の カメラマン が 暴行 を 受けた 。 日本 の 報道 機関 は 、 韓国 の 恥ずかしい 面 ばかり を 大きく 報道 し 韓国 の 信用 を 傷つけて いる 、 と の 韓国 人 の 思い込み と 民族 意識 が こうした 対応 を 生んだ ようだ 。 韓国 で は 多く の 家庭 で 、 日本 の 衛星 放送 を 見て いる 。 昨年 、 漢江 に 架かる 橋 が 倒落 した 際 に 、 NHK が 連日 の 報道 を 繰り広げた 。 この 報道 の 内容 が 、 韓国 人 の 感情 を かなり 傷つけ 反発 を 生んで いた と いう 。 韓国 人 の 目 から 見る と 「 痛み の 共有 を 感じ させ ない 報道 だった 」 と いう のだ 。 こうした 不満 に 加え 「 日本 人 は 、 韓国 の 失敗 を 喜んで いる 」 と の 一般 的な 思い込み が 、 カメラマン 暴行 に つながった ようだ 。 これ は 、 思い込み と 誤解 、 それ に 隣国 へ の 思いやり の 欠如 が 国際 的な 悲劇 を いかに 簡単に 招き かね ない か 、 を 考える ひと つ の 事例 と 言える だろう 。 同じ ような 事態 が 、 政治 や 外交 面 で 生まれる と 、 事 は 簡単で は ない 。 日 韓 議員 連盟 に 属する 日本 の 政治 家 の 多く が 、 戦後 五十 年 決議 に 反対 した こと から 日本 の 政治 家 に 裏切ら れた と の 感情 が 韓国 で は 広がった 。 実は 、 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 へ の 、 日本 の コメ 支援 の 交渉 過程 でも 同じ ような 現象 が 起き 、 大統領 府 内 に 反日 機運 が 高まって いた のだった 。 日本 が 、 韓国 を 出し抜いて 北朝鮮 に コメ の 支援 を 行う ので は ない か と の 懸念 が 広がった と いう 。 渡辺 美智雄 元 外 相 と 加藤 紘一 自民党 政調会 長 が 北朝鮮 と の 間 に 、 多量の コメ 支援 の 密約 を 交わした 、 と の 誤った 情報 も 青瓦台 に 届け られた 。 こうした 反応 の 背景 に は 、 過去 の 歴史 的 経験 から 日本 は 韓国 に 不利益 を もたらす 外交 を 展開 する 、 と の ぬぐい 難い 不信 感 が ある 。 日本 側 は 、 北朝鮮 に コメ 支援 の 条件 と して 韓国 から の コメ の 受け入れ を 求めた 。 政府 に は 、 韓国 を 出し抜く 気 は なかった 。 政治 家 が コメ 支援 に 合意 して も 、 実現 まで に は かなり の 手続き が 必要だった 。 ところが 、 日本 政府 や 日本 の 政治 家 は 、 韓国 側 に 日本 の 手続き に ついて の 説明 や 「 韓国 を 出し抜いたり は し ない 」 と の 約束 を 、 きちんと 伝え なかった と いう 。 分かり切った こと 、 と 判断 した ようだ 。 それ が 、 韓国 の 疑心 暗鬼 を より 増幅 さ せた 。 これ に 加え 、 渡辺 元 外 相 は 「 韓国 なんか かまわ ず に 、 早く コメ を 北朝鮮 に 出せ 」 と 主張 し 、 外務 省 など に 圧力 を かけた 。 こうした 発言 が 、 青瓦台 に も 報告 さ れ 金 泳三 大統領 自身 が 日本 政府 へ の 不信 感 を あらわに する 事態 まで 起きて いた と いう 。 この 日 韓 両 国 の 指導 層 の 対応 に は 、 それぞれ 問題 が ある 。 韓国 側 に は 、 日本 の 政策 決定 過程 へ の 理解 が 不足 して いた 。 自民党 の 実力 者 が いくら 北朝鮮 と 合意 して も 、 政府 が 決め なければ 何も 動か ない 日本 の システム が 十分に 分かって い なかった と いう しか ない 。 大統領 府 に 日本 を よく 知る 高官 が い ない こと も 、 誤解 を 拡大 さ せる 遠因 に なって いる 。 一方 、 村山 富市 首相 の 周囲 に も 韓国 の 状況 や 立場 を 知る 高官 は い ない 。 この ため 、 韓国 に 不安 を 抱か せ ない ため の 十分な 事情 説明 へ の 配慮 を 欠いた 。 歴史 的に も 特殊な 関係 に ある 隣国 に は 、 不必要な 誤解 を 生じ させ ない 外交 と 体面 を 配慮 した 気配り が 不可欠である 。 「 族 議員 の 業界 癒着 」 と して 、 政治 不信 を 招いた 日本 撚糸 工業 組合 連合 会 の 汚職 事件 で 、 最高裁 は 十七 日 、 元 民社党 衆院 議員 、 横手 文雄 被告 を 無罪 と した 二 審 判決 を 破棄 し 、 東京 高裁 へ 差し戻した 。 現金 授受 を 否定 した 二 審 判決 に 対して 、 最高裁 は 「 著しく 不合理で 、 重大な 事実 誤認 が あり 、 破棄 は 免れ ない 」 と 厳しい 調子 で 批判 した 。 妥当な 判断 と 言えよう 。 法律 審 を 原則 と する 最高裁 が 、 職権 で あえて 事実 認定 の 領域 に まで 踏み込む の は 異例の こと である 。 高裁 は 謙虚に 耳 を 傾け 、 差し戻し 審 で は 慎重 審理 の もと 、 信頼 回復 に 努め ねば なる まい 。 簡単に 振り返る と 、 この 事件 は 一九八六 年 に 検察 庁 が 摘発 した 。 起訴 状 に よる と 、 繊維 不況 で 過剰に なった 仮 撚り 機 設備 の 共同 破棄 事業 の 推進 に 絡んで 、 撚糸 工 連 の 幹部 二 人 が 与野党 議員 に わいろ を 贈った 、 と いう もの である 。 この うち 横手 被告 の 場合 、 幹部 二 人 から 衆院 商工 委員 会 で 撚糸 工 連 に 有利な 質問 を する よう 請託 を 受けて 了承 し 、 都 内 の レストラン と 議員 会館 で 各 百万 円 の 計 二百万 円 を 受領 した 、 と して 在宅 起訴 さ れた 。 一 審 は この 事実 関係 を 認定 して 、 有罪 と した 。 しかし 、 二 審 は 二 回 の 授受 を 否定 して 、 無罪 と した 。 事件 の もっとも 基本 的な 部分 である 現金 授受 が 否定 さ れた こと で 、 衝撃 は 大きかった 。 一般に 、 贈収賄 事件 は 直接の 被害 者 が い ない うえ 「 密室 の 犯罪 」 であり 、 物証 は まず ない 。 捜査 は 勢い 、 当事 者 の 供述 に 頼ら ざる を 得 ない 。 この 事件 も その 傾向 に あり 、 検察 側 は 、 授受 を 認めた 撚糸 工 連 幹部 の 供述 を 最 重要 証拠 と して いた 。 一 審 で は 幹部 の 法廷 証言 も あり 、 授受 は 認定 さ れた 。 だが 、 二 審 は この 供述 、 証言 に ついて 「 信用 でき ない 」 と して 否定 した 。 「 供述 は 検察 に 迎合 した 疑い が ある 」 「 料亭 で なく 、 レストラン で 授受 と いう の は 不自然 」 と いう の が 主な 理由 だった 。 「 自由 心証 主義 」 と いって 、 証拠 の 信用 性 の 有無 は 裁判 官 の 自由な 判断 に ゆだね られて いる 。 心証 が どう 形成 さ れた か は 、 もちろん 不明だ が 、 ただ 、 信用 性 を 否定 する のに 二 審 は 幹部 の 証人 尋問 を 行って い ない 。 訴訟 記録 から 判断 した ようだ 。 判決 の いう 「 迎合 」 も 「 不自然 」 も 、 言って みれば 推論 だ 。 「 自由 心証 」 と 言って も 、 経験 法則 や 論理 法則 に 合致 した 合理 性 、 さらに は 説得 力 が 必要だ 。 これ を 欠けば 批判 さ れて も 致し方ない 。 最高裁 から 「 原判決 の 証拠 の 評価 は 到底 、 首肯 でき ない 」 と まで 指弾 さ れて は 、 あまりに も 情けない 。 刑事 訴訟 法 は 「 事案 の 真相 を 明らかに する 」 と 真実の 発見 を も 要請 して いる 。 当然の 要請 である 。 今 も ゼンセン 同盟 福井 支部 顧問 の 肩書 を 持つ 横手 被告 が 、 この 日 「 参院 選挙 に 影響 が 出 なければ いい が …… 」 と 漏らした と いう が 、 殊に 、 政治 家 へ の 判決 は 政局 へ も 多大の 影響 を 与える 。 裁判 所 は 真実 発見 に 重々 心し なければ なら ない 。 検察 側 に も 注文 が ある 。 贈収賄 事件 の 捜査 の 難し さ は 承知 して いる 。 それ でも 、 今回 の ように 事実 認定 が 揺れる こと が あって は なら ない 。 こうした こと を なくす ため に も 、 十全な 証拠 収集 に 努めて もらい たい 。 わが国 は 今年 の アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 の 議長 国 で 、 十一 月 の 大阪 会合 は 成功 さ せ ねば なら ない 。 すでに 札幌 など で の 準備 会合 が 終わり 、 九 月 に 香港 で 高級 事務レベル 会合 、 十 月 の 東京 で の SOM 、 と 開催 まで 時間 が 迫って きた 。 昨年 十一 月 、 インドネシア で 開か れた 会合 で は 、 アジア ・ 太平洋 地域 の 貿易 、 投資 の 自由 化 と 、 今後 の 開発 協力 を うたった 「 ボゴール 宣言 」 を 採択 した 。 今回 の 大阪 会合 は この 宣言 の 具体 化 と して 、 「 行動 指針 」 の 合意 を 目指す こと に なる 。 今後 の 根回し の 焦点 は 、 アジア の 主張 する 自主 的 アプローチ に 米国 、 カナダ が どれ だけ 同意 して くれる か に かかって いる 。 つまり 、 アジア 諸国 は 、 自由 化 を めぐり 各国 、 各 分野 の 多様 性 を 配慮 して 、 自主 性 の 尊重 を 掲げて いる 。 しかし 、 米 、 加 は 自主 性 に 任せる と 自由 化 が 進ま ない と 不満 を 抱いて いる 。 そこ で 、 各国 の 自主 的な 行動 計画 から スタート して 、 次第に 共同 行動 に 移る フレームワーク で の コンセンサス を 求めて いる 。 APEC の 目的 は 、 アジア ・ 太平洋 地域 の 持続 的 成長 の 環境 づくり に あり 、 その ため の 「 自由 化 ・ 円滑 化 」 と 「 経済 技術 協力 」 が 柱 と なる 。 日本 は この 両面 で アジア に 貢献 できる こと は いう まで も ない 。 だが 、 今回 の 大阪 会合 で 、 日本 の リーダーシップ に 必要な の は 、 率先 垂範 で 日本 自身 が 門戸 開放 や 規制 緩和 で 、 「 身銭 を 切る 」 こと だろう 。 単なる 言葉 の 遊び に 終わら せ ず 、 具体 的な 行動 計画 へ つなげる に は 、 日本 が 自主 的に 前向きな 措置 を 取ら ねば なら ない 。 それ が どのような 分野 で できる の か が 、 まだ 見えて こ ない 。 当然 、 国 内 で の 調整 が 必要 と なり 、 政治 が 動か なければ 実現 でき まい 。 残り 時間 が 少ない こと を 考える と 、 大阪 会合 の 成功 の ため 、 政府 に 果断な 措置 を 期待 し たい 。 日本 は これ まで アジア で リーダーシップ を なかなか 取れ なかった 。 だが 、 アジア の 投資 、 生産 基地 を 融合 さ せ 、 一体化 さ せる APEC の 行動 指針 は 、 日本 が 中心 に なら ねば 描け ない 。 通産 、 外務 両 省 の コンビ は 頑張って ほしい 。 日本 の アジア で の 役割 は 、 産業 基盤 整備 、 環境 問題 へ の 取り組み 、 エネルギー問題 で の 協力 、 人材 育成 と 広範囲に わたる 。 これ ら の 各 分野 で 、 日本 は どのような 貢献 が できる の か 、 どのような 貢献 を する 意思 を 持って いる の か 、 大阪 会合 で 積極 的に 示す べきだ 。 日 米 関係 の 重大 さ は いう まで も ない が 、 アジア 諸国 から 信望 を 得る こと も 同じく 重要だ 。 日本 は アジア の 国 であり 、 アジア 諸国 の 支援 なし に 二十一 世紀 の 繁栄 は ない 。 国 内 産業 は どんどん 空洞 化 して いき 、 海外 の 経済 権益 を 軍事 力 で 守れる わけで も ない 。 アジア 諸国 と の 信頼 関係 を 築く こと が 不可欠だ が 、 それ は カネ や 技術 だけ で 得 られる もの で は ない だろう 。 その 意味 で 、 大阪 会合 は 日本 に とって チャンス である と 同時に 、 失敗 すれば 将来 に 大きな 傷 を 残す こと に なる 。 今 の ところ 、 うまく いって いる と いう 。 米国 を 説得 して アジア 方式 を 納得 さ せる と ともに 、 アジア の 将来 の 現実 的な 青写真 を 描いて みせて ほしい 。 全面 改定 の 新 「 防災 基本 計画 」 が 十八 日 、 中央 防災 会議 で 決定 した 。 防災 計画 と して は 、 ほか に 省庁 や 自治 体 が 作成 する 「 防災 業務 計画 」 「 地域 防災 計画 」 は ある が 、 基本 計画 は 最 上位 の 計画 であって 、 いわゆる 「 防災 の 憲法 」 である 。 国民 の 安全 は 基本 計画 に かかって いる 、 と いって も 過言 で ない 。 その 視点 から 見て 若干 の 苦言 を 呈して おき たい 。 まず 、 今回 の 改定 の 経緯 だ 。 阪神 大 震災 の 反省 から 、 一 月 下旬 に は 中央 防災 会議 で 改定 作業 が 提言 さ れた 。 「 災害 は いつ 起こる か 分から ない 。 一刻 も 早く 」 と 、 五 月 中 に は 完成 の 予定 で 作業 は スタート した が 、 実際 は 今月 まで ずれ込んだ 。 作成 に 携わった 国土 庁 防災 局 に よる と 、 今回 の 計画 改定 は 当初 から 「 具体 的 かつ 実践 的 」 な 方向 を 目指した ため に 、 詳細な もの と なった 。 防災 業務 計画 を 作る 省庁 を 名指し した プラン も 多々 あり 、 その 結果 「 詳細に 書か れて は 、 弾力 的 運用 が でき ない 」 と クレーム が 付いた 。 その 調整 に 時間 を 要した と いう 。 何の こと は ない 。 省庁 間 の 「 縄張り 意識 」 が 速やかな 作業 を 阻害 して いた ので は ない か 。 防災 は 総力 戦 である 。 どんなに 細かく と も 、 有用な プラン ならば 、 各 省庁 は 積極 的に 協力 す べきで は なかった の か 。 基本 計画 の 改定 が 今日 まで 放置 さ れて いた こと も 問題 だ 。 厳密に いえば 、 基本 計画 は 一九六三 年 に 作成 さ れ 、 七一 年 に 一部 修正 は あった が 、 それ 止まり だ 。 基本 計画 は 災害 対策 基本 法 で 「 作成 ・ 公表 」 を 義務付け られて いる 。 この 中 で 「 防災 に 関する 科学 的 研究 の 成果 、 災害 状況 や 対策 の 効果 を 勘案 して 毎年 検討 し 、 必要 が ある 時 は 修正 する 」 と 規定 さ れて いる 。 この 間 、 科学 的 成果 が なかった わけで は ある まい 。 何度 も 大 災害 が あり 、 教訓 が あった はずだ 。 都市 の 急激な 構造 的 変化 で 災害 に 対する 脆弱 さ も 露呈 さ れて きた 。 もっと 時宜 に かなった 改定 が あって も よかった 。 政府 の 怠慢 と 言って おく 。 新 計画 は 詳細である が 故 に 百八十五 ページ 、 二十二 万字 の 大部 な もの と なった 。 ちなみに 旧 計画 は わずか 十四 ページ 、 一万五千 字 である 。 旧 計画 が プログラム 的だった の に 対して 、 新 計画 は 省庁 や 都道府県 ・ 市町村 が 具体 的に 何 を すれば よい か が 分かる マニュアル に も なって いる 。 さらに 一般 国民 に 対して も 水 や 食料 の 備蓄 、 自主 防災 、 ボランティア 活動 の 促進 など 「 だれ が 」 「 何 を 」 す べき か が 明確に 記さ れて いる 。 作成 の 経緯 は 別に して 、 評価 す べき 点 も ある 。 阪神 大 震災 から の 教訓 も 多々 見 られる 。 官邸 機能 を 強化 し 、 災害 の 一 次 情報 を 「 内閣 情報 調査 室 」 に 直送 する ルート を 確保 する 。 自衛 隊 は 自治 体 から の 要請 が なくて も 、 緊急 時 に は 防衛 庁 長官 の 判断 で 出動 する 。 ヘリコプター に よって テレビ 画像 情報 を 送り 、 早期 に 被害 状況 を 具体 的に 把握 する 。 公共 機関 や 自治 体 は 相互 応援 の 協定 を 締結 し 、 常時 、 連携 を 強化 する …… 。 二十二 万字 が もし フルに 実効 性 を 持てば 、 これ まで より かなり 頼もしい 防災 と なろう 。 省庁 や 公共 機関 、 自治 体 は 、 この 「 憲法 」 の 趣旨 を 最大 限 に くみ取って 、 各 計画 を 早急に 作り 、 実行 に 移さ なければ なら ない 。 間違っても 基本 計画 を 「 単なる ペーパー 」 に して は なら ない 。 戦後 五十 年 の 節目 に 、 これ まで の 日本 の 科学 技術 を どう とらえる か と いう 議論 が 活発 化 して いる 。 科学 技術 庁 が 十八 日 の 閣議 に 報告 した 科学 技術 白書 も 「 戦後 五十 年 の 科学 技術 」 を メーンテーマ に した 。 日本 は 戦後 「 欧 米 に 追い付き 、 追い越せ 」 を 目標 に して きた が 、 科学 技術 は その 最たる もの である 。 それ が 成功 し 、 日本 は 世界 第 二 位 の 経済 大国 と なった 。 白書 は 「 戦後 五十 年 の 間 、 科学 技術 は 豊かな 生活 を もたらす 原動力 と して 大きな 役割 を 担って きた 」 と 分析 する 。 だが 、 日本 の 歩んだ 道 は 弱点 を もたらした 。 外国 の アイデア を 借用 して の 新 製品 開発 は 得意だ が 、 創造 性 と 結び付く 基礎 研究 に 弱い と いう 点 だ 。 その ため ノーベル 賞 と 縁 が 薄く なって いる 。 欧 米 は 一層 基礎 研究 を 重視 する 姿勢 を 示して おり 、 このまま で は 日本 は 取り残さ れる 。 また 応用 、 開発 研究 を 重視 する 民間 企業 の 研究 費 が 一九九二 、 九三 年度 と 連続 して 減少 し 、 九三 年度 の 国 全体 の 研究 費 が 初めて 前 年度 比 マイナス に 転じた こと が 気 に なる 。 阪神 大 震災 や オウム 真理 教 に 絡む 事件 で 科学 技術 へ の 不信 感 も 高まった 。 そこ で 二十一 世紀 に 向けて 日本 の 科学 技術 を どう 立て直し 、 発展 さ せる か が 大きな 課題 と なって いる 。 「 人間 的 豊か さ の ため の 科学 技術 へ 」 と いう 目標 を 掲げる 白書 は 、 国民 の 知的 創造 力 を 生かして 新たな 価値 を 生み出し 、 国民 に 豊かな 生活 を もたらす 「 科学 技術 創造 立国 」 を 目指す と して いる 。 それ に 異論 は ない が 、 では どう したら いい の か 。 何度 も 指摘 して きた ように 国 が 研究 費 を 大幅に 増やし 、 日本 の 研究 費 総額 の 八 割 が 民間 企業 から 出て いる 現実 を 改める 必要 が ある 。 三 年 前 に 閣議 決定 した 科学 技術 政策 大綱 で 「 政府 の 研究 開発 投資 額 を 早期 に 倍増 する ように 努める 」 と うたった こと を 忘れて もらって は 困る 。 研究 者 の 待遇 改善 も 待ったなし である 。 基礎 研究 を 担う 大学 の 研究 環境 が まだまだ 劣悪で 、 給料 も 民間 企業 の 研究 者 より 格段に 低い ので は 優秀な 人材 は 大学 に 集まら ない 。 研究 者 が 夢 や ロマン を 持てる ように する こと は 国 の 最低 限 の 責務 だろう 。 研究 者 の 自覚 も 必要だ 。 同じ 研究 室 で 定年 まで のんびり 過ごす と いった 意識 は 好ましく ない 。 白書 は 組織 の 活性 化 の ため 、 採用 する 研究 者 に 任期 を 設ける 流動 的 研究 制度 を 提案 して いる が 、 独創 的な 研究 者 を 育てる きっかけ に なる かも しれ ない 。 ただし 任期 の きた 研究 者 が 路頭 に 迷わ ない ように 国 は ポスト の 増設 など を 図って ほしい 。 冷戦 が 終結 し 、 科学 技術 は 世界 的に 転換 期 を 迎えた 。 今後 は 日本 一 国 の 科学 技術 を 考える だけ で は 始まら ない 。 欧 米 に 行って 学ぶ 一方 で 、 外国 から 留学 生 や 研究 者 を どんどん 受け入れ 、 研究 活動 の 国際 化 を 図る 必要 が ある 。 その ため に も 国 内 の 研究 環境 を 整備 して ほしい 。 これ から の 科学 技術 は 地球 環境 問題 や 高齢 化 社会 の 到来 へ の 対応 を 要求 さ れる 。 科学 技術 へ の 国民 の 信頼 を 取り戻す ため 自然 科学 と 人文 ・ 社会科 学 の 連携 を 強化 し 、 社会 と の 関係 を 深める こと も 重要である 。 研究 環境 を 整備 して 科学 技術 の 振興 を 目指そう と する 科学 技術 基本法 制定 の 動き は 科学 界 に とって 追い風 に なり そうだ が 、 科学 技術 の 発展 は 一朝 一夕 に は いか ず 、 地道な 努力 が 大切な こと を 肝 に 銘じ たい 。 台湾 の 李 登輝 総統 の 訪 米 で 悪化 した 米 中 関係 の 修復 に 両 国 が ようやく 動き出した 。 来月 初め の 米 中 外 相 会談 で 、 こじれた 糸 が ほぐれる か どう か は 疑問 だ が 、 米 中 関係 が 「 一直線 に 落下 する 」 の を 食い止める きっかけ に なる よう 期待 し たい 。 クリントン 大統領 が 先月 、 李 総統 の 「 私的な 訪 米 」 を 認めて 以来 、 中国 側 は 米 中 軍事 交流 や 軍事 協議 を 延期 、 別名 の 旅券 で 入国 した 米国 の 人権 運動 活動 家 、 ハリー ・ ウー 氏 を 逮捕 した 。 外交 面 で は 、 李 鵬 首相 の ロシア 訪問 で 友好 復活 を 印象づけ 、 江 沢民 国家 主席 の ドイツ 訪問 で は 、 米 企業 に 当てつける ように 大型 商談 を 成立 さ せた 。 一方 、 李 総統 招請 決議 を 行った 米 議会 も ウー 氏 逮捕 で 反 中 感情 を さらに 強め 、 ギングリッチ 下院 議長 は 「 政治 圧力 を 強める ため 」 台湾 を 承認 せよ と 息巻いて いる 。 こじれ に こじれた 米 中 関係 だ が 、 もつれた 糸 を ほぐして いけば 、 クリントン 政権 が 「 議会 の 圧力 」 で 、 前言 を あっさり 翻して 、 李 総統 の 「 同窓 会 出席 」 を 認めた こと が 問題 の 根源 である こと が 分かる 。 クリントン 政権 は 、 中国 側 が 台湾 問題 に 実は かなり 柔軟に 対処 して いる こと に 気付く べきだ 。 実質 的な 中身 から 言えば 、 李 総統 訪 米 より も 、 経済 ・ 科学 技術 関係 の 高官 接触 再開 を うたった 昨年 九 月 の 米 政府 の 政策 調整 の 方 が はるかに 重要だった 。 これ に 対し 中国 側 は 「 深刻な 懸念 」 を 表明 した が 、 総統 訪 米 の 時 の ような 強烈な 反応 は 示さ なかった 。 総統 訪 米 の あと ワシントン で 初 の 米 台 次官 級 経済 協議 が 開か れた が 、 中国 側 の 批判 の 重点 は やはり 総統 訪 米 に 置か れた 。 いわば 中国 側 は “ 実質 ” より も “ 形式 ” 、 メンツ を 重視 して いる と も いえる 。 中国 は 繰り返し 総統 訪 米 を 二度と 認め ない よう 要求 して いる 。 メンツ の 問題 で 米 側 が 理解 を 示さ なければ 関係 改善 は 難しい ので は ない か 。 米 政府 の アジア 政策 が グランド デザイン を 欠き 、 その場しのぎ の 応対 に 終始 して いる こと や 、 すぐに 制裁 を ちらつかせる 居丈高な やり 方 に うんざり して いる の は 中国 だけ で は ない 。 その こと を クリントン 大統領 は 知る べきだ 。 中国 も もう 少し 大局 的に 情勢 を 分析 して ほしい 。 中国 側 は 李 総統 訪 米 を 米国 に よる 「 封じ込め 戦略 」 と 受け止め 激しく 反発 して いる 。 疑心 暗鬼 の 目 で 見れば 、 最近 の 米 越 国交 正常 化 も 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 と の 関係 改善 も 日本 の 中国 核 実験 再開 批判 も 南沙 諸島 問題 へ の 懸念 表明 も 、 すべて 「 封じ込め 」 の 一環 に みえて しまう だろう 。 米 政界 の 一部 で 封じ込め が 議論 さ れて いる の は 事実 だ が 、 それ は 米 政府 の 政策 に は なって い ない 。 対 中 最強 硬派 の ギングリッチ 議長 で すら 対 中 最恵国待遇 継続 を 唱えて いる 。 また 仮に 米国 が 時代 錯誤 の 「 中国 封じ込め 戦略 」 を 採用 して も だれ も 協力 し ない だろう 。 欧州 連合 は 中国 と の 経済 関係 強化 を 盛り込んだ 新 中国 政策 を 打ち出した ばかりだ 。 東南 アジア 諸国 が 南沙 問題 を 機 に 中国 の 大国 主義 的 行動 に 懸念 を 抱き 始めて いる の は 確かだ が 、 「 中国 を 敵視 すれば 、 本当の 敵 に なり かね ない 」 と いう の が ほぼ 共通 した 考え 方 だ 。 戦後 復興 の 推進 役 を 、 現場 で 担い ながら 倒れた 人々 が いる 。 石炭 掘削 現場 に 長く 働き 、 じん肺 に 罹患 した 労働 者 は その 典型 であろう 。 掘削 の 際 に 出る 大量の 石炭 粉じん を 吸い 続けた 結果 、 この 病気 に かかる 。 根治 は 難しい 。 石炭 増産 政策 を 推進 した 国 に 責任 は ない の か 。 じん肺 に かかった 炭鉱 労働 者 と 遺族 が 、 国 と 鉱山 大手 六 社 を 相手 に 起こした 「 筑豊 じん肺 訴訟 」 が 、 注目 さ れた 理由 だ 。 じん肺 訴訟 は 多い 。 それだけに 国 の 政策 、 監督 の 在り 方 を 初めて 判断 する か どう か が 、 焦点 に なった 。 しかし 、 二十 日 の 福岡 地裁 飯塚 支部 の 判決 は 国家 賠償 法 に 基づく 国 の 責任 を 認め なかった 。 原告 四百八十 人 が 国 と 企業 に 求めた 損害 賠償 総額 は 五十四億六千万 円 だった 。 判決 は 企業 六 社 へ 原告 二百八十 人 を 対象 に 二十億 円 弱 の 支払い を 命じた 。 じん肺 患者 を 出して しまった 事実 に 対する 企業 の 責任 を 問う こと に ついて は 、 これ まで の じん肺 訴訟 判決 で 一定 の 流れ が できて いる 。 では 、 今回 の 裁判 で 具体 的に 原告 側 が 主張 した の は 、 どのような 点 だった の か 。 三 点 が 挙げ られる 。 第 一 に 粉じん の 中 で 長 時間 労働 を 要求 した 企業 の 背景 に は 、 国 の 石炭 増産 政策 が あった 。 その後 の 炭鉱 スクラップ 政策 で 、 消滅 した 会社 も ある 。 そこ で 働いて いた 労働 者 は 国 に 賠償 を 求める 以外 、 道 が ない 。 第 二 に 合併 症 の ある 患者 や 、 重い じん肺 患者 に は 労災 保険 が 適用 さ れて いる が 、 合併 症 の ない 場合 、 保険 適用 外 に なる ケース が ある 。 三 番 目 は 病状 が 進行 する じん肺 患者 の 場合 、 民法 の 損害 賠償 請求 権 が 十 年 で 消滅 する と いう 規定 を あてはめる べきで ない ―― である 。 国 側 は 、 政策 立案 、 実行 に 政治 的 責任 が 問わ れて も 、 法的 責任 は ない と 主張 した 。 原告 は また 、 鉱山 保安 監督 局 の 規制 、 監督 権限 の 実行 が 生ぬるかった から 、 大量の 患者 を 生んだ と 、 主張 した 。 これ に 国 は 、 法 は 権限 を 定めて いる だけ で 、 その 行使 は 行政 の 裁量 範囲 と 反論 した 。 国 の 責任 を 退けた 今回 の 判決 が もたらす 事態 は 何 だろう か 。 多数 の 患者 、 遺族 が 損害 賠償 の 対象 に なら ない 事実 である 。 実質 的に 救済 さ れ ない 。 判決 で は 消滅 時効 も 適用 さ れた 。 その ため 請求 を 棄却 さ れた 人々 が いる 。 これ で は 同じ 、 じん肺 に 苦しむ 人々 の 救済 に 大きな 格差 が でる 。 と いう より 救済 の 手 を 差し伸べ られ ない 患者 、 遺族 を つくる 。 それ で いい と は だれ も 思う まい 。 このような 事態 を 招か ない ため に 、 昨年 秋 に は 裁判 所 が 和解 案 を 示して いる 。 国 に も 一定 の 解決 金 負担 を 求めた うえ で 、 原告 全員 を 救済 しよう と する 内容 だった 。 だが 、 国 も 企業 も すぐ 拒否 した 。 原告 側 の 控訴 は 確定 的だ から 今後 、 長い 応酬 に なる 。 患者 、 遺族 の 苦しみ 、 悲しみ を 思う 時 、 何 が 最も よい 方法 か 、 考え ねば なら ない 。 「 容易に 国 の 責任 を 認め られ ない 。 法 や 行政 体系 が 崩れ 、 統治 の 根幹 に 触れる 」 と する 考え も 政府 に は ある だろう 。 だからといって 、 放置 さ れる 患者 、 遺族 を つくって よい わけで は ない 。 川畑 耕平 裁判 長 も 判決 後 、 わざわざ 裁判 所 が 和解 勧告 を した 意図 に 言及 して いる 。 ここ に 裁判 所 の 真意 が あった 、 と 見て よい 。 患者 、 遺族 全員 の 救済 を 念頭 に 、 国 、 企業 側 も 和解 の テーブル に 着く べきで は ない か 。 夏 休み と ともに 二十一 日 から 八 月 二十 日 まで 、 全国 の 自然 公園 で 「 自然に 親しむ 運動 」 が 繰り広げ られる 。 厚生 省 が 自然 保護 行政 を 受け持って いた 一九五〇 年 当時 、 「 自然 と 親しむ こと で 健康 を 増進 する 目的 」 で 始め られた もの だ 。 しかし 、 今では 人間 の 心身 の 母胎 であり 、 試練 の 場 で も ある 大 自然 と 豊かに 、 深く 交わる ため に 、 若者 たち へ この 機会 に 日本 列島 の 多彩な 自然 境 へ 向かう よう 勧め たい 。 国立 公園 で 環境 庁 が 、 国定 公園 で 都道府県 や 市町村 が 主催 する 自然 観察 会 や ハイキング 、 ネイチャーゲーム を 楽しむ の も よい だろう 。 だが 、 もっと 奥深く 自然に 分け入り 日本 列島 の 原形 を 現代 に 伝える 「 原生 自然 」 の 世界 に 心身 を 解き放って ほしい 。 世界 でも 最 大規模 の 冷温帯 ブナ 林 を まとった 白神 山地 や 数千 年 の 時間 を 刻んで 杉 の 巨木 が 連なる 屋久 島 が 、 世界 遺産 に 指定 さ れた ように 、 日本 列島 に は まだまだ かけがえのない 原生 自然 が 保た れて いる 。 ひと 時 クルマ や サーフボード を 離れ バーチャルリアリティー の 絵空事 の 世界 を 去って 、 濃密な リアリティー そのもの の 大 自然 境 に 踏み込もう 。 時に は 危険 と 肉体 へ の 苦痛 に 耐え 、 心身 の 力 を 振り絞って 本物 の 野性 に ぶつかって いく 。 原生 林 の 分厚い 腐葉土 の 森林 を 踏みしめて 伝わる 大地 の 生命 力 、 完璧な 静けさ 、 かぐわしい 渓流 と 風 、 躍動 する 生きもの の 鼓動 。 闇 は 深く 、 見失って いた 星座 の きらめき に 目 を 洗わ れる 。 五感 を 解き放てば 、 忘れて いた 深い 感動 が こみ上げて くる こと だろう 。 埋もれて は いた が 、 確かに 存在 する 人間 性 の 不思議 さ 、 喜び を 実感 する こと が できる かも しれ ない 。 コピー で は ない 、 本物 の 自然の 神髄 を 深く 体験 する こと で 、 あなた は 未知の 自分 と 遭遇 する かも しれ ない 。 原生 自然 の 多く は 国立 公園 の 特別 地域 に 保た れて いる 。 北海道 の 利尻 、 礼文 、 サロベツ から 沖縄 の 西表 まで 、 国土 の 五・四 % の 面積 を 占めて 、 二十八 の 国立 公園 が ある 。 原生 自然 か それ に 近い 特別 地域 だけ でも 延べ 百四十五万 ヘクタール を 数える 。 国立 公園 の 特別 地域 を 訪ね 、 自然の 生態 系 の 絶妙な 仕組み を 知れば 、 環境 基本 法 が 二十一 世紀 文明 の 基盤 と して 掲げた 「 循環 と 共生 」 の 意味 が おのずと 理解 さ れて こよう 。 悠久の 時 の 流れ を 刻みつけた 原始 景観 は 、 文明 の 素晴らし さ と ともに 、 文明 を 支える 巨大な 物的 、 精神 的な 基盤 と して の 自然の 価値 を 教えて くれる はずだ 。 一八七二 年 、 米国 政府 が ロッキー 山脈 の 原始 境 イエローストン を 世界 初 の 国立 公園 に 指定 して 以来 、 その 数 は 政治 、 経済 体制 の 違い を 超え 、 九十二 カ国 で 約 八百 カ所 を 数える 。 この こと は 人類 社会 に とり 、 文明 と 自然 が 切り離せ ない 関係 に ある こと を 物語って いる と 言え まい か 。 原生 自然 と 接する 際 の マナー に は 十分に 気 を つけ たい 。 単独 行 か 、 せいぜい 二 、 三 人 まで が 限度 だろう 。 にぎやかに 踏み 入れば 、 孤独 感 が 失わ れ 、 もはや 人間 の 魂 に とって の 原生 自然 の 意味 は 損なわ れて しまう だろう 。 人類 は 地球 へ の 訪問 者 であり 、 その 痕跡 を なるべく 残さ ない ように 、 と 心掛ける の が 自然 を 貴ぶ コンサベイション の 考え 方 だ 。 「 歩く の に 最も 時間 の かかった 人 に 一 等 賞 を 」 と 述べた 自然 歩道 の 発案 者 、 米国 の 森林 官 、 ベントン ・ マッケイ の 言葉 も 思い起こさ れる 。 日 米 航空 交渉 が 閣僚 会談 で 基本 合意 に 達した 。 日 米 が 制裁 合戦 に 持ち込む と いう 最悪 事態 は 回避 さ れた 。 その 観点 から は 評価 できよう 。 だが 、 合意 内容 の 骨子 を みる と 、 かねて 日本 側 が その 是正 を 求めて いた 本 協定 改定 交渉 は 、 貨物 分野 のみ と さ れ 、 肝心の 旅客 分野 に ついて の 本格 交渉 は また も 先 送り さ れた 。 一 度 手 に 入れた 米国 の 既得 権 に ついて の こだわり は 、 この 交渉 でも 貫か れた 。 「 日 米 関係 重視 」 と いう 亀井 静香 運輸 相 の 柔軟な 路線 は 、 日 米 航空 関係 の 「 戦後 」 が これ から も 続く こと を 確認 した と いえよう 。 合意 の 内容 は 、 まず この 紛争 の 種 だった 米 貨物 航空 会社 「 フェデラル ・ エクスプレス 」 が 要求 して きた 日本 経由 アジア 行き の 七 路線 すべて を 無 条件 で 認可 する こと と した 。 その代わり 、 日本 側 も その 見返り と して 日本 航空 、 日本 貨物 航空 の 関西 国際 空港 発 米国 行き 貨物 路線 が 認可 さ れる こと に なった 。 さらに 、 最大 の 懸案 だった 航空 協定 の 見直し に ついて 、 米国 側 は 貨物 分野 で 今年 九 月 から 交渉 する こと に 合意 した 。 しかし 、 これ まで 日本 側 が 日 米 航空 協定 の 不平等 性 の シンボル と して 見直し を 求めて いた 旅客 分野 の 「 以遠 権 」 に ついて は 、 交渉 そのもの が 事実 上 、 拒否 さ れた 格好 と なった 。 いま の ところ 基本 合意 であり 、 なお 詳細に ついて は 明らかに なって い ない 。 従って 厳密な 評価 は 後日 に 譲る と して も 、 率直な 印象 は 、 重要な 問題 を いつも 棚上げ に する 、 と いう もの だ 。 その 理由 は 一 に も 、 二 に も 日本 側 の 筋 を 通さ ない 「 その場しのぎ 」 の 交渉 態度 に ある 。 先に 私 たち が 指摘 した ように 、 日 米 航空 協定 は 一九五二 年 に 「 戦後 」 を 背負って 発効 した 。 その 不平等 さ は 当の 米国 側 も 自ら 認める ほど の もの だ 。 だが 、 米国 側 は 「 既得 権 に ついて は 協定 上 認め られた もの 」 と して 、 是正 に 応じる 気配 は ない 。 今回 の 基本 合意 も 、 その 延長線 上 に ある 。 米 貨物 航空 会社 の 路線 要求 に 対して 、 日本 側 は まず 協定 見直し を 先行 さ せる べきだ と 主張 した 。 米国 側 は これ に 対して 協定 見直し の 協議 は 「 その あと 」 に す べきだ と 繰り返した 。 結果 は 米国 の 主張 が 大筋 で 通った 。 しかも 、 最も 重要な 旅客 分野 の 協定 見直し 交渉 に は 触れ られ なかった のである 。 いま 、 第 二 次 大戦 後 に 米国 主導 で つくら れた 「 空 の 勢力 圏 」 は 大きく 変わろう と して いる 。 米国 と の 二 国 間 協定 で フランス など が 破棄 し 、 アジア でも タイ が 米国 と の 協定 を 破棄 して いる の は 、 こうした 米国 主導 へ の 強い 反発 の 表れ だろう 。 一方 、 米国 は 最近 、 オープンスカイ 政策 を 世界 に 標榜 して いる 。 その 方向 は 「 空 の ボーダーレス 」 と して 、 基本 的に 検討 に 値する もの だ 。 消費 者 の 利益 に も 合致 する だろう 。 だが 、 米国 は そう 言い つつ 、 自国 市場 で は 、 外国 企業 の 輸送 を 禁止 する と いう 矛盾 した 政策 を とって いる 。 これ で は 「 他国 に オープンスカイ 政策 を 求める 資格 が ない 」 と 言わ れて も 仕方 が ある まい 。 日 米 航空 関係 で の 乱暴な 制裁 合戦 が 行わ れ ず に 済んだ こと は 歓迎 し たい 。 だが 、 どうも すっきり し ない 結末 である 。 ひょうたん から コマ と は 、 こういう こと を 言う のだろう 。 政府 も 政党 も 、 急に 核 実験 反対 で 熱く なって きた 。 結構な こと である 。 ある 党 は フランス 製品 の 不買 運動 を 提唱 し 、 ある 党 は 船 を 仕立てて 実験 水域 に 乗り込もう と 叫んで いる 。 実験 再開 反対 の 国会 決議 採択 で は 、 ほとんど の 党 の 足並み が そろった 。 初め は 気乗り薄だった 外務 省 も 、 実験 再開 に 歯止め を 掛けよう と 、 実験 中止 を 求める 国連 決議 の 提案 準備 に 本腰 を 入れて 取り掛かった 。 政党 間 の フランス 攻撃 の 競い合い を 「 参院 選 目当て 」 と 皮肉に 見る 向き も ない で は ない 。 実際 、 駐 仏 大使 の 召 還 を 主張 する 党 まで 出て いる ので 、 どこ まで エスカレート する の か 心配で も ある 。 政府 に ついて いえば 、 これ まで フランス に 型通りの 抗議 を した だけ で 、 一 カ月 以上 も ほったらかし の まま だった 。 豪州 など アジア ・ 太平洋 諸国 が 粘り強く フランス に 働き掛けて いる の と 対照 的だった 。 「 騒いで も 実験 再開 は 止め られ ない 」 「 親 日 派 の シラク 仏 大統領 を 追い込んで は 」 と いう の が 、 その 言い分 だった 。 五 月 に 中国 が 核 実験 を 再開 した 際 、 私 たち は 豪州 首相 の 来 日 を 機 に 、 同国 と 組んで 核 実験 再開 反対 の 国際 キャンペーン を 張ったら どう か と 提案 した 。 フランス の 再開 が 予想 さ れた から である 。 ところが 政府 は 一顧 だに し なかった 。 「 今ごろ に なって …… 」 と 残念に も 思う 。 しかし 、 後追い でも 行動 に 出る の と 出 ない の と で は 雲泥 の 差 だ 。 外務 省 の 踏ん切り を 評価 し たい 。 それ に 実効 性 を 心配 する より も 、 やって みる ことだ 。 声 を 上げて みる ことだ 。 効果 は 後 から 貨車 で ついてくる 。 同 省 が これ まで 核 問題 で 、 及び腰 と も とれる 対応 に 終始 した の は 、 それなり の 理由 が ある 。 日本 は 米国 の 核 の 傘 に 入って いる 。 その 効果 は 、 それ こそ 不確実で 危険で も あった けれど 、 そういう 建前 で 安全 保障 を 組み立てて きた 。 だから 米国 の 核 政策 に は 、 常に 奥歯 に 物 の 挟まった ような こと しか 言え なかった 。 中国 や フランス に 対して も 「 自分 の 足元 を 考えたら 」 と 逆襲 さ れる の を 懸念 して 、 強く は 出 られ なかった 。 しかし 、 もはや そういう 時代 で は ない 、 と いう こと を 改めて 指摘 し たい 。 第 一 に 、 先 の 核 拡散 防止 条約 再 検討 会議 でも 見 られた ように 、 核 を 持た ない 国 の 発言 力 が ぐんと 強まった 。 非核 保有 国 の 結束 も 強かった 。 核 保有 国 は 一九九六 年 まで に 核 実験 全面 禁止 条約 を 締結 する と の 約束 を せ ざる を 得 なかった 。 第 二 に 、 核 保有 の 超 大国 である 米 露 両 国 も 、 不十分で は ある が 、 核 兵器 を 急速 ・ 大幅に 整理 して いる 。 核 で 脅す 力 の 政治 は 、 嫌悪 の 対象 に なり つつ ある 。 第 三 に 、 フランス の 核 実験 再開 決定 に ドイツ など が 率直に 批判 した ように 、 友好 国 であって も 「 核 は 別 」 と の 雰囲気 が 生まれて いる 。 要するに 核 は 必要 悪 で は なく 、 絶対 悪 であり 、 そういう 共通 認識 で 世界 は まとまろう と して いる のである 。 だから 日本 は ためらう こと は ない のだ 。 これ まで の いきさつ から 一 歩 出て 、 核 廃絶 の 旗振り に 勇進 す べきである 。 ただし 、 それなり の 礼儀 と 品位 は 保た れ なければ なら ない 。 選挙 が 終われば 消え かね ない ような 声高な 絶叫 は 逆 効果 で さえ ある 。 一九二七 年 、 東京 ・ 神宮 球場 で 産声 を 上げて から 今年 で 第 六十六 回 と なる 都市 対抗 野球 大会 が 二十二 日 、 開幕 した 。 八 月 一 日 まで の 十一 日間 、 東京 ドーム で 昨年 の 王者 と 全国 の 予選 を 勝ち抜いた 三十一 代表 に よって 熱戦 が 展開 さ れる 。 今年 は 五十三 年 ぶり の 出場 を 果たした 仙台 市 ・ JR 東 日本 東北 、 四十一 年 ぶり の 高松 市 ・ JR 四国 など の 古豪 復活 が 目立つ 一方 で 、 連続 出場 で は 史上 最多 八 回 目 の 優勝 記録 更新 を 目指す 横浜 市 ・ 日本石油 が 七 年 連続 、 三十八 回 目 と 最多 出場 回数 を 伸ばした 大阪 市 ・ 日本 生命 も 六 年 連続 で 代表 に 名 を 連ねて いる 。 これ ら の 古豪 や 常連 チーム と ともに 、 地域 住民 に 支え られて 企業 チーム から 昨年 、 町民 球団 と も 呼ぶ べき クラブチーム に 生まれ変わった 、 北海道 白老 町 ・ ヴィガ しらおい 、 の 戦い ぶり に 注目 し たい 。 前身 の 大昭和 製紙 北海道 が 業績 不振 から 休部 に 追い込ま れた の は 一昨年 十一 月 。 第 四十五 回 大会 で 優勝 し 、 町民 の 誇り だった だけ に 、 同 町 商工 会 を 中心 に 「 町 の 活性 化 に 欠かせ ない 」 と 支援 の 輪 が 広がった 。 英語 で 力 、 元気 を 意味 する 「 ヴィガ 」 を 町民 から 公募 して 決め 、 チーム 名 を 印刷 した トイレットペーパー など を 販売 して 運営 費 を 工面 、 町 内 企業 から の 寄付 金 と 合わせ 約 二千万 円 を 集めた 。 遠く 東京 から 激励 文 と 五千 円 を 送って きた ファン も いた 、 と 聞く 。 こうした 地域 の 支援 を 背 に した クラブチーム は 三 分 の 二 世紀 に 及ぶ 都市 対抗 野球 の 歴史 を ひもとく と 戦前 は 数多く 本 大会 に 進出 。 オールドファン に は 全 桐生 、 函館 オーシャン 、 横浜 金港 ク と いった 名前 が 懐かしい 。 戦後 に なって 日本 経済 の 変遷 そのまま に 、 戦災 復興 関連 から 重厚長大 型 、 そして 自動車 など の 輸出 関連 を はじめ 電機 、 通信 、 保険 など の 大 企業 が 主体 と なって いく 。 あの 野茂 英雄 投手 も 新日鉄 堺 の 一員 と して 都市 対抗 の マウンド を 踏んだ の は 記憶 に 新しい 。 そして 今 、 バブル 崩壊 と ともに みぞうの 円高 、 空洞 化 、 戦後 初 の デフレ に よって 日本 経済 は 産業 構造 の 大 転換 を 迫ら れ 、 企業 スポーツ も リストラ の 名 の もと に 名門 チーム の 休 廃部 が ここ 数 年 相次いだ 。 大昭和 製紙 北海道 も その 一 つ であった が 、 町民 の 温かい 支援 に よって 見事に 再生 した 。 クラブチーム と して は 第 四十九 回 大会 の 全 足利 から 実に 十七 年 ぶり の 本 大会 進出 を 町民 と ともに 祝福 し たい 。 地域 に 根差した スポーツ と して は 一昨年 、 サッカー の J リーグ が その 理念 と して 掲げ 、 大きな 反響 を 呼んだ 。 学校 で の 体育 と ともに 企業 は 我が国 の スポーツ 普及 と 発展 に 大きな 力 と なって きた 。 現在 でも スポーツ が 企業 の モラール 向上 など で 果たす 役割 を 私 たち は 否定 し ない 。 ただ 、 激変 する 日本 経済 の もと でも 着実に 進む 余暇 時間 の 増大 に ともない 、 若年 層 を 中心 に 企業 や 働く こと の 価値 観 が 変わり つつ ある ように 、 スポーツ に 対して も 個人 が 自由 気まま に 楽しむ 本来 の 姿 へ と 回帰 して いる 点 を 指摘 して おき たい 。 町民 の 熱い 応援 で 野球 を 続ける ヴィガ しらおい の 姿 は 、 原っぱ で 楽しむ 草 野球 、 その 周り を 取り囲む 地域 の 人 たち ―― と いった スポーツ の 原 風景 を 思い出さ せる 。 これ を 機会 に 、 スポーツ の 有り様 を 考え ながら 、 ヴィガ しらおい の 健闘 を 祈り たい 。 かつて なかった ほど 政治 不信 が 高まり 、 支持 政党 なし 層 が 増大 する 中 で 、 第 十七 回 参院 選 の 投票 が 二十三 日 、 全国 一斉 に 行わ れる 。 今回 の 参院 選 は 、 戦後 五十 年 の 節目 に 当たる だけ で なく 、 細川 、 羽田 、 村山 と 連立 政権 が 続いた 中 で の 初 の 国政 選挙 である 。 とくに 今回 は 自民 、 社会 、 さきがけ 三 党 に よる 現 連立 政権 や 、 昨年 十二 月 に 結党 した 野党 ・ 新進党 など に 対して 、 有権者 側 から 直接 、 評価 を 下す 初めて の チャンス と 言って いい 。 結果 次第 で は 衆院 の 解散 ・ 総 選挙 の 時期 が 早まり 、 今秋 に も 行わ れる 可能 性 も ある と 言わ れて いる 。 その 意味 で は 今回 の 参院 選 は 、 総 選挙 の 前哨戦 と 位置付ける こと も 可能だ 。 それ だけ 各 党 に とって も 重要な 選挙 であった はずな のに 、 選挙 戦 で の 各 党 は 、 勝敗 ライン や 選挙 後 の 政局 の 推移 ばかり を 気 に して 、 肝心の 政策 上 の 争点 を 明確に 提示 する まで に は 至らなかった 。 社会党 の 負け 具合 に よって は 、 村山 富市 首相 の 進退 問題 が 表面 化 して 政局 は 激動 、 場合 に よって は 政界 再 編成 第 二 幕 の 幕開け に つながり かね ない と いう 状況 が ある に して も 、 各 党 の 努力 不足 は 批判 さ れて 仕方 が ない だろう 。 しかし 、 だからと言って 、 今回 の 参院 選 に は 何も 期待 し ない 、 投票 に も 行か ない と 決め込んで いい もの で は ない だろう 。 確かに 参院 選 は 、 政権 の 有り様 を 直接 的に 選択 する もの で は ない 。 しかし 過去 に は 参院 選 の 結果 が 、 その後 の 政治 構造 を 大きく 変えた ケース も ある 。 一九七四 年 参院 選 で は 自民党 の 「 企業 ぐるみ 選挙 」 が 批判 さ れ 、 保革 伯仲 状況 が 生まれた 。 八九 年 参院 選 で は 、 消費 税 導入 の 是非 、 リクルート 疑惑 、 農産物 輸入 自由 化 が 争点 に なり 、 与野党 勢力 が 逆転 した 。 参院 選 と いえ ども 一 票 の 価値 は 、 衆院 選 の それ に 劣る もの で は ない 。 では 、 どう 選ぶ か 。 やはり 政策 理念 と 、 公約 を 実行 する 確かな 意思 を 持って いる 政党 や 候補 者 である か どう か を 見極めて 投票 す べきで は ない だろう か 。 東京 都 知事 選 で の 世界 都市 博 問題 以降 、 「 公約 を 守る こと の 重 さ 」 が クローズアップ さ れた こと を 想起 し たい 。 今回 の 各 党 の 選挙 公約 を 、 眼光 紙背 に 徹して 吟味 すれば 、 政策 上 の 違い を 見る こと は できる 。 例えば 憲法 を めぐって は 、 護憲 から 改憲 志向 まで 、 各 党 の 主張 に は 開き が ある し 、 景気 対策 でも 差 が ある 。 防衛 費 を 含む 安保 政策 、 危機 管理 対策 、 行政 改革 など でも 違い が ある 。 ほか に 政治 倫理 の 確立 、 政治 改革 の 推進 に 熱心 か 、 歴史 認識 や 国際 感覚 は どう か 、 など も 選ぶ 場合 の 重要な 基準 と なる ので は ない か 。 とはいえ 、 今 この 瞬間 でも 、 投票 に 行こう か 、 投票 し たい 政党 や 候補 者 が い そうに ない から 行く の は やめよう か 、 など と 迷って いる 有権者 も いる に 違いない 。 そういう 空気 を 反映 して か 、 投票 率 は 、 過去 最低 だった 三 年 前 の 参院 選 の 五〇・七 % より さらに 下がり 、 史上 初めて 五〇 % を 切る ので は と さえ 予想 さ れて いる 。 シラケた 気分 に なる の も 分から ない で は ない 。 しかし 突き放す だけ で は 政治 は 変わら ない 。 やはり 投票 所 に 足 を 運び 、 一 票 を 行使 し たい 。 政党 なし で は 議会 制 民主 主義 は 成り立た ない し 、 政党 は 有権者 が 育てる もの で も ある から だ 。 村山 連立 政権 継続 の 是非 を 最大 の 争点 と した 第 十七 回 参院 選 は 、 二十三 日 の 投 ・ 開票 の 結果 、 村山 富市 首相 の おひざ元 である 社会党 が 自ら 「 勝敗 ライン 」 と した 十五 議席 を 辛うじて クリア した もの の 、 自民 、 さきがけ も 低迷 した まま で 村山 内閣 の 一層 の 弱体 化 は 避け 難い 情勢 と なった 。 社会党 の 獲得 議席 は 、 一九八六 年 の 参院 選 で の 二十 議席 と いう 過去 最低 の 獲得 議席 を さらに 下回る 大敗 であり 、 先 の 統一 地方 選 で の 惨敗 と 合わせ 、 同 党 の 凋落 ぶり を 改めて 浮き彫り に した 。 村山 首相 は 選挙 戦 に 先立って 同 党 の 勝敗 ライン を 「 前回 三 年 前 の 選挙 の 獲得 議席 二十二 」 に 設定 した が 、 この 目標 を 大幅に 下回る 大敗 と なった こと で 、 党首 と して の 政治 責任 は 厳しく 問わ れ ねば なら ない 。 同時に 、 村山 連立 政権 の 信任 と いう 点 で は 、 自民党 執行 部 は 当初 、 与党 三 党 の 改選 議席 数 七十五 を 信任 ライン と して 掲げ 、 村山 首相 も 「 三 党 の 合計 議席 が 浮揚 すれば 政権 は 信任 さ れた こと に なる 」 と 七十五 議席 以上 の 獲得 を 信任 の 基準 と して 明示 して きた が 、 三 党 の 獲得 議席 は 設定 基準 に 遠く 及ば なかった 。 与党 側 が 厳しい 選挙 情勢 を 受け 、 改めて 設定 し 直した 参院 改選 議席 の 過半数 六十四 は 辛うじて 確保 、 与党 側 は 「 信任 を 受けた 」 と して いる 。 しかし 、 村山 首相 の 政権 基盤 である 社会党 と 与党 三 党 の 当初 の 信任 基準 が いずれ も 達成 でき なかった こと は 、 とりもなおさず 国民 が 村山 連立 政権 の 存続 に 対し 大きな 不信 感 を 抱いて いる こと を 意味 する 。 社会党 は 、 選挙 前 、 村山 首相 の 設定 した 勝敗 ライン 「 二十二 」 の 達成 が 難しい と の 情勢 判断 から 新たに 「 十五 」 と いう 低 めの 勝敗 ライン を 持ち出し 、 予防 線 を 張った が 、 もともと 「 十五 」 と いう 数字 自体 、 何ら 合理 的 根拠 の ない もの であり 、 これ を もって 社会党 が 首相 を 送り出した 政党 と して 信任 さ れた 、 と は 到底 認める わけに は いか ない 。 そうした 恣意 的な つじつま 合わせ の 数字 探し を 弄した ところ で 、 社会党 に 対する 有権者 の 現実 の 支持 と 無縁である こと は 言う まで も ない 。 社会党 は 二 年 前 の 衆院 選 で 半数 の 七十 議席 台 に 落ち込んだ 惨敗 の 苦い 教訓 は 今回 も 生かす こと が でき なかった 。 私 たち は これ まで 再三 に わたり 、 解党 覚悟 の 出直し に よる 党 改革 の 断行 を 求めて きた が 、 党 改革 は 不徹底 の まま 政権 参加 を 優先 さ せて きた ツケ が 、 惨敗 と なって 表れた 。 特に 自民党 と 連立 政権 を 組んだ 直後 、 民主 政治 で 最も 大切な 手続き 論 を 無視 し 、 無 原則 に 伝統 的な 基本 政策 を 転換 さ せる など 一連の 政党 と して の 体 を なさ ない 機能 不全 ぶり が 支持 者 の 社会党 離れ を 加速 さ せて いる こと を 厳しく 自己 総括 し 、 党 の 再建 に 取り組む 必要 が ある 。 与党 側 は 自民党 を 中心 に この 選挙 結果 を 受けて も なお 村山 首相 の 続投 で 政権 を 維持 し 、 中央 突破 を 図る こと で 合意 して いる が 、 ただ 政権 維持 だけ を 自己 目的 化 し 、 なりふり構わず 権力 に しがみつこう と する 態度 は 厳正な 民意 を ないがしろに する もの であり 、 許さ れる もの で は ない 。 もう 一 点 、 指摘 して おか なければ なら ない の は 、 選挙 の 投票 率 が 四四・五二 % と これ まで の 最低だった 前回 三 年 前 の 五〇・七二 % を 下回り 、 五〇 % を 割り込んで 史上 最低 を 記録 した こと である 。 景気 の 先行き に 対する 不安 感 が 強まる 中 、 各 党 と も 選挙 戦 で は 景気 対策 、 経済 政策 を 前面 に 押し出し 、 有権者 へ の アピール を 狙った が 、 いずれ も 大同小異で スローガン の 域 を 出 ず 、 争点 化 は 不発 に 終わった 。 加えて 統一 地方 選 で 顕著 と なった 無党派 層 の 増大 は 、 既成 政党 の 反省 と 、 従来 の 談合 的 政治 手法 の 転換 を 迫った に も かかわら ず 、 今回 の 参院 選 で 各 党 が 無党派 対策 と して 打ち出した の は 、 タレント 候補 の 担ぎ出し で しか なかった 。 総じて こうした 既成 政党 の 安易な 取り組み と 怠慢 が 有権者 の 反発 を 招き 、 足 を 遠ざけ させた 主因 である 。 二十一 世紀 に 向け 日本 の 針路 を 問う 国政 選挙 で の このような 低 投票 率 は 民主 政治 の 危機 で も ある 。 各 党 の 猛省 を 促して おく 。 参院 選 は 本来 、 政権 の 創出 と いう 機能 を 持た ず 、 必ずしも 与党 勢力 の 後退 が 政権 の 存立 に 直結 する もの で は ない が 、 社会党 の 低落 、 自民党 の 伸び悩み 、 旧 公明党 支持 の 組織 票 に 支え られた 新進党 の 躍進 と いう 選挙 結果 の 中 で 、 村山 内閣 の “ 死に体 ” 化 が 一層 極まった 感 は 免れ ない 。 与党 三 党 は 二十四 日 未明 の 党首 会談 で 「 三 党 の 結束 を 固め 、 村山 政権 を 引き続き 維持 する 」 こと を 確認 した が 、 国民 から ソッポ を 向か れた 政党 の 党首 が 引き続き 国政 の 最高 責任 者 の 座 に とどまる と いう の は 、 民意 に 即した 対応 策 と は 言い難い ので は ない か 。 長期 化した 政治 の 漂流 、 政局 の 混迷 を 打開 する に は 早急に 新しい 政治 の 枠組み の 下 で の 安定 した 政権 を 構築 する 以外 に ない 。 現在 の 村山 連立 政権 が 衆院 で の 三百 議席 近い 三 党 の 議席 で 構成 さ れた もの である 以上 、 新しい 政治 の 枠組み を 構築 する ため に は 、 やはり 衆院 を 可能な 限り 早期 に 解散 し 、 総 選挙 に よって 民意 に 問う の が 筋道 と いう べきだろう 。 権力 の 座 が いつの間にか 自己 目的 化 し 、 為政者 は 国民 へ の 奉仕 より も 自ら の 権力 維持 を 優先 する 。 この 政治 の 私物 化 は どの 国 でも 起こり 得る ことだ が 、 現在 の ロシア で とりわけ あらわに 見て取れる 。 エリツィン 大統領 が クーデター 粉砕 の 余勢 を 駆り 、 ソ連 邦 を 解体 した の は 一九九一 年 十二 月 だった 。 その 当時 、 ロシア に みなぎった 、 改革 に 向けて の 清新な エネルギー は いま 、 見る 影 も なく しぼんで しまった 。 「 一層 の 民主 化 」 を 公約 した はずの 大統領 は 密室 の 側近 政治 に 明け暮れ 、 理念 なき 惰性 の 政権 運営 が 続いて いる 。 国民 の 間 で は 政治 に 対する 深い 不信 と あきらめ に 似た 無関心 が 広がり 、 エリツィン 政権 の 支持 率 は 一ケタ に まで 落ちて いる 。 この 背景 は 当初 、 人々 が 寄せた 「 新しい 時代 」 へ の 期待 と 、 ロシア の 現状 と の 間 の 絶望 的な 落差 だ 。 エリツィン 政権 の 経済 改革 が 一定 の 成果 を 上げた こと は 事実 だ 。 一 時 の 物 不足 は 解消 さ れ 、 モスクワ など 都市 部 に は 食料 品 や 雑貨 が 豊富に 出回り 、 西側 の 乗用車 や 衣類 、 酒 など も 買える ように なった 。 天文 学 的な インフレ は かなり 収まり 、 今年 上半期 の インフレ 率 は 昨年 同期 比 一七八 % に 低下 した 。 形 の 上 で は 国営 企業 の 民営 化 も 進み 、 国 内 総 生産 の 六〇 % 強 を 民間 部門 が 占める ように なった 。 しかし 、 経済 改革 の 時流 に 乗り 、 豊かな 生活 を 享受 して いる 新 富裕 層 は 人口 の 一〇 % 以下 。 約 三〇 % が 貧困 ライン 以下 の 生活 を 強い られて おり 、 国民 の 生活 水準 が 全体 と して 向上 した と は 言え ない 。 名目 賃金 の 伸び は インフレ に 追いつか ず 、 実質 賃金 は 昨年 の 三 分 の 二 に 縮んだ 。 人々 は 賃金 の 目減り を 副業 、 内職 で 補って きた が 、 副 収入 を 加えた 実質 所得 も 昨年 秋 の ルーブル 暴落 を 境 に 減少 に 転じた 。 これ に 追い打ち を かけた の が 、 今年 初め 以来 の 公共 料金 の 大幅 アップ だ 。 公営 住宅 の 家賃 や 鉄道 運賃 は 二・四 倍 、 ガス 料金 は 五 倍 に 跳ね上がった 。 チェチェン へ の 軍事 進攻 は 巨額の 戦費 や 破壊 施設 の 復旧 費 と なって 国家 財政 を さらに 圧迫 し 、 その ツケ は 国民 に 回って いる 。 市場 経済 へ の 移行 過程 で 貧富 の 格差 が 生じる の は 当然 と も いえる 。 だが 、 ロシア の 場合 、 その 移行 が 極めて いびつな 形 を 取って いる 。 一例 を 挙げれば 、 かつて 国営 企業 が 担って いた 地域 の 医療 サービス は 、 民営 化 の 進展 で 荒廃 し 、 市民 生活 に 深刻な 影響 を 与えて いる 。 乳幼児 死亡 率 は 低 開発 国 並み で 、 昨年 から の ジフテリア の 流行 に 世界 保健 機関 も 憂慮 を 深めて いる 。 ソ連 解体 から 三 年 七 カ月 。 ロシア は 改革 の 原点 に 立ち返り 、 国 造り の エネルギー を 奮い起こさ ねば なら ない 。 残念な こと に 、 エリツィン 大統領 と 側近 、 そして 与野党 含めた 議員 の 頭 に ある の は 、 今年 末 の 下院 選挙 と 来年 六 月 予定 の 大統領 選 を にらんだ 、 自己 保身 の 利害 計算 だけ だ 。 心臓 発作 に よる 入院 で 、 エリツィン 大統領 の 今後 を めぐり 種々の 憶測 が 流れて いる 。 だが 、 ロシア 国民 と 世界 に とって 重要な の は 、 エリツィン 個人 の 命運 で は なく 、 ロシア が 改革 を 貫く 健全 さ を 残して いる か どう か であろう 。 この 視点 から 、 エリツィン 後 の 時代 の 到来 も 想定 に 入れ 、 ロシア の 動向 を 冷静に 見定め たい 。 文部 省 と 日教組 の 「 歴史 的 和解 」 が 実現 する 運び に なった 。 日教組 は 九 月 の 大会 で 、 これ まで 否定 して きた 学習 指導 要領 や 初任 者 研修 を 認める 運動 方針 を 提案 する 。 一方 、 文部 省 も 近く 、 中央 教育 審議 会 の 専門 委員 に 日教組 の 幹部 を 起用 する 。 双方 の 措置 に より 四十 年 以上 も 続いて きた 敵対 ・ 対立 関係 が 協調 に 転じる こと に なる 。 「 勤評 」 「 学テ 」 など を めぐる 昭和 三十 年 代 の 文部 省 と 日教組 の 対立 抗争 は 、 政治 の 焦点 と さえ なった 。 その 歴史 的 意義 まで 否定 する わけで は ない が 、 東西 冷戦 構造 も 五五 年 体制 も 崩壊 した 現在 、 過去 の 遺物 と なった 観 が ある の は 否め ない 事実 である 。 硬直 した イデオロギー 的 対立 を 捨て 、 時代 に 見合った 協調 関係 を 築く と いう 双方 の 英断 を まずは 歓迎 し たい 。 しかし 、 過去 の 遺物 と いえば 、 「 中央 」 が 地方 に 号令 を 発する と いう 組織 の あり 方 も 、 すでに 否定 さ れ かかって いる 。 時代 が 要請 して いる の は 分権 ・ 自治 ・ 参加 など である 。 文部 省 も 日教組 も ともに 「 中央 」 から 号令 を かける 全国 組織 である 。 時代 に よって 否定 さ れ そうに なって いる 二 つ の 組織 が 、 協調 して 「 延命 」 を 図って いる ので は ない か と いう 疑念 を 抱か ざる を 得 ない 。 日本 の 教育 は あまりに 中央 集権 的 、 画一 的である 。 明治 期 に 教育 勅語 イデオロギー と 西欧 科学 の 体系 を 教え込む 教育 システム を 作った 。 さらに 戦後 、 軍国 主義 の 基盤 と なった 「 日本 の 封建 制 」 を 否定 する ため 、 米国 流 の 「 民主 主義 」 を 教え込む 教育 が 行わ れた 。 地域 的な もの 、 土着 的な もの は 、 こうして 二 回 に わたって 否定 さ れた のである 。 文部 省 だけ が 悪かった ので は ない 。 日教組 も また 「 東京 発 ・ 民主 主義 」 を 振り回し 、 地域 の 親 たち の 声 を 「 草 の 根 保守 主義 」 と 否定 し 続けて きた 歴史 を 持つ 。 いま でも 都道府県 、 市町村 教委 は 、 首長 の 意思 も 、 議会 の 意思 も 無視 した 管理 的 教育 行政 を 実施 して いる 。 「 教育 の 中立 性 」 が 口実 な のだ が 、 文部 省 の 指示 に だけ は 忠実に 従う のである 。 まして や 親 の 意思 、 子ども の 自主 性 と いった もの が 学校 教育 に 反映 さ れる こと は ない 。 こうした 「 過剰 管理 」 が 、 いま の 学校 を 死んだ 存在 に して しまった 。 教師 に も 子ども に も 生命 の 躍動 感 など なく 、 いじめ 、 体罰 など 陰湿な もの だけ が 横行 し 、 多く の 子ども が 不 登校 に 陥って いる 。 文部 省 、 日教組 と も 歴史 的 和解 に よって 、 こういう 学校 の 現状 を どう 打破 する か の 道 を 探り たい と いう 姿勢 を 打ち出して いる 。 しかし 、 中央 から の 指令 、 指示 で いじめ など が なくなる の なら 、 どの 問題 も すでに 完全に 解決 ずみ の はずだ 。 問題 は 学校 現場 の 自主 性 な のである 。 父母 と 教師 が どういう 教育 を 目指す か 真剣に 話し合う 。 そして 苦しみ ながら 協力 して 、 一 つ ひとつ の 問題 を 解決 して いく ―― 。 こういう 活動 が 一般 化 し なければ 、 いじめ など の 深刻な 問題 は なくなら ない 。 不毛な イデオロギー 的 対立 を やめる と いう こと は 、 意義 が 大きい と いって も 消極 的な 行動 に すぎ ない 。 今後 積極 的に 取り組む べき は 、 分権 ・ 自治 ・ 参加 を 基本 と した 教育 の あり よう を 探る ことだ 。 その 結果 、 仮に ドイツ の ように 中央 政府 に 文部 省 が ない システム に なって も 何の 不思議 も ない だろう 。 日本 経済 は デフレ の 悪 循環 に 陥る の か 、 それとも 近く 自立 回復 に 向かう の か 。 不透明 感 が 強まって いる 中 、 一九九五 年度 「 経済 白書 」 が 発表 さ れた 。 今 年度 の 白書 は 「 戦後 五十 年 」 と いう 節目 に ある 日本 経済 の 現状 を 短期 の 「 景気 動向 」 、 中期 の 「 産業 調整 」 、 それ に 長期 の 「 公共 部門 」 の 三 つ の 軸 から 分析 して いる 。 白書 は よく 診断 書 に 例え られる が 、 現在 かかって いる 病気 だけ で なく 、 体質 的な 問題 点 まで 掘り下げて 診断 した 、 と いえよう 。 しかも 最近 の 診断 が 最 先端 の 医療 機器 を 駆使 する ように 、 さまざまな データ や モデル を 使い 実に 詳細に 分析 して いる 。 しかし 、 その 結論 は 短期 に ついて は 比較的 危機 意識 が 薄く 、 高齢 社会 を 迎えて 公共 部門 を どう する か 、 と いう 長期 的 問題 こそ 深刻な 課題 と 位置づけて いる 。 私 たち の 景況 感 と は かなり 隔たり が ある 。 まず 、 短期 の 景気 動向 に ついて は 「 足踏み 」 状態 に ある 景気 を 自律 回復 さ せる 需要 項目 と して 設備 投資 と 個人 消費 に 注目 。 設備 投資 は 持ち 直し つつ あり 、 個人 消費 も 回復 の テンポ は 鈍い もの の 「 今後 は 円高 の メリット を 生かした 効果 が 期待 できる 」 と して いる 。 モノ や サービス 価格 が 下落 して いる ディスインフレ 現象 に ついて 「 需給 ギャップ に よる 値崩れ は 問題 だ が 価格 破壊 は 消費 者 の 実質 所得 の 向上 に つながる 」 と し 、 いわゆる デフレ に ついて 言及 して い ない 。 荒っぽく いえば 、 急激な 円高 に よる 「 下 揺れ 」 に 注意 する 必要 は ある が 、 適切な 経済 運営 を 行い 円高 メリット に よる 「 明るい 芽 」 を 育てて いけば 自律 回復 に 向かう と いう 筋立て な のである 。 本当に そう な のだろう か 。 白書 が 分析 する ように 、 公共 事業 と 住宅 から 設備 投資 と 個人 消費 へ 「 リード 役 」 の バトン タッチ が 遅れて いる だけ 、 と いう ので は 経済 界 が 実感 して いる 先行き に 対する 不透明 感 を 説明 でき まい 。 また 、 物価 の 下落 に ついて も 原因 分析 だけ に 終わり 、 逆に 低 物価 が 消費 に 及ぼす 影響 に ついて は 「 非常に 小さい 」 と 簡単に 片付けて いる 。 中期 的な 課題 である 「 産業 調整 」 で は 、 急激な 円高 で 競争 力 を 有する 貿易財 産業 は 極めて 限ら れて いる 、 と 分析 。 為替 相場 の ミスアライメント の 下 で の 産業 調整 の 難し さ を 指摘 した うえ で 「 非貿易財 部門 に おける 生産 性 の 向上 を 図ら ねば なら ない 」 と 強調 して いる 。 その ため に 内外 価格 差 の 縮小 、 規制 緩和 の 推進 など 競争 促進 策 を 強調 して いる 。 痛み を 伴う もの であって も 今 、 断行 し なければ 日本 経済 に 前途 は ない 、 と する 。 この 認識 に は 異論 は ない が 「 では どう する か 」 と いう 方向 性 は 提起 さ れて い ない 。 サブタイトル の 「 日本 経済 の ダイナミズム の 復活 を めざして 」 に ふさわしい 処方せん に なって い ない の は 残念である 。 ただ 、 人口 の 高齢 化 の 伴う 公共 部門 の 長期 的 分析 で は 重要な 課題 を 浮き彫り に して いる 。 白書 が いう ように 高齢 化 に よる 成長 率 の 鈍化 と 高齢 者 の 扶養 の ため の 財政 支出 の 増加 は 大変な 問題 で 「 簡素で 効率 的な 政府 」 の 必要 性 は 高まって いる 。 改めて 行政 改革 の 推進 を 強調 して おき たい 。 天皇 陛下 は 皇后 陛下 と ともに 二十六 日 、 長崎 市 を 訪れ 、 平和公園 で 献花 後 、 被爆 者 から 説明 を お 聞き に なった 。 陛下 の 戦没 者 慰霊 の 旅 が スタート した 。 二十七 日 は 広島 市 を 訪れる 。 八 月初め に は 「 平和 の 礎 」 が できた ばかりの 沖縄 県 糸満 市 、 そして 東京 都 墨田 区 を 訪問 する 。 原爆 被爆 の 地 、 広島 、 長崎 市 。 沖縄 戦 最後 の 戦場 と なった 糸満 市 。 空襲 犠牲 者 の 眠る 東京 都 慰霊 堂 の ある 墨田 区 。 いずれ も 象徴 的な 戦災 の 地 だ 。 この 旅 に 、 初め 宮内 庁 事務 当局 は 消極 的だった と 言わ れる 。 政治 的 意味 合い を もって 受け取ら れ かね ない 天皇 の 行動 は できる だけ 避ける 。 戦後 、 宮内 庁 の 一貫 した 発想 だ 。 しかし 、 この 旅 の 実現 に は 天皇 陛下 の 意向 が 強く 働いた 。 望んだ の は 文字通り 平和 の 願い であり 、 鎮魂 であろう 。 それ は 出発 に 当たり 明らかに さ れた 文書 に 鮮明だ 。 天皇 陛下 は この 中 で まず 、 被爆 者 の 苦しみ 悲しみ に 、 深い 思い を 寄せた 。 その うえ で 「 原子 爆弾 に 対する 世界 の 認識 が 深まり 、 人類 が このような 災い を 二度と 経験 する こと の ない よう 、 切に 平和 を 願い 、 犠牲 者 の 冥福 を 祈り ます 」 と 結んだ 。 昭和 天皇 は 二十 年 前 、 記者 会見 で 質問 に 答え 「 原爆 投下 は 遺憾に 思って いる が 、 戦争 中 であり 広島 市民 に は 気の毒だった が やむ を 得 なかった 」 と いう 意味 の 発言 を さ れた 。 この 言葉 は 当時 、 被爆 者 を 中心 に 複雑な 波紋 を 広げた 。 戦争 に かかわる 昭和 天皇 の 歴史 的な 位置付け に 関して は 、 多様な 議論 が あった し 、 いま も ある 。 戦争 責任 問題 も 深刻な 余波 を 起こした 。 旧 憲法 下 で 昭和 天皇 の 取った 判断 、 行動 に ついて は 、 今後 も 歴史 の 課題 と して 残る 。 もちろん 日本 を 戦争 へ 駆り立てた 第 一 の 要因 が 、 軍 に よる 国家 支配 に ある の は 紛れ も ない 。 そう さ せた 昭和 前期 の 政治 に 第 二 の 要因 が ある 。 旧 憲法 下 の 諸 制度 が 、 軍 に 対し 弱い 政治 を 作り出した 歴史 に も 思い を 致す べきだろう 。 いう まで も なく 今 の 天皇 陛下 は 戦争 と かかわって い ない 。 この 旅 は 現 憲法 で 国民 統合 の 象徴 と さ れた 天皇 陛下 の 、 人間 と して の 心 が こもって いる のだ と 、 受け取れる 。 政府 が 「 戦後 五十 年 の 集い 」 を 八 月 十五 日 に 実現 できる の なら 、 天皇 が その 場 に 出席 する 。 それ で よい 、 と する 宮内 庁 の 考え 方 も あった 。 連立 与党 内 の 意見 の 食い違い から 、 「 集い 」 は あっさり 中止 さ れた 。 しかし 、 「 集い 」 が あろう と なかろう と 、 慰霊 の 旅 は 行わ れた 方 が よかった 。 天皇 陛下 の 心 が 、 より 率直に 伝わる から である 。 現に 長崎 原爆 資料 センター や 被爆 者 養護 ホーム の 交流 で は 、 真情 が こもって 感じ られた 。 それだけに 広島 の 被爆 者 と 交流 する 機会 も 持ち たかった 。 できる だけ 国民 と 隔て なく 接し たい と 、 天皇 陛下 は 考えて おら れる ので は ない か 。 警備 上 の 問題 を クリア し つつ 、 今後 の 日程 でも 国民 と 直接 接する 機会 を 増やし たい 。 二十 年 前 、 皇太子 だった 天皇 陛下 は 、 沖縄 海洋 博覧 会 名誉 総裁 と して 日本 復帰 後 、 時日 浅い 沖縄 県 を 訪れた 。 その 初日 に 過激 派 青年 から 火炎 瓶 を 投げつけ られた 経験 が ある 。 そうした 体験 を 持ち つつ 、 慰霊 の 旅 を 発意 さ れる 。 心 の こもった 静かな 旅 。 それ は 戦後 五十 年 の 節目 の 年 に 、 これ から の 平和 の 大切 さ を 刻印 する 旅 であって ほしい と 思う 。 大阪 府 の 知事 に 横山 ノック 氏 が 就任 して 三 カ月 。 懸案 だった 新 副 知事 と 出納 長 選任 に ついて 、 大阪 府 議会 は 知事 提案 を 否決 した 。 特別 職 全員 が 空席 と いう 異常 事態 の ツケ は 、 府 民 に 回って くる こと を まず 指摘 して おき たい 。 オール 野党 に 近い 議会 構成 だ から 予想 さ れた と は いえ 、 「 賛成 六 対 反対 百 」 の 否決 は 、 知事 の 不 信任 に 等しい 。 重要 課題 を 抱える 横山 府政 が 今後 たびたび 立ち往生 し 、 行政 全般 が 停滞 に 陥る こと も 懸念 さ れる 。 なぜ こんな 事態 に なった の か 、 府 民 に は 分かり にくい 。 議会 側 は 否決 の 理由 を 「 事前 の 調整 が 不十分 」 と し 、 知事 は 「 最善 の 人選 」 と 譲ら ない 。 人物 評価 や 政策 論争 の 前 に 「 独善 的で 、 相談 し ない 知事 」 と 「 相談 して も 反対 する 議会 」 の 対立 ばかり が 目立つ から だ 。 横山 知事 は 選挙 戦 で 、 それ まで の 緊張 感 を 欠いた オール 与党 府政 へ の 批判 から 「 議会 と の 密室 談合 は し ない 」 と 公約 し 、 支持 を 得た 。 しかし 開か れた 府政 と は 議会 と の 話し合い を 軽視 する こと で は ない 。 知事 と 議会 が ガラス張り で 話し合う 「 開か れた 関係 」 を 早く 築く べきな のだ 。 議会 側 も 、 府 民 に 分かる 形 で 提案 や 政策 の 是非 を 論議 して ほしい 。 仮にも 、 知事 へ の 嫌がらせ と 映る 対応 は 避け ねば なら ない 。 知事 と 議会 双方 が 、 不信 の 三 カ月 を 一 度 清算 し 、 府 民 の ため に 何 を す べき か 考える 時期 で は ない か 。 その 試金石 に なる の が 、 関西 国際 空港 の 滑走 路 を 、 現在 の 一 本 から 三 本 に 増やす 全体 構想 へ の 対応 だ 。 全体 構想 は 、 新たな 埋め立て 事業 の 責任 と 資金 を 、 国 と 地元 で どう 負担 し 合う か 、 の 手法 論議 だ 。 実現 か 中止 か の 対立 で ない から 、 東京 都 の 世界 都市 博 問題 と 同列 に は 、 知事 の 姿勢 を 比較 でき ない 。 とはいえ 、 横山 知事 の 発言 が 二 転 三 転 し 、 混乱 の 原因 を 作った の も 事実 である 。 選挙 中 に は 「 国 の 責任 で 実現 す べきだ 」 と 語り 、 就任 後 に は 府 が 埋め立て の 事業 主体 に なる こと を 議会 に も 諮ら ず 決断 した 。 総額 一兆 円 も の 負担 を 府 民 に 強いる 案 だけ に 「 公約 違反 」 の 反発 が 広がる と 、 国 の 責任 を 改めて 強調 する など 、 また 揺れた 。 これ で は 「 無 定見 」 を 責め られて も 仕方 が ない 。 大阪 で の 混迷 を 受けて 政府 部 内 でも 、 国 と 地元 の 責任 分担 を 見直す 動き が 進んで いる 。 第三セクター を 事業 主体 に し 、 大阪 府 など の 負担 を 軽減 する 案 である 。 知事 と 議会 は 、 この 新しい 局面 を 機 に 、 対立 から 話し合い の 関係 に 転じ 、 府政 が 当面 する 重要 課題 の 具体 的な 政策 論議 に 入る べきだろう 。 いま 多く の 府 民 が 、 期待 と 失望 の 入り交じった 複雑な 気持ち で 、 知事 の 言動 を 注視 して いる 。 四 月 の 知事 選 で 高揚 した 無党派 の 熱気 も 既に ない 。 知事 は 、 議会 と の 関係 を 含め 、 正念場 を 迎えて いる のだ 。 この際 、 横山 知事 は 三 カ月間 を 自ら 総括 し 、 いま 何 が どう 問題 に なって いる の か 、 発言 の 変更 や 議会 に 諮ら ない 決断 を なぜ した の か を 府 民 に 語り 、 議会 と 論戦 す べきだろう 。 資金 集め の 二万 円 パーティー など に ついて も 、 改めて 自分 の 政治 姿勢 を 語る 必要 が ある 。 政治 不信 を 背景 に 、 分かり やすい 政治 を 目指して 出発 した はずの 大阪 府 政 が 、 府 民 不在 の 分かり にくい 対立 を 続けて いて は 、 政治 不信 を 再び 広げる だけ だ 。 ボスニア・ヘルツェゴビナ 内戦 を めぐる 情勢 が 緊迫 して きた 。 セルビア 人 勢力 は イスラム 教徒 居住 地 へ の 攻勢 を 強め 、 国連 が 安全 地域 に 指定 した スレブレニツァ 、 ジェパ が 陥落 した 。 同じく 安全 地域 の ゴラジュデ 、 ビハチ 、 首都 の サラエボ も 攻撃 に さらさ れて いる 。 北大西洋条約機構 は セルビア 人 勢力 の 支配 圏 拡大 に 歯止め を かける ため 、 大規模 空爆 態勢 を 導入 する 方針 を 決めた 。 ところが 、 米 上院 は この NATO 決定 に 満足 せ ず 、 イスラム 教徒 主導 の ボスニア 政府 軍 へ の 武器 禁輸 を 解除 する よう 求める 法案 を 可決 した 。 セルビア 人 勢力 に 対抗 できる 自衛 能力 を つけ させよう と いう わけだ 。 クリントン 大統領 は 法案 に 拒否 権 を 行使 する 予定 だ が 、 予断 を 許さ ない 。 NATO と 米 上院 の 決定 は 、 いずれ も ボスニア 問題 の 今後 に 響く 重大な 意味 を 帯びて いる 。 まず NATO は 国連 の 下支え と いう これ まで の 枠 から 踏み出し 、 独自 色 を 強めた 。 その 結果 、 内戦 の 一方 の 当事 者 である セルビア 人 勢力 と 、 もろ に 衝突 する 可能 性 が 出て きた 。 もちろん 、 NATO の 狙い は セルビア 人 勢力 に 対して 実効 の 伴う 抑止 力 を 発揮 する こと であり 、 戦闘 の 主役 に なる の は 本意 で は ない 。 最終 目標 は 交渉 に よる 内戦 の 終結 に ある 。 問題 は セルビア 人 勢力 が どう 対応 する か だ 。 すんなり 攻撃 を 取りやめ 、 和平 交渉 の 再開 に 応じて くれれば よい が 、 楽観 できる 相手 で は ない 。 イスラム 教徒 地域 へ の 攻撃 続行 、 NATO の 空爆 、 セルビア 人 勢力 に よる 国連 防護 軍 へ の 報復 攻撃 、 さらなる 制裁 空爆 …… と いう 泥沼 化 も 予想 さ れる 。 そう なれば 国連 防護 軍 は 全面 撤退 を 余儀なく さ れる わけで 、 今回 の 決定 は NATO に とって も 、 自ら を 窮地 に 陥れ かね ない 危う さ を はらんで いる のだ 。 これ まで セルビア 人 勢力 は 国連 や NATO を 侮り 、 やり たい 放題 を やってきた 。 国連 防護 軍 は 何度 も 攻撃 を 受けて 多数 の 死傷 者 を 出して いる し 、 「 空爆 防止 の 盾 」 と して 人質 に も 取ら れた 。 スレブレニツァ 、 ジェパ で は イスラム 系 住民 が 追放 さ れ 、 婦女 暴行 や 捕虜 殺害 が 行わ れて いる と の 報道 も ある 。 国連 が 無力な 以上 、 NATO が セルビア 人 勢力 の 暴走 に 歯止め を かける 強硬 姿勢 に 転じて きた の は やむ を 得 まい 。 だが 、 米 議会 が 求める 武器 支援 は 、 第三者 と して の 仲介 や 調停 の 役割 を 捨て去る もの であり 、 NATO 決定 と は 次元 を 異にする 問題 を はらんで いる 。 米 議会 で は 、 「 イスラム 教徒 の 惨状 を これ 以上 、 座視 でき ない 」 と いう 同情 論 や 義務 意識 が 強い ようだ が 、 武器 支援 で 彼ら の 苦難 が 軽減 さ れる 保証 は ない 。 短期 的に は 戦闘 の 激化 で 犠牲 者 が 増える だろう 。 ロシア が 対抗 上 、 セルビア 側 に 武器 援助 を 始める 可能 性 も あり 、 そう なれば 内戦 は さらに 拡大 する 。 英 仏 は 「 武器 禁輸 が 解除 さ れれば 、 ボスニア から 部隊 を 引き揚げる 」 と 言明 して おり 、 米 に は 地上 部隊 を 派遣 する 気 は さらさら ない 。 米 欧 間 、 米 欧 と ロシア の 亀裂 は 決定 的に なり 、 ボスニア は 仲介 者 も 国連 軍 も い ない 中 で 血みどろの 内戦 が 続く 「 キリングフィールド 」 に なり かね ない 。 紛争 解決 へ の シナリオ を 欠いた まま 、 武器 支援 だけ を 急ぐ の は 余りに も 危険な カケ で は ない の か 。 不妊 夫婦 の 悩み は 深い 。 「 なんとか 自分 たち も 子供 を 持ち たい 」 と 考える 。 周囲 も 「 赤ちゃん は まだ な の 」 と 聞いて くる 。 有形 無形 の 圧力 を 絶えず 感ずる 。 思いあまって 産婦人科 医 に 相談 に 行く 。 涙ながらに 訴える 夫婦 を 見て 産婦人科 医 は 「 なんとか して やり たい 」 と 思う 。 それ が 人工 授精 、 体 外 受精 、 凍結 受精 卵 の 臨床 応用 、 顕微 鏡 下 で 精子 を 操作 する 顕微 授精 など の 生殖 医療 が 進む 原動力 と なった 。 一方 で 、 生命 の 誕生 と いう 自然の 摂理 に 従う べき 過程 に 人工 の 手 を 加える こと に 強い 反対の 声 が ある 。 医師 に も 「 患者 の 欲望 に おもねて いる だけ 」 と いう 厳しい 批判 が 飛ぶ 。 こうした 生殖 医療 を めぐる 議論 に 新たな 一石 を 投じる ような 事態 が 明るみ に 出た 。 西 日本 の 産婦人科 病院 が 不妊 に 悩む 夫婦 に 、 夫 以外 の 精子 を 使う 非 配偶 者 間 の 体 外 受精 を 実施 して いた こと が 分かった のだ 。 この 夫婦 は 双方 に 不妊 の 要因 が あり 、 体 外 受精 や 顕微 授精 を 何度 も 受けた もの の 妊娠 し なかった 。 そこ で 精子 を 第三者 から 提供 して もらい 、 妻 から 採取 した 卵子 と 体 外 受精 し 、 受精 卵 を 妻 の 子宮 に 戻した 。 だが 、 日本 産科 婦人科 学会 は 一九八三 年 に 「 体 外 受精 は 夫婦 間 に 限る 」 と いう 見解 を 発表 し 、 その後 に 「 体 外 受精 を 行う 病院 は 、 患者 夫婦 の 戸籍 を 確認 して おく こと が 望ましい 」 と いう 歯止め まで 設けた 。 学会 が 独自に 決めた こうした ルール が 今回 、 破ら れた こと に なる 。 病院 側 に も 言い分 が ある 。 第三者 から 精子 の 提供 を 受ける 非 配偶 者 間 人工 授精 は 四九 年 から 実施 さ れ 、 出生 数 は すでに 一万 人 以上 に のぼる 。 つまり 病院 側 は 「 AID は 黙認 さ れて いる のだ から 、 体 外 受精 でも 第三者 から の 精子 提供 は 問題 が ない 」 と 主張 する のだ 。 同 学会 が 体 外 受精 は 夫婦 間 に 限る と した 時 に 、 学会 内 で は 「 AID も やめる べきだ 」 「 AID に は 長い 歴史 が ある のだ から 続けて も 構わ ない 」 と 議論 に なった が 、 結局 は うやむやに さ れた いきさつ が ある 。 だからといって 学会 の ルール を 無視 して いい わけで は ない 。 まず 学会 内 で 広く 論議 を 起こす べきだった 。 それ に 母体 へ の 負担 は 人工 授精 より も 体 外 受精 の ほう が はるかに 重く 、 また 体 外 受精 の 場合 は 卵 に さまざまな 操作 を 加える こと が できる こと を 考えれば 、 人工 授精 と 体 外 受精 を 同一 視 する わけに は いか ない 。 医師 の 中 でも 特に 倫理 観 を 要求 さ れる 産婦人科 医 の 間 で は 、 これ まで も 産科 婦人科 学会 が 認める 前 に 顕微 授精 の 臨床 応用 に 踏み切る ケース が ある など 、 ルール 無視 が 横行 して いる 。 同 学会 は AID を どう 考える か を 議論 する と ともに 学会 の 体質 改善 を 図ら ない と 信用 を 失う だろう 。 生殖 医療 が 進んで 産婦人科 医 たち は 「 男女 産み 分け は 三 人 目 の 子供 から 認めよう 」 「 夫婦 の 受精 卵 を 使った 代理 母 は 許さ れる 」 と いった 議論 を 行って いる 。 だが 、 そうした こと に 社会 的 合意 は 得 られて おら ず 、 産婦人科 医 に 自重 を 求め たい 。 米国 で は 代理 母 も 登場 して いる が 、 欧州 諸国 で は 生殖 医療 は 法的に 規制 さ れ 、 違反 者 に は 刑事罰 が 科せ られて いる 。 日本 は まずは 産科 婦人科 学会 の 検討 を 待つ と して も 、 国 が さまざまな 分野 の 人 を 集めて 生殖 医療 の 望ましい 在り 方 に ついて の 議論 を 深める べきで は ない か 。 今年 は 日本 農業 に とって 、 大きな 節目 の 年 に 当たる 。 新 多角 的 貿易 交渉 合意 が 実施 に 移さ れ 、 十一 月 から は 食糧 管理 法 に 代わる 「 新 食糧 法 」 が スタート する 。 日本 農業 は 国 内 的に も 国際 的に も 、 これ まで 以上 に 強い 競争 の 風 に さらさ れる 。 これ から の 農業 経営 は 、 そうした 厳しい 競争 に 耐え られる もの で なければ なら ない 。 この ほど 鹿児島 市 で 開か れた 今年 の 全国 農業 コンクール 全国 大会 に 登場 した 二十 件 の 事例 は 、 まさに これ から の あるべき 農業 経営 の 姿 を さまざまな 形 で 例示 する もの だった 。 審査 委員 長 の 金沢 夏樹 ・ 東大 名誉 教授 は 「 例年 以上 に 経営 、 技術 、 発想 が 一段 と 優れた もの が 多かった 」 と 語った が 、 それ も 決して 偶然で は ある まい 。 新しい 状況 に 適合 しよう と する 日本 農業 の 動き が 、 力強く 表れた もの と 評価 し たい 。 特に 印象 的だった の は 、 それぞれ が 非常に 個性 的で 、 全体 と して バラエティー に 富んで いた ことだ 。 個別 経営 も あれば 協業 も ある 。 単一 作目 の 単線 的な 経営 規模 拡大 が ある 一方 、 コメ と 畜産 、 あるいは コメ と 園芸 と いった 複合 的な 規模 拡大 も ある 。 逆に 経営 規模 を 縮小 して 高 付加 価値 化 で 成功 した もの も ある し 、 あえて 生産 効率 の 悪い 多 品種 栽培 に こだわり 商品 差別 化 で 大きく 販売 を 伸ばした 例 も ある 。 「 脱サラ 」 の ケース も 二 件 あった 。 農業 は 自然 条件 に 制約 さ れる から 地域 差 が 出る の は 当然 と して 、 そこ に 農業 者 自身 の 自由な 発想 に よる 選択 が 加わり 、 発表 事例 を 多彩な もの に して いた 。 自由な 選択 に よる 多様な 農業 。 それ こそ が 、 これ から の 日本 農業 の 進む べき 方向 だろう 。 経営 の 中身 は 多様だ が 、 共通 する 要素 も 多い 。 発想 は 大胆で ユニーク でも 、 基本 に は 忠実である 。 農業 の 土台 である 「 土 づくり 」 を 重視 して いる 。 なるべく 農薬 を 使わ ない 有機 農業 志向 も 強く 見 られた 。 生産 だけ で なく 、 加工 、 販売 まで 手 を 広げて いる 例 が 年々 増えて いる 。 農業 者 と いう より も 企業 者 であり 、 当然 、 高い 所得 を 実現 して いる 。 今年 に 限ら ず 、 この コンクール の 見事な 事例 に 接する たび に 「 日本 の 農業 の 未来 は 決して 暗く は ない 」 と 思う 。 確かに ここ に 登場 する 事例 は 、 農業 経営 と して は 突出 した もの だろう 。 しかし 、 多く の 農業 者 に マネ の でき ない ほど 特殊 、 例外 的な もの と も 思え ない 。 手本 と して 十分 見習える もの であり 、 そのような 経営 が 数 を 増して いけば 、 日本 農業 に は 明るい 未来 が 開ける 。 それ を 可能に する 条件 は ある 、 と 私 たち は 考える 。 国 内 に は 巨大な 農産物 市場 が ある 。 農作物 の 生育 し やすい 気候 条件 に も 恵まれて いる 。 通常 、 土地 条件 が 決定 的に 不利 と 言わ れて いる が 、 農業 コンクール 出場 者 に は 、 毎年 むしろ 土地 条件 に 恵まれ ない 人 の 方 が 多い 。 この こと は 、 土地 条件 で さえ も 、 やり 方 次第 で は 克服 できる こと を 示して いる 。 最大 の 要素 は 、 やはり 農業 者 自身 の 創意 工夫 だろう 。 金沢 審査 委員 長 は 講評 の 中 で 「 これ から の 農業 経営 で 最も 重要な こと は 農業 者 自身 の 選択 自由 度 を 高める ことだ 」 と 指摘 した 。 さまざまな 選択肢 を 考える の は 農業 者 自身 だ が 、 制度 的に も 農業 者 の 自主 性 を 最大 限 に 発揮 さ せる 体制 を 整える こと が 不可欠である 。 米国 の 最 先端 の 科学 者 が 知恵 を 結集 して 原爆 の 開発 に あたり 、 一九四五 年 八 月 に 広島 ・ 長崎 に 原爆 が 投下 さ れた 。 あれ から 五十 年 。 人類 の 幸福に 貢献 する はずの 科学 者 が 原爆 を 造り 、 世界 に 核 兵器 の 山 を 築いた こと に 科学 者 の 悔い は 消え ない 。 広島 ・ 長崎 の 悲劇 から 十 年 後 の 五五 年 、 核 兵器 の 開発 で 生じた 人類 の 危機 を 検討 する ため 科学 者 の 結集 を 呼びかける ラッセル ・ アインシュタイン 宣言 が 出さ れた 。 これ を 受け 、 二 年 後 に 日本 の 湯川 秀樹 、 朝永 振一郎 両 博士 ら が カナダ の パグウォッシュ 村 で 第 一 回 会議 を 開いた 。 そして 第 四十五 回 パグウォッシュ 会議 が 広島 市 の 広島 国際 会議 場 で 二十四 日 から 二十九 日 まで 、 世界 の 二百 人 近い 科学 者 や 政治学 者 が 参加 して 開か れた 。 節目 の 年 に 日本 で 初めて 年次 会議 の 開催 が 実現 した 。 当初 、 核 実験 の 中止 と 核 廃絶 を 目標 に した パグウォッシュ 会議 が 次第に 核 の 存在 を 前提 と した 議論 を 行う ように なり 、 批判 が あった 。 その ため 今回 は 「 核 兵器 廃絶 の 世界 を 目指して 」 を メーンテーマ に し 、 初日 に は 「 核 兵器 と 戦争 の 廃絶 と いう 目標 を 実現 する ため に 全力 を 尽くす 」 と の 広島 宣言 を 発表 した 。 米 科学 者 連盟 の ストーン 会長 は すべて の 科学 者 に これ 以上 の 核 兵器 や 化学 ・ 生物 兵器 を 開発 、 生産 する 研究 から 手 を 引く よう 訴える 声明 を 発表 した 。 フランス の 核 実験 再開 計画 に 反対 する アピール も 出さ れた 。 被爆 者 ら と 語り合う 「 市民 と の 対話 」 も 実現 し 、 参加 者 は 核 兵器 が もたらす 悲惨 さ を 改めて 認識 した 。 冷戦 が 終結 し 、 核 兵器 を めぐる さまざまな 動き が 表面 化 して いる 。 核 拡散 防止 条約 の 無 期限 延長 が 決まり 、 来年 に は 核 実験 全面 禁止 条約 が 締結 さ れる 。 そんな 中 で 中国 が 核 実験 を 再開 し 、 仏 も 核 実験 再開 計画 を 発表 した 。 核 廃絶 の 機運 が 高まって も 、 その 実現 まで に は いばら の 道 が 続く 。 パグウォッシュ 会議 の 参加 者 も 「 米国 が CTBT に 調印 する 可能 性 は 五〇 % 程度 」 と いう 見方 を 示した 。 「 核 の ない 世界 は 遠のき つつ ある 」 と いう 悲観 論 も 出て いる 。 だが 、 湯川 博士 の 「 核 兵器 は 世界 に 一 発 あって も いけない 」 の 言葉 を 忘れ ず に 科学 者 は 市民 を 巻き込んで 行動 を 起こし 、 核 廃絶 の 道筋 を 示して ほしい 。 当面 の 目標 の CTBT でも 核 実験 を 行った か どう か の 検証 に 科学 者 の 協力 が 欠かせ ない 。 核 廃絶 に 日本 の プルトニウム 政策 が 微妙に 影 を 落とす 。 政府 は 「 核 兵器 を 持た ない 」 と 言明 して いる が 、 アジア 諸国 は 「 プルトニウム を 持つ 日本 は いつ 核 武装 する か 分から ない 」 と 心配 する 。 被爆 国 日本 が 核 廃絶 と いう 悲願 実現 の ため プルトニウム 政策 を 見直す こと が 大切だろう 。 科学 者 も 議論 の 輪 に 加わって ほしい 。 米国 の 核 問題 専門 誌 は 核 戦争 発生 の 破局 まで あと 何 分 か を 示す 終末 時計 を 表紙 に 掲げて おり 、 今 は 破局 から 最も 遠い 十二 時 十七 分 前 を 指して いる 。 この 針 を さらに 遠ざけ 、 できれば 終末 時計 を 意味 の ない もの に する の が 科学 者 の 務め だろう 。 自ら 造り出した 核 兵器 の 廃絶 に 向けて の 努力 こそ が 科学 者 の 最大 の 責務 と 言える 。 核 開発 の 歴史 の 検証 も 科学 者 に 求め られる 。 日本 で の パグウォッシュ 会議 を 機 に 科学 者 の 団結 が 強まり 、 国際 政治 を も 動かす こと を 期待 し たい 。 「 第 二 次 大戦 後 五十 年 を 経て 、 東南 アジア の 結び付き を 変える 新たな 一里塚 と なる もの だ 」 東南 アジア 諸国 連合 に 正式 加盟 した ベトナム の グエン ・ マイン ・ カム 外 相 は 二十八 日 、 ブルネイ で 行わ れた 加盟 記念 式典 の 演説 で こう 述べた 。 ベトナム の ASEAN 加盟 は 、 東南 アジア の 新 時代 を 象徴 して いる 。 もともと 社会 主義 国 ベトナム の 脅威 に 対抗 して 発足 した ASEAN の 歴史 を 考える と 、 そこ に ベトナム が 加わった こと は 、 東南 アジア で まさに 冷戦 と 対立 の 時代 が 終わった こと を 示す もの だ 。 東南 アジア の 安定 に 貢献 する であろう こと を 期待 して 、 ベトナム の ASEAN 加盟 を 歓迎 し たい 。 ASEAN は 一九六七 年 八 月 、 タイ 、 インドネシア 、 マレーシア 、 シンガポール 、 フィリピン の 五 カ国 で 発足 した 。 新規 加盟 は 八四 年 の ブルネイ 以来 で 、 ベトナム は 七 番 目 の 加盟 国 と なった 。 ASEAN は 外 相 会議 オブザーバー の ラオス 、 カンボジア に 加え 、 ミャンマー も 含めた 十 カ国 に よる 「 東南 アジア 共同 体 」 構想 を 推進 して いる 。 記念 式典 で 外 相 会議 議長 国 ブルネイ の モハメド ・ ボルキア 外 相 は 、 ベトナム の 加盟 を 歓迎 して 「 強力で 統一 さ れた 東南 アジア 実現 に 一 歩 近づいた 」 と 述べた 。 共同 体 建設 の 構想 は 実現 に 向けて 大きな 一 歩 を 踏み出した と いえる 。 ASEAN と ベトナム の 関係 が 改善 さ れた の は 、 カンボジア 和平 が きっかけ である 。 ASEAN 諸国 は ベトナム の 脅威 を 求心力 と して 結束 して きた が 、 カンボジア 和平 が 実現 して ベトナム と 平和 共存 する 条件 が 整え られた から だ 。 ベトナム は 九二 年 七 月 の ASEAN 外 相 会議 で 、 ラオス と ともに 東南 アジア 友好 協力 条約 に 加入 して オブザーバー と なった 。 そして 昨年 七 月 の ASEAN 外 相 会議 は ベトナム の 加盟 に ゴーサイン を 出した 。 七千万 人 を 超える 巨大な ベトナム 市場 に 関心 を 示す ASEAN に 対して 、 ベトナム は ASEAN の 資本 、 技術 を 導入 して 市場 経済 を 加速 さ せ たい と 望んで いる 。 さらに ASEAN 側 は 、 中国 と 国境 を 接する ベトナム が 中国 と の 緩衝 地帯 の 役割 を 果たす と みて おり 、 ベトナム 側 は 対 中 関係 で ASEAN と いう 後ろ盾 を 得た 。 このように ベトナム の ASEAN 加盟 は 、 それぞれ の 利害 と 思惑 が 一致 し 、 実現 した と いえる 。 ASEAN 諸国 は 、 ベトナム の 加盟 を 国際 舞台 に おける ASEAN の 発言 権 を 強化 する もの と して 歓迎 して おり 、 東南 アジア 全域 の 安全 保障 強化 に つながる と 期待 して いる 。 他方 、 ベトナム に とって ASEAN 加盟 は 、 来月 、 正式 調印 さ れる 米国 と の 国交 正常 化 の 実現 と 相まって 国際 社会 へ の 完全 復帰 を 意味 する 。 ベトナム 戦争 終結 二十 周年 の 節目 の 年 に 、 ベトナム は 二 大国 家 目標 を 一挙に 達成 し 、 新たな 飛躍 に 向けて の 体制 を 固めた こと に なる 。 ベトナム は ASEAN 自由 貿易 地域 に も 、 来年 一 月 加入 する 予定 で 、 実現 すれば 大きな 共同 市場 が 誕生 し 、 域 内 の 経済 活性 化 に 拍車 が かかる と み られて いる 。 日本 に とって も 、 東南 アジア の 新 時代 に 対応 する 外交 ビジョン を 再 構築 して いく こと が ますます 重要に なって きた 。 現役 世代 で 担ぎ 、 引退 世代 は 乗る 「 御輿 」 が 年金 制度 である 。 担ぎ 手 の 人数 で 乗った 人数 を 割る と 、 民間 の 勤め人 が 加入 する 厚生 年金 は 成熟 度 一七 % と 表現 さ れる 。 百 人 で 十七 人 を 担ぐ と 読み 換えた 方 が わかり やすい 。 ところが 、 民間 企業 に なった 旧 三 公社 の 共済 組合 は 合理 化 で 従業 員 が 減り 続け 、 いずれ も 御輿 が 崩れた 。 NTT は 四八 % と ほぼ 二 人 で 一 人 を 支える 。 いわば 「 かご屋 」 型 だ 。 JT は 九六 % と 一 人 で 一 人 を 担ぐ 形 の 「 肩車 」 型 に なった 。 民営 分割 の 荒波 を くぐった JR に 至って は 一六〇 % 。 一 人 で 一・六 人 は 担げる わけ も ない 。 かご屋 型 、 肩車 型 の 共済 グループ が なぜ 維持 できる の か 。 公務 員 や 旧 三 公社 は 共済 組合 へ 移行 前 は 恩給 制度 で 、 保険 料 なし に 年金 を もらえた 。 その 時代 の 組合 員 へ の 年金 支払い に は 公費 を 充てる 。 さらに 積立 金 や 運用 収入 を 食いつぶし ながら 維持 する 。 それ でも JR や JT は もた ない 。 まず 公務 員 系 で 支援 金 を 送り 、 次いで 厚生 年金 を 中心 に 全 制度 で 援助 した 。 もちろん 、 例えば JR は 保険 料 を 上げ 、 逆に 年金 額 を 一 時 凍結 し 、 国 や 企業 側 は 特別 負担 金 を 払った 。 助っ人 を 駆り集め 御輿 を 守る が 、 かつて 五十万 人 近い 組合 員 を 二十万 人 まで 削った 大 改革 に は 太刀打ち でき ない 。 年金 の 一元 化 は 共済 グループ 共通 の 課題 だ が 、 JR の 救済 を 至上 命題 に 進め られた 。 「 公的 年金 制度 の 一元 化 に 関する 懇談 会 」 に よる 二十六 日 の 報告 書 は 処方せん である 。 要約 する と ―― 。 ( 1 ) 産業 や 企業 の 盛衰 を 包み込める ように 財政 の 単位 を 拡大 する 。 一連の 改革 を 通じ 支給 水準 は 全 制度 ほぼ 横 並び に なった が 、 保険 料 水準 も そろえて いく 。 財政 破たん の JR と JT 、 危機 の NTT は 厚生 年金 に 統合 する 。 「 制度 間 調整 」 と いう 支援 方式 の 恒久 化 案 や 全 制度 一元 化 案 の 中間 を 採った 。 調整 恒久 化 の ような 問題 先 送り を 避けた の は 賢明な 選択 だ 。 また 、 今回 は 「 再 編成 の 第 一 段階 」 と 位置付けた 。 国家 公務 員 共済 と 地方 公務 員 共済 の 扱い 、 私学 共済 と 農林 共済 の 行く末 は 今後 の 課題 と して 残った 。 厚生 年金 は 加入 者 三千三百万 人 近い 巨大 集団 だけ に JR 、 JT 、 NTT を 吸収 して も 大きな 影響 は ない 。 だが 、 歓迎 す べき 相手 で は ない 。 今 は ほぼ 是正 さ れた が 、 官民 格差 の 激しかった 時代 を 体験 して いる 。 かつて 定年 前 の 昇級 を 年金 支給 の ベース に する ような 放漫 運営 も あった 。 無 条件 で 受け入れ は でき ない 。 報告 書 は 、 その 条件 を 書いて いる が 、 抽象 的で 、 しかも 説明 不足 だ 。 翻訳 する と 、 JR 、 JT 、 NTT は 持参 金 を 持ってくる 。 積立 金 不足 の 場合 は 企業 側 や 国 も 応分の 負担 を する 。 合併 後 も 三 共済 は 自助 努力 を 怠ら ず 、 他の 年金 制度 も 多少 の 支援 は 続ける 。 一九九七 年度 の 合併 を 目指して 厚生 、 大蔵 省 を 軸 に 具体 的な 内容 を 詰める 。 注意深く 見守り たい 。 その ため に も 詳細な 情報 公開 を 求める 。 福岡 県 飯塚 市 の 近畿 大学 付属 女子 高校 で 二 年生 が 、 教師 に 殴ら れて 死亡 した 事件 は 、 兵庫 県立 神戸 高塚 高校 で 起きた 「 校門 圧死 事件 」 を 想起 さ せる 。 校門 圧死 事件 が 起きた の は 五 年 前 の 七 月 だった 。 あの とき 私 たち は 、 教師 の 行為 に よって 生徒 が 死ぬ こと など あって は なら ない と 誓い を 新たに した はずだ が 、 どうして このような 事件 が 再発 した のだろう か 。 学校 教育 法 で 明文 で 禁じ られ 、 しかも 「 追放 」 が 叫ば れて いる に も かかわら ず 、 体罰 は 減って い ない 。 文部 省 が 昨年 末 まとめた 「 生徒 指導 上 の 諸 問題 の 現状 」 調査 に よる と 、 平成 五 年度 の 教師 の 体罰 は 小 、 中 、 高 合わせて 七百八十 件 で 、 前 年度 より 八十二 件 増えた 。 体罰 を 加えた 教員 へ の 処置 に ついて は 愛知 県 の 市民 グループ が 公文書 公開 条例 に 基づいて 入手 した データ が 参考 に なる 。 それ に よる と 名古屋 市 を 除く 愛知 県 で 一九九三 年度 まで の 四 年間 、 体罰 で 処分 さ れた 公立 の 小 中 高校 の 教員 は 二十九 人 だった 。 体罰 の 内容 は ▽ 下校 時刻 を 過ぎた 生徒 を 注意 した が 、 無視 さ れた と 思い 平手 を 二 回 加えた ▽ 球技 大会 の 判定 を 不服 と した 生徒 に 平手 で 顔面 を 殴打 した など 。 教師 本人 の 人物 像 に ついて は 、 「 教科 、 部活 動 ともに 熱心で 、 厳格な 性格 」 「 人格 円満 で 温厚 誠実な 人物 で 、 生徒 の 信頼 も 厚い 」 など の 記述 が 多い 。 こうした 判断 に よって 、 懲戒 処分 は 二 人 だけ で 、 それ も 最も 軽い 戒告 。 ほか の 二十七 人 は 文書 、 口頭 訓告 と なって いる 。 市民 グループ は 、 「 体罰 を 加え られる 生徒 が 悪い のであり 、 加える 教師 は 『 熱意 の あまり 』 で 同情 す べきだ と いう 教育 観 で 処理 さ れて いる 」 と 批判 して いる 。 校門 圧死 事件 の 加害 者 と なった 教師 は 授業 に も 生活 指導 に も 熱心に 取り組む こと で 知ら れて いた 。 新設 校 の 基盤 づくり を 進めて いた 当時 の 校長 が 「 形 から 入る 教育 」 を 重視 し 、 生徒 指導 の できる この 教師 を 招いた のである 。 近畿 大 付属 女子 高 事件 で 傷害 致死 で 逮捕 さ れた 宮本 煌 容疑 者 も 、 商業 担当 で 進路 指導 部長 を 務める ベテラン 教員 であり 、 熱意 は 評価 さ れて いる 。 この 学校 は 、 教育 の 基本 理念 を 「 良き 母親 と なる ため の 女子 教育 」 と し 、 「 しつけ の 厳しい 学校 」 で 通って いた 。 この 二 人 が 「 管理 の 権化 」 か と いう と 、 ともに そう で は ない ようだ 。 卒業 生 など で 「 親切に 指導 さ れた 」 と 慕う 人 も 多い 。 もちろん 二 人 の 行為 は 正当 化 でき ない が 、 教育学 者 など の 間 で は 「 熱意 ある 教員 が こんな 事件 を 起こして しまう の が 、 いま の 学校 教育 。 その 混迷 を 象徴 する 出来事 だ 」 と いう 指摘 も 出て いる 。 こういう 状況 を 改善 する ため に どう すれば いい の か 。 校長 ら の 意見 を 聞く と 「 しつけ は 家庭 の 仕事 だ と 割り切れれば いちばん 良い 」 と いう 声 が 急増 して いる と いう 。 これ に 対し 「 子ども は 親 の 言う こと なんか 聞か ない 。 学校 で 何とか して もらわ ない と 」 と いう の が 親 の 本音 だろう 。 学校 と 家庭 で 、 子ども の しつけ を 押しつけ 合って いる 中 で 、 現実 に 機能 して いる の は 教師 の 「 鉄拳 」 だけ 。 これ は あまりに 荒涼と した 教育 の 光景 である 。 そこ から の 出口 を どう 見いだす か 、 いま の 「 教育 」 が 、 ひいては 私 たち 国民 全員 が つきつけ られた 重い 課題 だろう 。 銃器 に よる 犠牲 者 が 、 また 一般 市民 に 出た 。 三十 日 夜 、 東京 都 八王子 市 の スーパー で 、 アルバイト の 女子 高校 生 ら 三 人 が 頭 を けん銃 で 撃た れ 、 死亡 した 。 女子 高校 生 の 二 人 は 、 粘着 テープ で 両手 を 縛ら れ 、 至近 距離 から 撃た れた ようだ 。 「 冷酷 」 で 「 むごい 」 事件 である 。 家族 ら の 悲しみ を 考える と 、 胸 が 詰まる 。 犯人 の 早期 逮捕 を 警視 庁 に 切望 する 。 けん銃 の 発砲 事件 は 、 七 月 二十五 日 に 埼玉 県 内 で 起きた ばかりだ 。 任意 同行 を 求め られた ダンプカー の 元 運転手 が 、 捜査 員 に けん銃 を 突き付け 一 時 、 車 に 拉致 した 。 容疑 者 は 長 時間 、 車 に 立てこもった 末 、 自分 で 頭 を 撃って いる 。 ともに 、 わが国 の 銃 汚染 が いかに 深刻な 状況 と なって いる の か を 、 改めて 示す 事件 である 。 警察 庁 の 調べ に よる と 、 五 年 前 の 一九九〇 年 、 九百六十三 丁 だった 押収 けん銃 は 、 昨年 は 一・八 倍 に 。 今年 も すでに 九百 丁 を 超えて いる 。 量 が 急増 して いる だけ で は ない 。 暴力 団 関係 者 以外 から の 押収 が 急激に 増加 して いる こと が 、 事態 を より 深刻に して いる 。 九〇 年 は 全体 の 五 % に 満たなかった が 、 昨年 は 三〇 % 近く に 及んだ 。 この 傾向 は 、 今年 も 続いて いる 。 これ を 反映 して 、 被害 は 一般 市民 に 広がって いる 。 昨年 十 月 に は 東京 都 内 の 駅 で 、 医師 が 射殺 さ れた 。 約 一 カ月 後 に は 、 千葉 県 松戸 市 の ファミリーレストラン で 、 アルバイト の 女子 短大 生 が 撃た れ 、 死亡 して いる 。 わが国 の 銃器 を めぐる 環境 は 、 すっかり 変わって しまった 。 当然 、 警察 の 態勢 も 変わら ねば 、 この 汚染 に 立ち向かう こと は でき ない 。 けん銃 の ほとんど は 、 海外 から 密 輸入 さ れた もの である 。 七 月 、 静岡 、 沖縄 県警 が 大掛かりな 銃 密輸 事件 を 摘発 して いる 。 逮捕 さ れた 元 マグロ 漁船 員 ら が 、 これ まで に 南アフリカ共和国 から 密 輸入 した けん銃 は 千五百 丁 に 上る と 伝え られて いる 。 しかし 、 押収 さ れた の は 九二 年 、 金丸 信 ・ 自民党 副 総裁 へ 向け られた もの を 含め 、 約 六十 丁 に とどまって いる 。 この 数字 は 、 銃 汚染 の 対策 で 、 水際 で 食い止める こと が 、 いかに 重要 か を 示して いる 。 警察 庁 も 水際 で の 阻止 を 重視 して いる 。 昨年 十一 月 と 今年 六 月 に 、 国際 会議 、 セミナー を 開催 し 、 情報 を 交換 する と ともに 、 わが国 の 事情 を 説明 した 。 汚染 拡大 の 背景 に は 、 人 、 物 の 急激な 国際 化 が ある 。 水際 作戦 を 効果 ある もの に する に は 、 関係 国 から の 情報 提供 は 欠かせ ない 。 しかし 、 銃器 を めぐる 規制 が 日本 と は かなり 異なる 国 も あり 、 簡単で は ない 。 例えば 、 南アフリカ共和国 で は パスポート など の 身分 証明 書 が あれば 、 けん銃 を 購入 できる 。 国際 協力 を 実り ある もの に する ため に は 、 継続 的に 担当 官 を 派遣 し 、 わが国 の 銃 規制 の 実情 を 理解 して もらう 必要 が あり そうだ 。 警察 庁 は 、 さまざまの 対応 策 を 実施 して いる 。 しかし 、 銃 汚染 は 、 これ ら の 対策 を 上回る 勢い で 進んで いる ので は ない か 。 六 月 の 全国 警察 本部 長 会議 で 、 自身 も 狙撃 さ れ 、 重傷 を 負った 国松 孝次 長官 は 、 激しく 変わる 時代 に 対応 する ため 、 「 プロ 中 の プロ 」 の 育成 を 強調 した 。 組織 化 も 必要である 。 これ は 当然 、 銃器 犯罪 捜査 に も 当てはまる 。 一九九四 年度 に は 大きな 「 水 の 危機 」 が 二 度 も 発生 した 。 第 一 の 危機 は 六 月 から 八 月 に かけて の 降水 量 が 平年 の 五〇 % 以下 と なった ため 起こった 。 西 日本 を 中心 に 大規模 渇水 に 見舞わ れた 。 とくに 福岡 市 で は 給水 制限 が 二百九十五 日 に も 及んだ 。 これ は 七八 年 の 二百八十七 日 を 上回る ワースト 記録 と なって しまった 。 第 二 の 危機 は 、 言う まで も なく 九五 年 一 月 の 阪神 大 震災 時 である 。 この 大 地震 で 水道 が 破壊 さ れた 。 消火 用水 や 生活 用水 に 大きな 支障 が あった 。 その 期間 も 長期 化 した 。 九五 年 版 の 「 水 資源 白書 」 は 、 この 二 つ の 危機 を 契機 と した 水 に 関する 危機 対策 を メーンテーマ に 据えた 。 これ ら 有事 の 際 の 危機 管理 の あり 方 を 分析 した 。 ここ で 特に 問題 と なる の は 、 中 長期 的な 対策 である が 、 白書 は 渇水 対策 と して 第 一 に 水利 用 の 合理 化 を 挙げた 。 第 二 に 水 意識 の 高揚 、 第 三 に 安定 した 水 資源 の 確保 である 、 と 指摘 した 。 この 場合 、 白書 が 特に 強調 し たい の は 、 水 資源 の 確保 であろう 。 日本 の 都市 は 大 河川 の 下流 部 の 沖積 平野 で 発達 する ケース が 多い 。 これ は 人口 と 産業 の 集積 を 招く から 、 流域 全体 の 水 需要 に 対して 安定 的に 水 を 供給 する こと が 難しい 。 昨年 夏 の 給水 制限 に 福岡 市民 は さほど 慌て なかった 、 と 聞く 。 七八 年 の 渇水 の 経験 から 、 市 を 挙げて 節水 運動 に 取り組んだ から だ と いう 。 福岡 市民 一 人 当たり の 水 の 使用 量 は 七七 年 当時 より 逆に 下がって いる 。 水洗 トイレ の 普及 など を 考慮 する と 、 本来 増えて も おかしく ない のだ が 、 逆に 減って きた 。 節水 運動 の たまもの だろう 。 とはいえ 、 節水 に は 限界 が ある 。 「 福岡 都市 圏 に さらに 大きな ダム が 欲しい 」 と いう 声 が ある の も 事実 だ 。 だが 、 これ に は 時間 が かかる 。 十 年 も 十五 年 も かかる 。 しかも ダム 建設 に 当たって 地域 住民 の 十分な 意見 の 反映 が 不可欠だろう 。 最近 、 建設 省 は ダム 事業 など で 地域 住民 の 意見 を 反映 さ せる ため 、 事業 ごと に 「 ダム 等 事業 委員 会 」 の 設置 を 決めた 。 意味 は ある 。 ダム 建設 の ような 息 の 長い 事業 は 計画 から 実施 、 完成 まで 極めて 長い 時間 が 必要だ 。 経済 、 社会 情勢 の 変化 も ある 。 今度 の ダム 事業 の 評価 システム は それぞれ の 段階 で 住民 の 意見 が 事業 に 反映 さ れる こと が 可能 と いう 。 長良 川 河口堰 の 経験 が 生かさ れた もの だろう が 、 形式 だけ で は いけない 。 この 「 評価 システム 」 が 実質 的な 意味 を 持つ ような 関係 者 の 努力 を 望み たい 。 阪神 大 震災 の 「 水 危機 」 も 深刻だった 。 水道 管 が 破壊 さ れ 、 消火栓 から の 消火 用水 の 確保 が ほとんど でき なかった 。 被災 者 が 必要 と する 水 は 、 時間 の 経過 に よって 量 、 用途 が 変わって いく 。 どこ に どのような 用途 の 水 が どれ だけ 必要 か と いう 点 を 把握 する こと が でき ず 、 混乱 した 。 情報 管理 センター である 神戸 市 水道 局 本庁 部分 が 損壊 した 。 情報 管理システム が 使え なく なった 。 だが 、 不運で 片付ける こと は でき ない 。 水源 、 浄水 場 、 処理 場 、 基幹 管路 など の 重要 施設 は 複数 系統 化 、 分散 化 が 必要だった のである 。 今年 の 「 水 の 日 」 は 、 反省 の 日 に しよう 。 都 内 で 最 大手 の 信用 組合 である コスモ 信 組 の 経営 破綻 が 表面 化 し 、 青島 幸男 都 知事 は 業務 停止 命令 を 出した 。 バブル 期 に 不動産 担保 融資 を 増やす 拡大 路線 が 裏目 に 出て 、 経営 悪化 の 原因 と なった 。 東京 都 、 大蔵 省 、 日銀 は かなり 前 から 同 信 組 の 経営 危機 対策 を 検討 、 ここ 数 週間 は 、 資金 繰り を 見 ながら 、 業務 停止 命令 を 出す 時期 を うかがい 、 待機 の 状況 に あった 。 同 信 組 の 受け皿 に 民間 銀行 が なる の は 難し そうだ 。 そう なれば 、 東京 共同 銀行 へ 業務 を 譲渡 する と ともに 、 預金 保険 機構 など から 資金 援助 が 行わ れる だろう 。 こうした 自助 努力 に 限界 の ある 金融 機関 は 、 まだ 相当 ある と 当局 自身 が 認めて いる 。 日銀 は 信用 不安 の 波及 を 断ち切る ため 、 流動 性 を 供給 する の は 当然である 。 同時に 、 自主 再建 の でき ない 金融 機関 の 処理 は 、 早期 に 行う 必要 が ある 。 破綻 した 米国 の 貯蓄 貸付 組合 の 処理 で 、 最大 の 教訓 は 早期 処理 の 必要 性 と 情報 開示 の 拡充 であった 。 問題 を 先 送り して 、 処理 を 遅らせる と 、 国民 経済 的に かかる 社会 コスト が 上昇 する 。 社会 コスト を 最小 に する に は 、 早く やる の が 鉄則 な のである 。 国民 に 理解 を 求め ながら 、 情報 開示 と 自己 責任 を 前提 に 、 果断な 措置 が 求め られて いる 。 大蔵 省 は 六 月 に 「 金融 システム の 機能 回復 」 の 基本 方針 を 打ち出して 以来 、 五 年 を 目途 に 早期 処理 の 道筋 を 示し 、 やる 気 を 出して いる ように 見える 。 一方 、 現実 と して 先 送り が 許さ れ ない ところ まで 事態 が 進んで いる 。 この 中 で 、 最も 大切な の は やはり 自助 努力 である 。 だが 、 大 銀行 は 経費 節減 など 経営 組織 全体 の 合理 化 が 求め られて いる に も かかわら ず 、 その 熱意 は いまひとつ 伝わって こ ない 。 また 、 不良 債権 処理 の かぎ は 、 土地 の 流動 化 、 債権 の 証券 化 に ある と いわ れ ながら 、 税制 を 含めた 具体 策 が なかなか 出て こ ない 。 情報 開示 も 極めて 不十分である 。 ここ が しっかり し ない と 、 モラル ハザード に つながり 、 経営 が 悪化 した 金融 機関 の 高い 金利 の 預金 集め を 許して しまう 。 預金 者 保護 も 重要だ が 、 甘い 思惑 の 大口 預金 者 まで 保護 する 必要 が ある の か どう か 、 国民 は 納得 し 難い だろう 。 当然の こと ながら 、 大口 預金 者 が 一定 の 損失 を 被る 方式 を 早期 に 採用 す べきだ 。 不良 債権 処理 で 財政 資金 の 導入 の 論議 が 高まって いる 。 しかし 、 公的 資金 の 導入 を 軽々しく 論ず べきで は ない 。 導入 を 正当 化 できる の は 、 処理 を 急ぐ こと で 、 国民 の 負担 を 軽減 できる 場合 だけ である 。 当面 、 重要な の は 預金 保険 機構 を 拡充 して 、 米国 の 連邦 預金 保険 公社 の ような 破綻 処理 の 機能 を 持た せ 、 機動 的に 、 効率 的に 破綻 処理 を 進める ことだ 。 それ が ない ため 、 東京 協和 、 安全 の 二 信 組 の 処理 で 東京 共同 銀行 を 設立 した 経緯 が ある 。 日本 の 金融 システム に 対する 警戒 信号 は 、 海外 から も 送ら れて くる 。 日本 の 景気 に 対する 影響 だけ で なく 、 このまま だ と 海外 で の 金融 業務 も 困難に なって くる 。 金融 秩序 維持 と 国民 経済 の 発展 と 二 つ の 見地 から 、 不良 債権 問題 を 早期 に 克服 する 必要 が ある 。 期待 を 込めて 「 究極 の 治療 法 」 と 呼ば れる 一方 で 、 遺伝子 を 操作 する こと から 不安 も 付きまとう 遺伝子 治療 が 一 日 、 北海道 大学 医学部 付属 病院 で スタート した 。 米国 に 五 年 遅れた が 、 日本 初 の 臨床 研究 であり 、 感慨 深い 人 も 多い こと だろう 。 治療 の 対象 と なった の は 、 酵素 の 一 つ である アデノシンデアミナーゼ を 作る 遺伝子 の 異常 から 重症 の 免疫 不全 に 陥った 四 歳 の 男の子 である 。 ほうっておく と 、 ちょっと した こと で 感染 症 を 引き起こし 、 亡くなって しまう 。 免疫 機能 を 回復 さ せる ため 、 正常な ADA 遺伝子 を 組み込んだ ベクター と 呼ば れる 無毒 化 ウイルス を 患者 の 血液 から 取った リンパ球 に 戻して やる が 、 この 日 は 採血 する だけ と いう あっけない ほど の 治療 開始 だった 。 今後 の 治療 は 長期 に わたる 。 遺伝子 治療 の 効果 が 表れて 、 この 男児 が 念願 の 幼稚園 に 通える ように なる こと を 心から 希望 し たい 。 北大 の 今回 の 遺伝子 治療 は 全面 的に 米国 に 依存 して いる 。 治療 の 方法 は 米国 と 同一だ し 、 かぎ を 握る ベクター も 米国 製 である 。 ベクター を 使って 遺伝子 を 導入 する ため 新たな 病気 を 引き起こさ ない か 、 発がん に 結び付か ない か など 安全 性 の 問題 が 残り 、 北大 は この チェック も 患者 の 血液 を 米国 に 送って 行う 。 外国 で は 致命 的な 遺伝 性 疾患 だけ で なく 、 がん や エイズ など の 患者 に も 遺伝子 治療 の 実施 が 始まった 。 エイズ の 遺伝子 治療 を 目指す 熊本 大学 も 米国 の 治療 方法 を 導入 する 。 このように 、 日本 も 遺伝子 治療 の 時代 に 入った と は いって も 独自 性 は ほとんど 発揮 さ れて い ない 。 今 の 段階 で は それ も やむ を 得 ない だろう 。 脚光 を 浴びる 遺伝子 治療 も 現実 に は 手探り 状態 が 続き 、 効果 が はっきり して いる の は 米国 の ADA 欠損 症 の 二 例 だけ だ と 言わ れる 。 安全 性 も 十分 確認 さ れて いる わけで は ない 。 この ため 日本 が 今後 、 遺伝子 治療 の 研究 で 画期的な 成果 を 上げる 余地 は 残さ れて おり 、 基礎 研究 など を 充実 さ せる こと が 大切だろう 。 日本 でも 新たな 動き が 現れた 。 製薬 会社 七 社 が 設立 した 会社 は 国産 の ベクター の 開発 を 目指して いる し 、 米国 の 大学 と 共同 で 効率 の いい 遺伝子 導入 法 を 開発 して いる 会社 も ある 。 日本 遺伝子 治療 学会 も 発足 して おり 、 地道な 努力 が 実 を 結ぶ こと を 期待 し たい 。 遺伝子 治療 を 真に 二十一 世紀 の 治療 法 に 育てる ため に 研究 に 力 を 入れる だけ で なく 、 倫理 的 、 法的 、 社会 的 問題 の 論議 を 深める 必要 が ある 。 人間 改造 に 結び付く 精子 や 卵子 など の 生殖 細胞 に は 手 を つけ ない こと を 再 確認 し たい 。 遺伝子 治療 に は 多額の 費用 が かかり 、 将来 は 対象 患者 を どう 選ぶ か と いう 問題 も 重要に なって くる と み られる 。 国民 に 情報 を きちんと 公開 し 、 社会 的 合意 を 得る 努力 も 欠かせ ない 。 北大 の 遺伝子 治療 の 審査 を 行った 厚生 省 の 中央 評価 会議 が 審議 を 公開 に した の は 当然の こと だろう 。 北大 も プライバシー に 関する 部分 は 除いて 治療 経過 を 逐一 オープンに し 、 今後 の 模範 に なって ほしい 。 遺伝子 治療 に は 夢 が ある が 、 治療 法 と して 確立 する まで に は 相当 の 期間 を 要する だろう 。 ブルネイ の 米 中 外 相 会談 は 、 九 月 に ニューヨーク で 再 会談 する こと を 約束 した だけ で 終わった 。 大きな 進展 が なかった と は いえ 、 米 中 が 対話 継続 で 合意 した こと は 、 双方 に 関係 改善 の 意欲 が ある こと を 示す もの だ 。 歓迎 し たい 。 アジア ・ 太平洋 地域 の 平和 と 安定 は 米 中 の 良好な 関係 なし に は 語れ ない 。 対話 の パイプ を なんとか つなげた 米 中 と は 違い 、 中 台 の 反目 は 強まる 一方 だ 。 この 間 、 中国 は 台湾 沖 へ の ミサイル 実験 を 行う と ともに 、 人民 日報 と 新華社 が 李 登輝 総統 の 言動 を 系統 的に 批判 する 共同 論文 を 四 日 連続 で 発表 、 同氏 の 真 の 狙い は 台湾 独立 だ と 非難 した 。 李 総統 の 方 も 一 歩 も 引か ぬ 構え だ 。 中国 と の 対話 を 呼びかけた が 、 「 台湾 に ある 中華民国 の 存在 」 を 世界 に 知らせ 、 国連 復帰 を 目指す 「 実務 外交 」 を 今後 も 推進 し 、 防衛 力 も 強化 する と 宣言 した 。 「 核 兵器 が 果たして 必要 か どう か 、 改めて 長期 的な 視点 から 検討 する 必要 が ある 」 と いう 李 総統 の 最近 の 発言 は 、 その 翌日 、 「 能力 は ある が 核 は 絶対 に 製造 し ない 」 と 修正 さ れた が 、 中国 内部 の 強硬 派 を さらに 警戒 さ せた こと は 間違い ある まい 。 なんとか 和解 に 至る 出口 を 見つけ なくて は なら ない 。 まず 中国 側 は 、 ミサイル 実験 の ような 露骨な 武力 に よる 威嚇 を 控える べきだ 。 ミサイル 実験 で 台湾 の 株価 は 大 暴落 し 、 独立 支持 の 声 は 小さく なった が 、 中国 の イメージ も 大きく 傷ついた 。 李 総統 に 不満 が ある なら 、 あくまでも 口 を 使う べきだ 。 台湾 側 も もう 少し 現実 的に なって は どう か 。 台湾 の 国連 復帰 は 、 ガリ 事務 総長 も 示唆 した ように 、 中国 の 了解 と 協力 なし に は 不可能だ 。 国連 へ の 新規 加盟 は 安保理 の 承認 事項 で 中国 が 拒否 権 を 持つ 。 二 重 代表 権 に よる 復帰 は 国連 総会 の 投票 、 つまり 承認 国 の 数 で 決まる 。 現在 中国 承認 国 は 百六十 カ国 余り 、 台湾 と 外交 関係 を 持つ の は 三十 カ国 だ 。 李 総統 は 統一 前 の 東西 ドイツ 、 南北 朝鮮 の 同時 加盟 の 前例 が ある と いう が 、 いずれ も 双方 が 先に 各国 の 二 重 承認 を 受け入れて いた 。 中 台 間 に は 二 重 承認 関係 は 存在 し ない 。 李 総統 は 、 台湾 の 国連 復帰 は 「 二 つ の 中国 」 「 一 つ の 中国 、 一 つ の 台湾 」 を 意味 し ない と 強調 する 。 しかし 連邦 方式 以外 の 国連 復帰 は 「 二 つ の 中国 」 「 一 中 一 台 」 以外 の 何物 で も ない 。 李 総統 は 母校 コーネル 大 で の 講演 で 「 常に 台湾 の 民意 を 忘れ ない 」 と 強調 した 。 各種の 世論 調査 で 示さ れて きた 台湾 の 最大 の 民意 は 、 即時 独立 でも 即時 統一 で も なく 現状 維持 だ 。 関係 悪化 以来 、 現状 維持 を 望む 声 は これ まで で 最高の 五〇 % に 達し 、 実務 外交 より 両岸 関係 の 安定 を 優先 す べきだ と の 意見 も 五五 % を 占めて いる 。 江 沢民 主席 の 一 月 の 八 項 目 提案 の 真意 も 現状 維持 だった 。 中国 も 台湾 も お互いに 不信 感 を 抱いて いる の は 、 台湾 が 日 清 戦争 以後 、 五十 年間 も 日本 の 植民 地 に なり 、 戦後 も 分断 状態 が 続いて きた から だ 。 相互 不信 は 武器 で は 取り除け ない 。 李 総統 は 国際 会議 など の 場 で 江 沢民 国家 主席 と 会う こと に こだわって いる が 、 これ で は らち が 明か ない 。 李 総統 は 「 私人 」 と して 訪 米 した 。 今度 は 「 私人 」 の 資格 で 大陸 を 訪れて は どう だろう か 。 中国 の 首脳 を 「 私人 」 の 資格 で 招く 方法 も ある 。 罵り 合う より 、 膝 を 交えて 話し合う こと から 始めて は どう か 。 もっと 大なた を 振るえ ない もの か 。 来 年度 防衛 予算 の 概算 要求 基準 を めぐる 連立 与党 の 調整 作業 を 見て の 印象 である 。 防衛 費 に ついて 防衛 庁 は 、 対 前 年度 伸び 率 を 四・一 % に して ほしい と 主張 して きた 。 金額 に する と 千九百二十億 円 の 増 である 。 積算 根拠 は 、 自衛 官 の ベース アップ や 定年 延長 など の 人件 糧食 費 で 五百億 円 ▽ 契約 済み の 装備 の 後払い である 歳出 化 経費 で 一千億 円 ▽ 訓練 費 や 在 日 米軍 駐留 経費 など の 一般 物件 費 で 四百二十億 円 の 増額 が 必要 と いう もの だ 。 後 年度 負担 が 大きく なった の は 、 発注 済み の 一 機 五百七十億 円 の 空中 警戒 管制 機 や 、 一 隻 千百億 円 の イージス艦 の 支払い が 来 年度 に 集中 する から だ と いう 。 その後 、 人事 院 の 国家 公務 員 給与 の 引き上げ 勧告 が 、 見積もり より 低い 〇・九 % に とどまった こと から 、 全体 から 百億 円 減らす こと が 可能に なった と して いる が 、 それ でも 約 千八百二十億 円 の 増 、 率 に して 三・九 % の 伸び が 必要 と いう の が 防衛 庁 の 主張 である 。 これ に 対して 連立 与党 の うち 自民党 は 、 防衛 庁 の 要求 を 全面 的に 受け入れる べきだ と 主張 して いる 。 今 年度 の 防衛 費 は 、 昨年 の シーリング 段階 で 〇・九 % 増 、 予算 編成 段階 で 〇・八五五 % 増 と 三十五 年 ぶり の 低 水準 と なった 。 自民党 から すれば 、 社会党 が 安保 堅持 ・ 自衛 隊 合憲 に 政策 転換 した から 、 その 見返り と して 低い 伸び 率 を 受け入れた が 、 今度 は そう は いか ない と いう わけだ 。 一方 の 社会党 は 、 参院 選 の 最中 の 七 月 中旬 、 久保 亘 書記 長 が 「 一九九六 年 を 軍縮 元年 に し たい 」 と 、 〇・八五五 % 増 以下 に 圧縮 する こと を “ 公約 ” した こと も あり 、 防衛 庁 や 自民党 の 考え に 反対 して いる 。 二 日 に は 、 自衛 隊員 の 来年 の 補充 を 五千 人 減らす など して 、 〇・七 % 増 に 抑える べきだ と 提案 した 。 自社 両党 の 間 に はさまった 形 の さきがけ は 折衷 案 を 出し 、 妥協 を 求めて いる 。 しかし 次期 総 選挙 を にらみ 独自 色 を 出し たい と いう 各 党 の 党利 党略 が 絡み合い 、 まとめる の も 容易で は ない ようだ 。 そんな 三 党 を 見て いて 納得 でき ない の は 、 どれ ぐらい の 伸び 率 に する か だけ に 論議 が 集中 して 、 冷戦 後 の 日本 の 安全 保障 ・ 防衛 政策 は どう ある べき か 、 軍縮 は どう 進めたら いい の か 、 と いった 大事な 点 が 忘れ られて いる ことだ 。 欧 米 諸国 が 「 平和 の 配当 」 と して 軍縮 に 取り組んで いる ように 、 日本 も 、 防衛 政策 を 大きく 転換 さ せる べき 時期 に 来て いる 。 冷戦 時代 に 作ら れた 「 防衛 計画 の 大綱 」 を 年 末 まで に 見直し 、 自衛 隊 を スリムに しよう と して いる の も 、 その ため で は なかった の か 。 周辺 諸国 の 軍部 と の 信頼 醸成 を 進める ため の 人員 を 確保 したり 、 自然 災害 向け の 装備 を 購入 する こと など に は 、 私 たち も 異論 は ない 。 しかし 一 機 当たり の 値段 が 当初 予定 の 二 倍 の 百億 円 以上 に も なった 次期 支援 戦闘 機 を 十 機 程度 、 導入 し たい と いう 防衛 庁 の 姿勢 に は 首 を かしげ ざる を 得 ない 。 費用 対 効果 の 観点 から も 発注 ・ 配備 は 思い切って 見送る べきだ 。 いま 与党 に 必要な の は 正面 装備 の 新規 契約 の 削減 の ほか 後年 度 負担 の 繰り延べ など 可能な こと は 何でも やって 軍縮 基調 を 打ち出す ことだ 。 日本 の 官僚 も 卑しく なった もの である 。 「 昔 から さ 」 と の 皮肉 も 聞こえ そうだ が 、 ここ まで 落ちる と は 。 大蔵 省 の 超 エリート が 金もうけ を 企て 巨額の カネ を 同 省 自室 で やり取り して いた 。 出世 街道 を ばく進 し 、 警戒 怠ら ぬ はずの 高官 で すら この ありさま だ 。 許 認可 権限 に あぐら を かいて 、 民間 企業 から の 接待 ・ 贈り物 漬け に 感覚 を まひ さ せて いる 役人 の 数 は 、 想像 を 絶する に 違いない 。 こう 嘆いて いたら 、 最近 は 役人 が 税金 を 使って 役人 を 接待 し 、 ともに 楽しんで いる のだ と いう 。 その 実態 の ほんの 一部 が 民間 団体 の 執ような 追及 で 明らかに なった 。 追及 して いる の は 全国 市民 オンブズマン 連絡 会議 。 食糧 費 と いう 名 の 自治 体 予算 が 何 に 使わ れて いる の か 調べて みたら 、 その 八 割 が 中央 官僚 の 接待 費 に 流用 さ れて いた 。 コンパニオン を はべら せ 、 一 本 四万 円 の ワイン を 飲み 、 五 次 会 まで 経費 を 計上 して いた の を 発見 して 「 情けなく なった 」 と いう 。 役人 が 役人 を 接待 する 、 いわゆる 官 官 接待 は 年間 三百億 円 は 下る まい と 推計 して いる 。 食糧 費 だけ で は ない 。 秋田 県 で は 公共 事業 費 を 飲み食い に 流用 して いた こと が 判明 して いる 。 しかも これ ら は 自治 体 の 情報 公開 条例 に 基づいて 調べ 、 やっと 明らかに なった もの で 、 例えば 東京 都 は 資料 公開 そのもの を 拒否 して いる 。 食糧 費 へ の 風当たり が 強まった ため 、 大阪 府 や 兵庫 県 で は 食糧 費 支出 文書 の 保存 期間 を 十 年 から 一 年 に 短縮 して しまった 。 東京 都 で は 公開 を 迫ら れた 場合 に 備え 、 報告 書 に 接待 相手 を 記載 し ない “ 接待 隠し ” を 図って いる と いう 。 使途 不明 金 の 巧妙 さ を 競って いる ような もの で 、 こう なる と 卑し さ を 通り越して 、 犯罪 の におい も して くる 。 では 、 なぜ 官 官 接待 が 横行 する の か 。 自治 体 に 言わ せれば 「 予算 獲得 に 有効 」 だ から で 「 ヨソ が やって いる のに 、 ウチ だけ やめる わけに は いか ない 」 と なる 。 「 酒 を 飲んで 本音 を 語る 日本 人 の スタイル 」 で 「 席 を 設けて 国 に お 願い する の は 正しい やり 方 」 と 、 当然 視 する ところ も あった 。 確かに 自治 体 が 中央 官僚 を 接待 する 動機 は 、 予算 獲得 が 主な のだろう 。 根本 原因 は カネ を 中央 に 握ら れて いる 地方 自治 制度 そのもの に ある と も いえる 。 が 、 接待 に 名 を 借りて 自分 たち が 飲み食い して いる 面 も 少なく ない 。 時々 自治 体 の 税金 乱費 が 表ざた に なる が 、 不況 の 昨今 は 「 料亭 や バー の 上 得意 は 官庁 サマ 」 と まで いわ れて いる のだ 。 こうした 不明朗 を 防ぐ に は 、 情報 公開 を 徹底 さ せる ほか ない 。 それ も 中央 、 地方 の 行政 組織 だけ で なく 、 特殊 法人 を 含む 各種 外郭 団体 の 情報 公開 も 求め たい 。 なぜなら 飲み食い の ツケ を これ ら 団体 に 回す の が あまりに 常態 化 して いる から だ 。 幸い 、 政府 諮問 機関 の 行政 改革 委員 会 は 情報 公開 法 制定 に 本気で 取り組んで いる 。 官僚 の 反対 を どう 封じ込める の か 、 未知 数 な ところ も ある が 、 今度 こそ 本物 に なり そうだ 。 卑しい 役人 の 数 は 想像 を 絶する と 冒頭 に 書いた が 、 全体 から 見れば 少数 の はずだ 。 大 多数 の 清廉な 官僚 は 一部 の 不心得者 の ため に 汚名 を 着せ られて いる のだ 。 その 汚名 を 晴らす ため に も 官僚 は 進んで 情報 公開 に 取り組ま ねば なら ない 。 透明 性 確保 こそ 名誉 回復 の 道 である 。 一九九六 年度 予算 の 概算 要求 基準 が 四 日 の 閣議 で 決まった 。 昨年 と 同じ ように 防衛 費 で 多少 議論 が あった 以外 は 、 さしたる 論争 も なかった 。 参院 選 後 の 村山 連立 政権 の 枠組み 維持 に 精いっぱい で 、 予算 編成 どころ で は ない 、 と いった 風情 が 読み取れる 。 残念な こと だ 。 そう いえば 、 三 党 の 力 関係 を 示す 防衛 費 の 天井 は 、 前 年度 比 伸び 率 二・九 % で 決着 した 。 社会党 が 〇・七 % 増 、 自民党 が 三・九 % 増 を 主張 し 、 自民党 寄り と も 思える 伸び 率 で 決まった 。 これ で 予算 が 確定 する わけで は ない が 、 率直に 言って 期待 を 裏切る 数字 である 。 自民党 の 時代 認識 に 問題 あり と 言わ ざる を 得 ない 。 防衛 予算 は 単なる 数字 合わせ で は ない 。 だが 、 東西 冷戦 が 終結 して 五 年 たつ と いう のに 、 防衛 予算 の シーリング が 前 年度 を 上回る と いう こと 自体 、 理解 を 超える もの だ 。 十二 月 の 予算 案 決定 まで 、 厳しい 圧縮 を 望んで おく 。 その 半面 、 もう 一 つ の 例外 事項 である 政府 開発 援助 は 、 過去 最低 の 七・〇 % 増 と なった 。 円高 で ドルベース の 表示 額 が 急伸 する こと を 考慮 すれば 、 やむ を 得 ない 線 と 受け止め たい 。 今回 の シーリング の 唯一 の 特色 は 新しい 産業 分野 の 育成 や 研究 開発 を 進める ため の 「 経済 発展 基盤 ・ 学術 研究 臨時 特別 加算 」 を 設けた こと である 。 千四百億 円 の 枠 の 中 で 、 各 省庁 は 経常 的 経費 の 五 % 相当 額 を 、 科学 技術 、 情報 通信 、 中小 企業 対策 など に 上乗せ する こと に した 。 公共 投資 など 投資 的 経費 は 年々 着実に 増えて いる の に 比べ 、 経常 的 経費 は 長 期間 、 抑制 さ れて きた 。 経済 構造 の 転換 など を 促す 諸 施策 に 対する 予算 の ニーズ が 高まって きた の を 受けて 、 今回 初めて 特別 加算 制度 を 設けた もの だ 。 どのような 実 を つける の か に 注目 し たい 。 来 年度 予算 の 編成 に ついて 政府 に 要望 して おき たい こと が ある 。 改めて いう まで も ない が 、 戦略 目標 を 明確に して 、 その 視点 から 予算 を 編成 す べきだ 、 と いう こと を である 。 その 戦略 目標 を 示す の は 、 政府 であって 、 大蔵 省 で は ない 。 大蔵 官僚 に は 、 健全 財政 の 保持 と いう 重要な 任務 が ある 。 あくまで 目標 を 示し 得る の は 政府 であり 、 それ を 支える 政党 で なければ なら ない 。 例えば 今年 の 戦略 目標 は 何と す べき か 。 多く の 国民 は 、 頭上 に 何となく 漂って いる ある 種 の “ スモッグ ” を 、 吹き飛ばして もらい たい と 考えて いる 。 スッキリ し ない の は 、 日本 経済 に 元気 が ない から だ 、 と も 思って いる 。 ならば 、 戦略 目標 は 、 日本 経済 の 躍動 する リズム を 取り戻す こと に ある と 考える べきな のだ 。 さきに 公表 さ れた 「 経済 白書 」 流 に いえば 、 日本 経済 の ダイナミズム を 復活 さ せる ため の 予算 と は 何 か を 示す こと である 。 大 目標 を 明示 すれば 、 あと の 仕事 は 、 各 省庁 の 官僚 が やる 。 その 目標 実現 の ため に 必要な 仕事 、 不必要な 仕事 を 区別 し 、 予算 を 要求 する 。 これ を 受けて 大蔵 官僚 が 査定 し 、 その 最終 調整 を 政府 が 行う と いう 仕組み が 正しい 。 だが 、 事実 は 逆さまである 。 官僚 が 政府 の 上 に 鎮座 して いる 。 その 責任 は 不 勉強 な 政府 に も ある 。 まず 目標 を 掲げて 、 予算 編成 に 当たれ 、 と 言い たい 。 あくまでも 「 協議 」 と 「 コンセンサス 」 を 重視 する 東南 アジア 諸国 連合 の やり 方 は 、 先 を 急ぐ ウサギ で は なく 、 カメ の ようだ 。 一見 、 歩み は のろい ようだ が 、 じっくり 、 しかも 着実に 前進 して いる 。 先月 末 から ブルネイ で 開か れて いた ASEAN 外 相 会議 、 ASEAN 地域 フォーラム 、 ASEAN 拡大 外 相 会議 と 関連 の 個別 協議 が 終わった 。 中でも 新顔 の カンボジア を 含む 十九 カ国 ・ 機構 の 外 相 が 一堂 に 集まった 第 二 回 ARF で は 、 信頼 醸成 措置 や 平和 維持 活動 協力 の 具体 化 を 話し合う 二 つ の 政府 レベル 作業 部会 の 設置 や 軍備 の 透明 化 を 促す ため の 国防 白書 の 自主 的 発表 で 合意 する など 実質 的な 成果 を 上げた 。 名指し は 避けた が 「 核 実験 を 予定 して いる 関係 諸国 」 と の 表現 で 、 五 月 に 核 実験 を 再開 した 中国 、 南 太平洋 で の 核 実験 を 予定 して いる フランス に 対して 核 実験 の 即時 停止 を 求める 議長 声明 も 採択 さ れた 。 声明 に は 来年 まで の 核 実験 全面 禁止 条約 締結 へ の 期待 と 東南 アジア 非核 地帯 構想 へ の 支持 も 盛り込ま れた 。 ASEAN 事務 方 で の 東南 アジア 非核 兵器 地帯 条約 の 起草 作業 は 最終 段階 に きて いる 。 すでに 調印 ずみ の 中南米 非核 地域 条約 、 南 太平洋 非核 条約 、 今年 末 に 予定 さ れる アフリカ 非核 化 条約 に 続いて 東南 アジア 非核 条約 が 調印 さ れれば 、 世界 の 非核 地帯 の 面積 は 大幅に 広がる 。 北東 アジア 非核 化 構想 も より 現実 的な 課題 と して 浮上 して くる に 違いない 。 議長 声明 は 南沙 諸島 問題 に ついて も 「 南 シナ 海 地域 の 主権 要求 の 重複 」 と いう 表現 で 言及 し 「 全 当事 者 が 国際 法 と 一九九二 年 の ASEAN 南 シナ 海 宣言 を 順守 する よう 」 改めて 促した 。 昨年 の ARF 第 一 回 会合 が 「 顔 を 合わせる こと に 意義 が ある 」 と 評さ れた こと を 思えば 、 ARF が 当初 の 期待 以上 に 、 確実に 歩 を 進めて いる こと が うかがえる 。 今回 の ARF を 機 に 中国 が 「 適切な 時期 に 」 国防 白書 を 発表 する こと を 約束 したり 、 南沙 協議 に 柔軟な 姿勢 を 見せた こと に も 注目 し たい 。 中国 は これ まで 南沙 に ついて は 二 国 間 協議 を 主張 、 多 国 間 協議 を 拒否 して きた 。 しかし 、 銭 其シン 外 相 は ASEAN と の 協議 や ARF で の 協議 に も 応じ 、 国際 法 に 沿って 解決 する と 約束 した 。 中国 は 非 当事 国 が 南沙 協議 に かかわる こと を 警戒 して いる が 、 領有 権 主張 の 正当 性 を 宣伝 する 場 と して 、 多 国 間 協議 を 利用 する と いう 発想 の 転換 が あって も よい ので は ない か 。 いずれ に せよ 、 性急に 成果 を 求めよう と する 欧 米 流 と 違って 、 あせら ず に 、 じっくり と コンセンサス を 醸成 しよう と する ASEAN 流 は 地道だ が 確実に 成果 を 上げて いる 。 ASEAN 外 相 会議 、 同 拡大 外 相 会議 、 ARF と 構成 国 が 少しずつ 異なる 三 つ の 会議 を 次々 に 開く やり 方 は 、 効率 重視 の 欧 米 の 目 から 見れば ムダ が 多い ように 見える かも しれ ない 。 拡大 外 相 会議 無用 論 も 出始めて いる ようだ 。 しかし これ も 欧 米 の ペース に 巻き込ま れ ないで 、 ASEAN 主体 で 対話 を 進め 、 目的 を 遂げよう と する ASEAN の 知恵 だ 。 日本 が ARF で もっと 積極 的な 役割 を 果たす べきだ と の 声 も 聞か れる が 、 日本 は やはり ASEAN の イニシアチブ を 尊重 し 、 陰 で 汗 を かく 裏方 に 徹する 方 が よい 。 太平洋 上 の テニアン 島 から 飛来 した B29 「 エノラ ・ ゲイ 」 が 一九四五 年 の その 朝 、 原子 爆弾 「 リトル ・ ボーイ 」 を 広島 市 に 投下 した 。 「 八 月 六 日 午前 八 時 十五 分 、 事実 に おいて 、 天 は 裂け 、 地 は 燃え 、 人 は 死んだ 。 …… 広島 は もう 無くなった のだ 」 その 年 に 、 広島 で は 十四万 人 、 三 日 後 に 被爆 した 長崎 で は 七万 人 が 死亡 した と 推定 さ れて いる 。 「 あの 日 」 から 五十 年 。 広島 の 街 は 活気 に 満ち 、 爆心 地 近く の 平和公園 で は 、 人々 が 緑陰 で 囲碁 や 将棋 を 楽しんで いる 。 しかし 、 半 世紀 を 経た 広島 、 長崎 の 体験 は 「 現在 」 に 、 どう 生かさ れて いる のだろう か 。 節目 の 年 に 日 米 間 の 原爆 観 、 歴史 観 の 隔たり の 大き さ を 改めて 浮き彫り に する 出来事 が 相次いだ 。 米 国立 スミソニアン 航空 宇宙 博物 館 で 開催 予定 だった 原爆 展 の 中止 、 クリントン 米 大統領 の 「 原爆 投下 の 正当 化 発言 」 など である 。 「 長年 訴えて きた 核 兵器 の 残虐 性 や 、 今 も 続く 被爆 者 の 苦しみ が 世界 に 伝わって い なかった 」 無念 さ は 、 被爆 者 に 共通 する 思い であろう 。 核 兵器 廃絶 を 願う 「 ヒロシマ ・ ナガサキ の 心 」 が 、 なぜ 世界共通の 認識 と なら なかった の か 。 日本 は 、 被爆 国 と して 被害 者 の 立場 を 強調 する あまり 、 自国 の 戦争 責任 の 十分な 総括 を 怠って きた ので は ない か 。 日本 が 被害 を 語れば 語る ほど 米国 は 真珠 湾 攻撃 を 持ち出し 、 「 原爆 は 戦争 の 終結 を 早め 、 多く の 人命 を 救った 」 と 主張 する 。 アジア ・ 太平洋 諸国 も また 、 旧 日本 軍 の 残虐 行為 は どう な の か 、 従軍 慰安 婦 や 強制 連行 へ の 戦後 処理 は どう か 、 と 厳しく 問いかける 。 私 たち は 、 どこ か で ボタン を 掛け違えて しまった ようだ 。 広島 の 平岡 敬 市長 は 、 四 年 前 の 原爆 忌 で 、 初めて 「 平和 宣言 」 に アジア ・ 太平洋 地域 の 人々 へ の おわび の 言葉 を 盛り込んだ 。 今年 は 、 きょう 六 日 付 の 米 紙 ワシントン ・ ポスト に 「 ヒロシマ を 知って 下さい 」 と 訴える 意見 広告 を 掲載 する 。 この 中 でも 「 かつて 日本 は アジア ・ 太平洋 地域 で 、 植民 地 支配 や 残虐 行為 に よって 、 人々 に 大きな 苦しみ と 深い 悲しみ を 与え ました 。 その こと を 私 たち は 反省 し 、 心から 謝罪 いたし ます 」 と 明記 して いる 。 女性 や 子ども など 多く の 非 戦闘 員 まで 殺さ れて いる のだ 。 謝罪 する に は 激しい 心 の 葛藤 が あった に 違いない 。 しかし 、 広島 は 非難 や 憎しみ で は なく 、 国境 を 超えた 市民 と 市民 、 都市 と 都市 の 相互 理解 に よって 平和 を 目指す 道 を 選んだ のである 。 責任 の 所在 が あいまいな 「 戦後 五十 年 国会 決議 」 に 失望 した 国 内 外 の 人々 に も 、 広島 から の アピール は 共感 を もって 迎え られる だろう 。 米国 内 で は 依然と して 四 分 の 三 の 国民 が 原爆 投下 で 日本 に 謝罪 する 必要 なし 、 と して いる 。 その 一方 、 市民 レベル で 原爆 投下 を 反省 する 動き も 出て きた 。 歌手 の ジョーン ・ バエズ さん ら の 呼び掛け に 応じて 、 七千五百 人 も の 人 たち が 「 原爆 に よって 破壊 さ れた 両 都市 の 人々 の 苦しみ に 対し 、 平和 を 愛する 米国 人 を 代表 して 心から の 謝罪 を 表明 する 」 と の 公開 書簡 に 署名 した と いう 。 原爆 投下 を めぐって 、 ようやく 日 米 間 に 新しい 風 が 吹き始めた 。 冷戦 が 終結 し 、 不十分 ながら 核 軍縮 は 進んだ 。 だが 、 ロシア から の 核 流出 、 第 三 世界 へ の 核 拡散 など 危機 的な 状況 は 今 も 続く 。 核 保有 国 は 、 冷戦 時代 の 平和 戦略 だった 核 抑止 論 を 依然と して 堅持 して いる 。 核 拡散 防止 条約 の 無 期限 延長 が 決まった 直後 の 中国 の 核 実験 強行 、 フランス の 実験 再開 表明 は 、 その 顕著な 表れ である 。 核 保有 国 が 核 抑止 論 から 脱却 し ない 限り 、 核 実験 全面 禁止 、 核 不 使用 条約 の 締結 など の プロセス を 経て 核 廃絶 に 至る 道 は 険しく 、 遠い 。 中 、 仏 の 核 実験 に 対する 日本 政府 の 反応 は 極めて 鈍かった 。 国際 社会 で 核 廃絶 の リーダーシップ を 発揮 す べきな の は 、 被爆 国 日本 だ と いう こと を 、 改めて 強調 し たい 。 原爆 投下 の 翌年 から 、 被爆 者 の 治療 、 救援 に 当たった 「 ヒロシマ の 外科 医 」 原田 東岷 さん は 、 節目 の 年 の 思い を 、 こう 語る 。 「 核 兵器 は 、 生産 する に も 維持 ・ 管理 する に も 莫大な 費用 が かかる 。 しかも 、 使えば 人類 の 破滅 と 環境 の 大 破壊 を もたらす 。 使って は いけない 、 使え ない 絶対 悪 な のだ 。 核 兵器 と 人類 は 共存 は でき ない と いう 一 点 で 世界 は 理解 し 合う べきだ 」 原田 さん の 言葉 に 付け加える こと は 、 何も ない 。 被爆 者 の 高齢 化 が 進む 。 若い 世代 に 語り継ぐ 努力 が なされて いる と は いえ 、 被爆 体験 の 風化 も 懸念 さ れる 。 もう 、 あまり 時間 が ない のだ 。 八九 年 十一 月 に 広島 原爆 資料 館 を 訪れた 旧 ソ連 の ノーベル 平和 賞 受賞 者 、 アンドレイ ・ サハロフ 博士 の 言葉 に 耳 を 傾け たい 。 「 痛み に 胸 が 締めつけ られる 。 我々 は 、 このような こと が 決して 、 どこ に おいて も 繰り返さ れる こと が ない ように 誓わ なければ なら ない 」 この シリーズ 「 戦後 50 年 ・ 日本 は どこ へ 」 は 五十 年 を 振り返り 日本 の 針路 を 問う もの で 、 随時 掲載 いたし ます 。 大手 私鉄 の 経営 者 たち に とって 、 今年 は 試練 の 年 と なった 。 一 月 に 値上げ を 申請 した 。 どんなに 遅く なって も ゴールデンウイーク 明け に は 、 認可 さ れ 直ちに 実施 さ れる と 踏んで いた 。 だが 、 期待 に 反して ようやく 認め られた の は 六 月 。 実施 は なんと 九 月 と なった 。 申請 して 八 カ月 も タナざらし に さ れた の は 、 全く 異例の こと だ と いう 。 業界 首脳 は 「 今度 ほど 運輸 族 の 先生 が 頼り に なら なかった こと は ない 。 『 新聞 は 大丈夫 か 』 など と いう ぐらい だ から 」 と あきらめ の 表情 だった 。 私鉄 業界 首脳 が 慨嘆 する ように 、 今回 の 値上げ 劇 で は 、 役者 が そろわ なかった 。 いつも は 「 業 」 と 「 官 」 の 間 を 取り持って くれる 「 政 」 が 、 最後 まで 舞台 に 上がろう と し なかった 。 「 政 ・ 官 ・ 業 」 の 関係 が 、 癒着 の 構造 と 指摘 さ れて 久しい 。 特に 「 鉄 の 三 角形 」 と して 強い 批判 を 浴びる ように なった の は 、 バブル の 崩壊 過程 で 明るみ に 出た さまざまな スキャンダル が きっかけ だった 。 金丸 信 自民党 元 副 総裁 の 巨額 脱税 事件 、 建設 業界 の 公共 事業 を めぐる 贈収賄 事件 の 背景 に は 、 いびつな 三 角形 が 存在 した 。 敗戦 直後 の 一九四六 年 の 夏 、 のち に 財界 の 総 本山 と 呼ば れた 経済 団体 連合 会 が 発足 した 。 この 団体 は 文字通り 各 業界 団体 の 寄せ集め であった 。 寄せ集め であり ながら 、 強力な ロビイスト 集団 に 成長 して いった の は 政治 献金 の 事務 局 の 役割 を 果たして いた から ばかり で は ない 。 そういう 組織 を 日本 経済 が 必要 と して いた から であろう 。 日本 経済 復興 の シナリオ を 書いた 官僚 たち は 、 一方 で 政治 家 の 協力 を 得 つつ 、 行政 指導 と いう 権能 を 十分 活用 して 、 産業 界 を リード した 。 五五 年 体制 で この 三 角形 は ますます 強力 と なった 。 マクロ 問題 は 経団連 が 、 ミクロ 問題 は 業界 団体 が 扱う と いう ふうに 、 大きな 三 角形 、 小さな 三 角形 が 生まれた 。 これ ら は 地域 ごと に 業種 ごと に 、 無数の 三 角形 を 生み出して いく のである 。 今年 六 月 末 の 株主 総会 で 、 名物 経営 者 が 一 人 引退 した 。 「 宅 急便 」 生みの親 である 小倉 昌男 さん である 。 小倉 さん は 運輸 省 の 徹底 した 意地悪 を はねのけ 、 七六 年 に 「 宅 急便 」 を スタート さ せた 。 以後 、 規制 緩和 論者 と して 行革審 など でも 活躍 した こと は あまりに も 有名だ 。 その 小倉 さん が 「 絶対 に おかしい 」 と 訴え 続けて いる こと が ある 。 運輸 事業 振興 助成 交付 金 の 問題 だ 。 分かり やすく いえば 、 軽油 引取 税 の 一部 が 、 各 県 ごと に その 県 の トラック 協会 に 補助 金 と して 支払わ れて いる が 、 その 使途 など に ついて 疑問 が 多く 、 廃止 す べきで は ない か と いう 。 この 不思議な システム は 七六 年 に 軽油 引取 税 が 三〇 % 引き上げ られた 際 、 輸送 コスト の 上昇 を 抑制 する と いう 理由 で 決まった 。 引き上げ 幅 の 半分 を 、 バス ・ 営業 トラック に 限り 軽減 する のだ が 、 その 方法 と して “ 税 の 割り戻し ” と いう こと に なった 。 しかし 、 小倉 さん に よれば 、 この 制度 は 自治 省 の 通達 で 、 二 年間 の 時限 措置 だった に も かかわら ず 、 その後 延長 が 続き 、 現在 は 九七 年 まで 実施 さ れる こと に なって いる 。 ちなみに 九四 年度 まで の 十七 年間 で 、 トラック 協会 へ の 交付 金 総額 は 二千四百六十四億 円 に のぼった 。 「 この 交付 金 は 運輸 族 が 作った もの 。 これ を 接点 に 、 政 官民 の 癒着 の 構造 が はっきり 見える 」 と 小倉 さん は 憤慨 して いる 。 いまだに 健在な 三 角形 が ある 一方 で 、 経団連 を 中心 と する 大 三 角形 に は 大きな ヒビ割れ も 見 られる 。 平岩 外四 前 経団連 会長 が 、 在任 末期 に 「 政治 献金 事務 の 返上 」 を 表明 した から だ 。 カネ の 切れ目 が 縁 の 切れ目 と いう わけで は なかろう が 、 以後 、 連立 政権 の 自民党 と の 間 は 必ずしも スッキリ し ない 。 不動産 業界 は かねて 土地 取引 を 活性 化 さ せる ため と して 「 地価 税 の 廃止 」 を 要求 して いる 。 だが 、 九四 年度 税制 改正 でも 、 九五 年度 に も その 要望 は いれ られ なかった 。 先 の 参院 選 で 、 自民党 が 地価 税 の 廃止 を 公約 に 盛り込んだ と して 、 不動産 業界 に は 来 年度 こそ と いう 期待 が 膨らむ 。 だが 、 社会党 が これ まで と 同様に 難色 を 示す こと に なれば 、 建設 省 も 腰 を 上げ ず 、 結局 、 大蔵 省 の 壁 を 突き崩す こと は でき ない 。 確かに 「 鉄 の 三 角形 」 と いわ れる 癒着 構造 は 自民党 一 党 支配 の 核心 だった 。 旧 連立 政権 は 、 政 官 業 の 癒着 の 打破 を 政治 公約 と し 、 現 連立 政権 も 表立った 動き は あまり ない 。 だが 、 参院 選 敗北 を 受けて 自民党 内部 に は 「 次の 衆院 選 で 勝つ ため に は 、 予算 編成 で 役所 と 業界 と の 結びつき を 強める 必要 が ある 」 と いう 危機 感 が 広がって いる 。 経済 界 の 中 に は 景気 の 回復 が 足踏み する に つれ 「 いい 意味 で の 政 官 と の 協調 が 必要だ 」 と の 声 も ある 。 だが 、 「 政 官業 」 の 協調 の 復活 は 日本 経済 に とって 正しい 選択 と は いえ ない 。 むしろ 規制 緩和 を 徹底 さ せる こと が 、 「 三 角形 」 の 存在 を 無意味に する こと に つながる だろう 。 かつて 日本 経済 を 支え 、 その パラダイム を 構成 した の は 政 ・ 官 ・ 業 の 三 つ の 極 だった 。 いま その 関係 を 崩そう と して いる の は 、 もう 一 つ の 核 、 消費 者 主権 意識 の 台頭 だ 。 「 四 角形 」 の 時代 が ほの見える 。 村山 改造 内閣 が 八 日 、 発足 した 。 参院 選 終了 から この 二 週間 、 大幅 か 小幅 か 、 で 迷走 を 繰り返した 揚げ句 に 出した 結論 は 、 河野 洋平 副 総理 ・ 外 相 ら 主要 閣僚 の 留任 に よる 内閣 の 骨格 維持 と 、 与党 三 党 に 配分 した ポスト 数 の 枠 内 で 閣僚 を 入れ替える と いう 手直し 改造 であった 。 何の こと は ない 、 各 党 の 入閣 待望 組 の 処理 だけ の ため に 行った 国民 不在 の 内閣 改造 であり 、 村山 富市 首相 が 目指した 「 人心 一新 に よる 清新な 内閣 作り 」 と は およそ 無縁の 代わり映え の し ない 改造 内閣 の スタート である 。 いったい 何の ため に 内閣 改造 を 行った の か 、 その 目的 も 意義 も 全く 不 明確 。 村山 内閣 の “ 死に体 ” 化 は 一層 極まった 、 と 言わ ざる を 得 ない 。 本来 、 内閣 改造 は 求心力 低下 気味の 内閣 に カツ を 入れ 、 活性 化 を 促して 政権 に 浮揚 力 を つける ため に 行う もの だ が 、 言う は やすく 、 行う は 難し で 、 成功 の 条件 と して は 、 政権 の 基盤 が 強く 、 改造 の 大権 を 行使 する 首相 の 指導 力 が 強力な 時 に 限ら れる と さ れ 、 逆の 場合 に は 政権 の 命取り に つながる ケース が 多い 。 村山 首相 が 当初 、 内閣 改造 に 消極 的であった と 言わ れる の も 、 こうした 原則 を 踏まえて の こと だ が 、 最終 的に 秋 の 自民党 総裁 選 で 再選 を 狙う 戦略 から 大幅 改造 を 求める 河野 氏 の 主張 に 従い 、 改造 に 踏み切った の は 、 村山 首相 の 状況 判断 の 甘 さ と 指導 力 の 欠如 以外 の 何もの で も ない 。 結局 、 村山 首相 が 改造 に 取り組む 意向 を 表明 して 以来 、 政権 の 周辺 で 生起 した 出来事 は 、 武村 正義 蔵 相 の さきがけ 代表 辞任 表明 と 河野 氏 の 軽い ポスト へ の 横滑り 要望 、 それ に 連動 した 橋本 竜太郎 通産 相 の 去就 と いった 一連の 騒動 であった 。 要するに 、 河野 、 武村 両氏 と も 村山 首相 に 続投 を 求め 、 支持 する 立場 を 明確に し ながら 、 内実 は 心 ここに あら ず の 個 利 個 略 優先 である 。 結局 、 村山 首相 の 強い 意向 で 河野 、 武村 、 橋本 三 氏 の 思惑 は 封じ られ 、 留任 で 決着 した が 、 今回 の 改造 劇 を 通じて 村山 、 河野 、 武村 三 党首 間 の 相互 不信 は 増幅 さ れ 、 村山 内閣 の 求心力 の 低下 が 一層 際立った 。 とりわけ 、 自民党 総裁 選 が 河野 、 橋本 両氏 で 争わ れる 対立 構図 が 鮮明に なり 、 権力 闘争 熾烈 化 の 様相 を 深めた の に 加えて 、 三塚 博 元 政調会 長 の 幹事 長 就任 、 派閥 活動 の 一斉 復活 など “ 古い 自民党 ” の 体質 が むき出しに なった 。 一昨年 の 総 選挙 で の 過半数 割れ 、 参院 選 で の 不振 と いう 苦い 教訓 から 何も 学ば ない 自民党 の 無 反省 ぶり は 厳しく 指弾 さ れ なければ なら ない 。 村山 連立 政権 に なって 初めて の 内閣 改造 は 、 単なる 大臣 病 患者 の 救済 の 域 を 出 ない 無意味な もの に 終わった が 、 行政 改革 の 大きな 柱 と して 中央 省庁 の 統廃合 、 内閣 機能 の 強化 など が 叫ば れて いる 折から 、 閣僚 ポスト の 削減 など 内閣 改造 を 意義 あら しめる もの に する 斬新な 工夫 が あって も よかった ので は ない か 。 政権 浮揚 どころ か 政権 の 浮遊 感 を 一 属 深めた 改造 内閣 の 発足 だ が 、 これ 以上 、 政治 空白 を 長引か せる こと は 許さ れ ない 。 村山 改造 内閣 は 阪神 大 震災 対策 、 景気 対策 を 柱 と した 第 二 次 補正 予算 の 編成 、 成立 など 当面 の 緊急 課題 の 処理 に 全力 を 傾注 し なければ なら ない 。 その うえ で 、 新 政権 創出 の ため 可能な 限り 早い 機会 に 解散 ・ 総 選挙 を 行い 、 民意 に よって 真 の 意味 で の 「 人心 一新 」 を 図る 必要 が ある 。 「 ザ ・ ペーパー 」 と いう 映画 が 東京 で は 夏 に 入る 前 に 公開 さ れた 。 ニューヨーク の 大衆 紙 の 一 日 が コメディー タッチ で 描か れる 。 ストーリー の 軸 は 、 殺人 容疑 で 逮捕 さ れた 少年 が 無実 だ と 、 スクープ する ところ だ 。 新聞 記者 の スクープ 競争 を 描いた コメディー 映画 に は 、 かつて 「 フロント ページ 」 が あった 。 ビリー ・ ワイルダー の 演出 と ジャック ・ レモン の 主演 。 心底 笑えた 。 映画 の 時代 設定 は 製作 当時 より さらに 古い のだ が 、 ジャック ・ レモン が 仲間 の 刑事 裁判 所 担当 記者 を 出し抜き 続ける 。 おかしな 報道 と 怒った 女性 から 記者 が 文句 を つけ られる シーン も ある が 、 見どころ は ジャック ・ レモン の 腕 っこ き ぶり 。 「 フロント ページ 」 から 「 ザ ・ ペーパー 」 まで ほぼ 二十 年 。 その 間 に 記者 を 描く コメディー も 、 誤認 逮捕 を めぐる 報道 が 主 テーマ に なる 。 ひょいと 映画 を 二 本 取り上げ 、 米国 の 社会 意識 の 変化 の 反映 など と は 言いにくい 。 だが 誤報 を 見る 目 は 、 日に日に 厳しい 。 松本 サリン 事件 で 、 麻原 彰晃 被告 ら オウム 真理 教団 の 十二 人 が 殺人 罪 など で 七 日 起訴 さ れた 。 この 事件 に 関して は 昨年 六 月 の 発生 時 、 第 一 通報 者 だった 河野 義行 さん を 、 メディア の ほとんど は 容疑 者 視 した 。 毎日新聞社 は 今年 六 月 六 日 付 朝刊 で 、 公式 に 河野 さん に 謝罪 した 。 併せて 同日 の 七 面 全面 を 割き 、 なぜ そんな 報道 を して しまった の か を 検証 し 、 掲載 した 。 河野 さん の 捜査 当局 、 メディア に 対する 芯 の 強い 態度 に は 敬服 し なければ なら ない 。 捜査 報道 は 人権 に 直接 かかわり やすい 。 しかし 、 捜査 と 報道 の はざま で 誤報 を 全く なくし 得る だろう か 。 実際 の 事件 報道 の 現場 は 、 捜査 の 方向 を 追う 。 その 中 で 、 捜査 当局 が 絞る 容疑 者 に 報道 は 肉薄 しよう と する 。 捜査 当局 は 肝心な 点 を 公表 し ない 。 報道 が 、 継続 する 捜査 の 支障 に なって は 困る 。 それ が 主な 理由 だ 。 したがって 報道 側 は 非公式に コンタクト できる 捜査 員 を つくろう と する 。 それ 自体 容易で は ない 。 いわゆる 夜回り 、 朝駆け を 日常 的に 繰り返し 、 その 時点 で の 捜査 情報 を 得よう と する 。 オウム 真理 教団 の 起こした 一連の 事件 で 、 連日 報道 さ れた 記事 の うち 大半 は 、 こうした 作業 の 結果 生まれて いる 。 新 事実 を 報道 する 際 、 少なくとも 信頼 できる 複数 の ニュース ソース から 裏付け を 取る 。 毎日新聞 は これ まで も 裏付け に 腐心 して きた 。 松本 サリン 事件 誤報 以後 、 この こと を さらに 強めて きた 。 しかし 、 もし 松本 サリン 事件 で 長野 県警 が 誤認 逮捕 して いれば 、 メディア が どう 動いた か 想像 に 難く ない 。 捜査 が 警視 庁 主導 に 移った 後 も 、 仮に 捜査 の 方向 が 間違って いた なら メディア が 捜査 の 時点 で 是正 する の は 困難 を 極めた だろう 。 スクープ 競争 を やめれば 、 誤報 は 減る 。 しかし 、 それでは コントロール さ れた 発表 記事 だらけ に なる 。 そんな 新聞 を 読者 は 認め まい 。 新聞 は 存在 意義 を 失う 。 人権 と 報道 の 間 で 、 報道 側 は 一 つ ひとつ の 事件 、 事象 に 細心の 注意 を 注ぐ ほか ない 。 その 点 を 芯 に する 気風 の 確立 が 、 メディア に は 肝要だ 。 同時に 報道 側 と 捜査 当局 と の 関係 が 「 オウム 後 」 も 従来 通り で よい か 、 を 考え ねば なら ない 。 捜査 当局 に とって も 、 情報 開示 の 仕方 、 それ を どう 実行 する か 、 真剣に 視野 に 入れる 時代 に 入って いる ので は ない か 。 一九九二 年 八 月 十 日 に 施行 さ れた 国連 平和 維持 活動 協力 法 は 、 施行 後 三 年 が 経過 した 段階 で 内容 を 見直す こと を 規定 して いる 。 見直し 対象 の 最大 の 焦点 は 国連 平和 維持 軍 の 本体 業務 に 自衛 隊 を 参加 さ せる こと の 是非 だ 。 PKF 本体 業務 と は 、 武力 紛争 の 停止 状況 や 武装 解除 の 監視 、 捕虜 交換 の 援助 など 六 項 目 を 指す 。 同法 が 審議 さ れた 同年 六 月 の 国会 で 、 社会党 など は 、 PKF 本体 業務 は 武装 した 歩兵 部隊 そのもの を 派遣 する もの であり 、 場合 に よって は 軍事 行動 に 巻き込ま れ かね ない 、 そうした 武力 行使 を 前提 に した 自衛 隊 派遣 は 憲法 違反 だ と 強く 反発 した 。 当時 の 政府 ・ 自民党 は 法案 成立 に 向け 公明 、 民社 両党 の 協力 を 取り付ける ため PKF 本体 業務 へ の 参加 を 凍結 した いきさつ が ある 。 三 年 が たち 、 その 見直し 時期 が やってきた 。 しかし 、 私 たち は PKF の 凍結 を 急いで 解除 する 必要 性 は 、 今 は ない と 考える 。 この 三 年間 、 自衛 隊 は 輸送 支援 や 難民 救援 など を 目的 に 、 カンボジア 、 モザンビーク 、 ルワンダ の 三 カ国 に 出かけた 。 いずれ も PKF 本体 業務 へ の 参加 で は なかった が 、 それ でも 関係 各国 や 国連 機関 から 高く 評価 さ れた 事実 を 想起 し たい 。 また アジア 諸国 の 中 に 、 日本 の PKO 参加 を 、 なお 警戒 視 する 傾向 が ある 中 で 、 これ まで と 同様 、 抑制 的に 行動 する こと が 、 日本 に とって より 重要だ 。 ところが 今 、 自民 、 社会 、 さきがけ の 連立 与党 の 中 で 奇妙な 動き が 出て いる 。 連立 与党 は 、 中東 の ゴラン 高原 で 展開 中 の 国連 兵力 引き離し 監視 軍 に 自衛 隊 を 派遣 す べき か どう か 、 意見 調整 を 進めて いる が 、 PKF の 凍結 解除 に 関する 論議 は 先 送り した うえ で 、 ゴラン 高原 へ の 自衛 隊 派遣 だけ を 切り離して 決定 する 方向 に なって いる と いう のだ 。 UNDOF で は 現在 、 ポーランド や カナダ の 歩兵 ・ 輸送 部隊 が イスラエル と シリア 間 の 停戦 監視 を 続けて いる 。 日本 は カナダ 部隊 の 肩代わり を して ほしい と 国連 から 要請 が あった 、 と いう の が 外務 省 の 説明 である 。 今年 四 月 、 連立 与党 は 現地 に 調査 団 を 派遣 、 調査 団 は 「 自衛 隊 の 撤収 や 武器 使用 の 問題 で は 国連 側 と 確認 を 要する 点 が ある もの の 、 日本 の PKO 参加 五 原則 の うち の 停戦 の 合意 、 受け入れ 国 の 同意 、 UNDOF の 中立 性 に ついて 問題 は ない 」 と 、 自衛 隊 派遣 に 前向きな 姿勢 を にじま せた 報告 書 を まとめた 。 しかし UNDOF へ の 参加 は 、 これ まで 三 回 行わ れた PKO と は 質的に 違い 、 他国 の 歩兵 や 武器 の 輸送 、 実弾 を 使った 演習 へ の 参加 など が 予想 さ れ 、 それ 自体 が PKF に 大きく 踏み込む こと に つながる ので は と 懸念 さ れて いる 。 四 月 下旬 の 閣僚 懇談 会 で 、 一部 閣僚 から 慎重 論 が 続出 した の も 、 その ため だった 。 村山 富市 首相 が 九 月 中旬 、 イスラエル 、 シリア など 中東 四 カ国 を 訪問 する 予定 が 急 浮上 した ため か 、 連立 与党 は 月 内 に 結論 を 出す と いう 。 PKF 凍結 解除 問題 や UNDOF へ の 参加 の 是非 は 、 まだ 国会 で 詰めた 論議 も 行わ れて い ない 。 本質 的な 論議 は 先 送り して 回避 し 、 首相 訪問 の 手 土産 的に ゴラン 高原 へ の 自衛 隊 派遣 を 決めて いく ような 手法 は 許さ れる もの で は ない 。 これ まで 一部 の 魚 種 や 海域 を 除いて 原則 自由 だった 公海 で の 漁業 が 、 国際 的な 協定 に よって 規制 さ れる こと に なった 。 この ほど 第 六 回 国連 公海 漁業 会議 で 公海 漁業 実施 協定 が 全会 一致 で 採択 さ れた もの で 、 三十 カ国 が 批准 した 段階 で 発効 する 。 同 協定 は 、 沿岸 国 の 二百 カイリ 経済 水域 と 公海 に またがって 分布 する タラ や カレイ 、 広い 海域 を 回遊 する カツオ や マグロ など の 魚 種 の 乱獲 を 防止 する 仕組み を 定めて いる 。 これ ら の 魚 は 人間 が 引いた 海 の 境界 線 など に は お構いなしに 移動 する から 、 その 資源 を 効果 的に 保全 する ため に は 公海 を 含めた 国際 的な 管理 が 必要である 。 その 方法 に ついて 一九九三 年 以来 、 国連 の 場 で 協議 が 続け られて きた が 、 関係 国 の 間 に 利害 の 対立 が あった 。 カナダ や 中南米 諸国 など 「 沿岸 国 グループ 」 は 、 沿岸 国 が 二百 カイリ 内 で 行って いる 規制 措置 を 隣接 する 公海 に も 及ぼす こと を 認める べきだ と 主張 した 。 その 間 、 北西 大西洋 の カレイ 漁 を めぐって 、 カナダ と EU の 生臭い 紛争 が あった 。 結局 、 地域 漁業 管理 機関 が 管理 規則 を 制定 し 、 規則 違反 に 対して は 沿岸 国 も 含む 地域 漁業 管理 機関 へ の 全 加盟 国 が 取り締まり の 権限 を 持つ こと など で 妥協 が 成立 した 。 従来 、 公海 上 の ルール 違反 に 対して は 違反 漁船 の 船籍 国 しか 取り締まれ ない こと に なって いた こと に 比べれば 、 取り締まり は 大幅に 強化 さ れる こと に なる 。 私 たち は 、 今度 の 協定 成立 を 、 人類 が 共有 する 海洋 生物 資源 を 持続 的に 利用 して いく ため の 当然の 措置 と して 評価 し たい 。 これ まで も 大西洋 や 南 太平洋 の マグロ 、 ベーリング海 の スケトウダラ など に 関する 個別 的な 条約 や 地域 管理 機関 は あった が 、 公海 漁業 一般に ついて の 協定 は 存在 し なかった 。 世界 の 漁獲 量 は 八八 年 に 一億 トン 強 に 達して 以来 、 横ばい を 続けて いる 。 海洋 漁業 は 地球 的に 限界 に 達した と 考え られ 、 一般 協定 は むしろ 遅 すぎた くらい である 。 公海 で の 漁業 を 最も 盛んに 行って いる 日本 と して は 、 これ まで 以上 に 操業 の 手足 を 縛ら れる こと は 覚悟 し なければ なら ない が 、 大局 的に みれば 協定 は 歓迎 す べき もの である 。 公海 資源 に アクセス できる の は 地域 管理 機関 加盟 国 または 同 機関 規則 に 合意 した 国 に 限ら れる こと を 協定 は 定めて いる 。 これ まで は 、 せっかく 、 ある 魚 種 や 海域 に ついて 関係 国 が 資源 保全 措置 を 講じて も 、 アウトサイダー に よって それ が 踏みにじら れる 恐れ が あった が 、 今後 は そのような こと は 防止 できる こと に なる 。 近年 、 日本 の 近海 漁業 は 韓国 や 中国 の 漁船 の 進出 に 悩ま さ れ 、 資源 に 配慮 した 秩序 ある 操業 を 両 国 に 呼び掛けて いる 状況 である 。 秩序 ある 漁業 の 必要 性 は 公海 に ついて も いえる こと であり 、 日本 と して は 、 日本 の マグロ ・ カツオ の 主要 漁場 である 中 西部 太平洋 水域 など に 地域 管理 機関 を 設立 する こと を 関係 国 に 働き掛ける べきであろう 。 日本 の 漁業 の 進む べき 道 は 、 まず 自国 二百 カイリ 内 で 資源 管理 型 漁業 を 確立 する ことだ が 、 それ を さらに 公海 に まで 広げる 積極 的な 努力 を 惜しむ べきで は ない 。 日航 ジャンボ 機 事故 から 十 年 が たつ 。 再発 防止 は 至上 命題 だ が 、 航空 界 は これ に 応える 教訓 を 学び取って きた であろう か 。 昨今 の 規制 緩和 論議 の 中 で 風化 現象 が 起きて は い ない か 。 今 一 度 、 事故 の 持つ 重み を かみしめ なければ なる まい 。 一九八五 年 八 月 十二 日 、 ジャンボ 機 が 群馬 県 ・ 御巣鷹 の 尾根 に 激突 し 、 五百二十 人 の 生命 が 奪わ れた 。 事故 調査 委員 会 は 「 後部 圧力 隔壁 の 破裂 で 垂直 尾翼 が 吹き飛ばさ れて 操縦 不能 に 陥った 」 「 七 年 前 の ボーイング 社 の 隔壁 修理 ミス が 引き金 に なった 」 と 報告 した 。 運輸 省 、 日航 は 検査 で ミス に 気付か なかった 。 決して 風化 の 許さ れ ない 事故 だった 。 この 事故 後 、 国 内 航空 会社 に 限れば 多く の 死者 を 出す 大 事故 を 起こして い ない 。 航空 関係 者 の 間 に 安全 運航 に 向けた 努力 が あった と 言って も よかろう 。 だが 、 昨年 に は 中華 航空 機 が 名古屋 空港 で 墜落 し 、 二百六十四 人 が 死亡 する と いう 惨事 が 起きて いる 。 世界 の 空 を 見れば 、 事故 率 が 目に見えて 下がって いる わけで は ない 。 国 内 航空 会社 の 大 事故 は ない と いって も 、 なくて 当然である 。 誇る べき こと で は なく 、 守り抜く べき もの だ 。 ところが 、 この ところ 気 に なる 事象 が 続いて いる 。 航空 審議 会 の 答申 は 、 昨年 「 国際 競争 力 の 向上 」 の 項 で 種々の 規制 緩和 を 打ち出した 。 その 中 で 「 定例 整備 の 海外 委託 の 促進 」 「 実地 試験 に おける シミュレーター 化 推進 」 「 ウエットリース に よる 低 コスト 運航 」 に 向けた 規制 の 見直し を 求めて いる 。 もちろん 「 安全 性 の 確保 に 十分 配慮 し つつ 」 と いう 前提 は 付いて いる 。 が 、 こうした 答申 で は どうしても ウエート は 「 低 コスト 体質 へ の 転換 」 に 置か れ かね ない 。 定例 整備 と は 、 一定 の 飛行 時間 経過 後 に 点検 ・ 整備 する もの で 「 重 整備 」 「 軽 整備 」 と が ある 。 軽 整備 に ついて は 既に 海外 委託 が 実施 に 入って いる 。 重 整備 に ついて も 実施 の 方向 だ 。 円高 メリット に よる 低 コスト 化 である 。 「 海外 の 整備 技量 は 劣る 」 と 単純に 言い切って は 、 乱暴に 過ぎよう 。 ただ 、 大 事故 の たび に 「 自社 整備 の 充実 」 が 訴え られて きた ので は なかった の か 。 自社 整備 の 技術 が 将来 、 空洞 化 する と いう 懸念 も 残る 。 シミュレーター 化 に ついて も 、 安全 面 から 危ぐ が 出て いる 。 「 実 機 の 燃料 や 機体 使用 の コスト を 削減 する ため だろう が 、 しょせん 模擬 装置 。 実 機 の フィーリング は 欠かせ ない 」 と シミュレーター 化 の 進む こと を 心配 する 声 も 聞く 。 規制 緩和 の 動き は これ に とどまら ない 。 運航 乗務 員 の 乗務 時間 制限 と 編成 基準 の 見直し など も 安全 問題 に かかわる 規制 の 緩和 であろう 。 航空 会社 側 は 「 技術 の 進歩 に 伴って 、 安全 面 で 全く 問題 の ない 項目 に 限り 、 従来 の 方式 を 変更 する のであり 『 安全 は 生命 線 』 と いう 姿勢 に いささか も 変わり は ない 」 と いう 。 懸念 を 抱き ながら の 変更 は 絶対 に あって は なら ない 。 そう であって も 、 事故 は 予想 も し ない 形 で 起こる もの だ 。 「 石橋 を たたく 」 の 安全 哲学 を 利用 者 は 求めて いよう 。 長引く 航空 不況 の 中 でも 、 常に 「 絶対 の 安全 」 を 希求 し 続ける 。 それ が 航空 界 に 課せ られた 責務 だ 。 その こと を 忘れて は なら ない 。 「 私 も 当日 、 国会 の 南 通用 門 から 構内 に 入った 。 夕方 、 樺 さん が い ない 、 と いう うわさ が 流れ 、 ショック を 受けた 。 彼女 の ひた向き さ が 印象 に 残って いる 」 一九六〇 年 六 月 十五 日 、 日 米 安保 条約 改定 阻止 闘争 で 死亡 した 東大 生 、 樺 美智子 さん と ともに デモ に 参加 した B さん は 、 三十五 年 前 の 学友 の 死 を 「 重たい 死 」 と 表現 した 。 東大 国史 学科 で 樺 さん の 一期 上 。 「 革命 を 目指す と いう より 、 岸 政権 下 で 民主 主義 が 踏みにじら れる こと へ の 危機 感 が 強かった 」 と 語る B さん は 現在 、 大学 で 歴史 を 教えて いる 。 戦後 最大 の 反 政府 行動 と いわ れた 六〇 年 安保 闘争 。 同年 五 月 二十 日 未明 、 新 安保 条約 が 衆議院 で 強行 採決 さ れる と 抗議 行動 は 一段 と 激化 、 全学連 主流 派 は 六 月 十五 日 、 国会 構内 へ 突入 した 。 構内 を 占拠 した 学生 千数百 人 が 「 警官 隊 と 激しく 衝突 し 、 頭 を 割ら れた 学生 や 血だらけの 警官 が 次々 に 病院 に 運び込ま れた 」 と 、 翌 十六 日 付 の 本紙 朝刊 は 伝えて いる 。 この 衝突 で 、 樺 さん は 死んだ 。 B 教授 が 言う ように 、 安保 闘争 は 「 革命 」 で は なかった が 、 当時 の 学生 たち が 左翼 イデオロギー に 行動 の よりどころ を 求めた こと は 疑い ない 。 「 共産党 へ の 批判 は あった が 、 思想 を 信じる こと が できた 」 と 、 教授 は 振り返る 。 当時 、 東大 の 教壇 に 立った 日高 六郎 氏 は 「 少し 頭 を 働かせる 青年 たち は 、 むさぼる ように マルクス主義 の 勉強 を した 」 「 マルクス主義 が 彼ら の たより であった 。 …… それ に ついて の 確信 、 あるいは 確信 して いる と いう 確信 が あった 」 と 述懐 して いる 。 B 教授 の 研究 室 を 出て 大学 構内 の 喫茶 室 へ 入る と 、 学生 たち が 談笑 して いる 。 話題 は アニメ 。 掲示板 に は 趣味 の サークル の ポスター が 並び 、 政治 や 社会 の 文字 は ほとんど 見 られ ない 。 六〇 年 安保 当時 と 、 現在 の 若い 世代 の 落差 を 生んだ もの は 何 か 。 六〇 年 代 初め 、 高度 経済 成長 の 軌道 に 乗った 日本 は 、 やがて 大量 生産 、 大衆 消費 社会 を 実現 する 。 さらに 、 物質 と エネルギー を 基礎 と する 産業 に 代わって 情報 、 知識 に 関する 産業 が 重要な 役割 を 果たす 、 情報 革命 に 進み つつ ある 。 こうした 大衆 消費 社会 の 進展 の 中 で 、 人々 の 関心 は 真理 の 追求 から 離れ 、 身近な 立身 出世 崇拝 が 広がって いく 。 イデオロギー は 信条 や 行動 の 規範 から 、 知的 領域 の 選択 に 変わり 、 学園 から デモ が 消えて いった 。 「 脱 産業 社会 」 「 豊かな 社会 」 など 米国 から 発信 さ れる 思想 的 メッセージ は 、 先進 工業 国 が 直面 する 新しい 課題 を 指摘 して いた 。 その 日本 的 表現 が 「 中間 文化 」 論 である 。 少数 エリート と 大衆 と いう 、 真ん中 の くびれた 「 ひょうたん 型 」 社会 構造 から 、 新制 高卒 を 核 と する 中間 層 が 社会 を 占める 「 ちょうちん 型 」 構造 へ の 転換 を 指摘 した この 論理 は 、 伝統 的 左翼 が 信奉 した 「 窮乏 化 」 論 を 突き崩した 。 現在 、 大学 進学 率 は 短大 を 含め 四〇 % 、 高校 は 九〇 % 超 。 「 ちょうちん 」 の 胴 は 太く なる 一方 だ 。 二十 歳 前後 まで 労働 に 就か ない 人口 が 同 世代 の 過半 を 占める 「 高度 大衆 社会 」 も 未曽有 。 その 価値 観 が 「 快適で 平穏 無事な 小 市民 的 家庭 生活 」 に ある の は 自然だろう 。 貧困 と 富 の 偏在 を 培養 液 に 生成 さ れる 左翼 イデオロギー は 、 高度 成長 の 過程 で その 成立 基盤 を 失った 。 「 イデオロギー の 終焉 」 が 、 世界 に 先がけて 高度 消費 社会 を 実現 した 米国 の 思想 家 に よって 提示 さ れた の は 偶然で は ない 。 「 イデオロギー の 終焉 」 を 現実 の 世界 で 示した の が 、 八〇 年 代 末 の 冷戦 構造 の 崩壊 である 。 高度 消費 は おろか 消費 社会 さえ つくり 出せ ない 社会 主義 体制 は 、 等しく 貧しい 「 人民 」 を 残して 歴史 の 表 舞台 から 退場 した 。 戦後 世界 構造 の 劇的な 変化 に より 資本 主義 対 社会 主義 、 保守 対 革新 と いう 二分法 的な 思考 の 枠組み は その 有効 性 を 失った 。 二十 世紀 の 世界 を 動かした 大 思想 が その 影響 力 を 失った いま 、 来るべき 世界 へ の 予感 と 、 そこ に 至る 道程 を 見いだせ ない まま 、 私 たち は 思想 なき 時代 を 呼吸 して いる 。 「 イデオロギー って 何 ? 」 と 、 真顔 で 尋ねる 大学生 が いて も 不思議で は ない 。 旧 思想 が 死滅 した あと に 訪れる もの は 、 思想 と 価値 の 相対 主義 である 。 知的 ニヒリズム の 海 を ただよう ような 不安 感 に 、 私 たち は さいなま れて いる 。 だが 、 ニヒリズム の 波頭 に おぼれる べきで は ない 。 人類 の 知的 営み の 歩み を 巨視的に 振り返る なら 、 私 たち は 価値 体系 の 崩壊 と 、 その後 に くる 思想 的 空白の 時代 を 繰り返し 経験 して きた 。 そして 中世 に 君臨 した 壮大な 形而上 学 の 体系 と の 格闘 の 中 から 近代 ヒューマニズム が 芽生えた ように 、 旧 思想 の 廃虚 の 中 から 新たな 知 の 体系 と 価値 規範 は 生まれる 。 指標 を 失った 今 、 求め られて いる の は 私 たち 一人ひとり が 自分 の 足 で 立つ ことだ 。 私 たち は 無人の 荒野 に ほうり出さ れた わけで は ない 。 「 人類 は 後ずさり し ながら 、 未来 へ 入って いく 」 と は 、 仏 詩人 ポール ・ バレリー の 言葉 だ 。 近代 が 残した 思想 的 遺産 を 継承 し つつ 、 カオス の 中 に 新たな 知的 枠組み を 模索 する 努力 を 続ける べきだろう 。 ハンス ・ ディートリッヒ ・ ゲンシャー 前 独 外 相 は 、 ドイツ 統一 を 実現 した 戦後 ドイツ を 代表 する 外交 戦略 家 である 。 ゲンシャー 氏 は 、 一九七四 年 から 十八 年間 も 、 外 相 と して ドイツ 外交 の 舵 を 取った 。 この 間 に 、 欧州 の 緊張 緩和 を 推し進め ドイツ 統一 を 実現 した 。 ゲンシャー 外交 が 、 米国 は もとより 欧州 諸国 でも 信頼 を かちえた 最大 の 理由 は 、 彼 が 説いた 外交 理念 に あった 。 ゲンシャー 氏 は 「 良き ヨーロッパ 人 に なる こと は 、 良き ドイツ 人 に なる こと だ 」 と 訴え 続けた 。 この 言葉 は 、 ゲンシャー 外交 の 理念 を わかり やすく 説明 して いる 。 ゲンシャー 氏 は 、 この 思想 を ナチス ・ ドイツ に 抵抗 した 作家 の トーマス ・ マン から 学んだ 、 と 明らかに して いる 。 ゲンシャー 氏 は 、 自身 の 外交 戦略 の 理念 に ついて 「 ナチス ・ ドイツ は 欧州 の ドイツ 化 を 目指した が 、 戦後 の ドイツ は ドイツ の 欧州 化 を 目指して いる 」 と 、 欧 米 の 指導 者 や 米国 民 に 対し 繰り返し 語った 。 この 思想 こそ 、 ドイツ が 起こした 戦争 へ の 歴史 的 反省 を 踏まえ 、 トーマス ・ マン が 戦後 ドイツ に 残した 遺産 だ 。 日本 と ドイツ は 、 同じ 敗戦 国 と して 戦後 五十 年 の 間 に 、 飛躍 的な 経済 発展 を とげ 、 経済 大国 と して 復活 した 。 しかし 、 それぞれ が 欧州 と アジア で 占める 地位 と 世界 から 受ける 敬意 に は 、 大きな 違い が ある 。 ドイツ は 「 欧州 の ため の ドイツ であって 、 ドイツ の ため に 欧州 が ある ので は ない 」 と の 理念 を 明確に 表明 し 、 欧 米 各国 の ドイツ へ の 警戒 感 を 解消 して いった 。 この ドイツ の 知恵 と 教訓 から 学ぶ こと は 多い 。 戦後 の 五十 年間 、 日本 も また アジア と の 和解 に 努め 、 国際 的な 信頼 を 得る ため の 外交 努力 を 重ねた 。 しかし 、 ドイツ ほど の 信頼 を 回復 して い ない ので は ない か 。 韓国 や 中国 を はじめ アジア 諸国 は 、 日本 は 本当に 過去 を 反省 して いる の か 、 と の 疑念 を なお 抱いて いる 。 一方 、 日本 で は 、 何度 謝罪 して も きり が ない と の 反発 も 聞か れる 。 しかし 、 政府 の 謝罪 の 表明 後 に 過去 の 侵略 行為 を 正当 化 しよう と する 政治 家 の 発言 が 繰り返さ れた ので は 、 アジア 諸国 が 疑い の 思い を 深める の も 無理 は ないで あろう 。 国会 で の 戦後 五十 年 決議 を めぐる 混乱 は 、 アジア 諸国 の 日本 へ の 不信 を むしろ 増幅 さ せる 結果 に 終わって しまった 。 中曽根 康弘 元 首相 は 、 八三 年 に 日本 の 首相 と して 初めて 韓国 を 公式 訪問 した 際 に 、 全 斗煥 大統領 から 「 人 を 殴った 方 は すぐ 忘れる かも しれ ない が 、 殴ら れた 人 は そう すぐ 忘れ られる もの で は ない 」 と 言わ れた こと を 、 いま でも 忘れ られ ない と いう 。 中曽根 元 首相 は 、 この 言葉 を 日本 人 は 肝 に 銘じて おく べきだ 、 と 力説 する 。 そして 、 過去 に 迷惑 を かけた 国 と 国民 に 対する 謙虚な 態度 こそ が 、 アジア の 人々 と の つき合い の 基本 である と 語って いる 。 韓国 で は 、 旧 朝鮮 総督府 庁舎 の 取り壊し 作業 が 十五 日 に 始まる 。 旧 朝鮮 総督 府 の 建物 は 、 日本 が かつて アジア を 日本 化 しよう と した 歴史 の 遺物 である 。 戦後 五十 年 の 建物 解体 に は 、 過去 の 歴史 の 教訓 に は こだわり ながら も 、 未来 志向 の 日 韓 関係 を 目指し たい と の 韓国 の 指導 者 たち の 意向 が 反映 さ れて いる ようだ 。 毎日新聞 が 韓国 の 朝鮮 日報 と 共同 で 行った 最近 の 世論 調査 で は 、 韓国 人 の 九〇 % が 「 日本 から 学ぶ こと が ある 」 と 答えて おり 、 韓国 人 の 日本 へ の 関心 の 高 さ を うかがわ せて いる 。 しかし 、 日本 人 に 親しみ を 感じる と 答えた 人 は 、 わずか 二六 % に 過ぎ なかった 。 これ は 、 アジア の 中 に なお 日本 と 日本 人 へ の 警戒 感 が 根強い 事実 を 物語って いる 。 それでは 、 アジア の 国民 から 信頼 を 得る ため に 、 日本 は 何 を 期待 さ れて いる のだろう か 。 戦後 五十 年 の 日本 は 、 日 米 関係 を 外交 の 基本 に して きた 。 しかし 、 米国 と の 関係 強化 は 皮肉に も アジア から 日本 を 引き離す 国際 力学 と して 働いた 。 ドイツ で は 、 米国 と の 関係 強化 が 北 大西洋 条約 機構 を 中心 と した 欧州 諸国 と の 関係 強化 に 直結 して いた の と 比べる と 、 日本 が 国際 的に は より 複雑で 難しい 環境 に 置か れた の も 否定 でき ない 事実 である 。 経済 的な 発展 を 続ける アジア 諸国 は 、 いまや 発言 する 存在 に なり つつ ある 。 太平洋 を はさんで の 米国 と 中国 の 最近 の 関係 緊張 や 、 米国 と マレーシア の 対立 も アジア の 成長 の 産物 である 。 さらに 中国 、 フィリピン 、 ベトナム 、 マレーシア 、 ブルネイ 、 台湾 の 間 で 南沙 諸島 の 領有 権 争い も 起きて いる 。 こうした アジア を 取り巻く 新たな 国際 環境 の 中 で 、 日本 が どのように 行動 する の か に アジア 諸国 は 注目 して いる 。 日本 は アジア と 米国 と の 対立 を 激化 さ せる ので なく 、 太平洋 の 懸け橋 と して の 役割 を 担う べきであろう 。 その ため に は 、 アジア の 隣国 は もとより 米国 と も 良好な 関係 を 維持 し 得る 外交 能力 と 、 国民 の 理解 が 必要に なる 。 学校 教育 の 中 で 、 アジア に ついて 教える 科目 を 新設 する など の 政策 が 求め られる 。 ドイツ の 知恵 に 学ぶ なら 、 過去 の 戦争 と 侵略 が アジア を 日本 化 しよう と した 行為 だった こと を 認める べきであろう 。 日本 が 将来 も アジア の 海洋国 家 と して 存在 し 続ける 以上 、 アジア の 隣人 を 理解 し アジア の ため に 尽くす と いう 新しい 理念 を 明確に 打ち出し 、 その ため の 具体 的な 措置 を とる べきである 。 もう 大分 前 の こと だ が 、 私 たち は この 欄 で 、 評論 家 の 安田 武 氏 が 学徒 出陣 四十 年 に さいして 本紙 に 寄せた 随想 を とりあげた こと が あった 。 安田 氏 は 、 一九四三 年 、 法政 大学 在学 中 に 学徒 出陣 して ソ連 軍 の 捕虜 に なり 、 復員 後 、 「 この 体験 を 次の 世代 に 正しく 伝え 、 戦争 を なくす こと を 自ら の 仕事 と する 」 と 誓い 、 戦争 体験 の 伝承 に 一生 を ささげた 代表 的な 戦中 派 であった 。 日本 戦没 学生 記念 会 へ の 貢献 は 今日 に おいて も 名高い 。 その 安田 氏 の 一 文 の 中 に こんな くだり が あった 。 「 四十 年間 、 私 たち は 、 いったい 何 を して きた のだろう か 」 「 くりかえす けれど 、 いったい 何 を すれば いい のだろう 。 何 が できる だろう か 。 思案 の 堂々めぐり に 空しい 徒労 感 を ぬぐう こと が でき ない 」 戦争 体験 の 語り部 と 覚悟 して 自ら の 一生 を 意味づけた 人 が 、 どうして こんなに 重苦しい 、 そして 悲しい 文章 を 書いた のだろう か 。 すでに 故人 と なって いる 安田 氏 に 確かめ よう も ない が 、 恐らくは 、 戦後 四十 年 近く を 経て 安田 氏 自身 が 目撃 した 風化 、 安田 氏 自身 が 渾身 の 力 を こめて 語り継いで きた 戦争 体験 の 風化 だった ので は ない だろう か 。 この ころ から 私 たち の 間 でも 、 戦争 体験 の 継承 と 風化 の 問題 が 意識 さ れ だして きた 。 言う まで も ない こと だ が 、 体験 は その 人 一 代 限り の もの である 。 切実な こと で さえ 、 親 が 子 に 語り継ぐ こと は 日常 の 生活 の 中 でも 、 そう 容易な こと で は ない 。 まして 戦争 を 知る 世代 が 六十 代 、 七十 代 に なって きた 今日 、 若い 世代 に 語り継ぐ こと は ますます 難しく なって きて いる 。 戦争 体験 の 風化 は 不可避 と いって よい 。 では いったい 、 戦争 終結 から 満 五十 年 、 歴史 の 一 つ の 節目 に さいして 「 八 月 十五 日 」 を どう 考えたら よい のだろう か 。 戦後 五十 年 のみ なら ず 、 百 年 後 、 二百 年 後 の 二〇四五 年 、 二一四五 年 に 、 この 体験 は どう 語り継が れて いる のだろう か 。 二〇四五 年 は いざ しら ず 、 二一四五 年 と いえば 、 第 二 次 大戦 を 経験 した 生存 者 は 皆無であろう 。 そういう 未来 の 世代 に この 体験 を どう 語り継いで いったら よい のだろう か 。 それ は 可能な こと な のだろう か 。 おくさ ず に 言えば 、 私 たち は 可能だ と 考える 。 確かに 、 体験 の 風化 は 不可避だ と 言った 。 だが 、 私 たち が 住んで いる 文明 や 文化 を 思い起こして みよう 。 これ ら は 前 の 世代 から 引き継いだ さまざまな 思想 や 精神 で 形作ら れて いる 。 その 思想 や 精神 は どうして 作ら れた のだろう か 。 多く の 祖先 の 喜び や 悲しみ の 体験 が 、 風化 して いく 中 で 、 なお 語り継が れ 蓄積 して 思想 や 精神 と して 結晶 した ので は ない のだろう か 。 そして 、 体験 が 結晶 して 思想 や 精神 に なった とき 、 それ は 世代 の 谷間 を 越えて いく 。 それ ゆえ に こそ 、 体験 の 風化 は 不可避であって も 、 私 たち は 語り継ぎ 、 語り継が ねば なら ない のである 。 八 月 に しか 平和 を 論じ ない と 皮肉ら れる “ 八 月 ジャーナリズム ” で さえ 、 語り継ぎ の 蓄積 と いう こと で 意味 が あろう 。 戦争 体験 の 思想 化 と は 「 平和 の 思想 」 に ほかなら ない 。 フランス の 核 実験 へ の 反対 が 世界 的な 広がり を みせて いる 。 唯一 の 被爆 国 である 日本 だけ で は なく 、 オーストラリア や ニュージーランド など 、 第 二 次 世界 大戦 の 敵 ・ 味方 、 勝者 ・ 敗者 に 関係なく 、 フランス 製品 の ボイコット の 動き など 反対 運動 が 盛りあがって いる 。 もちろん 、 現実 の 国際 政治 に おいて は 、 フランス のみ なら ず 中国 、 米国 内 に も 小規模な 核 実験 を 容認 する 動き が あり 、 非核 の 実現 は そう 簡単な もの で は ない 。 しかし 、 被爆 体験 の 有無 に かかわら ず 、 「 非核 の 思想 」 が 国境 を 超えて 結晶 化 して きて いる 事実 は 、 未来 を 告げる 予兆 と して 受けとれ ない だろう か 。 いま 、 世界 的 規模 で 広がって いる 「 非核 の 思想 」 は 、 「 環境 保全 の 思想 」 と しっかり と 通底 して いる 。 それ は 人口 爆発 、 食糧 危機 、 環境 汚染 など を くいとめ 、 地球 と 人類 の 滅亡 の 危機 を 防ごう と する 、 生存 へ の 切なる 願い である 。 だから 、 核 が 兵器 と して 地球 上 に 存在 し 、 環境 保全 が 人類 の 生存 に 不可欠である 限り 、 「 非核 の 思想 」 は 二〇四五 年 に も 二一四五 年 に も 輪 を 広げて 語り継が れて いく ので は ある まい か 。 私 たち の 社会 に とって 「 非核 の 思想 」 と は 、 「 平和 の 思想 」 と 同義語 である 。 とすれば 、 「 平和 の 思想 」 は 「 非核 の 思想 」 を 通じて 地球 と 人類 の 生存 の 思想 に 合流 し 、 歴史 の 流れ と なり 、 未来 の 世代 に 語り継が れて いく こと に なら ない だろう か 。 どうしても 付け加え なければ なら ない こと が ある 。 隣国 である 韓国 の 光復節 に ついて である 。 韓国 も 軍国 日本 の 支配 から 解放 さ れて 満 五十 年 を 迎えた 。 私 たち は 、 私 たち の 父祖 が 韓国 や 中国 、 アジア の 人びと に 犯した 過誤 を しっかり と 見つめ 、 子孫 と して の 道義 的 責任 を 痛感 し なければ なら ない 。 そして 、 過去 を 直視 する こと に よって はじめて 、 「 平和 の 思想 」 は 国境 を 超えた 広がり を もち 、 より 大きな 人類 共有 の 思想 に 育って いく のだ と 思う 。 そこ で こそ 、 私 たち は 過去 の 鎮魂 の 八 月 十五 日 から 、 未来 の 生存 の 八 月 十五 日 を 世界 の 人びと と 共有 できる ので は ない だろう か 。 新聞 は 、 毎日 ほぼ 決まった 時間 に 読者 の 手元 に 配達 さ れて いる 。 この 日本 特有 の 戸別 配達 制度 に は 、 全国 どこ に 住んで いて も 、 どんなに 遠隔 地 でも 、 等しく 廉価な 費用 負担 、 同一 紙 同一 価格 と いう 合理 的な システム で 、 毎日 、 情報 を 入手 出来る 、 と いう 特色 が ある 。 現在 、 日本 新聞 協会 に 加盟 して いる 全 新聞 の 総 発行 部数 の 九三 % は 戸別 配達 さ れて いる 。 一般 紙 の それ は 、 実に 九九 % に も 達して いる 。 だれ も が 公平に 、 正確で 良質な 情報 が 得 られ 、 ものごと を 判断 する 素材 と して 恒常 的に 活用 出来る こうした 新聞 の 仕組み こそ 、 日本 社会 の 安定 と 繁栄 、 知的 水準 の 向上 、 文化 の 発展 など を 支える 土台 的な 存在 、 あるいは 、 民主 主義 の 基礎 に かかわる 部分 、 と いった 評価 が 定着 して いる ゆえん の もの に ほかなら ない 。 この システム は 、 実は 、 メーカー が 価格 を 決め 、 販売 店 に その 価格 で 販売 する こと を 守ら せる 再 販売 価格 維持 制度 に よって 支え られて いる 。 独占 禁止 法 は 、 自由な 価格 競争 を 妨げる と して 、 本来 こうした 行為 を 禁止 して いる が 、 新聞 、 書籍 、 雑誌 を 含めた 「 著作 物 」 は 例外 と して 、 再販 が 法律 で 認め られて いる 。 公正 取引 委員 会 の 「 再販 問題 検討 小 委員 会 」 は 七 月 末 、 この 著作 物 の 再販 制度 の 見直し を 求める 中間 報告 を 発表 した 。 理論 的に は 再販 制度 自体 が 戸別 配達 を 維持 する 機能 を 持た ない 、 と したり 、 新聞 社 相互 間 の 競争 を も 抑制 する 弊害 が ある 、 など と した 内容 であり 、 私 たち は この 中間 報告 に 納得 でき ない 。 新聞 の 再販 が 適用 さ れ なく なった 場合 、 例えば 、 同 一紙 同一 価格 は たちまち 崩れる 。 販売 店 の 対応 は 効率 の よい 都心 部 に 集中 し 、 より コスト の かかる 遠隔 地 は 、 配達 が 切り捨て られたり 、 逆に 価格 が 引き上げ られる 事態 も なし と し ない 。 戸別 配達 制度 は 危機 に 陥る 。 「 価格 」 が 前面 に 出る 競争 は 、 商品 である 紙面 の 内容 を ゆがめる 事態 も 招いて しまう だろう 。 面白く さえ あれば …… と いった 記事 が 横行 し 、 劣悪な 紙面 、 低俗な 新聞 の はんらん は 目に見えて いる 。 書籍 の 分野 も 、 価格 の 張る 学術 的な もの 、 地味だ が 良心 的な 書籍 が 一般 の 書店 に 置か れ なく なる おそれ が 強い 。 一方 、 新聞 の 公共 性 は ほか から 干渉 を 受け ない 報道 の 自由 と 独立 の 上 に 形作ら れて いる 。 ルール の ない 過当 競争 は 新聞 の 経営 を も 脅かし かね ず 、 自由 と 独立 を 危うく する 。 この 再販 見直し の 一 つ の きっかけ は 、 日 米 構造 協議 を 受けて 、 独禁 政策 の 強化 、 規制 緩和 の 推進 の 一環 と して であった 。 しかし 、 新聞 の 再販 は 、 単に 、 価格 破壊 と いった 次元 で 考える 問題 と は 異なる 。 なぜなら 、 一部分 で 価格 が 下がって も 、 戸別 配達 制度 の 崩壊 から 生ずる 新聞 の 公共 性 の 損壊 、 ひいては 民主 主義 の 土台 に かかわる 損失 の 大き さ は 、 計り知れない から である 。 「 流通 」 だけ の 狭い 枠組み で 判断 する ので なく 、 日本 の 活字 文化 を 守って いく 、 と いう 長期 的な 利益 を 基本 に 考えて いき たい 。 その 前提 と して 、 販売 面 で の いっそう の 正常 化 、 健全 化 、 公正 化 の 努力 が 新聞 社 側 に 必要である こと は いう まで も ない 。 一 内閣 一仕事 と 言う が 、 村山 富市 首相 は 自ら 「 戦後 処理 内閣 」 と 称して きた の は ご 承知 の 通り だ 。 五十 回 目 の 終戦 記念日 に あたる 十五 日 、 政府 は 「 戦後 五十 年 に 当たって の 首相 談話 」 を 閣議 決定 し 、 首相 が 記者 会見 で 発表 した 。 さわり を 引用 して おこう 。 「 わが国 は 、 遠く ない 過去 の 一 時期 、 国策 を 誤り 、 戦争 へ の 道 を 歩んで 国民 を 存亡 の 危機 に 陥れ 、 植民 地 支配 と 侵略 に よって 、 多く の 国々 、 とりわけ アジア 諸国 の 人々 に 対して 多大の 損害 と 苦痛 を 与え ました 。 私 は 未来 に 過ち 無から しめ ん と する が 故 に 、 疑う べく も ない この 歴史 の 事実 を 謙虚に 受け止め 、 ここ に あらためて 痛切な 反省 の 意 を 表し 、 心から の お 詫び の 気持ち を 表明 いたし ます 」 表現 に 「 過去 の 一 時期 」 など あいまいな 部分 も あり 「 国策 を 誤った の は いつ の 時期 と 認識 して いる の か 」 と の 質問 に も 言葉 を 濁した 首相 だ が 、 英霊 と 遺族 に しか 顔 を 向けて い なかった ほんの 数 年 前 まで の 自民党 政権 下 の 首相 が かすんで 見える 。 さらに は 「 国境 を 超え 犠牲 者 に 哀悼 の 意 を 」 と の 遠慮がちな 言い回し で 「 加害 責任 」 に 言及 した 二 年 前 の 細川 護煕 元 首相 や 、 昨年 「 反省 」 を 強調 した 村山 首相 自身 の 言葉 など と 比較 して も 、 明快 そのもの だ 。 首相 は 昨年 八 月 三十一 日 に 今回 と 同じ ように 「 戦後 五十 周年 に 向けて 」 と 題する 談話 を 発表 、 被爆 者 援護 法 、 台湾 の 確定 債務 返済 、 サハリン 残留 韓国 人 永住 帰国 支援 、 元 従軍 慰安 婦 基金 創設 など 、 戦後 処理 問題 を ほぼ 一 年 がかり で 処理 して きた 。 私 たち は 村山 政権 に 対して 是々非々 を 貫き 、 決して 寛容な 論陣 を 張って きた わけで は ない し 、 個々 の 戦後 処理 の 問題 点 も 指摘 して きた が 、 改めて その 全容 を 眺めて 、 曲がりなりにも よく 取り組んで きた と 率直に 評価 して おき たい 。 今回 の 談話 は その 集大成 であり 、 終戦 記念日 の 談話 と して は 異例の 閣議 決定 に 持ち込んだ 意図 も 分かる 。 政権 基盤 が ぜい弱な 首相 が 自民党 に 連帯 責任 を 、 と 考えた のだろう 。 ぶざまだった 国会 決議 や 、 自民党 から 横やり が 入った 政府 主催 「 戦後 五十 年 を 記念 する 集い 」 に 対する 無念 さ も 読み取れる 。 しかし 、 やはり 言葉 は 言葉 で しか ない 。 毎年 八 月 十五 日 前後 に 閣僚 の 不穏当な 発言 が 飛び出し 、 アジア 近隣 諸国 など の 対 日 不信 を かきたてて きた 。 昨年 は 桜井 新 環境 庁 長官 の 、 今年 は 島村 宜伸 文 相 の 発言 で 揺れ 、 おまけに 首相 自身 の メージャー 英 首相 へ の 親書 を めぐる 不用意な 発言 が 尾 を 引いて いる 。 八 月 十五 日 だけ 神妙に なって も 真 の 謝罪 と 受け止め られ ない ので は なかろう か 。 また 首相 談話 の 具体 的 肉付け こそ 差し迫った 課題 だ 。 アジア 以外 の 国 の 元 日本 軍 捕虜 から も 戦後 補償 を 求め られ 始めて おり 、 中国 人 の 強制 連行 問題 など も 浮上 して いる 。 元 従軍 慰安 婦 基金 も そう 見通し が 明るい わけで は ない 。 到底 言いっ放し で すまさ れ ない のである 。 頼り と する もの と して は 信義 に 勝る もの は ない と の 意 だ が 、 これ を そのまま 首相 は 自戒 の 言葉 と して ほしい 。 村山 政権 が 終章 に 入って いる の は だれ の 目 に も 明らかだ が 、 言葉 だけ 飾って 、 後 は 他 人任せ と いう ので は 首相 の 信義 そのもの が 疑わ れる ので は ない か 。 社会 保険 は 大きな 壁 に ぶつかり つつ ある 。 高齢 化 と 少子 化 が 、 保険 の 実り を 受け取る 側 と 保険 料 支払い の 主力 に なる 側 の バランス を 揺さぶる 。 もう ひと つ 、 長い 景気 低迷 が 月収 の 伸び に 頼る 保険 料 収入 に 響く 。 国民 医療 費 の 伸び を 、 国民 所得 の 伸び の 範囲 内 に 抑える 厚生 省 の 方針 は 四 年 連続 で 崩れ 、 今 年度 も 続く 。 医療 保険 審議 会 は 、 この ほど 中間 報告 を まとめ 、 健康 保険 制度 全般 に わたる 問題 点 や 再 検討 課題 を 挙げた 。 真っ先 に 掲げた の は 「 老人 医療 費 の 適正 化 」 。 昨年 度 で 二十五・七兆 円 の 国民 医療 費 の 中 で 、 原則 七十 歳 以上 が 使う 医療 費 は 七・九兆 円 に 上り 、 総額 の 三一 % を 占める 。 この 老人 保健 制度 は 、 すべて の 健康 保険 制度 に よる 共同 事業 で 、 費用 の 七 割 を 拠出 し 、 残り は 公費 で 持つ 。 拠出 の 重荷 に あえぐ 健保 組合 が 増え 、 同 省 は 一九九七 年度 に は 抜本 的な 見直し を 約束 して いる 。 中間 報告 は 、 「 平均 で 見れば 高齢 者 世帯 の 所得 水準 と 若年 齢 世帯 と の 間 に あまり 差 は なく 、 資産 の 保有 状況 も 若年 齢 世帯 を 上回る 」 と 説く 。 つまり 、 現在 は 外来 で 月 千十 円 、 入院 で 一 日 七百 円 の 負担 で 済む が 、 「 受益 に 応じた 負担 」 を 検討 する と いう 。 しかし 、 通院 は ともかく 、 入院 すれば 、 その 程度 の 負担 で は 済まない の が 現状 だ 。 お 世話 料 、 おむつ 代 、 付き添い 料 など 大 都市 で は 月 に 軽く 十万 ― 二十万 円 の 保険 外 負担 が かかる 。 その 解消 策 を 明確に し ない 限り 、 国民 合意 は 得 られ ない 。 確かに 世帯主 六十五 歳 以上 の 家庭 で 一 人 当たり 年収 は 百八十万 円 。 全 世帯 平均 の 二百万 円 弱 に は 及ば ない が 、 三十 代 を 上回る 。 しかし 、 年金 や 貯蓄 の 高低 、 持ち家 か 借家 か など で 高齢 層 ほど 貧富 の 差 は 際立つ 。 この 低 所得 層 へ 手厚い 配慮 が 不可欠だ 。 本来 は 自宅 や 福祉 施設 で 暮らせる はずの 高齢 者 が 病院 で 晩年 を 送る 現状 を 何とか 打開 し たい 。 報告 書 も 介護 保険 を 軸 に する 「 新 介護 システム に よる サービス と 、 医療 保険 に よる サービス と の 間 で 適切な 役割 分担 を 図る 」 と 期待 する 。 この 介護 保険 構想 は 、 老人 保健 福祉 審議 会 を 主 舞台 に 検討 中 で 、 その 創設 も 九七 年度 を めど に して いる 。 報告 書 の 中 で 、 最初に 着手 さ れる 対策 は 「 薬剤 使用 の 適正 化 」 に なる だろう 。 国民 医療 費 の 中 で 老人 医療 費 に 匹敵 する 七・二兆 円 、 三〇 % 弱 を 占める 。 厚生 省 推計 で 見て 、 仏 の 二〇 % 、 独 一七 % 、 英 一六 % 、 米 一一 % と 比べ 飛び抜けて 高い 。 フランス で は 、 薬 ごと に 治療 上 の 必要 性 を 決め 、 保険 で 払う 率 を 全額 から ゼロ まで 細かく 分けて 、 薬剤 使用 の 抑制 を 狙う 。 まず 来年 から 複数 の 疾病 で 長期 療養 の 七十 歳 以上 の 患者 に 適用 する 。 薬漬け を 是正 する 、 そんな 対策 が 来年 の 診療 報酬 改定 期 に 向けて 検討 さ れる だろう 。 この 議論 の 場 は 、 中央 社会 保険 医療 協議 会 だ 。 医保審 、 老健審 、 中医協 と 入り乱れて 医療 ・ 保健 ・ 福祉 の 改革 を 論議 する 。 これ で グランド デザイン を 描き 、 整合 性 ある 制度 設計 や 制度 改善 が できる のだろう か 。 国民 に とって 、 もっとも 大事な 政策 形成 の 「 透明 性 」 は 、 視界 不良 に 陥って しまう 。 十五 日 に 日 米 独 など の 主要 通貨 当局 が 、 一斉に ドル買い の 協調 介入 に 出た ため 、 ドル高 の 流れ は さらに 加速 する こと に なった 。 介入 時点 の 円 相場 は 一 ドル = 九三 円 で 、 八〇 円 を 割った 時 と 比べて かなり 戻した 水準 。 そこ で 通貨 当局 が 協調 して 、 さらに ドル を 買い上げた の は 、 もっと 高い 目標 水準 が ある こと を 示して いる 。 通貨 当局 が 市場 に 送った メッセージ は 強烈だった 、 タイミング も よい 。 これ で 市場 心理 は 、 ドル高 へ 向かった 。 ドル の 買い手 に ボーナス を 払い 、 励ました 格好だ 。 四 月 の 先進 七 カ国 蔵 相 ・ 中央 銀行 総裁 会議 は コミュニケ で 為替 相場 の 「 秩序 ある 反転 」 を うたって いた 。 しかし 、 この ドル高 方針 の 実効 性 を 市場 は 疑い の 目 で 見て いた 。 今月 初め の 協調 介入 で 、 流れ が かなり 変わった 。 それ に 加えて 今回 の 介入 である 。 これほど 通貨 当局 の 足並み が そろった の は 、 十 年 前 の プラザ合意 以来 だろう 。 当時 は ドル高 の 是正 だった が 、 今回 は ドル安 の 是正 戦略 だ 。 大蔵 省 は 二 日 、 海外 投融資 促進 策 を 打ち出し 、 ドル高 ・ 円安 誘導 の 姿勢 を 鮮明に して いた 。 イニシアチブ を とって いる の は ルービン 米 財務 長官 だろう 。 一段 と ドル高 に する こと で 、 円安 、 マルク 安 に よる 日本 の デフレ 回避 、 ドイツ の 金融 緩和 継続 の 支援 を 狙って いる 。 とくに 円高 で 利益 を 得る 者 は 、 海外 で は 少ない 。 日本 の 金融 システム 不安 は 海外 で よく 知ら れて おり 、 円安 から 株 高 に なれば 、 不良 債権 問題 に とって プラス と の 読み も 入って いる のだろう 。 また 、 日 欧 の 景気 が 回復 すれば 、 米国 の 輸出 が 増え 、 世界 経済 の 浮揚 に つながる 。 米 経済 は 減速 して いる が 、 インフレ懸念 から 金利 を なかなか 下げ られ ない 。 だが 、 ドル高 に なれば 、 輸入 物価 が 下がる ので 、 利下げ の 環境 が 生まれて くる 。 日本 も 円安 に よって 輸出 の 採算 が 好転 して 、 かなり の 企業 収益 の 改善 が 期待 できる 。 経営 マインド も 明る さ が 増した 。 こうした こと を 反映 して 株式 も 急騰 して いる 。 こうした ドル高 ・ 円安 の 追い風 は 、 景気 を 上昇 軌道 に 乗せる ため の またと ない チャンス である 。 村山 内閣 は これ を 機 に 景気 対策 と して 、 第 二 次 補正 予算 の 策定 を 急ぎ 、 一層 の 利下げ の 機会 を 探る 必要 が ある 。 金融 システム 安定 の 措置 も 緊急の 課題 だ 。 破たん した 金融 機関 の 個別 処理 を 急ぐ と ともに 、 住宅 金融 専門 会社 の 清算 で 明確な 方針 を 早期 に 示し 、 実行 に 入ら ねば なら ない 。 規制 緩和 問題 も なかなか 進展 し ない 。 新 産業 、 新 事業 の 創出 に は 、 創造 的な 人材 の 育成 と ともに 、 規制 を 緩和 して 、 新しい ビジネス の 機会 を 増やさ ねば なら ない 。 だが 、 具体 論 に なる と 、 所轄 官庁 は 規制 緩和 に 依然 消極 的である 。 これ を 打ち破る に は 、 規制 を めぐる 情報 の 公開 が 決定 的に 重要である 。 情報 公開 制度 の 早期 確立 を 目指し 、 村山 富市 首相 は 陣頭 に 立つ べきだ 。 G 7 の ドル高 メッセージ の 効果 は 、 いつまで 持つ か 分から ない 。 景況 感 が 好転 し つつ ある この 時期 に 、 政府 は 日本 が システム 改革 に 乗り出す と いう メッセージ を 市場 に 送る べきな のだ 。 大蔵 省 の 海外 投融資 促進 策 の ように 、 何ごと も 果敢に 取り組めば 、 効果 は 出る もの だ 。 人事 に 尾ひれ は 付きもの である 。 この 夏 の 霞が関 人事 に ついて も 、 幾 つ か の うわさ が 流れた 。 その 一 つ に 「 民族 派 」 の 勝利 が ある 。 外務 省 の 経済 担当 外務 審議 官 に 小倉 和夫 駐 ベトナム 大使 が 起用 さ れた 。 小倉 氏 は 米国 を 「 理念 の 帝国 」 と 呼び 、 世界 の 米国 化 に 疑念 を 挟んで きた 論客 である 。 大蔵 省 の 国際 金融 局長 に 榊原 英資 財政 金融 研究 所長 が 就いた 。 同 ポスト は 大蔵 省 の 対 米 交渉 窓口 。 同氏 は これ まで 米国 の 対 日 批判 に 辛らつに 挑んで きた 。 かつて 通産 省 の 知 米 派 、 内藤 正久 産業 政策 局長 が 更迭 さ れた とき 、 親 米 派 の 放逐 と も 受け取ら れた 。 その 背景 に どろどろした 人事 抗争 が あった が 、 今回 は 違う 。 だから 民族 派 = アジア 派 の 官僚 制覇 が うわさ さ れる のである 。 うわさ は 「 ばからしい 」 と 無視 する こと も できる 。 両氏 と も 一言 居士 だ が 反米 派 で は ない 。 ただ 一 つ 言える こと は 、 官僚 組織 が アジア 重視 に シフト して いる こと である 。 外務 省 で は かつて は 北米 局 が 中心 に あった が 、 今 は アジア 局 に 移って いる 。 「 その頃 」 と は 明治 時代 の こと 。 明治 維新 から 五十 年 近く たって 、 日本 の 中 で 西洋 化 へ の 疑問 が 急速に 広がった 。 敗戦 後 の 日本 は 「 何でも 蚊 でも 」 米国 だった 。 ところが 五十 年 近く たって 、 反米 と いわ ない まで も 「 嫌 米 」 感 が 一気に 噴き出して きた 。 米国 離れ は 八〇 年 代 後半 から 急進 した 。 プラザ合意 後 の 円高 で 日本 企業 が 一斉に アジア に 移転 した 。 湾岸 戦争 で 一 人 一万 円 の 増税 を して 協力 した のに “ 小切手 外交 ” と あざ笑わ れ 、 深く 傷ついた 。 米国 の 激しい 日本 たたき に 「 NO と 言える 」 派 が 台頭 した 。 対外 経済 調整 を 最 重要 課題 と して 登場 した クリントン 政権 は 日本 の 対 米 観 に 決定 的な 変化 を もたらした 。 その 居丈高な 交渉 技術 だけ に 問題 が あった ので は ない 。 余り の 余裕 の な さ に 「 なんだ 、 米国 も 普通の 国 か 」 と の 落胆 を 生んだ のである 。 思えば 戦後 の 五十 年 は 、 まさに 日本 の 「 米国 化 」 だった 。 それ を 二 つ の 神話 が 支えた 。 安全 は 米国 が 保障 する と いう 神話 、 経済 は 絶対 的に 拡大 する と いう 神話 である 。 いま その 二 つ の 神話 が 揺らぎ 、 国民 は 不安に かられて いる 。 その 不安 を 突いて 出て きた の が 、 昨今 の 新 アジア 主義 と いえよう 。 もともと アジア 主義 は 明治 後 半期 に 極端な 西洋 化 へ の 反発 から 起こった 。 世界 秩序 なる もの は 列強 の 「 家法 」 < 陸 羯 南 > に すぎ ない と 批判 して 、 アジア の 覚せい に 日本 の 責務 を 置いた 。 アジア 主義 に は 「 アジア の 連帯 」 と 「 日本 の 盟主 」 の 二 つ の 命題 が 混然と して いた 。 どちら に どれ だけ 重き を 置く か で 、 さまざまな アジア 主義 が 生まれた 。 最後 は アジア の 「 日本 化 」 を 目指す もの と 攻撃 さ れ 、 敗戦 と ともに 消滅 した 。 では 新 アジア 主義 の 目的 は 何 か 。 「 われ こそ 新 アジア 主義 者 なり 」 と 名乗り出て いる わけで は ない し 、 その 理論 だて は まだ 判然と し ない 。 確かな こと は 、 彼ら が 米国 の 普遍 主義 を 強烈に 批判 する こと から 出発 して いる こと である 。 現代 の 諸悪 を すべて 「 米国 化 」 の 中 に 封じ込めて 、 漠然と した アジア 的なる もの に 陶酔 して いる ように も 映る 。 かつて の アジア 主義 者 が 、 すべて の 近代 の 矛盾 を 西洋 化 に なすりつけた ように 。 相対 主義 自体 に 誤り は ない 。 アジア の 伝統 精神 も 否定 し ない 。 しかし 自由 と か 人権 と いった 普遍 価値 は 絶対 的な はずだ 。 そこ から 生まれる あつれき は 、 耐えて 解決 し なければ なら ない 。 アジア 的なる もの に 逃げ込んで 、 解消 でき は し ない 。 日 米 関係 は 今後 、 一段 と 難しく なる だろう 。 民主 主義 の 成熟 ゆえ か 、 国民 国家 の 限界 な の か は 分から ない けれど 、 日本 も 米国 も 国民 の 利害 関係 が 分散 化 して いる 。 その 結果 、 政府 の 求心力 が 著しく 失わ れて いる 。 外交 交渉 は さらに 硬直 化 し 、 まとまる もの も まとまら なく なる に 違いない 。 政府 が 国 内 の 、 一握り の 反発 を も 恐れて 内 向き に 交渉 する ように なる から だ 。 加えて 社会 の 右傾 化 、 偏狭な ナショナリズム は 避け 難い 。 だからこそ 、 手遅れに なら ない うち に 確固たる 日 米 信頼 関係 の 構築 が 必要な のだ 。 米国 で は ナイ 国防 次官 補 ら が 安保 面 から 再 構築 を 試みて いる 。 日 米 の 知識 人 ら は いま 総力 を 挙げて 「 なぜ 日 米 の 協力 は 必要 か 」 の 理論 武装 を し なければ なら ない 。 仮に これ を 日 米 関係 の 「 太平洋 化 」 と でも 呼んで おこう 。 基本 は 日 米 の 連帯 こそ が アジア ・ 太平洋 の 平和 と 安定 の 礎 である と 確信 する こと 。 その ため の 協調 政策 を 編み出す こと 。 負担 は 日 米 で 折半 する こと 。 ただし 、 日本 は ハンディキャップ 国家 である 。 つまり 軍事 力 を 国家 運営 の 基盤 の 一 つ と する 「 普通の 国 」 で は ない 。 できる こと の 負担 が 過重に なって も 仕方 が ない が 、 でき ない こと は 、 やはり でき ない 。 それ を 国民 レベル で 理解 し 合う こと 。 今 なら まだ 間に合う 。 日 米 で ぎりぎり 詰めて 、 すべて を 明らかに して 、 国民 の 理解 と 支援 を 得る よう 努力 しよう 。 ある はず も ない 、 また あって は なら ない 「 離 米 入 亜 」 の 幻想 に 迷い 込ま ない うち に 。 なぜ 「 力 」 に 固執 する のだろう 。 どうして 「 独自 」 に こだわる のだろう 。 なんで そんなに 「 秘密 主義 」 な のだろう 。 中国 が 、 である 。 中国 は また 核 実験 を 強行 した 。 国際 世論 が こんなに 反 核 に 燃えて いる に も かかわら ず …… 。 中国 の 指導 者 は 国際 世論 を 一時的な 現象 と 高 を くくって いる の かも しれ ない 。 それ より も 長期 的な 国家 戦略 が 肝要 と 思い込んで いる のだろう 。 核 兵器 の 高度 化 を 核 実験 全面 禁止 条約 締結 前 に 達成 し たい 。 核 を 背景 と した 発言 力 を 強め たい 。 いま 多少 の 批判 を 受けて も 、 後 で 黙ら せれば よい 、 と でも 。 ソ連 と 東欧 で 社会 主義 国家 が 崩壊 した の は 、 理念 の 問題 と いう より 、 理念 を 振り回した 人間 が 弱かった から である 。 一握り の 指導 者 が 独善 に 陥った 。 国 内 の 世論 に 、 国 外 の 世論 に 、 傾ける 耳 を 持た なかった 。 では 中国 は どう か 。 ことさら 隣国 を 悪く 言う つもり は ない 。 日本 は つい 五十 年 前 に 多大の 被害 を 与えた 。 仲良く やっていか なければ なら ない 国 同士 である 。 だからこそ 言わ なければ なら ない 。 世論 に もっと 耳 を 傾けて ほしい と 。 もっと 国 を オープンに して ほしい と 。 力 の 政治 から 抜け出て ほしい と 。 なるほど 米国 や 旧 ソ連 は 過去 に 中国 と けた違いの 核 実験 を して きた 。 中国 だけ が あし ざま に 言わ れる の は 不合理だ と 言い たい の かも しれ ない 。 しかし 時代 は 変わった のだ 。 核 兵器 は いまや 絶対 悪 の 被告 席 に 立た さ れて いる 。 国際 世論 が こんなに 激しく 核 廃絶 を 訴える の も 、 地球 を これ 以上 痛めつけて は いけない と 祈念 して いる から である 。 南沙 諸島 問題 へ の 対応 と いい 、 台湾 周辺 で の ミサイル 演習 と いい 、 最近 の 中国 の 力 の 誇示 は 「 平和 の 配当 」 の 時代 に ふさわしい と は 言え ぬ 。 フランス は 核 実験 を 予告 し 、 国際 世論 の 非難 を 浴びて いる 。 中国 は 黙って 強行 し 、 その 事実 も 最小 限 に しか 明らかに し ない 。 どちら も 許し 難い が 、 中国 の 方 が なに か 後ろ暗い 。 日本 の 抗議 に 対し 中国 の 駐 日 大使 は 戦後 五十 年 決議 と 核 実験 反対 の 国会 決議 は 「 中国 の 立場 に 同情 して い ない 」 と 切り返した と いう 。 また ジュネーブ の 軍縮 会議 で 「 一部 の 国 は 軍事 同盟 の もと で 核 の 傘 の 保護 を 受け ながら 、 中国 を 批判 して いる 」 と 反論 した と 聞く 。 そう 言えば 日本 が ひるむ と でも 思って いる のだろう か 。 国民 は 戦後 五十 年 決議 に 不満 を 持って いる 。 反 核 運動 が アジア 非核 地帯 創設 に 結びつか なければ いけない と 念じて いる 。 だからといって 中国 の 核 実験 を 「 やむ を 得 ない 」 と 「 同情 する 」 わけに は いか ない 。 政府 は 中国 へ の 無償 資金 協力 の 一層 の 抑制 を 検討 する と 発表 した 。 新進党 は 政府 開発 援助 の 全面 凍結 を 要求 した 。 いずれ に しろ 日本 は 中国 に はっきり した 抗議 の メッセージ を 送ら ねば なら ない 。 援助 が 軍事 力 強化 に つながる なら ODA 大綱 に も 抵触 する 。 外務 省 は 「 日 中 関係 を 損なって は 」 と 心配 して いる ようだ が 、 「 損なう 」 行為 を して いる の は 中国 である 。 何度 も 繰り返す こと に なる が 、 核 に 対して 日本 は もっと 積極 的に 発言 して いく べきである 。 相手 の 立場 や 過去 を おもんぱかって 、 発言 を ためらって は かえって 禍根 を 残す 。 中国 の 「 独自 」 路線 が 「 孤立 」 化 に なら ない と も 限ら ない のだ 。 いま 、 多く の 経営 者 や ビジネスマン は ある 種 の 「 高所 恐怖 症 」 に 陥って いる ので は なかろう か 。 もちろん 物理 的な 高所 を 怖がって いる ので は ない 。 経済 の 国際 化 が 進み 「 大 競争 」 状況 と いわ れる 時代 。 企業 の 生産 性 を 高め なければ アジア を はじめ と した 新興 工業 国 に 敗れ 、 生き残れ ない 。 しかし 、 どこ まで 頑張れば いい の か 。 みんな で 生産 性 を 上げ 輸出 を 増やせば 、 その分 、 為替レート で 円高 が 進む ―― と いう イタチゴッコ と なり 、 目標 が 見いだせ ない まま ひたすら 上昇 を 強い られる 現状 に 不安 を 感じて いる のである 。 そして 、 こうした 意識 を 積み上げ 、 マクロ 的に 見れば 「 産業 構造 の 高度 化 を どう 進める か 」 と いう 命題 と なる 。 旗振り 役 の 通産 省 も 「 もう 一段 の 高度 化 を 達成 し なければ 産業 の 空洞 化 を 防げ ない 」 と し ながら 「 明確な シナリオ は 描け ない 」 と 危機 感 を あらわに して いる 。 戦後 五十 年 。 日本 経済 の 歩み を 産業 構造 の 観点 から 見れば 、 重 化学 工業 から エレクトロニクス産業 へ 、 見事な まで の 高度 化 に 成功 した 軌跡 であった 。 その 結果 、 「 強 すぎる 産業 」 が 急激な 円高 を 招き 、 いま 、 未知の 領域 へ の 高度 化 を 迫ら れて いる と 言えよう 。 終戦 直後 、 日本 経済 は 都留 重人 氏 が 最初の 経済 白書 に 「 国 も 赤字 、 企業 も 赤字 、 家計 も 赤字 」 と 書いた ように 、 文字通り ゼロ から 再 出発 した 。 この 時 、 緊急 政策 と して 実施 さ れた の が 有名な 「 傾斜 生産 方式 」 だった 。 石炭 と 鉄鋼 の 増産 を 拠点 目標 と し 、 この 増産 の 成果 を 段階 を 追って 他の 産業 に 及ぼして いく と いう 戦略 。 たまたま 朝鮮 戦争 が 勃発 、 特需 が 発生 した こと も あり 、 ほぼ 十 年間 で 復興 した 。 二十 年間 に わたる 高度 成長 時代 は まず 鉄鋼 、 石油 化学 を 柱 と した 重 化学 工業 が 、 次いで 家電 、 自動車 産業 が リーディング 産業 と なり 「 二 段 式 ロケット の ような 成長 」 を 実現 した 。 二十 余 年前 に なる オイルショック 以降 は エレクトロニクス が リーダー の 座 に 就いた 。 半導体 の 超 高 密度 化 と 電子 応用 技術 の 融合 で カメラ や 時計 の 産業 機械 、 NC 工作 機械 、 マイクロコンピューター など の 部門 が 花 開いた 。 「 ジャパン ・ アズ ・ ナンバーワン 」 と 言わ れた こと が 、 産業 構造 高度 化 の 成功 を 端的に 物語って いる 。 こうした 産業 構造 の 高度 化 は 、 技術 革新 と 消費 の 拡大 が 有機 的に 結びついた 成果 と さ れて いる 。 「 大量 生産 、 大量 消費 」 に 産業 界 が うまく 対応 した 、 と いう わけだ 。 しかし 、 ここ で 忘れて は なら ない 事実 が ある 。 それ は 、 産業 構造 的に は 「 フル セット 」 主義 を 貫いた ことだ 。 素材 の 生産 、 加工 組み立て ―― と いう 一貫 工程 が 日本国 内 で 完成 して いて こそ 「 産業 大国 」 化 が 可能だった のである 。 おそらく 「 島国 」 と いう 立地 条件 が 、 こうした フル セット 主義 を 選択 さ せた のであろう 。 資源 が ない 我が国 は 海外 から 資源 を 輸入 、 加工 した 製品 を 輸出 する こと で 生存 して いく しか ない 。 その ため に は 、 最も 効率 的な 産業 構造 を 実現 する 必要 が ある 、 と の 思想 である 。 明治 維新 以来 、 営々と 目指して きた 結果 、 ちょうど 十 年 前 に 実現 した の が 「 経済 大国 」 の 座 だった 。 現在 、 問わ れて いる の は 、 「 強 さ の 源泉 」 である フル セット 型 の 産業 構造 な のである 。 例えば エレクトロニクス 技術 を 駆使 した 家電 産業 など の 一部 は 一 ドル = 八〇 円 でも 価格 競争 力 が ある が 、 鉄鋼 、 石油 化学 など 素材 産業 と 下請け 企業 の 多く は 国 内 で は 生産 でき ず 、 海外 に 生産 拠点 を 移転 せ ざる を 得 なく なって いる のだ 。 言い換えれば 、 円高 でも 国 内 で 生き残れる 産業 と 海外 に 追い出さ れる 産業 と の 二 極 分化 が 急ピッチで 進み 、 フル セット 型 の 産業 構造 の 分解 が 始まって いる のである 。 生産 性 の 二 重 構造 だ 。 それだけに 事態 は 容易で は ない 。 「 すべて の 産業 の 生産 性 を 上げ 、 産業 構造 を 高度 化 する 」 と いって も 、 具体 的な 答え は 簡単に 見いだせ ない 状況 な のだ 。 では どう する か 。 残念 ながら 青写真 は 示さ れて い ない 。 が 、 一 つ だけ 言える の は 「 フル セット 主義 を 離れた 産業 構造 構築 を 目指す べきだ 」 と いう ポイント である 。 フル セット 型 の 産業 構造 は 、 日本 だけ 繁栄 すれば よい 、 と いう 「 一 国 繁栄 主義 」 に つながる 発想 である 。 アジア なか でも 東 アジア が 世界 の 成長 センター と して 発展 、 企業 内 の 国際 分業 が 進展 して いる 今 、 日本国 内 だけ を 考えて 「 空洞 化 」 と 言って おれ まい 。 このように 見て くれば 「 一 国 繁栄 主義 」 を 放棄 し 、 アジア 地域 と 共生 する こと が 、 新しい 産業 政策 を 構築 する 理念 と 思わ れる 。 イメージ 的に 言えば ネットワーク 型 の 産業 構造 である 。 その ため に は 外国 人 労働 者 の 扱い を どう する か 、 法人 税 など の 税制 を どう 調整 する か 、 失業 者 対策 に どんな 手 を 打つ か 、 など 難しい 問題 が 横たわって いる 。 だが 、 避けて 通る わけに は いか ない 。 勇気 を 出して 「 高所 恐怖 症 」 を 克服 する こと が 、 待ったなし の 緊急 課題 な のである 。 わが国 の 裁判 所 、 なか でも 最高裁 は 謙抑 的である 。 「 違憲 審査 権 の 行使 に 消極 的 」 と 言わ れ 、 「 行政 追随 」 と 酷評 さ れる 場面 も 多い 。 その ため か 「 司法 安定 の 時代 」 と いう 逆説 的な 批判 すら 登場 して いる 。 国 が 当事 者 に なった 民事 ・ 行政 訴訟 の 統計 年報 に よる と 、 昨年 一 年間 で 千二百 件 余 の 判決 が あった 。 国 側 の 勝訴 は 一部 勝訴 を 含めて 千百 件 を 超え 、 勝訴 率 は 九五・四 % に も なる 。 国 相手 の 訴え は まず 通ら ない と いう こと を 示す 。 こんな ところ に 行政 追随 を 感得 する 人 は 多い 。 司法 の 役割 は 、 紛争 の 法的 解決 に とどまら ない 。 国民 から の 訴え を 契機 に 、 違憲 審査 権 に 基づく 立法 ・ 行政 へ の 牽制 、 そこ から 波及 する 政策 形成 機能 も 担う べき 任務 であろう 。 ところが 、 現状 は 経済 団体 から も 「 本来 の 機能 を 果たして おら ず 、 存在 感 すら 薄れて いる 」 と 言わ れる 。 国民 の 信頼 を 失う だけ で なく 、 国会 、 政府 と の 三 権 分立 の 鼎立 関係 も いびつに なり かね ない 。 「 もしも 」 は 歴史 を 語る に 禁句 である 。 それ でも 、 今 の 司法 を 考える のに 「 もし 最高裁 スタート の 時 に 、 行政 から の 独立 を 訴え 続けた 最後 の 大審院 長 ・ 細野 長良 氏 が 初代 長官 争い で 敗れて い なかったら …… 」 と 思わ ざる を 得 ない 。 細野 氏 は 敗戦 直後 の 一九四六 年 二 月 、 戦前 の 大審院 体制 から 新 最高裁 体制 へ の 転換 期 に 大審院 長 に 就任 した 。 連合 国軍 総 司令 部民 政局 司法 担当 の A ・ オプラー 氏 は 回想 録 の 中 で 「 細野 は 純真で ほとんど 怒り を 露 に した 情熱 を 持って 、 司法 の 行政 から の 独立 を 語った 」 と 述べて いる 。 独立 ・ 不羈 の 司法 作り に 不可欠の 人物 と 映った 。 ただ 、 気質 が 激しく 妥協 を 許さ ない 「 型破りの 性格 」 だった ようだ 。 戦前 、 大審院 を 含めて 裁判 所 は 司法 大臣 の 監督 下 に あった 。 当時 を 知る 元 最高裁 判事 に よる と 、 裁判 官 は 検事 の 風下 に いる ような 状態 に あり 、 俸給 の 面 でも 実質 的に は 低かった 。 細野 氏 は これ に 我慢 が なら ず 、 行政 から の 独立 と 、 裁判 官 優遇 の 司法 制度 作り に 奔走 した 、 と いう 。 細野 氏 は 大審院 長 と いう 立場 から 初代 長官 の 有力 候補 だった 。 オプラー 氏 の 信頼 も あった 。 だが 、 性格 が 災い した の か 、 裁判 官 の 間 に 「 彼 だけ に は 長官 に なって ほしく ない 」 と いう 反 細野 色 が 広がり 、 長官 どころ か 最高裁 入り すら 果たせ なかった 。 当時 を 語る 資料 を ひもとく と 、 最高裁 判事 の 任命 過程 で 法曹 人 の したたかな 姿 が 浮かび上がる 。 「 任命 諮問 委員 会 」 を 設置 して 、 三十 人 の 判事 候補 を 選出 し 、 この 中 から 内閣 が 十五 人 を 任命 する と いう 手順 が 取ら れた 。 反 細野 の 機運 の 中 、 細野 氏 は 候補 枠 から 漏れた 。 この 委員 会 決定 は GHQ の クレーム で 停止 と なる 。 「 新 憲法 下 の 内閣 が できる まで 待つ べきだ 」 と いう の が 理由 だ が 、 その実 は 細野 氏 へ の 支援 だった ようだ 。 片山 哲 首相 の 連立 内閣 誕生 を 待って 、 第 二 次 諮問 委員 会 が 作ら れた が 、 裁判 官 互選 の 諮問 委員 の 選出 で 不祥事 が 起きた 。 細野 氏 に 近い 人 を 委員 会 に 入れ ない ため の 工作 と しか 思え ない ニセ 電報 が 、 全国 の 裁判 所 に 打た れた のである 。 その 影響 か 、 再び 細野 氏 は 候補 枠 から 外れた 。 ニセ 電報 は 刑事 告発 に まで 進み 、 当時 の 新聞 は 「 選挙 に 不正 」 と 報じて いる 。 諮問 委員 会 の 審議 に も 問題 が あった 。 諮問 委員 の うち 何 人 か が 、 自ら 判事 候補 に 入った のである 。 「 委員 の 中 から 判事 候補 を 出す の は 疑惑 を 招く 」 と いう 意見 も 出た が 、 「 委員 の 互選 は さしつかえ ない 」 と して 選考 は 進め られた と いう 。 二 度 目 の 委員 会 決定 に 対して 、 もう GHQ に 拒否 の 大義 は なかった 。 諮問 委員 を 含む 十五 人 の 新 判事 が 片山 内閣 に よって 任命 さ れ 、 四七 年 八 月 、 最高裁 は スタート した 。 新 判事 の 中 に 諮問 委員 が 入って いる の を 知り 、 GHQ 係官 は 「 アメリカ に は 『 互いに 背中 を 掻き 合う 』 と いう 諺 が ある 。 まさしく それ です ね 」 と 笑った と いう 。 諮問 委員 会 の 制度 は 廃止 と なった 。 任命 過程 は ともかく 、 新 判事 十五 人 が 当時 の 法曹 界 を 代表 する 人物 だった こと は 間違い なかろう 。 ただ 、 こと 行政 と の 関係 で は 、 エキセントリックな まで に 行政 と 対峙 した 細野 氏 と 比較 して 、 「 穏健 」 であった と 推測 できよう 。 もし 、 細野 氏 が 長官 に 就任 して いたら 「 行政 追随 ・ 消極 主義 」 と いった 事態 は あった だろう か 。 その後 の 司法 の 流れ は 変わって いた ので は ない か 。 そんな 思い を 抱いて きた 法曹 人 は 少なく ない 。 最高裁 を 含めた 司法 の 改革 に 向け 、 日本 弁護 士 連合 会 は 処方箋 を 提言 す べく 今 、 取り組んで いる 。 ほとんど 無実 化 して いる 「 国民 審査 制度 」 の 改善 策 、 開か れた 形 で の 「 任命 諮問 委員 会 」 の 復活 案 も 上がって いる 。 だが 、 直ちに 現実 化 する 実効 策 が 見つかって いる わけで は ない 。 「 いい 裁判 官 は 自分 の 職務 を 広く 解する 」 と いう 諺 が イギリス に ある 。 司法 が 消極 姿勢 に 陥る こと を 戒めた 言葉 、 と 見 たい 。 こんな 諺 が 時代 を 超えて 残って いる ところ に 、 長い 改革 史 が うかがえる 。 歴史 の 歯車 に は 残念 ながら 逆 回転 は ない 。 「 いい 裁判 官 」 を 求め 得る か どう か は 、 国民 が 司法 問題 を 自ら の テーマ と して 、 どこ まで 改革 に コミット する か に かかって いる ので は ある まい か 。 河野 洋平 副 総理 ・ 外 相 と 橋本 竜太郎 通産 相 が 二十一 日 、 相次いで 自民党 総裁 選 へ の 出馬 を 表明 した 。 自民党 一 党 支配 時代 と は 異なり 、 総裁 選 は 必ずしも 首相 選び に 直結 する もの で は なく なった 。 しかし 、 現在 の 長期 化 した 政治 の 漂流 が 、 多分 に “ ポスト 村山 ” の 政権 受け皿 を めぐる 比較 第 一 党 、 自民党 内 の 争い が 未 決着 の 状態 に ある こと に 起因 して いる こと も 事実 である 。 次の 政権 の 座 を 明確に 視野 に 入れた 総裁 選 の 結果 が 、 村山 富市 首相 の 退陣 問題 や 解散 ・ 総 選挙 含み の 政局 に 大きな インパクト を 与える こと は 必至であり 、 総裁 選 の 行方 は 有権者 である 約 百五十万 人 の 党員 ・ 党友 だけ で なく 、 国民 全体 と して も 大きな 関心 事 である 。 総裁 選 は 河野 、 橋本 両氏 の 一騎打ち と なる 方向 が ほぼ 確実 と なって いる が 、 両氏 に は 総裁 選 が 単なる 一 政党 の 党首 争い に とどまら ず 、 日本 丸 の リーダー 選び に つながる と の 認識 と 気概 を もって 正々堂々と 争う よう 望んで おき たい 。 当然の こと ながら 総裁 選 の 争点 は 、 二十一 世紀 の 到来 を 控え 日本 の 針路 を どう 設定 する か 内外 政 に わたる 日本 政治 の 方向付け と 、 党 内 的に は 党 改革 問題 に なろう 。 これ まで の 河野 、 橋本 両氏 の 政治 家 と して の 行動 、 主張 など から する と 、 河野 氏 の 護憲 ハト派 色 が 定着 して いる の に 対し 、 橋本 氏 は ナショナリスト 的な 色合い が 濃い 。 国家 観 、 歴史 観 、 大きな 政府 か 小さな 政府 か 、 護憲 か 改憲 か など 政治 理念 、 国 の 基本 政策 に ついて 両者 の 主張 に は かなり の 隔たり が あり 、 本来 であれば 鋭い 対決 の 中 で 白熱 した 論争 が 期待 さ れる ところ だ 。 ところが 、 参院 選 が 終わって から 今日 まで の 総裁 選 を にらんだ 両者 の 行動 の 軌跡 を 見る と 、 全く 奇妙な 現象 が 起きて いる 。 河野 氏 は 、 タカ 派 集団 と 見 られて きた 旧 三塚 派 の 領袖 、 三塚 博 氏 を 党 の 幹事 長 に 据え 、 河野 氏 の アイデンティティー である 護憲 ハト派 色 は 極めて あいまいな もの に なった 。 一方 、 日本 遺族 会 会長 で も ある 橋本 氏 は 従来 、 歴史 観 、 太平洋 戦争 へ の 認識 など で は 明確に ハト派 と は 対立 する 考え を 表明 して きた が 、 「 戦後 五十 年 の 国会 決議 」 で は 決議 実現 に 向け 遺族 会 の 取りまとめ に 動いた の を はじめ 、 先 の 「 戦後 五十 年 の 首相 談話 」 作成 に 際して も 、 当初 文案 の 「 終戦 」 を 「 敗戦 」 に 改める よう 進言 する など 、 にわかに ハト派 色 を 打ちだした 。 いずれ も 総裁 選 を 強く 意識 し 、 支持 基盤 の 拡大 を もくろんだ 戦略 的 意味 合い が 濃厚だ 。 包括 政党 である 自民党 の 党首 と いう からに は 、 狭量な 考え で は 務まら ない の は 自明の 理 だ が 、 両氏 が 自ら の 基本 的な 政治 理念 や 政策 まで オブラート に 包み 、 多数 派 工作 を 進めよう と いう の に は 、 首 を かしげ ざる を 得 ない 。 これ で は 党員 ・ 党友 は 何 を 基準 に 投票 して いい の か 選択肢 が 不鮮明な ばかり か 、 総裁 選 を 注視 する 国民 に とって も 分かり にくく 、 総裁 選 の 意義 そのもの を 自己 否定 する もの だ 。 政党 活動 に 国民 の 税金 を 充てる 政党 助成 法 に より 政党 の 公的 存在 性 は 一段 と 高まった 。 河野 、 橋本 両氏 に は 、 公開 討論 など の 場 を 通じ 自ら の 政治 的 スタンス を 明確に 提示 し 、 「 国民 に 開か れた 総裁 選 」 と する よう 強く 注文 して おき たい 。 「 生物 多様 性 国家 戦略 」 の 原案 が 環境 庁 で まとめ られ 、 二十五 日 まで 原案 に 対する 国民 の 意見 が 求め られて いる 。 インドネシア で 十一 月 に 開か れる 生物 多様 性 条約 の 締約国 会議 へ 、 各国 政府 が 報告 を 義務づけ られて いる もの だ 。 公表 さ れて いる 原案 は 、 一見 する ところ 遠望 する 富士山 の ように 美しい 。 だが 近寄って つぶさに 点検 する と 欠陥 が 目立つ 。 生物 の 多様 性 と は 多種 類 の 動植物 が 、 自然の 状態 で 方々 に 分布 し 、 群生 して いる 有り様 を 指す 。 大きく は 生態 系 が 、 小さく は 遺伝子 が 多様に 保た れて い なくて は なら ない 。 だが 、 総務 庁 の 行政 監察 「 野生 動植物 の 保護 調査 」 が 警告 する 通り 、 高度 経済 成長 の 果て に 自然 が 残り 少なく なった 今もなお 、 日本 列島 に は 開発 優先 が まかり通り 、 動植物 へ の 仕打ち は 目 に 余る 。 生物 の 多様 性 を 保つ こと は 、 人類 に とって も 医薬 品 や 農作物 の 原種 の 情報 源 と なる 。 美 意識 と 倫理 を も 鍛えて くれる 。 いわば 文化 と 文明 の 基盤 である と いえよう 。 だが 、 いま 日本 列島 で は 百十 種 の 動物 と 百四十七 種 の 植物 が 絶滅 に 追いやら れよう と して いる 。 従って 「 生物 多様 性 国家 戦略 」 は まず 、 自然 破壊 を もたらした 開発 の あり 方 と 法律 の 不備 の 反省 に 立ち 、 万難 を 排して 日本 列島 で 保護 、 回復 し なくて は なら ない 生物 多様 性 の 対象 を はっきり さ せる こと だろう 。 次に 、 どのような 方法 で 生物 の 多様 性 を 守り 、 資源 と して 「 持続 可能な 利用 」 を 図る の か 、 が 明らかに さ れ なくて は なら ない 。 だが 原案 は 自然 と 共生 して いこう と 望む 時代 の 求め に 及び腰 で 、 開発 より 上位 に 生物 多様 性 を 位置づけ 、 保護 しよう と する 明確な 意思 と 手段 を 欠いて いる 。 政府 各 省庁 が 寄り集まり 、 それぞれ の 省庁 益 と も いう べき 事業 と 開発 に 支障 の 出 ない 範囲 で 、 現在 すでに 行って いる 自然 環境 へ の 配慮 を 総花 的に 追認 し 、 羅列 して いる こと に 気 が つく 。 四十 年 に 及ぶ 工業 化 政策 の 急激な 開発 の 果て に 、 日本 列島 の 山 も 川 も 海 も 、 自然 は 虫食い 状 に 荒らさ れて しまった 。 そして なお 、 取って置き の 国立 公園 や 自然 環境 保全 地域 の 間近 へ 、 林道 が 延び 、 農地 が 開拓 さ れ 、 水辺 が つぶさ れて いく 。 原生 林 に 取り付ける 大規模な 林道 計画 に 反対 する 人々 が 全国 から 東京 に 集い 、 抗議 の 集会 に 加わって いる 。 このような 現実 を 直視 する ならば 、 緊急に 必要な 「 生物 多様 性 国家 戦略 」 と は 、 動植物 を その 本来 の 生息 域 ぐるみ 、 生態 系 と して 保護 する 視点 に 立つ 新たな 開発 管理 の 政策 で なくて は なら ない 。 長良 川 河口堰 や 大規模 林道 に み られる ように 、 社会 情勢 が どう 変わろう と 事業 目的 は 変え ない 、 自然 保護 へ の 配慮 は 開発 の “ おまけ ” だ と いう 今 まで の 考え 方 を 逆転 さ せ なくて は なら ない 。 動植物 の “ 残り ダネ ” を 動 ・ 植物 園 や 水族 館 に 閉じ込めよう と する ので は なく 、 本来 の 自然の 生息 域 そのもの を 保護 区 に 線引き する など の 政策 が 決断 さ れて こそ 「 生物 多様 性 国家 戦略 」 の 名 に 値しよう 。 十一 月 の 締約国 会議 まで に まだ 時間 は 残さ れて いる 。 政府 に 再考 を 促す と ともに 、 国民 、 読者 の 皆さん の 発言 、 提案 に 期待 し たい 。 九 月 半ば まで に 環境 庁 自然 環境 調査 室 へ 。 問い合わせ ともに 。 モスクワ で クーデター 事件 が 発生 し 、 世界 が かたず を のんで 経緯 を 見守った の は 一九九一 年 八 月 だった 。 この 事件 で ゴルバチョフ ・ ソ連 政権 の 命脈 は 尽き 、 エリツィン ・ ロシア 大統領 の 天下 と なった 。 ソ連 共産党 は 解散 し 、 ロシア は 十 月 革命 以来 の 共産党 支配 体制 に 終止符 を 打った 。 この 年 の 十二 月 に は ソ連 自体 が 世界 地図 から 消える 激変 が 続いた 。 それ から 四 年 。 エリツィン 政権 に よる 改革 は どの 程度 、 実績 を 上げた の か 。 中間 的な 総括 を 試みる の は 無駄で は ある まい 。 最大 の 変化 は 、 かつて の 全体 主義 体制 の 閉鎖 性 と 重苦し さ が 取れた こと だろう 。 自由 化 は すでに ゴルバチョフ 政権 時代 に 大きく 進んで いた が 、 共産党 の 一 党 支配 が 終わった こと は 決定 的な 違い を 生んだ 。 ロシア の 現状 に さまざまな 批判 は 抱いて いて も 、 国民 の 大 多数 は スターリン 的な 全体 主義 体制 へ の 回帰 を 望んで い ない 。 この 点 に 関して は 、 ロシア は 後戻り の きか ない ところ まで 来た と いえる 。 だからといって 、 ロシア に 民主 主義 が 定着 した と は いえ ない 。 エリツィン 大統領 は 「 法 の 支配 」 「 人権 尊重 」 「 多元 的 価値 の 共存 」 を 約束 した が 、 西側 民主 主義 と の ギャップ は 極めて 大きい 。 大統領 は 人気 取り や 時流 を 読む 勘 に は たけて いる が 、 国民 に 奉仕 する 公僕 意識 は 持ち合わせて い ない 。 最も 得意 と する の は 、 自ら 危機 を 演出 し 、 相手 を 倒す こと で 強 さ を 誇示 する 闘争 劇 である 。 その 手法 は 旧 議会 の 武力 解体 や チェチェン 進攻 で 多く の 批判 を 招いた 。 この ところ 大統領 は 側近 依存 の 密室 政治 に 傾き 、 行政 を チェック す べき 議会 は 無気力に なって いる 。 国民 は 政治 と 政治 家 に 軽べつ に 近い 不信 感 を 示して いる 。 この 四 年 で 民主 主義 が 進展 した と は とても 言え ず 、 大統領 と 側近 に よる 政治 の 私物 化 ばかり が 露骨に なって いる 。 経済 面 で は 企業 の 民営 化 が 進み 、 統計 で は ロシア の 国 内 総 生産 の 六〇 % 以上 を 民間 部門 が 占める に 至った 。 だが 、 民営 化 の 流れ に 乗って いい 思い を して いる の は 、 国営 企業 や 資源 など 国家 資産 に アクセス を 持つ 党 や 治安 機関 の 元 幹部 、 これ と 結託 した 官僚 だ 。 「 旧 特権 層 に よる 国家 資産 の 分捕り 」 が 民営 化 の 実体 と も いえる 。 治安 の 崩壊 は 目 を 覆う ばかりで 、 マフィア に よる 暗殺 事件 は 日常 茶飯事 。 マフィア は 銀行 など 合法 的な 事業 に も 進出 し 、 ビジネスマン に 変身 した 旧 特権 層 や 腐敗 官僚 と ともに 新 富裕 層 を 形成 して いる 。 新 ロシア の サクセスストーリー の 主役 は 、 いかがわしい 一 発 屋 、 ヤミ屋 、 政商 であり 、 「 額 に 汗して 働く 者 が 報われる 」 健全な 社会 と は ほど遠い 。 自由 と アナーキー が 奇妙に 混在 して いる の が 、 クーデター 四 年 目 の ロシア だ 。 ゴルバチョフ 政権 が 始めた 世直し は なお 未完 であり 、 将来 の 展望 も 立て 難い 。 しかし 、 ロシア は 大国 であり 、 その 今後 が 世界 規模 の 影響 を 及ぼす の は 間違い ない 。 地理 的に モスクワ より 東京 の 方 が 近い ロシア 極東 部 は 、 今後 の 経済 建設 に 向け 日本 と の 関係 強化 を 望んで いる 。 この先 、 ロシア の 政治 ・ 経済 が どのような コース を たどる に せよ 、 日本 は 極東 部 を 中心 に できる かぎり 交流 の パイプ を 広げ 、 将来 へ の 布石 と す べきだろう 。 私 たち の 周り で 、 いく つ も の 「 赤 信号 」 が ともって いる 。 その 多く は 、 経済 大国 を 支えて きた もの だ 。 中でも 「 安全な 社会 」 と 国 の 危機 管理 に ついた 危険 信号 は 、 ひときわ 激しく 点滅 して いる ように 見える 。 「 世界 一 安全な 国 日本 」 。 自他とも に 認め 、 「 神話 」 の 仲間 入り を した 。 しかし 、 銃 汚染 が 「 黄 信号 」 の ボタン を 押し 、 今年 、 阪神 大 震災 と オウム 真理 教 を めぐる 事件 が 「 赤 信号 」 に 変えた 。 私 たち は 、 この 大事な 財産 を どう すれば 取り戻す こと が できる のだろう か 。 これ まで 、 安全な 社会 の 柱 は 何 であった の か を 考える 時 、 日本 人 の 集団 主義 に 突き当たる 。 海外 の 研究 者 を 含め 、 多く の 分野 の 専門 家 が 日本 社会 を 分析 する ため の キーワード と して 、 等質 性 と ともに 集団 主義 を 挙げて きた 。 一九七九 年 六 月 、 アメリカ の 著名な 知日 家 二 人 が 話題 を 呼んだ 日本 論 を 出版 した 。 ハーバード 大 教授 、 E ・ ボーゲル 氏 の 「 ジャパン アズ ナンバーワン 」 と 、 元 駐 日 大使 、 E ・ ライシャワー 氏 の 「 ザ ・ ジャパニーズ 」 である 。 二 人 の 集団 主義 に 対する 評価 は 対照 的な もの だった 。 ボーゲル 氏 は 「 日本 の 成功 を 解明 する 要因 を 一 つ だけ 挙げる と する ならば 、 それ は 集団 の 知識 の 追求 と いう こと に なる だろう 」 と 、 積極 的に 評価 した 。 ライシャワー 氏 は 「 日本 人 と アメリカ 人 と の 違い の うち 、 いちばん 顕著な もの は 、 日本 人 が 集団 を 重視 し 、 時に は 個人 が 犠牲 に さ れる こと も ある 、 と いう 点 である 」 と 否定 的な 文脈 だ 。 二 人 と も 指摘 した の は 、 集団 主義 に は 所属 する 組織 へ の 強い 忠誠 心 が 伴って いる ことだ 。 忠誠 の 対象 は 、 時代 に よって 変わる 。 江戸 時代 は 家 ・ 村 あるいは 藩 であった が 、 明治 以降 は 国家 に 、 戦後 は 企業 へ と 移る 。 二 冊 の 日本 論 が 出版 さ れた 年 、 東京 地検 特捜部 は 米 航空 機 売り込み を めぐる 日商 岩井 事件 の 捜査 を して いる 。 事情 聴取 を 受けた 常務 が 自殺 。 社員 あて の 遺書 に 「 会社 の 生命 は 永遠です 。 その 永遠の ため 私 たち は 奉仕 す べきです 」 と 書か れて あった と いう 。 企業 へ の 忠誠に 対して 、 会社 は 従業 員 に 終身 雇用 、 年功 序列 で 応えた 。 集団 主義 の 「 お 手本 」 の ような 存在 である 官庁 が 、 企業 間 の 利害 を 調整 し 、 「 日本 株式 会社 」 の 言葉 が 生まれる 。 日本 は これ で 二 度 の 石油 危機 を 乗り切り 、 経済 大国 に のしあがる 。 国民 は モノ の 豊か さ を 手 に 入れ 、 「 一億 総 中流 意識 」 は わが国 の 等質 性 を さらに 進める こと に なる 。 集団 主義 と 高い 等質 性 が 日本 を まとまり の よい 社会 と し 、 それ が 犯罪 の 少ない 国 に した 。 こうして 、 「 日本 型 安全 社会 」 は 作ら れた 。 「 隣 の 畑 の 穀物 は いつも ずっと よく 見える し 、 隣 の 牝 牛 は よけい 乳 を 出す ように 見える もの だ 」 ローマ時代 の 詩人 、 オウィディス の 言葉 である 。 隣 も 自分 の 畑 も 同じ ように 見える 世の中 なら 、 波風 は あまり 立た ない 。 政府 の 危機 管理 は 、 その上 に 乗っかり 、 安住 を 続けて きた 。 しかし バブル の 崩壊 と 、 それ に 続く 不況 は 、 多く の 企業 に 日本 的 経営 を 変え させ 、 終身 雇用 と 年功 序列 が 揺らぎ 始めた 。 集団 主義 の よりどころ は あやしく なる 。 この 間 、 「 神話 」 を 最も 信じて きた の は 政府 だった かも しれ ない 。 危機 管理 の 感度 は 鈍り 、 時代 に 取り残さ れた 。 やがて 、 阪神 大 震災 に 直面 した 時 、 救援 は 遅れ 、 オウム 真理 教 の 暴走 を 許す こと に なる 。 不透明 感 と 閉塞 感 が 広がる 時代 に は 、 神秘 的な もの が 受け入れ られ やすい 。 それ が 、 オウム 真理 教 が 信者 を 獲得 して いった 背景 であろう 。 さらに 、 教団 を めぐる 疑惑 に 、 私 たち が 驚愕 した の は 、 異常な 犯行 と ともに 、 自分 たち の 社会 の 衰弱 を 見せ付け られた から で は ない か 。 ライシャワー 氏 は 「 ザ ・ ジャパニーズ 」 で 、 どの 集団 に も 帰属 でき ない 人々 も おり 、 新興 宗教 が 、 その すき間 を 埋めた と して いる 。 「 他 に 帰属 感 を もち え ない 人々 に 対し 、 集団 と して の 拠りどころ を 与えた こと は 疑い ない 」 と いう 。 十 余年 後 、 さらに 生まれた すき間 を 新 新 宗教 が 埋める 。 日本 を 取り巻く 環境 も 変わった 。 最大 の もの は 、 急激な 国際 化 である 。 大勢 の 外国 人 労働 者 が やってきた 。 銃 汚染 も また 、 国際 化 の 大波 を 背景 に して いる 。 オウム 真理 教 の 信者 たち と 対照 的な 行動 を 示した 人 たち が いる 。 阪神 大 震災 の 時 、 ボランティア と して 自発 的に 現地 へ 駆けつけた 人 たち だ 。 学生 ばかり で は ない 。 さまざまの 職場 、 立場 から 行動 を 起こした 。 こうした 動き に 期待 する 人 は 多い 。 それ は 、 集団 主義 の 対極 に ある 「 個 」 と 、 等質 性 の 反対 側 に ある 多様 性 を 映した 、 新しい 力 を 感じ させる から で は ない か 。 今後 、 海外 から さらに 大量の 人 と 価値 観 が やってくる 。 もう 、 逆戻り は でき ない 。 時代 が 求めて いる の は 、 「 個 」 を 尊重 し 、 「 異質な もの 」 を 受け入れ 、 それ を 包み込む 柔軟で 多様 性 に 満ちた 社会 で は ない だろう か 。 そんな 社会 を 目指す こと が 、 安全 を 取り戻す 道 に つながる 。 そう 考えて いる 。 簡単な こと で は ない 。 リスク も 伴う 。 しかし 、 かつて 日本 人 は 仏教 や 儒教 など 、 海 の 向こう の 「 大きな 文化 」 を 受け止めた 。 自信 を 持とう 。 日本 の 航空 運賃 は びっくり する ほど 高い 。 恐らく 世界 一 で は ない か 。 航空 会社 が 免許 事業 で 、 新規 参入 が でき ない 、 路線 の 制限 も きつい 、 運賃 も 自由に 決め られ ない 、 と いった こと が 、 原因 の 一 つ に 挙げ られる 。 だが 、 そうした 競争 制限 的な 側面 の ほか に 、 運賃 を 押し上げて いる 要因 が ある 。 日本 の 空港 整備 の システム そのもの だ 。 日本 の 高速 道路 も そう だ が 、 空港 建設 の 資金 は 、 航空 機 の 利用 者 が 大半 を 負担 し 続けて きた 。 無論 、 ある 時期 まで は この システム は 有効だった と 言って よい 。 空港 と いう 新しい 社会 資本 を 、 日本 全土 に 張り巡らせる に は 、 財政 が 貧困であった 。 一方 、 航空 機 の 利用 客 は 、 ある 程度 の 受益 者 負担 は やむ を 得 ない もの と 考え られて きた 。 だが 、 空港 が ほぼ 全国 的な ネットワーク を 形成 する ように なった 現在 で は 、 その 整備 システム を 支えて きた 財源 制度 を 見直す こと が 必要 と なって きた と 言える 。 航空 審議 会 が 二十四 日 公表 した 第 七 次 空港 整備 五 カ年 計画 の 中間 取りまとめ で 注目 す べき 点 の 一 つ は ここ に ある 。 財源 問題 で この 中間 報告 は 、 別紙 と いう 形 で は ある が 、 「 一般 財源 の 拡充 」 を 提言 した 。 その 理由 と して 中間 報告 は 、 日本 の 空港 使用 料 は これ 以上 引き上げる の は 難しい こと を 主たる 理由 に 挙げて いる 。 昨年 九 月 、 関西 国際 空港 が 開港 した 当初 も 、 国際 水準 から 見て あまりに も 空港 使用 料 が 高 過ぎる と の 批判 が 渦巻いた 。 日本 の 航空 会社 から さえ 、 「 もし 着陸 料 が 下がれば 、 航空 運賃 は 下げ られる 」 と の 声 が あった ほど だ 。 財政 資金 を 投入 して 、 現在 の 着陸 料 を 引き下げる の は 難しい に せよ 、 今後 の 国際 ハブ 空港 建設 に は 、 もっと 国 の 予算 が つぎ込ま れて よい 。 しかも こうした 拠点 空港 は 、 これ から は 海上 に 立地 せ ざる を 得 ない と すれば 巨額な 資金 を 必要 と する 。 将来 、 国土 の 一部 と なる 空港 であり 、 国民 の 税金 が 投じ られる に 十分な 理由 が ある と 考えて よい 。 というのも 、 これ まで 公共 事業 に 占める 空港 の シェア は わずか 一・四 % だった 。 国 内 旅客 だけ で 七千四百万 人 に 達し 、 二〇〇〇 年度 に は 九千二百万 人 と 予測 さ れる 需要 の 伸び から みる と 、 空港 は もはや 国民 の 足 に 欠かせ ない 施設 と なった 。 一般 財源 の 大幅な 拡充 を 要望 して おき たい 。 この 中間 報告 で は 、 もう 一 つ 大きな 姿勢 の 転換 が あった 。 国際 ハブ 空港 など 拠点 と なる 空港 を 重点 整備 する 一方 で 、 地方 空港 の 整備 は 一 段落 した ので 抑制 的に 取り扱う と いう 考え だ 。 基本 的に この 方針 は 納得 できる 。 どうも 地方 自治 体 の 中 に は 、 空港 や 新幹線 を 地域 振興 の 「 道具立て 」 か 「 ファッション 」 の 一 つ と 考えて いる 向き も ある 。 数百億 円 かけて 完成 した 空港 に 、 一 日 数 便 、 航空 会社 の “ ご 好意 ” で 飛行機 を 飛ばす こと に 何の 意味 が ある の か 、 疑わしい 。 今 計画 に 盛り込ま れた 新 三 大 プロジェクト の スタート に も 注文 を つけて おき たい 。 何も 慌てる こと は ない 。 着実に 進めて いく こと が 肝要だ 。 第 七 次 空整 で 抜けて いる 言葉 が ある と すれば 、 この 「 着実な 整備 」 であろう 。 この 夏 、 諸 外国 の 政府 関係 者 が 続々 と 大阪 入り し 、 ホテル や 道路 の 視察 に 炎天 下 を 走り回った 。 十一 月 に 大阪 で 開か れる 第 七 回 アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 と 非公式 首脳 会議 に 海外 から 参加 する 十七 カ国 ・ 地域 の 先遣 隊 である 。 政府 間 会議 の 日本 開催 は 年々 増えて いる が 、 多く は 東京 を 会場 と し 、 特に 先進 国 首脳 会議 など 首脳 級 会議 の 地方 開催 は 例 が なかった 。 それだけに 、 大阪 に おける 各国 の 事前 調査 は 念入りだ 。 準備 に 当たる 日本 側 の 苦労 も 大きい 。 それ でも なお 、 APEC の 地方 開催 を 歓迎 し 、 会議 の 成功 に 期待 し たい 。 東京 と は 違う 歴史 と 文化 を 紹介 する こと で 、 日本 の 多様 性 を 世界 に アピール できる から だ 。 また 、 東京 以外 で の 首脳 級 会議 成功 が 、 地方 都市 を 活性 化 さ せ 、 一 極 集中 の 是正 に も つながる から だ 。 警備 力 や 都市 機能 の 面 で 、 東京 が 優れて いる の は 事実 である 。 しかし 、 参加 七 カ国 で 各 三 回 開催 さ れた サミット の 歴史 を 見て も 、 日本 と 英国 以外 は 複数 の 都市 を 会場 に する こと で 、 その 国 の 全体 像 を 世界 に 示す よう 努めて いる 。 首脳 の 数 で サミット を 上回り 、 報道 陣 を 含め 約 一万 人 が 参加 する APEC は 、 その 意味 でも 試金石 と なろう 。 地方 開催 を 意義 ある もの と する ため に 、 政府 と 地元 が 協力 して 取り組む べき 課題 は 多い 。 関西 は 、 アジア 諸国 と の 長い 付き合い や 通商 の 歴史 を 背景 に 、 自治 体 や 企業 、 市民 が 独自の 国際 交流 を 発展 さ せて きた 。 APEC を 機 に 、 地域 の 国際 化 と 人 的 交流 を 一層 促進 する 努力 が 求め られる 。 APEC 域 内 の 経済 人 ら が 大阪 に 集まり 、 政府 間 会議 と 並行 して 会合 を 開く が 、 この 種 の 官民 挙げて の 試み が さらに 広がる よう 期待 し たい 。 前々 回 の シアトル APEC で は 、 市民 ボランティア と 地元 企業 が 会議 を バックアップ し 、 交流 に 努めた 。 大阪 でも 、 中小 企業 や 市民 に 無縁の 会議 で 終わら ぬ 工夫 が 欲しい 。 一方 、 会議 に 伴う 交通 規制 や 検問 の 強化 は 避け られ ない 。 市民 生活 が 不自由 を 強い られ 、 不満 と 反発 だけ が 残る ようで は 、 地方 開催 の 意義 は 半減 しよう 。 厳しい 規制 に 不慣れな 市民 に 理解 を 求める 努力 が 欠かせ ない 。 警備 も 強圧 的 手法 を 避け 、 ソフトに 対応 でき ない もの か 。 今回 参加 国 の 多く が 、 阪神 大 震災 で 救援 に 協力 して いる 。 震災 が アジア ・ 太平洋 地域 に 与えた 衝撃 は 大きく 、 大阪 APEC は 震災 の 教訓 と 復興 の 経験 を 世界 が 共有 する よい 機会 で も ある 。 首脳 や 閣僚 、 報道 陣 が 被災 地 の 実態 を 自ら 検証 し 、 論議 する よう 要望 し たい 。 警備 上 の 理由 など から 、 被災 地 入り の 自粛 を 求める 動き も ある ようだ が 、 被災 地 の 思い は 逆だろう 。 今や 災害 に 強い 街 づくり は 国際 社会 共通 の 関心 事 である 。 復興 の 邪魔 を せ ぬ 配慮 は 必要だ が 、 みぞうの 経験 を 世界 に 役立て たい 。 経済 同友 会 など 経済 団体 は 、 神戸 で の APEC 関連 会議 を 計画 して いる 。 兵庫 県 と 神戸 市 は 、 APEC の 公的 会合 を 被災 地 で 開く よう 要望 して いる 。 実現 すれば 、 国際 会議 の 開催 自体 が 復興 支援 の 役割 を 果たす し 、 APEC の 論議 に とって も 、 「 経済 」 に とどまら ない 広がり と 深み が 加わる こと に なろう 。 イラク 政界 要人 の 亡命 を 契機 に 、 ペルシャ湾 情勢 が 再び 波立って いる 。 ヨルダン に 亡命 した フセイン ・ カメル 前 工業 鉱物 資源 相 は 兵器 開発 や 調達 の 責任 者 で 、 一 時 は サダム ・ フセイン 大統領 の 後継 者 と 目さ れた 大物 。 大統領 の 長女 が 夫人 だ 。 同国 で は 今年 に 入って 内 相 、 国防 相 ら 主要 閣僚 が 相次いで 辞任 した 。 カメル 氏 亡命 の 背景 に は 大統領 の 長男 と の 権力 争い が ある ようだ が 、 もともと 親族 や 同郷 出身 者 で 固めた 政権 は 、 コップ の 中 の 争い で ますます その 基盤 を 狭め 、 今や 大統領 と 子息 以外 に 政権 を 支える 人物 は 数えるほど しか い ない 、 と も いわ れる 。 亡命 事件 後 、 大統領 夫人 や 長男 が ヨルダン を 訪問 した の は 、 フセイン 政権 が 事態 を 深刻に 受け止めて いる から だろう 。 亡命 騒ぎ は 、 湾岸 及び 中東 に 波紋 を 広げて いる 。 ヨルダン は 一九九一 年 の 湾岸 戦争 で イラク 支持 に 回った ため 、 クウェート 、 サウジアラビア など 湾岸 諸国 と の 関係 が 悪化 した 。 ヨルダン の 亡命 受け入れ は 、 親 イラク の 姿勢 の 変更 を 意味 する 。 米国 は これ を 機 に 対 イラク 包囲 網 再 構築 に 乗り出した 。 クリントン 政権 は 中東 に 高官 を 派遣 、 ヨルダン に 対し 、 イラク と 石油 取引 を 含む 経済 関係 を 断ち 、 サウジ 、 クウェート と の 関係 修復 を 説得 した と いわ れる 。 また 、 イラク 軍 の クウェート 、 サウジ 進攻 に 備えて 兵力 を 湾岸 地域 に 集結 し 、 ヨルダン 、 クウェート と 合同 軍事 演習 を 行う など 、 軍事 的に も イラク へ の 圧力 を 強めて いる 。 五 年 に 及ぶ 国連 経済 制裁 で 、 イラク は 苦境 に 立た さ れて いる 。 通貨 価値 が 暴落 し 、 札束 を 袋 いっぱい に 詰め込ま なければ 買い物 も でき ない 、 食料 ・ 医薬 品 不足 で 老人 、 幼児 多数 が 死亡 した 、 など の 情報 も 聞か れる 。 経済 制裁 継続 と 合わせ 、 イラク 包囲 網 を 形成 して フセイン 体制 の 弱体 化 を 促す の が 米国 の 戦略 だ 。 亡命 騒ぎ が 起きる 前 、 中東 に は イラク の 国際 社会 復帰 を 容認 する 空気 が 生まれ 、 イラク の 要請 に 応えて 経済 制裁 解除 を 段階 的に 認める べきだ 、 と の 声 が 出て いた の は 事実 だ 。 国連 安保理 常任 理事 国 の うち 、 イラク に 多額の 債権 を 持つ ロシア 、 フランス は イラク の 石油 開発 も 絡み 解除 容認 に 傾いて いる 。 制裁 解除 の 主要な 条件 は 、 イラク が 大量 破壊 兵器 開発 に 関する 情報 を 公開 し 、 同 兵器 の 廃棄 を 受け入れる こと だった 。 核 、 化学 兵器 、 ミサイル の 廃棄 作業 は 進んで いる と いわ れ 、 国連 イラク 大量 破壊 兵器 廃棄 特別 委員 会 の エケウス 委員 長 に よる と 、 イラク は 生物 兵器 に ついて も 情報 を 提出 する など 疑惑 解明 に 協力 する 姿勢 を 示した 、 と いう 。 湾岸 諸国 は 、 生活 難 に あえぐ 国民 の 不満 を そらそう と して フセイン 政権 が クウェート 、 サウジ 進攻 の 軍事 的 冒険 を 企てる 事態 を 恐れて いる 。 湾岸 情勢 が 悪化 すれば 、 大詰め を 迎えた パレスチナ 自治 拡大 交渉 に も 悪 影響 を 及ぼす 。 最悪の シナリオ の 回避 は 、 イラク の 大量 破壊 兵器 開発 の 疑惑 を 早急に 解明 し 、 対 イラク 経済 制裁 解除 へ の 道 を 開く 以外 に 道 は な さ そうだ 。 イラク の 言語道断 さ は 、 もはや 多言 を 要さ ない し 、 これ で は イラク に 甘 すぎる 、 と いう 声 が ある の も 承知 して いる 。 だが 、 それ でも なお 力 の 外交 で イラク を 締め 上げ 、 窮地 に 追いやる 愚 を 犯して は なら ない と 考える 。 米国 及び 中東 諸国 の 冷静な 対応 を 期待 し たい 。 就業 人口 の 八 割 近く を 占める ように なった サラリーマン 。 この 半 世紀 、 サラリーマン の 人生 は 幸せだった のだろう か 。 世代 や 地域 、 個人 で 差 が ある だろう が 、 全体 の バランス シート を 作成 して みよう 。 プラス 勘定 で は 、 まず 所得 の 上昇 。 三十 年 前 、 一 人 当たり の 国 内 総 生産 は 米国 の 四 分 の 一 、 ドイツ の 二 分 の 一 だった が 、 大きく 追い越した 。 一九六四 年 から 九二 年 まで の 実質 成長 率 は 四・八 % 。 米国 の 一・九 % 、 ドイツ の 二・六 % に 大差 。 一 人 当たり の 国民 所得 も 五〇 年 の 四万 円 から ざっと 三百万 円 へ 。 物価 上昇 分 を 差し引いて も 、 世界 で 例 を 見 ない 右上がり の カーブ だ 。 こうした 所得 増 を バック に 、 消費 生活 も 向上 。 「 三 種 の 神器 」 の テレビ 、 冷蔵 庫 、 洗濯 機 から 「 3 C 」 の カー 、 クーラー 、 カラーテレビ を 軽く クリア して 、 海外 旅行 は 年 千三百万 人 。 物質 的に は 、 世界 最高 の 水準 を 享受 し 得る 社会 を 築き上げた 。 また 、 雇用 面 で は 欧 米 より 長く 会社 に 勤続 でき 、 不況 時 でも レイオフ を 免れた の は プラス 。 年間 総 労働 時間 は 三十 年 前 に 比べて 二千四百 時間 から 千九百 時間 に 短縮 。 女性 の 就業 人口 は 過去 四十 年間 に 三 倍 の 千九百万 人 と なり 、 社会 進出 を 果たした 。 では 、 マイナス 勘定 は どう か 。 最大 の 欠点 は 、 都市 化 の 進展 で 、 家 が 遠く 、 高く なった こと 。 東京 の 一般 住宅 地 の 価格 は 欧 米 大 都市 の 十 ― 五十 倍 。 生涯 賃金 で 住 に かける 費用 の 割合 は 欧 米 と 比べ 、 二 、 三 倍 重く 、 しかも 住宅 は 狭く 、 質 は 悪い 。 遠距離 通勤 は 家庭 と 地域 コミュニティー の 喪失 に つながり 、 家族 の 中 に おける 父親 の 存在 感 が 希薄 と なった 。 次いで 物価 。 食料 品 から 電気 ・ ガス に 至る まで 全部 が 割高 。 統計 上 で 東京 の 物価 は 、 欧 米 都市 より 四 割 高 だ が 、 生活 実感 から は もっと 差 が ある 。 欧 米 の ように 家族 連れ で 長い バカンス を 楽しめ ない の は 、 ホテル 代 、 飲食 費 、 交通 費 の どれ も が 二 、 三 倍 も 高い ため 。 そのほか 、 教育 費 も 高い 。 いい 大学 に やり たい 親心 で 、 塾 や 家庭 教師 など に 金 を かける が 、 みんな が やる ので 、 投資 の 効果 が 少ない 。 下水 道 の 普及 率 は いまだに 四〇 % 台 と いった 公共 資産 の 貧弱 さ も マイナス 勘定 に 加わる 。 こうした マイナス 面 から 、 「 豊か さ 」 は 必ずしも 実感 さ れて は い ない が 、 国民 の 九 割 が 中流 意識 を 持ち 、 生活 に 満足 して いる の は 事実 。 だが 、 この 数 年 の 間 に 会社 は 急 スピード で 変わり つつ ある 。 まず 、 終身 雇用 や 年功 序列 と いった 戦後 の 企業 システム が 根底 から 揺らぎ 始めた ことだ 。 いまや 、 会社 の 中堅 は 戦後 生まれ の 団塊 の 世代 だ が 、 中高年 、 若手 の 人口 分布 が 逆 ピラミッド に なり 、 役職 に 就ける 確率 は ぐっと 少なく 、 ボーナス も カット 。 逆 ピラミッド の 組織 を 活性 化 さ せる 手段 と して 、 給与 に 差 を つける 会社 が 増え 、 同期 で 年収 が 数百万 円 も 違う 会社 は ザラ 。 電子メール で トップ と 下 と の 直接 対話 も 広がり 、 中間 管理 職 の 存在 意義 は 薄れる 一方 。 この 中 で 会社 の 上下 が 接近 、 同等 意識 が 進んで いる 。 若い 世代 は 歯車 の 中 で 会社 と 一線 を 画し 、 団塊 の 世代 の ように 会社 人間 に 埋没 する こと が なく 、 自分 を 見失わ ない と いわ れる 。 組織 は 柔らかい ゼリー 状 に なり 、 上 は 肩 で 威勢 を 張って も だめで 、 ざっくばらんに 一緒に 何 か を 創造 する こと が 必要 。 ひと 握り の 経営 陣 が 猛烈に 働き 、 その他 は 決め られた 仕事 を する だけ ―― と いう 米国 型 の 経営 者 と 非 経営 者 と の 戦い が 日本 で 広がる かも しれ ない 。 大 会社 に 入れば 「 会社 内 福祉 」 と して 社宅 、 保養 所 の 恩恵 が あり 、 社用 族 と して の 飲み食い 、 ゴルフ 、 車代 の つけ を 会社 に 回す と いった 御利益 は 、 厳しい 経費 節減 で 大幅に 減った 。 また 、 八〇 年 ごろ まで 平準 化 の 傾向 だった 所得 格差 は 、 その後 逆転 、 やや 格差 が 広がり 始めた 。 世代 比較 で 、 どちら か と いえば 得 を した の は 昭和 一 ケタ 生まれ の サラリーマン 。 大 企業 に ぶら下がって いれば 、 収入 は 増え 、 地位 は 上がった 。 年金 が 保障 さ れ 、 住宅 の 手当て も 恵まれた はず 。 その後 の 世代 は 赤字 含み で 、 さらに 団塊 の 世代 は 、 赤字 人生 に なり かね ない 。 だが 、 中高年 は 「 企業 内 失業 」 と して 人員 整理 の ヤリ玉 に 上がり がちだ が 、 展望 は 必ずしも 暗く ない 。 CALS の ように 、 巨大な 情報 の ネットワーク の 中 で 、 企画 力 が 勝負 の 世界 が 浮上 して いる 。 経験 豊かな 中高年 は 、 チームワーク と 創造 性 を 生かせれば 、 チャンス は ある 。 思えば 、 戦後 は 大 企業 突出 の 時代 だった 。 戦前 は まだ 地域 社会 や 大 家族 が あった が 、 戦後 の 焼け跡 に 残った の は 企業 の 組織 だけ 。 そして 、 大 会社 に 入る ため の 画一 的な 教育 が あり 、 会社 人間 と して の 個性 の 喪失 、 人間 を 測る 物差し の 画一 化 と いった 弊害 が 指摘 さ れて きた 。 とはいえ 、 次の 時代 の 会社 像 は 模索 中 だ 。 「 脱 会社 人間 」 の ひと言 で は 片づけ られ ない 。 みんな が 会社 人間 を 離脱 すれば 、 会社 は ガタガタに なって しまう 。 情報 革命 と いう 大きな 流れ の 中 で 、 伝統 的な 集団 主義 、 協調 主義 の 良 さ と 、 「 個 の 確立 」 と を どう 両立 さ せる こと が できる の か 。 会社 を 小さな 単位 に 分ける 分社 化 も 、 その 回答 の 一 つ かも しれ ない 。 要は 自己 実現 の できる 会社 づくり が 目標 な のだ 。 話 は 十五 年 前 に さかのぼる 。 一九八〇 年 の 史上 初 の 衆 参 同日 選 の さなか に 大平 正芳 首相 が 急死 、 選挙 後 に 後継 総裁 争い と なった 。 中曽根 康弘 、 河本 敏夫 、 宮沢 喜一 ら 各氏 の 名 が 取りざた さ れた が 、 田中 角栄 元 首相 の 意向 で 鈴木 善幸 氏 が 急 浮上 し 、 そのまま 後継 総裁 = 首相 に 。 これ を 前尾 繁三郎 氏 が 「 幕 が 開く 前 に 芝居 が 終わって いた 」 と の 名言 で 評した もの だ 。 河野 洋平 自民党 総裁 も 前尾 氏 や 鈴木 氏 と 同じ 宏池会 だ が 、 同じ せりふ を 吐か ざる を 得 ない 歴史 の 皮肉 に 巡り合わ せた 。 往時 と 同じく 自身 の まったく 関知 し ない ところ で 大勢 が 決して いた のだ から 。 総裁 公選 が 、 党 活性 化 の 第 一 歩 だった はずな のに 肩透かし である 。 河野 氏 が 現職 総裁 で あり ながら 、 総裁 選 告示 の 二 週間 も 前 に 立候補 断念 に 追い込ま れた 直接 的な 原因 は 、 残念 ながら 河野 氏 自身 に あり そうだ 。 自民党 の 悪弊 中 の 悪弊 である 派閥 に 頼る こと は 禁じ手 の はずな のに 河野 氏 は 村山 内閣 の 改造 に 合わせて 旧 三塚 派 の 三塚 博 氏 を 幹事 長 に 据え 、 自ら 旧 河本 派 の 河本 氏 に 協力 を 求め に 歩く など 「 旧 経世会 支配 の 復活 を 許さ ない 」 と 言い ながら 、 天 に つば する ような 挙 に 出た 。 これ を 完全に 逆手 に 取ら れた ので は ない か 。 河野 氏 は 七六 年 の ロッキード 事件 を 契機 に 新自由クラブ を 結成 したり 、 自民党 復党 後 も 、 竹下 内閣 が 一般 消費 税 導入 を 目指した 予算 採決 に 欠席 する など 、 大向こう 受け は する が 党 内 的な 信望 は 薄かった の も 事実 である 。 そもそも 自民党 が 政権 を 滑り落ちた 後 に 総裁 に 選ば れた の も 、 緊急 避難 的な 色合い が 濃かった 。 しかし 実のところ 、 こうした 理由 だけ で 河野 氏 が 自民党 の 議員 や 党員 ・ 党友 から 忌避 さ れ 、 出馬 断念 に 追い込ま れた と 見る の は 早計 だろう 。 政界 再 再編 は 目前 に 迫って いる し 衆院 の 解散 ・ 総 選挙 も 近 そうだ 。 その 中 で 自民党 が 活路 を 見いだそう と する 時 、 野党 時代 あるいは 与党 に 復帰 後 の 河野 氏 の 政局 運営 に 党 内 から 疑念 が 生じて いた ようだ 。 河野 氏 の 基本 的な スタンス は 、 自民党 が かつて の ような 一 党 支配 時代 に 戻る に は まだ 「 リハビリ 」 が 終わって い ない し 、 自民党 の 「 負 の 遺産 」 は 清算 し 切れて い ない と いう もの だった と みて 間違い ない 。 しかし 、 これ に 対して 「 思い切った 政策 展開 を する に は 、 自民党 単独 政権 か 、 せめて 自民党 首相 の 内閣 に 」 と いう 声 が 強まって いた 。 また 政界 再 再編 の 道筋 に ついて も 、 村山 政権 の 維持 に ばかり 目 が 行き 、 二 大 政党 時代 を 見越した 展望 を 提示 し 得 なかった の も 事実 であろう 。 今後 、 別の 候補 が 名乗り を 上げる 可能 性 も 否定 でき ない が 、 橋本 竜太郎 通産 相 の 後継 総裁 は まず 確定 的であろう 。 しかし 、 そこ に 少なからず 不安 を 感じ ざる を 得 ない 。 橋本 氏 も 、 村山 政権 を 支えて いく と して いる が 、 そう と は 思え ない 言動 も 端々 に うかがえる 。 自民党 政権 を 目指す なら 目指す と 明言 して ほしい 。 それ を 国民 ・ 有権者 が どう 判断 する か に ゆだねて ほしい 。 「 本格 派 投手 」 と も いえる 橋本 氏 が 総裁 に なれば 、 政局 も 流動 化 する の は 必至の ようだ 。 これ に 応える ため 、 明確な 政権 構想 を 打ち出して ほしい 。 当面 の 弥縫策 に ばかり 汲々と して いて は 自民党 の 将来 は ない ので は なかろう か 。 「 先日 、 武村 正義 さん に 手紙 を 書き ました 。 国民 全員 が エール を 送って いる と 思う し 、 多く の 署名 より 武村 さん の 抗議 行動 の 方 が 仏 政府 に は 有効 かも しれ ませ ん 、 と 」 二十七 日 の 本紙 社会 面 の 「 アクション ライン 」 の コーナー に 、 女性 から の こんな 意見 が 掲載 さ れた 。 武村 氏 は 、 超 党派 の 国会 議員 で 作って いる 「 ムルロア 環礁 に おける 核 実験 の 中止 を 強く 求める 国会 議員 の 会 」 の メンバー 二十数 人 と ともに 、 九 月 一 日 、 タヒチ に 向け 出発 、 豪州 や ニュージーランド の 国会 議員 ら が 二 日 に 主催 する 抗議 集会 に 出席 して 四 日 午後 、 帰国 する 。 武村 氏 は 、 もともと 閣僚 で は なく 、 一 政党 の 党首 ・ 一 政治家 と して 休暇 を 利用 して 出かけ たい 、 集会 出席 は 参院 選 の 半ば 公約 で も ある と 説明 して いた 。 きょう 二十九 日 に 結団 式 を 行い 予定 通り 出かける と いう 。 しかし 今回 の 武村 氏 の タヒチ 行き に ついて は 、 政界 に 、 閣僚 の 行動 と して 是 か 非 か と いう 一石 を 投じた の も 事実 である 。 「 是 」 と する 方 は 、 唯一 の 被爆 国 の 政治 家 と して 抗議 集会 に 出席 する の は 当然であり 快挙 と 言える ので は ない か 、 と いう もの だ 。 冒頭 の 女性 の 意見 も 、 その 立場 である 。 ほか に 、 これ まで 日本 の 政治 家 は 、 目立つ こと を 避ける と いう 日本 人 の 美徳 の せい か 、 発言 は して も 実際 に 行動 で 示す こと が 少な すぎた 、 そうした 政治 家 の 意識 や 行動 の 改革 に つながる と いう 評価 も ある 。 一方 、 「 非 」 の 方 は 、 どこ まで 深い 思慮 に 基づく もの な の か 、 単なる パフォーマンス で は ない か 、 など である 。 それ が 如実に 出た の が 二十二 日 の 政府 与党 首脳 連絡 会議 で 、 自民党 の 三塚 博 幹事 長 は 、 閣僚 が タヒチ に 行く と したら 内閣 で 決定 して 外 相 か 環境 庁 長官 を 行か せる べきで は ない か と 発言 した 。 野党 に も 反対 論 が ある 。 新進党 の 西岡 武夫 総合 調整 担当 が 「 国務 大臣 の 行動 は 日本 政府 を 代表 する もの だ 。 村山 内閣 は フランス と の 国交 問題 に 発展 さ せて も いい と の 覚悟 が ある の か 。 そういう 決意 の ない まま 行動 さ れて は 国民 全体 が 迷惑 する 」 と 主張 、 どうしても 出かける と いう のであれば 、 武村 氏 は 蔵 相 を 辞任 して 行く べきだ と 述べた の が 、 その 例 である 。 確かに 、 武村 氏 が いくら 私的に と 言って も 、 現職 閣僚 である こと に 違い は ない 。 閣僚 が 海外 に 出かける 際 、 それ が 休暇 の 場合 でも 、 内閣 法 に 基づき 首相 は 蔵 相 臨時 代理 を 指名 し 、 閣 内 の 了解 を とら なければ なら ない 。 結果 的に は 全 閣僚 の 容認 を 受ける ので 、 内閣 の “ お墨付き ” を 受けた 格好に なる 面 は 否定 でき ない 。 さきがけ は 、 先 の 参院 選 で 社会党 と ともに 、 自民 、 新進 両党 の 間 に 埋没 して しまい 、 党勢 は 上向か なかった 。 この ため 独自 性 を アピール しよう と いう だけ で いい の か 、 中国 の 核 実験 に 対して は 、 どう する の か と いう 問題 点 も ある 。 こうした 是非 論 が 交錯 して いる が 、 中 仏 両 国 の 核 実験 に 対して は 、 すでに 国会 で 反対 決議 を して いる こと など を 勘案 すれば 、 同氏 の タヒチ 行き は 問題 ない と 考える 。 ただし 帰国 後 、 大蔵 省 が 抱えて いる 景気 対策 、 金融 機関 の 不良 債権 処理 、 幹部 の 綱紀 粛正 など に 全力 で 取り組む こと を 条件 に 、 である 。 金融 機関 の 経営 破たん が 相次いで いる が 、 三十 日 、 第 二 地方 銀行 最大 の 兵庫 銀行 と 預金 量 業界 トップ の 木津 信用 組合 が 共に 清算 さ れる こと に なった 。 兵庫 銀行 は 清算 した うえ 、 新 銀行 を 設立 し 営業 権 を 移管 する 方式 。 木津 信 組 は 業務 停止 処分 と なり 、 処理 スキーム は 今後 決定 さ れる 。 バブル 崩壊 の 後遺症 である 不良 債権 問題 の 深刻 さ を 改めて 浮き彫り に する と ともに 、 我が国 の 金融 システム に 衝撃 を 与えて いる 。 兵庫 銀行 、 木津 信 組 は かねて 経営 不振 に 陥って いた が 、 東京 二 信 組 、 コスモ 信 組 破たん の あおり を 受けた 形 で 預金 が 流出 し 、 経営 が 行き詰まった 。 穏やかで は ある が 信用 不安 の 連鎖 が 起きて いる わけで 、 不気味な 状況 である 。 こうした 時 、 最も 肝心な こと は 冷静 さ を 保つ ことだ 。 金融 に 対する 信用 は 極めて 心理 的な 要因 に 基づいて いる 。 一 人 が 不安に 駆られて 預金 の 払い戻し に 走れば 、 不安 が 増幅 し 、 取り付け 騒ぎ が とめど なく 広がる もの である 。 緊急 時 の 今 、 まず 必要な こと は 監督 責任 が ある 大阪 府 、 大蔵 省 、 日銀 が 「 預金 者 の 保護 」 と 「 不安 心理 の 拡大 防止 」 に 最善 の 努力 を 払う こと である 。 特に 木津 信 組 の 場合 、 預金 シェア は 五百万 円 以下 が 四二 % 、 一億 円 未満 が 八七 % と なって おり 、 小口 預金 者 が 多い 。 不安 心理 を 防止 する ため に は あらゆる 措置 を とる べきだ 。 関西 経済 界 も 大局 的な 立場 から 、 支援 す べきであろう 。 次いで 処理 スキーム を 迅速に 決定 し なければ なら ない 。 私 たち は コスモ 信 組 の 処理 に 関して いく つ か の 注文 を つけた 。 徹底 した ディスクロージャー を 行い 、 責任 の 所在 を 明確に する ―― など である 。 これ を 大 前提 に して 税金 を 使う 「 公的 資金 の 導入 」 の 是非 は 最後に 考えよ 、 と の 主張 である 。 木津 信 組 の 処理 に ついて も この 原則 は 崩して もらい たく ない 。 しかし 、 木津 信 組 の ケース は 自己 処理 の 限界 を 超えて いる 、 と 判断 せ ざる を 得 ない 。 公的 資金 を 全く 使わ ず に 処理 が 至難である 以上 、 大阪 府 が 支援 する しか ある まい 。 処理 方法 と して は 、 まず コスモ と 同じ ように 、 預金 保険 機構 、 全国 信用 協同 組合 連合 会 から の 資金 贈与 、 日銀 の 特別 融資 を 先行 。 次いで 木津 信 組 に 資金 を 貸し付けて いる 三和 、 日本 長期 信用 、 東海 各 行 など の 金融 機関 が 債権 の 一定 部分 を 放棄 、 その うえ で 大阪 府 が 中心 と なって 資金 援助 する 順序 以外 に ない と 思う 。 兵庫 銀行 の 再 建策 も 、 形 は 違う が 公的 資金 と 無縁で は 済み そうに ない 。 本質 的に は 同列 線上 に ある 。 とはいえ 、 公的 資金 の 導入 は 限定 的である べきだ 。 とことん まで 自助 努力 を した 後 、 どうしても 不足 する 資金 に 絞ら なければ 納税 者 の 納得 は 得 られ ないで あろう 。 金融 史 に 詳しい 吉野 俊彦 氏 に よる と 一九二〇 年 の 恐慌 の 時 、 多く の 銀行 経営 が 破たん 、 大蔵 省 預金 部 資金 から 救済 資金 を 出した ところ 、 歯止め なく 広がり 、 預金 部 は 「 伏魔殿 」 と 化した と いう 。 学ぶ べき 教訓 だ 。 事態 が ここ まで 進んだ 現 時点 で 必要な こと は 政治 の リーダーシップ である 。 政府 を 挙げて 処理 に 当たる 決意 を 表明 す べきである 。 冷戦 が 終結 し 、 かつて は 潜在 的 脅威 と して きた 極東 ロシア 軍 の 戦力 も 大幅に ダウン して いる と いう のに 、 これほど 高価な 買い物 を 続ける 必要 が ある のだろう か 。 防衛 庁 が 三十 日 に まとめた 来 年度 防衛 予算 の 概算 要求 を 見る と 、 そんな 疑問 が つきまとう 。 概算 要求 の 総額 は 四兆八千六百六億 円 で 、 対 前 年度 伸び 率 は 二・九 % である 。 今月 初め の 概算 要求 基準 の 設定 に 当たって は 、 三・九 % 増 を 要求 する 自民党 ・ 防衛 庁 と 、 〇・七 % 増 に とどめる べきだ と する 社会党 が 対立 、 結局 、 足して 二 で 割る 形 を とって 二・九 % 増 で 決着 した 。 今回 の 概算 要求 は 、 これ を 目いっぱい 使って 作成 して いる 。 防衛 庁 は 、 要求 作り に 当たって は 戦闘 機 や 護衛 艦 など の 正面 装備 の うち 古く なった もの の 更新 ・ 近代 化 、 自然 災害 向け の 装備 の 充実 など に 配慮 した と 説明 して いる 。 確かに ポスト 冷戦 時代 に 対応 する ため 情報 組織 を 再編 したり 、 周辺 諸国 と の 信頼 醸成 の ため の 安全 保障 対話 を 充実 したり と 評価 できる 部分 も ない で は ない 。 しかし 、 その 一方 で 問題 点 も 多い 。 その 第 一 は 、 次期 支援 戦闘 機 を 量産 し たい と して 、 十二 機 の 購入 を 打ち出した 点 だ 。 FSX は 一九八八 年 から 日 米 両 国 で 共同 開発 が 始まった が 、 開発 に 手間取って いる うち に 、 経費 は 当初 予定 の 千六百五十億 円 から 三千二百七十億 円 に も 達した 。 当然 ながら 一 機 当たり の 値段 も 高く なり 、 当初 予定 の 五十四億 円 から 百二十三億 円 に も なって しまった 。 この FSX を 来 年度 から 十二 年間 かけて 計 百四十一 機 そろえ たい 、 と いう の が 防衛 庁 の 主張 である 。 その 理由 に ついて 、 防衛 庁 は 支援 戦闘 機 は 現行 通り 三 個 飛行 隊 が 必要だ し 、 量産 体制 に 入ら ない と 、 これ まで の 開発 費 が 無駄に なる うえ 、 FSX 関連 の 防衛 産業 だけ で なく 日 米 関係 に 影響 が 出 かね ない と いう 。 量産 すれば 、 一 機 当たり の 平均 価格 は 約 八十億 円 に 下がる のだ から いい で は ない か 、 と いう 強 がり さえ 聞こえて くる 。 しかし 、 どう だろう 。 私 たち は 費用 対 効果 の 観点 から も 発注 ・ 配備 は 見送る べきだ と 主張 して きた が 、 こんな 高価な 買い物 を 国民 が 納得 する と 、 防衛 庁 は 思って いる のだろう か 。 防衛 産業 へ の 影響 を 持ち出す に 至って は 、 防衛 政策 的な 判断 より も 、 防衛 産業 保護 を 優先 する の か と 批判 さ れて も 仕方 が ない ので は ない か 。 第 二 は 、 戦域 ミサイル 防衛 構想 の ため の 調査 研究 費 四億五千万 円 を 要求 した 点 である 。 TMD システム は 、 導入 しよう と すれば 二兆 円 あるいは 四兆 円 は かかる と いう 巨大 プロジェクト である 。 防衛 庁 は 、 システム を 導入 す べき か どう か 政策 判断 を 行う ため の 資料 を 集める だけ だ と 説明 して いる が 、 いったん 予算 が つく と 、 それ が 既成 事実 と なり 、 どんどん 膨れ上がって いった ケース を 、 これ まで 何度 も 見て きた 。 今回 も 、 それ が 繰り返さ れる こと は ない のだろう か 。 連立 三 党 は シーリング 決定 の 際 、 正面 装備 の 新規 契約 の 削減 に 努力 する こと を 申し合わせて いる 。 大蔵 省 の 査定 、 年 末 の 予算 編成 を 通じ 、 シビリアンコントロール の 立場 から 、 例年 以上 に 厳しく 吟味 し 削り 込んで いく こと が 必要だ 。 一 日 は 「 防災 の 日 」 。 中央 防災 会議 が 中心 に なる 、 この 日 の 総合 防災 訓練 は 一九七一 年 以来 、 二十五 回 目 である 。 阪神 大 震災 で これ まで の 地震 対策 は 完全に 色あせた 。 発生 時期 が 迫って いる と いわ れる 南 関東 直下 型 地震 を 想定 して 、 訓練 は 実施 さ れる 。 関係 閣僚 会議 や 緊急 災害 対策 本部 の 設置 など 、 内閣 が 中心 に なって 実戦 型 を 目指す と いう 。 情報 の 収集 や 伝達 の 遅れ が 大 震災 で は 厳しい 批判 を 浴びた が 、 今回 は この 点 に 重点 が 置か れる 。 自衛 隊 の 出動 に ついて も 、 大 震災 の 際 に は 遅れ が 指摘 さ れた 。 総合 防災 訓練 の ほか 全国 各地 の 訓練 に も 自衛 隊 が 参加 し 、 防災 週間 の 間 に 計 九万 人 近い 陸 ・ 海 ・ 空 の 隊員 が 動員 さ れる と いう 。 前例 の ない 規模 だ 。 阪神 大 震災 は 大きな 教訓 を 残した 。 今回 の 訓練 の 在り 方 も その 一 つ だ が 、 先ごろ 策定 さ れた 防災 基本 計画 も 、 もちろん 教訓 の 上 に 立って いる 。 官邸 へ の 情報 伝達 の 確立 、 自治 体 相互 の 協力 体制 作り など を 柱 と した この 計画 は 、 あくまで 「 基本 」 である 。 問題 は これ に 基づく 省庁 の 防災 業務 計画 、 全国 自治 体 の 地域 防災 計画 を いかに 策定 する か である 。 残念 ながら 、 全体 と して いまだ 進んで い ない ようだ 。 省庁 で は 一 年 程度 を 要する らしい 。 自治 体 で は ばらつき が 当然 出よう が 、 三 年 余 も かかる 自治 体 も ある と いう 。 種々の 事情 は あろう 。 「 時間 を かけて 、 より よい もの を 」 と いう 考え 方 も ある かも しれ ない 。 しかし 、 その 間 に 大 地震 が あったら どう する のだろう か 。 従来 の 計画 で は 対応 でき ない こと が 阪神 大 震災 で 如実に 示さ れた ので は なかった の か 。 まず 総力 を 挙げて 計画 を 作る ことだ 。 あと から 修正 すれば いい 。 常に 検討 し 、 修正 する こと を 求めて いる 災害 対策 基本 法 の 趣旨 に も 合致 しよう 。 計画 作り を 民間 に 委託 して いる 市町村 も 少なく ない と 聞く 。 専門 家 の ノウハウ を 借りる こと は 大切だ 。 だが 、 策定 まで 任せて は いけない 。 策定 の プロセス で 、 その 地域 の 問題 点 も 分かって くる であろう し 、 いざ と いう 時 に 計画 を どう 機能 さ せる か の 知識 も 共有 できる 。 その 過程 で 、 地域 防災 の エキスパート を 育てる こと が できる 。 それ が 重要な のだ 。 首都 圏 で は 関東 大 震災 以来 、 直下 型 の 大 地震 は 起きて い ない 。 七十 年 を 超える 「 静穏 期間 」 が 続いて いる 。 だが 、 その こと が 「 いつ 起きて も 不思議で は ない 」 と いう 状況 を 示す 。 八八 年 、 すでに 中央 防災 会議 が 「 切迫 性 を 有して いる 」 と いう 報告 書 を まとめて いる 。 残念 ながら 地震 予知 は 現 段階 で は 難しく 、 地震 は 不意に 襲って くる 。 国 や 自治 体 は あらゆる 手 を 尽くさ ねば なら ない 。 と同時に 、 住民 に も 「 自ら の 安全 は 自ら 守る 」 と いう 姿勢 が 不可欠だ 。 国 や 自治 体 に 頼り切る 防災 に 限界 が ある こと も 阪神 大 震災 が 教えた はずだ 。 東京 都 が 先日 まとめた 「 防災 に 関する 世論 調査 」 で は 、 八六 % が 「 大 地震 が 起こる ので は ない か 」 と 不安 を 感じて いる と いう 。 だが 、 「 備え を して いる 」 人 は 五二 % 、 四八 % の 人 は 「 特に して い ない 」 だった 。 不安 を 抱く だけ で なく 、 同時に 個人 レベル で の 備え が 求め られる 。 地震 へ の 備え は 決して 杞憂 で ない 。 予算 の 概算 要求 と いう の は 、 各 省庁 の 知恵 比べ と いう 側面 が ある 。 特に 一九九六 年度 予算 編成 で は 、 経済 の 構造 改革 が キーワード である 。 閉そく 感 が 強まる 一方 の 日本 経済 に 突破 口 を 開く ため に も 、 構造 的な 変革 が 求め られ 、 それ を 実現 する ため の 予算 が 必要不可欠だ 。 だが 、 八 月 三十一 日 に 締め切ら れた 概算 要求 を 見る 限り 、 この キーワード に ふさわしい 新鮮な 切り口 に 出合え ない の は どうして だろう か 。 例えば 、 公共 事業 の 大宗 を 占める 建設 省 の 重点 施策 は 「 経済 構造 の 改革 に 向けた 二十一 世紀 へ の 基盤 づくり 」 と あり 、 それ に 向けた 「 新たな 住宅 ・ 社会 資本 整備 の 展開 」 が メーンテーマ と して 挙げ られて いる 。 だが 率直に 言って 急に 「 住宅 」 が 前面 に 出て きて も 、 構造 改革 が どう 結び付く の か 分かり にくい 。 ここ で 構造 改革 を 持ち出した の も ただ 予算 要求 を する うえ で の 「 枕詞 」 の ように も 見える のだ 。 無論 、 こうした レッテル と 中身 の 差 の 問題 は 各 省庁 と も 、 ほぼ 同じである 。 いきなり 経済 の 構造 改革 と 言わ れ 、 知恵 を 出せ と 言わ れて も 、 結局 、 従来 パターン の 枠 から はみ出す ような 改革 的 プラン は ほとんど 見 られ なかった と いえる 。 それ を 何より も 明確に 物語って いる の は 、 公共 事業 の シェア が 要求 ベース でも 、 ほとんど 従来 の 配分 と 変わって い ない こと である 。 先 の 建設 省 の 例 で いう と 、 道路 整備 は 九五 年度 予算 の シェア が 四一・二 % 、 九六 年度 要求 が 四一・一 % である 。 治山 治水 の 要求 も 二〇・一 % と 、 ほとんど 変わって い ない 。 建設 省 の キャッチフレーズ に なった 「 住宅 」 は 、 九五 年度 予算 、 九六 年度 要求 予算 ともに 、 一七・六 % と 同じ シェア だ 。 中身 は 違って きて いる と いう だろう が 、 数字 は 冷厳で 正直な もの だ 。 これ で は 新 発想 を 盛り込む 改革 どころ の 話 で は なかろう 。 ごく 一部 に 改善 の 兆し も ある 。 運輸 省 所管 の 空港 、 新幹線 、 都市 ・ 幹線 鉄道 の シェア が 上がった 。 〇・三 ― 〇・四 ポイント と 小幅 で は ある が 、 大 都市 圏 の 空港 、 幹線 鉄道 の 整備 を 最 優先 課題 と した 姿勢 が 鮮明 と なった 。 やれば 出来る のだ 。 来 年度 の 要求 総額 は 九五 年度 当初 予算 に 比べ 一一・六 % 増 の 七十九兆一千九百億 円 と なった 。 相当 高い 伸び である 。 大蔵 省 の 見通し に よれば 、 歳入 は 七十兆 円 程度 で 、 約 九兆 円 の 不足に なる と いう 。 仮に 赤字 国債 の 発行 を 余儀なく さ れた と して も 、 最小 限 に とどめる べきだ 。 建設 国債 と 赤字 国債 は 、 しょせん 同じ 借金 だ 、 と いう 議論 が ある 。 確かに そう だ が 、 赤字 国債 に は 歯止め が ない 。 とくに 不安定な 政権 下 の 不況 時 に あって は 、 赤字 国債 容認 論 が 横行 し がちだ 。 だが 、 私 たち は 厳しい 財政 節度 を 引き続き 求め たい 。 それ故 、 予算 の 重点 配分 、 公共 事業 の 硬直 的 シェア の 見直し を 訴え 続ける のである 。 不況 克服 の ため と いって 、 やみくもに 投資 的 経費 を 増やして いい と いう もの で は ない 。 時代 の 変化 に 合った 事業 の 見直し と 再編 を 伴う 必要 が ある 。 これ を 財政 の リストラクチャリング と いう 。 国民 の 税金 を 使う 以上 、 当たり前の こと だ が 実行 さ れて い ない 。 構造 改革 の 芽 を 育てる ような 、 効率 的な 予算 編成 を 強く 要望 して おき たい 。 口 に する の も おぞましい 事件 が 相次いで いる 。 昨年 秋 、 大阪 、 愛知 、 岐阜 の 三 府県 で 四 人 の 若者 が 殺さ れた 連続 リンチ 殺人 事件 は その 一 つ である 。 犯行 グループ は 二十 歳 前後 の 若者 ばかり 十 人 だ が 、 盛り場 など に たむろし シンナー を 吸って いる だけ の 結びつき 。 互いに 名前 も 知ら ない メンバー も いた 。 被害 者 は 行きずり の 青年 や 仲間 。 どの 事件 でも 、 主犯 と さ れる 少年 以外 は 追随 した だけ 。 その 「 主犯 」 に も 明確な 殺意 は なく 、 リンチ して いる うち に エスカレート し 、 殺人 に まで 至る と いう 常識 で は 考え られ ない ケース だ 。 今年 三 月 に は 三重 県 伊勢 市 の 元 キリスト教 伝道 師 が 十五 、 六 歳 の 店員 、 中 ・ 高校 生 ら 七 人 に 暴行 さ れ 殺さ れる 事件 が あった 。 被害 者 は 鉄工 所 の 従業 員 と して 暮らす 熱心な キリスト教 信者 。 家 は いつも 開けっ放しに し 、 だれ が 来る の も 歓迎 して いた 。 少年 たち は かなり 以前 から 被害 者 宅 に 出入り し 、 殴って も 抵抗 し ない 被害 者 を 殴る の が 「 習慣 」 と なった 。 殴って 「 痛い か 」 と 聞く 少年 たち に 「 ありがとう ございます 」 と いう 「 キリスト教 精神 」 は 、 少年 たち を 面白がら せる だけ だった 。 暴行 は ひどく なる ばかりで 、 ついに 死亡 さ せて 遺体 を 勢田 川 に 捨てた と いう の が 警察 など の 調べ である 。 こうした 例 を 受験 本位 の 教育 で 切り捨て られた 若者 に 特有の 例外 的な もの 、 と 割り切る こと は やさしい 。 それ なら 受験 体制 で 成功 した 若者 たち に 問題 は ない の か 。 オウム 真理 教 事件 で 、 有名 大学 の 大学院 の 秀才 たち が サリン など 毒 ガス や 幻覚 剤 の たぐい を 製造 して いた こと が 判明 して いる 。 それ だけ で なく 、 医師 や 自然 科学 者 が なんと サリン ばらまき の 実行 犯 と まで なった のである 。 「 日本 の ベスト & ブライテスト 」 を えりすぐった 大蔵 省 で は 今年 三 月 、 幹部 二 人 の 過剰 接待 事件 が あった が 、 処分 は 何の 不利益 も ない 訓告 だった 。 その後 うち 一 人 が 私腹 を 肥やす ような 事業 契約 を 結んで いた 事実 が 判明 した とき も 、 あっさり 依願 退職 が 認め られ 、 民間 企業 の 重役 並み の 給与 も 退職 金 も なんら カット さ れる こと なく 、 「 もらい 逃げ 」 した 。 二 件 と も 処分 の 軽 さ を 批判 する 世論 が 渦巻いて いる のに 、 同 省 の 若手 キャリア 官僚 たち は 「 こんな こと が 処分 の 対象 に なる の は おかしい 」 と 手前勝手な 「 擁護 論 」 を 展開 する ばかりだった 。 反省 の そぶり など 、 まったく 見せて い ない のである 。 どの ケース に も 共通 する の は 、 理非 善悪 の 判断 を 放棄 し 、 自分 の 属する 組織 ・ 集団 に 逆らわ ない こと を 優先 する 行動 様式 であろう 。 その 背景 に は 、 会社 人間 に 象徴 さ れる 日本 社会 の 組織 埋没 的 体質 が ある 。 しかし 、 より 具体 的な もの と して 指摘 し なければ なら ない 問題 は 、 学校 教育 の あり 方 であろう 。 もともと 学校 と いえ ども 組織 である から 、 学校 に とって 都合 の 良い 子ども たち が 高い 評価 を 受ける 傾向 が ある こと を 問題 点 と して 指摘 する 学者 も 多かった 。 にもかかわらず 一九六〇 年 代 後半 から 七〇 年 代 に かけて 高校 入試 に 内申書 が 導入 さ れた 。 「 日ごろ 一生懸命 勉強 して いる 生徒 が 評価 さ れ ない の は 可哀そうだ 」 と いう 名目 の 下 で 、 「 教師 の 支配 」 が 正当 化 さ れた のである 。 以後 学校 は 、 生徒 たち が いかに 教師 に 従順である か を 競い合う 場 に なって しまった 。 他方 で は 会社 人間 である 大人 は 「 仕事 」 に 埋没 し 、 教育 は すべて 学校 任せ と なった 。 学校 は 「 しつけ 」 と か 「 人格 形成 」 と か 過大な 仕事 を 抱え込んだ 。 そして 授業 に 「 部活 」 に と 、 子ども を 拘束 する 時間 を どんどん 延ばして いった 。 子ども たち の 塾 通い も 、 「 受験 の ため 」 から 「 落ちこぼれ に なら ない ため 」 に 変質 した 。 いま 学校 の 子ども へ の 拘束 と 、 職場 の 大人 へ の 拘束 を 比較 する と 、 前者 の 方 が 長 時間 である だけ で なく 、 内容 的に も はるかに 厳しい もの と なって いる のである 。 明治 の 文豪 、 森 鴎外 は 一九一〇 年 に 発表 した 「 青年 」 で 次 の ように 書いて いる 。 そして その先 に は 生活 は ない のである 。 組織 に 埋没 する 以外 の 生活 を 知ら ない 日本 人 の 欠陥 を あざやかに 指摘 した 優れた 文章 であろう 。 私 たち は 遅ればせ ながら 、 鴎外 の 先見 の 明 に 学ば なければ なら ない 。 対外 経済 摩擦 で 、 大人 の 長 時間 労働 に ついて は 、 見直さ れる 機運 が 出て いる 。 当然の こと ながら 次 は 学校 である 。 子ども たち が 学校 に 埋没 し なくて も 生きて いける ように する 。 教師 の 言う 通り に 行動 する ので は なく 、 自分 が 理非 善悪 を 判断 し 、 それ に 基づいて 行動 できる ように する 。 脱 会社 人間 を 達成 した 大人 が それ を 援助 する ―― 。 鴎外 が 指摘 して から 間もなく 九十 年 が たつ 。 私 たち が 「 生きる と いう こと を 知り ました 」 と 文豪 に 報告 する ため に は 、 学校 教育 を そういう システム に 脱皮 さ せる 必要 が ある ので は ない だろう か 。 来年 三 月 に 行わ れる 台湾 初 の 総統 直接 選挙 に 出馬 する 与党 国民 党 の 正副 総統 候補 が 李 登輝 ・ 総統 、 連 戦 ・ 行政 院長 の 本省 人 コンビ に 正式に 決まった 。 外 省 人 を 中心 と する 反 主流 派 の 反発 が 強まり 、 国民 党 再 分裂 の 可能 性 も 出て きた 。 日本 と 同様 、 台湾 の 政局 は 今後 さらに 流動 性 を 増す だろう 。 中 台 関係 が 悪化 して 以来 、 さしも の 李 登輝 人気 に も 陰り が み られる が 、 それ でも 他の 政治 家 を はるかに 引き離して いる 。 現 時点 で は 同氏 の 再選 は まず 間違い ない と み られて いる 。 しかし 、 国民 党 から 離党 して 出馬 を 表明 した 次 世代 の 外 省 人 政治 家 、 陳 履安 ・ 監察 院長 や 、 党 内 に 残って 立候補 する 本省 人 政治 家 の 林 洋港 ・ 前 司法 院長 の 動向 は 波乱 要因 だ 。 仮に 両氏 が 、 二 年 前 に 国民 党 から 分裂 した 新党 と 共闘 すれば 、 李 氏 に とって かなり の 脅威 と なろう 。 李 総統 の 六 月 の 訪 米 以来 、 同氏 の 「 独立 志向 」 を 批判 して きた 中国 側 は 出馬 本決まり で 警戒 を 強めて いる 。 年 末 の 立法院 選挙 、 来春 の 総統 選挙 を 控え 、 台湾 海峡 の 波 が 高まる の は 避け られ そうに ない 雲行き だ 。 しかし これ 以上 、 台湾 近海 で 軍事 演習 を 行い 台湾 側 に 圧力 を かける やり 方 は 賢明で は ない ので は ない か 。 中国 側 の 猛 反発 以来 、 台湾 でも 「 独立 は 危険だ 」 と いう 認識 が 急速に 強まって いる から だ 。 「 たかが 同窓 会 」 と 軽い 気持ち で 李 総統 の 訪 米 を 受け入れた クリントン 政権 も 、 その後 は 「 一 つ の 中国 」 の 原則 を 繰り返し 確認 して いる 。 中国 側 に よれば 、 最近 訪 中 した ターノフ 米 国務 次官 は 「 最近 の 出来事 に よって 米国 は 台湾 問題 の 重要 性 と 敏感 さ へ の 理解 を 深めた 。 台湾 問題 に ついて の 中国 の 立場 を 重視 し 尊重 する 」 と 表明 した 、 と さ れる 。 中国 が 要求 して いる ように 「 李 総統 の 私的 訪 米 を 二度と 認め ない 」 と 公式 に は 明言 でき ない が 、 今後 は 慎重に 対応 する と いう 意思 表示 だ 。 同 次官 は 台湾 の 独立 、 国連 加盟 に 反対 する 立場 も 明確に した 。 李 総統 の 「 実務 外交 」 の 狙い は 、 もともと 母校 の 同窓 会 出席 自体 に ある ので なく 、 私的な 訪 米 を 足掛かり に 「 台湾 に ある 中華民国 の 存在 」 を 世界 に アピール し 、 国連 復帰 を 目指す こと に あった 。 クリントン 政権 は その道 を 封じた こと に なる 。 米 中 双方 は 、 十 月 の 国連 創設 五十 周年 を 機 に 訪 米 する 江 沢民 国家 主席 と クリントン 大統領 と の 首脳 会談 実現 に 向けて 努力 する こと でも 合意 して いる 。 中国 が 李 総統 訪 米 の あと 本国 に 召還 した 李 道豫 駐 米 大使 の 帰任 に 同意 した の も 、 米 側 の このような 対応 を 評価 して いる から だろう 。 中 台 関係 が 緊張 して 以来 、 台湾 内部 で 江 主席 の 八 項 目 提案 に 対する 関心 が 改めて 高まった こと も 注目 さ れよう 。 各種の 世論 調査 で 示さ れて きた 台湾 の 最大 の 民意 も 現状 維持 だ 。 李 総統 の 訪 米 で 江 主席 は 軍 など 強硬 派 から 批判 さ れて いる と の 見方 も あった が 、 中国 側 は 最近 、 八 項 目 提案 が 今 も 有効である こと を 確認 した 。 「 一 つ の 中国 」 の 枠組み こそ が 台湾 海峡 の 平和 と 安定 を 守って きた と の 認識 が 台湾 側 でも 定着 すれば 、 まさに 「 雨降 って 地 固まる 」 だ 。 ジャーナリズム に は 何度 か 取り上げ られた 。 「 いわ ず と 知れて る 」 。 気取って 、 そう 言い たい 。 が 、 そこ まで は 知ら れて い ない 。 病んだ 外国 人 労働 者 の 間 で は 有名であって も …… 。 だから 港町 診療 所 と 、 所長 の 天明 佳臣 医師 に ついて は 少し 説明 し なければ なら ない 。 横浜 駅 を 海 側 へ 出る 。 空 を 隠す 首都 高速 道路 が 、 湾 沿い に カーブ し 始めた 辺り 。 二 階 まで しか ない 港湾 労働 者 福祉 センター が 建って いる 。 港町 診療 所 が その 中 に ある 。 「 アンガージュマン って 言い ます ね 。 日本 語 だ と 参加 と か 参画 。 自分 の 発意 で 、 行う べき を 行う 。 その こと が ますます 重要な 時代 に なって きた 。 阪神 大 震災 後 の ボランティア 活動 を 挙げる まで も なく 」 小さな 診察 室 で 、 穏やかな 表情 を 崩さ ず に 天明 さん は 言った 。 一九七九 年 、 診療 所 が 発足 した 。 天明 さん は 創設 者 である 。 港湾 労働 者 、 外国 人 労働 者 を 診察 する 。 実際 は 日本 人 市民 の 患者 が 圧倒 的に 多い 。 しかし 、 外国 人 労働 者 が 頼り に して いる の は ここ な のだ 。 四 年 近く 前 、 診療 所 を 母体 に 「 みなとまち 健康 互助 会 」 が 生まれた 。 外国 人 労働 者 の 医療 ネットワーク 。 彼ら が 毎月 二千 円 を 積み立て 、 疾病 に 備える 。 会員 は 昨年 末 で 四千四十六 人 。 フィリピン 、 ガーナ 、 韓国 、 パキスタン 、 バングラデシュ 人 の 順で 並ぶ 。 「 今年 は 四千五百 人 を 超す だろう 」 と 、 天明 さん は 言う 。 会員 の 大半 が 一 度 は ここ で 受診 した 。 中 に は 滞在 期限 の 切れた 不法 在留 者 も いる だろう 。 だからと言って 罹患 者 を ほうって おけ ない 。 公的 医療 支援 から 見放さ れて いる だけ に 、 自助 努力 は 求め られて 当然だ が 、 互助 会 発足 以来 二千万 円 近い 赤字 が 重い 。 日本 社会 の 基底 部 を 外国 人 労働 者 が 支えて いる の は 、 もはや 動かし 難い 現実 だ 。 就労 ビザ を とって 働いて いる 外国 人 は 昨年 末 で 十万六千 人 弱 。 短期 滞在 ビザ で 、 昨年 入国 した 外国 人 は 二百八十五万 人 を 超す 。 ビザ 失効 後 も 日本 に 残る 人々 は 、 法務 省 の 推計 で 二十九万 人 近い 。 入国 の ピーク は 九二 年 だった 。 翌年 、 わずかに 減り 、 昨年 は 再び 増勢 傾向 に 戻った 。 この 現実 を 見る 時 、 日本 で 働き 所定 の 税 を 払う 労働 者 であれば 、 どんな 立場 に いて も 、 受診 できる 公的 制度 の 必要 を 思う 。 一方 で 、 国 内 の 失業 率 は 最悪の 三・二 % だ 。 二百万 人 の 完全 失業 者 を 意味 する 。 なお 、 事業 再 構築 と 称し 、 人減らし が 進んで いる 。 それにもかかわらず 外国 人 労働 者 は 減ら ない 。 円 が 強い 限り 雇用 が ある 。 労働 現場 の 暗い 現実 も ある が 、 この 実情 を むしろ 積極 的に 受け止め たい 。 日本 経済 が 、 量 から 質 へ 転換 する 過程 に ある 、 と は よく 言わ れる 。 実体 経済 に 量 は ついてまわる が 、 通信 機能 の 変革 は 産業 構造 を 変える 。 これ に 伴う の は 賃金 体系 、 雇用 慣行 の 変化 だ 。 変化 は すでに 地殻 変動 の ように 個別 企業 で 始まった 。 景気 動向 に かかわら ず 、 変化 を 始めた 雇用 の 在り 方 は 、 その 流れ を 止め ない だろう 。 今後 も 年功 序列 型 賃金 に 基づく 長期 雇用 は 安定 した 社会 を 維持 する 柱 の 一 つ だ 。 けれども 、 個別 契約 型 雇用 は 加速 する 。 それ だけ 社会 は 柔らかく も 、 もろく も なる 。 アジア を はじめ と して 世界 から 低廉 良質な 製品 が ますます 流入 する 。 国境 の 壁 は きわめて 低く なった 。 大陸 や 朝鮮 半島 から 渡って きた 人々 を 同化 し 、 日本 人 は 同じ 地域 に 住む 人間 と して 古代 型 、 中世 型 国家 を 運営 した 。 そして 明治 維新 が 国民 国家 を つくろう と した 。 先住 民 アイヌ を 押しつぶして で は あった が 。 だが 、 西欧 で 民族 を 核 に した 近代 国民 国家 が 生まれた の は 、 たかだか 十八 ― 十九 世紀 の こと だ 。 民族 の 観念 が 旧 ユーゴ を 泥沼 化 さ せて いる 。 ボスニア・ヘルツェゴビナ の 殺戮 も 、 いずれ は 終わら なければ なら ない 。 国境 も 画定 さ れる 。 それ でも 結局 、 人 も 物 も 新たな 国境 を 越え 、 交流 の ピッチ を 上げ ざる を 得 ない 。 国境 が 低く なって も 国家 は 存続 する だろう 。 理念 と して は 政治 統合 を も 模索 した 欧州 連合 で さえ 国家 の 消滅 を 展望 する の は 難しい 。 人間 は 歴史 を 持つ 時代 に 入る と ともに 、 強い 部族 が 支配 する 古代 的な 意味 の 国家 を つくって きた のだ から 。 主に 同じ 言語 に よって 同一 帰属 心 を 持つ 集団 が 民族 と 言える だろう 。 歴史 と ともに 民族 の 培った 文化 は 貴重だ 。 同時に 人 は 多く の 民族 と 接し つつ 生きる 時代 に 入った 。 米国 は 大きな 一例 だ が 、 幾 つ も の 問題 を 抱えた 。 しかし 、 この 多 民族 社会 が 完全 崩壊 する と は だれ も 思う まい 。 国 内 でも 外国 でも 民族 交流 の 量 と 速度 が 、 増え 、 早まれば 互い の 文化 も 影響 を 受ける 。 その 間 に 優劣 の 差別 が あって は なら ない 。 自ら の 文化 を 大切に し つつ 、 日本 人 は 変化 の 時代 を 自覚 する 。 変化 は 産業 構造 、 雇用 慣行 に 表れ 、 大きな 痛み を 伴う 。 それ を 仕方 が ない で 済ませ られ ない 。 雇用 が 流動 化 に 向かう 時 、 能力 の 開花 し やす さ と 風通し の よ さ 、 そして 公正 さ を できる だけ 矛盾 さ せ ない 社会 を つくる 。 それ が 国家 の 大きな 仕事 だ 。 観念 で 国家 を 運営 する 時代 が 去って も 、 弱肉強食 の 社会 、 世界 を 迎えて 良い ので は ない 。 低く なる 一方 の 国境 の 時代 に 国 内 外 で 、 弱い 立場 の 人々 に 、 多く の 市民 が 手 を 差し伸べる 。 目標 、 方法 は 多様に ある 。 参加 。 長期 的に は その 「 参加 の 時代 」 に 日本 も 世界 も 入って いき たい 。 シリーズ 「 戦後 50 年 ・ 日本 は どこ へ 」 は 今回 で 終わり ます 。 日教組 大会 が 難産 の 末 、 文部 省 と の 「 歴史 的 和解 」 を 図る ため の 運動 方針 を 採択 して 終わった 。 私 たち は まず 、 大会 で 激しい 論戦 が 行わ れた こと を 評価 し なければ なら ない 。 このような 大きな 転換 を 図る 際 に 激論 と なる の は 当然であり 、 組織 が 健全である こと を 示す もの で も ある 。 しかし 、 論議 の 内容 が 生産 的だった か どう か は 、 おのずと 別 問題 である 。 最大 の 焦点 は 「 日の丸 ・ 君 が 代 」 であった 。 これ まで の 運動 方針 で 文部 省 の 強制 に 「 反対 」 の 記述 が 盛り込ま れて いた の が 、 今回 の 方針 案 で 姿 を 消した から だ 。 「 なぜ な んだ 」 と 執行 部 を 追及 した 地方 教組 も 、 この 問題 を 国民 運動 と して 展開 する 展望 を 持って いた わけで は ない 。 すでに 総評 は 一九八九 年 に 解散 した 。 社会党 も 昨年 六 月 の 村山 内閣 成立 と ともに 、 日の丸 ・ 君 が 代 を 含む 自民党 政権 の 施策 を ほとんど 認める 驚く べき 「 柔軟 性 」 を 発揮 した のである 。 「 強制 反対 」 が 日教組 の 運動 方針 に 書か れて も 、 その 記述 が 削除 さ れて も 、 その 運動 が 国民 運動 と なら ない 点 で は 同じ と いう 重い 現実 が あった 。 だからこそ 、 討論 で は 「 反対 」 の 声 が 強い 中 で 、 運動 方針 案 の 採択 は さしたる 混乱 も なし に 行わ れた のである 。 だが 、 日の丸 ・ 君 が 代 問題 ばかり に 論議 が 集中 する こと が 果たして 望ましかった のだろう か 。 いま 学校 教育 の 世界 は 不 登校 、 いじめ 、 教師 の 暴力 など の 問題 が 噴出 して いる 。 現実 の 教育 問題 に ついて 活発な 論議 が 行わ れる べきだった だろう 。 学校 教育 の 混迷 の 背景 に ある の は 文部 省 の 管理 主義 だ と いわ れて いる 。 とすれば 、 なぜ いま 日教組 が 文部 省 と 手 を 握る の か 、 と いう 論議 こそ 必要だった はずだ 。 この 議論 は 、 文部 省 と 手 を 結んで 何 を やる の か と いう 未来 志向 と も 結びつく 。 県 教委 と 日教組 傘下 の 地方 教組 が 仲良く して いる 例 は すでに ある 。 その 典型 例 が 愛知 県 である 。 しかし 、 同県 の 教育 は 、 千葉 県 と ならんで 「 管理 教育 の 権化 」 と 厳しい 批判 を 受けて いる 。 昨年 末 大きな 社会 問題 と なった 愛知 県 西尾 市立 東部 中学 二 年 の 大河内 清輝 君 の いじめ に よる 自殺 事件 は 、 その 中 で 起きた 。 そして 、 この 事件 を きっかけ に 文部 省 が 実施 した 「 いじめ 総 点検 」 で 、 愛知 県 内 で は 千五百八十三 件 の いじめ が 把握 さ れ 、 うち 小学校 は 九百四十七 件 、 中学校 は 五百八十三 件 を 占めた のである 。 全体 の 件数 、 小学校 の 件数 と も 全国 で 最多 だった 。 協調 路線 の 未来 が 必ずしも 明るく ない こと を 示す 実例 であろう 。 日の丸 ・ 君 が 代 に 例 を とれば 、 国旗 ・ 国歌 と いう 位置づけ が 「 正しい 」 と か 「 誤り だ 」 と か いう 結論 を 教え込む の は 、 あるべき 教育 の 姿 と は ほど遠い 。 国旗 ・ 国歌 だ と いう 人 も いて 、 それ を 否定 する 人 も いる 。 適切な 年齢 に 達したら 、 それ は どうして な の か を 考え 、 自分 なり の 判断 が できる 子供 を 育てる こと こそ 教育 な のだ 。 私 たち は 、 異常な 対立 関係 を 脱した 文部 省 と 日教組 が 、 学校 教育 を 少し でも 改善 して いける の か どう か 見守る 必要 が あろう 。 そして 父母 と して 国民 と して 、 この 両者 に 対し 、 どんどん 発言 して いく 必要 が あろう 。 学校 教育 を 専門 家 に 任せて いた こと も 混迷 の 原因 だった のだ から 。 韓国 の 首都 ソウル の 中心 を 流れる 漢江 の 両側 に は 、 数 多く の アパート 団地 が ある 。 その アパート の 窓 や 屋上 に 衛星 放送 受信 用 の アンテナ が 目立つ 。 しかし 、 韓国 で は まだ 衛星 放送 は 始まって い ない 。 実は 、 ソウル の 多く の 市民 が 見て いる の は 、 日本 と 香港 の 衛星 放送 である 。 韓国 人 は 、 衛星 放送 を 通じ 日本 の ニュース を はじめ 、 大相撲 や プロ 野球 を 楽しんで いる 。 韓国 の 新聞 の テレビ 番組 欄 に 、 NHK と 香港 の 衛星 放送 の 番組 表 が 毎日 掲載 さ れる ほど に 、 定着 して いる 。 韓国 の テレビ 局 は 、 日本 の 歌謡 や 映画 の 放映 を 禁じ られて いる 。 しかし 、 現実 に は 衛星 放送 を 通じ 日本 の 歌 を 聴き 、 日本 映画 も 見る こと が できる わけだ 。 韓国 で は これ まで 、 釜山 など の 一部 の 地域 で 日本 の テレビ が 受信 さ れて きた 。 金 大中 元 大統領 候補 が 、 日本 の テレビ に 日本 語 で インタビュー に 応じる 姿 が 伝わり 、 大きな 批判 を 浴びた こと も あった 。 金 大中 氏 は それ 以後 、 テレビ インタビュー で は 韓国 語 しか 使わ なく なった 。 釜山 で 見 られた テレビ の 内容 が 、 たちまち ソウル まで 伝わった 結果 であった 。 韓国 で は 、 日本 の テレビ 電波 の 受信 を 文化 侵略 と して 警戒 する 声 が これ まで 根強かった 。 また 、 日本 の 報道 を 「 偏向 報道 」 と 決めつけ がちな 雰囲気 も なお 残って いる 。 しかし 、 衛星 放送 受信 の 全国 的な 広がり の 中 で 、 こうした 主張 は 次第に トーン を 弱めて いる 。 かつて 、 東欧 社会 主義 国 の 崩壊 を 推進 した 原因 の 一 つ は 、 国境 を 超えた 西側 の 電波 の 受信 であった 。 日本 の 衛星 放送 の 受信 も 、 韓国 内 に 日本 理解 の 新鮮な 素材 を 直接 提供 して いる ようである 。 日本 語 の 勉強 の ため に 見て いる 、 と 語る 韓国 人 も 少なく ない 。 しかし 、 その 一方 で 新たな 課題 も 提起 さ れて いる 。 八 月 十五 日 の 村山 富市 首相 の 戦後 五十 年 談話 に ついて 、 日本 の テレビ ニュース は 当初 、 アジア 各国 で 歓迎 さ れて いる と の コメント を 伝えた 。 ところが 、 韓国 KBS テレビ の 報道 は 首相 談話 を 単純に 歓迎 した もの で は なかった 。 この ため か 、 その後 の ニュース で は この コメント が 消えた 。 これ は 、 日 韓 の テレビ 報道 の 内容 が 直ちに チェック さ れる 時代 を 迎えた こと を 意味 して いる 。 韓国 も すでに 放送 衛星 を 打ち上げ 、 衛星 放送 開始 の 準備 を 進めて いる ほか 、 海外 向け の 衛星 放送 も 計画 して いる 。 近い 将来 に 、 日本 の 家庭 でも 韓国 の 衛星 放送 を そのまま 受信 できる こと に なる 。 日 韓 両 国民 が 衛星 放送 を 相互 に 受信 できる 時代 に は 、 相手 の 国 に 対する 十分な 理解 と 報道 の 質的 向上 が 一層 求め られる 。 漢江 に 架かる 聖水 大橋 の 崩壊 と 、 ソウル の デパート 倒壊 に 関する 日本 の テレビ 報道 に は 多く の 批判 が 聞か れた 。 韓国 の 不幸 を 、 日本 人 が 喜んで いる か の よう に 受け取ら れた から だ 。 デパート の 倒壊 を 伝えた 深夜 の NHK ニュース で 、 キャスター と 記者 が 笑顔 で 隣 の 国 の 不幸 を 説明 した 場面 も 、 韓国 国民 の 誤解 を 生み やすい もの であった 。 韓国 の テレビ 報道 も また 、 日本 国民 に 直接 チェック さ れる 時代 を 迎える 。 国境 を 超えた テレビ の 相互 受信 が 、 日 韓 の 相互 理解 に 貢献 する こと を 期待 し たい 。 アジア の 経済 発展 を 左右する アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 の 大阪 会議 が 十一 月 に 迫って いる 。 主催 国 の 日本 は 是が非でも リーダーシップ を 発揮 して 、 二十一 世紀 に 向けた 貿易 自由 化 と 協力 関係 の 青写真 を 描か ねば なら ない 。 日本 の 任務 は 、 昨年 の インドネシア の 会議 で 採択 さ れた 「 ボゴール 宣言 」 を 具体 化 して 、 いかに 中身 の 濃い 「 行動 指針 」 を 作成 、 合意 に こぎ着ける か だ 。 だが 、 前途 は 楽観 を 許さ ない 。 基本 的に は 、 三 つ の 調整 を 要する 課題 が ある 。 第 一 は 、 行動 計画 を まったく 各国 の 自主 性 に 任せる べきだ と 主張 する 中国 、 マレーシア の 説得 である 。 行動 指針 の 「 一般 原則 」 で は 、 「 メンバー ごと 、 分野 ごと の 発展 段階 の 多様 性 へ の 配慮 」 で 、 各国 が ほぼ 合意 して いる 。 だが 、 各国 が あまりに 個別 事情 に こだわり 、 自由 化 に 消極 的に なる と 、 全体 の 枠組み が 崩れて しまう 。 第 二 は 、 逆に 性急に 自由 化 を 求める 米国 、 カナダ の 説得 である 。 米国 は 自主 性 、 自発 性 を 重視 する アジア 方式 を 認め ながら も 、 自主 的 アプローチ に は 不満 で 、 できれば 行動 指針 を 市場 開放 の ため の 交渉 に 役立てる こと を 狙って いる 。 日本 と して は 、 この 真っ向 から 対立 する 中国 、 米国 と も なだめて 、 自主 性 と 協調 行動 を 両立 さ せる ような フレームワーク を 作ら ねば なら ない 。 第 三 は 、 日本 自身 の 貢献 である 。 これ に は 農 水産物 の 関税 引き下げ ・ 撤廃 の 問題 が 立ちはだかって いる 。 連立 与党 内 や 農水 省 に は 、 日本 が コメ の 部分 開放 など 困難な 交渉 を 受け入れた ばかりで 、 追加 的な 自由 化 に は 「 一切 応じる べきで は ない 」 と の 意見 が 多い 。 だが 、 ボゴール 宣言 で うたわれた の は 「 例外 なし の 原則 」 であり 、 日本 が 長期 の 行動 計画 で 農 水産物 の 例外 措置 を 求める と 、 ありとあらゆる 国 が 例外 措置 を 要求 して 、 収拾 が つか なく なる 。 つまり 、 行動 指針 の 全体 が 骨抜き に なって しまう 。 これ に 関して 、 自民党 は 二 グループ の 議員 団 を アジア 諸国 に 派遣 して 、 自由 化 でき ない 日本 の 事情 を 説明 して 回った 。 アジア 諸国 は 日本 に 対して 、 フルーツ など の 熱帯 産品 の 関税 引き下げ や 水産 品 の 検査 の 簡略 化 を 期待 して いる 。 確かに 、 個別 品目 に よって は 、 それぞれ の 事情 から 、 関税 の 引き下げ が 困難 かも しれ ない 。 だが 、 日本 が 一括 して 農 水産物 の 例外 措置 を 求める の は 無理な 話 だ 。 そんな 主張 を すれば 、 日本 は 大阪 会議 の リーダーシップ を 取れ ない ばかり か 、 非難 が 集中 する だろう 。 今月 、 香港 で 開か れる APEC 高級 事務レベル 会合 で 、 この 問題 が どう 扱わ れる か が 注目 さ れる 。 アジア は 世界 経済 の 成長 センター に なった 。 この 地域 が 、 混乱 なく 自由 化 して いく こと は 、 中国 の 利益 に も つながる 。 中国 の 世界 貿易 機関 へ の 加盟 に 対して 、 クリントン 米 政権 は 決断 する こと が でき ず 、 それ が 中国 を 国際 ルール に 組み込む こと を 遅らせて いる 。 だから 、 中国 に とって APEC が 世界 の 通商 の 窓口 であり 、 中国 政府 に は 譲歩 が 自国 の ため と の 認識 が 必要だ 。 日本 は アジア の 産業 開発 や 生産 基盤 の 整備 で 、 将来 、 その 役割 を 一層 強める だろう 。 日本 が アジア の 国 と して 評価 さ れる か どう か の 試金石 が 大阪 会議 に なる 。 関西 国際 空港 が 開港 二 年 目 に 入った 。 大阪 湾 に 造成 さ れた 空港 島 の 一 年間 は 、 就航 便 数 や 利用 客 が 着実に 増加 し 、 大きな 事故 や トラブル も なく 経過 した 。 まずは 順調な 滑り出し と 評価 できる 。 一方 で 、 「 アジア の ハブ を 目指す 本格 的 二十四 時間 空港 」 と いった うたい文句 通り の 存在 に は 、 まだ 程遠い 。 一 年 目 の 実績 を 基 に 、 目指す べき 新 空港 を いかに 実現 する か 。 新 空港 の 効果 を 地域 全体 に どう 波及 さ せる か 。 国 と 地元 の 努力 は 、 二 年 目 以降 に こそ 真価 を 問わ れる 。 国際 線 の 就航 は 、 開港 時 の 週 三百三十四 便 から 一 年間 を 経て 四百五十九 便 に 増大 した 。 注目 す べき は 、 新 東京 国際 空港 の 容量 不足 など から 乗り入れ でき なかった 多く の 国 ・ 地域 から 直行 便 就航 が 実現 した ことだ 。 これ まで 、 成田 を 利用 して いた 西 日本 の 乗客 を かなり 吸収 した こと も 含め 、 関西 空港 に 日本 の 航空 事情 改善 の 役割 を 期待 できる 。 もっと 活用 す べきだろう 。 例えば 、 終日 運用 の 「 眠ら ない 空港 」 の 利点 が 、 まだ 生かさ れて い ない 。 これ まで 午前 零 時 ― 六 時 の 定期 便 が なく 、 ようやく 五 日 から この 時間 帯 に 米国 の 定期 貨物 便 が 就航 した 。 深夜 の 時間 帯 活用 は 貨物 便 中心 と なる が 、 空港 利用 料金 の 高 さ や 企業 の 物流 システム など の 関係 で 、 空港 を 眠ら せて きた の が 現実 だ 。 国際 貨物 集散 拠点 と して の 機能 強化 は 、 地元 の 経済 基盤 底上げ に も 寄与 する 。 二 年 目 の 重点 課題 である 。 関西 は 、 大阪 国際 空港 だけ だった 時代 に 比べ 、 約 二・五 倍 の 国 や 都市 と 空路 で 直結 さ れた 。 十一 月 に 大阪 で アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 が 開か れる の も 、 東京 と 並ぶ 大きな 玄関 口 が 関西 に できた 効果 と 言えよう 。 しかし 現状 で は 、 わが国 の 東京 一 極 集中 を 是正 する けん引 車 の 役割 まで は 期待 でき ない 。 そこ で 、 現在 一 本 だけ の 滑走 路 を 三 本 に 増やす 全体 構想 が 課題 と なる 。 航空 審議 会 は 第 七 次 空港 整備 五 カ年 計画 の 中間 取りまとめ で 関西 空港 二 期 工事 の 早期 着工 を 認めた 。 ハブ 空港 へ の 道筋 が 見えて きた のだ が 、 実現 に は 財源 を はじめ 難問 が 多い 。 運輸 省 が 近く 提示 する であろう 「 陸上 ルート 」 も その 一 つ だ 。 滑走 路 新設 で 増える 便 を 安全に 管制 する に は 、 現在 海上 に 限定 して いる 飛行 ルート を 陸上 に も 広げ たい と いう 。 しかし 地元 で は 、 陸上 飛行 に 伴う 騒音 など へ の 不安 と 反発 が 強い 。 関西 空港 の 海上 立地 は 、 伊丹 の 空港 で 住民 を 苦しめた 航空 機 公害 の 防止 が 大きな 理由 だ 。 地元 も 海上 飛行 を 条件 に 、 空港 建設 に 同意 した 。 この 原点 を 忘れて は なら ない 。 国 は 「 陸上 ルート 」 容認 を 、 滑走 路 増設 の 条件 と して 押しつける こと なく 、 地元 と の 話し合い に 臨む べきだ 。 強風 で 空港 へ の 連絡 橋 が たびたび 通行 止め に なる 弱点 の 克服 、 国際 線 から 国 内 各地 へ の 乗り継ぎ 機能 の 強化 、 空港 利用 料金 や 空港 内案 内 表示 の 見直し など やる べき こと は まだまだ ある 。 伊丹 の 空港 や 計画 中 の 神戸 空港 と の 役割 分担 も 早急に 整理 し 、 明確に す べきだろう 。 国際 空港 の 存在 が 地域 の 国際 化 を 進展 さ せ 、 逆に 地域 の 文化 と 個性 を 世界 に アピール する 。 関西 空港 が 早く そのような 存在 に なり 、 市民 の 空港 と して 発展 する よう 、 地域 挙げて の 支援 と 監視 を 期待 し たい 。 自分 たち の 組織 の 拡大 と 利益 を 守る ため に は 、 手段 を 選ば ない 。 オウム 真理 教 を めぐる 多く の 事件 に 、 こうした 行動 が 見 られる 。 原点 を たどれば 、 横浜 市 内 で 起きた 坂本 堤 弁護 士 一家 三 人 が 突然 、 姿 を 消した 事件 に 突き当たる 。 六 日 、 警察 の 捜索 で 坂本 さん 夫妻 の 遺体 の 一部 が 発見 さ れ 、 殺害 実行 グループ の 一 人 と して 元 教団 幹部 が 逮捕 さ れた 。 実に 苦い 結末 である 。 神奈川 県警 は 当初 から 、 教団 を 視野 に 入れて いた 。 しかし 、 解決 まで に 六 年 近く の 時間 が かかった 。 振り返って 見れば 、 これ が 、 教団 の 暴走 を 許す きっかけ に なった と 、 思わ ざる を 得 ない 。 その後 の 教団 の 犯行 から 、 自己 過信 と 警察 へ の 「 侮り 」 が 伝わって くる から だ 。 「 教団 の 反 社会 性 が はっきり した 今に なって 、 当時 の 捜査 の 在り 方 を 、 あれこれ 言う の は 『 後 講釈 』 で は ない か 」 と の 主張 も ある だろう 。 しかし 、 国民 の 生命 と 財産 を 守る 組織 と して 大きな 力 が 与え られて いる 警察 は 、 そうした 批判 も 受け止め なければ なら ない 立場 に ある 。 事件 直後 から 、 「 教団 の 影 」 が 指摘 さ れて いた 。 坂本 さん と 教団 が 激しく 対立 して いた ほか 、 自宅 から 教団 の バッジ 「 プルシャ 」 が 見付かった から である 。 神奈川 県警 は 教団 代表 の 麻原 彰晃 被告 を 、 任意で 事情 聴取 して いる 。 しかし 、 「 関係ない 」 の 否定 を 崩す こと は でき なかった 。 突き崩す チャンス は あった 。 一九九〇 年 二 月 、 県警 に 届いた 匿名 の 手紙 に 坂本 さん の 長男 の 遺体 を 埋めた と いう 場所 を しるした 地図 が 同封 さ れて いた 。 県警 は 捜索 した が 、 発見 する こと は でき なかった 。 その後 の 調べ で 、 手紙 を 出した の は 六 日 逮捕 さ れた 元 幹部 であった こと が 判明 して いる 。 八 カ月 後 に は 、 熊本 県警 に 国土 利用 計画 法 違反 の 疑い で 逮捕 さ れた 信者 の 中 に 、 今回 事件 に 加わった と 見 られて いる 幹部 が いた 。 県警 間 の 情報 交換 が 十分だった の か の 疑問 が わいて くる 。 バッジ は 、 実行 グループ の 一 人 が 落とした もの である こと も 裏付け られて いる 。 神奈川 県警 は 、 有力な 証拠 や 情報 に 接して いた こと に なる 。 徹底 した 捜査 を して いれば 、 事件 は もっと 早く 解決 できた ので は ない か の 思い は 、 どうしても 消え ない 。 なぜ 、 それ が でき なかった の か 。 「 相手 が 宗教 だ と いう 大きな 壁 …… 宗教 を タブー 視 して いた 幹部 は 決断 でき なかった 」 。 ある ベテラン 捜査 員 の 、 この 言葉 が すべて を 言いつくして いる ので は ない か 。 わが国 の 経験 から は 、 宗教 団体 が 組織 ぐるみ で 凶悪 事件 を 起こす と いう こと は 、 考え にくかった だろう 。 しかし 、 海外 で は 武装 した 狂信 的な カルト 教団 が 想像 を 超えた 事件 を 起こして いる 。 急激に 進む 国際 化 を 背景 に 、 犯罪 も また 国境 の 垣根 が どんどん 低く なって いる 時代 である 。 犯罪 は 時代 を 映す 鏡 と いう 。 「 まさか …… 」 の 「 常識 」 に 疑問 を 抱く 鋭い 感度 を 持って いて ほしかった 。 松本 サリン 事件 の 捜査 に も 共通 する ところ が ある 。 警察 は 待ったなし で 取り組ま なければ なら ない 課題 を 、 いく つ も 突き付け られて いる 。 「 捜査 が 一 段落 した ところ で 反省 、 検証 し なければ なら ない と 思い ます 」 本紙 の インタビュー に 国松 孝次 警察 庁 長官 は 、 こう 述べて いる 。 そこ から 重い 教訓 を 生かした 答え を 出して ほしい 。 フランス が 核 実験 の 再開 に 踏み切った 。 世界 に 渦巻く 反 核 世論 を 無視 した 暴挙 と 言わ ざる を 得 ない 。 怒り と 悲しみ の 気持ち を 込めて 仏 政府 に 抗議 する と ともに 、 実験 を 直ちに 停止 する よう 求め たい 。 核 拡散 防止 条約 の 無 期限 延長 に 際して 、 核 保有 国 は 核 軍縮 へ の 努力 を 誓約 した はずだ 。 中国 と ともに この 誓い を 破った 仏 の 態度 は 、 非核 保有 国 へ の 裏切り 行為 と いえる 。 中 仏 両 国 が 今後 も 核 実験 を 続ける なら 、 核 保有 国 と 非 保有 国 の 信頼 関係 は 崩れ 、 NPT 体制 は 揺らぎ かね ない 。 核 の 無秩序な 広がり を 食い止める 唯一 の 防壁 である NPT 体制 が 崩壊 すれば 、 果てし の ない 核 開発 競争 を 招く だろう 。 シラク 仏 大統領 は 実験 再開 の 根拠 と して 「 核 抑止 力 維持 」 を 掲げて いる が 、 この “ 錦 の 御 旗 ” は 既に ぼろぼろに なって いる 。 核 抑止 は 一九六〇 年 代 、 当時 の ドゴール 大統領 に よって 打ち出さ れた 仏 独特 の 戦略 。 米 ソ の 世界 支配 に 対抗 して 独自 核 に よる 国土 防衛 を めざす この 戦略 は 、 多分 に 国家 主義 的 性格 を 帯びて いた 。 東西 冷戦 下 で 仏 の 核 は ソ連 に 向け られた が 、 冷戦 構造 は 崩壊 し 、 ソ連 は 既に ない 。 二 度 の 大戦 の 主戦 場 と なった 欧州 は 、 過去 の 教訓 を 踏まえて 、 主権 国家 を 超えた 統合 を めざして いる 。 欧州 連合 は 共通 外交 ・ 安保 政策 を 掲げ 、 独 仏 を 主体 と する 欧州 軍団 も 発足 した 。 「 一 国 だけ で 安全 は 守れ ない 」 と の 欧州 共通 の 認識 が 、 ここ に は にじみ出て いる 。 仏 の 防衛 問題 専門 家 は 、 過去 百 年 の 間 に 外国 から 三 回 侵略 さ れた 仏 に 核 保有 は 必要 と 強調 する 。 この 「 外国 」 は 普 仏 戦争 と 両 大戦 で 戦火 を 交えた ドイツ を 指す が 、 現在 の ドイツ は 仏 に とって 最も 緊密な 同盟 国 であり 、 両 国 は 欧州 統合 の 両輪 だ 。 ドイツ の ワイツゼッカー 前 大統領 が 「 時代遅れの 安保 思想 」 と 、 仏 の 政策 を 非難 した の は 当然だろう 。 また 、 仏 は 実験 に よる 環境 汚染 の 心配 は ない 、 と 主張 する が 、 同国 原子 力 庁 が 先月 公表 した 記録 でも 、 南 太平洋 ムルロア 環礁 など で 放射能 漏れ に よる 汚染 が 過去 三 回 あった こと を 認めて おり 、 環境 破壊 へ の 懸念 は 捨て切れ ない 。 核 実験 全面 禁止 条約 は 核 関連 物質 生産 禁止 条約 と 並ぶ NPT 無 期限 延長 後 の 核 軍縮 の 柱 だ 。 小規模な 核 実験 を 認める など の 例外 規定 を CTBT に 設ける 動き が 伝え られて いる 。 来年 に も 締結 予定 の 新 条約 が しり抜け に なら ない よう 、 核 保有 国 は 「 全面 禁止 」 受け入れ を 表明 す べきだ 。 中南米 、 南太平洋 に 次いで アフリカ 諸国 も 六 月 に 非核 地帯 条約 を 採択 した 。 東南 アジア でも 同じ 構想 が 具体 化 し つつ ある 。 これ ら 南 半球 を 覆い つつ ある 非核 ゾーン に 実効 性 を 持た せる ため に は 、 核 保有 国 の 協力 が 不可欠 。 核 保有 国 が 核 兵器 を 持ち込んだり 、 核 実験 を 行えば 非核 地帯 は 形がい 化 する から だ 。 ムルロア 環礁 は ラロトンガ 条約 に うたわれた 南太平洋 非核 地帯 に 位置 する 。 同 条約 及び CTBT に 無 条件 に 調印 する こと を 仏 政府 に 求め たい 。 武村 正義 蔵 相 の タヒチ 反 核 集会 参加 を 「 内政 干渉 」 と する 仏 政府 の 批判 は 理解 に 苦しむ 。 国会 決議 で 中 仏 の 核 実験 を 批判 した 日本 は 、 国連 総会 に 実験 全面 禁止 の 決議 案 を 提出 し 、 核 軍縮 へ の 粘り強い 努力 を 続ける べきだろう 。 一万 余 の 幽霊 国家 公務 員 が 月 十一億 円 の 税金 を 不正 受給 して いた ―― ただし ブラジル で の 話 。 サンパウロ から の 外電 が 伝えて いた 。 これ に 比べれば 日本 の 公務 員 は 、 まだ しっかり して いる 。 国民 は そう 信じ たい し 、 信じて も いた 。 が 、 その 信頼 を 揺さぶる 不祥事 が 露呈 した 。 官 官 接待 なる 奇妙な 風習 が それ である 。 地方 官僚 が 中央 官僚 を 接待 する 。 それ も 常識 は ずれ の 接待 を 。 もちろん 税金 を 使って 。 市民 団体 「 全国 市民 オンブズマン 連絡 会議 」 の 追及 で 、 その おぼろげな 輪郭 が 分かった 。 都道府県 など 自治 体 の 予算 に 計上 さ れて いる 食糧 費 が 流用 さ れ 、 その 額 は 約 三百億 円 に 上る と 推計 さ れて いる 。 ところが 食糧 費 だけ で なく 、 なんと 国 から 交付 さ れる 国庫 補助 金 を 都道府県 など の 東京 事務 所 に 還流 さ せ 、 それ で 官 官 接待 して いる こと も 明らかに なった 。 毎日新聞社 など の 調べ に よる と 宮城 県 、 愛知 県 、 福岡 県 など 七 自治 体 に のぼり 、 その 数 は さらに 増える 見込み 。 中央 官僚 から みれば 、 自分 で 配分 した 補助 金 を 飲み食い して いた こと に なる 。 こんな 国民 を ばかに した 話 は ない 。 第 一 に 自治 体 は どこ も 税収 が 落ち込んで 財政 が 厳しい はず 。 一般 企業 なら 給与 を 切り下げ なければ なら ない 状況 に ある 。 超 一流 の 料亭 で 飲み食い し 、 カラオケ バー を はしご する 余裕 など ない はずだ 。 第 二 に 酒 を 飲ま なければ 仕事 が でき ない と は なにごと か 。 長崎 県 知事 は 記者 会見 で 「 われわれ は 地域 の ため に 夜 も 働いて いる 」 と 述べた が 、 昼間 きちんと 働いて いただければ 結構 。 何万 円 も する ワイン を 飲み 、 コンパニオン を はべら せ なければ 中央 と の 意思 疎通 が 図れ ない と いう なら 公務 員 を 辞めて いただき たい 。 第 三 に 地方 自治 体 は 二 言 目 に は 「 補助金 行政 など 国 の システム に 問題 が ある 」 と いう 。 もっともな ようで 、 これ は 逃げ口上 に も 等しい 。 補助 金 を もらう ため に 補助 金 を 流用 する と いう 姿 は 補助金 行政 を 是認 する もの 。 税金 の 横取り 、 と いう より 汚職 の におい も する 。 宮城 県 で は 「 食糧 費 の 不正 支出 」 で 、 秋田 県 で は 「 公共 事業 費 の 不当 流用 」 で 知事 以下 の 処分 が 行わ れた 。 会計 検査 院 は 大阪 府 の 国庫 補助 金 を 対象 に 立ち入り 調査 に 着手 。 秋田 県 や 島根 県 など の 食糧 費 に ついて も 特別 検査 を する 方針 と 聞く 。 だれ が 見て も 不合理な 支出 だ 。 この際 、 官 官 接待 を 廃止 する よう 中央 省庁 ならびに 自治 体 に 要請 し たい 。 村山 富市 首相 も 「 こんな もの が ある こと 自体 が おかしい 。 お互いに 飯 を 食う 時 は プライベートで 食えば よい 」 と 言って いる 。 なにも 難しい 話 で は ない 。 中央 省庁 が 職員 に 対し 「 夜 の 接待 は 受ける な 」 と 通達 すれば 済む ことだ 。 どうしても 酒 が 飲み たければ 、 自分 の カネ で 飲めば よい 。 自分 の カネ で 飲め ない ところ で 飲もう と する から 意地 汚く なる 。 山形 県 は 官 官 接待 の 改善 策 と して 「 コンパニオン を 呼べる の は 部局 長 以上 の 出席 する 懇談 会 と する 」 と の 基準 を 作った と いう 。 とんだ お 笑い で 、 こんな 感覚 だ から 中央 から 軽んじ られる のだ 。 自治 体 自ら 「 官 官 接待 は し ませ ん 」 と なぜ 言え ぬ の か 。 それにしても 監査 委員 や 地方 議会 は なに を して いる の か 。 同じ穴のむじな か 。 情けない 話 である 。 公定 歩合 が 〇・五 % と いう の は 、 一昔 前 なら 信じ られ ない 低い 水準 である 。 日銀 の 決断 の 背後 に ある の は 、 日本 経済 の 異常 事態 であり 、 その 対処 に は 金融 緩和 だけ で 不十分である こと は いう まで も ない 。 八 日 に 発表 さ れた 日銀 短期 経済 観測 調査 で は 、 景気 の 足踏み 状態 が 長引く こと が 確認 さ れて いる 。 物価 圧力 は 続き 、 通貨 供給 量 も 伸び悩んで おり 、 景気 を 押し上げる ため 、 一層 の 金融 緩和 が 必要 と 判断 した もの だ 。 政府 は 二十 日 に 追加 景気 対策 を 打ち出す が 、 ぜひとも 中身 を 濃い もの に して 、 失速 の 懸念 を 打ち 払って ほしい 。 景気 の プラス 面 で は 、 過度の 円高 の 動き が 修正 さ れ 、 株価 が 持ち 直して きた こと が 挙げ られる 。 しかし 、 鉄鋼 を はじめ と する 「 意図 し ない 在庫 」 が 積み上がり 、 個人 消費 、 住宅 着工 など に も 陰り が 広がって いる 。 一層 の 金融 緩和 は 、 アナウンス 効果 が あった し 、 タイミング も よかった 。 公定 歩合 の 引き下げ は 、 市場 で 出始めた 長期 金利 の 上昇 傾向 を 阻止 し 、 景気 回復 に プラス に なる 。 同時に 、 ドル高 ・ 円安 を 促し 、 金融 機関 の 収益 に テコ入れ する こと で 、 海外 まで 広がって いる 金融 不安 を 緩和 する 効果 を 持つ 。 だが 、 日銀 が 指摘 する まで も なく 、 金融 緩和 の 効果 が 十分に 発揮 さ れる に は 、 「 思い切った 規制 緩和 の 推進 と 構造 改革 の 実施 」 の 伴う こと が 必要だろう 。 とくに 規制 緩和 で は 、 官僚 機構 が 既得 利益 グループ と 結託 して 、 広範に サボタージュ を 続けて いる 。 情報 ・ 通信 、 流通 、 運輸 、 土地 ・ 住宅 分野 で 、 規制 が 新しい ビジネス の 創造 と 雇用 拡大 の 機会 を 奪って いる 。 こうした マイナス の 諸 規制 を 撤廃 して 、 余った 役人 を もっと 有用な 分野 に 再 配置 し なければ 、 国民 は 経済 活動 を 妨害 する 役人 に 税金 を 使い 続ける 羽目 に なる 。 日本 経済 は すでに そのような 無駄遣い を する 余裕 が なくなって いる 。 規制 緩和 に ついて 、 経済 界 から さまざまな 要望 が 出さ れて いる 。 規制 緩和 を うたい文句 だけ に 終わら せ ない ため に 、 情報 公開 制度 を 早急に 整備 し 、 新規 事業 分野 に つながる 規制 緩和 の 重点 項目 を 選び 、 国民 運動 と して 展開 し なければ なら ない 。 民間 は 血 を 流す ような 努力 で リストラ を 進めて いる 。 公的 部門 も 、 同じ ような 努力 を し ない と 、 バランス が 崩れ 、 財政 は 破たん して しまう だろう 。 今回 の 不況 局面 で 、 すでに 公共 事業 を 中心 に 五十兆 円 近い 景気 刺激 策 を 実施 して きた が 、 それほど 効果 が 上がって い ない 。 なに が 公共 事業 で 生産 誘発 効果 が ある か を 、 よく 検討 し なければ なら ない 。 金融 機関 の 不良 債権 処理 の スピード アップ も 、 重要な 景気 対策 である 。 金融 機関 の 自助 努力 を 基本 に 、 不良 債権 の 背後 に ある 不動産 業界 の リストラ が 重要だ 。 その ため に は 、 土地 の 流動 化 と 不良 債権 の 証券 化 を 具体 化 する よう 関係 者 は 全力 を 尽くす べきである 。 結局 、 いま 問わ れて いる の は 、 戦後 、 日本 経済 の 繁栄 を もたらした システム そのもの かも しれ ない 。 円安 に 動き 、 空前 の 金融 緩和 の 今 の 時期 を 逃して は なら ない 。 みんな で 構造 問題 に 取り組み 、 二十一 世紀 へ の 道筋 を つけて ほしい 。 また 大蔵 官僚 の 非常識な 行状 が 明るみ に 出た 。 中島 義雄 ・ 前 財政 金融 研究 所長 が 複数 の 知人 から 総額 一億六千万 円 の 贈与 、 低利 融資 を 受けて いた と 七 日 、 大蔵 省 が 公表 した のである 。 この 役人 は こうして 得た 資金 で 、 旧 東京 協和 信用 組合 元 理事 長 の 高橋 治則 被告 関連 の 「 イ、アイ、イ 」 社 株 を 買ったり 、 高級 スポーツクラブ の 会員 権 購入 に 充てて いた 。 驚く ほど 無神経な 行動 だ 。 公務 員 の 私的な 経済 行為 と 見過ごす わけに は いか ない 。 驚く べき は 、 大蔵 省 幹部 の 「 贈与 を 受けた 知人 へ の 便宜 供与 や 、 職務 上 の 関連 は 出て おら ず 、 『 タニマチ 』 的な 援助 と しか 考え られ ない 」 と いう コメント である 。 思い上がり も 甚だしい ので は ない か 。 どこ の だれ が 何の 見返り も なし に 、 数百万 円 単位 で 、 現金 を 役人 に 渡す もの か 。 しかも 、 この 役人 は かつて 、 国税 庁 の 調査 査察 部 に 勤務 して いた に も かかわら ず 、 贈与 税 を 支払って い なかった 。 大蔵 省 に よれば 「 相手 先 が 納税 を 終えた 所得 から 贈与 を 受ければ 申告 の 必要 は ない と 思って いた 、 と 釈明 して いる 」 そうだ 。 ふざけて は 困る 。 国税 庁 に いた 者 から 、 そんな 脱税 の 論理 を 聞か さ れる と は 夢にも 思わ なかった 。 それにしても 、 私 たち の 理解 を 超える の は 、 大蔵 省 の 疑惑 調査 の 遅 さ と 、 歯切れ の 悪 さ である 。 個人 の プライバシー を 理由 に 、 調査 の 細部 も 公表 して い ない 。 大蔵 省 と いう 組織 が 「 仲間 」 を かばって いる ので は ない か 、 と いう 疑問 が ぬぐえ ない の は 、 一連の 大蔵 当局 の 対応 である 。 武村 正義 蔵 相 は 三 月 に 続いて 俸給 を 自ら 返上 する と 語った 。 大蔵 省 幹部 も 国家 公務 員 法 で 処分 さ れた 。 だが 、 問題 は こうした 高級 官僚 の 不祥事 を どうして 防ぐ か と いう 視点 が 抜け落ちて いる ことだ 。 その 点 を 大蔵 省 自身 が 明確に 国民 に 対して 説明 し なければ なら ない 。 それにしても 、 行政 の 最高 責任 者 たる 村山 富市 首相 の コメント から して 大 ぼけ で は ない か 。 首相 は 記者 団 に 「 監督 責任 を 含めて きちっと やって もらい 、 二度と こういう こと が 起こら ない ように して もらい たい 」 と 人ごと の ような こと を いって いる 。 本当に 国民 に 対して 頭 を 下げ 、 大蔵 省 の 信用 を 回復 する ため の 策 を 語る べき 首相 が これ だ から 、 官僚 が のさばる のである 。 私 たち は この “ 事件 ” の 背景 に 大蔵 官僚 の 間違った 選良 意識 が ある ので は ない か と 考える 。 そもそも 公務 員 と して の 誇り と 努力 に 裏付け られて 、 国民 の 期待 に 応える こと が 、 大蔵 官僚 と して 本来 持つ べき 選良 意識 である 。 そして それ 故 、 霞が関 の 官僚 組織 の 中 で 大蔵 省 は 特別の 地位 と 敬意 が 払わ れて いる と 見る べきだ 。 だが 、 他 省庁 の 役人 が 大蔵 省 の 役人 を 接待 する 「 官 官 接待 」 に 象徴 さ れる ように 、 接待 さ れて 当然 と いう 風潮 が 省 内 に なかった か 。 あるいは 政治 家 や 経済 界 など 民間 人 が 、 国家 予算 や 税制 を 動かす 大蔵 官僚 に 対して 、 一定 の 枠 を 超えて 近付こう と する 。 大蔵 官僚 も 平然と これ を 受ける 風潮 が なかった か 、 厳しく 反省 して もらい たい 。 大蔵 省 を ここ まで 甘やかした 「 政 ・ 業 」 に も 相当 の 責任 が ある こと を 指摘 して おく 。 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 は 九 日 、 建国 四十七 周年 を 迎えた 。 北朝鮮 は 故 金 日成 主席 の 死後 一 年 以上 も 、 後継 の 国家 主席 と 党 総 書記 の 就任 を 明らかに して い ない 。 後継 者 の 選出 と 就任 の 時期 に ついて は 、 北朝鮮 なり の 事情 が ある のだろう 。 しかし 、 国際 社会 の 基準 から すれば 国家 の 指導 者 が 死亡 した 場合 に は 遅滞 なく 後継 者 が 選出 さ れる の が 、 普通である 。 この ため 、 なぜ 後継 の 指導 者 が 選出 さ れ ない の か に ついて 、 多く の 観測 や 推測 が 飛び交う 現象 を 生んで いる 。 北朝鮮 は 海外 から の 投資 を 呼びかけて いる が 、 その ため に は 北朝鮮 が 安定 して おり 、 かつ 国際 的な 慣行 を 尊重 して いる と の 信頼 の 確立 が 不可欠である 。 北朝鮮 が 国際 的な 信頼 を 得る に は 、 国際 社会 が 理解 できる ような 説明 が 必要である 。 北朝鮮 は 、 最近 の 水害 で 大きな 被害 を 受けた と 発表 し 、 国連 に 援助 を 要請 した 。 北朝鮮 側 に よる と 、 水害 の 被災 者 は 五百万 人 、 被害 額 は 百五十億 ドル に も 及ぶ と いう 。 日本 は 、 阪神 大 震災 の 際 に 北朝鮮 政府 から 見舞い の 書簡 と ともに 、 二十万 ドル の 義援 金 を 受けて いる 。 日本 と して も 、 隣人 の 被災 に 見舞い の 電報 を 送り 援助 を 検討 する の は 、 当然であろう 。 しかし 、 北朝鮮 へ の 支援 に 消極 的な 空気 が 存在 する こと も 、 北朝鮮 政府 は 十分に 理解 して もらい たい 。 北朝鮮 へ の 最近 の コメ 支援 の やり 方 と 、 日本 の 政治 家 の かかわり 方 に 不透明 さ が 付きまとって いる から だ 。 韓国 の 有力 誌 「 マル 」 は 、 北朝鮮 の 金 容淳 書記 と の インタビュー 記事 で 「 日本 は 、 朝鮮 に 対する 過去 を 謝罪 する ため コメ を 送る と 言い 続けた 」 と の 発言 を 掲載 した 。 日本 側 は 、 この 発言 に ついて の 釈明 を 求めて いる 。 だが 、 より 問題 な の は 、 北朝鮮 の 報道 機関 が 日本 の 善意 と して の コメ 支援 を 国民 に 知らせて い ない 事実 であろう 。 北朝鮮 へ の コメ 支援 に ついて は 、 支援 した コメ が 日本 の 善意 と ともに 一般 国民 に きちんと 届いた か どう か に 、 日本 国民 は 強い 関心 を 寄せて いる 。 コメ 支援 を 推進 した 日本 の 政治 家 は 、 日本 から の コメ が どのように 役立った か を 国民 に きちんと 報告 する 義務 が ある 。 北朝鮮 へ の 支援 に 回さ れた コメ は 、 国民 の 税金 で 調達 さ れた もの である こと を 忘れて は なら ない 。 朝鮮 問題 で は 、 常に 実力 者 や 業者 が 仲介 者 と して 登場 する 。 これ は 最近 の コメ 支援 や 水害 援助 要請 でも 、 例外 で は ない 。 この 仲介 者 の 存在 は 、 日 朝 関係 に 限った こと で なく 、 日 韓 関係 でも よく み られた 。 だが 、 こうした 外交 の やり 方 は 利権 疑惑 を 生み やすく 、 決して 国民 に 支持 さ れ ない こと を 認識 す べきである 。 お互い の 国民 が 納得 し 、 尊敬 し 合える 関係 こそ が 、 将来 の 友好 の 基礎 に なる 。 米 朝 交渉 でも 、 仲介 者 を 活用 しよう と する 動き が あった が 、 米 政府 が これ を 断固 拒否 した 教訓 に 学ぶ べきだ 。 外交 交渉 に 責任 を 負わ ない 政治 家 や 、 利害 関係 者 が 関与 する 事態 は 避ける べきであろう 。 また 日本 の 政治 家 が 、 北朝鮮 の 利益 代表 の ように なって も 困る 。 北朝鮮 政府 は 、 コメ の 追加 支援 と 水害 へ の 援助 要請 を こうした 実力 者 や 仲介 者 を 通じて 申し入れ ず に 、 自ら 直接 日本 政府 や 外交 当局 に 意向 を 伝える べきである 。 それ が 、 日 朝 関係 を 透明に し 日本 国民 の 理解 を 得る 近道 である 。 民事 裁判 の 手続き 規定 である 民事 訴訟 法 の 改正 作業 が 進んで いる 。 分かり やすくて 利用 し やすい 、 かつ 審理 の スピード アップ を 図ろう と いう 全面 改正 である 。 狙い に 反対 する 人 は まず い ないで あろう 。 だが 、 改正 案 の 方向 に は 裁判 の 効率 化 ばかり が 目立つ 。 疑問 を 禁じ 得 ない 。 民事 と いえ ども 裁判 所 の 敷居 は 庶民 に は 高い 。 まして 、 手続き 法 は なじみ が 薄く 分かり にくく 、 改正 作業 も 多く の 国民 の 共通 認識 に は なって い ない 。 こと は 「 裁判 を 受ける 権利 」 に かかわる 問題 だ 。 国民 に 広く 開か れた 姿勢 を まず 、 法務 当局 に 要望 し たい 。 民事 訴訟 法 は 明治 時代 に 制定 さ れた 法 である 。 一九二六 年 に 全面 改正 さ れた が 、 以後 は 部分 改定 に とどまり 、 七十 年 前 の 法 構造 が 維持 さ れて きた 。 ハイテンポ の 現代 社会 に 適合 する はず も なく 、 かねて 見直し の 声 が 強く 、 司法 改革 の 主要 課題 で も あった 。 今回 の 改正 作業 は 九〇 年 に 、 法制 審議 会 で 始まった 。 法曹 ・ 法学 界 や 経済 、 消費 者 団体 など から の 意見 を 参考 に して 九三 年 に 改正 要綱 試案 が 作ら れ 、 今 、 要綱 の 取りまとめ に 入って いる 。 次期 通常 国会 に 法案 と して 提出 さ れる 段取り だ 。 社会 の 要請 に マッチ した 改正 であれば 、 それ で いい 。 ところが 要綱 の 方向 性 は 必ずしも そう で は ない 。 例えば 、 改正 の 主要な 柱 と なって いる 「 弁論 準備 手続き 」 。 今 の 民事 裁判 の 口頭 弁論 が 形がい 化 して いる こと から 、 準備 手続き で 争点 を 整理 して 、 充実 した 審理 を 行おう と いう 制度 である 。 趣旨 は 結構だ 。 しかし 、 要綱 で は この 手続き は 基本 的に 非 公開 である うえ に 、 ここ で 書証 の 取り調べ や 釈明 など も できる こと に なり そうだ 。 こうした 実質 審理 まで も が 非 公開 に さ れて いい のだろう か 。 公正な 裁判 の 前提 である 憲法 の 「 公開 の 原則 」 に 抵触 し かね ない 。 争点 整理 と して は 、 遠隔 地 の 当事 者 が 裁判 所 に 出向か なくて も 、 ファクシミリ に よる 書面 や 電話会議システム を 利用 する こと も 取り入れ られる 。 調書 の 一部 に ビデオテープ を 使う こと も 可能 と なる 。 OA 機器 の 発達 した 現代 に あって 、 時代 の 要請 に 合致 した もの と いえる 。 ただ 、 この 場合 も 公開 の 確保 が 前提 に なら なければ なら ない 。 効率 化 を 追求 する あまり 「 将来 、 公開 の 口頭 弁論 で は 証人 調べ が 行わ れる だけ と いう 事態 も 生じ かね ない 」 と の 声 が 出て いる 。 やがて 論議 は 国会 の 場 に 移ろう が 、 重々 心して もらわ ねば なる まい 。 改正 で もう 一 つ 、 注目 し たい の は 「 証拠 収集 手続き 」 だ 。 平等な 審理 遂行 に は 当事 者 間 に 情報 に 差 が あって は なら ない 。 ところが 、 現実 の 公害 、 薬害 訴訟 で は 一般 国民 と 企業 や 国 と で は 圧倒 的な 差 が ある 。 その 是正 を 目的 に 現行 法 の 「 文書 提出 命令 」 が 拡充 さ れる 予定 だ 。 提出 命令 の 範囲 を めぐって は 、 いまだに 意見 対立 が ある と 聞く 。 命令 の 実効 性 と 提出 拒絶 理由 と を どう 調整 する の か 。 論議 は まだ 必要だ 。 要綱 策定 を めぐり 問題 は まだまだ 多い 。 拙速 は 避ける べきだ 。 多く の 合意 を 取り付けて から でも 遅く は ない 。 もともと 、 訴訟 遅延 や 司法 離れ の 諸 問題 は 人 的 、 物的な 司法 容量 が 余りに も 小さい こと に 端 を 発して いる 。 ここ を 放置 して 技術 的に 法 改正 して も 、 「 国民 が 納得 する 審理 」 実現 に は おのずと 限界 が ある 。 その こと を 忘れて は なる まい 。 橋本 竜太郎 通産 相 の 不戦勝 か 否 か で 揺れ 続けた 自民党 総裁 選 は 、 立候補 を 締め切る 告示 日 の 十 日 ぎりぎりに なって 小泉 純一郎 元 郵政 相 の 出馬 態勢 が 整い 、 公選 に 突入 した 。 公選 実施 と 言って も 、 橋本 氏 の 優勢 は 動か ない と 見 られ 、 番茶 の 出がらし の ような 選挙 で は 有権者 である 党員 の 関心 も 薄れ 、 国民 の 興味 も 引か ない シラケ 選挙 と なる の は 否め ない 。 今回 の 候補 選び 難航 の 経緯 を 見る と 、 いく つ か の 点 で 自民党 の 悩める 姿 が 象徴 的に 浮き彫り に さ れた 。 当初 、 河野 洋平 現 総裁 が 再選 に 意欲 を 燃やし 、 これ に 橋本 氏 が チャレンジ する 意向 を 表明 した 時点 で は 、 久々に 大型の 気鋭 同士 の 対決 で 活気 ある 総裁 選 の 展開 が 予想 さ れた 。 憲法 、 国際 貢献 、 国連 安保理 常任 理事 国 入り 問題 へ の 対応 など 河野 、 橋本 両氏 の 政治 理念 、 政策 、 政治 手法 は かなり の 距離 間隔 が あり 、 自民党 の 今後 の 路線 、 ひいては 政界 再編 の 将来 展望 を 見通す うえ でも 、 両氏 の 対決 に よる 白熱 した 論争 が 期待 さ れた 。 それ は また 自民党 に とって も 、 国民 に 開か れた 党 を アピール し 、 沈滞 気味の 党 の 活性 化 を 促す 好機 と も なり 得た はずであった 。 ところが 、 河野 氏 は 党 内 の 多数 派 工作 など で 戦況 が 非 勢 に ある こと を 見てとる と 、 惨敗 で 傷 が つく こと を 恐れ 、 早々 と 不戦敗 を 宣言 して 降りて しまった 。 総裁 選 の 持つ 今日 的 意味 と リーダー と して 自ら の 置か れた 立場 を 考えれば 、 河野 氏 は 仮に 形勢 利 ない と いえ ども 堂々と 出馬 に 踏み切る べきだった が 、 いとも あっさり 不 出馬 を 決め込んだ の は 、 それ だけ 党 内 に 大 政策 論争 を 巻き起こす エネルギー が 枯渇 して いる こと の 証左 で も ある 。 小泉 氏 が 急きょ 「 第 三 の 候補 」 と して 名乗り を 上げた 背景 に は 、 公選 不実 施 で 有権者 の 自民党 離れ を 加速 さ せる こと へ の 懸念 と 、 橋本 陣営 の 独り勝ち に よる 旧 経世会 支配 復活 へ の 危機 感 が 働いた ため で 、 いずれ も 消極 的 理由 に 過ぎ ない 。 小泉 氏 の 出馬 が 離航 した の は 、 小泉 氏 の 一 枚 看板 である 「 郵政 三 事業 の 民営 化 」 に 党 内 の 郵政 族 から 強い 異論 が 出 、 立候補 に 必要な 推薦 人 を 集め られ なかった から だ 。 自民党 が 与党 に 復帰 して 以来 、 既得 権益 に しがみつく 族 議員 が 息 を 吹き返し つつ ある が 、 総裁 選 を 機 に 解消 した はずの 旧 派閥 が 一斉に 活動 を 再開 さ せた こと と 併せ 、 自民党 が 依然と して 党 体質 に 巣くう 旧弊 を 脱却 でき ないで いる 姿 を 改めて 見せつけた 、 と 言えよう 。 総裁 選 に 入った からに は 、 こうした 「 道 半ば の 党 改革 」 を どう やり遂げ 、 党 を 再生 さ せる の か 、 に ついて 世代 交代 の 先頭 を 歩む 二 人 が 真剣に 論じ合う 必要 が あろう 。 同時に 、 村山 政権 維持 と 自民党 単独 政権 実現 と の 関係 に ついて も 、 奥歯 に 物 の はさまった あいまいな 建前 論 で は なく 、 本音 の 論議 を 戦わ せて ほしい 。 先 の 参院 選 で 自民党 が 敗北 した 要因 の 一 つ は 、 自民党 が リハビリ と 称して 社会党 の 村山 富市 首相 を 支え 続けて いる こと に 対する 自民党 支持 者 の 欲求 不満 が ある 。 村山 政権 を どこ まで 支える の か 、 単独 政権 復活 へ の 取り組み は ぜひ 聞き たい ところ だ 。 国民 向け の 形 だけ 整えた 消化 試合 的 総裁 選 で は 意味 が ない 。 日本 の 政治 の 針路 を どう 定める の か 、 中身 の ある 論争 を 繰り広げて ほしい 。 コスモ 信 組 、 木津 信 組 、 兵庫 銀行 と 破綻 金融 機関 の 処理 が 本格 化 した 。 日本 の 金融 システム に 対する 不安 は 海外 に 広がり 、 邦 銀 が 外国 の 銀行 から 資金 を 調達 する とき 、 ジャパン レート と いう 差別 的な 高い 金利 を 求め られたり 、 融資 枠 を 削減 さ れたり して いる 。 問題 銀行 の 処理 を 早く 進め ない と 、 日本 の 銀行 全体 が 海外 で の 競争 力 を 失い かね ない 。 すでに サイ は 投げ られた 。 木津 信 組 の ように 、 再 建策 が ない まま 処理 に 踏み切って いる 。 事態 の 深刻 さ から 「 走り ながら 考える 」 しか ない のである 。 そう は いって も 、 金融 システム 全体 を 立て直す 青写真 と 、 いかに 金融 機関 を 国際 競争 上 で 強化 する か の 戦略 が 必要であろう 。 この 青写真 は 、 大蔵 省 が 六 月 に 発表 した 「 金融 システム の 機能 回復 」 の 基本 方針 に 抽象 的な 形 で 述べ られて いる が 、 具体 的な シナリオ は わから ない 。 「 破綻 処理 は する が 、 救済 は し ない 」 と いう 原則 は 打ち出さ れて いる が 、 破綻 銀行 を 処理 する 法的な 仕組み が ない 。 当局 が 破綻 銀行 の 経営 に 、 どの 時点 で 介入 できる か 、 に ついて は 開か れた メカニズム の 導入 が 必要である 。 その 前提 に は 、 情報 の 開示 の 徹底 が ある 。 そう し ない と 、 国民 の 税金 へ の シワ寄せ が 膨らむ 、 と 米国 の 経験 は 教えて いる 。 また 、 国民 経済 に とって 、 こんなに 多く の 銀行 や 銀行 員 が 必要な の か 、 と いう 疑問 も ある 。 いま は 機能 不全 に 陥って いる 銀行 で は ある が 、 そもそも 銀行 に どのような 公益 的な 使命 を 期待 できる の か 。 バブル 期 に 土地 転がし に 加担 し 、 スキャンダル の 海 に つかり 、 いま また 「 紹介 預金 」 と いう 過去 の 野放図な 経営 が さらさ れて いる 。 そして 、 監督 責任 の ある 大蔵 省 ・ 日銀 は 、 過去 を 直視 する こと なく 、 真剣に 国民 に わびる 言葉 も なく 、 当時 の 銀行 幹部 と 同様 、 責任 に は ほおかぶり して いる 。 住宅 金融 専門 会社 へ の 公的 資金 導入 が 不可避の 情勢 だ が 、 こうした 国民 感情 を 理解 し ない と 、 必要な ハードル は 越え られ ない だろう 。 一方 、 米 ケミカル 銀行 と チェース ・ マンハッタン 銀行 が 合併 する 激烈な 競争 の 中 に あって 、 弱体 化 した 日本 の 銀行 が 世界 の 金融 界 で 、 この先 どのような 位置付け に なる の かも 気 に かかる 。 二十一 世紀 に 日本 が 国力 を 維持 する うえ で 、 やはり 金融 面 で 世界 の 一角 を 占め 、 容易に 崩せ ない 力 を 築く こと が 必要な ので は ない か 。 そう だ と する と 、 破綻 銀行 の 処理 で 、 相対 的に 強い 銀行 に 「 奉加 帳 」 を 回す 方式 は どのような もの か 。 強い 銀行 と いって も 、 いまや 世界 で は 弱い 銀行 な のだ から 。 その辺 に 、 日本 は 戦略 が ある のだろう か 。 金融 界 の 再 編成 は 、 ほどなく 最高潮 を 迎える だろう 。 都 銀 と 信託 、 長信 銀 と いった 異なった 業態 間 の 合併 が 、 不良 債権 処理 と 並行 して 進む の は 避け られ ない 。 金融 機関 は 思い切った リストラ と 再 編成 で 、 道 を 切り開く しか ない 。 まさに 正念場 である 。 大蔵 省 に は もう 護送 船団 的な 発想 は ある まい 。 民間 の 自主 性 を 尊重 し 、 規制 を なるべく 撤廃 して 、 個性 的で 専門 化 した スリムな 銀行 を 奨励 す べきだ 。 公共 性 と 企業 の 社会 的 責任 を 自覚 した 新しい 銀行 群 が 、 創造 性 を もった 企業 を 助け 、 円 の 国際 化 を 推進 する こと を 期待 し たい 。 経済 企画 庁 が 発表 した 九 月 の 「 月例 経済 報告 」 で 景気 の 判断 は 「 足踏み 状態 が 長引く 中 で 、 弱含み で 推移 して いる 」 と いう 表現 に なった 。 先月 まで の 「 足踏み 状態 」 から 一 歩 後退 した わけである 。 同 庁 が 今回 、 特に 重視 した の は 生産 と 在庫 の 動き と いう 。 鉱 工業 生産 指数 は 四 月 から 七 月 まで 四 カ月 連続 で 前月 比 マイナス と なった 。 同時に 製品 在庫 が ジリジリ と 上昇 し 始めた 。 景気 後退 の 初期に 見 られる 典型 的な 現象 である 。 さらに 八 日 発表 さ れた 日銀 の 企業 短期 経済 観測 調査 でも 企業 経営 者 の 業況 判断 が 一段 と 悪化 した 。 デフレ 色 を 深める 日本 経済 は いよいよ 容易 なら ざる 局面 を 迎えた と 思わ れる 。 こうした 状況 の 下 で 日銀 は 「 最後 の 切り札 」 と して 公定 歩合 を 史上 最低の 〇・五 % に まで 引き下げた 。 これ で 、 景気 失速 を 防ぐ 手段 は 財政 に よる 刺激 策 しか 残さ れて おら ず 、 政府 が 二十 日 に まとめる 予定 の 景気 対策 に 期待 が 集まって いる 。 早くも 「 十兆 円 規模 」 と いう 予測 が 飛び交って いる 。 これ は 次 の ような 発想 に 基づいた 計算 だ 。 今 年度 の 政府 の 経済 見通し で は 二・八 % 成長 と なって いる 。 しかし 、 現在 の 瞬間 風速 は 一 % 以下 の 成長 に とどまって いる 。 日本 の 国 内 総 生産 が 約 四百七十兆 円 だ から 、 これ を 二 % 押し上げる に は 十兆 円 規模 の 対策 が 必要に なる 。 私 たち は 、 こうした 「 まず 数字 あり き 」 で 考える ので は なく 、 まず これ まで の 景気 対策 を 徹底 的に 分析 した うえ で 、 効果 の ある 公共 投資 を 実施 する よう 望み たい 。 というのも 、 これ まで の 景気 対策 の 効果 が 、 あまりに も 小さい から である 。 バブル の 崩壊 に より 景気 が 後退 し 出した の は 一九九一 年 五 月 だった 。 景気 対策 は 翌 九二 年 八 月 に 宮沢 内閣 が 打ち出して から 、 これ まで に 六 回 、 実施 さ れて いる 。 その 事業 規模 は 約 六兆 円 の 減税 を 含めて 四十七兆 円 に 上って いる 。 しかし 、 日本 経済 は 過去 三 年間 、 ほとんど ゼロ成長 で 、 現在 も 三 、 四十兆 円 の 需給 ギャップ を 抱えて いる 。 この ため 公共 事業 の 景気 刺激 効果 に 、 さまざまな 疑問 が 出さ れて いる 。 産業 構造 の 変化 で 道路 、 港湾 、 架橋 と いった 従来 型 の 公共 企業 の 波及 効果 が 落ちた と いう 見方 も ある し 、 四十七兆 円 と いって も 見せ掛け を 増やした 数字 で 、 実際 に 使わ れる 「 真水 」 が 少なかった 、 と の 説 も ある 。 民間 エコノミスト である 宮崎 勇 経企 庁 長官 の 初 仕事 で も あり 、 しっかり 分析 して ほしい もの だ 。 その うえ で 、 従来 型 の 公共 投資 の 波及 効果 が 薄い と 判明 すれば 、 情報 通信 の 基盤 整備 に 関連 する 投資 や 科学 技術 施設 、 さらに は 福祉 施設 など 新しい 公共 投資 へ 大胆に 重点 を 移して ほしい 。 そう し なければ 、 産業 構造 改革 と いう 課題 に 応え られ ない だろう 。 縦割り 行政 の 下 で 、 各 省庁 が 相 も 変わら ぬ 予算 分捕り 合戦 を 繰り返して いた ので は 、 景気 も 回復 せ ず 閉そく 感 も 打破 でき ない 。 今回 は 阪神 大 震災 の 復興 や 全国 的な 防災 対策 が 大きな 柱 に なる こと は 承知 して いる 。 その ため 、 一定 の 従来 型 事業 は 必要 と 思う が 、 それ 以外 に 新しい 発想 で 、 効果 ある 公共 投資 を 期待 し たい 。 韓国 の 第 百七十七 定期 国会 が 、 十一 日 開会 した 。 韓国 で は 、 金 大中 元 大統領 候補 の 政界 復帰 を 受けて 、 政界 再編 が 行わ れた 。 この 再編 後 初 の 定期 国会 で 、 韓国 の 政治 家 が より 成長 し 発展 した 姿 を 国民 に 示す こと が できる か に 注目 し たい 。 韓国 の 政界 再編 は 、 今年 三 月 に 民自党 の 金 鍾泌 元 首相 が 与党 を 追わ れ 自由 民主 連合 を 旗揚げした こと から 始まった 。 六 月 に 実施 さ れた 初 の 統一 地方 選挙 で 与党 が 大敗 した 結果 、 金 大中 氏 も 政界 復帰 を 宣言 し 野党 民主党 も 分裂 した のだった 。 この 結果 、 与党 民自党 に 新 政治 国民 会議 、 民主党 、 自由 民主 連合 の 野党 三 党 が 対立 する 四 党 時代 が 生まれた 。 韓国 で は 、 この 新たな 政局 を 「 後 三 金 時代 」 と 呼んで いる 。 「 三 金 」 と は 、 金 泳三 大統領 と 金 大中 総裁 、 金 鍾泌 総裁 の 三 人 の 姓 を 取った もの である 。 三 人 の 金 氏 は 、 故 朴 正煕 大統領 暗殺 直後 の “ ソウル の 春 ” と 呼ば れた 時代 から 、 これ まで 何度 と なく 大統領 の ポスト を 争い 続けて きた 。 一九九二 年 の 大統領 選挙 で 、 金 泳三 大統領 が 誕生 した ため 、 金 大中 氏 は 政界 から の 引退 を 宣言 し 金 鍾泌 氏 は 金 泳三 大統領 へ の 協力 を 約束 した 。 この 結果 、 韓国 でも 日本 でも 、 これ で いわゆる 「 三 金 対立 時代 」 が 終わり 、 韓国 政界 の 世代 交代 が 進む ので は ない か と の 期待 が 語ら れた 。 韓国 政治 は 、 長い 間 「 全羅道 」 対 「 慶尚道 」 と いう 地域 感情 対立 に 縛ら れて きた 。 この 地域 感情 対立 に 加え 、 韓国 政治 の 近代 化 を 妨げて きた の は 、 政治 家 同士 の 「 怨み 」 の 感情 である 。 金 鍾泌 総裁 の 新党 旗 揚げ は 、 金 泳三 大統領 に 裏切ら れた と の 「 怨み 」 の 感情 を 政治 的 動機 に して いる 。 また 金 大中 総裁 に も 、 故 朴 大統領 と 永遠の ライバル である 金 泳三 大統領 に 対する 「 怨み 」 の 感情 が まったく ない 、 と は 言え ない だろう 。 韓国 最大 の 発行 部数 を 誇る 朝鮮 日報 紙 は 、 金 大中 総裁 の 政界 復帰 や 「 後 三 金 時代 」 の 始まり に 批判 的な 社説 や コラム を 掲載 した 。 その 背景 に は 、 新しい 世代 の 登場 が 遅れ 政治 が 再び 後ろ向き の 歩み を 始める ので は ない か 、 と の 強い 懸念 が ある 。 韓国 人 は よく 、 日本 は 韓国 の 政治 を どう 見て い ます か と 質問 する 。 しかし 、 日本 人 が 隣国 の 政治 に 干渉 したり 関与 する 発言 を する の は 、 間違い であろう 。 あくまでも 、 韓国 の 未来 を 決め 歴史 の 選択 を 行う 権利 は 韓国 人 に しか 与え られて い ない から だ 。 ただ 、 韓国 の 発展 を 希望 する 隣人 の 立場 から 、 韓国 政治 が いたずらに 内 向き に なら ない よう 望み たい 。 また 「 怨み 」 の 政治 から 早く 脱却 する こと も 期待 し たい 。 来年 の 総 選挙 と 再来年 の 大統領 選挙 に 向け 、 韓国 政局 は より 内 向き に なる ので は ない だろう か 。 しかし 、 政治 家 が 国 内 対立 と 抗争 に 明け暮れて いる 間 に も 、 歴史 は 前進 し 国際 政治 は 変化 して いく 。 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 を めぐる 問題 も 、 新たな 展開 を 見せよう 。 問題 の 対処 に 後れ を 取ら ない ように して ほしい 。 近代 史 に おける 韓国 の 教訓 は 、 政治 家 たち が 内争 に 振り回さ れ 、 国際 政治 の 激変 に 対処 でき なかった こと である 。 朝鮮 半島 を めぐる 国際 環境 は 、 決して 単純で は ない 。 変化 する 国際 政治 に 対応 できる 政治 の 発展 と 政治 家 の 成長 に 期待 し たい 。 「 夫婦 別 姓 」 が 昨年 、 民法 改正 試案 で 示さ れ 耳目 を 集めて きた が 、 法制 審議 会 民法 部会 で 改正 の 方向 が まとまり 「 中間 報告 」 と して 公表 さ れた 。 改正 試案 で 三 案 併記 だった 選択 的 別 姓 は 一案 に 絞ら れた 。 別 姓 へ の 異論 は まだまだ 多い が 、 改正 は 時代 の 流れ かも しれ ない 。 「 個人 の 尊厳 と 両性 の 平等 」 と いう 憲法 理念 の もと に 、 民法 は 戦後 、 全面 改正 さ れた 。 ただ 「 積み残し 」 も 多く 、 これ まで も 数々 の 改正 が 行わ れ 、 その 流れ で 婚姻 ・ 離婚 制度 に ついて の 審議 が 進め られて きた 。 中間 報告 と は いう もの の 、 別 姓 の ほか 離婚 制度 の 見直し も 含めて 、 その 大 枠 は 要綱 案 と して 維持 さ れ そうだ 。 法 相 へ の 答申 を 経て 次期 通常 国会 に も 提出 さ れる 見通し だ 。 別 姓 に 関し 、 中間 報告 は 「 夫 もしくは 妻 の 氏 を 称し 、 または 各自 の 婚姻 前 の 氏 を 称する 」 と し 、 同姓 と 別 姓 の 選択 を 対等な 関係 に ある こと を 明確に した 。 子ども の 姓 は 婚姻 の 際 に いずれ か に 定め 、 子ども の 間 で 異なる こと が ない ように した 。 「 原則 同姓 で 、 別 姓 も 認める 」 と した 改正 試案 の 修正 と いえる 。 別 姓 を 認める こと へ の 反論 は 根強い 。 「 同姓 は 伝統 であり 、 定着 して いる 」 「 別 姓 で は 家族 の 一 体感 が 損なわ れる 」 と いった 声 が ある 。 それ でも 、 民法 部会 が 選択 的に 別 姓 制度 を 取り上げた の に は 、 姓 の 在り 方 を 強制 する ので は なく 、 同姓 は もちろん 「 別 姓 でも 一 体感 を 持てる 」 と いう 夫婦 の 自由 も 認め合う 「 成熟 社会 」 が 念頭 に ある ようだ 。 最高裁 は かつて 「 氏名 は 個人 と して 尊重 さ れる 基礎 である 」 と 判示 し 、 氏名 の 人格 権 を 認めた 。 現行 法 でも 婚姻 後 の 姓 は 「 夫 または 妻 の 氏 」 であり 、 法的に は 夫婦 対等 に 見える が 、 実態 で は 九八 % の 女性 が 改姓 して おり 人格 権 上 の 不利益 は 否め ない 。 中間 報告 は 「 原則 別 姓 」 を 取ら ず 、 おおよそ 現行 法 の 枠組み に とどめた 。 反対 論 の 一方 で 、 微温的な 改正 の 声 も ある が 、 改正 試案 に 比べて 受け入れ やすい ので は なかろう か 。 中間 報告 の 中 で 、 もう 一 つ 大きな 問題 は 離婚 制度 の 改正 だ 。 ここ で の 案 は 積極 的な 破綻 主義 を 取った 。 婚姻 破綻 の 有 責 性 を 問わ ず 、 現実 に 破綻 して いれば 離婚 の 請求 原因 と する 立場 である 。 その 一 つ と して 「 五 年 以上 の 別居 」 を 列挙 して いる 。 別居 に よって 形骸 化 した 婚姻 関係 の 維持 は 「 結婚 の 理念 」 に 反する と いう 考え 方 が 見える 。 この 破綻 主義 に 対して は 「 身勝手な 離婚 を 許す 」 「 妻 に 経済 力 の ない 場合 、 困窮 する 」 と いった 異論 が ある 。 確かに 、 現状 は 就職 差別 や 賃金 差別 、 世帯 主義 の 社会 保障 など 平等 から ほど遠く 、 五 年 の 別居 で 一方的に 離婚 さ れて は たまらない 。 反論 を 考慮 して 、 中間 報告 は 「 配偶 者 や 子ども が 苛酷な 状態 に 置か れる 」 か 「 離婚 請求 が 信義 に 反する 」 場合 に は 請求 を 棄却 する 、 と いう 規定 を 置いて いる 。 問題 は こうした 抽象 的な 規定 に 実効 性 の 担保 が ある か 否 か だ 。 不安 を 払拭 する ため に も 、 離婚 後 も 女性 が 自立 できる 社会 環境 が まず 求め られる ので は ない か 。 改革 案 は 「 結婚 の 理念 」 に のみ 傾斜 し 過ぎて いる ように みえる 。 別 姓 問題 を 含めて 、 今回 の 改正 案 は 夫婦 像 や 家族 の 在り 方 、 さらに は 親子 関係 に も 深く かかわる テーマ である 。 やがて 舞台 は 国会 に 移ろう が 、 ぜひ 多く の 国民 が 納得 する 論議 の 深化 を 期待 し たい 。 東京 都 の 臨海 副 都心 開発 懇談 会 が 十一 日 から 始動 した 。 建設 途上 の テレポートタウン で の 世界 都市 博 中止 を 受け 、 埋め立て 地 全体 四四八 ヘクタール の 利用 計画 を 再 検討 する 。 六万三千 人 が 住み 、 十万六千 人 が 働く と 見込んだ 世界 最大 の 臨海 副 都心 開発 計画 は 、 バブル 経済 の 虚構 が 露呈 し 文字通り 泡 の ように 消し飛んだ 。 もはや 現実 に 寸法 が 合わ なく なった 「 副 都心 開発 」 と いう 、 擦り減った 靴 を 引きずって 歩く こと は やめよう 。 いま 、 東京 が 必要 と して いる 都市 政策 と は 、 巨大な 公共 投資 と 税金 の つぎ込み を 前提 と し 、 屋上 屋 を 架す 開発 肥大 化 策 で は ない 。 東京 の 暮らし の 質 を 高める ため に 、 都市 の 際限 ない 膨張 を 抑制 する 成長 管理 の 政策 である 。 青島 幸男 知事 と 懇談 会 に 対し 、 なぜ 従来 型 の 「 都市 開発 」 で は なく 「 都市 の 成長 管理 」 を 望む の か 、 原点 から 問題 を 提起 し たい 。 一九八八 年 三 月 に 公表 さ れた 「 臨海 部 副 都心 開発 基本 計画 」 の 緊急の 狙い は 、 都心 の 近く へ 四四八 ヘクタール の 広大な 都有 地 を 放出 し 、 バブル 期 の 地価 暴騰 に 水 を かける こと だった 。 遅 すぎた 判断 だ が 、 東京 の オフィス 床 に 大 需要 と いう マネー ゲーム の 虚構 を 崩す 一因 と なった 。 目的 の 半ば は 達した のだ から 、 この 計画 の 規模 と デザイン は 、 根本 から 縮小 ・ 変更 さ れ なくて は なら ない 。 次に 臨海 副 都心 開発 計画 は 、 東京 全域 で の 都市 活動 の 均衡 を 図る 都市 計画 な の か 、 それとも 都有 地 の 単なる 造成 、 売り出し 事業 な の か を 明確に す べきである 。 新橋 ・ 汐留 の 旧 国鉄 貨物 駅 跡地 二〇 ヘクタール の 再 開発 、 丸の内 の 一一三 ヘクタール に 、 二〇〇 メートル 級 の 超高層ビル 六十 棟 を 建てる 三菱 ・ マンハッタン 計画 、 一九五 ヘクタール に 及ぶ 晴海 ・ 豊洲 ウォーターフロント 再 開発 、 そして 四四八 ヘクタール の 東京 港 臨海 開発 計画 。 南 から 時計 回り に 順に たどって いく と 、 石 を 投げれば 届か ん ばかりの 距離 に 四 つ の 巨大な ビジネス センター が 競って 立ち上がろう と 機 を うかがって いる のだ 。 あたかも 地球 は 、 東京 の 、 それ も 都心 部 を 軸 に 回転 し 、 世界中 から オフィス ビル の 需要 が 東京 に 殺到 して くる と でも 言わんばかり で は ない か 。 この 多極 、 国際 化 、 平準 化 の 時代 に 東京 に だけ そういう 突出 した 現象 が 起こり うる もの だろう か 。 さりとて 都有 地 の 単なる 造成 、 売り出し 事業 だ と する ならば 、 地 権者 に して 納税 者 で も ある 東京 都 民 と して は 懇談 会 の 設置 どころ で は ない 。 徹底 した 情報 公開 に 基づく 住民 の 公聴会 と 住民 投票 から の 積み上げ を 求め たい 。 公共 の 土地 に 建設 さ れる 街 の 主人公 は 住民 である 。 インテリジェントビル 群 で は ない 。 普通の 人 が 安心 して 暮らせる 街 を どう 造る か 。 それ こそ が 知事 と 懇談 会 の 課題 で なくて は なら ない 。 来 年度 の 全国 植樹 祭 は 東京 で 行わ れ 、 “ 東京 の 森 ” づくり を 目指して 臨海 部 の 二 カ所 が 植樹 会場 と なる 。 このような 機会 を とらえ 、 震災 も 視野 に おさめて 臨海 部 を 森 で 覆い 、 江戸川 、 多摩川 の 流域 と つないで 、 首都 の グリーンベルト 、 レクリエーション ゾーン を 創造 する こと も あり 得よう 。 しおさい ニュータウン 、 なぎさ ニュータウン 、 虹ケ崎 、 海彦 、 小波 市 。 東京 都 民 から 臨海 副 都心 に 寄せ られた 愛称 だ 。 水際 汀線 が 広々 と 開放 さ れて いる 街 の イメージ を 膨らま せて み たい 。 反 核 運動 が かつて ない ほど 盛り上がって いる 。 理由 は 簡単 。 今年 が 戦後 五十 年 の 特別の 年 である こと 。 そして まさに その 年 に 核 拡散 防止 条約 の 無 期限 延長 が 決まった から である 。 同 条約 は 核 保有 国 を 増やさ ない こと を 目的 と して いる が 、 同時に 現 保有 国 の 特権 を 容認 する こと に も なる 。 不平等 と の 不満 が 根強かった が 、 核 保有 国 が 軍縮 に 努力 する と の 条件 で 無 期限 延長 が 承認 さ れた 。 ところが 中国 は NPT 会議 終了 二 日 後 に 核 実験 を 強行 。 実験 を 中止 して いた フランス まで が 再開 した 。 国際 世論 が 沸騰 する の も 当然である 。 十 日 から 三 日間 、 岐阜 市 で 国連 支援 の ため の 世界 国会 議員 会議 が 開か れた 。 ここ でも 中 仏 両 国 の 核 実験 が 集中 砲火 を 浴びた 。 両 国 の 議員 は 「 自衛 の ため 」 と 弁明 に 努めて いた けれど 、 説得 力 に 乏しかった 。 会議 で は インド 、 豪州 、 フィリピン など が 激しく 両 国 を 非難 した 。 これ に 比べる と 日本 の 議員 は 穏やかで 関係 者 を がっかり さ せた 。 会議 主催 国 の 遠慮 も あったろう が 、 なぜ 反対 する か の 理論 武装 が ぜい弱だった 。 中国 から は 「 自分 は 核 の 傘 に 入り ながら 他国 を 批判 する と は 」 「 日本 が 被爆 した の は 侵略 戦争 を した から 」 と 逆襲 を 受けて いる が 、 これ に 対する 反論 の 用意 も なかった 。 日本 の 国会 議員 も 内心 、 後ろめた さ を 禁じ 得 なかった に 違いない 。 この 六 月 、 歯切れ の 悪い 戦後 五十 年 国会 決議 を 、 しかも 大量 欠席 の 中 で 採択 した 。 加害 者 の 責任 を あいまいに した まま で 、 唯一 の 被爆 国 を 強調 して も 世界 、 とくに 侵略 さ れた 国々 の 心から の 賛同 を 得る の は 難しい 。 日本 が 冷戦 下 で 米国 の 核 戦略 に 直接 ・ 間接 の 協力 を して きた の は 事実 。 核 の 傘 なる もの に 依存 して いる の も 事実 である 。 だからといって 核 実験 批判 を 不当 と する 中国 の 言い分 は 手前勝手だ が 、 日本 政府 の 痛い ところ を 突いて いる の も 確かだ 。 さらに いえば 、 いつ 独裁 者 が 出て 核 武装 し ない と も 限ら ない 。 核 拡散 の 恐れ が 少し でも 残る 限り 、 核 保有 国 は 核 の 完全 廃棄 を し ない だろう 。 したがって 、 日本 は 核 全廃 に 向けて 次の 三 つ の 行動 を 起こさ なければ なら ない 。 第 一 は 過去 に けじめ を つける こと 。 これ は 説明 を 要し まい 。 第 二 は アジア ・ 太平洋 の 非核 地帯 設置 に 積極 的に 取り組む こと 。 日本 の 非核 三 原則 は その 実効 性 すら 疑わ れて いる 。 日本 は もう 一 度 自国 の 非核 政策 を 明確に する 一方 で 、 アジア ・ 太平洋 の 非核 化 に 向けて 米国 を 粘り強く 説得 す べきである 。 第 三 は 世界 の 民主 化 と 経済 発展 に もっと 貢献 する こと 。 冷戦 後 の 紛争 は その ほとんど が 国家 間 の 紛争 と いう より 内紛 である 。 そして それ は 国 内 民主 主義 の 弱 さ と 経済 的 貧困 が 原因 と なって いる 。 民主 主義 の 深化 こそ 戦争 の 恐怖 を 地球 から 追放 する 。 その ため に 日本 の なし 得る こと は まだまだ ある はずだ 。 日本 政府 の 反 核 政策 が 腰 の 引けて いる ように 映る の は 残念だ 。 フランス に 政府 特使 を 送って の 抗議 が 、 単なる パフォーマンス で 終わる なら 国 内 外 の 世論 を 落胆 さ せる だろう 。 政府 は 過去 の しがらみ から 抜け出て 、 断固たる 行動 を 取って ほしい 。 例えば NPT 無 期限 延長 で 駆けずり回った 同じ 熱意 を もって 、 核 実験 全面 禁止 条約 の 早期 実現 に も 真剣に 取り組む べきだ と 思う 。 社会党 は 十四 日 の 中執 委 で 同 党 最大 の 懸案 と なって いる 新党 問題 に ついて 、 新党 結成 時期 を 「 十 月 下旬 」 と し 、 結成 方式 は 「 丸ごと 参加 」 と する 「 活動 計画 」 案 を 決定 した 。 同日 夕 に は 、 新党 の 母体 と なる 「 新しい 政治 勢力 結集 呼びかけ 人 会議 」 が 発足 した 。 二十一 日 開催 の 臨時 党 大会 に 提案 さ れる 「 活動 計画 」 案 が まとまり 、 「 呼びかけ 人 会議 」 が スタート した こと で 、 難航 を 重ねた 新党 問題 も 大きく 動き始めた ように 見える 。 しかし 、 新党 の 具体 像 、 結成 方式 を めぐって 鋭く 対立 して きた 左右 両 派 の 主張 に は 依然 大きな 隔たり が あり 、 新党 結成 に 至る 道程 が 極めて 厳しい 実態 に 何ら 変わり は ない 。 「 呼びかけ 人 会議 」 は 、 党 の 外 に 新党 の 旗 を 立て 、 幅広く 「 民主 ・ リベラル 」 勢力 の 結集 を 呼びかけ 、 新党 に つなげて いく と いう 新党 の 中核 体 だ が 、 横路 孝弘 前 北海道 知事 、 鳩山 由紀夫 さきがけ 代表 幹事 に 「 呼びかけ 人 」 へ の 参加 を 要請 した に も かかわら ず 、 両氏 から 断ら れる と いう つまずき を 見せた 。 両氏 の 「 呼びかけ 人 」 参加 は 、 新党 が 社会党 だけ で なく 各界 各層 の 人士 の 幅広い 結集 と いう 趣旨 から 、 社会党 主導 色 を 薄める ため に も 必須の 条件 だった が 、 両氏 が 参加 を 見合わせた こと で 結局 、 社会党 所属 の 国会 議員 と 社会党 系 文化 人 、 学者 、 労組 代表 の 集まり に なって しまった 。 何の こと は ない 、 党 の 身内 が 集まって の 決起 集会 であり 、 これ で は 新党 も 社会党 の 看板 を 塗り替えた だけ で 、 何の 代わり映え も し ない 。 新党 の 結成 方式 に ついて は これ まで 、 いったん 解党 し 、 新しい リーダー の 下 に 個々 人 が 参加 する 「 この 指 とまれ 」 方式 と 、 党 全体 が 新党 に 移行 する 「 丸ごと 参加 」 方式 の 二 つ が 論議 の 対象 と なり 、 対立 して きた 。 久保 亘 書記 長 ら 右派 グループ の 主張 する 「 この 指 とまれ 」 方式 は 、 リーダー に 横路 氏 を 想定 、 左派 を 排除 する 意図 が 込め られて いる の に 対し 、 「 丸ごと 」 方式 は 右派 の 狙い 封じ込め を 主眼 と して いる 。 しかし 、 村山 富市 首相 を 支持 する 左派 グループ の 主張 する 「 丸ごと 」 方式 が 連携 の 相手 と した さきがけ は 、 「 丸ごと の 社会党 」 と の 新党 に は 否定 的だ 。 横路 氏 も 左派 を 含めた 「 丸ごと 」 を 拒否 して おり 、 肝心の 連携 の パートナー は 皆無 の 状況 。 早期 の 新党 結成 で は 左右 両 派 が 一致 して も 内実 は 同床異夢 、 目指す 終着 駅 が 違う ので は お先真っ暗で は ない か 。 「 活動 計画 」 案 は 一応 「 丸ごと 」 方式 で 統一 した が 、 表現 上 の 取り繕い に 過ぎ ず 、 党 大会 で の 激論 は 必至だろう 。 だが 、 新党 問題 で 最も 重要な の は どのような 新党 を 作る の か 、 新党 の 目指す 「 第 三 極 」 と 名乗る に ふさわしい 新しい 政治 理念 、 政策 は 何 か である 。 この 点 、 いま 社会党 で 行わ れて いる 新党 論議 は まず 新党 あり き 、 左派 排除 か 否 か に 集中 し 過ぎ 、 本質 論議 が 後景 に 追いやら れて いる 。 毎日新聞社 が 行った 同 党 全国 書記 長 アンケート でも 地方 組織 、 幹部 の 描く 新党 像 は バラバラで 、 新党 結成 そのもの へ も 根強い 不安 の 渦巻いて いる こと が 浮き彫り に さ れた 。 事 は 伝統 と 歴史 を 持つ 党 を 発展 的に 解党 する か 、 流れ 解散 する か 、 の 問題 である 。 解散 ・ 総 選挙 含み の 政局 で 、 残さ れた 時間 は 少ない が 、 社会党 を どう する か 、 具体 的で 深み の ある 全党 的 論議 を 展開 す べきだ 。 銃 汚染 は 深刻だ 。 「 日本 社会 の 安全 は 今 、 重大な 岐路 に 立た さ れて いる 」 。 こう 指摘 する 社会学 者 や 犯罪 心理学 者 は 多い 。 この ほど まとまった 総理 府 の 「 銃器 問題 に 関する 世論 調査 」 は 、 こうした 事態 を 背景 に 、 初めて 実施 さ れた 。 この 中 で 、 気 に なる 調査 結果 が ある 。 八 割 の 人 が 「 情勢 は 悪化 して いる 」 と 感じて いる 一方 で 、 銃器 問題 に 対して 「 関心 が ない 」 と 答えた 人 が 、 半数 近く いた ことだ 。 深刻 さ の 要因 は 二 つ ある 。 一 つ は 、 けん銃 が 暴力 団 から 市民 に 拡散 して いる こと 。 もう 一 つ は 、 銃口 が 市民 に 向け られて いる ことだ 。 昨年 十 月 、 東京 で 医師 が 元 会社 員 に 射殺 さ れた の は 、 これ を 象徴 する 事件 だった 。 元 会社 員 は けん銃 を 暴力 団 事務 所 から 入手 して いる 。 調査 は 六 月 、 二十 歳 以上 の 三千 人 を 対象 に 全国 で 行わ れた 。 「 ここ 三 年間 に 、 銃器 犯罪 を めぐる 情勢 は どう 変化 した と 感じて いる か 」 の 質問 に 、 八 割 の 人 が 「 悪化 して いる 」 と 答えた 。 さらに 四 人 に 三 人 は 「 今後 悪く なる 」 と 見て いる 。 当然 、 銃器 問題 に 対する 関心 は 極めて 高い だろう と 考えた 。 ところが 、 調査 結果 は 「 関心 が ある 」 五〇・六 % 、 「 関心 が ない 」 四六・〇 % と 、 ほぼ 半数 ずつ だった 。 「 関心 が ない 」 を 地域 別 に 見る と 、 大 都市 は 四 割 と 少し 低く なる が 、 その他 の 地区 と 大きな 差 は ない 。 年齢 別 でも 大差 は ない 。 半数 の 「 関心 が ない 」 を どう 考えれば いい のだろう か 。 同じ ような 傾向 が 、 「 今後 五 年 くらい の 間 に 、 銃器 犯罪 が 身近で 起きたり 、 自分 が 被害 者 と なったり する 不安 を 感じて いる か 」 の 回答 に 見 られた 。 「 不安 を 感じて いる 」 と 「 感じて い ない 」 が 、 ほぼ 半数 ずつ だった 。 この 数字 から 国民 の 危機 感度 を どう 見る か は 、 判断 の 分かれる ところ だろう が 、 データ を つなげる と 、 こんな 推定 が でき ない だろう か 。 「 銃 汚染 は さらに 悪く なる だろう 。 しかし 、 半数 の 人 は 自分 は 巻き込ま れる こと は ない と 考え 、 したがって 銃器 問題 に 関心 が ない 」 気 に なる 数字 は もう 一 つ ある 。 「 銃 を 実際 に 撃って み たい 」 と いう 回答 が 全体 で は 一 割 に 満たなかった が 、 二十 代 の 男性 に 限って みれば 、 三 割 を 超えて いた ことだ 。 銃 へ の 「 拒否 反応 」 に も 陰り が 現れて いる 。 日本 は 「 世界 一 安全な 国 」 だった 。 しかし 、 一九九〇 年 代 に 入り 、 これ まで と は 質的に 異なる 犯罪 が 発生 し 、 事態 は 一変 する 。 オウム 真理 教 の 事件 と 、 七 月 、 東京 の スーパー で 起きた 女性 三 人 の 射殺 事件 など の 銃器 犯罪 が 、 それ を 示して いる 。 教団 も 大量の 武器 密造 を 企てて いた 。 警察 庁 は 、 「 銃器 対策 の 成否 が 我が国 の 今後 の 治安 の 根幹 に かかわる 」 と 判断 して いる 。 大量に 海外 から 密 輸入 さ れる けん銃 を 、 水際 で 阻止 する こと が 最善 だろう 。 しかし 、 押収 した けん銃 の うち 、 水際 で 摘発 した の は 五 % に 満たない の が 現実 だ 。 と なれば 当面 、 銃 の 「 集積 地 」 である 暴力 団 の 徹底 した 摘発 こそ 、 効果 の ある 方法 で は ない か 。 安全な 社会 は 、 私 たち に とって 掛け替えのない 「 財産 」 である 。 もちろん 、 警察 は 早急に 専門 組織 を 充実 さ せ 、 プロ の 捜査 員 を 育てる 必要 が ある 。 しかし 、 この 「 財産 」 を 脅かす 銃 汚染 を 消し去る に は 、 市民 の 関心 と 捜査 へ の 協力 も 欠かせ ない 。 昨今 、 優等 生 ばかり の 政界 で 、 品性 は ともかく 独特の 存在 感 が あった 渡辺 美智雄 氏 の 真骨頂 は 何事 に つけ ホンネ で 語り 、 それ を すぐに 行動 に 移す こと だった 。 それゆえ 政界 随一 の 「 お 騒がせ 氏 」 で も あった 。 日 中 国交 正常 化 の 直後 に は 親 台湾 派 の 「 青嵐 会 」 で 大 暴れ し 、 その後 も 「 毛 バリ 発言 」 など 失言 、 放言 の たぐい は 数 知れ ず 。 一九九〇 年 に 中曽根 派 を 継いだ 後 も 常に 台風 の 目 的な 存在 であった 。 象徴 的な の が 昨年 四 月 の 細川 政権 退陣 後 の 離党 騒動 だろう 。 渡辺 氏 は 小沢 一郎 氏 と 連携 、 首相 指名 選挙 に 出馬 しよう と 自民党 離党 の 動き を みせた 。 結局 、 不発 に 終わり 羽田 政権 誕生 と なった が 、 二 カ月 余 で 羽田 政権 が 倒れる と 再び 党議 に 反して 海部 俊樹 元 首相 に 投票 、 物議 を かもした 。 現下 の 自民党 総裁 選 に 河野 洋平 氏 が 不 出馬 を 余儀なく さ れた の も 、 渡辺 氏 が いち早く 橋本 竜太郎 氏 支持 を 表明 した の が 一 つ の 契機 で 、 政変 の たび に 渡辺 氏 は キーマン で あり 続けた と いえる 。 加藤 絋一 自民党 政調会 長 は 「 知性 と 浪花節 が 同居 した 政治 家 」 と 評した が 、 渡辺 氏 は 開けっ広げな 言動 と は 裏腹に 、 昨年 著した 「 新 保守 革命 」 で レーガノミックス 張り の 大幅な 減税 と 五五 年 体制 下 の 「 大きな 政府 」 から の 脱却 を 提唱 する など 、 新 保守 の 旗手 を 任じて いた 。 渡辺 氏 に 先立ち 七 月 五 日 に は 角 福 戦争 の 当事 者 であり 、 政治 改革 を 叫び 続ける 一方 、 「 福田 財政 」 で 一 時代 を 画した 福田 赳夫 元 首相 が 死去 した 。 世代 が 若干 異なる と は いえ 、 いずれ も 強烈な 個性 を 放ち ながら 三十八 年間 の 自民党 政権 を 支えた 実力 者 であり 、 その 相次ぐ 訃報 は 世代 交代 の 波 の 厳し さ を 物語って いる 。 それ と 同時に 痛感 さ せ られる の は 政界 が 人材 面 で 「 縮小 再 生産 」 の 過程 に 入って しまった ので は ない か 、 と いう こと である 。 議会 制 民主 主義 は 、 競争 原理 が 大 前提 であろう 。 大政 翼賛 会 的だったり 、 一 強 何 弱 と いう 形 で 、 右顧左眄 する 政治 家 ばかり で は 、 議会 制 民主 主義 は 健全に は 機能 し ない 。 福田 氏 と 渡辺 氏 と で は 次元 は 違う が 、 福田 氏 は カネ と 力 の 田中 角栄 氏 に 政治 改革 を 掲げて 対抗 し 続け 、 一方 の 渡辺 氏 は 保守 本流 的 手法 に 疑問 を 呈し 、 ホンネ を ぶちまける こと で 強固な 足場 を 築いて いた 。 こうした 対抗 勢力 の 存在 が 、 結果 的に は 政界 の 活性 化 に つながって いた のである 。 橋本 氏 と 小泉 純一郎 氏 の 争い と なった 総裁 選 は 、 挑戦 者 だった 橋本 氏 が 追わ れる 立場 に 転じた こと から 、 一見 華々し そうな 論争 も 未 消化 の まま に 推移 して いる 。 行革 を めぐる 両者 の 応酬 も 、 手法 の 違い に 収れん さ れて きて おり 、 見方 を 変えれば 渡辺 氏 の 新 保守 革命 論 や 小沢 一郎 氏 の 普通の 国論 の 周辺 を 行きつ戻りつ して いる だけ と も いえる 。 骨太の 政治 家 だ から こそ 骨太の 議論 が 可能な ので は ない か 。 相次ぐ 失言 を あっけらかん と 撤回 する 渡辺 氏 に まゆ を ひそめる 向き も 多かった が 、 失言 に ホンネ を ひそま せる こと で 、 風向き を 測って いた の も 事実 であろう 。 個性 あふれる 政治 家 が 舞台 から 去り 、 その後 を 襲う 人材 が 登場 して こ ない の は 、 政界 再 再編 が 待ったなし の 激動 期 だけ に 、 心もとない 限り で は なかろう か 。 北京 で 何 が 語ら れ 、 何 が 発信 さ れた でしょう か 。 北京 で 開か れて いた 第 四 回 国連 世界 女性 会議 が 、 北京 宣言 と 行動 綱領 を 採択 し ました 。 今回 の 会議 の キーワード は エンパワーメント 。 世界中 で まだ 女性 が 「 第 二 の 性 」 と して 認識 さ れて いる から こそ 、 この 言葉 が キーワード に なった 。 宣言 は 「 すべて の 分野 で エンパワーメント は 平等 、 発展 、 平和 の 基本 」 と 述べて い ます 。 宣言 と 共に 、 行動 綱領 が 世界 に 求める 内容 は どう か 。 綱領 は 「 貧困 」 を はじめ 克服 す べき 十二 の 問題 領域 を 指摘 し ます 。 ここ に は 、 日本国 内 に あてはめて 多く の 課題 が ある の が 分かる 。 「 経済 」 の 領域 で は 、 男女 同一 労働 同一 賃金 の 法制 化 が 求め られた 。 「 女性 の 地位 」 で は 、 政策 決定 の 場 に 女性 が 就いて いる か 、 監視 する 政府 機構 の 創設 、 強化 が 指摘 さ れて いる 。 「 メディア 」 の 領域 で は 女性 を 男性 より 劣る 存在 と して 描く こと を 拒否 した 。 環境 管理 で は 女性 の 貢献 を 認め 、 支援 し ない 限り 持続 可能な 開発 は 困難 と 言い切り ました 。 会期 前半 に 野坂 浩賢 官房 長官 が 政府 代表 と して 、 日本 政府 の 考え を 演説 し ました 。 政策 や 意思 決定 の 場 に 参加 する 女性 を 増やす 。 そして 男女 間 の パートナーシップ と 、 対外 協力 の 強化 を 訴え ました 。 だが 、 微温 的 評価 に 終わった 。 それ は 日本 が 世界 に 発信 できる 女性 政策 を 持って い ない 実情 の 反映 です 。 男女 間 の パートナーシップ の 強化 を うたう 時 、 言葉 は きれいです 。 しかし 下手 を すれば 、 日本 の 現状 追認 に 堕し かね ない 恐れ さえ ある 。 なぜなら 日本 政府 は 基本 的に は 、 国 内 に 法制 上 の 男女 差別 は ない 、 今後 必要な の は 意識 変革 だ 、 と する 立場 を 取って いる から です 。 実態 と は 相当 離れて いる 。 象徴 的な の が 男女 雇用 機会 均等 法 です 。 法 の 条文 は 平等 を 掲げて いる が 、 法 に 従わ なく と も 罰則 規定 は あり ませ ん 。 だから 女性 就職 差別 は 簡単に できる 。 早急に 禁止 規定 を 持つ 法 に 直す こと が 必要で は あり ませ ん か 。 意思 決定 の 場 へ の 女性 の 参加 でも 、 大蔵 省 は 上級 公務 員 と して は 女性 を ほとんど 採用 して い ない 。 将来 も この 省 が 予算 査定 権 を 持つ と すれば 、 いつ 女性 の 意思 が 反映 さ れる のでしょう か 。 こう 言う と 必ず 反論 が 出る 。 女性 だ から それ で よい ので は ない 。 男性 が 有能 なら 、 女性 の 立場 を 配慮 できる と 。 しかし 、 世界 女性 会議 は まさに そうした 発想 を 拒否 した のです 。 途上 国 協力 で は 日本 も 伸ばす べき 事業 を 持って いる 。 それ は WID と 言って 政府 開発 援助 の 中 で 、 女性 に かかわる 分野 を 広げる 発想 です 。 これ は すでに 事業 化 さ れて いる が 、 被 援助 国 内 で 本当に 女性 に 役立って いる か は 検証 不十分 です 。 日本 側 と して も 女性 が 援助 の 判断 過程 に 多く 参加 する システム を 創設 でき ない か 。 検証 を どう する か 。 具体 的に 検討 す べきでしょう 。 百八十九 の 政府 と 欧州 連合 、 そして 三万 人 の 非 政府 組織 が 参加 した 最大 の 会議 が 終わり ました 。 「 人権 」 に 過敏な 対応 を 示した 中国 政府 と 一部 NGO の 対立 、 途上 国 と 先進 国 、 宗教 、 文化 の 違い に よる 政府 代表 団 間 の 対立 も あった 。 しかし 、 この 行動 綱領 に 到達 した 。 日本 は 綱領 に 基づき 新 国 内 行動 計画 を つくら なければ なら ない 。 その 内容 の 充実 と 実行 を 望んで おき ます 。 成層圏 の オゾン 層 が 激減 する オゾンホール 現象 が 、 現在 、 南極 大陸 の 上空 で 欧州 全域 と 同じ 一千万 平方キロ に 及んで いる 、 と 世界 気象 機関 は 警告 して いる 。 南極 で の 観測 開始 後 十四 年間 で 最悪の 記録 だ 。 一九八七 年 九 月 十六 日 、 オゾン 層 を 保護 する モントリオール 議定書 が 採択 さ れた の に ちなみ 、 国連 総会 が 今年 から この 日 を 「 国際 オゾン デー 」 と した 直後 の 凶兆 である 。 太陽 から の 有害な 紫外線 を 防いで いる 成層圏 オゾン 層 は 、 地球 が まとって いる 宇宙 服 であり 、 生命 維持 装置 と いえる 。 成層圏 の オゾン が 一〇 % 減り 、 地表 へ 届く UV ― B の 量 が 増える と 皮膚 がん や 白内障 の 発症 率 が 三〇 % 前 後 増え 、 穀類 の 収穫 量 が 約 二〇 % 減る と 推定 さ れて いる 。 オゾン 層 を 壊し 続けて いる の は 、 私 たち の 暮らし を 便利で 豊かに して いる 化学 物質 の ひと つ フロン だ 。 スプレー の 噴射 剤 から 冷蔵 庫 や エアコン の 冷媒 、 そして 精密 機器 の 洗浄 剤 まで 世界 で 既に 二千百万 トン が 生産 さ れ 、 八〇 % が 大気 中 へ 放出 さ れた と み られる 。 日本 の 消費 、 廃棄 量 は その およそ 一〇 % に 達して いる 。 オゾン 層 保護 条約 に より 、 世界 は まず オゾン 破壊 力 が 最も 強い フロン の 一部 の 製造 を 今年 限り で 中止 し 、 他 種 の フロン も 段階 的に 規制 して いく 。 だが 、 それ で 問題 が 解決 する わけで は ない こと を 、 とりわけ 私 たち 日本 人 は 「 国際 オゾン デー 」 に 際して わきまえて おか なくて は なら ない 。 日本 で は 洗浄 用 フロン の 代替 物 へ の 切り替え 、 回収 は 進んで いる 。 だが 、 廃棄 さ れた ルーム エアコン や 冷蔵 庫 、 自動 販売 機 、 カー エアコン など から の 回収 体制 は ずさんである 。 たとえば 廃棄 さ れた 家庭 用 冷蔵 庫 の 二〇 % は 自治 体 の 清掃 ルート 、 八〇 % は 家電 販売 店 を 経て 回収 さ れる 。 金属 類 は 解体 さ れ 資源 化 さ れる が 、 残り は 容積 を 減らす ため 破砕 さ れ 埋め立て 処分 に さ れて いる 。 この 過程 で 回収 さ れる フロン は 自治 体 ルート で 二〇 % 弱 、 販売 店 ルート で は まれである 。 日本 列島 から 大気 中 へ 放出 さ れた フロン は 、 一 週間 も たた ず に 地球 を 一 周 して 拡散 し 、 確実に 成層圏 へ 上昇 して いく 。 フロン は また 地球 温暖 化 を もたらす 強力な 温室 効果 ガス で も ある 。 米国 で は 大気 浄化 法 で 罰則 を 設け 、 フロン 回収 を 義務づけて いる 。 欧州 諸国 は 使用 量 と 回収 量 の 記録 を 求め 、 大気 へ の 放出 を 禁じて いる 。 大気 中 に 放出 さ れた フロン は 十 年 前後 かかって 成層圏 へ たどりつき 、 二〇〇〇 年 から 二〇〇五 年 を ピーク に 、 連鎖 反応 的に オゾン 層 を 破壊 し 続ける と み られる 。 その 影響 の 深刻 さ を 思えば 、 フロン の 大量 消費 国 ・ 日本 の 現状 認識 と 責任 の 取り 方 は 甘い と 言わ ざる を 得 ない 。 フロン の 回収 、 再 利用 、 破壊 を 確実な もの と する ため に 行政 、 企業 ・ 事業 者 、 消費 者 が 加わる 組織 と 費用 分担 の ルール づくり が 急が れ なければ なら ない 。 すでに 兵庫 県 は 「 環境 の 保全 と 創造 に 関する 条例 」 で 二十万 円 以下 の 罰金 を 科して フロン の 放出 を 減らす 。 「 フロン 回収 ネットワーク 滋賀 」 の ように 広域 の 回収 ルート づくり も 始まって いる 。 緊急 を 要する 安全 保障 問題 と して 、 フロン 封じ込め に 努め たい 。 日 米 安全 保障 条約 の 意味 を 再 定義 する 作業 が 、 日 米 両 国 間 で 進め られて いる 。 最終 的に は 今年 十一 月 、 クリントン 米 大統領 の 来 日 時 に 行わ れる 日 米 首脳 会談 で 、 共同 声明 など の 文書 を 発表 して 日 米 安保 の 堅持 ・ 強化 を 明確に する 見通し だ 。 その 観点 から 、 いま 両 国 間 で 二 つ の 協定 を 締結 しよう と いう 交渉 が 続いて いる 。 一 つ は 、 在 日 米軍 駐留 経費 の 負担 増 に 関する 新しい 特別 協定 である 。 同 協定 は 、 米軍 基地 で 働く 日本 人 従業 員 の 基本 給 と 諸 手当 、 米軍 が 公用 の ため 調達 する 電気 、 ガス 、 上下 水道 など の 料金 を 日本 側 で 負担 する と いう もの で 、 日本 政府 の 出費 は 今 年度 の 場合 、 千四百七十七億 円 に 達して いる 。 これ に 日 米 地位 協定 に 基づく 施設 提供 費 を 加える と 、 駐留 経費 負担 の 総額 は 二千七百十四億 円 に 上る 。 現行 の 特別 協定 は 今年度 末 に 期限 が 切れる ため 、 両 国 は 新 協定 締結 に 向けた 交渉 を 続けて きた が 、 ほぼ 合意 に 達し 、 今月 二十七 日 、 ニューヨーク で 行わ れる 両 国 の 外交 ・ 防衛 担当 閣僚 に よる 安全 保障 協議 会 で 調印 する 運び だ 。 新 協定 で 日本 側 は 、 新たに 米 空母 艦載機 に よる 夜間 発着 訓練 の 硫黄 島 へ の 移転 経費 負担 、 日本 人 基地 従業 員 の 四百 人 の 増員 など を 受け入れた 。 これ に 伴う 日本 側 の 負担 増 は 三十億 円 以上 に なる 。 新 協定 に ついて 日本 政府 は 、 日 米 安保 体制 を 維持 する ため に 必要 最小 限 の コスト と 説明 して いる が 、 どう だろう か 。 問題 点 も ある 。 その 代表 例 が NLP の 硫黄 島 へ の 移転 経費 負担 だ 。 こうした 負担 を 認めれば 、 今後 あらゆる 米軍 の 訓練 経費 を 負担 せ ざる を 得 なく なる ので は ない か と の 危ぐ を 持つ 。 日本 側 は 「 日本 政府 の 要請 に 基づく 訓練 の 移転 費用 だけ に 限る と の 歯止め を かける ので 心配 は ない 」 と 説明 して いる が 、 この 問題 に 関して は 憲法 で 禁じ られた 集団 的 自衛 権 の 行使 に 触れる ので は と の 疑念 さえ 指摘 さ れて いる 。 新 協定 は 今月 末 、 召集 さ れる 臨時 国会 で 審議 さ れる が 、 詰めた 議論 が 必要だ 。 二 つ 目 の 協定 は 、 自衛 隊 と 在 日 米軍 と の 間 で 燃料 など を 相互 に 融通 し 合う 「 物品 ・ 役務 融通 協定 」 である 。 衛藤 征士郎 防衛 庁 長官 は 今月 初め 、 ハワイ ・ ホノルル で の 日 米 防衛 首脳 会談 で 、 ACSA を 来春 に も 締結 する 方針 を 米 側 に 示し 、 その ため の 自衛 隊 法 改正 案 など を 次期 通常 国会 に 提出 する 考え を 表明 した 。 同時に 衛藤 長官 は 、 国連 平和 維持 活動 に 自衛 隊 が 参加 した 場合 、 ACSA を 適用 して 米軍 と 協力 する 可能 性 も ある と 言及 した 。 日本 政府 は これ まで 、 ACSA の 適用 対象 は 平時 及び 日 米 共同 訓練 に 限定 する と 説明 して きた が 、 長官 発言 は これ を 踏み越えた もの だ 。 内閣 法制 局 が 、 集団 的 自衛 権 の 行使 に つながり かね ない と 否定 的な 見解 を 示した の は 当然の 反応 であろう 。 沖縄 県 は 十三 日 、 米 兵 三 人 が 女子 小学生 に 乱暴 した 事件 を 契機 に 、 日 米 地位 協定 の 見直し を 外務 省 に 要請 した 。 同 協定 に 基づき 米 兵 の 身柄 は 起訴 まで 日本 側 に 引き渡さ れ ない ため 、 捜査 上 の 制約 が 出て いる から だ 。 日 米 安保 条約 の 再 定義 の 作業 に 、 こうした 「 負 の 部分 」 の 見直し も 含めて いく こと が 日 米 両 国 に とって 真に 必要で は ない だろう か 。 六千 人 を 超える 死者 と 約 十万 棟 の 全壊 家屋 を 出した 阪神 大 震災 から 八 カ月 。 戦後 最大 の 激甚 災害 が もたらした 惨状 は 、 私 たち の 脳裏 に 今なお 強く 残る 。 同時に 、 大 震災 発生 の 直後 から 多数 の ボランティア が 全国 から 手 弁当 で 続々 と 現地 に 駆け付け 、 被災 者 たち を 物心 両面 で 支えた 事実 も 忘れ られ ない 。 国 や 自治 体 の 対応 が 大 混乱 に 陥る 中 、 全国 の 非 政府 組織 や 非 営利 組織 の グループ は もとより 、 どの 組織 に も 属して い ない 大学生 や サラリーマン など 個人 参加 の 若い ボランティア たち が 目立ち 、 「 今 の 若者 たち を 見直した 」 「 暗い ニュース が 続く 中 で ボランティア の 若者 の 姿 に 感動 した 」 と いう 声 が 各層 から 聞か れた 。 それだけに 、 この ほど 村山 富市 首相 の 諮問 を 受けた 防災 問題 懇談 会 が 発表 した 提言 が 、 災害 時 に おける ボランティア の 位置付け を かなり トーン ダウン さ せて いる の は 残念 と しか 言い よう が ない 。 同 提言 は 「 改善 を 行う べき 施策 」 の 六 番 目 、 第 二 項 に 「 ボランティア など 民間 協力 の 活用 と 支援 」 と して わずかに 触れて は いる 。 が 、 ボランティア 団体 に 対する 法人 格 の 付与 、 経済 的 基盤 の 確立 の ため の 支援 、 リーダー の 育成 、 行政 と 協力 した 被災 者 へ の 効果 的な 援助 など を 列挙 して いる に 過ぎ ない 。 具体 的な 提案 と して は 、 大 震災 発生 の 一 月 十七 日 を 「 防災 と ボランティア の 日 」 と する こと 。 また 、 各 自治 体 の 拠出 に よって 創設 する 基金 の 一部 を 防災 ボランティア に 対する 援助 と して 掲げて いる 程度 である 。 阪神 大 震災 の ような 大規模 災害 の 発生 時 に 備え 、 災害 情報 の 収集 や 伝達 、 あるいは 消防 や 警察 、 医療 、 自治 体 など が 連携 できる 緊急 即応 体制 の 構築 を 最大 限 に 優先 さ せる べきである 点 に だれ も 異論 は ある まい 。 国民 すべて が 日ごろ から 安全 対策 を 工夫 し 、 水 や 食品 類 の 備蓄 、 防災 訓練 へ の 参加 も 必要である 。 しかし 、 仮に 同 提言 に よって 総合 的な 防災 体制 が 実現 し 、 国 や 自治 体 に よる 被災 者 救援 が 計画 上 は 可能に なった と して も 、 災害 が 時 と 場所 を 選ば ない 以上 、 完璧な 防災 体制 など あり 得 ない の が 現実 であろう 。 だからこそ 、 災害 時 に おける ボランティア の 救援 活動 は 国 や 自治 体 に 劣ら ず 力 を 発揮 する と 私 たち は 考える 。 さらに 「 お 役所 仕事 は 当て に なら ない 、 ボランティア こそ 救援 の 主役 」 と いう 行政 不信 の 意見 も 根強く ある こと を 指摘 して おき たい 。 阪神 大 震災 の 惨状 と 混乱 が 連日 、 新聞 や テレビ で 伝え られた 発生 直後 、 不眠 不休 で 活動 する ボランティア の 重要 性 を 認識 した の か 、 政府 は 官房 長官 ら の 指示 に よって 関係 十八 省庁 が 連絡 会議 を 設置 、 ボランティア 支援 立法 の 検討 を 始める 、 異例の 立ち上がり の 早 さ を 見せた 。 だが 、 税制 上 の 優遇 措置 、 活動 支援 の 基金 創設 、 そして 法人 格 の 付与 と いった 検討 内容 は 、 実は 今回 の 防災 臨調 に よる 提言 内容 と ほとんど 重複 する 。 しかも 、 その 関係 省庁 連絡 会議 は これ まで 四 回 開か れた もの の 、 中間 報告 を まとめる 段階 に すら 至って い ない の が 実情 である 。 発生 直後 の ボランティア に 対する 、 あの 熱意 は どこ へ いった の か 。 提言 の 一 日 も 早い 実現 を 望み たい 。 「 忘れた ころ に やってくる 」 の が 災害 な のだ から ―― 。 英 植民 地 、 香港 の 最後 の 立法 評議 会 選挙 が 十七 日 行わ れ 、 選挙 民 の 民意 を 直接 反映 する 地区 別 直接 選挙 枠 で 民主党 など 反 中国 の 民主 派 が 十六 議席 を 獲得 、 圧勝 した 。 中国 と の 協調 を 主張 して きた 民主 建 港 連盟 は 主席 、 秘書 長 が 落選 する など 中国 側 は ショック を 隠せ ない ようだ 。 新 議員 の 任期 は 本来 、 一九九九 年 まで の 四 年間 だ が 、 パッテン 総督 の 選挙 改革 強行 に 反発 した 中国 は 、 新 議員 の 任期 は 九七 年 七 月 一 日 の 中国 復帰 まで しか 認め ない と 宣言 、 香港 特別 行政 区 成立 後 、 改めて 議会 に 当たる 臨時 立法 会 の 選挙 を やり 直す と 強調 して きた 。 中国 と して は 、 行き掛かり 上 、 振り上げた こぶし を 下ろし にくい だろう 。 確かに 議員 の 任期 が 返還 後 に も またがる 選挙 改革 案 に ついて 、 中国 へ の 事前 の 根回し を 怠った パッテン 総督 の やり 方 に 妥当 性 を 欠く ところ が あった の も 事実 だ 。 しかし 、 今回 の 選挙 で は これ まで 議席 の 三 分 の 一 を 占めて いた 総督 任命 の 議員 が 廃止 さ れ 、 すべて の 議員 が 直接 または 間接 選挙 で 選ば れた 。 これ まで に なく 民意 を 反映 した 選挙 であった こと は 間違い ない 。 投票 率 も 三六 % と 前回 の 九一 年 選挙 を 下回った と は いえ 、 昨年 九 月 の 区 議会 選挙 や 今年 三 月 の 市政 評議 会 選挙 を 上回った 。 「 燃え ない 選挙 」 と いわ れた 割に は 、 市民 の 選挙 へ の 関心 が 高かった と いえよう 。 民意 を 反映 した 選挙 結果 を 尊重 する 方 が 、 結局 は 香港 の 民心 安定 に 役立ち 、 ひいては 中国 が 重視 して きた 香港 の 繁栄 維持 に も プラス に なる ので は ない か 。 中国 の 香港 回収 の 基本 方針 は もともと 社会 主義 国家 の 中 に 資本 主義 制度 の 特別 行政 区 の 存在 を 認め 、 国防 、 外交 を 除いて 高度の 自治 権 を 付与 する 「 一 国家 二 制度 」 方式 と 、 「 香港 人 に よる 香港 統治 」 であった はずだ 。 今回 の 選挙 で は 、 民建連 など 親 中 派 や 経済 界 を 基盤 と した 自由党 など 中間 派 も 職能 別 選挙 や 区 議会 議員 に よる 間接 選挙 で は 善戦 した 。 「 港 人 治 港 」 の 約束 を 守って くれる の なら 、 香港 の 繁栄 と 安定 維持 の ため に は 中国 と の 良好な 関係 も 不可欠 と の 認識 が 広がって いる から だろう 。 いずれ に せよ 、 パッテン 総督 の 置き土産 と も いう べき 選挙 は すべて 終わった 。 来年 一 月 に は 中国 側 の 香港 特別 行政 区 準備 委員 会 が 発足 、 返還 準備 が 本格 化 する 。 六百数十 日 の 過渡 期 を 無事に 乗り切る ため に 英 中 の 協力 は 今後 ますます 必要に なる 。 返還 まで あと 二 年 を 切った 今年 七 月 前後 から 英 中 間 で は 協調 ムード が 生まれて いる 。 英国 側 は 終審 法廷 の 返還 一 年 前 設置 の 主張 を 取り下げ 、 返還 後 の 設置 で 合意 した 。 中国 側 も これ まで 英 植民 地 当局 の 手先 の ように 見なして きた 香港 政庁 の 公務 員 や 高級 官僚 を 「 『 港 人 治 港 』 で 依拠 する 勢力 」 と 重視 する ように なった 。 中国 側 も 「 港 人 治 港 」 の 原点 こそ が 香港 の 民心 安定 の 基礎 と の 認識 を 深めた ようだ 。 香港 住民 も 「 港 人 治 港 」 の 主人公 である こと を 忘れ ないで ほしい 。 銭 外 相 は 来月 、 三 年 ぶり に 訪 英 する 。 両 国 が 香港 の 繁栄 と 安定 と いう 大局 的 見地 から 過渡 期 の 緊密な 協力 を 確認 する よう 期待 し たい 。 意地 の 張り合い は もう 終わり に す べきだ 。 事件 が 持ち上がった 。 捜査 員 たち が 調べて いる うち に 、 上司 である 超 エリート の 疑惑 が 明るみ に 出た 。 現場 は 混乱 し 、 捜査 員 たち は つらい 思い を さ せ られる 。 推理 小説 で は 珍しく ない 筋立て だ が 、 税金 の 徴収 と 調査 を 第一線 で 担当 して いる 税務 署員 や 国税 局 職員 が 、 今 、 似た ような 場面 に 直面 して いる 。 原因 は 大蔵 省 の 中島 義雄 ・ 前 財政 金融 研究 所長 が 、 現役 時代 に 受けて いた 総額 一億六千万 円 の 贈与 ・ 低利 融資 を めぐる 疑惑 である 。 中島 氏 は 、 これ で 生じた 約 七千万 円 の 所得 に かかわる 税金 を 納めて い なかった 。 大蔵 省 の 調べ で 指摘 さ れ 、 期限 後 の 今月 、 約 二千万 円 の 税金 を 、 あわてて 税務 署 に 申告 して いる 。 申告 漏れ である 。 中島 氏 は かつて 国税 庁 査察 課 の 課長 補佐 と して 、 脱税 を 摘発 した 側 の 幹部 である 。 大蔵 省 に よる と 、 「 本人 は 申告 し なくて も いい もの と 思って いた 」 と いう 。 納税 者 から 「 ふざける んじゃ ない 」 の 声 が 起きて いる が 、 ちっとも 不思議で は ない 。 怒り の 矛先 は 税務 署 や 国税 局 に 向け られて いる 。 「 身内 に 甘い ので は ない か 」 と いう 徴税 に 対する 不信 感 も 生じて いる 。 徴税 の 基本 は 公正であり 、 公平である こと だ 。 それ に 基づく 信頼 関係 が なければ 、 年間 百万 件 を 超える 任意の 税務 調査 を 処理 する こと は 難しい 。 中島 氏 の 申告 漏れ は 「 公正 ・ 公平 」 に 疑問 を 抱か せた 。 今回 の 疑惑 が 現場 に 与えた 影響 は 深刻である 。 国税 庁 が 納税 者 の 不信 を 晴らす 道 は 、 中島 氏 の 過去 の 所得 に ついて 徹底 して 税務 調査 する こと しか ない 。 もちろん 、 株 の 売買 や 自宅 の 土地 ・ マンション の 購入 資金 、 さらに 現金 を 贈与 したり 、 約 一億 円 を 低利 融資 した 「 たにまち 」 たち の カネ の 流れ を 含めて である 。 その 結果 に ついて は 、 「 発表 しろ 」 と 言い たい ところ だ が 、 国税 庁 は 各種 税法 に よって 、 個人 の 調査 が どう なった か は 、 公表 する こと を 禁じ られて いる 。 中島 氏 自身 が 記者 会見 して 、 明らかに す べきである 。 さらに 、 三千数百万 円 の 退職 金 の 辞退 を 求め たい 。 与えた 影響 の 大き さ に 対する 責任 の 重 さ を 考えれば 、 当然の こと だろう 。 一九九三 年 末 から 一 カ月間 、 本紙 で 連載 した 「 霞が関 しんどろーむ 」 に 、 東京 ・ 赤坂 に 事務 所 を 構える 、 ある 女性 が 大蔵 官僚 の 「 たにまち 」 と して 登場 して いる 。 かつて 、 自民党 の 有力 政治 家 の 秘書 だった 人物 である 。 「 大蔵 省 の 幹部 を 昼食 に 誘い 、 幹部 は 部下 を 連れて ごちそう に なる こと が 、 なぜ か 連綿と 大蔵 省 の 習わし に なって い ます 」 大蔵 OB の 証言 である 。 大蔵 官僚 の 「 たにまち 」 を 受け入れる 体質 は 、 根 が 深い ようだ 。 同時に 大蔵 官僚 の おごり を 感じる 。 背景 と して 、 税金 に 関する 権限 が 集中 し 、 大蔵 省 が 巨大な 官庁 と なって いる こと も 見逃せ ない 。 職員 五万七千 人 の 国税 庁 は 組織 上 、 大蔵 省 の 外局 だ が 、 人事 権 は 大蔵 省 が 握って いる 。 国税 庁 に は 、 膨大な 税務 調査 資料 が 蓄積 さ れて いる 。 これ が 、 大蔵 官僚 の 圧力 の 一 つ に なって いる と 指摘 さ れて きた 。 大蔵 省 の 解体 論 が 言わ れ 始めて いる 。 大蔵 官僚 の 自浄 能力 に 疑問 が ある から だ 。 国税 庁 の 分離 論 が 出て きて も 、 おかしく ない 状況 である 。 札幌 大学 教授 、 鷲田 小弥太 氏 に 「 大学 教授 に なる 方法 」 と いう 著書 が ある 。 鷲田 氏 は 前文 で 、 職業 と して の 大学 教授 を 「 学問 上 の 目的 を 達成 する 手段 と して で は なく 、 生きる ため の 手段 と して 」 位置づける と いう 発想 で 書く と 宣言 して いる 。 鷲田 氏 は 「 普通の 職業 である から 、 普通の 人 が なれ なくて は なら ない 」 「 層 の 厚い 、 偏差値 五十 前後 の 人 なら 、 方法 さえ 間違わ なければ なれる と いう こと を 紹介 し たい 」 と 続ける 。 その アドバイス の 例 を 挙げる と 、 大学 格差 を 問題 に せ ず 「 広き 門 より 入れ 」 と いう の が ある 。 高専 ・ 短大 の 教員 、 私立 「 無名 」 大学 の 教員 、 「 辺境 」 大学 の 教員 から キャリア を スタート さ せる のである 。 「 コネ で 入る 」 の も 一 つ の 手段 と さ れて いる 。 「 論文 」 と 題する 一節 に は 、 「 自力 」 「 他力 」 「 盗作 ・ 剽窃 」 と いう 項目 が 立て られて いる 。 ゴーストライター を 雇う 「 他力 」 は なかなか 有力である 。 それ で 気 が とがめる 人 は 「 指導 」 を 頼む と いう 手 が ある ―― と いう 具合 である 。 この 本 の 中 に 「 七十 歳 まで 、 いったん 大学 教授 に なった ならば 、 本人 が 辞め ない 限り 辞め させる こと は でき ない のである 」 と いう 一節 が ある 。 業績 を 上げて も 上げ なくて も 、 昇級 は 年 に 一 回 。 終身 雇用 ・ 年功 序列 の 典型 例 と して 大学 教授 の 世界 が 描か れて いる 。 大学 審議 会 の 組織 運営 部会 が 十八 日 、 大学 教員 に 任期 制 を 導入 する よう 提言 した の は 、 大学 教員 の 甘 すぎる 業績 管理 を 多少 と も 厳しく しよう と いう 趣旨 だろう 。 「 学問 の 自由 」 と の 兼ね合い で 慎重 論 を とる 向き も ある ようだ が 、 それ は ぬるま湯 に 漬かり 続け たい 大学 教員 たち の ため に する 意見 だろう 。 大学 の 現状 は 、 教育 面 で は レジャーランド と いわ れる 。 学生 が 学ぶ の は 受験 勉強 まで で 、 大学 で は 付け 加わる もの は 少ない 。 研究 面 でも 、 国際 水準 から みれば 恥ずかしい ほど 業績 が 少なく 、 かつ 低 レベル な の が 日本 の 大学 である 。 それ でも 進学 率 の 上昇 に よって 学生 数 は どんどん 増え 続け 、 「 大学 商売 」 は 立派に 成り立った 。 黙って いて も 受験 料 や 学費 が 入って くる 構図 が 、 大学 の 活性 化 を 妨げた と いえる かも しれ ない 。 いまや 大学 は 、 学生 数 の 減少 に より 「 冬 の 時代 」 を 迎えて いる と いわ れる 。 いま まで の ような 姿勢 で は 「 倒産 」 も し かね ない と 、 さまざまな 「 改革 」 に 取り組んで いる 大学 も 多い 。 私立 大学 だけ に とどまら ず 、 地方 国立 大学 など でも 真剣な 論議 を して いる の は 歓迎 す べき こと であろう 。 そんな 中 で 、 教員 の 任期 制 を 採用 する と いう 改革 案 が 大学 の 方 から 出て こ なかった 方 が 不思議 と いえる 。 国公立 、 私立 を 問わ ず 任期 制 を とって 教員 の レベル 向上 に 努めて いる こと を セールス ポイント に する 大学 が 早期 に 出現 して も いい ので は ない か 。 いずれ に して も その 実現 を 阻む 諸 規則 は 文部 省 と 人事 院 の 協議 で 、 速やかに 改正 して ほしい 。 大学 の 教育 サービス の 消費 者 は 、 学生 と いう こと に なる 。 この 問題 に 関連 して とくに 注文 し たい こと は 、 受験 の とき の 大学 選び で は 、 ブランド だけ で なく 内容 を 見て ほしい と いう こと である 。 熱意 を もって 改革 に 取り組む 大学 に は 学生 が 集まる と いう こと に なれば 、 日本 の 大学 の レベル も ようやく 向上 し 始める だろう 。 ボスニア・ヘルツェゴビナ 内戦 で ガリ 事務 総長 が 「 国連 の 手 に 余る 」 と タオル を 投げ入れた 。 ボスニア に 展開 中 の 国連 防護 軍 を 全面 撤退 さ せ 、 多 国籍 軍 に 後 を ゆだねる と の 方針 を 固め 、 安保理 に 提案 した のだ 。 国連 は 内戦 ぼっ発 直後 から 欧州 連合 と 共同 で 和平 の 仲介 努力 を 重ねる と ともに 、 大規模な 防護 軍部 隊 を 展開 して きた 。 だが 、 兄弟 民族 が 相 打つ 内戦 に 第三者 の 仲介 は 通じ ず 、 殺し 合い は 泥沼 化 した 。 防護 軍部 隊 は 多数 の 死傷 者 を 出し ながら 、 内戦 当事 者 から は 感謝 さ れ ず 、 非難 と 恨み だけ を 買う 報われ ない 結果 と なった 。 ボスニア の 国連 防護 軍 は 今年 十一 月 末 に 任期 切れ と なる 。 ガリ 事務 総長 が 更新 より 撤退 を 選んだ の は 、 駐留 を 続ける 現実 的 意味 が 薄れた うえ 、 加盟 国 の 分担 金 滞納 で 国連 の 財政 が 悪化 し 、 駐留 費用 の ねん出 が 難しく なった と の 判断 が ある 。 ガリ 事務 総長 は 就任 後 の 演説 「 平和 の 課題 」 で 、 冷戦 後 の 平和 構築 に 向け 国連 の 役割 強化 を 打ち出した 。 ソマリア に 続き ボスニア でも 国連 の 平和 回復 の 企図 が 挫折 した こと は ガリ 路線 の つまずき と も いえる 。 ボスニア で は 、 今年 七 月 ごろ まで 武力 に 勝る セルビア 人 勢力 が 領土 の 七〇 % を 支配 し 、 和平 仲介 を 嘲笑 して いた 。 ところが 八 月 以降 、 力 関係 は 大きく 変わった 。 まず 、 隣国 クロアチア の 政府 軍 が 大 攻勢 に 出て 自国 の クライナ 地域 から セルビア 人 勢力 を 一掃 した 。 さらに 、 北大西洋条約機構 が 従来 の 受け身の 対応 を 転換 した 。 重 武装 の 緊急 対応 部隊 を 派遣 して 反撃 能力 を 整える と ともに 、 大規模な 空爆 で セルビア 人 勢力 を たたいた 。 NATO が 軍事 機構 と して の 本性 を あらわに して きた 武力 行使 は 、 もはや 国連 の 平和 維持 活動 の 枠 を 超えて おり 、 事務 総長 提案 は この 現実 の 追認 と いえる 。 一連の 攻勢 を 受けて セルビア 人 勢力 は 後退 を 余儀なく さ れ 、 ボスニア 内 の 支配 地域 は 約 五〇 % に まで 減った と いわ れる 。 「 力 に おごる セルビア 人 勢力 を たたいて 軍事 バランス を 変える の が 和平 の 近道 」 と いう の が NATO の 盟主 である 米国 の 主張 だ が 、 いま の ところ 事態 は 米国 主導 で 動いて いる 。 ボスニア に 限ら ず 、 地域 紛争 の 多く は 武装 集団 間 の 闘争 と いう 形 を とって いる 。 そうした 集団 に 物 を いう の が 往々 に して 理性 の 説得 より も 武力 である こと は 、 冷厳な 事実 と して 認め ざる を 得 ない 。 だが 、 「 地域 紛争 は 武力 で しか 解決 でき ない 」 と 考える の も 早計 であろう 。 ボスニア に して も 、 軍事 バランス が 変わった から と いって 、 本格 的 和平 が 成る か どう か は 予断 を 許さ ない 。 イスラム 教徒 は ここぞとばかり 失地 回復 の 攻勢 に 出て 停戦 を 拒否 して いる が 、 セルビア 人 勢力 を 追い詰め 過ぎる と セルビア 共和 国 の 正規 軍 が 介入 して くる おそれ も ある 。 軍事 作戦 は 引き際 が 肝心だ 。 防護 軍 が 撤退 した 後 、 多 国籍 軍 の 主体 と なる の は NATO 軍 であろう が 、 ロシア は 異 を 唱える だろう 。 なぜなら 、 ロシア は ボスニア を テコ に NATO の 東欧 へ の 拡大 に はずみ が つく の を 警戒 して いる から だ 。 国際 社会 は 冷戦 後 の 平和 秩序 を どう 構築 す べき か 。 ボスニア で ガリ 路線 は 挫折 して も 、 「 平和 の 課題 」 は 問い 続ける べき 未完 の 課題 である 。 女子 小学生 が 米 兵 三 人 に 暴行 さ れた 。 三 人 は レンタカー を 借りて 待ち伏せ し 、 力ずく で 車 に 引きずり込み 粘着 テープ で 目 や 口 を ふさいだ うえ 暴行 した 。 今月 初め 、 沖縄 本島 北部 の 町 で 起こった 事件 である 。 犯人 は 基地 内 に 逃げ込み 、 米軍 は 沖縄 県警 に 犯人 の 身柄 引き渡し を 拒んで いる 。 日 米 安保 条約 に 基づく 地位 協定 が 、 犯人 起訴 まで 米軍 に 身柄 を 保有 する 権利 を 認めて いる から だ 。 沖縄 県民 は 怒り 心頭 に 発した 。 これ まで も 米 兵 が 強盗 や 暴行 を 働き 、 基地 内 に 逃げ込んだ ため 事件 が うやむやに なった こと が ある 。 しかし 今回 は いたいけな 少女 を 計画 的に 狙う と いう 凶悪 犯 である 。 「 絶対 に 許せ ない 」 と 沖縄 県 議会 は 十九 日 、 身柄 引き渡し を 拒む 根拠 と なって いる 地位 協定 の 見直し を 決議 。 県 知事 が 上京 して 、 政府 、 米 大使 館 に 協定 改定 を 申し入れた 。 それ で 政府 は 何と 答えた か 。 「 この 問題 を もって 地位 協定 の 見直し と いう の は 少し 議論 が 走り 過ぎる ので は ない か 」 。 なぜなら 「 現行 の 協定 でも 捜査 は できる 」 し 「 捜査 に 支障 が 出て い ない 」 から 。 閣僚 たち は 沖縄 県警 が どういう 状況 下 で 事件 を 捜査 して いる の か 、 知ら ない ので は ない か 。 現地 から の 報告 に よる と 、 犯人 を 直接 調べ たい と する と 、 まず 警察 が 米軍 基地 に 要請 する 。 米軍 が 認可 すれば 、 犯人 の 身柄 は 米軍 に 護送 さ れて 所轄 警察 署 に 運ば れる 。 ただし 取り調べ は 午前 九 時 から 午後 四 時 まで 。 午後 五 時 に は 基地 に 戻さ なければ なら ない 。 「 これ で 捜査 に 支障 なし と 言え ます か 」 と 嘆いて いた 。 外 相 は 「 少し 議論 が 走り 過ぎて いる 」 と 言って いた が 、 では どういう 状況 なら 見直し を 考える の か 。 いう まで も なく 地位 協定 の 前身 は 旧 安保 下 の 行政 協定 である 。 占領 軍 の 優越 権 を そのまま 米軍 に 認めた ような 同 協定 は 国民 を 深く 傷つけた 。 そこ で 一九五三 年 に 改定 さ れ 、 六〇 年 の 安保 改定 で 地位 協定 に 引き継が れた 。 しかし それ でも 同 協定 と それ に 基づく 関連 法 で 数々 の 特権 を 米軍 に 許して おり 、 日本 の 法体 系 に そぐわない もの が 少なく ない 。 例えば 米軍 が 日本 国民 に 与えた 損害 は 日本 政府 が 肩代わり し なければ なら ない 。 米軍 ・ 軍属 のみ なら ず 、 その 家族 など に 対して も 輸入 品 の 関税 が 免除 さ れて いる 。 自衛 隊 用地 の 強制 収用 は 難しい が 、 米軍 用地 なら できる 。 米軍 の 機密 漏えい は 十 年 以下 の 懲役 で 、 自衛 隊 ・ 国家 公務 員 法 の 一 年 以下 と 比べて 極めて 重い ―― など など 。 今度 の 事件 で 沖縄 県民 を 怒ら せた 身柄 の 拘束 権 問題 も 、 その ひと つ 。 地位 協定 は 北大西洋条約機構 諸国 間 の 協定 を モデル に 作ら れた が 、 ドイツ で は 米軍 兵士 の 身柄 を 要求 できる 規定 が 付加 さ れて おり 、 その 点 でも 日本 政府 は 努力 を 怠って いる 。 それ より なにより も 、 日本 は 米軍 駐留 経費 と して 二千七百 余 億 円 も の “ 思いやり 予算 ” を 支払って いる 。 その 異名 から 分かる 通り 地位 協定 から すれば 、 本来 なら 不必要な 負担 だ 。 政府 は 冷戦 後 の 日 米 安保 の 新たな 意義 を 模索 して いる と いう 。 十一 月 の 日 米 首脳 会談 で は なんらか の 宣言 を 打ち出し たい と 聞く 。 それ なら なおさら である 。 今 こそ 地位 協定 も 関連 法 も 見直して 、 対等な 真 の 日 米 友好 関係 を 築く べきで は ない か 。 政府 は 二十 日 、 総 事業 費 十四兆二千二百億 円 に 上る 経済 対策 を 決めた 。 事実 上 過去 最大 の 規模 だ 。 うち 国費 は 四兆七千百億 円 である 。 臨時 国会 で 早急に 第 二 次 補正 予算 の 成立 を 図り 、 その 執行 を 急いで もらい たい 。 バブル 崩壊 に よる 不況 対策 は これ で 七 度 目 だ 。 それ だけ 今回 の 不況 の 底 は 深かった と も いえる が 、 政府 の 対策 が 遅き に 失した こと も 否定 でき ない 。 後手 々々 だった 。 最初の 対策 は 宮沢 内閣 当時 の 一九九二 年 八 月 である 。 その 一 年 以上 も 前 に 日本 経済 は 不況 局面 に 入って いた 。 だが 政府 ・ 日銀 は 景気 の 実態 を 直視 しよう と は し なかった 。 この 初動 の 遅れ が 七 回 に わたって 、 六十一兆 円 も の 事業 費 を 投入 する ハメ に なった と 言える だろう 。 今回 の 対策 で は 、 赤字 国債 の 発行 に よって 科学 技術 や 情報 通信 、 教育 、 福祉 など の 振興 費 が かなり 増えた 。 改めて 指摘 する まで も なく 、 財政 の 規律 を 緩める こと に は 慎重である べきだ 。 だが 、 赤字 国債 の 発行 ゼロ に こだわって いて は 、 こうした 分野 に 十分な 投資 が 行わ れ ない の も 事実 である 。 景気 が 回復 の 軌道 に 乗る まで は 、 非常 手段 も やむ を 得 ない もの と 受け止める べきだろう 。 また 景気 対策 に 直接 つながる 公共 投資 の いわゆる 「 真水 」 は 八兆 円 に も 達した 。 一般 公共 事業 で は 阪神 大 震災 の 教訓 から 、 道路 や 空港 など の 耐震 性 強化 など 、 防災 対策 に も 力 を 入れる と いう 。 これ も タイムリーな 事業 だ 。 個々 に 見て いく と 、 それぞれ に 意味 の ある 対策 だ が 、 全体 を 眺める と 景気 の 浮揚 に 十分な 効果 が もたらさ れる の か 、 と いう 疑問 も 先に 立つ 。 改めて 言う が 、 景気 対策 は 既に 七 回 である 。 事業 規模 も どんどん 大きく なった 。 しかし 、 一向に 不況 感 は 払しょく でき ず 、 経営 者 の マインド が 燃え ない の は どうして か 。 過去 の 対策 が あまり 効果 的で は なかった 、 と 言い切る 自信 は ない 。 だが 、 五十兆 円 弱 の 公的 資金 を 投入 して なお 七 度 目 の 対策 に 踏み切ら ざる を 得 ない 理由 を まず 政府 は 明らかに す べきだった 。 過去 の 景気 対策 と その 実績 の 検証 に よって 、 新たな 対策 の 構図 を 練り 直す 必要 が ある から だ 。 例えば 公共 事業 の あり 方 に も いささか 疑問 を 抱いて いる 。 第 一 に 、 宮崎 勇 経済 企画 庁 長官 も 指摘 して いる ように 、 公共 事業 の 配分 の 硬直 性 である 。 公共 事業 の 配分 が 官庁 別 、 事業 分野 別 に 固定 化 し 、 十 年 も 二十 年 も 変わら ない こと 自体 、 驚く べき こと だ 。 この 既得 権益 が もし 時代 に ミスマッチ な 公共 事業 を ただ 増やして いる と すれば 、 資源 配分 の 面 から も 問題 で は ない か 。 第 二 に 公共 事業 の コスト が 高 過ぎ は し ない か と いう 点 である 。 九四 年度 の 民間 設備 投資 の 単価 は 、 前年 に 比べて 約 三 割 も 下がった と いう 。 不況 で 競争 が 激しく なり 、 価格 破壊 が 進んだ から だ 。 第 三 に 、 公共 投資 一本やり で は なく 、 例えば 減税 など に よる 内需 拡大 策 も 検討 さ れて よい 。 それにしても 、 金融 機関 の 不良 債権 問題 は また も 先 送り さ れ 、 年 内 に 対応 策 を 決定 する こと に なった 。 難しい 問題 は また も 後回し である 。 九二 年 八 月 の 第 一 回 の 経済 対策 以来 三 年間 も 、 景気 回復 の カギ を 握る この 問題 が 先 送り さ れ 続けた 。 残念な 決定 である 。 党 を 発展 的に 解党 し 、 幅広い 民主 ・ リベラル 勢力 を 結集 した 新党 を 作る ―― 新党 結成 方針 を 正式に 決定 する 党 大会 と なれば 新しい 未来 へ の 意気込み 、 期待 感 など で 盛り上がり 、 それなり に 華やいだ 空気 が 大会 会場 を 包む もの だ 。 しかし 、 二十一 日 の 社会党 の 臨時 党 大会 は 熱気 も 高揚 感 も なく 、 ただ 左右 両 派 の 対立 意識 と 新党 へ の 不信 感 だけ が 浮き彫り に なり 、 さながら “ なし崩し 解党 ” 前夜 の 趣 であった 。 一見 、 新党 へ の 取り組み 態勢 が 整った か に 見える が 、 実態 的に は 全く 逆である 。 「 呼びかけ 人 会議 」 は 幅広い 政治 勢力 を 結集 する ため 可能な 限り 政党 色 を 排した 旗 を 党 の 外 に 立てる と いう 触れ込み だった が 、 発足 した メンバー の 顔触れ は 国会 議員 は すべて 社会党 で 占め られて いる 。 社会党 一色 の 受け皿 で 、 どうして 幅広い 政治 勢力 が 結集 できる の か 、 首 を かしげ ざる を 得 ない 。 参加 方式 も 、 当初 、 新党 積極 派 の 久保 亘 書記 長 支持 グループ は 個人 参加 に よる “ この 指 止まれ ” 方式 を 主張 して いた が 、 政党 助成 法 と の 絡み で 助成 金 を 受給 でき なく なる 事態 を 恐れ “ 丸ごと 参加 ” に 妥協 した 。 最大 の 注目 点 であった 結党 の 時期 に ついて は 、 一応 、 原案 通り 「 十 月 下旬 」 が 承認 さ れた 。 慎重 論 の 左派 グループ や 地方 組織 から 「 党 内 論議 が 不十分な 中 で 急ぐ 必要 は ない 」 など の 意見 が 噴出 、 執行 部 提案 の 新党 方針 に 一定 の 修正 を 加える 「 決議 案 」 が 出さ れた が 、 起立 採決 で 否決 さ れた 。 奇異に 映った の は 、 村山 富市 首相 が あいさつ の 中 で 「 いま なぜ 新しい 党 な の か 、 と いう 全党 的な 論議 は これ まで 必ずしも 十 分 と は いえ ず 」 と 党 内 論議 が 熟して い ない こと を 認め 、 党首 自ら 早期 結成 論 に 歯止め を かけた ことだ 。 だが 、 新党 問題 が 真 正面 から 取り上げ られた の は 昨年 九 月 の 臨時 党 大会 であった 。 以来 、 一 年 に わたり 新党 問題 は 党 機関 の さまざまな 場 で 折 に 触れ 取り上げ られ 、 論議 さ れて きた はずである 。 それ でも なおかつ 「 議論 が 熟して い ない 」 と 言う ので は 、 新党 問題 は 「 百 年 河清 を 待つ 」 に 等しい ので は ない か 。 執行 部 の 甚だしい 怠慢 か 、 新党 先 送り の 言い換え か 、 の いずれ か だ 。 党 の 外 に 新党 の 旗 を 立てた と 言う が 、 「 呼びかけ 人 会議 」 の アピール で は 「 憲法 の 精神 を 創造 的に 発展 さ せる 」 と して いる だけ で 、 旗 の 中身 は 極めて 抽象 的で 不鮮明だ 。 新党 の 理念 、 政策 論議 も 、 党首 も 、 連携 す べき 相手 探し も すべて これ から である 。 これ で は 「 結集 」 を 呼びかけて も 集まり よう が ない 。 肝心の 呼びかけ 人 の 中 から さえ 「 血 わき 肉 おどら ない 」 と の 声 が 出る 始末 だ 。 確かに 新党 の 受け皿 らしき もの は できた 。 が 、 これ まで の フライング の 繰り返し から 、 また 新たな スタートライン に ついた に 過ぎ ない 。 不透明 続き の 政局 を 切り開く インパクト と して 期待 さ れた 新党 作り だ が 、 日 暮れて 道 遠し の 感 が する 。 ニューヨーク の プラザ ・ ホテル で 先進 五 カ国 の 蔵 相 ・ 中央 銀行 総裁 が ドル高 是正 で 合意 して から 十 年 。 通貨 安定 の ため 、 先進 国 間 の 協調 に は 起伏 が ある が 、 なんとか 信頼 関係 を 維持 して きた 。 戦後 の 通貨 安定 の ため の ブレトンウッズ 体制 は 、 一九七一 年 の ドル の 金 交換 性 停止 を きっかけ に 、 ペーパー マネー に よる 総 フロート の 時代 に 入った 。 そして 、 ドル の 価値 の 下落 は 石油ショック に つながり 、 先進 国 は 共同 で 世界 経済 に 対処 する ため 、 先進 国 首脳 会議 が 誕生 する 。 通貨 は 経済 の 血液 に 当たる 。 通貨 価値 の 乱高下 は 、 経済 活動 の 妨げ と なる 。 プラザ 会議 は 当時 高 すぎた ドル 価値 の 修正 であった 。 だが 、 ドル は 下落 して も 、 米国 の 国際 収支 は 改善 し なかった 。 為替レート と 経済 の 基礎 的 条件 と を 整合 さ せる 努力 も 行わ れた 。 その ため の 政策 協調 は 、 成功 した と は 言い難い 。 米 政権 は 自国 の 経済 や 選挙 を 有利に する ため に 、 ドル の 下落 を 武器 に 日本 に 対して 、 金融 緩和 や 財政 支出 の 拡大 を 幾 度 と なく 迫った 。 これ に 譲歩 して 、 金融 を 緩め 過ぎた こと が 、 日本 の バブル の 形成 に つながった のである 。 結果 的に 、 米国 は 為替 の 切り下げ と 情報 産業 の 技術 革新 を 中心 に 、 産業 競争 力 を かなり 強化 する こと が できた 。 一方 、 日本 は バブル の 後遺症 と 円高 に 悩み 、 十 年間 で 優劣 が 逆転 して しまった 。 日本 に とって 、 この 教訓 は 大きい 。 政策 協調 は 必要だ が 、 金融 政策 は あくまで 国 内 の 要請 を 重視 す べきである 。 プラザ合意 以降 、 日本 が ドイツ の ように 、 金融 面 で 国 内 重視 を 貫いて いれば 、 バブル は 最小 限 で 防ぐ こと が できた かも しれ ない 。 大蔵 省 ・ 日銀 の 戦略 ミス の 罪 は 重い 。 いま 、 直面 して いる 金融 システム の 危機 は 、 この 時期 の 金融 の 超 緩和 政策 から 派生 して いる 。 とはいえ 、 政策 協調 は やはり 必要である 。 早い話が 、 いま の 円安 の 動き は 、 今春 の 先進 七 カ国 蔵 相 ・ 中央 銀行 総裁 会議 で の 「 秩序 ある ドル の 反転 」 の 合意 が ベース に なって いる し 、 米 、 独 の ドル買い ・ 円売り 介入 が 流れ を 誘導 して いる 。 いまや 日本 が 協調 の 恩恵 を 受ける 番 に 回って いる 。 また 、 主要 国 の 通貨 当局 者 が 年 に 何 回 も 顔 を 合わせ 、 情報 を 交換 する の は 、 それ だけ でも 価値 が あろう 。 グローバル 化 した マネー の 動き の 中 で 、 いつ 、 何 が 起きる か 分から ない 。 そうした 金融 の 世界 的な リスク 管理 で 、 当局 者 が 国際 電話 の やり取り で 処理 する に は 、 日ごろ の 面識 が もの を いう 。 その 意味 で の セーフティーネット は 、 この 十 年間 で 強化 さ れた はずだ 。 政策 協調 の 土台 と なる の は 、 お互い の 国 に 関する 客観 的な 判断 である 。 この 面 でも 、 十 年間 に 相手 の 懐 まで 手 を 入れて 、 お互い を 知り合う 関係 に なった 。 問題 は 、 正しい 認識 が できて も 信頼 関係 が 深まる か どう か だ 。 この 点 に 関して は 、 米国 は 自国 の エゴ を 日本 に 押し付ける など 、 信頼 関係 を 損なった 面 は 否め ない 。 国 ごと に 文化 、 経験 、 優先 順位 が 異なる こと を 、 お互いに 認め合った うえ で 、 基本 政策 や 長期 戦略 で 協調 して いく の が 、 正しい 方向 であろう 。 対立 が 表面 化 する と 、 市場 で 過剰な 反応 を 起こす 恐れ が ある 。 当局 間 の 公然たる けんか は 禁物 だ 。 自民党 総裁 選 の 投 ・ 開票 が 行わ れ 、 橋本 竜太郎 通産 相 が 大差 で 小泉 純一郎 元 郵政 相 を 破り 、 橋本 氏 の 新 総裁 就任 が 確定 した 。 橋本 氏 の 圧勝 は 予想 通り だ が 、 小泉 氏 が 八七 票 を 獲得 、 二二 % の 得票 率 を 得た の は 党 内 支持 基盤 の 弱 さ や 河野 洋平 副 総理 ・ 外 相 の 出馬 辞退 を 受けて の 出遅れ など から する と 、 むしろ 健闘 と 言える ので は ない か 。 それにしても 政治 意識 が 明確な はずの 党員 ・ 党友 が 有権者 に して 五五 % の 低 投票 率 は ひど 過ぎる 。 消化 試合 の 様相 と なった こと で 党員 の 関心 が 薄く なった こと も あろう が 、 数 合わせ “ 水ぶくれ ” 党員 の 存在 や 一万 人 で 一 票 と する 換算 率 など 党員 組織 、 総裁 選 規定 の あり 方 を 抜本 的に 見直す 必要 が あろう 。 戦う 前 から 勝者 が 見えて いた こと で 総裁 選 の 盛り上がり が 懸念 さ れた が 、 小泉 氏 が 強い 個性 あからさま に 歯切れ の よい 論理 立て で 論戦 を 挑み 、 橋本 氏 が 受けて立つ と いう 展開 で 、 政策 の 見える 論争 の 形 が 出来上がった こと は 評価 さ れて よい 。 候補 者 が 二 人 並んで 街頭 に 立ち 、 討論 する と いう 新 機軸 は 、 開か れた 政党 の 姿 を 国民 に アピール し 、 党 の 活性 化 に も 役立つ など 、 それなり の プラス 効果 を もたらした と 言える 。 論戦 そのもの は 、 小泉 氏 が 勝敗 を 度外 視 した 気楽な 立場 から メリハリ の 利いた 主張 を 展開 した の に 対し 、 橋本 氏 は 村山 内閣 の 現職 閣僚 であり 、 新 総裁 就任 が 確実な ポジション 上 の 制約 も あって か 比較的 慎重な 言い回し が 目立ち 、 歯がゆ さ が 残った 面 も 否め なかった 。 問題 は 橋本 新 総裁 で 自民党 の 何 が 変わる の か だ が 、 橋本 氏 の 課題 は 小泉 氏 と の 論戦 の 中 から おのずと 浮かび上がって きて いる 。 郵政 三 事業 の 民営 化 を 突破 口 に した 行 財政 改革 の 断行 、 財政 投融資 制度 の 見直し を 直線 的に 主張 する 小泉 氏 に 対し 、 橋本 氏 は 「 到達 点 は 同じ 」 と し ながら しきりと 「 手順 の 違い 」 を 強調 した 。 しかし 、 気 に なる の は 「 官 」 あるいは 「 官業 」 に 対する 橋本 氏 の 「 物分かり の 良 さ 」 である 。 豊富な 閣僚 経験 、 党 行 財政 調査 会長 も 務めた 党 きって の 政策 通 で 官僚 世界 の 表 も 裏 も 知り尽くして いる だけ に 「 物事 は 一気呵成 に は いか ない 」 と の 調整 型 政治 手法 が 身 に ついて いる のだろう 。 しかし 、 「 官 高 政 低 」 の 官僚 政治 打破 が 叫ば れて いる 折から 、 橋本 氏 の 「 物分かり の 良 さ 」 で は 時代 が 求める 変革 の スピード に 対応 し 切れ ない ので は なかろう か 。 同じ こと は 、 自民党 の 旧弊 の 最たる もの である 「 族 議員 政治 」 に も あてはまる 。 橋本 氏 圧勝 の 因 と なった 支持 団体 、 業界 団体 は 党 内 の 族 議員 と つながり 、 利益 誘導 型 族 議員 政治 を 現出 さ せて いる 。 自民党 が 政権 復帰 を 果たして から の 族 議員 の 復活 、 跳梁 跋扈 ぶり は 目 に 余る 。 小泉 氏 の 出馬 に も 郵政 族 から の 有形 無形 の 「 圧力 」 が あった と 言わ れる 。 橋本 氏 が 「 行革 断行 」 を 掲げて も 、 党 体質 に 組み込ま れて いる 行革 に 対する 抵抗 装置 を 破壊 し ない 限り 、 「 手順 」 論 だけ で 解決 でき ない の は 火 を 見る より 明らかだ 。 橋本 新 総裁 に いま 求め られる の は 、 旧来 の 自民党 に 巣くう 悪しき 体質 を 抜本 的に 改革 する 構想 力 、 傷 を 負う の も 辞さ ない リーダーシップ と 実行 力 だろう 。 持ち前 の 鼻っ柱 の 強 さ を 生かす 時 だ 。 警察 が 、 オウム 真理 教 の 強制 捜査 に 着手 して から 半年 が たった 。 この 間 、 徐々に 浮かび上がって きた 教団 の 暴走 の 軌跡 は 、 私 たち の 想像 を はるかに 超える もの だった 。 ヒト 、 モノ 、 カネ 。 犯罪 も また 、 この 三 つ が からみあう 。 教団 の 事件 は どう か 。 ヒト = 代表 の 麻原 彰晃 被告 の 指示 で 、 十数 人 の 幹部 が 犯行 を 繰り返して いた 。 モノ = ダミー 会社 を 使い 、 大量の 化学 薬品 と 機器 を 買い 、 サリン を 製造 して いた 。 しかし 、 麻原 被告 の 絶対 的な 権力 と 資材 の 購入 を 支えた 膨大な カネ の 流れ は 、 まだ ほとんど 解明 さ れて い ない 。 六 カ月間 、 いく つ も の 「 山 」 を 乗り越えて きた 捜査 当局 の 目 は 今 、 国松 孝次 警察 庁 長官 の 狙撃 事件 に 向け られて いる 。 暴走 は 弁護 士 、 坂本 堤 さん 一家 の 殺害 から 始まった 。 その 三 カ月 前 の 一九八九 年 八 月 、 教団 は 東京 都 から 宗教 法人 の 認証 を 受けて いる 。 都 に 圧力 を かけ 、 手 に 入れた もの だった 。 対立 する 坂本 さん を 殺害 した の も 、 トラブル から 認証 を 取り消さ れる の を 恐れた こと が 一因 と いう 。 教団 は なぜ 、 それほど まで 認証 に こだわった の か 。 理由 は 教団 の 権威 づ け と 資金 対策 に あった だろう 。 税法 で は 宗教 法人 に 入る お布施 は 非 課税 だ 。 収益 事業 の 税率 も 二七 % に 抑え られて いる 。 企業 へ の 法人 税 が 三七・五 % である こと を 考えれば 、 大きな 優遇 措置 である 。 お布施 で 膨大な 資金 を 集めよう と して いた 教団 に とって 、 認証 は どうしても 手 に 入れ たい もの だったろう 。 教団 は 計画 通り 豊富な 資金 を 手 に 入れた 。 信者 の 家族 の 拉致 や 詐欺 など も 多用 さ れて いる 。 暴走 の 陰 に この カネ が あった こと を 見逃す わけに は いか ない 。 刺殺 さ れた 村井 秀夫 幹部 は 「 資産 は 一千億 円 ある 」 と 語って いた 。 教団 の 闇 を 包む ベール を 取り除く に は 、 どうしても 資金 の 流れ の 全容 を 解明 し なければ なら ない 。 強制 捜査 に 着手 した 日 、 捜査 当局 は 静岡 県 富士宮 市 の 教団 富士山 総 本部 も 家宅 捜索 して いる 。 その 時 、 大型 金庫 三 個 から 現金 約 七億 円 と 金塊 が 発見 さ れて いる 。 しかし 今月 六 日 、 教団 金庫 番 の 女性 幹部 を 犯人 隠匿 の 疑い で 逮捕 した 際 、 総 本部 を 捜索 した が 、 カネ と 金塊 は 消えて いた 。 その 行方 は 判明 して い ない 。 東京 ・ 地下鉄 サリン 事件 など で 警察 庁 から 特別 手配 を 受けて いる 七 人 の 逃走 が 続いて いる 。 一部 が 彼ら に 渡って いる 疑い が ある 。 五 月 に 発生 した 青島 幸男 東京 都 知事 あて の 郵便 物 爆弾 事件 も 、 捜査 の かく乱 を 狙った 教団 の 犯行 と 判明 して いる 。 同じ ような 事件 を 起こす ため の 資金 に 使わ れる 恐れ も ある 。 東京 地裁 の 解散 命令 に 備えて 、 資産 隠し と 思わ れる 行動 も 伝え られて いる 。 こうした 動き を つぶす ため に も 、 カネ の 行方 の 解明 は 急が れる 。 警視 庁 に とって 経験 の 少ない 捜査 だろう 。 一方 、 宗教 法人 に 対して 年間 二千 件 前後 の 税務 調査 を 実施 して いる 国税 庁 に は 、 調査 の ノウハウ が 蓄積 さ れて いる 。 両 庁 が 協力 態勢 を 作る こと を 求め たい 。 今 、 宗教 法人 法 の 改正 の 是非 が 論議 さ れて いる 。 同時に 、 税 の 優遇 措置 の 在り 方 も 問わ れて いる 。 徹底 した 捜査 は 、 「 どう ある べき か 」 を 考える ため の 材料 を 提供 する こと に も なる だろう 。 この ほど 国土 庁 が 発表 した 都道府県 の 「 基準 地価 」 は 三 大 都市 圏 で 五 年 連続 の 下落 、 全国 平均 でも 四 年 連続 の マイナス と なった 。 住宅 地 の 下げ 幅 は 小さく なって きた が 、 商業 地 は 特に 大 都市 圏 で 二ケタ の 値下がり が 続いて いる 。 こうした 大幅な 下落 は 「 金融 機関 の 不良 債権 が 一層 増える など 信用 システム の 根底 を 揺るがし かね ない 」 と 、 懸念 する 声 も 経済 界 に は 少なく ない 。 とりわけ 不動産 業界 で は 「 バブル の 調整 は 終わり 、 今では 底 が 割れ かけて いる 」 と 緊急の 土地 対策 の 実施 を 訴えて いる 。 経済 界 は 、 ここ 二 、 三 年 に わたって 地価 税 の 廃止 ・ 凍結 を 政府 に 強く 要望 して いる 。 こうした 動き を 受けて 、 政府 税制 調査 会 は 今週 から 土地 税制 関連 の 本格 審議 を 始める 予定 だ 。 これ を 機 に 、 土地 税制 全般 に ついて 私 たち の 基本 的 立場 と 考え を 明らかに して おき たい 。 まず 第 一 に 、 土地 の 流動 化 が 日本 経済 の 活性 化 に つながる と いう 認識 は ともかく 、 地価 税 の 廃止 が その 一助 に なる と いう 考え に は 疑問 が ある 。 地価 税 は 一時的な バブル 対策 と して 創設 さ れた ので は ない 。 日本 の 土地 保有 コスト が 、 米国 など に 比べ あまりに も 低 過ぎる こと が 、 さまざまな 土地 問題 を 引き起こす 温床 と なった 。 例えば 土地 を 有効に 利用 する ので は なく 、 投機 、 投資 の 対象 と して 扱わ れて きた 。 土地 は 永遠に 値上がり する 、 と いう 「 土地 神話 」 は こうして 生まれ 、 バブル 期 に は 「 持てる 者 と 持た ざる 者 」 と の 絶望 的な 資産 格差 を 生み 、 社会 問題 と なった ほど だ 。 従って 「 地価 が 下落 した から 、 廃止 す べきだ 」 と いう の は 筋違いだ 。 地価 税 を 廃止 すれば 、 土地 の 流動 化 に 結びつく ので は なく 、 将来 の 税 負担 が 小さく なる ため 、 その分 の 地価 が 上昇 する だけ で は ない の か 。 自民党 や 新進党 は 「 廃止 は ともかく 、 一時的に 凍結 す べきだ 」 と いう 方針 を 掲げ 、 不動産 業界 の 要請 に 応えよう と して いる 。 地価 税 を 実際 に 支払って いる の は 大 企業 が 多い 。 「 凍結 」 は 土地 持ち 大 企業 向け の 減税 と 批判 さ れて も 仕方 が ない 。 改めて いう が 、 地価 税 の 目的 は 土地 利用 の 高度 化 であり 、 公共 財 と して の 土地 活用 を めざした もの だ 。 従って 、 実際 に 高度 利用 して いる 企業 に とって 迷惑 と いう 論理 に は 、 一理 が ある 。 「 高度 利用 者 に は 、 税率 を 下げる べきだ 」 と いう 考え だ 。 私 たち も 、 理論 的に 、 この 考え は もっともだ と 考えて いる 。 ただ 、 税率 緩和 の 対象 と なる 「 高度 利用 」 の 線引き は 簡単で は ない 。 例えば 「 公共 性 」 と いう 、 もう 一 つ の 基準 を 付け加える の も 一法 だ 。 基本 的に 地価 税 は 当面 維持 す べき と 考える が 、 将来 全体 的な 土地 保有 税 の 在り 方 と して 、 固定 資産 税 と の 統合 も 検討 の 視野 に 入れる べき こと は 言う まで も ない 。 土地 流動 化 を 促進 する と いう 点 から 見て 、 効果 が ある と 思わ れる の は 土地 譲渡 所得 税 の 軽減 だ 。 この 税率 は バブル 対策 で 高い 水準 に 引き上げ られた 。 今 年度 税制 で 若干 引き下げ られた が 、 すんなり バブル 以前 の 二〇 % まで 引き下げる べきだ 。 同様に 、 土地 取引 に かかる 登録 免許 税 や 不動産 取得 税 は 、 この際 廃止 して も よい だろう 。 「 末 は 博士 か 大臣 か 」 と まで うたわれた 博士 の 価値 が 最近 は だいぶ 下がって きた 。 博士 号 を 取って も 民間 企業 は なかなか 雇って くれ ない 。 大学 でも 助手 ポスト の 削減 など で 教員 へ の 採用 は かなり 難しい 。 この ため ポスト が 見つかる まで の 間 、 研究 生 など と して 大学 に 残る 人 が 少なく ない 。 博士 課程 の 修了 者 や 在学 者 など 若手 研究 者 が 思う存分 力 を 発揮 でき ない ようで は 研究 現場 は 沈滞 し 、 科学 の 発展 に とって マイナス に なる 。 そこ で 文部 省 は 日本 学術 振興 会 を 実施 機関 と して 特別 研究 員 制度 を 設け 、 ポスト ドクター や 博士 課程 在学 者 に 生活 費 に 当たる 研究 奨励 金 と 研究 費 を 出し 、 支援 して いる 。 科学 技術 庁 や 通産 省 に も 同様の 制度 が ある が 、 現在 の 対象 者 は 三 省庁 合わせて 年間 四千 人 に 満たない 。 こうした 制度 を 一挙に 拡大 しよう と 三 省庁 は 「 ポスト ドクター 等 一万 人 支援 計画 」 を 来 年度 から スタート さ せる 。 与党 三 党 が 先に 「 当面 の 重点 政策 」 に 掲げた もの で 、 二〇〇〇 年度 まで に 一万 人 に もっていく 。 文部 省 は 特別 研究 員 の 枠 を 大幅に 拡大 、 研究 奨励 金 も ポスト ドクター で 現行 月額 二十八万 円 余 を 四十万 円 に 引き上げる など 待遇 改善 を 行う 。 科学 技術 庁 は 彼ら を 海外 の 研究 機関 に 派遣 する 制度 を 新設 し 、 九八 年度 に は 六十 人 に 枠 を 広げる 。 目的 を 持った プロジェクト 研究 でも 彼ら に 活躍 の 場 が 与え られる 。 また 三 省庁 は 大学 、 国立 研究 機関 の 独創 的な 基礎 研究 を 充実 さ せる ため 、 投資 的 経費 である 出資 金 の 活用 を 図り 、 日本 学術 振興 会 など 三 特殊 法人 へ の 出資 金 と して 総額 約 三百億 円 を 来 年度 予算 で 要求 した 。 ここ でも ポスト ドクター の 活用 を 図る 。 生活 の 基盤 が なく 、 将来 の 見通し も 立ち にくい 彼ら に とって 一万 人 支援 計画 は 朗報 だろう 。 受け入れる 側 は 彼ら が 創造 性 を 発揮 できる ような 環境 を 作って ほしい 。 うまく いけば 、 若い ポスト ドクター に よって 研究 現場 は 活性 化 する だろう 。 ただ 単純に 喜んで ばかり も い られ ない 。 特別 研究 員 の 任期 が 過ぎれば 、 ポスト ドクター は 新たに ポスト を 求める 必要 が ある 。 「 博士 を もっと 増やせ 」 と も 叫ば れて いる が 、 支援 計画 の 対象 者 が 増えれば ポスト 探し は 一層 激化 する 。 優れた 成果 を 上げた ポスト ドクター に は 希望 する 研究 機関 で 研究 を 継続 できる 手立て を 考える べきだろう 。 しかし 、 常設 ポスト の 増加 は 望め ない 。 大学 の 教官 は 高齢 化 し 、 助手 の ポスト も 減り つつ ある 。 こんな 中 で 文部 省 は 研究 者 が 定年 まで 同じ 研究 室 に いる こと は 好ましく ない と 判断 、 大学 教員 の 流動 性 を 高める ため 任期 制 の 導入 を 打ち出した 。 米国 で は ポスト ドクター が 全国 の 研究 室 を 渡り歩いて 実力 を つけ 、 それ が 米国 の 科学 界 を 支えて いる 。 終身 雇用 制 、 年功 序列 に どっぷり 漬かった 日本 で は 改革 は 難しい が 、 研究 者 の 意見 を よく 聞き 、 腰 を 据えて 取り組んで ほしい 。 任期 制 問題 で は 研究 者 の 側 の 意識 変革 も 必要だ 。 日本 の 大学 など の 研究 環境 は 劣悪であり 、 基礎 研究 で は 欧 米 に 水 を あけ られた 。 このまま で は 資源 小国 日本 の 未来 は 暗い 。 一万 人 支援 計画 が 現状 に 風穴 を 開ける きっかけ に なる こと を 望み たい 。 三 省庁 は 縄張り 意識 を 捨て 協力 して 「 科学 の 危機 」 に 立ち向かう べきだろう 。 パレスチナ 自治 を ヨルダン 川西 岸 全域 に 拡大 する 交渉 が 二十四 日 合意 に 達し 、 仮 調印 に こぎつけた 一九九三 年 秋 の 暫定 自治 合意 に うたわれた 予定 より 大幅に 遅れた が 、 パレスチナ解放機構 と イスラエル の 妥協 成立 を 歓迎 し たい 。 パレスチナ 、 ひいては 中東 情勢 全体 に 好 影響 を 及ぼす だろう 。 合意 内容 を みる と 、 イスラエル 側 の 譲歩 が 目 に つく 。 自治 拡大 交渉 の 焦点 は イスラエル 軍 の 撤退 範囲 と 時期 、 パレスチナ 自治 の 母体 と なる 評議 会 の 形態 と 選挙 方法 に あった 。 交渉 難航 の 原因 と なった 西岸 南部 の 都市 ヘブロン から の イスラエル 軍 撤退 に ついて 、 イスラエル 側 は ユダヤ 人 入植 地 周辺 を 除く 大半 の 地域 から 撤退 する こと を 受け入れた 。 評議 会 の 規模 に ついて も 、 国会 の 性格 を 持た せ たい PLO と 、 国家 樹立 に つながる 本格 的な 議会 の 設置 を 嫌う イスラエル が 対立 した が 、 PLO 側 の 主張 が ほぼ 通った 形 だ 。 合意 の 背後 に 、 双方 の 台所 事情 が 透けて みえる 。 来年 に 総 選挙 を 控えた イスラエル の ラビン 政権 は 、 パレスチナ 和平 で 実績 を 上げ なければ 国 内 右派 を 勢いづか せ 、 野党 勢力 の 伸長 を 招き かね ない 。 PLO の アラファト 議長 も 、 パレスチナ 住民 に 目 に 見える 自治 の 成果 を 示す 必要 が あった 。 今回 の 合意 で 六七 年 の 第 三 次 中東 戦争 以来 、 イスラエル の 占領 下 に ある 西岸 の パレスチナ 住民 は 、 二十八 年 ぶり に 自治 の 恩恵 に 浴する こと に なる 。 自治 拡大 の 成否 は 、 双方 が 抱える 過激 派 の 動き を どう 抑える か 、 に かかって いる 。 「 ハマス 」 を 主力 と する イスラム 過激 派 は 、 昨年 五 月 に エリコ 、 ガザ 両 地区 で 先行 自治 が 実施 さ れて 以来 、 和平 反対 を 叫んで 活発な テロ 活動 を 展開 して きた 。 テロ に よる 犠牲 者 は 数十 人 に 達する 。 イスラエル国 内 でも 大イスラエル主義 と ユダヤ 人 入植 地 保護 を 掲げる 右翼 の 勢力 は 依然 根強い 。 アラファト 、 ラビン 両 指導 者 と も 過激 派 を 抑えて 自治 を スムーズに 拡大 する 困難な 課題 を 突きつけ られた 。 テロ を 封じ込め 、 イスラエル 右派 の 台頭 を 抑える ため に は 、 まず 来年 実施 予定 の 評議 会 選挙 を 円滑に 行う 必要 が ある 。 パレスチナ 住民 が 「 自分 たち の 議会 」 を 設置 できた と の 実感 を 持てれば 、 自治 は 成果 を 上げる だろう 。 そして 自治 を 定着 さ せる に は 、 パレスチナ 住民 の 生活 向上 が 不可欠の 条件 と なる 。 貧困 こそ 過激 派 と テロ の 温床 だ から だ 。 九三 年 の 自治 合意 を 受けて 、 米国 を はじめ と する 先進 各国 は 、 パレスチナ へ の 経済 援助 を 実施 して いる 。 村山 富市 首相 は 今月 中旬 、 中東 諸国 を 歴訪 した 際 、 アラファト 議長 に パレスチナ へ の 援助 継続 と 、 評議 会 選挙 へ の 監視 要員 派遣 を 約束 した 。 わが国 は 財政 援助 を 通じて 、 パレスチナ 和平 を 側面 から 支援 する 努力 を 続ける べきだ 。 また 、 中東 和平 は 米国 の 主導 で 進め られた が 、 中東 で 手 を 汚して い ない 日本 は 、 その 立場 を 生かして 、 安全 保障 や 政治 の 分野 でも 役割 を 果たす 余地 が 残さ れて いる 。 パレスチナ 自治 の 成否 は 、 中東 和平 の 行方 を 大きく 左右する 。 自治 拡大 合意 を 機 に 、 和平 の 潮流 が ゴラン 高原 を めぐって 対立 する シリア 、 イスラエル の 交渉 に 波及 する こと を 期待 し たい 。 「 住み やす さ 」 を 判定 する の は 難しい 。 雪 深い 里 に も 、 喧騒 の 都会 に も 、 それぞれ の 良 さ が ある 。 生まれ育った 土地 であれば 、 愛着 は なにもの に も 代え 難い 。 だが 、 確かな 物差し も ある 。 晩年 を 自宅 で 暮らせる か どう か 。 心身 の 衰え を 支える サービス が 、 その 地域 に なければ 、 献身 的な 家族 が そば に いて も 共倒れ に なる だろう 。 在宅 福祉 の 三本柱 と いわ れる 「 ホーム ヘルパー 」 、 食事 、 入浴 、 リハビリ など の 「 デイサービス 」 、 一 時 宿泊 の 「 ショートステイ 」 は 各地 に 整い 始めた 。 しかし 、 サービス 内容 の 格差 は 激しい 。 日本 消費生活アドバイザー ・ コンサルタント 協会 の 東 日本 支部 は 、 三 年 前 に 続き 、 首都 圏 を 中心 に 「 わが 町 の 福祉 水準 」 を 調べた 。 ヘルパー 派遣 は 、 平日 の 午前 九 時 から 午後 五 時 ごろ まで が 通常 パターン 。 ただし 早朝 や 夜 まで 延長 する サービス も ようやく 始まり 、 江戸川 区 は 昼夜 を 問わ ず 対応 する 。 日曜 も 祝日 も 利用 できる の は 都 内 で 十三 区 市町 、 神奈川 県 は 二 市 、 埼玉 県 は 一 市 のみ 、 千葉 県 は ゼロ だった 。 この 調査 は 協力 的な 全国 十五 の 自治 体 を 任意に 選んで 調べ 、 首都 圏 と 比較 できる 形 に なって いる 。 ヘルパー 派遣 で は 、 長崎 市 と 秋田 県 鷹巣 町 が 、 いつでも 、 昼夜 を 問わ ない 態勢 で 、 大阪 府 の 枚方 市 と 松原 市 、 新潟 県 長岡 市 も 祝日 や 日曜 の 派遣 に 応じる 。 ぼけ 症状 の 高齢 者 を 抱える 家庭 で は 介護 疲れ は 激しく 、 夜 だけ 一 時 預かる 「 ナイトケア 」 は 助かる 。 その 実施 例 を 見る と 、 首都 圏 で は 神奈川 の 六 市 一 町 、 東京 の 一 区 二 市 、 埼玉 の 三 市 、 千葉 の 二 市 。 任意に 選んだ 全国 十五 自治 体 で は 、 岩手 県 水沢 市 、 宮城 県 気仙沼 市 、 福島 県 郡山 市 、 富山 市 、 名古屋 市 、 それ に 長岡 市 、 松原 市 で 実施 中 だった 。 他の サービス も 詳細に 比較 して おり 、 いま 住む 町 で 暮らし 続け られる か 、 自治 体 に 何 を 要求 する か 、 その ため の 大事な 指標 に なる 。 調査 グループ の 一 人 、 星 珠枝 さん は 「 どこ まで 介護 を 社会 的に 支えて くれる か 。 それ が 分から ない と 老後 の 生活 設計 は 立た ない 。 サービス 内容 を 詳しく 調べる ほど 、 自治 体 に よって 格差 は 拡大 して いる 」 と いう 。 同じ 時期 、 横浜 市 の ボランティア 「 年 の 功 クラブ 」 は 、 介護 さ れる 六十 人 、 介護 する 二百四十 人 から 聞き取り 調査 した 。 介護 者 は 「 心 の 休まる 時 が ない 」 と 口 を そろえた 。 ひと息 つける の は 、 要 介護 者 を ショートステイ に 預けた 時 や 看護 婦 、 保健 婦 、 ヘルパー の 来訪 時 だけ 。 九十 人 が 「 睡眠 不足 で 放心 状態 の まま 介護 する 自分 に 気付く 」 、 六十 人 は 「 運転 中 、 睡魔 に 襲わ れ 思わず 停車 した 」 と 答えた 。 横浜 で は 多数 の パート ヘルパー が 活躍 する 。 その 活動 を 評価 し つつ 問題 点 を 挙げた 。 「 行政 側 の 派遣 認定 に 疑問 」 「 申請 から 派遣 まで 一 カ月 近い 」 「 夜 は 八 時 まで 。 日曜日 は 休み 。 土曜 、 祝日 も なかなか 応じ ない 」 「 週 十八 時間 の 制限 付き 」 この 「 年 の 功 クラブ 」 は 、 自治 体 は 福祉 ・ 保健 ・ 医療 の 関係 業務 を 統合 して 「 在宅 介護 支援 部門 」 を 新設 せよ 、 と 迫って いる 。 列島 の 各地 に 、 こんな 取り組み を 広げ 、 行政 を たたき起こそう 。 海外 の 金融 市場 で 邦 銀 に 対する 信用 が 揺らいで いる とき 、 また 憂慮 す べき 事件 が 発生 した 。 都市 銀行 の 一 つ である 大和 銀行 の 米国 債 売買 の 失敗 である 。 藤田 彬 頭取 の 記者 会見 に よる と 、 損失 額 は 十一億三千二百万 ドル に 上って いる 。 これ は 英 ベアリングズ 社 の 約 千四百億 円 の 損失 に 匹敵 する 額 である 。 どんな リスク 管理 を して いた の か 、 常識 を 超えた 損失 と いわ ざる を 得 ない 。 いま 、 金融 システム は 大変な 危機 を 迎えて いる 。 東京 の 二 信用 組合 に 始まった 金融 機関 の 相次ぐ 破たん は 、 信用 不安 の 連鎖 寸前 の 状況 だ 。 幸いに も 、 兵庫 銀行 と 木津 信用 組合 の 破たん 以降 、 小康 状態 を 保って いる が 、 不安 を 断ち切った と は 言え ない の が 現状 である 。 中でも 不気味な の は ロンドン 、 ニューヨーク 、 フランクフルト など 海外 の 金融 市場 で 邦 銀 の 信用 が 極端に 落ちて いる ことだ 。 例えば ロンドン で は 、 今年 の 春 ごろ まで 我が国 の 大手 銀行 は 通常 の 銀行 間 レート で 資金 を 調達 する こと が できて いた 。 ところが 、 八 月 、 世界 的な 格付け 会社 である ムーディーズ 社 が 、 巨額の 不良 債権 を 抱えて 処理 が 遅れて いる 邦 銀 の 格付け を 大幅に 引き下げた の を 機 に 、 信用 失墜 が 始まった と いう 。 そこ へ 経営 破たん する 金融 機関 が 相次ぎ 、 リスク の 大きい 邦 銀 は 通常 レート より 〇・一二五 % から 〇・二 % 程度 の 金利 を 上乗せ し なければ 調達 でき なく なった 、 と いう 。 「 ジャパン ・ プレミアム 」 と いう 言葉 が 生まれて いる ほど 信用 が 失わ れて いる のである 。 大和 銀行 の 米国 債 売買 の 失敗 は こうした 状況 下 で 表面 化 した だけ に 、 問題 が 大きい 。 特に 一 人 の 嘱託 社員 に 売買 を 任せ 、 ほとんど チェック して い なかった ずさん さ が 邦 銀 全体 の 信用 を さらに 引き下げる こと に なれば 大変である 。 ベアリングズ 社 の 場合 は 、 今年 二 月 、 デリバティブ の 失敗 が グループ 全体 の 倒産 に つながった 。 大和 銀行 の 場合 は 武村 正義 蔵 相 も 「 誠に 遺憾 」 と し ながら 「 損失 の 処理 は 可能で 、 経営 に は いささか の 心配 も ない 」 と 強調 して おり 、 ベアリングズ 社 と は 異なる 。 しかし 、 前述 した ように 、 大和 銀行 の 経営 が 行き詰まら ない から と いって 放置 できる 問題 で は ない 。 海外 市場 で の 邦 銀 の 信用 不安 を これ 以上 広げ ない よう 、 善後策 を 急ぐ 必要 が ある 。 三 つ の こと を 指摘 して おき たい 。 第 一 は 原因 を 徹底 して 調査 した うえ 公表 する ことだ 。 なぜ 、 一 人 の 嘱託 社員 に 任せた の か 、 チェック を なぜ 怠った の か 、 など 隠さ ず に 公表 する こと が 大 前提 と なる 。 第 二 は 責任 を 明確に する こと である 。 上司 の 責任 を はっきり さ せて 、 きちんと 処分 し なければ 、 株主 も 預金 者 も 納得 でき ない 。 大和 銀行 の 経営 者 は 、 この際 、 改めて 個人 に とって 「 命 の 次に 大事 」 な お 金 を 預かって いる こと を 、 肝 に 銘じて もらい たい 。 第 三 に 大蔵 省 、 日銀 に 大和 銀行 の 不祥事 を 邦 銀 全体 の 問題 と 切り離して 処理 する 方針 を 、 あらゆる 場 で 強調 する こと を 望んで おき たい 。 実に 残念な 事件 だ が 、 この 処理 は 極めて 重要である 。 「 今 こそ 地方 分権 へ の ベスト ・ アンド ・ ラスト チャンス だ 」 「 先 送り は し ない 、 大事な 問題 は 全部 、 今回 で 決着 を つける 、 と いう 覚悟 で 臨んで いく 」 国 と 地方 の 役割 を 見直し 、 権限 と 財源 を 国 から 地方 に 移す こと を 目的 に した 第三者 機関 「 地方 分権 推進 委員 会 」 が 動き出して 、 ほぼ 三 カ月 に なる 。 これ まで 同 委員 会 は 七 回 の 会合 を 開き 、 分権 に 関する 意思 統一 を 図る 一方 、 地方 自治 体 関係 者 や 有識 者 ら から の ヒアリング を 重ねて いる 。 冒頭 の 発言 は 、 委員 の 一 人 である 長洲 一二 前 神奈川 県 知事 が 、 地方 分権 の 実現 に 向けて 今 ほど の 好 環境 は なく 、 逆に この 機会 を 逃せば 、 実現 は 当分 、 難しく なり かね ない と 問題 提起 し 、 これ に 応じて 諸井 委員 長 が 強い 決意 を 披露 した もの だ 。 私 たち は 、 これ まで 掛け声 倒れ に 終わって きた 地方 分権 が 、 地方 分権 推進 法 の 成立 で 、 実現 に 向け 第 一 歩 を 踏み出した こと を 評価 する と ともに 、 分権 推進 委員 会 は 、 分権 実現 の ため に 大胆な 指針 を 政府 に 勧告 す べきだ と 求めて きた 。 その 意味 で 委員 会 が 、 まさに ラスト チャンス と いう 意気込み で 取り組もう と して いる 姿勢 を 評価 し たい 。 次の ステップ と して 委員 会 は 、 十 月 中旬 から 「 地域 づくり 」 「 暮らし づくり 」 の 二 つ の 部会 を スタート さ せ 、 中央 省庁 から の ヒアリング など 具体 的な 作業 に 入り 、 来年 三 月 に は 中間 報告 を まとめる 。 さらに 来年 末 に は 、 政府 に 対して 最初の 指針 を 勧告 する 方針 だ 。 こうした スケジュール は 、 一 年 、 二 年 と 論議 だけ に 時間 を 費やす ので は なく 、 できる もの から さみだれ 式 に 、 政府 に 勧告 して いく べきだ と 考えて 決めた と いう 。 そう し なければ 世論 の 盛り上がり が なくなる こと を 心配 した から の ようだ が 、 当然の 判断 と 言って いい 。 国民 の 理解 、 世論 の 支持 が なければ 、 せっかく の 分権 論議 も 、 国 と 地方 自治 体 と の 単なる 権限 争い と 受け取ら れ かね ない から だ 。 その 意味 から も 委員 会 側 は 、 論議 の 内容 を もっと 国民 に オープンに する 努力 を 惜しむ べきで は ない 。 その 点 、 同 委員 会 は 部会 開催 ごと に 審議 内容 の 概要 ・ 詳報 を 発行 する と ともに 、 月 一 回 、 「 分権 委 ニュース 」 を 作り 全 自治 体 に 送付 して いる 。 過去 、 この 種 の 政府 の 委員 会 や 審議 会 の 内容 は 、 往々 に して 非 公開 と いう ベール に 包ま れる こと が 多かった 。 それ に 比べれば 、 同 委員 会 の 取り組み 自体 は 結構な こと だ 。 しかし 詳報 を 一般 国民 が 閲覧 や 複写 が できる ように は 、 まだ なって い ない 。 それ が 可能な 窓口 を 設ける など 一段 の 工夫 を す べきで は ない だろう か 。 さらに 委員 会 に 注文 し たい の は 、 地方 で の 公聴会 や シンポジウム 開催 を 積極 的に 考えて ほしい と いう ことだ 。 中央 で の 分権 の 合唱 と は 裏腹に 、 地方 自治 体 や 住民 の 関心 は まだ 低い と 指摘 さ れて いる し 、 分権 しよう に も 自治 体 側 に 受け入れ 能力 が ある の か と いう 「 受け皿 論 」 も 根強い 。 地方 分権 は 、 地方 自治 体 の 仕事 や 住民 の 生活 に 直接に かかわる 問題 である 。 にもかかわらず 分権 論議 が 中央 だけ で 終始 すれば 、 雲 の 上 の 話 に 終わって しまう 。 分権 で 地域 や 住民 の 生活 が どう 変わる の か 、 分権 後 の 実像 を 分かり やすく 提示 する こと も また 委員 会 の 重要な 役割 だろう 。 公的 資金 の 導入 に よる 住宅 金融 専門 会社 の 整理 が 、 緊急 課題 に なって いる 。 できれば 年 内 に も 政治 決着 と いう 方向 に は 異論 が ない 。 だが 、 その ため の 前提 と 、 条件 を 明らかに す べきであろう 。 まず 、 問わ れる の は 行政 責任 。 金融 制度 調査 会 の 報告 でも 指摘 さ れた が 、 その 範囲 は もっと 広い 。 金融 自由 化 の 中 で 、 米国 経済 の 救済 の ため に 、 むちゃな 譲歩 を 重ね 、 過剰 流動 性 と バブル を 作った 責任 。 銀行 界 全体 が バブル 商法 と スキャンダル の 海 に つかって いた 時 の 監督 責任 。 この 三 年間 、 問題 を 先 送り して 、 傷 を 広げた 責任 。 当事 者 が もめる 原因 と なった 「 覚書 」 を 作った 責任 、 と 枚挙 に いとま が ない 。 こうした 責任 に 当局 が 馬耳東風 で は 、 国民 感情 は 反発 を 強め ざる を 得 ない 。 八 年 前 、 米国 で 起きた ブラック マンデー の 時 、 米 当局 は 一 年 で 分厚い リポート を まとめた もの だ 。 まして 、 当局 者 が バブル 後 に 金融 機関 へ の 天下り 先 を 増やして いる の は 、 言語道断だ 。 ニューヨーク 連 銀 は 、 米 シティバンク の 再建 で 二十 人 ほど の 職員 を 送り込んだ が 、 再建 の めど が つく と 全員 を 引き揚げ させた と いう 。 一方 、 当時 の 銀行 経営 者 の 責任 も 、 もっと 追及 さ れて しかる べきだろう 。 公的 資金 が 導入 さ れる と すれば 、 その 前提 に 、 銀行 は 自助 努力 を 強め ねば なら ない 。 証券 界 を 見て も 、 はるかに 「 けじめ 」 を つけて いる 。 体質 改善 で 、 人 の 血 も 流し 、 支店 を 減らし 、 歩合 制 に したり 、 ボーナス を 全廃 する ところ も 出て いる 。 住 専 の 処理 に 当たって は 、 まず 徹底 した 情報 開示 が 必要だ 。 大蔵 省 は 八 月 から 立ち入り 調査 を して いる が 、 国民 の 税金 を 使う からに は 、 内容 を 国民 に 公開 して 、 こういう 事態 に 至った 経緯 の 詳細な 解明 が 欠かせ ない 。 住専 を 設立 し 、 役員 を 送り込み 、 子会社 と して 運営 して きた 銀行 側 は 当然 、 責任 が 重い が 、 貸手 の 農林 系 金融 機関 に も 責任 が ある はずだ 。 見苦しい 責任 の なすり合い を やめ 、 国民 が 納得 できる 妥協 点 を 早急に 探して ほしい 。 また 、 金融 システム の 再建 で 、 コスト を 最小 に する こと が 重要だ 。 米国 で は 千五百億 ドル かかった が 、 日本 の 不良 債権 の 方 が 規模 が 大きい のだ 。 今 の ような 米国 の 救済 方式 を モデル に した やり 方 で 、 公的 資金 を 導入 する と なれば 、 相当 の 覚悟 が 必要である 。 日本 の 金融 システム 全体 の 立て直し の 青写真 と 、 法的な 仕組み の 整備 を 急ぐ べきだ 。 もう 一 つ は 、 モラル と 決意 の 問題 だ 。 昭和 初期 の 金融 恐慌 で の 銀行 救済 は どう だった か 。 当時 の 中心 人物 だった 高橋 是清 蔵相 は 、 人生 を かけ 、 死 を 覚悟 で 事 に 当たった 。 清廉 潔白 で 国民 の 信望 を 得 られた から こそ 、 リーダーシップ を 発揮 できた 。 それ に 政策 を 裏打ち する 経済 理論 を 持って いた 。 民間 でも 当時 、 三井 の 池田 成彬 氏 と か 三菱 の 櫛田 万蔵 氏 が 銀行 救済 の 受け皿 の 「 昭和 銀行 」 創設 の 先頭 に 立った 。 結果 的に は 、 銀行 の 集中 に つながった が 、 彼ら は 責任 感 から 決然と 行動 を 起こした のである 。 今回 も 、 金融 界 の リーダー たち が 、 役所 に 依存 せ ず 、 自ら の 再建 に 立ち上がる よう 期待 し たい 。 なんとも 奇妙な 話 である 。 日本 の 外務 、 防衛 の 二 閣僚 が ニューヨーク に 赴いた 。 日 米 両 国 の 根幹 である 安保 問題 を 協議 する ため に 。 ところが 地位 協定 問題 で は 終始 、 はれ物 に 触れる か の よう 。 沖縄 県 で 起きた 米 兵 に よる 小学 女児 暴行 事件 で 、 これほど 問題 に なって いる に も かかわら ず 、 である 。 訪 米 前 の 打ち合わせ で 、 河野 洋平 副 総理 ・ 外 相 と 衛藤 征士郎 防衛 庁 長官 は 協定 改正 を 求め ない こと で 合意 。 さらに 外 相 は 村山 富市 首相 に も 、 臨時 国会 で 協定 見直し に 言及 し ない よう 要請 した 。 日 米 安保 協議 委員 会 で は 結局 、 在 日 米軍 駐留 経費 の 日本 側 負担 増 だけ は 、 まとまった 。 「 何とか に 追い ゼニ 」 など と いう 、 品 の 悪い 表現 は 使い たく ない 。 しかし 沖縄 県民 の 心情 は 、 もっと 激しい もの が ある に 違いない 。 私 たち は 在 日 米軍 に 特権 を 認めた 地位 協定 が 日 米 間 の 微妙な バランス の 上 に 作ら れて いる こと を 知っている 。 日 米 安保 条約 に よって 他国 の 軍隊 の 駐留 を 受容 した 以上 、 日本 は その 軍隊 に 便宜 を 図ら なければ なら ない 。 二 国 間 で は 法体 系 も 慣習 も 違う のだ から 、 お互いに 妥協 し なければ なら ない の も 当然である 。 しかし 現在 の 地位 協定 は 一九六〇 年 の 日 米 安保 条約 改定 前 の 行政 協定 を 大 枠 で 引き継いだ もの 。 その 行政 協定 は 戦争 直後 の 占領 軍 の 位置づけ を ほぼ 継承 して いた 。 そこ から 地位 協定 は 、 かなり 古めかしい もの を 引きずる こと に なった 。 今回 問題 に なった 米 兵 の 犯罪 に 対する 対応 措置 も 、 その ひと つ である 。 起訴 まで 容疑 者 の 身柄 を 保有 する 権利 を 米軍 に 譲った の は 、 米国 の 人権 第 一 主義 を 尊重 して の こと だろう 。 それほど まで に 日本 の 警察 の 取り調べ が 信頼 さ れて い ない と する ならば 大いに 反省 す べきである 。 しかし この 米軍 の 身柄 保有 権 は 、 しばしば 事件 を うやむやに して いる 。 つい 二 年 前 に も 沖縄 市 内 で 暴行 容疑 の 米 兵 が 基地 から 脱走 して 、 本国 に 逃亡 して しまった 。 地位 協定 改正 要求 は 沖縄 県 だけ から 上がって いる ので は ない 。 在 日 米軍 の 横田 、 厚木 、 岩国 各 基地 を 抱える 地元 市 議会 は 協定 見直し を 求める 意見 書 を 全会 一致 で 採択 して いる 。 その 声 は 今後 、 さらに 高まる だろう 。 古典 的な 駐留 軍 の 特権 を 許し ながら 、 地位 協定 の 運用 は 大きく 変化 して いる 。 その 最大 の もの が “ 思いやり 予算 ” である 。 そもそも 協定 に は 駐留 軍 維持 に 伴う 経費 は 米国 が 負担 する と 規定 さ れて いる 。 行政 協定 から 改正 さ れた 一 大 特徴 であった 。 ところが 、 日本 は 現在 “ 思いやり 予算 ” と 称して 二千七百 余 億 円 も 支払って いる 。 今回 の 日 米 協議 で さらに 三十億 円 を 上積み した 。 私 たち は 負担 の 多寡 を 言って いる ので は ない 。 米軍 駐留 が 日本 の 安全に 不可欠ならば 、 その 負担 は 甘受 する 。 ただ 、 一方 で 協定 の 精神 を なし崩し に し ながら 、 協定 の 不合理に 目 を つぶろう と する 政府 の 姿勢 に どうしても 合点 が いか ない のである 。 日本 に とって 米国 は 最大 の 友好 国 である 。 これ は だれ も 異存 ある まい 。 日 米 安保 は 日本 に とって 大切である 。 これ に は 疑問 の 向き も あろう が 、 私 たち は 大切に し たい と 思う 。 では その ため に 現在 の 基地 を 維持 する の が 絶対 的な の か どう か 。 ポスト 冷戦 を 考える に 当たって 、 日 米 両 国 は 真剣に 論議 す べきで は ない か 。 どこ か おかしい ので は ない か 、 と いう 疑念 が わいて 、 広がって いた 。 青島 幸男 ・ 東京 都 知事 の やり かた に ついて である 。 発言 が 個人 感情 と 、 知事 と して とら ねば なら ぬ 方策 の 間 を 往来 でも して いる か の ようだった 。 そして 乱脈 経営 の コスモ 信用 組合 処理 問題 を めぐる 都議 会 答弁 である 。 この 議会 予算 特別 委 に は コスモ 信 組 処理 の ため の 二百億 円 支出 を 含む 補正 予算 案 が 提案 さ れて いた 。 ここ で 二十七 日 、 青島 知事 は 二百億 円 支出 に 関連 して 「 公約 の 撤回 と 受け止めて よい の か 」 と 問わ れた 。 答弁 は 「 結果 と して そのように 受け止め られて も やむ を 得 ない 」 。 コスモ 信 組 処理 の 背後 に ある の は 東京 協和 、 安全 の 旧 二 信 組 問題 である 。 「 二 信 組 救済 の ため に 国 が 都 に 要請 して いる 三百億 円 の 都 予算 支出 は し ない 」 。 これ が 都 知事 選 で の 青島 氏 の 三 大 公約 の 一 つ だった 。 この 日 の 答弁 の 意味 は 、 二 信 組 救済 に ついて も 都 が 協力 する 用意 が ある と 明らかに した ところ に ある 。 選挙 公約 と 正反対の 行動 を とる ため の 地ならし と さえ 言える 。 青島 知事 は 公約 に 基づき 世界 都市 博 中止 に 踏み切った 。 この 決断 は 政治 家 の 公約 を 改めて 考え 直す きっかけ に も なった ほど の もの だった 。 かつて 公約 は 破ら れる ため に ある 、 と 豪語 した 政治 家 も いた 。 公約 など は 、 でき なかったり 実行 しよう と し ない 政策 を 並べ立てる だけ に 過ぎ ない 。 有権者 の 側 も 、 いつのまにか そんなふうに シニカルに なって いた 。 そこ を 突き破った 決断 が 新風 を 実感 さ せた のである 。 都 の 幹部 職員 大半 の 意見 に 抗して 。 コスモ 、 二 信 組 問題 で は 公約 撤回 の 理由 を 「 状況 が 変わった から 」 と 言う 。 本当に そう だろう か 。 確かに コスモ 信 組 の 破たん は 、 青島 知事 の 就任 後 に 明らかに なった ことだ 。 しかし 、 二 信 組 問題 は 就任 前 から 何も 変わって い ない 。 コスモ の 破たん に して も 監督 責任 は 都 に ある 。 公約 を 撤回 する の なら 、 都民 の 前 に 認識 が 間違って いた と はっきり 表明 す べきで は ない か 。 同時に 関係 する 都 の 幹部 職員 の 監督 責任 を 厳しく 問い 直さ なければ なら ない 。 そう で ない なら 、 知事 の 座 を 去る に 値する ほど の 事態 だ と 考えて もらい たい 。 大蔵 省 が 不祥事 を 繰り返した 身内 の 高級 官僚 に 関し 、 無責任な 態度 を 取り 続けて いる から と いって 、 都 の 監督 責任 は 免れ は し ない 。 その うえ で 繰り返す が 、 金融 システム 維持 の ため に 二 信 組 救済 に 公費 を 支出 する こと が 必要だ と いう なら 、 はっきり 公約 の 認識 は 間違って いた と 言って もらい たい 。 ズルズル と わかり にくい まま 事態 が 展開 して いく の は よく ない 。 在野 に いて 、 感情 の おもむく まま に 庶民 受け する 公約 を 並べる 。 都政 の 責任 者 に なれば 現実 の 問題 に 当面 する 。 それ に 対処 する 従来 型 の 機構 も できて いる 。 勝手に 並べ立てた 公約 を 実現 しよう と すれば どれ だけ 多く の 人 が 迷惑 する か 。 そういう 考え も ある だろう 。 だが 、 青島 氏 に 都民 が 望んだ の は 、 清新な 風 を 吹き込む 人材 と して であった はずだ 。 この 根本 を 忘れて は 困る 。 食糧 費 公開 の 問題 でも 都民 の 期待 に 沿って いる と は 言え ない 。 何より 青島 氏 に は 、 いつのまにか 都 の 従来 型 システム に 取り込ま れる ので は ない 、 都民 に 顔 を 向け 続ける 知事 と して 存在 して ほしい 。 臨時 国会 が 二十九 日 に 召集 さ れる 。 主要 議題 は 総 事業 費 十四兆二千億 円 の 経済 対策 を 盛り込んだ 第 二 次 補正 予算 である 。 景気 は 「 円安 」 と 「 株 高 」 で 、 やや 一息 ついた 感じ だ が 、 出荷 は 減り 、 自動車 、 鉄鋼 など で 意図 し ない 在庫 が 積み上がって おり 、 楽観 できる 状況 で は ない 。 補正 予算 の 成立 と 早期 執行 が 望ま れる が 、 経済 論議 の 手抜き は 好ましく ない 。 何 重 に も 複雑 骨折 した 日本 の 経済 を 、 新しい 成長 軌道 に 乗せる の は 国会 の 役目 だ から である 。 「 連立 与党 間 に 経済 政策 の 違い は ない 」 と か 「 与野党 間 に も 、 基本 的な 違い は ない 」 と いった 見方 が 多い 。 それ は 現実 の 一面で は ある が 、 好ましい と は いえ ない 。 自ら の 思考 能力 に 欠け 、 機能 を 喪失 した 官僚 の しり馬 に 乗って いる から こそ 、 そうした 主体 性 を 欠いた 発言 が 出て くる のだろう 。 これ まで 投じた 合計 四十三兆 円 の 公共 投資 の 効果 が 表れ ない の は なぜ か 。 世界 の 金融 史上 でも 空前 の 低い 水準 まで 公定 歩合 を 下げて いる のに 、 なぜ 通貨 供給 量 は 伸び ない の か 。 金融 システム の 再 構築 の ため 、 どう すれば 国民 経済 的な コスト を 最小 に できる の か 。 あるいは 、 国会 議員 は 各自 胸 に 手 を 当てて 、 問う べきである 。 公共 事業 の 効率 を 妨げて いる 「 公共 事業 費 の 事業 別 シェア 」 を 、 どうして 再 配分 でき ない の か 。 いつまで 族 議員 を 続ける つもりな の か 。 規制 緩和 を 族 議員 の 立場 で 、 虫食い だらけ に して も いい のだろう か 。 住宅 ・ 土地 、 情報 ・ 通信 、 流通 、 運輸 の 各 分野 に おける 規制 緩和 の 遅れ は 、 需要 創出 効果 が 期待 できる ビジネス の 機会 を 奪って いる 。 さらに 、 地域 エゴ や 利益 誘導 政治 から 議員 は 足 を 洗う こと が でき ない の か 。 日本 は 先進 国 が 経験 した こと が ない スピード で 高齢 化 社会 に 向かって いる 。 このまま で は 産業 は 空洞 化 して 、 財政 は 破たん する 。 いま ばらまか れて いる 財政 資金 は 、 いつか は 増税 に 転換 する 。 求め られて いる の は 日本 の 政治 、 経済 、 官僚 、 福祉 、 教育 と いった もろもろ の システム の 転換 である 。 外交 上 も 難しい 課題 が 押し寄せて いる 。 冷戦 後 の 日 米 関係 は 、 安保 条約 の 見直し を 含めた 論議 の 広がり を 見せ 始めた 。 この 一 カ月 を とって みて も 、 米 中 関係 は 悪化 から やや 改善 へ 、 日 中 関係 は より 警戒 信号 が 目 に つく ように 動き が 激しい 。 アジア で 日本 は どう 生きて いく の か 。 それ が 問わ れる アジア 太平洋 経済 協力 会議 の 大阪 会議 だ と いう のに 、 中 長期 の 「 行動 指針 」 の 中 に 「 農産物 の 追加 的 自由 化 に 一切 応じる べきで ない 」 と 農水 族 が 主張 し 、 アジア 各国 から 「 日本 は 会議 を 成功 さ せよう と いう 気 が ある の か 」 と の 非難 が 巻き起こって いる 。 臨時 国会 で は 宗教 法人 法 の 改正 が 焦点 の 一 つ と なって いる 。 オウム 真理 教 事件 を きっかけ に 、 宗教 法人 の あるべき 姿 を 追求 し 、 同種 の 事件 の 再発 を 防止 する ため の 議論 は 尽くす べきである 。 信教 の 自由 と 社会 責任 を めぐり 、 広く 冷静な 論議 が 期待 さ れる 。 しかし 、 伝え られる ような 政争 の 具に する もの ならば 、 あまり 時間 を 空費 す べきで ない 。 国会 の 役割 が いま ほど 問わ れる 時 は なく 、 かつ 時間 は 少ない 。 水俣 病 被害 者 ・ 弁護 団 全国 連絡 会議 など 水俣 病 関連 の 被害 者 組織 五 団体 は 、 与党 三 党 案 に 基づき 環境 庁 と 熊本 県 が まとめた 解決 調整 案 を 受け入れる 意向 だ 。 一 人 当たり 一律 二百六十万 円 の 一 時 金 と 患者 五 団体 の 事情 に 応じ 、 総額 五十億 円 の 団体 加算 金 を 一括 支給 さ れる 。 引き換え に 患者 側 も 訴訟 や 患者 へ の 認定 申請 、 行政 不服 審査 を 取り下げ ねば なら ない 。 一九五六 年 五 月 一 日 、 チッソ 水俣 工場 付属 病院 長 が 熊本 県 に 、 「 原因 不明 の 脳症 状 を 呈する 患者 が 入院 して いる 」 と 報告 して から 三十九 年 余 。 同 工場 の アセトアルデヒド 酢酸 製造 設備 内 で 生成 さ れた 有機 水銀 に よる 史上 最悪 、 最 大規模 の 公害 病 事件 は 政治 的な 決着 を みた 。 解決 策 は 「 公害 被害 者 認定 審査 会 」 で 「 水俣 病 で は ない 」 と 診断 さ れた が 、 なお 有機 水銀 中毒 の 疑い を 否定 でき ない ため 、 環境 庁 の 「 水俣 病 総合 対策 医療 事業 」 の 対象 と なって いる 人 たち など に 適用 さ れる 。 約 八千 人 が これ に より 救済 さ れよう 。 だが 、 国 、 県 、 チッソ の 責任 の 取り 方 、 一 時 金 の 額 と 算定 方法 、 有機 水銀 中毒 症候 群 の 範囲 など 問題 の 核心 部分 は 依然と して 明快に 解決 さ れて い ない 。 失わ れた 生命 と 健康 。 加害 企業 チッソ と 行政 へ の 被害 者 の 憤り は いやし よう も なく 痛切である 。 「 繋が ぬ 沖 の 捨小舟 、 生死 の 苦海 果 も なし 」 。 作家 の 石牟礼 道子 さん が 水俣 病 患者 の 生 と 死 を 描いた 「 苦海 浄土 」 の 冒頭 に 記した 深い 嘆き の 光景 は 、 この 政治 的 解決 に よって 、 いささか も 修復 さ れる もの で は ない 。 決して 再現 して は なら ない 産業 公害 の この 現場 を 胸 に 刻もう 。 その ため に は 、 解決 策 が 避けて 通った 責任 の ありか を はっきり さ せて おく 必要 が あろう 。 厚生 省 の 食品 調査 会 は 五九 年 に 「 水俣 病 は ある 種 の 有機 水銀 化合 物 を 原因 と し 、 魚介 類 を 介して 起こる 中枢 神経 系 の 中毒 性 疾患 である 」 と 厚 相 に 答申 した 。 そして 六二 年 に は 入鹿山 且郎 熊本 大 医学部 教授 が 、 チッソ 水俣 工場 の 製造 工程 中 の 残滓 から メチル 水銀 を 検出 して いた 。 だが 、 有機 水銀 に より 神経 障害 が 発生 する 仕組み が 解明 さ れて い ない と の 理由 で 対策 は 取ら れ なかった 。 政府 が 「 原因 は 工場 排水 中 の メチル 水銀 化合 物 」 と 判断 した の は 患者 発生 が 公式 に 確認 さ れて から 十二 年 後 の 六八 年 九 月 である 。 この 間 五九 年 を ピーク に 水銀 排水 が 不知火 海 に 注ぎ 続け 、 魚介 を 経て 人体 に 蓄積 し 、 中毒 患者 を 際限 なく 増やした 。 原因 物質 の 確定 に 手間どり 、 調査 が 不十分な まま に 水俣 湾 を 水質 保全 法 の 指定 水域 と 定め 、 排水 中 の 水銀 を 有機 、 無機 ともに 規制 する こと は 同法 の 「 産業 と の 相互 調和 」 に 違反 する 過剰 規制 と なり 不可能だった 、 と 環境 庁 は 反論 して いる 。 だが 、 国民 の 生命 が 脅かさ れて いた 状況 下 で このような 釈明 は 力 を 持った であろう か 。 問わ れて いる の は 国民 に 対する 国家 の モラル で は ない の か 。 一方 、 チッソ は ようやく 六八 年 七 月 に 排水 の 完全 循環 方式 を 完成 さ せた 。 その 費用 は 約 四億 円 だった 。 被害 の 巨大 さ を 思えば 公害 防止 設備 の 遅れ が 悔やま れる 。 解決 策 に 伴う 費用 の 約 三百億 円 は 臨時 国会 で 補正 予算 に 計上 さ れる 。 そして 責任 ある 関係 者 の だれ も が その 責 を 免れる のだ と すれば 、 解決 策 は 真に その 名 に 値する の か 、 疑問 が 募る 。 宗教 法人 審議 会 は 二十九 日 、 宗教 法人 法 を 改定 する 最終 報告 案 を 島村 宜伸 文 相 に 提出 した 。 ただ 、 この 日 の 審議 会 は 全会 一致 と なら ず 、 審議 会 の 「 大方 」 の 意見 が 報告 案 を 了承 する 形 と なった 。 改定 内容 の 主な 点 は 次の 通り だ 。 相当に 慎重な 改定 内容 である と 感じる 。 例えば で は 、 所轄 庁 が 報告 を 求めたり 質問 しよう と して も 、 まず 宗教 法人 審議 会 に 諮ら なければ なら ない 、 と した 。 も 、 あくまで 閲覧 請求 権 である 。 法人 側 が 閲覧 に 応じる 義務 に は 触れて い ない 。 こんな こと すら 宗教 法人 に は 、 行政 の 手 が 及ば ない の か 、 と 思う 人 も いる だろう 。 しかし この 法 は 、 憲法 が 保障 する 信教 の 自由 、 結社 ・ 表現 の 自由に 基づき 、 基本 的に 宗教 法人 性善説 に 立つ 。 それだけに 宗教 法人 と して 一 度 認証 さ れれば 、 ほとんど 法的 規制 を 受け ない 。 熱狂 教団 や 、 それ に 近い 性格 を 持つ 宗教 法人 の 場合 、 大半 の 信者 は 教団 首脳 に 対する 反発 心 を 持た ない 。 その 教団 や 宗教 に 帰する から 、 信者 な のだ 。 宗教 が 持つ 本来 的な こういう 性格 の うえ に 教団 が 運営 さ れる 。 そう である 以上 、 収益 の 使い 方 も ブラックボックス 化 し やすい 。 自浄 作用 も 期待 でき にくい 。 だが 、 宗教 法人 と いえ ども 社会 的 存在 だ 。 社会 的 批判 の 対象 である の を 免れ ない 。 そうした 社会 的 批判 と 、 これ に 応える 自浄 作用 が あって こそ 宗教 法人 の 価値 が 存在 し 、 信者 以外 に も 信用 が 広がる はずである 。 いま 多く の 人 が 一部 の 宗教 法人 を 見る 目 は 、 教団 が ブラックボックス 化 し 、 肥大 化 する こと へ の 疑念 である 。 教団 の 透明 度 を 深め なければ なら ない 。 その ため に は 今回 の 報告 案 が 示す 程度 の 信者 ら へ の 情報 開示 、 所轄 庁 へ の 報告 は あって よい 。 東京 都 を 所轄 庁 と した オウム 真理 教 が 山梨 県 で 、 非道な 犯罪 を 犯して いる 疑い が 濃い 時 、 都 は 何も でき なかった 。 現実 問題 と して 、 国 が ある 程度 でも 掌握 でき なければ 間違った 道 を 進む 教団 を 正せ ない 、 と する 見解 は 一定 の 説得 力 を 持って いる 。 ただし 、 ここ は よほど 慎重に 考える 必要 が ある 。 限定 的であって も 調査 、 質問 権 と セット で 所轄 庁 を 国 に 移そう と いう 。 政治 権力 の 恣意 で 調査 、 質問 権 が 乱用 さ れる の を 防ぐ 明快な 歯止め が さらに 要る 。 宗教 法人 法 改定 の 動き は オウム 真理 教 事件 が きっかけ だ 。 さらに 参議院 選挙 で 創価学会 も 支持 して いる 新進党 が 勝ち 、 自民党 が 危機 感 を 深めた 。 このような 背景 、 動機 は 事実 だ 。 宗教 法人 が 政治 に 過大な 影響 力 を 発揮 する の を 望む 人 は 多く は ない だろう 。 宗教 法人 の 政治 へ の 自制 も 自浄 の 一 つ だ 。 しかし 、 同時に 宗教 法人 に 対し 行政 ― 権力 が 恣意 的に 運営 の 方向 を 規制 して は なら ない 。 宗教 法人 法 の 改定 を 審議 する 臨時 国会 は 、 この 二 つ の 原則 を 踏まえて 論議 を 進め なければ なら ない 。 中国 経済 は インフレ 、 地域 格差 など の 問題 を 含み ながら も 、 成長 軌道 を 急進 して いる 。 二十八 日 閉幕 した 中国 共産党 第 十四 期 中央 委員 会 第 五 回 総会 で は 、 来年 から 始まる 「 第 九 次 五 カ年 計画 」 や 、 二〇一〇 年 まで の 「 十五 カ年 構想 」 の 方針 が 決定 さ れた 。 この 中 で 、 経済 方針 の 静かな 転換 が 行わ れて いる 。 党 指導 者 は 中国 の 発展 の 制約 条件 である 食料 、 エネルギー 、 環境 面 を 重視 し 、 資源 浪費 型 の 量的 拡大 から 「 節約 、 持続 、 中 成長 」 の 質的 充実 へ と 、 カジ取り を 切り替えよう と して いる 。 こうした 方針 は 、 中国 の 利益 だけ で なく 、 アジア や 世界 の 安定 に 寄与 する もの と して 歓迎 し たい 。 米国 の 環境 問題 の 権威 、 レスター ・ ブラウン 氏 が 、 昨秋 、 中国 の 食糧 不足 と その 世界 的な 影響 に 警鐘 を 鳴らした が 、 中国 の 指導 者 は この 見解 を 真剣に 受け入れた もの と いえる 。 エネルギー に ついて も 同様である 。 すでに 中国 は 一九九三 年 から 、 石油 の 純 輸入 国 に 転じて おり 、 このまま で は 二〇一〇 年 に 一億一千万 トン の 石油 不足 が 生じる と の 推定 が ある 。 資源 節約 型 の 発展 と いって も 、 ライフ スタイル まで 踏み込ま なければ なら ず 、 実行 は 容易で は ない 。 だが 、 方針 転換 の タイミング と して は 、 今 しか ない 。 戦後 の 日本 は 、 輸出 振興 と 技術 開発 に よる 成長 モデル に なって いる が 、 失敗 した 側面 も 多い 。 とくに 、 東京 圏 の 無 計画 な 膨張 は 、 社会 に 深い 傷跡 を 残した 。 一九五五 年 から 八五 年 に かけ 、 年 平均 五十万 人 が 東京 圏 に 流入 し 、 千五百万 人 から 三千万 人 へ と 膨れ上がった のである 。 この ため 、 地価 が 高騰 、 サラリーマン の 家 は どんどん 遠く なった 。 遠距離 通勤 は 、 肉体 的 疲労 のみ で なく 、 家族 の 絆 を 弱め 、 地域 社会 を なくし 、 ゆがんだ 会社 人間 を 再 生産 した 。 戦前 は 大 家族 と 地域 社会 が あり 、 年 を 取って も 隣組 の 組長 と か 、 町内会 の 世話 役 、 家 で 冠婚 葬祭 を 取り仕切る と いった 存在 感 が あった 。 今では 会社 を 離れる と 、 粗大 ごみ と して 扱わ れ かね ない 。 北京 、 上海 、 天津 、 広州 など 中国 の 主要 三十五 都市 は 、 この 東京 の 失敗 の 経験 を 真剣に 学んで ほしい 。 福祉 社会 の 発展 は 、 地域 社会 や 家族 を 抜き に する と 、 金 ばかり かかり 、 孤独な 老人 たち を 生み出す 。 中国 は 伝統 的な 家族 精神 を 重視 し 、 もっと 心 豊か で 安上がりの 福祉 社会 を 目指した 方 が よい 。 世界 の 成長 センター と なった アジア で 、 急 浮上 する 中国 の 存在 は 、 希望 に あふれて いる と 同時に 、 困難な 課題 も 山積 して いる 。 沈静 し ない インフレ の 背後 に は 、 破たん した 国有 企業 へ の 財政 支援 が ある 。 企業 は 退職 者 の 年金 から 、 住宅 、 医療 、 保育 園 と いった 地域 社会 を 支えて おり 、 倒産 さ せる わけに いか ない 。 その 整理 に は 、 まず 、 受け皿 の 全国 的な 福祉 システム の 構築 が 前提 と なる 。 ところが 、 財政 赤字 が 行く手 を 阻んで いる 。 ただ で さえ 水利 、 電力 、 交通 など 基盤 整備 で 、 財政 は アップアップ して いる 。 税制 で は 個人 所得 税 が 導入 さ れた が 、 税金 を 払う 慣習 が ない ため 、 実効 性 が 上がって い ない ようだ 。 中国 の 指導 者 が 、 目先 の 問題 だけ で なく 、 経済 の 方向 を 「 節約 型 」 に 切り替えた こと は 、 賢明である 。 生産 者 や 提供 者 の 論理 だけ で なく 、 消費 者 の 論理 が 重要な のだ 。 フランス が 南 太平洋 で 再開 二 回 目 の 核 実験 を 強行 した 。 先月 五 日 の 一 回 目 の 実験 から 、 一 カ月 も たって い ない 。 この 間 、 激しい 抗議 行動 が 地球 を 覆った に も かかわら ず 、 シラク 政権 は これ を 無視 した 。 反 核 世論 を 逆なで する 仏 の 姿勢 に は 憤り を 覚える 。 三 回 目 の 実験 を 停止 する よう 強く 要求 する 。 仏 は 実験 再開 の 根拠 と して 、 核 抑止 論 を 掲げて いる 。 東西 冷戦 構造 が 崩壊 し 、 ソ連 が 消滅 した いま 、 核 抑止 が 時代遅れの 理論 に なった こと は 指摘 した 。 核 を めぐる 仏 の かたくなな 態度 は 、 シラク 政権 を 国際 社会 で 孤立 さ せて いる 。 先月 、 相次いで 開か れた 欧州 連合 の 非公式 外 相 会議 、 臨時 首脳 会議 で 、 仏 は 欧州 諸国 から 非難 の 集中 砲火 を 浴びた 。 仏 は 自国 核 の 防衛 対象 領域 を 自国 領土 から 、 ドイツ を 含む 欧州 に 拡大 する 「 欧州 核 」 構想 を 提案 した が 、 この 欧州 世論 で は 実現 は 難しい 。 「 仏 の 態度 を 一般 市民 に 納得 さ せる の は 不可能 」 と いう 欧州 小国 の 外 相 の 言葉 は 、 欧州 市民 の 感情 を 的確に 表現 して いる 。 EU は 欧州 統合 の 一環 と して 、 共通 外交 ・ 防衛 政策 の 確立 を 目指して いる が 、 仏 の 態度 は 統合 の 足並み を 乱して いる の が 実情 だ 。 欧州 核 構想 に 固執 すれば ロシア を 刺激 する こと に なり 、 欧州 安定 の マイナス 要因 と なろう 。 仏 国 内 でも 核 実験 に よる 自国 の 孤立 化 に 世論 が 反発 、 シラク 大統領 の 人気 は 低下 して いる 。 仏 政府 に 対し 、 来年 に も 締結 さ れる 核 実験 全面 禁止 条約 に 調印 し 、 小規模な もの を 含めて 実験 全面 禁止 を 受け入れる こと を 、 改めて 求め たい 。 また 、 ムルロア 環礁 など 仏 核 実験 場 が 含ま れる 南 太平洋 非核 地帯 の ラロトンガ 条約 へ の 早期 調印 を 重ねて 要求 する 。 河野 洋平 外 相 は 二 日 、 ウーブリュー 駐 日 仏 大使 を 呼んで 「 核 保有 国 は 非核 保有 国 の 信頼 に 応じて 、 真剣に 核 軍縮 を 行う 義務 が ある 」 と 抗議 した 。 だが 、 とおりいっぺんの 抗議 や 決議 で 、 仏 の 態度 を 改め させる こと は 残念 ながら 難しい 。 日本 政府 は 核 軍縮 へ 向けて 、 実効 性 の ある 措置 を とる べき 時期 に きて いる 。 その ため に は 、 反 核 姿勢 を 従来 に も まして 、 明確に する 必要 が あろう 。 核 兵器 の 使用 、 核 に よる 威嚇 が 国際 法 に 違反 する か どう か に ついて 、 オランダ ・ ハーグ の 国際 司法 裁判 所 に 勧告 的 意見 を 求める 決議 が 昨年 末 、 国連 総会 で 採択 さ れた 際 、 日本 は 棄権 した 。 政府 は 「 核 兵器 使用 の 違法 性 の 問題 は 、 現実 の 国際 情勢 の 中 で 各国 間 の 対立 を 助長 する 」 こと を 棄権 の 理由 に あげて いる 。 外務 省 高官 が 「 核 使用 は 国際 法 違反 である と は 断言 でき ない 」 と 述べ 、 被爆 者 の 神経 を 逆なで した こと も ある 。 これ で は 日本 が 真 の 核 廃絶 を 望んで いる の か 、 国際 社会 から 疑わ れて も 仕方 が ない 。 河野 外 相 は 先 の 国連 総会 で 核 実験 全面 停止 を 求める 演説 を 行った 際 、 中 仏 両 国 の 名指し 非難 を 避けた が 、 その 一方 で 、 村山 富市 首相 は 臨時 国会 の 所信 表明 演説 の 中 で は 中 仏 を 名指し で 批判 した 。 内 と 外 で 言葉 を 使い分ける 必要 が ある の か 。 日本 は 豪州 、 ニュージーランド など 核 実験 に 強く 抗議 する 国々 と の 連携 を 強めて 、 核 軍縮 へ 有効な 措置 を とる べきだ 。 ドイツ が 三 日 、 一九九〇 年 秋 の 東西 統一 から 五 周年 を 迎える 。 国家 分断 の 戦後 史 に 終止符 を 打った 統一 は 、 ドイツ 国民 に とって 「 冷戦 の 終結 」 の 締めくくり であり 、 第 二 次 世界 大戦 が 残した 最大 の くびき から の 解放 であった 。 だが 、 統一 は 新たな 試練 の 始まり で も あった 。 同じ 民族 と は いえ 、 四十 年 に わたり 異質の 体制 に 生きて きた 八千万 人 余 の 東西 市民 を 一 つ 屋根 の 下 に 束ねる の は 、 歴史 に ほとんど 例 を み ない 大 仕事 である から だ 。 五 年 たった 現在 も 、 統一 に 伴う 事業 は なお 未完 であり 、 多く の 問題 が 残さ れて いる 。 東 の 再建 に は 膨大な 資金 を 要し 、 西 から 東 へ の 公的 資金 移転 は 年 十兆 円 の 規模 に 達する 。 増税 を 余儀なく さ れ 、 西 の 市民 の 不満 を 招いた 。 東 の 市民 は 官庁 の 幹部 職 や 企業 の 経営 権 を 握る 西 から の 転入 組 に 「 占領 軍 だ 」 と 反発 し 、 東 と 西 の 間 に は ささくれだった 感情 的 対立 が ある 。 しかし 、 全体 と して 見れば 、 ドイツ は みぞうの 大 事業 に 果敢に 立ち向かい 、 その 実力 を 実証 して みせた と いえる ので は ない か 。 企業 の 生産 性 、 所得 水準 、 住宅 など 東西 の 経済 格差 は まだ 大きく 、 西 から の テコ入れ は 少なくとも 今 世紀 いっぱい 必要 と み られて いる 。 だが 、 最大 の 難題 であった 東 の 旧 国営 企業 の 整理 は 昨年 末 で ほぼ 終わり 、 巨額の 投資 は 少しずつ 実 を 結び 始めて いる 。 東 は 今年 、 実質 九 % の 経済 成長 が 見込ま れ 、 最新 設備 の 導入 で 輸出 競争 力 を 付けた 企業 も 出て きた 。 高速 道路 、 通信 網 など インフラ 部門 の 整備 も 峠 を 越えた 。 統一 五 年 の 歩み を 点検 して 改めて 感じ させ られる の は 、 ドイツ が 明確な 国家 戦略 を 持って いる ことだ 。 冷戦 の 終結 、 東西 統一 を 受け 、 ドイツ は 国防 支出 を 大幅に 削った 。 その分 で 生じた 余裕 が 東 へ の テコ入れ の 財源 の 一 つ に なって いる 。 東 の 再建 は ドイツ の 富 の 増加 に つながる 国 内 投資 であり 、 軍備 に カネ を 浪費 する より ずっと ましだ 。 財政 難 を 押して 、 ドイツ は 今年 一 月 に 介護 保険 制度 を 発足 さ せた 。 迫り 来る 高齢 社会 へ の 備え だ 。 旧 西ドイツ は 国民 生活 の 安定 と 確固たる 経済 ・ 社会 基盤 の 構築 を 国 づくり の 柱 に 据えた 。 その 「 社会 市場 経済 」 の 哲学 は 、 東 再建 の 事業 だけ で なく 社会 保障 の 刷新 に も 生かさ れて いる 。 東 へ の 巨額の 資金 移転 に も かかわら ず 、 日本 と 違って 過剰 流動 性 も バブル 現象 も 起こら なかった 。 その 裏 に は 、 ドイツ 連 銀 が 外国 から の 圧力 に びくとも せ ず 、 インフレ 抑制 と 通貨 価値 の 保護 を 最 優先 する 堅実な 金融 政策 を 貫いて きた こと が ある 。 統一 は 決して 周辺 国 の 心から の 祝福 を 受けて 実現 した わけで は なかった 。 ドイツ が さらに 強力に なる こと へ の 強い 警戒 が あった 。 それ でも 統一 を 達成 できた の は 、 旧 西ドイツ が 戦前 まで の 覇権 主義 と きっぱり 絶縁 し 、 自国 の 繁栄 と 安定 の 基盤 を 統合 欧州 に 求め 、 統合 の 維持 ・ 進展 の ため に 貢献 を 惜しま ない 立場 を 貫いて きた から だ 。 統一 後 も ドイツ は 欧州 連合 を 通じた 統合 の 拡大 と 質的 深化 に 最も 積極 的であり 、 強力で 安定 した ドイツ 抜き に は 欧州 の 将来 設計 は でき ない 。 おそらくは 、 この 事実 が 国際 的に 認知 さ れて いる こと こそ 、 統一 五 年 の 努力 を 通じて ドイツ が 勝ち得た 最大 の 成果 の 一 つ と 言えよう 。 村山 富市 首相 の 所信 表明 演説 に 対する 各 党 の 代表 質問 が 国会 で 行わ れて いる 。 今回 の 臨時 国会 は 、 連立 与党 側 が 軒 を 並べて 敗北 した 七 月 の 参院 選 以降 、 初めて の 本格 的な 論戦 の 場 である 。 経済 ・ 景気 対策 、 行 財政 改革 、 阪神 大 震災 の 復興 計画 の 仕上げ 、 オウム 真理 教 事件 を きっかけ に した 宗教 法人 法 の 改正 問題 、 日 米 安保 条約 の 再 定義 、 沖縄 の 米軍 兵士 に よる 少女 暴行 事件 に 端 を 発した 日 米 地位 協定 の 見直し 問題 など 解決 策 を 見いだして いく べき 課題 は 多い 。 参院 選 で 議席 を 伸ばした 新進党 は 、 その 余勢 を かって 、 今回 は 野党 に 徹して 政府 ・ 連立 与党 側 を 追及 する 方針 だ と いう 。 場合 に よって は 審議 拒否 も 辞さ ない そうだ 。 審議 拒否 が 、 必ずしも 責任 ある 野党 の とる べき 戦術 と は 思え ない が 、 ともあれ 、 野党 が 政府 に 対して 対案 を 突き付け 、 論戦 を 通じて 政府 ・ 与党 と の 違い を 鮮明に する こと は いい こと だ 。 国民 に とって も 、 政治 の 現状 が 分かり やすく なる から だ 。 新進党 は 今年 一 月 の 通常 国会 で の 代表 質問 で 、 政権 担当 能力 が ある こと を 国民 に 印象づけよう と 、 海部 俊樹 党首 ら が 自ら の 主張 を 提示 する 「 政治 方針 演説 」 を 展開 した 。 しかし 結党 直後 の 気負い だけ が 前面 に 出て しまい 、 全体 に 空回り に 終わった と いう 経緯 が ある 。 その 反省 から か 、 今回 の 代表 質問 は 、 いわば “ 正攻法 ” だった 。 最初に 演壇 に 立った 羽田 孜 副 党首 は 、 首相 の 所信 表明 演説 に ついて 「 景気 対策 も 対症 療法 に 終始 して いる 」 など と 追及 した うえ で 、 参院 選 で 国民 は 村山 内閣 に 不 信任 を 突き付けた と 首相 に 退陣 を 要求 した 。 代表 質問 二 日 目 の 石井 一二 ・ 参院 平成 会 幹事 長 も 、 同じ ように 首相 の 退陣 と 、 早期 の 衆院 の 解散 ・ 総 選挙 を 求めた 。 これ に 対して 、 首相 は 所信 表明 演説 の 中 で 言及 した 「 景気 回復 内閣 」 「 改革 推進 政権 」 と いった 言葉 を 使い ながら 、 国民 は 安定 した 政権 の 継続 を 求めて いる と して 退陣 要求 を 拒否 した 。 解散 要求 に ついて も 、 参院 選 で は 与党 全体 と して 改選 議席 の 過半数 以上 を 確保 した など と 反論 した うえ で 、 政治 の 空白 は 許さ れ ない 、 と して 「 解散 は 、 まったく 考えて い ない 」 と 答えた 。 この 部分 だけ は 、 首相 の 声 に も 張り が あった が 、 土地 税制 や 金融 機関 の 不良 債権 処理 、 日 米 地位 協定 など 他の 政策 課題 に なる と 、 「 積極 的に 検討 して いく 」 「 早急に 結論 を 得る よう 全力 を 尽くす 」 と 繰り返す だけ で メリハリ に 欠けた 。 橋本 竜太郎 新 総裁 を 擁した 自民党 が 、 より 独自 色 を 強めれば 、 与党 内 の 政策 調整 が 手間取る こと も 予想 さ れる 。 首相 の 足元 も 、 新党 作り で 揺れて いる 。 そういう 困難 が ある に して も 、 首相 は 明確な 方針 を 打ち出し 、 課題 処理 に 対する 意欲 、 気迫 を 見せる べきで は なかった か 。 それ が うかがえ なかった の は 残念である 。 もっとも 対決 姿勢 を 打ち出した 新進党 も 、 首相 を すぐに 退陣 に 追い込む ほど の 具体 的な 戦略 を 持ち合わせて い ない の が 実情 である 。 しかし 後手 に 回った 景気 対策 など に ついて 政府 側 の 責任 を チェック する の は 野党 の 責務 である 。 その 点 、 野党 側 が 及び腰 であって は なら ない し 、 国会 論戦 を 単なる ジャブ の 応酬 に 終わら せて は なら ない 。 阪神 大 震災 で は 各種の 構造 物 に 想像 を 絶する ような 被害 が 出た 。 「 どんな 地震 に も 耐え られる 」 と まで 言わ れた 高速 道路 や 新幹線 の 高 架橋 も 倒壊 した 。 安全 神話 は 崩壊 し 、 専門 家 に 対する 信頼 は 揺らいだ 。 大 被害 を 目の当たり に して 多く の 国民 は 「 絶対 安全 と 宣伝 さ れて きた 原子 力 発電 所 は 大 地震 に 本当に 耐え られる の か 」 と 考えた 。 日本 は 商業 用 原発 四十九 基 を 抱える 原発 大国 であり 、 原発 が 地震 に もろい ようで は 安心 して 住め ない 。 そこ で 国 の 原子 力 安全 委員 会 は 阪神 大 震災 の 直後 に 、 原子 炉 の 安全 審査 に 用いる 耐震 設計 審査 指針 の 妥当 性 を 確認 する ため 専門 家 に よる 原子 力 施設 耐震 安全 検討 会 を 設けた 。 その 報告 書 が 九 月 末 に まとまった が 、 「 阪神 大 震災 を 踏まえて も 、 耐震 指針 の 妥当 性 が 損なわ れる もの で は ない 」 と 結論付けて いる 。 検討 会 が 重点 的に 議論 した 項目 の 一 つ は 「 阪神 大 震災 の 地震 の 規模 は マグニチュード 7・2 で 大きな 揺れ が 観測 さ れた が 、 これ は 指針 に 基づく 想定 を 上回った の か 」 と いう もの だった 。 上回って いれば 指針 の 早急な 見直し が 必要に なる 。 神戸 大 を 原発 建設 地点 と し 、 指針 に 基づいて 敷地 周辺 の 歴史 地震 や 活断層 に よる 地震 を 考える と 六甲 ・ 淡路 断層 群 が 起こす M 7・75 の 地震 の 影響 が 最大 と 推測 さ れた 。 結局 、 阪神 大 震災 の 規模 は 指針 に 基づく 想定 を 下回り 問題 は ない 、 と した 。 もう 一 つ の 重点 項目 は 「 阪神 大 震災 で 大きな 縦揺れ が 観測 さ れた が 、 指針 で 縦揺れ を 横揺れ の 半分 と みて いる の は 過小 評価 で は ない か 」 と いう 点 だ 。 これ に ついて も 軟弱な 地盤 の データ を 除く と 、 縦揺れ が 横揺れ の 半分 に 達した ケース は なかった と いう 結論 に なった 。 こうして 一九七八 年 に 策定 さ れ 、 八一 年 に 改訂 さ れた 耐震 指針 の 妥当 性 は 裏付け られた と して いる 。 指針 策定 前 に 設置 許可 が 出た 二十八 基 の 原発 も 、 現行 指針 に 照らして 耐震 安全 性 が 確保 さ れて いる と 通産 省 から 原子 力 安全 委 に 報告 さ れた 。 検討 会 の 報告 書 は 当初 予定 より はるかに 早く まとまった 。 原子 力 安全 委 側 は 「 データ が そろって 十分な 検討 が できた ので 、 国民 の 不安 解消 の ため に も 作業 を 急いだ 」 と 説明 する が 、 結論 が 国民 の 不安 を 取り除く もの に なった か どう か は 疑問 だ 。 なぜなら 検討 会 の 結論 は 耐震 指針 の 妥当 性 に 言及 した だけ である 。 つまり 指針 に 基づいて 建設 さ れた 原発 は 当初 は 大 地震 に 耐え られた だろう と いう の に 過ぎ ない 。 老朽 化 した 原発 が 多く 、 建物 や 各種 配管 の 耐震 性 は 落ちて いる 。 施工 ミス や 手抜き 工事 が 原発 に は なかった と も 断言 でき ない 。 阪神 大 震災 で は 構造 物 に 想定 外 の 被害 が 続出 し 、 机上 の 計算 通り に は いか ない こと が 教訓 と して 残さ れた はずである 。 大型 耐震 試験 施設 に よる 老朽 化 原発 の 耐震 性 の シミュレーション など に 早急に 取り組む べきだろう 。 日本 が 地震 国 である 以上 、 原発 の 耐震 性 を 向上 さ せる ため 念 に は 念 を 入れる 必要 が ある 。 原子 力 安全 委 は 「 原発 の 安全 宣伝 に 加わって いる 」 など と 言わ れ ない ように 力 を 尽くして ほしい 。 地震 で 原子 炉 内 の 核 反応 が 急激に 進む と いう 想定 外 の トラブル が 東北 電力 女川 原発 1 号 機 など で 起こった が 、 この 対策 も 急ぐ べきだろう 。 日本 労働 組合 総 連合 会 の 第 四 回 定期 大会 が 、 五 日 から 東京 で 始まる 。 変化 の 中 の 大会 である 。 産業 構造 が 変わり 始める 中 で 、 働く 側 の 条件 を 守り 、 さらに 高めて いく か 、 その こと が 問わ れる 大会 である 。 そして また 、 活力 を 失い つつ ある 連合 労働 運動 の 再 活性 化 を 、 どのように 切り開いて いく か 。 責任 も 重い 大会 だ 。 それでは いま 、 連合 労働 運動 総体 に どんな 具体 的 問題 が 降りかかって いる のだろう か 。 その 第 一 は 言う まで も なく 雇用 の 確保 だ 。 そして 流動 化 し 始めた 雇用 状況 に 、 働く 側 に 立って 、 適切に 対処 できる か どう かも 問わ れて いる 。 長い 不況 に 伴う リストラクチャリング が 、 ホワイトカラー を 中心 に 雇用 を 脅かし 続けて 止まら ない 。 第 二 は 賃金 が 抑え 込ま れた まま の 状態 を 打開 する 方策 が 、 打ち立て られる か どう か である 。 第 三 は 中小 ・ 零細 企業 に 働く 労働 者 に 、 組合 が 本当に 手 を 差し伸べる こと が できる か どう か だ 。 これ は 中小 ・ 零細 企業 の 雇用 を 守る 意味 で 第 一 の 課題 と 密接に 重なる 。 そして 第 四 は 、 政治 的に 志向 が 分かれて いる 産業 別 組合 組織 を 、 連合 と して どのように まとめ 得る か だ 。 求心力 が 弱まって いる 。 このような 情勢 下 、 連合 が 大会 で 打ち出そう と して いる 運動 方針 は どのような もの だろう か 。 まず 、 日本 の 社会 を 成熟 化 社会 と とらえる 。 そして 高度 成長 が 望め ぬ 成熟 化 社会 で は 、 制度 政策 上 の 要求 の 根本 を 予算 配分 の 公正に 置き 、 そこ を 重視 する 立場 を 鮮明に して いる 。 では 、 労働 運動 が 直面 して いる 雇用 の 問題 で 何 を 重要 と した の か 。 「 採用 、 退職 を 含む すべて の 労働 条件 で 労使 合意 システム を 確立 する 」 「 労働 協約 の 確立 、 内容 再 点検 」 が うたわれた 。 同時に 出向 や 関連 企業 へ の 再 就職 、 つまり 内部 労働 市場 で 、 雇用 を 保つ の に は 限界 が きた と する 認識 を 初めて 明確に した 。 今後 は 関連 会社 で は ない 再 就職 、 転職 市場 である 外部 労働 市場 が 併存 する 社会 に 入って いか ざる を 得 ない 。 その 際 に 転職 、 再 就職 者 が 不利に なら ない 労働 条件 決定 システム を 組合 の 参加 に よって 生み出す 。 方針 案 は そう 述べて いる 。 これ を 具体 化 する の は 、 容易で は ない 。 新興 企業 で は 組合 が あまり ない 。 たとえ 転職 先 企業 に 組織 が あって も クローズドショップ を 取って いる ところ など ない と いって よい のだ から 、 組合 が 転職 者 の 労働 条件 に 介入 できる 余地 は 少ない 。 だが 、 否定 的 側面 を 挙げて いて も 事態 は 進ま ない 。 連合 は 「 総合 生活 ・ 労働 条件 改善 ビジョン 」 を 、 これ から 策定 する と 言って いる 。 その 中 で 実行 可能 、 しかも 転職 に 直面 せ ざる を 得 ない 人々 に 実際 に 役立つ 方策 を 早く つくる 必要 が ある 。 賃上げ も 、 中小 ・ 零細 企業 の 組織 化 も 、 そして 連合 の 求心力 を 生み出す の も 、 つまるところ 、 労働 条件 を 改善 する 努力 に 帰着 する 。 今 大会 の 方針 案 は 、 時代 の 変化 に 対処 する 色 が 濃い 。 雇用 問題 へ の 対処 でも 「 雇用 を 守り抜き 、 雇用 を 創出 さ せる 」 と して きた これ まで の 立場 から 転換 した と 言って も よい 。 変化 に 遅れ ぬ 運動 が 大事だ 。 評価 も できる 。 しかし 、 同時に 必要な の は 、 守る べき は 守る 、 闘う べき は 闘う 組合 の 原点 である 。 変化 の 中 、 労働 運動 に は 一層 の 緊張 感 と 、 元気 を 取り戻す こと が 求め られて いる 。 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 に 対する コメ の 追加 支援 に 、 日 朝 双方 は 三 日 合意 した 。 食糧 難 に 苦しむ 隣人 へ の 支援 は 当然である 。 しかし 、 日本 政府 の 交渉 と 対応 に は 、 理解 に 苦しむ 点 が 少なく ない 。 北朝鮮 へ の コメ 支援 問題 で 、 なお 納得 し 難い の は 、 支援 した コメ が きちんと 一般 国民 の 手 に 渡って いる か どう か が 不明な 点 である 。 コメ の 配給 方法 と 結果 に ついて の 報告 を 、 なぜ 支援 の 条件 に し なかった の か 。 また 、 日本 国民 の 善意 が 北朝鮮 の 国民 に 伝え られて いる か どう か を 、 問いただした のだろう か 。 今回 の 追加 支援 の 交渉 の 中 で 、 支援 した コメ の 行方 と 一般 国民 へ の 配給 の 結果 に ついて 、 少なくとも 中間 報告 程度 の もの を 求める べきで は なかった か 。 国民 の 税金 で 購入 した もの を 、 購入 価格 より はるかに 低い 価格 で 供給 した のだ から 、 差額 は 国民 の 税金 で 負担 した こと に なる 。 それ なら 、 これ は 事実 上 の 援助 である 。 なのに 、 なぜ 契約 文書 を 国民 に 公表 し ない のだろう か 。 北朝鮮 へ の コメ 支援 は 、 六 月 末 に 三十万 トン の 供給 で 合意 し 輸送 さ れた 。 この 内訳 は 無償 十五万 トン 、 有償 十五万 トン で 、 差額 分 の 約 百八十億 円 は 国民 の 税金 で 負担 さ れた こと に なる 。 そう である 以上 、 透明 度 の 高い 交渉 と 報告 が 求め られる 。 今回 の 交渉 に 関連 して 、 コメ の 支援 が 日 朝 正常 化 交渉 の 再開 に つながる と の 声 が 、 外務 当局 者 や 政治 家 の 間 から 聞か れた 。 だが 、 こうした 発想 は 単純 過ぎ ない か 。 日 朝 正常 化 は 、 日本 の 国家 戦略 と アジア の 国際 関係 を 見極め ながら 、 アジア の 平和 と 安定 の ため に 進め られ なければ なら ない 。 相手 の 準備 が 整って い ない のに 、 日本 側 が いたずらに 「 正常 化 交渉 再開 」 を 叫ぶ 必要 は ある まい 。 日本 は 交渉 を 呼びかける 立場 に ある の か 、 待つ べきな の か を 見極める の は 、 外交 駆け引き の 初歩 である 。 北朝鮮 は これ まで も 、 相手 の 要請 が 強い ほど 、 じらして 環境 を 有利に 整える 巧みな 外交 を 展開 して きた 。 また プライド の 高い 北朝鮮 の 立場 から は 、 コメ の 支援 を 受けた のだ から 日 朝 交渉 再開 に 無 条件 で 応じる と いう わけに は いく まい 。 北朝鮮 は 、 日 朝 正常 化 交渉 再開 の 前提 と して 、 なお 「 三 党 共同 宣言 」 に こだわって いる 。 こうした 北朝鮮 の 立場 へ の 理解 なし に 、 日 朝 交渉 再開 へ の 期待 を いたずらに 公 に す べきで は ある まい 。 北朝鮮 へ の コメ 支援 で は 、 外交 に 直接 責任 を 負わ ない 政治 家 が 仲介 に 立ち 交渉 の 内容 に まで 口 を はさむ 傾向 が み られた 。 外交 は 国家 の 長期 戦略 に 立って 進め られ 、 冷徹な 計算 と 駆け引き を 必要 と する 。 戦略 を 持た ない 政治 家 の 思い付き や 名誉 欲 、 さらに は なんらか の 利権 の ため に 外交 交渉 が 利用 さ れて は かなわない 。 また 対 朝鮮 半島 外交 は 、 直接 日 韓 関係 に 影響 を 及ぼす のだ から 、 韓国 へ の 事前 の 説明 と 緊密な 連絡 を 忘れて は なる まい 。 前回 と 今回 の コメ 支援 合意 で 、 なお 釈然と し ない の は 「 供給 さ れた コメ は 専ら 民生 用 消費 の ため に 適正に 使用 さ れる 」 と の 表現 である 。 これ は 極めて あいまいな 言い回し である 。 軍事 転用 が 可能な 余地 を 残して いる 。 日本 語 の 「 専ら 」 と いう 言葉 が 、 朝鮮 語 に どう 翻訳 さ れた の かも 、 公 に さ れて は い ない 。 戦後 五十 年 を 記念 して 厚生 省 は 「 戦没 者 追悼 平和 祈念 館 」 の 建設 計画 を 進める が 、 この ほど 同 館 ・ 企画 検討 委員 会 は 、 建物 の デザイン の 変更 や 展示 方針 を 決めた 。 建設 地 の 東京 ・ 九 段 の 「 周辺 環境 と 調和 する ように 」 と いう デザイン の 変更 に 異議 は ない が 、 その 中身 に ついて は 疑問 を 感じて なら ない 。 委員 会 メンバー の 歴史 家 ら が 次々 に 辞任 する 中 、 残った メンバー だけ で 方針 を まとめた の も 常道 で は ない 。 展示 事業 は 「 戦没 者 遺族 の 経験 した 戦中 ・ 戦後 の 国民 生活 上 の 労苦 を 伝える 実物 資料 を 収集 ・ 保存 ・ 陳列 する 」 。 資料 収集 も 「 戦中 ・ 戦後 の 国民 生活 の 姿 を 伝える 文献 ・ 図書 や 音響 、 映像 資料 」 と 「 戦争 に 関する 基本 的 図書 及び 独自 資料 」 と する 。 「 国民 生活 」 の 意味 は 、 極めて 限定 さ れ そうだ 。 実物 資料 は 当時 の 台所 用品 、 食料 、 衣服 など 耐乏 生活 を しのぶ もの を 主力 に する 。 文献 ・ 図書 も 国民 の 労苦 を 記録 する 内容 に 絞って 集める と いう 。 一 時 、 同 省 は 、 満州 事変 から 敗戦 に 至る 道 を パノラマ 風 に 展示 する 作業 を 進めた 。 しかし 、 委員 会 メンバー 、 各種 団体 、 学識 者 ら から さまざまな 批判 や 疑問 の 声 が 上がった 。 無理 も ない 。 歴史 の 流れ を いかに とらえ 、 どの 事象 を 取り上げ 、 あるいは 外す か 。 この 作業 自体 が 歴史 観 に かかわる から だ 。 先 の 大戦 は 「 もう 五十 年 」 の 風化 を 恐れる 時期 を 迎え 、 同時に 客観 的な 評価 を 下す に は 「 まだ 五十 年 」 の 歳月 で しか ない 。 それゆえ 私 たち は 提案 した 。 できる かぎり 広範に 資料 を 集めて ほしい 、 と 。 公刊 の 資料 や 映像 を 体系 的に 収集 する の は もちろん 、 史料 価値 の ある 個人 の 体験 記 、 日記 、 写真 類 の 寄贈 も 呼び掛け たい 。 朝鮮 半島 、 中国 から 東南 アジア 、 太平洋 諸島 へ と 広がる 戦地 で 起きた 出来事 を 検証 できる 内外 の 資料 も 不可欠だ 。 豊富な 資料 の 中 から 何 を 選び 、 何 を 学ぶ か 、 は 来館 者 の 自由である 。 「 国民 生活 の 労苦 」 に 絞って 資料 を 収集 できる わけ が ない 。 たまたま 手元 に ある 高校 教科 書 の 短文 さえ 、 こんなふうに 記述 さ れて いる 。 「 戦時 下 の 国民 生活 」 は 、 「 あらゆる 生産 が 軍需 優先 と なり 、 南方 諸 地域 や 大陸 から の 資材 輸入 も 、 戦局 が 不利に なる に つれて ほとんど 不可能に なる 」 。 軍事 や 戦局 を 除いて 戦時 の 生活 は 語れ ない 。 「 一九四三 年 に は 朝鮮 、 一九四五 年 に は 台湾 でも 徴兵 制 が しか れた 。 国民 徴用 令 など に よって 技術 者 、 学生 、 女子 ら も 軍需 工場 に 動員 さ れ 、 さらに 朝鮮 人 の ほか 中国 人 も 強制 連行 さ れ 苛酷な 労働 を 強い られた 」 。 日本 人 の 労苦 だけ を 語り継ぐ わけに は いか ない 。 「 軍 から 時局 に 適さ ない と みなさ れた 人 は 、 転向 する か 筆 を 折る ほか なかった 。 映画 も 戦争 映画 が 優先 的に つくら れ 、 英語 など は 敵性語 と して 日常 の 使用 を 禁じ られ 、 キリスト教 は 弾圧 さ れた 」 。 衣食住 の 労苦 だけ で は なかった 。 歴史 観 に 関する 内容 は 、 政府 が 別に 進める 「 アジア 歴史 資料 センター 」 に まかせる 、 と いう 。 それ を 口実 に して 百二十三億 円 も の 巨費 を 投じる 事業 が 、 歴史 を 矮小 化 したり 、 歴史 を つまみ食い する 内容 であって いい の か 。 新たな メンバー で 、 内容 を より 広く 、 深く する 再 検討 を 強く 望む 。 司法 試験 の 改革 を めぐり 「 試験 の 点数 に ゲタ を 履か せる な 」 の 大 合唱 が 弁護 士 の 間 で 起きて いる 。 合格 者 に ついて 若手 を 優遇 しよう と いう 「 合格 枠 制 」 へ の 移行 が 、 現実 味 を 帯びて いる から だ 。 試験 の 公平 原則 を 曲げる こと に は 賛同 し かねる 。 だが 、 それ 以上 に 改革 論議 が 国民 から 遊離 して いる ように 見える の が 、 甚だ 気 に なる 。 合格 枠 制 を 簡単に 紹介 する と 、 司法 試験 合格 者 の 七 分 の 五 に ついて は 従来 通り 上位 から の 成績 順 で 、 残り 七 分 の 二 は 「 初回 受験 から 三 年 以内 の 少数 回 受験 者 」 を 対象 に 合格 者 を 決める と いう 若手 優遇 である 。 判事 ・ 検事 任官 に は 若手 の 方 が ふさわしく 、 多く を 確保 し たい と いう の が 狙い の ようだ 。 枠 制 は 一九九一 年 に 法律 と して 成立 して いる 。 ただ 、 弁護 士 側 の 抵抗 も 強く 、 留保 条項 が 付け られた 。 十 月 末 発表 の 今年 の 試験 結果 で 「 合格 者 の うち 初回 受験 から 三 年 以内 の 者 が 三〇 % 以上 を …… 占める 」 、 かつ 「 数 年 後 に は 四〇 % 程度 に なる こと …… が 見込ま れる 」 場合 に は 、 回避 する と いう 導入 基準 の 付則 が それ であり 、 実施 が 確定 して いる わけで は ない 。 しかし 、 司法 試験 は 合格 率 三 % の 超 難関 。 従来 、 合格 者 平均 年齢 は 二十八 歳 であり 、 導入 基準 の ハードル は かなり 高い 。 枠 制 を 決めた 時 から 今年 まで を 検証 期間 と して いる が 、 いまだ クリア して い ない 。 今回 も 見通し は 暗く 、 よほど の 抜本 改革 の 代替 案 が 浮上 し ない 限り 、 枠 制 回避 は 難しい と いう の が 今 の 状況 だ 。 枠 制 が 不公平 と いう の は もちろん だ が 、 「 七 分 の 二 」 枠 の 合格 者 が もっぱら 判事 ・ 検事 任官 者 と して 、 エリート 扱い さ れ かね ない 。 法曹 ランク を 官 ・ 民 で 区別 した 戦前 の 制度 へ の 逆戻り も 懸念 さ れる 。 司法 試験 制度 の 在り 方 は 戦後 まもなく から 時々 論議 さ れて きた が 、 本格 的な 改革 実現 に は 至らなかった 。 ところが 、 検事 の 任官 減 が 深刻に なった 九〇 年 ごろ 、 当時 の 検察 首脳 が 「 若手 の 合格 が 少ない から 任官 減 が 続く 。 受験 回数 の 少ない 人 の 点数 に ゲタ を 履か せ たい 」 と 提言 した こと から 、 奇妙な 形 で 進捗 した 。 その うえ 、 改革 論議 は 法曹 界 内 に とどまら なかった 。 最近 、 規制 緩和 の 立場 から 行政 改革 委員 会 が 「 司法 試験 の 倍率 が 高い こと は 、 新規 参入 の ビジネス チャンス で も ある 」 と 、 法曹 人口 の 増員 を 求めた から だ 。 もはや 、 司法 試験 合格 者 の 大幅 増加 は 避け られ ない ところ へ きて いる 。 日本 弁護 士 連合 会 も 枠 制 を 避ける 目的 から 、 大幅 増員 の 抜本 的な 改革 案 を 検討 して いる 。 しかし 、 「 今 でも 過剰であり 、 これ 以上 増えれば 必要 以上 の 競争 が 起きる 」 と いう 反対 論 も 根強く 、 対立 が 続いて いる 。 判事 ・ 検事 に 弁護 士 を 加えた わが国 の 法曹 人口 は 計 一万八千 人 。 全 人口 比 で アメリカ と 比較 する と 、 約 二十二 分 の 一 に とどまる 。 法曹 人 は 単に 多ければ いい と も 言い難い 。 アメリカ の ような 「 訴訟 社会 」 は ご免 だ 。 それ でも 判事 数 に 顕著な ように 、 余りに も 少ない 現状 は 司法 の 機能 不全 に も つながる 。 法曹 人口 の 問題 は 、 司法 の 在り 方 の 将来 像 に 直結 する 。 枠 制 実施 ・ 回避 に 目 を 奪わ れ 、 理念 追求 を 欠いて 増員 、 改革 を 論じる ならば 、 大道 を 外れよう 。 司法 は 言う まで も なく 権利 保障 の とりで だ 。 国民 の ため の 、 国民 参加 の 幅広い 論議 を 求め たい 。 ちょっと 憲法 の お さらい を 。 「 免責 特権 」 と 呼ば れ 「 不 逮捕 特権 」 と 並ぶ 国会 議員 の 地位 保障 であり 、 だからこそ 国会 は 「 言論 の 府 」 な のである 。 この 「 免責 特権 」 に あぐら を かいて いる と しか 思え ない ような 奇妙な 問題 が 明るみ に 出た 。 それ は 田沢 智治 法 相 が 支持 母体 である 宗教 団体 「 立正佼成会 」 から 二億 円 の 融資 を 受けた もの の 、 閣僚 の 資産 公開 の 際 、 報告 して い なかった 問題 に ついて 、 新進党 や 公明 で つくる 参院 会派 「 平成 会 」 の 石井 一二 幹事 長 が 三 日 の 本 会議 で 質問 の 用意 を し ながら 取りやめた と いう 一 件 だ 。 この 経緯 に ついて 一部 マスコミ が 「 田沢 法 相 が 平成 会 の 大久保 直彦 会長 に 新進党 が 反対 して いる 宗教 法人 法 改正 に 自分 自身 も 反対である こと を 伝え 、 質問 を 取り下げる よう 要請 した 」 と 報道 した が 、 法 相 も 平成 会 側 も 「 そうした 取引 まがい の こと は 一切 ない 」 と 否定 して いる 。 しかし 、 大久保 会長 自身 、 この 本 会議 直前 の 平成 会 緊急 役員 会 で 「 味方 を この 段階 で 攻撃 する こと は ないで は ない か 」 と 発言 した こと 自体 は 認めて おり 、 質問 中止 の 裏 取引 疑惑 は むしろ 深まる 気配 すら ある 。 それ に もし 法 相 と 平成 会 の 間 で 直接 的な 裏 取引 が なかった と して も 、 新進党 が 何 人 も 質問 に 立ち ながら 、 だれ一人 臨時 国会 直前 に 明るみ に 出て 大 騒動 に なった 法 相 の 二億 円 融資 に 触れ なかった こと 自体 、 十二分に 奇異な こと で は ない だろう か 。 そもそも 宗教 法人 法 改正 問題 と 法 相 の 資産 公開 に は 何の 脈絡 も ない 。 にもかかわらず 新進党 が 宗教 法人 法 改正 問題 で 田沢 法 相 の 「 造反 」 を 期待 したり 、 あるいは 立正佼成会 と の 「 共闘 」 を にらんで 取引 まがい の 判断 を 固めた のだ と したら 、 こんなに 国民 を ばかに した 話 は ない ので は なかろう か 。 国会 の 攻防 に は 、 当然の こと ながら 駆け引き が つきまとう し 、 一概に それ を 否定 する もの で は ない 。 しかし 、 今回 の ような 「 さじ加減 」 が まかり通る なら 、 臭い モノ に フタ を したり する の は 自由自在 と いう こと に なり かね ない 。 それ で 国民 の 声 を 代弁 、 と いう なら だれ も 国会 論戦 を 信じ なく なる ので は ない か 。 「 免責 特権 」 と は 別の 次元 の こと だ が 、 国会 議員 が 質問 を する 、 し ない の 請託 を 受けて 贈収賄 事件 に 連座 した など の 例 は 、 残念 ながら 存外 多い 。 古く は 決算 委員 会 を 舞台 に 「 マッチ ポンプ 」 の 異名 を とって 自作 自演 の 恐喝 を 繰り広げた 田中 彰治 事件 が あり 、 最近 で は リクルート 事件 、 撚糸 工 連 汚職 も しかり である 。 こんな 贈収賄 事件 を 引き合い に 出す の は 酷で は ない か 、 と 思わ れる かも しれ ない が 、 根っこ は 同じ 問題 な のである 。 憲法 で 「 免責 特権 」 を 与え 、 自由 かっ達な 議論 を 期待 して いる のに 、 それ を もてあそんで いる こと 自体 、 大いに 恥じて もらい たい 。 田沢 法 相 の 更迭 だけ で すまさ れる 問題 で は 到底 ない のである 。 日本 の 血友病 患者 の 四 割 に あたる 約 二千 人 が 主に 一九八〇 年 代 前半 に 米国 から 輸入 した 非 加熱 血液 製剤 で エイズ ・ ウイルス に 感染 した 。 感染 被害 者 の 多く は 小 中学生 だった 。 その 人 たち が エイズ の 発症 で 五 日 に 一 人 の 割合 で 亡くなって いる 。 「 もっと 生き たかった 」 の 言葉 を 残して 。 悲惨な 薬害 エイズ の 被害 者 ら は 八九 年 以降 、 国 と 製薬 会社 五 社 を 相手取り 東京 、 大阪 地裁 に 次々 と 損害 賠償 請求 訴訟 を 起こした 。 一部 は 結審 した が 、 確定 判決 を 待つ と 控訴 ・ 上告 で 裁判 は 長期 化 する 。 もう あまり 余裕 は なく 、 原告 側 は 早期 和解 を 希望 して いた 。 そんな 願い に 応えて 両 地裁 は 六 日 夕 、 原告 、 被告 の 双方 に 和解 勧告 を 行った 。 国 と 製薬 会社 の 怠慢に よる 薬害 エイズ は 提訴 から 六 年 で 解決 に 向けた スタート 点 に 立った 。 和解 案 に よる と 、 被告 側 は 原告 の 損害 を 補てん する 趣旨 の 和解 金 と して 死亡 者 、 エイズ 発症 者 を 含む HIV 感染 者 に 一律に 一 人 当たり 四千五百万 円 を 支払う 。 負担 割合 は 国 が 四 割 、 製薬 会社 が 六 割 と なる 。 これ まで の サリドマイド 、 スモン の 両 薬害 訴訟 の 場合 、 費用 負担 は 国 が 三 分 の 一 、 製薬 会社 が 三 分 の 二 だった 。 裁判 所 が 薬害 エイズ で 国 の 薬 務 行政 の 責任 は より 重い と 判断 した こと に なる 。 原告 ・ 弁護 団 は 「 責任 の 明確 化 と 謝罪 の 盛り込ま れ ない 和解 は 望んで い ない 」 と 主張 して きた 。 和解 案 は 謝罪 に は 触れて い ない が 、 東京 地裁 は 所見 の 中 で 「 被告 ら に は 原告 ら の HIV 感染 に 重大な 責任 が ある と 言わ ざる を 得 ず 、 原告 ら が 被った 物心 両面 に わたる 甚大な 被害 に 深甚な 反省 の 意 が 表さ れて しかる べきである 」 と 強調 した 。 原告 、 被告 と も すぐに 和解 交渉 を 始めて ほしい 。 その 席 で 被告 側 は 被害 者 に 心から 謝罪 し 、 法的 責任 を 明確に した うえ で 被害 者 の 一 日 も 早い 全面 救済 を 図る べきだろう 。 裁判 に 加わって い ない 被害 者 も 同じ 扱い と し 、 被害 者 が エイズ に 感染 した 時期 に かかわら ず 全員 を 救済 の 対象 に す べきだろう 。 エイズ の 治療 体制 の 確立 、 被害 者 や 家族 の 生活 支援 、 差別 解消 など やる べき こと は いっぱい ある 。 被告 側 は 誠意 を 示して ほしい 。 薬害 エイズ を 引き起こした 国 と 製薬 会社 の 責任 は 明白である 。 厚生 省 は 早い 時期 に 非 加熱 製剤 で エイズ に 感染 する こと を 知り ながら 有効な 対策 を 取ら なかった 。 安全な 加熱 製剤 の 承認 も 米国 より 二 年 四 カ月 遅れた 。 製薬 会社 は 加熱 製剤 が 出回った 後 も 非 加熱 製剤 の 在庫 一掃 を 図り 、 感染 者 の 数 を 増やした 。 被告 は スモン 、 サリドマイド など の 薬害 から 何 を 学んだ の か 。 七九 年 の 薬事法 改正 で 国 に 薬害 防止 の 重い 義務 が 課せ られた のに 歯止め に は なら なかった 。 罪 も ない 血友病 患者 たち を 苦しめ 、 多く の 命 を 奪った 後 も 被告 は 責任 逃れ に 終始 した 。 日本 は 加熱 製剤 の 承認 で 旧 西独 、 カナダ 、 フランス 、 英国 より 後れ を 取った ばかり か 、 被害 者 へ の 謝罪 、 補償 も 遅れて いる 。 日本 の 薬 務 行政 の 構造 的な 欠陥 で は ない の か 。 同じ 過ち を 二度と 繰り返して は なら ない 。 国 や 製薬 会社 は 被害 者 救済 の 一方 で 薬害 エイズ の 全容 を 明らかに し 、 薬害 と 無縁な 社会 を 築く 教訓 と して ほしい 。 薬害 エイズ へ の 取り組み は 厚生 省 だけ に 任せ ず に 政府 全体 の 課題 と す べきだろう 。 私 たち は 日常 的に 大量の エネルギー を 消費 して いる 。 経済 成長 は エネルギー 利用 と 密接に 関係 する 。 ところが 、 エネルギー源 の 大半 を 占める 石油 ・ 石炭 など の 化石 燃料 は 有限だ し 、 その 燃焼 は 地球 温暖 化 や 酸性 雨 など を もたらして いる 。 何らか の 手 を 打た ない と 、 化石 燃料 は 枯渇 し 、 地球 環境 は 取り返し の つか ない 状態 に なる 。 だが 、 途上 国 は 飛躍 的な 経済 成長 を 目指し 、 人口 増加 に も 歯止め が かから ない 。 こんな 流れ の 中 で 世界 エネルギー 会議 第 十六 回 東京 大会 が 、 八 日 から 十三 日 まで 千葉 市 の 幕張 メッセ で 開か れる 。 民間 国際 組織 の 同 会議 に は 約 百 カ国 が 加盟 して おり 、 内外 から 約 五千 人 の 参加 者 が 見込ま れる 。 東京 大会 は 「 エネルギー と 人類 の 未来 ― われわれ は 何 を 求め られて いる か 」 を テーマ に 掲げた 。 エネルギー問題 を 世界 的 、 長期 的な 視点 で とらえ 、 問題 提起 に 終わら せ ず 行動 に 結び付く 議論 を する と いう 。 地球 環境 問題 は 深刻 化 して いる 。 三 年 前 の 地球 サミット を 契機 に 、 先進 国 は 温暖 化 を もたらす 二 酸化 炭素 など の 温室 効果 ガス の 排出 量 を 二〇〇〇 年 まで に 一九九〇 年 の レベル に 戻す こと で 合意 した が 、 目標 達成 は ほとんど 不可能に なって いる 。 排出 の 前 に 二 酸化 炭素 を 固定 化 して しまう 技術 の 開発 も 進ま ない 。 今後 、 中国 など アジア の 経済 が 高度 成長 すれば 、 エネルギー 消費 が 増え 、 状況 は 一層 ひどく なる 。 石油 代替 エネルギー と して 、 また 二 酸化 炭素 の 排出 量 の 少ない エネルギー と して 原子 力 を 推奨 する 声 が ある 。 だが 、 原子 力 は 大 事故 が 怖い 。 高 レベル 放射 性 廃棄 物 の 処理 処分 と いう 問題 の 解決 も つか ない 。 日本 で は 原発 の 新規 立地 は 難しく 、 世界 的に も 原発 に 逆風 が 吹いて いる 。 化石 燃料 依存 が 続く こと に よる 資源 の 枯渇 と 環境 の 悪化 と いう 重大な 危機 が すぐ そこ まで 迫って いる と いう 認識 こそ が 大切だろう 。 日本 で は 産業 部門 の エネルギー 消費 は 減って いる のに 、 個人 の 消費 は 増え 続けて いる 。 近い ところ に も 車 で 行って 二 酸化 炭素 を 出して いる こと など を 考えれば 、 住民 は 今や 加害 者 の 立場 に も ある 。 ライフ スタイル を 全面 的に 見直して 無駄な エネルギー を 使わ ない ように 徹底 し たい 。 もちろん 個人 の 努力 だけ で は 限界 が ある 。 政府 や 民間 企業 が 協力 して 省エネ の 技術 開発 や 、 太陽 光 発電 、 風力 、 地熱 など の 新エネルギー 開発 に 一段 と 力 を 入れる 必要 が ある 。 石油 、 天然ガス に 比べて 豊富な 石炭 を 効率 的に 利用 する 技術 の 開発 も 進め たい 。 日本 の 脱硫 技術 を はじめ と した エネルギー 利用 技術 は 世界 の 先端 を いって おり 、 中国 など へ の 技術 移転 を 積極 的に 行う べきだ 。 資源 小国 ・ 日本 が エネルギー 分野 で 国際 貢献 して いく 姿勢 は 欠かせ ない 。 今回 の 東京 大会 で は 最終 日 に 結論 と 勧告 が 発表 さ れる 。 参加 者 たち は 世界 が 協力 して エネルギー と 環境 問題 に 対処 する 必要 が ある と 認識 し 、 具体 的 行動 を 起こして ほしい 。 東京 大会 の 一環 と して 各国 の 若者 が エネルギー問題 を 話し合う シンポジウム も 開か れる 。 次代 を 担う 若者 の 建設 的な 提案 を 期待 し たい 。 現代 文明 は 大量 生産 、 大量 消費 、 大量 廃棄 と いう 社会 システム の うえ に 成り立って いる 。 そこ に 今 、 疑問 の 目 が 向け られ 、 二十一 世紀 を 前 に 国民 の 意識 改革 が 迫ら れて いる 。 税金 を めぐって 腹 の 立つ こと が 多い 。 私 たち が 支払った 消費 税 を 、 企業 や 商店 主 が 期限 が きて も 税務 署 に 納め ない 滞納 の 横行 も その 一 つ だ 。 事実 上 、 預かった 税金 の 「 流用 」 「 着服 」 である 。 国税 庁 が この ほど まとめた 一九九四 年度 の 滞納 状況 に よる と 、 今年 三 月 末 現在 で 納め られて い ない 消費 税 の 累計 は 三千億 円 を 超えた 。 九七 年 四 月 から 税率 は 三 % から 五 % に 引き上げ られる 。 このまま で は 額 は さらに 巨大に なる だろう 。 国税 庁 と 大蔵 省 に 徴収 、 制度 の 両面 から 改善 策 を 早急に 立てる こと を 求め たい 。 九四 年度 に 国 へ 入る はずの 税金 は 五十三兆三千六百七十億 円 。 この うち 滞納 は 一兆五千九百七十一億 円 だった 。 この 滞納 は 納付 期限 後 で は ある が 、 年度 内 に 納め られる 分 も かなり ある 。 それ でも 未納 の もの は 、 「 整理 継続 」 の ため 翌年 度 に 持ち越さ れる 。 焦げ付き が 確実 と なった 分 は 「 徴収 不能 見込み 」 と して 処理 さ れて いる 。 新規 発生 は 九二 年度 を ピーク に 減少 して いる 。 しかし 、 累計 の 「 整理 継続 」 は 「 徴収 不能 」 を 含め 増え 続けて おり 、 これ まで 最高の 二兆四千九百八十億 円 に 達して いる 。 景気 が なかなか 回復 し ない 時 だけ に 、 滞納 者 に も 言い たい こと が ある だろう 。 「 資金 繰り に 精いっぱい で 、 税金 を 払い たくて も 払え ない 」 。 そんな 声 も 聞こえて き そうだ 。 しかし 消費 税 の 滞納 は 、 まるで 事情 が 違う 。 それ は 、 いわば 消費 者 から 預かった カネ である 。 国税 庁 に よる と 、 消費 税 の 新規 発生 の 滞納 は 四千三百六十九億 円 で 、 累計 の 「 継続 整理 」 は 前 年度 より 二 割 増えて 三千三百五十九億 円 と なって いる 。 消費 税 が 導入 さ れた 八九 年度 に 比べ 二十 倍 を 超える 額 だ 。 気 に なる 数字 は 、 もっと ある 。 新規 発生 を 税目 別 に 見る と 、 消費 税 が 最も 多く 、 全体 の 四 分 の 一 以上 を 占めて いる 。 さらに 、 最も 低く なければ なら ない はずの 滞納 の 発生 割合 も 五・九 % と 平均 の ほぼ 二 倍 だ 。 それでは 、 どう すれば 滞納 を 減らす こと が できる のだろう か 。 まず 思いつく の は 、 業者 の 手元 に 消費 税 を 置いて おく 期間 を 短く する ため に 、 納付 回数 を 増加 さ せる こと だろう 。 大蔵 省 も 税制 改正 で 、 消費 税 が 年額 五百万 円 を 超える 事業 者 に ついて は 九一 年 十 月 から 、 納付 回数 を 年 二 回 から 四 回 に 増やした 。 さらに 税率 の 引き上げ と 同時に 、 対象 事業 者 を 広げる こと に して いる 。 実は 滞納 が 急増 した の は 納付 回数 を 増やして から である 。 もちろん バブル の 崩壊 に よる 不況 の 影響 も 見逃せ ない が 、 現場 の 税務 署 は 「 理由 は 分から ない が 、 回数 増 も 滞納 増加 に 影響 して いる ので は 」 と いう 。 どうも 計算 通り に は いか ない ようだ 。 一 つ 提案 し たい 。 公共 工事 を 受注 する 業者 は ランク 付け の ため 、 国 や 自治 体 の 経営 事項 審査 を 受ける が 、 参考 資料 と して 法人 税 の 納税 証明 書 を 提出 する 。 その 際 、 併せて 消費 税 の 納税 証明 書 を 求めて は どう だろう か 。 同様の もの が ほか に も あり 、 これ が 広がれば 、 滞納 減 に かなり の 効果 が ある ので は ない か 。 消費 税 は 今後 、 ますます 重要 と なる 財源 で も ある 。 「 流用 」 「 着服 」 を ストップ する ため に 知恵 を 出して ほしい 。 来年 の 七 月 二十 日 から 関係 者 が こぞって 待ち望んで いた 国民 の 祝日 「 海 の 日 」 が 始まる 。 日本 は 世界 でも 極めて 珍しい 「 海 を 祝日 」 に する と いう 国 に なった 。 太古 の 昔 から 、 四方 を 海 に 囲ま れた 日本 人 が 、 海 から 受け取って きた 恵み は 計り知れない もの が ある 。 その 海 の 資源 を 大切に して 、 環境 を 守って いく こと こそ 、 後代 へ の 私 たち の 義務 と 責任 であろう 。 こうした 明るい 話題 の 半面 で 、 実は 暗い 事態 が 進行 して いる 。 日本 の 海運 産業 が 相次ぐ 円高 で 空洞 化 どころ か 、 「 真空 化 」 一 歩 手前 と いう 危機 に 直面 して いる ことだ 。 日本 の 海運 会社 が 運航 して いる 外航 貨物 船 は およそ 二千 隻 である 。 日本 に 発着 する 海上 輸送 の 貨物 量 は 年間 八億三千万 トン だ が 、 その 八〇 % は 、 この 日本 商船 隊 が 運んで いる 。 だが 、 「 日の丸 」 を 掲げる 日本 籍 船 は 一 割 強 の 二百二十五 隻 だ 。 それ でも 、 八五 年 の プラザ合意 前 に は 千二十八 隻 だった が 、 急激な 円高 で 日本 籍 船 が 十 年 前 に 比べ 約 四 分 の 一 まで 激減 した のである 。 無論 、 日本 人 の 外航 船員 も 三万 人 から 、 一万 人 を 割った 。 日本 船籍 が 減少 した 理由 は 、 運航 コスト や 保有 コスト が 高い から だ 。 アジア 人 船員 に 比べ 、 日本 人 船員 の 人件 費 は 年間 一千万 円 高い と いわ れる 。 この ため 海運 会社 は 、 外国 に 籍 を 移したり 、 外国 の 船 を 借りる 。 また 保有 コスト で は 、 税制 面 で 国際 水準 に 比べて 非常に 高い こと も 、 日本 籍 船 が 激減 して いる 理由 に なって いる 。 こうした 実態 から 、 今年 の 「 海運 白書 」 で は 「 このまま 推移 すれば 、 二〇〇〇 年 に は 日本 籍 船 は 百 隻 を 割り 、 日本 人 船員 は 四千 人 を 下回る 可能 性 が 大きい 」 と まで 予測 した 。 これ を 「 危機 」 と 受け止める か 、 あるいは 「 市場 原理 」 に 基づく 当然の 帰結 と 考える か 、 意見 は 分かれる ところ だろう 。 だが 、 私 たち は 資源 加工 型 の 貿易 立国 たる 日本 と して 、 外国 籍 船 ばかり に 頼る ので は 、 安定 的 海上 輸送 に 支障 を 来す 場合 が ある と 考えて いる 。 国際 紛争 、 天災 など 、 緊急 事態 が 起きた 場合 に 、 日本 政府 が 素早く 対応 する に は 、 一定 の 日本 籍 船 の 存在 が 必要 と なろう 。 海運 関係 者 が さらに 懸念 する の は 日本 人 船員 が 減って いく と 、 海上 航海 技術 を 後代 に 伝える こと が でき なく なる ことだ 。 海運 ニッポン と して は 寂しい 。 運輸 省 は こうした 状況 へ の 対応 策 と して 「 国際 船舶 制度 」 を 打ち出す こと に なった 。 パナマ や リベリア に 船籍 が 流出 し ない よう 、 日本 籍 船 の コスト を 引き下げる ため の 助成 策 だ 。 船 の 固定 資産 税 、 登録 免許 税 の 軽減 や 日本 人 船員 の 雇用 確保 の ため の 助成 が 柱 と なって いる 。 今さら 海運 業 へ の 助成 は 時代 に 逆行 する で は ない か 、 と の 見方 も ある が 必ずしも そう と は 言え ない 。 欧州 で は 既に こうした 「 真空 化 」 に 対応 する ため 、 特別 税制 の 適用 など 、 保護 政策 を 打ち出して いる 国 が 多い 。 そう し なければ 国家 と して 安定 輸送 に 責任 を 持て ない から だ 。 貿易 依存 度 の 高い 日本 であれば なおのこと 、 欧州 並み の 支援 は 必要で は ない か 。 しかし 、 支援 する 以上 、 災害 や 有事 の 際 の 「 航海 命令 制度 」 は 、 安全 や 補償 面 を 含めて 、 明確に 規定 す べき と 思う 。 殺人 罪 など で 麻原 彰晃 被告 が 起訴 さ れた あと 、 オウム 真理 教団 を 取り仕切って きた 上祐 史浩 容疑 者 が 先週 末 、 偽証 指示 の 疑い で 警視 庁 に 逮捕 さ れた 。 宗教 法人 法 に 基づく オウム 真理 教団 解散 命令 請求 に 関して 、 審理 の 最終 段階 である 審問 も 先週 開か れた 。 東京 地検 と 東京 都 は 、 解散 命令 を 出す よう 東京 地裁 に 六 月 末 請求 して いた 。 速やかな 決定 が 望ま れる 。 この 状況 下 で 、 オウム 教団 に 対する 破壊 活動 防止 法 適用 の 是非 が 、 浮き つ 沈み つ 論議 さ れて いる 。 宗教 法人 法 改定 に 反対 する 新進党 が 、 破防法 を 適用 する よう 主張 して いる 。 宗教 法人 法 改定 を 目指す 自民党 内 の 一部 に も 、 破防法 適用 論 が ある 。 教団 員 が まれに みる 非道な 犯罪 に より 起訴 さ れた だけ で ない 。 宗教 法人 法 に 基づく 解散 命令 が 出て も 、 その後 の 訴訟 手続き で 確定 に 長 時間 を 要し かね ない 。 さらに 、 宗教 法人 と して は 登記 して い ない 教団 施設 を も 破防法 で 押さえよう 、 と する 意見 だ 。 では 、 破防法 と は どんな 法律 か 。 核心 は 暴力 主義 的 破壊 活動 を 行った 団体 を 、 団体 ごと 規制 できる 点 である 。 特に 、 将来 の 継続 的な 暴力 主義 的 破壊 活動 の 恐れ を ぬぐえ ない と 認定 さ れれば 団体 を 解散 さ せ られる 。 解散 指定 は 公安 調査 庁 長官 の 請求 を 受け 公安 審査 委員 会 が 決める 。 法 は 公安 審査 委員 会 で 請求 を 却下 、 棄却 する 場合 も 想定 して いる 。 だが 、 破防法 に よる 団体 規制 は 一九五二 年 施行 後 、 一 度 も 適用 さ れて い ない 。 それ だけ 国民 の 基本 的 人権 を 侵す 恐れ が ある と 認識 さ れて きた 。 法 自体 が この こと を 明確に して いる 。 「 この 法律 は 、 国民 の 基本 的 人権 に 重大な 関係 を 有する もの である から 、 公共 の 安全 の 確保 の ため に 必要な 最小 限度 に おいて のみ 適用 」 と 第 一 章 総則 第 二 条 に 早くも 記す 。 破防法 成立 を めぐって は 国論 が 二 分 した 。 従って こうした 歯止め が 明記 さ れた 。 だが 、 発動 さ れれば 、 法 の 実効 力 は 極めて 強い 。 公安 調査 庁 は オウム 教団 の 将来 に わたる 暴力 主義 的 破壊 活動 の 恐れ を 、 公安 審査 委員 会 で 立証 できる と して 、 この 法 の 発動 に 動いて いる 。 一 時 、 公安 調査 ・ 法務 当局 の 判断 に まかせる と した 村山 富市 首相 も 、 社会党 など の 慎重 論 を 背景 に 、 適用 に 積極 的 姿勢 を とって い ない 。 まことに 慎重な 態度 が 必要だ 。 自ら の 都合 の ため に 平然と 殺人 を 犯した 罪 など で 、 多数 の 教団 員 が 起訴 さ れた オウム 教団 。 ここ へ の 適用 だけ なら 、 と 思う 人 は 多い 。 慄然と する 犯行 態様 も 、 公判 で さらに 明かさ れる だろう 。 この 教団 を 早く 根絶やし に し たい 、 と 思う 国民 感情 は 強い 。 しかし 、 施行 後 四十 年間 以上 、 その 間 に も 数多い 破壊 活動 が あった 。 それ でも 主に 刑法 で 追い詰めた 。 そこ に は 、 法 自体 が 歯止め を かけた ように 、 理由 が あった はずだ 。 団体 の 息 の 根 を 丸ごと 止める の は 、 証拠 に より 一 つ ひとつ の 犯罪 に 立ち向かう より 容易だろう 。 それだけに 一 度 適用 して しまえば 政治 、 社会 状況 の 変化 に よって は 、 非道な 宗教 教団 以外 に も 適用 し たく なら ない か 。 基本 的 人権 に 深く かかわる 法 の 発動 に は 慎重 すぎて いい 。 オウム 教団 は 幹部 の 大半 が 逮捕 、 起訴 さ れた 。 宗教 法人 法 に 基づく 解散 請求 審理 の 最終 手続き である 審問 も 行わ れた 。 現 段階 で 破防法 適用 の 必要 性 は 薄い と 考える 。 ワシントン で 開か れた 先進 七 カ国 蔵 相 ・ 中央 銀行 総裁 会議 は 、 今年 四 月 の G 7 で 合意 した 為替 相場 の 「 秩序 ある 反転 」 を 歓迎 し 、 ドル高 の トレンド を 継続 さ せる 協調 行動 を とる こと で 一致 した 。 円高 が 長期 不況 に 追い打ち を かけて いた 日本 と して は 、 満足 す べき 共同 声明 であろう 。 為替 相場 に ついて 米 独 は 、 「 ドル高 は 米 経済 に とり 有益 」 、 「 ドイツ は 強い ドル に 関心 が ある 」 と 語り 、 円安 を 目指す 日本 と 利害 が 一致 した 。 この 背景 に は 、 景気 の スローダウン から 、 ドル高 に よって インフレ を 抑え つつ 利下げ を 模索 する 米国 と 、 マルク が 他の 欧州 通貨 に 対して 高く なり 、 輸入 増 に 苦しむ ドイツ と いう 国 内 事情 が ある 。 しかし 、 「 ドル高 継続 で 協調 」 と いって も 、 言葉 だけ の 合意 に 終わって は なら ない 。 市場 は 、 G 7 各国 が 通貨 安定 化 の ため に 実際 に 行動 する か どう か を じっと 見詰めて おり 、 有言 不 実行 に は 直ちに 投機 のあらし が 見舞う から だ 。 従って 、 日本 は 金融 システム 不安 の 解消 を 急ぎ 、 解決 の プロセス も 内外 に 分かり やすい もの に し なければ なら ない 。 この 点 で 、 最近 の 大和 銀行 の 米 子会社 不正 取引 問題 へ の 対応 は 、 行政 と 銀行 関係 者 と の 意識 が まだまだ 秘密 重視 に ある こと を うかがわ せて 残念である 。 さらに 、 内需 拡大 ・ 不況 脱出 が 金融 システム 不安 解消 の ため に も 急務 である 。 公定 歩合 〇・五 % へ の 引き下げ 、 総 事業 費 十四兆 円 の 新 経済 対策 に よって 「 背水 の 陣 」 を 敷いた うえ は 、 思い切った 規制 緩和 や 税制 措置 など を 総 動員 して 市場 経済 の 活性 化 を 図る べきだ 。 また 、 米国 も ドル高 を 着実な もの に する ため 、 財政 赤字 の 縮減 が 望ま れる 。 米 政府 が 財政 再建 の 手 を 緩めれば 、 再び ドル 不安 の 危険 が ある 。 欧州 も 、 通貨 統一 を 前 に した 域 内 通貨 の 動揺 を 早く 静める 必要 が ある 。 今回 の G 7 は 、 各国 が 互いに 批判 し 合う こと を やめ 、 足並み の 一致 を 強調 する ため 共同 声明 まで 発表 した 。 日本 の 金融 システム 不安 と いう 「 腫れ物 」 に うかつに 触れば 、 それ が 投機 を 刺激 し 、 「 日本 発 の 金融 恐慌 」 と なって 破裂 し かね ない と の 配慮 が あった ため だろう 。 その 意味 で 、 日本 に 課せ られた 金融 健全 化 の 宿題 は 重く 、 残さ れた 時間 は 少ない 。 G 7 で は 日 米 欧 の 経済 点検 に 加え 、 日本 の 金融 システム 不安 に 関心 が 集まった 。 米 欧 は 、 金融 機関 が 四十兆 円 も の 不良 債権 を 抱え ながら 、 密室 協議 で 処理 を 進める 大蔵 省 ・ 日銀 に 対する 根強い 不信 感 を 持って いる 。 秘密 主義 は 憶測 を 呼び 、 投機 を 招き やすい 。 その ため G 7 で 、 武村 正義 蔵 相 は 不良 債権 問題 を 説明 し 、 住宅 専門 金融 会社 問題 の 年 内 決着 を 明言 し なければ なら なかった 。 だが 、 G 7 で の 釈明 だけ で 、 米 欧 の 対 日 不信 が 払しょく さ れた わけで は ない 。 特に 大和 銀行 事件 が 拡大 し 、 G 7 前後 から 大和 銀 の 偽装 工作 や 「 損失 飛ばし 」 、 大蔵 省 が 八 月 に 事件 の 報告 を 受け ながら 米 当局 へ の 連絡 を 九 月 まで 遅延 さ せた 疑い も 出て 、 米 欧 の 対 日 警戒 感 は 深まった 。 この ため 、 邦 銀 の 海外 資金 調達 の 際 の 上乗せ 金利 が 拡大 し 、 これ が 国 内 金利 の 上昇 圧力 と なって 、 G 7 の ドル 反転 努力 に 水 を 差し かね ない 。 大和銀 トップ の 辞任 は 当然である 。 あきれて もの が 言え ない と は 、 こういう こと を 指す のだろう か 。 大和 銀行 ニューヨーク 支店 の 不正 取引 に よる 千百億 円 の 巨額 損失 も さること ながら 、 大和 銀 が 組織 ぐるみ で 偽装 工作 を 行い 、 大蔵 省 が 事件 報告 を 受け ながら 米国 監督 当局 へ の 通報 を 四十 日 も 放置 して いた 。 さらに 大和銀 の 米 信託 子会社 が 一九八七 年 に 米国 債 の 簿 外 取引 で 九千七百万 ドル の 損失 を 出し ながら 、 日 米 当局 へ の 報告 を 怠った 。 事件 報告 を 受けた 直後 の 大蔵 省 の 事情 聴取 も 、 大和銀 施設 で 食事 、 ビール 付き で 行わ れた と いう 。 大蔵 省 は 大和銀 に 対して 、 近く 業務 改善 命令 を 出す と いう 。 業務 改善 命令 は 銀行 法 に 基づく 行政 処分 であり 、 都市 銀行 に 発令 する の は 初めて の こと と なる 。 一連の 不正 事件 に 照らせば 当然である が 、 大蔵 省 に ついて も 、 国民 は 「 業務 改善 命令 」 を 出し たい ところ だ 。 金融 行政 こそ 改革 さ れる べきである 。 金融 の 自由 化 ・ 国際 化 が 本格 化 して 十 年 が 経過 した 。 急 拡大 した 海外 業務 、 デリバティブ など 金融 取引 の 高度 化 ・ 瞬時 化 に 対して 、 護送 船団 方式 や 官民 癒着 行政 に 慣れた 大蔵 省 銀行 局 幹部 や 銀行 界 の トップ は 、 もともと 十分な 対応 能力 が なかった 。 ところが 、 大蔵 省 や 金融 界 の これ まで の ディスクロージャー や リスク 管理 の 改善 の 歩み は のろかった 。 それ が 八〇 年 代 以降 、 何度 も 金融 不祥事 が 繰り返さ れた 原因 である 。 一 番 いけない の は 、 大蔵 省 ・ 日銀 や 金融 界 に 染み込んで いる 秘密 主義 だ 。 口 で は 自由 競争 を 唱え ながら 、 市場 と 市民 を 信頼 し ない 密室 行政 が 貫か れて いる 。 この ため 、 米 欧 当局 が 「 大蔵 省 も 銀行 も 情報 を 迅速に 開示 しよう と し ない 」 と 批判 する の も 、 当然である 。 怠慢 行政 も ひどい 。 中島 義雄 ・ 元 主計 局 次長 の 株 取引 、 田谷 広明 ・ 前 東京 税関 長 の 乱脈 交際 が 問題 と さ れた 際 に 、 大蔵 省 は 綱紀 粛正 を 約束 した はずだ 。 だが 、 それ も 口先 ばかり の こと だった ようだ 。 大和銀 事件 で 長 期間 、 何ら 積極 的な 対策 を 打た なかった こと は 、 内外 の 金融 システム に 与える 打撃 に 対する 危機 意識 の 欠如 の 表れ である 。 大和銀 が 七 月 に 巨額 損失 を 知り ながら 、 その 二 日 後 に 配当 が 普通の 株 より も 優先 的に 受け取れる 優先 株式 五千万 株 の 発行 を 強行 した の も 、 市場 を 欺く もの である 。 即刻 事実 を 発表 し 「 それ でも 優先 株 を 引き受けて くれる か 」 と 機関 投資 家 を 回る の が 、 資本 市場 の ルール である はずだ 。 ところが 篠沢 恭助 ・ 大蔵 事務 次官 は 「 証券 取引 法 の 手続き 上 、 問題 は ない と 聞いて いる 」 と 、 大和銀 擁護 の 発言 を して いる 。 大和銀 は 予想 利益 の 三〇 % 以上 の 変動 が 発生 する 場合 は 、 直ちに 情報 開示 を 行う と いう 証券 取引 所 の ルール も 無視 した 。 この 間 、 何も 知ら さ れ ず 大和銀 株 を 売買 した 一般 投資 家 こそ 、 いい 面 の 皮 だ 。 これ で は 投資 家 も 安心 して 株 取引 が でき ない 。 大蔵 省 の 株価 維持 政策 も 、 水漏れ する ばかりだ 。 また 武村 正義 蔵 相 も 一連の 秘密 協議 で は カヤ の 外 だった ようで 、 大蔵 官僚 へ の 統御 能力 を 疑わ れる 。 日 米 両 国 は 、 来月 中旬 の クリントン 米 大統領 来 日 時 に 、 冷戦 後 も 安保 条約 は アジア 太平洋 地域 の 平和 と 安定 に 不可欠 と の 意義 を 再 確認 する 。 しかし 、 沖縄 県 で 起きた 米 兵 に よる 女児 暴行 事件 は 、 日 米 地位 協定 の 改善 問題 だけ で なく 、 日 米 安保 体制 の 根幹 を 揺るがし かね ない ような 課題 が 噴出 する 事態 に 発展 して しまった 。 事件 以降 、 日本 政府 の 対応 が 後手 に 回った ため で 、 現在 も 有効な 手 を 打て ない 状態 が 続いて いる 。 政府 は 、 容疑 者 の 身柄 は 起訴 まで は 日本 側 に 引き渡さ れ ない こと を 決めて いる 地位 協定 の 改善 問題 で 、 最初に つまずいた 。 政府 は 当初 、 この 規定 を 含め 一切 、 地位 協定 を 見直す 考え は ない と の 姿勢 を とった 。 この 問題 が 発展 すれば 、 安保 条約 の 土台 に ひび が 入り かね ない と 警戒 した ため の ようだ が 、 これ に 沖縄 県民 は 強く 反発 した 。 重視 す べき こと は 、 地位 協定 問題 は 沖縄 県民 の 怒り の 一 つ で しか なかった と いう ことだ 。 それ を 如実に 示した の が 、 大田 昌秀 県 知事 の 「 代理 署名 拒否 」 である 。 代理 署名 と は 、 米軍 が 使う 土地 を 日本 政府 が 強制 使用 する ため の 手続き と して 、 土地 調書 に 知事 が 国 に 代わって 署名 する もの だ 。 しかし 大田 知事 は 、 今 の まま の 状態 で 安保 条約 が 再 確認 さ れれば 、 沖縄 の 基地 は 強化 さ れる ばかり か 、 二十一 世紀 まで 固定 化 さ れ かね ない と して 、 署名 を 拒否 した 。 地元 に は 、 暴行 事件 を よそ事 の ように 受け止めた 本土 の 政治 家 に 対する 怒り の 表現 が 知事 の 署名 拒否 だ と の 解説 も ある 。 二十一 日 に は 沖縄 で 参加 者 五万 人 と も いわ れる 大規模な 抗議 集会 が 予定 さ れて いる 。 県民 の 多く が 知事 の 署名 拒否 を 支持 して いる の も 、 暴行 事件 の 根源 である 基地 へ の 怒り 、 痛み が 背景 に ある から だろう 。 慌てた 政府 は 対応 策 作り を 急ぎ 、 今月 下旬 に 村山 富市 首相 は 衛藤 征士郎 防衛 庁 長官 を 沖縄 に 派遣 する 一方 、 米軍 基地 の 整理 ・ 縮小 の 方針 を 日 米 首脳 会談 後 の 共同 声明 に 盛り込む 方針 を 打ち出して いる 。 完全 失業 率 が 全国 平均 の 二 倍 近い 五・六 % と いう 苦境 に 直面 して いる 沖縄 経済 を 立て直す ため 、 総合 経済 振興 対策 を 打ち出す と の 構想 も 政府 内 で 検討 さ れて いる 。 しかし 、 肝心の 基地 の 整理 ・ 縮小 は 、 一九九〇 年 に 両 国 で 合意 済み の 十 事案 だけ で なく 、 今年 五 月 に 合意 した 那覇 軍港 や 県道 104 号 越え 実弾 砲撃 演習 の 移転 など の 三 事案 も 未解決の まま である 。 そんな 中 で 、 共同 声明 に 努力 目標 と して 基地 の 整理 ・ 縮小 を 織り込んだり 、 防衛 庁 長官 を 派遣 し 、 経済 対策 を まとめたり する だけ で 県民 は 納得 する だろう か 。 すでに 県 側 は 条件 闘争 を して いる わけで は ない と 反発 して いる 。 いま 日 米 両 国 に 必要な こと は 、 基地 問題 解決 に 向け 、 県民 の 意見 を もっと よく 聞いた うえ で 短 ・ 中 長期 の 対策 を パッケージ に して 県民 に 提示 する こと で は ない だろう か 。 その 場合 、 短期 的な 措置 と して は 、 合意 済み の 十三 事案 に ついて 目 に 見える 形 の 整理 ・ 縮小 計画 を 真っ先 に 示す べきだ 。 運用 を 手直し する 方向 と なって いる 地位 協定 の 改善 問題 も 、 これ に 該当 する 。 中 長期 的に は 、 地位 協定 の 全体 の 枠組み の 改定 、 現在 三万 人 駐留 して いる 沖縄 の 米軍 の 配備 や 編成 の 見直し など も 検討 す べきだろう 。 「 国籍 で 戦後 補償 を 差別 する の は 憲法 と 国際 人権 規約 に 違反 する 疑い が ある 」 と いう 大阪 地裁 の 判決 が 大きな 波紋 を 広げて いる 。 鄭 商根 さん は 、 七十三 歳 の 在 日 韓国 人 である 。 太平洋 戦争 の さなか に 旧 日本 海軍 の 軍属 に 徴用 さ れ 、 南 太平洋 の マーシャル諸島 で 作業 中 に 爆撃 を 受けて 右腕 を なくした 。 日本 人 と して の 戦争 に よる 公傷 だ が 、 サンフランシスコ 平和 条約 の 発効 で 、 日本 国籍 を 失った ため 、 障害 年金 は 支給 さ れて い ない 。 「 戦傷 病者 戦没 者 遺族 等 援護 法 」 に 外国 人 を 対象 外 と する 国籍 ・ 戸籍 条項 が ある から だ 。 この 条項 は 、 憲法 一四 条 に 違反 する 、 と 鄭 さん ら が 年金 支給 を 求めて いた が 、 十一 日 の 大阪 地裁 は 、 この 訴え を 棄却 した 。 同じ ケース で 争った 昨年 七 月 の 東京 地裁 判決 に 続く 敗訴 である 。 外国 籍 の 元 軍人 ・ 軍属 に 対する 司法 救済 の 限界 を 示した もの で 、 鄭 さん が 「 判決 を 聞いて 力 が 抜けた 」 と 落胆 した 心情 は 理解 できる 。 しかし 、 判決 理由 の 中 で 「 在 日 韓国 人 に 対し 、 何の 補償 も せ ず 、 重大な 差別 を 生じ させて いる の は 、 違憲 の 疑い が ある 」 と 明確に 判示 した 点 を 重視 し たい 。 「 戦後 補償 や 救済 は 、 日本 国民 の 税金 で 賄わ れる 。 在 日 韓国 人 に まで 年金 を 支給 する 必要 は ない 」 と 考える 人 も あろう 。 だが 、 鄭 さん たち は 自分 の 意思 と は 関係なく 戦場 に 駆り出さ れ 、 日本 に 生活 基盤 を 持ち 、 税金 も 納めて いる 。 韓国 の 元 軍人 ・ 軍属 の 補償 に ついて 政府 は 、 日 韓 請求 権 協定 で 「 完全 かつ 最終 的に 解決 さ れた 」 と して いる 。 一方 で 、 韓国 の 国 内 法 も 在 日 韓国 人 を 補償 の 対象 に して い ない 。 鄭 さん たち は 日本 から も 、 韓国 から も 補償 を 受け られ ない 「 法 の 谷間 」 に 置か れて いる のだ 。 では 、 どう したら いい の か 。 判決 理由 は 続ける 。 「 援護 の 程度 、 内容 の 決定 は 立法 府 の 政治 的な 裁量 に ゆだね られる 」 「 国籍 条項 の 廃止 に よる の か 、 他の 立法 に よる の か 、 立法 府 の 決定 を 待た ざる を 得 ない 」 違憲 状態 の 解消 は 、 立法 の 責任 だ と 言って いる のである 。 昨年 の 東京 地裁 判決 も 在 日 韓国 人 が 「 法 の 谷間 」 に ある の は 、 立法 府 が なす べき こと を して い ない 「 立法 不 作為 の 状態 」 だ と 指摘 して いる 。 司法 の 批判 に 、 今度 こそ 国会 や 政府 が 応える 番 だ 。 戦争 被害 を 補償 する 法律 は 、 原爆 関連 二 法 を 除く すべて が 国籍 条項 を 設けて いる 。 背景 に 、 日本 政府 が 旧 植民 地 出身 の 軍人 ・ 軍属 へ の 補償 は 二 国 間 の 交渉 で 解決 を 目指して いた 経過 が ある 。 過去 の 経緯 は ともかく 、 今 の 問題 は 、 交渉 で 解決 した はずな のに 、 依然と して 多く の 人 が 「 重大な 差別 」 を 受けて いる 現実 だ 。 援護 法 の 公布 から 既に 四十三 年 。 人道 の 原点 に 立ち返って 解決 す べきである 。 五十嵐 広三 前 官房 長官 は 、 昨年 八 月 の 会見 で 国籍 条項 の 見直し を 語った 。 「 戦後 処理 内閣 」 を 標榜 する 村山 富市 首相 も 戦後 五十 年 の 首相 談話 で 、 「 アジア 諸国 の 人々 に 対して 多大の 損害 と 苦痛 を 与えた 」 と 戦争 責任 を 認めた 。 同時に 「 痛切な 反省 」 も 表明 して いる 。 だが 、 「 法 の 谷間 」 の 人々 を 救う 動き は いまだに ない 。 言葉 で は なく 、 行動 で 「 痛切な 反省 」 を 具体 化 して もらい たい 。 ほぼ 一貫 して 増加 して いた 刑法 犯 が 減少 し 、 低下 傾向 に あった 検挙 率 が アップ した 。 十三 日 、 閣議 に 報告 さ れた 一九九五 年 版 「 犯罪 白書 」 に は こんな 記述 が ある 。 だが 、 安全 構造 の 崩壊 が 言わ れ 、 防犯 対策 を 希求 する 国民 の 心情 と およそ かみ合わ ない ので は なかろう か 。 それ も これ も 、 基本 データ が 九四 年 であって 、 現在 、 公判 中 の オウム 事件 に ほとんど 言及 して い ない から である 。 正確な 前年 データ に よって 「 犯罪 の 実情 ・ 動向 を 明らかに し 、 原因 と 対策 を 考えて いく 」 と いう 姿勢 が み られる 。 それ を 否定 しよう と は 思わ ない 。 通常 年 ならば それ でも いい 。 しかし 、 今年 は 三 月 の 地下鉄 サリン 事件 など 、 国民 を 不安 の どん底 に 陥れた 犯罪 が 相次いで 起きて いる のだ 。 単なる 事件 で は ない 。 「 国際 社会 に おいて も 犯罪 史上 例 を み ない 残虐 極まる もの 」 である 。 入手 可能な データ の 集積 に よって 分析 して ほしかった 。 「 鉄 は 熱い うち に 打て 」 と いう 。 役 に 立つ 白書 を 目指す ならば 、 タイミング が 必要で は ない か 。 法務 省 ・ 法務 総合 研究 所 が 作成 する この 白書 は 、 わが国 の 犯罪 研究 に 欠かせ ない ばかり か 、 英訳 さ れ 国際 的に も 高い 評価 を 受けて きた 。 一連の オウム 事件 は 海外 でも 重大 関心 事 だった だけ に 、 これ を 欠いた こと で 失望 さ せる ので は なかろう か 。 今 と なって は 来年 の 白書 まで 待た ねば なら ない 。 ぜひ フレキシブルな 対応 を 要望 して おく 。 犯罪 白書 は 毎年 、 メーンテーマ を 設定 して いる 。 今回 は 「 薬物 犯罪 の 現状 と 対策 」 。 覚せい 剤 、 麻薬 、 大麻 、 シンナー など の 毒物 ・ 劇物 に かかわる 薬物 犯罪 は 、 大麻 を 除いて 一 時 の ピーク 時 より 減少 して いる 。 それ でも 、 看過 でき ない 高 水準 に あり 、 意義 ある テーマ 選択 と いえよう 。 薬物 犯罪 の うち 摘発 件数 が 多く 、 社会 的な 影響 が 深刻な の が 覚せい 剤 事案 である 。 検挙 者 は ヒロポン 乱用 期 の 五四 年 に は 五万 人 を 超えた 。 さすが に 当時 と は 比べもの に なら ない が 、 それ でも 昨年 の 検挙 者 数 は 約 一万四千九百 人 に 上った 。 その 四 割 が 暴力 団 関係 者 であり 、 組織 の 資金 源 に なって いる と 指摘 さ れる 。 暴力 団 対策 の 面 から も 「 ストップ 覚せい 剤 」 の 徹底 が 必要だ 。 検察 庁 の 処理 状況 を 見る と 、 覚せい 剤 取締 法 違反 の 起訴 率 は 八五・八 % に も なる 。 交通 関係 を 除いた 全 事件 の 起訴 率 が 六一・〇 % だ から 、 覚せい 剤 に 対する 厳しい 姿勢 が うかがえる 。 同様の こと は 裁判 所 の 判決 でも いえる 。 九三 年 の データ だ が 、 覚せい 剤 取締 法 違反 に 対する 一 審 判決 の 実刑 率 は 五三・六 % で 、 一般 事件 の 三九・二 % より はるかに 高い 。 政府 も 手 を こまぬいて いた わけで なく 、 薬物 規制 の 法 改正 を 重ねて きた 。 九一 年 に は 麻薬 特例 法 が 成立 し 、 マネーロンダリング が 取り締まり の 対象 に なり 、 不法 収益 の 没収 ・ 追徴 も 規定 さ れた 。 しかし 、 これ まで に 隠匿 罪 の 適用 は 一 件 に とどまる 。 もっと 有効に 機能 さ せて 、 経済 活動 と して 成立 し ない 状況 作り が 求め られよう 。 規制 対象 の 乱用 薬物 は ほとんど が 密 輸入 であり 、 国際 化 の 進展 が 薬物 流入 の 機会 を 増やして いる ようだ 。 わが国 一 国 で の 解決 は 容易で ない 。 密輸 出国 ・ 地域 に 対して 薬物 問題 へ の 取り組み を 求め 、 支援 する こと が 急務 で は なかろう か 。 広島 、 長崎 の 被爆 五十 周年 に 当たる 今年 の ノーベル 平和 賞 が 、 核 兵器 廃絶 を 目指す 科学 者 の 国際 組織 である 「 パグウォッシュ会議 」 と 同 会議 の 会長 を 務める 英国 籍 物理学 者 の ジョゼフ ・ ロートブラット 博士 に 贈ら れる こと が 十三 日 、 決まった 。 パグウォッシュ会議 に は 日本 の ノーベル 物理 学 賞 受賞 者 の 故 湯川 秀樹 博士 、 故 朝永 振一郎 博士 ら が 加わる など 同 会議 と 日本 の 関係 は 深い 。 今年 七 月 に は 広島 市 で 日本 で は 初めて の 年次 会議 が 開か れた 。 ノーベル 平和 賞 の 決定 は しばしば 政治 的だ と して 批判 さ れて きた 。 今回 も ノルウェー など 北欧 三 国 の 反 核 世論 を 色 濃く 反映 した 選考 結果 と いう 見方 も ある が 、 核 廃絶 と いう 人類 共通 の 悲願 に 地道に 取り組んで きた 民間 組織 と その 代表 に 与え られる もの であり 、 核 兵器 の ない 世界 を 作る ささやかな 一 歩 と して 喜び たい 。 哲学 者 の ラッセル と 物理学 者 の アインシュタイン が 、 核 兵器 開発 で 生じた 人類 の 危機 に ついて 検討 しよう と 有名な ラッセル = アインシュタイン 宣言 を 出した の は 今 から 四十 年 前 の 一九五五 年 だった 。 その 二 年 後 に カナダ 東部 の パグウォッシュ 村 で 第 一 回 会議 が 開か れ 、 これ が パグウォッシュ会議 の 始まり と なった 。 当初 は 核 実験 の 中止 と 核 廃絶 を 目標 に 掲げた 同 会議 が 次第に 変節 し 、 核 抑止 論 と 核 拡散 防止 論 を 提唱 する など 核 兵器 を 前提 と した 議論 を する ように なった 。 この ため 「 核 兵器 は 世界 に 一 発 あって も いけない 」 と 説く 湯川 博士 ら 日本 の 科学 者 から 強い 批判 の 声 が 上がった 。 その パグウォッシュ会議 が 今年 の 広島 で の 年次 会議 で は 「 核 兵器 廃絶 の 世界 を 目指して 」 を メーン テーマ に し 、 軌道 修正 する 姿勢 を 示した 。 今 の パグウォッシュ会議 に は ついて いけ ない と いう 意見 が ある 一方 で 、 同 会議 が 改めて 核 廃絶 を 打ち出した 年 に ノーベル 平和 賞 を 受ける こと を 評価 する 科学 者 は 多い 。 現実 の 核 廃絶 の 道 は 険しく 遠い 。 中国 と フランス が 国際 世論 を 押し切って 核 実験 を 再開 し 、 核 保有 五 大国 が 核 を 放棄 する 見通し も 立って い ない 。 核 拡散 防止 条約 の 無 期限 延長 が 決まり 、 来年 に は 核 実験 全面 禁止 条約 が 締結 さ れよう と して いる が 、 どう なる か は 予断 を 許さ ない 。 ノルウェー の ノーベル 賞 委員 会 は 今回 の 授賞 理由 の 最後に 「 核 兵器 を 廃絶 する ため 世界 の 指導 者 ら の 努力 を 鼓舞 する こと を 望む 」 と 述べて いる 。 そのほか に 、 今度 の 授賞 は 世界 の 科学 者 に 積極 的に 核 廃絶 運動 に 取り組む こと を 求めた 呼び掛け と 受け取る こと も できる 。 核 兵器 を 造り出した の は 科学 者 だった 。 今度 は 知識 と 知恵 を 結集 して 核 兵器 の 廃絶 を 目指す の が 科学 者 の 社会 的 責任 であろう 。 核 兵器 の 解体 に も 科学 者 の 協力 が 必要だ 。 科学 者 が 国際 的に 連帯 して 目標 に 向かう こと が 欠かせ ない 。 インド 、 パキスタン 、 イラク など 第 三 世界 の 潜在 核 保有 国 や 旧 ソ連 の 科学 者 と も 行動 を 共に する 努力 が 大切だろう 。 核 廃絶 に は 被爆 国 日本 の 科学 者 の リーダーシップ も 求め られる 。 ロートブラット 博士 は ラッセル = アインシュタイン 宣言 に 署名 した 十一 人 の 中 で ただ 一 人 生存 する 科学 者 であり 、 もう 八十六 歳 に なった 。 若い 科学 者 たち が 後 を 継ぎ 、 市民 を も 巻き込んで 核 兵器 が 一 発 も ない 世界 を 一 日 も 早く 築いて ほしい 。 オウム 真理 教 事件 の 裁判 が 東京 地裁 を 中心 に 進んで いる 。 間違い なく 戦後 最大 級 の 刑事 裁判 である 。 比較的 軽微な 事案 の 公判 が 先行 して きた が 、 これ から は 核心 に 向け 、 主要 被告 が 登場 する 。 二度と 類似 事件 を 起こさ ない ため に も 、 裁判 を 通して 「 オウム 事件 と は 」 を 問い 直し 続け なければ なら ない 。 今月 に 入って から は 、 教団 へ の 一斉 捜索 の きっかけ に も なった 元 幹部 の 初 公判 が 開か れた ほか 、 小銃 部品 の 積み替え に 絡んで 建造 物 侵入 罪 に 問わ れた 幹部 に は 実刑 判決 が 言い渡さ れた 。 この後 、 数々 の 教団 の トラブル に かかわって きた 元 顧問 弁護 士 や 、 地下鉄 サリン 事件 など で 起訴 さ れて いる 元 医師 の 初 公判 が 続き 、 二十六 日 に は 教団 代表 ・ 麻原 彰晃 被告 の 初 公判 が 開か れる 予定 に なって おり 、 序盤 の ヤマ場 を 迎える 。 起訴 事実 から 浮かぶ 一連の オウム 事件 は 、 宗教 の ベール の 陰 から 平和な 市民 社会 に 挑戦 した 、 おぞましい 犯罪 だった 。 殊に サリン 事件 に ついて 警察 白書 は 「 わが国 は もとより 国際 社会 でも 例 を み ない 残虐 極まりない もの 」 と 表現 し 、 科学 技術 白書 は 「 科学 技術 の 知識 が 本来 の 目的 以外 に 利用 さ れ 、 安全 を 脅かした 」 と 記した 。 こうした カルト が 平和な 日本 社会 の 中 で どうして 生まれた の か 。 また 、 化学 プラント や 武器 製造 に 巨額の カネ が つぎ込ま れた 事実 も 浮かんで いる 。 ここ まで 膨れ上がる に まかせ 、 見逃さ れて きた の に は どういう 背景 が あった の か 。 一連の オウム 事件 は さまざまな 問題 を 提示 し 続ける が 、 いまだに 明確な 答え は 出て ない 。 刑事 裁判 で は 、 検察 と 弁護 側 に よる 対審 を 通して 「 実体 的 真実 」 を 発見 する こと が 要請 さ れて いる 。 捜査 段階 で は 見 られ なかった 角度 から の 解明 も 求め られる 。 被告 の 内面 に まで 踏み込んだ 究明 も 望み たい 。 しかも 迅速 さ も 求め られる 。 犠牲 者 の 遺族 や 後遺症 に 悩む 被害 者 の 心情 は 察する に あまり ある 。 厳しく 刑事 責任 は 問わ れ 、 指弾 さ れ なくて は なら ない 。 その 一方 で 、 裁判 を 通して 教訓 も 取り込ま なくて は なら ない 。 これ まで に 多く の 被告 が 裁判 に 登場 して いる 。 短 期間 で の 決着 も み られ 、 すでに 二十 人 余 の 被告 に 有罪 判決 が 出て いる 。 オウム 事件 の 周辺 に かかわる 軽微な 事案 であって 、 被告 が 起訴 状 の 外形 的 事実 を 争わ なかった ケース だ 。 これ ら の 裁判 で は 捜査 段階 で の 供述 調書 など の 証拠 が 採用 さ れて いる 。 また 、 被告 の 中 に は 反省 の 念 から 法廷 で 「 仏教 の 教え を 悪用 し 、 組織 的な 犯罪 を 指揮 した 」 「 地下鉄 サリン 事件 など 多く の 事件 を 教団 が 起こした の は 間違い ない 」 など と 供述 して いる ケース も ある 。 裁判 官 面前 の 供述 、 陳述 は 証拠 能力 を 持つ 。 周辺 事案 であって も 、 検察 の 描く オウム 事件 の 構図 は 徐々に 核心 に 向かって 進んで いる 。 こうした 経過 の 中 で 麻原 被告 の 初 公判 を 迎える 。 麻原 被告 は 六 件 で 起訴 さ れて いる が 、 裁判 所 は この うち 地下鉄 サリン 事件 など 三 件 を 先行 さ せて 審理 に 入る 方針 と 聞く 。 全体 像 は 先 送り と なり 、 公判 途中 で 「 まとめ の 冒頭 陳述 」 が 行わ れる ようだ 。 どの 段階 に しろ 、 検察 に は ぜひ 深層 に 迫った 陳述 を 期待 し たい 。 刑事 裁判 の 重み を 再 確認 する ため に も 、 その 必要 が ある 。 ラグビー の 世界 統括 団体 である 国際 ラグビーボード は この ほど 、 従来 の アマチュア 規定 廃棄 を 正式に 決定 、 プロ 容認 の オープン化 へ 踏み切った 。 これ に より ラグビー でも 選手 が プレー や 広告 宣伝 活動 に よる 金銭 報酬 の 授受 など に 制限 を 受け ない 、 プロ 時代 が 到来 する 。 かつて は アマチュアリズム の 牙城 であった 国際 オリンピック 委員 会 の 五輪 憲章 から アマチュア の 文字 が 消えて 約 二十 年 が たつ 。 この 間 に 国際 スポーツ 界 で は プロ を 容認 する オープン化 が 急速に 進み 、 今や プロ選手 が オリンピック に 堂々と 参加 する 時代 。 アマチュア なる 言葉 は すでに 死語 、 と の 指摘 すら ある 。 また 、 ラグビー の 世界 的な 普及 度 や 人気 は 欧州 や 南 半球 に 偏って おり 、 IRB の 加盟 国 ・ 地域 の 数 は 陸上 競技 や サッカー の 半分 以下 で 影響 力 が 大きい と も 言いがたい 。 だが 、 今回 の ラグビー の プロ 容認 は 主要 スポーツ で は 最後 の オープン化 であり 、 ラグビー 発祥 の 地 で も ある 英国 を 中心 に 生まれた 近代 スポーツ の 精神 的 バックボーン であった アマチュアリズム の 終焉 である 。 そこ に 私 たち は ある 種 の 感慨 を 覚え ず に は い られ ない 。 この 四 半 世紀 に 世界 の スポーツ 界 を 襲った オープン化 の 波 は 、 当初 は 東西 冷戦 時代 の 旧 ソ連 や 東欧 の 国家 が 衣食住 を 保障 した ステートアマ に 対抗 する 副 産物 であった 。 それ が 情報 テクノロジー の 急速な 発展 に よって 変質 、 テレビ 放送 権 料 を 財源 と する 商業 主義 が まかり通り 、 より 高い 視聴 率 を あげる ため 、 スター 選手 の 奪い合い から 、 選手 に 金銭 報酬 を 与える プロ 化 が 始まった 。 やがて カール ・ ルイス に 象徴 さ れる ように 、 スポーツ で 名声 と 富 を 掌中 に する 選手 が 続出 した 。 同時に 、 より 高額の 賞金 や 出場 料 を 得よう と 選手 が 勝利 至上 主義 に 陥り 、 禁断 の ドーピング 行為 が まん延 して いる 。 プロ 容認 が もたらした 憂う べき 弊害 であり 、 青少年 に も 悪 影響 を 与えて いる 。 最後 まで アマチュアリズム を 掲げて 孤塁 を 守った と さ れる ラグビー でも 、 南ア や 豪州 、 ニュージーランド で は 裏金 が 横行 、 報酬 の 良い プロリーグ へ 選手 流出 が 続いた 。 これ に 危機 感 を 持った 三 国 の 協会 が 六 月 、 テレビ と 五百五十億 円 を 超える 十 年 契約 を 結び 、 代表 選手 を 引き留める 財源 に 充当 。 英国 や 仏 でも 事情 は 同じである ため 、 今回 の 措置 は 現状 追認 、 これ まで の 「 アンダー ・ ザ ・ テーブル 」 で やり取り した 裏金 を 合法 化 した だけ 、 と の 声 も ある 。 日本 で は 一部 の 外国 人 選手 を 除き 、 金銭 問題 は 表面 化 して い ない 。 ただ 、 高校 生 で は ラグビー 志望 者 が 減少 して いる と 聞く 。 今年 の W杯 大会 で ニュージーランド に 屈辱 的な 大敗 を 喫した の は 記憶 に 新しい 。 プロ 容認 へ の 対処 は 各国 協会 の 裁量 に 任さ れて おり 、 日本 協会 は 学生 に は 将来 も アマチュア 規定 を 順守 さ せ 、 社会 人 でも 混乱 を 避ける ため 緩やかな 導入 を 図る 方針 だ と いう 。 これ まで 講演 や 著作 まで かたくなに 禁止 して きた だけ に 順当な 対応 であろう 。 ほか の 競技 で み られる 弊害 を ラグビー で 招来 さ せて は なら ない 。 一 つ の 時代 の 終わり に 当たって 、 ラグビー のみ なら ず 、 すべて の スポーツ の 未来 の ため に 、 スポーツ の 今日 的 意味 など に ついて 、 真剣な 論議 を 起こす よう 要望 して おき たい 。 国連 創設 五十 周年 を 記念 する 特別 総会 が 二十二 日 から 二十四 日 まで の 三 日間 、 各国 首脳 が 参加 し 開催 さ れる が 、 国連 事務 局 で は 深刻な 財政 事情 の ため 一 時 は 開催 中止 を 真剣に 検討 した と いう 。 結局 、 ガリ 事務 総長 の 最終 決断 で 予定 通り 開催 さ れる こと に なった が 、 国連 財政 の 窮迫 の 度合い を 物語る エピソード である 。 冷戦 終結 後 、 国連 平和 維持 活動 の 急増 に 加え 、 米国 、 ロシア など の 分担 金 滞納 が 常態 化 し 、 国連 は 慢性 的な 財政 難 に 陥って いる 。 それ が 今年 、 分担 金 滞納 額 が 三十五億 ドル を 超えた 。 通常 予算 分担 金 と PKO 特別 分担 金 を 合算 した 年間 分担 金 総額 の 八 割 以上 に 相当 する 。 創設 五十 周年 を 迎えた 国連 が 直面 する 最も 差し迫った 課題 は 、 創設 以来 と いわ れる 財政 危機 の 打開 である 。 自助 努力 で 可能な ところ から 手 を つける べきだろう 。 当然の こと ながら 、 滞納 額 全体 の 四 割 を 占める 米国 を はじめ 未払い 国 は 分担 金 を きちんと 払い込む 。 加盟 国 の 義務 である 。 滞納 の ペナルティー を 厳しく する 。 延滞 金 に 利子 を つけて 徴収 する の も 一案 だ 。 さらに 、 とかく 経費 の 無駄遣い を 批判 さ れる 国連 自ら が 行政 改革 を 断行 する 。 最大 拠出 国 である 米国 の オルブライト 国連 大使 は 、 予算 の 削減 、 不要 機関 の 廃止 、 大型 国連 会議 の 凍結 など 十 項 目 の 行政 改革 案 を 提案 して いる 。 ガリ 事務 総長 も 、 緊急 対策 と して 出張 を 制限 する など の 節約 令 を 出した ばかりだ 。 しかし 、 かつて ない 財政 危機 を 打開 する ため に は 、 自助 努力 だけ で は とても 不十分であり 、 もっと 思い切った 財政 改革 が 必要だ 。 まずは 分担 金 算定 基準 の 見直し である 。 加盟 国 の 分担 金 は 直近 十 年間 の 国民 総 生産 の 平均 値 に 基づいて 算定 さ れて いる 。 十 年間 で は 急 成長 して いる 途上 国 の 分担 率 が 実力 より も 低く 抑え られる など 、 加盟 国 の 経済 状況 を 必ずしも 正確に 反映 して い ない 。 十 年間 より も 短い 期間 を 基準 に す べきだ 。 ガリ 事務 総長 が 設置 した 国連 財政 に 関する 諮問 委員 会 が 一昨年 提出 した 報告 書 「 効率 的な 国連 の 財政 強化 策 」 に も 、 今なお 有効な 具体 案 が 含ま れて いる 。 例えば 、 通常 予算 分担 金 は 年初 一括 払い込み に なって いる が 、 加盟 国 に よって 会計 年度 も 違う し 、 年間 四 回 の 分割 払い に 改めれば 、 払い込む 側 に も 都合 が よく 、 滞納 を 減らす の に 役立つ 、 と 提案 して いる 。 中でも 、 地域 紛争 の 解決 は 加盟 国 の 安全 保障 に とって 重要だ から 、 加盟 国 は PKO 特別 分担 金 を 自国 の 国防 費 から 支出 する 方式 を 検討 す べきだ 、 と いう 提案 に 注目 し たい 。 財源 確保 の ため 国際 旅客 便 、 外国 為替 取引 、 海底 地下 資源 の 開発 、 武器 取引 など に 「 国連 税 」 を 掛ける と いう ユニークな 提案 が 、 今年 の 国連 総会 で 出さ れた 。 「 国連 税 」 に 関して は 、 国連 に 課税 権 が ある か どう か と いう 疑問 が つきまとう が 、 国連 の 財政 危機 に 加盟 国 が 重大な 関心 を 寄せ 、 危機 打開 の ため の アイデア を 積極 的に 出して いく 姿勢 は 評価 できる 。 国連 が 権威 と 信頼 性 を 維持 して いく ため に は 、 やはり 揺るぎない 財政 基盤 の 確立 が 必要である 。 抜本 的な 財政 改革 に よって 財政 危機 から 早急に 抜け出す ことだ 。 冷戦 終結 後 、 米 議会 の 毎年 の 予算 審議 で 常に 厳しい 攻撃 に さらさ れる 米 政府 機関 が 二 つ ある 。 国防 総 省 と 米 中央 情報 局 である 。 特に CIA の 場合 は 、 予算 の 削減 に 加え その 存在 意義 が 問わ れた 。 すでに 、 敵対 関係 に あった 旧 ソ連 は 崩壊 し 、 CIA が 相手 に する 敵 は 存在 し ない 。 この ため 、 CIA 再編 論 が 米 議会 に は なお 根強く 残って いる 。 クリントン 政権 発足 直後 の 米 議会 公聴会 で は 、 CIA を 他の 情報 機関 と 統合 す べきだ と の 意見 も 出た 。 この 公聴会 で は 、 ウールジー 長官 自身 が 「 戦争 に 至る 脅威 は 、 大幅に 減少 した 」 と 述べ 、 予算 削減 の 努力 を 約束 し 、 CIA の 新たな 任務 と して 、 米 企業 に 対する 外国 企業 の 企業 スパイ 情報 など 、 経済 ・ 技術 情報 収集 を 付け加えた 。 しかし 、 こうした 産業 情報 収集 活動 は 、 発覚 すれば 当然の こと ながら 相手 国 と の 間 で 重大な 外交 問題 を 引き起こし かね ない 。 今年 二 月 に 、 フランス で 発覚 した CIA 職員 に よる 産業スパイ 事件 は 、 米 仏 間 の 深刻な 外交 問題 に まで 発展 した 。 米 ニューヨーク ・ タイムズ 紙 は 十五 日 、 日本 の 通産 省 を 対象 に した CIA の 盗聴 工作 が 行わ れた 、 と 報じた 。 同 紙 に よる と 、 これ で 得 られた 情報 は 、 日 米 の 自動車 交渉 に 役立て られた と いう 。 東京 で どのような 「 盗聴 」 工作 が 行わ れた の か 、 同 紙 は 具体 的な 内容 は 伝えて い ない 。 単に 電子 機器 に よる 「 盗み聞き 」 が 行わ れた 、 と 報じて いる に 過ぎ ない 。 また 、 この 「 盗み聞き 」 が 違法な もの であった の か どう か に も 、 触れて は い ない 。 従って 今 の ところ 、 CIA が 日本 で どのような 「 盗聴 」 工作 を 行った か は 、 はっきり は し ない 。 だが 、 もし 報じ られて いる ような 電子 「 盗聴 」 が 違法に 行わ れて いた と すれば 、 問題 だ 。 新任 の ドイッチェ CIA 長官 は もとより 、 クリントン 政権 高官 は CIA の 経済 交渉 へ の 貢献 を 、 高く 評価 して いた と いう 。 いずれ に せよ クリントン 政権 高官 の 言及 から みて 、 何らか の 「 盗聴 」 活動 が 展開 さ れて いた 可能 性 は 否定 でき ない ようだ 。 それ に 、 クリントン 政権 が 発足 当初 から 、 経済 外交 を 外交 戦略 の 柱 に 据えて いる こと を 考えれば 、 その ため の 情報 収集 が 活発に 行わ れて いる 、 と 判断 して も 間違い で は ある まい 。 経済 外交 も 情報 収集 も 、 その 扱い を 間違える と 、 相手 国 へ の 内政 干渉 や 主権 侵害 と なる 。 国民 感情 を 刺激 し 日 米 関係 を 不必要に 悪化 さ せる 要素 を はらんで いる 。 米国 に は 、 慎重な 対応 を 求める と ともに 、 今回 の 報道 に ついて の 事実 関係 を 、 まず 明らかに して ほしい 。 日本 国民 へ の 誠意 ある 説明 を 求め たい 。 外交 交渉 の ため の 情報 収集 は 、 どこ の 国 でも 行って いる もの である 。 しかし 同盟 国 である 以上 、 違法 行為 は 論外で 、 外交 問題 に なら ない ような 節度 は 求め られる 。 日本 政府 高官 に よる と 、 今回 の 自動車 交渉 の 中 でも 、 米 側 は 日本 の 出方 を かなり 読み違えた と いう 。 CIA が たとえ 二十四 時間 の 盗聴 活動 を 行った と して も 、 核心 の 情報 を 収集 できた か は 疑わしい ようだ 。 あくまで 外交 関係 を 悪化 さ せ ない 、 合法で 良質な 情報 収集 が 大 前提 である 。 CIA の 予算 獲得 と 生き残り の ため の 工作 に 、 日 米 関係 が 利用 さ れて は たまらない 。 ようやく 態勢 が 整い 、 銃 汚染 に 対して 「 守勢 」 から 「 攻勢 」 に 転じる 機会 が やってきた 。 こう 期待 して いた 時 に 、 極めて 残念な 事件 が 起きて しまった 。 愛媛 県警 で 銃器 薬物 対策 室 の 警部 ら 三 人 が 、 銃刀 法 違反 など の 疑い で 逮捕 さ れ 、 懲戒 免職 処分 を 受けた ことだ 。 腹立たし さ と 苦い 思い で いっぱいだ 。 県警 の 調べ に よる と 、 三 人 は 捜査 で 面識 の ある 女性 に 金 を 渡す など して 、 暴力 団 から けん銃 を 買い上げ 、 不法に 所持 して いた 疑い が 持た れて いる 。 それ を 、 押収 けん銃 に みせかけよう と して いた 疑惑 も ある 。 警察 庁 は 銃 汚染 の 拡大 に 強い 危機 感 を 抱いて いる 。 「 今 、 治安 の 悪化 を 食い止める 真摯な 対応 を し なければ 、 本年 は 治安 悪化 の ターニングポイント に なった 年 と して 、 後世 に 記憶 さ れる 恐れ が ある 」 十六 日 に 開か れた 全国 警察 本部 長 会議 でも 国松 孝次 警察 庁 長官 は 、 こう 訓示 して いる 。 さらに 、 「 銃器 対策 が 最 重点 課題 である こと を 認識 して ほしい 」 と も 強調 した 。 ようやく 、 銃 汚染 の 拡大 阻止 に 期待 を 持てる 時 が きた 、 と いう の は 、 次 の ような こと から である 。 今春 まで に 全国 の 都 道 府 県警 に 銃器 対策 課 が 設置 さ れ 、 六 月 に は 「 発射 罪 」 や 「 おとり 捜査 」 を 盛り込んだ 改正 銃刀 法 が 施行 さ れて いる 。 九 月 に 政府 の 銃器 対策 推進 本部 も 発足 した 。 北京 で 開催 さ れた 国際 刑事 警察 機構 の 総会 で は 九 日 、 日本 が 提案 した 「 銃器 規制 決議 案 」 が 全会 一致 で 採択 さ れ 、 密 輸入 けん銃 の 水際 阻止 に 欠かせ ない 国際 協力 も 前進 した 。 態勢 が 整い つつ ある 、 と 言って いい だろう 。 そんな 時 に 起きた 事件 だ 。 しかも 逮捕 さ れた の は 、 県警 で 中核 と なる 組織 と して 三 月 に 発足 した 銃器 薬物 対策 室 の 主要 メンバー である 。 群馬 県警 前橋 署 でも 、 捜査 員 が 逮捕 した 暴力 団員 に けん銃 を 買わ せ 、 押収 した ように 工作 した 疑い が 明るみ に 出て いる 。 市民 の 警察 へ の 信頼 を 損ない 、 「 盛り上がり 」 を 潰す こと に なる ので は と 危惧 さ れる 。 治安 は 市民 の 理解 と 協力 が なければ 守れ ない 。 警察 が まず やら なければ なら ない の は 、 信頼 を 回復 する ため の 行動 だ 。 それ は 、 前橋 署 の 疑惑 を 含め 徹底 的に 捜査 し 、 全容 を 明らかに する 以外 に 道 は ない 。 「 臭い 物 に ふた を した 」 。 そう 疑わ れる ような 決着 は 絶対 に 避け ねば なら ない 。 気 に なる の は 、 銃 汚染 へ の 危機 感 が 第一線 で きちんと 受け止め られて いる か どう か だ が 、 疑問 が ある 。 今回 事件 の 背景 と して 、 対策 室 が スタート した もの の 、 実績 が 上がら ず 、 逮捕 さ れた 警部 ら は 焦って いた と 伝え られて いる 。 けん銃 の 偽装 押収 で 直面 して いる 銃 汚染 に 対応 できる はず も ない 。 汚染 の 深刻 さ と 「 真摯な 対応 」 を 徹底 して ほしい 。 さらに 、 暴力 団 と 警察 の 関係 に も 疑い の 目 が 向け られて いる 。 「 古い 体質 」 は 一掃 し なければ 、 市民 と スクラム は 組め ない 。 ここ で 、 一線 の 警察 官 が 委縮 して しまう こと を 最も 恐れて いる 。 銃器 対策 を 後退 さ せて は なら ない 。 これ を 乗り越えて 、 前進 して ほしい 。 銃 の 捜査 手法 は まだ 試行 錯誤 の 段階 である 。 時代 を とらえた 確かな 目 と 、 一 つ ひとつ 積み上げて いく 地道な 捜査 を 求め たい 。 ある 日 、 思いがけなく 巨額の 遺産 が 転がり込んで きたら 、 と いう の は 庶民 の 夢 物語 だ 。 しかし 現実 は 、 土地 を 相続 すれば 恐怖 の 税金 が 待ち受けて いる 。 大阪 府 内 に 住む 公務 員 は 、 父親 の 死亡 に 伴い 、 一九九一 年 に 土地 や 家屋 を 相続 した 。 相続 財産 総額 の 評価 は 、 不動産 鑑定 士 が 約 十一億 円 余 、 税務 署 は 約 二十四億 円 余 で 、 課税 額 は 十四億 円 余 に なった 。 税務 署 の 評価 は 、 バブル 時代 に 父親 が 不動産 を 入手 した 際 の 購入 価格 であり 、 鑑定 士 の 評価 は その後 バブル の 崩壊 で 下落 した 相続 時点 の 価格 である 。 この 結果 、 公務 員 は たとえ 相続 財産 すべて を 売って も 、 なお 三億 円 の 税金 が 不足 する 窮地 に 陥った 。 バブル 経済 崩壊 で 全国 的に 起きた 「 相続 酷税 」 の 典型 例 だ 。 公務 員 の 悲鳴 と も 言える 減税 請求 訴訟 で 、 大阪 地裁 は 十七 日 、 公務 員 側 の 主張 を ほぼ 受け入れ 「 相続 財産 の 評価 は 十一億 円 余 、 税額 は 約 五億五千万 円 。 この 額 を 超える 課税 処分 を 取り消せ 」 と 税務 署 に 命じた 。 当然の 判断 と 言えよう 。 この 公務 員 の 例 ほど 極端で ない に して も 、 バブル の 前後 に またがる 相続 に 苦しみ 、 国税 不服 審判 や 訴訟 を 起こして いる 人 は 多い 。 この 判決 に 力 を 得て 、 不満の 声 が さらに 噴き出す こと も 予想 さ れる 。 原告 に 軍配 を 上げた 判決 の 論理 は 極めて 明快である 。 「 相続 税 の 原則 は 、 相続 時点 の 時価 に 課税 する 時価 主義 だ 。 バブル 時代 に 、 実勢 価格 と 路線 価 に 大きな 開き が 生じ 、 それ に 便乗 した 節税 や 地価 高騰 が 目立った 。 これ を 防ぎ 、 税 の 公平 を 図る ため 、 路線 価 で なく 購入 価格 に 課税 する 租税 特別 措置 法 の 特例 が できた 」 「 ところが バブル の 崩壊 で 地価 が 下落 し 、 一部 で は 相続 不動産 の 価値 を 上回る 相続 税 負担 を 強い られる 不公平 が 起きた 。 特例 の 目的 から すれば 、 不公平な 結果 が 生じる 場合 に は この 特例 を 適用 でき ない 。 従って 公務 員 へ の 課税 は 購入 価格 で なく 、 下落 後 の 時価 に よる 」 ここ に 流れる の は 、 制定 当時 は 時代 の 要請 に 合致 し 、 目的 も 正しい 法制 であって も 、 時代 の 変化 の 中 で 矛盾 が 生じれば 、 硬直 的な 一律 適用 に こだわって は なら ない 、 と の 考え 方 だ 。 その 時 は 、 時価 主義 に よる 税 負担 の 公平 を 目指す 相続 税 の 原則 に 戻れ 、 と の 指摘 と も 併せ 、 常識 に 沿った 無理 の ない 判断 を 支持 し たい 。 問題 は 、 今回 の ような 極端な 矛盾 と 不合理 を 、 税務 当局 が どう 考え 、 是正 の いかなる 努力 を して いた か 、 が 国民 の 目 に は 見え にくい こと だ 。 判決 は 「 不合理 を 生じる ケース に まで 、 特例 を 一律 適用 する の は 、 憲法 二九 条 違反 の 疑い が 極めて 強い 」 と まで 言い切る 。 憲法 違反 と いう 事態 を 避ける ため に 、 いま 急ぐ べき は 、 相続 税 を 中心 と した 諸 税制 が 時代 の 現実 に 合って いる か を 点検 し 、 見直す ことだ 。 バブル 期 を はさんで 、 激しく 上下 した 地価 の 実勢 に 、 路線 価 など 課税 基準 が 対応 でき なかった の も 、 反省 材料 である 。 特別 措置 法 に よる 特例 など 、 さまざまな 制度 を 、 現実 に 合わせて 柔軟に 運用 する 工夫 も 欠かせ ない 。 この 点 は 、 判決 が 特に 強調 した 課題 と して 、 関係 当局 は 重く 受け止める 必要 が あろう 。 「 いま 、 変革 と 転換 へ の チャンス の 窓 が 開いて いる 」 神戸 市 で 開か れた 政府 や 兵庫 県 主催 の 阪神 ・ 淡路 復興 国際 フォーラム で 、 ニューヨーク 行政 研究 所 の デービッド ・ マメン 所長 は 、 チャンス を 強調 した 。 この 研究 所 は 、 七十二 年 前 の 関東 大 震災 で 復興 計画 に 参画 し 、 今回 の 阪神 大 震災 でも 現地 調査 を 繰り返して いる 。 地震 から 九 カ月 を 経て 、 被災 地 は 応急 的な 復旧 から 恒久 的な 復興 段階 へ の 移行 期 に ある 。 従来 の 発想 を 変革 ・ 転換 し 、 どんな 都市 に 造り 直す の か 。 創造 的な 復興 の 理念 と 哲学 を いま 考えて おか ない と 時機 を 逸する 、 と の マメン 所長 の 指摘 は 、 フォーラム に 参加 した 内外 の 人々 の 思い で も ある 。 被災 地 を 歩く と 、 損壊 住宅 や ビル の 多く が 撤去 さ れ 、 地震 の 傷跡 は 見え にくく なって いる 。 鉄道 も 復旧 した 。 しかし 、 真 の 復興 に は 程遠い 。 仮設 住宅 に 代わる 恒久 住宅 建設 を 急が ねば なら ない 。 数万 人 が 失業 保険 の 期限 切れ に 直面 して おり 、 産業 と 雇用 を 早く 元 に 戻し たい 。 都市 計画 や 区画 整理 事業 を めぐる 行政 と 住民 と の 摩擦 も 続いて いる 。 すべて これ から が 正念場 な のに 、 「 災害 に 強い 町 」 と いう 以外 に 、 長期 展望 に 立った 復興 の ビジョン が 見え にくい の は 残念だ 。 経済 効率 追求 型 の 都市 政策 を 転換 する 、 と いう 当初 の 意気込み も 、 ぼやけて きた 。 例えば 、 倒壊 した 阪神 高速 道路 神戸 線 の 再建 を めぐる 被災 地 で の 動き が 象徴 的である 。 国道 43 号 の 上 を 走る 高架 の 高速 道路 は 、 高度 成長 を 支える 柱 だった 。 いま も 被災 地 の 産業 復興 に 、 道路 網 の 再建 は 不可欠だ 。 交通 基盤 の 中 で 高速道 の 復旧 だけ が 遅れて おり 、 関係 者 の 焦り は 理解 できる 。 一方 で 、 国道 と 高速道 は 沿線 に 騒音 や 汚染 大気 を 振りまく 公害 源 で も あった 。 今年 七 月 、 被害 住民 の 訴え に 最高裁 が 両 道路 を 違法な 存在 と 認定 し 、 賠償 を 命じた の は 記憶 に 新しい 。 判決 は 、 経済 性 と 公共 性 の 名 の 下 に 、 住民 に 被害 の 受忍 を 強いる 政策 の 転換 を 迫った と も 言える 。 しかし 、 その 高速 道 は 震災 前 の まま 国道 上 に 復旧 する 工事 が 進んで いる 。 この 現状 に 、 今月 初め 、 約 三百 人 の 都市 計画 学者 や 弁護 士 が 、 再 検討 を 求める アピール を 発表 した 。 アピール は 都市 内高 速道 が 世界 的に 曲がり角 に あり 、 撤去 や 地下 トンネル 化 の 動き も ある こと を 指摘 、 高速 道 に 代わる 新しい 都市 内 交通 の あり 方 を 探る よう 求めて いる 。 震災 復興 が 全国 の 都市 開発 の 発想 転換 に つながる 期待 を 込めた 提言 だ 。 地下 化 を 例 に とる と 、 原状 復旧 に 比べ 時間 も 資金 も 数 倍 必要 と なる 。 それ より 、 高速 道 を 再建 した うえ で 交通 量 削減 や 騒音 防止 に 努める の が 現実 的 ―― と 再建 する 側 は 考える 。 これ ら の 意見 を 改めて 出し合い 、 経済 性 と 住民 の 生活 を どう 調和 さ せる か を 考える こと が 、 いま 必要な ので は ない か 。 同じ こと は 、 これ から 本格 化 する 都市 計画 や 区画 整理 事業 に も あてはまる 。 論議 を 深め ぬ まま 既成 事実 を 先行 さ せる ので は なく 、 創造 的な 都市 復興 の あり 方 を 徹底 的に 議論 する よう 期待 し たい 。 震災 直後 、 地元 の 自治 体 や 財界 は 「 経済 効率 性 の 追求 に とらわれて いた 都市 政策 」 へ の 反省 を 語った 。 政策 の 転換 は 口 で 言う ほど 簡単な こと で は ない が 、 時に は 立ち止まって 考える 勇気 を 持ち たい 。 ガリ 国連 事務 総長 の 特別 代表 と して 、 ボスニア・ヘルツェゴビナ 内戦 の 調停 を 続けて いた 明石 康 氏 の 辞任 は 、 国連 平和 維持 活動 の 置か れて いる 厳しい 状況 を 象徴 する もの だ 。 国連 に よる 調停 は 実ら ない まま PKO 部隊 は 段階 的に 縮小 し 、 紛争 の 前途 は 米国 主導 の 和平 工作 に ゆだね られた 。 冷戦 終結 後 に 急 膨張 した PKO の 手 を 広げ すぎた ツケ が 回って きた と いえる だろう 。 国連 は 今 こそ PKO の 原点 を みつめ 直し 、 そこ から 再 スタート を 切る べきだ 。 一九四八 年 の 第 一 号 以来 、 PKO は 三十八 件 に 上る が 、 そのうち 二十五 件 まで が 八八 年 以降 の 冷戦 終結 後 に 設置 さ れて いる 。 活動 中 の 十六 件 の PKO で は 、 文民 を 含めて 約 七万 人 が 従事 して おり 、 年間 経費 は 三十億 ドル を 超える 。 PKO は 、 質的に も 大きく 転換 した 。 ガリ 事務 総長 が 安保理 に 提出 した 報告 書 「 平和 へ の 課題 」 の 中 に 、 平和 執行 部隊 の 展開 を 含む 「 平和 創造 」 と いう 新しい 概念 を 持ち込んだ の が きっかけ だ 。 この 提案 が 、 飢餓 地獄 の ソマリア で 、 現実 の 要請 に 迫ら れて 先取り さ れた 。 しかし 、 事実 上 の 平和 執行 部隊 と なった ソマリア PKO は 挫折 する 。 PKO が 紛争 の 直接 当事 者 に なって しまった から だ 。 そもそも PKO は 、 第 二 代 事務 総長 の ダグ ・ ハマーショルド 氏 が 打ち立てた 原則 に 基づいて いる 。 紛争 から 中立 を 保ち 、 受け入れ 国 の 同意 の もと に 派遣 し 、 自衛 の ため だけ に 武力 を 行使 する と いう もの だ 。 この 原則 が 慣行 と して 確立 し 、 伝統 的 PKO と して 定着 した のである 。 中東 紛争 や 印 パ 紛争 で は 、 伝統 的 PKO が 周辺 地域 へ の 戦火 の 拡大 を 阻止 した 。 さらに 、 カンボジア 、 モザンビーク 、 エルサルバドル など でも 、 伝統 的 PKO の 原則 を 守った こと が 、 成功 を もたらした 。 こうした 実績 から 、 伝統 的 PKO が 再 評価 さ れて いる 。 PKO の 見直し を 行って いる 国連 作業 部会 で は 、 各国 の 間 で 「 伝統 的 PKO しか ない 」 「 伝統 的 PKO へ の 回帰 は 認める が 、 それでは 不十分 」 と いう 主張 と 、 「 限定 的に 平和 強制 措置 を 認める 」 と いう 主張 に 分かれて いる と いう 。 十分に 論議 を 尽くして ほしい 。 PKO は もともと 国家 間 の 紛争 解決 を めざして 設置 さ れた が 、 冷戦 終結 後 は 内戦 や 民族 紛争 など 、 国 内 問題 へ の 対処 を 求め られる ように なった 。 ソマリア の 悲惨な 飢餓 地獄 や ボスニア の 「 民族 浄化 」 の 凄惨さ が 世界 に 伝え られる と 、 人道 介入 と いう 新しい 形 が 生まれた 。 しかし 、 国連 が 主権 侵害 、 内政 干渉 の 批判 を 浴びる こと なく 、 国 内 問題 に どこ まで 介入 できる か 、 と いう グレー ゾーン の 問題 は 片づいて い ない 。 PKO の きっちり と した 設置 基準 を 作る 必要 が ある 。 PKO は 、 国連 憲章 に 明文 化 さ れて いる わけで は なく 、 国際 慣習 に 基づいて 定着 して きた 。 しかし 、 ここ まで 活動 が 拡大 した からに は 、 存立 の 根拠 と 行動 規範 を きちんと さ せる べきだろう 。 国連 憲章 に 明文 化 する の が 望ましい が 、 その 場合 、 憲章 改正 と いう やっかいな 問題 を 乗り越え ねば なら ない 。 PKO に 関する 独自の 文書 に 存立 の 根拠 など を 明文 化 し 、 加盟 国 に 改めて 合意 を 求める 提案 を し たい 。 法施 行 から 一 年 も たって い ない のに 、 党利 党略 的に 手直し して いく なんて 、 あまりに も 手前勝手であり 、 ご都合主義 で は ない か 。 政党 助成 法 と 公職 選挙 法 の 改正 案 が 近く 国会 に 提出 さ れる 。 新進党 も 賛成 の 意向 と いう から 、 今 国会 で 成立 する 見通し の ようだ 。 三 分 の 二 条項 と は 、 各 政党 へ の 助成 金 の 上限 を 、 前年 の 収入 実績 の 三 分 の 二 以下 に する と いう 規定 である 。 昨年 二 月 、 旧 連立 勢力 と 、 当時 の 野党 ・ 自民党 と の 政治 改革 協議 の 席上 、 自民党 側 が 強く 主張 して 導入 さ れた 。 自民党 が 上限 枠 の 盛り込み に こだわった の は 、 政党 が 自ら の 政治 資金 に ついて 公的 助成 だけ に 依存 する の は どう か 、 など と いう もの だった 。 もっともな 理由 だ が 、 自民党 の 狙い は ほか に も あった 。 前年 実績 の ない 新しい 小 政党 の 中 に は 交付 額 を カット さ れる ところ が 出て くる 。 そう なれば 新党 の 台所 は 苦しく なる はず と いう もの である 。 ところが 上限 枠 の 設定 で おかしな 事態 が 起きて しまった 。 助成 金 を 満額 獲得 する に は 計算 上 、 交付 額 の 一・五 倍 の 収入 実績 が 必要に なる 。 この ため 各 政党 が 錬金 パーティー を 相次いで 開く など 「 政治 資金 かき集め 」 の 動き を 逆に 助長 して しまった のだ 。 今回 は 、 党員 の 伸び悩み や 党 財政 に 苦しむ 社会 、 さきがけ 両党 が 上限 枠 の 撤廃 を 主張 した 。 とくに 社会党 の 場合 は 上限 枠 が 新党 づくり の 障害 に なる と いう 面 も あった 。 自民党 は 、 政党 の 自助 努力 を 促進 する 立場 から 撤廃 に は 慎重 姿勢 を 見せて いた が 、 最終 的に 投票 方式 を 自書 式 に 戻す こと と ワンセット に して 社会 、 さきがけ の 要求 に 応じた 。 自民党 が 自書 式 に 戻す よう 主張 した の は 、 選管 の 意向 を 体した もの で も ある 。 立候補 する 政党 や 候補 者 が 多数 に なる と 投票 用紙 が 大きく なって 、 印刷 や 開票 作業 が 手間取り 事務 的に 耐え 得 ない から だ 。 しかし 、 これ も 裏 が ある 。 なじみ の 薄い 新党 より も 自民党 など 既成 政党 の 方 が 書いて もらう 場合 、 有利 と いう 計算 が あって の こと だ 。 政党 助成 に ついて 、 私 たち は クリーンな 政治 が 達成 さ れる なら 、 と の 条件 付き で 容認 して きた が 、 今回 の 撤廃 に は 素直に うなずけ ない 。 それ だけ で は ない 。 自民党 に は 政治 資金 規正 法 で 新たに 定め られた 企業 ・ 団体 献金 の 公開 基準 を 「 五万 円 超 」 から 「 百万 円 超 」 に 引き上げる べきだ と の 主張 も 強い と 聞く 。 政党 助成 は まるまる 受け取り 、 企業 ・ 団体 献金 に 関する 規制 は 緩和 する と いう つもり らしい が 、 とんでもない こと だ 。 「 五 年 後 に 見直す 」 と さ れて いる 企業 ・ 団体 献金 の 廃止 問題 を 、 せめて 前倒し に して 実行 する ぐらい の こと が なければ 、 国民 も 納得 し ない ので は ない か 。 自書 式 に 戻す の も 安易だ 。 小 選挙 区 比例 代表 制 に よる 選挙 は 、 まだ 一 度 も 行わ れて い ない のに 、 与野党 に 共通 して 小 選挙 区 制 の 見直し 、 つまり 中 選挙 区 制 復帰 論 が 渦巻いて いる 。 今回 の 手直し が 「 アリ の 一 穴 」 に なら ない と も 限ら ない 。 朝令暮改 で は 政治 へ の 信頼 は 取り戻せ ない 。 米国 と 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 の 核 問題 を めぐる 歴史 的な ジュネーブ 合意 から 、 二十一 日 で 一 年 が 過ぎた 。 過去 一 年 の 朝鮮 半島 情勢 は 安定 を 保ち 、 かつて の 緊張 状態 は 緩和 さ れた 。 昨年 の 米 朝 合意 に 至る まで の 朝鮮 半島 情勢 は 、 北朝鮮 の 核 兵器 開発 疑惑 と 、 核 拡散 防止 条約 脱退 、 南北 対話 中断 、 対 北朝鮮 経済 制裁 問題 、 さらに は 金 日成 主席 の 死去 など で 大きく 揺れた 。 こうした 朝鮮 半島 を めぐる 緊張 状態 は 、 いま で は 大きく 解消 さ れて いる 。 この 緊張 緩和 を 生み出した の が 、 米 朝 の 合意 文書 であった こと は 、 否定 でき ない 事実 であろう 。 昨年 の 合意 成立 後 、 事態 は 必ずしも 合意 の スケジュール に 沿った 進展 を みせて は い ない 。 それにもかかわらず 、 朝鮮 半島 情勢 の 緊張 が 、 再び 高まる こと は なかった 。 これ は 、 米 朝 合意 が つくり出した 大きな 成果 である 。 昨年 の 合意 で 、 米国 は 北朝鮮 へ の 二 基 の 軽水 炉 供給 と 、 年間 五十万 トン の 重油 供与 など を 約束 した 。 これ に 対し 、 北朝鮮 は 黒鉛 炉 と 関連 施設 の 凍結 に 合意 した 。 また 、 軽水 炉 供給 の ため に 朝鮮 半島 エネルギー 開発 機構 も 開設 さ れた 。 KEDO を 代表 して 、 米国 は 今年 四 月 二十一 日 まで に 北朝鮮 と の 間 で 供給 契約 を 結ぶ こと が 、 合意 文書 に は 明記 さ れて いた 。 さらに 、 早期 の 連絡 事務 所 相互 設置 の 準備 も 進んで いた 。 しかし 、 四 月 まで の 契約 締結 が 難しく なった こと から 、 北朝鮮 側 が 態度 を 硬化 さ せ 連絡 事務 所 の 開設 は 、 来年 に 持ち越さ れる こと に なった 。 軽水 炉 の 契約 交渉 が 遅れて いる の は 、 北朝鮮 側 が 港湾 、 道路 、 送電 線 など 新たに 付帯 設備 の 建設 を 求めて きた ため と いう 。 この 付帯 設備 建設 は 、 日 韓 の 資金 負担 の 増額 を 意味 し 、 韓国 は 強く 拒否 して いる 。 一方 、 北朝鮮 は 合意 文書 に 明記 さ れた 「 南北 対話 の 取り組み 」 に 、 積極 的な 姿勢 を 示して い ない 。 この ため 、 韓国 側 は 北朝鮮 が 韓国 抜き の 米 朝 交渉 だけ を 進めよう と して いる 、 と 反発 して いる 。 北朝鮮 の こうした 対応 の 背景 に は 、 軍部 の 反発 など 国 内 事情 が ある と いわ れる 。 一方 、 米 議会 内 で は 南北 対話 に 応じ ない 北朝鮮 へ の 批判 が 高まって おり 、 南北 対話 を 軽水 炉 供給 の 条件 と する 厳しい 決議 案 の 提出 と 成立 が 相次いで いる 。 北朝鮮 は 、 米 議会 の 雰囲気 を 無視 す べきで は ない だろう 。 もっとも 、 北朝鮮 は 米 朝 合意 に 従い 、 核 開発 疑惑 の 対象 と なった 黒鉛 炉 や 核 燃料 再 処理 施設 を 凍結 し 、 核 燃料 棒 保管 など に 関する 作業 に も 積極 的に 協力 して おり 、 国際 原子 力 機関 など と の 新たな トラブル は 起きて い ない 。 こうして みる と 、 米 朝 合意 と KEDO の 設置 は 、 朝鮮 半島 に 緊張 緩和 を もたらす 新たな 国際システム と して 評価 できる 。 この 機能 を 、 さらに 活用 し 発展 さ せる べきである 。 すでに 、 KEDO が 国際 的な 機関 と して 設置 さ れた わけで 、 米 朝 の 交渉 も 断続 的に 行う ので なく 、 常設 的な 接触 ・ 交渉 を 継続 する こと も 可能な はずである 。 昨年 の 合意 に 盛ら れた 南北 対話 の 再開 を はじめ 、 供給 契約 の 締結 、 連絡 事務 所 相互 設置 など の 実施 を いたずらに 遅らせて は なら ない 。 実施 の 遅れ は 、 合意 文書 の 精神 を 失わ せる 恐れ が ある から だ 。 税金 の 高い こと に 文句 を 言って も その 使わ れ 方 に は 関心 が 薄い 。 これ が 一般 の 住民 感覚 だろう 。 議会 も 監視 して いる し 監査 制度 も ある のだ から 公正に 使わ れて いる もの と 、 大方 の 人 は 信じ たい に 違いない 。 しかし 官僚 は 、 そんな 住民 の 期待 を あざ笑う か の よう に 税金 を 飲み食い に 浪費 して いる 。 それ が 昨今 の 新聞 を にぎわせて いる 官 官 接待 である 。 その 額 三百億 円 と 聞く と 、 あまり の 高額に 目 を むく かも しれ ない 。 しかし ある 良心 的 官僚 が 言って いた 。 「 そんな の 屁 みたいな もん です よ 。 もっと 大きい 無駄遣い に 目 を 向けて もらわ なくて は 」 地方 自治 体 の 予算 は 一九九三 年度 決算 額 で 九十五兆三千 余 億 円 。 それ に 比べれば 確かに 三百億 円 など 「 屁 みたいな 」 カネ だ 。 では 一体 どんな 無駄遣い が 行わ れて いる の か 。 その 官僚 は 笑って 答えて くれ なかった 。 「 それ こそ マスコミ の 皆さん の 調査 報道 って いう やつ で 明らかに す べきで は あり ませ ん か 」 地方 議会 が 予算 監視 役 の 機能 を 果たして い ない と の 疑い は 、 かねて 指摘 さ れて きた 。 総 与党 化 の 中 で 、 一部 を 除く と ほとんど の 議員 が 執行 部 と 持ちつ持たれつ の 関係 に ある 。 執行 部 も 「 センセイ 、 センセイ 」 と 議員 を 持ち上げ 、 海外 視察 や さまざまな 手当 の 大盤 振る舞い で 議員 を “ 身内 ” に 引きずり込んで いる 。 もう ひと つ の 監視 役 ・ 監査 委員 制度 は 、 これ は もう ひどい もの だ 。 まず 組織 の 体 を なして い ない 。 監査 委員 は 地方 自治 体 の 行 財政 を 監査 する こと に なって いる が 、 その 自治 体 の 長 から 任命 さ れる 。 監査 さ れる 側 が 「 する 」 側 を 任命 する のだ から 、 奇妙な 話 だ 。 委員 数 は 都道府県 と 人口 二十五万 以上 の 市 が 四 人 、 それ 以下 の 市町村 は 一 人 から 三 人 。 委員 の ほとんど が 自治 体 OB か 同 議員 。 事務 局 も ある が 、 職員 は 執行 部 から 派遣 さ れる 。 監査 委員 に は 「 人格 が 高潔 」 な 人 を 選任 す べし と 地方 自治 法 に うたわれて いる 。 東京 都 で は その 監査 委員 が 執行 部 の 過剰な 接待 を 受けた と 、 都民 から 訴え られて いる 。 北海道 で は 事務 局 ぐるみ の カラ 出張 問題 で 代表 監査 委員 が 辞任 した 。 監査 制度 が この 体たらく だ から 住民 が 自分 で 調査 する しか ない 。 そこ で 市民 団体 が 法律 に 従って 住民 監査 請求 を した 。 昨年 一 年間 で 公費 使途 を 問う 監査 請求 は 都道府県 で 八十七 件 あった 。 ところが 毎日新聞 の 調べ に よる と 、 すべて が 却下 または 棄却 。 「 おまえたち の 知った こと か 」 と いう のである 。 実は 監査 制度 は 七九 年 の 自治 体 の 「 ヤミ 給与 」 問題 で 、 その 無能 ぶり が 暴露 さ れた 。 当時 、 監査 制度 の 抜本 改正 が 叫ば れた が 、 わずかな 手直し が 施さ れた だけ だった 。 今回 の 官 官 接待 自粛 姿勢 も 、 新聞 から 活字 が 消えれば 恐らく 元のもくあみ に なる だろう 。 官僚 たち は ひたすら 頭 を 低く して 、 時 の 過ぎる の を 待って いる に 違いない 。 住民 は 本気で 怒ら なければ なら ない 。 あなた たち は コケ に さ れ 続けて いる のだ 。 それ でも 「 仕方 が ない 」 と あきらめる の か 。 さあ 、 一人ひとり が 自分 の 税金 の 使わ れ 方 に 関心 を 持とう 。 「 忙しい 」 など と 言い訳 せ ず に 、 役所 に 、 議会 に 、 地元 の 集会 に 出掛けて 、 怒り を あらわに しよう 。 地方 分権 は 、 まず われわれ の 自治 を 育てる 意識 と 努力 から 始まる 。 国連 創設 五十 周年 を 特集 した 米 週刊 誌 タイム 最新 号 の 表紙 に は 「 改革 か 、 さもなくば 死 か 」 と いう 衝撃 的な 文章 が 刷り込ま れて いる 。 二十二 日 から 開か れる 五十 周年 記念 総会 で は 、 村山 富市 首相 を はじめ クリントン 、 エリツィン 米 露 両 大統領 ら 各国 首脳 が 登壇 する 予定 だ 。 国連 改革 が 首脳 演説 の メーン テーマ に なる こと は 間違い ない 。 問題 は どう 改革 する か である 。 国連 を 冷戦 後 の 世界 の 現実 に 対応 し 得る 組織 に 再生 さ せる ため に 、 加盟 国 は 英知 を 結集 して ほしい 。 最大 の 焦点 は 、 安全 保障 理事 会 と 経済 社会 理事 会 の 改革 だ 。 過去 二 年間 、 論議 を 重ねて きた 国連 の 安保理 改革 作業 部会 で は 、 密室 性 へ の 批判 が 強い 運営 方法 の 改善 で は 一致 した が 、 理事 国 拡大 に ついて は 大 枠 で 合意 した もの の 、 理事 国 の 構成 など に ついて 意見 が 分かれ 、 結論 を 来年 に 持ち越した 。 理事 国 拡大 の 原則 を めぐって 、 実効 性 を 重視 する 先進 国 と 地域 バランス を 求める 途上 国 の 主張 が 対立 して いる 。 そこ で 注目 さ れる の が 、 世界 の 有識 者 で 構成 する 「 グローバル ・ ガバナンス 委員 会 」 の 提案 だ 。 まず 日本 と ドイツ の ほか アジア 、 アフリカ 、 中南米 から それぞれ 途上 国 一 国 を 「 拒否 権 を 持た ない 常任 理事 国 」 と して 加え 、 十 年 後 の 二〇〇五 年 に 、 現在 の 常任 理事 国 ともども 本格 的な 見直し を 行い 、 最適の 構成 に する 、 と いう もの だ 。 この 提案 は 、 先進 国 、 途上 国 双方 の 主張 を うまく 取り入れて いる 。 時間 差 を つけて 二段構え で 改革 を 行う と いう アイデア も 秀逸だ 。 さまざまな 改革 案 の なか で 最も 実現 性 が ある ように 思う 。 安保理 改革 作業 部会 は 停滞 から 抜け出し 、 改革 の 方向 性 を 早く 示して ほしい 。 一方 、 ガリ 事務 総長 は 昨年 「 開発 へ の 課題 」 と 題する 報告 書 を 国連 総会 に 提出 した が 、 平和 維持 活動 の 行き詰まり も あって 、 国連 は 安全 保障 より も 経済 社会 開発 を 重視 する 傾向 を 一段 と 強めて いる 。 安全 保障 に ついて も 軍事 面 に 偏った 従来 の 概念 から 、 経済 社会 開発 を 含む 幅広い 概念 で とらえ られる 。 国家 を 超越 して 個々 の 人間 の 生存 を 保障 する 「 人間 の 安全 保障 」 が キーワード である 。 貧困 、 飢餓 、 人口 爆発 、 環境 破壊 など 、 個々 の 人間 の 生存 に かかわる 問題 に 、 国連 が どう 対応 して いく か が 問わ れて いる 。 そこ で 求め られて いる の が 、 経済 社会 開発 に 取り組む 関連 機関 の 改革 だ 。 ところが 、 その 中核 である 経社理 は 、 決議 に 拘束 力 が なく 、 安保理 の ような 強い 権限 を 持た ない 。 そこ で 弱体の 経社理 を 廃止 して 「 経済 安保理 」 を 創設 する 構想 や 、 経社理 を 経済 理事 会 と 社会 理事 会 に 二 分 する 案 など が 提唱 さ れて いる 。 いずれ も 十 分 検討 に 値する 提案 である 。 国連 改革 は 、 個々 の 機関 で 個別 的に 行う だけ で よし と す べきで は ない 。 それぞれ の 改革 が 積み重ね られて 築か れる であろう 、 国連 全体 の 将来 像 に ついて の ビジョン を 持って 、 改革 に あたる こと が 必要だ 。 創設 五十 周年 が 終わる と 、 国連 改革 の 弾み が 失わ れる こと が 懸念 さ れる が 、 いかなる 組織 でも 改革 の 意欲 を 持ち 続ける こと こそ が 活性 化 に つながる 。 不断 の 改革 に よる 国連 の 活性 化 に 期待 し たい 。 ソニー が 社員 採用 に 際して 、 履歴 書 に 大学 名 を 書か せ ない 「 学校 名 不問 採用 」 を 始めて 五 年 に なる 。 今年 も 新 方式 に よる 選考 を 行い 、 十 月 一 日 付 で 約 四十 人 に 内定 を 出した 。 大手 で は ソニー に 続いて 、 今年 から トヨタ自動車 も 大学 名 を 聞か ない 方式 に した 。 また 、 学歴 偏重 固定 化 の 要因 の 一 つ と 批判 の ある 「 新卒 の 四 月 一括 採用 」 を 改め 、 通年 採用 に 踏み切る 企業 も 増えて きた 。 しかし 、 こうした 改革 を 進めて いる 企業 は まだ 少数 派 だ 。 超 氷河 期 と 言わ れた 今年 の 就職 戦線 は 、 企業 側 の 買い手 市場 と なり 、 例年 以上 に 有名 大学 に 偏った 採用 を した ところ が 目立った 。 都市 銀行 など は 、 有名 大 生 に は 早く から 水面 下 で 内定 を 出す 一方 、 それ 以外 の 学生 や 女子 に は 就職 協定 を 理由 に 接触 を 断って いた と いう 。 事実 上 の 指定 校 制度 が 復活 した か の ような 印象 さえ ある 。 そんな 中 で の ソニー の この 五 年間 の 先駆 的な 試み は 示唆 に 富む 。 ソニー も 以前 は 、 若手 社員 が リクルーター と して 、 大学 の 後輩 の 採用 に かかわって いた 。 従って OB の い ない 大学 から の 就職 は ほとんど なかった 。 新 方式 は だれ でも 受け付ける 公開 受験 。 一 次 で 基礎 能力 テスト と 論文 、 二 次 で 面接 を 課す 。 在校 名 は 履歴 書 段階 から 最後 まで 問わ ない 。 新 方式 の 引き金 は 「 学校 名 や 序列 を 安上がりの 選抜 の 手段 と して 利用 し 、 有力 大学 出身 者 以外 を 寄せ付け ない 大手 企業 の 採用 システム は 、 受験 競争 の 過熱 に 重大な 一役 を 買って きた 」 と の 中教審 中間 報告 だった と いう 。 従来 の 方式 で は 個性 的な 人材 が なかなか 採れ ない 、 と の 危機 感 が オーバー ラップ した 。 「 OB は 自分 と 似た タイプ を 連れて くる 。 量産 の 時代 なら それ でも いい が 、 新しい 物 を 作り出す これ から の 時代 は 、 同じ タイプ は 一 人 で いい と 考えた 」 と 振り返る 。 新 方式 で は 「 異質な 体験 」 を 重視 。 何 を やってきた か 、 そして 何 を やり たい か を 面接 で 徹底 的に 聞いた 。 その 結果 、 従来 の 仕組み なら だめだった 人 が かなり 入った 。 採用 実績 の なかった 大学 の 出身 者 が 、 毎年 必ず 何 人 か 含ま れて いる と いう 。 採用 担当 者 は 「 新 方式 の 評価 は 新人 が 一人前 に なって から 。 まだ 先に なる 。 ただ 個性 的な 人材 を 採る 、 それ に は 学校 名 は 影響 し ない と いう コンセンサス は できた 。 採用 に 自信 が 持てる ように なった 」 と 総括 する 。 企業 の 採用 方法 が 、 学校 教育 全般 に 大きな 影響 を 与えて いる こと は 、 経済 界 でも 共通 認識 に なって きた 。 昨年 四 月 の 経済同友会 の 提言 は 「 少し でも 序列 の 高い 大学 へ の 入学 を 競う 偏差値 競争 が 教育 の 病理 を 深刻 化 さ せる と いう 事態 を 招いた 。 これ に ついて は 、 産業 界 の 責任 も 大きい 」 と 自ら の 非 を 認め 、 「 指定 校 制度 の 完全 撤廃 は もちろん 、 出身 大 学名 を 聴取 し ない 、 学校 歴 で は なく 学習 歴 を 重視 する こと を 目 に 見える 形 で 示して いく 」 こと を 求めた 。 日経連 も 今年 四 月 、 「 学校 歴 で は なく 、 何 を 学んだ か と いう 学習 歴 を 重視 した 採用 」 など と 提言 して いる 。 企業 側 から みて も 、 偏差値 優等 生 だけ に 絞り 込む 旧態 依然 の 採用 を して いて 二十一 世紀 に 生き残れる の か 、 と いう こと に は なら ない か 。 経済 団体 の 加盟 企業 ・ トップ は 、 まず 自ら の 会社 に おいて 学校 名 不問 など の 採用 方法 の 改革 を 率先 して 進め 、 提言 を 現実 の もの に して ほしい 。 医師 が 薬 を 処方 して 、 薬剤 師 が 調剤 する 「 医薬 分業 」 は 、 神聖 ローマ 帝国 の フリードリヒ 二 世 が 十三 世紀 に 始めた 、 と いわ れる 。 毒殺 を 恐れ 、 ダブル チェック する ため の 自衛 手段 だった 。 医師 の 処方せん は 証拠 物件 に なり 、 薬剤 師 の 方 も 医師 から 監視 さ れる 。 そんな 物騒な 時代 で は ない が 、 現代 の 強力な 薬 ほど 副 作用 を 警戒 し 、 多様な 薬 が 出回る だけ に 、 飲み 合わせ に も 気 を つけ なければ なら ない 。 分業 の 良 さ は 多い 。 医師 は 手持ち の 薬 に 縛ら れ ず 処方 できる 。 薬剤 師 と 処方 を 検討 し 、 薬剤 服用 歴 と 照合 できる 。 薬剤 師 は 個々 人 の 服用 記録 を 作り 、 複数 の 医療 機関 から の 重複 投与 を 避けたり 、 飲み 合わせ の 副 作用 を 防げる 。 患者 は 処方せん で 薬 の 名前 を 知り 、 薬剤 師 に 説明 して もらえる 。 薬剤 師 の 発言 力 が 弱かった せい も ある が 、 できる だけ 安く 薬 を 仕入れ 、 公定 価格 で 保険 制度 から 支払い を 受ける 「 薬価 差益 」 が 分業 を 阻む 主因 と いえる 。 かつて 日本 医師 会 を 率いた 武見 太郎 氏 は 、 差益 こそ 医術 評価 の 低 さ を 補う 「 潜在 技術 料 」 と 表現 した 。 それ が 薬漬け を 加速 した の も 事実 だ 。 この 差益 も 徐々に 圧縮 さ れ 、 一方 で 「 薬害 」 が 後 を 絶た ない 中 、 ようやく 医薬 分業 の ピッチ は 上がり つつ ある 。 処方せん の 中 で 薬局 で 扱う 割合 は 、 永らく 一〇 % 程度 で 低迷 した が 、 一九九三 年 は 一五・八 % 、 九四 年 は 一八 % を 超えた 。 ただし 、 病院 の 薬剤 部門 を そっくり 分離 して 近く で 開業 さ せる 「 門前 薬局 」 も ある から 、 本当の 分業 率 は もっと 低い 。 地域 の 多く の 薬局 が 分業 に なら ない と 、 医師 と 薬剤 師 の 間 に 本物 の チェック 態勢 は 育た ず 、 過剰な 投薬 も 防げ ない 。 患者 も 複数 の 薬局 の うち 利用 し やすい ところ で 、 待ち 時間 なし に 薬 を 受け取れ ない 。 分業 する と 、 医療 費 は むしろ 高く なる と 考える 人 も いる 。 確かに 医師 は 処方せん 発行 料 を 、 薬局 側 は 調剤 料 や 薬 歴 管理 料 を 取る 。 しかし 、 厚生 省 の ポイント 調査 に よる と 、 地域 全体 の 医薬 分業 が 進む 東京 都 大田 区 、 長野 県 上田 市 、 北九州 市 若松 区 で 、 分業 と 、 分業 して い ない 医療 機関 を 比べた ところ 分業 の 方 が 一 カ月 当たり の 薬代 が 一 割 から 二 割 低かった 。 「 差益 」 に 頼ら ない 医療 の 姿 が うかがえる 。 もちろん 、 この 程度 の 調査 で は 全体 像 は つかめ ない 。 もっと 本格 的な 調査 を 実施 す べきだ 。 国民 医療 費 二十六・七兆 円 に 占める 薬剤 費 は 三 割 近い 、 と 見 られる 。 それ が 健康 と 命 を 守る 費用 なら 納得 も いく 。 だが 、 大入り 袋 の ように 薬 を 渡さ れ 、 大半 は 捨てる ケース の 何と 多い こと か 。 薬 の 公定 価格 を 含め 医療 の 値段 を 決める 診療 報酬 体系 に 医薬 分業 を 促し 、 その 代替 と して 医師 や 薬剤 師 の 技術 料 を 正当に 評価 する 仕組み を もっと 大胆に 取り入れて は どう か 。 来春 の 診療 報酬 改定 へ 向けて 、 すでに 医療 、 製薬 、 健保 組合 、 厚生 省 など が 入り乱れて 激しい 火花 を 散らす 。 利益 の 奪い合い で は なく 、 もう 一 度 、 原点 に 戻って 、 安全 性 と 効率 性 を 両立 さ せる 根本 的な 治療 を 考え ない と 、 国民 に 見放さ れる だろう 。 大和 銀行 の 米国 で の 不正 取引 事件 は 、 どこ まで 広がる のだろう か 。 同 銀行 ニューヨーク 支店 の 不祥事 は 二 年 前 に 発覚 した が 、 大和銀 は 組織 的な 隠ぺい 工作 を 行い 、 信託 子会社 の 損失 も 米国 当局 に 報告 せ ず 、 大蔵 省 も 事件 処理 を 二 カ月 近く も 放置 した など の 事実 が 、 元 嘱託 行員 の 法廷 証言 など で 明らかに なった 。 これ まで 、 私 たち は 事件 の 原因 の 調査 と 公表 、 責任 の 明確 化 、 大蔵 省 の 業務 改善 を 訴えて きた 。 ここ で 改めて 事件 の 全容 の 徹底 的な 情報 開示 を 大蔵 省 、 大和銀 双方 に 求め たい 。 さらに 金融 システム 改革 の ため に 、 大蔵 省 の 銀行 行政 の 抜本 的 見直し を 要請 し たい 。 まず 、 全力 を 挙げて 取り組む べき は 不正 取引 の 全体 像 の 掌握 である 。 大和銀 の 組織 的 隠ぺい 工作 や 預かった 年金 資産 に 手 を 出した こと は 、 銀行 の 名 に 値し ない 常軌 を 逸した 行為 である 。 大和銀 は 、 自ら 進んで 不祥事 の 徹底 的な 解明 と 正直な 公表 を 行う べきで 、 それ だけ が 失墜 した 信用 を 回復 する 道 であろう 。 また 大蔵 省 ・ 日銀 も 大和銀 の 検査 が 済み 次第 、 その 結果 を 明らかに し 、 内外 に 高まる 日本 的 金融 システム へ の 不信 感 を 除去 す べきだ 。 今回 も 臭い もの に は フタ と いう 姿勢 が 、 行政 当局 と 大和 銀 に 見 られた が 、 これ は 百害 あって 一利 なし である 。 米 欧 当局 と マーケット は 、 大和銀 の 不正 行為 も さること ながら 、 その後 の 日本 の 不透明な 対応 に 批判 を 強めて おり 、 それ が ジャパン ・ プレミアム の 高騰 を 招き 、 国 内 の 景気 浮揚 の ため の 超 低 金利 政策 に 水漏れ を もたらして いる 。 大蔵 省 の 銀行 行政 も 、 抜本 的な 見直し が 必要だ 。 大和銀 事件 の 原因 の ひと つ に 、 検査 体制 の 欠陥 が ある 。 日本 の 金融 機関 の 検査 員 は 七百 人 足らず で 、 米国 の 八千 人 弱 に 比べて 非力だ 。 これ は 日本 が 金融 機関 を 信頼 し 、 その 自主 検査 に 任せる 部分 が 大きい の に 対し 、 米国 は 当局 が 自ら 厳格に 検査 する ため と いう 。 日本 の やり 方 は 、 行政 と 金融 機関 と の 癒着 や 、 不正に 甘く なり がち と いう 欠点 が あった が 、 邦 銀 の 商売 が 国 内 だけ の 時代 に は 批判 は 少なかった 。 しかし 、 金融 自由 化 ・ 国際 化 が 本格 化 して 、 海外 業務 が 急 拡大 した のに 、 検査 方式 が 護送 船団 方式 当時 の まま だった こと が 、 今回 の 失敗 を 招いた と いえる 。 大蔵 省 銀行 局 が 、 銀行 検査 と 金融 政策 の 両方 を 行って いる こと も 、 金融 システム を 不透明な もの と して いる 。 大蔵 省 が 、 銀行 の 不正 を 裁く 審判 と 、 銀行 経営 を 左右する 金融 政策 を 決める プレーヤー を 兼ねて いる ような もの で 、 大蔵 省 の 権限 を 必要 以上 に 強大 化 して いる から だ 。 すでに 大蔵 省 証券 局 は 、 証券 取引 等 監視 委員 会 を 独立 さ せ 、 行政 と 司法 を 分離 した 。 銀行 局 も 今回 の 大和銀 事件 を 機 に 、 組織 を 見直す べきだ 。 しかし 、 四十兆 円 も の 金融 不良 資産 の 露呈 や 銀行 ・ 証券 スキャンダル の 続発 が 、 大蔵 省 ・ 日銀 神話 を 崩壊 さ せて 久しい 。 金融 関係 者 は 相次いで 引責 辞任 した が 、 橋本 竜太郎 元 蔵 相 以外 、 大蔵 省 ・ 日銀 関係 者 で 辞めた 例 を 聞か ない 。 こうした 「 外 に 強く 内 に 甘い 」 行政 の 緩み を 改革 し ない かぎり 、 不祥事 の 再発 は 防げ まい 。 あの 熱気 は どこ へ いって しまった のだろう か 。 国連 安全 保障 理事 会 の 常任 理事 国 入り を 目指す 、 政府 の 熱意 の こと である 。 昨年 の 今ごろ 、 政府 は カネ や 太鼓 を たたか ん ばかりに 常任 理事 国 入り で 国民 を はやし立てて いた 。 国連 五十 年 の この 機 を 逃す と 、 二度と 機会 が ない と ばかり に 。 ところが 今年 は どう か 。 二十二 日 の 村山 富市 首相 の 国連 演説 でも 「 安保理 の 拡大 と 透明 性 の 増大 」 を 求めた だけ 。 実に 淡々と して いた 。 もちろん 客観 情勢 が 許さ ない から で も あろう 。 日本 の 常任 理事 国 入り どころ か 、 安保理 改革 そのもの が 国連 作業 部会 で 足踏み して いる 。 「 官民 一丸 と なって 燃えれば 道 が 開けた のに 」 と 、 外務 省 から は マスメディア に 対する 恨み 節 が 聞こえて くる 。 しかし 、 果たして そう だろう か 。 もともと 日本 の 常任 理事 国 入り そのもの が 砂上 の 楼閣 だった ので は ない か 。 確かに 日本 は 財政 面 で 国連 に 貢献 して いる 。 が 、 常任 理事 国 と して 政治 的 ・ 軍事 的 職責 を 全うし 得る か に ついて は 国 内 外 の 不安 が ある 。 戦前 ・ 戦中 の 責任 を きちんと 償って い ない 日本 に 対し 、 不信 感 も 根強い 。 なにより も なぜ 常任 理事 国 を 狙う の か 、 目的 が はっきり し ない 。 国連 を 舞台 に 働く 日本 外交 官 の 苦労 と 悔しい 思い が 分から ないで も ない 。 安保理 は 今や いわば 重役 会議 だ 。 最近 は 非公式 協議 で 連日 の ように 開か れて いる 。 廊下 に 待機 して 、 会議 場 から 出て くる 関係 者 から 立ち話 で 会議 の 模様 を 聞き出す の は 大変な こと だろう 。 日本 は 米国 に 次ぐ 分担 金 拠出 国 。 ところが 日本 の 分担 金 の 五 % に 過ぎ ない 常任 理事 国 も いる 。 腕 を 振るえ ない もどかし さ も あろう 。 しかし 、 それ は 安保理 メンバー 以外 の 百七十 カ国 すべて が 抱く 不満な のだ 。 自分 だけ が そこ から 抜け出そう と する ので は なく 、 安保理 を 含む 国連 制度 そのもの の 改革 に 取り組む こと こそ 肝要な ので は ない か 。 先 の 首相 の 国連 演説 に して も 「 国連システム の 改革 は 必要 」 と 言い ながら 、 なに を どう す べき か の 具体 的 提言 が ない 。 あいまいな 言葉 が ちりばめ られて いる だけ で 、 国連 を どう し たい の か 、 国連 で なに を し たい の か が 見え ない 。 過去 の 日本 の 国連 外交 は 、 政府 が 宣伝 する ほど 立派な もの で は ない 。 日本 の 国連 で の 行動 は 、 いつも 米国 の 先兵 か 後押し 役 だった 。 もちろん 米国 は 日本 の 最大 友好 国 である 。 行動 を 共に する こと が 多々 あって 当然である 。 しかし 、 「 唯一 の 被爆 国 」 「 軍縮 こそ 悲願 」 と 触れ回り ながら 、 核 兵器 に 関する 諸 決議 でも 軍縮 問題 でも 、 日本 は 首尾 一貫 性 に 欠ける 投票 行動 を 取った 。 米国 の 顔色 を うかがって 行動 した から である 。 日本 は 十 年 前 に 国連 の 行政 改革 に 取り組んで 一定 の 評価 を 得た と さ れる が 、 それ すら 米国 の 代理人 と 疑わ れて いる 。 非核 地帯 設置 に して も 軍縮 に して も 、 関係 国 が その 気 に なら なければ 絵 に かいた モチ である こと は 承知 して いる 。 しかし 、 日本 は これ ら の 分野 で 旗振り を する 資格 が ある 。 常任 理事 国 すべて が 核 保有 国 であり 、 武器 輸出 国 な のだ から 。 四 年 前 に 国連 総会 で 採択 さ れた 兵器 移転 登録 制度 が その いい 例 だ 。 日本 は もっと 世界 平和 建設 の 指導 力 を 発揮 す べきだ 。 そう すれば おのずと 日本 の 前 に 道 が 開けて くる 。 一連の オウム 事件 の 核心 である 地下鉄 サリン 事件 で 、 殺人 罪 など に 問わ れた 教団 元 幹部 、 中川 智正 被告 の 初 公判 が 二十四 日 、 東京 地裁 で 開か れ 、 この 元 幹部 は サリン の 製造 を 認めた 。 犯行 を 指示 した と さ れる 教団 代表 ・ 麻原 彰晃 被告 の 初 公判 は 二十六 日 。 法廷 は 全く 異なる が 、 検察 側 の 立証 は 事件 の 核心 部 に 迫った 。 罪状 認否 で 、 この 元 幹部 は 麻原 被告 と の 直接の 共謀 を 否定 し 、 事前 に は サリン 発散 計画 を 知ら なかった と した もの の 「 サリン の 生成 は 確かに 行い ました 」 「 サリン が 撒か れた の は 間違い ない 」 と 述べた 。 麻原 被告 は サリン 製造 を 含めて 全面 否認 する と 伝え られる 。 こうした 元 幹部 の 罪状 認否 を 前 に して 、 自身 の 法廷 で どんな 主張 を 展開 する のだろう か 。 この あと の 冒頭 陳述 で 検察 側 は 麻原 被告 の 事件 へ の 関与 を 詳述 した 。 「 教団 へ の 強制 捜査 が 実施 さ れる と いう 危機 感 から 、 警察 組織 に 打撃 を 与え 、 首都 中心 部 を 大 混乱 に 陥れ …… 捜査 を 不可能に しよう と 考えた 」 。 おぞましい 実態 が 浮き彫り に なり 、 改めて りつ然と さ せ られる 。 もちろん 冒陳 は 、 即 「 認定 事実 」 と なる わけで は ない 。 検察 側 が 証拠 に よって 立証 しよう と する 構図 であって 、 法廷 で の 対審 を 経て 、 司法 判断 を 仰が なくて は なら ない 。 と は 言って も 、 サリン 製造 を 認めた 陳述 は 検察 側 に とって 支え と なろう 。 共謀 が 否認 さ れ 、 検察 立証 に ハードル が ある の も 確かだ が 、 これ まで に も 多く の 元 信者 が 被告 と して 登場 して いる 。 その 公判 経過 を みて も 、 検察 側 は 立証 に 向け 、 着々 と ポイント を 挙げて いる と みて よかろう 。 それにしても 、 気 に なる の は 麻原 被告 の 裁判 の 進行 だ 。 たった 一 人 の 弁護人 が 交通 事故 に 遭い 、 初 公判 期日 の 延期 も 取りざた さ れた 。 幸い 軽傷 で 、 予定 通り 行わ れる ようだ が 、 これ だけ の 重大 裁判 で 弁護人 が 一 人 と いう の は 望ましく ない 。 今回 の ような 不測 の 事態 が 今後 ない と も 限ら ない 。 多く の 書証 を 前 に 一 人 で は 手 に 余る 局面 も あろう 。 裁判 所 は 合議 体 の 三 裁判 官 に 加え 、 四 人 目 を 「 補充 裁判 官 」 と して 参加 さ せる と いう 。 裁判 官 の 転勤 など で 交代 が あって も 、 審理 を 中断 さ せ ない ため の 措置 だ 。 弁護人 は 弁護 士 会 の 協力 を 取り付ける など して 、 複数 弁護人 に す べく 努めて ほしい 。 適正 ・ 迅速な 裁判 に は 必要な こと だ 。 今 、 東京 地裁 で は 刑事 裁判 と 並行 して 、 宗教 法人 法 に 基づく 教団 の 解散 請求 裁判 も 進行 中 である 。 請求 理由 は 「 教団 施設 内 で サリン 製造 を 企てた 」 である 。 立証 負担 が 軽く 、 証拠 も そろえ やすい こと から 東京 地検 は 「 製造 の 企て 」 に 絞り 込んだ と 聞く 。 「 殺人 以外 に 利用 価値 の ない サリン を 造ろう と した 。 その こと だけ で 反 社会 性 は 十分だ 」 と いう 姿勢 であり 、 裁判 所 の 早期 決定 を 促す 狙い も あった であろう 。 司法 と して の 慎重 審理 は 当然 、 求め られる 。 そう であって も 、 遅延 は 避けて ほしい 。 この 日 は 「 製造 の 企て 」 を 通り越して 製造 が 語ら れた 。 請求 裁判 で の 陳述 で は ない に して も 、 審理 は 進んで いる と み たい 。 決定 が 遅れれば 、 それ だけ 資産 散逸 の 事態 も 懸念 さ れる 。 早期 解散 を 求める 意見 書 や 決議 が 多く の 地方 議会 で 出て いる 。 解散 を 求める 多く の 署名 も 出さ れて いる 。 裁判 所 も 応え ねば なる まい 。 東北 電力 女川 原発 2 号 機 が 今年 七 月 に 営業 運転 を 開始 し 、 日本 の 原発 は 新型 転換 炉 の 原型 炉 「 ふげん 」 を 含める と ちょうど 五十 基 に 達した 。 まさに 原発 大国 である 。 消費 した 燃料 以上 の 燃料 を 生み出す と さ れる 高速 増殖 炉 の 原型 炉 「 もん じゅ 」 は 八 月 に 初 発電 に 成功 した 。 日本 が 原子 力 開発 を 進める うえ で 記念 す べき 年 であろう 。 だが 、 新型 転換 炉 の 原型 炉 と 商業 炉 の 間 に 位置 する 実証 炉 の 建設 計画 が 八 月 に 中止 と なった 。 「 ふげん 」 の 成果 が 商業 炉 に は 生かさ れ ない わけだ 。 四 月 に は フランス から の 高 レベル 放射 性 廃棄 物 を 積んだ 輸送 船 が 目的 地 の 青森 県 ・ むつ 小川原 港 を 前 に 立ち往生 し 、 原発 が 「 トイレ なき マンション 」 に 等しい 状況 に 置か れて いる こと を 改めて 示した 。 一 月 の 阪神 大 震災 は 「 原発 は 本当に 大 地震 に 耐え られる のだろう か 」 「 地震 国 ・ 日本 に こんなに 原発 を 建設 して も 大丈夫な の か 」 と いう 不安 を 国民 に 植え付けた ようだ 。 そうした 状況 を 踏まえ 、 使用 済み 燃料 から 回収 した プルトニウム や ウラン を 再 利用 する 核 燃料 リサイクル の 動向 など に 焦点 を 当てた 今年 の 原子 力 白書 が 原子 力 委員 会 から 二十四 日 、 発表 さ れた 。 高速 増殖 炉 へ の 橋渡し 役 の 新型 転換 炉 から の 撤退 に ついて 白書 は 「 研究 開発 の 成果 を 実用 化 に つなぐ こと が でき なかった こと は 残念だ が 、 今回 の 見直し に 至った 経緯 を 率直に 反省 する 」 と 述べて いる 。 原子 力 委 は 昨夏 に 原子 力 開発 利用 長期 計画 を 改定 した 際 、 新型 転換 炉 計画 を 見直さ なかった 。 だが 、 今年 七 月 に 電気 事業 連合 会 が 「 新型 転換 炉 実証 炉 の 建設 費 が 跳ね上がり 、 発電 コスト が 高く つく 」 と いう 理由 で 実証 炉 の 建設 断念 を 申し入れる と 、 原子 力 委 は それ を あっさり 認めた 。 原子 力 委 の 見通し の 甘 さ は 明らかである 。 反省 する ばかりで なく 、 責任 の 所在 を 明らかに す べきだろう 。 将来 の 本命 と さ れる 高速 増殖 炉 の 開発 に は 原子 力 委 は 自信 を 示す が 、 高速 増殖 炉 は 技術 的に 難しく 、 経済 性 の 問題 も 抱える 。 新型 転換 炉 断念 を 教訓 に 原子 力 委 は 高速 増殖 炉 の 開発 を 厳しく チェック す べきだ 。 日本 は 高速 増殖 炉 や 軽水 炉 で プルトニウム の 利用 を 積極 的に 進める 方針 だ が 、 プルトニウム は 核 兵器 に 転用 できる ため 、 一部 の 国 は 「 日本 は 核 武装 を 狙って いる 」 と 批判 して いる 。 白書 で プルトニウム の 管理 状況 を 公表 する ぐらい で は 国際 的な 理解 は 得 られ にくい 。 プルトニウム を 利用 し ない 選択 も 考える 時期 に 来て いる ので は ない か 。 白書 は 高 レベル 廃棄 物 の 処分 に ついて 「 原子 力 開発 で 避けて 通れ ない 重要 課題 」 と 位置付け 、 国民 的 合意 の 形成 の 大切 さ を 強調 した 。 国 は 高 レベル 廃棄 物 を 地下 数百 メートル の 地層 に 処分 する 計画 だ が 、 地層 処分 の 安全 性 の 確保 を 含めて 誠意 を もって この 問題 に 取り組む 必要 が ある 。 今 は 石油 の 価格 が 安い こと も あって 世界 的に 原子 力 開発 に 逆風 が 吹いて いる 。 白書 も 「 国民 の 原子 力 に 対する 不信 感 、 不安 感 が 依然と して 払拭 さ れて い ない 」 「 発注 ペース は 大幅に 落ち 、 産業 界 に とって は 苦しい 状況 が 続いて いる 」 と 分析 した 。 国 や 電力 会社 が 情報 を 隠す と いう 体質 を 改め 、 国民 の 理解 を 得て いく 努力 を 一層 強め ない と 、 原子 力 を めぐる 状況 の 好転 は 期待 でき ない 。 渡り鳥 の コース が 示す ように 、 シベリア 極東 部 から 朝鮮 半島 、 中国 、 日本 列島 を 含む 東 アジア は 生態 系 の 巨大な 輪 に 連なる 生物 圏 と いう に ふさわしい 。 大気 、 水 、 野生 生物 が 大 循環 して いる 生命 の 共同 体 と いえる だろう 。 この 地域 は また 、 年率 一〇 % を 超す 中国 の 経済 成長 に 代表 さ れる 工業 化 の 進展 が 著しい 。 エネルギー の 増産 は 、 ただちに 中国 、 朝鮮 半島 から 風下 の 日本 列島 へ 、 酸性 雨 を もたらす 。 廃棄 物 の 海洋 投棄 は 、 環 日本 海域 を 汚染 する 。 環境 保護 へ の 国際 協力 なし に 、 東 アジア の 明日 は ない 、 と の 考え から 毎日新聞社 と 朝鮮 日報 社 は 日 韓 国交 正常 化 三十 周年 を 記念 し 、 「 日 韓 ・ 韓 日 国際 環境 賞 」 を 設け 、 東 アジア 生物 圏 の 自然 、 環境 の 保護 、 回復 、 創造 に 努めて いる 民間 の 人々 と 組織 を 顕彰 する こと に なった 。 二十六 日 に 東京 で 第 一 回 の 授賞 式 が 行わ れ 、 ともに 二 件 ずつ 、 あわせて 四 事業 が 「 日 韓 ・ 韓 日 国際 環境 賞 」 を 受賞 する 。 日本 側 で は 、 さまざまな 分野 に わたる 三十二 人 の 委員 が 推薦 した 三十五 件 の 候補 から 、 「 日本 沙漠 緑化 実践 協会 」 の 遠山 正瑛 会長 、 遠山 柾雄 副 会長 と 「 北九州 国際 技術 協力 協会 」 が 選ば れた 。 韓国 は 「 光緑会 」 と 中国 で 活動 して いる 「 自然の 友 」 を 表彰 する 。 遠山 さん 父子 は 、 砂漠 が 広がる 中国 ・ 内 モンゴル 自治 区 に ポプラ を 植え 、 農作物 や 花 を 育てる 試み を 一九九一 年 から 続けて いる 。 不毛の シルクロード に 、 人 が 住む 緑 の 大地 を 夢みる 百 年 の 大計 である 。 父子 ともに 鳥取 砂丘 で の 砂地 農業 の 研究 で 知ら れる 鳥取 大学 で 、 農学 部 の 教官 を 務めた 実体 験 に 支え られて いる 。 熱砂 を はう 強じんな クズ を 先駆 植物 に 、 不毛の 大地 に メタセコイア や ポプラ を 根付か せ 、 農業 の 復興 を 構想 する 雄大な 計画 である 。 共感 する 延べ 千五百 人 が 日本 から 植樹 に 赴いた こと も 特筆 さ れる 。 “ 滅 公 奉 私 ” の この 時代 に 、 無償 の 行為 に 向かう 人々 は なお 健在である 。 かつて の 公害 の 町 から よみがえった 北九州 市 の 国際 技術 協力 協会 は 、 産業 公害 を 克服 し つつ 蓄積 した 技術 と ノウハウ 情報 を 人材 育成 の 形 で 世界 に 発信 し 、 提供 する 行動 が 高く 評価 さ れた 。 八六 年 以降 、 開発 途上 国 から 延べ 千四百五十 人 の 技術 者 を 受け入れ 、 環境 科学 の 技術 を 伝えた 。 自治 体 、 地域 社会 の 足元 から 地球 規模 の 環境 保護 へ 貢献 して いる モデル と して 知ら れ 、 国連 環境 計画 から 国際 的な 環境 保護 活動 賞 グローバル 五〇〇 賞 を 受けて いる 。 急速な 工業 化 で 環境 、 自然 破壊 が 著しい 韓国 で 、 水源 の 浄化 や 有機 農法 の 普及 に 努めて いる 「 光緑会 」 。 中国 初 の 環境 保護 市民 団体 で 、 注目 さ れる 揚子 江 ・ 三峡 ダム の 環境 影響 評価 など に 取り組んで いる 「 自然の 友 」 。 これ ら 団体 の 受賞 に よって 、 読者 の みなさん へ 「 日 韓 ・ 韓 日 国際 環境 賞 」 の 目的 を 明らかに する こと が 出来た と 考える 。 それ は 私利 私欲 、 国益 、 企業 益 を 超える 東 アジア 生物 圏 の 環境 と いう 公共 財 の 保全 を 願う 、 新たな 安全 保障 活動 に ほかなら ない 。 「 日 韓 ・ 韓 日 国際 環境 賞 」 が その ささやかな 礎 と なり 、 連帯 の 輪 が 地球 大 に 広がって いく こと を 、 私 たち は 願って いる 。 オウム 真理 教 代表 、 麻原 彰晃 被告 の 弁護人 が 解任 さ れ 、 二十六 日 の 初 公判 期日 は 急きょ 取り消さ れた 。 速やかに 新 弁護人 が 選任 さ れて も 、 公判 準備 を 考えれば 、 初 公判 が 年明け に ずれ込む こと も 十分に 予想 さ れる 。 大きな 遅れ だ 。 もともと 長引く 裁判 と いわ れた が 、 スタート から の 波乱 である 。 東京 地裁 は 「 誠に 遺憾である 」 と 異例の 見解 を 出した 。 迅速な 裁判 を 目指して いた だけ に 、 当然の 思い であろう 。 解任 届 は 前日 の 二十五 日 夕 、 警視 庁 を 通じて 裁判 所 に 出さ れた 。 もともと 麻原 被告 の 弁護人 は 一 人 であり 、 その 一 人 が 解任 さ れた こと で 弁護人 不在 と なり 公判 が 開け なく なった 。 ところが 、 この 解任 の 前 に 、 二 人 目 の 弁護人 が 選任 さ れて いる 。 二 人 の 弁護人 が 麻原 被告 に 接見 し 、 この後 、 二 人 目 が 辞任 した と いう 。 どんな 事情 が あった の か 。 はた目 に は 不可解に 映る 。 「 訴訟 の 引き延ばし 戦術 」 と いう 声 も 当日 、 検察 側 から 出た 。 裁判 所 は リーダーシップ を 取り 、 事 の 顛末 を 調べて もらい たい 。 刑事 訴訟 法 は 、 弁護人 を 必要 と する 条項 を 次 の ように 規定 して いる 。 「 死刑 または 無期 もしくは 三 年 を 超える 懲役 、 禁固 に 当たる 事件 を 審理 する 場合 に は 、 弁護人 が い なければ 開廷 でき ない 」 。 今回 の 初 公判 延期 も この 規定 に よった もの だ 。 被告 の 権利 を 守り 、 公正な 訴訟 を 確保 する ため に 定め られて いる 。 そう であって も 、 一九六〇 年 代 末 から 続いた 「 荒れる 法廷 」 で は 、 被告 と 同調 した 弁護人 の 不 出頭 、 退廷 に よって 審理 が 空転 する 事態 が 多々 み られた 。 こうした 風潮 の 中 、 裁判 所 の 中 に は 「 権利 の 乱用 」 だ と して 、 弁護人 不在 で 審理 を 進めた ケース も あった 。 もちろん 、 批判 の 法学 説 も 強く 、 極めて 特異な 事例 に 限定 さ れる もの であろう 。 初 公判 延期 は 「 審理 の 空転 回避 と 必要 的 弁護 」 と いう 、 かつて の 司法 テーマ を 改めて 想起 さ せた 。 ただ 、 オウム 裁判 で は 、 空転 の 事態 は 絶対 に 避け ねば なら ない 。 裁判 所 の 職権 に よる 国選 弁護人 の 制度 が ある 。 東京 地裁 は 二十六 日 、 麻原 被告 から 事情 を 聴いた 後 、 弁護 士 会 と 協議 し 、 国選 弁護人 の 選任 へ の 方向 を 示した と も 聞く 。 国選 弁護人 に ついて は 「 裁判 所 が 解任 し ない 限り 、 地位 を 失わ ない 」 と いう 最高裁 判例 が ある 。 初 公判 延期 の 空白 は 埋まら ない に して も 、 国選 弁護人 が 選任 さ れれば 、 今後 、 解任 問題 は まず 出て こ ない 。 一連の オウム 事件 、 殊に 二 つ の サリン 事件 に ついて は 、 国際 的な 重大 関心 事 で も ある 。 国連 創設 五十 周年 記念 総会 の 演説 で 、 クリントン 米 大統領 は この 事件 に 触れ 「 テロ 取り締まり は 国連 の 緊急 課題 」 と 呼び掛けた 。 また 、 米 議会 上院 調査 小 委員 会 は 「 テロ 対策 を 検討 する ケーススタディー 」 と して 、 近く 公聴会 で 取り上げる と いう 。 事件 と その 捜査 も さること ながら 、 裁判 に 舞台 が 移った 今 、 世界 の 目 は 「 こうした 重大 事件 に 、 日本 の 司法 が どう 対応 して いく か 」 に も 注が れて いる 。 適正 、 かつ 迅速な 訴訟 進行 が なければ 、 機能 不全 を いわ れ かね ない 。 司法 決着 まで 十九 年 を 要した ロッキード 裁判 で は 、 長引いた 一 審 の 段階 で 、 すでに 外国 の 司法 関係 者 から 批判 を 聞いた 。 国選 弁護人 に なった と して も 、 常に 適正 、 迅速な 訴訟 を 追求 し 続けて ほしい 。 新進党 は 二十七 日 、 十八 歳 以上 の 国民 に 国会 議員 並み の 投票 権 を 開放 する 党首 公選 制度 の 導入 を 決めた 。 十二 月 下旬 に 公選 が 実施 さ れる 。 九 月 に 総裁 選 を 実施 した 自民党 も 百五十万 党員 に 選挙 権 を 与えた が 、 実は 全く 似て 非なる もの だ 。 自民党 の 場合 、 党員 と いって も 政策 ・ 理念 に 賛同 、 党費 納入 義務 も 果たした 「 内部 」 の 人間 だ が 、 新進党 の 場合 は 千 円 程度 の 参加 料 さえ 支払えば だれ でも 投票 出来る 、 文字通り 国民 に 開か れた 党首 選挙 に なる から だ 。 おまけに 参加 者 が 増えれば 増える ほど 党 財政 に も 寄与 する し 、 支持 層 拡大 と 相まって 、 新進党 そのもの を 一般 国民 に 直接 基盤 を 持つ 真 の 国民 政党 に 変容 さ せる 可能 性 も ある 。 しかし 良い こと ばかり で は ない 。 わが国 は 議院 内閣 制 で 、 首相 は 国会 議員 の 選挙 で 選ぶ 。 首相 候補 は 通例 は 政党 の 党首 。 従って 党首 は 政党 の 責任 で 国会 議員 が 中心 に なって 選ぶ 、 と いう の が 暗黙 の 前提 だった 。 ところが 新進党 の 党首 選挙 は これ に 風穴 を 開ける もの で 、 憲法 改正 が 不可避な はずの 首相 公選 論 に も 通底 する 考え が ある ようだ 。 もっとも 国会 議員 二十 人 以上 の 推薦 が ない と 候補 に なれ ず 、 公選 で 過半数 を 制する 候補 が い ない 場合 は 上位 二 人 に ついて 国会 議員 で 決選 投票 する 、 など 最終 的に は 国会 議員 が 主導 権 を 握る こと に なって は いる 。 本来 の 呼称 も 「 オープンプライマリー 」 で 「 予備 選挙 」 である 。 しかし 、 予備 選 の 結果 を 国会 議員 に よる 選挙 で 覆す こと が いかに 困難 か は 、 一九七八 年 の 自民党 初 の 全 党員 に よる 総裁 予備 選 で 負けた 福田 赳夫 氏 が 国会 議員 の 本選 を 辞退 、 大平 正芳 政権 誕生 に なった こと で 実証 済み だ し 、 国会 議員 の 大勢 と は 異なる 党首 の 誕生 も あり 得よう 。 極端な こと を いえば 野球 の オール スター 戦 の ような 人気 投票 に なり 、 国政 に 影響 力 を 、 と いう 団体 が カネ に 物 を 言わ せて 意 に 沿う 候補 を 選ぶ 、 あるいは 逆に 意 に 染ま ぬ 候補 を け落とす と いう 危う さ も ある こと を 指摘 して おか ねば なら ない 。 「 そんな 議論 は 取り越し苦労 だ 」 と いう 指摘 も あろう が 、 最悪の こと も 想定 した 制度 で ない と 国民 の 信頼 は 得 られ ない 。 自民党 が 毎回 、 ご都合主義 的に 総裁 選 規定 を 変えて 批判 さ れて きた の は 周知 の 事実 だ 。 微 調整 の 手直し は 結構だ が 、 制度 の 根幹 だけ は 動かさ ない こと を 、 この際 はっきり 確約 して ほしい 。 これ から の 政党 は 、 党首 の 役割 が 決定 的に 重要に なって き そうだ 。 イデオロギー や 体制 選択 など が 意味 を 持た なく なり 、 同じ 政党 の 中 に 相反する 利害 を 抱え込む ように なる と 、 いかに 求心力 を 発揮 する か は 党首 の 力量 次第 だ 。 その 党首 を 国民 が 直接 選べる ように なる こと に は 心 が 弾む が 、 それだけに 、 新進党 自体 が 大向こう 受け ばかり に 腐心 する 政党 に 堕して しまう 危険 性 も また 秘めて いる ので は ない か 。 さらに 言えば 、 この 制度 導入 の きっかけ は 海部 俊樹 現 党首 に 対する 若手 の 不満であり 、 形 を 変えた 海部 不 信任 で も ある ことだ 。 それ に 急ごしらえの 政党 の ため わずか 二十数万 人 しか 党員 が おら ず 、 しかも その 名簿 すら ない ため 「 いっそのこと 国民 に 門戸 を 」 と なった 側面 も 否定 でき ない 。 こうした 不純な 動機 が 見えて いる から こそ 、 なおさら 疑念 も 深まる のである 。 汚職 事件 で 甘い 判決 が 出た 。 今 、 世間 の 関心 事 は オウム 裁判 に 集中 し 、 話題 から 消えて いる が 、 「 法治 主義 が 疑わ れる ほど 」 と まで 言わ れた 汚職 列島 が 改善 さ れた と も 聞か ない 。 「 司法 、 くみし やすし 」 と いった 不心得 が 広がら ない こと を 願う のみ だ 。 ゼネコン 汚職 宮城 県 知事 ルート の 中 で 二十七 日 、 言い渡さ れた 有罪 判決 である 。 判決 は 、 一億 円 の 贈賄 罪 で 起訴 さ れた 大昭和製紙 前 名誉 会長 、 斉藤 了英 被告 を 執行 猶予 付き と した が 、 量刑 理由 で 「 被告 は 指折り の 資産 家 で 、 従前 から 寄付 、 寄贈 の 類 でも 億 単位 で 行って いる こと から 、 わいろ 全額 が 事業 関連 だけ で 供与 さ れた と みる の は 疑問 の 余地 が ある 」 つまり 、 斉藤 被告 は 病院 や 美術 館 に 多額の 寄付 を する など 、 気前 が いい のである から 、 対価 を 求めた わいろ と ばかり は 言え ない と の 趣旨 であろう 。 さらに 、 「 単純で 悪性 の 低い 類型 に 属する 」 と 述べ 、 執行 猶予 の 理由 と した 。 事件 の 概要 は こう である 。 大昭和製紙 の 系列 会社 が 宮城 県 内 に ゴルフ 場 など の 開発 事業 を 計画 して いた 。 県 の 指導 要綱 に は ゴルフ 場面 積 の 総量 規制 が あって 、 認め られ ない 状況 だった 。 ところが 、 当時 の 知事 に 協力 を 要請 し 、 その後 、 特例 と して 開発 が 承認 さ れた 。 知事 へ の 一億 円 を 斉藤 被告 は 「 プレゼント ぐらい の 気持ち で 出した 」 と 法廷 で 語って いた が 、 検察 は 論告 で 全額 を わいろ と した 。 判決 は 厳密な 証拠 認定 の もと に 判断 した と は 思う 。 しかし 、 有罪 認定 の 中 で は 「 開発 事業 と わいろ は 密接な 関連 性 が ある 」 と 判示 し 、 「 知事 に 現金 を 供与 する など もってのほか 。 行政 に 対する 信頼 を 損ねる 」 と も 語って いる 。 「 悪性 」 そのもの で は ない か 。 先 の 判断 と は どう 整合 する と いう のだろう か 。 厳罰 を 求める つもり は 更に ない 。 執行 猶予 は 妥当だろう 。 七十九 歳 と いう 高齢 、 病 に あって 車 いす の 姿 に 実刑 は 過酷だ 。 それ と 寄付 ・ 寄贈 の 社会 貢献 を 猶予 の 理由 と すれば いい で は ない か 。 わいろ 罪 の 保護 法益 は 「 公務 の 公正 の 保護 」 である 。 それ を 低く 見る こと は 許さ れ まい 。 かつて 、 似た ような 論理 展開 を みた 。 リクルート 裁判 で の 政治 家 へ の 無罪 判決 だ 。 リ社 から の 資金 提供 が 定期 的に あり 、 譲渡 の 未 公開 株 が 他の 多く の 政治 家 に も 配ら れて いた こと など を 理由 に 「 わいろ 性 の 認識 に 疑い が 残る 」 と いう もの だった 。 もちろん 、 有 ・ 無罪 の 決定 的な 違い は ある が 、 豊富な 資金 を 広く ばらまけば 、 わいろ 性 が 希薄 化 する と いう 点 で は 共通 した もの を 感じる 。 これ で 、 構造 化 する 汚職 状況 に 対応 し 切れる もの であろう か 。 いずれ に して も 有罪 である 。 一億 円 の 供与 は 一九九一 年 十二 月 。 当時 、 リ 裁判 に よって 、 政治 家 と 企業 と の 癒着 を 指弾 する 声 が 高まって いた 。 その さなか だけ に 甚だ モラル を 欠いた 事件 で も あった 。 斉藤 被告 は 名画 収集 家 で も ある 。 ゴッホ の 傑作 「 医師 ガシェ の 肖像 」 を 百億 円 余 の 史上 最 高値 で 落札 し 、 世界 を 驚かせ 、 同時に カネ に 飽かした 買い付け が 批判 を 呼んだ 。 「 なんでも カネ 主義 」 が 、 知事 の 権力 を も カネ で 買った 事件 で も あった 。 「 金 が 前 に 立てば 、 すべて 門 が 開く 」 。 箴言 である 。 こんな 状況 から 決別 し なければ なら ない 。 「 フランス 政府 の 核 実験 に 深い 憤り と 悲しみ を 感じ ます 。 私 の 父 は 一九四五 年 八 月 六 日 、 広島 の 海軍 兵舎 の 中 で 、 すさまじい 爆発 音 と ともに 、 ものすごい 熱線 を 浴び ました 。 被爆 の 翌日 、 瀬戸内海 に 焼け ただれた 遺体 が 浮いて いた そうです 。 戦後 五十 年 を 経て 東西 冷戦 が 終結 した 現在 、 仏 の 核 実験 は 人類 に 対する 時代 錯誤 で 愚かな 挑戦 であり 、 地球 環境 を 破壊 する 愚挙 と しか 言いよう が あり ませ ん 」 これ は 今月 初め 、 仏 が 再開 二 回 目 の 核 実験 を 強行 した 直後 、 本紙 「 アクション ・ ライン 」 に 寄せ られた 読者 の 声 である 。 被爆 国 日本 の 庶民 の 声 を あざ 笑う か の よう に 、 仏 は 三 回 目 の 核 実験 を 実施 した 。 シラク 政権 の 無神経 さ に 改めて 憤り を 覚える 。 核 廃絶 を 願う 国際 世論 を 無視 した 暴挙 に 重ねて 抗議 する と ともに 、 直ちに 実験 を 中止 する よう 仏 政府 に 求め たい 。 日本 政府 は 「 たび重なる 申し入れ に も かかわら ず 、 核 実験 を 行った こと を 重大に 受け止めて いる 。 仏 が これ 以上 、 核 実験 を 繰り返さ ない こと を 強く 求める 」 と の 官房 長官 談話 を 発表 する と ともに 、 駐 日 仏 大使 を 呼んで 抗議 した 。 しかし 、 実験 ごと に 繰り返さ れる この 種 の 抗議 は 、 残念 ながら 効果 を 期待 でき ない 。 日本 国民 の 核 廃絶 の 願い を 仏 に 理解 さ せ 、 実験 停止 に 追い込む に は もっと 強い 措置 を とる 必要 が ある 。 ニュージーランド や チリ は 駐 仏 大使 召 還 の 措置 を とった 。 日本 政府 は 日 仏 友好 に ヒビ が 入る こと を 恐れて 、 大使 召 還 は 検討 して い ない 。 来年 に も 締結 予定 の 核 実験 全面 禁止 条約 に 影響 する こと を 懸念 して いる ようだ が 、 大使 召還 に 匹敵 する ような 強い 措置 を とる べきで は ない か 。 少なくとも 実験 を やめる まで 、 両 国 間 の 文化 交流 を 見合わせる ぐらい の 覚悟 を 固める べきだ 。 豪州 の 不買 運動 に 対し 、 仏 は 国際 通商 ルール 違反 と して 世界 貿易 機関 に 提訴 する 方針 を 表明 、 武村 正義 蔵 相 の 不買 運動 発言 に も 仏 は 抗議 した 。 しかし 、 埼玉 県 が 仏 製 ヘリ の 購入 を 見合わせる など 、 仏 製品 ボイコット は 地方 自治 体 に も 広がる 気配 を みせて いる 。 シラク 大統領 は 親 日 家 で 知ら れ 、 大相撲 パリ 場所 を 大いに 楽しんだ と いう 。 日本 と の 友好 を 維持 し たい なら 、 大統領 は 日本 国民 の 声 に 謙虚に 耳 を 傾けて ほしい 。 私 たち は 、 核 実験 慣れ の 空気 が 国際 社会 に 広がる 事態 を 懸念 する 。 実験 を 重ねる うち に 反 核 ムード は 薄れる だろう 、 と 仏 政府 が 読んで いる と すれば 、 それ は 誤り である こと を 国際 社会 は 示す 必要 が ある 。 今年 の ノーベル 平和 賞 は 、 核 廃絶 を 目指して 運動 を 続けて きた パグウォッシュ会議 に 与え られた 。 これ は 中 仏 両 国 の 核 実験 に 象徴 さ れる 核 保有 国 の エゴ に 対する 痛烈な 警告 だ 。 国際 世論 は 核 実験 に 寛容で ない こと を 、 仏 は 認識 す べきだ 。 シラク 大統領 は 最近 、 実験 を 予定 の 八 回 から 六 回 に 減らし 、 南 太平洋 非核 地帯 を 取り決めた ラロトンガ 条約 に 調印 する 意向 を 明らかに した 。 強気に みえる 仏 政府 の 態度 に 、 わずか ながら 姿勢 の 変化 が 感じ られる 。 国際 世論 を 十分に 考慮 して 、 仏 政府 が 四 回 目 の 核 実験 を 停止 する こと を 望み たい 。 名誉 ある 核 実験 停止 こそ 、 フランス の 栄光 に ふさわしい 。 ここ 一 、 二 年 、 極めて 低い 上昇 率 で 推移 して いた 消費 者 物価 指数 が 十 月 、 ついに 下落 に 転じた 。 一時的な 現象 か 長期 的な 現象 か 、 即断 は でき ない が 、 デフレ 傾向 が 一段 と 強まった こと を 裏付けて いる 。 総務 庁 が 発表 した 十 月 の 東京 都 区部 の 消費 者 物価 指数 は 、 前年 同月 比 〇・八 % の マイナス と なった 。 これ は 一九五六 年 四 月 以来 の 大きな 下落 幅 で 、 実に 三十九 年 ぶり の 記録 である 。 その 直接の 原因 は 、 昨年 の 猛暑 と 水 不足 で 高騰 した 生鮮 食料 品 が 今年 は 安定 して いる こと である 。 しかし 、 生鮮 食料 品 を 除いた 指数 も 同 〇・二 % の マイナス で 「 右 肩 下がり 」 の 傾向 が はっきり と 表れて いる 。 五六 年 当時 は 、 その 前 に 景気 が よく なった 結果 、 輸入 が 増えて 国際 収支 が 悪化 、 総 需要 引き締め 政策 が 実施 さ れて いた 。 いわば 意図 的な 物価 下落 で 、 長期 化 は し なかった 。 今回 は どう か 。 経済 企画 庁 が この ほど 発表 した 九五 年度 の 「 物価 リポート 」 に よる と 、 相当 期間 、 下落 傾向 が 続き そうだ 。 九四 年度 の 消費 者 物価 指数 は 公共 料金 を 含んだ 「 総合 」 で 前 年度 比 〇・四 % の 上昇 だった 。 同 年度 は 郵便 料金 、 バス 運賃 、 火災 保険 料 、 水道 料金 など が 値上げ ラッシュ 。 さらに 広義 の 公共 料金 である コメ が 高騰 し 、 公共 料金 全体 で は 〇・九 % 上昇 した 。 寄与 率 を 考える と 公共 料金 を 除いた 指数 は 〇・三 % の 上昇 率 だった 計算 に なる 。 ほとんど 横ばい で 推移 した と いえる 。 リポート は こうした 物価 下落 の 要因 と して 生産 構造 、 流通 構造 の 両面 に おける 変化 を 挙げて いる 。 生産 面 で は 、 従来 型 の コスト 削減 だけ で なく 「 設計 の 変更 、 部品 の 共通 化 など に よる 商品 の 低 価格 化 が 進展 して いる こと が 大きい 」 と 指摘 して いる 。 さらに 海外 生産 比率 が 自動車 など の 輸送 機械 で 一八 % 、 電気 機械 で 一三 % 程度 に 高まって いる こと を 挙げ 、 「 安い 製品 の 逆 輸入 の 増加 が 続く 」 と 予測 して いる 。 為替レート が どう 動く か 、 と いう 問題 は ある が 、 いずれ も 一過性 の 変化 で は ない 。 とすると 、 物価 の 「 右 肩 下がり 」 現象 は 、 日本 経済 の 構造 的 変化 に 基づいて 起きて いる と 断言 できる ので は ある まい か 。 言い換えれば デフレ 傾向 が 次第に 強まって いる のである 。 現に 今年 は 月 を 追って 、 賃金 や 企業 収益 の 増加 率 が 低下 し 、 失業 率 が 高まって いる 。 いよいよ 雇用 に 火 が つき 始めた と いえる 。 このように 見て くる と 、 一 日 も 早く デフレ から の 脱却 を 図る 必要 が ある 。 政府 は 十四兆 円 強 の 景気 対策 を まとめた ばかりで 「 考え られる 対策 は 出し尽くした 」 と して いる 。 しかし 、 消費 者 物価 下落 の 持つ 意味 を 掘り下げて みれば 、 そう は いって おら れ ない はずだ 。 経済 運営 に 知恵 を 絞って ほしい 。 「 国交 正常 化 以来 最悪 」 と いわ れた 米 中 関係 が ようやく 修復 軌道 に 乗った 。 クリントン 大統領 と 江 沢民 国家 主席 が 米 中 関係 の 「 戦略 的 重要 性 」 を 改めて 確認 、 軍事 交流 を 含む さまざまな 分野 で 、 対話 を 再開 し 拡大 する こと で 合意 した から だ 。 クリントン 大統領 は 「 強大で 、 安定 し 、 繁栄 し 、 開放 さ れた 中国 は 米国 の 利益 に 合致 する 」 と 指摘 、 「 中国 に 対し 孤立 化 、 対決 、 封じ込め は やら ない 」 と 保証 した 、 と いう 。 アジア 太平洋 地域 の 平和 と 安定 は 良好な 米 中 関係 を 抜き に して は 語れ ない 。 両 国 が 戦略 的 見地 から 関係 修復 に 合意 した こと を 歓迎 し たい 。 幸い 両 首脳 は 十一 月 の アジア 太平洋 経済 協力 会議 大阪 会議 を 利用 して 再度 会談 する こと に なった 。 米 側 から みて 、 中国 の 人権 状況 に 大きな 改善 が み られ ない 以上 、 近い 将来 の 大統領 訪 中 や 江 沢民 主席 の 国賓 待遇 の 訪 米 は 期待 でき ない 。 会談 の 形式 に こだわら ず 、 気軽に 何度 でも 会って 、 率直に 話し合い 、 相互 理解 を 深めて ほしい 。 中国 側 が 「 中 米 関係 の 核心 」 と 位置づけた 台湾 問題 で は 、 米 側 は 台湾 総統 の 将来 の 再 訪 米 の 可能 性 を 排除 し なかった が 「 非公式 、 私的 、 ごく まれ 」 と の 枠 を はめた 。 また 李 登輝 総統 訪 米 に 断固 反対 する 「 中国 の 立場 を 尊重 する 」 と も 述べて いる 。 来年 の 大統領 選挙 を 控えた クリントン 大統領 と して は 、 共和党 議会 に 攻撃 材料 を 与え ない ため に も 、 これ が ギリギリの 表現 だろう 。 しかし 大統領 が 「 一 つ の 中国 」 の 原則 を 堅持 、 台湾 の 独立 、 国連 加盟 に 反対 する こと を 改めて 確認 した こと は 重要な 意味 を 持つ 。 李 総統 訪 米 の 最終 的な 狙い は 国連 復帰 に あった から だ 。 危機 は 一応 遠のいた が 、 なくなった わけで は ない 。 来年 三 月 に は 台湾 で 初 の 総統 直接 選挙 が 行わ れる 。 選挙 後 に 総統 の 訪 米 問題 が 再燃 し 、 米 中 関係 が もう 一 度 激しく 揺さぶら れる 可能 性 は 十分に 残って いる 。 米 側 は 今回 の 戦略 的 決断 を 覆して は なら ない 。 中国 に も 要望 し たい 。 第 一 に 、 米 議会 と の 交流 と 相互 理解 に 力 を 入れる べきだ 。 李 総統 の 訪 米 も 数億 円 を 投じた 台湾 側 の ロビー 活動 の 成果 だった 、 と いわ れる 。 米 議員 を 積極 的に 招き 、 高層 ビル の 林立 する 豊かな 沿海 部 だけ で なく 、 発展 に 取り残さ れた 貧しい 内陸 部 も 見て もらう と よい 。 十二億 の 民 の 国 が 安定 して 着実に 発展 する こと が 、 アジア 太平洋 地域 の 平和 と 安定 に とって も 重要な 意味 を 持つ こと が 、 理屈 だけ で なく 、 実感 と して も 分かって もらえる はずだ 。 中国 が 今にも 超 大国 に なる と 思いこみ 、 「 封じ込め 」 を 考える 人々 の 「 誤解 」 を 解く の に も 役立つ だろう 。 第 二 に 、 台湾 の 政治 家 と の 交流 に も 力 を 入れる べきだ 。 ミサイル で は 台湾 の 人々 を 怖がら せる こと は できる が 、 心 は つかめ ない 。 江 沢民 国家 主席 は 今年 初め 、 台湾 海峡 の 現状 維持 と いう 柔軟な 提案 を 行った 。 最近 も 台湾 の 指導 者 と の 相互 訪問 を 改めて 呼びかけて いる 。 しかし 、 首脳 訪問 は 台湾 側 が 肩書 に こだわって おり 、 実現 は 容易で は ない 。 最近 来 日 した 陳 水扁 台北 市長 は 地方 首長 レベル の 相互 訪問 を 提唱 して いる が 、 一考 に 値する ので は ない か 。 台湾 の 政治 家 に 広大な 中国 の 実情 を 見て もらえば 、 中国 の 指導 者 に とって は 、 台湾 統一 より も 、 足元 の 国 づくり こそ が 焦眉 の 急である こと が 理解 して もらえる はずだ 。 新 食糧 法 が 十一 月 から 施行 さ れる 。 旧 食糧 管理 法 が 国 に よる コメ の 全量 管理 を 目的 と した の に 対して 、 新 食糧 法 は 自主 流通 米 が コメ 流通 の 中心 と なり 、 ヤミ 米 も 「 計画 外 流通 米 」 と して 公認 さ れる 。 政府 が 直接 関与 する の は 需給 計画 の 策定 と 百五十万 トン の 備蓄 米 だけ に 限ら れる 。 そして 流通 ルート が 多様 化 さ れ 、 来年 六 月 から は 新規 登録 業者 も 交え 競争 が 激化 する 。 コメ 市場 は 四兆 円 規模 と いわ れ 、 力 の ある 生産 者 や 販売 業者 は 、 市場 開拓 に 動き出した 。 新 食糧 法 で 流通 規制 が 緩和 さ れ 、 消費 者 の 多様な 選択 が 可能 と なる のであれば 、 歓迎 す べき こと と いえる 。 一方 で 、 コメ 販売 を めぐり 産地 間 競争 が 激化 する こと から 、 米作 に 不利な 中山 間 地域 など の 農業 が 衰退 する と の 懸念 が ある 。 さらに コメ 余り と 輸入 拡大 の 中 で の 流通 自由 化 は 、 減反 強化 と 価格 の 低落 と いう 悪 循環 を もたらす と の 不安 も ある 。 それ でも 、 農水 省 の 統制 を 離れ 、 農協 と 農家 が 「 売る 自由 」 「 作る 自由 」 を 通じ 、 市場 経済 の 中 で 自律 的な 農業 経営 に 取り組む こと は 、 遅 すぎた と は いえ 、 時代 の 流れ に 沿った 動き と いえる 。 コメ は ようやく 、 普通の 商品 、 食 材 の 仲間 入り を した 。 新 食糧 法 を きっかけ に 、 大手 商社 や 流通 業者 も 動き出し 、 農協 組織 も 対抗 して 知恵 を 働かせて いる 。 コメ ・ ビジネス は 、 生産 者 重視 ・ 消費 者 無視 の 農政 と 一律 生産 調整 に よって 、 久しく 活気 を 失って いた が 、 これ を 機 に 再び 活性 化 する こと を 期待 し たい 。 今回 の 新 食糧 法 は 農政 改革 の 第 一 歩 に すぎ ない 。 ウルグアイ ・ ラウンド 農業 合意 、 円高 に よる 輸入 食料 の 急増 と 内外 価格 差 の 拡大 、 弱体 化 する 農村 基盤 など 、 農業 を めぐる 環境 は 厳しく なって いる 。 新 食糧 法 で コメ の 生産 、 流通 の 自由 度 が 増せば 、 それ に 応じて 、 行政 や 農協 組織 も 簡素 化 さ れる 必要 が ある 。 農協 は 農産物 の 取り扱い で 商社 など に 市場 を 奪わ れ 、 コメ の 扱い シェア は 六 割 を 切った 。 住宅 金融 専門 会社 へ の 巨額の 貸し 込み など で 、 信用 事業 も 窮地 に ある 。 これ に 対し 、 農協 組織 の 合理 化 は 始まった ばかりだ 。 コメ 過剰 が 定着 した 二十 年 前 に 比べ 、 農家 数 は 四 分 の 三 に 減った が 、 農協 職員 は 一 割 近く 増え 三十万 人 を 超えた 。 そこ で 農協 は 二〇〇〇 年 に 向け 、 労働 生産 性 の 三 割 向上 、 三千 以上 もの 単位 農協 を 五百七十 に 統合 する など の 合理 化 策 を 打ち出して いる 。 この際 、 農水 省 も 行政 改革 や 規制 緩和 を 進め 、 コメ の 過大な 流通 経費 の 削減 に 努める べきだろう 。 新 食糧 法 は 、 政府 の 価格 下支え 機能 の 後退 、 政府 へ の コメ 売り渡し 義務 の 撤廃 、 小売り の 自由 化 など の 画期的 内容 を 持つ 半面 、 七〇万 ヘクタール も の 減反 水田 の 処理 や 、 豊作 時 の 暴落 対策 など の 課題 も 残した 。 今後 は 農家 の 不安 を 緩和 し 、 市場 競争 時代 の コメ 作り へ 軟 着陸 する ため の 条件 整備 が 急務 と なる 。 新 食糧 法 に よる コメ ・ ビジネス の 自由 化 も 、 一部 の 勝者 のみ が 美酒 に 酔い 、 その 陰 で 地域 社会 や 農地 の 荒廃 が 進む のであれば 考えもの だ 。 しかし 、 道 は 厳しく と も コメ は 特別 扱い を 外れ 、 市場 経済 の 中 の 一 商品 と して の 歩み を 着実に 進め なければ なら ない 。 東京 地方 裁判 所 は 三十 日 、 オウム 真理 教 に 対し 解散 を 命令 した 。 「 法令 に 違反 して 、 著しく 公共 の 福祉 を 害する と 明らかに 認め られる 行為 を した 」 ならば 、 その 宗教 法人 に 解散 を 命ずる こと が できる 、 と いう 宗教 法人 法 第 八一 条 に 基づく 裁判 所 の 決定 である 。 決定 は 、 サリン 生成 を 認め 「 殺人 予備 」 が 成立 する と した 。 その うえ で 「 代表 役員 である 麻原 彰晃 被告 の 指示 、 あるいは 少なくとも その 承認 の 下 に 、 組織 的 行為 と して 実行 さ れた と 認め られる 」 と 明確に 認定 した 。 この 解散 命令 を 多く の 国民 が 望んで いた こと だろう 。 東京 地検 と 東京 都 が オウム 真理 教 の 解散 を 同 地裁 に 請求 して から 四 カ月 。 地裁 は 捜査 当局 に より サリン 製造 現場 と 断定 さ れて いる 山梨 県 上九一色 村 の 教団 施設 第 七 サティアン を 、 すでに 検証 した 。 審理 手続き の 最終 段階 である 審問 も 終えて いた 。 教団 が この 命令 を 受け入れれば 、 今後 、 地裁 の 指定 する 清算人 の 手 で 、 教団 財産 の 整理 に 入り 得る 。 教団 に は 「 お布施 」 と 称する 強引な 手法 で 集め られた ぼう大な 資産 、 財産 が ある 。 速やかな 返還 を 求める 信者 家族 は 数多い 。 すでに 一部 の 教団 所有 財産 に 手 が つけ られて いる 。 オウム 真理 教 は 解散 命令 に 服す だろう か 。 服せ 、 と 強く 言って おき たい が 、 残念 ながら 期待 薄 である 。 教団 は 、 対抗 措置 と して 高等 裁判 所 に 即時 抗告 する 可能 性 も 高い 。 即時 抗告 すれば 、 高裁 の 決定 が 出る まで 、 解散 命令 の 執行 は 保留 さ れる 。 財産 整理 も でき ない 。 さらに 教団 が 最高裁 まで 争えば 、 解散 命令 が 実行 に 移さ れる まで 相当な 時間 を 要する こと に も なり かね ない 。 まだ 、 最高 幹部 の 公判 に 入る 前 に も かかわら ず 教団 内 の 陰惨な ありさま が だれ の 目 に も 浮かぶ 。 麻原 被告 の 初 公判 は 、 横山 昭二 弁護 士 の 解任 騒ぎ で 延期 さ れた 。 麻原 被告 側 の 出方 を 考える と 刑事 裁判 の 混乱 は 、 今後 も 起き 得る 。 その 間 に 教団 に 残る 確信 的 信者 が 、 再建 を 果たそう と する 動き を 強める だろう 。 それだけに 、 即時 抗告 が あった と して も 上級審 は 速やかな 判断 を して ほしい 。 もちろん 即時 抗告 と いえ ども 審理 の 過程 である 。 抗告 した の が オウム 真理 教団 であって も 、 公正な 審理 は 欠かせ ない 。 しかし 、 解散 請求 に 対し 、 東京 地裁 は 調べ なければ なら ない ところ は 調べた うえ で 解散 命令 を 出した はずである 。 非 公開 で 開か れた 審問 でも オウム 真理 教 側 の 反論 は 、 客観 的に 見て 説得 力 を 欠く もの だった と いう 。 上級審 は できる だけ 早く 決定 を 出す こと が 責務 に なる と 、 重ねて 言って おき たい 。 宗教 法人 法 に より 解散 が 確定 する と 、 オウム 真理 教 の 法人 格 が 失わ れる が 、 任意の 宗教 団体 と して 残存 する こと は 可能である 。 確信 的 信者 たち が 教団 存続 に 動く こと まで は 、 止め られ ない かも しれ ない 。 そう なって も 、 社会 規範 から 外れ ない 集団 に する 。 それ は 社会 の 力 であり 、 行政 の 仕事 だ 。 その ため に 信者 の 社会 復帰 を 進める 努力 を 一層 強める こと が 先決 だ 。 これ は 民 間 任せ で なく 政府 、 自治 体 が 取り組ま ねば なら ない 課題 である 。 思えば 、 つましい ながら も 熱気 に 満ちた 大会 だった ようだ 。 一九四五 年 十一 月 二 日 、 東京 ・ 日比谷 公会堂 で 開か れた 社会党 結党 大会 に 全国 から 二千 人 が 国民 服 や 軍服 姿 で 集まった 、 と 社会党 史 に ある 。 以来 五十 年 。 高らかに 掲げた 「 護憲 ・ 平和 」 の 旗 は すっかり 色あせ 、 新党 結成 も 展望 は 見え ない まま だ 。 党 名 を 「 日本 社会党 」 と し 、 英語 表記 を 「 ソシアル ・ デモクラティック ・ パーティー ・ オブ ・ ジャパン 」 つまり 「 社会 民主 主義 政党 」 と 決めた の は 、 実は この 結党 大会 である 。 ところが それ が 「 二 本 」 社会党 と なり 、 事 ある たび に マルクス ・ レーニン主義 へ の 傾斜 を 強める 「 左翼 バネ 」 が 効いた 。 英名 の 「 社民党 」 が 羊頭 狗肉 で なく なった の は 最近 の こと で 、 党 内 的に は 「 社民 」 は 認知 さ れ ない 時代 が 久しかった 。 社会党 は 戦後 十九 回 の 総 選挙 で 三 度 、 歴史 的 大敗 を 喫した 。 しかも 三 度 と も 広義 の 政権 問題 絡み である 。 最初 は 初 の 片山 哲 ・ 社会党 政権 が 左派 から の 突き上げ で 崩壊 した 後 の 四九 年 一 月 で 、 百四十三 議席 から 一挙に 四十八 議席 に 。 二 度 目 は 六九 年 十二 月 で 「 七〇 年 代 の 選択 」 が 争点 。 成田 知巳 委員 長 は 「 護憲 ・ 民主 ・ 中立 の 現 野党 各派 に よる 連合 政府 」 構想 を 打ち出した が 、 百四十 議席 から 九十 議席 に 。 三 度 目 は 前回 の 九三 年 選挙 で 百三十六 議席 から 七十 議席 と なり 、 敗因 を 分析 する いとま も なく 細川 護煕 連立 政権 に 参画 、 次いで 片山 政権 以来 四十七 年 ぶり の 村山 富市 社会党 政権 と なった のである 。 政権 が 視野 に 入る と 決まって 大敗 と いう の は 、 この 党 に 内在 する 致命 的 欠陥 の ゆえ で は ない だろう か 。 灰燼 の 中 から 今 の わが国 の 繁栄 を 築き上げる のに 社会党 が 果たした 役割 は 、 決して 小さな もの で は ない 。 「 重 経済 ・ 軽 安保 」 と いう 戦後 日本 の 国家 経営 の 根幹 は 歴代 保守 政権 の 英知 だった が 、 半分 は 社会党 の 功績 で も ある 。 憲法 九 条 に 対する 保守 から の 挑戦 を はねのけ 得た の は 、 社会党 の 厳しい 目だった 。 ほぼ 同じ 形 で 戦後 の 第 一 歩 を 記した ドイツ 社民党 が 五九 年 の バートゴーデスベルク 綱領 で 階級 政党 から 国民 政党 へ 、 反対 主義 から 改革 主義 へ と 変身 し 、 大 連立 を 経て 社民党 政権 を 樹立 した 。 しかし 、 わが 社会党 は まさに その “ 裏 焼き ” で 左翼 バネ が 効き 、 理念 と 現実 の かい離 に 目 を つぶった まま 惰眠 を むさぼって きた のである 。 小 選挙 区 比例 代表 並立 制 の 新 選挙 制度 は 、 二 大 政党 制 に 行き着く 。 だが 自民党 と 新進党 を 両翼 に 置く 体制 は 、 総 保守 翼賛 体制 に なり かね ず 、 多様 化 する 国民 要求 を 前 に 健全な 第 三 極 が 当然 あって よい 。 その 一案 が 民主 リベラル 勢力 の 結集 であろう 。 しかし 何でも 反対の 「 抵抗 政党 」 と して の 性 が 身 に ついて しまった の か 、 これ まで 社会党 が 提示 した リベラル と は 反 自民 、 反 新進 と いう 昔 なじんだ 「 反 」 の 字 付き 。 自ら 具体 的 内実 を 盛る こと で は なかった 。 肝心の 新党 作り の 主導 権 まで 、 さきがけ など 人任せ だ 。 社会党 は もはや 耐用 年数 を 過ぎて しまった ように みえる 。 社会党 の 半 世紀 の 栄光 が むしろ 足かせ に なって いる のである 。 宗教 法人 法 改正 案 を 審議 する 「 宗教 法人 に 関する 特別 委員 会 」 の 設置 が 三十一 日 の 衆院 本 会議 で 決まった 。 一 日 から 審議 が 始まる 見通し だ 。 東京 地裁 が 現在 の 法律 に 基づいて 、 東京 地検 と 東京 都 の 請求 を 認め 、 オウム 真理 教 の 解散 を 命じた 直後 で も あり 、 国民 の 関心 も 高まって いる 。 審議 入り は 結構な こと だ 。 私 たち は 、 宗教 法人 の 透明 度 を 高める ため に 、 改正 案 が 示す 程度 の 情報 開示 や 所轄 庁 へ の 書類 提出 など は 必要だ と 考える 。 また 、 所轄 庁 へ の 質問 権 の 付与 に 関して 、 政治 権力 の 恣意 で 質問 権 が 乱用 さ れ かね ない と の 懸念 を 表明 して きた が 、 法案 化 に 当たって 政府 は 「 当該 宗教 法人 の 役員 や その他 の 関係 者 の 同意 を 得 なければ なら ない 」 と の 歯止め を つけた 。 法 改正 に 反対 して いる 新進党 は 、 東京 地裁 が 解散 命令 を 出した こと に 関連 して 、 現行 法 で 対処 できた のだ から 、 法 改正 の 必要 性 が ない こと が はっきり した と 主張 して いる 。 しかし 、 どう だろう 。 ちょっと 無理 が ある ので は ない か 。 改正 案 が 目指して いる もの は 、 宗教 団体 自ら が 透明 性 を 高め 、 社会 に 開か れた 運営 を して ほしい と いう もの だ 。 オウム 真理 教 の ような 反 社会 的な 事件 を 起こす 教団 が 再び 出る こと の ない ように しよう と いう 狙い も ある 。 その 意味 から も 、 今回 の オウム 真理 教 に 対する 解散 命令 と 改正 案 と は 別 次元 の もの だ 。 審議 入り に 当たって 与野党 に 注文 し たい こと が ある 。 一 つ は 宗教 法人 審議 会 の 議事 録 の 公開 問題 である 。 新進党 は 、 審議 会 の 委員 七 人 が 審議 の やり 直し を 求めて いる こと など を 理由 に 議事 録 の 公開 を 要求 、 一方 、 政府 ・ 与党 は 、 審議 会 は 非 公開 が 前提 だ と して 公開 を 拒否 して いる 。 しかし 、 自民党 内 から さえ も 、 審議 会 の 概要 の メモ は 残って おり 、 これ は 公表 して も いい ので は ない か 、 と の 意見 が 出て いる 。 同 審議 会 の 運営 に 関して は 、 性急に 過ぎた ので は 、 と の 指摘 も ある 。 そう である ならば 概要 でも いい から 、 早期 に 公開 して 審議 に 役立てて ほしい 。 もう 一 つ は 、 法 改正 は 憲法 で 定めた 信教 の 自由 や 政教 分離 の 原則 など と も 関連 して いる のだ から 、 公聴会 や 参考人 から の 意見 聴取 など を 開いて 、 多様な 意見 を 丁寧に 聞き 、 幅広い 論議 を して ほしい と いう ことだ 。 審議 を 急ぎ 採決 を 強行 したり 、 逆に 審議 を 引き延ばしたり と いった 行為 は やめる べきだ 。 決して 政争 の 具に して は なら ない 。 オウム 事件 の 再発 を 防ぐ ため に 何 が 必要 か 、 宗教 法人 は どのように あれば いい の か 、 と いう 視点 に 立って 、 現在 の 法律 の 欠点 、 改正 案 の 中身 を 誠実に 論議 す べきだ 。 その 際 、 透明 性 の 確保 と 表裏 の 関係 に ある 宗教 法人 の 税制 の 在り 方 に ついて も 検討 する こと が 必要だろう 。 十 日 前 の こと だ 。 ペリー 米 国防 長官 は 、 米 NBC の テレビ 番組 で 、 沖縄 駐留 米軍 基地 の 整理 ・ 統合 問題 に 関して 「 基地 の 調整 に ついて 日本 政府 の いかなる 提案 も 検討 する 。 現 時点 で は 日本 政府 から 、 そのような 提案 は 出さ れて い ない 」 と 語った 。 その 前日 の 十 月 二十一 日 、 沖縄 で は 、 米 兵 に よる 小学 女児 暴行 事件 に 抗議 して 、 八万五千 人 も の 人々 が 集まって 総 決起 大会 が 開か れた 。 ペリー 長官 の 発言 は 、 沖縄 県民 の 反 基地 感情 が 、 これ 以上 高まれば 日 米 安保 体制 の 根幹 を 揺るがし かね ない と 判断 、 日本 政府 から 提案 が あれば 基地 の 統合 ・ 再 配置 を 検討 する こと を 約束 した もの だ 。 その ペリー 長官 が 来 日 し 、 一 日 の 河野 洋平 外 相 や 衛藤 征士郎 防衛 庁 長官 ら と の 会談 を 通じ 、 沖縄 の 基地 問題 に ついて 、 テレビ で の 発言 の 通り 、 一定 の 譲歩 を 示した 。 この うち キャンプ ハンセン など 十 事案 は 、 一九九〇 年 の 日 米 合同 委員 会 で 、 いったん は 返還 する こと で 合意 し ながら 、 その後 、 まったく 進展 し ない まま に なって いた 。 沖縄 県民 は この 十 事案 に 対して 、 防衛 施設 庁 は 代替 地 が ない ので 進ま ない と 言い訳 する ばかりで 、 本当に 返還 に 向け 努力 して いる の か と 強い 不満 を 持ってきた 。 今回 やっと 「 年 内 」 と いう 期限 付き で 解決 の 方向 が 打ち出さ れた わけで 、 わずか ながら 前進 した と 見て いい だろう 。 私 たち は 、 沖縄 の 米軍 基地 に ついて 、 米軍 自体 の 配備 や 編成 の 見直し も 含めて 整理 ・ 縮小 計画 を 示す べきだ 、 と 日 米 両 国 に 求めて きた 。 ところが 、 冒頭 の ペリー 長官 の テレビ 発言 で はっきり した ように 、 日本 政府 の 方 から 明確な 具体 的 提案 が 行わ れて い なかった と いう ところ に 大きな 問題 が ある 。 米 兵 に よる 暴行 事件 以降 、 首相 官邸 や 外務 省 など の 対応 は 後手 々々 に 回った 。 刑事 裁判 手続き に 関する 日 米 地位 協定 の 見直し 問題 に ついて 、 見直し は 求め ない と 言い張り 、 世論 の 突き上げ を 受けて 軌道 修正 した の が 、 その 一例 だ 。 基地 の 整理 ・ 縮小 問題 でも 政府 の 対応 は 鈍かった 。 沖縄 県民 に すれば 日本 政府 に は 誠意 が ない と 映った 。 政府 は 、 暴行 事件 の 重大 さ を 早期 に 認識 し 、 地位 協定 の 見直し と 基地 の 整理 ・ 縮小 を 米 側 に 迅速に 求める べきだった 。 ペリー 長官 が 提示 した 十 事案 は 沖縄 に すれば 、 いわば 織り込み 済み の もの だ 。 残る 事案 も 解決 は 先 送り さ れた と いう の が 実態 で 、 これ も 期限 を つけて 解決 を 目指す べきだ 。 一連の 米 側 提案 を 受けて 村山 富市 首相 は 四 日 、 米軍 用地 の 強制 使用 の 代理 署名 を 拒否 して いる 大田 昌秀 沖縄 県 知事 と 会談 する 。 県 側 が 納得 する か どう か 。 政府 は 、 米軍 機 の 低空 飛行 訓練 や 空域 ・ 水域 の 使用 制限 など 地位 協定 の 全面 見直し を 求め 続ける と ともに 、 基地 の 一層 の 整理 ・ 縮小 を 米 側 に 具体 的に 求めて いく べきだ 。 基地 の 極端な 集中 に よる 沖縄 県民 の 負担 を 軽く する ため に 、 誠意 と 努力 を 尽くさ ないで 日 米 安保 条約 の 意義 を 再 確認 した と して も 、 支持 は 得 られ ない だろう 。 昨年 四 月 の 中華 航空 機 墜落 事故 で 、 犠牲 者 の 遺族 三百十三 人 が 一 日 、 航空 会社 と 機体 メーカー の エアバス 社 を 相手取り 、 総額 二百五十七億 円 余 の 損害 賠償 を 求める 訴え を 起こした 。 請求 額 と 原告 数 で 国 内 航空 事故 訴訟 で は 過去 最大 の 訴訟 に なる 。 原告 は さらに 増える ようだ 。 何故に こんな 悲惨な 事故 が 起きた の か 。 再発 防止 の 教訓 も 引き出す 裁判 に して もらい たい 。 台北 発 名古屋 行き の 中華 航空 エアバス は 名古屋 空港 で 着陸 に 失敗 して 墜落 し 、 乗客 ・ 乗員 二百六十四 人 が 死亡 した 。 事故 調査 委員 会 の 先 の 中間 報告 で は 、 何らか の 事情 で 自動 操縦 装置 は 着陸 やり 直し モード に なった が 、 副 操縦 士 が 気付か ない まま 手動 で 機首 下げ 操作 を 行った こと から 、 自動 操縦 が 反発 して 失速 した 、 と 指摘 さ れた 。 機長 ら は 自動 操縦 装置 を 使いこなせ なかった ようだ 。 「 操縦 士 の エラー 」 は 動か ないで あろう 。 中華 航空 側 も 操作 の 誤り を 認めて いる と も 伝え られる 。 しかし 、 事故 原因 の 追及 を そこ で とどめて は いけない 。 国際 民間 航空 機関 は 事故 防止 マニュアル の 中 で 、 「 操縦 士 の エラー 」 と いう の は 何 が 起きた か を 示す 一 つ の 事象 であって 、 何故に 起きた か を 明らかに は せ ず 、 再発 防止 と して ほとんど 価値 を 持た ない と 説明 して いる 。 さらに 、 幾 つ か の 危険 事象 が 組み合わさって 一 つ の 「 チェーン 」 に なった とき に 破局 に 至る と も 指摘 する 。 まさに この 通り であろう 。 今回 の 訴え でも 、 原告 側 は 機長 ら の 過失 責任 と ともに 、 機体 の 設計 に 欠陥 が あった と 指摘 し 、 中華 航空 と エアバス 社 に 対して 共同 不法 行為 責任 を 追及 して いく 姿勢 だ 。 ぜひ 、 破局 に 至る チェーン 全体 に 迫り 「 何故に 起きた か 」 が 明らかに なる こと を 望み たい 。 そこ から 、 運航 以前 の 問題 と して 会社 の 安全 思想 や 営業 政策 に 潜む 種々の ファクター が 出て くる こと も あろう 。 捜査 当局 は 担当 係官 を 台湾 へ 派遣 する など 、 刑事 責任 面 で の 調べ も 進んで いる ようだ 。 ただ 刑事 裁判 に なった と して も 、 基本 的に 個人 の 刑事 責任 に 限定 さ れる 。 これ に 対して 民事 裁判 で は 組織 全体 の 責任 が テーマ に なり 得 、 より 根源 的な 原因 追及 が 可能である 。 十 年 前 の 日航 ジャンボ 機 事故 後 、 国 内 航空 会社 に 限れば 多く の 死者 を 出す 大 事故 を 起こして は い ない 。 と は 言って も 、 一昨年 の 花巻 空港 で の 日本 エアシステム 機 の 炎上 事故 、 羽田空港 で の 全日空 機 の 発煙 事故 など ヒヤリ と する 事故 は 後 を 絶た ない 。 海外 で は 大 事故 も 起きて いる 。 航空 機 の ハイテク 化 に よって 確かに 一 時期 まで は 事故 は 減少 を 続けた 。 しかし 、 この 十 年間 、 事故 率 は 低下 せ ず 、 横ばい だ 。 なぜなら 、 今回 の 中華 航空 機 事故 の ように ハイテク 化 に 伴う 新たな 事故 が 起きる から だ 。 かつて 、 機体 が 操縦 士 に 逆らう など と いう こと は 考え られ なかった 。 「 新たな 技術 が 新たな ブラック ボックス を もたらす 」 と も いわ れる 。 ハイテク 機 と いえ ども 、 しょせん 人間 が 動かす 。 その 人間 に 限界 は ある 。 と する ならば 、 フールプルーフ や フェールセーフ 思想 を 徹底 さ せた 安全 設計 が 求め られる 。 裁判 は その こと を 再 確認 する もの で も あろう 。 また も 驚く べき こと が 発覚 した 。 岩手 県 の 東京 事務 所 が 「 お礼 」 と 称して 中央 官庁 の 役人 に 「 食事 券 」 を 配って いた 、 と いう のである 。 一九九三 年度 分 だけ で 千八百 余 万 円 。 もちろん 、 ほか に 夜 の 懇談 費 と して 六千六百万 円 が 支出 さ れて いる 。 調査 を 発表 した 市民 団体 は 「 食事 券 は 金券 と 同じ 。 換金 の 可能 性 も ある 」 と さらに 追及 する 構え だ 。 官 官 接待 は 贈収賄 の 疑い も はらんで きた 。 ところで この 東京 事務 所 、 いったい どんな 仕事 を して いる の か 。 東京 ・ 平河 町 に ある 都道府県 会館 。 大方 の 県 の 東京 事務 所 が ここ に 入って いる 。 この 会館 が 来春 、 取り壊し に なる 。 手狭に なった ので 建て直し を する ため だ 。 六〇 年 に 本館 が できた とき は 威風堂々たる ビル だった 。 狭く なった ので 九 年 後 に 別館 を 建てた 。 それ でも 今 は 手狭 と いう 。 要するに 東京 事務 所 の 規模 が 膨らんだ から である 。 東京 事務 所 の 主 目的 は 、 いろいろ 説明 も あろう が 、 ずばり 言えば 、 中央 官庁 や 国会 議員 と の 人脈 づくり と 推測 さ れる 。 もっと 露骨に 言えば 、 補助 金 など を 獲得 する 前線 基地 と でも 言おう か 。 人脈 づくり は 手ぶらで は でき ない 。 そこ で 地方 公務 員 が 中央 官庁 の 公務 員 を 接待 する 官 官 接待 が 始まった 。 当初 は ささやかな もの だった のだろう 。 ところが A 県 が やれば B 県 も する 。 それ が 競争 に なって 野放図に 膨らんだ 。 食糧 費 と 称する 税金 で 賄って いた が 、 足りなく なり 国 から 受け取る 補助 金 を 接待 費 に 流用 する ように なった 。 つまり 接待 を 受けた 中央 の 役人 は 自分 の つけた 補助 金 で 飲み食い して いた こと に なる 。 あるいは その こと を 期待 して 補助 金 を つけた こと も 十分に 予想 さ れる 。 こう なれば 公金 横領 である 。 目下 、 官 官 接待 で 地方 自治 体 が たたか れて いる 。 ところが その 主犯 格 である 中央 官庁 は 、 これ まで だんまり を 決め込んで きた 。 接待 した 方 から は 言い訳 の 弁 が 聞こえて くる が 、 さ れた 側から は 反省 の 声 も 、 本格 的な 自粛 の 動き も 、 み られ なかった 。 恐らく 国民 は 腹 が 立って 仕方 が なかった に 違いない 。 悪い ヤツ ほど 人ごと の ような 顔 を して いる のだ から 。 会計 検査 院 が やっと 腰 を 上げた 。 秋田 、 茨城 、 大阪 、 島根 、 沖縄 五 府県 の 補助 金 の 使い 方 を 調べた 結果 、 補助 金 の 官 官 接待 流用 が 確認 できた 。 しかし 、 その 会計 書類 が いい加減で 、 だれ を どういう 目的 で 接待 した の か 判然と し ない 。 そこ で 会計 検査 院 は 補助 金 交付 額 の 多い 農水 、 建設 、 運輸 の 三省 に 対し 、 自治 体 を 指導 して これ ら を 明記 さ せる よう 改善 方 を 要請 する こと に した 。 もし 三省 が 消極 的な 場合 は 、 さらに 強制 力 の ある 「 処置 要求 」 に 切り替える と いう 。 盗み 食い を して いる 人 に 、 自己 申告 を 迫る ような もの で 、 その 効用 は 甚だ 疑問 だ が 、 し ない より ましだ 。 会計 検査 院 の 働き ぶり に は とかく 批判 が 多かった が 、 やっと 本来 の 職責 に 目覚めて くれた か 、 と 一応 は 評価 して おこう 。 問題 は 三 省 が この 要請 に 応ずる か どう か だ 。 聞く ところ に よる と 官 官 接待 自粛 で 料亭 は 窮状 に 追い込ま れて いる 。 料亭 の 組合 は 「 なんとか して 」 と 自民党 に 陳情 して いる と か 。 妙な 救済 措置 が とら れ ぬ よう 、 私 たち も 監視 を 続けて いき たい 。 中東 和平 の 進展 を 背景 に 同 地域 の 経済 開発 の 在り 方 を 探る 第 二 回 中東 ・ 北 アフリカ 経済 サミット が 、 中東 開発 銀行 の 設立 など を うたった アンマン 宣言 を 採択 して 閉幕 した 。 パレスチナ 自治 、 ヨルダン ・ イスラエル 平和 条約 締結 など 政治 ・ 安保 面 で の 関係 改善 を 踏まえて 、 経済 分野 でも アラブ と イスラエル の 対立 に 終止符 を 打とう と 、 昨年 発足 した 同 サミット は 、 金融 、 ビジネス 、 観光 各 分野 で の 地域 協力 機構 設置 と いう 具体 的な 成果 を 生み出した 。 中東 諸国 は 和平 を 地域 開発 に 結び付ける 知恵 を 学び つつ ある 。 「 平和 の 配当 」 の 具体 化 を 歓迎 する と ともに 、 経済 協力 が 和平 を さらに 促す ような 好 循環 を 生む こと を 期待 し たい 。 今 会議 の 目玉 と なった 中東 開 銀 は 東 地中海 開発 を 支える 金融 機関 。 設置 の 是非 を めぐって 米国 、 イスラエル など 推進 派 と 資金 負担 を 渋る 欧州 が 対立 した が 、 開発 優先 の 空気 の 中 で 設立 が 決まった 。 ヨルダン と イスラエル の 和平 を 機 に ヨルダン 渓谷 開発 、 鉄道 ・ 航空 網 整備 など 多数 の プロジェクト が 浮上 して いる 。 開 銀 の 資金 を どこ が 負担 する か 、 難問 は 残る が 、 やはり 設置 が 決まった 中東 ・ 北 アフリカ 商工 会議 所 と ともに 、 地域 開発 の 推進 力 に なろう 。 狭い 地域 に 多く の 国 と 人口 が 密集 する 東 地中海 で 大規模な 経済 開発 を 行う に は 、 各国 ・ 機関 が 国境 を 超えて 協力 する 必要 が ある 。 日本 から は 今 会議 に 官民 合わせて 約 五十 人 が 参加 した 。 前回 は ビジネスマン 数 人 が 参加 した に すぎ ない 。 日本 の 経済 界 も ようやく 中東 に 目 を 向け 始めた 。 一九九一 年 、 マドリード で スタート した 中東 和平 多 国 間 協議 で 、 日本 は 観光 分野 の 議長 国 を 務めて いる 。 今 会議 で 日本 の 主導 の 下 に 「 中東 ・ 地中海 観光 協会 」 の 設立 が 決まった 。 ヨルダン 、 エジプト など が 参加 する 同 協会 の 目的 は 、 中東 観光 の 活性 化 に ある 。 平和 条約 の 締結 で イスラエル から ヨルダン へ の 観光 客 は 増えて おり 、 平和 の 配当 を 実感 さ せる 観光 が 活発に なれば 、 和平 機運 は 市民 レベル でも 強まろう 。 この 分野 で の 日本 の 役割 に 期待 し たい 。 また 、 アラブ 諸国 が イスラエル と の 通商 関係 を 持つ 第三国 企業 と の 取引 を 禁じた 「 アラブ ・ ボイコット 」 が 緩和 さ れる に つれ 、 日本 企業 の 中東 進出 が 活発 化 する 兆し を みせて いる 。 特に パレスチナ 自治 関連 事業 など 和平 ビジネス を 狙って 、 総合 商社 に よる イスラエル で の 拠点 づくり が 進んで いる 。 欧 米 諸国 に 比べて 、 中東 で 手 を 汚して い ない 日本 に 対する 中東 諸国 の 期待 は 強い 。 パレスチナ 自治 地域 に おける 住宅 、 病院 、 下水 道 建設 など 日本 の 人道 的 援助 は 高く 評価 さ れて いる 。 経済 力 で アラブ を 圧倒 する イスラエル だけ が 利 を 占める ような 中東 開発 は 、 和平 に 有害だ 。 パレスチナ 及び アラブ 諸国 の 民生 向上 を 視野 に 入れた 投資 と 援助 に 、 日本 は 努力 す べきだろう 。 九 月 末 に 調印 さ れた パレスチナ 自治 拡大 協定 に 基づいて 、 イスラエル 軍 が ヨルダン 川西 岸 から 撤退 を 開始 した 。 政治 ・ 経済 両面 で の 和平 進展 は 喜ばしい が 、 この 地域 の 経済 開発 に シリア 、 レバノン の 参加 は 不可欠だ 。 両 国 は 今回 も 経済 サミット に 欠席 した 。 両 国 の 参加 を 得て 初めて 東 地中海 の 開発 は 軌道 に 乗る 。 その 意味 でも イスラエル と シリア の 対話 を 促す べきだ 。 足元 から 地球 環境 を 考え 、 暮らし の 現場 から 行動 する ―― を 合言葉 に 、 自治 体 が 主催 する 国際 的な 環境 保護 の 催し や シンポジウム が 、 各地 で 開か れて いる 。 埼玉 県 と 国際 環境 自治 体 会議 が 主催 する 第 三 回 「 気候 変動 に 関する 世界 自治 体 サミット 」 、 茨城 県 と 国際 湖沼 環境 委員 会 主催 の 「 第 六 回 世界 湖沼 会議 」 、 神奈川 県 など が 主催 する 「 環境 に やさしい まち 、 くらし 世界 会議 」 など が 、 この ところ 相次いで 開催 さ れて いる 。 日ごろ の 暮らし ぶり 、 そして 地域 社会 を 環境 保全 型 に 変えて いく 手立て に ついて 、 現場 から の 情報 交換 と 発信 を 試みる の が その 狙い だ 。 国益 と 外交 の 駆け引き 、 役所 間 の 省庁 益 、 企業 益 など に 引きずら れ 、 環境 破壊 の 現実 を 直視 する こと を 避け 、 対策 の 判断 時期 が 遅れる 傾向 の ある 政府 間 会議 に 比べ 、 市民 たち が 参加 する 自治 体 間 の 話し合い は 、 国境 を 超え 、 現実 に 即して いて 、 より 正確で 具体 的である 。 自治 体 が このような 環境 会議 を 催す ように なった 背景 に は 、 琵琶湖 や 霞ケ浦 の 沿岸 に 住んで 、 清らかな 湖水 を 取り戻そう と する 市民 たち の 長年 に わたる 地道な 環境 保護 活動 の 歴史 が ある 。 市民 運動 の 迫力 が 、 自治 体 を 動かして いる と いえよう 。 アメリカ の 自然 保護 団体 、 シエラクラブ や オーデュボン 協会 、 世界 の 各地 で 行動 する グリーンピース や 地球 の 友 など の 調査 研究 の 水準 は 、 しばしば 政府 の それ を 上回る 。 代替 案 を 提案 して いく 政策 形成 力 が 、 国家 の 環境 政策 を 左右する こと が 珍しく ない 。 この 点 で 日本 の 環境 保護 の 市民 団体 は 力 不足 の 感 が 強い 。 しかし 、 例えば 霞ケ浦 湖畔 で の 世界 湖沼 会議 の 海外 参加 者 用 に 、 市民 の 手 に より 英語 で 編集 さ れた 「 霞ケ浦 ローカル ・ アジェンダ 」 は 、 湖 の 水質 の 復活 へ の 闘い と 展望 の 充実 した 内容 が 盛ら れて いる 。 地域 社会 の 日ごろ の たゆま ぬ 努力 を 映して おり 、 日本 の 環境 保護 市民 運動 の 政策 形成 能力 が 高まり つつ ある こと を 実感 さ せる 。 この リポート の 特徴 は 、 霞ケ浦 が 直面 して いる 問題 を 総合 的に 、 具体 的に とらえる と 同時に 、 それぞれ の 問題 点 が どのような 原因 から 起こり 、 どう すれば 克服 できる か 、 二十七 の 具体 的な 行動 計画 に まとめて いる 点 に ある 。 環境 影響 評価 に よる 公共 事業 計画 の 見直し から 、 肥料 を 多投 して 水 を 富 栄養 化 して いる 農法 の 改革 まで 、 アジェンダ は きわめて 合理 的である 。 首都 圏 ・ 東京 へ の 集中 を 放置 し つつ 、 霞ケ浦 を 三十 年 も 昔 の 高度 経済 成長 期 の 需要 予測 に 基づいて 、 首都 圏 の 水ガメ に 囲い 込もう と する 国 の 政策 の 矛盾 を 鋭く 突いて いる 。 そして 国際 社会 で 環境 立国 を 唱える 日本 政府 が 、 霞ケ浦 の 利水 計画 を 進める の に 際し 、 実は 環境 影響 評価 法 も 情報 公開 制度 も 持ち合わせて い ない こと を 、 現場 に 即して 指摘 して いる 。 地球 温暖 化 の 主因 である 二 酸化 炭素 の 増加 が 、 エネルギー 多 消費 の 生産 ・ 消費 の せい である こと が 示す ように 、 問題 へ の 取り組み は 、 私 たち 一人ひとり が 自ら の 暮らし と 地域 社会 の あり よう を 見直し 、 環境 を 損なわ ない よう 改革 する こと から 始め なくて は なら ない 。 市民 が 参加 する これ ら 一連の 自治 体 主催 の 国際 環境 会議 の 成果 を 高めて いき たい 。 米国 で の 大和 銀行 の 不正 取引 事件 は 、 米 当局 の 命令 に よる 北米 業務 から の 全面 撤退 、 米 司法 当局 に よる 元 米 支店 長 の 逮捕 に 発展 した 。 これ に より 北米 市場 を 失う 大和銀 に 対し 、 住友 銀行 と 野村 証券 が 救済 に 乗り出す こと に なった が 、 捜査 は 大和銀 上層 部 に 波及 し そうだ 。 大和銀 が 、 預金 者 や 株主 、 取引先 に 与えた 精神 的 、 金銭 的 損害 や 、 日本 の 金融 システム に 対する 内外 の 不信 を 高めた 経緯 から すれば 、 今回 の 米 当局 の 処分 は 厳粛に 受け止める 必要 が ある 。 この 結果 、 大和銀 の 前途 に 不安 が 生じる 以上 、 住銀 や 野村 に よる 「 日本 的 支援 措置 」 が とら れる こと も 、 次善 の 策 で は ある が やむ を 得 まい 。 ただ 、 事 は 住銀 や 野村 の 株主 、 取引先 の 利害 に かかわる だけ に 、 大和銀 は 事件 と 損害 の 全容 を 公表 し 、 住銀 、 野村 も 大和銀 支援 の 意味 を 預金 者 、 株主 など に 明確に 説明 す べきだ 。 今回 、 大和銀 は 経営 改善 指針 を 作成 した が 、 組織 ぐるみ の 隠蔽 工作 など に よる 信用 失墜 と いう 事態 に 対する 厳しい 認識 が 足りない ようだ 。 人員 三 割 削減 と いう 合理 化 策 も 、 大蔵 省 、 日銀 、 大和銀 上層 部 の 責任 を 放置 した まま 実施 さ れる なら 、 しわ寄せ を 受ける 行員 は 銀行 再建 へ の 意欲 を 失う だろう 。 問題 は 、 バブル 経済 崩壊 後 の 金融 システム 不安 に 対する 大蔵 省 ・ 日銀 の 対応 能力 の 不足に 対する 内外 の 不信 感 が 、 今回 の 大和銀 事件 処理 を めぐる 怠慢 行政 で 、 決定 的に なった こと に ある 。 大蔵 省 は 、 米 当局 の 処分 を 受けて 、 直ちに 大和銀 へ 都 銀 初 の 業務 改善 命令 を 出し 、 同時に 経営 改善 指針 を 発表 さ せた 。 だが 、 不正 を 見過ごした 銀行 検査 そのもの の 改革 に ついて は 、 大蔵 省 は 「 外国 金融 当局 と の 緊密な 情報 交換 に 努める と ともに 、 海外 拠点 に 対する 監督 ・ 検査 の 充実 を 図って いく 」 と 抽象 論 を 述べる に とどまった 。 だが 、 いま 必要な の は 金融 行政 の 改革 であり 、 とくに 行政 と 検査 の 分離 を 行って 、 大蔵 省 ・ 日銀 と 銀行 の 癒着 体質 を 切除 する こと で は なかろう か 。 そうして 透明 性 の ある 金融 行政 を 確立 し 、 他方 で 銀行 の 情報 開示 を 厳格に 行う こと が 、 内外 で 信用 を 回復 する 近道 であろう 。 また 、 問わ れる べき は 政治 の 不在 である 。 金融 システム 問題 で は 、 首相 や 蔵 相 の 指導 力 が ゼロ に 等しい の は どうした こと か 。 公定 歩合 〇・五 % と いう 異常 事態 の 長期 化 で 、 国民 は 高齢 化 社会 の 設計 図 も 描け ず 、 大きな 犠牲 を 強い られて いる 。 これ に よって 銀行 に 巨大な 業務 純益 を 稼が せ 、 住宅 専門 金融 会社 など の 不良 債権 の 処理 を 急が せる と いう 図式 だろう が 、 政治 家 は 国民 を 納得 さ せる だけ の 丁寧な 説明 を した こと が ある のだろう か 。 日本 の 金融 システム は 、 銀行 だけ の もの で は ない 。 世界 の 円滑な マネー 循環 の ため の 国際 公共 財 であり 、 国民 の 資産 で も ある 。 その 国民 の 資産 の 価値 を 失墜 さ せた 政治 と 行政 、 金融 機関 の 責任 は 重大である 。 大和銀 の 北米 撤退 を 、 日本 の ゆがんだ 金融 システム に 対する 頂門の一針 に 終わら せて は なら ない 。 これ から 日本 が 信用 回復 の ため に どんな 具体 的 行動 を とる か を 海外 は 注視 して いる 。 早期 に 金融 改革 の ビジョン を 示す こと が 、 信用 を 取り戻し 、 ジャパン ・ プレミアム 解消 の 唯一 の 道 であろう 。 沖縄 県 の 米軍 基地 問題 を めぐる 村山 富市 首相 と 大田 昌秀 知事 の 会談 が 四 日 、 行わ れ 、 米軍 用地 の 強制 使用 に 伴う 知事 の 代理 署名 拒否 問題 、 日 米 地位 協定 の 条文 の 大幅 見直し 、 沖縄 の 米軍 基地 の 整理 ・ 縮小 問題 が 重要な ポイント と なった 。 会談 後 、 首相 側 は 双方 の 理解 が 深め られ 、 有意義だった と 評価 した が 、 残念 ながら 、 いずれ の 問題 も 進展 は 見 られ なかった 。 代理 署名 問題 に ついて 大田 知事 は 、 基地 の 整理 ・ 縮小 問題 と は 切り離して 考える べきだ し 、 条件 闘争 を して いる わけで は ない 、 と 改めて 「 拒否 」 の 姿勢 を 明確に し 、 話し合い は 平行 線 の まま に 終わった 。 また 日 米 地位 協定 の 大幅 見直し や 米軍 基地 の 整理 ・ 縮小 に 関して は 、 日本 政府 と 沖縄 県 と の 間 に ハイレベルの 協議 機関 を 常設 する こと で 一致 、 ここ で の 検討 結果 を 日 米 政府 間 に 設置 さ れる 新たな 協議 機関 に 上げ 、 米 側 と 話し合う こと に なった が 、 問題 解決 は 先 送り と いう 結果 に なった 。 最大 の 焦点 に なった 代理 署名 は 、 国 の 機関 委任 事務 である 。 もともと 沖縄 県 側 に は 、 機関 委任 事務 は 戦前 から の 遺物 であり 取りやめる べきだ 、 地方 分権 の 時代 に そぐわない と の 考え 方 が 強い 。 機関 委任 事務 問題 は 、 現在 政府 が 進めて いる 地方 分権 論議 の 中 でも 最大 の テーマ である 。 地方 自治 体 側 は 「 廃止 」 を 主張 、 政府 の 「 地方 分権 推進 委員 会 」 も 、 自治 体 の 意見 を 踏まえて 検討 する 姿勢 を 表明 した ばかりである 。 今回 の 大田 知事 の 代理 署名 拒否 は 、 地方 分権 の 推進 に 関する 「 現場 」 から の 問題 提起 で も ある わけだ 。 これ に 対して 首相 は 会談 の 場 で 、 知事 に 対して 代理 署名 する よう 一切 、 求め なかった と いう 。 地方 分権 の 推進 は 、 行政 改革 、 情報 公開 と ともに 村山 内閣 の 最 重要 内政 課題 である 。 知事 側 の 筋 論 に 押しまくら れた 、 と いう の が 実態 だった ので は ない だろう か 。 会談 後 、 首相 は 代理 署名 問題 に ついて 「 政府 が 責任 を もって 検討 さ せて もらう 」 と 述べ 、 いずれ 自ら が 署名 を 代行 する ため の 法的 手続き に 踏み切る 姿勢 を 示した 。 首相 が 署名 を 代行 する に は 、 地方 自治 法 に 基づいて 、 知事 に 署名 を 促す 「 勧告 」 や 「 命令 」 を 出し 、 それ でも 知事 が 署名 を 拒否 した 場合 、 福岡 高裁 那覇 支部 に 執行 命令 請求 訴訟 を 提起 する ―― など の 手続き を 経 なければ なら ない 。 こうした 「 勧告 」 と 「 命令 」 の 手続き に 約 一 カ月間 、 訴訟 に 約 三 カ月間 は かかる と 言わ れて いる 。 知事 側 の 姿勢 が 固い こと を 見越して 政府 ・ 与党 内 に は 、 首相 が 代行 す べきだ と の 意見 が すでに 強まって いる 。 しかし 、 どう だろう 。 強権 を 発動 して 沖縄 県民 の 理解 が 得 られる のだろう か 。 首相 自身 、 これ まで も 国 と 県 の 間 で 訴訟 に なる 事態 は 好ましく ない と 語って きた はずだ 。 今回 の 会談 を 、 強権 発動 の ため の 単なる 環境 整備 に して は なら ない 。 会談 後 、 野坂 浩賢 官房 長官 は 、 首相 は 知事 と は 今後 、 いつでも どこ でも 再 会談 する 用意 が ある と 述べた が 、 当然であろう 。 首相 は ぎりぎり まで 話し合い 解決 の 道 を 探る べきだ し 、 その ため に は 首相 自身 が 沖縄 に 乗り込み 、 それ こそ 内閣 の 命運 を かけて 解決 策 を 提示 す べきで は ない だろう か 。 「 戦後 最大 の 大学 改革 が 進行 中 」 と 文部 省 が 宣言 する 通り 、 一九九〇 年 代 に 入って 、 大学 で は さまざまな 改革 が 進め られて いる 。 兵庫 県 西宮 市 で 先日 開か れた 「 大学 都市 会議 」 で は 、 その いく つ か が 報告 さ れ 、 熱 の 込もった 討議 が 展開 さ れた 。 報告 は 多岐に わたった が 、 その 中 で 、 京都 に ある 四十三 大学 ・ 短大 で 構成 する 地域 大 学連合 「 京都 ・ 学生 センター 」 の 取り組み に 注目 し たい 。 「 単位 互換 制度 」 を 核 と する 活動 は 、 まだ 小さな 芽 の 段階 だ が 、 大学 の 閉鎖 的 ・ 硬直 的 体質 に 風穴 を 開ける 可能 性 を 持って いる 。 今 、 各 大学 が 改革 に 走って いる の は 、 十八 歳 人口 が 急減 期 に 入り 、 手 を こまぬいて いて は 学生 が 集まら なく なる と いう 危機 感 が ある から だ 。 京都 でも 、 このまま で は 街 も 大学 も 衰退 する と の 思い が あり 、 学生 センター の 発足 に つながった 。 単位 互換 制度 は 、 他 大学 で 受けた 授業 を 自分 の 大学 の 単位 に カウント する もの だ 。 一部 実施 して いる 大学 も ある が 、 京都 の 場合 は 、 地域 ぐるみ である こと が 特徴 。 初年度 の 昨年 は 二十八 、 今年 は 三十一 の 大学 ・ 短大 が 協定 を 結び 、 昨年 千八百 人 、 今年 は 二千七百 人 が 履修 した 。 これ だけ の 規模 の 単位 互換 は 例 が ない 。 科目 数 も 昨年 は 五十一 、 今年 は 八十五 と 多彩 。 「 アート する 陶 」 、 「 華道 と 現代 生活 」 、 「 キリスト教 と 人生 」 など 、 その 大学 ならでは の 科目 も 多い 。 来 年度 は 参加 大学 も 科目 も さらに 増える 。 今 の 受験 生 は 、 何 を やり たい か より 、 自分 の 偏差値 に 合う 、 を 基準 に 大学 を 選ぶ こと が 多い 。 入学 して から やり たい こと を 探し たい と 思って も 、 選択肢 は 限ら れ 、 難しい 。 京都 で は 、 偏差値 と いう 垣根 を 越えて 自校 以外 の 魅力 的な 講義 が 受け られる 。 選択 の 幅 が ぐんと 広がる 。 大学 間 、 教師 間 の 競争 に も つながる 。 京都 の 試み は 、 ほか に も 波及 して いる 。 東京 ・ 多摩 地区 の 大学 ・ 短大 五十三 校 の 学長 ら は この ほど 、 地域 連携 の 在り 方 に ついて 話し合った 。 北九州 市 など でも 単位 互換 の 話 が 進め られて いる 。 全国 十六 大学 を オンライン で 結び 、 共通の 講義 を 受ける システム の 実験 も 始まった 。 単位 互換 制度 を より 意義 の ある もの に する ため に 、 二 点 注文 して おき たい 。 現行 で は 、 国立 と 私立 の 単位 互換 は 不可能だ 。 国 の 会計 制度 上 、 国立 の 授業 を 私立 の 学生 が 受ける 場合 に は 、 受講 料 が 必要 。 京都 でも 参加 意思 の ある 国立 は ある が 、 加わって い ない 。 文部 省 は 道 を 開いて ほしい 。 もう 一 点 、 各 大学 は 、 編入 制度 を 積極 的に 活用 して ほしい 。 単位 互換 に 編入 制度 を 組み合わせれば 、 改革 の 実は さらに 上がる 。 いろいろな 大学 の 科目 を 受け 、 より 広い 視野 で じっくり 自分 の 興味 の ある もの を 見いだし 、 所属 大学 以外 も 含め 、 進路 を 決める 。 こうした 体制 が ある 程度 の 規模 で 整えば 、 偏差値 入試 、 大学 制度 が いくらか でも 変わる 可能 性 が 出て くる 。 大学 改革 は 広い 分野 で さまざまな 方法 に より 進行 中 だ が 、 個々 の 大学 の 生き残り 策 しか 頭 に ない 改革 で は 、 支持 は 得 られ ない 。 学生 に とって は もちろん 、 高校 以下 の 教育 に とって も プラス に なる ような 改革 であって ほしい 。 その 意味 でも 幅広い 大学 の 連携 に よる 単位 互換 制度 は 望ましい 。 大きく 育て たい 。 ラビン 首相 撃た れる 、 の 報 を 聞いた 瞬間 、 イスラム 過激 派 の 犯行 で は ない か と 思った が 、 意外な こと に 容疑 者 は ユダヤ 人 だった 。 パレスチナ 問題 の 複雑 さ を 改めて 思い知ら さ れた 感じ だ 。 和平 目指して 献身 的な 努力 を 続け 、 その 途上 で テロリスト の 凶弾 に 倒れた 政治 家 の 非業 の 死 に 、 哀悼 の 意 を 表し たい 。 「 平和に チャンス を 与えて ほしい 。 平和 こそ イスラエル に 多く の もの を 与える 」 ―― ラビン 首相 が 集会 の 演説 で 和平 推進 の 決意 を 強調 した 直後 に テロ に 倒れた こと は 、 中東 和平 の もろ さ 、 危う さ を 端的に 示して いる 。 パレスチナ 和平 の プロセス は 、 イスラエル 及び アラブ 穏健 派 指導 者 と 、 和平 粉砕 を 叫ぶ イスラム 、 ユダヤ 両 過激 派 に よる テロ と の 戦い の 連続 だった と いって も 過言 で は ない 。 一九九三 年 九 月 の イスラエル 、 パレスチナ解放機構 に よる 歴史 的な パレスチナ 暫定 自治 合意 を 出発 点 に 、 ヨルダン 川 西岸 エリコ ・ ガザ 両 地区 で の 先行 自治 開始 、 昨年 十 月 の ヨルダン ・ イスラエル 平和 条約 締結 、 そして 今年 九 月 の 西岸 全域 へ の 自治 拡大 協定 と 和平 が 進展 する たび に 、 これ を 阻止 しよう と イスラム 過激 派 が バス 爆破 など イスラエル 市民 を 標的 に した テロ 行為 を 繰り返して きた 。 自治 合意 達成 後 、 テロ に よる 犠牲 者 は 数十 人 に のぼる 。 過激 派 組織 「 イスラム 聖戦 」 の 指導 者 が 先月 末 、 マルタ で 暗殺 さ れた 際 、 ラビン 首相 は 「 罪 の ない 人々 を 殺した テロリスト の 首領 の 死 を 遺憾に 思わ ない 」 と 語った 。 テロ に 手 を 焼く 政治 家 の 苦悩 を のぞかせた 発言 と いえよう 。 イスラエル 国 内 でも 、 右派 の 動き が 活発 化 して いた 。 六七 年 の 第 三 次 中東 戦争 後 、 イスラエル の 占領 下 に ある 西岸 に は 、 ユダヤ 人 入植 地 が 多数 ある 。 パレスチナ 自治 の 拡大 で 入植 地 が 撤去 さ れる こと を 恐れた 入植 者 たち は 、 入植 地 の 拡大 を 図り 、 不法 入植 を 排除 する イスラエル 政府 と の 対立 が エスカレート して いた 。 今回 の 事件 は 、 こうした ユダヤ 過激 派 の 動き と 関連 が あろう 。 ラビン 首相 は 第 三 次 中東 戦争 で 軍 参謀 総長 を 務め 、 パレスチナ 人 に よる インティファーダ に は 国防 相 と して 断固たる 態度 で 臨む など 、 政権 与党 の 労働党 内 で は タカ 派 と 目さ れて きた 。 しかし 、 九二 年 に 首相 の 座 に 返り咲いて から は 和平 路線 に 転換 し 、 PLO 、 ヨルダン と の 和平 を 推進 、 この 努力 が 認め られて 昨年 、 ペレス 外 相 、 アラファト PLO 議長 と ともに ノーベル 平和 賞 を 授与 さ れた 。 ラビン 首相 の 死 は 、 中東 和平 に とって 大きな 痛手 だ 。 しかし 、 イスラエル と パレスチナ 指導 者 は テロ の 悲劇 を 乗り越えて 、 恒久 平和 実現 へ の 努力 を 続けて ほしい 。 交渉 相手 を 失った アラファト 議長 は 「 ラビン 氏 は 平和 を 推進 した 。 和平 プロセス で 起きた 悲劇 を みんな の 力 で 克服 し たい 」 と 語り 、 ラビン 首相 の 死後 も イスラエル と の 話し合い を 継続 する 決意 を 表明 した 。 ラビン 首相 の 死去 に 伴い 、 首相 代行 に 就任 した ペレス 氏 に は 、 ラビン 氏 の 和平 路線 を 継承 する こと を 望み たい 。 ペレス 、 アラファト 両氏 が ラビン 首相 の 遺志 を 継いで 、 和平 の 対話 を 粘り強く 続け 、 テロ で 平和 を 覆せ ない こと 、 中東 和平 の 潮流 は 暴力 で 後戻り さ せ られ ない こと を 世界 に 示して ほしい 。 二十一 世紀 を 前 に 科学 技術 へ の 期待 が 高まって いる 。 「 資源 小国 ・ 日本 が 生き残る に は 科学 技術 に 頼る 以外 ない 」 と 語ら れ 始めた 。 国民 の 知的 創造 力 を 生かして 生活 を 豊かに する と いう 意味 で 「 科学 技術 創造 立国 」 の 言葉 も 登場 した 。 科学 技術 が 日本 の 繁栄 を もたらした が 、 戦後 五十 年 の 今 も 大学 の 研究 環境 は 劣悪であり 、 創造 的な 基礎 研究 の 水準 は 低い 。 不況 で 企業 の 研究 活動 に も 陰り が 見える 。 これ で は 社会 の 活力 が 失わ れる と いう 心配 が 、 科学 技術 へ の 期待 の 背景 に ある 。 そんな 状況 を 反映 し 、 科学 技術 の 振興 を 目的 と した 科学 技術 基本 法案 が 与党 三 党 と 新進党 に よる 議員 立法 と して 国会 に 提出 さ れた 。 衆院 を 通過 し 、 成立 は 確実 と み られる 。 法案 で は 、 研究 開発 の 推進 に 関する 総合 的な 方針 を 定めた 科学 技術 基本 計画 を 国 が 策定 する ほか 、 研究 者 の 適切な 処遇 、 研究 施設 の 整備 、 情報 ネットワーク の 構築 、 研究 者 の 国際 交流 、 研究 開発 資金 の 効果 的 使用 など を 進める と して いる 。 今後 、 各 省庁 が 科学 技術 関連 の 予算 を 獲得 する うえ で 、 よりどころ に なる と み られる が 、 この 機会 に いく つ か 注文 を 付けて おき たい 。 まず 、 法案 の 第 一 条 に 「 我が国 の 経済 社会 の 発展 と 国民 の 福祉 の 向上 に 寄与 する 」 と ある ように 、 全体 的に 科学 技術 を 経済 発展 など の 手段 と して 位置付ける 傾向 が ある こと が 気 に なる 。 学者 の 国会 と も いう べき 日本 学術 会議 が 一九七六 年 に 政府 に 制定 を 勧告 した 科学 研究 基本 法 に は 「 真理 の 探究 と その 成果 の 応用 を 通じて 人類 に 貢献 する 」 「 文化 の 向上 に 貢献 する 」 など の 表現 を 盛り込む べきだ と して いた 。 科学 技術 と 社会 と の 連携 は 当然だ が 、 科学 研究 に よって 真理 を 追究 し 、 文化 を はぐくむ と いう 視点 が 欠けて は 応用 研究 に 偏り 、 独創 的な 基礎 研究 の 軽視 に つながり かね ない 。 科学 の 正しい 発展 の ため に は 研究 者 が 自由に 発想 し 、 その 成果 を 自由に 発表 できる こと が 大切だ 。 今後 は 産学 協同 が 一層 進む が 、 企業 秘密 が 前面 に 出る ようで は 大学 の 研究 者 は 困る 。 法案 の 「 研究 成果 の 公開 」 を 具体 化 さ せて ほしい 。 法案 は 自然 科学 と 人文 科学 の 調和 の とれた 発展 を 強調 する 一方 で 、 わざわざ 「 人文 科学 のみ に かかわる もの を 除く 」 と 断った 。 地球 環境 問題 など の 解決 に は 科学 の 総 動員 が 必要であり 、 人文 科学 の 除外 を うたう こと に 違和感 を 感じる 。 学術 会議 は 十 月 の 総会 で 政府 負担 研究 費 の 倍増 など を 求めた 「 高度 研究 体制 の 早期 確立 に ついて 」 と いう 要望 を 採択 した 。 これ まで も 何度 も 大学 の 研究 環境 の 改善 、 研究 開発 投資 額 の 大幅 アップ の 必要 性 が 叫ば れた が 、 改革 は 進ま なかった 。 科学 技術 基本 法 が できて も 従来 通り の 考え 方 で は 何も 変わら ない 。 そこ で 同法 に よる 科学 技術 基本 計画 の 策定 に は 学界 の 意見 を よく 聞いて 工夫 を 凝らして ほしい 。 日本 の 特徴 を 出した 明確な ビジョン を もと に 、 どのように 科学 技術 を 発展 さ せて いく の か 、 独創 的な 人材 を どう 育てる の か など 、 新しい 流れ を 国民 に 分かる ように 示す こと が 重要だろう 。 科学 技術 基本 法 と 歩調 を 合わせ 、 文部 省 は 研究 者 の 流動 性 を 高める ため 大学 教員 の 任期 制 を 打ち出して きた 。 科学 者 も 新しい 時代 に 対応 する 心構え を 持って ほしい 。 韓国 民 の 多く は 、 どのような 政治 家 を 望む か と の 世論 調査 に 「 私心 の ない 政治 家 」 と 答える 。 この 期待 さ れる 政治 家 像 は 、 多分 に 儒教 思想 を 反映 した もの であろう が 、 日本 人 に も 共通 する 思い が ある 。 韓国 の 盧 泰愚 前 大統領 は 、 大統領 在任 中 に 秘密 資金 と して 五千億 ウオン を 受け取った 事実 を 明らかに した 。 盧 氏 は 、 この 資金 に ついて 大統領 が 政治 を 行う ため の 「 統治 資金 」 と して 使った と 述べ 、 個人 的 目的 に は 使わ なかった と 強調 した に とどまった 。 しかし 、 大統領 を 辞めた 後 も 、 なお その 資金 の 残額 千八百億 ウオン 以上 を 保有 して いた 事実 も 明らかに さ れて おり 「 個人 的 目的 に は 使わ なかった 」 と の 主張 は 説得 力 を 失って いる 。 盧 氏 が いかに 強弁 しよう と 、 国際 的な 常識 から すれば 、 利権 を 目当て に した 贈収賄 資金 と しか み られ ない ので は ない か 。 盧 氏 は これ まで 、 韓国 の 最高 検察 庁 の 十六 時間 に 及ぶ 事情 聴取 に 応じた が 、 資金 の 受取 先 など に ついて の 一切 の 供述 を 拒否 した 。 野党 の 金 大中 ・ 新 政治 国民 会議 総裁 は 、 この 秘密 資金 に 関連 して 盧 前 大統領 から 、 二十億 ウオン を もらった 事実 を 認めた 。 金 大中 総裁 は 、 この 資金 の 受け取り に ついて 「 何の 条件 も ついて い なかった ので 、 慰労 金 と して 受け取った 」 と 述べた 。 この 説明 も また 多く の 韓国 民 に は 納得 し がたい ようである 。 金 大中 総裁 の 選挙 地盤 である 全羅道 の 人々 は 、 盧 前 大統領 を 光州 事件 の 責任 者 と して なお 激しく 非難 して いる 。 その 盧 氏 から 、 いかなる 名目 であれ 多額の 資金 を 受け取る の は 、 裏切り 行為 と み られよう 。 また 、 金 大中 総裁 は 金 泳三 大統領 に も 盧 氏 から 数千億 ウオン の 資金 が 渡さ れた と の 情報 が ある 、 と 述べた 。 一方 、 金 泳三 大統領 は 「 盧 前 大統領 は 、 私 が 大統領 に 当選 する こと を 望んで い なかった 。 選挙 資金 は 受け取って い ない 」 と 明言 した 。 また 「 不正 蓄財 と して の 徹底 した 捜査 」 を 指示 した 。 韓国 の 政治 に は 、 初代 の 李 承晩 大統領 以来 、 黒い カネ の 疑惑 が つきまとった 。 大統領 が 絶大な 権力 を 持ち 、 その 利権 に 財界 人 や 政治 家 が 群がる から だ 。 しかし 、 これ は 大統領 だけ に 限ら ない 。 与野党 の 政治 指導 者 は もちろん 、 閣僚 や 高級 官僚 の 不正 蓄財 も 横行 した 。 盧 前 大統領 の 秘密 資金 が 明らかに さ れた 事実 は 、 韓国 の 政治 が 歴史 的な 変化 を 求め られて いる こと を 示唆 して いる 。 これ まで なら 、 こうした 巨額な 資金 の 解明 と 捜査 は 強権 で 抑え られて きた から だ 。 この 背景 に は 、 朝鮮 半島 に おける 冷戦 体制 の 崩壊 と 韓国 で の 文民 政権 の 発足 が ある 。 韓国 の 権力 者 は 、 冷戦 と 南北 対立 を 理由 に 、 強権 政治 を 維持 して きた 。 しかし 、 歴史 の 変化 は もはや こうした 政治 体制 と 政治 の やり 方 を 許さ なく なって いる 。 この 新たな 歴史 の 要求 に 、 どう 応え 新しい 政治 を 生み出し 得る か を 、 韓国 の 政治 家 は 問わ れて いる わけだ 。 盧 氏 の 秘密 資金 疑惑 を めぐる 韓国 政局 の 背後 に は 、 次期 大統領 を めぐる 金 大中 総裁 と 金 泳三 大統領 の 、 怨念 の 対決 が ある 。 さらに 、 韓国 政界 が 世代 交代 を 実現 できる か の 問題 が 隠さ れて いる 。 韓国 の 民主 主義 発展 の ため に も 、 国際 的に 説明 が つき 韓国 民 に も 納得 いく 解明 を 期待 し たい 。 どんなに 精密な 設計 図 を 描いて も 、 現実 に 組み立て 始める と 、 意外な ゆがみ や ずれ が 生じる 。 ドイツ の 「 介護 保険 」 も 、 その 悩み を 抱え ながら 歩み つつ あった 。 この 医療 、 労災 、 年金 、 失業 に 次ぐ 五 番 目 の 公的 保険 は 今年 一 月 から 保険 料 を 集め 、 四 月 から 在宅サービス に 絞って 保険 が 適用 さ れた 。 寝たきり 、 ぼけ 症状 、 各種の 障害 など で 介護 の 必要な 人 を 支給 対象 に する ため 、 「 要 介護 」 状態 な の か どう か を 判定 する 。 医師 、 看護 婦 、 介護 職 ら で 構成 の 「 MDK 」 が 百六十万 人 近い 申請 者 の 認定 に 当たる 。 失業 中 の 医師 まで アルバイト で 大 動員 し 八 月 末 で ようやく 総 申請 数 の 八 割 を 処理 した 。 すでに 医療 保険 の 中 に 介護 給付 制度 が あり 、 そのうち 介護 保険 の 給付 を 求めた 二十四万 人 は ほぼ 自動 的に 認定 さ れた 。 それ でも 混乱 状態 に 陥った 。 全く の 白紙 状態 から スタート する わが国 の 介護 保険 構想 は 、 より 周到な 準備 が 不可欠に なる 。 ドイツ で は 要 介護 の 状態 を 三 段階 に 分けた 。 一 級 、 二 級 、 三 級 、 さらに 特例 が ある 。 医療 の 世界 で は 、 医師 が 医学 の ノウハウ で 軽症 や 重症 と 判断 する が 、 そのまま 要 介護 状態 を 判定 する 物差し に は なら ない 。 統一 の 判定 ルール を 作った もの の 、 州 に よって 要 介護 で は ない と 却下 した 件数 や 等級 の 割合 は ばらばらに なった 。 ベルリン で 却下 率 は 四五 % 、 バーデン ・ ビュルテンベルク 州 で は 二四 % 、 三 級 の 認定 は ベルリン で 全体 の わずか 三・八 % に 比べ シュレスウィヒ ・ ホルシュタイン 州 で は 二三 % に も なった 。 不公平 感 が 広がり つつ あった 。 さらに 地域 や 集団 に よって 異なる 高齢 化 率 や 要 介護 者 数 を 考え 、 財政 の 豊かな 介護 金庫 は 、 運営 の 苦しい 介護 金庫 を 支援 する 方式 だ から 、 厳しい 認定 の 金庫 ほど 損する 形 に なる 。 判定 と 財政 調整 の 難し さ は 、 そっくり わが国 の 重い 宿題 に なる 。 最終 的に 要 介護 の 認定 は 約 百二十万 人 と 推定 さ れる 。 その 八 割 が 現金 支給 を 選ぶ 。 地域 に 適切な サービス が ない こと 、 低 所得 者 に は 現金 の 方 が 魅力 的 、 家族 で 介護 し たい と いう 願い など が からまった 結果 だ 。 ホーム ヘルパー や 訪問 看護 の サービス 支給 を 中心 に する 制度 の 理念 は 、 初期 段階 で は 通じ なかった 。 これ も 、 わが国 に とって 大きな 教訓 に なる 。 介護 サービス の 普及 を 急ぐ こと 、 現金 支給 を 設ける に して も サービス 不足 の 初期に 限る こと が 課題 に なる だろう 。 介護 サービス の 単価 を めぐる 争い も 激しい 。 支払い 側 の 介護 金庫 は 、 看護 婦 や 介護 士 の 一 回 の 出動 ごと に 三十 マルク と 定めた が 、 サービス 提供 機関 は 時給 七十 マルク 前後 を 主張 する 。 ついに 裁判 に 持ち込ま れた 。 新しい システム を 最初 から 完ぺきに 整える の は 不可能に 近い 。 試行 錯誤 し ながら 難問 や 矛盾 を 解決 して いく ほか ない 。 経営 側 は 月収 の 一 % の 保険 料 の 半分 を 負担 、 労働 側 も 祝日 を 一 日 返上 、 自営 業者 は 一 % 全額 負担 の 重荷 に 耐え 、 「 介護 」 を 社会 的に 解決 する 意気込み に 、 何より も 学ぶ べきだろう 。 今年 五 月 発表 さ れた 国際 通貨 基金 の 世界 経済 見通し に は 次 の ような 指摘 が ある 。 「 日本 の 財政 状況 は 極めて 悪化 した 。 一九九六 年 に は 、 財政 再建 に 再び 取り組む 必要 が あろう 」 残念な こと に IMF の 記述 通り 、 来年 の 財政 は 深刻な 危機 に 陥る の は 確実 と なった 。 九六 年度 の 予算 編成 で 、 新たに 発行 する 国債 は 合わせて 十八兆 円 程度 と 過去 最大 の 規模 に なり そうだ と いう 。 その 中身 は 、 投資 的 経費 の すべて を 建設 国債 で 調達 し 、 赤字 国債 を 八兆 円 程度 発行 せ ざる を 得 ない 、 と いう の が 大蔵 省 の 予算 関係 者 の 見方 である 。 率直に 言って 寒心 に 堪え ない 。 国債 大量 発行 時代 の ピーク 、 七九 年度 の 当初 予算 でも 、 国債 発行 額 は 十五兆 円 余 であった 。 来 年度 予算 で これ を 大きく 上回る 可能 性 が 出て きた 。 特に 赤字 国債 は 、 九四 年度 に 所得 減税 分 と して 四兆一千億 円 を 五 年 ぶり に 発行 した あと 、 ズルズル と 発行 を 重ねた 。 来 年度 は それ が 一挙に 八兆 円 に 累増 する 勢い と いう から 「 国債 は 麻薬 なり 」 と いう 言葉 を 改めて 痛感 さ せ られる 。 かつて 第 一 次 財政 再建 時代 に そうであった ように 、 いったん 膨れ上がった 財政 規模 を 縮小 さ せる こと は 容易で は ない 。 従って 、 財政 再建 キャンペーン は まず 消費税 率 アップ など の 増税 を 目指す の が 常道 だ 。 第 一 次 財政 再建 時代 を 締めくくった の は 結局 、 消費 税 の 導入 であった こと を 思えば 、 政府 は 安易な 道 を 選び がちである 。 だが 、 それ は 間違った 選択 だ と 思う 。 私 たち が 財政 再建 で 考え なければ なら ない こと は 、 まず 財政 を 徹底 的に 改革 する ことだ 。 改革 の 視点 は 幾 つ も ある が 、 とりあえず 公共 事業 の 在り 方 を 検討 して みて は どう か 。 九三 年度 から 、 バブル 不況 対策 と して 、 累計 数十兆 円 規模 の 公共 投資 を 行って きた 。 無論 、 その 効果 が なかった わけで は ない が 、 景気 浮揚 策 と して 公共 投資 を 数字 の うえ で ただ 膨らま せれば 良い の か どう か 。 産業 が 高度 化 し 、 日本 経済 が 成熟 化 する 中 で 、 景気 対策 と 公共 事業 の 関係 を 問い 直す こと が 重要で は ない か 。 第 二 に 、 政府 の やって いる 仕事 を 少なく 、 小さく して もらう ため の 行政 改革 である 。 地価 調査 を 一本化 する など と いう 小さな 省力 化 から 、 まるまる 一 省庁 を 解体 する と いう もの まで やる こと は 山ほど ある 。 私 たち 自身 も 何でも 「 政府 や 役所 の 責任 」 と いう 発想 から 脱却 し なければ なら ない の は 、 いう まで も ない 。 第 三 は 、 予算 そのもの の 改革 である 。 予算 編成 は 一見 して 、 情報 が 開示 さ れて いる ように 見える が 、 その実 、 必ずしも そう と は いえ ない 。 何故 、 ここ に 国費 を 投入 する の か 、 個別 に 検討 すれば 問題 は 幾 つ も 出て くる 。 各 官庁 に 関係 法人 を 整理 さ せる だけ で 、 相当 の 予算 が 浮く はずだ 。 この 三 つ の 改革 を 進めて いく に は 既存 の 組織 で は 役立た ない 。 強力な 「 予算 臨調 」 と いった 組織 を 編成 し 、 政府 が ここ に 大幅な 権限 を 委譲 して スタート さ せる こと が 肝要である 。 大蔵 省 は これ に 反対 する かも しれ ない 。 ならば 、 財政 危機 宣伝 は 単なる 増税 キャンペーン に 過ぎ ぬ 、 と 受け止め られて も やむ を 得 ない だろう 。 旧 東京 協和 、 旧 安全 両 信用 組合 の 乱脈 融資 事件 は 、 山口 敏夫 元 労 相 の 親族 企業 に 波及 した 。 捜査 当局 は 七 日 、 この 親族 企業 など 約 二十 カ所 を 捜索 する と ともに 、 山口 氏 の 実姉 や 実弟 、 両 信 組 の 二 人 の 元 理事 長 ら 八 人 を 背任 容疑 と 業務 上 横領 容疑 で 逮捕 した 。 安全 信 組 から 親族 企業 へ の 八億 円 融資 が 担保 不十分 だった こと と 、 山口 氏 が 理事 を 務めた 財団 法人 の 基本 財産 や 土地 など を 勝手に 担保 に 流用 した 、 と いう の が 容疑 内容 である 。 当然 、 山口 氏 自身 が こうした 不正 融資 に 関与 して いた か どう か が 今後 の 捜査 の 焦点 に なる 。 両 信 組 の 乱脈 経営 が 発覚 して 以来 、 山口 氏 周辺 を めぐる 疑惑 は 問題 に なって きた が 、 ようやく 強制 捜査 が 及んだ と いう こと であろう 。 ただ 、 業務 上 横領 容疑 の 対象 に なった 財団 の 基本 財産 に ついて は すでに 返却 さ れて いる 。 それ でも 摘発 した の は 、 事態 が 表面 化 して から の 返却 だった 、 流用 の 期間 が 長かった など の 事情 から 「 可 罰 性 が ある 」 と 厳しい 姿勢 を 示した もの であろう 。 山口 氏 は 国会 喚問 や 記者 会見 など で 、 常々 「 政経 の 分離 」 を 口 に し 、 親族 や 秘書 ら の 問題 で 、 自身 は かかわり が ない 、 と 抗弁 して きた 。 疑惑 発覚 の 時 に 政治 家 が しばしば 使う 常用 句 であり 、 これ で は 説得 力 は 乏しい と 言わ ざる を 得 ない 。 問題 の 融資 は 、 昨年 六 月 以降 に 両 信 組 から 追加 融資 さ れた 二十七億 円 の 一部 であり 、 背任 対象 額 が 増える こと も 予想 さ れる 。 この 時期 、 監督 官庁 である 東京 都 と 大蔵 省 が 両 信 組 の 検査 に 入り 、 不良 債権 が 一千億 円 余 に も 膨れ上がって いる こと が 分かり 、 放漫 経営 が 行き詰まって いた 。 こんな 時期 に なぜ 、 担保 不十分 の まま で 巨額の 融資 を 行った の か 。 大臣 経験 、 有力 政治 家 と いった 山口 氏 の 肩書 を 抜き に して は 考え にくい ので は なかろう か 。 山口 氏 は 「 法治 主義 に 反して い ない 」 と も 言って いる ようだ が 、 政治 家 が こんな 弁明 を して は いけない 。 法 は 「 最小 限 の 社会 規範 」 であって 、 政治 家 たる もの もっと 高い レベル を 常に 要求 さ れて いる 。 「 法 に 反し なければ …… 」 と いった 姿勢 が これ まで いかに 疑惑 ・ 癒着 の 土壌 に なって きた こと か 。 「 選良 」 と して の 在り 方 を 考えて もらい たい 。 かつて 、 両 信 組 の 関連 会社 の 幹部 が 「 信 組 の 理事 長 も 悪い が 、 それ に 群がった 政 官 は もっと 悪質だ 」 と 語って いた と いう 。 根 は 深 そうだ 。 捜査 は 「 群がった 政 官 」 を 広く にらみ 、 深層 へ 迫ら なくて は なら ないで あろう 。 刑事 責任 有無 の 問題 は 別に して も 、 これ まで に も 表面 化 した 疑惑 は 多い 。 多額の パーティー 券 購入 を 指摘 さ れた 前 衆院 議員 が いる 。 旧 東京 協和 信 組 の 元 理事 長 や その 知人 から 常識 外れ の 接待 を 受けて いた 大蔵 省 など の 高級 官僚 が 数々 いた 。 信 組 と いう 非 営利 の 小規模な 金融 機関 が 、 一千億 円 と いう 巨額の 不良 債権 を 抱える まで 放漫 経営 を 続け られた 背景 と して 、 指摘 する 声 も 出て いる 。 この 両 信 組 事件 の 発覚 後 に も 、 コスモ 信 組 や 木津 信 組 、 兵庫 銀行 、 さらに は 大和 銀行 など の 金融 機関 の 経営 破たん や 不祥事 が 相次いで 表面 化 して いる 。 病巣 に ある 金融 機関 の 姿勢 を 正す 意味 でも 、 この際 、 政 官 と の 癒着 の 全容 を 徹底 的に 明らかに して もらい たい 。 「 言葉 遣い 」 の 在り 方 など を 審議 して きた 国語 審議 会 は 八 日 、 可能 の 意味 の 「 見 られる 」 「 食べ られる 」 など を 、 「 見 れる 」 「 食べ れる 」 など と 表現 する 「 ら 抜き 言葉 」 に ついて 、 「 現 時点 で は 認知 し かねる 」 など と する 報告 を まとめた 。 それなり に 理由 の ある 「 揺れ 」 であり 、 いずれ は 定着 する と みる 専門 家 も いる 。 言葉 は 、 古来 変化 して きて おり 、 「 文法 的に 間違って いる から 使って は いけない 」 と いって も 仕方 が ない こと だ 。 とはいえ 、 ら 抜き 言葉 は 正しい か 、 と 聞か れれば 、 否 と 言わ ざる を 得 ない 。 「 認知 し かねる 」 と した 点 は 理解 できる 。 ただ 、 注意 し たい の は 、 国語 審議 会 の 建議 の 性格 である 。 もともと 個々 人 の 日本 語 を 規制 する 建前 に は なって い ない 。 基本 的に は 今回 の 報告 でも いう ように 、 「 緩やかな 目安 」 に 過ぎ ない のである 。 報告 は この ほか 、 「 気 が おけ ない 」 を 「 信用 でき ない 」 、 「 やおら 」 を 「 素早く 」 の 意味 で 使う 用法 の 「 揺れ 」 は 安易に 認め られ ない 、 と 判断 した 。 新奇な 片仮名 言葉 や 、 「 アポ 」 「 トラブる 」 など の 省略 語 も 、 安易に 使う べきで は ない と した 。 妥当 と 思う が 、 これ ら の 点 も 含め 、 報告 を 「 権威 ある 国 の 決定 」 で は なく 、 「 迷った 時 の 参考 」 と 受け止め たい 。 国語 審議 会 は 、 戦後 の 国語 改革 に 大きな 役割 を 果たして きた 。 「 歴史 的 仮名遣い 」 を 表音 的に 改めた 「 現代 かなづかい 」 、 漢字 の 数 を 制限 する 「 当用 漢字 表 」 、 「 送りがな の つけ 方 」 は 、 いずれ も 国語 審議 会 の 建議 に より 、 内閣 告示 と いう 形 で 実施 さ れた 。 内閣 告示 に は 強制 力 は ない 。 しかし 、 現実 に は 学校 教育 や 官公庁 の 文書 の 規範 と なる 。 マスコミ も 準じて きた から 、 社会 的に は 強制 に 近い 意味 を 持つ こと に なった 。 加えて 、 受け取る 側 も 、 お上 が 決めた のだ から 守ら なければ いけない 、 と 過剰に 反応 する きらい が あった 。 学校 で 、 揺れ の ある 仮名 遣い や 送り 仮名 、 漢字 の 字体 を テスト の 問題 に して 、 ○ × を つける など は 、 行き過ぎ の 一例 である 。 新聞 社 も 、 漢字 制限 を 厳格に 受け取り 過ぎた 面 が あった こと は 否め ない 。 日本 語 を どう 表現 する か は 、 本来 個人 の 自由であって いい 。 ただ 、 いく つ か の 表記 法 、 言い 方 が ある 場合 、 基準 は 必要で 、 国語 審議 会 が 基準 作り の 任 を 担う の も 一 つ の やり 方 である 。 しかし 、 それ は 社会 の 共通 レベル の 話 で 、 個々 の 国民 の 表現 まで 強制 する もの で は ない と いう 原点 を 忘れて は なら ない 。 国語 審議 会 は 七〇 年 代 以降 、 仮名 遣い など の 改革 の 見直し を 進め 、 その 性格 を かつて の 「 準 則 」 など から 、 「 より どころ 」 「 目安 」 と いう 表現 に 改めた 。 規範 性 の 緩い もの である こと を 明確に した 。 日本 語 の 本質 に かかわる これ ら の 問題 に 比べれば 、 今回 の 「 言葉 遣い 」 など は 枝葉 の 話 で 、 規範 性 の 緩 さ は 、 さらに はっきり して いる 。 報告 に ある ように 、 私 たち は 「 平明 、 的確で 、 美しく 、 豊かな 言葉 」 を 引き継ぎ 、 伝えて いき たい と 思う 。 それ は 個々 人 が それぞれ に 磨き上げて いく こと が 基本 に なろう 。 国語 審議 会 報告 は 、 日本 語 を 考える 格好の 材料 と して 、 参考 に し たい 。 いったい 外務 省 の 軸足 は 、 どこ に 置いて いる のだろう か 。 面食らう こと が しばしば ある 。 沖縄 の 小学 女児 暴行 事件 も そう だった 。 同 省 は 、 まず 日 米 安保 あり き の 態度 に 出た 。 少なくとも 沖縄 県民 に は そう 映った 。 それ が 県民 の 怒り を 爆発 さ せた のである 。 今回 の 国際 司法 裁判 所 に おける 政府 の 行動 も 、 納得 いか ない 。 ICJ は 国連 総会 など の 求め に 応じて 、 核 兵器 使用 の 違法 性 を 審議 して いる 。 七 日 、 日本 政府 と 広島 、 長崎 両 市長 が ICJ 法廷 で 陳述 に 立った 。 両 市長 が 核 使用 を 国際 法 違反 と 明言 した の に 対し 、 政府 は 違法 性 に 言及 し なかった 。 むしろ 両 市長 の 発言 に 「 必ずしも 政府 見解 で は ない 」 と 水 を 差した …… 。 外務 省 は 昨年 「 核 兵器 使用 は 違法 と まで は いえ ぬ 」 と の 陳述 書 を ICJ に 提出 、 世論 の 批判 を 浴びて 、 同 部分 を 削除 した いきさつ が ある 。 今回 も 、 両 市長 の 発言 に 対し 事前 に 注文 を つけた 、 と 報道 さ れて いる 。 広島 ・ 長崎 に 原爆 が 投下 さ れた 五十 年 前 、 当時 の 日本 政府 は これ を 国際 法 違反 と 全 世界 に 訴えた 。 が 、 敗戦 後 は 、 そうした 主張 は ぱたり と やんだ 。 占領 軍 が 封じた ため である 。 例えば 故 鳩山 一郎 氏 は 首相 に なる 前 、 国際 法 違反 に 言及 した が 故 に 、 その 発言 が 占領 軍 に 問題 視 さ れた 。 日本 が 独立 する まで 、 新聞 は 広島 ・ 長崎 の 実態 を 報じる こと すら 、 控えめに せ ざる を 得 なかった 。 厳しい 検閲 制度 の せい だった 。 今 は 占領 下 で は ない 。 冷戦 も 崩壊 した 。 にもかかわらず 、 政府 の 核 使用 に 対する 発言 が 金縛り に 遭った か の ような の は どうして な の か 。 理由 は 一 つ 。 日本 政府 が 米国 の 核 戦略 を 容認 して いる から である 。 七 日 の 安全 保障 会議 に 示さ れた 新 防衛 計画 大綱 原案 でも 、 日本 は 「 米国 の 核 抑止 力 に 依存 する 」 と 明記 さ れて いる 。 米国 の 核 戦略 に 頼り ながら 、 核 使用 を 違法 と する わけに は いか ない 、 と いう の が 政府 の 言い分 だろう 。 政府 が 中国 や フランス の 核 実験 に 強く 反対 でき ない の も 、 ここ に 帰結 する 。 両 国 から 「 核 の 傘 の 恩恵 に 浴し ながら 、 他国 の 核 実験 を 批判 する の は 矛盾 」 と 批判 さ れる と 、 日本 は 沈黙 せ ざる を 得 ない 。 両 国 の 言い分 こそ 手前勝手な のだ が 、 核 を 拒絶 して いる 国 から 見れば 、 日本 の 言動 は 決して ほめ られた もの で は ない 。 沖縄 の 事件 の 時 も そう だった が 、 外務 省 は 思考 硬直 に 陥って いる ので は ない か 。 従来 の 外交 政策 を 守る こと に きゅうきゅうと して 、 時代 の 変化 に 積極 的に 応えて いこう と する 姿勢 が 、 どうも 感じ られ ない 。 それ は また 、 政治 の せい で も ある 。 沖縄 事件 に もっと 素早く 反応 して いたら 、 日 米 安保 体制 を も 揺るがす ほど に は なら なかった はずだ 。 連立 与党 は 外務 省 の 対応 の まず さ を 責める が 、 官僚 と いう もの は 大きく たたけば 、 大きく 応える もの だ 。 事なかれ主義 の 政府 を 見て いれば 、 外務 省 も できる だけ 小さく 応えよう と する 。 これ は 官僚 の 本性 で 、 責める の は 酷 と いう もの かも しれ ない 。 核 使用 の 違法 性 に して も 、 社会党 や さきがけ は 異存 ない はずである 。 昨年 の 政府 陳述 削除 問題 で 積極 的に 動いた の は 自民党 だった 。 それとも 、 あれ は 旧 連立 与党 を 困ら せる ため の 行動 だった の か 。 外務 省 と 政治 家 に 求め たい 。 もっと 時代 に 敏感であって ほしい と 。 遊び半分の 行為 が 、 結果 的に 人命 を 奪って しまう 事件 が 大阪 で 続いて 起きた 。 大阪 府 守口 市 の 高層 分譲 マンション の 上層 階 から 投げ 落とした 消火 器 が 、 下 を 歩いて いた 小学 三 年 の 女児 を 直撃 して 死亡 さ せた 惨劇 も そう だ 。 小学校 低 学年 の 男児 の しわざ らしい が 、 十四 歳 未満 の 子供 に 刑事 責任 は 問え ない 。 だが 、 単に 子供 の イタズラ だった 、 で 落着 さ せる に は 結果 が あまりに 重大 すぎよう 。 やり切れない 事件 である 。 自分 の 行為 が もたらす 重大な 結果 に ついて 全く 分別 が 働か ない 人間 が 増えて いる ので は ない か 、 と いう 恐れ さえ 抱か せる 。 その 点 で は 、 先月 中旬 、 大阪 ・ 道頓堀 川 で 起きた ホームレス 殺人 と 重なる 。 体力 の ない 高齢 者 を 水 の 中 に ほうり込めば どう なる か 、 に 想像 力 が 及ば なかった 若者 たち の 犯行 だ 。 消火 器 投下 事件 は 、 連休 の 谷間 の 四 日 午後 に 起きた 。 十九 階建て マンション に 住む 同級 生 の パーティー に 招待 さ れた 別棟 の 女児 が 友達 と 玄関 に 入ろう と した 時 、 相次いで 三 本 の 消火 器 が 落ちて きて 、 一 本 が 女児 の 頭 に 当たった 。 消火 器 は 十七 、 十八 階 に 取り付け られて いた 。 十八 階 エレベーター ホール まで 運び 、 廊下 の 鉄さく 越し に 次々 に 投げ 落とした らしい 。 消火 器 の 重 さ は 三・六五キロ 。 これ だけ の 鉄 の 塊 が 五十 メートル も 上 から 音 も なく 降って きた のだ から 、 たまらない 。 安全な はずの マンション 広場 で 起きた 理不尽な 事件 だ 。 両親 の 胸 の 内 は 察する に 余り ある 。 消火 器 が 落ちて くる と は 、 だれ が 予測 できよう 。 では 、 不可 抗力 だった の か 。 実は そう で は ない 。 この 場所 で は 、 二 週間 前 に 傘立て 、 その 六 日 後 に も 三輪車 が 上層 階 から 落とさ れて いた 。 それ ら が 、 同じ 子供 の しわざ か どう か は 今後 の 調べ を 待た ねば なら ぬ が 、 少なくとも 危険な 行為 の 前触れ が あった のである 。 けが人 が なかった こと も あり 、 マンション の 自治 組織 は 、 計 四 棟 ある マンション の うち 、 問題 の 棟 に だけ 注意 を 呼び掛ける ビラ を 張り出した 以外 に 特段 の 対策 を 講じ なかった 。 三輪車 が 落とさ れた 時 、 住民 たち は 「 ただごと で は ない 」 と 気付く べきであった 。 全 棟 へ の 周知 徹底 を 欠き 、 住民 全体 の 関心 事 に なら なかった こと が 悔やま れる 。 新しい 地域 社会 である マンション 群 に おける 人間 関係 の 希薄 さ な のだろう か 。 もし 全 住民 に 情報 の 収集 や 警戒 を 呼び掛けて いたら 、 もし 落下 時間 帯 に パトロール を 実行 して いたら 、 と の 思い を 禁じ 得 ない 。 この 事件 で 、 本紙 に 「 傘 や ビール 瓶 が 落ちて くる 」 と いう マンション 住民 の 訴え が 多く 寄せ られて いる 。 守口 市 の マンション だけ の 特異な ケース でも 、 子供 の イタズラ ばかり で も ない のだ 。 その 社会 ルール を 無視 した 無神経 さ に は あきれる 。 高層 住宅 時代 の 「 死角 」 と も いう べき 、 こんな 不心得な 行為 を 防ぐ に は 、 通路 など 共有 部分 の 管理 を 厳しく する こと も 必要だろう 。 今回 の 事件 は 、 家庭 教育 の 大切 さ を 再 認識 さ せた 。 歯止め の きか なかった 行為 は 、 親 の しつけ が 不十分だった こと を 物語る ので は ない か 。 高い 所 から 物 を 投げれば 、 どんな 物 でも 凶器 に なる と いう 「 当たり前の こと 」 を 指摘 せ ざる を 得 ない 世相 が 嘆かわしい 。 今 、 私 たち の 社会 は 経験 した こと の ない 銃 汚染 と の 戦い に 直面 して いる 。 負ける わけに いか ない 。 銃刀 法 が 改正 さ れ 、 機構 改革 で 全国 の 警察 に 専門 の 組織 が 発足 、 ようやく 、 この 危機 に 立ち向かう 国 内 の 体制 が 整った 。 「 守勢 から 攻勢 に 転じる 時 が やってきた 」 。 こう 、 大きな 声 で 言い たい のだ が 、 まだ 「 弱点 」 を 抱えて いる 。 最も 気 に なる の は 密輸 を 水際 で 阻止 する ため に 欠かせ ない 捜査 の 国際 協力 が 、 なかなか 進ま ない こと だ 。 関係 国 の 規制 の 違い が 障害 に なって いた 。 しかし 、 警察 庁 の 各国 へ の 働きかけ が 実 を 結び 、 軌道 に 乗り つつ ある 。 働きかけ の 主要な 舞台 と なって きた 「 銃器 対策 国際 会議 」 の 三 回 目 が 八 、 九 日 、 東京 で 開催 さ れた 。 「 一 国 が 単独 で 十分な 管理 を 行う こと は 極めて 困難 」 な 状況 である こと が 共通の 認識 と なり 、 最初の ハードル は 越えた と 言って いい だろう 。 次 は 共同 声明 に も ある ように 銃器 犯罪 に 対して 、 国際 社会 が どんな スクラム を 組む か だ 。 警察 が 一 年間 に 押収 する けん銃 は 千五百 丁 を 超え 、 二千 丁 に 迫って いる 。 その ほとんど は 米国 、 中国 製 など の 密輸 品 だ が 、 水際 で 摘発 できた の は 五 % に 満たない 。 この 数字 が 、 水際 阻止 が いかに 難しい 状況 に ある か を 示して いる 。 銃 が 運び出さ れる 国 から の 情報 不足 が 、 最大 の 原因 だ 。 背景 に 規制 の 相違 が ある 。 南アフリカ で は 、 日本 人 でも 大量の けん銃 を 買える 。 七 月 、 警察 が 摘発 した 元 漁船 員 ら に よる 大がかりな 密輸 事件 は 、 これ に 目 を つけた もの だった 。 八百 丁 近く が 暴力 団 に 流れ 、 やがて 外部 に も 流出 。 これ まで に 押収 できた の は 一 割 ちょっと に とどまって いる 。 冷戦 の 終結 で 銃器 の 管理 が 緩み 、 海外 で 入手 し やすく なった と いう 事情 も ある 。 警察 庁 は これ まで 根気 よく 、 関係 国 に 日本 の 実情 を 伝え 、 協力 を 求めて きた 。 わが国 の 呼び掛け で 、 一九九三 年 から 始まった 国際 会議 で は 過去 二 回 、 米国 、 中国 など と 実務 者 レベル で 情報 交換 を 続け 、 相互 理解 を 進めて きた 。 成果 も 表れて いる 。 五 月 の 国連 犯罪 防止 会議 と 十 月 の 国際 刑事 警察 機構 の 総会 で 、 日本 が 提案 した 「 銃器 規制 決議 案 」 が 全会 一致 で 採択 さ れた 。 今回 の 会議 に は 十一 カ国 一 地域 と ICPO が 参加 。 新たに 南アフリカ など 四 カ国 が 加わった 。 出席 者 は 実務 者 レベル から 次官 や 局長 など 取り締まり 機関 の 実質 的な トップ に 代わり 、 重み も 増して いる 。 銃 汚染 と の 戦い の 行方 は 国 内 体制 の 整備 と ともに 、 捜査 の 国際 協力 を いかに して 強化 する か に かかって いる 。 これ まで の 会議 で は 、 各国 と パイプ を しっかり と 結ぶ こと が 重点 だった 。 いわば 土台 作り である 。 今回 の 会議 で 土台 が ほぼ 固まり 、 一 歩 、 踏み出す 時 が 来た と 受け止めて いる 。 それ は 、 規制 と 水際 摘発 の ため の 国際 的な ガイドライン 作り である 。 協力 の 羅針盤 と なる 。 国連 は 決議 に 基づき 、 各国 の 銃器 犯罪 と 国際 的な 不正 取引 に ついて 実態 調査 を 開始 する 。 これ が ガイドライン 作り の 基礎 資料 と なる だろう 。 警察 庁 は 今後 、 その 道筋 を つけ なければ なら ない 。 銃 汚染 と の 戦い に 勝つ ため の 大きな 力 と なる はずだ 。 六七・一 % と いう 数字 が ある 。 文部 省 が 最近 明らかに した この 春 の 四 年 制 大学 卒業 者 就職 率 である 。 中でも 女性 は 六三・七 % 。 どちら も 前年 を 三 ポイント 以上 下回る 。 新卒 女性 は 五 人 に 一 人 が 、 職 の ない 無業 者 の 状態 に 追い込ま れた 。 敗戦 後 の 混乱 期 を 除き 、 戦後 最悪だ 。 短大 も 厳しい 。 短大 卒 女性 は 六六・○ % しか 就職 できて い ない 。 来春 卒業 予定 者 の 今年 の 就職 内定 ぶり から 推測 できる の は 、 来年 は さらに 厳しい 数字 と なる だろう と いう ことだ 。 若年者 の 失業 率 が いつも 高い 西欧 型 に 、 日本 の 雇用 が 近づいて いる の か 。 若年 労働 者 の 高 失業 状態 が 慢性 化 する 入り口 に 差し掛かった の か 。 再び 人手 不足 状態 が くる だろう か 。 通信 、 オフィス ・ オートメーション の 進展 に 伴う 管理 職 、 事務 要員 の 簡素 化 は 経営 者 に とって 片時 も 忘れ られ ない 課題 に なって いる 。 仮に 今後 の 経済 運営 が うまく 運び 、 景気 に 明る さ が 生まれる と しよう 。 その 場合 も 雇用 拡大 なき 景気 回復 が 、 次に 表れる 局面 である 可能 性 は 大きい 。 そして 、 進行 中 の 雇用 慣行 の 変化 が ある 。 これ は 年俸 制 の 導入 など 賃金 体系 の 変化 と 密接に 絡み つつ 、 契約 制 雇用 の 形 で 表れて いる 。 労働 市場 、 ひいては 社会 の 流れ の 中 で 人材 派遣 労働 が 重視 さ れて くる 背景 である 。 日本 に は 一万三千 の 派遣 元 企業 が ある 。 一九九三 年 の 調査 だ と 五十七万 人 が 派遣 労働 者 。 現在 は もっと 多い だろう 。 労働 省 の 職業 安定 審議 会 は 、 民間 労働 力 需給 制度 小 委員 会 で 派遣 労働 の 態様 を どう する か 審議 中 だ 。 年 内 に 報告 を 出す と み られる が 、 これ まで の 規制 が 大幅に 緩和 さ れる と 予測 さ れて いる 。 規制 と は 国 が 派遣 労働 を 認めて いる 仕事 が 十六 業種 しか ない 点 だ 。 それ は ソフトウエア 開発 、 財務 処理 、 事務 用 機器 操作 、 秘書 、 取引 文書 作成 、 通訳 ・ 速記 ―― など だ 。 当面 する 理由 も ある 。 介護 休業 制度 が 、 育児 休業 法 改定 の 形 で 取り入れ られた 。 法 の 施行 は 九九 年 から だ が 、 労使 間 が 合意 すれば いま から でも 介護 休業 制度 を 実施 できる 。 いや 、 すでに 何らか の 格好で 実行 して いる 大 企業 は 半数 に 上る 。 中小 企業 は 大半 が これ から だ が 、 育児 や 介護 で 社員 が 休む と 代替 要員 を 確保 し にくい 。 大 企業 であれば 人員 の やりくり を つけ やすい が 、 小規模 企業 である ほど 困難だ 。 休業 した 社員 は いずれ 戻って くる のだ から 、 新たに 社員 を 増やし づらい 。 その 穴 を 派遣 労働 で 埋める 。 今後 は 危険 業種 を 除き 原則として 、 全 業種 に 派遣 労働 を 認める 。 そうした 動き が 強まら ざる を 得 ない 。 規制 して きた 最大 の 理由 は 、 あやふやな 労働 条件 で 危険 業種 に 労働 者 を 送り込む の を 防ぐ 点 に あった 。 過去 と は 様相 が 違う けれども 、 その 恐れ が 全く なくなった わけで は ない 。 とりわけ 労働 条件 確保 に 不慣れな 外国 人 労働 者 を 不利に でき ない 。 また 、 風俗 関係 の 仕事 は 当然 派遣 労働 の 対象 に は なら ない が 、 それ 以外 の 仕事 でも 外国 人 労働 の 場合 、 人権 に かかわる 問題 を はらみ がちだ 。 日本 労働 組合 総 連合 会 は 、 今年 の 第 四 回 大会 で 、 派遣 元 企業 の 労使 関係 を 明確 化 し 、 労働 条件 の 確保 に 努める 運動 方針 を 承認 した 。 社会 の 流れ に 対応 する 運動 方針 である こと に は 違いない 。 問題 は 本当に 組織 化 へ 進める の か 。 労働 運動 は 言った こと を 実行 し なければ なら ない 。 トルネード 投法 で 、 今季 の 米 大リーグ を 席巻 した 野茂 英雄 投手 が 、 所属 する ナショナル ・ リーグ の 新人 王 に 選ば れた 。 実に 痛快 事 である 。 日本 人 選手 と して 初 の 受賞 であり 、 日本 で の 新人 王 と ともに 日 米 両 国 で 栄誉 を 手 に する 史上 初 の 快挙 で も ある 。 心から 「 おめでとう 」 と 祝福 し たい 。 思い返せば 、 野茂 投手 は あの フォーク ボール が 世界 最強 の 大リーガー に どこ まで 通用 する か と いう 不安 も さること ながら 、 折から の 選手 会 ストライキ で マウンド に 立てる 保証 も ない まま 渡 米 した 。 約 一億 円 の 年俸 を 捨て 、 大リーグ と いう 最高峰 の 場 を 新 天地 に 選び 、 少年 時代 から の 夢 に 挑戦 した 心意気 に 、 野球 ファン は それぞれ の 夢 を 重ねて 声援 を 送った のである 。 日本 人 と して 三十 年 ぶり の 初 勝利 、 破竹 の 七 連勝 と 日 米 両 国 ファン を 魅了 して NOMO フィーバー を 巻き起こした 。 ドクター K と して 、 オール スター 戦 の 先発 投手 と いう 次 なる 夢 を も 果たし 、 通算 成績 は 十三 勝 六 敗 。 リーグ トップ の 二百三十六 個 の 奪 三振 と 大リーガー を キリキリ舞い さ せて の 新人 王 だ 。 もちろん 、 「 日本 人 初 」 と いう 陳腐な 愛国 心 から 祝う ので は ない 。 阪神 大 震災 や 一連の オウム 事件 など 、 バブル 崩壊 後 の 暗く 混とんと した 世情 に あって 、 野茂 投手 は 二 年 目 の 壁 に 挑む イチロー 選手 と ともに 明るい 話題 を 提供 して 、 楽しま せて くれた 。 同時に 、 野茂 投手 の 活躍 が テレビ 中継 さ れた こと に よって 、 大リーグ 野球 が 私 たち に より 身近に なった 結果 、 同じ 野球 でも 彼我 の 違い を 感じた ファン も 多かった ので は ない か 。 驚か さ れた の は 、 その スピーディーで スリリングな プレー だけ で は ない 。 九 人 の 団体 競技 で あり ながら 投手 と 打者 が 一 対 一 で 闘う 原点 そのまま 、 単純に して 明快 。 投手 も 打者 も 実に 個性 的な フォーム で 野球 を 楽しんで いる 点 である 。 日本 は 高校 野球 から プロ 球界 まで 、 投打 の フォーム は 画一 的であり 、 練習 も 集団 主義 を とる 。 「 野球 道 」 と して 精神 主義 だ と の 指摘 は 以前 から ある 。 いまだに グラウンド 上 ばかり か 、 私生活 まで 束縛 する 管理 野球 が 主流 を 占めて いる 。 幸いに も イチロー 選手 の 振り子 打法 は 容認 さ れた もの の 、 トルネード 投法 は 余りに も 個性 的だ と して 矯正 さ れ そうに なり 、 米国 行き の 伏線 と なった の は 記憶 に 新しい 。 最近 で は 千葉 ロッテ で バレンタイン 監督 の 解任 劇 が 起きた が 、 結果 と して 日本 流 の 野球 と 大リーグ 流 ベースボール の 、 同じ ルール を 持つ スポーツ ながら 、 本質 的な 差異 を 露呈 した と も いえる 。 野茂 投手 や イチロー 選手 の 活躍 は 「 たかが 野球 」 の 壁 を 大きく 超え 、 もはや 社会 現象 と も 呼ぶ べき 関心 事 と なった 。 二 人 の 姿 から 、 私 たち が 生活 する 社会 は 、 余りに も 「 個 」 を 大切に して い ない ので は ない か 、 と の 疑念 を 強く 抱か せる 。 学校 で は 偏差値 教育 、 社会 に 出れば 上意 下達 と 横 並び 意識 、 と いった 言葉 に 象徴 さ れる 「 日本 的 」 な 殻 から 抜け出る 時 で は ない の か 。 賭け に も 似た 状況 から 、 敢然と 新 天地 を 求めた 野茂 投手 に 、 若い 世代 が 特に 強い 共感 を 寄せる の は 、 近未来 に おける 自分 たち の あるべき 姿 を 重ね合わせて いる のである 。 地球 の ちょうど 反対 側 に ある ブラジル は 、 日本 と は 多く の 面 で 対照 的だ 。 ブラジル は 日本 の 二十二・五 倍 の 広大な 国土 を 持ち 、 豊富な 天然 資源 に も 恵まれた 多 民族 国家 だ 。 その ブラジル と 日本 が 今年 、 修好 百 周年 を 迎えた 。 一八九五 年 十一 月 五 日 に 日 伯 修好 通商 航海 条約 が パリ で 調印 さ れた 史実 に ちなんで 今月 、 東京 と ブラジリア で 記念 式典 が 行わ れた 。 日 伯 関係 は 、 第 二 次 大戦 中 ・ 戦後 の 一 時期 を 除いて 、 過去 百 年間 、 順調に 推移 して きた 。 修好 二 世紀 目 に 入って 、 両 国 関係 が 一層 強固な もの と なる よう 期待 し たい 。 「 日本 と ブラジル の 関係 は 十九 世紀 末 まで 、 ほとんど 皆無だった 。 日本 の 地理 書 に 始めて 『 ブラジル 』 の 名 が 現れる の は 一八七三 年 出版 さ れた 福沢 諭吉 著 の 『 世界 国名 詳覧 』 だ と いわ れる 」 ブラジル は 日本 人 に とって まさに 遠い 国 だった 。 両 国 関係 が 深まった の は 、 日本 から の 移民 が きっかけ である 。 一九〇八 年 に 笠戸丸 で コーヒー 園 の 契約 労働 者 ら 七百八十一 人 が ブラジル に 渡って 以来 、 日本 の 移民 が 本格 化 する 。 太平洋 戦争 前 の 四一 年 まで に 十八万八千 人 が 、 戦後 さらに 五万三千 人 が 移住 した 。 当初 は 出稼ぎ を 目的 と して いた 日本 人 移民 は 、 現地 社会 と 同化 し ない と の 批判 を 浴びたり 、 第 二 次 大戦 直後 の 混乱 期 に は 排日 機運 の 高まり に よって 辛酸 を なめた 。 しかし 、 現在 は 推定 百三十万 人 の 海外 最大 の 日 系 人 社会 を 形成 して いる 。 日 系 人 は ブラジル 社会 の 多様な 分野 に 進出 して おり 、 連邦 政府 の 閣僚 経験 者 は 三 人 、 現在 、 五 人 の 連邦 下院 議員 が いる 。 日 系 人 は ブラジル に しっかり 根 を 下ろし 、 日 伯 関係 を がっちり と 支えて いる 。 一方 、 八〇 年 代 から は 移民 の 子孫 が 出稼ぎ の ため 日本 へ 逆流 し 始め 、 現在 は 推定 十六万 人 の 日 系 ブラジル 人 が 日本 で 働いて いる 。 国家 間 の 関係 で 言えば 、 日本 と ブラジル は 重要な 貿易 相手 国 である 。 ブラジル に とって 日本 は 第 四 位 の 輸出 国 であり 、 輸入 国 で も ある 。 日本 は 資源 国 ブラジル から 鉱物 資源 や コーヒー など を 輸入 し 、 機械 製品 を 輸出 して いる 。 一九五〇 年 代 後半 から 、 日本 企業 の ブラジル 進出 が 始まり 、 七〇 年 代 後半 の 最 盛期 に は 、 その 数 は 五百 社 を 超えた 。 現在 は 三百五十 社 が 活動 中 である 。 ウジミナス 製鉄 所 拡張 、 アマゾン ・ アルミ 精錬 など の 経済 協力 の 大型プロジェクト も 推進 さ れた 。 慢性 インフレ に 悩ま さ れて いた ブラジル 経済 も 、 昨年 七 月 に 米 ドル に リンク した 新 通貨 レアル 導入 が 奏功 し 、 年間 四 ケタ に も 達した 超インフレ が 終息 した 。 ブラジル 経済 の 好転 に 伴い 、 停滞 して いた 日本 の 投資 活動 も 再び 活発 化 し つつ ある 。 日本 人 に とって ブラジル を 最も 身近に 感じ させる の は 、 やはり J リーグ に おける ブラジル 選手 の 大 活躍 だろう 。 ブラジル に は 、 明日 の スター 選手 を めざして 、 日本 から 多く の 少年 が サッカー 留学 して いる 。 サッカー を 通じて 両 国 の 国民 が 理解 し 合う の は 素晴らしい こと だ 。 この 一 年間 に 両 国 で は 、 経済 セミナー 、 シンポジウム や 美術 展 、 音楽 コンサート など 多彩な 修好 百 周年 記念 行事 が 行わ れた 。 経済 協力 ばかり で なく 、 文化 ・ スポーツ 交流 も 今後 さらに 深めて いって ほしい 。 法曹 の 在り 方 に ついて 検討 して きた 「 法曹 養成 制度 等 改革 協議 会 」 は 十三 日 、 意見 書 を 採択 し 、 最高 裁判 所 、 法務 省 と 日本 弁護 士 連合 会 の 法曹 三 者 に 提出 した 。 司法 試験 合格 者 の 大幅 増 と 司法 修習 期間 の 短縮 が 意見 書 の 基本 部 である 。 法曹 人口 の 増加 は 結構だ が 、 「 粗製 乱造 」 の 弊 に 陥ら ない こと を 願い たい 。 「 国民 的 見地 に 立った 抜本 的 改革 」 を 至上 命題 と して 、 四 年 余 を かけて の 作業 だった が 、 結局 、 意見 統一 に 至ら ず 、 多数 意見 に 少数 意見 を 付記 する 形 と なった 。 司法 試験 合格 者 に ついて 、 現行 の 二 倍 余 の 年間 千五百 人 と し 修習 期間 を 一 年 に 半減 する 、 と いう の が 多数 意見 である 。 これ に 対して 日弁連 側 は 「 合格 者 千 人 、 修習 期間 二 年間 」 を 譲ら ず 、 少数 意見 と して 残った 。 意見 の 一致 は み なかった もの の 、 ともに 増員 を 志向 して おり 、 今後 、 法曹 人口 は 大幅 増 に 向かう 。 わが国 の 法曹 人口 は 欧 米 と の 比較 で は 極端に 少なく 、 大幅 増員 は 不可避だった 。 改革 協 の 世論 調査 でも 、 弁護 士 が 身近に い ない こと へ の 不満 が 示さ れた 。 法律 問題 を 抱えて も 、 弁護 士 に 相談 した の は 二 割 ほど だった 。 こんな ところ から 「 二 割 司法 」 の 陰口 が 聞か れた 。 合格 者 千五百 人 で は 容易に 欧 米 に は 近づか ない が 、 改善 へ 向かう こと は 間違い ない 。 弁護 士 は 都市 部 に 偏在 して おり 、 過疎 の 地域 も 多い ので 、 その 解消 が 期待 できる 。 弁護 士 の 間 に 競争 原理 が 拡大 し 、 より 安価な 法的 サービス の 可能 性 も 出て くる 。 規制 緩和 の 推進 に よって 自己 責任 の ウエート が 高く なる の に 伴い 、 事後 的 処理 で なく 紛争 予防 の ため の 法的 相談 は 今後 、 増える はずだ 。 こうした 面 で の 職域 拡大 も 期待 できる 。 ただ 、 法的 サービス は 法曹 人口 の 増加 だけ で は 実効 性 を 期待 でき ない 。 裁判 を 受ける 権利 を 実質 的に 保障 する 「 法律 扶助 制度 」 の 拡充 が とりわけ 重要だ 。 この 面 で の 国庫 負担 は 欧 米 の 何百 分 の 一 であり 、 比較 に 意味 が ない ほど 少ない 。 訴訟 費用 など を 補填 する 保険 制度 も 早急に 作ら なければ なら ないで あろう 。 こうした 司法 基盤 の 整備 が 伴わ なければ 「 国民 的 見地 」 も 絵 に かいた 餅 に なり かね ない 。 増員 に は 不安 も つきまとう 。 弁護 士 間 の 競争 が 激しく なれば 、 乱訴 を 招く 恐れ も なく は ない 。 金もうけ 主義 を まん延 さ せ 「 訴訟 社会 」 に も なり かね ない 。 法律 家 と して の 質的 低下 を 懸念 する 声 も ある 。 こうした 不安 を 払しょく する に も 、 合格 後 の 司法 修習 の 充実 が 求め られる 。 ところが 、 多数 意見 の いう 修習 期間 は 「 一 年間 」 へ の 大幅 短縮 だ 。 修習 規則 に ある 「 高い 見識 と 円満な 常識 を 備える 」 が 一 年 で 果たせる もの であろう か 。 再考 を 求める 。 また 「 抜本 的 改革 案 」 は 出た もの の 意見 統一 に 至ら ず 、 早期 の 実現 は 難しい と いう 。 その 結果 、 合格 者 の 七 分 の 二 は 初回 受験 から 三 回 以内 の 少数 回 受験 者 を 対象 に する 、 と いう 「 合格 枠 制 」 は 来 年度 から 実施 さ れる 見通し だ 。 かつて 指摘 した が 、 試験 の 公平 原則 を 無視 した 制度 は 受け入れ 難い 。 「 七 分 の 二 」 の 若手 合格 者 が 判事 ・ 検事 任官 者 と して エリート 扱い さ れ かね ず 、 法曹 一元 の 理念 に も 反する 。 抜本 的 改革 の 早期 実施 を 念頭 に 、 合格 枠 制 が 回避 さ れる こと を 強く 要望 して おく 。 中国 の 江 沢民 国家 主席 が 十三 日 、 韓国 を 公式 訪問 した 。 アジア 太平洋 経済 協力 会議 首脳 会議 直前 の 韓 中 両 首脳 の 会談 は 、 北東 アジア は もとより アジア 太平洋 地域 の 国際 関係 に とって 、 歴史 的な 意味 を 持って いる 。 中国 の 国家 元首 の 韓国 訪問 は 史上 初めて で 、 十七 日 まで 滞在 する 。 韓国 は 、 一九八〇 年 代 に 旧 ソ連 と 中国 など の 社会 主義 国 と の 関係 改善 を 進める 北方 外交 を 展開 した 。 その 結果 、 東欧 諸国 と の 関係 正常 化 を 実現 した の に 次いで 、 九〇 年 に は 韓 ソ 正常 化 も 実現 した 。 そして 、 九二 年 に は 中国 と の 国交 も 樹立 した のであった 。 しかし 、 中国 は 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 に 気 を 使い 、 長い 間 、 国家 主席 の 韓国 訪問 を 控えて きた 。 この 背景 に は 、 米 朝 と 日 朝 の 正常 化 が 停滞 して いた に も かかわら ず 、 韓 中 の 国交 正常 化 を 断行 した こと へ の 反省 も ある ようだ 。 中国 は 江 主席 の 北朝鮮 訪問 の 後 に 、 韓国 を 訪問 する 予定 に して いた 。 江 主席 は 、 北朝鮮 の 労働 党 創建 五十 周年 記念日 の 十 月 十 日 に 、 金 正日 書記 が 労働 党 総 書記 に 就任 する と の 判断 から 、 それ を 機会 に 訪 朝 し 北朝鮮 の 体面 を 尊重 した うえ で 、 韓国 を 訪問 する つもりであった と いわ れて いる 。 しかし 、 金 正日 書記 の 総 書記 就任 が 持ち越さ れた こと から 、 訪 朝 は 見送ら れた 。 それ でも 、 江 主席 は 北京 の 北朝鮮 大使 館 で 開か れた 党 創建 五十 周年 の パーティー に 出席 する 、 気 配り を 示した 。 江 主席 が 北朝鮮 に 配慮 を し ながら も 、 韓国 訪問 に 踏み切ら ざる を 得 なかった 背景 に は 、 韓国 と 中国 の 経済 関係 の 深まり が ある 。 韓国 企業 は 、 中国 投資 に 強い 意欲 を 示して いる 。 大宇 グループ が 、 二十億 ドル に のぼる 自動車 部品 工場 の 建設 計画 を 推進 して いる の を はじめ 、 三星 グループ や LG グループ も 十億 ドル から 二十億 ドル に のぼる 対 中 投資 を 決めて いる 。 LG グループ は 、 二〇〇〇 年 まで に 六十億 ドル に のぼる 大規模な 投資 計画 も 発表 した 。 中 韓 の 貿易 額 も 、 中朝 貿易 の およそ 二十 倍 に 達する 勢い で 、 韓 中 の 経済 関係 は 中 朝 関係 を 大きく 引き離した 。 中 韓 両 国 は 、 すでに 中型 航空 機 の 共同 開発 の 協議 も 進めて いる 。 中国 は 、 韓国 と の 経済 関係 の 強化 を 図る 一方 で 、 北朝鮮 と の 政治 関係 は これ まで 通り 維持 して いく 方針 と いわ れる 。 今回 の 江 主席 の 訪 韓 でも 、 中 韓 の 経済 協力 推進 が 再 確認 さ れる 見通し である 。 また 韓 中 首脳 会談 で は 、 朝鮮 半島 の 安定 と 北朝鮮 の 問題 に ついて 意見 が 交換 さ れる 。 北朝鮮 の 後継 体制 の 安定 と 、 朝鮮 半島 の 平和に は 中国 の 役割 が 欠かせ ない 。 中 韓 両 国 の 関係 強化 は 、 朝鮮 半島 と 北東 アジア の 平和 と 安定 に 最も 重要な 要素 に なる 。 それだけに 、 両 国 の 友好 進展 が いたずらに 北朝鮮 の 孤立 感 を 刺激 する ような 事態 は 避ける べきであろう 。 また 、 中 韓 の 関係 進展 が 中 韓 日 三 国 の 友好 関係 を 同時に 推進 する もの であって ほしい 。 北東 アジア の 平和 と 安定 は 、 日 中 韓 三 国 が 同時に 友好な 関係 を 維持 できる か どう か に かかって いる 。 三 国 の 対立 関係 は もとより 、 いずれ か の 二 国 と 残り の 一 国 が 対立 する ような 国際 関係 を 生んで は なら ない だろう 。 アジア 太平洋 経済 協力 会議 週間 が 始まった 。 大阪 を 舞台 に 十八 カ国 ・ 地域 の 首脳 が 集まる この 会合 は 、 「 先進 国 は 二〇一〇 年 を 目標 に 自由 化 を 進める 」 と の 昨年 の ボゴール 宣言 を 受け 、 「 自由 化 マラソン 」 の ルール である 具体 的な 「 行動 指針 」 と 、 スタート ダッシュ の 「 当初 の 措置 」 を 決める こと が 主要な 課題 だ 。 議長 国 ・ 日本 が 提案 した 行動 指針 案 は 、 画竜 点睛 を 欠く もの であった 。 最初に 包括 的 自由 化 の 大 原則 を 掲げ ながら 、 第 八 項 で 各国 の 「 対象 分野 の 特殊 性 を 考慮 し 」 「 異なった 取り扱い を 認める 」 と うたった から だ 。 これ は 、 過去 の 議論 の 経緯 から して 、 明らかに コメ と 農業 を 念頭 に 置いて 「 これ 以上 の 自由 化 は 受け入れ られ ない 」 と 宣言 した に 等しい 。 会議 を リード す べき 先進 国 ・ 日本 が 、 二〇一〇 年 と いう 遠い 将来 の 話 に 、 スタート 前 から 「 待った 」 を かけた のだ から 、 米国 や 途上 国 など から 反発 を 受けた の は 当然だ 。 結局 、 「 異なった 取り扱い を 認める 」 と の 部分 を 削除 し 「 自由 化 を 柔軟に 進める 」 と の 修正 で 、 玉虫色 の 決着 と なる 見通し と なった 。 しかし 、 APEC の 間 に 無用の 摩擦 を 招き 、 対立 の 火種 を 残した こと は 失敗 だ 。 今後 この 条項 が 、 特殊 事情 を 理由 と した 各国 の 自由 化 拒否 の 根拠 に 使わ れ かね ない 。 日本 が 、 「 自由 化 に 消極 的 」 と の 印象 を 与えた の は 、 自由 化 の 弾み を つける はずの APEC 大阪 会議 の 評価 を 落とす 「 自 損 行為 」 と いえる 。 だが 、 毎年 二 ケタ 近い 成長 を 続ける アジア の ダイナミズム は 「 例外 扱い 」 に よる 農業 や 鉱 工業 関税 の 壁 など を 、 簡単に 乗り越える はずである 。 二〇二〇 年 まで の 自由 化 マラソン も 、 途中 で スピード アップ する こと さえ 予想 さ れる 。 その 時 、 例外 扱い 品目 を 多数 抱える 国 は 、 市場 競争 の 敗者 と なる 。 むしろ アジア 諸国 は 、 この 条項 を APEC 域 内 自由 化 促進 の 制約 要因 と して 、 邪魔もの 扱い する ので は なかろう か 。 村山 内閣 は 、 今回 、 農業 団体 の 圧力 に 簡単に 屈した こと で 、 外交 感覚 の 弱 さ を 露呈 した 。 主催 国 が 農業 「 例外 化 」 を 言い出した 以上 、 参加 国 は ホスト の めんつ を 考えて 最後 まで 「 全文 削除 せよ 」 と は 言え ない 。 玉虫色 決着 は 、 日本 の 粘り勝ち に よる もの で は なく 、 APEC 諸国 の 「 客人 の 自制 」 に よる もの と 知る べきだろう 。 農業 例外 条項 と いう シミ が 残る 以上 、 日本 が APEC 大阪 会議 の 行動 指針 を より 有意義な もの に する ため 、 「 当初 の 措置 」 に 思い切った 規制 緩和 や 鉱 工業 関税 の 前倒し 実施 を 盛り込む こと が 必要だ 。 さらに 首相 に 望み たい の は 、 「 二十一 世紀 を 控え 、 APEC は 多角 的 貿易 体制 の 強化 、 貿易 ・ 投資 の 自由 化 促進 、 開発 協力 の 強化 を 進める 」 と の ボゴール 宣言 を 受け継ぎ 、 APEC 首脳 と より 高 次元 の 対話 を 深める こと である 。 日 米 、 日 韓 関係 の 再 構築 など も 緊急 課題 だ 。 また 、 中国 を APEC を 介して 市場 経済 の 繁栄 の 枠組み に 導く こと も 、 この 地域 の 安全 保障 上 不可欠である 。 ところが 日本 は 、 故 大平 正芳 首相 の 「 環 太平洋 構想 」 以来 、 アジア に 対する 明確な メッセージ を 送って い ない 。 日本 は 、 その日暮らし の 政権 運営 を 超えて 、 いま こそ 日本 自身 の 長期 的な 「 行動 指針 」 を 内外 に 示す べきである 。 「 脱 会社 人間 」 が 言わ れ 始めて 久しい 。 私生活 を 犠牲 に し 、 ひたすら 会社 の ため に 働いて 満足 できる の か 、 と いう 思い を 込めて 使わ れる こと が 多い 。 従って 、 現状 否定 的な ニュアンス が 強い ようだ 。 一九九五 年度 の 「 国民 生活 白書 」 は 、 戦後 五十 年間 の 変化 の 一 つ と して 「 会社 人間 」 を めぐる 意識 の 変化 を 取り上げて いる 。 その 中 で 二十 代 の 「 脱会 社 」 「 転職 」 願望 を 肯定 的に とらえ 、 「 仕切り直し 」 の きく 社会 を 提案 して いる の が 注目 さ れる 。 白書 は まず 「 会社 人間 」 的 行動 は 日本 的 雇用 慣行 の 下 で 、 長い 間 、 合理 的だった と 分析 する 。 なぜなら 、 年功 序列 の 下 で は 賃金 も 地位 も 年 を とれば とる ほど 上昇 し 、 会社 と 一体 に なる こと で 労働 者 が メリット を 享受 できて いた から と いう 。 この 雇用 慣行 が 次第に 崩れ 、 能力 主義 的な 賃金 制度 が 強まる に 伴って 「 脱会 社 」 意識 が 高まって いる こと を 、 いろいろな 数字 に 基づいて 例示 して いる 。 説得 力 が ある の は 賃金 と の 関係 だ 。 一九三五 ― 三九 年 生まれ の 世代 は 四十 ― 四十四 歳 の 時 、 実質 賃金 が 初任 給 の 四 倍 に なった 。 五〇 ― 五四 年 生まれ の 世代 は 同じ 時 、 二 倍 に とどまって いる 。 このように 世代 が 若く なる ほど 、 賃金 の 上昇 率 が 低下 、 会社 に 対する 帰属 意識 も 希薄に なって いる 。 その 通り であろう 。 しかし 、 ここ まで は 漠然と 感じて いる こと を 、 分析 した と いう 域 を 出て い ない 。 興味 が ある の は 若年 層 の 勤労 意識 の 変化 に 関する 分析 である 。 アンケート で 「 気 に 入った 仕事 なら 私生活 を 犠牲 に して も かまわ ない 」 か どう か 、 と いう 質問 を した ところ 、 「 そう 思う 」 と 答えた 割合 は 五十 代 が 高く 、 四十 代 、 三十 代 と 下がり 続け 、 二十 代 に なる と 再び 上昇 。 数字 の 上 で は 五十 代 と 二十 代 が 同 水準 に なって いる 、 と いう 。 しかし 五十 代 が 「 会社 人間 」 の 発想 な のに 対し 、 二十 代 は 仕事 を 能力 や 適性 の 発揮 と いう 自己 実現 の 手段 と して 積極 的に とらえる 傾向 が 目立って いる 。 賃金 は 高く なく 、 あまり 出世 でき なく と も 、 自分 に 合った 仕事 が できれば 満足だ 、 と いう 意識 である 。 その ため 年功 型 の 賃金 より 、 能力 型 の 賃金 の 希望 が 多い 。 新しい 価値 観 と いえよう 。 こうした こと から 白書 は 「 若年 層 を 中心 に 会社 人間 から 仕事 人間 へ の 意識 変化 が 芽生えて きた 」 と して いる 。 そして 「 仕事 人間 は 若い 女性 に 多い 」 と いう 。 こうした 仕事 人間 は 、 当然の こと ながら 会社 人間 と 違って 、 一 つ の 会社 に 長 期間 しがみつく 気持ち は 薄い 。 「 転職 願望 」 は 極めて 強く 、 どこ で でも 役 に 立つ 専門 技術 、 資格 を 習得 する 意欲 が 強い 、 と いう 調査 結果 に 言及 して いる 。 白書 は こうした 勤労 意識 の 変化 に 伴い 、 多様な 働き 方 の 提供 や 「 やり 直し 」 「 仕切り直し 」 が きく 仕組み へ の 要求 が 高まる と 予測 、 それ に 対応 した 政策 を 展開 する 必要 性 を 述べて いる 。 では 何 から 手 を つければ いい の か 。 まず 実施 す べき は 労働 市場 の 整備 で は なかろう か 。 公共 職業 安定 所 だけ しか 頼る ところ の ない 求職 の 場 を もっと 広げて いい はずだ 。 現在 の 雇用 情勢 は 厳し さ を 増して いる が 、 価値 観 の 変化 を くみとる 措置 が 必要だ 。 外務 省 は 言葉 いじり の 上手な 役所 である 。 条約 ・ 条文 の 一字 一句 に 国家 の 運命 を 託して 折衝 する のだ から 、 それ が 身上 と 言えよう 。 しかし 外国 で は なく 国民 相手 に 言葉 を ろうして いる ので は ない か と 、 不安に なる とき が ある 。 今回 の 日 米 安保 「 再 定義 」 も 、 その 一 つ である 。 日 米 首脳 会談 が 二十 日 行わ れる 。 ここ で 日 米 安保 条約 の 意義 を 練り 直した 「 再 定義 」 が 発表 さ れる こと に なって いる 。 一 年 余り に わたって 、 日 米 の 事務 当局 で 詰めて きた 。 ところが 外務 省 は 決して 「 再 定義 」 と は 言わ ない 。 「 再 確認 」 に 過ぎ ない と 言う 。 なにも 新しい こと を うたう ので は ない のだ から 、 と 。 しかし 本当に そう か 。 この 一 年間 の 日 米 外交 当局 者 の 往来 は 、 異常な もの が あった 。 米国 から は 今回 の 安保 「 再 定義 」 は ポスト 冷戦 を 踏まえ 、 二十一 世紀 を にらんだ 画期的な もの と 伝え られて いる 。 報道 に よれば 、 日 米 安保 を 地球 的 規模 の 安定 に 貢献 する もの に する のだ と いう 。 ナイ 構想 と 呼ば れる ナイ 国防 次官 補 の 手 に よる 「 東 アジア 戦略 構想 」 に 従えば 、 当然 そう なる 。 同 構想 は こう 書いて いる 。 「 日 米 関係 は 米国 の 太平洋 安全 保障 政策 と 地球 規模 の 戦略 目的 の 二 つ の 基盤 に なって いる 」 と 。 これ に は 伏線 が ある 。 村山 富市 首相 は 今年 一 月 の 日 米 首脳 会談 で 「 アジア 太平洋 の 安定 と 秩序 に は 日 米 安保 が 必要 」 と 自ら 発言 した 。 ナイ 次官 補 から 見れば 、 米 構想 は その 延長線 上 に ある 。 私 たち は 当時 、 この 発言 の 重大 性 を 指摘 し 政府 に 説明 を 求めた が 、 外務 省 は ひたすら 沈黙 を 守った 。 発言 の 重 さ を 、 首相 自身 が 果たして 認識 して いた か どう か 。 かつて 国会 は 、 安保 条約 第 六 条 の 「 極東 の 範囲 」 を めぐって 、 激論 を たたかわ せた 。 日本 の 基地 から 発動 する 米軍 の 活動 範囲 を どこ まで 容認 する か の 論戦 だった 。 それほど 機微 に 触れる 問題 に も かかわら ず 、 どうして 一 遍 の 説明 も なく 「 アジア 太平洋 」 に 、 さらに は 「 地球 的 規模 」 に 拡大 さ れる の か 。 沖縄 県 の 大田 昌秀 知事 が 幾 度 と なく 基地 の 縮小 を 訴えて きた の も 、 安保 「 再 定義 」 に 基地 の 固定 化 を かぎ取った から だった 。 しかし 政府 は これ を 無視 し 続けた 。 「 日本 は 十 年 後 の 姿 を 考えよ 」 と ナイ 次官 補 は 言った 。 先月 末 、 沖縄 の 小学 女児 暴行 事件 に 絡んで 米 議会 に 呼び出さ れた とき の こと である 。 ナイ 発言 の 意図 は はっきり して いる 。 日 米 安保 を 通じて 地域 の 安定 と 平和に 貢献 して いく の か 、 それとも 独自の 防衛 力 に 頼って いく の か 、 日本 の 政治 家 は その 選択 を 世界 と 国民 に 示せ 、 と いう のである 。 ナイ 発言 に は 米 政府 の いら立ち が よく 表れて いる 。 ナイ 次官 補 は この 一 年 、 国 内 の 安保 不要 論者 と 戦い 、 日 米 安保 「 再 定義 」 に 精魂 を 傾けて きた 。 それだけに 事件 を 契機 と する 日本 政府 の 揺らぎ に 憤まん やるかたない 思い を 抱いた のだろう 。 だが ナイ 発言 に 、 飛躍 と ある 種 の 脅し 的 響き を 感じる 。 飛躍 と は 、 外務 省 の イエス は 必ずしも 国民 の イエス で は ない 。 私 たち は 米国 の 戦略 は 十分に 承知 して いる 。 その 構想 に 沿って 日 米 外交 当局 が すり合わせ を して きた こと は 推察 して いる 。 が 、 日本 政府 は 今 の 今 まで 一 度 も 、 その 経過 なり 結果 なり を 国民 に 説明 して い ない のである 。 脅し 的 響き と は 、 日本 国民 の 根強い 防衛 力 増強 へ の 懸念 に 挑戦 して いる と いう こと である 。 「 日 米 安保 を やめて 、 独自 防衛 を する の か 」 と の 問いかけ は 、 日本 および 東 アジア 諸国 の 平和 志向 に 冷水 を 浴びせる ような 効果 を 持つ 。 しかし 安保 か 独自 防衛 か の 、 狭い 選択 しか ない の か 。 日 米 安保 条約 は 一言 で 言えば 、 第 五 条 と 第 六 条 の 相互 承認 で 成り立って いる 。 極東 の 安全 維持 の ため 、 日本 は 米軍 に 基地 を 提供 する 。 そのかわり 米国 は 日本 を 守る 。 この 条約 の おかげ で 、 日本 が 過重な 防衛 負担 から 免れ 、 経済 的 発展 を 遂げる こと が できた の は 事実 である 。 米国 に も メリット が あった 。 ソ連 など 共産 主義 勢力 を 封じ込める こと が できた 。 東 アジア の 米 権益 を 守った 。 日本 の 軍国 主義 復活 を 防いだ 。 アジア の パワーバランサー と して 諸国 の 信頼 を かち得て きた 。 さて 冷戦 が 崩壊 した 。 日 米 安保 の 効用 は 、 日 米 両 国民 に とって 一気に 縮小 した ように 映った 。 米 側 は 第 五 条 を もって 日本 を 「 安保 ただ乗り 」 と 非難 し 、 日本 側 は 第 六 条 だけ に 注視 して 「 日本 が 損だ 」 と 論難 し 始めた 。 これ で は すれ違い であり 、 危険だ 。 そこ で 「 再 定義 」 が 必要 と なった 。 当然である 。 ところが 連立 与党 も 最大 野党 の 新進党 も 、 それぞれ の お家 事情 から 安保 論議 を 棚上げ に して きた 。 外務 省 は ガラス 細工 の ような 連立 政権 を おもんぱかって 、 日 米 交渉 を ひたすら 隠そう と して きた 。 「 安保 は 酸素 に 似て いる 。 なくなり かけて 初めて その 存在 に 気づく 」 と は ナイ 構想 の 書き出し である 。 この 警鐘 を 政治 家 も 国民 も 、 正面 から 受け止めよう 。 私 たち も 日 米 安保 を 支える 立場 から 再 構築 論 を 展開 して いき たい 。 が 、 だからといって 伝え られる ような 安保 「 再 定義 」 を 日 米 首脳 会談 で 突然に 示さ れて も 、 「 はい 、 そう です か 」 と 受容 する わけに は いか ない 。 日本 は それほど に 非 民主 的な 、 官僚 国家 で は ない はずである 。 「 バカげた こと だ 」 と 議会 と の 衝突 で 訪 日 延期 を 余儀なく さ れた 米 大統領 は 米 議会 を 批判 した ―― 。 昨日 の 話 で は ない 。 ちょうど 四 年 前 の 新聞 に 載った 記事 の こと 。 当時 の 大統領 は 共和党 の ブッシュ 氏 。 議会 は 民主党 が 支配 して いた 。 「 内 向き に なった 米国 」 「 大統領 選 を 意識 した 駆け引き 」 と の 表現 も み られる 。 「 歴史 は 繰り返す 」 と は 、 よく 言った もの である 。 それ から 四 年 後 。 民主党 の クリントン 大統領 は 共和党 支配 の 議会 と 予算 を めぐって 対立 し 、 訪 日 を 二 日 後 に 控えた 十五 日 、 延期 を 決断 した 。 予算 の 空白 が 生じて 政府 機関 の 一部 が 閉鎖 し 、 約 八十万 人 の 職員 が 一 時 帰休 の 憂き目 に 遭って いる と いう のだ から 、 事態 は 深刻だ 。 対立 の 直接の 原因 は 一九九六 会計 年度 予算 に 絡んで 共和党 が 提出 した 財政 調整 法案 。 七 年間 で 財政 赤字 ゼロ を 目指す と いう もの だ が 、 民主党 は 弱者 切り捨て と 反対 。 非難 の 応酬 を して いる うち に 暫定 予算 の 期限 が 切れて しまった 。 しかし 、 単なる 来年 の 選挙 を にらんだ 駆け引き だけ な の か どう か 。 財政 を 取り巻く 環境 の 厳し さ が 根底 に ある と の 見方 も ないで は ない 。 世論 は 目下 、 大統領 を 支持 し 議会 の “ 横車 ” を 批判 して いる 。 しかし 、 予算 の 空白 が 長引けば 大統領 の 不利に 傾く と も 予想 さ れる 。 この 一両日 が ヤマ場 かも しれ ない 。 さて 日本 。 米 大統領 の 訪 日 延期 は さまざまな 波紋 を 広げた 。 まず アジア 太平洋 経済 協力 会議 へ の 影響 。 同 会議 は 十六 日 、 大阪 で 開幕 した ばかり 。 APEC 自体 は ともかく 、 米 大統領 を 欠いた 首脳 会議 は 、 やはり 迫力 を 欠く 。 太平洋 を 挟んだ 各国 首脳 が 集まる 機会 が そう ある わけで は ない ので 残念 の 一 語 に 尽きよう 。 ただ 見方 を 変えれば 、 お祭り騒ぎ が 半減 し 、 本来 の APEC の 姿 に 戻った と の 声 も ある 。 ホスト 国 の 日本 も 市場 開放 問題 で 米国 と アジア 諸国 の 挟み撃ち に 遭って 苦しんで いた だけ に 、 事務 当局 に は ホッと した 空気 も 感じ られる 。 日 米 関係 に ついて 言えば 、 日 米 首脳 会談 で 確認 する こと に なって いた 日 米 安保 条約 「 再 定義 」 が 先 送り に なった こと が 大きい 。 その 結果 、 首脳 会談 を 受けて 目鼻 を つけよう と した 沖縄 県 の 基地 問題 解決 が 微妙に なった 。 連立 与党 内 に は 異論 も あって 、 未 調整 な 部分 も 残って いた 。 大統領 に 代わって 来 日 する ゴア 副 大統領 と 取りまとめる 選択肢 も あった 。 しかし 、 村山 富市 首相 が 「 大統領 の 来 日 した 時 に 公表 し たい 」 と 電話 で 申し出て 、 米 側 も 了承 した 。 未 調整 部分 に 頭 を 痛めて いた ため 、 これ を 機 に 先 送り した ので は と の 見方 も ある 。 外務 当局 は 「 ここ まで 煮詰めて きた のに 」 と 無念の ようだ が 、 この 問題 は やはり 拙速 を 避ける べきだろう 。 クリントン 大統領 の 来 日 実現 まで は 、 少なくとも 二 、 三 カ月 は あり そうだ 。 安保 「 再 定義 」 の 交渉 経過 を 明らかに して 、 ボール を 国民 に 投げて みたら どう か 。 国民 が 一丸 と なり 日本 の 将来 を 、 安保 を 、 基地 問題 を 真剣に 考える べき 時 な のだ から 。 韓国 の 盧 泰愚 前 大統領 が 、 収賄 容疑 で 逮捕 さ れた 。 前職 大統領 の 逮捕 は 、 韓国 の 歴史 上 初めて の うえ 、 その 内容 も また 衝撃 的である 。 しかし 、 韓国 の 民主 主義 発展 の ため に は 、 避けて 通れ ない 道 であろう 。 韓国 で は 、 これ で 三 人 の 大統領 が 人生 の 終章 を 飾れ なかった こと に なる 。 朴 正煕 元 大統領 は 、 腹心 の 部下 に 暗殺 さ れ 、 全 斗煥 元 大統領 夫妻 は 山奥 の 小さな 寺 で 二 年間 の 隠とん 生活 を 余儀なく さ れた 。 そして 今度 である 。 長期 政権 と 政治 報復 、 それ に 政治 資金 が 韓国 政治 の 抱える 病巣 と 言わ れて きた 。 全 斗煥 元 大統領 が 一期 七 年 で 退陣 した こと から 、 長期 政権 の 悪弊 は 断ち切ら れた 。 文民 政権 の 金 泳三 大統領 に なって から は 、 政治 報復 劇 は 見 られ なく なった 。 韓国 政治 は 、 こうした 悲劇 的な 出来事 を 乗り越えて 着実に 前進 して きた と 言って いい だろう 。 残さ れた 大きな 問題 は 、 政治 資金 と 世代 交代 である と 言わ れて きた 。 今回 の 事件 は 、 この 二 つ の 問題 に 一応 の 解答 を 出す こと に なる 。 前 大統領 の 収賄 容疑 で の 逮捕 で 、 政治 資金 に 大きな メス が 入れ られ 、 腐敗 防止 の 手 が 打た れる から だ 。 また 、 世代 交代 問題 で は すでに 野党 ・ 新 政治 国民 会議 の 金 大中 総裁 が 盧 前 大統領 から 二十億 ウオン の 受け取り を 認め 、 政治 家 と して の イメージ を 大きく 傷つけた 。 金 大中 氏 の 影響 力 の 低下 は 、 韓国 政界 の 世代 交代 に つながろう 。 今回 の 巨額な 収賄 事件 を 明るみ に 出した 最大 の 功労 者 は 、 実は 金 大統領 だ 。 金 大統領 が 推進 した 金融 仮名 口座 の 廃止 の おかげ で 、 秘密の 巨額 資金 の 存在 が 明らかに なった から である 。 金融 仮名 口座 の 廃止 は 、 韓国 の 中産 階層 に は 決して 評判 の いい 政策 で は なかった 。 すでに 、 少なから ぬ 財産 を 所有 する 彼ら に とって は 、 厳しい 政策 であった 。 この 中産 階層 こそ 、 大統領 選挙 で 金 大統領 に 投票 した 人々 であった 。 それだけに 彼ら の 失望 は 大きく 、 大統領 の 支持 率 は 三〇 % 以下 に 激減 した 。 その 結果 、 今年 春 の 総 選挙 で 与党 は 敗北 した のだった 。 しかし 、 金融 仮名 口座 を 廃止 した 不 人気 の 改革 政策 が 、 権力 者 の 不正 摘発 に つながった のである 。 こうした 展開 は 、 国民 の 人気 取り 政策 が 決して 国家 と 国民 の 利益 に つながら ない と いう 教訓 を 残して いる 。 それ は また 金 大統領 の 改革 へ の 揺るぎない 信念 の 勝利 と 言える だろう 。 しかし 、 皮肉な こと に 盧 前 大統領 の 政治 資金 疑惑 は 、 金 大統領 へ の 疑惑 も 浮上 さ せて いる 。 金 大中 総裁 を 中心 と する 野党 の 政治 家 から は 、 盧 前 大統領 から 金 大統領 が 多額の 選挙 資金 を 受け取った と 批判 する 声 も 上がって いる 。 盧 前 大統領 の 収賄 事件 の 捜査 が 進展 すれば 、 次 は その 資金 が どの 政治 家 に いくら 渡った の か が 焦点 に なる 。 金 大統領 に は 、 改革 路線 の 推進 と ともに 、 韓国 政治 に まつわりつく カネ の 悪習 を 断ち切る 強固な 意志 を 期待 し たい 。 金 大統領 は 、 かねて 自分 の 政治 的 野心 の ため に 権力 を 握った ので なく 、 民主 主義 と 国民 の ため である と 強調 して きた 。 その 信念 を 捨てる こと なく 政治 の 質的 発展 を 実現 して ほしい 。 世界 から 尊敬 さ れる 韓国 に なる こと こそ が 、 大統領 が 提唱 する 真 の 世界 化 政策 である と 言えよう 。 アジア 太平洋 経済 協力 会議 閣僚 会議 は 十六 日 、 大阪 会議 の 最大 の テーマ である 先進 国 は 二〇一〇 年 を 目標 と した 自由 化 へ の 「 行動 指針 」 を 採択 し 、 十九 日 の 非公式 首脳 会議 で 承認 する 。 これ に より APEC の 自由 化 は 、 理念 から 実行 の 段階 へ 移る 。 世界 の 成長 センター である APEC が 、 貿易 ・ 投資 の 自由 化 に 向け 、 長期 的な 枠組み を 設けて 一 歩 を 踏み出した 意義 は 大きい 。 その 着実な 実行 が 望ま れる 。 行動 指針 は 、 貿易 ・ 投資 の 自由 化 、 円滑 化 と 、 経済 ・ 技術 協力 の 三 分野 から なる 。 全体 の アプローチ に ついて APEC は 、 関係 国 の 「 協調 的 自主 的 行動 」 を 前面 に 出した 。 自由 化 の 一般 原則 に ついて は 一部 に 玉虫色 の 表現 を 残した 。 とくに 焦点 の 農業 を 念頭 に 置いた 例外 化 条項 は 、 「 柔軟な 対応 を 容認 」 と 修正 さ れて 残り 、 各国 の 自由 化 措置 の 同等 性 の 確保 や 、 自由 化 の 恩典 を 域内 外 に 平等に 与える 無差別 性 の 原則 でも 、 「 努力 する 」 と の 文言 が 加わった 。 これ は 議長 国 ・ 日本 の 原案 が APEC メンバー の 多様 性 に 配慮 した 緩やかな 内容 だった こと や 、 理念 的な 自由 化 を 唱える 米 大統領 の 欠席 に よって 、 アジア 優位 の 妥協 が 図ら れた 結果 である 。 協調 的 自主 的 行動 と は 、 仲間うち で 励ましあって 前進 する こと を 意味 する 。 この アジア 流 の やり 方 で は 、 自国 の 都合 次第 で 自由 化 “ 牛歩 戦術 ” を とる 国 が 出 かね ない 。 これ を 防ぐ に は 、 何より も 厳しい 自己 規律 が 必要だ 。 その 意味 で 指導 力 を 期待 さ れた 議長 国 ・ 日本 が 、 農業 例外 化 に こだわった こと が 「 悪 しき 指針 」 と なる こと を 懸念 する 。 行動 指針 は また 、 アジア 太平洋 地域 の 持続 的 成長 と バランス の とれた 開発 の ため に 、 経済 ・ 技術 協力 の 推進 の 必要 性 を 強調 して いる 。 人材 養成 、 産業 科学 技術 、 中小 企業 など 個別 分野 で の 協力 活動 の 促進 を 図り 、 新たに 「 前進 の ため の パートナー 」 の 導入 も 打ち出した 。 これ は 、 先進 国 が 途上 国 の 人材 育成 を 行い 、 一人前 に して 域 内 で の 協力 活動 に 送り出す もの だ 。 いずれ も 、 この 地域 の 実情 を 踏まえた 妥当な もの と いえる 。 市場 経済 の 下 で 途上 国 が 発展 する ため に は 、 先進 国 に よる 援助 より も 貿易 と 市場 の 開放 が 、 資金 提供 より 技術 と 人材 育成 が 不可欠な のである 。 また 、 貿易 ・ 投資 の 自由 化 、 円滑 化 も その ため の もの である 。 APEC 経済 委員 会 に よれば 、 域 内 の 途上 国 は 二〇〇〇 年 まで 実質 年 平均 六・二 % の 高 成長 が 見込ま れて いる 。 必然 的に 相互 の 人材 、 技術 、 資本 の 交流 も 一段 と 拡大 する 。 その ため の 基盤 作り に APEC メンバー が 手 を 携える こと は 、 この 地域 の 安定 的 発展 を 確実な もの に する うえ で 極めて 有益である 。 今後 、 APEC 域 内 の 自由 化 を 着実に 前進 さ せる に は 、 日 米 など の 先進 国 の イニシアチブ が 欠かせ ない 。 各 参加 国 ・ 地域 は 、 来年 の フィリピン 会議 に 、 行動 指針 に 基づき 、 関税 、 非 関税 措置 、 規制 緩和 など の 具体 的な 「 行動 計画 」 を 提出 する 。 その 際 、 日本 は 包括 的 自由 化 の 模範 と なる ような 市場 開放 策 を 盛り込む べきだ 。 また 、 途上 国 も 経済 の 発展 段階 に 応じた 積極 的な 行動 計画 を 作り 、 二〇二〇 年 前 に 繰り上げ 達成 する こと を 目指して ほしい 。 「 経済 に 国境 なし 」 の 時代 を 反映 し 、 脱税 も 国際 化 が 進んで いる 。 象徴 する ような 事件 を 、 国税 庁 の 協力 を 得た イギリス の 「 内国 歳入 庁 」 が 解明 して いる 。 摘発 さ れた の は 、 日本 の 自動車 メーカー から 現地 販売 を 委託 さ れて いる 会社 だった 。 十 年 以上 に わたって 、 メーカー から 出て いる 宣伝 助成 金 を 帳簿 から 除外 する など して 、 約 五百億 円 の 所得 を ごまかし 、 スイス の 銀行 口座 に 隠して いた 。 カネ の 流れ の 究明 は 、 わが国 の 協力 が なければ 難しかったろう 。 英国 は 日本 の 調査 官 四 人 を 先月 、 表彰 して いる 。 それでは 、 わが国 の 日本 企業 に 対する 国際 税務 調査 の 体制 は 、 どう だろう か 。 「 靴 の 底 から 足 の 裏 を かいて いる 」 。 そう 見えて なら ない 。 国税 庁 は この ほど 、 今年 六 月 まで の 一 年間 に 調べた 、 大手 企業 の 海外 取引 に からんだ 脱税 の 実態 を まとめた 。 五千万 円 以上 の 所得 を 計画 的に 隠した ケース は 七十九 件 、 百三十億 円 あった 。 国際 税務 調査 へ の 協力 は 租税 条約 に 基づく もの で 、 わが国 は 四十 カ国 以上 と 結んで いる 。 相互 の 依頼 は 合わせて 年間 十七万 件 に も 達して いる 。 が 、 日本 から の 要請 の 多く は 文書 に よる やり取り である 。 はがゆい 。 それ が 「 靴 の 底 から 足 の 裏 を かいて いる 」 ように 見える 理由 だ 。 相手 国 に 担当 官 を 派遣 し 、 共同 調査 を 実施 すれば 、 直接 、 足 の 裏 を かける 。 それ に は 各国 の 主権 の 問題 が からみ 、 簡単に は 実現 でき ない 。 しかし 、 靴 を ぬが せ 、 靴下 の 上 から かく 方法 は ある 。 日本 と 関係 国 が それぞれ の 国 で 同時に 企業 を 調べる ことだ 。 だが 、 これ まで に 数えるほど しか 実施 さ れて い ない 。 これ が 、 国際 取引 に からんだ 脱税 に 対する 、 わが国 の 調査 体制 の 実態 である 。 脱税 調査 で 絶対 に 避け なければ なら ない の は 、 情報 漏れ だ 。 これ を 防ぐ ため に は 相手 国 と の 事前 の 打ち合わせ は 、 できる だけ 短い 方 が よい 。 それ に は 、 どんな 方法 で 同時 調査 に 着手 する か の マニュアル が 必要である 。 両 国 の 実情 が 違う のだ から 、 当たり前の こと だ 。 しかし 、 日本 は どの 国 と も マニュアル を 共有 して い ない 。 同時 調査 を なかなか 実施 でき ない 原因 が 、 ここ に ある 。 それでは 、 マニュアル を 共有 する こと は 難しい の か 。 そんな こと は ない 。 わが国 も 参加 して いる 経済 協力 開発 機構 の 加盟 国 間 で は 協力 の ため の 細かな 規定 を 盛り込んだ 執行 共助 条約 が 結ばれて いる 。 ところが 、 わが国 は どこ の 国 と も 締結 して い ない 。 結び たい 相手 国 に 窓口 と なる 国税 庁 の 事務 所 を 開設 して い ない こと が 大きな 理由 の ようだ 。 米国 は すでに 在 日 大使館 内 に 事務 所 を 開き 、 所員 が ひんぱんに 国税 庁 に やってくる 。 日本 が 設け さえ すれば 、 米国 と は すぐ に でも 共助 条約 を 結べる 環境 は できて いる 。 では 、 なぜ 開け ない の か 。 人 と 予算 が ない の か 。 両方 と も ある 。 国税 庁 は 専門 の 調査 官 を 欧 米 と アジア の 十 カ所 に 長期 出張 の 名目 で 派遣 して いる 。 しかし 、 身分 が あいまいで 、 国際 調査 の 窓口 に は なら ない 。 これ は 、 大使館 内 に 他 省庁 の 影響 力 が 及ぶ の を 嫌う 外務 省 と 国税 庁 の 妥協 の 産物 らしい 。 しかし 、 時代 は 霞が関 の 都合 に 合わせて は くれ ない 。 今後 、 国際 税務 調査 の 重要 性 は さらに 強まる 。 海外 事務 所 の 開設 は 、 待ったなし の 時 を 迎えた 。 「 もう 、 うんざり 」 と いう の が 国民 の 率直な 感想 だろう 。 閣僚 の 問題 発言 が 出る 度 に 、 撤回 → 更迭 → 謝罪 を 繰り返す 。 せっかく の アジア 太平洋 経済 協力 会議 を 舞台 に した 韓国 、 あるいは 中国 と の 首脳 会談 も 、 形なしである 。 しかし 、 問題 発言 を 聞か さ れる 韓国 ・ 中国 の 国民 こそ 「 もう 、 うんざり 」 だろう 。 十四 日 の 江 沢民 ・ 中国 国家 主席 と の 会談 で 、 金 泳三 ・ 韓国 大統領 が 「 妄言 は 建国 以来 三十 回 を 超える 。 今度 こそ 悪癖 を 必ず 正す 」 と 語った の も 、 怒り を 抑える 限界 に 達した から に 違いない 。 金 大統領 は 「 過去 より 未来 を 」 と 国民 の 目 を 日 韓 の 未来 へ 向け させる べく 懸命に 努力 して いる 。 水 を 差す どころ か 、 火 に 油 を 注ぐ ような こと を さ れて は たまらない 、 と いった 心境 と 推測 する 。 金 大統領 も 江 主席 も 、 十八 日 の 村山 富市 首相 と の 個別 会談 で は 深追い は 避けた 。 「 正しい 歴史 認識 」 を 日本 に 求めた だけ だった 。 APEC 主催 国 ・ 日本 の 顔 を 立てた ため だ 。 しかし 、 首脳 会談 に 先立つ 日 韓 、 日 中 両 外 相 会談 で は 厳しい 注文 を つけた 。 中国 は 「 政府 が 主導 権 を 発揮 する こと 。 長期 的 展望 から 次の 世代 を 教育 する こと が 重要だ 」 と 述べた 。 韓国 は 「 偏見 の ない 視点 から 歴史 を 深める こと が 必要だ 」 と 指摘 。 日 韓 両 国 の 学者 ら に よる 歴史 認識 の 共同 研究 に 、 政府 が 支援 したら どうか と 提案 した 。 両 国 が 求めた の は 、 国民 が 「 正しい 歴史 認識 」 を 持つ よう 、 政府 が 積極 的な 行動 を 取って ほしい と いう こと 。 「 過去 の 人 」 より 「 未来 の 人 」 に 対して 、 である 。 私 たち も 賛成 である 。 日本 の 指導 者 の 中 から 、 切って も 切って も 金太郎 アメ の ような 同じ 顔 が のぞく の に がく然と する 。 彼ら の 歴史 認識 は 過酷な 青春 時代 と 、 あるいは 一体化 して いる の かも しれ ぬ 。 大切な の は 次代 を 背負う 人 たち が どう 考える か だ 。 彼ら に 正確な 歴史 認識 を 持って もらう こと こそ 肝要だ 。 その 意味 で 韓国 の 提案 は 未来 志向 的である 。 日本 側 も 同意 した と いう が 、 ぜひ 実現 さ せて ほしい 。 聞く ところ に よる と 外務 省 も 文部 省 も 気乗り薄 と いう 。 「 すでに 平和 友好 交流 計画 に 民間 の 支援 は 盛り込ま れて いる 」 と 、 消極 的 の ようだ 。 多分 、 ほとぼり が さめれば 霧散 する と でも 踏んで いる の かも しれ ない 。 一九八二 年 の 教科 書 検定 問題 の とき も 、 日本 と 関係 国 で 共同 の 教科 書 を 作ろう と の 提案 が あった 。 これ も 時間 が たつ に したがって 、 忘れ られて いった 。 同じ こと を 繰り返して は なら ぬ 。 だから 日本 は 信用 でき ない 、 と 不信 の 目 で 見 られる のだ 。 教科 書 検定 問題 の とき も 、 中 韓 両 国 以外 の アジア 諸国 が 一斉に 日本 批判 に 動いた 。 今度 も 「 アジア の 他 の 国々 が 韓国 に 声援 を 送る と いう 広がり を 見せる かも しれ ない 」 と シンガポール の 新聞 が 警告 して いる 。 「 もう 、 うんざり 」 して いる の は 、 アジア 、 いや 世界中 な のだ 。 アジア の 目 は 厳しい 。 カネ の 切れ目 が 縁 の 切れ目 と いう 言葉 も ある 。 気 が ついて みる と 、 日本 は 独りぼっち と いう 日 が 、 来 ない と も 限ら ない 。 そんな 日本 なら 、 米国 に とって も 、 他の 先進 諸国 に とって も 用 は ない 。 「 もう 、 うんざり 」 は 打ち止め に し たい 。 アジア 太平洋 経済 協力 会議 は 、 十九 日 の 非公式 首脳 会議 で 貿易 ・ 投資 の 自由 化 など の 行動 指針 を 採択 。 実行 へ の 決意 表明 を した 「 大阪 宣言 」 を 発表 して 閉幕 した 。 行動 指針 は 、 協調 的 自主 的 行動 や 、 柔軟な 対応 を うたって いる 。 ポスト ・ ウルグアイ ・ ラウンド へ の 助走 と いう 観点 から 見れば 、 成果 は あいまいである 。 「 米国 も 我慢強く 相手 の 言う こと を 聞いて くれた 」 と は いえ 、 アジア 市場 の 開放 戦略 を 掲げる 米国 が 不満 を 残し 、 二 国 間 交渉 に よる 圧力 を 強める 懸念 が ある 。 すでに 昨年 の ボゴール 宣言 で 二〇二〇 年 を 期限 と する 自由 化 と いう 大 枠 は 決まって おり 、 行動 指針 作り は 閣僚 レベル だけ で 可能であった 。 そこ で 改めて 、 APEC サミット を 継続 さ せる 意味 が 問わ れよう 。 まず 、 首脳 同士 の 直接 対話 の 継続 に こそ 意味 が ある と いえる 。 アジア は 長い 間 、 東西 冷戦 の 最 前線 だった と いう 歴史 的な 経緯 も あって 、 欧州 の ように 首脳 が 絶えず 意思 疎通 を 図り 、 誤解 に よる 衝突 を 避ける と いう 習慣 が 生まれ なかった 。 「 いかに 通信 手段 が 発達 して も 、 直接 話し合う こと が 大事で 、 直接 会えば どんな 誤解 も 解ける 」 と 江 沢民 ・ 中国 国家 主席 は 強調 し 、 金 泳三 ・ 韓国 大統領 も 同じ 見解 を 示した 。 首脳 の 間断 なき 直接 対話 に 意義 が ある 。 また 東 アジア 諸国 と 同じ テーブル に 日 米 中 が 着席 する こと も 、 この 地域 の 平和 と 安定 向上 に 貢献 する 。 日 米 協調 も 不可欠だ が 、 「 米国 を 東 アジア に 関係 深く とどめる こと が 大変 重要だ 」 と の 指摘 が ある ように 、 米国 の プレゼンス は 見逃せ ない 。 その 枠組み の 中 で 相互 依存 体制 を 深める こと が 、 アジア の 安全 保障 を 高める 。 その 意味 で APEC が 今回 、 中国 の 世界 貿易 機関 加盟 後押し を 決めた こと の 意義 は 大きい 。 日本 に とって も APEC は 、 世界 が 地域 共同 体 へ の 歩み を 進める 中 で 、 日本 が 参加 する 唯一 の 共同 体 と して 重要だ 。 しかし 、 経済 論議 だけ なら 首脳 たち が 毎年 集まる 必要 性 は 薄い 。 「 二十一 世紀 は アジア の 時代 」 と いう なら 、 政治 を 含めた 高い 次元 の 対話 が ほしい 。 米国 は 安全 保障 問題 の 討議 を 求めて いる 。 村山 富市 首相 も 「 これ から 会合 を 重ねる に 従って 安保 など の 議論 が なされる こと に 問題 は ない 」 と 語り 、 APEC の テーマ 拡大 に 賛意 を 示した 。 しかし 、 安保 の ほか に も 話し合う べき 政治 課題 が 多い 。 何より も APEC が 追求 す べき 政治 理念 を 話し合う べきだ 。 これ まで APEC サミット は 、 先進 国 首脳 会議 と 異なり 、 民主 主義 や 自由 経済 と いった 理念 を 語る こと を 避けた 。 社会 主義 国 や 開発 独裁 も ある など 、 構成 メンバー は 複雑 多岐 で 「 アジア 人 は 他人 に 向かって 民主 化 が 不十分だ など と 言わ ない 」 と 互いに 傷つけ 合う の を 避ける と いう 事情 も わかる 。 だが 、 APEC メンバー が グローバル 化 した 世界 経済 の 中 で 成長 機会 を 見いだして いる 以上 、 経済 発展 と ともに 政治 経済 体制 の 在り 方 が 重要 問題 に なって くる 。 APEC 首脳 は 、 次回 から 人口 、 食糧 、 エネルギー 、 環境 など も 話し合う 。 これ は 、 基本 的 人権 や 政治 体制 の 問題 と も からむ 分野 だ 。 これ を 機 に 、 経済 の 枠 を 超えて 、 政治 理念 や 安保 に ついて も 率直に 話し合って ほしい 。 空白 が 生じた 議席 を 埋める と いう 極めて 実務 的な 補欠 選挙 や 再 選挙 が 時 と 場合 に より その後 の 政局 展開 に 決定 的な 役割 を 果たす こと が ある 。 古く は 一九八七 年 三 月 の 中曽根 内 閣下 の 参院 岩手 補 選 。 「 反 売上 税 」 を 掲げた 社会党 が 圧勝 した こと から 売上税 法案 は 廃案 と なった 。 最近 で は 昨年 九 月 の 参院 愛知 再 選挙 。 当時 の 新生 、 公明 、 民社 三 党 が 推した 無 所属 候補 が 勝ち 、 新進党 結成 に 弾み を つけた 。 十九 日 が 投 ・ 開票 と なった 参院 佐賀 補 選 も これ また 同じ 文脈 で 衆院 の 解散 ・ 総 選挙 の 時期 や 、 目下 審議 中 の 宗教 法人 法 改正 の 成否 に も 連動 する 選挙 と 位置づけ られ 、 与野党 で 延べ 千 人 を 超える 国会 議員 が 佐賀 県 入り した のである 。 結果 的に は 同県 参院 選 で 十六 連勝 中 の 自民党 が 記録 を 塗り替えた だけ に 終わり 、 案ずる より 生む が やすし 、 と いう べき か 、 政局 に も 思った ほど の 影響 を 与え ない ようだ 。 その 意味 で ホッと 肩 を なでおろしたり 、 当て が はずれた と ホゾ を かむ 向き も ある かも しれ ない が 、 実は この 補 選 が APEC と 「 同時 並行 」 で 戦わ れた こと に より 、 内政 と 外交 の かかわり 、 もっと 正確に 言えば 、 この 補 選 が APEC で の わが国 の 外交 を 振り回した と いう 意味 で 、 大きな 問題 を 残した ので は なかろう か 。 そもそも 、 佐賀 補 選 が 注目 さ れた の は 、 自民党 の 橋本 竜太郎 総裁 に とって 初 の 国政 選挙 で 、 橋本 体制 の 試金石 と さ れた ため だ 。 自民党 内 で は 単独 政権 復帰 論 や 、 連立 を 組む に して も 自民党 総裁 が 首相 に 、 と いう 議論 が 風圧 を 増して おり 、 佐賀 補 選 で 勝って 弾み を 付け たい ところ だった 。 一方 の 新進党 も 佐賀 を 制して 政権 の 展望 を 開き たい 。 党首 選 を 間近に 控えて 海部 俊樹 党首 の 再選 問題 に も 影響 を 与える の は 必至だった 。 そこ に 宗教 法人 法 の 改正 問題 まで 加わり 、 自民党 が 新進党 を 「 創価学会 丸抱え の 政党 」 と 攻撃 すれば 、 新進党 は この 裏返し で 宗教 法人 法 改正 阻止 を 託し 、 選挙 戦 は 過熱 する ばかりだった のである 。 ところが この 過程 で 政治 家 たち の 目 は すっかり 「 内 向き 」 に なり 、 わが国 の 国際 的 評価 に 直結 する APEC へ の 視点 が 完全に 欠落 して いた の は 痛恨 の 一事 で は ない だろう か 。 APEC の 宿題 は 昨年 の ボゴール 会議 で まとまった 自由 化 達成 目標 の 「 行動 指針 」 を 作る こと だった 。 先進 国 だけ で 構成 する サミット と 違い 、 多様な 国家 ・ 地域 が 一堂 に 会する APEC は 議長 国 の 手腕 が 成否 を 決する 。 これ を 承知 で 日本 が 途中 で コメ を 自由 化 から 外す 「 特例 品目 」 を 認める よう 各国 に 働きかけて 孤立 する と いう 不手際 を 露呈 した が 、 その 遠因 こそ 実は 佐賀 補 選 だった 。 自民 、 新進 の 総力 戦 。 その 死命 を 制する の は 農民 票 。 そこ で なりふり構わず 自民党 の 農林 族 議員 ら が 騒ぎ立て 、 外交 が 補 選 に 振り回さ れて しまった のである 。 APEC で は 最終 的に は わが国 の 主張 も 一部 取り入れ られ 、 事 なき を 得た が 、 目先 の 利害 に 気 を 取ら れて 大事 を 見失う 典型 で は ない か 。 「 外交 は 内政 の 延長 」 だ が 、 それ を 逆手 に 取ら れ 、 骨太の 政治 を どこ か に 置き忘れて しまった の が 、 佐賀 補 選 の もう ひと つ の 総括 である 。 人 も 車 も 、 大阪 らしい にぎわい も 消えた 中 で の 国際 会議 ―― アジア 太平洋 経済 協力 会議 を 終えた 大阪 で は 、 成功 を 喜ぶ 声 と 「 素顔 の 街 に 触れて もらえ なかった 」 と いう 物足りな さ が 交錯 して いる 。 首脳 ・ 閣僚 間 の 大規模な 国際 会議 を 、 首都 以外 で 重大な トラブル も なく 開催 できた こと の 意義 は 、 もちろん 大きい 。 「 何でも 東京 」 と いう 一 極 集中 状況 を 転換 し 、 地方 都市 を 活性 化 する 契機 に も なろう 。 その 意味 で 、 受け入れ に 当たった 地元 各界 の 努力 を 評価 し たい 。 大阪 滞在 中 の 河野 洋平 外 相 が 、 講演 会 で 「 二〇〇〇 年 に 日本 で 開く 先進 国 首脳 会議 の 大阪 開催 は 、 十分 可能 と 思う 」 と 述べた の も 、 地元 の 努力 に 報いる もの だった 。 終日 運用 の 関西 国際 空港 の 存在 が 大阪 開催 を 可能に した 事実 も 見逃せ ない 。 この 実績 を 他の 地方 都市 に 広げる に は 、 会場 の 施設 を 含め 難問 が 多い こと を 教えた と も 言えよう 。 APEC を 地方 で 開く もう 一 つ の 意義 は 、 各国 の 首脳 や 報道 陣 に 東京 と は 異なる 歴史 や 文化 、 街 の 息遣い に 触れて もらい 、 日本 の 多様 性 を アピール する こと だった 。 世界 の 人々 と ありのままの 姿 で 接する こと が できて こそ 国際 都市 である 。 触れ合い に 期待 した 市民 は 多い 。 しかし 、 期間 中 の 街 の 表情 は 「 素顔 」 と は 程遠かった 。 大阪 に は 、 二万五千 人 も の 警察 官 が 投入 さ れ 、 徹底 した 交通 規制 と 検問 が 実施 さ れた 。 大阪 名物 の 大 渋滞 や 違法 駐車 は 姿 を 消し 、 会議 の 円滑 化 と 安全 面 で は 成功 を 収めた 。 背景 に は 、 事前 の 大 宣伝 に 市民 や 企業 が 「 大阪 で の 日常 活動 を あきらめる 」 と いう 形 で 反応 した 事情 が ある 。 多く の 人 が 仕事 や 店 を 休み 、 車 の 運転 を 控えた 。 街 から 消えた もの は 人 や 車 だけ で は ない 。 ごみ箱 も 屋台 も 、 若者 に よる 歌 や 楽器 の 街頭 演奏 も 消えた 。 市 内 の 主な 博物 館 、 レジャー 施設 が 休館 した 。 歩行 禁止 区域 も 出現 した 。 会議 の 安全 も 大切だ が 、 その 都市 に 固有の 人 の におい や にぎわい も 大切に し たい 。 関係 者 の 体験 ツアー も あった が 、 中小 企業 や 街 の 活気 に 接する 機会 は 少なかった 。 首脳 の 被災 地 激励 も 実現 し なかった 。 横山 ノック 大阪 府 知事 が 、 盛んに PR した 「 タコ焼き 」 だけ が 大阪 体験 で は あまりに 寂しい 。 警備 の 成功 は 、 市民 の 理解 と 協力 の 結果 だ が 、 大規模な 国際 会議 が 繰り返し 開催 さ れる と すれば 、 事情 は 違って くる だろう 。 難しかろう が 、 会議 の 安全 と 街 の にぎわい を 両立 さ せる スマートな 運営 も また 、 国際 都市 の 条件 と 言え まい か 。 各国 の スタッフ や 報道 陣 が 、 大阪 から 情報 を 発信 する 手段 、 施設 を さらに 整備 する 必要 が ある こと も 分かった 。 街路 や 駅 の 案内 表示 も まだまだ 不十分だ 。 一方 、 会議 に 関連 して 、 民間 の 経済 人 や 文化 人 、 非 政府 組織 が 五十 を 超える 国際 会議 や イベント を 繰り広げた 事実 に 注目 し たい 。 反 APEC の 集会 を 含め 、 民間 交流 が 活発 化 した から だ 。 通訳 など 千 人 を 超す 市民 ボランティア が 、 運営 を 支えた こと は 会議 の 大きな 財産 と なる 。 APEC を 機 に 形成 さ れた これ ら 国際 的な ネットワーク を 今後 、 世界 と の 交流 拡大 に どう 生かす か 。 地方 で の APEC 開催 を 一過性 の イベント に 終わら せ ぬ ため 、 地域 の 可能 性 に 挑戦 し 続けて ほしい 。 ロシア の 政治 情勢 が 流動 化 の 度 を 強めて いる 。 エリツィン 大統領 が 今年 二 度 目 の 心臓 発作 に 倒れ 、 政権 の 今後 に 大きな 疑問 符 が ついた 。 来月 十七 日 に 迫った 国家 ドゥーマ の 選挙 も 目 が 離せ ない 。 世論 調査 で は 、 ロシア 共産党 を はじめ と する 野党 勢力 が 優勢だ 。 与党 が 大敗 すれば 、 チェルノムイルジン 首相 は 退陣 を 余儀なく さ れ 、 来年 六 月 に 予定 さ れる 大統領 選 の 見通し は ますます 混とんと して こよう 。 こうした 動き に も かかわら ず 、 最近 の ロシア 政治 は 「 新しい 国 と 社会 を つくる のだ 」 と いう 意気込み や 理念 を 失い 、 内容 空疎な 権力 ゲーム に 堕して しまった 感 が 強い 。 重要 決定 は 大統領 府 の 密室 で 下され 、 民主 主義 と は 程遠い 不透明 さ だ 。 政治 を 国民 から 遊離 さ せた 責任 は エリツィン 政権 に ある 。 「 世直し 」 の 初心 を 忘れ 、 政治 を 利権 の 配分 ・ 維持 の プロセス に 変えた から だ 。 例えば 、 経済 改革 は 人口 の 一 割 に も 満た ぬ 「 持てる 者 」 と それ 以外 の 「 持た ざる 者 」 に 国民 を 分解 する いびつな 結果 を 生んだ 。 その 過程 で 政治 家 と 国家 機関 を 巻き込んだ 構造 腐敗 が 深まって いった 。 エリツィン 政権 の ブレーン を 務めた 米 ハーバード 大学 の ジェフリー ・ サックス 教授 が 、 ロシア の 企業 民営 化 を 総括 した 言葉 は 衝撃 的だ 。 「 他の どの 旧 社会 主義 国 と も 比較 に なら ない ほど の 規模 で 国有 資産 の 窃取 が 行わ れた 」 と いう 。 資産 窃取 で 甘い 汁 を 吸った 政治 家 、 高級 官僚 、 旧 共産党 や 旧 国有 企業 の 幹部 ら は 涼しい 顔 で 新 富裕 層 に 仲間 入り して いる 。 この 不正 ・ 腐敗 の 横行 に 、 治安 の 悪化 、 雇用 不安 、 社会 保障 の 崩壊 など に 対する 不満 が 重なり 、 大 多数 の 国民 は いまや 政治 と 政治 家 に 対して 軽べつ に も 近い 不信 感 を 抱いて いる 。 それにもかかわらず 、 下院 選 の 結果 は ロシア の 今後 に 大きな 影響 を 及ぼさ ず に は すむ まい 。 なぜなら 、 選挙 は エリツィン 政権 下 で 「 得 を した 層 」 と 「 損 を した 層 」 の 戦い と いう 意味 を 帯びて いる から だ 。 例えば 、 銀行 家 や 大 企業 幹部 など 「 得 を した 層 」 の 代表 は チェルノムイルジン 首相 率いる 政権 与党 「 わが家 ロシア 」 に たっぷり 献金 して いる 。 現在 の 政治 路線 が 続く 方 が 自ら の 利益 に かなう から だ 。 他方 、 経済 運営 の 路線 転換 を 主張 する ロシア 共産党 を 支持 して いる の は 、 有権者 の 三 割 以上 を 占める 年金 生活 者 など 「 損 を した 層 」 だ 。 エリツィン 政権 批判 に 転じた ガイダル 元 首相 代行 ら は 「 改革 続行 」 を 掲げて 選挙 に 臨んで いる が 、 国民 の 受け は 悪い 。 「 改革 派 も 政権 中枢 に あった とき は 利権 を むさぼり 、 腐敗 で は 同罪 」 と 見 られて いる から だ 。 いずれ に せよ 、 「 改革 派 悪玉 」 と いう 図式 で ロシア 政治 を 見る の は 、 もはや 的外れであろう 。 ロシア の 運命 を 最終 的に 決める の は ロシア 国民 であり 、 その 最大 多数 の 支持 を 得た 勢力 が 政治 の 主導 権 を 握る 以外 に 、 政治 と 国民 の 深い 溝 を 埋める 道 は ない 。 この 関連 で 気掛かりな の は 、 「 下院 選 の 開票 で 不正 が 行わ れる 恐れ が ある 」 と の 懸念 が 出て いる ことだ 。 二 年 前 の 前回 選挙 と 同じく 、 ロシア は 今回 も 国際 選挙 監視 団 を 受け入れる 予定 だ 。 広大な 国 で の 監視 活動 に は 限り が あろう が 、 不正 を 防ぐ ため に 全力 を 尽くして ほしい 。 野球 で いえば NOMO 現象 か イチロー 現象 か 。 米 マイクロソフト 社 が 開発 した パソコン の 新 基本 ソフト 「 ウィンドウズ 95 」 日本 語 版 は 、 二十三 日 の 発売 を 前 に 、 ある 種 の 社会 現象 を 引き起こし つつ ある 。 パソコン マニア は 一刻 も 早く この OS を 手 に 入れ たい と 待ち構えて おり 、 東京 ・ 秋葉原 の パソコン ショップ に は 事前 の 注文 が 殺到 。 多く の 大手 量販 店 や コンビニエンスストア など が 全国 の 店舗 で 、 開店 時間 を 午前 零 時 に 繰り上げて 対応 する 予定 と いう 過熱 ぶり だ 。 初心 者 でも 簡単に 操作 できる 。 画面 が 鮮明 。 通信 機能 が 組み込ま れ 、 「 インターネット 」 に すぐ 接続 できる ―― など を 売り物 に した ウィンドウズ 95 は 、 この 八 月 末 、 英語 圏 の 国々 で 同時 発売 さ れた が 、 四 日間 で 百万 本 の 売り上げ を 記録 した 。 文字通り の 大 フィーバー だった 。 発売 元 の マイクロソフト 日本 法人 で は 日本 でも 初年度 に 五百万 本 の 販売 を 見込んで いる と いう 。 多く の パソコン メーカー が 95 を 搭載 した 機種 を 発売 する 方針 を 決めて おり 、 決して オーバーな 数字 で は ない 。 この すさまじい まで の 前評判 で 、 これ まで パソコン と 縁 の なかった 中高年 者 の 中 に も 、 パソコン を 始めよう と して いる 人 が 急激に 増えて いる ようだ 。 野茂 や イチロー の 活躍 で 野球 ファン が 増えて いる ように 、 ウィンドウズ 95 の 登場 で 一気に パソコン が 普及 し そうな 状況 である 。 中でも 注目 さ れる の は 、 インターネット に 代表 さ れる パソコン を 結んだ 通信 の 広がり である 。 これ を 利用 すれば 、 日本 から ワシントン の ホワイトハウス の パソコン に 接続 、 クリントン 大統領 の 記者 会見 の 情報 を 簡単に とる こと も 出来れば 、 世界 各国 の 図書 館 で 本 の 検索 も 出来る 。 この コンピューター に よる 通信 こそ 「 いつでも 、 どこ でも 、 だれ と でも 」 多様な ツール を 使って 双方向 の 通信 が 出来る マルチメディア の 中核 に なる と 言わ れて きた 。 それ が いよいよ 本格 的に 進む 予感 を 覚える 。 ユーザー に とって 、 パソコン OS の 多く が 同じ ソフト に なる こと は 使い勝手 が よく なり 、 望ましい と いえる 。 情報 通信 の 専門 家 も 「 ウィンドウズ 95 が 他の OS に 比べて 、 どれ だけ 優れて いる か より 、 どれ だけ 広く 使わ れて いる か が 重要だ 」 と 指摘 して いる 。 しかし 、 この 「 怪物 ソフト 」 の 登場 を 無 条件 に 歓迎 でき ない 気 も する 。 それ は 、 いまや 「 世界 一 の 金持ち 」 と なった ビル ・ ゲイツ 会長 率いる マイクロソフト 社 の 影響 力 が 情報 通信 の 世界 で 強く なり 過ぎる ことだ 。 米国 を はじめ ヨーロッパ 各国 でも 独占 禁止 法 と の 関係 で 議論 に なって いる 。 現在 の ところ 判断 を 停止 し 、 静観 して いる が 、 将来 的に は 大きな 問題 に なって くる の かも しれ ない 。 さらに コンピューター 通信 が 広がった 場合 、 著作 権 など 知的 財産 権 の 問題 が 出て き そうだ 。 簡単に 情報 に 接する こと が できる 結果 、 だれ が 、 いつ 、 その 情報 を 利用 した か を トレース し 、 対価 を 徴収 する こと は 極めて 難しい と 思わ れる 。 また 、 プライバシー を どう 保護 する かも 重要な テーマ に なる 。 業界 の 予測 に よる と 、 わが国 の パソコン は 三 、 四 年 後 に 三千万 台 を 記録 する と いう 。 この 時 に 備えて 、 今 から 問題 点 を 検討 して おく こと は 決して 早 すぎ は し まい 。 内戦 の 泥沼 に のたうって きた ボスニア・ヘルツェゴビナ に 、 ようやく 平和 回復 の 希望 が 開けて きた 。 内戦 三 勢力 を 代表 する 首脳 交渉 で 、 包括 和平 の 合意 が 成立 した から だ 。 ただし 、 和平 協定 は まだ 仮 調印 の 段階 に すぎ ない 。 本格 的な 和平 の 成否 は 今後 の 詰め の 交渉 が 実 を 結び 、 パリ で の 正式 調印 に こぎつけ られる か どう か に かかって いる 。 今回 の 合意 は 幾 つ か 重大な 対立 点 を 先 送り して おり 、 詰め の 交渉 が 紛糾 する 可能 性 が ある 。 また 、 首脳 間 の 合意 が 憎悪 と 不信 が 支配 する 内戦 現場 で すんなり 受け入れ られる か どう か 、 不安 が 残る 。 米 議会 を 牛耳る 共和党 が ボスニア の 平和 維持 を 担う 多 国籍 軍 へ の 米軍 参加 に 反対 して いる の も 、 無視 でき ない ハードル だ 。 こうした 不安 材料 を 抱えた 合意 で は ある が 、 和平 に 向けて 具体 的 道筋 が ついた こと は 率直に 歓迎 し たい 。 大 多数 の ボスニア 市民 の 願い は 一 日 も 早い 平和 の 回復 である から だ 。 それにしても 、 三 週間 の 首脳 交渉 で 和平 の 道 が 開ける のであれば 、 なぜ もっと 早い 時期 に 同じ 合意 が でき なかった の か 。 そもそも ボスニア 内戦 と は 何 を かけた 戦い であり 、 当事 者 たち は 何 を 得た と いう の か 、 問い 直さ ない わけに は いか ない 。 ボスニア を 含む 旧 ユーゴ 連邦 は 東欧 の 社会 主義 国 の 中 で は 最も 開放 的で 豊かな 国 だった 。 ソ連 の 支配 を 受け ない 非 同盟 の 雄 と して 、 外交 面 でも 多大の 影響 力 を 発揮 した 。 そして ボスニア の イスラム 教徒 、 セルビア 人 、 クロアチア 人 は 四 年 ほど 前 まで は 民族 、 宗教 の 違い など 気 に せ ず 隣り合って 平和に 暮らし 、 結婚 も して いた 。 その 多 民族 共存 の 国 は いま 、 欧州 で 最も 悲惨な 殺戮 の 修羅場 と 化し 、 内戦 の 死者 は 二十万 人 以上 、 難民 は 二百万 人 以上 に 達した 。 戦火 の 痛苦 は 三 民族 すべて に 及んで いる 。 「 民族 浄化 」 と いう 他 民族 排撃 の 毒 を まき 、 兄弟 民族 が 殺し 合う 憎しみ を あおって 、 内戦 に 火 を つけた の は だれ であった の か 。 ほか の 地域 で 同じ ような 民族 紛争 が 発生 する の を 未然 に 防ぐ ため に も 、 ボスニア 内戦 の 発生 と その 展開 の メカニズム を 徹底 的に 解明 する 必要 が ある 。 この 作業 は 地域 紛争 の 防止 と 解決 を 任務 に 掲げて いる 国連 や 全欧 安保 協力 機構 の 主催 の もと 、 日本 の 社会科 学者 を 含む 国際 的な 専門 家 集団 を 編成 して 進め 、 調査 結果 を 報告 書 に して 公表 したら どう だろう 。 平和 学 の 生きた 教科 書 と して 世界中 で 読ま れれば 、 その 効果 は 小さく ある まい 。 ボスニア 問題 で は 、 国連 や 欧州 連合 の 調停 が 不発 に 終わり 、 結果 的に は 米国 と 北 大西洋 条約 機構 の 「 力 の 政策 」 が もの を いった 。 米国 の てこ入れ を 受けた クロアチア 軍 の 攻勢 と NATO の 空爆 で セルビア 人 勢力 の 圧倒 的な 軍事 優位 が 崩れ 、 それ が 和平 交渉 開始 に つながった の は 冷厳な 事実 だ 。 しかし 、 「 武 を もって 武 を 制する 」 の 旗印 の もと 、 特定の 大国 や 軍事 組織 が 前面 に 出て くる ので は 、 広範な 国際 協調 に 基づいて 平和 秩序 を 構築 しよう と いう 冷戦 後 の 基本 的 枠組み は 狂って くる 。 地域 紛争 や 民族 紛争 を 未然 に 防止 し 、 効果 的に 対応 する 能力 を どう 向上 さ せる か 。 国連 、 全欧 安保 協力 機構 、 欧州 連合 は ボスニア を 教訓 に 真剣な 検討 を 重ね 、 具体 的 行動 に 移ら ねば なる まい 。 核 実験 を 停止 せよ 。 フランス が 九 月 に 南 太平洋 で 核 実験 を 再開 して 以来 、 私 たち は こう 叫び 続けた 。 しかし 、 この 反 核 の 声 を 無視 して 、 仏 は 四 回 目 の 実験 を 行った 。 重ねて シラク 大統領 に 申し上げ たい 。 「 五 回 目 の 実験 を 中止 せよ 」 と 。 日本 人 は 熱し やすく 冷め やすい と いわ れる が 、 こと 核 の 問題 に ついて は 、 私 たち は 健忘症 と は 無縁である こと を 仏 政府 に はっきり 伝え たい 。 核 廃絶 を 目指して 、 私 たち は 執ように 実験 停止 を 要求 し 続ける だろう 。 仏 政府 の 厚顔 に は あきれる 。 国連 総会 第 一 委員 会 で 今月 十六 日 、 日本 など 四十一 カ国 が 共同 提案 した 核 実験 非難 決議 が 賛成 多数 で 採択 さ れて から 、 わずか 数 日 後 に 実験 を 強行 した 。 シラク 大統領 は 国際 世論 を なんと 考えて いる の か 。 「 核 実験 停止 は 究極 的な 核 廃絶 に つながる 核 軍縮 、 国際 平和 と 安全に 貢献 する 」 と いう 同 決議 の 言葉 を 、 仏 は 再度 かみしめて ほしい 。 核 保有 国 の エゴ に 歯止め を かける ため に も 、 日本 は 改めて 反 核 の 強固な 論理 を 構築 する 必要に 迫ら れて いる 。 わが国 は 被爆 体験 を 踏まえて 、 反 核 国際 世論 の 形成 に 一定 の 役割 を 果たして きた 。 国連 決議 案 提出 の イニシアチブ を とった こと は 、 その ささやかな 例 だ が 、 日本 の 反 核 の 声 は 必ずしも 十分に 世界 に 届いて い ない 。 中 仏 両 国 は 日本 の 非難 など 歯牙 に も かけ ない 、 と いった 態度 だ 。 その 原因 は 、 反 核 メッセージ を 伝える 手段 と して の 政治 、 外交 が 日本 に 伴って い ない から で は ない か 。 一 国 の 主張 が 国際 社会 で 尊重 さ れる に は 、 その 国 が 国際 社会 から 信頼 さ れ なければ なら ない 。 核 廃絶 を 口 に し ながら 、 わが国 は その ため の システム 作り に 真剣に 取り組んで きた だろう か 。 核 使用 の 違法 性 に 対する 意見 陳述 を 求め られた ハーグ 国際 司法 裁判 所 で 、 広島 ・ 長崎 両 市長 が 「 核 使用 は 国際 法 違反 」 と 明言 した の に 対し 、 外務 省 審議 官 は 違法 性 に 触れ ず 、 野坂 浩賢 官房 長官 は 「 政府 は 両 市長 の 見解 に くみする 」 と 発言 した 。 首相 官邸 と 官僚 の 間 に ズレ が ある 。 こんな 及び腰 で は 、 日本 の 反 核 の 真意 を 各国 から 疑わ れ かね ない 。 また 、 戦争 責任 を めぐる 政府 の 態度 も 核 論議 に 影響 を 及ぼして いる 。 アジア 侵略 や 朝鮮 半島 植民 地 支配 を 正当 化 する ような 閣僚 の 発言 は 、 日本 へ の 信頼 感 を 著しく 傷つけて いる 。 核 実験 を 非難 さ れた 中国 が 、 過去 の 歴史 を 持ち出して 反論 した 事実 から も それ は うかがえよう 。 唯一 の 被爆 国 と いう 被害 者 意識 、 環境 保護 など の 視点 だけ で は 、 核 保有 国 の 抑止 論 を 打破 する こと は むずかしい 。 日本 の 反 核 の 論理 が いまひとつ 説得 力 に 欠ける 理由 の ひと つ に 、 日本 自身 が 米国 の 核 の 傘 の 下 に ある 、 と いう 現実 が ある 。 事実 、 仏 当局 者 は この 矛盾 を 突いて 、 日本 の 主張 の 正当 性 に 疑問 を 投げかけて いる 。 核 の 傘 は 日 米 安保 体制 の 根幹 に かかわる 問題 だ 。 核 の 傘 と は 現実 に 何 を 意味 する の か 。 安保 体制 を 維持 し つつ 核 の 傘 を 出る こと は 可能 か 。 傘 の 下 に いる こと の 是非 を 含めて 、 私 たち は 日本 の 安全に ついて どのような 選択 が できる か を 検討 する 時期 に きて いる 。 「 ハンディ キャップ 国家 」 論 と いう の が ある 。 小和田 恒 国連 大使 が 事務 次官 時代 に 提唱 した 。 同氏 の 後 を 襲った 斉藤 邦彦 前 次官 も 、 その 継承 を 約束 した 。 小和田 氏 の 言葉 を 借りれば 「 日本 は 過去 の 行動 および 国民 の 信条 と して 、 国際 社会 の 共同 の 利益 の ため であって も “ 特定の 行動 ” に は 参加 でき ない 。 ただし 共同 体 の 一員 と して 責任 を 果たす ため 、 それ を 補って 余り ある 犠牲 を 払う 。 その こと を 国家 の 生き 方 と して 明確に する 」 と いう もの である 。 一 つ の 確固と した 指針 である 。 残念 ながら 最近 の 外務 省 から は この 種 の 決意 が 聞か れ なく なった 。 「 ハンディ キャップ 国家 」 論 は 含蓄 が ある 。 「 普通の 国家 」 志向 より は 深み が ある 。 問題 は 日本 の 参加 でき ない “ 特定の 行動 ” と は なに か 。 「 それ を 補って 余り ある 犠牲 」 を 払う 用意 は あり や 、 の 二 点 である 。 日本 の 安全 保障 に 絞って 以下 に 考えて みよう 。 安保 は 軍事 に 限る もの で は ない 。 衝突 を 回避 する ため の 外交 、 衝突 を 生ま ない ような 多角 的 協力 、 衝突 の 根源 に ある 貧困 の 解消 、 さらに は 環境 ・ 人口 ・ エネルギー と いった 地球 的 規模 の 課題 に 取り組む の も 、 広い 意味 の 安保 である 。 むしろ 本質 的に は 後者 の 方 が 重要である 。 が 、 まず 軍事 面 から 見る ならば 、 日本 の 安全 は 日 米 安保 体制 と 自衛 隊 に よって 支え られて いる 。 私 たち は 同 体制 を 支持 する 。 それ は 次の 理由 から である 。 第 一 に 日 米 友好 の あかし である 。 第 二 に 日本 の 平和 と 安全に 寄与 して いる 。 第 三 に 周辺 諸国 に 安心 感 を 与えて いる 。 「 日 米 関係 は 世界 で 最も 重要な 二 国 間 関係 」 は マンスフィールド 元 駐 日 米 大使 の 口癖 だった 。 この 言葉 は 依然 、 生きて いる 。 考えて も みて ほしい 。 この 二 カ国 で 世界 の 国民 総 生産 の 約 四 割 を 占めて いる のだ 。 地球 的 規模 の 視点 に 立って 協調 する の は 両 国 の 義務 で すら ある 。 ただ 日本 に は できる こと と 、 でき ない こと が ある 。 でき ない “ 特定の 行動 ” と は 軍事 的 集団 行動 である 。 これ は 日 米 安保 条約 の 生まれ落ちた とき から の 問題 点 であった 。 米国 は 日本 を 守る 義務 が ある のに 日本 は 米国 を 守れ ない 。 その 不平等 を 補う ため に 付加 さ れた の が 日本 の 基地 提供 だった 。 だから 「 米軍 は 日本 から 出て いけ 」 で は 、 日 米 安保 は 破たん せ ざる を 得 ない 。 しかし 米軍 は 自由勝手に 日本 の 基地 を 使える わけで は ない 。 米軍 の 重要な 配置 ・ 装備 の 変更 と 、 日本 から の 戦闘 作戦 行動 は 日 米 で 事前 に 協議 し なければ なら ない 。 いわゆる 事前 協議 制 である 。 ところが 現在 の 安保 条約 が 作ら れて 三十五 年 、 ただ の 一 度 も 事前 協議 が なされた 形跡 が ない 。 対象 と す べき 事例 が なかった から で は ない 。 ベトナム 戦争 まで さかのぼら なく と も 、 つい 数 年 前 の 湾岸 戦争 で すら 米軍 は 日本 の 基地 を 活用 した 。 日本 は 核 を 持た ず ・ 作ら ず ・ 持ち込ま せ ず の 非核 三 原則 を 持って いる が 「 持ち込ま せ ず 」 は ほぼ 空文 に 等しい 。 米国 の 核 の 傘 に 頼る 立場 から 、 政府 は 黙認 して きた 。 これ ら 一連の あいまい さ が 国民 の 不満 を 生み 、 不信 感 を 蓄積 さ せた 。 沖縄 の 小学 女児 暴行 事件 は 、 その うっ積 を 揺り動かした 。 米軍 は さらに 、 世界 の 警察 官 たる 行動 を 円滑に 進める ため 、 その 補完 と して 自衛 隊 の 協力 を 求めて いる 。 協力 次第 で は 限りなく 軍事 的 集団 行動 に 近づく 懸念 が ある 。 これ は 基地 問題 と は 違った 意味 で 、 国民 を さらなる 不安に 陥れる 。 もう 一 度 振り出し に 戻ろう 。 私 たち は 日 米 安保 体制 を 支持 する 。 しかし それ は 安保 の 約束 、 例えば 事前 協議 など が 守ら れて こそ である 。 また 日本 の でき ない “ 特定の 行動 ” を 理解 して もらって から である 。 その 確信 が まず 肝要である 。 一九六〇 年 に 安保 が 改定 さ れた とき 、 第 二 条 に 政治 ・ 経済 協力 条項 が 加わった 。 「 平和 的 かつ 友好 的な 国際 関係 の 一層 の 発展 」 に 日 米 で 協力 する と いう もの 。 これ を 地球 的 規模 に 広げる 工夫 は ない のだろう か 。 これ こそ ポスト 冷戦 に ふさわしい 安保 の 姿 と 思う のだ が 。 安保 は 多重 層 的である こと が 望ましい 。 多角 的 安保 と も いう べき ASEAN 地域 フォーラム も スタート した 。 北東 アジア の 地域 的 安保 対話 も 緒 に ついた 。 その 成果 を 性急に 楽観 視 する もの で は ない が 、 大事に 育て たい 。 その ため の 汗 なら 、 いくら でも 流す べきだ 。 日本 は 平和 を つくり出す 発信 基地 で あり たい 。 核 廃絶 、 軍縮 、 兵器 生産 制限 の 推進 の ため に 、 どこ へ でも いつでも 赴く 努力 を 重ね たい 。 アジア 太平洋 の 非核 地帯 創設 に 、 まなじり を 決して 取り組み たい 。 「 絵空事 」 と 笑って は なら ない 。 つい 数 年 前 まで 米国 は ARF の ような 多角 的 安保 に 反対 して いた 。 今 は 米国 も 中国 も 支持 して いる 。 経済 的 ・ 人 的 交流 を 深めた 友好 関係 の 構築 こそ 、 安保 の かなめ である 。 そもそも 日本 の 安全 は 朝鮮 半島 と 中国 の 平和 と 安定 に かかって いる 。 だから 中国 と 韓国 は 、 米国 と は 違った 意味 で 大切な 国 な のである 。 日本 の 軍事 面 で の 寄与 は 制限 が ある 。 「 それ を 補って 余り ある 犠牲 」 と して 、 日本 は なに を 、 どう 払って いく べき か 。 きっと 、 きれいごと だけ で は すむ まい 。 限りない 負担 と なる 覚悟 も し なければ なら ぬ 。 その 決意 を 訴え 、 国民 の 合意 を 取りつける 努力 を して こそ 安保 「 再 定義 」 で は ない の か 。 都 銀 十一 行 の 九 月 中間 決算 が 二十四 日 発表 さ れた 。 本業 の もうけ を 示す 業務 純益 は 合計 一兆九千億 円 弱 と 過去 最高 だ 。 しかし 、 国民 全体 に 割り切れ な さ が 残る の は なぜ か 。 金融 システム の 再建 が 緊急 課題 であり 、 その 原動力 と なる 業務 純益 の 拡大 は 歓迎 す べきだ が 、 その 陰 で 国民 の 犠牲 が 余りに 大きい 。 しかも 、 長期 不況 で 一般 企業 が 血 の 流れる 合理 化 を 行って いる の に 比べ 、 金融 史 始まって 以来 の 苦境 に ある 銀行 の 経営 姿勢 に 、 厳し さ が 足りない から だ 。 銀行 も 経費 削減 努力 を 続けて いる が 、 「 金融 ・ 保険 業 の 生涯 賃金 は 抜群に 高い 」 うえ 、 ボーナス が 一 割 減 と は いえ 年間 五・九五 カ月 も 出る 。 しかも 昨年 の 政治 献金 で は 、 銀行 が 十二億 円 も 拠出 して いる 。 これ で は 、 政府 や 金融 界 が 「 金融 システム 破たん 回避 の ため 公的 資金 を 」 と 国民 に 犠牲 を 求めて も 、 「 まず 隗 より 始めよ 」 と 反発 さ れよう 。 今年 九 月 末 現在 、 金融 機関 は 全体 で 三十七兆 円 余 の 想像 を 絶する 不良 債権 を 抱え 、 この うち 回収 不能 の 「 ロス 部分 は 十八兆 円 」 に も 達する 。 この ほか に 、 農協 系統 で 五兆 円 近い 不良 債権 が ある 。 都 銀 の 不良 債権 は 十三兆 円 余 であり 、 業務 純益 は その 償却 に 回る 。 今回 の 都 銀 の 高 利益 は 、 大蔵 省 ・ 日銀 に よる 超 低 金利 政策 の 恩恵 に よる もの だ 。 資金 の 調達 金利 が 貸出 金利 より 大きく 下がり 、 利ザヤ が 〇・二 % 前後 拡大 した 。 さらに 債券 価格 の 上昇 で 保有 債券 ・ 国債 の 売買 増加 に よる 増益 も 大きい 。 だが 、 超 低 金利 は 銀行 を 潤す 一方 で 、 国民 の 貯蓄 を 直撃 して いる 。 勤労 者 世帯 の 純 貯蓄 は 昨年 末 で 八百二十九万 円 あり 、 半分 が 預貯金 だ が 、 これ が 今年 に 入り 、 一 年 定期 税引き 後 ベース で 一・四 % の 利下げ と なった 。 一 世帯 平均 十万 円 近い 利息 収入 減 だ 。 これ が 金融 システム 救済 の ため 、 国民 が 直接 払って いる 犠牲 である 。 これ で は 個人 消費 に も 悪 影響 が 出る 。 国家 財政 に も 利子 所得 税 の 減収 を もたらし 、 高齢 化 社会 の 基盤 と なる 厚生 年金 基金 など の 財政 計算 を 狂わせて いる 。 一方 、 大蔵 省 ・ 日銀 は 金融 システム 不安 解消 の ため 東京 共同 銀行 を 米国 の 整理 信託 公社 に 倣った 破たん 処理 機関 に 改組 する と 発表 した 。 この 日本 版 RTC に 、 国 や 自治 体 、 預金 保険 機構 など から の 資金 が 注が れる 。 日本 版 RTC は 主に 信用 金庫 、 信用 組合 へ の 破たん 向け であり 、 住宅 専門 金融 会社 の 処理 は 、 別の 受け皿 会社 と 公的 資金 投入 が 検討 さ れて いる 。 これ ら 公的 資金 も 、 最終 的に は 国 および 地方 財政 を 圧迫 し 、 国民 の 犠牲 に つながる 。 その うえ 、 一連の 救済 措置 で 銀行 の 預金 保険 料 は 五 ― 七 倍 に 上がる と 予想 さ れる 。 その ツケ は 企業 向け 貸出 金利 や 住宅ローン 金利 の 上乗せ に 回り 、 融資 を 受ける 企業 ・ 国民 に 迷惑 を かけ 、 銀行 の 国際 競争 力 を 劣化 さ せる 。 いまや 銀行 救済 目的 の 超 低 金利 から 脱出 し 、 一 日 も 早く 金融 を 正常に 戻さ ねば なら ない 。 その ため の 公的 資金 の 投入 は 避け られ ない が 、 その 前 に 政策 当局 と 銀行 の 責任 が 問わ れ 、 しっかり した バブル 再発 防止 策 が 求め られる 。 また 、 銀行 は 「 高 収益 は 国民 の 多大な 犠牲 の 結果 」 と いう 事実 を 謙虚に 受け止め 、 思い切った 経営 合理 化 と 総 賃金 の 圧縮 を 進め 、 不良 債権 の 償却 を 急ぐ べきだ 。 「 裁判 所 は 国民 の 権利 を 擁護 し 、 防衛 し 、 正義 と 衡平 と を 実現 する ところ であって …… 国会 、 政府 の 法律 、 命令 、 処分 が 憲法 に 違反 した 場合 に は 断固と して 憲法 違反 たる こと を 宣言 し なければ なら ず …… 法律 の 一隅 に うずくまって いて は なら ない 」 最高裁 初代 長官 ・ 三淵 忠彦 氏 の 就任 あいさつ の 一節 である 。 最高裁 の 在り 方 を 的確に 表して いる 。 第 十三 代 の 新 長官 に 三好 達 ・ 最高裁 判事 が 就任 した 。 百 も 承知 と は 思う が 、 この 一節 を 半 世紀 前 の 過去 の 遺物 に し ないで もらい たい 。 最高裁 の 謙抑 主義 や 司法 消極 主義 が 言わ れて 久しい 。 立法 や 行政 へ の 追随 判決 が 目立つ から だ 。 情報 公開 条例 に 基づいて 知事 交際 費 の 資料 公開 を 求めた 訴訟 で は 「 交際 相手 が 識別 できる もの は 非 公開 に できる 」 と 公開 の 範囲 を 狭めた 。 政治 資金 収支 報告 書 の コピー を 求めた 訴訟 でも 「 閲覧 に コピー 交付 は 含ま れ ない 」 と 請求 を 退けた 。 さかのぼれば 、 大阪 空港 騒音 訴訟 で は 夜間 使用 差し止め の 訴え を 門前払い に し 、 大東 水害 訴訟 で は 行政 の 技術 や 予算 の 限界 を 認めて 、 水害 で の 国家 賠償 を 容易に 認め ない 司法 の 流れ を 作った 。 行政 訴訟 の 研究 書 「 人間 の 尊厳 と 司法 権 」 に よる と 、 最近 の 行政 訴訟 で の 原告 勝訴 率 は 戦前 より も かなり 低い と いう 。 東京 弁護 士 会 の 冊子 で 木佐 氏 は 「 行政 が 勝つ こと が 事実 上 保障 さ れて いる 。 法治 主義 なら ぬ 『 放置 』 主義 が まかり通って いる 」 と 手厳しく 批判 して いる 。 この 種 の 批判 は なにも 法学 者 や 弁護 士 に 限ら ない 。 元 最高裁 判事 から も 「 最高裁 が 権力 側 の 判断 や 行動 を 比較的 容易に 是認 する 傾向 に ある と の 世評 も あながち 否定 し 難い 」 と いう 見解 が 出て いる 。 三 権 分立 に あって 、 司法 が 立法 と 行政 に 対して 「 謙譲 と 敬意 」 を 持つ こと は 当然である 。 行き 過ぎた 介入 は 許さ れ ない 。 しかし 、 現状 は 過度に 謙抑 的であり 消極 的であって 、 立法 や 行政 へ の 抑制 機能 が 疑問 視 さ れて いる のである 。 「 憲法 の 番人 」 と いう 司法 の 役割 に 対して 、 不信 の 念 が 広がって いる 。 国民 の 信頼 の 上 に 司法 は 成り立つ もの であろう 。 新 長官 に 課せ られた 職責 は 大きい と 言わ ざる を 得 ない 。 折しも 、 規制 緩和 に よって 自己 責任 の ウエート が 増して いる 。 地方 分権 も 推進 さ れて いる 。 こうした 時代 に あって は 、 ルール 順守 や 行政 監視 が 不可欠であり 、 司法 の 役割 は ますます 大きく なって いく 。 「 国民 審査 」 制度 が 有名無実 化 し 、 これ も 最高裁 を 国民 から 遊離 さ せる 要因 に なって いる 。 「 国民 の 裁判 所 」 に する 方策 と して 「 任命 諮問 委員 会 」 制度 の 復活 を 提言 し たい 。 最高裁 スタート 時 の 判事 を 決める 過程 で は 、 この 委員 会 が 介在 した 。 委員 会 が 判事 候補 を 選出 し 、 内閣 が これ を 尊重 して 十五 人 を 任命 する と いう 規定 だった 。 諮問 委員 が 自ら 候補 に なる など 、 批判 が 相次ぎ 廃止 さ れた 。 しかし 、 こんな 事態 を 避ける の は 難しく なかろう 。 さらに 、 公開 の 委員 会 審議 に すれば 、 どんな 人 が どんな 理由 で 候補 に 挙がった か が 国民 の 目 に さらさ れ 、 国民 審査 の 際 の 判断 材料 に も なる 。 こうした 制度 改革 が 必要な 時期 に きて いる と 思う 。 経団連 は 、 これ まで やめて いた 自民党 に 対する 企業 献金 の あっせん を 事実 上 、 復活 さ せる こと に なった 。 自民党 が 、 今月 十六 日 の 経団連 と の 懇談 会 で 、 都市 銀行 八 行 から 借り入れて いた 百億 円 の 返済 の ため 、 企業 献金 の あっせん を 要請 、 これ に 応じた もの である 。 席上 、 加藤 紘一 幹事 長 ら は 、 同 党 へ の 政治 献金 は ピーク 時 の 三 分 の 一 に 減り 、 台所 は 苦しい と 窮状 を 訴えた と いう 。 この 百億 円 は 、 宮沢 喜一 内閣 時代 の 自民党 が 一九九三 年 夏 の 総 選挙 資金 と して 借りて いた もの で 、 返済 期限 は 来月 が 五十億 円 、 来年 六 月 が 五十億 円 と なって いる 。 経団連 は 、 自民党 が この 百億 円 を 借りた 際 、 当時 の 平岩 外四 会長 が 「 責任 を もって 処理 する 」 と 債務 保証 を した 関係 も あり 、 今回 の 要請 受け入れ は 特例 措置 だ と いう 。 今後 五 年間 に わたって 年間 十億 ― 二十五億 円 ずつ 業界 団体 に 献金 を あっせん する 方針 だ 。 各 業界 団体 から は 従来 の 割り振り リスト に 基づいて 献金 を 集め 、 自民党 へ の 資金 パイプ である 国民 政治 協会 経由 で 同 党 に 回す 。 自民党 が 単独 政権 を 維持 して いた 時代 に は 、 経団連 は 「 資本 主義 を 守る 」 こと を 大義 名分 に 、 同 党 へ の 献金 あっせん を 続けて きた 。 しかし 、 東西 冷戦 の 終焉 、 自民党 単独 政権 の 崩壊 、 リクルート 、 東京 佐川 急便 、 ゼネコン 汚職 の 発覚 など が 続いた こと から 、 九三 年 九 月 、 企業 献金 の あっせ ん 廃止 を 表明 して いた 。 特に 保守 政党 が 自民党 、 旧 新生 党 など に 分裂 し 、 各 党 へ の 献金 の 割り振り が 難しく なった こと から 、 あっせん を 見送って きた と いう 経緯 も あった 。 にもかかわらず 、 今回 、 特例 と は いえ あっせん を 復活 さ せた こと は 、 カネ の かから ない 政治 を 目指す と いう 政治 改革 の 原点 から 外れて いる だけ で なく 、 時代 に 逆行 した 行為 だ 。 二 年 前 、 あっせ ん 廃止 を 打ち出した の は 政 財界 癒着 構造 を 清算 する と 考えた から で は なかった の か 。 経済 界 は 今 、 来 年度 予算 編成 を 目前 に して 法人 税 の 軽減 、 固定 資産 税 評価 額 の 抑制 、 地価 税 の 凍結 など を 求めて いる 。 そうした 時 に 企業 献金 の あっせん を 復活 さ せた こと に 、 うさん臭 さ を 感じ ない わけに は いか ない 。 事実 、 自民党 内 から は 、 財界 が 一 時 の ように 新進党 に なびく ようで は 法人 税 軽減 など は でき ない と の 声 も 出て いる が 、 こうした 意見 を 意識 した 打算 で は と 勘繰り たく も なる 。 都市 銀行 に 関して も 、 不良 債権 を 回収 する ため に 追い 貸し する ような もの だ と の 批判 が 出て いる 。 自民党 の 方 も 安易だ 。 本来 、 百億 円 は 自分 で 借りた もの であり 、 自ら 返済 す べき カネ で は ない の か 。 その 努力 も し ないで 、 企業 に 肩代わり さ せる 、 つまり ツケ 回し する と は どういう こと か 。 自民党 は 、 社会党 、 さきがけ と ともに 公的 助成 の 上限 枠 である 「 三 分 の 二 条項 」 の 撤廃 など を 盛り込んだ 政党 助成 法 改正 案 を 国会 に 提出 して いる 。 同 条項 は 、 もともと 自民党 が 主張 し 設定 さ れた もの で 、 私 たち は 上限 枠 撤廃 に ついて 「 あまりに も ご都合主義 だ 」 と 指摘 して きた 。 今回 の ツケ 回し は 、 それ 以上 に 強引な 手法 であり 、 献金 あっせん の 本格 的な 再開 に も つながり かね ない 。 自民党 に 再び 「 おごり 」 の 風潮 が 出始めた ので は ない だろう か 。 相手 先 を 明らかに し ない 支出 を 抱えた 企業 は 、 少なく ない 。 ゼネコン 汚職 の 摘発 を きっかけ に 、 一九九四 年 四 月 から 制裁 課税 が 導入 さ れた 。 「 使途 秘匿 金 」 制度 である 。 法人 税 に 加え 、 四〇 % を 追加 課税 する 。 これ まで 「 使途 不明 金 」 と 呼ば れて いた もの に 対する 課税 は 、 法人 税 だけ だった の に 比べれば 、 厳しい ペナルティー だ 。 政治 家 へ の ヤミ 献金 や わいろ 、 裏 リベート など の 「 不正 の 温床 」 に なり がちな カネ を 抑制 する の が 狙い である 。 「 不明朗な カネ は 、 経営 者 の モラル の 問題 であり 、 これ を 税制 で 正そう と いう の は 筋違いである 」 と の 批判 は あった 。 しかし 、 あまりに ひどい 現状 から みて 、 やむ を 得 ない 導入 だった のであろう 。 国税 庁 が この ほど 初めて 明らかに した 実態 に よる と 、 今年 六 月 まで の 一 年間 の 申告 で 、 使途 秘匿 金 は 二百八十八億 円 に 上って いた 。 「 日本 の 企業 に は 大きな 制裁 課税 を 受けて も なお 、 支払い 先 を 隠さ なければ なら ない あやしげな カネ が 、 こんなに ある の か 」 これ が 率直な 印象 であろう 。 経済 の 国際 化 が 進み 、 日本 企業 の 透明 度 の アップ が 、 一段 と 求め られて いる 時 だ 。 大和 銀行 の アメリカ に おける 不正 取引 事件 の 例 を 持ち出す まで も なく 、 海外 の 日本 企業 に 対する 目 は 厳しい 。 経理 の 不透明 さ は 、 企業 の 基盤 を 揺るがす こと に つながり かね ない 時代 を 迎えた こと を 、 経営 者 は 認識 して ほしい 。 「 自分 の 会社 の こと だ から 」 の 思い は 、 やがて 日本 企業 全体 の 国際 信用 に 悪 影響 与える こと に なる だろう 。 これ まで 国税 庁 が 発表 して きた 使途 不明 金 は 、 九四 年 六 月 まで の 三 年間 に 、 それぞれ 年間 五百五十八億 円 、 五百九十五億 円 、 五百三十億 円 であった 。 これ は 大手 企業 の 約 一五 % を 調べた 結果 である 。 全 企業 で は 、 さらに 大きく 膨らむ の は 確実だ 。 今回 の 使途 秘匿 金 の 二百八十八億 円 は 申告 した すべて の 会社 の 総計 である 。 これ を 比べる 限り で は 、 確かに 金額 は 大幅に 減少 して いる 。 しかし 、 「 抑止 効果 が あった 」 と 単純に 喜んで いい のだろう か 。 気 に なる の は 、 ゼネコン の 多く が 「 ゼロ 」 申告 と 伝え られて いる ことだ 。 従来 の 使途 不明 金 で は 、 七 割 前後 を 建設 会社 が 占めて いた 。 もちろん 、 事実 なら 歓迎 す べき こと だ 。 しかし 、 正直 言って 「 狐 に つままれた 」 思い が 消え ない 。 申告 を 受けて 調査 に 着手 した 国税 庁 に 、 二 つ の 注文 が ある 。 ひと つ は 、 使途 秘匿 金 の 支払い 先 を できる だけ 解明 して ほしい と いう ことだ 。 これ まで の 使途 不明 金 の 調査 でも 究明 できた の は 四 分 の 一 前後 であった こと を 考える と 、 企業 の 抵抗 は さらに 強まる だろう 。 しかし 、 そのまま に して おけば 、 秘匿 金 制度 は 汚れた カネ の 免罪 符 に なって しまう 。 二 つ 目 は 、 ゼネコン の 「 ゼロ 」 申告 の 裏付け を 求め たい 。 もし 、 経理 操作 で 「 ゼロ 」 に した と いう こと であれば 、 制度 が 逆 用 さ れた こと に なる から だ 。 制度 は 二 年間 の 時限 立法 に とどめて いる 。 国税 庁 の 調査 結果 が 、 継続 する か 、 やめる か の 唯一 の 判断 資料 と なる 。 それだけに 、 「 抑止 効果 」 の 実像 を 明らかに し なければ なら ない 。 「 年金 」 は 、 支給 額 も シェア も 急 上昇 。 「 医療 」 は 、 金額 の 急 上昇 と シェア 低下 が 同時 並行 で 進む 。 「 福祉 」 も 金額 は 急 成長 した が 、 シェア は むしろ 下がった 。 社会 保障 研究 所 が まとめた 一九九三 年度 の 社会 保障 給付 費 五十六兆八千億 円 と 過去 の 制度 別 内訳 を たどる と 、 そんな 変遷 が 浮かんで くる 。 「 年金 保険 」 は 、 七〇 年 の 約 四千七百億 円 から 九三 年 の 二十六兆六千億 円 へ 。 社会 保障 給付 の 全体 に 占める シェア も 一三・四 % から 四七 % に 拡大 した 。 制度 の 成熟 で 受給 者 は 増え 続ける 。 毎年 の 物価 上昇 を 支給 額 に 反映 さ せ 、 五 年 に 一 度 は 現役 の 収入 増 に 合わせ 支給 額 を 上積み する 。 額 と シェア の 急 成長 は 当然で は ある 。 「 医療 保険 」 は 同じ 期間 で 約 一兆八千億 円 から 二十一兆 円 に 膨らんだ が 、 シェア は 五〇・六 % から 三七 % に なった 。 国民 すべて が 各種の 健康 保険 に 入り 、 病院 や 診療 所 も 各地 に 整った 。 しかも 心身 の 弱る 高齢 者 が 増えて いく 。 シェア こそ 落ちた が 、 国民 医療 費 は 毎年 一兆 円 近く 増えて いる 。 高齢 者 や 障害 者 の ため の 一般 的な 「 社会 福祉 」 は 、 やはり 同じ 期間 で 千三百億 円 から 二兆一千億 円 に 増えた 。 ただし 、 シェア の 方 は 三・七 % から 三・八 % と 横ばい 。 「 生活 保護 」 や 「 家族 手当 」 も 福祉 分野 に 入る 。 生活 保護 は 二千七百億 円 から 一兆三千億 円 。 家族 手当 は 四十六億 円 から 五千億 円 。 三 項 目 の 福祉 費 総計 で シェア は 一一・六 % から 七・一 % に 落ちた 。 高齢 者 の “ 社会 的 入院 ” の ように 医療 に よる 福祉 の 肩代わり の 面 も ある が 、 福祉 の シェア が こんなに 少ない 先進 国 は 珍しい 。 わが国 の 社会 保障 給付 は 年金 5 、 医療 4 、 福祉 など 1 の 割合 だ 。 粗っぽい 計算 だ が 、 英国 で は 四 対 三 対 三 、 仏 や 旧 西独 は 五 対 二・五 対 二・五 、 スウェーデン は 四 対 二・五 対 三・五 。 社会 保障 制度 は 能力 に 応じて 払い 、 ニーズ に 応じて 受ける こと を 原則 に する 。 その 意味 で 、 年金 も 医療 も 国民 皆 保険 の 下 で まがりなりにも ニーズ に 応じ 受け られる 。 福祉 だけ が 障害 者 や 高齢 者 の ニーズ に 応え られ ない 現実 だ 。 福祉 施設 へ の 入所 に 代表 さ れる 「 措置 制度 」 は 、 行政 が 困窮 度 や 緊急 性 を 調べて 入所 の 是非 や 優先 度 を 決める 。 この 選別 の 過程 で 総 枠 規制 が 働く ので は ない か 。 行政 に よる 選別 は 「 福祉 の 世話に は なり たく ない 」 と いう 気持ち を もたらす ので は ない か 。 高齢 社会 は 福祉 予算 の 増額 を 迫る が 、 産業 振興 を 重視 する 旧来 の シェア 配分 を 崩せ ない 。 前 年度 に 比べ 一 割 増 と か 二 割 増 と 、 一喜一憂 する 中 で 、 いつ に なったら 抜本 的な 予算 の 組み替え が できる の か 。 いま 話題 の 「 介護 保険 」 は 、 公費 に 保険 方式 を 加え 介護 費用 を 集める 構想 である 。 一方 で 、 すべて 公費 で 賄う べきだ と の 論 も 根強い 。 だが 、 この 四 半 世紀 に わたる 福祉 費 の 歩み を 眺める 時 、 現在 の 二 倍 、 三 倍 の 公費 を 獲得 する の は 至難の 業 に なる 。 急テンポの 高齢 化 に は 、 とても 追い付け そうに ない 。 来年 の 春闘 で 賃上げ 要求 を どれほど に する か 。 日本 労働 組合 総 連合 会 は 、 先 の 中央 委員 会 で 一万三千 円 に 決めた 。 今年 より 千 円 低く 、 昨年 に 比べれば 六千 円 程度 低い 。 この 中央 委 で は 特に 異論 も 出 なかった が 、 一般 組合 員 から は 相当に 疑問 の 声 が 上がる ので は ない か 。 春闘 の 賃上げ 獲得 額 、 名目 賃上げ 率 は 毎年 下がって いる 。 労働 省 の 集計 で は 今春 の 大手 平均 で 八千三百七十六 円 しか 獲得 できて い ない 。 賃上げ 率 は 二・八三 % 。 前年 より 七百 円 余り 下がった 。 獲得 目標 を 切り下げた 結果 である 。 中小 の 獲得 額 は 六千 円 を 少し 上回る 程度 だ 。 一九九四 年 の 春闘 でも 三・一三 % の 賃上げ に 終わった 。 両 年 と も 春闘 史上 最低である 。 要求 が 低い と 、 それ に 比例 して 獲得 実績 も 下がる 傾向 が はっきり して いる 。 要求 が 低く と も 、 ギリギリ まで そこ に 近づく の なら いい 。 しかし 実際 は 要求 に 対する 獲得 実績 、 つまり 獲得 率 は 連合 の 集計 で ここ 三 年 、 五○ % 台 に 低迷 して いる 。 では 一万三千 円 の 根拠 は 、 どこ に ある のだろう か 。 連合 は 今 年度 賃上げ に よる 所定 内 賃金 の 改善 率 から 推計 し 、 平均 賃金ベース を 二十八万六千 円 と した 。 これ に 定期 昇給 二 % 弱 、 五千七百 円 と 物価 上昇 分 プラス 生活 向上 分 二・五 % 強 、 七千三百 円 を 加え 、 要求 額 と した 。 賃上げ 率 で は 定昇 込み 四・五四 % である 。 確かに 連合 中央 が 要求 目標 を 決めて も 、 実際 に 春闘 を 闘う の は 各 産業 別 組合 組織 である 。 だから 、 連合 の 方針 から 離れて 、 もっと 高い 要求 を 設定 する 産別 も なく は ない 。 逆に 金属 労協 の ように 、 輸出 志向 型 産業 の 労組 は 、 要求 を 一万二千 円 基準 と さらに 低く した 。 だが 、 連合 は 産別 が 集まって 構成 して いる のだ から 、 ほとんど は やはり 連合 の 要求 を 目標 と する 。 なぜ 来 春闘 も 千 円 下げ なければ なら ない の か 。 消費 者 物価 の 沈静 化 が その 理由 だ が 、 一般 の 組合 員 に は なかなか 胸 に ストン と 落ち ない ので は ない か 。 賃上げ どころ で は ない と いう 声 も 事実 、 大きい 。 雇用 の 維持 が 組合 運動 に とって 最大 の 課題 と み られる ように なって 久しい 。 しかし 、 年間 臨時 給 で 昨年 を 上回って 最近 妥結 した 電機 産業 を 例 に とる まで も ない 。 企業 の 状態 は まだら 模様 で は あって も 、 今春 より は わずかで も 改善 し つつ ある 、 と いう の が おおよそ の ところ で は ない か 。 芦田 甚之助 連合 会長 は 十 月 の 第 四 回 大会 で 再選 さ れた 際 、 賃上げ こそ 景気 回復 の 原動力 と 言い 、 同 中央 委 でも 改めて 強調 して いる 。 それ に して は 遠慮 が 過ぎる ので は ない か 。 もっと 高い 要求 を 掲げて 闘う べきで は ない の か 。 連合 は 第 四 回 大会 の 運動 方針 で 、 日本 の 現状 を 「 成熟 社会 」 と 表現 した 。 それ は 名目 的に は 世界 屈指 の 高 賃金 体系 に なった こと を 前提 に して いる 。 さらに 今後 は 過去 に あった ような 高度 成長 は 見込め ない と して 、 国 の 予算 配分 の 大胆な 変更 を 求め 、 総合 的な 生活 改善 を 目指して いる 。 その こと 自体 に は 一定 の 意味 が ある 。 けれども 賃上げ が 働く 側 に 少し でも 余裕 を 持た せ 、 消費 拡大 に 結び付く の も 厳然と した 事実 だろう 。 このうえ は 、 来 春闘 で 要求 と 獲得 実績 が 離れ 過ぎ ない ように 、 各 産別 は 全力 を 挙げ ねば なら ない 。 獲得 率 五○ % 台 で は 話 に なら ない 。 米 上院 銀行 委員 会 は 二十七 日 、 大和 銀行 の ニューヨーク 支店 と 米 信託 子会社 の 不正 取引 事件 で 公聴会 を 開いた 。 証言 に 立った グリーンスパン 米 連邦 準備 制度 理事会 議長 ら は 、 異口同音 に 大蔵 省 の 秘密 主義 に 厳しい 批判 の 矢 を 放った 。 十 月 の 先進 七 カ国 蔵 相 ・ 中央 銀行 総裁 会議 や 、 同月 の 米 下院 公聴会 でも 、 大和 銀 問題 が 指弾 さ れて いる 。 これ に 対して 、 武村 正義 蔵 相 や 西村 吉正 銀行 局長 は 「 日 米 の 文化 の 違い 」 と 、 二 カ月間 の 通報 遅れ を 弁解 した 。 だが 今回 、 グリーンスパン 議長 ら は 日本 側 の やり 方 を 、 改めて 「 大蔵 省 の 失策 」 と 非難 し 、 ダマト 委員 長 も 「 日本 は 秘密 主義 を やめ ねば なら ない 」 と 指摘 した 。 私 たち も 同感 である 。 いったい 、 村山 内閣 と 大蔵 省 ・ 日銀 、 金融 界 は 、 大和銀 の 不祥事 、 住宅 金融 専門 会社 を 筆頭 と する 四十兆 円 も の 不良 債権 に 代表 さ れる 、 金融 システム の 破たん と 、 内外 で の 信用 失墜 に ついて 、 どのような 抜本 的 対策 を 考え 、 失敗 の 責任 を 取る つもりな の か 。 大和銀 事件 発覚 後 、 大蔵 省 や 大和銀 は 対 米 説明 に 熱心だ 。 蔵 相 が 米 財務 長官 に 通報 遅延 を 電話 で 謝罪 し 、 財務 官 が NY 州 銀行 局 に 謝罪 の 手紙 を 送った と いう 。 だが 、 日本 の 国会 や 市場 関係 者 に 対して 、 一片 の おわび も ない の は どうした こと か 。 大和銀 、 および 合併 説 が 流れる 住友 銀行 も 、 中間 決算 発表 の 場 で の 合併 問題 に ついて の 情報 開示 も 不十分で 、 投資 家 は 戸惑う ばかりだ 。 私 たち は 武村 蔵 相 や 大蔵 省 ・ 日銀 幹部 に 、 一連の 金融 政策 の 失敗 と 不祥事 の 責任 を 問わ ねば なら ない 。 まず 、 日本 的な 護送 船団 方式 の 金融 行政 は 、 金融 取引 が グローバル 化 した 一九八〇 年 代 後半 に は 役割 を 終えた のに 、 政府 ・ 行政 当局 は これ に 代わる 金融 システム を 用意 して こ なかった 。 また 、 金融 界 に 自由 化 ・ 国際 化 を 求め ながら 、 十分な リスク 対策 や 、 危機 管理 体制 を 準備 し なかった 。 さらに 地価 ・ 株価 下落 で 金融 システム 危機 が 予見 さ れ ながら 、 問題 の 先 送り に 終始 した 。 いずれ も 、 内閣 や 金融 行政 当局 の 責任 だ 。 不思議な の は 、 こうした 問題 に 対して 国会 で 積極 的な 議論 が み られ ない こと だ 。 連立 与党 体制 に なり 、 官僚 制御 が 緩んだ と の 指摘 も ある 。 住専 問題 で は 、 大蔵 族 と 農林 族 の 醜い 主導 権 争い ばかり が 表面 化 して いる 。 この際 、 日本 でも 証券 不祥事 の 時 と 同様 、 金融 システム 問題 で 特別 委員 会 を 作り 、 徹底 的に 大蔵 省 ・ 日銀 、 金融 界 トップ の 責任 を 追及 す べきで は ない か 。 互いに 傷 を なめ 合う ような 「 内輪 の 処理 」 で は 、 失敗 を 繰り返す 恐れ が ある 。 現在 、 大蔵 省 は 省 内 で 「 大和銀 事件 の 対応 が まずかった 」 と 、 検討 委員 会 を 設置 し 、 年 内 に 改善 策 を まとめる と いう 。 だが 、 仲間内 の 話し合い で は 、 どれほど 行政 の 透明 性 が 高まる か 疑問 だ 。 現在 、 大蔵 省 解体 論 や 、 改組 して 金融 庁 を 作る 、 あるいは 日銀 法 を 改正 して 独立 性 を 強めた 日銀 に 金融 政策 を 任せる など の 構想 が ある 。 大蔵 省 は 「 組織 いじり は 無意味 」 と 反発 する 前 に 、 謙虚に 内外 の 批判 を 受け止める べきだ 。 問わ れて いる の は 、 その 密室 性 であり 、 官尊民卑 、 唯我独尊 的な 態度 である 。 大蔵 省 は 公僕 である こと を 思い出し 、 政府 は 行政 改革 を 視野 に 入れた 金融 の 抜本 的な 再 建策 を 打ち出す べきだ 。 旧 東京 協和 、 旧 安全 両 信用 組合 の 乱脈 融資 事件 に 絡んで 、 東京 地検 特捜部 は 二十八 日 、 山口 敏夫 元 労 相 の 議員 会館 や 自宅 など 数 カ所 を 家宅 捜索 した 。 元 労 相 自身 に 対する 背任 ・ 業務 上 横領 容疑 である 。 事件 は 政界 へ 波及 した 。 金融 機関 の 巨額な 不良 債権 問題 など に 対して 有効な 手 も 打て ず 、 政治 の 機能 不全 が 言わ れて いる 中 で の 、 この 事態 である 。 国民 の 政治 家 不信 は いっそう 高まろう 。 半面 、 自浄 作用 が 健全に 機能 して いる こと を 再 確認 する 機会 で も ある 。 徹底 した 捜査 、 解明 を 期待 し たい 。 先に 逮捕 さ れた 実姉 や 実弟 、 元 秘書 ら の 起訴 に 合わせた 捜索 であり 、 起訴 事実 を 中心 に 元 労 相 の 関与 の 疑い を 調べる ため の 捜索 と み られる 。 実姉 ら は ほとんど 無 担保 状態 で 安全 信 組 から 八億 円 余 の 融資 を 受けて いた ほか 、 元 労 相 が 理事 を 務めた 二 つ の 財団 法人 の 基本 財産 や 土地 を 担保 に 流用 した と いう の が 起訴 事実 である 。 この ほか 、 東京 協和 から の 十九億 円 の 融資 に ついて も 背任 容疑 が 持た れて いる 。 米国 内 で の 国際 大学 設立 構想 に 関して も 私大 から の 預託 金 を 親族 企業 の 借金 返済 に 勝手に 流用 して いた 、 と いう 詐欺 の 疑い も 浮上 して いる 。 もし 、 元 閣僚 が 詐欺 容疑 で 説明 を 求め られる と すれば 、 消し 難い 汚点 に なる であろう 。 背任 容疑 が 持た れて いる 両 信 組 から の 計 二十七億 円 は 追加 融資 であって 、 昨年 後半 の こと である 。 この 時点 で 親族 企業 に は 既に 四十億 円 余 の 融資 残 が あり 、 不良 債権 化 して いた と いう 。 しかも 両 信 組 は 一千億 円 余 の 不良 債権 を 抱え 、 経営 は 行き詰まって いた 。 乱脈 経営 で ひん死 状態 の 信 組 を 食い物 に した と いう 常軌 を 逸した 構図 と いう こと に なろう 。 元 労 相 は かねて 「 政経 分離 」 を 口 に し 、 不正 融資 へ の 関与 を 否定 して きた 。 しかし 、 それ が 説得 力 を 持つ と は 、 とても 思え ない 。 東京 協和 の 元 理事 長 と 懇意だった と 自認 して いる 。 この 元 理事 長 は 取り調べ に 対して 、 元 労 相 と の 事前 の 話し合い に よって 追加 融資 に 踏み切った と 供述 して いる と も 伝え られる 。 事実 と すれば 不正 融資 の 核心 に いた こと に なる 。 さらに 融資 の 舞台 に なった 親族 企業 の 多く に ついて 「 元 労 相 が 事実 上 の オーナー だった 」 と いう 人 も いる 。 刑事 責任 の 有無 は 別に して 、 何らか の 関与 は 否定 し 難い と 言わ ざる を 得 ない 。 捜索 の 段階 であって 、 いまだ 起訴 さ れて いる わけで も ない 。 それ でも 、 これ を 機 に 議員 を 辞職 する の が 筋 であろう 。 政治 は 国 の 進路 を 正し 、 国民 生活 の 安全 と 平和 を 守る 責務 を 持つ 。 国民 の 信託 を 受けて 、 その 政治 に 携わる 国会 議員 は 大きな 責任 を 負って いる 。 国会 の 会期 中 は 逮捕 さ れ ない と いう 不 逮捕 特権 、 議院 で の 行為 に ついて 責任 を 問わ れ ない と いう 免責 特権 が ある の は 、 そうした 議員 活動 の ため であり 、 一方 で 高い 倫理 を 求め られて いる 。 刑事 責任 以前 の 問題 と して 、 元 労 相 は 議員 と して すでに 国民 を 深く 裏切って いる 。 かつて 「 政治 家 に 徳目 を 求める の は 、 八百屋 で 魚 を くれ と いう に 等しい 」 と 公言 し 、 物議 を 醸した 元 法 相 が いた 。 国民 を ないがしろに した 、 受け入れ 難い 開き直り であり 、 山口 元 労 相 に は ぜひとも 議員 に ふさわしい 「 徳目 」 を 求め たい 。 政府 は 、 日本 の 防衛 力 整備 の 指針 と なる 新しい 「 防衛 計画 の 大綱 」 を 決定 した 。 一九七六 年 十 月 、 三木 内閣 時代 に 作ら れた 旧 大綱 は 、 旧 ソ連 を 潜在 的 脅威 と 位置付け 、 西側 陣営 に よる 対 ソ 包囲 網 の 一翼 を 担った もの だった 。 しかし 東西 冷戦 の 終結 、 ソ連 の 崩壊 、 さらに は ロシア の 脅威 の 大幅 低下 など 、 周辺 情勢 は 大きく 変化 した 。 私 たち は 、 冷戦 型 思考 から 脱却 し 、 軍縮 を 志向 した 多角 的な 安全 保障 ・ 防衛 構想 を 策定 す べきだ 、 その ため に も 大綱 の 見直し を 急げ と 主張 して きた 。 旧 大綱 から 十九 年 ぶり 、 冷戦 の 終結 から 五 年 余り たって 、 やっと 大綱 の 見直し が 実現 した わけだ 。 その こと 自体 は 一 歩 前進 で は ある が 、 ただ 、 もっと 早く 策定 して も よかった ので は ない だろう か 。 新 大綱 の 性格 を 一口 で 言えば 、 米国 の 「 東 アジア 戦略 報告 」 を 基調 に し ながら 、 日 米 安保 条約 の 「 再 定義 」 の 内容 を 先取り した もの だ 。 それ は 日 米 安保 体制 を 「 日本 の 安全 確保 に とって 必要不可欠であり 、 アジア ・ 太平洋 地域 の 安定 確保 に も 重要な 役割 を 果たして いる 」 と 評価 した うえ で 、 その 信頼 性 向上 の ため の 日 米 協力 を 強調 した こと から も 明らかだ 。 新 大綱 を 詳細に 見た 場合 、 問題 点 も 少なく ない 。 第 一 は 、 日 米 安保 体制 の 重要 性 を 強調 する あまり 、 アジア ・ 太平洋 地域 の 平和 と 安定 に 対し 日本 と して 、 どういう 独自の 役割 を 果たして いく の か 、 その 明確な ビジョン や 戦略 が 見え ない と いう ことだ 。 確かに 、 新 大綱 に は 国連 平和 維持 活動 へ の 協力 など と ともに 、 「 より 安定 した 安全 保障 環境 の 構築 へ の 貢献 」 と いう 項目 が 新しく 加え られて は いる 。 しかし 、 では 具体 的に 何 を やる つもりな の か は 「 安保 対話 ・ 防衛 交流 を 引き続き 推進 し 、 わが国 の 周辺 諸国 と の 信頼 関係 の 増進 を 図る 」 と 、 そっけなく 記述 して いる だけ だ 。 地域 安保 システム と それ へ の 貢献 に ついて 、 もっと 体系 的に 取り組む 姿勢 を 打ち出す べきで は なかった か 。 第 二 は 、 軍縮 へ の 方向 性 が 不 明確な 点 だ 。 新 大綱 は 防衛 力 に ついて 「 合理 化 ・ 効率 化 ・ コンパクト 化 を 進める 」 と し 、 陸上 自衛 隊員 の 規模 を 二万 人 減らす 一方 、 艦船 や 航空 機 など も 一 、 二 割 ずつ 減らした 。 数字 の 上 で は 軍縮 が 進んだ ように 見える 。 しかし 実態 は 、 実際 の 充足 数 に 近付けたり 、 旧式の 装備 を 整理 したり する だけ と の 厳しい 見方 さえ ある 。 それどころか 「 機能 の 充実 と 質的な 向上 を 図る 」 と して 、 高価な 戦闘 機 や 空中 給油 機 、 長 距離 輸送 機 の 新規 導入 、 偵察 衛星 の 利用 など も 検討 さ れて いる と いう 。 これ で は 防衛 費 は 削減 さ れる どころ か 、 ますます 増加 して いく ので は ない か 。 第 三 は 、 武器 輸出 三 原則 の 取り扱い だ 。 連立 与党 の 調整 作業 の 最終 場面 で 、 三 原則 を 本文 に 盛り込む べきだ と する 社会党 と 、 武器 部品 など の 対 米 輸出 が できる よう 弾力 的な 運用 を と いう 防衛 産業 界 の 要望 を 受け 、 その 必要 性 は ない と する 自民党 が 対立 した 。 結局 は 官房 長官 談話 の 中 で 「 基本 理念 を 維持 する 」 と 言及 する と いう 、 あいまいな 形 で 決着 した 。 しかし 武器 輸出 三 原則 は 、 非核 三 原則 と 並び 日本 の 外交 ・ 安全 保障 政策 の 根幹 を なす もの だ 。 それ を 安易に 空洞 化 さ せて いい もの で は ない 。 首相 の 諮問 機関 である 「 経済 審議 会 」 が 二十九 日 、 「 構造 改革 の ため の 経済 社会 計画 ― 活力 ある 経済 ・ 安心 できる くらし ― 」 と 題する 新 計画 を 村山 内閣 に 答申 した 。 閣議 決定 後 、 戦後 十三 本 目 の 経済 計画 と なる 。 新 計画 は 村山 富市 首相 の 強い 指示 に より 、 ほぼ 一 年 がかり で 策定 さ れた が 、 その 作業 は 苦難 の 連続 だった ようだ 。 最大 の 問題 点 は この 一 年間 、 デフレ 傾向 が 強まる 一方 で 、 本格 的な 景気 回復 の 兆し が 見え ない こと だ 。 首相 が 、 宮沢 内閣 時代 に 作ら れた 現行 の 「 生活 大国 五 カ年 計画 」 に 代わる 新 計画 を 諮問 した の は 、 三 % 成長 と いう 前提 に 無理 が ある 、 と の 認識 から だった 。 現に 過去 三 年間 、 日本 経済 は ほとんど ゼロ成長 を 続けて おり 、 この 認識 自体 は 正しい 。 本来 なら 、 いくら 厳しく と も 現実 を 直視 し 、 合理 的な 計画 に す べきであった 。 それでは 、 明るい 展望 を 描き にくい 。 そんな ジレンマ から 、 この 六 月 に は 骨格 と なる 数字 を 入れ ない 「 中間 報告 」 を 発表 した 。 この とき 、 私 たち は 「 数字 の ない 計画 は 意味 が ない 」 と 指摘 、 数字 を 早急に 詰める 必要 性 を 強調 した 。 最終 答申 に は 「 計画 期間 中 の 経済 の 姿 」 が 、 ともかく 数字 で 示さ れて は いる 。 その 数字 は 二 種類 あり 、 一 つ は 「 構造 改革 が 進展 した 場合 」 の 数字 で 、 もう 一 つ は 「 現状 の まま 放置 した 場合 」 の 数字 と して いる 。 事務 局 の 経済 企画 庁 で は 「 警鐘 を 鳴らす 意味 を 込めて 、 構造 改革 を 放置 した 場合 の 姿 を 示した 」 と 説明 して いる 。 一 つ の 考え 方 かも しれ ない 。 しかし 、 いく つ か の 疑問 が 残る 。 第 一 は 計画 期間 が 一九九六 年度 の スタート に なって いる ことだ 。 なぜ 、 今 年度 が 抜けて いる の か 。 経企 庁 で は 「 年度 後半 に 入って いる から 」 と して いる が 、 とても それ だけ の 理由 から と は 思え ない 。 現在 の 景気 は 、 政府 自ら 「 弱含み 」 と 認めて いる ように 低迷 状態 で 、 実質 成長 率 も 一 % に 届か ない と 予測 さ れて いる 。 ここ から スタート すれば 、 三 % へ 引き上げる 手段 が 問題 と なり 、 現在 編成 作業 中 の 来 年度 予算 を やり 直す 必要 が 生じる 。 当然 、 財政 需要 が 膨れ上がり 、 国債 の 大 増発 が 不可欠 と なる 。 財政 当局 が 断固 拒否 し 、 スタート 年次 を 来 年度 に した の が 真相 と 見 られる 。 第 二 は 膨大な 費用 が かかる 社会 保障 政策 に 関して 、 財源 対策 に ほとんど 言及 して い ない こと である 。 例えば 、 介護 保険 を 実施 する に は 年間 四兆 円 かかる と さ れ 、 だれ が 、 どう 負担 する か が 大 問題 に なって いる 。 新 計画 は これ に 触れ ず 、 社会 保障 に 対する 不安 解消 は 「 自助 、 共助 、 公 助 の 適切な 組み合わせ に よって 行う 」 と の 表現 で 済まして いる 。 第 三 は 行政 改革 や 財政 改革 に ついて 「 行政 改革 委員 会 の 意見 を 尊重 し 、 その 改革 を 進めて いく 」 と 述べる に とどまって いる ことだ 。 行政 改革 を 「 内閣 の 最 重要 課題 」 と 強調 して いた 村山 内閣 の 経済 計画 が これ で いい の か 。 すべて の 改革 は 内閣 が 総力 を 挙げて 取り組む 姿勢 を 示さ ない 限り 進展 する はず が ない 。 このような 疑問 を せんじ詰めれば 、 各 省庁 の 権益 に 切り込ま ず に 、 明る さ を 印象づけよう と した スタンス に 問題 が ある と いえよう 。 「 物 の 値段 を 決める の は 難しい 。 最後 は 、 その辺 に 転がって る 植木鉢 の 値 まで 考え なきゃ なら ない 」 故 椎名 悦三郎 ・ 元 自民党 副 総裁 が 、 そんなふうに 戦中 と 敗戦 後 の 統制 経済 を 振り返った こと が ある 。 医療 の 世界 で は 、 いま も 診療 行為 や 医薬 品 に 公定 価格 を 定める 。 なぜ 公定 か 。 結論 から いえば 「 国民 皆 保険 」 の 下 に ある から だ 。 例えば 医療 機関 が 一 錠 千 円 の 薬 を 仕入れ 、 幾ら で 投与 して も よければ 千三百 円 、 千五百 円 と 高値 に なる 可能 性 が 高い 。 患者 は 一 割 と か 三 割 を 自己 負担 する が 、 大半 は 保険 制度 に 支払い を 求める 。 患者 の 懐 は あまり 痛ま ない 。 医療 機関 に よって 同じ 薬 な のに 値段 が 異なり 、 値段 の 変化 も 激しく 、 保険 側 は 頭 を 抱える こと に なる 。 そこ で 二 年 ごと に 「 薬価 基準 」 を 決める が 、 公定 千 円 の 薬 でも 実勢 価格 は ばらつく 。 何千 錠 も 仕入れる 大 病院 は 値引き を 求め 、 少量 を 買う 開業 医 も 「 保存 や 備蓄 に 経費 が かかる 」 と 迫る 。 この 銘柄 ごと の 取引 価格 を 加重 平均 で 割り出し 、 それ を 基 に 新しい 薬価 を 決める 。 ただし 、 大量 購入 や 保存 経費 を 考慮 して 加重 平均 価 に 、 その 薬 の 改定 前 の 薬価 の 一定 率 を 上乗せ する 。 この 薬価 基準 と 仕入れ 値 と の 差 が 医療 機関 側 の 「 差益 」 に なる 。 上乗せ の 一定 率 は 一五 % から 始めて 改定 ごと に 引き下げ 、 現在 は 一三 % 、 来春 に は 一一 % まで 圧縮 する 。 薬価 差益 は 次第に 減る が 、 加重 平均 方式 で は 値引き する ほど 次の 改定 時 に 響いて 値 は 下がる 。 製薬 会社 や 卸売り は 必死で 値崩れ を 防ぐ 。 医療 機関 側 が 「 高値 安定 で 製薬 側 の 独り勝ち 」 と 嘆く 事態 に なった 。 国民 医療 費 は 毎年 の ように 一兆 円 近く 増えて 今 年度 推計 で 二十六兆七千億 円 。 うち 薬剤 費 が 三 割 を 占める 。 欧 米 の 薬剤 比率 二 割 以下 に 比べて 薬漬け の 傾向 は 否定 でき ない 。 中央 社会 保険 医療 協議 会 が 最近 、 厚 相 に 建議 した 新 ルール は 、 新薬 の 評価 を きめ細かく した うえ 、 ピカピカ 光る 「 ピカ新 」 の 値段 は 通常 より 最高 六〇 % 加算 する 。 その代わり 、 ゾロゾロ 出て くる 「 ゾロ新 」 や 先発 と 同じ ような 「 コピー 品 」 の 値段 は 厳しく 抑える 。 爆発 的に 売れたり 、 開発 時 の 目的 と は 別の 治療 に も 使わ れ 予想 以上 に 売れる 薬 も 価格 を 下げる 。 もう 一 つ 「 長期 収載 医薬 品 」 の 問題 が ある 。 長期 に 使わ れ 成分 や 効能 は 同じ 薬 でも メーカー ごと の 銘柄 で 値段 を つける 。 有名 ブランド ほど 値 は 高い が 、 医療 機関 は 高い 方 が 差益 は 多く なる ので ブランド 物 を 使う 。 十 年 ぐらい 経過 すれば 銘柄 別 で は なく 同じ 薬品 名 で 値段 も そろえる 方式 を 採用 でき ない か 。 この 懸案 は 二 年 後 へ 先 送り さ れた 。 製薬 業界 に とって は 厳しい 新 ルール である 。 銘柄 自体 を 否定 さ れる 激変 を 阻止 する ため に 「 ゾロ 新 」 や 「 コピー 品 」 の 価格 切り下げ を のま ざる を 得 なかった 構図 と いえる 。 欧 米 に 比べ 企業 数 も 多い 製薬 業界 は サバイバル の 時代 に 入る ので は ない か 。 ちょうど 新薬 承認 基準 の 統一 化 を 目指す 「 日 米 欧 ・ 医薬 品 規制 ハーモナイゼーション 国際 会議 」 が 横浜 市 で 開催 中 である 。 生き残れる の は 、 薬剤 費 抑制 の 流れ から も 、 国際 競争 面 でも 、 研究 ・ 開発 に 力 を 注ぐ 企業 に しぼら れて いく だろう 。 大阪 府 など で 、 日本 に は い ない はずの 毒グモ 「 セアカゴケグモ 」 が ゾロゾロ と 見つかり 、 住民 を 不安がら せて いる 。 花壇 の ブロック や 墓石 の すき間 、 排水溝 など に 巣 を つくって 生息 して いた 。 これ まで の 個体 確認 数 は 二千 匹 近い 。 生息 範囲 も 関西 国際 空港 を 含む 大阪 府 南部 の 臨海 地域 と 三重 県 に 及び 、 さらに 広がる 気配 を 見せて いる 。 この 毒グモ は 、 体長 四 ― 一〇ミリ 。 黒い 背 に 赤い 帯 が ある の が 特徴 だ 。 熱帯 から 亜熱帯 に かけ 生息 し 、 国 内 で は 沖縄 ・ 八重山 諸島 で 見つかった 記録 が ある だけ である 。 数 年 前 に 船 の 積み荷 など に 紛れて 上陸 し 、 繁殖 して いた らしい 。 この ところ の 暖冬 が 繁殖 を 助けた 、 と 専門 家 は みて いる 。 この 騒動 、 九 月 中旬 に 大阪 湾 に 面する 高石 市 の 住民 が 見慣れ ない クモ 一 匹 を 採取 し 、 大阪 市立 自然史 博物館 に 持ち込んだ の が 始まり だ 。 日本 蜘蛛 学会 会長 の 西川 喜朗 ・ 追手門学院 大 教授 の 鑑定 で 、 強い 毒性 を 持つ セアカゴケグモ と 分かった 。 人 が かま れる 被害 は 、 今 の ところ 出て い ない 。 だが 、 外国 で は 死亡 例 も 報告 さ れて いる から 厄介だ 。 関係 自治 体 は 、 生息 範囲 が どこ まで 及ぶ の か の 調査 を 急ぎ 、 駆除 など 被害 防止 に 万全 を 期して ほしい 。 厚生 省 は 大阪 の 毒グモ 情報 を 都道府県 に 流し 、 警戒 を 呼びかけた 。 とりわけ 、 南方 から の 積み荷 が 入る 港 を 抱える 自治 体 は 自主 点検 を 怠って は なる まい 。 大阪 府 は 、 急きょ 抗毒 血清 を 取り寄せたり 、 クモ の 発見 場所 に 注意 呼びかけ の ビラ を 張ったり と 対策 に 追わ れて いる 。 しかし 、 いたずらに 騒ぎ立てて 地域 の 不安 を 増幅 さ せる こと は 厳に 慎ま なければ なら ない 。 専門 家 の 話 で は 、 この クモ は 攻撃 性 が なく 、 素手 で 触ら ない 限り 、 かま れる こと は ない 。 かま れた 場合 でも 適切な 応急 処置 を して 病院 に 行けば 大事に は 至らない そうだ 。 冷静な 対応 こそ 望ま れよう 。 ただ 、 物音 に 驚か さ れる と 脚 を 縮めて 死んだ ふり を する こと が ある ので 、 油断 は 禁物 と いう 。 要は 、 正しい 知識 と 予防 法 、 応急 処置 法 の 周知 こそ 大切だ 。 特に 子供 に は しっかり 教えて ほしい 。 毒グモ 騒動 は また 、 有害 生物 を 上陸 さ せ ない ため の 水際 作戦 を 見直す 必要 性 を 痛感 さ せた 。 毒グモ は 現行 の 検疫 制度 の 網 から はみ出た 存在 だ 。 輸入 時 の 検疫 対象 は 、 家畜 と 農産物 に 害 を 及ぼす もの に 限ら れて いる 。 人体 を 害する 毒グモ など 小 生物 は 対象 外 な のだ 。 厚生 省 は 今回 の 上陸 ルート の 特定に 努める 一方 、 農水 省 など と も 連携 して 検疫 対象 を 拡大 する 方向 で 検討 して は どう だろう 。 国際 化 の 進展 に 伴い 、 外国 と の 間 で 人 と 物 の 流れ が 今後 ますます 活発に なる 。 有害 動植物 の 上陸 の 危険 性 も 高まる 一方 である 。 防止 対策 の 手 を 抜いて は なら ない 。 今回 の 毒グモ に 関して は 、 生息 範囲 の 広がり から みて 、 既に 帰化 生物 に なって いる 恐れ が ある と の 見方 も 出て いる 。 外国 から 持ち込ま れて 猛威 を 振るった 動植物 の 例 は 少なく ない 。 樹木 に 被害 を 与えた アメリカシロヒトリ や アレルギー を もたらす セイタカアワダチソウ など が そう だ 。 毒グモ が こんな 存在 に なったら 由々しき こと である 。 「 初冬 の 毒グモ 騒動 」 で 落着 する よう 祈ろう 。 夏 の 参院 選 で 、 当選 時 の 平均 年齢 は 一挙に 三 歳 も 若返り 、 衆院 議員 の 平均 年齢 に 近づく 五十五・五 歳 と なった 。 まさか その せい で は なかろう が 、 「 良識 の 府 」 も 今や 「 乱闘 の 府 」 と 称した 方 が お 似合い の ようだ 。 何しろ 乱闘 に 備えて 先 の とがった ハイヒール を これ見よがしに 見せる 女性 議員 や 、 屈強な プロレス 出身 議員 が 拍手 で 迎え られる のだ から 。 参院 は 創価学会 の 池田 大作 名誉 会長 の 参考人 招致 を めぐって 緊迫 して いた が 、 一 日 未明 に 与野党 の 合意 が 成立 、 池田 氏 招致 を 先 送り する 代わり に 、 四 日 に 秋谷 栄之助 創価学会 会長 ら を 参考人 と して 呼ぶ こと に なった 。 これ に 伴い 、 宗教 法人 法 改正 案 は 八 日 に 成立 する 運び である 。 しかし 、 ここ に 到達 する まで の 醜態 は 何とも 後味 の 悪い もの だった 。 参院 議員 諸氏 に は 、 まず この こと を 猛省 して おいて もらい たい 。 そもそも 今回 の 宗教 法人 法 の 改正 問題 は 、 オウム 真理 教 事件 が 契機 と なって おり 、 信教 の 自由 と 宗教 団体 の 社会 的 責任 の 調和 を 図り つつ 、 宗教 法人 の 透明 性 を 高める こと に あった 。 憲法 に も 触れる 微妙な 問題 を 抱えて いる だけ に 、 衆院 段階 でも 慎重な 審議 が 必要だった のである 。 にもかかわらず 、 衆院 で は 「 早く やり過ごそう 」 と いう 奇妙な 暗黙 の 合意 が 与野党 間 で 成立 し 、 参院 で は ついに それぞれ の 本性 が むき出しに なった ので は ない だろう か 。 この 「 本性 」 と は 、 かいつまんで 言えば 次 の ような こと であろう 。 与党 、 と いう より 自民党 は 、 参院 選 の 敗北 は 旧 公明党 ・ 創価学会 に して やられた から だ 、 と 思い込んで いる 。 創価学会 を 金縛り に し たい の は やまやま だ が 、 自民党 自体 も 各種 宗教 団体 から の 支援 を 受けて いる 。 そこ で 池田 氏 招致 問題 一 本 に 絞れば 、 新進党 が 創価学会 党 である こと を あぶり出し に 出来る ので は ない か 。 一方 の 新進党 は まさに この 裏返し である 。 創価学会 の 集 票 力 は 次期 総 選挙 後 に 政権 に 復帰 する ため に 不可欠だ 。 もし 池田 氏 の 参考人 招致 を 阻止 でき なければ 、 新進党 と 創価学会 の 支持 ・ 協力 関係 に も ヒビ が 入って しまう 。 これ だけ は 何と して も 譲れ ぬ 一線 だった ―― 。 宗教 法人 が 隆盛 を 極め 、 大きな 社会 的 存在 に なって いる 時代 である 。 その 最高 指導 者 が 何 を 考えて いる の か 、 あるいは 政治 に どう 向き合って いる の か を 率直に 聞く の は 有益であろう し 、 歓迎 し たい 。 だが 、 その ため に は 与野党 の 目先 の 思惑 を 排し 、 静かに 落ち着いて 話 が 聞ける 環境 が 必要である 。 今回 の 池田 氏 招致 問題 は 、 そんな 環境 と は ほど遠かった の が 実情 で は ない か 。 参考人 招致 は 全会 一致 が 原則 だった 。 政略 で 参考人 招致 が 行わ れ ない ように 長年 に わたって 積み重ね られた 良識 であり 、 これ が 何とか 守ら れた こと は 評価 する が 、 一連の てんまつ で 明らかに なった の は 、 与野党 双方 の なりふり 構わ ぬ エゴ だ 。 その あおり で 宗教 法人 を どう 透明 化 して いく か の 議論 は 深め られ ない まま で 、 また 一 つ 、 政治 不信 を 増幅 した だけ で は ない か 。 村山 富市 首相 も 与党 も 、 宗教 法人 法 の 再 改正 の 可能 性 に すでに 言及 して いる が 、 では 今回 の 改正 は 何 だった の か 、 と なり かね ない 。 宗教 に 支配 さ れる 政治 であって は なら ない 。 と同時に 政治 が 宗教 を もてあそぶ の も 問題 である 。 エイズ の まん延 防止 と 患者 ・ 感染 者 へ の 偏見 、 差別 を 解消 しよう と 十二 月 一 日 は 世界 エイズ デー と 定め られて いる 。 世界 各地 で 今年 も 種々の 啓発 活動 が 展開 さ れた が 、 エイズ 感染 者 は じわじわ と 増え 続け 、 二〇〇〇 年 に は 四千万 人 に 達し そうだ 。 特に 東南 アジア が 深刻な 状態 に なって いる 。 大 流行 は して い ない 日本 も 安心 は でき ない 。 九 、 十 月 に 報告 さ れた 日本 人 の エイズ 患者 ・ 感染 者 は 六十 人 と 過去 最高 を 記録 した 。 若い 世代 に エイズ が 広がる 傾向 も 出て きた 。 それなのに 国民 の エイズ に 対する 関心 は 急速に 低下 し つつ ある 。 専門 家 は 「 エイズ を 過去 の もの と 考えて いる のだろう か 」 と 嘆く 。 エイズ ストップ 作戦 本部 を 置く 厚生 省 も 深刻に 受け止め 、 啓発 キャンペーン に 力 を 入れて いる が 、 意気 が 上がら ない 。 国民 の 厚生 省 を 見る 目 も 冷ややかに なって きた ようだ 。 血友病 患者 の 四 割 の 約 二千 人 が 米国 から 輸入 した 非 加熱 血液 製剤 に よって エイズ ・ ウイルス に 感染 した 薬害 エイズ で 、 厚生 省 の 責任 が クローズアップ さ れた こと と 関係 する 。 血友病 以外 で 非 加熱 製剤 を 投与 さ れた 患者 に エイズ 感染 者 が 出て いる こと も 明らかに なった 。 薬害 エイズ の 被害 者 ら が 国 と 製薬 会社 五 社 を 相手取って 東京 、 大阪 地裁 に 起こした 損害 賠償 請求 訴訟 で 、 両 地裁 は 十 月 に 被告 が 被害 者 に 和解 金 と して 一律 四千五百万 円 を 支給 する こと など を 内容 と した 和解 を 勧告 し 、 同時に 薬害 エイズ の 国 の 責任 を 明確に 指摘 した 。 両 地裁 で 和解 協議 が 始まり 、 東京 HIV 訴訟 の 原告 ・ 弁護 団 は 和解 案 の 対案 と して 被告 の 重大な 過失 で 被害 が 発生 した 点 を 和解 条項 に 明記 する こと や 、 和解 金 を 一 人 六千万 円 以上 と する こと など を 求めた 。 被告 の 国 は 和解 に 前向きな 姿勢 を 示して いる もの の 、 薬害 エイズ の 法的 責任 は 認め ず 、 森井 忠良 厚 相 は 「 厚生 省 も 当時 は 最大 限 の 努力 を した 」 と 述べて 原告 側 の 反発 を 招いた 。 被告 企業 の 一部 は 「 四千五百万 円 は 高 すぎる 」 と 言う 。 和解 が 成立 する か どう か は 予断 を 許さ ない 。 和解 協議 で は 両者 の 駆け引き が 続く こと は 当然 と して も 、 薬害 エイズ で の 被告 側 の 責任 は 明白であり 、 被害 者 が 五 日 に 一 人 の 割合 で 亡くなる と いう 悲惨な 状況 を 考えれば 一 日 も 早く 和解 を 成立 さ せ なければ なら ない 。 国 は 被害 者 に 心から 謝罪 し 、 法的 責任 を 明らかに する と ともに 、 製薬 会社 に 対して も 早期 和解 に 応じる よう 説得 す べきである 。 エイズ へ の 偏見 、 差別 は 依然と して 根強く 、 感染 者 の 三 割 が 診療 拒否 を 経験 して いる と いう 。 世間 の 目 を 恐れて 訴訟 に 踏み切れ ない 被害 者 も 多い 。 HIV 訴訟 の 原告 側 は 血友病 患者 に 被害 が 発生 した 後 、 被告 が 対応 を 誤った ため 社会 に 偏見 や 差別 が 生まれた と 糾弾 して いる 。 厚生 省 は 誠意 を もって 和解 協議 を 急ぎ 、 エイズ 治療 体制 の 確立 、 被害 者 や 家族 の 生活 支援 など の 恒久 対策 に 全力 を 挙げて ほしい 。 それ が うまく いけば 、 性 交渉 など に よる 他 の 二千 人 以上 の エイズ 感染 者 ・ 患者 の 救済 に 結び付き 、 肝心の エイズ 予防 に も 弾み が つく だろう 。 国民 の 健康 を 守る はずの 厚生 省 が 薬害 エイズ で 多数 の 被害 者 を 出した 責任 を うやむやに する 限り 、 声高に エイズ ストップ を 唱えて も 効果 が 薄い こと を 知る べきだろう 。 日本 電信 電話 会社 の 分離 分割 問題 が 大詰め を 迎えた 。 一九八二 年 に 第 二 次 臨時 行政 調査 会 が 分割 民営 化 を 答申 して 以来 、 これ まで NTT の 民営 化 や 長 距離 電話 へ の 新規 参入 、 移動 体 部門 の 分離 は 実現 した が 、 長 距離 ・ 地域 通信 網 の 分離 分割 は 先 送り さ れた 。 現在 、 郵政 省 と NTT の 論争 は 泥仕合 気味であり 、 より 建設 的な 論議 が 望ま れる 。 その 際 の 出発 点 は 、 マルチメディア 時代 に 、 日本 が 国際 競争 力 を 維持 強化 する に は どう す べき か 、 内外 の 利用 者 に とって 最大 利益 を もたらす 通信 システム の 在り 方 は 何 か を 考える こと であろう 。 それ は 、 郵政 省 が 唱える ような 「 初め に 分離 分割 あり き 」 で は ない 。 また 、 NTT が 十 月 に 発表 した 、 競争 の ボトルネック 解消 の ため の 市 内 回線 網 の 開放 だけ で 終わる もの で も ない 。 私 たち は 、 郵政 省 が 需給 調整 と 事業 区分 に よる 競争 の 仕切り を 廃棄 して 、 料金 規制 など 自由 競争 を 妨げて いる 各種 規制 を 廃止 ・ 緩和 す べきだ と 考える 。 競争 上 の ボトルネック は 、 NTT の 市 内 網 独占 だけ で なく 、 郵政 省 の 規制 に も 存在 する から だ 。 また 、 NTT と 新規 参入 業者 と の 競争 条件 を 対等に する ため に 、 第三者 機関 に よる 公正な 接続 ルール 作り など 、 独占 体質 除去 に 向けた 厳しい 改革 が 求め られる 。 さらに NTT は 、 技術 進歩 に 応じて 合理 化 を 加速 さ せる 必要 が ある 。 NTT 問題 を 、 臨調 答申 当時 の ような 電話 全盛 時 の 発想 で 考える こと は でき ない 。 ここ 数 年 の 高度 情報 技術 の 発達 が 、 既存 の 行政 、 企業 の 枠組み を 超えた から だ 。 日本 が 構造 転換 期 に ある 今 、 次代 の 成長 と 雇用 を もたらす マルチメディア の 成長 を 阻害 す べきで なく 、 通信 行政 の 改革 が 何より も 必要だ 。 国際 ・ 国 内 、 長 距離 ・ 地域 電話 、 通信 ・ 放送 ・ コンピューター の 区分け や 、 それ に 応じた 縦割り 行政 は 時代遅れである 。 私 たち は NTT の 独占 体質 の 改革 と 、 公正 競争 を もたらす 体制 を 求めて きた 。 それ は 「 長短 分離 」 「 地域 分割 」 に 直結 する もの で は ない 。 分離 分割 で 競争 の 場 を 再 編成 する こと は 、 官製 縦割り 競争 の 焼き直し に すぎ ず 、 新たな 競争 制限 と 部分 独占 の 弊害 を 生み かね ない 。 通信 システム は 公共 財 であり 、 競争 力 の 障害 と なる ような 非 効率 は 許さ れ ない 。 その 意味 で 、 通信 システム に 責任 の ある 郵政 省 の 規制 緩和 の 遅れ や 、 NTT と 新規 参入 企業 と の トラブル 多発 など 、 利用 者 ・ 競争 者 軽視 の 姿勢 は 、 独占 の 弊害 と して 批判 さ れよう 。 それ でも 、 利用 者 第 一 で NTT の 在り 方 を 考えれば 、 長短 ・ 内外 の 事業 区分 廃止 や 、 抜本 的な 規制 廃止 ・ 緩和 に よる 内外 で の 競争 促進 が 優先 さ れる べきだ と いえる 。 分離 分割 に 伴う 法 改正 、 株主 の 損失 に も 配慮 が 必要だ 。 その 結果 、 過当 競争 や NTT の 独占 の 弊害 が 出た と して も 、 それ は 公取委 の 監視 強化 に より 排除 す べき 競争 政策 上 の 問題 と なる 。 大事な の は 、 通信 回線 事業 に 比べ 、 コンテンツ の 成長 の 伸び が 大きい と いう 事実 だ 。 ソフト 市場 で 米国 に 主導 権 を 握ら れた コンピューター の 二の舞い を 演じて は なら ない 。 それ に は 、 国 内 企業 が 国際 競争 力 の ある コンテンツ を 作り やすい 環境 を 用意 する こと が 重要だ 。 分離 分割 論議 を 超えて 、 自由 競争 の 促進 に 向けた 通信 行政 全般 の 改革 を 急ぐ べきで は なかろう か 。 何の いわれ も なく 、 突然 、 平和な 家庭 に 凶行 が 襲いかかる 。 二 歳 十一 カ月 の 関 彩太 ちゃん を 人質 に した 立てこもり は 、 そんな 事件 だった 。 一 日 夜 、 ろう城 して いた 男 は 突入 した 警察 官 に 取り押さえ られ 、 彩太 ちゃん は 三十一 時間 ぶり に 救出 さ れた 。 逮捕 さ れた 三十七 歳 の 男 は 今年 五 月 、 茨城 県 内 で 起きた 強盗 事件 の 容疑 で 指名 手配 中 だった 。 東京 都 大田 区 の サラリーマン の 自宅 で 、 事件 が 起きた の は 十一 月 三十 日 の 昼 過ぎ の こと 。 男 は 刃物 を 持って 乱入 し 、 彩太 ちゃん を 人質 に した 。 男 は 直前 に 、 近く の 郵便 局 に 押し入り 、 女性 客 に 刃物 を 突き付け 、 現金 百万 円 を 奪って いる 。 ろう城 が 続く 間 、 私 たち は 何より も 、 彩太 ちゃん の 無事 を 願って いた だけ に 、 救出 の 第 一報 に ホッと した 。 立てこもり 事件 で 、 解決 まで に 三十 時間 を 超えた ケース は 、 ここ 十 年間 で 初めて 。 警視 庁 は 「 慎重 の 上 に も 慎重に 」 を 基本 方針 に した 。 「 もっと 早く 救出 でき なかった の か 」 と の 意見 も ある かも しれ ない 。 しかし 、 人質 に なった の は 幼児 である こと を 考える と 、 警視 庁 の 判断 は 適切だった と 受け止めて いる 。 警察 は 、 悪 条件 も 抱えて いた 。 それ が より 慎重に さ せた 要因 だった 。 男 の 身元 が 分から ず 、 行動 を 予測 する 資料 が ない 。 家族 や 友人 に よる 説得 も 不可能で 、 警視 庁 が 男 と やり取り できる 手段 は 限ら れて いた 。 今回 の 事件 は 、 人質 の 救出 に は 警察 の 冷静な 判断 と 、 それ に 基づく 慎重な 対応 が 何より 求め られる こと を 、 改めて 教えて くれた 。 同時に 、 警察 庁 に は 、 このような 事件 に 備えて 、 今後 、 あらゆる 事態 を 想定 し 態勢 の 充実 を 図る こと を 求め たい 。 警視 庁 は ハイジャック 事件 など の ため の 特殊 班 を 持って いる 。 これ を 他 県警 に も 広げる 必要 が ある だろう 。 警視 庁 は 今回 、 容疑 者 の 説得 に あたり 、 立てこもり 事件 と して は 初めて 、 科学 捜査 研究 所 の 心理 分析 官 の 応援 を 求めて いる 。 分析 官 の アドバイス が 救出 に 役立った と 伝え られて いる 。 オウム 事件 や 銃 汚染 も また 、 警察 に 多彩な 専門 家 集団 が 求め られて いる こと を 示した 。 プロ の 育成 は 急が なければ なら ない 。 ざらざら した 砂 を 口 に 押し込ま れた ような 、 後味 の 悪い 事件 だった 。 容疑 者 は 「 パチンコ で 負けて 、 消費 者 金融 会社 など から 借金 を し 、 郵便 局 強盗 を した 。 追わ れて 知ら ない 人 の 家 に 入り 、 子供 を 人質 に した 」 と 供述 して いる と いう 。 今年 の 夏 、 横浜 市 内 で 起きた けん銃 強盗 事件 の 容疑 者 も 、 「 借金 が かさんで 、 カネ を 借りる 先 が なくなった 」 と 述べて いる 。 逮捕 容疑 に は まだ 含ま れて い ない が 、 九 月 に 発生 した 釣具 店 店長 の 強盗 射殺 事件 へ の 関与 も 認めて いる と いう 。 この 店長 は 北九州 市 に 妻 と 子供 二 人 を 残して の 単身 赴任 中 で 、 一家 に とって 信じ られ ない 不幸であった 。 カネ に 困れば 凶器 を 振り回して 強盗 を 。 こうした 、 すさんだ 世相 は どこ から 来る のだろう 。 モノ の 豊か さ を 最 優先 に 追い求めて きた 戦後 五十 年 が もたらした もの な の か 。 その 行き着いた 先 と も いえる 「 カネ 、 カネ 、 カネ 」 で 浮かれた バブル の 後遺症 な の か 。 これ を 消し去る に は 時間 が かかる かも しれ ない 。 現代 社会 の 病理 を 反映 した 事件 である こと に は 違いない のだ から 。 韓国 の ソウル 地検 特別 捜査 本部 は 三 日 、 全 斗煥 元 大統領 を 内乱 首謀 など の 容疑 で 逮捕 した 。 韓国 で は 、 盧 泰愚 前 大統領 に 続いて 、 二 人 の 大統領 が 逮捕 さ れた こと に なる 。 空前 の こと だけ に 、 韓国 国 内 だけ で なく 国際 的に も 大きな 衝撃 を 呼んで いる 。 全 元 大統領 を 逮捕 した の は 、 ソウル 地検 の 「 12・12 及び 5・18 特別 捜査 本部 」 である 。 12・12 と は 、 十六 年 前 の 一九七九 年 十二 月 十二 日 の こと である 。 この 日 、 全 斗煥 国軍 保安 司令 官 ら は 、 鄭 昇和 戒厳 司令 官 を 逮捕 し 、 軍 の 実権 を 握った 。 これ は 、 朴 正煕 大統領 暗殺 直後 の 軍 の 指導 権 を めぐる 対立 の 結果 と いわ れ 、 当時 は 「 粛軍 クーデター 」 と 呼ば れた 。 この 戒厳 司令 官 逮捕 を 、 全 将軍 ら が 崔 圭夏 大統領 代行 の 許可 を 受け ず に 行った と いう の が 、 主要な 容疑 である 。 粛軍 クーデター の 真相 究明 と 全 将軍 や 関係 軍人 の 法的 責任 を 問う 声 は これ まで も あった 。 しかし 、 金 泳三 大統領 は 「 混乱 を 避ける ため に も 、 歴史 の 判断 に まかせる 問題 である 」 と の 立場 を 表明 し 、 韓国 の 検察 当局 も 「 起訴 猶予 処分 」 に して きた 。 ところが 、 秘密 資金 口座 問題 で 盧 前 大統領 が 収賄 容疑 で 逮捕 さ れた こと を きっかけ に 、 金 大統領 は 旧 政権 時代 の 問題 清算 に 踏み切った 。 だが 、 あまりに も 性急 すぎた ため 、 韓国 内 でも この 政策 転換 に は 疑問 の 声 も 出て いる 。 しかし 、 世論 の 大半 は 大統領 経験 者 二 人 の 逮捕 を 支持 して いる 。 全 元 大統領 は 逮捕 直前 の 会見 で 金 大統領 を 「 左翼 政権 」 と 非難 し 、 全面 対決 の 姿勢 を 示した が 、 韓国 の 世論 は これ に は 批判 的だ 。 金 大統領 は なぜ 、 この 時期 に 全 元 大統領 の 逮捕 に 姿勢 を 転換 さ せた のだろう か 。 この 背後 に は 、 金 大統領 と 野党 ・ 新 政治 国民 会議 の 金 大中 総裁 の 宿命 の 対立 が ある と いう の が 、 ソウル の 政界 通 の 分析 だ 。 今年 春 の 統一 地方 選挙 で は 与党 が 大敗 。 この 結果 、 金 大中 総裁 が 政界 復帰 を 宣言 し 、 新しい 野党 、 国民 会議 を 結成 した 。 この 時 以来 、 金 大統領 の 政治 姿勢 が 世代 交代 の 推進 に 転換 した と いう のである 。 金 大中 総裁 の 政治 生命 を 絶ち 、 影響 力 を そぐ ため に も 、 盧 前 大統領 の 逮捕 と 光州 事件 の 責任 者 と いわ れる 全 元 大統領 の 逮捕 に 踏み切った と いう 。 光州 事件 の 責任 追及 問題 で は 、 金 大中 総裁 は やや 後退 した 発言 を し 、 野党 政治 家 と して の 信頼 を 失い かね ない 状況 だ 。 もう 一 つ は 、 残り 二 年 の 任期 を 残した 金 大統領 が 、 改革 政策 の 推進 を 決断 した 、 と いう 見方 だ 。 金 大統領 は 就任 以来 、 金融 仮名 口座 の 廃止 を 実施 し 、 また 地方 自治 に も 踏み切る など これ まで の 政権 が でき なかった 改革 政治 を 進めて いる 。 大統領 就任 後 、 政治 献金 の 受け取り を 拒否 し 続ける など 、 韓国 政治 の 古い 体質 を 打ち破る 改革 に 強い 意欲 を 示して きた 。 この 最後 の 仕上げ と して 、 世代 交代 と 韓国 政治 に なお 色 濃く 残る 軍人 政治 の 影 を 消し去る 仕事 に 取り組んだ と いう のである 。 しかし 、 かつて の 軍人 を 中心 と した 保守 勢力 は もとより 、 金 大中 総裁 ら の 野党 勢力 の 反発 も なお 根強い 。 一 歩 間違えば 、 政治 混乱 に 陥る 危険 も 抱えて いる ので は なかろう か 。 韓国 の 指導 者 は もとより 、 政治 家 に は 自身 の 野心 や 権力 闘争 より も 、 国民 の 未来 と 繁栄 を 考えた 知恵 ある 対応 を 期待 し たい 。 来年 三 月 に 行わ れる 初 の 総統 直接 選挙 の 前哨戦 と 言わ れた 台湾 の 立法院 選挙 で 、 与党 国民 党 が 低迷 、 「 台湾 独立 」 を 綱領 に 掲げる 民進党 が 伸び悩んだ 半面 、 独立 と 即時 統一 に 反対 する 第 三 勢力 の 新党 が 躍進 した 。 中国 と の 関係 悪化 を 懸念 、 台湾 海峡 の 安定 と 平和 を 望む 民意 が 示さ れた 形 だ 。 李 登輝 総統 が 主席 を 務める 国民 党 、 最大 野党 の 民進党 、 李 総統 の “ 台 独 ” 傾向 など に 反発 して 国民 党 から 飛び出した 新党 が 、 それぞれ “ 勝利 宣言 ” を 行って いる が 、 選挙 結果 を みれば 台湾 の 民意 は おのずと 明らかだ 。 今回 の 選挙 は 六 月 の 李 総統 の 「 私的 訪 米 」 以来 、 中国 と の 関係 が 極度に 緊張 、 中国 軍 が ミサイル 発射 や 上陸 作戦 など の 演習 を 繰り返す 状況 の 下 で 、 台湾 の 景気 に 注意 信号 が ともり 、 台湾 の 前途 に 対する 不安 が 広がる 中 で 行わ れた 。 国民 党 は かろうじて 過半数 は 超えた もの の 、 前回 の 九二 年 選挙 当時 の 九十六 議席 から 八十五 議席 へ と 大幅に 議席 を 減らした 。 得票 率 も 四六・〇一 % で 、 これ まで で 最低 と なった 。 対 中 関係 の 悪化 と 分裂 騒ぎ で 当初 から 苦戦 が 予想 さ れた ため 国民 党 は 議席 の 最低 目標 を 前回 議席 より 十一 も 少ない 八十五 議席 に 設定 、 何とか この 目標 に たどりついて 「 勝利 」 を 宣言 した が 、 苦しい 解釈 だ 。 新党 は 「 三 党 と も 過半数 割れ 」 を スローガン に 、 国民 党 の 金権 腐敗 選挙 、 暴力 団 と の つながり 、 李 総統 の “ 台 独 ” 傾向 など を 批判 して 選挙 戦 を 戦った が 、 国民 党 の 「 過半数 割れ 」 は 得票 率 で は 現実 と なった 。 民進党 は 「 台湾 は すでに 実質 的に 独立 して いる 。 政権 を とって も 独立 宣言 は し ない 」 と 強調 した が 、 やはり “ 台 独 ” 政党 の イメージ が 足かせ と なった ようだ 。 “ 台 独 ” 強硬 派 の 候補 の 多く が 落選 し 、 議席 は 五十 議席 から 五十四 議席 へ の 微増 に とどまった 。 得票 率 は 昨年 末 の 三 大 首長 選挙 当時 の 三五・六 % から 二 ポイント 以上 も 下げて いる 。 三 党 の 中 で 唯一 勢い が あった の が 、 独立 反対 を 明確に 掲げた 新党 で 、 七 議席 から 二十一 議席 へ と 三 倍 増 の 躍進 を 遂げた 。 これ まで 同 党 に は 「 外 省 人 政党 」 「 都市 政党 」 「 北部 政党 」 など の イメージ が つきまとって いた が 、 北部 の 台北 県 、 台北 市 だけ で なく 、 台中 、 高雄 など 民進党 が 強い 中 、 南部 でも 議席 を 獲得 、 第 三 政党 と して の 基盤 を 広げた 。 国民 党 の 低迷 と 新党 の 躍進 は 、 李 総統 の “ 台 独 ” 傾向 に 反発 、 李 総統 に 対抗 して 総統 選挙 出馬 を 表明 した 林 洋港 、 カク 柏村 両党 副 主席 が 新党 支持 に 回った 影響 も 大きい 。 各種 世論 調査 で 示さ れて きた 台湾 の 最大 の 民意 は 、 即時 統一 でも 即時 独立 で も なく 、 現状 維持 だ 。 「 一 つ の 中国 」 と いう 大きな 枠組み を 台湾 側 が 守る 限り 、 台湾 海峡 の 平和 は 保た れて きた 。 新党 や カク 氏 ら が 今回 の 立法院 選挙 の 中 で 訴えた 議論 も この 点 に 尽きる 。 いずれ に せよ 国民 党 、 民進党 と も 、 公式 の “ 勝利 宣言 ” と は 別に 、 来年 の 総統 選挙 に 向けて 戦略 の 練り 直し を 迫ら れよう 。 立法院 選挙 で は まだ 「 党 より 人 」 で 選ぶ 選挙 民 も 少なく ない 。 その 意味 で は 、 「 統一 か 、 独立 か 、 現状 維持 か 」 と いう “ 統 独 ” 論争 の 影響 は 、 総統 選挙 に より 大きく 表れる はずだ 。 出頭 拒否 の 山口 敏夫 元 労 相 に 対して 東京 地検 特捜部 は 、 東京 地裁 に 逮捕 状 を 請求 し 、 許諾 請求 の 手続き に 入った 。 乱脈 融資 に 絡む 背任 容疑 である 。 不 逮捕 特権 を 持つ 国会 議員 の 地位 を 考慮 して も 、 令状 請求 に 異論 は 出 ないで あろう 。 この後 、 地裁 から 内閣 に 対して 許諾 要求 が 出さ れ 、 内閣 が 衆議院 に 「 許諾 請求 」 を 行った 。 許諾 請求 は 、 やはり 出頭 を 拒否 し 続けた ゼネコン 汚職 事件 の 中村 喜四郎 衆院 議員 の ケース 以来 である 。 許諾 する か どう か は 衆院 本 会議 の 議決 に ゆだね られる が 、 不 許諾 の 理由 も なかろう 。 早急に 結論 を 出す べきだ 。 それにしても 、 自宅 や 議員 会館 など の 捜索 を めぐって 、 元 労 相 の 取った 言動 は 「 選良 」 に あるまじき もの だった 。 全容 解明 に 協力 する と し ながら 、 捜索 が 取り調べ に 先行 した こと に 反発 し 「 いきなり の 強制 捜査 は 信義 に 反する 」 「 東京 地検 の 思い上がり を 反省 さ せる 」 と 語り 、 出頭 拒否 を 公言 した 。 その後 、 わざわざ 検察 庁 に 出向き 、 出頭 要請 に は 応じ ない こと を 伝えて いる 。 筋 の 通ら ない こと を 言う 前 に 、 持た れた 容疑 に 対して 自ら 進んで 説明 する の が 義務 で は ない か 。 元 労 相 の 姿勢 こそ 、 特権 を かさ に 着た 思い上がり に 見える 。 今回 の 乱脈 融資 事件 で は 実姉 や 実弟 、 さらに は 秘書 など 周囲 の 人 たち が 相次いで 逮捕 さ れて いる 。 元 労 相 一 人 が 身柄 を 拘束 さ れて い ない こと に 、 「 国会 議員 だったら 逮捕 さ れ ない の か 」 と いう 不公平 を 感じた 国民 も 少なく ない 。 捜査 手順 と して は 当初 から 許諾 請求 で いく べきだった かも しれ ない 。 容疑 と して は 背任 の ほか 業務 上 横領 も ある 。 親族 企業 が 旧 東京 協和 と 旧 安全 の 二 信用 組合 から 無 担保 に 近い 状態 で 巨額の 追加 融資 を 受けた 、 二 つ の 財団 法人 の 基本 財産 など を 担保 に 流用 した と いう のである 。 信 組 の 元 理事 長 や 秘書 ら は 調べ の 中 で 元 労 相 の 関与 に 触れる 供述 を して いる と いわ れ 、 徐々に 元 労 相 の 役割 が 浮き彫り に なって いる 。 バブル 経済 に 踊った 事件 だった 。 親族 企業 が 国 内 ばかり か アメリカ など 海外 で ゴルフ 場 開発 や ホテル 事業 に 乗り出して 失敗 したり 、 株 投機 に 巨額 を つぎ込んで 損失 を 出した 。 その 借金 返済 や 会社 再建 の ため に 二 信 組 など から 融資 を 受け 続けて きた と いう 経緯 が 背景 に ある 。 元 労 相 は 「 政経 分離 を 貫いた 」 と いう が 、 ゴルフ 場 会員 権 販売 に かかわって いた こと 、 株 へ の 投資 でも 秘書 ら に 指示 して いた こと を 多く の 関係 者 が 語って いる 。 元 労 相 が 疑惑 の 核心 に いる 、 と 疑わ れて も 致し方なかろう 。 二十六 歳 で 総 選挙 に 初 当選 し 、 ロッキード 事件 が 起きた 一九七六 年 に は 「 政界 刷新 」 を 掲げて 新自由クラブ を 旗揚げし 、 後 に 幹事 長 、 四十四 歳 の 若 さ で 労 相 と して 入閣 した 。 新自由クラブ の 惨敗 後 は 自民党 に 復党 、 その後 新進党 に 走り 幹事 長 代理 に 就任 した 。 「 政界 の 牛若丸 」 の 異名 通り 、 派手な 経歴 を 持つ 。 この 経歴 も 国民 の 方 に 向いた もの で なく 、 私利 追求 に 使わ れた ようだ 。 背任 罪 など の 成否 は 司法 判断 を 待つ しか ない 。 そう で は あって も 、 元 労 相 に 付きまとう 「 政経 混在 」 は 選良 と して 失格 だ 。 地元 の 市議 会 で は 辞職 勧告 に ついて 協議 を 始めた と いう 。 国会 も 早急に 協議 し 、 辞職 を 迫る べきである 。 政府 の 行政 改革 委員 会 ・ 規制 緩和 小 委員 会 は 、 近く 公表 する 規制 緩和 策 の 基本 方針 案 に 、 新聞 、 書籍 など 著作 物 の 再販 を 原則 廃止 する 方向 を 盛り込む こと が 明らかに なった 。 著作 物 の 再販 制度 は 「 表現 の 自由 、 国民 の 知る 権利 を 保障 する 民主 主義 の 基盤 そのもの 」 と する 同 制度 維持 の 基本 的な 必要 性 に 、 行革 委 は 聞く 耳 を 持た ず 、 単に 経済 流通 の 側面 だけ の 視点 から 「 原則 廃止 」 を 打ち出し 、 再販 を 切り捨てる の は 、 納得 でき ない 。 行革 委 は 基本 方針 案 を 検討 し 直し 、 「 原則 廃止 」 を 撤回 する よう 強く 求める 。 基本 方針 案 の 原案 は 、 著作 物 の 再販 は 「 原則 違法 」 である から 「 原則 廃止 」 の 方向 で 見直し を 進める べきである と し 、 「 新聞 、 出版 業界 の 説明 を 聞いて も 、 再販 制度 維持 の 必要 性 に ついて 納得 できる 説明 が なされた と は いえ ない 」 と 断じて いる と さ れる 。 そもそも 、 著作 物 の 再販 が 「 原則 違法 」 と いう 決め付け は 、 論理 以前 の 暴論 だ と 言わ ざる を 得 ない 。 いう まで も なく 、 著作 物 の 再販 は 一九五三 年 の 再販 適用 除外 制度 の 導入 に よって 独禁 法 で 認め られ 、 同 一紙 同一 価格 、 戸別 配達 制度 の 維持 など の 基盤 と して 、 今日 まで 機能 して きた 。 一般に 製造業 者 が 卸売 業者 や 小売 業者 に 対して 、 製品 の 販売 価格 を 守ら せる 再販 が 禁止 さ れる 中 で 、 著作 物 に 対して は 、 法 に よって 再販 が 認め られた 背景 に は 「 国 の 文化 水準 の 維持 を 図って いく うえ で 必要不可欠 」 と の 認識 が あった から である 。 民主 主義 の 基本 の 一 つ と して 、 言論 は 多種多様で なければ なら ない 、 と いう 観点 から 、 再販 の 廃止 に よって 起き かね ない 新聞 の 寡占 化 を 防ぐ 意図 も 含ま れて いた 。 著作 物 に は 、 郵送 料 の 割引 など 、 さまざまな 特別の 措置 が とら れて いる の も 、 その 機能 、 役割 が 広く 認め られて いる から に ほかなら ない 。 それ を 、 著作 物 の 再販 は 原則 違法 、 と 決め付ける の は 、 いかなる 根拠 に よる の か 。 現行 の 法 の 内容 を 独断 的に 否定 して は 、 社会 は 成り立た ない 。 四十 年 以上 も 機能 して きた 法律 が 違法な もの だった 、 と でも いう のだろう か 。 再販 維持 を 求める 新聞 、 出版 業界 から 納得 できる 説明 が 行わ れて い ない 、 と いう 行革 委 の 姿勢 は 、 独断 極まりない 。 日本 新聞 協会 、 日本 書籍 出版 協会 、 日本 雑誌 協会 、 さらに は 、 文部 省 、 文化 庁 も 加わって 、 関係 者 、 関係 機関 は 、 これ まで 著作 物 の 再販 の 必要 性 を 再三 に わたって 指摘 して きた 。 九九 % の 読者 が 戸別 配達 に よる 購読 を 選択 し 、 八〇 % 余 が 、 その 戸別 配達 の 基盤 を なす 再販 の 存続 を 認めて いる 、 と いった 内容 は 「 納得 できる 説明 で は ない 」 の か 。 もとより 、 総体 と して 規制 緩和 は 推進 し なければ なら ない 。 しかし 、 不必要な 規制 は 緩和 する と いう ところ が 、 その 場合 の ポイント で なければ なら ない 。 長い 間 培って きた 民主 主義 の 根幹 的な 役割 を 今 ここ で 破壊 して 、 何の メリット が ある の か 。 将来 の 日本 に も かかわる 活字 文化 の 一層 の 発展 、 知的 水準 の 維持 と いった 次元 で の 、 多元 多層 的な 再販 の 考察 を 望み たい 。 日本 経済 は 四 年 連続 の ゼロ成長 に あえぎ 、 社会 も 、 バブル 後遺症 に 悩ま さ れて いる 。 その 原因 の 大半 は 、 金融 システム の 暴走 と 破たん に ある が 、 経済 再 活性 化 に は 、 金融 機能 の 回復 を 妨げて いる 不良 債権 の 早急な 処理 が 不可欠だ 。 今回 、 低 金利 に よる 国民 の 犠牲 を 伴い ながら も 、 銀行 は ようやく 不良 債権 の 一括 償却 に 乗り出した 。 住宅 金融 専門 会社 の 八兆一千億 円 の 不良 債権 に ついて は 、 与党 政策 調整 会議 が 今月 初め 、 公的 資金 の 活用 を 認める 処理 の 指針 を 示し 、 関係 機関 が 最終 の 詰め を 行って いる 。 住専 処理 で は 、 密室 談合 を 排して 協議 を 透明な もの に する こと や 、 関係 機関 の 公平な 負担 、 さらに 行政 や 金融 機関 など の 責任 の 明確 化 が 求め られる 。 だが 与党 の 指針 は 、 住専 債権 の 受け皿 ・ 回収 機構 を 設立 し 、 そこ へ 公的 資金 を 導入 する と いう 内容 だ 。 これ は 不良 債権 処理 を 長期 化 し 、 経営 責任 を あいまいに する 。 その うえ 、 なぜ 公的 資金 の 投入 が 必要な の か 、 十分な 論議 を 経て い ない 。 もともと 住専 は 多数 の 預金 者 を 抱える 金融 機関 で は ない 。 放漫 経営 の 住専 が つぶれて も 、 国民 経済 に 致命 的な 影響 が 生じる と は 思え ない 。 従って 受け皿 作り で なく 、 法的な 破産 処理 の 手続き に よる 透明 性 の ある 解決 策 を 行う べきだ 。 それ に より 貸手 、 借り手 および 天下り 経営 者 や 行政 の 責任 が 明確に なり 、 二度と 失敗 し ない ため の 数々 の 教訓 が 国民 全体 に 共有 さ れる はずだ 。 その 結果 、 住専 に 貸し 込んだ 金融 機関 が 危機 に 陥る に して も 、 それ は 過去 の 経験 を 踏まえ 、 必要 最小 限 の 公的 資金 投入 で 救済 すれば よい 。 住専 処理 で 公的 資金 が 安易に 導入 さ れる なら 、 行政 と 銀行 、 農林 系統 など は 責任 を 免れ 、 「 借り 得 」 を 許す こと で 金融 モラル は 一段 と 低下 する 。 設備 や 住宅 の 借金 を 抱えた 一般 国民 は 、 まじめに 借金 を 返そう と いう 気力 が 薄れて しまう 。 問題 は 、 住専 など の 不良 債権 処理 に 当たって 、 政策 当局 が 金融 システム 全体 の 再建 や 、 責任 の 所在 と 再発 防止 策 、 日銀 法 改正 を 含む 行政 改革 など の 基本 問題 の 論議 を 、 これ まで 回避 して きた こと に ある 。 不良 債権 に ついて 必要な 情報 開示 を し 、 国会 など で 議論 を 重ね 、 国民 の 賛同 を 得る と いう まともな 手続き を 踏ま ず 、 場当たり 対応 を 繰り返す ならば 、 公的 資金 導入 へ の 同意 を 得る こと は 、 到底 不可能だ 。 通常 、 倒産 企業 が 再建 資金 の 提供 を 求める とき は 、 明確な 経営 立て直し の ビジョン と 具体 的な 計画 を 示す の が ルール だ 。 同時に 経営 陣 は 一新 さ れる 。 銀行 は 厳しく 再 建策 を 検討 し 、 融資 の 可否 を 決める 。 住専 を はじめ と する 不良 債権 処理 に 公的 資金 を 導入 する 場合 も 同じである 。 蔵 相 ら 責任 者 は 「 金融 行政 を こう 改革 し 、 何 年 後 に 健全 性 を 取り戻す 。 私 ども も 責任 を とり 、 銀行 も 目 に 見える リストラ を 行う 」 と 、 明確な 再建 計画 を 示す べきだ 。 その後 で 「 最悪 事態 回避 に 、 公的 資金 が いくら 必要 」 と 訴える の が 筋道 だ 。 そして 国会 は 、 徹底 的に 金融 再 建策 を 議論 し 、 金融 行政 の 改革 と セット で 、 必要 最小 限 の 公的 資金 の 拠出 を 認める べきだろう 。 住専 など の 不良 債権 処理 に は 、 こうした 透明 性 の 高い 解決 の 手続き を とる べきだ 。 政府 与党 の 密室 協議 方式 で は 、 国際 的な 不信 感 は いつまでも ぬぐえ ない 。 ミャンマー 情勢 が 波乱 含み だ 。 アウン ・ サン ・ スー ・ チー さん が 率いる 最大 野党 の 国民 民主 連盟 が 新 憲法 草案 を 作成 する 国民 会議 を ボイコット 、 軍政 側 も 「 事前 の 許可 なし で 会議 を 二 日間 欠席 した 」 こと を 理由 に NLD の 代議員 八十六 人 の 資格 を はく奪 した から だ 。 ミャンマー で は 一九八八 年 の 軍事 クーデター の 後 、 九〇 年 の 総 選挙 で NLD が 議席 の 八〇 % を 獲得 、 軍事 政権 に 民政 移管 を 迫った 。 しかし 、 軍政 側 は 民政 移管 の 前提 と して 新 憲法 制定 を 主張 、 その 内容 を 協議 する 国民 会議 を 九三 年 一 月 から 断続 的に 開いて きた 。 全 十五 章 の 新 憲法 草案 の うち 三 章 は すでに 採択 さ れ 、 先月 二十八 日 から 始まった 今回 の 会議 で は 立法 、 行政 、 司法 に ついて 討議 する こと に なって いる 。 しかし 、 スー ・ チー さん たち は 、 国民 会議 の 構成 が 九〇 年 選挙 の 結果 を 反映 して おら ず 、 審議 の やり 方 も 軍政 側 の 提案 を 承認 さ せる だけ で 非 民主 的 と 批判 、 軍政 側 が 直接 対話 に 応じる まで 国民 会議 に は 出席 し ない と 通告 、 二 日 目 から 欠席 して いた 。 国民 会議 の 六百七十七 人 の 代議員 は 政党 や 少数 民族 、 農民 、 労働 者 ら の 代表 と さ れて いる が 、 いずれ も 軍事 政権 側 が 任命 、 NLD の 代議員 は 九十七 人 で 一四 % に 過ぎ ない 。 また 会議 が すでに 採択 した 新 憲法 草案 は 、 例えば 大統領 候補 の 資格 を ▽ 二十 年 以上 国 内 に 継続 して 居住 ▽ 本人 、 配偶 者 、 子供 が 外国 人 で なく 、 外国 の 市民 権 を 持た ない ―― など と 定め 、 国民 の 間 で 圧倒 的 人気 の スー ・ チー さん が 大統領 に なる 道 を 封じて いる 。 軍政 側 が 今回 の 会議 に 提案 した 草案 に よれば 、 新 議会 の 議員 の うち 選挙 で 選ぶ の は 七五 % で 、 残り の 議席 は 軍人 が 占める と いう 。 今回 の 国民 会議 は スー ・ チー さん が 七 月 に 六 年 ぶり に 自宅 軟禁 を 解か れて から 初めて の 会議 だった 。 民主 勢力 側 と して は 、 このまま 、 なし崩し 的に 軍政 に 有利な 新 憲法 草案 の 審議 が 進め られる の は 許せ ない と の 思い で 、 会議 ボイコット と いう 最後 の 手段 に 出た ようだ 。 軍政 側 は 代議員 資格 の はく奪 と いう 強権 発動 で 応えた 。 しかし 、 九〇 年 選挙 で 圧勝 した 民意 代表 を 全く 欠いた 国民 会議 の 有効 性 に 内外 から 疑問 の 声 が 上がる の は 避け がたい 。 ここ は 双方 が 歩み寄って 、 対話 に よる 国民 和解 実現 に 努力 する しか ない ので は ない か 。 軍政 側 が スー ・ チー さん を 「 ただ の 民間 人 」 扱い して 、 直接 対話 を 拒み 続ける の に は 無理 が ある 。 スー ・ チー さん は 九〇 年 総 選挙 で NLD を 勝利 に 導き 、 最近 書記 長 に 復帰 した 。 軍政 側 は 「 直接 対話 は 適切な 時期 に 行う 」 と 言う だけ で 先 延ばし して きた 。 手詰まり 状態 の 今 こそ 勇気 を 出して 直接 対話 を 始めて ほしい 。 NLD 側 に も 国民 会議 が 軍政 と の 対話 、 論争 の 場 、 自分 たち の 味方 を 増やす 場 と いう 柔軟な 発想 が 必要で は ない か 。 報道 に よれば 今回 の 国民 会議 に 引き続き 出席 して いる 他 の 少数 民族 幹部 は 、 軍人 優位 の 軍政 側 提案 に 異議 を 唱えて いる と いう 。 日本 は 西側 諸国 の 中 で 真っ先 に 軍事 政権 を 承認 し 、 人道 援助 や 草 の 根 援助 を 再開 、 軍事 政権 と も スー ・ チー さん と も パイプ を 持つ 。 直接の 当事 者 同士 の パイプ が つながら ない 現状 で は 、 日本 が 双方 の パイプ 役 に なる しか ない 。 水面 下 の 「 静かな 外交 」 に 期待 し たい 。 衆院 の 逮捕 許諾 を 受けて 、 山口 敏夫 元 労 相 が 背任 容疑 で 逮捕 さ れた 。 許諾 請求 から 三 日 目 である 。 従来 、 許諾 議決 まで に 一 週間 余 を 要して おり 、 速やかな 処理 と 言える が 、 議員 活動 に いささか も 関係 の ない 経済 事件 であって みれば 当然で も ある 。 旧 東京 協和 、 旧 安全 の 二 信用 組合 の 経営 破たん が 発覚 して から 一 年 、 乱脈 融資 は 政界 疑獄 と なった 。 逮捕 は 背任 容疑 に 絞ら れた が 、 業務 上 横領 や 詐欺 など の 容疑 も 浮かんで おり 、 併せて 捜査 が 進め られる はずだ 。 ことに 詐欺 容疑 が 「 捜査 の 視野 」 に ある と いう こと は 、 元 閣僚 だけ に 破廉恥 の 極み だ 。 いずれ の 容疑 も 議員 職務 と は 無縁だ が 、 元 労 相 は 「 これ は 政治 事件 だ 」 と 検察 捜査 に 反発 し 続けた 。 思い違い も はなはだしい 。 「 疑惑 が 持た れた 場合 に は 自ら 真摯な 態度 を もって 疑惑 を 解明 し 、 その 責任 を 明らかに する 」 と 政治 倫理 綱領 に は 明記 さ れて いる 。 綱領 を 全く 意 に 介さ ない ような 言動 に 政治 不信 を 増幅 さ せた 人 も 多かった ので は なかろう か 。 過去 、 数々 の 政界 疑獄 は あった が 、 背任 容疑 で の 逮捕 許諾 は 初 の ケース に なる 。 背任 罪 は 本来 、 身分 犯 である 。 今回 の 事件 で は 二 信 組 から 親族 企業 へ の 融資 が 背任 に 問わ れて いる のであり 、 信 組 の 理事 長 が その 身分 を 持つ 者 に なる 。 元 労 相 の ような 場合 は 「 身分 なき 共犯 」 と して の 容疑 に なる が 、 これ は 主導 的な 関与 が ない 限り 成立 し ない と も 言わ れ 、 難しい 事件 である 。 元 労 相 は 記者 会見 を 重ね 逮捕 の 直前 まで 、 融資 へ の 関与 を 全面 否定 して きた 。 それ でも 検察 が 背任 容疑 で 逮捕 に 踏み切った と いう こと は 、 関与 の 立証 へ の 自信 を 示す もの だろう 。 衆院 議院 運営 委員 会 の 許諾 審議 の 中 で 法務 省 刑事 局長 が 「 元 労 相 が 親族 企業 を 統括 して いた 」 「 融資 で は 主導 的な 役割 を 果たした 」 と 語った こと から も うかがえる 。 背任 の ほか 元 労 相 に は 、 かつて 理事 を 務めた 二 つ の 財団 法人 の 基本 財産 や 土地 を 担保 に 流用 した と いう 業務 上 横領 の 疑い が あり 、 親族 や 秘書 が すでに 起訴 さ れて いる 。 さらに 米国 内 で 進め られた 国際 大学 設立 構想 に 絡んで は 、 預託 金 の 大半 を 親族 企業 の 借金 返済 に 流用 した と いう 詐欺 の 疑惑 も 出て いる 。 種々の 容疑 から は 政治 力 を 背景 に 遮二無二 カネ を 集めて 回った 姿 が 浮かぶ 。 政治 へ の ダメージ の 大きい 事件 だ 。 ところが 、 国会 に は この 問題 を 正面 から 取り上げ 、 改めて 倫理 の 確立 を 訴える 動き が ほとんど 出て い ない 。 国会 喚問 で の 山口 証言 に ついて も 偽証 告発 の 動き が 依然 鈍い 。 山口 元 労 相 一 人 の 特殊 ケース に して 、 政治 腐敗 の 問題 に 深入り する の を 避けよう と して いる ように も 見える 。 それ で 済まさ れる もの だろう か 。 二 信 組 を めぐって は 大蔵 官僚 ら へ の 過剰 接待 が 発覚 して いる 。 コスモ 信 組 や 木津 信 組 、 兵庫 銀行 、 さらに は 大和 銀行 など の 経営 破たん や 不祥事 が 表面 化 して いる 。 これ ら の 金融 機関 でも 情実 融資 や 政 ・ 官 と の 癒着 が うわさ さ れる 。 大蔵 省 など 監督 官庁 は 破たん 原因 の 徹底 追及 と ともに 、 不正 が あったら 積極 的に 告発 して いく 責務 が ある 。 腐敗 の うみ を 出し切る こと で 信頼 回復 に 努める こと が 肝要だ 。 国会 も 手 を こまぬいて いる だけ で なく 、 国政 調査 権 に よって 積極 的に 金融 腐敗 の 全容 解明 に 当たる べきだ 。 「 まだ 、 がれき の 下 に 要 救助 者 は 無数に おら れる であろう 。 しかし 、 私 の 体力 も 限界 に 達し 、 腕 も 動か ぬ 。 済ま ぬ 」 阪神 大 震災 の 発生 時 、 消火 と 建物 の 下敷き に なった 住民 の 救出 に 当たった 神戸 市 東灘 消防 署 の 消防 司令 補 が 、 毎日新聞 に 寄せた 手記 である 。 消火栓 の 水 が 出 ず 、 火 は 瞬く間に 広がった 。 長田 消防 署 の 消防 司令 は 、 「 考え も し なかった 水 を 使え ぬ 消火 」 に 直面 し 、 がく然と した と 語って いる 。 燃える に まかせた 火災 が 、 阪神 大 震災 の 被害 を 大きく した 。 この ほど まとまった 消防 庁 の 一九九五 年 版 「 消防 白書 」 は 、 これ ら の 惨状 の 原因 を どう 分析 し 、 提起 した 課題 に 現場 の 声 を どのように 反映 さ せた のだろう か 。 結論 から 言えば 、 ほとんど 応えて い ない 。 私 たち が 戦後 、 初めて 経験 した 大型 地震 に よる 大 火災 である 。 二百九十四 件 が 発生 し 、 七千 戸 以上 が 全焼 、 焼失 面積 は 約 六六万 平方メートル に 及んで いる 。 当然 、 出火 原因 が 気 に なる 。 ところが 白書 は 、 「 早朝 から 火気 を 使用 する 市場 関係 や 商店 など で の 出火 、 建物 の 倒壊 、 電気 設備 、 器具 から の 出火 など が 報告 さ れて いる 」 と 述べて いる だけ である 。 地震 発生 から 二 日 後 の 一 月 十九 日 の 未明 から 早朝 に かけ 、 神戸 市 内 で 新たな 火災 が 起きて いる 。 停電 が 復旧 した 直後 の こと だ 。 ぜひとも 原因 を 知り たい ところ だった が 、 触れて い ない 。 自然 鎮火 を 待つ こと しか なかった 。 これ が 、 現実 だった 。 この 反省 は 今後 の 消火 対策 に 最大 限 生かさ れ なければ なら ない 。 一 つ は 長期 的な 施策 に 。 もう 一 つ は 早急に 実施 する こと が 求め られる 対策 に 。 災害 は 、 こちら の 都合 を 待って くれ ない 。 白書 は 、 耐震 性 貯水槽 の 増設 など 、 「 災害 に 強い まち づくり の 推進 」 を 強調 して いる 。 異論 は ない 。 しかし 、 当時 、 現場 の 消防 署員 が 直面 し 、 すぐに 解決 し なければ なら ない 問題 は 、 素通り さ れて いる 。 現場 で 、 破壊 消防 を 考えた 責任 者 も いた と 伝え られて いる 。 踏み切れ なかった 一因 は 「 損失 補償 を 考え 、 ちゅうちょ した 」 ため と いう 。 消防 組織 法 など で は 、 現場 の 消防 本 部長 に 一切 の 権限 を 与えて いる 。 しかし 、 極限 状況 に あった 本 部長 の 多忙 と 、 多数 の 他 自治 体 から も 応援 が 入って いた こと を 考える と 、 すべて の 判断 を 現場 に 求める の は 無理 が ある 。 地震 後 、 破壊 消防 が 即座に 対応 できる 手段 と なる よう 、 消防 庁 に 研究 と 準備 を 求める 声 が あった 。 しかし 、 白書 は 触れて い ない 。 道路 が 寸断 さ れ 、 大 混雑 する 中 で ヘリコプター に よる 消火 剤 散布 も 考え られた 。 しかし 、 有毒 ガス の 発生 と 埋没 者 の 窒息 死 を 心配 し 、 見送ら れる 。 白書 に は これ を 解決 する ため の 検討 も 見当たら ない 。 これ で 、 苦 すぎる 体験 が 教訓 と して 生かさ れた と 言える だろう か 。 白書 は 、 こう も 述べて いる 。 「 国民 の 防災 、 安全 へ の 関心 を 一挙に 高めた 。 これ を 風化 さ せる こと なく 、 『 自分 で 守る 』 と いう 意識 を さらに 高める 必要 が ある 」 。 しかし 、 心配 し なければ なら ない の は 、 国民 の 防災 意識 の 風化 で は なく 、 消防 庁 の 危機 感 の 方 で は ない か 。 白書 から は 、 そんな 印象 を 受ける 。 「 自然 鎮火 を 待つ しか なかった 」 の 繰り返し は 、 許さ れ ない 。 いま アダム ・ スミス が 生きて いたら 、 日本 に おける 手放し の 「 市場 原理 」 礼賛 に 驚く に 違いない 。 自由な 市場 で は 、 あたかも 見え ざる 神 の 手 に ゆだねる ように 、 競争 に よって モノ や サービス の 価格 が 決まり 、 消費 者 利益 に つながる 。 実に 魅力 的な 理論 である 。 三 年 ほど 前 から 大きな うねり と なって いる 一連の 規制 緩和 推進 論 の 骨子 は 、 競争 を 抑制 して いる さまざまな 規制 を 緩め 、 自由な 市場 へ 近づこう 、 と いう 一 点 に 絞ら れて いる 。 アダム ・ スミス の 世界 を 目標 に して いる と いえよう 。 私 たち は 原則 的に 規制 緩和 政策 を 支持 して きた 。 一万 以上 に 上る 規制 で がんじがらめ に なって いる 現状 の システム で は 、 新たな 展望 を 切り開く こと が 出来 ない 、 と 判断 する から である 。 七 日 発表 さ れた 「 光り輝く 国 を めざして 」 と 題する 行政 改革 委員 会 規制 緩和 小 委員 会 の 報告 は 、 多く の 点 で 評価 できる 。 総論 部分 の 基本 認識 で 、 「 民間 側 は 、 自ら 規制 を 返上 する 運動 を 展開 す べきである 」 と の 態度 を 強調 して いる 。 その 通り と 思う 。 また 、 各論 で は 十二 分野 に ついて 、 これ まで 聖域 視 さ れて きた 規制 に 踏み込んだ こと も 大きな 成果 だろう 。 特に 住宅 に 関する 日照 、 採光 規制 の 見直し 、 運輸 関係 で の トラック 事業 の 参入 規制 緩和 、 金融 ・ 証券 ・ 保険 分野 の 広範な 規制 の 即時 撤廃 など の 提唱 は 注目 に 値しよう 。 焦点 と なって いる 大規模 小売 店舗 法 に ついて は 「 大規模 店舗 と 中小 店舗 の 調整 を 目的 と する 規制 は 、 将来 的に なくして いく こと が 望ま れる 」 と 明快に 断定 して いる 。 また 、 たばこ の 小売り 販売 は 自由 化 を 打ち出して いる が 、 これ も 妥当な 考え と 思わ れる 。 しかし 、 NTT の 分離 ・ 分割 問題 に ついて は 「 真 の 競争 原理 が 働く ような 形態 に する こと が 望ましい 」 と の 表現 に とどめて おり 、 具体 的な 判断 を 避けて いる の が 物足りない 気 が する 。 さらに 疑問 点 が いく つ か ある 。 第 一 に 考え なければ なら ない の は 、 純粋な 消費 財 以外 の 財 や サービス の すべて まで 、 規制 緩和 つまり 市場 原理 だけ で 割り切ろう と いう 発想 の 是非 である 。 たとえば 新聞 など の 著作 物 の 再 販売 価格 維持 制度 に ついて 「 原則 違法 」 と した うえ で 「 例外 と して 認めて いる 妥当 性 を 引き続き 検討 する 」 と して いる 。 私 たち は 活字 文化 を 守る ため に も 、 消費 者 の ニーズ に 応える ため に も 、 再販 制度 は 必要不可欠な 制度 と 確信 して いる 。 市場 原理 だけ で 処理 す べきで ない 。 また 、 法務 に 関する 分野 で 「 法曹 人口 の 大幅 増員 」 と 「 外国 人 弁護 士 の 受け入れ に 関する 規制 の 緩和 」 を 提言 して いる が 、 これ で は 米国 の ような 訴訟 国家 に なって しまう 。 競争 に よる トラブル を すべて 司法 で 解決 しよう と いう 「 乱訴 社会 」 の 弊害 は 米国 自身 、 認めて いる ところ である 。 規制 緩和 は 必要である 。 しかし 、 すべて の 問題 を 解決 できる 「 万能 薬 」 で ない こと も また 確かだ 。 アダム ・ スミス が 「 国富 論 」 で 強調 し たかった の は 、 生産 者 と 消費 者 が 対等の 立場 に 立った 市場 だった 。 その 消費 者 の ニーズ は 多様 化 して おり 、 規制 緩和 と 同時に この 点 を 忘れる わけに は いか ない だろう 。 宗教 法人 法 改正 は 八 日 の 参議院 本 会議 で 採決 さ れ 、 連立 与党 と 共産党 の 賛成 で 成立 する 運び に なった 。 改正 の 主要な 点 を 改めて 要約 すれば 次の 通り だ 。 ( 1 ) 複数 の 都道府県 で 活動 する 宗教 法人 の 所轄 は 文部 大臣 。 つまり 国家 重大な 疑念 が ある 場合 、 文部 大臣 、 知事 が 宗教 法人 に 対し 報告 を 求め 、 質問 できる 貸借 対照 表 、 収支 計算 書 、 財産 目録 など を 毎年 、 所轄 庁 に 出す 教団 の 財務 状況 を 表す 書類 の 閲覧 請求 権 を 、 正当な 利益 が ある 信者 ら 利害 関係 者 に 認める 。 だが 、 教団 に 立ち入り 質問 する 際 、 教団 の 同意 の 必要 を 、 法 は 明記 した 。 国 が 質問 する 場合 、 その 必要に 関し 宗教 法人 審議 会 の 意見 を 聞く と して いる 点 と 共に 一応 の 歯止め が 施さ れた と 見て よい だろう 。 もともと は オウム 真理 教 の 巨大で 異様な 犯罪 行為 を 繰り返さ せ ない ため に 、 この 法 の 改正 問題 が 出て きた はずである 。 それ が 先 の 参院 選 で 新進党 が 勝った 結果 、 創価学会 を 主な ターゲット に する 状況 に なった 。 宗教 法人 法 改正 を 審議 する 国会 は 、 池田 大作 創価学会 名誉 会長 から 直接 見解 を 聞く か どう か で 対立 が 先鋭 化 した 。 法案 を 吟味 する 点 で は ものたりない まま 法 が 成立 する 。 たとえば は 信者 ら 利害 関係 者 の 財務 関係 書類 閲覧 請求 権 を 認めて いる 。 しかし 、 信者 なら だれ でも 可能な の か 。 利害 関係 者 と は どこ まで の 範囲 を 言う の か 。 不当な 財務 運営 を して いる 教団 代表 が 、 閲覧 請求 は 正当で ない 、 と 拒否 すれば 訴訟 以外 ほか に とる 手立て が なくて よい の か 。 このような 幾 つ も の 課題 に 関し 、 質疑 は 国会 で 確かに 行わ れた けれども 、 実質 的に は 低調に 終わった 。 政争 の 具に なった 改正 宗教 法人 法 審議 だった が 、 しかし 、 その 根本 に は 宗教 団体 に よる 政治 へ の 過大な 影響 力 と いう 問題 が ある 。 創価学会 だけ の 問題 で は ない 。 自民党 議員 の 多く も 宗教 団体 の 票 を 計算 して いる 。 しかし 、 やはり 強い 影響 力 と 言えば 創価学会 を だれ も が 思い浮かべる 。 秋谷 栄之助 同 会 会長 は 、 参院 の 参考人 質疑 で 、 「 創価学会 は 宗教 活動 が 九〇 % 。 選挙 活動 は ごく 一部 に すぎ ない 」 と いう 趣旨 を 述べた 。 だが 活動 の 一部 でも 、 それ が あまりに 強力 なら 過大な 影響 力 と して 表れ ざる を 得 ない 。 選挙 活動 で 頑張って いる だけ と いう 見方 も ある だろう が 、 政治 は その 選挙 で 選ば れた 議員 たち に よって 行わ れる 。 そうして 選ば れた 議員 が 身 を 置く 教団 の 意向 と 、 政治 活動 を 区分け できる の か 。 この 問題 は 活動 的な 教団 に 所属 する 政治 家 に とって 、 常に 突きつけ られる 。 だが 、 日本 は 憲法 で 政教 分離 を はっきり さ せて いる 国家 である の は 言う まで も ない 。 ただし 、 宗教 法人 法 の 改正 内容 自体 が 、 創価学会 だけ を 標的 に して いる と 理解 す べきで は ない 。 宗教 教団 の 透明 度 、 公開 性 を 高める 。 目的 は そこ に ある はずだ 。 教団 に 対する 現行 税制 の 是非 は 、 改めて 論議 さ れ なければ なら ない が 、 改正 後 も 依然 、 宗教 法人 法 の 骨子 は 教団 の 自律 、 自浄 に ゆだねて いる と 言って よい 。 そう である なら 、 この 改正 法 の 持つ 力 を 発動 する に は もっとも 慎重な 態度 が いる 。 国家 権力 が 恣意 的に 宗教 法人 の 運営 の 方向 を 規制 する こと は 、 憲法 が 許さ ない 。 改正 宗教 法人 法 も その 憲法 の 下 に ある こと を 、 政府 は 肝 に 銘じて おく べきである 。 収賄 罪 の 立法 の 目的 は 「 公務 の 公正 さ に 対する 信頼 の 保護 」 に ある 。 この 信頼 性 を 教育 の 面 で 著しく 失墜 さ せた の が リクルート 事件 ・ 文部 省 ルート だった 。 事件 摘発 から 六 年 、 その 判決 が 八 日 、 東京 地裁 であった 。 リクルート 社 から 「 ぬれ 手 で 粟 」 の 未 公開 株 を 譲渡 さ れて いた 元 文部 事務 次官 、 高石 邦男 被告 に 、 執行 猶予 付き の 有罪 判決 が 言い渡さ れた 。 判決 は 「 廉潔 性 を 強く 求め られる 文部 省 の 最高 幹部 である に も かかわら ず 、 現金 供与 に 等しい こと を 認識 し 未 公開 株 を 譲り受けた 。 あるまじき 行為 である 」 と 収賄 を 明確に 認定 し 、 厳しく 糾弾 した 。 公務 員 は 「 全体 の 奉仕 者 」 と して 、 判決 の 言う ように 公正 かつ 廉潔で なくて は なら ない 。 まして 、 教育 と いう 国家 ・ 社会 の 発展 の 基盤 に かかわる 行政 を あずかる 文部 官僚 に は 重い 職責 が あり 、 この 点 を 一層 強く 求め られる 。 その トップ が 職 を 汚した のである 。 株 投資 など 財テク 狂乱 の 世相 の 中 で 、 たまたま 未 公開 株 を 譲渡 さ れた ので は ない 。 譲渡 の 何 年 も 前 から 、 何度 も 都 内 の 高級 料亭 に 招か れ 、 ゴルフ 接待 を も 受けて いた 。 他の 幹部 と 一緒の こと も あった と いう 。 接待 攻勢 に 漬かり 切って いた 中 で の 株 譲渡 だった 。 リクルート 社 は 進学 ・ 就職 情報 誌 問題 など を 抱えて 、 文部 行政 の 動向 を 重視 し 関係 強化 を 図って いた 時 だ 。 狙い は 何 か を 考え なかった のだろう か 。 いさめる 幹部 は い なかった のだろう か 。 綱紀 弛緩 の 極み であって 、 刑事 責任 以前 の 問題 だ 。 高石 被告 に 反省 の 情 は 見 られ なかった 。 発覚 当初 、 「 株 を 譲り受けた の は 妻 だ 」 と 弁解 し 、 「 常識 的な 付き合い まで 犯罪 に 結び付け られる 時代 に なった の か 」 と も 反論 した 。 判決 は 「 公務 一般 へ の 信頼 を 著しく 損ね 、 社会 的 影響 が 大きい こと は 明らか 。 被告 の 規範 意識 に 問題 が あり 、 刑事 責任 は 非常に 重い 」 と も 判示 した 。 その 通り であろう 。 と する ならば 、 執行 猶予 を 付ける 必要 は あった のだろう か 。 判決 に は この 点 で 疑問 が 残った 。 この 事件 を 契機 に 政治 倫理 が 叫ば れ 、 綱紀 粛正 が 訴え られた 。 しかし 、 その後 に も 共和 汚職 、 東京 佐川 急便 事件 、 ゼネコン 汚職 が 続き 、 乱脈 融資 事件 で は 山口 敏夫 元 労 相 が 逮捕 さ れた ばかりだ 。 実効 は 全く 上がって い ない 。 政 ・ 官 は 健忘症 に 包み込ま れて いる 。 昨今 の 「 官 官 接待 」 問題 も 公務 員 倫理 の まひ であり 、 同根 である 。 ますます 国民 に よる 監視 を 欠かせ ない 。 この 日 の 判決 で は 、 スーパー コンピューター 設置 など に 絡んで 収賄 に 問わ れた 元 NTT 役員 に も 有罪 判決 が 言い渡さ れた 。 昨年 、 有 ・ 無罪 に 分かれた 二 人 の 政治 家 を 含め 、 これ で 収賄 被告 八 人 の 一 審 判決 は 出そろった 。 と いって も 、 すでに 六 年 を 経過 して いる 。 まだ 、 贈賄 側 の 主役 の 江副 浩正 ・ 元 リクルート 社 会長 ら 二 人 は 審理 途中 だ 。 審理 の 難し さ を 考慮 して も 、 長 過ぎた 裁判 と 言わ ざる を 得 ない 。 事件 の 風化 が いわ れる 中 で の 判決 は 意義 を 薄める 。 刑罰 法令 を 適正 かつ 迅速に 適用 して こそ 、 社会 の 規範 順守 に も つながる 。 「 裁判 の 遅延 は 裁判 の 否定 に 等しい 」 と いう 法 格言 も ある 。 司法 の 機能 不全 の 批判 が 渦巻く 昨今 、 この 機会 に 裁判 所 に も 訴訟 促進 の 注文 を つけて おき たい 。 政府 の 行政 改革 委員 会 ・ 規制 緩和 小 委員 会 は 、 七 日 公表 した 規制 緩和 に 関する 最終 報告 で 、 新聞 、 書籍 など 著作 物 の 再 販売 価格 維持 制度 に ついて は 結論 を 出さ ず 、 引き続き 検討 課題 と した 。 報告 は 、 「 独禁 法 上 、 原則 違法 である 再販 に 例外 を 認める ため に は 、 相当 の 特別な 理由 が 必要 」 である と し 、 「 著作 物 に 認め られて いる この 例外 措置 の 妥当 性 に ついて 、 引き続き 議論 を 深めて いく 」 と 結論 を 先 延ばし して いる 。 最終 報告 の 過程 で 盛り込ま れて いた 、 著作 物 再販 の 「 原則 廃止 」 の 方向 が 結局 、 今回 は 見送ら れた 。 しかし 、 この 小 委員 会 報告 を 見る 限り 、 著作 物 の 再販 が 「 原則 違法 」 である から 「 原則 廃止 」 の 方向 で 見直す 、 と いう 考え 方 は 変わって い ない 。 この 結論 を 先 送り した だけ の こと である 。 小 委員 会 と して 、 著作 物 の 再販 を 廃止 す べき 十分な 議論 が 詰まって い ない ため 、 と いう 今回 の 結論 先 送り の 理由 から も 、 その辺 の 事情 が うかがわ れる 。 著作 物 の 再販 制度 の 維持 が 民主 社会 の 基盤 的な 機能 を 担って いる 、 と いう 意義 を なお 理解 せ ず 、 この 最終 報告 で 「 著作 物 の 再販 は 維持 する 」 と の 結論 に 至らなかった の は 納得 が いか ない 。 行革 委 は 、 著作 物 の 再販 が 果たして いる 機能 を 正確に 把握 し 、 再販 を 維持 する 結論 を 出す よう 、 改めて 要望 する 。 最終 報告 全体 を 見て 、 そもそも 、 著作 物 の 再販 制度 見直し を 規制 緩和 策 の 対象 と する こと 自体 、 無理 が ある こと を 改めて 強く 感じる 。 その 発端 は 、 一九九〇 年 に 日 米 構造 協議 を 受けて 政府 が 独禁 政策 の 強化 を 打ち出した 際 、 その 一環 と して 再販 の 見直し が 含ま れた ことだ と さ れる 。 しかし 、 米 側 は 、 こと 著作 物 の 再販 に ついて は 、 日本 が 廃止 する こと に 何の 関心 も ない し 、 利益 も ない と して いる と いう 。 第 一 、 日本 の 新聞 、 書籍 、 雑誌 は 貿易 に かかわる 商品 で は ない し 、 日 米 摩擦 の 火種 である はず も ない 。 著作 物 は 、 「 価格 は 市場 原理 に ゆだねる 」 と いった 枠組み の 消費 財 で は ない こと 、 価格 競争 で は なく 、 正確 、 迅速に して 、 読者 の ニーズ に 的確に 対応 し 、 知る 権利 に 応える 、 と いった 分野 で の 「 質 の 高 さ 」 を 競う べき もの である こと 、 など を 想起 すれば 、 いま 必要な 一連の 規制 緩和 の 枠組み と は 性質 を 異にする こと が 理解 さ れる はずだ 。 著作 物 の 再販 に ついて 報告 は 「 この際 、 広く 国民 の 間 で 十分な 議論 を 」 と 結んで いる 。 経済 流通 だけ の 側面 に 目 を 向け 、 最初 から 「 再販 廃止 」 を 念頭 に 置いた 議論 で は なく 、 長い 時間 を かけて 培って きた 、 民主 主義 社会 の 基盤 維持 に 果たして いる 著作 物 再販 の 機能 に 、 目 を 向けて ほしい 。 もの の 作り手 と 消費 者 、 と いう 次元 を 超えて 、 著作 物 に ついて は 、 どんな 点 が 社会 全体 の 真 の 利益 な の か を 考え たい 。 例えば 、 再販 制度 が 支えて いる 戸別 配達 制度 が 、 究極 で は 、 知る 権利 、 言論 ・ 出版 の 自由 に つながって いる と いう 点 の 理解 を 深め たい 。 今後 、 議論 を 深める に あたって 、 公取委 の 小 委 や 、 この 行革 委 の 小 委 も 、 もっと 幅広い 分野 から の 視点 が 加わる 体制 に す べきで は ない か 。 かつて 高速 増殖 炉 は 「 夢 の 原子 炉 」 と 呼ば れた 。 通常 の 軽水 炉 と 違って 消費 した 核 燃料 以上 の 核 燃料 を 生み出す こと から 、 世界 の エネルギー問題 を 解決 して くれる かも しれ ない と 考え られた のだった 。 ところが 、 高速 増殖 炉 は 水 と 激しく 反応 する ナトリウム を 冷却 材 と して 使う こと など が ネック と なって 開発 が 予想 以上 に 難航 し 、 米国 、 英国 、 ドイツ が いち早く 手 を 引いた 。 技術 的に 最 先端 を 行く フランス も 開発 に 熱意 を 失い つつ ある 。 一方 、 日本 は 「 エネルギー資源 に 乏しい 」 こと を 理由 に 高速 増殖 炉 の 開発 に こだわり 続けた 。 動力 炉 ・ 核 燃料 開発 事業 団 が 六千億 円 かけて 福井 県 敦賀 市 に 建設 した 原型 炉 「 もん じゅ 」 は 今年 八 月 に は 初 送電 に 成功 し 、 来夏 以降 に 出力 一〇〇 % の 本格 運転 を 目指して いた 。 その 「 もん じゅ 」 で 八 日 夜 、 二 次 系 の 配管 から 冷却 材 の 液体 ナトリウム が 漏れ 、 火災 報知 機 が 作動 する と いう 重大な 事故 が 発生 した 。 放射能 漏れ は なかった が 、 大 口径 の 主 配管 から 約 三 トン の ナトリウム が 漏れた と いう 。 実験 炉 「 常陽 」 を 含め 、 日本 の 高速 増殖 炉 で ナトリウム 漏れ 事故 が 起きた の は 初めて の こと であり 、 動燃 の 技術 の 信頼 性 は 大きく 揺らいだ 。 さらに 今回 の 事故 の 情報 が 地元 自治 体 や 国 に 伝え られた の は 発生 から 約 一 時間 後 だった 。 「 もん じゅ 」 は 毒性 の 強い プルトニウム と 、 爆発 の 危険 が ある ナトリウム を 利用 する ため 、 事故 時 の 危機 管理 に は 一層 の 厳密 さ が 要求 さ れる 。 それだけに 情報 伝達 の 遅れ は 問題 を 残した 。 動燃 と 科学 技術 庁 、 原子 力 安全 委員 会 に は 事故 原因 の 徹底 的な 究明 を 望み たい 。 ナトリウム が 漏れた 場所 は 過去 に 改良 工事 を 行った 場所 に 近い と いう が 、 予見 に とらわれ ず に さまざまな 角度 から 検討 す べきだ 。 海外 の ナトリウム 漏れ 事故 と の 類似 性 を 追究 する こと も 欠かせ ない 。 原因 究明 の 過程 で は あらゆる 情報 を 国民 の 前 に 公開 して ほしい 。 地元 が 「 もん じゅ 」 の 建設 に 同意 した の は 、 動燃 の 「 ナトリウム 漏れ など は 起こら ない 」 と いう 説明 を 信用 した から であり 、 今後 、 動燃 や 国 に 誠意 の ある 対応 を 求め たい 。 資源 不足 に 悩む 日本 は 使用 済み 核 燃料 を 再 処理 して プルトニウム を 取り出し 、 新型 転換 炉 や 高速 増殖 炉 、 それ に 軽水 炉 で 燃やす と いう プルトニウム 政策 を 進めて きた 。 プルトニウム は 核 兵器 に も 転用 できる ため 日本 だけ が プルトニウム 大国 の 道 を 歩む こと に 、 海外 から 批判 も 起きて いた 。 ところが 、 新型 転換 炉 の 実証 炉 の 建設 計画 は 今夏 、 ご破算 に なった 。 発電 コスト が 高く つく こと から 電気 事業 連合 会 や 国 が 断念 した もの で 、 プルトニウム 利用 の 一角 が 崩れた 。 そして 今度 は 本命 である 高速 増殖 炉 の 「 もん じゅ 」 で 事故 が 起きた 。 国 の 原子 力 委員 会 は 昨年 六 月 、 新しい 原子 力 開発 利用 長期 計画 を 決定 し 、 プルトニウム の 積極 利用 路線 を 踏襲 した 。 しかし 、 その後 に 二 つ の 事態 が 発生 した 以上 、 プルトニウム 政策 の 見直し を 進め 、 プルトニウム 依存 から 脱却 す べきだろう 。 もはや 「 資源 の 少ない 日本 は 世界 の 流れ に 沿う 必要 は ない 」 と いう 考え 方 は 通用 し にくい 。 繰り返す が 、 事故 原因 の 究明 と 並んで 原子 力 政策 の 見直し が 必要な こと を 政府 は 自覚 す べきだろう 。 来年 とれる コメ の 政府 買い入れ 価格 は 、 八 日 の 米価 審議 会 答申 を 受け 、 五 年 連続 の 据え置き と 決まった 。 市場 価格 の 低落 を 受けて わずか でも 引き下げ を 目指す 政府 側 と 、 「 来るべき 総 選挙 を にらみ 、 政治 判断 で 決める 」 と 据え置き を 主張 する 与野党 の 農林 議員 が 、 例年 の ように 攻防 を 繰り返した 。 米 審 で は 、 新 食糧 法 が 施行 さ れた ばかりで 、 「 価格 算定 式 の 客観 性 と 透明 性 を 重んじる べきだ 」 と 政治 加算 を 批判 する 意見 が 出た が 、 また も “ 政治 決着 ” が まかり通った 。 据え置き 措置 は 「 新法 へ 円滑に 移行 する ため の 軟 着陸 」 と いう 言い訳 も むなしい 。 政府 の コメ 買い入れ 量 は 、 減反 実施 農家 だけ を 対象 に 、 備蓄 用 の 百五十万 トン 分 に 限定 さ れる 。 これ は 全 流通 量 七百万 トン の 二 割 強 に すぎ ない 。 しかし 、 生産 者 米価 は 自主 流通 米 、 計画 外 流通 米 の 値段 の 下支え 効果 を 持つ と み られ 、 コメ 全体 の 価格 形成 に とって 重要だ 。 それだけに 、 政治 の 介入 を 避け 、 新 食糧 法 の 理念 に 沿った 値 決め を 行う べきだった 。 こんな 低次元の 米価 劇 は 、 もう やめ に したら どう か 。 観客 は 農業 団体 と 一部 の 稲作 農民 ばかり で 、 国民 の 多く は 同工異曲 の 舞台 回し に シラけて いる 。 政府 や 与野党 は 、 米 審 で 無駄な エネルギー を 使う より も 、 この際 、 生産 者 米価 を 二〇〇〇 年 まで 凍結 し 、 その 間 に ウルグアイ ・ ラウンド 期間 終了 後 の コメ 作り の 在り 方 を 真剣に 論議 した 方 が 、 よほど 生産 的であり 、 農家 の ため に なる 。 それというのも 、 新 食糧 法 の 限界 が 、 早くも 露呈 さ れて いる から だ 。 新 食糧 法 で は 「 作る 自由 」 も 広がる はずだった が 、 農水 省 は 「 生産 調整 は 生産 現場 の 自主 性 に 任せる 」 と いう 当初 方針 を 変え 、 「 半 強制 的 割り当て 方式 」 を 続ける こと に した 。 もともと コメ 余り の 中 で 、 最低 輸入 義務 を 受け入れ ながら 「 作る 自由 」 も 追求 する こと は 困難だった 。 それ が 新 食糧 法 と 矛盾 する 減反 の 半 強制 に よって 表面 化 した 。 新 食糧 法施 行 に より 、 何 が 変わった だろう か 。 確かに 新規 参入 が 増えて 販売 競争 は 激化 した 。 だが 、 同じ コメ の 値段 が 自主 米 、 計画 外米 、 政府 米 に 分かれる 「 一 物 三 価 」 も 従来 どおり で 、 政府 米 の 価格 水準 は 十九 年 前 と 同じだ 。 二十五 年間 続いた 減反 は 、 なおも 強化 さ れる 。 深刻 化 する 過剰 米 の 負担 が 、 国 から 農協 に 移った 以外 は 「 何も 変わら ない 」 と いう 声 すら 聞か れる 。 今後 、 ブランド の 優劣 を 争う 産地 間 競争 が 激化 し 、 その 一方 で 輸入 圧力 が 加われば 、 農水 省 と 農協 に よる 需給 調整 は ますます 困難に なる 。 新 食糧 法 の 「 作る 自由 」 も 破たん 寸前 と なる 。 財政 再建 が 急が れる ため 、 生産 調整 関連 の 農業 予算 も 潤沢に は 出 なく なる 。 もはや 、 従来 の ような 小手先 対応 は 続か ない のだ 。 従って 、 いま から 新 食糧 法 の 限界 を 見極め 、 ポスト ・ ウルグアイ ・ ラウンド の コメ 政策 を 検討 す べきで は なかろう か 。 二〇〇一 年 以降 、 関税 化 を 認める の か 。 それとも 一段 と 厳しい 代償 を 払って 阻止 する の か 。 それ が 果たして 日本 全体 の 国益 に なる の か 。 農業 転換 に は 時間 が かかる 。 こうした コメ の 基本 問題 に ついて 、 全 国民 レベル で 一刻 も 早く 論議 を 開始 す べきである 。 米価 で 、 不毛な 茶番劇 を 繰り返す 余裕 は ない はずだ 。 現職 の 党首 は 脱落 し 、 羽田 孜 副 党首 と 小沢 一郎 幹事 長 に よる 事実 上 の 一騎 打ち に ―― 。 新進党 の 党首 公選 から 目 が 離せ なく なって きた 。 今回 の 党首 選挙 は 、 昨年 十二 月 十 日 に 新進党 が 結成 さ れて 以来 、 初めて の 公選 である 。 選挙 は 、 千 円 さえ 払えば だれ でも 投票 できる と いう 公開 方式 で 行わ れる 。 不正 投票 を どう 防ぐ か など の 問題 点 を 抱えて いる こと も あり 、 公選 に 対する 国民 の 関心 も いまひとつ だった 。 しかし 、 羽田 、 小沢 両氏 の 激突 に なれば 、 関心 も 盛り上がる ので は ない か 。 当初 は 、 再選 を 狙う 海部 俊樹 氏 と 一 年 前 、 国会 議員 に よる 党首 選 で 敗北 した 羽田 氏 の 二 人 の 対決 に なる ので は と 見 られて いた 。 ところが 、 抜き打ち 的に 行わ れた 今年 九 月 の 執行 部 人事 を きっかけ に 、 反 小沢 感情 が 党 内 で 噴き出し 、 羽田 氏 を 支持 する グループ から 「 羽田 党首 に なった 場合 、 小沢 氏 を 幹事 長 に は 指名 し ない 」 と いった “ 小沢 はずし ” の 動き が 表面 化 した 。 もし 、 それ が 現実 の もの に なれば 、 党 内 で の 影響 力 が 低下 する と 見た 小沢 氏 支持 グループ が 小沢 氏 を 担ぎ出し 、 海部 氏 は 、 その あおり を くった と いう こと だろう 。 海部 氏 は 出馬 断念 の 理由 に ついて 「 党 や 国 の 将来 を 考えた 」 と 語った が 、 実態 は 二十 人 の 推薦 議員 の 確保 も 危なく なり 、 追い込ま れて の 断念 だった 。 九 月 の 自民党 総裁 選 でも 、 河野 洋平 総裁 が 出馬 を 断念 する ケース が あった 。 小 選挙 区 制 に よる 選挙 恐怖 症 が 政界 全体 を 覆い 、 惰性 的に 時間 が 過ぎて いく 中 で 、 リーダーシップ を 発揮 でき ない まま 、 現職 の 党首 が 次々 と 舞台 から 去って いく 。 村山 政権 発足 後 、 閉そく 状況 の 続く 今 の 政局 を 象徴 した 現象 と 言って いい 。 羽田 、 小沢 と いう 自民党 田中 派 以来 の 盟友 が 争えば 、 取り返し の つか ない 亀裂 が 残り 、 保 ・ 保 連合 など 新たな 政界 再 編成 の 火種 に なり かね ない 、 と 心配 する 意見 も 出て いる 。 そう なる か どう か は 別に して 、 小沢 氏 の 出馬 に は 意味 が ある 。 小沢 氏 は 、 自民党 竹下 派 の 分裂 、 細川 ・ 羽田 両 政権 の 樹立 、 新進党 の 結党 など 政局 の 節目 ごと に 、 陰 の 実力 者 、 政界 再 編成 の 仕掛け 人 と して かかわって きた 。 しかし 、 その 政治 手法 に ついて は 独善 的 、 強圧 的 と 指摘 さ れて きた 。 ナンバー 2 に いながら 、 裏 から 実権 を 握る 「 二 重 権力 支配 」 に 対する 批判 も 絶え なかった 。 その 小沢 氏 が 、 表 に 出て 「 将来 的に は 消費 税 を 一〇 % に 引き上げる 」 「 国連 警察 部隊 を 創設 する 」 など の 政策 を 掲げ 、 「 安保理 常任 理事 国 入り を 目指す 」 「 あらゆる 規制 を 撤廃 する 」 など の 政策 を 打ち出し 済み の 羽田 氏 と 論争 する と いう 。 政界 全体 の 政策 論議 を 巻き起こす きっかけ に なる もの と して 歓迎 できる 。 新進党 は 、 青森 県 知事 選 や 参院 選 で 勝利 を 収めた もの の 、 かえって 「 創価学会 と 一体 の 党 」 と いう 批判 を 招き 、 参院 佐賀 補 選 で は 敗北 を 喫した 。 支持 率 も 低下 傾向 に ある 。 公選 で は 、 衆人 環視 の 下 で 党 と 宗教 団体 と の 間合い の 取り 方 が 問わ れる かも しれ ない 。 新進党 は 公選 を これ まで の 党 の 体質 や 政治 手法 を 改善 する 機会 と 位置づけ 、 政策 論争 を 通じて 開か れた 党風 、 国民 参加 型 の 政党 の 確立 を 目指して ほしい 。 自民党 に 代わる 政権 奪取 戦略 を 明示 する こと も 忘れて は なら ない 。 酸性 雨 に よる 水 や 土 の 生態 系 へ の 悪 影響 は 、 国境 を 越える 最悪の 環境 破壊 と み られて いる 。 すでに ヨーロッパ 諸国 は 一九七九 年 に 「 長 距離 越境 大気 汚染 条約 」 を 、 米国 と カナダ は 九一 年 に 「 酸性 雨 防止 協定 」 を 結び 、 原因 物質 の 硫黄 酸化 物 と 窒素 酸化 物 減らし を 進めて きた 。 工業 化 著しい アジア で 、 とりわけ 汚染 物質 を 大量に 排出 する 石炭 エネルギー に 依存 する 中国 経済 の 動向 を 考えれば 、 酸性 雨 の 被害 を 抑える 国際 条約 を 早急に 結ぶ こと が 望ま れる 。 中国 、 韓国 、 世界 銀行 など 十 カ国 と 五 つ の 国際 機関 代表 が 参加 して 先月 、 新潟 市 で 開か れた 「 第 三 回 東 アジア 酸性 雨 モニタリングネットワーク 専門 家 会合 」 は 、 遅く と も 二〇〇〇 年 まで に 「 東 アジア 酸性 雨 モニタリングネットワーク 」 を 設ける こと に 合意 、 酸性 雨 防止 の 条約 へ 向けて 大きく 前進 した 。 アジア 太平洋 経済 協力 会議 の 大阪 宣言 も 「 エネルギー 、 環境 問題 を 長期 的 課題 と し 、 共同 行動 開始 に 向けて 協議 する こと が 必要 」 と して いる 。 酸性 雨 の 共同 測定 、 分析 を 軸 と する ネットワーク 構想 が 、 各国 間 の 公式 の 合意 と なる よう 、 参加 国 政府 の 早急な 決断 を 求め たい 。 新潟 会議 で 、 日本 が モニタリングネットワーク の センター を 引き受ける こと も 決まった 。 酸性 雨 の 観測 と 影響 調査 を 積み重ねて きた 日本 の 経験 、 知見 を 生かして 協力 し たい 。 日本 は また 、 酸性 雨 の 原因 と なる 工場 排煙 中 の 硫黄 酸化 物 、 窒素 酸化 物 を 除く 技術 、 設備 も 開発 し 終えて いる 。 国際 条約 に 伴う 各国 内 の 対策 を 進める ため に 、 安価で 使い やすい 公害 防止 の 装置 と 技術 を 企業 、 政府 間 の 援助 ベース で 日本 から 途上 国 へ 提供 して いき たい 。 現状 は 例えば 、 年 に 七億 トン の 石炭 を 使う 中国 で は 、 年間 千六百万 トン と 日本 の 十五 倍 も の 硫黄 酸化 物 を 排出 して いる のだ 。 環境 庁 の 全国 調査 は 、 大気 が 清浄な はずの 日本 海 側 が 工場 、 大 都市 が 集中 して いる 太平洋 側 より も 総じて 降水 中 の 酸性 度 が 高い こと を 示して いる 。 新潟 県 の 佐渡 や 長崎 県 の 対馬 、 松江 市 に 降る 雨 や 雪 が 東京 並み に 酸性 化 して いる 理由 は 、 「 大陸 渡来 」 と しか 説明 の しようがない 。 北風 が 吹く 冬 に 、 日本 海 側 で 硫黄 酸化 物 に よる 硫酸 イオン 濃度 が 高く なる の が 何より の 証拠 であろう 。 酸性 雨 の 害 は 土壌 、 水 、 森林 に 蓄積 して いく 。 そして ある 限度 を 超す と 突然 地力 が 衰え 、 欧 米 に 見 られる ように 森 は 枯れ 、 水 が 毒性 を 帯びて くる 。 条約 へ の 足元 は 固まって きた が 、 問題 は 時間 と の 競争 である 。 欧州 で は 一九七二 年 、 十一 カ国 に よる 「 大気 汚染 物質 長 距離 移動 計測 共同 技術 計画 」 を 立て 、 七九 年 に 条約 を 締結 した 。 しかし 、 三十二 カ国 加盟 の 条約 が 発効 した の は 八三 年 の こと だ 。 さらに 、 条約 の 内容 を 具体 的に 数値 化 し 、 九三 年 まで に 各国 が 八〇 年 と 比較 し 、 少なくとも 三〇 % 硫黄 酸化 物 の 排出 量 を 減らす 議定書 が まとまった の は 八五 年 、 窒素 酸化 物 に ついて は 八八 年 まで かかった 。 この 間 に ドイツ の 森林 、 スウェーデン の 湖 は 回復 不能な まで に 被害 が 悪化 して いった 。 工業 化 の 水準 に 差 の ある アジア で は 条件 は さらに 困難である 。 欧州 の 経験 に 学び 、 日本 が 先頭 に 立ち 敏速な 判断 、 行動 を 望み たい 。 高速 増殖 炉 「 もん じゅ 」 の ナトリウム 漏出 事故 で 、 安全 性 へ の 信頼 が 揺らぐ 中 、 同じ 原発 地帯 の 石川 県 で 、 原発 推進 派 の 現職 市長 が 当選 した 一九九三 年 四 月 の 珠洲 市長 選 を 無効 と する 判決 が 十一 日 、 言い渡さ れた 。 名古屋 高裁 金沢 支部 の 判決 と 、 もん じゅ の 事故 と は 何の 関係 も ない 。 だが 、 原発 立地 を めぐり 、 住民 を 二 分 する 争い は 珠洲 市 だけ で は ない 。 もん じゅ の 事故 を きっかけ に 反 原発 グループ の 抗議 運動 も 高まり を 見せて いる 。 この 二 つ の 出来事 は 、 原発 に かかわる 各 地域 が 共通 して 抱える 問題 点 と いえよう 。 珠洲 市長 選 は 、 原発 建設 に 住民 の 意見 を 反映 する 重要な 手続き であった 。 その 選挙 管理 に 違法 性 が あり 、 正しく 行わ れて いれば 「 選挙 結果 が 異なる 可能 性 が あった 」 と 判決 は 明確に 認定 した 。 極めて 異例であり 、 選管 関係 者 は 、 判決 を 深刻に 受け止める 必要 が ある 。 争い は 、 上告審 に 持ち込ま れる かも しれ ない が 、 重大な 疑い を 持た れた こと 自体 を 反省 す べきだ 。 判決 は 、 主として 、 二 点 に ついて 厳しい 判断 を 示して いる 。 一 つ は 、 不在 者 投票 の 管理 に ついて だ 。 「 不在 者 投票 を する 理由 が ある か どう か 関心 を 持た ず に 漫然と 受理 して いた 」 「 不在 者 投票 の 審査 に 必要な 口頭 説明 を 求め ず 、 フリーパス に 近い 形 で 受け付けて いた 」 。 つまり 、 不在 者 投票 へ の 対応 が 「 選挙 は 無効 」 と 判断 せ ざる を 得 ない ほど ずさんだった と いう のである 。 開票 点検 作業 も 「 選挙 会 会場 と は 別の 部屋 で 、 開票 権限 の ない 者 まで 呼び込んで 継続 した の は 、 選挙 の 公正 の 原則 に 著しく 反する 」 と 指摘 。 さらに 選挙 長 に は 「 安易な 当選 の 宣言 も 含めて 開票 手続き の 根幹 に 誤り が あった 」 と して いる 。 判決 が 指摘 した 数々 の 違法 が 意図 的な もの で は なかった に せよ 、 いかにも お粗末である 。 ムラ 型 選挙 の あしき 面 が 露呈 した と の 批判 は 、 免れ られ まい 。 これ は 、 珠洲 市 だけ の 特別な ケース で は ない 。 原発 は 多く 、 過疎 の 地 に 建設 さ れる 。 さまざまな 思い 、 利害 関係 が もつれ 、 各地 で 推進 派 と 反対 派 が 泥仕合 を 演じて きた 。 狭い 地域 に 激しい 対立 が 生じた 場合 、 選挙 管理 に も 違法 が 入り込む 危険 が ある と 考える べきだろう 。 選管 の 体制 、 人員 が 十分で は ない 市町村 で は 、 改めて 公職 選挙 法 の 趣旨 を 徹底 さ せ 、 同時に 公正な 選挙 を 実施 する 体制 の 充実 が 必要だ 。 住民 に も 冷静な 判断 と 行動 、 公正な 選挙 を 行う 自覚 が 求め られよう 。 公選 法 に よる と 、 無効 が 確定 した 日 から 五十 日 以内 に 再 選挙 し なければ なら ない こと に なって いる 。 しかし 、 被告 の 県 選管 が 上告 すれば 最高裁 の 確定 判決 が 出る まで 、 再 選挙 は 行わ れ ない 。 無効 と 判断 さ れた 選挙 で 当選 した 現 市長 は 、 既に 任期 を 二 年 八 カ月 も 務めて いる 。 最高裁 が いつ 、 どんな 内容 の 判決 を 下す か 分から ない が 、 時期 に よって は 「 無効 選挙 」 で あり ながら 、 任期 を 全うする 奇妙な 事態 に なり かね ない 。 判断 を 最高裁 に ゆだねる の は 、 被告 の 当然の 権利 である 。 だが 、 最高裁 が 逆転 の 判決 を 下した と して も 失わ れた 選挙 へ の 信頼 は 取り戻せ まい 。 公正な 選挙 で 、 住民 の 意見 を 再び 問う の が 筋 で は ない だろう か 。 「 私 達 の 学校 は 普通の 小学校 です 。 でも 先生 や 生徒 達 が 違う のです 」 と 、 栃木 県 の 黒磯 小学校 六 年 、 山下 育子 さん は 書き始めた 。 視覚 障害 の 育子 さん が 普通 学級 で 学ぶ ため に 、 「 先生 は 黒板 に 書く 時 、 声 を 出して 書いて くれたり 、 声 を そろえて 問題 を 二 回 読み ましょう 、 と 言って くれ ます 」 。 運動 会 で は 「 走る の が 早い 男の子 が 私 を リード して くれる 」 、 ソフトボール も 「 私 が 打った ボール は 十 秒間 拾って は いけない 。 ピッチャー は ボール を 打ち やすい ように 近く に 寄って やわらかな ボール を 投げる 」 。 「 みんな の 暖かい 優しい 心 は 、 きっと いつまでも 変わら ない でしょう 。 大人 に なり 街 で 出会った 障害 者 に も 優しく 声 を かけて くれる こと でしょう 。 それ が 自然に ある こと が 、 私 達 障害 者 は 嬉しい のです 」 「 雑草 でも 小さな あり でも 、 みんな 一生けんめい 生きて いる 仲間 です 。 どんな 障害 を 持って いて も 助け合って 生きて い たい と 思い ます 。 回り に は 大勢 の 友達 が い ます 。 私 達 障害 者 も 下 を 向いて いて は いけない 。 もっと 積極 的に 輪 に 入ら なくて は なら ない と 思い ます 」 。 そう 結んだ 。 「 大人 に なって も 」 と 題する 点字 の 作文 は 、 母親 の 保子 さん が 書き写し 、 総理 府 主催 の 「 心 の 輪 を 広げる 体験 作文 」 に 応募 して 小学生 の 部 で 最 優秀 賞 を 得た 。 ちょうど 今 年度 の 「 障害 者 白書 」 が まとめ られた 。 その 冒頭 に 「 四 つ の 障壁 」 が 取り上げ られて いる 。 歩道 や 出入り口 の 段差 、 歩道 橋 や 駅 の 階段 など 移動 を 阻む 「 物理 的な 障壁 」 、 大学 入試 や 資格 制度 や 就職 試験 で 体験 する 「 制度 の 障壁 」 、 視覚 障害 者 や 聴覚 障害 者 を 悩ま せる 「 文化 ・ 情報 面 の 障壁 」 、 そして 障害 者 へ の 偏見 ・ 差別 から 優越 感 の 裏返し の ような 憐れみ まで 「 意識 上 の 障壁 」 である 。 この 現状 や 障壁 を 取り払う 「 バリア フリー 」 へ の 道筋 は 、 育子 さん の 作品 と 同様に 、 「 体験 作文 」 入選 群 の 中 に ぎっしり 詰まって いた 。 群馬 県 邑楽 郡 の 小学 五 年 、 押金 光 さん は 車 いす の 同級 生 、 かよ ちゃん が 音楽 室 や 職員 室 へ の 階段 を 「 訓練 に なる 」 と 腕 で はい 上る 姿 に 涙 が 出 そうに なった 。 東京 から の 首都 移転 を 検討 して いた 政府 組織 「 国会 等 移転 調査 会 」 は 十三 日 、 最終 報告 を まとめ 公表 した 。 この 報告 書 は 村山 富市 首相 に 手渡さ れ 、 政府 と して の 具体 的な 移転 に 向けて の 体制 づくり を 促す 形 と なって いる 。 この 最終 報告 書 の ポイント は 、 二 年 以内 に 移転 候補 先 を 決定 する こと と 、 その 移転 先決 定 の 条件 を 列挙 して いる こと に ある 。 その 中 で 最も 重要な 条件 は 、 東京 から 六十キロ 以上 、 三百キロ 以内 であり 、 地震 、 火山 など の 大規模 災害 の 可能 性 が 小さい こと の 二 点 である 。 ここ で 新 首都 を 東京 から 三百キロ 以内 と した の は 、 相当 の 期間 に わたって 事実 上 の “ 二 重 首都 ” と なら ざる を 得 ない こと で 、 新幹線 で 二 時間 以内 と いう 制約 を つけた 。 後者 の 自然 条件 と 同様 、 やむ を 得 ない もの と 考える 。 報告 書 に よれば 、 「 専門 的 かつ 中立 的 選定 機関 」 が 候補 地 の 調査 、 選定 を 行い 、 国会 に 報告 する こと に なって いる 。 政府 は こうした 提言 を 率直に 受け止め 、 速やかに 機関 を 設置 する など 、 各論 へ 向けた 行動 を 展開 して もらい たい 。 しかし 、 首都 移転 が 総論 から 各論 に 近付く に つれ 、 議論 が 矮小 化 さ れ 、 当初 の 壮大な 構想 が 否定 さ れる ので は 困る 。 既に 移転 先 を めぐって 、 その 兆し が ある 。 ある 閣僚 は 「 名乗り を 上げて いる 中 で は 滋賀 県 が 一 番 良い と 思う 」 と 言った そうだ 。 内閣 の 一員 と して 軽率 極まる で は ない か 。 一方 、 この 報告 書 に 最初 から 条件 と して 記載 さ れて い ながら 、 公表 直前 に 削除 せ ざる を 得 なかった 部分 が ある 。 それ は 「 日本 の 中心 部 は すでに 人口 や 産業 等 が 高度に 集積 して おり …… 」 と の くだり で 、 暗に 特定の 地方 を 指して いる と さ れ 、 カット さ れた 。 特別 豪雪 地帯 を 避ける 、 と の 記述 も やはり 積雪 寒冷 地 の 自治 体 の 反発 で 削ら れた 。 早くも 先 が 思いやら れる 「 基準 」 づくり である 。 私 たち が かねて 指摘 して いた ように 、 首都 移転 に かかわる 仕事 の うち 、 最も 重要で 、 困難な こと は 移転 先 の 決定 である 。 言い換えれば 、 この 大きな ハードル を 越える こと が 、 新 首都 建設 へ の 第 一 歩 と なる 。 既に 幾 つ も の 地方 自治 体 が 名乗り を 上げて いる 。 現在 まで 八 道 県 が 議会 で 首都 移転 誘致 の 決議 を 行って いる 。 それ を とやかく 言う つもり は ない が 、 首都 移転 は 誘致 や 、 陳情 の レベル で 検討 さ れる べきで は ない 。 まして 、 地元 選出 の 国会 議員 など が 、 無責任な 言動 を する こと は 、 厳に 慎む べきであろう 。 移転 先 は 、 二十一 世紀 の 国土 の グランド デザイン の 中 で 、 国民 の コンセンサス を 得 ながら 決定 さ れる べき 事柄 であって 、 地域 振興 など と いう 議論 の 入り込む 余地 など 少ない はずである 。 諸 外国 の 例 を 見て も 首都 を 受け入れる 地域 は 、 むしろ 過大な 要請 に 応える ため の 重い 責任 を 負わさ れる の が 普通だ 。 経済 団体 など 経済 界 に も ひとこと 苦言 を 呈して おく 。 十四兆 円 プロジェクト と いう こと で 、 あたかも 首都 移転 を 景気 対策 と のみ 受け止める 向き が 多い 。 これ も 国民 の コンセンサス 形成 に あまり 役立つ と は 思わ れ ない 論理 だ 。 “ 土建 国家 ” の 延長線 上 の 発想 と 誤解 さ れ かね ない 。 この 報告 書 の 書き出し は 「 首都 機能 移転 と いう 壮大な 歌劇 の 序曲 を 奏でる こと である 」 と した 。 序曲 で 終わら せて は なら ない だろう 。 いつも 親族 の い ない 葬儀 に なる のだ が 、 縁者 が 遺骨 を 受け取り に 訪ねて きた 。 しかし 、 その 小さな 遺骨 の 包み は 最寄り の 私鉄 車 内 の 網棚 に 置き去り に さ れて いた と いう 。 国立 多磨 全 生 園 で 聞く 悲憤 の 声 は 、 死んで も なお まとわり つく 偏見 と 差別 の 底 知れ ない 深 さ を 伝える 。 「 らい 予防 法 見直し 検討 会 」 は 、 同法 廃止 を 求める 報告 書 を 厚生 省 に 提出 した 。 その 中 で 、 何より も 私 たち が 改めて 理解 を 広める べき は ハンセン 病 は 多く の 感染 症 の ひと つ に 過ぎ ない こと だ 。 専門 医 の 検討 を 加え 報告 書 は 「 らい菌 の 毒 力 は 極めて 弱く 、 ほとんど の 人 に 対して 病原 性 を 持た ない ため 、 人 の 体 内 に らい菌 が 侵入 して 感染 が 成立 して も 、 発病 する こと は 極めて 稀である 」 と 明確に 指摘 する 。 しかも 一九四三 年 に 開発 さ れた 画期的 新薬 「 プロミン 」 以来 、 治療 法 の 進歩 は 目覚ましい 。 八一 年 に WHO が 提唱 した 多 剤 併用 療法 に より 「 わずか 数 日 の 服用 で 菌 は 感染 力 を 喪失 する 」 「 早期 発見 と 早期 治療 に より 、 障害 を 残す こと なく 外来 治療 に よって 完治 する 病気 と なり 、 不幸に して 発見 が 遅れ 障害 を 残した 場合 でも 、 外来 治療 や リハビリ に より 障害 は 最小 限 に 食い止める こと が できる 」 。 わが国 の 新規 患者 は 外国 人 を 含み 年間 十 人 を 切った 。 生活 環境 の 向上 した 先進 国 で は ハンセン 病 は すでに 克服 さ れ 、 あるいは 終息 に 向かう 。 それでは 、 なぜ 、 いわれなき 迫害 の 歴史 が 延々と 続いた の か 。 「 富国 強兵 」 の 時代 は 、 治療 より 隔離 に 走った 。 患者 狩り の ため に 遺伝 病 と か 強力な 伝染 病 と 宣伝 した 。 療養 所 で は 、 男性 が 断種 手術 し なければ 結婚 さえ 許さ なかった 。 その 後遺症 を 戦後 も 引きずり 、 予防 法 は 、 むしろ 早期 発見 と 早期 治療 を 阻む 要因 で あり 続けた 。 病んで いた の は ハンセン 病 患者 で は なく 、 私 たち の 社会 が 病んで いた と 言う ほか ない 。 報告 書 は 「 国 に よる らい 予防 法 の 見直し は 遅れた と 言わ ざる を 得 ない 」 と 述べ 、 「 患者 と その 家族 の 苦難 の 歴史 に かんがみれば 国 は 反省 の 上 に 立って 」 と 、 生活 支援 や 後遺 障害 治療 の 継続 と 充実 を 求める 。 全国 ハンセン 病 患者 協議 会 は 、 もっと 厳しく 国 の 謝罪 と 国家 賠償 的な 償い を 迫る 内容 を 望んで いた 。 強い 不満 が 残る に 違いない が 、 森井 忠良 ・ 厚 相 は 率直に わび 、 長く 非道な 歩み に 終止符 を 打って ほしい 。 社会 から 切り離さ れ 、 子供 を 産む こと さえ 許さ れ なかった 人々 は 、 予防 法 廃止 後 も 療養 所 で 暮らす ほか ない 。 平均 七十 歳 に 達する 五千八百 人 の 余生 に 手厚い 支援 を 続けて ほしい 。 見直し 検討 会 の 座長 を 務めた 大谷 藤郎 氏 は 、 厚生 省 元 幹部 であり 、 ハンセン 病 へ の 偏見 と 戦い 続けた 一 医師 で も ある 。 かつて は 不治 の 病 であった 結核 を 患った 若い 日 を 振り返り ながら 、 自著 「 現代 の スティグマ 」 に こう 書いて いる 。 偏見 は 「 専門 家 や 役人 など 関係 者 に よって つくら れ 、 知ら ない 間 に 一般 化 して しまう 。 我々 は 油断 して いる と 、 いつの間にか 知ら ない 間 に 、 弱い 人 、 病気 の 人 に 対して 加害 者 に なって しまう と いう 、 人間 の 本質 的な 悲し さ が あり 、 それ を 自戒 す べきで は ない か 」 と 。 報道 の あり 方 へ の 重い 問いかけ で も ある 。 政府 は 十四 日 、 オウム 真理 教 に 対し 破壊 活動 防止 法 に 基づく 団体 規制 の 適用 を 求める 手続き 開始 に 踏み切った 。 法務 省 と 、 その 外局 である 公安 調査 庁 の 強い 適用 意向 に 、 慎重な 態度 だった 村山 富市 首相 が 、 最終 的に 了承 した 結果 である 。 これ で 、 公安 調査 庁 が 、 教団 へ 弁明 の 機会 を 与え 、 その うえ で 、 同 庁 長官 が 公安 審査 委員 会 へ 判断 を 求める 。 同 審査 委 が 解散 処分 を 決めれば 、 オウム 真理 教 は 消滅 する 。 破防法 は 「 団体 と して 暴力 主義 的 破壊 活動 を 行い 、 さらに 将来 も 継続 または 反復 して 同様な 活動 を する 恐れ が 明らか と 認め 得る 十分な 理由 が あれば 、 公安 審査 委 が 解散 処分 を 決定 できる 」 と 定めて いる 。 解散 処分 が 決定 すれば 、 その 団体 の ため の いかなる 活動 も 法 は 許して い ない 。 法務 ・ 公安 調査 庁 は 将来 の 破壊 活動 の 恐れ に ついて 、 場合 に よって は 殺人 すら 認める 教義 を 信じ 、 麻原 彰晃 被告 に 帰依 し 続ける 信者 が 多数 いる 点 を 挙げて いる 。 過去 の 暴力 主義 的 破壊 活動 に 関して は 、 松本 サリン 事件 を 適用 可能な 活動 と 判断 した 。 オウム 真理 教団 に よる 異様な 犯罪 は だれ を も 怒ら せた 。 消滅 さ せ 得る 法 が ある なら 、 適用 を い とう な と いう 声 も 大きかった 。 国会 で は 一 時期 、 新進党 が 強く そう 主張 して いた 。 しかし 、 この 法 は 政治 的 暴力 活動 の 防止 を 主な 目的 に して いる 。 しかも 「 国民 の 基本 的 人権 に 重大な 関係 が ある から 、 公共 の 安全 の ため に 必要 最小 限度 に 適用 」 する と 、 条文 第 二 条 に 早くも 記して いる 。 実効 力 が 極めて 強い だけ に 、 法 自体 が 適用 に 慎重 さ を 求めて いる のである 。 その こと と オウム 真理 教 を めぐる 現在 の 状況 を どう 考える か 、 じっくり 考察 する 必要 が ある ので は ない か 。 今年 十 月 、 公安 調査 庁 が 同 教団 に 一 度 は 破防法 を 適用 し 、 団体 規制 に 踏み切ろう と した 。 しかし 、 村山 首相 は 宗教 法人 法 に よる 解散 命令 を はじめ 、 他の 法 手続き の 効果 を 見定め たい と 、 判断 を 凍結 して きた 。 「 凍結 」 以後 、 オウム 教団 に 破防法 を 、 どうしても 適用 し なければ なら ない 新たな 状況 に なった の か 。 十四 日 に は 東京 地裁 が 教団 全 資産 の 仮 差し押さえ に 入った 。 すでに 同 地裁 から 宗教 法人 法 に よる 教団 の 解散 命令 が あった 。 教団 側 の 即時 抗告 に 対して も 、 近く 東京 高裁 が 判断 する と 見 られて いる 。 教団 側 が 最高裁 へ 特別 抗告 して も 、 高裁 の 即時 抗告 棄却 の 時点 で 、 オウム 真理 教団 財産 の 保全 、 清算 の 実効 力 が 生まれる 。 それ より 何より 、 仮 差し押さえ で 財産 は 保全 さ れる 。 主だった 教団 幹部 は 起訴 さ れ 、 公判 が 始まって いる 。 法 の 施行 以来 、 結社 の 自由 を 掲げた 憲法 と どう 折り合う か が 問題 視 さ れて きた 法 だ 。 だからこそ 一 度 も 適用 して こ なかった 団体 規制 を 、 この 段階 で なぜ 適用 し なければ なら ない の か 。 説得 力 に 欠け は し ない か 。 まだ 危ない から 、 と 主張 する の は 、 現行 刑法 、 その他 の 法 に 基づく 捜査 、 調査 の 能力 を 自ら おとしめる こと に なら ない か 。 今後 、 公安 審査 委 は 慎重な 審査 を し なければ なら ない 。 オウム 真理 教 犯罪 に 対する 怒り の 国民 感情 は 、 まことに 強い けれども 、 破防法 適用 だけ が 宝刀 で は ない 。 公安 審査 委 が 適用 を 決定 する 場合 でも 政府 は 、 今後 は 適用 申請 に 慎重な 態度 を 保持 する 趣旨 の 声明 を 発する 必要 が ある と 考える 。 ボスニア・ヘルツェゴビナ 内戦 の 和平 協定 が 十四 日 、 パリ で 正式 調印 さ れた 。 バルカン の 小国 を 舞台 に した 、 すさまじい 殺戮 と 破壊 に ようやく 終止符 が 打た れる わけで 、 待ちに待った 朗報 と いって よい 。 しかし 、 協定 文書 の 調印 は 「 紙 の 上 の 平和 」 に すぎ ない 。 合意 を 実施 に 移し 、 持続 的な 平和 を 築ける か どう か 、 これ から が 正念場 である 。 家 を 焼か れ 、 故郷 を 失い 、 肉親 を 殺さ れる 悲劇 は 、 ボスニア の 三 民族 すべて を 巻き込んだ 。 その 生々しい 傷 を ひきずり ながら 、 戦闘 の 再発 を 防ぎ 、 難民 を 帰還 さ せ 、 住宅 、 道路 、 病院 など 生活 基盤 の 復興 を 進め なければ なら ない 。 いずれ も 気 の 遠く なる ような 困難な 仕事 であり 、 失敗 は 許さ れ ない 。 ちょっと した つまずき が 内戦 を 再発 さ せる 誘因 に なり かね ない から だ 。 協定 調印 は 前途 多難な 大 事業 の 開始 を 告げる 号砲 に すぎ ず 、 ボスニア の 和平 は まだ 薄氷 の ように 危うい 。 和平 協定 の 核 に ある の は 、 敵対 して きた 民族 が 元通り 一緒に 住む の は 無理である から 、 居住 地域 を 分離 して 紛争 再発 を 防ごう と いう 考え だ 。 ボスニア 国家 は 名目 的に は 存続 する もの の 、 中央 政府 の 権限 は 外交 など ごく 一部 の 分野 に 限ら れ 、 国土 は セルビア 人 勢力 地域 と イスラム 教徒 ・ クロアチア 人 連合 の 地域 に 二 分 さ れる 。 各 地域 は 国防 も 含め 広範な 行政 権 を 行使 できる ので 、 事実 上 は 二 つ の 国家 へ の 分解 と いって よい 。 互い の 境界 付近 で 戦闘 が 起こる の を 防ぐ ため 、 北 大西洋 条約 機構 を 中心 に 約 六万 人 の 多 国籍 軍 が 駐留 する 。 この “ 戒厳 令 ” 類似 の 状態 下 で 戦後 復興 を 進め 、 民生 の 安定 を 図る と いう 筋書き だ 。 しかも 、 新生 ボスニア の 基盤 固 め は 一 年 で メド を つけ なければ なら ない 。 多 国籍 軍 の 駐留 期間 が 一 年間 と なって いる から だ 。 短 期間 で 大 仕事 を 成功 さ せる ため に は 二 つ の 条件 が 不可欠だろう 。 ボスニア の 三 民族 の 自助 努力 と 国際 社会 の 粘り強い 支援 だ 。 まず 、 ボスニア の 三 民族 から は 和平 協定 に 各種の 不満 が 出て いる が 、 甘え と 身勝手 さ も いい加減に して ほしい と 思う 。 協定 を 批判 する 前 に 、 自分 たち が 引き起こした 戦争 を 自力 で 収拾 でき なかった 無能 さ を 反省 す べきであろう 。 内戦 の 全 当事 者 を 一〇〇 % 満足 さ せる 和平 協定 など 有り 得 ない 。 協定 内容 に 不満 は あって も 平和 回復 を 最 優先 し 、 その 誠実な 履行 に 努める の が 、 二十万 人 に 及んだ 内戦 の 死者 に 対する 生き残った 者 の せめても の 償い で は ない か 。 国連 や 欧州 連合 は ボスニア 和平 仲介 の 功績 を 米 外交 に さらわ れ 、 無力 感 を かみしめて いる 。 だが 、 民生 面 の 戦後 復興 支援 で は NATO の 制服 組 で は なく 、 緒方 貞子 さん 率いる 国連 難民 高等 弁務 官 事務 所 や EU の 平服 組 の 働き に 期待 し なければ なら ない 。 旧 ソ連 諸国 も 加盟 して いる 全欧 安保 協力 機構 は 欧州 全体 と して の 協調 支援 を 組織 して ほしい 。 河野 洋平 外 相 は ボスニア の 戦後 復興 へ の 協力 を 表明 した 。 ただし 、 日本 の 資金 は 多 国籍 軍 の 駐留 費 に 振り向け ず 、 民生 復興 に 使途 を 限る べきであり 、 その こと を はっきり と 言明 す べきだろう 。 医師 、 看護 婦 の 派遣 や 義肢 の 寄贈 など 「 顔 の 見える 支援 」 に も 取り組み たい と 思う 。 中国 の 民主 化 運動 の シンボル 、 魏 京生 氏 に 対して 北京 市 第 一 中級 法 院 が 政府 転覆 陰謀 罪 で 懲役 十四 年 、 政治 権利 はく奪 三 年 の 刑 を 言い渡した 。 午前 に 開廷 し 、 その 日 の 午後 に は 判決 と いう スピード 判決 だ 。 同氏 は 一九七八 年 末 から 七九 年 三 月 に かけて の 「 民主 の 壁 」 運動 で 、 華 国鋒 主席 ら “ すべて 派 ” を 批判 して いた トウ 小平 氏 が 「 新しい 独裁 者 」 に なる 恐れ が ある と 警告 した 。 また トウ 氏 ら の いう 農業 、 工業 、 国防 、 科学 技術 の 「 四 つ の 近代 化 」 で は 不十分で 「 五 つ 目 の 近代 化 」 ―― 「 政治 の 近代 化 」 が 不可欠だ と 訴えた 。 魏 氏 は 共産党 内 の 権力 闘争 が 一応 の 決着 を みた あと 逮捕 さ れ 、 七九 年 十 月 に 反 革命 宣伝 罪 など で 懲役 十五 年 の 判決 を 受けた 。 九三 年 九 月 に 刑期 を 半年 残して 仮 釈放 さ れた が 、 昨年 四 月 に 再び 拘束 さ れて いた 。 判決 に よる と 、 同氏 は 政府 転覆 の ため 、 民主 化 運動 に 資金 援助 する 銀行 の 設立 を 図った ほか 、 非 政府 系 の 絵画 展 や 公演 、 出版 を 行う 会社 を 弟 の 名義 で 香港 に 設立 、 「 現 政権 に 動揺 を 与える ような 風波 」 を 起こそう と した 、 と いう 。 ドイツ など 欧 米 諸国 政府 は 魏 氏 の 行為 は 中国 憲法 も 認めて いる 言論 の 自由 の 範囲 内 に あり 、 不当 判決 だ と 一斉に 批判 して いる 。 特に 中国 の 人権 問題 に 厳しい 目 を 向けて きた 米国 は マカリー 大統領 報道 官 が 「 民主 化 の 声 を 封殺 する あらゆる 行為 を 糾弾 する 」 と 非難 、 魏 氏 の 釈放 を 求めた 。 議会 から も 人権 問題 と 対 中 最恵国待遇 供与 を もう 一 度 リンク さ せる よう 要求 する 声 が 上がって いる 。 中国 の 第 三 世 代 の 指導 者 、 江沢 民 国家 主席 は これ まで こと ある ごと に 「 信頼 を 増し 、 面倒 を 減らし 、 協力 を 進め 、 対抗 し ない 」 の が 対 米 関係 の 基本 方針 だ と 強調 して きた 。 今回 の 判決 は どう みて も 米 中 間 の 「 面倒 」 を 増やす もの だ 。 二 つ の 可能 性 が ある 。 一 つ は 中国 内部 で 近年 くすぶって いる 対 米 強硬 論 が 勢い を 増して いる 場合 、 もう 一 つ は 台湾 問題 と ともに 米 中 関係 に 刺さった 人権 問題 と いう トゲ を 抜く ため の 政治 儀式 である 場合 だ 。 さまざまな 兆候 から みて 後者 の 可能 性 が 強い が 、 その 場合 は 、 いずれ タイミング を みて 魏 氏 を 心臓 病 や 高 血圧 の 「 治療 」 名目 で 国 外 に 出す こと に なろう 。 中国 は これ まで も 反 体制 物理学 者 、 方 励之 氏 ら を 治療 名目 で 出国 さ せて いる 。 最近 で は 米国 籍 を 取得 した ハリー ・ ウー 氏 を スパイ 罪 で 有罪 に した 直後 に 、 やはり 「 病気 治療 」 で 出国 さ せて いる 。 国 外 に 出た 民主 化 運動 活動 家 は 次第に 中国 国 内 の 民衆 に 対する 影響 力 を 失って いく の が これ まで の 常だった 。 いずれ に せよ 魏 京生 氏 の 身柄 の 長期 拘束 と 外国 人 の 傍聴 を 許さ ない 裁判 は 、 中国 の 法治 主義 が まだ 道 遠い もの である こと を 世界 に 示し 、 中国 の イメージ を 大きく 傷つけた 。 中国 の 刑事 訴訟 法 に よって も 、 公安 当局 は 被疑者 を 拘置 した あと 三 日 以内 に 検察 院 に 逮捕 の 許可 を 求め 、 検察 院 は 三 日 以内 に 逮捕 に 同意 する か どう か を 決め なければ なら ない 。 仮 釈放 中 と は いえ 、 魏 氏 の 正式 逮捕 は 身柄 拘束 から 一 年 半 も 後 の 先月 下旬 だった 。 新華社電 は 魏 氏 に は 弁護 士 も つき 「 自分 で 十分な 弁護 」 も 行った と 強調 して いる が 、 外国 報道 陣 を 締め出した 裁判 で は 説得 力 に 欠ける 。 一九九六 年度 の 税制 改正 大綱 が 十五 日 決まった 。 連立 与党 の 税制 改革 プロジェクト チーム は 言う に 及ば ず 、 政府 税制 調査 会 で の 議論 の 中心 は 土地 税制 だった 。 その 結果 、 土地 に かかわる 税制 は 、 ほぼ 全面 的に 緩和 さ れる こと に なった 。 主要な 論点 は 二 つ ある 。 第 一 に 九二 年 一 月 に 導入 さ れた 地価 税 の 税率 が 〇・一五 % に 引き下げ られた 。 地価 税 は 導入 時 は ともかく 、 その後 、 バブル 崩壊 で 地価 の 下落 が 続く に つれ 、 不動産 業界 を はじめ と する 経済 界 から 廃止 を 求める 要望 が 強かった 。 この 意向 を 受けた 自民党 が 廃止 ・ 凍結 を 主張 した の に 対し 、 社会党 が その 存続 を 求めて 対立 した 。 結果 だけ を 見る と 、 税率 と 課税 対象 の 拡大 で 両者 の 妥協 を 図った 形 である 。 一方 、 固定 資産 税 も 税額 の 今 年度 比 増加 率 が 軽減 さ れる こと に なった 。 とくに 地価 税 の 税率 下げ は 、 土地 持ち の 企業 に とって 朗報 であろう 。 だが 、 土地 政策 の 中 で 、 この 税制 改正 を どう 位置付ける か 、 明快な 理論 付け が ない まま 、 緩和 と いう 事実 を 政治 的に 先行 さ せる こと に なった 。 私 たち が これ まで も 主張 して きた ように 、 地価 税 だけ を 取り上げ 、 廃止 や 凍結 を 議論 する の は 、 適当 と は 言え ない 。 まして 、 経済 界 の ように 地価 税 の 存廃 は 、 景気 の 先行き に 大きな 影響 を 与える と いった “ 語り口 ” に は 賛成 でき ない 。 土地 保有 税 と して 導入 さ れた 地価 税 を 再 検討 する ため に は 、 まず 日本 の 土地 政策 の 中 で 、 土地 の 保有 コスト の 水準 を 検討 する こと から 始める の が 肝要である 。 具体 的に は 、 国税 である 地価 税 と 地方 税 の 固定 資産 税 の 役割 分担 など を 総合 的に 検討 する の が 本来 の 筋 であった 。 そもそも 経済 界 が 地価 税 の 廃止 を 主張 し 始めた の は 、 創設 に 際して の 立法 趣旨 や 資産 課税 全体 の 中 で の 位置付け が いまひとつ 明らかで なかった こと に も よる 。 しかも 、 固定 資産 税 を 管掌 する 自治 省 が 、 実質 的な “ 大 増税 ” に つながる ような 評価 替え を 行い 、 一方 で 激変 緩和 措置 を とる など して 、 企業 の 不安 感 を 高めた こと も 、 土地 税制 に 対する 不信 感 を 募ら せた のだ 。 こうした 保有 課税 の 基本 的 理念 を 欠いた 改革 の ツケ を いま 払わさ れた と も いえよう 。 第 二 の 視点 は 、 土地 譲渡 益 課税 の 大幅な 軽減 である 。 個人 や 法人 が 土地 を 売った 時 の 譲渡 益 課税 は 、 九二 年度 から バブル 退治 を 狙って 大幅に 強化 さ れた 。 来 年度 から バブル 前 の 水準 に 戻す こと に なった 。 土地 税制 の 緩和 に よって 、 土地 の 流動 化 を 狙って いる と すれば 、 この 軽減 は 妥当な 改正 と 評価 し たい 。 これ まで 譲渡 益 課税 は 、 軽 課 と 重 課 を 繰り返して きた が 、 タイミング の ズレ が 気 に なる 。 もっと 機動 的な 運用 が でき ない もの か 。 登録 免許 税 や 不動産 取得 税 も 、 据え置き や 軽減 措置 が 実現 した 。 土地 取引 の 活性 化 に つながる もの と 期待 さ れる 。 土地 税制 以外 で 目 を 引く の は 、 「 節税 ビール 」 と して 話題 を 呼んだ 発泡 酒 の 事実 上 の 増税 が 決まった ことだ 。 税法 上 は 、 大蔵 省 の 主張 に 理 が ある かも しれ ない 。 だが 、 メーカー の 創意 工夫 から 生まれた 発泡 酒 の アワ まで 、 吹き飛ばす の は 無粋だ 。 私 たち が 「 核 の ない 世界 」 に たどりつく に は 、 恐らく これ から も 、 気 の 遠く なる ような 長い 道のり を 歩いて いか なければ なら ない だろう 。 しかし 私 たち が あきらめ さえ し なければ 、 その 目標 に 確実に 近付いて いく こと が できる ので は ない か 。 東南 アジア 諸国 連合 七 カ国 と 、 今 世紀 中 に ASEAN 加盟 が 見込ま れて いる ラオス 、 カンボジア 、 ミャンマー 三 国 の 「 ASEAN 10 」 首脳 が 十五 日 調印 した アジア 初 の 非核 地帯 条約 は 、 私 たち に そのような 希望 を 抱か せる もの だ 。 今回 の 「 東南 アジア 非核 兵器 地帯 条約 」 は 、 中南米 非核 地帯 条約 、 南 太平洋 非核 地帯 条約 に 次ぐ もの だ 。 これ に 未 発効 の アフリカ 非核 地帯 条約 を 加えれば 、 北 回帰 線 以南 の 広大な 地域 に 「 核 を 拒否 する 世界 」 が 大きく 広がる 。 東南 アジア 諸国 の 理性 的な イニシアチブ を 高く 評価 し たい 。 非核 条約 は 、 締約 諸国 が 非核 の 決意 を 国際 条約 の 形 で 確認 し 合う と ともに 、 米 英 仏 露 中 の 核 保有 五 大国 に 非核 地帯 で 核 を 使わ ない こと を 約束 さ せる こと に 大きな 意味 が ある 。 “ 核 の 傘 ” へ の 幻想 を 捨て 、 核 を 持た ず 、 使わ せ ない こと を 決意 した 諸国 が 非核 地帯 を 次々 に 構築 し 、 核 保有 国 に 核 不 使用 を 確約 さ せる 。 このような 非核 地帯 づくり を 根気 よく 続ければ 、 核 保有 諸国 も いずれ 核 廃絶 に 本気で 取り組ま ざる を 得 なく なる 。 東南 アジア 非核 条約 は 、 これ まで の 南 太平洋 非核 条約 など と 同様 、 締約 諸国 が 域 内 で の 核 兵器 の 開発 、 製造 、 保有 、 貯蔵 、 実験 、 使用 の 禁止 を 誓って いる 。 また 核 保有 五 大国 に 対して 、 この 条約 を 尊重 し 、 非核 地帯 内 で 核 兵器 の 実験 、 持ち込み 、 使用 を し ない こと を 約束 する 付属 議定書 の 調印 を 求めて いる 。 ただ 、 これ まで の 非核 条約 と 違って 、 非核 地帯 の 範囲 を 領土 、 領海 の 外 に ある 大陸棚 や 二百 カイリ の 経済 専管 水域 に まで 広げた ため 、 米国 や 中国 が 難色 を 示し 、 核 保有 諸国 の 議定書 調印 は 間に合わ なかった 。 米国 の 場合 は 、 核 抑止 戦略 上 、 核 搭載 潜水 艦 を 含む 米軍 艦船 の 自由 航行 が 妨げ られる こと を 懸念 して いる 。 しかし 、 今回 の 条約 は 半 世紀 に わたり 悲惨な 戦争 が 続いた インドシナ 諸国 を 含む すべて の 東南 アジア 諸国 が 「 一 つ の 東南 アジア 」 と して 非核 の 決意 を 示した もの だ 。 米国 は 核 抑止 論 や “ 核 の 傘 ” を 拒否 した 東南 アジア 諸国 の 総意 を 尊重 す べきであろう 。 中国 の 場合 は 、 フィリピン 、 ベトナム など 一部 ASEAN 諸国 と の 間 で 領有 権 を 争って いる 南沙 諸島 問題 へ の 影響 を 心配 して いる ようだ 。 ベトナム の ボー ・ バン ・ キエト 首相 など は 今回 の 非核 条約 を 南沙 諸島 問題 と 結び付けて 高く 評価 する 演説 を 行って いる 。 しかし 、 中国 は 最初の 核 実験 の 時 から 核 の 先制 不 使用 、 非核 保有 国 へ の 不 使用 を 宣言 して きた 。 アジア で 唯一 の 核 大国 と して 、 アジア 初 の 非核 地帯 の 誕生 を 率先 して 祝福 す べきで は ない か 。 領有 権 問題 に ついて は 議定書 調印 の 際 に 「 南沙 諸島 の 領有 権 問題 に いかなる 影響 を 与える もの で も ない 」 こと を 確認 、 平和 解決 を 約束 し 合う 方法 も あろう 。 東南 アジア 非核 条約 の 調印 で 、 北東 アジア 非核 化 構想 も 現実 的な 課題 と して 浮上 して きた 。 核 の ない アジア へ の 一 歩 に す べきだ 。 ますます 深刻 化 する いじめ 問題 に 対処 する ため 、 文部 省 は 全国 教育 長 会議 を 開き 、 取り組み を 徹底 する よう 指示 した 。 その場で 示した 「 通知 」 の 中 で 、 文部 省 は 「 自殺 を 食い止める ため の あらゆる 手段 を 講じる 」 「 安心 して 相談 できる 信頼 関係 を 築く 」 など 十一 項 目 を 挙げた 。 一つ一つ もっともだ が 、 基本 的に は これ まで ずっと 言って きた こと と 同じ 内容 である 。 それ でも いじめ に よる 自殺 は 、 後 を 絶た なかった 。 手詰まり 感 は 否め ない 。 いじめ は 社会 構造 の 変化 と も かかわる 根 の 深い 問題 であり 、 学校 教育 分野 で の 取り組み だけ で 解決 できる もの で は ない が 、 文部 省 と して やる べき こと も また 多い はずだ 。 三 点 注文 して おき たい 。 第 一 は 、 基礎 データ の 整備 である 。 いじめ の 実態 に ついて の データ は 案外 少ない 。 全国 レベル で は 文部 省 の 「 生徒 指導 の 諸 問題 調査 」 が ある 。 今回 発表 の 一九九四 年度 分 で は 、 五万六千 件 と 、 前年 より 大幅に 増えた 。 しかし 、 この 調査 は あくまで 校長 が いじめ と 認定 した 数字 である 。 社会 の 関心 が 高まって いる 時 は 増え 、 薄れる と 減る 傾向 が ある 。 この 方法 で は いじめ の 実態 把握 は 難しく 実際 の 増減 さえ はっきり し ない 。 現実 に より 近付く に は 、 子供 自身 を 対象 に した 大がかりな 調査 が 欠かせ ない 。 ノルウェー で は 十三万 人 も の 小 中学生 を 対象 に アンケート を 実施 。 クラス の 生徒 数 、 成績 など の 要素 と 、 いじめ の 関係 を 分析 。 それ に 基づいて いじめ 防止 プロジェクト に 取り組んだ 。 分析 結果 に より 対策 も 違って くる はずだ 。 実は 、 文部 省 の 「 協力 者 会議 」 は 、 昨年 十二 月 、 児童 生徒 一万 人 と その 保護 者 、 教師 一万 人 を 対象 に アンケート を 実施 して いる 。 しかし 、 残念な こと に まだ 結果 が まとまって い ない 。 その 間 に も 、 事態 は どんどん 悪く なって しまった 。 速やかに 調査 を 生かし 、 有効な 手 を 打って ほしい 。 子供 対象 の 調査 は 、 継続 して 本格 的に 行う 必要 が ある 。 第 二 は 、 いじめ と 向き合って いる 現場 の 教師 や 親 を 、 目 に 見える 形 で バックアップ する ことだ 。 クラス の 人数 を 減らす など に よる 教師 の 負担 の 軽減 、 学校 カウンセラー など 専門 家 に よる 支援 体制 の 充実 など が 求め られよう 。 その 点 、 文部 省 が 実施 する 「 総 点検 調査 」 に は 疑問 が ある 。 いじめ に どう 取り組んだ か に ついて 、 各 学校 に 詳細な 報告 を 求めた この 調査 は 「 対策 の ため の 対策 」 に 陥る 恐れ は ない か 。 教師 が さらに 忙しく なり 、 子供 と いる 時間 が 減る こと に なり かね ない 。 第 三 に 、 より 根本 的な こと だ が 、 通知 の 前文 に いう 「 学校 は 、 一 人 一 人 の 個性 を 尊重 し 、 分かり やすく 楽しい 授業 を 行う と ともに 、 児童 生徒 が いきいき と した 学校 生活 を 送る こと が できる ように 努める こと 」 の 実現 である 。 今 、 子供 たち は 落後 し ない ため の 競争 を 強い られ 、 有形 無形 の プレッシャー に 覆わ れて 学校 生活 を 送って いる 。 学校 は 、 あまりに 重い 存在 に なって しまった 。 豊か さ を 求めて 突っ走って きた 経済 システム が 制度 疲労 を きたし 、 それ を 支えて きた 教育 システム も 持た なく なって きて いる 。 いじめ の 深刻 化 は 、 その ゆがみ の 象徴 で も ある 。 教育 、 学校 の 意義 を 根本 から 問い 直す 、 抜本 的な 改革 に 取り組ま ない こと に は 、 「 楽しい 」 「 いきいき した 」 学校 は 実現 し ない だろう 。 会計 検査 院 が 一九九四 年度 決算 検査 報告 を 村山 富市 首相 に 提出 した 。 内容 は 、 法律 や 政令 に 違反 した 「 不当 事項 」 が 二百十七 件 ▽ 違法な 会計 処理 が あり 「 是正 ・ 改善 の 処置 を 求めた 事項 」 が 四 件 ▽ 検査 院 の 指摘 を 受けて 改善 の 処置 が とら れた 「 改善 処置 済み 事項 」 が 二十七 件 など だった 。 今回 なんらか の 指摘 を 受けた 事項 は 、 合計 する と 二百四十九 件 に も 達した 。 この ほか 、 自治 体 が 国 の 補助 金 を 中央 官庁 の 接待 に 流用 する 、 いわゆる 「 官 官 接待 」 の 実態 や 、 投資 効果 の 上がって い ない ダム や 河口堰 建設 に ついて も 調査 し 、 問題 が ある ケース に ついて も 今回 初めて 列挙 した 。 この うち 官 官 接待 に ついて は 、 補助 金額 が 多い 農水 、 運輸 、 建設 三省 と 五 府県 の 七千二百 件 の 支出 に 関して 帳簿 など を 基 に 調査 した 。 農水 省 の 場合 、 国庫 補助 対象 事業 に かかわる 食糧 費 五億 円 の うち 四億四千万 円 が 飲食 を 伴う 懇談 会 の 経費 だった 。 これ ら の 懇談 会 の 中 に は 「 事業 打ち合わせ 後 の 懇談 」 と 記載 さ れて いる だけ で 、 具体 的な 使用 目的 が 不 明確な もの も あった 。 検査 院 は 三 省 に 改善 を 要請 、 三省 側 も 官 官 接待 の 禁止 通達 を 都道府県 知事 あて に 出して いる 。 しかし 、 こうした 官 官 接待 は 他の 省庁 や 自治 体 でも 行わ れて いる 可能 性 が ある 。 検査 院 は 来年 以降 も 厳しく 目 を 光らせて いく べきだろう 。 この ほか 政府 開発 援助 や 阪神 大 震災 を 契機 と した 公共 土木 施設 の 耐震 安全 性 など 六 件 に ついて も 検査 し 、 「 特記 事項 」 と して 指摘 、 事業 の 改善 など を 求めた 。 検査 院 が 、 国民 の 関心 の 高い 、 こうした テーマ を 積極 的に 取り上げて いく 姿勢 は 評価 して いい 。 しかし 、 その 一方 で 検査 院 自体 の 在り 方 が 問わ れる ような “ 事件 ” が 相次いで いる の は どういう こと か 。 その 一 つ が 、 検査 に 出かけた 検査 院 の 職員 が 、 対象 機関 の 職員 から 酒食 の もてなし を 受けたり 、 観光 地 を 案内 して もらったり して いた と いう もの だ 。 検査 院 は 、 そうした 職員 に 対して 訓告 や 厳重 注意 処分 に した ほか 、 服務 規律 の 保持 を 指導 して いる と 説明 して いる が 、 検査 院 は 襟 を 正し 、 国民 から 疑惑 の 目 で 見 られる ような 行為 は 厳に 慎む べきだ 。 もう 一 つ は 、 他 省庁 から 反発 を 受け ない ように 、 検査 院 の 予算 規模 の 前後 ぐらい を 目安 に して 指摘 金額 を 発表 して いる ので は ない か 、 と の 批判 が 出て いる ことだ 。 検査 院 の OB が 検査 対象 の 特殊 法人 など に 天下り して いる こと も 問題 視 さ れて いる 。 検査 院 は 「 指摘 金額 を 操作 する ような こと は ない 」 「 OB が いる から と いって 検査 に 手心 を 加えたり は して い ない 」 と 反論 して いる が 、 職員 に よる こうした 不祥事 は 、 「 官 」 が 「 官 」 を 検査 する こと の 限界 を 示して いる もの で も ある 。 検査 院 は 今年 七 月 から 諸井 虔 、 堀田 力 両氏 ら 民間 人 に よる 「 会計 検査 懇話 会 」 を 発足 さ せ 意見 や 注文 を 聞いて いる 。 この こと 自体 は 結構な こと だ が 、 内閣 から 独立 した 機関 と して 、 検査 院 も 自ら 抜本 的 改革 を 進める 時期 に 来て いる ので は ない か 。 その 場合 、 検査 院 の 最高 意思 決定 機関 である 「 検査 官 会議 」 に 民間 の 有識 者 を 加える こと など も 検討 して いい 。 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 と 朝鮮 半島 エネルギー 開発 機構 は 十五 日 、 ニューヨーク で 軽水 炉 供給 協定 に 調印 した 。 昨年 十 月 の 米 朝 基本 合意 から 、 十四 カ月 の 時間 を かけて の 合意 は 、 朝鮮 問題 は 話し合い で 解決 できる と の 信頼 関係 と 外交 実績 を つくり出した 。 軽水 炉 供給 に ついて の KEDO と 北朝鮮 の 取り決め 文書 は 、 今年 四 月 まで に は 調印 さ れる 予定 だった 。 しかし 、 北朝鮮 側 が 新たな 要求 を 突き付けた の を 契機 に 、 韓国 と 北朝鮮 が 対立 し 交渉 が 難航 して いた 。 北朝鮮 は 、 昨年 の 米 朝 基本 合意 を 受けて 行わ れた 専門 家 会議 で 、 軽水 炉 供給 に は 付帯 設備 まで 含める よう 要求 した 。 この 要求 に は 、 コンテナ 埠頭 建設 から 道路 建設 、 送電 線 供給 まで 含ま れて いた 。 当初 、 米 韓 日 三 国 は この 要求 を 拒否 した が 、 軽水 炉 建設 の ため に は 少なくとも 資材 搬入 の ため の コンテナ 埠頭 と 道路 は 不可欠だ 。 結局 は 、 受け入れ ざる を 得 なく なった 。 これ は 、 外交 交渉 で の 北朝鮮 の 読み 勝ち と いう べきであろう 。 昨年 の 基本 合意 文書 で 、 コンテナ 埠頭 と 道路 は 北朝鮮 側 が 建設 する と の 文言 を 明記 さ せ なかった 米国 の 失敗 と いう しか ない 。 この 結果 、 KEDO は コンテナ 埠頭 と 道路 建設 も 、 供給 契約 の 中 に 含める こと に なった 。 しかし 、 送電 線 の 供給 に ついて は 世銀 など の 国際 金融 機関 を KEDO が あっせん する こと で 、 北朝鮮 が 譲歩 した 。 交渉 が 最も 難航 した の は 、 韓国 の 技術 者 に 対する 扱い など 、 いわゆる 「 南北 問題 」 であった 。 北朝鮮 側 は 、 韓国 の 技術 者 が 北朝鮮 の 技術 者 など と 個別 に 直接 接触 する こと を 望ま ず 、 制限 しよう と した と いう 。 一方 、 韓国 と して も こうした 北朝鮮 の 行動 制限 に 簡単に は 応じる わけに いか なかった 。 こうして 、 南北 問題 解決 に 多く の 時間 を 費やさ ざる を 得 なかった 。 この 間 に は 、 何度 も 交渉 が 決裂 寸前 まで いった こと も あった と いう 。 南北 朝鮮 双方 の 交渉 責任 者 が 、 それぞれ の 国 内 事情 や 強硬 派 を 説得 し ながら も 、 合意 に こぎ着けた 外交 手腕 は 並大抵の もの で は なかった 。 大幅な 譲歩 を 本国 に 求めれば 、 弱腰 と の 批判 を 受けた であろう し 、 また 交渉 相手 の 意図 と 駆け引き を 十分に 読み切ら ない と 、 どこ に 落とし穴 が ある かも しれ ない 。 南北 朝鮮 の 外交 官 は 、 薄氷 を 踏む 注意深 さ と 大胆な 決断 力 を 求め られた のだった 。 こうした 厳しい 交渉 を まとめあげた 南北 朝鮮 の 交渉 当事 者 は もとより 、 KEDO の 中心 メンバー である 日 米 韓 の 協力 体制 と 努力 は 高く 評価 さ れる べきである 。 日 米 韓 三 国 が 、 外交 交渉 と 政策 立案 で これほど 協力 し 合った こと は なかった から だ 。 しかし 、 これ で 朝鮮 問題 が 解決 に 向け 大きく 前進 した わけで は ない 。 日 米 韓 三 国 の 費用 負担 問題 は 、 まだ 最終 決着 して い ない 。 北朝鮮 へ の 重油 供給 の 費用 分担 の 問題 も 、 三 国 間 で 調整 が ついて い ない 。 米 朝 間 で は 、 連絡 事務 所 設置 の 交渉 が まだ 合意 して い ない 。 南北 対話 の 再開 も 、 なお 見通し が 立って い ない 。 さらに は 、 日 朝 正常 化 交渉 も 残さ れて いる 。 いずれ も 、 決して 簡単な 交渉 で は ない が 、 北朝鮮 と の 問題 は 話し合い で 解決 できる と の 今回 の 教訓 を 生かし 、 北東 アジア の 平和 と 安定 の 確立 に つなげて ほしい 。 ロシア の 下院 選挙 は 、 エリツィン 政権 に とって 厳しい 審判 と なった 。 結果 を 要約 すれば 、 大統領 派 と かつて の 改革 主流 派 が 振るわ ず 、 ロシア 共産党 が 大幅に 支持 を 伸ばし 、 第 一 党 の 座 を 確実に した 。 左派 勢力 の 復権 である 。 極右 の 自民党 の 予想外の 健闘 も 注目 に 値する 。 改革 派 で は 反 主流 派 の ヤブリンスキー 連合 が 唯一 、 気 を 吐いた もの の 穏健 中道 勢力 の 後退 は 明らかだ 。 この 選挙 結果 は 何 を 意味 し 、 ロシア の 今後 に どう 響く の か 。 まず 指摘 す べき は 、 わずか 四 年 余り で ロシア の 政治 的 雰囲気 、 国民 の 政治 を 見る 目 が 一変 した ことだ 。 エリツィン 大統領 が クーデター を 倒した ころ 、 人々 は 共産党 支配 から の 解放 感 に 酔い 、 「 民主 主義 と 市場 経済 の 新しい 未来 」 へ の 期待 に 胸 ふくらま せた 。 だが 、 大統領 と 国民 の 幸福な 蜜月 は 短 期間 で 終わった 。 いま 、 大 多数 の 国民 は 犯罪 に おびえ 所得 の 目減り と 社会 保障 の 崩壊 に 苦しみ 、 生き延びる こと で 精いっぱい の 希望 の ない 日々 を 送って いる 。 そうした 人々 から すれば 、 エリツィン 政権 下 の 国家 経営 は 国民 から 遊離 した 密室 の 権力 ゲーム であり 、 一部 特権 層 に よる 利権 の 配分 ・ 調整 に 過ぎ ない 。 そして 、 「 改革 」 と か 「 市場 経済 」 と いう 言葉 は 「 つましい 生活 の 安定 を 破壊 した 敵 」 と いう 否定 的 意味 しか 帯びて い ない 。 ロシア 国民 が いかに すさまじい 生活 の 荒廃 に さらさ れて いる か 、 それ を 示す 衝撃 的な 事実 が この ほど 開か れた 全 露 医師 会 総会 で 公表 さ れた 。 ロシア 国民 の 平均 寿命 は 一九八七 年 に 初めて 七〇 歳 代 に 達した が 、 九四 年 に は 六四・三 歳 に 落ち込んだ 。 また 、 九〇 年 の 出生 率 と 死亡 率 は 人口 千 人 当たり それぞれ 一三・四 と 一一・二 であった の が 、 今年 上半期 に は 九・六 と 一五・五 と なり 、 死亡 率 が 出生 率 を 大きく 上回った 。 その 原因 と して 、 生活 難 に よる 中絶 の 急増 、 国民 医療 制度 の 崩壊 、 食 生活 の 貧し さ 、 結核 や ジフテリア など 伝染 病 の 広がり が 指摘 さ れた 。 国民 の 生活 水準 を 向上 さ せる どころ か 、 平均 寿命 を 六 歳 も 縮め 、 出生 率 と 死亡 率 を 逆転 さ せる ような 政治 が 支持 さ れる はず も ない 。 選挙 結果 は 、 期待 を 裏切ら れた 国民 の エリツィン 政権 に 対する 復讐 であり 、 現 政権 と その 政策 路線 に 対する 明白な 拒絶 表明 である 。 ただし 、 ロシア 共産党 の 躍進 を もって 、 ソ連 型 全体 主義 体制 の 復活 を 歓迎 する 動き と 見る の は 間違い であろう 。 大 多数 の 国民 は 独裁 体制 の 再来 を 拒絶 して いる し 、 軍事 ・ 政治 大国 と して の ロシア の 威信 回復 を 本気で 期待 して も い ない 。 この 点 は ロシア 共産党 も 十分に 心得て いる 。 国民 が いま 切実に 求めて いる の は ささやかな 生活 の 安定 を 取り戻して くれる 公平な 政治 だ 。 改革 が 生んだ 行き 過ぎた 不平等の 是正 であり 、 最低 限 の 秩序 と 規律 の 回復 である 。 だからこそ 社会 保障 制度 の 再生 や 補助 金 復活 に よる 食料 品 価格 の 抑制 を 主張 した ロシア 共産党 が 、 地方 を 中心 に 強い 共感 を 得た のである 。 ロシア で は 来年 六 月 、 大統領 選 が 予定 さ れて いる 。 今回 の 下院 選 は その 前哨戦 であり 、 エリツィン 大統領 は 国民 の 審判 を 重く 受け止め 、 進退 を 決め ねば なる まい 。 ソ連 解体 から 丸 四 年 、 ロシア は エリツィン 後 の 時代 へ 向け 模索 を 開始 した ように 思える 。 年 の 瀬 である 。 この 冬 の 寒 さ は 例年 に なく 厳しい 。 プレハブ の 仮設 住宅 に 身 を 寄せる 阪神 大 震災 の 被災 者 に とって は なおさら だ 。 四百三十四 カ所 に 、 四万八千三百 戸 。 ざっと 九万 人 が 暮らす 。 高齢 者 が 目立ち 、 生活 再建 の めど さえ 立た ない 人 が 多い 。 加えて 家族 を 亡くしたり 、 住居 が 崩壊 した 「 あの 日 」 の 悲しみ と 喪失 感 が 、 今なお 重く この 人 たち の 胸 に のしかかる 。 住み慣れた 街 を 離れた 孤独 感 と 生活 不安 を 、 二五 平方メートル の 狭い 空間 に 詰め込んで 年 を 越そう と して いる 。 また 、 約 七百 人 の 被災 者 が 残る 学校 など 旧 避難 所 も 年 内 に 閉鎖 さ れる 。 しかし 、 世間 の 関心 は どう か 。 被災 者 の 多く が 街 中 の 避難 所 から 郊外 の 仮設 住宅 に 移った の を 契機 に 、 被災 地 へ の 思い は 薄らぎ 、 支援 の 動き も 鈍く なった 気 が して なら ない 。 むしろ 、 行政 が 食事 など を 用意 した 避難 所 に 比べ 、 自立 が 原則 の 仮設 住宅 の 生活 の 方 が 困難だ 。 物心 両面 の 支援 を 中断 さ せて は なら ない 。 仮設 住宅 の 大半 は 、 交通 の 不便な 郊外 に ある 。 大量の 住宅 を 迅速に 、 低 コスト で 用意 した から だ 。 これ が 地域 コミュニティー を 壊した 。 知ら ない 土地 で 、 知ら ない 同士 が 軒 を 接する 暮らし 。 病気 で 倒れて も 発見 が 遅れ 、 高齢 の 独居 生活 者 の 孤独 死 が 相次いで いる 。 本紙 の 調べ で は 、 死後 二 日 以上 たって 見つかった 孤独 死 は 二十 人 を 数える 。 孤独 感 を 酒 で まぎらす うち に 肝臓 障害 を 起こして 死 に 至る 例 も あり 、 まことに 痛ましい 。 これ まで 数十 人 に 上る と み られる 被災 者 の 自殺 と も 併せ 、 「 静かな 非常 事態 」 と 警告 する 声 すら ある 。 高齢 者 の 悲劇 ばかり で は ない 。 寒心 に 堪え ない 。 仮設 と いえ ども 、 貴重な 生活 の 場 である 。 住民 同士 の 触れ合い を 増す ため に は 、 新しい コミュニティー づくり が 急が れる べきだろう 。 だが 、 自治 会 の 結成 率 が 三〇 % 程度 に とどまって いる の が 心細い 。 住 環境 改善 に 向けた 行政 へ の 要望 を くみ上げる に は 欠かせ ない のだ が 、 高齢 者 ばかり で リーダーシップ を 執る 人 が い ない と いう 。 自治 会 は 、 ボランティア の 熱心な 働きかけ で 誕生 した ケース も 多い 。 これ まで の ノウハウ を 生かして 自治 会 の ネットワーク が 広がる ような 手助け を 期待 し たい 。 その ボランティア も ひところ の 元気 さ が ない 。 最 盛期 は 二万 人 も 活躍 して いた のに 、 今 は 七 、 八百 人 に 減った 。 人 、 金 、 物 が 不足 し 、 支援 活動 の 継続 さえ も 危ぶま れて いる 。 「 ボランティア が 押し寄せた 時 は 見え なかった 福祉 政策 の 貧し さ が 浮かび上がって きた 」 と 言わ れる 。 自治 体 も 奮起 す べきだろう 。 ボランティア の 活動 が 弱まった 今 こそ 行政 の 力量 が 問わ れて いる 。 兵庫 県 川西 市 で は 、 市 内 の 仮設 住宅 の 空き 室 に 市長 以下 幹部 職員 が 交代 で 一 カ月間 泊まり込んだ 。 入居 者 の 目 で 仮設 住宅 の 生活 を 体験 し 、 さまざまな 要望 を すくい上げた と いう 。 一 つ の 例 だ が 、 行政 に よる キメ細かな 実践 と して 評価 できる 。 被災 者 向け 公共 賃貸 住宅 を 含む 復興 住宅 が 三 年 以内 に 建設 さ れる 。 これ ら に バトン タッチ する まで 、 仮設 住宅 の 生活 が 社会 から 取り残さ れ ない よう 行政 は 知恵 を 絞って ほしい 。 八兆 円 を 超す 住宅 金融 専門 会社 七 社 の 不良 債権 処理 に 財政 資金 を 投入 する と いう 。 この 政府 ・ 与党 の 処理 案 は 、 私 たち が 求めた 法的 処理 を 含む 透明な 住専 処理 、 関係 機関 の 公平な 負担 、 行政 や 金融 機関 など の 責任 の 明確 化 と は ほど遠い もの だ 。 その 内容 も 「 どこ まで 国民 に 犠牲 を 強いる の か 」 と 怒り を 通り越す ほど だ 。 疑問 は 数々 ある 。 なぜ 八兆 円 も の 不良 債権 が 生じた の か 。 銀行 や 住専 は 回収 努力 を した の か 。 行政 、 銀行 、 農協 系統 の 経営 トップ が 責任 回避 する の は なぜ か 。 一 業界 の 損失 を 国民 の 税金 で 補てん する の は 正当 か 。 財政 再建 を 唱える 蔵 相 が 、 農林 族 の 圧力 に 屈し 、 損失 軽減 に 財政 資金 を 出す の は 言語道断だ 。 一九七〇 年 代 に 生まれた 住専 は 、 産業 向け 金融 に は 熱心だ が 、 住宅ローン に 冷たい 銀行 の 補完 と して 機能 した 。 ところが 八〇 年 代 の 金融 自由 化 時代 に なる と 、 大手 銀行 自ら 住宅 金融 に 乗り出し 、 仕事 を 失った 住専 は 銀行 別動隊 と して 不動産 金融 に 転換 した 。 その 掲げ 句 の バブル 発生 であり 破たん である 。 すでに 役割 を 終えた 住専 が 、 今日 まで 生き延びた の は 、 大蔵 省 や 銀行 の 天下り 先 だった こと も 関係 する 。 各 県 の 信用 農協 連合 会 も 、 農業 衰退 ・ 金融 自由 化 と ともに 再 編成 さ れる べきだった が 、 住専 融資 で 生き延びよう と して 致命 傷 を 受けた 。 その 住専 の 処理 策 は 、 どう 見て も 「 国民 を 踏みつけ に した 解決 方式 」 と 言わ ざる を え ない 。 国民 に 膨大な 犠牲 を 強いる もの だ 。 現在 、 金融 システム 不安 の 回避 の ため と 称し 、 超 低 金利 政策 が 続いて 高齢 化 社会 の 生活 設計 が 危機 に 陥って いる 。 しかも 、 超 低 金利 は 銀行 救済 と 不良 債権 処理 の ため 、 あと 数 年 は 続き そうだ 。 また 、 住専 に 財政 資金 が 投入 さ れる が 、 これ は 財政 赤字 を 拡大 し 、 行革 なき 増税 に つながり かね ない 。 さらに 、 不透明な 処理 が 、 国民 に 二 つ の 不信 を 残した 。 ひと つ は 政治 不信 である 。 バブル 崩壊 後 の 膨大な 不良 債権 の 発生 と 、 それ が 日本 の 経済 活力 を 奪う こと が 、 何度 も 指摘 さ れた 。 だが 、 自民党 政権 も 連立 政権 も 、 常に 問題 を 先 送り した 。 不良 債権 が ジャパン プレミアム と なり 、 先進 国 の 蔵 相 会議 で 不安 視 さ れる に 及び 、 やっと 重い 腰 を 上げた 。 この 政治 不在 の 間 に 失わ れた 時間 は 大きく 、 国民 に 無用な 犠牲 拡大 を 強いる こと に なった 。 第 二 は 「 金融 と は 何と いかがわしい 商売 か 」 と いう 銀行 不信 である 。 銀行 は 大蔵 省 ・ 日銀 の 護送 船団 行政 に 「 おんぶ に 抱っこ 」 の うえ 、 バブル 崩壊 の 傷 の 手当て まで 泣いて 頼む 。 そこ に は 、 預金 者 や 取引先 の 存在 も 忘れ 、 日本 経済 の 健全な 血液 循環 を 担う と の 自負 心 も 失った 、 御 身 大切 の 経営 者 が いる ばかりである 。 三 年 前 の 証券 界 の 損失 補てん に 続き 、 今度 の 住専 処理 が 国民 に 与えた 心 の 傷 は 大きい 。 リストラ に 苦しむ 勤労 者 や 、 円高 ・ 価格 破壊 と 戦う 製造 ・ 流通 業者 は 、 この 無責任な 解決 策 に 深い 絶望 を 感じる に 違いない 。 そして 次代 を 担う 若者 は 、 「 責任 」 を 説く 大人 たち の 言葉 に 背 を 向ける はずだ 。 いま から でも 遅く は ない 。 大蔵 省 など 行政 当局 、 金融 関係 者 は 、 過去 の 責任 者 を 含めて 総 退陣 す べきだ 。 それ が 金融 システム と 日本 経済 出直し の 近道 である 。 予算 案 が 決まって 、 年 が 暮れる 。 年中 行事 の 一 つ だ が 、 予算 案 に は 「 日本 の 一 年 」 が 詰まって いる 。 阪神 大 震災 の 復旧 予算 が 盛り込ま れ 、 オウム 関連 も ある 。 だが 大蔵 原案 で 、 私 たち の 目 を 一 番 ひきつけた の は 、 何といっても 住宅 金融 専門 会社 の 処理 だ 。 日本 の 金融 問題 の 象徴 と なって いた 住専 の 不良 債権 処理 の ため 、 一九九六 年度 予算 案 で 、 六千八百億 円 の 支出 が 決まった 。 金融 システム に ヒビ を 入れ かね ない 住専 問題 と は いえ 、 預金 を 受け入れ ない ノンバンク に 対し 巨額な 公的 資金 を 導入 する 政府 の 論理 に は 納得 でき ない 。 しかも 国民 の 税金 を 大量に 投入 する 背景 に は 、 農林 系 金融 機関 の 損失 負担 を 小さく する と いう 政治 判断 が あった 。 その 理由 と して 村山 富市 首相 は 「 零細な 農家 の 仕組み の うえ に つくら れた 金融 機関 を 破たん さ せる の は 政治 上 困難だ 」 と 説明 した 。 農協 であれ 、 何 であれ 、 いやしくも 金融 機関 を 標榜 する 組織 が しでかした 不 始末 を 、 国民 の 血税 で しりぬぐい を さ せる と いう 判断 自体 、 誤った 選択 と いわ ざる を 得 ない 。 政府 ・ 与党 は 貸手 、 借り手 の 責任 を 追及 する と ともに 、 国民 の 前 に 情報 を 公開 する と 約束 した 。 首相 も 「 国会 に 特別 委員 会 を 設置 し 、 徹底 的に 審議 して いく 」 と 二十 日 未明 の 記者 会見 で 述べて いる 。 単に 公的 資金 導入 へ の 国民 の 反発 を 和らげる ため の 方策 なら 論外だ が 、 真剣に この 問題 に 取り組む 特別 委 ならば 、 その 設置 に 賛成 である 。 母体 銀行 は もちろん の こと 、 農林 系 金融 機関 の 経営 者 を 含め 、 その 責任 を 明らかに する こと 。 経営 と 融資 の 実態 を ディスクローズ し 、 国民 の 理解 と 納得 を 得 なければ なら ない 。 それ が 実現 して 初めて 公的 資金 導入 が 可能 と なる 、 と 考える べきであろう 。 大蔵 原案 で 特徴 的な こと は 、 言う まで も なく 財政 の 赤字 体質 が 際立って きた と いう 事実 を 、 天下 に 示した こと である 。 七 年 ぶり に 償還 の 当て の ない 赤字 国債 を 発行 した 。 これ まで 湾岸 戦争 の 戦費 の 贈与 、 所得 減税 など の 目的 で 一時的な 赤字 国債 を 発行 した こと は あった 。 が 、 歳出 と 歳入 の 経常 的な ギャップ を 埋める ため の 赤字 国債 は 久しぶりである 。 これ まで 、 財政 当局 は 本来 返す べき 借金 を 返さ ず 、 また ありとあらゆる 借金 を 重ねて 、 ともかくも 赤字 国債 の 発行 を 我慢 して きた 。 その 積もり 積もった ツケ が 、 来 年度 予算 に 一挙に やってきた と いえる 。 しかも 赤字 国債 発行 額 が 十一兆九千九百八十億 円 に 膨れ上がった 。 建設 国債 を 合わせる と 、 総額 で は 二十一兆二百九十億 円 と 、 過去 最高 の 七九 年度 を 何と 五兆七千六百億 円 も 上回った 。 禁煙 者 が 再び スモーカー に 逆戻り して 、 以前 より 喫煙 本数 が 多く なった ような もの だ 。 体 に 良い はず は ない 。 これ で 九五 年度 末 に は 二百二十兆 を 超える 国債 残高 は 、 九六 年度 予算 案 で 、 二百四十兆 円 を 上回る 大きな 負債 と なった 。 「 政府 ・ 与党 の 幹部 に 財政 収支 の 対 国 内 総 生産 比 は 、 イタリア に も 抜か れ 、 G7 中 最悪だ と 説明 したら 、 一様に ショック を 受けて いた ようだ 」 と 大蔵 省 幹部 が 話して いる 。 数字 は 冷厳だ 。 いつの間にか 国債 依存 度 も 、 二八 % と なり 、 米国 の はるか 先 を 行く ように なった 。 このように 急速に 財政 が 悪化 した 背景 に は 、 まず バブル 崩壊 に よる 長期 の 不況 が 根っこ に ある 。 九五 年度 の 税収 が 見通し を 下回り 、 これ で 五 年 連続 で 前 年度 税収 より ダウン する と いう 異常な 姿 が 、 何より も バブル 不況 の 長期 化 と 問題 の 深刻 さ を 物語って いる 。 この ため 、 九二 年 から 幾 度 も 景気 浮揚 の ため の 補正 予算 を 追加 した こと も 、 財政 の 悪化 に つながった 。 こうした 財政 状況 を 反映 して 、 九六 年度 原案 の 一般 歳出 の 伸び は 前 年度 比 二・四 % 増 と 一兆 円 を 下回る 範囲 に 落ち着いた 。 最近 で は 低い 伸び 率 の 部類 に 入る 。 しかし 、 その 半面 で 公共 投資 は 、 前 年度 当初 比 、 四・一 % の 伸び を 確保 した 。 分野 別 で は 、 道路 の うち 幹線 道路 、 港湾 の うち 特定 重要 港湾 など 、 ウエート を 明確に 置く と いう 工夫 が み られる 。 また 、 国民 生活 に 直結 する 社会 資本 の 整備 に も 、 幾分 重点 配分 の あと が み られる 。 ただ 、 私 たち が かねて 主張 して きた ように 、 各 省庁 の 既得 権 に よる シェア の 固定 化 の 現状 を 打破 する こと が 急務 だ 。 今回 も 改めて この 点 を 指摘 して おき たい 。 最後に 、 中 長期 的な 財政 の 構造 改革 に ついて 述べて おく 。 先に 財政 制度 審議 会 で は 、 財政 の 危機 的 状況 など の リポート を まとめ 、 武村 正義 蔵 相 に 提出 した 。 二十一 年 ぶり の 海外 事情 調査 の 結果 を 含めて 、 財政 赤字 の 問題 点 を 提起 して いる 。 目 を 引く の は 、 不況 期 の 財政 出動 に よる 景気 刺激 策 の あり 方 の 見直し であろう 。 欧 米 諸国 で は こうした ケインズ 的 政策 を 取って いる 国 は もはや ない 、 と いう リポート も 、 経済 が 成熟 化 し つつ ある 日本 と して 考え させ られる 課題 だ 。 各国 の 例 で は 、 歳出 の 見直し に 聖域 は ない こと も 事実 と して 提起 して いる 。 健全な 財政 を 私 たち の 子供 に 引き継ぐ ため の 仕事 に 、 政府 と 議会 が 今日 から 取り組む べき こと を 強調 して おき たい 。 「 来 年度 の 防衛 費 は 、 今後 五 年間 の 防衛 力 整備 計画 の 初年度 に 当たる 。 つまり 発射 台 に なる わけだ から 、 金額 は 大きい 方 が いい 」 一九九六 年度 防衛 費 に ついて 、 防衛 庁 の 幹部 から 、 こんな 話 を 聞いた こと が ある 。 二十 日 に 内示 さ れた 防衛 費 に 関する 大蔵 原案 は 、 防衛 庁 ・ 自衛 隊 が 期待 する 通り の 「 高い 発射 台 」 と なった 。 防衛 庁 ・ 自衛 隊 は ニンマリ と して いる に 違いない 。 来 年度 防衛 費 の 総額 は 四兆八千四百五十五億 円 で 、 前 年度 比 二・五八 % の 増 である 。 概算 要求 基準 段階 の 同 二・九 % より は 下回った もの の 、 一般 会計 歳出 に 防衛 費 が 占める 割合 は 六・五 % と 、 例年 通り の 高い 数値 と なった 。 相変わらず 防衛 費 が 聖域 視 さ れて いる と いって 過言 で は ない 。 この ところ 、 防衛 政策 に 関する 重大な 閣議 決定 が 相次いだ 。 その 一 つ が 、 十一 月 二十八 日 の 新しい 「 防衛 計画 の 大綱 」 であり 、 さらに 今月 十五 日 の 「 中期 防衛 力 整備 計画 」 である 。 新 大綱 は 冷戦 終結 を 受け 、 ほぼ 二十 年 前 に 作ら れた 旧 大綱 を 見直した もの だ 。 また 中期 防 は 新 大綱 に 基づいて 、 九六 年度 から 二〇〇〇 年度 まで の 五 年間 に 、 どんな 装備 を 買い込み 、 どれ くらい の 人員 を 配置 して いく か の 計画 表 である 。 この 過程 で 、 私 たち は ロシア から の 脅威 の 大幅な 低下 、 朝鮮 半島 エネルギー 開発 機構 の 発足 に 代表 さ れる 朝鮮 半島 で の 対立 緩和 など を 挙げ 、 防衛 力 を スリム 化 し 、 軍縮 を 進める よう 求めて きた 。 新 大綱 、 中期 防 と も 「 防衛 力 の 合理 化 、 効率 化 、 コンパクト 化 を 進める 」 一方 、 「 機能 の 充実 と 質的な 向上 を 図る 」 こと を 打ち出した 。 コンパクト 化 は 結構な こと で 、 ぜひとも 進めて ほしい と 期待 して いた が 、 来 年度 防衛 費 は 、 機能 の 充実 と 質的な 向上 だけ が 重視 さ れ 、 結果 的に 戦力 の 向上 を 狙った 防衛 庁 ・ 自衛 隊 路線 の 集大成 と なって しまった 。 防衛 費 が 前年 より 大きく なった 理由 に ついて 防衛 庁 は 、 兵器 を 買う 場合 の つけ 払い である 後 年度 負担 や 人件 ・ 糧食 費 は 削れ ない 、 円安 に よる 為替 差益 約 百三十億 円 が 全体 の 額 を 押し上げた 、 さらに 日 米 安保 体制 維持 に 必要な 新 特別 協定 に よる 持ち出し が 約 三十三億 円 増えた 、 など と 釈明 して いる 。 そうした 拡大 要因 が ある こと を 全面 否定 する つもり は ない が 、 それにしても 、 さらに 多額の つけ 払い が 残る 兵器 を 、 欲張って 買い 続ける 必要 が ある のだろう か 。 その 代表 例 が 、 一 機 当たり の 当初 価格 が 百二十億 円 近く も する 世界 一 高価な 支援 戦闘 機 である 。 私 たち は 、 費用 対 効果 の 観点 から 、 F 2 の 発注 ・ 配備 は 見送る べきだ と 主張 して きた が 、 防衛 庁 は 今後 十二 年間 で 計 百三十 機 調達 する 方針 を 変えて おら ず 、 来 年度 は 手始め に 十一 機 購入 する と いう 。 支援 戦闘 機 に ついて は 、 防衛 産業 の 保護 ばかり を 優先 さ せ ず に 、 九七 年度 以降 は 調達 を 取りやめ 、 現有 機 を 延長 利用 して いく べきだ 。 後 年度 負担 が 防衛 費 を 硬直 化 さ せて いる こと は 、 毎年 、 指摘 さ れて いる ことだ 。 しかし 今回 、 政府 ・ 与党 内 で は 議論 らしい 議論 も なかった 。 正面 装備 の 新規 契約 の 削減 や 後年 度 負担 の 繰り延べ など を 真剣に 検討 す べき 時期 に 来て いる 。 福井 県 ・ 敦賀 半島 の 北端 部 に ある 動力 炉 ・ 核 燃料 開発 事業 団 の 高速 増殖 炉 原型 炉 「 もん じゅ 」 で 起きた ナトリウム 漏出 燃焼 事故 の 波紋 が 広がって いる 。 二十 日 明らかに なった 動燃 の ビデオ 隠し の 事実 は あきれる ばかりである 。 事故 直後 に 撮影 した ビデオテープ に は 液体 ナトリウム が 漏れた 二 次 系 配管 室 の 漏出 部分 付近 が 映って いた のに 、 その 部分 を カット した ビデオ に 編集 し 直し 、 公開 して いた 。 現地 の 責任 者 である もん じゅ 建設 所長 が 簡便 版 を 作る よう 指示 し 、 副 所長 が ビデオ の 内容 を 選んで 編集 さ せた 。 現場 の 状況 が 生々しく 、 公開 を ためらった と いう が 、 原子 力 開発 で 国民 の 信頼 を 得る に は あらゆる 情報 の 公開 が 必要な こと を すっかり 忘れ去って いた ようだ 。 事態 を 重視 した 科学 技術 庁 は 二十一 日 から 原子 炉 等 規制 法 に 基づく もん じゅ 施設 の 立ち入り 検査 を 開始 した 。 その 科学 技術 庁 も 当初 は 対応 を ほとんど 現地 に 任せて しまい 、 重大 事故 に 真剣に 対応 しよう と いう 姿勢 に 欠けて いた と 批判 さ れて いる 。 地元 自治 体 へ の 事故 の 通報 が 遅れた の に 加えて 悪質な 情報 隠し が 発覚 した こと で 、 安全 宣伝 を 信じ 、 もん じゅ を 温かく 見守って きた 人 たち の 間 に も 強い 反発 が 起きて いる 。 事故 の 状況 の ひど さ も 次第に 明らかに なって きた 。 原子 炉 補助 建屋 内 の 六十六 個 の 火災 報知 機 が 作動 し 、 ナトリウム 化合 物 が 建物 の 四〇〇〇 平方メートル を 汚染 した 。 鉄製 の 検査 用 足場 が 溶け 落ち 、 空調 ダクト 管 に は 穴 が あいた 。 この ため 本格 的な 原因 究明 は 来年 二 月 以降 に なる 。 もん じゅ の 運転 再開 まで に は 相当 時間 が かかる 。 国 は 原型 炉 と 商業 炉 を つなぐ 実証 炉 の 着工 を 二〇〇〇 年 代 初頭 と して いる が 、 事故 原因 を 解明 し 、 万全な 対策 を 打ち出す の が 先 で 、 実証 炉 建設 は 大幅に 遅れる 。 エネルギー資源 に 乏しい 日本 は 、 使用 済み 核 燃料 を 再 処理 して 取り出した プルトニウム を 高速 増殖 炉 や 通常 の 軽水 炉 で 燃やす と いう 核 燃料 サイクル の 確立 を 目指し 、 プルトニウム 政策 を 進めて きた 。 この かなめ に なる 高速 増殖 炉 で つまずいた 意味 は 決して 小さく ない 。 核 拡散 防止 の 観点 から 国 の 原子 力 委員 会 は 「 余剰 の プルトニウム は 持た ない 」 と 言明 して きた 。 だが 高速 増殖 炉 が 動か ない ので は プルトニウム が 余る 。 軽水 炉 で の プルトニウム 利用 も そう 簡単に は いか ない 。 フランス 、 英国 から の 返還 プルトニウム の 輸送 は 当面 必要で は なく なる 。 二〇〇〇 年 の 完成 を 目標 に 青森 県 六ケ所 村 に 建設 中 の 再 処理 工場 の 建設 ・ 運転 計画 に も 影響 が 及ぶ 。 国 は 早急に プルトニウム 政策 の 見直し を 進め なければ なら ない 。 高速 増殖 炉 が 技術 的 、 経済 的に 成り立つ の か 厳しい チェック が 必要である 。 開発 から 撤退 し つつ ある 欧 米 諸国 の 例 も 十分 参考 に して ほしい 。 プルトニウム 政策 が 崩れる と 動燃 と 監督 官庁 の 科学 技術 庁 の 存在 意義 は 低下 して しまう 。 原子 力 委員 会 は 「 なれ合い 」 と 言わ れ ない ように 公平な 立場 から プルトニウム 政策 の 是非 を 徹底 的に 検討 す べきである 。 高速 増殖 炉 の 開発 に は 巨費 が かかる 。 今回 の 事故 は 「 開発 を このまま 進めて 予算 を 使う より も 、 太陽 光 発電 など 新エネルギー の 開発 ・ 普及 に 全力 を 挙げよ 」 と いう こと を 示して いる ので は ない か 。 高齢 者 の ため の 「 新 ゴールドプラン 」 、 育児 支援 の 「 エンゼル プラン 」 に 次いで 、 ようやく 「 障害 者 プラン 」 が まとまった 。 四百九十一万 人 が 普通に 学び 、 働き 、 遊び 、 暮らせる 基盤 を 、 いかに 築く か 。 来 年度 から 七 年 かけて 国 と 自治 体 を 合わせ 総 事業 費 三兆五千億 円 を 投じる 。 現在 の 予算 ペース に 比べ 一兆 円 を 上積み する 計算 だ と いう 。 例えば 、 障害 者 四 、 五 人 が 助け合って 暮らす グループ ホーム や 福祉 ホーム は 現状 の 五千 人 分 から 二万 人 分 へ 、 福祉 工場 や 授産 施設 は 四万 人 分 から 六万八千 人 分 へ 。 親 や 支援 者 が 苦労 して 運営 する 無 認可 作業 所 も 「 助成 対象 を 飛躍 的に 増やし 、 公的 施設 へ 転換 できる ように 」 と 約束 する 。 最も 遅れた 精神 障害 者 の 社会 復帰 促進 に は 、 生活 訓練 施設 を 千五百 人 分 から 六千 人 分 へ 、 精神 科 デイケア 施設 を 四百 弱 から 千 カ所 へ 、 など と やっと 取り組み が 始まる 。 具体 的な 目標 を 掲げて 歩み 始める 長期 計画 を 率直に 評価 し たい 。 ただし 多く の 注文 が ある 。 十 年 計画 の ゴールドプラン は 後半 五 年 で 目標 を 上積み し 、 さらに スーパーゴールドプラン へ の 脱皮 を 促さ れて いる 。 障害 者 プラン も 同様に 推進 途上 でも ニーズ に 応じて 最終 目標 を 引き上げて ほしい 。 また 、 そう せ ざる を 得 ない だろう 。 「 管理 」 と 「 効率 」 の ため に 障害 種別 ごと に 多人数 を 集める 手法 は もう 通じ ない 。 無 認可 作業 所 が 三千五百 カ所 も ある の は 、 ハンディ の 重 さ や 種別 に こだわら ず 、 少人数 の 家庭 的な 場 を 育てた から だ 。 家庭 で 暮らす 支え と なる ホーム ヘルパー は 、 新 ゴールドプラン の 最終 目標 十七万 人 に 障害 者 支援 分 と して 四万五千 人 を 上積み する 。 より 高い ノウハウ を 身 に 着けた ヘルパー の 養成 が 不可欠に なる 。 パート 主力 の ヘルパー 態勢 で は 乗り切れ ない 。 それにしても 、 この 障害 者 プラン は 「 厚生 省 の 」 と 形容詞 を 付ける ほか ない 。 十三 省庁 に 及ぶ 対策 である はずだ が 、 他の 省庁 は 抽象 的な 方針 を 述べた に とどまる 。 「 落差 が 激し すぎる 。 施設 で は なく 地域 で 暮らす ため の 総合 政策 に は ほど遠い 」 。 行政 間 の バリア が 、 まさに 問わ れて いる のだ 。 教育 面 で 見て も 「 盲 ・ 聾 ・ 養護 学校 と 小 ・ 中学校 や 、 特殊 学級 と 校 内 他 学級 と の 交流 教育 等 を 推進 する と ともに 、 奉仕 活動 等 ボランティア 教育 の 推進 」 など と ある 。 親元 を 離れて 施設 に 入り 養護 学校 に 通う 子供 たち に は 、 全国 平均 で 一 人 当たり 年間 八百万 円 近い 教育 費 と 施設 へ の 措置 費 二百五十万 円 前後 を かける 。 それ で 子供 たち が 幸せ なら 安い もの だ が 家庭 から も 社会 から も 引き離す だけ に 終わって い ない か 。 医療 の 手当て が 必要な 子 ら は 別に して も 、 普通の 学校 や 障害 児 学級 で なぜ 学べ ない の か 。 確かに 交流 教育 で 子供 たち は 互いに 学び 合える が 、 それ を 実現 して いる 学校 は まだまだ 少ない 。 しかも 「 特殊 」 と いう 名 を 付けて 別 扱い する 必要 が ある の か 。 先進 国 の 流れ は 「 統合 教育 」 を 目指して やま ない 。 普通に 暮らす 「 ノーマライゼーション 」 を 、 まず 教育 の 場 から 始め たい 。 田中 角栄 元 首相 の 遺産 を めぐり 、 申告 漏れ が 東京 国税 局 の 調査 で 指摘 さ れた 。 長女 の 田中 真紀子 ・ 前 科学 技術 庁 長官 ら 遺族 は 、 修正 申告 に 応じる と いう 。 これ で 、 前 長官 、 夫 の 田中 直紀 衆院 議員 ら の 課税 遺産 総額 は 、 百十九億 円 から 百九十七億 円 に 膨らむ 。 申告 漏れ は 七十八億 円 である 。 庶民 に とって は 、 いずれ も 気 が 遠く なる ような 額 だ 。 この 中 に は 一九七四 年 、 田中 内閣 を 退陣 に 追い込んだ 金脈 問題 で 、 国会 など で 取り上げ られた 土地 や ファミリー 企業 の 株 も 含ま れて いる 。 今回 の 申告 漏れ の 指摘 は 、 前 長官 ら の 納税 姿勢 と ともに 、 田中 金脈 問題 も 再び 問わ れた と 受け止めて いる 。 まず 指摘 し なければ なら ない の は 、 田中 前 長官 と 田中 直紀 衆院 議員 の 、 巨額の 申告 漏れ を 指摘 さ れた こと に 対する 、 政治 家 と して の 責任 の 重 さ である 。 税金 に 何より も 求め られる の は 、 制度 と 徴収 が 公平 かつ 公正である こと だ 。 これ が 歪めば 、 国 の 姿 が 歪む 。 税制 と 予算 を 審議 する 国会 議員 の 申告 は 、 己 に 厳しい もの で なければ なら ない 。 しかし 、 金丸 信 ・ 元 自民党 副 総裁 の 巨額 脱税 事件 が 象徴 する ように 、 繰り返し 政治 家 の 脱税 や 申告 漏れ が 摘発 さ れて きた 。 「 政治 家 は 地位 を 利用 して 税金 を 逃れて いる ので は ない か 」 そんな 不信 感 が 、 国民 の 間 に は 根強い 。 今回 の 申告 漏れ は 、 不信 感 を さらに 大きく する であろう こと を 考えれば 、 田中 前 長官 ら の 負う べき 責任 は 大きい 。 田中 元 首相 が 所有 して いた ファミリー 企業 の 株 の 一部 が 生前 、 会社 に 移さ れて いた 。 「 これ は 、 企業 間 に 分散 さ せ 、 資産 評価 を 圧縮 する 角栄 流 疑惑 の やり 方 であり 、 節税 で は なく 税金 逃れ で は ない か 」 九四 年 十 月 、 参院 予算 委員 会 で 野末 陳平 議員 が 、 そう 追及 して いた 。 同じ ような 疑問 を 持った 国民 も 多かった だろう 。 田中 長官 は 、 「 すべて 適切に 処理 して い ます 」 と 答えて いる が 、 実態 は 「 適切 」 と は 、 遠く 離れた もの だった 。 国税 局 の 調査 は 、 田中 ファミリー 企業 の 中核 である 「 長鉄 工業 」 の 株 の 評価 に 焦点 が 当て られて いる 。 田中 金脈 問題 で 疑惑 の 中心 に あった の が 、 新潟 県 長岡 市 の 信濃 川 河川敷 である 。 この 土地 の ほとんど は 「 千秋が原 工業 」 が 所有 。 この 会社 の 株 は すべて 「 長鉄 工業 」 が 持って いた 。 調査 の 結果 、 河川敷 の 実際 の 面積 は 、 申告 より 約 四万四千 平方メートル も 広い こと が 判明 。 税法 上 の 評価 替え で 相続 した 株 は 他 企業 分 を 含めて 、 約 四十九億 円 の 申告 漏れ と なった 。 申告 で は 評価 替え が 適用 の すれすれの ところ だった 。 ファミリー 企業 に 膨大な 資産 を 所有 さ せ 、 間接 的に 支配 する 。 株 の 売買 を 装って の 土地 の 転売 や 赤字 企業 と の 合併 に よる 利益 の 圧縮 など で 、 「 節税 策 」 を 考える 。 田中 金脈 の 「 角栄 流 」 と 言わ れて きた 手法 である 。 田中 前 長官 ら の 申告 漏れ の 多く は 、 田中 金脈 問題 で 最も 疑惑 が 持た れた 資産 を めぐって 起きて いる 。 今回 の 調査 で は 、 遺産 の 申告 漏れ だけ で なく 、 田中 金脈 も 問わ れた と 受け止めて いる 理由 が 、 ここ に ある 。 カネ を 払えば すむ 問題 で ない こと の 認識 を 求め たい 。 「 多年 に わたり 筆舌 に 尽くし 難い 苦悩 を 強い られて きた 多く の 方々 の 癒し がたい 心情 を 思う とき 、 申し訳ない と いう 気持ち で いっぱいだ 」 政府 が 水俣 病 未 認定 患者 の 救済 策 を 決めた 際 に 、 村山 富市 首相 が 水俣 病 被害 者 へ 述べた 「 遺憾の 意 」 は 、 分かり やすく 共感 を 呼ぶ 。 国 と 被害 者 の 四十 年 に 及ぶ 対立 を 招いた 自民党 政治 と 行政 府 の 折々 の 判断 、 行動 に 照らせば 、 水俣 病 問題 の 解決 を 「 村山 政権 に しか でき ない 政治 テーマ 」 と した 首相 の 考え 方 は 納得 できる 。 水俣 病 被害 者 ・ 弁護 団 全国 連絡 会議 の 声明 の 通り 、 政府 の 長 が 「 誠に 申し訳ない 」 と 謝った の は 、 水俣 病 四十 年 の 史上 に なかった こと だ 。 その 言 や よし 、 である 。 だが 、 首相 談話 は 社会 問題 と して の 水俣 病 と は 何 である の か 、 その 仕組み と 責任 の あり 方 を 明らかに して い ない 。 被害 者 たち は なぜ 、 だれ に より 「 多年 に わたり 筆舌 に 尽くし 難い 苦悩 を 強い られた の か 」 。 水俣 病 の 政治 決着 が 残した 問題 点 を 指摘 し 、 環境 の 危機 の 時代 に 基本 的 人権 の 核心 である 生命 の 安全 を 守る こと へ の 政治 、 行政 、 企業 の 教訓 と し たい 。 今回 の 救済 対象 と なる 熊本 、 新潟 水俣 病 の 未 認定 患者 と は 、 「 公害 被害 者 認定 審査 会 」 から 有機 水銀 中毒 症 である 蓋然 性 が 一定 の 基準 を 満たして い ない と 診断 さ れ 、 患者 へ の 認定 申請 を 棄却 さ れた 人 たち だ 。 この 蓋然 性 つまり 「 水俣 病 らし さ 」 の 基準 に ついて 、 環境 庁 は 一九七一 年 の 次官 通達 で 「 一定 の 症状 に ついて 、 水俣 病 で は ない と 否定 でき ない 場合 は 水俣 病 の 範囲 」 と 定めて いた 。 「 疑わしき は 被害 者 の 利益 に 」 と する 考え 方 だ 。 だが 認定 患者 が 増え 、 チッソ の 賠償 金 支払い 能力 に 疑問 が 持た れる 状況 で 、 同 庁 は 七八 年 の 次官 通達 で 「 蓋然 性 が 高い 場合 に 認定 」 と 改めた 。 蓋然 性 の 基準 は 前者 で 五〇 % 以上 、 後者 で 八〇 % 以上 と 解さ れる 。 未 認定 患者 に よる 訴訟 で 、 国家 賠償 法 上 の 責任 を 問わ れた 環境 庁 は 、 原告 の 症状 に 「 高度の 蓋然 性 」 を 求める と ともに 、 七一 年 の 通達 の 蓋然 性 に も 達せ ず 、 認定 を 棄却 さ れた 症状 を 水俣 病 と は 認定 でき ない 、 と 主張 して きた 。 だが 蓋然 性 と は あくまでも “ らし さ ” の 程度 の 違い であり 、 黒白 を 分ける 絶対 的な 基準 で は ない 。 現に 認定 申請 を 棄却 さ れた 七十一 人 を 死後 解剖 した 結果 、 十九 人 に 水俣 病 に 特有の 視 神経 細胞 の 脱落 など の 病理 変化 が 見 られた 。 与党 三 党 の 合意 を 受けた 環境 庁 と 熊本 県 の 調整 案 が 「 水俣 病 の 診断 が 蓋然 性 の 程度 の 判断 である こと など に 鑑みれば 、 救済 を 求める に 至る こと に は 無理からぬ 理由 が ある 」 と 指摘 した の は 当然だ 。 同様の 判決 は 熊本 地裁 など 三 地裁 で も あった 。 水俣 病 認定 申請 者 が 国 、 熊本 県 、 チッソ を 相手取り 、 熊本 地裁 に 損害 賠償 を 求める 訴訟 を 起こした の は 八〇 年 の こと だ 。 以来 、 全国 で 延べ 二千三百 人 が 同様に 九 件 を 提訴 、 和解 勧告 が 相次いだ 。 与党 三 党 合意 の 救済 と いう 形 で 、 いわば 現状 を 追認 さ せ られた 形 の 国 、 県 、 企業 の あり 方 を 国民 の 常識 は どう 判断 する であろう か 。 被害 者 に 筆舌 に 尽くし 難い 苦悩 を 強いた の は だれ か 、 また その 原因 が どこ に あった の か 、 国 、 県 、 企業 は 顧みて 己 に 問う べきである 。 小和田 恒 ・ 国連 大使 は 今年 七 月 福岡 で 行わ れた 毎日新聞社 主催 の 第 三 回 日 韓 シンポジウム で 講演 し 「 一人ひとり が 、 謙虚 さ と 相手 に 対する 温か さ 」 を 持って 、 日 韓 関係 を 考えて ほしい と 訴えた 。 この 言葉 は 、 国際 関係 を 考える 時 に 極めて 重い 意味 を 持って いる 。 海外 特派員 は 「 赴任 した 国 に 愛情 を 持て なければ 特派員 を やら ない 方 が いい 」 と いわ れる 。 どんなに 口先 で 友好 を 言って も 、 相手 の 国 の 人間 や 歴史 、 文化 に 愛情 を 感じ なければ 意味 は ない 。 この 思想 は 、 実は 外交 に おいて も 同じである と いう の が 小和田 大使 の 主張 であった 。 「 外交 の 本質 は 、 社会 と 社会 、 国民 と 国民 、 人 と 人 の 間 の 理解 を どう 創り 出す か な のです 」 と 大使 は 説いた 。 これ は 、 日本 の 政治 家 や 外交 官 、 指導 者 が 隣 の 国 と の 関係 を 考える 時 に 、 特に 肝 に 銘じて おく べき 言葉 である 。 外交 と 政治 の 目的 は 、 隣国 を 含む 国際 関係 を 緊張 さ せ ず 、 良好な 関係 を 築く こと に ある 。 相手 の 感情 を いたずらに 刺激 したり 、 品格 に 欠ける 言動 で 関係 を 悪化 さ せる こと は 現代 の 外交 に は なじま ない 。 この 外交 の 意味 と 原則 を 理解 し ない 政治 家 の 言動 が 、 今年 の 日 韓 関係 に は 多 すぎた 。 日 韓 両 国民 に とって 本来 、 今年 は 記念 す べき 年 であった 。 戦後 五十 年 、 解放 五十 年 の 節目 の 年 である と 同時に 、 十八 日 は 日 韓 条約 の 批准 書 が 交換 さ れて から 、 三十 周年 の 記念 す べき 日 であった 。 ところが 、 この 日 に 日 韓 両 国 は 記念 の 式典 すら 行わ なかった のである 。 三十 周年 を 記念 した 行事 と して は 、 日 韓 文化 交流 基金 が 十 年 計画 で 日 韓 の 学者 に よる 共同 研究 に 着手 した の と 、 日本 財団 が 延世 大学 に 十億 円 の コリア ・ 日本 研究 基金 を 寄付 した の が 目 を 引いた 程度 である 。 これ が 、 現在 の 日 韓 関係 を 象徴 する 空気 である と いう なら 、 これほど 不幸な こと は ない 。 日 韓 双方 の 政治 家 と 指導 層 の 努力 と 勇気 の 欠如 と 、 その 責任 を 指摘 し たい 。 日 韓 三十 周年 で 、 日本 側 に は 韓国 の 経済 発展 に 寄与 した こと を 認めて もらい たい 、 と の 感情 が ある ようだ 。 こうした 感情 が 「 植民 地 時代 に 、 いい こと も した 」 と の 政治 家 の 発言 に つながって いる の かも しれ ない 。 確かに 、 日本 は 浦項 製鉄 所 の 建設 に 協力 し 、 企業 の 投資 も 行った 。 しかし 、 それ で 日本 企業 も 利益 を 上げた で は ない か 、 と いう の が 韓国 人 の 感情 である 。 しかも 、 第 二 浦項 製鉄 所 建設 で は 日本 の 鉄鋼 業界 は 、 協力 を 断った 。 しかたなく 韓国 側 は 、 欧州 企業 の 協力 で 建設 した のであった 。 どうせ 欧州 企業 が 建設 する の なら 、 日本 企業 が 率先 して 協力 し 、 感謝 さ れた 方 が 賢い 対応 で は なかった か 。 ともかく 、 最近 の 日 韓 の 論議 に 欠けて いる の は 「 相手 に 対する 謙虚 さ と 温か さ 」 である 。 最近 、 新進党 の 小沢 一郎 幹事 長 は 「 韓国 も 中国 も 、 日本 は 敵 だ みたいな 教育 を やって は いけない 」 と 発言 し 、 韓国 外務 省 に 批判 さ れた 。 小沢 幹事 長 は 、 韓国 政府 が 反日 教育 を 避けよう と いかに 苦労 して きた か を 、 知ら なかった ようだ 。 政治 家 の 無知で 品位 に 欠ける 発言 で 、 隣国 と の 関係 が 悪化 する の は もう たくさんだ 。 次の 世代 の ため に 、 隣人 へ の 「 謙虚 さ と 温か さ 」 を 柱 に した 政治 と 外交 を 強く 求め たい 。 日本 の 漁業 が 危機 的な 状況 を 迎えて いる 。 近海 の 資源 が 乏しく なって いる だけ で は ない 。 輸入 増大 、 生産 減少 、 魚価 低迷 に 加え 、 中国 、 韓国 漁船 に よる 近海 で の 乱獲 が 続いて いる から だ 。 この ため 、 一九八二 年 に 採択 さ れた 国連 海洋 法 条約 が 昨年 十一 月 、 十二 年 ぶり に 発効 した の を 機 に 、 日本 も 同 条約 を 批准 して 直ちに 二百 カイリ 水域 を 設定 し 、 両 国 に 全面 適用 せよ と の 要求 が 、 西 日本 や 北海道 の 沿岸 漁民 から 高まって いる 。 私 たち も 、 漁業 資源 管理 の ため に 条約 批准 と 、 両 国 へ の 二百 カイリ 適用 に 賛成 である 。 政府 は 来春 、 国会 に 批准 を 求める 方針 だ が 、 直ちに 日 中 、 日 韓 両 漁業 協定 の 全面 見直し の 話し合い に 入る べきだ 。 ただ 、 一部 に 両 国 と の 尖閣 列島 、 竹島 の 領土 問題 や 外交 摩擦 を 懸念 する 慎重 論 も ある 。 しかし 、 資源 管理 に 基づく 漁業 へ の 移行 は 世界 の 常識 であり 、 漁獲 量 世界 一 の 中国 と 、 同 三 位 の 日本 が 現状 を 放置 する こと は 許さ れ ない 。 幸い 、 両 国 と も 二百 カイリ に 前向きであり 、 実務 者 協議 も 始まった 。 あと は 知恵 を 出し合って 賢明な 解決 策 を 探る だけ だ 。 海洋 法 条約 で は 、 沿岸 二百 カイリ の 排他 的 経済 水域 を 設定 できる と 同時に 、 水域 内 で の 生物 資源 を 保存 する 義務 が ある 。 魚 の 種類 ごと に 漁獲 可能 量 を 決め 、 漁獲 量 を 制限 し 、 乱獲 を 防が ねば なら ない 。 これ を 実行 する こと で 、 中 韓 漁船 へ の 漁獲 割り当て を 大幅 削減 し 、 日本 近海 から 事実 上 締め出せ と いう の が 、 国 内 漁民 の 要求 である 。 しかし 、 中 韓 漁船 の 一方的 締め出し は 慎重に す べきだ 。 歴史 的な 経過 を たどれば 、 乱獲 は 戦後 二十数 年間 、 日本 漁船 が 中国 、 韓国 沿岸 で 行って いた もの だ 。 ところが 八〇 年 代 に 入り 、 北米 沿岸 を 締め出さ れた 両 国 漁船 が 日本 近海 で 乱獲 する と いう 形勢 逆転 が 起きた 。 その 中 韓 から 日本 は 水産物 を 輸入 して いる 。 ミナミマグロ を 、 国際 管理 に 入ら ない 韓国 、 台湾 から 買う の も 日本 だ 。 従って 、 今日 の 世界 的な 資源 枯渇 、 乱獲 の 責任 を 日 中 韓 は 共有 す べきである 。 日本 が 二百 カイリ 水域 を 一方的に 全面 適用 し 、 中 韓 漁船 を 追い出す と いう 姿勢 で は 、 話し合い は 円滑に 進ま ない 。 資源 管理 の 重要 性 を 説き 、 三 カ国 漁民 が 共存 共栄 できる 道 を 求める べきだ 。 二百 カイリ 水域 は 、 すでに 国際 慣行 と して ほとんど の 国 で 実施 さ れて いる 。 また TAC も 先進 国 は ほとんど 導入 して いる 。 二百 カイリ 未設 定 は 地中海 、 ペルシャ湾 と 日本 海 、 東海 ・ 黄海 である 。 いずれ も 政治 的に 設定 が 困難 と さ れて きた 。 だが 海洋 法 が 発効 し 、 資源 管理 が 重要に なって きた 以上 、 政府 は 二百 カイリ の 設定 と 全面 適用 を 避けて 通れ ない 。 日本 は 七七 年 に 米 、 欧 、 旧 ソ連 が 二百 カイリ を 設定 した の に 対抗 し 、 二百 カイリ の 線引き を 実施 した が 、 東経 一三五 度 以西 の 日本 海 、 東海 ・ 黄海 で は 適用 除外 した 。 また 、 二百 カイリ 中 で の 厳しい 漁業 規制 も 、 日 中 、 日 韓 漁業 協定 に 基づいて 、 これ を 適用 除外 と した 。 これ が 今日 の 乱獲 の 遠因 な のである 。 日本 は 早急に 海洋 法 を 批准 し 、 二百 カイリ を 中国 、 韓国 に ついて も 適用 す べきだ 。 同時に 両 国 と の 漁業 協定 も 、 海洋 新 秩序 に 沿った 資源 管理 型 の もの に 改定 す べきである 。 とくに サバ 、 メヌケ 、 ズワイガニ の 資源 状況 が 悪化 して おり 、 これ 以上 事態 を 放置 する こと は 許さ れ ない 。 今年 、 日本 の 警察 は オウム 真理 教 を めぐる 事件 と 銃 汚染 に 直面 し 、 意識 と 組織 の 変革 を 迫ら れた 。 少年 に かかわる 事件 の 様相 も 変化 を 続けて おり 、 警察 に は 被害 者 保護 の 視点 が 求め られて いる 。 変化 が 現れた の は 、 一九八九 年 から 九〇 年 に かけて の こと 。 バブル 経済 が 過熱 から 崩壊 に 向かった 時期 と 重なる 。 警察 庁 の 調べ に よる と 一 時期 二十万 人 に 迫って いた 少年 の 年間 補導 者 数 は 、 この 時期 を 境 に 急激に 減り 始める 。 今年 は 、 十二万 人 を 割り そうだ 。 基本 に は 子供 の 減少 が ある が 、 家庭 回帰 現象 など の 社会 環境 の 変化 も 見逃せ ない 。 一方 、 八五 年 に 年間 二十一万 件 だった 少年 が 被害 者 と なった 事件 は 、 三十万 件 を 突破 する 。 不況 から 暴力 団 や 一部 の 風俗 営業 者 が 資金 源 と して 、 少年 、 少女 に 手 を 伸ばした の が 一因 だ 。 警察 庁 は 、 こうした 変化 へ 組織 的に 対応 できる 体制 作り に 着手 した 。 それ は 、 被害 者 の 保護 を 、 これ から の 少年 警察 の 「 柱 」 の 一 つ と する 方針 に 基づいて いる 。 時代 の 要請 に 応えた もの だ 。 これ まで 警察 は 、 少年 事件 に 対して 非行 の 摘発 と 補導 に 重点 を 置いて いる 。 大人 の 事件 と 同様に 、 目 は 加害 者 に 向け られて いた 。 少年 事件 に は 、 しばしば 加害 者 が 、 かつて 被害 者 であった こと が あり 、 事件 を 見る 目 は 複眼 であって ほしい 。 警察 庁 が 少年 警察 の 「 柱 」 を 非行 の 摘発 ・ 補導 の 一 本 から 、 被害 者 保護 と の 二 本 に する ため 、 警察 法 の 警察 庁 組織 令 の 来春 改正 を 目指し 準備 を 進めて いる 。 二 本 目 の 柱 の 中身 で 注目 し たい の は 、 いじめ 問題 へ の 積極 的な 取り組み が 入って いる ことだ 。 従来 、 警察 は いじめ 問題 も 傷害 など の 事件 と して とらえ 、 処理 して きた 。 今後 は 警察 が 受けた 相談 を 中心 に 、 事件 に は なら なく と も 、 被害 者 と して 保護 の 対象 と し 、 背景 や 原因 を 調査 する 。 いじめ 被害 相談 は 今年 、 三千 件 を 超え そうで 、 ここ 五 年間 で 二 倍 に なって いる 。 これ まで は 、 非行 相談 に 重点 が 置か れて いた ため 、 被害 相談 が 保護 ・ 救済 と 結び付か ない ケース も あった 。 今後 は 制度 化 し 、 組織 的に 対応 する 。 警察 が 本格 的に いじめ 問題 に 乗り出す こと に 、 「 教育 へ の 介入 に つながる 恐れ が ある 」 「 学校 が 過剰 反応 する 」 の 指摘 も ある 。 確かに いじめ 問題 の 根 は 深く 、 教育 、 学校 の 抜本 的な 改革 が 伴わ なければ 解決 は でき ない だろう 。 しかし 、 いじめ を 苦 に して の 中学生 の 自殺 が 相次いで いる 深刻な 状況 を 考える と 、 「 対症 療法 」 で は あろう が 、 警察 の 姿勢 を 理解 し たい 。 「 抑止 効果 」 へ の 期待 も ある 。 実施 に 当たって 、 三 つ の 注文 が ある 。 一 つ 目 は 、 いじめ 問題 は 学校 、 地域 、 自治 体 、 家庭 が 連携 して の 取り組み が 必要であり 、 警察 は 、 その 一翼 である と 認識 して ほしい 。 二 つ 目 は 、 被害 者 も 加害 者 も 少年 である こと と 、 両者 が 入り交じった ケース が 少なく ない こと を 考慮 する と 、 調査 に は 何より も 慎重 さ が 求め られる 。 三 つ 目 は 、 心理 学 を 習得 した 専門 相談 員 ら スペシャリスト が 欠かせ ない こと 。 要員 の 採用 と 育成 が 急務 だ 。 いじめ 問題 で 警察 に 求め られる 基本 は 、 「 厳し さ 」 で は なく 「 頼もし さ 」 である 。 一九九六 年度 予算 の 政府 案 が 二十五 日 の 閣議 で 決まった 。 珍しい 発言 が あった 。 予算 編成 の 責任 者 、 武村 正義 蔵 相 が 予算 を 評して 「 矛盾 に 満ちた 予算 案 だ 」 と 記者 会見 で 自省 して みせた と いう 。 単なる 照れ隠し で は ある まい 。 みぞうの 深刻な 財政 状況 である と し ながら 、 予算 配分 は 結局 今 まで 通り と いう 政府 案 を 見れば 、 だれ でも おかしな 予算 だ と 思う だろう 。 例えば 私学 助成 。 大蔵 原案 は いつも の こと ながら 前 年度 比 マイナス 五 % と いう 厳しい 線 を 打ち出した 。 補助 金 の 整理 ・ 合理 化 方針 に も 沿う 。 本来 なら 、 文部 省 、 私学 関係 者 、 文教 族 の 復活 要求 は 激しい もの と 予想 さ れる が 、 猫 の 子 一 匹 鳴か ない 。 それなのに 、 この 政府 案 で は 、 私立 大学 補助 金 は 二・六 % 、 高校 は 六 % の 増 で 決着 した 。 この 茶番劇 は 例年 同じ シナリオ で 演じ られる 。 財政 危機 だ から と いって 、 特段 脚本 を 変える つもり は ない らしい 。 財政 を 本気に なって 心配 して いる 方 が 恥ずかしく なる 。 財政 危機 と も なれば 、 資金 の 一層 の 効率 的 配分 が 求め られる 。 いつも 問題 に なる 公共 事業 の 事業 別 シェア 配分 の 変更 に は 、 例年 以上 に 注力 して もらわ なければ なら ない 。 だが 、 残念 ながら 変更 幅 は 二 年 連続 して 減少 した 。 九四 年度 予算 で は 細川 政権 が 「 シェア の 見直し 」 を 最 重要 課題 と して 掲げ 、 わずか ながら 改善 さ れた 。 また Uターン である 。 大蔵 省 は 「 事業 分野 別 で は 変わら なかった が 、 機能 別 で は かなり 変わって きて いる 」 と 釈明 して いる 。 国際 ハブ 空港 づくり に も 支障 を きたして いた 空港 分野 は 、 わずかに シェア を 増やし 、 港湾 は ほんの 少し シェア を 落とした 。 また バラまき が 批判 さ れた 港湾 も 、 特定 重要 港湾 整備 の 伸び は 従来 以上 に 増やす など 、 要求 官庁 側 の “ 生活 の 知恵 ” も み られる 。 しかし 、 私 たち が 毎年 口 を 酸っぱく して 強調 して いる こと は 、 そんな 悠長な 話 で は ない 。 例えば この 三十 年間 で 、 産業 構造 が 大きく 変わった に も かかわら ず 、 何故 、 農水 省 関連 の 公共 事業 予算 が ほとんど 変わら ず 二 割 強 の レベル を 維持 して いる の か 。 その 中 でも 、 農業 農村 整備 が 高率な シェア を 守り 続けて いる 理由 は 何 か 。 具体 的 事業 を あげて 説明 して もらい たい と 思う 。 そうした 既得 権 が 尊重 さ れて いる 半面 、 これ から の 日本 経済 の 先行き に 大きく かかわる 新規 創業 の 財政 支援 や 情報 分野 の 推進 など へ の 予算 配分 は ほんの スズメ の 涙 程度 である 。 奇行 が あった 。 予算 の 閣僚 折衝 後 の 大臣 会見 で 、 野呂田 芳成 農 相 は 住宅 金融 専門 会社 問題 に 質問 が 及ぶ と 「 その 話 は 今日 は 関係 が ない 」 と 一方的に 会見 を 打ち切り 席 を 立った 。 あ然と する ばかりである 。 住専 処理 で 野呂田 農 相 は 一方 の “ 主役 ” であり 、 その 決定 に より 、 六千八百五十億 円 も の 赤字 国債 に よる 一般 会計 支出 を 余儀なく さ れた のだ 。 農林 系 金融 機関 の 責任 を 含め 、 これ まで の 議論 の プロセス を 国民 の 前 に 明らかに す べきであった 。 その 不誠実 さ に 比べれば 、 今回 の 財政 当局 の 予算 案 資料 に は 、 ディスクローズ しよう と いう 意欲 が うかがえる 。 この 姿勢 を もっと 大事に して もらい たい 。 新進党 の 党首 選 は 、 今日 二十六 日 の 党 本部 到着 分 で 投票 を 締め切る 。 十八 歳 以上 の 国民 なら 千 円 で だれ でも 投票 できる と いう 前代 未聞 の 試み だった が 、 二十五 日 現在 で すでに 百三十五万 票 と なった 。 世間 の 関心 が 高まり 、 単純 計算 で 十三億 円 強 も の 党 収入 と あって は 関係 者 は 大喜びだろう 。 「 みなさん が だれ に 投票 して くださる か 、 新進党 は ドキドキ して い ます 」 と いう の が 党首 選 の キャッチフレーズ だった 。 だが 、 今回 の 選挙 が 真に 国民 に 開か れて いた か 、 あるいは 首相 に なる 可能 性 の ある 党首 選び は そもそも これ で よかった の か 、 など 国民 の 方 は いまだに 「 ハラハラ して い ます 」 と いう の が 正直な ところ だろう 。 告示 から の 一部 始終 を 振り返る と 、 危ぐ の 念 も また 捨て切れ ない 。 国民 の 政治 不信 、 政党 離れ を 何とか 食い止める ため の 一策 と して は 大いに 評価 し たい し 、 考えよう で は 議院 内閣 制 の 根幹 に 触れる 問題 を も はらんだ 意欲 的な 取り組み だった こと は 間違い ない 。 しかし 致命 的だった の は 、 すべて が 準備 不足の まま 手探り で スタート した こと から 、 例えば 不正 投票 の チェック 方法 を 「 走り ながら 考える 」 ような やり 方 で 手直し する など 、 場当たり 的 すぎた ので は ない だろう か 。 印刷 さ れた 郵便 振替 付き の 投票 用紙 は 九百五十万 枚 に も 達した 。 駅頭 で 配布 する 姿 も 目 に した が 、 結局 は 大 組織 頼り の 選挙 だった ので は ない か 。 そんな 疑い が 依然と して 残って いる 。 企業 ぐるみ 選挙 の うわさ も いく つ か 上った 。 大 組織 と いえば 何といっても 創価学会 だ が 、 「 不 介入 」 「 自主 投票 」 は 本当だった の か 。 そもそも 宗教 法人 法 が 焦点 の 臨時 国会 の 直後 だけ に 、 結果 を 左右する 印象 を 与える の は 避け たかった のだろう 。 しかし 「 国民 に 開か れた 党首 選 」 を 標ぼう する なら 、 その 時々 の 都合 で 大 組織 が 「 不 介入 」 だ と か 「 介入 」 で は 困る 。 大 組織 に 結果 が 左右さ れ ない と いう 確固と した 「 制度 的 担保 」 を 国民 の 前 に 提示 して おく 必要 が ある ので は ない か 。 小沢 一郎 氏 と 羽田 孜 氏 の 論戦 そのもの は 興味深く 聞か せた と 評価 し たい 。 自ら 「 ラジカル 」 と 言う 小沢 氏 が 問題 提起 し 、 それ に 羽田 氏 が 反論 する 論戦 が 多く 、 小沢 氏 が 提唱 した 「 国連 警察 部隊 」 創設 や 、 十 年 後 の 消費 税 一〇 % 構想 など で 鋭く 対立 した 。 もっとも 小沢 氏 は 新進党 の 政策 から はみ出て いる 部分 が ある こと を あえて 承知 で 、 挑発 的に 議論 を 吹っかけた 様子 も うかがえた 。 羽田 氏 も 改革 の 向かう べき 方向 など に 本質 的な 差 は ない と 見受けた 。 二 人 の 違い は むしろ 政治 手法 や 合意 形成 の 方法 論 の 違い に 集約 さ れ 、 詰まるところ 「 強 腕 」 の トップ ダウン か 、 「 合意 重視 」 の ボトムアップ か の 差 で は ない か 。 実は これ は 近い 将来 の 二 大 政党 制 下 で の 対立 軸 の 一 つ に なり 得る 問題 な のである 。 国民 が 国会 議員 を 選び 、 その 議員 が 首相 を 選ぶ 、 と いう 議院 内閣 制 は 有効に 機能 して きた と は 言え ない の が 実情 だ 。 だからこそ 国民 に 背 を 向けて 車座 に なり 、 権力 ゲーム に 明け暮れる 政治 家 ばかり が 大手 を 振って きた と いえる 。 これ に 風穴 を 開ける 党首 公選 だった が 、 拙速 ゆえ に 国民 に 何がし か の 違和感 を 与えた 。 残念 ながら 新進党 に は 「 公党 」 の 意識 が 少し 希薄だった ので は ない か 。 「 官邸 の 庭 で 鳴いて る 虫 の 息 」 本紙 の 万能 川柳 で なくて 残念だ が ある 新聞 の 読者 投稿 の 時事 川柳 。 苦笑 せ ざる を 得 ないで は ない か 。 村山 富市 首相 が 虫 の 息 なら 、 おひざ元 の 社会党 は もっと 悲惨だ 。 今 改めて 「 社会党 の アイデンティティー は 」 と 問えば 「 首相 を 擁する 政権 政党 」 しか ある まい 。 一九九三 年 の 五五 年 体制 崩壊 後 、 実は 社会党 が もっとも 政権 与党 暮らし が 長い 。 羽田 孜 政権 の 二 カ月 余 以外 は 与党 であり 、 その 間 に 社会党 の 社会党 たる ゆえん は きれいに 捨て 、 今 存在 する の は 「 社会党 の ような もの 」 で しか ない 。 ところが 政権 の 「 虫 の 息 」 状態 が 存外 、 長く 続いて いる 。 戦後 の 首相 は 東久迩 稔彦 政権 から 数えて 二十三 人 。 一 番 の 長期 政権 が 佐藤 栄作 氏 の 二千七百九十八 日 、 最短 が 東久迩 氏 の 五十四 日 で 、 村山 政権 は 来年 一 月 四 日 に は 大平 正芳 政権 の 五百五十四 日 と 並び 、 同 二十六 日 に は 竹下 登 政権 の 五百七十六 日 と 並ぶ 。 竹下 政権 は 十二 番 目 の 長 さ だった から 、 それ を 上回る の は 指呼 の 間 である 。 おまけに クリントン 米 大統領 の 来 日 は 四 月 十六 日 から である 。 もし その 時 の カウンター パート が 村山 氏 だったら 、 十一 番 目 の 宮沢 喜一 政権 を も しのぐ こと に なり そうだ 。 村山 首相 は 政権 の 命題 に 「 戦後 処理 」 を 掲げた 。 政権 五百 余日 を 振り返れば 、 それなり に よく やった 、 と 言える だろう 。 こと 戦後 処理 に 関して 、 と いう 限定 付き だ が 、 原爆 被爆 者 二 法 、 従軍 慰安 婦 、 水俣 病 補償 など 自民党 政権 時代 に は 手 が つか なかった 問題 を 戦後 五十 年 の 節目 に 合わせ 巧みに 処理 して きた 。 戦後 五十 年 の 国会 決議 も 村山 首相 の 強い 肝いり が あった から こそ であろう 。 しかし 、 首相 が 自ら に 課した 戦後 処理 は 、 この 十八 日 に やっと 実現 した 政府 主催 の 「 戦後 五十 年 を 記念 する 集い 」 で 完全に ピリオド を 打って しまった ので は ない だろう か 。 従軍 慰安 婦 基金 の 集まり が 悪い など 、 もちろん 気掛かりな こと も あろう し 、 わが国 と して 戦後 五十 年 が すべて 清算 できた わけで は ない 。 しかし もはや 、 村山 政権 が 限界 な こと は 肝心の 与党 で すら 公然と 認めて いる こと である 。 首相 の キャッチフレーズ で も あった 「 人 に やさしい 政治 」 も 反古 と 化して しまって いる 。 沖縄 米軍 用地 の 代理 署名 は 、 どこまでも 米軍 に のみ やさしく 、 沖縄 県民 の 心 を 踏みにじった 。 住専 問題 処理 で バブル に 血迷った 責任 を 問わ ず に 、 農林 族 議員 に 脅さ れ 、 六千八百五十億 円 も の 税金 を つぎ込む の は 国民 から すれば 「 盗っ人 に 追い 銭 」 同然 の 所業 で は ない か 。 もはや 首相 の 気持ち の 中 から 、 国民 が すっぽり と 抜け落ちて いる のであろう 。 そう と しか 思え ない 。 首相 の 出身 母体 は 自治労 。 つまり 大分 県 職 労 書記 から 大分 市議 に 転じた の が 政界 入り の きっかけ だ が 、 首相 を よく 知る 社会党 の ある OB 議員 は 「 県 の 職員 と して 労働 運動 に 参画 した ので は なく 、 県 職 労 に 雇わ れた 書記 と して 、 どんな 執行 部 が 出来て も 巧妙に 決議 や 運動 方針 を まとめる 才覚 が あった 。 水 と 油 の 自 社 両党 を うまく かじ取り して いる の は この 原点 が ある から だ 」 と 分析 する 。 しかし 、 この 絶妙な バランス 感覚 も 長い 官邸 暮らし で 錆び 付いて しまった ので は ない か 。 いかに うまく 手 じまい する か 。 村山 首相 が 今 、 心 を 砕く べき 最大 の テーマ であろう 。 「 国 の 顔 が 見え なく なる ばかり 。 私 たち は 、 もう 忘れ られた の か 」 多く の 困難 を 抱えた まま 阪神 大 震災 二 年 目 を 迎える 被災 者 に とって 、 来 年度 の 政府 予算 案 から は 、 救済 と 支援 に 対する 国 の 断固と した 姿勢 が 見えて こ ない と いう 。 確かに 、 震災 関連 の 予算 項目 は 多い 。 重点 要望 が 盛り込ま れた こと で 地元 自治 体 の 評価 も 低く は ない 。 しかし 、 目立つ の は 、 大規模 開発 や 経済 復興 構想 の 調査 費 など プロジェクト 予算 ばかり だ 。 長期 的に は 重要な 事業 だ が 、 個人 レベル で は 明日 から の 生活 改善 が 実感 でき ない 。 被災 者 の 心 に 響か ない 予算 と 言えよう 。 生活 に 直結 する 予算 も ある が 限ら れて いる 。 例えば 、 事業 主 に 社員 休業 手当 を 補助 する 雇用 調整 助成 金 は 被災 地 へ の 特例 適用 が 延長 さ れる 。 助成 で 解雇 を 免れる 社員 に とって は 温かい 措置 であり 、 評価 できる 。 ただ 、 この 助成 も 既に 失業 した 人 に は 役立た ない 。 二万 人 近い 震災 解雇 者 救済 に 一層 の 努力 を 求め たい 。 一方 で 、 老人 医療 や 国民 健康 保険 の 本人 負担 金 免除 など 、 弱者 の 生活 を 助けて きた 特例 措置 の 打ち切り が 決まった 。 二 重 に 住宅ローン を 抱える 事態 に 陥った 人 へ の 負担 軽減 策 など も 論議 の 外 だった 。 八 月 の 内閣 改造 で 震災 の 専任 大臣 が 姿 を 消し 、 十 月 に は 首相 の 諮問 機関 「 阪神 ・ 淡路 復興 委員 会 」 が 任期 を 四 カ月 残して 活動 を 終えた 。 そして 特例 打ち切り 。 被災 者 が 「 国 に とって 震災 は 済んだ こと な の か 」 と 嘆く 言葉 に 耳 を 傾けて ほしい 。 もちろん 、 国家 予算 に は それなり の 論理 が あろう 。 「 税金 で 個人 財産 を 補う こと は でき ない 」 と の 原則 が あり 、 国 は 公共 事業 など へ の 支出 を 通じて 個人 の 生活 を 支援 する の が 建前 だ 。 ところが 今回 予算 案 で 、 国 は 住宅 金融 専門 会社 の 処理 に 巨額の 税金 を 投入 する こと を 決めて いる 。 財政 上 の 性質 は 違う 。 しかし 「 経営 に 失敗 した 住専 に 、 税金 を 使う の なら 許さ れる の か 」 と 憤る 被災 者 を 納得 さ せる の は 難しい 。 国 は 既に 三 次 に わたる 補正 予算 で 、 三兆 円 を 超える 震災 地 向け 予算 を 組み 、 緊急の 支援 策 に 全力 を 挙げた と いう 。 確かに 復旧 段階 で 国 が 果たした 役割 は 大きい 。 本格 的な 復興 段階 に 入り 、 各 省庁 に は 「 復旧 で の 優遇 措置 と は 異なり 復興 の 名目 で 被災 地 だけ 優遇 して は 他 都市 と の 間 に 不合理 が 生じる 」 と の バランス 論 が 目立って きた 。 通常 の 各 省庁 縦割り 予算 で なく 、 震災 復興 予算 を 別 建て に する 特別 枠 の 議論 も 立ち消え に なった 。 被災 地 を 特別 視 し ない 傾向 は 、 今後 さらに 強まろう 。 今回 も 特別 枠 が ない 結果 、 市街 地 再 開発 や 道路 、 港湾 など の 公共 事業 は 全国 枠 で 予算 化 さ れ 、 被災 地 へ の 配分 は 各 省庁 に ゆだね られた 。 それだけに 政府 の 阪神 ・ 淡路 復興 対策 本部 の 予算 配分 に 関する 指導 力 が 問わ れる 。 地元 の 兵庫 県 や 市 は 、 どこ まで 被災 者 の 生活 支援 に 踏み込める か を 探って ほしい 。 都市 の 交通 や 公共 施設 など の 復興 と 個人 の 暮らし 再建 に は 時間 差 が ある 。 プロジェクト に 投入 した 予算 が 個人 に 及ぶ まで に は 時間 が かかる 。 その こと を 直視 し 、 被災 者 一人ひとり が 「 国 や 自治 体 が 助けて くれた 」 と 実感 できる 予算 と 事業 の 実現 に 、 勇気 と 工夫 を 求め たい 。 新進党 の 第 二 代 党首 に 小沢 一郎 幹事 長 が 就任 する こと に なった 。 「 千 円 さえ 払えば だれ でも 投票 できる 」 と いう 新進党 の 党首 公開 選挙 で 小沢 氏 は 羽田 孜 副 党首 に 圧勝 した 。 選挙 戦 に ついて は 、 ゼネコン など を 巻き込んだ 企業 ・ 組織 ぐるみ 選挙 が 行わ れた ので は と いった 批判 が 出て いる 。 また 全体 と して 「 他人 の 名前 を 勝手に 使って いた 」 など の 不正 投票 が 二・四 % 程度 あった らしい 。 新進党 は 、 今回 は あくまでも 過渡 期 の 選挙 方式 だ と 位置付けて いる が 、 この 方式 を 今後 も 採用 する と いう のであれば 、 問題 点 を よく 調べ 、 直す べき ところ は 直す べきだろう 。 当選 した 小沢 氏 は 五十三 歳 。 かつて 自民党 内 で 表面 化 した 「 一 竜 戦争 」 の 相手 である 橋本 竜太郎 自民党 総裁 は 五十八 歳 である 。 自民 、 新進 の 二 大 政党 の 党首 が 相次いで 「 昭和 二 けた 生まれ 」 に なった 。 世代 交代 の 歯車 が 、 また 一 つ 回った と 言って いい 。 それ だけ で は ない 。 独断 専行 、 秘密 主義 、 裏 から 権力 を 行使 する 政治 手法 だ 、 など と 批判 さ れて きた 小沢 氏 が 、 いよいよ 舞台 の 正面 に 立ち 、 自ら が 書いた シナリオ に 沿って 政権 奪取 を 目指す わけだ 。 国民 に とって 歓迎 す べき は 「 小沢 的 手法 」 が 見え やすく なる と いう ことだ 。 小沢 氏 は 、 自民党 ・ 海部 内閣 の 幹事 長 時代 も 含め 、 国会 の 代表 質問 や 予算 委員 会 の 質問 に 立った こと が ない 。 新進党 の 幹事 長 に なって から も 無断 欠勤 など 隠密 的な 行動 が 目立った 。 それ が 反 小沢 氏 勢力 に は 、 わがまま と 映った 。 それ ら が 権力 の 二 重 構造 批判 の 一因 と も なって きた わけだ が 、 党首 と なれば 、 そう は いか なく なる 。 来年 一 月 下旬 の 通常 国会 で は 早速 、 村山 富市 首相 の 施政 方針 演説 に 対する 代表 質問 が ある 。 小沢 氏 は 、 今回 の 党首 公選 で 「 所得 税 ・ 住民 税 を 半分 に する 代わり に 十 年 後 に は 消費 税 を 一〇 % に 引き上げる 」 「 自衛 隊 と は 別に 五万 人 規模 の 国連 警察 部隊 を 作り 、 国連 に 提供 する 」 「 中央 省庁 を 十五 に 減らす 」 「 全国 の 市町村 を 三百 の 市 に 再 編成 する 」 など “ 激辛 ” の 政策 を 打ち出した 。 それ ら の 多く は 、 自著 の 『 日本 改造 計画 』 で 触れて いる 。 ほか に も 同 書 の 中 で 言及 して いる 「 普通の 国 」 と は どんな 国 を 目指す の か 、 政治 の リーダーシップ の 確立 、 地方 分権 、 規制 撤廃 と いう 三 つ の 改革 を どう 実現 して いく の か 、 国会 の 場 で の 与党 側 と の 論戦 を 通じて 明らかに して ほしい もの だ 。 そうした 論戦 から 、 閉そく 状況 に ある 政治 の 場 に 、 明確な 対立 軸 が 浮き彫り に さ れる ので は ない か 。 小沢 氏 は 、 公選 で 示した 自分 の 政策 を 総 選挙 で の 新進党 の 公約 に する と 明言 して いる 。 しかし 、 羽田 氏 ら は 「 独り善がり は だめだ 」 と 反発 、 消費 税 の 一〇 % へ の 引き上げ に ついて は 「 党 内 で は 、 まだ こなれて い ない 」 と 、 論議 を 重ねた うえ で の 党 内 合意 形成 の 必要 性 を 主張 して いる 。 小沢 氏 に 必要な こと は 、 独断 専行 で は なく 、 説得 を 通じて コンセンサス を 得て いく と いう 党 内 民主 主義 を 確立 する ことだ 。 それ は 幹事 長 など の 役員 人事 に ついて も 言える 。 「 政権 担当 能力 の ある 、 もう 一 つ の 政党 を 作る 」 こと を 目指す 小沢 氏 に とって 、 創価学会 と の 関係 も 問わ れ 続ける だろう 。 党 分裂 の 芽 も 残って いる 。 小沢 氏 の 「 表 」 の 力量 が 試さ れよう と して いる 。 山口 敏夫 ・ 元 労 相 が 拘置 期限 の 二十七 日 、 起訴 さ れた 。 戦後 、 被告 の 座 に すわら さ れた 国会 議員 は 決して 少なく ない 。 それ でも 、 山口 元 労 相 の ような 起訴 罪名 が 並んだ ケース は 前例 が ない 。 逮捕 容疑 と なった 背任 を はじめ と して 、 業務 上 横領 、 偽証 、 さらに は 詐欺 まで も 訴追 さ れた 。 いずれ も 破廉恥 罪 である 。 国会 議員 と して の 職務 権限 と も 無関係であり 、 一体 この 人 は 議員 バッジ を 付けて 、 どこ を 主 舞台 に して 活動 して いた のだろう か 。 「 バッジ を 付けた 業者 」 の 悪評 に も 納得 せ ざる を 得 ない 。 こうした 「 選良 」 を 持った 国民 は 恥ずかしい 限り だ 。 繰り返す が 、 もはや 議員 資格 は ない 。 早々 に バッジ を 返上 す べきだ 。 起訴 状 に よる と 、 背任 、 業務 上 横領 で は 被害 額 が 巨額だ 。 元 労 相 が 統括 して いた 親族 企業 に は 返済 能力 も ない のに 、 旧 東京 協和 と 旧 安全 の 二 信用 組合 から 二十七億 円 も の 追加 融資 を 受けて 、 焦げ付か せた 。 自身 が かつて 理事 を 務めた 二 つ の 財団 法人 の 基本 財産 や 土地 を 勝手に 担保 に 流用 して いた 。 経済 事犯 である と 同時に 、 議員 の 肩書 を 背景 に して おり 、 汚職 的な 側面 も 持つ 。 偽証 は 議院 証言 法 に 基づく 国会 から の 告発 を 受けて 、 起訴 さ れた 。 財団 法人 の 担保 流用 に 関して 主導 的に 関与 し ながら 、 国会 で 実弟 に 責任 を 転嫁 する ような 証言 を した と いう 。 国会 証言 で 議員 自ら が 告発 さ れた 例 は ない 。 「 選良 の 府 」 を 自ら おとしめる うそ の 証言 は 断じて 許さ れ ない 。 政治 史 に 消し 難い 汚点 を 残した と 言わ ざる を 得 ない 。 詐欺 罪 の 構成 要件 に は 「 欺罔 」 が ある 。 つまり 人 を だます こと である 。 元 労 相 は 米国 内 の 国際 大学 設立 構想 で 、 私立 大学 から 預託 金 名目 で 一億七千万 円 近く を だまし取り 、 親族 企業 の 借金 返済 に 充てた と いう のだ 。 およそ 国会 議員 が やる こと で は ない 。 国会 は 偽証 の 告発 こそ した もの の 、 そこ 止まり である 。 すべからく 元 労 相 個人 の 問題 と 位置付けて いる 。 だから 自浄 作用 へ の 取り組み に も 、 倫理 の 確立 に も 熱意 が 感じ られ ない 。 元 労 相 の 地元 ・ 埼玉 の 市町村 議会 で は 相次いで 辞職 を 決議 して いる 。 年明け から の 通常 国会 で は 辞職 勧告 を 徹底 して 審議 して もらい たい 。 確かに 、 従来 の 国会 議員 の 事件 と は 違って 特異 性 が ある 。 だが 、 考え なくて は なら ない の は 、 日本 の 政治 風土 が 底流 に あった ので は ない か と いう ことだ 。 元 労 相 が 融資 を 受けた 中 に は 、 かつて 党 幹事 長 を 務めた 新自由クラブ の 借金 を 清算 する ため の 資金 も あった と 、 政界 で は 言わ れる 。 盆 ・ 暮れ に は かなり の 数 の 若手 議員 に 百万 円 単位 の カネ を 配って いた と も いう 。 「 政治 は カネ なり 」 の 永田 町 の 論理 が 依然 、 まかり通って いる 現状 に あって は 、 収賄 を 含めて 再発 が 危ぐ さ れる 。 国会 は この 問題 を 静観 して いて は いけない 。 金融 機関 の 経営 破たん は 何も 二 信 組 に 限ら ない 。 住宅 金融 専門 会社 の 不良 債権 問題 で 、 政府 は 債権 回収 と ともに 捜査 機関 を 動員 して の 実態 把握 と 責任 追及 を 約束 した 。 政 ・ 官 と の 癒着 が 出て こ ない 保証 は ない 。 検察 など 捜査 当局 は 元 労 相 摘発 を 一罰百戒 と する こと なく 、 この際 、 果敢な 姿勢 で 金融 腐敗 に たまった うみ を 出し切って もらい たい 。 大蔵 省 の 篠沢 恭助 事務 次官 が 二十九 日 、 突如 辞任 した 。 これ を 発表 した 武村 正義 蔵 相 に よれば 、 最近 の 大蔵 省 を めぐる 問題 に ついて 、 この際 省 全体 の けじめ を つける 、 と いう の が 篠沢 次官 の 辞任 理由 と いう 。 任期 半年 余り で 「 官僚 の 中 の 最高の ポスト 」 と いわ れる 大蔵 事務 次官 が 辞任 する こと 自体 、 異例 と いえよう 。 しかも 武村 蔵 相 の 辞任 発表 記者 会見 に 、 辞任 した 本人 である 篠沢 氏 自身 が 姿 を 見せ なかった 。 これ も おかしい 。 篠沢 氏 が 堂々と 自ら の 口 で 辞任 の 理由 を 述べ 、 国民 の 理解 を 求める べきであった 。 今年 の 大蔵 省 は 年初 から 厳しい 批判 に さらさ れて きた 。 二 信 組 問題 から 大蔵 省 幹部 の 不祥事 が 明るみ に 出て 、 国民 の 怒り を 買った 。 大和 銀行 事件 で は 、 米国 政府 から 大蔵 省 の 金融 行政 の 不透明 さ と 不誠実 さ を なじら れる と いう “ 不 始末 ” を しでかした 。 揚げ句 の 果て 、 つい 先日 の 住宅 金融 専門 会社 処理 で は 、 来 年度 一般 会計 予算 から 六千八百五十億 円 を 支出 する こと を 決め 、 世論 の 反発 を 受けた ばかりだ 。 いずれ も 直接 大蔵 省 に かかわる 重大 問題 である 。 この 三 つ の 問題 は 、 それぞれ 性格 が 違う 。 第 一 の 大蔵 省 主計 局 幹部 の 不祥事 は 、 大蔵 官僚 そのもの の 資質 に かかわる 問題 である 。 と同時に 大蔵 官僚 を ここ まで 増長 さ せた 周囲 の 罪 も 指摘 さ れる だろう 。 第 二 の 大和 銀行 事件 も 発端 は 個人 だ が 、 大蔵 省 は 事実 を 知り ながら 行政 当局 と して 適正な 措置 を とら なかった 。 それ が かねて 指摘 さ れて いた 日本 の 不透明な 金融 行政 を 一層 際立た せる こと に なった 。 国際 的に 金融 システム の 不信 まで 買った 罪 は 決して 軽く ない 。 第 三 の 住専 処理 は 、 巨額な 税金 を バブル 崩壊 に よる 不良 債権 の 後始末 に 投じる と いう 構図 が 世論 を 刺激 した 。 農林 系 金融 機関 救済 が 前面 に 出て 、 政治 決着 と なった が 、 大量 国債 発行 下 の 追加 赤字 国債 と いう 図式 も 国民 の 強い 反発 を 招いた 。 篠沢 次官 の 辞任 は こうした 問題 に 対する 責任 を 取る 、 と いう 形 と なった が 、 もっと 大事な こと が ある 。 それ は 大蔵 省 そのもの が 、 精神 的に も 組織 的に も 徹底 した リストラ に 取り組む 必要 が ある と いう ことだ 。 率直に いって 大蔵 官僚 は ごう慢だ と いう 批判 が ある 。 強大な 職務 権限 に 裏打ち さ れて いる と いう 面 も ある が 、 それ ばかり で は ない 。 鼻持ち なら ぬ エリート 意識 が 時 に 他 省庁 の 官僚 を 一 段 低く 見 がちだ 。 政治 家 や 経済 人 が 予算 に 群がる の を 逆手 に とって 、 タニマチ を 従える つもりの 不心得な 大蔵 官僚 も 、 こうした 土壌 から 生まれる のだ 。 大蔵 省 の 組織 も 時代 に 合って いる の か どう か 。 最近 、 こうした 不祥事 を きっかけ に 、 大蔵 省 解体 論 も 出て いる 。 予算 、 税 、 金融 など 本来 異質の 分野 で は 諸 外国 でも 組織 的に 分離 さ せて いる 。 行政 権力 の 集中 を 招く と 、 行政 判断 を 誤ら せる こと が ある から だ 。 早急に 新 体制 で 検討 す べきだ 。 大蔵 省 は リストラ の “ サンクチュアリ ” で は ない 。 ところで 肝心の 最高 責任 者 、 武村 蔵 相 は 「 住専 問題 を 乗り越える こと が 大事な 責任 の 取り 方 と 考える 」 と 述べて いる 。 どうやら 自分 と 大蔵 官僚 は 別の 組織 に 居る と でも 思って いる らしい 。 今年 、 私 たち は 「 大事な 財産 」 を 失い かけて いる と の 不安に 襲わ れた 。 それ は 、 日本 が 自慢 して きた 社会 の 安全に 対して である 。 そんな 思い を 強めた 衝撃 的な 事件 二 つ が 、 未解決の まま 年 を 越そう と して いる 。 ともに 使わ れた 凶器 は 、 けん銃 だった 。 一 つ は 三 月 、 東京 都 荒川 区 の 自宅 前 で 国松 孝次 警察 庁 長官 が 狙わ れた 銃撃 事件 である 。 もう 一 つ は 、 東京 都 八王子 市 の スーパー で 起きた 、 アルバイト の 女子 高校 生 ら 三 人 が 射殺 さ れた 強盗 殺人 事件 だ 。 「 日本 の 犯罪 の 質 が 、 変わり つつ ある 」 。 オウム 真理 教 の 事件 と ともに 、 そうした 印象 を 持った 。 教団 も また 、 銃器 千 丁 の 密造 を 計画 して いた 。 警視 庁 は 二 つ の 事件 の 解決 に 総力 を 挙げて いる 。 長官 狙撃 の 捜査 で は 、 教団 も 視野 に 入れて いる 。 が 、 ともに 容疑 者 に 直結 する ような 手掛かり を 得た と は 伝え られて い ない 。 百五十 件 を 超えた 今年 の 発砲 事件 は 、 ここ 五 年 、 二百三十 件 前後 だった の に 比べ 、 数字 の 上 で は 大きく 減少 した 。 問題 は 中身 である 。 減少 の 理由 は 、 暴力 団 の 対立 抗争 が 激減 した こと に よる もの だ 。 一方 、 一般 市民 に 対する 発砲 は 減って は い ない 。 今年 も 十 人 を 超える 市民 が 犠牲 者 と なって いる 。 しかも 、 けん銃 が 威嚇 の ため で は なく 、 八王子 市 で の 事件 の ように 、 至近 距離 から 殺傷 を 狙った ケース が 多い 。 九 月 、 横浜 市 内 で 起きた 釣具 店 店長 の 射殺 も 、 そう だった 。 警察 庁 も 「 銃器 犯罪 は 、 さらに 深刻な 局面 に 移行 しよう と して いる 」 と 分析 して いる 。 今月 二十 日 まで に 、 全国 の 警察 が 押収 した けん銃 は 千八百三十三 丁 に 上る 。 これ まで の 最高だ 。 もちろん 、 警察 の 強力な 摘発 の 成果 で は ある 。 同時に 私 たち の 社会 が 深く 、 広く 銃 汚染 に むしばま れて いる こと の 反映 で も ある 。 押収 さ れた もの の うち 約 五百 丁 が 暴力 団 以外 から だった こと が 、 それ を 物語って いる 。 五 年 前 の 六 倍 だ 。 銃 を めぐる 状況 は 一変 した 、 と 受け止め ざる を 得 ない 。 今年 、 オウム 事件 と 銃器 犯罪 に 直面 した 警察 は 、 犯罪 の 変わり つつ ある 局面 に 対応 し きれ ない 弱点 を 抱えて いる こと を 知ら さ れた 。 激しく 動く 社会 に 取り残さ れよう と して いた 、 と 言って いい の かも しれ ない 。 それ は 、 スペシャリスト の 育成 の 遅れ など の 組織 上 の 問題 だけ で は ない 。 社会 の 変化 を 読み取る 目 に 、 「 曇り 」 が あった こと も 、 指摘 し なければ なら ない だろう 。 「 曇り 」 は 、 古い 体質 を 引きずる こと に つながる 。 愛媛 県警 と 群馬 県警 で 起きた 、 捜査 員 が 暴力 団員 に けん銃 を 買わ せた 、 自作 自演 の 押収 は 、 象徴 的な 出来事 だった 。 警察 に 今 、 意識 の 変革 も 強く 求め られて いる 。 警察 庁 が 銃 汚染 に 対して 、 強い 危機 感 を 抱いて いる こと は 、 組織 の 見直し 、 専門 家 集団 の 育成 、 国際 協力 の 呼び掛け から も 伝わって くる 。 来 年度 予算 案 に も 、 警察 官 の 増員 や 銃器 対策 強化 費 が 盛り込ま れた 。 環境 を 整え 、 銃 汚染 に 対して 守り から 攻勢 に 転じて ほしい 。 反転 攻勢 に 、 どうしても 欠かせ ない の が 、 二 つ の 衝撃 的な 事件 の 早期 解決 である 。 実績 こそ 、 犯罪 に 対する 最大 の 抑止 力 と なる から だ 。 それ は 、 銃 汚染 拡大 の 流れ を 食い止める 力 と も なる 。 法学部 の 一 人 の 学生 が 書いた 投稿 が 、 元日 付 東京 大学 新聞 に 載る 。 投稿 掲載 は 珍しく も ない が 、 内容 が いつも と 違う 。 HIV に 感染 した 血友病 患者 たち が 起こした 訴訟 で 、 東京 、 大阪 両 地裁 は 、 国 の 責任 を はっきり 指摘 した 。 その うえ で 和解 案 を 示した 。 今年 十 月 六 日 の こと である 。 投稿 は この 問題 に 関連 して 、 医学部 現職 教授 の 辞任 を 、 事実 上 求めて いる 。 教授 は 厚生 省 薬 務 局 生物 製剤 課長 の 経験 が ある 。 当時 、 非 加熱 血液 製剤 の 危険 を 知り 得る 立場 に あった はずだ 。 それにもかかわらず 、 輸入 、 販売 を 阻止 し なかった 。 その こと が 血友病 患者 間 に エイズ 被害 を 拡大 さ せた 。 責任 を とれ 、 と いう 内容 である 。 名指し さ れた 教授 は 「 真実 と 懸け離れた 投書 であり 、 侮辱 だ 」 と 、 紙上 へ 真っ向 から 否定 する コメント を 寄せて いる 。 この 「 論争 」 に は 公職 者 の 行為 と 責任 に ついて 考え させる ところ が 多い 。 「 多難な 年 だった 」 。 年 の 終わり に 、 そう 思い返す 人 が 多い に 違いない 。 戦後 五十 年 の 節目 の 今年 、 日本 の 社会 は 天災 と 、 大 事件 に 揺さぶら れ 続けた 。 阪神 大 震災 。 オウム 真理 教 の 異様で 凶悪な 犯罪 。 沖縄 米軍 人 の 少女 暴行 事件 。 この 忌む べき 事件 に 対する 怒り を きっかけ と する 米軍 基地 縮小 問題 。 大和 銀行 事件 。 住宅 金融 専門 会社 救済 へ 税金 投入 。 高級 官僚 の 接待 漬け 。 そして 官 官 接待 。 衆院 議員 の 背任 、 高速 増殖 炉 もん じゅ の 事故 と 、 事故 隠し 。 いじめ が やま ない 。 失業 、 就職 難 。 たちまち 十指 に 余る 。 これ ら の 多く に 通底 する もの は 何 だったろう か 。 「 うそ 」 と 言う しか ない 。 まことに 情けない けれども 、 今年 は 「 うそ 」 が キーワード に なる 一 年 だった ので は ない か 。 阪神 大 震災 そのもの を 除けば 、 すべて 人間 の 行為 か 、 その 結果 であった 。 オウム 真理 教 の 代表 である 麻原 彰晃 被告 が 言い 続け 、 幹部 信者 が 繰り返した 「 毒 ガス 攻撃 を 受けて いる 」 と は いったい 何 だった の か 。 その 教義 を 別に して も 、 オウム の うそ を 挙げれば きり が ない 。 大蔵 省 を 筆頭 に 高級 官僚 たち が 、 いかがわしい 民間 人 の 接待 漬け に なった 。 さらに 地方 自治 体 の 接待 攻勢 を 喜んで 受ける 官 官 接待 。 あさましい 。 カラ 出張 。 経費 の 公開 を 求め られて も ああ だ こう だ 、 隠す 。 その 揚げ句 、 バブル に 踊った 住宅 金融 専門 会社 を 、 国民 の 税金 で 救済 する と いう 。 一方 で 財政 危機 宣言 など と 言って も 、 これ で は 政府 ・ 大蔵 省 の たわごと 、 と しか 国民 に は 聞こえ ない 。 うそ に 塗り 込め られた やり 方 と しか 思え ない から である 。 そんな やり 方 は 先進 国 で 通用 し ない こと を 、 大和 銀行 事件 が 示した 。 米国 で 起こした 銀行 の 大 失態 を 、 大蔵 省 と 銀行 が セット で 米国 金融 当局 へ 知らせる の を 大幅に 遅らせた 。 国 内 金融 システム に 悪 影響 を 与え ない と いう 理屈 は 、 世界 に 通じ ない 。 大和 銀行 は 米国 を 追放 さ れた 。 もん じゅ の “ 事故 隠し ” は 、 日本 人 の うそ の つき 方 の 典型 例 だろう 。 せっかく 、 もん じゅ は 原型 炉 と して 稼働 まで こぎつけた 。 ここ で 事故 の スケール が わかって しまう と 、 国民 の 間 に 強い もん じゅ 拒絶 反応 が 起きる 可能 性 が ある 。 できる だけ 小さく 印象づけよう 。 撮影 した ビデオテープ の 大半 を 、 そう 考えて 隠した 。 真実 は 国民 に 知らせ なく と も よい 。 専門 家 集団 が 処理 すれば いい 。 これ は 大和 銀行 事件 処理 に 当面 した 大蔵 省 の 発想 も 同じだったろう 。 国民 に 無用の 混乱 を 引き起こす 。 取り付け 騒ぎ だって 起き かね ない 。 だから 当事 者 、 関係 者 だけ で 相談 し 、 「 合併 なら どう だ 」 と 、 打ち出す 。 二十九 日 、 大蔵 事務 次官 が 辞任 を 表明 した 。 それ で 国民 に 「 人心 一新 」 を 感じ させる ほど 、 高級 官僚 の 「 罪 」 は 軽く ない 。 専門 家 と 称する 者 たち が 国民 を 見下す 習性 が 、 うそ を まかり通ら せる 。 「 日本 の うそ 」 に は そんな 性質 が 濃い 。 国民 も さほど に は 怒ら ない 。 日本 人 は うそ に 慣れっこに なって しまった の か 。 かつて 大本営 が うそ の 戦果 を 発表 し 続けた 。 強権 に よる 全く の 情報 操作 である 。 ごく 一部 の 人々 を 除き 、 国民 の ほとんど は 敗戦 直前 まで だまさ れ 続けた のである 。 情報 を 握る 者 は 、 情報 を 開示 した 結果 の 混乱 を 恐れる 。 そう 言えば 格好 は いい 。 だが 、 それ は 国民 を 信じ ず 、 愚民 視 する の と 変わら ない 。 政治 が そう で は ない か 。 村山 富市 首相 の 政策 転換 、 社会党 の 首相 へ の 追随 は どう な のだ 、 と いう 声 も ある 。 しかし 、 政策 は 必ずしも 不動 の もの で は ない 。 だから 、 その 是非 に ここ で は 立ち入ら ない 。 ただ 、 政治 の 弱 さ が 官僚 を ばっこ さ せ 、 国民 を ないがしろに して いる 点 だけ は 、 指摘 し ない わけに いか ない 。 戦後 五十 年 を 経て 、 なぜ こんな 社会 に なって いる の か 。 「 うそ 社会 」 から どう 脱却 すれば よい か 。 その 手だて を 追求 し なければ なら ない 。 情報 公開 法 の 制定 機運 を もっと 盛り上げ たい 。 市民 、 国民 が 容易に 公的 情報 に 接近 できる 内容 の 濃い 情報 公開 法 を 早く つくる 。 公的 、 社会 的 情報 を 握る 者 に は 、 徹底 して 国民 、 社会 に 説明 する 義務 を 課す 。 その ため に ある 程度 の コスト が かかって も 、 うそ で 社会 が 固定 化 する より ずっと よい 。 説明 の 義務 は 、 公職 者 の 責任 を 明らかに し 、 内部 で 過度に かばい あう 悪習 を 減らす だろう 。 うそ の 少ない 社会 を 本気で つくろう で は ない か 。 村山 富市 首相 は 年頭 に あたり 首相 官邸 で 内閣 記者 会 と 二十八 日 会見 し 、 社会党 の 新 民主 連合 所属 議員 の 離党 問題 に ついて 「 政権 に 影響 を 及ぼす こと に は なら ない 。 離党 者 が いて も 、 その 範囲 に とどまる と 思う 」 と 述べ 、 大量 離党 に は 至ら ない と の 見通し を 示した 。 また 、 一九九五 年 中 の 衆院 解散 ・ 総 選挙 の 可能 性 に 否定 的な 見解 を 表明 、 二十 日 召集 予定 の 通常 国会 前 の 内閣 改造 を 明確に 否定 した 。 ロシア 南部 チェチェン 共和 国 の 首都 グロズヌイ に 進攻 した ロシア 軍 は 三十一 日 、 首都 中心 部 を 装甲 車 など で 攻撃 、 大統領 官邸 など 数 カ所 が 炎上 した 。 ロシア 側 は 首都 制圧 の 最終 段階 に 入った と み られる 。 グロズヌイ から の 報道 で は 、 ロシア 軍 は 激しい 空爆 と 砲撃 を 加えた 後 、 装甲 車 部隊 が 大統領 官邸 付近 に 進出 。 同 官邸 前 など で ドゥダエフ 政権 部隊 と 激しい 市街 戦 を 展開 して いる 。 一方 、 ドゥダエフ 政権 側 の 首都 防衛 司令 官 は 同日 夕 、 テレビ を 通じ 、 首都 防衛 は うまく いって おり 、 ロシア 軍 の 戦車 五十 両 を 破壊 した と 発表 。 また 、 ドゥダエフ 大統領 は 現在 、 交渉 中 の ロシア 議会 の 代表 団 と ともに 防空ごう に 避難 して おり 、 無事 と いう 。 ドゥダエフ 大統領 は 三十 日 夜 、 エリツィン ・ ロシア 大統領 に 正月 休戦 を 提案 した が 、 ロシア 側 は これ を 黙殺 した 。 村山 富市 首相 の 年頭 記者 会見 の 要旨 は 次の 通り 。 当面 、 行政 改革 、 とりわけ 規制 緩和 、 特殊 法人 の 見直し 、 地方 分権 など 大きな 課題 が ある 。 今秋 に は 議長 国 と して アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 に 臨ま なければ なら ない 。 国 内外 の 、 緊迫 した 重大な 課題 を 抱えて いる 時 に 政治 の 空白 は 許さ れ ない 。 ようやく 経済 も 明る さ を 取り戻し つつ ある 微妙な 段階 な ので 、 今 は 解散 の 時期 で は ない と 考えて いる 。 党 内 の 議論 や 党 関係 者 の 意見 は 「 保守 二 党 論 は よろしく ない 。 市民 の 側 に 立った 平和 と 民主 主義 を 担う 政党 が 必要 」 と いう もの だ 。 社会党 の 新党 衣替え に は ほとんど の 方 が 一致 して いる 。 そういう 方向 を 目指して 努力 し なければ なら ない 。 段取り に ついて は 若干 意見 の 違い が ある 。 社会党 は 連立 政権 の 首班 を 担って おり 、 責任 が ある 。 党 内 に それほど の 動揺 は ない 。 村山 政権 に 影響 が ある と いう こと に は なら ない 。 離党 が うわさ さ れて いる 人 と 新党 作り に ついて の 考え 方 は 違い が ない と 思って いる 。 今 、 なぜ 離党 し なければ なら ない の か 理由 が 理解 でき ない 。 委員 長 と して 党 の 結束 を 大切に し たい 。 内閣 改造 を 通常 国会 召集 前 に やる 考え は ない 。 細川 内閣 の 時 、 予算 編成 を やった 閣僚 が 予算 成立 を 図る べきだ と 言って 改造 に 反対 した 経緯 が ある 。 閣僚 は みんな 特殊 法人 の 見直し を やる 気 に なって いる 。 一 年 ぐらい は 続けて もらう の が いい と 思って いる 。 政 と 官 が 一体 に なって 国民 に 応えて いか なければ なら ない 課題 だ 。 目 に 見える 形 で 特殊 法人 の 見直し を する 。 二 月 十 日 ぐらい を めど に 決着 が つけ られる ように し たい 。 必ず 実行 する 。 カンボジア など いく つ か の 経験 に 照らして 憲法 の 枠 内 で 、 できる だけ の こと は やっていく 。 PKF の 見直し に ついて は まだ 考えて い ない 。 戦後 五十 年 の 節目 であり 、 冷戦 構造 が 崩壊 し 、 世界 が 新 秩序 を 求めて いる 時期 に 二十一 世紀 を 展望 する 日 米 の 親密な 関係 を どう 構築 する か が 今度 の 日 米 首脳 会談 の 大きな 課題 だ 。 アジア ・ 太平洋 に おける 日 米 関係 を 機軸 と した 役割 は 大きい 。 クリントン 大統領 と きたん の ない 話し合い を し たい 。 通常 国会 の 進行 状況 、 中国 の 状況 と の 見合い で 、 機会 が あれば できる だけ 早期 に 訪 中 し たい 。 国連 は 常任 理事 国 の 問題 だけ で は なく 改革 さ れて いか なければ なら ない 。 むしろ 地球 規模 の 環境 、 人口 、 食糧 など 広範に 国連 の 果たさ なければ なら ない 役割 は 大きい 。 国連 改革 を 前提 に 考えて いく 。 高知 県 の 橋本 大二郎 知事 は 三十一 日 、 都道府県 で 初めて 一般 事務 職 の 採用 資格 から 国籍 条項 を 撤廃 する 方針 を 明らかに した 。 高知 県 の 現在 の 一般 事務 職 の 採用 は 日本 国籍 が 要件 。 国 は 「 公権力 の 行使 や 公 の 意思 形成 に 携わる 公務 員 は 日本 国籍 が 必要 」 と の 姿勢 だ が 、 地方 公務 員 法 で は 日本 国籍 が ない 人 の 任用 を 禁じる 規定 は ない 。 橋本 知事 は 「 地方 行政 の 運営 上 、 国籍 条項 の 必要 性 は 感じ ない 。 少なくとも 日本 に 生まれ育った 在 日 韓国 ・ 朝鮮 人 を 地方 公務 員 と して 排斥 する 理由 は ない 。 戦後 五十 年 を 契機 に 実現 さ せ たい 」 と 話して いる 。 世界 が アッ と 驚く 若い 首相 が 誕生 し 、 がんじがらめ の 規制 が たった 一 本 の 法律 で 撤廃 さ れた ―― 新春 の 初夢 であり 、 期待 です 。 こんな 単純な 発想 に あやう さ 、 脆 さ を 感じる 人 は 多い でしょう が 、 混迷 の 転換 期 を 乗り切る ため 「 日本 は 変わった 」 こと の 証 であり 、 メッセージ に なる はずです 。 その ため に は あらゆる 分野 で 思い切った 世代 交代 が 必要に なる でしょう 。 五十 年 前 、 敗戦 ・ 占領 と いう 歴史 的な 衝撃 の 中 で 、 日本 は 戦後 の 第 一 歩 を 踏み出し ました 。 経済 復興 と 国際 社会 へ の 復帰 が 悲願 と なり ました 。 これ を 支え 、 その後 の 日本 の 活力 を 生んだ もの は 占領 軍 に よる 公職 追放 と いう 名 の “ 外圧 ” に よる 世代 交代 でした 。 旧 体制 下 の 政 、 官 、 財 の リーダー が 追放 さ れ 、 未経験の 若い 人 たち が トップ に 立た ざる を 得 ませ ん でした 。 政界 に も 二十 代 、 三十 代 の 若者 が 飛び込み 「 戦後 政治 」 の 幕 が 上がり ました 。 今 は 敗戦 直後 に も 似た 大胆な 切開 手術 を 必要 と する 時代 に 入って い ます 。 奇跡 的な 経済 発展 を もたらした 官僚 主導 の システム が 、 逆に 障害 と なり 機能 不全 に 陥って いる のです 。 漂流 する 政治 に 対して 、 「 官 」 が ますます 強大に なって いる ように 見え ます 。 しかし 、 それ は 表面 的な もの で 、 実態 は 自信 を 喪失 する と ともに 、 レゾンデートル を 求めて 揺れる 姿 が 透けて 見え ます 。 行政 改革 、 規制 緩和 、 地方 分権 の 時代 の 要請 が これ に 追い打ち を かけ ます 。 強大な 権限 を 持つ 大蔵 省 が 「 諸悪 の 根源 」 の ように 言わ れ 、 他 省庁 や 海外 から 大蔵 分割 論 が 唱え られ 、 外務 省 ・ 通産 省 無用 論 や 建設 省 ・ 農水 省 合併 論 、 郵政 省 の 民営 化 論 など が 半ば 公然と 語ら れる ように なり ました 。 ちょっと 前 まで は 考え られ ない ような 変化 です 。 許 認可 、 規制 の シンボル の ように 言わ れる 運輸 省 も 例外 で は あり ませ ん 。 航空 業界 トップ は 「 このまま で は 航空 会社 は 早晩 、 赤字 タレ 流し の 第 二 の 国鉄 に なる しか ない 」 と 悲鳴 を 上げ 、 JR 各社 首脳 は 運賃 、 宿泊 費 、 サービス 料金 の 内外 価格 差 の 増大 に 「 産業 の 空洞 化 は 製造 業 から あらゆる 産業 に 広がり つつ ある 」 と 警鐘 を 鳴らして い ます 。 銀行 、 証券 、 生 ・ 損保 など 金融 機関 は 「 ある 日 突然に 日本 から 株式 市場 が 消える 悪夢 を 見る 」 と 訴え 、 政府 ・ 日銀 が 「 金融 秩序 維持 の ため 」 に 発動 した 信用 組合 救済 銀行 の 設立 も 、 「 バブル に 踊った “ 悪徳 ” 金融 機関 の 救済 に 税金 を 使う こと に 閣僚 から も 批判 が 出て いる が 、 ヘタ を する と 大変な こと に なる 。 そう なったら 国家 的 犯罪 です よ 」 と まで 危惧 する のです 。 いずれ も 許 認可 、 規制 の 弊害 が 「 来る ところ まで 来た 」 と いう 危機 感 の あらわれ です 。 大型の 汚職 事件 、 政治 スキャンダル の 温床 と も なって き ました 。 世代 交代 と 規制 緩和 は 、 政治 家 の 役割 と 質 を 劇的に 変える こと に も なり ます 。 これ まで の ような 既得 権益 の 擁護 や 利害 関係 の 調整 、 利益 誘導 の 根拠 や 活躍 の 舞台 を 失い ます 。 これ に 地方 分権 や 小 選挙 区 比例 代表 並立 制 導入 と いう 新 選挙 制度 が 加わる こと に よって 、 政界 地図 は 激変 する 可能 性 も あり ます 。 選挙 通 で 知ら れる 中堅 議員 は 「 高齢 の 現職 議員 や 既成 政党 の 看板 だけ が 頼り と いう 候補 者 に 著しく 不利 」 と 分析 し 、 有力 閣僚 の 一 人 は 「 国会 議員 の 仕事 が なくなり 、 存在 価値 が 薄れる 」 と 心配 する のです 。 そんな こと は あり ませ ん 。 政治 家 や 選ぶ 側 の 有権者 の 意識 の 変革 が 不可欠です が 、 国会 議員 が やる べき 仕事 は 何 な の か 。 転換 期 を 乗り切る ため に ただちに 打つ べき 手 は 何 な の か 、 が ようやく 見えて くる のです 。 それ が 日本 の 直面 して いる 政治 、 経済 、 行政 の 構造 転換 の 方向 でしょう 。 今年 は 四 月 に 統一 地方 選挙 、 七 月 に 参院 選挙 が あり ます 。 さらに 新 選挙 制度 下 の 解散 ・ 総 選挙 の 年 内 実施 も 予想 さ れて い ます 。 奇しくも 戦後 五十 年 の 節目 の 年 に 「 三 大 選挙 」 が 実施 さ れ 、 日本 の 将来 の 方向 を 決める 重要な 「 選択 」 が 迫ら れる こと に なり ます 。 政治 は なお 混迷 の まま 越年 と なり ました 。 政権 与党 も 野党 も 、 まだ 従来 の 政治 の 枠組み の 中 で 離合 集散 して おり 、 次の 総 選挙 と 政界 再 編成 第 二 幕 に 向けた 「 仮 の 宿 」 の 姿 です 。 戦後 五十 年 の 「 選択 の 年 」 に 初夢 が 少し でも 実現 さ れれば と 思い ます 。 村山 富市 首相 は 年頭 の 記者 会見 で 、 「 創造 と やさし さ の 国 造り の ビジョン 」 と 題する 所感 を 発表 した 。 今月 中 に 首相 を 囲む 学者 グループ が 発表 する 「 村山 ビジョン 」 の 基本 的な 考え を 示した もの 。 「 わが国 に ふさわしい 国際 貢献 に よる 世界 平和 の 創造 」 と 銘打った 非 軍事 分野 の 国際 貢献 など 「 四 つ の 創造 」 を 打ち出して いる 。 所感 は 、 冒頭 で 戦後 五十 周年 の 節目 の 年 の キャッチフレーズ を 「 改革 から 創造 へ 」 と 表現 。 「 経済 社会 」 で は 産業 空洞 化 へ の 対応 や 雇用 対策 と して の 経済 構造 改革 、 「 やさしい 社会 」 で は 心 の 通った 教育 や 銃 、 麻薬 対策 の 必要 性 を それぞれ 指摘 。 「 世界 平和 」 で は 憲法 の 枠 内 で の 日本 型 国際 貢献 と して 貧困 ・ 飢餓 対策 など 非 軍事 分野 を 示し 、 国連 平和 維持 活動 中心 主義 から の 脱却 を にじま せた 。 村山 富市 首相 が 発表 した 「 年頭 所感 」 の 要旨 は 次の 通り 。 村山 内閣 と なり 、 長い 懸案 だった 政治 改革 、 税制 改革 、 被爆 者 援護 法 など 困難な 課題 に 大きな 区切り を つける こと が できた 。 戦後 五十 周年 を 機会 に 来るべき 五十 年 を 展望 し 、 「 改革 から 創造 へ 」 と 飛躍 を 図る ため 、 「 創造 と やさし さ の 国 造り 」 に 取り組む 。 第 一 は 「 自由で 活力 ある 経済 社会 の 創造 」 。 規制 緩和 、 特殊 法人 の 見直し 、 地方 分権 の 推進 、 情報 公開 など の 行政 改革 を 実行 する 。 第 二 は 「 次の 世代 に 引き継いで いける 知的 資産 の 創造 」 で 、 基礎 的 研究 や 独創 的 技術 開発 を 充実 、 新たな 産業 分野 を つくり出す 。 第 三 は 「 安心 して 暮らせる やさしい 社会 の 創造 」 。 少子 ・ 高齢 化 社会 の 中 で 安心 して 暮らせる やさしい 社会 づくり 、 銃 や 麻薬 の ない 社会 の 実現 を めざす 。 第 四 の 「 我が国 に ふさわしい 国際 貢献 に よる 世界 平和 の 創造 」 で は 、 戦後 処理 の 個別 問題 に 対処 する 。 就任 後 初めて 地元 の 大分 県 へ 里帰り して いた 村山 富市 首相 は 三十一 日 夕 、 三 泊 四 日 の 日程 を 終えて 日航 機 で 羽田 空港 に 到着 した 。 首相 は 記者 団 に 対し 、 「 突然 大分 に 帰った が 、 温かい 歓迎 に 接し 『 地元 は いい なあ 』 と いう 感謝 の 気持ち で いっぱい 。 期待 に 応えて しっかり 頑張ら ない と いか ん と いう 気持ち を 一層 強く 持った 」 と 感想 を 述べた 。 社会党 は 今年 、 党 の 存亡 を かけた 「 民主 リベラル 新党 」 構想 の 実現 に 取り組む 。 二 月 十一 日 を めど に 開く 臨時 党 大会 で 新党 結成 方針 を 決定 し 、 他 党派 や 市民 団体 など に 働きかける 考え だ 。 しかし 、 旧 民社党 は 大半 の 議員 が 新進党 に 参加 し 、 さきがけ と の 連携 も 流動 的で 連携 相手 は 不確定だ 。 「 新 民主 連合 」 は 今月 、 独自の 新党 準備 会 を 旗揚げする 方針 を 崩して おら ず 、 久保 亘 書記 長 ら 執行 部 は 、 党 分裂 の 可能 性 も はらんだ 状況 下 で 難しい 手綱 さばき を 強い られる 。 久保 氏 は 当初 、 連合 を 支持 基盤 と する 民社党 や 民主 改革 連合 、 さきがけ 、 日本 新党 の 一部 など を 新党 の パートナー に 想定 した 。 しかし 、 民社党 は 新進党 に 参加 。 民改連 は 夏 の 参院 選 で 新進党 側 の 支持 も 得 たい ため 、 二の足 を 踏んで いる 。 久保 氏 は さきがけ に 期待 し 、 武村 正義 代表 と 頻繁に 接触 、 武村 氏 は 連携 に 傾いて いる と 言わ れる が 、 さきがけ 内部 に は 「 社民 主義 と 保守 リベラル は 違う 」 など の 慎重 論 は 強い と いう 。 新民連 急進 派 は 通常 国会 召集 前 の 新党 結成 を 主張 。 穏健 派 は 、 統一 地方 選 前 を 主張 する 。 新党 慎重 派 の 「 村山 政権 を 支え 社民 リベラル 政治 を すすめる 会 」 は 「 参院 選 後 で 十分 」 と の 姿勢 で 、 妥協 点 を 探る の は 難し そうだ 。 今 の ところ 二 月 の 党 大会 で は 結成 方針 を 決める だけ で 、 統一 地方 選 は 社会党 と して 戦う こと が ほぼ 確定 。 参院 選 の 前 か 後 か は 「 統一 地方 選 の 負け 方 で 決まる 」 と の 見方 が 強い 。 山花 氏 ら は 「 国会 が 開会 すれば 予算 審議 、 統一 地方 選 と 続き 、 新党 結成 が ずるずる と 先 送り さ れる 」 と して 、 通常 国会 召集 前 に 独自の 新党 準備 会 を 結成 する 考え 。 離党 に 踏み切る か どう か は 流動 的だ が 、 準備 会 参加 の 人数 が 当面 の 焦点 だ 。 「 すすめる 会 」 は 「 離党 は 倒閣 運動 」 と 、 新民連 所属 議員 を 個別 に 説得 、 離党 騒動 に 冷ややかな 地方 本部 、 労組 を 通じて の 切り崩し も 活発だ 。 新民連 幹部 の 一 人 は 「 地元 の 支持 労組 に 相談 したら 、 離党 に は 難色 を 示さ れた 」 と 証言 する 。 この ため 「 離党 者 が 出て も 、 選挙 区 事情 から 新進党 に 近付か ざる を 得 ない 十 人 程度 」 と の 見方 が 広がって いる 。 共産党 は 一 日 付 の 機関 紙 「 赤旗 」 で 、 宮本 顕治 議長 の インタビュー を 掲載 した 。 昨年 は 六 月 下旬 から 約 一 カ月 入院 した 宮本 氏 だ が 、 インタビュー で は 「 ジャーナリスト から 時々 、 『 いつまで やる つもり か 』 と か 、 それ に 類する 質問 を 受ける 」 と 自ら 紹介 した うえ で 、 「 誇る べき こと であって も 、 恥じる こと は 何も ない 」 と 力説 、 健在 ぶり を 強調 して いる 。 アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 は 、 今年 五 月 に も ソウル で 情報 ・ 通信 担当 閣僚 を 集めた 「 APEC 情報 サミット 」 を 開催 する 。 政府筋 が 三十一 日 、 明らかに した 。 マルチメディア 時代 を にらんだ アジア ・ 太平洋 の 情報 通信 基盤 を 整備 する ため 、 光 ファイバー 網 の 拡充 、 情報 通信 の 標準 化 、 公 的 分野 の 情報 化 など 広範な 課題 を 協議 する 方針 で 、 今後 は 毎年 定例 開催 し 、 アジア ・ 太平洋 地域 の 情報 化 推進 の 司令塔 の 役割 を 果たす 。 APII は 、 米国 が 提唱 する 地球 規模 の 情報 通信 基盤 の アジア ・ 太平洋 版 。 しかし 、 米国 の これ まで の 主張 は 先進 国 重視 で 、 性急な 要求 が 目立ち 、 発展 途上 国 から の 批判 が 強かった 。 この ため 、 情報 サミット は 、 米国 を 含めた 先進 国 と 途上 国 の 利害 を 調整 する 初 の 閣僚 レベル の 会合 と なる 。 情報 サミット は 、 九四 年 十一 月 に インドネシア で 開か れた APEC の 非公式 首脳 会議 で 、 韓国 の 金 泳三 大統領 が 内々 に 提唱 した ものの 非 公開 扱い と なり 、 会議 終了 後 に 発表 さ れた ボゴール 宣言 に も 盛り込ま れ なかった 。 現在 、 議題 を 韓国 政府 が 水面 下 で 検討 して おり 、 今年 二 月 中旬 に 福岡 で 開か れる APEC の 高級 事務 レベル 会合 で 、 韓国 側 から 具体 的な 提案 が ある 予定 。 一九九五 年 の えと は 亥 。 総務 庁 統計 局 の 調べ に よる と 、 亥 年 生まれ の 年男 、 年女 は 推計 で 千四十一万 人 。 うち 男子 は 五百九万 人 、 女子 は 五百三十二万 人 で 、 女子 の 方 が 二十三万 人 多い 。 生まれた 年 別 に 見る と 、 最も 多い の は 四七 年 生まれ の 二百三十四万 人 、 次いで 七一 年 生まれ が 百九十九万 人 と なり 、 第 一 次 、 第 二 次 ベビー ブーム の 影響 が くっきり と 表れて いる 。 一九九四 年 の 年間 出生 数 は 前年 より 四万七千 人 も 多い 百二十三万五千 人 を 記録 し 、 二十一 年 ぶり に 大幅 増 に 転じた こと が 三十一 日 、 厚生 省 の 九四 年 人口 動態 統計 年間 推計 で 分かった 。 八五 年 から 下がり 続けて いた 合計 特殊 出生 率 も 、 これ まで の 一・四六 人 から 一・四七 人 もしくは 一・四九 人 程度 まで 回復 する 見通し と なり 、 深刻な 少子 化 傾向 に ようやく 歯止め の 兆し が 見え 始めた 。 この 推計 は 九四 年 一 ― 十 月 に 、 市町村 に 届け られた 出生 、 死亡 、 結婚 件数 など を 集計 し 、 年間 推計 数 を 算出 した 。 推計 に よる と 、 出生 数 は 百二十三万五千 人 で 、 前年 の 百十八万八千二百八十二 人 を 大幅に 上回った 。 九一 年 も 出生 数 が 前年 より 千六百六十 人 多かった が 、 「 万 単位 」 で 前年 を 上回った の は 、 対 前年 比 五万三千三百一 人 増 を 記録 した 第 二 次 ベビー ブーム 時代 の 七三 年 以来 。 死亡 数 は 前年 を 六千 人 下回り 、 出生 数 から 死亡 数 を 引いた 人口 の 自然 増加 数 も 二十一 年 ぶり に 対 前年 比 で 五万二千 人 アップ した 。 出生 数 急増 の 背景 に は 九〇 年 ごろ から 始まった ウエディング ・ ブーム が ある 。 婚姻 は 毎年 一万 ― 四万 組 も 増え 、 九四 年 も 七十九万四千 組 で 前年 より 千三百 組 多かった 。 死亡 数 の 減少 は 、 九三 年 に 流行 して 高齢 者 を 中心 に 約 一万六千 人 死亡 の 引き金 と なった インフルエンザ が 、 昨年 は ほとんど 発生 し なかった ため と み られる 。 厚生 省 は 「 晩婚 化 に よる 比較的 高 年齢 の 独身 女性 層 が 数 年 前 から 結婚 し 始め 、 出産 に 結び付いた と 思わ れる 。 第 二 次 ベビー ブーム 世代 の 結婚 が これ に 続けば 、 少子 化 傾向 が ストップ する 可能 性 も ある 」 と 分析 して いる 。 離婚 も 九一 年 から 四 年 連続 で 前年 を 上回り 、 九四 年 は 前年 より 七千 組 増 の 十九万五千 組 。 八〇 年 代 前半 に 続く 「 第 二 次 離婚 ブーム 」 の 様相 が 強まって いる 。 中国 の 江 沢民 国家 主席 は 三十一 日 、 国 内 及び 海外 の 華僑 、 華人 に 向けて 新年 の 演説 を 行い 「 一九九五 年 は 、 反 ファシスト 戦争 の 勝利 五十 周年 であり 、 その 中 に は 、 日本 人 の 侵略 に 抵抗 した 中国 人民 の 戦い も 含ま れて いる 」 と 強調 した 。 来年 一 月 一 日 に 首相 の 座 に 座って いる の は だれ か ―― 。 昨年 の 正月 、 こんな 質問 を して いたら 、 「 村山 富市 氏 」 と 答えた 国会 議員 は 何 人 いた だろう か 。 政界 は 激動 の 時代 。 それ でも あえて 毎日 新聞 社 は 、 昨年 十二 月 実施 した 全 衆院 議員 アンケート で 、 「 一九九六 年 一 月 一 日 時点 で の 首相 は だれ か 」 を 聞いて みた 。 結果 は 現 首相 の 「 村山 富市 氏 」 を 挙げた 議員 は 全体 の 二八 % 。 新進党 党首 「 海部 俊樹 氏 」 の 二三 % を わずかに 抑えて トップ に 立った 。 与野党 とも 期待 や 願望 が 込め られて いる ようだ が 、 村山 氏 、 海部 氏 、 どちら の 予想 が 当たる の か 、 はたまた 予想外の 人物 が 登場 して いる のだろう か ―― 。 アンケート 結果 を 集計 する と 、 一 年 後 も 村山 氏 が 政権 を 担って いる と 予測 した の は 、 自民 、 社会 、 さきがけ の 与党 三 党 で は 四九 % と 半数 近く を 占めた 。 政党 別 に は 社会 五二 % 、 さきがけ 五〇 % 、 自民 四七 % 。 社会党 議員 の 理由 で は 「 自民 、 社会 、 さきがけ の 連立 である 限り 、 村山 首相 以外 ない 」 など が あり 、 自民 から は 「 彼 は 欲 が ない から 良い 」 、 「 代わる 理由 が ない 」 など が 挙がった 。 一方 、 野党 の 新進党 で は 「 村山 氏 」 は 、 わずか 一 % 。 しかも 、 「 権力 者 は 権力 に しがみつく もの 」 など と いう 厳しい 理由 。 村山 氏 に 次いで 多かった 「 海部 氏 」 は 、 政党 別 で は 当然 ながら 新進党 が 六〇 % で 最も 高い 。 新進党 は 早期 解散 ・ 総 選挙 を 求めて おり 、 与野党 逆転 → 海部 政権 誕生 と の 願望 が 込め られて いる ようだ 。 しかし 、 新進党 内 で は 参加 九 党派 ごと に 海部 氏 に 対する 「 支持 」 率 は 割れて いる 。 これ は 新進党 副 党首 の 羽田 孜 氏 を 挙げた 議員 が 少なからず いた こと が 大きな 要因 。 「 羽田 氏 」 を 挙げた の は 、 旧 民社 二〇 % を はじめ 、 旧 新生 一六 % 、 旧 日本新 八 % など 、 新進党 内 で 計 一〇 % 。 党首 選 の しこり が 残って いる と すれば 、 羽田 氏 人気 は 新進党 に とって かえって 波乱 要因 と なる かも しれ ない 。 羽田 氏 は 与野党 全体 でも 四 % を 集め 、 第 三 位 に 食い込んだ 。 最大 政党 である 自民党 の 総裁 「 河野 洋平 氏 」 は 三 % に とどまり 、 おひざ元 の 自民 で さえ 一 ケタ 台 、 八 % の 低率 。 与党 第 一 党 の 総裁 と は いえ 、 首相 の 座 に 就く の は 難しい と の 見方 が 支配 的だ 。 この ほか 、 少数 ながら 個人 名 で は 橋本 竜太郎 通産 相 、 渡辺 美智雄 元 副 総理 ・ 外 相 、 小渕 恵三 自民党 副 総裁 ら 十二 人 が 挙がった 。 だが 一方 で 、 「 わから ない 」 など の 「 無 回答 」 は 三六 % に も 上り 、 過去 一 年間 に 三 度 も 首相 が 代わる 政界 液状 化 の 中 、 「 一 年 先 は 予測 不可能 」 と いう 思い を 多く の 議員 が 抱いて いる こと を 示した 。 アンケート で は 「 好感 を 持つ 各 政党 の 首脳 、 幹部 名 」 も 挙げて もらった 。 この 回答 は ( 1 ) 羽田 氏 二七 % ( 2 ) 小沢 一郎 氏 一八 % ( 3 ) 河野 氏 一六 % ( 4 ) 海部 氏 一五 % ( 5 ) 村山 氏 一三 % ―― が ベスト 5 。 羽田 氏 は 新進党 議員 の 六五 % が 挙げ 、 海部 氏 の 四〇 % を 二五 ポイント も 上回る 人気 ぶり 。 小沢 氏 は 新進党 内 で の 好感 度 は 相当 高い が 、 与党 から の 好感 度 は 極端に 低い と いう 際立った 傾向 が 出た 。 米国 で 一 月 四 日 、 共和党 が 主導 権 を 握る 新 議会 が スタート する が 、 対 ロシア 強硬 措置 を 主張 する 議会 が クリントン 政権 に 攻勢 を かける の は 必至の 情勢 。 中間 選挙 で の 敗北 後 、 共和党 寄り の 政策 に シフト して いる クリントン 大統領 は 、 外交 面 でも 同 党 に 譲歩 する と み られ 、 米国 と ロシア の 対立 は さらに 深まる こと が 懸念 さ れる 。 米 露 関係 の 最大 の 焦点 は 、 今秋 先鋭 化 した 北 大西洋 条約 機構 の 拡大 問題 で 、 保守 派 と リベラル 派 双方 の 論客 が 年 末 に 米 紙 で 論争 を 展開 。 共和党 の 有力 者 たち は クリントン 政権 に 対 露 強硬 措置 を 要求 して いく こと を 明らかに した 。 キッシンジャー 元 国務 長官 は 米 紙 ワシントン ・ ポスト に 「 直ちに NATO を 拡大 せよ 」 と 題する 論文 を 発表 。 「 NATO が ポーランド 、 ハンガリー など 東欧 四 カ国 を 加入 さ せ なければ ドイツ と ロシア の 間 に 真空 地帯 が 生まれ 、 両 国 が それぞれ 安全 保障 上 の 理由 で この 真空 地帯 を 埋めよう と する 結果 、 両 国 の 対立 が 深刻 化 する 」 と 指摘 。 その上 で 、 NATO は 直ちに この 四 カ国 を 加入 さ せ 、 同時に ロシア と 条約 を 結び 、 新 加入 国 に 外国 軍 を 駐留 さ せ ない こと を 明確に して ロシア の 警戒 心 を 和らげよ と 主張 した 。 これ に 対し ハーバード 大 の ブラウン 上級 研究 員 は 、 NATO の 拡大 は 必ず ロシア の 反発 を 招き 、 ロシア が 欧州 通常 戦力 削減 条約 から 脱退 する 可能 性 を 指摘 。 「 NATO に 加わる 四 カ国 と 加わら ない 東欧 諸国 と の 間 に 新たな カーテン が 下りる 」 と 警告 し 、 「 NATO 拡大 に 戦略 的 ・ 政治 的な 合理 性 は なく 、 ロシア が 近隣 諸国 に 侵略 的 態度 を 取り始めた 場合 に 拡大 する と 警告 する だけ で 十分 」 と 反論 した 。 共和党 は ギングリッチ 新 下院 議長 が 作成 した 選挙 公約 「 米国 と の 契約 」 の 中 で 「 民主 主義 と 市場 経済 へ の 改革 、 及び シビリアン コントロール 下 の 軍 を もつ 国々 が NATO に 加入 する こと を 促進 する 」 と うたい 、 東欧 諸国 の NATO 加入 を 進める こと を 明らかに して いる 。 さらに 同 党 は ここ へ きて 「 ロシア が NATO の 将来 や 欧州 に おける 米国 の 役割 に ついて 拒否 権 を 持つ の は 許せ ない 」 、 「 米国 は 冷戦 の 勝利 者 と して 行動 す べきだ 」 など と 強硬 姿勢 を 鮮明に し 始めた 。 共和党 は 対 ロシア 外交 方針 と して ( 1 ) NATO 拡大 ( 2 ) 援助 の 見直し ないし 削減 ( 3 ) 旧 ソ連 諸国 へ の ロシア 軍 派遣 反対 ―― に 傾き つつ あり 、 年頭 から クリントン 政権 に 攻勢 を かける 構え 。 クリントン 政権 は NATO 拡大 政策 に 反対 する リベラル 派 を バック に 、 共和党 に 対処 し たい ところ だ が 、 これ まで の エリツィン 政権 懐柔 路線 を かなり 修正 せ ざる を 得 ない と み られて いる 。 タイ 北部 パヤオ 県 に ある 小さな 村 。 ラオス 国境 の 山並み を 望む 山岳 民族 モン 族 の 村 は 一九九五 年 一 月 一 日 を 酒盛り で 過ごす 。 モン 暦 の 正月 の 日付 は 月 の 満ち欠け で 毎年 違う 。 それ が 今年 、 西暦 と 重なった 。 元日 の 朝 。 村 の 衆 は 久しぶりに 民族 衣装 に 手 を 通し 、 祖先 や 村 の 霊 に 豚 や 鶏 の 生けにえ を ささげる 。 そして 、 女衆 は お節 料理 を 炊き出し 、 男衆 は 酒 を 飲む 。 青竹 を スパッと 切った 大きな おちょこ に 、 自家 製 泡盛 を なみなみ と ついで 飲む 。 豪快に 飲ま ねば 男 で は ない 。 「 わし ら 若い ころ は もどし ながら 勉強 した もん じゃ 」 と 年寄り 。 車座 に なって 男 たち が 杯 を 重ねる 。 飲み干す と 隣 の 家 に 移る 。 そして 、 飲み干す と また 隣 に 。 路上 で は 子供 たち が コマ 回し 。 モチ つき に も 人だかり 。 うす の 形 は 日本 と 同じ 。 きね の 形 は 月 で ウサギ が 使って いる アノ 長い ヤツ だ 。 つく の は 男 の 仕事 。 酒 の 回り も 早く なる 。 夜 も 白々と 明ける ころ 、 酔いつぶれた 青年 を 母 と 妹 が 家 に 運ぶ 。 「 もう 一 杯 」 「 てやんでえ 」 と 気勢 を 上げて 、 飲み 続ける 猛者 も いる 。 国境 貿易 で 暮らす 小さな 村 。 出稼ぎ の 若い 衆 も 都会 から 戻り 、 酒 酒 酒 …… で 新年 は 始まる 。 シンガポール の 英字 紙 ストレーツ ・ タイムズ は 三十一 日 、 読者 が 選ぶ 「 一九九四 年 話題 の 人 」 を 発表 。 車 に いたずら して ムチ 打ち 刑 を 受けた 米国 人 少年 マイケル ・ フェイ 君 が メージャー 英 首相 など 並み居る “ 話題 の 人 ” を 抑えて トップ に なった 。 あらかじめ 発表 さ れた 十 人 を 読者 が 電話 で 投票 する もの で 、 合計 一万九千七百七十 人 が 投票 、 八〇 % 以上 を 獲得 して 断トツ の 一 位 に 輝いた 。 ロシア の 民営 化 政策 を 担当 する ポレワノフ 副 首相 兼 国家 資産 管理 委員 会 議長 が 「 非 民営 化 、 再 国営 化 」 の 基本 姿勢 を 打ち出した 。 前任 の チュバイス 氏 の 急進 的な 民営 化 政策 を 大幅に 修正 する もの であり 、 エリツィン 政権 の 一九九五 年 の 経済 運営 を 占う 意味 でも 注目 さ れる 。 三十 日 の セボードニャ 紙 に よる と 、 ポレワノフ 副 首相 は 「 政府 の 経済 路線 を 変更 し 、 企業 に 対する 国家 の 指導 を 強化 する こと が 必要 」 と 強調 する と ともに 「 これ まで に 誤って 民営 化 さ れた 企業 を 再 国営 化 さ せる 法案 の 採択 を 目指す 」 と 語った 。 国営 に 戻す べき 分野 と して 同 副 首相 は アルミニウム 、 エネルギー 、 軍需 産業 を 挙げ 、 「 外国 企業 が 一五 % の 株式 を 取得 し 役員 会 へ の 代表 派遣 を 可能に した こと は 、 ロシア 国家 の 安全 保障 に 直接 脅威 を 与える 」 と 述べた 。 さらに イズベスチヤ 紙 も 「 民営 化 の 足下 に 爆弾 」 と いう 見出し で 「 ポレワノフ 副 首相 の 基本 姿勢 は 非 民営 化 に ある 」 と 伝えた 。 その 中 で 同氏 は 「 これ まで の 民営 化 は 一 方向 だけ へ の 動き だった 。 昼 は 夜 を 持ち 、 生 に は 死 が ある ように 民営 化 に も 国営 化 が ある 」 と 述べ 、 民営 化 が 行き 過ぎた と の 認識 を 明らかに した 。 ロシア の 民営 化 政策 は チュバイス 氏 の 指導 で 九二 年 十 月 から 始まった 。 民営 化 証券 を 使って 株式 を 取得 する と いう 第 一 段階 は 九四 年 六 月 に 終了 し 、 現在 は 現金 で 株 を 購入 できる 第 二 段階 に 入って いる 。 九四 年 十一 月 段階 で 中小 企業 の 七五 % が 民営 化 さ れた ほか 、 大 企業 の 民営 化 も かなり 進んで いる 。 また これ まで に 自治 体 所有 の 七一 % の 資産 が 民間 に 売却 さ れた 。 チュバイス 氏 は ポレワノフ 氏 の 民営 化 見直し 政策 に 反発 を 示して いる が 、 閣 内 で は ポレワノフ 氏 が 支持 を 集めて いる と いう 。 ソマリア の 首都 モガディシオ で 三十一 日 、 激しい 市街 戦 が 発生 した 。 第 二 次 国連 ソマリア 活動 は 今年 三 月 末 まで の 撤退 を 決めて おり 、 国連 撤退 後 に 向けた 本格 的な 内戦 再 突入 が 強く 懸念 さ れて いる 。 モガディシオ から の 報道 に よる と 、 市 内 の ベルムダ 地区 を 中心 に 、 ロケット弾 の 爆発 音 が 響き 、 通り を 武装 兵士 が 占拠 。 当事 者 は ムルサデ 氏族 と アブガル 氏族 だ が 、 背景 に は 二 大 武装 勢力 の アイディード 派 と モハメド 派 の 対立 が ある 。 中国 の ミャンマー 援助 の 意図 は インド洋 海軍 進出 の ため の 海軍 基地 建設 に ある と 分析 した 。 カンボジア の シアヌーク 国王 は 31 日 、 中国 の 江 沢民 国家 主席 と 会談 。 新年 早々 、 カンボジア へ 帰国 する 予定 を 伝えた 。 1 日 付 の 韓国 夕刊 紙 ・ 中央 日報 は 北京 発 で 、 中国 が 北朝鮮 に 対して これ まで 行って きた 年間 約 100万 トン の 発電 用 有煙 炭 の 供給 を 、 12 月 に 打ち切った と 伝えた 。 ベルルスコーニ 首相 の 辞任 で 一気に 火 を 噴いた イタリア の 政治 危機 は 年越し が 確実に なった が 、 政治 腐敗 捜査 を めぐる 「 政治 圧力 」 に 抗議 辞任 した ディピエトロ 検事 を 首相 に する 会 が 発足 した 。 政治 混乱 に 業 を 煮やした 市民 たち が 勝手に 作った もの だ が 、 新聞 や テレビ に ニュース が 流れる と 毎日 千 件 近い 電話 が 殺到 する と いう 関心 の 高 さ を 示して いる 。 いわば 、 “ イタリア 式 勝手 連 ” だ が 、 「 首相 に する 会 」 の ジャンフランコ ・ マシャ 事務 局長 は 北 イタリア の ラベンナ に 住む ごく 普通の 市民 。 「 今 の イタリア の 政治 家 に は 自ら の 責任 を 自覚 し 、 義務 を 果たそう と する 人物 が い ない 。 ディピエトロ は 自ら に 課せ られた 義務 を きちんと 果たした 珍しい 人間 。 このような 人物 こそ イタリア の 指導 者 に 必要だ と 思った ので 」 と 、 会 発足 の 意義 を 力説 する 。 サッカー 界 の スーパースター 、 ディエゴ ・ マラドーナ 選手 と その 家族 が 昨年 12 月 30 日 、 キューバ の カストロ 国家 評議 会 議長 と 会い 、 ニッコリ 記念 撮影 。 カストロ 議長 と マラドーナ 選手 は 旧知 の 仲 。 同国 で 2 日 まで 家族 水入らず の 休暇 を 楽しむ 予定 。 エルサレム の 南 約 二十 キロ の イスラエル 占領 地 ヨルダン 川 西岸 の エフラート で 、 パレスチナ 人 と ユダヤ 人 入植 者 の 衝突 が 拡大 して いる 。 三十 日 に は 十八 人 が 負傷 し 、 対立 は 深まる 一方 だ 。 イスラエル から の 報道 に よる と 、 原因 は 入植 者 に よる 居住 区域 の 拡張 工事 。 パレスチナ 側 は 、 その 土地 に オリーブ の 苗木 を 植えて 抗議 。 入植 者 たち は オリーブ を なぎ倒し 、 パレスチナ 人 約 五十 人 が 逮捕 さ れた 。 韓国 の 金 泳三 大統領 は 三十一 日 、 新年 の 辞 を 発表 し 、 金 日成 主席 の 死去 後 、 冷却 化 して いる 南 北 関係 の 改善 を 訴えた 。 金 大統領 は 、 一九九五 年 が 日本 の 植民 地 から の 解放 五十 年 に あたる こと を 指摘 。 その 記念 年 を 迎え 「 韓国 社会 の 世界 化 が 必要 」 と 強調 し ながら 「 南 北 が 、 和解 と 協力 の 新しい 時代 を 開か なければ なら ない 」 と 南 北 統一 の 実現 を 呼びかけた 。 一方 、 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 は 、 毎年 元日 に 故 金 主席 が 新年 の 辞 を 発表 する の が 恒例 だった 。 今回 、 どういう 形 で 行う か が 注目 さ れる が 、 北朝鮮 の 中央 テレビ が NHK に 対し 、 「 一 日 午前 十一 時 から 一 時間 、 ニュース 映像 を 送り たい ので 、 衛星 回線 を 確保 して ほしい 」 と 連絡 。 この ため 、 ソウル の 外交 安保 関係 者 は 、 約 二 カ月間 公式 の 場 に 姿 を 現して い ない 金 正日 書記 が 、 「 最高 権力 者 」 と して の 姿 を テレビ で 内外 に 印象付ける ため 登場 する 可能 性 が 強い 、 と の 見方 を 示して いる 。 しかし 、 本人 が 新年 の 辞 を 発表 する か どう か に ついて は 、 「 他の 幹部 ら が 代読 する ので は ない か 」 と の 指摘 も 多い 。 自由 貿易 体制 を 監視 し 、 発展 を 目指す 国際 機関 「 世界 貿易 機関 」 が 一 日 スタート する 。 関税 貿易 一般 協定 体制 下 で 除外 さ れて きた 農業 、 サービス 、 知的 所有 権 など 新 分野 を 含め 、 貿易 全体 を 統一 ルール の 下 に 監視 する 。 強化 さ れた 紛争 処理 機能 を 備えた 新 組織 へ 生まれ変わる こと で 、 世界 貿易 は 二十一 世紀 に 向け 新たな 時代 に 入る 。 「 WTO は 初めて 多 国 間 貿易 の 安定 と 安全 の 基礎 を 提供 する もの だ 。 ガット 体制 へ の 信頼 感 を 引き継ぎ 、 十分 機能 する 貿易 システム を 打ち立て ねば なら ない 」 。 ジュネーブ の ガット 本部 正面 玄関 わき の プレート を つけ替え 、 サザーランド 事務 局長 は 「 歴史 的 一瞬 」 を 強調 した 。 ガット 事務 局 に よる と 、 三十 日 まで に 日本 、 米国 、 欧州 連合 など 八十 カ国 が WTO 協定 受諾 書 を 提出 、 WTO 加盟 作業 を 完了 。 九 カ国 が 受諾 書 を 提出 して い ない が 、 国 内 手続き を 終えて いる と いう 。 初代 事務 局長 に は メキシコ の サリナス 前 大統領 、 イタリア の ルジェロ 元 貿易 相 、 韓国 の 金 ・ 前 商工 資源 相 の 三 人 が 立候補 。 サザーランド 氏 が 暫定 事務 局長 を 務め 、 三 月 半ば の 決着 を 目指して いる 。 三十 日 の ニューヨーク 株式 市場 の ダウ 工業 株 三十 種 平均 は 、 前日 比 一・〇一 ドル 高 の 三八三四・四四 ドル で 一九九四 年 の 取引 を 終了 した 。 株式 市場 で は 十一 月 、 同 平均 が 三七〇〇 ドル を 割り込んだ 。 しかし 、 その後 持ち 直し 、 長期 金利 の 落ち着き を 反映 、 株価 は 堅調に 推移 して いる 。 香港 ― 台北 間 の 航空 路線 は 国際 線 と して は トップクラス の 輸送 量 を 誇る 。 香港 の キャセイ 航空 や 台湾 の 中華 航空 に とって は 最大 の ドル 箱 路線 だ 。 その 大きな 理由 は 台湾 が 中国 と の 直行 便 運航 を 認めて おら ず 、 年間 百数十万 人 も の 台湾 人 が 香港 経由 で 中国 に 渡る から だ 。 旅客機 だけ で は ない 。 香港 を 経由 する 中 台 の 間接 貿易 は 年間 百五十億 ドル に も のぼる 。 これ も 中 台 間 の 貨物 船 運航 が 認め られて い ない ため だ 。 香港 経由 の 必要 が なくなれば 、 香港 に は 打撃 だ が 、 中 台 間 に 新たな ドル 箱 路線 が 生まれる だろう 。 そこ に 早くも 目 を つけた の が 米国 。 十二 月 に 訪 台 した ペニャ 運輸 長官 は 「 中 台 直行 実現 の 際 に は 参入 さ せて ほしい 」 と 注文 を つけた 。 経済 閣僚 の 交流 を 認めた クリントン 政権 の 新 台湾 政策 に 基づく 初 の 訪 台 だった が 、 さっそく ビジネス 話 を 持ち出した わけだ 。 台湾 当局 は 「 中国 が 台湾 敵視 政策 を 変え ない 限り 直行 便 に は 応じ ない 」 と 政治 的 カード に して いる が 、 経済 界 に は コスト 削減 の ため 直行 実現 を 求める 声 が 強い 。 年 末 の 台湾 の 内閣 改造 で は 直行 積極 派 の 蕭 万長 氏 が 対 中 担当 に 起用 さ れた 。 米国 の 要請 は 早期 実現 を にらんだ 動き と いう 見方 が 少なく ない 。 中国 は ペニャ 長官 の 訪 台 に 反発 して 一 月 に 予定 さ れた 同 長官 の 訪 中 を 拒否 した が 、 中 台 直行 を 何より 望んで いる の は 中国 。 直行 実現 を 後押し する 米国 の 動き は 中国 に とって も 不利益で は ない 。 表面 の 確執 だけ を 見て いて は 米 中 台 の 政治 ゲーム の 行方 を 見失う 恐れ が ある 。 米 通商 代表 部 は 31 日 、 知的 所有 権 保護 問題 で 中国 が 十分な 改善 策 を 示さ なかった と して 、 総額 28億 ドル の 制裁 を 通告 した 。 制裁 発動 は 2 月 4 日 。 新華社 電 に よる と 、 中国 の 中央 銀行 である 中国 人民 銀行 は 1 日 から 日本 の 公定 歩合 に 相当 する 金融 機関 へ の 貸出 利率 を 平均 0・24 % 引き上げる こと を 決めた 。 これ に より 、 期間 1 年 の 貸付 利率 は 年 10・62 % と なる 。 米国 ・ シアトル で 開か れて いた 日 米 包括 経済 協議 の 金融 サービス 分野 交渉 は 三十 日 、 具体 的 内容 で 詰め を 残した まま 日程 を 終了 、 最終 決着 を 年明け に 持ち越した 。 最大 の 焦点 だった 公的 年金 市場 へ の 投資 顧問 業 の 参入 要求 で 、 日本 側 が 大幅な 譲歩 案 を 提示 、 一挙に 合意 に 達する もの と 思わ れた 。 米 側 は 「 大きな 前進 が あった 」 と 評価 した が 、 証券 市場 で の 新 商品 開発 に 伴う 規制 緩和 や 、 社債 市場 、 厚生 年金 基金 の 運用 規制 緩和 など で 細部 の 詰め を 求めた ため 、 最終 的な 結論 を 持ち越す こと に なった 。 次回 の 協議 日程 は 未定だ が 、 大蔵 省 幹部 は 「 正月 が 取れ ず に 米国 に 行く こと は ない 」 と 言って おり 、 村山 富市 首相 訪 米 前 の 四 日 以降 に 再 交渉 する こと に なる 。 土谷 彫刻 の 素材 は 、 鉄 、 木 、 石 に わたって いる が 、 いずれ も 硬材 に 終始 して いる 。 それ は 素材 それ 自身 に 内蔵 する 実在 的な 感銘 に ひか れて いる から だ と 思わ れる が 、 それだけに 彫ったり 、 刻んだり 、 盛り上げたり する いわゆる 「 芸術 する 彫刻 」 を あらわそう と する もの で は ない 。 土谷 氏 自身 、 「 素材 と イメージ の 距離 を うめる こと なし に 、 もの を 作って み たい 」 と いって いる こと であり 、 鉄 や 木 や 石 の 生 の 状態 を 保ち ながら 、 表現 に 直結 して くる かたち を とろう と する もの である 。 そして 素材 そのもの の 力 に そって 、 その コンセプト は 、 擬態 的な かたち を あらわす もの から 内攻 する ように 、 動き や 空間 と いった 事象 の 原初 的な 関心 へ と むけ られ 、 これ を 象徴 的に あらわす ように 展開 して ゆく 。 かくて ぜい肉 を そぎとり 、 情緒 を 排除 した 男 くさい 力 を 秘めた 土谷 芸術 が 成立 して くる のである 。 私 は 絶えず 作り替えて いか ない と 自分 を 維持 でき ない タイプ の 人間 。 そんな 自信 の 持て ない 仕事 を 高く 評価 して いただき 、 大変 ありがたく 思って おり ます 。 横尾 忠則 が 毎日 芸術 賞 を 受賞 した と いう こと で 、 この 賞 の 哲学 が 明快に 表現 さ れた 。 横尾 は 画家 で も ない し 、 デザイナー で も ない 。 要するに 、 そんな こと は 彼 に とって は どうでも よい こと な のだ 。 彼 の 仕事 の すばらし さ は そういう 区別 を 越えて いる ところ に ある 。 横尾 は ずーっと 昔 から 、 いつも 時代 の 先端 を 走り つづけて きた 。 そして だれ も 考え なかった 斬新な 表現 を 追求 し つづけた 。 しかも 、 時代 の 移り変わり を 敏感に 捉えて 表現 様式 も 内容 も 大きな 塊 と なって 、 その 時代 、 時代 を 揺すり つづけた 。 私 たち を 呆然と さ せ ながら 彼 は 次々 と 傑作 を つくり 、 最近 で は コンピューター を 駆使 した 世界 でも 類 を み ない 新しい 芸術 を 創造 した 。 それ は コンピューター 表現 の マンネリズム を 見事に 打破 した もの だった 。 したがって 横尾 が 毎日 芸術 賞 を 受賞 した こと で 、 賞 そのもの の 幅 が ぐーんと 広がって 、 これ から 面白く 魅力 的に なる と 思う 。 デザイン に 私的な 個人 感情 を 持ち込む こと を 創作 理念 に して いた ので 、 このような 反 デザイン 行為 に 大きな 賞 を 与え られた こと に 驚いて い ます 。 もちろん 、 うれしい です 。 秋山 和慶 の 音楽 監督 就任 三十 周年 、 そして 第 四百 回 定期 と いう 記念 す べき 機会 に 演奏 さ れた 、 シェーンベルク の 未完 の オペラ 《 モーゼ と アロン 》 の サントリー ホール に おける 演奏 会 形式 に よる 公演 は 、 この 作曲 家 が 生涯 の 課題 と した 宗教 的 命題 と 芸術 表現 の 問題 を 一気呵成 、 劇的に 演じ きる もの であり 、 「 旧約 」 の 成立 の 場 を 感動 的に 表現 する もの であった 。 その 演奏 が 照射 する エネルギー は きわめて 強烈であり 、 聴き手 に 忘れがたい 感銘 を 与えた 。 三十 年間 共に 演奏 活動 を して まいり ました 東京 交響 楽団 と 受賞 でき ました こと を 真に 光栄に 存じ ます 。 一層 の 努力 を もって 音楽 界 発展 の ため に 尽くす 所存 です 。 今井 政之 さん は 、 日展 系 陶芸 作家 特有の 装飾 美術 と して の 陶芸 を 探究 し つつ 歩んで きた 。 師 である 楠部 彌弌 の 後 の 担い手 と して は 当然の こと であった と いえる が 、 楠部 さん が 彩挺 と いう 艶麗な 装飾 法 を 駆使 した の に 対して 、 今井 さん の 装飾 法 は 決して 色彩 的で は なく 、 精緻な 象嵌 技術 に よって 自由に 文様 を 表現 して 、 独自の 作風 を 打ち立てた のであった 。 作品 は 決して 華麗 と は いえ ない が 、 しかし 練達 の 象嵌 技 に よる 文様 の 表現 力 は 、 私 の 知る ところ 他の 追従 を 許さ ない ところ である 。 写生 に 依り つつ 文様 化 さ れた 意匠 は 、 草木 ・ 魚介 類 など 、 優しく 、 あるいは ユーモラスで 、 風物 を 捉える 目 の 確か さ が 窺わ れる 。 今後 の 作陶 に 私 が 期待 する の は 、 器 の 形 と 文様 と が 一体 化 した 、 より 自由な 表現 であり 、 願わくば 奇妙に 形式 化 さ れた 型 から 離れて ほしい のである 。 試行 錯誤 を 続けて 、 象嵌 の 詩 に 向かって 研鑽 を 続けて おり ます 。 名誉 ある 賞 を いただき 感無量です 。 初心 に かえり 、 励み たい と 思い ます 。 幸田 弘子 が 舞台 で ひと り 樋口 一葉 の 小説 を 朗読 する ように なって から 、 かれこれ 二十 年 に なる 。 昨秋 の 公演 で 朗読 した 「 たけくらべ 」 は 、 ほとんど その 頂点 を しめす もの であった と いって いい 。 一葉 の 小説 を 声 に 移して 、 その 文体 が ころがる ように 現れて いた 。 人物 は ちゃんと 地面 に 立って いた 。 彼女 の 朗読 術 は すべて 暗記 である 。 朗読 は 女優 の 仕事 である 。 発音 、 強弱 、 リズム の 法則 を 手中 に した 後 、 なに を どう 読む か は 、 その 人 の 人間 性 に 帰せ られる 。 自由である 。 幸田 弘子 は ひと り で 歩いて きた 。 一葉 の 作品 を えらんだ の は 、 文学 に しばら れる こと で 、 かえって 自由な 世界 が くる と 信じた から であろう 。 だれ も やら なかった こと である 。 散文 の 根っこ を 掘りかえして みたら 、 水分 が たっぷり あった 、 と いう こと だ と 思う 。 一葉 の 文章 に ひか れ 、 朗読 と いう 形 で その 素晴らし さ を 伝え たい と いう 一心 で 続けて き ました 。 そんな ささやかな 仕事 が 権威 ある 賞 に 選ば れて 感激 して い ます 。 第 三十六 回 毎日 芸術 賞 は 、 一 面 社告 の ように 四 氏 と 一 氏 ・ 一 団体 に 贈ら れる こと が 決まり ました 。 贈呈 式 は 一 月 十三 日 午後 三 時 から 東京 ・ 一ツ橋 の 如水 会館 で 行わ れ ます 。 芸術 各 分野 から 広く 推薦 を いただき 、 諮問 委員 の 討議 を 経て 、 毎日 新聞 社 内 の 選考 委員 会 で 決定 した もの です 。 諮問 、 推薦 委員 に よる 受賞 者 の 業績 紹介 、 略歴 、 喜び の ことば を 特集 し ました 。 建設 工事 の つち音 が 響く 「 時代 廣場 」 は 雪 に 埋まって いた 。 カナダ の 「 大 トロント 市域 」 を 構成 する トロント 市 北部 の 衛星 都市 群 の 一 つ 、 リッチモンドヒル 。 一昨年 末 の 人口 は 八万七千 人 だった が 、 人口 増加 率 は 全国 一 位 で 、 すでに 十万 人 を 突破 した と さ れる 。 その 町 の 中央 幹線 「 ハイウエー 7 号 」 沿い に できる 「 時代 廣場 」 は 、 周辺 住民 を 対象 に した ショッピング センター で 、 テナント は すべて 「 香港 商店 」 。 また 一 つ 、 ミニ 香港 が 生まれよう と して いる のである 。 一九九七 年 の 中国 へ の 返還 を 視野 に 、 香港 から カナダ へ の 移民 が ピーク を 迎えた の は 、 天安門 事件 の 影響 も あり 、 九二 年 。 政府 の 統計 で は トロント 市 だけ で 一万五千 人 を 占め 、 他の 国 から の 移民 を 大きく 引き離して いた 。 九三 、 九四 年 も 、 総数 が やや 減少 した と は いえ 、 同じ 傾向 が 続く 。 西 海岸 の バンクーバー 市域 で は 、 現在 も 増加 傾向 が 続き 、 やはり 香港 から の 移民 が 全体 の 三分の一 前後 を 占めて いる 。 広大な 国土 を 抱える カナダ に とって 移民 受け入れ は 国策 であり 、 二〇〇〇 年 まで の 移民 計画 は 、 年間 二十一万五千 ― 十九万 人 。 香港 から の 移民 は 当分 、 続き そうな 勢い である 。 だが 、 九〇 年 代 の 香港 から の 移民 は 、 かつて の 移民 と は 様相 が 大きく 違って いる 。 二十 年 以上 も 前 に 「 広い 世界 を 求めて 」 移住 し 、 すでに 市民 権 を 獲得 した タム ・ グーセン ・ トロント 市 教委 教育 委員 は 説明 する 。 「 香港 返還 と いう 将来 に 対する 不安 と 、 英 植民 地 から 解放 さ れる と いう 誇り 。 この 二 つ の はざま で 揺れ ながら 、 現実 的な 選択 を 迫ら れた 人 が 多い 。 つまり 、 個人 的 レベル で 新 天地 を 求めた 私 たち と は 、 どこ か が 違う のです 。 そして 、 最近 の 香港 移民 は 、 伝統 的な 中国 系 移民 の パターン を 打ち破って しまった 」 かつて の 中国 系 移民 は 、 トロント 市 内 の チャイナ タウン など に 根 を 下ろし 、 やがて 成功 すれば 郊外 の 各地 に 移住 して いった が 、 中国 人 コミュニティー と 言える 地域 は 、 チャイナ タウン に 限ら れて いた 。 だが 、 九〇 年 代 の 香港 移民 は 「 チャイナ タウン 」 の 枠 を 飛び越えて しまった 。 市 北部 の スカーボロー 、 ノースヨーク 、 リッチモンドヒル など に 住宅 を 購入 、 ショッピング センター を 建設 し 、 アッという間 に 「 ホンコン タウン 」 を 各所 に つくり上げた のである 。 しかも 、 その 香港 町 の 数 は 増え 続けて いる 。 その 実態 は 、 いわゆる 移民 と いう 従来 の パターン を 超えた 古里 ・ 香港 の 「 移植 」 と 言って よい 。 政府 統計 は 中国 系 移民 数 の 全体 しか 把握 して い ない ため 、 香港 人 の 総数 は はっきり し ない が 、 大 トロント 市域 で 三十五万 人 、 バンクーバー 市域 で 二十五万 人 と いう の が 推定 。 香港 町 周辺 の 公立 学校 で は 、 生徒 数 の 半数 以上 が 香港 人 と いう 所 も 多く 、 香港 人 が 地域 ごと に 固まって いる の を 反映 して いる 。 トロント の 場合 、 急増 する 香港 町 の 誕生 に 対する 社会 的 あつれき は さほど 表面 化 して い ない 。 むしろ 、 歓迎 さ れて いる と 言って も よい 。 その 最大 の 理由 は 、 香港 町 が 低空 飛行 を 続ける カナダ ・ トロント 経済 を 活性 化 して いる から だ 。 地元 最大 の 中国 語 日刊 新聞 「 星島 日報 」 が 、 その 実態 を 語る 。 約 三十 ページ の 新聞 の うち 広告 紙面 が 八〇 % 近く を 占め 、 それ でも 広告 スペース が 不足 して いる 。 昨年 十 月 に は 総額 六百万 カナダ ドル を 投じて 、 鉄筋 三 階建て の 編集 ・ 印刷 センター を 建設 した 。 「 その 資金 の すべて を 地元 で 調達 した 。 銀行 から 借り入れた のだ が 、 本社 の 支援 は 一切 、 必要 なかった 」 と 古 編集 局長 は 胸 を 張った 。 昨年 十二 月 に は トロント 市 内 に 初 の 中国 人 移民 専用 の 有料 老人 養護 ホーム が 開所 した 。 その 建設 資金 、 千二百万 カナダ ドル は 、 すべて チャリティー 活動 や 寄付 で 賄い 「 大半 が 香港 マネー と 言って よい 」 と 古 編集 局長 。 ショッピング センター 建設 や 住宅 建設 ・ 購入 など も 含め 、 トロント に 投下 さ れた 「 香港 マネー 」 の 総額 は だれ に も 分から ない 。 香港 系 銀行 「 バンク ・ オブ ・ イースト ・ アジア 」 の 王 文煥 頭取 に 推定 して もらう と 、 これ まで に ざっと 二十億 カナダ ドル と いう 。 一九九七 年 七 月 の 中国 返還 に 向けて カウントダウン に 入った 香港 。 将来 へ の 不安 から 海外 に 移住 する 人 も いれば 、 経済 の 活況 に ひか れて 香港 に やってくる 中国 人 や 外国 人 も 多い 。 八九 年 の 天安門 事件 以降 、 香港 人 の 海外 脱出 ブーム ばかり が クローズアップ さ れて きた が 、 意外に 知ら れて い ない の が 近年 、 香港 に 住む 外国 人 が 急増 して いる こと だ 。 アジア に おける 金融 ・ 貿易 センター と して 香港 は 急速に 国際 都市 化 して おり 、 九七 年 問題 も 中国 系 住民 だけ の 関心 で は なく なって いる 。 超 高層 ビル が 建ち 並び 、 銀行 や 高級 ブランド 店 が 密集 する 香港 島 セントラル 地区 は 香港 経済 の 心臓 部 だ が 、 日曜日 に なる と フィリピン 人 女性 が あふれる “ リトル ・ マニラ ” に 一変 する 。 香港 人 や 香港 駐在 の 外国 人 家庭 で メード と して 働く 女性 たち だ 。 週 に 一 度 の 休み 。 公園 や 歩道 、 オフィス ビル の 片隅 など に グループ ごと に 陣取り 、 近況 を 報告 し 合ったり 、 情報 交換 を して 過ごす 。 彼女 たち を 目当て に 露店 も 現れ 、 タガログ 語 の 情報 紙 も 手 に 入る 。 フィリピン 人 の 男性 カメラマン は 「 記念 写真 は どう か 」 と 写真 の 見本 を 片手 に 売り込み に 懸命だ 。 香港 は 、 一 人 当たり の 国民 総 生産 でも 宗主国 ・ 英国 を 上回る まで の 経済 発展 を 遂げた 。 中流 以上 の 共働き 家庭 で は 、 メード を 雇う こと が ごく 一般 的だ 。 フィリピン から の 出稼ぎ 女性 も 年々 増加 の 一途 で 、 現在 は 十一万 から 十二万 人 が 働いて いる と 推定 さ れて いる 。 六百万 人 の 香港 の 人口 の 約 二 % 、 香港 在住 の 外国 人 で は 最大 の 勢力 だ 。 八六 年 に は 約 三万七千 人 だった から 十 年 足らず で 三 倍 に 増えた 。 メード の 収入 は 月 三千七百 香港 ドル 。 マニラ の 標準 的 労働 者 の 約 三 倍 だ 。 彼女 たち の 本国 へ の 送金 は 年間 一億 ドル を 超える 。 「 セントラル は 交通 の 便 も いい し 、 周辺 に は 教会 や 銀行 が 多い 。 何より 友達 や 親類 が みんな ここ に 集まる から 日曜日 に は いつも 来て いる 」 と 、 三 年 前 から 香港 人 家庭 で 働いて いる ビクトリータ ・ アバド さん 。 住み込み で 長 時間 働く フィリピン 人 女性 たち に とって 、 セントラル で の おしゃべり は 貴重な 息抜き な のだ 。 セントラル 地区 に は 高級 ホテル や ブティック も 多く 「 フィリピン 人 が 多 すぎて 観光 客 が 寄り付か ない 」 など の 苦情 も ある 。 一 時 は 周辺 の ビル を 所有 する 英 系 企業 が 女性 たち を 排除 しよう と 動いた こと も あった が 「 差別 的 発想 」 と 批判 が 上がり 、 取りやめ に なった 。 また 、 香港 政庁 は 昨年 末 から 学校 など を 日曜日 に 開放 、 フィリピン 人 女性 を 対象 に した 活動 センター と して 提供 し 始めた 。 だが 、 今 の ところ 利用 者 は 少ない 。 昨年 に は 、 フィリピン 人 女性 を 対象 に した 高利 貸 が 摘発 さ れた 。 パスポート を 担保 に 現金 を 貸し付ける 手口 で 、 数千 人 の 顧客 リスト と 多数 の パスポート が 押収 さ れた 。 メード の 身分 は 不安定 と さ れ 、 正規の 金融 機関 から の 借り入れ は 困難 。 高利 と 分かって いて も ほか に 選択肢 が ない 。 フィリピン 人 女性 の 社会 的 立場 の 弱 さ を 浮き彫り に した 事件 だった 。 「 香港 は 、 給与 は 高い し 、 フィリピン から も 近い ので 働き たい と いう 希望 者 は 多い 。 だけど 労働 環境 は 良好 と は いえ ない 」 。 メード の 労働 条件 改善 を 求めて 活動 する 「 エイジアン ・ ドメスティック ・ ワーカーズ ・ ユニオン 」 の 議長 、 レミー ・ ボーロンガン さん は 言う 。 九竜 半島 の 下町 、 油麻地 地区 に ある 古びた 雑居 ビル の 一 DK が 同 組合 の 本部 。 八九 年 五 月 の 創設 以来 、 五 年 を 過ぎた 。 会員 は 約 三千 人 。 本国 に 送金 すれば いくらも 残ら ない 生活 費 から 、 入会 費 三十 香港 ドル と 月 会費 十 香港 ドル を 出し合って 運営 して いる 。 ボーロンガン さん 自身 も 香港 人 の 家庭 で メード を し ながら 会員 ら の 相談 に 応じて いる 。 本部 の パソコン の リスト に は さまざまな 訴え が 並ぶ 。 最も 多い の が 違法 労働 。 家事 労働 の 契約 で 香港 に 来て みる と 、 雇用 主 から 工場 など で の 労働 を 求め られる 例 が 多い と いう 。 さらに 賃金 トラブル や 理由 の ない 解雇 、 性 的 虐待 など も 少なく ない 。 解雇 さ れる と 雇用 ビザ が 無効に なり 、 帰国 し なければ なら ない 。 この ため 、 長 時間 労働 や 休日 労働 を 要求 さ れて も 断り切れ ない 。 香港 の 住宅 事情 は 悪い 。 乳児 と 一緒に 寝かさ れ 、 母親 の 代わり に 深夜 、 何 度 も ミルク を 与える と いった 例 まで ある 。 フィリピン 人 以外 に も 香港 で メード を する アジア 人 が 増えて きた 。 会員 名簿 に は タイ 、 インド 、 スリランカ 、 パキスタン 、 ネパール 、 インドネシア など の 国籍 が 並んで いた 。 「 外国 人 の 雇用 が 従来 通り 認め られる の か 」 「 中国 大陸 から より 安価な 女性 労働 力 が 入って 来て 結果 的に 追い出さ れる ので は ない か 」 。 ボーロンガン さん は 「 九七 年 問題 は 私 たち に とって も 他人事 で は ない 」 と 話す 。 雇用 主 が 移住 する ため 解雇 さ れたり 、 雇用 主 と 一緒に カナダ に 渡った ケース も 出て いる 。 香港 の 銀行 や 貴金属 店 の 前 で 、 ショットガン を 持って 警備 に 当たる ガードマン に は インド 人 が 多い 。 これ に は 深い 歴史 的 経緯 が ある と いう 説 を 聞いた 。 英国 が アヘン 戦争 で 香港 を 占領 した 一八四一 年 当時 、 インド は 英国 領土 。 四四 年 に 設置 さ れた 香港 警察 は 、 英 領 インド 軍 の 退役 軍人 を 採用 した 。 当時 の 写真 を 見る と 、 ターバン を 巻いた インド 人 の 警官 が 大半 だった 。 その後 、 植民 地 経営 が 安定 化 する と 警察 も 中国 人 主体 に 変わった が 、 かつて インド 人 が 治安 の 任 に 当たった 名残 から 、 現在 も 警備 会社 に 就職 する インド 人 が 多い と いう のだ 。 確かに 香港 在住 の インド 人 に は 、 十九 世紀 に 香港 に 渡った 警察 官 や インド 商人 の 子孫 が 少なく ない 。 最も 初期 から 香港 に 居住 する 外国 人 は インド 人 であり 、 現在 も 約 二万五千 人 が 居住 。 香港 の インド 料理 は 、 中国 料理 に 負け ない くらい 水準 が 高い と いわ れる 。 初期 の 警察 署 が 置か れた セントラル 地区 の ハリウッド 通り に は 、 インド 料理 店 や インド 系 企業 が 多い 。 その 一角 で 電気 製品 、 時計 など の 貿易 商社 を 家族 と ともに 経営 する ラジ ・ シタール さん も 香港 生まれ 。 中国 人 の メード に 育て られ 、 香港 人 の 通う 小学校 で 学んだ ため 、 広東 語 は 母国 語 並み 、 北京 語 も 聞き 取れる 。 父親 の ケー ・ シタール さん は インド で 生まれ 、 戦後 まもなく 兄 の いた 香港 に 渡った 。 一九五○ 年 代 に は 、 日本 で 米軍 相手 の 洋服 屋 を 出した こと も あって 、 今 も 日本 語 が 達者だ 。 その後 、 香港 に 戻り 、 現在 の 会社 を 設立 。 ラジ さん は 米国 の 大学 を 卒業 後 、 二 人 の 兄弟 と ともに 父親 の 会社 を 手伝い 始めた 。 現在 、 同社 は 中国 ・ 広東 省 に ラジカセ など 家電 製品 、 時計 の 工場 を 持ち 、 米国 など に 輸出 して いる 。 中国 国 内 向け に 製品 を 出荷 する 計画 も あり 、 ラジ さん は 毎月 の ように 上海 や 広州 、 深セン など 中国 各地 を 飛び回る 。 中国 を 拠点 に した 香港 の 企業 家 と 何ら 変わり は ない 。 ラジ さん は インド 系 企業 など 約 千 社 で 作る 香港 インド 商工 会議 所 の 元 主席 。 昨年 に は 同 商工 会議 所 代表 団 の メンバー と して 北京 を 訪問 。 中国 政府 担当 者 と 九七 年 以後 の インド 系 住民 、 インド 系 企業 の 権利 擁護 など 政治 問題 に ついて も 話し合った 。 「 香港 は 中国 返還 後 も 発展 を 続ける だろう 。 すでに 深セン と 香港 に 大きな 違い は ない 。 経済 問題 で は 全く 心配 して い ない 」 。 そう 太鼓判 を 押す ラジ さん だ が 、 一 番 の 問題 は 、 返還 以後 の インド 系 住民 の 国籍 問題 だ 。 ラジ さん 自身 は 英国 籍 を 持つ が 、 インド 系 の 二万五千 人 の うち 約 五 、 六千 人 は インド 国籍 も 英国 籍 も なく 、 香港 住民 と して の 資格 しか ない 。 中国 は 原則 的に 中国 系 住民 以外 の 中国 国籍 は 認め ない 考え で 、 他の 住民 は 九七 年 以後 に 無 国籍 者 に なり かね ない 。 同 商工 会議 所 で は 、 中 英 両 国 に 国籍 問題 の 解決 を 強く 求めて いる 。 ラジ さん は 最近 、 インド に 出張 する 機会 が 増えた 。 インド に 製造 工場 を 建設 する 計画 が ある から だ 。 「 保守 的だった インド も 、 ようやく 外資 導入 の 重要 性 を 理解 し 始めた 」 。 中国 と インド 。 二 大国 を 結ぶ 拠点 と して 香港 は 有利だ 。 だが 、 ラジ さん に とって インド は 異郷 。 「 インド に 行って も 自分 の 国 と いう 感じ は し ない 。 友人 に も 中国 人 が 多い し 、 私 の 故郷 は やはり 香港 しか ない 」 。 香港 に 住む シタール 一族 は 計 十 人 。 父親 の ケー さん は 「 もちろん 全員 が 九七 年 以降 も 香港 に とどまり ます 」 と 語った 。 香港 政庁 移民 局 が 出入 国 データ から 割り出した 香港 在住 外国 人 の 推計 は 、 94 年 7 月 現在 で 、 34万3400 人 、 全 人口 の 6 % 弱 に 相当 する 。 86 年 の 同 データ に よれば 、 外国 人 居住 者 数 は 16万8400 人 、 8 年 で 倍増 した こと に なる 。 同 時期 の 全 人口 の 増加 率 は 10 % 程度 で 、 外国 人 居住 者 の 急増 ぶり は 明らかだ 。 日本 は 進出 企業 の 増加 で 1万6700 人 に まで 伸びた 。 米国 や カナダ 国籍 者 が 増加 して いる の は 、 移民 で 国籍 を 取得 後 、 香港 に 戻って 生活 して いる “ U ターン 組 ” の 影響 が ある と み られる 。 一九三五 年 、 時 の 関根 金次郎 十三 世 名人 は 引退 を 決意 、 同時に それ まで 三百 年 あまり 続いて きた 世襲 名人 制 から 実力 に よる 日本 一 を 決める タイトル 戦 の 創設 へ と 道 を 開いた 。 名人 戦 。 その後 多く の 棋士 が 、 この 将棋 界 最高 の 権威 と 伝統 を 誇る 地位 を 目指して 戦い 続け 、 将棋 ファン に その 魅力 を 伝え 続けて きた 。 第 一 期 の 木村 義雄 名人 から 昨年 誕生 した 羽生 善治 名人 まで 、 棋士 なら だれ も が 夢見る この 地位 を 手 に した の は わずかに 九 人 。 その 重み が はっきり 現れて いる 。 今年 は 創設 六十 周年 を 迎えて 四 月 から 始まる 七 番 勝負 を 中心 に 催し も 企画 、 さらに 注目 を 集め そうだ 。 徳川 幕府 の もと に 初代 大橋 宗桂 が 一 世 名人 を 名乗った の は 一六一二 年 。 以来 、 大橋 本家 、 大橋 分家 、 伊藤 家 の 将棋 三 家 が 歴代 名人 を 名乗り 続けて きた が 、 明治 維新 など 激動 の 歴史 を 乗り越え 、 関根 十三 世 名人 の 時代 を 迎えた 。 一九二四 年 、 東京 将棋 連盟 が 発足 、 新聞 に 棋譜 が 掲載 さ れる ように なり 、 プロ の 将棋 に 対する 関心 が 高まった 。 関根 名人 が 引退 し 、 その 英断 に よる 第 一 期 名人 戦 は 、 東京 日日 ・ 大阪 毎日 新聞 社 が 棋譜 を 独占 掲載 、 三五 年 六 月 、 花田 長太郎 ― 金子 金五郎 戦 で 九 人 の 棋士 に よる リーグ 戦 を 開始 した 。 その 結果 、 木村 が 優勝 し 、 初 の 実力 制 名人 の 座 に 就いた 。 木村 は その後 も 無類の 強 さ を 発揮 し 、 横綱 ・ 双葉山 と 並び称さ れる 時代 の ヒーロー に なった 。 戦後 に なって 木村 名人 の 提案 に より 、 名人 を 除く 全 棋士 に 順位 を つける 順位 戦 の 制度 が 発足 、 その 一 位 が 一 年 に 一 回 、 名人 に 挑戦 する こと に なった 。 戦後 最初 の 名人 挑戦 者 に は 塚田 正夫 が 名乗り を 上げ 、 不敗 と 言わ れた 木村 に 勝って 名人 位 を 奪取 した 。 戦後 の 新しい 波 、 木見 金治郎 門下 の 升田 幸三 、 大山 康晴 の 兄弟 弟子 は 、 名人 挑戦 権 を かけて 四八 年 、 和歌山 県 高野山 で 三 番 勝負 を 行った 。 升田 が 必勝 の 将棋 を 落とし 、 名人 へ の 先陣 争い は まず 大山 が 先行 する が 、 塚田 の 前 に 敗れ 去った 。 近づく 若手 の 足音 を 聞き ながら 奮起 した 木村 は 、 翌 四九 年 、 塚田 に リターン マッチ を 挑み 、 皇居 ・ 済寧館 の 最終 局 で 復位 を 果たす 。 第 九 期 から は 毎日 新聞 社 に 代わって 朝日 新聞 社 が 名人 戦 を 主催 する 。 木村 は 大山 、 升田 を 破って 通算 八 期 の 記録 を 作った が 、 五二 年 の 第 十一 期 に 、 ついに 大山 に 敗れ 、 「 良き 後継 者 を 得た 」 の 言葉 を 残して 名人 位 を 去る 。 木村 は 引退 後 、 十四 世 名人 に 推挙 さ れた 。 大山 は 兄 弟子 ・ 升田 ら を 次々 と 破って 五 連覇 を 達成 、 永世 名人 の 資格 を 得た が 、 六 期 目 に 三たび 升田 と 戦い 、 名人 位 を 明け渡す 。 升田 は 王将 、 九 段 と ともに 史上 初 の 三 冠 王 に 輝いた 。 大山 は 五九 年 に 名人 位 に 返り咲き 、 升田 を はじめ 、 新鋭の 二上 達也 、 加藤 一二三 、 山田 道美 、 弟子 の 有吉 道夫 ら を 次々 と 退けて 十三 連覇 、 以前 と 合わせて 通算 十八 期 トップ の 座 を 保つ 。 大山 の 堅陣 を 打ち破った の は 、 若き 太陽 ・ 中原 誠 だった 。 中原 は 大山 に おくする こと なく 挑み 、 二十四 歳 の 若 さ で 名人 位 を 獲得 する 。 以来 八一 年 まで 連続 九 期 保持 し 、 十六 世 名人 の 資格 を 得た 。 この間 、 七六 年 に 主催 紙 が 再び 朝日 新聞 から 毎日 新聞 に 移る 。 中原 の 前 に 立ちはだかった の は 、 神武 以来 の 天才 と 呼ば れた 加藤 だった 。 苦手 に して いた 中原 に 対し 八二 年 、 一 持将棋 二 千日手 を はさむ 通算 十 局 の 死闘 を 制した 。 だが 翌年 すい星 の ごとく 現れた 二十一 歳 の 谷川 浩司 が 加藤 を 破り 、 史上 最 年少の 名人 と なった 。 中原 の 復活 、 六十三 歳 の 大山 の 挑戦 、 谷川 の 返り咲き 、 中原 二 度 目 の 返り咲き と 話題 に あふれた 名人 戦 が 繰り広げ られた 。 その 中 で 、 名人 位 に 六 度 挑戦 して いずれ も 敗れて いた 米長 邦雄 が 七 度 目 の 挑戦 に して 悲願 の 名人 に なった 。 昨年 、 米長 に 挑んだ の が 羽生 。 天才 の 呼び声 が 高い 二十三 歳 だった 。 勝負 は 第 六 局 に もつれ込んだ が 、 羽生 が 勝負 を 制する 。 羽生 の 躍進 は 続き 、 現在 六 冠 王 。 名人 戦 は 毎年 、 名 勝負 を 生んで きた 。 どの 一 局 、 どの 一 手 に も 勝負 師 たち の 血 の にじむ ような 読み の 結晶 が ある 。 第 36 期 名人 戦 七 番 勝負 以来 、 盤 側 から 見 続けて きた 観戦 子 と して 、 それ 以後 の 名人 に 勝 局 へ の 「 会心 の 一 手 ・ 一 局 」 を ピックアップ して もらい 、 その 当時 の 状況 を 再現 して みた 。 37 期 四 局 。 挑戦 者 、 米長 邦雄 の 二 勝 一 敗 で 迎えた 一 局 。 銀 の タダ 捨て である ! 控室 は 騒然 。 「 命がけ で 指して いる もの に だけ 浮かぶ 手 だ 」 と 立会 だった 板谷 進 九 段 が うなった 。 棋 史 に 残る 妙手 。 40 期 八 局 。 中原 名人 と 戦い 、 三 勝 三 敗 一 持将棋 二 千日手 と なった 最終 局 の 終了 図 。 この 手 が 指さ れる 前 の 加藤 は 、 一 手 ごと に 「 残り 一 分 ね 。 ヒョー 、 ハー 、 ウーン 」 と 顔面 を 真っ赤に して いた 。 「 そう か 」 の 言葉 が 無意識に 出た のだろう 。 加藤 「 もう 潔く 行く しか ない と 思って 攻め ました 。 中原 さん は 分かって いた のでしょう 。 指した 瞬間 、 投了 さ れ ました から 」 。 41 期 六 局 。 前期 、 悲願 の 名人 位 を つかんだ 加藤 に 二十一 歳 の 青年 ・ 谷川 が 挑み 、 序盤 三 連勝 して 「 史上 最 年少 名人 誕生 か 」 と 社会 的に も 話題 に なった シリーズ 。 これ が 決め手 に なった 。 この 時 、 殺到 した 取材 陣 の すご さ は 、 今 でも 語り草 に なって いる ほど 。 対局 室 前 の 廊下 に 、 終局 を 待つ 取材 陣 が 息 を 殺して 待機 して いた 。 終局 後 、 新 名人 の 記者 会見 が 行わ れる ように なった の も この 時 から 。 谷川 「 終盤 は 、 ボーッ と して しまって 、 手 が 見え なく なり ました 。 そんな 状況 の 中 で 、 よく 冷静に 7 一飛 と 打てた と 思う 」 。 51 期 四 局 。 名人 戦 登場 七 回 、 このまま で は “ 悲運 の 棋士 ” に なり かね なかった 米長 が 、 これ まで の 敗退 に ノシ を 付けて 返す ような 見事な 展開 で 史上 最 年長 、 四十九 歳 と 十一 カ月 で 名人 の 座 に 就いた 。 図 は その 悲願 達成 を 果たした 第四 局 の 瞬間 。 投了 も やむ を 得 まい 。 終局 は 午後 五 時 二十 分 。 「 夕食 休憩 に 入る だろう 」 と ホテル の ロビー で アブラ を 売って いたら 、 何やら 慌ただしい 。 終局 に なって いた 。 大一番 で あり ながら 、 終局 の 瞬間 を 見損なった 貴重な 一 局 。 米長 は 局 後 の 感想 で 「 うれしい です ね 」 と は 言った が 、 終局 直後 は 、 うれし さ より も 怒って いる ような 表情 だった の が 印象深い 。 米長 の 悲願 達成 は 「 中高年 の 星 」 と して 、 社会 的な フィーバー に も なった 。 52 期 二 局 。 この 米長 ― 羽生 戦 だけ は 一 日 目 から ファン が かけつけた 。 「 中高年 の 星 」 = 米長 と 、 若き 天才 = 羽生 へ の 関心 が 高かった のだろう 。 羽生 「 苦しい 将棋 だった ので 、 この 手 を 発見 した 時 は うれしかった です ね 」 。 本因坊 の 名 は 囲碁 の 第一人者 と して つとに 名高い 。 もともと は 京都 ・ 寂光寺 の 塔頭 の 一 つ の 名 で 、 本因坊 家 一 世 算砂 が 居住 して いた と いう 。 その 歴史 ある 名跡 が 二十三 世 秀哉 の 英断 に よって 実力 制 の 棋戦 と なって から 今年 が 第 五十 期 の 七 番 勝負 を 迎える 。 つねに 囲碁 界 の 中心 と して 争わ れて きた タイトル は 、 これ まで 十 人 の 本因坊 を 誕生 さ せて きた 。 高川 秀格 、 坂田 栄寿 、 石田 秀芳 、 趙 治勲 と 、 連続 五 期 あるいは 通算 十 期 保持 者 に 与え られる 名誉 本因坊 の 資格 者 は 四 人 を 数える 。 昭和 ・ 平成 の 囲碁 界 を 彩って きた 本因坊 の 歴史 を 振り返る 。 本能寺 の 変 の 前日 、 織田 信長 の 前 で 対局 し 、 その後 、 豊臣 秀吉 、 徳川 家康 に も 仕えた 本因坊 算砂 。 井上 家 、 安井 家 、 林 家 と ともに 囲碁 の 家元 と して 徳川 幕府 に 認め られ 、 将軍 の 前 で 御 城 碁 を 打ち 、 各派 が 競い合って その 技量 を 高めて きた 。 明治 以後 は 他家 の 勢力 が 衰えたり 、 途絶 し 、 本因坊 家 のみ が 代 を 重ねて きた 。 二十三 世 本因坊 秀哉 名人 は 一九三七 年 、 引退 を 決意 し 、 実力 に よる 本因坊 戦 の 創設 の ため 東京 日日 新聞 社 、 大阪 毎日 新聞 社 に 名跡 を いったん 譲り渡した 。 両 社 は 棋譜 の 独占 掲載 権 と 引き換え に 、 これ を 日本 棋院 に 付与 した 。 名跡 を 実力 で 争う だけ でも 画期的だった が 、 現在 行わ れて いる コミ 碁 の 採用 も ざん新な 出来事 だった 。 だが 、 一部 に は 猛 反対 も あり 、 加藤 信 七 段 が 新聞 紙 上 に 「 コミ 碁 は 碁 に あら ず 」 の 論文 を 掲載 して 創設 に 至った いきさつ が ある 。 封じ手 、 総 互先 の 制度 も 本因坊 戦 から 始まった 。 第 一 期 は 三九 年 に 開始 さ れ 、 加藤 と 関山 利一 が 決定 六 番 勝負 に 進んだ 。 コミ なし で 行わ れた この 勝負 は 三 勝 三 敗 と なった が 、 予選 の 成績 で 上回った 関山 が 規定 に より 第 一 期 の 本因坊 に なる 。 本因坊 利仙 と 号した 。 続く 第 二 期 は 橋本 宇太郎 が 挑戦 者 と なった が 、 橋本 先勝 の 後 、 第 二 局 で 関山 が 病 に 倒れ 、 そのまま 対局 不能 と なって 本因坊 昭宇 が 誕生 する 。 第 三 期 は 岩本 薫 が 挑戦 した が 、 第 二 局 は 対局 三 日 目 の 四五 年 八 月 六 日 に 対局 場 から 五 キロ 離れた 広島 市 内 に 原爆 が 投下 さ れた 。 このような 状況 で は なかなか 対局 も まま なら ず 、 和歌山 県 高野山 で 行わ れた 決勝 三 番 勝負 を 行って 岩本 が 本因坊 薫和 を 名乗る こと に なった 。 その後 、 橋本 が 奪回 する が 、 橋本 が 総帥 と なって 関西 棋院 が 独立 した こと から 、 本因坊 戦 は 東 西 対決 の 様相 を 帯びて くる 。 日本 棋院 の 期待 を 担って 坂田 栄男 が 挑戦 した が 、 三 勝 一 敗 から まさか の 三 連敗 を 喫して 橋本 が 防衛 。 翌年 は さほど 評価 の 高く なかった 高川 が 挑戦 、 鋭角 的な 坂田 の 碁 と は 違い 、 一見 ぬる そうな 高川 に 橋本 の 感覚 が 乱れ 、 本因坊 位 は 日本 棋院 が 奪回 する こと に なる 。 他 棋戦 で は あまり ふるわ なかった 本因坊 秀格 だった が 、 本因坊 戦 で は 抜群の 強 さ を 発揮 した 。 コミ を 意識 し ながら バランス を 取る 「 平明 流 」 で 、 挑戦 者 を 次々 と 破り 、 不滅の 九 連覇 を 達成 する 。 橋本 へ の 挑戦 から 苦節 十 年 、 坂田 が 高川 の 十 連覇 を 阻止 した 。 カミソリ と も 呼ば れた 切れ味 、 瞬時 に 手 が 見える 感覚 の 鋭 さ は 一 世 を 風び 、 本因坊 栄寿 と して 高川 に 迫る 七 連覇 を 達成 する 。 途中 記録 した 十七 連勝 は いまだに 破ら れ ない 大 記録 だ 。 長く 続いた 坂田 時代 を 塗り替えた の は 、 若き 実力 者 ・ 林 海峯 。 すでに 名人 戦 で 坂田 を 破り 、 本因坊 も 加えて 一気に トップ に 躍り出た 。 そして 、 林 の 活躍 を 機 に 、 時代 は 一気に 若返る 。 「 コンピューター 」 の ニックネーム を 持つ ほど 抜群の 形勢 判断 能力 が ある 石田 芳夫 も 林 の 活躍 に 触発 さ れた 一 人 。 二十二 歳 の 本因坊 就位 は まだ 破ら れ ない 記録 。 五 連覇 を 達成 し 、 史上 三 人 目 の 名誉 本因坊 資格 者 と なった 。 石田 と ともに 木谷 実 門下 の 三 羽 ガラス と 呼ば れた 武宮 正樹 、 加藤 正夫 も 次々 と 本因坊 に なった 。 宇宙 流 と 呼ば れる 武宮 の ロマン あふれる 序盤 作戦 、 殺し屋 と 呼ば れた 加藤 の 迫力 。 同じ 木谷 門下 で 、 早く から 注目 さ れて いた 趙 治勲 が 現在 の 本因坊 。 六 期 連続 通算 八 期 保持 して いる 。 常識 と さ れて いた 手法 に 疑問 を 持ち 、 一 から 土台 を 積み上げて いく 独創 性 。 その 真剣な 対局 態度 と ともに 若手 の 目標 に なって いる 。 打倒 ・ 趙 を 合言葉 に 五十 期 の リーグ が 展開 さ れて いる 。 お 正月 が 来る と 、 思い出す こと が ある 。 十 年 ほど 前 、 家 を 改築 中 に 仮住まい を して いた 時 の こと だ 。 私 たち 家族 は 、 ホテル で 新春 を 迎えた 。 ゆったり した 気分 で 特別 料理 を いただく 。 こんな こと は 、 結婚 して 以来 初めて 。 なかでも 、 家事 から 解放 さ れた 私 は 天国 に いる ようだった 。 松 が 取れて から しばらく して 、 小学 三 年生 だった 二男 が 、 ポツンと 言った 。 「 今年 は お 正月 を し なかった 」 と 。 私 は 「 あら 、 ホテル で ごちそう を 食べた じゃ ない 」 と いった のだ が 。 彼 から すれば 、 まず 、 自分 の 家 で 、 だった のだ 。 それ から 、 台所 で お節 料理 の 準備 を する 母親 の 後ろ姿 が なければ なら なかった らしい 。 一夜 明ける と 、 「 きのう 」 が 「 去年 」 に なって しまう ダイナミック さ 。 見慣れた 家 の 中 が 、 なぜ か 、 すがすがしく 感じ られる 元日 の 朝 。 いつも の 顔ぶれ が 、 「 おはよう 」 で は なく 、 「 おめでとう 」 を 言う 、 晴れがまし さ 。 そして 二男 に とって 一 番 大事な の は 、 祖父母 や 両親 から いただく 、 お年玉 だった のだ 。 小さな 心 に 、 この 特別な 日 の ストーリー は 出来あがって いた のだろう 。 息子 の ひと言 で 、 私 は 、 わが家 の ささやかな お 正月 を 大切に し なくっちゃ 、 と 思った のだった 。 海外 へ 旅行 する とき 、 1 枚 着物 を 持参 する と パーティー など で 重宝 し ます 。 でも 、 かさばる ので 、 普段 の 着付け より 簡単に 済ませる ように 工夫 して は いかがでしょう 。 例えば 、 下着 は 裏 用 を 省き 、 長 じゅばん と 着物 、 帯 、 あと は ひも だけ で 着付ける ように する の は どう でしょう 。 また 、 足袋 も 化繊 の もの を 用意 し 、 洗濯 が 簡単に できる ように する の も アイデア です 。 着物 は 、 日本 の 伝統 衣類 。 暑い 国々 へ の 旅行 なら ユカタ も いい もの です 。 着付け が 難しい と きめつけ ないで 着 られる 人 に 教えて もらい 、 海外 でも 着物 を 着 られれば 、 日本 の 伝統 を 知って もらう チャンス が 増え ます 。 世界 柔道 選手 権 は 、 九 月 二十八 日 から 十 月 一 日 まで の 4 日間 、 千葉 市 の 幕張 メッセ ・ イベント ホール で 、 男女 の 7 階級 と 無差別 級 の 計 16 種目 が 行わ れる 。 日本 開催 は 37 年 ぶり 。 来年 の アトランタ 五輪 に 向けて 、 各国 で 新旧 交代 が 進んで いる 。 2 年 前 の 世界 選手 権 で 、 男子 3 、 女子 1 の 金 メダル を 獲得 した 開催 国 ・ 日本 が お家芸 の 座 を 守れる か 。 外国 勢 で は 、 男子 95 キロ 級 で バルセロナ 五輪 、 世界 選手 権 を 制覇 した コバチ や 、 78 キロ 級 ・ 全 己盈 、 71 キロ 級 ・ 鄭 勲 の 韓国 勢 が 注目 さ れる 。 女子 は 、 前回 世界 選手 権 で 8 カ国 が 金 メダル 1 個 ずつ を 分け あって おり 、 混戦 模様 だ 。 日本 の 一 番 の 期待 は 男子 86 キロ 級 。 バルセロナ 五輪 78 キロ 級 金 メダリスト で 、 1 階級 上げた 吉田 秀彦 、 ハミルトン 大会 優勝 の 中村 佳央 は 、 どちら が 出場 して も 最 有力だ 。 女子 で は 、 48 キロ 級 で 61 連勝 中 の 田村 亮子 に 連覇 の 期待 が かかる 。 腹壁 のうよう の ため 入院 中 で 、 復帰 は 二 月 前後 か 。 重量 級 の 阿武 教子 も 進境 著しい 。 一九九五 年 は 日本 で 国際 競技 の ビッグ イベント が 相次いで 開催 さ れる 。 3 回 目 の 日本 開催 と なる 夏季 ユニバーシアード 福岡 大会 と 、 柔道 、 体操 の 世界 選手 権 だ 。 どんな ドラマ が 演じ られる か 。 今年 は また 、 アトランタ 五輪 を 1 年 後 に 控え 、 戦力 を 占う うえ で も 重要な 年 。 現地 で は プレ 五輪 大会 が 開か れる 。 スウェーデン で は 世界 陸上 選手 権 が 行わ れ 、 レベル の 高い 争い が 期待 さ れる 。 昨年 は サッカー の W杯 米国 大会 に 世界中 が 沸いた が 、 今年 は ラグビー W杯 が 南アフリカ で 開か れる 。 3 大会 連続 出場 の 日本 の 戦い が 注目 さ れる 。 体操 の 世界 選手 権 は 十 月 一 日 から 十 日 まで 世界 60 カ国 から 約 1200 人 が 出場 して 福井 県 鯖江 市 で 開催 。 団体 、 個人 総合 、 種目 別 で 争わ れ 、 男女 と も 団体 は 上位 12 カ国 、 個人 総合 は 120 人 に アトランタ 五輪 の 出場 権 が 与え られる 。 日本 は 、 3 年 前 の バルセロナ 五輪 に 出場 でき なかった 女子 団体 の 五輪 復活 が 焦点 。 小菅 麻里 、 菅原 リサ を 軸 に どう 戦う か 。 苦手の 平均 台 を 克服 して 、 昨年 の 世界 選手 権 で 九 位 に 食い込んだ 勢い を 持続 さ せ たい ところ 。 男子 は 、 団体 十二 位 以内 は 安全 圏 だ が 、 メダル に 届く か どう か は 微妙 。 ロシア 、 ウクライナ 、 ベラルーシ の 旧 ソ連 勢 、 世界 王者 の 中国 と ライバル は 多い 。 個人 総合 、 種目 別 で 畠田 好章 、 田中 光 の 両輪 が メダル に 手 が 届く か 。 畠田 の あん馬 、 田中 の 平行 棒 など に 期待 が かかる 。 アジア で は 初 の 世界 選手 権 で 、 アジア 地域 の 体操 の 普及 と いう 面 でも 注目 度 は 高い 。 男女 団体 規定 演技 男女 団体 自由 演技 女子 団体 自由 演技 男女 個人 総合 決勝 男女 種目 別 決勝 第 五 回 世界 陸上 選手 権 は 八 月 四 日 から 10 日間 、 スウェーデン の イエーテボリ で 行わ れる 。 アトランタ 五輪 を 1 年 後 に 控え 、 好 記録 の 誕生 が 期待 さ れる 。 ハイレベルの 激戦 が 予想 さ れる の は 、 男子 百 メートル 。 昨年 は リロイ ・ バレル が 9 秒 85 を マーク して 、 カール ・ ルイス の 世界 記録 を 更新 した 。 バルセロナ 五輪 と 前回 世界 選手 権 の 覇者 、 リンフォード ・ クリスティ や 昨年 9 秒 台 を 5 回 連発 した デニス ・ ミッチェル ら と の 対決 が 楽しみ 。 不振だった ルイス の 復活 が なる かも 興味深い 。 中国 女子 長 距離 の 馬 軍団 が 再び 記録 を 塗り替える かも 注目 。 日本 勢 は 、 男 女 マラソン で ともに 2 度 目 の 優勝 を 狙う 。 アトランタ 五輪 の 重点 強化 種目 に 指定 した 男子 四百 メートル 障害 、 同 走り幅跳び 、 同 四百 メートル リレー など も 入賞 圏 内 に 入り たい ところ 。 大会 は 、 八 月 四 日 に 開会 式 が 行わ れ 、 競技 開始 は 五 日 から 。 男子 百 メートル 決勝 は 六 日 、 マラソン は 女子 が 五 日 、 男子 が 七 日 に スタート する 。 第 三十六 回 日本 レコード 大賞 の 最終 審査 会 は 三十一 日 、 東京 ・ 赤坂 の TBS で 行わ れ 、 今年 の 大賞 に ミスター チルドレン の 「 イノセント ・ ワールド 」 が 決まった 。 この ほか 、 最 優秀 新人 賞 や 、 これ まで に 決まった 主な 各 賞 は 次の 通り 。 また 企画 賞 の 一作 に 、 ノーベル 賞 作家 、 大江 健三郎 さん の 長男 光 さん の 作品 「 大江 光 ふたたび 」 も 選ば れた 。 ノーベル 文学 賞 に 選ば れた 大江 健三郎 さん は 、 おおみそか の 三十一 日 、 長男 の 作曲 家 、 光 さん の 第 三十六 回 日本 レコード 大賞 企画 賞 受賞 の 喜び で 一 年 を 締めくくった 東京 ・ 赤坂 の TBS で 開か れた 受賞 式 に 出席 した 大江 さん は 「 非常に 喜んで おり ます 」 と 感激 。 光 さん も かたわら で 喜び を いっぱいに 表し 、 アルバム の 中 の 一 曲 「 夢 」 の 演奏 を 一緒に 聴いた 。 年明け の 日本 付近 は 冬型 の 気圧 配置 が 強まり 、 厳しい 冷え込み と ともに 海 や 山 を 中心 に 大荒れ 模様 と なり そうだ 。 気象 庁 に よる と 、 関東 の 南 海上 から 東北東 へ 進んで いる 低 気圧 が 猛烈に 発達 、 強い 冬型 の 気圧 配置 と なる うえ 、 シベリア から 氷点下 三六 度 以下 の 寒気 団 が 北 日本 上空 へ 流れ込む 。 北 日本 や 東 日本 の 日本 海 側 や 山 沿い で は 大雪 の 恐れ が あり 、 多い ところ で 六〇 ― 八〇 センチ の 積雪 が ある 見込み 。 今春 の 都 知事 選 を めぐる 候補 者 選び の 動き は 混迷 の 様相 の まま 、 越年 した 。 これ まで 出馬 表明 した の は 共産党 推薦 の 黒木 三郎 ・ 早大 名誉 教授 だけ 。 石原 信雄 ・ 内閣 官房 副 長官 、 鳩山 邦夫 ・ 前 労 相 、 さらに 評論 家 で 作家 の 堺屋 太一 氏 や 岩國 哲人 ・ 出雲 市長 ら の 名前 が 取りざた さ れる 。 これ ら 「 候補 者 」 たち は 、 明確な 意思 表示 の ない まま 、 新年 を 迎えた 。 候補 者 が そろう の は 一 月 下旬 、 と いう 説 も 浮上 して きた 。 鈴木 俊一 知事 の 勇退 表明 後 、 新進党 は 、 旧 公明 、 民社党 も 含めた 都 選出 国会 議員 の 会合 を これ まで 四 回 開催 した 。 独自 候補 擁立 へ 向け 、 都議 と 合同で 「 連絡 協議 会 」 を 新年 に 発足 さ せる 。 同 協議 会 メンバー で 、 有力 候補 と ささやか れる 鳩山 氏 は 先月 二十七 日 、 「 じっくり 考え なければ なら ない 」 と 強い 意欲 を うかがわ せた 。 一方 、 自民党 は 都議会 レベル で の 協議 を 優先 。 自 社 公 民 に 新進党 など も 加えた 六 会派 の 幹事 長 に よる 別の 「 連絡 協議 会 」 を 結成 し 、 現在 の 鈴木 与党 の 枠組み で 統一 候補 擁立 を 目指す 。 その 鈴木 知事 は 、 与党 体制 の 枠 の 維持 を 望み 、 石原 氏 を 後継 者 に 期待 する 。 石原 氏 は 昨年 十 月 、 自宅 の ある 川崎 市 から 東京 都 荒川 区 へ 住民 票 を 移し 、 「 意欲 の 表れ 」 と 騒が れた が 、 先月 に 川崎 市 へ 戻して しまった 。 神奈川 県 知事 選 に も 名前 が 浮上 する 。 自民党 内部 に は 堺屋 氏 を 推す 声 も ある 。 「 もし 鳩山 氏 が 出馬 した 場合 、 知名度 の 低い 石原 氏 は 不利 」 の 見方 から だ 。 堺屋 氏 は 事務 所 を 通じ 「 ノー コメント 」 と 繰り返す 。 また 、 岩國 氏 も 、 まだ 意思 表示 は して い ない 。 司法 修習 生 が 違法 の 疑い の ある 取り調べ 修習 から 刑事 裁判 で の 冒頭 陳述 まで 行って いた 問題 で 、 最高裁 の 司法 研修 所 は 三十一 日 まで に 、 裁判 所 ・ 検察 庁 ・ 弁護 士 会 に 「 適切で ない 」 と の 通知 を 出す こと を 決めた 。 断筆 宣言 中 の 作家 、 筒井 康隆 さん が 、 新神戸 オリエンタル 劇場 の 専属 俳優 に なって いる こと が 三十一 日 まで に 分かった 。 筒井 さん は 「 今 の 状況 で は 執筆 再開 の 可能 性 は ない 」 と 言い 、 「 ま 、 役者 を やる しか ない でしょう 。 来年 は 役者 と して の 力量 を 見て いただく 年 です 」 。 筒井 さん が 新神戸 オリエンタル 劇場 専属 の 俳優 に なった の は 一九九〇 年 。 その 前年 に 自作 の 「 スタア 」 を 同 劇場 で 自ら プロデュース し 上演 。 怪奇 現象 を 調べる 犬神 博士 の 役 で 出演 も した 。 1 カ月 前 から 始まった B29 の 首都 ・ 東京 空襲 。 前夜 から 3 回 目 の 空襲 警報 は 午前 4 時 55 分 。 江戸川 区 西 小松川 に 火の手 が あがる 。 下谷 、 神田 と 合わせ 死者 6 人 。 800 世帯 が 焼け 出さ れた 。 元日 。 午前 9 時 、 気温 6 度 。 成田山 初もうで に 3500 人 。 天皇 陛下 は 、 年頭 行事 の 野戦 兵食 を 食べ られた 。 就職 難 、 中高年 失業 、 いじめ 自殺 と 、 世知辛い 話題 の 多かった 一九九四 年 も 幕 引き 。 全国 の 神社 仏閣 の 参道 は 三十一 日 夜 、 年明け を 待ち切れ ない 初もうで 客 で 真っ黒に 埋まった 。 明治 神宮 は 午後 十 時 すぎ から 、 参拝 客 で いっぱい 。 冷たい 北風 に 吹か れ ながら 列 を 作る 約 九万 人 が 、 一 日 午前 零 時 の 大太鼓 と ともに どっと 拝殿 へ 押し寄せ 、 さい銭 が 放物線 を 描き ながら 宙 を 舞った 。 東京 都 江戸川 区 、 会社 員 、 前島 学 さん は 「 欲張る つもり は ない が 景気 が もっと 良く なって ほしい 。 子供 二 人 の 家族 四 人 が 困る こと の ない ように と お 願い した 」 と かしわ手 を 勢い よく 打って いた 。 明治 神宮 で は 、 三が日 で 昨年 並み の 三百五十五万 人 の 初もうで 客 が 見込ま れて いる 。 三十一 日 午後 九 時 四十三 分 ごろ 、 北海道 桧山 管 内 奥尻 町 で 、 震度 3 の 地震 が あった 。 札幌 管区 気象 台 の 観測 に よる と 、 震源 地 は 北海道 南西 沖 で 、 震源 の 深 さ は 約 一〇 キロ 。 同 町 役場 に よる と 、 揺れ は ひどく なく 、 混乱 は ない と いう 。 千葉 県 市原 市 姉崎 、 会社 員 、 上原 淳 さん の 長女 茉莉 ちゃん が 殺さ れた 事件 で 、 県警 捜査 一 課 と 市原 署 の 特別 捜査 班 は 三十一 日 夕 、 未 成年 者 誘拐 容疑 で 前日 逮捕 した 同居 の おじ で 書籍 販売 業 、 上原 徹 容疑 者 を 殺人 、 死体 遺棄 容疑 で 再 逮捕 した 。 調べ に よる と 、 徹 容疑 者 は 二十八 日 午後 五 時 十 分 ごろ 、 近所 の 友人 宅 から 戻って 来た 茉莉 ちゃん を 自宅 前 で 軽 乗用車 に 乗せ 、 南 に 約 三 キロ 離れた 袖ケ浦 市 代宿 の 県 企業 庁 袖ケ浦 工業 用水 浄水場 内 で 車 から 降ろし 、 茉莉 ちゃん の 首 を 絞めて 殺害 、 遺体 を 近く の 竹林 に 捨てた 疑い 。 遺体 は 三十一 日 、 千葉大 医学部 で 司法 解剖 さ れ 、 死因 は 窒息 死 と 分かった 。 三十一 日 午前 七 時 半 ごろ 、 山梨 県 の 甲斐 駒ケ岳 八 合 目 を 登山 中 の 東京 都 杉並 区 清水 一 、 会社 員 、 武井 裕介 さん と 横浜 市 戸塚 区 上倉田 町 、 材木 店 経営 、 岡田 豊太 さん の 二 人 が 足 を 滑らせて 沢 に 滑落 、 武井 さん が 行方 不明に なった 。 岡田 さん は 同じ パーティー の 仲間 三 人 が 救助 し 、 右足 骨折 の 重傷 。 現場 は 雪 が 降って いる ため 、 長坂 署 は 一 日 早朝 から 捜索 を 行う 。 三十一 日 午後 三 時 二十五 分 ごろ 、 東京 都 中央 区 築地 五 の 朝日 新聞 東京 本社 が 「 宅配 便 で 不審な 段ボール 箱 が 二 箱 送ら れて きた 」 と 築地 署 に 届け出た 。 箱 の 重 さ が それぞれ 五 キロ 、 十二 キロ と 重い こと から 、 警視 庁 と 同 署 は 爆発 物 の 可能 性 も ある と みて 爆発 物 処理 班 など 約 五十 人 を 出動 さ せ 、 箱 を 冷凍 する など 約 三 時間 かけて 開けた 。 ところが 、 中 に は 使い古し の 大学 ノート など が ぎっしり 。 爆発 物 や 脅迫 文 など は なかった 。 12 月 31 日 朝刊 25 面 、 安保 健二 氏 の 訃報 で 葬儀 ・ 告別 式 の 日時 「 1 月 4 日 午前 11 時 」 は 「 1 月 5 日 午前 11 時 」 の 誤り でした 。 横浜 市 内 の 中学 一 年 の 男子 生徒 が 十二 月 二十六 日 、 「 東京 駅 に 行く 」 と 言って 家 を 出た まま 行方 が 分から なく なった が 、 岐阜 県警 大垣 署 が 三十一 日 、 同県 大垣 市 内 の 旅館 に いる ところ を 保護 し 、 一緒に いた 住所 不定 の 自称 、 学習 塾 経営 、 長坂 秀典 容疑 者 を 未 成年 者 誘拐 の 疑い で 逮捕 。 これ まで の 調べ に よる と 、 生徒 は 横浜 市 保土ケ谷 区 内 の 建築 業者 の 長男 。 二十三 日 、 東京 都 千代田 区 の 交通 博物 館 で 長坂 容疑 者 に 声 を 掛け られ 、 二十六 日 、 長坂 容疑 者 から の 電話 で 東京 駅 で 会う 約束 を した 。 夜 に なって も 帰って 来 ない ため 、 母親 から 神奈川 県警 保土ケ谷 署 に 捜索願 が 出て いた 。 保土ケ谷 署 は 、 犯行 動機 など に ついて 長坂 容疑 者 を 追及 して いる が 、 生徒 は SL ファン だった と いう 。 三十一 日 午後 七 時 二十 分 ごろ 、 東京 都 武蔵野 市 吉祥寺本 町 一 の 路上 で 、 郵便 ポスト から 煙 が 出て いる の を カラオケ 店主 が 発見 、 武蔵野 署 吉祥寺 駅 東 口 派出 所 の 警察 官 が バケツ の 水 で 消し止めた 。 ポスト 内 に あった 年賀 はがき 約 二千 通 と 一般 郵便 物 の 約 千 通 が 焼けたり 、 水浸し に なる 被害 を 受けた 。 目撃 者 に よる と 、 現場 付近 に いた 十五 、 六 歳 ぐらい の 少年 約 十 人 の うち 一 人 が 、 火 の ついた 物 を ポスト の 中 に 投げ込んだ と いう 。 武蔵野 署 は 器物 損壊 など の 疑い で 少年 ら を 捜して いる 。 三陸 はるか 沖 地震 の 余震 と み られる 地震 が 三十一 日 、 北海道 と 東北 の 一部 で 二 回 あった 。 仙台 管区 気象 台 の 観測 に よる と 、 午後 十 時 五十 分 ごろ 、 北海道 、 東北 地方 の 一部 で あった 地震 の 震源 地 は 岩手 県 沖 で 、 震源 の 深 さ は 約 二〇 キロ 。 また 午前 一 時 五十七 分 ごろ の 余震 は 、 盛岡 で 震度 1 。 震源 地 は 岩手 県 沖 で 、 震源 の 深 さ は 約 四〇 キロ 。 「 いつも 唐突な んです 。 大丈夫 、 ちょっと そこ に 行って くる 、 と いう 感じ で 言う んです 」 冒険 ライダー 、 風間 深志 さん の 妻 恵美子 さん は そう 言って 笑った 。 アフリカ ・ キリマンジャロ 登頂 、 史上 初 の 北極 点 到達 、 南極 点 到達 など バイク に よる 数々 の 冒険 行 を 実現 して きた 風間 さん 。 恵美子 さん に 計画 を 打ち明ける 時 の 様子 は 決まって そんな 軽い 調子 だ と いう 。 二 人 は モーター ショー で 知り合った 。 風間 さん は 雑誌 の 編集 者 、 恵美子 さん は 車 メーカー の コンパニオン 。 出会って 数 カ月 後 、 風間 さん の 冒険 初 挑戦 と なる キリマンジャロ 登頂 計画 を 知ら さ れた 。 「 いい なあ 、 うらやましい なあ 、 と 思い ました 。 自分 に は でき ない こと です から 」 。 登山 ・ 冒険 家 、 故 植村 直己 の 本 の 愛読 者 。 出発 後 は もらった 計画 表 を 毎日 広げ 、 どの 辺り を 走って いる か 思い を 巡らせた 。 帰国 した 風間 さん は 野蛮 人 に 見えた 。 ヒゲもじゃで 、 伸び 放題 の 髪 。 だが 、 道 なき 道 を 進む 体験 談 が 次々 飛び出した 。 「 冒険 の 本 を 読んで いる みたいでした 」 。 間もなく 結婚 が 決まった 。 「 今 まで 不安に 思った こと ない んです 」 。 結婚 前 、 二 人 で 富士山 の ふもと に 四 輪 駆動 車 で 行き 、 雪 の 中 に はまって しまった こと が あった 。 どんどん 暗く なる のに 動け ない 。 どう しよう か と 、 恵美子 さん は パニック に なった が 、 風間 さん は 、 歩き回って 小屋 から スコップ を 見つけ出し 、 脱出 した 。 沈着 冷静な 判断 力 と 行動力 。 「 危ない こと は し ない 人 」 と 思って いる 。 現在 、 子供 は 中学 二 年生 を 頭 に 男の子 三 人 。 「 子育て に 追いまくら れて いて 、 夫 の こと を あんまり 心配に 思ったり する 余裕 は なかった んです 。 それ が かえって よかった の かも しれ ませ ん 」 。 いたずら っぽく 笑った 。 冒険 計画 に 反対 した こと は ない 。 「 行く って 決めて る んです 。 反対 も 何も あり ませ ん 」 。 少し 不服 そうな 口調 に なった が 、 本音 は 信頼 の きずな が 生み出した 安心 感 を 抱いて いる の は 間違い な さ そう 。 人類 五万 キロ の 旅 「 グレート ジャーニー 」 に 挑んで いる 探検 家 、 関野 吉晴 さん と 妻 玲子 さん と の 新婚 旅行 は ペルー の マチュピチュ 遺跡 だった 。 インカ の 石積み 技術 が うかがえる 城さい 都市 の 跡 。 二 時間 の 山道 を 登り 切り 「 月 の 神殿 」 に 出る と 玲子 さん は 背中 の リュック に 詰め込んで いた 真っ白な ウエディングドレス を 取り出し 新婦 に “ 変身 ” した 。 知人 に 囲ま れ ながら 、 誓い の 言葉 を 述べ 、 二 人 で 晴れ姿 の 記念 写真 に 納まった 。 出会い は 大学生 時代 。 一橋大 生 の 関野 さん が 三 回 目 の アマゾン 探検 を 企画 した 際 の 事務 局 に 玲子 さん が 応募 した 。 玲子 さん は 当時 、 津田塾大 探検 部 部員 。 「 近く の 大学 だ し 、 面白 そうに 思えて 」 玲子 さん も 関野 さん に 劣ら ず 、 大学 時代 に 大きな 冒険 を 成し遂げて いる 。 当時 、 遠出 を 計画 して も 女子大 の ため に 家族 に 反対 さ れる 部員 が 多かった 。 そこ で 、 考えた の が 熱気球 作り 。 まだ 日本 に 十 基 ある か ない か の 時代 。 手探り だった 。 部員 約 十 人 で 二 年 かけ 直径 約 十五 メートル の 熱気球 を 作り上げ 、 栃木 県 の 大野原 で 上空 に 上げた 。 「 感激 と いう より 、 私 が 設計 した ので 、 ヒヤヒヤ もの でした 」 関野 さん の こと は 、 話 に は 聞いて おり 、 会う まで クマ の ように 筋肉 隆々と した 男性 と 思い込んで いた 。 ところが 、 小柄で きゃしゃ 。 「 正反対の イメージ に びっくり 。 気 が ついたら 付き合い 始めて い ました 」 。 知り合って 約 七 年 で 結婚 した 。 関野 さん は 、 結婚 後 も 、 通算 する と 年 に 半分 以上 は 南米 に 行く 生活 を 続けて いる 。 「 遠洋 漁業 の 家庭 と か 、 単身 赴任 の よう 、 と よく 言わ れる んです 。 でも 、 私 は そう です か ね 、 と いう 感じ 」 。 気 に は して い ない 様子 だ 。 「 やり たい こと が あって 、 やれて いれば 基本 的に は いい と 思って い ます から 」 。 グレート ジャーニー 計画 は 出発 の 三 年 前 、 夫婦 で の ボリビア 旅行 中 に 打ち明け られ 、 「 二十 代 なら いざ 知ら ず 、 四十 代 に も なって る のに ばかげて る んじゃ ない 」 と 言った 。 でも 、 反対 は し なかった 。 一九九五 年 。 29 回 目 を 迎える アメリカズ カップ の 歴史 に 、 新たな 一 ページ を 刻む 時 が やってきた 。 144 年 と いう 伝統 ある 戦い に 挑む 海 の 男 たち の 胸 の 鼓動 、 史上 初 参加 と なる 女性 クルー の 息吹 、 そして たった ひと つ の 栄誉 「 至高 の 銀杯 」 を 得る ため だけ に 総力 を 費やして きた 6 カ国 11 シンジケート の 思惑 …… 。 間近に 迫った 大会 関係 者 の 心 の 高ぶり が 聞こえて くる 。 ドラマ の 舞台 と なる 米国 ・ サンディエゴ の 静かな 海 は 今 、 どんな 演出 を 考えて いる のだろう か 。 九二 年 の 前回 大会 に 初 出場 した ニッポン チャレンジ が 2 度 目 の 勝負 に 挑む 。 「 カップ 獲得 」 を 目指す 今回 の チーム は 、 前回 の 準 決勝 敗退 と ともに スタート 。 屈辱 、 悔恨 が あった から こそ 、 この 3 年間 最高の ヨット を 作ろう と し 、 優秀な クルー の 育成 に 努めて きた 。 それ ら の 集大成 と なる 最新 艇 「 JPN―41 」 が 、 まもなく サンディエゴ 湾 の ベース キャンプ に 到着 する 。 改良 に 改良 を 重ねて 作った ヨット は まだ ベール に 包ま れた まま だ が 、 どの 出場 艇 に も 負け ない だけ の 能力 を 持って いる こと は 確かだ 。 1 度 目 は 「 よく やった 」 で 済まさ れた 。 しかし 、 2 度 目 は 結果 が すべて と なる 。 幸い 、 改良 す べき 点 は 、 練習 中 や 昨年 十 月 の IACC 世界 選手 権 で 出尽くした 。 あと は 、 挑戦 者 シリーズ と なる ルイ ・ ヴィトン カップ 、 同 シリーズ の 優勝 艇 しか 出場 でき ない アメリカズ カップ で の レース が 待って いる だけ 。 十四 日 に 開幕 する ルイ ・ ヴィトン カップ は 足掛け 4 カ月 続く 。 世界 選手 権 の 覇者 、 ワン ・ オーストラリア 艇 や 九二 年 に ニッポン チャレンジ の スキッパー を 務めた クリス ・ ディクソン 率いる タグ ・ ホイヤー 艇 など が 相手 で 、 決して 楽な 戦い で は ない だろう 。 それ を 乗り越えて 、 五 月 の アメリカズ カップ に 勝てば 、 米国 、 豪州 以外 の 国 に 初めて ザ ・ カップ が 持ち込ま れる こと に なる 。 日本 に とって も 、 ニッポン チャレンジ に とって も 、 歴史 的な 挑戦 の 年 は 明けた 。 ヨット は 風上 に 向かって 真っすぐ 走れ ない 。 そこ で 、 ジグザグに 帆走 して 風上 に 進む が 、 その 場合 の 方向 転換 の こと を タック と 呼ぶ 。 風 を 船体 の 右側 から 受ける 時 は スターボード タック 、 左側 から 受ける と ポート タック 。 マッチ レース で は 2 艇 が 激しい タック を 繰り返し ながら の 争い と なる 。 衝突 し そうに なったら 、 海上 交通 の 原則 に よって スターボード タック の 船 が 優先 権 を 持つ 。 タック と は 逆に 、 風下 に 向かう 時 の 方向 転換 。 追い風 の 時 に 使う セール 。 素材 は 薄くて 軽く 、 パラシュート を 横 に した ように 広がる 。 自動車 の ハンドル と 同じ 役目 を 果たす 約 1 メートル の 舵輪 。 左右 に 1 つ ずつ ある 。 通常 は スキッパー が 握って 舵 を とる 。 スタート 前 の 駆け引き 。 相手 の 艇 を 抑え ながら 、 いかに 自分 の 艇 を 有利な スタート 位置 に 持っていく か は 、 勝敗 を 左右する と も いわ れる 。 レース は スタート の 合図 を 待つ 前 に すでに 始まって いる 。 風上 いっぱい に 向かって 走る こと 。 後方 から の 風 を 受けて 走る の が ランニング 。 一九八三 年 の 第 二十五 回 大会 は 、 史上 最高の 衝撃 的な 年 に なった 。 アメリカズ カップ は それ まで 米国 を 離れた こと が なかった 。 24 回 に わたる 他 の 国 の 挑戦 を ことごとく 退け 、 カップ を 守り 続けて いた 。 その 時 も 米国 有利 と 見 られて いた 。 カップ ホルダー の ニューヨーク ・ ヨット クラブ から は 、 ミスター ・ アメリカズ カップ の 異名 さえ ある コナー 率いる 「 リバティー 」 、 挑戦 者 は バートランド が スキッパー と なる 豪州 ロイヤル ・ パース ・ ヨット クラブ の 「 オーストラリア 2 」 。 「 セーラー の 中 の セーラー 」 「 舵 の 後ろ の 悪魔 」 と 相手 に 恐れ られて いた コナー の 指揮 官 と して の 能力 は 素晴らしく 、 二十四 回 大会 も 「 フリーダム 」 艇 で カップ 獲得 の 原動力 に なって いた 。 これ に 対し 、 バートランド も 名 は 知ら れて いた が 、 コナー に 比べれば どうしても 見劣り した 。 レース は 、 初戦 を 1 分 10 秒 差 で 勝った リバティー が 4 戦 まで 3 勝 1 敗 と リード 。 しかし 、 あと ひと つ で 連覇 と なる ところ で 奇跡 は 起きた 。 先行 して いた コナー の 油断 が 命取り と なり 、 5 戦 を 拾った バートランド 。 6 戦 で は 風 の 振れ を うまく つかんで タイ に 持ち込み 、 最終 戦 は わずか 41 秒 差 で バートランド が 勝った 。 初めて 屈辱 を 味わった コナー の 新たなる 挑戦 は この 時 始まった 。 二十六 回 大会 は 「 スターズ & ストライプス 」 の スキッパー と して 出場 。 そして 、 アメリカズ カップ で 防衛 艇 の 豪州 クーカブラ 3 と 対決 し 、 4 戦 全勝 で カップ を 奪回 。 「 ザ ・ カップ は 少し だけ 長旅 に 出て いた のです 」 と 振り返った コナー だった が 、 この 大会 に バートランド は 出場 して い なかった 。 それだけに 、 今回 もし 激突 すれば 、 12 年 目 に めぐって きた 雌雄 を 決する 争い に なる 。 スターズ & ストライプス の コナー と ワン ・ オーストラリア の バートランド 。 もちろん 、 ルイ ・ ヴィトン 、 シチズン カップ が その 前 に 大きく 立ちはだかって いる が …… 。 前回 の 大会 で 一躍 有名に なった の は 、 カップ 獲得 艇 である アメリカ キューブ の オーナー 、 ビル ・ コーク だった 。 一九九〇 年 に コーク が 防衛 艇 挑戦 の 名乗り を 上げた 時 、 脅威 に 思った 関係 者 は ほとんど い なかった 。 実業 家 と して 名 を はせて は いて も 、 アメリカズ カップ で 頂点 に 立てる ほど の 力 は ない 、 と 思わ れて いた から だ 。 だが 、 「 帆走 は 科学 である 」 と の 持論 を 持ち 続けた コーク は 、 船体 、 セール 、 マネジメント など 、 戦い に 挑む ため の すべて に ハイテク 化 を 進めた 。 その 成果 が 出て 防衛 者 シリーズ を 制し 、 アメリカズ カップ でも 下馬評 の 高かった イタリア の イル ・ モロ ・ ディ ・ ベネチア 艇 を 破った 。 コーク の 信念 が 実って の 新しい 王者 の 出現 だった 。 コーク は 今回 も 「 科学 」 を 打ち出した 。 ヨット さえ 優れて いれば 、 女性 でも 太刀打ち できる 、 と いう の が コーク の 考え 方 だった 。 女性 クルー を 公募 して 史上 初 の 女性 だけ の チーム が 出来上がった 。 メンバー は ヨット の 元 五輪 選手 、 アメリカン フットボール の インストラクター など 多種 多彩 。 力 の いる 激しい 戦い に 女性 が どこ まで やれる か は 注目 できる が 、 裏返せば 本当に 女性 の 力 で 筋骨隆々 の 男性 に 勝てる だけ の 「 モノ 」 を 造って くる の か と いう 楽しみ が ある 。 コーク の 造る アメリカ キューブ の 秘密 兵器 は 何 な の か 。 シチズン カップ が スタート する まで 、 ベール に 包ま れて いる 。 アメリカズ カップ の 歴史 と ともに 、 競技 艇 の 大き さ も 変わって きた 。 大別 する と 5 つ の 時代 に 分け られる 。 1851 年 、 米国 に カップ を もたらした 「 アメリカ 号 」 は 木造 船 で 、 全長 30 メートル 、 2 本 マスト の 新鋭 スクーナー 。 76 年 の 第 3 回 まで は 2 本 マスト が 主流 だった が 、 第 4 回 から 1 本 マスト が 中心 に なった 。 やがて 、 木造 から 鉄板 や 銅板 の 張ら れた 船 に 変わり 、 第 8 回 から は 全長 36 ― 42 メートル の 超 大型 艇 時代 に 突入 。 1930 年 の 第 14 回 から は J クラス ボート の 時代 。 艇 の 全長 は それ まで と 変わら なかった が 、 回 を 重ねる ごと に 帆装 の 性能 など が 向上 、 近代 アメリカズ カップ が 始まった 時代 と いえる 。 第 17 回 から は 12 メートル 級 の 規定 艇 に よる 戦い が 始まる 。 全長 は 20 メートル と 小型 化 。 定員 は 11 人 。 耐久 性 より 速 さ を 追求 した 各 シンジケート ごと の 研究 が より 盛んに なり 、 オーストラリア の 初 の カップ 獲得 、 デニス ・ コナー に よる 米国 の 奪回 など 、 ドラマ を 生んだ 。 そして 、 前回 の 92 年 大会 から 、 現在 の アメリカズ カップ クラス 艇 の 時代 を 迎える 。 全長 は 約 24 メートル で 、 定員 は 16 人 。 一定 の 公式 に あてはめて 設計 する が 、 ある 程度 の 許容 範囲 が ある 。 史上 初 の 女性 クルー チーム で 、 連覇 を 目指す 。 予算 約 2000万 ドル 。 話題 ナンバー ワン 。 予算 約 1500万 ドル 。 新 艇 も 進水 、 ミスター ・ アメリカズ カップ の コナー の 手腕 は 見もの 。 予算 約 1600万 ドル 。 アメリカズ カップ 艇 の 研究 機関 が 初 挑戦 。 頭脳 集団 の 進出 は 脅威 。 予算 約 37億 円 。 2 度 目 の 戦い 。 能力 の 高い 新 艇 「 JPN―41 」 の 走り で 、 カップ 獲得 に 挑む 。 予算 約 1000万 ドル 。 ペドロ ・ カンポス が スキッパー 。 造船 海洋 工科 大 の 協力 で 新 艇 を 開発 。 代表 の シド ・ フィッシャー は 4 度 目 の 挑戦 。 スキッパー は 未定 。 予算 も 公表 せ ず 。 予算 約 4000万 ドル 。 世界 選手 権 で 優勝 。 クルー ワーク の 良 さ 、 艇 の 性能 の 高 さ は 定評 。 前回 ニッポン チャレンジ の スキッパー 、 クリス ・ ディクソン が 率いる 。 予算 は 未定 。 マッチ レース に 強い ラッセル ・ クーツ を はじめ クルー は 実力 者 ぞろい 。 前回 フランス 艇 の タクティシャン だった マーク ・ ブエ が スキッパー 。 2 つ の ヨット クラブ が 合流 して 出場 。 予算 は 約 4000万 ドル 。 マーク ・ パジョ が 率いる 。 アメリカズ カップ の 歴史 は 、 さまざまな 人 模様 で 彩ら れて きた 。 中でも 忘れて は なら ない の は 、 英国 の 紅茶 王 、 トーマス ・ リプトン 卿 の 名前 だろう 。 1899 年 から 1930 年 に かけて 、 私財 を 惜し げ も なく つぎこみ 5 度 の 挑戦 を 行った 。 結果 は 全敗 。 「 底なし の 水差し に 水 を 注ぐ ような 」 と 形容 さ れた カップ 獲得 へ の 夢 は 実ら なかった が 、 大 富豪 の 海 に かけた ロマン は 、 多く の 人 の 心 を 動かした 。 ボールペン で 財 を なした フランス の マルセル ・ ビック 男爵 の 場合 は 、 もっと つらい 立場 だった 。 挑戦 者 が 複数 と なった 70 年 から 4 回 、 カップ を 目指した が 、 いずれ も 挑戦 艇 決定 の 過程 で 敗れて しまった のだ から 。 こうした 富豪 たち の 夢 を 、 とうとう 実現 さ せて しまった の が 83 年 の 豪州 艇 「 オーストラリア 2 」 だ 。 74 年 から 挑戦 を 始めた アラン ・ ボンド は 移民 から 身 を 起こし 、 さまざまな 事業 で 成功 した 新興 実業 家 。 画期的な 新 技術 を 盛り込んだ 艇 で 、 カップ を 米国 外 に 持ち去った 。 アメリカズ カップ に 出場 する ため に は 、 “ 予選 ” と なる ルイ ・ ヴィトン カップ と シチズン カップ を それぞれ 勝ち抜か なければ なら ない 。 両 シリーズ と アメリカズ カップ の 戦い 方 は 次の 通り 。 一 月 十四 日 に スタート 。 まず 各 チーム 総当たり の ラウンドロビン 一 回 戦 が 行わ れる 。 勝利 ポイント は 1 。 次いで R 2 、 R 3 、 R 4 と 戦い 、 総合 ポイント の 多い 上位 4 チーム が 準 決勝 進出 。 準 決勝 は 3 回 の 総当たり 戦 で 、 勝ち 数 の 多い 2 チーム が 決勝 へ 進む 。 決勝 は 先 に 5 勝 した 方 が 勝ち 。 この間 、 挑戦 者 チーム が 戦わ なければ なら ない レース 数 は 最多 で 49 、 約 4 カ月 かけて 争う 。 ルイ ・ ヴィトン カップ 同様 、 R 1 から R 4 まで 戦う が 、 違う の は 一 回 戦 ごと に それぞれ 3 回 ずつ 当たる 。 全 12 戦 で 最も 勝ち 数 の 多い チーム が 2 点 、 二 位 に 1 点 与え られ 、 準 決勝 の 得点 に 加算 さ れる 。 準 決勝 まで の 総合 得点 で 一 、 二 位 の チーム が 決勝 に 進出 し 、 6 戦 先勝 チーム が アメリカズ カップ へ 。 五 月 六 日 開幕 。 前回 は 7 戦 だった が 、 今回 は 九 番 勝負 で 先 に 5 勝 した チーム が カップ を 獲得 する 。 「 アメリカズ カップ は 、 ダーウィン の 法則 に 基づいた 『 進化 論 』 な んです 。 弱者 が とうた さ れて 、 強い もの だけ が 残る 、 と いう こと です よ 」 。 サンディエゴ 湾 を 望む 挑戦 者 組織 委員 会 の 事務 室 で 、 ルイ ・ ヴィトン カップ の レース 責任 者 、 パット ・ ヒーリー 氏 は 熱っぽく 語った 。 ヒーリー 氏 に よれば 、 強者 必勝 が なら なかった 例外 は 前回 の 1 度 だけ 。 世界 選手 権 で 圧勝 した イタリア の イル ・ モロ ・ ディ ・ ベネチア が 有利 と み られて いた が 、 結果 は 予想 を 覆して 防衛 者 シリーズ から 進出 して きた アメリカ キューブ が 勝った 。 では 、 今回 は どう か 。 「 進化 論 から 言えば 、 前回 は まぐれ 。 今回 は 全体的に 能力 の 優れて いる 挑戦 者 シリーズ の 覇者 が 、 そのまま アメリカズ カップ を 制する こと に なる 」 と 確信 を 持って 言う 。 理由 は 8 チーム が 激突 する 挑戦 者 の 方 が 、 3 チーム で 戦う 防衛 者 より 多種 の レース 駆け引き を 実践 できる こと と 、 アメリカズ カップ 使用 艇 の 登録 が 防衛 者 、 挑戦 者 と も 同じ 日 に なった こと 。 前回 は 挑戦 者 は 防衛 者 より 先 に 届け出 を し なければ なら ず 、 公平 さ に 欠けて いた と いう 。 ザ ・ カップ を 獲得 する の は どの シンジケート か 。 米国 の サンディエゴ ・ ヨット クラブ に 所属 する 3 チーム で 争う シチズン カップ 、 挑戦 者 の 5 カ国 8 チーム が 競う ルイ ・ ヴィトン カップ それぞれ の 勝者 だけ が 栄光 の アメリカズ カップ に 挑める 。 シチズン 、 ルイ ・ ヴィトン カップ の 両 シリーズ を 展望 して みた 。 昨年 十 月 に 行わ れた アメリカズ カップ クラス 世界 選手 権 で 優勝 した ワン ・ オーストラリア が 中心 に なり そうだ 。 豪州 の 国民 的 英雄 、 ジョン ・ バートランド が スキッパー と して 復活 した ほか 、 前回 ニュージーランド の スキッパー を 務めた ロッド ・ デービス が 加わり 、 レース 運び に は 定評 が ある 。 防衛 者 、 挑戦 者 シリーズ に 出場 する 艇 が 集合 した 世界 選手 権 に は 新 艇 で 臨み 、 ニッポン チャレンジ の 2 艇 、 前回 の 覇者 アメリカ キューブ など に 快勝 した 。 強風 でも 微風 でも 速く 走る 能力 を 持って おり 、 ニッポン チャレンジ の クルー も 「 思った より ずっと 速かった 」 と 舌 を 巻く ほど 。 これ に ニッポン チャレンジ 、 ニュージーランド の タグ ・ ホイヤー など が 続き そうだ 。 世界 選手 権 で ニッポン チャレンジ は 「 JPN ― 26 」 と 「 JPN ― 30 」 で 戦った 。 ワン ・ オーストラリア に 比べれば 、 古い 艇 に も かかわら ず 、 レグ 別 で は ワン ・ オーストラリア を 上回る こと も あった 。 最新 艇 の 「 JPN ― 41 」 は まだ 進水 して い ない が 、 これ まで の データ を 基 に 造った 艇 だけ に 期待 は できる 。 タグ ・ ホイヤー は 、 前回 ニッポン チャレンジ の スキッパー だった クリス ・ ディクソン が 率いる 。 ディクソン の ち密で かつ 大胆な レース 駆け引き は 見もの だ 。 マーク ・ パジョ が スキッパー と なる デフィ 95 も 怖い 存在 。 昨年 七 月 に 進水 した 新 艇 は 、 前 大会 優勝 の アメリカ キューブ より 1・5 % 速い と 公表 した 。 アメリカズ カップ に 使う 最新 艇 は それ より 0・25 % 速度 が 増す と いう 。 ニュージーランド の もう 一 つ の シンジケート 、 チーム ・ ニュージーランド も 侮れ ない 。 マッチ レース で 実績 を 上げて いる ラッセル ・ クーツ が スキッパー を 務め 、 セーリング コーチ は エド ・ ベアード 。 実力 の ある クルー が そろって いる 。 いずれ に して も 、 強豪 が 集まった 。 ラウンドロビン ごと に 戦い の 熱 を 帯びて くる の は 必至で 、 一 戦 も 気 を 抜け ない 白熱 した レース に なり そうだ 。 連覇 を 狙う アメリカ キューブ 、 奪回 を 目指す チーム ・ デニス ・ コナー 、 アメリカズ カップ 艇 の 研究 機関 を 母体 に 参加 する こと に なった パクト 95 の 3 チーム が 、 アメリカズ カップ 進出 の 1 つ の イス を 争う 。 アメリカ キューブ の オーナー 、 ビル ・ コーク は 石油 資本 を 基 に 成功 した ビジネスマン 。 「 帆走 は 科学 である 」 と いう コーク は 、 劣勢 と み られて いた アメリカズ カップ で 勝利 を 収めた 。 今回 は 女性 クルー を 公募 して チーム を 結成 。 史上 初 の 女性 だけ に よる 挑戦 は 話題 を 呼んで いる が 、 クルー の 力 より 「 科学 」 を 優先 さ せる コーク が どんな 秘策 を もって 新 艇 を 造り 、 そして 大会 に 臨む かも 注目 さ れる 。 ただ 、 ラウンドロビン から 連日 の ように 続く レース だけ に 、 いくら ヨット が 優秀で も 女性 に は きつい 戦い に なる だろう 。 反対に スキッパー を 中心 と した クルー の 能力 に 力点 を 置く の が デニス ・ コナー 。 世界 選手 権 で は 旧 艇 で 戦った ため 、 厳し さ を 強い られた が 、 その 中 でも タック の タイミング など に うま さ を 発揮 した 。 新 艇 も 進水 。 新しく なった 「 スターズ & ストライプス 」 は 、 今回 も アメリカズ カップ の 顔 に なり そうだ 。 パクト 95 の シンジケート 名 は 、 パートナーシップ ・ フォー ・ アメリカズ カップ ・ テクノロジー の 頭文字 から つけ られた 。 もともと アメリカズ カップ 艇 の 研究 機関 で 、 艇 の 開発 、 レース を 通して 中 、 高校 生 に 対して 教育 プログラム を 推進 して いる 。 ケビン ・ マヘイニー が 舵 を 取り 、 チーフ デザイナー は 、 前回 チーム ・ デニス ・ コナー に いた ブルース ・ ネルソン 。 頭脳 集団 の 挑戦 が 、 アメリカズ カップ に 「 科学 」 「 クルー の 能力 」 以外 の 新たな もの を 生む か 、 興味深い 。 カンボジア の プノンペン から 船 で 、 メコン 川 を さかのぼり 、 中部 の 港町 、 コンポンチャム に 向かう 。 漁 は 最 盛期 。 岸辺 で は モスク の 建設 が 相次いで いる 。 「 豊漁 だ よ 」 。 コンポンチャム 郊外 の 漁村 で 、 チャム 族 の 漁師 から 白い 歯 が こぼれる 。 一家 五 人 が 暮らす 小舟 の 奥 に コーラン が 見える 。 カンボジア の 漁業 は 、 イスラム 系 住民 の チャム 族 と ベトナム 系 の 漁民 が 担って きた 。 が 、 一昨年 の 総 選挙 を 前 に 、 ポル ・ ポト 派 が ベトナム 系 漁民 を 襲撃 。 大半 が ベトナム に 脱出 して 、 漁業 は チャム 族 が 支える 。 ベトナム 中部 を 拠点 に 、 カンボジア や 中国 に も 勢力 を 拡大 した チャム 族 は 十五 世紀 以降 、 ベトナム 人 に 押さ れ 、 南下 。 途中 、 イスラム 化 し ながら 、 メコン 川 を 溯行 し 、 カンボジア に 定住 して 、 仏教 国 に イスラム 空間 を 維持 して きた 。 ポル ・ ポト 派 時代 は 受難 の 時代 だった 。 徹底 的な 弾圧 で 半数 が 死んだ 。 宗教 は 禁止 さ れ 、 若い 世代 から 固有 文化 が 欠落 した 。 その チャム 族 が いま 、 イスラム 再興 に 力 を 注ぐ 。 活発 化 し 出した の は 、 国連 カンボジア 暫定 統治 機構 の 活動 時代 。 マレーシア や インドネシア など イスラム 国 に よる 援助 も 急増 し 、 一昨年 、 プノンペン の イスラム 師範 学校 の 卒業 生 が 教師 と して 全国 に 赴任 した 。 コンポンチャム の 東方 七十 キロ 。 スラ 村 で の イスラム 学校 の 校舎 落成 式 で は 女 は ヘジャブ 、 男 は 白い ハジ 帽 を かぶって いた 。 海外 から の 援助 六千 ドル で 落成 した 。 「 イスラム 文化 の 再興 を 」 。 八 歳 から 二十 歳 まで の 生徒 百五十 人 を 前 に ウスマン 副 宗教 相 が 演説 し 、 州 内 五十 村 で イスラム 学校 の 新 ・ 改築 が 続く 。 カンボジア で の 長い 戦火 は 、 メコン を 開発 から 遠ざけ 、 川 を 汚染 など から 隔離 して きた 。 川面 を 流れる ゴミ は 少なく 、 魚影 は 濃い 。 「 寺院 も 学校 も 新築 さ れた 。 若い 世代 に イスラム の 心 が 育って いる 」 。 メコン の 川辺 の 漁村 で 出会った イスラム 学校 の 校長 の 声 は 弾んで 聞こえた 。 タイ 北部 の ノンカイ と 「 友情 の 橋 」 で 結ばれた ラオス の 首都 ビエンチャン は 、 わずか 半年 で 様子 が 一変 して いた 。 フランス 人 と タイ 人 の 観光 客 が 、 めっきり 増え 、 店 じまい が 早かった 商店 街 は 、 夜 遅く まで 営業 。 地方 旅行 も 自由 化 さ れ 、 カンボジア 国境 に 近い メコン 川 で は 、 “ 冒険 クルーズ ” に 挑戦 する 観光 客 を 募って いる 。 ラオス 政府 の 開発 の 柱 は 、 メコン 水系 の 水力 発電 と 観光 開発 だ 。 現在 最大 の ナムグム ・ ダム の 電気 は タイ に 輸出 さ れ 、 外貨 の 四分の一 を 稼ぐ 。 二十一 世紀 初頭 まで に 、 大型 水力 発電 所 を 二十数 カ所 建設 。 発電 能力 で 約 四十 倍 、 電力 量 で は 約 六十 倍 も 増やし 、 電気 を 売って 経済 発展 を もくろむ 。 この 巨大な ダム 建設 が 、 森林 破壊 や 村 の 水没 など 環境 問題 だけ で なく 、 下流 域 で の 海水 の 浸入 や 洪水 など の 問題 を 引き起こす 。 ビエンチャン から 北 へ 二百 キロ の 古都 ルアンプラバン でも 、 近代 的な ホテル が 建ち 、 観光 当局 は メコン 川 の 観光 資源 開発 に 乗り出した 。 例えば 、 メコン の 川岸 に ある ラオス 民族 伝統 の 「 酒造り の 村 」 の 見学 だ 。 川岸 に 数百 本 の つぼ が 並び 、 辺り 一面 焼酎 の 香り 。 発酵 さ せた もち米 を ドラム缶 に 入れ 、 たき火 で 加熱 。 発生 した 蒸気 を メコン の 冷水 で 冷やして 蒸留 酒 を 造る 。 古都 から 南 へ 約 三十 キロ の 山奥 に ある モン 族 の 村 は 、 五十 世帯 約 三百 人 の 貧しい 小さな 村 で 、 男 たち は 出稼ぎ に 出て ひっそり 。 目 の 病気 に かかり 栄養 失調 に なった 子 が 多い 。 観光 当局 は 、 道路 を 整備 し 、 観光 コース に 入れる 計画 だ が 人々 は あまりに も 貧しい 。 ラオス 政府 の 依頼 で 、 環境 セミナー を 開いて いた タイ ・ チュラロンコン 大学 の チャイアナン 教授 は 、 数 年 後 に 完成 する ビエンチャン から の 国道 を 町 に 直結 さ せ ず 、 「 観光 客 は ボート で 町 に 入る 交通 規制 」 を 提案 。 「 タイ の 交通 公害 の 二の舞い に なら ぬ ように 」 と 啓もう に 力 を 入れて いる 。 メコン 川 流域 の 開発 は 、 下流 域 の タイ 、 カンボジア 、 ベトナム 、 ラオス の 四 カ国 を 対象 に 一九五七 年 に 発足 した メコン 委員 会 で 計画 さ れた の が 最初 。 国連 や 日 米 欧 諸国 の 支援 で 、 総合 開発 の 立案 、 基礎 データ 収集 、 支流 で の ダム の 建設 など の 成果 を 上げた 。 しかし 七五 年 の サイゴン 陥落 で 休眠 状態 に 。 九二 年 の カンボジア 和平 を 機 に 新しい 定款 作り に 入った が 、 ベトナム と タイ が 対立 、 活動 が 再開 でき なかった 。 この ため 九四 年 末 、 国連 開発 計画 が 仲介 し 、 別途 「 メコン 委員 会 」 を 設立 する 形 で 、 再 出発 する こと に なった 。 一方 、 アジア 開発 銀行 は 上流 域 の 中国 と ミャンマー を 加えた 六 カ国 で 、 既存 の 道路 を 基礎 に 「 拡大 メコン 地域 」 の 道路 、 港 、 通信 、 電力 開発 を 促進 する セミナー を 積み重ね 、 九四 年 九 月 、 六 カ国 が 、 バンコク ― プノンペン ― ホーチミン ― ブンタオ を 結ぶ 道路 、 タイ 東北 部 から ラオス 南部 の メコン 川 を 越え 、 ベトナム 海岸 へ 横断 する 道路 など 六 件 を 優先 プロジェクト と して 推進 する こと を 決めた 。 この うち 、 タイ 北部 の チェンライ を 基点 に ラオス 、 景洪 、 ミャンマー を 結ぶ 「 成長 の 四角 地帯 」 の 道路 建設 が 、 各国 政府 や 民間 の 投資 に よって 開始 さ れた 。 日本 は 東南 アジア 諸国 連合 を 含む 「 インドシナ 総合 開発 フォーラム 」 を 提唱 して いる が 、 まだ 準備 段階 に ある 。 雨期 明け の メコン ・ デルタ は 、 農家 の 玄関 先 まで 運河 の 水 が 広がって いた 。 小さな ボート でも 、 スピード を 出し 過ぎる と 、 さざ波 が 農家 の 土間 に 入り込む 。 私 たち は 、 運河 を ゆっくり 進んだ 。 熱帯 の 樹木 と 水草 を かき分け 、 丸木橋 を くぐり抜ける と 突然 、 フランス 植民 地 時代 の 教会 が そびえ 、 真っ白な アオザイ の 少女 が すっくと 立って いる の が 目 に 入って きた 。 小舟 の 農夫 、 木陰 で 遊ぶ 子供 たち が 手 を 振って あいさつ を 求めて くる 。 メコン の 民 は 、 見事に 自然 と 調和 して 生きて いた 。 「 デルタ の 農民 は 豊かに なり ました ね 」 ベトナム 戦争 が 終わり 、 共産 化 が 始まった 一九八〇 年 、 同じ カント を 訪れ 、 農民 の 暗い 表情 を 記憶 して いる から 、 なおさら 、 その 変化 に 驚いた 。 「 いや 、 そんな こと は あり ませ ん 」 と カント 大学 農業 システム 訓練 所長 の チャン ・ タイン ・ ベ さん は 、 言葉 を 遮り 、 いく つ か の データ を 示した 。 ベトナム の コメ 生産 は 急速に 伸び 、 ここ 数 年 、 輸出 で 外貨 を 稼ぐ まで に なった 。 デルタ 農民 の 汗 の 結晶 だ 。 だが 、 実質 所得 は 激減 して いる 。 「 生産高 は 増えた が 、 つぎ込む 家族 労働 、 肥料 、 農薬 の コスト 、 税金 を 割り引く と 、 農民 の 収入 は 一 日 わずか 一・七 ドル 。 これ は ホーチミン の シクロ の 運転手 が 一 回 で 稼げる 」 と いう 。 家族 労働 に 支え られた 伝統 的な 単作 、 農薬 の 高騰 と 農薬 投入 に よる 生産 性 の 低下 、 かんがい ・ 土地 改良 の 不備 、 機械 化 の 遅れ 。 デルタ 農民 が 抱える 課題 は 途方 も なく 大きく 、 「 日本 の ような 近代 農業 に 、 太刀打ち でき ない 。 土地 を 手放す 農民 が 増える の も 当然です 」 と 同 所長 は 嘆く 。 ベトナム 政府 は 「 穀倉 地帯 」 を 開発 する 基本 計画 を まとめた 。 しかし 道路 、 橋 など の 輸送 網 と かんがい 設備 に 膨大な 費用 が かかり 、 まだ 夢 の 世界 。 同 大学 で は 土地 を 売ろう と する 農民 に 、 多角 経営 や 有機 農業 を 指導 して いる 。 カント 、 ビンロン 、 ミト の 近郊 の 村 を 訪れて みる と 、 農民 たち は すでに さまざまな 多角 経営 で 家計 を 支えて いた 。 小舟 を チャーター する と 、 船頭 たち は 必ず 果樹 園 農家 に 案内 して くれる 。 庭先 で 、 栽培 した 熱帯 フルーツ と お茶 の サービス を 受け 、 観光 客 は 農民 と おしゃべり する 。 客 は ささやかな チップ を 置いて 帰る 。 ただ それ だけ の サイド ビジネス だ が 、 ベトナム 戦争 を くぐり抜けて きた 一家 の 歴史 と 生活 、 メコン ・ デルタ の 将来 など 、 農民 が 語りかける 話題 は 、 どこ の 家 でも 興味 が 尽き なかった 。 ミト で お 世話に なった 女性 通訳 の グエン ・ レ ・ ホア さん は 「 南北 送電 線 の 開通 で 、 デルタ の 無 灯火 村 に 電気 が 通じる ように なり ました 」 と 中州 の 島 を 指さした 。 その 島 に ある 彼女 の 実家 を 訪問 する と 、 土間 に テレビ が 飾って あった 。 昔 、 サイゴン の 劇場 の 楽団 に いた と いう 父親 が 、 古びた バイオリン の ほこり を 払い 、 突然の 訪問 者 に 、 「 慕情 」 や 「 上 を 向いて 歩こう 」 、 それ に クラシック の 名曲 の 数々 を 奏でて くれた 。 貧しい が 、 メコン ・ デルタ の 農民 は 、 世界 に 開けて いる と 思った 。 開発 の 熱風 が 吹き始めた メコン 流域 で 、 いま 何 が 起きて いる のだろう か 。 ベトナム の メコン ・ デルタ から 中国 ・ 雲南 省 の 景洪 まで 、 飛行機 、 ボート 、 車 を 乗り継いで 川 を さかのぼった 。 デルタ の 農民 、 カンボジア の チャム 族 、 ラオス 、 ミャンマー の 山岳 民族 に も 会い 、 文化 遺産 を 継承 する 人々 と メコン 川 の 将来 に ついて 語り合った 。 黄金色 の 陸稲 の 海 で 、 民族 衣装 姿 の ヤオ 族 の 老いた 女性 が カマ で 穂先 を はねる 。 ラオス 国境 に そびえる 山並み が 眼前 に 迫る 。 タイ 北部 パヤオ 県 パーデーン 村 。 四十 世帯 三百十九 人 の ヤオ 族 の 村 から 、 男衆 が 消えた 。 三 年 前 、 台湾 や シンガポール から 求人 者 が 飛んで 来た 。 中国 語 を 理解 する の が 買わ れた のだ 。 土地 を 担保 に 四万 から 七万 バーツ を 借金 し 、 台湾 や シンガポール へ 出稼ぎ に 出た 。 十六 年 前 、 政府 に 国境 の 山 を 追わ れた 村人 は 、 この 地 に 定住 して 、 焼き畑 農業 を 続けて きた 。 が 、 この 辺り は 近く 国立 公園 に 昇格 する 。 洞くつ の そば の 農地 一 ヘクタール の 耕作 が 禁じ られた の は つい 最近 。 「 農業 が でき なく なる ので は 」 と 出稼ぎ を 加速 さ せる 。 三 世帯 十二 人 の 大 家族 の コーイ さん 宅 で は 、 父 と 夫 が 台湾 に 。 月 二万 バーツ の 仕送り が 届く 。 出稼ぎ 世帯 の 大半 は 、 テレビ や バイク を 買う が 、 夫 の 手紙 に は 「 仕事 が きつい 。 帰り たい 」 の 文字 。 「 野良 仕事 も 力 仕事 も 女 だけ で は 滞る …… 。 時代 の 流れ か 」 と ナイフェー 村長 。 東北 地方 の タイ 人 と 同様に 、 少年 たち は 学校 を 出る と 、 都会 に 職 を 求める 。 タイ 北部 を 歩く と 、 もはや 天然 林 が 消滅 して いる こと が 分かる 。 山 の 民 は 山 を 追わ れ 、 焼き畑 や 狩猟 生活 の 時代 は 終わった 。 民族 衣装 を 着て いる の も 、 観光 コース 周辺 の 山岳 民族 の 村 だけ だ 。 開発 に 伴う 生活 環境 の 変化 の 中 で 、 ゆがみ も 生じた 。 売春 、 麻薬 中毒 、 エイズ …… 。 「 開発 の 波 が ラオス や ミャンマー 、 中国 に 拡大 して いる 。 開発 の ゆがみ を 知る 人々 は 、 そうした 国 の 人 たち と 会い 、 経験 を 伝える 必要 が ある 」 。 個人 ボランティア と して 山岳 民族 問題 に 取り組んで きた 豊田 武雄 さん は 言う 。 「 娘 たち の 教育 プログラム 」 の リーダー 、 ソンポップ 氏 も 賛同 者 の ひとり 。 山岳 民族 の 村 から 、 貧困 の 娘 、 約 百五十 人 を 寄宿 さ せて 学校 に 送り 、 職業 訓練 所 で は 周辺 の 村 の 娘 たち に 、 宝石 加工 や 裁縫 、 コンピューター 操作 を 教える 。 「 理念 の ない 開発 に は 反対だ 。 自然 や 文化 を 守る 一方 で 自立 の 道 を 模索 し 、 開発 の 荒波 に 負け ない 心 と 体 を つくり たい 」 と ソンポップ 氏 。 模索 は 続く 。 メコン の 旅 の ささやかな 冒険 は 、 ラオス 国境 から 中国 ・ 雲南 省 に 入る こと だった 。 ラオス 北部 は 山 が 深い うえ 、 外国 人 に よる 国境 越え は 不可能 、 と さ れて いた 。 不安 は 残った が 、 まず 、 空路 ルアンプラバン へ 。 ここ から モーターボート で メコン 川 と 支流 の ハン 川 を 約 三 時間 。 ヘルメット に ライフ ジャケット を 着込んで 、 岩場 だらけ の 渓流 を 一気に 上り 、 通称 「 中国 橋 」 の 架かる 山村 に 着いた 。 そこ から トラック に 揺られ 約 十 時間 。 国境 の 村 で 一 泊 。 翌朝 、 検問 所 で 恐る恐る パスポート を 出す と 、 両 国 いずれ の 係官 も 、 首 を ひねった 末 、 通過 を 許可 して くれた 。 国境 から 約 百七十 キロ の 景洪 は 「 中国 雲南 省 ・ 西双版納 〓 族 自治 州 」 の 州都 で 、 タイ 人 の 元祖 、 〓 族 が 住む 、 いわば タイ 人 の 故郷 だ 。 一 年 前 に 中国 側 から 訪れた こと が あった 辺境 の 街 は 、 外資 系 ホテル 、 レストラン が 急増 。 中国 から の 流民 も 増え 、 一 大 観光 都市 と して 脚光 を 浴びて いた 。 「 インドシナ 半島 から 世界 市場 へ 」 を 目指す 雲南 省 は 、 ベトナム 、 ラオス 、 ミャンマー と の 国境 貿易 で 中国 商品 の 売り込み に 成功 。 上海 や 広東 方面 から の 中国 人 旅行 者 も 、 うなぎ登り に 増えた 。 中国 に は 漢族 以外 に 五十五 の 「 少数 民族 」 が いる が 、 この 地方 で 代表 的な 〓 族 、 ハニ 族 、 アカ 族 の 村 を 訪れる と 、 経済 発展 で 伝統 文化 の 衰退 が 急速に 進んで いる ように 見えた 。 景洪 の 市場 に は 、 一 年 前 まで 、 日本 文化 の 源流 を 思わ せる ナレズシ など 〓 族 の 民族 食 が 並んだ 市場 が あった 。 だが この 市場 は 、 観光 客 向け の 近代 的な 商店 街 に 改装 中 。 街 から 五十 キロ 離れた 泰 族 の 村 で さえ 、 高床 式 の 独特の 家 が 、 近代 的な レンガ 造り に 改築 中 だった 。 「 農家 の 所得 が 増えた ので 、 長持ち する レンガ 造り に する の は 当然です 」 と 漢族 の 女性 通訳 、 唐 順芳 さん が 説明 する 。 四川 省 など から 来た 人力車 の 女性 運転手 、 それ に 売春 婦 も 目立つ 。 民族 衣装 で 観光 客 に 物ごい する 子供 たち の 姿 も 、 これ まで なかった もの だ 。 少数 民族 の 調査 に 来て いた 東京 外国 語 大学 アジア ・ アフリカ 言語 文化 研究 所 の クリスチャン ・ ダニエルス 助教授 は 「 少数 民族 が 伝統 を 失い つつ ある の は 確かだ が 、 彼ら は 異 文化 と 接し ながら も 、 たくましく 伝統 を 維持 して きた 。 いま 、 古い もの に 代わる 新しい アイデンティティー を 模索 して いる と 思う 」 と 話した 。 少し だけ 気 が 休まる 思い は した が …… 。 無 資格 の 司法 修習 生 が 違法 の 疑い の ある 取り調べ 修習 から 刑事 裁判 で の 冒頭 陳述 まで して いた 問題 で 、 最高裁 の 司法 研修 所 は 三十一 日 まで に 、 「 冒頭 陳述 の 修習 は 適切で ない 」 と して 近く 法曹 三 者 に 冒陳 修習 を 行わ せ ない よう 異例の 通知 を 出す こと を 決めた 。 さらに 、 形がい化 が 指摘 さ れる 同 研修 所 の 修習 六 原則 に ついて も 「 原則 の 順守 」 を 改めて 要請 する 。 また 、 日本 弁護 士 連合 会 も 修習 生 の 冒頭 陳述 は 刑事 訴訟 の 手続き を 踏み外した もの と の 見方 を 強め 、 全国 の 単位 弁護 士 会 を 通じて 、 取り調べ 修習 も 含めた 実態 調査 に 乗り出す 方針 。 今後 、 検察 側 から 修習 生 に よる 冒陳 朗読 の 申し入れ が あって も 、 承諾 し ない ように 徹底 を 図る 。 司法 修習 の あり 方 が 見直さ れる 動き が 出て きた 。 これ まで に 明らかに なった 盛岡 地裁 など の 例 で は 、 検察 官 が 裁判 官 に 修習 生 に よる 冒頭 陳述 書 の 朗読 の 承諾 を 求め 、 裁判 官 は 被告 ・ 弁護人 の 了解 を 得て 許可 した 形 を とって いる 。 司法 研修 所 が 、 冒陳 修習 を 「 適切で ない 」 と した 理由 は 、 ( 1 ) 刑事 裁判 の 主な 手続き は 裁判 官 、 検察 官 、 弁護 士 が 行う もの ( 2 ) たとえ 検察 官 の 代読 と して も 、 許さ れ ない と する 意見 が ある ( 3 ) 公開 の 法廷 で 、 市民 ら 傍聴 者 の 理解 が 必ずしも 得 られる と は 限ら ない ―― の 三 点 。 また 、 日弁連 は 取り調べ 修習 に ついて 、 各 弁護 士 会 が 、 検察 官 の 取り調べ を 修習 生 が 傍聴 する 方式 など 六 原則 を 踏まえた 修習 に なる ように 、 地元 検察 庁 と 協議 を 進める と して いる 。 司法 修習 生 の 冒頭 陳述 は 問題 に なる 場合 も ある ので 、 こちら の 見解 を 関係 機関 に はっきり 伝え たい 。 実施 時期 は 未定 。 国籍 条項 の 撤廃 は 都道府県 レベル で は 前例 が なく 、 大阪 、 神戸 、 横浜 、 川崎 の 政令 指定 四 都市 が 、 通訳 など 国籍 条項 が ない 専門 職 を 設けて いる 。 自治労 本部 に よる と 高知 市 、 大津 市 など 全国 約 三 割 の 市町村 が 撤廃 して いる と いう 。 法務 省 に よる と 九三 年 末 現在 の 国 内 の 外国 人 登録 者 数 は 百三十二万七百四十八 人 。 高知 県 内 は 九四 年 六 月 現在 で 二千三十四 人 。 ◆ 新年 あけ まして おめでとう ございます 。 暦 が 改まり 、 清新な 気持ち で 迎えた 95 年 は 統一 地方 選 を はじめ と する 選挙 と 戦後 半 世紀 の 節目 の 年 。 本日 から の 連載 「 列島 ロジー 」 は 、 「 地方 」 の 視点 で そんな 時代 を 問い 直そう と いう 企画 です 。 今年 も 読者 の みなさん と ともに 考える 新聞 づくり を 心掛け ます 。 よろしく 。 ◆ その 「 戦後 50 年 」 。 この 間 、 基地 の 提供 以外 に 戦争 を 経験 し ない 日本 です が 、 半 世紀 前 の 出来事 を 忘れ ない 声 が まだ アジア 各地 に 。 遠い 過去 の こと 、 と する に は あまりに 重い 負債 。 時間 の 闇 に 隠さ れた まま の こうした 歴史 の 発掘 も 新聞 記者 の 重要な 仕事 の ひと つ 、 と 思い も 新たに 正月 を 迎え ました 。 サンパウロ 在住 の 日 系 ブラジル 人 博物 学者 、 橋本 梧郎 さん が 六十 年来 収集 の 個人 蔵 で は 世界 一 と いう 約 十五万 点 の 植物 標本 を 保存 しよう と 、 日 伯 の 関係 者 ら が 現地 で 標本 館 建設 に 立ち上がった 。 植物 遺伝子 資源 の 宝庫 ・ ブラジル の 植物 研究 に 役立つ と 期待 さ れる 。 今夏 に は 第 一 期 工事 完了 を 目指し 、 募金 活動 を 行って いる 。 橋本 さん は 静岡 県 出身 。 二十 歳 で 渡 伯 。 日本 でも 植物 採集 に 熱心だった が 、 農事 試験 場 など に 勤め ながら ブラジル の 植物 研究 に 打ち込み 、 一九五〇 年 に サンパウロ 博物 研究 会 を 設立 した 。 在野 の 研究 者 だ が 、 「 ブラジル の 果実 」 など の 著作 も 多く 、 その 実績 は 内外 に 知ら れて いる 。 広い ブラジル の 全域 で 橋本 さん が 収集 した 植物 標本 の 中 に は 、 ダム 建設 で 原野 が 水没 して 姿 を 消した 種類 も あり 、 学術 的に も 貴重 。 サンパウロ 郊外 の 土地 を 会員 が 提供 し 、 総 予算 十万 ドル で 二 年 計画 で 建設 する こと に なり 、 日本 の 関係 者 に も 協力 依頼 。 これ に 呼応 して 日本 植物 園 協会 の 元 副 会長 、 坂崎 信之 さん ら 、 同 会 など 植物 関係 者 が 「 協力 する 会 」 を 昨秋 に 結成 。 年 末 に は 個人 的に 集めた 一万八千 ドル を 第 一 次 分 と して 届けた 。 同 会 の 連絡 先 は 電話 06・471・3300 。 三十一 日 午前 九 時 五 分 ごろ 、 滋賀 県 守山 市 大林 町 の 県道 交差 点 で 、 同県 草津 市 平井 二 、 左官 、 山元 茂樹 さん 運転 の 軽 乗用車 と 京都 市 山科 区 四ノ宮小金塚 、 会社 員 、 伊藤 嘉浩 容疑 者 運転 の 四輪駆動車 が 出合い頭 に 衝突 。 山元 さん と 、 同乗 の 妻 晴子 さん の 二 人 が 胸 や 頭 を 強く 打ち 間もなく 死亡 、 伊藤 容疑 者 も 軽い むち打ち症 。 守山 署 の 調べ で は 、 伊藤 容疑 者 が わき見 を して 赤 信号 を 無視 し 交差 点 に 進入 した らしい 。 同 署 は 、 伊藤 容疑 者 を 道交法 違反 など で 現行 犯 逮捕 した 。 鴨緑江 北朝鮮 と 中国 の 国境 を 南西 に 流れ 、 黄海 に 注ぐ 。 全長 790 キロ 。 日本 統治 下 で 発電 事業 が 始まり 、 両 国 工業 地帯 に 電力 を 供給 する 。 大正 時代 の 日本 で は 、 川 の いかだ 流し の 歌 「 鴨緑江 節 」 も 流行 した 。 三十一 日 午後 七 時 五十 分 ごろ 、 グアム 発 サイパン 経由 関西 空港 行き コンチネンタルミクロネシア 航空 975 便 が 、 同 空港 に 着陸 直前 、 操縦かん の 油圧 系 に オイル 漏れ が 見つかり 、 機長 が 管制 官 に 緊急 着陸 を 要請 。 同 機 は 無事 着陸 した が 、 誘導 路 に 入った 直後 に 操縦かん が きか なく なり 、 スポット 手前 で 停止 。 スポット まで けん引 さ れる まで の 約 十 分間 、 滑走 路 が 閉鎖 さ れた 。 機体 トラブル に 伴う 滑走 路 の 閉鎖 は 開港 後 初めて 。 後続 の 運航 に 支障 は なかった 。 三十一 日 夜 から 一 日 朝 に かけ 、 関西 国際 空港 に は イベント や 初 日の出 を 楽しむ たくさんの 若者 や 家族 連れ が 繰り出した 。 南海 、 JR の 連絡 鉄道 が 終夜 運行 した ほか 、 レストラン など 六 店 も 初めて オールナイト 営業 。 関西 空港 駅 コンコース で 開か れた コンサート で は カウントダウン に 続き 、 観客 約 二千 人 が 「 ハッピー ・ ニュー ・ イヤー 」 の 大 歓声 で 九五 年 を 迎え 、 二十四 時間 空港 の 熱気 を 感じ させた 一方 、 初もうで 客 も 各地 の 社寺 に 詰めかけた 。 例年 、 大 混雑 する 大阪 市 住吉 区 の 住吉 大社 で は 、 三十一 日 午後 十 時 の 開門 と 同時に 、 待ち構えて いた 初もうで 客 が 繰り出し 、 境内 は 人波 で 埋まった 。 同 大社 の 参拝 客 は 午前 零 時 現在 、 昨年 より 約 三万八千 人 少ない 約 六万七千 人 だった 。 三十一 日 午後 三 時 五十 分 ごろ 、 京都 市 南 区 東九条 河辺 町 、 廃品 回収 業 、 加藤 二郎 さん から 、 「 自宅 一 階 居間 の ガラス 製 の 人形 ケース が 壊れ 、 壁 に 弾痕 の ような 穴 が あいて いる 」 と 一一〇 番 通報 が あった 。 九条 署 の 調べ で は 、 居間 の 雨戸 、 ガラス 窓 を 貫通 して 壁 に 達した 穴 の ほか 、 二 階 の 屋根 の ひさし 、 外壁 に それぞれ 一 カ所 ずつ 計 三 カ所 に 弾痕 が あった 。 銃弾 は 見つかって い ない 。 同 署 は 発砲 事件 と みて 捜査 。 加藤 さん の 妻 菊子 さん が 「 午前 二 時 から 三 時 ごろ 、 ドーンと 物 が 倒れる ような 音 が した 」 と 話して おり 、 関連 を 調べて いる 。 教員 や 会社 員 ら で つくる サイクリング グループ 「 兵庫 県 石子路 之 会 」 が 今年 八 月 、 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 の 首都 ・ 平壌 から 北上 、 国境 を はさんだ 中国 ・ 丹東 まで の 約 二百 キロ を 自転車 で 走破 する 。 北朝鮮 は 今年 四 月 、 プロ レスラー や プロ ボクサー を 招き イベント を 計画 する など 、 開放 政策 を 模索 して いる が 、 外国 人 に 国 内 の 自転車 旅行 を 認める の は 初めて 。 神戸 市 中央 区 、 元 高校 教師 で 同 会 会長 の 小池 啓納 さん ら で 、 一九八〇 年 夏 の 南京 ― 揚州 間 を 最初 に 、 毎年 夏 に 中国 で 長 距離 サイクリング を 重ね 、 九二 年 夏 に は シルクロード 四千 キロ を 走破 。 サイクリング を 通じて 日 中 交流 に 努めて きた 。 今回 の 北朝鮮 サイクリング は 、 この 大陸 サイクリング の 一環 で 、 社会党 関係 者 を 通じて 北朝鮮 に 計画 を 打診 。 中国 で の 実績 から 中国 政府 も 北朝鮮 政府 に 働きかけ 、 神戸 の 朝鮮 総連 兵庫 県 本部 も バックアップ 。 北朝鮮 側 も 、 同 時期 に 、 社会党 関係 者 に 交流 事業 を 打診 して きて いた こと も あり 、 受け入れ に 積極 姿勢 を 示し 、 細部 の 詰め に 入って いる 。 計画 で は 、 北京 経由 で 平壌 入り 。 平壌 から サイクリング で 西部 の 海岸 沿い に 北上 、 新義州 から 国境 の 鴨緑江 を 渡り 中国 遼寧 省 ・ 丹東 まで の 約 二百 キロ を 、 一 、 二 泊 し ながら 走破 する 。 コース の 大部分 は 、 外国 人 の 立ち入り 禁止 地域 に 指定 さ れて おり 、 この 点 から も 画期的 。 小池 さん は 「 近い 将来 、 韓国 の 釜山 から ソウル 、 平壌 、 北京 まで の 約 四千 キロ を 走破 する 足掛かり に し たい 」 と 意気込んで いる 。 パフォーマンス ・ ベースド ・ レートメーキング の 略 。 米国 の ガス 会社 で この 2 、 3 年 の 間 に 試験 的に 実施 さ れて いる 仕組み 。 料金 規制 当局 と 公益 事業 者 が 、 一種 の 社会 契約 を 結んだ と いう 考え に 立つ もの で 、 経営 効率 化 促進 の ため の 社会 契約 インセンティブ 規制 と も 言わ れる 。 効率 化 の 自主 目標 を 上回った 効率 化 分 を 事業 者 と 利用 者 が 分かち合う こと や 、 事業 者 に よって 料金 が 違う こと など が 、 日本 の 社会 に 適合 する か どう か の 問題 が 残さ れて いる 。 通産 省 ・ 資源 エネルギー 庁 は 、 欧 米 と 比べて 二 倍 前後 高い ガス 料金 を 少し でも 引き下げる ため 、 料金 制度 見直し の 大枠 を 固めた 。 コスト を 積み上げて 算定 する 「 総括 原価 方式 」 を 修正 、 ガス 会社 が 経営 効率 化 の ため の 自主 的な 努力 目標 を 公表 し 、 これ を 基 に 一定 期間 経営 を した うえ で 、 目標 の 実現 度合い に 応じて 料金 を 設定 する 「 事業 成果 に 基づく 料金 制度 」 を 導入 する 方向 で 、 細部 の 詰め に 入った 。 目標 を 超えて 達成 すれば 、 その 上乗せ 分 の 一部 を ガス 会社 の 利益 に 還元 し 、 一部 を 料金 引き下げ に 活用 する こと も 検討 し 、 合理 化 促進 を 図る 。 また 、 原油 価格 や 為替 の 変動 が 一定 幅 を 超えれば 、 自動 的に 料金 を 変える こと の できる 燃料 費 調整 制度 を 導入 する 。 現行 の 総括 原価 方式 を 見直す の は 、 ガス 事業 法 が 制定 さ れた 一九五四 年 以来 、 四十一 年 ぶり 。 通産 相 の 諮問 機関 である 総合 エネルギー 調査 会 都市 エネルギー 部会 の 料金 制度 分科 会 を 十二 日 に 開き 、 この 大枠 を 論議 、 了承 が 得 られれば 、 同 分科 会 が 今月 下旬 に も まとめる 中間 取りまとめ に 盛り込ま れる 。 通産 省 は 当初 、 上限 価格 を 定めて 、 それ 以上 、 合理 化 努力 を すれば 利益 が 出る プライス キャップ 方式 の 導入 を 検討 して いた 。 しかし 、 合理 化 努力 を 政府 が 決める こと が 難しい こと や 、 設備 投資 の 評価 に 難点 が ある こと から 導入 を 断念 した 。 また 、 電気 料金 で 導入 が 決まった 「 ヤードスティック 方式 」 も 、 全国 に 二百四十四 も ある ガス 会社 を グループ 分け して 、 基準 コスト を 算定 する こと が 難しい ため 、 採用 を 見送る 。 この ため 、 規模 が 均質に 近い 電力 会社 と 違って 、 大手 から 中小 まで 規模 、 経営 内容 が 多種多様な ガス 事業 の 特性 に 配慮 し 、 各社 が 自主 目標 を 表明 する 方式 を 採用 する 方向 を 固めた 。 自主 目標 に ついて は 、 人件 費 、 修繕 費 、 諸 経費 、 設備 投資 の 効率 性 など が 検討 さ れて いる 。 自主 目標 の 設定 に 当たって は 、 過度に 不当な 場合 は 、 通産 省 が チェック する 。 自主 目標 を 上回って 、 事業 効率 が アップ した 場合 は 、 その ガス 会社 の 利益 増 と 料金 引き下げ に 活用 。 下回った 場合 は 、 増加 コスト 分 全部 を 料金 で カバー せ ず 、 ガス 会社 の 利益 を 減少 さ せる ように 料金 を 設定 する 。 1 日 、 グロズヌイ から 避難 する ため 、 郊外 で 母親 と 車 の 中 で 父親 が 来る の を 待つ チェチェン の 子供 。 空 に は 破壊 さ れた 石油 精製 所 から の 黒煙 が 漂う = ロイター ロシア 軍 と ドゥダエフ 政権 部隊 と の 激しい 戦闘 が 展開 さ れて いる ロシア 南部 チェチェン 共和 国 の 首都 グロズヌイ 攻防 戦 に ついて ロシア 政府 は 一 日 夜 、 ロシア 軍 が グロズヌイ を ほぼ 制圧 した と 発表 した 。 しかし ドゥダエフ 政権 部隊 は 頑強に 抵抗 、 双方 の 死者 は 数百 人 に 達する 見込み だ 。 二 日 に は 同 部隊 の 反撃 に より ロシア 軍 が 敗走 した と の 情報 も ある 。 首都 攻防 戦 は 三十一 日 から 始まり 、 同日 夜 まで に ロシア 軍 戦車 部隊 が 大統領 官邸 など を 攻略 。 ロシア 政府 は 一 日 夜 、 首都 掌握 を 発表 、 グラチョフ 国防 相 も 同 夜 、 「 グロズヌイ の 中心 部 を 含め 多く の 地区 および 首都 周辺 を 連邦 軍 の 完全な 支配 下 に 置いた 。 市 内 の 掃討 作戦 は 五 ― 六 日 続く 」 と 明らかに した 。 首都 で の 戦闘 は 二 日 も 続き 、 インタファクス 通信 は ロシア 内務 省 、 同 国防 省 の 発表 と して 「 首都 中心 部隊 の 重要 施設 の 掌握 は 続いて いる 」 と 伝えた 。 しかし 、 チェチェン 側 の 反撃 も 激しく 、 AFP 通信 に よる と チェチェン 政権 部隊 の モシャドフ 総 司令 官 は 二 日 、 ロシア 軍 が 首都 から 敗走 した と 語った 。 戦後 五十 年 の 一九九五 年 。 衆院 の 選挙 制度 も 変わり 、 政治 は 大きな 節目 を 迎えて いる 。 毎日 新聞 社 が 昨年 暮れ に 行った 全 衆院 議員 の アンケート 結果 を もと に 政治 の 在り 方 など に ついて 、 自民 、 社会 、 さきがけ の 与党 三 党 と 、 野党 ・ 新進党 の 党首 クラス に 聞いた 。 今度 の 選挙 制度 改革 は 七十 年 ぶり の こと 。 国民 に は 衆院 は 中 選挙 区 が 最も 慣れ 親しんで いる 。 だから 、 第 一 に 、 選ぶ 側 の 立場 を 考え 、 一 カ月間 の 周知 期間 が あって も 、 可能な 限り 国民 が 制度 を 熟知 できる ように し ない と いけない と 思う 。 二 番 目 は 、 この 制度 は 大きな 政党 同士 に 政権 交代 を 可能 なら しめる もの だ 。 与野党 を 含め 候補 者 が きちんと 現れ ない と いけない 。 ただ 政党 だけ で の 善しあし なら 比例 区 だけ で いい こと に なる 。 候補 者 が 確定 さ れ 、 新しい 選挙 区 の 中 で 信頼 さ れ 一 票 を 投じて もらう 機会 を 得る に は 、 今年 早々 と いう の は 不親切だ 。 新進党 が できて 、 その 政策 も 分から ず に 選挙 と は どういう こと か 、 と なる 。 政策 の 判断 を 明らかに する に は 、 通常 国会 、 来年 の 通常 国会 の 二 回 の 国会 の 論戦 を 通じて 、 国民 が 政策 を 明確に 理解 できる 来年 の 秋 ごろ に 行う べきだ 。 ただ 、 首相 が 決める こと で 、 今 言った の は そう ある べきだ と の 主張 。 いつ ある か は 政治 情勢 に よる 。 内閣 不 信任 案 が 可決 さ れる 状況 が 生まれる か どう か 。 少なくとも 可決 さ れる なら 総 辞職 で は なく 解散 を 断行 す べきだ と 要請 する つもりだ 。 選挙 制度 が 確定 し 、 各 党 の 候補 者 が 決定 する と 、 事実 上 選挙 戦 に 入る 。 ただ 衆院 解散 ・ 総 選挙 を 、 今 やる 理由 は ない 。 ある と すれば 、 制度 が 変わった と いう こと しか ない 。 しかし 、 経済 が 回復 基調 に 乗る 時 、 マイナス の 影響 が 大きい 。 「 いつか 」 と 問いかけ られれば 、 「 かなり 先 で いい 」 が 一般 的な 回答 だ 。 しかし 、 実際 に いつ 選挙 が 行わ れる か と 言わ れれば 、 私 は 早い 場合 を 念頭 に 置か なければ なら ない と 思う 。 国民 世論 が どう 動く か 、 候補 者 が どう 動く か 、 行革 など 重要 案件 を めぐる 動き も ある 。 「 しばらく ない 」 と 言って しまう の は 危険だ 。 社会党 に 問題 が あって も 、 与党 が 変わら ない 限り 、 野党 に よって 解散 ・ 総 選挙 と は なら ない 。 通常 国会 は 九五 年度 予算 が 主要 議題 。 政策 課題 は 臨時 国会 で ほとんど 終わった 。 予算 を めぐる 論争 で 、 国論 を 二分 する 状況 は 見いだし がたい 。 世論 を 議会 制 民主 主義 で は 無視 でき ない 。 しかし 、 政権 を 担当 して いる 側 から 「 制度 が 変わった から 出直す 」 と 選挙 を する の は 難しい 。 「 民意 を 問い 直せ 」 の 声 が 高まれば 、 避け られ ない 状況 は あり 得る が 、 今 は そこ まで いって い ない 。 衆院 の 解散 ・ 総 選挙 は 遅ければ 遅い ほど よい 。 細川 内閣 時代 から そう 言って いる 。 新しい 選挙 制度 の 周知 期間 は 、 長ければ 長い ほど よい 。 社会 経済 的に 明るい 展望 を 見いだして から 選挙 を やる べきだ 。 新しい 制度 の 導入 は 一つには 政界 再編 の 促進 と いう 意味 が ある 。 だから 、 目鼻立ち を はっきり さ せて から やる べきだ 。 その ため に も 、 できる だけ 遅く やる べきだ と 思う 。 ねじれ の ある 状態 で 民意 を 問える のだろう か 。 同じ 政党 内 に も 、 政策 課題 で まったく 異なる 考え 方 が ある 。 その 政党 を 支持 する こと が 、 果たして どういう 民意 を 問える と いう の か 。 国連 安全 保障 理事 会 の 常任 理事 国 入り の 問題 でも 、 同一 政党 に 賛成 、 反対の 両方 が ある 。 あらゆる 問題 で 反対 意見 が 同居 して いる 中 で 、 どう やって 民意 を 問える の か 。 ただ パワー ゲーム と して みれば 民意 は 問える 。 自民党 嫌い 、 五五 年 体制 が 嫌い と いった 、 従来 の 意味 で 言えば 。 だが 、 それでは 、 本筋 の 民意 は 問え ない 。 時間 を おいて 、 目鼻立ち を はっきり さ せれば 、 新しい 枠組み 作り が 進行 する 。 また 進行 さ せ なければ なら ない と 思う 。 任期 満了 選挙 を やったら 、 世界 の 国々 は 、 日本 は 民主 主義 の 国 で は ない と 言う 。 選挙 に よって 政権 が 作ら れる の が 民主 主義 と いう 認識 だ 。 自 社 さ 政権 に は 我々 も 驚いた 。 選挙 を 経 ないで 政権 を 続ける こと は 、 手続き なし と いう ことだ から 、 自信 を 持って 政策 の 進行 も でき ない 。 日本 の 政治 の ため に よく ない 。 選挙 で 得する と か し ない と いう こと は 度外視 して 。 今年 は 、 本気で 衆院 の 解散 ・ 総 選挙 を 迫る 。 通常 国会 で は 争点 を はっきり さ せて いく 。 景気 の 落ち込み を どう みる か 。 国際 的な 役割 を どう 分担 する か 。 岐路 に ある 日本 を より 良い 方向 に 導く ため 、 今 ある 枠組み を どのように いつまで に 対応 して いく の か 。 その 辺り を 真 正面 から 議論 して いく こと が 大事だ 。 ただ 、 現実 に 解散 は いつか 、 と いう こと に なれば 、 我々 は 解散 権 を 持って い ない 。 内閣 不 信任 案 を 提出 した から と いって 通る と いう 確信 が ある わけで は ない 。 政治 は 本物 で なくて は なら ない 。 選挙 制度 を つらい 中 で 変えた 。 懸案 を 一時しのぎ と して 処理 した 、 と いう こと で 、 このまま いけば 日本 の 将来 に 禍根 を 残して しまう 。 村山 富市 首相 主催 の 新年 祝賀 会 が 一 日 、 首相 公邸 で 開か れ 、 閣僚 、 自民党 三役 、 官僚 の ほか 、 新民連 に 影響 力 を 持つ 全電通 の 梶本 幸治 委員 長 、 自治労 の 後藤 森重 委員 長 ら 約 六百 人 が 出席 した 。 村山 首相 、 河野 洋平 副 総理 ・ 外 相 、 武村 正義 蔵 相 の 三 党首 に よる 鏡抜き の 後 、 五十嵐 広三 官房 長官 が 「 村山 内閣 が 懸命に 国民 の 皆さん と 活躍 できる ように 」 と 乾杯 の 音頭 を 取った 。 毎日 新聞 社 の 全 衆院 議員 アンケート で 、 憲法 改正 や 国連 安保理 常任 理 入り 問題 に ついて 党派 を 超えた 世代 間 の 共通 性 が 見 られた が 、 将来 の 政界 再編 に 関して は どう だろう か 。 「 衆院 小 選挙 区 比例 代表 並立 制 導入 で 、 近い 将来 、 政界 は どう なる か 」 の 質問 に 対する 回答 を 年代 別 に 集計 して みた 。 目 を 引く の は 四十 代 で 「 二 大 政党 が できて いる 」 の 回答 が 二八 % 。 「 保守 二 党 と 社 民 リベラル 政党 の 政治 勢力 の 三 極 化 が 進んで いる 」 の 二一 % を 上回って いる 。 逆に 五十 代 以降 は 「 三 極 化 」 の 割合 が 高い の も 特徴 と いえ そうだ 。 最も 注目 さ れる の は 「 政情 が 混乱 して いる 」 の 回答 。 二十 ― 三十 代 が 二八 % と 最も 高く 、 年代 が 進む に つれて 、 占める 割合 は 低く なる 。 政界 流動 化 が 進む 中 、 若手 議員 の 不安 を 表す 数字 と いえ なく も ない 。 一方 、 「 二 大 政党 が できて いる 」 と の 回答 は 二十 ― 三十 代 で 一八 % 、 六十 代 で 一九 % 、 七十 歳 以上 で 一三 % と 、 若手 と 長老 議員 で 低い の が 特徴 。 ピーク の 五十 代 で は 「 三 極 化 」 の 回答 と の 差 は 二 ポイント と 対立 して いる のに 、 六十 代 で 一六 ポイント と 急激に 差 が 開いて いる の が 目立つ 。 衆院 に 小 選挙 区 比例 代表 並立 制 が 導入 さ れる こと に なった が 、 新 制度 導入 の 目標 と なった 「 二 大 政党 制 の 実現 」 に は 、 特に 党 運営 の 中核 で ない 若手 と 長老 議員 と が 強い 疑問 を 持って いる と 言え そうだ 。 神奈川 県 箱根 町 の 旅館 で 静養 中 の 村山 富市 首相 は 二 日 、 河野 洋平 副 総理 ・ 外 相 と 「 東京 ・ 箱根 間 往復 大学 駅伝 」 を 観戦 する 予定 だった が 、 風邪 気味 を 理由 に 直前 に なって 取りやめた 。 村山 首相 は 年 末 の 過密 日程 など から 疲れ が 出て いる 模様 。 「 鼻水 が 出て 、 風邪 気味 。 食欲 が ない 」 ため 、 医師 の 往診 を 受けた 後 、 休養 した 。 首相 は 四 日 は 伊勢 神宮 に 参拝 、 十 日 から 訪 米 する が 、 周辺 に よる と 、 疲労 だけ な ので 日程 の 変更 など は ない と いう 。 一方 、 河野 氏 は 早大 在学 中 、 陸上 部 の マネジャー を 務めた こと が ある など 、 駅伝 と の 関係 が 深い 。 往路 の ゴール 地点 に 立ち 、 早大 の 小林 修 選手 が トップ で 入って くる と ガッツ ポーズ を みせて いた 。 小 選挙 区 に 立候補 する に は 現金 三百万 円 か 同額 の 国債 証書 を あらかじめ 最寄り の 法務 局 など に 供託 して おく こと が 必要だ 。 供託 額 は 以前 と 同じだ が 、 一定 の 得票 数 に 達し ない 場合 に 国 が 没収 する 「 供託 物 没収 点 」 は 、 新 制度 で は 「 有効 投票 総数 の 十分の一 」 つまり 得票 率 一〇 % に 切り替わった 。 旧 制度 の 没収 点 は 有効 投票 総数 を 定数 で 割り 、 さらに 五 で 割った 値 。 二 人 区 だった 地域 で は 没収 点 に 変化 は ない が 、 定数 三 以上 の 地域 で は 候補 者 が 「 没収 点 が 上がった 」 と 感じる こと に なり そうだ 。 中 選挙 区 が そのまま 小 選挙 区 と なった 旧 北海道 三 区 。 一九九三 年 衆院 選 で は 七 人 が 立候補 し 、 下位 二 人 の 得票 数 が 没収 点 に 届か なかった 。 新 制度 に 置き換えて みる と 、 没収 さ れ ず に 済んだ 五 位 の 候補 も 没収 対象 に 含ま れて しまう 。 これ まで 三 人 区 で は 得票 率 約 六・七 % で 没収 さ れ ず に 済み 、 四 人 区 で は 五 % 、 五 人 区 で は 四 % 、 六 人 区 で は 約 三・三 % で 没収 さ れ ず に 済んだ 。 この ため 没収 点 は 四 人 区 だった 地域 で は 「 二 倍 」 に 、 六 人 区 の 地域 で は 「 三 倍 」 に はね上がった と 感じ られる だろう 。 供託 制度 は 候補 者 の 乱立 防止 が ねらい と さ れる が 、 没収 点 の “ アップ ” は 立候補 しよう と する 人 に さらに ブレーキ を かけて しまう かも しれ ない 。 ちなみに 九三 年 の 衆院 選 で は 、 立候補 者 の 二 割 に 当たる 百八十七 人 の 得票 数 が 没収 点 に 届か なかった 。 国 内 初 の テレビ に よる デジタル 放送 実験 が 、 早ければ 三 月 に も 、 通信 衛星 を 使って 行わ れる こと が 、 二 日 明らかに なった 。 デジタル 放送 は 一九九四 年 から 米国 で 実用 化 さ れて いる ほか 、 欧州 連合 、 香港 、 韓国 など も 準備 を 進めて いる マルチメディア 時代 の 放送 。 日本 でも CS を 使った デジタル 放送 の 事業 構想 が あり 、 実用 化 に 必要な 放送 方式 を 決定 する ため 、 実験 が 始まる こと に なる 。 実験 主体 は 、 放送 局 、 電機 メーカー 、 電気 通信 事業 者 で つくる 放送 技術 開発 協議 会 。 通信 衛星 の JCSAT ― 2 を 使って 実験 を 行う 。 デジタル 放送 の 技術 標準 に なる 放送 方式 を 検討 して いる 電気 通信 技術 審議 会 に 、 審議 に 必要な データ を 提供 する の が 目的 だ 。 デジタル 放送 は 、 従来 の アナログ 放送 一 チャンネル の 周波 数 帯 で 、 四 チャンネル 以上 を 設定 でき 、 「 電波 の 節約 」 に なる ほか 、 映像 ・ 音声 と 同時に 、 さまざまな データ を 大量に 高速 で 送る こと が できる 。 この ため 、 デジタル 放送 を 使って 、 分厚い カタログ を 送る 通信 販売 や 、 コンピューター ・ ソフト 販売 など の 新 ビジネス が 生まれる と 期待 さ れて いる 。 現在 、 衛星 通信 会社 の 日本 サテライトシステムズ が 事業 企画 会社 を 設立 し 、 CS を 使った 約 五十 チャンネル の デジタル 放送 を 、 九六 年 に も 行う 準備 を 重ねて いる 。 現在 の テレビ など の 地上 波 放送 も 、 二○○○ ― ○九 年 ごろ に デジタル に 転換 する こと が 、 郵政 省 の 研究 会 で 検討 さ れて いる 。 しかし 、 放送 を デジタル 化 すれば 、 放送 局 は 設備 を 更新 し なければ なら ず 、 視聴 者 も デジタル 用 の 受信 機器 が 必要に なる 。 この ため 、 従来 、 放送 業界 は 必ずしも 熱心で は なかった 。 それ が 、 今回 の 実験 で 、 放送 の デジタル 化 へ の 一 歩 が 踏み出さ れる こと に なる 。 自民党 の 渡辺 美智雄 元 副 総理 ・ 外 相 は 二 日 、 栃木 県 大田原 市 内 で 開か れた 後援 会 集会 で 講演 し 、 行政 改革 に ついて 「 内閣 の 命運 を かける べき 問題 だ 。 村山 首相 は 自民 、 さきがけ 、 新進 各 党 の 与野党 の 党首 会談 を 呼び掛けて 協力 を 求める べきだ 」 と 述べた 。 今年 は 五 年 に 一 度 の 国勢 調査 の 実施 年 。 総務 庁 統計 局 は 「 雇用 対策 や 高齢 者 福祉 対策 など の 各種 行政 施策 策定 の 基礎 データ と なる もの 」 と して 、 調査 へ の 協力 を 呼び掛けて いる 。 国勢 調査 は 今年 で 十六 回 目 。 今回 の 調査 対象 は 約 四千四百万 世帯 、 一億二千五百万 人 に 及ぶ と み られる 。 最近 は 、 調査 員 が 夜間 に 回収 など の 作業 で 事件 や 事故 に 巻き込ま れる ケース も 発生 して いる こと から 、 総務 庁 で は 夜間 は 二 人 の 調査 員 が ペア で 行動 できる ように する など の 事故 防止 策 を 充実 。 自民党 、 新進党 、 社会党 、 さきがけ の 理念 、 政策 を 比較 する と ―― 。 自民党 が 昨年 暮れ 、 党 再生 を アピール する 「 自由民主党 新 宣言 」 を まとめ 、 政界 再編 第 二 幕 に 向けた 各 党 の 理念 、 政策 が 出そろった が 、 内容 的に は 四 党 と も 大差 は ない 。 「 二 極 」 あるいは 「 三 極 」 を 分ける 対立 軸 は 不鮮明な まま だ 。 自民党 は 「 新 宣言 」 の 中 で 、 憲法 問題 に ついて 「 新しい 時代 に ふさわしい 憲法 の あり 方 に ついて 、 国民 と ともに 論議 を 進める 」 と 明記 した 。 護憲 、 改憲 両 派 の せめぎ合い の 中 で 字句 修正 を 繰り返し 、 表現 こそ 玉虫色 に なった が 「 自主 憲法 制定 」 と いう 結党 以来 の 党是 を 事実 上 棚上げ した 。 「 国民 と ともに 論議 を 進める 」 と いう 表現 は 、 言わば 「 論憲 」 。 「 タブー なく 論議 を 行う 」 と する 新進党 と の 違い は 分かり にくい 。 基本 理念 も 、 「 自由 」 「 公正 」 「 平和 」 など 似た ような キーワード が 並んだ 。 取りまとめ が 一 番 最後に なった 自民党 の 党 基本 問題 調査 会 幹部 は 「 他党 と 似て いる と 言わ れて も …… 」 と 当惑 する が 、 「 相談 する 学者 も 似た ような もの だ し 、 ある 意味 で 仕方がない 」 と ブレーン が “ 共通 ” した こと を 告白 する 。 行革 、 財政 改革 の 必要 性 でも 、 四 党 の 目指す ところ に 大きな 差 は ない 。 経済 の 空洞 化 が 懸念 さ れる 中 で 、 新 産業 創出 を 経済 政策 の 柱 に 据えて いる の も 一緒 だ 。 違い を 挙げる なら 、 国連 平和 維持 軍 へ の 参加 凍結 解除 問題 。 これ も 新進党 が 「 検討 を 進める 」 、 「 民主 主義 ・ リベラル 新党 」 の 結成 を 目指す 社会党 の 「 95 年 宣言 」 が 「 慎重に 対応 する 」 と 分かれて いる 程度 。 国際 貢献 と いう 大きな 枠 の 中 で みれば 、 枝葉 の 議論 と も いえる 。 共産党 を 除けば 、 政党 間 の 垣根 は 一 段 と 低く なって おり 、 各 党 は 「 独自 性 」 を 打ち出す の に 苦慮 して いる の が 現状 だ 。 「 論憲 」 を 主張 する 国連 と 協力 し 、 国際 貢献 に 積極 的に 取り組む 国際 貢献 は 、 人 的 、 知 的 貢献 を も 重視 する さきがけ 、 新進 の 両党 は 結党 時 の 結成 宣言 など から 。 ロシア 南部 チェチェン 共和 国 に 進攻 した ロシア 軍 は 一 日 まで の 激戦 で 、 首都 グロズヌイ を 事実 上 制圧 した 模様 だ が 、 ドゥダエフ 政権 部隊 は 徹底 抗戦 を 続けて おり 、 予断 を 許さ ない 情勢 だ 。 戦闘 状況 は 市街 戦 から ゲリラ 戦 に 移行 する 様相 を 見せ 始め 、 長期 戦 は 避け られ ない 事態 と なり そうだ 。 エリツィン 政権 は 、 首都 制圧 に よって 武装 解除 が 終了 した 後 、 エゴロフ ・ ロシア 副 首相 を 全権 代表 と する 暫定 政権 を 樹立 、 ドゥダエフ 政権 に 代わる 地元 の 「 国民 再生 政府 」 と 協力 して 正常 化 に 努める 方針 を 打ち出して いる 。 しかし 、 市 内 を 完全に 制圧 する まで に は 、 「 掃討 作戦 は 五 ― 六日 」 と いう グラチョフ 国防 相 の 予測 より かなり の 時間 を 要する と み られる 。 チェチェン 政権 部隊 の 反撃 を 物語る ように 、 グロズヌイ から モスクワ に 二 日 、 戻った シェイニス 下院 議員 は 「 三十一 日 の 戦闘 で は 、 二百五十 台 以上 の ロシア 軍 戦車 、 装甲 車 が 首都 に 進攻 した 。 しかし その 多く は チェチェン 側 の 攻撃 で 破壊 さ れた 」 と 明らかに した 。 一方 、 ドゥダエフ 大統領 は 十二 月 三十一 日 、 国民 に あてた 新年 メッセージ で 「 我々 の 意思 は 戦車 で は 崩せ ない 」 と 、 戦意 高揚 を 強調 した 。 ドゥダエフ 政権 側 の 部隊 は 、 一万 人 を 超える と の 見方 も ある 。 大統領 は ゲリラ 戦 に よる 「 ヒット ・ エンド ・ ラン 作戦 」 で 最後 まで 戦う 方針 を 堅持 して おり 、 ロシア 軍 は 今後 も 各地 で 激しい 抵抗 を 受け 、 死者 の 数 も さらに 増える こと が 懸念 さ れる 。 この ため 、 ロシア 政府 側 の 正常 化 作戦 は 難航 する 可能 性 が 高く 、 長期 化 すれば 市民 の 犠牲 者 が 増える の も 避け られ ない 。 国 内 の 改革 派 勢力 だけ で なく 、 イスラム 諸国 や 西側 諸国 から も 批判 が 強まる の は 間違い ない 。 エリツィン 大統領 は 内外 の 批判 に さらさ れる 厳しい 状態 が 続き そうだ 。 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 の 平壌 放送 は 一 日 午前 、 労働 党 機関 紙 「 労働 新聞 」 、 軍 機関紙 「 朝鮮 人民 軍 」 、 青年 同盟 機関 紙 「 労働 青年 」 の 三 紙 に よる 年頭 の 共同 社説 を 発表 した 。 例年 、 同 時刻 に 故 金 日成 主席 が 朗読 する 「 新年 の 辞 」 が 放送 さ れて きた ため 、 今年 は 金 正日 書記 が これ を 継承 する か どう か が 注目 さ れて いた が 、 初 の 共同 社説 の 形 を とった 。 しかし 金 書記 は 同日 、 人民 軍 部隊 へ の 祝賀 訪問 と いう 形 で 二 カ月 ぶり に 公式 の 場 に 姿 を 現し 、 権力 継承 に 問題 が ある わけで は ない こと を アピール した 。 共同 社説 は 「 偉大な 党 の 指導 を 高く 奉じ 、 新年 の 進軍 を 力強く 進めよう 」 と 題する もの で 、 アナウンサー が 三十 分 余り に わたって 読み上げた 。 同 社説 は 、 故 金 日成 主席 の 死去 を 悼み 業績 を 列挙 する と ともに 、 金 書記 の 指導 者 と して の 資質 を 絶賛 、 金 書記 に 忠誠 を 尽くし つつ 社会 主義 建設 に 励む よう 国民 に 呼びかける 内容 。 イデオロギー 、 経済 、 軍事 、 統一 問題 、 外交 など の 分野 で 金 主席 の 遺志 を 受け継ぎ 、 金 書記 の 指導 に 従う よう 強調 して いる 。 この 社説 朗読 に 続いて 、 昨年 、 故 金 主席 が 読み上げた 「 新年 の 辞 」 が 同 主席 の 肉声 に より 再 放送 さ れた 。 一方 、 朝鮮 中央 通信 は 同日 午後 に なって 、 金 書記 が 同日 朝 、 人民 軍 第 二百十四 軍 部隊 を 祝賀 訪問 した と 伝えた 。 金 書記 は 将兵 を 激励 し 部隊 施設 を 視察 した ほか 、 部隊 軍人 ら と 記念 撮影 した と いう 。 聯合 通信 に よる と 、 この 部隊 は 平壌 の 南 約 六十キロ に ある 沙里院 市 付近 に 展開 して いる ミサイル 部隊 。 金 書記 の 公式 の 場 へ の 登場 は 、 昨年 十一 月 一 日 、 平壌 の 清流橋 を 視察 して 以来 の こと と なる 。 ボスニア ・ ヘルツェゴビナ 政府 と セルビア 人 勢力 は 三十一 日 夕 、 ボスニア 全土 の 四 カ月 停戦 協定 に 調印 した 。 旧 ユーゴ 担当 の 明石 康 ・ 国連 事務 総長 特別 代表 は 、 停戦 が 発効 した 一 日 「 第 三 週 末 まで に 連絡 調整 グループ の 調停 の 下 で 和平 交渉 を 開始 し たい 」 と 期待 を 表明 した 。 サラエボ から の 報道 に よる と 、 停戦 協定 は 、 紛争 各派 の 前線 から の 兵力 引き離し と 砲撃 の 中止 など を 決め 、 国連 防護 軍 が 停戦 監視 を 行う こと に なって いる 。 過去 数十 回 の 停戦 協定 は すべて 破棄 さ れて きた が 、 明石 特別 代表 は 「 従来 の 停戦 協定 と 違い 、 順守 さ れる もの と 信じて いる 」 と 述べた 。 しかし 、 セルビア 人 勢力 が 包囲 する サラエボ 市 内 の ホテル に は 二 日 、 ミサイル 一 発 が 撃ち込ま れ 、 停戦 順守 の 見通し が 暗い こと を 示した 。 ボスニア 政府 の イゼトベゴビッチ 幹部 会 議長 は 「 戦闘 再開 の 権利 は 依然 、 残って いる 」 と 主張 した 。 カレダ ・ ジア 首相 の 退陣 を 求め 、 野党 の ほぼ 全 議員 が 辞職 した バングラデシュ で 2 日 、 野党 の 呼び掛け で ゼネスト が 行わ れた 。 首都 ダッカ で は 「 首相 退陣 」 を 叫ぶ 野党 支持 者 数千 人 が デモ 行進 し 警察 隊 と 衝突 、 35 人 が 負傷 し 20 人 が 逮捕 さ れた 。 ソマリア 内戦 を 引き起こす 中心 人物 と なった モハメッド ・ シアード ・ バーレ 元 大統領 が 二 日 、 死亡 した 。 七十 代 後半 と み られる が 、 正確な 年齢 は 不詳 。 ソマリア の 国連 筋 に よる と 、 元 大統領 は 心 不全 の ため 、 亡命 先 の ナイジェリア の ラゴス で 死去 。 元 大統領 は 一九六九 年 に 無血 クーデター で 政権 を 奪取 して 以来 、 軍事 力 を 背景 に ソマリア に 君臨 。 八〇 年 代 末期 から 反 政府 ゲリラ 勢力 が 武装 ほう起 する と 、 九一 年 一 月 に 国 外 に 逃亡 し 、 亡命 生活 を 続けて いた 。 アフガン ・ イスラム 通信 は 二 日 、 ロシア の 戦闘 機 が 年 末 、 タジキスタン と 国境 を 接する アフガニスタン 北部 バダクシャン 州 を 空爆 、 住民 十 人 が 死亡 、 十五 人 が 重傷 を 負った と 伝えた 。 タジキスタン で は 、 政府 が 、 イスラム 教徒 ゲリラ と 対立 。 ゲリラ は 国境 を 越えて アフガニスタン 側 に 逃げ込み 、 アフガン ・ イスラム 教徒 の 援助 を 受けて 攻め込む 戦術 を 繰り返して いる 。 北朝鮮 の 故 金 日成 主席 の 後継 者 、 金 正日 書記 が 一 日 、 「 新年 の 辞 」 を 発表 し なかった こと は 、 北朝鮮 と 金 書記 自身 が 依然 、 喪 に 服して いる こと を 示す もの と いえよう 。 また 、 追悼 ムード を 利用 して 金 書記 へ の スムーズな 権力 継承 の 雰囲気 を さらに 盛り上げよう と する 北朝鮮 の 政策 の 一環 と する 見方 が 有力だ 。 この 日 の 平壌 放送 の 発表 が 注目 さ れた の は 、 昨年 末 、 朝鮮 中央 テレビ が NHK に 「 一 日 、 ニュース 映像 を 送り たい 」 と 申し入れ 、 二 カ月 も 公式 の 席 に 登場 して い ない 金 書記 の 健康 不安 説 一掃 の ため に も 、 金 書記 自身 の 新年 の 辞 が 行わ れる ので は 、 と の 観測 が あった から だ 。 しかし 、 朝鮮 中央 テレビ は 共同 社説 を アナウンサー が 読み上げる 場面 と 、 新年 を 迎える 行事 で 金 書記 を たたえる 歌 や 踊り の 場面 が 放映 さ れた だけ だった 。 共同 社説 は 故 金 主席 の 功績 を たたえて 、 金 書記 の 下 で の 団結 を 強調 した もの だ が 、 北朝鮮 高官 は 最近 「 朝鮮 人民 の 慣習 で は 、 服喪 は 三 年間 」 と 相次いで 発言 、 当面 、 正式 継承 発表 が ない こと を 示唆 して いる 。 この ため 共同 社説 の 形 を とった の は 、 金 書記 の 国家 主席 、 党 総 書記 へ の 正式 就任 の 雰囲気 を 盛り上げる 狙い が あった と み られる 。 さらに 同日 、 北朝鮮 が 金 書記 の 人民 軍 部隊 訪問 を 公表 した の は 、 新年 の 辞 を 発表 し なかった こと で 健康 不安 説 が 再燃 する の を 予想 し 、 その 打ち消し を 狙った 演出 だった こと は 明白だ 。 だが 、 北朝鮮 に おける 新年 の 辞 は 、 同 指導 部 の 施政 方針 発表 に 当たる 重要 行事 である 。 それだけに 、 故 金 主席 の 追悼 大会 で 、 金 永南 外相 が 金 書記 の 委任 を 受けて 追悼 の 辞 を 読んだ ような スタイル さえ も とら れ なかった こと に は 、 疑問 も 残る 。 日 韓 で は 「 服喪 や 健康 不安 だけ で は 、 長 期間 の 国家 元首 不在 は 説明 でき ない 」 など の 見方 も 再 浮上 して き そうだ 。 昨年 十 月 に 起きた 聖水 大橋 の 崩壊 事故 の 後遺症 で 、 ソウル 市 内 で は 車 の 渋滞 地獄 が 続いて いる 。 住宅 地 の 江南 地区 から 大河 ・ 漢江 を 越え 、 中心 部 に 来る の が 大変 。 事故 前 でも ラッシュ 時 は 一 時間 を 要して いた が 、 聖水 大橋 の 通行 止め で 二 時間 かかる こと も 。 この ため 、 朝 の ラッシュ 時間 が 早まり 、 八 時 前 に 各 大橋 は 車 で いっぱいに なって しまう 。 この 通勤 戦争 が サラリーマン 生活 に 変化 を 及ぼして いる 。 「 早朝 に 橋 を 渡り 切り 、 会社 近く で 英会話 の 勉強 」 と いう 勤勉 派 が 増加 、 街 の 語学 教室 の 早朝 講座 は どこ も 盛況 だ 。 また 、 サウナ も 早朝 割引 で 客寄せ する ところ が 増え 、 ある ホテル の サウナ は 普通 料金 で 朝食 サービス を する と いう 具合 だ 。 ソウル 市 は 今後 、 主要な 大橋 の 本格 的な 補修 工事 を 実施 する 予定 で 、 これ まで 以上 の 渋滞 が 予測 さ れる 。 その 対策 と して 乗用車 を 対象 に 、 末尾 ナンバー と 同じ 数字 の 日 の 運転 を 禁止 する 「 運転 十 部 制 」 を 二 月 から 導入 する 計画 だ 。 違反 車両 は 、 罰金 と して 十万 ウオン も 取ら れる と の 話 。 崩壊 事故 の 余波 は 続き 、 マイカー 通勤 の サラリーマン 生活 は 楽で は ない 。 イラン 国会 は 1 日 、 衛星 放送 受信 用 アンテナ の 使用 禁止 を 決定 した 。 今後 1 カ月 以内 に 取り外さ ない 場合 、 アンテナ 設備 は 内務 省 に 没収 さ れる 。 レーク 米 大統領 補佐 官 は 一 日 、 ジュネーブ 核 合意 で 北朝鮮 に 約束 した 重油 供給 に ついて 「 遅らせる 理由 は 見当たら ない 」 と 言明 、 初回 分 の 燃料 用 重油 五万 トン を 予定 通り 今月 中 に 供与 する 姿勢 を 示した 。 米国 は 、 北朝鮮 が 核 兵器 開発 を 凍結 する 見返り に 、 軽水炉 建設 と 代替 燃料 の 供給 を 約束 。 初回 分 は 二十一 日 まで に 引き渡す 予定 だった 。 しかし 、 米軍 ヘリ 撃墜 事件 で 供給 停止 を 求める 意見 が 米 議会 で 出さ れ 、 クリントン 政権 の 最終 判断 が 注目 さ れて いた 。 レーク 補佐 官 は 同日 、 北朝鮮 が ホール 一 等 准尉 を 釈放 した こと で 、 ヘリ 事件 も 決着 した と の 判断 を 示し 、 重油 供給 を 予定 通り 進める 意向 を 最終 的に 確認 した 。 また 同 補佐 官 は 、 金 正日 書記 の 主席 就任 が 遅れて いる こと に ついて 「 金 正日 氏 が 最終 的に は 実権 を 確立 して いる と 思う 」 と 述べた 。 タス 通信 に よる と 、 チェチェン 共和 国 の グロズヌイ で 取材 中 の ロシア 国防 省 機関 紙 「 赤い 星 」 の ウラジーミル ・ ジタレンコ 記者 が 一 日 夜 、 戦闘 に 巻き込ま れ 死亡 した 。 チェチェン で 犠牲 と なった ジャーナリスト は 米国 の フリーの 写真 記者 シンシア ・ エルバウム さん に 次いで 二 人 目 。 海外 に 出かける と 、 街 で 売って いる もの が 明らかに 日本 より 安い 。 食べ物 や 着る 物 、 ブランド 品 から 日用 品 まで 、 改めて 日本 の 物価 の 高 さ を 思い知ら さ れる 。 こうした 外国 と の 内外 価格 差 が 生まれる 原因 の 一 つ が 、 張り巡らさ れた 規制 に ある 。 朝 、 顔 を 洗って ご飯 を 食べ 、 バス や 電車 を 乗り継いで 学校 や 会社 に 行く 。 遊園地 や プール で 遊んだり 、 お 菓子 や 酒 を 楽しむ 。 こうした 一つ一つ に 政府 の 規制 が かかわって いる 。 その 中 に は 必要な こと も ある が 、 「 なんで こんな こと が 決め られて いる の か 」 と の 疑問 が いく つ も ある 。 経済 界 は 今 、 しきりに 「 規制 緩和 」 を 叫んで いる が 、 規制 に よって 既得 権 を 守って きた 業者 も 多い 。 「 大蔵 省 の 護送 船団 方式 」 や 、 「 役所 が ハシ の 上げ下ろし まで 口 を はさむ 」 など 日本 の 社会 は 規制 に よって 育て られ 、 守ら れて きた 。 だが 時代 は 変わった 。 規制 行政 に 対する 不満 と ともに 、 行政 と 業界 の もたれあい の 構図 も 表れて きた 。 海外 から も 規制 解除 を 求め られて いる 。 規制 緩和 する と 、 ビジネス チャンス の 拡大 が 見込める 。 半面 、 競争 が 激化 し 、 企業 が 淘汰 さ れ 、 雇用 問題 が 起きる 心配 も 指摘 さ れる 。 しかし 、 暮らし やす さ や 内外 価格 差 の 是正 に よる 価格 低下 を 望む の は 自然の 成り行き 。 規制 緩和 は 行政 と 業界 の 内輪 の 話 で は ない 。 もっと もっと 実利 の ある 話 だ 。 我々 の 生活 が 知らず知らず に どれ だけ 規制 で しばら れて いる か 、 規制 緩和 に よって 豊か さ が 変わって いく の か を 考えて みた 。 ・ 車イス に は 最高 速度 が 決め られて いた 。 現在 は 時速 6 キロ 。 車 を 運転 して いる 障害 者 も いる のに 。 ・ パチンコ 台 の 開発 に は 、 最 先端 の 技術 を 導入 でき ない 。 規格 が 決め られ 、 使える 技術 が 制限 さ れて いる ため で 、 開発 者 の 自由な 発想 が 生かさ れ ない 。 ・ 電柱 に カラス が 作った 巣 を 、 電力 会社 は 勝手に 処分 でき ない 。 除去 に は 事前 の 許可 申請 と 事後 報告 が 必要 。 ・ 幼稚園 の 飲料 用 設備 は 手洗い 用 と 足 洗い 用 に 区別 さ れて いる 。 蛇口 から 出て くる 水 は 同じな のに 。 ・ 生協 は クレジット カード を 組合 員 に 直接 発行 でき ず 、 組合 員 も カード で 決済 は でき ない 。 この ため 現在 は カード 会社 など と 提携 して いる 。 ・ 霊きゅう車 は 葬儀 社 1 社 当たり 1 台 に 限ら れて いる 。 葬儀 が 重なったら 、 対応 でき ない 。 ・ 住宅 へ の 電気 の 引き込み線 は 1 系統 しか 認め られて い ない 。 2 世帯 住宅 でも 電気 料金 は 一 本 で 、 家庭 内 に 不要な 摩擦 を 生む 要因 に 。 ・ 首都 高速 道路 を 通行 できる 大型 車 は 20 トン まで 。 最近 トラック 会社 が 販売 を 始めた 25 トン 大型 トラック は 、 事前 に 許可 を 求め なければ 通行 でき ない 。 ・ ワイン や みりん は 、 一般 の 食品 小売 店 で は 販売 でき ない 。 ・ 米国 で は 医療 用具 と して 一般 の 小売 店 で 販売 して いる コンタクト レンズ 用 消毒 液 は 、 日本 で は 医薬 品 。 薬局 など 医薬 品 販売 業 の 許可 が なければ 販売 でき ない 。 ・ 銭湯 で は 男湯 と 女湯 は 、 別に 、 ろか 器 を 設置 し なければ なら ない 。 ・ 熱湯 で 調理 する 食品 の 自動 販売 機 は 、 熱湯 の 温度 を 、 85 度 以上 に し なければ なら ない 。 みそ汁 や スープ で は 、 熱 すぎて コップ を 持て ない ため 、 販売 でき ない 。 ・ 500万 円 を 超える 海外 へ の 寄付 に は 、 大蔵 大臣 の 許可 が 必要 。 海外 の 学校 や 病院 に 対する 社会 貢献 活動 に も 、 政府 の 規制 の 網 。 ・ オープン 懸賞 の 応募 に は 、 官製 はがき を 使わ ねば なら ない 。 私製 の はがき を 使う と 、 純粋な オープン 懸賞 と は 認め られ ず 、 提供 可能な 景品 金額 が 10分の1 以下 に 制限 さ れる 。 日本 経済 活性 化 の キーワード と して 規制 緩和 が 叫ば れて いる 。 規制 緩和 で 許認可 の 見直し に 取り掛かった の は 一九六二 年 の 第 一次 臨時 行政 調査 会 だ が 、 高度 経済 成長 と ともに 、 その後 も 規制 は 増え 続ける 。 八五 年 に は 一万五十四 件 だった が 、 九三 年 に は 一万一千四百二 件 に まで 増えて いる 。 どうして 規制 は 増える のだろう か ―― 。 一口 に 規制 と 言って も 対象 、 方法 は さまざま 。 代表 的な 例 と して 許認可 が ある が 、 ほか に 行政 指導 や 価格 支持 制度 も 規制 に 含ま れる 。 総務 庁 の 九三 年 「 許認可 等 の 統一 的 把握 の 結果 に ついて 」 に よる と 、 九二 年 三 月 三十一 日 から 一 年間 で 新たに 増えた 許認可 など は 七百三十七 件 。 廃止 した の は 二百七十七 件 で 、 差し引き 四百六十 件 の 許認可 が 増えて いる 。 この うち 「 著作 権 法 の 改正 」 など 規制 強化 に 伴う もの は 百六十二 件 。 皮肉な の は 従来 の 規制 や 制限 を 緩和 し 、 逆に 許認可 が 増えた の が 二百八十六 件 に も 上る 。 八五 年 四 月 に 「 電電 公社 」 が 民営 化 さ れた 際 、 電気 通信 事業 法 が 成立 。 もともと 公社 の 独占 だった 電気 通信 事業 に 民間 が 加わる に は 、 一定 の 条件 整備 が 必要 、 と 九十 件 余り の 許認可 が 生まれた と いう 。 最近 で は 金融 自由 化 に より 、 新たな 規制 が 増えて いる 。 ちなみに 九三 年 の 新設 許認可 を 分野 別 に みる と 、 「 事業 活動 の 合理 化 、 適正 化 」 が 四百三十一 件 と 最も 多く 、 次いで 融資 助成 制度 など 「 産業 の 振興 、 助成 」 が 百七 件 と なって いる 。 社会 情勢 の 変化 に よって 、 新たに 国民 の ニーズ が 生まれ 、 法律 が 作ら れる が 、 縦割り 行政 の 弊害 で 、 同一 対象 に 複数 の 規制 を 課して いる もの も 多い 。 19 歳 から 22 歳 まで の 娘 に 宝飾 品 を 贈った こと の ある 親 に 「 どのような 時 に 贈った か 」 を 聞いた ところ 、 「 成人 式 」 と いう 回答 が 約 半数 で 最も 多かった 。 プラチナ ・ ギルド ・ インターナショナル が 全国 の 191 人 を 対象 に 調査 した もの で 、 成人 式 に 次いで 多かった の が 「 誕生日 」 。 贈った 宝飾 品 で 最も 多かった の は 指輪 で 、 ネックレス 、 イヤリング ・ ピアス と いった 順 。 新しく 購入 した 人 は 、 3万 円 前後 の もの が 多かった 。 「 素敵な 女性 に 成長 して ほしい 」 「 娘 の 幸せ を 願って 」 など 、 単なる プレゼント で は なく 、 娘 に 対する 愛情 や 、 親 の さまざまな 思い が 込め られて いる ようだった 。 女子 テニス 協会 は 2 日 、 最新 の 世界 ランキング を 発表 し 、 伊達 公子 が 昨季 の 最終 ランク 9 位 から 8 位 に 浮上 した 。 1 位 は シュテフィ ・ グラフ 、 2 位 は アランチャ ・ サンチェス 、 3 位 は コンチタ ・ マルティネス 。 第 43 回 元旦 競歩 大会 は 1 日 、 東京 ・ 明治 神宮 外苑 絵画 館 円周 路 で 行わ れ 、 一般 20 キロ で 多久島 努 が 1 時間 22 分 38 秒 の 日本 最高 記録 で 優勝 した 。 多久島 努 1 時間 22 分 38 秒 池島 大介 1 時間 23 分 19 秒 山田 龍也 45 分 43 秒 浅野 輝彦 24 分 59 秒 田浦 多佳子 22 分 52 秒 2 度 目 の 6 連覇 を 飾った 旭 化成 、 宗 茂 監督 の 表情 は いま一つ さえ なかった 。 「 ベテラン に 頼って 勝つ ので は 、 ね 」 。 この 日 の メンバー は 、 三 区 まで の 選手 が 平均 年齢 二十 歳 、 四 区 以降 が 三十一 歳 。 若手 から ベテラン へ の リレー だった が 、 勝利 に 大きく 貢献 した の は 後ろ の 4 人 だった 。 三 区 まで に トップ に 立ち 、 以後 は ブレーキ の ない 安定 した 走り で 逃げ切る の が 、 監督 の 狙い 。 一 区 の 高尾 は 新人 だった 前回 、 二 区 で 区間 賞 を 獲得 し 、 二 区 の 同期 生 、 立花 は それ に 匹敵 する 力 を つけた 選手 。 三 区 に は 二十一 歳 の エース ・ 佐保 を 起用 して いた から 、 監督 は 自分 の 作戦 に 疑い を 持って い なかった 。 だが 、 ふた を あけて みれば 、 高尾 は 転倒 の 影響 から 出遅れ 、 二 区 でも 苦戦 。 頼り に して いた 佐保 も 「 僕 で トップ に 立た なければ 、 と 意識 し 過ぎて 」 区間 四 位 の 平凡な 走り 。 誤算 が 重なった 序盤 。 それ を 先輩 たち が すべて 帳消し に して いった 。 三十四 歳 の マラソン ランナー 、 谷口 に とって 四 区 の 約 10 キロ は 短 すぎる 距離 。 だが 、 谷口 は トラック 専門 の 選手 の ように 立ち上がり から 一気に 飛ばして あっさり と トップ を 奪った 。 「 負担 の 少ない 所 に 回した のに 、 また 頼る こと に なって しまった 」 と 、 監督 が 脱帽 する 快走 。 「 エース 区間 で ない 所 に 起用 さ れて 恥ずかしかった ので 、 意地 を 見せよう と 思った 」 と いう 三十 歳 の 大崎 が 続いて 独走 態勢 を 作った 。 この 6 連覇 の 間 、 宗 茂 監督 は 、 森下 広 、 佐保 、 高尾 と 毎年 の ように ホープ を 育て 、 活躍 さ せた 。 「 王国 」 の 評価 に 満足 せ ず 、 積極 的に 世代 交代 を 促して きた 。 今回 、 期待 に 十分に は 応え られ なかった 高尾 は 「 いい 経験 に して 、 トラック で 日本 記録 を 出す つもりで 頑張る 」 と 、 雪辱 を 誓った 。 ベテラン の 意欲 と 底力 、 そして 監督 の 厳しい 表情 を 見た 今 大会 は 、 少し 苦い が 良薬 に なった の は 間違い ない 。 「 毎年 、 新しい 顔 が 加わって 勝って る 。 いい 勝ち 方 を して い ます よ 」 と 、 谷口 の 言葉 は 温かかった 。 「 まさか 」 の 敗戦 を 喫した 山梨 学院 大 ・ 上田 誠仁 監督 は 、 予想 を 上回る 早大 の 走り に 脱帽 する しか なかった 。 「 区間 記録 を 3 人 が 連発 する と は 」 。 早大 の 主力 3 人 の 爆発 力 が 、 「 本命 」 の 走り を 狂わせた 。 起爆 剤 と なった の は 、 二 区 の 渡辺 。 前回 、 区間 タイ 記録 を マーク した マヤカ に 強烈な 対抗 意識 を 燃やし 、 大会 前 から 「 1 時間 6 分 台 を 狙う 。 マヤカ 君 に は ロード で 2 戦 2 敗 な ので 絶対 勝ち たい 」 と 話して いた 。 タスキ を 受け取る と 、 一万 メートル 28 分 7 秒 94 と いう 国 内 トップ クラス の スピード に もの を いわ せて 見え ない ライバル を 追走 。 マヤカ も 前回 の 記録 を 14 秒 上回った が 、 渡辺 に は 32 秒 も 差 を 縮め られた 。 「 口 だけ だ と 言わ れ たく なかった ので 、 死に物狂い だった 」 と 渡辺 。 市立 船橋 高 時代 から 、 注目 さ れ 続けた ホープ の 意地 だった 。 三 区 で は 主将 、 小林 正 が 軽快な ピッチ 走法 で 一 年生 の 中馬 を 追い 、 雪 の 富士山 を 正面 に 見る 坂 で 一気に 抜き去った 。 「 渡辺 さん の 走り を 見て 興奮 。 オーバー ペース 気味に なった 」 と 言う 四 区 ・ 小林 雅 も そのまま 押し切り 、 差 を 1 分 39 秒 に 広げた 。 五 区 で 山梨 の 主将 、 小椋 が いったん 40 秒 差 に まで 迫った が 、 オーバー ペース 。 ゴール で の 差 は 1 分 47 秒 に まで 開いて いた 。 前回 は 「 本命 」 と 言わ れ ながら 完敗 。 花田 ら エース 級 3 人 が 卒業 して 迎えた 今年 は 、 山梨 と の 立場 が 全く 逆転 した 。 「 昨年 は 先輩 3 人 に 頼る 油断 が あった が 、 今年 は 、 もう 自分 たち で 何とか する しか ない と 感じて チーム が 締まった 」 と 五 区 の 小林 修 。 復路 の メンバー は 山梨 の 力 が 上回り 、 「 2 分 差 以内 なら 射程 圏 内 」 。 必死の 思い で 先行 した 早大 が もう 一 度 、 計算 外 の 展開 に 持ち込める か 。 注目 の 復路 と なる 。 後半 21 分 、 相手 ゴール 前 の ラック 。 国学院 久我山 の SO 前田 は ボール を 受けた 瞬間 、 相手 ディフェンス を さっと 見渡した 。 「 いい 防御 ライン 。 抜け ない 」 。 とっさに けった ボール は ゴールポスト の 真ん中 へ 。 「 点 の 取り 方 を よく 知っている 」 と 啓光 学園 ・ 記虎 監督 を うなら せた 今 大会 初 の ドロップ ゴール 。 これ で 15 ― 8 。 4 PG 、 1 DG を 決め 、 全 得点 の 15 点 を かせいだ 前田 だった が 、 啓光 FW の 突進 の 威力 は 十 分 心得て いた 。 「 まだ 安心 でき ない 」 前田 の 予感 は 当たった 。 啓光 の 突進 に 反則 を 重ね 、 自陣 ゴール 手前 で 相手 ボール の スクラム 。 サイド を 抜か れれば 同点 も 覚悟 し なければ なら ない ピンチ 。 NO8 駒井 は 大会 屈指 の 突破 力 を 誇る 。 やはり 駒井 が ボール を 拾う 。 サイド 攻撃 だ 。 その 時 、 久我山 の SH 熊谷 が オフサイド と 紙一重 の 好 ダッシュ 。 駒井 の 左足 に 飛びついた 。 駒井 が もんどりうって 倒れる 。 焦った 啓光 は ラック で 反則 を 犯し 、 大きく 後退 。 危機 を 救う ファインプレー だった 。 久我山 は 「 相手 FW の 出足 を 止める 防御 」 を テーマ に 掲げた 。 特に 駒井 を 警戒 、 タックル は バックス で なく 、 より 当たり の 強い FW が いく よう 確認 した 。 狙い 通り 、 駒井 に 大きな 突破 は 許さ なかった 。 終盤 、 啓光 は キック を 放棄 し 、 ひたすら 突進 。 25 分 に は 永本 の トライ で 2 点差 に 迫った 。 だが 、 そこ でも 久我山 の 防御 は 光る 。 左 サイド を 独走 する 永本 に 久我山 の SO 前田 が 猛追 、 トライ こそ 許した ものの ゴール 前 に 回り込む こと を 阻んだ 。 トライ は ゴール 左 隅 と なり 、 同点 を 狙った ゴール キック が 外れる 伏線 を つくって いる 。 啓光 ・ 記虎 監督 が 「 優勝 戦 に 匹敵 する 内容 」 と 語った 好 試合 は 、 随所 に 堅守 を ちりばめた 久我山 に 軍配 が 上がった 。 大相撲 初 場所 は 八 日 、 東京 ・ 両国 国技 館 で 初日 を 迎える 。 横綱 と して 初 の 本 場所 を 迎え 、 好 スタート を 切り たい 貴乃花 。 一 人 横綱 の 重圧 から 解放さ れて 完全 復活 を 狙う 曙 。 上位 定着 を 目指す 新 関脇 ・ 魁皇 。 先 場所 、 入門 以来 初 の 負け越し を 喫し 、 小結 から 出直し の 武双山 。 今年 の 大相撲 を 支える 話題 の 力士 たち を 紹介 する 。 番付 発表 直後 は 巡業 など の 疲れ から か 、 けいこ の 番数 も 少なく 、 内容 も いまひとつ だった が 、 年末 から グンと ペース アップ 。 新年 最初 の 二 日 の けいこ で は 、 幕下 力士 や 浪乃花 、 隆三杉 、 安芸乃島 、 三杉里 ら を 相手 に 39 番 を こなす ハードな 内容 。 それ でも 「 体調 が 良い 時 は 、 これ くらい やら なきゃ 」 と 余裕 たっぷり 。 体重 が 先 場所 より 2 キロ 増えて 147 キロ と なった が ゼイ肉 は なく 、 筋肉 が 盛り上がって 、 肌 に ツヤ も ある 。 けいこ 場 で は 、 左 で 上手 まわし を つかんで 、 右 を 差し 、 差し手 を 引きつけて 寄る 取り口 が ほとんど 。 基本 に 忠実で 、 派手 さ は なく とも 安定 度 は 抜群 。 この 形 は 、 「 考え なくて も 体 が 自然に 動く 」 と いう 。 また 、 左右 どちら に 組んで も 取れる タイプ だ が 「 もし 右 を つかめば 右 から 攻める し 、 左 を つかめば 左 から 攻める 。 どちら でも いい 」 と 自信 を 口 に する 。 技術 面 で の 穴 は 、 ほとんど 見当たら ない 。 残る は 精神 面 だ 。 新 横綱 で 、 しかも 30 連勝 中 。 大変な 重圧 が かかって 当然だ が 、 いつも の 場所 以上 に リラックス して 見える 。 2 年 近く も の 間 、 横綱 昇進 へ の 重圧 を 感じ 続け 、 一 度 は 横綱 審議 会 に よる 推挙 の 答申 見送り まで 味わった 。 この ため 普通の 力士 なら 昇進 で プレッシャー を 感じる ところ を 、 逆に 解放 さ れた ような 気分 に なって いる ので は ない か 。 「 自分 の 相撲 が 取れれば 勝てる と 思う し 、 負けたら その 時 、 考えれば いい 」 と いう セリフ に 気負い は ない 。 むろん 場所 に 入れば 、 貴乃花 自身 が 予想 した 以上 の 重圧 が のしかかって くる だろう 。 それ でも 最も 緊張 する 前半 戦 を 取りこぼし なく 乗り切れれば 、 一九八三 年 秋 場所 の 隆の里 以来 の 「 新 横綱 優勝 」 の 可能 性 は 高い 。 前回 の 覇者 ・ 相模台 工 が 苦しんだ 。 相模台 工 の 強み は 重量 FW と スピード の ある バックス と が 一体 と なった 攻撃 。 しかし 、 この 日 は 、 その 礎 と なる べき FW が ラック や モール で 受け に 回り 、 1 点 を リード さ れて 前半 を 終えた 。 「 スクラム は もっと プレッシャー を 。 相手 の 出足 を 一歩 遅らせ られる んだ 」 と 日原 監督 は ハーフタイム に 指示 。 CTB 難波 主将 も 「 僕ら の 方 が 強い んだ 」 と 、 げき を 飛ばした 。 厳しい 言葉 に 、 FW 陣 は やっと 目覚めた 。 約 10 分間 、 淀川 工 陣 で の 攻防 。 ゴール 前 スクラム で プレッシャー を かけ 続けた 。 そして 、 12 分 、 ライン アウト の モール から 右 に 回し 、 難波 が 逆転 トライ を 決めた 。 リズム に 乗れば 強い 。 前半 取れ なかった ライン アウト を 支配 し 、 得意の アップ アンド アンダー だけ で なく 、 さまざまな パターン の 攻撃 で 、 ペース を つかんで いった 。 「 いつも エンジン の かかり が 遅い 。 危機 感 が ない と 燃え られ ない ので は 」 と 日原 監督 。 それ でも 終わって みれば 勝って いる の が 、 強豪 と 呼ば れる ゆえん か 。 連覇 と 3 冠 を 狙う 清水 市 商 と 、 過去 ベスト 8 も ない 奈良 育英 。 試合 前 に だれ も が 描いた 「 王者 と 挑戦 者 」 と いう 構図 が 、 そのまま 試合 に 反映 さ れた 。 「 知らず知らず の うち に 受け身に 回った 」 。 「 受け身に なり かけて も 持ち 直し 、 最後 まで 集中 力 が 切れ なかった 」 。 選手 の 心理 状態 は チーム の 勢い に つながる 。 奈良 育英 は 、 前線 から の プレス を 最後 まで 徹底 して 清水 市 商 の 攻撃 を 中央 へ 偏ら せ 、 エースストライカー 安永 に は 杉田 、 石渡 が 2 人 がかり で マーク 、 容易に 前 を 向か せ ない 。 最後尾 で は 、 U 19 代表 の GK 楢崎 主将 が 立ちはだかり 、 ハイボール を ことごとく キャッチ 。 後半 30 分 に 清水 市 商 ・ 佐藤 と 一 対 一 と なる ピンチ を 思い切り の よい 飛び出し で 防ぐ など 、 スーパー セーブ を 連発 した 。 攻撃 は 、 左 サイド で 一 年生 の 中谷 が 、 巧みな ドリブル と スルー パス で 攻撃 の リズム を 作る 。 後半 18 分 に 中谷 の 足 が つる と 、 同じ 一 年生 で 「 一 発 が ある 」 東 が 交代 出場 。 東 は 34 分 、 CK から GK が パンチ した こぼれ 球 を けり込み 、 最高の タイミング で 決勝 点 を 奪った 。 「 やれる と 信じて いた 。 三 年生 を 中心 に コツコツ 我慢 し 、 怖い もの 知ら ず の 一 年生 の 結果 を 出した 」 。 上間 監督 の 勝因 分析 は 冷静だった 。 「 ウチ に とって は 最悪 、 相手 に とって は 最高の 試合 でしょう 。 勝負 は 結局 頑張った ほう が 勝つ 」 と 大滝 監督 。 清水 市 商 に おごり は 、 なかった だろう が 、 初戦 に すべて を かけた 「 挑戦 者 」 が 、 気持ち の 面 で 、 優勝 を 意識 した 「 本命 」 を 完全に 上回った 。 やはり 平塚 の 持ち味 、 カウンター 攻撃 から 得点 は 生まれた 。 後半 2 分 、 やや 平塚 陣 内 に 入った ところ で 「 狙って いた 」 と いう 名良橋 が セ大阪 の 横 パス を カット 。 前線 の アウミール へ パス を 送る と 、 セ大阪 の 守り は 戻り が 遅れた 。 アウミール の ドリブル から 左 の 野口 へ 渡り 、 ボール は ゴール へ 吸い込ま れて 行った 。 「 取った 瞬間 、 アウミール 、 野口 さん が 見えた 。 DF の 裏 へ 出せば 得点 できる と 思った 」 。 年男 の 名良橋 。 「 猪突 猛進 」 の ダッシュ で ボール を 奪い に 行った 積極 的な 守備 が 、 大阪 の 厚い 守備 を 破った 。 押し込ま れて いた セ大阪 が 盛り返し 、 攻撃 に リズム が 出始めた 瞬間 の プレー だった 。 Jリーグ 後期 で 優勝 争い を 演じた とき 、 平塚 は プレッシャー に 敗れた 。 「 選手 は その とき の 経験 を 生かして くれた 。 言わ なくて も 分かって いた 」 と 古前田 監督 。 この 日 は 決勝 の 硬 さ は 見 られ ず 、 立ち上がり から フル 回転 。 何 度 も チャンス を 作り 、 大阪 から 試合 の 主導 権 を 奪った 。 優勝 は フジタ 工業 時代 の 第 五十九 回 大会 以来 、 15 年 ぶり 。 古前田 監督 は まだ 選手 と して プレー して いた 。 もちろん 、 二十 代 の いま の 選手 たち に とって は 「 昔話 」 に 違いない 。 「 新しい 一 ページ が 開か れた んです 」 と は 、 その とき に 監督 を 務めて いた 石井 常務 の 言葉 。 外国 人 選手 に 頼ら なければ なら ない 攻撃 の 組み立て 、 選手 層 の 薄 さ など 課題 は 多い 。 しかし 、 1 年 で 最も 成長 した チーム である こと も 確か 。 「 フジタ 工業 」 で ない 、 神奈川 県 平塚 市 を ホームタウン と する 「 ベルマーレ 平塚 」 の 歴史 が いま 、 始まった 。 超 大型 FW 同士 の 激闘 が 大学 日本 一 決戦 を 彩る こと に なった 。 明大 と 大東大 は ともに 、 しぶとい 攻防 を 特徴 と する 京産大 、 早大 の 挑戦 を 余裕 を 持って 退けた 。 カラー に よる 違い は あった が 、 共通 して FW の 結束 で チャンス を 作り上げ 、 バックス と の 連係 を 意識 して よく 走った 。 地力 を 十分に 発揮 して の 勝利 である 。 明大 は ラインアウト で の 密集 、 突進 後 の ラック に 力 を 集中 した 。 京産大 の ゲーム メーカー 広瀬 に 圧力 を かけ 続け 、 集団 パワー で 京産大 の 攻め手 を 封じた 。 三輪 ら バックス が 切り込み 、 天野 ら FW 第 三 列 が つなぐ 。 「 二 次 、 三 次 攻撃 の 勢い 、 スピード で 上回った の が 勝因 」 と 寺西 コーチ 。 自慢 の スクラム が 押し込ま れ 速攻 に 防御 が 緩む 課題 は 残した が 、 テンポ の 速い 連続 突進 は 連覇 の 夢 を 膨らま せた 。 大東大 の トンガ ・ コンビ は 強い ばかりで なく 、 局面 を 読む 判断 力 や 、 奇襲 を 仕掛ける 巧み さ も 兼ね備えて いる 。 早大 は 2 人 がかり 、 3 人 がかり の タックル を 試みた が 、 前 に 出 られ 、 ボール を 生かさ れた 。 早大 防御 が 2 人 に 気 を 取ら れて サイド に 甘 さ が 出る と 、 金子 や 井沢 主将 が 一気に 突破 した 。 早大 が 伝統 に して きた 組織 防御 も ズタズタ に なった 。 後半 13 分 に ラトウ が 独走 トライ して 勝負 を 決める と 、 ようやく 開き直った 早大 が 縦 へ の 連続 攻撃 に リズム を つかみ 猛 反撃 。 すると 、 鈍い 動き で 反則 を 繰り返し 4 トライ を 奪わ れる 粗 さ が 顔 を 出した 。 35 個 も の 反則 は 不安 材料 。 「 早大 が 最初 から 思い切った 連続 攻撃 で 来たら 危なかった 」 と 鏡 監督 は 苦笑い 。 ともあれ 決戦 は 先手 必勝 の 迫力 ある 肉弾 戦 に なる だろう 。 「 衛星 放送 、 衛星 通信 、 ケーブル テレビ は 将来 どのような シナリオ で 普及 して いく の か 」 。 そんな 近未来 の 予測 を 関連 企業 の 担当 者 に 質問 した ユニークな アンケート 結果 が まとまった 。 アンケート は 市場 調査 会社 「 シード ・ プランニング 」 が 昨年 夏 に 実施 。 対象 は ハード メーカー 、 放送 ・ 通信 業者 、 ソフト 制作 ・ 供給 企業 など 計 二十二 社 三十一 人 。 調査 に よる と 、 二〇〇五 年 時点 の 各 放送 チャンネル 数 は 、 現在 五 チャンネル の BS が 十七 チャンネル 程度 に 、 CS も 現在 の 五 チャンネル から 四十四 チャンネル 程度 に 増え 、 本格 的な 多 チャンネル 時代 が 到来 する と 予測 。 また CATV も 現在 の 百五十八 施設 から 五百三十 施設 に 急増 する と みて いる 。 普及 率 は NHK の BS 放送 が 全 世帯 の 五〇 % に 達する の を はじめ 、 他の BS 、 CS 局 も 二 、 三 割 の 世帯 に 普及 する と 予測 。 CATV 普及 率 も 三 割 を 見込む 。 しかし 今後 の 動向 を 決して 楽観 して いる と は いえ ない 。 「 規制 緩和 が 発展 の 第 一 条件 」 「 衛星 メディア は 家庭 の 負担 が 大きい 」 「 ソフト の 鮮度 を 高める 必要 が ある 」 など ハード 、 ソフト 両面 で 問題 点 を 指摘 する 声 も 多い 。 「 バラ 色 の 将来 」 を 語る の は まだ 早い 、 今後 十 年 は 市場 の 成長期 であり 、 企業 競争 ・ 淘汰 が 一層 激しく なる 、 と いう 思い が 回答 の 端々 に うかがわ れた 。 なお 、 調査 で は 二〇一〇 年 の 日本 の 総 世帯 数 を 四千二百万 世帯 、 BS ― 4 a は 一九九七 年 に 打ち上げ られる が 、 新規 放送 は 二〇〇〇 年 に BS ― 4 b が 静止 軌道 に 投入 さ れて 以降 、 開始 さ れる と 想定 して いる 。 米国 の 新聞 社 が 昨年 から 、 パソコン 通信 を 利用 した 「 電子 新聞 」 サービス を 次々 本格 スタート さ せた 。 ニュース の ほか 、 求人 ・ 案内 広告 さらに ショッピング や チケット 購入 など 、 これ まで 新聞 が でき なかった 付加 サービス も 積極 的に 試みて いる 。 日本 でも 、 毎日 新聞 など 全国 紙 が 電子 新聞 の 実験 サービス を 始める 準備 を 進めて おり 、 今年 は 活字 メディア の 「 電子 新聞 元年 」 に なり そうだ 。 ニュース は 最新 もの を ―― 切符 の 予約 に 、 求人 案内 に 米国 で 現在 電子 新聞 サービス を 実施 して いる 新聞 社 は 、 ニューヨーク ・ タイムズ 、 シカゴ ・ トリビューン 、 アトランタ ・ ジャーナル 、 サンノゼ ・ マーキュリー ・ ニュース 、 フロリダ ツデー など 約 三十 社 。 ほとんど が 、 パソコン 通信 の 大手 商用 ネット 、 コンピュサーブ 、 プロディジィ 、 アメリカ オンライン など を 通じて の サービス 。 購読 ・ 利用 者 は 、 画面 上 に 電子 新聞 を 映し出す ソフト が 入った フロッピー ディスク を 利用 し 、 サービス が 受け られる 。 この フロッピー 自体 は 無料 だ 。 シカゴ ・ トリビューン の の 場合 、 月額 九・九五 ドル で 利用 時間 は 五 時間 。 追加 料金 は 一 時間 当たり 三・五 ドル 。 ニュース は 新聞 本紙 が 中心 だ が 、 新聞 に 掲載 さ れ なかった 記事 に も アクセス できる 。 別 料金 が 必要だ が 、 チケット 予約 も 可能 。 例えば 地元 の 大リーグ 、 シカゴ ・ カブス の 球場 の 座席 券 を 予約 し 、 オンライン 上 で 銀行 決済 できる 仕組み 。 プロディジィ で サービス を 行って いる アクセス ・ アトランタ の 基本 料金 は 月額 約 七 ドル 。 画面 に は ニュース 分野 ごと に 見出し の 一覧 表 が 表示 さ れ 、 読者 は 読み たい 記事 を 指示 する と 、 次の 画面 で 記事 が 現れる 。 新聞 同様 、 政治 、 経済 、 国際 、 スポーツ 、 芸能 など メニュー 別 に 分類 さ れて いる 。 ニュース 更新 は 随時 行い 、 常に 最新 ニュース が 読める 。 過去 三 年 の データベース も 利用 できる 。 広告 は 各 ページ の 下段 に 掲載 。 デパート や 商店 と 提携 し ショッピング 情報 も 流して いる 。 画面 上 で 欲しい 商品 を 選び 、 注文 から 決済 まで 行う 。 昨年 三 月 の スタート 以来 、 加入 者 は 年 末 まで に 約 二万 人 。 毎年 一万 人 の 新規 加入 者 を 見込んで いる 。 将来 、 電子 新聞 は 動画 や 音声 まで 組み入れ 、 さらに 辞書 機能 まで 持た せる 携帯 端末 の 研究 開発 が 進んで いる 。 電子 新聞 に 積極 的な サンノゼ ・ マーキュリー は 、 全 世界 的な ネットワーク に 急 成長 して いる 、 インターネット から も アクセス できる サービス を 開始 。 日本 企業 の 広告 マーケット へ の 進出 も 模索 して いる 。 昨年 末 、 日本 新聞 協会 主催 の 「 米国 電子 新聞 ・ マルチメディア 視察 団 」 が 全 米 を 回り 、 ニューヨーク ・ タイムズ や サンノゼ ・ マーキュリー ・ ニュース など を 視察 した 。 全国 紙 五 紙 の ほか スポーツ 紙 や 信濃 毎日 、 京都 、 徳島 新聞 など 地方 紙 合わせて 二十 社 が 参加 、 電子 新聞 へ の 関心 の 高 さ を 示した 。 日本 で は 今年 四 月 から NTT が 提供 する 次 世代 の 高速 通信 回線 を 利用 して 、 毎日 新聞 の ほか 朝日 、 読売 、 日経 の 全国 紙 四 紙 が 電子 新聞 の 実験 サービス を 計画 して いる 。 静止 画 だけ で なく 動画 や 音声 を 取り込む 動き も あり 、 「 二十一 世紀 の 電子 新聞 」 を にらんだ 実験 が 本格 化 し そうだ 。 紀尾井 コーポレーション が 、 毎日 新聞 ・ メディア 事業 局 、 東京 データ ネットワーク と 提携 ・ 協力 し 、 二 月 から 、 同 コーポレーション が 運営 する オンライン サービス 「 ジャパン ・ オンライン ! 」 で 、 「 毎日 新聞 ニュース 速報 」 「 毎日 新聞 45 文字 ニュース 」 「 毎日 新聞 スポーツ 館 」 「 毎日 新聞 宝くじ 当選 情報 」 を 提供 する 。 「 ニュース 速報 」 は 政治 、 経済 、 社会 、 国際 など の 最新 ニュース 記事 を 二十四 時間 リアルタイム で 提供 。 「 45 文字 ニュース 」 は ニュース の 要点 を まとめた もの で 、 「 スポーツ 館 」 で は スポーツ ドラマ を 、 「 宝くじ 当選 情報 」 で は 、 いつでも 当選 番号 を 確認 できる 。 問い合わせ は 「 ジャパン ・ オンライン ! 」 事務 局 。 年 末 、 年始 を 故郷 で 過ごした 人 たち の Uターン ラッシュ が 二 日 午後 から 始まった 。 飛行機 は ほとんど 満席 状態 で 、 高速 道路 も 三〇 キロ 以上 の 渋滞 が 続いた 。 ピーク は 三 日 午後 と 予想 さ れて いる 。 道路 交通 情報 センター に よる と 、 二 日 は 午後 から 各 高速 道路 が 込み 始め 、 東名 は 秦野 中井 を 先頭 に 三〇 キロ 、 中央 道 は 中野 トンネル で 四七 キロ 、 関越 道 は 練馬 で 四〇 キロ 、 東北 道 は 大谷 で 四二 キロ の 渋滞 を 記録 した 。 日本 道路 公団 は 、 渋滞 の ピーク を 三 日 午後 と みて おり 、 関越 道 が 練馬 で 四五 キロ 、 中央 道 が 小仏 トンネル で 四〇 キロ 、 東名 が 日本 坂 トンネル と 伊勢原 で それぞれ 二五 キロ 、 午後 一 時 から 六 時 に かけて 渋滞 する と 予想 。 また 、 JR 東 日本 に よる と 、 東北 ・ 上越 新幹線 を 中心 に 三 、 四 日 が Uターン ラッシュ の ピーク に なり そう 。 空 の 便 も 、 航空 各社 と も 四 日 から 五 日 まで は 、 予約 で ほぼ 満席 状態 と いう 。 英国 南西部 グロスター で 自分 の 娘 など 十二 人 の 女性 を 殺害 、 自宅 の 庭 など に 埋めて いた 「 恐怖 の 館 」 殺人 事件 で 起訴 さ れて いた フレデリック ・ ウェスト 被告 が 一 日 、 英 中部 バーミンガム の 刑務所 で 首 を つって 自殺 して いる の が 発見 さ れた 。 同 被告 は 、 昨年 四 月 、 十二 件 の 殺人 容疑 で 逮捕 さ れた 。 要注意 人物 と して 常に 二 人 の 刑務所 員 が 付き添って いた が 、 年 末 年始 の 休暇 で 監視 が 手薄に なった 時 に 自殺 した と み られる 。 同 被告 の 容疑 は 、 前妻 や 娘 を 含む 十二 人 の 女性 を 殺し 、 自宅 の 庭 、 地下 室 など に コンクリート で 埋め込んだ と いう もの 。 グロスター ・ クロムウェル 通り 二十五 番地 の 自宅 は 「 恐怖 の 館 」 と 名づけ られて 一躍 、 同 市 の 観光 名所 に なって しまった 。 大みそか の 第 四十五 回 紅白 歌 合戦 の 視聴 率 が 二 日 、 ビデオ ・ リサーチ 社 から 発表 さ れた 。 第 一 部 の 関東 地区 は 四〇・一 % と 昨年 を 二・三 % 下回った もの の 、 中心 部分 と なる 第 二 部 は 五一・五 % で 、 昨年 より 一・四 % 上がり 、 五〇 % の 大台 を なんとか キープ した 。 二 日 午前 三 時 五十五 分 ごろ 、 東京 都 千代田 区 隼 町 四 、 国道 20 号 の 皇居 側 の 歩道 に 、 ワゴン 車 から 火炎 瓶 が 投げ られ 、 炎 が 上がる の を 警戒 中 の 機動 隊員 が 発見 、 すぐに 消し止めた 。 麹 町 署 は 、 一般 参賀 に 反対 した 犯行 の 可能 性 も ある と みて 捜査 して いる 。 一 日 午前 五 時 ごろ 、 埼玉 県 川口 市 東 川口 六 、 商品 配送 管理 会社 「 IUC 川口 流通 センター 」 倉庫 外側 から 出火 、 鉄骨 平屋建て 倉庫 六五八 平方メートル を 全焼 、 隣接 する 倉庫 の 一部 を 焦がした 。 また 倉庫 内 に あった カップ めん 約 二万二千 食 や 清涼 飲料 など を 焼失 した 。 武南 署 と 市 消防 本部 の 調べ で は 、 倉庫 の 間 の 幅 約 二 メートル の すき間 から 出火 して いた 。 火 の 気 が ない こと から 、 放火 の 疑い も ある と みて 調べて いる 。 山梨 ・ 上九一色 村 で 昨年 七 月 、 異臭 が する と の 届け出 が あり 、 長野 、 山梨 両 県警 など 警察 当局 が 土壌 を 鑑定 した ところ 有機 リン 系 化合 物 が 検出 さ れた こと が 二 日 、 分かった 。 この 化合 物 は 長野 県 松本 市 の 「 サリン 事件 」 で 検出 さ れた もの と 似て いる が 、 農薬 を 投棄 した 場合 に も 残留 する ため 、 関連 が ある か どう か 慎重に 調べて いる 。 サリン 事件 は 昨年 六 月 二十七 日 に 発生 した が 、 上九一色 村 の 異臭 騒ぎ が あった の は 七 月 九 日 未明 と 同月 十五 日 夕 の 二 回 。 いずれ も 住民 から 「 異臭 が する 」 と 富士吉田 署 に 通報 が あった 。 また 同月 六 日 に は 現場 周辺 の 樹木 の 葉 が 枯れて いる の が 見つかり 、 同 署 や 吉田 保健 所 など が 調べた が 異臭 と 枯れ葉 の 原因 は 特定 でき なかった 。 この ため 、 葉 が 枯れた 場所 の 土 や 枯れ葉 を 警察 庁 科学 警察 研究 所 で 鑑定 した ところ 、 有機 リン 系 化合 物 が 検出 さ れた 。 警察 当局 に よる と 、 この 化合 物 は サリン 発生 後 、 土中 に 残留 する 物質 で 、 また 、 この 化合 物 の 一種 は 、 サリン 生成 の 際 に も できる が 、 自然に 生成 する こと は ない と いう 。 しかし 、 よく 似た 化合 物 は 試薬 と して 市販 さ れて おり 、 農薬 を 投棄 した 場合 に も 残る こと が ある こと から 、 ただちに サリン が 製造 さ れた と は 断定 でき ない と いう 。 新年 恒例 の 一般 参賀 が 二 日 、 皇居 ・ 宮殿 東 庭 で 行わ れた 。 晴天 の 中 、 午前 九 時 半 から 午後 三 時 まで 七万一千八百 人 が 訪れた 。 天皇 陛下 は 皇后 さま 、 皇太子 ご 夫妻 、 秋篠宮 さま ら と ともに 七 回 、 宮殿 ・ 長和殿 の ベランダ に 立ち 、 集まった 人 たち に 手 を 振って 応えた 陛下 は 「 新しい 年 を 迎え 、 ともに 新年 を 祝う こと を 誠に 喜ばしく 思い ます 。 国民 皆 の 幸せ を 祈り 、 世界 の 平和 を 念願 いたし ます 」 と あいさつ した 。 一 日 午前 八 時 二十 分 ごろ 、 埼玉 県 川口 市 舟戸 町 三 の 荒川 河川敷 の 護岸 から 同 市 末広 三 、 会社 員 、 三浦 貫治 さん が 約 二 メートル 下 の 荒川 に 転落 した 。 一緒に いた 友人 の 東京 都 豊島 区 北 大塚 一 、 クリーニング 業 、 中沢 徹市 さん が 助け に 飛び込んだ が 、 間もなく 二 人 とも 沈んだ 。 駆けつけた 消防 署 の 救助 隊員 ら が 川底 から 二 人 を 収容 した が 、 間もなく 死亡 した 。 川口 署 と 市 消防 本部 の 調べ で は 、 二 人 は ジョギング 愛好 会 「 川口 走 友 会 」 の メンバー 。 メンバー 十四 人 や 家族 と ともに 東京 都 足立 区 の 西 新井 大師 に ジョギング で 初もうで に 行き 、 帰り に 現場 近く の 河川敷 で 酒 を 飲み ながら 初 日の出 を 見て いた 。 三浦 さん が 足 を 滑らせた らしい 。 一 日 午前 五 時 五十二 分 ごろ 、 関東 地方 で 地震 が あり 、 神奈川 県 小田原 市 で 震度 4 を 記録 した 。 同 市 以外 の 各地 の 震度 は 次の 通り 。 また 、 二 日 午前 零 時 三十二 分 ごろ 、 関東 南部 で 地震 が あった 。 各地 の 震度 は 次の 通り 。 一 日 午後 四 時 ごろ 、 北海道 、 東北 地方 で 地震 が あった 。 仙台 管区 気象 台 の 観測 に よる と 、 震源 地 は 三陸 はるか 沖 で 震源 の 深 さ は 約 九〇 キロ 。 同 気象 台 は 「 三陸 はるか 沖 地震 」 の 余震 と みて いる 。 釧路 、 むつ 、 八戸 など で 震度 2 、 宮古 、 大船渡 、 秋田 など で 震度 1 を 観測 した 。 津波 は 観測 さ れ なかった 。 その他 の 各地 の 震度 は 次の 通り 。 「 友好 を 結ぶ 第 一 歩 に し たい 」 教員 や 会社 員 ら で つくる サイクリング グループ 「 兵庫 県 石子路 之 会 」 が 今年 八 月 、 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 の 首都 ・ 平壌 から 北上 、 国境 を はさんだ 中国 ・ 丹東 まで の 約 二百 キロ を 自転車 で 走破 する 。 北朝鮮 は 今年 四 月 、 プロ レスラー や プロ ボクサー を 招き イベント を 計画 する など 、 開放 政策 を 模索 して いる が 、 外国 人 に 国 内 の 自転車 旅行 を 認める の は 初めて 。 神戸 市 中央 区 、 元 高校 教師 で 同 会 会長 の 小池 啓納 さん ら で 、 一九八〇 年 夏 の 南京 ― 揚州 間 を 最初に 、 毎年 夏 に 中国 で 長 距離 サイクリング を 重ね 、 九二 年 夏 に は シルクロード 四千 キロ を 走破 。 サイクリング を 通じて 日 中 交流 に 努めて きた 。 今回 の 北朝鮮 サイクリング は 、 この 大陸 サイクリング の 一環 で 、 社会党 関係 者 を 通じて 北朝鮮 に 計画 を 打診 。 中国 で の 実績 から 中国 政府 も 北朝鮮 政府 に 働きかけ 、 朝鮮 総連 兵庫 県 本部 も バックアップ 。 北朝鮮 側 も 、 同 時期 に 社会党 関係 者 に 交流 事業 を 打診 して きて いた こと も あって 積極 姿勢 を 示し 、 現在 、 細部 の 詰め に 入って いる 。 計画 で は 、 北京 経由 で 平壌 入り 。 平壌 から サイクリング で 西部 の 海岸 沿い に 北上 、 新義州 から 国境 の 鴨緑江 を 渡り 中国 遼寧 省 ・ 丹東 まで の 約 二百 キロ を 、 一 、 二 泊 し ながら 走破 する 。 コース の 大部分 は 、 外国 人 の 立ち入り 禁止 地域 に 指定 さ れて おり 、 計画 通り 実現 すれば 、 この 点 から も 画期的 。 小池 さん は 「 この サイクリング が 北朝鮮 と 友好 を 結ぶ 第 一 歩 に なれば と 考えて いる 。 近い 将来 、 韓国 の 釜山 から ソウル 、 平壌 、 北京 まで の 約 四千 キロ を 走破 する 足掛かり に し たい 」 と 意気込んで いる 。 お わび して 訂正 し ます 。 三陸 はるか 沖 地震 で 青森 県 被害 対策 本部 は 二 日 、 同日 午前 九 時 現在 の 県 内 被害 状況 を まとめた 。 死者 は 二 人 、 負傷 者 は 先月 三十 日 調査 より さらに 八十九 人 増え 三百七十二 人 。 被害 総額 は 二百五十三億二千万 円 に 上り 、 八戸 市 内 の 商店 だけ で 約 百三十億 円 の 被害 が 出て いる 。 新聞 に よる と 「 電話 不足 を 緩和 する ため 都下 数 カ所 に 簡易 電話 所 が お目見え した 」 。 今 で いう 電話 ボックス である 。 料金 は 市 内 1 度数 に つき 10 銭 。 開設 時間 は 月 2 回 の 休日 を 除き 、 朝 8 時 から 晩 の 6 時 。 麻布 ・ 六本木 の 「 簡易 電話 」 は 、 1 日 に 約 70 人 の 利用 者 。 当時 、 電話 は 全国 で 108万 台 だった 。 東京 都 内 で 一 日 から 二 日 に かけて 、 雑煮 の もち など を のど に 詰まら せる 事故 が 二十 件 発生 、 うち 三 人 が 死亡 した 。 東京 消防 庁 に よる と 、 一 日 朝 、 八王子 市 の 男性 が 雑煮 の もち を 詰まら せて 病院 に 収容 さ れた が 、 間もなく 死亡 。 二 日 に も 狛江 市 の 男性 と 東村山 市 の 男性 が 死亡 した 。 二十 件 の うち 十六 件 が 六十五 歳 以上 の お 年寄り だった 。 二 日 午前 八 時 五 分 ごろ 、 東京 都 練馬 区 大泉学園 町 八 、 練馬 長久保 病院 職員 寮 一 階 の 女子 更衣室 で 、 男 が 中 に 入って きた 看護 婦 に 包丁 の ような 刃物 を 突き付けて 脅し 、 立てこもった 。 警視 庁 捜査 一 課 と 石神井 署 の 調べ で は 、 男 は この 看護 婦 の 元 夫 。 三 日 午前 一 時 二十 分 現在 立てこもった まま で 、 看護 婦 も 解放 さ れて い ない 。 男 は 「 兄嫁 を 呼んで こい 」 と 要求 して いる 。 一 日 、 実兄 宅 に 電話 で 新年 の あいさつ を しよう と した ところ 、 兄嫁 に 冷たく さ れた こと に 腹 を 立てた らしい 。 新年 を 祝う パーティー が 行わ れて いた ベルギー ・ アントワープ 市 内 の スウィテル ・ ホテル で 、 十二 月 三十一 日 午後 十一 時 ごろ 、 爆発 に 続いて 火災 が 発生 し 、 五 人 が 死亡 、 約 百二十五 人 が 負傷 した 。 負傷 者 の 多く は やけど を して おり 、 同地 や ブリュッセル の 病院 に 運ば れた が 、 二十 人 が 重傷 。 火災 当時 、 同 ホテル の ダンス ホール に は 新年 祝賀 パーティー に 出席 する 四 、 五百 人 の 人々 が 集まって いた 。 一 日 から 二 日 に かけ 、 北 アルプス や 那須 岳 で 冬山 登山 者 の 遭難 が 相次いだ 。 長野 県 の スキー 場 で は ゴンドラ リフト が 強風 に あおら れ 、 一時 宙づり に なった が 、 スキー 客 は 全員 無事 救助 さ れた 。 一 日 午後 零 時 五十五 分 ごろ 、 長野 県 大町 市 の 北 アルプス ・ 布引 岳 山頂 付近 で 、 登山 中 の 長崎 県 諌早 市 福田 、 県立 大村 園芸 高 教諭 、 園田 一敏 さん が 倒れ 、 仲間 が 近く の 山小屋 に 運んだ が 、 間もなく 凍死 した 。 大町 署 の 調べ で は 、 園田 さん は 富山 大 山岳 会 OB ら 九 人 で 二十九 日 に 入山 して いた 。 園田 さん は 寒 さ で 衰弱 して いた らしい 。 また 同日 午後 七 時 半 ごろ 、 長野 県 南安曇 郡 安曇 村 の 北 アルプス 前 穂高 岳 の 北 尾根 で 、 設営 して いた テント に 戻る 途中 の 三重 県 鈴鹿 市 石薬師 町 、 主婦 、 北川 みはる さん が 誤って 沢 に 転落 、 二 日 朝 、 ヘリ で 救助 さ れた が 全身 を 強く 打って おり 、 病院 で 死亡 した 。 二 日 午後 零 時 四十 分 ごろ に は 、 栃木 県 那須 郡 那須 町 湯本 の 那須 岳 から ふもと の 大丸 温泉 に 下山 した 人 から 、 「 那須 岳 の 標高 一、八〇〇 メートル の 清水平 付近 で 、 腕 を く の 字 に 曲げ 、 顔 に つらら が 下がって 凍って いる 男性 らしい 人 が いた 」 と 、 黒磯 署 に 通報 が あった 。 また 一 日 午前 十一 時 ごろ 、 長野 県 木曽 郡 王滝 村 八海山 、 村営 おんたけ スキー 場 の ゴンドラ リフト が 突然 停止 し 、 スキーヤー ら 約 二百 人 が 地上 約 二十 メートル で 一時 宙づり と なった 。 スキー 場 職員 ら が ロープ を 使って 乗客 の 救助 活動 を し 、 同 四 時 四十 分 まで に 全員 を 無事 救出 した 。 一方 、 十二 月 三十一 日 朝 、 山梨 県 北巨摩 郡 白州 町 の 甲斐 駒ケ岳 八 合 目 の 岩場 から 滑落 した 東京 都 杉並 区 清水 一 、 会社 員 、 武井 裕介 さん の 捜索 は 二 日 も 続け られた が 、 依然 行方 不明 の まま 。 大阪 大学 医学部 は 今 年度 中 に 、 同 学部 の 全 研究 室 に コンピューター を 設置 、 医療 情報 や 研究 論文 の データベース 化 作業 を 始める 。 各 コンピューター を 世界 最大 の コンピューター ネットワーク 、 「 インターネット 」 と 接続 し 、 データベース も 公開 する 。 マルチメディア 時代 に 合わせて 積極 的に 情報 提供 し 、 阪大 の 存在 を 世界 に アピール する の が ねらい 。 同様の 試み は 東京 の 大学 など で 一部 始まって いる が 、 医学部 全体 と して は 例 が ない と いう 。 コンピューター 八十五 台 を 購入 。 各 研究 室 で は 、 研究 論文 を 英語 と 日本 語 で 入力 、 診断 に 用いる 画像 情報 など も データベース 化 する 。 費用 は 一億 円 規模 に なる 見込み で 、 関西 の 政財界 など で 作る 大阪 大学 医学部 整備 拡充 委員 会 から の 寄付 で まかなう と いう 。 また 、 構築 した コンピューター ネットワーク は 、 インターネット を 使って 米国 の 大学 と 結び 、 研究 者 や 学生 同士 の 討論 など に 利用 する 。 インターネット は 一九六九 年 に 米 国防 総 省 が 軍 の 通信 用 に 開発 。 その後 、 学術 研究 や 商業 用 など に 普及 し 、 現在 百五十 カ国 以上 で 推定 約 四千万 人 が 利用 。 ゴア ・ 米国 副 大統領 が 推進 役 を 務める 情報 ハイウエー 構想 の 中心 と さ れる 。 米国 の 大学 で は この ネットワーク で 積極 的に 学術 情報 を 公開 して いる 。 井上 通敏 ・ 阪大 医学部 教授 は 「 インターネット を 使って 日本 の 研究 者 も 海外 から 多く の 情報 を 得て いる が 、 情報 発信 は 少なく 一方 通行 。 情報 発信 して いか ない と 取り残さ れて しまう 」 と 話す 。 近畿 地方 は 、 二 日 は 全般 に 晴れ間 が 広がった が 、 元日 は 冬型 の 気圧 配置 の 影響 で ぐずついた 空模様 に 。 初もうで 客 の 出足 は 鈍り がちだった が 、 不景気 風 を 吹き飛ばせ と 縁起物 の 破魔矢 など は 飛ぶ ように 売れた 。 住吉 大社 の 二 日間 の 人出 は 二百四十六万七千 人 。 昨年 より 三万三千 人 の 減 で 、 晴れ着 姿 も まばら 。 さい銭 も バブル 時代 に 目立った 紙幣 は 少なかった 。 日本 三 景 の 宮島 は 、 今年 十 月 に 創建 千四百 年 祭 を 行う 厳島 神社 など に 二 日間 で 九万 人 。 出雲 大社 に は 、 両日 で 昨年 を やや 上回る 四十二万 人 が 訪れた 。 「 元日 は 時折 、 雨 が 降り ました が 、 二 日 は 晴天 に 恵まれ ました 」 。 毎日 新聞 社 は 今年 も 多彩な 文化 事業 に 取り組み ます 。 国内外 の 名品 を 紹介 する 大型 美術 展 、 歴史 と 伝統 を 誇る 毎日 書道 展 、 安井 賞 展 、 人間 国宝 新作 展 など を 開催 、 各種 コンクール 事業 を 精力 的に 展開 し ます 。 「 文化 」 の 毎日 の 「 この 一 年 」 に ご 注目 下さい 。 京都 市 の タクシー 会社 「 エムケイ 」 の 値下げ 運賃 が 一 日 、 昨年 七 月 五 日 以前 の 旧 運賃 に 戻った 。 値下げ 認可 が 昨年 末 で 期限 切れ と なった ため 。 初乗り 運賃 は 中型 五百四十 円 、 小型 五百三十 円 と それぞれ 六十 円 アップ し 、 同 八 月 に 値上げ して いる 京都 の 同業 他社 や 個人 タクシー と の 運賃 格差 は 約 二〇 % から 約 一〇 % に 縮まった 。 大阪 府警 曽根崎 署 は 二 日 、 大阪 市 北 区 池田 町 、 店員 、 瀬戸 邦彦 容疑 者 を 殺人 容疑 で 逮捕 した 。 調べ で は 、 瀬戸 容疑 者 は 勤務 先 の 忘年 会 から 帰宅 途中 の 一 日 午前 三 時 半 ごろ 、 自宅 マンション 一 階 付近 で 備え付け の 消火 器 など で 、 同居 して いた 同僚 の 松野下 剛 さん の 頭 を 殴り 殺した 疑い 。 調べ に 対して 「 『 金 も ない のに 生意気 いう な 』 など と 言わ れ 、 カッと なり 殺した 」 と 供述 して いる と いう 。 滋賀 県 滋賀 郡 志賀 町 木戸 の 「 びわ湖 バレイ スキー 場 」 で 一 日 午後 四 時 十 分 ごろ 、 山ろく と 山頂 間 を 結ぶ 四 人 乗り ゴンドラ 七十八 台 と ゲレンデ の リフト 三 本 が 、 停電 で 突然 ストップ 。 関西電力 滋賀 支店 が 調べた ところ 、 スキー 場 の 北西 約 三 キロ に ある 大津 市 の 「 中村 発電 所 」 内 の 送電 線 に 野生 ザル が 触れ 感電 、 ろう電 した ため と わかった 。 約 二十五 分 後 に 復旧 した が 、 約 三十 台 の ゴンドラ に 一 時 、 百 人 前後 の 客 が 閉じ込め られ 、 リフト の 百五十 人 は 係員 に 救助 さ れた 。 中村 発電 所 は 、 スキー 場 に 向け 、 三万三千 ボルト の 高圧 電流 を 送電 。 同 支店 に よる と 、 サル は 体長 五十 センチ の メス で 施設 内 の 鉄塔 下 に 倒れ 、 ショック 死 状態 だった 。 近く で は 、 サル が 頻繁に 出没 する ため 、 五 年 前 から 施設 周辺 に 有刺 鉄線 を はりめぐらせて いた が 、 これ を 乗り越えて 侵入 した らしい 。 大みそか の 第 45 回 紅白 歌 合戦 の 視聴 率 が 2 日 、 ビデオ ・ リサーチ 社 から 発表 さ れた 。 第 一 部 の 関西 地区 は 43.6 % と 昨年 を 0.9 ポイント 上回った が 、 中心 部分 と なる 第 二 部 は 52.7 % で 、 昨年 より 1.7 ポイント 下げた 。 一方 、 他 局 で は 毎日 系 の 「 日本 レコード 大賞 」 が 15.1 % 、 男女 対抗 の 「 野球 拳 」 を 中心 に 構成 した 読売 系 の 「 ダウンタウン の 裏 番組 を ブッ 飛ばせ 」 が 16.6 % だった 。 早 めの 帰省 Uターン の 影響 で 京 阪 神 方面 に 向かう 名神 高速 道路 下り の 渋滞 が 、 二 日 午後 から 始まった 。 ピーク の 午後 五 時 半 ごろ に は 大阪 、 京都 府 境 の 天王山 トンネル を 先頭 に 栗東 インター 付近 まで 約 四十 キロ の 車 の 列 。 午後 九 時 現在 、 大津 インター 付近 まで 約 二十六 キロ 、 ノロノロ 運転 と なった 。 三 日 は 上り 、 下り と も 渋滞 が 予想 さ れる 。 赤飯 の ルーツ と 言わ れ 、 奈良 時代 に 日本 各地 で 栽培 さ れて いた 「 赤米 」 の 普及 に 取り組んで いる 京都 市 西京 区 の 菓子 店 経営 、 家西 寿満 さん が 、 赤米 で 作った おはぎ を 古代 の 健康 食 と して 売り出した ところ 、 「 便秘 に 効く 」 と 評判 に なって いる 。 三 分 づき の 玄米 に して 残った 繊維 質 が 効果的 らしい 。 おせち 料理 や 新年 会 で 疲れた おなか の 調整 に 、 赤米 おはぎ は いかが ? 赤米 は 、 ぬか に タンニン 系 や アントシアン 系 色素 を 含む 赤褐色 の うるち米 。 冷害 に 強く 、 荒れ地 でも 育つ ため 、 古代 に は 各地 で 生産 さ れた 。 家西 さん は 京都 府 亀岡 市 など の 農家 に 委託 し 、 赤米 の 栽培 を 始めた 。 白米 より ビタミン や 鉄分 など を 多く 含んで おり 、 健康 食 と して 紹介 しよう と 、 一昨年 春 、 菓子 店 「 京 唐 法師 」 を オープン 。 赤米 を 使った おはぎ や ケーキ 、 あめ を 売り出した 。 おはぎ は 赤米 と 、 中国 の 宮廷 料理 に 使わ れる 「 紫 米 」 を 使った 二 種類 が あり 、 五 個 九百 円 。 家西 さん は 「 赤米 の 米ぬか は もっと 便秘 に 効く と いう 人 も おり 、 無料 で お 分け し ます 」 と 話して いる 。 三陸 はるか 沖 地震 で 大きな 被害 を 受けた 青森 県 八戸 市 は 、 一 時 は 三万 世帯 に のぼった 断水 も 二 日 まで に ほとんど が 復旧 。 路盤 が 崩れて 不通 だった JR 東北 線 も 上下 線 とも 通常 運行 に 戻った が 、 連日 の 余震 で 、 市民 は 不安な 正月 を 過ごして いる 。 青森 地方 気象 台 に よる と 二 日 正午 まで に 起こった 三陸 はるか 沖 地震 の 体 に 感じる 余震 は 二十六 回 。 八戸 市 で は 一 日 に も 三 度 の 余震 を 記録 して いる 。 新年 を 花火 で 祝う 習慣 の ある フィリピン で 、 大みそか から 元日 に かけ マニラ 首都 圏 を 中心 に 花火 ・ 爆竹 の 暴発 や 、 騒音 に まぎれて 銃 の 乱射 事件 が 相次ぎ 、 二 日 まで に 全国 で 十六 人 が 死亡 、 八百 人 以上 が 負傷 した 。 同日 の 全国 紙 「 インクワイアラー 」 に よる と 、 例年 この 時期 に なる と 酔っぱらった 軍人 ら が 空 に 向けて 銃 を 発砲 する こと が 多く 、 警察 当局 は 昨年 末 、 銃 を 発砲 した 者 は 逮捕 、 解任 も 辞さ ない と 警告 。 しかし 今回 も 流れ弾 事故 が 約 三十 件 発生 し 、 マニラ 首都 圏 パッシグ 地区 で は 予備 兵 の ライフル 銃 の 流れ弾 で 、 公務 員 が 死亡 した 。 それ でも 十八 人 が 死亡 して 約 千三百 人 が 負傷 した 昨年 より 事故 件数 は 少なく 、 警察 当局 は 「 今年 は 比較的 、 平和だった 」 と 総括 した 。 なにわ の 正月 も 様変わり ―― “ 定番 ” の 初もうで の ほか に も 、 初売り の デパート 、 新年 を 初めて 迎えた 関西 国際 空港 や ベイ エリア は 人出 ラッシュ 。 「 リッチな 正月 気分 を 」 と 大阪 市 内 の 一流 ホテル は ほぼ 満室 。 新 名所 が 脚光 を 浴び 、 正月 の 過ごし 方 も 変わった ようだ 。 そごう 大阪 店 は 、 昨年 五 月 の 大店 法 規制 緩和 を 受け 大阪 市 内 の 百貨店 の トップ を 切って 二 日 が 初売り 。 午前 十一 時 の 開店 前 から 約 千 人 が 列 を 作り 、 終日 約 七万五千 人 の 客 が 詰め掛けた 。 創業 百六十五 周年 に ちなんだ 百六十五万 円 の 福袋 も 登場 、 五千 ― 一万 円 の 福袋 が 飛ぶ ように 売れた 。 婦人 服 売り場 に 用意 した 約 二千 個 の 福袋 は 約 一 時間 で 売り切れ 。 関西 空港 は 、 若い カップル や 家族 連れ など で 、 昨年 九 月 の 開港 直後 同様の にぎわい 。 普段 通り 営業 した 旅客 ターミナル 内 の 百十七 の 飲食 店 など は 入店 待ち の 列 も 。 人気 の 展望 デッキ も 、 飛行機 の 離着陸 を 見学 する 人 たち で 混雑 した 。 関空 対岸 の 遊園地 「 りんくう パーク 」 の 人出 は 普段 の 日曜 の 二 倍 の 約 二万 人 。 関空 を 見渡せる 大 観覧 車 は 最高 一 時間 待ち 。 地元 で とれた 鮮魚 を 使った 「 千 人 鍋 」 が 客 に ふるまわ れた 。 大阪 市 内 の 一流 ホテル は 、 「 正月 は 家族 水入らず で 」 と いう 親子 連れ ら で 三が日 は ほぼ 満室 。 大阪 ・ ミナミ の 南海 サウス タワー ホテル で は 、 大みそか から 約 三百 室 の ツインルーム を 中心 に 予約 で いっぱい 。 ホテル 日航 大阪 も 約 六百 室 が 連日 満室 で 、 宴会 場 に 屋台 を 並べた 特設 縁日 に は 子供 たち の 歓声 が 響いた 。 関係 者 は 「 “ 関空 効果 ” で 大阪 の 集 客 力 が 増えた の かも 」 と 分析 して いる 。 昨年 四 月 に オープン した 大阪 ・ 南港 の アジア ・ 太平洋 トレード センター は 正月 も 休み なし で レストラン や 商店 街 が 営業 。 二 日 も 邦楽 演奏 会 など の イベント が 行わ れ 、 大みそか から の 三 日間 で 約 二十万 人 が 詰め掛けた 。 大 水族 館 の 海遊館 も この 日 約 一万五千 人 が 訪れた 。 サリン 第 二次 大戦 中 に ナチス ・ ドイツ が 強制 収容 所 で 使用 した 猛毒 ガス 。 自然 界 に 存在 し ない が 毒性 は 青酸 ガス の 20 倍 と 極めて 強く 、 致死 量 は 成人 だ と 0.6 ミリグラム 。 体 内 に 入る と 、 呼吸 機能 など が まひ し 死亡 する 。 広島 県警 福山 西 署 に 一 日 夕 、 大阪 府 吹田 市 千里山 西 一 、 私立 大 二 年 、 横溝 登章 容疑 者 が 「 知人 を 殺した 」 と 自首 して きた 。 乗って きた 乗用車 の トランク 内 から 男性 の 死体 が 見つかった ため 、 同 署 が 殺人 容疑 で 緊急 逮捕 した 。 調べ で は 、 殺さ れた の は 兵庫 県 尼崎 市 東 難波 町 、 会社 員 、 山下 洋一 さん 。 横溝 容疑 者 は 先月 三十 日 午後 八 時 半 ごろ 、 広島 県 福山 市 柳津 町 の 山中 で 、 山下 さん の 頭 や 腹 を ける など して 殺した 疑い 。 調べ に 対し 、 横溝 容疑 者 は 「 交際 に 嫌気 が さし 、 殺した 」 と 供述 して いる と いう 。 横溝 容疑 者 は 福山 市 内 に 実家 が あり 、 帰省 中 、 態度 など を 不審に 思った 父親 が トランク を 開けて 山下 さん の 死体 を 発見 。 自首 を 説得 した と いう 。 京都 市 南 区 の 市営 住宅 の エレベーター 内 で 昨年 夏 、 主婦 の 李 順鈴 さん が 刺殺 さ れた 事件 で 、 京都 府警 は 一 日 、 殺人 容疑 で 全国 指名 手配 して いた 李 さん の 義弟 で 住所 不定 、 無職 、 李 武明 容疑 者 を 逮捕 した 。 調べ で は 、 昨年 八 月 二十六 日 午前 十 時 五十 分 ごろ 、 李 さん の 胸 など を 刺し 殺害 した 疑い 。 李 容疑 者 は 母親 が 経営 する 食肉 加工 店 を 手伝って いた が 、 事件 直後 から 行方 を くらまして いた 。 府警 は 、 李 さん と の 間 で 店 の 経営 を 巡る トラブル が あった と みて 詳しい 動機 を 追及 する 。 毎日 新聞 が 今年 の 経済 動向 に ついて 、 主要 企業 百 社 の 社長 を 対象 に 昨年 末 実施 した アンケート で 、 五十三 社 の トップ が 一九九五 年度 の 自社 業績 は 九四 年度 に 比べ 増収 増益 に なる と 見込んで いる こと が 分かった 。 景気 回復 の 本格 化 を 裏付ける もの の 、 従業 員 数 に ついて は 五十五 社 が 「 減らす 」 と 答え 、 国 内 の 雇用 は なお 厳しい 状況 が 続き そうだ 。 円高 基調 を 反映 、 「 海外 生産 が 増える 」 と する 社長 が 四十五 社 に 達し 、 国 内 産業 の 空洞 化 に 拍車 が かかる 恐れ も 強い 。 九五 年度 の 実質 経済 成長 率 に ついて は 、 五十一 社 が 一 % 台 に とどまる と 予測 。 二 % 台 が 四十八 社 で 、 三 % 台 と いう 強気の 見通し は 一 社 だけ 。 経営 トップ が 低 成長 時代 定着 を 実感 して いる こと を うかがわ せた 。 九五 年度 の 業績 見通し で 「 増収 増益 」 と 答えた の は 九四 年度 で 「 増収 増益 」 と した 企業 に 比べて 十二 社 増加 。 三井 物産 、 日産 自動車 など 五 社 は 九四 年度 の 減収 減益 見込み から 一気に 増収 増益 へ の 好転 を 予測 する 。 九五 年度 「 減収 減益 」 を 見込んで いる の は 、 バブル 経済 崩壊 の 後遺症 を 引きずる 総合 建設 会社 の 鹿島 、 竹中 工務 店 と プラント 大手 の 東洋 エンジニアリング の 三 社 だけ 。 九四 年度 の 「 減収 減益 」 社 数 十五 社 から 大幅に 減少 する 。 業績 回復 期 に ついて も 「 すでに 回復 」 が 最も 多く 三十五 社 。 それ ら を 含め 七 割 強 は 遅く と も 九五 年度 中 に 回復 する と 見込んで いる 。 一方 、 九五 年度 当初 の 従業 員 数 に ついて は 、 九四 年度 当初 に 比べ 「 増やす 」 が 、 個人 住宅 建設 の 好調な 積水ハウス や 家庭 用 ゲーム 機 トップ の 任天堂 など 六 社 だけ 。 電機 、 自動車 、 食品 など の 業界 を 中心 に 三十七 社 が 「 横ばい 」 と して いる 。 九六 年 四 月 の 採用 人員 は 九五 年 に 比べ 「 減らす 」 が 二十九 社 。 「 横ばい 」 が 三十八 社 で 、 「 増やす 」 は 三 社 に とどまり 、 低 成長 時代 に 入って 、 人件 費 を 削減 し ながら 、 なんとか 企業 収益 を 維持 しよう と いう 経営 トップ の 姿勢 が うかがえる 。 海外 生産 の 見通し を 聞く と 、 四十五 社 が 「 さらに 増える 」 と 回答 。 「 変わら ない 」 が 二十五 社 で 、 「 減らす 」 は 一 社 も なく 、 国 内 空洞 化 に 歯止め は かかり そう も ない と いう 結果 だった 。 ロシア 南部 チェチェン 共和 国 の 首都 グロズヌイ に 進攻 した ロシア 軍 は 二 日 、 ドゥダエフ 政権 部隊 の 激しい 抵抗 で 大量の 被害 を 出し 、 首都 攻略 の 第 一 次 作戦 は 事実 上 失敗 した 模様 だ 。 ロシア 側 は 支援 部隊 の 投入 を 発表 し 、 三 日 も 首都 空爆 を 行った 。 一方 、 ドゥダエフ 大統領 は 二 日 夜 、 多数 の ロシア 兵 を 捕虜 に した と 発表 。 これ を 盾 に ロシア 政府 に 改めて 即時 停戦 を 求めた 。 グロズヌイ から の 報道 に よる と 三 日 、 大統領 官邸 の 北西 一・五 キロ の 鉄道 駅 付近 で ロシア 軍 部隊 と チェチェン 側 部隊 が 衝突 した が 、 ロシア 側 は 中心 部 へ の 進撃 を 阻ま れて 苦戦 。 装甲 車 数十 両 が 破壊 さ れ 、 部隊 は チェチェン 側 の 抵抗 で 分断 さ れて いる 。 インタファクス 通信 に よる と 、 大統領 官邸 付近 に は 約 百 人 の ロシア 兵 の 遺体 が 散乱 して いる ほか 、 官邸 の 地下 に 将校 を 含む ロシア の 負傷 兵 六 人 が 収容 さ れて いる と いう 。 ロシア 政府 は 三 日 、 戦況 に 関する 声明 を 発表 し 、 大統領 官邸 を 含む 首都 中心 部 は 依然と して ロシア 側 が 支配 して いる と 強調 した 。 しかし 現地 から の テレビ 映像 で は 、 官邸 はじめ 中心 部 は 依然と して ドゥダエフ 政権 部隊 の 兵士 が 警戒 に 当たって おり 、 ロシア 側 発表 と 食い違い を 見せて いる 。 また ロシア 政府 は 、 チェチェン 側 が 塩素 ガス 、 青酸 ガス など 化学 兵器 を 使用 した ため ロシア 兵 八 人 と 一般 市民 が 死亡 した と 述べた 。 チェチェン 外務 省 は これ を 否定 して いる 。 ドゥダエフ 大統領 は 二 日 夜 、 声明 を 発表 し 、 ロシア 側 が さらに 攻撃 を 続ければ 、 捕虜 と なった ロシア 兵 を 「 いつでも 処刑 できる 」 と 言明 した 。 お 正月 を 故郷 や スキー 場 など の 行楽 地 で 過ごした 人 の 首都 圏 へ の Uターン ラッシュ は 、 三 日 午後 が ピーク と なった 。 日本 道路 交通 情報 センター に よる と 、 高速 道路 の 上り線 は どこ も 昼 過ぎ から 込み 始め 、 東北 自動車 道 は 午後 六 時 前 、 栃木 県 の 鹿沼 インター を 先頭 に 六十三 キロ の 大 渋滞 と なった 。 夕方 から 夜 に かけて 、 東名 高速道 で は 静岡 県 の 日本坂 トンネル 付近 で 三十 キロ 、 関越 自動車 道 で は 東京 ・ 練馬 料金 所 で 十三 キロ の 列 が 続いた 。 新幹線 は 山形 発 東京 行き つばさ 120 号 、 122 号 の 自由 席 が 乗車 率 二五〇 % を 記録 した 。 ポストファクトム 通信 に よる と 、 イングーシ 共和 国 の アガポフ 副 大統領 は 三 日 、 グロズヌイ 市 内 の 戦闘 で ロシア 軍 は 約 千 人 が 死亡 、 五百 人 近く が 捕虜 に なった と 述べた 。 ロシア 側 は これ ら の 情報 を 否定 し 、 逆に チェチェン 側 の 外国 人 雇い 兵 を 捕らえた と して いる 。 村山 富市 首相 は 三 日 、 静養 先 の 箱根 から 東京 の 首相 公邸 に 戻った 。 首相 は 「 今年 は 戦後 五十 年 の 節目 だ し 、 二十一 世紀 に 向けて 世界 の 中 で 日本 が どういう 役割 を 果たして いく か 、 と いう ことだ 」 と 改めて 新年 の 抱負 を 述べた 。 自民党 の 渡辺 美智雄 元 副 総理 ・ 外 相 は 三 日 、 栃木 県 鹿沼 市 で 講演 し 、 「 憲法 も 五十 年 たって 使え なく なった 。 環境 問題 や エイズ 、 麻薬 など に 関する 国際 協力 に ついて 、 憲法 は 一言 も 書いて い ない 」 と 述べ 、 時代 に 応じた 改憲 が 必要 と の 考え を 示した 。 新進党 が 昨年 末 に 決定 した 党 役員 や 「 政権 準備 委員 会 」 の 人事 で は 、 奥田 敬和 元 運輸 相 ら 党首 選挙 で の 羽田 孜 氏 擁立 グループ の 冷遇 が 目立った 。 奥田 氏 に 近い 愛野 興一郎 氏 や 愛知 和男 氏 ら は 月 内 に も 政策 グループ を 結成 する 方針 で 、 党 内 主流 派 、 反 主流 派 の 色分け が 鮮明に なり そうだ 。 「 だれ が 本物 か メッキ か 国民 に 分かる 日 が 来る だろう 」 。 十二 月 末 、 都 内 で 開いた 衆院 議員 在職 二十五 年 を 祝う 会 で 、 奥田 氏 が 語った 。 羽田 氏 は 「 得難い 人物 。 これ から も 発言 を して もらう こと で 、 軌道 が 修正 さ れて いく だろう 」 と 奥田 氏 を 称賛 した 。 両氏 の 発言 は 、 小沢 一郎 幹事 長 を 意識 した もの 。 奥田 氏 の 羽田 氏 擁立 は 、 小沢 氏 の 「 強引で 密室 的な 党 運営 の 手法 」 へ の 反発 から だった 。 こうした 中 、 新進党 の 人事 で は 、 羽田 氏 擁立 グループ が 冷遇 さ れた の は 事実 。 奥田 氏 や 愛野 氏 に は 主だった 役職 は なし 。 羽田 氏 は 「 人脈 を 考える と 他 に やれる 人 は い ない 」 と 周辺 に 漏らし 、 外 相 相当 ポスト を 希望 して いた と いわ れる が 、 結局 、 政治 改革 推進 本部 長 に 。 党首 選挙 で 羽田 氏 へ の 投票 を 公表 した 船田 元 ・ 元 経企 庁 長官 も 閣僚 経験 者 で あり ながら 、 組織 副 委員 長 に 甘んじた 。 愛野 氏 ら は 当面 、 羽田 氏 に 投票 した 議員 を 中心 に 政策 グループ へ の 参加 を 呼びかける 方針 。 羽田 氏 擁立 グループ の 中 に は 「 派閥 的 活動 に は 絶対 反対 」 と いう 議員 も おり 、 どの 程度 の 集団 に なる の か は 微妙だ が 、 新進党 の 大きな 不安定 材料 と なる こと は 必至だ 。 参院 選 の しのぎ 方 が ポイント に 衆院 解散 ・ 総 選挙 の 時期 と 絡む と 思う 。 その 選挙 の 結果 で 三 党 の 比率 が どう なる か だ 。 違って いる の か 、 同じな の か に よる 。 長期 政権 と いわ れた 佐藤 栄作 、 中曽根 康弘 政権 は 、 できた 時 は 短命 と いわ れた 。 長期 と いわ れた 田中 角栄 、 竹下 登 政権 は 、 案外 もろかった 。 一つには 総理 が 率いる 社会党 が どう なる か 。 統一 地方 選 で 直ちに 危なく なる こと は 考え られ ない が 、 参院 選 を どう しのぐ か だ 。 選挙 協力 も ポイント と 思う 。 前々回 の 参院 選 は 二十三 勝 三 敗 だった 。 調整 は やって いる 。 次 も 二十三 勝た せて くれ と 言わ れたら それ は 無理だ 。 しかし 、 複数 区 で の すみわけ も 一種 の 選挙 協力 だ と 思う 。 自民党 内 に も 、 保 ・ 保 大 連合 を 認める 人 まで 、 いろいろな 意見 が ある 。 しかし 今 は 自民 、 社会 、 さきがけ の 三 党 が 組んで アンチ 新進党 が 強い 。 それ が あらゆる もの を 乗り越える マグマ に なって いる 。 自分 の ところ だけ で なく 、 他人 の ところ に まで 求心力 を 持た せて しまう のだ から 、 大変な エネルギー だ 。 新党 へ の 移行 は 政権 の 安定 要素 社会党 が 民主 リベラル 勢力 を つくる 役割 を 果たし 、 党 の 歴史 的 使命 を 終えて 移って いく なら 、 政局 に は なら ない 。 むしろ 政権 の 安定 に なる ので は ない か 。 しかし 新党 構想 を めぐり 、 今 まで の 社会党 の 考え 方 や 時代 対応 を 変える 必要 を 認め ず 、 古い 旗 を 守る こと が 大義 であって 、 それ を 社会党 の 任務 と 考える ような 「 革新 の 保守 」 と 、 党 の 分裂 は やむ を 得 ない と いう 人 たち が ぶつかる 場合 、 厳しい 状況 を 考え なければ なら ない 。 一九八九 年 の 参院 選 で 五十二 人 が 当選 した 。 三 年 前 は 二十四 人 。 確かに 今 の 議席 維持 は 難しい 。 しかし 参院 選 は 直接 、 政権 交代 に は 結びつか ない 。 社会党 の 党首 交代 は 参院 選 を 受けた もの が 多い が 、 村山 さん は 内閣 の 首班 。 参院 選 の 結果 が どんなに 悪くて も 、 それ だけ で 委員 長 を 辞める こと に は なら ない 。 首相 を 退く こと に なる から だ 。 村山 さん が 国民 に よい 印象 を 持って 迎え られて いる こと は 間違い ない 。 政権 担当 者 と して の 力 と 首相 の 人気 の 両面 が ある が 、 村山 さん の 場合 、 人柄 が 支持 さ れて いる 。 連立 政権 と いう の は 、 どんなに 政治 力 が あって も やはり 限界 が ある 。 与党 首脳 走れば 勢力 結集 できる パワー ゲーム の 部分 は 確かに あった 。 否定 は し ない 。 ただ 、 今回 の 連立 は 自民 、 社会 、 さきがけ 三 党 の 連立 と 同時に 三 者 の 連立 だった 。 村山 富市 さん 、 河野 洋平 さん 、 武村 正義 さん は 歴史 認識 や 日本 の 進路 など で 同志 だ 。 党 が 違う の が おかしい ぐらい だ 。 この 三 人 が 突っ走って 、 自分 たち の 志 を 貫いて いけば そこ に 一 つ の 政治 勢力 が 結集 する 。 行革 委員 会 の 事務 局長 問題 や 国連 安全 保障 理事 会 の 常任 理事 国 入り 問題 など 、 われわれ が 取り組んで きた 問題 で 、 新民連 が どういう 考え な の か 意思 表示 を して ほしかった 。 それ を し ないで どんな 政党 を つくろう と いう の か 。 平和 と か 自由 、 民主 主義 、 政治 改革 と か 退屈な 言葉 を 使わ ないで いかに い られる か だ 。 だれ も 反対 でき ない 一般 的な 条項 に 逃げて は いけない 。 もっと 具体 的な 言動 を みて 提携 関係 を 考えて いく しか 方法 が ない 。 たとえ 一 つ の 問題 で 意見 が 違って も 、 全体 と して 共通の 感性 で 議論 して いく こと が できる 関係 であれば 、 おのずから 収れん して いく ので は ない か 。 今年 中 、 続けば 国 おかしく なる 村山 内閣 が 今年 中 ずっと 続いて いれば 、 日本 の 国 は おかしく なる 。 衆院 で 二百 人 の 全然 違った 政党 である 自民党 と 一緒に くっついて いたら リーダーシップ は 絶対 ふるえ ない 。 しかし 選挙 で 勝てば 別だ 。 選挙 で 勝った なら 、 それ は 国民 が 選んだ と いう こと な のだ から 。 安定 を 前面 に 出して 、 選挙 で 真 正面 から 違う こと を 言って いた 人 が 一緒に なった の が 今 の 村山 内閣 だ 。 九七 年 まで 村山 政権 が 続く の は 安定 かも しれ ない が 、 確信 を 持って 政治 が やれる の か 。 少数 政党 の 村山 富市 さん を 首相 に 仰いで 、 果たして ビジョン を 訴える こと が できる のだろう か 。 村山 さん は 頑張って いる が 、 自民党 が いる 以上 、 だんだん 問題 が 大きく なって 、 議論 し なければ なら なく なる 。 とても ついて いけ なく なる と 思う 。 この前 、 村山 さん が アジア を 訪問 した が 、 日本 の 顔 が 見え ない 。 アジア の 国 は アメリカ 、 先進 国 と 新しい 関係 を 作ろう と して いる 。 日本 が どういう スタンス を とる の か が 見え ない 。 双方 から そう 思わ れて いる 。 三 日 の 台湾 紙 「 中国 時報 」 など に よる と 、 李 登輝 総統 は 二 日 、 台湾 マスコミ 幹部 と の 懇談 で 今年 十一 月 に 大阪 で 開か れる アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 が 中国 の 江 沢民 総 書記 と 会談 する 最も 適当な 場 だ と 表明 。 非公式 首脳 会議 へ の 参加 に 改めて 意欲 を 表明 した 。 自治 省 の 政党 助成 法 に 関する 説明 会 。 政党 で 経理 を 担当 する A さん は 、 会場 で 配ら れた 政党 交付 金 収支 報告 書 の 様式 集 を 見て びっくり 。 支出 項目 に は 「 政治 資金 パーティー 開催 事業 費 」 や 、 対 野党 工作 に も 使わ れる と いう 「 組織 活動 費 」 が 例示 して あった から だ 。 政党 交付 金 は 税金 の 一部 だ 。 「 国 は 、 使途 に ついて 制限 して は なら ない 」 と は いえ 、 A さん に は 「 税金 で パーティー を どうぞ 」 「 国会 対策 費 も 税金 で どうぞ 」 と 書いて ある の と 同じに 見えた 。 「 実に “ 親切 ” な こと だ けど 、 税金 で パーティー なんか 開いたら 、 選挙 で 負けちゃ う よ 。 国民 の 目 は そんなに 甘い もん じゃ ない 」 ある 政党 で は 経理 担当 者 が 公認 会計 士 四 人 と チーム を 作り 、 ドイツ や フランス など の 実情 を 調べ ながら 、 一 年 半 がかり で 分厚い マニュアル を まとめた 。 その 中 に は 「 文書 を 発送 する 場合 、 印刷 費 に は 政党 交付 金 を 充てて も いい が 、 切手 代 は ダメ 。 切手 は 簡単に 換金 できる から 、 誤解 を 与え かね ない 」 など と 交付 金 の 使い 方 を 事細かに 指示 して ある と いう 。 政党 交付 金 の 収支 報告 書 は 原則として 翌年 三 月 末 が 提出 期限 。 「 報告 書 に 政党 の モラル が きっと 表れる 」 と A さん は 言う 。 だが 、 カネ に 色 が ついて いる わけで は ない 。 国民 は 政党 交付 金 の 使い 方 と 、 交付 金 以外 の 政治 資金 の 使い 方 の 「 両 にらみ 」 を 迫ら れる 。 政党 の モラル を 国民 が 最初に チェック できる の は 、 一九九五 年 分 報告 書 が 公表 さ れる 九六 年 に なって から だ 。 半数 は 「 子供 に 悪 影響 」 毎日 新聞 が 「 女性 の 労働 と 家族 」 の テーマ で 実施 した 全国 世論 調査 に よる と 、 七七 % が 「 男性 も 女性 も 社会 に 出て 働く べきだ 」 と 答え 、 八六 % が 「 専業 主婦 と して 、 家事 を する こと は 、 外 で 働く こと と 同じ くらい 価値 が ある 」 と 考えて いる こと が 分かった 。 調査 は アメリカン ファミリー 生命 保険 会社 の 協力 で 、 昨年 十二 月 初め 、 全国 の 有権者 四千 人 を 対象 に 留め置き 法 で 行わ れ 、 回収 率 は 六八 % だった 。 「 専業 主婦 に 価値 」 86 % 「 母親 が 外 で 働く と 、 小学校 入学 前 の 子供 に よく ない 影響 が ある 」 と の 意見 に は 賛成 五〇 % 、 反対 四四 % に 二分 さ れた 。 母親 が 毎日 フル タイム で 働く こと に は 、 五三 % が 「 家庭 生活 に 悪 影響 が 出る 」 と 、 四一 % が 「 出 ない 」 と 考えて いる が 、 これ が パート タイム と なる と 、 「 悪 影響 が 出る 」 が 四一 % 、 「 出 ない 」 が 五二 % と 逆転 して いる 。 女性 の 結婚 ・ 出産 と 職業 に つく 関係 に ついて は 「 結婚 して 子供 が できたら 、 一 時 やめて 、 子供 の 手 が 離れたら 、 また 職業 に つく 」 が 六三 % で 断トツ 。 一 年 前 の 調査 より 二 ポイント 増えた 。 以下 「 結婚 して 子供 が できて も 職業 を 続ける 」 一二 % 、 「 結婚 して も 子供 が できる まで は 職業 に つき 、 その後 は 職業 に つか ない 」 九 % 、 「 結婚 する まで は 職業 に つく が 、 結婚 後 は 職業 に つか ない 」 八 % の 順 だった 。 一方 、 過半数 の 五四 % が 「 ふだん ストレス を 感じて いる 」 と 答え 、 その 原因 ( 複数 回答 ) は ( 1 ) 仕事 が うまく いか ない 四一 % ( 2 ) 職場 の 人間 関係 が 悪い 三〇 % ( 3 ) 家事 、 育児 など が うまく いか ない 一五 % ( 4 ) 配偶 者 と の 関係 が よく ない 一〇 % ( 5 ) 配偶 者 の 親 と の 関係 が よく ない 七 % ―― など の 順 。 これ を 五十 代 まで の ( 1 ) 働く 既婚 女性 ( 2 ) 専業 主婦 ( 3 ) 働く 妻 を 持つ 男性 、 に 分類 する と 、 ふだん ストレス を 感じて いる の は それぞれ ( 1 ) 五八 % ( 2 ) 五五 % ( 3 ) 六九 % に 増え 、 職業 が ストレス 感 を 増して いる 傾向 が うかがえる 。 第 二 次 世界 大戦 直後 、 ソ連 の 当時 の 最高 指導 者 スターリン が 、 日本 の 北海道 北部 の 占領 と ともに 、 東京 へ の ソ連 軍 駐留 を 画策 して いた こと が 三 日 、 ロシア 国防 省 内 に 保管 さ れて いる 極秘 文書 で 明らかに なった 。 ソ連 の 北海道 北部 占領 計画 は 既に 知ら れて いる が 「 東京 分割 統治 」 の もくろみ が 明るみ に 出た の は 初めて 。 時事 通信 が 入手 した の は 、 スターリン と アントノフ ・ ソ連 軍 参謀 総長 が 、 日本 の 占領 政策 を めぐり マッカーサー 連合 国 軍 最高 司令 官 と 交渉 に 当たって いた ジェレビャンコ ・ ソ連 全権 代表 に 送った 一九四五 年 八 月 十七 日 付 および 同 二十五 日 付 の 指令 書 。 十七 日 付 の 指令 書 は 、 ソ連 が 米国 に 対して 、 北 半分 の 北海道 を ソ連 軍 の 占領 地区 と する よう 要求 した こと を 示し 、 「 東京 に おいて ソ連 軍 に 駐留 地域 を 提供 する 問題 」 を 提起 する よう 命じて いる 。 しかし 、 約 一 週間 後 の 二十五 日 付 の 指令 書 で は 、 北海道 の 北 半分 を ソ連 軍 占領 地区 と する 要求 に ついて 「 トルーマン 米 大統領 が 拒否 した 」 こと を 理由 に 引っ込め 、 東京 に おける 同 軍 駐留 問題 に 関して も 「 提起 する 必要 は ない 」 と 命令 を 撤回 した 。 戦後 五十 年間 で 女性 が 一生 の 間 に 産む 子供 の 数 は 三分の一 に 減り 、 働く 場所 は 家 の 中 から 外 へ ―― 。 総理 府 男女 共同 参画 室 が 三 日 付 で 発表 した 「 女性 の 歩み 五十 年 」 で 、 戦後 に おける 女性 の 地位 や 生活 の 変化 が 改めて 浮き彫り に なった 。 これ は 今年 九 月 に 北京 で 第 四 回 世界 女性 会議 が 開か れる の を 機 に 、 各種 統計 を まとめた もの 。 終戦 直後 の 一九四七 年 に は 、 一 人 の 女性 が 一生 の 間 に 産む 子供 の 数 は 約 四・五四 人 だった が 、 九三 年 は 一・四六 人 と 約 三分の一 に 減少 。 四七 年 当時 四・九七 人 だった 一 世帯 当たり の 人数 も 、 九〇 年 は 二・九九 人 に 減った 。 また 、 九三 年 に は 外 で 働く 女性 の 割合 は 働く 女性 全体 の 約 七七 % 。 五三 年 当時 の 二 倍 以上 に なって いる 。 また 、 平均 初婚 年齢 は 四七 年 当時 の 二十二・九 歳 から 九三 年 は 二十六・一 歳 と 三 歳 以上 も 上昇 。 離婚 率 が 一・五 倍 に 増えて いる 。 経団連 の 豊田 章一郎 会長 と 経済 同友 会 の 速水 優 代表 幹事 は 三 日 付 で 、 年頭 見解 を それぞれ 発表 した 。 規制 緩和 を 推進 して 、 市場 機能 を 生かした 形 で の 日本 経済 の 活性 化 を 共通 して 訴えて いる 。 豊田 会長 は 「 活力 と 創造 性 あふれる 経済 社会 を 目指して 」 と 題した メッセージ の 中 で 、 急激な 円高 と 空洞 化 と いう 危機 を 迎え ながら も 「 思い切った 規制 の 撤廃 や 、 自己 責任 原則 に 基づく 経済 システム へ の 転換 に より 克服 できる 」 と 呼び掛けて いる 。 速水 代表 幹事 は 「 改革 へ の 加速 を 」 と 題した 見解 の 中 で 、 改革 路線 の 推進 を 求める 一方 、 アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 が 秋 に 大阪 で 開か れる こと を 踏まえ 、 「 アジア に 対して 自ら の 立場 を より 明確に した 外交 を 展開 して いく 必要 が ある 」 と 主張 して いる 。 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 の 朱 昌駿 ・ 駐 中国 大使 は 三 日 、 記者 会見 し 、 日 朝 国交 正常 化 交渉 の 再開 に ついて 「 再開 できる か どう か は 、 すべて 日本 側 に かかって いる 。 日本 政府 は 、 我々 の 立場 と 要求 に ついて 、 大変 はっきり と 知っている 」 と 語った 。 日 朝 交渉 は 、 北朝鮮 の 核 開発 疑惑 、 李 恩恵 問題 など で 中断 して おり 、 要求 と は 、 これ ら 問題 に 絡む もの と み られる 。 福井 県 大飯 郡 高浜 町 田ノ浦 、 関西電力 高浜 原発 2 号 機 で 三 日 午前 五 時 四十五 分 ごろ 、 二 次 冷却 水 を 蒸気 発生 器 に 送り込む 主 給水 管 の 水抜き 配管 の 弁 付近 から 蒸気 が 漏れて いる の を 、 巡回 中 の 社員 が 発見 。 関電 は 同日 午後 六 時 五 分 、 手動 で 運転 を 停止 した 。 二 次 冷却 水 に は 放射能 は 含ま れて おら ず 、 環境 へ の 影響 は ない と いう 。 総理 府 は 三 日 付 で 「 体力 ・ スポーツ に 関する 世論 調査 」 の 結果 を 発表 した 。 肉体 的な 疲労 を 感じて いる 人 が 六 割 強 に 上り 、 精神 的な 疲労 ・ ストレス を 訴える 人 も 約 五 割 に 達した 。 現代 社会 に 疲れ 、 イライラ を 募ら せる 日本 人 の 姿 を 表した 格好 だ 。 調査 は 政府 が 行う 健康 や スポーツ の 施策 の 参考 と する ため 、 昨年 九 、 十 月 に かけて 実施 し 、 全国 の 二千二百十一 人 が 回答 した 。 体 の 状態 に ついて 健康 と 答えた 人 は 八七・八 % で 、 体力 に 自信 を 持って いる と の 回答 は 八一・一 % だった 。 しかし 、 肉体 的な 疲労 を 感じて いる 人 は 六二・六 % で 、 精神 的な 疲労 ・ ストレス を 感じて いる 人 も 四九・七 % に 上った 。 健康 や 体力 に は 自信 が あって も 、 通勤 や 長 時間 労働 など で 肉体 的 、 精神 的な 疲労 が 募って いる 人 が 多い こと が 示さ れた 。 また 、 運動 不足 に ついて は 六二・八 % の 人 が 「 感じる 」 と 回答 した 。 話し合い 解決 を 模索 ―― シアヌーク 国王 、 きょう 帰国 ポル ・ ポト 派 非合法 化 法 の 発効 を 今月 十五 日 に 控え 、 カンボジア で は ポル ・ ポト 派 兵士 の 駆け込み 投降 が 相次ぐ 一方 、 誘拐 や 略奪 行為 が 数 を 増した 。 政府 は 武力 行使 を 示唆 して 揺さぶり を かけ 、 非合法 化 に 反対 する シアヌーク 国王 は 、 がん 治療 中 の 北京 から 四 日 、 帰国 する 。 非合法 化 さ れる と 同 派 兵士 や 構成 員 は 国家 転覆 容疑 で 起訴 さ れる 。 政府 は 発効 まで の 半年 間 を 免罪 期間 と し 、 投降 を 呼び掛け 、 昨年 だけ で 「 六千 人 以上 」 が 投降 。 家族 など を 加える と 一万 人 を 超えた 。 同 派 の 焼き打ち 、 強奪 、 誘拐 事件 も 数 を 増した 。 カンボシア 中 西部 や 北部 で は 村人 ごと 連行 さ れた 村 や 、 収穫 米 を 根こそぎ 奪わ れた 村 も ある 。 カンボジア 政府 は 、 フン ・ セン 第 二 首相 が 「 断固たる 措置 を 取る 」 と 明言 。 同 派 と の 関係 存続 が 指摘 さ れて きた タイ から 「 ポル ・ ポト 派 対策 合同 委 」 の 設置 合意 を 取り付け 、 同 派 の 孤立 化 を 加速 さ せた 。 一方 、 シアヌーク 国王 は 依然と して 非合法 化 に 反対 して いる 。 先月 初め ごろ 、 北京 で 西側 外交 官 に 「 力 に よる ポル ・ ポト 派 討伐 は 国家 を 疲弊 さ せる 。 話し合い しか 国民 和解 の 道 は ない 」 と 表明 。 仲裁 の 私案 を 示した と さ れる 。 国連 の 軍事 関係 者 は 「 ポル ・ ポト 派 は 守り に 入った 。 政府 軍 に も 、 武力 で 制圧 する 力 は ない 。 投降 猶予 期間 の 延長 も あり 得る 」 と 分析 して いる 。 中央 アジア の タジキスタン の 首都 ドゥシャンベ で 1 日 から 3 日 に かけ 新年 用 の シャンパン を 飲んだ 15 人 が 混入 さ れた 毒物 に よる と み られる 中毒 症状 で 死亡 、 40 人 が 入院 した 。 タジキスタン 当局 は 反 政府 派 に よる テロ 事件 の 可能 性 も ある と みて 調べて いる 。 スリランカ 政府 と 、 タミル 人 分離 独立 軍事 組織 「 タミル ・ イーラム 解放 の トラ 」 は 三 日 、 同 組織 の 根拠 地 ジャフナ 半島 で 和平 予備 交渉 を 再開 。 本 交渉 の 前提 と なる 停戦 で 、 初めて 基本 的 合意 に 達した 。 合意 内容 は クマラトゥンガ 大統領 が 発表 する 。 予備 交渉 は 、 昨年 十 月 の 中断 以来 、 頻発 した 双方 の 軍事 衝突 の ため 決裂 が 懸念 さ れて いた が 、 土壇場 で ゲリラ が 再開 を 受け入れた 。 フランス 政府 は 二 日 、 チェチェン 共和 国 の 紛争 仲裁 に 乗り出す 意向 を 明らかに した 。 今月 一 日 に 改称 した ばかりの 全欧 安保 協力 機構 の 枠組み を 通じ 、 紛争 の 両 当事 者 に 妥協 案 を 提示 する 。 フランス 外務 省 スポークスマン は 二 日 、 「 ロシア 側 から は すでに 仲介 に ついて 前向きの 返答 が あった 。 対話 を 重ねて 妥協 点 を 探る 」 と 述べた 。 イスラエル 政府 は 2 日 夜 の 臨時 閣議 で 、 パレスチナ 側 の 反発 を 買って いる ヨルダン 川 西岸 エフラト 近く で の 入植 地 建設 に ついて 、 問題 の 場所 へ の 建設 は 中止 し 、 既存 の 入植 地 の 近接 地 に 移して 建設 を 認める こと を 決めた 。 アパルトヘイト 制度 を 撤廃 後 、 初めて 迎えた クリスマス と 年 末 年始 に 、 南アフリカ は 至福 感 に 包ま れた ようだった 。 インド洋 に 面した 保養 地 ダーバン で は 、 浜辺 と いう 浜辺 が 海水 浴 客 で ギッシリ 。 海外 から も 多く の 観光 客 が 訪れ 、 レストラン も クリスマス から 一 月 五 日 まで 予約 で いっぱい 。 観光 業界 は 過去 二十 年間 で 最高の 景気 に わいた 。 南ア で は 長年 、 クリスマス セール 中 に 黒人 消費 者 が 白人 商店 主 に 抗議 して 買い物 を ボイコット する 「 ブラック ・ クリスマス 」 が 続き 、 年 末 年始 の お 祝い ムード も 反 アパルトヘイト 運動 に かき消さ れて きた 。 だが 、 今年 は 初めて 冷酷な 政治 の 世界 から 解放 さ れて 、 年 末 年始 を 思う存分 、 楽しもう と いう 人々 で あふれた 。 ヨハネスブルク の 会社 員 、 マースドープ さん は 「 一 年 前 は まだ 多く の 人々 が 戦い 、 傷付け 合って いた が 、 今年 は まったく ムード が 違う 。 もう 肌 の 色 で 人 を 隔てる ので は なく 、 すべて が 南ア 人 だ 」 と 感慨 深 げ 。 だが その 一方 で 、 過去 の 社会 が もたらした 世界 有数 の 貧富 の 格差 は 、 いまだ 存在 した まま だ 。 黒人 低 所得 層 に 住宅 を 供給 する と いう 新 政権 の 公約 へ の 道 は 遠く 、 この 至福 感 に 包ま れた ハッピー ・ ニュー ・ イヤー も つかの間 の もの な の か 。 2 日 発売 の ドイツ 週刊 誌 シュピーゲル 最新 号 に よる と 、 第 二次 大戦 に おける ドイツ 降伏 50 周年 記念日 に 当たる 5 月 8 日 、 コール 首相 は 政府 主催 の 記念 式典 に ワイツマン ・ イスラエル 大統領 を 招待 した 。 イスラエル の 大統領 は 過去 に ドイツ を 公式 訪問 した こと が なく 、 実現 すれば 式典 は ホロコースト の 加害 者 と 犠牲 者 が 和解 を 宣言 する 歴史 的 舞台 と なる 。 電灯 を ともす と 、 渦 を 巻き ながら 上る 無数の 白い 泡 が ガラス 越し に 見えた 。 白い 泡 の 正体 は オゾン 。 江戸 川 に 面した 東京 都 水道 局 金町 浄水 場 が 、 安全で おいしい 水道 水 を 目指して 導入 した 高度 浄水 施設 の 一部 だ 。 この 浄水 場 は 東京 都 東部 の 約 二百五十万 人 に 水 を 供給 して いる 。 公害 が 社会 問題 化 した 七二 年 ごろ から 、 「 水 が かび 臭い 」 と の 苦情 が 目立ち 、 多い 年 に は 千 件 に も 上った 。 かび 臭 の 原因 は 藻 が 作り出す 物質 。 これ を 吸着 する 粉末 活性炭 を 入れて 対応 した が 、 投入 量 の 管理 が 難しい 。 そこ で 、 八四 年 から 高度 浄水 処理 システム の 開発 に 取り組み 、 九二 年 六 月 から 一 日 当たり 二十六万 トン の 処理 を 始めた 。 江戸 川 から 取水 した 水 を 前 処理 して 、 高度 浄水 施設 に 送る 。 そこ で まず 、 水 に オゾン を 吹き付ける 。 オゾン は 強い 酸化 力 が あり 、 かび 臭 物質 や 、 やはり におい の 原因 と なる アンモニア 性 窒素 を いずれ も 一〇〇 % 、 発がん 性 が 問題 と なった トリハロメタン の 前 段階 の 物質 を 六〇 % 取り除く こと が できる 。 オゾン 処理 は 三 槽 の 水槽 で 四 分間 ずつ 行う 。 「 計 十二 分間 で 、 十二分に 殺菌 して い ます 」 と 尾崎 勝 技術 課長 は ジョーク を 交えて 説明 する 。 続いて 深 さ 二・五 メートル の 生物 活性炭 の 層 を 通す 。 活性炭 の 表面 に 繁殖 する 微 生物 の 力 を 借りて 、 有機 物 など を 取り除く 。 この 施設 を 出た 後 、 水 は 従来 の 処理 と 同様に 急速 ろ過 池 を 通り 、 最後に 塩素 殺菌 処理 さ れる 。 浄水 場 の 一 日 当たり の 供給 量 は 約 一〇〇 トン 。 高度 処理 の 水 は 、 従来 の 方法 で 処理 した 水 と 混合 さ れて 供給 さ れる 。 ブレンド 水 の うち 高度 処理 水 は 四分の一 を 占める に 過ぎ ない が 、 尾崎 さん は 「 苦情 が ほとんど なくなり 、 おいしく なった と いう 声 を 聞き ます 」 と 喜ぶ 。 確かに 、 管理 事務 所 で 飲んだ 高度 処理 水 は 家庭 で 飲む 水道 水 より も カルキ 臭 が 少なく 、 おいしかった 。 現在 、 二 期 工事 に 入り 、 九七 年 から は 一 日 当たり 五十二万 トン に 増える 。 同様の システム は 大阪 府 や 千葉 県 など の 一部 でも 取り入れ られた 。 安全 性 と おいし さ の 両立 を 目指して 、 水道 水 は 変わり つつ ある 。 無色 透明な 水 の 中 で 、 水 分子 の 構造 は 激しく 変化 して いる 。 大峰 巌 ・ 名古屋 大 理学部 教授 の グループ は その 変化 を 表現 する コンピューター モデル を 作った 。 水 分子 は 水素 原子 二 個 と 酸素 原子 一 個 から できて いる 。 一 つ の 水 分子 の 水素 原子 が 別の 水 分子 の 酸素 原子 と 結び付く 水素 結合 に よって 、 水 分子 の ネットワーク が 構成 さ れて いる 。 「 沸点 が 高い 、 多く の 物質 を 溶かす など 、 水 が ほか の 液体 と は 違う 特殊 性 を 持つ の は 、 水素 結合 に 由来 する 」 と 大峰 さん は 説明 する 。 コンピューター モデル は 水素 結合 が できたり 壊れたり する 時 の エネルギー の やりとり など を 計算 し 、 水 分子 集団 の 動き を 調べる 。 氷 で は 「 六員環 」 と いう 六 角形 の 整った 構造 を して いる が 、 温度 が 上がって 水 に なる と 、 六員環 を 部分 的に 残し ながら 、 全体 の 構造 が 崩れて しまう 。 一兆分の一 秒 レベル で 起こる 水素 結合 の 変化 に 伴い 、 数 個 から 数十 個 の 水 分子 の 集団 が 次々 と 形 を 変える 様子 が 分かって きた 。 「 水 は 百薬 の 長 、 脱水 は 万病 の もと 」 ―― 。 じん臓 病 の 専門 家 で 水 に 詳しい 加藤 暎一 ・ 元 慶応大 医学部 教授 は こう 説いて いる 。 加藤 さん に よる と 、 人間 の 体重 の うち 水分 が 占める 割合 は 赤ちゃん が 平均 80 % 、 成人 男性 が 同 60 % 、 成人 女性 が 同 55 % 。 女性 が 少ない の は 水分 を 含ま ない 皮下 脂肪 が 多い から だ 。 水分 の 約 3分の2 は 細胞 内 、 3分の1 は 血液 中 や 組織 間 に ある 。 水分 を 摂取 し ない と 、 まず 組織 間 の 水分 が 減り 、 脱水 症状 に なる 。 また 、 血液 中 の 水分 が 不足 する と 、 血液 が どろり と した 状態 に なり 、 血管 が 詰まり やすく なる 。 水 を たくさん 飲む と 、 尿 路 結石 や ぼうこう 炎 、 代表 的な 成人 病 である 心筋 こうそく 、 脳 こうそく と いった 病気 の 予防 に なる し 、 腸 を 刺激 する から 便秘 に なり にくい と いう 。 年齢 を 経る に したがい 、 体 内 の 水分 は 減る 。 「 加齢 は 乾燥 の プロセス だ と いわ れ ます 。 老化 を 遅らせる に は 、 水分 を たくさん 取った 方 が いい 」 そう 勧める 加藤 さん は 70 歳 の 今 も 、 富士山 の わき水 を 取り寄せ 、 食事 の 水分 と 合わせる と 1 日 平均 3.5 リットル の 水分 を 取って いる 。 きらめく 青い 海 。 緑 の 渓谷 を 縫う 清流 。 無尽蔵の ように 見える 水 。 当たり前の ように 存在 し 、 軽視 さ れて きた 水 が 、 いま 復権 を 叫んで いる 。 水 が ない と 生命 が 誕生 し なかった し 、 人間 の 生活 と 健康 に 深く かかわって いる のだ と 。 「 万物 の 源 」 であり 、 私 たち の 生命 を はぐくむ 水 に 目 を 向けて みよう 。 そこ に は 、 豊かで 興味深い 世界 が 広がって いる 。 一九九五 年度 春闘 で の 自社 の 賃上げ 率 予想 は 、 「 白紙 」 「 見通し が 立た ない 」 など 五十七 社 が 具体 的な 回答 を 避けた が 、 数字 を 挙げた 企業 で は 二 ― 三 % 台 の 予想 が 九 割 を 占めた 。 企業 業績 の 回復 感 は 高まって いる ものの 、 人件 費 は 抑制 しよう と いう 経営 者 の 意向 が うかがえる 。 労組 に とって は 過去 最低 水準 に 落ち込んだ 前年 に 続き 厳しい 情勢 だ 。 回答 で は 「 二 % 台 」 が 二十 人 で 最も 多く 、 「 三 % 台 」 が 十九 人 で 続いた 。 豊田 圭二 ・ レナウン 社長 は 「 一 % 未満 」 、 利光 松男 ・ 日本 航空 社長 は 「 ゼロ 」 と 答えた 。 逆に 「 四 % 台 」 と 答えた の は 奥井 功 ・ 積水ハウス 社長 、 山口 弘毅 ・ プリンス ホテル 社長 の 二 人 。 具体 的な 数字 は 挙げ なかった もの の 、 中村 裕一 ・ 三菱 自動車 工業 社長 は 「 昨年 並み 以下 」 、 江副 茂 ・ TOTO 社長 は 「 世間 相場 プラス アルファ 」 と 回答 して いる 。 1995 年 の 「 キーワード 」 を 100 社 の トップ に 占って もらった ところ 、 最も 多かった の が 「 規制 緩和 」 の 4 文字 で 11 社 に 上った 。 昨年 トップ だった 「 変革 」 は 6 社 と 、 3 位 に 後退 。 「 改革 」 「 変化 」 「 刷新 」 など 社会 、 経済 、 生活 の 新しい 在り 方 を 模索 する 同義語 が 半数 近く を 占めた 94 年 と 比べ 、 企業 の 考え 方 に 微妙な 変化 が 起きて いる 。 「 政治 的 不安 が 国内外 ともに 感じ られ 、 経済 に 影響 する 懸念 が ある 」 。 政府 に 対して 「 改革 を 実行 に 移す 年 」 と の 期待 感 を 持ち ながら も 、 各 企業 は 実現 性 に ついて 冷めた 見方 を して いる と も 受け取れる 。 一方 、 すっかり 市民 権 を 得た 「 価格 破壊 」 は 4 社 。 製造 業 で は 「 価値 と 価格 の バランス 」 や 、 「 納得 できる 価値 と 、 それ に 見合う 価格 」 など と 、 価格 戦略 の 重要 性 を 強調 する 声 が 目立った 。 一九九四 年 九 月 現在 の 海外 生産 比率 を 聞いた ところ 、 回答 の あった 六十二 社 の 平均 で は 一七・一 % 。 「 電機 ・ 電子 ・ 通信 」 「 自動車 」 が 軒並み 二 ケタ の 割合 を 回答 し 、 特に 日立 製作 所 、 松下 電器 産業 、 シャープ 、 ソニー の 四 社 は 四 割 以上 、 自動車 でも 二 割 から 四 割 だった 。 一方 、 「 鉄鋼 ・ 非 鉄 」 は 一 ケタ の 回答 が 多く 、 進出 先 地域 と の 技術 力 格差 が 大きい ハイテク 業界 の 方 が 、 海外 生産 を 進める うえ で 優位な こと が 分かる 。 今後 の 見通し に ついて は 「 さらに 増える 」 が 四十五 社 で 最も 多く 、 次いで 「 変わら ない 」 が 二十五 社 、 「 減らす 」 は ゼロ だった 。 業界 別 で は 「 電機 ・ 電子 ・ 通信 」 が 十二 社 中 九 社 まで が 「 増える 」 と 回答 。 「 自動車 ・ 造船 」 「 その他 製造 業 」 「 繊維 ・ 紙 パ 」 でも 「 増える 」 が 多数 を 占めた 一方 、 「 鉄鋼 ・ 非 鉄 」 は 「 増える 」 と 「 変わら ない 」 が 半々 だった 。 海外 生産 移転 で 気 に なる 国 内 雇用 に ついて は 、 製造 業 で は 従業 員 数 を 「 減らす 」 と いう 答え が 圧倒 的に 多い 。 一方 「 横ばい 」 と いう 答え が 目立った の は 海外 生産 と は 縁 が 薄い 「 銀行 ・ 証券 ・ 保険 など 」 「 商社 ・ 流通 」 「 運輸 ・ サービス 」 と いった 非 製造 業 ばかり だった 。 バブル 崩壊 で 財布 の ヒモ が 固く なった 消費 者 、 対応 を 迫ら れた 流通 業界 と 、 “ 川下 ” の 要求 に 引きずら れる かたち で モノ の 値段 が 安く なる 「 価格 破壊 」 現象 が 昨年 は 話題 に なった 。 経営 者 たち に 価格 破壊 の 売上高 へ の 影響 を 聞いた ところ 、 最も 多かった 回答 は 「 単価 が 下がり 、 全体 と して は 減収 に なる 」 で 三十二 社 。 次いで 「 単価 が 下がって も 全体 と して は 増収 」 が 二十六 社 、 「 特段 の 影響 は ない 」 が 二十二 社 の 順 で 、 見解 が 三 つ に 分かれた 。 業界 別 に 見る と 、 メーカー で は 「 繊維 」 「 鉄鋼 ・ 非 鉄 」 「 化学 ・ 薬品 」 と いった 素材 産業 や 「 建設 」 で 「 減収 」 を 訴える 企業 が 多かった 一方 、 消費 回復 傾向 が 見 られる 中 、 生産 拠点 の 海外 移転 で 生産コスト 削減 が 進んだ 「 電機 ・ 電子 ・ 通信 」 は 十二 社 中 七 社 まで が 「 増収 」 と 答え 、 際立った 違い を 見せた 。 また 価格 破壊 の 主役 と なった 流通 業界 は 「 増収 」 と 「 減収 」 で 見方 が 二 つ に 割れ 、 「 金融 」 「 運輸 ・ サービス 」 で は 「 影響 なし 」 が 多数 を 占めた 。 利益 面 でも 「 減益 は 避け られ ない 」 が 二十四 社 、 「 増収 、 生産 性 向上 など で 増益 が 可能 」 が 二十二 社 で きっこう 。 「 影響 なし 」 が 十八 社 、 「 現状 維持 が 可能 」 が 十六 社 と 、 ここ でも 見方 が 分かれた 。 低 価格 輸入 ビール や プライベート ブランド 製品 で 「 価格 破壊 」 の 主役 と なった ダイエー の 中内 功 会長 兼 社長 は 「 価格 破壊 で は なく 、 規制 を 撤廃 すれば 自然に 価格 が 下がり 、 国際 的な 平均 価格 に 近づく だけ 」 と 冷めた 見方 を して いる 。 日本 産業 に とって の 円 の 適正 水準 は 、 回答 の あった 九十三 社 平均 で 一 ドル = 一一二 円 二八 銭 。 一〇〇 円 前後 を 上下 する 現状 と は 大きな 隔たり が ある 。 製造 業 の 中 に は 、 東洋 エンジニアリング の 一四〇 円 など 大幅な 円安 を 望む 声 も 。 逆に 、 輸出 に ほとんど 依存 し ない 竹中 工務 店 、 アサヒビール 、 サントリー は 一〇〇 円 を 適正 水準 と 回答 した 。 九五 年 三 月 末 の 円 相場 に ついて は 、 一〇〇 ― 一〇四 円 が 五十六 社 で 最多 。 次いで 九五 ― 九九 円 の 三十二 社 。 これ に 対して 、 一〇五 ― 一〇九 円 は わずか 三 社 で 、 大半 の 企業 が 大きく 円安 に 戻る こと は ない と みて いる 。 九四 年度 下期 の 社 内 為替 レート は 、 回答 の あった 六十五 社 の 平均 で 一 ドル = 一〇〇 円 一五 銭 。 中でも 、 東京 製鉄 、 日立 造船 、 ヤマハ の 九五 円 、 帝人 、 パイオニア 、 TOTO の 九七 円 など 製造 業 に 厳しい 認識 が 目立つ 。 妻 が 「 フル タイム 」 望んだら 、 「 夫 に 不満 」 の ケース も 1994 年 9 月 に カイロ で 開か れた 国際 人口 開発 会議 で は 、 開発 途上 地域 の 人口 爆発 を 鎮静 化 さ せる 決め手 の 一 つ と して 女性 の 地位 向上 の 重要 性 が 訴え られた 。 対照 的に 、 先進 諸国 に おける 少子 化 ・ 高齢 化 対策 と して も 女性 の 地位 向上 が 不可欠である こと も 強調 さ れた 。 人口 増加 率 が 高 過ぎて も 、 低 過ぎて も 、 女性 の 地位 向上 が 最 重要 課題 と なって いる 。 合計 特殊 出生 率 が 93 年 に は 1・46 人 と なり 、 超 低 出生 社会 が 一層 本格 化 した わが国 でも 、 女性 の 地位 は 他の 先進 諸国 と 比べて 低い と いわ れて いる 。 この 点 は 、 90 年 代 初頭 に 国連 が 世界 30 カ国 を 対象 に して 行った 分析 でも 論証 さ れて いる 。 この 研究 に よれば 、 所得 、 識字 率 、 平均 寿命 と いう 3 つ の 指標 で みる と 、 わが国 は 30 カ国 中 第 1 位 に ランク さ れる もの の 、 男女 間 の 賃金 や 教育 水準 の 格差 など を 加味 する と 、 一挙に 17 位 まで 低下 する こと が 示さ れて いる 。 女性 の 地位 向上 と 言って も その 定義 は 多種多様である が 、 女性 自身 が お 金 や 時間 を どの 程度 まで 自由に 使える か 、 と いう こと に よって 測定 する こと も できる 。 この 視点 から 今回 の 調査 データ を みる と 、 興味 ある 結果 が いく つ か 得 られる 。 20 歳 から 59 歳 まで の 妻 の 中 で 約 3分の2 が 生活 費 の 管理 を 担当 して おり 、 アメリカ など の 先進 国 で は 、 主として 夫 が 家計 の 財布 の ヒモ を 握って いる こと と は 著しい 開き が 存在 して いる 。 さらに 、 今回 の 調査 で は 、 生活 費 以外 で 妻 が 自由に 使える お 金 は 夫 の 約 半分 と なって いる 。 また 、 家具 や 電気 製品 の 購入 で は 夫 と 妻 の 意思 決定 は 半々 である が 、 土地 や 住宅 取得 など 金額 が 大きい もの は 夫 が 主導 権 を 握って いる 。 しかも 、 妻 が 仕事 を 持って いて も 、 い なくて も 、 この パターン は 変わら ない 。 アメリカ で は 妻 の 経済 力 に よって 高価な 物 を 購入 する 際 の 妻 の 発言 力 が 異なる こと と 大きな 違い を 見せて いる 。 わが国 の 妻 たち の 、 家庭 に おける 経済 的 地位 は 低い もの の 、 今回 の 調査 で は 、 ストレス を 感じて いる 専業 主婦 の 16 % が 「 配偶 者 と の 関係 が よく ない 」 と して おり 、 この 割合 は 夫 の 2 倍 と なって いる 。 毎日 新聞 社 が 80 年 代 後半 に 行った 全国 調査 データ から も 、 妻 が 夫 に 不満 を 感じて 離婚 を 考え 始める と 、 妻 は フル タイム 労働 に 就く こと が 観察 さ れて いる 。 パート タイム で 働き始めた 場合 に は 離婚 リスク は それ ほど 高く ない のである 。 そこ で 、 夫 が 妻 から 、 「 あなた 、 今度 、 働き たい の 」 と 言わ れたら 、 まず 夫 は 妻 が フル タイム と パート タイム の どちら を 希望 して いる か を 尋ねる べきである 。 もし 、 フル タイム であったら 、 それ は 妻 から 夫 に 対する “ イエロー カード ” である 。 夫 が 妻 の 不満 に 対して 適切な 対応 を し ない と 、 イエロー カード は 2 枚 と なり 、 結婚 も 破局 を 迎える こと と なる 。 家庭 レベル で 夫婦 共同 参画 型 の 関係 が 確立 さ れる こと が 急務 であり 、 その 成否 が 離婚 率 の 将来 動向 を 大きく 左右し そうである 。 女性 の 社会 進出 に 伴い 、 結婚 して 働く 女性 たち は さまざまな 問題 に 直面 して いる 。 家事 の 負担 、 育児 、 夫婦 の 役割 分担 …… 。 1993 年 は 「 女性 の 労働 ・ 育児 ・ 介護 」 の テーマ で 調査 。 「 国際 家族 年 」 に 当たる 94 年 は 「 女性 の 労働 と 家族 」 を テーマ に 、 主として 働く 既婚 女性 が 抱える 問題 点 を 探った 。 文中 に 出て くる 男女 の 年代 は 20 代 から 50 代 。 働く 既婚 女性 は パートタイマー を 含み 、 専業 主婦 と 区別 した 。 以下 は アメリカン ファミリー 生命 保険 会社 の 協力 を 得て 実施 した 全国 世論 調査 結果 の 詳報 である 。 調査 は 、 昨年 12 月 2 日 から 4 日 まで の 3 日間 、 層別 多段 無作為 抽出 法 で 選んだ 全国 の 20 歳 以上 の 男女 4000 人 を 対象 に 留め置き 法 で 実施 。 全体 の 有効 サンプル は 2700 で 回収 率 は 68 % 。 働く 既婚 女性 の 有効 サンプル は 480 、 専業 主婦 の 有効 サンプル は 314 、 働く 妻 を 持つ 男性 の 有効 サンプル は 381 。 衣類 の 素材 に 合成 皮 が 利用 さ れて いる もの も 多い ようです 。 皮 より 扱い やすく 軽い ので 着 やすい から でしょう か 。 合成 皮 の 衣類 の 中 で 、 細かい 傷 が 付いた とき 、 白い 内側 が 出て 、 目立つ もの が あり ます 。 黒っぽい 服 の ファスナー の 付近 は 特に 困り ます 。 こんな とき は 、 その 衣類 の 色 と 同じ 色 の 油性 マジック を 塗る の が 、 一 番 簡単な 直し 方 です 。 キズ は 直り ませ ん が 、 ほとんど 目立た なく なって 、 普通に 着る だけ なら 気 に なら なく なり ます 。 これ は 、 衣類 ばかり で なく 、 合成 皮 の クツ でも 同様です 。 小さな キズ で 白い 部分 が 目立ったら マジック で サッと 塗って みて は いかがでしょう 。 変化 の ない 「 男性 」 に 愛想づかし … 女性 と 共有 できる 服 へ 「 これほど 集まる と は …… 」 。 昨年 十一 月 、 東京 ・ 原宿 で 最終 選考 会 の 行わ れた 第 七 回 「 ジュノン ・ スーパー ボーイ コンテスト 」 。 女性 誌 「 ジュノン 」 が 主催 して 「 美男 No 1 」 を 選ぶ “ 逆 ミスコン ” 。 関係 者 を 驚かせた の は 、 前回 まで 二 、 三千 人 台 だった 応募 者 が 、 五千四百五十七 人 へ ほぼ 倍増 した こと だった 。 女らしい 男の子 = 「 フェミ 男 」 が 街 に 現れた の は 一昨年 秋 ごろ 。 その ころ 、 同じ コンテスト で デビュー した タレント の 武田 真治 さん が 細い 体 に 女性 服 を 着て 深夜 テレビ 番組 に 出演 、 「 普通の 男の子 」 に 火 を つけた 。 昨年 グランプリ の 愛知 県 刈谷 市 、 高校 一 年 、 黒田 大地 君 も 一七三 センチ 、 五四 キロ 、 ウエスト 六一 センチ の 体 に 化粧 を し 、 ミニ スカート 、 ひざ 上 丈 の ソックス 。 男 臭 さ は みじん も ない 。 「 でも 女 に なり たい と は 思わ ない 。 うじうじ した 男 は 嫌い 。 快感 の ため きれいに なる だけ 」 と さばさば して いる 。 同級 生 の 星野 麻子 さん は 「 成績 は 学年 トップ 。 級長 も やり 、 みんな を 引っ張って いく ところ は 男っぽい 。 女の子 の 会話 の 輪 に も 自然に 加わり 、 男女 の いい ところ を 取った 感じ 」 と 黒田 君 評 。 スタイル など に 男女 の 枠 を はめ ない 世代 は 、 中性 と 映る 。 こんな データ も ある 。 プラチナ ・ ギルド ・ インターナショナル が 首都 圏 の 十八 ― 六十九 歳 の 男性 四百 人 を 対象 に 、 宝飾 品 購入 調査 を した 。 一昨年 一 年間 に 自分 用 に ピアス 、 ネックレス など を 買った の は 、 十八 ― 十九 歳 で 一五・八 % と 、 ほか の 世代 の 五 % 前後 を 抜いて ダントツ だった 。 男性 の ユニセックス 化 は 一九六〇 ― 七〇 年 代 、 歌手 の ピーター や 沢田 研二 、 八〇 年 代 に は 忌野 清志郎 や 坂本 龍一 、 美川 憲一 と いった 芸能 人 が 化粧 する など して 話題 に なった 。 まねる 者 は あった が 、 一般 に は 広がら なかった 。 それ に 比べ フェミ 男 現象 は 昨年 の GW から 夏 に かけ ピーク と なり 、 登校 時 は 制服 を 着る 普通の 子 が 続け 、 東京 以外 でも フェミ 男 ファッション は よく 売れて いる と いう 。 その 背景 は なに か 。 原宿 で 若者 を 観察 して きた ブティック 常務 、 栗野 宏文 さん は 、 ( 1 ) きゃしゃな 男の子 が 増えた ( 2 ) 男性 ファッション に 変化 が なく 、 つまらない ( 3 ) ゲイ っぽい 格好 が クリエーティブに み られ 、 女の子 に もてる と 思う ように なった ―― を 挙げ 、 「 女性 が 男性 分野 へ 進出 して いる のに 、 男性 は 長い 間 これ と いって 新しい こと を して い ない 。 男女 の 制約 から 自由な 彼ら が 、 女性 領域 に 学ぶ べき 点 が 多い と 気づいた 。 社会 の 役割 に 絡み 取ら れた 男性 服 の 枠 から 外れる こと で 、 多く の もの が 見えて くる ので は ない か 」 と いう 。 宮台 真司 ・ 東京 都立 大 助教授 は 「 天下 国家 や 大義 名分 の 時代 が 終わった いま は 、 友だち や 仲間 と いった 等身大 の 人間 関係 こそ が 、 生きる 世界 。 そう なる と 男性 の 能力 の な さ は 歴然と して くる 。 人間 関係 に 敏感で ファッション も 洗練 さ れて いる 男の子 は 、 いきおい 女 友だち が 多く なり 、 女性 と 共有 できる 服 を 着る 子 も 出て くる 」 と 分析 。 「 フェミ 男 が 消えて も 、 感受性 に 優れた 男の子 が 女性 に 珍重 さ れる 時代 は 、 これ から も 続く だろう 」 と 予測 する 。 思いがけなく 美容 室 で いただいた 赤い 表紙 の 手帳 ―― 『 1995・ ポケットダイアリー 』 。 思えば 、 出産 を 機 に 会社 を 辞めて 以来 、 このような もの は 使って い なかった 。 わが家 の スケジュール は カレンダー に 記さ れる 。 それ も 子供 の 予防 接種 や 検診 、 主人 の テニス や 飲み 会 の 予定 だ 。 私 に 関係 して いる こと と いえば 、 ごみ の 収集 日 ぐらい 。 独身 時代 は 自分 の 手帳 を 持ち 、 仕事 の 日程 や お けいこごと 、 テニス スクール 、 食事 会 の 予定 など が びっしり と 書き込ま れて いた 。 そして 日記 も 、 中学生 時代 から 結婚 する まで 、 十 冊 以上 書き 続けて いた 。 二 歳 の 反抗 期 の 子 と 、 昨年 の 夏 に 生まれた 子 の 育児 に 追わ れ 、 日記 を 書く こと は なくなった 。 家計 簿 と 育児 日誌 を つける だけ 。 そんな 生活 の 中 で 、 ふと 手 に した この 手帳 。 育児 の 真っただ中 で 、 自分 を 見失って しまわ ない よう 、 神様 が 私 の 手元 に 届けて くれた の かも しれ ない 。 今年 は これ に スケジュール を 書いて みよう 。 この 一 年 ごぶさた して いた テニス も し たい し 、 友達 と 食事 も し たい 。 その 時 は 、 二 人 の 子 の 手 を 引いて 、 おむつ の 入った 大きな リュック を 背負い 、 その 隅 に は これ を 入れて 出掛けよう 。 そして 、 一 日 の 終わり に は 、 日記 代わり に して ちょっぴり 自分 を 見つめ 直す 時間 を 作ろう 。 13 ― 14 と リード さ れて 、 残り 時間 は もう 50 秒 を 切って いた 。 FG で 3 点 を 追加 すれば ほぼ 確実に 日本 一 。 外せば 奈落 の 底 。 松下 電工 の キッカー 村井 は 、 37 ヤード 先 の ゴールポスト を 落ち着いて にらみつけた 。 ここ まで 6 回 FG を 試みて 成功 は 2 回 だけ 。 立命 の 猛烈な 出足 の ブロック に 、 けった ボール を はたかれたり 、 ほんの 2 分 前 に は 短い 距離 を 外した ばかりだった 。 「 みんな の ため に も 、 決め ない わけに は いか なかった 」 。 分業 制 の アメフット の 中 でも 、 キッカー は 最も 専門 的で 、 孤独な ポジション 。 練習 で は 仲間 が 走り 、 ぶつかり合う の を 横目 に 黙々と ボール を ける 。 だからこそ チーム へ の 連帯 意識 は 人一倍 。 極限 の 心理 状態 を 乗り越えた 村井 の キック は 、 勝利 の 軌跡 を 描いた 。 四方 監督 は 「 ディフェンス が よく しのいだ 」 と 防御 陣 を たたえる 。 立命 の 重量 ライン に スピード で 当たり 勝ち 、 第 二 列 の LB まで が スクリメージライン を 越えて 襲いかかる ブリッツ を 多用 して 、 立命 の 天才 QB 東野 の 動き を 封じた 。 攻めて も 得意の ラン だけ で なく パス を うまく 織り交ぜた 。 社会 人 選手 権 で は 6 対 1 だった ラン と パス の 獲得 ヤード 比 が 、 この 日 は 1 対 1 だった のだ から 、 立命 は 裏 を かかれた 思い に 違いない 。 「 だれ が MVP か 分から ない 試合 でしょう 」 と 主将 の DT 白岩 は 誇らしげだ 。 その 白岩 が 、 チーム を 覆う けだるい ムード に カツ を 入れた の は 昨年 の 春 だった 。 「 やる 気 の ない ヤツ は 出て いって くれ 」 。 しかし 、 去る 者 は い なかった 。 「 短気な 僕 は 腐った ミカン を ほうり出そう と した のに 、 元気な 生き の いい ミカン が 全体 を 救って くれた 」 。 白岩 が 、 ライス ボウル 2 度 目 の 挑戦 で の 初 の 日本 一 を 「 全員 の 勝利 」 と 強調 する ゆえん である 。 昨年 は 春 巡業 で ひざ を 痛め 夏 場所 途中 から 休場 、 さらに 名古屋 、 秋 場所 を 全休 。 力士 生命 の 危機 に 直面 した が 九州 場所 千秋楽 の 貴乃花 と の 「 死闘 」 で 復活 へ の のろし を 上げた 。 年 末 は 横綱 、 大関 陣 の 中 で ただ 一 人 、 大みそか まで けいこ を 続けた 。 新年 の 初 げいこ は 三 日 、 春日野 部屋 で の 出羽 一門 の 連合 げいこ に 参加 。 「 博多 で は マル 相手 に 逃げ ながら 取って いた 。 でも 今 は 真 正面 から ぶつかって いける 」 と 語る ように 、 武蔵丸 と の 三 番 げいこ で は 相手 の 突進 を かちあげ で 止め 、 武双山 は 上手 投げ で 土俵 に たたきつけた 。 右 上手 を 取る 「 左四つ 」 を 意識 、 全盛 時 の 突き 押し は まだ 見 られ ない が 「 ひざ の 痛み を 意識 し なく なった 分 、 引きつけて 前 に 出 られる 今 は 当たり を 磨いて 大きい 相撲 を 取り たい 」 と 笑顔 で 語る 。 一九九五 年 の 課題 は 何といっても 体重 調整 。 年頭 の 抱負 を 聞か れ 「 これ 以上 太ら ない こと 」 と 真っ先 に 語った ように 、 本人 も 十 分 承知 して いる 。 5 年 前 、 新 入幕 当時 の 体重 は 187 キロ 。 それ が 昨年 初 場所 に は 227 キロ まで 増えた 。 上半身 の 急激な 肥大 化 が 両ひざ 痛 を 招いた 。 減量 を 求める 声 も 周辺 から 聞か れる が 、 本人 は 224 キロ を 維持 し たい と いう 。 かつて 横綱 ・ 大乃国 が 肝 機能 障害 を 引き起こした ように 、 巨漢 力士 の 無理な 減量 は リスク も 伴う 。 曙 も 昨夏 12 キロ 減量 した が 、 「 ぶつかって いって も 相手 が 動か ない 。 力 が 出 なく なる から やせたら ダメ 」 と 方針 を 変更 。 野菜 を 積極 的に 食べる など 栄養 の バランス に 気 を つけて いる 。 ケガ を する 前 は 「 力 さえ 出せれば いくら 太って も いい 」 と 信じて いた の が 、 今 で は 「 相撲 取り は 体 が 資本 。 体 は 自分 たち の 仕事 道具 な んだ から 」 と 言う 。 その 節制 意識 を 持ち 続ける ならば 、 完全 復活 する 日 も 遠からず やってくる 。 イタリア の セリエA 「 アンコーナ 」 へ の 移籍 が 決まった 女子 バレーボール の 大林 素子 、 吉原 知子 の 両 選手 が 3 日 午前 、 成田 空港 発 の ルフトハンザ 機 で イタリア に 向け 出発 した 。 早大 に 2 度 先行 を 許した 山梨 学院 大 が 力 で 連覇 を もぎ取った 。 「 落ち着いて いけば 勝てる と 思って いた 」 と アンカー の 瀬戸 。 連覇 に 自信 を 持つ 選手 たち は 、 苦しい 場面 も あっさり と 乗り切って しまった 。 順調な 滑り出し の 後 、 波乱 が 待って いた 。 七 区 で 大差 を つけて 逃げ切り 態勢 に 入る と 思わ れた 八 区 。 「 脱水 症状 で 途中 から 周囲 の 状況 も わから なく なった 」 と いう 児玉 は 設定 タイム より 3 分 も 遅れた 。 1 キロ 近く 差 を つけて いた 早大 ・ 後宮 に 抜か れ 、 逆に 15 メートル 差 。 上田 誠仁 監督 が 「 薄氷 を 踏む 気持ち に なった 」 と いう 誤算 だった 。 だが 、 ミス は この 1 カ所 だけ 。 九 区 で 初 出場 の 三 年生 ・ 平田 は 早大 が 復路 の エース と 頼る 大関 と の 対戦 に も 落ち着いて いた 。 立ち上がり に 自重 して 差 が 80 メートル ほど に まで 広がった 9 キロ 付近 から 自信 を 持って ペース アップ 。 10 キロ 過ぎ に 追いついた 。 約 4 キロ 並走 して 、 勝負 の スパート を かけた の は 横浜 駅 近く の 上り坂 。 「 一 番 苦しい 所 だ と 聞いた ので 、 頑張れば 相手 も ついて これ ない はず 」 と の 読み が 当たり 、 一気に 突き放した 。 平田 は 前回 は 十 区 で 登録 さ れ ながら 、 当日 補欠 に 回さ れた 。 昨年 十一 月 の 全 日本 大学 駅伝 で は 区間 五 位 。 上田 監督 から 「 度胸 が ない 、 サブトラック の エース だ 」 と まで 言わ れた 。 「 それ で 精神 的に 弱かった こと に 気づいて 、 絶対 に 不安に なら ない だけ の 練習 を した 」 と いう 。 力 を 評価 さ れて 本番 で レギュラー に 選ば れた こと で 自信 は 揺るぎ の ない もの に なって いた 。 前回 の 驚異 的な 大会 記録 で 上田 監督 は 「 初めて プレッシャー を 感じて 1 年間 を 過ごした 」 と いう 。 ゼッケン の 裏 に は あえて 「 走る は 楽し 」 と まで 書いた 。 だが 、 実力 日本 一 と 確信 する 選手 たち に は 無用の 心配だった ようだ 。 「 選手 たち に 支え られて 感動 は 新たです 」 。 初 の 王座 防衛 に 声 を 詰まら せて いた 。 日川 は 花園 で は どうしても 相模台 工 に 勝て ない 。 今回 も その ジンクス を 破る こと が でき ず 、 無念の 4 連敗 。 前半 2 PG で 先行 して いた に も かかわら ず 、 時計 が 進む に つれて 強く なる 相模台 工 FW の 「 黒い 竜巻 モール 」 の 中 に 巻き込ま れた 。 4 点 を 追う 後半 、 相模台 工 FW の 強烈な サイド アタック を 受け 、 一 時 は 13 点 差 を つけ られた が 、 日川 の テンポ の 速い 連続 攻撃 は 止まら なかった 。 21 分 、 SH 小田切 は 左 へ 回して ラック 、 そこ から 右 に 回し 、 ライン 参加 の FB 浦部 へ 。 浦部 が そのまま 50 メートル 独走 トライ を 決めて 6 点 差 に 迫った 。 15 人 全員 が 「 6 点 差 なら 逆転 できる 」 と 強烈に 意識 した 時 、 小田切 自身 が チャンス を つかんだ 。 NO 8 久保田 が 密集 から こぼれた ボール を 小田切 に パス 。 瞬時 に 左 ブラインド が あいて いる こと を 見て取った 小田切 は 「 トライ できる 」 と 判断 。 自陣 22 メートル 近く から ゴール 前 まで 左 タッチライン 際 を ひた走った 。 ゴール ライン 手前 で 相模台 工 ディフェンス に 追いつか れ 、 右 へ の パス も 通ら ず 、 逆転 の 夢 を 乗せた トライ は なら なかった 。 「 ディフェンス が きつかった 。 予想 以上 に FW 一人ひとり が 強かった 」 と 小田切 。 だが 、 小田切 が 苦しんだ の は むしろ 守り 。 相模台 工 FW の サイド 攻撃 は 大会 前 から 予想 して おり 、 サイド アタック を 阻む ディフェンス 練習 に は 時間 を 割いて きた 。 「 一 歩 前 に 出る 守り 」 を 心掛け 実践 も した が 、 早く 前 へ 出て も 1 対 1 で は 相手 は 倒れ ない 。 2 、 3 人 がかり で タックル して いる 間 に 守り が 手薄に なり 抜か れて しまう 状態 に 追い込ま れた 。 「 だれ が だれ を マーク する か を 考え させる 余裕 を 与え ない ほど 、 日川 の 攻撃 は スピード が あった 」 と 日川 の OB で も ある 相模台 工 ・ 日原 監督 が 絶賛 した スピード も 、 ディフェンス 面 で は 生かさ れ ず 、 相模台 工 の 「 縦 へ の 突進 」 に ねじ伏せ られて しまった 。 日川 は 第 六十四 、 六十七 回 大会 で は 準 決勝 。 七十一 回 は 準 々 決勝 、 そして 今回 も 準 々 決勝 で 相模台 工 の 分厚い 壁 に 阻ま れた 。 「 ぼく の 役割 です から 」 。 身長 165 センチ 、 小柄な FW 高津 は 、 少し ばかり 胸 を 張って みせた 。 2 得点 に 絡む 活躍 。 前線 で スペース に 飛び出し 、 大宮 東 の DF を 再三 かく乱 した 。 個人 技 より 組織 力 を 掲げた 今回 の 帝京 。 1 点 目 は 、 左 サイド で ボール を 持った 味方 に 高津 が 外 へ フォロー に 入って センタリング 。 2 点 目 は 熱田 が 右 サイド の スペース に 飛び出し 、 鷲田 が 内側 から ついていって 折り返し を シュート に 結びつけた 。 両 サイド の スペース を 狙った 縦 へ の 突破 、 素早い サポート 。 苦戦 した 一 、 二 回 戦 と は 見違える 試合 を 帝京 は 見せた 。 「 ぼく ら は きのう 、 一 度 終わった 。 それ で みんな の 気持ち が 変わった んだ と 思う 」 と 主将 の 河瀬 は 言う 。 終了 1 分 前 に 追いつき 、 PK 戦 の 末 に ようやく 勝った 松商学園 戦 。 前日 の 苦しい 試合 が 、 チーム に 思い切り の 良 さ を もたらした 。 帝京 は 清水市商 を 破る こと を 目標 に して きた 。 高校 総体 の 決勝 で は 0 ― 1 で 敗れて いる 。 その 清水市商 が 二 回 戦 で 敗退 した こと で 、 選手 の 気持ち に 穴 が 開く ので は と いう 荒谷 監督 の 心配 も 取り越し苦労 に 終わった 。 「 うち は それ ほど 高い レベル で は ない 。 入学 した とき は 松波 を 除いて レギュラー に は なれ ない と 思った 。 気持ち で 劣れば 苦戦 は 当たり前 」 と 荒谷 監督 。 「 ストライカー も い ない し 、 球 出し できる 者 も い ない 。 B クラス だ から みんな が ストライカー に なり 、 球 を 出さ なければ 」 と いう 。 その 答え が 、 早い サポート を 心掛けた 攻撃 、 カバーリング と プレス で 無 失点 に 抑えた 守り に 表れた 試合 。 「 弾み に なる と 思い ます 」 。 荒谷 監督 も チーム も 、 ようやく 手応え を つかんだ ようだ 。 神戸製鋼 が 、 新日鉄 釜石 の 偉業 に 並ぶ 7 連覇 に 王手 を かけた 。 その 原動力 は 三十 歳 を 超えた ベテラン たち の 磨き 抜か れた 技 だった 。 大八木 、 武藤 、 大西 、 平尾 、 そして 綾城 。 大八木 は ライン アウト で 奮闘 し 、 密集 を 割って チャンス を 作った 。 武藤 は 流れ を 呼び込む チャージ に よる 先制 トライ 。 しっかり 前 に 詰めて 相手 ミス を 見逃さ ない 。 大西 は 後半 、 三洋 FW が 激しい 突進 で 逆襲 し 、 神鋼 が 受け に 回り そうに なった 時 、 FW を 結束 さ せ 18 分 に 決定 的な トライ を 奪った 。 綾城 は 三洋 の ハイパント 策 を 堅い 守り で しのいだ 。 そして 平尾 。 三洋 バックス が 勢い よく 前 に 出て 、 タックル から の 逆襲 を 狙って いる の を 見てとる と 、 あえて ライン 背後 へ の ハイパント を 上げて FW 戦 に 弾み を つけた 。 後半 26 分 の 、 連続 突進 に よる キックオフ から の 切れ目 の ない トライ を 締めくくる 密集 サイド 突破 も 、 平尾 だった 。 三洋 の 激しい タックル で 思いどおりの トライ の 型 が 作れた わけで は ない 。 ハイパント を 多用 した FW ラッシュ が 軸 で 、 神鋼 の 華麗 さ は 姿 を 消した 。 「 慎重 すぎた 。 しかし 、 確実な リード を 心がけた 。 点差 が 開いたら 何 か 仕掛けよう と 思った が でき なかった 」 。 ケガ で 戦列 を 離れて いる 細川 主将 に 代わって 主将 役 を 務める 平尾 は 厳しく 試合 を 振り返った 。 「 外国 人 と 比べたら ロック と して は 身長 の ハンディ も ある し 、 もう 勘弁 して 欲しい んだ が 」 と は 大八木 の 弁 。 ベテラン たち は 引退 が 遠く ない こと を 自覚 して いる 。 しかし 勝ち 続け ながら レベル を 高める こと を 忘れて は い ない 。 連覇 は 、 チーム の 継承 発展 の 結果 に すぎ ない 。 「 7 連覇 に とらわれ たく ない 。 今 の 若い チーム を ゲーム の 中 で 仕上げ たい だけ 」 。 平尾 の 言葉 に 重い 意味 が ある 。 NHK 教育 テレビ で 六 日 放送 の 海外 ドキュメンタリー は 「 ビリー ・ ジョエル 」 。 米国 の チャンネル 13 制作 。 コンサート ツアー の 密着 取材 から 、 曲 作り へ の 打ち込み 方 、 まな娘 の 父親 と して の 一面 など を 描く ヒューマン ドキュメント で 、 世界 的 人気 歌手 、 ビリー ・ ジョエル の 人間 像 を 浮き彫り に しよう と する 。 水俣 病 の 原因 物質 の 有機 水銀 化合 物 が チッソ 水俣 工場 の アセトアルデヒド 製造 工程 で 生成 さ れて いた こと を 、 チッソ が 水俣 病 公式 発見 の 六 年 前 に 知っていた こと が 三 日 まで に 分かった 。 飯島 孝 ・ 岐阜 経済 大 教授 ら の 水俣 病 研究 グループ が 入手 した チッソ 内部 資料 に 明記 さ れて おり 、 同 グループ は 「 国 も 知っていた はずで 、 この 時点 で 対策 を とって いれば 被害 拡大 は 防げた 」 と 指摘 して いる 。 グループ は チッソ の 元 労組 委員 長 や 工学 者 ら で 構成 。 未 公表 資料 を 収集 し ながら 水俣病 発生 の メカニズム の 解明 に 当たって いる 。 内部 資料 は チッソ 技術 部 醋酸 試験 室 の 研究 者 が 書いた 「 アルデヒド 関係 検討 会 研究 結果 総合 抄録 」 と 題する もの で 、 五〇 年 十 月 の 日付 。 「 当 工場 アルデヒド 製造 装置 に ついて 」 の アセチレン の 反応 機構 の 項 目 で 「 アセチレン は 硫酸 水溶 液 に 物理 的に 吸収 さ れ 、 有機 水銀 化合 物 を 生じる 。 此の 中間 体 や 水銀 塩 等 の もの が 触媒 作用 する もの であろう が 、 まもなく アルデヒド を 生じる 」 と 書か れて いる 。 水俣 病 公式 発見 後 間もなく 、 チッソ の 工場 排水 が 原因 と 疑わ れ 始め 、 五九 年 に は 熊本 大 研究 班 が 「 原因 は 工場 の 排水 に 含ま れる ある 種 の 有機 水銀 化合 物 」 と 発表 した 。 チッソ は 「 有機 水銀 が 製造 工程 で 生成 さ れる こと は 予見 でき なかった 」 と 否定 し 続け 、 政府 が 原因 を 公式 発表 した 六八 年 まで アセトアルデヒド の 生産 を 続けた 。 飯島 教授 は 「 五〇 年 の 時点 で 対策 を 考えれば 、 被害 は 小さくて 済んだ はず 。 技術 者 が 有機 水銀 生成 を 把握 して いた のだ から 、 国 も 知っていて 当然だ 」 と 話して いる 。 酢酸 ビニロン など 化学 合成 製品 を 作る 際 に 必要な 物質 。 アセチレンガス を 無機 水銀 を 含んだ 液 に 吹き込む と 生成 さ れ 、 この 過程 で 有機 水銀 が できる 。 札幌 はまなす LC 杯 全国 少年 ジャンプ 大会 が 三 日 、 札幌 ・ 荒井 山 シャンツェ で 開か れた 。 北海道 や 青森 、 秋田 県 の 小 、 中学生 ら 約 五十 人 に 交じり ロシア ・ サハリン 州 の 中学生 ジャンパー 二 人 も 初 飛行 。 グースチン ・ アントン 君 と マヌイロフ ・ アレクセイ 君 。 大会 十五 回 目 を 記念 して 、 同 LC が 招待 した 。 サハリン は 今季 、 雪 が 少なく 練習 不足 。 二 人 は 距離 が 思う ように 出 なくて 、 さえ ない 表情 。 三 日 午後 一 時 九 分 ごろ 、 和歌山 市 で 震度 3 の 地震 が あった 。 大阪 管区 気象 台 に よる と 、 震源 地 は 和歌山 県 北部 で 、 震源 の 深 さ は 約 一〇 キロ 。 地震 の 規模 は マグニチュード 3・9 。 兵庫 県 洲本 市 でも 震度 1 を 記録 した 。 三 日 未明 から 夕方 に かけて 北海道 、 東北 地方 で 三陸 はるか 沖 地震 の 余震 と み られる 地震 が 四 回 あった 。 午前 一 時 四十二 分 ごろ 、 東北 地方 の 一部 で 地震 が あった 。 仙台 管区 気象 台 の 観測 に よる と 、 震源 地 は 岩手 県 沖 で 、 震源 の 深 さ は 約 四〇 キロ 。 同日 午前 五 時 五十八 分 ごろ 、 盛岡 で 震度 1 の 地震 が あった 。 震源 地 は 三陸 はるか 沖 で 震源 の 深 さ は ごく 浅い 。 同日 午前 六 時 九 分 ごろ 、 青森 、 盛岡 で 震度 1 の 地震 が あった 。 震源 地 は 三陸 はるか 沖 で 、 震源 の 深 さ は 約 二〇 キロ 。 同日 午後 三 時 ごろ 、 北海道 、 東北 地方 の 一部 で 地震 が あった 。 各地 の 震度 は 震度 1 = 苫小牧 、 浦河 、 むつ 、 盛岡 。 大蔵 ・ 日銀 指導 の もと 、 第 一 相互 貯蓄 など 東京 、 大阪 、 名古屋 の 9 大 貯蓄 銀行 が 「 合同 」 に 調印 した 。 「 空襲 時 の 店舗 損失 を 見越した 措置 」 と 説明 さ れる 。 行員 も 次々 、 戦地 に 向かって いる 。 石坂 氏 は 後 の 「 財界 総理 」 。 この 日 、 小磯 首相 は 「 決戦 、 フィリピン 全域 に 移行 」 と 発言 した 。 東京 都 練馬 区 の 病院 寮 の 人質 立てこもり 事件 で 、 警視 庁 捜査 一 課 と 石神井 署 は 三 日 午前 、 住所 不定 、 無職 、 中川 勝 容疑 者 を 逮捕 監禁 など の 現行 犯 で 逮捕 、 事件 は 約 二十一 時間 ぶり に 解決 した 。 中川 容疑 者 は 二 日 午前 八 時 五 分 ごろ 、 同 区 大泉学園 町 八 の 練馬 長久保 病院 職員 寮 一 階 更衣室 に 入り込み 、 出勤 して きた 看護 婦 の 元 妻 に ナイフ を 突きつけて 人質 に 取り 立てこもった 。 捜査 員 や 親族 が 同日 午後 一 時 半 ごろ から 更衣室 に 入り 説得 し 、 三 日 午前 四 時 五十 分 、 話 に 応じて 刃物 を 置いた ところ を 逮捕 した 。 人質 の 元 妻 は 監禁 中 も 仮眠 を とり 、 けが も なく 無事だった 。 調べ に よる と 、 中川 容疑 者 は 一九九〇 年 十二 月 から 約 一 カ月間 同 病院 に 看護 助手 と して 勤める 間 に 元 妻 と 知り合い 、 九一 年 四 月 に 結婚 した が 九三 年 末 に 離婚 して いた 。 動機 に ついて 同 容疑 者 は 「 妻 が 逃げ出した うえ 、 世間 も 親類 も 自分 に 冷たい ので やった 」 など と 話して いる 。 栃木 県 那須 郡 那須 町 湯本 の 那須 岳 一八〇五 メートル 付近 の 清水平 で 、 凍死 状態 で 発見 さ れた 男性 は 、 黒磯 署 の 調べ で 三 日 、 東京 都 府中 市 栄 町 一 、 会社 員 、 水野 邦雄 さん と 分かった 。 寝袋 に 下半身 を 入れ 、 うつぶせ で 死んで いた 。 三 日 午後 六 時 十五 分 ごろ 、 広島 県 山県 郡 大朝 町 大朝 の 浜田 自動車 道 上り線 で 、 東京 都 武蔵野 市 中 町 一 、 会社 員 、 川井 靖晃 さん 運転 の 乗用車 が 、 中央 線 を 越えて 東京 都 北 区 志茂 二 、 花 店 経営 、 堀田 博士 さん 運転 の ワン ボックス 車 と 正面 衝突 。 乗用車 に 乗った 四 人 の うち 、 川井 さん と 岡山 県 高梁 市 上谷 町 、 大学生 、 吉本 晋 さん の 二 人 と 堀田 さん の 計 三 人 が 全身 打撲 で 死亡 。 乗用車 の 残り 二 人 と 、 ワン ボックス 車 の 残り 五 人 も 頭 など を 打ち 重軽傷 を 負った 。 三 日 午後 七 時 四十五 分 ごろ 、 東京 都 新宿 区 西新宿 二 、 都庁 前 の 都 道 で 、 歌手 の 森 進一 さん の 乗用車 が 巻き込ま れる 玉突き 事故 が あり 、 森 さん は 同 区 信濃 町 の 慶応大 付属 病院 に 運ば れた が 、 首 に 軽い ねんざ を 負った 。 新宿 署 の 調べ で は 、 森 さん は 運転手 が 運転 する 車 の 後部 座席 に 乗り 、 信号 待ち を して いた ところ 、 追突 で 押し出さ れた 都 内 の 会社 員 の 乗用車 に 追突 さ れた 。 森 さん は 新宿 コマ劇場 で の 公演 の 帰り だった 。 過激 派 の 共産 主義 者 同盟 系 の 中 で 主流 派 の 共産 主義 者 同盟 が 帝国 主義 と スターリン 主義 に 反対 する スローガン の 「 転換 」 を 打ち出して いた こと が 三 日 わかった 。 昨年 過激 派 が 起こした ゲリラ は 全国 で 八 件 と 一九七五 年 以降 最低の 件数 に とどまった 。 東西 冷戦 の 終えん や 政界 再編 に 対応 して 、 様変わり する 過激 派 の 動き を 象徴 する もの と 言え そうだ 。 帝国 主義 と スターリン 主義 に 反対 する 理論 は 過激 派 の ほとんど に 共通 する 基本 方針 と さ れる 。 同 派 は 機関 紙 の スローガン を 九五 年 新年 号 で これ まで の 「 帝国 主義 打倒 ! スターリン 主義 の 克服 を ! 」 から 、 「 人間 的 自由 を めざす 実践 を ! ラディカルな 共同 性 の 創出 を ! 」 と 改めた 。 併せて 、 題字 も 「 戦旗 」 から 「 SENKI 」 と 変えた 。 スローガン の 変更 に ついて 、 同 新年 号 は 「 今 まで の 左翼 は 『 なんでも 反対 』 で しか なかった 。 スローガン は 我々 が 左翼 運動 の 刷新 を 問題 に して いる 以上 変更 す べき 時期 に 来て いる 」 など と して いる 。 これ に ついて 、 公安 当局 は 「 今回 の スローガン 変更 は 大衆 受け を 狙った もの 。 非 公然 組織 も ある 」 と 警戒 して いる 。 ブント は 五八 年 に 結成 さ れ 、 六〇 年 安保 闘争 の 主役 を 担った が その後 、 解体 、 分裂 を 繰り返して 、 戦旗 ・ 共産同 は 七三 年 に 結成 さ れた 。 同 派 は 、 成田 空港 の 開港 を 控えた 七八 年 三 月 に 第四インター など と ともに 管制塔 を 占拠 して 内部 を 破壊 した 事件 、 八六 年 三 月 に は 皇居 内 に 初めて 火炎 物 を 撃ち込む 事件 を 起こす など 、 中核 派 や 革労協 狭間 派 と 並び 武闘 三 派 と 言わ れて きた 。 九〇 年 十一 月 に 皇居 外苑 で 車 から ふん尿 を まき散らす 事件 を 起こして 以降 ゲリラ は なく 、 大衆 闘争 、 組織 拡大 に 力 を 注いで きた 。 三 日 午後 四 時 十五 分 ごろ 、 栃木 県 黒磯 市 高林 で 、 軽 飛行機 が 農家 西側 の 竹やぶ に 不時着 した 。 軽 飛行機 は 操縦 席 部分 を 中破 し 、 前部 座席 で 操縦 して いた 同 市 鹿野崎 、 模型 店 経営 、 吉井 豊 さん が ろっ骨 骨折 など の 全身 打撲 で 重傷 、 後部 座席 の 同 市 大原間 、 自動車 修理 業 、 本沢 隊三 さん が 軽傷 を 負った 。 京都 市 東山 区 の 八坂 神社 で 三 日 、 新春 恒例 の 「 かるた 始め 」 が 行わ れた 。 同 神社 は 「 八雲 立つ 」 の 歌 で “ 短歌 の 祖 ” と さ れる スサノオノミコト を 祭る こと から 、 日本 かるた 院 本院 と 共催 で 毎年 奉納 。 読み 手 の 声 が 朗々と 響く たび に 、 かるた 姫 が そで を 押さえ 、 手 の 指 を そろえて 札 に 伸ばす 優雅 さ に 、 初もうで 客 も 魅了 さ れて いた 。 仕事 始め を 前 に した 3 日 、 各地 の 行楽 地 は 正月 休み を 楽しむ 人 たち で にぎわった 。 第 74 回 全国 高校 ラグビー フットボール 大会 を 開催 中 の 近鉄 花園 ラグビー 場 で は この 日 、 準 々 決勝 4 試合 。 応援 団 や 家族 連れ 、 ラグビー ファン ら 約 2万 人 が 詰めかけた 。 寒風 に 加え 、 午後 から は 小雨 も 降りだした が 、 高校 生 ラガー が 繰り広げる 熱戦 に スタンド も 歓声 と 熱気 に 包ま れた 村山 富市 首相 は 3 日 、 静養 先 の 箱根 から 東京 の 首相 公邸 に 戻った 。 「 今年 は 戦後 50 年 の 節目 だ し 、 21 世紀 に 向けて 世界 の 中 で 日本 が どういう 役割 を 果たして いく か 、 と いう ことだ 」 と 改めて 新年 の 抱負 を 述べた 。 また 、 焦点 と なって いる 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 と の 会談 に ついて 「 話 が あれば いつでも 会う 」 と 前向きな 姿勢 を 示した 。 大蔵 、 通産 、 郵政 の 各省 と 日本 証券 業 協会 は 近く 合同 の 研究 委員 会 を 発足 さ せ 、 店頭 外国 株 市場 創設 へ 向け 具体 的 検討 を 始める こと が 三 日 、 明らかに なった 。 日証協 が 昨年 秋 から 検討 を 始めて いる もの で 、 これ まで に 、 外国 株 の 店頭 売買 を 専門 に 行う 新たな 証券 会社 を 設立 し 、 この 証券 会社 と 各国 証券 取引 所 間 を コンピューター 回線 で 結び 、 電子 端末 を 通じて 取引 する 方向 が 打ち出さ れた 。 電子 端末 に よる 売買 は 通産 、 郵政 両 省 の 所管 分野 に も 触れる ため 、 大蔵 省 を 交え 、 具体 的 検討 に 入る こと に した 。 また 、 研究 委員会 で は 各国 取引 所 間 で 異なる 決済 制度 や 投資 家 保護 の ため の 情報 開示 、 税制 の 調整 など の 課題 の 克服 の 方途 を 探る 。 蒸気 が 漏れた 水抜き 配管 の 弁 は 、 通常 は 使わ れ ず 、 検査 時 など 給水 管 に たまった 水 を 抜く 際 に 使う 。 同 2 号 機 は 昨年 、 SG を 交換 し 、 八 月 に 運転 を 再開 した 。 県 原子力 安全 対策 課 は 、 配管 の 接合 部分 や 、 弁 の 組み合わせ 部分 など に 異常 が あった ので は ない か と 見て いる 。 「 政治 が 面白く ない 」 と いわ れ ます 。 ニュー リーダー 不在 、 コロコロ 変わる 政党 名 、 違い が 分かり にくい 政策 … と あって は 、 やむ を 得 ませ ん 。 縁遠く なる 政治 です が 、 身近な 地方 自治 を 見つめ 直す 好機 が 、 全国 で 約 2500 件 の 選挙 が 行わ れる 4 月 の 統一 地方 選 。 足元 から 政治 に 新風 を 送り込み たい もの です 。 2 年 前 、 この 欄 で 飲んべえ 教授 の 「 酒 びたり に なら ない 法 」 を 紹介 したら 評判 に 。 一 日 中 飲ま ない と 1 点 、 1 合 以内 なら 「 2 日 で 1 点 」 。 年間 60 点 以上 で 優 良 可 の 「 可 」 と いう わけ 。 去年 は 10 点 以下 、 「 不可 」 の 私 は 今年 早くも 2・5 点 。 飲んだ の は 元日 に 酒 1 合 。 節酒 も しよう と 思えば できる んです が … 。 三 日 、 近鉄 花園 ラグビー 場 で あった 第 七十四 回 全国 高校 ラグビー フットボール 大会 準 々 決勝 。 第 三 試合 、 長崎 北陽台 ― 大分 舞鶴 戦 は 、 引き分け 、 抽選 と なった 昨年 六 月 の 全 九州 大会 の 大 接戦 を 再現 した 名 勝負 と なった 。 明暗 を 分けた の は 、 一 本 の ゴール キック 。 ノーサイド の 瞬間 、 勝者 も 敗者 も 号泣 。 スタンド の 観客 は 、 劇的な “ 九州 対決 ” の 感動 を 持ち帰った 。 時計 は 既に ロスタイム だった 。 が 、 大分 舞鶴 の 執念 の トライ で 、 掲示板 の 得点 は 20 ― 18 に 変わった 。 ゴール が 決まれば 同点 。 しかし 、 同 校 の ナンバー 8 河口 剛 選手 が けった ボール は ゴールポスト 右 に 外れた 。 その 行方 が 決まった 時 、 長崎 北陽台 応援 席 の 小旗 が 大きく 揺れた 。 大分 舞鶴 の 応援 席 で は 「 まだ ある 。 まだ ある 」 と リザーブ の 選手 たち の 涙声 の 絶叫 が こだま した 。 試合 は 再開 さ れた が 、 長崎 北陽台 が ボール を タッチ に けり出し 、 ノーサイド 。 大分 舞鶴 フィフティーン は その場で うずくまり 、 やがて 、 肩 を 抱き合い 、 泣き顔 で 「 花園 」 を 背 に した 。 全 九州 大会 で は 、 両 チーム は 準 決勝 で 対戦 。 この 時 は 大分 舞鶴 が ロスタイム に 入って 追いつき 、 抽選 で 長崎 北陽台 が 決勝 に 進んだ 。 「 ゴール キック の 時 は 九州 大会 の ラスト シーン が 頭 を よぎり ました 。 負けた が 友達 に 恵まれ 、 ベスト 8 まで 来 られて 悔い は あり ませ ん 」 。 最初 は 涙声 だった 大分 舞鶴 の 平川 哲雄 主将 だ が 、 最後 は しっかり した 口調 で 締めくくった 。 初 の ベスト 4 進出 を 果たした 長崎 北陽台 。 山内 慶 主将 は 「 次の 試合 は 一 回 死んだ つもりで 、 大分 舞鶴 の 分 も 思いきり 戦い たい 」 と 話した 。 3 日 夜 、 札幌 発 関西 国際 空港 行き の 日本 航空 878 便 ボーイング 747 ジャンボ 機 が 、 札幌 を 飛び立つ 前 の 点検 で 、 逆 噴射 装置 に 故障 が 見つかり 、 整備 の ため 離陸 が 約 2 時間 遅れ 、 関西 空港 着 が 午後 11 時 53 分 に なった 。 正月 の 増発 便 で 、 この 日 の 札幌 ― 関空 最終 便 。 乗客 540 人 で 満席 。 関西 空港 から の 交通 機関 の 最終 便 は 出た 後 で 、 日本 航空 が 大阪 市 内 など 主要 5 ターミナル へ 運ぶ バス 11 台 を 手配 。 大阪 市 東住吉 区 杭全 3 、 医師 、 寺川 文彦 さん は 「 子供 が 待ちくたびれて かわいそう 」 と 、 長男 と 二男 の 肩 を 抱いて バス へ 。 乗用車 に 乗った 四 人 の うち 川井 さん と 岡山 県 高梁 市 上谷 町 、 大学生 、 吉本 晋 さん の 二 人 と 、 堀田 さん の 計 三 人 が 全身 打撲 で 死亡 。 広島 県警 高速 道路 交通 警察 隊 に よる と 、 事故 当時 、 現場 は 雨 が 降って いた 。 巧みな 言葉 で 企業 を 税務 の 講習 会 に 勧誘 、 いったん 契約 の 印鑑 を 押す と 、 「 入会 金 の ほか 受講 料 や 情報 誌 の 購読 代金 も 必要 」 など と 次々 に 請求 し 、 百万 円 以上 も 払わ せる 詐欺 まがい の 悪質 商法 が 、 大阪 、 名古屋 、 東京 を 中心 に 全国 に 広がり 、 各地 の 中小 企業 指導 センター など に 苦情 や 相談 が 相次いで いる こと が 三 日 分かった 。 “ 殺し 文句 ” は 「 税務 署 の 方 から 来 ました 」 。 やはり 、 企業 は 「 その 言葉 」 に 弱い ? 大阪 市 中央 区 の 商事 会社 は 、 一九九四 年 春 、 事務 所 を 訪れた 勧誘 員 に 、 「 二万四千 円 で 、 税務 講習 が 受け られる 」 と 勧め られ 、 入会 。 いったん 受講 する と 、 別の 勧誘 員 が 訪れ 、 「 受講 料 と して 六万 円 」 。 さらに 、 数 カ月 後 、 「 情報 誌 購読 料 など で 九万 円 」 など と 請求 さ れた 。 請求 通り 支払う と 、 同 七 月 「 受講 料 七十二万 円 」 を 要求 さ れ 、 大阪 市 中小 企業 指導 センター に 駆け込んだ 。 また 、 同 市 生野 区 の 事業 所 は 、 九三 年 初め から 勧誘 を 受け 、 一万二千 円 で 会員 に なり 、 税務 講習 会 を 受講 した 。 数 カ月 後 、 セミナー 代 と して 、 八十九万六千 円 を 支払い 、 さらに 、 「 特別 会費 」 と して 一 カ月 十八万 円 の 半年 分 、 計 百八万 円 を 請求 さ れた 。 大阪 市 中小 企業 指導 センター に よる と 、 税務 講習 に 関する 相談 ・ 苦情 は 九三 年度 は 十 件 だった が 、 今 年度 は 四 ― 十二 月 だけ で 十四 件 と 急増 。 当初 の 飛び込み 営業 で は 「 税務 ○○ 協会 」 「 税務 ○○ センター 」 など 公的 機関 と まぎらわしい 名称 を 使い 、 「 契約 書 は 後日 送る 」 など と 言って 、 印鑑 だけ を 押さ せる 手口 。 払い込み の 請求 や 、 顧客 の 企業 から の 問い合わせ の 際 に は 、 別の 担当 者 が 対応 し 、 請求 を 繰り返して いた 。 設立 後 、 間 も ない 企業 や 、 従業 員 規模 数十 人 の 中小 企業 が 狙わ れ やすい と いう 。 訪問 販売 法 は 一〇 条 一項 で 、 事業 所 の 「 営業 の ため 」 の 売買 契約 は 法 の 適用 除外 と して おり 、 これ に 目 を つけた 強引な 営業 と み られる 。 人事 院 が 1963 年 から 毎年 、 政府 と 国会 に 報告 して いる 公務 員 の 民間 企業 へ の 再 就職 の 実態 。 93 年度 の 天下り 白書 に よれば 、 天下り した 課長 級 以上 の 官僚 は 207 人 。 最多 は 71 人 の 大蔵 省 で 以下 運輸 、 通産 省 。 ロシア 南部 チェチェン 共和 国 の 首都 グロズヌイ で は 三 日 、 ロシア 軍 と ドゥダエフ 政権 部隊 と の 戦闘 が 続いて いる が 、 大統領 官邸 など 中心 部 は 依然と して ドゥダエフ 政権 の 支配 下 に あり 、 ロシア 軍 は 予想外の 苦戦 を 強い られて いる 模様 だ 。 ロシア 政府 は 一 日 、 首都 制圧 と 発表 した が 、 その後 も 市 内 で は 激戦 が なお 続き 、 ロシア 側 に 数百 人 の 死傷 者 と の 情報 も ある 。 三 日 の インタファクス 通信 など に よる と 、 激戦 は 特に 大統領 官邸 から 北西 一・五 キロ 、 北 五 キロ の 二 地点 で 発生 。 官邸 周辺 地域 は チェチェン 側 が 死守 して いる と いう 。 三 日 夜 に 放映 さ れた 現地 から の テレビ 映像 でも 、 官邸 付近 で 黒焦げ に なった ロシア 兵 の 遺体 や 地下 ごう に 収容 さ れた と み られる ロシア 兵 捕虜 の やつれ きった 姿 を 映し出し 、 ロシア 側 の 敗北 を 強烈に 印象づけた 。 また 、 ロシア の 独立 テレビ は 同日 夜 、 チェチェン 側 の 捕虜 と なった ロシア 兵 数 人 の 姿 を 放映 した 。 いずれ も 十九 歳 前後 の 若者 で 、 質問 に 答える 気力 も 残って い ない 。 官邸 付近 の 建物 の 窓 から チェチェン 国旗 を 振る ドゥダエフ 政権 部隊 兵士 の 姿 を 映し出し 、 「 首都 主要 部 は ロシア 側 の 支配 下 に ある 」 と する ロシア 政府 の 発表 を 覆す 形 と なった 。 九 階建て の 大統領 官邸 から 煙 が 上がる 模様 や 、 ロシア 軍 の 空爆 で 廃虚 と なった 建物 から 銃撃 する チェチェン 側 兵士 の 姿 も 放映 した 。 こうした 中 、 隣接 する イングーシ 共和 国 の アウシェフ 大統領 は 三 日 夜 、 ロシア 軍 が 同 共和 国 の 村 を 空爆 し 、 四 人 の 市民 が 死亡 した と して 、 「 隣接 共和 国 を 紛争 に 巻き込もう と する 企て 」 と これ まで に ない 強い 調子 で ロシア 側 を 非難 した 。 モスクワ で は 、 急進 改革 派 の ガイダル 元 第 一 副 首相 が 記者 会見 し 、 ロシア の 軍事 進攻 を 「 軍事 的な 破局 」 と 改めて 非難 した ほか 、 兵士 の 母親 の 組織 が 反戦 デモ を 展開 する など 、 エリツィン 政権 非難 の 声 が 一層 高まって いる 。 秋篠宮 ご 夫妻 の 二女 の 名前 が 「 佳子 」 と 決まり 、 一般 の お七夜 に 当たる 四 日 午前 、 皇居 ・ 宮内 庁 病院 で 「 命名 の 儀 」 が 行わ れた 。 「 心身 ともに 佳い 女の子 に 育つ ように 」 と の 願い が 込め られて いる 。 「 佳 」 に は 「 美しい 」 「 立派な 」 と いう 意味 が ある 。 ご 夫妻 は 「 人 の 気持ち を 理解 し 、 素直で 思いやり が ある 女の子 に 育って ほしい 」 と 願って 命名 した と いう 。 また 、 皇族 が 身の回り の 品 に つける 「 お 印 」 は 「 ゆうな 」 に 決まった 。 ゆうな は 、 アオイ 科 フヨウ 属 に 属する 「 オオハマボウ 」 の 沖縄 地方 の 呼称 。 佳子 さま の 名前 は 六 日 に も 官報 に 掲載 さ れ 、 その後 皇族 の 戸籍 に 当たる 「 皇統譜 」 に 登録 さ れる 。 村山 富市 首相 は 風邪 に よる 発熱 の ため 、 四 日 予定 して いた 三重 県 伊勢 市 で の 伊勢 神宮 参拝 を 取りやめた 。 首相 秘書 官 に よる と 、 首相 は 微熱 が 続き 、 四 日 朝 、 三七 度 を 超す 熱 が ぶり返した ため 、 医師 と 相談 の うえ 参拝 を 中止 した 。 伊勢 参拝 は 首相 代理 と して 河野 洋平 副 総理 ・ 外 相 が 行った が 、 内閣 報道 室 に よる と 、 首相 の 伊勢 神宮 参拝 中止 は 一九七四 年 の 田中 角栄 首相 以来 。 首相 は 昨年 十二 月 二十八 日 から 地元 ・ 大分 県 入り し 三十一 日 に 帰京 。 一 日 に は 皇居 で の 新年 祝賀 の 儀 と 首相 公邸 で の 新年 会 に 出席 した 後 、 神奈川 県 箱根 町 で 静養 した 。 しかし 、 二 日 予定 して いた 箱根 駅伝 観戦 を 風邪 の ため 取りやめて 三 日 、 東京 に 戻り 、 主治医 の 診察 を 受ける など して いた 。 米 政府 は 三 日 、 クリストファー 国務 長官 が 今月 中旬 を めど に コズイレフ ・ ロシア 外 相 と 会談 し 、 チェチェン 紛争 へ の 対応 を 含めた 米 露 関係 全般 に ついて 協議 する こと を 明らかに した 。 マカリー 国務 省 報道 官 は 「 対 露 関係 は 米国 の 国益 に つながる 戦略 的 関係 である 」 と 言明 、 チェチェン 紛争 が 対 露 関係 に 決定 的 影響 を 与える 可能 性 を 否定 した 。 米 政府 は チェチェン 紛争 拡大 に 再三 懸念 を 表明 して いる 半面 、 独立 要求 そのもの に ついて は 「 ロシア の 内政 問題 」 と して 不 介入 を 貫いて おり 、 外 相 会談 で は エリツィン 政権 と の 全般 的 関係 を 良好に 保つ こと を 最 優先 する 姿勢 を 示す もの と 受け止め られて いる 。 マカリー 報道 官 は チェチェン 問題 に とらわれ ず に 北 大西洋 条約 機構 拡大 問題 や ボスニア ・ ヘルツェゴビナ 和平 など を 含めて 総合 的 見地 から 検討 する 必要 を 強調 した 。 米 露 外 相 会談 は チェチェン 紛争 拡大 後 初めて で 、 場所 は ジュネーブ が 有力 視 さ れて いる 。 年明け 四 日 の 東京 外国 為替 市場 は 、 ドル を 買う 動き が 広がり 、 午前 九 時 の 円 相場 は 、 昨年 十二 月 三十 日 午後 三 時 三十 分 時点 と 比べ 一 円 〇五 銭 円安 ・ ドル高 の 一 ドル = 一〇〇 円 八八 銭 。 その後 も 昨年 八 月 十七 日 以来 、 四 カ月 半 ぶり に 一 ドル = 一〇一 円 台 を つける など 円安 ・ ドル高 の 取引 が 続いて いる 。 「 投機 筋 が ドル買い で 勝負 に 出て いる 」 と み られ 、 当面 は ドル高 で 推移 し そうだ 。 正午 現在 、 昨年 十二 月 三十 日 午後 三 時 三十 分 現在 比 一 円 〇九 銭 円安 ・ ドル高 の 一 ドル = 一〇〇 円 九二 銭 。 出来高 は 四十二億三千七百万 ドル 。 石原 信雄 官房 副 長官 は 四 日 午前 、 首相 官邸 で 記者 団 に 首相 の 体調 に ついて 説明 、 今月 十 日 から の 首相 訪 米 は 予定 通り 行う 考え を 示した 。 石原 氏 は 首相 の 伊勢 参拝 取りやめ に ついて 「 あくまで 大事 を 取った 。 首相 は 今朝 、 点滴 を 受けて 休んで いる 。 五 日 に 予定 して いる 会合 に 出席 する か は その 時 の 体調 次第 。 体調 を 整える こと に 専念 する 」 と 述べた 。 モスクワ の 新年 は 雪 で なく 雨 、 最低 気温 も 氷点下 に なら なかった 。 「 暖冬 は 風邪 を ひき やすく 体 に 悪い 。 しかも 雨 の 新年 なんて 最悪 」 と ロシア 人 に すこぶる 評判 が 悪い 。 彼ら に とって 望ましい の は 氷点下 一〇 度 前後 。 寒く なく 、 雪解け に よる 汚れ の 心配 も ない から だ 。 新年 を 迎えた ロシア 人 の 憂うつ は 雨 だけ で は なかった 。 それ は テレビ アナウンサー の 表情 に 表れて いた 。 例年 なら 「 新年 おめでとう 」 と 、 にこやかに 切り出す ところ だ が 、 今年 は どの 局 も 「 おめでとう 」 は なし 。 「 一九九五 年 最初 の ニュース は チェチェン です 」 と 重苦しく 始まった 。 華やかな 歌謡 ショー など 正月 番組 の 合間 に 流れる ニュース は 八 割 以上 が チェチェン 関連 で 占め られた 。 砲声 とどろく 中 、 白煙 を 上げる ビル 、 破壊 さ れ 焼け ただれた 戦車 、 放置 さ れた ロシア 兵 の 遺体 、 野戦 病院 で 虫 の 息 の 若い 兵士 など が そのまま 茶の間 に 飛び込んで くる 。 国 内 で 起きて いる 新年 の もう 一 つ の 現実 だ 。 兵士 の 家族 は もちろん 、 一般 の 国民 も いたたまれない 気持ち に なる 。 一方 で 、 すでに 昨年 から 始まった 対 独 戦勝 五十 周年 記念 の シリーズ 番組 も 放映 さ れて いる 。 これ まで 何 度 も 見た 記録 フィルム を 中心 に 構成 さ れた もの で 、 例 に よって 赤軍 の 勇敢な 戦い ぶり の 繰り返し に 終わって いる 。 勝った 勝った の 独 ソ 戦 回顧 は 国民 に 素直に 受け入れ られて いる 。 しかし 五十 年 後 の 今 、 国 内 の 戦場 で 死者 の 数 が どんどん 増えて いく 。 六 年 前 に 撤兵 と いう 形 で 決着 を つけた はずの アフガニスタン 戦争 の 忌まわしい 記憶 が 現実 に 引き戻さ れた 。 交通 費 、 ガソリン 代 も 値上げ さ れた ばかりで 物価高 の 中 の 連休 の ため 庶民 の 多く は テレビ を 見 ながら 家 で 過ごした 。 新聞 も 三 日間 休刊 。 ニュース 視聴 率 が 高い この 時期 に 、 これ だけ 連日 チェチェン で の 血みどろの 戦闘 が 放映 さ れた こと の 影響 は 大きい 。 支持 率 低下 に 歯止め が かから ない エリツィン 大統領 に とって 、 かなり の ボディーブロー と なる ような 気 が する 。 日興 証券 の リポート に よる と 「 イノシシ 年 の 一九九五 年 は 景気 が 回復 局面 に 入り 、 株式 市場 は 長期 上昇 相場 の 助走 段階 で 、 大きな 変化 の 発端 の 年 」 と なり そうだ と いう 。 過去 三 回 の イノシシ 年 を みる と 、 五九 年 が 前年 六 月 に 景気 が 底 を 打ち 、 岩戸 景気 の 助走 期 。 七一 年 は 十二 月 に 底 を 打って 、 列島 改造 ブーム の 起点 と なり 、 八三 年 は 二 月 に 景気 底 打ち が あって 輸出 主導 の 景気 拡大 局面 の 起点 に なった と いう 。 事件 で は 、 二三 年 は 関東 大 震災 。 三五 年 に は ドイツ が ベルサイユ 条約 を 破棄 し 、 五九 年 は 五千 人 以上 の 死者 が でた 伊勢 湾 台風 。 七一 年 が ニクソン ショック 、 八三 年 は 日 米 円 ドル 委 の 発足 で 八五 年 の プラザ 合意 に 結びついた と いう 。 全国 の 証券 取引 所 に 上場 して いる 二千百十 社 の 昨年 九 月 末 現在 の 従業 員 数 は 五百四十八万七千八百五十八 人 で 前年 同期 比 二・三 % に あたる 十二万七千八百四十四 人 が 減少 、 これ は 一 年 前 の 調査 で の 減少 数 一万千二百六十 人 の 約 十一 倍 に 上り 、 企業 の リストラ に よる 人員 削減 が 大きく 進行 して いる 実態 が 明らかに なった 。 東洋 経済 新報 社 が 最近 の 三 期 の 比較 が 出来る 会社 に ついて 調査 した もの 。 調査 結果 に よる と 、 最も 多く の 人員 を 削減 した の は NTT で 二万千九百十六 人 、 以下 、 日立 、 富士通 、 新日鉄 、 日産自動車 と 、 重厚長大 産業 が 名 を 連ねた 。 一方 で 、 従業 員 を 増やした の は 、 宅配 便 大手 の ヤマト 運輸 で 三千八 人 。 以下 は 東電 、 青山 商事 、 安田 火災 海上 、 関電 が 続いた 。 増加 トップ の ヤマト 運輸 は 「 宅配 便 扱い 個数 が 前年 比 で 八 % 台 伸びて いる 。 運転手 を 約 千 人 増員 、 仕分け 作業 など を 一 日 二 ― 三 時間 行う アシスト 要員 約 二千 人 も 社員 化 して いる 」 と 説明 する 。 また 、 業種 別 の 動向 に ついて 、 東洋 経済 新報 社 で は 「 放送 ・ 通信 、 証券 で 、 調査 対象 の 全社 が 減少 した の に 対し 、 保険 や 電力 ・ ガス など が 増加 して おり 、 雇用 調整 で は 業種 間 の 明暗 が 大きく 分かれた 」 と 分析 して いる 。 前回 調査 で は 従業 員 数 が 減少 した の は 四四 % に 当たる 九百四十七 社 、 増加 会社 が 五三 % の 千百三十一 社 だった 。 しかし 、 今回 の 調査 で は 、 従業 員 減少 会社 が 過半数 を 占め 、 千三百四十三 社 、 増加 会社 は 七百二十七 社 に とどまった 。 この 傾向 は 今後 も 続き そうで 「 景気 に やや 薄日 が さして きた と は いえ 、 大手 企業 を 中心 と して 人員 削減 計画 は 今後 二 ― 三 年 の 期間 で 策定 して いる ケース が 多く 、 採用 計画 の 手控え 傾向 を 合わせ 、 従業 員 減少 は 続き そうだ 」 と いう 。 アルジェリア の 首都 アルジェ で 先月 下旬 、 エール フランス 機 を 乗っ取った アルジェリア の イスラム 原理 主義 過激 派 組織 名 で 三 日 まで に 、 英 独 両 政府 あて に 大使 館 の 閉鎖 など を 求める 脅迫 状 が 届いて いた こと が 明らかに なった 。 同 組織 は 仏 政府 に 対して も 「 対 仏 戦争 」 と いう 表現 で 武装 対決 を 公然と 唱え 始めて おり 、 西欧 各国 は 対応 に 神経 を とがら せて いる 。 英国 へ の 脅迫 状 は 、 スイス ・ ベルン の 英国 大使 館 に 送り付け られ 、 同国 外務 省 スポークスマン に よる と 「 今月 七 日 まで に 大使 館 を 閉鎖 し なければ 、 国 内 の 外国 人 の 安全 は 保障 でき ない 」 と の 文面 。 また 、 アルジェリア の 独 大使 館 に 届いた 脅迫 状 でも 、 同日 まで に 大使 館 員 の 国 外 退去 を 要求 して いる 。 一方 、 イスラム 過激 派 組織 「 武装 イスラム 集団 」 は 、 乗っ取り 事件 を 起こした メンバー 四 人 が 射殺 さ れた 報復 と して 、 在 アルジェリア の フランス 人 、 ベルギー 人 キリスト教 宣教師 四 人 を 殺害 。 この 犯行 声明 の 中 で 同 組織 は 、 改めて 対 仏 宣戦 を 布告 し 、 「 目 に は 目 を 」 の 対応 を 宣言 した 。 また 、 同じ アルジェリア の 過激 派 組織 「 救国 イスラム 軍 」 も 「 対 仏 戦争 は われわれ の 義務 と なった 」 と の 主張 を 機関 紙 に 掲げた 。 ベルルスコーニ ・ イタリア 首相 の 辞任 を 機 に 表面 化 した 政治 危機 で 、 調停 役 の スカルファロ 大統領 は 三 日 から 、 再び 関係 者 と の 協議 に 乗り出し 、 今週 末 に は 暫定 政権 発足 の 見通し だ 。 しかし 、 ベルルスコーニ 与党 内 に は 依然 議会 解散 ・ 総 選挙 を 主張 する 声 が 強く 、 四 日 に 行わ れる スカルファロ ・ ベルルスコーニ 会談 の 結果 次第 で は 、 暫定 政権 発足 に 失敗 する 可能 性 も 残さ れて いる 。 スカルファロ 大統領 は 新年 の メッセージ の 中 で 、 議会 解散 ・ 総 選挙 の 道 は イタリア 政治 の 国内外 の 信用 に さらに ダメージ を 与え かね ない こと を 強調 し 、 暫定 政権 発足 を 念頭 に 各 政党 間 、 議会 関係 者 の 調停 を 進めて いる こと を より 明確に した 。 三 日 から 始まった 第 二 ラウンド の 調停 で は 、 大統領 は まず スコニャミリオ 、 ピベッティ 上 下院 議長 と 会談 し 、 暫定 政権 発足 の 協力 を 強く 要請 した 。 スカルファロ 大統領 は 、 暫定 政権 の 首相 第 一 候補 に は 前 イタリア 中央 銀行 副 総裁 で ベルルスコーニ 内閣 の 国庫 相 を 務めた ディニ 氏 を 推す 意向 と いわ れる 。 ディニ 氏 は 無党派 の 人間 ながら 、 ベルルスコーニ 氏 の 側近 の 一 人 で 、 経済 通 と して 内外 に 知ら れて いる 。 さらに 、 野党 の 受け も いい ため 、 大統領 は 四 日 の ベルルスコーニ 氏 と の 会談 で 、 同氏 の 説得 に 成功 すれば 、 週 末 に は ディニ 氏 を 首相 に 指名 し 直ちに ディニ 暫定 政権 を 発足 さ せ たい 考え だ 。 一九九六 年 米 大統領 選 の 共和党 有力 候補 の 一 人 と み られて いた ディック ・ チェイニー 元 国防 長官 は 三 日 、 出馬 を 断念 する 考え を 明らかに した 。 理由 は 明確に さ れて い ない が 、 争点 が 内政 問題 中心 と なる 可能 性 が 大きく 、 外交 ・ 安保 問題 の 専門 家 である 同氏 に 有利な 状況 で は ない と 判断 した と み られて いる 。 大統領 選 に は 、 共和党 から ドール 上院 院 内 総務 、 アレクサンダー 元 教育 長官 、 グラム 上院 議員 の 出馬 が 確実 視 さ れて いる 。 ボスニア ・ ヘルツェゴビナ で 一 日 から 発効 した 四 カ月 停戦 協定 を 順守 さ せる ため 、 国連 防護 軍 は 紛争 各派 の 兵力 引き離し に 全力 を 挙げて いる が 、 北西 部 ビハチ 周辺 で は 三 日 も 激しい 砲撃 戦 が 続いた 。 ビハチ 攻防 に 参戦 して いる クロアチア の セルビア 人 勢力 と 反 政府 系 アブディッチ 派 イスラム 教徒 勢力 は 共に 停戦 協定 に 調印 して おら ず 、 今後 、 両 派 へ の 対応 が 焦点 に なって いる 。 サラエボ から の 報道 に よる と 、 ビハチ 北郊 の ベリカ ・ クラドゥシャ で は 三 日 、 二百五十 回 に 及ぶ 砲撃 戦 が 交わさ れた 。 同 地域 に 越境 攻撃 して いる と み られる クロアチア 領 クライナ 地区 の セルビア 人 勢力 の 指導 者 、 ミケレッチ 氏 は 同日 、 国連 防護 軍 に 「 ビハチ で の 行動 の 全面 停止 に 必要な 決定 を 下す 」 と 伝えた が 、 具体 的な 内容 は 明らかで ない 。 停戦 協定 に は 、 ボスニア 政府 の 要請 で 「 外国 勢力 の 軍事 行動 を 排除 する 」 と の 記述 が 盛り込ま れて いる 。 クロアチア の セルビア 人 勢力 の 戦闘 行動 が ボスニア 領 内 で 続けば 、 ボスニア 政府 側 は 反撃 に 出る 方針 を 固めて おり 、 停戦 維持 は 極めて 難しく なる だろう 。 また 、 反 政府 系 アブディッチ 派 の 動向 も 不透明で 、 ボスニア 政府 と の 和解 は ほぼ 不可能 と み られる 。 米 大手 銀行 持ち株 会社 の ケミカル ・ バンキング は 三 日 、 メキシコ ・ 新 ペソ の 急落 に からんで 、 昨年 第4 四半期 に 税引き 前 で 七千万 ドル 、 税引き 後 で 四千万 ドル の 損失 を 出した こと を 明らかに した 。 同社 の 一 人 の 為替 トレーダー が 、 新 ペソ で 許さ れた リスク の 権限 を 超える 取引 を 行い 、 なおかつ それ を しばらく 隠して いた こと から 、 これ だけ の 額 に 膨れ上がった 。 同社 に よる と 、 先月 二十一 日 の 通貨 切り下げ 後 、 新 ペソ の ポジション を 設定 、 新 ペソ の 回復 を 見込んで いた らしい 。 ところが 翌日 の 変動 相場 制 移行 以後 、 再び 新 ペソ が 下落 、 大きな 痛手 を 被った 。 米国 の 他 の 金融 機関 も 、 メキシコ 債 を 組み込んだ ファンド など を 設定 して いる ところ が 多く 、 影響 が 懸念 さ れる 。 メキシコ の セディジョ 大統領 は 三 日 、 通貨 切り下げ 後 の 経済 危機 に 対処 する 緊急 経済 計画 を 発表 した 。 インフレ 再燃 防止 と 財政 赤字 削減 を 柱 と し 、 経済 成長 を 自ら 抑える 荒療治 だ が 、 市場 は この 日 も 下落 。 政府 は 北米 自由 貿易 協定 全体 を 巻き込んだ 混乱 に 対して 機能 せ ず 、 信任 を 急速に 失い つつ ある 。 大統領 は 同日 、 国民 向け の 演説 で 、 財政 赤字 が 二百八十億 ドル に 達した こと を 初めて 公式 に 認め 、 十 月 に は 百七十億 ドル あった 外貨 準備 が 、 現在 は 六十一億 ドル に 落ち込んで いる と 表明 した 。 その うえ で 、 赤字 を 今年 中 に 半額 の 百四十億 ドル に まで 減少 さ せる と し 、 歳出 を 国 内 総 生産 比 で 一・三 % に 抑え 、 また 独占 企業 である 電話 、 石油 公社 の 民営 化 を 公約 。 再燃 懸念 が 高まる インフレ 防止 の ため 、 最低 賃金 の 引き上げ 率 を 一〇 % に 抑え 、 経済 成長 率 見込み を 当初 計画 の 四 % から 一・五 ― 二 % 以内 に 修正 する と 発表 した 。 大統領 は 演説 の 中 で 、 国民 に 「 団結 と 忍耐 」 を 訴えた 。 しかし 、 通貨 ・ 新 ペソ が この 二 週間 で 三〇 % 以上 も 暴落 した 中 で の 引き締め は 、 国民 、 特に 中 ・ 下層 に 多大な 苦渋 を 強いる こと に なる 。 この ため 、 政情 不安 の 拡大 や 企業 の 倒産 、 購買 力 の 低下 が 予測 さ れ 、 同日 の 為替 市場 は 再び 下落 。 株式 市場 も 乱高下 を 繰り返した 末 、 前日 比 三・二二 % 安 で 取引 を 終えた 。 財界 はじめ 日 米 企業 は これ まで 、 大統領 の 演説 が 回復 の 節目 に なる こと に 期待 を つないで きた だけ に 、 失望 感 が まん延 。 外国 政府 や 銀行 団 に よる 百八十億 ドル の 対 メキシコ 金融 支援 は 、 一夜 に して 効果 を 失う 形 と なった 。 ソマリア の 国連 高官 は 3 日 、 当地 で 平和 維持 活動 に 当たって いる 国連 部隊 が 、 15 日 に 首都 モガディシオ 南部 に ある 同 部隊 本部 と 、 人道 援助 活動 の 調整 事務 所 を 放棄 する 予定 だ と 語った 。 また 、 同 市 北部 に ある 事務 所 から も 撤収 の 予定 。 アルゼンチン の ディテラ 外 相 は 3 日 、 地元 の ラジオ 放送 に 出演 し 、 南 大西洋 上 の 英 領 フォークランド 諸島 の 情勢 に ついて 、 「 極めて 危険であり 、 紛争 が ぼっ発 する 可能 性 を 秘めて いる 」 と 言明 した 。 西側 外交 筋 は 3 日 、 ロシア に よる チェチェン 共和 国 へ の 軍事 進攻 問題 が 、 12 日 に ウィーン で 開催 予定 の 全欧 安保 協力 機構 の 会合 で 取り上げ られる 見通し である こと を 明らかに した 。 ルワンダ 新 政権 の ニイテゲカ 中央 銀行 総裁 は 二 日 、 五千 、 千 、 五百 の ルワンダ ・ フラン 紙幣 を 刷新 、 新 紙幣 に 取り換える と 発表 した 。 昨年 四 月 以降 、 フツ 族 の 旧 政権 幹部 は 国庫 財政 の 大半 を 持ち去って 国 外 に 亡命 して おり 、 通貨 刷新 は 新 政権 の 悲願 だった 。 ルワンダ から の 報道 に よる と 、 交換 は 各 州 中心 都市 の 銀行 で 三 日 と 四 日 に 行わ れ 、 それ 以降 旧 紙幣 は 無 価値 と なる 。 紙幣 刷新 は 混乱 を 避けて 新年 休暇 中 に 実施 さ れる 。 国 が 一定 の 条件 を 満たす 政党 に 総額 三百九億 円 を 公費 助成 する 政党 助成 法 に 基づく 届け出 が 四 日 、 自治 省 で 始まった 。 事前 に 自治 省 が 各 政党 と 書類 の 作成 方法 など を 打ち合わせた 段階 で 実際 の 届け出 は 九 日 以降 に なり そう 。 届け出 期限 は 十七 日 まで 。 自治 省 は 届け出た 政党 を 後日 、 官報 で 告示 する 。 政党 助成 法 は 、 所属 国会 議員 五 人 以上 か 、 国会 議員 が いて 直近 の 国政 選挙 で 得票 率 二 % 以上 の 政党 に ついて 、 国民 一 人 当たり 二百五十 円 、 総額 三百九億 円 を 政党 交付 金 と して 公費 助成 する 制度 。 今月 一 日 に 公費 助成 を 受ける 政党 に 法人 格 を 与える 政党 法人格 付与 法 や 改正 政治 資金 規正 法 と ともに 施行 さ れた 。 戦後 五十 年 の 記念 す べき 年 が 始まった 。 焦土 と 化した 私 たち の 国 は 、 この 五十 年 の 間 に 「 経済 大国 」 と なり 、 目 に 見える 風景 も 大きく 変わった 。 昨年 の 毎日 出版 文化 賞 特別 賞 を 受賞 した 『 熊谷 元一 写真 全集 』 全 五 巻 は 長野 県 の 山村 の 人 と 生活 を 半 世紀 以上 に わたって カメラ に 収めた 貴重な 記録 である 。 その 「 戦後 編 」 から 作品 を 紹介 し 、 五 回 に わたって 「 あの ころ の 日本 」 を 振り返る こと に し たい 。 戦前 から 戦中 、 政界 ・ 軍部 と 深く かかわった 異色の 実業 家 である 石原 廣一郎 の 「 回顧 録 」 と 資料 集 を 収録 した 『 石原 廣一郎 関係 文書 』 が 柏 書房 から 刊行 さ れた 。 石原 は 満州 事変 の 後 、 南進 論 者 と して 政治 活動 を はじめ 、 二・二六 事件 で は 反乱 幇助 罪 で 起訴 さ れた が 、 無罪 と なった 。 その後 も 国家 主義 的な 運動 に かかわり 、 近衛 文麿 ら 政界 上層 部 と の つながり も 深かった 。 戦後 の 東京 裁判 で は A 級 戦犯 に 指名 さ れ 、 巣鴨 拘置 所 に 拘置 さ れた が 不 起訴 と なって 釈放 さ れた 。 実業 面 で は 南方 の 鉄鉱 石 の 開発 に 成功 して 現在 の 石原 産業 を 創立 した 。 また 戦後 は 母校 の 立命館 大学 の 改革 に も 尽力 した 。 今回 刊行 さ れた 「 関係 文書 」 は こうした 多面 的な 活動 を 伝える もの で 、 上巻 は さまざまな かたち で 書か れた 「 回顧 録 」 を まとめて いる 。 石原 産業 東京 本社 記念 室 と 同 大阪 本社 史料 室 に 所蔵 さ れて いた もの が 底本 。 戦前 は 、 三六 年 二 月 の 衆院 総 選挙 へ の 立候補 から 記述 は 始まり 、 二・二六 事件 を はじめ と した 昭和 史 の 重要 事件 や 政局 など と の かかわり 、 戦後 は 巣鴨 拘置 所 で の 生活 や 立命館 大学 の 改革 過程 など が 、 いずれ も 詳細に 記さ れて いる 。 とりわけ 巣鴨 で の 記録 は 、 東条 英機 、 岸 信介 、 笹川 良一 、 児玉 誉士夫 ら A 級 戦犯 の 獄中 生活 の 実態 、 日々 の 動静 など を 生々しく 伝えて おり 、 資料 的 価値 が 高い 。 下巻 は 、 三四 年 に 立命館 出版 部 から 刊行 さ れた 『 新 日本 建設 』 の ほか 、 二・二六 事件 関係 書簡 、 各種の 意見 書 、 東京 裁判 関係 書類 、 四六 年 刊行 の 『 日本 再 建設 』 が 収録 さ れて いる 。 編集 は 、 赤沢 史朗 、 粟屋 憲太郎 両氏 と 立命館 百 年 史 編纂 室 。 赤沢 、 粟屋 両氏 が 解説 ・ 解題 を 執筆 して いる 。 上巻 一万二千 円 、 下巻 一万八千 円 。 第 三 回 「 野間 宏 の 会 」 が 、 七 日 午後 二 時 から 、 東京 ・ 神楽坂 の 日本 出版 クラブ 会館 で 開か れる 。 今回 の テーマ は 「 戦後 50 年 と 野間 宏 」 。 講師 は 第 一 部 が 張 石 、 ジェームス ・ レイサイド 、 中本 信幸 、 第 二 部 が 奥泉 光 、 三枝 和子 、 沖浦 和光 、 佐木 隆三 の 各氏 。 二千 円 。 夜 は 同所 で 有料 の 懇親 会 が 予定 さ れて いる 。 連絡 先 は 03・5272・0301 、 藤原 書店 内 の 事務 局 へ 。 「 文明 」 と いう 言葉 から 人 は 何 を 連想 する だろう か 。 「 文明 開化 」 と いったら 、 なんて 古臭い と いわ れて しまう かも しれ ない 。 だが 、 この 言葉 に は そんな 古臭 さ が つきまとって いた の は 確かな ように 思える 。 この 感じ は たぶん 、 よく 似た 言葉 の 「 文化 」 と 比べて みる と 、 よく 分かる はずだ 。 その 古臭い 「 文明 」 と いう 言葉 が 昨年 、 わが 論壇 で 盛んに 飛び交った 。 発端 は 一昨年 に 発表 さ れた アメリカ の 国際 政治学 者 S ・ P ・ ハンチントン の 「 文明 の 衝突 」 なる 論文 である 。 冷戦 が 終わって 、 イデオロギー 間 の 対立 が なくなった 国際 社会 で は 諸 文明 の 衝突 が 起きる のだ 、 と ハンチントン は 指摘 した 。 この 問題 提起 が 異常 と も いえる 「 熱気 」 の 中 で 論議 さ れた の は 、 国際 政治 理論 の 世界 が 冷戦 の 終結 に よって パラダイム 喪失 と も いえる 状況 に あった から だろう 。 「 イデオロギー から 民族 へ 」 は 、 なるほど 一 つ の 新しい パラダイム の ように も 見える 。 比較 文明 学会 が 昨年 末 、 創立 十 周年 記念 号 と して 機関 誌 『 比較 文明 』 第 10 号 を 刊行 した 。 「 文明 」 を うたう 学会 である 。 これ だけ 話題 に なった ハンチントン 論文 を 素通り できる わけ は ない 。 「 文明 の 共存 ―― 衝突 説 を 超えて 」 と 題した 特集 を 組んで いる 。 八 人 の 論者 が 直接 間接 に ハンチントン 論文 を 爼上 に あげて いる のだ が 、 周到な 批判 を 通じて 、 そこ で は おのずと 「 比較 文明 学 」 なる もの の 輪郭 も 明確に なって いる 。 創立 十 年 を 経た 学会 の 成熟 を うかがわ せる もの で も あろう 。 たとえば 、 神川 正彦 氏 の 「 比較 文明 学 の 現代 的 課題 ―― 二十一 世紀 の 展望 の もと に 」 は 、 ハンチントン 論文 の 核心 を 「 要するに 、 冷戦 が 終結 した こと の 意味 を はっきり と 受けとめ 、 それ故 あらためて 次の 紛争 の 形態 と なる 『 新たな 冷戦 』 を 間違い なく 読みとる 理論 装置 を 提示 しよう と した こと 」 と 言い切る 。 つまり 、 新し さ を 装って いる が 、 そこ に は 国際 社会 の アナーキー と 国家 の リアリティー を 基礎 に 置く 国際 政治 理論 しか ない と いう のである 。 国家 に かわる 国際 政治 の アクター が 「 領域 的 文明 」 に なった だけ と いう わけだ 。 この 「 領域 的 文明 」 の とらえ 方 は 、 本来 的に 関係 概念 である 文明 を 実体 化 ないし 主体 化 して いる と も 、 神川 氏 は 批判 する 。 文明 内 の 多様 性 と ともに 世界 文明 あるいは 地球 文明 と いった 新しい 状況 が 、 そこ で は こぼれ落ちて しまう と いう のである 。 特集 の 題名 の ように 、 こうした 「 文明 の 衝突 」 説 と 対して 、 比較 文明 学 は 「 文明 の 共存 」 を 求める 。 神川 氏 は 「 文明 の 共存 を 前提 と して その 実現 化 を 求める 使命 志向 科学 と して の 比較 文明 学 」 と 語る 。 文明 そのもの の 解明 を 通じて 、 それ ら を どのように 変えて いく か を 明らかに する 。 壮大な 「 比較 文明 学 の 現代 的 課題 」 が 、 そこ で は 語ら れて いる のである 。 「 アンダルシア の 嵐 」 と 「 カルメン 」 持ち アントニオ ・ ガデス は すでに 伝説 に なって いる 。 スペイン を 代表 する この フラメンコ の 巨匠 が 、 わが国 に フラメンコ ・ ブーム を 巻き起こした と 言って 過言 で は ない 。 その ガデス が 引退 して 三 年 。 昨年 末 、 突然 イタリア で 復活 の 舞台 に 立った 。 彼 の 血 である アンダルシア を うたいあげた 「 アンダルシア の 嵐 」 。 ロペ ・ デ ・ ベガ の 戯曲 「 フエンテオベフーナ 」 に 想 を 得た もの だ 。 アンダルシア の 農村 フエンテオベフーナ で は 傲慢で 好色な 領主 が 悪政 を 行って いた 。 村 の 娘 ラウレンシア は 貧しい 青年 フロンドーソ と の 結婚 式 の 最中 に 、 彼女 に 横恋慕 する 領主 に よって とらえ られる 。 悪政 に 耐え きれ なく なった 農民 たち は この 事件 を きっかけ に ついに 立ち上がる ―― 。 ジェノバ で 行わ れた 初演 で は ガデス の さまざまな ステップ に 拍手 が なりやま なかった 。 この 舞台 と 「 カルメン 」 を 持って 17 日 から 日本 公演 が 始まる 。 ガデス は 「 三 年 前 の 日本 公演 が 私 の 最後 の 舞台 と 思って いた 。 でも 長年 、 心 の 中 で わだかまって いる もの が あり 、 それ を 忘れる こと が でき なかった 。 芸術 家 と して 再び 創造 の ため に 自分 と 戦う 決意 を した 」 と 語って いる 。 狂言 の 野村 万蔵 家 が 、 長男 の 耕介 が 五 世 万之丞 を 襲名 、 当主 を 継承 した の を 記念 した 会 を 6 日 から 三 日間 四 回 国立 能楽 堂 で 開く 。 当主 の 継承 と は 万之丞 が 野村 万蔵 家 の 公式 の 代表 に なる こと で 、 この 機会 に 万蔵 の 二男 の 野村 良介 が 大曲 「 花子 」 を 披き 、 万蔵 の おい の 吉積 史高 が 野村 史高 と 改姓 して 「 釣狐 」 を 披く 。 万之丞 は 新 演出 の 「 松 囃子 」 の ほか 8 日 昼 に 古典 「 末広かり 」 新作 「 子 ほめ 」 、 出演 者 が 五十 人 に 及ぶ 大曲 「 唐人 相撲 」 の 三 番 の シテ を 独演 する 。 一門 に よる 狂言 の ほか 能 や 他流 の 狂言 も 上演 、 華やかな 会 に なり そうだ 。 問い合わせ は 03・5965・4642 へ 。 ウィーン ・ オペラ 舞踏 会 管弦 楽団 の 今年 の ニュー イヤー ・ コンサート に は “ お年玉 ” が 付いて いる 。 1200 円 で 発売 して いる プログラム に 8 センチ の ミニ CD 「 オペレッタ の 愉しみ 」 が 付いて いる のだ 。 入って いる の は シュランメルン の 「 ウィーン は ウィーン 」 や ソプラノ の メラニー ・ ホリデイ = 写真 = が 歌う 「 公爵 さま 」 など 六 曲 。 舞台 に 出演 する メンバー が 歌って おり 、 舞台 で 聴いた あと 、 家 に 帰って CD で 思い出して もう 一 度 楽しんで ください と いう 趣向 。 コンサート は 5 日 7 時 = 東京 文化 会館 と 、 15 日 7 時 = サントリー ホール 。 ホリデイ の ほか に テノール の カルチコフスキー 、 ミニッヒ ら が 出演 する 。 問い合わせ は 03・3498・1990 。 宝塚 雪 組 が 香寿 たつき の 東京 で 初 の 主演 作 「 風 に 吹か れて 」 を 日本 青年 館 で 上演 する 。 樋口 修吉 原作 「 アバター の 島 」 から 横沢 英雄 が 脚本 、 演出 した ミュージカル で 昨年 九 月 に 宝塚 バウホール で 初演 して いる 。 香寿 が 演じる トシオ は プロ の ダンサー を 目指して 家族 の 反対 を 押し切って アメリカ へ 渡った 青年 。 しかし 暴漢 に 足 を 刺さ れ 、 ダンサー に なる 夢 は 絶た れる 。 トシオ は その後 、 運命 の 風 に 吹か れる まま に 思いがけぬ 人生 を 歩んで いく 。 作者 は 「 現代 性 を 映し出した 物語 を 通して 、 風 の 中 で 起こる 出会い の 面白 さ 、 運命 の 切な さ を 描いた 。 昨年 の ロンドン 公演 の 主要 メンバー と して 活躍 、 一段 と 成長 した 彼女 の 姿 と 厚み を 見て ほしい 」 と 語って いる 。 共演 は 翠 花果 、 貴咲 美里 ら 雪 組 の 若手 で 、 組長 の 京 三紗 ら ベテラン が わき を 固める 。 問い合わせ は 03・3501・2633 へ 。 22 日 歌舞伎 座 昼 の 部 の 三階 席 を 親 と 子 の 組み合わせ に 限り 、 一 人 2300 円 で 提供 する 。 希望 者 は 往復 はがき に 住所 、 氏名 、 年齢 、 電話 番号 、 枚数 を 記入 、 11 日 まで に 〒 104 ― 77 中央 区 銀座 5 の 1 の 7 都民 劇場 「 親 と 子 の 歌舞伎 鑑賞 会 」 係 へ 申し込む こと 。 問い合わせ は 03・3572・4311 へ 。 スター が スター と して 扱わ れ ない 、 今 は さびしい 時代 だ 。 タレント など と いう 小さな 枠 に 、 無理やり 押し込もう と する 。 だが 、 この 人 は 生来 の スター と して の 華やか さ 、 美し さ を 持つ 。 まばゆい 程 の 輝き や 、 表情 の 豊か さ は 、 あえて 書く まで も ない だろう 。 「 正統 派 美人 女優 」 、 それ だけ で 形容 は 足りる 。 振り返れば 、 あの 原 節子 の 時代 は 、 なんと 明快 単純 だった こと か 。 春 満開 の 三 月 ・ 四 月 の 二 カ月間 、 東京 ・ 日比谷 の 芸術 座 で 初 の 「 座長 」 公演 を 務める 。 演目 は 、 宮尾 登美子 の 傑作 長編 小説 「 藏 」 。 もちろん 、 造り 酒屋 の ひとり娘 で 幼く して 失明 する もの の 強く 生き抜く 主人公 ・ 烈 を 演じる 。 「 烈 と いう 女性 は 、 目 が 不自由に なる と いう ハンディキャップ を 背負い ながら 、 とても 情熱 的に 生きて いき ます 。 苦境 に 立って も 、 壁 に ぶち当たって も 、 決して 負け ず に 、 むしろ それ を バネ に して いく 生き 方 に 、 心 打た れ ました 。 宮尾 文学 の 世界 に 引き込ま れる ように して 読み切り ました 」 佐々木 猛 の 脚本 で 、 堀井 康明 の 演出 。 共演 は 父 ・ 意造 に 古谷 一行 、 叔母 ・ 佐穂 に 大空 眞弓 、 後妻 ・ せき に 中田 喜子 ほか 。 「 第 一 回 東宝 シンデレラ 」 で デビュー した の が 、 十八 歳 。 NHK 朝 の テレビ 小説 「 澪つくし 」 を 経て 、 映画 、 テレビ で 売れっ子 の 彼女 が 舞台 初 出演 した の は 、 平成 二 年 の 東京 宝塚 劇場 「 女 ぶり 」 だった 。 大 女優 ・ 山田 五十鈴 と の 共演 で 、 新人 育成 に 定評 の ある 平岩 弓枝 の 作 ・ 演出 。 舞台 の 大きな 戦力 に 育て たい と いう 、 東宝 の 願い が 込め られて いた 。 それ 以後 、 今回 が 五 度 目 の 舞台 と なる 。 今年 二十九 歳 だ が 、 芸術 座 で の 二十 代 女優 の 「 座長 」 公演 は 、 昭和 五十七 年 の 竹下 景子 以来 、 十三 年 ぶり の 快挙 だ 。 「 山田 五十鈴 先生 に 『 芸術 座 に 出 ます 』 と 報告 し ましたら 、 先生 が 『 お 客 様 と の 距離 が 近く 、 細かい 演技 も よく 見て もらえる 劇場 です よ 』 と アドバイス して いただき ました 。 『 藏 』 の 烈 も 、 ひたむきな 生き様 を うまく 伝えて いき たい 。 暗く なり すぎ ず に 、 明るく 生きる 事 が 感動 に つながる ように し たい と 思って い ます 」 「 藏 」 は 現在 六十五万 部 の ベストセラー だけ に 、 今年 、 舞台 化 の ほか 、 十 月 公開 予定 で 東映 が 宮沢 りえ を ヒロイン に 降旗 康男 監督 で 映画 化 を 進めて いる 。 テレビ ドラマ 、 ラジオ でも 「 藏 」 制作 が 予定 中 。 それ ら と の 「 競作 」 に ついて は 、 「 私 の 舞台 が 一 番 先 です し 、 舞台 と 映画 で は 描か れ 方 も 違う でしょう 。 私 は 、 私 が 感じた 烈 を 演じて いく つもり 」 と あまり 気 に かけて は い ない 。 沢口 自身 の 映画 も 、 いま 撮影 中 だ 。 東宝 の 戦後 五十 年 記念 作品 「 ひめゆり の 塔 」 。 五 月 に 公開 予定 だ 。 「 私 が 演じる の は 、 戦地 に ひと り だけ 残さ れた 女 教師 。 『 ひめゆり の 塔 』 の 映画 化 は 四 度 目 です が 、 神山 監督 が まったく 新しい 作品 と して 捕らえ たい と 、 沖縄 戦 の 全体 も 含めて リアルに 描いて いき ます 。 だから 、 私 たち 、 沖縄 方言 を 特訓 中 な んです 。 イントネーション が 難しい んです よ 」 ところで 、 二十 代 最後 の 年 。 結婚 の 方 は ? 「 十 代 で デビュー した ころ は 、 結婚 が 最終 ゴール と 考えて いた 時期 が あり ました けど 、 結婚 願望 も 変わって き ました 。 もう 私 に 普通の 主婦 は でき ませ ん よ ね 。 女優 と いう 仕事 が 奥 が 深い こと が 、 ますます 分かって き ました し 、 好きな 仕事 。 私 って 、 あまり 器用じゃ ない ので 、 自然に 任せて 、 結婚 を 別に 急ごう と は 思い ませ ん 」 腰 を 据えて 女優 業 に 生きる 決意 を 語る 。 ファン に は 、 うれしい 限り の 言葉 だろう 。 「 舞台 で いつか 演じ たい な と 思って る の が 、 やはり 洋物 な んです 。 『 サウンド ・ オブ ・ ミュージック 』 の ような 、 歌 あり 、 踊り あり の 作品 。 和物 でも 、 華やかな 踊り が ある もの を 演じて み たい 」 ひそかに その ため の 、 歌 の 練習 や 踊り の レッスン も 受けて いる ような のである 。 彼女 の 「 サウンド ・ オブ ・ ミュージック 」 を 見て み たい 気 も する のだ が 。 かつて の 「 かわいい 」 女優 から 本格 的な 演技 派 女優 へ の 脱皮 を 目指す 彼女 に とって 、 今回 の 芸術 座 の 「 座長 」 公演 は 大きな 意味 を 持つ 。 「 私 も もう すぐ 三十 。 若 さ の 魅力 だけ で は すみ ませ ん から 、 内面 を 出して 感動 さ せる 女優 に なる よう さらに 努力 し ます 」 と 言い切った 。 成田 空港 は 四 日 、 正月 を 海外 で 過ごした 旅行 客 ら の 帰国 ピーク を 迎えた 。 新 東京 国際 空港 公団 の 推計 に よる と 、 普段 より 二万 人 以上 多い 四万五千 人 が 到着 する 。 到着 ロビー は グアム や ハワイ で 日焼け した 若者 や お土産 を 抱えた 家族 連れ で あふれた 。 休暇 を ずらして これ から 海外 に 出掛ける 人 も 多く 、 この 日 は 三万六千七百 人 も 外国 に 飛び立つ 。 昨年 十二 月 二十 日 から 一 月 九 日 まで の 冬 の 繁忙 期 で 三 番 目 に 多い 出国 者 数 と なる 見込み 。 全国 一 の フグ の 水揚げ が ある 山口 県 下関 市 の 南風泊 市場 で 四 日 未明 、 新春 の 初 せり が あった 。 初 水揚げ は 、 対馬 沖 など で 操業 した 県 内 の はえ縄 漁船 十五 隻 の 外海 もの など 約 六 トン 。 午前 三 時 二十 分 、 ベル を 合図 に せり を 開始 。 せり 人 が 「 はいや はいや 」 「 ええか ええか 」 と 威勢 の いい 声 を かけ 、 袋 の 中 で 仲卸 人 と 手 を 探り 合って せり 値 を 伝える 「 袋 ぜり 」 で 次々 に フグ が せり落とさ れた 。 初 せり の 最 高値 は 、 最高 級 の 生きた トラフグ で キロ 当たり 二万三千 円 と 昨年 を 千 円 上回った 。 初 せり と して は 量 も せり 値 も まずまず 。 下関 唐戸 魚市場 は 「 このまま いけば 、 値段 は 平年 並み に 安定 する だろう 」 と 話して いる 。 四 日 午前 八 時 十五 分 ごろ 、 静岡 県 浜松 市 流通元町 の 東名 高速 道路 上り線 で 、 東京 都 町田 市 本町田 、 高校 教諭 、 小林 誠一 さん の 乗用車 が 道路 左側 の ガード ロープ に ぶつかり 、 はずみ で 中央 分離 帯 の ガード レール に 激突 した 。 助手 席 の 妻 明子 さん が 頭 を 強く 打って 死亡 、 後部 座席 の 長女 美緒 ちゃん と 二女 桃江 ちゃん が 全身 打撲 で 重体 、 長男 淳一 君 が 軽い けが 。 小林 さん に けが は なかった 。 県警 高速 隊 の 調べ で は 、 事故 当時 、 現場 付近 は 激しい 雨 が 降って おり 、 スリップ した らしい 。 小林 さん は 家族 で 岐阜 県 の 実家 に 帰省 し 、 戻る 途中 だった 。 香港 発 の 聯合 通信 は 三 日 、 中国 の 上海 で 昨年 七 月 、 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 の 外交 官 旅券 を 持つ 男 ら 二 人 が 、 北朝鮮 産 の アヘン 六 キロ を 密売 しよう と して 公安 当局 に 摘発 さ れた と 報じた 。 公安 消息筋 の 話 と して 伝えた もの で 、 外交 官 旅券 の 男 は 北朝鮮 の 工作 組織 である マカオ の 貿易 会社 幹部 だった 。 女性 店長 の 自信 の 裏 に 「 全く 同じ こと を して いて も 、 私 は よそ より よく なきゃ いけない と 思う んです 」 年商 七十億 円 と いう 東京 都 足立 区 の パチンコ 店 。 独身 で 三十 歳 の 女性 店長 は 、 自信 たっぷり に 客 を 呼ぶ 秘けつ を 語った 。 昨年 一 月 、 「 女 商売人 」 を 紹介 する テレビ 番組 に 出演 した 。 店 の 経営 者 だった 出口 淳一 さん は 三 年 前 の 九 月 から 行方 不明に なって いた 。 実は 、 店 の 経営 を 独占 しよう と した 共同 経営 の 男 が 頼んだ 元 暴力 団 組員 ら に よって 殺さ れ 、 栃木 県 に 埋め られて いた のだ 。 その 秘密 は 、 女性 店長 も 知っていた 。 しかし 、 テレビ の 画面 で は 、 おくび に も 出さ なかった 。 ばれる はず は ない と 、 たか を くくって いた の か 。 共同 経営 の 男 が 殺害 を 認め 、 出口 さん が 遺体 で 見つかった 。 この 男 を 首謀 者 に 、 次々 と 計 八 人 が 逮捕 さ れた 。 その 中 に 女性 店長 も いた 。 姉 と 一緒に 、 出口 さん が 寝て いた マンション の ドア を 開けて 「 刺客 」 を 招き入れた 疑い だった 。 女性 店長 と 姉 は 手引き 役 の 報酬 一千万 円 以上 を 首謀 者 の 男 から 受け取った 。 直接 手 を 下した 元 組員 は 五千万 円 。 その うわさ が 暴力 団 関係 者 の 間 に 広がり 、 首謀 者 の 男 は あちこち から 「 口止め 料 」 を 要求 さ れた 。 逮捕 後 の 調べ に も 「 自分 でも いくら かかった か 分から ない 」 と 供述 した 。 警視 庁 は 総額 で 一億 円 近く を 払った と みる 。 いくら 金 を 出して も 、 うわさ は 抑え られ ない 。 パチンコ 店 の 関係 者 から そろって 「 金 を 持ち逃げ した 」 と 言わ れ 、 いったん は 捜査 を 打ち切って いた 警察 の 耳 に 入った 。 出口 さん の 失跡 を 警察 に 届けた 兄 の 執念 も 、 警察 を 動かした 。 「 何 度 か 弟 が 夢 まくら に 立って 『 迎え に きて 』 と 訴える んです 。 殺さ れて いる と あきらめて は いた が 、 遺体 だけ は 何と して も 取り戻し たかった 」 「 かっぽう 」 店 を 営む 合間 を 縫い 、 複雑に 絡み合う パチンコ 店 の 人間 関係 を 調べ 上げた 。 店 の 所有 登記 が 弟 の 会社 から 首謀 者 の 男 に 変更 さ れて いた こと も 突き止めた 。 そうした 疑問 を 、 一昨年 の 九 月 以降 、 何 度 か 書面 で 警察 に 提出 した 。 「 今さら ながら 、 異常な 時代 だった 。 銀行 は 借金 づけ の 男 と 若い 弟 の 事業 に じゃぶじゃぶ 金 を 貸した 。 邪魔者 に なった 弟 を 消す の に も 、 けた違いの 金 が 使わ れた 。 弟 は 時代 に 殺さ れた の かも しれ ない 」 と 思う 。 得意顔 だった 女性 店長 の 番組 は 、 昨年 十 月 に も 放映 さ れた 。 摘発 間近 の その ころ に は 店長 を 降りて いた が 、 どんな 気持ち で 再 放送 を 見た の か 。 世界 保健 機関 は 三 日 、 エイズ 患者 と して 世界 各国 から 報告 さ れた 人数 の 累計 が 昨年 末 で 初めて 百万 人 を 突破 、 一 年 前 より 二〇 % 増 の 百二万五千七十三 人 に 達した と 発表 した 。 ただ 、 実際 の 患者 数 は 四百五十万 人 と 推定 さ れ 、 アフリカ 、 アジア など の 途上 国 の 急増 ぶり が 顕著 と なって いる 。 発表 に よる と 、 一九七〇 年 代 末 の 流行 開始 以来 、 エイズ ウイルス の 推計 感染 者 数 は 子供 の 百五十万 人 を 含め 計 千九百五十万 人 。 昨年 七 月 の 調査 より 二百万 人 増加 した 。 感染 者 の うち 生存 者 は 千三百万 人 から 千五百万 人 と み られて いる 。 報告 さ れた エイズ 患者 の 地域 別 は 、 米国 三九 % 、 アフリカ 三四 % 、 欧州 一二・五 % など と なって いる が 、 実際 の 患者 の 分布 は アフリカ 七〇 % 、 米国 九 % 、 米国 を 除く 米州 九 % 、 アジア 六 % と み られて いる 。 ローマ で 元日 に 日本 人 女性 観光 客 の レイプ 事件 が 発生 し 、 三 日 の 有力 各紙 は 事件 を 大きく 報道 、 日本 人 観光 客 の “ 甘 さ ” を 強く 警告 して いる 。 この 日本 人 観光 客 は 東京 の 女子大 生 で 、 イタリア を 一 人 で 旅行 中 の 十二 月 三十一 日 夜 、 映画 「 終着 駅 」 で 有名に なった ローマ の テルミニ 駅 に ベネチア から 到着 。 同 駅 周辺 の ホテル を 探した が 、 年 末 年始 の 観光 シーズン で どの ホテル も 空き 室 が なく 、 やむなく 待合室 で 元日 朝 まで 仮眠 を 取って いた 。 元日 の 午前 六 時 ごろ 、 「 ホテル で 困って いる なら 、 私 が 一緒に 探して あげ ましょう 」 と 、 男 が 現れた 。 疲れて いた こと も あって 、 誘わ れる まま バス に 乗り 、 ローマ 郊外 の 男 の アパート に 連れて 行か れ 、 レイプ さ れた 。 女子大 生 は 二 日 に テルミニ 駅 の 鉄道 警察 に 届け出て 、 前歴 者 リスト から レイプ や 不法 監禁 で 無数の 前歴 が ある イタリア 人 の ロベルト ・ ピラス 容疑 者 が 浮かび 、 逮捕 さ れた 。 ローマ で は 二 年 前 に も 六 人 の 日本 人 女性 が イタリア 人 に なりすました 外国 人 に レイプ さ れる 事件 が あった 。 四 日 、 全国 的な 雨 模様 の 中 で 日本 列島 が 動き出した 。 例年 通り 各地 で 仕事 始め の 催し が 行わ れた が 、 中 に は 仕事 始め を 五 日 以降 に ずらす 企業 も あり 、 いつも の ような 通勤 ラッシュ は 見 られ なかった 。 一方 、 「 三陸 はるか 沖 地震 」 に 襲わ れた 東北 地方 は 年 末 年始 も なく 復旧 作業 が 続け られた 。 三陸 はるか 沖 地震 で 大きな 被害 を 受けた 青森 県 八戸 市 役所 で は 、 復旧 対策 で ほとんど の 職員 が 正月 返上 で 出勤 して おり 、 例年 の ように 「 おめでとう 」 の あいさつ を 交わす 姿 も なく 、 年 末 の 慌ただし さ を 引きずった まま 。 被災 者 感情 を 配慮 して か 、 女性 職員 の 晴れ着 姿 も まばらだった 。 中里 信男 市長 は 職員 を 前 に 「 新年 を 祝う 気分 で は ない 。 通常 の 生活 を 取り戻す よう 、 行政 と して 最大 の 努力 を し たい 」 と 訓示 した 。 市 内 で は 断水 が 続いて いた が 、 この 日 の うち に 復旧 の 見込み 。 佐々木 吉郎 ・ 市 企画 部 次長 は 「 まだ 、 余震 が 続く と 聞いて いる ので 、 緊張 は 解け ませ ん 」 と 話して いた 。 一般 市民 が 被害 者 と なる 銃器 犯罪 の 多発 や 、 「 松本 サリン 事件 」 の 解決 など の 課題 を 抱える 警察 庁 で は 同日 午前 十 時 半 から 、 国松 孝次 長官 が 五 階 大 講堂 で 年頭 訓示 を 行った 。 国松 長官 は 、 課題 が 多い だけ に 今 まで 通り の やり 方 で は なく 、 本当に 重要な こと を 重点 的に 行う と いう 基本 姿勢 を 表明 。 中央 省庁 と して の 企画 、 立案 能力 を 高め 、 現場 の 都道府県 警 に いかに 役 に 立つ か の 視点 で 仕事 を 推進 する よう 訴えた 。 長期 的な 合理 化 を 迫ら れ 、 全 社員 の 七 % に あたる 約 一万四千 人 が 希望 退職 に 応じた NTT 本社 。 午前 八 時 半 の 始業 直後 、 各 部署 の テレビ モニター に 児島 仁 社長 が 映し出さ れ 「 今年 は マルチメディア へ の 取り組み が 具体 化 する 年 に なる 。 気 を 引き締めて 頑張って いこう 」 と の メッセージ が 流れた 。 ゼネコン 汚職 事件 で 代表 権 を 持つ 前 副 社長 が 有罪 判決 を 受け 、 一 月 九 日 から 十八 日間 の 営業 停止 処分 を 受ける 大手 ゼネコン の 大成建設 。 午前 十 時 、 本社 大 ホール に 幹部 が そろった 前 で 山本 兵蔵 社長 は 「 厳粛に 受け止め 、 謙虚に 反省 し なくて は なら ない 。 今年 を 再 スタート の 年 に する 決意 で 社会 人 と して 良識 の ある 行動 を 」 と あいさつ した 。 日本 列島 は 四 日 、 低 気圧 の 通過 で 全国 的に 雨 模様 と なった 。 都心 の 午前 九 時 の 気温 は 平年 より 〇・九 度 低い 三・六 度 。 肌寒い 仕事 始め の 朝 を 迎えた 。 JR や 私鉄 は 年 末 年始 の 休日 ダイヤ から 平日 ダイヤ に 戻り 、 各駅 で は 背広 や スーツ 姿 の 人 が ホーム に 並んだ が 、 乗客 数 は いつも の 半分 程度 だった 。 四 日 午前 四 時 二十五 分 ごろ 、 横浜 市 戸塚 区 吉田 町 、 雑居 店舗 「 東 横 飲食 街 」 = 十七 店舗 入居 、 渡辺 昭三 さん 所有 = から 出火 、 木造 二 階建て 建物 五六四 平方メートル を 全焼 した 。 建物 内 は 無人で けが人 は なかった 。 戸塚 署 で 原因 を 調べて いる が 、 建物 に は 居酒屋 、 スナック など が あり 、 三 日 も 一 階 の 四 店 が 営業 して いた 。 現場 は JR 戸塚 駅 北 百五十 メートル の 繁華街 。 金 泳三 大統領 の 秘書 室長 に 昨年 末 任命 さ れた 韓 昇洙 ・ 前 駐 米 韓国 大使 から 、 ソウル へ の 転居 あいさつ を 兼ねた 年賀 状 が 届いた 。 韓 さん と は 、 ソウル 大 教授 を して いた 十五 年 前 に 、 友人 の 紹介 で 知り合った 。 彼 は 、 駐 米 大使 と して 赴任 した 直後 の 一昨年 五 月 初め 、 ワシントン 在住 の 韓国 人 ビジネスマン や 大使 館 員 の 子ども たち を 大使 公邸 に 集めた 。 こどもの日 を 前 に した 行事 だった 。 韓 さん は 、 子ども たち に 「 公邸 は 大使 の もの で は ない 。 国民 の 財産 です 。 将来 を 担う 、 皆さん の もの です 。 落書き でも 何でも して 、 自由に 遊んで 下さい 」 と 述べ 、 人々 の 心 を つかんだ 。 彼 は 、 一九九二 年 の 国会 議員 選挙 で 再選 確実 と 言わ れ ながら 落選 した 。 対立 候補 が 、 有権者 買収 の 大々的な 金権 選挙 を 繰り広げた のだった 。 韓 さん は 最後 まで 買収 運動 を 拒否 した 。 「 たとえ 有権者 に 裏切ら れて も 、 自分 から 国民 を 裏切り たく は なかった 」 と いう 。 私 は 彼 の 言葉 に 感動 した 。 韓 さん は 、 韓国 に 付加 価値 税制 を 定着 さ せた 財政 学 の 専門 家 である 。 また 、 英国 で 博士 号 を 得た 初 の 韓国 人 学者 と して 国際 的に も 知ら れる 。 金 大統領 は 、 今年 から 本格 推進 する 「 韓国 の 世界 化 戦略 」 の ため に 、 国民 に 尊敬 さ れる 得がたい 人物 を 大統領 秘書 室長 に 選んだ 。 子ども の 権利 擁護 を 目指す 国際 民間 団体 「 DCI 」 の 日本 支部 は 、 国連 子ども の 権利 委員 会 に 対し いじめ 問題 解決 に 向けた 取り組み を 要請 する こと を 決めた 。 同 委員 会 の 中心 メンバー を 二 月 二十三 日 から 十四 日間 の 日程 で 招き 、 具体 的な 事例 など を 報告 する 。 日本 が 子ども の 権利 条約 を 批准 して 以後 、 深刻 化 する 一方 の いじめ は 子ども の 人権 に かかわる 問題 と して 急 浮上 、 国際 的な 論議 も 呼び そうだ 。 支部 は 、 日本 で 昨年 五 月 条約 が 発効 した の を きっかけ に 、 条約 の 浸透 を 監視 する 同 委員 会 の 招へい 準備 を 進めて きた 。 その 間 に 、 いじめ 問題 が 深刻 化 した 。 支部 に よる と 、 いじめ は 子ども の 権利 条約 の 第 一六 条 「 プライバシー 、 通信 、 名誉 の 保護 」▽ 第 二九 条 の 「 教育 は 人権 の 尊重 を 発展 さ せる こと 」 など を 目的 に する ▽ 第 三七 条 「 死刑 ・ 拷問 、 残虐な 扱い の 禁止 」 ―― など に 触れる 可能 性 が 大きい 。 この ため 、 同 委員 会 に 対し 、 日本 の いじめ の 実態 を 報告 する と ともに 、 同 委員 会 が 日本 政府 、 省庁 など を 訪問 する 際 に は 、 いじめ 対策 と 絡めて 条約 の 実施 状況 を 調査 する よう 要請 する 。 また 、 他国 で の いじめ の 実態 や その 対策 に ついて の 情報 を 集め たい と して いる 。 来 日 する の は 、 マルタ ・ サントス ・ パイス 委員 と トマス ・ ハマーバーグ 委員 の 二 人 。 支部 副 代表 の 吉峯 康博 弁護 士 は 「 いじめ や 不 登校 に 似た 状況 は 欧 米 に も ある と 聞く 。 いじめ を 生み出して いる 受験 戦争 や 管理 教育 など を 改善 する に は 、 国際 的な 論議 も 必要で 、 今回 は その チャンス 。 日本 は 国連 メンバー の 指摘 を 率直に 受け止め 、 子供 を 取り巻く 環境 を 長期 的な 視野 で 改善 して いって ほしい 」 と 話して いる 。 国際 児童 年 十 周年 の 一九八九 年 十一 月 、 国連 総会 で 採択 さ れた 。 十八 歳 未満 の 子ども たち を 、 保護 の 対象 と いう 観点 で なく 権利 の 主体 と して とらえ 、 意見 表明 権 ▽ 表現 ・ 思想 ・ 良心 の 自由 ▽ プライバシー の 保護 ―― など を 盛り込んで いる 。 日本 は 九四 年 四 月 に 批准 。 批准 国 は 百六十 カ国 を 超えて いる 。 大阪 市 中央 区 の 大阪 証券 取引 所 でも 午前 八 時 半 から 、 約 四百五十 人 の 証券 マン や 市場 関係 者 が 出席 して 大 発会 。 晴れ着 姿 の 女性 も 交じり 、 華やいだ 新年 の スタート に なった 。 北村 恭二 ・ 大 証 理事 長 は 「 昨年 二 月 に 上場 した 日経 300 先物 の 定着 が 課題 。 日経 300 株価 指数 に 連動 した 投資 信託 を 今後 上場 する など 、 育成 策 を 積み重ね たい 」 と あいさつ 。 「 今年 こそ 証券 不況 から の 脱却 を 」 と の 願い を 込め 、 全員 で 万歳 を 三唱 した 。 中川 和雄 ・ 大阪 府 知事 は 四 日 の 年頭 記者 会見 で 、 府 の 外郭 団体 の 二 割 に あたる 約 二十 団体 を 対象 に 、 統廃合 の 具体 案 づくり を 進めて いる こと を 明らかに した 。 年 内 に も 一 団体 を 廃止 、 四 団体 を 二 つ に 統合 する 方針 。 団体 関係 者 の 反発 も 予想 さ れる が 、 国 の 行革 論議 も 活発 化 する なか 、 行方 が 注目 さ れる 。 また 、 知事 選 に ついて は 、 与党 各 党 が 推薦 問題 に 結論 を 出して い ない 状況 を 踏まえ 、 「 当面 の 課題 に 全力 を 挙げ たい 」 と 答える に とどまった 。 大阪 府 が 二五 % 以上 出資 する 外郭 団体 は 現在 、 九十九 団体 。 この うち 廃止 する の は 、 繊維 産業 界 の 研修 や 資料 収集 など の ため 一九七四 年 に 設立 した 財団 法人 「 大阪 繊維 総合 研修 センター 」 。 さらに 同 「 大阪 文化 財 センター 」 と 同 「 大阪 府 埋蔵 文化 財 協会 」 、 福祉 法人 「 厚生 会 」 と 財団 法人 「 大阪 府 地域 福祉 推進 財団 」 を それぞれ 統合 する 方針 。 中川 知事 は 、 今年 四 月 と 目前 に 迫った 知事 選挙 に ついて 心境 を 問わ れた が 、 「 いじめ や けん銃 問題 など も あり 、 当面 は 予算 の 編成 に 知恵 を 絞ら ねば 」 と 答え を 避けた 。 さらに 「 選挙 に ついて 何も 考えて い ない と いう こと です か 」 と いう 問い に 大きく うなずき 、 「 一 日 々々 全力 投球 して いく だけ です 」 と 述べた 。 韓国 の 米 は 日本 と 同じ 短 粒 種 で コシヒカリ に 劣ら ず うまい 。 日本 の みそ 、 しょうゆ を 置いた スーパー が ある 。 「 日 式 」 と 称する 食堂 も 数多い 。 従って 、 いわゆる 日本 メシ の 確保 に かけて は 、 世界中 で 一 番 苦労 が 少ない と 思い込んで いた 。 ところが 、 米 朝 高官 会談 の 取材 で ジュネーブ に 長期 出張 し 、 これ が 全く の 事実 誤認 だ と 知った 。 ジュネーブ は 人口 わずか 16万 人 。 なのに 日本 人 が 経営 する 小さな レストラン が 何 軒 も ある 。 「 日替わり 定食 」 なんか を 食べて いる と 、 日本 に 帰った ような 気 に なる 。 日本 食品 の 専門 店 も あって 、 家庭 用 の 食品 が 十分 、 多彩に 置いて ある 。 ソウル に は どちら も ない 。 「 日 式 」 は 多く の 場合 、 サッカリン 入り の 甘 過ぎる 韓国 製 しょうゆ だったり 、 ワサビ が どぎつい 緑色 だったり 。 清酒 、 しょうちゅう も 、 日本 に 匹敵 する ほど の もの は ない 。 梅干し や 納豆 、 削り 節 は 入手 でき ない 。 これ まで は 気 に なら なかった のに 、 スイス で は 口 に 入る と なる と 、 なんとも 合点 が いか なく なった 。 何とか して くれ ない か なあ 。 約 1300 鉢 の 洋 ラン が 並ぶ 、 奈良 県 高市 郡 明日香 村 上畑 の 栽培 小屋 で 、 スピーカー から ジャズ が 流れ 、 花 の 鮮やか さ が 一 段 と 増して いる 。 ラン に “ 情操 教育 ” を 施して いる の は 、 橿原 市 の 建築 会社 社長 、 佐藤 壮夫 さん 。 2 年 ほど 前 に 建てた 小屋 で 、 CD を 1 日 3 回 流して いる 。 「 飛鳥 の 里 で ラン を 育てる の が 夢 だった 」 と いう 佐藤 さん は 、 若い ころ ドラム を たたいた 音楽 好き 。 洋 ラン に は 中南米 原産 が 多く 、 「 同じ 米 大陸 で 始まった リズム は 生長 に いい はず 」 と ジャズ 栽培 を 思いついた 。 「 最近 は 小屋 に 入る と 、 花 が 歌って いる ように 見える 」 と 悦 に 入る 。 都市 対抗 野球 で 全国 制覇 も 体験 した 新日鉄 広畑 製鉄 所 OB で 、 姫路 商工 会議所 産業 情報 室長 の 今井 一清 さん が 、 県 西部 の 野球 史 を まとめた 「 播磨 野球 物語 」 を 執筆 中 。 7 月 に は 出版 さ れる 。 富士鉄 広畑 、 新日鉄 時代 を 通じ 、 野球 部員 で は なかった が 、 広報 担当 と して 、 「 『 広畑 硬式 野球 部 50 年 史 』 出版 に 携わった の が 縁 で 興味 を 持った 」 と 。 高校 球界 でも 東洋大 姫路 が 全国 優勝 する など 、 播磨 は 歴史 を 誇る 地域 だけ に 、 「 サッカー が 盛んだ が 、 日本 人 に は 野球 が 合う 。 思い切り 投げ 、 打つ 野球 の 面白 さ を 愛した 人々 の こと を 、 本 に 残し たい 」 。 武庫川 女子大 の 教員 十六 人 が 学部 を 超えて 女性 学 研究 会 を 発足 さ せ 、 学際 的な 講座 「 女性 学 講座 」 を 今月 、 開設 する 。 生物 学 的な 男女 の 差 の 研究 を もと に した 母性 保護 や 社会 進出 など を テーマ に 、 女子 学生 の 就職 難 や 出生 率 の 低下 など 、 女性 を 取り巻く 環境 の 改善 を 目指す 。 研究 会 に は 同 大 の 文 、 生活 環境 、 音楽 、 薬 の 四 学部 から 参加 、 男性 四 人 も 含む 。 会長 は 評論 家 で 「 日本 女性 学 研究 会 」 創設 者 の 冨士谷 あつ子 ・ 文学部 教授 。 地域 の 固有 性 を 踏まえた フェミニズム や 、 女性 の 創造 性 の 育成 など を 研究 し 、 生物 学 的な 性 差 が 軽んじ られる 傾向 が あった 従来 の 女性 学 で は なく 、 自然 科学 的な 研究 を 踏まえる と いう 。 また 、 「 日本 の 女性 は 家庭 外 で 仕事 を し ない の が 伝統 」 と する の が 史実 に 反する こと や 、 グリム 童話 の 翻訳 が 家父長制 の 考え で 改ざん さ れた 点 など を 指摘 して いく 。 こうした 研究 を 講座 に 生かし 、 女性 の 社会 進出 と 子育て を 両立 さ せる 方法 など を 提言 して いく 予定 。 今年 八 月 に は 関東 地方 で シンポジウム を 開き 、 九 月 の 世界 婦人 会議 に も 参加 し 、 各国 の 比較 研究 も 始める 。 冨士谷 教授 は 「 研究 領域 が やや 文系 に 偏って いた の を 是正 し ながら 、 現実 の 問題 に 対処 できる 総合 的な 研究 と 講義 を し たい 」 と 話して いる 。 滋賀 県 伊香 郡 余呉 町営 の CATV 「 コミュニケーション ネットワーク 余呉 」 は 、 CATV 回線 を 利用 し 、 町 内 を 対象 に 無料 で 通話 できる 電話 サービス を 今年 七 月 から スタート さ せる 。 全国 で 初めて で 、 町 は 将来 、 在宅 医療 に も 活用 し たい と いう 。 同 町 は 山間 部 の 難 視聴 地域 解消 の ため 、 一九九三 年 十一 月 に CNY を 開局 。 延長 六十 キロ に わたる CATV の 回線 で 全 町 千三百 戸 と 役場 内 の 放送 センター を 結び 、 地上 波 放送 、 衛星 放送 、 自主 制作 番組 など 計 二十八 チャンネル を 放送 して いる 。 電話 サービス は 、 余った チャンネル 回線 を 利用 し 、 高度 通信 処理 機器 を 導入 する こと で 実現 する 。 専用 電話 機 の 費用 は 各 家庭 の 負担 だ が 、 他の 経費 は すべて 町 が 出し 、 通話 料 を 含めて 無料 に なる 。 また 、 この 電話 を 使って 、 役場 の 窓口 業務 や ごみ 収集 など 行政 サービス 案内 が 聞ける ほか 、 自治 会 や 自衛 消防 団 の 招集 など あらかじめ 登録 した 特定の 集団 に 向けて 一斉に 呼び掛ける グループ 放送 機能 も 可能 と いう 。 CNY の チーフ プロデューサー で 町 情報 課長 の 田川 正文 さん は 「 将来 、 家庭 に も テレビ カメラ を 設置 し 、 CATV の 双方向 性 と 無料 電話 を 利用 して 、 計画 中 の 町立 医療 福祉 センター と 各戸 を 結び 、 テレビ の 前 で 診察 が 受け られる 医療 サービス システム を 開発 し たい 」 と 話して いる 。 世界 七 カ国 に ある 大阪 港 の 姉妹 港 の 歴史 文化 を 展示 した 「 ふれあい 港 館 」 が 、 五 月 に オープン する 。 館 内 に は 、 本場 フランス の ワイン 造り の 歴史 を 楽しめる 「 ワイン ミュージアム 」 も 。 近く に は 、 西 日本 一 の 高 さ 二五二 メートル を 誇る 「 大阪 ワールド トレード センター ビル 」 が 四 月 に 完成 する 予定 で 、 周辺 は 大阪 の 新 名所 に なり そうだ 。 同 館 は 、 全体 が ワイン 貯蔵 庫 を 連想 さ せる 形状 。 天井 は アーチ 型 の 大型 ガラス で ふいた ユニークな 外観 で 地下 二 階 、 地上 一 階 。 延べ 床面積 は 五千三百 平方メートル 。 総 事業 費 は 約 七十億 円 。 目玉 の ワイン ミュージアム は 地下 二 階 に あり 、 古代 ギリシャ の 酒 つぼ や 十九 世紀 の ブドウ 搾り 機 など 、 ワイン 製造 に 関する 歴史 資料 数百 点 を 収集 、 展示 する 。 姉妹 港 の 食 文化 を 映像 で 紹介 する コーナー も 設ける 。 四 日 の 近畿 地方 は 低 気圧 の 影響 で 、 未明 から 今年 初めて の まとまった 雨 が 降り 、 どんより した 空模様 の 中 で の 仕事 始め と なった 。 中 に は 仕事 始め を 五 日 以降 に ずらす 企業 も あり 、 いつも の ような 通勤 ラッシュ は 見 られ なかった 。 大阪 市 中心 部 の オフィス 街 で は 、 晴れ着 で 出勤 する 女性 も 見 られ 、 足元 を 気 に し ながら 出勤 して いた 。 同 管区 気象 台 に よる と 、 五 日 は 冬型 の 気圧 配置 が 強まって 冷え込み 、 雪 が 降る 所 も ある 、 と いう 。 五 日 以降 を 仕事 始め と する 企業 も 多い が 、 リクルート も その 一 つ 。 例年 通り 今年 も 五 日 。 同社 広報 室 は 「 メーカー など でも 今週 いっぱい は 休み と する ところ も ある と 聞いて いる 。 そうした 流れ な ので は 」 と 話して いる 。 大阪 府 、 大阪 市 と 大阪 商工 会議 所 など 在 阪 経済 五 団体 に よる 恒例 の 「 大阪 新年 互 礼 会 」 が 四 日 午後 、 大阪 市 内 の ホテル で 開か れた 。 中川 和雄 ・ 府 知事 や 西尾 正也 大阪 市長 、 大西 正文 ・ 同 会議 所 会頭 を はじめ 、 府 選出 の 国会 議員 や 財界 の トップ ら 約 三千 人 が 出席 した 。 大西 会頭 の あいさつ の 後 、 「 大阪 じめ 」 で 気勢 を あげ 、 乾杯 。 新年 の あいさつ や 名刺 交換 など が 続いた 。 正月 と いって も 、 子供 の 時 の ような 浮き浮きした 気分 も ない が 、 日ごろ 会え ない 古い 友人 から の 年賀 状 は 、 やはり うれしい もの だ 。 江戸 時代 、 各 家 に 年始 回り に 行く 習慣 が 、 玄関 で の 記帳 や 名札 だけ を 置いて 帰る 方法 に 変わり 、 明治 に 入り 郵便 で の あいさつ 状 に なった と いう 。 一八九九 年 、 元日 に まとめて 配達 する 制度 が 始まり 、 その後 の 私製 はがき の 公認 に よって 、 趣向 を こらした 年賀 状 作り が 盛んに なった 。 私 の 場合 、 印刷 で は 味気ない 。 全部 手書き は 大変だ 。 ワープロ で 打って 気 の きいた ひと言 を 手書き で 添える 。 最近 は ずっと この 方式 だ が 、 この 「 ひと言 」 が 結構 難しい 。 何しろ 、 疎遠に なった 関係 を 、 年 に 一 度 の 便り で 修復 しよう と いう のだ から 、 できる こと なら その 人 だけ の 特別 メニュー を 盛り込み たい 。 「 一筆啓上 賞 ― 日本 一 短い 『 母 』 へ の 手紙 」 の ように 、 簡潔で しかも 、 大切な 思い だけ を 伝え たい 。 そんな 欲ばりな こと を 考えて いる うち に 時間切れ 。 今回 も また 、 年 末 ぎりぎりに 一気に 書きまくる 「 ご無沙汰 して ます 。 今年 も よろしく 」 式 の 定番 に 終わって しまった 。 お 世話に なった あの 方 、 この 方 、 平に ご 容赦 。 第 2 次 世界 大戦 中 に 米国 が 進めた 原爆 製造 計画 。 軍 ・ 産 ・ 学 の 複合 体 で 、 科学 者 、 技術 者 を 大量 動員 。 広島 、 長崎 へ の 原爆 投下 と 、 その後 の 冷戦 時代 に おける 核 開発 競争 の 出発 点 に なった 。 「 原爆 被害 の 実態 を 知って 欲しい 」 ―― 。 原爆 切手 の 発行 計画 など 原爆 投下 の 正当 性 を めぐり 揺れる 米国 で 、 被爆 二 世 の 日本 人 女子 留学 生 が 大学 に 提案 した 核 問題 に ついて の セミナー 開催 が 今年 夏 、 実現 する 。 核 に 関する 歴史 を 学ぶ と ともに 、 広島 、 長崎 市 を 訪問 。 平和 記念 式典 など の 行事 に も 参加 し 、 被爆 者 や 日本 人 学生 ら と 交流 する 。 兵庫 県 西宮 市 松籟荘 出身 の 直野 章子 さん 。 祖父 と 母 が 広島 で 被爆 。 祖父 を 一 カ月 後 に 亡くした 。 一九九一 年 、 ワシントン の アメリカン 大学 国際 関係 学部 に 留学 。 米国 人 学生 が 原爆 の 被害 など に ついて ほとんど 知ら ない こと に ショック を 受けた 。 直野 さん は 、 日 米 の 歴史 観 の 溝 を 埋める ため 、 卒業 前 の 昨春 、 広島 、 長崎 市 へ の 研修 を 含む 夏期 セミナー を 大学 に 提案 。 採用 さ れる こと が この ほど 決まった 。 今 は 同 大学 職員 に なり 、 セミナー の ディレクター と して 準備 に 奔走 して いる 。 セミナー の タイトル は 「 核 の 歴史 … ヒロシマ 、 ナガサキ を 超えて 」 。 七 月 三 日 から 二十七 日 まで 、 「 爆弾 と 共に 生きる 」 「 核 兵器 と 外交 の 歴史 的 展望 」 の 二 講座 を 開く 。 「 原爆 外交 」 の 著書 の ある 歴史学 者 、 ガー ・ アルペロヴィッツ 氏 ら が 講師 を 務め 、 米国 文化 へ の 核 の 影響 や 、 原爆 製造 の マンハッタン 計画 から 今日 まで の 歴史 など を 学ぶ 。 参加 者 の うち 約 十五 人 が 七 月 三十一 日 から 八 月 十四 日 まで 広島 、 長崎 市 を 訪問 。 八 月 六 、 九 日 の 両 市 の 平和 記念 式典 など の 行事 に も 参加 する 。 成功 すれば 来年 以降 も 継続 する 予定 だ 。 直野 さん は 「 アメリカ の 将来 を 担う 若者 に 、 実際 に 被爆 者 ら に 会って 人間 同士 の 接点 を 作って もらい 、 戦争 や 原爆 を 賛辞 する 考え を 改めて もらえれば 」 と 話して いる 。 昨年 一 年間 の 交通 事故 死亡 者 は 一万六百四十九 人 で 前年 より 二百九十三 人 減った もの の 、 一九八八 年 以来 依然と して 一万 人 台 が 続いて いる こと が 四 日 、 警察 庁 の まとめ で 分かった 。 近畿 は 前年 比 21 人 増 近畿 管区 警察 局 内 の まとめ に よる と 、 昨年 の 近畿 の 交通 事故死 者 は 千六百 人 で 、 前年 より 二十一 人 増えて 、 七 年 連続 で 千五百 人 を 突破 。 三が日 の 事故死 者 は 九 人 で 、 昨年 より 一 人 増加 。 国際 金融 筋 は 四 日 、 急激に 拡大 して いる が 実態 は 未知 の まま に なって いる 金融 派生 商品 取引 の 全容 を 把握 する ため 、 日本 銀行 を はじめ と する 世界 主要 二十六 カ国 の 中央 銀行 が 、 初めて 世界 統一 の 調査 を 今年 四 月 に 一斉に 実施 する こと を 明らかに した 。 対象 と なる 金融 機関 数 は 国 内 で は 都市 銀行 など を 中心 に 三百五十 、 世界 で は 千数百 機関 に も 達する 。 米 カリフォルニア 州 の オレンジ 郡 が 破産 に 追い込ま れる など 、 デリバティブ は 運用 を 誤れば 巨額の 損失 に つながる が 、 これ まで 取引 の 全体 像 は どこ も つかみ きれて い なかった 。 調査 は 取引 の 透明 性 を 図る と ともに 、 今後 世界 的 リスク 管理 体制 を 確立 して いく 。 調査 は 国際 決済 銀行 が 統括 。 日本 で は 都市 銀行 、 長期 信用 銀行 、 信託 銀行 、 地方 銀行 、 信用 金庫 の 一部 、 外国 銀行 の 国 内 支店 など を 対象 と し 、 デリバティブ 取引 の ほぼ 一〇〇 % を 把握 する 。 調査 内容 は 、 デリバティブ の 対象 と なる 為替 、 金利 、 エクイティ 、 コモディティ の 四 つ の 大きな グループ に 分け 、 今年 三 月 末 時点 の 想定 元本 と 時価 評価 、 四 月 一 カ月間 の 取引 高 を 各 金融 機関 から 報告 を 受けて 集計 する 。 日銀 は 今年 秋 に 国 内 分 を とりまとめて 公表 し 、 一九九六 年 春 を めど に BIS が 世界 二十六 カ国 分 を 公表 する 。 デリバティブ 取引 に ついて は 、 これ まで 米国 会計 検査 院 の 調査 など が 公表 さ れて いた が 、 推計 値 に 過ぎ なかった 。 国 内 でも 、 最も 一般 的な 円 金利 スワップ の 取引 量 は 想定 元本 で 百兆 円 から 百二十兆 円 に なる と さ れて いる が 、 取引 全体 を 把握 した 統計 は 全く なかった 。 デリバティブ は 投資 額 の 数十 倍 の 取引 が 可能で 、 投機 に 走る と 巨額の 損失 を 被り かね ない 。 日本 でも 昨年 十一 月 、 東京 証券 が 債券 、 為替 オプション で 三百二十億 円 の 穴 を あけた 。 リスク 管理 の 必要 性 が 強く 叫ば れて いる が 、 市場 の 実態 が 把握 できて い ない ため 打つ手 が ない の が 実情 。 BIS が 昨年 春 から 調査 の 手法 に ついて 検討 して いた 。 調査 を 担当 する 日銀 国際 局 は 「 マーケット の 透明 性 を 向上 さ せる ため の 基盤 整備 の 一 つ 。 市場 の 規模 や 構造 を 明らかに し 、 中央 銀行 だけ で なく 、 金融 機関 や 研究 者 に 基礎 的な 統計 資料 と して 提供 し たい 」 と 説明 し 、 将来 も 三 年 ごと の 定例 調査 と する こと を 検討 して いる 。 融資 や 通貨 売買 など 、 旧来 の 金融 取引 を 基本 と して 、 スワップ 、 オプション 、 先物 など の 手法 を 組み合わせた 新しい 取引 。 異なる 金利 の 支払い を 交換 する 金利 スワップ や 、 一定 の 価格 で 通貨 を 売買 する 権利 を 取引 する 為替 オプション が 代表 的 。 1980 年 代 から 徐々に 広まり 、 現在 で は 銀行 だけ で なく 商社 、 メーカー など まで デリバティブ を 利用 した 取引 を 行って いる 。 運用 資金 の 数十 倍 から 100 倍 も の 取引 が 可能 。 ロシア 政府 は 四 日 、 チェチェン 共和 国 の 首都 グロズヌイ 防衛 に あたって いた ドゥダエフ 政権 部隊 の 兵士 が 、 大量に 首都 から 南方 に 脱出 して いる と 発表 した 。 また 、 ドゥダエフ 大統領 の 暗殺 説 も 広まって いる と いう 。 しかし 、 兵士 の 脱出 が 逃亡 な の か 、 ゲリラ 戦 に 備えた 拠点 移動 な の か は 不明だ 。 同 発表 に よる と 、 チェチェン 保安 部 の ゲリスハノフ 長官 が 三 日 夜 、 グロズヌイ の ロシア 軍 司令 部 と 接触 、 配下 の 部隊 を 率いて ドゥダエフ 大統領 と 戦う 意思 が ある こと を 伝えた と いう 。 エゴロフ 副 首相 は 四 日 、 「 ロシア 軍 は 戦闘 なし に 五 日 に 首都 を 制圧 する 」 と 言明 した 。 四 日 午前 十一 時 十 分 ごろ 、 長野 県 駒ケ根 市 赤穂 一 、 中央 アルプス ・ 木曽 駒ケ岳 近く の 千畳敷 カール で 幅 五十 メートル 、 長 さ 二百 メートル に わたって 雪崩 が 発生 。 同 県警 に 入った 連絡 に よる と 、 東京 都 墨田 区 の 「 野良黒 山 の 会 」 の 四 人 パーティー など 東京 都 内 の 二 パーティー 、 計 六 人 が 巻き込ま れた と み られる 。 県警 駒ケ根 署 など で 捜索 した が 、 同日 夕 、 悪 天候 で この 日 の 捜索 を 断念 、 六 人 の 生死 は 不明 。 六 人 は 宝剣 岳 の 宝剣 山荘 から ふもと の ホテル 千畳敷 へ 下山 中 だった 。 同 県警 で は 、 県警 山岳 救助 隊 など 約 七十 人 で 捜索 した が 、 午後 五 時 、 捜索 を 打ち切った 。 五 日 早朝 から 捜索 を 再開 する 予定 。 松井 さん ら は 三 日 に 入山 し 、 四 日 に 下山 予定 。 「 野良黒 山 の 会 」 の メンバー は 二 日 入山 、 宝剣 山荘 に 二 泊 し 、 四 日 に 下山 する 予定 だった 。 この 日 、 午前 十 時 半 ごろ 宝剣 山荘 の 支配人 が 六 人 が 下山 する の を 見送った あと 「 駒ケ岳 ロープウェイ 」 千畳敷 駅 まで 下りた が 、 六 人 は 到着 して い なかった 。 また 、 下山 中 の 六 人 が 雪崩 の あと 姿 が 見え なく なった の を 、 ホテル 千畳敷 の 宿泊 客 が 目撃 した 。 現場 の 積雪 は 約 一 ― 一・三 メートル 。 四 日 は 最高 気温 が 氷点下 二・五 度 と 平年 より 一〇 度 近く 暖かく 、 全県 に なだれ 注意 報 が 出て いた 。 ロシア の エリツィン 大統領 は 四 日 、 五 日 午前 零 時 を 期して 、 チェチェン 共和 国 の 首都 グロズヌイ へ の 空爆 を 中止 する よう 命ずる 大統領 令 に 署名 した 。 自民党 の 渡辺 美智雄 元 副 総理 ・ 外 相 は 四 日 、 宇都宮 市 で 講演 、 七 月 の 参院 選 に ついて 「 社会党 と 連合 が 独占 して いる 二十三 選挙 区 でも 自民党 から 候補 者 を 擁立 す べきだ 。 連立 政権 は 政権 。 選挙 は 選挙 だ 」 と 述べ 、 選挙 協力 より も 独自 候補 擁立 を 優先 す べきだ と の 考え を 示した 。 さらに 「 本気で やれば 、 自民 は 十五 選挙 区 で は 勝てる 。 過半数 取れ なければ 、 責任 を 取って もらう 」 と 述べ 、 執行 部 を けん制 した 。 村山 富市 首相 は 四 日 の 伊勢 神宮 参拝 を 風邪 の ため 急きょ 取りやめた が 、 社会党 の 新党 問題 など の 課題 を 抱え 、 年明け 早々 から あまり よく ない スタート と なった 。 「 十 日 から の 訪 米 を 控え 大事 を とった 」 ようだ が 、 昨夏 の 先進 国 首脳 会議 で の 腹痛 の アクシデント 以来 、 しばらく 忘れ られて いた 首相 の 健康 問題 を 思い起こさ せた 格好だ 。 同 首相 の 発熱 は 三七 度 を 少し 上回る 程度 と いう 。 石原 信雄 官房 副 長官 は 「 シリアスな もの で は ない 」 と 述べ 、 訪 米 日程 など に は 影響 し ない こと を 強調 した 。 首相 は 五 日 に 社会党 の 旗 開き など の 日程 を 組んで いる が 、 訪 米 に 備え 体調 を 整える こと を 最 優先 して おり 、 出欠 に ついて は その 時点 で 判断 する と いう 。 首相 の 伊勢 神宮 参拝 は 一九六七 年 の 佐藤 栄作 首相 以来 、 新年 の 恒例 行事 。 参拝 中止 は 七四 年 の 田中 角栄 首相 以来 だ が 、 この 時 は 顔面 神経 痛 の 治療 の ため 当初 から 参拝 は 難しい と さ れて いた 。 「 直前 の 取りやめ は 、 今回 が 事実 上 初めて 」 と いう 。 共産党 の 不破 哲三 委員 長 は 四 日 、 東京 ・ 千駄ケ谷 の 党 本部 で 行わ れた 党 旗 開き で あいさつ し 、 新進党 結成 や 社会党 の 新党 構想 に ついて 「 かつて 野党 だった 勢力 が 自民党 の 側 に 立った だけ だ 。 一時的 、 表面 的な ブーム も 打ち出せ ない 」 と 批判 した 。 また 「 日本 社会 は 本当の 改革 を 切実に 求めて いる 」 と 強調 。 「 カネ が かから ない 選挙 」 と の 触れ込み で 導入 さ れた 衆院 の 小 選挙 区 比例 代表 並立 制 。 しかし 新 制度 導入 で 「 選挙 は クリーンに なる 」 と 考える 議員 は わずか 二八 % 。 「 今 と 同じ 違反 が 出る 」 「 新しい 違反 が 出る 」 「 今 より も 腐敗 が 進む 」 など 腐敗 は なくなら ない と 考えて いる 議員 は 計 四四 % に 達した 。 党 別 で は 「 クリーンに なる 」 の 割合 が 最も 低い の が さきがけ で 五 % 。 逆に 高率だった の が 新進党 で 四八 % 。 ただ 旧 党派 別 で 調べて みる と 、 若手 議員 の 多い 旧 日本 新党 は 二八 % 。 一昨年 の 衆院 選 後 、 いち早く 「 並立 制 導入 」 を 掲げた さきがけ と 日本 新党 が 、 ともに 低い 評価 を 下して いる と いう 皮肉な 結果 と なった 。 自民 、 社会 は 「 今 より も 腐敗 が 進む 」 と の 回答 が それぞれ 一〇 、 二一 % 。 この 結果 を 見る 限り 、 本気で 政治 改革 を 目指して いた の か どう か 、 疑問 が 残る 。 社会党 は 五 日 の 旗 開き に 続き 、 久保 亘 書記 長 ら に よる 緊急 三役 懇談 会 を 開催 、 「 民主 主義 リベラル 新党 」 構想 を めぐる 党 内 協議 を 再開 する 。 今月 二十 日 の 通常 国会 召集 前 に 独自の 新党 旗 揚げ の 構え を 見せる 「 新 民主 連合 」 は 六 、 九 の 両日 に 総会 を 開き 、 離党 問題 など の 対応 を 話し合う こと に して おり 、 党 内 調整 は 大きな ヤマ 場 を 迎える 。 五十嵐 広三 官房 長官 は 四 日 、 北海道 旭川 市 で の 会合 で あいさつ 。 社会党 の 新 民主 連合 に ついて 「 山花 貞夫 さん が 新しい 党 を 作る こと に 異存 は ない 。 しかし 、 タイミング が ある 。 一 月 に 新党 を 作って 社会党 を 小さく する の は 好ましく ない 。 焦ら ず じっくり 熟成 さ せ ながら 、 新しい 党 を 作れば よい 」 と の 考え を 示した 。 政治 が 混迷 して 漂流 して いる 。 米国 で は 大統領 が 辞める わけで は ない が 、 四十 年 ぶり に 共和党 が 下院 で 勝った 。 だれ も 想像 でき なかった こと だ 。 ただ 共和党 が 勝った と いう より は 若い 層 の 進出 だ 。 先日 、 来 日 した 共和党 と 民主党 の 議員 二 人 が 「 共和党 が 小さな 政治 、 民主党 が 大きな 政治 と いう こと だけ で は 律せ なく なった 」 と 言って いた 。 百四十四 議席 から 一気に 二 議席 に なって しまった カナダ の ように ねじれ 現象 が 世界 各地 で 起こって いる 。 日本 で は 従来 変化 が 大きく 出 なかった が 、 かつて 自民党 が 問題 を 起こした 選挙 で 参院 の 議席 が 激減 した 。 日本 でも 今度 は そういう こと が 起こり 得る こと を 表して いる 。 小 選挙 区 制 で は 基本 的に 五〇 % 以上 得票 し なければ なら ない 。 宗教 、 族 議員 、 組合 だけ で は だめだ 。 無党派 層 は 五〇 % 近く ある が 、 その 人 たち を つかんで いか なければ なら ない 。 歴史 の 必然 が ある 。 戦後 五十 年 。 今 政治 は 変わら なければ なら ない 。 また 「 ポスト 冷戦 」 で 、 イデオロギー だけ で は やれ なく なって きた 。 日本 も 変わら なければ なら ない 時 だ 。 政治 改革 と は 、 政権 交代 と 世代 交代 だ 。 小 選挙 区 選挙 が 世代 交代 に どれ くらい の 役割 を 果たせる か だ 。 新しい 人 が 出て きて 、 その 中 から 本当の 政界 の トップ リーダー 、 ニュー リーダー が 出て こ なければ 。 政治 の 進んで いる 国 で は 、 古い 人 たち が 協力 し ながら 、 新しい 若い 人 が 党首 に なって 新 時代 を 作る 。 日本 で は それ が まったく ない 。 当選 回数 が 重要だ 。 私 は 永年 勤続 の 表彰 なんか やめたら いい と 思う 。 英国 労働党 党首 は 、 キノック 氏 以来 皆 、 就任 した の は 四十 代 前半 だ 。 しかも 政界 入り して 長く ない 。 魅力 ある 期待 さ れる 人物 が 、 今度 の 制度 で 登場 し やすく なる か どう か 。 逆に 、 小 選挙 区 制度 が 政治 家 の 世代 交代 を 困難に する かも しれ ない 。 そう なったら 大変だ 。 改革 者 の 意思 を 持つ 若い 世代 が 、 どんどん 登場 する こと が 大事だ 。 連座 制 の 強化 など で 、 選挙 が きれいに なる 要因 も ある が 、 小 選挙 区 で 一 人 を 選ぶ 場合 、 金権 腐敗 選挙 が なくなる か と いう 問題 は 、 結局 、 政治 家 と 有権 者 の モラル の 問題 に なる 。 そこ が きちんと し ない なら 、 どんなに 制度 を 変え 、 法律 を 変えて みて も 同じ こと だ 。 選挙 制度 改革 は 民主 政体 に おける 革命 に 近い もの だ 。 いったん 成し遂げた 制度 を 見直し しろ と いう わけで は ない が 、 小 選挙 区 制度 の 持つ 問題 は 一方 で 意識 して いく べきだ 。 いまさら 中 選挙 区 で は でき ない が 、 制度 を 変えた 時点 で 捨てて しまった もの と して で は なく 、 見直す 時間 が あって も いい ので は ない か 。 それ と 小 選挙 区 で は いくら 親しい 人 が いて も 、 そこ に 候補 者 を 出さ ざる を 得 なく なる 。 こういう ケース が 三百 選挙 区 で 相当 ある 。 選挙 制度 に 問題 が あって も 、 一 度 やったら そう 簡単に 元通りに は なれ ない 。 小 選挙 区 比例 代表 並立 制 と いう の は 一院 制 で は いい と 思う 。 二院 制 の 国 で 両院 と も 同じ ような 選挙 制度 を 持って いる 国 は ない ので は ない か な 。 この 制度 から 起きる 諸 問題 に ついて 国民 運動 が 必要だ 。 大正 時代 に 普通 選挙 が 実現 した 時 、 国民 の 意識 向上 と いう デモンストレーション を やった 。 マスメディア の 力 も 借り たい 。 腐敗 防止 で は きつい 連座 制 を しいた が 、 法律 は 万能 で は ない 。 国民 意識 を 改革 する キャンペーン が 必要だ 。 候補 者 も 選挙 は カバン と いう 意識 を 取り除か なくて は なら ない 。 新 制度 は 運用 に よって 悪く も なる し 良く も なる が 、 悪く なる 可能 性 の 方 が 大きい 。 私 が 小 選挙 区 に 賛成 した の は 全国 区 の 比例 が あった から 。 それ が ブロック に なり 失望 した 。 相当 の 決意 を し ない と 、 今回 の 選挙 制度 改革 は 中 選挙 区 制 を なくした こと に だけ 、 意味 を 見いだす 以外 に なくなる 。 中 選挙 区 制度 は 限界 だった から 、 終わら せた 意味 は ある 。 新 制度 も 悪い と 思ったら いつでも 変える べきだ 。 同一 政党 内 に 基本 政策 に ついて 考え 方 の 違う 人 が 同居 して いる 。 政治 家 なら 居場所 を 移す 。 居場所 を 移さ ない の は 偽者 。 それほど 厳しい もの が ある 。 いく つ の 政党 が 立つ か 分から ない が 、 政策 を 明確に 意思 表示 できる 政党 が 小さくて も いく つ か あれば ならわ なければ なら なく なる 。 さきがけ は そんな 状況 の 中 で それなり に 大事な 役割 を して いる と 思う 。 政治 家 の 役割 が 大きく 変化 して いる 。 「 政局 屋 」 は 消えて いこう と して いる 。 政治 家 が 数 合わせ に 熱中 して いて 済む 時代 で は ない 。 防衛 庁 は 四 日 まで に 、 一九九六 年度 から の 新たな 在 日 米軍 駐留 経費 負担 に ついて の 米 側 と の 対処 方針 を 固めた 。 一方 、 総額 上限 を 現行 程度 と し 、 項目 ごと の 支出 割合 の 再 検討 を 求める と ともに 、 日本 人 従業 員 の 合理 化 も 要求 する 方針 。 現在 の 日本 側 負担 は 、 来 年度 全額 負担 する 労務 費 と 光熱 水 料 の 特別 協定 、 基地 など 提供 施設 整備 費 の 合計 二千七百十三億七千万 円 。 日本 側 は 「 特別 協定 分 は 既定 事実 」 と 現行 水準 は 維持 せ ざる を 得 ない と して いる もの の 、 基地 経費 の 五 割 以上 を 日本 側 が 負担 して おり 「 増額 は 困難 」 と の 立場 。 現行 枠 内 で の 工夫 を 求め 、 日本 人 従業 員 の 上限 改定 に は 応じ られ ない 意向 を 示して いる 。 提供 施設 整備 は 、 米国 人 の 生活 習慣 から ペンキ の 塗り替え など が 強く 求め られて いる が 、 日本 側 は 「 施設 の 提供 に は あてはまら ない 」 と 難色 を 示す 一方 、 滑走 路 など の 施設 改修 費 は 、 柔軟に 運用 する 方針 を 固めて いる 。 厚木 基地 から 硫黄島 へ の 艦載機 着陸 訓練 の 移転 経費 負担 は 現行 協定 の 改正 が 必要だ が 、 日本 が 米国 に 強く 働きかけて いる こと や 、 経費 も 膨大で は ない と の 目算 も あって 前向き に 検討 する 方向 だ が 、 防衛 庁 内 に は 「 米軍 の 飛行 訓練 の 一環 と 位置付け られる 」 と の 見方 も あり 、 なお 調整 が 必要だ 。 日本 側 が 現行 以上 の 負担 に 難色 を 示して いる の は 、 厳しい 財政 事情 に 加え 、 抑制 さ れる 防衛 費 の 中 で 九五 年度 の 防衛 施設 庁 予算 が 伸び 率 四・九 % 増 と 突出 。 この うち 四・五 % を 特別 協定 分 が 占める と いう 特殊 事情 を 配慮 した ため 。 米軍 経費 負担 を 厚く すれば 「 基地 の 恒久 化 に つながる と いう 地元 の 反発 も 強い 」 こと も あり 、 現行 枠 内 で 柔軟 運用 の 可能 性 を 探って いる の が 現状 だ 。 風邪 に より 伊勢 神宮 参拝 を 中止 した 村山 富市 首相 の 代理 と して 河野 洋平 副 総理 ・ 外 相 は 四 日 、 三重 県 伊勢 市 を 訪れ 、 同 神宮 を 参拝 した 。 武村 正義 蔵 相 ら 六 閣僚 も 同行 した 。 河野 外 相 は 記者 団 に 「 公務 に も 支障 は ない 。 訪 米 も 大丈夫だ と 思う 」 と 述べた 。 新 制度 の 小 選挙 区 選挙 に 向けて 立候補 予定 者 の 公認 争い が 激し さ を 増し つつ ある 。 ある 政党 の 「 選挙 対策 要綱 」 を 見る と 、 立候補 予定 者 間 の 話し合い 、 地方 支部 の 調整 が 不調に 終わった 場合 、 党 本部 が 公認 候補 者 を 決める “ 強権 発動 ” 型 の 規定 が 盛り込ま れて いる 。 党 本部 の 権限 が 強まる こと に は 、 地方 支部 の 懸念 や 反発 も 見 られる 。 権力 が 集中 する と 、 そこ へ 向かって カネ が 集まり だす 、 と いう の は 残念 ながら 日本 の “ 風土 ” だ 。 もし 、 立候補 予定 者 と 公認 決定 権 を もつ 党 幹部 の 間 で カネ の やりとり が あった と したら …… 。 改正 前 の 公職 選挙 法 に は 参院 の 比例 代表 選挙 に 限って 候補 者 選定 で “ わいろ ” の やりとり が あった 場合 の 罰則 が あった 。 これ が 新 制度 で は 、 衆院 の 小 選挙 区 選挙 と 比例 代表 選挙 に も 適用 さ れる のだ 。 政党 の 候補 者 選定 に 権限 を もつ 党 幹部 など が 「 請託 を 受けて 、 財産 上 の 利益 を 収受 し 、 または これ を 要求 し 、 もしくは 約束 」 する と 三 年 以下 の 懲役 と なる 。 一方 “ 贈賄 ” 側 の 立候補 予定 者 や 関係 者 は 三 年 以下 の 懲役 か 百万 円 以下 の 罰金 だ 。 無 所属 で の 立候補 は 、 比例 代表 と の 重複 立候補 が でき ない ほか 、 選挙 運動 で 政党 公認 候補 に 比べて 大きな ハンディ を 負う の が 新 制度 だ 。 候補 者 公募 など 開か れた 政党 を めざす 動き も 見 られる 一方 で 、 激烈な 公認 争い の 末 に 「 × 党 幹部 、 候補 者 選定 を めぐる 贈収賄 で 逮捕 」 なんて いう 事件 が 飛び出して 来る かも しれ ない 。 NHK の 川口 幹夫 会長 は 四 日 、 年頭 の 記者 会見 で 受信 料 値上げ 問題 に 触れ 、 一九九六 年度 も 受信 料 を 値上げ せ ず 、 現行 の まま に 据え置く こと を 明らかに した 。 また 、 九七 年度 に ついて は 「 不確定 要素 が 多い 」 と して 明言 を 避けた が 「 なるべく 視聴 者 に 負担 を かけ ない の が 大 原則 」 と 値上げ を し ない 方向 で 経営 努力 を して いく と 述べた 。 NHK は 九五 年度 も 据え置き を 決めて おり 、 九〇 年度 に 受信 料 を 約 二八 % 値上げ して 以来 、 六 年 連続 で 受信 料 を 据え置く こと に なる 。 今月 二十五 日 の NHK 経営 委員 会 で 正式 決定 する 。 一昨年 五 月 から モザンビーク で 国連 モザンビーク 活動 の 一員 と して 活動 して きた 自衛 隊 輸送 調整 中隊 は 五 日 、 帰国 の 途 に 就く 。 モザンビーク で の 選挙 が 終了 し 、 任期 満了 に 伴う 撤収 。 首都 マプト に 駐屯 する 自衛 隊 に よる と 、 通常 の 輸送 調整 業務 を 昨年 十二 月 末 まで 続け ながら 三 カ月 かけて 撤収 作業 を 進め 、 予定 通り 完了 した 。 五 日 の 民間 機 で たち 、 ヨハネスブルク 、 香港 経由 で 八 日 午後 、 成田 国際 空港 に 到着 する 予定 。 ONUMOZ の 司令 部 に 配属 さ れた 三 人 は 、 二十 日 過ぎ に 帰国 する 。 自衛 隊 は 約 半年 交代 で 入れ替わって おり 、 現在 の 隊員 は 第 三 次 隊 。 野路 敬也 副 中隊 長 は 「 輸送 調整 と いう 仕事 は 、 時間 に 厳しい 日本 人 部隊 に 最適だった 。 日本 的 組織 決定 の 方式 と は 異なる トップ ダウン 方式 など 、 国連 指揮 下 で 動いた こと から 多く を 学んだ 」 と 述べた 。 モザンビーク の 選挙 は 昨年 十 月 末 に 投票 さ れ 、 シサノ 大統領 が 当選 。 一時 ボイコット が 懸念 さ れた 野党 側 も 選挙 に 参加 し 、 選挙 後 も 民主 化 が 根付き つつ ある 。 毎日 新聞 の 「 戦後 五十 年 」 全国 世論 調査 で 「 戦後 政治 」 と いう と 何 を 思い浮かべる か を 聞いた 。 トップ は 「 民主 主義 」 四七 % で 、 二 位 グループ は 「 新 憲法 」 二七 % 、 「 占領 軍 ・ GHQ ・ マッカーサー 」 同 、 「 婦人 参政 権 」 二四 % に 三 分 さ れた 。 「 民主 主義 」 を 挙げた 男性 は 四五 % で 、 女性 の 四八 % より 低かった 。 年代 別 だ と 、 四十 代 の 五六 % を 頂点 に 若く なる ほど 、 また 高齢 者 ほど 挙げる 率 が 下がる 。 「 新 憲法 」 は 五 ポイント 、 「 占領 軍 ・ GHQ ・ マッカーサー 」 は 一〇 ポイント 女性 より 男性 の 方 が 高く 、 「 婦人 参政 権 」 は 女性 が 男性 の 二 倍 だった 。 一方 、 「 侵略 戦争 」 を めぐる 政治 家 の 発言 が アジア 諸国 の 反発 を 招く の は どこ に 問題 が ある の か と いう 問い に は 、 「 発言 した 政治 家 」 が トップ で 四二 % 、 「 問題 視 する 国 内 の 勢力 」 が 一三 % 、 「 アジア 諸国 側 」 が 六 % だった 。 「 わから ない 」 が 三五 % も あった 。 「 発言 した 政治 家 」 は 女性 の 三九 % が 挙げ 、 男性 は 四六 % だった 。 年代 別 だ と 、 四十 代 の 四七 % を 頂点 に 若く なる ほど 、 また 高齢 者 ほど 挙げる 率 が 下がる 。 また 高 学歴 者 ほど 高く 、 特に 大卒 女性 は 六一 % と 全体 より 二〇 ポイント 近く 高い 。 調査 は 十二 月 二 日 から 三 日間 、 全国 の 有権 者 四千 人 を 対象 に 、 調査 票 を 預けて 記入 して もらう 留め置き 法 で 実施 。 回収 率 は 六八 % 。 医薬 品 会社 「 日本 商事 」 株 の インサイダー 取引 事件 は 、 大阪 地検 特捜部 が 昨年 十二 月 、 千葉 市 の 開業 医 を 起訴 、 日本 商事 と 取引先 社員 ら 計 二十四 人 を 略式 起訴 して 捜査 を 終えた 。 抗 ウイルス 剤 ・ ソリブジン に よる 副 作用 死 の 情報 が 公 に さ れる まで に 、 約 二百 人 の 社員 や 家族 ら が 株 を 売り 抜け 、 その 中 から 、 二十 人 を 超える 関係 者 が 証券 取引 法 違反 に 問わ れた 。 かつて ない 規模 の インサイダー 取引 事件 である 。 取材 過程 で 、 かなり の 人 から 彼ら へ の 「 同情 論 」 を 聞いた 。 共通 する 思い は 、 「 もし 自分 が 同じ 立場 だったら 、 たぶん 株 を 売って いた だろう 」 だ 。 しかし 、 私 は それ に 同感 する 気持ち に なれ ない 。 違法な 株 取引 を した 人 が 、 払わ ねば なら ない 当然の 「 つけ 」 と 思って いる 。 「 同情 論 」 の 根拠 の 一 つ は 、 空売り を して いた 医師 を 除き 、 彼ら が 積極 的に もうけよう と した わけで は ない 、 と いう ことだ 。 今回 の ケース は 、 明らかに 株価 が 下がる 状況 に 直面 し 、 自己 防衛 の ため に 手持ち の 株 を 売った と いう の が 実情 だ 。 副 作用 死 の 情報 を 聞いて 、 公衆 電話 に 走り 、 注文 を 出す ような 「 ろうばい 売り 」 が 多く 、 計画 性 は うかがわ れ ない 。 売却 益 は マイホーム の ローン の 返済 に 充てた と いう 人 が ほとんど だ 。 サラリーマン の 悲哀 さえ 漂う 。 だからといって 、 彼ら の 行動 は 同情 す べき こと だろう か 。 ごく 簡単に 言う と 、 上場 企業 の 社員 ら 「 内部 者 」 が 、 公表 前 の 重要 情報 を 知って 株 の 売買 を する ことだ 。 株 売買 の 主要な 目的 は 財テク で 、 「 マネー ゲーム 」 である 。 必ず 株価 が 上がる 、 あるいは 下がる と の 内部 情報 を 握った 一部 の 人 が 、 常に 「 勝者 」 に なる こと が まかり通れば 、 証券 市場 の 公平 さ は 失わ れる 。 やがて は 、 市場 そのもの が 成り立た なく なる だろう 。 銀行 は 融資 など を 通じて 企業 の 経営 実態 や 内部 情報 に 詳しい 。 一九八八 年 に 証 取 法 が 改正 さ れ 、 インサイダー 取引 に 罰則 が 盛り込ま れた 。 その きっかけ に なった 「 タテホ 化学 工業 事件 」 は 、 財テク に 失敗 し 、 巨額の 損失 を 出した タテホ の 取引 銀行 が 、 損失 公表 の 前日 に タテホ 株 を 売り 抜けて いた と いう もの だった 。 現在 、 証券 取引 等 監視 委員 会 が 調査 に 乗り出して いる インサイダー 取引 事件 も 清水 銀行 が 舞台 だ 。 バブル 経済 を 機 に 、 株 絡み の 事件 や 不祥事 が 続発 した 。 証 取 法 が 改正 さ れた 年 に 起きた の が 、 政界 汚職 事件 に まで 発展 した 「 リクルート 事件 」 だった 。 公開 後 に 値上がり 確実な リクルート コスモス 株 が 、 官僚 組織 の トップ や 多数 の 政治 家 ら に ばらまか れた 。 その 三 年 後 の 「 証券 スキャンダル 」 で は 、 大手 企業 や 公 的 機関 など の 大口 の 法人 投資 家 が 、 有価 証券 売買 に 絡み 、 証券 会社 から 巨額の 損失 補てん を 受けた 。 これ ら の 事件 が 明るみ に 出た 時 、 市民 、 つまり 個人 投資 家 は 、 その 不公平 さ に 怒った 。 今回 、 事件 に 登場 した 人 の 大半 は 「 課長 」 や 「 係長 」 。 まさに 当時 、 怒った 人 たち だろう 。 「 同情 論 」 の 第 二 は 「 自社 株 で 罪 に 問わ れた 」 と いう あわれみ だ 。 日本 商事 は 現在 の 社名 に なった 五二 年 以後 、 「 社員 全員 が 会社 経営 に 参加 」 と の 方針 を 打ち出し 、 自社 株 所有 を 奨励 した 。 社員 持ち株 会 も ある 。 三 年 前 に 大 証 二 部 に 上場 し 、 インサイダー 取引 の 規制 対象 に なった が 、 社歴 十 年 以上 の 社員 の ほとんど が 自社 株 を 持って いた と いう 。 自社 株 と は いえ 上場 株 を 購入 した のだ から 、 投資 家 に かわり ない 。 当然 、 利益 と 損 が 一緒に ついて回る 。 その 認識 が 、 あった のだろう か 。 私 たち 取材 グループ は 、 今回 告発 さ れた 全員 に 取材 を 試みた 。 「 戸惑い 」 「 開き直り 」 「 怒り 」 …… 。 反応 は さまざまだ が 、 共通 して いた の は 、 「 罪 の 意識 」 の 希薄 さ だった 。 そこ に は 、 「 私 も 投資 家 の 一 人 」 の 認識 が あまり ない 。 略式 起訴 さ れた ある 課長 は 、 専務 以下 、 本社 幹部 や 支店 次長 、 営業 所 課長 クラス ら 三十数 人 が 出席 し 、 副 作用 へ の 対応 が 議題 に なった 「 新薬 次長 課長 会議 」 に 出席 して いた 。 「 その 時 は 、 自分 の 株 の こと なんて 頭 に なかった 。 出荷 停止 が 決まって 初めて 、 ああ 、 株価 が どう なる の か なあ と 思った 」 と 、 話した 。 自社 株 は 数千 株 持って いた が 、 売った の は 家 の 改築 費用 の 三百数十万 円 に 相当 する 分 だけ と いう 。 だが 、 待てよ 。 株 の こと が 、 ほんの 少し でも 頭 を よぎら ない と いう こと が ある のだろう か 。 彼 が 当時 、 持って いた 自社 株 の 総額 は 、 当時 の 株価 で 二千五百万 円 は 超えて いた はずだ 。 やはり 略式 起訴 さ れた 別の 支店 課長 は 「 インサイダー 取引 が 何 な の か 知ら ない まま 、 巻き込ま れて しまった 」 と 、 法律 知識 不足 を 悔いた 。 が 、 当たり前の こと だ が 、 「 知ら なかった 」 は 、 免罪 符 に なら ない 。 株 取引 の 過度の 規制 、 摘発 は 、 自由な 経済 行為 を 阻害 する と の 批判 が ある 。 また 、 社員 の 自覚 より も むしろ 、 企業 側 の インサイダー 取引 に 対する 対策 の 遅れ を 指摘 する 声 も ある 。 だが 、 どんな 形 であれ 株 を 持つ 人 は 、 証券 市場 の 参加 者 である 。 そういう 意味 で 、 今回 の 事件 は 自業自得 と 思う 。 全国 証券 取引 所 協議 会 に よる と 、 全国 の 上場 企業 の 九五 % が 、 従業 員 持ち株 会 を 導入 して いる 。 「 私 も 投資 家 の 一 人 」 と 自覚 し 、 十分な 注意 を 払わ なければ 、 株 の 売買 が インサイダー 取引 に 問わ れ かね ない と いう こと だろう 。 「 株 の こと は 念頭 に なかった 」 「 インサイダー 取引 を 知ら なかった 」 は 、 通用 し ない 。 昨年 は マルチメディア 旋風 が 吹き荒れた 。 その 旗振り 役 を 務めた 一 人 。 将来 の 市場 規模 は 百二十三兆 円 、 二百十三万 人 の 雇用 創出 が 予測 さ れる 二十一 世紀 の 夢 の 産業 だ 。 次期 社長 の 有力 候補 と いわ れる 中 で 、 マルチメディア 推進 室 の 室長 に 就任 。 「 二〇一〇 年 まで に 光 ファイバー ネット を 仕上げ ます 。 米国 は ソフト で は 先行 して いる が 、 ネットワーク は 弱い 。 日本 は その 逆 」 この 十 年 、 デジタル化 を 計画 的に 進めて きた 自負 が のぞく 。 年度 末 に は 実質 的に 一〇〇 % 完成 、 総合 デジタル 通信 サービス が 可能に なる 。 「 こんな 国 は あり ませ ん 。 米国 は まだら 模様 です 。 今 すぐ 使える マルチメディア と いう の は 、 ISDN な んです 」 現在 使わ れて いる 電話 回線 五千九百万 回線 の うち デジタル は 三十万 回線 程度 。 「 長 距離 系 幹線 の 光 ファイバー 化 は できて い ます し 、 インフラ は 万全です 」 父親 が 東大 第 二 工学部 の 教官 、 弟 、 息子 と みんな 工学部 出身 だ 。 「 父 が 病身 な ので 、 学生 時代 は アルバイト を よく やった 。 本当 は 、 メーカー 志望 だった が 、 先生 の 命令 で 」 公社 時代 は 二 年 ごと に 転勤 、 家族 を 引き連れ 全国 を 歩いた 。 「 家 に パソコン は あり ます が 、 もう 少し 便利に なら ない と 。 子供 は 使いこなして いる ようです が 。 世代 の 差 です な 」 と 豪快に 笑う 。 酒席 が 重なり 、 太 めの 体 を 絞る ため 、 休日 は 夫人 と 丹沢 の 山 を ひたすら 歩く 。 約 四 年 前 、 エルシャド 軍事 独裁 政権 を 倒して 民主 主義 体制 に 移行 した バングラデシュ で 、 カレダ ・ ジア 首相 と 野党 アワミ 連盟 シェイク ・ ハシナ 党首 と いう 女性 指導 者 同士 の 政治 対立 が 続いて いる 。 国民 の 窮状 を よそ に 、 国民 議会 は 、 十 カ月間 も 休会 の まま 。 野党 側 は イスラム 原理 主義 団体 と 連合 して 、 一 日 から 内閣 の 即時 退陣 を 要求 する ゼネスト と デモ を 首都 ダッカ で 繰り広げた 。 政争 の 原因 は 、 一九九六 年 十 月 に 予定 さ れる 総 選挙 を めぐる 「 選挙 管理 内閣 」 構想 。 ハシナ 党首 は 、 総 選挙 が ジア 政権 下 で 行わ れる ので は 公正な 選挙 が 期待 でき ない と して 、 選挙 前 の 内閣 辞職 と 選管 内閣 設置 の 確約 を 求めた 。 これ に 対して 、 ジア 首相 が 「 そんな 規定 は 憲法 に ない 」 と 拒否 する と 、 ハシナ 党首 は 昨年 三 月 、 野党 三 党 を まとめて 議会 審議 を ボイコット 。 さらに 同 十二 月 二十八 日 に は 、 野党 百四十七 議員 の 辞表 を 取りまとめて 議長 に 提出 した 。 ジア 首相 は 妥協 策 と して 、 選挙 一 カ月 前 の 辞職 と 中立 選管 内閣 設置 を 約束 し 、 ハシナ 党首 に 議会 復帰 を 呼び掛けた が 、 今度 は ハシナ 党首 が 拒否 した 。 ダッカ 市 内 は 四 日 も 、 混乱 を 恐れる 商店 が 店 を 閉じ 、 企業 ・ 工場 も 休業 する など マヒ 状態 。 与党 内 から は 、 「 非常 事態 宣言 で 突破 す べし 」 と の 強硬 意見 も 出て いる 。 ジア 首相 は 夫 を 、 ハシナ 党首 は 父親 を 暗殺 で 失った 。 九〇 年 十二 月 、 エルシャド 軍事 政権 打倒 の 街頭 行動 で は 、 一緒に デモ の 先頭 に 立った 。 首相 四十九 歳 、 党首 四十八 歳 。 同じ ような 境遇 に 感じ 合う もの が ある の か 、 お互い の 子息 の 結婚 式 に 出席 する など 、 個人 的 関係 は 悪く は ない 。 「 その 関係 が なぜ 、 事態 収拾 に は 機能 し ない の か 」 と 嘆く 国民 は 少なく ない 。 ロシア 軍 に よる チェチェン 共和 国 へ の 軍事 進攻 が 長期 化 する に つれ 、 ロシア 経済 へ の 深刻な 影響 を 憂慮 する 声 が 強まって いる 。 これ まで の 戦闘 に よる 出費 は 一兆 ルーブル を 超す と いわ れ 、 国家 財政 に とって 大きな 負担 。 今年 から 三 年間 で 経済 安定 化 を 目指す ロシア 政府 の 計画 は 、 一九九五 年度 予算 の 成立 の 遅れ と ともに 、 当初 から 黄 信号 が ともって いる 。 ロシア 政府 が 昨年 十 月 に 提出 した 今 年度 予算 案 は 、 歳入 が 百四十四兆一千九百八十七億 ルーブル 、 歳出 が 二百十六兆二千七百四十八億 ルーブル で 、 七十二兆七百六十一億 ルーブル の 赤字 予算 。 赤字 額 は 政府 が 見積もった 国 内 総 生産 の 約 七・八 % に とどまり 、 緊縮 財政 を 求める 国際 通貨 基金 の 要請 を 辛うじて クリア 。 しかし 、 予算 案 は 社会 政策 費 の 増額 など を 要求 する 下院 で は 承認 さ れて おら ず 、 この ライン を 守れる 保証 は ない 。 パンスコフ 蔵 相 に よれば チェチェン へ の 軍事 進攻 に 要した 費用 は 、 作戦 当初 の 一 週間 だけ で 約 四千億 ルーブル 。 越年 で 三 週間 を 超えた 作戦 費用 の 合計 は 、 一兆数千億 ルーブル に 達した こと に なる 。 しかも 、 軍事 費 だけ で なく 、 攻撃 で 破壊 さ れた 同 共和 国 の 復興 費用 や 、 戦闘 で 流出 した 難民 の 手当て も 加える と 、 その 数 倍 も の 出費 が かさむ こと に なる 。 さらに 大きな 問題 と なって いる の が 、 原油 の 輸出 制限 の 撤廃 問題 。 IMF は 、 一部 企業 の 特権 だった 原油 輸出 の 枠 を 自由 化 し 、 外貨 獲得 の 増大 に 結び付ける こと を 、 今後 の 金融 支援 の 重要な 条件 に して いる 。 しかし 、 エリツィン 政権 内部 でも 国 内 市場 で の 石油 不足 を 招く 懸念 など から 、 この 条件 に は 異論 が 強く 、 最終 決定 は 下されて い ない 。 大衆 紙 「 モスコフスキー ・ コムソモーレツ 」 は 英国 の フォークランド 紛争 、 米国 の 湾岸 戦争 と 比較 し 「 サッチャー や ブッシュ は 戦争 で 国民 と 政権 と の 関係 修復 に 成功 した かも しれ ない が 、 エリツィン は 彼ら と は 違う 」 と 、 今回 の 戦争 の 不 人気 を 指摘 し 、 財政 破たん の 危険 性 を 警告 して いる 。 インド 、 シンガポール 両 政府 は 4 日 、 カルカッタ で 科学 技術 協力 協定 に 調印 した 。 両 国 は 今後 、 先端 技術 の 商業 化 、 文化 セミナー の 開催 など で 協力 する 。 インド は 昨年 、 ラオ 首相 が シンガポール を 訪問 し 、 ゴー ・ チョクトン 首相 と 会談 。 東南 アジア 諸国 連合 の 中心 メンバー である シンガポール と の 関係 緊密 化 に 努めて おり 、 科学 技術 協定 も この 一環 。 香港 の 中国 系 紙 「 文匯報 」 が 4 日 報じた ところ に よる と 、 中国 河南 省 開封 市 で 初の 「 海外 ユダヤ 人 経済 開発 区 」 が 設置 さ れた 。 経済 開発 区 は 海外 の ユダヤ 資本 の 投資 を 誘致 する の が 狙い 。 同 紙 に よれば 、 開発 区 設置 前 から ユダヤ 系 企業 の 同 市 視察 が 相次いで いる と いう 。 台湾 から の 報道 に よる と 、 台湾 の 対 中 窓口 と なって いる 民間 交流 機関 ・ 海峡 交流 基金 会 は 四 日 、 中国 側 の 海峡 両岸 関係 協会 に 手紙 を 送り 、 二十一 日 から 二十七 日 まで 北京 で 両 会 の 準 トップ 会談 を 開く よう 提案 した 。 一昨年 四 月 の シンガポール 会談 以来 に なる 第 二 回 トップ 会談 の 日程 に ついて も 、 話し合い たい と して いる 。 五 日 付 の 「 東亜 日報 」 に よる と 、 昨年 十二 月 に 起きた 在 韓 米軍 ヘリ の 軍事 境界 線 越境 事件 の 処理 過程 で 、 米国 側 は 同 境界 線 付近 に 軍 部隊 を 配置 して きた 前方 展開 を 改め 、 後方 へ の 再 配置 を 検討 する 可能 性 を 韓国 政府 に 示唆 した 。 同 紙 が 引用 した 韓国 政府 当局 者 の 説明 に よる と 、 米国 は ヘリ 事件 の 発生 後 、 乗員 送還 が 遅れれば 米国 内 で 米軍 部隊 の 後方 配置 論 が 高まる 可能 性 を 指摘 し 、 韓国 側 に 事件 へ の 介入 を 自制 する よう 要請 。 韓国 側 は 、 韓国 軍人 が 国連 軍 側 の 首席 代表 を 務める 軍事 休戦 委員 会 を 通して 事件 を 解決 す べきだ 、 と いう 公式 見解 の 発表 計画 を 取りやめた と いう 。 米 側 の 要請 は 、 韓国 が 関与 して 事態 が こじれる こと を 恐れた ため で 、 韓国 側 へ の けん制 と 言える 。 インドネシア の アラタス 外 相 は 四 日 、 年頭 の 記者 会見 で 、 懸案 の 東 ティモール 問題 に ついて 、 旧 宗主国 ポルトガル と の 間 で 信頼 醸成 が 必要だ と 強調 した 。 国連 の ガリ 事務 総長 の 仲介 で 、 九 日 から ジュネーブ で 開か れる ポルトガル 外 相 と の 交渉 に 臨む 基本 姿勢 を 示した もの で 、 同 外 相 は 「 東 ティモール の 住民 の 多数 が 、 インドネシア へ の 併合 を 望んだ と いう 問題 の 原点 へ 、 もう 一 度 立ち返る べきだ 。 お互い の 主張 を 言い合って いる だけ で は 、 解決 に は つながら ない 」 と 強調 した 。 チェコ の 独立 系 有力 紙 「 リドベ ・ ノビニ 」 は 三 日 、 旧 ユーゴ 地域 に 駐留 する 国連 防護 軍 兵士 約 四万五千 人 の うち 、 軍 食糧 や 燃料 の やみ 取引 を 行って いた 兵士 五十 人 が 更迭 さ れた と 報じた 。 国連 防護 軍 に 所属 する チェコ 憲兵 部隊 の ツェフ 大佐 が 明らかに した 。 同 紙 に よる と 、 やみ 行為 の 最大 の 対象 は 燃料 。 人道 援助 物資 の 輸送 隊 の 運転手 が 、 車両 燃料 と 引き換え に わいろ を 受け取って いた 。 現地 女性 の 性 的 供応 を 受けて いた 兵士 も いた 。 ツェフ 大佐 は 「 個人 的な 蓄財 以外 に 、 職務 上 の ストレス が 起因 して いる 」 と 指摘 。 大部分 は 人道 物資 輸送 が 最も 活発な ボスニア ・ ヘルツェゴビナ と み られる 。 4 日 の 台湾 紙 「 聯合 報 」 は 、 台湾 海軍 首脳 部 の 話 と して 、 中国 海軍 が 攻撃 型 通常 潜水 艦 3 隻 を ロシア から 購入 した と 伝えた 。 総額 7億5000万 ドル 相当 。 台湾 側 は 中国 海軍 が キロ 級 潜水 艦 を 自力 生産 する 計画 も ある と 分析 。 日中 の 気温 が 三〇 度 、 夜 に なって も 一向に 涼しく なら ない 南国 インドネシア の お 正月 。 イスラム 教 国 の ため 特に 正月 行事 は ない が 、 新年 の 街 の あちこち に 残る “ トランペット ” の 残がい が 、 大みそか の 名残 を とどめて いる 。 三十一 日 夜 、 ホテル や レストラン で は 、 飲め や 歌え の 欧 米 式 パーティー が 続いた が 、 これ は 外国 人 や 観光 客 、 さらに 一部 上流 階級 の お 話 。 「 普通の ジャカルタ 市民 の 大みそか 」 を 見よう と 深夜 、 徘徊 に 出発 した 。 夜 十 時 、 幹線 道路 は 大 渋滞 。 道端 で 売って いる 紙製 の “ トランペット ” が 、 飛ぶ ように 売れて いた 。 渋滞 の イライラ 解消 と 隣 の 車 へ の あいさつ に と 、 あちこち で 「 プッ 、 プッ 、 プー 」 。 普段 の 夜 は 人け が なく 、 物騒な 市 内 中心 部 の モナス 公園 に は 、 数万 人 の 群衆 。 老い も 若き も 手 に は 例の “ トランペット ” 。 何 か ある わけで も なく ただ 集まり 「 プッ 、 プッ 、 プー 」 。 疲れて 芝生 で 寝る 人 、 商売 熱心 に 夜店 を 開く 人 、 家族 で 弁当 を 広げる 人 。 かくして トランペット の 音 に 紛れて 、 いつのまに やら 新年 に なり 、 役目 を 終えた トランペット が 元日 の 街 を “ 飾った ” と いう 次第 である 。 スーダン から の 報道 に よる と 、 スーダン の 国 内 便 旅客機 が 四 日 、 首都 ハルツーム の 空港 を 離陸 直後 に 男 女 二 人 組 に 乗っ取ら れ 、 同国 内 の 紅海 沿岸 に ある ポートスーダン に 着陸 した 。 国営 スーダン 通信 に よる と 、 二 人 組 は スーダン 軍 の 伍長 と その 妻 。 乗員 乗客 三十六 人 全員 を ポートスーダン で 解放 後 、 特殊 部隊 に 逮捕 さ れた 。 妻 が カイロ に 行き た がって いた ため 、 乗っ取り を 図った と いう 。 二 人 は 当初 、 カイロ へ 行く よう 要求 した が 、 燃料 が 足りない と パイロット に 説得 さ れ 、 ポートスーダン に 着陸 した 。 チェチェン 情勢 の 悪化 で 、 ロシア と の 交通 路 を 断た れて いる アゼルバイジャン が 、 トルコ ・ イラン 経由 の 流通 ルート の 拡大 に 乗り出した 。 アリエフ 政権 は カスピ海 沖 油田 開発 で ロシア 離れ の 動き を 見せて いる が 、 チェチェン 戦闘 は 、 アゼルバイジャン と イスラム 諸国 と の 交流 促進 を 、 さらに 加速 さ せ そうな 情勢 に なって きた 。 アゼルバイジャン の ガサノフ 外 相 は 二 日 、 インタファクス 通信 に 対し 「 ロシア に よる 南部 国境 閉鎖 が アゼルバイジャン の 経済 を ストップ さ せて は なら ない 。 今後 は トルコ 、 イラン 経由 の 流通 を 、 積極 的に 発展 さ せ たい 」 と 述べた 。 北 から 南 へ の 流通 シフト の 変更 は 、 同国 の 経済 活動 に も 大きな 影響 を 与える と み られる 。 NEC は 四 日 、 国 内 メーカー と して は 初めて 中国 で パソコン を 現地 生産 する 方針 を 明らかに した 。 上海 市 の 長江 集団 公司 と 合弁 会社 設立 の 交渉 を 進めて おり 、 年 内 に も 事実 上 の 国際 標準 機 に なって いる IBM 互換 機 の 生産 を 始める 。 合弁 会社 の 資本 金 や 生産 規模 は 未定だ が 、 NEC は 五〇 % 以上 を 出資 し 、 年間 数十万 台 を 出荷 し たい 意向 だ 。 当面 は 中国 国 内 向け に 限り 、 将来 は 東南 アジア へ の 輸出 も 検討 する が 、 日本 へ の 輸出 は 考えて い ない と いう 。 中国 の パソコン 市場 は 昨年 六十万 ― 六十五万 台 で 、 今年 は 八十万 台 程度 まで 拡大 する と 予想 さ れて いる 。 NEC は 長江 集団 公司 と 昨春 、 ワークステーション など を 生産 する 合弁 会社 設立 で 合意 して いた が 、 需要 の 急増 が 見込める パソコン を 生産 品目 に 加える こと に なった 。 1996 年 3 月 に は 特定 石油 製品 輸入 暫定 措置 法 が 廃止 さ れる こと が 決まり 、 競争 激化 が 必至の 石油 業界 。 95 年 は 自由 化 本番 に 向けて の 準備 期間 と なる 。 コスモ 石油 の 岡部 敬一郎 社長 は 「 今後 の 業界 で 生き抜く ため に は 、 ナンバーワン か 、 個性 的な 企業 で なければ なら ない 時代 も 来る 。 今 の 地位 に 甘んずる こと なく 上位 を 目指そう 」 と 年頭 から 業界 再編 も 見据えて 社員 を 激励 した 。 「 車 が 衝突 事故 に 巻き込ま れる 直前 に エア バッグ が 膨らみ 、 運転 者 や 同乗 者 を 守る 」 ―― メルセデス ・ ベンツ 日本 は 4 日 、 メルセデス ・ ベンツ グループ が こんな 画期的な 乗員 保護 システム の 開発 に 乗り出した と 発表 した 。 新 システム は 入力 済み の データ を 基礎 に 対向 車 の 大き さ や 重 さ を 電子 センサー が 認識 ・ 分析 し 、 この 情報 から トラック か 乗用車 か など を 判断 。 衝突 の 数 センチ 手前 で 、 事故 の タイプ や 衝突 速度 など を 予測 し 、 エア バッグ が 作動 を 開始 する 。 21 世紀 初め に は 実用 化 する 予定 。 日本 郵船 は 4 日 、 中国 ・ 上海 に 設立 する 同社 100 % 出資 に よる 現地 法人 「 日本 郵船 有限 公司 」 に ついて 、 中国 対外 貿易 経済 合作 部 から 認可 を 取得 した と 発表 した 。 日本 の 海運 会社 で 中国 に 現地 法人 を 設立 する の は 初めて 。 大阪 商船 三井 船舶 、 川崎 汽船 も 同様の 申請 を 行って おり 、 近く 認可 さ れる 見通し 。 今年 最初 の 取引 と なった 四 日 の 東京 外国 為替 市場 の 円 相場 は 、 海外 市場 で 米 利上げ 期待 から ドル高 が 進んだ 地合い を 引き継いで ドル買い が 先行 し 、 昨年 八 月 十七 日 以来 、 四 カ月 半 ぶり に 一 ドル = 一〇一 円 台 の 取引 と なった 。 午後 三 時 半 現在 、 十二 月 三十 日 午後 三 時 半 に 比べ 一 円 三三 銭 円安 ・ ドル高 の 一 ドル = 一〇一 円 一六 銭 で 取引 さ れて いる 。 午後 三 時 半 まで の 出来高 は 六十七億九千五百万 ドル 。 三菱 銀行 は 四 日 、 同 行 と 取引 の ある 中堅 ・ 中小 企業 など 全国 約 三万 社 の 役付き 社員 約 百万 人 を 対象 に 個人 向け 無 担保 ローン の 融資 金利 を 現行 の 半分 の 同 五・五 ― 五・八 % に 引き下げた 。 貸し出し の 低迷 が 続く 中 、 中小 企業 、 個人 向け 融資 を 拡大 する の が 狙い で 、 銀行 間 の 貸し出し 競争 に 一 段 と 拍車 が かかり そうだ 。 引き下げた の は 、 融資 限度 額 三百万 円 、 融資 期間 十 年 で 使途 に 制限 の ない 個人 向け 無 担保 の 「 リンケージ ・ ローン 」 。 適用 の 対象 と なる の は 、 同 行 の 融資 対象 企業 七万 社 の うち 、 同 行 を メーン バンク か 準 メーン バンク と する 企業 三万 社 に 勤務 する 三十 歳 以上 の 役付き 社員 。 従来 の 個人 向け ローン は 固定 金利 で 年 一〇・五 % だった が 、 リンケージ ・ ローン は 短期 プライム レート に 連動 し 、 当初 は 年 五・八 % 。 ただし 、 対象 企業 の 給与 振り込み の 指定 先 が 三菱 銀行 の 場合 は 、 金利 を さらに 〇・三 % 引き下げ 、 五・五 % と した 。 建設 省 が 昨年 三 月 に 策定 した 住宅 建設 コスト ダウン 行動 計画 に 基づき 、 住宅 ・ 都市 整備 公団 は 現在 、 東京 ・ 八王子 の 同 公団 試験 場 で コスト 低減 モデル 実験 住宅 を 建設 して いる 。 行動 計画 は 、 住宅 建築 コスト を 三分の二 に 軽減 する こと が 目標 。 集合 タイプ の この 実験 住宅 は 、 省力 化 の ため 、 コンクリート 打設 ロボット や 外壁 ・ 床 仕上げ ロボット を 活用 する ほか 、 型枠 工法 と 鉄筋 の 先組み 工法 で 工事 費 削減 を 目指す 。 鉄筋 三 階建て 、 延べ 床面積 七五〇 平方メートル で 、 三 月 に 完成 する 予定 。 韓国 自動車 工業 会 は 四 日 、 一九九四 年 の 同国 自動車 輸出 台数 が 前年 比 一六 % 増 の 七十四万四百六 台 に 達した と 発表 した 。 アジア と 欧州 向け が 特に 活発だった 。 これ に 対し 、 同年 の 国 内 販売 台数 は 同 八・一 % 増 の 百五十五万 台 で 、 うち 乗用車 は 百五万 台 。 東海 銀行 は 四 日 、 信用 度 で は 最 高位 の 「 トリプル A 」 の 格付け を 持つ デリバティブ 業務 専門 の 子会社 「 東海 デリバティブ プロダクツ 」 を 今月 中旬 、 ロンドン に 設立 する こと を 明らかに した 。 「 トリプル A 」 の 格付け は 邦 銀 で は 初めて 。 スタンダード ・ アンド ・ プアーズ の 格付け で は 「 トリプル A 」 の 邦 銀 は なく 、 三菱 、 三和 の ダブル A マイナス が 最高 。 東海 銀行 本体 は シングル A マイナス で 、 トリプル A より 六 段階 低い 。 これ から 作る 従業 員 十六 人 の 子会社 の ほう が 格 が 上 と は 世にも 不思議な 格付け だ 。 格付け は 、 格付け 機関 の S&P や ムーディーズ が 信用 度 に よって ランク 付け を 行う もの で 、 格付け が 高く なる ほど 、 より 優良な 取引先 と 好 条件 で の 取引 が 可能に なる 。 橋本 竜太郎 通産 相 は 四 日 、 日 米 包括 経済 協議 の 自動車 ・ 同 部品 分野 の 交渉 を 、 今月 後半 に 再開 する こと で 日 米 政府 が 合意 した と 発表 した 。 数値 目標 の 設定 や 、 政府 の 責任 が 及ぶ 範囲 外 の 事項 は 「 協議 の 対象 と し ない 」 こと に なった 。 また 補修 用 部品 の 協議 も 「 米 通商 法 三〇一 条 に 基づく 協議 で は ない 」 と 強調 した 。 同 協議 は 昨年 十 月 に 米国 が 補修 用 部品 を 三〇一 条 に 特定 して 以来 、 中断 して いた が 、 再開 に あたって は 日本 側 が 出して いた 条件 を 米 側 が 了承 した 形 に なった 。 自動車 ・ 同 部品 分野 交渉 の 再開 が 決まった こと に ついて 、 日本 自動車 工業 会 の 豊田 達郎 会長 は 四 日 、 「 数値 目標 の 設定 や 、 政府 の 権限 外 の 事項 は 協議 の 対象 と し ない と いう こと が 明確に さ れた うえ で の 再開 である 点 を 歓迎 し たい 。 規制 緩和 など 、 政府 間 で 話し合わ れる べき 事項 に ついて 早期 合意 を 期待 する 」 と の コメント を 発表 した 。 韓国 大蔵 省 当局 者 は 三 日 、 今月 中 に 経済 協力 開発 機構 に 加盟 を 申請 する 方針 を 明らかに した 。 橋本 竜太郎 通産 相 は 五 ― 十三 日 の 日程 で 、 インド 、 パキスタン 両 国 を 訪問 する 。 日本 と の 経済 関係 の 強化 が 狙い で 、 ラオ ・ インド 首相 、 ブット ・ パキスタン 首相 ら と 会談 の 予定 。 歴代 通産 相 で 両 国 を 訪問 する の は 初めて 。 インド は 一九九一 年 の ラオ 政権 の 発足 後 、 対外 開放 を 本格 化 さ せ 、 外国 企業 の 投資 を 広く 受け入れる 政策 に 方針 転換 。 パキスタン も ブット 政権 下 で 経済 構造 調整 政策 を 進め 、 外国 から の 投資 誘致 策 に 積極 的に 取り組んで いる 。 レディースインナー の 「 シャルレ 」 が 全国 アンケート で 、 世代 ごと の 「 20 歳 の 思い出 の 歌 」 を まとめた 。 各 世代 の 第 1 位 の 曲 は 次の 通り だ が 、 人生 の 大きな 節目 の 1 つ だけ に 、 特別 思い入れ の 深い 曲 が 選ば れて いる ようだ 。 20 代 = どんな とき も 30 代 = 22 才 の 別れ 40 代 = ブルー ライト ヨコハマ 50 代 = 高校 三 年生 60 代 以上 = リンゴ の 唄 最も 票 が 分かれた の は 20 代 。 ジャンル が 多様 化 して いる こと や 、 ヒット 曲 が 短命な こと も 要因 の よう 。 30 代 、 40 代 の ベスト 5 に 神田川 が 入って おり 、 世代 を 超えて 長く 受け入れ られて いる の が 目立った 。 「 新春 は 毎年 、 根岸 の 家 でした が 、 今年 は ここ 、 田端 の マンション で 迎え ました 。 結婚 以来 四十 年 余 住んだ 家 を 建て直して いる ため の 仮住まい で 、 いつも の 正月 と は いきま せ ん 。 でも 、 今 まで 通り とび の 頭 が 来て お 飾り を 付けて くれ 、 はなし 家 の 弟子 や 知人 たち も お 年始 に きて くれる 。 気持ち の 上 で は 何も 変わり ませ ん 」 「 お節 料理 は 、 かまぼこ や だてまき を 別に して 、 全部 手作り 。 お 煮しめ に は ヤツガシラ 、 クワイ 、 ギンナン など を 忘れ ず に 。 そりゃ 、 おいしい の よ 。 大みそか は 一 日 中 、 煮もの を して い ました 」 「 夜 も にぎやか 。 二十 人 ほど が 百人一首 を 使った 遊び に 大声 を あげ 、 羽根つき を する 。 他 に 、 こま や おはじき 、 お手玉 、 すごろく 、 福 笑い など 、 昔 の 遊び を そろえて おく 。 私 の 子ども の ころ を 、 教えて おき たい のです 」 「 今年 は 人生 最大 の やま場 、 と 思って い ます 。 戦後 五十 年 を 迎える から 。 私 は 東京 大 空襲 で 本所 ・ 竪川 の 実家 に いた 両親 と 祖母 、 兄 二 人 、 弟 一 人 の 六 人 を 炎 の 中 で 亡くした 。 いま 、 東京 都 『 平和 の 日 』 委員 、 アピール 起草 委員 を して おり 、 戦争 の 無残 さ と 悲惨 さ 、 平和 の 貴 さ を 全国 に 、 世界 に 発信 する お 手伝い を して いく 」 「 あの 夜 死んだ 十万 人 と 私 の 親 や 兄弟 は 、 どこ で 土 に かえった か 、 知れ ませ ん 。 その 死 を 無駄に して は いけない 。 礎 と なった 人 たち の めい福 は 永遠の 平和だ 、 と 思い ます 」 「 東京 空襲 の 記念 館 ・ 塔 を 造り たい 。 靖国 神社 や 千鳥ケ淵 ・ 戦没 者 墓苑 など 、 軍人 さん の は ある が 、 一般 市民 の は ない 。 その 計画 は 、 都 が 江戸 東京 博物 館 や 美術 館 など を 造った ため に 、 延び延び に なって いる ようです 」 「 憲法 問題 で は 、 自衛 隊 は いやです 。 『 日本 救援 隊 』 と でも 名称 を 変えて 、 大きな 事故 や 災害 に 活躍 して ほしい 、 と 思う 。 武器 を 持って 外 に 行き 、 戦争 に 参加 する の は 反対です 」 「 今年 は 家 の 一部 に 、 いわば 『 三平 庵 』 と でも 申す もの を 造る つもりです 。 夫 の ネタ 帳 や 資料 を 整理 する 仕事 が ある 。 さらに 、 地球 上 で 苦しんで いる 子ども に 『 生きて いよう 』 と 励ます こと も し たい 。 本当に 忙しい 年 に なり ましょう 」 大 空襲 で 家族 6 人 を 失う 。 戦災 孤児 と して 転々 と し 、 52 年 に 落語 家 林家 三平 さん と 結婚 。 80 年 に 夫 を 亡くし 、 『 ことし の 牡丹 は よい 牡丹 』 など を 著す 。 林家 こぶ平 さん は 長男 。 この 一 年 、 百 冊 余り の 本 を 読んだ 。 今年 は 五十 歳 を 迎える 。 平均 寿命 まで あと 三十 年 。 このまま で いく と して 、 約 三千 冊 。 もう 少し 年 を とり 、 日がな一日 親しんで い られる と して も 四千 か 。 新刊 書 は 年 に 何万 も 発刊 さ れる と いう のに 、 これ しか 読め ない の なら 好きな の だけ でも 、 と 思う 。 どうしても 手元 に 置き たい 本 を 買う ため に 、 つましい 家計 の 中 から 流行 の 服 は 似合わ ない と 決め 、 化粧 品 代 を 削り 、 交際 費 は 義理 を 欠か ない 程度 で 失礼 して いる 。 あと は 図書 館 に 通う しか ない けれど 、 目指す の が すぐ 借り られる と は 限ら ない 。 数 年 前 に 新築 なった 市 の 図書 館 は 、 円筒 形 の しゃれた デザイン だ が 、 中身 まで 一新 と いう わけに は いか なかった ようだ 。 今日 の 夕食 は ビーフ カレー に しよう 。 二 時間 ぐらい 煮込む と おいしく なる し 、 その 間 読書 も できる 。 このごろ 、 私 の 手 に する の は 二十数 年 前 に 亡くなった 父 の 読んで いた もの に 似て きた 。 二 人 で 時々 古本 屋 回り を した もの だ が 、 私 の 嗜好 は あの ころ に 培わ れた もの かも しれ ない 。 本 に 囲ま れ 、 埋もれ 、 重み で 床 が 抜け そうだ 、 と 心配 する ような 生活 に あこがれて いる 。 そして 季節 の 移ろい を 楽しみ ながら 、 晴耕雨読 の 日 を 送り 、 静かに 年 を 重ねて いき たい 。 正月 日和 の 一 日 、 香ばしい お茶 を 飲み ながら 、 こんな こと を 考えた 。 世界 記録 を 続出 さ せた 中国 陸上 の 「 馬 軍団 」 が 、 事実 上 内部 崩壊 した ようだ 。 四 日 の 「 北京 青年 報 」 が 、 この 説 を 否定 し つつ も 、 馬 軍団 で 何 が 起きた の か 、 詳細な ルポ を まとめて いる 。 伝説 的な 人物 と なった 総帥 、 馬 俊仁 コーチ の 金銭 管理 、 選手 育成 に 重大な 問題 が あった らしい 。 同 紙 に よる と 、 昨年 の 広島 アジア 大会 後 、 馬 軍団 の 男子 選手 7 人 が 訓練 センター を 離れ 、 さらに 十二 月 十一 日 に は 軍団 の 主力 である 王 軍霞 、 張 林麗 ら 女子 選手 9 人 が 大連 の 訓練 基地 から 集団 脱走 した 。 馬 コーチ が 、 選手 に 贈ら れる はずの 奨励 金 を 抱え込んで しまい 、 賛助 金 の 行方 も 不明の まま 。 さらに 、 選手 の 訓練 も 過酷 と いう より 「 ほとんど 残酷な もの 」 で 、 選手 の 不満 が 爆発 した と いう 。 あわてた 崔 大林 ・ 遼寧 省 体育 委員 会 副 主任 兼 運動 技術 学院 院長 が 馬 コーチ と 話し合った が 、 話 は まとまら ず 、 崔 副 主任 は 選手 16 人 を 瀋陽 に 集めた 。 今後 は 王 軍霞 が 訓練 を 担当 、 チーム 名 も 「 馬 家 軍 」 から 「 遼寧 女子 中 長 距離 隊 」 と 呼ぶ こと に なった 。 孫 玉森 ・ 省 陸上 隊 隊長 は 「 馬 コーチ が 病気 で 入院 する 必要 が ある ので 、 選手 を 瀋陽 に 連れて きた だけ 」 と 発表 。 崔 副 主任 も 「 馬 軍団 は 解散 し ない 」 と 宣言 、 二十九 日 に 、 省 の 党 委員 会 に 「 馬 軍団 の 成長 を 支持 する 」 と 報告 した 。 日本 相撲 協会 は 4 日 、 東京 ・ 両国 国技 館 で 持ち回り 理事 会 を 開き 、 元 関脇 ・ 高鉄山 の 大鳴戸 親方 の 廃業 と 、 伊勢ケ浜 部屋 の 桐山 親方 の 独立 を 承認 した 。 大鳴戸 部屋 の 三 段 目 、 播磨海 ら 3 力士 と 呼び出し 、 行司 の 計 5 人 は 新設 の 桐山 部屋 に 移籍 する 。 米 大学 フットボール の 今季 最終 ランキング が 3 日 発表 さ れ 、 オレンジ ボウル を 制して 13 戦 全勝 を マーク した ネブラスカ 大 が AP 通信 、 USA トゥデー ・ CNN の 両 ランキング で 1 位 に 輝き 、 23 年 ぶり 3 度 目 の 全 米 チャンピオン と なった 。 昨年 九州 場所 で は 入門 以来 12 場所 目 に して 初 の 負け越し 。 5 場所 守った 関脇 の 座 から 落ちた が 、 表情 に 暗 さ は ない 。 番付 発表 の あと に は 「 新 小結 の 記者 会見 が ある か と 、 着物 を 着て 部屋 で 待って ました 」 と ジョーク を 飛ばした ほど だ 。 初めて 挫折 を 経験 した に も かかわら ず 暗 さ が ない の は 、 先 場所 の 不振 の 原因 が 、 左 肩 を 痛めた ため の 「 けいこ 不足 」 と はっきり して いる から だろう 。 逆に いえば 今 場所 の 明る さ は 、 けいこ が 順調に 進んで いる 証拠 だ 。 出羽海 一門 の 連合 げいこ に 積極 的に 参加 、 多く の 関取 衆 相手 の けいこ で 、 当たり の 強 さ を 取り戻して きた 。 小城ノ花 、 小城錦 、 大善 、 浜ノ島 など と の 申し合い で は 、 立ち合い から 一気 の 突き 押し で 土俵 の 外 に 運ぶ こと も 再三 。 自己 最多 の 13 勝 を 挙げた 昨年 秋 場所 の 相撲 を 思い出さ せる 勢い で 、 「 体調 は いい し 、 肩 も 大丈夫 。 けいこ も できた し 、 やり ます よ 」 と 意欲 は 十分だ 。 不安 点 は 、 出足 を 止め られる と 足 が そろい がちな こと で 、 突き 押し も 腰 が 入ら ず 威力 を 失う 。 けいこ でも 曙 や 武蔵丸 など 、 出足 を 受け止める 力 の ある 力士 が 相手 に なる と 、 この 欠点 が たびたび 顔 を 出す 。 師匠 の 武蔵川 親方 も 「 足 が 止まる と 、 もう いけない 。 気 を つけろ と 言って いる が …… 」 と 心配 げ 。 横綱 ・ 大関 と の 通算 対戦 成績 が 5 勝 14 敗 と 振るわ ない 理由 の 一 つ も 、 ここ に ある 。 関脇 に 返り咲き 、 さらに 上位 を 狙う に は 、 鋭い 出足 を 身 に つけ 、 絶えず 前 に 出る 姿勢 を 忘れ ない こと が 必要だ 。 西 小結 の 武双山 は 、 初日 に 30 連勝 中 の 新 横綱 ・ 貴乃花 と の 対戦 が 予想 さ れる 。 武双山 が 貴乃花 の 連勝 を 止める ような こと が あれば 、 場所 は がぜん 面白く なる 。 一九九五 年 米 男子 プロ ゴルフ ツアー は 、 五 日 から の メルセデス ・ チャンピオンシップ で 開幕 する 。 昨季 、 2 年 連続 賞金 王 と なった ニック ・ プライス を はじめ 、 アーニー ・ エルス 、 ホセマリア ・ オラサバル 、 グレグ ・ ノーマン 、 マーク ・ マッカンバー ら を 中心 に した 戦い が 予想 さ れる 。 三十七 歳 の プライス は 昨年 七 月 の 全 英 オープン 、 八 月 の 全 米 プロ と メジャー 2 連勝 。 19 試合 で 十 位 以内 が 8 試合 、 うち 優勝 が 5 試合 と 「 プライス 時代 到来 」 を 印象づけた 。 平均 ストローク は 三 位 だった が 、 正確 性 と 安定 感 は 傑出 して いる 。 今季 も 好調 を 持続 し そうだ 。 二十五 歳 の エルス 、 二十八 歳 の オラサバル と 、 伸び盛り の 2 人 に も 注目 。 190 センチ 、 90 キロ と 恵まれた 体格 の エルス は 力み の ない スイング で 安定 した ショット を 放つ 。 3 人 に よる プレーオフ を 制した 六 月 の 全 米 オープン で 見せた 集中 力 は 見事だった 。 オラサバル も 四 月 の マスターズ が メジャー 初 優勝 。 メジャー 大会 で の プレー ぶり が 楽しみだ 。 打倒 プライス を 最も 意識 して いる の が ノーマン 。 九〇 年 以来 3 度 目 の 賞金 王 の チャンス だった 昨年 は 約 17万 ドル 差 で 賞金 ランク 二 位 。 平均 ストローク で は 一 位 と なった が 、 賞金 王 を 逃した 悔し さ は 大きい 。 闘志 むき出し の ゴルフ で 王座 奪回 を 狙う 。 故障 から 復帰 した 選手 で は 、 九二 年 マスターズ 覇者 の フレッド ・ カプルス と 若手 の フィル ・ ミケルソン に 期待 が かかる 。 腰痛 で 3 カ月間 戦列 を 離れた カプルス は 八 月 の ビュイック ・ オープン に 優勝 し 、 復活 を アピール 。 今季 は カプルス 本来 の 堅実な ゴルフ が 見 られ そう 。 ミケルソン は 開幕 戦 を 制し ながら 、 三 月 に スキー で 両足 を 骨折 、 不本意な シーズン に 終わった 。 「 大器 の レフティー 」 と 評さ れる 実力 者 だけ に 、 ひと 暴れ し そうだ 。 毎年 期待 を 裏切る メジャー で の 日本 選手 。 国 内 で は 抜群の 強 さ を 誇る 尾崎 将司 が メジャー で どこ まで 通用 する かも 注目 の 的 。 サッカー の インタコンチネンタル 選手 権 が 六 日 から サウジアラビア の 首都 リヤド で 始まる 。 出場 する の は 各 大陸 の チャンピオン 、 日本 、 デンマーク 、 メキシコ 、 アルゼンチン 、 ナイジェリア と 地元 サウジアラビア の 6 カ国 。 加茂 周 監督 率いる 新生 日本 代表 の デビュー 戦 と なる が 、 相手 は いずれ も 強豪 ぞろい 。 一九九八 年 の フランス 大会 で ワールド カップ 初 出場 を 目指す 日本 が 、 世界 を 相手 に どこ まで 通用 する か 。 参加 国 を 2 組 に 分け 、 リーグ 戦 を 実施 。 一 位 同士 が 決勝 、 二 位 同士 で 三 位 決定 戦 を 行う 。 日本 は B 組 で 、 六 日 に ナイジェリア 、 八 日 に アルゼンチン と 対戦 。 時間 は いずれ も 午後 八 時 。 今回 の 日本 の フォーメーション は DF 4 、 MF 5 、 FW 1 か DF 4 、 MF 4 、 FW 2 と なり そうだ 。 4 バック を 採用 する の は 、 J リーグ で 選手 たち が やり 慣れて いる こと に 加え 、 「 3 バック の 場合 、 両 サイド から の アタッカー の 人材 が い ない 」 と いう 理由 。 中盤 に は ディフェンシブ ハーフ を 2 人 置き 、 ゾーン プレス の かなめ に する 。 合宿 に 参加 せ ず 現地 で 合流 の 三浦 は 左 サイド の 攻撃 を 担当 する こと に なる 。 初戦 の ナイジェリア は サッカー の 新興 勢力 、 アフリカ の 中 でも トップ の 力 を 持つ 。 選手 の 大部分 が 欧州 の プロ リーグ で 活躍 、 スピード と パワー を 兼ね備え 、 個々 の 能力 は 高い 。 アルゼンチン は W杯 の 決勝 トーナメント 一 回 戦 で 敗退 した 後 、 パサレラ 監督 が 就任 。 国 内 で プレー する 若手 を 中心 に 大幅に メンバー を 入れ替えた 。 初めて メンバー が 発表 さ れた とき 、 クラブ チーム で すら レギュラー ポジション を 獲得 して い ない 選手 も いて 、 周囲 を 驚かせた と いう 。 注目 は 勝敗 以上 に 試合 の 内容 。 実力 的に 見れば 、 日本 の 苦戦 は 免れ ない 。 ナイジェリア の スピード 、 アルゼンチン の テクニック に 対し 、 加茂 監督 の 掲げる ゾーン プレス が どこ まで 通用 する か 。 プレッシャー を かけて 、 相手 ボール を 奪い 、 攻撃 に 転じる 場面 を 数多く 作り出す こと が できる か だ 。 ブラジル の カルドゾ 新 政権 で スポーツ 特命 相 を 務める “ サッカー の 王様 ” ペレ 氏 が 三 日 、 ブラジリア の 大統領 府 で 正式に 就任 した 。 ペレ 氏 は 「 大臣 を 引き受けた の は 、 私 を 育てて くれた ブラジル に お返し を する ため だ 」 と 述べ 、 二〇〇四 年 オリンピック の リオデジャネイロ へ の 誘致 、 二〇〇六 年 の ワールド カップ サッカー 招致 に 取り組んで いく こと を 明らかに した 。 同国 は 財政 再建 中 と あって 、 ペレ 特命 相 に 任さ れた 国家 予算 は 年間 2300万 ドル 。 新 政権 が ペレ 氏 に 期待 する の は 、 「 世界 的な 知名度 を 生かし 、 スポーツ を 通して 外資 を どんどん 引き込んで もらう 」 こと の ようだ 。 アイスホッケー の 世界 ジュニア 選手 権 B グループ 第 6 日 は 3 日 、 フランス 各地 で 4 試合 を 行い 、 日本 は イタリア を 5 ― 1 で 降して 大会 初 白星 を 挙げ 、 通算 成績 を 1 勝 4 敗 1 分け と した 。 第 七十三 回 全国 高校 サッカー 選手 権 は ベスト 8 が 出そろい 、 五 日 から 後半 戦 に 入る 。 前年 優勝 の 清水 市 商 が 二 回 戦 で 、 準 優勝 の 国見 が 三 回 戦 で 姿 を 消し 、 波乱 含み の 大会 と なって いる 。 8 強 の うち 、 奈良 育英 、 守山 北 、 那覇 西 、 初 出場 の 三本木 農 の 4 チーム が 初 の 準 々 決勝 進出 と なった 。 いずれ も 目立つ 選手 は い ない が 、 粘り強い 守り と 組織 プレー を 心掛け 、 接戦 を もの に して きた 。 準 々 決勝 の 組み合わせ で は 、 帝京 ― 鹿児島 実 が 注目 さ れる 。 帝京 は 高校 総体 準 優勝 、 鹿児島 実 は 同 三 位 と 実力 校 同士 の 対決 。 7 度 目 の 優勝 を 目指す 帝京 は 、 攻守 の まとまり が 良い 。 ボール を 持った 選手 へ の サポート が 速く 、 MF が 第 二 列 から 飛び出す 攻撃 が 強み だ 。 鹿児島 実 は 昨年 、 高校 総体 、 全 日本 ユース で 帝京 に 連敗 。 攻撃 に 決定 力 を 欠いた が 、 今 大会 に 入って FW 平瀬 が 前橋 育英 戦 で 2 点 を 奪う など 安定 感 を 増した 。 昨年 七 月 に 就任 した ブラジル 出身 の カルロス コーチ の 指導 が 実り つつ ある 。 奈良 育英 と 三本木 農 は 、 ともに 勢い が ある 。 強豪 を 連破 した 奈良 育英 の 堅守 を 運動 量 の 豊富な 三本木 農 が どう 切り崩す か が カギ 。 3 試合 で 12 得点 の 大量 点 を 奪った 市立 船橋 は 、 FW 森崎 嘉 を 中心 に 多彩な 攻撃 が 光る 。 宮崎 工 は 2 試合 無 失点 の DF 陣 を 生かし 、 接戦 に 持ち込み たい 。 沖縄 県 勢 と して 初 の 8 強 入り を 果たした 那覇 西 は 、 国見 を 破った 守山 北 に 対し 、 丁寧に ボール を つないで 攻める 自分 たち の リズム を 作れる か 。 四 日 の 社会 人 ラグビー 、 東芝 府中 対 ワールド 戦 の メンバー 表 の うち 、 ワールド の FW 第 三 列 の 選手 名 が 間違って い ました 。 正しく は 徳原 、 羽根田 、 新井 でした 。 お わび して 訂正 し ます 。 荻原 健司 、 次晴 の 双子 の 兄弟 が 初めて ワールドカップ で コンビ を 組んだ 。 前半 の ジャンプ で は 今季 好調 の ノルウェー 勢 を 押しのけて 首位 。 距離 で 巻き返さ れて 三 位 に 終わった もの の 、 王者 ・ 荻原 健 の 復調 と 弟 の 急 成長 を 世界 の 舞台 で 印象づけた 。 荻原 健 の 飛躍 は 1 回 目 86 メートル 、 2 回 目 は 88 メートル と 、 開幕 から 悩んで いた ジャンプ が ようやく 安定 して きた 。 荻原 次 も 84 メートル 、 87 メートル を 飛んで ぴたり と 追随 し 、 ルンベルグ 、 ビーク の ノルウェー A に 距離 の 時間 差 に して 25 秒 を つけて トップ で 折り返した 。 荻原 健 に とって は 、 W杯 の 後半 距離 で 首位 スタート する の は 昨年 三 月 の 札幌 大会 以来 だ 。 通常 の 団体 戦 と 違い 、 2 人 1 組 で 短い 距離 を 交互に 走る 後半 の チーム スプリント 戦 で は ノルウェー の 2 組 に あえなく 逆転 を 許した 。 しかし 、 荻原 健 は 「 兄弟 2 人 で 戦う の が 夢 だった 。 場 内 放送 で 紹介 さ れ 、 ちょっと 照れ が あった 。 ノルウェー が 出て きて 、 これ が 今 の 力 だ と 思う が 、 自分 と して は ジャンプ は 良く なって きて いる 」 と 好 感触 を つかんだ ようだ 。 ジャンプ が 苦手 で これ まで 後れ を 取って きた 次晴 も 「 兄 と 見 間違え られる 人生 を 、 今後 は 送り たく ない 」 と 成長 を アピール 。 今回 、 河野 孝典 、 阿部 雅司 に 代わって A チーム に 抜てき さ れた 。 「 楽しかった 。 成績 は まずまずでしょう 。 W杯 に も もう 慣れて きた 」 と 晴れやかな コメント 。 長びく 不況 を 反映 して か 、 資格 ブーム や 公務 員 志望 者 増 を 背景 と した 、 各種 学校 の CM が 多く なった 。 常盤 貴子 & 西村 和彦 と いう キャスティング で 攻める の は 名古屋 に 本社 を 持つ 東京 アカデミー 。 名古屋 ゆかり の 西脇 唯 を 起用 し 、 大量 オンエア で 知名度 アップ を 狙う 。 片思い の 歌 だ が 目標 を 持つ 人 へ の 応援 歌 に も 。 「 公務 員 」 編 、 「 看護 婦 」 編 「 思い を はせる こと だけ は 自由 」 1 月 18 日 発売 昭和 十四 年 、 太平洋 戦争 の 開戦 を 前 に した 東京 。 中流 家庭 に 起こる さざなみ が 、 静かな 時間 の 流れ の 中 で 淡々と 描か れる 。 新春 恒例 と なった 向田 邦子 シリーズ 「 風 を 聴く 日 」 を 久世 光彦 さん が 今年 も 演出 する 。 新春 の 向田 ドラマ が 始まった の は 一九八五 年 。 「 続けよう と 思って い なかった のに 、 なぜ か 十一 回 目 に なって しまった 。 これ は 年 一 回 の 連続 ドラマ と いう べき かも しれ ない 。 生きて いる 限り 続け たい です ね 」 久世 さん は ラフな ブルゾン の ジャケット に スポーツ シューズ 。 かたとき も たばこ を 離さ ない 。 向田 さん が 亡くなって 以降 、 新しい 脚本 、 小説 は ない ので 、 これ まで の 作品 から ヒント や 雰囲気 を もらい 、 脚本 家 と 相談 して 「 向田 さん が 生きて いたら こういう もの を 書いた であろう 」 と いう 話 を 創作 する こと に なる 。 そこ が 苦労だ 。 「 ストーリー に ついて は 、 いま の ところ 文句 も 来 ない し 、 満足 して もらって いる か な 。 原作 が どこ に ある の か 、 と 聞か れる と 困る けれども 」 「 風 を 聴く 日 」 で は 、 妻 と 娘 たち を 置いて 失跡 し 、 付添 婦 の 世話に なって いる 父親 を 中心 に 話 が 進む 。 「 平穏な 家 を 捨て 境遇 の 違う 女性 と 暮らす 男 」 は 向田 さん が よく 描いた 人物 だ 。 母親 役 の 加藤 治子 はじめ 娘 役 の 田中 裕子 など 「 向田 ファミリー 」 が 毎年 、 顔 を そろえる 。 木造 の 家 の セット 、 戸外 ロケ に 使う 池上 の 本門 寺 まで 毎回 同じだ 。 「 あの 時代 に 設定 する と 、 変え よう が ない 」 らしい 。 八 月 の 向田 さん の 命日 に は 毎年 の ように 雑誌 など で 特集 が 組ま れる 。 多く の 大学 に 向田 研究 会 も できた 。 向田 文学 が 不滅である ばかり で なく 、 新しい ファン すら 生まれて いる 。 久世 さん ら 「 同期 生 」 が 、 テレビ ドラマ の 世界 で 向田 さん を 「 現役 」 に し続けた こと が 人気 を 支えて いる のだ 。 脚本 家 と して ほぼ 頂点 を 極めた 向田 さん が 、 晩年 に なって 小説 を 書き始めた 理由 が 、 久世 さん に は よく わかる 。 「 テレビ の ドラマ は 百 人 ぐらい の チーム で 作る ので 、 自分 の 思い通りに なら ない こと が 多い 。 小説 なら 、 成功 して も 失敗 して も 、 ひっかぶる の は 自分 だけ 。 そういう もの に 向田 さん は あこがれた んでしょう 」 その 思い は 久世 さん 自身 も 同じだ 。 五十 歳 を 過ぎて から 小説 、 エッセー を 書き 、 「 一九三四 年 冬 ―― 乱歩 」 で 山本 周五郎 賞 に 輝いた 。 東大 で 一緒に 同人 誌 を 作って いた 大江 健三郎 さん が 「 おめでとう 」 と 駆け付けて くれた 。 「 昔 、 大江 が あんまり いい 小説 を 書く んで 、 ぼく は 挫折 した んです ね 。 それ から 四十 年 も たって 、 あの ころ の こと が よみがえって きて うれしかった 」 今年 春 に は テレビ 東京 で 「 夫婦 善哉 」 が 放送 さ れる 。 テーマ 曲 は 大江 さん の 長男 光 さん の 曲 だ 。 昨年 は 十二 月 半ば まで テレビ 制作 に かかりっきり だった ので 「 小説 家 」 の ほう が おろそかに なった 。 今年 の 三が日 に は 、 お 雑煮 を 食べたら すぐに 、 のびのび に なって いる 受賞 後 第 一 作 の 執筆 に 取りかかった 。 アジア の 優れた ドラマ 、 ドキュメンタリー を 集めた 第 三 回 「 アジア テレビ 映像 祭 」 が 七 日 午前 十 時 から 福岡 市 の NHK 福岡 放送 局 で 開か れる 。 当日 は 中国 、 インド 、 ネパール など 九 カ国 三十八 本 の 参加 作品 の 中 から 日本 の 三 作品 、 海外 の 四 作品 が 発表 さ れ 、 グランプリ が 選ば れる 。 特に 注目 さ れる の が インド の ダスグプタ 監督 の 「 鳥 よ はばたけ 」 。 森 に すむ 小鳥 を 捕って 売って きた 男 が 、 商売 に 嫌気 が さす と いう ドラマ で 、 ベルリン 映画 祭 で 銀賞 を 獲得 。 日本 作品 で は 、 出産 の ため 困難な 山 行き を する 若い 妊婦 を 追った NHK クリエイティブ 「 黄土 の 民 は いま ―― 中国 革命 の 地 ・ 延安 」 など が 優秀 賞 の 候補 に あがって いる 。 中央 アルプス ・ 千畳敷 カール で 四 日 午前 、 下山 中 の 東京 都 の 登山 者 二 パーティー ・ 六 人 が 雪崩 に 巻き込ま れた と み られる 事故 は 、 好天 時 に は 観光 客 で にぎわう ロープウエー 駅 周辺 を 暗転 さ せた 。 気温 の 上昇 で 年 末 から なだれ 注意 報 が 発令 中 だった 。 この 日 の 同 カール 周辺 は 、 積雪 は 通常 の 年 の 半分 の 約 一 メートル だ が 、 強風 が 吹き 、 ガス が 発生 して 視界 は 一 メートル 程度 。 雪崩 の 発生 当時 、 ホテル 千畳敷 に いた 埼玉 県 大宮 市 の 自営 業 、 小山 進 さん は 、 駒ケ根 署 の 調べ に 対し 「 午前 十一 時 ごろ 、 窓 の 外 を 見る と 二百 メートル 先 に 六 人 が 下りて くる の が 見えた 。 十一 時 十 分 ごろ 、 雪煙 が 出て きて 、 六 人 の 姿 が 見え なく なった 」 と 一瞬 の 事故 の 様子 を 生々しく 語った 。 長野 地方 気象 台 に よる と 、 同 カール の ある 長野 県 南部 に は 先月 三十一 日 から 、 北 中部 に は 同 十六 日 から なだれ 注意 報 が 発令 さ れて いた が 、 「 野良黒 山 の 会 」 の メンバー で 、 仕事 の 都合 で 一 日 早く 下山 し 無事だった 同県 佐久 市 岩村田 、 会社 員 、 星野 倫紀 さん は 「 注意 報 が 出て いる の は 知ら なかった 。 冬山 は 初めて だ が 、 リーダー の 木場 さん が ベテラン な ので 心配 は して い なかった 。 雪崩 が 起きる と は 夢にも 思わ なかった 」 と 話して いる 。 気象 台 で は マスコミ の 天気 予報 や 地元 の 登山 関係 者 を 通じて 、 登山 客 に 天気 情報 を 知らせる ように して いる が 、 登山 の 判断 は 当事 者 次第 と いう 。 ロープウエー を 運行 して いる 中央 アルプス 観光 索道 事業 所 の 水上 晃 営業 係長 は 「 気温 も 平均 で 氷点下 一六 度 くらい に は なる のに きょう は 氷点下 三 度 しか ない 。 雪崩 は 登山 道 の 上 の 雪 が 崩れて きた ようだ 」 と 通常 より 暖かい 天気 であった こと を 強調 して いた 。 行方 不明 と なった 松井 登 さん は 登山 歴 三十 年 、 ガイド 歴 二十 年 の ベテラン 。 山岳 ガイド 約 三十 人 が 所属 する 日本 アルパイン 協会 に 属して いた 。 遭難 した と み られる 六 人 の 家族 や 知人 は 少ない 情報 の 中 で 安否 を 気遣った 。 「 野良黒 山 の 会 」 の リーダー 、 木場 将弘 さん 方 で は 、 妻 の 和枝 さん ら が 現地 と 電話 の やり取り を 続けた 。 ニュース を 見て 駆けつけた 近所 の 主婦 は 「 木場 さん は 海外 に も 行って いる 登山 の ベテラン 。 きっと 無事で いて くれる はず 」 と 話して いた 。 豊島 区 千川 の アパート に 一 人 暮らし の 会社 員 、 渡辺 美智子 さん の 兄 謙二 さん は 「 妹 は 五 日 まで 休暇 を とって いた 。 ハイキング 程度 だ と 思って いた のに 」 と 話した 。 山 の 会 の 会員 で 今回 の パーティー に は 参加 し なかった 会社 員 、 林 利雄 さん に よる と 、 同 会 は 三十五 年 続いて いる 登山 愛好 家 の サークル で 、 メンバー は 約 二十五 人 。 連絡 先 は 木場 さん 方 で 、 木場 さん ら は 二 日 早朝 に 高速 バス で 東京 から 現地 入り 。 二 、 三 日 と 宝剣 山荘 に 宿泊 し 、 四 日 に 下山 する 予定 だった 。 林 さん は 「 五 人 の うち 駒ケ岳 が 初めて だった の は 渡辺 さん だけ で 木場 さん は 経験 が 豊富 。 我々 と して は まだ 希望 は 捨てて い ない 。 はっきり した 情報 が 入ら ない ので 今晩 、 会員 を 集めて 現地 に 行き 、 明日 から 捜索 に 加わり たい 」 と 語った 。 山岳 ガイド の 多摩 市 貝取 の 松井 登 さん と 一緒 だった と み られる 中沢 静子 さん は 中野 区 若宮 の アパート に 一 人 暮らし 。 近所 の 人 は 「 彼女 は 登山 歴 が 十 年 以上 あり 、 昨年 夏 は ヨーロッパ アルプス に も 行って いた 。 いつも 帰り の バス まで スケジュール 通り の 時間 に 乗る ほど きっちり した 人 な のに 」 と 話して いた 。 毎日 新聞 社 と ぼけ 予防 協会 の 電話 相談 「 ぼけ 110 番 」 は 、 今週 は 五 日 のみ 。 午前 十 時 から 午後 三 時 まで 受け付け ます 。 電話 は 03・3215・1166 。 サリン 残留 物 と 同一 化合 物 が 検出 さ れた 山梨 県 上九一色 村 に 道場 を 持つ 宗教 団体 「 オウム 真理 教 」 の 信者 十八 人 が 四 日 、 サリン など の 毒 ガス を 噴射 さ れた と して 、 道場 近く の 工場 経営 者 を 殺人 未遂 罪 で 甲府 地検 に 告訴 した 。 長野 県 松本 市 の 「 サリン 事件 」 直後 の 昨年 七 月 、 同村 で は 異臭 騒ぎ が 起き 、 住民 ら が 「 異臭 は オウム の 施設 から 流れて きた 」 と 指摘 して いた 。 オウム 真理 教 側 の 記者 会見 や 告訴 状 に よる と 、 工場 経営 者 は 昨年 三 月 ごろ から 十二 月 に かけ 、 道場 に 向けて 、 サリン など の 神経 ガス を 噴射 、 信者 に 対して 中毒 症 を 負わ せた と いう もの 。 告訴 さ れた 工場 経営 者 は 「 地区 で オウム と の いざこざ が あった こと は 確かだ が 、 告訴 さ れた 理由 は まったく 見当 が つか ない 。 私 が 名指し に さ れた 理由 も 分から ない 」 と 話して いる 。 「 腎臓 譲り ます 」 と いう 張り紙 が 大阪 市 内 の 電柱 など で 相次ぎ 見つかって いる 。 「 臓器 が 高く 売れる 」 と の 誤った 情報 が 独り歩き し 、 張った 側 は 金もうけ の 手段 に しよう と して いる らしい 。 国 内 で は 血縁 者 や 夫婦 など 以外 の 生体 移植 は 手術 が でき ない の が 現状 で 、 患者 団体 は 「 倫理 上 、 重大な 問題 」 と 反発 して いる 。 関係 者 に よる と 、 この 種 の 張り紙 は 昨年 十二 月 中旬 ごろ から 、 大阪 市 南部 の 電柱 など に 多く 出始めた 。 毎日 新聞 記者 が 、 記載 さ れた 携帯 電話 の 番号 に 連絡 、 指定 さ れた 場所 で 、 張り紙 を した 男性 と 会った 。 「 五十 歳 の 会社 員 」 と いう この 男性 は 「 三百 枚 ぐらい 張って 、 これ まで 十 人 から 連絡 が あり 、 三 人 と 会った が 、 具体 的な 進展 は ない 」 と 説明 した 。 また 、 同様の 張り紙 を して いる 別の 男性 に 話 を 聞く ため 、 連絡 先 の 携帯 電話 に かける と 「 譲る の は 私 の 腎臓 だ が 、 詳しい こと は 言え ない 」 と 面会 を 拒否 した 。 腎臓 移植 を 受けた 患者 たち で つくる 団体 「 日本 移植 者 協議 会 」 の 大久保 通方 会長 は 「 心ない 張り紙 。 死亡 後 の 腎臓 提供 を 募る 腎臓 バンク など の 活動 まで 誤解 さ れる 恐れ が ある 」 と 話して いる 。 四 日 午前 六 時 三十五 分 ごろ 、 宮城 県 ・ 金華 山 の 東 約 九百 キロ の 太平洋 で 、 キプロス 船籍 の 貨物 船 「 フリオ ・ キリー 」 から 「 浸水 した 」 と の 連絡 が 第 二 管区 海上 保安 本部 に あった 。 船長 ら 乗組員 二十七 人 は 同船 を 放棄 し 、 近く を 航行 中 の リベリア 船籍 の 貨物 船 に 十 人 が 乗り移った が 、 二 人 は 海中 に 転落 し 行方 不明 。 残る 十五 人 は 救命 いかだ で 漂流 して いる 。 巡視 船 「 まつしま 」 が 救助 の ため 現場 へ 向かって いる が 、 現場 海域 は シケ 模様 で 、 船員 の 国籍 など は 調査 中 。 不妊 に 悩んだ 日本 人 夫婦 の 依頼 に 応じ 、 米 サンフランシスコ の 太平洋 不妊 医療 センター が 別の 日本 人 男 女 の 精子 と 卵子 を 体 外 受精 さ せ 、 白人 の 代理 母 の 子宮 に 受精 卵 を 移し 、 妊娠 した こと が 三 日 、 明らかに なった 。 日本 人 夫婦 が 体 外 受精 に よって 全く 血縁 関係 の ない 赤ちゃん を 持つ の は これ まで 確認 さ れた こと は なく 、 初 の ケース と なる 。 日本 国 内 で は 体 外 受精 は 夫婦 間 で のみ 認め られ 、 代理 母 に よる 出産 も 認め られて い ない 。 この ため 、 不妊 に 悩む 日本 人 夫婦 が 米国 の 病院 で 精子 、 卵子 いずれ か の 提供 を 受け 、 代理 母 に 出産 を 依頼 し 、 子供 を 持つ ケース が 増えて いる 。 しかし 、 精子 、 卵子 ともに 提供 を 受けた 例 は これ まで なかった 。 関係 者 に よる と 、 依頼 した の は 日本 国 内 に 住む 四十 代 の 夫婦 。 夫 は 精子 検査 で 妊娠 の 可能 性 が 極めて 低い と 診断 さ れ 、 妻 は 病気 に より 子宮 を 失った 。 夫婦 は 出生 地 の カリフォルニア 州 内 で 出生 証明 書 を 得て 代理 母 から 赤ちゃん を 譲り受け 、 日本 に 帰国 、 国 内 で 戸籍 を 取る と いう 。 五 日 午前 零 時 三十七 分 ごろ 、 東北 地方 を 中心 に 地震 が あった 。 気象 庁 の 観測 に よる と 、 震源 地 は 宮城 県 沖 で 震源 の 深 さ は 九〇 キロ 。 各地 の 震度 は 次の 通り 。 東京 都 日野 市 旭が丘 の 団地 「 シティー ハイツ 日野 旭が丘 」 内 の 公園 に 、 年賀 状 など 約 千二百 枚 が 捨て られて いた こと が 四 日 、 分かった 。 いったん 配ら れた 後 、 郵便 受け から 取り出して 捨て られた と み られ 、 多摩 郵政 監察 室 は 悪質な いたずら と して 調査 して いる 。 同 監察 室 と 日野 署 に よる と 、 二 日 午後 三 時 ごろ 、 日野 署 に 「 公園 に 年賀 状 が 置いて ある 」 と 通報 が あった 。 調べた ところ 、 団地 の 約 十 世帯 分 の 年賀 状 など が 公園 内 の 滑り台 の 上 など に 放置 して あった 。 配ら れた 時 と 同じく 、 世帯 ごと に 輪 ゴム で 閉じた 状態 だった 。 配達 は 一 日 に アルバイト の 高校 生 二 人 が 担当 。 被害 に 遭った 十 世帯 以外 に は 届いて いる こと から 、 いったん 配達 さ れた 年賀 状 を 取り出して 捨てた と み られる 。 捨て られて いた 年賀 状 は 、 汚れ など が なかった ため 、 二 日 中 に 再び 配ら れた 。 日野 郵便 局 に は 、 ほか に も 計 約 三百 枚 の 年賀 状 が 届いて い ない と いう 連絡 が あり 、 関連 を 調べて いる 。 警視 庁 が 新聞 に 「 消防 官 緊急 採用 」 の 広告 を 出した 。 資格 「 年齢 17 歳 以上 40 歳 未満 」 。 試験 は 毎月 1 、 5 、 7 、 9 、 13 、 16 、 17 、 20 、 24 、 27 、 29 日 。 連日 と いって いい 。 新聞 は 「 損害 軽微 」 と 書いて いる が 、 空襲 の 現実 は 違う 。 人々 は お 祝い の 「 お年玉 」 と ひっかけて 「 おとし 弾 」 と 呼んだ 。 「 車 いす で 歯科 衛生 士 の 仕事 は 無理 」 など と して 今月 十九 日 限り の 解雇 を 通知 さ れ 、 現在 欠勤 扱い と なって いる 横浜 市 港北 区 、 同 市 学校 保健 会 職員 、 徳見 康子 さん が 四 日 、 「 障害 が あって も 工夫 して 仕事 を 続け られる 。 解雇 は 障害 者 の 勤労 の 権利 を 奪う 差別 だ 」 と 訴え 、 解雇 撤回 を 求め 同 市 中 区 の 市 庁舎 へ 車 いす で 「 自主 出勤 」 を 始めた 。 市 教委 学校 保健 課 の 来客 席 で 署名 を 整理 したり 市 職員 に 支援 を 訴える など の 「 勤務 」 ぶり に 、 同 課 は 「 抗議 に 来て いる と 理解 して いる が 、 解雇 は 撤回 でき ない 」 と 話して いる 。 市 学校 保健 会 は 、 学校 に 対して 児童 ・ 生徒 の 健康 指導 を 行う 市 の 外郭 団体 。 事務 局 を 同 課 に 置き 、 小 中学校 を 巡回 指導 する 歯科 衛生 士 八 人 を 職員 と して 雇って いる 。 徳見 さん は 一九六七 年 に 就職 し 、 せき髄 の 細く なる 病気 の ため 八八 年 から 休職 。 九一 年 二 月 、 転倒 事故 で 介助 者 の 必要な 車 いす 生活 と なった 。 同 会 は 休職 期限 の 切れた 九二 年 四 月 以降 、 徳見 さん を 欠勤 扱い に した が 、 「 徳見 さん の 健康 状態 で は 単独 で の 職務 遂行 は 無理 」 と 解雇 を 決定 し 先月 二十 日 、 通知 した 。 徳見 さん は この 日 午前 九 時 前 に 同 課長 を 兼ねる 佐藤 寿 ・ 市 学校 保健 会 常務 理事 を 訪れ 、 「 補助 具 など の 工夫 で 仕事 は できる 。 介助 者 を 自分 で 確保 し 、 通勤 や 市 内 の 移動 も 可能 」 と 解雇 の 再考 を 求めた 。 佐藤 理事 は 「 車 いす で は 児童 ・ 生徒 の 身長 に 合わせ 立ったり 座ったり して 口 の 中 を 調べる 仕事 は 無理 。 また 、 現状 で は 自力 通勤 が 原則 で 介助 者 付き の 勤務 は 認め られ ない 」 と 答えた 。 徳見 さん は 就業 時間 中 の 「 自主 出勤 」 を 続け 、 解雇 撤回 を 求め 裁判 に 訴える こと も 検討 して いる 。 労働 省 障害 者 雇用 対策 課 に よる と 、 通勤 を 容易に する 援助 者 に ついて は 、 民間 の 事業 主 に 助成 金 を 出す 法 改正 が 昨年 十 月 に 行わ れた と いう 。 社会 福祉 に 詳しい 加藤 彰彦 ・ 横浜 市 大 文理 学部 助教授 は 「 視覚 障害 など 業務 が 不可能な 事情 が ある なら ともかく 、 障害 者 本人 に 意欲 が あれば 、 工夫 を して 労働 を 保障 する べきだ 。 いじめ も 見 られる 学校 で 、 障害 者 が 働く こと で 得 られる 教育 的 意義 は 大きい ので は ない か 」 と 話して いる 。 四 日 午前 十一 時 ごろ 、 茨城 県 水海道 市 諏訪 町 、 保険 代理 店 業 、 秋山 一衛 さん 方 土蔵 二 階 に あった 掛け軸 や 大皿 が なくなって いる の を 秋山 さん が 発見 、 水海道 署 に 届け出た 。 調べ で は 、 被害 は 渡辺 崋山 作 「 仙人 」 など の 掛け軸 約 四十 本 と 、 大皿 二 枚 。 土蔵 入り口 など の かぎ の かけ金 が カッター の ような もの で 切断 さ れて いた 。 秋山 さん が 大掃除 を した 先月 三十一 日 午後 四 時 半 ごろ から 発見 時刻 まで の 間 に 、 盗ま れた らしい 。 美術 品 は 秋山 さん が 先祖 代々 受け継いで きた もの だった 。 実績 ない 画廊 から 6億 円 余 東京 都 が 三 月 に 開館 予定 の 都 現代 美術 館 用 に 集めた 総額 六十四億二千万 円 余 の 作品 購入 契約 書 が 四 日 、 判明 した 。 それ に よる と 、 取引 額 トップ の 画廊 は 、 海外 の 現代 美術 の 実績 が なく 、 会社 登記 も 都 と の 最初 の 契約 後 だった 。 都 は 当初 から 作品 リスト の 公開 を 渋り 、 都民 の 批判 を 浴びる と 五千万 円 以上 の もの だけ を 議会 に 公表 、 不明朗 さ が 指摘 さ れて いた 。 毎日 新聞 が 入手 した 「 全 作品 購入 契約 書 」 に は 五千万 未満 の 作品 も すべて 含ま れ 、 絵画 購入 の 全容 が 浮かんだ 。 契約 書 に よる と 、 最高 取引先 は 全体 の 一 割 以上 、 総額 六億六千四百万 円 の 作品 を 納入 した 「 細見 画廊 」 。 もともと 古美術 の 個人 商店 で 、 海外 の 現代 美術 取引 そのもの が 初めて だった 。 都 と 最初に 売買 契約 を 結んだ の は 一九九二 年 二 月 十二 日 。 約 二億 円 の 絵画 で 、 契約 書 に は 「 株式 会社 細見 画廊 」 と 記さ れて いる 。 しかし 、 同社 の 設立 登記 は 二 日 後 の 十四 日 だった 。 商法 は 「 会社 の 成立 前 、 会社 名義 を もって 営業 を なし たる 者 」 を 「 過料 に 処す 」 と 罰則 を 定めて いる が 、 都 は 「 調査 不足 」 を 認める 一方 、 「 事務 上 の チェック ミス 」 と 釈明 、 契約 の 見直し は し ない と いう 。 前田 重行 ・ 法政大 教授 は 「 登記 前 の 会社 は 法人 格 が ない 。 発起人 も 設立 後 の 営業 行為 まで 契約 する 権限 は なく 、 会社 に 効力 は 生じ ない 。 都 が 契約 を 認めた の に は 疑問 が 残る 」 と 指摘 する 。 都 現代 美術 館 の 収集 活動 は 八九 年 から 約 六 年 に わたり 、 同社 は 終盤 の 一 年 余り で 、 次々 と 契約 を 結んだ 。 細見 画廊 の 実質 的 経営 者 、 細見 良行 氏 は 「 日本 へ 現代 美術 を 売る 窓口 を 探して いた 米国 の ディーラー と 出会った 結果 」 と 幸運 を 強調 する 。 だが 、 細見 氏 に は 都 の 内部 資料 の 「 年代 別 購入 予定 作家 一覧 」 が 渡って いた 。 都 側 は 「 外 に 出した 覚え は ない 」 と いう が 、 細見 画廊 の 取引 に 関与 した 美術 品 ディーラー は 「 都 の 学芸 員 から もらった 」 と 証言 。 九州 の 画廊 経営 者 は 「 細見 さん が 一覧 を 持って いる と 知り 、 学芸 員 に 求めた が 断ら れた 」 と 批判 する 。 細見 氏 は 「 意味 が ない 。 あれ を もらわ なかった から 商売 でき なかった と 言う 人 の 方 が おかしい 」 と 所有 を 否定 し ない 。 会社 登記 前 の 契約 も 不透明な 取引 は ほか に も 指摘 さ れて いる 。 一昨年 四 月 十二 日 。 東京 ・ 上野 の 都 美術 館 で 、 作品 の 真贋 や 収集 する か どう か を 判断 する 現代 美術 館 の 美術 資料 収集 委員 会 が 開か れた 。 地下 収蔵 庫 に 、 米国 抽象 表現 主義 の 代表 的 存在 、 ジャクソン ・ ポロック の 作品 「 25 A 」 が 厳重に こん包 さ れて 運び込ま れた 。 都 内 の 画廊 「 新生 堂 」 経営 、 畑中 昭彦 氏 ら が 、 所有 者 の 飛島 建設 倉庫 から 移した 。 「 25 A 」 と 、 米国 ポップ ・ アート の ロイ ・ リキテンスタイン の 「 アロハ 」 が 議題 と なった 。 「 アロハ 」 は 九億五千万 円 で 細見 画廊 、 「 25 A 」 は 十五億 円 で 新生 堂 から 提示 さ れた 。 最終 的に 十三億八千万 円 で 「 25 A 」 だけ の 購入 が 決まった 。 ところが 翌日 、 「 新生 堂 は 細見 画廊 の ダミー 」 など と いう 「 怪 文書 」 が 収集 委員 ら に 出回った 。 都 は 調査 の 結果 、 購入 見送り を 決めた 。 当時 は ゼネコン 事件 の 最中 で 、 「 飛島 建設 が 『 都 に 迷惑 を かける 』 と 契約 を 辞退 して きた ため 」 と 収集 委員 に 理由 が 説明 さ れた 。 しかし 筒場 俊彦 ・ 飛島 建設 広報 部長 は 「 都 が 断って きた 」 と 言い 、 畑中 氏 も 「 都 から 『 怪 文書 が 出た ので 、 そちら から 取り下げて 』 と 連絡 を もらい 、 言わ れる まま に 一筆 書いて 出した 」 と 証言 する 。 作品 の 調査 ・ 収集 に あたる 学芸 員 の 一 人 は 「 細見 画廊 は この 一 カ月 前 に 一億九千万 円 余 の 作品 を 契約 した ばかり 。 二 点 の 大作 が 、 両方 と も 細見 だ と 問題 に なる 。 私 たち は この ダミー を 知っていた 」 と 証言 する 。 別の 学芸 員 は 「 当時 、 こんなに 特定の 画廊 から 買う の は とんでもない と 議論 に なった 」 と 話す 。 畑中 氏 も 「 だれ の ダミー か は 分から ない が 、 確かに ダミー だった 。 成功 報酬 を 期待 した が 運び 屋 に 終わった 」 と 認めた 。 学芸 員 が 語る 。 「 九二 年 春 まで 、 学芸 員 の 管理 職 も おら ず 、 私 たち 三十 代 前半 の 人間 が 七十五億 円 の 基金 を 背負わ さ れた 。 学芸 員 が 各自 バラバラ に やって おり 、 チェック 機能 も なかった 」 地方 自治 体 の 文化 行政 の 一 つ と して 、 公立 美術 館 造り が 各地 で 盛んだ 。 しかし 、 自治 体 の 甘 さ に 付け込んだ 美術 品 の 売り込み や 取引 に は 不透明 さ も つきまとう 。 建設 費 四百四十億 円 、 作品 収集 基金 七十五億 円 と 巨額な 税金 を 投じ 、 間もなく 開館 する 東京 都 現代 美術 館 の ケース に も 影 を 落とす 。 地方 自治 に 関する ご 意見 、 情報 を お 寄せ 下さい 。 ファクス は 03・3212・0637 。 服部 経治 ・ 関西 国際 空港 会社 社長 は 四 日 、 滑走 路 を さらに 二 本 増やす 関西 国際 空港 の 全体 構想 に ついて 、 埋め立て 造成 を 国 と 地方 自治 体 が 担当 、 施設 整備 を 関空 会社 が 行う 上 下 分離 方式 案 を 支持 する 考え を 明らかに した 。 大阪 新年 互礼会 の 会場 で 記者 の 質問 に 答えた 。 元 運輸 次官 の 服部 社長 が 踏み込んだ 発言 を した こと で 、 この 夏 に 骨格 が まとまる 第 七 次 空港 整備 五 カ年 計画 で の 有力 案 に なる と み られる 。 服部 社長 は 「 一期 工事 と 同じ 従来 の 株式 会社 方式 で は 、 二 期 工事 は 難しい 。 運輸 省 が 、 国 と 地方 自治 体 が 事業 主体 に なって 埋め立て 造成 する 案 を まとめて いる 。 施設 の 建設 は 関空 会社 が 担当 する 。 実現可能な 案 は これ しか ない 」 と 語った 。 さらに 関西 財界 に 対して 「 運輸 省 や 関空 会社 が ボール を 投げた 。 関西 が 一枚岩 に なれば 、 必ず まとまる 。 大阪 を 信じて いる 」 と 上 下 分離 方式 を 中心 に 地元 案 を とりまとめる べきだ と 述べた 。 佐治 博夫 ・ 京都 府 赤十字 血液 センター 研究 部長 ら は 、 白血 病 など の 治療 に 有効な 骨髄 移植 の 前提 と なる 患者 と ドナー の 適合 性 検査 の 新しい 方法 を 開発 した 。 新 検査 法 は DNA を 直接 調べる もの で 、 必要 時間 や 費用 が 従来 より 少なく 済み 、 移植 成功 率 の 向上 に つながる と 期待 さ れる 。 骨髄 移植 は 患者 と ドナー の 白血球 の 型 が 適合 して いる こと を 確かめた うえ で 実施 さ れる 。 HLA に は A 、 B 、 C 、 DR 、 DQ 、 DP など の 型 が ある 。 これ が 個人 ごと に 無数に 近い 組み合わせ が あり 、 適合 検査 を 難しく して いる 。 従来 は 二 段階 の HLA 型 検査 で 適合 する と 三 次 検査 で 患者 と ドナー の リンパ球 を 混ぜ合わせて 反応 を 調べる 検査 を 行って いる 。 しかし 、 検査 に 十 日 ほど かかる うえ 患者 の 病気 や 治療 の 影響 から 適合 性 を 必ずしも 確実に 判定 でき なかった 。 厚生 省 と 骨髄 移植 推進 財団 は 九四 年 七 月 から 三 次 検査 に MLC より 精度 の 高い 「 DNA タイピング 」 と いう 方法 も 導入 した が 、 一 % 程度 の 誤り は 避け られ ない と いう 。 新 検査 法 は 、 HLA の 全 領域 の 検査 が 可能 。 方法 は まず ドナー と 患者 の HLA の DNA を 一緒に 増やして 加熱 処理 など を 加える 。 ドナー と 患者 の DNA が 結び付く など した もの を 電気泳動 装置 に かけ 、 DNA の 帯状 模様 を 描き出す 。 一方 、 同様の 作業 を 患者 の DNA だけ に も 行い 、 HLA の 型 が 両者 同じ なら 、 模様 も 同じ もの に なる 。 検査 は 一 、 二 日間 で 可能 。 DNA の 塩基 配列 の わずかな 違い も 、 模様 の 違い から 検出 できる 。 実際 に 、 同 センター で 行った DNA タイピング 検査 の 誤り を 、 六十 組 中 二 例 見つけた と いう 。 佐治 部長 は 「 三 次 検査 の 段階 で 新しい 検査 法 を 導入 すれば 、 適合 性 検査 の 精度 も 上がり 、 移植 の 成功 率 も 向上 する はず 。 費用 も 、 MLC は 実費 で 三万 円 ほど かかる が 、 半分 以下 で できる 」 と 話して いる 。 シベリア 抑留 の 厳しい 体験 を 描いた 日本 人 画家 の 作品 が 戦後 五十 年 の 今年 六 月 、 モスクワ で 初めて 公開 さ れる 。 抑留 の 記録 を 掘り起こして いる 全国 強制 抑留 者 協会 は 「 作品 は 悲しい 現実 を 伝えて いる 。 日 露 の 新 時代 を 築く ため 、 両 国 の 人 は 、 過去 の 悲惨な 歴史 に 目 を 向けて ほしい 」 と して いる 。 抑留 画 展 を 開く の は 奈良 県 大和高田 市 の アマチュア 画家 、 吉田 勇 さん 。 吉田 さん は 一九四四 年 、 召集 で 旧 満州 に 渡り 、 終戦 と 同時に 旧 ソ連 軍 に よって シベリア に 連行 さ れた 。 四七 年 七 月 の 帰還 まで 強制 労働 に 従事 。 戦後 、 映画 館 経営 の かたわら 、 独学 で 絵 の 勉強 を 続け 、 極寒 の 厳しい 抑留 生活 や 強制 労働 を 描いた 絵画 ばかり 二百数十 点 を 完成 さ せて いる 。 九二 年 秋 から 、 ウラジオストク など 極東 三 都市 で 展覧 会 を 開き 、 反響 を 呼んだ 。 昨年 十 月 、 全国 強制 抑留 者 協会 に 招か れ 来 日 した ロシア 科学 アカデミー 東洋 学 研究 所 国際 協力 部長 の アレクセイ ・ キリチェンコ さん が 吉田 さん を 訪ね 、 「 真実 を 語る 絵 」 と 称賛 。 元 KGB 大佐 の キリチェンコ さん は 「 旧 ソ連 で は 、 シベリア 抑留 の 事実 は 知ら さ れ なかった 。 首都 モスクワ で こそ 展覧 会 を 」 と 提案 し 、 六 月 中旬 に 二 週間 の 開催 が 固まった 。 シベリア 抑留 を テーマ に した 作品 制作 が ライフワーク と いう 吉田 さん は 「 望郷 の 思い に 胸 を 焦がし ながら 、 多く の 仲間 が 飢え や 寒 さ に 倒れて いった 。 彼ら の 鎮魂 と 平和 の 願い を 込めて 、 絵筆 を 持ってきた 。 ロシア の 人 に も 、 日本 の 人 に も 、 平和 の 重み を 知って ほしい 」 と 話して いる 。 四 日 午前 七 時 十 分 ごろ 、 関西 国際 空港 国際 線 南 ウイング で 、 ターミナル ビル 本館 と ウイング を 結ぶ 無人 運転 の 新 交通 システム 「 ウイング シャトル 」 が 、 本館 に 到着 した ところ で 突然 停止 。 扉 が 開か ず 、 到着 客 約 百五十 人 は 約 十五 分間 、 缶詰め 状態 に なった 。 緊急 用 の 遠隔 操作 も きか ず 、 係員 が 非常 扉 から 外 に 誘導 した 。 運行 を 管理 する 関西 国際 空港 会社 は 、 ウイング シャトル が 所定 の 停止 位置 より 手前 に 止まった ため 、 扉 が 開か なく なった うえ 、 乗客 が 非常 扉 を 開けた ため 通電 が 止まり 、 遠隔 操作 が きか なかった 二 重 の トラブル が 原因 と みて いる 。 開港 後 、 ウイング シャトル 自体 の トラブル で 停止 する の は 初めて 。 毎年 いただいて いる カンボジア 女性 から の 年賀 状 に は 、 文面 の 最後に いつも 同じ ことば が 添え られて い ます 。 外電 に よる と 現地 で は 、 間もなく 非合法 化 さ れる 反 政府 勢力 の ポル・ポト派 に よる 事件 が 急増 して いる と の こと 。 年頭 の あいさつ に 込め られた 祈り が 実現 する 日 の 近い こと を 。 松山 市 の 主婦 の 読者 は 新聞 と 折り紙 で 作った 絵馬 付き で 「 勇気 ある 新聞 作り を 」 。 「 新聞 は 自信 を 持って 大胆な 主張 を して ほしい 」 は 神戸 市 の 男性 読者 。 先輩 記者 から も 「 躍動 する 紙面 を 」 と 。 混迷 の 時代 。 その分 、 新聞 へ の 期待 が 大きい と 。 平安 貴族 の 遊び を 伝える 伝統 行事 「 蹴鞠 始め 」 が 四 日 、 京都 市 左京 区 の 下鴨 神社 で あった 。 雨 の ため 、 九 年 ぶり に 重文 の 「 橋 殿 」 内 で 奉納 さ れ = 写真 、 見物 客 は 優雅な 足 さばき に 見入った 。 蹴鞠 は 奈良 時代 に 中国 から 伝来 した と さ れ 、 水干 、 烏帽子 装束 の 蹴鞠 保存 会 の 会員 が 六 人 一 組 の 輪 に なり 、 「 やぁ 」 「 ありぃ 」 「 おう 」 の 掛け声 と ともに 、 直径 約 十 センチ の 白い シカ 革 の 鞠 を けり 回した 。 近畿 二 府 四 県 の 昨年 の 年間 平均 気温 が すべて 観測 史上 最高だった こと が 三 日 、 各 気象 台 の 調べ で 分かった 。 気象 庁 が 昨年 末 に 発表 した 全国 平均 値 は 史上 二 位 に とどまって おり 、 昨年 の “ 酷暑 列島 ” の 中 でも 、 近畿 が とりわけ 暑かった こと が 裏付け られた 。 大阪 管区 気象 台 に よる と 、 大阪 の 昨年 の 年間 平均 気温 は 一七・七 度 で 、 一九九〇 年 の 一七・四 度 を 更新 。 一八八三 年 の 観測 開始 以来 、 最高 。 和歌山 と 彦根 は 過去 最高 だった 九〇 年 と 並んだ 。 熊本 県警 熊本 南 署 は 4 日 夜 、 熊本 市 八王寺 町 、 無職 、 西川 直美 容疑 者 を 保護 責任 者 遺棄 致死 の 疑い で 逮捕 した 。 調べ で は 、 西川 容疑 者 の 長女 、 明日香 ちゃん は 先月 中旬 ごろ 高熱 を 出し 、 同 31 日 に は 全く 食べ物 を 受け付け なく なった 。 しかし 、 西川 容疑 者 は 医者 に も みせ ず 、 飲食 物 も 与え ず に 放置 。 この 結果 、 明日香 ちゃん は 2 日 朝 、 自宅 の アパート の 部屋 で 全身 衰弱 に よる 急性 循環 不全 で 死亡 した 。 西川 容疑 者 は 明日香 ちゃん と 2 人 で 暮らして いた 。 3 日 午後 、 西川 容疑 者 が 「 子ども が 死んで いる 」 と 電話 で 熊本 南 署 に 届け出た 。 調べ に 対し 「 食べ させよう と した が 泣いて 食べ ない ため 、 腹 が 立ち 、 めんどうくさく なった 」 と 話して いる と いう 。 高松 市 番 町 5 の 百十四 銀行 専務 、 綾田 修作 さん 宅 で 昨年 11 月 、 妻 智子 さん が 宅配 便 を 装った 男 に 刃物 で 切ら れ 重傷 を 負った 事件 で 、 高松 北 署 は 4 日 、 出頭 して きた 指名 手配 中 の 同 市 太田上 町 、 建設 作業 員 、 李 慶 容疑 者 を 殺人 未遂 容疑 で 逮捕 した 。 調べ で は 、 李 容疑 者 は 中国 国籍 。 事件 翌日 の 昨年 11 月 17 日 、 中国 ・ 上海 に 逃亡 、 先月 24 日 に 日本 に 戻り 、 自宅 など に 隠れて いた と いう 。 五十嵐 広三 官房 長官 は 五 日 、 地元 ・ 旭川 市 で 記者 団 と 懇談 し 、 社会党 の 山花 貞夫 前 委員 長 を 中心 と した 新党 構想 に ついて 「 離党 した 場合 、 除名 処分 に なる だろう 」 と 述べた 。 村山 富市 首相 は 五 日 午前 、 社会党 本部 で 開か れた 同 党 の 旗 開き で あいさつ し 、 「 党 全体 が 一体 と なって 、 国民 の 負託 に 応えて 頑張って 欲しい 」 と 、 党 の 結束 を 強調 。 また 「 久保 亘 書記 長 が 政局 に ついて 話して いる 展望 を 全面 的に 支持 する 」 と 語り 、 民主 主義 ・ リベラル 新党 の 結成 を 目指して 政界 再編 に 臨む こと へ の 理解 を 改めて 求め 、 四 月 の 統一 地方 選挙 に ついて も 党 の 選挙 態勢 整備 を 訴えた 。 神奈川 県 知事 と 東京 都 知事 の 両方 の 候補 と して 取りざた さ れて いる 石原 信雄 内閣 官房 副 長官 に ついて 、 共産党 を 除く 神奈川 県 内 の 政党 で 組織 する 「 知事 選 問題 合同 協議 会 」 は 五 日 、 知事 候補 を 石原 氏 で 一本化 する こと で 基本 的に 合意 した 。 しかし 、 石原 氏 が 都 知事 の 有力 候補 で も ある こと から 、 同 協議 会 は 石原 氏 の 立場 を 考慮 し 、 座長 を 中心 に 水面 下 で 関係 者 と 調整 を 図り ながら 、 十 日 を めど に 石原 氏 擁立 の 可能 性 を 探る 。 次回 の 十六 日 の 会合 で 石原 氏 の 意思 を 尊重 した うえ で 、 正式に 出馬 要請 する か 断念 する か を 決定 する 。 石原 氏 は 東京 、 神奈川 を 問わ ず 知事 選 に 関して は 「 ノー コメント 」 を 繰り返して おり 、 同 協議 会 の 出馬 要請 を 受ける か どう か 微妙 。 長野 県 駒ケ根 市 の 中央 アルプス ・ 木曽 駒ケ岳 付近 の 千畳敷 カール で 四 日 発生 した 雪崩 で 、 東京 都 内 の 二 パーティー 六 人 が 巻き込ま れ 行方 不明に なった 事故 で 、 長野 県警 は 五 日 午前 六 時 四十五 分 から 、 駒ケ根 署員 や 山岳 救助 隊員 約 五十 人 で 捜索 を 再開 。 同 十一 時 前 、 雪崩 下端 から 約 五十 メートル 、 深 さ 三 メートル の 雪 の 下 から 東京 都 多摩 市 貝取 一 、 山岳 ガイド 、 松井 登 さん と 、 同行 して いた 東京 都 中野 区 若宮 一 、 会社 員 、 中沢 静子 さん の 遺体 を 発見 した 。 この 日 の 捜索 は 、 現場 近く の 「 ホテル 千畳敷 」 の 宿泊 者 で 自営 業 、 小山 進 さん が 、 雪崩 に 巻き込ま れる 六 人 を 目撃 した カール 南東 部 の 斜面 を 中心 に 行わ れた 。 雪崩 の 下側 から 上部 に 向け 、 三 班 に 分かれた 署員 が ゾンデ を 雪 の 斜面 に 突き刺し ながら の 懸命な 捜索 。 雪崩 の 中央 部 と み られる 地点 で 、 松井 さん ら 二 人 が 相次いで 見つかった 。 この ため 、 同 署 は 行方 が 分から ない 「 野良黒 山 の 会 」 の 東京 都 墨田 区 押上 三 、 設計 士 、 木場 将弘 さん ら の 四 人 の パーティー も 近く に 埋まって いる と みて いる 。 しかし 、 現場 一帯 は 吹雪 で 視界 も 悪く 、 捜索 は 難航 して いる 。 長野 県警 は 、 今回 の 中央 アルプス ・ 千畳敷 カール で 発生 した 雪崩 の 原因 を 、 三 日 午後 降った 新雪 に よる 表層 雪崩 と みて いる 。 同 県警 は 「 気温 差 、 雪質 の 差 に よって 起きる 表層 雪崩 の 可能 性 が 高い 」 と 分析 して いる 。 「 パソコン で NHK 放送 を 見て も 受信 料 は 必要 。 しかし 、 今後 、 受信 料 制度 の 抜本 的な 見直し が 必要 」 。 マルチメディア パソコン 時代 の NHK 受信 料 に ついて 、 郵政 省 放送 行政 局 が こんな 見解 を まとめた 。 五 日 まで に 同 局 が 作成 した 「 パソコン 画面 上 の テレビ 映像 に ついて 」 で 明らかに なった 。 それ に よる と 、 現行 法令 上 は 受信 契約 が 必要 と して いる 。 ただし 「 受信 の 意思 が なく パソコン を 買った 人 に 受信 契約 義務 が 生じる 現行 制度 の 再 検討 が 必要 」 と 、 直ちに 受信 料 徴収 に 乗り出す わけで は ない こと も 明記 して いる 。 通信 ・ 放送 融合 時代 に NHK 受信 料 の 在り 方 を 同 省 が 初めて 基本 的に 見直す もの で 、 波紋 を 広げ そうだ 。 パソコン で テレビ が 見 られる 「 マルチメディア パソコン 」 は この 一 年 ほど 各 メーカー が 競って 販売 。 チューナー 内蔵 の 本格 派 も 着実に 販売 台 数 を 伸ばして いる 。 例えば 昨年 六 月 から 販売 して いる 富士通 の 内蔵 型 TOWNS 2 の 場合 、 五 カ月間 で 約 一万五千四百 台 を 出荷 した 。 「 爆発 的で は ない が 予想 通り の 伸び 」 と いう 。 こうした 事態 に 、 郵政 省 は マルチメディア パソコン の 受信 料 、 著作 権 分野 に ついて 検討 を 開始 。 放送 行政 局 は ( 1 ) パソコン で 直接 受信 ( 2 ) 企業 内 情報 通信 網 ( LAN ) を 経由 、 NHK 放送 と 同時に 視聴 ( 3 ) ホスト コンピューター に 蓄積 ( 録画 ) し 、 LAN 端末 から 呼び出し 、 視聴 ―― など の ケース に ついて 検討 。 「 パソコン 画面 上 の テレビ 映像 に ついて 」 と 題した 中間 まとめ を 作成 した 。 それ に よる と 、 基本 的に いずれ の 場合 も 受信 料 契約 が 必要 と 判断 した 。 放送 法 三二 条 「 協会 の 放送 を 受信 できる 設備 を 設けた 者 は 受信 契約 が 必要 」 、 同法 施行 規則 五 条 「 受信 設備 は 受信 機 に 連接 する 受話器 、 拡声器 及び 受像 管 を 含む 」 が 根拠 だ 。 「 徴収 が 基本 」 が NHK の 考え 方 しかし 、 同 規則 は 現在 の マルチメディア パソコン を 必ずしも 想定 して い ない 。 さらに パソコン を 買う 人 が 受信 料 まで は 意識 して い ない の が 通常 。 中間 まとめ で は 、 「 端末 レベル で の 通信 ・ 放送 の 融合 化 を 踏まえ 、 NHK の 在り 方 、 受信 料 制度 存続 の 是非 、 財源 の 多様 化 等 を 検討 する 」 こと を 今後 の 課題 と した 。 この 問題 に ついて NHK は 「 一般 家庭 で 複数 台 の 機器 が あって も 一 契約 だ が 、 マルチメディア パソコン に ついて も 受信 料 を もらう と の 考え 方 に 立って いる 」 と し ながら も 「 ただ 出荷 量 も まだ 分から ない 状態 で 、 具体 、 個別 的に 問題 は 起きて い ない 」 と 話して いる 。 ソウル の 正月 は 寒く 、 いつも ひっそり して いる 。 日本 の ような 華やか さ は 見 られ ない 。 韓国 で は すぐ あと に 来る 旧 正月 が 最大 行事 の 一 つ だ から だ 。 日本 の 正月 に あたる の は 、 新 正月 と 言わ れ 「 めでた さ も 中ぐらい なり 」 と いう 雰囲気 である 。 それ でも 元日 、 二 日 は 連休 で 、 都心 部 の 静か さ と は 対照 的に 、 ソウル 近郊 の スキー 場 は 若者 や 家族 連れ で 満員 だった 。 週休 二 日 制 が あまり 普及 して い ない 韓国 で は 貴重な 連休 である こと は 変わり は ない 。 しかし 、 この 新 正月 の 休日 が 縮小 か 廃止 か の 運命 に ある 。 以前 から 「 新 正月 を 休み 、 旧 正月 も 休んで は 、 まったく 仕事 に なら ない 」 と 企業 サイド から 是正 の 要望 が 強かった 。 とくに 今年 は 一 月 三十一 日 が 旧 正月 の 元日 に あたり 、 同じ 月 に 「 二 つ の 正月 」 が 重なる 形 に なった 。 日本 で は 「 盆 と 正月 が 一緒に 来る 」 と よく 言わ れる が 、 今年 は 「 正月 が 一緒に 来る 」 と いう 感じ だ 。 是正 論 の 再燃 は 仕方ない の かも しれ ない 。 韓国 政府 に よる と 最近 、 二十 歳 以上 の 男女 約 千 人 を 対象 に 調査 を した ところ 、 「 正月 の ダブル は 良く ない 」 と 回答 した 人 が 七〇 % に も のぼった 。 そのうち 八〇 % が 「 新 正月 の 縮小 ・ 廃止 を 」 と 答えた と いう 。 政府 は 今後 、 公聴会 で 幅広い 意見 を 聞く 、 と 説明 して いる が 、 来年 から 縮小 ・ 廃止 が 避け られ ない 雲行き だ 。 そこ で 急 浮上 し そうな の が 旧 正月 の 休日 増 だ 。 結構な 話 だ が 、 ある 経済 ジャーナリスト は 「 世界 の 金融 市場 など が 動いて いる 時 に 陰暦 の 正月 だ 、 と いって 何 日間 も 休んで いい の か 。 政府 は 、 口 を 開けば “ 国際 化 ” と 言う が 、 逆行 して いる 」 と 批判 的だ 。 また 毎年 、 旧 正月 の 時期 に 繰り広げ られる 帰省 ラッシュ も 心配だ 。 高速 道路 が 大 混雑 し 、 ふだん 五 時間 程度 の ソウル ― 釜山 間 が 、 十数 時間 かかる こと は ざら 。 新 正月 の 休み が なくなれば 帰省 や レジャー の 車 が 集中 し 、 混雑 に 輪 を かける の は 目 に 見えて いる 。 正月 休み の 「 一 極 集中 」 は 国民 生活 に どういう 影響 を 与える の か 、 もっと 深い 議論 が 必要だろう 。 会社 の 同僚 、 大学 時代 の 友人 から 頼ま れ 、 7 年間 で 20 組 の 司会 を こなした “ セミプロ ” 。 広報 マン だけ あって 、 口 の 達者な こと が 買わ れた らしい 。 最初に 司会 を 引き受けた の は 、 同期 入社 の 友達 の 結婚 式 。 この 式 が 仲間うち の 評判 に なり 、 「 気 が ついたら 雪 ダルマ 式 に 」 依頼 が 舞い込んで きた と いう 。 頼ま れれば イヤ と は 言え ない 性格 だけ に 、 華燭 の 典 へ の 出番 は まだまだ あり そう 。 式 の 時間 配分 を 頭 に 入れ ながら 、 新郎 新婦 へ の “ ひとこと ” を 参加 者 から 引き出して いく 。 式場 の 出席 者 は 互いに 知ら ない 者 同士 。 その 人 たち が なごやかに 笑え 、 カップル を 祝福 できる ような 企画 を 用意 して おく の が コツ と いう 。 一生 に 一 度 の 晴れ 舞台 だけ に 「 いくら 気 を 使って も 使い 過ぎ と いう こと は ない 」 そうだ 。 本人 は 独身 。 で 、 「 25 回 目 の 司会 は 自分 の 式 で し たい です ねえ 」 。 音 の 出 ない ピアノ 、 体 に すりこむ 塩 …… あれっ ? と 思う ような 商品 が 昨年 、 「 消音 ピアノ 」 「 塩 美容 法 」 と いう 形 で ヒット した 。 意外 性 が 受けて ヒット 商品 に なる ケース は 最近 多く 、 今年 も その 流れ は 続き そう 。 で 、 衣 ・ 食 ・ 住 に からむ “ あれっ ? ” を 探して みた 。 溶ける パンツ なる もの が 2 月 から 売り出さ れる 。 はいて いる うち に 溶け 出す わけで は なく 、 熱湯 を かける と 、 化学 繊維 の 水溶 性 ビニロン が 溶けて 全体 が バラバラ に なる のだ 。 片倉 工業 の 「 ミラクルショーツ 」 で 、 開発 した の は 女性 中心 の 新 製品 企画 チーム 。 東京 都 区 内 で ゴミ を 捨てる 場合 、 半透明 の ゴミ 袋 に 入れる 必要 が ある ので 、 女性 は 古 下着 を そのまま で は 捨て にくい 。 ハサミ で 切って から 捨てる こと も 多く 、 同社 は 「 溶かして しまえば 切る 手間 が 省ける 」 と いう 発想 から 商品 化 に 踏み切った と いう 。 溶ける 下着 が あれば 、 透ける 下着 も 。 下着 製造 卸 の トリンプ ・ インターナショナル ジャパン が 開発 した 「 体温 で 透ける 下着 」 。 一見 普通の 下着 な のだ が 、 体温 で 温まる と 生地 の 色 が 消える 素材 を 使用 、 はく と 直ちに 「 シースルーショーツ 」 に なる 。 同社 の 創立 30 周年 記念 の 試作 品 で 、 今 の ところ 「 発売 の 予定 は あり ませ ん 」 と いう 。 食べて も 太ら ない チョコレート 「 理想 体形 」 を 1 月 中旬 から 売り出す の は 製菓 大手 の ロッテ 。 これ まで 甘い チョコ は 健康 面 で は 、 どちら か と いえば 悪役 だった 。 この チョコ 、 カロリー を 45 % カット した ほか 、 チョコ に 含ま れる 天然 カルシウム が 脂肪 分 の 吸収 を 防ぐ と いう 。 同社 は 、 「 理想 体形 」 の ほか 、 カカオ の 香り 成分 を 増やし 、 「 集中 力 ・ 記憶 力 が 高まる 」 を うたい文句 に した チョコ 「 能力 第 一 」 、 βカロチン や ビタミン D を 配合 した チョコ 「 頑丈 元気 」 の 機能 別 チョコ も 同時 発売 。 ガム 市場 で は 一般 的だった 機能 別 菓子 の アイデア を チョコ 市場 に 持ち込む 。 飲料 業界 で は 、 カルピス 食品 工業 が 、 辛口 の トマト ジュース 「 炎 の トマト 」 の 出荷 を 昨年 11 月 から 始めた 。 赤 トウガラシ の 粉 が 中 に 入って いて 、 かなり 辛い 。 二日酔い の 朝 に トマト ジュース と いう の は 定番 だ が 、 “ 辛党 用 の 辛口 ” ジュース に なり そう 。 東京 都 足立 区 平野 に は 人 の 入れ ない 庭園 が ある 。 区立 平野 さくら 公園 の 公衆 便所 の 屋上 に ある 広 さ 15 平方メートル の スペース 。 草 が 植え られ 、 自動 給水 機能 付き 水飲み 場 まで 整備 さ れて いる 。 しかし 、 上り口 は ない 。 と いう の は 、 「 人 の ため で なく 、 野鳥 用 の 庭園 」 だ から で 、 時期 に なれば 、 ムクドリ 、 オナガ 、 ウグイス など が 集まる 。 隣接 する 区立 平野 住 区 センター の 2 階 から 野鳥 を 観察 できる 。 同 公園 の 建設 費 は 、 入れ ない 庭園 を 含めて 9000万 円 弱 と いう 。 ふろ 場 専用 の 電気 ストーブ も ある 。 松下 電器 産業 が 発売 して いる DR ― B 804 S 。 家電 不況 に も かかわら ず 、 昨年 は 前年 比 15 % 増 の 売れ行き を みせた 。 ふろ 場 は 、 湯気 が 室 内 に 満ちて いれば 暖かい が 、 そう で なければ 一般 の 部屋 より 寒い 。 しかも 裸 で 入る ため 、 高齢 者 が 心 不全 など を 引き起こす 可能 性 も ある 。 「 急速 暖房 が 可能で 、 高齢 者 が 倒れる こと を 予防 する こと に も つながる 」 と 同社 。 若い 人 に とって は 、 あれっ ? の 商品 だ が 、 高齢 化 が 進む 中 で 、 この 種 の お 年寄り を 対象 に した 商品 も 増えて き そうだ 。 四 日 付 の 米 保守 系 紙 ワシントン ・ タイムズ に よる と 、 米 中央 情報 局 は この ほど まとめた ロシア の チェチェン 共和 国 進攻 に 関する 報告 書 の 中 で 、 エリツィン 大統領 が 強硬 派 側近 に 権力 の 一部 を 委譲 した と 分析 、 同 大統領 が 強硬 派 に より 退陣 に 追い込ま れる 可能 性 も ある と して いる 。 同 紙 に よれば 、 報告 書 は 「 エリツィン 大統領 は 指導 力 を 発揮 して い ない 」 と 述べ 、 同 大統領 は 強硬 派 側近 に 「 最高 権力 」 を 譲り 、 側近 が チェチェン へ の 攻撃 を 承認 した と して いる 。 コルジャコフ 大統領 警護 局長 ら の 名 を 挙げて いる 。 米 下院 の 新 議長 に 四 日 、 就任 した 共和党 の ギングリッチ 氏 が 、 ヒラリー ・ クリントン 大統領 夫人 を かつて 「 あばずれ 」 と 呼んだ 話 を 、 議長 の 母親 が テレビ の インタビュー で 明らかに し 、 また 失言 騒動 に 発展 した 。 ただ 、 この エピソード は インタビュアー の 「 ここ だけ の 話 と して 教えて ほしい 」 と いう 要請 に 応じて “ 暴露 ” した もの で 、 ギングリッチ 議長 は 「 母親 を そそのかした うえ 、 公 に した の は 卑劣な 行為 」 と 逆に テレビ 局 に 謝罪 を 要求 して いる 。 これ は 、 CBS テレビ の 人気 女性 キャスター 、 コニー ・ チャン さん が 、 ギングリッチ 議長 の 母 キャサリーン さん に 自宅 で 八 時間 に わたって インタビュー した 中 の ひと コマ 。 放映 は 五 日 の 予定 だ が 、 CBS が 四 日 、 発言 要旨 を 公表 した 。 それ に よる と 、 ギングリッチ 議長 が 大統領 夫妻 を どう 評価 して いた か 質問 した チャン さん に 、 キャサリーン さん は 最初 「 言え ませ ん 」 と 拒否 。 チャン さん が 「 ここ だけ の 話 で こっそり 話して くれ ませ ん か 」 と 重ねて 頼む と 「 彼女 は あばずれだ 、 と 言って いた わ 」 と 語った 。 これ を 知った ホワイトハウス は 「 無礼な 発言 だ 。 釈明 して ほしい 」 と 抗議 。 当の 議長 は 「 ここ だけ の 話 で 、 と いう の は 秘密に して おく と いう 意味 だ 。 著名な キャスター が 、 マスコミ 慣れ して い ない 私 の 母親 に そういう 聞き 方 を する の は 卑劣で は ない か 」 と 怒り 、 CBS 側 に 謝罪 を 求めて いる 。 これ に 対し 、 CBS 側 は 「 この 発言 を 隠す の は 適切で は ない と 考える 」 と して 、 予定 通り 放映 する 方針 だ 。 共和党 が 四十 年 ぶり に 上 下 両院 を 支配 した 米 第 一〇四 議会 は 四 日 、 開会 し 、 下院 で は 共和党 の ニュート ・ ギングリッチ 氏 を 正式に 議長 に 選出 した 。 共和党 は 委員 会 数 の 削減 、 常任 委員 長 の 任期 制限 など 、 初日 から 矢継ぎ早に 下院 改革 案 の 実現 に 乗り出し 、 民主党 が 長年 に わたり 牛耳って きた 下院 の 運営 ルール の 大幅 改正 を 断行 。 昨年 十一 月 の 中間 選挙 を 受けた 米 議会 の 歴史 的 構造 変化 を 強く 印象づけた 。 構造 変化 、 印象づけ アイゼンハワー 政権 当時 の 一九五四 年 以来 、 と いう 下院 で の 多数 を 獲得 した 共和党 は 「 米 国民 は 新 議会 の 最初 の 二十四 時間 で 、 過去 数十 年間 を 上回る 改革 を 目の当たり に する だろう 」 と いう 言葉 通り 、 初日 から 、 深夜 まで に 及ぶ 異例の マラソン ・ セッション を 展開 。 中間 選挙 で 公約 した 下院 の スリム 化 を 実行 に 移した 。 主な 改革 内容 は 、 三 常任 委員 会 と 二十五 小 委員 会 の 廃止 と 、 下院 スタッフ の 三分の一 削減 、 委員 長 ポスト の 任期 六 年 制 導入 、 代理 投票 の 禁止 、 所得税 引き上げ に は これ まで の 過半数 から 五分の三 の 賛成 を 必要 と する こと など 。 また 、 民間 企業 に 義務づけて いる 少数 民族 雇用 など 公民 権 絡み の 一連の 連邦 法 を 議会 に も 適用 する こと も 含ま れる 。 ギングリッチ 新 議長 は 就任 演説 で 「 今 世紀 の 米国 で 人種 差別 と 闘って きた 偉大な 指導 者 たち は 民主 党員 であり 、 この 国 から 人種 差別 を なくした の は 民主党 の リベラル 派 だった 。 共和党 は 民主党 から 多く の こと を 学ぶ べきだ 」 と 述べ 、 四十 年間 の 民主党 の 実績 に 一定 の 評価 を 与えた 。 しかし 、 その 一方 で 同 議長 は 八〇 年 代 の 「 レーガン 革命 」 の 灯 を 再び ともす 必要 性 を 訴え 「 我々 は 米国 を 、 生活 保護 を 与える 国 から 前進 の 機会 を 与える 国 に 変え なければ なら ない 」 と 強調 。 共和党 主導 の 政治 変革 の 実現 に 強い 意欲 を 示した 。 また 、 上院 は 実質 的に 議事 を 運営 する 多数 党 院 内 総務 に ボブ ・ ドール 共和党 院 内 総務 を 選出 した 。 上院 の 共和党 過半数 は 八六 年 以来 。 ドール 氏 は 、 当時 も 多数 党 院 内 総務 だった 。 新 議会 の 勢力 分野 は 、 上院 が 共和党 五十三 、 民主党 四十七 。 下院 が 共和党 二百三十 、 民主党 二百四 、 独立 系 が 一 と なって いる 。 ロシア 南部 チェチェン 共和 国 の 首都 グロズヌイ の 制圧 に 失敗 した 後 も 空爆 を 続けて いた ロシア 軍 は 、 エリツィン 大統領 の 命令 に 基づいて 五 日 午前 零 時 から 首都 空爆 を 中止 した 模様 だ 。 現地 から の 空爆 情報 は ない 。 大統領 府 発表 に よる と 、 空爆 中止 は 四 日 、 大統領 が 関係 閣僚 、 連邦 機関 から チェチェン 情勢 の 報告 を 受けた 後 、 民間 人 の 犠牲 を 増やさ ない こと を 考慮 して 決定 さ れた と いう 。 同 大統領 は 十二 月 二十七 日 、 同じ 理由 から 首都 空爆 の 中止 を 命令 した が 、 翌日 から 激しい 空爆 が 行わ れ 、 さらに 年 末 から 新年 に かけて の 首都 制圧 作戦 で は ロシア 兵 も 含め 多く の 犠牲 者 を 出した 。 マカリー 米 国務 省 報道 官 は 四 日 の 会見 で 、 ロシア ・ チェチェン 共和 国 の 紛争 解決 に 向け 、 全欧 安保 協力 機構 が 何らか の 形 で 介入 する こと に 支持 を 表明 した 。 OSCE の 介入 に は ロシア 政府 から の 要請 が 必要な ため 、 米 政府 は 支援 を 仰ぐ よう 非公式に 働きかけて いる と いう 。 国際 金融 筋 に よる と 、 通貨 危機 に 直面 して 国際 的 金融 支援 を 求めて いる メキシコ 政府 は 、 邦銀 四 行 に 対して も 、 総額 十二億 ドル 程度 の 信用 供与 を 打診 して きた 。 打診 を 受けた の は 、 東京 、 日本 興業 、 住友 、 富士 の 四 行 で 、 民間 銀行 支援 分 三十億 ドル を 米 大手 銀行 シティバンク 、 J ・ P ・ モルガン など と 分担 する よう 要請 して いる 。 米 国防 総 省 は 4 日 、 ペリー 国防 長官 が 6 日 から 14 日 まで イスラエル 、 エジプト 、 インド 、 パキスタン の 4 カ国 を 訪問 する こと を 明らかに した 。 米 国防 長官 の インド 、 パキスタン 両 国 訪問 は 、 1987 年 の カールッチ 長官 以来 に なる 。 インド 、 パキスタン 訪問 で の 中心 議題 は 両 国 と の 防衛 交流 強化 ・ 対話 促進 に なる 見通し だ 。 ロシア 軍 の チェチェン 進攻 に ついて 欧州 各国 の 間 で 、 ロシア 援助 の 一 時 停止 や ロシア が 加盟 して いる 全欧 安保 協力 機構 の 圧力 に よって 紛争 の 平和 解決 を 求める 動き が 高まって きた 。 北 大西洋 条約 機構 拡大 問題 で ロシア と 西側 の 関係 が さらに 冷却 化 する 恐れ も ある 。 英 外交 筋 に よる と 、 欧州 連合 の 議長 国 である フランス の ジュペ 外 相 は 四 日 、 和平 解決 を 求めて ロシア に OSCE を 通じた 解決 を 要請 した 。 その 根拠 と して 、 OSCE の ブダペスト 首脳 会議 で 調印 した 文書 で は 、 国 内 問題 へ の 軍隊 使用 の 規制 を 盛り込んだ 「 治安 に 関する 政治 ・ 軍事 分野 の 行動 規範 」 を 決めて いる ため 、 チェチェン に OSCE の オブザーバー を 派遣 する こと を 提案 した 。 米 商務 省 は 四 日 、 一九九四 年 の 対 日 貿易 赤字 が 、 前年 より も 三十四億 ドル 拡大 して 史上 最高の 六百二十七億 ドル に 達し 、 自動車 分野 の 二 国 間 不均衡 も 、 過去 最高の 三百六十一億 ドル の 赤字 に なる と の 見通し を 発表 した 。 この 結果 、 対 日 赤字 に 占める 自動車 分野 の 割合 も 九三 年 の 五七 % から 五九 % へ と 拡大 する と いう 。 カンター 米 通商 代表 部 代表 は 四 日 、 日 米 包括 経済 協議 の 自動車 分野 交渉 再開 に ついて 記者 会見 し 「 米 側 の 基本 姿勢 は 一切 変わって おら ず 、 われわれ は 計測 できる 結果 を 期待 して いる 」 と 述べ ながら も 、 再開 後 の 交渉 は 通商 法 三〇一 条 に 基づく 話し合い で は ない と の 姿勢 を 明確に した 。 日本 側 は 協議 再開 に 当たり 、 同 条項 に 基づく 交渉 と 位置づけ ない こと を 条件 に 挙げて いた 。 カンター 代表 は また 、 日 米 首脳 会談 に 触れ 、 「 規制 緩和 、 アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 、 包括 協議 など も 議題 に なり 、 自動車 交渉 も もちろん 話し合い の テーマ に なろう 」 と 述べた 。 茶園 義男 編著 『 図説 戦争 裁判 スガモ プリズン 事典 』 が 刊行 さ れた 。 「 スガモ プリズン 」 は 一九四五 年 十一 月 、 占領 軍 が 戦犯 収容 の ため に 東京 拘置 所 を 接収 して 開設 した 。 一 番 多い 時期 に は 千四百 人 近い 戦犯 と その 容疑 者 を 収容 し 、 東条 英機 ら A 級 戦犯 七 人 含め 六十 人 が 所 内 で 処刑 さ れた 。 管理 が 日本 に 移った 後 、 五八 年 に 東京 拘置 所 と なり 、 七一 年 に 廃止 さ れた 後 の 敷地 は 現在 サンシャインシティ など に なって いる 。 この 『 事典 』 は 「 スガモ プリズン 」 の 内部 の 諸 施設 、 食事 や 労役 など 収容 者 の 生活 、 内部 で の 教育 、 慰問 の 内容 など に ついて 、 できる 限り ビジュアルな 資料 を 集めて 収録 して いる 。 当時 収容 さ れて いた 人々 の 版画 や 漫画 など も 豊富に 使わ れて いる 。 巻末 に は 事項 と 人名 索引 も 付いて いる 。 京浜 急行 電鉄 が 文化 活動 の 一環 と して 刊行 して きた 研究 誌 『 三浦 古 文化 』 が この ほど 刊行 さ れた 第 五十五 号 で 廃刊 と なった 。 一九六六 年 に 創刊 さ れた 同 誌 は 、 歴史 ・ 美術 の 研究 論文 を 収録 し 、 各種 学術 団体 など に 寄贈 さ れて きた 。 近年 、 企業 の 文化 支援 活動 が クローズアップ さ れて いる が 、 同 誌 は 地味な 活動 で は あった が 、 その 先駆 と いって いい 。 質 の 高い 論文 が 多かった だけ に 廃刊 を 惜しむ 声 も 強い 。 廃刊 は 、 経済 的な 理由 に よる 。 廃刊 を 伝えた 文書 に は 「 日本 経済 は 深刻な 不況 下 に あり 、 企業 の 経営 も 一層 の 厳し さ を 問わ れて おり ます 。 当社 に おき まして も 『 業務 革新 ・ 意識 改革 活動 』 を 行う など 懸命 の 努力 を いたして おり ます 」 と ある 。 最終 号 の 「 編集 余語 」 に は 、 次 の ように 記さ れて いる 。 「 経済 不況 の つづく まま 、 平成 六 年 も 終わろう と して いる 。 その折 から 遂に 『 三浦 古 文化 』 終刊 の 指示 が 届いた 。 企業 と して は 、 健全 財政 を たてまえ と する 方針 から 、 やむ を 得 ない こと と は いえ 、 やはり 思いがけない こと であった 。 改めて 企業 に 於ける 文化 事業 の むずかし さ を 考え させ られた 」 「 第 9 回 フード ・ フェスティバル 」 が 、 3 月 4 日 から 19 日 まで 、 食 の 都 、 香港 で 開催 さ れる 。 期間 中 は 「 中国 五 代 王朝 料理 」 の パーティー 、 「 選り抜き の グルメ 宴会 」 、 「 満 漢 全 席 」 など グルメ に は 特に お 勧め の イベント や 、 中国 料理 、 フランス 、 イタリア 、 タイ など 各国 の 料理 の レストラン が 、 フェスティバル の ため に 用意 した 特別 メニュー で 舌 を 楽しま せて くれる 。 また 、 今回 は 2 年 に 1 度 開か れる 「 料理 コンテスト 」 も あり 、 香港 の 一流 シェフ たち が その 技術 を 競う 。 コンテスト の 優勝 料理 が 披露 さ れる ガラ ・ ディナー は 一般 参加 も OK 。 富士 山ろく 山中湖 の ワカサギ が 復活 した 。 ブラック バス が 始まった ころ から 釣れ なく なり 、 もう ダメ で は ―― と いわ れて きた が 、 今 シーズン は 大分 様子 が 違う 。 この ところ 、 ボート の 釣り で 、 慣れ ない 人 でも 40 ― 50 匹 、 ベテラン に なる と 3 束 、 4 束 と 大 釣り して いる 。 釣れる の は 5 、 6 センチ の 当歳 魚 ばかり 。 昨年 4 月 に 放流 した 3億 粒 の 卵 が 、 首尾よく ふ化 し 、 その うえ 夏 が 暑かった せい か 、 稚魚 の かくれ 場 に なる 金魚 藻 が 繁茂 し 、 無事に 育った ため らしい 。 地元 で は 「 10 年 ぶり の こと で びっくり して いる 。 いま の 様子 で は 当分 続き そう 」 と 活気づいて いる 。 仕掛け は 図 の ような もの 。 サオ は 穂先 が ごく やわらかい こと が 条件 。 エサ は サシ と 赤虫 を 用意 、 サシ から 始め 、 食い 渋ったら 赤虫 に かえる と 効果 が ある 。 釣り 場 は 山中 地区 の 桂川 水門 周辺 。 岸 から 80 ― 100 メートル の 沖合 、 水深 は 9 メートル 前後 。 ワカサギ は 普通 、 底 近く で 食う のだ が 、 今年 は なぜ か 、 水面 から 1・5 メートル ぐらい の 上層 で 釣れる 。 サオ 2 本 を 両手 に 持ち 、 その 水深 まで おろして 、 静かに 待つ 。 普通 は 、 サオ 先 を ゆすり 、 エサ を 踊ら せて 誘う のだ が 、 ここ で は 、 あまり 動かさ ない ほう が いい 。 サオ 先 へ ピク 、 ピク きたら 、 アワセ ず に 、 ひと 呼吸 おいて から ゆっくり 上げる 。 問い合わせ は 山中 地区 の 「 仲よし 」 電 0555・62・1521 。 ボート 2 人 乗り 3500 円 、 1 人 2500 円 、 入漁 料 500 円 。 富山 と 言えば 、 越中 売薬 。 この 薬 の イメージ を かまぼこ で アピール しよう と 、 かまぼこ 製造 ・ 販売 の 新湊 かまぼこ が 、 中国 で 古くから 健康 維持 に 用い られて きた 天然 素材 配合 の 「 越中 和 漢 やくぜん かまぼこ 」 を 開発 した 。 薬膳 研究 家 の 指導 の もと 1 年 前 から 研究 を 続け 、 ようやく 完成 に こぎつけた 。 すり身 に は 高麗 ニンジン 、 ナツメ 、 ヤマイモ 、 食用 真珠 粉 など を 混合 し 、 表面 を 紅花 、 ヨモギ 入り の 皮 、 DHA 入り 昆布 で 巻いた 3 種類 が ある 。 一般 の かまぼこ に 比べ 、 天然 の 素材 から とった やさしい 色合い が 新鮮 。 合成 保存 料 や ソルビン 酸 など の 添加 物 は 一切 使用 して い ない 。 中 巻き 5 本 入り 2000 円 、 太 巻き 5 本 入り 3750 円 。 電話 0766・84・8282 。 スウェーデン の 首都 ストックホルム から 南西 部 に 位置 する スモーランド 地方 は 別名 「 ガラス の 王国 」 と も 呼ば れて いる 。 この 地方 に ある 二 つ の 大きな 町 カルマル から ベクショー に かけて 、 十六 も の ガラス 工場 が 点在 して いる から だ 。 それぞれ が 独立 した “ 村 ” を 形づくって おり 、 おとぎ の 国 に 出て くる ような 住宅 街 の 中心 に レンガ 造り の ガラス 工場 と 、 直売 店 が ある 。 この 地方 で ガラス の 製造 が 盛んに なった の は 、 十六 世紀 の 中ごろ 、 グスタヴ ・ ヴァーサ 王 が 産業 振興 の 目的 で 、 イタリア の ベネチア から ガラス 職人 を 招いた こと に 始まる 。 古くから あった 鉄工 の 技術 と 、 火 を 起こす ため の 木材 と なる 広大な 森林 を 生かして 、 ガラス 生産 の 中心 に なった 。 数多い ガラス 工場 の 中 で 、 「 オレフォス 」 「 コスタ 」 「 モーレロース 」 と いった ところ が 特に 名 を 知ら れて いる 。 オレフォス は 一八九八 年 の 創立 。 毎年 十二 月 に ストックホルム で 開か れる ノーベル 賞 授賞 式 の 晩さん 会 に は 、 オレフォス 製 の グラス が 一九九一 年 から 使わ れて いる 。 この グラス を デザイン した グンナル ・ シィレーン さん を はじめ 、 オレフォス に は 、 全部 で 九 人 の デザイナー が いる 。 この うち 三 人 は 九四 年 から 加わった ばかりだ が 、 ほか は ニューヨーク 、 ロンドン と いった 世界 各地 で 作品 を 展示 する など 、 名 が 知ら れた 人 たち ばかり 。 オレフォス を はじめ 、 多く の 工場 で は ガラス の 宙 吹き と いった 、 ガラス 作り の 作業 工程 を 見学 する こと が できる 。 溶けた ガラス の かたまり が 、 ワイン グラス など 、 さまざまな 形 に 姿 を 変えて いく 様 は 、 いつまで 見て いて も あき ない 。 オレフォス で は 、 職人 と デザイナー が チーム を 組んで おり 、 デザイナー が 自分 の 作品 の イメージ を 絵 で 示したり 、 出来上がった ばかりの 作品 に 真剣な 表情 を 見せる 。 緑 が いっぱいの 、 広々 と した 敷地 内 の 一角 に は 専属 デザイナー の 作品 が 鑑賞 できる ギャラリー や 、 工場 を 訪れる 観光 客 の ため の 売店 が 設け られて いる 。 食卓 用 の ガラス 器 、 花瓶 、 キャンドル スタンド など 、 気 に いった 製品 を 買い求めよう と いう 人 で いつも にぎわい を 見せて いる 。 一七四二 年 に 創立 さ れた コスタ は 、 スウェーデン 最古 の 工場 。 三百 人 を 超える 従業 員 が 「 コスタボダ 」 製品 を 作って いる 。 この 工房 から は これ まで に 多く の 工芸 家 が 育ち 、 ざん新な 作品 を 発表 して いる 。 専属 デザイナー の 作品 を 鑑賞 できる 展示 室 を 設ける など 、 各 工場 と も それぞれ 独自の カラー を 打ち出して おり 、 ショッピング の ほか に 、 芸術 品 と も いえる 作品 を 見て 回る の も 興味深い 。 「 ガラス の 王国 」 を 訪れる に は 、 カルマル から ベクショー に 向かう 鉄道 に 乗って 、 途中 下車 する の も いい が 、 交通 の 便 を 考える と レンタカー を 利用 する ほう が いい かも しれ ない 。 深い 森 を 縫って の ドライブ を 満喫 し ながら 、 各地 の ガラス 工場 を 訪ねて みる の も 楽しい 。 カルマル から ベクショー まで は 列車 で 約 1 時間 半 の 行程 に なる 。 ホテル センチュリー ハイアット 27 階 ナイト ラウンジ 「 ラプソディ 」 で は 、 なごやかな 雰囲気 の ブッフェ パーティー に ピアノ 演奏 や カラオケ を 組み入れた カジュアル 感覚 の オリジナル ウエディング パーティー 「 ラプソディ ウエディング 」 を 用意 。 14 時 ― 16 時 スタート 。 新郎 、 新婦 の 当日 の 宿泊 プレゼント や パーティー 出席 者 の 宿泊 代 割引 、 結婚 1 周年 記念 レストラン 招待 など の 特典 も 。 電話 03・3349・0111 ・ 宴会 予約 課 。 華やかな グランド ・ オペラ で 我が国 の オペラ 界 は 幕 を 開ける 。 まず 二 期 会 は 「 カルメン 」 。 タイトル ・ ロール は 舞踊 に も 抜群の センス を 見せる 青山 智英子 。 タンブリン を 片手 に 持つ 踊り が 楽しみだ 。 周り は 川上 洋司 、 福島 明也 ら の 中堅 、 沢畑 恵美 ら の 気鋭 が 固める 。 指揮 も 新進 の 飯森 範親 。 藤原 歌劇 団 は 新春 恒例 の 「 椿 姫 」 。 毎回 、 欧 米 から 個性 的な 椿 姫 が 登場 、 すっかり 人気 公演 に なった 。 六 回 目 の 今年 は 、 一九九二 年 に 初 来 日 した ジュシー ・ デヴィヌー と 、 九一 年 に 抜てき さ れた 斉田 正子 が それぞれ 再 登場 して の ダブル ・ キャスト 。 イタリア 出身 の デヴィヌー は 、 八二 年 の デビュー が 「 椿 姫 」 の ヴィオレッタ 役 。 ミラノ や ウィーン でも 主役 を 張った 十八 番 の 持ち 役 だ 。 九二 年 の 日本 公演 でも 、 かれんな 容姿 と こまやかな 情 の にじむ 表現 で 絶賛 を 浴びた 。 アルフレード 役 は イタリア から 初 来 日 の ピエトロ ・ バッロ と 永沢 三郎 、 ジェルモン 役 は イタリア の パオロ ・ コーニ と 黒崎 錬太郎 の ダブル 。 カンポリ 指揮 の 東京 フィル 。 演出 は 井田 邦明 。 また 海外 から は プラハ 国立 劇場 が 来 日 する 。 一七八三 年 に 創立 さ れ 、 モーツァルト に 「 ドン ・ ジョヴァンニ 」 を 委嘱 、 モーツァルト 自身 の 指揮 で 初演 した 歴史 を 持つ 伝統 の オペラ 劇場 だ 。 今回 は その 「 ドン ・ ジョヴァンニ 」 と 、 やはり この 劇場 で 大 ヒット を 飛ばした 「 フィガロ の 結婚 」 。 世界 的に 有名な 歌手 が いる わけで は ない が 、 伝統 の アンサンブル を 誇って いる だけ に 楽しみだ 。 拝啓 車 寅次郎 様 。 毎年 お 正月 の 顔 と して 四十七 作 目 の お 勤め ご苦労さまです 。 今回 も 毎度 おなじみ 山田 洋次 監督 の メガホン で 、 人情 厚い おいちゃん 、 おばちゃん 、 妹 の さくら や その 亭主 の 博 、 おい の 満男 の 所 へ 帰ったり 、 また 旅 に 出たり の ボヘミアン を 続けて おり ます 。 寅 さん も 周囲 の 人々 も 、 年齢 を 重ねて おり ます 。 寅 さん が 女性 に 寄せる 情熱 も 希薄な もの に なって いる の は 、 当然の こと です 。 今回 は カメラ 愛好 家 の 主婦 と 琵琶湖 の ほとり で 会い 、 彼女 の けが を 手当て し ます が 、 彼女 は 迎え に きた 夫 と 車 で 去り ます 。 柴又 を 訪ねて きた 主婦 と 会え なかった 寅 さん は 、 満男 と 鎌倉 の 主婦 の 家 に 行き ます 。 しかし 寅 さん は 娘 と 外出 する 主婦 に 声 を かけ ず に 見送り ます 。 こんなふうに 奥ゆかしく なった 寅 さん です から 、 週刊 誌 など で 引退 勧告 さ れたり し ます 。 恋 の でき なく なった 寅 さん なんて 、 と いう 訳 です 。 でも 、 そう でしょう か 。 寅 さん シリーズ の 魅力 は 、 寅 さん が 恋して ふら れる だけ で は あり ませ ん 。 シリーズ は 、 たしかに 毎回 同じ ような エピソード の 繰り返し です 。 だが 、 時間 を 経過 さ せて い ます 。 大学生 だった 満男 は 、 靴 の メーカー に 就職 し 、 長浜 で 先輩 の 妹 に 会って 恋し ます 。 この 間 まで は 受験 で 悩んで いた 満男 が 、 もう 転職 で 悩んだり して い ます 。 われわれ は 、 まるで 隣 近所 に 寅 さん や 満男 が 住んで いる ように 思えて 、 「 ほう 、 もう そんなに なった の か 」 と いう 感覚 で 見て いる のです 。 寅 さん の いい ところ は 、 われわれ が 忘れがちな 、 こまやかな 感情 を 呼び覚まして くれる こと です 。 寅 さん が 満男 に セールス の 心得 を 伝授 する ところ で 、 母 が 鉛筆 を 削って くれた 思い出 を 語り ます 。 そんな 場面 に 山本 直純 の 音楽 が かぶさる と 、 それ だけ で ホロッ と して しまい ます 。 琵琶湖 など 日本 の 美しい 景色 が シネスコ の 画面 に 広がる の も 楽しみです 。 寅 さん が 白髪 に なって も かまわ ない じゃ ない です か 。 周囲 の 雑音 に めげ ず 、 満男 が 結婚 して 子供 が 生まれる まで 続けて ください 。 香港 、 シンガポール 、 台湾 で 、 日本 人 で は 初 の 大掛かりな コンサート を 昨年 、 大 成功 さ せた チャゲアス 。 シングル 曲 「 めぐり逢い 」 も 好調で 、 この ところ 確実な ロングヒッター に なって きた 。 今年 は 、 活動 枠 が さらに スケール ・ アップ さ れ 、 今春 公開 さ れる アメリカ 映画 「 ストリート ・ ファイター 」 の エンディング ・ テーマ 曲 に 彼ら の 楽曲 が 起用 さ れる 。 「 昨年 の 国 内 、 東南 アジア ツアー は 、 いわば 『 序章 』 に すぎ ませ ん 。 今後 『 第 二 章 』 『 三 章 』 と 続けて いき たい 」 と 目標 は さらに 遠大だ 。 「 史上 最大 の 作戦 」 と 銘打った 昨年 の ツアー は 、 国 内 だけ で 七十 公演 、 五十万 人 を 動員 、 東南 アジア 公演 も この 延長線 上 で 行わ れた 。 「 日本 と 同じ 機材 で 公演 して こそ 僕たち の ナマ の 姿 を 見て もらえる 。 だから 、 ステージ 機材 は 日本 から 運んで 国 内 と まったく おなじ もの に し ました 」 と いう 彼ら の コンサート は 、 東南 アジア の 人 たち に 、 チャゲアス の パワー と 魅力 を 十分に 印象づけた 。 シンガポール で は 、 マイケル ・ ジャクソン でも 一 回 しか 開か なかった アリーナ で 二 日間 の ステージ 。 オープニング 直後 は 、 半ば 好奇心 で 成り行き を 見て いた 聴衆 が 、 中盤 から フィナーレ に かけて 総立ち に なった 。 ボーカル パワー は もちろん 、 テクノ を 駆使 した ステージング に 感嘆 の 声 すら 上がった 。 台北 で は 、 屋外 の スタジアム も 満員 に なり 、 失神 者 が 出た ほど 。 「 音楽 に 国境 が ない こと を 実感 と して 味わった し 、 僕ら 自身 、 すごい 自信 に つながった 」 と いう ツアー は 、 ドキュメンタリー 映画 と なって 、 各地 で ホール 上映 さ れて いる が 、 映画 だけ で 全国 公開 できる パワー は 、 チャゲアス ならでは だろう 。 その 活動 を 、 さらに ワールド ワイドに した の が 、 映画 の サントラ 盤 だ 。 「 ストリート ・ ファイター 」 は アクション もの で 知ら れる スティーブン ・ E ・ デ ・ スーザ 監督 、 ジャン ・ クロード ・ ヴァンダム 主演 の 作品 。 「 エンディング ・ テーマ 曲 、 英語 詞 と 初めて の 経験 だった が 、 言葉 や 文化 は 違って も 、 音楽 に それほど 変わり は あり ませ ん 。 だから 、 それほど 肩 に 力 を 入れて つくった わけで は ない 」 と テーマ 曲 「 サムシング ・ ゼアー 」 を 作詞 作曲 した 飛鳥 。 楽曲 は 、 とくに 東洋 的な もの を 意識 し ない ミディアム ・ テンポ 。 彼ら の 最も 得意 と する ジャンル だ 。 音楽 プロデューサー の バリー ・ レヴィン に よる と 「 これ まで 日本 の ミュージシャン の 曲 を いろいろ 聴いて きた が 、 彼ら の 音楽 に 接して 初めて 世界 に 通用 する メロディー だ と 感じた 。 要請 した サントラ 用 の メロディー が 届いた 時 、 思った 以上 の 出来栄え だった ので 、 エンディング に 起用 した 」 と 太鼓判 を おす 。 チャゲアス の 活動 の ユニークな ところ は 、 大体 、 一 年間 を 二 分 して 、 デュオ と して の 活動 を 半年 、 残り を ソロ に して いる 点 だ 。 チャゲ は 、 昨年 末 に 、 ソロ の 拠点 と して いる マルチ ・ マックス の アルバム を 発売 、 飛鳥 も 、 新年 に ソロ ・ シングル 、 二 月 末 に は アルバム を 予定 して いる 。 「 オーバーに 言えば 、 ソロ 活動 を する こと で マンネリ に なり がちな デュオ の 弊害 を なくせる し 、 相手 の 新しい 音楽 性 を 見いだす こと も 出来る 」 互いに 別 行動 を 続け 、 刺激 し 合う こと が 、 チャゲ の アップ ビート 、 飛鳥 の ミディアム から バラード と いう 融合 を もたらす 。 デュオ と して の 息 の 長 さ 、 楽曲 の 新鮮 さ と バラエティー の 豊富 さ は 、 こうした ところ に ある の かも しれ ない 。 チャゲ が 威勢 よく 言った 。 「 今年 も バンバン 行き ます 」 日本 の 女優 の 草分け 松井 須磨子 が 1919 年 の この 日 愛人 の 島村 抱月 の 後 を 追って 自殺 した 。 長野 県 の 生まれ 。 本名 小林 正子 。 1909 年 文芸 協会 演劇 研究 所 の 第 1 期生 に なり 、 11 年 の 帝劇 の 「 ハムレット 」 で オフィーリア を 演じて 注目 さ れた 。 続いて イプセン の 「 人形 の 家 」 の ノラ を 演じ 、 一躍 スター に なった 。 この後 抱月 と の 恋愛 関係 が 理由 で 協会 から 追わ れた が 、 抱月 ら と 共に 芸術 座 を 創立 、 「 モンナ ・ ヴァンナ 」 「 海 の 夫人 」 「 復活 」 「 サロメ 」 など に 次々 と 主演 し 人気 を 集めた 。 とくに 「 復活 」 の 劇中 歌 と して 歌った 「 カチューシャ かわい や 」 は 全国 で 愛唱 さ れた 。 野生 味 の ある 情熱 的な 芸 に 特色 が あり 、 一部 に 反発 は あった もの の 一 時代 を 築いた 女優 であった 。 抱月 が 18 年 秋 に スペイン かぜ で 急死 、 その 2 カ月 後 「 カルメン 」 の 公演 中 に 後 を 追った 。 「 第 三十一 回 全 日本 書初め 大 展覧 会 席書 大会 」 が 五 日 、 東京 ・ 日本 武道 館 で 開か れた 約 三 倍 の 予選 を 通過 した 幼稚園 児 から 七十 代 まで 約 六千五百 人 が 参加 。 ブラジル ・ サンパウロ の 日本 語 学校 の 日 系 三 、 四 世 十九 人 や 外国 人 留学 生 の 姿 も み られ 、 国際 色 豊か に 筆 を 競った 。 今年 は 「 お もち 」 や 「 高い 理想 」 など 年齢 別 に 十三 課題 。 優秀 作品 は 来月 二十五 、 二十六 の 両日 、 武道 館 小 道場 に 展示 さ れる 。 五 日 午前 五 時 五十五 分 ごろ 、 新潟 県 柏崎 市 青山 町 の 東京電力 柏崎 刈羽 原子 力 発電 所 4 号 機 が 自動 停止 した 。 東電 に よる と 、 発電 所 付近 の 送電 線 に 落雷 、 送電 不能 が 原因 。 落雷 位置 の 確認 など を 行って いる が 、 発電 所 施設 に 異常 は ない と いう 。 落雷 で 送電 線 に 異常 が 起きた 場合 は 、 自動 的に 予備 回線 に 切り替わる 。 今回 は 切り替え が 行わ れ なかった 。 4 号 機 は 昨年 八 月 営業 運転 を 始めた ばかり 。 石川 県 鹿島 郡 中島 町 が 全国 の 自治 体 で は 初めて 、 劇場 の 音響 、 照明 など の 技術 者 養成 講座 「 舞台 芸術 アカデミー 」 を 開講 した 。 同 町 は 、 仲代 達矢 さん 主宰 の 「 無名 塾 」 が 毎年 夏 に 町 内 で 合宿 して いる の が 縁 で 、 演劇 専用 ホール 「 能登 演劇 堂 」 を 建設 中 。 今年 五 月 の オープン を 前 に 、 アカデミー で は 劇場 公演 の 裏方 役 の スタッフ を 育成 。 能登 半島 中部 に ある 人口 九千 人 足らず の 過疎 の 町 を 、 演劇 の 町 と して 売り出す 。 「 無名 塾 」 は 、 同 町 に 住む スタッフ の 知人 の 紹介 で 一九八五 年 から 毎 夏 合宿 。 塾 メンバー は 、 けいこ の 一般 公開 や 祭り へ の 参加 で 積極 的に 町民 と 交流 、 町民 の 間 に 演劇 へ の 関心 が 高まって いる 。 一方 、 町 の 人口 は 五四 年 に は 一万二千 人 を 超えて いた の が 年々 減少 。 「 演劇 で 町 おこし 」 を 思い立った 町 は 十六億 円 を かけ 、 約 六百五十 席 の 演劇 専用 ホール 「 能登 演劇 堂 」 建設 に 乗り出した 。 アカデミー は 、 昨年 秋 から 月 に 一 、 二 回 開講 。 近隣 市町 在住 者 も 含め 約 四十 人 が 参加 して いる が 、 ほとんど は 未経験 者 で 、 主婦 、 会社 員 、 商店 主 、 教師 、 高校 生 、 公務 員 など 多彩な 顔触れ 。 ローマ で 一 日 朝 、 日本 人 女子 学生 が レイプ さ れた 事件 で 、 翌日 逮捕 さ れた イタリア 人 の ロベルト ・ ピラス 容疑 者 が 拘置 所 内 で シーツ で 首 を つって 自殺 して いた こと が 四 日 わかった 。 警察 に よる と 、 ピラス 容疑 者 は 逮捕 後 、 取り調べ を 受ける 直前 に 拘置 所 の 看守 の すき を みて 首 を つった と いう 。 五 日 午前 六 時 十 分 ごろ 、 茨城 県 つくば 市 高野 の 県道 を 歩いて いた 同 市 今鹿島 、 無職 、 森田 たつ さん は 、 後ろ から 来た 同 県 結城 郡 石下 町 豊田 、 寺田 光正 さん の 軽 ワゴン 車 に はね られ 、 胸 を 強く 打って 即死 した 。 つくば 中央 署 の 調べ で は 、 事故 当時 の 現場 は 濃霧 で 視界 が 約 十 メートル しか なかった らしい 。 森田 さん は 散歩 の 途中 だった 。 大学 へ の 正規の 寄付 金 の 形 を とり ながら 、 実態 は 医局 へ 謝礼 と して 支払わ れる の が 「 見返り 寄付 」 。 製薬 業界 で は 内規 で 禁止 さ れて いる が 、 医療 機器 業界 に は その 項目 が なく 、 こうした 制度 の 「 死角 」 を ついた 形 で 、 広く 行わ れて いる 、 と いう 。 製薬 業界 で 組織 する 医療 用 医薬 品 製造 業 公正 取引 協議 会 が 作成 した 自主 規制 で は 寄付 金 に ついて 「 寄付 の 見返り に 医薬 品 の 購入 に 有利な 取り扱い など の 利益 が 約束 さ れる 場合 は 金銭 提供 に あたる 」 と して 禁止 して いる 。 一方 、 医療 機器 業界 は 、 一九九一 、 九二 年 と 、 東大 や 千葉 大 など で 医療 機器 納入 を めぐる 汚職 事件 が 相次いで 摘発 さ れた こと から 、 一昨年 十 月 、 十七 団体 が 加盟 する 日本 医療 機器 関係 団体 協議 会 が 行き 過ぎた 接待 や 不当な リベート の 禁止 など 、 取引 の 公正 を 目指した 倫理 綱領 を 定めた 。 しかし 、 この 中 に 今回 明るみ に 出た 「 見返り 寄付 」 に ついて の 規定 は ない 。 それ でも 同 協議 会 は 「 たとえ 正規の 手続き を 踏んで いて も 、 取引 と 寄付 金 は 切り離す べきで 、 好ましく ない 」 と して いる 。 関係 者 に よる と 医療 機器 メーカー が 国公立 大学 の 医師 へ 接近 を はかる 背景 に は 、 大学 病院 の 影響 力 が ある と いう 。 ある メーカー 幹部 は 「 大学 病院 で 採用 さ れれば 、 宣伝 効果 は 大きい し 、 研修 先 の 病院 で は 担当 医師 の 意向 で 使用 器具 が 決まる ケース が 多い 」 と 話して いる 。 四 日 午後 十 時 ごろ 、 神奈川 県 鎌倉 市 材木座 一 、 すみれ 美容 室 から 出火 。 同 美容 室 と 棟 続き の 鮮魚 店 の 木造 モルタル 二 階建て 店舗 兼 住宅 計 二八〇 平方メートル を 全焼 した 。 焼け跡 から 澄子 さん が 焼死 体 で 見つかった ほか 、 道男 さん の 妻 育子 さん が 手 に 軽い やけど 。 五 日 午前 四 時 四十 分 ごろ 、 神奈川 県 津久井 郡 相模湖 町 与瀬 の 旅館 「 大正館 」 本館 から 出火 。 木造 二 階建て 延べ 約 六六〇 平方メートル を 全焼 した 。 焼け跡 一 階 の 従業 員 部屋 近く の 廊下 から 、 従業 員 の 大橋 ミヨ さん と み られる 焼死 体 が 見つかった 。 津久井 署 は 、 一 階 調理場 付近 から 出火 した ので は ない か と みて 、 原因 を 調べて いる 。 隣 の 別館 で は 同 日 、 小野沢 さん の 母親 の 通夜 が 営ま れる 予定 だった ため 、 四 日 から 同 旅館 に 宿泊 客 は い なかった 。 同 旅館 は 一九五四 年 の 建築 。 一 階 に 六 室 、 二 階 に 一 室 と 広間 が あった 。 五 日 午前 、 第 二 管区 海上 保安 本部 に 入った 連絡 に よる と 、 同県 ・ 金華 山 の 東 約 九百キロ の 太平洋 で 浸水 、 漂流 を 始めた キプロス 船籍 の 貨物 船 「 フリオ ・ キリー 」 の 乗組員 五 人 が 五 日 午前 十 時 十 分 ごろ 、 漂流 中 の 救命 いかだ から 巡視 船 「 つがる 」 の 搭載 ヘリコプター に 救助 さ れた 。 船 から 退避 途中 、 二 人 が 海中 に 落ち 行方 不明 。 救命 いかだ に は 十五 人 が 乗って おり 、 残る 十 人 も 無事 。 他の 十 人 は 、 付近 を 航行 中 の 貨物 船 に 救助 さ れた 。 成田 空港 は 五 日 朝 、 濃霧 の ため 到着 便 に 乱れ が 出た 。 新 東京 国際 空港 公団 の まとめ に よる と 、 午前 八 時 十一 分 着 の ジャカルタ 発 インドネシア 航空 872 便 と 同 九 時 二十五 分 着 の ロサンゼルス 発 ノースウエスト 航空 905 便 が 羽田 空港 に 着陸 地 を 変更 。 この ほか 、 最高 七十 分 、 上空 で 天候 の 回復 を 待って 着陸 した 。 「 雪面 は カチカチ に 凍って いた 。 そんな カール で 雪崩 が 発生 する と は 」 ―― 。 長野 県 の 中央 アルプス ・ 千畳敷 カール で 四 日 発生 した 雪崩 。 遭難 した 「 野良黒 山 の 会 」 に 三 日 まで 同行 、 仕事 の 都合 で 一 人 下山 し 、 難 を 逃れた 長野 県 佐久 市 岩村田 の 星野 倫紀 さん は 駆けつけた 駒ケ根 署 で 、 何 度 も 「 信じ られ ない 」 と つぶやいた 。 星野 さん が 下山 した 三 日 昼 過ぎ まで は 、 天気 も よく 、 登山 と して は 最高だった と 言う 。 「 富士山 に 浅間 山 、 南北 アルプス と 主要な 山 は ほとんど 見えた 。 リーダー の 木場 将弘 さん さえ 『 今 まで で 一 番 良い 』 と 感激 して いた 」 と 言う 。 海外 経験 も 豊富で 、 二 つ の 登山 愛好 家 団体 の 主宰 者 である 木場 さん は 、 ここ 十五 年 ほど 、 正月 に は 必ず 木曽 駒ケ岳 を 訪れて いた 。 星野 さん に よる と 、 一行 は 二 日 に ロープウエー で 入山 し 、 その 夜 は 天狗 山荘 の 近く で 雪洞 を 作って 泊まった 。 千畳敷 付近 は 、 星空 の 名所 。 「 降る ような 星空 でした 」 と 星野 さん が 言う ように 、 この 夜 も 満天 の 星空 が 楽しめた と いう 。 星野 さん ら は 三 日 午前 中 に 木曽 駒ケ岳 に 登頂 。 昼 ごろ に 宝剣 山荘 に 着き 、 全員 で 昼食 を 済ませた 。 星野 さん は 「 四 日 は 晴れれば 宝剣 岳 に 登り 、 天候 が 悪ければ 直接 ロープウエー で 下山 する と 話して いた のだ が …… 」 。 願い を 込めて 、 星野 さん は 仲間 ら と ともに 救助 に 向かった が 、 五 日 午前 十一 時 前 、 「 二 人 遺体 で 発見 」 の 報 に 肩 を 落とした 。 琵琶湖 特有 の 「 環流 」 を はじめ と する 詳細な 湖水 の 動き が 、 滋賀 県 琵琶湖 研究 所 の 熊谷 道夫 専門 研究 員 と 岡山 理科 大 の 奥田 節夫 教授 ら の コンピューター を 使った 画像 処理 で 初めて 明らかに なった 。 今後 、 データ の 蓄積 に より 周期 的な 水流 が 解明 さ れれば 、 水質 汚濁 の 拡散 防止 や 漂流 者 の 捜索 など 幅広く 活用 でき そうだ 。 熊谷 専門 研究 員 ら は 、 3キロ 間隔 で 東西 に 横断 する 測 線 を 11 本 設定 。 昨年 4 月 から 月 1 回 、 同 研究 所 の 実験 調査 船 を 測 線 通り に 走ら せ 、 300キロ ヘルツ の 超 音波 を 水中 に 発射 、 植物 プランクトン など へ の 反響 音 を 基 に 、 水深 10 メートル まで の 水 の 流れ を 調べた 。 この データ を コンピューター で 画像 処理 。 時計回り の 流れ に 赤色 、 反 時計回り に 青色 を つけた 。 琵琶湖 の 環流 は 、 漂流 ブイ の 追跡 など の 方法 で 3 つ の 存在 が 指摘 さ れて きた 。 しかし 、 今回 の 観測 に よって 、 位置 や 水 の 流れ に 月ごと の 変動 が 見 られた 。 8 月 に は 最 北部 で 、 直径 約 20キロ 、 秒速 30 センチ の 最大 規模 の 反 時計回り の 環流 が とらえ られた 。 環流 は 、 温かい 湖岸 の 水 が 温度 差 に より 湖 の 中心 部 へ と 進む 際 、 地球 の 自転 の 影響 で 、 反 時計回り に なる 場合 と 、 風 の 影響 で 時計回り に なる 2 つ の 要因 が 考え られて いる 。 地球 の 自転 の 影響 を 受け やすい 中 緯度 に 位置 する 琵琶湖 ならでは の 現象 と さ れる 。 華道 家元 ・ 池坊 の 「 新春 初 生け 式 」 が 五 日 午前 、 京都 市 中京 区 の 池坊 会館 で 行わ れ 、 全国 各地 から 約 千三百 人 が 参加 した 初 生け 式 は 、 一 年 の 華道 精進 を 誓う 新春 恒例 の 行事 で 、 室町 時代 に 始まった と さ れる 。 午前 八 時 、 あでやかな 振りそで 姿 の 門弟 二十五 人 が 六角堂 に 参拝 した あと 、 参加 者 が 池坊 会館 の 特設 花 席 で 、 縁起物 の 松竹梅 の ほか 、 洋 ラン 、 チューリップ など 多彩な 花材 を 使い 、 思い思い の 花 を 生けた 。 最後に 池坊 専永 家元 が 「 はずむ 生命 」 の 花 題 で 、 しだれ 柳 と 梅 、 ツバキ を 生けて 締めくくった 。 青春 時代 は 、 気 の 合う 者 同士 、 群れ を 組んで いる ように 見える が 、 その実 、 人生 観 は ばらばら と いう ところ に 面白み が ある 。 この 米 映画 も 、 その 一 つ で 、 現代 アメリカ の 若者 の アブない 揺れ と 痛み を 描く 。 リレイナ は 優等 で 大学 を 卒業 した もの の 就職 は いずこ も 同じ “ どしゃぶり ” 。 やっと 見つけた TV 局 の 仕事 も 上司 に さからい 、 クビ に なる が 、 自分 たち の 世代 を 映像 で とらえて み たい 、 と ドキュメンタリー フィルム づくり を 続けて いる 。 映画 は 、 リレイナ と 彼女 の フィルム の 被写体 に なる 三 人 の 同級 生 仲間 の 日常 を 追って いく 一 番 の しっかり者 が 、 女 友達 で 店員 の ヴィッキー 。 リレイナ も 二 人 の 男 友達 も ヴィッキー の アパート に ころがり込み 、 ナウい “ 清貧 暮らし ” を して いる 。 そこ へ ネクタイ を びしっと しめた TV の 若手 編成 局長 が 現れて ―― 。 監督 は 二十 代 後半 の ベン ・ スティラー で 、 この 編成 局長 役 で 出て いる が 、 ステキな の が 、 リレイナ の 男 友達 を 演じる イーサン ・ ホーク 。 はす に 構えた ファジーな 青年 像 は 日本 の 女性 に も 受け そうだ 。 「 こんど 初めて 、 その 日記 を 知り ました 。 河井 さん は 、 だいたい が 毎日新聞 の 人 と つき合い が 多く 、 それ まで 朝日 記者 が 訪ねて 行く こと は めったに なかった 。 ホッテモオケズ 会った 、 と いう の は 正直な ところ でしょう 」 「 28 年 前 、 朝日 を 定年 に なる 少し 前 、 河井 さん の 亡くなる 前年 だった か 、 河井 さん の こと を 本 に しよう と 、 取材 に 通った んです 。 本 の 題名 は 、 と 聞か れて 、 陶工 河井 寛次郎 、 と 答えたら 、 それ は やめて 、 ある 陶工 、 と いう こと に して くれ と いわ れ 、 それっきり に なった 。 毎日 の 美術 記者 だった 井上 靖 さん も 、 河井 を 書こう と して あきらめて い ます 」 「 女房 に 急死 さ れ まして 、 意欲 が なくなって 、 3 回忌 を 終えて やっと 書く 気 に なり ました 。 もう お 年 です から 、 と 編集 部 に いわ れて 、 シャク に さわって がんばり ました 」 「 読み返す の も イヤ で ね 。 河井 と いう 人 を 、 もう ひと つ わから ん なり に 書いて る 。 あの 人 は 出雲 の 人 で 、 やっぱり 神々 の 子 な んです ね 。 民芸 運動 に 参加 は し ました が 、 民芸 の 意識 が あった の は 戦前 まで で 、 晩年 は 神秘 主義 的に なり ました 」 「 学校 も 技術 系 で 、 自分 を 芸術 家 だ と か 、 自分 の 作品 が 美術 的だ と は 、 ただ の 一 度 も いわ なかった 。 作品 は 、 勝手に できて きよった 、 と 表現 して ました 。 生涯 一 陶工 。 生きて たら 、 こんな 本 に は 、 イヤ な 顔 を した でしょう ねえ 」 「 京都 の 美術 界 の 黄金 期 は 、 大正 の 後半 と 、 昭和 20 年 代 でした 。 いま は ツマラ ン 絵 を 描いて 、 高い 値段 でしょう 。 昔 の 人 は 違う よ 。 つぎ は 、 自分 と いう 人間 を さらけ出した もの を 書こう と 、 構想 は できて ます 。 この 年 に なって も 、 明日 の 夢 を 持た ない と 、 生きて は いけ ませ ん 」 寛政 六 年 、 なぞ の 浮世 絵師 、 東洲斎 写楽 が 独特の 役者 絵 を ひっさげて 登場 し 、 江戸 の 市中 の 話題 を さらって から 二百 年 。 それ を 記念 して 写楽 の 世界 的な 名品 や 、 美人 画 の 第一人者 、 喜多川 歌麿 ら 同 時代 の 絵師 たち の 作品 を 集めた 「 『 写楽 』 と 『 歌麿 』 ― 江戸 の 浮世 絵 展 」 が 六 日 から 十一 日 まで 大阪 市 天王寺 区 の 近鉄 アート 館 で 開か れる 。 今回 は 、 ベルギー の ブリュッセル 王立 美術 歴史 博物 館 から 世界中 に 一 枚 しか ない と いう 写楽 の 作品 など が 里帰り 。 歌麿 の ほか 、 鳥居 清長 、 勝川 春朗 、 勝川 春章 ら の 作品 を 含め 約 百五十 点 を 展示 し 、 写楽 登場 の 仕掛け 人 、 版元 蔦屋 重三郎 の 仕事 も 紹介 して いる 。 当時 、 江戸 の 人々 の 最大 の 娯楽 だった 歌舞伎 。 その 役者 たち の 似顔絵 を ユニークな タッチ で 描き 、 世間 を あっ と いわ せ 、 たった 十 カ月 の 間 に 百四十四 もの 作品 を 出して 、 こつ然 と 姿 を 消した 写楽 の なぞ 。 アダチ 版 を 含めて その 写楽 の 全 作品 を 一挙 展示 し 、 まるで 蔦屋 の 店先 の ように 江戸 の 浮世 絵 の 世界 を 再現 する 。 6 日 ― 11 日 10 時 ― 19 時 、 入館 は 18 時 半 まで 、 近鉄 アート 館 カッコ 内 は 前売り および 20 人 以上 の 団体 料金 。 6 日 15 時 、 同 百貨店 10 階 バンケットルーム 。 「 写楽 と 歌麿 の 謎 」 中右 瑛 氏 。 五 日 午前 九 時 二十 分 ごろ 、 奈良 県 天理 市 杉本 町 の 天理 前栽 郵便 局 = 特定 局 、 福井 康友 局長 = で 、 正面 入り口 から 入って 来た 住所 不定 、 無職 、 笠岡 丈二 容疑 者 が 、 カウンター 内 に いた 福井 局長 に モデルガン を 突きつけ 、 「 十万 円 だけ 貸して ほしい 。 三 日 後 に は 返す 」 と 現金 を 要求 。 福井 局長 が 拒否 し 、 押し 問答 と なった が 、 笠岡 容疑 者 は 何も 取ら ず に 逃げた 。 通報 で 駆けつけた 県警 天理 署員 が 北 約 二百 メートル の 近鉄 天理 線 前栽 駅 南 の 路上 で 笠岡 容疑 者 を 発見 。 職務 質問 した ところ 、 「 自分 が やった 」 と 認めた ため 、 強盗 未遂 容疑 で 緊急 逮捕 した 。 当時 、 局 内 に 客 は おら ず 、 福井 局長 と 女性 職員 一 人 に けが は なかった 。 共闘 する 政党 は ねじれ に ねじれ ―― 五 日 告示 さ れた 愛媛 県 知事 選 は 、 中央 で 連立 政権 を 組む 自民 ・ 社会 の 両党 と 旗揚げ 直後 の 新進党 勢力 が ともに 分裂 、 有権者 に とって 分かり づらい 構図 と なった 。 未 成熟な 新進党 地方 勢力 の 不 協和 音 が 聞こえる 今回 の 知事 選 。 政界 再編 の 渦 は 地方 政治 に 混乱 を 起こした まま 、 今春 の 統一 地方 選挙 に なだれこむ ? これ まで 県政 は 自 公 民 中心 で 支え られて 来た 。 今回 、 全県 組織 の ない 旧 新生 党 と 旧 日本 新党 は 新進党 県 支部 の 設立 を 前 に して 「 政界 再編 ブーム を 知事 選 に 持ち込み 、 新進党 の 県 内 基盤 づくり も 」 と の 思惑 から 新人 の 福西 氏 を 推した 。 この 日 、 松山 市 内 で 行わ れた 福西 陣営 出陣 式 でも 「 新進党 の 代表 」 と して 旧 日本 新党 の 地元 国会 議員 が あいさつ 。 福西 陣営 は 現職 の 伊賀 氏 を 推す 公明 と 旧 民社党 を 横目 に 、 新進党 に も 推薦 を 申請 中 だ 。 一方 、 公明 県 本部 の 幹部 は 「 地元 を 無視 して 県 内 の 新進党 づくり を 進めよう と して も だめだ 」 と 反発 。 えひめ 民社 協会 の 幹部 も 新進党 の 福西 氏 推薦 を 警戒 して 「 旧 民社 の 政治 家 が 愛媛 に 応援 に 来て もらって は 困る と 、 中央 に は 何 回 も 要請 した 」 と 相手 陣営 を けん制 する 。 福西 陣営 で は 海部 俊樹 ・ 新進 党首 の 応援 要請 も 検討 して いる が 、 有権者 に は 冷ややかな 声 も 。 主婦 ら で つくる 市民 団体 「 議会 に 女性 を おくる 会 」 事務 局 の 中野 鈴恵 さん は 「 非常に 分かり にくい 構図 。 この ねじれ は 、 各 党 勢力 が 政策 的に 共鳴 した 結果 で は なく 、 利害 関係 から 生まれた もの 。 政策 的な 争点 は なく 、 候補 者 の 考え の 違い が 伝わって こ ない 」 と 話す 。 天理 教 教会 本部 で 5 日 、 神殿 に 供え られた 約 48 トン の もち を 雑煮 に して ふるまう 新春 恒例 の 「 お 節会 」 が あり 、 参拝 者 ら が 焼きもち と 水菜 の すまし 雑煮 に 、 舌鼓 を 打った 。 信者 が 増え だした 明治 初期 から 戦時 中 を 除いて 続く 行事 。 正月 三が日 に 本部 神殿 に 飾った 直径 約 1 メートル 、 重 さ 約 40キロ の 大 鏡もち を 約 1700 人 の 信者 ら が 事前 に 切り分け 、 炭火 の 焼き 床 14 カ所 で 焼いた 。 7 日 まで 連日 午前 10 時 から 午後 1 時 に 行わ れる 。 関西 国際 空港 の 展望 デッキ の 入場 者 が 5 日 、 開港 4 カ月 で 100万 人 に 達した 。 開港 前 の 予測 より 7 カ月 も 早い 。 100万 人 目 の 入場 者 は 仙台 市 若林 区 河原 町 、 市立 南 材木 町 小 6 年 、 長谷川 寛司 君 。 正月 で 兵庫 県 尼崎 市 の 実家 に 里帰り し 、 家族 5 人 と 空港 見学 に 来た 。 記念 式典 で 、 関西 国際 空港 会社 の 服部 経治 社長 から 記念 品 を もらい 、 くす玉 が 割ら れた 。 展望 デッキ は メンテナンス センター ビル の 4 、 5 階 に ある 。 入場 料 が 大人 800 円 と 、 大阪 空港 の 16 倍 も する が 、 開港 後 から 団体 客 ら が 大勢 詰めかけ 、 入場 者 は 1 日 平均 、 8200 人 に なって いる 。 正月 、 テレビ の 舞台 中継 を ビデオ に 収録 した 人 は 多い だろう 。 最近 の 若い 役者 や 文楽 の 技芸 員 の 中 に は 、 役 が つく と 、 ビデオ で 動き や 手順 など を 覚える 者 が 増えて いる 。 ビデオ は 便利だ 。 それ は それ で 悪く ない が 、 ふだん 実際 の 舞台 を 見聞き せ ず 、 覚える 努力 を し ない の は 困りもの だ 。 演劇 評論 家 の 渡辺 保 さん が 著書 「 日本 の 舞踊 」 の 中 で 紹介 して いる 逸話 が ある 。 優れた カメラマン である 吉越 立雄 さん が 、 ある 時 、 名手 の 舞 を 見て いて 、 最後 まで シャッター を 押さ なかった 。 なぜ だろう と 思って 尋ねる と 、 「 あれ は 、 写ら ない んだ よ 」 と 答えた と いう 。 カメラ や ビデオ に 写ら ない もの 、 ナマ の 舞台 で しか 感じ取れ ない もの が ある 。 それ が 重要だ 。 文楽 人形 遣い の 故 桐竹 紋十郎 は 読み書き が 不自由だった が 、 一 度 見た 舞台 は 忘れ ない 抜群の 記憶 力 を 持って いた 。 父 の 故 片岡 仁左衛門 に ついて 孝夫 さん は 「 あの 年代 の 人 たち の 舞台 の 記憶 力 は すごい 」 と 脱帽 して いた 。 昔 の 名人 たち は 、 ビデオ に 写ら ない もの も しっかり 記憶 して いた のである 。 ビデオ など なかった 不便な 時代 に 名人 が 輩出 し 、 便利に なった 今 は 名人 が 出 ない 、 なんて いう こと の ない ように 。 えひめ 民社 協会 新進党 の 結成 で 民社党 が 解散 した の に 伴い 、 同 党 愛媛 県連 が 、 解党 後 の 県 内 政治 活動 の 受け皿 と して 新たに 結成 した 政治 団体 。 旧 同 党 の 方針 に 沿った 設立 で 、 全国 で 同様の 民社 協会 が 結成 さ れて いる 。 京都 市 内 で 発見 さ れた 偽造 千 円 札 「 千 D ― 13 号 」 事件 で 五 日 、 同じ 特徴 の ニセ札 一 枚 が 新たに 見つかり 、 計 七 枚 に なった 。 京都 府警 の 調べ で は 、 同 市 左京 区 の 京都 銀行 銀閣寺 支店 が 昨年 十二 月 二十八 日 、 日本銀行 京都 支店 に 入金 した 中 の 一 枚 で 、 記番号 は 「 WC 493738 H 」 。 昨年 十一 月 に 伏見 区 内 の 自動 販売 機 で 使わ れた もの と 同一だった 。 関西 国際 空港 発 の 国際 線 で 、 航空 運賃 の “ 価格 破壊 ” が 進んで いる 。 大阪 空港 時代 に 比べ 便 数 が 倍増 。 航空 不況 に 加え 供給 過多 に なり 、 航空 券 が 大幅に ダンピング さ れ 旅行 代理 店 に 売りさばか れて いる ため だ 。 大阪 空港 発 の 時 より 最高 四 割 も 格安で 、 シンガポール まで の 往復 は 曜日 に よって は 六万 円 と 、 約 四万 円 も 下がって いる 。 航空 運賃 は 認可 制 で 運輸 省 は 価格 体系 が 崩れる と して 渋い 顔 だ が 、 運賃 は まだまだ 下降 カーブ を たどり そうだ 。 関空 会社 など に よる と 、 関空 国際 線 の 発着 便 数 は 週 三百八十八 便 。 週 百九十三 便 だった 大阪 空港 の 時 より 倍増 。 この 春 以後 は エジプト 便 など さらに 増える 。 認可 額 を 大幅に 下回る ダンピング 航空 券 が 出回り 始めた の は 昨年 末 から で 、 旅行 代理 店 の 「 ヒロ ・ インターナショナル 」 で は 、 一 月 四 日 ― 同 三十一 日 出発 の シンガポール 往復 航空 券 を 大阪 空港 の 時 より 三万七千 円 安い 六万 円 で 販売 。 「 マップ ・ インターナショナル 」 は 一 月 三 日 ― 三十一 日 出発 で 曜日 に よって は 、 欧州 主要 各 都市 と の 往復 を 三万五千 円 安い 九万五千 円 に 。 「 トラベルメイト 」 は 、 ロサンゼルス 往復 を 二万二千 円 安い 七万三千 円 で 販売 して いる 。 航空 各社 は 航空 券 を 正規の 認可 運賃 で 問屋 に 卸し 、 問屋 は 航空 各社 の 指示 で 空席 状況 に 合わせて ダンピング 価格 で 旅行 代理 店 に 売って おり 、 その 差額 は 航空 各社 から 問屋 に 支払わ れる 仕組み に なって いる 。 その 背景 に は 航空 需給 の アンバランス が ある 。 シンガポール 路線 の 場合 、 シンガポール 航空 と 全日空 など 三 社 が 乗り入れて いる が 、 シンガポール 航空 は 大阪 空港 時 の 週 六 便 から 、 週 十四 便 に 増やした 。 同社 の 平均 搭乗 率 は 約 二 割 ダウン した と いう 。 同社 は 「 増便 した もの の 、 それ に 見合う ほど 需要 が 伸び ない 。 新規 路線 就航 で 旅行 先 が 分散 し 、 客 を 集め にくい こと も 一因 」 と 話して いる 。 こうした 価格 変化 に ついて ヒロ ・ インターナショナル は 「 同一 路線 を 飛ぶ 航空 会社 が 増え 、 価格 競争 が 過熱 気味 。 新しい 路線 が まだ 開設 さ れる し 、 しばらく この 傾向 は 続く ので は 」 と 分析 。 これ に 対し 運輸 省 国際 航空 課 は 「 今 は 供給 過多 かも しれ ない が 、 開港 直後 の 一時的 現象 。 長期 的に 見て 対応 を 考え たい 」 と して いる 。 さきがけ の 武村 正義 代表 と 社会党 の 五島 正規 副 書記 長 が 先月 末 、 京都 市 内 で 会談 し 、 ( 1 ) 与党 間 の 政策 協議 は 、 まず 両党 の 協議 を 優先 する ( 2 ) 統一 地方 選 と 参院 選 で は 両党 が 最大 限 の 選挙 協力 を する ―― 方向 で 両党 間 協議 を 詰める こと を 確認 して いた こと が 五 日 分かった 。 社会党 筋 が 明らかに した 。 武村 氏 と 久保 亘 社会党 書記 長 が 昨秋 以来 会談 を 重ね 、 政界 の 第 三 極 づくり を 目指す こと で 原則 合意 した の を 受け 、 具体 的 手順 を 話し合った もの だ 。 両党 は 今後 、 政策 と 選挙 の 双方 で 連携 を 深める こと に なる が 、 焦点 の 新党 結成 に ついて は 、 政党 間 だけ の 協議 に とどめ ず 、 学識 経験 者 、 市民 グループ 代表 ら を 交えて 協議 する 方針 で 、 結成 を 無理に 急ぐ 必要 は ない と の 立場 と 見 られる 。 武村 氏 は その後 、 久保 氏 と も 東京 都 内 で 会談 、 こうした 確認 事項 に ついて 意見 交換 した 。 社会党 は 、 「 民主 リベラル 新党 」 結成 を 目指して いる 。 しかし 、 旧 民社党 が 新進党 に 参加 した こと も あり 、 久保 氏 は さきがけ と の 連携 に 意欲 を 持って いる 。 欧州 連合 の ハンス ・ ファンデンブルック 対外 政治 関係 担当 委員 は 五 日 、 EU は ロシア の 対 チェチェン 軍事 政策 など に 抗議 し 、 同国 と 結ぶ 予定 だった 経済 協定 の 本 調印 を 延期 する 、 と 発表 した 。 欧州 各国 で は 、 ロシア が 加盟 する 全欧 安保 協力 機構 の 圧力 を 通じ 紛争 の 平和 解決 を 求める 声 が 強まって いた が 、 チェチェン 紛争 に 関し EU が ロシア に 抗議 の 姿勢 を 示した の は 初めて 。 また 、 欧州 委 スポークスマン に よる と 、 ドイツ 、 フランス 、 スペイン 三 カ国 の 代表 が 近く ロシア を 訪問 、 チェチェン 問題 に ついて 協議 する 見通し だ 。 5 日 夕刊 1 面 「 パソコン TV に 受信 料 」 の 記事 で 、 NHK の 受信 料 は 「 一般 家庭 で 複数 台 の 機器 が あれば その 数 の 分 だけ 契約 する 方針 」 と ある の は 「 複数 台 の 機器 が あって も 一 契約 」 の 誤り でした 。 チェチェン 情勢 は エリツィン 大統領 が 五 日 から の 首都 グロズヌイ へ の 空爆 中止 を 命令 した に も かかわら ず 、 同日 午後 ロシア 軍 機 に よる 首都 へ の 空爆 が 行わ れた 。 また グロズヌイ 市 内 で ロシア 軍 と ドゥダエフ 政権 部隊 が 激しく 交戦 した 。 インタファクス 通信 は 五 日 夕 、 現地 ロシア 軍 の 高官 の 発言 と して 「 首都 総 攻撃 で は ない が 、 戦闘 は 続いて いる 」 と 伝えた 。 現地 発 の AFP 通信 の 情報 に よる と 、 ロシア 軍 機 は 首都 中心 部 に ある 大統領 官邸 に 爆弾 を 投下 し 、 十一 階建て の 同 官邸 の 六 階 部分 の 一部 が 炎上 した 。 さらに インタファクス 通信 に よる と 、 市 内 の 別の 地区 に も 爆弾 が 落とさ れた ほか 、 市 内 北部 に ある ドゥダエフ 大統領 の 住宅 付近 で 最も 激しい 戦闘 が 起きて いる と いう 。 また 都心 部 の 鉄道 駅 および 市 の 北部 、 東部 でも 双方 が 交戦 した 。 空爆 実施 が どの レベル で の 決定 に よる もの か 不明だ が 、 大統領 令 が 再び 厳守 さ れて い ない こと は 大統領 かつ 軍 最高 司令 官 と して エリツィン 氏 の 指導 力 、 威信 に も 影響 を 与え かね ない 。 タス 通信 に よる と 、 五 日 モスクワ で 記者 会見 を 予定 した グラチョフ 国防 相 も モスクワ 行き を 中止 し 、 現地 に とどまって いる 模様 だ 。 長野 県 駒ケ根 市 の 中央 アルプス ・ 木曽 駒ケ岳 付近 の 千畳敷 カール で 四 日 発生 した 雪崩 に 、 東京 都 内 の 二 パーティー 六 人 が 巻き込ま れた 事故 で 、 長野 県警 は 五 日 午後 まで の 捜索 で 六 人 全員 を 遺体 で 発見 、 収容 した 。 氷点下 一〇 度 以下 の 悪 条件 の 中 で 、 署員 が カール の 雪崩 の 下端 から 上部 に 向け ゾンデ を 雪面 に 刺し ながら 捜索 を 続けた 。 六 人 は 駒ケ岳 ロープウェイ で 駒ケ根 署 に 収容 。 検視 の 結果 、 全員 外傷 は なく 、 四 人 は 窒息 死 、 二 人 は 首 骨折 死 と 分かった 。 死亡 推定 時間 は 四 日 午前 十一 時 半 ごろ で 、 雪崩 に 巻き込ま れ 約 三十 分 以内 に 死亡 した こと が 判明 した 。 一昨年 四 月 から 埼玉 県 行田 市 持田 三 、 会社 役員 、 川崎 明男 さん が 行方 不明に なった 事件 で 、 同 県警 捜査 一 課 と 行田 署 は 五 日 、 川崎 さん の 遺体 を 群馬 県 利根 郡 片品 村 で 焼き 、 遺骨 を 同村 の 国有 林 内 に 捨てた と して 、 埼玉 県 大里 郡 江南 町 板井 、 ペット ショップ 「 アフリカ ケンネル 」 店員 で 犬 猫 繁殖 販売 業 、 関根 元 と 、 同居 の 元 妻 で 同 店 社長 、 風間 博子 の 両 容疑 者 を 死体 遺棄 の 疑い で 逮捕 した 。 二 人 は 容疑 を 全面 否認 して いる と いう 。 調べ で は 、 両 容疑 者 は 一九九三 年 四 月 二十 日 から 二十一 日 に かけて 、 川崎 さん の 遺体 を 同県 熊谷 市 内 に 駐車 中 の 関根 容疑 者 の 車 から 片品 村 花咲 の 空き地 に 運び 、 ドラム缶 内 で 焼却 。 遺骨 や 遺品 を 同村 内 の 国有 林 内 に 遺棄 した 疑い 。 目撃 者 の 話 から 、 遺骨 は 昨年 暮れ 、 捜査 員 が 発見 。 歯形 が 一致 した こと など から 川崎 さん の もの と 断定 した 。 川崎 さん は 同 二十 日 午後 、 勤めて いた 熊谷 市 の 産 廃 処理 工場 に 男 の 声 の 電話 を 二 回 受けた 後 、 友人 から 借りて いた ドイツ 製 乗用車 で 会社 を 出て 以来 、 行方 が 分から なく なって いた 。 川崎 さん の 車 は 何者 か が 運転 して 同 二十一 日 午前 二 時 四十 分 ごろ 、 JR 東京 駅 八重洲 口 の 「 八重洲 東 駐車 場 」 に 入庫 。 一 週間 たって も 引き取り に 来 ない ため 、 駐車 場 が 警視 庁 に 届けて いた 。 川崎 さん は 七 年 ほど 前 、 知人 を 通して 関根 容疑 者 と 知り合った 。 九二 年 末 、 同 容疑 者 に 「 犬 を 繁殖 さ せる と もうかる 」 など と 持ち掛け られ 、 アフリカ 原産 の 大型 犬 ローデシアンリッジバック の つがい を 千百万 円 で 購入 。 代金 は 一昨年 一 月 から 四 回 に わたり 支払った 。 しかし 、 犬 が なかなか 届か ず 、 やっと 届いた 犬 も 繁殖 に は 適さ ない 四 歳 の メス 一 頭 だけ だった ため 、 契約 解除 を 申し込んで いた 。 同 署 は 、 この 契約 を めぐって 川崎 さん と 同 容疑 者 の 間 で 代金 の 返却 に 関し トラブル に なった と みて いる 。 また 、 一昨年 七 月 に は 同 容疑 者 と 関係 が あった 江南 町 の 会社 役員 と その 運転手 、 同 八 月 に は ペット ショップ の 客 の 行田 市 の 主婦 の 三 人 が 相次いで 失跡 。 十 年 ほど 前 に も 関根 容疑 者 と 付き合い の あった 運転手 ら 行方 が 分から なく なって いる 人 が 同県 内 で 数 人 おり 、 同 署 で 関連 を 調べて いる 。 さきがけ の 武村 正義 代表 は 五 日 、 地元 の 滋賀 県 で 記者 会見 し 、 今夏 の 参院 選 に ついて 、 党 公認 候補 と して 選挙 区 で 八 、 九 人 を 擁立 する 方針 を 初めて 表明 した 。 武村 代表 は 「 改選 数 三 以上 の 東京 、 大阪 、 神奈川 、 埼玉 、 愛知 と 、 改選 数 一 の 三 、 四 県 で 公認 候補 を 擁立 し 、 比例 区 に も 候補 者 を 立て たい 」 と 語った 。 さきがけ は 同日 、 参院 選 滋賀 選挙 区 に 、 県議 の 奥村 展三 氏 を 公認 候補 と して 擁立 する と 発表 した 。 外務 省 首脳 は 5 日 、 今月 予定 さ れて いる ロシア の コズイレフ 外 相 の 訪 日 に ついて 、 「 チェチェン 情勢 が こういう 状況 で 国 を あけ られる か どう か 」 と 述べ 、 訪 日 実現 は 難しい と の 見通し を 示した 。 社会党 は 仕事 始め の 五 日 から 、 「 民主 リベラル 新党 」 結成 問題 で 揺れた 。 同 党 の 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 は 同日 、 新民連 内 の 同調 者 が 少なくて も 今月 中旬 に 新党 を 結成 する 考え を 表明 。 早ければ 六 日 に 開く 新民連 総会 で 独自の 新党 準備 会 旗揚げ を 決める 意向 だ 。 一方 、 党 執行 部 は 臨時 中執 委 を 十 日 に 開く こと を 決定 した が 、 新民連 の 主張 を どこ まで くみ取る か が 焦点 。 執行 部 内 に は 「 山花 氏 ら は 早々 に 離党 さ せれば いい 」 と の 意見 も あり 、 協議 は 難航 し そうだ 。 山花 氏 は 五 日 、 全電通 の 旗 開き で の あいさつ で 「 今日 の 時点 で は 熟慮 断行 以外 に ない 。 社会党 丸ごと でも 新民連 丸ごと で も なく 、 新しい 党 の 姿 を 示さ なければ なら ない 」 と 語った 。 梶本 幸治 全電通 委員 長 も 「 民主 リベラル 勢力 の 大同 団結 が 必要だ 」 と 、 新民連 を 支援 する 姿勢 を 改めて 強調 した 。 山花 氏 は 六 、 九 の 両日 に 開く 新民連 の 総会 で 、 年 末 年始 に 支持 団体 と 離党 を 含めた 対応 を 協議 して きた 各 所属 議員 の 意見 を 聴取 。 早ければ 六 日 に 民主 改革 連合 、 民主 新党 クラブ など 他 党派 の 有志 議員 と 新党 準備 会 を 結成 し 、 その後 、 新民連 議員 の 参加 を 待つ 考え だ 。 山花 氏 に ついて 周辺 は 「 離党 の 意思 は 固めて いる 」 と 語る 。 しかし 、 同氏 は 年 末 の 報道 各社 の インタビュー で 、 執行 部 が 早期 の 新党 結成 を 二 月 の 党 大会 で 決める こと に すれば 、 通常 国会 前 は 新党 準備 会 結成 に とどめ 、 離党 は 先 送り する 意向 を にじま せた 。 また 、 山花 氏 が 新党 準備 会 の パートナー と して 期待 する 民主 新党 クラブ の 海江田 万里 代表 は 五 日 、 国会 内 で 鳩山 由紀夫 さきがけ 代表 幹事 と 会談 。 新民連 の 新党 が 新進党 に 近付く こと へ の 懸念 を 表明 し 、 準備 会 参加 に 戸惑い を 見せる など 、 準備 会 発足 も すんなり と は いか ない 情勢 だ 。 新しい 候補 の 多い 政党 の 方 が 勝ち 、 現職 が 多い 政党 ほど 負ける と 思う 。 それ は 違う 。 無理 して も うまく いか ない 。 二 つ に する こと 自体 に は 意味 が ない 。 二 大 政党 制 は それなり の 良 さ が ある の かも しれ ない 。 だが 、 自分 の 持ち味 まで 押し殺して 二 大 政党 に なる こと は ない 。 細川 政権 は 政治 改革 政権 、 と 言って 提唱 者 の 我々 は 自民党 に も 呼び掛けた 。 別に 非 自民 政権 を 最初 から つくる つもりだった わけで は ない 。 ただ 結果 的に は 非 自民 政権 だった から 、 あの 政権 を ずっと 非 自民 政権 と 言い 続けた 人 が いた 。 一昨年 夏 の 再編 の 一 つ の 軸 だった と は 言える 。 大きな 役割 が あった 。 自民党 は 野党 を 経験 し 、 社会党 は 政権 に 参画 した のだ から 。 同じ 考え の 人 が 同じ 場所 に 集まった とき に 終わる 。 小沢 さん も そう 言って いる 。 一緒に やる こと は ないだろう が 。 一方 の 旗頭 と して がんばって もらい たい 。 今 一 番 いけない の は 、 あいまいな 旗印 だ 。 日本 の 進路 に ついて の 考え 方 は 違う が 、 小沢 さん の 明確 さ に は 敬意 を 表して いる 。 本来 なら 我々 と 一緒に なる 社会党 が 自民党 と 一緒に なった 。 社会党 が まだ もたもた して いる が 、 動く 可能 性 が ある 。 まだ 流動 的だ 。 その辺 が 見えて くる と おもしろい 。 実際 に 相当な 人数 が 動き たい と いって いる 。 新進党 に すぐ 入る と いう こと は ない かも しれ ない が 、 そういう 方向 に 我々 が この 党 を どう 作り上げて いく か に かかって いる と 思う 。 社会党 が 全部 と いう の は 難しい と は 思う けれども 。 あの まま 党 名 を 変更 すれば 全滅 する 。 全部 一緒に やり ます 、 と いう の は 厳しい 。 新しい 動き で 明確に 打ち出せ ねば 。 新進党 の 出発 と いう こと で 我々 も 大きな 山 に 登った けれど 、 まだ 確固たる 基盤 は 作ら れて い ない 。 これ から 強固な もの に して いか なければ なら ない 。 同時に 社会党 に いろいろな 動き が ある が 何 カ月 たって も 見えて こ ない 。 必然 的に 動か ない と どうにも なら ない 状態 が ある から 動か ざる を 得 ない 。 その 時 どう なる か だ 。 我々 が 目指す の は 、 二 大 政党 と いう より は 二 大 勢力 だ 。 共産党 も ある し 、 ほか の 政党 も 出て くる かも しれ ない 。 二 大 勢力 で やる の が いい 。 再編 は 、 連立 の 時代 と して スタート した ばかりだ 。 ゴール は 見え ない が 、 見え ない ゴール に 向かって 進ま ざる を 得 ない 。 今 は 、 過渡 的に 連立 政権 が 評価 さ れて いる ので は なく 、 連立 そのもの に 価値 が 求め られて いる 。 三 極 は 連立 の 最低の 単位 だ 。 しかし 、 並立 制 が 連立 政権 を 求めて いる か と いう と 、 そう で は ない 。 これ は 将来 的に は 二 極 へ 進む 。 しかし 、 自民党 、 新進党 の 二 極 は いかがな もの か 。 保守 と 新 保守 の 二 大 政党 制 は 、 小沢 さん が 政治 改革 で 目指す もの と して 主張 して いた 。 私 たち が 民主 リベラル 新党 を 三 極 の 旗 と して いる の は 、 将来 的に は 二 極 の 一方 の 中心 に なら ない と いけない から だ 。 自民党 内 で さえ 、 党 基本 問題 調査 会 の 答申 を 受けて かなり の 対立 が あった 。 新進党 は もともと 基本 理念 の 違う 党 が 集まって いる 。 旧 自民党 の 人 たち が 半分 。 宗教 団体 を バック に 持つ 旧 公明党 が 続く 。 それ と 、 新 保守 であって も 保守 の 立場 に は 立て ない 旧 民社党 。 社会主義インター に 加入 する そうだ が 、 新 保守 主義 の 理念 と は 全く 合わ ない 。 将来 は かなり 流動 的だ 。 さきがけ 、 社会党 、 新民連 が どう なる か 。 大同 団結 する の か 。 わが 方 は 再 分裂 は まず 考え られ ない 。 二百五十 は いき たい と 念願 して いる 。 新進党 も そう 増える と は 思え ない 。 特に 、 第 三 の グループ が かなり の もの に なって 鼎立 関係 に なる の か 、 キャスチングボート を 握る ように なる の か 。 茨城 の ような こと は ない に して も 、 あの 結果 は かなり の 指標 に なる と は 思って いる 。 小 選挙 区 制 の 導入 に ついて 、 二 大 政党 で パラレルに なる と いう が 、 一 党 が 大きく なり 過ぎて 一 対 〇・五 に なる 可能 性 も なき に しも あら ず だ 。 カナダ の 総 選挙 で は 、 一九八四 年 と 九三 年 を 比べる と 、 進歩 保守 党 は 百六十九 議席 から 二 議席 に なった 。 自由党 は 八十三 から 百七十八 、 改革 党 が ゼロ から 五十二 、 ケベック 連合 も ゼロ から 五十四 に なった 。 こういう 可能 性 だって ある 。 政策 の 違い が 不明だ と 、 風 が 吹いた と か 、 政策 の 失敗 が あった と か で オール 勝ち と いう 危険 性 が ある 。 一般 的に 二 大 政党 か 三 極 に なる と いわ れる が 、 日本 の 場合 は 、 比例 区 を 加味 して ドイツ 型 に なる の か なあ と 思って いる 。 五十嵐 広三 官房 長官 は 五 日 夜 、 神奈川 県 知事 選 で 共産党 を 除く 各 党 が 石原 信雄 官房 副 長官 の 擁立 で 合意 した こと に ついて 、 記者 団 に 「 与党 首脳 の 判断 も ある だろう が 、 石原 氏 は 村山 内閣 に とって 重要な 人 である と いう 考え に 変わり は ない 」 と 述べ 、 慎重に 対応 する 姿勢 を にじま せた 。 一方 、 石原 氏 は 同日 、 出馬 に ついて 「 仮定 の 質問 に は 答え られ ない 」 と 語った 。 村山 富市 首相 は 五 日 の 社会党 旗 開き で の あいさつ で 、 同 党 の 久保 亘 書記 長 を しきりと 持ち上げる 配慮 を みせた 。 党 内 混乱 の 収拾 に 向け 、 新民連 に にらみ が きく 久保 氏 の 協力 を 暗に 促した と み られる 。 一方 、 五十嵐 広三 官房 長官 は 同日 、 地元 ・ 北海道 旭川 市 で 記者 団 に 「 久保 書記 長 は 『 社会党 は もう ダメ だ から 新党 だ 』 と 言って いる ようだ が 、 新党 に は 積極 的な 意味づけ を 考える べきだ 」 と 述べ 、 久保 氏 の 姿勢 を けん制 した 。 社会党 は 五 日 、 三役 懇談 会 を 開き 、 「 民主 リベラル 新党 」 結成 に 向け 二 月 十一 日 を めど に 開催 する 臨時 党 大会 の 性格 や 議案 に ついて 協議 する 臨時 中央 執行 委員 会 を 、 今月 十 日 に 開く こと を 決めた 。 当初 、 十二 日 の 定例 中執 委 で 協議 する 予定 だった が 、 綱領 的 文書 「 九五 年 宣言 」 を 党 大会 で 採択 する か どう か など で 意見 が 対立 して いる ため 、 中執 委 討議 が 一 回 で まとまら ない 可能 性 が 強い と 判断 した 。 社会党 は 5 日 、 三陸 はるか 沖 地震 の 被害 実態 を 調べる ため 、 党 調査 団 を 6 日 に 被災 地 の 青森 県 八戸 市 に 派遣 する こと を 決めた 。 社会党 ・ 護憲 民主 連合 の 堂本 暁子 参院 議員 は 五 日 、 参院 執行 部 に 対し 会派 離脱 届 を 提出 した こと を 明らかに した 。 社会党 内 の 手続き を 終え 次第 、 さきがけ に 入党 届 を 出す と いう 。 米 中央 情報 局 は 日本 国 内 に 、 最盛 時 に は 百 人 以上 、 現在 も 約 六十 人 と いう 在 外 支局 と して は 「 世界 で 最大 級 規模 」 の 要員 を 配置 し 、 自民党 や 社会党 の 議員 、 政府 省庁 職員 、 在 日本 朝鮮 人 総 連合 会 幹部 、 左翼 過激 派 、 商社 員 ら に 定期 的に 報酬 を 渡して 秘密の 情報 提供 者 と して きた こと が 、 複数 の CIA 関係 筋 の 証言 で 明らかに なった 。 CIA は こうした 政治 ・ 安全 保障 分野 だけ で なく 、 経済 ・ 技術 分野 でも 日本 の 対 米 貿易 の 交渉 方針 、 日本 企業 の 高度 技術 を 対象 に 、 情報 活動 を 展開 して きた 。 在 日 CIA 工作 の 全体 的な 実態 および 陣容 は これ まで ほとんど 知ら れて い なかった 。 CIA スポークスマン は こうした 工作 に ついて 「 ノー コメント 」 と 論評 を 拒否 した 。 CIA 関係 筋 は 、 CIA の 情報 提供 者 と なって いた 自 社 両党 の 議員 の 名前 を 明らかに する こと を 拒否 した が 、 社会党 議員 に ついて は 「 長老 で 、 一九八〇 年 代 に 月 二十五万 円 の 報酬 を 手渡し 、 党 の 運動 方針 など を 聞いた 」 と だけ 述べた 。 また 数 人 の 自民党 議員 に も 同様の 報酬 が 支払わ れ 各種の 政治 情報 を 得た 、 と 同 筋 は 指摘 した 。 情報 提供 者 に は 、 地位 に 応じて 、 現金 で 月 十万 ― 二十五万 円 を ホテル など で 手渡した と いう 。 政治 情報 で は 、 第 一 に 首相 の 動向 が 最大 の 関心 事 。 CIA は 歴代 首相 の 側近 、 周辺 に 常に 情報 提供 者 を 確保 して きた 。 八五 年 五 月 ボン で 行わ れた 中曽根 康弘 ・ コール 両 首相 の 日本 ・ 西独 首脳 会談 の 際 に は CIA 要員 も ボン に 出張 、 会談 直後 に 中曽根 氏 の 側近 から その 内容 を 入手 する 方法 が とら れた 。 レーガン 米 大統領 が 中曽根 首相 に ゴルフ クラブ を 贈る 際 、 サイズ を CIA 要員 が 調べた 。 自民党 の 中 で は 金丸 信 元 副 総裁 が CIA に 協力 的だった 。 九〇 年 九 月 の 金丸 氏 に よる 北朝鮮 訪問 の 前後 に は 、 同氏 と 親しかった 中尾 宏 元 衆院 議員 が 訪 米 、 CIA 側 に 状況 を 説明 した と いう 。 牛肉 ・ オレンジ 市場 開放 交渉 で は 、 農水 省 内 の 情報 提供 者 から 「 日本 の 最終 譲歩 リスト 」 を 入手 して いた 、 と 別の 関係 筋 は 証言 した 。 電気 通信 分野 の 交渉 に 関連 して も 郵政 省 の 内部 や NTT 、 通産 省 内部 から も 情報 を 得て いた と いう 。 ハイテク の 軍事 的 側面 も 調査 、 京セラ や 大日本印刷 、 宇宙 開発 事業 団 、 三菱重工 、 石川島播磨 重 工業 など が 調査 対象 と なった 。 韓国 の ハンギョレ 新聞 は 、 六 日 付 早 版 で 、 米国 が 、 核 問題 に 関する ジュネーブ で の 米 朝 包括 合意 に より 、 今月 十六 日 から 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 に 対して 実施 して いた 制裁 措置 を 解除 する 方針 だ 、 と 報じた 。 韓国 政府 関係 者 の 話 を 引用 した もの で 、 最近 、 米国 側 から 韓国 政府 に 通告 が あった と いう 。 全電通 の 梶本 幸治 委員 長 は 五 日 の 旗 開き で 、 今 春闘 で 九千五百 円 の 賃上げ を 要求 して いく こと を 明らかに した 。 金額 で 賃上げ 要求 を 行う 連合 の 方針 に 従った もの 。 韓国 の 湖南 精油 は 五 日 、 米国 が 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 と の 包括 合意 に 基づき 供与 する 重油 の うち 最初 の 五万 トン を 、 十一 日 から 全羅南道 麗川 港 で 船積み する と 発表 した 。 合意 で の 提供 期限 に あたる 二十一 日 まで に は 、 北朝鮮 の 咸鏡北道 先鋒 港 に 到着 する 。 この 重油 は 昨年 中 に 北朝鮮 に 送ら れる 予定 だった が 、 在 韓 米軍 ヘリ の 軍事 境界 線 越境 事件 の ため に 米国 側 が 延期 を 要請 して いた 。 湖南 精油 は 昨年 入札 で この 重油 の 供給 権 を 落札 。 十一 日 から の 重油 船積み は 、 米 国防 総 省 傘下 の 油類 供給 庁 が 五 日 指示 して きた 。 にしやま ・ あきひこ = 東京 都 出身 。 東京ガス 社員 と して 日本 最大 の サラリーマン 交流 組織 「 アーバンクラブ 」 を 設立 。 現在 、 取締 役 企画 部長 。 41 歳 。 「 スーパー 平 社員 」 。 こんな 言葉 が 、 今 、 サラリーマン の 間 で 話題 に なって いる 。 その 名付け親 で 、 自ら まとめた 同名 の 著書 も 好調な 売れ行き だ 。 企業 は 、 リストラ の 大 合唱 で 、 管理 職 ポスト を 大幅に 削減 中 。 「 部長 を 目標 に する 新入 社員 が 多い が 、 今後 は 百 人 に 九十 人 は 部 課長 に なれ ない 時代 」 と 警告 する 。 サラリーマン と して 生き残る 道 は 「 会社 で 三 本 の 指 に 入る プロ に なる こと 」 。 それ も 三十五 歳 まで に 、 と 言う 。 東京ガス の 新人 時代 、 温風 暖房 機 が 暖房 の 主流 に なる と 直感 。 父親 ほど 年 の 違う 代理 店主 五百 人 を 説得 し 売り込んだ 。 エネルギー 問題 に 取り組み 、 中東 経済 研究 所 に も 出向 。 その道 の 専門 家 と して 三 年間 で 数十 本 の 論文 を 書いた 。 三十六 歳 で 本社 事業 開発 部 へ 。 そのころ 「 生活 大国 」 が 騒が れた 。 部 課長 が 遊ぶ ように なれば 生活 大国 は 実現 する 。 会社 べったり の 生活 に 決別 し 、 社 外 の 交流 組織 を 思い立った 。 上場 企業 を 中心 に 百五十 社 、 六百 人 が セミナー や イベント に 参加 。 その 「 アーバンクラブ 」 は 、 売上高 三億 円 の 株式 会社 に 成長 した 。 東京ガス で 副 部長 の 肩書 も 持つ が 、 一 カ月 に 一 度 しか 出社 し ない 。 「 社会 で 通用 し 、 いつでも 会社 を 辞める 人間 に なる 」 。 会社 に 骨 を 埋める 滅私 奉公 型 は 「 スーパー 平 社員 時代 」 に は おしゃれで ない のだ そうだ 。 ロシア 軍 と ドゥダエフ 政権 部隊 と の 激戦 が 続く ロシア 南部 チェチェン 共和 国 の グロズヌイ 攻防 を めぐり 、 イスラム 教 国 である パキスタン で は 、 “ 同胞 ” 支援 の ジハード に 参加 す べきだ と の 声 が 急速な 高まり を 見せて いる 。 イスラマバード から の 報道 で は 、 首都 や カラチ で 連日 、 チェチェン の 同胞 支援 の 集会 が 開か れて いる 。 最 有力 イスラム 原理 主義 団体 で 国会 に も 議席 を 持つ 「 イスラム 協会 」 は 五 日 まで に 、 緊急 声明 を 発表 。 「 ジハード に 参加 する の が 、 イスラム 教徒 の 聖なる 義務 である 」 と して 、 聖戦 参加 を 支持 者 に 訴えた 。 ソマリア の 首都 モガディシオ で アブガル 、 ムルデサ 両 氏族 間 で 起きて いた 武力 抗争 で 、 両 氏族 の 長老 は 四 日 、 即時 全面 停戦 を 決めた 協定 に 調印 した 。 モガディシオ から の 報道 に よる と 、 協定 は 激戦 地 と なった 同 市 内 ベルムダ 地区 へ の すべて の 道路 から の 兵力 撤退 など 三 項 目 から なり 、 五 日 午前 六 時 から 発効 。 その後 、 戦闘 は 起きて い ない 。 両 氏族 の 背後 に は 対立 する 二 大 武装 勢力 の アイディード 派 と アリ ・ マハディ 派 の 対立 が ある 。 米 海軍 グアンタナモ 基地 に 収容 さ れて いる 約 四千五百 人 の ハイチ から の 難民 が 、 昨年 十 月 の アリスティド 大統領 復権 後 も 祖国 帰還 を 拒否 し 、 米 政府 は 対応 に 苦慮 して いる 。 クリントン 米 政権 は 先月 末 、 「 自主 的に 帰国 すれば 一 人 当たり 八十 ドル を 供与 する 」 と の 条件 を 提示 、 難民 の 帰還 を 促した 。 しかし 、 三 日 まで に 提案 に 応じた の は 一 割 強 の 五百四十 人 。 収容 中 の 多く の ボートピープル が 「 米国 行き 」 を 希望 、 八十 ドル の “ ボーナス ” も 効果 なし の 状態 だ 。 同 基地 に は 最大 時 で 約 二万 人 の ハイチ から の ボートピープル が 収容 さ れて いた が 、 昨年 十 月 の 軍事 政権 退陣 と 民政 復帰 で 、 順次 、 本国 へ 自主 的に 帰還 。 しかし 、 約 四千五百 人 は 帰国 を 拒否 し 、 収容 生活 を 続けて いる 。 国務 省 の マカリー 報道 官 は 自主 的 帰還 に 応じ なければ 強制 送還 の 手続き に 入る 考え を 明らかに した 。 5 日 朝刊 の 「 ロシア 経済 に 打撃 」 の 記事 で 、 「 戦闘 に よる 出費 は 一兆 ルーブル 」 は 、 「 約 三百億 円 」 の 誤り でした 。 タジキスタン の 反 政府 イスラム 過激 派 組織 の 「 イスラム 復興 運動 」 の 軍事 指導 者 、 リズボン ・ サジロフ 氏 は 五 日 、 「 ロシア の チェチェン 侵略 」 に 対して ジハード を 呼びかけた 。 同国 の アフガニスタン 国境 沿い に 駐留 する ロシア 国境 警備 隊 の ベスパロフ 中将 が インタファクス 通信 に 明らかに した 。 インド 原子力 省 は 5 日 、 ボンベイ 近く の 米国 製 原子力 発電 所 で 使用 する 濃縮 ウラン を 中国 から 購入 した と 発表 した 。 同 省 に よる と 、 同国 南部 の ハイデラバード に ある 核 燃料 工場 に 濃縮 ウラン の 第 一 便 が 到着 した と いう 。 タイ 国会 は 4 日 、 上下 両院 合同 特別 本 会議 を 開き 、 憲法 改正 案 を 賛成 591 、 反対 1 、 棄権 1 で 可決 した 。 これ で 、 国王 任命 制 の 上院 議員 数 の 削減 など が 実施 に 移さ れる こと に なる 。 4 日 付 の 米 紙 ニューヨーク ・ タイムズ は 、 米国 と イスラエル 両 政府 高官 の 話 と して 、 イラン が 核 兵器 を 製造 する まで に 5 年 しか かから ない と 報じた 。 南部アフリカ の マラウイ 警察 当局 は 五 日 、 昨年 四 月 の 選挙 で 敗退 した カムズ ・ バンダ 前 大統領 を 自宅 軟禁 状態 と し 、 同前 大統領 の 最 有力 側近 だった ジョン ・ テンボ 元 閣僚 を 逮捕 した 。 二 年 前 の 閣僚 ら 四 人 殺人 事件 が バンダ 政権 の 指示 に よる もの と の 疑い 。 マラウイ から の 報道 に よる と 、 政府 の 調査 委員 会 は 一九八三 年 五 月 に 「 交通 事故 で 死亡 」 と さ れた 三 閣僚 、 一 国会 議員 の 死に ついて 、 「 当時 の 警察 特別 機動 部隊 の 指示 に より 殺害 、 事故 に 偽装 さ れた 事件 」 と する 報告 書 を 発表 した 。 ロシア 外務 省 は 四 日 、 チェチェン 情勢 に 関連 して アフガニスタン 、 イラン 、 パキスタン 、 ヨルダン 、 サウジアラビア の 各 駐 ロシア 大使 を 呼び 、 これ ら イスラム 五 カ国 から の 武装 勢力 が チェチェン を 支援 して いる 、 と 注意 を 喚起 した 。 米 共和党 の ドール 上院 院内 総務 は 四 日 、 ボスニア ・ ヘルツェゴビナ 政府 に 対する 国連 武器 禁輸 決議 の 一方的 解除 を 求める 法案 を 上院 に 提出 、 新 議会 開会 初日 から クリントン 政権 の ボスニア 政策 に 正面 対決 する 姿勢 を 示した 。 外交 面 で 難問 山積 の クリントン 大統領 を 一層 苦境 に 陥れる 可能 性 が 強い 。 法案 は 五 月 一 日 まで に 和平 が 成立 し ない 場合 、 大統領 に 武器 禁輸 の 一方的 解除 と ボスニア 政府 に 自衛 の ため の 武器 供与 を 義務づけて いる 。 同 院 内 総務 は 「 今 こそ 行動 が 必要 」 と 強調 した 。 ロシア 外務 省 は 五 日 、 コズイレフ 同国 外 相 と クリストファー 米 国務 長官 が 十七 、 十八 の 両日 、 ジュネーブ で 会談 する と 発表 した 。 ロシア ・ チェチェン 共和国 情勢 も 話し合わ れる と み られる 。 イラン の ラフサンジャニ 大統領 は 四 日 、 ロシア 軍 に よる チェチェン 共和 国 へ の 攻撃 を 「 誤った 行動 」 と 非難 。 「 流血 が 続けば ロシア は イスラム 教 国 と の 関係 を 損なう 」 と 警告 した 。 チュニジア から の 報道 に よる と 、 チュニス で 開か れて いた アラブ 内 相 会議 は 5 日 、 イスラム 原理 主義 グループ など に よる テロ へ の 共同 対処 を 盛り込んだ 共同 戦略 で 合意 、 閉幕 した 。 同 戦略 は 、 原理 主義 者 に 関する 情報 交換 、 治安 対策 の 協力 ―― など が 骨子 。 国連 当局 者 に よる と 、 米国 と 国連 は 四 日 まで に 、 アリスティド 大統領 の 帰国 など ハイチ の 民政 復帰 支援 で 昨年 九 月 から 展開 中 の 米軍 を 国連 平和 維持 活動 と 二 月 から 順次 交代 さ せ 、 三 月 に は 全面 的に 入れ替える 計画 で 合意 した 。 台湾 行政 院 は 五 日 、 中国 と の 直接 往来 を 禁じて いる 現在 の 政策 を 一部 緩め 、 事実 上 、 中 台 間 の 直行 を 可能に する 新 政策 を 決定 した 。 現在 、 中 台 間 の 貿易 や 出入り は 香港 など 第 三 地域 を 経由 して おり 、 直行 が 実現 すれば 画期的な 交流 拡大 に つながる 。 台湾 行政 院 は 五 日 の 院 会 で 台湾 を アジア の 物流 、 金融 、 情報 センター に 発展 さ せる こと を 目指した 「 アジア 太平洋 経済 センター 計画 」 を 決定 。 この 中 で 高雄 港 を 領域 外 の 特別な 自由 港 と 位置づけ 、 中国 船 を 含む 外国 船 の 入港 を 認める 新 政策 を 打ち出した 。 関連 法案 の 年 内 成立 を 目指す 。 当面 、 外国 船 から 実施 し 、 「 海 から 空 」 「 貨物 から 旅客 」 へ と 適用 範囲 を 拡大 する 方針 だ 。 ただ 、 中 台 便 の 実現 まで に は 曲折 が 予想 さ れる 。 5 日 の 中国 日刊 紙 ・ 工人 日報 が 報じた ところ に よる と 、 市場 経済 化 の 進展 に 伴い 数 年前 に 廃止 さ れた コメ 、 麦 など の 食糧 を 低 価格 で 供給 する 配給 制度 が 昨年 から 四川 省 の 重慶 、 遼寧 省 の 瀋陽 など 内陸 部 の 各 都市 で 復活 した 。 そごう は 五 日 、 中国 の 北京 市 に 百貨店 を 開設 する ため 、 香港 の 企業 と 合弁 交渉 を 始めた こと を 明らかに した 。 実現 すれば 、 北京 市 内 で は 初 の 本格 的な 日 系 百貨店 と なる 。 ソニー 系 の ゲーム 機 メーカー 、 ソニー ・ コンピュータエンタテインメント は 5 日 、 英 ・ ロンドン に 販売 の ため の 子会社 「 ソニー ・ コンピュータエンタテインメント ・ ヨーロッパ 」 を 設立 した 、 と 発表 した 。 日本 移動 通信 は 、 本体 と セット 品 を 合わせた 希望 小売 価格 が 3万9800 円 と 、 国 内 で 初めて 4万 円 を 切る 携帯 電話 「 TACS ミニモ T 209 」 を 12 日 に 発売 する 。 機能 を 絞り こんで 低 価格 を 実現 した 。 また 、 充電 式 の 電池 パック が 切れて も 、 単 3 の アルカリ 乾電池 を 装てん すれば 60 分 使用 できる ように なって いる 。 大垣 共立 銀行 は 五 日 、 懸賞 金 付き 定期 預金 「 スーパー チャンス 」 と 「 トリプル チャンス 」 を 二十三 日 から 発売 する と 発表 した 。 これ まで 発売 さ れた 懸賞 金 付き 定期 は 一 年 もの で 、 三 年 もの は 全国 で 初めて と いう 。 取り扱い は 三 月 末 まで 。 「 トリプル チャンス 」 は 、 十万 円 に つき 一 本 の 懸賞 金 抽選 権 が あり 、 毎年 十一 月 十三 日 に 実施 する 抽選 が 三 回 ある こと に なる 。 三 等 まで は 一 度 当たる と 抽選 の 権利 は なくなる 。 懸賞 金 総額 は 預金 額 十億 円 当たり 六百六十万 円 。 「 経済 団体 の 統廃合 は ? 」 ―― 行政 改革 の 一環 と して 特殊 法人 の 統廃合 が 焦点 に なって いる が 、 経済 団体 自ら の 統廃合 問題 が 、 五 日 の 経済 四 団体 トップ の 年頭 記者 会見 で 取り上げ られた 。 質問 に 先頭 を 切って 答えた の は 、 特殊 法人 である 日本 商工 会議 所 の 稲葉 興作 会頭 。 「 それぞれ 長い 歴史 と 必要 性 が ある 。 時代 の 変化 に 応じ 、 今後 議論 の 材料 と する こと が 適当だ 」 と し 、 続いて 日経連 の 永野 健 会長 が 「 四 つ 必要だ から ある 。 皆さん の 迷惑に なる と いう 声 が ある なら 真剣に 議論 する 」 と 胸 を 張った 。 ところが これ を 受けた 豊田 章一郎 経団連 会長 が 「 迷惑 と いう 声 は ある 」 と 切り出した ため 、 永野 会長 は のけぞって 驚いた 。 もっとも これ は 「 同じ 時間 、 同じ 国 で 、 同じ 人 に 会い たい と 日本 の 経済 団体 から 申し込ま れて 困った 外国 人 の 話 」 と 豊田 会長 が 披露 して 、 ほか の 三 人 は 爆笑 。 経済 同友 会 の 速水 優 代表 幹事 が 「 企業 の 枠 を 超えて 、 それぞれ 違った 形 で 問題 提起 を して いく の が 役割 」 と 締めくくった 。 四 団体 の 必要 性 で は 足並み が そろった が 、 各 団体 が 主張 する 規制 緩和 も 、 各論 段階 に 入る と ほころび が 見える 。 この 日 も 稲葉 会頭 は 大規模 小売 店舗 法 など を 意識 して 「 必要な 規制 も ある 」 と 主張 、 他の 三 首脳 を けん制 した 。 これ が ネック に なって 、 財界 トップ で 組織 する 行政 改革 五 人 委員 会 は 休眠 状態 の まま だ 。 自ら に かかる 火 の 粉 を 気 に する わけで も なかろう が 、 行政 改革 に 対して は 「 具体 的な 計画 を 政府 に 提案 する 考え は ない 」 と 、 官僚 へ の 遠慮 が 垣間見える 。 政 、 官 に モノ を 言える 財界 に なりきれる の か 、 存在 価値 を 模索 する 財界 の 一 年 が 再び スタート した 。 メキシコ の グリア 外 相 が 今週 末 に 来 日 し 、 通貨 不安 乗り切り の ため に 日本 の 協力 を 要請 する 。 ペソ 急落 に 対して は 米国 政府 、 国際 決済 銀行 、 民間 銀行 団 など が 計 百八十億 ドル の 金融 支援 を 行う 枠組み が 固まって いる 。 グリア 外 相 は 河野 洋平 副 総理 ・ 外 相 や 金融 関係 者 と 会い 、 BIS を 通じた 日銀 の 支援 や 民間 銀行 の 支援 へ の 参加 を 求める と み られる 。 経団連 など 経済 四 団体 の 首脳 は 五 日 、 東京 都 内 の ホテル で 開か れた 年頭 記者 会見 に 臨み 、 規制 緩和 の 推進 の 必要 性 を 一致 して 強調 した 。 早期 解散 ・ 総 選挙 を 三 首脳 が 主張 する 一方 、 景気 見通し に は 依然 慎重で 、 賃上げ に ついて も ベースアップ ・ ゼロ や 春闘 方式 の 抜本 的な 見直し を 強調 する など 厳しい 姿勢 を 共通 して 示した 。 規制 緩和 に ついて は 「 今年 は 計画 を 作り 、 実行 する 年 」 と 位置 付け ながら も 、 「 経済 的 規制 の 撤廃 は ほとんど 進んで おら ず 、 小康 状態 に 甘んじて いる 」 と 政治 の リーダーシップ が 欠けて いる 現状 に 不満 を 見せた 。 これ を 受ける 形 で 、 総 選挙 の 時期 に ついて は 「 懸案 の 政治 改革 関連 法 が まとまった のだ から 、 世に 信 を 問う こと が 必要 」 、 「 おぜん立て は 整った 」 、 「 早い 方 が 良い 」 と 三 首脳 が 早期 解散 論 に 傾いた の に 対し 、 自民党 支持 の 商工 団体 を 抱える 日本 商工 会議 所 の 稲葉 興作 会頭 は 「 課題 を 片付ける ため に 、 一 年 ぐらい 先 が メド 」 と 一線 を 画した 。 景気 の 見通し に ついて 豊田 会長 は 「 円高 と 設備 投資 と いう 構造 的な 問題 を 抱えて いる ため 実感 でき ない 」 と し 、 稲葉 会頭 も 「 実感 できる まで 、 まだ 一 年 は かかる 」 と の 見通し を 示した 。 この ため 今 春闘 に 臨む 姿勢 も 厳しく 、 永野 会長 は 「 ほか が 上げた から 上げる と いう 横 並び を 今 春闘 から 断ち切ら ねば なら ず 、 ベース アップ は 良い ところ と 悪い ところ を 平均 して ゼロ 」 と 主張 。 「 春 に どの 企業 も 上げる と いう の は 高度 成長 時代 の 労使 関係 」 、 「 給与 体系 そのもの を 改める べきだ 」 と 春闘 方式 の 見直し 論 も 聞か れた 。 一九九五 年度 後半 まで 景気 の 回復 感 は 広がら ず 、 電力 需要 の 伸び も 九 年 ぶり の マイナス か ―― 。 電力 中央 研究 所 が まとめた 九五 年度 の 経済 見通し は 、 景気 が 思う ように 回復 せ ず 、 低 成長 が 続く と 厳しい 予測 と なって いる 。 九四 年度 の 実質 経済 成長 率 は 〇・七 % と 見込ま れ 、 九五 年度 も 一・八 % 程度 と 伸び悩む 。 設備 投資 が 大幅に 減少 した こと や 輸入 の 増加 の ため で 、 設備 投資 は 四 年 連続 で 減少 する と 見て おり 、 雇用 調整 も 長引く ため 景気 回復 は 非常に 穏やかな もの に なる と 予測 する 。 日本 自動車 販売 協会 連合 会 が 五 日 まとめた 一九九四 年 の 新車 販売 台 数 は 、 前年 比 〇・五 % 増 の 四百九十一万二千百七十九 台 と 、 九〇 年 以来 四 年 ぶり に 前年 実績 を 上回った 。 昨年 五 月 実施 の 過 積載 規制 強化 で トラック 需要 が 大きく 伸びた の に 加え 、 主力 の 乗用車 が 低 価格 戦略 で 回復 して きた こと や 輸入 車 の 快 進撃 が 貢献 した 。 九五 年 の 見通し に ついて 、 自販連 は 「 景気 回復 に 伴う 買い替え 需要 が 続く こと や 、 二 年 に 一 度 の 東京 モーターショー で 、 各社 が 相次いで 新車 を 投入 する 」 ため 、 九二 年 以来 、 三 年 ぶり に 五百万 台 まで 回復 する の は 確実 と みて いる 。 九四 年 の 車 種別 販売 台 数 で は 、 乗用車 は 同 〇・八 % 減 の 三百四十万四百十 台 と なり 、 四 年 連続 の マイナス と なった もの の 、 減少 幅 は 九三 年 より 大幅に 改善 。 トラック は 同 三・七 % 増 の 百四十九万三千九百二十六 台 で 、 三 年 ぶり に プラス に なった 。 メーカー 別 で は 、 三菱 自動車 工業 、 富士 重 工業 、 日野 自動車 工業 、 いすゞ 自動車 、 日産 ディーゼル 工業 が 前年 比 プラス と なった 。 新 日本 製鉄 は 、 従来 の 年功 序列 に とらわれ ず 、 本人 の 能力 や 業績 に 基づいて 社員 の 人事 ・ 給与 を 決める 新 制度 を 四 月 から 、 管理 職 を 対象 に 導入 する 。 今月 中 に 新 制度 を 発表 する が 、 改革 の 柱 は 給料 増 を 前提 と した ベース アップ 方式 を 見直し 、 本人 の 実績 に 応じて 年収 が 上下 する よう “ 年俸 制 ” 的な 柔軟 性 を 持った 賃金 体系 へ と 改める 点 だ 。 具体 的 内容 は 検討 中 だ が 、 ボーナス に ついて は 査定 の 金額 の 幅 を 拡大 する 。 制度 改革 の 効果 を 高める ため 、 社員 の 所属 する 現場 ごと に 査定 面 で の 資金 処分 権限 など を 強化 する 。 また 、 本給 算定 システム の 見直し に も 踏み込む 方針 で 、 ボーナス を 合わせた 年収 は 、 前年 実績 を 下回る ケース も 起こり 得る と いう 。 アトピー性皮膚炎 の 相談 など を 行う 「 アトピッ 子 地球 の 子 ネットワーク 」 が 、 アトピー 情報 誌 「 グリーンステーション 」 を 発刊 した 。 同 団体 は 「 アトピー性皮膚炎 に 関する 情報 は 多い が 、 治療 に おける 薬局 の 役割 や 環境 問題 の 一 つ と とらえる 視点 に たつ 情報 誌 が いま 求め られて いる 」 と 創刊 理由 を 説明 して いる 。 今後 の 薬局 の 役割 と して 「 薬 を 売る だけ で なく 、 健康 アドバイザー と して 消費 者 と 信頼 関係 を つくって いく こと が 大事 」 と 提言 して いる 。 発行 元 は 、 アトピー 情報 ステーション 。 校長 昇進 を あきらめる ―― 「 一方 が 辞める 」 慣行 に 悩んで 山梨 県 教委 社会 教育 主事 だった 芦沢 虎男 さん は いま でも ハムレット の 心境 を 思い出す 。 「 自分 の 出世 の ため 、 同じ 教職 に ある 妻 が 犠牲 に なって いい の か どう か 。 うーん 、 迷った な 」 主事 に なって 二 年 、 そろそろ 異動 の 時期 だった 。 次の ポスト は 校長 だ 。 ところが 同県 の 教職 の 世界 で は 、 「 夫婦 の 一方 が 管理 職 に つけば 、 一方 は 辞める 」 暗黙 の 慣行 が あった 。 後進 に 道 を 譲る 意味 も 込めた 一種 の 退職 勧奨 である 。 妻 の 満 さん と 職場 結婚 して 二十 年 。 当時 、 四十四 歳 の 満 さん は 小学校 教諭 と して 脂 が 乗って きた ところ だ 。 「 妻 が 辞めれば 、 ほぼ 間違い なく 校長 に なれる 。 でも 、 生き生き と 仕事 して いる 妻 に 『 辞めて くれ 』 と は いえ ない 」 どう す べき か 。 二 人 で 話し合った 。 満 さん は 「 私 は 学校 で 子供 たち と 過ごす の が 何より 楽しい 」 と 辞職 を 受け入れる 気持ち は なかった が 、 「 慣行 を 破れば 、 夫 の 将来 も 心配だ し 、 世間 の 目 も 気 に なる 」 と 心 は 揺れた 。 県 の 財政 再建 へ の 思い も よぎった 。 協議 離婚 も 考えた が 、 目的 が 見え透いて 、 姑息な 手段 と とら れて しまう 。 虎男 さん は 考えた 末 、 妻 の 方 が 教師 と して 力 が 上 の ような 気 も した 。 「 私 が 校長 に なって も 、 あと 四 、 五 年 。 妻 は まだ 十五 年 ある 。 これ から は 男 だけ が 出世 すれば いい 時代 で は なく 、 男 女 共生 の 時代 だ 。 いずれ 妻 が 校長 に なる とき も 来る だろう 」 。 妻 に 譲った 。 虎男 さん は 退職 後 、 全国 珠算 連盟 や 幼稚園 に 勤め 、 野草 文化 研究 会 の 会長 を する など 、 元気 いっぱいだ 。 ただ 、 途中 で 辞めた ため に 、 年金 支給 額 は 通常 より 少ない 。 満 さん は 「 夫 は 話し 好き だ から 、 人 と の 出会い を 楽しんで いる みたい 」 と 話す 。 あれ から 十四 年 。 現在 、 満 さん は 山梨 県 三珠 町立 大塚 小 の 校長 を 務める 。 虎男 さん は 「 私 の 身代わり 校長 みたいな もの か な 」 と 苦笑 する 。 それ でも 満 さん は 「 多く の 友人 が 夫 の 管理 職 昇進 と 引き換え に 学校 を 去って いった の は 残念です 」 と 、 慣行 の 廃止 を 訴える 。 山梨 県 教委 職員 課 は 「 いま は 改善 さ れ 、 そうした やり 方 は ない 」 。 自治 省 公務 員 課 も 「 夫婦 どちら か が 辞める 慣行 に 正当な 根拠 は なく 、 国家 公務 員 の 世界 で は 存在 し ない はずだ 」 。 しかし 、 自治労 が 二 年 前 、 全国 約 二千九百 の 自治 体 を 調査 したら 、 約 二 割 の 自治 体 に 「 夫 が 昇進 、 妻 は 退職 」 の 慣行 が 残って いた 。 群馬 県 伊勢崎 市 は 昨年 四 月 、 「 夫 が 課長 補佐 に なったら 、 妻 は 辞める 」 慣行 を 廃止 した 。 「 夫婦 二 人 分 の 給与 や 退職 金 が 一般 市民 より 高い の は 好ましく ない 」 「 一方 が 辞めれば 、 若い 人 の 雇用 に つながる 」 など が 続いて いた 理由 だった 。 妻 が 辞職 せ ず に 、 夫 の 昇進 が 遅れる ケース の あった 長野 県 大町 市 は 、 慣行 を 見直して 、 昨春 の 人事 異動 で 、 夫 が 課長 補佐 、 妻 は そのまま 残った 夫婦 が 二 組 誕生 した 。 職員 は 「 大きな 前進 」 だ と 喜ぶ 。 それ でも 、 行革 と 「 性 差 」 の はざま で 、 板ばさみ の 状況 は 続く 。 西伊豆 最大 の 温泉 を もつ 静岡 県 土肥 町 の 「 恋人 岬 」 で 2 月 14 日 、 訪れた カップル に 3 つ の 特典 が ある 「 恋人 岬 バレンタインスペシャル 」 を 企画 して いる 。 岬 は 温泉 街 から 国道 136 号 を 約 7キロ 南下 した 地点 に あり 、 グアム 島 の 恋人 岬 に 似た 断がい 。 「 愛 を 呼ぶ ラブコールベル 」 を 恋人 の 名 を 口 に し ながら 3 回 鳴らす と 、 恋 が 実る と いう 。 岬 の 入り口 に ある 「 愛 の 鐘 響く 恋人 岬 事務 局 」 が 恋人 宣言 証明 書 を 発行 し 、 カップル が 結婚 する と 祝電 か 記念 品 が 贈ら れる 。 バレンタインデー に は 先着 214 組 の カップル に 特別な 恋人 宣言 証明 書 、 20 組 に カップル の 写真 を つけた テレホンカード 、 100 組 に 結婚 衣装 で の インスタント 写真 撮影 を 無料 で 提供 する 。 問い合わせ は 同 岬 事務 局 。 昨年 十一 月 に 大阪 へ 、 単身 赴任 した っきり 、 一 度 も 帰ら ない 。 いったい 、 どない して いる の ? 「 あなた も 五十七 歳 。 私 たち は 、 もう 、 やり 直し の 利か ない 年齢 です 。 節制 なき 日々 を 送って いれば 、 必ずや 、 ツケ が 来 ます 。 寝 たばこ 用心 、 妻子 泣かす な 、 金 送れ 」 と いう 先日 の 手紙 に も 、 返事 を くれ ない 。 それ も 決まって 「 大阪 へ 引っ越して 来い 」 の 一点張り 。 わて 、 大阪 は なじま ん ねん 。 お 仕事 も お 友達 も ない ねん 。 この 年 で は 、 もう 出来 ん ねん 。 私 たち は 今 まで 、 決して 、 おしどり 夫婦 で は なかった です ね 。 会社 勤め の あなた は いつも 留守 で 、 極楽 トンボ でした 。 そんな 出た 切り 夫 など 、 一緒に 暮らして て も 、 暮らさ なくて も おんなじ 、 と 思って おり ました 。 が 、 わて は 、 ほんま は 寂しい ねん 。 食べて ばっかり の 、 こ太り たべ子 に なり ました 。 どこ に も 、 あん さん ほど の ええ 男 、 おら ん ねん 。 遠く ない んだ から 、 月 に 一 度 は 帰って きて や 。 わて 、 ひまで 手紙 ばっかり 出す けど 、 絵はがき で ええ さかい 、 返事 お くん なはれ 。 いっつも 待って る で 。 待って ばっかり の 、 宵待草 みたいな 女 や 。 ねぇ 、 あん さん 。 第 七十三 回 全国 高校 サッカー 選手 権 は 五 日 、 駒沢 、 三ツ沢 の 両 会場 で 準 々 決勝 4 試合 を 行った 。 7 度 目 の 制覇 を 目指す 帝京 は 、 強敵 の 鹿児島 実 を 0 ― 0 から PK戦 で 降し 、 市立 船橋 も 宮崎 工 に 快勝 し 、 ともに 3 年 ぶり の ベスト 4 を 決めた 。 優勝 候補 を 相次いで 倒し 、 勢い に 乗る 奈良 育英 は 初 出場 の 三本木 農 を 破り 、 奈良 県 勢 と して は 第 二 回 大会 の 奈良 師範 以来 76 年 ぶり の 4 強 入り を 果たした 。 守山 北 は 那覇 西 に 完勝 し 、 滋賀 県 勢 と して 12 年 ぶり の 準 決勝 に 進出 。 六 日 は 休養 日 と なり 、 奈良 育英 ― 市立 船橋 、 帝京 ― 守山 北 の 準 決勝 は 七 日 、 東京 ・ 国立 競技 場 で 行わ れる 。 上位 進出 の 常連 校 同士 の 対戦 は PK戦 で 明暗 が 分かれた 。 だが 試合 後 に 「 精いっぱい 力 を 出し切り 、 よく やった 」 と 明るく 選手 を たたえた の は 、 8 強 止まり に 終わった 鹿児島 実 ・ 松沢 隆司 総 監督 。 3 年 ぶり に 準 決勝 進出 を 果たした 帝京 ・ 荒谷 守 監督 の 方 が 「 動き が 悪 すぎる 」 と 渋い 表情 だった 。 鹿児島実 は 実力 に 開き が ある と みて 、 この 日 は スイーパー を 置いて の 5 バック と 守備 を 固め 、 攻撃 は シンプルに カウンター に かけた 。 帝京 は ボール の 支配 率 で 上回り ながら 、 攻め あぐんだ 。 江田 、 中崎 弘 の 両 サイドバック の 攻撃 参加 で 切り込む 場面 は 作った が 、 前線 の 動き に 思い切り が なかった 。 「 大きく けり込ま れる の が 怖くて 消極 的に なった 」 ため 、 攻撃 に 厚み を つける こと も でき ず 結局 、 無 得点 。 相手 の 注文 に はまった 。 北陽 、 大宮 東 、 鹿児島実 など 有力 校 と の 対戦 を しのぎ 、 準 決勝 は ダークホース 的 存在 の 守山 北 と 当たる 。 守備 力 の ある 相手 に 、 攻撃 陣 が 本来 の 力 を 出せる か が 、 3 年 ぶり の 優勝 へ の ポイント に なり そうだ 。 元 世界 ボクシング 評議 会 ヘビー級 王者 、 ラリー ・ ホームズ が 4 月 8 日 に 当地 で 現 王者 の オリバー ・ マッコール に 挑戦 、 10 年 ぶり の 王座 復活 を 目指す こと に なった 。 対戦 時 に 45 歳 5 カ月 と なる ホームズ が タイトル 奪取 に 成功 した 場合 、 昨年 11 月 に 45 歳 9 カ月 で 世界ボクシング協会 、 国際 ボクシング 連盟 王座 に 返り咲いた ジョージ ・ フォアマン に 次ぐ 歴代 2 位 の 高齢 記録 と なる 。 4 試合 で 15 点 と 、 大量 得点 で 快 進撃 を 続ける 市立 船橋 の 立役者 は 、 2 人 の エースストライカー だ 。 三 年生 の 森崎 嘉 と 一 年生 の 北嶋 。 この 日 も 2 人 で 全 得点 を たたき出した 。 「 前半 点 を 取れ ない ようだ と …… 」 と いう 市立 船橋 の 布 監督 の 不安 を 吹き飛ばす 願って も ない 展開 だった 。 前半 20 分 、 FK から 森崎 嘉 が 4 試合 連続 と なる 先制 点 を 頭 で 決める と 、 1 分 後 に は 北嶋 が 3 試合 連続 の ゴール 。 36 分 に も 再び 北嶋 が 相手 の クリア ミス から 3 点 目 を ねじ込み 、 前半 で テンポ よく 得点 を 重ねた 。 これ で 森崎 嘉 が 5 点 、 北嶋 が 4 点 と 、 2 人 で 9 得点 を 稼ぎ 、 勢い は とどまる ところ を 知ら ない か の ようだ 。 森崎 嘉 は 混戦 から 抜け出る 突進 力 、 北嶋 は やわらかな 身 の こなし が 光る が 、 大量 点 は この 2 人 だけ で 演出 さ れて いる わけで は ない 。 中盤 で 丁寧な パス を 小刻みに つなぎ 、 相手 DF に 的 を 絞ら せ ない こと が 大量 点 を 支えて いる 。 森崎 嘉 は 「 本当 は 自分 が チャンス を 作り たい が 、 今 は 周り が 作って くれる 」 と FW の 役割 に 徹して いる 。 大会 前 の 課題 は 攻撃 力 だった 。 だが 、 先輩 の けが で 2 戦 目 から 途中 起用 さ れた 北嶋 が FW と して 期待 を 上回る 活躍 を し 、 大黒柱 の 森崎 嘉 と の 二 枚 看板 が 実現 。 準 決勝 が 行わ れる 国立 競技 場 は 「 特別な 雰囲気 が ある ので 」 と 布 監督 は 慎重だ が 、 6 年 ぶり の 決勝 進出 に 確かな 手応え を 感じた 様子 だった 。 後援 者 ら に 送る 新 番付 表 の 枚数 は 、 力士 の 人気 度 を 測る バロメーター 。 魁皇 が 郵送 した 枚数 は 1100 枚 。 新 小結 の 時 が 500 枚 、 ご 当所 の 九州 場所 が 800 枚 だった から 、 この 1 年 で すっかり 「 全国 区 」 と なった 。 初 土俵 から 41 場所 かけて つかんだ 関脇 。 師匠 の 友綱 親方 は 「 この 1 年 足踏み して いる 。 進歩 の 度合い が 足りない ので は 」 と 不満 顔 だ 。 新 横綱 の 貴乃花 と は 一九八八 年 春 場所 初 土俵 の 同期 。 入門 当時 は 周囲 から 「 若 貴 より 素質 は 上 」 と 言わ れて いた だけ に 、 師匠 の 目 に は 物足りなく 映る 。 昨年 春 場所 、 1 横綱 2 大関 を 倒して 、 一躍 「 上 位 キラー 」 と なった が 、 それ 以降 の 横綱 ・ 大関 戦 は 2 勝 15 敗 。 握力 100キロ 超 の 右手 で 上手 を 取れば 怪力 が 生きる が 、 上位 と も なれば 、 簡単に は 自分 の 形 に は さ せて もらえ ない 。 課題 は 立ち合い 。 上体 が 立って しまい 、 踏み込み が 足りない 。 「 顔 が 右 に 向く クセ は 大分 、 直った が 、 前 に 出る 圧力 が ない 分 、 武双山 より 見劣り が する 」 と 友綱 親方 。 上手に こだわら ず 、 右 おっつけ で 出る 取り口 を 身 に 着けよう と 模索 中 だ 。 新 小結 の 昨年 夏場 所 、 歩数 計 を 帯 に 着け 、 場所 に 通った 。 師匠 に 運動 不足 を 指摘 さ れ 、 1 日 どれ くらい 歩いて いる の か 調べよう と した のだ が 、 師匠 は 「 歩数 計 を 着ける ような 力士 は ウチ に は い ない 。 そんな 恥ずかしい こと 書か ないで くれ 」 と 顔 を しかめた 。 礼儀正しい 好 青年 だ が 、 精神 面 で の 甘 さ も 大味な 相撲 に つながって いる 。 「 ようやく 上 を 倒す 欲 が 出て きた 」 と 本人 は 言う が 、 九州 場所 で は 武蔵川 部屋 へ の 出 げいこ を 途中 で やめた こと も あった 。 出 げいこ で ここ まで 上がって きた 力士 だけ に 、 もう 一 度 初心 に 戻って 土 に まみれる こと が 、 肝要で は なかろう か 。 女子 テニス の インドネシア ・ オープン は 5 日 、 ジャカルタ で シングルス 4 回 戦 を 行い 、 第 7 シード の 宮城 ナナ は クラウディア ・ ポービック を 6 ― 1 、 0 ― 6 、 6 ― 1 で 降した 。 対 ・ 同志社 香里 戦 後半 9 分 、 長崎 北陽台 は ゴール 前 5 メートル で マイ ボール スクラム 。 瞬間 、 SH 八百山 と NO 8 山口 明 の 目 が 合った 。 ボール は 八百山 から 左 展開 と 見せて 山口 明 が サイド 突破 、 相手 の タックル を ひきずり ながら この 日 2 つ 目 の トライ 。 「 準 々 決勝 で 一 度 試みた サイン プレー 。 あの 場面 は これ しか ない と 思った 」 と 八百山 。 山口 明 は 「 八百山 と 目 が 合い 、 自分 が 決める しか ない と 覚悟 した 」 。 3 点差 の 緊張 する 場面 で 相手 の 意表 を 突く 攻撃 を やってのけた 長崎 北陽台 が 優勝 戦 進出 と いう 夢 を 招き 寄せた 。 長崎 北陽台 に とって は 最悪の 状態 で 臨む 準 決勝 だった 。 これ まで は FW の 速い 集散 を 軸 に SH 八百山 の プレースキック 、 FB 今崎 の タッチ キック 、 ハイパント を 絡めて 勝ち上がって きた が 、 準 々 決勝 で 右 肩 を 脱きゅう した 今崎 の 欠場 は 翼 の 片方 を もぎ取ら れた 以上 の 大きな 痛手 。 試合 前 、 浦 監督 は あえて 「 今崎 の こと は 忘れろ 。 自分 の 責任 を 果たす こと だけ を 考えて ほしい 」 と 15 人 を グラウンド に 送り出した 。 「 背水 の 陣 」 で 臨んだ 60 分間 、 FW が セット プレー で 優位に 立ち 、 相手 の 攻め を 寸断 した 。 「 少し 硬 さ も あった が 、 FW 戦 で 負けたら 、 相手 は 経験 の 浅い 柴田 めがけて ハイパント を 仕掛けて くる と 思った から 」 と フッカー の 山内 主将 。 柴田 を 援護 する 気持ち が 守り で は なく 、 逆に 積極 的な 攻め の 意識 に つながり 15 人 全員 まとまった の が 強 さ を 生んだ 。 「 悩んだ 末 に 今 の 時点 で の ベスト メンバー は これ しか ない と 決断 した 。 選手 層 は 薄くて も 、 チームワーク は 日本 一 でしょう 」 と 浦 監督 。 前回 の 長崎 県 大会 決勝 で 長崎 北 に 敗れた 時 の メンバー が 11 人 も 残った 。 その 長崎 北 が 越え られ なかった 準 決勝 の 壁 を ついに 突破 した 。 「 練習 時間 より 集中 力 」 が モットー の 長崎 北陽台 ラグビー が 、 全国 の 頂点 まで あと 一 歩 の ところ まで 来た 。 男子 プロ ゴルフ の 尾崎 将司 に 第 59 回 マスターズ トーナメント の 招待 状 が 届いた こと が 、 5 日 分かった 。 マスターズ 出場 は 3 年 連続 14 度 目 で 、 日本 選手 と して は 青木 功 と 並んで 最多 タイ 。 今 シーズン 、 一躍 世界 の トップ に 浮上 した 十九 歳 の 船木 和喜 が 、 四 日 に インスブルック で 行わ れた ノルディックスキー の ワールドカップ ラージヒル で 二 位 以下 に 大差 を つけて 優勝 し 、 開幕 戦 の ノーマルヒル に 続いて 早くも W杯 2 勝 目 。 日本 選手 と して 初めて 、 伝統 ある 「 ジャンプ 週間 」 を 制覇 する 期待 が 高まった 。 「 ジャンプ 週間 」 は 年 末 から 年始 に かけて ドイツ 、 オーストリア の 4 会場 を 舞台 に ラージヒル で 争わ れる シリーズ で 、 今季 が 43 回 目 。 一九八〇 年 から は W杯 を 兼ねて 行わ れて いる 。 船木 は 初戦 で 十 位 だった が 、 2 戦 目 は 四 位 。 インスブルック 大会 で の 圧勝 で 通算 得点 を 695・1 点 と し 、 一気に 首位 に 立った 。 二 位 は 1 点差 の 694・1 点 で アンドレアス ・ ゴルトベルガー 、 三 位 に は 676・3 点 で ヤンネ ・ アホネン が つけ 、 優勝 争い は この 3 人 に 絞ら れた 。 日本 選手 の 「 ジャンプ 週間 」 で の 最高 成績 は 九三 年 の 葛西 紀明 の 二 位 。 この 時 は 4 戦 と も 三 位 以内 に 入った が 、 シリーズ 優勝 は ゴルトベルガー に さらわ れた 。 注目 の シリーズ 最終 戦 は 六 日 に ビショフスホーフェン で 行わ れる 。 追う ゴルトベルガー は 「 本当に 苦しく なって きた 」 と 話し ながら も 必死で 逆転 を 狙って おり 、 激しい 一 戦 と なり そうだ 。 スケート の 第 六十七 回 日本 学生 氷上 競技 選手 権 大会 は 六 日 から 4 日間 、 北海道 苫小牧 市 で 全国 の 95 校 から 男女 約 1200 選手 が 出場 して 行わ れる 。 スピード スケート 男子 短 距離 は 、 帯広 の ワールドカップ 五百 メートル で 2 勝 した 清水 宏保 を 軸 に した 戦い 。 中 長 距離 は 十一 月 に 三千 メートル で 日本 新 記録 を マーク し 、 昨年 末 の 全 日本 選手 権 で 初 優勝 した 白幡 圭史 や 、 浅間 選抜 で 長 距離 2 冠 に 輝いた 野崎 貴裕 ら 世界 選手 権 代表 の 滑り に 注目 が 集まる 。 女子 は 短 距離 が 前年 上位 の 野村 和代 、 市川 もとよ ら 、 中 長 距離 は 世界 選手 権 代表 の 清水 美映 や 降籏 克子 ら を 中心 に した 争い か 。 フィギュア 男子 は リレハンメル 五輪 以来 久しぶりに 及川 史弘 の 演技 が 見 られ そうだ 。 及川 を 追う の は 、 十一 月 の 東 日本 選手 権 で 優勝 した 相吉 学 か 。 女子 は 連覇 を 狙う 佐野 裕見 、 東 日本 選手 権 で 二 位 に 入った 奥山 麻 の 明大 勢 や 、 前年 三 位 の 柏木 真幸 が 有力 。 アイスホッケー 4 連覇 を 狙う 明大 と 、 8 季 ぶり 2 回 目 の 優勝 を 目指す 東洋大 の 2 強 の 争い 。 明大 は 関東 大学 リーグ で 3 年 連続 29 回 目 の 優勝 を 果たし 、 3 年 連続 学生 三 冠 達成 に 王手 。 東洋大 は センター ・ 薮野 哲史 、 一 年生 ウイング ・ 鈴木 貴人 の セット で 得点 を 重ね 、 打倒 明大 を 目指す 。 前年 三 位 の 早大 は 故障 者 が 多く 厳しい 戦い 。 総合 男子 は 、 2 年 連続 39 回 目 を 狙う 明大 を 専大 、 早大 が 追う 展開 か 。 女子 は 前年 優勝 を 分け 合った 明大 と 日体大 に 、 山梨学大 など が 絡む 混戦 模様 。 元 日本 代表 ・ 原田 五月 が 引っ張る 北島 コーポレーションク が 、 愛知 学泉 大 に 、 わずか 1 点差 で 屈した 。 188 センチ の 米国 代表 、 カタリーナ ・ マクレーン が 頼り だった が 、 愛知 学泉 大 ・ 三沢 が 執ように マーク 。 攻めて も 愛知 学泉 大 は 、 外角 から 樋口 、 松野 が 得点 を 重ねた 。 「 あんなに 入る と は 誤算 だった 」 と 原田 。 残り 1 分 を 切り 、 同点 機 の フリースロー を 得た が 、 マクレーン が 外して 万事 休す 。 全 日本 を 引退 後 、 北島 コーポレーション の 子会社 の 社長 と して プレー を 続ける 原田 は 「 負けた 悔し さ が 強くて 、 自分 が 根っから の スポーツマン だ と 再 確認 した 」 。 三 月 に 一線 から 退く こと を 決意 、 シャンソン と の 対戦 を 最後に ―― と 頑張って きた が 、 その 夢 は 消えた 。 試合 後 は 「 もう 1 年 、 やろう か な 」 と も 。 一方 、 勝った 愛知 学泉 大 の 木村 功 監督 も 「 原田 に 悪い こと を した か な 。 でも 、 選手 は 外国 人 に 一 歩 も 引か ず に 立ち向かって いた 。 褒めて やり たい 」 と 、 選手 の 闘志 を たたえて いた 。 ラグビー の 第 四十七 回 全国 社会 人 大会 決勝 は 、 八 日 午後 二 時 から 秩父宮 ラグビー 場 で 行わ れる 。 新日鉄 釜石 に 並ぶ 7 連覇 を 目指す 神戸製鋼 と 、 7 年 ぶり の 優勝 を 狙う 東芝 府中 の 対戦 。 決勝 で の 両者 の 顔合わせ は 2 年 ぶり 3 回 目 で いずれ も 神鋼 が 勝って いる が 、 今 大会 は 東芝 の FW と バックス の バランス が 良く 、 2 年 前 の 1 点差 を 再現 する ような 際どい 試合 に なり そうだ 。 神鋼 は 、 関西 リーグ で ワールド に 屈し 公式 戦 連勝 が 71 で ストップ した ショック を 感じ させ ない 戦い ぶり で リコー に 大勝 した が 、 サントリー に は 攻撃 の リズム が つかめ ず 苦戦 。 しかし 、 三洋電機 と の 準 決勝 は SO 平尾 ら ベテラン の 奮闘 で 突き放した 。 勝負どころ の 密集 で の ボール 獲得 、 トライ に 結びつける 攻め の 集中 力 に は 王者 の 風格 が ある 。 東芝 も ヤマハ 発動 機 に は 力 の 差 を 見せつけた が 、 日新 製鋼 戦 で は 出足 の 速い 防御 に 手 を 焼いた 。 ただし 、 準 決勝 の 勝ち っぷり は 神鋼 より 鮮やか 。 FW が スクラム を 押し 、 切り札 FB 松田 、 キッカー の SO 大鷲 が 活躍 し ワールド を 圧倒 した 。 組織 防御 も 堅い 。 東芝 が この 勢い を 持続 する と 、 神鋼 も 厳しい 戦い を 強い られる 。 焦点 は 、 神鋼 FW が 前 に 出て 組み立てる 巧みな モール 、 ラック を 東芝 が いかに しのぐ か 。 神鋼 イーガン 、 東芝 フィルポット の 両 外国 人 が 競う ライン アウト も 勝敗 の 分岐 点 の ひと つ だ 。 確かに 、 新旧 交代 期 に ある 神鋼 に かつて の 盤石 の 強 さ は ない 。 ただし 、 神鋼 が 新日鉄 釜石 を 越える 「 歴史 」 を 作ろう と 必死に なった 時 に は 、 持ち前 の 集中 力 が 倍加 する 。 東芝 に は 、 それ を 上回る 闘志 が 求め られよう 。 目 に 見え ない 力 が 、 少しずつ 国学院 久我山 FW の スタミナ を 奪って いった 。 立ち上がり 早々 の 動き の 速 さ が 、 時計 が 進む に つれて 微妙に 落ちて いく 。 前半 は お互いに SO の ところ で 、 ボール を 高く けり 上げる ハイパント 合戦 。 しかし 、 これ は キック の 精度 と いい 、 両 CTB の 突進 力 と いい 、 相模台 工 の お家芸 だ 。 久我山 FW が ポイント から 後ろ に 戻ら ざる を 得 ない 場面 が 続いた 。 後戻り して 密集 戦 に 参加 する の は 、 つらい もの だ 。 逆に 、 空 に 舞う ボール を 追って 一直線 に 前 へ 走る 相模台 工 FW は 、 勢いづいた 。 3 ― 3 で 迎えた 後半 4 分 。 SO 佐藤 の ハイパント が 、 久我山 陣 内 に 味方 FW を 呼び寄せた 。 密集 を 支配 し 、 再び ハイパント 。 ドッと 集まる FW が 、 また ボール を 出す 。 外 へ の 展開 は 阻ま れた が 、 その 密集 でも 勝って CTB 難波 の トライ を 生んだ 。 前回 は 準 決勝 で 対決 。 その 時 も ハイパント の 応酬 の 末 に 相模台 工 が 7 ― 6 で 勝ち 、 初 優勝 へ の 階段 を 上った 。 再現 ビデオ の ような シーン の 繰り返し の 中 で 、 ひときわ 輝いた の が 相模台 工 の ディフェンス である 。 逆転 さ れて 闘志 を むきだしに した 久我山 の 反撃 。 切り札 FB 森嶌 の ライン 参加 を はじめ と する サイン プレー を 、 FW の 突進 を 、 相模台 工 は 激しい タックル で 止めた 。 「 ノートライ に 抑えた の は 評価 できる 」 と 日原 監督 が 防御 を 勝因 に 挙げれば 、 久我山 バックス を 一 度 も ライン の 裏 に 出さ せ なかった CTB 高木 は 「 決勝 でも タックル を ビシッと 決め たい 」 。 ボール を 相手 に 渡す 危険 性 が 常に つきまとう ハイパント だけ で 連覇 を 成し遂げよう と は 、 だれ も 考えて い ない 。 タックル 、 タックル 、 タックル を 誓い合って 21 年 ぶり 連覇 の 偉業 に 挑む 。 トレンディードラマ に は 欠かせ ない 別所 クン 。 洗剤 の CM で は ちょっと 軟弱な 姿 を 見せて いる けれど 、 映画 デビュー 作 で は 得意の 語 学力 を 生かした 日 系 人 役 を 演じた 経歴 を 持つ など 、 器用な 人 な のだ 。 もちろん 歌 でも 甘く ソフトな 雰囲気 で ファン を 増やし そう 。 今月 スタート の 金 ドラ で は 初 の 父親 役 も 。 ハマラジ 「 シネマチック ・ ラブ 」 在京 テレビ 局 の 昨年 の 年間 平均 視聴 率 で 日本 テレビ が 全日 、 プライム 、 ゴールデン の 各 時間 帯 で トップ に なり 三 冠 を 達成 した 。 一九八二 年 から 始まった フジテレビ の 連続 三 冠 は 十二 年 で ストップ した 。 ビデオ ・ リサーチ 調べ に よる と 全日 帯 は 日本 テレビ 10・3 % 、 フジテレビ 9・5 % 、 TBS 8・6 % 、 テレビ 朝日 7・1 % の 順 。 プライム タイム は 日テレ と フジ が 同率 の 15・5 % で 同率 一 位 。 TBS が 13・7 % 、 テレ朝 13・2 % 。 ゴールデン タイム は 日テレ と フジ が 16・0 % で 同率 一 位 。 以下 TBS 13・8 % 、 テレ朝 12・3 % の 順 と なった 。 日テレ 広報 部 で は 「 全日 を 支える 帯 番組 や バラエティー 番組 の 順調な 伸び や 昨年 四 月 の プライム タイム 改革 の 奏功 など 総合 的な 番組 制作 力 が 向上 した 」 と 要因 を 分析 して いる 。 ちなみに NHK は 全日 8・0 % 、 プライム 11・0 % 、 ゴールデン 12・1 % だった 。 長野 県 駒ケ根 市 の 中央 アルプス ・ 木曽 駒ケ岳 付近 の 千畳敷 カール で 東京 都 内 の 二 パーティー 六 人 が 雪崩 に 巻き込ま れた 事故 で 、 五 日 、 捜索 隊 が 雪 の 中 で 見つけた 遭難 者 は 、 家族 ら の 願い も むなしく 一 人 も 生還 し なかった 。 風速 一〇 メートル を 超す 強風 が 吹く 中 、 長野 県警 の 捜索 活動 は 困難 を 極め 、 中断 を 余儀なく さ れた 。 雪崩 発生 現場 近く の 「 ホテル 千畳敷 」 から 、 遺族 や 知人 が 心配 そうに 捜索 活動 を 見守った が 、 悲報 が 次々 に 届き 、 望み は 涙 に 変わった 。 午前 中 に 東京 都 多摩 市 貝取 、 山岳 ガイド 、 松井 登 さん の 遺体 に 続き 、 同行 して いた 中野 区 若宮 、 会社 員 、 中沢 静子 さん の 遺体 が 発見 さ れた 。 駆け付けた 家族 の 顔 が ひきつり 、 「 生存 」 の 願い は 飛び散った 。 午後 に は 、 残る 四 人 の パーティー の 「 野良黒 山 の 会 」 の メンバー も 次々 と 遺体 で 発見 さ れ 、 悲しみ は 一層 深まった 。 松井 さん と 中沢 さん の 遺体 に 続き 「 駒ケ岳 ロープウェイ しらび平 駅 」 に 下りた 遺族 は 終始 うつむいた まま 。 家族 を なくした 悲しみ に 耐え られ ず 、 思わず すすり泣く 。 そして 黙った まま ふもと へ 向かう 路線 バス に 乗り込んで いった 。 午後 二 時 半 から 駒ケ根 署 で 会見 が 行わ れた 。 遺族 に よる と 、 松井 さん の ガイド 歴 は 十 年 弱 。 高校 時代 、 ハイキング 程度 から 始めた 山歩き が ロッククライミング など を 経て 徐々に 難しい 山 へ 挑む ように なった と いう 。 松井 さん の 弟 康浩 さん は 「 目の前 に 頂上 が 見えて も 危険 を 感じれば 引き返す の が 山 の プロ の 心構え 、 と 日ごろ から 話して いた のに こんな こと に なる なんて 」 と 最初 は しっかり と した 口調 だった が 、 やがて 涙 が 言葉 を 詰まら せた 。 中沢 さん の 兄 孝次 さん は 「 東京 と 静岡 で 離れて 暮らして いる ので 、 家 に は 年 に 一 度 ぐらい しか 帰って こ なかった 。 家族 に は ほとんど 山 の こと を 話さ ず 、 正月 に 山 に 登る と は 聞いて い なかった 」 と 無念 さ を 隠せ ない 表情 だった 。 遺族 の 言葉 は 少なく 、 松井 さん の 父 利雄 さん は 「 息子 の 遺体 に 会って 、 あと は もう 泣く だけ 」 と 言って 会見 場 を 去った 。 「 野良黒 山 の 会 」 メンバー の 家族 も 同 署 に 詰め掛け 、 成り行き を 見守った が 午後 三 時 四十 分 、 「 四 人 全員 遺体 で 発見 」 の 一報 が 入る と 、 すすり泣き が もれた 。 犯罪 者 に 対して 「 ムチ打ち 」 の 刑 を 導入 する 法案 が 四 日 まで に 米 ミシシッピ 州 議会 に 提出 さ れた 。 昨年 、 話題 に なった シンガポール の 米国 人 少年 に 対する ムチ打ち 刑 論争 に ヒント を 得て 、 トム ・ キャメロン 州 下院 議員 が 提案 した 。 同 議員 の 提案 で は 、 重罪 、 軽罪 を 問わ ず 、 すべて の 犯罪 に ついて 州 裁判 所 の 判事 は 被告人 に ムチ打ち 刑 を 宣告 できる 。 同 議員 は ムチ打ち 刑 の 野蛮 さ を 認め ながら も 、 「 ムチ打ち 刑 は 多く の 人々 を おびえ させ 、 犯罪 を 犯す 前 に 、 これ まで の 二 倍 、 考え させる こと に なる 」 と 説明 して いる 。 昨年 12 月 26 日 、 婚姻届 を 提出 した 。 ドラマ の 共演 を きっかけ に 交際 を 深めて きた 。 2 人 は 現在 海外 旅行 中 で 、 9 日 に 帰国 する 。 5 日 午後 2 時 12 分 ごろ 、 関東 地方 で 地震 が あった 。 気象 庁 の 観測 に よる と 、 震源 地 は 東京 湾 で 震源 の 深 さ は 約 110 キロ 。 各地 の 震度 は 次の 通り 。 震度 1 東京 、 河口湖 、 網代 新聞 が 「 新しい 増税 案 の 要綱 が 決定 した 」 と 報じて いる 。 日 中 戦争 勃発 以来 9 回 目 の 増税 。 勤労 所得 税 は 15 % から 18 % に 、 3 % アップ した 。 「 勝つ ため の 増税 」 。 「 耐乏 で “ 納税 一 本 ” 」 の 見出し が 躍る 。 この 日 、 米 艦隊 が ルソン 島 の リンガエン 湾 に 侵入 。 日本 軍 陣地 に 艦砲 射撃 を 開始 した 。 自民党 北海道 連 会長 の 佐藤 孝行 衆院 議員 は 五 日 、 函館 市 内 の ホテル で 開いた 「 道 連 会長 就任 祝賀 会 」 で あいさつ 。 同 党 が 北海道 知事 選 に 出馬 を 要請 して いる 社会党 の 伊東 秀子 衆院 議員 の 政治 的 経歴 に ついて 、 「 頭 の いい 人 は 若い ころ は 『 左 』 に なる 」 と 、 マスコミ 界 や 財界 の 有力 者 の 実名 を 挙げ 、 「 みんな 若い ころ は 『 左 』 だった 。 伊東 君 も その 一 人 で 、 いわば 転向 者 だ 」 と 述べた 。 また 、 道 知事 選 に ついて 、 「 伊東 君 は 二 、 三 日 の うち に 要請 を 受ける 。 その 際 に は 社会党 の 国会 議員 三 人 が 脱党 し 、 応援 する こと に なる 」 と 、 伊東 氏 が 自民 推薦 で 出馬 し 、 社会党 内部 に も 同調 する 動き が 出る と の 見通し を 示した 。 佐藤 会長 は 「 私 が 党 総務 会長 だった 二 年 半 前 、 伊東 君 が 『 二十 代 に 理想 と した 社会 主義 国家 は 存在 し なく なった 。 自民党 の 言う こと が 理 に かなって いる 』 と 言って きた 」 と 、 伊東 氏 から 連携 の 働きかけ が あった こと を 強調 。 「 この 時 は 『 自治労 など 支持 母体 の こと を 考え なさい 』 と 私 が 止めた が 、 自民党 の 主だった ところ は 知っていた 」 と 語った 。 伊東 氏 は 同日 夜 、 札幌 市 の 自宅 で 「 米 ソ の 冷戦 構造 が 崩壊 し 、 イデオロギー の 対立 は なくなった 。 転向 と いう 言葉 自体 が 暗い 対立 時代 の もの だ 」 と 述べ 、 こだわる 様子 は みせ なかった 。 清水 雅 氏 の 合同 葬 = 元 阪急電鉄 会長 、 元 阪急 百貨店 社長 ・ 会長 、 元 東宝 社長 ・ 会長 ・ 昨年 12 月 24 日 死去 = 31 日 午後 1 時 、 大阪 市 中央 区 本町 4 の 1 の 3 の 本願寺 津村 別院 で 。 葬儀 委員 長 は 小林 公平 ・ 阪急電鉄 会長 。 喪主 は 二男 で 東宝 不動産 社長 の 陶治 氏 。 大阪 湾 を ごみ で 埋め立てる 「 フェニックス 計画 」 に 、 近畿 二 府 三 県 の 八十 市町村 の 自治 体 が 、 家庭 など から 出る 一般 廃棄 物 の 最終 処分 を ほぼ 全面 依存 した うえ 、 廃棄 物 処理 法 に 定める 廃棄 物 に 該当 し ない 「 残土 」 が その 投棄 物 全体 の 半分 近く を 占めて いる こと が 五 日 、 毎日 新聞 など の 調べ で 分かった 。 当初 、 捨て場 に 困った 一般 廃棄 物 の 処理 を 目的 と して いた が 、 その 容量 が 圧迫 さ れた 格好で 、 三 、 四 年 後 に は 現在 の 埋め立て 地 は 満杯 に なる 見込み 。 今春 以降 、 次の 埋め立て 地 選び が 迫ら れる が 、 関西 国際 空港 開港 後 の ベイ エリア 開発 で 、 投棄 さ れる 土砂 や 廃棄 物 は さらに 増え そうで 、 生態 系 の 破壊 に つながる と の 批判 も 高まり そうだ 。 フ 計画 は 、 大 都市 圏 の 自治 体 が 内陸 部 で の 処分 場 確保 に 悩む 現状 を 打開 する ため 、 「 広域 臨海 環境 整備 センター 法 」 に 基づき 、 立案 さ れた 。 近畿 圏 で は 尼崎 沖 で 八九 年度 から 、 泉大津 沖 で 九一 年度 から 、 廃棄 物 など の 投棄 が 始まった 。 計画 の 対象 地域 は 近畿 の 百四十九 市町村 の 自治 体 や 広域 行政 事務 組合 。 一方 、 自治 体 内 の 処分 場 と 埋め立て 地 に 分散 して 投棄 して いる の は 三十三 市町村 。 この うち 大阪 市 など 十三 市町村 は 三 、 四 年 以内 に 処分 場 が パンク し そうで 、 その後 は フ 計画 地 に 全面 的に 振り替える 可能 性 も 。 利用 して い ない の は 三十六 市町村 だ が 、 「 市 内 の 処分 場 は 数 年 以内 に いっぱい 」 など 状況 は 悪化 。 滋賀 県 内 の 水口 町 など 三 町 は 九五 年度 から 、 和歌山 市 は 、 二 年 後 から 投棄 を 開始 する 。 大きな 問題 は 、 全体 の 四五 % を 占める 残土 。 建設 省 が 九一 年 の リサイクル 法 成立 を 機 に 、 残土 を 他の 公共 工事 に 活用 する 「 リサイクル プラン 21 」 を 推進 して いる が 、 全国 の リサイクル 率 は 三〇 % 程度 で 、 埋め立て 地 の 不足に 拍車 を かける 原因 に も なって いる 。 自治 体 の 廃棄 物 担当 者 は 「 捨てる 場所 が ある 、 と いう 意識 の せい か 、 近畿 圏 で は リサイクル や ごみ 問題 へ の 危機 感 が 首都 圏 に 比べる と 低い 」 と 認めて いる 。 社民 リベラル の 結集 を 目指し 、 近畿 二 府 四 県 の 連合 が 結成 する 新しい 政治 団体 「 リベラル 近畿 」 に 、 社会 と 旧 民社 の 衆 参 国会 議員 十七 人 が 参加 する こと が 五 日 、 明らかに なった 。 政治 改革 法 成立 で 動き始めた 地方 単位 の 政治 団体 で 、 衆 参 議員 が 加わる 具体 的な 動き は 初めて 。 与野党 に 分かれた 社会 と 旧 民社 の 議員 の 大半 が 垣根 を 越えて 結集 する こと で 、 社会党 の 新党 構想 や 旧 民社 の 加わる 新進党 など に も 波紋 を 及ぼし そうだ 。 リベラル 近畿 の 構想 は 「 連合 近畿 ブロック 連絡 会 」 が 提唱 。 社民 勢力 の 再 結集 を 目指し 昨年 暮れ 結成 を 正式 決定 。 連合 の 政治 ・ 運動 方針 に 賛同 する こと を 前提 に 、 経済 民主 主義 を 追求 、 勤労 者 に とって 希望 ある 地方 主権 時代 を つくる こと など を 訴える 。 来月 に も 、 創立 総会 を 開き 、 今春 の 統一 地方 選 を 手始め に 、 夏 の 参院 選 、 小 選挙 区 で の 衆院 総 選挙 など で 選挙 協力 を 行って いく 。 国会 議員 に 次いで 、 各 府 県 議会 議員 、 政令 市 の 市議 ら に も 結集 を 呼びかけて いく 。 参加 を 表明 して いる 十七 人 に は 、 社会党 兵庫 県 本部 を 離脱 する と 表明 した 同県 選出 の 国会 議員 五 人 も 含ま れて いる 。 連合 は 一九八九 、 九二 年 の 参院 選 で 「 連合 候補 」 を 全国 的に 擁立 。 九二 年 の 選挙 で は 確認 団体 「 連合 の 会 」 を つくり 、 選挙 協力 。 リベラル 近畿 は 、 これ を 強化 ・ 拡大 して いく 。 さきがけ の 武村 正義 代表 は 五 日 、 地元 の 滋賀 県 で 記者 会見 し 、 今夏 の 参院 選 に ついて 、 党 公認 候補 と して 選挙 区 で 計 八 、 九 人 を 擁立 する 方針 を 初めて 表明 した 。 武村 代表 は 「 改選 数 三 以上 の 東京 、 大阪 、 神奈川 、 埼玉 、 愛知 の 五 都府県 と 、 改選 数 一 の 三 、 四 県 で 公認 候補 を 擁立 し 、 比例 区 に も 候補 者 を 立て たい 」 と 語った 。 その うえ で 、 「 五 都府県 で は 候補 者 を 固め つつ ある 。 具体 名 は 挙げ られ ない が 、 知名度 の 高い 人 に お 願い して いる 」 と 候補 者 選定 の 現状 を 明らかに した 。 また 、 公認 候補 を 立て ない 選挙 区 で は 自民 、 社会 両党 と 選挙 協力 する 考え を 示した 。 さきがけ は 5 日 、 次期 参院 選 滋賀 選挙 区 に 、 県議 で 同 党 県 本部 代表 幹事 の 奥村 展三 氏 を 公認 候補 と して 擁立 する と 発表 した 。 社会党 石川 県 本部 は 5 日 、 次期 参院 選 石川 選挙 区 で 、 現職 で 民主 改革 連合 の 粟森 喬 氏 の 推薦 を 決めた 。 今年 十一 月 開か れる アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 大阪 会議 で は 双方向 通信 システム や 新型 携帯 電話 、 外国 語 放送 など の 日本 の 情報 通信 技術 が 活躍 する こと に なり そうだ 。 関西 財界 が 「 日本 らしい 貢献 を 」 と 提案 した もの で 、 大阪 府 、 大阪 市 など で 作る 地元 協力 準備 事務 局 が 具体 化 に 向けて 動き出して いる 。 APEC に は 加盟 十八 カ国 ・ 地域 の 政府 関係 者 や 報道 関係 者 が 一万 人 前後 出席 する と み られ 、 効率 的な 情報 提供 や 外国 報道 機関 に 対する 映像 提供 が 重要 課題 の 一 つ 。 その ため 関西 文化 学術 研究 都市 を 拠点 に マルチメディア 通信 実験 を 行って いる 新 世代 通信 網 実験 協議 会 が 、 「 APEC 情報 サービス システム 」 を 提案 した 。 光 ファイバー 通信 網 を 活用 、 記者 会見 場 と プレス センター を 双方向 回線 で 結んだ 遠隔 記者 会見 や 、 同時 通訳 システム 、 議事 録 データベース 、 会議 ・ 会見 予定 を 知らせる データ バンク など の 提供 を 考えて いる 。 光 ファイバー 網 は NTT が 敷設 した もの を 利用 する 。 関西 経済 連合 会 の 川上 哲郎 会長 は 五 日 の 年頭 記者 会見 で 、 関西 国際 空港 の 滑走 路 を さらに 二 本 増やす 全体 構想 に ついて 、 一 期 工事 と 同様の 株式 会社 である 関西 国際 空港 会社 に よる 建設 は 不可能 と いう 見方 を 示した 。 その上 で 埋め立て 造成 を 国 と 地方 自治 体 、 施設 整備 を 関空 会社 が 行う 上 下 分離 方式 を 「 有力な 案 」 と 評価 した 。 同案 に 対して は 関西 空港 会社 の 服部 経治 社長 も 強い 支持 を 打ち出して おり 、 この 夏 に 骨格 が 固まる 第 七 次 空港 整備 五 カ年 計画 に 向けて 細部 の 詰め が 行わ れる こと に なり そうだ 。 この 日 の 会見 で 、 川上 会長 は 上 下 分離 方式 に ついて 「 一昨年 から 構想 は あった 。 有力な 案 と 思って いる 」 と 同案 を 軸 に 地元 案 を 調整 する 考え を 示唆 。 また 、 財界 の 資金 協力 に ついて 「 応分の 負担 は する 」 と し ながら も 、 「 固定 資産 税 、 事業 税 を 払わ なければ なら ない 。 それ ら の 経営 技術 的 問題 を 解決 し ない 限り 、 でき ない の は 明白 」 と 現状 の まま 、 財界 負担 額 を 明示 する こと に 難色 を 示した 。 上 下 分離 方式 は 、 運輸 省 が 検討 して いる 第 二 期 工事 案 の 一 つ 。 この 方式 の 場合 で 、 財界 は 施設 整備 費 を 負担 する 関空 会社 の 増資 に 応ずる 形 と なる 。 二 期 工事 の 中 で 最も 巨額な 埋め立て 造成 費 を 国 、 地方 自治 体 が 負担 する こと で 、 財界 の 負担 は 大幅に 軽減 さ れる 。 正月 は 家族 と 買い物 へ ―― 。 元日 から 店 を 開けた 神戸 ハーバーランド の ダイエー ハーバーランド シティ と 会員 制 の ホールセール クラブ 「 Kou〓 」 の 両 店 が 、 初もうで 客 、 家族 連れ など で 歳末 商戦 並み の にぎわい を 見せた 。 「 元日 は 家 で 家族 と 厳粛に 過ごす 」 と いった 昔ながら の 正月 で は なく 、 普段 の 休日 感覚 で 過ごそう と する ライフ スタイル が 消費 者 の 間 に 定着 し つつ ある ようだ 。 ハーバーランド シティ に は 午前 十 時 の 開店 前 に 約 五百 人 の 列 が でき 、 結局 五 分 前 に 開店 。 同 十一 時 開店 の Kou〓 でも 二百 人 の 列 が 出来た 。 結局 、 元日 だけ で 両 店 合計 で 約 十万 人 の 入店 客 で 十二 月 の 歳末 商戦 の 日曜日 並み の 盛況 ぶり だった 。 売り上げ も ハーバーランド シティ は 約 七千万 円 で 歳末 商戦 並み 、 Kou〓 は 約 三千七百万 円 で 通常 の 土曜日 並み と なった 。 来店 客 は 近く の 湊川 神社 の 初もうで 客 や 家族 連れ 、 若い カップル が 中心 。 家庭 用 ゲーム 機 、 おもちゃ など の お年玉 商品 だけ で なく 、 刺し身 、 牛肉 、 シャンプー 、 牛乳 など 通常 の 買い物 商品 も よく 売れて おり 、 「 正月 と は いえ 消費 者 は お節 料理 ばかり を 食べて いる わけで なく 、 普段 通り の 生活 を して いる 」 こと が うかがえる 。 同社 内 でも 「 元日 に 客 が 集まる か どう か 、 開けて み ない と 分から ない 」 と いった 懸念 は あった 。 しかし 、 実際 に 消費 者 は 早朝 から 買い物 に 訪れて おり 、 ダイエー で は 「 小売り の 側 が 古い 正月 の 過ごし 方 と いう 固定 概念 に とらわれて おり 、 消費 者 の 方 が 一 歩 も 二 歩 も 先 を 行って いる 」 と 説明 して いる 。 福岡 市 中央 区 に 住む 韓国 籍 の 男性 が 日本 人 の 元 高校 教諭 の 氏名 や 戸籍 を 使い 福岡 市 に 二十一 年間 勤めて いた こと が 分かり 、 福岡 県警 外事 課 と 八幡東 署 は 五 日 、 有 印 私文書 偽造 ・ 同 行使 と 外国 人 登録 法 違反 の 疑い で 男性 宅 を 家宅 捜索 した 。 近く 書類 送検 する 。 調べ で は 、 男性 は 一九二六 年 、 家族 と 来 日 。 戦後 間もなく 、 門司 市 に 住む 元 教諭 の 名 を 使い 始めた 。 五一 年 、 現在 の 福岡 市 東 区 で 元 教諭 名 で 住民 登録 。 六三 年 、 福岡 市 職員 に 採用 さ れた 。 八四 年 に 退職 後 も 四 年間 、 嘱託 と して 働いた 。 昨年 十 月 、 戸籍 謄本 が 必要に なり 、 元 教諭 の 本籍 地 だった 北九州 市 八幡東 区 役所 に 申請 した が 、 元 教諭 は 一昨年 死亡 した こと を 窓口 で 指摘 さ れ 、 翌日 、 八幡東 署 に 出頭 した 。 直接の 容疑 は 、 偽って 戸籍 謄本 を 申請 した こと と 、 外 登 法 に 基づく 住所 変更 登録 を し なかった 疑い 。 五一 年 に 住民 登録 した 公正 証書 原本 不実 記載 など の 容疑 は 時効 が 成立 して いる 。 男性 は 終戦 直後 に 勤めた 第 一 復員 省 の 同僚 の 戸籍 を 市 役所 で 閲覧 、 親類 と して 記載 さ れた 元 教諭 の 名 を 使う ように なった と いう 。 福岡 市 に 採用 さ れた 際 、 元 教諭 の 戸籍 を 提出 して いる が 、 同 市 人事 課 は 「 信頼 を 前提 に して おり 、 書類 が そろって いれば チェック でき ない 」 。 八幡東 区 役所 は 「 本籍 地 など を 申請 人 が 知っていれば 、 それ 以上 の 確認 は し ない 」 と いう 。 調べ に 対し 、 男性 は 「 就職 を 有利に する ため 日本 人 を 装った 」 と 供述 。 福岡 市 が 現業 部門 に 限り 外国 籍 の 採用 を 認めた の は 八八 年 で 、 男性 の 就職 時 は 一切 門戸 が 開か れて い なかった 。 福岡 市 の 志岐 真一 総務 局長 は 「 捜査 終了 後 、 対応 を 検討 する 」 と いう が 、 労働 の 対価 である 給与 の 返還 や 、 本人 が 掛け金 を 納めた 年金 の 支給 停止 など は 難しい と みて いる 。 兵庫 県 尼崎 市 の 民間 の 総合 病院 が 、 病室 に 携帯 電話 を 持ち込んだ 女性 患者 に 対し 「 充電 料 」 と して 一 日 一万 円 を 室料 に 加算 、 通常 の 三 倍 の 「 室料 差額 」 と して 支払わ せて いた こと が 五 日 、 分かった 。 患者 は 「 仕事 で 必要な ので 支払った が 、 どう 考えて も 納得 いか ない 」 と 怒り 、 病院 側 も 内部 調査 を 始めた 。 この 患者 は 同 市 に 住む 女性 で 、 昨年 一 月 、 内臓 疾患 治療 の ため 、 同 病院 に 十五 日間 入院 した 。 初日 は 二 人 部屋 を 二 人 で 使用 。 開腹 手術 を した 二 日 目 から は 、 二 人 部屋 を 一 人 で 使う こと を 希望 。 その 際 に 「 携帯 電話 を 持ち込み たい 」 と 申し出た ところ 、 「 携帯 電話 は 充電 が 必要だ から 」 と 、 看護 婦 を 通じて 一 日 一万五千 円 の 室料 を 要求 さ れた 。 納得 でき なかった が 、 手術 直後 だった こと も あり 了承 した と いう 。 退院 時 に 請求 さ れた 「 室料 差額 」 は 計 二十一万三千 円 。 病院 の 説明 で は 、 二 人 部屋 を 二 人 で 使用 して いた 初日 は 三千 円 で 、 残り の 十四 日間 は 、 一 日 あたり 一万五千 円 で 計算 さ れて いた 。 ところが 、 この 病院 で 通常 、 二 人 部屋 を 一 人 で 使用 する 場合 の 料金 は 五千 円 で 、 一 日 一万 円 の 「 充電 料 」 を 計上 して いた こと に なる 。 取材 に 対し 、 同 病院 の 事務 長 は 「 携帯 電話 の こと は 記録 に なく 、 九 月 に 辞任 した 前任 者 が 管理 して いた ので 分から ない が 、 特別な 介護 の 必要な 病気 で は ない し …… 。 なぜ こんなに 多額の 室料 差額 に なった の か 分から ない 」 と 困惑 、 調査 し たい と して いる 。 この 女性 は 、 数 年 前 に 糖尿 病 で 失明 した 夫 と 二 人 で 尼崎 市 内 の 鉄工 所 を 経営 。 「 取引先 の 信用 を 保つ ため に 、 入院 中 も 仕事 を し なければ なら なかった 」 と 話し 、 提示 さ れた 料金 を 支払った もの の 、 「 入院 中 の 通話 料 でも 一万 円 ぐらい だった のに 」 と 怒り は 収まら ない 。 NTT ドコモ 関西 に よる と 、 携帯 電話 の 契約 数 は 全国 で 百三十九万五千 台 。 第 七十四 回 全国 高校 ラグビー フットボール 大会 準 決勝 の 五 日 、 近鉄 花園 ラグビー 場 の スタンド で は 大阪 朝鮮 高級 学校 ラグビー 部員 二十五 人 が 青い ウインドブレーカー 姿 で 観戦 した 。 同 ラグビー 場 から わずか 一・五 キロ の 至近 距離 に あり ながら 、 「 各種 学校 」 扱い の ため 大会 に 出場 でき なかった が 、 今年 ようやく 花園 へ の 夢 が 実現 した 。 同 校 は 学校 教育 法 上 「 各種 学校 」 扱い で 、 全国 高等 学校 体育 連盟 に 加盟 でき ず 、 前回 まで は 全国 大会 へ の 出場 資格 が なかった 。 しかし 、 民族 差別 解消 を 求める 世論 が 強まり 、 「 花園 」 へ の 門戸 が 開か れた 。 予選 で は 大阪 第 三 地区 に 出場 。 優勝 した 淀川 工 と 準 々 決勝 で 対戦 、 15 ― 8 で 惜敗 。 選手 たち は 号泣 した が 、 金 信男 監督 は 「 泣く こと が できる の は 、 『 花園 』 と いう 目標 が あった から 。 先輩 たち は 泣く こと さえ でき なかった 」 と 振り返る 。 金 監督 は 一九八三 年 、 監督 に 就任 。 近畿 各地 の 高校 に 練習 試合 を 申し込んだ が 、 反応 は 冷たかった 。 同 校 の 熱意 に 応えた の が 大鉄 高校 、 啓光 学園 など の 私立 高校 だった 。 啓光 学園 の 記虎 敏和 監督 は 「 朝鮮 学校 の ラグビー に かける 熱意 と 迫力 は 、 勉強 に なった 」 と 話す 。 グラウンド で 繰り広げ られる 熱戦 を 見 ながら 、 金 勝弘 主将 は 「 やっと 日本 の 高校 生 と 同じ レベル で 戦える ように なった 。 目標 は もちろん 、 この グラウンド です 」 と 目 を 輝か せた 。 ◆ 年始 は 女性 が 一 年 で 最も 着飾る 時期 。 美容 室 は 大忙しです が 、 「 3 K 職場 で 常に 人手 不足 」 と 知り合い の 経営 者 。 髪 洗い 、 整髪 、 メーク と 周り で 思う 以上 の 重 労働 で 、 若い 人 が なかなか いつか ない 、 と か 。 「 稼ぎ 時 の 成人 式 を どう 乗り切ろう か 」 と ため息 まじり 。 華やか さ を 演出 する 舞台 裏 も 大変な ようです 。 ◆ 最近 の 日本 語 は おかしい 、 と 熟年 の 何 人 か から 同じ 苦情 を 聞か さ れた の が 「 邦楽 」 と いう 言葉 。 レコード 店 や CD 案内 で 、 小唄 、 三味線 と 思ったら 、 実は 邦人 が 演奏 する ロック や ニュー ミュージック 。 業界 が 使う から マスコミ も 。 「 邦盤 」 の 言葉 は どこ へ 行った の か 。 CD の D は 盤 の こと な のに 。 関西 の 大手 私鉄 5 社 は 5 日 、 昨年 12 月 31 日 から 今月 3 日 に かけて の 年 末 年始 の 利用 客 輸送 実績 を まとめた 。 5 社 合計 の 利用 客 数 は 前年 同期 比 3.5 % 減 の 1085万2000 人 で 、 5 年 連続 の 減少 と なった 。 輸送 収入 は 31億9579万 円 で 同 2.8 % 減 だった 。 会社 別 で は 、 関西 国際 空港 アクセス 客 の 利用 が 目立った 南海 が 輸送 人数 で 前年 同期 比 0.9 % 増 、 収入 が 同 9.3 % 増 。 法律 で 認め られて いる が 、 医療 保険 給付 の 範囲 を 超えた 診療 費用 の 差額 徴収 は 、 一般 的に 禁止 さ れて いる 。 福岡 ・ 南 署 の 白紙 調書 偽造 事件 で 福岡 県警 監察 官 室 と 捜査 二 課 、 保安 課 は 6 日 、 白紙 調書 作成 など に 直接 関与 した と して 、 同 署 捜査 員 を 虚偽 公文書 作成 、 同 行使 など の 容疑 で 書類 送検 する 。 併せて 関係 者 の 内部 処分 も 発表 する 方針 。 県警 は 懲戒 免職 も 含む 処分 を 検討 して きた が 、 昨年 末 に 古賀 利治 ・ 同 署長 が 「 監督 責任 を 感じた 」 と して 自殺 した こと も あり 、 処分 が どの 範囲 まで 及ぶ か 注目 さ れる 。 ソマリア や ボスニア ・ ヘルツェゴビナ で の 国連 平和 維持 活動 の 挫折 を 受け 、 ガリ 国連 事務 総長 は 五 日 、 武力 行使 を 伴う 平和 執行 活動 は 現在 の 国連 で は 不可能 と する 報告 書 を 安保理 に 提出 した 。 冷戦 終結 を 受け 、 国連 憲章 第 七 章 に 基づく 武力 行使 権限 に よる 強硬 手段 を 志向 して きた PKO の 事実 上 の 軌道 修正 で 、 今後 、 安保理 は ガリ 提案 を 検討 する 。 同 報告 書 は 一九九二 年 六 月 に ガリ 総長 が 発表 した 「 平和 へ の 課題 」 の 修正 ・ 追加 条項 。 ガリ 総長 は ソマリア など で の 経験 に 立脚 し 、 安保理 が PKO を 派遣 する 場合 「 維持 活動 」 と 「 執行 活動 」 を 明確に 区分 し 、 武力 行使 が 必要な 執行 活動 義務 を PKO に 加える べきで ない と して いる 。 憲章 上 は 派遣 可能である 執行 活動 自体 に ついて 「 数万 の 兵員 を 必要 と する 大規模な 執行 活動 を 実施 する 力 は 現在 の 国連 に は ない 」 と 、 加盟 諸国 の 理解 と 支援 が 得 られ ない 現状 を 強調 した 。 この ため 、 今後 は PKO 派遣 を 決定 する 前 に 、 必要な 人員 、 機材 を 動員 し うる 財源 を 確保 、 明確な 権限 、 任務 の 規定 など を 必要 条件 に す べきだ と 指摘 。 また 、 紛争 の 未然 防止 目的 の 予防 外交 や 平和 構築 活動 、 紛争 解決 後 の 平和 再建 活動 が 重要 と の 見解 を 示した 。 さらに 、 安保理 に よる 経済 封鎖 決議 など の 制裁 措置 に ついて も 「 人道 支援 など へ の マイナス 面 も ある 」 と 事前 評価 の 必要 性 を 強調 。 兵員 や 機材 不足 から 、 現実 と して 執行 でき ない 制裁 は 国連 の 信頼 性 を 損なって いる と 分析 して いる 。 ガリ 総長 の 今回 の 提案 は 、 国連 権限 に よる 武力 行使 が 事実 上 、 紛争 解決 や 平和 維持 ・ 創造 に つながら ない と いう 「 非 武力 方針 」 を 打ち出した もの だ が 、 「 安保理 権限 」 に 踏み込んだ 部分 も あり 、 今後 の 論議 が 注目 さ れる 。 亀井 静香 運輸 相 が 六 日 、 閣議 後 の 記者 会見 で 、 渡辺 美智雄 元 副 総理 ・ 外 相 を 批判 した 。 渡辺 氏 が 四 日 の 講演 で 次期 参院 選 に ついて 「 社会党 と 連合 が 独占 して いる 二十三 選挙 区 でも 自民党 から 候補 者 を 出す べきだ 」 と 、 選挙 協力 より も 独自 候補 擁立 を 優先 する 発言 を した こと に 対する もの で 、 亀井 運輸 相 は 閣議 後 の 懇談 の 席 で 「 三 党 の 協力 を 壊す ような 発言 は 許せ ない 。 河野 総裁 に 指導 を お 願い した 。 あれ は 反 党 的 言動 だ 」 と 厳しい 調子 で 批判 した 。 亀井 運輸 相 は 記者 会見 でも 「 あの 人 は 自民党 を 切り売り しよう と した 人 だ から 発言 権 は ない のだ けれど …… 」 と 、 付け加える 念 の 入れ よう だった 。 政府 は 六 日 午前 、 新年 初 の 閣議 を 開いた 。 村山 富市 首相 は 「 今年 は 戦後 五十 年 の 節目 の 年 。 これ まで の 五十 年 を 振り返る と 同時に 、 五十 年 先 を 展望 し 、 国際 的な 信用 を 得て 、 国民 が 安心 して 暮らせる ように 、 痛み を 伴う 案件 も ある が 、 大胆に 取り組んで いき たい 」 と 年頭 の あいさつ を した 。 大出 俊 郵政 相 は 六 日 の 閣議 後 の 記者 会見 で 、 光 ファイバー 網 など の 先行 整備 期間 に 当たる 二○○○ 年 まで の 情報 通信 政策 ビジョン と 、 無線 系 通信 サービス の マルチメディア 化 に 重点 を 置いた 一九九五 年 の 主要 施策 を 明らかに した 。 それ に よる と 、 二○○○ 年 に は 、 現在 十六兆 円 の マルチメディア 市場 が 五十九兆 円 に まで 拡大 し 、 現在 の 雇用 の 一・九 倍 に 当たる 百九十九万 人 の 新規 雇用 を 生み出す と 経済 効果 を 試算 して いる 。 電気 通信 審議 会 が 九四 年 の 答申 で 、 光 ファイバー 網 の 全国 整備 が 終わった 二○一○ 年 の マルチメディア 市場 を 「 市場 規模 百二十三兆 円 、 雇用 創出 二百四十万 人 」 と 予測 した が 、 それ を もと に 、 光 ファイバー 網 が 人口 の 二○ % を カバー する 五 年 後 に 迫った 二○○○ 年 時点 で の 経済 効果 を 新たに 試算 した 。 一方 、 郵政 省 が 「 情報 通信 基盤 整備 元年 」 と する 九五 年 の 主要 施策 で は 、 光 ファイバー 網 を 整備 する 民間 事業 者 へ の 超 低利 融資 制度 が 創設 さ れ 、 情報 通信 基盤 整備 の 道筋 が 一応 ついた こと から 、 情報 通信 サービス の マルチメディア 化 を 柱 に した 。 情報 通信 政策 が 総合 的に 示さ れた こと で 、 民間 企業 も 政策 に のっとった 企業 戦略 を 立て やすく なり 、 情報 ビジネス は 二十一 世紀 に 向けて 新たな 段階 を 迎え そうだ 。 一昨年 四 月 に 行方 不明に なった 埼玉 県 行田 市 持田 三 、 会社 役員 、 川崎 明男 さん の 死体 遺棄 容疑 事件 で 、 同 県警 捜査 一 課 と 行田 署 は 六 日 、 同県 大里 郡 江南 町 板井 、 犬 猫 繁殖 販売 業 、 関根 元 容疑 者 と 元 妻 の 風間 博子 容疑 者 が 遺体 を 焼却 して 灰 を ばらまいた と さ れる 群馬 県 利根 郡 片品 村 花咲 で 現場 検証 と 捜索 を 行う と ともに 、 二 人 の 本格 的な 取り調べ を 始めた 。 川崎 さん の 骨 など が 遺棄 さ れた 同村 花咲 の 宇条田峠 で は 、 午前 八 時 四十 分 から 現場 検証 が 始まり 、 機動 隊 服 姿 の 捜査 員 約 三十 人 が 現場 一帯 の 雑草 を 刈り取り ながら 検証 した 。 当時 、 関根 容疑 者 が 住民 票 を 移し 、 犬 の 繁殖 場 に も 使って いた 同 峠 近く の 知人 宅 を 捜索 、 遺体 の 焼却 に 使わ れた 庭先 の ドラム缶 周辺 の 土 を 採取 する など 詳しく 調べた 。 繁殖 場 の 建物 周辺 は うっすら と 雪 に 覆わ れ 、 数十 人 の 報道 陣 や 近所 の 人 たち が 詰め掛け 、 捜索 を 見守った 。 近く に 住む パート 勤務 の 女性 は 「 昨年 夏 の 午後 四 時 から 五 時 ごろ 、 関根 容疑 者 が シベリアンハスキー を 連れて 散歩 して いる の を 二 回 ほど 見掛けた こと が ある 」 と 、 降ってわいた 騒ぎ に 驚いて いた 。 埼玉 県警 は 、 この ほか 関根 容疑 者 が 実質 的に 経営 して 事件 の 舞台 と なった 同県 大里 郡 江南 町 板井 、 ペット ショップ 「 アフリカ ケンネル 」 本社 兼 自宅 など 三 カ所 も 、 死体 遺棄 容疑 で 家宅 捜索 した 。 ロシア 南部 チェチェン 共和 国 の 首都 グロズヌイ 制圧 を 目指す ロシア 軍 部隊 は 五 日 、 首都 の 数 カ所 で ドゥダエフ 政権 部隊 と 激しい 戦闘 を 展開 した 。 ロシア 側 は 大統領 官邸 の ある 中心 部 を 「 事実 上 封鎖 した 」 と して 戦況 の 優勢 を 強調 して いる が 、 これ を 完全に 否定 する 情報 も あり 、 ロシア 側 の 苦戦 が 続いて いる 模様 だ 。 エリツィン 大統領 は 六 日 、 クレムリン で 再び 安全 保障 会議 を 開き 、 チェチェン 情勢 を 再 検討 する 。 インタファクス 通信 は 五 日 夜 、 ロシア 軍 の 進攻 作戦 本部 が ある モズドク の 軍事 筋 の 情報 と して 、 ロシア 軍 部隊 が 大統領 官邸 周辺 で 抵抗 を 続ける ドゥダエフ 政権 部隊 を 包囲 した ほか 、 大半 の 地区 を 支配 下 に 置いた と 伝えた 。 しかし 、 同 共和 国 に 隣接 する イングーシ 共和 国 から の 報道 に よる と 、 ロシア 軍 は 同日 、 大統領 官邸 や グロズヌイ 西部 の 石油 化学 工場 を 空爆 し 、 一 時 は チェチェン 側 部隊 を 撃退 した が 、 同日 夜 まで に チェチェン 側 が 再び 首都 の 大半 を 奪還 した と いう 。 ロシア 政府 は 五 日 、 「 首都 へ の 大 攻勢 は ない 」 と 言明 。 部隊 を 分散 して 首都 の 各 地区 を 暫時 支配 する 戦術 に 転換 した こと を 示唆 した 。 ロシア 大統領 の 全権 代表 、 エゴロフ 副 首相 は 先に 「 五 日 中 に 首都 を 制圧 する 」 と 予告 した が 、 ロシア 軍 が 首都 制圧 に 成功 した と の 情報 は ない 。 社会党 の 伊東 秀子 衆院 議員 は 六 日 、 自民党 道 連 の 要請 を 受けて 今春 の 北海道 知事 選 に 出馬 する 意向 を 固めた 。 同日 午後 に 離党 届 を 提出 し 、 自民 、 さきがけ の 推薦 を 得て 無 所属 で 出馬 する 。 道 知事 選 で 社会党 は 前 副 知事 の 堀 達也 氏 の 推薦 を 決めて おり 、 伊東 氏 の 出馬 は 村山 政権 の 連立 与党 に 亀裂 を 生む こと も 予想 さ れる 。 伊東 氏 は 六 日 午前 、 地元 の 札幌 市 で 「 離党 は 知事 選 出馬 を 前向き に 検討 する ため 。 前向き に 検討 する の に 党籍 が あって は いけない と 前 から 思って いた 」 と 述べた 。 正式な 出馬 表明 は 十 日 前後 に なる 見込み 。 伊東 氏 は 昨年 十二 月 二十六 日 、 自民党 道 連 の 佐藤 孝行 会長 から 出馬 要請 を 受け 「 五五 年 体制 を 打破 しよう と する 自民党 に 敬意 を 持った 」 と 語って いた 。 道 知事 選 に は 北海道 勤労 者 医療 協会 副 専務 理事 の 甲斐 基男 氏 も 共産党 推薦 で の 立候補 を 表明 して いる 。 伊東 氏 は 一九九〇 年 二 月 の 総 選挙 で 全国 最多 の 二十六万 票 を 集めて 初 当選 し 、 現在 二 期 目 。 自 社 両党 の 議員 ら で つくる 「 リベラル 政権 を 創る 会 」 の 有力 メンバー で 、 村山 政権 の 誕生 に 貢献 した 。 白人 政権 から 黒人 中心 政権 へ の 移行 を 果たした 南アフリカ を 見届け 、 瀬崎 克己 駐 南アフリカ 前 大使 が 先月 付 で 帰任 と なった 。 南ア 政府 から その 功績 に 「 オーダー ・ オブ ・ グッド ・ ホープ 」 章 が 贈ら れた 。 初めて 会った の は 一九九三 年 四 月 。 新 憲法 制定 交渉 が 行き詰まって いた 時期 で 、 焦点 は 交渉 に 乗って こ ない ブテレジ ・ インカタ 自由党 議長 の 動向 だった 。 前 大使 は 交渉 促進 を 考え 、 同 議長 を 参加 さ せる ため 再三 、 説得 に 出掛けて いた 。 ブテレジ 議長 は 会う だけ でも 容易で は ない 。 まして 説得 など と いう こと は 南ア と 歴史 的 つながり の 深い 欧 米 諸国 の 大使 でも 難しい こと だった 。 説得 は 難航 した が 接触 は 続き 、 昨年 四 月 の 選挙 直前 に 国 内 交渉 が 決裂 して 国際 調停 と なった 際 、 ブテレジ 議長 は 初め 、 瀬崎 前 大使 に 調停 役 を 依頼 して きた 。 結局 、 国際 調停 は 実 を 結ば ず 、 同 議長 が 折れる 形 で 選挙 が 実現 した が 、 水面 下 で 前 大使 の 努力 が 続け られて いた 。 なぜ これほど 南ア 国 内 の 交渉 に 深く かかわる こと が できた か 、 帰任 前 に 話 を 聞き 直して 思い当たった 。 瀬崎 前 大使 は 前 任地 ニューヨーク の 国連 代表 部 時代 、 国連 で 南ア の 首脳 が 演説 した 際 、 各国 代表 が マンデラ 、 デクラーク 両氏 ばかり を 囲む 中 、 脚光 を 浴び なかった ブテレジ 議長 に 声 を 掛けた 。 これ が 縁 で 南ア 赴任 後 、 先方 が あいさつ に 訪れ 、 信頼 関係 が 生まれた 。 また 、 十三 年 前 、 南ア の 白人 雇い 兵 が セーシェル で 政権 転覆 を 謀った 際 、 国連 から 調査 委員 と して 派遣 さ れた 。 頭ごなし に 南ア を 批判 する 委員 を 抑え 、 公正な 立場 で 報告 書 を まとめた 。 これ に 南ア 政府 高官 が 信頼 を 寄せ 、 その後 、 政権 幹部 と なった 彼ら が 今回 の 赴任 中 に 支援 して くれた と いう 。 かつて まいた 種 が 実 を 結んで いた 。 「 非常に うまく いった 政権 移行 だった 。 ただ 、 『 マンデラ 以後 』 だけ が 気 に かかる 」 と 言い残して いた 。 昨年 末 、 今年 の 干支 の イノシシ を あれこれ と 調べた 。 その 中 で 、 狛犬 の 代わり に イノシシ が いる 京都 市 上京 区 の 護王 神社 を 取材 した 。 これ も 何 か の 縁 。 初もうで は 護王 神社 へ 出掛けた 。 雨 が そぼふる 元日 の 夕刻 。 人波 と 車 が 途切れる こと の ない 平安 神宮 近辺 の 渋滞 を やっと の 思い で 抜け 、 目指す 神社 へ 。 本殿 の 前 に は 20 人 ほど の 行列 が できて いた 。 若い カップル 、 家族 連れ 、 年配 の 夫婦 ―― 。 私 も 雨 に 打た れ ながら 列 に 加わった 。 人 の 話し声 が とても 小さい ので 、 雨 の 音 と 玉 砂利 の 上 を 歩く ザクッ 、 ザクッ と いう 音 だけ が 響き 、 何とも いえ ず 神妙な 気分 に なる 。 心願 成就 の お札 を 買った 。 みこ さん が 「 玄関 に 置いて 毎日 欠かさ ず お 願い を して 下さい 」 。 毎年 、 年 の 始め に 1 年 の 目標 を 立てて いる 。 昨年 は 「 電話 料金 を 毎月 4000 円 台 に 抑える 」 。 これ は 実行 でき ました 。 で 、 今年 の 目標 は 「 毎日 欠かさ ず お札 に 〇〇 を お 願い を する 」 こと 。 〇〇 は 秘密です が 、 これ から 毎年 、 その 年 の 干支 に かかわり の ある 神社 に お参り に 行こう と 考えて い ます 。 この 季節 、 恋しく なる の は 温泉 。 でも 、 正月 休み が 終わった ばかりで ヒマ も お 金 も …… と いう 人 に お 勧め したい の が 手近な 都 内 の 温泉 だ 。 23 区 内 だけ でも 34 カ所 あり 、 アフタ 5 に 「 ちょいと 一 杯 」 なら ぬ 「 ちょいと 一 ふろ 」 を 楽しめる 。 主だった ところ を 紹介 する と ―― 。 高層 ビル が 林立 する 新 都心 ・ 新宿 に ある の が 、 「 新宿 十二社 温泉 」 。 都 庁舎 近く の マンション 地下 1 階 で 営業 して おり 、 午前 11 時 から 午後 10 時 まで 湯 に つかれる 。 ふろ 上がり に くつろげる 座敷 の ほか 、 サウナ も 。 ビジネス 街 だけ に 、 サラリーマン が よく 利用 する 。 中西 忠夫 専務 に よる と 、 「 地下 でも ポケベル は 鳴り ます 」 と の こと 。 実際 に レジ に ポケベル を 預け 、 仕事 の 合間 に 「 いーい 湯 だ な 」 を 決め込む サラリーマン も いる 。 湯 は 茶褐色 。 手 を 10 センチ 沈める と 見え なく なる 。 この 温泉 、 1955 年 に 先代 の 経営 者 が 地下 1000 メートル で 湯 脈 を 掘り当てて 開業 した と いう 。 それ から 40 年 、 「 これ だけ ビル が 建って 、 よく 枯れ ない と 思い ます よ 」 。 台東 区 の 浅草 寺 近く に ある 「 浅草 観音 温泉 」 は 、 57 年 の 創業 。 入り口 に 木製 の げた 箱 、 ふろ 場 に は 丸い 大きな 電球 、 と レトロ ムード が 漂う 。 湯船 の 広 さ は 普通の 銭湯 並み 。 営業 時間 は 午前 6 時 半 から 午後 6 時 まで 。 しゃれた ブティック や レストラン が 軒 を 並べる 港 区 麻布 の 商店 街 に は 「 麻布十番 温泉 」 が 。 湯船 は こぢんまり と して いて 、 5 、 6 人 も 入れば いっぱいに なる が 、 畳敷き の 休憩 室 は 広く 、 カラオケ も ある 。 日曜日 に は 常連 客 が 歌 や 踊り の 演芸 会 を 開き 、 和気 あいあい の 雰囲気 だ 。 ここ は 午前 11 時 から 午後 9 時 まで 。 銭湯 に 料金 350 円 で 入れる 温泉 も ある 。 水道 の 水 を 沸かした 湯 と 井戸 から わき出る 源泉 の 湯 の 2 つ の 湯船 を 備えて いる ケース が 一般 的 。 都 衛生 局 の 調べ で は 、 こうした “ 温泉 銭湯 ” は 23 区 内 に 28 カ所 あり 、 ほぼ 半数 が 大田 区 に 集中 して いる 。 その 一 つ 、 JR 蒲田 駅 から 徒歩 15 分 の 「 辰巳 天然 温泉 」 経営 者 、 竹田 五郎 さん に よる と 「 蒲田 周辺 に 湯 脈 が ある らしく 」 、 最近 も 川 の 改修 工事 の 際 に 湯 が 出た と いう 。 同 温泉 の 泉質 は 重曹 泉 で 真っ黒 。 常連 客 の 評判 は 「 家 の ふろ より 体 が ずっと 温まる 」 。 “ 温泉 銭湯 ” が 安い の は 、 大広間 や 食堂 など の 付帯 施設 が ない ため らしい 。 こうして みる と 、 温泉 に 入る だけ なら 350 円 の “ 温泉 銭湯 ” が お 得 。 一方 、 湯上がり に 畳 の 間 で 一 杯 やり ながら カラオケ でも と いう 「 くつろぎ 派 」 や 雰囲気 を 楽しみ たい 、 と いう 向き に は それなり の 料金 が 必要 と いう ところ か 。 温泉 の 定義 は 温泉 法 で 定め られて おり 、 源泉 の 温度 が 25 度 以上 、 あるいは ラジウム 塩 など の 物質 を 一定 量 以上 含んで いる こと が 要件 。 都 内 の 温泉 の ほとんど は 温泉 物質 を 含み 、 加熱 して いる 。 動物 の 世界 に も 元締め が いる 。 関東 の キツネ の 元締め は 王子 稲荷 。 大みそか の 夜 、 関八州 の キツネ が 集まって 、 エノキ の 大木 の 下 で 跳び はねる 。 高く 跳べば 官位 が 高く なる 。 オオカミ の 元締め は 秩父 の 三峰 神社 。 動物 研究 家 の 平岩 米吉 さん の 調査 で は 、 オオカミ を 祭って いる 神社 は 全国 に 20 社 ある 。 関東 で は 三峰 神社 が オオカミ 信仰 の 「 本家 」 に 当たり 、 ここ で は 狛犬 の 代わり を オオカミ が 務める 。 ヒト の 世界 の 政治 の 元締め は 永田 町 の 国会 だ が 、 同じ 町 内 に ある 日枝 神社 は 江戸 の サル の 元締め で も あった 。 サル は 神さま の 使い と さ れる 。 山王 権現 は 徳川 将軍家 の 守り神 。 山王 祭 の 山車 は 江戸 城 内 に 入る こと を 許さ れ 、 昔 は サル の 飾り の ついた 山車 が 行列 の 先頭 に 立った 。 日枝 神社 境内 に は サル の 石像 が 置か れて いる 。 政治 危機 の 続く イタリア で 、 暫定 政権 を 目指して 調停 を 進めて いた スカルファロ 大統領 が 四 日 から 「 風邪 で ダウン 」 し 調停 が ストップ した が 、 政治 的な 駆け引き の 一 つ と いう 観測 が 飛び交って いる 。 マキャベリ を 生んだ 国 だけ に 、 風邪 も 政治 テクニック の 一 つ に なる らしい 。 大統領 府 は 五 日 、 「 本日 も 大統領 は 風邪 の ため 調停 は 中止 」 と 発表 。 六 日 は イタリア の 休日 に 当たる ため 、 調停 は 事実 上 来週 に 持ち越さ れ 、 暫定 政権 の 行方 は 混とんと して きた 。 大統領 の 「 風邪 宣言 」 は 調停 の 最後 の ヤマ 場 に なる と み られて いた 四 日 の ベルルスコーニ 氏 と の 会談 の 直前 に 発表 さ れた 。 この ため 、 「 大統領 の 延期 作戦 」 「 大統領 が 過熱 気味の 駆け引き 合戦 の 沈静 化 を ねらった 」 と いった 観測 が 政界 を 駆けめぐった 。 ベテラン の ある 政局 ウオッチャー も 「 イタリア で は 政局 の 重要な 節目 に 関係 者 が 病気 で ダウン する こと は よく ある こと 。 今度 も その 手口 に 間違い ない 」 と 言い切る 。 民間 テレビ 局 の 電話 世論 調査 で は 、 四八 % が 「 大統領 の 風邪 は 政治 テクニック の 一 つ 」 と 回答 する など 、 風邪 を 文字通り 信じる の は むしろ 少数 派 だ 。 大 容量 記憶 素子 である 16メガ ビット DRAM や 64メガ ビット DRAM の 製造 特許 を 侵害 した と して 、 米国 の 技術 者 と 特許 保護 団体 は 五 日 まで に 、 関税 法 三三七 条 に 基づき 、 NEC など 日本 の 半導体 メーカー 四 社 が 米国 に 対して 行う 輸出 を 差し止める よう 米 国際 貿易 委員 会 に 提訴 した 。 ITC は 一 年 以内 に 決定 を 下す が 、 特許 侵害 と 認定 さ れた 場合 は この 半導体 だけ で なく 、 これ を 組み込んだ 製品 の 対 米 輸出 も 差し止め られる 可能 性 が ある 。 訴え られた の は NEC の ほか 、 三菱電機 、 沖電気工業 、 日立製作所 と これ ら 四 社 の 米国 現地 法人 。 ほか に 韓国 の 半導体 メーカー 二 社 も 対象 と さ れて いる 。 提訴 した の は 、 高 集積 回路 の 記憶 保持 で 特許 を 持つ 元 インテル 社 の 技術 者 と 、 特許 権 保護 基金 。 訴状 に よる と 、 この 技術 者 は 半導体 に 大 容量 の 情報 を 記憶 さ せる 特許 を 保有 して いる が 、 日本 メーカー は この 特許 を 無視 して 製品 を 開発 、 米国 に 出荷 して いる と いう 。 記憶 素子 は 現在 4 メガ DRAM が 主流 だ が 、 今年 中 に は 16 メガ DRAM が 本格的に 量産 さ れる 見通し 。 また 64 メガ DRAM の 生産 量 も 今後 拡大 して いく と み られて いる 。 フセイン ・ イラク 大統領 の 側近 の 1 人 、 アジズ 副 首相 が 5 日 夕 、 公式 訪問 の ため 、 パリ に 到着 した 。 6 日 朝 、 ジュペ ・ フランス 外 相 と 会談 する 。 1991 年 2 月 の 湾岸 戦争 停戦 以来 、 イラク 要人 の 仏 へ の 公式 訪問 は 初めて 。 国連 に よる 対 イラク 制裁 解除 に 向け 、 関係 の 深い 仏 に 一層 の 協力 を 求める の が 狙い と み られる 。 仏 側 も 制裁 解除 に 基本的に 賛成 の 意向 を 示して おり 、 米 、 英 と 対立 して いる 。 チェチェン 内戦 の 空爆 、 戦闘 に よる 死者 の 数 が 増える に つれて 、 各国 に エリツィン 政権 に 対する 憂慮 が 広がって きた 。 チェチェン 問題 の 「 国際 化 」 に 直面 した ロシア 政府 は 「 チェチェン 問題 は ロシア の 内政 問題 」 と して 押し切る こと に 懸命だ 。 チェチェン 進攻 に あたって ロシア は 「 内政 問題 」 を 盾 に 外国 から の 批判 を かわせる と 判断 して いた ようだ 。 しかし 、 度重なる 空爆 で 民間 人 の 死者 が 増大 し 、 西側 から の 政治 解決 を 求める “ 外圧 ” が 強まった 。 欧 米 諸国 と も チェチェン が ロシア の 一部 である こと は 確認 し ながら も 、 軍事 行動 の エスカレート を 人権 の 側面 から 問題 視 して いる 。 十七 、 十八 日 に ジュネーブ で 米 露 外 相 会談 の 開催 が 決まった が 、 ロシア 側 は 「 チェチェン 問題 は 話し合わ ない 」 と 予防 線 を 張って いる 。 かたくなな 姿勢 の 背景 に は コズイレフ 外 相 が 軍事 進攻 を 一貫 して 支持 して いる こと も 大きい と み られる 。 イスラム 諸国 の 対応 は やはり 厳しい 。 指導 者 で 直接 対 露 批判 を 行った の は イラン の ラフサンジャニ 大統領 で 四 日 「 チェチェン 戦争 は イスラム 諸国 の 対 露 関係 を 損なわ せ 、 反 露 感情 に 火 を つける 」 と 語った 。 エリツィン 大統領 は 年 末 の テレビ 演説 で 「 イスラム を 敵視 して いる ので は ない 」 と 強調 した が 、 五 日 に は トルコ ・ イスタンブール の ロシア 領事 館 に 火炎 瓶 が 投げ込ま れた ほか 、 ヨルダン や パキスタン 、 アフガニスタン でも 抗議 の 声 が 強まって いる 。 ペリー 米 国防 長官 は 五 日 、 ワシントン で 講演 し 、 チェチェン 情勢 に ついて 「 ロシア 軍 の 戦術 は 多く の 一般 市民 に 犠牲 を 出して おり 、 我々 の 懸念 は 強まって いる 」 と 述べた 。 その うえ で 紛争 解決 に 向けた 欧州 連合 の 仲介 努力 を 「 合理 的 かつ 建設 的な もの だ 」 と 評価 し 、 米 政府 も 支持 する 姿勢 を 表明 した 。 コワリョフ 氏 は 正式な 党員 で は ない が 、 一九九二 年 の 選挙 で ロシア 共産党 から 立候補 し 当選 した 。 共産党 会派 から の 入閣 は エリツィン 政権 発足 以来 、 初めて 。 チェチェン へ の 軍事 介入 で 改革 派 の 政権 離れ が 進む 中 、 同 政権 が 支持 基盤 を 保守 派 に 一層 シフト し 始めた 兆候 と の 見方 も 出て いる 。 同氏 は 当選 まで ロシア 内務 省 法律 研究 所 の 教授 を 務めて いた 法律学 者 。 九四 年 に 大統領 令 で チェチェン 問題 に 関する 人権 監視 委員 会 の 委員 長 に 任命 さ れた 。 チェチェン へ の 軍事 介入 に 関して は 、 これ に 批判 的な 共産党 と は 距離 を 置き 、 憲法 秩序 回復 の 必要 性 を 主張 、 エリツィン 大統領 の 立場 を 支持 して いた 。 先月 から グロズヌイ に 滞在 し 、 ロシア の 軍事 進攻 を 非難 して いた セルゲイ ・ コワリョフ 下院 議員 と は 対立 関係 に ある 。 保守 系 会派 から の 入閣 は 三 人 目 。 韓国 の 金 泳三 大統領 は 、 六 日 午前 、 青瓦台 で 年頭 記者 会見 を 行い 、 日 韓 関係 に ついて 「 今年 、 国交 樹立 三十 周年 を 迎える 。 日本 の 指導 者 は 、 植民 地 化 に ついて 反省 の 言葉 を たくさん 使った が 、 韓国 国民 が 、 それ が 真実だ と 分かる ように して ほしい 」 と 強調 。 未来 志向 の 関係 構築 の ため に は 、 過去 の 問題 で 日本 側 が 言葉 だけ で は なく 、 行動 で 示せ 、 と の 姿勢 を 示した 。 一方 、 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 に 対して 「 北 韓 の 新 指導 部 が 、 平和 を 守り 、 民族 共同 体 の 建設 へ の 道 を 歩み 出す こと を 期待 して いる 」 と 南北 の 和解 と 協力 の 確立 を 呼びかけた 。 また 、 昨年 七 月 、 金 日成 主席 の 死去 に より 延期 さ れた 南北 首脳 会談 に ついて 「 延期 を 通告 して きた 北 韓 の 方 から 開催 を 要請 して くる の が 順序 だ 」 と 指摘 、 韓国 側 から 先に 、 開催 を 呼びかけ ない 方針 を 示した 。 ウィーン の 全 欧 安保 協力 機構 事務 局 は 五 日 、 現 OSCE 議長 国 ハンガリー の コバチ 外 相 の 声明 を 発表 し 、 ロシア に よる チェチェン 共和 国 へ の 武力 行使 を 非難 、 軍事 活動 の 即時 停止 を 要求 する と ともに 、 同 問題 の 解決 策 を 協議 する ため 、 OSCE 議長 特使 を 九 日 、 ロシア に 派遣 する こと を 決めた 。 同 紛争 解決 に 向けて OSCE が 本格 的に 調停 に 乗り出す の は 初めて 。 声明 は 「 OSCE 議長 は チェチェン に おける 深刻な 人権 侵害 を 非難 する 」 と した うえ で 、 チェチェン 紛争 は ロシア だけ で なく 欧州 全域 の 安全 保障 に 脅威 に なる と 指摘 し 、 「 軍事 活動 の 即時 停止 を 要求 する 」 と 述べた 。 ドイツ の コール 首相 は 五 日 、 エリツィン ・ ロシア 大統領 と 四 日 に 電話 で 会談 した こと を 明らかに した 。 首相 は 大統領 に 対し 、 ロシア の チェチェン 共和 国 に 対する 武力 介入 の 規模 が 大き すぎる こと に 懸念 を 伝えた と いう 。 コール 首相 は 同時に 「 チェチェン 紛争 は ロシア 連邦 内部 の 問題 である 」 と ロシア 政府 に 対して 内政 干渉 的な 強い 非難 は 避ける こと も 強調 。 ロシア 政府 へ の 慎重な 気配り を みせ 、 チェチェン 問題 に 対する 歯切れ の 悪 さ を 印象づけた 。 ドイツ は 西側 諸国 の 中 で 最大 の ロシア 支援 国 だ が 、 チェチェン 紛争 へ の 武力 介入 を 見逃して まで エリツィン 政権 に 対する 支援 を 続ける べき か どう か 苦しい 選択 に 迫ら れて いる 。 エリツィン 大統領 は コール 首相 に 対し 今月 中 の 訪 露 を 要請 して いる が 、 ドイツ 政府 は 「 時期 が 悪 すぎる 」 と 延期 を 検討 して いる 。 ニッサン は マーチ の 仕様 を 変更 して 発売 した 。 主な 変更 点 は ( 1 ) 全 車 に ステアリング 一括 搭載 式 の 運転 席 エア バッグ を 標準 装備 ( 2 ) i ・ z など に ハーフ ホイール カバー と サイド ガード モール を 標準 採用 ( 3 ) アウトストラーダ に 5 速 マニュアル 車 を 追加 ( 4 ) B ♭、 A # 、 G # 、 アウトストラーダ に グリーン ガラス を 標準 採用 ( 5 ) 全 車 に リア コンソール ボックス を 標準 装備 など 。 3 月 まで は 価格 も 据え置いた 。 写真 の 3 ドア 1300 A # の 5 MT で 122万 円 。 昨年 末 、 氷点下 30 度 に も なる 酷寒 の 地 、 中国 ・ 内 モンゴル を 旅 して きた 。 大 平原 は 一面 雪 に 覆わ れ 、 少し 風 が 吹く と すさまじい 地 吹雪 に なる 。 雪 が 風 で 吹き飛ばさ れた 後 は 、 まるで 鏡 の ように テカテカ の アイスバーン だ 。 内 モンゴル 自治 区 の 中心 都市 ・ 呼和浩特 で は 、 それ でも 大量の クルマ が 走り回って いる 。 だが 、 チェーン を して いる もの は 全く と いって いい ほど 、 見掛け ない 。 タイヤ も ほとんど ノーマル 。 しかも かなり すり減って いて 、 日本 なら とても 車検 を クリア でき ない ような 代物 である 。 内 モンゴル の 雪 や 氷 は 滑ら ない の か 、 と まじめに 思った ほど 、 どの クルマ も そんな 凍結 路 を 巧みに 走って いる 。 雪道 運転 の ノウハウ など この 国 で は いら ない の か 、 と 思った もの だ が 、 巧みな 運転 に は やはり 秘密 が あった 。 その 第 1 は 、 ドライバー の 運転 技術 である 。 モータリゼーション が 急激に 進んで いる 中国 だ が 、 さすが に 内 モンゴル で は 、 まだ ほとんど 自家 用 車 は ない 。 当然 、 運転 して いる の は プロフェッショナル 。 運転 の 経験 を たっぷり 積んだ 人 たち ばかり だ 。 だから 限界 運転 を わきまえて いる 。 もう ひと つ は スピード を 出さ ない こと だ 。 職業 運転手 たち は 実に 慎重に 運転 する 。 身なり の いい 紳士 の 運転 する ベンツ の 方 が よほど 危なっかしかった 。 マツダ が 開発 し 、 ユーノス 800 に 搭載 して いる ミラーサイクルエンジン が 米国 の 自動車 専門 誌 「 オートモービル 」 から 「 最 優秀 技術 賞 」 が 贈ら れた 。 「 オートモービル 」 誌 は 米国 4 大 自動車 専門 誌 の ひと つ 。 今回 で 6 回 目 だ が 、 日本 の 自動車 メーカー の 技術 が 受賞 する の は 初めて 。 また 「 アンフィニ RX ― 7 」 は カー ・ アンド ・ ドライバー 誌 の 「 10 ベスト 車 」 に 。 ラグビー の オリンピック 復帰 が 検討 さ れて いる 。 昨年 十一 月 二十六 日 に 、 国際 ラグビー 評議 会 と 国際 オリンピック 委員 会 が 、 英国 の カーディフ で 会談 。 IRB を ラグビー の 世界 的 統括 組織 と して IOC 公認 競技 団体 に 認定 した 。 公認 競技 団体 入り は オリンピック競技 に 加わる 前提 条件 。 二〇〇〇 年 シドニー オリンピック で ラグビー が 実施 さ れる か どう か 注目 を 集めて いる 。 世界 ラグビー に は 、 伝統 的な IRB の ほか に フランス を 盟主 と した 国際 アマチュアラグビー 連盟 が ある 。 IRB が IOC 公認 団体 と なる に は FIRA の 了承 が 必要 。 昨年 秋 両 団体 の 話し合い が 進み 、 にわかに オリンピック 復帰 が 現実 性 を 帯びた 。 豪州 は 4 年 前 の 第 二 回 ワールドカップ で 優勝 した ラグビー 王国 。 しかし 、 国 内 で は 、 オージーボール や プロラグビー の 人気 に 及ば ない 。 そこ で シドニー ・ オリンピック を 機 に 人気 を 盛り上げよう と いう 狙い が 地元 連盟 に 強かった ようだ 。 同時に 欧州 でも 、 プロラグビー 人気 に 押さ れ 気味で 、 FIRA に オリンピック 復帰 の 機運 が 生まれて いた 。 その 先手 を 取って IRB が IOC へ 急 接近 を 図った と いう の が 真相 らしい 。 ピュー ・ IRB 会長 は 「 二〇〇四 年 オリンピック で 七 人 制 か 十 人 制 の 競技 を 計画 」 と も 語って いる 。 シドニー ・ オリンピック 組織 委員 会 も 「 オリンピック の 参加 選手 総数 を 1万 人 に 抑える の が 原則 。 1 チーム 25 人 は 、 他の 競技 の 選手 数 を 圧迫 する 」 と 疑問 視 して いる 。 過去 の オリンピック で は 一九〇〇 年 第 二 回 パリ 、 一九〇八 年 第 四 回 ロンドン 、 二〇 年 第 七 回 アントワープ 、 二四 年 第 八 回 パリ の 4 度 実施 さ れて いる 。 優勝 した の は フランス 、 豪州 、 そして 米国 が 2 度 。 母国 ・ 英国 は 乗り気で なく 代表 チーム を 出場 さ せて い ない 。 最後 の オリンピック で は 、 アメリカン フットボール の 巨漢 が フランス を 圧倒 して 、 ファン が 米国 選手 に 暴力 を 振るう 有り様 だった 。 後味 の 悪い オリンピック から の 撤退 。 それだけに 復帰 に は 十分な 論議 が 必要な ようだ 。 兄 弟子 、 升田 幸三 を 破って 再び 名人 位 を 手中 に した 大山 康晴 が 第 19 期 名人 戦 で 新たに 迎えた 挑戦 者 は 加藤 一二三 ・ 八段 だった 。 “ 神武 以来 の 天才 ” と 呼ば れた 加藤 は この 時 、 弱冠 20 歳 。 14 歳 で 四 段 昇段 以来 、 ノンストップ で 昇級 昇段 し 、 A 級 八 段 に なった の が 18 歳 、 早稲田 大学 に 進学 し 、 学生 結婚 、 同時に 名人 挑戦 と 話題 満載 の 若い 挑戦 者 だった 。 初戦 を 加藤 が 制し 、 意気 大いに あがり 、 世間 も 「 あるいは 」 の 期待 を つのら せた が 、 第 2 局 以降 、 大山 名人 が 百 戦 錬磨 の 貫録 を みせつける ように 4 連勝 し 、 あっさり 防衛 に 成功 した 。 加藤 が 再び 名人 戦 の 舞台 に 登場 する の は 13 年 後 の 73 年 まで 待たなければ なら なかった 。 そして 、 念願 の 名人 位 を 手中 に 収める の は さらに 9 年 後 の 82 年 の こと である 。 もう 、 お年玉 を もらえ ない 年齢 だった の ね 卒業 を 控え 四 年生 は 今 、 卒業 旅行 や 資金 稼ぎ の アルバイト 、 そして 新 生活 へ の 期待 に 胸 を ふくらま せて いる 。 だが 、 「 卒業 論文 」 の 存在 だけ は 無視 でき ない 。 すでに 提出 した 人 も 、 最後 の 追い込み に かかって いる 人 も 、 味わった この 苦しみ 。 卒論 なんて 言葉 、 もう 聞き たく ない だろう が 、 ぜひ 読んで みて ほしい 。 次に 紹介 する 彼女 たち の ユニークな 卒論 を 。 卒論 は 四 年間 の 集大成 。 自分 なり に 満足の いく もの を 書き上げ たい 。 だが 、 何十 枚 も の 原稿 を 書く など 、 そう は 簡単に でき ない 。 設定 した テーマ から 結論 を いかに 導き 出す か に 頭 を 悩ま せ 、 慣れ ない ワープロ 打ち 。 手書き 原稿 しか 認め ない 大学 も ある 。 締め切り まで 秒読み 段階 に 入れば 、 連日 の 徹夜 。 こんなに 苦しい なら 、 せめて 身近な ところ に テーマ を 設定 すれば 良かった と 、 悔やんだり も する 。 ほか の 人 は どんな テーマ で どのような 内容 の もの を 書き上げて いる のだろう 。 気 に なる ところ である 。 テーマ は 「 ダイエット に ついて 」 。 心理 学 の 立場 から 、 対象 と なる 人 の 性格 特徴 を 分析 、 「 やせ 願望 」 と 実際 の 状況 を 比較 。 節食 行動 に ついて も 研究 した 。 だれ も が 興味 を 持ち 、 女性 なら 一 度 は 体験 して いる こと だけ に 、 サンプル が 集め やすく 、 これといった 苦労 は ない 、 と いう 。 「 『 徹子 の 部屋 』 に おける あいづち 表現 に ついて 」 を テーマ に した 。 話し 上手 、 聞き 上手 と いわ れる 黒柳 徹子 さん の テレビ 人気 番組 から 、 あいづち が 性別 、 年齢 に よって どう 変化 する か を 研究 。 ゲスト は 牧瀬 里穂 さん 、 岡本 健一 さん 。 若い ゲスト の 場合 、 語彙 力 の な さ から か 、 話 が スムーズに 進ま ず 、 あいづち が 多く なる こと が 分かった 。 苦労 は 四十五 分 番組 と いえ ども 、 二 回 分 を テープおこし する ため に 、 それ だけ で 約 一 週間 かかった 。 テープおこし した もの を 一字 一句 落とさ ず に 文章 化 した ところ 、 四百 字詰め 原稿 用紙 三百 枚 を 超えて いた 。 テーマ は 「 スクール ・ アイデンティティー と して の 学校 制服 」 。 制服 で 高校 を 選ぶ 中学生 が 増えて いる 。 そして 、 制服 の 変更 が 偏差値 アップ に つながった と 見 られる 高校 も あった と いう 。 制服 否 定論 が 主流 で は あった が 、 肯定 論 の 中 に も 、 廃止 せ ず に 改良 を 望む 声 が 多かった 。 苦労 は 、 調査 期間 が 高校 生 に とって は ちょうど 期末 テスト の 時期 だったり 、 対象 に した 高校 から アンケート の 回答 を 拒否 さ れたり した こと 。 回収 できた アンケート の 女子 高 生 言葉 が 、 理解 でき ない こと も 。 過去 十 年間 の データ を 調査 し に 国会 図書 館 に 行った が 、 資料 が そろわ ず 、 かなり 苦戦 を 強い られた ようだ 。 このように 、 ユニークな テーマ を 選んだ 三 人 だ が 、 それゆえ に 、 参考 文献 が 少ない など 、 研究 論文 と して 学術 的に 結論づける の に かなり 苦労 した ようだ 。 結局 の ところ 、 どんな テーマ を 選ぼう と “ 生み の 苦しみ ” なく して 論文 が 書ける はず は ない 。 大学 を 「 卒業 」 する と は 、 それ ほど 大変で 、 重み の ある こと な のだ 。 まさに 、 「 学問 に 王道 なし 」 である 。 正月 気分 が 去る と 、 気 に なる の が 単位 取得 。 特に 出席 日数 が 足りない 学生 は 頭 が 痛い 。 このような 学生 を 救おう と 武蔵 大 で は 、 毎年 12 月 に ジャズ ダンス 講習 会 を 行って いる 。 7 回 以上 休む と 単位 が もらえ ない 、 体育 実技 の 欠席 の 多い 生徒 の 救済 措置 を 兼ねた 講習 会 で 、 今期 は 100 人 近く が 参加 した 初め は 渋々 だった 参加 者 だ が 、 汗 を 流す うち に 「 意外に 楽しく 、 単位 に 関係なく 、 また やり たい 」 と 好評 だった 。 とにかく 、 可愛い 人 。 笑って いる 顔 が 、 そのまま 絵 に なる ような 、 フワリ と した 面差し 。 生 クリーム に まみれて 仕事 を して いる 私 は 、 ざらざら した 自分 の 両手 が 恥ずかしく なった 。 おまけに 白い ユニホーム の すそ に は 、 イチゴ の しみ が べったり と ついて いる 。 販売 アドバイザー である 彼女 は 、 売り上げ 促進 の ため に 本部 から 派遣 さ れて きた 。 男の子 の 間 でも 人気 は 上々で 、 まるで アイドル の ようだ 。 冬 休み いっぱい バイト を 休んで しまう 私 は 、 その 日 、 彼女 に あいさつ を して から 帰ろう と 思った 。 「 忙しい 時 に 休んで 申し訳ない 」 。 型通りの 言葉 を 交わした 後 、 話 は 私 の トルコ 旅行 の こと に なった 。 「 えー 、 どうして そんな 国 に 行き たい の ? 」 。 真剣な 表情 で 聞か れ 、 少し 困った 私 は 「 だって 、 古代 ヒッタイト や トラキア の 遺跡 が いっぱい ある し …… 」 。 だが 、 彼女 は 心配 そうな まなざし で 、 じっと 私 を 見つめ 続ける 。 「 大丈夫です よ 。 私 、 悪運 強い し 」 。 すると 彼女 、 「 それ も そう ね 。 私 に は でき ない けれど 、 あなた に は 合って る 」 と ニッコリ 。 “ それ も そう ね ” と いう 言葉 に 少し つまずいた が 、 彼女 の 笑顔 に 免じて 許そう 。 そう 思い ながら 、 急いで 着替えて 外 へ 出た 。 彼女 に 頼んで おいた イチゴ の ケーキ を 取り に 、 もう 一 度 店 に 入った 。 「 いらっしゃい ませ 」 。 彼女 が 変わら ぬ 笑顔 で 迎えて くれる 。 「 十 分 程 前 に 頼んで おいた じゃ ない 」 と 小声 で ケーキ の 箱 を 指さした 。 だが 、 彼女 は 私服 の 私 が だれ だ か わから ない らしい 。 キョトンと して いる 。 「 ねぇ 私 だって ば 」 と 何 度 ささやいて も ニコニコ する ばかり 。 結局 、 別の バイト 友達 から ケーキ を 受け取った 。 ショーウインドー を 出る 時 も 彼女 の 笑顔 は 健在だった 。 私 は 生まれて 初めて 、 男 が 傷つく って こんな 時 か な 、 と 実感 した のである 。 女 の 笑顔 って 、 怖い 。 本紙 の 連載 小説 『 かくも 短き 眠り 』 の 挿絵 を 担当 して いる 画家 の 安久利 徳 さん は 、 薄く スライス した ヒノキ 材 を 使った 素朴な 「 ひので 細工 」 を 自ら 創案 し 、 東京 都 西多摩 郡 日の出 町 大久野 の 旧家 の 納屋 を 改築 して 開いた 展示 館 で 常設 展示 して いる が 、 今年 の えと に ちなんだ イノシシ も 考案 した 日の出 町 は ヒノキ の 生産 地 。 知人 の 紹介 で 町 へ 通う ように なった 安久利 さん は 、 スライス した ヒノキ 材 を 紙 ヒモ の ように 編み 合わせ 、 日の出 町 の 山野 に すむ 身近な 生き物 たち を 表現 する こと を 創案 した 。 キツネ 、 ムササビ 、 フクロウ 、 トンビ 、 カエル 、 ザリガニ 、 カジカ 、 バッタ 、 トンボ …… 。 接着 剤 や 糸 も 一切 使わ ず に 、 シンプルに モダンに 編み込んで いく 。 「 最近 の デコデコ やり 過ぎた 饒舌な 装飾 が 多 すぎる 世の中 で 、 日本 人 が 伝えて きた 清潔な 美し さ を 表現 でき ない もの か と 考えて ひので 細工 を 創案 した 。 簡単 そうに 見える かも しれ ませ ん が 、 これ で 結構 エネルギー を 注いで る んです よ 」 と 安久利 さん 。 「 ひので 細工 展示 館 」 は 、 一 月 十三 日 以降 、 毎週 、 金 ・ 土 ・ 日曜日 の 日中 開館 して いる 。 第 百十二 回 芥川 ・ 直木 賞 の 予選 通過 作品 が 次 の ように 発表 さ れた 。 最終 の 選考 委員 会 は 、 十二 日 夜 、 東京 ・ 築地 の 「 新喜楽 」 で 行わ れる 。 敬称 略 。 「 イエローキャブ 」 と いう 言葉 が 一九九五 年 版 の 三 つ の 用語 辞典 から 、 さりげなく 消えた 。 「 米国 の タクシー 」 転じて 「 外国 人 の 男性 に 簡単に 身 を 任せる 日本 女性 」 と いう 意味 の この 言葉 は 、 「 知恵蔵 」 で は 九三 年 版 、 「 イミダス 」 と 「 現代 用語 の 基礎 知識 」 に は 九四 年 版 から 登場 した 。 例えば 「 イミダス 」 九四 年 版 に は 「 外人 と 見れば すぐに 身 を まかせ た がる 日本 の バカ 女 」 と あった 。 実際 、 昨年 前半 まで は メディア でも 盛んに 使わ れて いた 。 だが 、 その後 「 日本 女性 を ことさら に 蔑視 する 和製 英語 」 と いう この 言葉 に 対する 批判 が 幅広く 支持 を 得て いく なか で 、 次第に 聞か れ なく なった 。 九三 年 十二 月 十三 日 付 本紙 夕刊 に 「 独り歩き した イエローキャブ 」 と いう 記事 が 掲載 さ れた 。 在 米 女性 を 中心 に 「 イエローキャブ を 考える 会 」 が でき 、 日本 に 住む 外国 人 や 女性 の 団体 が 、 著書 「 イエローキャブ 」 で 流行 の きっかけ を 作った 作家 の 家田 荘子 さん や 発行 元 に 抗議 して いる と いう 内容 だった 。 掲載 後 、 編集 部 に は 賛成 の 手紙 と 「 そういう 女性 は 実際 に いる 」 と いう 批判 的な 投書 を 主に 男性 から いただいた 。 運動 を 進めて いる 人々 は 、 メディア が ヤユ する 日本 人 女性 の 誤った イメージ が 、 この 言葉 と ともに 誇張 、 増幅 さ れ 、 実態 まで ゆがんで しまう 危険 性 を 問題 に した 。 こうした 経緯 を こつこつと 追い 、 家田 さん の 取材 の 信ぴょう性 に も 疑問 を 投げかけた 「 告発 ! イエローキャブ 」 が 昨年 三 月 に 出版 さ れた 。 著者 の フリーライター 、 豊田 正義 さん は 、 ローマ の 集団 レイプ 事件 で 「 イエローキャブ 」 的 イメージ が 繰り返さ れる 例 を 引いて 、 「 過度の 情報 消費 社会 に 混乱 を もたらして いる 何 か 」 に 迫った 。 「 本 の 売れ行き は それほど で も なかった のです が 、 『 よく 書いて くれた 』 と いう 共感 の 手紙 の 多 さ に 驚いて い ます 」 と 豊田 さん 。 「 ずっと 『 イエローキャブ 』 を 注意 して 見て い ます が 、 今年 後半 から は ほとんど 見 られ なく なった 。 メディア 側 で こういう 差別 語 を 不用意に 使う の は まずい な 、 と いう 意識 が 出て きた 。 運動 の 効果 は あった と 思う 」 と いう 。 家田 さん の 本 が ブーム と 批判 を 呼んで いる と 書か れた ミニコミ 誌 「 インフォルマチオーネン 」 も 六 月 に ウィーン で 出さ れ 、 海外 でも 関心 が 持た れて いる こと を うかがわ せた 。 横浜 で 開か れた 国際 エイズ 会議 で は 、 タイ 人 研究 者 が 日本 人 女性 と 現地 男性 の 危険な 交際 に ついて 発表 した の に 対し 、 会場 の 日本 人 女性 が 「 イエローキャブ と いった 偏見 を 助長 し かね ない 」 と 抗議 の 声 を 上げる 場面 が あった 。 今回 の 削除 に ついて 「 イミダス 」 の 赤坂 繁 編集 長 は 「 編集 方針 に そった もの 」 と 説明 する 。 索引 を 見る と 、 各 用語 集 に は 「 家 なき 子 」 が 登場 して イエローキャブ の 穴 を 埋めた 。 春 は ジャンプ 。 ダンス 、 バレエ 団 が 相次いで 来 日 する 。 ダンス は アメリカ から モダン ・ ダンス の 大御所 、 ポール ・ テイラー 舞踊 団 が 十五 年 ぶり の 来 日 。 ポール ・ テイラー は マーサ ・ グラハム 舞踊 団 で ソリスト と して 活躍 、 一九五四 年 に 自ら の 舞踊 団 を 創立 して から は 、 毎年 ニューヨーク と パリ で 定期 的に ざん新な 新作 を 発表 し 、 その 数 は すでに 百 を 超えて いる 。 その なか で 、 二十 年 以上 に わたって 人気 を 呼び “ 新しい 古典 ” と 言わ れて いる の が バッハ の バイオリン協奏曲 に 振り付けた 「 エスプラード 」 。 日本 公演 で は この 「 エスプラード 」 の ほか 、 九三 年 作 の 「 波 しぶき 」 や 九四 年 の 「 月 かず ら 」 の 最 新作 まで 七 作品 を 上演 する 。 問い合わせ は 03・3580・0031 。 バレエ は カナダ の ロイヤル ・ ウィニペグ ・ バレエ 団 。 ロシア ・ バレエ の 伝統 を 持つ と 同時に 、 バランシン など の アメリカ もの に も 力 を 発揮 する 多彩な カンパニー だ 。 代表 作 が ピーター ・ ライト 版 の 「 ジゼル 」 。 日本 でも 人気 の イヴリン ・ ハート の 当たり役 で 、 今回 の 日本 公演 でも メーン と なる 。 他 に バランシン 振り付け の 「 スクウェア ・ ダンス 」 や チューダー 振り付け の 「 ダーク ・ エレジー 」 など 。 問い合わせ は 03・3366・9999 。 日本 が 生んだ 国際 的な プリマ ・ バレリーナ 、 森下 洋子 が 1976 年 の この 日 、 ニューヨーク の ユリス 劇場 で 行わ れた アメリカン ・ バレエ ・ シアター 公演 で 黒鳥 の パ ・ ド ・ ドゥ を 踊って ニューヨーク ・ デビュー を 飾った 。 森下 は 76 年 の バルナ 国際 バレエ ・ コンクール で 優勝 し 、 その スピード の ある 正確な テクニック と 劇的な 演技 力 で 注目 を 集め 、 ニューヨーク ・ デビュー に 先立つ モナコ 歌 劇場 で の ガラ ・ コンサート でも 絶賛 を 博して いた 。 ニューヨーク ・ デビュー の 共演 者 は 、 これ も 76 年 の バルナ 国際 バレエ ・ コンクール 優勝 者 の フェルナンド ・ ブフォネス だった 。 森下 は この後 77 年 、 ロンドン の エリザベス 女王 戴冠 25 周年 記念 公演 で ヌレエフ ら と 共演 、 さらに ベジャール が 振り付け した 「 ライト 」 に 主演 する など 国際 的な スター に ふさわしい 活躍 を 続けて いる 。 東京 都 世田谷 区 の 日本 学園 の 高校 生 有志 が 廃品 回収 で 資金 を 集め 、 ネパール に 建設 して いた 学校 校舎 が 完成 、 この ほど 、 現地 で 祝賀 会 が 行わ れた 。 完成 した の は 、 日本 学園 を 退職 した 白川 嘉道 元 教諭 ら が 親交 の あった ネパール 北西 部 ジュムラ 地区 ディディチャル の 学校 。 老朽 化 の ため 放棄 さ れて いた が 、 日本 学園 の 生徒 ら が 、 都 内 で アルミ 缶 の 廃品 回収 で 集めた 四十一万 円 が きっかけ に なり 、 現地 でも 資金 集め が 進め られた 結果 、 十八 教室 の 校舎 が 完成 した 。 祝賀 会 に は 同 校 の 生徒 六 人 と 引率 教師 が 現地 入り した 。 ネパール は 今 、 冬 休み だ が 、 生徒 や 村人 が 三千 人 も 集まり 、 新 校舎 で 日本 ・ ネパール 交流 の 成果 を 祝った 。 カンボジア で 国連ボランティア と して 活動 して いた 故 中田 厚仁 さん と ともに 、 武装 集団 に 襲撃 さ れて 死亡 した 故 レイ ・ ソック ・ ピエップ さん の 兄 ドー さん が 六 日 、 南 イリノイ 大学 日本 校 へ 留学 する ため 来 日 した 。 関係 者 へ 働きかけ 、 留学 を 実現 さ せた 厚仁 さん の 父 武仁 さん は 「 日本 で 学んだ こと を 、 ぜひ アジア の 国々 の 発展 の ため に 役立てて ほしい 」 と 期待 して いる 。 厚仁 さん と 通訳 の ピエップ さん は 一九九三 年 四 月 、 総 選挙 を 控えた カンボジア の コンポントム 州 で ポル ・ ポト 派 と み られる 武装 集団 に 射殺 さ れた 。 生前 、 厚仁 さん は 「 平和 国家 の 建設 に は カンボジア 青年 たち の 教育 が 必要 」 と の 思い から 、 ピエップ さん に 日本 へ の 留学 を 勧め 、 身元 保証人 に なる こと を 約束 して いた と いう 。 ドー さん は 事件 後 、 「 ピエップ の 遺志 を 継ぎ 、 日本 で 政治 学 を 学び たい 」 と 、 武仁 さん に 手紙 など で 伝えて いた 。 厚仁 さん が 南 イリノイ 大 で 二 カ月間 、 語学 研修 して いた 関係 も あり 、 武仁 さん は 昨年 六 月 、 同 大 日本校 で 講演 。 その折 、 ドー さん の 思い を 聞いた 同 校 理事 長 の 熊倉 信夫 ・ 中条 町長 が 「 ぜひ 、 わが 校 で 学んで ほしい 」 と 返答 。 その後 、 同 町 で 寄付 金 を 募る など して 、 留学 費用 は すべて 町 と 同 校 持ち で ドー さん を 受け入れ 、 武仁 さん が 身元 保証人 に なった 。 武仁 さん は 「 カンボジア だけ で なく 、 アジア の 国々 の ため に 尽くし たい 、 と いう ドー さん の 情熱 に 心 を 強く 動かさ れた 。 厚仁 の 約束 が こうした 形 で 実現 できて 、 本当に よかった 」 と 話して いる 。 米国 内 の ぜんそく 患者 が 、 この 十 年 で 四 割 余り も 増えて いる こと が 五 日 、 米 疾病 管理 予防 センター の 調査 で 分かった 。 同 センター で は 原因 は 不明 と して いる が 、 大気 汚染 や 気密 性 の 高い 住 環境 、 窓 の ない 事務 所 の 増加 など が 関係 して いる と みて 調べて いる 。 CDC に よる と 、 米国 内 で ぜんそく に 苦しむ 人 は 一九九二 年 時点 で 約 千三百万 人 。 全 人口 の 約 五 % に 上った 。 人口 千 人 当たり 四十九・四 人 の 割合 で 、 その 十 年 前 の 三十四・七 人 に 比べ 四二 % の 急増 に なった 。 また 、 ぜんそく が 原因 で 死亡 した 人 は 最新 の データ である 九一 年 時点 で 人口 百万 人 当たり 十八・八 人 。 やはり 八二 年 当時 より 四〇 % 増加 した 。 女性 だけ を みる と 、 死亡 率 の 増加 は 五九 % 。 黒人 の 死亡 率 は 白人 の 五 倍 に 上った 。 ニュージーランド で 犬 が 空腹で ほえ 続け 保護 さ れた 。 飼い主 は 5 つ の エサ 入れ に 月曜 から 金曜 の 曜日 を 書き 、 置いて 旅行 に 出た が 、 犬 は 火曜日 に 食べ尽くした 。 税金 の 申告 データ など を 全国 一元 的に 処理 する 新しい 電算 機 システム が 国税 庁 に 導入 さ れ 、 六 日 から 運用 が 始まった 。 この 電算 機 は 「 KSK 」 システム と 呼ば れ 、 納税 者 数 の 増大 、 法人 間 の 取引 の 広域 化 、 新 税 の 導入 で 税務 行政 が 複雑 化 した こと から 、 七 年 前 から 開発 に 着手 。 従来 の 電算 機 に なかった 全国 オンラインシステム に した 。 KSK は 、 所得 税 や 法人 税 など 全 税目 の 申告 状況 の 把握 が 可能で 、 同族 グループ 企業 や 取引先 の 申告 状況 の データ まで も 瞬時 に 取り出せる 。 この ため 税金 の 集計 作業 、 徴収 事務 など の 省力 化 、 納税 証明 書 発行 の 迅速 化 など が 図れる ほか 、 法人 の 税務 調査 など に も 応用 が できる と いう 。 当面 は 東京 国税 局 の 京橋 、 川崎 北 両 税務 署 で スタート し 、 十一 月 に 仙台 国税 局 の 二 税務 署 に も 拡大 。 来年 から 順次 全国 に 広げて いく 。 この 日 は 、 東京 国税 局 で 電算 機 の 起動 式 が あり 、 寺村 信行 ・ 国税 庁 長官 が 「 適性 、 公平な 課税 の 実現 に 役立て たい 」 と あいさつ した 。 福岡 ・ 南 署 の 白紙 調書 事件 で 、 福岡 県警 は 六 日 、 調書 を 作成 した 同 署 生活 安全 課 保安 係 、 北代 洋一 巡査 長 を 虚偽 有 印 公文書 作成 、 同 行使 の 疑い で 福岡 地検 に 書類 送検 した 。 直属 の 上司 である 係長 から も 事情 を 聴いた が 、 事件 に 関与 して い なかった と 判断 した 。 また 、 懲戒 など の 内部 処分 は 地検 の 最終 処分 を 待って 行う こと に した 。 調べ で は 、 北代 巡査 長 は 昨年 三 月 、 別の 大麻 事件 で 同 署 が 逮捕 した 女性 を 拘置 所 に 移監 する 直前 、 約 三十 枚 の 白紙 の 調書 用紙 に 署名 、 押印 さ せた 。 同 七 月 、 覚せい 剤 取締 法 違反 容疑 で 会社 社長 宅 の 家宅 捜索 令状 を 請求 する 際 、 この 女性 から 取った 白紙 調書 を 使用 した 疑い 。 県警 は 疑惑 発覚 後 、 監察 官 室 と 刑事 部 、 生活 安全 部 で 特別 態勢 を 組んで 捜査 に 着手 。 同 署 を 家宅 捜索 、 関係 者 から 事情 を 聴いて いた 。 誕生 から 九 日 目 。 産後 の 経過 は 順調で 、 母子 ともに 健康だ と いう 。 紀子 さま は 白い ベビー 服 に くるま れた 佳子 さま を しっかり と 両手 で 抱きかかえ 、 病院 玄関 に 姿 を 見せた 。 佳子 さま は ぐっすり と 眠って いる 様子 。 紀子 さま の 母乳 で 育って いる 佳子 さま は 、 退院 前 の 六 日 朝 の 計測 で は 、 身長 は 五〇・五 センチ で 誕生 時 と 変わら ない が 、 体重 は 二八四八 グラム で 八二 グラム 増えた 。 「 お 二 人 は 佳子 さま を 何と お呼び です か 」 と の 記者 団 の 質問 に 対し 、 秋篠宮 さま は 「 今 は 『 かこ ちゃん 』 と いう ふうに 」 。 また 、 長女 眞子 さま と 似て いる か に ついて は 「 そんなに 似て ない です 」 と 笑った 。 秋篠宮 さま と 眞子 さま は 入院 中 、 毎日 夕方 に 病院 を 訪れ 、 夕食 を ともに した 。 姉 に なった 眞子 さま は 大変 うれし そうに 「 かこ ちゃん 」 の 頭 を なでたり 、 話しかけた と いう 。 紀子 さま は 宮務官 を 通して 「 退院 の 日 を 迎える こと が でき うれしく 思う 。 関係 さ れた 方々 、 お 心遣い いただいた 方 に 感謝 申し上げ たい 」 と いう 感想 を 出した 。 皇室 経済 法 第 六 条 に より 、 佳子 さま の 皇族 費 と して 、 秋篠宮 さま の 十 分 の 一 に あたる 二百七十一万 円 が 充て られる 。 今 年度 は 月 計算 で 先月 を 含めた 四 カ月 分 の 約 九十万 円 が 支払わ れる 予定 。 また 、 宮 邸 に は 八 畳 の 育児 室 など 二間 が 増築 さ れて おり 、 佳子 さま は ここ で 育て られる 。 昔 から 、 死者 の 国 は はるか 遠い 遠い ところ に ある 、 と 信じ られて いた 。 日本 に は 、 山上 他界 説 も 海上 他界 説 も ある 。 古代 、 人々 は 死者 を 道端 に 葬った 。 だから 、 「 道 」 は 生 者 が 行き交う 道 であり 、 死者 の 道 で も ある 。 神々 の 道 であり 、 悪霊 の 道 で も あった 。 正月 、 盆 、 彼岸 。 死者 の 霊 は 「 この 道 」 を 通って 「 この世 」 を 訪ね 、 数 日 たつ と 、 遠い 「 あの世 」 に 帰る 。 お 正月 の 獅子舞 は 、 我々 を 守って くれる 神 の 「 権現 」 であり 、 村 境 に 張った 「 しめ縄 」 は 、 悪霊 の 侵入 を 防ぐ 道具 だった 。 「 道 切り 」 の 風習 である 。 朝刊 の 片隅 で 「 50 年前 」 と いう 小さな 小さな コラム を 担当 して 、 終戦 間近い 日本 を 改めて “ 取材 ” したら 、 日本 人 が よく 分かった 。 昭和 十九 年 の 大みそか 。 銀座 通り に 「 しめ飾り 屋 」 が 突然 、 現れた 。 お上 の 虚礼 廃止 の 号令 が 行き届き 、 門松 一 つ ない 銀座 。 もちろん 「 しめ飾り 屋 」 は “ 違反 ” な のだ が 、 だれ か が 見つける と 、 人 、 人 、 人 。 アッ と 言う 間 に 、 しめ縄 は 売り切れて しまった 。 当時 、 アメリカ 軍 は 悪霊 。 「 道 切り 」 で 侵入 を 防ぐ 、 と いう 思い が あった のだろう 。 が 、 それ より も 「 文化 ・ 風習 」 に まで 介入 する 軍部 に 対する 抵抗 が あった 。 日本 人 は 、 上手に 「 死者 と 、 神々 と 共闘 する 国民 」 である 。 ギネス と いえば 英国 の 代表 的な ビール の 銘柄 の 一 つ だ が 、 バッキンガム 宮殿 から 「 女王 陛下 ご 指名 」 と いう 、 いわば 「 王室 御用達 」 マーク を 今後 付けて は なら ない と 通告 さ れた こと が 五 日 、 明らかに なった 。 マーク は 、 エリザベス 女王 一家 に 定期 的に 納入 する 製品 に 付ける こと が 認め られて おり 、 メーカー に とって は 名誉 。 しかし 、 どうやら 女王 一家 が ギネスビール 、 特に スタウトビール を 飲ま なく なった ため 、 王室 は マーク の 許可 を 更新 し ない こと に した ようだ 。 ギネス は 十 年 前 から 自社 製 の ビール に この マーク を 誇らしげに 張って 販売 して いた だけ に 、 同社 関係 者 は 戸惑い を 隠せ ない 様子 。 しかし 、 同社 の スポークスマン は 「 王室 の 好み は 一般 的な ビール 愛好 者 の トレンド を 反映 した もの で は ない 」 「 わが 社 の ビール は 世界 百四十 カ国 で 販売 さ れて おり 、 今年 も 売れ行き は 好調だろう 」 と の コメント を 出して いる 。 埼玉 県 行田 市 持田 三 、 会社 役員 、 川崎 明男 さん が 一昨年 四 月 に 行方 不明に なり 、 焼か れた 遺体 が 群馬 県 内 の 山林 に 捨て られて いた 事件 で 、 死体 遺棄 容疑 で 逮捕 さ れた 埼玉 県 大里 郡 江南 町 板井 、 犬 猫 繁殖 販売 業 、 関根 元 容疑 者 が 、 遺体 の 切断 、 焼却 、 遺棄 に 至る 過程 を 複数 の 知人 に 分担 さ せる 形 で 手伝わ せて いた こと が 六 日 、 同 県警 捜査 一 課 と 行田 署 の 調べ で 分かった 。 知人 の 中 に は 、 川崎 さん の 遺体 と 気付き ながら 手伝った 人物 も いる と さ れ 、 同 県警 は 共犯 関係 の 有無 に ついて も 詳しく 事情 を 聴いて いる 。 焼却 さ れた 川崎 さん の 遺体 の 骨 は 昨年 十二 月 十三 日 、 群馬 県 利根 郡 片品 村 の 国有 林 で 見つかった 。 関根 容疑 者 は 一 時 、 住民 票 を 移す ほど 同村 の 知人 宅 を しばしば 訪れて いた こと から 、 同 県警 で 交友 関係 を 中心 に 聞き込み 捜査 を 続けた ところ 、 複数 の 知人 が 遺体 の 遺棄 現場 に 居合わせて いた こと が 分かった 。 知人 ら の 証言 を 総合 する と 、 関根 容疑 者 は 一昨年 四 月 二十 日 夜 、 埼玉 県 熊谷 市 の 駐車 場 に 止めた 同 容疑 者 の 車 の 中 に あった 川崎 さん の 遺体 を 捨てる よう 指示 。 手分け し ながら 、 片品 村 の 犬 の 繁殖 場 に 運び 、 二十一 日 未明 、 切断 さ れた 遺体 を ドラム缶 に 入れて 燃やし 、 夜明け を 待って 、 灰 など を 袋 に 詰め 、 約 一キロ 離れた 国有 林 に 運んで 、 林道 から 五 、 六十 メートル 下 の 沢 に 向かって 遺棄 した 、 と いう 。 一方 、 川崎 さん の 乗用車 は 、 遺体 が 焼か れて いた ころ の 二十一 日 午前 二 時 四十 分 ごろ 、 JR 東京 駅 地下 の 八重洲 東 駐車 場 に 別の 一 台 と ほぼ 同時に 入庫 。 川崎 さん の 車 だけ が 、 そのまま 乗り捨て られ 、 もう 一 台 は 数 分 後 に 出庫 して いた 。 同 県警 は 遺棄 を 隠す 偽装 工作 と 判断 して いる が 、 この 工作 に も 最低 二 人 が かかわって いた と みて いる 。 同 県警 は 、 知人 ら の 役割 が 細かく 分け られて いた ため 、 事件 の 全体 像 を どの 程度 知っていた の か 慎重に 調べて いる 。 切断 さ れた 遺体 の 焼却 現場 に いた 知人 の 一 人 は 、 事情 聴取 に 対し 「 燃やさ れて いる の は 人間 だ と 思った 」 と 証言 、 また 、 別の 知人 は 「 川崎 さん の 遺体 だ と 知っていた 」 と 証言 して いる と いう 。 関根 容疑 者 と 、 元 妻 の 風間 博子 容疑 者 は 、 六 日 の 取り調べ に 対して も 、 全面 否認 を 続けて いる 。 一九九〇 年 四 月 に 香川 県 木田 郡 牟礼 町 の 男性 を 保険 金 目当て に 殺害 した と して 、 香川 県警 など の 合同 捜査 本部 に 昨年 十一 月 逮捕 さ れた 同県 大川 郡 長尾 町 造田 野間田 、 工員 、 山崎 義雄 被告 が 六 日 まで に 、 仙台 市 泉 区 に 住んで いた 日本画 家 の 妻 、 高田 サチ子 さん を 八五 年 十一 月 ごろ 、 保険 金 目当て に 殺害 して いた こと を 自供 した 。 香川 県警 は 、 同県 内 の 女性 と 徳島 県 内 の 男性 が 関与 して いる こと を 突き止め 、 六 日 午前 、 山崎 被告 ら 三 人 を 殺人 容疑 で 再 逮捕 、 逮捕 した 。 調べ に よる と 、 八五 年 十一 月 、 香川 県 出身 の 日本画 家 、 高田 美一 さん = 故人 = の 妻 サチ子 さん が 自宅 で 首 を つった ような 状態 で 死んで いる の が 見つかり 、 宮城 県警 は 自殺 と して いた 。 一方 、 香川 県警 は 香川 県 牟礼 町 の 食品 販売 業 、 山下 英昭 さん を 殺害 した と して 、 山崎 被告 と 松山 市 の トラック 運転手 を 逮捕 して 調べて いた ところ 、 山崎 被告 が サチ子 さん に 掛け られて いた 保険 金 千五百万 円 を 、 トラック 運転手 と は 別の 二 人 と 受け取って いた こと が 分かった 。 同 県警 の 調べ に 対し 、 山崎 被告 が サチ子 さん の 殺害 を 自供 した 。 同 県警 は 山崎 被告 ら が 保険 金 目当て に サチ子 さん を 絞殺 、 自殺 に 見せかけた と みて 、 殺害 方法 など を 詳しく 調べて いる 。 調べ で は 、 サチ子 さん は 山崎 被告 ら に 殺さ れた と さ れる 山下 さん と は 親類 。 山崎 被告 ら は 高田 さん 夫婦 が 香川 県 に 住んで いた 時 から の 知り合い だった 。 また 、 高田 さん は 山崎 被告 ら に 借金 が あった と いう 。 香川 県 内 の 美術 関係 者 に よる と 、 高田 美一 さん は 戦前 は 帝展 に 入選 する など 、 活躍 した が 、 戦後 は 各地 を 転々 と する 生活 を 送って いた と いう 。 正月 恒例 の 東京 消防 出初め式 が 六 日 午前 、 東京 都 中央 区 の 晴海 ふ頭 で 行わ れた 。 東京 消防 庁 職員 や 消防 団員 など 約 六千五百七十 人 と 、 消防 車 二百三十九 台 、 ヘリコプター 六 機 、 消防 艇 九 艇 が 参加 。 大 地震 を 想定 した 、 大型 ヘリコプター に よる 放置 車両 の 除去 作業 や 、 救助 ロボット 「 ロボキュー 」 、 大型 特殊 救急 車 「 スーパーアンビュランス 」 も 加わり 、 日ごろ の 訓練 の 成果 が 披露 さ れた 。 また 、 江戸 消防 伝統 の 木遣り 、 はしご 乗り が 行わ れ 、 見物 に 訪れた 約 三万 人 の 都民 ら から 拍手 が 起こった 。 初めて 空襲 を 受けた 大阪 の 阿倍野 区 を 視察 した 府 警備 課長 の 談話 が 1 月 6 日 の 毎日新聞 に 載って いる 。 「 災害 の 起きた 多く の 家庭 は 、 その 整理 整頓 に 欠けて いた ため 焼夷弾 の 発見 が 遅れ 大事 と なって いる 」 「 災害 の ない 隣組 が 災害 の 起きた 隣組 に 積極 的に 応援 協力 する 態度 が 欠けて いた 」 。 被災 者 の 談話 は 、 ない 。 6 日 は 「 寒の入り 」 。 冷たい 風 の 中 、 「 唐 梅 」 と 呼ば れる 梅 に 似た 「 蝋梅 」 の 花 が 咲き始めた 子供 たち の 自主 性 を 重んじ 、 ゆとり ある 教育 を 、 と 一九九二 年 九 月 、 全国 の 国公立 の 幼稚園 、 小 、 中 、 高校 の 約 四万七千 校 で スタート 。 今年 四 月 から は 、 現在 の 第 二 土曜 に 加え 、 第四 土曜 も 休日 と し 、 月 二 回 に なる 。 学校 五 日 制 の 導入 率 が 全国 最低 レベル に なって いる 大阪 府 内 の 私立 学校 に 対し 、 大阪 府 私 学課 は 近く 導入 要請 に 踏み切る 。 独自の 教育 方針 を 持つ 私立 学校 に 導入 の 義務 は ない が 、 公立 学校 で 今春 から 土 日 連休 が 月 二 回 に 増える こと から 、 「 このまま で は 私立 で 偏差値 教育 が 助長 さ れる 」 と 判断 。 今月 中旬 を めど に 実態 を 調べ 、 導入 校 の 指導 方針 など を 未 導入 校 に 「 アドバイス 」 の 形 で 配布 する 。 導入 要請 に 向けた 具体 的な 動き は 全国 でも 例 が ない が 、 大阪 府 の こうした 姿勢 に 私立 高校 の 一部 から は 「 大学 入試 の 実態 を みれば 、 授業 時間 を 減らす こと は 考え られ ない 」 など の 反発 の 声 も 強まって いる 。 大阪 府 の 私立 学校 の 五 日 制 の 導入 率 は 、 高校 五十二 校 中 八 校 。 私立 学校 の 全国 平均 は 六一・二 % 、 同 四三 % で 、 大阪 府 は いずれ も 大きく 下回り 、 全国 で 最低 レベル だった 。 さらに 、 導入 して い ない 計 百四 校 の うち 、 「 今後 五 日 制 へ 移行 する こと を 予定 して いる 」 は ゼロ 、 「 移行 を 検討 中 」 が 二十七 校 に 過ぎ なかった 。 こうした 実態 を 重視 した 大阪 府 私 学課 は 、 公立 と の 歩調 を 合わせる ため 、 府 内 の 全 私立 中 ・ 高校 に 対して アンケート 調査 を 始めた 。 今月 中旬 まで に 回収 し 、 導入 して い ない 学校 に 「 アドバイス 」 と して 配布 する 。 大阪 府 の 動き に 対し 未 導入 の ある 男子 校 は 「 他の 多く の 私学 が 休み に して い ない ので 、 休み に でき ない 」 と し 、 別の 男子 校 も 「 大学 入試 に 対応 する ため に は 、 五 日 制 の 導入 を 勧め られて 『 はい そうです か 』 と は いか ない 。 将来 、 大半 の 私立 が 休む ように なった 時 に は 考え ない と いけない が 」 と 他校 の 動向 を にらむ 。 今回 の 要請 に ついて 大阪 府 私学 課 は 「 強制 力 は ない が 、 社会 の 動き に 照らし合わせ 、 五 日 制 の 推進 に 協力 して ほしい 」 と して いる 。 私立 が 五 日 制 を 導入 し ない の は 、 公立 と の 違い を 打ち出し たい から 。 大学 進学 を 旗印 に して いる 私立 なら 、 土曜 も 勉強 して 、 独自の 教育 方法 を 取る の は 当然の こと 。 導入 しよう が し まい が 、 各 学校 が 決めれば いい 。 国 や 各 自治 体 は 、 特色 ある 学校 づくり を 叫び ながら 、 五 日 制 の 足並み を そろえ させよう と いう の は 時代 に 逆行 。 なぞ の 浮世 絵師 、 東洲斎 写楽 が 独特の 役者 絵 を ひっさげて 登場 し 、 江戸 の 市中 の 話題 を さらって から 二百 年 。 それ を 記念 して 写楽 の 世界 的な 名品 や 、 美人 画 の 第一人者 、 喜多川 歌麿 ら 同 時代 の 絵師 たち の 作品 を 集めた 「 『 写楽 』 と 『 歌麿 』 ― 江戸 の 浮世 絵 展 」 が 六 日 、 大阪 市 阿倍野 区 の 近鉄 アート 館 で 開幕 した ベルギー の ブリュッセル 王立 美術 歴史 博物 館 から 里帰り した 写楽 の 貴重な 作品 を はじめ 歌麿 や 鳥居 清長 ら の 浮世 絵 など 約 百五十 点 を 展示 。 写楽 登場 の 仕掛け 人 、 版元 蔦屋 重三郎 の 仕事 も 紹介 。 十一 日 まで 。 入場 料 は 一般 八百 円 、 大 ・ 高 ・ 中 生 六百 円 。 佐賀 県 教委 は 六 日 、 同県 鳥栖 市 の 柚比本 村 遺跡 から 出土 した 弥生 時代 中期 前半 の 石 製 把頭飾 付き 銅剣 の 柄 部分 に 、 青銅 製 の 金具 の 存在 を エックス線写真 で 確認 した 、 と 発表 した 。 青銅 製 剣 把金具 は 国 内 で は 長崎 県 対馬 で 八 件 の 出土 例 が ある が 、 いずれ も 弥生 中期 末 から 後期 の もの で 今回 の 出土 は 国 内 最古 、 本土 で は 初 の 出土 と なる 。 石 製 把頭飾 付き 細形 銅剣 は 、 昨年 七 月 、 同 遺跡 の 成人 用 木棺墓 から 出土 。 銅剣 と 把頭飾 の 間 に 、 肉眼 で わずかに 青銅 製 の 破片 が 確認 さ れ 、 同県 教委 は 同県 工業 技術 センター に エックス線 撮影 を 依頼 して いた 。 確認 さ れた 剣把金具 は 、 つば 金具 、 責 金具 、 盤 部 金具 と 呼ば れる 部分 で 計 四 点 。 長 さ は 三・五 センチ から 十八 センチ 、 幅 は 〇・五 センチ から 一 センチ 。 木製 の 柄 本体 は 腐食 して 残って い ない が 、 剣先 から 把 頭飾 まで の 全体 の 剣 の 長 さ は 約 四十三 センチ に 復元 できる と いう 。 銅剣 、 石 製 把 頭飾 と 剣 把 金具 が セット で 出土 した の は 国 内 初 。 作家 の 故 梁 雅子 さん の 戦争 体験 を 書いた 自伝 的 小説 「 われ 餓えたる 民 」 が 、 執筆 から 約 三十 年 経た 今年 、 初めて 出版 さ れる 。 ちょうど 戦後 五十 年 の 区切り に 、 戦場 に 行か なかった 女性 や 子供 の 味わった 、 食糧 難 や 物資 不足 と いう 戦場 外 で の 戦い を 改めて 知る 一 冊 と して 関心 を 呼び そうだ 。 梁 さん は 、 老人 ホーム を 舞台 に 老人 の 性 を とらえた 小説 「 悲田院 」 で 六〇 年 に 女流 文学 賞 を 受賞 、 作家 と して デビュー した 。 「 われ ―― 」 は 、 終戦 前後 の 身の回り の 暮らし を まとめた 原稿 用紙 に 約 八百 枚 の 作品 で 、 六五 年 ごろ 一 年 半 かかって 仕上げた 。 主人公 は 梁 さん を モデル に した 軍医 の 妻 で 、 四四 年 五 月 二十一 日 の 大阪 ・ 天王寺 から 始まり 、 四五 年 九 月 末 の 活気 あふれる 大阪 の ヤミ 市 で 終わる 。 季刊 誌 「 大阪 春秋 」 で 七四 年 から 連載 した もの の 、 同 誌 の 廃刊 に 伴い 、 すべて を 収容 し ない まま 打ち切り 。 原稿 は 大阪 府 吹田 市 の 自宅 の 書庫 で 眠る こと に なった 。 昨秋 、 梁 さん の 長男 で テレビプロデューサー の 典雄 さん が 、 知人 の 作家 に 雑談 で この 小説 の 話 を した ところ 、 「 来年 は 戦後 五十 年 、 本 に する に は タイミング が いい 」 と 出版 が 決まった 。 同 書 は 梁 さん が 三 人 の 子供 と 乗り切った 敗戦 前後 の 暮らし が 下敷き に なって いる 。 題名 に 「 餓えた 」 と ある の は 、 食べ物 、 衣服 など に 困った こと ばかり で なく 、 文化 の 荒廃 や 、 人々 の 別れ に よる 愛 の 飢え まで 広く 含ま れて いる のだ と いう 。 典雄 さん は 「 おふくろ は 生前 、 『 戦争 文学 は たくさん あって も 、 “ 銃後 ” の 作品 が ない 』 と 、 話して いた 。 戦争 に なる と 、 戦場 で 戦う 男 だけ で なく 、 残さ れた 女 や 子供 も 食糧 難 や 物資 不足 に 苦しみ 、 愛 に も 飢え 、 まさに 戦争 の 渦中 に あった のだ 、 と 後世 に 語り継ぐ ため 、 この 作品 を 書いた のでしょう 」 と 振り返る 。 同 書 は 出版 社 「 P ・ O ・ M 」 から 二 月 下旬 に 出版 の 予定 。 大阪 市 消防 局 は 六 日 午前 、 大川 沿い の 桜之宮 公園 で 出初め式 を 行った 。 消防 隊員 ら 約 千 人 が 参加 、 救助 訓練 や 色 鮮やかな カラー 放水 で 水 都 ・ 大阪 の 新春 を 彩った 式 に は 、 消防 車 や はしご 車 など 六十七 台 と 名古屋 、 神戸 、 京都 各 市 消防 局 から の 特別 参加 を 含め 計 五 機 の ヘリコプター が 出動 。 船舶 火災 を 想定 し 、 水上 バス や ヘリコプター を 使った 救助 訓練 など が 次々 と 披露 さ れた 。 市章 の 「 み お つくし 」 を かたどった 五 色 の 一斉 放水 が 始まる と 、 両岸 を 埋めた 大勢 の 見物 客 から 大きな 拍手 が 上がった 。 六 日 は 「 寒の入り 」 と 呼ば れる 二十四節気 の 一 つ 、 小寒 。 近畿 地方 は 、 朝鮮 半島 上 の 寒気 団 の 影響 で 日本 海 側 を 中心 に 雪 の 朝 。 奈良 市 内 でも 未明 に 雪 が ちらついた が 、 全般 的に 晴れ間 が 広がり 、 サラリーマン ら は 肌 を 刺す 冷たい 風 の 中 を 足早に 出勤 して いた 。 「 寒 さ は 徐々に ゆるんで くる 」 と 同 気象 台 。 ◆ 新幹線 が 徐行 運転 一方 、 北陸 で は 富山 、 福井 各 一五 センチ 、 金沢 一三 センチ 、 石川 県 の 白山 の ふもと の 白峰 村 で は 一〇五 センチ の 積雪 。 雪 の 影響 で 、 東海道 新幹線 が 滋賀 県 米原 駅 付近 で 午前 中 、 徐行 運転 。 うっすら 雪化粧 した 広島 市 付近 でも 山陽 新幹線 が 一 時 徐行 運転 。 名神 高速 道路 は 積雪 の ため 、 午後 零 時 十 分 から 滋賀 県 ・ 彦根 と 岐阜 県 ・ 大垣 の 間 で 、 この 冬 初めて の 通行 止め と なった 。 六 日 午前 九 時 二十五 分 ごろ 、 大阪 市 東淀川 区 豊 新 五 、 福徳 銀行 上新庄 支店 に 、 グレー の 目出し帽 を かぶった 若い 男 が 押し入り 、 カウンター 内 に 布袋 を 投げ入れた うえ 、 カウンター を 乗り越え 女性 行員 に モデル ガン を 突きつけ 「 金 を 出せ 」 と 脅した 。 別の 女性 行員 が カウンター 下 の 収納 ボックス から 現金 百万 円 の 束 二十四 個 計 二千四百万 円 を 布袋 に 詰め込み フロア に 投げ 返す と 、 男 は 奪って 逃げた 。 同 支店 の 通報 で 、 ひったくり 事件 の 警戒 で 巡回 中 の 東淀川 署員 が 駆けつけ 、 男 と はち合わせ 。 約 四 分 後 、 同 支店 の 西 約 百 メートル の 路上 で 強盗 の 現行 犯 で 逮捕 した 。 調べ で は 、 大阪 府 箕面 市 箕面 四 、 無職 、 中村 洋介 容疑 者 。 「 金 に 困って やった 」 と 供述 して いる と いう 。 京都 府 船井 郡 日吉 町 の 山中 で 先月 二十 日 、 大阪 市 福島 区 鷺洲 三 、 建築 業 、 白浜 生市 さん の 白骨 化 した 遺体 が 見つかった 事件 で 、 大阪 、 京都 両 府警 捜査 一 課 は 六 日 、 別の 場所 で 殺害 さ れて 運ば れた と 断定 し 、 殺人 、 死体 遺棄 事件 と して 合同 捜査 本部 を 置いた 。 十一 月 中旬 に 行方 不明 と なる 直前 、 取引 業者 と の 間 で 金銭 トラブル が あった 、 と の 情報 も あり 、 関係 者 から 事情 聴取 を 始めた 。 両 府警 の 調べ で は 、 白浜 さん は 十一 月 十六 日 午後 三 時 前 、 大阪 市 北 区 内 の 銀行 前 で 取引 業者 数 人 に 取り囲ま れ 、 報酬 の 支払い で 言い争い に なった と いい 、 その後 、 自宅 に 「 車 で らち さ れた 」 と 携帯 電話 で 連絡 。 家族 が 翌日 、 福島 署 に 捜索願 を 出した 。 遺体 は 下着 と ネクタイ 以外 は 衣類 が ほとんど なく 、 歯型 や 血液型 など から 白浜 さん と 断定 した 。 白浜 さん が 身長 百八十 センチ 、 体重 八十キロ 近い 大柄である こと から 、 複数 犯 の 可能 性 が 強い 、 と みて いる 。 白浜 さん は 大阪 市 都島 区 内 で 建築 会社 を 経営 。 昨年 六 月 に は 借金 取り立て を めぐって 白浜 さん が 殴ら れる 事件 が あり 、 暴力 団員 三 人 が 暴力 行為 で 現行 犯 逮捕 さ れて いる 。 国連ボランティア 1971 年 に 活動 を 開始 し 、 現在 は 約 2000 人 が 世界 各 地域 の 途上 国 の 開発 計画 など に 取り組む 。 六 日 午前 十 時 二十五 分 ごろ 、 兵庫 県 尼崎 市 神田 北 通 九 の アパート 「 西神田荘 」 から 出火 、 木造 二 階建て 延べ 五三〇 平方メートル の うち 約 二五〇 平方メートル を 焼いた 。 十七 世帯 が 入居 して いる が 、 出火 当時 全員 留守 で 、 けが人 は なかった 。 尼崎 中央 署 の 調べ で は 、 二 階 の 部屋 から 火 が 出た と み られる 。 六 日 午前 七 時 半 ごろ 、 大阪 府 泉大津 市 昭和 町 七 、 毛布 加工 会社 「 板原 シヤーリング 」 の 工場 東側 付近 から 出火 。 鉄骨 平屋建て 工場 約 六五〇 平方メートル を 全焼 。 当時 、 従業 員 十四 人 が いた が 、 けが人 は なかった 。 泉大津 署 の 調べ で は 、 従業 員 が 乾燥 機 の スイッチ を 入れた ところ 、 機械 の 後ろ から 火 が 出 、 毛布 に 燃え 移った と いう 。 “ 梅 さん ” の 愛称 で 親しま れた 「 宗教 評論 」 家 、 梅原 正紀 さん が 亡くなって 二 年 余 、 この ほど 遺稿 集 と も いえる 「 宗教 に 未来 は あるか ― 世紀 末 の 宗教 講座 」 が 刊行 さ れた 。 疑似 宗教 に ファシズム の におい を かぎとり 、 宗教 の ファッション 化 、 風俗 化 を 憂えて 「 生活 態度 が 変わら なければ 、 ホントの 自分 に 出会える わけ が ない 。 生活 態度 を 変える ため に は 宗教 的 真理 に めざめ なくて は なら ない 」 と 説く 。 豊富な フィールドワーク の 経験 を 踏まえて 多彩な 宗教 現象 に メス を 入れる 切れ味 の 良い 文章 を 読み ながら 、 これ は まさに 「 宗教 評論 」 だ 、 と 思った 。 「 宗教 評論 」 は わが国 で は まだ 確立 して い ない 分野 だ 。 “ 梅 さん ” 自身 「 宗教 関係 の 雑文 の 筆者 」 と 自認 して いた 。 「 宗教 評論 」 が 育た ない 背景 の 一 つ は 外部 から の 批判 に 対して 神経質な 教団 が 多い こと だ 。 だが 教義 、 信仰 ヘ の 深い 理解 を 基盤 に した 、 辛口 だ が 温かい 批判 に は 教団 関係 者 も 虚心に 耳 を 傾ける こと が できる ので は ない か 。 京都 支局 の 宗教 記者 だった 若い 日 、 何 度 も 取材 で 会う 機会 が あった “ 梅 さん ” が 「 宗教 の 内在 的 理解 に 基づく ジャーナリズム を 」 と 力説 さ れて いた の を 懐かしく 思い出した 。 連合 大阪 は 六 日 午前 、 大阪 市 内 の ホテル で 「 新春 の 集い 」 を 開いた 。 柴田 範幸 会長 は あいさつ で 、 近畿 二 府 四 県 の 連合 で 結成 する 新しい 政治 団体 「 リベラル 近畿 」 の 創立 総会 を 来月 四 日 に 開く こと を 表明 。 参加 する 社会 、 旧 民社 の 衆 参 国会 議員 が 一 人 増え 、 計 十八 人 に なる こと も 明らかに した 。 大阪 府知事 選 に ついて は 、 中川 和雄 知事 の 支持 を 改めて 強調 した 。 今春 の 北海道 知事 選 に 自民党 道 連 の 要請 を 受け 、 出馬 の 意向 を 固めた 伊東 秀子 衆院 議員 は 六 日 午後 、 地元 の 札幌 市 で 記者 会見 し 、 「 知事 選 に 前向き に 対応 する 以上 、 党籍 を 離れる 。 一 歩 大きく 踏み出した 」 と 語った 。 離党 届 は 同日 、 社会党 道 本部 に 郵送 した 。 社会党 は 前 副 知事 の 堀 達也 氏 の 推薦 を 決めて おり 、 党 道 本部 は 同日 、 党議 決定 に 違反 する と して 伊東 氏 の 除名 を 決議 した 。 伊東 氏 は 、 近く 村山 富市 首相 に 報告 する と し 「 努力 目標 と して 十二 日 まで に 決断 し たい 」 と 述べた 。 すっぽり と 雪 に 包ま れた 富士 山頂 に 、 壮大な 笠雲 が 覆いかぶさり 、 その 近く に は 吊るし 雲 が 浮かんだ 。 富士山 を 狙う カメラマン に も 両 雲 の そろい踏み の チャンス は 少ない と いわ れる 。 自然 が 生み出した 珍しい 瞬間 だ 。 富士 山頂 に 笠雲 や 吊るし 雲 が 現れる の は 、 日本 海 に 低 気圧 が 入った 時 で 、 その 低 気圧 に 南 から 湿った 空気 が 流れ込む 。 富士山 に 当たって 山 を 越える 時 に 山頂 に 笠雲 が でき 、 風下 に 吊るし 雲 が できる こと が 多い と いう 。 この 瞬間 を 富士山 を 撮り 続けて 九 年 と いう 山梨 県 富士吉田 市 下 吉田 の アマチュア カメラマン 、 森田 和喜 さん が 、 三 日 正午 から 約 二 時間 半 に わたり 、 同 市 新倉 で 撮影 した もの で 、 さながら 空中 ショー の ような 素晴らしい 光景 を 九 本 の フィルム に 収めた 。 両 雲 が 同時に 出た 当日 または 翌日 の 雨 の 降る 確率 は 七 割 を 超える と いわ れ 、 翌 四 日 は その 通り 富士 山ろく は 雨 と なった 。 チェチェン 共和 国 の 首都 グロズヌイ から の 報道 に よる と 、 ロシア 軍 は 六 日 朝 、 首都 中心 部 で ドゥダエフ 政権 部隊 に 対し これ まで に ない 激しい 砲撃 を 開始 した 。 また 、 インタファクス 通信 は 、 隣接 する イングーシ 共和 国 から の 情報 と して 、 ロシア 軍 が 空てい 部隊 一 個 師団 を 首都 グロズヌイ に 派遣 した と 伝えた 。 山花 貞夫 、 粟森 喬 、 川端 達夫 の 三 氏 は 六 日 夜 、 国会 内 で 記者 会見 した 。 海江田 万里 氏 は 会見 を 欠席 した 。 会見 の 中 で 山花 氏 は 、 村山 政権 へ の 対応 に ついて 「 新党 の 段階 で の 議論 」 「 それぞれ の 立場 で 意見 を 出し合い ながら 合意 が 得 られる と 思う 」 など と 明言 を 避けた 。 川端 氏 も 「 今後 の 協議 で 決めて いく 」 と 語った 。 また 、 山花 氏 は 「 できる かぎり まとまった 数 の 新党 を 目指し たい 」 と 述べた 。 離党 問題 に ついて は 、 山花 氏 が 「 通常 国会 前 に 会派 届 が 必要であり 、 党籍 の 問題 は 整理 さ れて いく 」 と 述べ 、 通常 国会 前 の 離党 を 示唆 した 。 川端 、 粟森 両 氏 は 離党 の 意思 や 具体 的 時期 など に ついて は 明らかに し なかった 。 一昨年 四 月 二十 日 に 行方 不明に なった 埼玉 県 行田 市 持田 三 、 会社 役員 、 川崎 明男 さん の 死体 遺棄 容疑 で 同 県警 捜査 一 課 と 行田 署 に 逮捕 さ れた 同県 大里 郡 江南 町 板井 、 犬 猫 繁殖 販売 業 、 関根 元 容疑 者 は 六 日 夕 まで の 調べ に 対し 「 バラバラに して 、 焼いて 捨てた 」 など と 死体 遺棄 に ついて 大筋 で 容疑 を 認める 供述 を 始めた 。 供述 の 細部 は あいまいで 、 一貫 した 内容 に なって い ない が 、 これ まで の 完全 否認 を 翻し 、 川崎 さん の 遺体 を 群馬 県 利根 郡 片品 村 花咲 の 知人 宅 に 運んで 焼却 、 灰 を 同村 の 山林 に 捨てた こと を 認める 内容 と いう 。 同日 の 捜索 で 川崎 さん の もの と み られる 骨片 など を 見つけた 。 ロシア の 事実 上 の 最高 政策 決定 機関 である 安全 保障 会議 は 六 日 、 チェチェン 情勢 に 関する 討議 の 結果 、 軍事 行動 の 継続 を 決定 した 。 エリツィン 大統領 は 、 同 会議 の 冒頭 で 「 チェチェン に おける 軍事 行動 を 中止 する 期日 を 決める 」 と 述べ 、 ロシア 軍 の 攻撃 中止 へ の 決意 を 表明 した が 、 グラチョフ 国防 相 ら 強硬 派 の 主張 が 大統領 の 意向 を 覆した 形 と なった 。 エリツィン 大統領 の 指導 力 の 弱体 化 を うかがわ せ 、 ロシア 政局 の 行方 に 重大な 疑念 を 抱か せる 結果 と なった 。 会議 終了 後 に 発表 さ れた 声明 は 、 ドゥダエフ 政権 の 武装 解除 を 目的 と する 軍事 行動 は 「 第 一 段階 の 基本 課題 は 遂行 さ れ 」 「 憲法 秩序 回復 の ため の 軍事 的 局面 は 終了 し つつ ある 」 もの の 「 武装 解除 と 違法 武装 勢力 の 排除 と いう 任務 を 完全に 遂行 する こと が 必要不可欠である 」 と し 、 軍事 行動 の 続行 を 明確に した 。 一方 で 声明 は 「 政治 的 正常 化 の 方法 を 探る 努力 は 中止 し ない 」 と 述べ 、 チェチェン 復興 に 向けた 「 政治 的 、 社会 経済 的 手段 の 実現 開始 に 関する 政府 、 省庁 の 具体的な 課題 」 が 採択 さ れた こと を 明示 。 今後 は ロシア 政府 の 後押し で 設立 さ れた 「 国民 再生 政府 」 に 全面 的 支援 を 実施 する 意向 を 表明 した 。 同 会議 の ロボフ 事務 局長 は 会議 後 「 秩序 回復 の 任務 は 、 段階 的に 内務 省 に 移行 さ れる 」 と 話し 、 軍事 解決 が 終了 へ 向かって いる こと も 示唆 。 「 対話 プロセス の 組織 化 」 は 大統領 から チェルノムイルジン 首相 に ゆだね られた こと を 表明 した 。 日 米 間 の 懸案 だった 那覇 軍港 の 返還 など 沖縄 県 内 の 在 日 米軍 基地 の 整理 ・ 統合 問題 が 六 日 まで の 日 米 の 事務 レベル 協議 で 大筋 で 決着 した 。 村山 富市 首相 は 十一 日 に ワシントン で 行わ れる クリントン 米 大統領 と の 首脳 会談 で 米国 の 協力 を 要請 、 大統領 も 応じる 見通し だ 。 政治 レベル で 問題 解決 へ の 意思 を 確認 する こと で 、 整理 ・ 統合 問題 は 細部 の 調整 段階 に 移る 。 政府 は 戦後 五十 年 の 今年 中 の 最終 決着 を 目指す 方針 。 村山 首相 と して も 軍縮 や 基地 縮小 問題 へ の 取り組み を 強く アピール する 構え だ 。 米軍 基地 の 整理 ・ 統合 を 首脳 会談 の テーマ に する こと に ついて は 、 政府 首脳 が 六 日 明らかに した 。 整理 ・ 統合 対象 は ( 1 ) 米軍 那覇 軍港 の 返還 ( 2 ) 読谷 補助 飛行 場 返還 ( 3 ) 県道 104 号 越え の 射撃 訓練 停止 。 読谷 補助 飛行 場 に ついて は 外務 省 、 防衛 施設 庁 、 在 日 米軍 、 米 大使 館 の 四 者 で 特別 作業 班 を 設置 、 実務 レベル の 協議 を 重ねて いた 。 那覇 軍港 に ついて も 昨年 十二 月 の 日 米 合同 委 で 特別 作業 班 設置 で 合意 、 今月 中 に 初 会合 を 開く 。 射撃 訓練 停止 は 非公式 協議 中 だ 。 これ まで の 協議 で 那覇 軍港 は 、 浦添 市 の 埋め立て 港 に 移設 、 読谷 補助 飛行 場 は 全面 返還 さ れ 、 訓練 は 別の 基地 内 で 実施 。 また 県道 104 号 越え 実弾 演習 は 静岡 県 ・ 東 富士 演習 場 で 行わ れる こと に なって いる 。 社会党 の 新党 推進 派 「 新 民主 連合 」 は 六 日 の 総会 で 、 新党 結成 の ため に 独自に 超 党派 の 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 を 発足 さ せる こと を 決めた 。 これ を 受け 、 山花 氏 は 同日 、 旧 民社党 で 新進党 の 川端 達夫 衆院 議員 、 粟森 喬 参院 議員 、 海江田 万里 衆院 議員 の 三 氏 と 新党 準備 会 を 正式に 発足 さ せた 。 山花 氏 ら は 、 与野党 から 新党 参加 者 を 募り 、 二十 日 の 通常 国会 召集 前 に 国会 内 会派 を 結成 、 統一 地方 選 まで に 新党 を 結成 する 方針 だ 。 山花 氏 は 社会党 を 離党 する 意向 を 固めて いる 。 社会党 から の 参加 者 数 次第 で は 村山 政権 を 揺るがす 事態 や 同 党 の 分裂 に 発展 する ため 、 同調 する 人数 が 焦点 に なる 。 新民連 総会 で 山花 氏 は 、 同日 中 の 準備 会 発足 を 提案 。 準備 会 の 性格 に ついて は 、 ( 1 ) 非 自民党 、 非 新進党 の 第 三 極 を 目指す ( 2 ) 村山 政権 は 支持 ( 3 ) 通常 国会 に は 与党 と して の 新 会派 で 臨み 、 統一 地方 選 は 新しい ( 党 の ) 姿 で 支持 を 訴える ―― など と 説明 した 。 総会 で は 、 約 三十 人 の 出席 者 の 半数 が 「 時期尚早 」 など と 反対 した が 、 最終 的に は 「 会長 の 決意 を 了承 する 」 と 、 準備 会 発足 を 容認 した 。 山花 氏 は 、 九 日 に 準備 会 参加 者 数 を まとめ 、 準備 会 の 初 会合 を 開く 予定 。 山花 氏 ら は 社会党 から 二十 人 以上 の 同調 を 得 たい 考え だ が 、 総会 で 反対 意見 を 述べた 議員 ら は 準備 会 に は 参加 し ない と み られ 、 新民連 は 分裂 状態 に なった 。 新民連 は 六 日 、 新党 準備 会 の 発足 を 決めた が 、 新民連 内部 に は 発足 に 反対 する 議員 が 少なく なく 、 「 見切り 発車 」 の 色合い が 濃い 。 この 日 の 決定 に 反発 する 議員 は 新民連 を 離脱 する 可能 性 も あり 、 新民連 が まとまって の 新党 結成 は 不可能に なった 。 新民連 の 総会 に 出席 した 議員 に よる と 、 山花 氏 の 準備 会 発足 提案 に 対し 、 約 三十 人 の 出席 議員 から は 「 賛 否 両論 の 意見 が 出さ れた 」 。 山花 氏 に 同調 する 議員 から は 「 今 の 時期 を 逸する と 第 三 極 は 永遠に 不可能 」 と 早期 発足 に 賛成 の 意見 が 表明 さ れた が 、 自治労 系 議員 を 中心 に 「 時期尚早 」 「 十 日 の 党 の 臨時 中執 委 の 結論 を 見届ける べきだ 」 など の 慎重 意見 が 続出 。 「 了承 し なかった 人 の 方 が 多かった ので は ない か 」 と いう 。 総会 後 、 日野 市朗 衆院 議員 は 「 新民連 の 名前 を 使って 準備 会 を つくる こと に は 反対だ 」 と 語った ほか 、 総会 の 内容 を 記者 団 に 説明 した 岩田 順介 事務 局 次長 で さえ 「 積極 的 賛同 で は なく 、 じくじたる 思い が ある 」 と 述べた 。 市場 経済 を 基礎 に 置いて も 、 保守 主義 と いう の は 競争 に よる 活力 、 自由 主義 の 旗 が 中心 に なる 。 民主 リベラル は 、 分配 に よる 社会 的 公正 の 追求 を 中心 に 置か ざる を 得 ない 。 掲げる 旗 は 民主 主義 だ 。 軍縮 に 対する 考え 方 でも 、 民主 リベラル は 一 歩 でも 歩幅 を 広げて 前進 さ せよう と 懸命に なる 。 保守 の 側 は 世界 の 動向 を 見 ながら 進める 。 自ら 先頭 に 立つ 軍縮 は 考え ない と いう 違い が ある 。 環境 保全 に は どの 党 も 異論 は ない が 、 開発 と の 調和 点 を どこ に 作る か と いう こと で は 違い が ある 。 その辺 が 政策 の 争点 に なる 。 重点 の 置き 方 、 優先 順位 で 分かれて くる ので は ない か 。 社会 民主 主義 の 理念 が 民主 リベラル 新党 の 中 に は しっかり 引き継が れ なければ なら ない 。 社会党 の 立党 の 精神 だった 憲法 の 平和 理念 、 社会 的 公正 の 理念 も 重要だ 。 これ は 宮沢 喜一 元 首相 が 、 最初に 自民党 総裁 選 に 立候補 した 時 の 「 平和 と 公正 の 旗 の 下 に 」 と いう 主張 と 通じて いる 。 ただ 、 五五 年 体制 の 自社 対立 と 違う の は 、 政策 的 競争 は する が 、 相互 に 協調 を 図り 、 場合 に よって は 政権 の 大 連合 も 政策 に よって あり 得る と いう ことだ 。 自民党 は 一貫 して 変わら ない 政策 を 推進 して きた 。 だから 新進党 が あまりに 類似 した 政策 を 出して こ られて も …… 。 国会 運営 の 違い が 出て きた 。 ボイコット を すぐ やる 。 政策 的に は 新進党 の トップ の 海部 、 小沢 両氏 から 考えて 、 自民党 時代 の 政策 と 一八〇 度 変わら ない 限り 、 類似 して いる 。 新しい 党 を 作った の は 新しい こと を やり たい から で 、 そっち が 変えて もらわ ない と 困る 。 こっち に 違う もの を 出せ と 言わ れて も …… 。 行政 改革 は 政府 が 真剣に 取り組む 話 だ が 、 村山 内閣 対 野党 で は なく 、 行 政府 対 国会 と いう 対決 。 政治 、 議会 の 責任 を 考える と 、 与野党 を 超えて 一緒に 考え 方 を まとめて 実行 して いく べきで は ない か 。 国連 安保理 常任 理事 国 入り 問題 で は 、 新進党 は 、 旧 新生党 ライン なら 賛成 の 比率 が 高く 、 旧 公明党 は 低い だろう 。 その 意味 で は パラレルで 、 そんなに 天 と 地 と いう ほど の もの で は ない だろう 。 国際 貢献 で は 旧 新生党 は ほぼ 自民党 と 同じだ 。 自民党 の 方 が むしろ 難しい かも しれ ない 。 軍事 的 貢献 す べし と いう こと で は ない だろう 。 向こう が 赤 だ から 、 こちら は 白 と いう の は いかがな もの か 。 それぞれ が 自分 の 理念 や 信条 を 貫けば よい 。 そこ に 自然 と 対立 軸 と か 違い が 表れる 。 まだ 余震 の 段階 だ 。 まだ 続く 。 その 時々 の 厳しい 政策 課題 に 直面 して いく と 必ず 政策 中心 の 再編 に なる 。 戦後 五十 年 の 評価 、 あの 戦争 の 評価 、 国連 安保理 常任 理事 国 を どう する か 、 あらゆる 場面 で 問わ れる 。 与党 三 党 の 党首 、 代表 三 人 の 共通 点 が いく つ か ある 。 まず 第 一 は 、 日本 国 憲法 が 積極 展開 の 時期 を 迎えた こと 。 第 二 は 、 あの 戦争 が 大きな 間違い だった と いう 反省 心 が 非常に 強い 。 五十 年 の 成果 を 肯定 的に 受け止めよう と して いる 。 第 三 は 、 経済 社会 の あり 方 。 これ まで の 大量 生産 、 大量 消費 、 大量 廃棄 の 経済 社会 の 延長 を 走って いて よい の か 、 と いう こと 。 第四 は 国際 貢献 の あり 方 で 、 軍事 的 貢献 で なく 非 軍事 面 の 貢献 を 精いっぱい やろう と いう こと 。 さきがけ は 専門 店 で は ない 。 相対 的に 環境 政策 重視 の 傾向 は 強い が 、 それ は 時代 の 要請 に よる もの 。 政権 に 参画 する つもりだ から 、 デパート 志向 だ 。 魅力 ある 政党 を 作って いく と 、 おのずと 外 に いる 人 も 一緒に やろう よ と 思う 気持ち に なる 。 そういう 政党 を 作って いか なければ なら ない 。 おのずから 政策 面 で は 国民 の 理解 が 得 られる と 思う 。 迎合 しよう と いう ので は ない 。 苦しい 問題 でも 必死に なって 説明 し なければ なら ない 時 も ある だろう 。 ただ 、 一 番 右 と 左 の 人 が 一緒に なった から わけ が 分から なく なった 。 どうにでも 当てはまる と いう ことだ 。 しかし 問題 は 何 を 選択 する か だ 。 自民党 内 に も いろいろな 意見 が ある 。 われわれ の 中 でも 憲法 問題 、 国連 平和 維持 活動 に だいぶ 違い が ある 。 それ を これ から 徹底 して 議論 して いく 。 それ で 差 を つけ なさい 、 差 を つけ なければ 分から ない と いう の は はやり だ から で 、 それ は 違う 。 大事な の は 本当に やる 気 が ある か どう か だ 。 改革 と いう 言葉 は もう 古い と いう が 、 何も やって ない 。 選挙 制度 を やった だけ だ 。 まだ 参院 、 地方 分権 、 国会 機能 だって ある 。 改革 は まだ 選挙 制度 が 緒 に ついた だけ 。 改革 は 飽き ず 、 倦ま ず 、 弛ま ず やっていく 。 自治労 の 後藤 森重 委員 長 は 六 日 、 都 内 で 開か れた 「 旗 びらき 」 で 、 新民連 の 動き に ついて 「 もう 少し 腰 を 据えて 、 国民 の 意識 、 信頼 に 応え られる ような 政治 勢力 の 拡大 、 民主 的な 政治 勢力 の 形成 に 取り組んで いく べきだ 」 と 批判 した 。 公明 広島 県 本部 は 6 日 、 2 月 5 日 投 開票 の 広島 市長 選 で 、 現職 で 再選 を 目指す 平岡 敬 氏 の 推薦 を 決めた 。 新進党 は 既に 推薦 を 決定 。 自民 、 社会 も 月 内 に 正式に 推薦 の 見通し 。 社会党 の 山花 貞夫 新民連 会長 が 六 日 、 新民連 内部 の 強い 反対 を 押し切る 形 で 新党 の 母体 に なる 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 を 発足 さ せた 。 新党 結成 へ の 準備 を 重ねる 党 執行 部 を 事実 上 無視 した 形 に なった うえ 、 新民連 に も 大きな 混乱 を 引き起こす こと に なった 。 山花 氏 は 昨秋 から 、 一 月 の 通常 国会 召集 前 の 新党 結成 を 主張 。 その 理由 は 、 「 国民 から 『 認知 』 さ れる に は 、 四 月 の 統一 地方 選 に 新党 で 臨ま なければ なら ない 」 と の 思い に 加え 、 国会 の 予算 審議 が 始まれば 、 与野党 の 枠組み が 固定 し 、 旧 民社党 から 同調 者 を 募る の は 困難で 、 新党 どころ で は なく なる と の 判断 から だ 。 社会党 執行 部 は 来月 に 臨時 党 大会 を 開き 、 新党 結成 へ の 手順 を 示す 方針 だ が 、 山花 氏 は 「 一 月 に 新党 の 形 を つくれ なければ 、 新党 は でき なく なる 」 と 語って おり 、 党 の やり 方 を 「 先 送り の 連続 」 と 受け止めて いた 。 六 日 に 新党 準備 会 を 発足 さ せた の は 「 まとまった 人数 を 確保 する に は 一 日 も 早く 準備 会 を スタート する こと が 必要 。 社会党 の 場合 、 少々 乱暴な やり 方 を し ない と 事態 は 動か ない 」 と の 判断 が あった ため だ 。 さらに 見逃せ ない の は 労組 の 圧力 だ 。 山花 氏 は 全逓 の 組織 内 議員 。 全逓 は 自 社 連立 政権 に 批判 的で 、 新民連 発足 に 深く 関与 した ばかり か 、 所属 議員 の 集団 離党 ・ 新党 結成 を 促し 続けて きた 。 支持 母体 の 意向 は 無視 でき ない 力 に なって いた 。 山花 氏 は 、 準備 会 に 多く の 同調 者 を 募り 、 統一 地方 選 まで に 新党 を 旗揚げする 意向 と いう 。 党 内 に は 「 同調 者 が 二十 人 を 超えれば 、 雪だるま 式 に 人数 は 増える 。 逆に それ 以下 だ と 影響 力 が なく 、 消えて なくなる 」 と の 見方 が 強く 、 山花 氏 の 「 見切り 発車 」 に は 、 「 賭け に 出た 」 と いう 側面 も 色 濃い ようだ 。 「 二十一 世紀 に 向けた 重要 課題 」 を 三 点 聞いた ところ 、 最も 多かった の は 「 行政 改革 ・ 規制 緩和 」 で 全体 の 六四 % 。 最少 は 「 政治 改革 」 の 一三 % 。 特殊 法人 見直し を 政府 が 進めて いる こと から 当面 の 関心 は 行革 に 集中 して いる 。 政治 改革 は 衆院 へ の 小 選挙 区 比例 代表 並立 制 導入 など で 一 段落 した と 受け止め 、 関心 は 薄い ようだ 。 政治 改革 法 成立 の 際 、 与野党 問わ ず 「 政治 改革 の ほんの 一 歩 」 と 繰り返して いた が 、 アンケート 結果 を 見る 限り 、 「 のど元 過ぎれば 熱 さ 忘れる 」 と 言わ ざる を 得 ない 。 党 別 に 見る と 、 与党 で は 自民 は 「 経済 構造 改革 」 と 「 教育 改革 」 、 社会 は 「 高齢 化 社会 対策 」 、 さきがけ は 「 地方 分権 」 を それぞれ 重視 して おり 与党 内 でも 党 ごと の 特色 が 出て いる 。 新進党 は 「 行革 」 が 八〇 % に 達する など 極めて 高い 点 を 除けば 、 全体 の 傾向 と ほぼ 一致 して いる 。 山花 氏 ら が 六 日 に 行った 「 民主 リベラル 新党 」 結成 準備 の 呼び掛け の 要旨 は 次の 通り 。 国民 の 望ま ない 「 保守 二 大 政党 化 」 の 傾向 や 一 党 支配 の 復活 が 危ぐ さ れて いる 。 私 たち は 「 新しい 政党 」 の 結成 が 急務 である と の 認識 で 一致 した 。 必要 最小 限 の 要件 を 次 の ように 設定 し 、 議論 と 参加 を 呼び掛ける 。 一 、 現在 の 自民党 でも 新進党 で も ない 純粋な 第 三 極 を 形成 し 、 将来 に わたって 連立 政権 の かなめ に なる こと を 目指す 。 二 、 憲法 を 尊重 し 公正 、 寛容の 価値 を 大切に して 働く もの 、 生活 者 ・ 市民 、 社会 的に 弱い と さ れる 人々 が 安心 して 暮らせる 社会 の 実現 を 目指す 。 三 、 広範な 市民 が ともに 参加 し 支える 開か れた 民主 主義 の システム を 備えた 政党 と なる 。 私 たち は 責任 と 勇気 を 持って 現在 の 所属 政党 の 枠 を 超えた 行動 を ここ に 開始 する 。 伊藤 基隆 全逓 委員 長 、 高木 剛 ゼンセン 同盟 書記 長 ら 連合 加盟 七 労組 の 幹部 は 六 日 夕 、 都 内 の ホテル で 会談 、 新民連 が 新党 準備 会 を 発足 さ せた こと に 対し 支持 、 評価 する 見解 を 発表 した 。 新民連 が 新党 準備 会 の 発足 を 決めた こと に ついて 五十嵐 広三 官房 長官 は 六 日 の 記者 会見 で 「 大変 遺憾 」 と の 見解 を 表明 、 村山 富市 首相 も 政権 運営 へ の 影響 を 深刻に 受け止めて いる 。 ただ 、 首相 側 は 新党 準備 会 発足 の 事態 まで は ある 程度 織り込み 済み で 、 同調 する 議員 数 が 今後 の 焦点 と 判断 。 同 党 の 閣僚 を 通じて 準備 会 参加 や 離党 を 見合わせる よう 説得 を 強化 する 構え だ 。 首相 と 浜本 万三 労 相 ら 同 党 閣僚 は 同日 の 閣議 後 に 協議 、 離党 同調 者 数 は 多くて 十数 人 と の 認識 で 一致 、 首相 と 山花 貞夫 新民連 会長 の 会談 実現 に 向けて 引き続き 努力 する こと も 確認 した 。 首相 は 同日 、 記者 団 に 「 要請 が あれば いつでも 会う 」 と 語った 。 しかし 、 山花 氏 が 新党 準備 会 の 発足 に 踏み切った ニュース を 聞き 、 周辺 に 不 快感 を 隠さ なかった 。 海江田 万里 衆院 議員 は 六 日 夜 、 記者 団 と 懇談 し 、 新民連 の 山花 貞夫 会長 ら と ともに 新党 準備 会 の 呼び掛け 人 に なった こと に ついて 、 「 個人 の 立場 で 名 を 連ねた 」 と 述べた 。 新民連 内 に 新進党 と の 連携 に 積極 的な 議員 が いる こと を 懸念 。 離党 者 が 少数 に とどまる 場合 に は 、 新党 参加 を 再 検討 する 可能 性 も ある と み られる 。 五十嵐 広三 官房 長官 は 六 日 午後 の 記者 会見 で 、 伊東 秀子 衆院 議員 が 社会党 を 離党 し 、 北海道 知事 選 出馬 の 意向 を 固めた こと に ついて 「 今 の 段階 に なって 首相 から 説得 する こと に は なら ない 」 と 述べた 。 首相 は 同日 夕 、 五十嵐 長官 や さきがけ の 鳩山 由紀夫 代表 幹事 から 報告 を 受けた が 、 伊東 氏 が 党 の 処分 対象 と なる こと は やむ を 得 ない 、 と の 認識 を 示した 。 「 小 選挙 区 の 支部 長 ポスト を 県議 なんか に 取ら れたら 、 カネ の 自由 が 利か なく なる 。 いくら 子飼い の 県議 だって 国会 議員 より “ 偉く ” なっちゃ う かも しれ ない よ 」 ある 現職 議員 の 解説 だ 。 新 制度 で 企業 ・ 団体 献金 を 受け取れる の は ( 1 ) 所属 国会 議員 五 人 以上 など 一定 の 要件 を 満たす 政党 ( 2 ) 政党 が 一 団体 に 限り 指定 する 政治 資金 団体 ( 3 ) 政治 家 が 一 団体 に 限り 指定 する 資金 管理 団体 ―― に 限ら れる 。 この うち 政治 家 個人 の 「 資金 管理 団体 」 が 一 つ の 企業 ・ 団体 から 受け取れる の は 年間 五十万 円 まで 。 企業 ・ 団体 献金 は 党 本部 や 政治 資金 団体 に 集中 する か に 見える 。 しかし 、 政党 の 地方 支部 でも 、 選挙 区 を 区域 と する 支部 か 、 複数 の 市区 町村 を 区域 と する 支部 であれば 、 企業 ・ 団体 献金 を 受け取れる 。 政党 支部 が 政治 家 個人 に カネ を 支出 する 場合 、 金額 に 制限 が ない 。 支部 を 受け皿 に 企業 ・ 団体 献金 を 集め 、 政治 家 に 回す 「 う回 献金 」 の 抜け道 は 、 国会 の 法案 審議 で 何 度 も 指摘 さ れた が 「 合法 」 な のだ 。 小 選挙 区 から 党 公認 で 出馬 し たい 候補 者 に とって 、 政党 に よって は 、 支部 長 が 生殺 与奪 の 権 を 握る ポスト に も 見える らしい 。 ある 政党 で は 、 選挙 区 支部 長 に 「 原則として 衆院 選 の 公認 候補 者 」 を 充てる こと を 決めた 。 地方 で は 現職 議員 が 地元 の 県議 ら を 集めて 「 支部 長 に 就か せて ほしい 」 と 頭 を 下げる 場面 も 見 られた 。 党 本部 に 反旗 を 翻し 「 支部 独自 の 考え で 支部 長 を 選出 する 」 支部 も ある 。 支部 長 ポスト の 争奪 戦 が 、 しばらく 続き そうだ 。 日本 エアシステム は 六 日 、 成田 ― シンガポール 線 を 四 月 から 二 年 程度 休止 する こと を 明らかに した 。 同 線 は 一九九〇 年 二 月 に 開設 、 週 四 便 運航 して いる が 、 外国 航空 会社 と の 競争 激化 や 昨年 から の 急激な 円高 も 重なり 、 採算 性 が 悪化 した こと が 主な 原因 と いう 。 九三 年度 は 六五・五 % だった 搭乗 率 も 、 九四 年度 は 五五・九 % に 落ちて いた 。 昨年 、 輸入 が 解禁 さ れた 米国 産 リンゴ が 週明け 九 日 から 、 初めて 国 内 の 店頭 に 並ぶ 。 今春 まで に 一万数千 トン が 市場 に 出回る 見通し 。 国産 リンゴ と 比べる と やや 小粒で 固く 、 酸味 が 強い の が 特徴 だ が 、 大手 スーパー で は 国産 より 二 ― 三 割 安い 価格 を 設定 。 消費 者 の 選択 の 幅 が 広がる こと に なる 。 今回 輸入 さ れる の は 、 米国 ワシントン 州 の レッドデリシャス と ゴールデンデリシャス の 二 種類 。 植物 防疫 検査 を 経て 、 九 日 から 全国 の 青果 市場 や スーパー に 出荷 、 大手 スーパー で は ダイエー 、 西友 、 イトーヨーカ堂 など が 販売 する 。 この うち ダイエー で は 、 首都 圏 と 近畿 の 十一 店舗 で 同日 夕 、 販売 開始 。 四 月 下旬 まで に は 全国 約 六百 店舗 で 千九百 トン を 売る 予定 だ 。 値段 は M 玉 一 個 七十八 円 、 L 玉 九十八 円 など 。 初め の 二 日間 は M 玉 五十 円 の 「 お 試し 価格 」 で 安売り する 。 こうした 価格 設定 に 対し 、 青森 県 の 農協 関係 者 は 「 品質 次第 だ が 、 極端に 安い と は 思わ ない 。 国 内 産地 も 葉 取り を やめる など コスト 削減 に 努めれば 太刀打ち できる 」 と 冷静に 分析 して いる 。 認可 なら 3 年 半 ぶり 、 5 月 に も 実施 狙う 関東 ・ 関西 の 大手 私鉄 十三 社 は 六 日 、 一 月 中 に も 運輸 省 に 値上げ 申請 を 行う 方針 を 固めた 。 申請 の 値上げ 幅 は 一五 ― 二二 % に なる 見通し 。 私鉄 各社 は 早ければ 五 月 ごろ に も 実施 し たい 構え だ 。 東 西 の 大手 私鉄 の 値上げ は 一九九一 年 十一 月 に 平均 一三・八 % で 実施 さ れて おり 、 認可 さ れれば 三 年 半 ぶり の 値上げ と なる 。 申請 を 行う の は 、 東京 急行 電鉄 、 東武 鉄道 、 西武 鉄道 、 小田急 電鉄 、 京浜 急行 電鉄 、 相模 鉄道 、 京王 帝都 電鉄 、 京成 電鉄 の 関東 八 社 と 、 近畿 日本 鉄道 、 阪急 電鉄 、 南海 電気 鉄道 、 京阪 電気 鉄道 、 阪神 電気 鉄道 の 関西 五 社 。 私鉄 各社 は 、 人件 費 の 上昇 や 輸送 力 増強 の ため の 設備 投資 など で 、 鉄道 部門 の 収支 が 二 ― 三 年 ごと に 赤字 に 転落 。 その 度 に 値上げ を 行って おり 、 今回 も その 改定 サイクル に 当たって いる 。 一部 に は 昨年 内 の 値上げ 申請 を 希望 する 社 も あった が 、 政府 の 公共 料金 値上げ 凍結 措置 に より 、 申請 を 見合わせて いた 。 この 方針 に 対し 、 運輸 省 は 、 値上げ 凍結 が 解除 さ れて 時間 が たって い ない こと や 、 ここ 数 年 は 物価 上昇 率 が 低い こと など を 理由 に 、 厳しく 内容 を 審査 し 、 値上げ 幅 を 抑制 する 方針 だ 。 私鉄 運賃 の 改定 は 、 コスト に 適正 利潤 を 上乗せ して 決める 総括 原価 方式 。 JR は 、 JR 東 日本 を 中心 に 、 総括 原価 方式 を 改め プライス キャップ 制 を 導入 する よう 主張 して いる が 、 私鉄 は 現行 方式 の 継続 を 主張 して いる 。 福井 県 大飯 郡 高浜 町 、 関西電力 高浜 原発 2 号 機 で 三 日 発見 さ れた 、 配管 から 蒸気 が 漏れた トラブル に ついて 、 関電 は 六 日 、 二 次 冷却 水 を 蒸気 発生 器 に 送る 主 給水 管 の 水抜き 配管 に ひび割れ が 生じた の が 原因 と 発表 した 。 建設 省 建設 経済 局長 と 自治 省 行政 局長 は 六 日 付 で 、 各 都道府県 知事 あて に 、 地方 公共 団体 に おける 入札 ・ 契約 手続き と その 運用 改善 の 推進 を 要請 する 通知 を 出した 。 低 入札 価格 調査 制度 の 活用 や 公共 工事 の 建設 費 縮減 に 関する 行動 計画 など が 盛り込ま れた 。 自治 省 が 一九九三 年度 に 「 第 二 次 ふるさと づくり 」 事業 を 始めた 際 、 個人 が 地方 自治 体 に 寄付 した 場合 に 個人 住民 税 を 安く する 「 ふるさと 寄付 金 控除 制度 」 を 創設 した が 六 日 、 寄付 金 状況 を 発表 した 。 同 制度 は 、 十万 円 以上 の 寄付 を した 個人 に ついて 寄付 金 の 合計 額 から 十万 円 を 除いた 額 を 控除 して 課税 標準 を 算出 する もの 。 九三 年度 に 寄付 を した 人 は 三万五千三百四十二 人 で 総額 は 九十九億九千四百万 円 。 制度 の なかった 前 年度 より 人数 で 四〇・一 % 、 金額 で 一一・四 % 増加 して いる こと が 分かった 。 自治 省 は 「 景気 が 悪い 中 、 両親 を ふるさと に 残した 人 から 、 ふるさと の 振興 に 役立てて ほしい など の 寄付 が 目立った 」 と して いる 。 「 あの 人 だ な 」 と 思った 。 男 の 人 は 白い 犬 を 外 に 待た せて 電話 ボックス に 入った 。 お 目当て は 台 の 上 。 予想 通り 空き缶 を ポリ袋 に 入れる と 出て きた 。 片手 に 提げた 袋 は もう パンパンに ふくれて いる 。 いつも 犬 を 連れて 、 空き缶 を 拾って いる 人 だ 。 一昨年 、 子犬 を もらった 。 犬 が 来て 朝 夕 の 散歩 が 私 の 日課 に なった 。 私 が 住む の は 城下町 の 郊外 。 庭 に くみ取り 便所 の ある 昔ながら の 農家 が あれば 、 どっしり した 門構え の 邸宅 も ある 。 朝 夕 、 小道 で 行き交う 人 は あいさつ を 交わし 合う 。 たとえ 顔見知り で なくて も 。 でも この 二 、 三 年 は モダンな 新興 住宅 が 増えて きた 。 工場 の 増築 で 畑 は 駐車 場 に 変わって いく 。 駅 を 出る と 、 ごみ を 他人 の 自転車 かご に ほうり込んで いく 高校 生 、 たばこ の 吸い殻 を 道 に 捨てる 会社 員 も 増えて きた 。 「 いやだ な 」 と 思って いた 。 それ と は 別に 朝 夕 の 散歩 で 知った の は 、 目立た ない ところ で 、 さりげなく 地域 を 美しく して いる 人 が いる こと だった 。 空き缶 を 拾う 人 の ほか に 、 街路 樹 の 根元 に 球根 や 花 の 苗 を 植えて いる おばあ ちゃん も いた 。 そういう 人 が 私 の 地域 に 住んで いる と は 、 今 まで 考えて も み なかった こと だった 。 「 あなた の 趣味 は 何 です か 」 と 聞か れる と 、 答え られ ず に 困って しまう 。 あきっぽい 性格 の ゆえ か 、 何の 取りえ も ない 私 。 それ に 比べて 、 主人 は 小学生 の ころ から 星 に 興味 を 持ち 始め 、 いまだに その 魅力 に とりつか れて いる 。 よく 望遠 鏡 を 車 に 積んで は 、 「 山 に 行こう 」 と 家族 を 誘う けれど 、 私 は 、 まだ 子供 たち も 小さい し 、 冬 は 寒 過ぎて 「 いや 」 と 答えて しまう 。 ところが 、 そんな 星 好き の 主人 の こと が 、 近所 の 小学生 の 子供 を 持つ お 母さん 方 に 知れ渡り 、 我が家 の 庭 で 月 と 星 の 観測 会 を 開く 運び に なった 。 十二 月 の 土曜日 、 ちょうど 半月 の 夜 に 、 大人 が 七 人 、 子供 が 九 人 の 五 家族 が 集まった 。 初めて 月 の クレーター や 土星 を 見た と いう 人 が 多く 、 子供 ら も 大きな 歓声 を 上げた 。 主人 の 星座 解説 に も 熱 が 入る 。 なるほど 、 「 スバル 」 や 「 カペラ 」 など は 、 実は 星 の 名前 だった の か 。 寒かった けれど 、 楽しい 時間 を 過ごす こと が できた 。 光 害 の ため に 、 満天 の 星空 は 望め なく なった が 、 すてきな 夜 だった 。 私 は 、 高価な 望遠 鏡 が 、 持ち主 だけ で は なく 、 たくさんの 人 たち に も 喜んで もらえた こと が 、 何より も うれしかった 。 主人 を 、 主人 の 趣味 を 見直して しまった 。 弱い 者 いじめ や 、 危険な こと に トライ さ せて 見物 する と いう ような テレビ 番組 が いく つ か ある 。 私 は 見て いて 不愉快に なる が 、 そういう もの を 面白がって 見て いる 人 が 多い のだろう か 。 最初 は 不快に なったり 、 心配 したり して も 、 繰り返し 見る うち に 慣れて 、 危険だ と か 、 可哀そうだ と か の 感情 が 失わ れて いく の かも しれ ない 。 そうして 、 実生活 の 中 に それ を 取り込んで 自分 は 楽で 面白く 、 他人 の 苦痛 を 見物 して 生きる と いう 態度 を 取る ように なる ので は ない だろう か 。 テレビ に 出演 する こと で お 金 を 稼いで いる 人 たち が 、 テレビ を 非難 できる と は 思え ない 。 そういう 意味 で は テレビ で の 教育 論議 は 空疎だ 。 ある 番組 の 中 で は 、 もっともらしく 社会 批判 を し ながら 、 一方 で は 俗悪な 番組 を 垂れ流し して いる テレビ 局 の 姿勢 に は 疑問 を 感じる 。 民放 各 局 は この際 、 社会 に 与える 影響 に 配慮 して 、 番組 内容 の 検討 を さ れる よう お 願い し たい 。 元日 の 初もうで の 帰り道 、 ふと 空 を 見上げる と 、 奇麗な 飛行機 雲 を 見つけた 。 青い 空 に 白く 、 長く 、 実に 奇麗な 飛行機 雲 だ 。 その 時 、 ふと 太平洋 戦争 当時 も この 飛行機 雲 を 眺めて いた こと を 思い出した 。 しかし 、 その 時 は 同じ この 飛行機 雲 が 憎く 、 恐ろしい もの であった のだ 。 それ は 、 一 発 の 原爆 の 投下 に より 数十万 人 の 貴い 生命 が 失わ れた ため である 。 今日 、 こうして 初もうで の 帰り道 、 「 美しい 」 と いう 気持ち を もって 飛行機 雲 を 見る こと が できる の は 、 日本 が 平和である から である 。 平和 は 、 実に 貴く 、 ありがたい もの だ と 、 改めて 実感 した ところ である 。 今日 、 世界 の 一部 の 地域 で は 、 まだ 戦争 状態 に あって 、 貴い 人命 や 住居 が 失わ れて いる が 、 実に 残念な こと だ 。 私 は 、 今日 の 私 たち の 平和 を 喜ぶ と ともに 、 一 日 も 早く 、 世界 の 恒久の 平和 の 実現 を 希望 して やま ない 。 今日 の 医学 の 進歩 は 人類 に 多く の メリット を もたらして いる 。 戦後 、 乳幼児 の 失明 が 激減 した こと も 、 その 一 つ の 現れ と 言える だろう 。 この 事実 は 確かに 喜ばしい こと である 。 先日 、 ある テレビ 番組 に 接して 、 私 は 深刻に 考え込んで しまった 。 番組 は 「 胎児 診断 」 に ついて 報じて いた 。 妊娠 早期 に 受診 して 胎児 の 状態 を 探る のである 。 高齢 出産 の 増加 に 伴い 、 受診 率 も 年 ごと に 伸びて いる と か …… 。 資源 の 乏し さ から 人間 の 価値 を 労働 力 のみ で 測って きた 歴史 を 持つ 日本 で 、 このまま こうした こと が 続け られて いけば どう なる の か 。 想像 する と 怖い 。 遺伝 性 の 疾患 で 失明 した 私 に とって 、 この 現実 を 知った 以上 、 容認 する わけに は いか ない 。 障害 を 持って 生まれる 赤ん坊 と 、 その 両親 を 支えて いく システム が 一 日 も 早く 出来る こと を 、 そして 、 生命 の 誕生 に ついて もっと 多く の 人 たち に 関心 を 持って もらう こと を 望ま ず に は い られ ない 。 先月 、 NHK の ニュース で 、 あの 自然 を 非常に 大切に して きた アメリカ の アパッチ の 人々 が 、 核 施設 を 自分 たち の 住む 土地 へ 誘致 し 、 補助 金 を 手 に 入れて 、 生活 を 少し でも 楽に しよう と して いる と いう 報道 が あった 。 彼ら は 、 西部 開拓 の 時代 、 白人 に よって 一部 地域 に 押し込め られ 、 資本 主義 と いう 全く 違った 生活 を 押し付け られ 、 苦しい 日々 を 送って いる 。 よく 考えて ほしい 。 ここ で 重要な の は 、 核 の 補助 金 で 生活 し なければ なら ない と いう こと より も 、 「 核 は 、 人 を 、 自然 を 、 地球 を 殺す だけ の 技術 で しか ない と いう こと が 、 アイヌ の 人々 と 同じ ように 、 自然 を 大切に して きた アパッチ の 人々 で さえ も 分から ない ような 状態 に なって いる 」 と いう こと である 。 どこ か の 国 でも 、 こんな 人々 が 増え つつ ある 。 まったく 世の中 、 病んで いる 。 戦後 五十 年 、 日本 は 平和 と いう 温泉 に どっぷり と つかって いる 。 かつて 、 忌まわしい 戦争 で 日本 国土 は 廃虚 と 化して 、 今日 あって 明日 は どう なる か 、 せつな 的な 日 を 送って いた 。 私 は 一九四一 年 、 十五 歳 で 船員 に なった 。 太平洋 戦争 が ぼっ発 する と 、 艦隊 付き の 給油 船 に 乗り組み 、 アリューシャン 作戦 、 ソロモン 作戦 に 参加 、 生死 の 間 を さまよった 。 日本 軍 は とどまる ところ を 知ら ず 、 戦域 を 広げた 。 後 は 、 武器 弾薬 も 食糧 輸送 も 、 丸裸 の 商船 隊 任せ 。 反撃 に 転じた 連合 軍 は 、 かなめ の 輸送 路 を 封鎖 、 赤子 の 手 を ねじる ように 商船 隊 を 沈めて いった 。 敗戦 。 残った 商船 は 皆無に 等しく 、 米国 の 好意 で 商船 や 上陸 用 舟艇 を 借りて 、 広範囲 から 軍人 や 邦人 の 引き揚げ 輸送 を した 。 船員 の 苦難 は なお 続く 。 敗戦 後 の 日本 は 復興 に 絶対 必要な ドル 稼ぎ 、 長期 の 三 国 間 航路 に 就航 、 二 年 は 帰ら ない 生活 が 続いた 。 今 も 、 商船 隊 は 世界 の 海 に 活躍 して いる 。 ホルヘ ・ アルベルト ・ オルテガ = 1992 年 に アルゼンチン フットボール 協会 コーチ 課程 修了 。 94 年 3 月 引退 、 同 11 月 に 来 日 。 家族 は 妻 と 息子 3 人 。 33 歳 日本 の 子供 に サッカー を 教える ため 、 サッカー 王国 から 一家 で 鳥取 県 倉吉 市 へ 移り 住んだ 。 五 年間 滞在 する 。 「 仲間 が 世話に なって いる 。 恩返し を し たかった んだ 」 。 日本 で 暮らす アルゼンチン 人 は 約 三千 人 。 同じ キリスト 教徒 の 知人 から 、 倉吉 の 日本 人 牧師 が サッカー 指導 者 を 探して いる こと を 知り 、 十八 年間 の 現役 生活 に ピリオド を 打った 。 アルゼンチン で は 十六 歳 で プロ 入り し 、 守備 的 ミッドフィルダー と して 活躍 。 国際 試合 を 二十 回 経験 して いる 。 選手 時代 の 年俸 は 、 推定 三 、 四千万 円 。 高給 を 棒 に ふり 、 昨年 十二 月 に ボランティア 同様 の 少年 サッカー 教室 を 開いた 。 小 ・ 中 ・ 高校 生 約 六十 人 を 指導 する 。 「 子供 の 役 に 立つ と 思えば 、 バカな 決断 で は ない と 思って いる よ 」 。 南米 特有 の 明る さ 。 だが 、 生活 は 質素で 無駄遣い を 慎む 。 ボール に 触れ ない 子供 が いる と 、 ゲーム を やめて アドバイス 。 誕生日 の 子供 に は 練習 後 に サッカー 用品 を プレゼント する 。 「 日本 の 子供 は 冷たい と 聞か さ れて いた が 、 僕 を 笑い顔 で 受け入れて くれた 。 子供 は 世界中 、 皆 同じ さ 」 「 想像 力 が 世界 を 制す 」 が サッカー 哲学 で 、 技術 に たけた 子供 より 意外 性 の ある プレー を した 子供 に 、 「 ビエン 」 と スペイン 語 で 声 を 掛ける 。 「 小さい ころ から の 積み重ね が 大切 。 倉吉 から ワールドカップ に 出場 する ような 選手 を 育てる 」 と 夢 は 大きい 。 狭山 事件 の 石川 一雄 さん が 、 逮捕 から 三十一 年 七 カ月 ぶり で 「 仮 出獄 」 し ました 。 事件 当初 から 多く の 疑問 に 包ま れ 、 部落 差別 に 基づく えん罪 と いう 訴え は 、 公正な 裁判 を 要求 する 世論 を 喚起 し 、 社会 的 関心 を 集めて き ました 。 「 なぜ 、 うそ の 自白 を し 、 一 審 で 維持 した の か 」 が 、 他の えん罪 事件 と は 際立つ 点 でした が 、 石川 さん は 「 部落 差別 ゆえ に 教育 の 機会 を 奪わ れ 、 弁護 士 より も 、 『 認めれば 十 年 で 出して やる 』 と いう 警察 の 約束 を 信じた 」 と 語って い ます 。 また 、 三 大 物証 と いわ れる 「 カバン 」 「 時計 」 「 万年筆 」 も 、 手配 書 の もの と 違って いたり 、 発見 過程 に も 不自然な 点 が あり ます 。 例えば 、 万年筆 は 、 二 回 の 徹底 的な 家宅 捜索 の 後 、 三 回 目 に 石川 さん の 家 の カモイ から 「 自白 」 に 基づいて 発見 さ れた こと に なって い ます が 、 今 も 当時 の まま の カモイ を 見れば 、 意識 的に 見落とさ ない 限り 、 目 に つく こと は 一目りょう然です 。 だから 、 「 仮 出獄 」 で 事件 の 幕 引き を する ので なく 、 取り返し の つか ない 時 を 奪わ れた 石川 さん の 声 に 耳 を 傾け 、 事実 を 明らかに する 責務 を 裁判 所 は 果たす べきだ と 思い ます 。 クリントン 米 大統領 は 五 日 、 ホワイトハウス の 新 報道 官 に マイケル ・ マカリー 国務 省 首席 報道 官 を 任命 した 。 同 報道 官 は 年 末 に 詰め 腹 を 切らさ れる 形 で 辞任 した 初 の 女性 報道 官 マイヤーズ 氏 の 後任 。 不 人気 続き の クリントン 政権 は 、 ホワイトハウス の 「 新しい 顔 」 に よる イメージ チェンジ 効果 に 期待 して いる 。 マカリー 氏 は 生粋 の 民主 党員 で 、 クリントン 政権 発足 三 カ月 後 の 一九九三 年 三 月 から 国務 省 首席 報道 官 を 務める メディア ・ 広報 畑 の ベテラン 。 昨年 の クリスマス 前 の 国務 省 会見 で は サンタクロース の 服装 で 現れ 「 国務 長官 に は 長い 休み を プレゼント して あげよう 」 と 記者 団 を 笑わ せる など 、 人 を 食った ユーモア の センス でも 知ら れる 。 「 メディア 対策 が 勝敗 を 握る 」 と いわ れる 米 政界 で は 、 報道 官 の イメージ が 重要な 要素 。 クリントン 大統領 に とって も 政権 の イメージ 刷新 は 、 再選 キャンペーン へ 向けた 重要な 足がかり だ 。 「 プロ 意識 に 欠ける 」 と 批判 さ れた マイヤーズ 氏 に 代わる 手腕 を 、 パネッタ 大統領 首席 補佐 官 に 買わ れ 、 国務 省 から 横滑り した 。 共和党 主導 の 新 議会 が 開会 した ばかり だけ に 、 ホワイトハウス の 前途 は 内政 外交 ともに 多難 。 議会 、 国民 、 メディア を 相手 の カジ 取り が 注目 さ れる 。 五 日 付 の 米 紙 ワシントン ・ ポスト は 、 エリツィン ・ ロシア 大統領 が チェチェン 情勢 に 関し 、 強硬 派 の 側近 二 人 だけ の アドバイス を 聞いて 政策 決定 を して いる と の 米 中央 情報 局 報告 を 伝え 、 ロシア が 旧 ソ連 時代 の 政策 決定 構造 に 逆戻り し つつ ある こと に 、 米 政府 が 憂慮 と 報じた 。 ギングリッチ 米 下院 議長 の 「 あばずれ 」 発言 が 物議 を 醸して いる 中 、 あばずれ と 言わ れた ヒラリー ・ クリントン 大統領 夫人 は 五 日 、 同 議長 と その 母 キャサリーン さん を ホワイトハウス へ 招待 した 。 この 日 、 ホワイトハウス で は クリントン 大統領 と ギングリッチ 氏 ら 議会 指導 者 と の 会談 が 行わ れ 、 その 際 、 ヒラリー 夫人 の 個人 的な 招待 状 が 官邸 スタッフ から 同氏 に 手渡さ れた 。 ヒラリー 夫人 が ガイド 役 と なり 、 ホワイトハウス の “ 舞台 裏 ” を 案内 する と 記さ れて いる と いう 。 ヒラリー 夫人 に 関する 同氏 の 「 あばずれ 」 発言 は 、 CBS テレビ が 同日 放映 した インタビュー 番組 の 中 で 、 キャサリーン さん が “ 暴露 ” 。 同 テレビ の 人気 キャスター 、 コニー ・ チャン さん が 、 ギングリッチ 氏 は クリントン 夫妻 を どう 評価 して いた か と 尋ね 、 「 言え ない 」 と いう キャサリーン さん に 「 ここ だけ の 話 」 と ささやいて 引き出した ため 、 同氏 は 「 卑劣な やり 方 」 と 反発 して いた 。 招待 状 は この 発言 が 明らかに なった 後 に 手渡さ れた が 、 会談 後 、 クリントン 大統領 は 「 彼女 なら 、 わたし の 母親 に も 何 を 言わ せる か 分かった もの で ない 」 と 述べ 、 ギングリッチ 氏 の 肩 を 持った 。 六 日 付 の 米 紙 ニューヨーク ・ タイムズ が 報じた ところ に よる と 、 クリントン 米 大統領 は 同日 中 に も 、 エリツィン ・ ロシア 大統領 に 対し 、 チェチェン 紛争 の 平和 的 解決 に 向け 、 全欧 安保 協力 機構 の 調停 を 受け入れる よう 求める 書簡 を 送付 する 。 六 日 の 中国 各紙 に よる と 、 喬 石 ・ 全国 人民 代表 大会 常務 委員 長 は 五 日 、 ドイツ 記者 と の 会見 の 中 で 政治 改革 に 言及 。 「 積極 的に 政治 改革 を 推進 し 、 中国 の 特色 を 持つ 社会 主義 民主 政治 を 建設 する の は 、 われわれ の 一貫 した 方針 である 」 と 詳細に 説明 した 。 中国 で は 、 天安門 事件 以降 、 政治 改革 は タブー と さ れて きた 。 喬 石 委員 長 の 発言 は 、 これ を 事実 上 覆す もの で 、 指導 部 内 に 緊張 を 生み出し そうだ 。 喬 石 委員 長 は 「 社会 主義 市場 経済 を 発展 さ せる 過程 は 、 同時に 社会 主義 民主 政治 を 建設 する 過程 で も あり 、 両者 は お互いに 呼応 し 、 協調 発展 さ せ ねば なら ない 」 と 、 政治 改革 の 重要 性 を 強調 。 具体 的な 改革 の 方法 と して 、 全人代 と 地方 人民 代表 大会 で 行って いる 選挙 制度 改革 を 挙げた 。 中国 で は 最高 実力 者 、 トウ 小平 氏 が 「 経済 は 緩め 、 政治 は 締める 」 と いう 姿勢 を とって おり 、 経済 発展 を 優先 さ せ 、 民主 化 は 無視 して きた 。 米 下院 の ギングリッチ 新 議長 ら 両院 の 共和 、 民主 両党 指導 部 は 六 日 、 ホワイトハウス で クリントン 大統領 と 初めて 協議 し 、 今後 の 議会 運営 に ついて 意見 交換 した 。 会談 で は 、 一致 できる 分野 で は できる だけ 協力 して いく こと を 申し合わせた が 、 減税 問題 を めぐって は 両党 下院 指導 部 で の 意見 の 相違 が 予想 通り 表面 化 し 、 対決 は 避け られ ない 情勢 だ 。 会談 後 、 ギングリッチ 議長 は 「 極めて 有益な 会談 だった 」 と 述べ 、 アーミー 共和党 下院 院 内 幹事 も 「 中間 層 減税 に ついて 、 意見 の 違い を 克服 して 合意 に 達しよう 、 と いう こと を 確認 した 」 と の 受け止め 方 を 示した 。 その 小さな 「 映画 館 」 は 、 北京 の 繁華街 ・ 西単 の そば の 、 ゲーム センター の 奥 に あった 。 座席 数 七十 。 壁 に は 「 生死 時速 」 と 書いた ビラ 。 そう 、 日本 でも 封切ら れた ばかりの 米国 映画 「 スピード 」 を 上映 して いた 。 レーザー ディスク を 使って 、 中型 スクリーン に 外国 の 最新 映画 を 映し出そう と いう 趣向 。 と いって も 、 日本 の 地方 の 映画 館 と さして 変わら ない 本格 的な もの 。 字幕 は 中国 語 、 それ も 中国 本土 で 一般 的な 簡体字 で は ない 繁体字 。 どうやら 、 香港 か 台湾 から 入手 した ディスク を 使って いる らしい 。 中国 で 洋画 と いえば 、 十 年 以上 昔 の もの と 決まって いる 。 欧 米 の “ 腐敗 した 文化 ” の 流入 を 防ぐ ため で 、 検閲 が 厳しい 。 それ に 封切り 映画 は 高く つく 。 最近 、 年 に 十 本 は 輸入 を 認めよう と いう こと に なり 、 やっと 許可 さ れた の が 、 ハリソン ・ フォード で おなじみ の 米国 映画 「 逃亡 者 」 。 だが それ も 、 北京 市 文化 局 に よる と 、 配給 会社 と の 契約 が こじれて 上映 中止 に なった 。 でも 、 そこ は したたかな 中国 の 庶民 。 ビデオ や レーザー ディスク を こっそり 輸入 し 、 小さな 集会 場 や 劇場 で 上映 する のである 。 かくして 私 は 、 正月 早々 、 わずか 二十 元 と いう 値段 で 「 スピード 」 を 見て しまった 。 西単 と いえば 、 一九七八 年 に 民主 化 を 求める 大量の 壁 新聞 が 出現 、 世界 を 震かん さ せた 場所 。 時 が 過ぎて も 、 自由 を 求める 情熱 は 健在 らしい 。 エリツィン ・ ロシア 大統領 は 六 日 、 国営 ロシア ・ テレビ の ポプツォフ 社長 を 解任 した こと を 明らかに した 。 安保 会議 終了 後 、 コワリョフ 大統領 府 人権 委員 会 議長 と の 会見 で 語った 。 ジュペ 仏 外 相 は 6 日 、 パリ を 訪問 中 の アジズ ・ イラク 副 首相 と 会談 、 仏 が 近く バグダッド に 利益 代表 部 を 設置 する こと を 明らかに した 。 イラク は すでに 、 パリ の モロッコ 大使 館 に 利益 代表 部 を 置いて いる 。 スリランカ の クマラトゥンガ 大統領 は 六 日 、 国民 議会 の 演説 で 、 同国 から の 分離 独立 を 目指す 少数 民族 タミル 人 過激 派 の 最大 組織 「 タミル ・ イーラム 解放 の トラ 」 と の 停戦 が 八 日 から 発効 する 、 と 発表 。 タミル 人 が 住む 北東 部 へ の 「 権限 移譲 」 を 含む 包括 和平 提案 を 早急に 行う と 明らかに した 。 韓国 の 国家 安全 企画 部 は 六 日 、 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 の 人民 軍 芸術 扇動 隊員 、 チョン ・ ソンサン さん が 第三国 を 経て 同日 、 金浦 空港 に 到着 し 、 亡命 を 申請 した と 発表 した 。 チョン さん は 、 映画 の シナリオ 創作 を 担当 して いた 。 日産自動車 は 六 日 、 主力 の 普通 乗用車 「 スカイライン 」 の 中 で 最も スポーティーな 「 GT ― R 」 を 五 年 五 カ月 ぶり に フルモデルチェンジ して 発売 した 日産 は 今 三 月 期 決算 で 過去 最悪 の 六百億 円 の 経常 赤字 を 計上 する 見込み 。 赤字 の 原因 である 国 内 販売 の てこ入れ の ため 、 今年 は 同車 を 皮切り に 「 例年 に ない ほど 」 の 新車 を 投入 、 巻き返し を 図る 作戦 だ 。 日産 の 一九九四 年 の 国 内 販売 台 数 は 海外 生産 の 逆 輸入 車 も 含めて 前年 比 五・四 % 減 の 百四万二十九 台 だった 。 国 内 シェア は 九三 年 より 低下 し 、 二一・二 % と 史上 最低に 落ち込んだ 。 同社 は 九三 年 二 月 に 、 座間 工場 を 九五 年 三 月 末 に 閉鎖 する こと を 柱 と した リストラクチャリング 策 を 発表 し 、 経営 再建 に 取り組んで いる 。 辻 義文 社長 は 「 今年 は 国 内 販売 の 強化 が 最 重点 課題 」 と 販売 の てこ入れ に 全力 を 挙げる 考え を 示して いる 。 具体 的に は 、 一 月 に は 大衆 クラス の 量販 車 「 パルサー 」 と 「 プレセア 」 、 六 月 に は 高級 クラス の 主力 車 「 セドリック 」 「 グロリア 」 、 秋 に は 小型 車 「 プリメーラ 」 と 商品 強化 が 遅れて いる RV の メーン 車種 「 テラノ 」 を それぞれ フルモデルチェンジ する 。 スカイライン GT ― R は 、 九三 年 八 月 に 発売 さ れた スカイライン 2 ドアクーペ を ベース に した もの で 、 直列 6 気筒 2600 CC で 二百八十 馬力 の 高 出力 エンジン など 、 従来 の GT ― R の “ 走り ” の 機能 に 磨き を かけた 。 価格 は 四百七十八万五千 円 から 五百三十一万九千 円 。 サッポロビール は 、 健康 志向 の 高まり に 対応 、 「 サッポロ 鉄観音 茶 」 と 「 サッポロ 減肥茶 ・ 太極拳 」 を 17 日 から 発売 、 茶 飲料 の ライン アップ を 強化 する 。 鉄観音 茶 は 中国 福建 省 産 の 最高 級 の 茶 葉 を 使用 。 減肥 茶 は ハト麦 など 8 種類 の 原料 を ブレンド 。 340 グラム 缶 と 2 リットル ペットボトル が あり 、 缶 は 107 円 、 ペットボトル は 330 円 。 ダイハツ 工業 は 、 軽 自動車 「 オプティ 」 に セゾングループ 系 の ファッションビル 「 パルコ 」 の ロゴ を 入れた 特別 仕様 車 「 オプティパルコ 」 を 発売 。 主力 車種 の 3 ドア 3 速 AT 車 は 88万5000 円 で 、 ベース と なった 車種 に 比べ 2万 円 安い 。 月産 1800 台 を 予定 。 トヨタ自動車 は 6 日 、 1995 年 の 全 世界 で の 販売 計画 を 478万 台 と 発表 した 。 日本 を はじめ 世界 的な 市場 回復 を 見込んで いる 。 内訳 は 、 国 内 224万 台 、 海外 254万 台 。 また 同社 は 、 96 年 に は 520万 台 の 販売 を 目指し 、 21 世紀 初頭 に は 600万 台 の 構想 を 打ち出して いる 。 「 ビールメーカー と して は 4 番手 。 規模 が 小さい 分 、 あらゆる こと に チャレンジ し ます よ 」 と 新年 の 抱負 を 述べる の は 、 サントリー の 佐治 信忠 副 社長 昨年 は 西友 が 5 番手 メーカー の オリオンビール と 組んで 国産 初 の プライベートブランドビール を 発売 した が 、 同 副 社長 は 「 うち に も いろんな 話 が 来て いる 。 積極 的に 考え たい 」 と 、 流通 大手 と 組んだ PB ビール 発売 に 意欲 を 見せる 。 同社 は 昨年 10 月 、 酒税 法 上 は ビール に なら ない 低 価格 の アルコール 飲料 「 ホップス 」 を 発売 。 100万 ケース を 出荷 した 。 「 価格 は 大きな 武器 。 積極 的に 取り組んで いく 」 と 自信 を 深め 、 今年 の ホップス 出荷 目標 は 1000万 ケース と 強気だ 。 消費 ブーム 、 円高 に よる 輸出 増大 など 活況 を 呈した 韓国 経済 は 、 一九九四 年 の 対 日 貿易 赤字 が 史上 最高の 百億 ドル を 突破 する こと が 確実 と なった 。 好 景気 ・ 輸出 拡大 ― 日本 製品 の 輸入 急増 と いう 従来 の パターン 。 産業 構造 の 転換 が 叫ば れる と ともに 、 対 日 貿易 アンバランス の 解消 が 、 日 韓 間 の 大きな テーマ に なって きた 。 韓国 は 一昨年 、 全体 の 経常 収支 で 、 四億五千万 ドル の 黒字 を 記録 。 四 年 ぶり の 黒字 転換 で 、 昨年 も 五億 ― 十億 ドル の 黒字 を 予想 して いた 。 しかし 、 この 対 日 赤字 の 急増 など で 、 逆に 四十七億 ドル の 赤字 に なる 見込み だ と いう 。 第一生命 は 6 日 、 期間 10 年 の 固定 金利 融資 に ついて 、 1 月 から 独自に プライムレート を 設定 する と 発表 した 。 これ まで は 長期 信用 銀行 が 設定 する 長期プライムレート を 目安 に 貸出 金利 を 設定 して いた が 、 長 プラ は 5 年 物 利付 金融 債 の 流通 利回り に 連動 する ため 、 期間 が 長い 割に 金利 が 低 めに なり がちだった 。 日本 生命 も 同様の 方式 を 取る こと を 決めて おり 、 他の 生保 に も 広まる 見通し だ 。 ワシントン で 十一 日 に 行わ れる 村山 富市 首相 と クリントン 米 大統領 と の 日 米 首脳 会談 で は 、 対 アジア 政策 や 日本 の 規制 緩和 の 推進 が 、 経済 分野 で の 主要 テーマ と なる 見通し だ 。 政府筋 や 米 外交 筋 が 六 日 明らかに した ところ で は 、 日本 は 十一 月 に 大阪 で 開か れる アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 の 成功 に 向けて 、 米国 に 協力 を 要請 、 米 側 も 「 調整 役 」 と して の 日本 の 努力 に 期待 を 表明 し 、 対 アジア 政策 重視 を 両 国 が 確認 する 場 に なり そうだ 。 日本 は APEC 大阪 会議 に 備え 、 先進 国 で 二〇一〇 年 、 途上 国 で 二〇二〇 年 を 目標 年次 と した 貿易 ・ 投資 の 自由 化 宣言 を 具体 化 する 行動 指針 を 策定 する 。 首脳 会談 で は 議長 国 と して 米国 の 全面 的な 協力 を 要請 する 方針 。 米 政府 も APEC へ の 関心 が 高く 、 昨年 の 中間 選挙 で 敗北 した クリントン 政権 と して は 、 大阪 会議 で 自由 化 の 中身 を 固め 「 得点 を 稼ぎ たい 」 ところ 。 米国 に は 「 自由 化 の 進め 方 など で 、 アジア 諸国 と 立場 の 違い が ある こと は 認識 して いる 。 日本 に は 、 アジア と の 間 を 取り持つ 仲介 役 と して の 役割 を 期待 し たい 」 と の 声 が 強い 。 一方 、 米国 は 日本 が 三 月 末 まで に 策定 する 規制 緩和 推進 五 カ年 計画 の 行方 を 注視 して いる 。 規制 緩和 が 市場 開放 や 内需 拡大 に つながる と 確信 する 米国 は 、 昨年 十 月 の 対 日 貿易 赤字 が 六十六億 ドル と 過去 最高 に 達した こと など から 、 再び いら立ち を 強めて おり 、 規制 緩和 の 「 一段 の 推進 」 を 強く 求めて くる の は 必至だ 。 また 、 村山 首相 、 クリントン 大統領 ともに 、 日 米 包括 経済 協議 で 未解決の 自動車 ・ 同 部品 分野 交渉 の 早期 決着 に 向け 、 互い の 努力 を 改めて 確認 する 。 この ほか 包括 協議 の テーマ の 一 つ である 「 地球 的 課題 に 対する 日 米 協力 」 に 基づいて 、 人口 問題 、 エイズ 、 環境 、 麻薬 問題 など に 関する 政策 協調 も 議題 に なる 見込み だ 。 「 いま 日 米 間 に 大きな 経済 上 の 課題 は ない 」 と いわ れる が 、 日本 の 規制 見直し 作業 は 難航 して おり 、 村山 首相 の 指導 力 が 問わ れる こと に なり そうだ 。 インド を 訪問 中 の 橋本 竜太郎 通産 相 は 六 日 、 シャルマ 大統領 を 官邸 に 表敬 訪問 した の に 続き 、 経済 自由 化 政策 推進 の 中心 人物 、 マンモハン ・ シン 蔵 相 と 会談 した 。 シン 蔵 相 は 、 一九九一 年 以来 の 経済 改革 が 着実な 成果 を 収めて いる こと を 強調 。 日本 の 対 インド 投資 の 増加 を 期待 して いる と 述べた 。 これ に 対し 、 橋本 通産 相 は 、 日本 の インド 経済 改革 へ の 強い 関心 を 説明 。 米 議会 予算 局 は 5 日 、 経済 ・ 財政 見通し の 要約 を 公表 、 金利 高騰 と 歳入 減少 見込み の ため 、 今後 の 財政 赤字 見通し を 上方 修正 した こと を 明らかに した 。 昨年 10 月 に 始まった 1995 会計 年度 の 赤字 額 は 1760億 ドル で 、 前回 見通し で 示した 1620億 ドル から 拡大 。 96 年度 も 1760億 ドル から 2070億 ドル に 修正 した 。 6 日 付 の 中国 各紙 に よる と 、 同国 国家 計画 委員 会 は この ほど 、 第 9 次 5 カ年 計画 が 正式に 確定 する まで は 、 原則として 新たな 大 中 型 プロジェクト の 立案 と 事業 化 調査 を 認可 し ない 方針 を 決めた 。 日 米 包括 経済 協議 の 規制 緩和 ・ 競争 政策 部会 の 会合 が 二十三 、 二十四 の 両日 、 ワシントン で 開か れる こと が 決まった 。 関係 筋 が 六 日 明らかに した もの 。 米国 は 昨年 十一 月 の 会合 で 、 車検 制度 や 大規模 小売 店舗 法 の 見直し 、 電気 通信 の 新規 参入 規制 の 緩和 など 十 分野 に わたる 規制 緩和 要求 書 を 日本 側 に 提出 して いる 。 武村 正義 蔵 相 は 九 日 から 一 週間 の 日程 で 、 中国 、 シンガポール 、 マレーシア の 三 カ国 を 訪問 する 。 今年 十一 月 に 大阪 で 開か れる APEC 大阪 会議 に 向けて 、 アジア 各国 と の 意思 疎通 を 図る こと が 最大 の 目的 。 六 日 の 閣議 後 会見 で 、 武村 蔵 相 は 「 APEC 大阪 会議 の 主催 国 と して 、 早い 時期 から 準備 を 進める こと は 重要な こと 」 と 述べた 。 長引く 証券 不況 の 中 、 機能 の 重複 も 多い 証券 団体 の 統廃合 など を 検討 して いた 日本 証券 業 協会 など の 団体 業務 検討 委員 会 は 、 六 日 まで に 、 証券 関係 団体 の うち 、 取引 所 や 日証協 など の 意見 調整 や 政策 提言 リポート を 作成 する 証券 団体 協議 会 の 廃止 など を 内容 と する 中間 報告 を まとめ 、 土井 定 包 ・ 日 証 協会 長 ら に 報告 した 。 人員 削減 は 一九九六 年度 以降 の 採用 で 調整 する 。 廃止 が 提言 さ れた 証券 団体 協議 会 は 、 六三 年 の 設立 で 、 職員 数 は 十二 人 。 意見 調整 は 日証協 で できる うえ 、 リポート 作成 は 同様な 機能 を 持つ 日本 証券 経済 研究 所 が ある こと から 、 リストラ の 対象 に なった 。 ビタミン が 大切な もの である こと は だれ も が 知っている 。 しかし 戦後 五十 年 、 飽食 と 健康 志向 の 陰 で 、 潜在 的な 欠乏 症 が 多発 したり 、 過剰 摂取 に よる 弊害 が 指摘 さ れて いる こと は 案外 知ら れて い ない 。 その 一方 で ビタミン の 成人 病 や 老化 防止 に 関する 情報 も あふれて いる 。 私 たち は ビタミン と どのように かかわって いけば よい のだろう 。 本論 に 入る 前 に ビタミン に ついて 、 お茶の水 女子大 教授 で 同 大 生活 環境 研究センター 長 の 五十嵐 修 さん に 、 復習 講座 を お 願い した 。 というのも 中高年 の 人 たち が 学校 で 習った ころ と 、 いま と で は ビタミン の 定義 が 違って いたり 、 名称 が 変わったり 、 消えて しまった ビタミン が たくさん ある から だ 。 「 ビタミン は 体 内 で 起きて いる 化学 反応 を 円滑に 調整 する 微量 の 有機 化合 物 で 、 基本 的に は 体 内 で 合成 さ れ ませ ん 。 したがって 体 外 から 調達 し なければ なら ない 物質 です 。 昔 は あらゆる 動物 が 必要 と する この 種 の 物質 を ビタミン の 仲間 に 入れて い ました が 、 現在 で は 人 に 必須の もの に 限ら れて い ます 」 たとえば 、 ビタミンC は 人 や サル と モルモット など 一部 の 動物 で は 、 体 内 で 合成 する こと が でき ない 。 おそらく 進化 の 過程 で 、 遺伝 的に ビタミン 合成 酵素 の 欠損 が 起きた とき に 、 食物 から の 供給 が 十分に あった ので 、 生きのびる こと が できた らしい 。 「 また ビタミン は 一 日 の 必要 量 が 一 グラム を 超える と 、 ビタミン の 仲間 に 入れて もらえ ませ ん 。 かつて リノール酸 や リノレイン 酸 など の 必須 脂肪 酸 は ビタミン F と 呼ば れた こと が あり ました が 、 必要 量 が 一 グラム を 超えて いる こと が わかった ため 、 いまでは たんぱく質 に おける 必須アミノ酸 に 近い 扱い を うけて い ます 」 せっかく ビタミン の 名称 が つけ られ ながら 、 はじめ から その ビタミン の 化学 名 で 呼ば れて いる もの も ある 。 「 ビタミン H は ビオチン 、 ビタミン M は 葉酸 、 ビタミン PP は ニコチン 酸 に それぞれ つけ られた 名称 です が 、 結局 、 一般 的に も 化学 名 で 呼ば れて い ます 。 これ ら も 立派な ビタミン の 仲間 です から 、 お 間違え の ない ように 」 厳密な 分析 の 結果 、 既存 の ビタミン や その 混合 物 だったり 、 ビタミン で は なかったり 、 あるいは 確認 でき なかったり して “ 幻 の ビタミン ” に なった もの も 多い 。 たとえば ビタミンB 5 など 多く の B 類 、 L 、 P 、 T …… 。 「 そんなこんな で 現在 、 人 が 必要 と 確認 さ れた ビタミン は 十三 種類 に すぎ ませ ん 。 この ほか 『 ビタミン 様 作用 物質 』 と いって 作用 の 上 から は ビタミン に 近い か 、 ビタミン の 作用 を 助けたり する 物質 も あり ます 」 十三 種類 の ビタミン は 脂 に 溶ける か 、 水 に 溶ける か で 二 つ の グループ に 大別 さ れる 。 「 脂溶性ビタミン は A 、 D 、 E 、 K の 四 種類 。 水溶 性 ビタミン は 、 B 1 、 B 2 、 B 6 、 B 12 、 ナイアシン 、 パントテン酸 、 ビオチン 、 葉酸 、 C の 九 種類 です 。 脂溶 性 か 水溶 性 か は ビタミン を 摂取 する うえ で 重大な 情報 です から ぜひ 、 心 に とどめて おいて ください 」 たとえば 、 水溶 性 ビタミン は 過剰に 摂取 して も 尿 と ともに 排泄 さ れ やすい 。 しかし 、 脂溶性ビタミン は 肝臓 など に 蓄積 さ れて 、 過剰 症 が 心配 さ れる 。 また 水溶 性 ビタミン を 含む 野菜 など を 水 に つけて おく と 、 ビタミン は 流出 する 。 脂溶性ビタミン を 含む 食物 は 、 ナマ で 食べた 場合 と 、 油 で いためた 場合 と で は 摂取 量 に 格段の 差 が でる のだ と いう 。 お 正月 の 残り物 が 、 冷蔵 庫 に 少しずつ 残って い ませ ん か 。 残り物 を 具に して 、 なんでも 揚げ パン を 作って み ましょう 。 耳 を 落とした 厚 切り 食パン を 三 角形 に 2 等分 し 、 厚み の 部分 に 切り 目 を 入れ 、 袋 状 に し ます 。 この 袋 に 残り物 を 入れて 口 を ようじ で 止め 、 まわり に とき 卵 と パン粉 を つけて 油 で 揚げれば OK 。 中 に 入れる 具 は 、 ハム 、 チーズ 、 数 の 子 、 明太子 、 黒豆 や 野菜 の 煮物 など 何でも 。 数 の 子 に ネギ の 薄切り と マヨネーズ 、 黒豆 と チーズ など 具 の 組み合わせ は あなた 次第 。 野菜 の 煮物 に は からし 、 好み で ケチャップ を つける の も 良し 。 中身 に よって 意外な 味 が 楽しめ ます 。 あつあつ を どうぞ 。 「 おれ は もう やめる ぞ 」 児童 書 出版 社 の 編集 者 だった 千葉 茂樹 さん は 一九九三 年 七 月 、 妻 の 上田 理子 さん に 宣言 した 。 小学校 三 年 の 長男 、 一 年 の 長女 、 幼稚 園児 の 二男 を 育てる 専業 主婦 は 、 晴れやかに 応じた 。 「 じゃあ 、 交代 し ましょう 。 私 が 働き に 出る わ 」 二 人 は 日ごろ から 互い を うらやましがって いた 。 出版 社 の 経営 姿勢 に 不満 が 募る 夫 は 「 片手間 に 」 翻訳 する 妻 の 日常 に あこがれた 。 午後 五 時 に 退社 、 東京 都 小金井 市 の 自宅 で 子供 を ふろ に 入れ 、 皿 を 洗い 、 アイロン を かけた 。 ホワイトデー に は クッキー を 焼いた 。 一方 、 別 姓 を 使う 上田 さん は 「 人 と 会う の が 好きで ほとんど 家 に い なかった 」 。 母乳 で 育て たい と 仕事 を 辞めた が 、 長男 が 二 カ月 に なる と 、 子連れ で 絵本 作家 の 話 を 聞き に 出た 。 自主 保育 の グループ を つくり 、 公民 館 の 講座 を 企画 した 。 三十五 歳 まで に は 再 就職 し たい と 思って いた 。 二 カ月 後 、 上田 さん は 北海道 医療 大学 広報 部 に 採用 が 決まり 、 札幌 から 電車 で 五十 分 の 当別 町 へ 移った 。 「 夕食 の メニュー を 考える の は おっくうだ が 、 主夫 業 を 楽しんで いる せい で 、 それ ほど 大変で も ない 」 だが 、 千葉 さん の 方 が 「 手伝い を し なさい 」 「 後片付け は ? 」 と 子供 に 口うるさく なった 。 長男 が 自転車 で ころび 、 ひざ に 傷 を 負って 帰った 。 手当て を して いる うち に 、 幼い 日 の 同じ 体験 の 記憶 が よみがえった 。 「 大好きな 作家 ケストナー は 、 祈る ような 気持ち で 子供 時代 を 忘れ ないで …… と いって いる が 、 いったん 忘れた 子供 時代 を 、 子供 と 一緒に いる こと に よって 取り戻す こと が できた 」 昨春 、 幼稚園 の PTA 役員 に 。 ママ さん ミニバレー 、 サンタ 役 など 出番 は 多い 。 最初 、 母親 たち は 言葉 に 詰まり 、 父親 仲間 から は 「 普段 は 何 を ? 」 と 聞か れた 。 「 主夫 と 言って も なかなか 認めて もらえ ない 。 考え たく も ない ようだ 」 気付いた こと も ある 。 千葉 さん は 「 被 扶養 者 」 。 専業 主婦 と 同じ 扱い に なり 、 年金 の 掛け金 や 健康 保険 料 は 不要だ 。 上田 さん は 配偶 者 控除 と 扶養 手当 を 受ける 。 AIU 保険 が 九一 年 に はじいた 「 主婦 の 賃金 」 は 平均 二十万五千五百五 円 。 「 換算 不能 の 部分 を どう 評価 する か が 大切な のに 、 会社 人間 は 頭 で 分かって も 実感 し にくい 。 稼ぐ 方 が 目 に 見え 、 家事 ・ 育児 を 担う 方 が 従属 的に なる 。 共働き して も 給料 の 多寡 が もの を いう かも しれ ない 。 別の 方法 が ある か と いえば 、 それ も 分から ない 」 と 釈然と し ない 。 総 家計 収入 は 四 分 の 三 に なった が 、 生活 費 も 安く なり 、 バランス は とれて いる 。 昨年 六 月 に は 妻 と 共訳 の 初 の 訳 本 『 夜 の 国 ―― 心 の 森羅 万象 を めぐって 』 を 出した 。 あと 十 年 は 、 この 生活 を 続ける つもりだ 。 新たな 共生 を 探して 。 雪 の 季節 を 、 また 迎えた 。 今年 は 、 どの くらい 積もる だろう か 。 カマキリ の 巣 の 位置 の 高 さ で 、 自分 流 に 予測 したり して いる 。 イメージ は あまり よく ない 。 冬 に なる と 《 あぁ 、 また 来た な 》 と 嘆き たく なる 。 ある 夜 『 雪 日和 』 と 題した ドラマ を 見た 。 庭 の 立ち木 に ゆっくり と 降りかかる の を 見て いる うち に 、 引き込ま れる ような 心持ち に なった 。 雪 日和 と は なんと 美しい 言葉 であろう か 。 雪かき 、 雪下ろし 、 歩き にくい 道路 、 と 苦労 の 多い 冬 を 経験 して いる と 「 美しい 」 と いう 印象 は 生まれて こ ない 。 この 夜 映じた 様 は 暖かく 、 いたわる ような 降り 方 であった 。 忘れて いた が 「 雪 明かり 」 と いう 言葉 が あった 。 あたり 一面 、 青白く 輝く のだ 。 物 みな 、 その 中 で 静まり返る 。 山村 の 雪 深い 夕暮れ 、 だいだい色 の 灯 が 漏れて いる 。 車 の ヘッドライト が 、 横なぐり の 白い 流れ の 間 から チラチラ 見え隠れ する など は 、 心 を 引か れた もの であった 。 いやな 面 ばかり に 気 を 取ら れて 過ごし 、 こうした 美しい 光景 の ある こと を 忘れて しまって いた 。 雪 の 降る 夜 は 、 ひっそり と 静か 。 雑事 に とらわれて せわしく なって いる 心 を 取り戻す に 、 いい 時 である 。 今年 の 冬 は 、 これ まで と 違った 過ごし 方 が できる ので は ない だろう か 。 いつも なら ガッツ ポーズ を とる 堀井 が 、 タイム を 聞いて も 淡々と して いた 。 ライバル が 多い 中 で 、 勝つ こと に 慣れた 自信 と 実績 。 落ち着いた 滑り と レース 後 の ゆったり と した 表情 が 、 本当に 強く なった こと を 示して いた 。 清水 宏保 を 除く 世界 一線 級 の 争い と なった 男子 五百 メートル 。 一 週間 後 に 控えた 全 日本 スプリント の 前哨戦 で も あり 、 みんな 調子 を 上げて いる 。 そんな 中 、 堀井 は 二 組 で 高校 時代 から の 宿敵 、 井上 純一 と 同走 した 。 スタート から 氷 を 力強く けり スピード に 乗った 。 百 メートル の ラップ は 自己 ベスト に 100分の1 秒 遅れ の 9 秒 81 。 得意 と する 第 一 カーブ の 出口 から バック ストレート に かけて の 加速 も 上々 、 低い 姿勢 を 崩さ ず に 36 秒 81 で ゴール 。 二 位 と なった 井上 を 0 秒 42 、 4 ― 5 メートル 引き離す 会心 の 勝利 だった 。 今季 は これ まで 37 秒 を 切る こと が でき ず 、 「 去年 より レベル ダウン した の か な 、 37 秒 を 切れ ない の か な と ずっと 思って いた 」 そうだ が 、 翌週 の 大舞台 に 向けて 順調に 仕上がって いる こと を 証明 する 滑り で も あった 。 専大 四 年 の 昨 シーズン に イメージ トレーニング を 取り入れた 練習 で 素質 が 開花 。 安定 感 を 増して リレハンメル 五輪 代表 の 座 を つかみ 、 銅 メダル を 取った 。 さらに 社会 人 一 年生 の 今季 は 千 メートル 世界 記録 保持 者 の 宮部 保範 を 目の当たり に 見て 練習 できる の も プラス に なって いる 。 一 歩 々々 着実に 前進 して いる 堀井 。 全 日本 スプリント の 手応え を 聞か れて 「 調子 を 崩さ ず に 持って いければ 」 と 控えめに 話した が 、 「 できれば 今年 35 秒 台 を 出し たい 」 と 、 エース の 座 を 固める ため の 本音 を もらした 。 第 七十三 回 全国 高校 サッカー 選手 権 は 七 日 、 準 決勝 2 試合 が 東京 ・ 国立 競技 場 で 行わ れる 。 奈良 育英 ― 市立 船橋 、 帝京 ― 守山 北 の いずれ も 東 西 対決 。 奈良 育英 と 守山 北 が 勝てば 初 の 、 市立 船橋 は 6 年 ぶり 2 度 目 、 帝京 は 3 年 ぶり 8 度 目 の 決勝 進出 と なる 。 守り の 奈良 育英 と 攻め の 市立 船橋 は 対照 的だ 。 奈良 育英 は 清水 市 商 、 四日市 中央 工 と 優勝 候補 を 次々 に 破って 波 に 乗り 、 初 出場 の 三本木 農 も 無 得点 に 抑え 、 奈良 県 勢 と して 76 年 ぶり の 4 強 入り 。 突出 した 攻撃 力 こそ ない が 、 GK 楢崎 を 中心 と した 守り で 接戦 に 持ち込み 、 ワン チャンス を 生かして いる 。 市立 船橋 は 4 試合 で 15 得点 と 高い 攻撃 力 を 誇る 。 中盤 と FW の つながり が 良く 、 スペース を 広く 使った パス で 前線 に 球 を 持ち込み 、 相手 DF 陣 に 的 を 絞ら せ ない 。 大黒柱 の 森崎 嘉 に 加えて 一 年生 の 北嶋 が 今 大会 4 得点 と 自信 を つけて おり 、 攻撃 の 幅 も 広がった 。 奈良 育英 と して は 、 市立 船橋 の 前半 の 攻撃 を 封じ 、 後半 に 勝機 を 見いだし たい 。 帝京 は 強豪 相手 に 苦戦 の 連続 で 勝ち上がって きた 。 だが 、 力任せの 攻撃 が 多く 見 られる 今 大会 、 攻撃 が 細切れ に なら ず 、 二 次 、 三 次 攻撃 に つなげる 次の 展開 を 見極めた プレー は 突出 して いる 。 相次いで 優勝 候補 が 敗退 する 中 、 着実に 競り勝ち 、 最も 優勝 に 近い 存在 と 言え そうだ 。 守山 北 は 、 守備 を 重視 した 試合 運び に 定評 が ある 。 十六 歳 以下 チーム の 日本 代表 監督 を 務め 、 同 チーム を 昨年 アジア ジュニア ユース 選手 権 優勝 に 導いた 松田 監督 は 、 メンタル トレーニング を 取り入れ 、 選手 の 集中 力 を 高めて きた 。 5 バック の 組織 的な 守り を 維持 できる か が ポイント と なり そう 。 決勝 は 帝京 ・ 市立 船橋 の 対戦 と みる が 、 実力 は 接近 して おり 、 予断 を 許さ ない 。 今年 から 日程 変更 で 、 準 決勝 前日 に 休養 が とれ 、 質 の 高い 戦い が 期待 でき そうだ 。 大相撲 初 場所 は 八 日 、 東京 ・ 両国 国技 館 で 初日 を 迎える 。 新 横綱 ・ 貴乃花 の 誕生 で 平成 四 年 初 場所 の 北勝海 ・ 旭富士 以来 3 年 ぶり に 東西 の 横綱 が そろう が 、 目下 30 連勝 中 の 貴乃花 が どこ まで 連勝 を 伸ばす か 、 3 場所 連続 で 全勝 優勝 できる か どう か が 焦点 と なる 。 横綱 経験 者 の 親方 の 話 を 総合 する と 横綱 昇進 後 初めて の 場所 は 序盤 戦 、 とりわけ 初日 を いかに 乗り切る か が ポイント だ 。 「 大関 の 時 と は 緊張 感 が 全く 違う 。 特に 初日 は 、 時間 が たつ の が アッという間 で 、 知ら ない うち に 土俵 に 上がって いた 」 と 振り返る の は 、 貴乃花 と 同じく 2 場所 連続 優勝 で 横綱 に 昇進 した 元 旭富士 の 安治川 親方 。 新 横綱 の 平成 二 年 秋 場所 は 13 勝 2 敗 。 十二 日 目 まで は 全勝 で トップ を 走った が 、 十三 日 目 に 大関 ・ 霧島 に 土 を つけ られ 、 千秋楽 の 北勝海 と の 1 敗 対決 で 敗れ 、 3 連覇 を 逃した 。 「 初日 、 二 日 目 と 勝って 波 に 乗れば 、 全勝 も あり うる 。 ライバル は 曙 。 両 横綱 の 対戦 で 優勝 が 決まって ほしい 」 と 語る 。 新 横綱 の 場所 で 11 勝 4 敗 に 終わった 元 北勝海 の 八角 親方 も 「 初日 、 前半 戦 で 緊張 感 を いい 意味 で 保てる か どう か だろう 」 と 語る 。 初日 の 相手 、 武双山 は 肩痛 も 完治 して 元気 いっぱい だ が 、 「 いくら 武双山 でも 、 立ち合い の 押し で 一気に 勝負 を 決める の は 無理 。 その 次の 攻め が 重要に なる 」 。 貴乃花 の 全勝 の 可能 性 は 半々 、 優勝 に ついて は 「 60 % 。 残る 40 % は 曙 」 と 見る 。 大 横綱 、 名 横綱 と 呼ば れた 力士 でも 初日 の プレッシャー は 予想 以上 に 大きく 、 過去 、 栃錦 、 初代 若乃花 、 柏戸 、 北の湖 が 金星 を 献上 して いる 。 北の湖 親方 は 最近 の 貴乃花 の 落ち着き ぶり を 「 新 横綱 と は 思え ない 。 プレッシャー で 負ける こと は まず 考え られ ない 」 と 述べ 、 優勝 の 可能 性 は 80 % 、 全勝 に ついて も 70 % と 高い 確率 。 対戦 相手 の 貴乃花 攻略 法 に ついて は 「 四 つ に なって も 、 半身 に なって も 、 絶えず 動いて 勝負 する こと 」 を 挙げ 、 「 曙 、 武蔵丸 、 武双山 以外 に は 琴錦 、 琴稲妻 、 浜ノ島 と いった 立ち合い の 速 さ が ある 力士 と の 対戦 が 見もの 」 と 話した 。 日本 相撲 協会 審判 部 は 六 日 、 両国 国技 館 で 大相撲 初 場所 の 取組 編成 会議 を 開き 、 初日 の 取組 を 決めた 。 初日 を 前 に 休場 者 が い ない の は 昨年 春 場所 以来 5 場所 ぶり 。 新 横綱 の 貴乃花 は 小結 の 武双山 の 挑戦 を 受ける 。 曙 は 琴の若 が 相手 。 大関 陣 は 武蔵丸 が 久島海 、 貴ノ浪 は 大善 、 若乃花 は 智ノ花 と 。 新 関脇 の 魁皇 は 剣晃 と 対戦 する 。 労 使 紛争 で 開幕 でき ないで いる 北米 アイスホッケー ・ リーグ の 今 シーズン が どう なる か 、 7 日 に も 結論 が 出る 。 経営 者 側 が 同日 、 選手 会 から 提出 さ れた 労 使 協定 の 最終 提案 を 受け入れる か どう か 投票 で 決める こと に なった ため で 、 選手 案 を 受諾 すれば 、 先に 設定 さ れた 最終 期限 通り 16 日 に リーグ 戦 が 開幕 する 。 拒否 した 場合 は ベットマン ・ コミッショナー が シーズン 中止 を 発表 する こと に なり そうだ 。 豪州 ラグビー 協会 の ハリー 会長 は 六 日 、 今年 五 月 の 南アフリカ 大会 に 次ぐ 、 一九九九 年 の ラグビー ワールドカップ 開催 に 豪州 が 立候補 する こと を 明らかに した 。 二〇〇〇 年 の シドニー 五輪 の 前年 に 開く こと で ラグビー 人気 を 一気に 盛り上げ 、 五輪 でも 正式 競技 と して 開催 して もらう 意向 を 示した 。 ハリー 会長 は 「 正式に は 今月 三十一 日 、 英国 の インタナショナルボード に 提出 する 。 イングランド 、 イタリア など も 立候補 し そうだ が 、 プレ 五輪 の 意義 など を 訴えて 三 月 の 正式 決定 に こぎつけ たい 」 と 話した 。 また 、 豪州 を ホスト 国 と し 、 ニュージーランド と 日本 の 3 カ国 で 試合 を 行う 腹案 が あり 、 今月 十三 日 に シドニー で 3 カ国 の 代表 が 会談 する 。 日本 から は 金野 滋 ・ 日本 ラグビー 協会 副 会長 が 出席 の 予定 。 豪州 ラグビー 協会 は 、 W杯 は 15 人 制 で 行い 、 参加 人数 を 減らす 傾向 に ある 五輪 は 、 10 人 制 か 7 人 制 で の 開催 を 計画 して いる 。 W杯 で は 約 10万 人 収容 の 五輪 メーン スタジアム を 使用 する こと も 認め られて いる 。 ハリー 会長 は 「 W杯 準 々 決勝 の 1 試合 を 日本 で 開催 して もらい たい 。 日本 と は 今後 、 コーチ の 派遣 など で 交流 を 深め たい 」 と 語った 。 サッカー の 各 大陸 チャンピオン が 戦う インタコンチネンタル 選手 権 は サウジアラビア の 首都 リヤド で 六 日 開幕 。 初日 は 同 市 の キングファハドスタジアム で 午後 六 時 十 分 から 、 A 組 の サウジアラビア ― メキシコ 、 次いで B 組 の 日本 ― ナイジェリア の 2 試合 。 大会 に は A 組 の サウジアラビア 、 メキシコ 、 デンマーク 、 B 組 の 日本 、 ナイジェリア 、 アルゼンチン の 6 カ国 が 出場 。 各 組 で 一 回 戦 総当たり の リーグ 戦 を 行い 、 一 位 同士 が 決勝 、 二 位 同士 が 三 位 決定 戦 を 行う 。 国 内 リーグ で の 若手 に 、 イタリア で 活躍 する バティストゥータ を 加えた アルゼンチン 。 ミカエル 、 ブライアン の ラウドルップ 兄弟 を 擁する デンマーク 。 ワールドカップ 米国 大会 の メンバー で 臨む ナイジェリア が 優勝 候補 。 第 一 回 大会 は 一九九二 年 に リヤド で 開か れ 、 アルゼンチン が 優勝 して いる 。 アルゼンチン から の 情報 に よる と 、 同国 司法 当局 は 五 日 、 昨年 二 月 に 報道 陣 に 対して 空気 銃 を 発砲 し 、 傷害 罪 など に 問わ れて いる サッカー の ディエゴ ・ マラドーナ 被告 が 、 年 末 年始 に 無断 で 出国 した こと に ついて 、 収監 の 対象 に は なら ない と の 見解 を 明らかに した 。 同 被告 は 現在 裁判 中 の ため 、 司法 当局 から 出国 停止 命令 を 受けて いる 。 ワールドカップ 米国 大会 出場 は 特例 と して 事前 に 認め られた が 、 今回 は 無断 で 出国 し 、 カストロ 議長 の 招待 で キューバ を 訪問 後 、 サッカー 誌 の 特別 表彰 を 受ける ため フランス を 訪れた 。 検察 当局 は 裁判 所 に 収監 を 要請 した が 、 司法 当局 は 「 先方 から の 招請 を 受けた もの であり 、 今後 も 逃亡 の 恐れ は ない 」 と して いる 。 判決 は 三 月 に も 言い渡さ れる 見通し で 、 検察 側 の 禁固 4 年 の 求刑 に 対し 、 罰金 など 軽い 刑 に なる と の 見方 が 強い 。 ハウストラ は オランダ 一部 リーグ の トウェンテ を 経て 一九九〇 年 から 昨年 まで スコットランド の グラスゴー ・ レンジャース で プレー 。 オランダ 代表 と して 8 試合 の 出場 歴 が ある 。 J リーグ の 浦和 レッズ は 六 日 、 新 監督 に 元 ドイツ 代表 コーチ の ホルガー ・ オジェック 氏 と 正式 契約 を 結んだ と 発表 した 。 契約 期間 は 2 年 。 横山 謙三 監督 は ゼネラル マネジャー と して フロント 入り する 。 浦和 は リーグ 3 年 に して 3 人 目 の 監督 を 迎える こと に なる 。 オジェック 氏 は カナダ 協会 の コーチ を 経て 一九七九 年 に ドイツ 協会 所属 コーチ に 。 九〇 年 ワールドカップ で は ベッケンバウアー 監督 の 下 で 優勝 に 貢献 した 。 現在 は トルコ ・ フェネルバチェ の 監督 。 「 これ だけ の ゲーム が できる んだ から 、 大した もん だ 」 と 鏡 ・ 大東大 監督 は 人ごと の ように うなった 。 辛勝 に は 違いない が 勝負どころ を 心得た 見事な ゲーム 運び 。 井沢 主将 も ラトウ も 「 全員 が 力 を 合わせた 勝利 」 を 強調 した 。 前半 39 分 の トライ は ゴール 前 スクラム で 圧力 を かけ ラトウ 、 井沢 の 連続 突進 で 奪った もの 。 後半 13 分 は 、 井沢 と オト の 連続 突進 で 得た PK から ラトウ が タックル を 引きずって ポスト 下 に 逆転 トライ 。 いずれ も 明大 が 十分に 警戒 して いた シンプルな トライ パターン 。 分かって いて 止め られ なかった と いう こと だろう 。 15 分 に は 明大 の スクラム サイド の 突進 を つぶして 、 井沢 が 逆襲 を かけ 、 ラトウ が ロング キック 。 オト が 明大 防御 に 走り 勝って トライ した 。 「 3 人 は ずぬけて いる 」 と 鏡 監督 が 自慢 する 個人 技 で は ある 。 しかし 「 あと の 12 人 が 自分 の やる べき こと を やった から 、 この 結果 な んだ 」 と 続けた 。 ハーフ タイム を はさんで の 3 連続 トライ と 仲野 の ゴール で 一気に 12 点 差 。 明大 に 強烈な 圧迫 感 を 与える 「 大東大 らしい 爆発 」 。 不用意な 防御 から 先制 トライ は 許した が 、 前回 王者 の 明大 に ペース を 忘れ させた 。 スクラム を 互角 以上 に 押し込み 、 ライン アウト で 191 センチ の 井沢 の 高 さ が 生きた 。 ラック 、 モール で は ラトウ の キープ 力 を もり立てた 。 結束 すれば 大学 ナンバーワン の FW 力 が 存分に 発揮 さ れた 。 しかも タックル に ハードな 当たり と パワー が あり 、 明大 の 攻撃 起点 を 再三 つぶした 。 「 日本 代表 で 覚えた 前 へ 踏み込んで の タックル に 自信 が あった 。 2 人 に 道 を 作って もらって いた が 、 自分 たち が 先に 行って 2 人 に つなげば 結果 的に うまく いく 」 。 井沢 主将 は トンガ コンビ と の 連携 を 心がけた 成果 に 納得 した 。 関東 リーグ で 前年 王者 の 法大 を 倒し 、 選手 権 で は 関東 学院 大 に リーグ の 雪辱 を 果たして 人気 を 二 分 する 早 明 を も 撃破 。 しり上がり に 潜在 能力 を 開花 さ せて の 大学 日本 一 。 「 大東大 の 型 が できて の 優勝 。 初めて だ から 最高 よ 」 。 はしゃぐ ラトウ ら が 心底 、 日本 に 溶け込んで つかんだ 王座 で も あった 。 みんな が 聞き たくて も 聞け ない こと を 、 新伍 & 紳助 の 2 人 なら ズバリ と 聞けて しまう 。 招か れる ゲスト は 内心 ヒヤヒヤ 、 黙秘 権 を 行使 して 、 必死に 抵抗 。 その スリル が この 番組 の 面白 さ かも 。 オジサン 2 人 の 下心 と は 対照 的に 、 テーマ 曲 は 、 キュートで ポップ 。 セカンド シングル らしく 初々し さ が 耳 に 残る 。 「 新伍 & 紳助 の あぶない 話 」 出演 : 山城 新伍 、 島田 紳助 日曜 夜 10 時 作詞 ・ 作曲 : 中島 優子 編曲 : 小野沢 篤 発売 元 : フォーライフ 江戸 歌舞伎 で は 毎年 正月 に は 曽我 狂言 を 上演 する 習わし が あった 。 曽我 物 は 祝祭 劇 だった のである 。 今年 の 歌舞伎 座 の 初 芝居 は 松竹 創業 百 年 の 記念 公演 と いう こと も あって 昼 に 「 曽我 対面 」 、 夜 に 「 助六 」 と 二 つ の 曽我 狂言 が 上演 さ れて いる 。 「 助六 」 は 歌舞伎 十八 番 の 一 つ で 、 今 で こそ 「 勧進 帳 」 の 人気 が 高い が 、 河竹 繁俊 博士 は その 著書 の 中 で 「 質的に も 劇的に も 『 助六 』 が 十八 番 の 王座 である 」 と 書いて いる 。 「 助六 」 は 江戸 歌舞伎 の 代表 作 だ が 、 面白い こと に 生まれ は 上方 である 。 十八 世紀 初め 京都 の 助六 と いう 若者 が 島原 の 遊女 揚巻 と 心中 し 、 それ が 「 万屋 助六 心中 」 と いう 浄瑠璃 に 仕組ま れた の が 流行 の 始まり だ と いう 。 それ が 江戸 へ 入り 、 二 代 目 市川 団十郎 が 江戸 の 男 伊達 に 移して 演じて 評判 を とった 。 以後 、 市川 家 の 芸 と して 次第に 洗練 、 伝承 さ れ 今日 の 形 に なった 。 では 、 今 の 「 助六 」 は どんな 筋 の 劇 か と いう こと に なる が 、 これという 物語 が ある わけで は ない 。 花 の 盛り の 遊郭 の 吉原 に 助六 と いう かっこう の 良い 若者 が 登場 、 江戸っ子 の 魅力 を ふんだんに 見せる と いう だけ の 劇 である 。 西欧 人 が この 劇 を 見れば 、 どこ に ドラマ が ある の か と 首 を かしげる に 違いない 。 開幕 する と 裃 姿 の 役者 が 出て 上演 の 「 口上 」 を 述べる 。 河東 節 の 浄瑠璃 が 始まる と 花道 へ 揚巻 の 道中 が 出て くる 。 全盛 の 花魁 の 華やかな 姿 で 大勢 の 供 を 連れて いる 。 衣装 一 つ を とって も 黒繻子 に 松竹梅 の 模様 に 肩 から 袖 に かけて 金糸 より の しめ飾り 、 その 下 が 火焔 太鼓 と 桜 の 絵柄 、 前 に 垂れた 帯 は 鯉 の 滝 昇り の 図 である 。 揚巻 は この後 二 度 衣装 を 替える が 、 全体 で 五 節句 を 現す 絵柄 に なって おり 、 姿 そのもの が お祭り な のである 。 揚巻 は 花道 で 酔態 を 見せ 、 酔いざまし の 薬 を 飲む 。 袖 の 梅 と いう 名前 だ が 、 これ は 江戸 時代 に 売って いた 二日酔い の 名薬 で 、 つまり は CM である 。 CM は この ほか に も たくさん あり 、 登場 人物 の 朝顔 仙平 と いう 名前 は 煎餅 屋 、 福山 は うどん 屋 の CM な のだ 。 舞台 の 飾り も 竹村 と いう 菓子 屋 の CM に なって いる 。 そこ へ 髭 の 意休 と いう 敵役 が 遊女 たち を 引き連れて 登場 、 揚巻 に 助六 の 悪口 を 言う 。 意気地 と 張り が 看板 の 揚巻 は 、 恋人 の 悪口 を 言わ れて 黙って は い ない 。 「 さあ 、 これ から は 悪態 の 初音 …… 」 と 宣言 した 後 、 とうとうと 意休 に 悪態 を つく 。 この 芝居 で は 揚巻 に 始まり 、 登場 人物 が 次々 と 悪態 を つき 、 それ が 見どころ に なって いる のだ が 、 悪態 は 言葉 に よる 悪魔 鎮め の 意味 を 持って いた 。 折口 信夫 博士 は 「 『 助六 』 に は 洗練 さ れた 悪態 が ある 。 悪態 は 祭り が 代表 的な 場所 だ から 、 役者 も 見物 も 含めて 祭り の 場所 へ 行った ような 気 が した のだろう 」 と 書いて いる 。 それ が 一 段落 する と 、 いよいよ 助六 の 登場 と なる 。 助六 は 黒 羽二重 の 着付け に 紫 の 鉢巻き 、 腰 に 尺八 を さし 蛇の目 の 傘 を 手 に して 現れる 。 傘 を さして いる の は 雨 が 降って いる から で は ない 。 それ が かっこよ さ を 象徴 した 姿 や 形 な のである 。 助六 は 花道 で 「 出端 」 と 呼ば れる さまざまな 美しい 動き を 見せる 。 これ は 登場 の ため の ショー の ような 芸 で 、 元禄 歌舞伎 の 重要な 見せ場 であった 。 今では 「 出端 」 は 「 助六 」 以外 に は 残って い ない 。 江戸 時代 に は 、 紫 の 鉢巻き は 魚河岸 、 提灯 は 吉原 など 江戸 の 資産 家 が さまざまな 道具 を 贈る 習わし が あった 。 この後 、 舞台 へ 来た 助六 は 遊女 たち から 歓迎 を 受けて 、 ますます かっこ良く 振る舞う 。 その 様子 を 見て 観客 は 拍手 喝さい を 送る 。 折口 博士 は 「 今日 こういう 時代 に 生まれて も 、 あの 芝居 を 見て 面白い の は 市井 の 血 が さわぐ から だ 」 と 書いて いる が 、 「 助六 」 の 魅力 は 歌舞伎 と 吉原 と いう 江戸 の 二 大 歓楽 地 を 一 つ に して 、 舞台 と 客席 が 一体 に なって 盛大な お祭り を 展開 した ところ に あった のである 。 子供 から 大人 まで 爆発 的 ブーム と なった フジテレビ 系 の アニメ 「 ちび まる子 ちゃん 」 が 、 八 日 から 復活 する 。 さくら ももこ の 原作 で 、 まる子 一家 と クラスメート の ほのぼの ストーリー 。 まる子 の 声 役 の タラコ や ナレーション の キートン 山田 ら 、 登場 する キャラクター も 声優 も 前 の シリーズ と 変わって い ない 。 久々に まる子 の 声 を 出す タラコ は 「 また 、 家族 に 会えた な 、 と いう 感じ です 。 同窓 会 気分 です ね 。 復活 は ない と 思って いた ので 、 とても うれしい 」 。 第 一 話 は 、 さくら の 小学校 時代 の クラスメート 、 清水 エスパルス の 長谷川 健太 選手 と の エピソード を 描いた 「 サッカー 少年 ケン太 」 。 アフリカ ・ モザンビーク で 国連 平和 維持 活動 に 参加 して いた 自衛 隊 の 輸送 調整 中隊 四十六 人 が 六 日 、 帰国 した 。 これ で 資材 輸送 機 に 同乗 して 帰国 途中 の 二 人 を 除いて 同 部 隊員 の 派遣 を 終了 した 。 帰国 した の は 、 昨年 六 月 に 出発 した 第 三 次 派遣 部隊 。 国連 モザンビーク 活動 の 部隊 と して 首都 マプト と ベイラ の 空港 や 港湾 で 、 要員 、 物資 輸送 の 割り当て や 、 出入 国 事務 の 援助 など の 調整 業務 を 行った 。 隊員 たち は 午後 二 時 四十五 分 に 成田 空港 に 到着 、 約 百六十 人 の 家族 や 自衛 隊 関係 者 の 出迎え を 受けた 林田 隊長 は 空港 で 記者 会見 、 「 主要な 目標 である 選挙 でも 、 資材 の 輸送 など に かかわる こと が でき 、 満足 して いる 。 自己 採点 で は 八十 点 を つけ たい 」 と 語った 。 6 日 夕刊 12 面 「 佳子 さま の 似顔絵 」 の 説明 で 「 宮内 庁 病院 の 坂本 正一 医師 」 は 「 宮内 庁 御用 掛 の 坂元 正一 東大 名誉 教授 」 の 誤り でした 。 国 内 に 八万 頭 も の 野生 の ゾウ を 抱える ジンバブエ 政府 は 五 日 、 うち 五千 頭 を 「 売却 、 もしくは 間引き する 」 と 発表 、 環境 保護 団体 が 強い 反発 を 表明 して いる 。 ジンバブエ から の 報道 に よる と 、 国立 公園 の ムンディ 主任 環境 保護 官 は 同国 最大 の ワンゲ 国立 公園 内 の ゾウ に ついて 「 本来 二万 頭 が 適切な 規模 だ が 現在 三万一千 頭 に まで 増加 。 周辺 住民 の 畑 に 被害 が 相次いで おり 、 五千 頭 を 売却 し たい 。 売却 でき ない 場合 は 、 間引き し なければ なら ない 」 と 発表 した 。 アフリカゾウ は 、 東部アフリカ の ケニア など で 減少 して いる の に 対し 、 南部アフリカ の ジンバブエ や ボツワナ で は 増加 して おり 、 ジンバブエ など は ゾウ の 保護 資金 ねん出 の ため 、 現在 ワシントン 条約 で 禁じ られて いる ぞうげ の 国際 商 取引 の 解禁 を 主張 して いる 。 六 日 午後 六 時 四十 分 ごろ 、 伊豆 諸島 神津島 で 震度 4 、 三宅島 で 震度 1 の 地震 が あった 。 気象 庁 の 観測 に よる と 、 震源 地 は 伊豆 半島 南方 沖 で 、 震源 の 深 さ は 四〇キロ 、 地震 の 規模 は マグニチュード 4・5 と 推定 さ れる 。 島根 県 出雲 市 で 行わ れた 第 六十五 期 将棋 棋 聖戦 五 番 勝負 第 三 局 は 、 六 日 午後 七 時 五十二 分 、 六十 一手 で 羽生 善治 棋聖 が 挑戦 者 の 島 朗 八 段 に 勝ち 、 三 連勝 で 四 連覇 を 達成 した 。 羽生 は この 防衛 で 名人 ・ 竜王 ・ 王位 ・ 王座 ・ 棋 王 と ともに 六 冠 を 保った 。 十二 日 から 滋賀 県 彦根 市 の 彦根 プリンスホテル で 行わ れる 第 四十四 期 王将 戦 七 番 勝負 で 、 羽生 は 谷川 浩司 王将 に 挑戦 、 史上 初 の 七 冠 を 目指す 。 偽造 した 土地 登記 簿 を 使って 他人 の 土地 を 売り 、 売却 代金 一億六千万 円 を だまし 取ろう と した と して 、 警視 庁 捜査 二 課 と 原宿 署 は 六 日 、 千葉 県 印旛 郡 富里 町立 沢 新田 、 不動産 会社 社長 、 増田 政美 容疑 者 を 詐欺 未遂 容疑 で 逮捕 した 。 調べ に よる と 増田 容疑 者 は 同県 成田 市 の 不動 産業 、 椎名 仁 容疑 者 と 共謀 し 、 東京 都 大田 区 田園調布 の 他人 の 土地 四五〇 平方メートル の 登記 簿 謄本 や 権利 証 を 偽造 し 、 先月 二十一 日 、 渋谷 区 内 の 会社 役員 に この 土地 を 一億六千万 円 で 売却 しよう と した 。 増田 容疑 者 ら は 法務 局 の 登記 簿 原本 を 抜き取り 、 土地 所有 者 を 椎名 容疑 者 の 名前 に 書き換え 所有 者 に なりすまして いた 。 過去 の 騒音 被害 へ の 賠償 のみ を 認めた 石川 県 小松 市 の 航空 自衛 隊 小松 基地 騒音 訴訟 の 控訴審 判決 に ついて 、 被告 の 国 は 六 日 、 上告 し ない と 発表 した 。 原告 の 住民 側 は 既に 上告 断念 を 決めて いる 。 北海道 内 は 六 日 午後 から 局地 的に 雪 が 強まり 、 札幌 市 南 区 小金湯 で 同 九 時 まで の 六 時間 に 一九 センチ 、 胆振 管 内 早来 町 安平 で 一六 センチ など の 降雪 を 記録 した 。 新 千歳 空港 で は 除雪 が 追いつか ず 、 滑走 路 を 一 時 閉鎖 。 発着 便 が 計 十四 便 欠航 した ほか 、 出発 便 に 最大 三 時間 半 の 遅れ も あり 、 約 千百 人 に 影響 した 。 札幌 管区 気象 台 に よる と 、 七 日 も 日中 から 雪 が 強まり 、 多い ところ で 二〇 ― 三〇 センチ の 降雪 と なる 見込み 。 ルーズベルト 大統領 の 年次 教書 の 詳報 が 「 リスボン 発 同盟 通信 電 」 で 報道 機関 に 入って きた 。 「 全体 的に 見て 、 過去 1 年間 、 われわれ は 勝利 に 向かって 相当な 前進 を 示した 」 と いう 文脈 。 しかし 、 新聞 は 「 対 日 戦 の 困難 覚悟 」 と 報道 して いる 。 大政 翼賛 会 が 小磯 首相 に 強力な 政治 を 断行 せよ 、 と 要望 。 「 東京 都 の 監査 事務 局 と 監査 委員 が 、 懇親 会 で 一 人 当たり 三万四千 円 の 経費 を 支出 した の は 税金 の 無駄遣い だ 」 など と して 六 日 、 都 内 の 男性 が 都 に 監査 請求 を 行った 。 都 は 請求 を 受理 し 、 監査 の 方法 を 検討 する が 、 税金 の 使途 を チェック する 立場 の 監査 委員 が 監査 を 求め られた の は 、 全国 でも 初 の ケース と いう 。 請求 した の は 、 市民 の 立場 から 行政 監視 を 続けて いる グループ 「 世田谷 行革 一一〇 番 」 の 後藤 雄一 代表 = 世田谷 区 。 請求 に よる と 、 同 事務 局 は 昨年 五 月 十八 、 十九 の 両日 、 一 都 九 県 の 監査 委員 を 集め 「 関東 甲 信 越 監査 委員 協議 会 」 を 主催 した 。 初日 は 京王 プラザホテル で 会議 と 懇親 会 を 開催 し 、 十九 日 に は 船 で 「 東京 湾 遊覧 視察 」 を 実施 。 参加 者 に 記念 品 と して ペンダント も 配布 し 、 計 約 四百七十万 円 を 支出 した と いう 。 これ に 対し 、 都 は 「 事務 執行 上 の 支出 と 考えて いる 」 と 説明 して いる 。 当時 の 都 の 監査 委員 四 人 は 全員 懇親 会 に 出席 して いる が 、 後藤 代表 は 「 その後 、 委員 二 人 が 交代 して いる ので 監査 は 可能 と 思う 」 と 指摘 。 都 側 は 「 監査 する 当事 者 が 監査 の 対象 と なった 場合 の 規定 は 地方 自治 法 に は なく 、 監査 方法 を 検討 する 必要 が ある 」 と 話して いる 。 東京 都 武蔵野 市 内 で 保護 さ れた 若い 女性 が 、 記憶 が はっきり せ ず 関係 者 を 捜して いる 。 脳性まひ と 見 られる 症状 で 、 右足 が 動か ない 。 武蔵野 市 が 本人 の 了解 を 得て 六 日 、 公表 した 。 自称 畑原 治美 さん 。 昨年 十 月 一 日 未明 、 武蔵野 市 の スナック で 倒れ 、 病院 に 収容 さ れた 。 武蔵野 市 が 事情 を 聴く と 、 女性 は 「 父 健一 、 母 幸子 は 病死 。 最近 まで 北海道 で マッサージ の 仕事 を して いた 。 福岡 へ 行く 途中 、 乗り継ぎ で 降りた 羽田 から 電車 に 乗った 。 障害 者 手帳 や 現金 三十万 ― 四十万 円 など が 入った 荷物 は コインロッカー に 入れた 」 など と 話した 。 しかし 、 関係 機関 に 照会 して も 該当 者 が 見つから ない 。 女性 は ショック から か 、 まだ 自力 で は 歩け ない が 、 病院 は 「 もう 治療 は いら ない 状態 」 と 市 に 引き取る よう 求めて いる 。 同 市 が 障害 者 施設 に 当たった ところ 、 「 障害 者 手帳 が ない と 預かれ ない 」 と 断ら れた と いう 。 日本 下水 道 事業 団 発注 の 電気 設備 工事 を めぐる 官製 談合 事件 で 、 電機 メーカー 側 の 役員 が 事業 団 の 課長 クラス に まで 接触 して いた こと が 六 日 、 明らかに なった 。 公正 取引 委員 会 は 「 トップ 営業 リスト 」 と 呼ば れる 秘密 資料 を 押収 、 メーカー 上層 部 も 談合 に 関与 し 事業 団 側 と の 癒着 を 深めた と の 見方 を 強めて いる 模様 だ 。 公取委 は 一九九三 年度 分 を 対象 に 、 月 内 に も 九 社 を 独占 禁止 法 違反 容疑 で 告発 する 方針 で 審査 を 進めて いる が 、 九 社 の 担当 者 は 調べ に 対し 黙秘 する など 、 悪質 さ が 浮き彫り に なって いる 。 談合 に かかわった の は 日立製作所 、 東芝 、 三菱電機 、 富士 電機 、 明電舎 の 大手 五 社 と 、 安川 電機 、 日新 電機 、 神鋼電機 、 高岳製作所 の 中堅 四 社 。 この 九 法人 と 各社 の 部 課長 クラス の 営業 幹部 が 告発 対象 に なって いる 。 公取委 が 立ち入り 検査 で 押収 した 「 トップ 営業 リスト 」 に よる と 、 電気 設備 工事 に 関して 、 事業 団 側 の 窓口 に なる 工務 部 次長 や 電気 課長 も 、 役員 に よる トップ 営業 の 対象 に なって いた 。 同 事業 団 へ の トップ 営業 は 通常 、 理事 長 や 担当 理事 まで 。 電気 設備 工事 部門 だけ が 特別 扱い に なって おり 、 メーカー 側 が 事業 団 主導 の 談合 を 重視 、 課長 に まで 表敬 訪問 して いた と み られる 。 公取委 の 調べ に よる と 、 同 事業 団 は 九〇 年 から 、 大手 五 社 八〇 % 、 中堅 四 社 二〇 % の シェア 枠 を 指示 。 例年 、 予算 決定 後 の 五 月 に 、 九 社 に その 年度 の 工事 内容 や 予算 を 詳細に 伝える 説明 会 を 事業 団 近く の ビル で 開催 。 メーカー 側 は この 直後 に 、 担当 者 に よる 「 ドラフト 会議 」 を 開き 、 シェア 枠 内 で 工事 を 割り振って いた 。 これ まで の 審査 で 、 公取委 は この 談合 が 、 告発 方針 に 該当 する 「 国民 生活 に 広範な 影響 が ある 悪質 事案 」 に あたる と 判断 。 時効 や 証拠 の 関係 で 告発 の 対象 時期 を 九三 年度 に 絞った 。 メーカー 側 は 公取委 の 審査 に 非 協力 的で 、 事業 団 幹部 が 「 公取委 に 余計な 事 を 言わ ない ように 」 と 口止め を して いた こと も 判明 して おり 、 検察 当局 は 告発 を 受けて 捜査 に 着手 、 徹底 解明 する 方針 。 同 事業 団 の 九三 年度 の 電気 設備 工事 の 発注 総額 は 四百六十七億 円 余 で 、 九 社 が この うち 約 四百二十九億 円 を 受注 して いる 。 埼玉 県 行田 市 持田 三 、 会社 役員 、 川崎 明男 さん の 死体 遺棄 容疑 事件 で 、 同県 大里 郡 江南 町 板井 、 犬 猫 繁殖 販売 業 、 関根 元 容疑 者 は 六 日 、 死体 遺棄 に ついて 大筋 で 認める 供述 を 始めた が 、 偽装 工作 と み られる 川崎 さん の 乗用車 移動 の 状況 が 速度 違反 カメラ に よって 撮影 さ れて いた こと が 、 同 県警 捜査 一 課 と 行田 署 の 調べ で 分かった 。 また 、 遺体 の 搬送 に は 関根 容疑 者 の 大型 キャンピングカー が 使わ れて いた こと も 判明 した 。 黙秘 を 続けて いた 関根 容疑 者 から 供述 を 引き出す 状況 証拠 の 一 つ に なった と み られる 。 調べ に よる と 、 川崎 さん の 車 は 失跡 翌日 の 一昨年 四 月 二十一 日 午前 二 時 四十 分 ごろ 、 JR 東京 駅 地下 の 八重洲 東 駐車 場 に 別の 一 台 の 車 と ともに 入庫 、 川崎 さん の 車 だけ が 乗り捨て られた こと が 確認 さ れて いる 。 同 県警 で 調べた ところ 、 数 時間 前 、 関越 自動車 道 を 東京 方面 に 走る 川崎 さん の 車 が 道路 に 設置 さ れた N システム と 呼ぶ 速度 違反 車両 撮影 カメラ に 撮影 さ れて いた 。 一方 、 埼玉 県警 と 群馬 県警 は 六 日 夕 、 この 事件 の 合同 捜査 本部 を 設置 した 。 葬儀 委員 長 は 白石 司 九 電工 社長 。 喪主 は 妻 スナ さん 。 昨年 十二 月 二十九 日 、 七十八 歳 で 亡くなった 日本画 家 の 森田 曠平 さん の 葬儀 ・ 告別 式 が 六 日 、 横浜 市 港北 区 の 妙蓮寺 斎場 であり 、 平山 郁夫 さん ら 画壇 関係 者 を はじめ 約 六百 人 が 参列 し 、 めい福 を 祈った 。 森田 さん は 昨年 十一 月 まで 毎日新聞 で 小池 一夫 さん 作 「 夢 源氏 剣 祭文 」 の 挿画 を 連載 し 、 これ が 最後 の 仕事 と なった 。 斎藤 明 ・ 毎日新聞社 主筆 は 「 森田 先生 が 命 を かけて 描いて くれた 絵 と その 心 は 読者 の 胸 に 生き 続ける でしょう 」 と 別れ の 言葉 を 述べた 。 遺族 を 代表 して 森田 さん の 女婿 で 彫刻 家 の 菅原 二郎 さん は 「 絵 を 描く 腕 な ので 右手 は 大事に して くれ と いって いた 姿 が 目 に 浮かぶ 」 と 語って 会場 の 涙 を 誘った 。 戒名 は 生前 に 故人 が 決めて いた 「 夜来庵曠平居士 」 。 東京 税関 成田 支署 と 新 東京 空港 署 は 六 日 まで に 約 五キロ の 大麻 樹脂 を バッグ に 隠して 密 輸入 しよう と した フィリピン 航空 の フィリピン 人 スチュワーデス 、 マリアクリスティナ ・ マガリヨン 容疑 者 と 千葉 県 成田 市 内 で 受け取ろう と した 英国 人 男性 、 ポール ・ ブラムソン 容疑 者 を 関税 法 と 大麻 取締 法 違反 の 疑い で 逮捕 、 千葉 地検 に 送検 した 。 マガリヨン 容疑 者 は 昨年 十二 月 十九 日 午後 八 時 二十 分 ごろ 、 マニラ から 成田 空港 に 着いた が 、 底 を 二 重 に 細工 した 衣装 バッグ に 大麻 樹脂 を 入れ 持ち込もう と した ところ を 現行 犯 逮捕 。 ホテル に 二十 日 現れた ブラムソン 容疑 者 に 事情 を 聴いた ところ 容疑 を 認めた ため 緊急 逮捕 した 。 フィリピン 人 エンターテイナー を あっせん し 、 雇用 主 と なった 日本 人 業者 ら から 、 在 日 フィリピン 大使 館 の 職員 が 「 寄付 」 の 名目 で 、 事務 機器 など を 受け取って いた 疑い が 強まり 、 当地 の 出稼ぎ 労働 者 団体 「 アジア 太平洋 ・ 中東 移民 同盟 」 は 六 日 、 コンフェソール 労 相 と 同 大使 館 の 労働 担当 職員 二 人 を 汚職 容疑 で 行政 監察 局 に 告発 した 。 告発 状 に よる と 、 二 人 は 労 相 の 指示 に 従って 業者 に せがみ 、 一九九三 年 七 月 から 九四 年 八 月 に かけて 事務 機器 の ほか 、 乗用車 一 台 、 携帯 ミシン 二十 台 など も 受け取った 。 松下 電器 産業 と 松下 電池 工業 は 、 ノート 型 パソコン や 携帯 電話 など 大 電流 を 必要 と する 機種 に 対して は 従来 の 1・5 倍 長持ち する 単 3 と 単 4 の アルカリ 電池 を 2 月 から 発売 する 。 正極 に 電気 が 流れ やすい 新 開発 の 黒鉛 を 採用 した うえ 、 電気 を 起こす 二酸化マンガン の 量 を 5 % 増やした 。 価格 は 単 3 、 単 4 と も 従来 と 同じ 160 円 。 サントリー の 鳥井 信一郎 社長 は 六 日 の 記者 会見 で 、 同社 の メーン 商品 「 モルツ 」 の 味 、 デザイン を 一新 し 、 ブランド 力 を 強化 する こと を 明らかに した 。 新 モルツ は 新 酵母 を 使用 する こと など で 、 より さわやかな 香り 、 より ストレートな のどごし に なった と いう 。 発売 は 二 月 上旬 に なる 見込み で 、 対 前年 一〇 % 増 の 二千三百三十万 ケース を 目標 に して いる 。 ビール 市場 で は 一九九〇 年 以降 、 各社 と も 新 商品 の 販売 は 伸び悩んで おり 、 「 モルツ 強化 」 は 消費 者 の 主力 商品 へ の 回帰 傾向 に 対応 する もの 。 同 社長 は 「 発売 十 年 目 を 機 に 大黒柱 と して 育て たい 」 と して いる 。 ビール 業界 で は 、 新 製品 の シェア は 九〇 年 に 二 けた 台 だった が 、 その後 低下 。 さらに 九四 年 は 夏 の 猛暑 で 家庭 内 の ビール 消費 が 急増 、 国 内 ビール 市場 が 過去 最高 の 前年 比 四 ― 五 % の 伸び を 見せる 中 、 サントリーブランド は 業務 用 比率 が 他社 より 高い こと から 、 同 二 % の 伸び に とどまって いる 。 年 末 年始 に 関西 国際 空港 から 外国 に 出かけた 人 は 十七万九千七百 人 。 前 年度 の 大阪 空港 の 時 より 約 七〇 % も 増えた 。 六 日 、 大阪 入国 管理 局 関西 空港 支局 が まとめた 。 帰国 ピーク の 一 月 四 日 は 出入 国 者 合わせて 三万二千四百 人 で 、 開港 以来 、 最高 を 記録 した 。 また 、 国 内 航空 六 社 が まとめた 同 時期 の 関西 、 大阪 両 空港 の 国 内 線 利用 者 は 八十一万九千 人 。 前年 の 大阪 空港 より 増便 で 一三 % 増えた が 、 一 便 当たり の 搭乗 率 は 各社 と も 一一 ― 四 ポイント 下がった 。 ◆ 分裂 の 胎動 が 日増しに 高まる 社会党 。 動向 に 目 が 離せ ませ ん 。 旧知 の 同 党 元 国会 議員 は 年賀 状 に 「 自分 たち の 墓 掘り を 喜々と して やって いる の を 見る に つけ 、 慙愧 に 堪え ない 」 と 。 新党 結成 の 動き 次第 で 、 現 政権 崩壊 ―― 総 選挙 へ と なだれ込む こと も 。 来年 の 正月 、 今 の 社会党 が 存在 し ない こと だけ は 確か ? ◆ ペット 店 の 男女 が 逮捕 さ れた 埼玉 の 愛犬 家 死体 遺棄 容疑 事件 。 「 昨年 の 大阪 の 愛犬 家 殺人 事件 と そっくり 」 と 思った 読者 も 多い はずです 。 「 特異な 事件 は 連鎖 的に 起きる もの な の か 」 。 大阪 事件 に 続いて 埼玉 事件 が 表面 化 した 時 の 驚き は 今 も 鮮烈です 。 戌 年 が 過ぎて も 犬 の 恨み は なお …… でしょう か 。 六 日 午後 二 時 半 ごろ 、 大阪狭山 市 大野 東 、 近畿 大学 付属 病院 地下 一 階 の 機械 室 に ある 排水 槽 の 中 に 入った 同 市 池之原 の 清掃 会社 「 石川 産業 」 の 作業 員 ら 三 人 が 相次いで 倒れる など した 。 通報 で 約 二十 分 後 に 大阪狭山 市 消防 本部 の 救助 隊員 が 駆けつけた が 、 同社 社長 、 石川 清成 さん が 一 酸化 炭素 中毒 で まもなく 死亡 。 東端 寛治 さん が 意識 不明 の 重体 、 瀬口 猛 さん が 軽症 。 府警 黒山 署 の 調べ で は 、 排水 槽 は 機械 室 の 床下 に あり 、 病院 内 で 出る 汚水 を 一時的に ため 、 底 に 取り付けた 排水ポンプ で 外 に 流して いる 。 この ポンプ が 故障 し 、 石川 さん ら 三 人 が 午後 一 時 ごろ から その 取り換え 作業 を 始めた 。 先に 槽 内 に 入った 東端 さん が 倒れ 、 これ に 気づいた 石川 さん が 、 東端 さん を 助けよう と 槽 内 の はしご を 伝って 底 に 下り 、 石川 さん も 倒れた 。 同様に 瀬口 さん も 中 に 入ろう と した が 、 途中 で 気分 が 悪く なり 、 自力 で 外 に 出て 助け を 求めた と いう 。 同 署 は 、 槽 底 に たまった 雑排水 から 自然 発生 した 一 酸化 炭素 ガス が 原因 と みて 調べて いる 。 同 病院 は 十一 階建て 。 病床 数 千八十五 床 。 入院 患者 ら の 避難 騒ぎ は なかった 。 七 日 午前 零 時 四十五 分 ごろ 、 大阪 市 北 区 中之島 五 、 「 ロイヤルホテル 」 西館 の 十三 階 一三二三 号 室 から 出火 。 大阪 市 消防 局 から はしご 車 、 消防 車 など 計 十七 台 が 出動 した が 、 室 内 の スプリンクラー が 作動 し 、 同室 の ベッド や 壁 など が 燃えた だけ で 、 すぐに 消えた 。 ホテル 側 の 誘導 で 十二 、 三 階 の 宿泊 客 約 十 人 が 階下 に 避難 した 。 けが人 は なかった 。 大阪 府警 天満 署 で 原因 を 調べて いる が 、 火元 の 部屋 の 宿泊 客 は 出火 当時 、 外出 中 だった 。 同 ホテル は 西館 と 、 三十 階建て の 東 館 が 隣接 。 客室 は 計 千二百 室 で この 日 は 約 六百 人 が 宿泊 して いた 。 現場 は JR 大阪 駅 南西 約 二キロ 。 仙台 市 泉 区 で 一九八五 年 十一 月 、 日本画 家 の 妻 高田 サチ子 さん が 自殺 を 偽装 して 殺害 さ れた 事件 で 、 香川 県警 が 殺人 容疑 で 再 逮捕 した 香川 県 大川 郡 長尾 町 造田野間田 、 工員 、 山〓 義雄 被告 と 、 共謀 の 疑い で 逮捕 した 妻 の 勝枝 容疑 者 ▽ 徳島 県 鳴門 市 撫養 町 南浜 、 寺 執事 、 山城 淳二 容疑 者 の うち 、 勝枝 容疑 者 も 六 日 、 犯行 を 自供 した 。 山城 容疑 者 は 全面 否認 して いる と いう 。 調べ に よる と 、 山城 容疑 者 は 、 サチ子 さん を 当時 経営 して いた 会社 の 従業 員 と 偽って 複数 の 生命 保険 を 掛けて いた 。 山〓 被告 は 「 山城 容疑 者 に 頼ま れて 殺した 」 と 供述 、 事件 後 に 保険 会社 から 支払わ れた 約 千八百万 円 の うち 、 八百万 円 前後 を 報酬 と して 受け取って いた こと を 認めて いる 。 山城 容疑 者 は 失効 した 分 を 含め 、 他 に も 保険 を 掛けて おり 、 県警 は 山城 容疑 者 が 計画 的に 犯行 を 準備 して いた と 見て いる 。 香川 県 内 の 食品 販売 業者 を 殺害 した 疑い で 山〓 被告 と ともに 逮捕 、 起訴 さ れた 松山 市 の トラック 運転手 、 藤沢 高則 被告 が 、 県警 の 調べ に 対し 「 以前 、 サチ子 さん を 殺そう と 山〓 被告 と 数 回 、 仙台 に 行った が 失敗 した 」 と 供述 した こと から 、 新たな 殺人 容疑 が 浮上 した 。 マリンレジャー の 普及 に 伴い 急増 中 で 海難 事故 も 増えて いる 。 マリーナ 不足 に よる 海岸 や 湖岸 で の 不法 係留 も 問題 化 して いる 。 岡山 市 の 私立 真備 学園 高校 内 で 、 田中 義臣 教諭 が 脳 内出血 で 倒れ 、 死亡 した の は 過労 死 だ と して 妻子 三 人 が 学校 法人 ・ 真備 学園 を 相手取り 総額 約 四千万 円 の 損害 賠償 を 求めた 裁判 で 、 一 審 の 岡山 地裁 で 先月 二十 日 に 約 千二百万 円 の 支払い を 命じ られた 真備 学園 側 は 六 日 まで に 、 広島 高裁 岡山 支部 に 控訴 した 。 「 因果 関係 の 認定 や 、 健康 診断 で 血圧 検査 を する など して おれば 予見 は 可能だった 、 と する 判断 に 不服 」 と して いる 。 京都 市 内 で 偽造 1000 円 札 が 相次いで 見つかって いる 「 千 D ― 13 号 」 事件 で 6 日 、 同 市 中京 区 の 京都 中央 信用 金庫 西 御池 支店 で 新たに 1 枚 が 発見 さ れ 、 ニセ札 は 計 8 枚 と なった 。 京都 府警 捜査 二 課 の 調べ で は 、 午前 9 時 すぎ 、 同 区 内 の 無職 男性 が 預金 の ため 窓口 に 出した 1000 円 札 6 枚 の 中 に 含ま れて いた 。 記 番号 は 「 ZB 709487 X 」 で 、 昨年 12 月 に 三菱 銀行 京都 支店 で 見つかった 2 枚 と 同じ 。 クルーザーヨット や モーターボート など 千三百 隻 収容 。 総 工費 約 百十億 円 。 兵庫 県 西宮 市 沖 の 埋め立て 地 に ほぼ 完成 した 日本 一 の 規模 を 誇る 新 西宮 ヨット ハーバー 。 オープン は この 四 月 だ が 、 閑古鳥 が 鳴き そうだ 。 沿岸 部 に 係留 中 の 約 九百 隻 の プレジャーボート を この ヨット ハーバー に 移す 県 の 計画 に 対し 、 ボート を 保管 する 業者 ら の 多く が 反発 、 移転 に そっぽ を 向いて いる ため だ 。 「 県 は ウソつき だ 。 信用 でき ない 」 。 昨年 十二 月 初め 、 約 五十 人 の ヨット オーナー を 集めて 地元 の 西宮 浜 産業 交流 会館 で 開か れた 移転 説明 会 でも 県 担当 者 へ の 不信 の 声 が 渦巻いた 。 ヨット ハーバー は 県 の マリーナシティ 計画 の 目玉 施設 の 一 つ 。 沿岸 部 から 数百 メートル 沖合 の 埋め立て 地 の 南端 に 位置 する 。 県 は 沿岸 部 の 再 開発 を 視野 に 入れ 、 プレジャーボート を すべて ここ に 移す 予定 だった 。 計画 を 発表 した 一九八七 年 ごろ から 、 係留 施設 を 持つ 業者 など と 話し合い を 進め 、 当初 は ほとんど が 移転 に 同意 する 姿勢 を 見せて いた 。 ところが 、 約 五 年 前 から 業者 の 態度 が 一変 、 移転 に 反対 する ように なった 。 ヨット ハーバー の 建設 が 国庫 補助 事業 で 、 事業 主体 が 県 や 市 など 出資 の 第三セクター である こと が 分かり 、 民間 業者 は 営業 を 制約 さ れる こと に なった ため だ 。 「 公共 施設 」 を 理由 に 、 第三セクター の 下請け 業務 しか でき ない 、 と いう のだ 。 「 県 は 計画 時 から 国庫 補助 事業 だ と 分かって いた はずだ し 、 事業 主体 も 県 直営 か 第三セクター しか 考え られ なかった はず 。 今さら 公共 性 を 持ち出さ れて も 。 だまさ れた も 同然 」 と 多く の 業者 が 憤慨 する 。 結局 、 移転 に 同意 した の は 約 百八十 隻 の ヨットクラブ の オーナー だけ 。 多く が 大型 艇 で 、 海 を またぐ 阪神 高速 湾岸 線 の 橋脚 の 下 を 航行 でき なく なる ため 一昨年 春 、 やむ を 得 ず 同意 した 。 しかし 、 その ヨット を 保管 して いた 業者 は 県 に 営業 補償 を 要求 。 沿岸 部 に 新たに 約 百 隻 分 の 係留 施設 設置 を 許可 さ れた 。 百八十 隻 の ヨット は 建設 途中 の ヨット ハーバー に 間もなく 移った が 、 その 年 の 秋 、 台風 で 半分 近く が 損傷 ・ 沈没 。 阪神 高速 道路 公団 と 第三セクター は 計 五億二千万 円 も の 補償 を する 羽目 に なった 。 これ と は 別に 、 ヨット ハーバー が できたら そこ に 移る こと を 前提 に 七 年 前 、 約 二百二十 隻 の ヨット が 埋め立て 地 の 一角 に 緊急 避難 的に 移った 。 湾岸 線 へ の アクセス道路 建設 ルート に ひっかかり 、 立ち退き を 強い られた ため で 、 県 が 移転 先 と して 臨時 に 桟橋 を 設けた 。 オーナー ら は 現在 も この 桟橋 に ヨット を 係留 して いる が 、 今では ほぼ 全員 が ヨット ハーバー へ の 移転 に 反対 して いる 。 神戸 市 に 住む ある オーナー は 「 今 なら 年間 数 万 円 の 係留 料 が 、 新 ハーバー で は 平均 その 十 倍 、 三 年 分 の 保証 金 も 必要に なる 。 こんな 話 は 全然 聞いて い なかった 。 移れる わけ が ない 」 と 怒り を 隠さ ない 。 移転 話 が “ 座礁 ” して いる 現状 に ついて 、 本間 清光 ・ 県 港湾 課 副 課長 は 「 ヨット ハーバー の 事業 主体 など が はっきり し ない 中 で 、 あいまいな まま 移転 交渉 を 進め 、 すれ違い が あった の は 事実 。 理解 を 得て 移転 に 協力 して もらう しか ない 」 と 苦渋 の 表情 だ 。 マリーナシティ 計画 を めぐって は 昨年 春 、 西宮 市長 が 、 ヨット ハーバー と は 別に 埋め立て 地 の 開発 に あたる 企業 から 百万 円 の 献金 を 受けた こと が 市議 会 で 問題 化 した 。 刑事 事件 に は なら なかった が 、 市民 の 不信 を 買い 、 シティ 計画 自体 も 着工 が 当初 の 見込み より 二 年 以上 も 遅れ 、 実現 すら 危ぶま れて いる 。 日本 一 の ヨット ハーバー も 、 ずさんな 行政 の ツケ に より 、 高波 を かぶる 船出 と なり そうだ 。 午前 十 時 五十三 分 ごろ 、 盛岡 、 八戸 で 余震 と み られる 震度 1 の 地震 が あった 。 仙台 管区 気象 台 の 観測 に よる と 、 震源 地 は 岩手 県 沖 で 震源 の 深 さ は 約 四〇キロ 。 さらに 、 同 十一 時 三十六 分 ごろ 、 八戸 、 青森 、 盛岡 で 震度 3 、 函館 、 大船渡 など で 震度 2 の 余震 が あった 。 気象 庁 に よる と 、 震源 地 は ほぼ 同じで 、 M 6・2 、 震源 の 深 さ は 約 三〇キロ 。 村山 富市 首相 は 七 日 午前 、 社会党 の 「 新 民主 連合 」 が 新党 準備 会 を 発足 さ せた こと に ついて 「 分裂 に は なら ない 」 と の 見通し を 示した 。 また 、 山花 貞夫 新民連 会長 と の 会談 の 可能 性 に ついて は 「 向こう が 言って くれば 会う が 、 こちら から 行く と いう こと は ない 」 と 述べた 。 首相 公邸 で 記者 団 に 答えた 。 チェチェン 報道 を めぐり 、 国営 ロシア ・ テレビ の ポプツォフ 社長 解任 の 動き が 伝え られた が 、 同 社長 は 六 日 夜 「 チェチェン 報道 で 真実 を 伝えて いる ため に 起きた ことだ 。 大統領 周辺 で 影響 力 を 持つ 人々 が 行った もの だ 」 と 述べた 。 一方 、 同 局 の 従業 員 集団 は 、 解任 令 は ロシア の 民主 主義 の 崩壊 を 招く と して 、 エリツィン 大統領 に 解任 撤回 を 求める アピール を 送った 。 ロシア の 国営 テレビ は 同 局 と オスタンキノ の 二 局 。 オスタンキノ が 政府 寄り の 報道 を 行って いる の に 対し 、 ロシア ・ テレビ は 現地 から の 映像 を 駆使 して 政府 発表 を 否定 する チェチェン 報道 が 目立った 。 四 日 夜 の ニュース で は 兵士 の 遺体 が ころがる グロズヌイ の 街 を 映した 。 ポプツォフ 氏 は チェチェン 報道 で 当局 から 強い 圧力 を 受けて いた こと を 認めた 。 民間 の NTV も チェチェン 進攻 非難 の キャンペーン を 行って おり 、 ソスコベツ 第 一 副 首相 は 放送 免許 取り消し も あり 得る と 警告 。 この 解任 報道 は 六 日 、 エリツィン 大統領 と 会談 した 人権 活動 家 の セルゲイ ・ コワリョフ 氏 が 、 「 大統領 が ポプツォフ 氏 解任 の 大統領 令 に 署名 した 」 と 述べた こと から 表面 化 した 。 しかし 、 大統領 首席 補佐 官 の イリューシン 氏 は 同日 、 この 発言 を 否定 して いる 。 ロシア の 人権 活動 家 で ロシア 軍 の 空爆 の 間 、 チェチェン 共和 国 の 首都 グロズヌイ に とどまって いた セルゲイ ・ コワリョフ 氏 は 六 日 、 クレムリン で エリツィン 大統領 と 会談 した 。 同氏 は 記者 会見 で 大統領 が 悩んで いる 、 と 印象 を 語った 。 安全 保障 会議 の 直後 に 行わ れた 会談 で コワリョフ 氏 は 、 大統領 が 強硬 派 の 情報 の とりこ に なり 冒険 主義 に 走ら さ れて いる こと を 指摘 。 首都 空爆 中止 命令 後 も 空爆 が 行わ れた こと を ただす と 、 大統領 は 「 チェチェン で 起きて いる こと は 理解 して いる 。 誤った 情報 は 受けて い ない 」 と 語った 。 これ に 対し コワリョフ 氏 が 「 私 は この 目 で 空爆 の 模様 を 見た 。 私 を 信じ ない の か 」 と たたみかける と 、 大統領 の 答え は 「 いや 、 信じて いる 」 と いう もの だった 。 エリツィン 大統領 は 安保 会議 の 冒頭 「 首都 空爆 中止 命令 後 も 空爆 が 行わ れて いる と の 情報 が ある 。 この 点 で 国防 相 から の 明確な 説明 を 待って いる 」 と 述べ 、 軍 の 行動 に 疑問 を 抱いて いる こと を 示唆 して いた 。 コワリョフ 氏 は 会談 中 の エリツィン 大統領 に ついて 「 彼 の 表情 は 困惑 して いた 。 私 の 発言 に も 全体 の 状況 に も 不満の ようだった 」 と 語った 。 さらに コワリョフ 氏 が 七 日 の クリスマス の 休戦 を 提案 する と 、 大統領 は 「 まだ 早 すぎる 」 と 答えた と いう 。 コワリョフ 氏 は ソ連 時代 に 十 年間 の 収容 所 と 流刑 生活 を 送った 。 長い 間 エリツィン 大統領 の 支持 者 だ が 、 現在 は 下院 議員 で 、 大統領 任命 の 人権 問題 全権 代表 で も ある 。 チェチェン 進攻 直後 から 新年 の 首都 攻防 戦 まで グロズヌイ に とどまり 、 非 人道 的な 空爆 を 厳しく 非難 して いた 。 「 ポスト ・ ベルルスコーニ 」 を めぐり 混乱 して いる イタリア 政界 で 六 日 、 ベルルスコーニ 政権 与党 の マフィア 関連 疑惑 が 浮上 して きた 。 同 与党 の マフィア 疑惑 が 明るみ に 出た の は 初めて 。 下院 反 マフィア 委員 会 も 近く 調査 を 開始 する 見込み で 、 スカルファロ 大統領 が 進めて いる 暫定 政権 構想 の 行方 に も 影響 を 及ぼし そうだ 。 検察 の 発表 や 有力 紙 の 報道 など に よる と 、 マフィア の 本拠 地 である 南 イタリア の シチリア の 警察 当局 が 昨年 三 月 に 行わ れた 総 選挙 の 前後 に 、 マフィア 組織 から の 「 協力 者 」 の 情報 で 関係 者 の 電話 盗聴 を 行った 。 その 結果 、 ベルルスコーニ 氏 が 党首 の 「 フォルツァ ・ イタリア 」 の 上院 院 内 総務 である ラ ・ ロッジャ 議員 や 、 三 大 与党 の 一角 を 占めて きた 「 国民 同盟 」 の スカローネ 上院 議員 ら と マフィア の 関係 を 裏付ける 証拠 が 確認 さ れた と いう 。 服役 中 の マフィア の ボス の 一 人 、 サルバトーレ ・ リイナ 氏 へ の 顧問 会計 士 の 電話 盗聴 で は 、 ラ ・ ロッジャ 上院 院 内 総務 ら 同 党 議員 ら の 票 まとめ の 打ち合わせ など が 詳細に 記録 さ れた 。 この 中 で 顧問 会計 士 は 「 フォルツァ ・ イタリア は 我々 の 希望 の 星 だ 。 絶対 に 政権 に つか せ なければ なら ない 」 と 構成 員 たち に ゲキ を 飛ばした と いう 。 スリランカ の クマラトゥンガ 大統領 は 六 日 、 八 日 から の 停戦 協定 発効 に ともない 、 タミル人 分離 独立 軍事 組織 「 タミル ・ イーラム 解放 の トラ 」 、 第三国 を 含む 停戦 監視 団 が 組織 さ れる と 発表 した 。 監視 団 は ゲリラ 支配 地域 である ジャフナ 半島 と 政府 軍 制圧 地域 の 境界 に 六 チーム が 展開 。 各 チーム が 政府 側 、 LTTE 側 各 二 人 、 中立 国 一 人 の 五 人 から 構成 さ れ 、 停戦 と 敵対 部隊 行動 の 監視 に あたる 。 大統領 は ノルウェー 、 オランダ 政府 が 監視 員 派遣 に 同意 して いる と 語った 。 過去 二 回 の 停戦 発効 で は 監視 団 は 構成 さ れ なかった 。 今回 、 実効 的な 成果 を 上げれば 、 十四 日 から の 和平 予備 交渉 に 弾み を つける もの と して 期待 さ れる 。 米国 ホンダ は 七 日 、 米国 で 最も 厳しい カリフォルニア 州 の 排ガス 基準 を 満たした 車 を 開発 した 、 と 発表 した 。 ガソリンエンジン 車 で 同 基準 を クリア した の は 本田 が 世界 で 初めて 。 米国 で 販売 して いる 乗用車 「 アコード 」 を ベース に した もの で 、 同 州 大気 保全 局 の 試験 で 確認 さ れた 。 同社 は 一九九七 年 末 の 市販 化 を 目指す 。 カリフォルニア 規制 は 、 州 内 で 乗用車 を 量販 する 自動車 会社 に 対し 、 二〇〇〇 年 まで に 全 販売 台 数 の 排ガス の 平均 値 を 九四 年 の 水準 から 約 九〇 % 低減 する と いう 厳しい 基準 の 達成 を 義務づけた もの 。 この ため 、 世界 の 自動車 メーカー が 開発 に しのぎ を 削って いる 。 基準 を クリア した 試験 車 は 、 アコード の 米国 仕様 車 に 使わ れて いる 二 、 二〇〇 CC の 4 気筒 「 VTEC 」 エンジン が ベース 。 VTEC は 、 バルブ の 開く タイミング を 自由に 変える こと など で 低 燃費 を 実現 した 本田 独自 の 技術 。 同 エンジン を 改良 した ほか 、 触媒 の 改善 など で 排ガス の 低減 に 成功 した 。 米 最大 の 経済 専門 紙 、 ウォールストリート ・ ジャーナル が 6 日 付 から スポーツ 面 を 新設 した 。 毎週 金曜日 発行 の 紙面 に 、 スポーツ 情報 を 提供 、 経済 専門 紙 から の 脱皮 を 試みる と いう 。 ロシア 軍 は 六 日 、 先月 十一 日 の チェチェン 軍事 進攻 以来 、 少なくとも 二百五十六 人 の 将兵 が 戦死 した と 報じた 。 インタファクス 通信 が 報じた もの で 、 内訳 は 地上 軍 が 将校 六十三 人 を 含む 百十六 人 、 空てい 部隊 が 約 百 人 、 内務 省 軍 が 四十 人 と なって いる 。 一方 、 同日 の モスクワ ・ ニュース 紙 は 、 ロシア 軍 の 死者 を 約 千八百 人 以上 で 、 うち 約 千 人 は 年 末 から 新年 に かけて の 首都 総 攻撃 で 死亡 した と 伝えた 。 同 紙 に よる と 、 チェチェン 市民 の 死者 は 約 二千 人 に 上る と いう 。 クリントン 米 大統領 は 六 日 、 ロシア の チェチェン 紛争 で 民間 人 の 犠牲 者 が 増加 して いる こと に 深い 失望 と 懸念 を 示す 親書 を エリツィン 大統領 に 送付 した 。 米 大統領 が 紛争 を めぐって 親書 を 送った の は 初めて 。 クリントン 大統領 は 親書 の 中 で 、 紛争 解決 の 具体 的な 手段 と して 、 ロシア も 参加 して いる 全欧 安保 協力 機構 の 活用 を 進言 した と いう 。 時計 を 思いっきり 巻き戻して 、 植民 地 時代 に 紛れ込んだ ようだった 。 ネパール 南部 メゴリ の エレファント ・ ポロ 世界 選手 権 。 ポロ を 愛する 英国 人 ら 五十 人 が 集まり 、 ゾウ の 背中 で 楽しむ お祭り イベント だ 。 昔 、 インド 亜 大陸 の 主人 だった 英国 人 が 無心に 興じ 、 縄 の 外 から 世界 最貧国 の 住民 が ジッと 見詰める 。 どこ か いびつな この 格差 ―― 。 それにしても 、 さすが は 趣味 に 凝る 英国 人 。 よくぞ 、 考えついた 。 「 しゃれだ ね 、 最初 は 。 馬 で できる んだ から 、 ゾウ でも やれる だろう って 、 仲間 が ブラディーマリー で 盛り上がって る うち 、 じゃあ やって みる か と なった 」 と 語る 主催 者 の ジム ・ エドワード 氏 は 、 近く の チトワン 国立 公園 内 で 外国 人 観光 客 を 相手 に サファリパーク を 経営 する 。 今回 は 、 迎えて 十三 回 目 。 ほとんど だれ も 知ら ない 酔狂 を 、 ヒマラヤ の 田舎 で 十三 年 も 続ける の が 、 またまた ジョンブル らしい 。 参加 した の は 、 香港 に 駐屯 する 史上 最強 グルカ 旅団 の 現役 ・ 退役 将校 、 銀行 家 、 証券 マン 、 スコッチ 販売 業者 ら アジア の 英 連邦 国 に 駐在 の 英国 人 が 中心 だ 。 遠く 本国 から 参じた 人 も いて 、 気分 は もう 「 よみがえれ 、 東インド会社 」 。 昔 も 今 も ネパール の 人 たち が 、 黙々と 大会 運営 の 下働き を する 。 ここ の 法定 最低 賃金 は 、 一 日 五十 ルピー だ 。 試合 は 文句なしに 面白い 。 双方 の ゾウ 計 八 頭 が 、 球 を 追って 入り乱れ 、 文字通り の 地響き 。 背中 で ゾウ 使い の 後ろ に 座る 英国 人 が 、 腰 を 折り曲げて 地上 の 球 を 打つ が 、 なにしろ 三 メートル の 高 さ 。 珍 プレー に 、 予期 せ ぬ 超 美技 が 入り交じる 。 そのうち ゾウ が 突如 、 足 の ドリブル で ゲット 。 大きな 耳 を バタつか せ 「 パオーン 」 と 勝ちどき を 上げた 。 チーム の 参加 費用 五千 ドル 、 個人 参加 費 千五百 ドル 。 経費 を 差し引き 約 二万 ドル が 、 サイ 密猟 対策 費 と して チトワン 国立 公園 に 寄付 さ れる 。 娯楽 の ない 村人 も 楽しんだ 。 なのに 、 スッキリ し ない 。 プレー を 終えた 英国 人 が あおる 二百 ルピー の ビール と 、 村人 が かじる 一 ルピー の サトウキビ の 差 が 、 植民 地 時代 の 支配 、 被 支配 関係 を 今 も 反映 する から だ 。 英 本国 で こんな ゼイタク が 可能 か 。 動物 愛護 団体 が 黙って る か 。 エドワード さん 、 時 と 場所 、 間違えて ませ ん ? 頑張れ 、 ネパール 。 植民 地 時代 は 終わった ぞ 。 おかしくて 、 そして 悲しき ゾウ さん の ポロ ―― 。 今回 は 、 8 チーム が 参加 した 。 と いって も 国別 予選 が ある わけで は なく 、 友人 同士 が 連れ立って 年 1 度 、 ネパール へ 。 毎年 、 国立 公園 職員 の 1 チーム が 参加 。 サファリパーク など の ゾウ が 合計 16 頭 動員 さ れ 、 トーナメント 形式 で 優勝 を 争う 。 縦 140 メートル × 横 70 メートル の グラウンド で 、 ホース ・ ポロ と 同じ サイズ の 球 を 使用 する 。 ルール も ほぼ 同様 。 1 チーム 、 4 頭 編成 。 1 頭 が ゴールキーパー 。 相手 陣 内 に 入れる 攻撃 ゾウ は 2 頭 のみ 。 これ に 違反 する と オフサイド に なり 、 ペナルティー シュート が 与え られる 。 レフェリー ・ ゾウ に 乗った 審判 が 笛 を 吹く と 、 ロスタイム に 入る 。 ハーフ 、 10 分 。 ゾウ を 休ま せる ため に 、 インタバル は 15 分 を 取る 。 決勝 は 引き分け なし の サドンデス 等 々 、 規則 書 が A 4 サイズ で 3 ページ も あって 、 組織 委員 会 の 遊び心 も 十分に 発揮 さ れる 。 今回 は ゾウ の 扱い に 慣れた 国立 公園 職員 チーム が 優勝 した 。 1 人 当たり 国民 総 生産 180 ドル 識字 率 27 % 乳幼児 1000 人 当たり 年間 死亡 88 人 テレビ 1 台 当たり 人口 500 人 = アジア ・ ウイーク 12 月 7 日 号 から 。 アイドル 人気 ナンバーワン の SMAP リーダー 、 中居 正広 が 板前 を 演じる コミカルな 青春 ドラマ 「 味 いち もんめ 」 が 12 日 、 テレビ 朝日 で 始まる 。 都会 の 料亭 「 藤村 」 を 舞台 に 、 調理 師 学校 を 首席 で 卒業 した 中居 扮する 伊藤 悟 が 下働き に ついた ところ から ドラマ は スタート 。 鼻っ柱 の 強 さ を 花 板 ・ 熊野 や 横川 ら 先輩 から 次々 に へし折ら れて ゆく が 、 くじけ ず 前向き に 生きて ゆく 。 ドラマ で 伊藤 と 横川 は 取っ組み合い の けんか を する ほど いがみ合う が 、 実際 は 布施 が 出る と 知って 中居 が 出演 を 承諾 した ほど 仲 が いい 。 柳沢 慎吾 、 布川 敏和 、 田中 律子 、 畠田 理恵 ら にぎやかな 若手 に 加え 、 樹木 希林 が 大 女将 と して ドラマ を 盛り上げる 。 東京 ・ 有楽 町 の 割烹 料亭 の 指導 で 調理 道具 も 料理 も すべて 本物 を 使って おり 、 毎回 登場 する 京風 料理 が 目 を 楽しま せて くれ そうだ 。 フジテレビ お 得意の 青春 ドラマ 「 最高 の 片 想い 」 が 11 日 午後 9 時 から 始まる 。 純白の ゲレンデ を 舞台 に 繰り広げ られる ロマンチック ・ ラブストーリー で 、 スキー 初 体験 の 本木 雅弘 と 深津 絵里 が 北海道 ロケ で 初めて ゲレンデ に 繰り出した 。 大学 スキー 部 で 腕 を 上げた と いう 設定 の 役 を 演じる 本木 は 「 板 を 履いて いる と 全然 寒 さ を 感じ ない 。 もっと うまく なり たい 」 と すっかり スキー に 魅了 さ れた 様子 。 深津 は 「 大分 県 の 出身 な ので 、 こんな きれいな 雪 の 世界 は 見た こと が ない んです 」 と 心 を 躍らす 。 「 本木 さん の そば に いれば 寒く ない んです 」 と 深津 が 言えば 、 本木 も 「 深津 さん の 目元 口元 の 生き生き した 表情 に は 引き込ま れ ます ね 」 と ドラマ を 先取り する 熱々 ぶり を 見せて いた 。 11 日 の 第 一 話 は スキーシーン も 多い が 、 夜 の ゲレンデ に 上がる 約 二百 発 の 花火 が ストーリー を 彩る こと に なる 。 日本 の 新 体操 界 の 女王 の 座 を 守って きた 東京 女子 体育 大学 4 年 の 川本 ゆかり さん が 昨年 11 月 の 全 日本 選手 権 を 最後に 引退 した 。 番組 は 引退 を 優勝 で 飾った 「 体操 界 の 美 少女 」 に 密着 取材 した ドキュメンタリー 。 本人 の スタジオ で の インタビュー を まじえて 構成 さ れる 。 レオタード なら ぬ ラフな セーター 姿 で スタジオ 入り した 川本 さん は 、 やや 緊張 気味 。 「 小さい とき から 踊る の が 好きで 、 新 体操 は 楽しい こと だらけ 。 気 が 付いたら チャンピオン に なって いた 。 それ から が プレッシャー と の 戦い に なり ました 」 と 胸 の 内 を 明かす 。 はた から は 「 美 少女 」 と 騒が れて 羨望 の 的 に みえた が 、 プロポーション や 柔軟 性 で ライバル たち に ひそかに 劣等 感 を 抱いて いた こと も 語る 。 チャンピオン と して つらい 思い の とき に 出会った の が かつて の 女王 、 秋山 エリカ ・ コーチ だった 。 「 コーチ は 試合 の 点数 や 結果 で は なく 、 自分 自身 の 演技 が できた か を 考える ように と いって くれた 。 それ が 私 の 転機 に なり ました 」 と いう 。 川本 さん の スタジオ 入り に 、 スタッフ が ちょっと した 興奮 状態 に 。 カメラ の 超 アップ が 目立つ の も 川本 さん ならでは の こと 。 昼 は サラリーマン 、 夜 は 関東 最大 の 暴力 団 組長 と いう 2 つ の 顔 を もつ 静也 に また 縁談 が 持ち上がった 。 相手 は 美人 組長 ・ 隅田 小夏 。 ところが 小夏 と 外出 した 妙 が 何者 か に 誘拐 さ れて しまう 。 「 静かなる ドン 」 の 10 回 目 は こんな 出だし から ドラマ が 展開 する 。 美人 組長 ・ 小夏 役 で 今回 から 登場 する の が 中村 綾 「 妙 が 見合い さ せ 、 次第に 静也 に 引か れて ゆく 役 です 。 昼間 の 静也 に 接する 時 は 『 この ヤロー 』 なんて 乱暴な 言葉 を 使い 、 妙 に 接する 時 は 、 未来 の 母 と いう こと で 、 すごく ていねいな 言葉 を しゃべる んです 」 と 落差 の 大きい セリフ を 楽しむ 。 背中 に 描いた 登り 竜 の 入れ墨 と 脚線美 を 披露 する が 「 今 まで は キャピキャピ 系 の 役 が 多かった 私 も 23 歳 。 これ から は 大人 の 女優 に 成長 して いき たい 」 と いい 、 目標 は 斉藤 慶子 の ような 悪女 役 。 「 この ドラマ に 出て 何 か が 吹っ切れ た 気 が し ます 。 柔道 シーン や 中山 さん と の キスシーン も ある ので お楽しみ に 」 と 話して いる 。 秋 サケ の 水揚げ 量 日本 一 の 北海道 標津 町 の 標津 漁協 が 、 遠赤外 線 を 応用 して サケトバ の 製造 を 始た 。 試験 段階 だ が 、 月 三 トン の トバ を 製造 。 首都 圏 の 消費 者 が 対象 の モニター 出荷 の 評判 は 上々 と いう 。 トバ 作り は これ まで 、 切り身 を 冷風 と 天日 に さらして いた が 、 製品 化 に 十 日 から 二 週間 も 時間 が かかる 。 そこ に 登場 した の が 、 電気 暖房 機器 の 総合 メーカー 「 ミサト 」 が 製作 した 遠赤外 線 乾燥 機 。 床暖房 や コタツ など の 技術 を 応用 して 開発 した 。 遠赤外 線 は 殺菌 効果 が あり 、 中心 部 まで 素早く 均一に 熱 を 伝える ため 三 、 四 日 で 製品 化 できる 。 短い 時間 で ウマミ を 凝縮 する ので 、 仕上がり は 鮮やかな ピンク 色 。 賞味 期限 は 従来 の 二 週間 から 二 カ月 に 延び 、 おいし さ も アップ した と いう 。 アルゼンチン の 元 サッカー 選手 、 ディエゴ ・ マラドーナ 氏 が 六 日 、 同国 の 検察 当局 に 一 時 身柄 を 拘束 さ れた 。 刑事 事件 の 被告 である に も かかわら ず 、 昨年 末 、 裁判 所 に 無断 で キューバ など に 出国 した 容疑 だ が 、 同氏 が キューバ の カストロ 国家 評議 会 議長 と 親交 を 深めた こと へ の 、 アルゼンチン 政府 側 から の “ いやがらせ ” と の 声 も 出て いる と いう 。 同国 から の 報道 に よる と 、 プロチーム の 新 監督 に 就任 する ため 帰国 した 同氏 は 、 空港 で 待ち構えて いた 係官 に 逮捕 さ れた 。 マラドーナ 氏 は 新年 を キューバ で 迎え 、 カストロ 議長 と 仲良く 納まった 記念 写真 が 世界中 に 配信 さ れた 。 しかし 、 同氏 は 昨年 二 月 に 記者 数 人 を 空気 銃 で 負傷 さ せた 傷害 罪 の 被告 。 四 年間 の 「 自由 はく奪 」 を 求刑 さ れて いる 。 刑事 訴訟 法 に よれば 、 出国 する 際 は 裁判 所 の 許可 が 必要で 、 同氏 は これ を 怠った 。 だが 、 判事 の 一 人 は 「 逃亡 の 意図 が なかった 」 こと を 理由 に 、 逮捕 の 可能 性 を 否定 して おり 、 今回 の 逮捕 は 本人 は もちろん 、 ファン に とって も 寝耳 に 水 。 罰金 二万 ドル を 支払い 釈放 さ れた マラドーナ 氏 は 裁判 所 に 出廷 して 事情 説明 を 行った が 、 報道 陣 に は 一切 コメント して い ない と いう 。 シンガポール から の 報道 に よる と 、 クリスマス で 執行 を 一 時 延期 さ れて いた マカオ 生まれ の 香港 女性 、 巫 佩萍 死刑 囚 が 六 日 朝 、 絞首刑 に 処せ られた 。 同 死刑 囚 は ヘロイン 密輸 ・ 所持 で シンガポール 当局 に 逮捕 さ れ 、 十二 月 二十三 日 に 死刑 を 執行 さ れる 予定 だった が 、 家族 から の 最後 の クリスマス を 一緒に 過ごし たい と の 嘆願 が 認め られ 、 母親 や 子供 と 面会 し 、 クリスマス を 過ごした 。 トヨタ自動車 の 英 現地 法人 で 、 就業 開始 前 の 半 強制 的な 体操 など の ため 従業 員 に 強い 不満 が 募って いる 、 と タブロイド 紙 。 それ に よる と 、 午前 8 時 に シフト が 始まる のに 20 分 前 に 出社 し なければ なら ず 、 体操 を 強い られて 、 最後に 一斉に 「 ヨシッ 」 と 叫んで 職場 に 向かわ なければ なら ない と 指摘 。 ある 従業 員 は 「 体操 に 参加 し なければ 勤務 評定 に 跳ね返り 、 賃上げ は お預け と なる 」 。 ほか に も 仕事 中 、 日本 人 の 管理 職 が ストップウオッチ を 持って 立って いる など の 例 を 紹介 。 トヨタ 側 は 「 従業 員 を 第 一 に 考えて の こと 」 と 説明 して いる 。 六 日 午後 七 時 ごろ 、 水戸 市 河 和田 一 、 茨城 大 付属 幼稚園 教員 、 神永 直美 さん から 「 駐車 中 の 車 から 、 昨年 四 月 入園 分 で 自分 の 受け持ち の 一 クラス 分 の 入園 願書 など が 入った かばん を 盗ま れた 」 と 水戸 署 に 届け出 が あった 。 同 署 の 調べ に よる と 、 神永 さん は 同日 午後 五 時 二十五 分 ごろ 、 同 市 新 原 二 の 市立 新原 保育 所 に 預けて いた 自分 の 子供 を 引き取る ため 、 保育 所 西側 駐車 場 に 軽 乗用車 を 止めた 。 約 十五 分 後 に 戻った ところ 、 車 の 中 に 置いて あった 同 クラス 三十四 人 分 の 入園 願書 や 現金 約 八万 円 の 入った かばん が なくなって いた 。 車 は ドア ロック を して い なかった 。 佐賀 県 教委 は 六 日 、 同県 鳥栖 市 の 柚比本 村 遺跡 から 出土 した 弥生 時代 中期 前半 の 石製把頭飾付き銅剣 の 柄 部分 に 、 青銅 製 の 金具 の 存在 を エックス線写真 で 確認 した 、 と 発表 した 。 青銅製剣把金具 は 国 内 で は 長崎 県 対馬 で 八 件 の 出土 例 が ある が 、 いずれ も 弥生 中期 末 から 後期 の もの で 今回 の 出土 は 国 内 最古 、 また 本土 で は 初 の 出土 と なる 。 石製把頭飾付き細形銅剣 は 、 昨年 七 月 、 同 遺跡 の 成人 用 木棺墓 から 出土 。 銅剣 と 把頭飾 の 間 に 、 肉眼 で わずかに 青銅 製 の 破片 が 確認 さ れ 、 同県 教委 は 同県 工業 技術 センター に エックス線 撮影 を 依頼 して いた 。 確認 さ れた 剣 把 金具 は 、 つば 金具 、 責 金具 、 盤 部 金具 と 呼ば れる 部分 で 計 四 点 。 長 さ は 三・五 センチ から 十八 センチ 、 幅 は 〇・五 センチ から 一 センチ 。 木製 の 柄 本体 は 腐食 して 残って い ない が 、 剣先 から 把頭飾 まで の 全体 の 剣 の 長 さ は 約 四十三 センチ に 復元 できる と いう 。 銅剣 、 石製把頭飾 と 剣 把 金具 が セット で 出土 した の は 国 内 初 。 エックス線写真 で の 剣 把 金具 確認 は 初めて 。 高島 忠平 ・ 県 教委 文化 財 課長 は 「 腐食 し やすい 青銅 製 の 剣 把 金具 の 形態 が 、 科学 的 手法 で 復元 できた 意義 は 大きい 。 今後 は 奈良 国立 文化 財 研究 所 の 協力 で 、 CT スキャン など を 使い 、 幅 や 断面 形態 など 立体 的 構造 を 明らかに し たい 」 と 言う 。 「 困る わ 」 と 、 連れ合い が 言う 。 「 鳥 たち が やって 来て 、 結構じゃ ない か 」 と 私 。 実は 、 よく 晴れた 元日 の 朝 、 庭 に ある アオキ の 小枝 に ミカン を さした のだ が 、 それ が いけない と いう のである 。 しばらく 窓越し に のぞいて いる と 、 待ちかねて いた ように 、 緑色 の メジロ や 灰 褐色 の ヒヨドリ が やって 来て 、 ミカン を おいし そうに ついばんで いる 。 「 見ろ よ 。 この 季節 、 都会 に は エサ が ない んだ 」 と 私 。 だが 、 連れ合い は 無情に も 、 だって 、 と 言って 納得 し ない 。 聞く と 、 その 理由 は こんな こと 。 エサ を 求めて そこら 中 から 鳥 たち が 集まり 、 順番 待ち を して 、 その あげく 、 物干し の 洗濯物 など に 見事な 排せつ 物 を まき散らす など 乱暴 狼藉 を 働く のだ と いう 。 「 もっと 広ければ ね 、 私 だって …… 」 と 、 甲斐 性 なし の 私 を 恨む ような 口ぶり である 。 たしかに 庭 と いって も 、 広 さ わずか 七 、 八 平方メートル 、 横浜 の 下町 の 家 と 家 に 挟ま れた 「 すき間 」 の ような 空間 で しか ない 。 鳥 と の 共生 も 容易で は ない 、 と 私 も 思う 。 都会 で は 人 と 人 と の 共生 だって 、 そんなに 容易で は ない のだ から 。 この 年 末 年始 、 川崎 市 が ホームレス の 人 たち の ため に 市 の 体育 館 を 開放 した こと が 、 ふと 頭 を よぎった 。 JR 東 日本 に よる と 、 地震 の 影響 で 東北 新幹線 は 仙台 ― 盛岡 駅 間 で 、 約 三 時間 運転 を 中止 。 上下 七 本 が 運休 する など ダイヤ は 大幅に 乱れ 、 一万 人 が 影響 を 受けた 。 在来 線 で は 、 東北 本線 、 釜石 線 、 北上 線 、 山田 線 、 田沢湖 線 、 花輪 線 、 八戸 線 、 大湊 線 の 八 線 区 が 線路 の 点検 の ため 運転 を 見合わせた 。 七 日 午前 九 時 二 分 ごろ 、 静岡 県 富士 市 の JR 東海道 新幹線 ・ 新 富士 駅 構内 で 、 上り線 の ポイント が 切り替わら ない 故障 が 起きた 。 この ため 同 駅 から 東京 寄り の 上り線 は 一 時 不 通に なり 、 名古屋 発 東京 行き の 「 こだま 」 が 四十七 分 遅れ で 運転 を 再開 した の を はじめ 、 上り 列車 八 本 、 四千 人 に 影響 が 出た 。 埼玉 県 内 の 愛犬 家 失跡 事件 で 、 埼玉 県 行田 市 持田 三 、 会社 役員 、 川崎 明男 さん の 死体 遺棄 容疑 で 同 県警 捜査 一 課 と 行田 署 に 逮捕 さ れた 同県 大里 郡 江南 町 板井 、 犬 猫 繁殖 販売 業 、 関根 元 容疑 者 は 、 七 日 まで の 調べ に 対し 「 自分 が 包丁 を 使って バラバラに し 、 燃やした 」 と 供述 した と いう 。 供述 に よる と 、 遺体 は 自分 の 車 で 群馬 県 利根 郡 片品 村 花咲 まで 運び 、 関根 容疑 者 経営 の 「 アフリカケンネル 」 の 役員 だった 知人 宅 の 敷地 で 遺体 を 損壊 、 細かく 切断 した うえ で ドラム缶 で 燃やした と いう 。 包丁 の 入手 方法 や 、 ほか に 立ち会った 者 が いた か など は 明らかに して い ない 。 県警 は 、 ドラム缶 周辺 から 六 日 に 回収 した 十三 袋 分 の 土 の 分析 を 進める 一方 、 押収 した 関根 容疑 者 の 米国 製 キャンピングカー の 詳しい 検証 を して おり 、 川崎 さん の 遺体 搬送 を 裏付ける 物的な 証拠 が 残って い ない か どう か 調べて いる 。 大相撲 「 二子山 部屋 」 の 屋根 から 転落 して 重体 に なって いた 同 部屋 所属 の 幕下 格 行司 、 木村 圭吾 さん が 七 日 午前 二 時 二十七 分 、 治療 を 受けて いた 病院 で 死亡 した 。 中野 署 の 調べ で は 、 木村 さん は 同 部屋 の 二 階 に 住んで いた が 、 先月 三十 日 未明 、 外 から 自分 の 部屋 に よじ登ろう と して 転落 した らしい 。 木村 さん は 頭 の 骨 を 折り 、 意識 が 戻ら なかった 。 千葉 県警 八千代 署 は 七 日 朝 、 千葉 市 花見川 区 柏井 町 、 大工 、 松本 敏夫 容疑 者 を 殺人 容疑 で 緊急 逮捕 した 。 調べ に よる と 、 松本 容疑 者 は 同日 午前 二 時 二十 分 ごろ 、 千葉 県 八千代 市 米本 の 米本 団地 、 大工 、 中村 哲博 さん 方 に 押し入り 、 室 内 に いた 中村 さん の 知人 で 同 団地 、 居酒屋 経営 、 斎藤 良子 さん を 包丁 の ような 刃物 で 刺して 即死 さ せ 、 中村 さん に も 軽傷 を 負わ せた 疑い 。 六 日 午後 八 時 二十二 分 ごろ 、 愛知 県 知多 郡 阿久比 町 の 会社 員 方 から 「 長女 が 自宅 の 車庫 で 首 を つった 」 と 、 一一九 番 が あった 。 半田 署 で 調べた ところ 、 小学 六 年生 の 長女 が 自宅 車庫 の 天井 に ロープ を かけ 、 首 を つって いた 。 病院 に 運ば れた が 、 すでに 死亡 して いた 。 会社 員 方 は 、 夫婦 と 祖父母 、 中学 一 年生 の 兄 と 女児 の 六 人 家族 。 女児 は 六 日 、 終日 家族 と 一緒に おり 、 午後 七 時 半 ごろ 、 六 人 で 夕食 を とった と いう 。 その後 、 母 が 出掛けた ところ 、 車庫 で 首 を つって いた 。 女児 の 通う 学校 の 教頭 の 話 で は 、 あて名 の ない 遺書 が 残さ れ 「 ごめんなさい 。 こんな 人生 に 耐え られ ない 。 死ぬ こと は 怖く ない 。 楽しい 思い出 を ありがとう 」 と 、 鉛筆 で 記さ れて いた 。 いじめ に あった と の 内容 は ない と いう 。 女児 が 通う 小学校 は 、 七 日 が 三 学期 の 始業 式 。 警察 から の 通報 で 自殺 を 知り 、 校長 を はじめ 担任 の 教諭 ら 職員 の ほぼ 全員 が 学校 に 集まった 。 教頭 に よる と 、 女児 は 宿題 の ノート も きちんと 出す など 学習 意欲 も 高い 児童 だった と いい 、 「 仲 の 良い 友達 も たくさん いた 」 と 話して いる 。 「 三陸 はるか 沖 地震 」 で 昨年 暮れ 、 大きな 打撃 を 受けた 東北 地方 に 、 余震 が 追い打ち を かけた 。 七 日 朝 、 北海道 から 関東 地方 を 襲った 最大 級 の 余震 。 やっと 正月 を 迎え 、 復旧 が 進んで いた 青森 県 八戸 市 で は 震度 5 を 記録 、 二十三 人 が けが を し 、 東北 新幹線 や 岩手 県 内 の 在来 線 も 一 時 ストップ した 。 気象 庁 や 地震 専門 家 は 「 余震 は しばらく 起きる 」 と 予測 。 住民 の 不安 は まだ 続く 。 昨年 暮れ の 本震 で 大きな 被害 を 出した 八戸 市 で は 、 年 末 年始 に かけて 復旧 に 全力 を 挙げて いる 最中 に 、 再び 強い 揺れ に 襲わ れた 。 市立 市民 病院 に は 午前 七 時 三十七 分 の 地震 発生 から 午前 九 時 ごろ まで に 、 割れた ガラス で 手 を 切ったり 、 やけど を 負った 市民 五 人 が 次々 に 訪れ 、 治療 を 受けた 。 また 同 市 白銀 町 南ケ丘 の 青森 労災 病院 に は 足 に 軽い やけど を した 男性 一 人 が 手当て に 訪れた 。 八戸 署 中央 交番 で は 西側 外壁 が 崩れ 、 駐車 して いた 乗用車 が 破損 。 同 市 売市 新上 の 「 高坂 酒店 」 で は 、 清酒 の 瓶 三 本 が 棚 から 床 に 落ちて 割れた 。 同 店 は 前回 の 地震 で ショーウインドー など が 破損 し 休業 を 続けて おり 、 経営 者 の 高坂 隆夫 さん は 「 暮れ の 地震 の 後片付け も まだ 終わって い ない のに 、 また 大きな 地震 が きて 不安で たまり ませ ん 」 と 話して いた 。 昨年 末 の 地震 で 体育 館 の 天井 が 破損 した 八戸 市 湊 町 、 光星 学院 高校 で は 、 当番 の 事務 職員 が 「 生徒 は い なかった ので 、 けが人 も なかった 。 しかし 、 追い打ち を かける 被害 が 出て い ない か 調べる 」 と 心配 顔 。 本震 で 教室 損壊 など 大きな 被害 の あった 八戸 市 の 県立 八戸 東 高校 で は 、 この 日 朝 から 三 年生 の 補習 が 予定 さ れ 、 三百八十 人 の 生徒 が 登校 して いた が 、 地震 の ため 中止 、 全員 が 不安 そうな 表情 で 帰宅 した 。 和田 英昭 教頭 は 「 被害 に あった ばかりな ので 校舎 の 土台 が 崩れる ので は ない か と 不安だった 。 生徒 に けが が なくて よかった 」 と 話して いた 。 同 市 鮫 町 日出 の 八戸 魚市場 で は 水揚げ さ れた イカ の 入札 の ため 約 二百 人 の 市場 関係 者 が 集まって おり 、 地震 発生 と ともに 、 「 地震 だ 、 地震 だ 」 と 大きな 声 が 上がった 。 市場 職員 が 見回った ところ 、 市場 近く の 舗道 アスファルト に 少し ひび が 入って いる の が 確認 さ れた 。 先 の 地震 で 同 市 内 の 水道 は 約 三万 世帯 が 断水 と なり 、 三 日 未明 まで に 復旧 した が 、 市 内 数 カ所 で 水道 管 の 破損 を 確認 、 七 日 正午 現在 、 五千 世帯 が 断水 と なって いる 。 同 市 内 で 約 七千 世帯 が 停電 、 午前 八 時 二十五 分 に ほぼ 全面 復旧 した が 、 市 内 の 道路 の 信号 が 一 時 消えた 。 木造 平屋 トタン ぶき の 同 小屋 約 八四 平方メートル を 全焼 した 。 ボイラー で 長芋 の 種 を 乾燥 中 で 、 地震 で リンゴ の 木箱 が ボイラー と 接触 し 引火 した らしい 。 昨年 暮れ の 三陸 はるか 沖 地震 の 被害 に 伴い 、 青森 県 知事 は 七 日 、 八戸 市 に 災害 救助 法 の 適用 を 決めた 。 これ まで の 調査 に よる と 、 この 地震 に よる 同 市 内 の 被害 は 死者 二 人 、 負傷 者 二百八十八 人 、 家屋 の 全壊 八十 一戸 、 半壊 三百十 八戸 、 一部 損壊 四千六百四十 戸 と なった 。 七 日 午前 二 時 十 分 ごろ 、 東京 都 文京 区 大塚 三 、 無職 、 渡部 守 さん 方 から 出火 、 木造 二 階建て 店舗 兼 住宅 九四 平方メートル の うち 四〇 平方メートル を 半焼 した 。 一 階 の 焼け跡 から 渡部 さん と み られる 男性 の 焼死 体 が 見つかった 。 大塚 署 と 東京 消防 庁 で 身元 の 確認 を 急ぐ と ともに 、 一 階 の 居間 付近 が 出火 元 と みて 原因 を 調べて いる 。 渡部 さん は 以前 、 理髪 店 を 経営 して いた が 、 七 、 八 年 前 に 体調 を 崩して から は 廃業 して 一 人 で 暮らして いた と いう 。 埼玉 県警 捜査 一 課 と 行田 署 は 七 日 午前 、 関根 容疑 者 と 元 妻 の 風間 博子 容疑 者 を 死体 遺棄 の 疑い で 身柄 送検 した 。 関根 容疑 者 は 午前 七 時 三十五 分 、 留置 さ れて いる 行田 署 から ワゴン 車 で 浦和 地検 に 護送 さ れた 。 黄色 の シャツ と トレーナー に 緑色 の フード の 付いた ジャンパー を 頭から すっぽり 着込み 、 サンダル 履き 。 前後 を 捜査 員 に 付き添わ れて 、 車 に 乗り込んだ 。 また 、 風間 容疑 者 は 午前 八 時 二十五 分 、 留置 先 の 上尾 署 から 護送 さ れた 。 1 月 7 日 の 毎日新聞 に 「 大阪 市電 に 学童 の 女 車掌 登場 」 の ベタ 記事 。 国民 学校 の 女 学童 320 人 が 8 日 から 「 搬送 力 増強 の 一翼 を 担う 」 と 。 勤務 時間 は 午前 6 時 から 午後 6 時 半 。 「 朝夕 の 混雑 時 に 年端 も ゆか ぬ いたいけな 学童 の 車掌 さん に 無理 乗り など で 困ら せ ぬ ように 」 と 記事 は 続く 。 七 日 は 、 無病 息災 を 願う 「 春 の 七草 」 の 日 。 大阪 ・ キタ の 阪神 百貨店 で は 、 午前 八 時 から 七草がゆ の 無料 サービス を 行い 、 サラリーマン や 若い 女性 たち 、 剣道 の 早朝 練習 帰り の 中学生 ら が 季節 の 味覚 を 楽しんだ 。 用意 した 五百 食 は 約 一 時間 で なく なった 。 この 日 だけ で 千 パック の 売れ行き を 見込んで いる 。 東照大権現 と も いう 。 和歌山 でも 紀州 藩 初代 藩主 、 徳川 頼宣 が 1621 年 に 社殿 を 造営 。 本殿 など は 現在 、 国 の 重要 文化 財 。 茶道 ・ 裏千家 の 新春 を 飾る 「 初釜 式 」 が 七 日 午前 、 京都 市 上京 区 の 今日庵 で 始まり 、 千 宗室 家元 が お点前 を 披露 した 。 茶室 「 咄々斎 」 の 床の間 に は 、 青竹 の 花 入れ に おめでたい 「 結 柳 」 が 生け られ 、 落ち着いた 雰囲気 。 午前 九 時 から の 第 一 席 に は 千 宗左 ・ 表千家 家元 、 田辺 朋之 ・ 京都 市長 ら が 出席 。 宗室 家元 が たてた 濃茶 を 服した 後 、 和やかに 新年 の あいさつ を 交わした 。 式 は 十三 日 まで 続き 、 約 二千五百 人 が 出席 する 。 表千家 の 初釜 式 は 十 日 から 、 武者小路千家 は 十三 日 から 行わ れる 。 その 青年 と 会った の は 七 年 前 、 ブラジル ・ サンパウロ 市 から 約 三百キロ 離れた ジャウー 市 と いう 地方 都市 だった 。 「 サッカー 留学 中 の 日本 の 若者 に 会い たい 」 と 、 日 系 の 知人 に 頼んだ 。 サッカーファン だ と いう 彼 は 片道 四 時間 かけ 、 プロチーム の ある この 町 まで 車 で 連れて 行って くれた 。 「 ブラジル の 若者 は サッカー に 生活 を かけて いる 。 サッカー で は 日本 人 は バカ に さ れて いる が 、 彼 は すごい 」 。 当時 、 売り出し 中 の カズ の 愛称 で 呼ば れた 日本 の 青年 が 誇らしげだった 。 チーム の 練習 の 後 、 一 番 聞き たかった 質問 を した 。 「 田舎 で 、 周り に 日本 人 が い ない のに 、 寂しく は ない か 」 。 町 の プロチーム から 月額 十一万 円 もらって いる と いう 細身 の 青年 は 「 いいえ 。 友達 が たくさん い ます から 」 。 サンパウロ で 集団 生活 して いた ほか の サッカー 留学 生 に も 、 同じ 質問 を した が 「 言葉 が 通じ ない 。 物 を 盗ま れる し 、 早く 日本 に 帰り たい …… 」 と 生活 の 不満 を 漏らして いた の と 対照 的だった 。 イタリア で 武者 修行 中 の カズ の インタビュー を 見 ながら 、 異国 で 、 プロ選手 と して 雑草 の ように 生き残った 彼 の 強 さ の 秘密 は これ だ と 思った 。 新年 初 の 本欄 。 釣り 好き 諸兄 の 釣り 納め と 初 釣り は いかがでした か 。 当方 は 年 末 の 休日 が 天候 に 恵まれて 釣 行 三 回 。 三 日 に 予定 して いた 初 釣り は 雨 の 予報 で 断念 した ので 、 まだ これ から です 。 年 が 明けて も 水温 が 高く 、 釣 況 は しばらく 変わら ない と 見て 、 年 末 の 釣り を 報告 して み ます 。 まず 中 紀 の 寒 サバ 。 懇意に して いる 湯浅 の 船宿 から 試し 釣り の 誘い が かかり 釣友 三 人 と 同行 。 釣り 場 は 黒島 沖 と 由良 沖 。 釣り 方 は アミエビ まき の テンビン ふかせ 。 午後 の 三 時間 ほど で 30 センチ から 40 センチ 余り まで が ざっと 三十 匹 。 現在 も アジ 交じり で 好調に 釣れて いる 。 次 は 時期 もの の メバル 、 ガシラ の 様子 を うかがい に 泉佐野 の 乗合船 へ 。 これ は 単独 で 午後 の 便 を 利用 。 釣り 場 は 淡輪 沖 と 関西 空港 の 周辺 。 仕掛け は 胴突き 。 小型 は 放流 した が 、 メバル 主体 に 15 センチ から 26 、 27 センチ が 三十 匹 ほど 。 20 センチ 前後 の アジ も けっこう 出た 。 メバル 、 ガシラ は これ から が 本番 。 釣り 納め は 押し迫った 三十 日 。 正月 用 の にらみ ダイ 狙い で 釣友 五 人 と 印南 港 から 出船 。 釣り 方 は オキアミエサ の テンビン ふかせ 。 無風 の 好天 で 、 仲間 に は 40 センチ 級 も 出た が 、 当方 は チャリコ 、 カスゴ 級 ばかり 二十 匹 ほど 。 ただ ハリ に かかった チャリコ に 1・5キロ ほど も ある アオリイカ が 抱きつき 最高の お年玉 に 。 当日 の 水温 は まだ 19 度 前後 。 ソウダガツオ 、 ウスバハギ など も 釣れた 。 もう 1 、 2 度 下がれば マダイ に は 絶好 。 問い合わせ は 、 寒 サバ が 湯浅 館 、 メバル は 仁王丸 、 マダイ は 清義丸 。 外出 は おっくう 、 でも 、 ぼんやり テレビ を 見て いる くらい なら ちょっと した 遊び を ―― と いう 若い 女性 たち に 人気 を 呼んで いる の が 、 この ニュージーランド 生まれ の 組み 木 だ 。 ゴリラ 、 コアラ 、 クジラ など 7 種類 。 それぞれ の 動物 を かたどった 5 つ の ピース が おしゃれな 箱 に 入って いて 、 1 セット いずれ も 3000 円 。 組み合わせ は 説明 書 に ある だけ でも 20 通り 以上 。 組み立て の 微妙な バランス を 楽しむ ゲーム で 、 ウッカリ する と 崩れて しまう の が スリリング 。 同時に インテリア の 要素 も あり ギフト と して も 売れて いる 。 ちなみに 一 番 人気 は 恐竜 。 東急ハンズ 三宮 店 2 階 A フロア で 。 デビュー 間 も ない ころ 、 NHK 交響 楽団 客演 指揮 者 と して 迎え入れ られ ながら 、 団員 の ボイコット で 予定 して いた 演奏 会 が 中止 に なった 32 年 前 の 事件 は 有名 。 その 当時 の 団員 が ひと り も い なく なった N 響 と 、 この ほど “ 和解 ” が 成立 。 “ 世界 の オザワ ” が 、 今月 23 日 に 東京 ・ サントリーホール で の 演奏 会 を 指揮 する こと に なった 。 旧 満州 ・ 奉天 生まれ 。 桐朋 学園 短大 指揮 科 卒業 後 、 単身 渡仏 。 ブザンソン 国際 青年 指揮 者 コンクール で 1 位 に 入賞 した の を 皮切り に 、 数々 の 国際 賞 に 輝く 。 “ N響 事件 ” 当時 は 27 歳 。 「 ボク は 日本 的な おとな に なり たく ない 」 と 宣言 し 、 活躍 の 場 を 再び 海外 に 求めた 。 世界 の 一流 オーケストラ を 指揮 し 、 1972 年 に は 日本 芸術院 賞 を 受賞 。 73 年 9 月 、 ボストン 交響 楽団 音楽 監督 に 就任 した 。 夫人 は 元 モデル 。 「 ボク の 音楽 武者 修行 」 など の 著作 も ある 。 沖縄 県 名護 市 で 小学生 など 三 人 の 子供 が 行方 不明に なって いた が 七 日 、 全員 が 遺体 で 発見 さ れた 。 失跡 から 二十 日 ぶり 。 トラック の 荷台 に 積ま れた タンク の 中 で 、 三 人 は 折り重なる ように 死んで いた 。 名護 署 は 事故 と 事件 の 両面 で 捜査 に 乗り出した 。 同日 午後 、 同 市 名護 の 駐車 場 から 、 園芸 会社 の 社員 が トラック を 運転し 、 約 八キロ 離れた 農道 で 停車 。 同 二 時 ごろ 、 荷台 の タンク に 散水 用 の 水 を 入れよう と ふた を 開けた ところ 、 三 人 の 遺体 を 見つけた 。 調べ で は 、 駐車 場 は 上間 さん の 自宅 から 約 五十 メートル 。 トラック は 車検 が 切れて おり 、 先月 初め から 駐車 して いた 。 荷台 に グラスファイバー 製 の タンク を 積んで いた 。 タンク は 水 と 肥料 を 混ぜて 散布 する 際 に 使う が 、 発見 当時 は 空 。 上部 中央 に 直径 約 五十 センチ の ふた が ある 。 ネジ 式 で 、 完全に 閉まる と 、 内部 から は 開け られ ない 。 発見 時 は 完全で は ない が 、 一部 閉まった 状態 だった と いう 。 同 署 は 三 人 が 遊んで いて 閉じ込め られた か 、 事件 に 巻き込ま れ 閉じ込め られた の か 両面 で 捜査 して いる 。 村山 富市 首相 は 七 日 、 首相 公邸 で 社会党 の 久保 亘 書記 長 と 緊急に 会談 し 、 同 党 の 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 が 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 を 結成 した こと へ の 対応 を 協議 。 久保 氏 は 首相 が 山花 氏 と 会い 、 結成 に 至った 経緯 など を 直接 聞く よう 提案 、 首相 は 「 会い たい 」 と 応じた 。 山花 氏 も 久保 氏 に 対し 会談 を 受諾 した 。 首相 と 山花 氏 の 会談 は 八 日 午後 、 公邸 で 行わ れる 。 第 七十四 回 全国 高校 ラグビーフットボール 大会 は 七 日 、 東大阪 市 の 近鉄 花園 ラグビー 場 で 相模台 工 ― 長崎 北陽台 の 優勝 戦 を 行い 、 相模台 工 が 27 ― 12 で 長崎 北陽台 を 降し 二 年 連続 二 回 目 の 優勝 を 飾った 。 大会 連覇 は 目黒 以来 二十一 年 ぶり 六 校 目 。 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら が 発足 さ せた 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 に 、 社会党 から 十 人 以上 の 衆 参 両院 議員 が 参加 する こと が 七 日 固まった 。 山花 氏 ら は 「 最低で も 二十 人 」 を 目標 に 参加 者 を 募り 、 二十 日 の 通常 国会 召集 前 に 新党 を 結成 、 新しい 国会 内 会派 を 届け出る 方針 。 一方 、 村山 富市 首相 に 近い 党 内 グループ は 新民連 所属 議員 へ の 切り崩し を 強化 、 最終 的な 参加 者 数 は 流動 的だ 。 社会党 の 新党 慎重 派 「 村山 政権 を 支え 、 社民 リベラル 政治 を すすめる 会 」 は 七 日 、 今年 初 の 役員 会 を 開き 、 準備 会 の 参加 者 数 など を 分析 。 衆院 で は 山花 氏 の ほか 田辺 誠 元 委員 長 、 土肥 隆一 、 吉岡 賢治 両氏 ら 七 、 八 人 、 参院 で は 本 岡 昭次 、 種田 誠 両氏 ら 四 人 が 参加 する と の 見方 が 大勢 。 また 自治労 が 「 すすめる 会 」 幹部 に 「 新民連 所属 の 自治労 系 議員 十数 人 は 準備 会 に 一 人 も 参加 さ せ ない 」 と 伝えて いた 。 新民連 所属 の 自治労 系 議員 団 は 同 党 から の 準備 会 参加 者 は 衆 参 両院 議員 十三 人 前後 で 、 さらに 七 人 程度 が 模様眺 め と の 見方 だ 。 一方 、 民主 改革 連合 から 準備 会 に 参加 する の は 当面 、 呼びかけ 人 の 粟森 喬 氏 だけ の 見込み 。 民主 新党 クラブ から は 多くて 海江田 万里 氏 ら 三 人 の 見通し だ 。 一九九五 年 は 四 月 に 統一 地方 選 、 夏 に 参院 選 が 行わ れる 「 選挙 の 年 」 。 さらに 衆院 も 解散 含み で 推移 し そうで 、 今度 の 総 選挙 は 初 の 小 選挙 区 比例 代表 並立 制 で 実施 さ れる こと に なる 。 地方 選挙 は 、 四 年 に 一 度 の 「 統一 地方 選 」 を 含め 、 地方 選挙 全体 の 約 半数 が 集中 、 三千五百 件 程度 行わ れる 見通し だ 。 知事 で 年 内 に 任期 が 満了 する の は 二十二 都道府県 。 現職 が 任期 途中 で 引退 を 表明 した 三重 県 でも 知事 選 が 統一 地方 選 で 行わ れる 公算 が 大きい 。 都道府県 議 選 は 茨城 、 東京 、 沖縄 を 除く 四十四 道府県 で 行わ れる 。 参院 選 は 二十 日 召集 予定 の 通常 国会 が 会期 延長 なく 六 月 十八 日 に 閉会 し 、 投票 日 を いつも 通り 日曜日 と すれば 、 公選 法 の 規定 で 七 月 二十三 日 投票 が 確定 する 。 新進党 の 小沢 一郎 幹事 長 は 7 日 、 福岡 市 内 の ホテル で 講演 し 、 新進党 結成 に 関連 して 「 我々 は 、 皆 で 真剣に 議論 し 結論 を 得る ように やってきた 。 これ から も 私 は こういう 形 で 党 運営 も 政策 決定 も 行わ れる だろう と 思う 」 と 述べ 、 民主 的 党 運営 を 重視 する 考え を 強調 した 。 自民党 は 十九 日 の 党 大会 を 控え 、 日 米 首脳 会談 で 村山 富市 首相 に 同行 する 河野 洋平 総裁 の 帰国 以降 、 党 役員 人事 を めぐり 党 内 が 慌ただしく なり そうだ 。 三役 など 主要 幹部 の 入れ替え は 内閣 改造 と 連動 し ない と 難しい 。 村山 首相 は 通常 国会 召集 前 改造 に 消極 的な 姿勢 を 変えて い ない ため 「 大型の 党 人事 は 断行 でき ない ので は 」 と いう 見方 が 有力だ 。 しかし 、 党 内 に は 入閣 待望 組 が 多い こと も 事実 。 それ を 直接 口 に する 幹部 こそ い ない が 、 党 規約 上 、 任期 が 切れて いる 役員 の 交代 を 求める 声 が 出始めて いる 。 河野 氏 は 昨年 九 月 に 党 三役 の 交代 を 画策 した が 、 党 内 結束 を 優先 する 小渕 恵三 副 総裁 ら の 反対で 断念 。 「 後任 が 決まる まで の 暫定 」 と して 主な 役員 を 留任 さ せた 。 その 中 で 年明け 六 日 に 河野 氏 と 加藤 紘一 政調会 長 が 会談 。 「 協力 して 村山 政権 を 支える 」 と の 認識 で 一致 した こと で 、 加藤 氏 留任 が 固まった と 受け取ら れて いる 。 しかし 、 執行 部 に 批判 的な 渡辺 美智雄 元 副 総理 ・ 外 相 は 党 役員 に ついて 「 任期 が 切れて いる のだ から 代わる の が 筋 」 と 揺さぶり を かけて いる 。 河野 氏 も 「 考えて いる 最中 だ 。 先輩 、 同僚 の 意見 を よく 聞き たい 」 と 含み を 残して いる 。 村山 富市 首相 は 7 日 、 孫 の 康平 ちゃん と 桂 ちゃん を 連れて 東京 ・ 代々木神園 町 の 明治 神宮 を 参拝 した 。 首相 は 4 日 に 予定 して いた 伊勢 神宮 参拝 を 風邪 の ため 取りやめた ばかり 。 首相 は 参拝 後 、 記者 団 に 「 国民 の 暮らし が 良く なる ように と 、 世界 の 平和 と 安定 じゃ な 」 と 語った 。 第 4 次 中東 戦争 後 、 ゴラン 高原 の イスラエル と シリア の 停戦 監視 と 兵力 引き離し 監視 を 目的 に 1974 年 6 月 から 活動 を 開始 。 要員 は オーストリア 、 カナダ 、 ポーランド の 約 1000 人 。 日本 は カナダ の 後方 支援 部隊 の うち 「 輸送 部門 」 と の 交代 が 要請 さ れて いる 。 政府 は 50 人 程度 を 夏 に 派遣 する こと を 想定 し 、 作業 を 進めて いた 。 既成 政党 の 枠 に とらわれ ない 「 地域 政党 」 づくり が 各地 で 進んで いる 。 新潟 県 の 市民 運動 団体 の メンバー ら が 護憲 、 平和 を 柱 に 掲げた 「 市民 新党 にいがた 」 、 九州 、 北 信越 など ブロック ごと に 結成 が 進む 「 農民 連合 」 など 。 だが 、 これ ら の 地域 政党 も 所属 国会 議員 が 五 人 未満 で スタート する 場合 、 たとえ 政党 を 名乗って いて も 公職 選挙 法 上 は 「 政党 」 扱い さ れ ない のだ 。 まず 、 地域 政党 が 小 選挙 区 選挙 に 候補 者 を 出す と する 。 この ため 所属 国会 議員 が 五 人 未満 だ と 、 投票 用紙 や 投票 所 に 掲示 さ れる 候補 者 一覧 の 「 候補 者 届出 政党 」 欄 が 空欄 の まま と なり 、 有権者 が 投票 所 で 投票 用紙 を 見て も 無 所属 候補 と 区別 が つか ない 。 選挙 運動 でも 政見 放送 が 認め られ ず 、 ビラ や はがき も 無 所属 と 同じ 枚数 しか 配れ ない 。 一方 、 各 ブロック の 比例 代表 選挙 に 候補 者 を 出す と する 。 公選 法 上 の 「 政党 」 で なければ 小 選挙 区 と の 重複 立候補 が 認め られ ない 。 その 選挙 で 当選 する 機会 は 比例 代表 の 一 回 だけ と なる 。 「 政党 」 の 候補 なら 重複 立候補 でも 一 人 六百万 円 で 済む 供託 金 が 、 比例 代表 だけ で 一 人 六百万 円 必要だ 。 これ ら の ハンディ は 、 すでに 地方 議会 に 議席 を 持つ 地域 政党 に とって も 同じ こと 。 公選 法 上 の 「 政党 」 の 要件 は 、 衆院 へ の 新規 参入 を 目指す 地域 政党 に とって 高い 障壁 に 見える に 違いない 。 インド を 訪問 中 の 橋本 竜太郎 通産 相 は 七 日 、 ラオ 首相 と 会談 した 。 席上 、 橋本 通産 相 は 「 インド が 独立 五十 周年 記念 と して 一九九七 年 に 行う 工業 博覧 会 に は 積極 的に 参加 し たい 」 と 述べた 。 地雷 など の 使用 を 制限 する 「 特定 通常 兵器 使用 禁止 ・ 制限 条約 」 の 第 四 回 専門 家 会合 が 九 日 から ジュネーブ で 開催 さ れる 。 野放し 状態 だった 国 内 紛争 へ の 適用 を 盛り込んだ 条約 改正 原案 に 対し 「 反 政府 勢力 の 承認 に つながる 」 と 途上 国 を 中心 に 懸念 が 噴出 。 九 月 に 予定 さ れる 条約 再 検討 会議 を 前 に 最終 調整 の 場 と なる 。 一九八〇 年 に 採択 さ れた 条約 は 、 人道 的 見地 から 地雷 など の 使用 を 規制 。 戦後 の 遺棄 地雷 の 被害 を 防ぐ ため 、 設置 場所 の 記録 ・ 報告 など を 義務づけた 。 しかし 内政 不 干渉 の 立場 から 国家 間 の 紛争 に しか 適用 でき ず 、 国 内 紛争 で は 事実 上 の 野放し 状態 が 続いて いた 。 しかし カンボジア 、 アンゴラ 、 ソマリア など で 停戦 成立 後 に 民間 人 が 遺棄 地雷 の 犠牲 に なる 事故 が 続出 した ため 、 人道 組織 など が 再 検討 会議 で の 条約 強化 を 提唱 。 九四 年 十一 月 に は 国連 第 一 委員 会 で 条約 強化 を 求める 決議 を 採択 した 。 これ まで の 専門 家 会合 で は 一定 期間 が 経過 したら 自爆 したり 、 爆発 し なく なる 自己 破壊 、 自己 無害 化 装置 の 設置 で は ほぼ 合意 した が 、 国 内 紛争 へ の 適用 など に は 反対 も 多い 。 途上 国 は 内戦 へ の 適用 で 政府 側 が 条約 に 縛ら れる の に 対し 、 反 政府 勢力 側 に 条約 順守 の 強制 力 が 及ば ない 点 や 、 逆に 反 政府 勢力 に 条約 を 義務づける こと で 国際 的 認知 に つながる 点 を 懸念 して いる 。 1 個 数百 円 でも 生産 できる 最も 一般 的な 防衛 装置 。 米国 、 日本 など 約 50 カ国 で 年間 500万 個 から 1000万 個 が 製造 さ れて いる 。 設置 は 簡単だ が 、 遺棄 地雷 の 撤去 に は 1 個 3万 円 以上 の 経費 が 必要 。 国連 の 統計 で は 62 カ国 で 8500万 個 以上 の 地雷 が 埋設 さ れた まま 放置 さ れ 、 民間 人 を 中心 に 死傷 者 は 年間 1万5000 人 以上 に 達する 。 日本 へ の 影響 が 懸念 さ れて いる 中国 の 酸性 雨 の 降雨 面積 が 急速に 拡大 して おり 、 一九九三 年 に は 日本 の 国土 面積 の 七・五 倍 に 当たる 二百八十万 平方キロ に 達した 。 中国 共産 主義 青年 団 機関 紙 ・ 中国 青年 報 が 七 日 報じた 。 酸性 雨 面積 は 八五 年 以降 の 九 年間 で 六〇 % も 拡大 した 。 「 エスカレーション 」 が 流行 語 と なった 。 一九六〇 年 代 の ベトナム 戦争 を めぐって 、 である 。 米国 が ベトナム に かかわり 始めた 六〇 年 に は 、 八百 人 の 米 兵 が 同地 に いただけ だった 。 それ が 三 年 後 に は 一万五千 人 に 膨らみ 、 北 ベトナム を 爆撃 し 始めた 六五 年 に は 四十万 人 を 超えて いた 。 泥沼 に 足 を 取ら れて いく 米国 の 姿 は 、 つい 四 半 世紀 前 の 日本 の 中国 侵攻 を 思わ せた 。 一方 で は 安保 闘争 の 、 いや もっと 昔 の “ 鬼畜 米 英 ” の 照り返し も あった かも しれ ない 。 ともかく 反戦 ・ 反米 の 感情 が 大衆 の 間 に めらめら と 燃え上がって いった 。 ■ 画期的な 「 泥 と 炎 」 火 を つけた の は マスコミ である 。 南 ベトナム 政権 の 圧政 に 加えて 、 米軍 の トンキン 湾 爆撃 事件 が 起こる と 、 日本 の 報道 は 米 側 に 厳しい 目 を 向ける ように なった 。 彼ら は 取材 班 を ベトナム に 送り込んで 大型 ルポ を 特集 した 。 その 先駆け と なった の が 毎日新聞 の 六五 年 新春 を 飾った 企画 「 泥 と 炎 の インドシナ 」 だった 。 サイゴン 周辺 の 取材 に 偏って いた 外電 と 違って 、 南 ベトナム の 奥深い 農家 で 起居 を ともに し ながら 取材 した 「 泥 と 炎 」 は 、 新しい 外国 報道 の あり 方 を 築いた 。 米国 や 政府 発表 と は 異なった 戦争 の 実態 を 浮き彫り に し 、 海外 の 新聞 に も 引用 さ れた 。 やがて 週刊 誌 や フリーライター も 取材 合戦 に 加わり 、 国民 の ベトナム 戦争 へ の 関心 は いやがうえにも 高まった 。 しかし 、 それ は 米国 と 日本 政府 に とって 、 不都合な こと だった 。 知日 派 の ライシャワー 氏 を 駐 日 大使 に 任命 し 、 とげとげしく なり がちな 日 米 関係 を 堅固な もの に しよう と する 矢先 だった から である 。 米 国務 省 は いら立ち を 覚えた 。 こともあろうに 、 同 省 高官 は 「 毎日 、 朝日 両 新聞 は 、 共産 主義 に 浸透 さ れて いる 」 と 米 議会 の 秘密 公聴会 で 攻撃 した 。 この 証言 が 四 月 末 明らかに なり 、 両 紙 は 紙上 で 反論 、 それぞれ が 大使 館 に ライシャワー 大使 を 訪ね 抗議 した 。 同 大使 は 直ちに 遺憾の 意 を 表明 し 、 国務 省 も 訂正 の 声明 を 出さ ざる を 得 なかった 。 日本 の 新聞 に 頭 を 下げる など 米 国務 省 に とって 、 屈辱 に も 等しかった 。 友好 国 なら もっと 米国 に 理解 が あって よい はず 、 と の 不満 も あった 。 日本 の マスコミ が 戦争 批判 を 強める に つれ 、 米国 は いつか 反撃 しよう と 、 機会 を 狙って いた ようだ 。 日本 の 報道 合戦 は ますます エスカレート 。 次 は 北 ベトナム から 第 一報 を 送る の は どこ か 、 に 絞ら れた 。 新聞 各社 は あらゆる 手 を 使った 。 毎日 の 大森 実 外信 部長 は インドネシア 大統領 の あっせん で 九 月 二十三 日 、 ハノイ に 乗り込んだ 。 朝日 の 秦 正流 外報 部長 より 一 週間 早かった 。 大森 氏 は 二十五 日 の 第 一報 を 皮切り に 、 連日 の ように 打電 して きた 。 その 記事 は 新聞 の 一面 あるいは 三 面 を 華やかに 飾った 。 その 中 に 「 米 軍機 の 病院 爆撃 ―― 北 ベトナム 側 の 記録 映画 を 見る 」 と の 記事 が あった 。 見出し に も 記事 の 中 でも 断って いる ように 、 それ は 直接 取材 で は ない 。 大森 氏 は 「 こんな すさまじい フィルム は かつて 見た こと が ない 」 と の 感想 と ともに 、 ハンセン 病 病院 爆撃 の 模様 を 活字 に 再現 して みせた 。 ライシャワー 大使 は この 記事 を 見逃さ なかった 。 二 日 後 の 十 月 五 日 、 大阪 で 記者 会見 した 同 大使 は 「 日本 の 新聞 は 均衡 の 取れた 報道 を して い ない 。 ハノイ の 大森 さん 、 秦 さん の こと だ 」 と 切り出した 。 とくに 大森 氏 に 対して は 「 明らかな 宣伝 と 、 自分 の 目 で 見た こと の 区別 が つか ない ようで は 、 記者 と して 資格 に 欠ける 」 と まで 言い切った 。 ■ 米国 の “ 反攻 ” 同じ ころ 東京 の 米 大使 館 は 「 米国 は 病院 を 爆撃 した こと は 絶対 に ない 。 問題 の ハンセン 病 病院 は ずっと 以前 から 軍事 施設 と して 確認 さ れた ところ である 」 と の 声明 を 発表 した 。 明らかな 国務 省 の 、 日本 の マスコミ に 対する 反攻 であった 。 日本 政府 も これ に 合流 した 。 当時 の 佐藤 栄作 首相 は 十一 月 二 日 の NHK 番組 で 「 一部 の まれな 現象 を あたかも 全体 的な もの である か の よう に 報道 さ れて は 困る 」 と マスコミ を けん制 。 外務 省 の 曽野 明 情文 局長 は 四 日 の 外国 人 記者 会見 で 「 日本 の 新聞 は 国 内 世論 を 必ずしも 反映 して い ない 。 商業 的 理由 で 日本 の 新聞 は 伝統 的に 反 政府 的であり 、 これ は 新聞 の 販売 政策 の ため だ 」 と 語った 。 マスコミ は もちろん 反撃 した 。 ライシャワー 発言 に は 記者 会見 でも 反論 が 出た し 、 朝日 も 毎日 も 翌日 の 新聞 で 「 事実 に 反する 」 と 指摘 した 。 しかし 四 カ月 前 に 比べる と 、 その 声 は 弱々しかった 。 大森 氏 が 「 毎日 ・ 朝日 の 分断 作戦 に 出た 」 と 語った ように 、 あるいは 米国 は 毎日新聞 の 孤立 化 を 狙った の かも しれ ない 。 十 月 に は 朝日新聞 の 秦 外報 部長 が 米国 に 飛んで ハンフリー 副 大統領 、 ラスク 国務 長官 と の 会見 に 成功 した 。 「 この 種 の 単独 会見 に 応じる こと は まったく 異例 」 と 同 紙 は 書いた が 、 大森 氏 の 目 に は これ も 一種 の 懐柔 策 に 映った 。 また 読売 新聞 は 十 月 二十五 日 の 夕刊 に 、 ベトナム 報道 は 「 新聞 倫理 綱領 に 違反 して いる ので は ない か 」 と の 桶谷 繁雄 氏 の 論稿 を 載せた 。 他紙 は ともあれ 、 毎日新聞 自身 の 対応 は 大森 氏 を 落胆 さ せた 。 同氏 は 「 社説 で 対抗 す べきだ 」 と 主張 した が 、 論説 室 の 動き は 鈍かった 。 新聞 週間 の 十 月 二十 日 、 やっと 社説 は 載った 。 「 大新聞 と いえ ども その 報道 や 論調 に 常に 誤り が ない と は いえ ない 。 新聞 の 限界 を 知り ながら 、 その 報道 と 評論 を 通して 、 あえて 世論 に 訴えて いく の は 、 外部 の 圧力 に 抗する 以上 に 勇気 を 要する もの である 。 その 勇気 の 根源 は 、 なにより も ヒューマニズム に 基づく 正義 を 貫き たい と する われわれ の 信念 に ある 」 と の 格調 高い もの だった が 、 大森 氏 を 満足 さ せる に は ほど遠かった 。 大森 氏 は 翌年 一 月 、 社 を 去った 。 「 私 は 毎日新聞 と いう 船 を 、 一 人 の 記者 の 力 で 、 巨大な 風 に 向かって 突っ込ま せよう と した 世間知らずの 男 だった かも しれ ない 」 と 書いた 。 政府 の ベトナム 報道 へ の 干渉 は 、 その後 一段 と 露骨に なる 。 年初 の 景気 論争 と いえば 、 実質 成長 率 を めぐり 強気 と 弱気 が ぶつかる と いう スタイル が 定番 だった 。 昨年 の いまごろ は 一九九四 年度 の 見通し で 政府 が 二・四 % 成長 を 打ち出した の に 対し 民間 シンクタンク の 多く が 一 % 台 、 中 に は ゼロ成長 を 予測 する ところ も あり 、 大 論争 が 繰り広げ られて いた 。 今年 は まったく 影 を ひそめて いる 。 政府 見通し が 二・八 % と やや 突出 して いる が 、 民間 の 予測 は 二 % 前後 に 集中 して おり 、 それほど の 差 は ない 。 嶋中 氏 と 斎藤 氏 の 成長 率 予測 も 二・五 % と 二 % で 極めて 近い 数字 だ 。 「 緩やかな 回復 」 と いう 見方 は コンセンサス に なって いる と 言えよう 。 しかし 、 この 回復 基調 が いつまで 続く か 、 と いう 期間 に なる と 大きく 分かれる 。 嶋中 氏 が 「 九五 年度 末 まで で 、 九六 年度 は 後退 する 」 と 見る の に 対し 、 斎藤 氏 は 「 少なくとも 三 年間 は 持続 する 」 と する 。 予測 が 分かれる ポイント は 価格 動向 だ 。 嶋中 氏 が 言う ように 流行 語 に なった 「 価格 破壊 」 が 一過性 で 、 消費 者 物価 が 大きく 上昇 すれば 、 個人 消費 が 元気 を なくし 、 回復期 間 は 短く なる だろう 。 価格 下落 は 構造 的 と する 斎藤 氏 の 視点 から 見る と 、 長期 化 する 可能 性 が 高まる 。 どちら が 当たる か 、 統計 的に 結果 が 出る の は 一 年 半 後 だ が 、 希望 的 観測 と して は 斎藤 説 に 軍配 を 上げ たい 。 現在 の 緩やかな 回復 を 踊り場 と とらえ 、 二十一 世紀 へ 力強く 成長 する 夢 が 描ける から だ 。 しかし 、 斎藤 氏 が 言う 「 デフレ 下 の 成長 」 を 確固と した もの に する に は 、 構造 変化 を ビジネスチャンス と 受け止める 企業 群 が 存在 し なければ なら ない 。 シュンペーター が 言う 「 企業 家 精神 」 に あふれた 経営 者 が 不可欠である 。 このように 考える と 今後 の 経済 政策 の 柱 は しなやかな 強 さ を 持った ベンチャービジネス を 支援 する こと だろう 。 景気 は 緩やかに 回復 して いる 。 しかし 、 回復 感 は いかにも 乏しい し 、 先行き が 不透明だ 。 循環 論 の 嶋中 氏 は 「 回復 は 微弱 、 短命 」 と 悲観 的に 予測 し 、 構造 的 変化 を 重視 する 斎藤 氏 は 「 デフレ 下 の 成長 」 は 相当 期間 続く と する 。 果たして 現実 は どう 動く の か ―― 。 新春 の 経済 論争 は 熱 を 帯びた 。 この 年 末 年始 は 、 日ごろ 疎遠な 硬い 本 に 挑戦 して みた 。 その 多く に 「 不可知 論 」 的な 記述 が 当然の ように 登場 して いた 。 意外だった が 、 時代 の 流れ な の かも しれ ない 。 法 哲学 の 入門 書 は 、 人 は 無数の 未知 数 の 中 に あり ながら 「 わずかの 方程式 しか 与え られて い ない 」 と 知 の 限界 を 説いて いた 。 社会 哲学 の 一 冊 は 、 近代 科学 の 「 正し さ 」 の 基準 に ついて 「 社会 が 受け入れる か 否 か に よる 」 のであって 「 理論 それ 自体 に よる ので は ない 」 と 相対 主義 を 取って いた 。 また 「 構造 主義 」 認識 論 の 何 冊 か は 「 外部 世界 の 実在 性 」 を 排除 して いた 。 近代 哲学 の 不可知 論 と いえば 、 イギリス の 哲学 者 、 デビッド ・ ヒューム の 懐疑 論 であろう 。 ドイツ 観念 論 に よって 影 が 薄く なって いた が 形 を 変えて よみがえった か の ようだ 。 外部 世界 の 実在 性 を 疑わ ず 「 素朴 実在 論 」 の 中 に 漬かって いる 身 に とって 、 不可知 ・ 懐疑 論 の 受け入れ は 容易で ない 。 ただ 、 これ ら の 論 は 論破 が 難しい だけ で なく 、 無視 でき ない 面 を 持って いる 。 なぜなら 、 不可知 論 は 真理 性 に こだわら ない が 故 に 多元 主義 である 。 その 結果 、 互いに 他者 を 尊重 する 「 寛容 」 に 価値 を 置く から である 。 論理 矛盾 の 排除 を 別に して 、 知 に 限界 が あって 真理 性 が 相対 的ならば 、 寛容 は 必然 的 帰結 であろう 。 その 寛容 こそ 、 民族 的 ・ 宗教 的 緊張 が 続く 世界 状況 を 抜け出す ため の 「 最高の 英知 」 と 思い たい 。 今年 は 「 国連 寛容 年 」 。 中国 司法 省 は 、 監獄 法 成立 を 受け 、 悪名高い 「 労 改 」 と いう 名称 を 「 監獄 」 に 変更 する こと を 決めた 。 七 日 の 「 法制 日報 」 が 明らかに した 。 「 労働 改造 」 は 、 労働 能力 の ある 懲役 受刑 者 を 労働 と 教育 を 通じて 更生 さ せる 制度 。 実態 は 、 反 革命 分子 など の 政治 犯 を 送り込み 、 強制 労働 を 通じて 思想 を 改造 さ せる 機構 で 、 恐怖 の 対象 と なって いた 。 「 法制 日報 」 は 名称 変更 が 「 われわれ の 国際 社会 に おける 人権 闘争 に も 有利である 」 と し つつ も 「 その 性質 と 任務 は 不変である 」 と 労働 改造 制度 が 続く こと を 確認 した 。 米国 、 カナダ と メキシコ が 昨年 一 月 発足 さ せた 北米 自由 貿易 協定 が 揺れて いる 。 各 政府 は 明るい 将来 を 約束 して いた が 、 米国 へ の 不法 移民 は 続き 、 年 末 から の メキシコ 通貨 危機 は 地域 を 巻き込んで 拡大 して いる 。 先進 国 と 途上 国 が 作った 経済ブロック の 実験 は 二 年 目 に 入った 。 「 できる こと なら 、 あの 一 年 は なかった こと に して ほしい もん だ 」 。 メキシコ 市 で デザイン ・ 飲食 会社 を 経営 する 実業 家 、 アウレリオ ・ オルティス さん は 、 NAFTA が 発効 した 一九九四 年 を 「 悪夢 の 年 」 と 振り返った 。 デザイン 部門 の 収支 は とんとん 。 上流 階層 相手 の レストラン は 九三 年 実績 を 一気に 二〇 % 以上 も 伸ばし 、 五百八十万 ペソ の 売り上げ を 記録 した 。 そこ まで は よかった 。 NAFTA を ビジネスチャンス と 見て 、 同 国初 の 魚介 類 の ファストフード 店 を 開き 不動産 の 買収 など に 百万 ペソ を 投資 した 。 だが 、 売り上げ は わずかに 四十万 ペソ 。 大学 で 工業デザイン を 専攻 し 、 大学院 で 建築 学 を 修め 、 デザイン 事務 所 、 株式 投資 など で 順調に 資産 を 増やして きた オルティス さん に とって 初めて の 挫折 だった 。 NAFTA 効果 の 読み 違い が 原因 だった 。 NAFTA に よる マクロ 経済 発展 の 波 に 乗った 上 の 層 は 確かに 恩恵 を 手 に した 。 その 半面 、 経済 全体 の 底上げ で ふくらむ と 見込んだ 中間 層 は 増え なかった 。 メキシコ 労働 者 連盟 の 統計 に よる と 、 九四 年 に 消えた 企業 は 商業 部門 だけ で 約 三万 社 。 NAFTA に より 自動車 など の 米国 へ の 輸出 は 伸びた 。 同時に 、 大量の 米国 製品 が 流入 し 、 競争 力 の ない 中小 零細 企業 は 次々 に 倒産 した 。 いかに 「 転換 期 に 痛み は つきもの 」 と は いえ 、 国民 の 二五 % が 事実 上 の 無職 だ 。 メキシコ は 「 史上 最多 の 失業 者 」 を 抱え込んだ 。 オルティス さん の 知人 は 、 勤務 先 の 織物 販売 店 の 倒産 以来 、 一 台 に つき 四 ペソ の 車 洗い で 暮らして いる 。 それ でも オルティス さん は 、 多く の 実業 家 と 同じ ように 「 二 、 三 年 も たてば 景気 が 回復 する 」 と 踏んで いた 。 だが 、 NAFTA と 同時に 昨年 一 月 出現 した 先住 民 武装 組織 、 サパティスタ 民族 解放 軍 が 十二 月 に 再 ほう起 し 、 事態 は 暗転 した 。 株価 暴落 に 続く 、 突然の 一五 % も の 通貨 切り下げ 。 メキシコ は 一夜 に して 二十億 ドル を 失った と さ れる 。 変動 相場 制 移行 で 通貨 は さらに 暴落 した 。 一部 の 輸出 部門 を 除く 経済 界 は 「 キツネ に つままれた ような 出来事 」 に 放心 状態 に 陥った 。 銀行 の 貸出 金利 も 三〇 % 以上 に 急騰 し 、 借金 を 抱えた 業者 は 金利 の 池 に おぼれ ん ばかり 。 政府 が 布告 した 六十 日間 の 物価 凍結 令 が 切れる 二 月 に は インフレ 再燃 も 懸念 さ れて いる 。 オルティス さん は 当面 の 事業 拡張 を あきらめた 。 国 が 経済 成長 を 抑制 し 、 さらに EZLN 問題 や 政治 不安 を 解決 でき ない うち は 、 景気 は 悪化 する と 予測 する から だ 。 昨年 は 「 悪夢 」 を 見た が 、 今年 は 「 夢 さえ 描け ない 年 」 に なり そうだ 。 南米 エクアドル の 首都 キト で 6 日 、 公共 交通 料金 の 値上げ に 反対 する 学生 の デモ隊 に 警官 隊 が 発砲 、 17 歳 の 学生 1 人 が 死亡 し 、 1 人 が こん睡 状態 に 陥った 。 スターリン 時代 に 破壊 さ れた ロシア 正教 の 「 救世 主 大 寺院 」 が モスクワ 市 内 の 元 の 地 に 再建 さ れる こと に なり 、 クリスマス 三 連休 初日 の 七 日 、 起工 式 が テレビ 生 中継 で 盛大に 行わ れた 。 経済 困難 の 中 で 巨額の 費用 を 要する 再建 に 批判 も ある が 、 宗教 復権 を 背景 に 正 教会 側 は 強気の 姿勢 だ 。 同 寺院 は 一九三一 年 に 爆薬 で 破壊 さ れた が 、 ソ連 崩壊 後 、 存在 感 を 増した 正 教会 が 寺院 再建 に 乗り出した 。 総 予算 は 約 二億 ドル で 、 三 年 後 の 完成 を 目指して いる 。 ローマ 法王 ヨハネ ・ パウロ 二 世 は 十二 日 から アジア ・ 太平洋 諸国 を 訪問 する が 、 最初の 訪問 地 である フィリピン で は 、 イスラム 原理 主義 を 掲げる 反 政府 武装 組織 「 アブ ・ サヤフ 」 が カトリック 神父 の 処刑 など 法王 訪問 を 妨害 する テロ 活動 を 計画 して いる こと が 七 日 まで の 比 警察 当局 の 調べ で わかった 。 中東 の テロリスト が 比 国 内 に 潜入 を 図ろう と して いる と の 情報 も あり 、 厳戒 態勢 に 入った 。 比 警察 当局 に よる と 、 アブ ・ サヤフ は ミンダナオ 島 南方 バシラン 島 で 複数 の 神父 の 誘拐 、 殺害 を 計画 して いる と の 情報 が ある 。 捜査 当局 は すでに 海外 の テロリスト 百九 人 の ブラックリスト を バチカン から 入手 し 、 マニラ の 国際 空港 など で 水際 作戦 を 展開 。 六 日 に は 不正な パスポート を 所持 して いた イラン 人 八 人 を 国 外 追放 処分 に する など 、 神経 を とがら せて いる 。 キューバ の グアンタナモ 米 海軍 基地 に 残る ハイチ 難民 約 五千 人 全員 の 強制 送還 が 開始 さ れ 、 乳幼児 を 含む 第 一陣 五十四 人 が 六 日 、 本国 に 到着 した 。 同 基地 に は 一九九一 年 の 軍事 クーデター 以来 、 約 二万一千四百 人 の 難民 が 収容 さ れて いた 。 うち 約 一万六千 人 は 大統領 の 帰国 を 受けて 自主 的に 帰還 。 残る 人々 は 帰国 を 拒んで いた 。 米 政府 は 、 生活 費 と して 一 人 あたり 八十 ドル の 支給 を 提案 した が 、 受け取った の は 六百六十七 人 。 残り は あくまで 、 基地 残留 か 米国 亡命 を 主張 した ため 強制 的な 送還 と なった 。 牛乳 を かける だけ で サッ と 食べ られる 穀物 食品 、 ミネラルウオーター 、 そして メキシコ 産 の 「 コロナ ・ ビール 」 が 、 昨年 の パリ の 売れ 筋 商品 の トップ 3 。 特に ズングリ 形 の 瓶 入り の コロナ は 、 一九八九 年 の 輸入 量 が 二万七千 本 だった のに 、 今年 は 一千万 本 を 超す 見込み と いう 。 ヤッピー たち の 集まる ディスコ で は もちろん 、 彼ら の ホームパーティー でも 、 レモン を かじり ながら 瓶 に 直接 口 を つけ 、 コロナ を 飲む の が 定番 に なって いる 。 この コロナ 人気 の 背景 に なって いる の が 、 メキシコ 料理 店 の 繁盛 ぶり 。 現在 、 パリ 市 内 で メキシコ 料理 を 意味 する 「 TEX ― MEX 」 の 看板 を 掲げる レストラン は 四百 軒 を 数え 、 さらに 拡大 中 だ 。 その 人気 の 理由 は 、 ワイン 、 前菜 と 続く 伝統 的な フランス料理 店 で 、 昼食 に 二 時間 かける の は もったいない 、 かといって ハンバーガーショップ で は 味気な さ 過ぎる 、 と いう こと らしい 。 そして 舌 に ピリッ と 辛い 味付け に は 、 ビール が ぴったりの ようだ 。 仏 国産 も 含め 、 パリ で 売ら れて いる 四百五十 種 の ビール の トップ に 躍り出た コロナ 。 ワイン 育ち の パリジャン に とって は 、 ビール は どれ も 同じ ような もの で は ない か と 思う のだ が 、 米国 産 で は だめな ところ が 誇り 高い フランス 人 らしい 。 一九七九 年 の イラン革命 以前 に ドイツ が 建設 に 着手 した が その後 中断 、 八〇 ― 八八 年 の イラン ・ イラク 戦争 で 爆撃 さ れた イラン 南部 ブシェール に ある 原子 力 発電 施設 が 、 近く ロシア と 共同 で 開発 さ れる こと が 七 日 決まった 。 イラン 各紙 の 報道 に よる と 、 ミハイロフ ・ ロシア 原子 力 相 は 同 施設 を 完成 、 稼働 さ せる 契約 に 数 日 中 に 調印 する もの と み られる 。 中国 共産党 中央 軍事 委員 会 は 七 日 まで に 、 軍 に よる 党 建設 強化 の 決定 を まとめた 。 「 党 の 軍隊 に 対する 絶対 的な 指導 を 堅持 する 」 と 強調 した の が 特徴 。 軍 歴 の ない 江 沢民 国家 主席 の 地位 を 固め 、 軍 へ の 指導 力 を 強化 する の が 狙い と み られる 。 党 十四 期 中央 委員 会 第 四 回 総会 の 要求 を 受けた もの で 、 名称 は 「 四 中全会 精神 を 貫徹 し 、 軍隊 の 党 建設 を さらに 強化 する こと に 関する 決定 」 。 近く 江 沢民 軍事 委員 会 主席 の 批准 を 受け 、 全軍 に 公布 する 。 七 日 の 中国 各紙 に よる と 、 決定 は 「 党 委員 会 は 、 部隊 の 統一 指導 と 団結 の 核心 である 」 「 各 級 党 委員 会 は 、 断固と して 党 中央 の 権威 を 擁護 し 、 党 の 軍隊 に 対する 絶対 的な 指導 を 確保 し なければ なら ない 」 と して いる 。 指導 部 の 中 に あって 軍 の 影響 力 は 相当 強く 、 その 動向 は ポスト トウ 小平 時代 に おける 一 つ の 不安 要因 に なって いる 。 この ため 、 トウ 小平 氏 も 江 沢民 氏 に 軍事 委員 会 主席 を 兼務 さ せて いた 。 ロシア 旧暦 で クリスマス 休日 に あたる 七 日 、 ロシア 軍 は 朝 から チェチェン 共和 国 の 首都 グロズヌイ の 中心 部 で ドゥダエフ 政権 部隊 に 対し 大規模な 激しい 攻撃 を かけた 。 しかし 、 チェチェン 側 の 抵抗 も 頑強で 、 ロシア 内務 省 発表 に よる と 、 内務 省 軍 の 司令 官 を 務めて いた ビクトル ・ ボロビヨフ 少将 が 地雷 爆発 で 戦死 した 。 同行 の 大佐 と 中佐 も 重傷 を 負った 。 同 少将 は オモン も 含め チェチェン に 進攻 した 内務 省 軍 の 実戦 指揮 を 執って いた 。 先月 十一 日 の 軍事 進攻 以来 、 将軍 の 死者 は 初めて 。 現地 から の 情報 に よる と 、 戦闘 は 大統領 官邸 から 一 ― 二キロ の 周辺 で 最も 激しく 、 通り ごと に 撃ち 合い が 続いて いる 。 チェチェン 側 部隊 の 拠点 と なって いる 大統領 官邸 の 最 上階 から は 炎 が 上がって いる 。 首都 郊外 の 石油 精製 所 も ロシア 軍 の 爆撃 の 後 、 火災 を 起こした 。 インタファクス 通信 に よる と 、 ドゥダエフ 政権 側 は 六 日 、 重 火器 を 首都 郊外 に 移す 一方 で 、 新たな 部隊 が 首都 防衛 の ため に 入った と 伝えた 。 死亡 説 が 流れる など 、 ここ 数 日 消息 が 不明だった ドゥダエフ ・ チェチェン 大統領 に ついて は 、 インタファクス 通信 が 七 日 、 南部 の 山岳 地域 に ある 予備 司令 部 に いる と 報じた 。 メキシコ 与党 ・ 制度 的 革命党 の デロスアンヘレス 委員 長 は 六 日 、 政府 の 石油 公社 民営 化 計画 に ついて 反対の 意思 を 表明 した 。 政府 と PRI が 一体 の 同国 で 、 与党 が 政府 の 政策 に 異 を 唱える の は 極めて 異例 。 経済 混乱 で 国民 の 非難 を 浴びる セディジョ 大統領 は ますます 孤立 を 深める こと に なった 。 石油 公社 の 民営 化 は 、 大統領 が 三 日 に 発表 した 緊急 経済 計画 の 中 で 明らかに さ れた 。 総額 二百八十億 ドル に 及ぶ 経常 赤字 の 削減 策 の 一環 で 、 石油 化学 部門 を 十三億 ドル で 売却 する 。 ところが 、 同 委員 長 は 「 石油 は わが国 の 主権 の シンボル である 」 と して 、 真っ向 から 対立 。 労組 の 後押し で 同じく 反対の 野党 ・ 革命 民主党 と 歩調 を 合わせた 。 カムドシュ 国際 通貨 基金 専務 理事 は 六 日 、 メキシコ と の 間 で スタンドバイクレジット 交渉 を 来週 開始 する 、 と の 声明 を 発表 した 。 メキシコ が IMF から 引き出せる 包括 的 信用 枠 に 基づく 融資 限度 額 は 約 二十五億 ドル 。 ゼネラル ・ モーターズ 、 フォード ・ モーター 、 クライスラー の 米 ビッグスリー が 日本 市場 へ の 右 ハンドル 型 ミニバン 投入 に 強い 意欲 を 見せ 始めた 。 ミニバン の 発祥 地 、 米 市場 で 圧倒 的な 販売 を 誇る 3 社 だけ に 、 今後 の 対 日 攻勢 は 注目 を 集めよう 。 デトロイト 自動車 ショー で 最大 の 関心 を 集めた の が 、 米 ミニバン 市場 で シェア の 50 % を 握る クライスラー の 新型 車 だ 。 商用 バン を ベース に し 、 スタイル が 角張って いる と の 不評 も あった 従来 の ミニバン から 大きく 脱皮 、 「 乗用車 を 思わ せる 画期的な スタイル 」 と なった 。 クライスラー の イートン 会長 は 「 市場 アクセス の 改善 いかん だ 」 と し ながら も 、 この 右 ハンドル 型 ミニバン の 日本 へ の 投入 に 意欲 的だ 。 GM の スミス 社長 、 フォード の ロバーツ 副 社長 も 会場 内 など で 、 記者 団 に 対し 同様の 考え を 示した 。 米国 の 西部 を 中心 に 運航 して いる サウスウエスト 社 と いう 航空 会社 が ある 。 日本 の ビジネスマン に も 乗った 方 が たくさん おら れる だろう が 、 とにかく 合理 的 、 機能 的で 、 一 度 乗ったら 忘れ られ ない エアライン である 。 料金 が 安い 。 チケット を 発行 し ない 。 ファーストクラス と 一般 客 の 区分 が なく 、 すべて フリー 。 早い者勝ち である 。 機材 は ボーイング 737 で 統一 して いる 。 これ が 、 最初に 気付く 特徴 だ 。 運航 路線 も 一味 違う 。 米国 の 大手 航空 会社 の 基本 は 「 ハブ ・ アンド ・ スポーク 」 方式 。 ハブ 空港 を 中心 に 、 車輪 の 輻 の ように 路線 を 周辺 地域 に 張り巡らせて いる のだ 。 しかし 、 サウスウエスト は ハブ 空港 を 持た ない 。 直線 距離 で 四百 マイル 程度 の 二 都市 間 を 、 単線 で 結ぶ ように 設定 さ れて いる 。 細かい ところ で は 、 機 内 清掃 時間 も 、 他社 が 四十 分 かける のに 半分 の 二十 分 。 これ まで の 常識 を 打ち破った 。 「 料金 に 見合った サービス 」 と いう の が モットー 。 なるほど 、 運賃 引き下げ 競争 の 激しい 米国 で 勝ち抜く ため に は 、 こうした 哲学 が 必要な のだろう 。 ここ 数 年 展開 さ れて きた 同社 の 経営 戦略 効果 は 大きかった 。 アメリカン 、 コンチネンタル と いった 大手 航空 会社 が 第 二 ブランド の 子会社 を 作り 、 サウスウエスト 方式 を 採用 した 。 アメリカン ・ イーグル は その 一 つ 。 昨年 大 事故 を 起こした が 、 近々 運航 を 再開 する 。 過剰な サービス は 要ら ない 。 それ より 運賃 を 安く ―― と いう の が 利用 者 の 願い な のだろう 。 料金 が 自由 化 さ れて い ない 日本 で は 、 願う ほう が 無理な の か …… 。 深刻な 通貨 危機 に 陥った メキシコ 政府 は 、 電力 、 石油 を はじめ 通信 、 空港 など の 国営 事業 の 民営 化 で 、 総額 約 百四十億 ドル の 外資 を 導入 する 方針 を 決めた 。 六 日 付 の メキシコ 各紙 に よる と 、 オルティス 蔵 相 は 、 連邦 電力 委員 会 が 独占 運営 して いる 電力 事業 の 民営 化 で 、 六十億 ドル の 国庫 収入 を 期待 して いる と 表明 。 また 、 国営 石油 公社 ペメックス の 石油 化学 プラント を 十三億 ドル で 売却 する 方針 を 伝えた 。 昨年 一 年間 に ロンドン で 売買 さ れた 日本 株 は 、 東京 市場 の 取引 株 数 の 一三・六 % に 相当 する こと が 六 日 、 ロンドン 証券 取引 所 が 発表 した 一九九四 年 の 売買 実績 で 明らかに なった 。 九三 年 の 九・七 % を 上回り 、 初めて 二 ケタ 台 に 乗った 。 これ は 東京 株式 市場 の 空洞 化 が 一段 と 進んだ こと を 示して いる 。 ロンドン 取引 所 の 統計 に よる と 、 九四 年 中 に ロンドン で 売買 さ れた 日本 株 は 二百五十二億七千六百万 株 で 、 ロンドン で 取引 さ れた 外国 株 の 二三・三 % を 占めた 。 また 、 国別 で は 日本 株 が トップ で 、 地元 英国 株 の 百二億五百万 株 を 二・五 倍 上回って いる 。 東京 市場 の 昨年 一 年間 の 取引 は 一 、 二 部 合わせて 九百二十八億八千九百万 株 。 ロンドン の 場合 、 売り と 買い の 双方 を 計算 して いる ため 半分 と して 計算 する と 、 ロンドン で 売買 さ れた 日本 株 は 東京 の 一三・六 % に 相当 し 、 九三 年 の 九・七 % に 比べて 三・九 ポイント 増えた 。 ゲッパート 米 民主党 下院 院内 総務 は 6 日 、 連邦 議会 が 財政 均衡 化 義務付け 憲法 修正 案 を 各 州 議会 に 送る 前 に 、 具体 的な 財政 均衡 化 計画 を 立法 化 さ せる よう 求める 「 責任 財政 決議 案 」 を 9 日 提出 する と 発表 した 。 憲法 修正 案 は 2002 会計 年度 まで に 財政 収支 の 均衡 を 義務付ける もの で 、 多数 派 と なった 共和党 の 主導 で 1 月 中 に も 議会 を 通過 する 見通し 。 議会 で の 可決 に は 3 分 の 2 の 多数 が 必要だ が 、 民主党 内 に も 支持 が 多い ため だ 。 議会 通過 後 は 全 米 50 州 の うち 、 38 州 以上 の 州 議会 が 批准 すれば 成立 する 。 昨年 秋 、 病 の 床 に あった 時 、 一 人 の 財界 人 の 死 を 知った 。 葬儀 に 出かける こと は でき なかった 。 健康 を 回復 して 、 この コラム を 再開 したら 、 イ の 一 番 に 亡くなった 鈴木 永二 さん の こと を 書こう と 心 に 決めて いた 。 鈴木 さん ほど “ 財界 人 ” が 似合わ なかった 人 も 珍しい 。 三菱 グループ の 名門 企業 、 三菱化成 の 社長 、 会長 を 務めた 。 その あげく 、 日経連 会長 、 第 三 次 行革審 会長 、 財政 制度 審議 会長 と 、 一流 の 肩書 を 連ねて いた に も かかわら ず 、 姿勢 は いつも “ 反 財界 ” の 闘士 の ように 見えた 。 私 は ひそかに 「 財界 の 突貫 小僧 だ な 」 と 考えて いた のである 。 バブル を 攻撃 した 。 それ に 乗っかって 商売 する 銀行 を 痛烈に 批判 し 始めた の も 鈴木 さん が 最初だ 。 私 の インタビューメモ に よる と 、 そのまま 活字 に する の を はばから れる ような 激しい 文字 が 並んで いた 。 「 大体 、 銀行 は 何 です か 。 土地 さえ あれば お 金 を じゃぶじゃぶ 貸して …… 。 それ で 地価 が 上がって まじめな サラリーマン は 一生 かかって も 住宅 も 手 に 入ら ない 。 銀行 は 都心 の 一等地 に 御殿 の ような ビル を 建てる 。 学生 の ホッペタ を 札 ビラ で たたいて 、 かき集める と は 全く けしからん …… 」 銀行 の 土地 融資 を 規制 さ せよう と 大蔵 事務 次官 に 談判 に 出かけた こと が あった 。 当時 、 全 銀 協会 長 は 世間 の 批判 に 対し 「 仮 需 で は なく 、 実需 に 基づいて 融資 して おり 、 投機 的な もの で は ない 」 と 言い張って いた のである 。 土地 の 総量 融資 規制 は 結局 、 九〇 年 四 月 から 始まった 。 少なくとも 一 年 以上 遅かった 。 鈴木 さん の 歯 に きぬ 着せ ぬ 直言 ぶり に 経済 界 から 批判 の 声 も 上がった 。 その 代表 的な もの は 「 ボス ・ リーダー 事件 」 である 。 きっかけ は 土地 保有 税 であった 。 鈴木 さん が 「 土地 保有 コスト が 低 過ぎる の が 、 地価 高騰 の 要因 の 一 つ だ から 、 土地 保有 税 を 導入 す べし 」 と 主張 した 。 これ に 対して 慎重 姿勢 を 示して きた の が 斎藤 英四郎 経団連 会長 だった が 、 ある 週刊 誌 に 鈴木 さん が 「 斎藤 会長 は ボス であって も 、 リーダー で は ない 」 と 語った 、 と 報道 さ れた から たまらない 。 経団連 事務 局 と 日経連 事務 局 の いがみ合い に まで 発展 した 。 自ら 財界 の 要職 に あり ながら 、 いつも 庶民 感覚 と いう 座標 軸 を 体 の 中 に 据えて いた 人だった 。 バブル が 消えて から は 、 第 三 次 行革審 会長 と して もっぱら 、 行政 改革 、 規制 緩和 と 格闘 した 。 「 官僚 と 官僚 OB の 潰し の テクニック を 目の当たり に 見た 」 と いつも こぼして いた 。 各 省庁 が 特殊 法人 の ヒアリング を 拒否 、 ボイコット した の を 最後 まで 残念がって いた 。 「 行革審 の 調査 権 の 侵害 で 、 法律 違反 です よ 」 鈴木 さん は 昨年 十 月 六 日 、 慶応 大学 の 藤沢 キャンパス で の 特別 講義 の 途中 で 心臓 が 苦しく なった 。 学生 たち に 「 四 、 五 分 待って 。 必ず 戻る から 」 と 言い 置いて 、 五 日 後 に 亡くなった 。 「 日本 の 行政 システム の 改革 」 が 講義 名 。 官僚 と 特殊 法人 と の 関係 に ついて 厳しく 論じる 予定 だった と いう 。 恐らく 「 行革 と は 官僚 と 戦って これ に 勝つ こと 」 が 結論 だった ので は ある まい か 。 イタリア の 自動車 メーカー 「 フィアット 」 が 、 メキシコ 進出 を 断念 した こと が 明らかに なった 。 メキシコ 通貨 危機 に よる 採算 割れ を 懸念 して の 決定 と み られて いる 。 七 日 付 の 米 紙 マイアミ ・ ヘラルド が 、 メキシコ 市 発 の ダウジョーンズ 通信 記事 を 掲載 した 。 米 カリフォルニア 州 オレンジ 郡 が 資金 運用 に 失敗 、 破産 申請 して から 六 日 で 一 カ月 。 米国 でも 初めて の 地方 自治 体 の 破産 申請 は 、 日本 の 金融 機関 も 巻き込んだ 騒動 に 発展 、 地元 で は 長期 計画 の 繰り延べ や 、 レイオフ が 予定 さ れる など 、 影響 が 出始めて いる 。 オレンジ の 名 産地 と して 知ら れ 、 米国 でも 裕福 と いわ れた 自治 体 で の 財政 破たん の 原因 は ? 昨年 末 の 破産 申請 で 、 引責 辞任 した オレンジ 郡 の 出納 責任 者 ロバート ・ L ・ シトロン 氏 は 、 アドバイザー で も あった メリル ・ リンチ 証券 の 営業 マン 、 マイケル ・ スタメンソン 氏 と ともに 、 米 証券 取引 委員 会 から 事情 聴取 を 受けて いる 模様 。 破たん 劇 の 全容 は まだ 明らかに なって い ない 。 ただ 、 米国 の 独自の 地方 財政 システム が 背景 に なって いる の は 間違い ない 。 米国 の 主だった 地方 自治 体 で は 選挙 で 選ば れた 出納 責任 者 が 資金 を 運用 して いる 。 今回 の ケース で は オレンジ 郡 だけ で なく 、 郡 内 の 水道 局 、 教育 区 など 地元 の 地区 、 それ に シトロン 氏 の 評判 を 聞き付けた 近隣 の 郡 が 財政 資金 総額 七十八億 ドル を 同氏 に 預託 した 。 これ まで は 着実に 運用 して きた が 、 税収 が 低迷 し 、 連邦 ・ 州 から の 支援 も 不十分に なる と いった 財政 状況 から 、 シトロン 氏 は 「 危ない 運用 」 に 手 を 染めた 。 関係 者 に よる と 、 その 手法 は 七十八億 ドル の 大半 を 元本 と して 、 短期 の 政府 債 、 政府 機関 債 など を 買った 。 そして この 債券 を 担保 に 野村 証券 はじめ 十 以上 の 金融 機関 から 資金 を 借り 、 その 資金 で 再び 債券 を 購入 する と いった 具合 の 自転車 操業 を 行い 、 その 運用 額 は 約 二百億 ドル に 達した 。 さらに 、 メリル ・ リンチ の 勧め に 従い 、 金利スワップ など の デリバティブ 取引 を 取り入れた と いう 。 シトロン 氏 の 誤算 は 、 金利 動向 の 読み 違い だった 。 米 連邦 準備 制度 理事 会 は 昨年 二 月 から 断続 的に 利上げ を 行った が 、 同氏 は 利上げ は なく 、 利下げ を も 想定 して いた と いう 。 しかし 、 利上げ の たび ごと に 債券 は 下落 。 しかも 融資 を 受けて いた 金融 機関 と は 、 債券 価格 が 下がれば 直ちに 担保 を 追加 する か 資金 返済 を する と いう 契約 を 結んで いた ため 損失 が 膨れ上がり 、 約 二十五億 ドル 、 最終 的に 三十億 ドル に なる と いわ れる 焦げ付き に 発展 した 。 破たん の 遠因 に は 、 カリフォルニア 州 が 、 全 米 でも 最も 緩やかな 資金 運用 を 許して いた こと も 挙げ られる 。 シトロン 氏 自身 の 工作 の 結果 と の 見方 も ある が 、 リスク の 多い デリバティブ さえ 認め られて いた 。 現在 同 郡 は 、 顧問 と して 契約 した ソロモン ・ ブラザーズ の 協力 の もと 、 手持ち の 債券 を オークション に かける など 損害 を 最小 限 に 食い止めよう と して いる 。 また 同 郡 は 、 債権 保全 の ため に 担保 債券 を 売却 した 金融 機関 を 破産 法 違反 と して 告訴 した 。 融資 金融 機関 の 中 に は 、 野村 証券 の ほか 、 三和 セキュリティーズ 、 富士 セキュリティーズ も 含ま れて いる 。 米 破産 裁判 所 が 今回 の 申請 を 受理 する と すれば 初 の ケース で 、 他の 自治 体 へ の 波及 が 心配 さ れる 。 ペソ の 暴落 で メキシコ 経済 の 混乱 が 続いて いる 。 北米 自由 貿易 協定 、 中南米 諸国 だけ で なく 、 日本 や 欧州 企業 に も 影響 が 及び 始めた 。 メキシコ 国営 貿易 銀行 の ビラテラ 総裁 は 六 日 、 ニューヨーク で 外国 の 金融 、 投資 企業 関係 者 を 集め 、 緊急 経済 計画 を 説明 、 メキシコ へ の 投資 継続 を 呼び掛けた 。 しかし 不安 一掃 に は 至らなかった ようだ 。 ビラテラ 総裁 は この 日 の 会合 で 「 満期 が 来た 債券 の 元利 返済 を 、 繰り延べ する ような こと は ない 」 など と 述べ 、 米国 、 日本 など から 受けた 百八十億 ドル の 国際 金融 支援 を バック に 、 経済 危機 は 克服 できる と 強調 した 。 日 系 企業 の 中 に は 、 NAFTA が 発効 した の を 機会 に 、 メキシコ へ の 投資 を 計画 する 企業 が 多い が 、 今回 の 突然の 経済 危機 表面 化 で 、 慎重な 対応 を する ところ も 出始めて いる と いう 。 この 日 の 総裁 の 説明 を 受けて も 「 まだ 不安 が 残る 」 と の 声 が 聞か れた 。 一方 、 米国 の 企業 の 中 に も 、 小売 業界 最 大手 の ウォルマート が メキシコ 企業 と の 合弁 で 計画 して いた 出店 の 延期 を 検討 する など 、 影響 が 出始めて いる 。 ただ 、 いま の ところ 投資 家 の 姿勢 は 比較的 冷静 。 米 チェース ・ マンハッタン 銀行 も 、 メキシコ 市 で の 事務 所 開設 を 予定 通り 進める と 言明 した 。 また 大手 スポーツ 関連 企業 の ナイキ の ように 、 ペソ の 下落 を 利用 して 、 メキシコ 北部 の 米国 と の 国境 近く に 運動靴 製造 プラント を 建設 する ところ も ある 。 しかし 、 六 日 も ペソ が 下落 する など 、 混乱 は しばらく 続き そうだ 。 2 回線 、 24 時間 特に なし リサイクル や 個人 売買 が メーン の ネットワーク 。 特別な ルール は 不要 。 必要な 時 、 必要な 物 を 自由に 、 と いう 風通し の 良 さ が 売りもの 。 売買 ボード に は 多い 時 で 20 件 程度 の 物 が アップ さ れて いる 。 性格 上 、 やはり 目立つ の は パソコン など ハード 関係 。 季節 も 反映 して 冬場 に は 自動車 の タイヤ や タイヤネット など が 多い 。 やりとり は 物 だけ で は ない 。 いま 盛んな メッセージボード で は 、 世間話 から 花屋 に 就職 を 決めた 人 も いる 。 月 2 回 の 定例 会 も 活発 。 さらに 活気づける ため に もっと 女性 会員 が 増えれば 、 と いう の が シスオペ の 願い 。 オードリー ・ ヘプバーン が 亡くなって 二十 日 で 丸 二 年 たつ が 、 WOWOW で は 彼女 が 最後に 出演 した テレビシリーズ 「 世界 の 庭園 」 を 八 日 から 毎週 日曜日 夜 十 時 から 六 話 放送 する 。 一九九一 年 から 九二 年 に かけて 制作 、 米 PBS で 放送 さ れた 。 六 話 を 撮り 終えた 時点 で 彼女 が 倒れ 、 未完 の シリーズ と なった 本当の 遺作 。 オードリー は 晩年 、 ユニセフ 親善 大使 と して 世界 の 恵まれ ない 子供 たち へ 援助 を 訴え かける と ともに 、 この 番組 を 通して 庭園 の 美 を 世界 の 遺産 と して 残す よう 働きかけて いた 。 番組 は 一 話 三十 分 で 、 オードリー は リポーター 役 。 各 回 、 「 様式 美 」 「 樹木 」 など テーマ 別 に 世界 の 名 庭園 を 訪ね 、 歴史 や 背景 を 語って いく 。 八 日 は 「 バラ と バラ 園 」 が テーマ 。 三千二 百種 を 超える バラ を コレクション する ナポレオン 皇后 ジョセフィーヌ が 造った ライ ・ レ ・ ローズ や フィレンツェ の ピエトラ 荘 庭園 など を 紹介 。 最古 の 品種 と さ れる 『 ローザ ・ ガレカ 』 など 貴種 に も お 目 に かかれる 。 十五 日 は 「 チューリップ と 春 の 球根 草 」 、 二十二 日 は 「 様式 美 庭園 」 など 。 年齢 を 重ねて も 、 よう精 の イメージ を 残す オードリー は 、 ファン 必見 。 一九四五 年 に 執筆 を 始めた 形而上 小説 『 死霊 』 が 五十 年 を 経て も まだ 完結 に 至ら ず 、 “ 不可能 性 の 作家 ” と も 呼ば れ ながら 、 熱狂 的な ファン を 持つ 作家 、 埴谷 雄高 氏 が 本格 的な 番組 と して は 初めて テレビ に 登場 、 九 日 夜 八 時 から 連続 五 夜 、 NHK 教育 テレビ の ETV 特集 で 「 『 死霊 』 の 世界 」 を 語る 。 埴谷 氏 は 「 足腰 は 弱って しまった が 、 幸い 口 だけ は 元気です 。 僕 は 死ぬ まで しゃべり 続ける つもりです 。 『 死霊 』 は 無限 と いわ れて いる 宇宙 の 中 で は 今 の 宇宙 と 違う もの が あって も いい じゃ ない か と 思って 書いて いる 小説 です 。 こんな 妄想 の 文学 の 作家 が しゃべった 番組 なんか 見る 人 は いま せ ん よ 」 と 笑い飛ばして いる 。 埴谷 氏 は 、 この 元日 に 八十五 歳 を 迎えた ばかりだ 。 『 死霊 』 は 、 終戦 直後 に 埴谷 氏 と 平野 謙 、 本多 秋五 氏 ら が 創刊 した 『 近代 文学 』 の 創刊 号 から 連載 が 始まった 。 これ まで に 八 章 が 発表 さ れ 、 現在 、 第 九 章 を 構想 中 。 全 十二 章 で 完結 だ が 、 最近 は 「 恐らく 『 死霊 』 は でき ない でしょう 」 と 語る こと が 多く なって きて いる 。 番組 で は 、 十 日間 、 五十 時間 に 及ぶ インタビュー で 「 『 死霊 』 の 世界 」 を 浮き彫り に した 。 埴谷 氏 は これ まで 作家 の 追悼 番組 など で コメント を 寄せる こと は あって も 、 テレビ で 自身 の 文学 や 思想 に ついて 語る こと は 避けて きた 。 番組 の 担当 者 ら は 「 埴谷 さん に 、 『 死霊 』 が 未完 に 終わる の かも しれ ない と いう 予感 が あって 話して いただけた の かも しれ ませ ん 」 と いう 。 『 死霊 』 は 、 治安 維持 法 と 不敬罪 で 収監 さ れて いた 戦前 の 豊多摩 刑務所 の 独房 で カント の 『 純粋 理性 批判 』 を 読んで 発想 した と いわ れて いる が 、 埴谷 氏 の 独白 は この 原点 から 始まる 。 『 死霊 』 に は 、 作者 の 分身 で も ある 、 背後 に 死霊 を 背負った 四 人 の 主人公 が 登場 する が 、 革命 と 戦争 に よる 大量 死 の 時代 であった 二十 世紀 の こうした 死者 たち の 精神 に 対して 責任 を 持つ こと が 文学 者 や 思想 家 の 務め 、 と 語る 埴谷 氏 。 以下 、 第 三 夜 で は 、 『 死霊 』 に 込め られた 戦後 思想 を 語り 、 第四 夜 に は 日本 文学 大賞 を 受賞 した 『 死霊 』 の 第 五 章 「 夢魔 の 世界 」 を 初めて 自己 解説 。 最終 夜 で は 、 構想 中 の 第 九 章 の 「 人類 に とって の 最高 宇宙 」 に ついて 語り 、 未完 に 終わる かも しれ ない 作品 の 最終 章 に 抱か れる こと に なる 「 未来 へ の メッセージ 」 に ついて も 熱 を 込めて 話し 続ける 。 NHK 教育 テレビ 月 ― 木曜 午後 十一 時 から の 「 NHK 人間 大学 」 が 今週 から 新 シリーズ に なる 。 この テーマ は 三 月 末 まで 放送 。 評論 家 の 加藤 周一 氏 が 、 医学 を 学び 、 西洋 に 留学 した 経験 を 持つ 三 人 の 文学 者 の 人生 を 追う 。 火曜日 = 「 日本 の 政治 を どう 見る か 」 。 日本 政治 の 研究 家 と して 名高い ジェラルド ・ カーチス 米 コロンビア 大学 教授 が 五五 年 体制 の 誕生 から 崩壊 まで を 解明 。 水曜日 = 「 サル から ヒト へ の 進化 」 。 河合 雅雄 ・ 日本 モンキーセンター 所長 が 、 サル 類 の 進化 の 道筋 を たどる こと で 、 「 人間 」 と は 何 か を 考察 する 。 木曜日 = 「 茶 の 湯 文化 史 」 。 鎌倉 時代 以降 の 生活 文化 史 の なか の 茶 の 湯 の 歴史 と その 未来 に ついて 、 熊倉 功夫 ・ 国立 民族 学 博物 館 教授 が 語る 。 真宗 大谷 派 で は 、 三 月 四 日 から 六 日 まで 沖縄 ・ 摩文仁 の 平和 祈念 堂 で 「 沖縄 戦 の 五十 周年 追弔 法要 」 を 営む こと を 決め 、 これ に 参加 する 一般 の 全国 門 信徒 を 募集 して いる 。 沖縄 戦 の 犠牲 者 を 追弔 する と 共に 、 念仏 の 教え に 帰依 する 者 と して 非 戦 ・ 平和 へ の 道 を 確かめる の が 趣旨 。 法要 を 中心 に 平和 祈念 夕べ の 集い 、 戦跡 学習 、 また 高 史明 氏 の 記念 講演 が ある 。 募集 は 二百 人 。 参加 費 は 札幌 、 東京 発 など 出発 空港 に より 十一万三千 円 から 六万四千 円 まで 。 問い合わせ 先 は 東本願寺 宗務所 電話 075・371・9181 。 日本 山岳 修験 学会 は 第 四 回 日本 山岳 修験 学会 賞 を 「 寺社 組織 の 統制 と 展開 」 の 著者 、 藤田 定興 ・ 福島 県 文化 センター 福島 歴史 資料 館 学芸 員 に 授与 した 。 賞金 は 十万 円 。 上智 大学 東洋 宗教 研究 所 は 十四 日 午後 一 時 半 、 東京 ・ 四ツ谷 の 同 大 中央 図書 館 九 階 で 「 書き初め ― 日本 人 の 心 を 探る ― 」 を 催す 。 書き初め の ほか 松岡 正剛 ・ 編集 工学 研究 所長 の 講演 「 日本 文化 の コンセプト ―― 花鳥 風月 の 背景 」 と 、 名品 と いわ れる 書画 の 観賞 も あり 、 書 が いかに 人間 の 深 さ を 表現 できる もの か に ついて 考える きっかけ を 提示 しよう と 試みる 。 参加 費 は 一般 千 円 、 学生 五百 円 。 道具 など は 主催 者 が 準備 する 。 受け付け は 当日 午後 零 時 半 から 、 先着 百 人 まで 。 問い合わせ は 同 研究 所 電話 03・3238・3540 。 国連 は 三 月 、 創立 五十 年 を 記念 して 「 世界 社会 開発 サミット 」 を デンマーク の コペンハーゲン で 開く 。 貧困 の 緩和 、 雇用 の 拡大 、 社会 的 統合 の 促進 が 中心 課題 と なる 。 冷戦 構造 の 崩壊 後 、 地域 ・ 民族 紛争 が 頻発 し 、 環境 、 人口 、 人権 など の 地球 規模 課題 へ の 取り組み が 緊急 性 を 増す なか 、 安全 保障 の 概念 を 国家 中心 から 人間 中心 へ 転換 さ せる こと が 提案 さ れ 、 国際 社会 が その ため の 行動 を 誓う こと に なる 。 サミット に 向けて 、 NGO 関係 者 、 研究 者 、 学生 、 労働 組合 員 、 国会 議員 ら が 昨年 七 月 、 「 社会 開発 サミット NGO フォーラム 日本 準備 会 」 を 結成 した 。 民衆 を 中心 に 置いた 開発 の 実現 を 目指し 、 市民 に 関心 を 寄せて もらおう と いう 狙い だ 。 国連 が 近年 、 主催 して きた 国際 会議 ―― 一九九二 年 の 地球 サミット 、 九三 年 の 世界 人権 会議 、 九四 年 の 国際 人口 開発 会議 など で は 、 NGO の 役割 が 大きく なって いる 。 付随 して 開か れる NGO フォーラム に とどまら ず 、 国際 的に 活動 する NGO が 、 政府 間 会議 へ も 参加 し 、 発言 する 。 政府 代表 団 に NGO 関係 者 が 入ったり 、 積極 的な ロビー 活動 を 展開 し 、 採択 さ れる 内容 に 影響 力 を 及ぼそう と する 。 「 ボーダーレス の 時代 だ から こそ 、 草 の 根 の 意見 を 代表 する NGO が 社会 的 役割 を 果たせる 、 と み られる ように なった 」 と 、 同 会 常任 世話人 である 草 の 根 援助 運動 代表 の 北沢 洋子 さん は 語る 。 サミット 開催 の 背景 に は 、 世界 的な 生活 条件 の 悪化 が ある 。 十億 人 以上 が 貧困に 苦しむ 。 労働 人口 の 十 人 に 一 人 は 生計 を 立て られる だけ の 賃金 を 得 られる 職 に 就け ない 。 貧富 の 差 が 拡大 し 、 社会 の 統合 を 脅かす ―― 。 コペンハーゲン で は 各国 の 元首 、 首脳 級 が 出席 し 、 社会 開発 へ の 取り組み を 盛り込んだ 宣言 と 行動 計画 を 採択 する こと に なる 。 政府 代表 団 の 顧問 と して 、 昨年 八 月 に 開か れた 第 二 回 準備 会議 に 出席 した 同 会 常任 世話人 の 塩月 賢太郎 ・ 明治 学院 大学 教授 は 「 社会 問題 の 解決 に 政府 だけ で なく 、 社会 の あらゆる 構成 メンバー の 参加 を 求めて いく 画期的な 会議 です 。 しかし 、 先進 国 は 『 各国 の 責任 』 を 強調 し 、 政治 的 、 経済 的な 問題 に 触れ た がら ない 傾向 が あり ます 。 地球 的な 視野 を もって 、 日本 の 責任 を 全うでき ない もの か 」 と いう 。 同 会 は 村山 富市 首相 の サミット 出席 と 、 政府 代表 団 へ の NGO 関係 者 の 参加 を 求めて いる 。 また 同 会 で は 政府 の これ まで の 対応 は 不十分 と みて 、 独自に 日本 の 社会 問題 を 説明 する 報告 書 を まとめて いる 。 同じく 常任 世話人 の 西川 潤 ・ 早稲田 大学 教授 は 「 政府 は 安全 保障 理事 会 の 常任 理事 国 入り に 夢中に なって いる が 、 世界 が これ だけ の 問題 を 抱えて いる 時 に 、 日本 が 知ら ん ぷ り で は 、 顔 が 見え ない エコノミックアニマル と とら れて しまう 」 と 心配 する 。 事務 局 を 担当 する アイセック 国際 事務 局 スペシャル ・ アドバイザー で 早稲田 大学 四 年 の 宇佐美 昌伸 さん は 「 NGO は 従来 、 孤立 し ながら 頑張って いる と いう 感じ で 、 効率 が 悪い と 思って いた が 、 今回 横 の つながり が でき 、 より 大きな 声 で 社会 に アピール できる 」 と 、 元気な ところ を 見せて いる 。 同 会 は サミット の NGO フォーラム に おいて 、 日本 の 社会 開発 の 現状 報告 と 、 地球 的 課題 に 対する 日本 の 役割 を 討論 する ワークショップ を 開き 、 NGO の 活動 を 紹介 する 展示 も 行う 。 協力 者 、 参加 者 を 募集 して いる 。 問い合わせ 先 は 同 会 電話 03・3444・3110 。 浄土 真宗 本願寺 派 は 、 宗派 中興 の 祖 ・ 蓮如 上人 の 生涯 を つづった アニメビデオ 「 蓮如 さま 」 を 発売 した 。 弟子 たち と の エピソード も ふんだんに 盛り込み 、 上人 の 人柄 を 生き生き と 描き出して いる 。 アニメ ビデオ 「 念仏 物語 シリーズ 」 の 第四 作 。 四 年 後 に 迎える 蓮如 上人 五百 回 遠忌 に 合わせて 制作 さ れた 。 上人 が 雪 明かり で 書見 した 修行 時代 に 始まり 、 教え を わかり やすく 説いた 「 御 文章 」 に よる 布教 、 京都 ・ 山科 で の 本願寺 再興 の 様子 など を 紹介 して いる 。 二 巻 セット 定価 九千八百 円 。 申し込み は 本願寺 出版 社 電話 075・371・4171 へ 。 医療 と 宗教 を 考える 会 は 二十七 日 午後 六 時 十五 分 から 、 東京 ・ 四ツ谷 の 主婦 会館 で 「 ガン 治療 に おける QOL 」 と 題した 勉強 会 を 開く 。 講師 は 治療 、 再発 、 QOL など さまざまな 観点 から がん の 問題 に 取り組んで いる 近藤 誠 ・ 慶応 病院 放射 線 科 講師 。 テーマ に は 「 人 と の 出逢い ・ 感動 の 共有 」 と いう 副題 が ついて いる 。 参加 費 は 会員 千 円 、 一般 千五百 円 。 申し込み 、 問い合わせ は 同 会 電話 03・5351・0322 。 日ごろ 何気なく 「 仕方 が ない 」 と 言い つつ 行動 する こと が あり ませ ん か 。 不満であったり 、 ふ に 落ち ない まま 自分 に 納得 さ せて いる こと って あり ます よ ね 。 「 仕方 が ない 」 は 日本 人 の 口癖 。 生活 の 中 の ほんの 小さな こと でも 周り の 思惑 や 、 皆 が する から と あきらめて しまう 。 新年 を 迎えて 、 今年 は そうした 身 の まわり の ささいな 「 仕方 が ない 」 を なるべく 減らす ように 心掛けて みて は どう でしょう 。 初め は けっこう 難しい かも しれ ませ ん が 、 「 仕方 が ある 」 新しい 自分 に 出会える はずです 。 1 人 ひと り が 心掛ける こと で 世の中 少しずつ 変わって いく ので は ない でしょう か 。 数 日 前 から 胃 が 痛い 。 チクチク と 鈍痛 が 続いて 、 食欲 も ない 。 原因 は 多分 、 私 たち の 家 づくり だ 。 運よく 気 に 入った 土地 が 見つかり 、 住んで いる マンション も 売れて 、 いい 調子 に 始まった 。 とことん こだわった 構造 と 間取り であり 、 納得 が いく マイホーム づくり を やって いる つもりだった 。 だが “ 脱線 ” が 起きた 。 私 たち が 選んだ ハウスメーカー に 、 である 。 輸入 住宅 の 最 大手 な ので 、 構造 や システム 、 メンテナンス と も 文句 の つけ どころ が ない 。 それ は 今 も 認める し 、 決して 間違った 選択 は して い ない と 思って いる 。 それ が …… 。 まず 、 平面 図面 と 構造 図面 が 設計 の ミス で 違って いた 。 五 カ所 も 、 だ 。 上棟 前 に 私 たち が 発見 できた ので 四 カ所 は 無事 修復 さ れた が 、 二 階 の ドア の 位置 が 六十 センチ ずれて いる の は ついに 直せ ない 。 責任 を 取ら さ れて か 、 設計 者 は 地方 に 飛ばさ れて しまった 。 営業 担当 者 は すべて 設計 の せい に する だけ 。 こんな やり取り が 続き 、 私 の 胃痛 は 増す ばかりだ 。 一生 に 一 度 の 買い物 だ から 、 精いっぱい やり たい 、 と 思う の が 心情 。 メーカー と 話し合い 、 いま は 明るい 未来 に 向かって いる と 信じて いる 。 うららかな 春 に 完成 する 私 たち の 家 。 とても 待ち遠しい が 、 いやはや 、 大変である 。 第 十 回 国際 プロ フィギュアスケート 選手 権 は 七 日 、 東京 ・ 国立 代々木 競技 場 で 行わ れ 、 女子 シングル で アルベールビル 五輪 銀 の 伊藤 みどり が リレハンメル 五輪 金 の クリスティ ・ ヤマグチ 、 サラエボ 、 カルガリー 両 五輪 チャンピオン の カタリナ ・ ビット を 抑えて 優勝 、 佐藤 有香 も 二 位 に 入った 。 男子 シングル は ビクトル ・ ペトレンコ が 優勝 し 、 鍵山 正和 は 四 位 に 入った 。 全国 を 回る アイスショー で は 観客 を 楽しま せる 滑り に 主眼 を 置いて いる が 「 ジャンプ の みどり 」 は 健在 。 「 たくさんの 人 に いい 演技 を みて もらえて よかった 」 と 笑顔 を 見せた 。 昨年 四 月 に プロ 転向 した 佐藤 有香 も 「 今年 の 競技 会 で 一 番 の 出来 」 と にっこり 。 「 今 の 生活 が 大好き 」 と も 話し 、 長野 五輪 で の アマ 復帰 を 否定 した 。 大相撲 初 場所 の 初日 を 翌日 に 控えた 七 日 午前 、 東京 ・ 両国 国技 館 で 、 土俵 祭 が 行わ れた 。 出羽海 理事 長 以下 相撲 協会 の 幹部 が 出席 、 今 場所 から 昇格 した 第 二十九 代 ・ 木村 庄之助 を 祭主 に 場所 の 安全 を 祈願 した 。 その後 、 正面 玄関 前 で 、 昨年 秋 場所 と 九州 場所 を 連覇 した 新 横綱 ・ 貴乃花 に 、 毎日新聞社 から 記念 の 優勝 額 が 贈呈 さ れた 。 毎回 、 東京 場所 前 に は 前 2 場所 の 優勝 力士 額 が 贈ら れて いる が 、 一 人 で 2 枚 を 独占 した の は 一昨年 の 秋 、 九州 を 連覇 した 曙 以来 。 貴乃花 は 「 大変 光栄です 。 早く 横綱 と して 額 が 飾ら れる よう 頑張り たい 」 と 話した 。 縦 3・17 メートル 、 横 2・28 メートル 、 重 さ 100キロ の 優勝 額 は 、 国技館 内 の 二 階 上部 に 飾ら れた 。 また 国技 館 の 周囲 に は 力士 の のぼり も 並べ られ 、 初日 を 迎える 準備 が 整った 。 スキー の 第 六十八 回 全 日本 学生 選手 権 は 九 日 から 十三 日 まで 長野 県 白馬 村 で 行わ れる 。 二 月 の ユニバーシアード 冬季 大会 の 最終 選考 を 兼ね 、 最終 日 に 代表 29 選手 が 決定 する 。 距離 は 男子 が 神津 正昭 、 女子 は 横山 寿美子 の リレハンメル 五輪 代表 を 軸 に した 戦い 。 五 キロ クラシカル 、 十キロ フリー で 3 年 連続 の 2 冠 を 狙う 横山 に 佐藤 雪野 、 竹田 優子 ら 同じ 日大 勢 と 、 昨年 高校 総体 2 冠 の 後藤 鹿子 が どこ まで 迫る か 。 ジャンプ は 吹田 幸隆 、 笠間 法考 の 日大 コンビ に 上野 真吾 、 稲垣 信哉 が 絡み 、 混戦 と なり そう 。 複合 は 昨年 末 の 全 日本 コンバインド で 上位 に 食い込んだ 大竹 太志 、 富井 彦 の 争い か 。 アルペン は 若手 の 滑り に 注目 。 昨年 の 高校 総体 で 女子 大回転 史上 初 の 3 連覇 を 果たした 佐藤 友美 、 男子 大 回転 2 連覇 の 坂田 誠 、 回転 優勝 の 三浦 義人 ら 有望な 一 年生 が そろった 。 総合 優勝 争い は 男子 が 中央 、 専大 、 日大 の 3 校 、 女子 は 日体大 、 日大 に 絞ら れ そうだ 。 今季 国 内 で 長 距離 負け なし の 野崎 貴裕 が 、 年 末 の 全 日本 選手 権 に 続いて ライバル ・ 糸川 敏彦 に 勝ち 、 連勝 を 7 に 伸ばした 。 前 走 の 糸川 が 正確に 最後 まで 33 、 34 秒 台 の ラップ を 刻み 、 第 五十一 回 大会 の 戸田 博司 の 大会 記録 を 塗り替えた 。 好 記録 に 黒岩 彰 ・ 専大 監督 と 喜び合う 糸川 の 姿 を 横目 で 見た 野崎 は 「 負け たく ない 」 と 心 に 誓った と いう 。 しかし 、 糸川 の ラップ を 気 に し 過ぎる あまり 、 前半 の 野崎 は 本来 の 滑り が 見 られ ない 。 3000 メートル を 過ぎた 時 に 、 今村 ・ 日大 監督 から 「 滑り が 乱れて いる 」 と 指摘 さ れ 、 氷 を けった 足 を 体 の 近く まで 引きつける こと を 心掛けた 。 34 秒 台 後半 に 落ちて いた ラップタイム が 上がり 始めた 。 4200 メートル で 糸川 に 1 秒 26 遅れて いた が 、 最後 の 2 周 を 33 秒 台 で 追い上げ 、 鮮やかな 逆転 劇 に つなげた 。 「 気持ち が 守り に 入って いた 。 まだまだ 追いつけ ない 。 ずっと 海外 遠征 で 疲れて いた ので は 。 明日 の 一万 メートル も 精いっぱい 頑張る 」 と 野崎 。 八 日 の 一万 メートル でも 、 火花 を 散らす ライバル の 争い が 見 られ そうだ 。 女子 三千 メートル の 表彰 台 の 一 番 高い ところ に 立った の は 、 全 日本 選手 権 を 制した 上原 三枝 や リレハンメル 五輪 で 活躍 した 山本 宏美 で は なく 、 初々し さ が 残る 十九 歳 の 根本 奈美 だった 。 9 日 前 の 全 日本 選手 権 最終 日 、 根本 は 泣いて いた 。 最後 の 五千 メートル は 得意 と する 種目 。 好 タイム を 出せば 世界 選手 権 へ の キップ を 手 に する 可能 性 も あった が 、 転倒 して 代表 から 漏れた 。 「 ショック だった 」 。 が 、 長田 監督 から の 一言 が 効いた 。 「 大人 に なれ 」 わずかの 期間 に 心 の 切り替え が できて いた 。 前日 の 千五百 メートル で 勝つ と 、 この 日 の 三千 メートル も 力強く 氷 を けり 、 二 位 の 上原 を 0 秒 41 差 で 抑えて 優勝 。 富士急 の 全 種目 制覇 に 貢献 する と ともに 、 橋本 聖子 が 引退 して も 総合 で 7 連覇 する と いう 役割 を 十分に 果たした 。 もともと 素質 は あった 。 一九九二 年 の 世界 ジュニア を 完全 制覇 。 脚光 を 浴びた もの の 、 同年 三 月 に 右 ひざ 半月 板 を 手術 。 翌年 は 左足 の じん帯 を 切り 、 左 手首 の 腱 を 移植 、 足首 に は まだ 4 本 の ボルト が 埋め込ま れて いる 。 レース でも 左 足首 は 時折 痛む 。 三千 メートル の 最中 も 痛み は 出た と いい 、 困難 を 克服 して の 勝利 だった 。 「 チーム の ため に 得点 が 取れて よかった 」 と 喜んだ が 、 何より も 素晴らしかった の は 彼女 自身 の 精神 的な 成長 だろう 。 成人 式 を 迎える 前 に 、 根本 は 「 大人 」 に なった 。 長野 五輪 に 向けて 、 女子 長 距離 界 に また 楽しみ が 増えた 。 前半 28 分 、 ワールドカップ 米国 大会 でも 活躍 した アムニケ が 、 左 サイド で ドリブル 突破 に かかった 。 DF 堀池 が 体 を 寄せて 止めよう と した が アムニケ は びくとも せ ず 、 振り切ら れて しまった 。 後半 9 分 の ナイジェリア の 2 点 目 は 、 右 サイド で DF 井原 の ファウル で 与えた FK から 。 相手 より 一瞬 遅れ 、 抜か れ そうに なった 井原 が 、 手 で 押した 。 ナイジェリア の スピード と パワー を 止め られ ない 。 そんな 場面 が 再三 あった 。 「 世界 は 遠し 」 が 、 まず 実感 だ 。 半面 、 予想 した より は いい 戦い だった 。 大相撲 で 言えば 、 幕内 上 位 に 十 両 が 挑んだ 取組 だった が 、 とにもかくにも 、 立ち合い 一気の 電車道 は 許さ なかった 。 加茂 監督 の 掲げる ゾーンプレス と は 、 守備 範囲 に 相手 が 入り かけたら 、 積極 的に 前 に 出て 、 2 人 、 3 人 がかり で ボール を 奪う 戦い 方 。 そこ から 素早く 攻撃 に 転じる の を 狙い と する 。 わずか 5 分 で 失点 した 日本 だ が 、 プレス を かけ 、 ずるずる と 守勢 一方 に は なら なかった 。 10 分 過ぎ に は 、 堀池 の センタリング から 三浦 の ヘディング シュート 、 ラモス の スルー パス から 山口 敏 の シュート など 攻撃 を 仕掛け も した 。 加茂 監督 は 「 前半 35 分 まで は うまく いった 」 と 言う 。 この 試合 の 前 に 行わ れた サウジアラビア ・ メキシコ 戦 は 、 メキシコ の 完勝 。 技 で 勝る メキシコ が 、 組織 でも サウジアラビア を 上回り 、 観衆 から サウジアラビア に ブーイング が 起こる ほど 一方的に なった 。 W杯 で は 両 国 と も ベスト 16 な のだ が 、 力 の 差 は あった 。 アジア は まだまだ 強く は ない 。 十 両 から 幕内 に 昇進 する ため 、 ゾーンプレス と いう 組織 プレー に 取り組んで いる 日本 。 次 は 三役 格 の アルゼンチン が 相手 だ が 、 手応え を つかむ 戦い が できる か 。 「 サッカー を さ せて もらえ ない かも しれ ない 。 でも 歯 を くいしばって でも 、 いい サッカー を し たい 」 と 、 三浦 が チーム の 気持ち を 代弁 した 。 「 奪った トライ は 最高の トライ ばかり 。 後半 は 自分 たち の ラグビー が できた と 思う 」 。 ひとしきり 泣いた 後 、 山内 主将 は こう 言い 、 胸 を 張った 。 FW 全員 の モール から バックス の サイン プレー で 奪った 後半 9 分 の トライ 。 そして 後半 17 分 、 自陣 ゴール 前 10 メートル の PK から 果敢に 右 オープン攻撃 。 右 WTB 林田 から 右 ライン 際 を 走る FB 今崎 へ の パス が スローフォワード に なった 「 幻 の トライ 」 。 長崎 北陽台 の 攻撃 は 常に 「 つなぐ ラグビー の 鮮やか さ 」 が あった 。 相模台 工 の 徹底 した ハイパント 攻撃 の 前 に 、 キャッチ ミス や 密集 で の 反則 を 重ねて 失点 を 増やした 前半 戦 。 初 の 優勝 戦 は 、 気負い が 失点 に つながった 。 しかし 、 ハーフタイム の 「 相手 と 同じ 事 を して いたら ズルズル いって しまう 。 ハイパント 攻撃 は やめ だ 」 と の 浦 監督 の 指示 が チーム を よみがえら せた 。 もともと キック ・ アンド ・ ラッシュ 攻撃 は 花園 で 勝ち上がる ため の 作戦 。 長崎 県 大会 終了 後 、 FB 今崎 の ハイパント を 起点 に した 練習 を 集中 的に して きた 経緯 が ある 。 その 練習 が 準 決勝 まで は 生きた が 、 最後に 見せた の は 本来 の 「 つなぐ ラグビー 」 だった 。 「 敗れて 悔い は ない 。 満足 して いる 」 と 浦 監督 。 終盤 に 見せた ラグビー は 見る 者 に 感動 を 呼び 、 ラグビー の 魅力 を アピール した 「 堂々たる 準 優勝 」 だった 。 ○ … 右 肩 脱きゅう で 準 決勝 を 欠場 した 長崎 北陽台 の FB 今崎 が スタメン 出場 した 。 試合 当日 の 朝 、 「 出 られ ます 」 と いう 志願 に 浦 監督 が ゴーサイン 。 「 優勝 戦 の 大舞台 に 立てた の は 準 決勝 を 勝って くれた みんな の おかげ 。 けが を 気 に せ ず 思いきり やる だけ 」 と テーピング で 肩 を 固定 して 出場 した 。 しかし 、 強風 の 影響 も あり 、 「 まだ 痛み が 残って いる 」 と いう 今崎 の タッチ キック は 、 ことごとく ノータッチ に なる など 、 いつも の キレ を 欠いて いた 。 それ でも 今崎 は 「 けが を 理由 に は し たく あり ませ ん 」 と 気丈な ところ を みせ 、 「 調子 が 悪い の を 最後 まで 立て直せ なかった 」 と 自ら を 責めて いた 。 サッカー の インタコンチネンタル 選手 権 に 出場 して いる 日本 代表 の ラモス 瑠偉 が 、 左足 付け根 の 肉離れ の ため 八 日 に も 帰国 する こと に なった 。 六 日 の ナイジェリア 戦 で 痛めた もの で 、 試合 で は 前半 で 交代 して いた 。 中盤 から パス を つなぎ サイド を えぐる 意図 を 持った 攻撃 を 組み立てる 市立 船橋 、 帝京 の 両 チーム が 、 順当に 勝ち進んだ 。 前線 から の プレス が 高校 レベル でも 厳しく なった ため 、 GK の パント キック から 攻撃 を 始める が 、 どちら が ルーズボール を 支配 する か 、 中盤 で の 競り合い が 見どころ 。 帝京 は ダイレクト 、 2 タッチ 感覚 の 速い パス 展開 から 、 中崎 、 丹羽 が 両翼 を 破る センタリング 攻撃 が 武器 。 市船 は 森崎 真 を 中心 に エネルギッシュな プレス で ボール を 奪う 速攻 は 威力 が ある 。 守り は ともに 安定 し 能力 も 高い 。 バランス の とれた 両 チーム 。 だが 、 強いて チームカラー を 挙げれば 、 技 の 帝京 、 パワー の 市船 と いう こと に なろう 。 接戦 が 予想 さ れる が 、 持ち味 を 生かした 中盤 の せめぎあい が 勝敗 を 左右する だろう 。 市立 船橋 が 頂点 まで あと 1 勝 と 迫った 。 3 度 国立 競技 場 に コマ を 進めた が 一 度 も 勝て ず 、 「 国立 で 勝て ない 市船 」 と いう ジンクス も 、 今年 は 関係なかった 。 市船 が 放った シュート は 実に 23 本 。 清水 市 商 、 四日市 中央 工 と 強豪 を 破った 奈良 育英 だ が 、 市船 の 猛攻 に 力尽きた 。 奪った 3 点 は 、 いずれ も セット プレー の CK から 。 1 点 目 は ファーポスト に ボール を 送って 相手 DF を ひきつけ 、 右 サイド へ 折り返して 松森 の シュート 。 2 点 目 は 最 前列 に ボール を 上げ 、 シュート と 見せかけて 後方 へ 出し 、 待ち構えて いた 北嶋 が 難しい 体勢 から 合わせた 。 右 CK を けった 鈴木 いどむ は 「 1 本 目 は 相手 キーパー が 前 に 出て 来る ので 遠い 方 の ゴールポスト を 狙い 、 2 本 目 は 手前 を 狙った 」 と 、 して やったり の 表情 。 大会 前 は 「 攻撃 が 課題 」 の チーム が 、 5 試合 で 18 得点 の 荒稼ぎ 。 だが 、 この 日 の セット プレー は 、 高 得点 が 偶然 の 産物 で は ない こと を 物語った 。 「 こんなに 点 が とれる チーム で は なかった ので 、 ガス 欠 が 心配 」 。 布 監督 は 、 予想 を 上回る 快勝 に も 不安 が 尽き ない 様子 だ が 、 選手 ら の 顔 は 自信 に 満ち あふれて いた 。 帝京 は 圧倒 的に ボール を 支配 し ながら 、 5 人 の DF を 中心 に 必死に ゴール 前 を 固める 守山 北 を 攻め あぐんで いた 。 均衡 を 破った の は 前半 32 分 、 松波 の シュート 。 ハーフウエー 付近 で 奪った ボール は 、 2 本 の パス で 一気に 前線 へ 。 左 サイド から ゴール 右 隅 へ 正確に けり込んだ 。 後半 14 分 の 2 点 目 で 、 今 大会 トップ タイ の 通算 5 得点 。 ストライカー と して の 力 を 示した 。 松波 は 試合 前夜 、 荒谷 監督 に 呼ば れ 、 厳しい 言葉 を かけ られた 。 「 お前 は 農耕 馬 だ 。 気 を 引き締めて やれ 」 。 ガンバ 大阪 に 兄 が いる こと から テレビ ・ インタビュー で サラブレッド と 持ち上げ られた 。 本人 も 「 酒井 さん と 張り合い たい 」 と 答えた 姿 を 見て 、 心配 した のだった 。 苦言 が 効いて か 、 試合 後 は 「 自分 の ゴール の 数 より チーム が 勝てば いい んです 」 と 謙虚だった 。 荒谷 監督 が 指導 の 柱 に 掲げる の は 「 組織 」 。 大会 を 通して 守備 と 、 中盤 の 組み立て は 安定 して いる が 、 最大 の 不安 は FW 。 前線 に 組織 プレー を 忘れる 選手 が 出る こと を 恐れて いた 監督 に とって 、 松波 の 奮起 は 決勝 に 向けて も 明るい 材料 。 「 市立 船橋 に 五 分 々々 と は いか ない だろう が 、 戦術 で カバー し たい 」 と 荒谷 監督 は 力 を 込めた 。 残り 1 分 。 ジャパンエナジー の ベンチ で は すでに 、 参河 が タオル で 顔 を 覆って いた 。 コート 上 の 原田 裕花 主将 も 、 周囲 の 選手 を 「 泣いちゃ ダメ 」 と 励まし ながら 、 自ら も こぼれる 涙 を 抑え られ なかった 。 観衆 の カウント ダウン 。 最後に ボール を 持って いた センター ・ 浜口 は 、 試合 終了 の ブザー が 鳴った 瞬間 、 その 場 に 座り込んだ 。 13 連敗 中 の 宿敵 を 、 5 年 ぶり に 破った 歓喜 が はじけた 。 高い 壁 を 崩した の は 、 厳しい ディフェンス だった 。 この 日 、 金平 〓 ヘッドコーチ は 先発 に 183 センチ の 川崎 を 起用 。 シャンソン の 高 さ に 対抗 した 。 川崎 は 一昨年 六 月 、 練習 試合 で 右 ひざ の じん帯 を 切り 、 10 カ月 入院 。 今なお リハビリ を 続けて いる 身 だ 。 「 負け 続けて いる の を 、 見る の が 悔しかった 」 と いう 川崎 は 、 ゴール 下 で 全 日本 の センター ・ 加藤 に 立ち向かった 。 これ まで 劣勢だった リバウンド も 頑張り 、 シャンソン ・ 中川 監督 は 「 大きい 選手 に しつこく 守ら れた 」 と 、 意外 そうな 表情 で 敗因 を 話した 。 攻撃 で チーム を 救った の は 2 年 目 の 大山 だった 。 後半 10 分 過ぎ 、 疲れ が ジャパンエナジー を 襲い 、 11 点差 が 一気に 4 点差 に 。 この 試合 で 先発 の 5 人 は 1 度 も 交代 が なかった のだ 。 だが 、 大山 が 60 点 目 、 62 点 目 の 連続 ゴール で 突き放した 。 この 日 30 得点 の 大山 は 、 「 勝つ こと しか 考え なかった 」 と 言う 。 試合 が 終わった 瞬間 も 、 ひと り 涙 を 見せ なかった 精神 力 が 、 大舞台 で 発揮 さ れた 。 女子 の 2 強 と 言わ れ ながら 、 シャンソン の 高 さ に 屈し 続けた ジャパンエナジー 。 183 センチ の センター を 並べ 、 大山 と 萩原 で 得点 を 稼ぐ この 日 の チーム こそ 、 打倒 ・ シャンソン へ の 切り札 だった 。 「 初めて 、 シャンソン と 同等の チーム が できた 。 これ で ホッ と せ ず 、 もっと ひた向きに 戦って いく 」 と 本永 昌生 監督 。 2 強 時代 に 、 新たな 一 ページ が 加わった 。 全 日本 ボクシング 協会 は 七 日 、 昨年 十二 月 の 月間 最 優秀 選手 に 日本 ジュニアミドル級 チャンピオン 上山 仁 、 新鋭 賞 に 日本 フェザー級 今岡 武雄 を 選出 した 。 また 、 年間 を 通じて の 最 優秀 選手 に は 世界ボクシング協会 ライト 級 九 位 坂本 博之 、 トレーナー 賞 に 世界 ボクシング 評議 会 バンタム級 チャンピオン 薬師寺 保栄 の トレーナー 、 マック ・ クリハラ 氏 を 選出 した 。 相模台 工 の 勝因 は 徹底 して 上げた ハイパント だけ で は ない 。 すさまじい ばかりの 集散 に 裏打ち さ れた 連続 攻撃 。 ボール を つなぐ 意志 の 固 さ が 連覇 を 呼んだ 。 強い 逆風 を 受けた 前半 。 SO 佐藤 は ハイパント が 風 に 流さ れ 、 いらだって いた 。 1 本 目 は 風 で 押し戻さ れ 、 2 本 目 は 強く けり 過ぎ 、 ともに ミス キック 。 「 流れ を 変えよう 」 。 3 本 目 を 上げる か と 思わ れた 前半 8 分 ごろ の スクラム で バックス に パス 。 この パス が 初 トライ の 起点 に なった 。 自陣 から 井上 が 右 サイド を 駆け上がり 、 パス を 受けた 伊藤 が 約 30 メートル 突進 。 ラック に なって 山本 が 縦 へ 二 次 攻撃 。 高野 、 輿水 ら FW の 密集 へ の 突っ込み が 鋭い ため 、 SH 須永 の 球 出し も 速い 。 さらに ラック から 岩間 が 三次 攻撃 。 サイド を 抜け 、 ゴール まで 残り 20 メートル を 切る 。 ここ で 岩間 から 大山 へ の パス が それる 。 相手 の カウンター を 招く ピンチ 。 だが 荒川 が フォロー して おり 、 ボール に 飛びつく 。 荒川 は 二 回 戦 の 西陵商 戦 で 右 太もも を 打撲 し 全治 3 週間 。 だが 優勝 戦 前夜 、 日原 監督 に 出場 を 直訴 した 。 この 朝 に 背番号 6 の ジャージー を 手渡さ れ 、 「 あふれる 涙 を こらえ ました 」 。 ボール を 取る と 痛む 足 を ひきずり 、 前 へ 。 タックラー を 右腕 で はね返し 、 左腕 で ボール を 塩山 に 託す 。 塩山 は そのまま ゴール 左 へ 飛び込み 、 荒川 は 「 相模台 工 の 最高の 形 が できた 」 と 両腕 を 突き上げた 。 駅伝 の たすき の ように ボール を 15 人 一体 で 50 メートル 以上 つないだ 初 トライ 。 空中 戦 から 地上 戦 へ の 転換 が 、 連覇 を 手元 に 引き寄せた 。 その後 、 元 の パント 戦法 に こだわった が 、 前半 終了 間際 の 2 トライ 目 は モール から の 展開 、 後半 21 分 の 3 本 目 は 相手 反則 後 の 展開 。 いずれ も パント は 直接 関係 した わけで は ない 。 それ でも パント を 上げた の は 「 県立 高 の うち は 高校 から ラグビー を 始めた 選手 が 大半 。 中高 一貫 の 私学 に 比べ 、 パス の 技術 は 劣る 。 FW が 前 に 走る リズム を 確立 し ない と 勝て ない 」 から だ 。 前回 の 覇者 らしから ぬ 謙虚 さ が 、 ここ 一 番 の 連続 攻撃 の 威力 に つながって いた 。 閉会 式 の 直後 、 岩間 ら 二 年生 は 「 来年 も 絶対 ここ に 来よう 」 と 誓い合った 。 相模台 工 は すでに 3 連覇 に 向かい 、 始動 して いた 。 一九八八 年 三 月 、 中国 ・ 上海 市 郊外 の 列車 事故 で 修学 旅行 中 の 生徒 ら 二十八 人 が 死亡 した 高知 学芸 高校 の 佐野 正太郎 校長 は 七 日 、 事故 の 責任 を 取り 、 校長 を 辞任 する こと を 明らかに した 。 日本 私立 中 学 高校 連合 会 副 会長 など の 役職 も 辞任 する 意向 。 世界 最大 の コンピューター 網 インターネット に 米 議会 の データ を 提供 する コンピューター が この ほど 接続 さ れ 、 世界 に 向け 米 議会 情報 が 発信 さ れ 始めた 。 米 政府 の 外国 報道 センター に よる と 、 同国 議会 は 新 議会 初日 の 四 日 から 情報 提供 サービス 「 トマス 」 の 運用 を 開始 。 世界 各地 から パソコン を 使って 米 議会 で の 議員 の 投票 結果 を 見たり 、 電子メール で 議員 と 意見 交換 が できる ように なった 。 七 日 午前 八 時 四十 分 ごろ 、 神奈川 県 厚木 市 七沢 、 市立 玉川 小学校 の 動物 飼育 小屋 の 前 と 中 で 、 ニワトリ 十 羽 と ウサギ 三 匹 が 犬 に かみ殺さ れて いる の を 、 サッカー の 試合 の ため 登校 して 来た 児童 が 見つけた 。 厚木 署 の 調べ で は 、 小屋 内 の 仕切り 金網 が 縦横 約 二十五 センチ の 大き さ で 三 カ所 破ら れて いた 。 同 校 は 八 日 まで 冬 休み で 、 金網 の 破ら れ 方 から 何者 か が 犬 を 中 に 入れた いたずら の 可能 性 も ある と して 捜査 して いる 。 島根 県 平田 市 の 太田 満保 市長 が 考案 した 四 人 将棋 初 の 全国 的な 公式 戦 、 「 東西 学生 四 人 将棋 大会 」 が 七 日 、 同 市立 旧 本陣 記念 館 で 開か れた 。 大会 に は 「 第 一 回 関東 学生 四 人 将棋 大会 」 ダブルス 戦 上 位 三 チーム と 「 第 一 回 関西 学生 四 人 将棋 大会 」 ダブルス 戦 上 位 三 チーム の 計 六 チーム 、 十二 人 が 参加 、 ダブルス 戦 の 総当たり リーグ と シングルス 戦 の 勝ち抜き トーナメント を 行った 。 ダブルス 戦 は 東京 大 チーム 、 シングルス 戦 は 京都 大 の 石黒 誠一 さん が 優勝 した 。 沖縄 県 名護 市 で 昨年 十二 月 十八 日 から 行方 不明に なって いた 上間 一明 君 と 妹 の 愛梨 ちゃん 、 いとこ の 知念 彩 ちゃん の 三 人 は 七 日 、 遺体 で 見つかった 。 行方 が 分から なく なって から 丸 二十 日間 。 PTA を はじめ 地域 ぐるみ で 懸命な 捜索 を 続けて きた が 、 幼子 たち は 自宅 の すぐ 近く に 止めて あった トラック の タンク の 中 で 、 折り重なって 死んで いた 。 「 まさか 、 こんな 近く に …… 」 。 悲報 に 住民 ら は がっくり 肩 を 落とし 、 声 を 詰まら せた 。 三 人 の 遺体 は タンク に 入った まま 同日 夕 、 名護 署 に 運ば れた 。 腐乱 が ひどく 、 タンク 上部 の 口 から 遺体 を 運び 出せ ない ため 、 署員 が 署 の 車庫 で 電動 カッター で タンク を 切り開く 作業 を 始めた 。 午後 八 時 四十 分 、 一明 君 、 愛梨 ちゃん の 父 次男 さん 、 彩 ちゃん の 父 弘光 さん が 変わり果てた 子ども たち と 悲痛な 対面 を した 。 三 人 は タンク に 入った まま 。 約 十 分 かけて わが 子 と 確認 した 父親 二 人 は 沈痛な 表情 。 テレビカメラ の ライト の 中 、 報道 陣 の 質問 に も 答え ず 、 捜査 員 に 抱え られる ように 署 内 に 戻る と 、 こらえ きれ なく なった の か 声 を 上げて 泣き出した 。 三 人 は 自宅 近く の 上袋 児童 公園 で よく 遊んで いた 。 近所 の 人 に よる と 、 遺体 が 見つかった トラック は 、 そこ から 五十 メートル しか 離れて い ない 駐車 場 に いつも 止まって いた 。 住宅 や 商店 の 密集 地 の 人通り が 多い 道 に 面し 、 時々 子ども が 塀 に 登ったり して 遊んで いた 場所 。 この 一帯 は 警察 や 住民 が 再三 捜索 した 所 だった 。 捜索 の ため の 対策 本部 は 、 一明 君 が 通って いた 東江 小学校 の 体育 館 だった 。 連日 捜索 に 参加 して きた 保護 者 ら 約 五十 人 が 遺体 発見 の 報 に 集まり 、 祈る ような 表情 で テレビ に 見入った 。 最悪の 結末 を 迎えた こと に 「 生きて いる と 信じて いた のに 」 「 まさか 、 あそこ に 」 と 、 信じ られ ない 様子 。 同 小 PTA の 岸本 久仁於 会長 に よる と 、 付近 の 空き家 など は 何 度 と なく 捜索 した が 、 トラック の タンク の 中 まで は 調べ なかった 。 「 三 人 が こんな 近く に いた なんて 。 残念で 仕方 が ない 」 と 唇 を かんだ 。 駐車 場 の 隣 に 住む 主婦 は 「 自宅 や 公園 周辺 を あれ だけ 大勢 で 捜した のに 見つから ない ので 、 かなり 遠く に 行った ので は ない か と 思い込んで いた 。 無念です 」 と 語った 。 一明 君 は 人 なつっこい 性格 で 、 野良犬 や 猫 と 遊ぶ 優しい 子 だった と いう 。 一明 君 の 自宅 近く の 雑貨 店 の 女性 経営 者 は 「 三 人 は いつも 仲良く 遊んで いた 。 一明 君 は よく お 菓子 を 買い に 来 ました が 、 知ら ない お 客 さん に も 話しかける 可愛い 子 でした 」 と 肩 を 落とした 。 静岡 県 ・ 戸田 漁協 所属 の 巻き網 漁船 「 第 25 五郎竹丸 」 が 同県 御前崎 灯台 沖 の 駿河 湾 で 遭難 、 乗組員 十六 人 が 行方 不明 と なって いる 事故 で 清水 海上 保安 部 は 七 日 、 海難 対策 本部 を 解散 し 、 捜索 の 打ち切り を 決めた 。 新春 恒例 の 「 小倉 百人一首 かるた 競技 第 四十 一期 名人 位 、 第 三十九 期 クイン 位 決定 戦 」 が 七 日 、 百人一首 の 一 番 札 を 詠んだ 天智 天皇 ゆかり の 近江 神宮 で 開か れた 。 決定 戦 は 全国 の 予選 を 勝ち抜いた 男女 各 一 人 が 昨年 の 優勝 者 に 挑戦 。 男性 の 名人 位 決定 戦 は 浦和 市 岸 町 、 会社 員 、 平田 裕一 さん に 、 浦和 市 別所 、 会社 員 、 種村 貴史 さん が 挑み 、 3 ― 2 の 接戦 で 、 種村 さん が 三 年 ぶり 九 回 目 の 名人 位 に 復帰 。 女性 は 横浜 市 旭 区 二俣川 、 会社 員 、 渡辺 令恵 さん が 挑戦 者 の 東京 都 江東 区 北砂 、 主婦 、 金山 真樹子 さん を 2 ― 0 の ストレートで 破り 、 四 年 連続 七 回 目 で クイン 位 の 座 を 守った 。 バングラデシュ 北西 部 で は 新年 から 居座る 寒波 の ため に 死亡 者 が 相次ぎ 、 六 日 まで に 百二 人 に 達した 。 被害 者 の ほとんど が 、 山間部 の 貧農 家庭 の 子供 、 老人 で 防寒 を 十分に でき なかった ため に 凍死 した 。 UNI 通信 は 、 同地 方 の 最低 気温 を セ氏 四 度 と 伝えて いる 。 バングラデシュ 北 東部 は ヒマラヤ に 連なる 高原 ・ 山間部 と なり 、 一 月 は 気温 が 低下 して 凍死 者 が 出る 。 七 日 朝 に 起きた 「 三陸 はるか 沖 地震 」 の 最大 級 の 余震 で 、 震度 5 を 記録 した 青森 県 八戸 市 で 十九 人 が 軽傷 を 負う など 同県 内 で 二十八 人 が 負傷 、 岩手 県 で 一 人 が 重傷 を 負った 。 また 同日 午前 中 の 余震 二 回 に 続き 、 同日 午後 四 時 十五 分 ごろ に も 岩手 県 沖 を 震源 地 と する 余震 が あった 。 仙台 管区 気象 台 の 観測 に よる と マグニチュード は 5・1 、 震源 の 深 さ は 約 三〇キロ 。 各地 の 震度 は 次の 通り 。 水戸 市 新原 の 駐車 場 で 六 日 夜 、 茨城 大 付属 幼稚園 教諭 、 神永 直美 さん が 盗ま れた 三十四 人 分 の 入園 願書 入り バッグ は 七 日 朝 、 近く の アパート の 生け垣 の 中 に 捨て られて いる の が 見つかった 。 バッグ 内 の 現金 は 盗ま れて いた が 、 願書 は 無事 。 近く の 会社 員 が 犬 の 散歩 中 に 見つけた 。 高見 順 氏 が この 日 の 日記 に 「 富塚 博士 が 『 言論 報国 』 誌上 で 、 日本 の 軍艦 は だめだ 、 航空 機 は だめだ と 激しい こと を いって いる 由 。 死 を 賭して の 建言 だろう が 、 つとに こういう 建言 が なければ うそ だった のだ 」 と 書いて いる 。 最後 は 「 この 日記 も 気をつけ ない と 」 。 家宅 捜索 を 恐れる くだり も ある 。 ロックンロール の 王者 、 米国 の エルビス ・ プレスリー が 病没 して から 、 今年 で 十七 年 。 だが 、 ヒット 曲 が 日本 でも 最近 リバイバル する など 、 エルビス 人気 は 依然 衰えて い ない 。 その エルビス の 誕生日 は きょう 八 日 。 生きて いれば 今年 、 還暦 の 六十 歳 を 迎えた 。 没後 の 誕生日 に は 例年 、 世界 各地 から 数千 人 の ファン が 、 生地 の テネシー 州 メンフィス に 集まり 追悼 式典 を 開く 。 米国 人 の ケニー ・ キング さん も その 一 人 。 トレードマーク だった 長い モミアゲ や 革 ジャンパー の ソックリ さん 姿 で 、 同地 の 喫茶 店 で くつろぎ 、 今年 の 式典 を 待つ 。 式典 で は 、 大 ヒット 曲 「 監獄 ロック 」 など が にぎやかに 流れる はずだ 。 埼玉 県 内 の 愛犬 家 ら 連続 失跡 事件 を 捜査 して いる 行田 署 の 埼玉 ・ 群馬 県警 合同 捜査 本部 は 七 日 まで に 、 行田 市 の 会社 役員 、 川崎 明男 さん の 死体 遺棄 容疑 で 逮捕 した 同県 大里 郡 江南 町 板井 、 犬 猫 販売 業 、 関根 元 容疑 者 の 知人 の 犬 繁殖 業者 から 「 関根 容疑 者 が 一昨年 、 川崎 さん 以外 に も 遺体 を 焼却 した 」 と の 証言 を 得た 。 同年 に は 同 容疑 者 と 犬 の 売買 など を めぐって 金銭 トラブル の あった 行田 市 の 主婦 ら 三 人 が 失跡 して おり 、 捜査 本部 は 主婦 ら 複数 の 人 が 焼か れた 可能 性 が 高い と みて 、 遺棄 さ れた 人物 の 特定 を 急ぐ 。 証言 に よる と 、 焼却 場所 は 、 川崎 さん の 遺体 焼却 に 使わ れた の と 同じ 群馬 県 利根 郡 片品 村 の 繁殖 場 。 関根 容疑 者 が 一昨年 夏 以降 、 この 知人 宅 の 庭先 の ドラム缶 で 、 解体 した 人間 の 死体 を 焼き 、 同村 内 に 捨てた と いう 。 知人 は 当時 、 関根 容疑 者 が 実質 的に 経営 する ペット 会社 の 役員 を して いた 。 川崎 さん の 死体 遺棄 で は 関根 容疑 者 に 指示 さ れて 手伝わさ れ 、 その 経過 を 具体 的に 証言 して いる 。 主婦 は 八 月 二十六 日 、 外出 から いったん 帰宅 した 後 、 「 買い物 に 行く 」 と 言い残し 、 自転車 で 家 を 出た まま 行方 不明に なった 。 主婦 は 同 ペット 会社 から 大型 犬 アラスカンマラミュート 二 匹 を 購入 。 買った 犬 が 産んだ 子 犬 を 引き取って くれる よう 関根 容疑 者 に 頼んだ もの の 応じて もらえ ず 、 周囲 に 悩み を 漏らして いた 。 また 失跡 前日 に は 銀行 から 二百七十万 円 を 引き出して いる 。 江南 町 の 暴力 団 幹部 は 七 月 二十一 日 午後 八 時 ごろ 、 同居 して いた 運転手 と 一緒に 同 町 の 組長 宅 から 帰宅 後 、 行方 不明に なった 。 自宅 に は 特に 争った ような 跡 は なかった が 、 車 が 置か れた まま で 、 県警 は いったん 帰宅 後 、 運転手 と 外出 した と みて いる 。 この 暴力 団 幹部 は 、 関根 容疑 者 が 経営 する ペット 店 「 顧問 」 の 名刺 を 持ち歩く ほど 付き合い が 深かった が 、 失跡 前 に は 融資 に からむ 利息 問題 で 同 容疑 者 と の 間 で トラブル を 起こして いた と いう 。 関根 容疑 者 は 逮捕 前 、 三 人 の 失跡 に ついて 毎日新聞 の インタビュー に 対し 「 どこ か で 生きて いる と 聞いて いる 」 と 話して いた 。 恋 の 思い が 遂げ られ ます 夜 の 内 に 、 人 の 姿 を 照らし出す ような 光 は ございませ ん 。 たとえ その 夜空 に 月 の 光 が 耿々と 輝き 渡り まして も 、 男 と 女 が 忍び 逢い ます 屋形 の 内 に は 、 ただ 一 つ の 灯火 さえ も ございませ ん 。 それ が 、 男 と 女 が 住まい ます 人 の 世 の 習わし で ございました 。 月 の 光 の 中 に 白い 霜 の 煌めき が まじり ます 。 西 の 対 の はずれ に ございます 妻戸 の 陰 に は 、 寒 さ に 身 を 震わせ ます 左京 が 、 月 の 光 を 避ける ように して 、 ひっそり と 身 を 忍ばせて おり ました 。 それ は 、 寒 さ の せい で ございました か 、 あるいは 、 して は なら ない こと を する 恐ろし さ の ゆえ で ございました か ―― 。 白い お 庭 の 砂 を 踏んで 、 人 の 影 が 二 つ 。 康俊 と その ご 案内 を 受け ます 徹 の 君 で ございました 。 冬 の 夜 の 光 を 浴びて 白く 輝く お召物 。 白砂 の おだやかな 照り返し を 受けて 銀 に 煙り ます 、 その お召物 の 影 。 お 年若な 男君 の お 姿 は 、 いつぞや の 秋 の 夜 と 同じく 、 大層 美しく ございました 。 左京 は 、 その 白い 砂 を 踏みしめ ます 人 の 足音 を 耳 に いたし まして 、 ギュッと 袖口 を 握りしめ ました 。 ただ 黒い ばかりの 夜 の 影 が 、 そのまま 美しく 朧な 人 の 姿 に なり 変わって 行き ます の を 、 妻戸 の 隙間 から 息 を 詰めて 眺めて おり ました 。 もや は 震え は ございませ ん 。 なんと して でも 、 人 に 知ら れ ぬ まま この 恐ろしい 密事 を し 遂げ ねば なら ない と いう 思い が 、 左京 の 体 を いつの間にか 熱く して おり ました 。 低く 抑えた 男 の 声 が なにやら を 申し ます 。 そうして 、 一 つ の 影 を 後 に 残した まま 、 もう 一 つ の 影 が 近づいて まいり ます 。 「 こちら へ ―― 」 それ だけ を 左京 が 申し ます 。 康俊 の 影 が 止まり ました 。 軽く うなずき ます と 、 康俊 は 主 の もと へ と 引き返し ました 。 「 こちら へ ―― 」 と いう 同じ 言葉 が 、 康俊 から 徹 の 君 へ と 伝え られ ます 。 白い 月 の 光 に 照らし出さ れ ます 白い お 庭 の 砂 の 上 の 影 は 、 なにやら 妖しく 透けて 、 それ が 恋 と いう もの の なまめかし さ を あからさまに 告げて いる ようで ございました 。 康俊 が 申し まして 、 若い 男君 は 「 うん 」 と だけ お 答え に なり ます 。 その 、 夜 の あやう さ を だいなしに して しまい ます ような 若やかな お 声 を 最後に して 、 男 達 の 声 は 聞こえ なく なり ました 。 夜 の 妻戸 の 暗い 影 の 中 でも 、 左京 は 袖 で おのれ の 顔 を 隠し ます こと を 忘れ ませ ん でした 。 「 この 一言 を 口 に して しまえば もう 後戻り は 出来 ない のだ 」 と いう 思い が 、 左京 の 咽 を 震わせ ました 。 ですけれども 、 もう その 時 は 来て しまった のです 。 姫君 の 熱い お 心 を 、 左京 は 忘れ ませ ん でした 。 冷えた 夜 の 中 に 、 お 年若の 公達 の お 袖 に 薫きしめ られた 香 の 匂い が 、 おずおず と 漂って 、 男 と いう 未知な 生き物 が いる のだ と いう こと を 、 左京 に 教え ました 。 ためらう 心 と おののく 心 は 、 同時に 熱い 恋 の 扉 を 開けて しまう 不敵な 心 で も ございました 。 左京 は 、 その 美しい 公達 に 自分 の 声 が 聞こえて しまい ます こと を 羞じらい ながら 、 「 こちら へ ―― 」 と 、 冷たい 板戸 を 押し 開けて 申して おり ました 。 夜 も 更けた 屋形 の 内 に は 、 生温い 人 の 気配 だけ が ございました 。 暗い 廂 の 間 の 内 を 、 徹 の 君 は 息 を 詰め 、 目 を 凝らして お 進み に なり ました 。 女 ばかり が 住む 左大臣 家 の 西 の 対 に は 、 不思議に 甘やかな 匂い が 立ち篭めて おり ました 。 遠い 御簾 の 向こう に 、 一 つ だけ 灯火 が 見え ます 。 宿直 の 女 達 が 骸 の ように なって 眠って おり ます 姿 を 、 その 遠い 灯台 の 明かり が ぼんやり と 浮かび上がら せ ます 。 その 妖しい 光景 に 魅せられて 、 徹 の 君 は 御簾 の そば へ お 寄り に なり ました 。 「 こちら へ ―― 」 と 申し ます の は 、 左京 で ございます 。 宿直 の 女 達 の 寝姿 を 照らし出す 灯台 の 光 が 、 御簾 を 通して こちら へ 洩れて まいり ます 。 その 黒い 御簾 の 影 が 、 左京 の 上 に 落ちて おり ました 。 お 年若の 公達 も 、 黒い 御簾 の 影 に 覆わ れて おり ました 。 左京 は 、 その 影 を 払い 捨てる ように 、 暗い 奥 へ と 進んで まいり ます 。 ひそやかに 豊かな 香 の 匂い が 立ち篭め ます そこ は 、 西 の 対 の 母屋 の 奥 ―― 姫君 の お 寝み に なり ます 帳台 の 前 で ございました 。 人 の 気配 が 、 厚い 絹 の 向こう で いたし ます 。 遠い 朧ろな 灯 の 影 が 、 人 の 姿 を ほんのり と 浮かび上がら せる ような 気 も いたし ます 。 ですけれど そこ は 、 光 の 届か ぬ 帳台 の 内 で ございました 。 姫君 は ただ 黙って 、 熱く 面 を 伏せた まま で 待って おいでになり ました 。 待つ と いう こと が 、 まるで 罪深い こと で も ある ように 思わ れて 。 その 時 、 冷やかな 風 が 起こって 、 我が身 と は 違う 人 の 匂い が 、 姫君 お 一 人 の 帳台 の 中 に 入り込んで 来た ので ございます 。 最近 、 「 童謡 集 」 と いう アルバム を 作った 。 あれこれ タイトル を 考えて みた のだ が 、 なにも 飾ら ない これ が 一 番 だ と 思って いる 。 今 まで ポップス 中心 だった 私 が 、 どうして 子供 の 歌 を 作ろう と 思った の か 。 その 訳 は こう である 。 まず 最初 は 「 いわさき ちひろ 展 」 で 彼女 の 絵 に ふれた こと だった 。 本 の 挿絵 と して は 何 度 か 目 に した こと は あった が 、 多数 の 作品 に 描か れた 無垢な 子供 の 表情 に 心 が 温かく なった 。 しかし それ 以上 に 、 その 子供 を 見つめる 画家 の 目 に 驚か さ れた 。 絶対 的な 愛情 に 溢れる 目 が そこ に あった から だ 。 その 時 、 自分 も 音楽 を とおして こういう もの を 表現 し たい 、 と 考える ように なった 。 次 は 現在 歌い つが れて いる 童謡 に 、 不思議な 一面 を 発見 した こと だった 。 一過性 の ポップス や 流行 歌 と 違い 、 普遍 性 が ある 童謡 の 価値 観 を 十 分 認め つつ も 、 そこ に 父親 の 影 が 見えて こ ない の は なぜ だろう ? と 感じた のである 。 全く の 私 の 仮説 だ が 、 それ は 家族 の 風景 が 昔 と 今では 若干 変わって きた から で は ない だろう か 。 核 家族 の 現在 から 考える と 、 子育て の 現場 は 母親 であって も 、 家長 と して の 父親 の 存在 が ずっと 遠い 位置 に あった ような 気 が する 。 まさに 地震 、 カミナリ 、 火事 、 オヤジ …… そんな 時代 に 作ら れた 歌 だった から で は ない か 。 今や 、 平日 の 父親 参観 や 運動 会 に も 溢れ ん ばかりに オヤジ たち が 集まる 時代 である 。 父親 と 手 を 重ねる 子供 の 歌 が あって も いい と 思った から だ 。 そして 最後に 、 私 自身 が 父親 に なった ことだ 。 子供 が 成長 して いく 過程 で 、 なに気ない 子供 の 言動 に 思わず 抱きしめ たく なる 一瞬 が ある 。 そんな 永遠に 封じこめ たい 一瞬 を 歌 に し たかった 。 そんな 理由 から 童謡 を 書き始めた 。 誰 の 記憶 の 中 に も いく つ か の 童謡 が ある 。 私 の 書く 童謡 が そんな 一 曲 に 成り 得たら 、 作者 と して 百 曲 の ヒット より 幸せに 思う 。 喪失 する と は 、 一体 どんな こと な のだろう か 。 旅 を して 、 私 は ある 極限 的な 喪失 に 出会った こと が ある 。 それ は 民族 の 言語 が 失わ れる ことだ 。 一四九三 年 十一 月 二 日 、 二 回 目 の 航海 の 途上 に あった コロンブス は 、 ある 予感 を 覚えて 十七 隻 の 艦隊 に 停船 を 命じた 。 翌朝 、 薄い 闇 の 中 から 姿 を 現わした の は 、 羊皮 紙 を 揉んだ ような 山容 の 島 である 。 鬱蒼たる 森林 の 島 に 上陸 しよう と する のだ が 、 投 錨地 が 見つから ず 、 艦隊 は 去って いく 。 地図 に も ない その 島 を 、 コロンブス は 安息日 と 名づけた 。 カリブ 海 に は 二 つ の ドミニカ が ある 。 ハイチ と ひと つ の 島 を 分け あった ドミニカ 共和 国 と 、 小 アンティル 諸島 に ある 人口 七万二千 人 の 小 国 ドミニカ である 。 南北 四十二キロ 、 幅 十五キロ の 国土 は 、 国 と いう より 島 と 呼んだ ほう が ふさわしい 。 しかし ここ は れっきとした 独立 国 だ 。 コロンブス の 子孫 たち は 、 この 島 も 見逃がさ ず に スパイス を 栽培 す べく 農園 に して 、 アフリカ から 大量の 奴隷 を 連れて きた 。 十五 世紀 から 十七 世紀 に さかんに おこなわ れて ヨーロッパ の 繁栄 を 支えた 奴隷 貿易 に ついて 、 こんなふうに 表現 する 人 も いる 。 「 人間 が 犯して きた あらゆる 罪 を 全部 あわせて も 、 とても 追いつか ない 」 こんな こと まで して ドミニカ に 農園 を こしらえよう と した 人々 に とって 、 この 島 に は 強力な 敵 が いた 。 ヨーロッパ 人 と 見れば 殺戮 を しよう と した まつろわ ぬ 民 、 カリブ 族 である 。 ヨーロッパ 人 たち は この 島 を “ 大いなる 戦い の 場 ” と 呼んで いた 。 カリブ 海 に は 勇猛な 海洋 民族 カリブ 族 が いた 。 北 アメリカ の 極地 に も 、 砂漠 に も 、 アマゾン の ジャングル に も 、 アンデス の 高地 に も 、 アジア 大陸 から ベーリング 海峡 を 渡って いった モンゴロイド が 住んで いた 。 カリブ 族 は 南 アメリカ の アマゾン から 戦闘 用 カヌー に 乗って カリブ 海 の 島々 に 渡り 、 先行 民族 アラワク 族 を 滅ぼして いった 。 これ は 記録 に 残って いる こと で は なく 、 朦朧と した 伝承 だ 。 カリブ 族 は ヨーロッパ 人 の 奴隷 に なろう と し ない ため 、 どんどん 殺さ れて いった 。 ドミニカ に は カリブ 族 の 居住 地 が ある 。 居住 地 は 穏やかで 明るい カリブ 海 の ほう で は なく 、 荒々しい 大西洋 の ほう に 向いて いる 。 島 の 北東 の 部分 に 位置 し 、 日本 で いえば 東北 地方 の 三陸 海岸 に あたる 。 崖 と いって も よい 急な 斜面 に 村 が へばりついて いる 。 村 の 教会 の 祭壇 は カヌー の 形 を して いる 。 彼ら の 民族 の 記憶 を せめて 失わ ない ように して いる の かも しれ ない 。 家 は 高床 式 で 、 花 々 に 囲ま れて いる 。 彼ら は 私 たち 日本 人 と 顔 が そっくりである 。 彼ら の ほう でも 驚き 、 こんなふうに 声 を 掛けて くる 。 「 兄弟 みたいだ ね 」 「 もし 俺 が 東京 に いったら 、 日本 人 だ と いわ れる かも しれ ない ね 」 カリブ 族 の 族長 は 五 年 任期 で 選ば れる 。 私 は 族長 イリュース ・ オギス に 会う こと が できた 。 彼ら は 歴史 書 を 持って い ない 。 語り部 たち は ことごとく 殺さ れて しまった ため 、 伝説 さえ も 残って い ない のである 。 自分 たち が どこ から きて どういう もの な の か 、 まったく わかって い ない のだ 。 ハンモック 、 ハリケーン 、 カヌー など わずかな 言葉 は 残って いる に せよ 、 言語 は 完全に 失わ れて しまった 。 「 伝統 的 文化 は まったく 失わ れた けど 、 今 、 新しく 我々 の 文化 を 見直そう と いう 機運 が ある 。 舞踊 、 料理 、 言葉 を 再 発見 しよう と して いる 。 今 我々 が 持って いる 文化 は 本当の 姿 で は ない んだ けど 、 元 に 戻そう と 努力 して いる んだ 」 言葉 が なくなった と いう こと は 、 すべて を 失った と いう こと な のである 。 文化 を 復活 しよう と いう 意志 は あって も 、 どう やったら いい の か 見当 も つか ない のだ と 族長 は いう 。 一九九五 年 が 明けた 。 敗戦 後 五十 年 を 迎える 今年 は 、 その 半 世紀 を ふりかえる 、 さまざまな 試み が 行わ れる こと と なろう 。 正月 を はじめ と する 、 農耕 儀礼 に 端 を 発した いわゆる 「 年中 行事 」 も 、 戦後 の 近代 化 と 都市 化 に よって 、 半 世紀 の 間 に 音 を 立てて 喪失 したり 変容 して いった 。 それ でも なお 、 正月 と 盆 の 行事 は 、 次第に 簡略 化 さ れ つつ も 、 多く の 人びと に とって は 、 一 年 の 節目 と して の 「 ハレ 」 の 行事 と して 営ま れて いる 。 だが その 意味 は 、 次第に 忘れさら れ つつ ある と いえよう 。 たとえば 「 年 」 と は 、 もと は 「 稔 」 であり 、 稲 が 実って 一巡 する サイクル を 「 年 」 と いった のである 。 その 年 の 初め の 日 を 「 元旦 」 と いう の は 、 唐 の 暦法 に ならって の 、 「 元 」 は 「 はじめ 」 、 「 旦 」 は 「 日の出 」 を 意味 する ところ から 使わ れて きた のである 。 そして 「 門松 」 は 神 の 依代 を 、 注連縄 は 神 が 降臨 さ れる ため の 聖域 を 示す のだ と いう 。 ところで 、 「 私 祭 」 と して の 正月 の もっとも 象徴 的な 儀礼 は 、 神棚 など に 供える 「 鏡餅 」 である 。 一 つ は 年神 に 、 いま一つ は 祖霊 に と 重ねて 供える のである が 、 その 形 が 「 まるい 」 の は なぜ か に ついて 、 柳田 国男 は 大変 興味深い 推論 を 示した のだった 。 その 供物 の かわり に 、 神 から 「 年玉 」 を 与え られ 、 心 と 身体 を 若がえら せ 、 この 一 年 を 元気に 生きよう と して きた のである 。 NHK の アナウンサー と して 三十八 年間 。 「 専務 理事 ・ 特別 主幹 」 と いう 肩書 を 最後に 、 昨年 四 月 から フリーに なった 。 「 人生 の ひと つ の 区切り と いう 感覚 は ない です ね 。 というのも 、 職場 で は 仕事 と 自分 の 趣味 である 古典 芸能 と いった もの が けっこう 結びついて いて 、 やめて から も 趣味 は そのまま 残って ます から 。 ただし 気分 は 違い ます 。 いま は 肩書 を なくした こと で 、 本当に すっきり した 、 と いう の が 実感 です ね 」 普通 、 やめる 人 は 次の スケジュール を 決めて おく もの だ が 、 まったく 白紙 だった 。 「 何も ない ところ から 出発 して 、 未知 と の 遭遇 を 楽しもう 」 と いう 意図 が あった から である 。 アナウンサー 時代 に は 、 劇場 中継 、 邦楽 番組 、 バラエティー 、 紅白 歌 合戦 、 『 思い出 の メロディー 』 、 さらに 科学 番組 の 『 ウルトラアイ 』 など 、 あらゆる ジャンル の もの を 担当 した 。 「 なぜ かしら 一 つ の 仕事 が 終わる と 、 次の 仕事 が できて くる と いった 具合 に こと が 運んで きた んです ね 、 自分 で 画策 し なくて も 。 牛若丸 じゃ ない けど 、 ここ と 思えば また あちら と 身軽に 立ち回る の が 、 割合 得意だった の かも しれ ませ ん 。 だから 、 フリーに なって も そう なる だろう と …… 」 実際 、 やめて から は そう なって いる 。 その 中 で 一番 充実 を 感じて いる の が 、 東京 ・ 日本橋 の 三越 劇場 で やって いる 『 山川 静夫 名人 劇場 』 だ 。 初めて の プロデュース 。 アナウンサー 時代 に は 経験 した こと が なかった こと だ 。 「 企画 、 人選 から 経済 面 まで すべて 責任 を 持つ と いう の は 、 リスク も あって 大変 わずらわしい こと だ けど 、 ものすごく 新鮮です ね 」 そもそも NHK に 入った の も 、 邦楽 、 歌舞伎 など の 古典 芸能 の 世界 を やり たい と いう の が 一 番 の 動機 だった 。 だから 、 名人 劇場 の 企画 も そんな “ 夢 ” と 連続 して いる 。 人間 国宝 級 の 古典 芸能 の 達人 と 当代 の 人気 歌手 や 音楽 家 を ジョイント さ せて 、 何 か 新しい もの を 生み出して みよう 、 と いう もの だ 。 「 おかげ 様 で 毎回 超 満員 で お 客 様 に も 喜んで もらい まして 、 いま まで に 味わった こと の ない ような 幸せな 気分 を 味わって おり ます 」 こうした 名人 劇場 の 成功 の 背景 に は 、 アナウンサー 時代 の 三十八 年間 に 蓄えて きた “ 人 ” と いう 財産 が ある 。 「 それ を いま フルに 活用 さ せて 頂いて おり ます 。 僕 は 在 局 時代 から 職場 と は 別の 世界 に 、 趣味 や より 多く の 友人 を 持つ ように 心掛けて き ました 。 それ が ここ に 来て 生きて い ます ね 。 そういう 財産 は 、 やめて から さあ 作ろう と 思って も でき ませ ん から ね 」 フリーに なる と いう 選択 。 その 理由 を 料理 に 例えれば 、 自分 の 好きな もの を 好きな だけ 自分 流 に 食べる と いう 感じ だ と か 。 「 それ が 残る 人生 を 楽しく 過ごす 、 最大 の 道 だ と 思い ます ね 」 元 NHK アナウンサー 。 1933 年 、 静岡 県 生まれ 。 近著 に エッセー 集 『 オフィス 忠臣 蔵 』 。 徳川 家康 が 征夷大将軍 に 任じ られ 、 豊臣 秀頼 を 差し置き 、 ついに 天下人 と なった 慶長 八 年 、 京都 の 町 は もう 一 人 の スーパースター の 出現 に 興奮 して いた 。 『 当代 記 』 は 、 伏見 城 に おいて 家康 が 征夷大将軍 の 宣旨 を 賜わった 二 カ月 あと の 四 月 の 条 で 、 女 歌舞伎 の ヒーロー ・ 出雲 阿国 の 人気 を 伝える 。 出雲 国 の 神 子女 が 京都 に 上り 、 彼女 は 決して 美人 で は なかった が 、 異風 な 男 の 真似 を して 、 刀 、 脇 指し 、 衣装 以下 、 殊に 異相 な もの を つけ 、 茶屋 の 女 と たわむれる 様 は 、 実に 巧みな 演技 で 、 身分 の 高い 低い を とわ ず 京 中 の 評判 を 呼んだ と ある 。 また 『 当代 記 』 は 、 阿国 は 伏見 城 に 参上 し 、 たびたび 踊った と 書いて いる 。 と いう こと は 家康 も また この 阿国 の 歌舞伎 を 楽しんだ こと が 想像 さ れる 。 太閤 秀吉 の 城 であった 伏見 城 は 、 家康 の 持ち 城 と なって いた から である 。 そして 七 月 、 家康 の 孫娘 千姫 が 、 この 城 内 から 輿 入れ の 舟 を 出して 、 淀川 を 下って 大坂 城 の 秀頼 の もと に 嫁ぐ が 、 この ころ であろう 、 伏見 城 で の 阿国 と 結城 秀康 と の 物語 が 、 『 武家 閑談 』 に 記述 さ れる 。 当時 、 阿国 は その 歌舞伎 踊り の 見事 さ から “ 天下一 ” と の 名 を 得て いた 。 この 天下一 の 女 は 、 結城 秀康 の 前 で 踊り を 披露 した 。 秀康 は 阿国 が 襟 に かけた 水晶 の 数珠 の 見苦し さ が 気 に なって 、 具足 に かけて あった 珊瑚 の 数珠 を 阿国 に とら せる 。 その 珊瑚 を 胸 に つけて 舞う 阿国 に 、 思わず 秀康 は 涙 を 落とす 。 無念の 涙 であった 。 秀康 は 家康 の 二男 に 生まれながら 、 家康 から 可愛がら れ ず 、 太閤 秀吉 の 養子 と なった 。 家康 の 嫡子 信康 は 死んで 、 本来 なら 徳川 を 継ぐ べき は 二男 の 秀康 な のに 、 家康 は 弟 の 秀忠 を 後継 者 に 決めて いた 。 天下 に 幾千万 の 女 が あれ ど 、 世間 は 阿国 を 天下一 の 女 と いって いる 。 酒 も 入って いた 。 秀康 は 阿国 の 見事な 舞い を 見て いる うち に 、 天下一 を 弟 に さらわ れる 悔し さ が 湧いて 来た 。 「 われ は この 女 に さえ 劣る の か 」 、 そう 思った とき 、 福井 藩 六十七万 石 を 食む 秀康 の 目 は 涙 の 海 に なって いた のだ 。 阿国 は また 御所 に も 上がり 、 歌舞伎 を 披露 した 。 後陽成 天皇 の 生母 である 新上東 門院 は 、 少女 の 時 から 阿国 を ひいき に して いた と も いう 。 阿国 は 歌舞伎 の 始祖 と して 有名だ が 、 その 人生 は まったく 分かって い ない 。 彼女 は ややこ 踊り から 出て 来た 芸人 と さ れる 。 ややこ 踊り と は 少女 が 小 歌 の 組み 歌 を うたい ながら 複数 の 者 で 、 大人 の 役 に なって 踊る もの で 、 風流 踊り の 一種 と さ れる 。 芸能 好き で 、 ややこ 踊り の よき 理解 者 であった 新上東 門院 は 、 阿国 の 庇護 者 であった と いう 。 阿国 が 出現 した 時代 、 それ は 信長 の 全国 制覇 で 、 京都 で の 戦火 が やんで 、 平和 を 公家 から 庶民 まで が 楽しんだ 時代 であった 。 秀吉 は 能 を 愛して 、 自ら 能 を 演じる こと を 楽しみ と した 。 御所 に は 町 の 芸人 が 呼ば れた 。 秀吉 の 時代 、 各地 の 鉱山 から 金銀 が 豊かに 出て 、 それ ら は 海外 に 運ば れ 、 庶民 まで が うるおい 、 春 に は 花見 、 秋 に は 紅葉 狩り を 楽しむ 、 余裕 の 時代 を 迎えて いた 。 関ケ原 合戦 は 、 武家 の 政権 交代 であって 、 慶長 期 、 京都 は 実に 平和で 生活 は 豊かであった 。 子供 が 大人 を 演じる ややこ 踊り 。 これ を 発展 さ せた 阿国 歌舞伎 は 、 女 が 男 に なり 、 セックス ・ アピール も あって 、 頽廃 の 雰囲気 が 漂う 。 一方 で 女能 も 出現 する 。 桃山 文化 の 爛熟 期 と 阿国 の 登場 は 重なる のだ 。 この 阿国 の 私生活 は まったく 不明 。 出雲 出身 と さ れる こと も 、 阿国 が 単に そう 名乗った に すぎ ない と の 説 が 学者 に 多い 。 だが 複数 の 同 時代 資料 が 、 出雲 の 国 、 しかも 出雲 大社 の 巫女 である と いって いる の に 素直に 従う べきであろう 。 ただし 出雲 大社 から 阿国 の 存在 を 示す 文献 は 見つかって い ない 。 彼女 は 大社 に あって 造営 関係 を 担当 した 神宮寺 に 属す 、 歩き 巫女 だった 可能 性 が 強い 。 十七 世紀 初頭 の 作品 で 、 国 の 重要 文化 財 指定 の 『 阿国 かぶき 図 屏風 』 は 、 阿国 を 描く 最古 の 作品 である 。 桜 咲く 春爛漫 の 北野 神社 境内 の 舞台 で の 男装 の 阿国 が 活写 さ れる 。 北野 神社 の 境内 は 、 当時 、 見世物 舞台 が 並ぶ 洛中 きって の 興行 街 で 、 阿国 は ここ に 定 舞台 を 持って いた 。 この 北野 神社 の 松梅院 禅昌 と 阿国 は 親しく 、 みだらな 噂 も たて られた こと が ある 。 この 禅昌 の 『 北野 社家 日記 』 に よれば 、 年 末 年始 の 贈答 が ていねいに なされ 、 あいさつ に 阿国 は 子供 を 連れ 、 また 三九郎 を 伴って 来た こと が あった 。 三九郎 と は 鼓 打ち の 男 だ が 、 阿国 の 夫 だった と も いわ れ 、 かすかに 彼女 の 私生活 が かいまみえる 資料 と なって いる 。 阿国 人気 は 次々 に 新たな 女 歌舞伎 を 生む 。 阿国 を 名乗る 者 たち も あらわれる 中 で 、 阿国 自身 の 人気 は 陰り を みせる 。 阿国 は 京 を 去って 諸国 を 巡り 、 慶長 十二 年 に 江戸 に 姿 を 見せ 、 江戸 城 で 勧進 歌舞伎 を やって 大 評判 を 取った 。 この 阿国 は 出雲 で は 、 出雲 大社 宮 鍛冶 の 中村 三右衛門 の 娘 で 、 老いて 故郷 に 帰り 、 尼 に なった と いわ れる 。 東海道 新幹線 の 新 富士 駅 で 、 ロマン あふれる 駅弁 を 見つけた 。 かぐや 姫 伝説 に 基づく 「 竹取 物語 」 。 可愛らしい かぐや 姫 が 描か れた 赤い 包装 紙 を 開く と 、 銀色 の 紙 ぶた の 上 に 、 夜空 と ススキ 、 月 の 写った 写真 に 「 いま は 昔 、 竹 取 の 翁 と いふ もの 有 けり …… 」 と 、 竹 取 物語 の 一節 が 印刷 さ れて いる 。 竹かご の 中 は 近く の 由比 特産 の サクラエビ と 、 鶏肉 と ホタテ の 照り焼き 、 タケノコ と シイタケ の 煮物 、 金糸 卵 など が 入り 、 下 は 豆 の 炊き込み おこわ 。 豆 は 静岡 独特 の ゆで 落花生 だった 。 「 新幹線 新 富士 駅 の 開業 に 合わせて 、 地元 色 豊かな 弁当 を 作ろう と 社 内 アンケート を し 、 富士 市 に ある かぐや 姫 伝説 を 題材 に 地元 の もの を 使う こと に し ました 」 と 、 1923 年 創業 の 富陽軒 の 総務 部長 補佐 、 諸星 裕子 さん は 説明 する 。 包装 紙 の 絵 も 諸星 さん が 描いた と いう 。 同 市 の 竹取 物語 研究 調査 委員 会 が 87 年 暮れ に まとめた 調査 結果 に よる と 、 比奈 地区 に 「 竹採塚 」 が あり 、 近く に は 「 赫夜姫 」 「 篭坂 」 など の 地名 が 残り 、 『 古今 和歌 集 序 聞書 』 に も 「 駿河 国 の 浅間 の 郡 に 竹 取 翁 と いう 老人 あり … 」 と 記述 さ れて おり 、 竹取 物語 の 発祥 の 地 と 言わ れて いる 。 88 年 春 の 新幹線 駅 開業 直前 に 東海道 線 富士 、 身延 線 富士宮 で 売り出さ れた 。 今では 新 富士 駅 を 含む 3 駅 で 1 日 平均 約 100 個 売れ 、 約 20 種 の 同社 駅弁 の 主力 商品 。 富士 登山 や 大石寺 参り の 玄関 口 だけ に 、 旅行 客 など の 予約 も 同 程度 ある と いう 。 チャンタン と は チベット 語 で 北方 高原 を 意味 する 。 平均 高度 が 四五〇〇 メートル の チャンタン 高原 に は 、 樹木 一 本 すら ない ただ 広漠と した 世界 が 広がって いる だけ で 、 地球 上 に 残さ れた 数 少ない 秘境 と なって いる 。 私 は 、 一九九〇 年 に 長野 県 山岳 協会 と チベット 登山 協会 が 主催 する チャンタン 高原 登山 探検 隊 に 参加 する こと が できた 。 首都 ラサ を 五 月 三 日 に 出発 、 四 日 後 チャンタン 高原 に 入った 。 キャラバン の 期間 中 、 私 は 車 の 一団 に 驚いて 逃走 する 動物 たち の 種 、 地点 、 標高 を フィールドノート に 記録 し 続けた 。 ちょうど 一 カ月 の 旅 であった 。 恵み 少ない チャンタン 高原 に も 、 しっかり と 命 は 息づいて いた 。 しかも 、 過酷な 自然に しっかり 対峙 して 。 この 間 に 確認 した 哺乳 類 は 十一 種 であった 。 観察 する 機会 の 多かった の は チルー を はじめ と する 有蹄 類 であった 。 チルー は チャンタン 高原 の 最奥 に のみ 生息 して いた 。 五 月 二十三 日 、 雪山 を 背 に した 三百 頭 を 超える 群れ に 出合い 、 その 情景 は 今 も 私 の 脳裏 を 離れる こと は ない 。 チルー は チベット の 特産 種 である 。 荒原 に とけ込む 薄茶色 の 体 毛 に 雄 だけ が 長い 角 を 持つ 。 その 特徴 的な 角 は 、 横 から 見る と 一 本 の ように 見え 、 ヨーロッパ の 伝説 上 の 動物 、 「 一角 獣 」 の モデル と いわ れる 。 チベット 医学 上 貴重であり 、 とくに 角 は 種々の 効果 が ある と さ れる 。 ラサ の 露店 でも 売ら れて おり 、 捕獲 さ れ 個体 数 が 減少 した と さ れる 。 大きく ふくらむ 鼻 に は 付属 腺 が あり 、 寒気 を 暖め 湿度 を 与える 役目 が ある と いわ れる 。 近縁 の チベットガゼル は 、 チルー より も 標高 の 低い 遊牧 民 と の 接点 に 生息 し チルー の 分布 と は 重複 し なかった 。 チルー は 奥地 の 高 標高 地 に すみ 、 これ より 下部 に チベットガゼル が すみ 、 両 種 は 標高 に より すみ分けて いる と 考え られた 。 チベット で の 農耕 ・ 定住 限界 は 四〇〇〇 メートル 前後 である 。 これ より 上部 は 十 センチ に 満たない 木本 類 、 丈 の 低い 草本 しか 見 られ ず 、 遊牧 民 の 世界 と なって いて 、 その 限界 は 五一〇〇 メートル 前後 である 。 チャンタン 高原 に 行く と チルー や 野生 の ヤク の 大群 に 出合う と 聞いて いた が 、 私 たち が 出合った の は チルー の 群れ に 一 度 だけ だった 。 チベット 登山 協会 は 二 年 前 に 下見 の ため に 同一 ルート を 走破 して いる 。 この 時 の 運転手 は 、 遊牧 民 や 物資 搬入 の トラック の 轍 が 奥地 に 向かって 入り込んで いる と 話して くれた 。 私 たち の 心 を 痛めた の は 、 野生 の ヤク が 密猟 さ れた 残骸 を 幾 度 と なく 目 に した こと であった 。 私 たち の キャラバン 中 の 宿泊 地 で 、 ヒツジ の フン の 無い 個所 は チャンタン 高原 の 最奥 部 に 限ら れ 、 遊牧 民 の 世界 に 野生 動物 の 確認 は なかった 。 恵み 少なき 大地 で の 野生 動物 の 生存 に は 、 保護 区 と 人間 の 生活 圏 と の 明りょうな 線引き が 必要である 。 文 = 泉山 茂之 協力 = ナスカ ・ アイ 私 は 小学生 の ころ 、 夏 休み など の 宿題 を 幾 日 分 も ためる の が 嫌いでした 。 それ が こうじて 早く 終わら せよう と 、 課題 の 日記 も 1 週間 も 先 まで 書いて しまい 、 兄 に 見つかって 大笑い さ れ ました 。 仕方 が ない ので 、 それ から 毎日 、 日記 に 合わせて 生活 し ました 。 私 は 子育て 、 老後 と いう 言葉 が 大嫌いな んです 。 子供 は 育てよう と し なくて も 、 自然に 育つ もの だ と 思って い ます 。 私 自身 、 子供 を 意図 して 育てた 覚え は あり ませ ん 。 気 が ついたら 子供 は 大きく なって い ました 。 流れる 時間 の 前 に 、 すべて の 人間 は 平等だ と 思って い ます 。 生まれた ばかりの 子供 も 私 の ように 九十数 年 生きて いる 者 も 、 時 の 流れ の 中 で は 同じ 人間 です 。 多く の 時間 を 経験 して いる から 年寄り が 尊い わけで も ない し 、 うやまわ なければ なら ない と いう こと に も なり ませ ん 。 ですから 、 老後 と いって 年寄り を 特別 視 する こと 自体 が おかしい と 思い ます 。 ただし 、 現在 の ような 資本 主義 社会 で は 、 生産 に とって プラス か マイナス か と いう 価値 観 だけ で 人間 を 判断 する と 、 老人 は 無力で やっかいな 存在 に なって しまい ます 。 人間 に 対する 哲学 が 確立 さ れて い ない せい でしょう ね 。 1919 年 上京 、 講談 社 の 雑誌 記者 に なる が 、 女性 差別 に 抗議 し 、 1 年 で 退社 。 農民 文学 者 、 犬田 卯 と 結婚 、 病身 の 夫 に 代わり 4 人 の 子供 を 育て ながら 、 小説 で 生計 を 支え 続ける 。 すべて の 人間 は 平等 と いう 思想 を 終始 一貫 し 、 部落 差別 を 世に 訴える 大作 『 橋 の ない 川 』 を 書き 続ける 。 老人 を 特別 視 して 、 尊ぶ こと も 邪魔者 扱い する こと も 間違って い ます 。 人間 は 子供 であれ 大人 であれ 、 特権 が あって は いけ ませ ん 。 年 を とる と 、 それ だけ で 特権 が できる と 思い がちです が 、 おおきな 間違い です 。 年 は 自分 で 努力 して とる もの で は ない 。 威張る こと でも 自慢 する こと で も ない でしょう 。 電車 で 席 を 譲って もらったり 、 いたわって もらう こと を 、 当然 と 考える の は 、 老人 の 甘え で は ない でしょう か 。 席 を 譲って もらえる の は 、 人間 と して 成長 した 人 が いる から であって 、 年寄り の 特権 でも なん でも ない んです 。 ただ 、 体 の 弱い 人 を 周囲 の 人 が いたわったり 、 助けあう と いう 、 相互 扶助 の 精神 は 社会 の 基本 だ と は 思い ます 。 それ 相応 の 能力 の ある 人 は それ に 応じ 、 社会 に 還元 する 義務 は でて くる もの です 。 人間 に 貴せん の 別 は 一切 あり ませ ん 。 ですから 、 私 に は 尊敬 する 人 も 軽べつ する 人 も いま せ ん 。 子供 だろう が 、 年寄り だろう が どんな 人 でも 時間 と いう 大 原則 の 前 に は 、 何ほど の 違い も あり ませ ん 。 イラスト ・ 浜田 洋子 おい の マンション は 幼稚園 の すぐ 隣 で 、 中 の 様子 は 手 に とる ように 分かる んです 。 お 嫁 さん は 臨月 の ため あまり 外出 せ ず 、 昼間 とても 退屈な ので 幼稚園 の 時間 表 を 利用 して いる そうです 。 最も 楽しい の は お 弁当 の 時間 で 、 園児 と 同じ ように お 弁当 の 歌 を 歌って 、 いただき ます を して お 昼 ご飯 に する と か 。 生まれて くる 子 は どんなに なる か 楽しみです 。 室 内 犬 を 飼い だした 小 2 の 孫娘 、 犬 が 食卓 に 足 を かける と 食卓 を たたき 「 ダメ 」 。 「 厳しい ネ 」 と 言う と 、 「 しつけ は バシッ と やら なく ちゃ 」 。 両親 が 共働き で 、 孫娘 を 育てた の は 大甘 の 私 たち な のに …… 。 この前 、 学校 で アンケート を とら さ れ 、 名前 は 記入 し なくて いい と 言わ れた ので 、 思って いる こと や 、 した こと を 書き ました 。 すると 先生 は 、 出席 番号 順 に アンケート 用紙 を 集めた のです 。 「 そ 、 そんなあ … 」 と いう 気持ち で いっぱいです 。 友人 の ご 主人 は きれい好きの 完ぺき 主義 者 。 歯磨き は 朝 起きて すぐ 、 朝食 の 前後 、 昼食 の 前後 、 帰宅 して すぐ 、 夕食 の 前後 、 お 酒 を 飲んで から 、 寝る 前 、 と 歯 医者 さん から 磨き すぎ と 言わ れた と の こと 。 先日 は 前歯 の 詰めた の が 取れ 、 瞬間 接着 剤 で 3 時間 かけて 自分 で つけた そうです 。 でも 、 歯 医者 さん に 行った ほう が 安全です よ ね ! 隣 の 3 歳 の 女の子 が 、 1 人 暮らし の 私 と 遊んで いた 時 の こと 。 「 オジチャン いない の ? 」 と 聞く ので 「 お 墓 で ネンネ して いる の よ 」 と 言ったら 、 「 もう 、 今ごろ 起きて いる よ 、 きっと 」 です って 。 そう だ と 良い のに ね 。 主人 は 14 年 前 に 亡くなり ました 。 この 不景気 は 、 我が家 に とって も 苦しい ところ 。 私 が お 化粧 して いる 時 、 主人 が 「 こんなに 景気 が 悪く なって いる のだ から 、 もっと 薄化粧 に したら 」 と 言い ました 。 「 エッ 」 と 思い つつ ファンデーション を ぬって いる と 、 また 主人 が 「 もっと 、 もっと 、 のばせよ 」 。 あ〜あ 、 こんな ところ に も 節約 が … 。 いつも 、 日曜 くらぶ を 楽しみに して い ます 。 特に 橋本 治 さん の 「 三日月 物語 」 を 待ちわびて 1 週間 を 過ごして い ます 。 岡田 嘉夫 さん の 絵 も 美しく 、 毎週 テーマ に 合わせて お 花 が 登場 する の が 楽しみです 。 源氏 物語 と は また 違った 新しい 風 を この 物語 に 感じて 、 この先 の 展開 が どう なる の か と ワクワク し ます 。 お 2 人 の ご 健筆 を お 祈り し 、 期待 いたし ます 。 第 74 回 全国 高校 ラグビー フットボール 大会 最終 日 は 7 日 、 東大阪 市 の 近鉄 花園 ラグビー 場 で 相模台 工 ― 長崎 北陽台 の 優勝 戦 を 行い 、 相模台 工 が 27 ― 12 で 長崎 北陽台 を 降し 、 2 年 連続 2 回 目 の 優勝 を 飾った 。 大会 連覇 は 第 52 、 53 回 大会 の 目黒 以来 21 年 ぶり 6 校 目 。 試合 終了 後 、 閉会 式 が 行わ れ 、 久野 猛 ・ 全国 高 体 連 会長 、 迫田 太 ・ 毎日新聞社 専務 取締 役 大阪 本社 代表 、 川越 藤一郎 ・ 日本 ラグビー 協会 会長 ら から 相模台 工 の 選手 たち に 賞状 、 優勝 旗 、 優勝 盾 、 準 優勝 の 長崎 北陽台 に 準 優勝 トロフィー など が 贈ら れた 。 さきがけ 北海道 は 七 日 、 札幌 市 内 で 開いた 常任 幹事 会 で 、 自民党 の 推薦 で 道 知事 選 に 出馬 の 意向 を 固めて いる 伊東 秀子 衆院 議員 を 政策 合意 を 前提 に 推薦 する 方針 を 固めた 。 鳩山 代表 は 「 伊東 氏 の 推薦 は 慎重に 対処 して ほしい と 、 五十嵐 広三 官房 長官 から 要請 さ れた 」 と 、 社会党 サイド から けん制 が あった こと を 明らかに した 。 また 、 さきがけ は 同日 、 道 民 自ら の 「 内 から の 変革 」 を 提唱 し 、 「 自立 ・ 共生 ・ 創造 の 大地 」 を キーワード に ニュービジネス を 誘導 する 技術 開発 の 積極 的 推進 など を 打ち出した 知事 選 向け の 政策 ビジョン 「 新 ・ 北海道 構想 」 を 発表 した 。 伊東 氏 が この 構想 を 了承 すれば 、 さきがけ は 正式に 推薦 を 決める が 、 その後 「 幌延 問題 」 、 千歳川 放水 路 問題 など の 個別 課題 に ついて も 協議 に 入る 。 みなさん ! 明け まして おめでとう ございます 。 暮れ から 東北 、 北海道 は グラグラ と 地震 で 揺れ つづけ 。 同じ ように 社会党 も グラグラ 。 迷走 も 年 を 越して 、 依然と して 行方 定め ぬ 波枕 の 様相 です 。 これ まで の 政界 地図 の 常識 で は 何 ひとつ 割り切れ ない こと は 承知 の 上 です が 、 それにしても 新党 を めぐる 社会党 の 現況 は 、 さっぱり わから ない 。 山花 さん は 、 とっとと 走る か に 見えて 、 足取り は もう ひと つ さえ ない 。 委員 長 である 首相 に も 、 全体 を リード する 気迫 が ない 。 自民 で も ない 、 新進 で も ない 、 第 三 極 を めざす 、 と いう 原則 まで は わかる のです が 、 その あと が 五里霧中 。 第 三 極 と いい ながら 、 その実 は 全体 を 新進党 寄り に もっていこう と する 人 も ある らしい 。 現に 新進党 から 旧 民社 の 人 が 新党 準備 会 に 参加 して いる 。 それ を 警戒 して 二の足 を ふむ 人 も あり 、 新民連 自体 も 分裂 状態 である こと を 露呈 した 。 それ に つれて 支持 労組 も バラバラ に なり 、 連合 など は マタ 裂き どころ で は なく 、 労組 それぞれ が ご 勝手に と 、 指導 部 も サジ を 投げる ありさま 。 離党 も 辞さ ず と 見え を 切る 一方 で 、 村山 政権 は 支持 する 、 と いう のです から 、 頭 が おかしく なって くる 。 そうこう する うち に 、 近畿 で は 、 連合 を 主軸 に 社会 、 旧民社 の 国会 議員 たち が さっさと 「 リベラル 近畿 」 を 結成 して しまった 。 自民党 から 「 転向 者 」 呼ばわり さ れ 、 社会党 から 除名 さ れて も 北海道 知事 に 立候補 する 人 が いる か と 思えば 、 さきがけ に 駆け込む 人 も あり 、 社会党 は いまや 、 第 三 極 を 形成 する 前 に 、 各 勢力 の 草刈り 場 の ように なって きて い ます 。 中央 が ねじれ 、 その 中央 と 地方 が ねじれ 、 ねじれ が ウズ 巻く さま は 、 いっそ 壮観で さえ あり ます 。 いま 一 人 の 社会党 議員 を 取り上げて 、 その 人 が 何者 である の か 、 正体 を 的確に 判断 する の は 、 だれ に とって も むずかしく なって き ました 。 おそらく 本人 も 行く先 を 見失って いる ので は ない でしょう か 。 これ で は 、 選挙 で 戦い よう も なく 、 他党 と の 選挙 協力 など 、 絵 そらごと です 。 地方 選 の 日程 は 、 しだいに 迫って くる 。 なんでも いい から 、 早く くっきり した 見取り図 を 示して くれ 、 と いい たく なって き ます 。 首相 の 年頭 所感 に 「 戦後 五十 周年 を 機会 に 、 来るべき 五十 年 を 展望 する 」 と ある が 、 五十 年 どころ か 、 三 日 先 の 展望 も きか ない の が 、 新春 早々 の 政界 です 。 それ は なにも 社会党 の 新党 問題 だけ で は ない 。 自民 ・ 社会 ・ さきがけ ・ 新進 の 四 党 の 基本 理念 を 一覧 した だけ でも いえる こと です 。 自由 ・ 民主 ・ 平和 ・ 共生 ・ 友愛 ・ 創造 と 、 並べる 徳目 も そっくり 。 四 党 が 一 つ に まとまって も 、 さして 奇異な こと も ない 。 いったい この 人 たち は 、 何 が 不足で いがみ合わ ねば なら ない の か と 、 ふしぎな くらい です 。 公約 違反 の 疑い を 消し かねる 自社 連立 を あえて 実現 し 、 選挙 制度 も 変わった うえ は 、 早く 民意 を 問う べし 、 と いう の は 正論 。 だが 、 これ だけ 垣根 も 区切り も ない 状態 で 、 国民 に 何 を どう 選択 せよ と いう の か 、 と いう 疑問 も ある 。 理屈 だけ で いえば 、 せめて 見取り図 だけ は 定め 、 早期 に 解散 、 と いう 線 が 妥当な ので は ない か 。 国事 多端 の 折から 選挙 など して い られ ない 、 など と いう の は 、 いつ の 場合 も 逃げ口 上 。 いざ と なれば 、 そんな こと に お かまい なく 大 ダンビラ を ふるう の が 、 それ こそ 憲政 の 常道 です 。 と いう うち に も 、 世界 は 動く 。 大統領 の 意のままに なら ぬ 軍隊 を かかえた 、 ロシア の チェチェン 内戦 の 悲惨 。 ガリ 国連 事務 総長 の 武力 紛争 解決 「 お手上げ 」 宣言 など 、 ことし も 春 から 、 混迷 の ただ中 に あり ます 。 関西 財界 は 十一 月 の アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 大阪 会議 で 民間 人 と 各国 閣僚 が 直接 意見 交換 する 官民 合同 会議 を 設ける よう 近く 、 政府 に 働きかける 。 昨年 十 月 、 大阪 で 行わ れた APEC 中 小企業 大臣 会合 で の 官民 合同 会議 が 高い 評価 を 受けた ため で 、 大阪 商工 会議 所 の 大西 正文 会頭 が 意欲 を 示して いる 。 実現 すれば 国際 会議 の 新しい 手法 と して “ 大阪 方式 ” が 定着 する こと に なり そうだ 。 中小 企業 大臣 会合 で は 閣僚 会議 の 後 、 締めくくり に 各国 閣僚 と 民間 代表 が 一堂 に 会して 意見 交換 を 行った 。 日本 の 中小 企業 経営 者 が 通産 省 の 中小 企業 政策 の 問題 点 を 指摘 する など 率直な 意見 表明 が 相次いだ 。 民間 側 の 議長 を 務めた 大西 会頭 に よる と 、 橋本 竜太郎 通産 相 は 「 東京 で は ああいう 本音 の 意見 は 出 ない 。 各国 の 閣僚 も とても 喜んで いた 」 と 高く 評価 。 来年 の 中小 企業 大臣 会合 開催 国 である オーストラリア も 「 大阪 方式 を 見習い たい 」 と 表明 し 、 中小 企業 大臣 会合 で は 官民 合同 会議 が 定着 の 見通し だ 。 また APEC は 民間 重視 の 姿勢 を 打ち出して おり 、 官民 合同 会議 で 民間 の 意見 を 表明 する こと が 議論 の 深化 に も 役立つ と み られて いる 。 先週 は 米国 の 金利 上げ を 織り込んで ドル買い が 先行 、 4 カ月 半 ぶり に 1 ドル = 101 円 台 を つける など 円安 ・ ドル高 の 展開 と なった 。 米 景気 の 速度 は 衰えて おら ず 、 ロシア 政府 に よる チェチェン 共和 国 へ の 軍事 介入 も 長期 化 する 懸念 から 、 ドル は 対 マルク でも 上昇 する と み られる 。 この ため 、 今週 も 輸出 企業 の ドル 売り で 上値 は 重い もの の 、 追加 利上げ に 伴う 日 米 金利 差 の 拡大 を 見越して 米 投機 筋 が ドル買い 意欲 を 強めて いる こと から 、 ドル は 堅調に 推移 し そうだ 。 東京 株式 市場 は 、 昨年 の 大 納会 から 4 日 連続 下落 が 続いた 。 ただ 、 「 二 進 一 退 相場 の 一 退 の 局面 」 と の 見方 から は 今週 は 上昇 が あり そうだ が 、 10 日 に は 米 連邦 準備 制度 理事会 議長 の 議会 証言 、 11 日 に は ワシントン で 日 米 首脳 会談 が 予定 さ れて いる 。 「 とりあえず 結果 を 見極め たい 」 と の ムード も 根強い 。 この ため 、 東 証 の 平均 株価 は 模様眺 め 相場 が 続く 中 、 1万9200 円 から 1万9800 円 の 範囲 で 推移 する と の 見方 が 強い 。 NTT 関西 ネットワークセンタ は 、 天文 台 と 学校 の 教室 など を 結ぶ 天文 情報 ネットワークシステム 「 星 の 寺子屋 」 の モデル 実験 を 始めた 。 リアルタイム の 天体 観測 が できる システム で 、 教育 、 研究 機関 や 公共 施設 など に 活用 して もらう 予定 。 実験 は 関西 創価 中学 ・ 高校 の 協力 で 、 昨年 十二 月 から 一 年間 の 予定 。 NTT 六甲 天文 通信 館 から デジタル通信 回線 で 送ら れて きた 天体 画像 を 教室 の モニター 画面 に 映し出し 、 授業 に 活用 する パソコン通信 で 教室 から 天体 望遠 鏡 を 遠隔 操作 し 好み の 天体 を 観測 したり できる ので 、 楽しい 天文 学習 が でき そう 。 「 子ども の ころ の 夢 は そう とりとめ の ない もの で は ない 。 一生涯 残って いる 」 と 言った の は 中国 の 作家 、 林 語堂 だ が 、 この 「 少年 の 日 の 夢 」 を だれ より も 見事に かなえた 人物 と いえば 、 ドイツ の 商人 で 考古学 者 の ハインリッヒ ・ シュリーマン だろう 。 八 歳 に なろう と して いた クリスマス の 日 、 ハインリッヒ は 牧師 の 父 から 「 子ども の ため の 世界 史 」 と いう 本 を もらう 。 炎上 する トロヤ の 都 。 巨大な 城壁 。 父 を 背負い 、 幼な子 の 手 を 引いて 疾駆 する 英雄 アイネイアス 。 本 の 挿絵 に 魅せられた ハインリッヒ は 叫んだ 。 「 父さん 、 こんな 壁 が あった の なら すっかり なくなって しまう はず が ない よ 。 何百 年 も の 塵 や 石ころ の 下 に 埋もれて いる んだ 」 父 は そう で は ない と 主張 する が 子 は 譲ら ない 。 ホメロス の 叙事詩 に すっかり 心 奪わ れた 少年 は 「 いつか 、 トロヤ の 発掘 を する 」 と 決意 する 。 ハインリッヒ は 十四 歳 の とき 、 まず 雑貨 店 見習 、 さらに 帆船 の ボーイ 、 商社 の 通信 係 など さまざまな 職 を 経て 、 大 商人 と して 成功 、 巨万 の 富 を 築く 一方 、 古代 ギリシャ 語 など 十数 カ国 語 を 独学 で 会得 。 四十一 歳 と いう 働き盛り で 事業 から 退き 、 いよいよ 少年 時代 の 夢 を 実現 する ため に トロヤ の 発掘 に とりかかった 。 そして 、 シュリーマン は トロヤ 、 ミケナイ 、 ティリンス の 遺跡 を 次々 に 発掘 、 財宝 を 掘りあて 、 当時 空想 上 の 産物 と さ れて いた ホメロス の 物語 を 歴史 的 事実 である こと を 明らかに し 、 世界 を 驚かせた のだ 。 一八九〇 年 十二 月 二十六 日 、 旅 の 途中 、 ナポリ の 路傍 に 倒れて 死んだ 。 この シュリーマン の 一生 は 『 古代 へ の 情熱 ― シュリーマン 自伝 』 に 詳しい 。 本人 が 書いた の は 第 一 章 だけ で 「 自画 自賛 が 多い 」 と の 批判 も ある が 、 失恋 あり 、 訴訟 沙汰 あり 、 やはり 、 第 一 章 が おもしろい 。 人間 は すべて 多かれ少なかれ 夢 を 持ち 、 夢 に 従って 生きる 、 生きもの だ 。 この こと を 知る ため に も 、 この 「 自伝 」 の 一読 を すすめ たい 。 徳島 県 高校 教職 員 組合 が この ほど まとめた アンケート 調査 に よる と 、 県 内 の 高校 生 の 八三・九 % が 現在 の 自分 に 好感 が 持て ない と 思って いる こと が 分かった 。 具体 的な 項目 で みる と 、 明る さ や 友達 関係 に は 五〇 % を 超える 生徒 が 自信 を 持つ 一方 、 学業 や 容姿 、 異性 関係 で は 八〇 % 以上 が 自信 なし と 自己 評価 して いる 。 悩み の 相談 相手 は 友人 が 三七 % と 最も 多く 、 肉親 は 一三 % 、 教師 も 一二 % に とどまった 。 一九 % の 生徒 は だれ に も 相談 でき なかった と 答えて いる 。 富山 県 の 工業 系 高校 、 企業 など で つくる 県 工業 教育 振興 会 が 、 工業 高校 生 の 技術 向上 、 教育 充実 を 目的 に 催して きた 「 実技 コンテスト 」 は 今 年度 で 三十一 回 目 。 当初 、 機械 、 薬 業 、 電気 、 化学 など 分野 別 に 行わ れて いた が 、 徐々に 分野 が 減って 、 今 年度 から は 薬 業 だけ で の 開催 。 教育 イベント の 多様 化 が 原因 。 機械 系 は 、 富山 が 発祥 の 地 と なり 、 全国 大会 に 発展 した 高校 ロボット 競技 大会 に 、 全力 投球 。 化学 系 は 、 海外 視察 旅行 に つながる 工業 論文 発表 大会 に 向けて の 研究 に 力 を 注ぐ 。 運営 担当 教諭 は 、 「 研究 促進 の 役割 を 果たし 、 薬 業 以外 で の 使命 を 終えた 」 と 、 むしろ 満足げ 。 ハト が マンション の ベランダ に 巣 作り した と いう 住民 の 苦情 が 大阪 や 東京 など 都市 部 で 急増 して いる が 、 大阪 府 緑 の 環境 整備 室 の 鈴木 宏介 専門 員 ら は 、 ハト が “ 安全 確認 ” の ため 最初に 手すり に 止まる と いう 習性 を 逆手 に とった 独自の 撃退 方法 を 見つけた 。 ハト は 鳥獣 保護 法 の 対象 で 駆除 でき ず 、 さまざまな 業者 が ハト よけ 法 の 開発 に しのぎ を 削って いる なか 「 成功 率 百 % 」 の ハト 公害 解消 策 と して 注目 さ れて いる 。 大阪 府 で は ハト の ふん や 鳴き声 に 関する 苦情 、 相談 は 十 年 前 に は なかった が 、 最近 二 、 三 年 は 年間 千 件 を 超えて いる 。 東京 都 も 同様で 、 現在 は 二十三 区 だけ で 年間 推計 約 五百 件 。 雨 が 当たら ない ベランダ の 棚 、 エアコン の 室 外 機 など に ハト が 巣 を 作る 。 共働き 、 独身 など 、 人 の 出入り が 少ない マンション に 被害 が 集中 して いる と いう 。 鈴木 専門 員 は 、 ハト が 巣 作り したり 、 巣 に 戻る 際 に は まず 、 ベランダ の 手すり の 上 に 乗って 周り の 様子 を うかがい 、 初めて 次の 行動 に 移る と いう 習性 に 注目 。 手すり の 両端 の 上 に 、 クギ を 打った 木片 を 固定 し 、 細く 丈夫な テグス を 手すり の 上 五 ― 六 センチ に 張った 。 すると 、 ハト が 止まろう と して も 、 足 で テグス を 握る こと が でき ず 、 寄りつか なく なった と いう 。 これ まで 専門 業者 は 光 を 反射 する 目玉 の 風船 や 、 磁石 で ハト の 方向 感覚 を 狂わせる など の 方法 を 試みて きた が 、 効果 は いま一つ 。 大阪 府 は 五 年 前 から 、 この 新しい 方法 を 年間 四十 ― 五十 人 に 勧めて いる が 、 いま の ところ 、 失敗 した と いう 報告 は 一 件 も ない 、 と いう 。 日本 野鳥 の 会 会員 で も ある 鈴木 専門 員 は 「 今回 の 方法 は 効果 は 大きい が 、 ハト が 子育て を して いる 場合 は 、 巣立ち まで 追い立てる の を 待って もらって いる 」 と いう 。 今春 、 滋賀 県 彦根 市 内 に 県立 大学 が 開校 する の に 合わせ 、 市 が 地元 地 権者 や JA 彦根 と 協力 して 、 学生 ら の 新 生活 ゾーン と なる 「 大学 村 」 を つくる 構想 を 進めて いる 。 農地 を 整備 して 、 地 権者 が 下宿 マンション の ほか 、 レストラン や 交流 施設 など を 建設 、 JA 彦根 は 融資 など で 協力 、 市 は 大学 村 づくり の ノウハウ を 提供 する 計画 。 三 年 後 に は 学生 や 留学 生 ら が 地元 住民 と も 交流 する 学生 街 が 誕生 し そう 。 市 内 に は 滋賀 大 経済 学部 など が あり 、 下宿 生 は 現在 約 千五百 人 。 同 市 八坂 町 に 開校 する 県立 大 は 環境 科 学部 など 三 学部 で 、 四 年間 で さらに 約 二千 人 の 学生 が 増え 、 その 半数 が 下宿 する と み られる 。 予想 さ れる 下宿 不足 に 、 市 は 県立 大 予定 地 から 東 二キロ の 農地 約 五 ヘクタール に 大学 村 を 建設 する こと で 、 地元 と ほぼ 合意 した 。 計画 で は 地 権者 が 今春 に も 組合 を 組織 し 、 ワンルームマンション 数 棟 、 教官 用 も 含めた 一戸建て 二 、 三十 棟 を 建設 し 、 レストラン 、 喫茶 店 など も 運営 。 市 は 地元 住民 と も 交流 する 場 に なる よう 村 づくり を 進め たい と いう 。 開 村 は 三 年 後 の 予定 。 愛知 工業 大 の 名誉 教授 から 転身 した 中島 一 市長 は 「 世界 各国 から の 留学 生 も 地元 の 人 たち と 交流 する パリ の 大学 村 の ように し たい 」 と 話して いる 。 鳥獣 保護 法 鳥獣 の 保護 や 繁殖 、 有害 鳥獣 の 駆除 など に ついて 定めて いる 。 キジ 、 カモ など 環境 庁 長官 が 定める 狩猟 鳥獣 以外 の 鳥獣 の 捕獲 を 禁止 。 懲役 や 罰金 の 罰則 規定 も ある 。 硫黄 島 付近 の 漁場 に 向かう 途中 で 連絡 が 途絶えて いた 高知 県 土佐 市 ・ 宇佐 漁協 所属 の マグロ はえ縄 漁船 「 第 23 孝丸 」 = 一九 トン 、 市原 学 船長 ら 七 人 乗り組み = から 七 日 夕 、 船舶 電話 で 「 無線 が 故障 して いた 」 と の 連絡 が 同 漁協 に あり 、 全員 の 無事 が 確認 さ れた 。 孝丸 は 漁 を 続ける と いう 。 葬儀 委員 長 は 幡谷 豪男 ・ 堺 市長 。 スーパー 最 大手 の ダイエー の 中内 功 会長 兼 社長 は 八 日 、 神戸 市 内 で 記者 団 と 懇談 し 、 五 年 後 を めど に 、 全 社員 約 二万六千 人 を 対象 に 、 一 年 契約 の 年俸 制 を 導入 する 考え を 明らかに した 。 同社 で は すでに 準 役員 クラス 以上 に 能力 重視 型 の 年俸 制 を 導入 して いる 。 中内 氏 は 「 自分 の 考え で 稼いで くる 社員 を どれ だけ 確保 する か が 生き残り の カギ に なる 」 と 終身 雇用 と 年功 序列 型 賃金 体系 を 批判 。 今後 三 ― 五 年 の 間 に 全 社員 を 対象 に 年俸 制 を 導入 、 能力 に 応じて 賃金 や 役職 を 決める 雇用 体系 に 切り替え たい と の 意向 を 示した 。 村山 富市 首相 は 八 日 、 超 党派 の 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 を 独自に 発足 さ せた 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 と 首相 公邸 で 会談 した 。 首相 は 、 今春 の 統一 地方 選 後 に 党 全体 で の 新党 移行 を 目指す 考え を 強調 、 離党 など 性急な 行動 へ の 自重 を 求めた 。 しかし 、 山花 氏 は 二十 日 の 通常 国会 召集 前 の 新党 結成 を 主張 して 物別れ に 終わり 、 同 党 の 亀裂 は 決定 的に なった 。 山花 氏 は 予定 通り 九 日 、 準備 会 参加 議員 の 一 回 目 の 集約 を 行う 。 社会党 から は 二十 人 近く 、 他 党派 から 六 人 程度 が 参加 する 見通し だ 。 しかし 、 準備 会 参加 は ただちに 離党 を 意味 せ ず 、 実際 の 離党 者 数 が 焦点 に なる 。 会談 で は 、 山花 氏 が 準備 会 結成 に 至った 経過 を 説明 、 「 政界 再編 の テンポ は 速く 、 統一 地方 選 など 三 大 選挙 の 前 に 新しい 党 づくり が 必要だ 」 と 、 一 月 中旬 の 新党 結成 へ の 理解 を 求めた 。 しかし 、 首相 は 「 まったく 理解 でき ない 」 と 強い 不快 感 を 表明 。 妥協 案 と して 統一 地方 選 後 に 市民 団体 代表 も 交えた 新党 準備 会 を 発足 さ せる 考え を 示した が 、 歩み寄り は なかった 。 また 、 山花 氏 は 通常 国会 で 新党 に よる 新 国会 内 会派 を 旗揚げして も 村山 政権 を 支える 姿勢 を 表明 。 しかし 、 首相 は 山花 氏 ら の 行動 は 倒閣 に つながる と の 考え を 強調 した 。 さらに 首相 は 、 訪 米 中 に 政権 基盤 を 揺るがす ような 行動 を 取ら ない よう くぎ を 刺した 。 ロシア 政府 は 八 日 、 チェチェン 共和 国 の ドゥダエフ 大統領 が 警護 隊 と ともに 六 日 午後 、 首都 グロズヌイ を 脱出 、 共和 国 南部 の 山岳 地帯 に ある ガランチェジュ 村 へ 向かった と 発表 した 。 同 大統領 の 首都 脱出 は 先に インタファクス 通信 が 六 日 、 グロズヌイ の 軍事 筋 の 情報 と して 伝えた が 、 ロシア 政府 が 公式 に 認めた の は 初めて 。 しかし 、 チェチェン 側 から これ を 確認 する 情報 は 伝え られて い ない 。 政府 発表 に よる と 、 チェチェン 共和 国 の 情報 機関 を 指揮 する ゲリスハノフ 保安 相 も 首都 を 脱出 、 東方 の グデルメス に いる と いう 。 ロシア 政府 は 先に 、 同 保安 相 は ロシア 側 に 協力 する 意向 を 表明 した と 発表 して いる 。 今春 の 北海道 知事 選 で 、 社会党 を 離党 した 伊東 秀子 衆院 議員 は 八 日 夜 、 札幌 市 内 で 自民党 道連 の 佐藤 孝行 会長 と 会談 後 、 「 地方 分権 推進 と 、 開か れた 透明 性 の ある 道政 を 実現 し たい 」 と 事実 上 、 出馬 を 宣言 した 。 自民党 道連 や さきがけ 北海道 と 政策 協議 の 詰め を 急ぎ 、 遅く と も 十四 日 まで に 正式に 表明 する 。 同 知事 選 で は 、 社会党 が 前 副 知事 の 堀 達也 氏 の 推薦 を 決め 、 北海道 勤労 者 医療 協会 副 専務 理事 の 甲斐 基男 氏 も 共産党 推薦 で 出馬 する 。 伊東 氏 は 道政 に 臨む 姿勢 と して トップ ダウン 方式 を 批判 した 。 犠牲 者 二百六十四 人 を 出した 昨年 四 月 の 名古屋 空港 ・ 中華 航空 機 事故 で 運輸 省 航空 事故 調査 委員 会 は 九 日 付 で 、 事実 調査 の 最終 報告 書案 を 発表 した 。 フライトレコーダー を 詳細に 解析 し 、 事故 機 は 高度 五〇六 メートル で 急 降下 した が 、 当初 指摘 さ れた 墜落 直前 の 電源 切れ は なく 、 機体 の 異常 は 確認 さ れ なかった こと を 明らかに した 。 ボイスレコーダー 全文 も 公表 した 。 事故 調 は 、 来月 七 日 に 意見 聴取 会 を 開く 。 報告 書案 に よる と 、 事故 を 起こした 中華 航空 A 300 ― 600 は 昨年 四 月 二十六 日 午後 八 時 十四 分 六 秒 、 「 何らか の 原因 」 で 自動 操縦 装置 の 着陸 やり 直し モード が 入り 推力 が 増加 、 副 操縦 士 が 機首 下げ 操作 を 行った が 、 機 は 急 上昇 。 高度 五〇六 メートル で 失速 、 急 降下 し 、 同 十五 分 四十五 秒 に 墜落 した 。 事故 直後 、 事故 調 は 電源 切れ が なければ 機体 を 立て直せた 可能 性 を 指摘 した が 、 電源 切れ や 墜落 直前 の 再 上昇 は なく 、 機首 下げ 状態 の まま 墜落 した と 断定 した 。 国連 安保理 常任 理事 国 入り に ついて は いろいろな 議論 が ある 。 「 大国 の 横暴 」 と の 批判 が 本当に そう だ と したら 、 なおさら 、 日本 は 小さな 国 の 代弁 を して いく こと が 必要だ 。 国連 を 改組 して から 入る と いう ので は なく 、 改組 する ため に 入って いか なければ なら ない 。 戦後 五十 年 と いう こと で は 、 戦争 を 総括 す べきだ と 思う 。 同時に 後世 に 対して 戦争 は いかに 犠牲 を 多く 出す 不毛な もの である か を 伝え なければ なら ない 。 それ を やって 初めて 日本 は 国際 社会 、 特に 東南アジア に 対して いろいろな 発言 が できる ように なる 。 憲法 は 論 憲 だ 。 しかし 前文 は 国際 社会 で 名誉 ある 地位 を うたって いる 。 解釈 改憲 で やっていく の は 問題 が ある 。 議論 が 大事だ 。 憲法 と いえ ども タブー 視 して は なら ない 。 私 は 軍拡 論者 で は ない が 、 議論 し なければ シビリアンコントロール が でき ない 。 憲法 に 不備 や 時代 に 合わ ない ところ が ある こと は 認める が 、 これ から いよいよ 使える と いう 部分 が いっぱい ある 。 理念 は 世界 に 向かって 展開 する 時 だ と 思う 。 護憲 と いう より 「 展憲 」 だ 。 湾岸 戦争 後 の 国連 体制 は おおむね 円滑 に 機能 し 始めて いる 。 武器 輸出 の 規制 強化 や 軍縮 を やり つつ 国連 平和 維持 活動 を やる べきだ 。 しかし 現実 に は その 方向 で は ない 。 武器 輸出 が 放置 さ れた まま だ と 危険 が 増す ばかりだ から 、 PKO は すたれる 。 日本 が 先頭 に 立って 国際 社会 に 物 を 言う べきだ 。 全面 軍縮 と 並行 さ せた もの で 、 世界 警察 軍 の ような もの なら ぜひ 必要だ 。 しかし 核 廃絶 と 全面 軍縮 が 前提 条件 だ 。 その 芽生え と して の 平和 維持 活動 は 大事に 育て なくて は なら ない 。 その ため に も PKO に 伴う 危険 を 少なく して いこう と いう 努力 が 先決 だ 。 憲法 改正 の 概念 規定 が 難しい 。 一 番 極端な 九 条 の 改正 から 始まって 一字 一句 日本 語 を 直せ と いう 文章 論 まで 幅広い 。 論 憲 は 、 ただちに 憲法 改正 だ と いう 人 と 、 論じて いい もの を 作って いこう と いう 人 が いて 論 憲 自体 の 解釈 が 分から ない 。 自民党 内 で の 最大 公約数 で いえば 、 党 憲法 調査 会長 の 塩川 正十郎 さん の 「 憲法 に は 、 変えて は なら ない 『 不易 』 の もの と 、 変え なければ なら ない 『 流行 』 の もの と が ある 」 と の 指摘 通り で 、 だいたい 僕 も 賛成 だ 。 一般 的に 憲法 改正 と いう と 再 軍備 と み られる から 、 石原 慎太郎 さん も それ は 手つかず の まま に して 他の 改正 問題 を 考えよう と いう 趣旨 だ 。 新進党 に 、 九 条 を きちんと 限定 的に 書き 直した 方 が 、 つまり 解釈 論 で なく きちんと 書いた 方 が 歯止め に なる と いう 九 条 見直し 論 が ある ので は ない か 。 戦後 五十 年 を 機 に 、 日本 が 新しい 時代 に 変わって いく 中 で 憲法 の 価値 が 改めて 見直さ れて いる 。 今 の 日本 の 政党 や 政治 家 の 中 で 具体 的に 改憲 を 主張 して いる 人 は ほとんど い ない 。 国民 の 間 に も 憲法 は かなり 定着 した 状況 に ある と 思う 。 憲法 と かい離 して いる 現状 に 憲法 を 合わせる 改憲 の 考え 方 は 、 国民 の 間 に は 支持 は 少ない ので は ない か 。 創 憲 と いう 立場 は 憲法 の 理念 を 肯定 し 、 より 具体 化 して いく ため に 考え られる ことだ 。 国連 の 安保理 常任 理事 国 に なる こと に よって 、 憲法 より も 国連 の 決定 に 対する 義務 が 優先 する と いう 立場 に 立つ なら 日本 は 自己 矛盾 に 陥る と 思う 。 あくまでも 日本 は 国連 と の 関係 に おいて 憲法 の 範囲 内 と いう こと を きちんと して い なくて は なら ない 。 その こと が 常任 理事 国 入り に よって 困難に なる こと が 想定 さ れる ならば 、 常任 理事 国 入り は 慎重に す べきだ と 思う 。 政界 再編 の うねり の 中 で 、 独自 路線 を 進む 共産党 。 今後 の 政局 に 、 どう 対応 する の か 、 同 党 の 不破 哲三 委員 長 に 聞いた 。 一九八〇 年 の 社 公 合意 以来 、 社会党 は 、 まともな 意味 で の 革新 と いう 立場 を 捨て 、 いつでも 自民党 と 手 を 組める 方向 に 切り替えて いた 。 その 意味 で は 突然 、 右寄り が 始まった わけで は ない が 、 一 年 前 に 総 選挙 が あり 、 社会党 は 一連の 分野 で 一定 の 公約 を した 。 その すべて を なげうって の 自民党 と の 連立 だった 。 国民 と の 関係 で 政党 が 成り立って いる と いう 根本 を 社会党 は 捨てた 。 政策 転換 も 、 党 と して 論議 した ので も なく 、 後 から 「 首相 を 出した のだ から 」 と いう 論理 で 追認 した 。 細川 内閣 の 時 は 「 連立 政権 だ から やむ を 得 ない 」 と いう 論理 が あった 。 今度 は 、 それ も ない 。 実態 は 自民党 村山 派 だ 。 それ に より 社会党 自身 の 支持 基盤 を 崩壊 さ せた 。 それ が 最大 の 致命 的 矛盾 だ 。 その 前 に 分裂 が ある の かも しれ ない が 、 矛盾 が 表面 化 した 場合 に は 政権 は 持た ない 。 政界 再編 は 新しい 話 で は ない 。 旧 野党 を 全部 、 自民党 政治 の 側 に 吸収 して 、 その 中 で 二 つ に 割って 争い 合う 構想 は 早く から あった 。 この 構想 の 前半 部分 ―― 旧 野党 の 吸収 は 昨年 終わって しまった 。 後 は 線引き だけ だ 。 線引き が なかなか 決まら ない の は 、 吸収 して しまって 同じ 陣営 に いる ので 政策 の 違い が ない から だ 。 社会党 の 分裂 で 通常 国会 の 冒頭 どう なる か 。 あるいは 統一 地方 選 と の ダブル 、 参院 選 と の ダブル 。 秋 と いう こと も 考え られる 。 特定 し ないで 、 すべて に 備え ない と いけない 。 統一 地方 選 、 参院 選 、 衆院 選 の 三 つ の 選挙 全部 を 統一 した 構え で 戦う 。 政治 の 流れ が 渦巻いて いる 時 に は 、 どの 選挙 でも 政党 を 選ぶ と いう こと が 主題 に なって くる 。 「 比例 代表 を 軸 に 」 と 言って いる の は 、 その 意味 だ 。 前 臨時 国会 で は 、 小 選挙 区 制 導入 、 年金 改悪 、 消費 税 増税 、 コメ 自由 化 協定 の 批准 、 自衛 隊 法 の 改悪 ―― と 、 昔 なら 一 国会 で 一 つ でも 上がれば 結構 と いう 法案 が 連続 して 通った 。 重大 問題 に ついて 、 まともに 国会 が 審議 し ない 。 国民 の 間 で は 「 これ が 政治 か 」 と いう 声 が 起きて いる 。 政党 支持 なし 層 が 増えて いる の は 、 現状 批判 が まず 、 そんな 形 で 表れて いる と 思う 。 これ を いかに して 政治 に 生かす の か 。 「 地殻 変動 」 と 呼んで いる が 、 その 層 と いかに 結び付く か が カギ だ 。 最近 の 演説 会 は 新しい 層 が 多い ため 雰囲気 が 違う 。 拍手 も 笑い声 も 起き ない が 真剣に 聞いて いて くれる 。 後 の 反響 も 大きい 。 私 たち は 他党 と 違って 「 起きた 風 に のる 」 と いう こと は 、 まず ない 。 風 は 自分 たち で 起こす 。 それ が できる 客観 条件 は 、 発展 し つつ ある 。 旧 野党 が 吸収 さ れた こと で 、 三 分 の 二 の 壁 が 取り払わ れた 。 一応 、 与党 と 野党 と 席 は 違う が 中身 が 変わら ない 勢力 が 国会 の 九 割 以上 を 占める 。 しかも 小 選挙 区 比例 代表 並立 制 と いう の は 、 苦労 し ないで 三 分 の 二 を 超える 勢力 を 占める の を 保証 する 体制 だ 。 戦後 ずっと 、 自民党 が 三 分 の 二 を 超える 勢力 を 持て ない こと が 、 悪政 が そう 自由勝手に 横行 でき ない 一 つ の 壁 だった 。 それ が 取り払わ れ 小 選挙 区 で 体制 化 する の は 非常に 危険だ 。 これ を 見据えて 頑張ら ない と 憲法 が 危機 に 立つ と 思う 。 増強 した 自衛 隊 の 海外 派兵 に ついて 自民党 単独 政権 時代 より もっと 自由自在に やり出して いる 。 ルワンダ が 突破 口 だ と 思う が 、 国連 決定 が あって 要請 さ れた わけで も なく 、 国連 平和 維持 活動 協力 法 が 通る 時 に 野党 から 追及 さ れて 、 いく つ か 付けた 歯止め を 取り外す ような こと を 平気で やる 。 今 まで の 自民党 政権 だったら あからさまに でき なかった こと を 村山 政権 なる が ゆえ に 、 平気で やる 面 が 強い 。 軍事 大国 化 の 旗振り 役 は 野党 に 中心 の 一 人 が いる が 、 村山 政権 は 同じ こと を 着実に やって いる 。 基本 は 同じ 。 違い は ある と 言い ながら 、 流れ は 一 歩 々々 、 旗 を 振って いる 人 の 方向 に 進んで いる 。 解釈 改憲 の 面 でも 今度 の 政府 ほど ひどい もの は ない 。 今 の 改革 論 の 中 に は 日本 の 社会 が 一 番 病んで いる こと へ の 目 が ない 。 財界 ・ 大 企業 が 政治 を 自分 たち の 都合 の よい 方向 に 向けて いる 金権 政治 や 、 戦後 五十 年 たって いまだに 日 米 安保 と 米軍 基地 が 勝手気ままな こと を やって いる 。 これ に 対して 現状 維持 だったり 現状 改悪 だったり する 人 たち に は 改革 を 言う 資格 は ない 。 消費 税 増税 が 国会 を 通った 後 でも 、 世論 調査 で は 増税 反対 が 三 分 の 二 の 勢力 だ 。 しかし 国会 内 で は 九 割 以上 。 この 矛盾 が 問題 で 、 世論 の 動き から いえば 、 国会 の 中 で 我々 の パートナー が いない の が 不思議な ほど だ 。 国民 の 中 で は 我々 の 立場 そのもの は 多数 派 だ 。 国民 の 意思 に 反する 政治 が 圧倒 的 多数 で 進んで いる 。 各 党 が 党 名 を ころころ 変え 、 それ が いかに 無責任 か が 有権者 の 目 の 前 で さらけ出さ れる と 、 党 名 を 変えろ と いう 声 も あまり なくなって くる 。 筋 が 間違って い なければ 変え ないで 頑張る 値打ち が 光る 。 我々 の 綱領 は 、 今 は 資本 主義 の 枠 内 で 日本 社会 の 問題 点 に 応える 民主 的 改革 が 必要だ と いう こと を 路線 に して きた 。 今 の 社会 が 求めて いる 現代 的 方針 と いう の は かなり 前 から こなして いる 自信 が ある 。 国民 生活 を 不当に 縛り あげて いる 規制 は 暮らし や 福祉 に 関して 多 すぎる 。 撤廃 に 大 賛成 だ 。 しかし 大 企業 の 横暴に ついて は 規制 が な さ すぎる 。 そういう 目 で 見 ない と 国民 に 役立つ 規制 緩和 に なら ない 。 経団連 の 鳴り物入り で てこ入れ する 緩和 は ろくな 結果 に なら ない 。 行革 、 地方 分権 に ついて も そういう 立場 で 中身 の 論戦 を しよう と 思う 。 村山 富市 首相 は 十 日 、 首相 就任 後 初めて 米国 を 訪問 し 、 十一 日 に クリントン 大統領 と 会談 する 。 戦後 五十 年 の 節目 に あたり 、 日 米 の 緊密な 協調 関係 を アピール する の が 最大 の 目的 。 首相 は 冷戦 後 の 新たな 日 米 関係 づくり に 向け 、 軍縮 時代 に 即した 日 米 安保 体制 構築 や 、 日本 経済 の 構造 転換 の ため の 規制 緩和 など に 積極 的に 取り組む 考え を 示す 方針 だ 。 首相 は 今回 の 日 米 首脳 会談 を 「 二十一 世紀 に 向けた 日 米 関係 の 第 一 歩 」 と 位置づけて いる 。 今年 は 終戦 記念 行事 が 多い 。 米国 の 「 原爆 切手 」 など 国民 感情 に 触れる 問題 再発 を 防ぐ ため に も 、 年初 の 両 首脳 の 顔合わせ の 意義 を 重視 して いる 。 また 、 軍縮 へ の 積極 姿勢 を 示す ため 沖縄 の 米軍 基地 の 整理 ・ 統合 へ の 協力 を 大統領 に 要請 、 米 側 も 理解 を 示す 見通し 。 訪 米 成果 と して 強調 し 、 冷戦 後 の 新たな 日 米 安保 体制 構築 の 足掛かり と したい 考え 。 経済 面 で は 、 大阪 で 十一 月 に 開か れる アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 非公式 首脳 会議 に 向け 、 二〇二〇 年 まで に 投資 ・ 貿易 を 自由 化 する 市場 開放 計画 の 具体 化 に 取り組む 姿勢 を 強調 する 。 米 側 が 強く 求めて いる 規制 緩和 に ついて も 、 政府 が 「 規制 緩和 五 カ年 計画 」 を 策定 中 である こと から 、 その 期限 の 今年 三 月 まで に まとめる 意向 を 表明 する 。 第 二 次 世界 大戦 直後 に ソ連 最高 指導 部 が 北海道 北部 の 占領 と 同時に 東京 の 分割 統治 を 画策 して いた こと が 、 当時 の 極秘 文書 で この ほど 明らかに なった が 、 時事 通信 が 入手 した 別の 文書 に よる と 、 背後 で は 、 スターリン 首相 と トルーマン 米 大統領 が 日本 を めぐり 一 週間 に わたる 激しい 駆け引き を 展開 して いた 。 さらに 、 同 十七 日 付 の ジェレビャンコ ・ ソ連 全権 代表 に 対する 指令 書 で 、 北海道 北部 の 占領 要求 と ともに 、 ソ連 軍 の 東京 駐留 問題 に ついて も 、 マッカーサー 連合 国軍 最高 司令 官 と 協議 する よう 指示 した 。 しかし 、 トルーマン 大統領 は 十七 日 付 の 書簡 で クリル 諸島 に ついて は 了承 した もの の 、 北海道 北部 に 関する 要求 を 拒否 。 スターリン は 北海道 北部 占領 と 軍 の 東京 駐留 を あきらめ 、 十七 日 付 指令 書 を 二十五 日 付 の 指令 書 で 撤回 した 。 村山 富市 首相 と 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 の 八 日 の 会談 は 民主 ・ リベラル 新党 結成 の 時期 を 中心 に した 見解 の 相違 が 埋まら ず 、 事実 上 の 決別 会談 と なった 。 統一 地方 選 前 に 新党 を 結成 し なければ 、 新進党 と の 選挙 協力 も 含めて 勢力 結集 の 展望 が なくなる 山花 氏 側 と 、 ある 程度 の 離党 は やむ を 得 ない と 考える 首相 の 違い が くっきり と 表れた 会談 と なった 。 会談 後 、 山花 氏 は 相違 点 の 核心 が 新党 結成 時期 だった と 認め 、 首相 は 記者 団 へ の 説明 で 「 統一 地方 選 前 なんて でき っこ ない 。 タイミング と 言う だけ だった 。 私 は 理解 でき ない と 言った 」 と 述べ 、 激しい 応酬 だった こと を うかがわ せた 。 山花 氏 が 四 月 の 統一 地方 選 前 の 新党 結成 を 譲ら ない 背景 に は 、 新民連 急進 派 議員 の 多く が 、 新進党 と の 選挙 協力 を 目指して いる 点 に ある 。 新進党 が 次期 衆院 選 の 第 一 次 公認 候補 を 発表 すれば 、 その後 、 連携 を 探る こと は 困難に なる 。 この ため 「 首相 と 方向 性 は 一致 」 して も 、 統一 地方 選 前 は 譲れ ぬ 一線 と なる 。 一方 、 首相 に とって 統一 地方 選 前 の 新党 結成 は 「 非 現実 的 」 。 地方 組織 は すでに 社会党 の 「 看板 」 を 前提 に した 選挙 準備 を 進めて おり 、 統一 地方 選 前 は 不可能 と の 判断 を 固めて いる 。 この 点 で 、 両者 の ミゾ は 埋まり よう が なかった 。 今後 、 首相 は 社会党 と さきがけ の 連携 を 強化 する こと で 、 新 勢力 結集 の 動き を 具体 化 し たい 考え 。 山花 氏 ら の 動き や 連鎖 反応 を ある 程度 は 封じ込める こと が 可能 と の 見通し も あり 、 決裂 が 予想 さ れる 会談 に 臨んだ と み られる 。 こうした 事情 が ある に も かかわら ず 、 山花 氏 が 久保 亘 書記 長 の 仲介 に 応じる 形 で 、 党首 である 首相 と の 会談 に 応じた の は 、 新党 活動 本格 化 の 前 に 一応 の 区切り を つける こと は 避け られ ない 、 と の 判断 も あった 。 総理 府 は 八 日 付 で 「 外交 に 関する 世論 調査 」 結果 を 発表 した 。 日本 の 国連 安保理 常任 理事 国 入り に 対して 国民 の 半数 以上 が 賛成 した 一方 、 国連 平和 維持 活動 に は 現在 以上 の 積極 参加 を 望んで いる 人 は 少数 に とどまった 。 調査 は 昨年 十 月 、 全国 の 二十 歳 以上 の 男女 三千 人 を 対象 に 実施 、 有効 回収 率 は 六八・七 % 。 常任 理事 国 入り に ついて は 「 賛成 」 が 一八・七 % 、 「 どちら か と いえば 賛成 」 が 三七・三 % で 、 合わせて 五六 % が 肯定 派 。 「 反対 」 は 四・七 % 、 「 どちら か と いえば 反対 」 は 一三・三 % 。 PKO へ の 要員 派遣 問題 で は 、 「 現在 程度 の 参加 を 続ける べきだ 」 が 四三・四 % で トップ 。 「 参加 す べきだ が できる だけ 少なく 」 二五 % 、 「 参加 す べきで ない 」 八・六 % 。 「 これ まで 以上 に 積極 的に 参加 」 は 一五・五 % に とどまった 。 日本 人 ほど 日記 の 好きな 民族 は ない 。 古くから 日記 文学 が 花 開き 、 その 伝統 は 連綿と 続く 。 裾野 を 広げた もの の 一 つ が 「 博文館 の 当用 日記 」 だ 。 「 文字 を 自分 で 書く 。 感情 が 文字 に 投影 さ れる 。 手書き の 良 さ は 残る と 思い ます 」 。 創業 者 の 大橋 佐平 は 五十 歳 で 、 新潟 の 長岡 から 上京 、 博文館 を 起こした 。 「 祖父 、 乙羽 が 佐平 の 長女 と 結婚 、 養子 に 。 日記 を 出した 明治 二十八 年 に は 支配人 でした 」 。 佐平 は 海外 事情 に も 明るく 、 戊辰 戦争 で は 恭順 派 。 窮状 を みかねた 支 藩 から の 救援 米 を 、 ひもじ さ を 我慢 し 、 長岡 再興 の ため 学校 を たてる 資本 に した と いう 、 山本 有三 の 戯曲 「 米 百 俵 」 。 その 主人公 、 小林 虎三郎 と も 親交 が あった 。 「 欧 米 旅行 で 日記 を 知り 、 日記 を 普及 さ せる こと は 教育 に なる と 。 教育 を 尊ぶ 長岡 の 風土 です か 。 当用 日記 の 原型 も 彼 が 作り ました 」 。 欄 外 の 「 出来事 」 や 俳句 、 短歌 の ファン も 多い 。 漱石 、 露伴 、 鱒二 ら 文人 に も 愛さ れて 百 年 。 書籍 型 日記 の 不動 の 定番 だ 。 「 外部 の 社長 が 二 人 続き 、 やはり 大橋 の 家 の 者 が と いう こと で 。 商社 に 未練 が あり ました が 」 。 戦後 四十 周年 に 「 昭和 二十 年 夏 の 日記 」 を 出版 。 あの 日 の 、 庶民 の 偽り の ない 記録 に 日記 の 重み を 痛切に 感じた 。 今夏 、 再版 する 。 三陸 はるか 沖 地震 で 被災 さ れた 方々 に 、 心から お 見舞い を 申し上げ ます 。 新聞 など の 報道 に よる と 「 ガラス で 手 や 足 を 切ったり …… 」 「 市 中心 部 の ビル は 、 一 階 部分 を 中心 に ガラス が 割れ …… 」 など と 、 負傷 者 の 多く は 今回 も ガラス に よる 被害 の ようです 。 我が家 は 、 マンション の 十 階 な ので 、 強風 対策 も 兼ねて 、 ドア の ガラス など に は 飛散 防止 シート を 張って い ます 。 もし 大 都市 で 、 震度 6 を 超える 地震 が 起きたら どう なる でしょう か 。 国 は 国民 の 生命 を 守る ため に 、 割れ ない ガラス 、 割れて も 飛び散ら ない ガラス の 開発 に 予算 を 出して いただけ ない でしょう か 。 また 、 開発 さ れる まで 、 せめて 道路 に 面する 窓ガラス や 戸 に は 、 飛散 防止 措置 を とる こと を 義務づけ 、 資金 援助 を 願え ない でしょう か 。 雨 あられ と 降る ガラス の 破片 で 多く の 死傷 者 を 出す 前 に 、 地震 国 、 日本 と して の 賢明な 対策 を 政府 に お 願い し ます 。 司法 修習 生 に 冒頭 陳述 を さ せて いた と いう 本紙 の 報道 に 敬意 を 表し たい 。 私 の 知人 に 裁判 官 へ の 任官 を 拒否 さ れた 当事 者 が いて 、 彼 から 直接 聞いた こと が ある 。 「 司法 修習 生 当時 、 容疑 者 の 取り調べ を やらさ れた ので 抗議 した の も 任官 を 拒否 さ れる 理由 の 一 つ らしい 」 と 。 どうも 、 化学 の 実験 学習 程度 の 認識 しか 、 司法 当局 者 に は ない らしい 。 おそらく 、 今回 の 報道 も 、 彼ら に とって は 、 なんで いまさら こんな こと が 大きく 取り上げ られる の か 不思議で しようがない と いう 感覚 で は ない だろう か 。 法治 国家 が 聞いて あきれる 実情 と いう ほか は ない 。 この 事件 の 本当の 被害 者 は 修習 生 の 取り調べ を 受けた 容疑 者 である 。 彼 の 人権 は 、 最も 人権 を 守る べき 立場 に ある 者 に よって 侵さ れた のだ 。 その 責任 は だれ が 負う の か 。 法 相 の 首 くらい で 済む 問題 で は ない 。 先日 、 有料 で 兵器 を 使用 する こと が できる と いう ツアー の こと を 、 テレビ で 知った 。 もちろん 、 日本 国 内 で は ない が 、 反感 を 持た ず に は い られ なかった 。 戦争 に つながる 兵器 が 、 安易に 金もうけ に 使用 さ れて いる 場面 を 、 戦争 で 苦労 した 人 は 、 どのような 気持ち で 見て いた のであろう か 。 戦後 、 長い 年月 が 経過 した ので 、 戦争 が 美化 さ れて きて しまう 部分 も 少なからず ある と 思う 。 兵器 に 触れる こと が 、 なぜ ツアー に なる のであろう か 。 日本 でも 、 今日 、 平和 すぎて 、 戦争 の 恐ろし さ や 平和 の ありがた さ に ついて 、 深く 考える 機会 が 少ない ので は ない のだろう か 。 教科 書 に も 、 最小 限 の こと しか 記載 さ れて い ない 。 私 自身 、 戦争 を 体験 した こと は ない が 、 いつ の 世代 も 戦争 を 美化 す べきで は ない と 思う 。 十二 月 二十八 日 の 本欄 「 信念 と 情熱 を 持った 教師 いで よ 」 に 気 に なる 言葉 が あった ので 、 ペン を 執った 。 文中 の 「 人食い 裸 族 」 「 未開 地 」 と いう 言葉 に は 「 裸 」 「 そんな 人々 は 平気で 人食い ぐらい する だろう 」 と いう 連想 が 隠さ れて いる ように 思わ れた 。 しかし 、 この 連想 は 安易であろう 。 私 は むやみに 人 を 殺して 人肉 を 食する 民族 は 存在 し ない と 思う 。 以前 、 首 を 狩る 慣習 を 持って いた 民族 に して も 、 その 慣習 に は 儀礼 的な 意味づけ が ある のだ 。 それ に 昔 は 日本 の 武士 も 敵 の 首 を かき切って 武名 を あげて いた で は ない か 。 もう 一 つ 、 「 洋服 を 着た 進歩 した 人間 に なり たい 」 と いう 部族 の 男 の 言葉 に も 疑問 を 感じた 。 熱帯 で は 、 汗 を 流して 洋服 を 着る より も 、 裸 の 方 が 合理 的であろう 。 洋服 を 着る と いう こと は 、 進歩 の あかし である のだろう か 。 自分 たち を 文明 国 の 人間 と 思い込み 、 他の 民族 を さげすむ の は 戒める べきだ と 思う 。 世 の 女性 は 、 なぜ 、 夫 に 対し 「 主人 」 と いう 単語 を 使う の か 不可解である 。 「 主人 」 と は 、 一家 の 頭 と いう 意味 で 、 家 を 主体 に した 時代 の もの であり 、 現代 で は 使用 は 避ける べきである 。 「 主人 」 は 女性 に 対する 差別 用語 であり 、 他人 が 自分 に 対して 「 ご 主人 」 と いう 言葉 を 使用 して も 、 自分 から は 「 夫 」 を 用いる べきだ と 思う 。 これ は 多く の 女性 が 、 男性 の 氏 を 名乗る 、 現代 の 結婚 に 起因 して いる と 考える 。 「 嫁 に いく 」 など は 、 昔 の 伝統 的 表現 であり 、 今 の 戸籍 法 上 は あり 得 ない 言葉 だ 。 世 の 女性 は もっと 姓 に 対する 関心 を 示して ほしい もの だ 。 夫婦 別 姓 に 対する 総理 府 の 調査 で は 、 半数 以上 が 反対だ と いう 。 それ なら 、 女性 は 、 自分 が 生まれた 時 から の 氏 が 消えて も いい と 思って いる のだろう か 。 子供 が 生まれる と 名付け する の と 同じ ように 、 結婚 したら 新しい 氏 の 戸籍 を 作れば いい と 思う 。 都道府県 議会 議員 の 海外 視察 に 、 年間 十億 円 近い 公費 が つぎ込ま れて いる と いう 。 この お 金 は 、 国民 の 税金 から 賄わ れて いる のだ が 、 議員 たち は 視察 で 、 何 を 見 、 何 を 学んで きた のだろう か 。 視察 先 リスト を 見る と 、 観光 地 と して 有名な 地域 、 国 も 多く 、 特権 を 利用 した 、 物見 遊山 的な 旅行 に 過ぎ ない と 思わ れる もの が 多い 。 これ で は 無駄遣い と 言わ れて も 仕方ない ので は ない か 。 都道府県 議員 と は いえ 、 国政 を 考える 義務 は ある はず 。 その 意味 で 、 例えば 、 ルワンダ 難民 救済 に 当たる 自衛 隊 の 活動 を 見て 、 今後 の 国連 平和 維持 活動 の 在り 方 を 考える と か 、 世界 各地 に 展開 し 、 今や 不可欠 と なった 非 政府 組織 の 実態 を 見て くる 。 あるいは 、 新しい 国家 を つくろう と して いる 南アフリカ 共和国 の 現状 を 視察 する など 、 もっと 有意義な もの に す べきだ 。 ギングリッチ 米 下院 議長 は 七 日 発売 の US ニューズ ・ アンド ・ ワールド ・ リポート 誌 に 掲載 さ れた インタビュー 記事 で 、 クリントン 大統領 の ヒラリー 夫人 から 心 の こもった 直筆 の 手紙 を 受け取った こと を 明らかに し 、 「 これ を 読めば 、 だれ も が 上品な 振る舞い だ と 思う だろう 」 と 、 同 夫人 を 褒めちぎった 。 同 議長 が ヒラリー 夫人 を 「 あばずれ 」 と 呼んだ と の 問題 が 米 マスコミ を にぎわせて いる が 、 インタビュー で 議長 は 「 夫人 は マスコミ に 曲解 さ れる こと が いかに 苦しい こと か を 分かって いる 。 彼女 は 三 年間 、 ひどく 苦しめ られ 苦労 した 」 と 述べた 。 ジェフリー ・ ハウ 元 英 外 相 と 会って 話 を 聞いた 。 最も 興味 を 覚えた の は 、 サッチャー 前 首相 と の あつれき である 。 サッチャー 内閣 誕生 以来 、 蔵 相 、 外 相 と して 忠実な 部下 であった が 、 欧州共同体 内 で 英国 の 役割 を より 拡大 す べきだ と して 、 EC と の 距離 を 置こう と する サッチャー 首相 と 対立 の 度 を 深めて いく 。 一九八八 年 五 月 、 欧州 為替 相場 メカニズム に 早期 参加 す べきだ と する ローソン 蔵 相 、 ハウ 外 相 と サッチャー 首相 と の 対立 が 報道 さ れた ため 、 外 相 は 首相 に 「 半ば 公然と なった 対立 」 を 解決 しよう と 、 三 人 で 話し合う こと を 電話 で 提案 した 。 その とき 彼 は 、 首相 の 怒り狂った 反応 に びっくり した 。 首相 は 「 この こと で 二 人 と は 決して 一緒に 会い ませ ん 」 と 叫んだ のだ 。 彼 に よる と 、 サッチャー 首相 は 、 主要 閣僚 の 二 人 を 決して 団結 さ せ ず 、 “ 分割 統治 ” を 狙って いた 。 彼 の 首相 に 対する 不信 は 、 八九 年 マドリード で の EC 首脳 会議 で 、 首相 が ERM に 対する 英国 の 方針 を 説明 した 時 、 彼 に 事前 に 知らせ なかった こと で 一層 深まる 。 「 最後に 英国 首相 が 話し出した 時 、 外 相 は 首相 が 何 を 言う か 全く 知ら なかった のだ 」 と 当時 を 振り返った 。 政策 の 相違 が 、 人格 的 衝突 に 発展 した 。 二 人 の 仲 が 最悪 と なった ころ 、 閣議 室 で 閣僚 と 科学 者 と の 会合 が あった 。 科学 者 の 待つ 部屋 に 閣僚 たち を 従えて 入って きた サッチャー 首相 は 「 わあ 暑い わ ね 。 ジェフリー 、 そこ の 窓 を 開けて 」 と 命じた 。 事 を 荒立て たく なかった の か 、 ハウ 氏 は いす を 持ち出して 、 その 上 に 乗って 窓 を 開けた のである 。 筆頭 閣僚 を 人前 で 屈辱 的な やり 方 で 使う ―― いじめ そのもの だった 。 サッチャー 氏 自身 、 回顧 録 の 中 で いみじくも 言って いる 。 「 すぐ 妥協 しよう と する 彼 の 姿勢 に いら立ち を 覚えて 、 時々 人前 で 彼 を ののしり ました 」 。 政策 に ついて だけ で なく 、 人格 的に 傷つけ られた ハウ 氏 は 、 副 首相 と いう 名目 的 地位 を 辞任 した 後 、 議会 で 辞任 理由 を 説明 する 演説 を 行った 。 サッチャー 首相 の 政策 の 狭量さ 、 独善 を 鋭く 突いた この 演説 こそ 、 サッチャー 首相 が 首相 の 座 から 転げ 落ちる 推進 力 と なった 。 歴史 に 「 もし 」 が 許さ れる なら 、 もし この 演説 が なかったら 、 サッチャー 首相 は さらに 首相 を 続け られた に 違いない 。 「 考え 方 は 違う が 、 あの 人柄 は 許せる 」 と いう 人間 関係 が よく ある が 、 ハウ 氏 に とって サッチャー 氏 は 、 そんな 人物 で は なかった のだ 。 彼女 の 人格 が 自ら の 墓穴 を 掘った 。 いじめ は 、 いつか 自分 に 跳ね返って くる もの である 。 小学校 教諭 の アンヘラ ・ ブエノストロ さん は 、 ティファナ の 外務 省 領事 部 支所 の 前 で 、 二 人 の 子供 を 抱えて 途方 に 暮れて いた 。 昨年 末 、 自宅 から パスポート を 盗ま れ 再 発行 の 申請 に 来た のだ が 、 拒否 さ れた のだ と いう 。 ティファナ は 、 メキシコ 北西 部 太平洋 岸 に ある 国境 の 街 。 不法 移民 防止 の ため 建設 さ れた 高 さ 三 メートル も ある 鉄板 の 壁 の 向こう側 は 米国 だ 。 かつて は 米 サンディエゴ に 司令 部 を 置く 米 第 三 艦隊 の 兵士 向け の 歓楽 街 。 それ が マキラドーラ 政策 で 、 五十万 人 の 雇用 を 生み出す 工業 都市 に 生まれ変わった 。 操業 中 の 企業 は 現在 約 二千二百 社 。 北米 自由 貿易 協定 の 発効 で 進出 ラッシュ は 今 も 続いて いる 。 日本 も 家電 メーカー を 中心 に 三十一 社 が 工場 を 構え 、 さらに 五 社 が 進出 を 計画 中 だ と いう 。 もう 一 つ の 顔 は 「 待機 の 街 」 。 米国 へ の 不法 越境 を 目指し 、 全国 から 若者 が 集まって くる から だ 。 市街 を 見下ろす 山肌 に は ぎっしり スラム が 形成 さ れて いる 。 人口 は 急増 し 推定 で 百五十万 人 。 アンヘラ さん も 三 年 前 から 四十五 人 の クラス を 二 つ 受け持って いる 。 夫 フランシスコ さん は 五 年 前 、 十七 歳 で やってきた 。 南部 の 農村 の 出身 。 米国 に あこがれ 家 を 飛び出した 。 だが 、 彼 は ティファナ に とどまった 。 何も ない 故郷 の 生活 に 比べれば 、 ここ でも 暮らして いける 。 運よく 米 系 の 家具 工場 に 就職 し 、 週 二百 ペソ の 収入 。 四 年 前 に 結婚 し 、 アンヘラ さん の 半月 で 五百 ペソ の 給料 と 合わせ 、 昨春 、 念願 の 家 を 購入 した 。 とどまる 人 も いる が 、 米国 を 目指す 人 の 波 は 絶え ない 。 賃金 が 六 倍 も 高い から だ 。 フアン ・ レオン さん も 昨年 七 月 、 首都 北部 の 農村 から やってきて 、 越境 の 機会 を うかがう 。 工場 に は 行か なかった 。 「 同じ 苦労 して 働く なら 米国 の 方 が よっぽど いい 」 。 マキラドーラ 工場 で は メキシコ の 最低 賃金 の 倍 近い 給与 を 払って いる が 、 離職 率 は 毎月 一〇 % 。 ある 工場 の 現場 主任 に よる と 、 辞めて いった 人 の 大半 は 国境 を 越えた と いう 。 だが 昨年 十一 月 、 不法 移民 を 排斥 する 「 提案 一八七 」 が カリフォルニア 州 の 住民 投票 で 承認 さ れて 以来 、 米国 の 入国 審査 も メキシコ 側 の チェック も 厳しく なった 。 パスポート の ヤミ 売買 が 横行 。 越境 前 の 生活 費 を 得る ため 、 麻薬 売買 に も 手 を 出す 。 「 ここ は 、 米国 に 比べれば 何も ない 」 と レオン さん は 言う 。 ペソ 暴落 で 強く なった ドル に 物 を 言わ せて 街 を 歩く 米国 人 観光 客 を レオン さん は せん望 の 目 で 見つめる 。 アンヘラ さん も 昨年 まで 週 末 に は 、 米国 へ 買い出し に 行く 長蛇 の 行列 に 並んで いた 。 NAFTA の 恩恵 を 受け ない 人 に とって 、 壁 の 向こう は 夢 の 国 だ 。 国境 の 南 の 街 は 夢 の 国 へ の 通用 門 で も ある 。 カギ を 開ける の は 難しい 。 スリランカ で 八 日 午前 零 時 、 政府 軍 と タミル人 分離 独立 軍事 組織 「 タミル ・ イーラム 解放 の トラ 」 の 停戦 協定 が 発効 した 。 武力 衝突 は 起きて おら ず 、 十四 年間 で 死者 三万四千 人 以上 を 出した 内戦 で 、 一九九〇 年 六 月 以来 の 停戦 成立 と なった 。 協定 は 、 双方 部隊 が 午前 零 時 の 位置 を もって 前進 を 停止 する と いう もの 。 停戦 は 二 週間 続き 、 十四 日 に は 、 三 回 目 の 和平 予備 交渉 が ゲリラ の 根拠 地 ジャフナ 半島 で 開か れる 。 コロンボ の クマラトゥンガ 大統領 は 包括 和平 案 の 提出 を 明言 して おり 、 LTTE 側 は 提案 の 中身 に 注目 して いる 。 インタファクス 通信 に よる と ロシア 南部 イングーシ 共和 国 の アウシェフ 大統領 は 八 日 、 チェチェン 紛争 に 関する 緊急 会議 を 十一 日 、 モスクワ で 開く よう 近隣 の 北 カフカス 地方 の 各 首脳 ら に 呼び掛けた 。 チェルノムイルジン ・ ロシア 首相 、 シュメイコ 同 上院 議長 の 参加 も 見込ま れる と いう 。 二百万 人 以上 の ルワンダ 難民 を 抱える ルワンダ 周辺 の 七 カ国 首脳 は 七 日 、 ケニア の 首都 ナイロビ で 事態 打開 の ため の 会議 を 開き 、 難民 が キャンプ から ルワンダ 国 内 に 帰還 できる よう 安全 ルート を 確保 する こと で 合意 した 。 しかし 、 合意 の 実施 は 裏付け の ない まま 終わった 。 ナイロビ から の 報道 に よる と 、 各 首脳 は 難民 キャンプ 内 の 旧 政府 軍人 数万 人 を 他の 一般 難民 から 分離 し 、 祖国 帰還 希望 者 の ため に 輸送 手段 など を 提供 する こと で 合意 。 ルワンダ 国 内 でも 帰還 が 促進 さ れる よう 安全 ルート を 設定 する と した 。 しかし 、 発表 さ れた コミュニケ に は だれ が 同 ルート の 安全 と 輸送 手段 を 提供 する か の 記載 が ない 。 ボスニア ・ ヘルツェゴビナ の セルビア 人 勢力 は 七 日 、 ボスニア 西部 の クロアチア 人 勢力 支配 地域 の リブノ を 砲撃 した 。 ボスニア の 四 カ月 停戦 協定 が 一 日 に 発効 して 以来 、 北西 部 ビハチ を 除く 各地 は 平穏だった が 、 協定 違反 の 戦闘 拡大 の 懸念 が 生まれて いる 。 今月 に 入って セルビア 人 、 クロアチア 人 両 勢力 間 の 戦闘 が 伝え られた の は 初めて 。 コペンハーゲン から の 報道 に よる と 、 デンマーク 政府 は 七 日 、 チェチェン 紛争 へ の 軍事 介入 を 理由 に 、 昨年 九 月 に 結んだ ロシア と の 軍事 協力 協定 を 一時的に 凍結 した 。 デンマーク は 欧州 連合 に 対し 、 ロシア に 対する 政治 的 制裁 措置 を とる よう 要求 して いる 。 一方 、 ドイツ の コール 首相 は 七 日 、 ラジオ 局 と の インタビュー で 「 チェチェン へ の 軍事 介入 を 理由 に 、 ロシア に 対して 制裁 措置 を 行う こと に は 反対 する 」 と 述べた 。 チェチェン 共和 国 の 首都 グロズヌイ 制圧 を 目指す ロシア 軍 は 八 日 、 引き続き 激しい 砲撃 を 展開 し 、 大統領 官邸 の ある 中心 部 を 死守 する ドゥダエフ 政権 部隊 と 交戦 した 。 ロシア 側 部隊 は 同 官邸 から 数百 メートル の 地点 に 迫り 、 中心 部 を 孤立 さ せた と の 情報 も ある が 、 依然と して チェチェン 側 の 激しい 抵抗 は 続いて いる 模様 だ 。 ロシア 政府 は 七 日 夜 、 「 不法 武装 勢力 が 激しい 抵抗 を 続けて いる 」 と チェチェン 側 の 激しい 抵抗 に よる 苦戦 を 認めた が 、 八 日 に なって 「 不法 武装 勢力 の 掃討 作戦 は 進んで おり 、 鉄道 の 駅 は すでに 支配 下 に おいた 」 と 、 強気の 発表 に 転換 した 。 グロズヌイ から チェチェン 側 の 情報 と して 伝え られた ところ で は 、 ロシア 地上 軍 部隊 は 大統領 官邸 から 約 三百 メートル の 地点 に 迫り 、 官邸 付近 に 激しい 砲撃 を 加えた 。 ロシア の 独立 系 ラジオ 「 エホ ・ モスクワ 」 は 八 日 、 ロシア 軍 が 七 日 夜 から 八 日 未明 に かけて 、 共和 国 南部 の 山岳 地帯 に 激しい 空爆 を 実施 した と 伝えた 。 同 共和 国 の ドゥダエフ 大統領 が 南部 山岳 地帯 の 予備 司令 部 に 避難 して いる と の 情報 が あり 、 これ を 狙った 作戦 と み られる 。 四 月 二十三 日 に 第 一 回 投票 、 五 月 七 日 に 第 二 回 投票 が 行わ れる 、 仏 大統領 選挙 を めぐる 立候補 者 の 最終 的な 絞り 込み 作業 が 、 年明け と ともに 白熱 して きた 。 保守 、 中道 が 乱立 傾向 を 示す 一方 、 ドロール 欧州 連合 委員 長 の 不 出馬 で 、 意気 消沈 する 左翼 陣営 は 土壇場 の 対応 を 迫ら れて いる 。 同 大統領 選 に 今 の ところ 、 正式な 出馬 表明 を して いる の は 、 ドゴール 主義 の 継承 を 掲げる 保守 の 共和 国 連合 の シラク 元 首相 ら 四 人 。 各種 世論 調査 で リード を 続けた ドロール 氏 の 不 出馬 表明 後 、 独走 態勢 に ある 保守 ・ バラデュール 首相 は 今月 二十 日 前後 に 、 沈黙 を 破り 正式 出馬 表明 を 行う 可能 性 が 強く なった 。 先月 下旬 の フランス 航空 機 乗っとり 事件 の 、 手際 の 良い 処理 で 人気 を 高め 、 八 日 まで に 、 ベルナール ・ ドブレ 経済 協力 相 ら 十三 閣僚 が バラデュール 氏 支持 を 表明 した 。 社会党 は 二 月 上旬 まで に 候補 者 選出 の 予定 だ が 、 有力 候補 に 次々 と 辞退 さ れ 人選 作業 は 難航 して いる 。 この 間げき を 縫い 、 反 欧州 統合 を 唱える 保守 「 もう 一 つ の 欧州 」 の ドビリエ 党首 、 中道 の バール 元 首相 など が 独自の 立場 から 出馬 を うかがって いる 。 ザグレブ から の 報道 に よる と 、 旧 ユーゴ 紛争 地域 で 人道 援助 活動 に 従事 する 国連 機関 の 輸送 車 の 盗難 事件 が 多発 。 国連 難民 高等 弁務 官 事務 所 報道 官 は 七 日 、 「 昨年 三十二 台 の 車 が 紛争 各派 に よって 盗ま れた 」 と 発表 、 事態 改善 を 求めた 。 「 私 の 選んだ 文庫 ベスト 3 」 の 選者 は 、 書評 執筆 メンバー の 1 人 で も ある 雑誌 「 広告 批評 」 編集 長 の 島森 路子 氏 。 1947 年 、 秋田 県 生まれ 、 立教 大 社会 学部 卒 。 79 年 に 天野 祐吉 氏 ら と 「 広告 批評 」 創刊 に 参加 、 87 年 から 現職 。 編集 者 と して 数々 の ユニークな 企画 を 打ち出し 、 また インタビュー の 名手 と して も 名高い 。 近著 に 「 夜中 の 赤 鉛筆 」 が ある 。 世界 七不思議 の 一 つ の ロードス 島 の 高 さ 三〇 メートル の 青銅 神像 を 作った の は 、 リンドス の カレス と いう 人物 だった 。 この 人 は 八頭身 の 理想 的 男性 像 を 作った 彫刻 家 リュシッポス の 弟子 だった と いう 。 と なれば 、 昔 から その 姿 を めぐり さまざまな 憶測 が なされて きた 伝説 の 巨像 も 八頭身 美男子 だった のだろう か ―― 。 など と 、 古代 ギリシャ の 人物 や その 事績 の 結びつき を めぐる 想像 を かき立てて くれる の が 、 原 書房 から 刊行 さ れた D ・ バウダー 編 「 古代 ギリシア 人名 事典 」 である 。 さきに 同じ 編者 の 「 古代 ローマ 人名 事典 」 も 邦訳 さ れて いる が 、 今回 収録 さ れて いる の は 第 一 回 オリンピア 競技 会 が 開か れた 紀元 前 七七六 年 から 約 七五〇 年間 に わたる 古代 ギリシャ 史 を 彩った 政治 家 、 哲学 者 、 芸術 家 ら 約 一〇〇〇 人 の 人物 だ 。 同 書 の 「 訳者 あとがき 」 が いう ように 、 古代 ギリシャ ・ ローマ と いえば 明治 この かた 西欧 文明 の 源流 と して 憧憬 を もって 語ら れて きた に も かかわら ず 、 研究 成果 は 哲学 、 歴史 学 、 文学 、 美学 など 各 専門 分野 ごと に 蓄積 さ れる かたち と なって きた 。 その 結果 、 ギリシャ ・ ローマ の 人物 に ついて 手軽に 調べ られる 文献 も 乏しく 、 専門 書 を 参照 する しか なかった の が 従来 の 実情 であった と いう 。 それ が 、 専門 家 なら ず と も 手軽に 調べ られる ように なった わけだ が 、 訳者 に よれば 特に 工芸 家 や 彫刻 家 ら に ついて は 、 邦訳 さ れて いる 他 の 文献 で は わから ない 情報 を 仕入れる こと が 出来る と いう 。 素人 と して は 、 別に 知ら なくて も 困ら ない が 、 ちょっと 分かれば うれしい 話 の タネ が 、 いっぱい 詰め込ま れて いる 事典 と いえ そうだ 。 風景 は いつも 発見 さ れる もの だ 。 なんでもない 雑木林 が 風景 と して 自立 した の は 、 国木田 独歩 が その 美し さ を 発見 した から だ し 、 荒川 放水 路 が 風景 と して 語ら れる ように なった の は 永井 荷風 が その 寂しい 美し さ を 発見 した から だ 。 ワシントン ・ アーヴィング の 「 スケッチ ・ ブック 」 は 明治 の 文学 者 たち に 自然 を 見る 目 を 教えた と いう 。 ひとたび 自然の 美し さ を 意識 した 目 で 見る と 、 身近な 川 や 山 が かけがえのない 風景 と して たちあがって くる 。 昭和 の はじめ 、 富士 八 湖 の ひとつ 四尾連 湖畔 の 丸木 小屋 に 移り 住んだ 野澤 一 。 大雪 山 を はじめ 当時 、 未踏 の 山々 を 発見 して いった 大町 桂月 。 あるいは 宮崎湖 処子 、 中村 星湖 、 水野 葉舟 。 明治 から 昭和 に かけて 、 日本 各地 の 山 や 川 や 森 を 歩き 、 風景 の 発見 者 と なって いった 文学 者 たち の 足跡 が 、 まさに 谷川 の せせらぎ の ような 静かな 文章 で 語ら れて いく 。 桂月 は 別に して 他 は 近年 忘れ られた 文学 者 が 多い 。 著者 は 森 の なか に 清流 を 発見 した ように 目 を 輝か せ ながら 彼ら を 語って いる 。 全巻 を 中国 古来 の 哲理 である 五 行 に 分けて 、 日本 人 の 民衆 生活 を とらえ 直した 「 民衆 生活 の 日本 史 」 の 刊行 が 始まった 。 五 行 と は 中国 古来 の 世界 観 で 、 万物 を 組成 する 木 ・ 火 ・ 土 ・ 金 ・ 水 の 五 つ の 元 に なる 気 の こと 。 同 シリーズ は この 五 行 の 元素 に 分類 して 、 民衆 生活 史 を 解き明かそう と いう もの 。 編集 代表 は 林屋 辰三郎 ・ 高麗 美術 館 館長 。 各 巻 を 思想 、 産業 、 生活 、 風俗 、 信仰 の 五 つ の 基軸 と 特論 で 構成 。 林屋 代表 が 全巻 の 総論 を 執筆 して いる 。 各 巻 定価 は 二〇〇〇 円 。 隔月 に 刊行 さ れる 。 林屋 代表 は 「 現実 の 歴史 書 は どれ を とって も 、 真 の 民衆 の 姿 が 描き出さ れて いた と は いいがたい 。 …… この 欠けて いた もの を 正面 に すえて 取組んだ 日本 史 を 求める 」 と 述べて いる 。 わが国 消費 者 運動 の 指導 者 の 一 人 で 、 全 大阪 消費 者 団体 連絡 会 事務 局長 だった 下垣内 博 氏 の 遺稿 集 「 消費 者 運動 ―― その 軌跡 と 未来 」 が 刊行 さ れた 。 下垣内 氏 は 一九七一 年 に 消費 者 大阪 府 民 会議 を 結成 、 事務 局長 に なって 以来 二十 年間 、 大阪 から 全国 に 向けて さまざまな 運動 を 提起 。 特に 、 八〇 年 代 初め から 地球 環境 問題 の 重要 性 を 指摘 し 、 消費 者 運動 に 取り入れた 功績 は 大きい 。 九二 年 十 月 、 心臓 発作 の ため 急逝 。 六十 歳 だった 。 遺稿 集 は 二 部 構成 で 、 第 一部 は 消費 者 問題 や 消費 者 の 権利 と いった 基本 問題 を 論じた もの 。 第 二 部 は 情報 公開 、 地球 環境 、 コメ の 自由 化 、 消費 税 など 七 つ の 主要 問題 領域 の 論稿 を 収録 して いる 。 中村 屋 と いえば ライスカレー と 思う の は 今では もう 年寄り と の こと だ が 、 パン 屋 だった 中村 屋 が ライスカレー を 食べ させる ように なった の は 昭和 初年 だった 。 その きっかけ は インド 独立 運動 の 闘士 であった ビハリ ・ ボース を かくまう ように なった こと に ある 。 その とき の ライスカレー に 福神漬 が ついて いた の か どう か 。 明治 の 半ば ごろ 酒悦 の 主人 が 発明 した 福神漬 が ライスカレー に 添え られる ように なった 事情 に は 日本 郵船 説 と 帝国 ホテル 説 と が ある が 、 いずれ に して も 中村 屋 より ずっと 早かった らしい 。 それでは ハヤシライス は どうして 始まった の か 。 これ に は 精養軒 の 林 さん 説 と 丸善 の 早矢仕 さん 説 と 、 ハッシュドビーフライス 説 と 三 説 ある と いう 。 このように ライスカレー に ついて の おもしろい 話題 が いっぱい 詰まって いて 読者 を 楽しま せる が 、 それ だけ で は ない 。 日本 人 の 外国 文化 へ の 好奇心 が いきいき と 描か れて いて 見事である 。 カバー 中央 を 大きな プッシュピン が 黒地 に ぐさり と 刺さり 、 イス に 見立てた ピン の 上 で 男性 が ノンビリ ? 読書 する 意外な 構図 が 目 を 引く 。 「 装画 は イラストレーター の 唐仁原 教久 さん の アイデア を 生かし ピン を 題材 に し ました 」 と 装丁 の 川上 成夫 さん 。 読書 と いう テーマ を 生かした 知的 遊び心 が 楽しい 。 初めて 眼鏡 を かける 時 は 少し 気 に なる 。 わたし は まだ 若い 、 と ためらう が 、 とにかく 買った 眼鏡 は しゃれて る し 、 ぴったりだ と 思う 。 三 面 鏡 に 映して みた 。 最初 眼鏡 が みせて くれる もの が 信じ られ なかった 。 レンズ って もの は いまいましい 。 何でも 拡大 する 。 拡大 さ れ 、 真実 そのもの が 発言 する 現実 に 、 あなた は うんざり する 。 十六 歳 の 小 悪魔 の ような 娘 、 サラリーマン の 夫 、 弁護 士 兼 主婦 の あなた の 仕事 を 打ち捨て 、 今日 から 革命 だ 、 夫 の 浮気 も ずっと 知ら ない ふり を して きた 女 よ 、 武器 を とれ ! と 叫び 「 マラナス 諸島 夢 の 十 日間 」 の クーポン を 買った 。 ココナッツ の 木 、 珊瑚礁 …… 。 やはり 夢 の 十 日間 。 だが 夢 は 三 日 と 続か なかった 。 マラナス 人民 統一 戦線 が 革命 を 起こし 、 夢 の 島 は 収容 所 群島 に 変わる 。 観光 客 は 囚人 に 。 現地 の 住民 は 連行 さ れ 、 多 国籍 の 二十 人 の ロビンソン ・ クルソー が 残った 。 食糧 、 水 、 電気 。 文明 は もろく 、 しゃれた 眼鏡 は 曇って しまい 、 あなた たち 二十 人 は 拡大 さ れ ない 等身大 の 人間 ドラマ を 演じる 。 著者 の 「 蛍雪 時代 」 と いう 漫画 を 読んだ 。 雪 深い 里 で の 中学 時代 が 、 数々 の エピソード の 中 で 熱く 回想 さ れて いた 。 あれほど 刻明に 想い出 が 描ける の は 、 やはり 絵筆 を とる 人間 特有 の 、 イメージ で 記憶 する 癖 が 体 に 染みついて いる ため だろう 。 私 に は 、 中学 時代 の 日々 の 姿 は 老眼 鏡 を はずして 見る 活字 ほど も 鮮明で ない のに 。 本書 は 、 高校 を 卒業 して 地元 の 銀行 に 就職 した 著者 が 、 一二 年間 の 銀行 員 生活 を 送った 後 「 脱サラ 」 し 漫画 家 に 転身 する まで の 、 高橋 高雄 の 生活 と 意見 を 回想 した もの である 。 活字 の 語り も なかなか の もの で 、 登場 人物 の 表情 や 銀行 の 作業 が 、 私 でも くっきり と 想像 できる 。 著者 の 漫画 に は 、 家族 や 友人 や 働く 人 へ の 思いやり に 溢れて いて 、 悪人 が 出て こ ない 。 けれど 甘 すぎる わけで も ない 。 みんな 一生懸命に 生きて いる から だ 。 それ は 、 著者 が 働き ながら 貧し さ を 通り抜けて きた から だ と 思う 。 子供 たち と 話し ながら 、 家族 で 楽しんで 欲しい 本 だ 。 日本 と 中国 の 賃金 格差 は 五〇 対 一 と いう 。 だが 、 繊維 一 つ とって も 、 両 国 間 で の 製品 に そんな 差 が ある わけで は ない 。 東西 融合 の この 超 競争 時代 に 、 いまや 高 コスト 国 の 日本 は どのように 生き残れば よい か 。 競争 と 雇用 の ジレンマ を どのように 解決 する か 。 著者 が 掲げる 「 新 産業 ・ 雇用 創出 計画 」 は 、 その ため の シナリオ づくり の 方向 を 示した もの である 。 政府 の いろんな 審議 会 に 加わって いる ため 、 産業 別 の 雇用 シミュレーション に よる 試算 が 多数 盛り込ま れ 、 内容 が より 具体 的に なって いる の が 特色 だ 。 もちろん 政府 主導 の シナリオ が 、 本当に 実効 性 を 持ち 得る か は 疑問 だろう 。 もう 政府 が 引っぱって いく 時代 は 終わった 。 今後 は 規制 緩和 に より 、 国 内 競争 を 促進 さ せ 、 創造 の 芽 を 探す こと が 主体 と なる べきだ 。 その ため 、 国 内 の 創造 力 を どう 生かす か に 、 焦点 を 絞った 方 が よい と 思わ れる 。 だが 、 問題 を 総合 的 、 整合 的に 考える 上 で 、 本書 は たたき台 に なる し 、 学生 たち に とって は 格好の 入門 書 に なろう 。 冒頭 の ニューオーリンズ で 本屋 に 入った 著者 は 買い たい 本 を たくさん 見つけた ので 、 東京 へ 送って もらえ ない か と 聞く 。 ところが 店員 は トウキョー を 知ら なかった 。 日本 人 に とって ショックな 話 ながら 、 アメリカ が どれ だけ 広く どれ だけ 遠い か を 知る ため に は 恰好の 挿話 だろう 。 その “ 広くて 遠い ” アメリカ を 代表 する の が ミシシッピ 川 流域 である 。 河口 近く の ニューオーリンズ から 中 西部 へ 向けて さかのぼる 旅 に 出た 著者 は 行く 先ざき で 新たな 見聞 に 出会い 、 忘れて いた 歴史 を 再 確認 する 。 例えば ニューオーリンズ の ある ルイジアナ 州 は 一八〇三 年 まで フランス 領 だった 。 今なお その 気風 から して 別の 国 の ようであり 、 交通 事故 より 銃 の 犠牲 で 亡くなる 人 の 方 が 多い 。 しかし 底ぬけ に 気 の いい 人 が 住む の も この 州 で 、 短所 と 長所 は 同居 する 。 と いう より 短所 と 長所 の 振幅 が 大きい 。 その 振幅 の 大き さ は どうやら アメリカ と いう 国 全体 に ついて も 言える こと を 本書 は 教えて くれる 。 戦後 文学 の うち 、 第 一 次 戦後 派 と いわ れる 花田 清輝 、 埴谷 雄高 、 野間 宏 の 各氏 など の 評論 集 を 企画 ・ 刊行 し 、 また “ 戦中 派 ” と 呼ば れる 井上 光晴 氏 ら 次 の 世代 の 作品 を も 手がけた ベテラン 編集 者 が 、 四十 年 余 の 編集 者 人生 を 回顧 し 、 戦後 精神 の 足跡 を 追った 証言 集 が 刊行 さ れた 。 「 編集 者 が こうした 本 を 出版 する こと に 多少 の ためらい は ある のです が 、 戦後 を 担い 、 創造 して きた 三十 年 来 お付き合い した 作家 や 評論 家 の 死 が 相次ぎ 、 その方 たち の こと を 書きとめる こと で 、 戦後 文学 の 側面 から の 証言 に いささかなり と も 意味 が ある ので は と 思って …… 」 編集 者 は 本来 “ 黒衣 ” と 、 著者 の 執筆 動機 は あくまで 控えめだ 。 大学 卒業 後 、 中堅 出版 社 の 「 未来社 」 に 入社 。 花田 氏 の 評論 集 十八 冊 、 埴谷 氏 の 対話 ・ 評 論集 二十 冊 など 、 その 編集 は 戦後 の 文学 と 思想 に かかわる もの が 大半 。 編集 長 を 最後に 三十 年 勤めた 同社 を 退職 。 現在 も 他の 出版 社 の 編集 長 を 務め 、 こだわり の 精神 に 変わり は ない 。 「 花田 さん の 『 アヴァンギャルド 芸術 』 が 私 の 初 仕事 。 でも 気楽に 接した こと は ついぞ あり ませ ん でした 。 ほとばしる ような 気迫 に 圧倒 さ れ ました 。 また 当時 、 世間 から あまり 注目 を 集めて い なかった 埴谷 さん の 評論 集 を 出版 。 その後 、 断簡 零墨 に 至る まで 本 に する こと は 未来社 を 去って から も 受け継が れて い ます 」 埋もれた 執筆 者 を 探して 世に 出し 、 支える こと が 編集 者 の 本分 、 と さりげなく 語る 。 「 それにしても 三十 年 ほど お付き合い した 方 たち が 次々 に 世 を 去り 、 本 に 収録 さ れた 中 で 、 生きて いる の は 、 埴谷 さん や 木下 順二 さん など 四 人 だけ 。 まるで 追悼 文集 の ような 本 に …… 」 温顔 に 笑み を 浮かべ ながら 、 いつしか 苦笑い に 。 自ら を 「 堅物 編集 者 」 と 称する が 、 作品 に ほれこみ 、 人間 に ほれこんだ こと が 長い 付き合い の 源泉 だった と いう 。 「 最近 一 番 つらかった の は 『 全身 小説 家 』 と いう 映画 の 主人公 に なった 井上 光晴 さん の 追悼 文集 づくり でした 。 井上 さん に は 、 飲み屋 で おごら れ 通し の お付き合い でした が 、 文学 の 根底 に おける やさし さ と は 、 他人 の 痛み を 痛み と する 人間 、 と いう こと を おそわり ました 」 登場 する 評論 家 や 作家 たち の “ 肉声 ” は 編集 者 である 著者 の 思い と も 重なる 。 それにしても 作家 ら と 編集 者 の 本 づくり へ 向けた 本来 あるべき 姿 の “ 共同 作業 ” を 考え させ られる 。 これ を “ 古き よき 時代 ” の 産物 と 言い放って いい もの だろう か 。 今年 は 「 戦後 五〇 年 」 と いう こと で 、 昨年 から 第 二 次 世界 大戦 関連 の 記念 出版 が 相次いで い ます 。 「 五〇 年 」 に 格別の 意味 が ある と は 思い ませ ん が 、 全 世界 で 五千万 人 、 日本 だけ でも 三百万 人 の 生命 を のみこんだ 惨禍 の 果て に 新たな 世界 秩序 を 作り出した 「 あの 戦争 」 が 、 いわば 「 現代 」 の 創世 神話 と して 、 機会 ある ごと に 繰り返し 語ら れる の は 当然の こと でしょう 。 と 同時に 、 戦後 世界 の 枠組み を なして きた 東西 冷戦 が 過去 の もの と なった 今日 、 この 五〇 年間 の 「 戦後 史 」 の 再 発見 と 見直し が もう 一 つ の 記念 出版 の 柱 と なって いる の は いう まで も あり ませ ん 。 この 手 の 見直し は 次の 時代 の 見取り図 を どう 描く の か と いう 大 問題 と 連動 して いる だけ に 、 いっそう 論争 的な テーマ です 。 で 、 この 二 つ の 「 戦後 五〇 年 」 企画 の クロス する ところ に 浮かび上がる キーワード は 「 アジア の 中 の 日本 」 で は ない でしょう か 。 昨年 は 中国 や 北朝鮮 、 ASEAN 諸国 など を めぐる 「 アジア 本 」 が 活発な 動き を 見せ ました が 、 今年 は それ に 輪 を かけて 、 経済 ・ 文化 ・ 政治 の あらゆる 面 に わたり 「 アジア 本 」 は 出版 界 の 台風 の 目 と なり そうな 気配 です 。 本田 技研 創業 者 の 故 本田 宗一郎 氏 が 設立 した 本田 財団 が 1980 年 に 始めた 国際 賞 。 現代 文明 が 抱える 問題 を 解決 する ため 、 従来 と は 発想 を 異にする 真 の 技術 「 エコ ・ テクノロジー 」 の 確立 に 向けて 顕著な 業績 を 上げた 個人 ・ グループ に 贈ら れる 。 過去 に 、 複雑 性 理論 の プリゴジン 博士 、 ファジー理論 の ザデー 博士 、 西沢 潤一 ・ 東北 大学 長 ら が 受賞 。 オゾン 層 の 破壊 原因 と なる フロン を 使用 し ない 「 脱 フロン 冷蔵 庫 」 が ドイツ など で 発売 さ れて いる 。 日本 の 消費 者 も 同じ ような 冷蔵 庫 を 望んで いる か どう か に ついて 、 市民 団体 「 グリーンピース 」 が 全国 の 消費 者 千百十二 人 を 対象 に アンケート した ところ 、 九 割 の 消費 者 が 脱 フロン 冷蔵 庫 の 購入 を 希望 して いる こと が 分かった 。 購入 価格 は 「 二 割 程度 まで なら 、 高く なって も 買う 」 と 答えた 人 が 約 六 割 も おり 、 「 いま と 同じ 程度 なら 買う 」 と いう の は 約 四 割 だった 。 「 グーテンターク 」 ―― 「 こんにちは 」 。 六十 の 手習い と いう 言葉 は 聞いた こと は あった が 、 私 は 八十 歳 に なって ドイツ語 を 勉強 する ように なった 。 ドイツ 人 の 奥さん 方 八 人 が 着物 を 縫い たい と 言い出し 、 ふとした こと から 私 が 教える こと に なった の が きっかけ 。 初め の 二 カ月 だけ は 通訳 の 方 に 助け られた が 、 その後 は 片言 の 英語 も 通じ ない 。 だが 、 奥さん 方 は 初めて 針 と 糸 で 仕上げる 浴衣 に 大喜びで 、 だれ も が 私 の 言葉 と 手ぶり を 理解 して くれる ように なった 。 それ から 一 年 半 。 彼女 ら の 日本 語 と 私 の ドイツ語 と が 何とか 組み合わさ れて 、 一 枚 を 仕立てあげる と 、 また 次 を 縫って 和服 づくり が 大いに 気 に 入った よう 。 クリスマス に は 故国 の お 母さん や 姉妹 に プレゼント する ので 、 それぞれ が 二 枚 、 三 枚 と 作った 。 木綿 の 浴衣 地 から 紬 、 大島 、 友禅 、 と 反物 を 買って きて 、 「 ムズカシイ デス 」 と いい ながら 五 、 六 時間 も 熱心に 取り組む 。 大きな 日本 人形 を 買って きて 、 その 着物 と 甚平 を 縫い上げた 時 に 両手 を あげて 喜んだ 方 も いる 。 私 の 操る 言葉 も なんとか 分かって くれる らしく 、 肩 を 両手 で 抱き締めたり 、 握手 を したり する 。 こうした 息 の 合った 楽し さ に 、 いま の 自分 が とても 不思議に 思えて なら ない 。 けれど 、 ドイツ語 で 会話 が できる ように なる に は 、 年 を 取り 過ぎて しまった か なぁ …… 。 自動車 ラリー の グラナダ ― ダカール ・ ラリー は 七 日 、 アウサール ― ズエラト 間 で 625キロ を 走る 第 七 ステージ を 行い 、 四 輪 部門 の 総合 で 、 篠塚 建次郎 が 首位 と 2 時間 44 分 10 秒 差 の 五 位 に 浮上 した 。 総合 首位 は アリ ・ バタネン で 変わって い ない 。 時間 前 に 立つ 気合 十 分 の 立ち合い 。 「 目 が 合って 、 おれ も いこう と 思った 。 好きな タイプ じゃ ない から 早く 勝負 つけ たかった の よ 」 と 冗談 も 出た 。 今 の 目標 は 「 幕内 通算 勝ち星 ベストテン に 入る こと 」 。 現在 534 勝 。 あと 20 勝 で 琴桜 を 抜き 単独 十 位 に なる 。 「 上 に は 千代の富士 、 北の湖 、 大鵬 と スゴイ 名前 ばかり 。 目標 が ある から 勝ち たい と 思う 」 と 話した 後 、 「 昔 は 意識 し なかった けど ね 」 と ポツリ 。 元 大関 が 平幕 で 意欲 を 持って 取り 続ける こと の 難し さ を 、 チラリ と のぞかせた 。 土俵際 、 武双山 の 上手投げ に 右 ひじ から 倒れた 貴乃花 。 勢い 余って 勝ち残り で 土俵 下 に 座って いる 曙 の ひざ に 転落 した 。 普段 なら 番狂わせ に 座布団 が 乱舞 する 館 内 が 、 この 日 は ほんの 数 枚 が 飛んだ だけ 。 予想外の 負け 方 に 、 ファン も あっけにとられた 。 過去 名だたる 横綱 たち が 新 横綱 の 初日 に 敗れた 。 大関 時代 は 初日 負け 知ら ず 、 場所 前 も 新 横綱 の プレッシャー など 全く 表 に 出さ なかった 貴乃花 だ が 、 本 場所 の 土俵 で は やはり 硬く なった 。 取組 が 決まった 時 、 「 勝てば 歴史 に 名 が 残り ます よ ね 」 と 語って いた 武双山 。 その 意気込み が 十分に 表れた 立ち合い だった 。 貴乃花 も 踏み込み 、 左 で 下手 を 取った 。 が 、 この 日 の 武双山 は 二 の 矢 も 厳しく 、 突っ張ら れて 左 わき の 締め が 甘く なった 。 まわし を どれ だけ 引きつけ られる か が 貴乃花 の 相撲 。 ひと 呼吸 おき 、 引き つけ直して 出れば よかった が 、 武双山 の 出足 の 良 さ に 、 勝ち を 急いだ 。 だから 、 武双山 が 左 に 体 を 開いて 投げ を 打つ と 、 まわし から 手 が 離れて しまった 。 「 重圧 に 勝って いか ない と いけない んです けど 。 もう 少し 落ち着いて いけば …… 」 。 貴乃花 は 淡々と 、 気 が せいて いた こと を 認めた 。 昨年 暮れ の 事故 で 意識 不明 の 重体 に 陥って いた 部屋 の 行司 、 木村 圭吾 さん が 七 日 午前 亡くなり 、 この 日 の 朝 、 葬儀 が 行わ れた 。 貴乃花 も 参列 した が 、 是が非でも 勝た なければ 、 と いう 意識 が 取り口 に 微妙に 影響 した の かも しれ ない 。 「 終わった こと は 考え ず 、 あした の こと を 考え ます 。 クヨクヨ して も しようがない 。 これ を 教訓 に し たい 」 。 連勝 が 途切れた 悔し さ を グッと こらえ 、 記者 の 質問 に 丁寧に 応じた 。 審判 部 副 部長 の 九重 親方 、 元 横綱 ・ 千代の富士 は 言う 。 「 1 番 負けた だけ で マイナス に は 考え ない こと だ な 。 そう いえば 、 昔 初日 に 負けて から 強かった 横綱 が いた な 。 あっ オレ の ことか …… 」 大関 時代 は 気分 転換 が 苦手 と さ れた 貴乃花 。 綱 を 締め 、 心 の ゆとり が 持てる か 、 二 日 目 以降 が 興味深い 。 契約 更改 交渉 が 難航 して いる 近鉄 の 野茂 英雄 投手 は 八 日 、 大阪 市 内 で 開か れた 球団 広報 担当 職員 の 結婚 披露宴 に 出席 し 、 十二 月 二十一 日 の 2 回 目 の 交渉 以来 、 18 日 ぶり に 報道 陣 の 前 に 姿 を 見せた 。 披露宴 後 、 会見 した 野茂 は 、 九 日 に 3 回 目 の 交渉 を 持つ こと を 明らかに した 。 2 回 目 の 交渉 後 、 米 大リーグ 入り を 希望 、 任意 引退 同意 書 に サイン した など と 伝え られた こと に 関し 、 「 して い ない 」 と 否定 。 さまざまな 憶測 や うわさ が 流れた こと に ついて 、 「 かなり 迷惑 して ます ね 」 と 不快 感 を あらわに した 。 次回 交渉 で 球団 に どのような 要望 を 出す の か と の 質問 に は 「 あした 交渉 する ので 、 今日 話して も 仕方 が ない 」 と 明言 を 避けた 。 打開 に 向けた 見通し に ついて も 、 「 あした やって み ない と 何とも 言え ない 」 と 歯切れ が 悪かった 。 アイスホッケー 日本 一 を かけた 第 六十二 回 全 日本 選手 権 が 十 日 開幕 、 十六 日 まで 東京 ・ 東伏見 アイスアリーナ と 国立 代々木 競技 場 の 2 会場 で 行わ れる 。 日本 リーグ の 6 チーム と 明大 、 東洋大 の 学生 代表 を 加えた 8 チーム が トーナメント で 戦う が 、 コクド 、 新王子製紙 を 中心 に した 戦い が 予想 さ れる 。 大会 前 、 「 守り の チーム 」 と いわ れた 市立 船橋 。 それ が 、 6 試合 で 23 得点 。 圧倒 的な 強 さ で 初 の 頂点 に 立った の は 、 セットプレー を 軸 に 攻撃 でも 自分 たち の 形 を 作り上げた から だった 。 すべて CK から 3 点 を 奪った 準 決勝 に 続いて 、 この 日 も 先制 点 は 右 CK から 。 前半 30 分 、 鈴木 いどむ が 左足 で コントロール した ボール は 、 ニア ポスト に 食い込む ように カーブ を 描く 絶好 の センタリング と なり 、 森崎 嘉 が 難しい 角度 を 頭 で ねじ込んだ 。 前日 の ミーティング で 、 相手 GK の ポジション が 下がり 気味な の を 確認 した うえ で の サイン プレー だった 。 2 点 目 を 引き出した の は 、 普段 左 CK を ける 菅原 。 カウンター 攻撃 から 右 サイド へ 抜け 、 クロス 気味の 長い センタリング を 正確に ゴール 前 へ 送り 、 また も 森崎 嘉 が ヘディング で 合わせた 。 「 今年 の チーム に は いい キッカー が いる から 」 と 布 監督 が 言う 、 2 人 の 好 プレースキッカー が 、 セット プレー の 強 さ を 支えた 。 2 分間 に 挙げた この 2 点 で 、 堅守 を 誇る 帝京 DF ライン が 動揺 し 、 崩さ れて いった こと を 考える と 、 市船 に とって は 実に 効果 的な 2 本 の センタリング であった 。 2 人 の キック を 見事に ゴール に 結びつけた の は 、 森崎 嘉 の 決定 力 だ 。 決勝 戦 で は 珍しい ハットトリック で 、 今 大会 の 得点 王 に も なった 。 森崎 嘉 は 、 3 年 前 の 準 決勝 で 帝京 に 敗れた 市船 を 見て 、 入学 を 決意 した と いう 。 高校 最後 の 大会 で 、 帝京 を 自ら の ゴール で 倒した うえ 、 攻撃 力 ある チーム へ 脱皮 する 原動力 と なった 。 鈴木 和裕 主将 から 「 実力 は 互角だった が FW の 決定 力 を 決勝 まで 持ち込めた の が 勝因 」 と たたえ られ 、 森崎 嘉 は うれし そうに 胸 を 張った 。 中盤 の 攻防 で いかに 持ち味 を 生かせる か が 、 勝敗 の カギ に なる と 思わ れた が 、 5 ― 0 と 、 あまりに も 大きな 差 と なって 表れた 。 立ち上がり の 帝京 は テンポ の 速い 、 多彩な パスワーク で 主導 権 を 握った 。 市船 の 中盤 の チェック は 遅れ がち 。 スペース を 与える と 帝京 の 個人 技 は さえる 。 市船 は 守勢 に なり 、 ロング キック で しのぐ ばかりだった 。 ところが 、 10 分 も 過ぎる と 、 帝京 の DF ライン の 押し上げ が 落ちて しまった 。 こう なる と 速い テンポ の パス は でき ず 、 帝京 は 攻撃 の リズム が 消え 、 強引な 個人 技 に 頼る ばかり 。 市船 が 中盤 を 支配 し 、 ゲーム の 流れ を 引き寄せた 。 市船 の 前半 の 2 点 は CK と センタリング から だった が 、 後半 は DF ライン を 破って いる 。 帝京 の 守備 は DF 4 人 を 横 一線 に 並べた ゾーンライン ・ ディフェンス 、 市船 は スイーパー を 置いた システム 。 「 ミス が 多い ので ライン DF から スイーパー ・ システム に 戻した 」 と 、 “ スイーパー ” が 主流 を 占める 高校 サッカー で 、 「 組織 的な 守備 に 切り替えた 」 荒谷 監督 の 挑戦 だった が 、 MF 陣 の 戻り が 遅れ 、 チェック が なくなる と 、 機能 し なく なる 。 後半 の 大量 失点 は その 典型 だった 。 昨年 の 大会 総評 で 「 もう 、 やみくもに ボール を けり 合う の は やめよう 」 と 書いた 。 その 点 で は 、 決勝 に 残った 両 チーム は パス を つなぎ 、 サイド を えぐろう と いう 意図 を 持った 攻撃 が 見 られ 、 一 歩 前進 と 言えよう 。 だが 、 「 理想 は 分かって いる が 、 大会 だ から 勝た なければ なら ない 」 と 考える チーム は まだ 多い 。 高校 サッカー も 中盤 の プレス が 厳しく なった 。 危険 を 避け 、 ロング キック で 勝敗 を 争って いる 傾向 が 強い 。 奈良 育英 が 清水 市 商 、 四日市 中央 工 を 倒して ベスト 4 入り した ように 、 全国 的な レベル は 底上げ さ れた が 、 トップ の 質的 レベル は まだ 高い と は いえ ない 。 全 試合 を 見た わけで は ない が 、 ゲーム の 展開 が 楽しめた の は 決勝 ぐらい だった 。 中間 の 休み が 2 日 増えて 極端に 動き が 落ちる ゲーム は なくなった が 、 もう 一段 高い 質 を 求める ならば 、 隔日 開催 は 欠かせ ない 条件 だろう 。 当地 で 開か れて いる サッカー の インタコンチネンタル 選手 権 は 第 2 日 の 8 日 午後 6 時 から 予選 A 組 の サウジアラビア ・ デンマーク 、 B 組 の 日本 ・ アルゼンチン が 対戦 。 日本 は 7 日 午後 、 リヤド 市 内 で 軽い 練習 を 行った 。 新年 らしく “ 尾 頭 付き ” で スタート 。 薄い キツネ色 に 焼き上がった 皮 は 香ばしく 、 パリッ と 歯 触り が 良い 。 皮 が 薄い 分 、 たっぷり 詰まった つぶし あん は 抑えた 甘 さ で 、 さっぱり した 仕上がり 。 「 浪花屋 の 鯛焼き は 浴衣 、 よそ の は どてら を 着て いる 」 と の 映画 監督 の 故 山本 嘉次郎 氏 の 言葉 が 、 いかに 名言 である か 食べて よく 分かる 。 明治 四十二 年 創業 の 鯛焼き の 元祖 。 大阪 から 上京 した 初代 当主 、 故 神戸 清次郎 が 今川 焼き に ヒント を 得て 創案 した の が 、 そもそも の 始まり 。 あん を 作る の に たっぷり 八 時間 は かかる 。 北海 道産 の 小豆 を まず 大 がま で 一 時間 ほど 煮て 、 沸騰 したら びっくり 水 を 加えて 豆 の しわ を 伸ばし 、 いったん ザル に あけ 、 水洗い して アク を 抜く 。 再び 、 かま に 戻して 二 時間 ほど 煮て 沸騰 したら 、 砂糖 と 塩 を 入れる 。 火 を 細めて 小豆 に 砂糖 を 含ま せた 後 、 木 の へら で 約 二 時間 掛けて 練り上げる 。 膨らし粉 を 加え ない の が 特徴 。 冷水 で 冷やし ながら 溶いた 小麦粉 を 、 あん の 上 を 覆う ように かけ 、 鉄 型 で 焼き上げる 。 皮 の 薄 さ に 加え 、 強火 で サッ と 焼く の が 「 浴衣 」 に 仕上げる コツ 。 創業 者 の おい で 三 代 目 当主 の 神戸 守一 さん は 「 鯛焼き は 駄物 でも 、 あん は 上物 」 が 信条 。 庶民 の 味 に 精魂 込める 。 鯛焼き は 一 個 百四十 円 。 十三 日 の テレビ 朝日 「 驚き もも の 木 20 世紀 ―― 流転 ・ 山頭火 伝説 」 は 、 酒 と 旅 を 愛し 、 家庭 を 顧み ない まま 放浪 を 続けた 俳人 、 山頭火 を 特集 する 。 山頭火 は 一八八二 年 、 山口 県 防府 市 の 地主 の 息子 に 生まれた 。 早稲田 大学 に 進学 する が 病気 で 帰郷 、 資産 家 の 娘 、 咲野 と 結婚 。 だが 山頭火 は 大酒 のみ で 仕事 は せ ず 、 さらに 実家 が 始めた 酒造 業 の 倒産 が 重なって 熊本 へ 夫婦 で 移住 する こと に 。 山頭火 の あまり の ダメ 夫 ぶり に 、 兄 に 説得 さ れて 咲野 は 離婚 した 。 しかし 妻 を 愛し 続けた 山頭火 は 離婚 後 も 妻 の もと へ 帰る 。 番組 は 山頭火 が 残した 自由な 形式 の 俳句 を 紹介 し ながら 、 愛す べき 「 漂泊 の 俳人 」 の 実像 に 迫る 。 福岡 市 の NHK 福岡 で 開催 さ れた 第 三 回 アジア テレビ 映像 祭 で 七 日 、 インド の NFDCC 局 制作 の ドラマ 「 鳥 よ はばたけ 」 が アジア 部門 の グランプリ を 受賞 した 。 日本 部門 の グランプリ は NHK クリエイティブ 制作 の 「 黄土 の 民 は いま 」 が 受賞 した 。 先月 二十一 日 に 九十 歳 で 亡くなった 劇団 俳優 座 代表 で 演出 家 の 千田 是也 さん の 俳優 座 ・ 俳優 座 劇場 合同 葬 が 、 八 日 午後 一 時 から 東京 ・ 六本木 の 俳優 座 劇場 で 営ま れた 。 築地 小 劇場 の 旗 揚げ 公演 から 演劇 生活 七十 年 、 俳優 座 を 創立 して から 五十 年 、 俳優 座 劇場 を 開場 して から 四十 年 、 と 日本 の 新劇 史 と 共に 歩んで きた 千田 さん だけ に 、 約 千 人 の 会葬 者 の 長い 列 が できた 。 葬儀 で は 遠山 敦子 文化 庁 長官 、 作曲 家 の 団 伊玖磨 ・ 日 中 文化 交流 協会 代表 理事 、 瓜生 正美 ・ 日本 劇団 協議 会 理事 ら が 、 千田 さん の 業績 を たたえる 弔辞 を 述べた 。 昨年 一 年間 に ニューヨーク 市 内 で 殺害 さ れた 人 の 数 が 、 前年 に 比べて 過去 最大 の 減少 を 記録 した こと が 七 日 、 明らかに なった 。 しかし 、 その 発表 当日 に 同 市 内 の アパート で 、 男女 六 人 の 射殺 体 が 発見 さ れて いる 。 昨年 の 同 市 内 の 犯罪 統計 に よる と 、 殺人 事件 の 被害 者 は 一九九三 年 の 千九百四十六 人 を 約 二〇 % 下回る 千五百八十一 人 と なった 。 「 北 の 鉄人 」 新日鉄 釜石 に 神戸製鋼 が 肩 を 並べた 。 八 日 に 行わ れた 全国 社会 人 ラグビー 大会 の 決勝 で 、 神戸製鋼 は 東芝 府中 を 破り 、 七 年 連続 の 優勝 。 新日鉄 釜石 の 七 連覇 から 、 ちょうど 十 年 。 もう 二度と でき ない だろう と 言わ れた 大 記録 に 並んだ の は 、 釜石 と 同じ 赤い ジャージー だった 。 今季 は 新旧 交代 に 加え 、 連勝 ストップ 、 主将 の けが と いう 試練 も あった が 、 ベテラン と 若手 が かみ合い 、 うまく 乗り越えた 神戸製鋼 。 釜石 が 果たせ なかった 八 連覇 も 単なる 通過 点 に なり そうだ 。 連覇 の 始まり は 一九八九 年 一 月 十 日 。 場所 が 同じ 秩父宮 ラグビー 場 なら 、 決勝 の 相手 も 同じ 東芝 府中 だった 。 あれ から 六 年 、 大八木 淳史 、 平尾 誠二 両 選手 ら 四 人 を 残して メンバー は 大幅に 入れ替わった が 、 強 さ は 相変わらず だった 。 ノーサイド 後 の 表彰 式 。 平尾 選手 が 涙 を 流した 。 「 正直 言って 、 七 連覇 の 重圧 は あった し 、 今年 は きつかった 」 。 六 年 ぶり の スタンド オフ 。 右足 負傷 の 細川 隆弘 主将 に 代わって 、 チームリーダー も 務めた 。 いろいろな 思い が 沈着 冷静な 男 の 頭 に 去来 した ようだ 。 「 連覇 は 結果 。 来年 へ つなげる こと が でき 、 ベテラン と して は ホッ と して いる 」 と 言った 大八木 選手 に も 安ど の 表情 が 見て取れた 。 この 七 年間 を 振り返って も 、 今季 ほど 新旧 交代 が 図ら れた シーズン は なかった 。 元木 由記雄 、 吉田 明 、 増保 輝則 ら 大学 ラグビー 界 の スター 選手 を 迎え 、 細川 主将 は シーズン 初め から 彼ら を 積極 的に 試合 に 起用 した が 、 試練 も あった 。 関西 リーグ の ワールド 戦 で 敗れ 、 V 1 の シーズン から 始まった 公式 戦 連勝 記録 が 七十一 で ストップ 。 怖い もの 知ら ず だった 社会 人 一 年生 の ショック は 大きかった 。 そんな 時 、 「 彼ら に は いい 薬 に なる 」 と 見守った の が 平尾 選手 ら ベテラン だった 。 元木 選手 は 試合 中 、 脳しんとう を 起こした 平尾 選手 から ゲーム メーク を 頼ま れた と いう 。 平尾 選手 は 「 彼ら が 伸びれば 、 チーム の 力 は もっと 上がる 」 と 八 連覇 の 可能 性 を 示唆 した 。 毎日新聞社 と ぼけ 予防 協会 の 電話 相談 「 ぼけ 110 番 」 は 、 今週 は 九 、 十二 の 両日 、 午前 十 時 から 午後 三 時 まで 受け付け ます 。 電話 は 03・3215・1166 。 インド 北西 部 を 覆って いる 寒波 は 八 日 、 さらに 厳し さ を 増し 、 ジャム ・ カシミール 州 ラダック 地方 の ドラス で は 同日 、 過去 二十 年間 で 最低の 氷点下 五八 度 を 記録 した 。 「 新進党 都 知事 選 連絡 協議 会 」 の 第 一 回 会合 が 八 日 、 都 内 の ホテル で 開か れ 、 国会 議員 十五 人 と 都議 会 の 新進党 、 公明 、 民社 ・ コア 東京 の 三 会派 の 幹事 長 が 出席 した 。 座長 に 高橋 一郎 ・ 衆院 議員 を 選出 し 、 今後 は 約 十 人 の 幹事 会 で 政策 や 枠組み 、 候補 者 を 協議 して いく こと を 確認 した 。 八 日 午後 零 時 三十五 分 ごろ 、 東京 都 墨田 区 両国 四 、 服飾 卸 業 「 フクヤマ 」 ビル わき の 物置 から 出火 、 物置 に 接する 鉄筋コンクリート 五 階建て 倉庫 兼 住宅 七〇〇 平方メートル の うち 二四〇 平方メートル を 焼いた ほか 、 隣 の ビル の 外壁 や 車 三 台 を 焼いた 。 また 、 この 火事 の 直前 、 現場 から 約 七百 メートル 離れた 同 区 緑 三 の 材木 店 と 同 区 緑 二 の 駐車 場 で 、 それぞれ 廃材 、 小型 トラック 二 台 など を 焦がす ボヤ が 相次いで 発生 した 。 いずれ も 火 の 気 の ない ところ で 、 東京 消防 庁 と 本所 署 は 連続 放火 事件 と みて 調べて いる 。 静岡 県警 後藤 組 壊滅 対策 本部 と 富士 署 は 八 日 、 同県 富士宮 市 宝 町 、 暴力 団 山口 組 後藤 組 幹部 、 渡井 昇 容疑 者 と 妻 の 松子 容疑 者 を 銃刀 法 違反 など の 疑い で 逮捕 、 二五 口径 自動 式 けん銃 一 丁 と 三八 口径 回転 式 けん銃 二 丁 、 実弾 二千四百六十四 発 を 押収 した 。 調べ に よる と 、 二 人 は 、 すでに 死亡 した 他人 名義 で 同 市 宮原 に 借りて いる 空き家 の 六 畳 間 床下 に 、 押収 した けん銃 と 実弾 を プラスチック の 衣装 ケース に 入れて 隠して いた 疑い 。 実弾 の 中 に は 四五 口径 や 自動 小銃 の 弾 も あり 、 別の 銃 や 入手 ルート など を 追及 して いる 。 八 日 午前 四 時 二十八 分 ごろ と 同 五 時 四十六 分 ごろ 、 関東 地方 を 中心 に 連続 して 地震 が あった 。 気象 庁 の 観測 に よる と 、 一 回 目 、 二 回 目 と も 震源 地 は 茨城 県 南 西部 で 、 震源 の 深 さ は 七〇キロ 、 地震 の 規模 は それぞれ マグニチュード 4・1 、 3・4 と 推定 さ れる 。 二 回 目 は 震度 1 が 水戸 、 日光 。 沖縄 県 名護 市 で 行方 不明に なって いた 三 人 の 子供 が 遺体 で 発見 さ れた が 、 同 県警 は 八 日 夜 まで の 捜査 で 、 事件 性 は 薄い と の 判断 に 傾いた 。 しかし 、 不自然な 点 も ある ため 、 なお 慎重に 捜査 を 進める 方針 。 名護 署 に よる と 、 三 人 と も 首 を 絞め られたり 刺さ れた ような 外傷 や 、 骨折 は なかった 。 死後 二 ― 三 週間 と 推定 さ れる が 腐乱 が ひどく 、 死因 は 特定 でき なかった 。 三 人 の 遺体 は 七 日 午後 二 時 ごろ 、 同 市 内 の 園芸 会社 の 社員 が 発見 した 。 トラック の 荷台 の 肥料 散布 用 タンク の 中 で 、 川 の 字 に なって 死んで いた 。 タンク は グラスファイバー 製 で 上部 に 直径 五十 センチ の ネジ 込み 式 の ふた が ある 。 発見 時 、 社員 は 「 ふた は 閉まって いた 」 と いう 。 同 署 は 七 歳 の 女児 に 同型 の タンク に 入って もらい 実験 した 。 この 結果 、 手のひら で ふた を 下 から 支える ように して 回す と 、 内部 から も 開閉 できた 。 同 署 は 「 なぜ 三 人 が 自力 で 外 に 出 なかった の か 疑問 」 と して いる 。 この ため 、 タンク 内 に 農薬 など の 薬品 が 残って い なかった か 調べて いる 。 また 、 この トラック は 十二 月 十一 日 から 、 上間 さん の 自宅 から 約 五十 メートル の 駐車 場 に 放置 さ れて いた 。 駐車 場 は 人通り の 多い 道路 に 面して おり 、 人目 は 多い 。 この 面 から も 事件 性 は 薄い と の 見方 が ある 。 これ まで の 調べ で は 、 三 人 は 十二 月 十八 日 午後 零 時 半 ごろ 、 知り合い の 五 歳 の 子 に 「 名護 城跡 に 遊び に 行こう 」 と 誘った の を 最後に 消息 を 絶った 。 米軍 が ルソン 島 に 上陸 を 開始 した 。 午後 7 時 、 大本営 発表 「 本 1 月 9 日 午後 、 マリアナ 諸島 より B29 約 60 機 関東 、 東海 、 及び 近畿 地方 に 分散 来襲 せり 」 。 今日 も 「 地上 に おける 損害 は 極めて 軽微 なり 」 と “ ただし書き ” が 付いて いる 。 台湾 に 450 機 。 大本営 の 公式 「 発表 」 だけ でも 、 緊迫 度 は 分かる 。 7 日 夕刊 9 面 「 帖佐 裕 氏 死去 」 の 記事 で 「 広島 県 呉 市 江田島 の 海軍 兵学校 」 と ある の は 「 広島 県 安芸 郡 江田島 町 」 の 誤り でした 。 第 四十七 回 全国 社会 人 ラグビー フットボール 大会 は 八 日 、 東京 ・ 秩父 宮 ラグビー 場 で 決勝 を 行い 、 神戸製鋼 が 37 ― 14 で 東芝 府中 を 破り 、 七 年 連続 七 回 目 の 優勝 を 果たした 。 七 連覇 は 新日鉄 釜石 以来 十 年 ぶり 史上 二 チーム 目 。 試合 は 東芝 府中 が 前半 19 分 、 トライ で 先制 した が 、 神戸製鋼 は 連続 攻撃 を 仕掛け 、 逆転 。 後半 も スタンドオフ 平尾 選手 の 活躍 など で トライ を 加えた 。 神戸製鋼 は 今月 十五 日 、 国立 競技 場 で 、 大学 チャンピオン の 大東大 と 日本 一 を かけて 戦う 。 大相撲 初 場所 は 八 日 、 東京 ・ 両国 国技 館 で 初日 を 迎えた 。 新 横綱 貴乃花 は 小結 武双山 の 上手投げ に 屈し 、 波乱 の 幕開け に 。 昨年 秋 場所 初日 から の 貴乃花 の 連勝 記録 は 「 30 」 で ストップ 、 三 場所 連続 全勝 優勝 の 夢 は 消えた 。 任期 満了 に 伴う 岡山 県 勝田 郡 勝北 町 の 町議 選挙 が 八 日 投票 さ れ 、 即日 開票 した ところ 投票 用紙 の 中 から カラー コピー した 偽造 投票 用紙 百二十二 枚 が 見つかった 。 この ため 町 選挙 管理 委員 会 は 深夜 に なって 開票 作業 を 中断 、 用紙 の 点検 を 開始 。 同 町議 選 は 町長 選挙 と の ダブル選挙 。 定数 一六 に 対し 十七 人 が 立候補 。 有権者 五千八百四十七 人 の うち 五千五百七十五 人 が 投票 した 。 しかし 、 開票 作業 を 続けて いる うち 各 候補 の 得票 総数 が 投票 者 数 を 上回る こと が 判明 。 チェック した ところ 偽造 が 分かった 。 投票 用紙 は 町議 選 は 薄い 緑色 、 町長 選 は 黄色 に 色分け さ れて いた 。 偽造 用紙 は 本物 より 紙 が 薄 めで 、 朱色 で 印刷 さ れて いる 線 が 不鮮明 。 一見 した だけ で は わから ない が 、 点検 作業 で 一 枚 ずつ 手 に とって みて 、 偽造 と 判明 した 。 偽造 用紙 に は 、 候補 者 数 人 の 名前 が 書か れて いた 。 選管 は 投票 の 際 、 何者 か が 投票 用紙 を 持ち出して 大量に カラー コピー 、 別の 人物 が 改めて それ を 投票 した 可能 性 も ある と みて いる 。 選管 は 選挙 自体 は 有効 と 判断 、 偽造 用紙 を 除外 して 計算 し 、 九 日 午前 一 時 四十 分 すぎ 、 確定 した 。 町 役場 研修 室 の 開票 所 で は 日付 が 変わって も 選挙 結果 が 発表 さ れ ず 、 各 陣営 の 運動 員 ら 四 、 五十 人 が 押しかけ 、 説明 を 求めた 。 選管 は 「 まだ 発表 でき ない 」 と 答え 、 大 混乱 と なった 。 J リーグ 人気 で サッカー に 押さ れ 気味 と も 言わ れる ラグビー です が 「 間近で 体 と 体 の ぶつかり合う 音 を 聞く と すごい 迫力 です よ 」 と 。 小 休止 の あと 、 次 は 春 の センバツ が 待って い ます 。 1980 年 に 当時 の 金沢 支局 に 配属 さ れ 、 最初に 書いた 1 面 トップ記事 の 見出し が 「 自衛 隊 違憲 論 前面 に 」 。 原告 の 決意 でした 。 あれ から 世界 は 激動 。 変わら ない の は 基地 の 存在 と 騒音 の 日々 です 。 浄土 真宗 本願寺 派 本山 ・ 西 本願寺 で 八 日 、 今年 二十 歳 を 迎える 若者 が 仏門 へ の 帰依 を 誓う 「 帰 敬 式 」 が 行わ れ 、 全国 から 集まった 男女 百四 人 の 新 成人 が 正式な 門徒 に 仲間 入り した 。 八 日 午後 六 時 四十 分 ごろ 、 大阪 府 八尾 市 天王寺 屋 の JR 関西 線 で 、 JR 難波 発 加茂 行き 上り 快速 電車 に 女性 が はね られ 即死 した 。 この 事故 で 同 電車 が 現場 に 約 三十五 分間 停車 、 後続 の 上下 計 八 本 が 運休 した 。 八尾 署 の 調べ で は 、 女性 は 年齢 三十五 ― 五十五 歳 。 自殺 と みて 身元 を 調べて いる 。 沈着 冷静な 天才 ・ 平尾 誠二 選手 が 泣き 、 神戸製鋼 が 「 北 の 鉄人 」 新日鉄 釜石 に 肩 を 並べた 。 今季 は 新旧 交代 に 加え 、 連勝 ストップ 、 主将 の けが と いう 試練 を 乗り越えて の 社会 人 日本 一 だ 。 決勝 の 相手 も 同じ 東芝 府中 。 あれ から 六 年 、 大八木 淳史 、 平尾 両 選手 ら 四 人 を 残し 、 メンバー は 入れ替わった が 、 強 さ は 変わら なかった 。 表彰 式 で 平尾 選手 が 涙 を 流した 今年 は 元木 由記雄 、 吉田 明 、 増保 輝則 ら 大学 の スター 選手 を 迎え 、 積極 的に 試合 に 起用 した が 、 関西 リーグ の ワールド 戦 で 敗れ 、 公式 戦 連勝 記録 が 七十一 で ストップ 。 怖い もの 知ら ず だった 元木 選手 ら 社会 人 一 年生 の ショック は 大きかった 。 長 期間 活動 して い ない “ 幽霊 法人 ” の 不正 売買 問題 で 、 ブローカー の 東京 都 内 の 会社 社長 に よって 復活 、 売却 さ れた 財団 法人 「 大光 協力 会 」 が 東京 の 産 廃 処理 業者 ら に “ 二 重 売買 ” さ れ 、 新 理事 長 ら が 「 ゲートボール 場 を 核 に した 高齢 者 保養 施設 を 全国 展開 する 」 と の 名目 で 、 企業 から 事業 資金 を 集めて いる こと が 八 日 、 分かった 。 既に 、 都 内 の 中堅 旅行 会社 が 事業 提携 して 三億 円 の 資金 提供 を した が 、 事業 は 実現 の メド が ほとんど 立って おら ず 、 トラブル が 起きて いる 。 幽霊 法人 の 全廃 に 取り組む 総理 府 は 、 財団 の 信用 性 を 利用 した 同様の 被害 が 広がる 恐れ が ある と して 、 整理 作業 を 急ぐ 。 同 財団 は 一九五〇 年 の 設立 後 まもなく 休眠 状態 に なった 。 会社 社長 は 九一 年 、 財団 の 議事 録 など を 偽造 し 、 日本 総合 ハウス クリーニング 協会 に 約 八千万 円 で 売却 。 ところが 、 「 売却 代金 の 一部 を 払わ ない 」 と して 、 会社 社長 が 新たに 都 内 の 産 廃 処理 業者 ら に 五千万 円 で 売却 。 同 協会 に 無断 で 議事 録 を 偽造 し 、 昨年 七 月 、 この 業者 ら を 理事 に 就任 さ せた 。 新 理事 長 ら は 、 毎日新聞社 の 取材 に 、 「 ゲートボール の 全国 大会 を 開く ため に 財団 を 買った 」 と 証言 。 岩手 県 岩手 郡 滝沢 村 に 屋内 ゲートボール 場 、 温泉 保養 施設 など を 建てる の を 手始め に 、 全国 に 同様 施設 の 建設 を 計画 。 財団 法人 「 日本 ゲートボール 連合 」 の 元 顧問 を 本 部長 に 新 組織 を つくり 、 福田 赳夫 元 首相 を 大会 総裁 と して 全国 大会 を 誘致 する ―― など の 構想 を 進めて いる と 話した 。 しかし 、 この 元 顧問 は 「 誘い が あった が 、 金銭 トラブル から 手 を 引いた 。 具体 的な 相談 は 一切 ない 。 全国 大会 開催 など 無理 」 と 述べ 、 福田 事務 所 も 関係 を 否定 。 岩手 県 の 予定 地 の 所有 者 は 「 私 に は 何の 連絡 も なく 、 こちら から の 問い合わせ に も 応じ ない 」 と 話して いる 。 一方 、 旅行 会社 は 「 大会 開催 時 に は 全国 から の 高齢 者 ツアー を 任せる 」 など と した 業務 提携 書 を 大光 側 と 交わし 、 事業 資金 と して 額面 計 三億 円 の 手形 を 振り出した 。 ところが 、 新 理事 長 は 手形 を 別の 会社 に 割り引いて もらい 資金 化 。 この 手形 が 手形 交換 所 に 持ち込ま れた こと から 、 金銭 トラブル が 表面 化 した 。 旅行 会社 は 「 実現 性 が 乏しい 計画 で 、 今後 、 取引 する つもり は ない 」 と 話し 、 法的 措置 を とる こと も 含めて 大光 側 と 争う 方針 。 これ に 対し 、 大光 協力 会 の 新 理事 長 は 「 財団 が いわくつき と は 知ら なかった 。 土地 取得 など は 仲介 者 に 任せて いる 。 事業 計画 は 架空で は ない 」 と 主張 して いる 。 しかし 、 同 財団 は 昨年 末 で 東京 都 中央 区 に あった 事務 所 を 引き払い 、 旅行 会社 側 から は 「 連絡 が つか ない 状態 」 と いう 。 手形 交換 所 取引 の 時間 と 手間 を 省き 、 現金 を 介さ ず に 決済 する ため 安全 。 法務 大臣 指定 だけ で 全国 に 約 180 カ所 ある 。 村山 富市 首相 は 九 日 午前 、 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新民連 会長 と の 会談 が 決裂 した こと に ついて 「 説得 し よう なんて 思って い ない 。 初め から 違う んだ から 」 と 述べ 、 山花 氏 と の 見解 の 差 を 強調 した 。 一方 、 五十嵐 広三 官房 長官 は 同日 午前 、 記者 団 に 「 両氏 の 考え に 大きな 意見 の 差 は ない 。 深刻な 分裂 に つながる 根拠 と は なら ない 」 と 統一 地方 選 前 の 新党 結成 論 を 批判 、 「 執行 部 の 熱心な 調整 に 期待 する 」 と 述べた 。 埼玉 県 行田 市 の 会社 役員 、 川崎 明男 さん の 死体 遺棄 容疑 で 逮捕 さ れた 埼玉 県 大里 郡 江南 町 板井 、 犬 猫 販売 業 、 関根 元 容疑 者 は 九 日 まで に 、 埼玉 ・ 群馬 両 県警 合同 捜査 本部 の 調べ に 対し 、 川崎 さん 以外 に も 一昨年 に 相次いで 失跡 した 同 市 の 主婦 ら 三 人 の 殺害 ・ 死体 遺棄 を 断片 的に 認める 供述 を 始めた 。 殺害 に は いずれも 薬物 を 使った こと を ほのめかして おり 、 同 本部 は 家畜 の 殺 処分 など に 使わ れて いた 硝酸 ストリキニーネ と みて いる 。 この ため 同 本部 は 遺体 の 遺棄 場所 と み られる 群馬 県 利根 郡 片品 村 の 山中 を 検索 する など 裏付け を 急いで いる 。 関根 容疑 者 は 、 川崎 さん に ついて は 「 薬 で やった 」 と 殺害 を 具体 的に 認める 供述 を して おり 、 同 本部 は 殺人 容疑 に 切り替える 方針 を 決めた 。 関根 容疑 者 は さらに 「 ほか に 三 人 やった 」 「 川崎 さん と 同じだ 」 など と 供述 を 始めて いる 。 直後 に 「 やって い ない 」 と 翻す など 、 供述 は 一貫 して い ない が 、 同 本部 は 川崎 さん 以外 に 同 時期 に 失跡 した 行田 市 の 主婦 や 江南 町 の 暴力 団 幹部 の 会社 役員 、 その 運転手 ら が 殺害 さ れ 、 遺骨 が 捨て られた 可能 性 が 高い と して 、 さらに 関根 容疑 者 を 追及 して いる 。 また 関根 容疑 者 が 川崎 さん の 遺体 を 切断 した の は 片品 村 の 犬 繁殖 場 の ふろ 場 だった こと も 分かった 。 同 本部 は この ふろ 場 を 重点 的に 捜索 、 洗い場 の 板 など を 押収 し 、 分析 を 急いで いる 。 一方 、 八 日 に 川崎 さん の 死体 遺棄 容疑 で 逮捕 さ れた 山崎 永幸 容疑 者 は 調べ に 対し 、 「 関根 容疑 者 は 繁殖 場 の ドラム缶 で 三 人 の 遺体 を 焼いた の を 見た 」 と 供述 、 さらに 脅さ れて 灰 を 捨てる の を 手伝った と 具体 的に 供述 した 。 これ に 基づき 同 本部 は 同村 の 山崎 容疑 者 の 犬 繁殖 場 から 北 へ 約 五キロ の 沢 ぞい で 検索 を 実施 、 遺骨 や 遺品 の 発見 に 全力 を 挙げて いる 。 一方 、 殺害 に 使わ れた 薬物 は 、 硝酸 ストリキニーネ の 可能 性 が 強い こと が 同 本部 の 調べ で 分かった 。 同 本部 は 関根 容疑 者 が 知り合い の 獣 医師 から この 薬 を 入手 して いた こと を つかんで おり 、 獣 医師 から 事情 を 聴き 、 入手 時期 や 量 の 特定 を 急ぐ 。 硝酸 ストリキニーネ は 白い 結晶 状 の 薬物 で 、 病気 に かかった 家畜 の 処分 に 使わ れて いた 。 獣 医師 の 話 で は 、 耳かき 一 杯 分 を コップ 一 杯 の 水 に 溶かして 一口 飲んだ だけ でも 、 中枢 神経 の まひ を 起こし 、 数 秒 で 死亡 する と いう 。 ロシア 政府 は 八 日 夜 、 チェチェン 共和 国 の 首都 グロズヌイ に 進攻 した ロシア 軍 部隊 が 大統領 官邸 を 完全 封鎖 した と 発表 した 。 ロシア の テレビ も 同日 夜 、 現地 から の 報道 で 、 ロシア 軍 が 同 官邸 に 肉薄 し 激しい 砲撃 を 浴びせた こと を 伝えて おり 、 首都 攻撃 の 最大 目標 だった 大統領 官邸 を 完全 封鎖 し 、 首都 制圧 は 目前 に 迫った 模様 だ 。 政府 発表 に よる と 、 ロシア 軍 部隊 は 七 日 、 官邸 周辺 の 主要 道路 を 完全に 封鎖 し 、 官邸 から 二百 ― 七百 メートル の 地点 に 達した 。 発表 で は 官邸 を 「 旧 州 共産党 委員 会 ビル 」 と 表現 。 官邸 の 中央 部 が 炎上 して いる ほか 、 内部 で 銃声 が 響いて いる と して 、 ドゥダエフ 政権 の 官邸 防衛 部隊 の 内部 崩壊 を 示唆 した 。 ロシア の 独立 TV の 現地 リポート は 、 南 から 進撃 した ロシア 軍 部隊 は 官邸 から 六百 メートル 、 北 から の 部隊 は 八百 メートル に まで 接近 して いる と 伝え 、 政府 発表 を 裏付けた 。 しかし 、 ロシア 軍 は 七 日 夜 から 八 日 朝 に かけ 三 回 に わたって 官邸 制圧 を 試みた が いずれ も 失敗 し 、 再び 周囲 に 布陣 し 直した と の 情報 も 同時に 伝えた 。 ロシア 政府 の 発表 は 、 中心 部 以外 で は 依然と して 首都 の いく つ か の 地区 が チェチェン 側 の 支配 下 に ある と 認めて いる 。 また 首都 の 南西 三十キロ の 村 で 七 日 、 ロシア 軍 の 精鋭である 空てい 部隊 が チェチェン 側 の 捕虜 に なった と も 伝え られて おり 、 ロシア 軍 に 対する チェチェン 側 の 抵抗 は 依然 各地 で 続いて いる 模様 だ 。 社会党 の 新 民主 連合 は 九 日 午前 、 東京 都 内 の 事務 所 で 役員 会 を 開き 、 山花 氏 が 物別れ に 終わった 八 日 の 村山 富市 首相 と の 会談 内容 など を 説明 。 同日 午後 の 総会 で 、 超 党派 の 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 に 参加 する 新民連 所属 議員 数 など を まとめる 運び だ 。 十 日 の 中執 委 で 決定 する よう 執行 部 に 申し入れる 。 見解 で は 「 通常 国会 前 の 一部 議員 の 離党 は 国民 から の 批判 を 招き かね ない 」 と 山花 貞夫 ・ 新民連 会長 ら の 動き を 批判 。 その うえ で 「 党 内 が 分裂 し 、 村山 政権 崩壊 に つながり かね ない ような 印象 を 国民 に 与えて いる 事態 に 早急に 終止符 を 打つ 」 こと を 求めて いる 。 政府筋 は 九 日 、 ブリュッセル で 二 月 二十五 、 二十六 日 に 開か れる 先進 七 カ国 情報 通信 担当 閣僚 に よる 「 情報 サミット 」 に 合わせて 、 G 7 各国 の 主要 電気 通信 事業 者 や 電機 メーカー 、 マルチメディア 関連 など の 企業 トップ も 「 民間 情報 サミット 」 を 開く こと を 明らかに した 。 民間 情報 サミット で は 、 情報 通信 関連 事業 の 主導 権 争い や 技術 の 標準 化 で 利害 が 対立 する 各国 産業 界 が 率直に 意見 交換 する の が 狙い 。 その うえ で 、 政府 だけ で なく 民間 の 視点 から 、 地球 規模 の 情報 通信 基盤 の 重要 性 を 確認 する 。 現在 まで の ところ 、 G 7 各国 から 、 米国 最 大手 の 電気 通信 事業 者 の AT&T など 、 マルチメディア 事業 を 展開 する 企業 の トップ 約 四十 人 が 出席 する 。 日本 から は 、 NTT の 山口 開生 会長 、 NEC の 関本 忠弘 会長 、 DDI と 京セラ の 稲盛 和夫 会長 、 三菱電機 の 北岡 隆 社長 、 セガ ・ エンタープライゼス の 大川 功 会長 ら 八 人 が 出席 する 予定 。 閣僚 会合 で は 、 マルチメディア 時代 を にらみ 、 光ファイバー 網 や 衛星 通信 を 組み合わせた 地球 規模 の 情報 通信 基盤 構想 を 実現 する ため の 世界共通 ルール づくり に ついて 協議 。 日本 から は 大出 俊 郵政 相 と 橋本 竜太郎 通産 相 が 出席 する 。 政府 レベル だけ で なく 実際 に 投資 する 民間 も サミット を 開く の は 「 情報 サミット 」 の ホスト の 欧州 連合 が 提案 し 、 二 月 二十五 日 に 開催 する こと で 、 各国 の 了承 を 得た 。 ラムサール 条約 の 登録 湿地 に 指定 さ れて いる 北海道 苫小牧 市 の ウトナイ 湖 で 、 シベリア から 飛来 した オオハクチョウ の 群れ が 越冬 中 。 毎年 十 月 ごろ から 同 湖 に やって 来る オオハクチョウ 。 今年 も 例年 並み の 約 三百 羽 で にぎわい 、 同 湖 に 年中 すむ コブハクチョウ など と ともに 、 長い 首 と 白い 羽 の 愛らしい 仕草 で 観光 客 ら の 目 を 楽しま せて いる 。 日本 野鳥 の 会 ウトナイ 湖 サンクチュアリ の レンジャー 、 原田 修 さん に よる と 、 一 日 に 何 度 も 獲物 を 狙って 氷上 に キタキツネ が 姿 を 現し 、 オオハクチョウ は 羽 を 広げて 警戒 ポーズ を とる が 、 上手に “ 共生 ” して いる と いう 。 九 日 の 苫小牧 市 の 最低 気温 は 、 暖気 の せい か 平年 より 五 度 ほど 高い 氷点下 四・二 度 。 厚 さ 二 、 三○ センチ の 氷 に 覆わ れ 、 厳 冬期 に 向かう これ から は 氷点下 二○ 度 に なる 湖 で 、 オオハクチョウ は 越冬 を 続け 、 雪解け の 四 月 に シベリア へ 戻る 。 ロング に ショート 、 編み 上げ ―― 。 冬 の ファッションアイテム と して ブーツ が 今年 も 人気 を 集めて いる 。 そして 、 ブーツ ほど 一般 的で は ない が 、 帽子 に 装い の ポイント を 置く 人 も 。 頭 と 足元 。 どっち で 個性 を 出す ? 東京 ・ 銀座 で 、 おしゃれ を 楽しみ ながら ウインドー ショッピング する 人 たち 。 頭 と 足元 に 注目 したら 、 帽子 は 少なく 、 ブーツ ばかり が 目 に ついた 。 ブーツ の 主流 は ロング 。 ミニスカート と の コーディネート が 多い 。 恋人 同士 、 女性 グループ の 足取り は やや 重 そう 。 これ に 対して 、 一 人 歩き の 人 は なぜ か スッスッ と 軽快な 足 の 運び 、 ファッションモデル の ような 歩き 方 が 多かった 。 くるぶし まで の ショートブーツ も 結構 多い 。 金具 が 付いた もの や 履き 口 の 部分 が ニット に なって いる もの 、 つま先 が 型 押し に なった もの など 、 細かく 見る と 凝った デザイン 。 ミニスカート から ジーンズ まで 、 幅広い ファッション に 対応 して いる 。 子供 と ペア の ブーツ と いう 若い 母親 も 。 「 ブーツ を 履く 時期 に は 早い 昨年 10 月 ごろ から 、 編み 上げ の ブーツ が 売れ 始めた 。 スカート 丈 が 短く なって 、 ブーツ を おしゃれ と して 楽しむ 人 が 増えた から でしょう 」 “ おばあ ちゃん の 原宿 ” と いわ れる 東京 ・ 巣鴨 。 さすが に 、 ミニスカート に ロングブーツ 姿 の “ 翔んで る ” おばあ ちゃん は 見かけ なかった 。 でも 、 防寒 用 に ブーツ を 履いて いる 暖か そうな おばあ ちゃん は いた 。 一方 、 帽子 。 銀座 や 巣鴨 で は 、 おしゃれな 帽子 を 見かけ なかった ので 渋谷 へ 。 パルコ 内 に 昨年 9 月 オープン した 帽子 専門 店 の 「 ウィーブトシ 」 に は 奇抜な デザイン から 、 オーソドックスな もの 、 シックな もの まで 約 1000 種類 が 置か れて いる 。 店長 の 荻野 三美 さん は 「 帽子 と いう と デザイナー もの が 中心 で 、 価格 の 面 でも 買い にく さ が あった 。 もっと 気軽に 楽しめる ような 品ぞろえ を し 、 価格 も 2000 円 代 の 手ごろな もの も 多い 」 と PR 。 今年 の 売れ 筋 は 、 耳 あて 付き の 帽子 と いう 。 15 年 ぐらい 前 に 流行 した レシーバー の 形 を した 耳 あて も 今冬 、 流行 の 兆し と か 。 魚 の 形 を した もの や 角 が 生えた もの 、 髪 の 毛 の ような 編み込み が 何 本 も 付いて いたり …… 。 帽子 と いう より も “ かぶりもの ” と いう 感じ 。 「 スキー 場 で 目立つ ため に 買って いく 人 も 多い 」 と か 。 数 で は ブーツ 派 に 押さ れ がちな 帽子 派 だ が 、 意識 の 上 で は 負けて い ない 。 渋谷 駅前 の 交差 点 で 信号 待ち を して いた 帽子 派 の OL 風 2 人 、 前方 に いる 女性 の ロングブーツ を 見 ながら 小声 で 「 中途半端な 長 さ の ブーツ って ダメ ね 。 太い 足 が より 太く 見える 」 。 ともあれ 、 季節 を リード する ブーツ と 色 や デザイン が 多彩で 楽しい 帽子 。 服 以上 に 個性 を 出す こと が できる ので 、 おしゃれ の 重要な アイテム である こと は 間違い ない 。 大リーグ 入り 志望 だの 、 球団 と の 確執 だの 、 と 近鉄 の 野茂 英雄 投手 の 周辺 が 騒がしい 。 3 回 目 の 契約 更改 交渉 が 9 日 午後 行わ れる が 、 すんなり 関係 改善 と いく か どう か 。 2 回 目 の 交渉 は わずか 15 分 で 終わった が 、 それ も その はず 。 球団 社長 を 前 に して 一言 も 口 を 開か なかった のだ と いう 。 以前 、 野茂 が フォーク や カーブ の 握り を 見せ 、 カウンター の 向こう で すし 屋 の おやじ が 次々 と ネタ を 握って くれる テレビ CM が あった 。 同じ 無言 でも 、 客 と 職人 と の 間 に 漂う 相互 理解 は 、 契約 更改 の 場 に は なかった ようだ 。 ソウル 五輪 で 一緒に 銀 メダル を 獲得 した 当時 の 全 日本 キャプテン 、 筒井 大助 さん は 振り返る 。 「 まだ 19 か 20 歳 だった のに 、 自分 の 野球 観 を 持って いた 。 投球 フォーム や トレーニング 方法 に ついて は 、 頑として 自分 の やり 方 を 通し ました から ね 」 。 意気 に 感じれば 連投 も 辞さ ず 、 超人 的な 踏ん張り を 見せる 一方 で 、 コーチ が アドバイス して も 、 自分 で 納得 し ない 限り 採り 入れ ない 。 頑固な 選手 だった 。 だが 、 投手 と は そういう もの だ 。 プライド は 人一倍 強く 、 目立ち た がり 屋 で 、 非情 冷徹 か 激情 家 の どっち か で 、 「 オレ が 投げ なきゃ 、 試合 は 始まら ない 。 ヘッ 」 と 踏ん反り返る お山の大将 で ない と 、 一流 に は なれ ない 。 その 意味 で は 野茂 選手 は 根っから の ピッチャー だ と 思う 。 彼 が ルーキー の 年 の サイパン ・ キャンプ に 2 日間 だけ お邪魔 した とき の こと 。 新人 投手 に して みれば 、 先輩 と は いえ チーム 内 で 一 軍 枠 を 争う ライバル 。 愛想 を ふりまく 必要 は ない 、 と 考えた のだろう 。 この ゴーイング ・ マイ ・ ウエー の 性格 が 一部 に 誤解 さ れる 原因 に も なる 。 今回 の 確執 は 、 信頼 して いた トレーニングコーチ の 退団 が きっかけ だった 。 フロント や 現場 首脳 陣 と の コミュニケーション 不足 が 目立つ 。 ただ 野茂 さん 、 米国 行き は いま は 考えもの です 。 強行 して も 、 大リーグ そのもの が 正常な 形 で 開幕 する か どう か あやしい 。 労使 トラブル 余波 で 日本 に も 、 バリバリ の 大リーガー が 続々 来る 。 とりあえず 今年 は 国 内 で 実績 を 積み上げ 、 次の 機会 に 備えた 方 が 得策 だ と 思う のだ が 。 二百 円 台 の ワイン の 登場 で 、 日本 の ワイン 市場 は 高級 ワイン と 、 普段 気楽 に 飲める テーブルワイン に 二 極 分化 して きた 。 実は 生産 地 でも 、 消費 者 の 動向 に 合わせた 努力 が 顕著に なって いる 。 バブル 期 の 造れば 売れる 時代 は 過ぎ 、 明確な ワイン 造り の 戦略 が 求め られて いる から だ 。 その 例 を 、 フランス の 二 大 ワイン 産地 の 一 つ 、 ブルゴーニュ 地方 で 見て みた 。 ブルゴーニュ 地方 の 最 北部 の シャブリ は 、 酸味 の 利いた キリっと した 白ワイン の 産地 。 生 ガキ や カキフライ 、 刺し身 など と 合う と いう こと も あり 、 日本 人 に は なじみ が 深い 。 「 いま 私 が 目指して いる の は 、 自然の リズム に 即した ワイン 造り です 」 。 ドメーヌ ・ ラロッシュ 社 の ミッシェル ・ ラロッシュ 社長 は 言う 。 一八五〇 年 創立 。 千 ヘクタール の ブドウ 畑 を 持ち 、 シャブリ でも 水準 の 高い ワイン を 造る 大手 生産 者 の 一 つ 。 ラロッシュ 社長 の 言う 「 自然の リズム に 即した ワイン 造り 」 の ポイント は 二 点 。 一 つ は 、 殺虫 剤 や 化学 肥料 の 使用 中止 。 化学 肥料 から 有機 肥料 へ の 転換 は 、 すでに 九 年 前 に 行った が 、 殺虫 剤 に ついて は ここ 数 年 。 赤 グモ 、 ダニ と いった ブドウ の 害虫 駆除 の ため 、 天敵 の コガネムシ を 放つ 。 また ブドウ の 葉 を 食べる チョウ の 幼虫 対策 に 、 チョウ が ブドウ の 葉 に 産みつけた 卵 を 無力 化 さ せる バクテリア を 繁殖 さ せる 。 捕 チョウ 用 の 粘着 板 も 畑 の あちこち に 取り付けて ある 。 二 つ 目 は 密 植 と 摘芽 だ 。 一 ヘクタール 当たり 、 ブドウ の 苗木 は 普通 六千 本 だ が 、 ここ で は 七千 本 。 苗木 に ストレス を 与え 、 各 樹 が つける 実 を 少なく する 。 また せんてい で 四 分 の 一 もの 芽 を 摘み 込む 。 生産 量 は 少なく なる が 、 ブドウ の 樹液 を 濃縮 し 、 高 品質 の ブドウ を 収穫 する ため だ 。 ラロッシュ 社長 に よる と 、 一九七〇 、 八〇 年 代 の ワイン 生産 は 、 醸造 学 の 進歩 に 支え られ 生産 量 は 大きく 飛躍 した 。 それ が いま 曲がり角 に ある と いう 。 シャブリ で いう と 、 化学 肥料 の カリウム が シャブリ の 生命 と も いえる 酸度 を かなり 低下 さ せた から だ 。 自然の リズム に 即した ワイン 造り は 、 この 反省 に 立って の こと だ 。 米 カリフォルニア の ワイン 生産 者 の 中 に は 、 すでに 有機 栽培 に 踏み切って いる ところ が 幾 つ か ある 。 それ から する と さほど 珍しく な さ そうだ が 、 実は フランス の 国情 から する と 先駆 的な のだ 。 仏 で 有機 農法 や 自然 食品 へ の 関心 が 出て きた の は 、 やっと ここ 数 年 で 、 環境 保護 運動 が 低調だった 国柄 と 無縁で は ない 。 仏 で 環境 保護 運動 が 台頭 する の は 八〇 年 代 末 。 八〇 年 代 初頭 、 西独 など で 緑 の 党 が 台頭 し 、 反 核 運動 と 結びついた 環境 保護 運動 が 盛り上がった の に 比べ 、 十 年 近い 遅れ だ 。 核 や 原発 開発 に 国民 的 コンセンサス が 成立 して いる など 、 仏 の 特殊 事情 が 背景 に は ある 。 ラロッシュ 社 の 「 自然の リズム 重視 」 は 、 味覚 追求 の 結果 で は もちろん ある が 、 同時に 環境 保護 、 自然 食品 ブーム 、 さらに は 「 量 より 真に いい もの を 」 と いう バブル 以後 の 消費 者 の し好 を 敏感に とらえて いる ように も 思わ れる 。 ともすれば 伝統 に あぐら を かいて きた 仏 の ワイン 生産 者 。 「 造れば 売れる 」 時代 を 経て 、 いま 急速に 変わり つつ ある ようだ 。 八 日 付 の トルコ の 日刊 紙 サバハ は 、 チェチェン 共和 国 の ドゥダエフ 大統領 が この ほど 、 トルコ の チルレル 首相 に 書簡 を 送り 、 ロシア 軍 の 攻撃 で 故郷 を 追わ れた チェチェン 人 難民 の 一 時 受け入れ を トルコ に 要請 して きた と 伝えた 。 米 共和党 の ドール 上院 院内 総務 は 八 日 、 ロシア の チェチェン 紛争 に 関連 して 「 米国 の エリツィン 政権 へ の 支持 は 、 ほぼ 日ごと に 退潮 して いる 」 と 語り 、 流血 の 泥沼 化 が 米国 の 対 露 感情 に 大きく 響き 始めて いる こと を 警告 した 。 これ まで クリントン 政権 は チェチェン 紛争 を 「 内政 問題 」 と して 不 介入 の 立場 を 貫き 、 議会 側 は 静観 の 構え を とって きた 。 だが 、 議会 指導 者 が 対 露 支援 に かげり を 指摘 した の は 初めて 。 エジプト 治安 当局 に よる と 、 同国 警官 隊 が 8 日 、 カイロ 西郊 の 町 で イスラム 原理 主義 過激 派 と み られる グループ と 銃撃 戦 を 展開 し 、 5 人 を 射殺 した 。 イスラエル 訪問 中 の ペリー 米 国防 長官 は 8 日 、 当地 で ラビン ・ イスラエル 首相 と 会談 し 、 イラン の 核 保有 能力 に ついて 意見 交換 した 。 国連 ルワンダ 支援 団 が 7 日 発表 した ところ に よる と 、 ルワンダ 南部 の ブルンジ 国境 近く で 同日 、 銃撃 事件 が 発生 、 少なくとも 12 人 が 死亡 、 36 人 が 負傷 した 。 武村 正義 蔵 相 は 9 日 午前 、 中国 と シンガポール 、 マレーシア の 3 カ国 訪問 の ため 成田 空港 を 出発 した 。 15 日 まで の 日程 で 、 各国 の 蔵 相 や 首脳 クラス と 会談 する 。 経団連 の 豊田 章一郎 会長 は 九 日 、 行政 改革 委員 会 の 飯田 庸太郎 委員 長 ら 四 委員 と 都 内 の ホテル で 懇談 、 経団連 と して 委員 会 活動 の 全面 支援 を 約束 する と ともに 、 実効 ある 規制 緩和 推進 五 カ年 計画 が 三 月 末 まで に 策定 さ れる よう 政府 へ の 監視 の 徹底 を 求めた 。 豊田 会長 は 具体 的に 、 行政 改革 推進 本部 の 規制 緩和 検討 委員 会 が 民間 から の 意見 を 踏まえて 二 月 九 日 に まとめる 報告 書 の 内容 を 、 五 カ年 計画 に 反映 さ せる 必要 性 を 強調 した 。 ロシア 軍 と ドゥダエフ 政権 部隊 と の 間 で 死闘 が 展開 さ れて いる チェチェン 共和 国 の 首都 グロズヌイ で 、 市 内 に 残って いる 市民 約 五万 人 は 食料 や 医薬 品 が 不足 し 、 生死 の 瀬戸際 に 追い込ま れて いる 。 ロシア 通信 や 首都 を 脱出 した ジャーナリスト に よる と 、 約 四十万 人 住んで いた 市民 の 大半 は すでに 脱出 した が 、 まだ 避難 先 の ない 老人 や ケガ 人 ら 五 、 六万 人 が 残って いる 。 だが 、 食料 や 飲料 水 が 欠乏 し 、 市民 は 道路 の 穴 や 溝 に ある 水 を 集めて 飲んで いる と いう 。 また 、 戦闘 に 巻き込ま れて 負傷 した 市民 が 少なく ない が 、 診療 施設 の 大半 は 戦闘 で 破壊 さ れた うえ 、 医薬 品 が 欠乏 し 、 手当て を 受け られ ず 放置 さ れて いる 状態 。 ロシア 政府 の 支援 で 設立 さ れた 国民 再生 政府 の サダエフ 保健 相 は 「 負傷 者 を 早く 手当て し ない と 死んで しまう 。 なんとか 病院 へ 運ぶ 措置 を とって ほしい 」 と ロシア 側 に 訴えて いる 。 一方 、 ドゥダエフ 政権 部隊 の 兵士 も 次々 首都 を 脱出 して いる が 、 その 際 、 ロシア 人 の 女性 や 子供 を 「 生きた 防波堤 」 に して ロシア 軍 の 攻撃 を 逃れて いる と の 情報 も 流れ 、 市民 は パニック に 陥って いる と いう 。 さらに 、 ペルボマイスカヤ 通り に ある 共和 国 病院 の 医師 、 看護 婦 約 七十 人 は 双方 の 戦闘 の 真ん中 に 入って しまい 、 大みそか 以来 、 脱出 でき ず に いる 。 新日鉄 は 九 日 、 自動車 需要 が 急激に 伸びて いる タイ で 、 自動車 用 鋼管 の 合弁 事業 を 始める こと を 明らかに した 。 現在 タイ の 国家 投資 委員 会 に 合弁 認可 を 申請 中 で 、 認可 が 得 られ 次第 、 出資 予定 の 三菱 商事 、 豊田 通商 、 タイ 現地 の 鉄鋼 メーカー など と 合弁 検討 委員 会 を 作り 具体 化 を 急ぐ 。 合弁 会社 は 素材 の 鋼板 を 日本 から 輸入 、 自動車 など で 使う チューブ を 製造 する 。 投資 額 は 約 二十億 円 程度 で 、 一九九六 年 初め から の 生産 を 予定 して おり 、 生産 規模 は 年間 二万 トン 。 ロシア の 事実 上 の 最高 政策 決定 機関 、 安全 保障 会議 の メンバー で も ある シャフライ 副 首相 が 七 日 夜 、 チェチェン 紛争 を めぐって 公然と 軍 幹部 を 非難 した 。 同 副 首相 は 先に 今回 の ロシア 軍 の 作戦 遂行 能力 に 疑問 を 呈した ばかりで 、 政権 内部 の 亀裂 が 表面 化 した 形 だ 。 同 副 首相 は 七 日 夜 の ロシア ・ テレビ と の インタビュー で 、 現在 ドゥダエフ 政権 部隊 が 使用 して いる 大量の 兵器 は 、 一九九一 年 に ロシア 軍 が チェチェン を 撤退 した 後 に 同 政権 に 引き渡した もの だ と 言明 。 九二 年 二 月 から 六 月 に かけて 当時 、 独立 国家 共同 体 軍 の 最高 指揮 官 だった シャポシニコフ 氏 の 命令 で 引き渡し 交渉 が 行わ れ 、 これ に は グラチョフ 国防 相 や グロモフ 国防 次官 も 加わって いた と 述べ 、 暗に 国防 相 の 責任 を 指摘 した 。 この 指摘 は 先に チェチェン 紛争 の 仲介 役 を 買って出た ハズブラトフ 旧 ロシア 最高 会議 議長 も 行って いた が 、 政権 幹部 が これ に 言及 した の は 初めて 。 同 副 首相 に よる と 、 この際 に 引き渡さ れた 兵器 に は 装甲 車 や 銃砲 、 戦闘 機 など が 含ま れて いる と いう 。 反 マーストリヒト 条約 、 反 ドロール を 掲げる 保守 、 フィリップ ・ ドビリエ 氏 が 八 日 、 今春 の フランス 大統領 選 へ の 立候補 を 表明 した 。 同氏 は 政治 組織 「 もう 一 つ の 欧州 」 を 率いて 昨年 六 月 の 欧州 議会 議員 選挙 で 一二・四 % の 支持 を 獲得 、 仏 国民 間 に 根強く 存在 する 反 欧州 連合 感情 を 印象づけた 。 感慨 は いかがです か 。 歴史 と 伝統 の 重み を すごく 感じ ます 。 歴史 を 見る と 大変な 時代 が あった が 、 先輩 が 乗り越えて きた 。 いろんな こと を 考える 度 に 歴史 の 大き さ 、 立場 を 再 確認 し 大きな プレッシャー に なって い ます が 、 それ ら を 乗り越え 、 次の ステップ に 出来る の は 最高に 幸せです 。 これ から も より よい 芝居 を 提供 して いき たい 。 客席 も かなり ゆったり した スペース に なる と か 。 − − 劇場 は 小手先 の 工事 で は ダメな んです 。 客席 は 一 等 席 を 二百 席 ・ 約 一五 % 減らし 、 千六百五十 人 の 定員 に なり ます が 、 座席 は 幅 を 三 センチ 増 の 五〇 センチ 、 前後 は 平均 七・五 センチ 長く して 九五 センチ に スケール アップ し ました 。 三十 年 前 の 寸法 でした から 、 これ で 東京 の 一流 劇場 並み に なり ました 。 特別 室 も 新設 、 床 の スロープ は どの 位置 から も 見やすい ように 修正 。 二 階 最 前列 正面 の 客席 を 三〇 センチ 迫り出し 、 舞台 に より 親近感 を 持てる ように 改造 し ます 。 音響 システム も 現在 最高 水準 の デジタル化 を 進め 、 音質 や 全体 の ハーモニー に も 十分 配慮 。 これ から の 演劇 に マッチ した 劇場 づくり 、 目 に 見え ない 心臓 部 の 充実 に 力 を 入れ ました 。 楽屋 も 改装 さ れる ? 現在 、 大部屋 の ほか 主演 級 の 人 の ため に 四 室 あり ます 。 五 年 前 に バス 、 トイレ を 付け 大 改造 し ました が 、 今回 は 天井 を 高く したり クロゼット を 設け 、 内装 も リニューアル 。 より 居住 性 の 高い もの に し ました 。 存分に 力 を 発揮 出来る ように 。 今回 は 外装 も 内装 も 和風 の 感じ を 前面 に 押し出した 改装 に なり ます 。 ぜひ 、 東京 、 大阪 の 劇場 と 比べて もらい たい もの です 。 「 有名 私立 中学 を 目指して 、 学校 の 先生 の 子供 も 学習 塾 へ 通う 時代 。 建前 で は 塾 は 必要の ない もの と いい ながら 、 子供 を いい 学校 へ 入れ たい が ため に 塾 に 行か せる 。 親 の エゴ が 子供 たち の 無限の 可能 性 を 殺して は い ない でしょう か 」 演劇 集団 坂 企画 を 主宰 する 坂 俊一 さん は 、 中学 受験 の 悲哀 を 描く 「 不 合格 」 を 上演 する 。 娘 さん が 中学 受験 に 失敗 した 体験 を もと に 生み出した もの で 、 受験 戦争 を コミカルに 描く 。 「 若い 人 は むろん 、 お 父さん や お 母さん も ぜひ 見て ください 。 入場 料 分 は 、 十 分 楽しめる と 思い ます 」 上演 は 十二 日 から 十五 日 まで 。 東京 ・ 築地 本願寺 内 ブディストホール で 。 当日 三千八百 円 、 前売り 三千五百 円 。 電話 03・5670・3371 へ 。 「 セスナ 機 」 と いう 言葉 を 初めて 聞いた の は 小学校 の ころ 、 友達 の 口 から だった と 思う 。 彼 は それ を 軽 飛行機 の 代名詞 と して 得意 げ に しゃべった 。 以来 、 私 は この 仕事 に 就く まで 、 これ が 特定の メーカー の 特定の 商品 を 指す もの と は 全く 知ら ず 、 軽 飛行機 の こと を 指す もの と ばかり 思って いた 。 こういう 例 は 、 特別に 知識 を 持た ない 人 に とって は よく ある ことだ 。 ウォークマン や エレクトーン が 商品 名 な の は 知ら れて いる 方 だろう 。 ほか に も 混乱 し がちな もの を 一部 挙げて みる と 、 アクアラング 、 キャタピラー 、 クレパス 、 ジッパー 、 セメダイン 、 タバスコ 、 チャック 、 ポラロイドカメラ 、 ポリバケツ 、 マジックインキ …… 。 また 、 略称 だ と 思って 使って いたら 商品 名 など だった と いう 例 も ある 。 えび せんべい に 対する えびせん 、 セロハンテープ の セロテープ 、 テレホンカード の テレカ 、 ラジオコントロール の ラジコン …… 。 カタカナ が 圧倒 的に 多い の は 現代 日本 語 の 状況 を 反映 して いる こと も ある だろう が 、 伝統 的な 一般 呼称 が なかった もの や 新しい もの が 多い と いう こと で も ある と 思う 。 技術 革新 など で 全く 新しい 商品 が 現れる と 、 その 普及 力 が 強い ほど 、 その 商品 名 が 私 たち の 記憶 に 植え付け られて しまう の かも しれ ない 。 また 、 洪水 の ごとき 宣伝 に よる ところ も 大きい ので は ない か と 思う 。 セスナ と いう 言葉 を 教えて くれた 友 や 私 が 無自覚 の うち に 企業 の 宣伝 塔 に なって いた と 考える の は 愉快な こと で は ない 。 だが 、 子供 の ころ 模型 工作 に 使った 接着 剤 が 「 セメダイン 」 と いう 名前 で 私 の 中 に 定着 して いる の も 確かである 。 近代 彫刻 の 草分け ・ 高村 光雲 の 没後 60 年 を 記念 した 写真 展 「 木彫 ・ 高村 光雲 」 が 、 東京 ・ 銀座 の 和光 ホール で 開催 中 だ 。 十三 日 まで 、 入場 無料 。 写真 の 作者 は 光雲 の 三男 、 豊周 の 長男 で 、 光雲 の お 孫 さん に あたる 高村 規 さん 市井 の 木彫 師 から 東京 美術 学校 の 教授 に 上り詰め 、 明治 、 大正 、 昭和 の 三 代 に わたって わが国 彫刻 界 の 中心 だった 光雲 だ が 、 「 その 作品 集 が 一 冊 も ない こと が 納得 いか なかった 」 と 規 さん 。 手 を 尽くして 調べた 結果 、 百十三 点 が 現存 。 所蔵 先 は 宮内 庁 、 美術 館 、 個人 と 多岐に わたって いた が 、 「 普通 、 撮影 許可 が 下り ない 所 も 、 私 が 血 を 分けた 孫 と いう こと で 、 快く 協力 して くれ ました 」 。 「 彫刻 写真 は 彫刻 家 の 感性 が そのまま 表れて しまう 」 と いう 規 さん に とって 、 撮影 は 偉大な 祖父 と の 真剣 勝負 だった ようだ 。 艾澤 詳子 が 絵画 や 彫刻 を 離れて 、 版画 に 転じた の は 七〇 年 代 以降 である 。 この 転身 の プロセス は 、 現在 の 作家 の 表現 を 考察 する 上 でも 、 いろんな 示唆 を 含んだ もの だ 。 たしかに 作品 の 需給 上 の 問題 を 度外 視 して も 、 単独 で しか 存在 し ない 作品 を 複数 化 さ せ たい と いう 心理 が 、 作家 の 側 に 働く の は あり 得 ない こと で は ない 。 しかし 、 ここ で 注目 し たい の は 、 版画 の 複数 性 より も 、 その 表現 と して の 間接 性 の 方 な のだ 。 版 づくり から 刷り 上がり まで の 版画 制作 工程 は 、 作家 自身 の 目 と 手 に 直接 ゆだね られた 絵画 や 彫刻 と は 、 ずいぶん ちがって いる 。 とりわけ 完成 状態 が 想像 の 中 で しか 存在 でき ない の が 、 厄介で も あり かつ スリリングな ところ だろう 。 艾澤 の 手がける 銅版画 の 場合 は 、 これ に 腐食 の 偶発 性 も 加わる から 作家 の コントロール の 幅 は 、 もっと 狭まる こと に なる 。 つまり 艾澤 が 、 この 間接 性 を あえて 選んだ の は 、 ある 時 から 自己 中心 的な 造形 主義 に 対する 懐疑 の 念 が 強まった せい で は なかろう か 。 それ は 七〇 年 代 の 文化 状況 と も 無縁で は ない だろう が 、 艾澤 の その後 の 表現 展開 に 大きく 道 を 開いた と いえる 。 具体 的な 対象 物 で も なければ 、 観念 の こしらえもの で も ない 特異な イメージ が 、 その 間接 的な 手法 に よって 次々 と 生み出さ れて いった から だ 。 今回 発表 さ れた 近作 群 を 見て も 、 艾澤 の 充実 ぶり が 生々しく 伝わって くる 。 版画 に 対する 人々 の 既成 観念 を 引っくり返す ような 強 さ を 、 それ ら は みなぎら せて いる と いって いい 。 画面 を ねっとり と 覆って いく 黒い 流れ 。 微妙な 濃淡 や ザラッと した 質感 や ヒダ か シワ の ような 起伏 と 、 その 流れ に からみつく 毛髪 状 の 細い 線 に よって 、 黒 一 色 の 世界 に 多彩な 表情 や 息づかい が 刻みこま れる 。 見える はず も ない 生命 の 核心 に ひそむ もの が 、 姿 かたち を 取って 立ち現れた ような 心地 と いおう か 。 また 床 に は 図柄 を プリント した 紙 粘土 の 小さな 曲 立体 が 、 板 に 乗せて 一 列 に 並べて ある が 、 ここ から も 艾澤 の 表現 の 特異 さ を 味わう こと が できよう 。 一九四九 年 生まれ 。 10 日 再開 、 20 日 まで 、 東京 ・ 日本橋本 町 1 の 3 、 ギャラリー 砂翁 ・ トモス 。 既成 録音 や コンピューター ・ サウンド を 多用 し 、 ダンス 音楽 と して 発生 した 、 いわゆる アシッド ・ ジャズ も ブーム を 終え 、 結局 中身 の ある 奴 が 残る と いう 安定 期 を 迎えた 。 その 先頭 を 走る ジャミロクワイ = 写真 = が 93 年 秋 に 続き 2 度 目 の 来 日 を 果たす 。 サウンド は 70 年 代 の ファンク を 下敷き に 、 打ち込み を 一切 使わ ず 、 民族 楽器 を 使った グルーブ 感 重視 の もの 。 それ に リーダー ・ JK の エコロジカルに して 反 権力 的な 歌 が 乗り 、 さらに JK 風 と しか 言いよう の ない 特異な 衣装 で ファッション 的な 仕上げ を 施す 。 前回 の ライブハウス は 身動き の とれ ない 状態 だった ので 今回 は ホール 中心 。 2 月 末 から 3 月 中旬 まで 全国 11 カ所 で 。 3 月 4 、 5 日 は 追加 公演 。 昨年 の 公演 で 面白 過ぎた レニングラード ・ カウボーイズ も 好評 に 応えて の 再 来 日 。 楽し さ 抜群 の フィンランド の 音楽 隊 。 シャンプー は もしかすると ブレイク する かも しれ ない 美 少女 ロリポップ 2 人 組 。 かわい さ 抜群 。 高橋 克典 は 演技 者 より 歌手 の 自分 を アピール する 。 ふり絞る ハスキーな 歌唱 は 魅力 。 オン は 橘 いずみ が どう 武道 館 を 処理 する か 。 テイク 6 は 黄金 の コーラス 。 写真 で 首 に 巻いて いる マフラー は 、 インタビュー の 直前 に 歌手 の 荻野目 洋子 さん に プレゼント さ れた もの である 。 ナラダ は 8 年 前 に 彼女 の アルバム を プロデュース して おり 、 荻野目 ちゃん が 、 彼 の 来 日 を 知って 表敬 訪問 した のだ 。 ナラダ は 、 荻野目 ちゃん を 見る やいなや 、 最も 親しい 友 に する ように 、 抱きつき 、 ほお に キス し 、 健康 を 尋ね 、 荻野目 ちゃん を 振り回さ ん ばかりに 親愛 の 情 を 表す 。 彼 の 仕事 は プロデューサー である 。 ケニー G 、 ホイットニー 、 シーナ ・ イーストン など 80 年 代 以降 、 手掛けた 作品 の ほとんど が プラチナ ・ アルバム と なって いる 。 元々 は 、 ドラマー 。 フュージョン 時代 の 『 マハビシュヌ ・ オーケストラ 』 を 経て 、 ジェフ ・ ベック と 「 ワーヤード 」 も 作った 。 体力 派 である 。 荻野目 ちゃん を 振り回す くらい 訳ない 。 しかし 、 いわゆる 体育 会 系 の ノリ で は ない 。 自ら の その パワー は 神 と 心 の 中 から 冥想 めいそう を 介して やってくる 、 と 、 正面切って のたまう 。 インド 哲学 の 思想 家 スリ ・ チンモイ に 師事 して 20 年 以上 たつ 。 そもそも 「 ナラダ 」 と は 、 光 と 熱情 と 喜び を 天から 地 に 運び 、 地上 から 経験 を 天 に 運ぶ 意味 だ と いう くらい 哲学 的な のだ 。 例えば 、 こう 言う 。 「 結局 、 ベビー ・ ブーマー ・ ジェネレーション は 経済 発展 に 尽くした だけ で 祈り と 冥想 、 つまり 、 神 と 語る こと と 自ら と 語る こと を 忘れた 。 確かに 人生 は むずかしい が 、 愛 の 花 を 心 の 中 に 育てる こと を 考え なきゃ ね 」 …… そこ で 自分 ひと り じゃ 作り出し 得 ない 音楽 の プロデュース に 乗り出した 、 と ? 「 私 に とって プロデュース は 単に 仕事 な んだ 。 金 を もうけ ない と 好きな こと が でき ない だろう 」 ナラダ は そう 言い ながら 、 「 仕事 」 の 付き合い だけ の はずの 荻野目 ちゃん の マフラー を 巻き っ放し で インタビュー に 応じた 。 割り切って ない んじゃ ない の ? 「 私 は 虎 な んだ 。 好物 は 平和 。 平和 と いう の は 、 ダイナミックに 勝ち取る もの な の さ 」 水泳 と 冥想 を 日課 と し 、 どう猛に 愛 を 説く この 男 に とって プロデュース が 生み出す 音楽 的 平和 こそ 天上 に 持ち帰り たい 経験 な の か 。 彼 の 「 仕事 」 は 4 月 17 、 18 日 、 シャニース や 、 ウェザー ・ リポート 、 モナ ・ リサ を 擁して の 「 スーパープロデューサーズ ’ 95 」 日本 武道 館 公演 で 体験 できる 。 ミュージカル や 映画 の 中 から 生まれ 、 半 世紀 の 間 、 歌い 継が れた スタンダード ・ ポップス は 、 あらゆる ジャンル の 歌手 を 魅了 する らしい 。 最近 、 クラシック 界 から シルビア ・ マクネアー の 「 ジェローム ・ カーン ・ ソングブック 〜 シュア ・ シング 」 、 カントリー 界 から ケニー ・ ロジャース が 「 タイム ・ ピース 」 、 ポップス から バリー ・ マニロウ の 「 ウィズ ・ ザ ・ ビッグ ・ バンド 」 と いう 具合 に 立て続け に 発表 さ れた 。 どれ も 「 粋 」 の 衣装 を まとい ながら 個性 的である 。 マクネアー は 、 一九八五 年 から スタンダードに 手 を 染めて 、 ガーシュイン や カーン 、 ポーター と 録音 を 続ける キリ ・ テ ・ カナワ に 刺激 さ れた ようで 、 プロデュース に フィル ・ ラーモン 、 ピアノ に A ・ プレビン を 招いて の 意欲 作 。 地声 を 多用 した ポップジャズ 的 アプローチ だ が 、 品 の よい 大人 の 味 の 「 煙 が 目 に しみる 」 など が 楽しめる 。 ケニー は 「 ニアネス ・ オブ ・ ユー 」 など 、 哀感 と 風格 たっぷり に 、 また バリー は 、 力 感 あふれ ビビッドに 聞か せる 。 名 演出家 二 人 が 最後に 演出 した 作品 二 本 が 、 相次いで 上演 さ れる 。 * 十 日 から 東京 ・ 六本木 の 俳優 座 劇場 で 公演 の 俳優 座 「 カラマーゾフ の 兄弟 」 。 先月 二十一 日 、 九十 歳 で 逝去 した 俳優 座 代表 で 演出 家 、 千田 是也 の 文字通り 最後 の 演出 作品 である 。 昨年 十一 月 八 日 に 横浜 公演 を 皮切り に 大阪 、 京都 、 名古屋 など で 上演 、 千田 は 横浜 公演 に 駆け付ける など 、 意欲 を 見せて いた 。 千田 は 、 公演 パンフレット で 演出 の 狙い に ついて 「 これ まで ドストエフスキー と いう と 、 宗教 的 側面 が 強調 さ れ 、 人間 の 悪 を 暴き出す こと に 重点 が おか れ がちでした 。 実は 逆で 、 これほど 人間 を 愛し 重んじた 作家 は 少ない ので は ない か 」 と 書いて いる 。 ヒューマニズム に 力点 の かかった 「 カラマーゾフ の 兄弟 」 だ 。 中野 誠也 、 川口 敦子 、 森 一 ら 。 * 十一 日 から 東京 ・ 銀座 セゾン 劇場 で 上演 の ロベール ・ トマ 作 「 シャンブル ・ マンダリン 」 。 昨年 十 月 九 日 に 八十八 歳 で 去った 劇作家 ・ 演出 家 の 飯沢 匡 の 演出 作品 だ 。 亡くなる 前 に 演出 プラン が 出来て いた ため 、 飯沢 プラン 通り 演出 が 行わ れた 。 演出 補 ・ 松波 喬介 。 「 シャンブル ・ マンダリン 」 は 、 一九七四 年 パリ で 初演 の コメディー で 、 大 どんでん返し の ある 六 話 の オムニバス である 。 黒柳 徹子 が 六 話 すべて の 女 主人公 に ふんする 。 ほか に 、 小松 政夫 、 石野 陽子 、 金子 信雄 ら が 出演 。 新春 に 毎年 オペラ 「 椿 姫 」 を 見る 楽しみ が 定着 し つつ ある 。 悲しい 人間 の 業 を 描いた オペラ だ が 、 華やかな 舞台 が 正月 に ふさわしい 。 毎年 、 今年 の 椿 姫 は だれ が 歌う の か な 、 と 考える だけ でも 楽しい 。 今年 は 初 登場 で は なく ジュシー ・ デヴィヌー = 写真 、 斉田 正子 の ともに アンコール 組 。 とりわけ ジュシー ・ デヴィヌー は 、 これ まで の 名だたる 十 人 余 の ソプラノ の なか で 最高の 椿 姫 と 断言 して いい 。 この 役 の 難し さ は 、 まず 声 を 叙情 的な もの から 劇的な もの まで 使い分け なければ なら ない こと 、 容姿 も 美しく 、 けなげで 可憐な 雰囲気 が にじみでて ほしい こと ―― など 、 およそ オペラ 歌手 が 要求 さ れる 最 高度の もの を いく つ も 求め られる ところ に ある 。 デヴィヌー は それ を ほぼ すべて そろえて いた 。 ムーティ が ばってき した だけ の こと は あり 、 カラス 以来 初めて スカラ 座 の 聴衆 が 泣いた と いう “ 伝説 ” も うなずける 。 特に ピアニシモ の 美し さ は 見事 。 14 日 6 時 半 、 16 日 3 時 、 オーチャード 。 問い合わせ は 03・5466・3181 。 香港 映画 「 スウォーズマン ・ 女神 伝説 の 章 」 は 、 荒唐無稽 ながら アクション ・ ファン に は こたえ られ ない おもしろ さ だ 。 製作 は 「 チャイニーズ ・ ゴースト ・ ストーリー 」 シリーズ の ツイ ・ ハーク 、 監督 も 同 シリーズ や 「 テラコッタ ・ ウォリア ・ 秦 俑 」 の チン ・ シュウタン 。 香港 オカルト ・ ムービー の 伝統 を 引く なまめかし さ と 、 人間 が 宙 を 飛ぶ ワイヤ ・ アクション が すごい 。 時 は 明 の 時代 。 豊臣 秀吉 の 天下 統一 に 抵抗 する 武士 たち は 中国 南部 へ 渡航 、 反乱 軍 の 日月 教 と 組んで 荒らし 回って いた 。 若き 剣士 リン は 日月 教 を 支配 する 男装 の 美女 ・ 東方 不敗 と 出会い 、 すさまじい 闘争 に 巻き込ま れて いく 。 日本 の 忍者 軍 と 中国 剣士 たち の 空 飛ぶ アクション 。 チャンバラ の 迫力 が 並 の 映画 と 違う 。 ただし この 映画 は 十三 日 まで で 、 十四 日 から は 続編 の 「 スウォーズマン ・ 女神 復活 の 章 」 。 アクション の おもしろ さ で は 「 女神 伝説 」 の 方 が 断然 だ 。 正月 だ から 、 演劇 の 「 原点 」 シェークスピア を 見て み たい 。 十 日 から 東京 ・ 新宿 の 紀伊 国 屋 ホール で 「 オセロー 」 が 始まる 。 平 幹二朗 の オセロー を 軸 に 、 ヒロイン ・ デスデモーナ に オペラ 歌手 の 鮫島 有美子 、 イアーゴー に 村井 国夫 と いう 異色の 組み合わせ が 、 まず 楽しい 。 演出 ・ 栗山 民也 。 平 は シェークスピア 劇 三十七 全 作品 に 出演 する の が 夢 で 、 昨年 「 マクベス 」 「 テンペスト 」 「 ヴェニス の 商人 」 など 精力 的に 取り組んで きた 。 二十二 年 ぶり と いう 「 オセロー 」 で 、 今年 の シェークスピア 劇 の 皮切り と する わけだ 。 「 『 オセロー 』 は 難しい 。 オセロー の 嫉妬 が 、 悲劇 と いう より むしろ 喜劇 的に なり やすい 。 イアーゴー が 書か れ 過ぎて いる こと も ある んです が 、 オセロー と イアーゴー の バランス が とても 微妙 。 今回 は 、 デリケートな 感覚 を 大事に して 、 きちんと 悲劇 と して 成立 さ せる 」 と 平 。 21 日 まで の 紀伊国屋 ホール の 後 、 25 日 から 新神戸 オリエンタル劇場 と 日本 縦断 の 公演 。 問い合わせ は 03・5379・6620 。 台湾 大学 病院 は 八 日 、 カレー を 黄色く する 多年 草 「 ウコン 」 を 使った がん 治療 法 の 臨床 試験 に ついて 当局 から 許可 を 得た と して 、 近く 同 試験 を 始める こと を 明らかに した 。 研究 者 ら は これ まで に 、 ウコン が 細胞 に 成長 の 合図 を 送る 遺伝子 を 抑制 する 働き が ある こと を 突き止めて いる 。 同 病院 の 医師 ら は この 働き を 利用 し 、 遺伝子 を 抑える こと で 、 がん の 成長 を 抑制 できる と みて いる 。 インド や 米国 、 ハンガリー の 医師 ら も ウコン を 使って がん の 治療 法 の 研究 を して いる が 、 臨床 試験 を 行う の は 初めて と いう 。 病院 側 は 成功 すれば ウコン で 薬 を つくり 、 売り出し たい と して いる 。 ハト が マンション の ベランダ に 巣 作り した と いう 住民 の 苦情 が 大阪 や 東京 など 都市 部 で 急増 して いる が 、 大阪 府 緑 の 環境 整備 室 の 鈴木 宏介 専門 員 ら は 、 ハト が “ 安全 確認 ” の ため 最初に 手すり に 止まる と いう 習性 を 逆手 に とった 独自の 撃退 方法 を 見つけた 。 ハト は 鳥獣 保護 法 の 対象 で 駆除 でき ず 、 さまざまな 業者 が ハト よけ 法 の 開発 に しのぎ を 削って いる なか 「 成功 率 百 % 」 の ハト 公害 解消 策 と して 注目 さ れて いる 。 大阪 府 で は ハト の ふん や 鳴き声 に 関する 苦情 、 相談 は 十 年 前 に は なかった が 、 最近 二 、 三 年 は 年間 千 件 を 超えて いる 。 東京 都 も 同様で 、 現在 は 二十三 区 だけ で 年間 推計 約 五百 件 。 雨 が 当たら ない ベランダ の 棚 、 エアコン の 室 外 機 など に ハト が 巣 を 作る 。 特に 、 共働き 、 独身 など 、 人 の 出入り が 少ない マンション に 被害 が 集中 して いる と いう 。 鈴木 専門 員 は 、 ハト が 巣 作り したり 、 巣 に 戻る 際 に は まず 、 ベランダ の 手すり の 上 に 乗って 周り の 様子 を うかがい 、 初めて 次の 行動 に 移る と いう 習性 に 注目 。 手すり の 両端 の 上 に 、 クギ を 打った 木片 を 固定 し 、 細く 丈夫な テグス を 手すり の 上 五 ― 六 センチ に 張った 。 すると 、 ハト が 止まろう と して も 、 足 で テグス を 握る こと が でき ず 、 寄りつか なく なった と いう 。 これ まで 、 専門 業者 は 光 を 反射 する 目玉 の 風船 や 、 磁石 で ハト の 方向 感覚 を 狂わせる など の 方法 を 試みて きた が 、 ハト が 慣れたり 、 使用 法 が 難しかったり して 効果 は いま一つ だった 。 大阪 府 は 五 年 前 から 、 この 新しい 方法 を 年間 四十 ― 五十 人 に 勧めて いる が 、 いま の ところ 、 失敗 した と いう 報告 は 一 件 も ない 、 と いう 。 日本 野鳥 の 会 会員 で も ある 鈴木 専門 員 は 「 ハト が 都市 に 増えた の は 、 共働き 家庭 の 増加 など 人間 生活 の 変化 が 一因 。 ハト が 子育て を して いる 場合 は 、 巣立ち まで 追い立てる の を 待って もらって いる 」 と 話して いる 。 ロシア の 軌道 ステーション 「 ミール 」 で 宇宙 長期 滞在 実験 中 の ワレリー ・ ポリャコフ 飛行 士 は 九 日 、 滞在 三百六十七 日 目 に 入り 、 従来 の 連続 宇宙 滞在 記録 三百六十六 日間 を 破る 新 記録 を 達成 した 。 ポリャコフ 飛行 士 は なお ミール に とどまり 、 四百二十九 日間 まで 記録 を 伸ばす 。 過去 に 二百四十一 日間 の 宇宙 滞在 歴 が ある 同 飛行 士 は 、 昨年 一 月 八 日 に カザフスタン の バイコヌール 宇宙 基地 から 飛び立った 。 医師 である 同 飛行 士 は 、 長 期間 の 無 重力 生活 が 人体 に 与える 影響 を 調査 、 来るべき 火星 へ の 有人 飛行 の ため の データ を 集めて いる 。 火星 へ の 飛行 に は 片道 約 一 年 かかる と さ れる 。 長期 滞在 実験 は 、 昨年 八 月 に 食料 など 補給 物資 を 積んだ 無人 宇宙 船 「 プログレス 」 が ミール へ の ドッキング に 失敗 し かけ 、 実験 中断 の 危機 に 見舞わ れた 以外 は 順調に 進み 、 ポリャコフ 飛行 士 の 体調 も 良好 と いう 。 これ まで の 宇宙 連続 滞在 記録 は 、 ソ連 時代 の 一九八七 年 から 八八 年 に かけて チトフ 、 マナロフ 両 飛行 士 が 達成 した 三百六十六 日間 。 女子 バレーボール の 大林 素子 が 八 日 、 イタリア ・ リーグ の アンコナ で プロ デビュー し 、 チーム の 勝利 に 大きく 貢献 した 。 ペルージャ 戦 で 、 背番号 「 4 」 を つけ 先発 出場 した 大林 は 持ち前 の 強打 など で 10 得点 、 16 得 権 。 守備 面 で は コンビ が 合わ ない 場面 も あった が 、 それ を 割り引いて も 余り ある 大 活躍 。 チーム は 15 ― 7 、 15 ― 7 、 15 ― 5 で ストレート 勝ち した 。 アンコナ は 現在 、 12 チーム で 争わ れて いる イタリア ・ リーグ で 他の 2 チーム と ともに 最下 位 と 低迷 中 。 チーム は 大林 の 加入 で 上位 進出 に 期待 を かけて いる 。 名古屋 空港 で 昨年 四 月 に 起きた 中華 航空 機 墜落 事故 の 日本 人 遺族 と 台湾 人 遺族 で 作る 「 中華 航空 機 事故 遺族 会 連絡 会 」 メンバー が 九 日 午前 、 運輸 省 航空 事故 調査 委員 会 を 訪れ 、 来月 七 日 に 開か れる 同 事故 の 意見 聴取 会 の 公述人 に 、 遺族 代表 と 生存 者 の 乗客 の 各 一 人 を 選ぶ よう 求める 要望 書 を 提出 した 。 メンバー ら は 「 私 たち 遺族 は 、 座席 の 位置 と 遺体 の 損傷 状況 を 独自に 調査 した 。 墜落 後 の 消火 活動 が 万全 なら 助かった 乗客 が 多い と いう 証拠 も 集まった 」 と 説明 。 さらに 「 生存 者 の 白井 徳康 さん は 事故 機 内 の 状況 を 詳しく 覚えて いる 。 機長 ら が 酒 を 飲んで いた 現場 も 目撃 する など 、 貴重な 体験 を 事故 原因 究明 に 役立てて もらい たい 」 と して いる 。 意見 聴取 会 は 、 航空 事故 原因 究明 の ため 事故 関係 者 ら から 意見 を 集める 手続き 。 事故 調 は エアバス 社 、 中華 航空 関係 者 ら に 公述 を 委嘱 する ほか 、 学識 経験 者 ら から 公述 の 申し出 を 受け付けて いる 。 しかし 、 これ まで 学識 経験 の ない 遺族 が 公述人 に 選ば れた 例 は ない 。 神奈川 県 で 昨年 、 知事 選 に 関する 二 つ の おもしろい 調査 が 行わ れた 。 一 つ は 、 公明 県 本部 が 十二 月 上旬 、 党員 と 知人 約 千三百 人 に アンケート した もの 。 「 望ましい 知事 候補 の 職業 」 と の 問い に 「 学者 ・ 文化 人 」 を 挙げた 人 が トップ を 占め 、 二 位 の 「 現職 の 政治 家 」 に 倍 近い 差 を つけた 。 もう 一 つ は 、 同県 の 地方 政党 、 神奈川 ネットワーク が 十一 月 、 会員 と 一般 市民 三千七百 人 を 対象 に 行った もの 。 こちら で 「 知事 に ふさわしい 人 」 の 一 位 に なった の は 「 市民 運動 に 取り組む 人 」 で 「 学者 ・ 文化 人 」 が 続いた 。 どちら も 身近な 人 の 意見 を 集めた もの だ から 、 これ で 県民 全体 の 意向 が 分かった と は いえ ない 。 まして 全国 の 傾向 を 推しはかる の も むり が ある 。 だが 、 今や 知事 候補 の 最大 の 母体 に なって いる 「 中央 官僚 」 が 、 ネットワーク の 調査 で は 十五 位 に とどまり 、 公明 の 調査 でも 、 六 つ の 選択肢 の 中 で 最下 位 に なった こと は 興味深い 。 今年 は 統一 地方 選 の 年 。 年明け と ともに 各地 で 、 知事 候補 の 選考 が 大詰め を 迎えて いる 。 知事 と いえば 、 まず 官僚 が 挙がる 。 「 政治 的 中立 性 」 を 建前 と して きた 官僚 は 政党 の 合従 連衡 に は 極めて 都合 が いい のだろう 。 でも 調査 を 見る と 、 この ご都合主義 に 有権者 は 一 番 シラケて いる 。 任期 満了 に 伴う 岡山 県 勝田 郡 勝北 町 の 町議 選 が 八 日 投票 さ れ 、 即日 開票 した ところ 、 投票 用紙 の 中 から カラー コピー の 偽造 投票 用紙 百二十二 枚 が 見つかった 。 この ため 町 選挙 管理 委員 会 は 深夜 に なって 開票 作業 を 中断 、 用紙 の 点検 を 行い 、 偽造 用紙 を 除外 して 再 集計 し 、 九 日 午前 一 時 四十 分 に ようやく 確定 した 。 岡山 県警 は 公選 法 違反 の 疑い で 捜査 を 始めた 。 同 町議 選 は 町長 選挙 と の ダブル選挙 で 実施 。 しかし 、 開票 作業 を 続けて いる うち 、 各 候補 の 得票 総数 が 投票 者 数 を 上回る こと が 判明 。 チェック した ところ 、 偽造 が 分かった 。 偽造 用紙 に 書か れて あった 候補 者 名 は 十 人 に のぼり 、 一 人 当たり 五十九 ― 二 票 投票 さ れて いた 。 偽造 用紙 は 本物 より 紙 が 薄 めで 、 朱色 で 印刷 さ れた 文字 や 公印 の 部分 が 不鮮明 。 一見 した だけ で は 分から ない が 、 点検 作業 で 一枚 ずつ 手 に 取って みて 、 偽造 と 分かった 。 同 選管 は 投票 の 際 、 何者 か が 投票 用紙 を 持ち出して 大量に コピー 、 別の 人物 が 改めて それ を 投票 した 可能 性 も ある と みて いる 。 町 公民 館 の 開票 所 に は 日付 が 変わって も 選挙 結果 が 発表 さ れ ず 、 各 陣営 の 運動 員 ら 四 、 五十 人 が 押しかけ 、 説明 を 求めて 混乱 した 。 東京 ・ 田園調布 の 他人 の 土地 を 不正 売却 しよう と した 地面 師 詐欺 未遂 事件 で 、 警視 庁 捜査 二 課 と 原宿 署 は 九 日 まで に 、 千葉 県 成田 市 東 金山 、 不動産 会社 社長 、 榎本 洋一 容疑 者 を 詐欺 未遂 容疑 で 逮捕 した 。 この 事件 で の 逮捕 者 は 三 人 目 。 調べ に よる と 榎本 容疑 者 は 、 椎名 仁 、 増田 政美 両 容疑 者 ら と 共謀 し 、 他人 の 宅地 四五〇 平方メートル の 登記 簿 謄本 など を 偽造 。 先月 二十一 日 、 この 土地 を 渋谷 区 内 の 会社 役員 に 不正に 売却 し 、 一億六千万 円 を だまし 取ろう と した 疑い 。 長野 県 南安曇 郡 安曇 村 の 北 アルプス ・ 前穂高岳 に 登山 中 の 「 関西 お たっしゃ くらぶ 」 の 三 人 パーティー が 、 下山 予定 日 の 六 日 を 過ぎて も 連絡 して こ ない と 、 登山 仲間 が 八 日 夜 、 豊科 署 に 届け出た 。 同 署 に よる と 、 三 人 は 昨年 十二 月 三十 日 、 上高地 から 入山 。 三 日 早朝 、 前 穂高岳 北 尾根 付近 で 同行 した 仲間 二 人 と 別れた まま 行方 が 分から なく なった 。 九 日 午前 零 時 四十 分 ごろ 、 東京 都 江戸川 区 一之江 三 、 パチンコ 店 「 サン 一之江 駅前 店 」 に 二 人 組 が 押し入り 、 大石 店長 に けん銃 の ような もの を 突きつけ 「 金庫 の カギ を よこせ 」 と 脅した 後 、 手足 など を 粘着 テープ で 縛り 、 現金 約 六百万 円 を 奪って 逃げた 。 警視 庁 小松川 署 は 二 人 の 行方 を 追って いる 。 九 日 午前 五 時 四十五 分 ごろ 、 宇都宮 市 花房 三 の マンション 住民 から 「 駐車 場 に 人 が 倒れて いる 」 と 一一〇 番 通報 が あった 。 倒れて いた の は 同 市 内 の 会社 員 の 二男 、 私立 高 一 年生 で 、 全身 を 強く 打ち 死亡 して いた 。 宇都宮 中央 署 で 動機 など を 調べて いる が 、 生徒 の 部屋 に 「 世の中 が いやに なった 」 と ノート に 走り書き した 遺書 が 残さ れて いた 。 生徒 は 、 前夜 は 家族 と 夕食 を 食べた 。 父親 が 九 日 午前 四 時 半 ごろ 、 トイレ に 起きた 際 、 生徒 の 部屋 の 電気 は ついて いた と いう 。 未明 に 家 を 出て 、 九 階建て の 同 マンション から 飛び降りた らしい 。 この 日 は 三 学期 の 始業 式 で 制服 姿 だった 。 東京 、 神奈川 、 千葉 、 埼玉 など 首都 圏 の 多く の 公立 学校 で 九 日 、 三 学期 の 始業 式 が 行わ れた 。 東京 都 墨田 区立 隅田 第 二 小 で は 福田 勅子 校長 の 「 力 を 合わせて 良い 年 に 」 と いう あいさつ の 後 、 児童 が 短冊 に 今年 の 抱負 や 願い を 書き 、 小さな 気球 に 結び付けて 飛ばす 一風 変わった 新 学期 の スタート 。 「 一 年 の 夢 や 希望 が 天 に 届いて 、 かなう ように 」 と 学校 側 が 考案 。 気球 は クラス ごと に 計 十四 個 用意 さ れ 、 「 なわ跳び が 上手に なり ます ように 」 「 マラソン 大会 は 頑張る ぞ 」 など と 一人ひとり が 書いた 短冊 が それぞれ の 気球 と 地面 を つなぐ 約 十 メートル の ロープ に 結び付け られた 。 気球 が 上がり 始める と 、 児童 から 「 すごい 」 「 お 願い を かなえて 」 と 歓声 が 上がった 。 九 日 午前 九 時 五 分 ごろ 、 東京 都 中央 区 日本橋 浜 町 二 、 都営 新宿 線 浜 町 駅 1 番線 ホーム で 、 線路 に 飛び降りた 女性 が 本八幡 発 笹塚 行き の 電車 に はね られ 全身 を 強く 打って 即死 した 。 久松 署 の 調べ で は 、 女性 は 五十 ― 六十 歳 、 身長 一五四 センチ で 、 茶色 ハーフコート 、 ジーンズ 姿 。 自殺 と みて 身元 確認 を 急いで いる 。 この 事故 で 、 計 十六 本 の 電車 に 最高 三十 分 の 遅れ が 出 、 乗客 一万七千 人 の 足 が 乱れた 。 東京 ・ 品川 の 京浜 急行 青物 横丁 駅 で 昨年 十 月 、 都立 病院 医師 が 射殺 さ れた 事件 で 、 野本 正巳 容疑 者 に けん銃 を 売り渡した と して 銃刀 法 違反 など の 罪 に 問わ れた 元 暴力 団 幹部 、 石原 秀夫 被告 の 初 公判 が 九 日 、 東京 地裁 で 開か れ 、 石原 被告 は 起訴 事実 を 全面 的に 認めた 。 検察 側 は 「 けん銃 と いう 危険 物 を 一般 人 に まで 広めた 極めて 悪質な 事件 。 金もうけ と いう 犯行 の 動機 も 酌量 の 余地 は ない 」 と 懲役 七 年 、 罰金 百万 円 を 求刑 した 。 判決 は 来月 二 日 に 言い渡さ れる 。 求刑 に 先立って 行わ れた 冒頭 陳述 など で 、 検察 側 は 、 石原 被告 が 求め に 応じて 、 いったん は モデル ガン と 弾丸 三 、 四 発 を 渡した もの の 、 野本 容疑 者 から 「 けん銃 に 弾 が 入ら ない 」 と 言わ れ 、 本物 の けん銃 と 交換 した こと など を 明らかに した 。 全国 の 国 公 私立 の 普通 科 高校 の 校長 で 組織 する 「 全国 普通 科 高等 学校 長 会 」 の 検討 会 が 、 高校 教育 の あり 方 を テーマ に した 報告 書 の 中 で 、 受験 競争 解消 の ため に は 「 義務 教育 段階 で の 入試 を 禁止 する くらい の 思い切った 方策 が 必要 」 と いう 一 文 を 掲載 した こと に 私学 団体 が 反発 。 同 校長 会 あて に 文章 の 削除 を 求める 意見 書 を 出して いた こと が 分かった 。 校長 会 側 は 「 問題 提起 と して 盛り込んだ だけ で 、 校長 会 と して の 統一 見解 で は ない 」 と して いる が 、 私学 関係 者 は 「 私立 中学 を 否定 する もの だ 」 と 怒り 、 同 校長 会 に 対して 、 見解 を 求めて いる 。 この 報告 書 は 「 新しい 高校 像 を 求めて 」 と 題さ れ 、 昨年 十 月 の 同 校長 会 総会 で 発表 さ れた 。 まとめた の は 、 校長 会 の 「 高校 基本 問題 検討 特別 委員 会 」 。 日本 の 高校 教育 の あり 方 や 将来 像 を 、 海外 の 教育 事情 など を 織り交ぜ ながら 検討 。 分析 した 結果 を まとめた もの で 、 教育 の 多様 化 、 弾力 化 や 、 偏差値 重視 の 教育 の 改善 など を 求めて いる 。 問題 と さ れた の は 、 「 各 方面 へ の 提言 」 と いう 項目 。 その 中 で 「 受験 競争 に よる ゆがみ の 一 つ は 競争 の 低 年齢 化 に より 、 のびやかな 子供 時代 が 失わ れる こと である 。 これ に 対して は 義務 教育 段階 で の 入試 を 禁止 する くらい の 思い切った 方策 が 必要で は ない か 」 と いう 提案 が なされた 。 これ に 反発 した の が 私立 の 中学 、 高校 の 団体 「 日本 私立 中学 高等 学校 連合 会 」 。 先月 末 、 同 校長 会 あて に 「 提言 は あまりに も 現状 認識 を 欠いた もの 」 と する 意見 書 を 出した 。 意見 書 は さらに 、 「 私立 の 場合 、 入試 は 義務 教育 段階 でも 長年 に わたって 社会 的に も 認め られて いる 。 安易な 禁止 論 は 今日 の 学校 教育 の 不備 を 他 に 転嫁 する もの 」 など と 反論 。 報告 書 の 記述 の 削除 を 求めた 。 「 入試 を 禁止 する と いう の は 穏やかで は ない 表現 。 現に 存在 して いる 私立 中学校 が 否定 さ れる こと に なる 。 きちんと した 説明 と 削除 を お 願い し たい 」 と いう 。 一方 、 報告 書 を まとめた 森山 委員 長 は 「 提言 の 中 で は 四・四・四 制 など に 変える こと など も 提案 さ れて おり 、 入試 禁止 も 、 問題 提起 の 一 つ の つもり だ 。 校長 会 と して の 統一 見解 で は なく 、 あくまで 委員 会 の メンバー の 意見 を 盛り込んだ もの 。 その こと は 発表 の 席上 でも 述べた 。 私学 から 反対 が 出て いる と すれば 、 ある 意味 で は それ も 当然 と 思う 」 と 話す 。 校長 会 側 も 「 報告 書 は あくまでも 中間 的な もの 。 最終 報告 書 を まとめる 際 の “ たたき台 ” で 、 その プロセス で さまざまな 意見 が 出る の は 当然だ 。 きちんと 受け止め 、 対応 して いき たい 」 と して いる 。 米国 の 多く の 地域 が 悪 天候 に 見舞わ れ 、 大規模な 竜巻 や 暴風 雨 で 六 日 から 八 日 まで の 三 日間 で 合計 二十 人 も の 死者 が 出た 。 最も 被害 が 大きかった の は フロリダ 州 マリオン 郡 。 同 郡 保安 官 事務 所 スポークスマン に よる と 、 同地 で 七 日 、 竜巻 が 起き 、 幅 七百五十 メートル で 二十キロ に わたって 猛威 を 振るい 、 一 人 が 死亡 、 三十 人 が 負傷 し 、 三百 人 が 家 を 失った 。 また 、 カリフォルニア 州 北部 は 七 日 、 瞬間 風速 が 六七 メートル に も 達する 暴風 雨 に 襲わ れ 、 二 人 が 死亡 、 数十 人 が 負傷 した ほか 、 約 二万 世帯 が 停電 と なった 。 米 東海 岸 沿い の 地域 も 悪 天候 で 道路 が 凍結 し 、 合計 十七 人 の 犠牲 者 が 出た と いう 。 今日 も 「 地上 に おける 損害 は 極めて 軽微 なり 」 と “ ただし書き ” が ついて いる 。 大本営 の 公式 発表 だけ でも 緊迫 度 は 分かる 。 近畿 の ほとんど の 小 、 中 、 高校 で 九 日 、 三 学期 の 始業 式 が あった 。 大阪 市 港 区 の 市立 三先 小学校 で は 午前 八 時 四十 分 ごろ から 、 校庭 で 式 が 始まり 、 子供 たち は 、 元気に 集まった が 、 中 に は 、 せき を したり 、 ちょっと 寒 そうに 背中 を まるめて 出て くる 姿 も あった 。 大西 楢寿 校長 は 「 イノシシ 年 です が 、 ちょっと 立ち止まって 考え られる 元気な 子供 に なり ましょう 」 と 三 学期 の 目標 など を 話した 。 この後 、 子供 たち は 教室 に 入り 、 冬 休み に 書いた 書き初め や 図工 の 作品 など を 提出 した 。 国際 結婚 した 両親 を 持つ 奈良 市 の 男性 二 人 が 、 ダブル の 会 「 バイカルチュラルクラブ 関西 」 の 設立 準備 を 進めて いる 。 西 日本 で は ほとんど ない グループ 。 二 人 は 「 “ 倍 ” の 文化 に 触れたり 、 教育 を 受けた 者 同士 で 、 気楽に 酒 でも 飲み ながら 二 つ の “ 祖国 ” など を 語る ような ネットワーク に し たい 」 と 考えて いる 。 大阪 市立 大 四 年 、 福沢 トール 明 さん と 会社 員 、 糠谷 幸裕 さん 。 福沢 さん は 日本 人 の 父 と ノルウェー 人 の 母 を 、 糠谷 さん は インドネシア 人 の 父 と 日本 人 の 母 を 持つ 。 二 人 は ともに 地元 の 学校 に 通った が 、 混血 児 である こと を 理由 に いじめ られ 、 「 僕 って 何 人 だろう 」 と 悩んだ 経験 を 持つ 。 二 人 は 「 関東 に ある ダブル の 会 を 関西 で 作ろう 」 と 決め 、 ダブル の 友人 たち に 、 結成 を 呼びかけて いる 。 将来 的に は 同じ 境遇 の 子供 たち や 家族 の 相談 相手 に なり たい と 考えて いる 。 福沢 さん は 「 僕たち は 、 生まれながら 二 つ の 文化 に 接した 。 こんな 大きな 財産 を 分かち あえる 仲間 を 増やし たい 」 。 糠谷 さん は 「 傷 の なめ あい で は なく 、 ダブル が 集まり 、 いろんな 分野 の 人 たち と 知り合う きっかけ に 」 と 話して いる 。 問い合わせ は 糠谷 さん 。 大阪 府警 の 年頭 視 閲 が 九 日 午前 、 大阪 府 吹田 市 の 万博 記念 公園 ・ お祭り 広場 で 行わ れた 。 制服 警官 約 千四百五十 人 が 参加 。 前田 健治 本 部長 の 巡視 や 年頭 訓示 が あり 、 十一 月 に 大阪 で 開か れる アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 など 今年 も 重要 課題 を 抱えて いる だけ に 、 参加 した 警官 は 例年 に も まして 真剣な 表情 だった 。 昨年 九 月 に あった 沖縄 県 伊良部 町 の 町議 選 に 絡む 無 投票 工作 の ため の 買収 疑惑 を 捜査 して いた 沖縄 県警 捜査 二 課 と 宮古 署 は 九 日 朝 、 町議 会 議長 で 会社 役員 、 豊見山 恵栄 容疑 者 ら 現職 議員 十五 人 を 含む 二十三 人 を 公選 法 違反 容疑 で 逮捕 した 。 調べ で は 、 同 町 国仲 、 建設 業 、 手登根 勝 容疑 者 は 、 九 月 六 日 告示 の 町議 選 を 無 投票 に する ため 、 逮捕 さ れた 議員 十五 人 が 出し合った 現金 四百五十万 円 を 告示 日 の 六 日 、 同 町 池間添 、 元 町議 で 農業 の 長嶺 晴治 容疑 者 に 、 また 百万 円 を 告示 翌日 の 七 日 、 新人 で 出馬 予定 だった 同 町 池間添 、 会社 員 、 大浦 暁江 容疑 者 と 夫 の 会社 代表 、 貞治 容疑 者 の 二 人 に 渡した 疑い 。 大浦 暁江 容疑 者 と 長嶺 容疑 者 は 直前 に なって 出馬 を 取りやめた 。 長嶺 容疑 者 と 大浦 夫婦 は 、 立候補 を 取りやめた 報酬 と 知り ながら 現金 を 受け取った 疑い 。 残り 四 人 の 町民 は 仲介 した 疑い 。 民間 の 信用 調査 機関 に よる と 、 大手 学習 ノート メーカー 「 極東 ノート 」 の ゴルフ 場 の 所有 権 移転 に 絡み 、 昨夏 、 社長 が 会社 更生 法 違反 など の 疑い で 書類 送検 さ れた 大阪 市 北 区 の コンサルタント 会社 「 ナビック 」 が 九 日 まで に 、 二 回 目 の 不渡り 手形 を 出して 事実 上 倒産 した 。 極東 ノート の ゴルフ 場 事業 の 行き詰まり など で 、 経営 難 に 陥った と み られる 。 輸入 が 解禁 さ れた 米国 産 リンゴ の 輸入 第 一 船 が 名古屋 港 に 入港 、 九 日 午前 、 植物 検疫 と 通関 手続き が 行わ れた 。 解禁 は 、 昨年 五 月 の ニュージーランド 産 に 次ぐ 第 二 弾 。 輸入 商社 に よる と 、 米国 産 リンゴ は 一 個 五十 ― 百 円 で 、 日本 産 より 二 、 三 割 安い と いう 。 この 日 、 検査 さ れた の は ワシントン 州 から 輸出 さ れた 「 レッドデリシャス 」 、 五二 トン 。 神戸 港 で は 、 神戸 植物 防疫 所 職員 が 、 大手 商社 など が シアトル から 輸入 した ワシントン 州 産 ゴールデンデリシャス 、 レッドデリシャス 計 約 四二〇 トン を 検査 した 。 リンゴ は 神戸 や 大阪 の 卸売 市場 を 通じて 午後 から 、 京 阪 神 の 小売 店 の 店頭 に 並ぶ 。 沖縄 県 名護 市 で 行方 不明に なり 、 遺体 で 見つかった 子ども 三 人 の うち 、 同 市 名護 、 林業 、 上間 次男 さん の 長男 一明 君 が 通う 東江 小 は 九 日 朝 、 全校 集会 を 開いて 級友 の 死 を 報告 、 悲しみ を 新たに した 。 同 小 で は 六 日 が 始業 式 だった が 、 三 人 の 遺体 が 七 日 午後 見つかって から 初めて の 登校 日 。 謝花 校長 は 連日 の 捜索 の 疲れ と 遺体 発見 の ショック で 「 めまい が する 」 と 欠勤 した 。 体育 館 で あった 集会 は 、 比嘉 啓文 教頭 が 代理 で 「 三 人 の 捜索 に は 大勢 の 人 たち の 協力 が あった 。 人間 は 一 人 で は 生き られ ない 。 このような こと が 二度と 起きて は いけない 」 と 話し 、 子ども たち は 静かに 聴き入った 。 最後に 全員 で 黙とう 。 一明 君 ら 三 人 の めい福 を 祈った 。 二 年 一 組 に ある 一明 君 の 机 に は 、 赤い カーネーション や バラ の 花束 と 一明 君 が 使って いた けん盤 ハーモニカ が 供え られた 。 司法 解剖 を 終えた 三 人 の 遺体 は 八 日 夜 、 遺族 に 引き渡さ れた 。 九 日 午後 、 名護 市 内 で 葬儀 ・ 告別 式 が ある 。 大阪 ・ ミナミ の メーン 商店 街 、 戎橋筋 の 商店 街 振興 組合 で 、 終戦 の 混乱 期 に さかのぼる “ 土地 争い ” の とばっちり で アーケード の 全面 改装 工事 が 大幅に 遅れて いる 。 地元 の 不動産 業者 が 、 闇市 時代 から 道路 に はみ出して いる 店舗 の 敷地 の 所有 権 を 主張 し 、 道路 管理 者 の 国 ・ 大阪 市 を 相手どり 訴え を 起こした ため 。 戦後 五十 年 。 商都 の 繁華街 に 残る 戦争 の 痕跡 が 思わぬ 形 で クローズアップ さ れた 格好だ 。 問題 の 土地 は 大阪 市 中央 区 難波 三 の 戎橋筋 西側 の 一角 。 市道 の 通り に はみ出した 長 さ 約 三六 メートル 、 幅 約 八〇 センチ の 部分 。 現在 は レコード 店 など 三 店 が 建って いる 。 地元 の 不動産 業者 が 昨年 二 月 、 国 など を 相手どり 、 大阪 地裁 に 所有 権 確認 の 訴え を 起こし 、 係争 中 。 訴状 など に よる と 、 付近 一帯 は 、 戦争 末期 、 大阪 大 空襲 など で 大半 が 焼失 。 終戦 直後 、 業者 が この 近辺 で 所有 して いた 土地 は 闇市 に 占拠 さ れた 。 訴え を 起こした 土地 は その 一部 で 、 一九四七 年 に 地上 に 無断 で 建物 を 建てた 三 人 と 賃貸借 契約 を 締結 。 その後 、 建物 所有 者 が 変わる たび に 賃貸借 契約 を 更新 し 、 現在 の 三 店 と も 同様の 契約 を 結んで いる と いう 。 業者 の 主張 は 、 自分 の 所 有物 で なくて も 一定 期間 占有 すれば 所有 権 が 認め られる 民法 一六二 条 の 取得 時効 を 根拠 に した もの 。 「 賃貸借 契約 に 伴い 、 四七 年 から 占有 して おり 、 遅く と も 六七 年 十二 月 末 で 取得 時効 が 成立 した 」 と して いる 。 これ に 対し 国 や 市 側 は 「 公共 用 財産 と して の 形態 や 機能 を 失って い ない こと など から 取得 時効 は 成立 し ない 」 など と 応酬 し 、 全面 的に 争って いる 。 一方 、 同 振興 組合 は 一昨年 七 月 から 総 工費 約 十八億八千万 円 を かけ 老朽 化 した 旧 アーケード の 全面 改装 工事 を 始めた 。 同時に 通り に 並ぶ 店舗 と 道路 の 境界 を 整理 する こと に し 、 市 や 商店 街 関係 者 が 、 この 不動産 業者 ら に 対し 建物 を 境界 まで 戻す よう 交渉 して きた 。 しかし 、 問題 の 土地 に ついて 不動産 業者 が 所有 権 を 主張 し 、 裁判 に 持ち込んだ ため らち が あか ず 、 関西 国際 空港 の 開港 に 合わせた 昨年 十 月 に 完成 の 予定 も 大幅に 遅れた 。 この ため この 土地 の 建物 部分 だけ を 残して 今年 三 月 を めど に 工事 を 完成 さ せる こと に して いる 。 同 振興 組合 は 「 完全に 新築 でき ない の は 困る が 、 判決 を 待つ わけに は いか ず 、 最善 の 方法 を とった 。 今後 、 中立 の 立場 で 裁判 を 見守り たい 」 と 話して いる 。 九 日 午前 七 時 二十 分 ごろ 、 京都 市 西京 区 桂後水 町 の 桂川 右岸 堤防 斜面 で 女性 が 死んで いる の を 、 出勤 途中 の 会社 員 が 見つけた 。 首 に 細い ヒモ 状 の もの で 絞め られた 跡 が あり 、 京都 府警 捜査 一 課 は 桂 署 に 捜査 本部 を 設置 、 殺人 、 死体 遺棄 事件 と して 捜査 を 始めた 。 調べ で は 、 女性 は 年齢 二十 ― 四十 歳 、 身長 約 一六〇 ― 一七〇 センチ 。 灰色 の トレーナー 、 紺 の ジーパン 姿 で 、 白 の カジュアルシューズ を はいて いた 。 死後 約 半日 で 、 堤防 の 外側 斜面 に うつ伏せ の 状態 で 死んで いた 。 捜査 一 課 など は 、 女性 の 身元 の 確認 を 急ぐ と ともに 、 付近 に 争った 跡 が ない こと など から 、 他の 場所 で 殺害 さ れ 、 捨て られた と 見て いる 。 現場 は 阪急 桂 駅 の 北東 約 一・五キロ 。 夜間 は 人通り は ほとんど ない と いう 。 九 日 午前 六 時 五十五 分 ごろ 、 兵庫 県 川西 市 柳谷 の 路上 で 、 同 市 清和台 西 四 、 会社 員 、 多方 吉勝 さん が 頭から 血 を 流して 死んで いる の を 通りかかった 人 が 見つけ 一一〇 番 した 。 川西 署 の 調べ で は 、 現場 は 県道 が 立体 交差 して おり 、 陸橋 に なった 柳谷 大橋 から 飛び降りた らしい 。 同 署員 が 自宅 を 調べた ところ 、 多方 さん の 妻 が 居間 の 布団 の 中 で 、 中学 三 年生 の 長女 が 自室 の ベッド で 死んで いた 。 同 署 は 自宅 に あった 多方 さん の 日記 に 「 妻 を 殺した 」 と の 記述 が ある こと など から 一家 心中 事件 と みて 調べて いる 。 調べ で は 、 二 人 の 首 に 絞め られた ような 跡 が あり 、 司法 解剖 して 詳しく 死因 を 調べる 。 居間 に あった 日記 に は 、 家庭 内 の もめ事 に ついて 書か れて おり 、 同 署 は 多方 さん が 将来 を 悲観 して 妻 と 長女 を 道づれ に 心中 を 図った と みて いる 。 多方 さん は 、 豊中 市 の 全日空 整備 小型 機 事業 部 に 勤務 。 約 二十 年間 に わたり ヘリコプター の 整備 士 を して いた 。 長女 は この 日 が 始業 式 。 中学 に よる と 、 バレーボール 部 に 属し 、 活発で 明るい 性格 だった と いう 。 北九州 市 八幡東 区 内 の 中学校 で 、 現金 を 脅し取ったり 暴行 を 加える 事件 が 頻発 、 松葉づえ で 通学 して いた 生徒 ら に けが を さ せて いた こと が 分かり 、 福岡 県警 八幡東 署 は 九 日 、 中学 二 年 の 男子 生徒 二 人 を 傷害 、 暴行 容疑 で 逮捕 した 。 調べ で は 、 二 人 は 昨年 十二 月 十三 日 校 内 で 、 授業 中 に 骨折 し 松葉づえ で 通学 して いた 中 三 の 男子 生徒 に 現金 を 要求 した が 断ら れた ため 、 頭 を コンクリート 壁 に 打ちつけたり 顔 を 殴る など した 疑い 。 翌日 は 骨折 して いた 足 を けったり した と いう 。 同 十四 日 、 中 一 の 男子 生徒 に 因縁 を つけ 、 顔 や 腹 など を 殴ったり けった 疑い 。 被害 に あった 二 人 は 一 週間 の けが 。 中 一 の 生徒 は 事件 後 、 大河内 君 の 自殺 を テレビ で 見 ながら 「 僕 が 死んだら 遺書 を 残す 」 と 母親 に 話して いた と いう 。 さらに 、 中 一 男子 生徒 へ の 暴行 を 止め に 入った 先生 に も ける など し 一 週間 の けが を さ せた 疑い も ある 。 二 人 は 同 校 の 八 人 の 不良 グループ の 中心 メンバー 。 分かって いる だけ でも 十 人 以上 の 生徒 から 現金 を 脅し取ったり 、 暴力 を 働いて いた らしく 、 グループ を 恐れて 登校 拒否 を して いる 生徒 が 六 人 確認 さ れて いる 。 同 署 は グループ 内 の 別の 生徒 に ついて も 容疑 が 固まれば 書類 送検 する 方針 。 私 年号 約 40 例 が 記録 さ れ 、 宗教 上 の 理由 で 元号 を 呼び 替えたり 、 民衆 が ききん や 圧政 へ の 抵抗 の 意味 で 使った 。 7 世紀 の 「 白鳳 」 「 朱雀 」 が 知ら れる 。 大蔵 省 は 九 日 、 信託 銀行 の 不良 債権 の 処理 を 促進 する ため 、 一九九五 年 三 月 期 決算 で 信託 銀行 各 行 が 積み立てて いる 特別 留保 金 の 取り崩し を 認める 方針 を 決めた 。 三菱 銀行 の 子会社 と して 経営 再建 中 の 日本 信託 銀行 が 、 二千億 円 を 超える 不良 債権 の 償却 原資 と して 活用 する こと を 同 省 に 打診 して いた もの で 、 五二 年 に 同 留保 金 制度 が 創設 さ れて 以来 、 初めて の 取り崩し に なる 。 信託 銀行 の 不良 債権 処理 を 促す こと で 、 金融 秩序 の 維持 を 図る 狙い も ある もの と み られる 。 特別 留保 金 は 、 信託 銀行 が 元本 保証 して いる 貸付 信託 の 運用 に あたって 、 元本 割れ が 生じた 場合 に 顧客 に 対して 元本 を 補てん する ため に 積み立てて いる 資金 。 財産 を 信託 銀行 に 預けて いる 顧客 の 保護 を 目的 と して いる 。 信託 銀行 は 、 この 貸付 信託 を 主力 商品 と して おり 、 顧客 から 集めた 元本 を 企業 に 対する 長期 融資 など で 運用 、 運用 益 の 一部 を 顧客 に 配当 する 形 を とって いる 。 しかし 、 バブル 時代 に 不動産 業界 など に 積極 的に 融資 した こと が 、 バブル 崩壊 で 裏目 に 出て 、 信託 銀行 は 軒並み 信託 勘定 部門 に 巨額の 不良 債権 を 抱える 結果 に なった 。 特に 日本 信託 銀行 は 不動産 融資 の 焦げ付き で 信託 勘定 の 不良 債権 が 膨らんで おり 、 大蔵 省 は 「 特別 留保 金 を 取り崩して 不良 債権 処理 を 促進 する こと は 顧客 保護 に も 通じる 」 と 判断 した 。 日本 信託 は 、 九四 年 九 月 末 で 二千三百十三億 円 の 不良 債権 を 抱えて 経営 苦境 に 陥り 、 同 十一 月 に 三菱 銀行 が 二千億 円 の 第三者 割当 増資 を 引き受けて 、 三菱 銀 の 子会社 と して 経営 再建 を 図る こと に なった 。 九五 年 三 月 期 に 不良 債権 を 全額 償却 する 方向 で 検討 を 進めて おり 、 三百六十六億 円 の 特別 留保 金 を 取り崩して 償却 原資 の 一部 と し たい 考え だ 。 国連 人権 委 当局 者 は 九 日 、 毎日新聞 に 対し 、 旧 日本 軍 に よる 従軍 慰安 婦 問題 調査 の ため 、 「 女性 に 対する 暴力 問題 」 の ラディカ ・ クマラスワミ 特別 報告 官 を 団長 と する 国連 調査 団 が 、 早ければ 四 月 に も 訪 日 する こと を 明らかに した 。 戦争 責任 に 関する 国連 調査 団 の 訪 日 は 初めて 。 民間 基金 の 設立 で 慰安 婦 問題 の 決着 を 図ろう と する 日本 政府 は 、 国際 的に 厳しい 立場 に 追い込ま れ そうだ 。 人権 委 当局 者 に よる と 、 クマラスワミ 報告 官 は 昨年 末 、 事務 局 に 対して 調査 団 派遣 に 必要な 当該 国 政府 の 合意 を 得る ため 公式 要請 状 の 作成 を 指示 。 日本 、 韓国 など アジア 数 カ国 へ の 要請 状 は 近く 伝達 さ れる 。 訪 日 の 時期 は 、 今月 三十 日 から 開催 さ れる 人権 委 で クマラスワミ 報告 官 の 予備 報告 書 が 採択 さ れた 後 の 四 、 五 月 ごろ が 有力だ と いう 。 今月 公表 した 女性 の 人権 侵害 全般 に ついて の 予備 報告 書 の 中 で 、 クマラスワミ 報告 官 は 、 慰安 婦 問題 に ついて 「 戦後 五十 年 が 経過 して いる が 、 過去 の 問題 で は なく 、 今日 の 問題 と して 考える べきだ 」 と 指摘 。 「 一九九二 年 に 日本 政府 は 謝罪 した が 、 補償 問題 は 今後 、 解決 さ れる べきだ し 、 その 行為 は 国際 人道 法 の 下 で 犯罪 と して 認定 さ れる べきだ 」 と 述べ 、 当事 者 の 責任 から 処罰 に 至る 厳しい 姿勢 を 明確に して いる 。 訪 日 調査 と それ に 続く 本 報告 書 作成 でも 、 この 基本 姿勢 は 維持 さ れる と み られる 。 クマラスワミ 報告 官 は 、 人権 委 に おいて 予備 報告 書 が 採択 さ れた 後 、 当事 国 へ の 現地 調査 を 実施 。 韓国 など 元 慰安 婦 から の 聞き取り 調査 を はじめ 、 日本 政府 から 事実 関係 や 補償 問題 へ の 対応 策 など を 調査 し 、 これ を 踏まえて 本 報告 書 作成 に 入る 。 満州 事変 の 後 、 当時 の 国際 連盟 が リットン 調査 団 を 派遣 した こと が ある が 、 国連 が 日本 に 調査 団 を 派遣 する の は 初めて 。 慰安 婦 問題 で は 人権 委 差別 小 委 の 補償 問題 特別 報告 官 だった ファン ・ ボーベン 氏 が 九二 年 末 に 訪 日 した が 、 民間 団体 の 招待 で 私人 の 立場 だった 。 クマラスワミ 報告 官 は スリランカ の 自宅 で 、 毎日新聞 の 電話 取材 に 対し 「 日本 政府 が 訪問 を 受け入れ 、 公表 する まで 、 私 から は コメント でき ない 」 と 述べた 。 輸入 が 解禁 さ れた 米国 産 リンゴ の 第 1 便 が 9 日 、 検疫 手続き を 終え 、 首都 圏 の 大手 スーパー など で 初めて 売り出さ れた 。 荷揚げ は 東京 、 横浜 など 5 港 で 5 日 から 始まり 、 9 日 は 約 4000 トン が 通関 。 午後 、 一斉に 出荷 さ れた 。 東京 都 目黒 区 碑文谷 の ダイエー 碑文谷 店 で は 、 午後 5 時 すぎ から 販売 を 開始 。 M 玉 1 個 50 円 の 「 お 試し 価格 」 も あって 、 主婦 ら の 人気 を 集めて いた 大手 スーパー の 標準 的な 小売 価格 は 国産 より 2 ― 3 割 安い 同 80 円 に なり そうだ 。 村山 富市 首相 は 九 日 、 同 党 閣僚 、 久保 亘 書記 長 ら 党 三役 と 相次いで 会談 し 、 党内 情勢 の 把握 を 急ぐ と ともに 、 離党 者 を 最小 限 に 抑える ため の 善後策 を 検討 した 。 午後 六 時 半 から は 、 首相 公邸 に 党 三役 を 緊急に 招集 。 席上 、 村山 首相 は 「 党 の 機関 と して 新党 問題 に 取り組み 、 党 全体 が まとまる 方向 で 進めて もらい たい 」 と 述べ 、 党 分裂 と いう 事態 を 回避 する ため 、 三役 の 尽力 を 要請 した 。 久保 書記 長 は 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 と の 会談 に ついて 「 山花 さん は 方針 を 変え られる 雰囲気 で は ない 。 新党 準備 会 に 参加 する の は 『 約 三十 人 に なり そうだ 』 と 言って いた 」 と 報告 した 。 超 党派 の 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 は 九 日 、 呼び掛け 人 の 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 、 川端 達夫 、 海江田 万里 、 粟森 喬 の 四 氏 に よる 初 会合 を 開き 、 通常 国会 召集 の 前日 十九 日 まで に 新党 結成 を 目指す こと で 一致 。 新党 の 理念 、 政策 など を 協議 する 二 回 目 の 会合 を 十二 日 に 開く こと を 決めた 。 山花 氏 は 席上 、 「 社会党 から 準備 会 に 二十 ― 三十 人 が 参加 する 」 と 述べた 。 うち 十五 人 前後 は 離党 の 意思 を 固めて いる と いわ れ 、 同 党 の 分裂 の 可能 性 は 一段 と 高まった 。 毎日新聞 の 九 日 まで の 調査 で 、 準備 会 に 参加 した 同 党 衆 参 国会 議員 は 二十三 人 に 上る が 、 さらに 増える 見込み 。 こうした 党 内 状況 に 、 村山 富市 首相 は 九 日 夕 、 久保 亘 書記 長 ら 党 三役 を 招集 し 、 党 分裂 回避 に 全力 を 挙げる よう 指示 した 。 準備 会 会合 で は 、 四 氏 が 各 党派 から の 参加 者 数 に ついて 報告 。 山花 氏 は 、 準備 会 参加 申込 書 を 提出 した 社会党 議員 が 二十 人 を 上回り 、 さらに 三十 人 を 目標 に 働きかけ を 続けて いる と 説明 した 。 海江田 氏 は 民主 新党 クラブ から の 参加 が 三 人 に なる 見通し を 明らかに した 。 川端 、 粟森 両氏 は 各 党 内 で 同調 者 を 募って いる と 説明 した 。 新党 の 結成 時期 に ついて 、 粟森 氏 は 「 連合 内 の 調整 が 済んで い ない 」 と 慎重な 考え を 示した もの の 、 国会 召集 前 の 新党 結成 を 目指す こと を 確認 した 。 記者 会見 で 川端 氏 は 「 新党 が できれば 、 新進党 を 離党 する 」 と 語った 。 新民連 は これ に 先立ち 、 衆参 院 議員 二十九 人 が 参加 して 総会 を 開き 、 山花 氏 が 、 今後 の 新党 問題 の 協議 は 準備 会 で 進める 考え を 表明 し 、 新民連 は 事実 上 、 活動 停止 状態 に なった 。 総会 で は 山花 氏 の 行動 を 「 性急だ 」 と 批判 する 意見 も 出さ れた 。 また 、 山花 氏 は 同日 夕 、 党 本部 で 久保 書記 長 と 会談 、 党 内 の 準備 会 参加 者 が 三十 人 近い こと と 、 今月 中旬 に 新党 を 結成 する 考え を 伝えた 。 久保 氏 は 「 固い 決意 を うかがった 。 党 と して 十 分 受け止め 、 対応 を 検討 する 」 と 答えた 。 9 日 まで の 毎日新聞 の 取材 など で 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 参加 が 確認 さ れた 議員 。 カッコ 内 は 主な 支持 労組 。 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら が 発足 さ せた 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 に 、 九 日 まで の 毎日新聞 の 取材 で は 、 社会党 から 二十三 人 の 衆参 院 議員 が 参加 した こと が 明らかに なった が 、 この ほか に も 参加 する と み られる 議員 が 数 人 おり 、 準備 会 へ の 参加 者 は さらに 増える 見通し 。 しかし 、 一方 で 「 準備 会 参加 と 離党 して 新党 に 参加 する か どう か は 別 問題 」 と いう 議員 も いる 。 最終 的に 何 人 が 離党 して 新党 に 参加 する か は なお 流動 的だ 。 山花 氏 ら は 六 日 の 準備 会 発足 以後 、 「 最低 でも 二十 人 」 を 目標 に 社会党 内 から の 参加 者 を 募って おり 、 この 目標 は 達成 さ れた こと に なる 。 準備 会 参加 を 明らかに した 議員 の 顔ぶれ を 見る と 、 支援 を 受けて いる 労組 の 意向 が 反映 して いる こと が はっきり する 。 新党 推進 派 の 全逓 は 、 田辺 誠 元 委員 長 ら 組織 内 候補 の ほとんど が 名 を 連ねた 。 また 、 全 電通 も すでに 離党 届 を 提出 して いる 吉岡 賢治 衆院 議員 ら 大半 が 参加 した 。 これ に 対し 、 社会党 支持 の 最大 労組 、 自治労 は 村山 富市 首相 の 出身 母体 である こと から 、 党 分裂 を 引き起こし かね ない 新党 構想 に は 批判 的で 、 すでに 「 新民連 所属 の 自治労 系 議員 十数 人 は 準備 会 に 一 人 も 参加 さ せ ない 」 と の 方針 を 固めて いる 。 ただ 、 準備 会 に 参加 表明 を した と は いえ 、 電機 連合 の 組織 内 議員 である 中村 正男 、 大畠 章宏 両 衆院 議員 は 電機 連合 の 方針 が 定まって い ない ため 、 離党 問題 に は 言葉 を 濁して いる 。 この ほか 、 「 離党 目的 で は ない 」 など と する 議員 も いる 。 「 準備 会 参加 者 は 除名 を 覚悟 して いる 。 最終 的に は 離党 する だろう 」 と の 見方 も ある が 、 準備 会 参加 が 直ちに 離党 ― 新党 参加 に つながる か どう か は 不明な 情勢 だ 。 五十嵐 広三 官房 長官 は 九 日 開か れた 衆 参 両院 の 議院 運営 委員 会 理事 会 で 、 第 百三十二 通常 国会 を 二十 日 に 召集 する こと を 正式に 報告 した 。 会期 は 百五十 日間 。 衆院 議 運 委 理事 会 で は 与党 側 が 二十 日 に 開会 式 と 村山 富市 首相 の 施政 方針 演説 など を 行い 、 二十三 、 二十四 の 両日 に 各 党 代表 質問 を 行う 日程 を 提案 した 。 年 の 初め から 愚痴 を 言い たく は ない が 、 政治 家 の 言動 に 心 に 響く もの が 乏し すぎる 。 なぜ だろう か 。 変革 期 の さなか な のに 、 と 思う 。 昨年 、 ある 対話 集会 で 、 九十七 歳 、 参院 議員 OB の 加藤 シヅエ が 「 一 日 に 三 度 の 感動 体験 を ! 」 と 訴えた と いう 。 その 言葉 に 心 を 洗わ れた 、 と 児童 文学 者 の 山花 郁子 が 年 末 の 『 朝日新聞 』 に 投書 して いた 。 山花 貞夫 新 民主 連合 会長 の 姉 である 。 年明け 、 山花 ら が 手がけよう と して いる 民主 リベラル 新党 の 旗 揚げ は 果たして 人々 の 心 を 揺さぶる だろう か 、 感動 体験 に なり うる だろう か 、 と 不安 が 強い 。 そんな こと を 考え ながら 、 今年 も 「 政局 の キーマン ・一九九五 年 版 」 の 十 人 を 選んで みた 。 政界 の こと だ 。 水面 上 に 現れる 人 、 潜る 人 、 と さまざまで 入れ替わる 。 九四 年 版 は 、 市川 雄一 、 小沢 一郎 、 鹿野 道彦 、 久保 亘 、 河野 洋平 、 後藤田 正晴 、 武村 正義 、 羽田 孜 、 細川 護煕 、 横路 孝弘 、 渡辺 美智雄 の 十一 人 だった 。 この うち 、 一 年 後 も ポスト 名 が 変わって い ない の は 、 社会党 書記 長 の 久保 と 北海道 知事 の 横路 の 二 人 だけ 。 変転 の 激し さ が しのば れる 。 さて 、 今年 ―― 。 「 ホームランバッター だ が 、 ポカ も 多い 」 と いう 小沢 評 を 先日 聞いた 。 新進党 結成 は ホームラン の はずだった が 、 拍手 が 少ない の は 、 器 優先 で 魂 が 入って い ない から だ 。 数 を 整えて から 何 か を やる 、 と いう 発想 は 古い 。 小沢 らしく も ない 。 二 年 余 前 の 旧 竹下 派 分裂 で 、 一方 の 経世会 会長 に 納まった ころ 、 小沢 を 引き合い に 、 「 『 小 ・ 小 戦争 』 と 言う けれども 、 『 沢 ・ 渕 戦争 』 だ 。 泥沼 化 して いる 」 と 言った こと が あった 。 その後 は 小沢 ばかり が 目立った が 、 「 沢 ・ 渕 」 が 雌雄 を 決する とき が 近づいた 。 選挙 ずくめ の 今年 、 小渕 は 自民党 の 選挙 準備 を 取り仕切る 。 動 と 静 、 剛 と 柔 、 乱 と 和 の 対照 。 共通 点 は 二 人 と も 人気者 で は ない 。 キーマン な の か どう か 判然と し ない が 、 はずす わけに いか ない ところ が 海部 ならでは の 生命 力 。 昨年 六 月 末 、 すんでのところで 「 二 度 目 の 首相 」 に なり かけた 。 せめて 、 「 明日 の 内閣 」 首相 の 観念 論 で ない 施政 方針 演説 を 早々 に 聞いて み たい 。 ハムレット ・ 久保 の 渋面 を 見る の は 忍びない 。 誠意 の 人 だけ に だれ も が そう 思って いる 。 「 薩摩 の 男 は 優柔不断 」 と いう 声 も 聞か れ だした 。 ここ は ひと つ 、 大局 的 決断 を 。 五 党首 の なか で ただ 一 人 、 昭和 ふた けた 世代 。 策 を 練り 人 を 集める より も 、 ひたすら 汗 を かく こと で 地歩 を 築いて きた 。 その 手法 で 秋 の 総裁 再選 に たどりつける か 。 険しい 道のり 。 今年 の キーワード は 「 改革 から 創造 へ 」 だ と 言う 。 チェンジ と クリエート の 微妙な 違い 。 そこ に 武村 の 気負い と 野心 が 漂う 。 第 三 勢力 結集 に どこ まで 踏み込む か 。 一 年 前 、 「 小沢 に 刃向かう 武村 と 、 小沢 と つき合う 羽田 、 どちら に 軍配 が あがる か 」 と 書いた が 、 今年 も 難 レース が 続く 。 還暦 と も なれば 、 そう 流儀 も 変え られ まい 。 きょう から の 訪 米 を 、 最初 は 「 難儀じゃ 」 と いやがった と いう 。 国 を 背負う こと の 難儀 さ と 男冥利 。 村山 投手 の コントロール も 岐路 に 立って いる 、 と みる べき か 。 「 山花 新党 」 秒読み 。 しかし 、 これ を めぐる おびただしい 論議 に は 色気 が ない 。 政治 も 一種 の 人気 稼業 。 ステキ 、 と 思わ せる もの が ほしい 。 「 行革 の ミッチー 」 の 売り出し は いい 。 行政 改革 を 断行 し ない 村山 政権 なら 縁 を 切る 、 と こんど こそ 勝負 に でる ことだ 。 社会党 分裂 を 引き起こし つつ ある 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら の 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 発足 に 、 自民党 内 で は 次第に 警戒 感 が 広まって いる 。 執行 部 は 、 表向き 「 第 三 極 構想 自体 は 理解 できる 」 と 静観 して いる もの の 、 社会党 から の 離党 者 が 「 二十 人 を 超える と 政権 基盤 が 危うく なる 」 と の 見方 から だ 。 森 喜朗 幹事 長 は 九 日 の 記者 会見 で 「 政権 を 持って いる 重み と 責任 を 考えて ほしい 」 と 新民連 の 行動 を 批判 し 「 村山 首相 を 出して いる 社会党 が 首相 を 支える の は 政治 の 哲学 だ 」 と 重ねて 不 快感 を 表明 した 。 この 「 不 快感 」 は 党 内 共通 の もの で 、 同日 午後 の 与党 院 内 総務 会 で は 、 深谷 隆司 ・ 自民党 院 内 総務 が 「 国会 は 新進党 が 誕生 し 大変な 状況 に なる 。 自民党 は 文句 を 言わ ず に 村山 首相 を 支えて いる のに 、 社会党 の 中 が 混とんと して いる の は どういう こと か 」 と 社会党 幹部 を 前 に いら立ち を 見せた 。 この 背景 に は 、 新民連 が 新進党 と 連携 する ので は ない か 、 と いう 懸念 が ある 。 離党 の 動き を みせて いる 議員 の 中 に は 新進党 と 選挙 協力 を 協議 して いる と いわ れる 議員 も おり 「 新進党 と 組み たい と 思って いる なら 、 そう はっきり 言った 方 が 分かり やすい 」 と いう わけだ 。 一方 、 渡辺 美智雄 元 副 総理 ・ 外 相 は 同日 、 記者 団 に 対し 「 社会党 が 分裂 すれば 村山 内閣 の 支持 率 は 低下 する 。 自民党 が 巻き添え に なって は かなわない 。 予算 が 成立 した 段階 で 解散 す べきだ 」 と 衆院 解散 に 踏み切る よう 求めた 。 大内 啓伍 前 民社党 委員 長 や 柿沢 弘治 旧 自由党 党首 ら 衆院 議員 八 人 が 昨年 末 に 設立 した 新党 「 自由 連合 」 は 九 日 、 衆院 に 会派 結成 を 届け出た 。 新進党 の 小沢 一郎 幹事 長 は 九 日 の 記者 会見 で 、 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新民連 会長 ら に よる 民主 リベラル 新党 準備 会 の 動き に ついて 、 「 新党 であれ 、 新 会派 であれ 形成 さ れて 、 こういう 考え 方 で いき たい と いう こと であれば 、 互いに 話 を し なくて は なら ない 」 と 述べ 、 「 民主 リベラル 新党 」 の 結成 と 、 その後 の 連携 に 期待 を 示した 。 新党 と の 選挙 協力 に ついて は 「 はじめ に 選挙 協力 あり き で は 『 野合 』 に なる 」 と した うえ で 、 「 一緒に やって いける のならば 公認 発表 の 前 が 便宜 上 好ましい 」 と 述べ 、 新進党 が 二 月 に 予定 して いる 次期 衆院 選 の 公認 候補 者 の 決定 前 に も 、 山花 氏 ら と 話し合う 用意 が ある こと を 明らかに した 。 新進党 は 九 日 、 海部 俊樹 党首 や 小沢 一郎 幹事 長 ら に よる 四 役 会議 など を 開き 、 次期 通常 国会 へ の 対応 方針 を 協議 した 。 その 結果 、 衆 参 両院 本 会議 で 行う 村山 富市 首相 の 施政 方針 演説 に 対する 代表 質問 に ついて 、 政府 側 へ の 質問 より 政策 提案 を 重視 する 「 提案 型 」 に 一新 する 方針 を 決めた 。 同 党 は 「 代表 質問 で は 新進党 の 内政 ・ 外交 方針 を 明らかに し 、 政府 に 答弁 は 求め ない 。 予算 委 で は 政治 家 同士 の 論戦 を し たい 」 と 説明 して いる 。 代表 質問 を “ 影 の 内閣 ” と して 設置 した 政権 準備 委員 会 の 「 施政 方針 演説 」 と 位置付け 、 政権 担当 能力 を アピール する の が 狙い 。 代表 質問 で は 政権 準備 委員 長 の 海部 氏 が 「 施政 方針 演説 」 を 行う ほか 、 「 財政 演説 」 、 「 外交 演説 」 と 位置付ける 質問 も 行う 方針 。 また 、 衆院 予算 委員 会 でも 海部 氏 や 市川 氏 、 米沢 隆 副 党首 、 中野 寛成 政審 会長 ら が 質問 に 立ち 、 従来 多かった 官僚 答弁 は 求め ず 、 「 政治 家 同士 が 見識 を ぶつけ合う 議論 」 を 挑んで いく と いう 。 ただ 、 与党 側 が 難色 を 示す 可能 性 も あり 、 議論 を 呼び そうだ 。 愛媛 県 知事 選 で 、 新進党 は 9 日 、 社会党 が 推薦 する 前 大学 学長 、 福西 亮 候補 を 支持 する 方針 を 固めた 。 10 日 の 役員 会 で 正式 決定 する 見通し 。 福西 候補 は 、 解散 する 前 の 段階 で 旧 新生 党 と 旧 日本 新党 が 推薦 。 一方 、 現職 の 伊賀 貞雪 候補 を 、 自民党 と ともに 、 えひめ 民 社 協会 が 推薦 、 公明 が 支持 して いる 。 同 知事 選 に は ほか に 、 名誉 病院 長 の 衣川 義隆 候補 が 出馬 して いる 。 村山 富市 首相 は 九 日 夕 、 首相 官邸 で 米国 の 新聞 、 通信 社 と の インタビュー で 、 新党 結成 を めぐる 社会党 内 の 混乱 に ついて 「 いろいろな 動き が ある が 、 村山 政権 に 影響 は ない 」 と 強調 。 直ちに 政権 基盤 に 影響 を 与える こと は ない と の 認識 を 示し 、 さらに 訪 米 に も 影響 し ない と 指摘 した 。 村山 富市 首相 は 訪 米 を 翌日 に 控えた 九 日 も 社会党 三役 と の 会談 など 混迷 する 同 党 の 党 内 対策 に 追わ れ 、 日 米 首脳 会談 の 準備 も ままならない 一 日 を 過ごした 。 新民連 の 山花 貞夫 会長 ら 「 離党 確実 」 組 へ の 不 快感 を あらわに する 一方 で 、 久保 亘 書記 長 ら 執行 部 に 党 内 調整 を 託し 離党 同調 者 の 数 を 抑え たい 首相 だ が 、 この 日 は ボサボサ 髪 で 政府 与党 首脳 連絡 会議 に 臨む など 新民連 騒動 に よる やつれ は 隠せ なかった 。 首相 は この 日 も 久保 亘 書記 長 や 、 浜本 万三 労 相 ら 党 出身 閣僚 と 会談 する など 党 内 対策 に 追わ れた 。 訪 米 中 に 党 の 命運 を 左右する 党 中執 委 が 開か れる ため 、 気 が 気 で ない 様子 。 党 閣僚 と の 会談 で は 「 たいへん 心配 して いる 」 と 深刻な 表情 を 浮かべた 。 それだけに 、 政権 を 揺さぶる 山花 氏 へ の 反感 は 隠せ ない 。 記者 団 に は 「 説得 なんて 考えて い ない 。 初め から 考え が 違う んだ から 」 と 本音 を 口 に した 。 その 一方 、 五十嵐 広三 官房 長官 は 「 離党 者 の 数 が 問題 と いう ので は なく 、 円満に 調整 して ほしい 」 と 建前 論 に 終始 する など 、 山花 氏 ら へ の 批判 が 逆に 新民連 の 反発 を 広げる こと を 警戒 して いた 。 北極 圏 の カナダ 上空 に オゾン 減少 の 引き金 に なる 「 極 成層圏 雲 」 が 昨年 暮れ と 今年 初め の 二 回 、 四 ― 五 日間 の 長期 に わたって 発生 して いる こと を 、 気象 庁 気象 研究 所 が キャッチ し 、 九 日 発表 した 。 南極 の オゾンホール の 原因 に なって いる 極 成層圏 雲 が 北極 で 長期 に 観測 さ れた の は 初めて 。 今年 二 、 三 月 に 北 半球 高 緯度 の 広範囲 で オゾン が 減少 する 可能 性 が ある と 気象 研 で は 話して いる 。 気象 研 が 北緯 八〇 度 の カナダ の ユーレカ 基地 に 三 年 前 設置 した レーダー 観測 装置 が 高度 二一キロ 付近 の 成層圏 下層 部 に 見つけた 。 昨年 十二 月 十二 日 から 十六 日 と 今年 一 月 五 日 から 八 日 に かけて の 二 回 。 過去 、 スカンジナビア 半島 上空 で 一 、 二 日 観測 さ れた ケース は ある 。 極 成層圏 雲 は 、 硝酸 と 水 分子 で できた エアロゾル で 、 氷点下 七八 度 以下 で 生成 さ れる 。 地上 で 放出 さ れた フロン 由来 の 塩化 水素 が この 雲 の 表面 で 化学 反応 を 起こし 、 その後 太陽 光 を 受けて 、 オゾン を 直接 破壊 する 塩素 に 変わる 。 フロン の 増加 と 同時に 極 成層圏 雲 の 存在 が オゾン 層 破壊 を 促進 する と いわ れて いる 。 北極 は 南極 に 比べる と 大気 の 流れ が 活発で 温度 が あまり 低く なら ない 。 この ため 極 成層圏 雲 が でき にくく 、 オゾン 層 破壊 が 起き にくい と 言わ れて いた 。 気象 研 で は 、 今回 は 北極 上空 の 成層圏 下層 部 の 気温 が 平年 より 五 度 以上 低い 氷点下 八〇 ― 八三 度 の 状態 で 、 この 低温 が 極 成層圏 雲 の 生成に つながった と みて いる 。 気象 研 気象 衛星 ・ 観測 システム 研究 部 の 内野 修 ・ 研究 室長 に よる と 、 地球 温暖 化 が 進む と 対流 圏 の 温度 は 上がる が 、 それ より 高い 成層圏 下層 部 が 逆に 低温 に なる と いう シミュレーション 研究 が 海外 で 行わ れて いる 。 内野 さん は 「 実際 の 観測 データ でも 、 成層圏 の 気温 は 少しずつ 低下 して いる 。 極 成層圏 雲 が 北極 圏 で 日常 化 する の か 、 今後 も 観測 を 継続 し たい 」 と 話して いる 。 最高裁 大 法廷 は 今春 に も 「 首相 の 犯罪 」 と して 戦後 疑獄 史 に 残る ロッキード 事件 丸紅 ルート 上告審 の 判決 を 言い渡す 。 最高裁 は 十九 年 前 の 捜査 過程 で 米国 側 関係 者 の 不 起訴 を 「 保証 」 した いきさつ が ある うえ 、 被告 側 の 上告 から 結審 まで 七 年 も 要し 、 長 すぎる 審理 を 批判 する 声 も 上がって いる 。 秋 に 定年 を 迎える 草場 長官 時代 の 総 仕上げ に なる と ともに 最高裁 に とって は 「 十九 年 後 の 総括 」 と も いえる 判決 に なる 。 「 『 関係 者 が 亡くなって 判決 を 出さ なくて 済む まで 審理 を 引き延ばして いる ので は ない か 』 と 中傷 する 人 も いる が 、 全く の 誤解 だ 」 。 ある 最高裁 関係 者 は 昨年 十二 月 七 日 の 大 法廷 弁論 ・ 結審 後 に 、 苦笑 し ながら 話した 。 事件 当時 に 最高裁 が 果たした 「 重要な 役割 」 に 絡む 司法 判断 を 示し たく ない ので は ない か と の 憶測 を 打ち消す 発言 だった 。 贈賄 側 の 中核 と も いう べき ロッキード 社 の コーチャン 元 副 会長 ら の 嘱託 尋問 調書 を 日本 に 引き渡す 条件 と して 、 米国 の 裁判 所 は 、 元 副 会長 が 起訴 さ れ ない こと を 明確に した 最高裁 の 「 オーダー か ルール 」 を 求めて きた 。 最高裁 は 一九七六 年 七 月 二十四 日 、 裁判 官 会議 を 開いて 「 宣明 」 を 出す こと を 決めた 。 田中 角栄 ・ 元 首相 が 逮捕 さ れる 三 日 前 に 当たって いた 。 今回 判決 を 受ける 元 丸紅 会長 の 桧山 広 被告 と 元 首相 秘書 官 の 榎本 敏夫 被告 は 、 最大 の 争点 と なって いる 嘱託 尋問 調書 の 違憲 性 に 、 この 宣明 の 問題 点 も 含めて 判断 を 迫る 。 特に 榎本 弁護 団 は 弁論 で 「 何の 法的 根拠 も なく 宣明 を 出した 最高裁 は 、 検察 官 ら と ともに 共同 で 違法な 証拠 を 収集 した 」 と まで 陳述 した 。 桧山 元 会長 と 榎本 元 秘書 官 は 八三 年 十 月 に 一 審 判決 、 四 年 後 の 八七 年 七 月 に 二 審 判決 を 受けた 。 上告審 で は 九二 年 十 月 、 大 法廷 に 回付 さ れ 、 さらに 二 年 たって ようやく 結審 した 。 逮捕 から 実に 十八 年 以上 が 経過 して いる 。 この 間 、 他の ルート を 含めて 起訴 さ れた 十六 人 の うち 、 主役 である 田中 元 首相 を はじめ 五 人 が 死亡 して 公訴 棄却 に なった 。 「 首相 の 職務 権限 」 は 、 贈賄 罪 に 問わ れた 桧山 被告 に 対する 判断 を 通じて 示さ れる 。 一 、 二 審 で 懲役 二 年 六 月 の 実刑 だった 桧山 元 会長 の 弁護 団 は 「 長期 に わたり 有形 無形 の 多大の 苦痛 を 受けた 元 会長 は 刑罰 を 既に 受けた と 等しい 」 と 陳述 して 長 すぎる 裁判 へ の 疑問 を 投げ掛け 、 無罪 主張 と 併せて 執行 猶予 付き 判決 を 求める 。 長期 審理 が 被告 側 の 主張 に も 影 を 落とした 形 だ 。 「 長期 審理 」 に ふさわしい 大 法廷 判決 が 「 草場 コート 」 に 求め られて いる 。 自民党 の 森 喜朗 幹事 長 が 九 日 、 日教組 の 旗 開き に 出席 した 。 自民党 首脳 の 出席 は 初めて 。 村山 政権 の 誕生 を きっかけ に 、 同 党 と 日教組 は 和解 に 向けて 接触 を 重ねて いる が 、 幹事 長 の 旗 開き 出席 も その 一環 だ 。 文教 族 の 森 氏 は あいさつ で 「 何 か 政策 を 進める 時 に 、 日教組 の 知恵 を 借り ない こと は なかった 。 日教組 の 方々 と 水面 下 で 会う しか なかった が 、 これ から は 子ども たち の 教育 を どう する か を 堂々と 相談 し たい 」 と 、 和解 に 意欲 を 見せた 。 四 月 に も 訪 日 する こと に なった 「 女性 に 対する 暴力 問題 」 の クマラスワミ 国連 人権 委 特別 報告 官 は 、 女性 の 人権 侵害 全般 に ついて の 予備 報告 書 の 中 で 、 従軍 慰安 婦 問題 を 「 犯罪 」 と 認定 する 立場 を 表明 して いる 。 日本 政府 は これ まで 適応 する 国 内 法 が ない こと など を 理由 に 、 処罰 問題 を 避けて きた が 、 国連 が 調査 に 乗り出す こと に より 、 補償 以上 に 困難な 問題 に 直面 する こと に なる 。 特別 報告 官 は 慰安 婦 問題 に ついて 、 今月 三 日 に 公表 さ れた 予備 報告 書 の 「 国家 が 犯したり 、 承認 した 暴力 」 の 章 で 報告 。 特に 「 行為 は 国際 人道 法 の もと で 犯罪 と 認定 さ れ ねば なら ない 」 と 主張 。 また 「 不 処罰 」 の 項 で 「 不 処罰 性 は 、 国家 に 対する 女性 の 無力 さ の 証明 」 と 説明 。 戦時 暴力 へ の 処罰 を 厳しく 要求 して いる だけ に 、 報告 官 が 慰安 婦 問題 でも 犯罪 の 認定 から 処罰 へ の 方向 を たどる の は ほぼ 間違い ない 。 昨年 一 月 、 韓国 の 元 慰安 婦 ら が 旧 日本 軍 責任 者 の 処罰 を 求めた 告訴 も 東京 地検 は 受理 して い ない 。 村山 富市 首相 は 九 日 夕 、 訪 米 を 前 に 在京 の 米国 報道 関係 者 の インタビュー を 受け 、 十一 日 に 行う クリントン 大統領 と の 首脳 会談 に ついて 「 今後 の 五十 年 の 日 米 関係 を 展望 して 率直に 話し たい 」 と 語り 、 戦後 五十 年 の 節目 の 年 を 迎え 、 日 米 の 今後 の 緊密な 協力 を 確認 する こと が 今回 の 訪 米 の 目的 だ と 強調 した 。 首相 は 「 日本 は 米国 から 多く の こと を 学び 、 感謝 を 表明 し たい 」 と 語った 。 また 、 日 米 包括 経済 協議 の 主要 課題 が 解決 した と も 指摘 し 、 「 経済 の 分野 でも より 積極 的な 話 を し たい 」 と 述べ 、 人口 や 環境 など 地球 的 課題 で 日 米 が 協力 を さらに 進める よう 提案 する こと を 示した 。 また 、 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 の 原子 炉 の 軽水 炉 転換 支援 に ついて は 「 国際 機関 を 通じて 主体 的な 協力 を し たい 」 と 、 資金 面 で の 協力 を 表明 する こと を 明らかに した ほか 、 規制 緩和 に ついて も 積極 的に 取り組む こと を 強調 した 。 「 愛 」 と いう 言葉 が 真 の 意味 を 忘れ られて 久しい ように 思う 。 今では 、 男女 間 の 恋愛 と か 情欲 を 指す こと が 多い ので は なかろう か 。 でなければ 、 一流 出版 社 が ヘアヌード など 掲載 する はず が ない 。 イエス ・ キリスト は 「 神 は 愛 なり 」 と 語った 。 「 愛 」 と は 「 結びつける 力 」 である 。 これ が なくなった 時 に 、 国民 は バラバラ と なり 、 個人 々々 が 自己 本位 の 勝手気ままな 行動 を する こと に なる 。 その 示す 方向 は 国 の 崩壊 である 。 価格 破壊 で 物 が 安く 買える と 目先 の 欲得 を 喜んで いる が 、 これ は 日本 の 拝金 主義 的 競争 社会 を さらに 促進 する こと は 間違い ない 。 ライオン は ライオン を 食べ ない が 、 人間 は 人間 を 食する のである 。 厳しく なる 今年 の ような 時 こそ 、 落ちこぼれた 人 も 何とか 引っ張り 上げて 、 ともに 生きよう と いう 、 結びつける 「 心 」 を 持た なければ いけない と 思う 。 五 年 近く 外国 に 暮らして 日本 に 帰って くる と 、 こんなに 便利で 安全で サービス が 行き届いた 国 は ほか に ない こと が よく 分かる 。 日本 は 理想郷 だ 。 多少 景気 が 悪い 程度 の こと で 文句 など 言ったら ぜいたく と いう もの である 。 ただ 、 久しぶりに 見る 日本 は 不思議な こと も 多い 。 何でも あり すぎて 情報 過多 の ため だろう か 、 ものごと を 素直に 受け入れ すぎる 七不思議 を 感じた 。 『 規制 緩和 』 は 世界 的な はやり で 、 今 日本 も 一生懸命 それ を やろう と して いる 。 だが 、 世界 的に やって いる こと は 決して 緩和 で は ない 。 英語 で は DEREGULATION だ から 、 規制 し ない こと で 自由 放任 を 目指して いる 。 ところが 、 日本 で は 「 誤訳 」 して 、 例 に よって ものごと を 穏やか 、 かつ あいまいに して いる 。 緩和 は しょせん 規制 する こと に 変わり は ない 。 緩める だけ で 自由 気まま を 目指して いる わけで は ない 。 初め から 限界 を 設定 して 、 中途半端 を 目標 に した 哲学 だ 。 結果 が 中途半端に なる なら まだしも 、 初め から 全員 が 大声 を 上げて 中途半端 を 目標 に して いる のだ から 不思議な 国 だ 。 『 国際 貢献 』 も いつの間にか 当然 視 さ れ 常用 語 に なって いる 。 この 国際 貢献 と いう 言い 方 も 相当な 感覚 だ 。 「 日本 も 大きな 国 に なった のだ から 世界 に 貢献 して いこう 」 と いう けなげな 発想 の ようだ 。 しかし これ を 外 から 見たら 、 「 日本 は 何 様 だ と 思って いる のだろう か 」 と 映る 。 自分 は 国際 社会 と は 別もの である と いう 響き ばかり 気 に なる 言い 方 だ 。 国際 社会 と の 付き合い 方 は 、 自分 の 考え 方 を 主張 し 、 その 結果 、 干渉 したり 介入 したり 、 リード したり する のであって 、 自分 は よそもの で 外 から 貢献 する と いう 付き合い 方 は ない 。 『 自治 省 』 と いう 役所 が 大きな 力 を 持って いる の に も 驚いて いる 。 自治 と は 自分 の こと を 自分 で 決め 、 行う こと を 言う 。 地方 自治 体 の それぞれ の 行い 方 を 、 自治 省 が あれこれ 口 を 出し 、 統一 的に 扱おう と いう のだ から 、 何の こと だ か さっぱり 分から ない 。 自治 省 の 解体 も いわ ず に 地方 自治 の 時代 だ と いう のだ から 、 規制 緩和 と 同じ 。 はな から 自治 など やる 気 は ない 。 自治 に は 責任 が 伴う 。 「 規制 なし 」 に も 責任 が 伴う 。 責任 は 嫌だ から 中途半端 が 目標 で 、 おいしい ところ だけ 寄こせ と いう 発想 が 見え隠れ する 。 『 タブー 』 の 多 さ に も 驚く 。 写真 は ロイヤル スマイル が 常識 と なって いる 皇室 報道 の 不自然な こと は 、 みんな 感じて いる 。 すべて 、 素晴らしい こと の ように しか 扱わ れ ない 。 そこ に いろいろな タブー が 出て くる 根源 が ある 。 いじめ も 、 すべて いじめっ子 や 先生 、 学校 が 悪く 、 本人 や 親 に は 、 一 つ の 誤り も ない 。 そういった タブー が あり すぎる 。 やり すぎ で は ある が 、 イギリス の チャールズ 皇太子 と ダイアナ 妃 の 人間 的な 側面 の 暴露 は 、 それ だけ で 英国 から あらゆる タブー を 色あせ させて しまう 絶大な 副 次 効果 が あった 。 お 二 人 の 写真 は ロイヤル スマイル で は なく 、 普通に 自然に 大笑い して いる 。 笑顔 一 つ の 問題 で は ない 。 英国 で 三 歳 の 幼児 を 殺した 十 歳 の 子供 は 「 悪魔 の 子 」 と 、 でかでか と 顔写真 が 公開 さ れた 。 日本 で は 考え られ ない こと だ が 、 特別に 悪い と 常識 で 判断 できる から だ 。 『 高速 道路 』 を 走る の に とんでもない 高額の 料金 を 取ら れる のに は 驚いた 。 もっと 驚いた の は その こと に 文句 を 言わ ない こと だ 。 国会 議員 に 聞いて も 受益 者 負担 の 原則 が ある から 仕方 が ない と いう 。 受益 者 と は 車 に 乗って 高速 道路 を 走る 人 の こと を 言う らしい 。 田舎 から 鮮魚 や 野菜 を 運ぶ トラック の 運転手 は 受益 者 。 その 鮮魚 や 野菜 を 食べる 人 は 受益 者 で ない と いう 。 明らかに おかしい 。 受益 者 の 概念 など いい加減な もの で 、 タクシー の 運転手 と 乗客 どちら が 受益 者 か さえ 議論 は 際限 なく できる 。 今時 高速だろう が 低速だろう が 道路 くらい 国 が 造って 国民 に ただ で 使って もらう の は 国 と して の 最低 限 の サービス だ 。 私 の 知っている 国 は 、 どこ でも そう だ 。 日本 の 国民 は 何の ため に 税金 を 払って いる のだろう か 。 公園 の 『 看板 』 も 、 何 だろう か と 思う 。 都市 の 生活 環境 と して 公園 の 広 さ が 比較 さ れる が 、 問題 は 広 さ で は ない 。 使い 方 だ 。 大小 の 公園 で は 例外 なく 砂場 や ブランコ を 造って 「 野球 や サッカー は 危ない から やる な 」 と 書いて ある 。 芝生 に は 入る な と 書いて ある 。 いじめ の 舞台 の 一 つ に なった ゲームセンター は 危なく なくて 、 野球 や サッカー が 危ない と いう の は 分から ない 。 体 の けが は 注意 する が 、 「 脳みそ の けが 」 に 無関心 すぎる 。 子供 ら は 広場 が あれば いい 。 何も いら ない 。 小さい 子 が 居て 危ない と 思えば 、 大きな 子 が 適切な 対応 を する 子供 の 世界 を 大人 が 奪って しまった 。 何でも 「 する な 」 だけ 書いて おいて 、 どこ で やれ と 書いて い ない 。 アメリカ 人 と 同じ ように 発音 する の が 『 正しい 英語 』 と 信じ込んで いる 人 の いかに 多い か に も 驚いた 。 世界 で 一 番 多く の 人 が 話して いる 英語 は インド 人 の 英語 だ 。 中国 人 英語 も 多い 。 フィリピン 人 の 英語 も 上手だ 。 顔 だけ で は このごろ は 、 どこ の 国 の 人 か 分から ない ので 、 日本 人 が あまり 上手に アメリカ 語 を 話す と アメリカ 人 だ と 思わ れる 。 世界 で は 、 アメリカ 人 より 日本 人 の 方 が 信用 が ある ところ が けっこう 多い ので 、 これ は 損 を する 。 一般 的に 、 日本 人 の 英語 を 話す 人 は 、 まじめで 勤勉 と いう 印象 が ある 。 だから 日本 人 の 英語 に 、 誇り を 持って 話して いい のだ 。 昨年 末 の 「 三陸 はるか 沖 地震 」 の 命名 に 、 いささか 違和感 を 覚えた の は 、 私 一 人 だった のだろう か 。 「 三陸 東方 沖 地震 」 と か 、 「 三陸 ・ 八戸 地震 」 など 、 いつ の 地震 か 分かれば いい のだ から 、 一 番 被害 の ひどかった 地名 を 入れる など で 、 付けた って いい と 思う 。 ニュース で 、 アナウンサー が 「 三陸 はるか 沖 地震 」 と 言う 度 に 、 美しく 詩的に 耳 に 響いて 、 二 人 が 亡くなり 、 いまだに 重傷 を 負って 入院 治療 を して いる 多く の 人 、 家屋 など の 被害 に 遭った 人々 の 気持ち を 思う と 、 何 か やりきれない 気 が する 。 昨年 、 父親 が 、 子供 の 名前 を 「 悪魔 」 と 付けよう と し 、 人々 の ひんしゅく を 買った が 、 地震 や 台風 など の 名前 は 、 人権 も なく 、 いじめ の 心配 も いら ない 。 多分 、 だれ か が 付けて 、 皆 、 周り の 人 も “ それ で よい ” と 納得 した うえ で の 命名 な のだろう 。 私 の ように 感じる の は 時代遅れな の かも しれ ない 。 プロ 野球 の フリーエージェント 制 導入 で 、 懸念 さ れた 通り 深刻な 問題 が 出て きた 。 獲得 選手 に 旧 年俸 の 一・五 倍 を 支払い 、 放出 した 球団 に も 旧 年俸 相当 額 を 払う の は 大きな 犠牲 であり 、 放出 した 球団 も 穴埋め が 大変だ 。 財力 の 有無 で チーム 力 に 格差 が できる こと は 否め ない 。 さらに FA に 関係 の ない 選手 も 高い 年俸 を 要求 し 、 複数 年 契約 を 迫る 者 も 出て きた 。 「 一 年 不振 で も 次の 年 に 頑張れば よい 」 と 選手 は 言う が 、 故障 や 不振で 働け なかったら 高い 年俸 を 払う 球団 の 損失 は どう なる の か 。 大リーグ が 昨年 八 月 、 年俸 支払 総額 を めぐって 労使 が 対立 し 、 公式 戦 打ち切り と いう 最悪 事態 に なった 。 今年 は ファーム の 選手 を 入れて 開幕 する と いう が 、 試合 内容 の 低下 は 避け られ ない 。 ファン あって の プロ 野球 の 大 前提 を 労使 と も 忘れて いる 。 日本 の プロ 野球 も 早 めに 手 を 打た ない と 大リーグ の 二の舞い に なる 。 昨年 は 異常な 暑 さ が 続き 、 異常 渇水 で 九州 、 四国 地方 で は 今 でも 時間 給水 の ところ が ある と いう 。 自然の こと だ から やむ を 得 ない と いえば それ まで だ が 、 何 か 釈然と し ない 。 私 は 、 原因 の 一 つ に 舗装 道路 が ある と 考えて いる 。 まず 、 全国 どこ に 行って も 道路 舗装 が 行き届いて いて 元 の 土 が 見え ない 。 日光 の 直射 に よって 放射 熱 で 気温 が 上がる 。 次に 、 雨 が 降って も 吸収 し ないで そのまま 側溝 から 川 や 海 に 流れ 土 に 戻ら ず 、 地下 水 へ の 還流 が ない 。 以上 の こと から アスファルト を 、 全部 浸透 性 の ある もの に して 水 が 土 に 戻る ように でき ない だろう か と 思う 。 アスファルト は ぬかるみ を 防ぐ だけ で なく 、 交通 の 発達 に も 大きな 役割 を 果たして きた 。 私 たち の 日常 生活 に 不可欠な もの と なって いる 。 新しい もの を 造る と なる と 値段 など の 問題 で 大変な のだろう けれど 、 後世 の ため に も ひと 工夫 が 必要だ と 思う 。 研究 は 進んで いる と 聞く が 、 もっと 多く の 人 に も 考えて もらい たい 。 フラメンコ の 巨匠 が 舞台 に 生き返った 。 年 末 に イタリア で 初演 を 迎えた 新作 「 アンダルシア の 嵐 」 を 引っ提げて 、 アントニオ ・ ガデス 舞踊 団 が 四 年 ぶり に 来 日 、 十七 日 から 全国 公演 する 。 四 年 前 の 東京 で “ ダンサー と して これ が 最後 ” と 引退 公演 を 行った 。 「 カルメン 」 「 血 の 婚礼 」 など 映画 と 舞台 で 見せた 濃密な 情熱 空間 。 その 演出 者 であり 演技 者 で も あった ガデス の 、 粋で シャープで しなやかな 姿 が もう 見 られ ない …… 。 「 あの 当時 は 、 身 も 心 も くたくたでした 。 私 は 機械 で は ない し 、 お 金 の ため や 拍手 を 受ける ため に 踊る ので は ない 。 心 の 中 から 本当に やり たい こと が わいて こ ない と 」 頑固な 完ぺき 主義 者 の 心 の 殼 を 割って 出て きた の が 、 今度 の 新作 だ 。 スペイン の 国民 的 戯作者 、 ロペ ・ デ ・ ベガ の 戯曲 「 フエンテ ・ オベフーナ 」 を 舞踊 ドラマ に した もの 。 原作 は 五百 年 以上 前 に アンダルシア の 寒村 で 実際 に 起こった 農民 一揆 を 描いた 作品 。 二十 世紀 末 に 反骨 芸術 家 を 現役 復帰 に 駆り立てた もの は 何 な の か 。 「 今 の 世界 、 民主 主義 の 世の中 と いわ れて いる が 、 実際 に 権力 を 持って いる の は 、 金持ち たち 。 抑圧 に 対して 抵抗 する 多く の 人 たち の 姿 を 踊り で 表現 し たい と 、 十何 年 前 から あたためて きた 。 今 こそ 、 国境 を 超えた テーマ だ と 思い ます 」 。 同 時代 に 向けた ガデス の 刃 が キラリ と 光る 。 十二 月 三十一 日 本欄 「 教育 の 在り 方 、 親 も 教師 も 問い 直せ 」 に 一言 。 「 褒める 先生 は 人気者 、 厳しく しかる 教師 は 嫌わ れ 者 と いう 極端な 受け止め 方 が 、 親 や 教師 の 間 に 定着 して 久しい 」 と あり ました が 、 果たして そう でしょう か 。 褒める 先生 と 、 褒め 上手の 先生 は 違い ます 。 小学校 に 入った 時 、 どの クラス の 担任 の 先生 も 優しかった のだ けれど 、 一 番 人気 が あった の は 厳しい 先生 でした 。 幼心 に も 本当に 自分 たち の こと を 考えて いる から こそ 、 しかって いる のだ と 感じて い ました 。 学年 が 上がって も 、 やはり 人気 が ある の は 、 しかって くれる 先生 でした 。 ある 先生 は 、 生徒 を しかる 時 は 授業 を つぶして でも 、 泣き ながら 怒鳴った もの です 。 間違え ないで 下さい 。 嫌わ れる の は 、 エリート を 自慢 する 先生 、 頼りない 先生 な のです 。 全国 の 先生 方 、 愛情 を 持って 生徒 を しかって 下さい 。 昨年 の いじめ 自殺 事件 は 、 単なる 教育 問題 に とどまら ず 大きな 社会 問題 に 発展 した 。 自殺 者 は 仲間 の 一員 と いい ながら 、 仲 の よい 状態 を 装い 、 心 は 孤独であった のだろう 。 ただ 遺書 を 残して 自ら の 生命 を 絶つ しか 道 が なかった 本人 に とって は 、 どんなに 無念であった こと か 。 この いじめ 自殺 の 問題 を 教育 現場 から 見た 時 、 その 可能 性 は あった と いわ ざる を 得 ない 。 それ は 生徒 に とどまら ず 、 教師 間 に も 孤立 、 孤独 の 影 は 広く 深く 広がって いる 。 学校 に は 教師 が 話し合う 職員 会 が ある が 、 この 職員 会 の 中 で 教師 同士 が 本音 で 討議 、 討論 する 機会 が だんだん 少なく なって いる 。 自由に 話し合う 雰囲気 が 消えて いって いる 。 そして その 話し合い は 形がい 化 し 、 形式 的に なって きた 。 これ は 管理 教育 の 一 つ の 表れ の 結果 だ と も いえる 。 こうした 状況 の 中 で 、 教育 の 活性 が 次第に 失わ れて いる と いえる 。 いじめ 自殺 の 問題 は そうした 教育 現場 の 一 つ の 落とし 子 である 。 なぜ 、 私 たち を こんなに いじめる のです か 。 私 たち は 、 遠い 北 の 国 から 渡って きた ガン の 一種 、 オオヒシクイ です 。 今 、 茨城 県 稲敷 郡 江戸崎 町 と いう 所 に 住んで い ます 。 人間 が 引舟 地区 と 呼んで いる 湿田 は 私 たち の えさ 場 です が 、 食事 を して いたら 猟銃 で 脅さ れ ました 。 やむ を 得 ず 禁猟区 だ と いわ れる 稲波 地区 の 湿田 に いって 食事 を して いたら 、 人間 が 放し飼い に して いる 犬 に 襲わ れ ました 。 その あたり に は 、 「 この 付近 は 関東 地方 で は 珍しい 鳥 ヒシクイ の 越冬 地 に なって い ます 。 犬 を 放したり 近づいて おどしたり し ない よう 注意 し ましょう 」 と 書いた 立て看板 が あり ます 。 また 、 近く の 川 は まぶしくて 水面 に 降り られ ず 、 眠る こと も でき ませ ん 。 公園 を 造って 一晩 中 照明 して いる から です 。 人間 は 圏央道 と いう 高速 道路 を 造り たい ため に 、 私 たち を 追いはらおう と して い ます 。 でも 野生 動物 に も 生存 権 や 自然 享有 権 が あり ます 。 長野 五輪 まで あと 三 年 と なった 。 元日 の 本紙 に 、 五輪 会場 建設 で の 、 自治 体 と 寄付 企業 と の “ もた れ 合い ” の 記事 が あった 。 断定 は 出来 ぬ が 、 多額の 寄付 を した 企業 が 、 多額の 受注 を 得て いる ようである 。 また 、 票 を 確実に 取る ため 国際 オリンピック 委員 会 委員 へ 多額の 接待 を 施した こと など も 私 は 驚いた 。 私見 だ が 、 長野 五輪 は 、 より 健全な 内容 の 五輪 と なる べく 、 転機 を 図る もの であって ほしい 。 五輪 運営 上 、 IOC の 意向 に 従う の は やむ を 得 ない が 、 商業 的 色合い を 極力 消して ほしい と 思う 。 それ に は 、 費用 の 使途 明細 や 各 帳簿 の 公開 が 必要である 。 運営 を 透明に する こと で 、 商業 主義 的な 色合い を 打ち消す こと が 出来よう 。 日本 は 従来 、 スポーツ を “ 道 ” と 考え 、 商業 的 色合い を 排除 して きた と 思う 。 ドーピング 問題 や 商業 主義 など で 、 スポーツ の 清らか さ が 危うく なって いる 今 、 長野 五輪 が 、 五輪 を 正道 に 戻す 、 いい 機会 に なって ほしい 。 国民 に 若干 の 苦痛 を 強いる 政治 でも 、 それ が 正しい 選択 である 限り 、 国民 は 甘受 する と 信ずる 。 政 官 財 の 癒着 、 族 議員 の 横車 に よる カネ の バラまき や 、 選挙 対策 的 政策 が 今 の 日本 に 必要な の か 、 反省 す べき 時期 である と 思う 。 このまま で は 日本 は 確実に 衰亡 する 。 行革 と 規制 撤廃 を 実現 し 、 小さな 行政 下 、 物価 を 早急に 国際 価格 並み に 引き下げて もらい たい 。 長年 の 放漫 財政 に 起因 する 累積 赤字 は 、 隠れ 借金 を 含め 、 三百五十兆 円 に も なる と いわ れる 。 国民 所得 が 世界 一 と いわ れて も 、 庶民 に は 全く 実感 が わか ない 。 少ない 収入 、 少ない 支出 で 均衡 すれば 十分だ 。 支出 を 補う 共働き で 、 家庭 から ぬくもり と しつけ も 消えて 、 家庭 崩壊 が 静かに 進行 して いる と 思えて なら ぬ 。 今 こそ 官民 挙げて 、 健全な 精神 で 、 在る べき 政治 と 生活 を 確立 す べき 時 であろう 。 いかに 貧しい 今日 の 政治 であれ 、 英雄 を 待望 して は なら ない こと も 付言 して おき たい 。 ロシア 南部 の チェチェン 共和 国 の 情勢 は 、 ますます 悪化 して いる ようである 。 強気 一方 の ロシア 側 の 発表 は 、 まるで 戦前 の 日本 の 大本営 発表 の ようで 信用 でき ない 。 チェチェン 側 の 激しい 抵抗 で おそらく 、 双方 に かなり の 犠牲 者 が 出て いる ので は ない か と 危ぐ する 。 一九九一 年 夏 、 当時 ロシア 共和 国 大統領 だった エリツィン 氏 は 、 民主 主義 の 旗手 と して 、 保守 派 、 軍部 の クーデター に たちはだかった 。 それ から 三 年 半 、 あの 精神 は どこ へ いった のだろう か 。 他国 の 内政 に 干渉 する 気 は 毛頭 ない が 、 東西 冷戦 体制 を ようやく 終え 、 隣国 ロシア に 民主 主義 の かすかな 光 を 見いだした だけ に 、 今回 の 内戦 の ショック は 大きい 。 エリツィン 大統領 は 、 どうか 一刻 も 早く 理性 を 取り戻し 、 和平 を 実現 して ほしい 。 これ 以上 無益な 殺りく を ただちに やめる こと を 心から 切望 する もの である 。 チェチェン へ の 軍事 進攻 を めぐる ロシア ・ マスコミ の 報道 は 、 当局 の 「 不法 勢力 の 武装 解除 」 が 実際 に は 一般 市民 を も 巻き込んだ 無差別 攻撃 だった こと を 暴露 、 国民 の 政権 不信 を 一層 強める 結果 と なった 。 しかも 「 偏向 報道 」 と 反発 する 権力 側 と マスコミ と の 対立 は 日増しに エスカレート し 、 先鋭 化 し つつ ある 。 十二 月 三十一 日 夜 の 首都 攻勢 で 年 が 明けた 正月 休み の 三 日間 、 新聞 は 休刊 した が 、 ロシア の テレビ は 現地 から 、 破壊 さ れた 民家 や 負傷 した ロシア 兵 の 無残な 姿 を 繰り返し 映し出し 、 国民 の 正月 気分 を 吹き飛ばした 。 検閲 の あった ソ連 時代 の アフガニスタン 戦争 と は 違い 、 今回 初めて 生々しい 戦争 の 姿 を 伝えた テレビ 映像 が 与えた 衝撃 は 大きかった 。 しかも 民間 の 独立 テレビ 、 国営 ロシア ・ テレビ は 進攻 批判 の 立場 を 明確に 打ち出した 。 ロシア 政府 は 進攻 前 の 十一 月 末 に “ 大本営 発表 ” の ため の 臨時 情報 センター を 設置 した が 、 ほとんど 機能 せ ず 、 逆に マスコミ の 現地 報道 が 常に 先行 する 結果 と なった 。 当初 から 軍事 進攻 に 反対 を 唱えた 改革 派 系 の ロシア 各紙 は 、 一般 市民 へ の 無差別 空爆 の 実態 を 伝える 現地 ルポ を 連日 掲載 。 「 空爆 は 戦略 目標 を 狙った もの 」 と の 公式 発表 の うそ を 暴いた 。 先月 二十八 日 付 「 独立 新聞 」 は 「 エリツィン は 空爆 に よる グロズヌイ 市民 の 死亡 に 遺憾の 意 さえ 表明 し なかった 」 と ついに 大統領 に 批判 の 矛先 を 向けた 。 「 イズベスチヤ 」 は グロズヌイ から 軍事 進攻 批判 を 続けて きた 人権 活動 家 の セルゲイ ・ コワリョフ 下院 議員 を 一九九四 年 の 「 今年 の 顔 」 と 認定 。 三十 日 付 紙面 で 大統領 の 空爆 停止 命令 と コワリョフ 議員 の 「 空爆 は 続いて いる 」 と の 発言 を 併記 して 大統領 の 「 うそ 」 を 批判 した 。 「 コムソモリスカヤ ・ プラウダ 」 も 五 日 付 紙面 で 、 ロシア 兵 の 遺体 の 上 で 大統領 が 正月 気分 で 乾杯 して いる 合成 写真 を 一面に 掲載 。 通信 社 電 を 中心 に して 批判 色 を 抑えた 保守 系 紙 を 除き 、 各紙 と も 公然と 大統領 批判 を 始めて いる 。 これ に 対し グラチョフ 国防 相 は 六 日 、 安全 保障 会議 を 前 に 「 大統領 に 報道 の 偏向 を 直訴 する 」 と 語り 、 大統領 は 会議 後 、 ロシア ・ テレビ の ポプツォフ 社長 解任 を 口 に した 。 また ソスコベツ 第 一 副 首相 は 昨年 、 最も 批判 色 の 濃い 独立 テレビ の 放送 免許 取り消し の 可能 性 に 言及 。 「 ロシア ・ マスコミ は チェチェン から わいろ を 受け取って いる 」 と 非難 する 政府 高官 も 現れた 。 進攻 を 支持 する 自由民主党 は 六 日 「 検閲 を 復活 せよ 」 と の 声明 を 発表 した が 、 これ を 一笑 に は 付せ ない 状況 が 生まれ つつ あり 、 権力 と マスコミ の 対立 は 戦争 終了 後 も 尾 を 引き そうだ 。 ロシア は チェチェン 紛争 を 武力 で 解決 する 強硬 路線 を 取り 続けて いる が 、 これ を 推進 して いる の は エリツィン 大統領 の 側近 、 コルジャコフ 大統領 警護 局長 と グラチョフ 国防 相 、 エリン 内 相 の 治安 閣僚 、 それ に ロボフ 国家 安全 保障 会議 事務 局長 の 「 武闘 派 四 人 組 」 と み られて いる 。 中でも 、 コルジャコフ 警護 局長 は 職責 上 は 大統領 府 の 一 責任 者 に すぎ ない が 、 「 警護 局長 の 助言 が なければ 大統領 は どんな ささいな 決定 も し ない 」 と いわ れる ほど 、 大統領 の 絶大な 信頼 を 得て いる 。 閣僚 人事 で は 、 警護 局長 の 「 事前 面接 」 に パス し なければ 大統領 は 任命 し ない と さ れる 。 さらに 、 石油 輸出 制限 撤廃 の 経済 問題 に も 口 を 出し 、 今や 「 陰 の 大統領 」 と まで ささやか れて いる 。 コルジャコフ 局長 は 戦争 で 利益 を 得る 軍 産 複合 体 と の 関係 も うわさ さ れて おり 、 元 国家 保安 委員 会 幹部 の 経験 を 生かして 集めた 情報 を 基 に 大統領 に 強硬 路線 を 進言 して いる と み られて いる 。 軍隊 を 統括 する グラチョフ 国防 相 と 内務 省 治安 部隊 を 率いる エリン 内 相 は 大統領 に 直属 、 チェチェン と の 戦闘 を 指揮 して いる 。 二 人 は 一九九三 年 十 月 の モスクワ 騒乱 で 多数 の 死者 を 出して 鎮圧 して 以来 、 大統領 と 「 運命 共同 体 」 を 形成 して いる 。 西側 非難 の 対象 に なって いる 首都 空爆 問題 でも 、 大統領 の 度重なる 空爆 中止 命令 を 黙殺 して 空爆 を 続け 、 大統領 を 苦しい 立場 に 追い込んだ 。 だが 、 大統領 は 自分 の 弱み を 握って いる 国防 相 を 解任 する わけに も いか ず 、 黙認 して いる 状態 だ 。 四 人 組 の 最後 は 、 国家 安全 保障 会議 を 取り仕切る ロボフ 事務 局長 。 スベルドロフスク 州 共産党 第 一 書記 だった エリツィン 大統領 の 下 で 第 二 書記 と して 働いて いた 「 スベルドロフスク 人脈 」 の 一 人 で 、 大統領 の 意向 を 忠実に 実行 して いる 。 国家 安全 保障 会議 は 憲法 で 規定 さ れ 、 大統領 を 長 と する 最高 政策 決定 機関 と さ れて いる が 、 メンバー は 大統領 の 一存 で 決め られ 、 大統領 の 諮問 機関 の 性格 が 濃厚だ 。 当初 は チェルノムイルジン 首相 、 グラチョフ 国防 相 、 コズイレフ 外 相 ら 閣僚 だけ だった が 、 現在 は シュメイコ 上院 、 ルイプキン 下院 両 議長 も 加わり 、 計 十二 人 で 構成 さ れて いる 。 ロボフ 事務 局長 は 十二 月 二十六 日 の 安保 会議 後 「 首都 総 攻撃 の 計画 は ない 」 と 発言 した が 、 実際 は 二 日 後 に 総 攻撃 が 始まった 。 今回 の 紛争 で エリツィン 大統領 は 「 武闘 派 四 人 組 」 に 依存 し 過ぎた 結果 、 戦闘 拡大 の 泥沼 に 入り込んだ と いえる 。 チェチェン 側 が 今後 も 徹底 抗戦 を 続ける の は 必至で 、 ロシア 側 も 「 非合法 武装 組織 」 の 完全 掃討 まで 戦い 続ける しか ない 。 掃討 に 成功 すれば 四 人 組 は 生き残れる だろう が 、 失敗 すれば 大統領 の 「 トカゲ の しっぽ 切り 」 で 解任 さ れる 運命 を たどる 可能 性 が 強い 。 昨年 十二 月 十一 日 に 始まった チェチェン 軍事 進攻 に は 政治 、 経済 など 、 さまざまな 要因 が 絡み合って いた 。 なぜ エリツィン 政権 は 軍事 進攻 に 踏み切った の か 、 その 背景 と 結果 を 、 この 一 カ月間 の ロシア ・ マスコミ 報道 、 関係 者 の 話 など から 整理 して みた 。 チェチェン 共和 国 は カスピ海 と 黒海 を 結ぶ 経済 動脈 の 中間 に ある 。 バクー ・ ロストフナドヌ 間 の 幹線 道路 と 鉄道 、 バクー ・ ノボロシースク 間 の 石油 パイプライン と も グロズヌイ を 通過 する 。 一九九一 年 の ドゥダエフ 政権 登場 以来 、 この ルート を 同 政権 に 押さえ られて しまった 。 人口 で 旧 ソ連 五 番 目 の 大 都市 バクー から 物流 が 途絶え がち と なった ほか 、 昨年 九 月 に 国際 契約 が 成立 した カスピ海 沖 油田 開発 で ロシア は 外界 に 通じる 黒海 の 港 へ の 送油 ルート の 安全 性 を 保証 でき ず 焦って いた 。 手段 は ともかく と して 、 バクー から の 経済 ルート を ドゥダエフ 政権 から 取り戻す 必要に 迫ら れて いた 。 昨年 夏 ごろ まで は 物価 も 比較的 安定 傾向 を 示し 、 政治 的に も 小康 状態 を 保った が 、 エリツィン 大統領 の 支持 率 低下 に 歯止め が かから なかった 。 改革 派 から 中間 ・ 保守 派 寄り に シフト した 大統領 に とって 、 中央 政権 を 無視 し 、 一般に マフィア の 根城 と み られて いる チェチェン 問題 に 決然と 対処 し 解決 すれば 「 強い 大統領 」 と して 国民 の 支持 を 引きつける チャンス であった 。 ただ 、 短 期間 で 犠牲 を 最小 限 に 抑える と の 前提 が あった が …… 。 内務 省 は 機会 が あれば チェチェン ・ マフィア の 根拠 地 を 一網打尽 に する こと に 異存 は なかった 。 また 同 省 治安 部隊 は 九一 年 十一 月 に ドゥダエフ 政権 が 独立 宣言 した 際 に グロズヌイ 制圧 を 試みた が 、 チェチェン 軍 に 追い返さ れた 経緯 が ある 。 一方 、 連邦 情報 局 は 昨年 多発 した ロシア 南部 で の ハイジャック 事件 で 、 最終 的に 犯人 に チェチェン 領 内 に 逃げ込ま れ 、 じだんだ を 踏んだ 。 武器 、 麻薬 取り締まり でも 外国 から の 流入 口 に なって いる チェチェン を 直接 たたく 必要 が あった 。 恒常 的な 軍人 家族 の 住宅 難 、 国防 費 の 大幅 削減 に 加えて 東欧 、 バルト から 追わ れる ような 形 の 撤兵 は 軍 の 威信 、 士気 を 著しく 低下 さ せた 。 しかも 国防 省 高官 や 旧 東独 駐留 軍 の 汚職 騒ぎ 、 それ を 追及 して いた ホロドフ 記者 爆殺 事件 で グラチョフ 国防 相 の 地位 が 不安定に なった 。 チェチェン 軍事 制圧 は 軍 と 国防 相 の 名誉 ばん回 の 好機 と なる はずだった 。 情報 局 が 画策 した 十一 月 末 の ドゥダエフ 政権 つぶし が 失敗 し ロシア 将兵 の 捕虜 問題 が 騒が れた 時 、 グラチョフ 国防 相 は 誇張 も あったろう が 「 空てい 部隊 を 投入 すれば 二 日 で かた が つく 」 と 語った 。 直接 的に は 情報 部 の 焦り と 軍部 の 甘い 情勢 認識 が 唐突な 進攻 決定 に つながった 可能 性 が 大きい 。 進攻 前日 に エリツィン 大統領 が 鼻 の 手術 で 入院 。 大統領 府 は 「 八 日 程度 」 と 発表 した 。 作戦 期間 中 、 大統領 が 直接 指揮 を 執って いる 印象 を 少なく し 、 しかも 一 週間 程度 で 制圧 できる と 踏んで いた 、 と の 見方 が 支配 的だ 。 実際 は チェチェン 側 の 予想 以上 の 抵抗 の 前 に 苦戦 を 強い られた 。 逆説 的だ が この こと が その後 の 作戦 で 軍部 を “ 独走 ” さ せる 要因 と なった 可能 性 が ある 。 さらに 民間 人 死者 の 増大 で 、 チェチェン 人 に 同情 し 、 グラチョフ 国防 相 を 非難 する 世論 が できて しまった 。 1818 年 、 カフカス 戦争 中 の ロシア が スンジャ川 中流 域 に 造った 要さい 「 グロズナヤ 」 が 起源 。 半 世紀 近い 戦争 の 後 、 1859 年 に 現在 の チェチェン 共和 国 地域 は ロシア に 併合 さ れた 。 要さい と して の 役割 に 代わり グロズヌイ の 価値 を 飛躍 的に 高めた の は 、 この 街 の 付近 で の 油井 開削 と ウラジカフカス 鉄道 の 開通 と いう 2 つ の 出来事 。 これ に より ロシア 人 や ウクライナ 人 を 中心 に 大量の 移民 が グロズヌイ に 流入 、 都市 人口 は 1913 年 まで に 3万 人 へ と 倍増 した 。 革命 後 の 1922 年 、 チェチェン 自治 州 の 州都 、 1936 年 に は イングーシ 自治 州 を 加えて できた チェチェン ・ イングーシ 自治 共和 国 の 首都 に なった 。 1942 年 、 ドイツ 軍 の 空爆 を 受けた 。 1943 ― 44 年 、 対 独 協力 を 疑わ れ 民族 ごと カザフスタン へ 強制 移住 、 共和 国 は 消滅 した 。 1946 ― 50 年 、 戦後 第 1 次 5 カ年 計画 で 都市 と 石油 施設 が 復興 した 。 1957 年 に 民族 の 帰還 が 認め られ チェチェン ・ イングーシ 自治 共和 国 が 復活 した 。 1994 年 12 月 、 ロシア 軍 の 首都 進攻 後 、 市民 の 首都 脱出 が 始まった 。 国際赤十字 は 、 40万 人 の 首都 人口 の 75 % が 難民 化 した と 推定 して いる 。 「 二〇二〇 年 まで に 、 米国 は スペイン 語 人口 で メキシコ に 次ぐ 二 番 目 の 国 に なる だろう 」 ―― 。 昨年 十二 月 、 米 フロリダ 州 マイアミ の 米州 首脳 会議 。 開幕 演説 で の クリントン 米 大統領 の 一言 は 、 会場 の 喝さい を 浴びた 。 米州 自由 貿易 圏 構想 に 向けて 、 中南米 諸国 と 米国 の 緊密 さ を 強調 する 演出 だ 。 しかし 、 米国 内 で は 複雑な 思い で 発言 を 受け止めた 人々 が 少なく なかった 。 カリフォルニア 州 アナハイム 。 フリオ ・ カノ 君 が 死んだ の は 昨年 十一 月 末 だった 。 急性 白血 病 に よる 心 機能 不全 。 医者 に かから ない まま 手遅れに なった 。 カノ 君 の 両親 は メキシコ から の 不法 移民 。 具合 が 悪くて 中学校 を 早退 した カノ 君 は 、 原因 も 分から ず 、 家 に こもって 寝て いる だけ だった 。 「 不法 移民 と 分かる の が 怖くて 、 病院 に 連れて 行け なかった 」 と 、 死後 、 父 が 明かした 。 同 月初め 、 州 の 住民 投票 で 可決 さ れた 「 提案 一八七 」 が 理由 だった 。 緊急 医療 を 除き 、 不法 移民 に 対する 教育 や 福祉 など 一切 の 公共 サービス を 拒否 する 法案 。 その 効力 が 裁判 所 の 命令 で 一 時 差し止め られた こと を 、 両親 は 知ら なかった 。 米国 内 で の ヒスパニック 系 住民 の 急増 は 、 北米 自由 貿易 協定 が 発効 した 昨年 、 皮肉な 形 で 火 を 噴いた 。 「 提案 一八七 」 に 賛成 した カリフォルニア 州民 は 五九 % 、 四百六十万 人 余り 。 メキシコ 国境 の すぐ 北側 に 住む 人々 の 本音 が 浮き彫り に なった のだ 。 法案 は 移民 社会 を 直撃 した 。 二百五十 の 医療 機関 が 加わる 南 カリフォルニア 病院 評議 会 の 調査 で は 、 十一 月 後半 、 医療 機関 を 訪れる 患者 は 二 割 も 減少 。 法案 反対 派 は カノ 君 を 「 最初の 犠牲 者 」 と 呼ぶ 。 昨年 十二 月 の 就任 直前 、 ワシントン を 訪れた メキシコ の セディジョ 大統領 は クリントン 大統領 に 「 移民 の 人権 に 配慮 を 」 と 申し入れた 。 「 NAFTA が 機能 すれば 、 メキシコ 国 内 に 十分な 雇用 の 場 が 創出 さ れ 、 不法 移民 の 流出 に ブレーキ を かける こと が できる 」 と 言う セディジョ 大統領 に とって 、 その 長期 的 ビジョン を くじく ような カリフォルニア 州民 の 審判 は 「 両 国 関係 を 緊張 さ せ 、 経済 を 後退 さ せ かね ない 不幸な 問題 」 と 映った ようだ 。 憲法 論争 に も かかわら ず 、 不法 移民 排斥 の 動き は 不気味な 広がり を みせる 。 フロリダ 州 の 住民 グループ は 一九九六 年 の 大統領 選 に 合わせた 住民 投票 の 署名 集 め を 準備 。 カリフォルニア 州 の ウィルソン 知事 は 「 提案 一八七 」 を 連邦 レベル の 「 全国 版 」 に 拡充 する よう 共和党 の 新 指導 部 に 求めて いる 。 ギングリッチ 新 下院 議長 は 今 の ところ 、 「 全国 版 」 に は 否定 的だ 。 「 国境 警備 の 強化 が 、 より よい 解決 策 」 と いう 理由 だ が 、 「 私 が カリフォルニア 州民 だったら 、 やはり 法案 に 賛成 した だろう 」 と 含み を 残す 。 スペイン 語 人口 増大 を 誇る ような クリントン 発言 の 裏側 に は 反 移民 感情 の 高まり が ある 。 イスラム 諸国 会議 機構 は 九 日 、 本部 の ある サウジアラビア の ジッダ で 声明 を 発表 、 ロシア 軍 の チェチェン 共和 国 へ の 武力 行使 停止 を 要請 した 。 チェチェン 情勢 に 関する OIC の 公式 声明 は 初めて 。 ジッダ から の 報道 に よる と 、 声明 は 「 ロシア 政府 は 軍事 攻勢 を 終結 し 、 チェチェン 危機 を 平和 的に 解決 する ため 、 チェチェン の 指導 者 と 真剣な 対話 を 開始 する 条件 を 整えよ 」 と して いる 。 イスラム 各国 や アラブ 諸国 は イスラム 教徒 支援 の 立場 から 、 ロシア の チェチェン 軍事 進攻 を 非難 して いる 。 ゴア 米 副 大統領 は 八 日 、 CBS テレビ と の インタビュー で 、 エリツィン ・ ロシア 大統領 は 今なお 実権 を 掌握 して いる と の 認識 を 示す 一方 、 同 大統領 退陣 に 備え 、 緊急 対応 計画 を 準備 して いる こと を 明らかに した 。 通貨 切り下げ に 端 を 発した メキシコ 経済 の 混乱 が 広がる 中 、 昨年 まで 政権 の 座 に あった サリナス 前 大統領 に 対する 非難 が 高まって いる 。 八 日 に は 、 下院 野党 第 二 党 の 革命 民主党 が 国家 へ の 背信 、 不法 蓄財 など の 罪 で 連邦 検察 庁 に 告発 する 方針 を 明らかに した 。 本人 は 世界 貿易 機関 の 事務 局長 職 に 意欲 を 燃やして 各国 を 遊説 中 だ が 、 おひざ元 の 首都 メキシコ 市 で は 「 絶望 的 」 と の 声 まで 飛び出して いる 。 サリナス 氏 は 一九八八 年 に 就任 し 、 どん底 に あった 同国 経済 の 再建 に 尽力 。 北米 自由 貿易 協定 発効 や 経済 協力 開発 機構 加盟 で メキシコ を 先進 国 に 仲間 入り さ せ 、 各国 政 財界 から 「 奇跡 の 人 」 と の 称賛 を 浴びて いた 。 ところが 「 腹心 」 と さ れた セディジョ 大統領 が 昨年 暮れ に 政権 を 引き継いで 以来 、 これ まで 隠さ れて いた 経常 赤字 や 外貨 準備 不足 が 次々 と 表面 化 。 政府 は 噴き出す 前 政権 の 「 うみ 」 に 耐え 切れ ず 、 通貨 切り下げ を 強行 し 、 同国 は 八二 年 以来 の 経済 危機 に 陥って いる 。 だが 、 当の サリナス 氏 は 中東 を 悠々と 歴訪 し 、 WTO 事務 局長 の 選挙 運動 を 続けて いる 。 メキシコ の 有力 紙 「 レフォルマ 」 が イスラエル で 行った 会見 で は 、 同氏 は 選挙 の 行方 に ついて 多く を 語った もの の 、 本国 の 混乱 に 関して は 「 ノーコメント 」 を 貫いた 。 カザフスタン の ナザルバエフ 大統領 は 九 日 、 チェチェン 紛争 の 仲介 役 を チェルノムイルジン ・ ロシア 首相 に 申し入れた 。 タス 通信 に よる と 、 ナザルバエフ 大統領 は 電話 で 同 首相 と 会談 し 、 紛争 を 平和 的に 解決 する ため 努力 する 用意 が ある と 伝えた 。 カザフスタン 政府 スポークスマン は 「 ロシア の 国 内 問題 で は ある が 、 交渉 と 相互 譲歩 に より 解決 す べきだ と の 考え から 仲介 を 提案 した 」 と 説明 して いる 。 独立 国家 共同 体 で 影響 力 を 持つ ナザルバエフ 大統領 の 提案 だけ に 、 ロシア が どう 対応 する か 注目 さ れる 。 東 ティモール 問題 解決 の ため 、 ガリ 国連 事務 総長 の 仲介 に よる インドネシア ・ ポルトガル 外 相 会談 が 九 日 、 ジュネーブ の 国連 欧州 本部 で 始まった 。 国連 仲介 に よる 外 相 会談 は 五 回 目 で 、 東 ティモール の 各 政治 勢力 と の 対話 など 平和 解決 の 道 を 探る 。 インドネシア 政府 情報 省 は 九 日 、 昨年 発禁 処分 を 受けた インドネシア の 有力 雑誌 の 一 つ 「 エディトール 」 誌 の 旧 編集 スタッフ が 準備 して いた 新 雑誌 「 ティラス 」 に 対し 発行 許可 を 与えた 。 「 エディトール 」 誌 は 、 ドイツ から の 軍艦 購入 問題 など で 政府 を 批判 した ため 他の 有力 誌 「 テンポ 」 、 「 デティック 」 誌 と ともに 昨年 六 月 二十一 日 、 発禁 処分 を 受けた 。 チェチェン 紛争 で 死亡 した ロシア 軍 兵士 の 遺族 ら が 九 日 、 モスクワ の 国防 省 前 で 抗議 集会 を 開き 、 軍隊 の 即時 撤退 や グラチョフ 国防 相 の 解任 を 要求 した 。 この 集会 は 「 ロシア 兵士 の 母 の 会 」 が 組織 した もの で 、 チェチェン 紛争 で 息子 を 失った 遺族 ら 多数 が 全国 から 参加 した 。 8 日 付 の イラン の 有力 紙 「 デイリー ・ ケイハン 」 に よる と 、 イラン 政府 は 同日 まで に 、 アブドラヒム ・ ゴバヒ 駐 ノルウェー 大使 を 、 英国 人 作家 サルマン ・ ラシディ 氏 に 関する 「 イラン の 外交 方針 に 反する 発言 」 を 理由 に 本国 に 召還 した 。 イラン の 最高 指導 者 だった 故 ホメイニ 氏 は 、 ラシディ 氏 の 著書 「 悪魔 の 詩 」 を イスラム 教 に 敵対 する 本 と して ラシディ 氏 に 死刑 を 宣告 、 イラン 政府 も この 方針 を 引き継いで いる が 、 ゴバヒ 大使 は ノルウェー 外務 省 あて の 書簡 の 中 で 、 「 死刑 宣告 」 撤回 の 可能 性 を 示唆 した と いう 。 マカオ 沖 の 海底 に 設置 さ れた 大規模な ポルノ ビデオ 制作 基地 が 、 中国 海軍 の 手 で 摘発 さ れた ―― ある 香港 紙 に この ほど 、 こんな ニュース が 掲載 さ れた 。 海軍 軍艦 が 通称 「 サメ の 口 」 と 呼ば れる 浅瀬 で 偶然 、 海底 の 異物 を 探知 。 潜水 部隊 が 探索 する と 、 広大な “ 海底 宮殿 ” が 見つかり 「 紅 楼 夢 」 「 金 瓶 梅 」 など の ポルノ ビデオ を 制作 して いた グループ を 一網打尽 に した と いう 。 実は これ 、 中国 で 問題 化 して いる 「 仮 新聞 」 の 代表 的な “ 作品 ” 。 昨年 、 上海 や 広東 の 新聞 に も 同様の 記事 が 掲載 さ れた が 、 別の 新聞 の 追跡 調査 で 全く の 創作 記事 と わかった 。 市場 経済 化 で 新聞 も 競争 が 激しい 。 中央 紙 は ともかく 地方 紙 レベル で は 読者 の 関心 を 引く 「 にせ ニュース 」 が 横行 。 中国 で は ニュース を 隠す こと が あって も 、 報道 内容 に ウソ は 少ない と いう 過去 の 常識 が 通用 し なく なって きた 。 「 海底 ポルノ 基地 」 の ニュース を 掲載 した 香港 紙 は 有力 紙 の 一 つ 。 報道 を うのみ に して 転載 した ようだ が 、 信頼 性 を 問わ れ かね ない 。 玉石 混交 の “ 香港 情報 ” を 扱う 当 支局 も だまさ れ ない ように 「 他山 の 石 」 と し なくて は …… 。 チェチェン 共和 国 当局 者 は 九 日 、 ドゥダエフ 大統領 は 首都 グロズヌイ の 大統領 官邸 に とどまって いる と 語り 、 六 日 に グロズヌイ を 脱出 した と の ロシア 側 の 情報 を 否定 した 。 イラン と ロシア は 8 日 、 イラン 南部 ブシェール に 建設 途中 だった 原子 力 発電 所 を 完成 さ せる 契約 に 正式 調印 した 。 米国 、 イスラエル は イラン の 核 開発 に 懸念 を 表明 して いる が 、 イラン は 国際 原子 力 機関 の 査察 を 受けて いる と 指摘 、 同 原発 を 含め 平和 利用 して いる と 主張 して いる 。 チェチェン 紛争 は 九 日 、 ロシア 軍 と ドゥダエフ 政権 部隊 が 、 チェチェン 側 最大 の 拠点 である 首都 グロズヌイ の 大統領 官邸 を めぐって 激しい 攻防 戦 を 展開 して いる 。 官邸 を 取り囲んだ ロシア 軍 は 砲撃 を 繰り返し ながら 包囲 網 を 狭めて おり 、 インタファクス 通信 に よる と 、 ロシア 軍 は すでに 首都 の 三 分 の 二 を 支配 下 に 置いた 。 ロシア へ の 抵抗 の シンボル である 同 官邸 は 落城 寸前 の 状態 だ 。 ロシア 国営 ラジオ 「 マヤーク 」 が グロズヌイ から 伝えた ところ で は 、 ロシア 軍 地上 部隊 は 、 九 日 未明 から 戦車 など を 動員 して 大統領 官邸 へ の 砲撃 を 続けて いる 。 砲撃 は 官邸 から 二 、 三 ブロック 離れた 地域 から 間断 なく 行わ れ 、 高層 建築 の 上部 は かなり 破壊 さ れて いる 模様 。 ロシア 軍 部隊 は 官邸 の 建物 を 徹底 的に 破壊 した 後 、 空てい 部隊 など を 投入 、 占拠 する 方針 と み られる 。 官邸 の 地下 に は 大きな 防空 ごう が あり 、 かなり の 数 の チェチェン 側 兵士 が 立てこもって いる と いう 。 ロシア 政府 発表 に よる と ドゥダエフ 大統領 ら 閣僚 の 大半 は すでに 首都 を 脱出 した が 、 ヤンダルビエフ 副 大統領 は 残って 指揮 して いる と 伝え られる 。 また 、 ロシア 独立 テレビ に よる と 、 山岳 地帯 で 徴集 さ れた チェチェン 側 の 「 決死 隊 」 隊員 が トラック で 首都 に 到着 した 。 十六 歳 から 十八 歳 の 若者 が 大半 だ と いう 。 すでに チェチェン 側 部隊 の 大半 は 首都 郊外 に 脱出 、 ロシア 軍 の 背後 から 攻撃 する ゲリラ 戦 を 開始 して おり 、 官邸 を 占拠 して も 首都 制圧 に 直結 する か どう か は 予断 を 許さ ない 。 第 二 次 大戦 中 の 連合 軍 の フィリピン ・ ルソン 島 再 上陸 から 五十 周年 を 記念 する 式典 が 九 日 、 同 島 北西 部 パンガシナン 州 リンガエン 町 で 行わ れ 、 比 米 の 退役 軍人 ら 計 数万 人 が 参加 して 「 ルソン 島 解放 」 を 祝った 。 昨年 十 月 二十 日 の レイテ 島 再 上陸 五十 周年 に 続く 比 政府 主催 の 記念 行事 。 レイテ 島 の 式典 で は 、 四千 人 も 参加 した 米軍 が 主役 だった こと に 一部 国民 から 反発 が あった ため 、 今回 は フィリピン 人 ゲリラ が 解放 で 果たした 役割 を 強調 した 。 東 ティモール から の 報道 に よる と 九 日 、 州都 ディリ に ある 東 ティモール 大学 が インドネシア 治安 部隊 に よって 封鎖 さ れた 。 ジュネーブ で 九 日 から 始まった 東 ティモール 問題 の 協議 に 呼応 する 形 で 同日 、 大学 周辺 など で インドネシア から の 独立 を 求める 東 ティモール 人 約 三十 人 が デモ を 実施 、 二十四 人 が 逮捕 さ れた 。 デモ の 拡大 を 懸念 した 武装 治安 警察 と 軍 約 二百 人 が 大学 を 封鎖 した と いう 。 ポッカコーポレーション は 9 日 、 酒類 を 除く 飲料 、 食品 の 全 商品 に カロリー 表示 を する と 発表 した 。 すべて の 飲 食料品 を 対象 に した カロリー 表示 は 食品 業界 で は 初めて 。 知日 派 で 知ら れる ジョン ・ D ・ ロックフェラー 米 上院 議員 は 9 日 都 内 で 記者 会見 。 村山 富市 首相 の 訪 米 に ついて 「 コール 独 首相 、 メージャー 英 首相 ら と 同様の 、 ごく 普通の もの に なろう 」 と 述べ 、 特別な ムード に 包ま れる こと の 多かった 日 米 両 国 の 交渉 に も 実務 的な “ 大人 の 関係 ” を 示唆 した 。 東証 の 平均 株価 は 九 日 、 先週 末 終値 比 七十四 円 五十四 銭 安 の 一万九千四百四十四 円 九十二 銭 で 取引 を 終え 、 四 日 の 大 発会 以来 四 営業 日 連続 で 下落 した 。 一九四九 年 五 月 の 平均 株価 算出 開始 以来 の 年初 から の 連続 下落 記録 を 更新 した 。 これ まで の 記録 は 三 日 連続 で 五〇 年 以来 四 回 ある 。 また 、 東証 一部 の 出来高 は 一億二千八百万 株 で 九二 年 十二 月 二十九 日 以来 の 低 水準 と なった 。 キヤノン は 、 弱視 の 人 や 高齢 者 の ため に 書物 の 文字 など を 拡大 する 読書 器 「 アラジン 」 を 12 日 から 輸入 、 販売 する 。 米国 の 福祉 機器 大手 、 テレセンサリー 社 製 で 、 テーブル の 上 に 載せた 本 の 文字 など を 4 ― 20 倍 に 拡大 して 画面 に 映し出す 。 松下 電器 産業 は 家庭 用 パン 焼き 器 「 SD ― BT 100 」 を 2 月 1 日 に 発売 する 。 横幅 が コンパクトな こと が 売り物 で 、 ブドウ を 入れる タイミング を 知らせる ブドウパンコース など が 付いて いる 。 昨年 一 大 ブーム を 巻き起こした 格安 輸入 ビール だ が 、 瀬戸 雄三 ・ アサヒビール 社長 は 「 消費 者 の 試飲 需要 は 一巡 。 今年 は 消費 量 は 増え ない だろう 」 と 話す 。 理由 は 、 「 安い ビール は 安い なり の 値打ち 。 消費 者 は 価格 に 品質 を 加味 した 商品 の 値打ち を 重視 する 傾向 が 強まって いる 」 から 。 「 今年 は 価格 で なく 品質 に 磨き を かける 」 方針 だ 。 同社 は 2 月 9 日 から 、 2 種類 の 酵母 と 麦 汁 を 発酵 ・ 調和 さ せる 新 商品 「 アサヒ ダブル 酵母 生 ビール 」 を 発売 。 同 社長 は 「 手間 と 時間 を かける が 、 値段 は 据え置き 」 を 強調 した 。 足利 銀行 は 十七 日 から 、 高齢 者 と の 同居 など を 条件 に 住宅 や 教育ローン の 金利 を 優遇 する 「 ほのぼの 家族 ローン 」 の 取り扱い を 開始 する 。 「 六十 歳 以上 の 高齢 者 と 同居 して いる か 同居 を 予定 して いる 」 「 子供 が 三 人 以上 いる 」 の いずれ か の 条件 を 満たせば 、 住宅ローン の 変動 金利 四・〇 % を 三・九〇 % に 、 教育ローン 、 自動車 ローン の 変動 金利 五・〇 % を 四・〇 % に 、 固定 金利 五・九〇 % を 五・四〇 % に 優遇 する 。 取扱 期間 は 一 月 十七 日 から 十二 月 二十九 日 まで 。 経団連 の 豊田 章一郎 会長 は 九 日 の 記者 会見 で 、 日 米 包括 経済 協議 で 積み残し に なって いる 自動車 部品 分野 の 交渉 を 、 米 政府 が 日本 の 自動車 メーカー と 直接 交渉 する 構え を 見せて いる こと に ついて 「 政府 と 民間 が やる と いう の は 異常 。 民間 同士 で は これ まで も 協議 して きて おり 、 政府 と 民間 と いう の は 場違いだ 」 と 批判 した 。 また 社会党 の 新 民主 連合 の 民主 リベラル 新党 設立 の 動き に ついて は 「 しばらく 政治 の 安定 が 必要で 、 ブレーキ に なら ない ように うまく やって もらい たい 」 と クギ を 刺した 。 メキシコ の グリア 外 相 は 九 日 、 河野 洋平 副 総理 ・ 外 相 と 会談 し 、 通貨 危機 の 脱出 へ 向けて 日本 政府 の 理解 を 求めた 。 グリア 外 相 は 、 三 日 に メキシコ が 発表 した インフレ 防止 、 財政 赤字 削減 など の 緊急 経済 対策 に ついて 説明 し 、 「 メキシコ 経済 の ファンダメンタルズ は 確固と して おり 、 ペソ 切り下げ は 最終 的に は 輸出 力 増強 に つながる 」 と 述べた 。 これ に 対して 河野 外 相 は 、 「 民間 銀行 の 支援 に ついて は 政府 が 指示 する 問題 で は ない が 、 過去 の 危機 を 乗り越えた メキシコ 政府 の 実績 と 今回 の 経済 対策 の 姿勢 は 、 関係 者 も 理解 する だろう 」 と 述べた 。 国鉄 清算 事業 団 は 九 日 、 今後 の JR 株式 の 売却 方式 を 検討 する 懇談 会 を 、 西村 康雄 理事 長 の 私的な 懇談 会 と して 設置 する と 発表 した 。 証券 会社 、 機関 投資 家 、 アナリスト など から の 十六 人 と 同 事業 団 の 資産 処分 審議 会 株式 等 処分 部会 委員 八 人 の 計 二十四 人 が メンバー 。 従来 の 入札 売り出し 方式 の 変更 を 含め 、 証券 業界 、 市場 関係 者 の 意見 を 聞く こと が 主な 目的 。 パキスタン 訪問 中 の 橋本 竜太郎 通産 相 は 九 日 、 レガリ 大統領 や ブット 首相 、 ムフタル 商業 相 ら と 相次いで 会談 し 、 同国 向け に 今後 二 年間 で 三億 ドル の 貿易 保険 枠 を 新設 する こと を 表明 した 。 「 鉄腕 アトム 」 を つくり たい 。 通産 省 電子 技術 総合 研究 所 知能 システム 部 協調 アーキテクチャ 計画 室長 、 中島 秀之 さん の 究極 の 夢 だ 。 手塚 治虫 の 不朽 の 名作 「 鉄腕 アトム 」 に 少年 時代 、 宇宙 や 未来 に 夢 を はせた ひと り だった 。 中島 さん は 人工 知能 の 開発 で 日本 を 代表 する 研究 者 。 見る 。 聞く 。 話す 。 三 歳 児 が 判断 して 行動 する こと を コンピューター が 肩代わり する 。 それ が 、 中島 さん の 目指す 人工 知能 だ 。 人間 の 知能 の 仕組み を 探り たい 。 一九七七 年 、 東大 大学院 で 情報 工学 を 専攻 した 時 、 「 鳥 は 飛ぶ 。 つばめ は 鳥 だ 。 だから つばめ は 飛ぶ 」 と いう 三 段 論法 を 基 に した コンピューター 言語 と 知り合った 。 フランス で 生まれた プロログ 。 推論 する コンピューター が 求め られる 時代 に なる と 直感 した 。 中島 さん は 、 この プロログ を 日本 で 初めて ソフト化 し 、 通産 省 が 現在 進めて いる 第五世代コンピューター の 出発 点 と なった 。 「 目 と 手 の 動作 が ばらばら の 赤ちゃん は 、 次第に 目 で 見た もの を さわる ように なり ます 。 人間 って すごい なあ 。 その 人間 の 常識 って やつ を コンピューター に やら せ たい 」 。 中島 さん の 夢 は さらに 膨らんだ 。 五〇 年 に そろばん の 代わり と して 計算 機 が 登場 。 四十数 年 で コンピューター は 、 ミサイル や 天文 の 軌道 計算 を 人間 より 速く 処理 できる ように なった 。 しかし 、 微分 や 積分 を こなす の は 簡単だ が 、 何げなく 赤ちゃん が やって いる こと を こなす の は とてつもなく 難しい 。 その レベル 到達 まで あと 百 年 は かかる 。 一九〇 センチ 、 九〇キロ 、 長髪 。 ジーンズ に トレーナー 姿 の 「 お茶の水 博士 」 。 今 世紀 中 に 、 ミツバチ が ミツ の ありか を 仲間 に 教える 知能 レベル まで AI が 達すれば 祝杯 を あげ たい 。 アジア開発銀行 は 9 日 、 昨年 の 同行 の 融資 実行 額 が 前年 比 24 % 増加 し 、 過去 最高 の 36億 ドル と なった と 発表 した 。 国別 に 実行 額 を 見る と 1 位 は 中国 の 11億 ドル で 、 これ に インドネシア 、 パキスタン と 続いて いる 。 欧州 連合 の 為替 相場 メカニズム に 九 日 、 オーストリア が 新たに 加わり 、 ERM は 十 カ国 で 運営 さ れる こと に なった 。 今年 EU に 加盟 した オーストリア 、 スウェーデン 、 フィンランド の 三 カ国 の うち オーストリア だけ が ERM へ の 加入 を 希望 した 。 「 世界中 どこ を 探して も 一緒に やって いる ところ は ない 」 ―― 。 日本 輸出入 銀行 の 保田 博 総裁 は 九 日 、 特殊 法人 見直し 作業 の 中 で 、 同 行 と 海外 経済 協力 基金 と の 統合 問題 が 論議 さ れて いる こと に ついて 「 援助 機関 と 金融 機関 と して の 性格 、 役割 が 混同 さ れて いる 」 と 強く 反論 した 。 保田 総裁 は 日本 輸出入 銀行 を 「 特殊 法人 と いう 位置づけ で は 金融 機関 」 と 指摘 、 「 協力 ・ 援助 機関 」 である OECF と は 「 目的 も 動機 、 やり 方 も 当然 、 違って くる 」 と 反論 した 。 さらに 「 日本 が 政府 開発 援助 のみ の に 隠れ 、 輸出 信用 を 促進 して いる と 受け取ら れる 懸念 も ある 」 と 述べ 、 統合 の 必要 性 を キッパリ と 否定 した 。 保田 総裁 は 大蔵 省 主計 官 時代 、 各省 の 予算 を 厳しく 査定 し 「 ぶった ぎり の 保 さん 」 と の 異名 が ついた が 、 今 は 特殊 法人 の トップ だけ に 、 その 整理 ・ 統合 に は 慎重 。 定例 会見 の 場 を 使って 反論 しよう と の 思惑 から か 、 発言 そのもの は 歯切れ が 良かった 。 九 日 付 の 英 有力 紙 タイムズ は 、 同国 南部 の ウェイマス に 近い ポートランド の 海軍 基地 を 欧 州 向け 物資 の 陸揚げ 基地 と して 日本 企業 ないし 企業 連合 に そっくり 売却 する 構想 が 浮上 して いる と 報じた 。 売却 の 場合 、 港湾 は 日本 側 の 方針 に 完全に 従って 運営 さ れる と いう 。 この 基地 は 政府 の 国防 費 削減 計画 に 基づき 一九九六 年 初め に 閉鎖 さ れる 予定 で 、 四千三百 人 の 雇用 が 失わ れる 見通し 。 地元 の 開発 担当 者 は 、 ポートランド は 水深 も 十分で 停泊 に も 便利な ため 「 日本 の 欧州 港 」 と して 理想 的 と 述べて いる 。 売却 対象 と さ れる の は 、 港 と 港湾 周辺 の 敷地 三百五十 エーカー 。 工場 や 事務 所 など の 施設 利用 も 可能 。 タイムズ は 「 売却 価格 は 最大 一千万 ポンド に なる 可能 性 が ある 」 と して いる 。 韓国 財務 省 は 9 日 、 金 泳三 大統領 に 提出 した 報告 の 中 で 、 今年 の 同国 国民 総 生産 の 伸び を 7 % 前後 に 抑制 する ため 各種 施策 を 実施 する 方針 を 示した 。 運輸 省 は 九 日 、 車検 や 各種 運賃 設定 など の 規制 緩和 に ついて 、 三 月 まで に 約 百 項 目 を まとめ 、 実施 に 移して いく 方針 を 決めた 。 松尾 道彦 運輸 事務 次官 が 同日 の 会見 で 明らかに した 。 伊藤忠 商事 、 東芝 は 9 日 、 米 タイム ・ ワーナー など と 組んで 、 有線テレビ 放送 事業 を 統括 する 合弁 会社 と して 、 タイタス ・ コミュニケーションズ を 17 日 付 で 東京 に 設立 する と 発表 した 。 日本 建設 業 団体 連合 会 が 9 日 まとめた 1994 年 11 月 分 の 受注 調査 結果 に よる と 、 受注 総額 は 1兆5640億 円 、 対 前年 同月 比 18・8 % 増 で 、 2 カ月 連続 で 前年 実績 を 上回った 。 発注 者 別 で は 、 マンション 建設 の 好調 が 続き 、 ダム 建設 の まとまった 受注 が あった 民間 が 同 14・9 % 増 、 大型 工事 が 例年 より 出遅れて 前年 割れ が 続いて いた 官公庁 も 同 22・9 % 増 だった 。 「 日 米 間 は 対立 が 前面 に 出 がちだ が 、 今回 の キーワード は 協力 。 アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 大阪 会議 の 成功 に 向けた 取り組み など 、 戦後 50 年 と いう 節目 に 立った 日 米 間 の 多面 的な 協力 が テーマ に なる だろう 」 メキシコ は 1980 年 代 、 貿易 赤字 と 累積 債務 が 急増 し 、 債務 支払い 不能 に 陥って 国際 的な 金融 不安 を 引き起こした が 、 米国 主導 で 元本 削減 、 金利 軽減 措置 が 取ら れ 、 90 年 代 に は 経済 は 安定 に 向かい 、 90 ― 92 年 の 実質 国 内 総 生産 の 伸び 率 は 2 ― 4 % 台 に 回復 して いた 。 メキシコ 政府 は 輸入 自由 化 策 を 取り 、 貿易 、 経常 赤字 が 再び 急増 した が 、 外国 から の 資本 投資 も 増え 、 微妙な バランス を 取って いた 。 しかし 外国 資本 が 引き揚げた 途端 、 行き詰まり が 表面 化 した 。 日常 の 買い物 を 通して 環境 を 守ろう ―― 京都 市 の 市民 団体 「 環境 市民 」 など 四 団体 で つくった 「 グリーンコンシューマー ・ ネットワーク 」 が 「 地球 に やさしい 買い物 ガイド 」 を 出した 。 グリーンコンシューマー は 、 環境 に 気 を つけて 買い物 を する 消費 者 を いう 。 米国 や 英国 でも 、 市民 団体 が 環境 買い物 ブック を つくって いる 。 日本 でも 同じ 試み を しよう と 、 同 ネットワーク の 約 七十 人 が 全国 の スーパー 、 コンビニエンス 店 、 生協 など 六十八 店 に ついて 、 環境 商品 の 扱い 数 、 発泡 トレイ や 牛乳 パック など の 回収 状況 、 環境 情報 の 公開 度 など 六 項 目 を 調べ 、 環境 通信 簿 を つけた 。 この 採点 表 を 見れば 、 どの 店 が どんな 環境 対策 を 取って いる か が 分かる 。 総合 評価 で は 環境 商品 を 豊富に そろえ 、 びん の リサイクル など に 積極 的に 取り組んで いる 「 コープ こうべ 」 「 ジャスコ 」 「 コープ しずおか 」 「 ダイエー 」 が 上位 に ランク さ れた 。 同 ネットワーク は 「 すき焼き の 材料 と して 牛肉 、 ネギ 、 タマゴ など を 買う 場合 、 買い物 袋 を 持参 して 簡易 包装 の もの を 選ぶ だけ で 、 ごみ の 発生 量 は 十 倍 も 違う 」 と ガイドブック の 活用 を 勧めて いる 。 「 地球 に やさしい 買い物 ガイド 」 の 問い合わせ は バルディーズ 研究 会 。 異常 が ない のに 、 体 の 一部 に 冷た さ を 感じる 人 が 増えて いる 。 生活 が 便利に なり 、 季節 の 変化 に 体 の 対応 する 力 が 、 低下 して いる ようだ 。 冷え症 は 女性 特有 の 症状 と さ れて きた が 、 老若 男女 を 問わ ず 、 あらゆる 現代 人 が かかり やすい 症状 と して 注意 が 必要だ と いう 。 人間 の 体 は 、 気温 が 下がる と 、 熱 を 逃がさ ない ように する ため 末梢 の 血管 が 収縮 、 血行 が 悪く なって 熱量 が 減る 。 これ に 伴い 新陳 代謝 が 低下 し 、 血管 や 内臓 の 働き を 支配 する 自律 神経 の バランス を 崩し 、 さらに 血行 が 悪く なり 症状 が ひどく なる と いう 悪 循環 に 陥る 。 東京 都 国保 連合 会 南多摩 病院 の 村田 高明 院長 の もと に は 、 冷え症 の 患者 が 年々 増え 、 昨年 秋 から 年 末 に かけて は 前年 比 の 六 割 増 に まで なった 。 「 昨夏 の 猛暑 で 冷房 を 使い 過ぎ 、 体 が 冷えた と いう 人 が 多い んです 」 二 、 三 年 前 から 男性 の 患者 も 目立ち 「 冷え症 は いまや 女性 だけ の 症状 で は あり ませ ん 」 と 強調 する 。 また 、 冷え症 は 現代 人 の 生活 の 便利 さ と 悪習 が 、 環境 へ の 適応 力 を 下げて いる こと が 原因 と も いわ れる 。 また 、 無理な ダイエット は 、 熱量 を 生み 体 を 寒 さ から 守る 脂肪 を 少なく する 。 冬 に とる ビール や アイスクリーム など は 、 体 内 を 冷やす 。 冷え症 を 病気 で は なく 自覚 症状 の 一 つ と みる 西洋 医学 と は 違い 、 東洋 医学 で は 冷え を 重視 する 。 「 ヨシコ クリニック 」 院長 の 高木 嘉子 さん は 「 東洋 医学 で は 、 体 全体 の 調子 を 考え 、 人間 が 持つ 自然な 治癒 力 に 働きかけ ます 」 と いい 、 体 を 暖める 漢方 薬 の 処方 と 生活 指導 で 冷え症 を 治療 して いる 。 さらに 高木 さん は 、 慢性 的な 冷え症 の 前 段階 と して 、 体 の ある 部分 で 血行 不全 が 続く 状態 を 「 冷え 」 と 呼び 、 警鐘 を 鳴らして いる 。 「 体調 を 崩し 、 気分 が すぐれ ず 、 放っておけば 、 病気 を 招き やすく なり ます 」 予防 策 の 一 つ は 、 食物 の 取り 方 。 東洋 医学 で は 、 食物 を 体 を 温める もの と 冷やす もの に 分ける が 、 冷える 人 は 陰性の 食物 より 、 陽性の 食物 を 取る ほう が よい 。 陽性の 食物 は 地面 の 下 で 育つ 野菜 、 海草 、 大豆 、 小魚 など で 、 陰性の 食物 は 夏 に 取れる 野菜 や 果物 、 ビール など 。 そのほか の 予防 策 と して は 、 次 の ような もの が ある 。 「 頭寒足熱 」 と なる よう 、 下半身 に ももひき 、 スパッツ 、 毛糸 の パンツ 、 レッグウオーマー など 上半身 より 一 枚 多く 着る 。 冷暖房 で は 暖気 が 部屋 の 上部 に 行き 冷気 が 下 に 沈む ので 、 扇風機 で 空気 を 循環 さ せる 。 あまり 強く 冷暖房 を し ない 。 好み の 温度 より 二 、 三 度 低い 湯 に 、 へそ より 数 センチ 上 まで を 十五 ― 二十 分間 つかる 。 東芝 が 12 月 1 日 の 「 映画 の 日 」 に ちなんで 、 東京 や 大阪 の 20 歳 以上 の 主婦 400 人 を 対象 に 、 好きな 映画 や 思い出 の 映画 に ついて の 意識 と 実態 を 調査 した 。 その 結果 、 7 割 の 主婦 が 映画 好き で 、 特に 20 代 、 30 代 と 高く なって おり 、 若い ほど 映画 好き …… と いう 傾向 が 表れた 。 「 邦画 」 24 % 、 「 洋画 」 が 43 % で 、 洋画 ファン の ほう が 多数 を 占めて いる 。 「 思い出 の 映画 」 で は 「 ローマ の 休日 」 が 圧倒 的な 人気 で 、 2 位 が 「 風 と 共に 去り ぬ 」 、 以下 「 ウエスト サイド 物語 」 「 E.T. 」 「 サウンド ・ オブ ・ ミュージック 」 「 男 は つらい よ 」 と いう 順だった 。 家族 で 夕食 後 に テレビ を 見て いる と 、 突然 、 六 歳 の 孫 が 「 やっぱり 、 おばあ ちゃん も いる 四 人 暮らし は いい なぁ 」 と 、 しみじみ いう 。 私 は 《 可哀そうな こと を した 》 と 、 改めて 事 の 重大 さ を 思い知った 。 私 の 肺 に カゲ が 見付かった の は 、 昨年 十 月 半ば 。 八○キロ の 体 に がん の 疑い が ある など 、 夢にも 考えた こと は なく 、 ただただ 驚く のみ 。 一 カ月 ほど 千葉 県 柏 市 の 国立 がんセンター へ 検査 に 通い 、 十 月 二十一 日 入院 、 十一 月 四 日 に 三 時間 に 及ぶ 手術 、 十二 月 三 日 に 退院 した 。 先日 、 退院 後 初めて の 診察 を 受け 「 異常 なし 」 に 安心 。 新しい 気持ち で 正月 を 迎えた 。 内 ・ 外科 の 先生 方 の 協議 が あり 、 家族 が 面談 ・ 承諾 した 後 、 麻酔 の 先生 を 紹介 さ れた ―― 。 ここ まで は 覚えて いる が 、 それ から の 五 日間 は 何も わから ない 。 ICU で 吸い のみ から 水 を 飲ま して もらった こと を 、 かすかに 思い出す のだ が 。 いま 、 酸素 吸入 装置 が 取れ 、 庭 を 散歩 できる まで に なった 。 幼稚園 に 通う 一人っ子 の 孫 は 夜 八 時 まで 、 私 の 実家 で 、 病院 から 帰る 母 を 待った 。 母 、 つまり 娘 が 看病 の ため 通院 し 続けた 四十 日 余 も 。 つらかった だろう 。 寂しかった だろう 。 実家 の 父 はじめ 兄弟 、 親類 に も 心配 を かけた 。 が 、 なにより 孫 に 再び 寂しい 思い を さ せ ない ため に 、 風邪 を ひか ない ように して 頑張ろう 。 一九九四 年 最終 ランキング で トップ 10 を 占めた 選手 の なか で 「 東レ 」 の 戦い に 加わら ない の は 、 二 位 の アランチャ ・ サンチェス ・ ビカリオ 、 四 位 の ヤナ ・ ノボトナ 、 七 位 の ガブリエラ ・ サバチーニ 、 八 位 の マルチナ ・ ナブラチロワ の 4 人 だけ 。 この うち ナブラチロワ は 昨 シーズン 限り で シングルス から の 引退 を 決めて おり 、 八 位 以下 の 順位 を 繰り上げる と 十一 位 の マクダレナ ・ マレーバ が 十 位 と なり 、 トップ 10 の うち 7 選手 が 顔 を そろえる こと に なる 。 本 戦 直接 出場 選手 24 人 の ランキング を 見て も 「 トップ 10 」 7 人 の ほか は 十 位 台 3 、 二十 位 台 4 、 三十 位 台 2 、 四十 位 台 4 、 五十 位 台 3 人 と 、 これ から 「 トップ 10 」 を 目指す 実力 者 が そろい 、 「 あわよくば 大物 食い 」 の 一 発 チャンス を 狙う 。 インドネシア の ジャカルタ で 開幕 した 今年 の WTA ツアー も 豪州 シドニー 、 ホバート から メルボルン の 全 豪 オープン を 経て 「 東レ 」 が 第 五 戦 。 すでに し烈な ポイント ランキング 争い は 始まって いる 。 九四 年 最終 ランキング に どんな 変動 が 起きる か 予測 は むずかしい が 、 女王 グラフ が 背中 に 大きな 不安 を 抱えた まま 新 シーズン を 迎え ねば なら なかった こと を 考える と 、 何 か を 予感 せ ず に は いら れ ない 。 中でも 波乱 の 目 と 期待 でき そうな の が 初 出場 の コンチタ ・ マルチネス 、 リンゼイ ・ ダベンポート 、 グラフ に 自信 を 持つ メアリー ・ ピアース 、 この 大会 を 2 度 制し 、 昨 シーズン 限り で 引退 した 姉 マヌエラ ・ マレーバ ・ フラニエル に 代わって 「 日本 で の 初 優勝 」 を 狙う マレーバ 3 姉妹 の 末 妹 マクダレナ だ 。 「 クレーコート の スペシャリスト 」 と 目さ れて いた マルチネス が 、 テクニシャン の ナブラチロワ を 打ち破って 「 アッ 」 と 言わ せた の が 昨年 の ウィンブルドン 決勝 だった 。 シーズン 当初 の 全 豪 オープン で は 準 々 決勝 で 伊達 に 敗れ 、 全 仏 オープン で は 準 決勝 で サンチェス ・ ビカリオ に ストレート 負け 、 全 米 オープン は 三 回 戦 で ジンジャー ・ ヘルゲソン に よもや の 敗戦 と 、 マルチネス が 取った ビッグ タイトル は 1 つ に 終わった が 、 それ でも パワー と 粘り の グラウンド ストローク で トッププレーヤー の 一角 を 維持 した 。 ピアース と ダベンポート は 、 男子 選手 に 肩 を 並べる ほど の 体格 に 恵まれた パワーヒッター 。 まだまだ 力任せの 感じ を 否め ない が 、 ツボ に はまった とき の フォアハンド ・ ストローク は 脅威 に なる だろう 。 マレーバ は 小粒だ が 、 プレー センス の 良 さ は 母親 、 2 人 の 姉 から 受け継いで いる 。 日本 選手 で は 、 八 位 の 伊達 、 二十五 位 の 沢松 の ほか に 二十七 位 の 遠藤 愛 、 五十七 位 の 宮城 ナナ の 2 人 が メーンドロー 入り した 。 伊達 は グラフ に は これ まで 0 勝 4 敗 、 ピアース と は 0 勝 1 敗 と 分 が 悪い が 、 マルチネス に は 3 勝 1 敗 と 圧倒 し 、 ダベンポート と は 1 勝 0 敗 の 戦績 を 残して おり 、 優勝 の チャンス は 十分に ある 。 昨年 の ツアー 最 終戦 の バージニアスリム ・ チャンピオンシップ 準 々 決勝 で 見せた マルチネス と の 壮絶な 戦い の 再現 を 期待 し たい ところ だ 。 沢松 は 4 年 ぶり の 出場 。 これ まで 学業 の 関係 で 出場 チャンス を 逸して いた が 、 今年 は 学生 最後 の 年 。 マルチネス 、 ピアース 、 ダベンポート は いずれ も ベース ライン ・ プレー の 同 タイプ の 選手 で 、 思い切った 激しい ラリー の 展開 に 持ち込めば 、 沢松 が 打ち勝つ シーン が 見 られる かも しれ ない 。 遠藤 も 昨年 の 全 米 オープン 三 回 戦 で ダベンポート を 破って 自信 を 深めて いる 。 過去 の 対戦 成績 でも 2 勝 1 敗 と 上回って おり 、 ストローク 戦 で 得意の 粘り を 発揮 できれば 上位 進出 が 楽しみに なる 。 宮城 は 昨 シーズン 後半 に なって 完全に 復調 した 。 ランキング 五十七 位 は 、 九〇 年 五 月 に 記録 した 五十八 位 を しのぐ 最高 ランキング 。 ダブルス で 磨き を かけた ショット は 、 上位 ランカー を 苦しめる こと だろう 。 本 戦 出場 4 選手 を めぐって 32 選手 が 二十八 、 二十九 、 三十 の 3 日間 で 争う 予選 も 見もの に なり そうだ 。 すでに 八十 位 内 を キープ し 、 今 シーズン に 躍進 を かける 杉山 愛 、 長塚 京子 、 神尾 米 の 3 人 は 予選 上位 シード と して 予選 突破 圏 内 に あり 、 クリスティン ・ ラドフォード 、 李 芳 、 デビー ・ グラハム 、 アサ ・ カールソン ら に 挑む 。 この ほか 雉子牟田 直子 、 宮内 美澄 ら が 出場 する 。 シングルス ばかり で は なく 、 世界 ナンバーワン ・ ペア の ナタリア ・ ズベレワ 、 ジジ ・ フェルナンデス 組 が 出場 する ダブルス も おもしろい 戦い に なり そうだ 。 伊達 が 再び 宮城 と 組んで 出場 する か 、 杉山 、 長塚 の ペア に も 期待 が かかる 。 米 男子 プロ ゴルフ ツアー の 今季 開幕 戦 、 メルセデス 選手 権 は 八 日 、 カールスバッド の ラコスタ CC で 最終 ラウンド を 行い 、 スティーブ ・ エルキントン と ブルース ・ リツキー が 通算 10 アンダー の 278 で 首位 に 並び 、 プレーオフ の 末 、 エルキントン が 優勝 、 賞金 18万 ドル を 獲得 した 。 エルキントン は ツアー 通算 5 勝 目 。 大リーグ 入り に 挑戦 し たい と いう 野茂 の 勇気 に 拍手 を 送り たい 。 野茂 に とって 大リーグ は 夢 だった と いう 。 だが 、 大リーグ に 行って も 日本 と 同じ ように 活躍 できる 保証 は 何も ない 。 加えて 、 言葉 や 習慣 の 壁 。 日本 を 代表 する エース と いう 地位 を 捨てて まで 野茂 は 夢 を 貫く 。 社会 人 の 新日鉄 堺 時代 から 「 太く 短く 」 を 信条 に して いた 野茂 らしい 選択 と 言える 。 野茂 に 決断 を 促した 理由 は いく つ か ある 。 近鉄 は 育てて もらった 球団 だ が 、 居心地 の いい 球団 で は なく なって いる 。 親しい トレーニング コーチ が 鈴木 監督 ら 首脳 陣 と 意見 が 合わ ず 、 一昨年 秋 に 突如 解雇 さ れた 。 その 時 抱いた 不信 感 が まだ 消えて い ない 。 肉体 的な 不安 も ある 。 FA 宣言 すれば 移籍 の 自由 は 与え られる が 、 現行 の 制度 で は 野茂 が FA 資格 を 取得 する の は 早くて 5 年 後 。 入団 以来 の 登板 過多 が たたって 、 昨季 右 肩 を 痛めた こと も 「 今 しか ない 」 と いう 気持ち に つながった ようだ 。 野茂 の 挑戦 は 、 60 年 の 歴史 を 持ち ながら 「 井 の 中 の カワズ 」 だった プロ 野球 で 、 ようやく 「 大海 」 に 飛び出す 選手 が 登場 した と いう ことだ 。 世界ボクシング評議会 ジュニアバンタム級 王者 、 川島 郭志 と の タイトル マッチ に 臨む 前 王者 の ホセ ・ ルイス ・ ブエノ が 9 日 、 東京 の 帝拳 ジム で 来 日 初 練習 を 行った 。 卓球 の 二十 歳 以下 の 世界 精鋭 が 参加 する 第 三 回 地球 ユース 選手 権 大会 は 九 日 、 東京 体育 館 で 23 カ国 ・ 地域 が 参加 して 開幕 。 第 一 日 は 、 ユース 2 種目 と ジュニア 1 種目 の 予選 リーグ が 行わ れ 、 日本 勢 は 男子 ユース 団体 D 組 で 2 勝 し 準 決勝 進出 に 望み を つないだ が 、 女子 ユース 団体 は B 組 で ハンガリー に 敗れ 予選 敗退 。 野茂 は 九 日 夜 、 TBS テレビ に 出演 し 、 「 2 回 目 の 交渉 まで は 複数 年 契約 を 認めて ほしい の 一点 張り だった が 、 球団 に 認めて もらえ ず 、 大リーグ 入り を 決意 した 。 年俸 は 減る だろう が 、 金 に 関係なく 挑戦 し たい 」 など と 抱負 を 語った 。 野茂 の 大リーグ を 目指す 決断 は 「 野球 の 頂点 で の プレー 」 を 夢見る 他 の 日本 人 選手 に も 少なからず 影響 を 与え そうだ 。 サンフランシスコ ・ ジャイアンツ から 身分 照会 を 受けた 桑田 。 ウインターリーグ で 160キロ の 速球 を 投げて 大リーグ の スカウト 陣 を 驚かせた 西武 の 前田 に も 、 フロリダ ・ マーリンズ から 身分 照会 が きて おり 、 「 力 の ある うち に 大リーグ で 投げて み たい 」 と 語って いる 。 現在 、 大リーグ は 、 年俸 の 高騰 を 抑制 する ため サラリーキャップ 制度 の 導入 を めぐって 、 昨年 の 八 月 から ストライキ に 突入 、 ワールドシリーズ も 中止 さ れた 。 労使 対立 が 続いた 場合 、 ビザ 発給 が スムーズに 進む か どう か 疑問 視 する 向き も ある 。 オーナー 側 は 来 季 、 対立 する 選手 会 に 属さ ない マイナー リーグ や 中南米 の 選手 に よる 代替 リーグ で の 開幕 も 考えて いる 。 この ため 、 多く の 大リーガー を 獲得 して きた 日本 球界 が 、 逆に 大リーグ から の 選手 狩り に あう 可能 性 も 出て きた 。 第 二 、 第 三 の 野茂 が 生まれる 下地 は 十分 ある 。 一方 で 、 労使 の 妥協 が 出来た とき に 、 大リーグ 選手 会 から 「 スト破り 選手 」 と して 試合 に 出場 出来 なく なる 恐れ も あり 、 さまざまな 問題 は 残って いる 。 当地 の キングファハド スタジアム で 行わ れて いる サッカー の インタコンチネンタル 選手 権 で 八 日 、 日本 は アルゼンチン に 敗れて 2 連敗 。 予選 リーグ で の 敗退 が 決まった 。 昨年 十二 月 に スタート した 加茂 全 日本 の 初 舞台 だった が 、 守備 面 で は プレス を かけ ボール を 奪う と いう 共通 理解 が 出て きた 半面 、 攻撃 は まだまだ 未完成 。 強豪 相手 だった と は いえ 、 多く の 課題 を 残した 。 「 足 を 止めて 打ち合え 、 そう し なければ 分から ない 、 と 選手 に は 言った 。 残念 ながら こちら の パンチ は 届か ず 、 最後 は グロッギーで ダウン 寸前 」 。 加茂 監督 は 、 ボクシング に なぞらえて 試合 を 振り返った 。 守備 ライン を 下げて 守備 的に 戦えば 、 少し 失点 は 減った かも しれ ない 。 だが 、 サッカー は 点 を 取る ゲーム 。 そんな こと を すれば 、 今 まで 練習 して きた ゾーン プレス の 意味 が ない 。 あえて 前 に 出て 、 世界 と の 大きな 差 を 痛感 する 試合 と なった 。 日本 の 攻撃 は 前 に すら 振り向け なかった 。 出した パンチ を かわさ れる ので は ない 。 体 を よせ られ 、 パンチ も 出せ なかった 場面 が 多かった 。 突っかかって いこう と した の は 三浦 ぐらい 。 組織 的に 守って ボール を 取る と いう 意識 は 浸透 して きた が 、 攻め は まだまだ 組織 的で は ない 。 「 あと 半年 で どれ だけ 世界 と の 差 を 縮め られる か 」 と 加茂 監督 。 六 月 に は イングランド の 国際 大会 で 、 再び 強豪 と の 戦い が 待って いる が 、 前途 は 多難だ 。 一 歩 々々 踏みしめる ように 前 に 出た 。 普段 より も 、 幾分 大きな 歩幅 で 寄り切って 、 貴乃花 が 横綱 初 勝利 を 挙げた 。 初日 は 左 で まわし を つかみ ながら 、 あわてて 前 に 出た ため 足 が ついてこ ず 、 武双山 の 上手 投げ を 浴びた 。 新 横綱 の 重圧 から 、 勝ち 急いだ の は 明らかだった 。 この 日 は 左 上手 を つかんで から 、 ひと 呼吸 置いた 。 右 を 差し 、 さらに 差し手 を 返して 、 相手 の 上体 を 起こす 。 貴乃花 の 型 を キッチリ 作って から 寄って 出た 。 7 勝 無 敗 と 得意の 大善 相手 に は 、 慎重 過ぎる ほど の 取り口 だ が 、 それ だけ 1 勝 が 欲しかった に 違いない 。 感情 を 表 に 出す こと の 少ない 貴乃花 だ から 、 あからさまに 喜んだり は し ない 。 「 横綱 初 白星 と いって も 、 いつも と 変わら ない です 。 土俵 に 上がったら 下 の 時 と 一緒です から 」 。 そして 勝因 に ついて は 一言 だけ 。 「 昨日 は 急ぎ すぎた から 、 今日 は 落ち着いて いこう と …… 」 貴乃花 は 、 この 日 の 土俵 入り に 、 初日 より も 10 秒 近く 時間 を かけた 。 「 今日 は ゆったり やろう と いう 気持ち が あった んです 」 。 取組 の 2 時間 近く も 前 から 、 貴乃花 は 一生懸命 、 自分 を 落ち着か せて いた 。 気負い は 、 それ だけ 大きかった のだ 。 しかし 初 白星 で 、 心 は 平穏 を 取り戻した だろう 。 横綱 ・ 貴乃花 が 、 この 日 、 本当の スタート を 切った 。 野茂 の 受け入れ 先 は 、 大リーグ の どの 球団 が コミッショナー 事務 局 を 通じて 身分 照会 して くる か に かかる 。 現在 、 大リーグ の シアトル ・ マリナーズ 入り を 目指して いる マック 鈴木 投手 の 代理人 を して いる ダン 野村 氏 が 野茂 の 相談 役 に なって おり 、 目下 の ところ 、 マリナーズ が 有力 視 さ れて いる 。 ダン 野村 氏 は 九 日 夜 、 都 内 で 記者 会見 し 、 大リーグ と の 入団 交渉 に ついて 、 「 現在 は まったく 白紙 。 28 球団 すべて と 交渉 できる 。 いろいろな 条件 を 考慮 して 、 野茂 に とって 最善 の 道 を 選び たい 」 と 話した 。 また 吉国 コミッショナー が 「 野茂 獲得 を 希望 する 米 球団 は 近鉄 球団 と 交渉 する こと に なる 」 と 話した こと に ついて 、 「 野茂 は 米国 で は フリーエージェント 」 と して 、 今後 の 交渉 で 近鉄 に よる 制約 は ない と の 見解 を 示した 。 日本 の コミッショナー と 米国 大リーグ と は 「 日 米 間 選手 契約 に 関する 協定 」 を 結んで おり 、 自由 契約 選手 に ついて は 、 身分 照会 後 、 当該 球団 と 選手 と が 直接 交渉 出来る 。 野茂 の 場合 は 拘束 権 が 近鉄 に 残る 任意 引退 選手 の ため 、 吉国 コミッショナー は 同 協定 の 三 項 「 球団 に 所属 して いる か 契約 を 保留 さ れて いる もの 」 を 準用 する 意向 だ 。 複数 球団 が 野茂 獲得 の 意思 を 示し 、 野茂 と 近鉄 の 希望 球団 が 違う 場合 も 、 近鉄 に 決定 権 が ある 、 と コミッショナー 事務 局 で は 見解 を 示して いる 。 近鉄 は 交渉 過程 を コミッショナー に 届け出る 必要 は なく 、 成立 後 に 契約 締結 の 承認 を コミッショナー に 求める だけ 。 近鉄 側 の 代理人 へ の 交渉 委任 も 可能だ が 、 コミッショナー 事務 局 と して は 、 今後 の トラブル 回避 の ため に 、 球団 間 の 合意 書 を きちんと 交わす べきだ と して いる 。 先月 二十七 日 の メディア 欄 に 掲載 さ れた 「 J リーグ が インターネット 利用 し 情報 提供 」 と いう 記事 。 「 http : / / www.dentsu.co.jp / J − LEAGUE / 」 と 打ち込めば 情報 提供 を 受け られる ように 書いて い ます が 、 なに か 誤解 して い ませ ん か 。 アサヒ ・ ネット の WWW 接続 サービス を 使えば 、 この J リーグ 情報 に たどりつけ ます が 、 ニフティ から は 接続 でき ませ ん 。 記事 は WWW を 知ら ない 人 に は 意味 不明 だろう と 思い ます 。 毎日新聞 が もっと インターネット を 活用 する こと を 期待 し ます 。 コミック 「 こちら 葛飾 区 亀有 公園 前 派出 所 」 を ご存じ だろう か 。 その “ こち 亀 ” が 何と 「 九十 巻 」 目 の 単行本 を 発売 した 。 “ こち 亀 ” が 世界 一 の 発売 部数 を 誇る 雑誌 「 少年 ジャンプ 」 に 登場 した の は 確か 一九七六 年 。 十九 年 前 の こと である 。 東京 は 下町 の 葛飾 区 亀有 。 実在 し そうで 、 実在 し ない 派出 所 に 勤務 する 「 浅草 生まれ の 両津 勘吉 巡査 」 が 主人公 。 サンダル が 警視 庁 の 制服 に よく 似合う ハチャメチャ 警察 官 である 。 酒 、 パチンコ 、 競馬 が 大好き 。 独身 で 、 いつも 懐 は ピーピー して いる 。 そのくせ 、 億万 長者 の 部下 に 慕わ れる 。 「 ギャグ 漫画 の 寅 さん 」 。 わが家 の 面々 は 全員 、 両 さん の ファン である 。 コミック 雑誌 「 少年 ジャンプ 」 に は 「 掟 」 が ある 。 徹底 した 読者 アンケート 至上 主義 で 、 人気 が 下がる と 連載 は 即 打ち切り 。 「 お 客 様 は 神様 」 の 思想 が 徹底 して いる 。 “ こち 亀 ” は 十八 年間 、 この 「 アンケート 地獄 」 に 勝ち残った こと に なる 。 大変な 快挙 である 。 秘密 は ? と 言えば 「 不変 」 と いう こと かも しれ ない 。 主人公 の キャラクター が 「 不変 」 。 登場 する わき役 の 顔ぶれ が いつも 変わら ない 。 舞台 回し 、 ストーリー も 「 不変 」 。 「 変え ない 努力 」 が 、 ロングセラー の 絶対 条件 な の かも しれ ない 。 「 一 年 の 計 は “ こち 亀 ” に あり 。 不変 も また 新たなり 」 と 理屈 を つけて 当方 は 寝 正月 。 今年 も よろしく 。 ニフティ の ID 沖縄 県警 捜査 二 課 と 宮古 署 は 九 日 朝 、 無 投票 に なった 昨年 九 月 の 沖縄 県 伊良部 島 ・ 伊良部 町 の 町議 選 の 買収 疑惑 に 絡んで 、 町議 会 議長 で 会社 役員 、 豊見山 恵栄 容疑 者 ら 現職 議員 十五 人 を 含む 二十三 人 を 公選 法 違反 容疑 で 逮捕 した 。 全員 大筋 で 現金 の 授受 を 認めて いる と いう 。 調べ で は 、 建設 業 、 手登根 勝 容疑 者 は 、 九 月 六 日 告示 の 町議 選 を 無 投票 に する ため 、 逮捕 さ れた 議員 十五 人 から 現金 四百五十万 円 を 集金 、 告示 日 の 六 日 、 元 町議 で 農業 の 長嶺 晴治 容疑 者 に 渡し 、 また 告示 翌日 の 七 日 、 百万 円 を 新人 で 出馬 予定 だった 会社 員 、 大浦 暁江 容疑 者 と 夫 の 会社 代表 、 貞治 容疑 者 に 渡した 疑い 。 長嶺 容疑 者 と 大浦 夫妻 は 、 立候補 を 取りやめた 報酬 と 知り ながら 現金 を 受け取った 疑い 。 残り 四 人 の 町民 は 仲介 した 疑い 。 JR 旅客 六 社 は 九 日 、 年 末 年始 の 利用 状況 を まとめた 。 期間 中 、 新幹線 を 含む 全国 主要 四十七 線 区 で 下り の 特急 ・ 急行 を 利用 した 人 は 六百八万 人 で 前年 比 九八 % に とどまった 。 今 年度 の JR 利用 者 は ゴールデンウイーク が 前年 比 九五 % 、 お盆 期間 中 が 同 九八 % で 、 単 年度 で 繁忙 期 の 三 期間 が すべて 前年 割れ した の は JR 発足 後 初めて と いう 。 記録 的な 猛暑 だった 昨年 は 日本 列島 の ほぼ 全域 で 各 観測 地点 と も 平年 の 年 平均 気温 を 一 度 以上 も 上回って いた こと が 、 気象 庁 の まとめ で 九 日 明らかに なった 。 猛暑 の 晴天 が 続いた 結果 、 降水 量 も 記録 的に 少なく なり 、 逆に 、 日照 時間 は 長く なって いた 。 気象 庁 に よる と 、 四国 の 高松 で 平年 の 一五・三 度 に 対して 昨年 は 一七・一 度 と 一・八 度 も 上回った の を 最高に 、 二十 年 以上 観測 を 続けて いる 百四十二 地点 の うち 三 分 の 一 に 当たる 四十七 地点 で 、 観測 史上 最も 高い 年 平均 気温 を 記録 した 。 全国 的に は 、 北海道 北西 部 と 南西 諸島 を 除き 、 年 平均 気温 より 一 度 以上 も 上回って いた 。 今春 の 神奈川 県 知事 選 の 候補 擁立 を 検討 して いる 同県 の 知事 選 問題 合同 協議 会 の 梅沢 健治 座長 は 九 日 、 首相 官邸 で 石原 信雄 内閣 官房 副 長官 と 会談 。 石原 氏 に 県 知事 選 出馬 の 意向 を 打診 した が 、 石原 氏 は 固辞 した 。 梅沢 座長 は 十 日 に 同 協議 会 に 参加 して いる 、 共産党 を 除く 各 党 に 報告 し 、 石原 氏 擁立 を 正式に 断念 する 。 山形 県 新庄 市立 明倫 中 で 一昨年 一 月 、 一 年生 の 児玉 有平 君 が 体育 館 用具 室 の 丸めた マット の 中 で 死んで いた 事件 で 、 「 再審 請求 」 に 当たる 保護 処分 取り消し 申し立て の 抗告 を 仙台 高裁 で 棄却 さ れた 少年 三 人 が 九 日 、 「 高裁 決定 は 憲法 違反 」 など と して 最高裁 に 再 抗告 を 申し立てた 。 宗教 上 の 理由 から 剣道 の 実技 を 拒否 した ため 、 保健 体育 の 単位 が 認め られ ず 、 神戸 市立 工業 高等 専門 学校 を 退学 さ せ られた 「 エホバの証人 」 信徒 の 小林 邦人 さん が 退学 処分 など の 取り消し を 求めた 訴訟 で 、 神戸 高専 側 は 大阪 高裁 判決 を 不服 と して 九 日 、 最高裁 に 上告 した 。 大阪 高裁 は 先月 二十二 日 、 「 処分 は 学校 側 の 裁量 権 を 著しく 逸脱 し 違法 」 と して 、 一 審 ・ 神戸 地裁 判決 を 取り消し 、 復学 を 命じる 逆転 判決 を 言い渡した 。 輸入 解禁 で 初 上陸 した 米国 産 リンゴ が 九 日 夕 、 初めて 東京 都 内 の スーパー など に 並んだ が 、 国産 より 安価 と は いえ 、 売れ行き は 今一つ で 模様眺 め の 様子 。 一方 、 国 内 生産 地 で は 、 今回 の 輸入 が 人気 薄 の 品種 である こと から 比較的 冷静に 受け止めて いる 。 しかし 今後 は 「 ふじ 」 など の 競合 品種 へ の 輸入 拡大 や 新たな 輸入 参入 国 の 動き も 予想 さ れる だけ に 警戒 感 を 強めて いる 。 東京 都 目黒 区 の ダイエー 碑文谷 店 に は 、 「 ゴールデンデリシャス 」 「 レッドデリシャス 」 の 二 品種 三千五百 個 が 入荷 。 「 日本 産 より 二 、 三 割安 」 と の 宣伝 で 「 ゴールデン 」 が 一 個 七十八 円 、 「 レッド 」 同 五十 円 で 販売 さ れた 。 早速 試食 した 同 区 の 主婦 、 永井 澄代 さん は 「 確かに 安い が 、 酸味 が 強く 、 甘み も どうも …… 」 と もの足りな そう 。 世田谷 区 の 同 、 坂本 節子 さん は 「 味 は ほどほどだ し 、 安ければ 生産 地 が どこ でも 構わ ない 」 。 主婦 たち の 感想 は 二 分 さ れて いる 様子 だ 。 調べ で は 、 佐橋 市長 は 建築 設計 や 付帯 設備 の 設計 、 監理 など を 手がけて いる 篠田 川口 建築 事務 所 の 川口 社長 ら 三 人 から 、 同 市 発注 の 市 総合 福祉 施設 ふれあい センター の 基本 設計 委託 契約 で 便宜 を 取り計らった 謝礼 と して 一九九一 年 八 月 に 現金 数十万 円 を 受領 。 さらに 九二 年 四 月 、 同 センター の 実施 設計 と 工事 監理 契約 で 現金 数百万 円 を 受け取った 疑い 。 四 容疑 者 は 逮捕 事実 を おおむね 認めて いる と いう 。 同 市 を 巡って は 談合 疑惑 など が うわさ さ れて いた 。 佐橋 市長 は 、 県議 を 六三 年 から 五 期 十六 年 務めた あと 、 七九 年 に 市長 に 初 当選 、 現在 四 期 目 。 市長 選 出馬 時 に 「 三 期 で 長 すぎる 」 と 多 選 批判 し 当選 した 。 昨年 一 年間 に かけ られた 一一〇 番 通報 は 約 五百二十万 件 と 推計 さ れ 、 六 秒間 に 一 回 、 国民 の 二十六 人 に 一 人 が 利用 した 割合 に なる こと が 九 日 、 「 一一〇 番 の 日 」 を 前 に した 警察 庁 の まとめ で 分かった 。 昨年 一 月 から 十一 月 末 まで に 受理 さ れた 一一〇 番 件数 は 四百七十七万九千七百二十五 件 。 過去 最高 だった 前年 の 同期 より 約 十九万 件 多く 、 五 年 前 に 比べ 二二 % の 増 と なって いる 。 内容 別 で は 交通 事故 ・ 違反 など の 交通 関係 の 通報 が 最も 多く 三五・三 % を 占め 、 これ に 電話 番号 の 問い合わせ など の 照会 が 一七・七 % で 続いた 。 都道府県 で は 東京 都 が 一 日 平均 千九百五十三 件 と 最多 で 、 最も 少なかった の は 島根 県 の 同 三十七 件 だった 。 埼玉 県 行田 市 の 会社 役員 、 川崎 明男 さん の 死体 遺棄 容疑 で 逮捕 さ れた 関根 元 容疑 者 は 一昨年 失跡 した 四 人 に ついて 殺害 を 自供 した が 、 一九八四 年 に も 同 容疑 者 周辺 の 三 人 が 失跡 し 、 同 容疑 者 の 知人 が 「 関根 容疑 者 に 頼ま れて 死体 を 捨てた 」 など と 埼玉 ・ 群馬 両 県警 合同 捜査 本部 に 供述 して いる こと が 九 日 まで に 分かった 。 同 本部 は 、 川崎 さん の ケース と 酷似 して いる こと から 、 同 容疑 者 と 失跡 者 と の 関係 を 慎重に 調べて いる 。 行方 不明に なって いる の は 、 当時 四十七 歳 の 同県 深谷 市 の 女性 ▽ 同 五十一 歳 の 秩父 市 の 暴力 団 幹部 ▽ 同 二十八 歳 の 同 市 の 元 トラック 運転手 。 深谷 市 の 女性 は 、 現在 群馬 県 内 に 住む 関根 容疑 者 の 知人 の 当時 の 妻 。 この 知人 は 八二 年 ごろ 、 静岡 県 伊東 市 で 関根 容疑 者 と 知り合って 犬 の 繁殖 を 手掛ける ように なり 、 関根 容疑 者 の 店 に も 頻繁に 出入り して いた 。 妻 は 八四 年 ごろ 自宅 から 突然 姿 を 消し 行方 が 分から なく なった 。 暴力 団 幹部 は 関根 容疑 者 が 「 兄貴 」 と 慕って いた 人物 。 しかし 関根 容疑 者 が 幹部 に 約束 した 金 を 払わ なかった こと から トラブル と なり 、 直後 に 行方 不明 と なった 。 元 トラック 運転手 は 関根 容疑 者 の 店 で 働いて いた が 、 発注 した 看板 の 契約 の 名義人 に さ れた こと から 代金 支払い を めぐる トラブル に 巻き込ま れて いた と いう 。 元 妻 が 失跡 した 群馬 県 内 の 知人 は 同 本部 の 参考人 調べ に 対し 「 暴力 団 幹部 と 妻 は 、 関根 容疑 者 が 燃やし 、 私 が 骨 を 捨てた 」 と 供述 。 毎日新聞 の 取材 に も 「 妻 は 自宅 で 死んで いた ため 処理 を 関根 容疑 者 に 依頼 した 。 幹部 の 時 も 関根 容疑 者 に 呼び出さ れ 、 私 が 遺体 を 捨てた 」 と 話して いる 。 一方 、 暴力 団 幹部 失跡 直後 、 関根 容疑 者 が 当時 住んで いた 熊谷 市 の 自宅 横 に あった 穴 が 一 週間 後 に 埋め られ 、 関根 容疑 者 が 「 埋めて やった 」 と 、 群馬 県 内 の 自営 業者 に 殺害 を ほのめかして いた こと も 分かった 。 自営 業者 に よる と 、 穴 は 幅 一 メートル 、 長 さ 二 メートル 、 深 さ 二 メートル ほど で 、 業者 が 「 幹部 を やった の か 」 と 聞く と 、 関根 容疑 者 は 「 そう 」 と 否定 し なかった と いう 。 同 本部 は この 業者 の 証言 も 得て いる 。 九 日 午後 五 時 四十八 分 ごろ 、 東京 都 葛飾 区 の 京成 電鉄 押上 線 京成 高砂 ― 青砥 駅 間 で 、 電力 供給 の 架線 が 断線 した 。 同 九 時 四十五 分 に 復旧 した が 、 約 四 時間 に わたり 押上 線 の 押上 ― 青砥 駅 、 京成 本線 の 京成 上野 ― 東 中山 駅 、 金町 線 の 京成 高砂 ― 京成 金町 駅 の 三 区間 が 不通 と なった 。 京成 電鉄 に よる と 、 この 間 、 上下 線 計 百七十三 本 が 運休 、 約 六万 人 の 利用 客 が 影響 を 受けた 。 外交 研究 家 、 清沢 洌 氏 の 日記 に よる と 、 前夜 、 帝国 ホテル で 沢田 外務 次官 と 会食 。 沢田 次官 は 「 『 東洋 経済 』 に 外 相 と 首相 の 仲 が 悪い ように 書いて ある 。 大臣 は 迷惑 して いる 」 と 不満 を 述べた 。 清沢 氏 は 「 筆 を 拘束 する の か 」 と 憤慨 する 。 「 言論 の 戦い 」 は 水面 下 で 熾烈だ 。 プロ 野球 近鉄 バファローズ の 野茂 英雄 投手 が 九 日 、 近鉄 を 退団 し 、 米 大リーグ 入り を 目指す こと に なった 。 野茂 投手 の ような 日本 球界 を 代表 する プロ 野球 選手 が 大リーグ に 挑戦 する の は 初めて 。 移籍 先 の 球団 は 未定で 、 今後 は 代理人 を 通して 交渉 する 。 野茂 投手 は 昨年 十二 月 の 二 回 に わたる 球団 と の 契約 交渉 で 、 複数 年 契約 など を 要求 。 受け入れ られ なかった こと から 、 この 日 、 大阪 市 内 の ホテル で 行わ れた 近鉄 球団 と の 交渉 で 、 以前 から 希望 して いた 大リーグ 入り を 訴えた 。 前田 泰男 球団 社長 は 慰留 に 努めた が 、 決意 が 固い こと から 、 九 日 付 で 任意 引退 の 手続き を 取り 、 大リーグ 入り を 了承 した 。 野茂 投手 は 記者 会見 など で 「 お 金 の 問題 で は なく 、 最高の 舞台 で 自分 の 力 を 試して み たい 。 それ に は 今 しか ない 」 など と 話した 。 野茂 投手 は 大阪 ・ 成城 工 高 から 、 社会 人 野球 の 新日鉄 堺 に 入り 、 アマ 野球 全 日本 チーム の エース と して 一九八八 年 の ソウル 五輪 で 活躍 。 九〇 年 に ドラフト 一 位 で 近鉄 に 入団 。 トルネード 投法 と 呼ば れる 打者 に 背 を 向ける 独特な フォーム で 新人 王 や 四 年 連続 最多 勝 など に 輝いた 。 昨年 は 右 肩 関節 痛 の ため 八 勝 七 敗 に 終わった 。 近鉄 ファン の 思い は さまざまだ 。 大阪 近鉄 バファローズ 後援 会 副 会長 で 作曲 家 の キダ ・ タロー さん は 「 だめで 元々 、 本場 に 挑戦 しよう と いう 姿勢 を 心から 応援 し たい 。 ファン に とって 、 野茂 投手 が どこ へ 行こう と 近鉄 の エース 。 米 大リーグ で 通用 すれば 、 近鉄 ファン に とって も 誇り と なる はず 」 。 野茂 投手 が 大阪 府立 成城 工 高 時代 に 野球 部 監督 を 務め 、 現在 、 府立 淀川 工 高 野球 部 顧問 の 宮崎 彰夫 さん は 「 大リーグ 行き を 見送って やり たい 。 アマチュア 時代 、 米国 選手 と 何度 か 投げ合って いる が 、 実力 は そん色 なかった 。 大リーグ は スト 中 な ので 心配 」 と 話す 。 これ に 対し 、 近鉄 の 本拠 地 ・ 藤井寺 球場 の 地元 関係 者 ら は さびし そう 。 堀端 宏 ・ 藤井寺 市長 は 「 野茂 投手 は 今 の 近鉄 を 背負って いる し 、 観客 の 動員 力 も ある 。 残念 と しか 言い よう が ない 。 思いとどまる こと は でき なかった か なあ 」 。 また 、 同 市 職員 ら で つくる 闘牛 クラブ の 国下 和男 会長 は 「 やはり 近鉄 に 残って 優勝 に 貢献 して もらう の が 希望 。 今 の 投手 陣 を 見て も 野茂 投手 に 頑張って もらわ ない と 、 優勝 へ の 道 は 険しい 」 と 話して いた 。 東京 地検 特捜部 は 九 日 、 一億六千万 円 余 を 脱税 した と して 、 ゲーム 店 経営 「 日 興 電機 産業 」 と 小原田 定 宏 社長 を 法人 税法 違反 の 罪 で 在宅 起訴 した 。 起訴 状 に よる と 、 小原田 社長 は 、 一九九一 年 二 月 期 の 法人 所得 の うち 約 四億二千万 円 を 隠し 、 赤字 申告 した 。 隠し 所得 の ほぼ 全額 を 貯蓄 して いた と いう 。 長野 県 南安曇 郡 安曇 村 の 北 アルプス ・ 前 穂高 岳 に 登った まま 消息 を 絶って いる 「 関西 お たっしゃ くらぶ 大阪 同人 」 の 大阪 市 西成 区 北津守 、 会社 員 、 瀬川 輝秋 さん ら 男女 三 人 パーティー の 捜索 は 同 県警 が 九 日 、 ヘリコプター で 行う 予定 だった が 、 天候 が 悪く 断念 した 。 十 日 以降 、 天候 の 回復 を 待って 捜索 する 。 「 今年 こそ 、 もうかり ます ように 」 ―― 宵 戎 の 九 日 、 商売 の 神様 を まつる 各地 の 「 えべっ さん 」 は 、 春 の ような 陽気に も 誘わ れ 大 にぎわい 。 「 薄日 が 差し 始めた 」 と 言わ れる 景気 に 、 合わせる 手 に も 力 が こもって いた 。 「 商売 繁盛 で ササ 持ってこい 」 と スピーカー から 鳴り響く 大阪 市 浪速 区 の 今宮 戎 神社 は 三十二万 人 の 人出 大阪 市 旭 区 の 会社 会長 、 松本 銓三 さん は 「 価格 破壊 の 動き が 気掛かりです が 、 順調な 売り上げ を 祈り ました 」 と 話した 。 関西 国際 空港 の 開港 で 神社 側 は 英文 の パンフレット 二千 枚 を 用意 。 今春 、 英会話 教室 を 開く 予定 の 米国 人 、 ベネット ・ トミー さん は 「 クリスチャン だ けど 商売 繁盛 を 願う 気持ち は 同じ 」 と 神妙に 手 を 合わせた 。 全国 の えびす 神社 の 総 本社 、 兵庫 県 西宮 市 の 西宮 神社 の 人出 は 三十五万 人 。 拝殿 に は 重 さ 三百二十キロ の 巨大な 招 福 マグロ が 供え られ 、 参拝 者 が マグロ の 頭 や 背中 に さい銭 を 張り付け 商売 繁盛 を 祈願 。 京都 市 東山 区 の 京都 ゑびす 神社 は 七万三千 人 が 参拝 。 自民党 の 故 中川 一郎 元 農 相 の 13 回忌 が 9 日 、 都 内 の ホテル で 行わ れた 。 河野 洋平 総裁 、 小渕 恵三 副 総裁 ら 約 700 人 が 出席 し 、 故人 を しのんだ 。 新進党 の 海部 俊樹 党首 、 小沢 一郎 幹事 長 ら も 出席 する 予定 だった が 、 代理 出席 に とどまった 。 新進党 に 参加 した 旧 新生 、 公明 、 日本 新 、 民社 の 大阪 府 レベル の 代表 者 ら で つくる 府 知事 選挙 対策 チーム は 九 日 、 衆院 第 二 議員 会館 で 初 協議 を 行った 。 現在 の 府政 与党 の 枠組み を 重視 し 、 近く 左藤 恵 会長 が 、 自民党 大阪 府 連 の 中山 太郎 会長 、 社会党 大阪 府 本部 の 福間 知之 委員 長 と 公式 に 意見 交換 する こと を 決めた 。 左藤 会長 と 近江 巳記夫 、 藤村 修 衆院 議員 、 白浜 一良 参院 議員 が 出席 。 中野 寛成 衆院 議員 は 公務 で 欠席 した 。 自社 の トップ と の 会談 は 、 各 党 が 中川 和雄 知事 後援 会 の ヤミ 献金 問題 を どう とらえる か と いう 観点 で 話し合い たい と して いる 。 結果 に ついて は 、 十八 日 に 開く 予定 の 大阪 府 連合 結成 準備 会 で 左藤 会長 が 報告 、 討議 する 方針 。 新進 、 自 社 の 三 党 に よる 協議 に ついて は 、 自民 の 中山 会長 も 昨年 暮れ に 協議 の 場 を 持つ 意向 を 明らかに して いる 。 アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 が 今年 十一 月 、 大阪 市 で 開か れる 。 世界 の 人口 の 四 割 、 国 内 総 生産 の 五 割 を 占める 十八 カ国 ・ 地域 の 首脳 、 閣僚 が 集まり 、 貿易 ・ 投資 の 自由 化 の 方針 や 経済 協力 の あり 方 を 協議 する 。 東京 以外 で 開か れる 初 の 首脳 級 国際 会議 で 、 地元 に とって は 関西 国際 空港 開港 で 活発 化 して いる 国際 交流 を さらに 加速 し 、 国際 都市 ・ 関西 を 全 世界 に アピール する チャンス で も ある 。 APEC 大阪 会議 の 課題 や 、 各国 ・ 地域 の 思惑 、 経済 界 の 期待 を 探って みた 。 「 マレーシア は ボゴール 宣言 を 留保 付き で 受け入れる こと が できる 。 目標 年次 は 目安 に 過ぎ ず 、 参加 経済 を 拘束 し ない 」 。 マレーシア の マハティール 首相 は 昨年 十一 月 十六 日 、 各国 の 報道 陣 を 前 に 宣言 した 。 前日 、 十八 カ国 ・ 地域 の 首脳 が 合意 した 先進 国 二〇一〇 年 、 途上 国 二〇二〇 年 の 貿易 ・ 投資 自由 化 の 目標 年限 は 一夜 に して “ 努力 目標 ” に 格下げ さ れた 。 今年 の 議長 国 ・ 日本 は 、 画期的で は ある が 極めて あいまいな ボゴール 宣言 を 出発 点 に 自由 化 の シナリオ を 構築 する こと に なった 。 APEC は 今年 で 七 回 目 。 一昨年 の シアトル 会議 で 始まった 非公式 首脳 会議 は 三 回 目 を 迎える 。 自由 化 問題 を どう 扱う の か 、 活動 範囲 が 広がって きた APEC の 組織 を 拡充 す べき か どう か 、 凍結 中 の 新規 加盟 問題 を どう さばく の か ―― など 重要 課題 の かじ取り が 、 日本 に ゆだね られた 。 なか でも 最大 の 焦点 は 自由 化 問題 。 米国 の クリントン 大統領 は ジャカルタ で の 記者 会見 で 「 大阪 会議 で は 自由 化 目標 に 向けた ブルー ・ プリント を 採択 する よう 希望 する 」 と 、 日本 の 努力 を 促した 。 しかし マハティール 首相 が 「 参加 国 ・ 地域 の 発展 段階 は 多様 性 に 富む 。 自由 化 に よって 途上 国 は 先進 国 に 支配 さ れる かも しれ ない 」 と 警告 した ように 、 途上 国 側 に は 性急な 自由 化 に 反発 が ある 。 さらに 北米 自由 貿易 協定 に 参加 した メキシコ が 昨年 末 から 通貨 危機 に 見舞わ れた こと で 、 途上 国 の 警戒 感 が 強まる 可能 性 が ある 。 また 世界 貿易 機関 に 引き継が れる 関税 貿易 一般 協定 二四 条 に 従えば 、 農業 を 含む すべて の 分野 に ついて 自由 化 を 進める か 、 域 外 国 に も 最恵国待遇 で 自由 化 の 成果 を 適用 し なければ なら ない 。 ところが 米国 は 、 域 外 適用 に は 相互 主義 を 主張 して おり 先進 国 側 に も 問題 は 残る 。 昨年 末 、 大阪 市 内 で 講演 した 遠藤 哲也 APEC 担当 大使 は 「 とても 青写真 まで 持っていく 自信 は ない 」 と 、 苦悩 の 色 を 隠さ なかった 。 一昨年 以来 三 年間 凍結 して いる 新規 加盟 の 審査 基準 作り も 日本 の 肩 に かかって いる 。 APEC の 機構 問題 も 、 米国 、 カナダ 、 オーストラリア など 「 組織 化 」 を 目指す 先進 国 と 、 「 APEC は 緩やかな 協議 体 」 と する 途上 国 の 隔たり が 大きい 。 東南アジア 諸国 連合 に は 、 当初 から 「 APEC は 途上 国 に 市場 開放 を 迫る トロイ の 木馬 」 と の 疑念 が ある のだ 。 ニュージーランド の バードン 貿易 交渉 大臣 は 「 日本 から の 提案 が 重要だ 。 アジア と の アイデンティティー を 尊重 する ため に も 日本 の 責任 は 重い 」 と 、 日本 の イニシアチブ 発揮 に 期待 を かける 。 駐日 米国 大使 館 の エドワード ・ リンカーン 特別 経済 補佐 官 も 「 外国 は 何 を 考えて いる か びくびく する ので なく 、 日本 が アイデア を 打ち出す 時期 に きて いる 」 と 注文 する 。 日本 は マハティール 首相 が 提唱 して いる 東 アジア 経済 会議 に ついて 、 EAEC から 排除 さ れた 米国 の 反発 に 配慮 して 、 明確な 意思 表示 を ためらって いる 。 しかし 、 APEC 大阪 会議 で は あいまいな 態度 は 許さ れ そうに ない 。 米国 、 アジア の どちら を 向く の か 、 日本 外交 の 哲学 が 問わ れる 。 松下 電器 産業 と の 対立 が 表面 化 して いる 松下 傘下 の 米国 娯楽 企業 、 MCA 社 の ワッサーマン 会長 ら 経営 幹部 が 九 日 午後 、 来 日 した 。 十 日 に 大阪 府 枚方 市 で 開か れる 松下 グループ の 今年 の 経営 方針 発表 会 に 出席 する ため だ が 、 十一 、 十二 日 に は 松下 幹部 と の 最高 経営 会議 も 予定 さ れて いる 。 最高 経営 会議 は 、 両 社 の 意見 の 食い違い が 明確に なった 昨年 十 月 の トップ 会談 以来 で 、 九四 年 十二 月 期 の 決算 報告 や 今期 の 事業 計画 など が 中心 と なる と いう 。 宇野 収 ・ 前 関経連 会長 は 九 日 、 辞意 表明 した 稲盛 和夫 ・ 関経連 副 会長 の 問題 で 調整 に 乗り出す 意向 を 示した 。 具体 的に は 京都 商工 会議 所 会頭 就任 で 多忙な 稲盛 氏 の 留任 の ため 「 必要 が あれば 私 が 関西電力 に 行って お 願い する こと も 考えて いる 」 と 述べた 。 関経連 の 後任 会長 に “ 本命 ” と さ れて いた 小林 庄一郎 ・ 関電 会長 を 指名 し なかった こと に よる 関西 財界 の しこり の 解消 も 図る 狙い が ある と み られる 。 宇野 前 会長 は 稲盛 氏 の 関経連 副 会長 就任 に ついて は 「 引き受ける と 全力 投球 する 人 である こと を 見込んで 頼んだ 」 と 同氏 の 手腕 を 高く 評価 して 自ら 要請 した こと を 認めた 。 その うえ で 、 「 学 研 都市 は 京都 と も 関係 が 深い 。 副 会長 職 と 学 研 担当 は セット と 考えて いる 」 と 、 稲盛 氏 が 無任所 の 副 会長 と して とどまる こと は 望ましく ない と の 見解 を 明らかに した 。 ただ 赤字 体質 の 株式 会社 けいはんな の 経営 など 、 会頭 職 と 兼務 で 行う の は 困難な 面 が ある こと は 認め 、 「 関西電力 の 協力 を 仰ぐ こと は 必要 」 と 述べた 。 幸福 銀行 は 来月 一 日 から 、 懸賞 金 付き 定期 預金 を 発売 する 。 関西 で は 一部 の 信用 金庫 や 信用 組合 が 取り扱って いる が 、 銀行 で は 初めて 。 追随 する 地方 銀行 も ある と 見 られ 、 商戦 が 本格 化 し そう 。 商品 は 「 わくわく 」 と 名付けた 一 年 物 スーパー 定期 。 特徴 は 、 前後 賞 を 設けて 懸賞 金 を 高く した コース と 、 当選 率 を 高く した コース の 二 種類 を 設定 した 点 。 十万 円 に つき 一 本 の 抽選 権 が あり 、 好きな コース を 選ぶ 。 前後 賞 付き コース は 賞金 が 五万 円 ― 五千 円 だ が 、 二万五千 円 の 前後 賞 が あり 、 三 口 預けた 場合 、 最高で 十万 円 当たる 。 当たり くじ は 一万 本 中 二百 本 。 当選 率 の 高い コース は 、 一万 本 の うち 四百三十六 本 が 当たる 。 懸賞 金 は 五万 円 ― 三千 円 。 今月 十七 日 から 予約 販売 を 始める 。 販売 予定 額 は 一千億 円 。 住友 銀行 は 十七 日 から 、 ATM に よる 振込 手数 料 の 一部 を 値下げ する 。 都 銀 で は 富士 銀行 と 並んで 最低 水準 に なる 。 一 ― 三万 円 の カード 利用 に よる 他 行 あて を 五十一 円 、 三万 円 以上 の 現金 振り込み を 五十二 円 、 カード 振り込み を 百三 円 から 百五十五 円 引き下げる 。 政府筋 は 九 日 、 ブリュッセル で 二 月 二十五 、 二十六 日 に 開か れる 先進 七 カ国 情報 通信 担当 閣僚 に よる 「 情報 サミット 」 に 合わせ 、 二 月 二十五 日 に G 7 各国 の 主要 電気 通信 事業 者 や 電機 メーカー 、 マルチメディア 関連 など の 企業 トップ も 「 民間 情報 サミット 」 を 開く と 明らかに した 。 情報 通信 関連 事業 の 主導 権 争い や 技術 の 標準 化 で 対立 する 各国 産業 界 が 率直に 意見 交換 する 。 G 7 各国 から 、 米国 最 大手 の 電気 通信 事業 者 の AT&T など 、 マルチメディア 企業 の トップ 約 四十 人 が 出席 する こと に なって いる 。 日本 から は 山口 開生 ・ 日本 電信 電話 会長 、 関本 忠弘 ・ 日本 電気 会長 、 稲盛 和夫 ・ 第 二 電 電 会長 ら 八 人 が 出席 予定 。 青山 商事 は 九 日 、 同 日付 で 販促 本部 、 広報 情報 本部 を 設置 、 青山 五郎 社長 が 両 本部 長 を 兼任 する 人事 を 発表 。 同社 は 消費 不振 など で 業績 が 伸び悩んで おり 、 青山 社長 の 両 本 部長 就任 で 、 広告 宣伝 、 広報 体制 を 強化 、 新規 分野 の カジュアル 部門 など へ の テコ 入れ を 図る 。 紳士 服 専門 店 チェーン の 同社 は 、 一九八七 年 の 上場 以来 低 価格 路線 と 新規 出店 効果 で 売り上げ アップ を 続けて きた 。 しかし 、 九五 年 三 月 期 決算 は 、 猛暑 に 加え 単価 ダウン の 影響 で 、 上場 来 初 の 減収 減益 見込み と なって いる 。 サクラクレパス は 9 日 、 児童 用 水彩 絵の具 の 鉛 チューブ を 全面 的に 、 ポリエチレン 製 の チューブ に 切り替える と 発表 した 。 これ に 伴い 、 現在 主流 の 1 本 5 CC 入り 絵の具 の 販売 を 停止 、 同 12 CC 入り に 統一 する 。 鉛 チューブ は 鉛 が 絵の具 に 溶け 出す こと が あり 、 欧 米 で は 児童 が 口 に すれば 危険だ と して 、 アルミニウム や プラスチック の チューブ へ の 切り替え が 進んで いる 。 現在 、 水彩 絵の具 全体 で 鉛 チューブ は 約 7 割 を 占めて いる が 、 同社 の 切り替え で 、 4 割 以下 に 低下 する 見込み 。 切り替え は 4 月 末 まで に 終了 予定 。 近畿 の 多く の 自治 体 が 、 住民 人口 を 広報 紙 など で 公表 する 際 、 在 日 外国 人 を 含め ず 日本 人 だけ の 数 を 表示 して いる こと が 九 日 、 分かった 。 滋賀 県 内 で は 、 約 四 割 の 自治 体 が この 形式 を とって おり 、 在 日 外国 人 の 差別 問題 に 取り組む 「 在 日 朝鮮 人 問題 研究 会 」 は 近く 、 これ ら の 自治 体 に 質問 書 を 提出 する 。 自治 体 の ほとんど は 、 人口 変動 に ついて 、 毎月 の 広報 紙 や 庁舎 掲示 で 公表 。 滋賀 県 で は 、 五十 市町村 の うち 三十一 市町 は 住民 基本 台帳 に 載って いる 日本 人 と 外国 人 登録 者 の 合計 数 を 表示 して いる が 、 十九 町村 は 日本 人 だけ の 数 を 掲示 。 県 内 一万五千六百六十三 人 の 外国 人 の うち これ ら 十九 町村 に 住む 六百十 人 は 公表 数 に は 含ま れて い ない 。 三重 、 奈良 、 和歌山 の 各 県 でも 、 町村 部 を 中心 に “ 外国 人 外し ” の 例 が 多く 、 小学生 の 社会 科 で 郷土 の 人口 を 教える 場合 も 外国 人 数 を 除いて いる 。 こうした 自治 体 は 「 人口 と は 、 住民 基本 台帳 の 数字 が 原則 」 「 長年 の 慣例 」 「 外国 人 は 少ない から 」 など と 説明 。 滋賀 県 内 の 在 日 外国 人 は 「 我々 は 幽霊 な の か 。 自分 たち が 人口 に 含ま れ ない こと を 知った 子供 たち は 、 どんな 気持ち が する だろう 」 と 反発 して いる 。 自治 省 に よる と 、 「 広報 の 掲載 など は 行政 サービス の 一環 で 、 その スタイル は 自治 体 の 判断 に 任さ れる 」 。 国 の 各種 人口 統計 で は 、 外国 人 数 を 併記 したり 内 数 を 記載 する など の 方法 で 、 その 数 を 表示 して おり 、 全 自治 体 から 日本 人 と 外国 人 それぞれ の 数 に ついて 報告 さ せて いる と いう 。 京都 市 西京 区 の 桂川 堤防 で 九 日 朝 、 女性 が 他殺 体 で 見つかった 事件 で 、 京都 府警 捜査 一 課 桂 署 捜査 本部 の 同日 夜 まで の 調べ で 、 被害 者 は 発見 現場 から 約 一キロ 離れた 同 市 南 区 吉祥院宮ノ東 町 、 主婦 、 安田 利恵 さん と 判明 。 死因 は 首 を ひも など で 絞め られた 窒息 死 と わかった 。 調べ で は 、 死亡 推定 時刻 は 八 日 夜 から 九 日 早朝 で 、 けい部 に ひも 状 の もの で 強く 絞め られた と み られる 跡 が あった 。 他 に 外傷 は なかった 。 近所 の 人 の 話 に よる と 、 安田 さん は 会社 員 の 夫 と 二 人 暮らし 。 地区 の ソフトボール 大会 に 参加 する など 、 活発で 気さくな 性格 だった と いう 。 捜査 本部 は 、 発見 現場 付近 に 争った 跡 が なく 、 安田 さん が トレーナー 、 ジーパン の 普段着 姿 だった こと など から 、 自宅 近く で 殺さ れ 、 車 で 運ば れた 可能 性 が 高い と みて 、 交友 関係 など を 調べて いる 。 九 日 午後 九 時 前 、 宵 戎 で にぎわう 大阪 市 浪速 区 の 今宮 戎 神社 境内 で 、 さい銭 箱 に 金 を 投げ入れよう と して いた 同 市 東成 区 の 主婦 の コート の ポケット から 、 男 が 現金 約 六千 円 入り の 財布 を 抜き取った の を 、 警戒 中 の 大阪 府警 の 捜査 員 が 発見 、 窃盗 の 現行 犯 で 逮捕 した 。 浪速 署 の 調べ に よる と 、 男 は 住所 不定 、 無職 、 中尾 博 容疑 者 。 ◆ 一昨年 春 から 昨年 6 月 まで の 科学 面 連載 「 シリーズ ・ 大学 病院 」 が 、 「 大学 病院 って なん だ 」 の 題 で 単行本 に 。 自治 と 権威 に 覆わ れて 実態 が 見え にくい 大学 病院 。 この 連載 を テキスト に 使った 大学 も あり 、 執筆 した 記者 は 「 3 時間 待ち の 3 分間 診療 に 、 大学 病院 へ の 信仰 と おごり が 。 意識 改革 が 先決 」 と 。 ◆ 久しぶり に 浪速 の シンボル 、 通天 閣 に 。 夕暮れ 時 で 高 さ 約 90 メートル の 展望 台 から は 眼下 に ミナミ の 夜景 。 最近 は 鉄骨 の 枠組み そのまま の レトロ 風 が 若者 に 受け 、 大勢 の カップル が 。 難点 は 展望 台 に トイレ が ない こと 。 建物 の 構造 が 古く 、 造る に も コスト に 見合わ ない と か 。 レトロ が すべて 良い と は 限り ませ ん ね 。 和歌山 市 で 昨夏 開か れた 世界 リゾート 博 の 剰余金 が 、 約 30億6400万 円 に なる こと が 9 日 、 同 博 協会 理事 ・ 監事 会 で 報告 さ れた 。 地域 振興 に 寄与 する よう 全額 を 和歌山 県 に 寄付 する 。 リゾート 博 は 、 72 日間 の 会期 中 に 目標 の 2 倍 近い 約 298万 人 が 入場 。 通産 省 の ジャパンエキスポ 制度 の 認定 を 受けた 地方 博 で は 、 富山 博 ▽ 信州 博 など の 剰余金 を 大きく 上回った 。 浄土 真宗 本願寺 派 本山 の 西 本願寺 で 九 日 、 宗祖 ・ 親鸞 の 遺徳 を しのぶ 「 報恩講 」 が 始まった 。 同派 の 年間 最大 行事 で 、 親鸞 の 新暦 で の 命日 に あたる 十六 日 まで 、 全国 から 約 八万 人 の 門 信徒 が 参加 する 。 午後 二 時 から 御影堂 で 始まった 法要 に は 、 大谷 光 真 門主 、 光照 前 門主 が 出座 。 集まった 僧 や 門 信徒 と ともに 「 正信念仏偈 」 を 唱和 した 。 住民 基本 台帳 氏名 、 生年 月日 、 戸籍 など を 記入 する 。 在 日 外国 人 は 外国 人 登録 法 に 基づき 、 別に 登録 さ れる 。 阪田 一夫 氏 の 社葬 23 日 午後 1 時 、 大阪 府 吹田 市 桃山 台 5 の 9 の 千里 会館 で 。 葬儀 委員 長 は 東野 俊彦 ・ サカタインクス 社長 。 喪主 は 妻 三枝 さん 。 九 日 午後 十一 時 四十 分 ごろ 、 大阪 府 大東 市 三住 町 一 の 路上 で 、 同 市 三箇 二 、 大学生 、 福永 慎人 さん が 自転車 で 帰宅 途中 、 若い 男 に 「 おい 、 金 を 出せ や 」 と からま れ 、 逃げよう と した ところ 、 別の 男 に 棒状 の もの で 頭 を 殴ら れた 。 男 たち は 福永 さん が 投げ出した 現金 約 二万 円 入り の 財布 を 奪って 逃走 。 福永 さん は 頭 に 軽傷 。 四条畷 署 は 恐喝 など の 容疑 で 捜査 。 男 五 、 六 人 の グループ で 、 福永 さん に 声 を 掛けた 男 は 二十 歳 前後 、 身長 約 一六〇 センチ 、 頭髪 を 茶色 に 染めて いた と いう 。 JR 西 日本 は 9 日 、 年 末 年始 の 利用 状況 を 発表 した 。 関西 空港 特急 「 はるか 」 と 、 昨年 12 月 開業 した 智頭 線 の 新しい 山陰 アクセス 特急 「 スーパー はくと 」 など の 利用 が 目立ち 、 新幹線 と 在来 線 合計 で 308万7000 人 が 利用 、 前年 同期 に 比べ 2 % 上回った 。 新幹線 は 前年 同期 比 2 % 減 の 153万5000 人 。 在来 線 は 同 6 % 増 の 155万2000 人 。 九 日 午後 十一 時 二十 分 ごろ 、 大阪 府 豊中 市 千成 町 三 の 路上 で 「 中年 の 男性 が 腹 を 刺さ れ 倒れて いる 」 と 一一〇 番 が あった 。 男性 は 四十五 歳 くらい で 、 ナイフ の ような もの で 刺さ れて おり 、 傷 は 心臓 まで 達し 、 まもなく 死亡 。 豊中 南 署 は 殺人 容疑 で 捜査 を 始めた 。 調べ で は 、 男性 は 刺さ れる 直前 、 近く の スナック で 別の 男 と 酒 を 飲んで いて 、 けん か に なった らしい 。 男性 は スナック で 「 藤原 」 と 名乗って いた と いう 。 「 大リーグ は 夢 だった 。 今 が 挑戦 する 時 」 − − 新春 気分 の 抜けきれ ない 九 日 、 プロ 野球 ファン を 驚かせた 近鉄 バッファローズ の エース 、 野茂 英雄 投手 の 米 大リーグ 挑戦 の ビッグ ニュース 。 サッカー など 一流 選手 の 海外 流出 が 相次ぐ 中 、 「 ドクター K 」 の “ 新 天地 ” の 選択 に 、 「 大いなる 決断 」 「 近鉄 ファン に は さびしい 限り 」 など と 賛否 の 声 が 渦まいた 九 日 夜 、 TBS の 「 筑紫 哲也 ニュース 23 」 に 生 出演 した 野茂 投手 は 「 プロ に 入り 、 日 米 野球 に 出場 して 力 の 差 を 見せつけ られて 、 よけい に 大リーグ に 行き たく なった 」 と 大リーグ 入り が 長年 の 夢 だった こと を 強調 。 「 直球 と フォーク で やっつけ たい 。 見て いる 人 が 魅せられる ような プレー を し たい 」 と 力強く 語り 、 近鉄 球団 に 対して は 「 理解 して もらえ 感謝 して いる 」 。 J リーグ の 三浦 知良 選手 、 女子 バレー の 大林 素子 選手 など トップ プレーヤー が 海外 に 飛び出す ケース が 増えて いる 。 金銭 的に 豊かに なった 日本 選手 が 、 国 内 で 築いた スター 選手 の 地位 と 高 年俸 を 棚上げ し 、 海外 で どこ まで 通用 する か 試して み たい 、 と いう 夢 へ の 挑戦 が 動機 の ようだ 。 「 大リーグ へ の 招待 」 など の 著書 が ある 池井 優 ・ 慶応大 教授 は 「 野茂 投手 は アマチュア 時代 、 キューバ や アメリカ を 相手 に 健闘 して おり 、 活躍 が 見込める 。 武器 の フォークボール は 縦 の 変化 だ から 十 分 通用 する だろう 。 大リーガー と して まず 一 勝 を 挙げ 、 『 日本 人 、 ここ に あり 』 と いう 姿 を 見せて 欲しい 。 それ が 日本 の ファン に 対する 恩返し だ 」 と エール を 送る 。 「 不思議 の 国 の 野球 」 など の 著書 が ある 作家 の 玉木 正之 さん も 「 サッカー の カズ も 同じだ が 、 日本 より レベル の 高い 外国 で 活躍 できる 実力 が ある のだ から 、 挑戦 して み たい と いう 気持ち は 、 当たり前 。 『 日本 の 宝 を 手放して は いけない 』 と 言う 人 も いる だろう が 、 野茂 投手 が 持ち帰る 成果 は 、 きっと 日本 の プロ 野球 全体 の 向上 に も つながる 」 と 話す 。 日本 人 大リーガー 第 一 号 の 村上 雅則 ・ 前 西武 コーチ は 「 私 が サンフランシスコ ・ ジャイアンツ で プレー した 当時 は 、 ビザ を 取る の も 大変な 時代 。 今 は 生活 面 も 問題 ない だろう 。 野茂 君 の 勇気 ある 決断 に 拍手 を 送り たい 」 と 激励 の 言葉 。 一方 、 ファン や 恩師 ら も 決断 に 拍手 を 送る 。 大阪 近鉄 バファローズ 後援 会 副 会長 で 作曲 家 の キダ ・ タロー さん は 「 だめで もともと 、 本場 に 挑戦 しよう と いう 姿勢 を 心から 応援 し たい 。 ファン に とって 、 野茂 投手 が どこ へ 行こう と 近鉄 の エース 。 米 大リーグ で 通用 すれば 、 近鉄 ファン に とって も 誇り と なる はず 」 。 野茂 投手 が 大阪 府立 成城 工 高 時代 に 野球 部 監督 を 務め 、 現在 、 府立 淀川 工業 高 野球 部 顧問 の 宮崎 彰夫 さん は 「 球団 と 話し合って 正式 決定 する まで 、 何 を 書か れて も マスコミ に しゃべら なかった の は 、 実直な 野茂 君 らしい 。 大リーグ 行き を 快く 見送って やり たい 。 アマチュア 時代 、 米国 選手 と 投げ合って いる が 、 実力 は そん色 なかった 。 大リーグ は スト 中 な ので 、 試合 に 出 られる か 心配 」 と 話す 。 これ に 対し 近鉄 の 本拠 地 ・ 藤井寺 球場 の 地元 関係 者 ら は 「 トルネード 投法 が 見 られ なく なる 」 と さびし そう 。 同 市 職員 ら で つくる 「 闘牛 クラブ 」 の 国下 和男 会長 は 「 やはり 近鉄 に 残って 優勝 に 貢献 して もらう の が 希望 。 今 の 投手 陣 を 見て も 野茂 投手 に 頑張って もらわ ない と 、 優勝 へ の 道 は 険しい 」 と 話して いた 。 経営 が 破たん した 東京 都 内 の 東京 協和 、 安全 の 両 信 組 を 救済 する 新 銀行 が 十三 日 に も 発足 する こと が 十 日 、 明らかに なった 。 当面 は 日本 銀行 や 全国 信用 金庫 連合 会 など 業界 団体 が 二百億 円 余 を 出資 して 新 銀行 を 設立 、 二 月 三 日 を めど に 民間 銀行 から も 約 二百億 円 の 出資 を 仰ぎ 、 同月 から 営業 を 開始 する 方針 。 日本 銀行 は 十三 日 の 政策 委員 会 で 新 銀行 へ の 出資 を 承認 する こと に して おり 、 新 銀行 の 業務 が 本格 的に スタート する 。 二 段階 の 出資 方式 に した の は 、 銀行 が 取締 役 会 で 承認 を 得る 時間 を 配慮 した ため 。 出資 金 は 最終 的に は 日銀 と 全国 の 金融 機関 から 計 四百億 円 を 仰ぐ が 、 当初 は 日銀 が 二百億 円 、 全国 信用 金庫 連合 会 が 十五億 円 、 全国 信用 協同 組合 連合 会 が 六億 円 、 労働 金庫 連合 会 が 一億 円 の 計 二百二十二億 円 の 出資 金 で スタート 、 二 月 三 日 まで に 民間 銀行 の 出資 分 を 増資 する 。 新 銀行 の 業態 は 都市 銀行 や 地方 銀行 と いった 従来 の 業態 に は 含ま れ ない 特殊な 銀行 と して 扱う 方針 で 、 二 信 組 を 監督 して いた 東京 都 に 代わって 大蔵 省 が 監督 に あたる 。 村山 富市 首相 の 訪 米 を 前 に 米 政府 当局 者 は 九 日 、 日 米 関係 が 戦後 五十 年 の アジア ・ 太平洋 地域 の 安定 と 平和に 果たした 役割 を 積極 的に 評価 する こと が 首脳 会談 の 最大 の テーマ と なる と の 見通し を 示す と ともに 、 一連の 五十 周年 記念 行事 を 未来 志向 の もの と 位置づけて いく 意向 を 強調 した 。 記念 行事 に 対する 懸念 が 日本 側 に 広がり つつ ある の を 受け 、 摩擦 回避 に 最大 限 の 配慮 を 示す 構え を 見せた もの だ 。 ロード 東 アジア ・ 太平洋 担当 国務 次官 補 は 九 日 、 日本 の 降伏 文書 調印 日 に あたる 今年 九 月 二 日 、 真珠 湾 で 各国 首脳 招待 に よる 記念 行事 が 予定 さ れて いる こと など に 関連 して 「 我々 は 記念 す べき この 年 を 、 前向き で かつ 、 日 米 関係 が 世界 や 地域 の 平和に 大きな 貢献 を して きた こと に 敬意 を 示す 年 に し たい 」 と 述べた 。 同 次官 補 は 、 ハワイ で の 九 月 二 日 の 行事 に は クリントン 大統領 が 出席 する こと を 明らかに し 、 これ 以外 に も 硫黄 島 攻略 や 沖縄 戦 に かかわる 記念 行事 が 予定 さ れて いる と 語った が 、 海外 から の 参加 者 など 式典 の 詳細に ついて は 「 まだ 決まって い ない 」 と 述べる に とどまった 。 国防 総 省 の 式典 準備 委員 会 は 、 日本 を 含む 関係 各国 の 元首 級 を 招待 する 案 を 示して いる が 、 日本 側 に は 首相 出席 に 消極 的な 空気 が ある こと から 、 米 側 と して も 式典 の 性格づけ に 配慮 する 姿勢 を とって いる 。 政府 は 十 日 の 閣議 で 第 百三十二 通常 国会 を 二十 日 に 召集 する こと を 決めた 。 会期 は 六 月 十八 日 まで の 百五十 日間 。 ロシア 政府 は 十 日 、 チェチェン 共和 国 で の 二 日間 の 休戦 を 一方的に 発表 し 、 ドゥダエフ 政権 部隊 に 対し 、 武装 解除 と 捕虜 釈放 を 呼び掛けた 。 エリツィン 大統領 の 委任 を 受けて 発表 した もの だ が 、 チェルノムイルジン 首相 の 主導 権 で 行わ れた と み られる 。 政府 発表 は タス 通信 を 通じて 行わ れた 。 それ に よる と 、 流血 の 事態 拡大 を 防ぎ 和平 交渉 へ の 機会 を 作る ため 、 十 日 午前 八 時 から 十二 日 午前 八 時 まで 休戦 と する 。 この 間 、 非合法 武装 勢力 に 対し 、 戦闘 の 停止 ・ 武器 引き渡し ・ 戦闘 で の 捕虜 釈放 を 呼び掛けた 。 ロシア 政府 は 非合法 武装 勢力 参加 者 の 自由 解散 と 住居 地 へ の 帰還 を 保障 し 、 ロシア 下院 の 恩赦 決議 に 基づき 、 チェチェン で の 戦闘 参加 者 に 刑罰 を 科さ ない と 約束 。 さらに 、 ロシア 軍 と 内務 省 軍 司令 官 に 二 日間 の 休戦 と チェチェン 側 へ の 呼び掛け の 実現 を 命じた こと を 明記 して いる 。 ただ ドゥダエフ 政権 が これ に 応じる か どう か は まだ 不明だ 。 これ に 先立ち 、 ロシア 人権 問題 全権 代表 の セルゲイ ・ コワリョフ 氏 は 九 日 夕 、 チェルノムイルジン 首相 と 電話 で 会談 し 、 戦死 者 の 遺体 運び出し と 重傷 者 の 病院 輸送 の ため 二 日間 休戦 する よう 要請 した 。 ロシア 政府 の 発表 は コワリョフ 氏 の 提案 を 受け入れた もの と いえる 。 また 、 昨年 末 まで の 各 省庁 の 規制 見直し 状況 の 中間 報告 を まとめ 、 今月 中 に 公表 する よう 求めた 。 政府 は 昨年 十 月 、 規制 緩和 に 関する 内外 の 要望 を 調査 、 十二 月 九 日 まで に 百六十五 団体 から 三千四百 件 の 要望 が 出さ れた 。 政府 は 重複 など を 整理 して 千八百七十九 項 目 に まとめて いる 。 浜本 万三 労 相 は 十 日 、 閣議 後 の 記者 会見 で 今年 三 月 の 大学 卒業 予定 者 の 就職 内定 状況 が 八〇・二 % と 一昨年 同 時期 の 八六・九 % より も 落ち込んで おり 、 新卒 者 の 就職 内定 状況 が さらに 厳しく なって いる こと を 明らかに した 。 労働 省 の 調査 に よる と 、 短大 は 六一・〇 % 、 専門 学校 は 六六・三 % 。 大学 は 理科 系 が 八七・六 % 、 文科系 が 七五・九 % と 理科 系 の 方 が 内定 率 が 高く 、 男女 別 で は 男子 八四・六 % 、 女子 六九・四 % 。 社会党 は 十 日 午後 、 臨時 の 三役 懇談 会 や 中央 執行 委員 会 を 開き 、 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら が 発足 さ せた 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 に 同 党 の 衆参 院 議員 二十数 人 が 参加 し 、 党 分裂 の 様相 を 見せて いる 問題 に ついて 協議 を 開始 する 。 党 内 に は 分裂 回避 の ため 、 二 月 十一 日 を めど に 開催 する 臨時 党 大会 で 、 新党 の 理念 や 政策 を 定めた 綱領 的 文書 「 九五 年 宣言 」 を 採択 し 、 党 と して の 新党 準備 会 を 設置 、 統一 地方 選 直後 の 五 月 に 新党 結成 を 目指す 案 が 浮上 して いる 。 また 、 久保 亘 書記 長 周辺 など で は 、 山花 氏 ら の 離党 は 避け られ ない と の 判断 から 、 混乱 を 最小 限 に する ため に 、 新党 を 「 分 党 」 と し 、 後 から 社会党 本体 が 合流 する 案 も 検討 さ れて いる 。 五 月 の 新党 結成 を 目指す 案 は 、 新民連 内 慎重 派 の 自治労 系 議員 団 が 検討 。 同 党 の 参院 三役 が ほぼ 同じ 内容 の 見解 を まとめて いる 。 村山 富市 首相 に 近い 慎重 派 グループ に も この 参院 選 前 の 新党 結成 を 容認 する 空気 が 広がって いる 。 党 と して 早期 の 新党 結成 を 目指す 姿勢 を 明確に する こと で 、 離党 の 大義 名分 を なくし 、 離党 者 を 最小 限 に 抑える 狙い が ある 。 一方 、 分 党 案 は 久保 氏 の 周辺 や 、 山花 氏 の 新党 構想 に 賛同 して いる 党 幹部 ら が 検討 して いる 。 これ は 事実 上 、 村山 政権 支持 を 条件 に 「 先行 新党 」 を 認め 、 山花 氏 ら の 離党 を 「 正当 化 」 する もの と いえる 。 ロシア の パノフ 外務 次官 は 九 日 、 渡辺 幸治 モスクワ 駐在 大使 と 会談 し 、 コズイレフ 外 相 の 一 月 中 の 訪 日 は 国 内 情勢 から 実現 が 困難に なった と 述べた 。 日 露 双方 は 、 できる だけ 早い 訪 日 時期 を 確定 する よう 協議 して いく こと で 合意 した 。 同 外 相 の 訪 日 は 昨年 九 月 、 河野 洋平 副 総理 ・ 外 相 と の 会談 で 同年 十二 月 か 今年 一 月 に 行う こと で 合意 して いた 。 ロシア 側 は チェチェン 情勢 緊迫 化 の ため 延期 を 決めた と み られる 。 また 、 渡辺 大使 は この 日 の 会談 で 、 チェチェン 共和 国 で の 戦闘 で 民間 人 を 含め 多数 の 犠牲 者 が 出て いる こと に 懸念 を 表明 する 河野 外 相 の メッセージ を 伝えた 。 パノフ 次官 は 、 直ちに コズイレフ 外 相 に メッセージ を 伝達 する と 述べた 。 社会党 の 新 民主 連合 の 山花 貞夫 会長 に よる 新党 結成 の 動き に 対する 批判 が 十 日 の 閣議 後 の 記者 会見 で 自民 、 社会 両党 閣僚 から 相次いだ 。 自民党 の 亀井 静香 運輸 相 は 山花 氏 の 行動 に ついて 「 新進党 と の 関係 を にらんだ 話 で 倒閣 行為 だ 。 第三党 を つくる など と いう まやかし は 言わ ない 方 が いい 」 と 述べ 、 山花 氏 ら の 行動 は 新進党 と の 連携 を 目指した もの だ と の 見方 を 示した 。 同 党 の 野中 広務 自治 相 も 「 国家 、 国民 へ の 責任 感 が 欠けて いる 」 と 批判 した 。 一方 、 社会党 の 大出 俊 郵政 相 は 「 党 大会 を 前 に 党 を 出る の 入る の と 言って いる の は まるで クーデター だ 。 認め られ ない 」 と 、 山花 氏 ら の 行動 は 倒閣 運動 だ と の 認識 を 強調 。 同 党 の 野坂 浩賢 建設 相 は 党 機関 中心 主義 に よる 新党 結成 の 必要 性 を 改めて 指摘 した 。 村山 富市 首相 は 十 日 午前 十一 時 四十六 分 、 米国 公式 訪問 の ため 羽田 発 の 政府 専用 機 で ワシントン に 向けて 出発 した 。 戦後 五十 年 の 節目 に 当たり 日 米 関係 の 強化 を 確認 する の が 目的 。 首相 は 十一 日 に 日 米 首脳 会談 に 臨み 、 規制 緩和 など の 経済 問題 など に ついて 意見 交換 する 。 のぞみ 、 Max そして STAR 21 、 WIN 350 、 リニアモーターカー …… 。 新幹線 の 新型 車両 や 試験 車両 が 相次いで 登場 して いる 。 最高 時速 も 三〇〇キロ から 四〇〇キロ 台 と 記録 を 塗り替えて いる 。 二十一 世紀 の 新幹線 は どんな もの な の か 。 JR 東海 の 「 300 X 」 型 と 超電導 磁気 浮上 式 リニア 型 の 両 試験 車 を 軸 に 鉄道 の “ 未来 形 ” を 探った 。 「 JR 各社 は 旧 国鉄 時代 の 高速 鉄道 技術 の 遅れ を 取り戻そう と して いる 」 と 鉄道 技術 研究 機関 の JR 総研 ・ 小田 和裕 広報 課長 は 言う 。 新幹線 の 進歩 、 多様 化 は めざましい 。 JR 東海 は 一九九二 年 、 時速 二七〇キロ で 「 のぞみ 」 の 営業 運転 を 開始 、 東京 ― 大阪 間 を 二 時間 半 で 結んだ 。 JR 東 日本 も 昨年 七 月 、 東北 ・ 上越 新幹線 で 総 二 階建て の 「 Max 」 を 登場 さ せ 、 さらに 「 次 世代 新幹線 」 の 試験 用 STAR 21 を 開発 、 九三 年 末 に 国 内 最高 の 時速 四二五キロ を 達成 した 。 JR 西 日本 も 九二 年 に 試験 車両 「 WIN 350 」 で 時速 三五〇キロ を 出し 、 時速 三〇〇キロ で 営業 運転 を 目指す 車両 を 製作 中 だ 。 「 技術 的に は 時速 四五〇キロ くらい は 出せる 。 しかし 日本 の 地理 的 条件 で は 三五〇キロ が ほぼ 限界 。 騒音 や 振動 を いかに 抑え 、 乗客 の 快適 さ を 実現 する か 、 やさし さ が 次 世代 新幹線 の テーマ 」 と 小田 課長 は 説明 する 。 JR 東海 の 「 300 X 」 も そうした 「 次 世代 新幹線 」 の 試験 車両 だ 。 高速 化 の ため 、 先端 は 水鳥 を 思わ せる くちばし 形 と 丸い くさび 形 の 二 種類 を 採用 、 車両 は ジュラルミン や アルミ合金 製 の 四 種類 六 両 で 、 従来 の 新幹線 の 四 分 の 三 の 重 さ に 抑えた 「 のぞみ 」 以上 に 軽量 化 を 図った 。 公害 や 乗り 心地 に も 配慮 し 、 風切り ・ 摩擦 音 を 減らす ため に パンタグラフ や 台車 を カバー で 包み 、 カーブ で の 車体 の 傾き を 油圧 で 制御 する など の 工夫 も 取り入れた 。 パワー は 「 のぞみ 」 より 六 割 アップ 、 時速 四〇〇キロ 台 も 可能 と み られる が 「 目標 は 営業 運転 で 時速 三〇〇キロ 」 と JR 東海 の 木学 康充 広報 室長 は 言い 、 「 東海道 は 都市 部 や カーブ が 多い ので 、 きつい カーブ を 高速で 安定 して 曲がる 技術 の 開発 を 進め 、 五 分 、 十 分 の 短縮 を 目指し 、 同時に 快適 性 も 高める 」 と 狙い を 語る 。 世界 の 高速 鉄道 は 、 フランス の 超 特急 TGV が 八九 年 に 時速 三〇〇キロ の 営業 運転 を 開始 、 ドイツ の ICE が 時速 二八〇キロ で 、 イタリア の ETR 、 スペイン の AVE が それぞれ 時速 二五〇キロ で 営業 運転 を 行って いる 。 試験 運転 で は 仏 TGV が 九〇 年 に 五一五キロ 、 独 の リニアモーターカー が 四三五キロ を 記録 。 韓国 、 中国 、 ロシア 、 アメリカ も 高速 鉄道 構想 を 持って いる 。 強力 磁石 の 吸引 ・ 反発 で 車体 を 浮上 、 推進 さ せる リニアモーターカー は 、 車輪 が ない ため 、 超 高速 が 可能で 騒音 や 振動 が 少ない 。 旧 国鉄 時代 の 七二 年 に 実験 が スタート 。 宮崎 県 日向 市 の 七キロ の 実験 線 で 時速 五一七キロ を 達成 した 。 新 実験 線 の 用地 買収 の 遅れ や 車両 火災 で 実現 性 が 危ぶま れた が 、 ようやく 山梨 県 内 の 実験 線 で の 実用 試験 に こぎつけた 。 「 技術 的に は もう 夢 の 段階 で は ない 。 中央 新幹線 に 向け 、 技術 研究 と ともに コスト ダウン の 研究 も 進める 」 と 磯浦 克敏 ・ リニア 開発 本 部長 は 語る 。 理論 的に は 時速 一〇〇〇キロ も 可能 と いわ れる が 、 時速 五〇〇キロ が 目標 。 時速 一〇〇キロ 前後 まで 車輪 で 走行 した 後 、 地上 一〇 センチ を 浮上 走行 し 、 東京 ― 大阪 間 を 一 時間 で 結ぶ 計画 だ 。 昨年 十一 月 に 公開 さ れた 試験 車両 は 先頭 が とがった 流線型 。 山梨 県 都留 市 に ある 一八キロ の 実験 線 に は 磁気 コイル を 埋め込んだ ガイドウエー が 設置 さ れた 。 九七 年 春 から 三 年間 走行 実験 を 実施 する 。 「 トンネル で 時速 五〇〇キロ で 擦れ違う 際 の 風圧 は 」 「 磁気 の 乗客 へ の 影響 は 」 など 未 解明 の 問題 も 多い が 、 運輸 省 鉄道 局 技術 企画 課 は 「 技術 面 で 決定 的な ネック は ない 。 実用 化 できる か どう か 判断 する 段階 に 近づいた 」 と いい 、 二〇〇〇 年 に は 結論 を 出す 。 リニア 新幹線 が 走る 時期 に ついて は 見え ない 部分 が 多い 。 中央 新幹線 は 整備 計画 以前 の 基本 計画 段階 。 JR 東海 は 「 東海道 は いずれ パンク 状態 に なる 。 バイパス が 必要 」 と 強調 する が 、 運輸 省 は 「 リニア は 、 有望な 技術 だ が 、 実現 する か どう か は 別 問題 。 まだ 未知 数 」 と 慎重 。 北海道 の 札幌 ― 千歳 間 で リニア 運行 を 目指す 動き も ある が 、 まだ 道 は 遠い 。 首相 官邸 に 三 つ の 食堂 が ある 。 「 大 食堂 」 と 「 小 食堂 」 = 写真 = そして 職員 や 記者 用 の 食堂 である 。 「 大 食堂 」 は 会議 や 会食 に 使わ れ 、 「 小 食堂 」 は 首相 や 政府 首脳 が 普段 、 昼食 を 取る 。 三 つ の 食堂 の 食事 は 「 首相 官邸 調理 室 」 の 専属 コック が 調理 する 。 今 の 官邸 は 一九二九 年 二 月 、 田中 義一 内閣 時代 に できた 。 以来 、 村山 富市 首相 まで 三十八 人 の 首相 が あるじ と なり 、 食堂 は その 間 の 権力 者 たち の 人 と なり を 見詰めて きた 。 首相 は 通常 、 毎日 午前 十 時 ごろ から 午後 六 時 ごろ まで 官邸 二 階 の 執務 室 で さまざまな 客 と 会う 。 昼 に なる と 一 階 の 小 食堂 に 下り 、 官房 長官 、 二 人 の 官房 副 長官 、 首相 秘書 官 ら と テーブル を 囲む 。 最高 権力 者 の ため に 専属 コック が 腕 を 振るう 食事 、 と いう と 美食 を 想像 し がちだ が 、 そう で も ない 。 旬 の もの を 求めて 築地 の 市場 まで 買い出し に 行く こと は ある が 、 食 材 は 通常 、 近く の 店 で 仕入れる 。 メニュー は 前夜 、 首相 が 何 を 食べた か を 調べて 同じ 献立 を 避けたり 、 和食 と 洋食 の バランス を 考えたり して 決める 。 渡辺 政豊 ・ 首相 官邸 調理 室長 は 「 だれ だって 毎日 、 料亭 料理 の ような もの を 食べる の は 嫌だ 。 ぜいたくな もの を 出す より 首相 の 好き嫌い 、 体調 、 スケジュール 、 時間 的 余裕 など を 判断 して 決める こと が 大事 」 と 言う 。 訪 米 前日 の 九 日 昼 、 村山 首相 は 「 焼き魚 、 煮物 、 おひたし 、 ご飯 、 みそ汁 」 を 食べた 。 白人 と 黒人 の 平均 知能 指数 の 差 は 十五 で 、 これ は 遺伝 的な もの である 、 と する 刺激 的な 本 「 ベル ・ カーブ 」 が 昨秋 、 米国 で ベストセラー に なり 、 今 も 書店 に 山積み だ 。 全 米 に 論争 を 巻き起こした この 本 の 著者 が 、 またまた 挑戦 的な 本 を 書いた 。 題して 「 ジュー ・ カーブ 」 。 有力 シンクタンク である アメリカン ・ エンタプライズ 研究 所 の チャールズ ・ マレイ 研究 員 の 新著 は 、 次 の ような 内容 だ 。 ユダヤ 人 家族 の 平均 収入 は 全 米 平均 より 七二 % 多く 、 黒人 など マイノリティー を 除いた 白人 家族 の 平均 より 三四 % 多い 。 ユダヤ 人 は 全 米 人口 の 三 % に すぎ ない が 、 億万 長者 の 比率 は 二〇 % に も なる 。 ユダヤ 人 は なぜ 、 かくも リッチな の か 。 教育 程度 と IQ で は 十分な 説明 が つか ない 。 大卒 ユダヤ 人 の 収入 は 大卒 の 他 の 人種 より 七五 % 多い し 、 ユダヤ 人 の IQ は 白人 より ほんの ちょっと 高い だけ だ 。 理由 は 「 欲望 」 に ある 。 すべて の 人種 は 欲望 を もって いる が 、 ユダヤ 人 は 特に 欲望 の 度合い が 強く 、 しかも これ は 育ち に 関係なく 、 四〇 ― 八〇 % 遺伝 的な もの だ 。 そして マレイ 氏 は 、 ユダヤ 人 エリート たち が 米国 経済 を ゆがめて おり 、 ユダヤ 人 を 規制 し なければ 真 の 市場 経済 は 達成 さ れ ない と 主張 。 金持ち ユダヤ 人 から 過剰 利益 を 没収 し 、 雇用 に 関する 反 人種 差別 法規 を 撤廃 して 白人 は 白人 だけ を 雇える ように す べきだ と 提唱 する 。 「 ベル ・ カーブ 」 に 対して は 、 「 マレイ 氏 は IQ の 数値 的 側面 だけ に 注目 し 、 歴史 的 、 社会 的 、 環境 的 側面 を 無視 して いる 」 など の 批判 が 噴出 した 。 「 ジュー ・ カーブ 」 も 、 ユダヤ 人 は もちろん 、 リベラル 派 など から 批判 ・ 非難 が 巻き起こる の は 必至だ が 、 本 が よく 売れる の は 間違い ない だろう 。 日本 でも 似た ような 本 が あった が 。 日本 で の 展示 会 に 出品 さ れた の を 自分 で 試して みたら 、 当社 の 若い 女性 社員 から ぜひ 使い たい と いう 声 が あった 。 これ なら 日本 でも 受け入れ られる と 思った 。 真ん中 の 穴 に 髪 を 通し 、 左右 両端 に 手 を 添えて 、 生え際 から 毛先 の 方 へ ずらして いく 両端 を 持った まま 髪 の 生え際 まで 内 巻き に ねじり 、 毛先 を 巻き込んで いく 髪 の 生え際 まで 巻き込んだら 両端 を シニョン の 上 で ねじって 留める 慣れれば ここ まで 、 ほんの 数 秒 しか かから ない 。 シニョン は 女性 の あこがれ の ヘアスタイル 。 だが きれいに 仕上げる に は ピン を 何 本 も 使ったり 、 出来て も すぐ 崩れて しまったり して なかなか うまく いか ない 。 忙しい 時代 、 簡単に 早く そして 美しく シニョン が 出来る アイデア が 受けた 。 ピン や ゴム を 使わ ず に 、 ロング ヘア から ショートヘア 、 まとめ にくかった ストレートヘア も 変幻自在 。 TPO に 合わせて 色 を 変えたり 、 ヘア アレンジ も 出来る 。 中 の ワイヤ が 絶対 外 に 出 ない よう 独自に 開発 した ワイヤ を 使い 、 安全 性 を 高めた 。 春 から 夏 に かけて の まとめ 髪 の 季節 に 向けて 、 カラフルな 柄 や 水着 に 合わせて 使える 防水 タイプ の もの など 、 バリエーション を 増やして いく 。 ベロア 素材 の ワイヤ 入り ヘアアクセサリー 。 中央 に 穴 が 開いて おり 、 シニョン を 簡単に 作れる 。 英国 の D ・ D プロ モーション 社 が 製造 販売 、 日本 の ほか オーストラリア 、 カナダ 、 米国 、 タイ 、 マレーシア など で 売ら れて いる 。 日本 で の 販売 は 昨年 8 月 から 。 年間 目標 の 50万 本 を 5 カ月間 で 達成 した 。 1 本 1200 円 。 色 は 金 、 銀 、 茶 、 緑 、 紺 、 黒 、 ワイン の 7 色 。 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 へ の 軽水 炉 転換 支援 など を 実施 する 国際 事業 体 「 朝鮮 エネルギー 開発 機関 」 の 発足 を めざす 米 日 韓 三 カ国 の 実務 者 協議 が 九 日 、 ワシントン で 再開 さ れた 。 KEDO に 関する 実務 者 協議 は これ まで に 二 度 開か れて おり 、 本部 を ニューヨーク に 設置 して 二 月 に 発足 初 会合 を 開く こと で 原則 合意 が 成立 して いる 。 しかし 、 約 四十億 ドル と 試算 さ れる 軽水 炉 建設 など の 総 費用 の 国別 分担 額 に ついて は まとまって おら ず 、 米 側 は 二 日間 の 協議 で 具体 的に 大 枠 を 設定 し たい 意向 。 KEDO 設立 を 含む 米 朝 ジュネーブ 合意 の 履行 計画 は 、 昨年 末 に 起きた 米軍 ヘリ 越境 事件 で 一 時 延期 も 危ぶま れた が 、 ロード 米 国務 次官 補 は 同日 、 「 北朝鮮 は 核 合意 を 現在 の ところ は 誠実に 履行 して おり 、 事件 が 米 朝 間 の 雰囲気 に 悪 影響 を 与えた と は 思わ ない 」 と 述べた 。 ロシア 政府 が 十 日 発表 した チェチェン 共和 国 で の 二 日間 休戦 提案 は 、 チェチェン 側 に 捕虜 に なった 多数 の ロシア 軍将 兵 の 釈放 が 最大 の 狙い と み られる 。 だが 、 ドゥダエフ 政権 側 が 休戦 を 受け入れる か どう か は 疑問 で 、 ロシア 側 の 一方的な 提案 に 終わる 可能 性 も ある 。 ロシア 軍 は 首都 グロズヌイ 制圧 を 進め 、 チェチェン 側 の 抵抗 の 象徴 である 大統領 官邸 占拠 も 時間 の 問題 に なって いる 。 だが 、 官邸 地下 の 防空ごう に は ロシア 軍将 兵 の 捕虜 十八 人 が 収容 さ れて いる 。 このまま 官邸 内 に 突入 すれば 、 捕虜 が 処刑 さ れたり 、 戦闘 に 巻き込ま れ 死傷 する 可能 性 が 高い 。 そう なる と 、 国 内 の 世論 が 一気に エリツィン 大統領 批判 に 回る 恐れ が ある 。 さらに 、 チェチェン 側 兵士 が 官邸 内 に 約 四千 人 いる と の 情報 も あり 、 突入 を 強行 すれば 双方 に 多大な 犠牲 者 が 出る こと も 考え られる 。 また 、 首都 郊外 でも ロシア 軍 の 空てい 部隊 隊員 四十五 人 が チェチェン 側 の 捕虜 に なって いる 。 休戦 は 、 チェルノムイルジン 首相 が コワリョフ 人権 問題 全権 代表 の 要請 を 受け入れ 、 エリツィン 大統領 の 了解 を 取り付けた 形 。 首相 が 今回 の 紛争 で 表 舞台 に 登場 した の は 初めて だ 。 ニューヨーク 連邦 準備 銀行 は 九 日 、 メキシコ 中央 銀行 の 委託 を 受け 、 ニューヨーク 市場 で 、 ドル 売り ・ メキシコ 新 ペソ 買い の 介入 を 行った 。 メキシコ 通貨 危機 が 表面 化 して 以降 、 ニューヨーク 連 銀 が 介入 に 踏み切った の は これ が 初めて 。 これ に より 、 新 ペソ は 先週 末 の 一 ドル = 五・七 新 ペソ から 五・四 新 ペソ に 上昇 した 。 しかし 、 メキシコ の 株式 市場 は 依然と して 低迷 して おり 、 九 日 は 先週 末 比 六・六 % 安 と いう 大幅な 下げ を 記録 した 。 ハンガリー 通信 に よる と 、 全欧 安保 協力 機構 の ギャルマティ 特使 は 九 日 モスクワ 入り し 、 ロシア 軍 の チェチェン 共和 国 進攻 問題 に ついて 、 ロシア の ワレンチン ・ コワリョフ 法 相 兼 下院 副 議長 と 会談 した 。 同 特使 は 会談 後 、 ロシア 連邦 憲法 に 従った 紛争 解決 を 強調 した うえ で 、 「 チェチェン 危機 は 内政 問題 と みなす こと は でき ない 」 と して 国際 社会 の 強い 懸念 を 表明 した 。 村山 富市 首相 は 十 日 の 閣議 で 、 訪 米 中 の 首相 臨時 代理 に 五十嵐 広三 官房 長官 を 指名 した 。 「 そんな 大げさな 話 じゃ あり ませ ん よ 」 ―― 。 スイス ・ バーゼル で 九 日 開か れた 国際 決済 銀行 の 中央 銀行 総裁 会議 に 出席 した 松下 康雄 日銀 総裁 は 、 就任 後 初 の 国際 舞台 を 踏んだ 感想 を 聞か れて 、 淡々と した 表情 。 松下 総裁 に よれば 、 ティートマイヤー 独 連 銀 総裁 など 、 さくら 銀行 会長 時代 から の 顔見知り も 多く 、 唯一 アジア を 代表 する 日銀 の 新 総裁 を 「 温かく 迎えて くれた 」 と いう 。 若い ころ の 米国 留学 の 経験 を 生かし 、 通訳 なし で あいさつ を 交換 、 事務 方 を 慌て させる 一幕 も あった ようだ 。 ティートマイヤー 総裁 が 会議 後 の 会見 で 、 松下 総裁 の 初 参加 を 説明 する と 、 記者 団 から 「 パナソニック の マツシタ と 同じ か 。 それ なら つづり は 間違え ない よ 」 。 三重野 康 前 総裁 の 場合 、 「 ミーノ 」 と 発音 さ れた こと も しばしば だった が 、 早くも 名前 に 関して は 抜群の 浸透 度 を 示した 形 と なった 。 東 ティモール 問題 を めぐる ガリ 国連 事務 総長 仲介 の インドネシア と ポルトガル 両 外 相 会談 は 九 日 夜 終了 。 両 外 相 は 東 ティモール 内 の 政治 勢力 に よる 協議 開催 と いう ガリ 事務 総長 提案 を 初めて 受諾 した 。 ガリ 事務 総長 が 会談 終了 後 発表 した 声明 に よる と 、 インドネシア の アラタス 外 相 と ポルトガル の バロゾ 外 相 は さらに 、 実質 的な 政治 協議 の ため 五 月 に ニューヨーク で 六 回 目 の 外 相 会談 を 実施 する こと でも 合意 した と いう 。 十 日 の 東京 外国 為替 市場 の 円 相場 は 、 海外 市場 で 円高 が 進んだ 地 合い を 受けて 円 買い が 先行 して いる 。 年明け 以降 、 一気に 一 ドル = 一〇一 円 台 まで ドル買い ・ 円売り が 進んだ ため 、 円 を 買い戻す 動き が 活発に なって いる 。 正午 現在 、 前日 午後 三 時 半 比 一 円 三 銭 円高 ・ ドル安 の 一 ドル = 一〇〇 円 一二 銭 。 出来高 は 四十億百万 ドル 。 小笠原 ホエールウオッチング の 関係 者 から 、 新宿 新 都心 に 小笠原 料理 の 店 が できた と 聞いた 。 小笠原 へ 行った こと が ある 人 も 、 島 ずし 以外 固有の 料理 は 思い浮かば ない ような ので のぞいて みたら 、 「 アカバ 」 と 呼ぶ アカハタ の 空揚げ や アオウミガメ を 使った カメ 肉 の 煮込み 、 「 めっとう 」 と いう 高瀬 貝 の 刺し身 など 、 ユニークな 料理 が あった 。 「 一昨年 春 に 村会 議員 を 辞め 、 小笠原 の 人 たち の 東京 の よりどころ に なれば と 、 昨年 十 月 に 開店 し ました 。 客 商売 は 難しい です ね 」 と オーナー の 宮沢 昭一 さん は 苦笑 する 。 小笠原 生まれ の 宮沢 さん は 、 戦争 中 の 強制 疎開 で 八丈島 へ 移った が 、 日本 に 返還 後 の 一九七三 年 、 小笠原 で 建設 会社 を 創設 。 村議 を 四 期 、 議長 を 務め ながら 小笠原 ホエールウオッチング 協会 会長 と して ホエールウオッチング を 観光 化 した 。 「 小笠原 料理 と いえる の は 島 ずし ぐらい 。 カンパチ や オナガダイ 、 アカバ など 小笠原 近海 の もの を 使い 、 八丈 の 料理 を 組み合わせ ました 」 と 宮沢 さん 。 店長 の 佐々木 和男 さん ら は 八丈島 出身 で 、 アシタバ の てんぷら 、 くさ や 、 トビウオ の 塩 干し など 、 伊豆 七島 料理 が 多く 、 昨年 末 から 始めた キジ の コース に 使う キジ も 伊豆 大島 で 養殖 さ れた もの と いう 。 サワラ と 岩 ノリ の 島 ずし や 脂 が 少ない カンパチ 、 アカバ など は 、 いずれ も サッパリ 味 。 八丈島 産 の しょうちゅう を アシタバ 茶 で 割った 「 あしたば ハイ 」 や パッションフルーツ ・ ジュース の 「 パッションハイ 」 に ぴったり 合う 。 寒 さ が 厳し さ を 増す シーズン 。 屋根 に シュロ の 葉 を 使った 海辺 の 休憩 舎 を かたどった テーブル 席 で 、 暖かい 南 の 島 の 料理 を 楽しみ 、 クジラ の 大きな 写真 を 見 ながら 、 二 月 から 始まる ホエールウオッチング に 思い を はせる の も 悪く なかった 。 値段 = 昼 の 島 ずし 定食 は イカ と アシタバ の てんぷら など が 付いて 880 円 、 刺し身 3 点 など の 刺し身 定食 1200 円 。 ▼ 百 年 の 間 に は さまざまな こと が あった でしょう ね 。 確か 設立 の 会合 が あった の は 一八九五 年 です よ ね 。 − − 日 清 戦争 が 終わった その 年 の 春 で 、 染料 の 精 藍 問屋 を やって いた 大 祖父 の 長谷川 太兵衛 が 京都 、 大阪 、 東京 の 劇場 めぐり を して 、 二 年 前 に オープン した 洋風 建築 の 明治 座 を 見て 「 これ だ ! 」 と モデル に した のです 。 集まった の は みそ ・ しょうゆ 造り や 魚 問屋 、 材木 商 、 肥料 商 など を 営む 商店 主 、 旦那衆 や 元 衆院 議員 、 県 ・ 市会 議員 など 二十二 人 でした 。 ▼ 太兵衛 さん は 風流 人 で も あった のでしょう が 、 スケール は ある し 熱意 が すごい です ね 。 − − 芸所 と 言わ れる ように 名古屋 に も 芝居 小屋 は たくさん あった ようです 。 しかし 、 大阪 や 東京 の ような 劇場 が ない 。 それ が 不満 で 、 「 自分 の 小屋 に 好きな 芝居 を 掛けて 、 皆 と 一緒に 楽しみ たい 」 と いう 道楽 心 も あった のでしょう 。 戦後 の 高揚 した 時期 で も ある し 、 これ から は 高級な 娯楽 施設 の 一 つ も あれば 、 と 思った ので は 。 「 損金 は 自分 たち で 補てん すれば いい 」 ぐらい の 気概 が ある 文化 人 だった と 思い ます 。 明治 時代 の 名古屋 は 商業 都市 で 文化 的な もの を 愛でる 旦那衆 が 多かった 。 文化 より 産業 ・ 工業 発展 に ばかり 目 が いく 現代 と は ちょっと 違って いた ようです ね 。 ▼ 今 でも 名古屋 の 中心 街 に 当たる 場所 に ルネサンス 式 の 洋風 建築 を 建て 、 芝居 茶屋 も 軒 を 連ねて いた と か 。 − − そう 、 二 階建て で 洋風 の 建物 は 広小路 の 名古屋 郵便 局 と ここ だけ でした 。 ます 席 や 桟敷 に 千二百 人 収容 でき ました 。 正面 入り口 に は 抱 蜻蛉 の 座 紋 を 掲げて 。 これ は 雌雄 二 匹 の トンボ が 抱き合って いる 姿 を 図案 化 した もの で 、 古来 、 トンボ は 勝ち 虫 と いわ れ 、 最上 の 縁起物 と 太兵衛 が 考えた ようです 。 場 内 に は 大 シャンデリア を 下げて 。 ▼ 一八九七 年 五 月 十七 日 の こけら落とし は 市川 左団次 を 筆頭 に 市川 権十郎 、 市川 小米 、 坂東 八十助 ら そうそうたる メンバー で 。 − − 義賊 ・ 石川 五右衛門 の 生い立ち から 釜 入り の 刑 に 処せ られる まで を 描いた 狂言 「 浜 真砂 蒔絵 高島 」 など でした 。 名古屋 は 東西 の 通り道 です が 、 安心 して 興行 の 打てる 座元 が ない と いい 役者 は 寄って くれ ませ ん から ね 。 それ は 昔 も 今 も 同じでしょう 。 一茶 は 二十九 歳 の とき 、 すでに 歯 が 悪く なって いた 。 「 蛤 刃 」 と 形容 した 歯 は 、 その後 も 悪化 した 。 四十四 歳 の 文化 三 年 十 月 十八 日 の 句 に は 初霜 や 茎 の 歯ぎれ も 去年 まで 漬物 類 は しゃぶって 食べる 感じ に なり 、 五 年 後 の 文化 八 年 六 月 十六 日 の 日記 に 「 歯 一 本 欠ル 」 と ある 。 キセル が つまった ため 、 竹 を 細く 削って 掃除 を 始める と 、 抜け なく なって しまった 。 そこ で 、 キセル の 先 から わずかに 出て いる 竹 の 先 を 、 歯 と 歯茎 の 間 に はさんで 抜こう と した 。 あと は 、 くぎ 抜き でも 使えば よかった 、 と くやんだ うえ で 、 自ら を 竹かご の 中 の キリギリス に 例えて 、 と 残念がった 。 その後 の 日記 や 弟子 の 春甫 が 描いた 肖像 画 を 見る 限り 、 一茶 が 入れ歯 を した 様子 は ない 。 妻 を 迎える 前年 の 五十一 歳 の 句 に は 、 すりこ木 の ような 歯茎 も 春 の 花 すりこぎ の ように 硬く なった 歯茎 で 食事 を して いた のであろう 。 歯学 史 に 詳しい 東京 歯科 大学 名誉 教授 の 長谷川 正康 さん は 「 日本 の 入れ歯 の 技術 は 江戸 時代 に は 世界 的に も 高い 水準 で 、 一茶 と 同 時代 の 滝沢 馬琴 、 杉田 玄白 、 本居 宣長 ら は 五 、 六十 代 で 総 入れ歯 でした 」 と 語る 。 当時 の 入れ歯 は 、 ツゲ を 使った 一木造り と 、 ツゲ の 木 床 に ろう 石 の 義歯 を はめ込んだ もの が あった 。 値段 は 現在 の 価格 に する と 二十五万 円 ぐらい だった と いう 。 馬琴 は 、 その 日記 から 年収 の 八 % ほど を 入れ歯 師 に 払った と 言わ れて いる 。 一茶 は 経済 的に 余力 が なかった の かも しれ ない が 、 長谷川 さん は 「 一茶 の 歯 が 悪く なった の は 、 幼少 時 の 食 生活 が 影響 して いる 」 と 推理 して いる 。 現在 の 五 、 六十 代 も 、 育ち盛り の とき に 戦中 ・ 戦後 の 食糧 難 に ぶつかった 。 この ため 歯 が もろく 、 一茶 予備 軍 が 多い と いう 。 「 映像 と ライブ の 人 、 お 客 さん が 一体 と なって 楽しめる 空間 を 作り たい と 思って ます が 、 なにしろ 初めて づくし 。 大変です 」 と いう の は 、 世界 都市 博覧 会 で 芙蓉 グループ パビリオン の 舞台 演出 を 担当 する こと に なった 演出 家 、 梶賀 千鶴子 さん 同 パビリオン は 、 コ の 字形 の 三 面 舞台 で 人 と CG 映像 の キャラクター が 共演 する と いう 世界 でも 初めて の 試み と する 構想 が 決まり 、 映像 の 製作 が 始まった 。 劇団 四季 で 脚本 ・ 演出 を 担当 した 梶賀 さん は 、 退団 後 も 後楽園 アイスパレス で の 「 ゴールデンボーイ 」 、 松本 幸四郎 主演 の ミュージカル 「 ZEAMI 」 など の 演出 を 手掛ける 一方 、 宮城 県 内 で 地域 の オリジナルミュージカル の 育成 ・ 指導 を して いる 。 来年 三 月 の 開幕 を 控えて 「 ものすごい エネルギー と 時間 が 必要 。 宮城 に 行く 機会 が 減って しまい そう 」 と 心配 して いる 。 千葉 県 佐倉 市 の 市立 美術 館 で 二十二 日 まで 開館 記念 展 「 海 を 渡った 浮世 絵 展 」 が 開か れて いる が 、 副 館長 の 蓑輪 正信 さん は 「 オランダ と の 文化 交流 を 進めて いる 市 の 美術 館 と して 、 オランダ 関係 の 展覧 会 が 一 つ の 柱 。 オランダ でも 高く 評価 さ れた 浮世 絵 を 通して 日本 人 の アイデンティティー を 確認 して もらえたら 」 と いう 。 旧 川崎 銀行 佐倉 支店 跡地 に 、 地下 二 階 地上 五 階建て の 美術 館 が 昨年 十一 月 に 開館 。 二 つ 目 の 展覧 会 で 、 アムステルダム 国立 美術 館 と ライデン 国立 民族 学 博物 館 所蔵 の 歌麿 、 写楽 、 北斎 ら の 浮世 絵 百六十 点 を 展示 して いる 。 同 市 教委 文化 課 で 佐倉 日 蘭 協会 の 事務 局 を 手伝って きた だけ に 、 オランダ ゆかり の 展覧 会 に 感慨 も ひとしお 。 「 今秋 に は オランダ の 陶器 展 も 予定 して い ます 」 「 一一〇 番 の 日 」 の 十 日 、 プロ 野球 ・ 巨人 の 岡崎 郁 、 大久 保博 元 両 選手 が 警視 庁 の 「 一 日 通信 指令 本 部長 」 に 委嘱 さ れ 、 一一〇 番 の 受理 や 無線 指令 を 体験 した 。 「 一一〇 番 の 日 」 は 今年 で 十 回 目 。 岡崎 選手 の 背番号 は 5 、 大久保 選手 は 22 で 、 二 人 の 背番号 を 掛ける と 「 110 」 に なる と いう 数字 合わせ 。 制服 姿 で 現れた 両 選手 は 同 庁 通信 指令 本部 センター で 、 強盗 事件 を 想定 した 模擬 通報 を 受理 、 各 警察 署 に 無線 で 緊急 配備 を 指令 する など 緊張 した 表情 だった 。 ネパール 共産党 政府 は 公式 パーティー と レセプション で の 禁酒 を 決めた 。 理由 は 明らかに さ れて い ない が 、 外国 の 賓客 ら と の 宴 を 除いて 適用 さ れる と いう 。 ポーランド の ユダヤ 人 団体 は 九 日 、 第 二 次 世界 大戦 中 に ナチス ・ ドイツ が 設立 した アウシュビッツ 強制 収容 所 の 解放 五十 周年 記念 式典 を 大統領 府 と は 別に 独自 開催 する と 発表 した 。 ユダヤ 人 グループ 代表 は 「 ワレサ 大統領 が 主催 する 記念 式典 は キリスト 教会 色 が 前面 に 出て いる 」 と 非難 。 一九八九 年 の 民主 改革 後 、 カトリック教会 の 権限 が 強まる ポーランド で 、 ユダヤ 人 の 反発 が 噴き出した と いえ そうだ 。 大統領 府 は 二十六 、 二十七 の 両日 、 ポーランド 南部 の アウシュビッツ 強制 収容 所 の 解放 五十 周年 式典 を 開催 する 予定 。 これ に 対し 、 ユダヤ 人 元 兵士 ・ 生存 者 団体 の 代表 、 アーノルド ・ モストビッツ 氏 は 、 この 公式 行事 に ついて 「 キリスト 教会 が 主導 権 を 握って 、 ユダヤ 人 虐殺 の 事実 を 十 分 反映 して い ない 」 と 批判 した 。 ユダヤ 人 諸 団体 は 二十六 日 、 アウシュビッツ 強制 収容 所 と 併称 さ れる ビルケナウ 収容 所 跡 で 公式 行事 の 昼食 の 間 に 独自 集会 を 開き 、 ユダヤ 教 の 祈り を ささげる 。 この 記念 集会 に は ポーランド 人 ら も 招待 さ れる が 、 モストビッツ 氏 は 「 ユダヤ 人 と いう だけ で 殺さ れた 私 たち だけ で 追悼 する 権利 が ある 」 と 話して いる 。 また 、 国際 アウシュビッツ 委員 会 の ゴールドスタイン 委員 長 は 九 日 、 「 記念 式典 準備 の 軽率 さ と 混乱 ぶり に 深く 失望 して いる 」 と 言明 。 予定 さ れて いた ノーベル 平和 賞 受賞 者 へ の 招待 状 が 送付 さ れて い ない 、 と 指摘 した 。 大統領 府 は 同 委員 長 の 批判 を 否定 して いる が 、 アウシュビッツ 記念 式典 を めぐって 国 内 外 の 世論 が 紛糾 する の は 必至 と み られる 。 アウシュビッツ で は 戦時 中 、 ナチス ・ ドイツ 最大 の 強制 収容 所 が 建設 さ れた 。 ユダヤ 人 を はじめ と する 収容 者 計 四百万 人 が 強制 労働 、 毒 ガス など で 虐殺 さ れた と いわ れる 。 9 日 夕刊 10 面 「 中国 で 列車 爆発 死者 100 人 以上 」 の 記事 は 、 配信 元 から 事実 で は ない こと が 判明 した と の 申し入れ が あり ました 。 お わび して 取り消し ます 。 天皇 、 皇后 両 陛下 が 年頭 に あたって 学者 から 講義 を 受ける 「 講書始 の 儀 」 が 十 日 午前 、 皇居 ・ 宮殿 「 松 の 間 」 で 行わ れた 最初に 講義 した 上山 春平 ・ 京大 名誉 教授 は 「 日本 の 国家 に ついて 」 の 講義 の 中 で 、 「 今日 の 日本 の 国家 体制 は デモクラシー を 根幹 と し ながら 、 君主 制 と 官僚 的 アリストクラシー の 要素 を 適度に 配合 した 比較的 良い ブレンド 」 と 述べ 、 「 象徴 天皇 制 」 が 国家 体制 の 一翼 を 担って いる と の 見解 を 示した 。 「 講書始 の 儀 」 で 、 「 象徴 天皇 制 」 に ついて 具体 的に 論じ られる の は 異例 。 この ほか の 進講 者 と テーマ は 、 浅田 敏 ・ 東大 名誉 教授 「 無機 イオン と 生命 」 。 それぞれ 両 陛下 の 前 に 出て 、 約 十五 分 ずつ 講義 した 。 皇太子 ご 夫妻 、 秋篠宮 さま ら 皇族 と 、 土井 たか子 衆院 議長 、 草場 良八 最高裁 長官 ら 各界 代表 者 三十七 人 が 同席 した 。 小沢 潔 国土 庁 長官 は 十 日 の 閣僚 懇談 会 で 、 三陸 はるか 沖 地震 など の 地震 に 絡み 、 「 海底 で の 測定 装置 の 拡充 など の 予知 対策 を 予算 を かけて 強化 し たい 」 と 述べ 、 関係 閣僚 の 協力 を 要請 。 各 閣僚 も 北海道 、 東北 地方 で の 地震 予知 体制 が 不十分 と の 認識 で 一致 し 、 今後 予知 対策 の 強化 を 進める 方針 を 確認 した 。 海底 地震 計 は 現在 、 相模 湾 、 駿河 湾 、 伊豆 半島 の 沖 の 三 地区 に 十一 台 設置 さ れて いる が 、 小沢 長官 は 「 北海道 から 東北 、 関東 沖 の 広域 を カバー する ように し たい 」 と の 意向 を 示した 。 必要 と なる 予算 額 約 六百億 円 に ついて は 、 「 H 2 ロケット の 打ち上げ に 相当 する が 、 積極 的に 措置 し たい 」 と 述べた 。 これ を 受け 、 気象 庁 を 所管 する 亀井 静香 運輸 相 が 「 東海 地方 で は 予知 体制 が できて いる が 、 気象 庁 と して 他の 地域 でも 技術 的に 可能 か 検討 し たい 」 と 述べる など 同調 した 。 世界貿易センター 爆破 や 国連 本部 爆破 計画 など 対 米 テロ 活動 を 画策 した と して 逮捕 さ れた オマル ・ アブデルラーマン 被告 ら 十二 人 の 刑事 裁判 が 九 日 、 ニューヨーク の 連邦 地裁 で 始まった 。 アブデルラーマン 被告 ら の 起訴 罪状 は 、 世界貿易センター 爆破 指示 及び 国連 爆破 計画 など 、 一連の 対 米 テロ 陰謀 。 有罪 に なれば 最高 無期 懲役 に なる 。 この 日 は 、 イスラム 過激 派 の 襲撃 を 警戒 して 厳重な 警備 態勢 の 中 で 陪審 員 選択 が 始まった 。 実質 審理 は 二 月 以降 に なる 。 東京 都 内 の 私立 高校 で 十 日 、 推薦 入試 の 願書 受け付け が 始まった 。 十四 日 から は 大学 入試 センター 試験 が 行わ れる など 、 いよいよ 今春 の 入試 シーズン が スタート する 。 二百 人 の 推薦 枠 が ある 渋谷 区 の 関東 国際 高校 で は 、 午前 九 時 から ダンス 教室 に 設けた 会場 で 受け付け を 開始 。 学科 別 に 分け られた 机 の 前 に 、 願書 や 中学校 の 推薦 書 、 調査 書 など の 書類 を 大事 そうに 抱えた 受験 生 が 列 を 作り 、 応対 に あたった 職員 や 教師 の 確認 を 受ける と ホッ と した 様子 。 受け付け が 済んだ 女子 受験 生 から は 「 正直 言って 早く 決め たい です 」 と 本音 も 。 私立 高校 の 推薦 入試 は 十七 日 から 計 百六十二 校 で 行わ れる 。 全国 最 大規模 の 住宅 都市 、 東京 都 ・ 多摩 ニュータウン で 、 遺跡 発掘 調査 を 行って いる 都 教育 文化 財団 の 都 埋蔵 文化 財 センター が この ほど 、 ニュータウン 内 の 発掘 面積 の 減少 を 理由 に 地元 の 臨時 職員 四十七 人 に 解雇 を 通知 した 。 労働 組合 は 昨年 暮れ 無期限ストライキ に 入り 、 五 つ の 遺跡 調査 が ストップ して いる 。 いずれ も 縄文 時代 の 遺跡 。 臨時 職員 は 開発 に 伴う 旧地 権者 の 雇用 対策 で 採用 さ れた 女性 たち だ が 、 「 生活 の 糧 を 奪う な 」 と 反発 して いる 。 センター は 一九八〇 年 に 設立 さ れた 。 もともと ニュータウン 内 の 遺跡 調査 が 目的 だった が 、 現在 は 東京 都 や 住宅 ・ 都市 整備 公団 など の 発注 を 受け 、 都 内 全域 の 遺跡 調査 を して いる 。 解雇 通知 を 受けた の は 職員 二百十 人 の うち ニュータウン 周辺 の 四十七 人 の 臨時 職員 。 六〇 年 代 に ニュータウン 開発 で 土地 を 買収 さ れたり 、 区画 整理 の 対象 と なった 旧 農家 の 主婦 たち 。 「 生活 再建 の 場 を 提供 する 」 と いう 都 の 方針 で 毎年 九 カ月 契約 で 採用 さ れ 、 発掘 の ほか 遺物 の 整理 、 復元 の 作業 に 従事 して きた 。 しかし 、 遺跡 一般 労組 は 「 土地 を 買収 して 働く 場 を なくし 、 都 が 働いて 下さい と お 願い し ながら 、 全員 を 整理 しよう と いう の は 許せ ない 」 と 反発 、 解雇 の 撤回 を 求め 、 通告 直前 の 同 二十二 日 から スト に 突入 した 。 センター 周辺 で 座り込み を 続ける 女性 の 臨時 職員 は 「 昨年 、 夫 が 退職 し 、 私 の 収入 に 生活 が かかって いる 」 と 訴えて いた 。 多摩 ニュータウン は 、 八王子 、 多摩 、 町田 、 稲城 の 四 市 に またがる 三千 ヘクタール に 約 十六万 人 が 暮らす 国 内 最大 の 住宅 都市 。 ニュータウン 内 で は 九百六十四 カ所 の 遺跡 が 発見 さ れて おり 、 旧 石器 時代 から 江戸 時代 の もの が あり 、 縄文 時代 が 中心 。 昨年 二 月 に は 、 八王子 市 堀之内 の 縄文 中期 の 遺跡 から 、 国 内 最古 級 の 仮面 状 土製 品 が 発見 さ れる など 、 関東 地区 で は 考古 学 の 上 で 貴重 地域 。 正月 休み の つれ づ れ に 、 井伏 鱒二 の 「 川 釣り 」 を 読んだ 。 戦時 中 に 広島 に 疎開 し 、 田舎 に ハヤ 釣り に 行く 。 そこ に 、 やはり 戦禍 を 避けて 滞在 中 の 漢学 の 老 教授 が いて 、 林間 で 詩経 や 論語 を 講義 して いた 、 と いう 一幕 が ある 。 それ で 、 ふと 新米 記者 時代 に 連載 した 秋田 の 農民 文学 史 の こと を 思い出した 。 取材 過程 で 、 横手 市 に 疎開 中 の 伊藤 永之介 や 、 石坂 洋次郎 ら が 、 老 教授 の ように 村 の 青年 たち を 指導 した こと を 知った 。 だが 彼ら が 帰京 し 、 さらに 出稼ぎ が 始まって 村 から 若者 の 姿 が 消える と 、 農村 文芸 も 衰えた 。 最近 の 田舎 は 、 モノ が 満ち あふれ 、 伊藤 が 「 山 美しく 人 貧し 」 と 嘆いた 寒村 は 見 られ ない 。 その 半面 、 山奥 の 清流 まで コンクリート の 排水 路 と 化し 、 井伏 が 愛した 、 イワナ や ヤマメ が おどる 渓流 も めっきり 減った 。 マルチメディア 時代 の 今 、 「 農村 文芸 の 復権 を 」 と 訴える 気 は ない 。 都市 化 は 世界 的な 現象 であり 、 大 都会 に は 田舎 に ない わい雑な 魅力 が ある から だ 。 大学 の 地方 移転 も 「 偏差値 が 落ちる 」 と 反対 する 先生 が 少なく ない 。 戦争 で も ない かぎり 「 知識 人 」 が 田園 に 戻る こと は な さ そうだ 。 かつて 農民 文学 に 青春 を ささげた 地方 の もの書き も 、 還暦 を 超えて 「 なお 土 に こだわる 」 と 、 今年 の 年賀 状 で 伝えて きて は いる のだ が 。 十 日 午前 八 時 二十 分 ごろ 、 茨城 県 つくば 市 下 広岡 の 国道 354 号 の バス停 で 、 停車 して いた 関東 鉄道 の 路線バス に 山形 県 東根 市 沼沢 、 運転手 、 森谷 安正 容疑 者 の 普通 トラック が 追突 。 降りよう と して いた 私立 常総 学院 高校 や 県立 並木 高校 など の 生徒 、 教師 ら バス の 乗客 と 森谷 容疑 者 の 計 二十九 人 が 頭 を 打つ など して つくば 、 土浦 両 市 内 の 病院 四 カ所 に 運ば れた 。 モーターボート レース の 「 特別 競走 」 の 収益 から ねん出 さ れる 寄付 金 が 、 運輸 省 通達 に よって 、 日本 船舶 振興 会 会長 の 笹川 良一 氏 系 の 二 財団 に 独占 的に 渡さ れて いる 問題 で 亀井 静香 運輸 相 は 十 日 、 「 趣旨 に 合って いる か どう か 厳重に 審査 し たい 」 と 閣議 後 の 記者 会見 で 語った 。 特別 競走 から 独占 的に 寄付 を 受けて いる の は 、 笹川 会長 が 会長 を 兼ねる B&G 財団 、 名誉 会長 を 務める 笹川 平和 財団 の 二 財団 。 亀井 運輸 相 は 「 両 財団 の 事業 は 適正に 行わ れて いる もの と 思う が 、 全体 の 事業 に ついて は きちっと した 厳重な 審査 を 行う 必要 が ある 」 と 述べた 。 覚せい 剤 を 自宅 に 隠し持ち 吸引 して いた など と して 覚せい 剤 取締 法 違反 と 大麻 取締 法 違反 の 罪 に 問わ れた 歌手 で 俳優 の 清水 健太郎 被告 に 対し 東京 地裁 は 十 日 、 懲役 一 年 六 月 の 実刑 判決 を 言い渡した 。 川本 清巌 裁判 官 は 「 『 同じ 過ち を 犯さ ない 』 と 誓い ながら 再び 薬物 に 手 を 出した もの で 、 自力 更生 に は 疑問 を 抱か ざる を 得 ない 」 と 実刑 の 理由 を 述べた 。 言い渡し 後 、 川本 裁判 官 は 「 あなた が 今後 どう なって いく か は あなた 自身 の 考え に よる しか あり ませ ん 。 十分に 反省 して ください 」 と 語りかける と 清水 被告 は 軽く 頭 を 下げた 。 清水 被告 は 起訴 事実 を 全面 的に 認め 、 被告人 質問 の 際 に は 「 自分 の 中 に 『 子供 の まま で い たい 』 と の 甘え が あった 。 三 回 目 の 逮捕 だ が 、 すべて を 清算 し たい 」 と 答えて いた 。 大阪 市 鶴見 区 の 文化 住宅 で 二 日 、 三十三 歳 の 独身 男性 が 遺体 で 発見 さ れた 。 解剖 に よる 死因 は 「 飢餓 死 」 。 失職 し 蓄え も なく 、 食う や 食わ ず の 生活 の 末 、 衰弱 し 昨年 十 月初め に 死亡 した らしい 。 大阪 府警 や 関係 者 に よる と 、 男性 は 宮崎 県 出身 で 一 人 暮らし 。 昨年 十 月 初め 、 実家 に 電話 して きた の を 最後に 音信 不通 に なり 、 同 府 内 の 親せき が 二 日 に 訪問 、 玄関 に 倒れ 死亡 して いる の を 見つけた 。 男性 は 就職 の ため 来 阪 した 一九八一 年 三 月 に 入居 。 コンピューター 関連 会社 に 勤めて いた が 、 数 年 前 に 倒産 して から 無職 。 失業 を 隠し 、 お 金 の 無心 を する こと も なかった ため 、 両親 は 勤務 し 続けて いる と 思い込んで いた と いう 。 発見 当時 、 所持 金 は 小銭 入れ の 中 の 二十 円 。 預金 や 冷蔵 庫 の 食料 も なかった 。 月 二万 円 の 家賃 は 銀行 振り込み して いた が 一 年 近く 滞納 。 友人 も なく 発見 が 遅れた らしい 。 十 日 午前 零 時 ごろ 、 東京 都 足立 区 梅島 三 、 無職 、 田口 英一 さん 方 から 出火 、 木造 二 階建て 延べ 約 九〇 平方メートル を 全焼 、 田口 さん の 妻 キク さん が 全身 やけど で 間もなく 死亡 、 田口 さん も 重体 。 警視 庁 西 新井 署 と 東京 消防 庁 の 調べ で は 、 田口 さん 方 は 夫婦 二 人 暮らし 。 一 階 居間 から 出火 した らしく 、 夫婦 は 隣 の 寝室 で 寝て いた と いう 。 原因 は 調査 中 。 埼玉 県 内 の 愛犬 家 連続 失跡 事件 を 調べて いる 埼玉 ・ 群馬 両 県警 合同 捜査 本部 は 十 日 まで に 、 埼玉 県 行田 市 の 会社 役員 、 川崎 明男 さん ら 四 人 の 毒殺 を 自供 した 大里 郡 江南 町 板井 、 犬 猫 販売 業 、 関根 元 容疑 者 が 複数 の 獣医 師 ら から 犬 の 殺 処分 薬 を 入手 して いた こと を つかんだ 。 この うち 殺害 に 使わ れた の は 、 入手 時期 や 量 から 熊谷 市 の 獣医 師 から 入手 した 硝酸 ストリキニーネ と ほぼ 断定 。 すでに 話 を 聴いた この 獣医 から 、 さらに 詳しく 事情 聴取 する と ともに 、 関根 容疑 者 を 追及 、 使用 方法 の 特定 を 急ぐ 。 大阪 の 愛犬 家 連続 殺害 事件 でも 、 獣医 師 から 入手 した 筋肉 弛緩 剤 が 殺害 に 使わ れて おり 、 獣医 師 の ずさんな 薬 の 管理 が 改めて 浮き彫り に なった 。 この ため 農水 省 は 今月 、 全国 の 獣医 師 を 対象 に 薬 管理 の 実態 調査 を 実施 する 。 調べ に 対し 関根 容疑 者 は 、 一昨年 に 失跡 した 四 人 に ついて 「 薬 を 飲ま して やった 」 と 毒殺 を 認めて いる が 、 薬 の 種類 や 使用 方法 に ついて は あいまいな 供述 を して いる 。 同 本部 の 調べ で 、 関根 容疑 者 は 犬 の 殺 処分 を 自分 でも して いた こと が 分かって おり 、 殺 処分 に 使う 薬 を 知り合い の 獣医 師 や 繁殖 仲間 から 日常 的に 入手 して いた らしい 。 個人 的に 犬 を 殺 処分 する こと 自体 に は 特に 規制 は ない が 、 硝酸 ストリキニーネ を 入手 する に は 、 購入 の 際 、 使用 目的 など を 明記 した 書類 を 販売 先に 提出 する こと が 毒物 劇物 取締 法 で 義務付け られて いる 。 また 獣医 師 は 、 獣 医師法 一八 条 で 、 自ら 診察 せ ず に 薬物 を 提供 する こと を 禁じ られて おり 、 関根 容疑 者 に 診察 せ ず に 薬 を 渡して いれば 、 獣医 師 免許 の 取り消し や 業務 停止 処分 を 受ける 可能 性 も ある 。 今回 の 事態 に ついて 、 五十嵐 幸男 ・ 埼玉 県 獣医 師 会長 は 「 獣医 の 使う 薬 が もし 殺人 に 使わ れた と したら 、 大変な こと 。 理事 会 を 開き 、 当事 者 から 事情 を 聴き たい 」 と 話し 、 独自に 調査 する 方針 を 明らかに した 。 硝酸 ストリキニーネ は 強い 毒性 を 持ち 、 少量 で 神経 が まひ して 死亡 する 。 人 の 場合 、 致死 量 は 経口 なら 百ミリ グラム 、 注射 など で は 二 、 三十ミリ グラム 。 昨年 申請 が 出た まま 凍結 さ れて いた 都営 地下鉄 と 都 バス の 値上げ に ついて 、 亀井 静香 運輸 相 は 十 日 、 「 今月 下旬 に 運輸 審議 会 で の 審議 を 再開 し たい 」 と 発言 した 。 同 審議 会 で 認め られる と 、 手続き の 期間 を 経て 、 今春 に も 値上げ が 実施 さ れる 見通し 。 東京 都 交通 局 は 、 都営 地下鉄 で 平均 一四・一 % の 値上げ を 申請 して おり 、 値上げ 幅 は 申請 通り に なる と み られる 。 大阪 を 代表 する 街並み の 「 御堂筋 」 沿い ビル の 高 さ 制限 が 今月 から 緩和 さ れた の を 受け 、 さくら 銀行 旧 大阪 支店 ビル が 建て替え られる 見通し と なった 。 大阪 市 は 来月 に も 建築 審査 会 を 開いて 承認 する 予定 で 、 一九二〇 年 以来 維持 して きた 「 百 尺 制限 」 の 規制 緩和 第 一 号 に なる 。 景観 保全 を 求める 市民 団体 は 「 美しい 街並み が 失わ れる 」 と 反発 して いる 。 旧 大阪 支店 は 五四 年 に 建て られた 地下 一 階 、 地上 六 階建て ビル で 、 昨年 四 月 に 同 行 支店 の 統廃合 に 伴って 閉鎖 さ れた 。 新 ビル は 旧 ビル の 約 二 倍 の 高 さ に あたる 五十 メートル の 高層 ビル で 、 オフィス の ほか 美術 ギャラリー など を 設ける 。 大阪 市 は 今月 、 御堂筋 沿い ビル の 高 さ を 五十 メートル に 緩和 する こと を 骨子 と した 新 「 指導 要綱 」 を 施行 した が 、 新 ビル は 新 制限 の 限度 いっぱい の 高 さ に あたる 。 同 行 と 大阪 市 は 今月 、 建設 計画 の 事前 協議 を 実施 。 来月 半ば に は 建築 審査 会 の 同意 を 得て 、 三 月 に も 建築 許可 が 下り 次第 、 着工 する 。 規制 緩和 に ついて 同 行 側 は 「 現 段階 で は ノーコメント 」 と して いる が 、 歴史 的 景観 研究 会 は 「 旧 ビル は 戦後 の 復興 期 に 建て られた 代表 的な ビル 。 まだ 使える ビル の 建て替え は 資源 の ムダ 使い だ 」 と 景観 保全 を 訴えて いる 。 燃え上がる 落日 を 背 に 、 法隆寺 五重塔 の シルエット が 浮かび上がる 。 こんな 光景 が 撮影 できる の は 、 最も 南 寄り に 日 が 沈む 今 の 季節 だけ 。 絶好 の 撮影 スポット 、 法隆寺 北東 の 県道 に は 、 幻想 的な 光景 を 狙う アマチュアカメラマン の 望遠レンズ が ずらり シャッター チャンス は 、 太陽 が 西 の 空 に 傾く 午後 五 時 前 から 、 朱 に 染まった 残照 が 消える まで の わずかな 時間 。 雲 の 形 や 太陽 の 位置 など 、 微妙な 条件 が 作品 を 左右し 、 イメージ 通り に 仕上がる まで 連日 足 を 運ぶ 人 も 少なく ない 。 ある 人 は 「 五重塔 越し に 落ちて いく 夕日 を 見る と 、 一 日 を 終える 充足 感 に 満たさ れる 」 と 、 魅力 を 表現 した 。 Q . 相撲 の チャンコ 鍋 の 「 チャンコ 」 と は 、 どんな 意味 が ある のです か 。 A . 角界 で は 、 力士 の 食事 を 総称 して 「 チャンコ 」 と 呼んで い ます 。 一般に は 、 街 の チャンコ 料理 屋 で 食べ させて くれる 寄せ 鍋 の イメージ が 強い のです が 、 実際 は 水 炊き 、 すき焼き など の 鍋 料理 は 、 すべて チャンコ 鍋 な のです 。 その 中身 は 、 野菜 以外 の 牛肉 、 鳥肉 、 魚介 類 など の タンパク 源 は 1 種類 だけ が 普通で 、 何 種類 も の タンパク 源 を 一度に 入れる こと は 、 ほとんど あり ませ ん 。 語源 に は 2 つ の 説 が あり ます 。 1 つ は 「 チャンポン 」 と 同じく 、 長崎 の 方言 説 。 「 チャン 」 は 中国 、 「 コ 」 は 鍋 を 意味 して おり 、 中国 鍋 を 言い表した と いう もの です 。 もう 1 つ は 「 おじ ちゃん 」 の 「 ちゃん 」 から きた と いう 説 。 明治 四十二 年 の 国技 館 開館 以前 は 協会 が 各 部屋 の 炊き出し を 行って おり 、 この 時 に 炊事 を 監督 して いた の が 、 力士 上がり の 「 おじ ちゃん 」 だった から と いう もの です 。 力士 の 食事 は 1 日 に 2 回 。 朝 げいこ の 後 、 午前 十一 時 ごろ から 朝食 、 昼食 兼用 の チャンコ を 食べ 、 その後 に 昼寝 。 夕食 は 軽 めに 済ませる の が 普通です 。 激しく 動き 、 大量に 食べ 、 寝る 。 この 繰り返し が 力士 を 太ら せて いく のです 。 西陣織 の 職人 さん 宅 を 訪ね ながら 、 複雑な 工程 の 一部 を 見学 する ツアー を 、 京都 市 上京 区 の 織屋 さん が 来月 から 始める 。 職人 の 仕事 ぶり を 間近に 見て 、 西陣織 へ の 理解 を 深めて もらおう と の 狙い 。 不況 や 後継 者 難 など に 悩む 業界 に も 新風 を 吹き込み そうだ 。 企画 した の は 、 西陣 で 織屋 を 経営 する 服部 芳和 さん 。 西陣織 は 、 洗顔 用 絹 タオル など の 簡単な 物 でも 二十 工程 も あり 、 職人 が 自宅 や 工場 で 分業 して いる 。 ツアー で は 糸 を よる ところ や 、 白 生地 に ハケ で 染料 を 塗る 工程 など 四 、 五 カ所 を 訪れ 、 実際 に ハケ 塗り など を 体験 する 。 これ まで 試験 的に 見学 会 を 四 回 行った が 、 参加 者 は 職人 の 手 仕事 や 心意気 に 感銘 。 「 生 の 声 が 聞ける の が いい 」 「 絹 織物 に かけ られる 手間 が 実感 できた 」 など 好評 だった と いう 。 服部 さん は 「 西陣 に は 大量 生産 、 大量 消費 と は 正反対の 姿 が ある 。 参加 した 人 が 、 絹 製品 を 大切に 扱って くれれば 」 と 話して いる 。 ツアー は 原則として 毎月 二 回 で 、 各 回 十五 人 を 募る 。 二 月 は 十八 日 と 二十五 日 。 昼食 付き 、 体験 材料 費 込み で 一万五千 円 。 問い合わせ は 服部 さん 。 暴力 団 山口 組 が 、 直系 組織 の 幹部 で 、 大手 衣料 メーカー 「 ワコール 」 部長 襲撃 事件 の 玉水 秀蔵 被告 を 追放 処分 に して いた こと が 十 日 、 大阪 府警 など の 調べ で 分かった 。 同 被告 は 総会 屋 グループ の 主宰 者 で 、 捜査 当局 は 、 山口 組 が 企業 テロ 事件 の 捜査 が 及ぶ の を 恐れて 株主 総会 から 身 を 引く 姿勢 を 見せ 始めた と 判断 して いる 。 調べ で は 、 追放 処分 は 、 昨年 二 月 の 富士 写真 フイルム 専務 殺害 事件 で 大阪 府 内 の 元 暴力 団 幹部 が 殺人 容疑 で 指名 手配 さ れた 同年 十一 月 四 日 の 後 、 山口 組 の 上部 組織 に 伝え られた 。 この 元 幹部 は 、 玉水 被告 が 率いる 総会 屋 グループ と 親交 が あった と さ れる 。 山口 組 は この ほか 、 同年 十 月 五 日 、 直系 組長 を 集めた 定例 会 で 「 企業 テロ に 一切 加わる な 」 と 指示 。 富士 写真 事件 実行 犯 と み られる 組員 が 逮捕 さ れた 際 、 この 組員 を 破門 、 上部 組織 の 直系 組長 が 山口 組 執行 部 に 進退伺 を 出し 頭 を 丸める など 、 素早い 対応 を 見せて いる 。 大阪 ・ 泉州 を 舞台 に 、 けんか や とばく に 明け暮れた 少年 時代 を 描いた 「 岸和田 少年 愚 連隊 」 が ベストセラー に なり 、 泉州 の ド 迫力 を 全国 に とどろか せて いる 。 著者 の 大阪 府 岸和田 市 磯上 町 、 中場 利一 さん は 、 「 一生 遊んで 暮らす 」 の が モットー 。 全編 ほとんど けんか の シーン だ が 、 「 でも 、 今 の 子供 の ような いじめ は し なかった 」 。 中場 さん は 雑誌 「 本 の 雑誌 」 の 投稿 欄 の 常連 で 、 友人 に 勧め られて 原稿 を 書いた 。 昨年 十一 月 に 発売 さ れ 、 五千 部 を 完売 して 現在 増刷 中 。 ストーリー は 、 中場 さん の 中学 、 高校 時代 の 体験 を もと に 展開 。 競輪 場 や 競馬 場 に 入り浸ったり 、 他校 に 殴り 込み に 行く など 、 気ままな 少年 時代 を 描いて いる 。 警察 ざ たも 一 度 や 二 度 で なく 、 けん か に 明け暮れて 高校 を 退学 に 。 以後 、 職 を 転々 と し 、 現在 は 無職 の 身 。 いじめ に も 一言 。 「 でも 、 おとなしい 子 を 殴る こと は なかった 。 昔 は 限度 わきまえて た し 、 いじめ られる 方 も 変に 落ち 込ま へんかった 。 今 の いじめ は しつこい 」 現在 、 パチンコ と 競艇 の 時間 を 削って 、 続編 を 執筆 中 だ 。 中川 和雄 ・ 大阪 府 知事 の 後援 会 の 裏 献金 事件 の あおり で 、 今春 の 知事 選 へ の 態度 を 保留 して いる 自民党 大阪 府 連 は 十 日 、 大阪 市 内 の ホテル で 地元 選出 国会 議員 や 府議 の 妻 ら 約 三十 人 の 女性 から 意見 を 聞いた 。 中山 会長 は この 日 の 会議 など を 踏まえ 、 今月 中 に 結論 を 出す 意向 を 示した 。 席上 、 「 中川 知事 の 実績 を 評価 して 信じる しか ない 」 「 普段 接する 有権者 の 声 は 厳しい 。 返事 に 困る 」 など 意見 が 出さ れた 。 賛成 、 反対 は 三 分 の 一 ずつ 、 残り は ノーコメント だった と いう 。 府 連 は 午後 も 女性 局 の 女性 幹部 党員 から も 意見 を 求める 。 一方 、 新進党 大阪 府 連合 準備 会 の 府 知事 選 対策 チーム が 九 日 、 左藤 恵 ・ 同 準備 会長 と 中山 会長 、 福間 知之 ・ 社会党 大阪 府 本部 委員 長 と の 会談 を 決めた こと に 対し 、 中山 会長 は 「 もちろん 会い たい 。 自民党 の 対応 も それ を 受けた 後 に 決まる だろう 」 と 語った 。 広島 市 安佐南 区 役所 収納 課 の 主事 が 、 徴収 した 固定 資産 税 など 約 二百八十万 円 を 着服 した と して 、 先月 二十六 日 付 で 懲戒 免職 に なって いた こと が 、 十 日 分かった 。 同 市 で は 昨年 十一 月 に も 佐伯 区 役所 の 元 主事 が 市民 税 など 約 二百万 円 を 着服 した 業務 上 横領 容疑 で 逮捕 さ れた ばかり 。 市 は 被害 総額 を まとめ 、 同 容疑 で 県警 に 告訴 する 。 安佐南 区 役所 に よる と 、 元 主事 は 一昨年 四 月 から 昨年 十一 月 に かけ 、 固定 資産 税 や 市 、 県民 税 を 滞納 者 から 徴収 した 際 、 正規の 領収 書 の 代わり に 自分 の 名刺 に 日付 、 金額 を 書き 、 自分 の 印 を 押した もの を 仮 領収 書 と して 渡し 、 八 人 から 計 二百七十九万八千七百 円 を 着服 した と いう 。 昨年 十一 月 末 、 同 区 役所 に 「 領収 書 が 届か ない 」 と 問い合わせ が あり 、 内部 調査 して いた 。 区 役所 の 調査 に 対し 、 元 主事 は 「 パチンコ や ローン 返済 に 使った 」 と 着服 を 認めた と いう 。 市 は 安佐南 区長 を 厳重 注意 した ほか 、 上司 四 人 を 減給 など の 処分 に した 。 元 主事 は 判明 分 に ついて は 弁済 して いる 。 酒税 法 改正 に よる 「 地 ビール 解禁 」 で 、 製造 の 内 免許 を 受けて いた 愛媛 県 川之江 市 の 清酒 メーカー 「 梅 錦 山川 」 が 十 日 、 西 日本 で は 初めて 大蔵 省 から 本 免許 を 受けた 。 全国 で は 四 番 目 。 同社 は 昨年 六 月 に 内 免許 を 受け 、 十二 月 に 本 免許 を 申請 して いた 。 既に 本場 ドイツ から 発酵 ・ 貯蔵 など の 醸造 施設 を 導入 して おり 、 十二 日 から 仕込み に 入る 。 計画 で は 、 濃色 で 麦芽 風味 の 強い もの と 、 淡色 で ホップ の きいた スッキリ 味 の 二 種 を 、 年間 計 百キロ リットル 製造 。 将来 は 、 フルーツ 系 ビール の 開発 に も 取り組む 。 当面 は 、 愛媛 県 内 を 中心 に 飲食 店 、 ホテル など へ 販売 。 他 府県 に も 鮮度 が 落ち なければ 販売 する 。 大蔵 省 に よる と 、 すでに 北海道 北見 市 の 「 オホーツクビール 」 など 三 社 が 本 免許 を 得 、 製造 段階 に 入って いる 。 道頓堀 ・ 中座 の 初春 大 歌舞伎 で 私 の 楽しみ は 芝居 と もう 一 つ 、 劇場 向かい で 買う ふぐ ずし だ 。 「 成駒 屋 ! 」 の 掛け声 の 余韻 が 残る 場 内 で 休憩 時間 に 広げる 折り詰め ふぐ の 味 は たまらない 。 食い 意地 と いう の は 人生 の 残さ れた 時間 と 関係 が ある のだろう か 。 うまい もの へ の 執着 が 年 と ともに 強まる 。 同い年 の 友人 が 飲んで いる 最中 、 やおら 前歯 を はずして 「 おれ の 先行き も 見えた 」 なんて つぶやく と 、 ぎょっと して 私 も 入れ歯 に なる 前 に 、 うんと うまい もの を 食って おこう と いう 気 に なる 。 ある 雑誌 が 昨秋 「 作家 の 食卓 」 を 特集 した 。 立原 正秋 、 檀 一雄 、 池波 正太郎 ら 名だたる 食通 が 並んで いた 。 石川 淳 に は 驚いた 。 「 牛肉 が 大 好物 。 夕食 に 二百 グラム の ステーキ を 三 枚 欠かさ ず 食べた 」 と ある 。 毎晩 六百 グラム だ よ 。 参り ました 。 私 は 二百五十 グラム が 限度 だ 。 「 ヤツ は 何の ため に 働く か と いう と 夕食 と 晩しゃく の ため だ そうである 。 私 も 全く その 通り だ と 思う 」 。 田辺 聖子 さん の 言葉 だ 。 ヤツ と は カモカ の おっちゃん 。 よわい 五十 に 近づいて 、 私 に も この 心境 が 、 しみじみ わかる ように なった 。 今年 も せいぜい うまい もの を 探そう 。 食い 意地 なく して 、 この 年 で 、 世に なんの 喜び や あら ん 。 大阪 府 犬 管理 指導 所 の 職員 が 、 捕獲 した 捨て 犬 や 猫 を 実験 用 動物 と して 大学 など に 払い下げる 際 、 一 匹 二千 円 前後 の リベート を 受け取って いた と して 、 府 は 職員 十七 人 を 厳重 注意 、 上司 の 管理 職 五 人 を 戒告 処分 した 。 府 に よる と 、 同 指導 所 は 一九九三 年 十二 月 まで 、 大阪 大 医 学部 など 七 つ の 研究 機関 に 犬 や 猫 を 一 匹 当たり 五百十 円 で 払い下げ 。 その 際 、 職員 が 運搬 の 謝礼 と して 、 別に 千七百 ― 二千二百 円 の リベート を 受け取って いた 。 職員 は これ を プール 、 昼食 代 に 充てて いた と いう 。 府 の 調査 で 、 同年 七 月 まで の 五 年間 に リベート の 総額 は 約 千七百万 円 に のぼり 、 この うち 約 六百八十万 円 を 職員 に 返還 さ せ 、 昨年 七 月 に 関係 者 を 処分 した 。 滋賀 県 高島 郡 高島 町 の 国道 で 一九九〇 年 九 月 、 オートバイ を 運転 中 に トラック に ひか れて 死亡 した 大阪 府 枚方 市 の 男性 会社 員 の 両親 が 、 道路 管理 の 不備 が 事故 の 原因 など と して 、 国 と トラック を 所有 する 水産 会社 を 相手取り 、 計 五千万 円 の 損害 賠償 を 求めた 訴訟 の 判決 が 十 日 午前 、 大津 地裁 であった 。 宮本 定雄 裁判 官 は 、 国 に ついて は 訴え を 認め 千九百万 円 の 支払い を 命じた 。 水産 会社 に は 過失 は ない と した 。 判決 に よる と 、 現場 は 同 町 鵜川 の 国道 161 号 鵜川 橋上 で 、 道路 幅 が 橋 の 部分 だけ 約 一 メートル 狭く なって いる 。 会社 員 は 九〇 年 九 月 二十三 日 午後 六 時 過ぎ 、 時速 五〇キロ で 走行 中 、 橋 北 詰め の コンクリート 製 欄干 を 避ける ため 右 に ハンドル を 切り 、 橋 に 乗った ばかりの 場所 で 並走 して いた トラック に ひか れ 即死 した 。 両親 は 、 現場 に は 照明 設備 も なく 、 事故 が 起こり やすい 道路 だった と 主張 。 宮本 裁判 官 は 「 路側帯 が 突然 遮断 して いる こと を 明示 する 照明 設備 が なく 、 バイク が 自衛 手段 と して 日常 的に 路側帯 を 通行 して いる 現実 を 考える と 、 国 に 落ち度 が あった と 言わ ざる を え ない 」 と 、 国 の 過失 を 認めた 。 地 ビール 町 おこし や 清酒 メーカー の 多角 経営 が 進む と み られる 。 十 日 午前 六 時 四十 分 ごろ 、 兵庫 県 川辺 郡 猪名川 町 原向畑 、 同 町議 会 議長 、 切通 明男 さん 方 二 階 から 出火 、 木造 二 階建て 住宅 一九〇 平方メートル の うち 二 階 の 六 畳 間 約 一〇 平方メートル を 焼いた 。 当時 、 家族 四 人 が いた が 、 全員 無事 だった 。 川西 署 で 原因 を 調べて いる 。 本 戎 の 十 日 、 今宮 戎 神社 の 宝 恵 かご 行列 が 大阪 ・ ミナミ の 繁華街 を 練り歩いた 。 地元 の 芸者 衆 や 福 娘 を 乗せた 十七 台 の 宝 恵 かご は 午前 十 時 半 、 大阪 市 中央 区 宗右衛門 町 の 料亭 前 を スタート 。 「 宝 恵 かご 、 ホイ 」 の かつぎ 手 の かけ声 に 揺られ 、 いっせいに 繰り出した 。 途中 、 今宮 戎 神社 で 結婚 式 を 挙げた 大阪 市 出身 の 元 ボクサー の 俳優 、 赤井 英和 さん や 歌舞伎 俳優 の 中村 翫雀 さん など 芸能 人 も 乗り込んだ 。 総勢 約 六百 人 、 長 さ 約 三百 メートル の 行列 が にぎやかに 南下 する と 、 景気 回復 を 願う 見物 客 たち から 盛んな 拍手 や 歓声 が 送ら れた 。 十 日 午前 九 時 過ぎ 、 神戸 市 須磨 区 大手 町 二 、 特定 郵便 局 「 神戸 大手 郵便 局 」 を 訪れた 男 が 、 橋形 局長 に ピストル の ような もの と 刃物 を 突きつけ 、 「 金 を 出せ 。 殺す ぞ 」 と 脅した 。 男 は 、 女性 局員 が 差し出した 現金 約 百万 円 の 束 を 奪う と 徒歩 で 逃走 。 けが人 は 無かった 。 兵庫 県警 須磨 署 は 強盗 事件 と して 捜査 。 男 は 三十 歳 前後 、 身長 約 一七〇 センチ で 、 黒縁 メガネ と 野球 帽 、 黄土色 の ジャンパー 姿 だった 。 同 郵便 局 は 午前 九 時 に 業務 を 始めた ばかりで 、 客 は おら ず 、 局員 四 人 だけ だった 。 現場 は 山陽 電鉄 板宿 駅 の 南西 約 四百 メートル の 住宅 街 。 大蔵 省 は 十 日 、 特殊 法人 の 整理 ・ 合理 化 の 一環 と して 、 明治 時代 から 続いて いる 塩 の 専売 制 を 一九九六 年 中 に 廃止 する 方針 を 固めた 。 現在 は 国 が JT に 委託 して いる 塩 事業 を 民営 化 、 JT が 独占 管理 して いる 塩 の 輸入 ・ 販売 を 自由 化 する 。 ただ 、 塩 の 製造 ・ 販売 の 混乱 を 避ける ため 、 五 年間 の 経過 期間 を 設定 。 新たに 民間 法人 の 塩 事業 センター を 設立 し 、 緊急 時 向け の 塩 備蓄 など を 行う 。 専売 制 の 廃止 は 、 最終 的に 約 六百 人 の 人員 削減 に つながる 大規模な 行政 改革 で 、 二 月 十 日 に 予定 さ れて いる 総務 庁 へ の 特殊 法人 見直し 報告 に 盛り込む 。 塩 は 、 塩 専売 法 に よって JT が 指定 した 製塩 業者 七 社 に 製造 を 委託 。 同様に 指定 した 卸売 八十二 社 、 小売 業者 約 十万 店 を 通じて 販売 も 行って いる 。 この ため 、 新規 参入 は 事実 上 、 不可能な 状態 。 専売 制 が 廃止 さ れれば 、 塩 産業 が 市場 原理 に よる 原則 自由 の 産業 に 生まれ変わる こと に なる 。 ただ 、 塩 産業 が 自立 ・ 安定 化 する まで の 五 年間 の 経過 期間 は 、 塩 事業 センター が 塩 の 輸入 を 一元 的に 取り扱う 。 これ に よって 、 輸入 塩 と 国 内 塩 の 価格 差 を 解消 したり 、 関連 業界 の 市場 適応 力 の 確保 に 努める 。 経過 期間 終了 後 の センター 存続 に ついて は 今後 検討 する 。 厳冬 期 を 迎えた 北海道 岩見沢 市 日の出 町 の ゴミ 処理 場 に 、 トビ の 大群 が 集まり 、 ヒューヒョロロ と 大 合唱 を 演じて いる 日の出 と ともに 、 近く の 森 から 200 ― 300 羽 が 一斉に 飛んで くる 。 たらふく 食べた 後 は フェンス に ズラリ と 並び 、 羽 を 寄せ合う ように して 日没 まで 過ごす 。 岩見沢 は 年間 平均 降雪 量 が 756 センチ と 、 北海道 でも 有数 の 豪雪 地帯 。 道 自然 保護 課 は 「 エサ に なる 小 動物 など が 雪 の 下 に 隠れて しまう ため 、 生ゴミ が 大量に 運ば れて くる ゴミ 捨て場 に 集まって しまう ので は 」 と いう 。 トビ が 群れ を つくる の は 珍しい が 、 北海道 で は 港 の 水揚げ 船 の 周り に 群れたり する 光景 が よく 見 られる 。 インフルエンザ が 二 年 ぶり に 大 流行 する 兆し を みせ 始めた 。 厚生 省 の まとめ に よる と 、 昨年 十二 月 下旬 現在 の 患者 報告 数 は 約 四千六百 人 で 、 前年 同期 の 七 倍 。 A 香港 型 を 中心 に B 型 、 A ソ連 型 の 三 種類 の ウイルス が 混合 流行 して おり 、 同 省 は 「 受験 シーズン が ピーク で 、 長 期間 流行 する 可能 性 も ある 」 と 注意 を 呼び掛けて いる 。 同 省 に よる と 、 都道府県 、 政令 指定 都市 から 報告 さ れた インフルエンザ と み られる 疾患 の 患者 数 は 昨年 十二 月 二十四 日 現在 、 全国 で 四千五百九十四 人 で 、 前年 同期 の 七・一 倍 。 休校 は 九 校 、 学年 閉鎖 は 十九 学年 、 学級 閉鎖 は 百十一 学級 と なって いる 。 岐阜 県 は 学年 閉鎖 、 学級 閉鎖 ともに 全国 で 最も 多い 。 地域 的に は 北海道 と 南 関東 、 中部 、 近畿 に 患者 が 集中 して いる 。 国立 予防 衛生 研究 所 に よる と 、 昨年 八 月 に 大阪 で A ソ連 型 の インフルエンザ ・ ウイルス の うち 一 種類 を 検出 。 この ウイルス は 一九四七 年 以来 一 度 も 検出 さ れた こと の ない 珍しい 種類 で 、 昨年 十 月 ごろ から 大阪 を 中心 に 流行 し 始めた 。 その後 、 A 香港 、 B 型 が 加わり 、 全国 的に 感染 が 拡大 して きた と いう 。 ウイルス の 型 が 違って も 症状 は ほぼ 同じ 。 鼻水 、 せき に 続き 、 発熱 、 関節 痛 、 筋肉 痛 など が 現れる 。 十 歳 以下 の 子供 は 筋肉 痛 で 歩行 障害 を 起こす ケース も 。 同 研究 所 の 根路銘 国昭 ・ 呼吸 器 系 ウイルス 室長 は 「 新 学期 が 始まり 、 今月 下旬 ごろ から 本格 的な 流行 期 に 入る 。 ピーク は 二 月初め から 中旬 だ が 、 三 種類 の ウイルス の 出現 時期 に 時間 差 が ある ため 、 四 月 ごろ まで 流行 し 続ける 」 と 予想 。 「 一 度 完治 した 後 に 別の ウイルス に 感染 したり 、 二 つ の ウイルス に 同時 感染 する 場合 も ある 。 症状 の 悪化 を 防ぐ に は 、 震え 、 悪寒 など 初期 症状 が 出たら 、 すぐ 休養 を 取って 水分 を 十分 補給 する こと 」 と 話して いる 。 最近 、 インフルエンザ が 大 流行 した の は 八九 ― 九〇 年 の 冬 と 九二 ― 九三 年 の 冬 で 、 最終 的な 患者 数 は それぞれ 百七万三千六百八十一 人 、 八十七万二千三十九 人 。 九三 ― 九四 年 の 冬 は 七万五千四百二十六 人 だった 。 社会党 は 十 日 午後 、 臨時 の 三役 懇談 会 と 中央 執行 委員 会 を 開き 、 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら が 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 を 発足 さ せ 、 党 分裂 の 可能 性 が 強まって いる 問題 に ついて 協議 。 その 結果 、 参院 選 前 に 党 が まとまって 新党 結成 を 目指す こと で 大筋 一致 した 。 また 、 臨時 党 大会 を 二 月 十一 日 に 開催 、 同 大会 で 綱領 的 文書 「 九五 年 宣言 」 を 実質 的に 承認 する こと も 確認 した 。 ロシア 政府 が 発表 した チェチェン 共和 国 で の 二 日間 の 一方的 停戦 は 、 十 日 午前 八 時 の 発効 から 数 時間 で 破ら れ 、 首都 グロズヌイ 中心 部 で は 再び 激しい 戦闘 が 始まった 。 グロズヌイ から の 報道 に よる と 、 前日 まで 激しく 続いて いた ロシア 軍 の 大統領 官邸 周辺 へ の 砲撃 は 、 停戦 発効 の 十 日 午前 八 時 に いったん やんだ が 、 約 二 時間 後 に 再開 さ れた 。 一方 、 ロシア 通信 に よる と 、 チェチェン 共和 国 の ドゥダエフ 大統領 は 同日 、 ロシア 政府 の 停戦 提案 に 同意 。 人道 支援 の ため の 回廊 開設 、 相互 封鎖 の 解除 を 補足 提案 した 。 しかし 、 ロシア 政府 は 同 大統領 から の 回答 は 受け取って い ない と 主張 して いる 。 日 米 両 国 政府 は 十 日 、 日 米 包括 経済 協議 の 金融 サービス 分野 交渉 で 合意 に 達した と 発表 した 。 日本 の 公的 年金 運用 の 規制 緩和 、 投資 信託 市場 と 社債 市場 に 対する 米 系 金融 機関 の 参入 機会 の 拡大 など が 柱 。 ワシントン で 十一 日 に 行わ れる 日 米 首脳 会談 で 、 村山 富市 首相 と クリントン 米 大統領 が 日 米 協調 の 成果 と して 正式に 確認 する 見通し だ 。 今回 の 交渉 で 、 最大 の 焦点 だった 日本 の 公的 年金 資金 の 運用 問題 に ついて は 、 信託 銀行 を 通じた 間接 的な 方法 に よって 、 外資 系 を 含めた 投資 顧問 会社 の 運用 市場 参入 を 認める こと で 、 最終 的に 決着 が 図ら れた 。 国家 公務 員 共済 と NTT 共済 の 年金 資金 の 運用 に も 新たに 投資 顧問 会社 の 参入 を 容認 、 米 系 投資 顧問 会社 の 参入 機会 が 拡大 さ れる こと に なった 。 また 、 米国 が 強く 要求 して いた 投資 信託 と 投資 顧問 の 兼業 に ついて も 、 大蔵 省 が 認め 、 参入 機会 拡大 を 図る 方針 を 決めて いる 。 さらに 、 外国 証券 など が 日本 や 欧州 市場 で 行う 円建て 債券 の 起 債 に 関する 規制 も 緩和 する など 、 大蔵 省 が 主要 課題 に ついて 譲歩 。 米国 側 も これ を 受け入れて 決着 の 運び と なった 。 日 米 金融 サービス 分野 交渉 は 、 昨年 十二 月 の 米 シアトル で の 交渉 で 大筋 合意 し 、 今年 に 入って から ワシントン で 細部 の 詰め の 作業 が 行わ れて いた 。 十 日 の 社会党 臨時 中執 委 は 、 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら に よる 超 党派 の 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 が 十九 日 まで の 新党 旗 揚げ を 目指す 緊迫 した 状況 下 で 開か れた 。 中執 委 で は 、 二 月 の 臨時 党 大会 で 、 新党 の 理念 など を 定めた 「 九五 年 宣言 」 を 実質 的に 承認 し 、 参院 選 まで に 党 が 一体 と なって 新党 結成 を 目指す こと で 大筋 一致 した 。 しかし 、 具体 的な 結成 時期 に ついて は 、 統一 地方 選 前 の 新党 結成 に は 否定 的な 意見 が 多く 、 山花 氏 ら の 行動 を 思いとどまら せる の は なお 難しい 情勢 と み られる 。 中執 委 で 、 提案 さ れた 「 参院 三役 見解 」 は 、 臨時 党 大会 で 「 九五 年 宣言 」 を 実質 的に 承認 して 社会党 が 新党 を 目指す 姿勢 を 明確に し 、 夏 の 参院 選 まで に 新党 結成 を 目指す こと が ポイント 。 座長 役 の 井上 一成 副 委員 長 が 「 中執 委 と して 重く 受け止める 。 生かせる だけ 生かす 」 と の 考え を 表明 した 。 同案 は 、 この 日 の 中執 委 の 議論 の たたき台 に なり 、 「 九五 年 宣言 」 に ついて は 、 「 採択 は 時期尚早 」 と 主張 して いた 新党 慎重 派 も 、 党 の 分裂 回避 の ため 譲歩 する 構え を みせた 。 しかし 、 焦点 の 新党 結成 時期 を めぐって は 、 山花 氏 に 同調 する 新民連 所属 の 中執 委員 ら が 「 春 の 統一 地方 選 の 前 に 結成 す べきだ 」 と 主張 した が 、 他の 委員 から は 「 地方 選 前 は とても 無理 。 参院 選 前 が 妥当 」 と の 意見 が 相次いだ 。 また 、 山花 氏 ら の 新党 旗 揚げ を 事実 上 「 正当 化 」 する 「 分 党 論 」 は 、 討議 課題 と して 提案 さ れた もの の 、 積極 的に 賛成 する 意見 は なかった 。 防衛 庁 は 10 日 、 食道 しゅよう で 入院 中 の 畠山 蕃 事務 次官 の 代理 に 充てて いた 三井 康有 官房 長 の 次官 兼務 職 を 11 日 付 で 解く こと を 決めた 。 畠山 次官 が 早ければ 来週 中 に 退院 、 月 内 に 職務 復帰 する 見通し と なった ため 。 畠山 氏 は 昨年 10 月 、 埼玉 県 内 の 病院 に 入院 。 11 月 中旬 に 手術 を 受け 、 療養 を 続けて いた 。 新進党 は 10 日 、 愛媛 県 知事 選 で 、 旧 新生 、 旧 日本 新 が 推薦 して いた 新人 の 前 大学 学長 、 福西 亮 候補 の 支持 を 正式 決定 した 。 しかし 県 内 の 旧 民社 、 公明 組織 は それぞれ 、 現職 の 伊賀 貞雪 候補 を 推薦 、 支持 して おり 、 結党 後 初 の 知事 選 は “ ねじれ 支援 ” に なって いる 。 ゼンセン 同盟 は 十 日 の 常任 中央 執行 委員 会 で 、 組織 内 議員 である 川端 達夫 ・ 新進党 衆院 議員 が 山花 貞夫 ・ 新民連 会長 ら と ともに 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 の 呼び掛け 人 に なった こと を 了承 した 。 ただ 、 川端 氏 が 新党 結成 時 に 新進党 を 離党 する か どう か に ついて は 、 改めて 協議 する こと に なった 。 社会党 の 企画 調整 会議 は 十 日 、 二 月 に 開会 予定 の 臨時 党 大会 に 提出 する 活動 方針 案 を 策定 する 「 活動 方針 起草 作業 委員 会 」 の 設置 を 決めた 。 社会党 の 山口 鶴男 総務 庁 長官 は 十 日 の 閣僚 懇談 会 で 、 北海道 知事 選 で 自民党 が 伊東 秀子 衆院 議員 を 擁立 した こと と 、 社会党 の 堂本 暁子 参院 議員 が さきがけ に 移籍 した こと を 取り上げ 「 与党 間 の 信頼 関係 を 大切に す べきだ 」 と 述べ 、 自民 、 さきがけ 両党 の 対応 に 不 快感 を 表明 した 。 党 内 の 分裂 様相 を 深める 社会党 で は 久保 亘 書記 長 の 動向 が 焦点 に なって いる こと から 、 久保 氏 の 両党 へ の 反感 を 強めた 両 問題 へ の 不 快感 を 代弁 した と み られる 。 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 が 通常 国会 召集 前 に 新党 を 結成 して も 今年 一 月 一 日 から 施行 さ れた 政党 助成 法 に 基づく 政党 交付 金 を 受け取れ ない こと が 十 日 、 明らかに なった 。 野中 広務 自治 相 が 同日 の 閣議 後 の 記者 会見 で 指摘 した 。 新党 準備 会 の 一部 に は 政党 助成 を 受け取る ため に は 届け出 期限 の 今月 十七 日 まで に 新党 を 結成 、 自治 相 に 必要 書類 を 提出 すれば よい と の 見方 も あった が 、 実際 に は 基準 日 の 一 月 一 日 現在 で 一定 の 条件 を 満たす 政党 以外 は 受け取れ ない から だ 。 国政 選挙 を 経て 再度 、 基準 日 が 設定 さ れる まで 政党 助成 は 受け られ ない こと に なる 。 自民党 福井 県連 は 10 日 、 統一 地方 選 の 福井 県 知事 選 で 、 現職 で 3 選 を 目指す 栗田 幸雄 知事 の 推薦 を 決めた 。 村山 富市 首相 は 十 日 午前 十 時 、 政府 専用 機 で ワシントン 郊外 の アンドルーズ 空軍 基地 に 到着 した 。 首相 は 十一 日 午前 十一 時 半 から 、 ホワイトハウス で クリントン 大統領 と の 首脳 会談 に 臨み 、 その後 上下 両院 の 議会 指導 者 と も 会談 する 。 同行 の 河野 洋平 副 総理 ・ 外 相 は 十 日 午後 、 クリストファー 国務 長官 と 会談 する 。 社会党 の 小森 龍邦 衆院 議員 は 十 日 、 護憲 リベラル 勢力 を 結集 した 新党 を 結成 する 意向 を 明らかに した 。 小森 氏 に よる と 、 新党 は 新党 ・ 護憲 リベラル や 護憲 新党 あかつき など の 護憲 勢力 を 「 護憲 連合 連帯 」 と して 統一 。 十八 日 に も 新党 準備 会 を 結成 、 二 月 中 に も 旗揚げする 方針 。 七 、 八 人 が 参加 する 予定 と いう 。 社会党 北海道 本部 の 古川 隆之 副 委員 長 は 十 日 夜 、 札幌 市 内 で 開いた 情報 労連 地方 協議 会 の 集会 で 「 党 中央 の 動き に よって は 北海道 方式 も 検討 する 」 と 述べ 、 党 中央 の 動き 次第 で は 「 北海道 新党 」 と して 独自の 立場 を 打ち出す 可能 性 を 示した 。 同 本部 の 一部 に は 「 横路 孝弘 知事 を リーダー に して 、 北海道 独自 の 立場 を 打ち出す べきだ 」 と の 意見 が 以前 から 出て いる 。 自民 、 社会 、 さきがけ の 与党 三 党 は 十 日 、 次期 衆院 選 で の 与党 間 選挙 協力 に ついて 、 地方 レベル で は なく 党 本部 主導 で 作業 して いく こと で 合意 した 。 三 党 の 幹事 長 、 書記 長 が 近く 、 具体 的 協議 に 入る 。 これ は 、 森 喜朗 自民党 幹事 長 と 鳩山 由紀夫 さきがけ 代表 幹事 が 国会 内 で 会談 、 森 氏 と 久保 亘 社会党 書記 長 が 電話 で 協議 、 確認 した 。 三 氏 は 「 各 党 が このまま ばらばらに 公認 を 積み上げて いく と 、 選挙 協力 区 が ごく 少数 に 限ら れる 恐れ が ある 」 と の 認識 で 一致 した 。 「 これ は 困った 」 。 日本 新党 の 除名 処分 を めぐり 中央 選挙 管理 会 が 同 党 の 別の 候補 者 を 繰り上げ 当選 と した 決定 は 無効 と した 昨年 十一 月 二十九 日 の 東京 高裁 判決 。 中央 選管 の 事務 方 の 自治 省 選挙 部 に は 予想外だった 。 判決 は 「 中央 選挙 管理 会 の 決定 自体 に 過誤 は なかった 」 と 述べた うえ で 敗訴 と した のだ 。 中央 選管 は 法務 省 と 協議 の うえ 、 日本 新党 の 解党 前日 の 昨年 十二 月 八 日 に 上告 した が 、 新 選挙 制度 でも 導入 さ れた 衆院 比例 代表 選挙 に とって は 大きな 問題 と なる 可能 性 を はらんで いる 。 事例 は 同 党 の 幹部 が 一九九二 年 七 月 の 参院 選 で 同 党 に 比例 代表 名簿 の 第 五 位 に 登載 さ れ 、 四 位 まで が 当選 。 翌年 の 衆院 選 に 上位 名簿 登載 二 人 が 出馬 ・ 転出 した が 、 直前 に この 幹部 は 除名 さ れた ため 、 届け を 受理 した 中央 選管 は この 幹部 を 繰り上げ 当選 者 と し なかった ―― と いう もの 。 判決 で は 「 日本 新党 の 党則 で は 、 除名 に 際して 対象 者 から 意見 を 聞いたり 反対 証拠 を 提出 さ せる 機会 を 与える など 民主 的で 公正な 手続き を 定めて おら ず 、 除名 そのもの が 公序 良俗 に 反し 無効 」 と し 、 「 法律 上 無効だ から 、 これ が 有効である と いう 前提 で の 中央 選管 の 決定 は 無効 」 と 断じた 。 同 党 は 「 新党 ブーム 」 の 先駆け と なった が 、 政党 と して 未熟な 点 も あり 、 党 内 手続き に 問題 が あった こと を 判決 は 指摘 した 。 反面 教師 と して 何 が 問題 か 、 を 次回 で 考える 。 与党 三 党 の 政策 調整 会議 は 十 日 、 「 与党 三陸 はるか 沖 地震 対策 本部 」 の 設置 を 決めた 。 各 党 に よる 現地 調査 結果 や 関係 省庁 から の ヒアリング を 行い 復旧 支援 策 を まとめる 。 関山 氏 は 記者 会見 で 、 北海道 、 東北 地方 で の 予知 ・ 観測 体制 の 強化 を 検討 する 考え を 示した 。 中国 を 訪問 中 の 武村 正義 蔵 相 は 十 日 、 李 鵬 首相 と 会談 し 、 村山 富市 首相 の 親書 を 手渡した 。 親書 は 「 過去 を 深く 反省 し 、 不戦 の 決意 を 踏まえ 、 未来 志向 の 両 国 の 友好 を 発展 さ せ たい 」 と の 内容 で 、 戦後 五十 周年 に あたり 、 日 中 不 再戦 の 思い を 伝えて いる 。 会談 後 、 記者 会見 した 武村 蔵 相 は 「 親書 の 公表 は 控える の が 原則 だ が 」 と し ながら 、 村山 首相 の 「 日 中 不戦 」 の 気持ち が 託さ れた こと を 明らかに した 。 一方 、 李 鵬 首相 は 村山 首相 の 訪 中 に 関し 「 よい 時期 に どうぞ 」 と 改めて 公式 訪問 を 要請 した 。 「 村山 首相 訪 中 の あと 、 江 沢民 国家 主席 か 私 が 訪 日 し たい 」 と 李 鵬 首相 自身 の 訪 日 の 可能 性 を 示唆 した 。 江 主席 は 党 総 書記 の 肩書 で 一九九二 年 に 、 李 鵬 首相 は 八九 年 に 訪 日 して いる 。 また 李 鵬 首相 は 台湾 の 李 登輝 総統 の 訪 日 問題 に 関し 、 懸念 を 表明 した 。 これ は 十一 月 に 大阪 で 開か れる アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 に 関連 し 、 「 中国 は 一 つ 」 と する 原則 を 踏まえ 、 中国 政府 が 早くも けん制 に 出た もの だ が 、 武村 蔵 相 は 「 中国 側 の 考え 方 は わかった 、 と 応じた 」 と 説明 した 。 「 参院 の 六 年 は 長い 。 この 間 に 何 が 起こる か 分から ない 」 。 自治 省 の ある 幹部 は 、 官僚 の 参院 選挙 比例 区 の 名簿 登載 に 消極 的な 霞が関 全体 の 空気 を 、 こう 代弁 する 。 自治 省 は 三 年 前 の 選挙 で 、 松浦 功 氏 、 久世 公尭 氏 の OB 二 人 を 当選 さ せた ため 、 今回 の 選挙 に は 役所 代表 を 擁立 し ない 方針 。 約 十一 カ月間 の 野党 経験 から 、 加藤 紘一 自民党 政調会 長 は 「 夫婦 だ と 思って いた 官僚 が 、 近い 親せき に なった 」 と その 距離 の 変化 を 説明 する 。 自民党 の 比例 区 名簿 へ の 官僚 擁立 工作 は 、 夫婦 の ヨリ を 戻そう と いう 試み だ が 、 うまく いか ない 。 「 オイ 、 あいつ 来て いる か 」 。 昨年 十二 月 十二 日 夜 、 都 内 で 行わ れた 田村 秀昭 参院 議員 を 励ます 会 で は 、 出席 者 の 顔ぶれ が 話題 の 中心 と なった 。 航空 自衛 隊 幹部 学校 長 から 参院 議員 に 転身 した 田村 氏 は 、 今夏 の 参院 選 で は 新進党 の 比例 区 候補 予定 者 。 永野 茂門 参院 議員 と ともに 九三 年 に 自民党 を 離党 、 昨年 暮れ に は 新進党 に 参加 した 。 それだけに パーティー 出席 は 、 自民党 から 親 ・ 新進党 と 受け止め られる から だった 。 発起人 に は 、 かつて の 陸海空 の 幕僚 長 、 志摩 篤 、 岡部 文雄 、 鈴木 昭雄 の 三 氏 が 名 を 連ね 、 防衛 産業 の ドン 、 飯田 庸太郎 三菱重工業 会長 も その 一 人 。 万歳 三唱 は 防衛 大学校 同窓 会 会長 の 中尾 時久 氏 が 音頭 を とった 。 一方 、 現役 幹部 は ほとんど 姿 を 見せ ず 、 組織 と して の 微妙な 立場 を 映し出した 。 防衛 庁 から の 自民党 の 候補 者 探し は 、 山崎 拓 元 防衛 庁 長官 を 中心 に 行わ れて いる が 、 これ まで 西元 徹也 統 幕議 長 、 冨沢 暉 陸 幕 長 、 石井 政雄 元 統 幕議 長 ら 七 人 前後 の 名前 が 取りざた さ れた もの の 詰め 切れ ず 、 さらに 枠 を 広げて いる 状況 だ 。 難航 の 理由 は 、 「 政争 に ほんろう さ れ たく ない 」 と いう 防衛 庁 内 の 空気 だ 。 一例 が ある 。 細川 政権 下 の 昨年 三 月 、 当時 の 愛知 和男 防衛 庁 長官 は 知事 選 の さなか に 石川 県 に 入り 、 公務 と して 小牧 基地 など を 視察 、 翌日 は 政務 に 切り替え 、 当時 の 連立 与党 が 推す 候補 者 事務 所 を 訪問 した 。 野党 だった 自民党 は これ を 「 大臣 の 立場 を 利用 した 選挙 運動 」 と 猛烈な 批判 を 展開 した 。 自民党 が 政権 復帰 後 の 八 月 、 参院 愛知 再 選挙 応援 の ため 愛知 県 入り した 自民党 の 玉沢 徳一郎 防衛 庁 長官 は 、 土地 改良 組合 と 党 県連 の 会合 だけ に 出席 して 帰京 した 。 地元 の 選挙 対策 本部 は 「 基地 ぐらい 回って ほしかった 」 と 悔しがった 。 玉沢 長官 が 十一 月 、 自民党 広島 県連 パーティー に 出席 した 際 も 、 部隊 回り の 要請 が あった が 、 防衛 庁 は 「 いったん 東京 に 帰って から 、 改めて 公務 と して 行って もらう 」 と 譲ら なかった 。 ある 幹部 は 「 愛知 さん の 件 で は 、 野党 に なって も 仲間 だ と 思って いた 自民党 に 攻撃 さ れた 。 もめごと は もう たくさんだ と いう 気分 だ 」 と 話す 。 自民党 から 防衛 庁 ・ 自衛 隊 の 代表 と いう 形 で 候補 者 を 出した 場合 、 組織 は 真っ二つ に 割れる 可能 性 が ある 。 防衛 庁 の 「 自己 防衛 本能 」 を 自民党 が 与党 カード で 突き崩せる か が 、 候補 者 擁立 の カギ だ 。 運輸 省 で は 審議 官 を 務めた 泉 信也 参院 議員 が 自民党 から 新生党 に 移った 。 細川 政権 下 、 新生党 の 二階 俊博 政務 次官 の 部屋 の 前 に は 陳情 の 列 が 並び 、 「 役所 全体 が 新 政権 に 沸いた 雰囲気 だった 」 と いう 。 当時 、 運輸 省 は 自民党 の 比例 区 候補 を 決める 寸前 だった が 、 政権 交代 が 起き 、 名前 が 挙がった 官僚 は 自民党 から の 立候補 を 取りやめた 経緯 が ある 。 自民党 の 亀井 静香 運輸 相 は 就任 直後 から 、 新生党 色 排除 の ため “ 亀井 カラー ” で 挑んだ 。 同 省 幹部 に 対し 「 私 の 方針 に 沿え ない 人 は 辞表 を 持ってきて も 構わ ない 」 と 一喝 、 大臣 室 に 入って くる 局長 に 「 辞表 持ってきた か 」 と 、 本気 と も 冗談 と も つか ない 言葉 を かける など 政権 交代 を 実感 さ せた 。 日本 船舶 振興 会 の 評議 員 会 メンバー 選考 で は 、 振興 会 が 申請 した 小林 節 慶応大 教授 を 認め なかった 。 小林 氏 は 自民党 批判 を 繰り返して おり 、 一部 の 自民党 議員 は 、 改めて 「 亀井 がんばれ 」 コール を 起こす など 、 自民党 内 で は 新進党 と の 対立 構図 の 中 で 、 この 措置 が 受け止め られて いる 。 「 政治 に 肩入れ し すぎて やけど を した と いう の が 省 内 の 実感 」 と 課長 の 一 人 。 いつ 政権 交代 が 起こる か 分から ない 中 で 、 運輸 省 内 から 、 特定 政党 の 候補 を 出そう と いう 声 は 出て こ ない 。 かつて 名簿 上位 確保 の ため 、 自民党 本部 に 、 スチュワーデス や バス ガイド を 大量 動員 して 懇談 会 を 開く など 、 他 省庁 の 度肝 を 抜いた “ 運輸 パワー ” は すっかり 影 を ひそめた 。 大蔵 、 通産 省 は 最近 、 役所 を 代表 する 形 の 候補 者 を 出して おら ず 、 今回 も 具体 的な 候補 者 名 は 挙がって い ない 。 ゼネコン 疑惑 の 影響 を かぶって いる 建設 省 は 、 三 年 前 は 二 人 の 当選 を 果たした が 、 今回 は 一 人 擁立 が 精いっぱい だ 。 「 比例 議員 に 頼ら なくて も 、 役所 の シンパ 議員 は 多い 」 。 比例 区 の 扱い は 、 今後 の 政党 と 官庁 の 距離 の 取り 方 の 試金石 に なり そうだ 。 新進党 は 、 旧 新生党 が 細川 政権 誕生 直後 に 、 各 省庁 から 参院 比例 区 に 候補 者 擁立 の 意思 が ある か どう か の ヒアリング を 行う など 積極 的な 姿勢 を みせて いた 。 しかし 具体 的な 動き に なる 前 に 野党 に 転落 して 挫折 。 今夏 改選 の 木暮 山人 参院 議員 を 前回 応援 した 日本 歯科 医師 会 が 今回 、 中原 爽 会長 を 自民党 から 擁立 する 。 現職 の 田村 参院 議員 以外 は 官庁 、 団体 から の 候補 擁立 は 期待 でき ない 状況 だ 。 54 毎年 、 クリスマス に は 私 は 不愉快に なり ます 。 昨年 も そう でした 。 私 の 住む 多摩 ニュータウン の 一角 に は 巨大な 生きた モミ の クリスマス ツリー が 立ち ます 。 そこ に は 枝 に 電線 が 配さ れ 、 いく つ も の 小さな 豆 電球 が ともさ れ ます 。 山 の 中 で 育って いた 樹齢 数十 年 の 木 に 、 ただ 人 の 目 だけ を 楽しま せる ため に 電飾 を 施す の は 可哀そうで たまり ませ ん 。 茨城 県 大子 町 で は 、 大木 の サクラ を ライト アップ した と 、 テレビ で 報じて い ました 。 生きて 生長 して いる 木 に とって いい こと で は あり ませ ん 。 冬 、 植物 は じっと 耐え 英気 を 養って いる のです 。 周辺 に すむ 小 動物 や 植物 の 生態 系 さえ 狂わせて しまう のです 。 クリスマス に 限ら ず 、 自然 が 色 濃く 残って いる 渓谷 など に も ライト アップ する ところ が あり ます 。 人間 は 自然 を “ いじめ ” 続けて いる のです 。 水 、 土 、 空気 が 織りなす 生物 圏 の 環境 は 、 原状 へ の 回復 が むずかしい 「 不可逆 変化 」 と 、 規制 後 も 汚染 が しつこく 残る 「 遅れ 効果 」 を 一段 と 強めて きた ように 思える 。 環境 保護 を うたう 条約 や 法律 が 相次いで つくら れる の に 反し 、 環境 の 質 は 確実に 悪化 して いく 。 その 影響 の 大小 を 、 地球 的な 規模 で 、 私 たち が 身をもって 証明 し なくて は なら ない 「 生体 実験 」 の 時 を 迎え つつ ある ので は ない か 。 南極 上空 の オゾンホール は 昨年 の 十 月 に 最 大規模 の 二千万 平方キロ を 超え 、 南極 大陸 の 約 一・五 倍 の 範囲 に 広がった 。 成層圏 の オゾン が 一 % 減る と 、 地球 へ とどく 有害な 紫外線 の 量 は 約 二 % 増える と み られる 。 そして オゾン の 量 が 一 % 減る と 、 皮膚 がん が 四 % から 六 % 増え 、 白内障 の 発症 率 も 高まる 危険 性 が ある 、 と 指摘 さ れて いる 。 オゾン 層 が 一〇 % 破壊 さ れる と イネ や 大豆 など の 収穫 量 も 二五 % 前 後 減る と の 野外 実験 結果 も 出て いる 。 南極 上空 の オゾン 量 は 昨年 九 月 の 平均 値 で 平常 より 三五 % も 減少 して いた 。 南極 海 で は あらゆる 生命 の 源 である プランクトン の 量 が 減る 兆し を みせて いる と いう 。 日本 列島 の 上空 でも この 三十 年間 の 平均 値 に 比べ 札幌 で 七・七 % 、 つくば 三・二 % 、 鹿児島 一・一 % 、 那覇 で は 三 % それぞれ 減って きて いる 。 ただし 有害な 紫外線 量 は 雲量 や 大気 汚染 の せい か 、 いま の ところ は 増えて い ない 。 オゾン 層 を 破壊 して いる フロン 類 の 製造 、 使用 は 、 オゾン 層 保護 条約 に より 、 一九九三 年 から 段階 的に 規制 さ れ 始めた 。 多く は 来年 末 まで に 全廃 さ れ 、 代替 フロン も 二〇一〇 年 まで に 全廃 さ れる 。 すでに その 規制 は 、 フロン 使用 量 の 多い 北 半球 上空 で フロン 濃度 の 増加 が 止まり 、 分解 さ れ やすい 種類 の フロン の 濃度 が 減る など の 効果 を 上げて いる 。 だが 、 環境 へ 捨て られた フロン は 風船 の ように ゆっくり と 十 年 近く かけて 成層圏 へ 至り 蓄積 して いく 。 オゾン 層 の 破壊 が ピーク に 達する の は これ から だ 。 元どおりに 回復 する まで に は 五十 年 かかる 、 と 世界 気象 機関 は 予測 して いる 。 この 間 、 二〇〇五 年 から 二〇一〇 年 に かけ 最悪の 状況 が 続く と の 予測 も ある 。 はたして 生物 界 に 異変 が 起きる の か 否 か 、 人類 も 自ら の 体 を 実験 台 に 、 その 答え を 出す こと に なろう 。 この 二十九 年間 、 全国 で 使わ れて きた 水田 除草 剤 クロルニトロフェン に 発がん 性 の 疑い が もた れ 、 昨年 三 月 から 使用 が 中止 さ れた 。 同 系統 の 除草 剤 「 クロメトキシニル 」 も 製造 が 中止 さ れた 。 新潟 県民 、 とくに コメ どころ 新潟 平野 で 胆のう がん の 死亡 率 が 全国 一 高い の は 、 これ ら 農薬 が 水道 水 に まじった せい である 可能 性 が 強い こと が 、 新潟 大 医 学部 の 調査 で 明らかに さ れた 。 生産 の 効率 を 上げる ため に 使わ れて きた DDT 、 BHC など 有機 塩素 と フェニル 水銀 など 有機 水銀 農薬 は 、 土 、 水 、 作物 を 汚した 末 、 発がん 性 、 催奇形性 を 疑わ れて 相次ぎ 使用 が 禁止 さ れて いった 。 しかし 、 憂う べき 事態 は 現在 も 変わって は い ない こと を CNP は 警告 して いる 。 胆のう がん の 多発 は 、 新潟 平野 だけ な の か 、 稲作 地帯 で の 疫学 調査 の 徹底 が 望ま れる 。 ここ に も また 発がん 性 物質 に よる 環境 汚染 へ の 「 不可逆 的 」 な 影響 が み られる 。 水質 汚濁 防止 法 で 監視 が 必要 と さ れる 化学 物質 二十五 種 の うち 、 十二 種類 は 農薬 系 である 。 輸入 農作物 に 対し 、 国産 作物 の 安全 の 優位 を 主張 する 日本 の 農業 が 、 緊急に 克服 し なくて は なら ない 課題 である 。 同時に 輸入 農作物 の 残留 農薬 に 対する 監視 を 徹底 し 、 危険な 食料 の 輸入 を 厳しく 禁ず べき 時 が きた 。 安全 や 環境 問題 を 非 関税 障壁 に する な 、 と いう 輸出 国 側 の 大 合唱 に たじろぐ こと なく 、 安全 基準 は 厳しく 保た れ ねば なら ない 。 自由 貿易 は 暮らし の 質 を 高める ため の 手段 であって 、 目的 で は ない こと を 世界 貿易 機関 の 発足 を 控え 、 わきまえて おき たい 。 岐阜 大 、 愛媛 大 の 農学 部 の 調査 で 、 日本 列島 に すむ クマタカ や ハヤブサ など 猛禽類 と ツキノワグマ 、 ニホンザル など ほ乳 類 から 、 体重 減少 や 免疫 機能 を 衰え させる PCB が 検出 さ れた 。 とりわけ 食物 連鎖 の 上位 に いる 猛禽類 は 安全 基準 値 を 数十 倍 上回る 高 濃度 の PCB に 汚染 さ れて いる 。 分解 し にくい タイプ の 有機 塩素 化学 物 が 魚 や ネズミ を 捕食 する 猛禽類 の 体 を 「 終着 駅 」 に 濃縮 さ れて いる のだ 。 PCB の 製造 が 禁止 さ れて から 二十二 年 、 化学 物質 規制 後 に むしろ 汚染 レベル が 高く なる 、 「 遅れ 効果 」 が 、 いま 野 の 生き物 を 脅かして いる 。 都会 の 空 は 石炭 燃料 時代 の ばい煙 を 思わ せる 茶褐色 に 濁り 、 ラッシュ の 幹線 道路 は 黒煙 の トンネル に なって きた 。 ディーゼルエンジン から 吐き出さ れる 軽油 の 不完全 燃焼 に 伴う 真っ黒な スス の せい だ 。 強い 発がん 性 を もつ ニトロピレン 、 ベンツピレン など の 有機 化合 物 が スス と ともに 排出 さ れる 。 物流 コスト を 抑える ため 、 軽油 引取 税 が ガソリン に 課かる 揮発 油 税 より かなり 安く 抑え られて いる 。 この ため 、 トラック の 六五 % は ディーゼル車 だ 。 そして 、 一九九〇 年 に は 六十三万 台 の ディーゼル 乗用車 も 生産 さ れた 。 「 便利で 経済 的な 」 暮らし が 環境 と 人体 に 汚染 を つけまわして いる 構造 が 、 ここ に も ある 。 九五 年 に あたり 、 私 は 五感 を 通して 思う 。 核 戦争 が 一例 だ が 、 私 たち は 時計 の 振り子 が 振り切れる 前 に 、 「 危機 管理 」 を す べく 社会 の ルール 、 行動 を 変えて きた 。 だが 、 環境 の 保護 に ついて は 、 次第に その タイミング が 失わ れ つつ ある ので は ない か 、 と 恐れて いる 。 十二 月 二十一 日 の 本欄 「 防災 放送 乱用 」 の 件 を 知って 、 むしろ うらやましい と 思い ました 。 投稿 者 は 楽器 製作 に かかわる 仕事 上 、 音 に 敏感な 方 と 思い ます が 、 殊に 冬季 は 暗く なる の が 早い ので 、 スピーカー が 設置 さ れ 、 遊んで いる 子供 たち に 「 早く 家 に 帰り ましょう 」 の 呼び掛け と ともに 「 ふるさと 」 の メロディー が 鳴り 出せば 、 それ は 温かい 指導 だ と 思い ます 。 私 は 丘 の 上 の 団地 に 住んで い ます 。 この 季節 、 火 の 用心 で は 町内会 、 自治 会 の 役員 が 回る ようです が 、 子供 の 遊び に 関して は 無関心な 町 です 。 近く に 網 で 囲った 子供 向け 運動 場 が ある のです が 、 高校 生 か 中学生 くらい の 男の子 たち が 夜 の 十 時 すぎ まで 、 スケボー と いう 遊具 で 遊んで いて 、 近く の 人 は うるさくて たまり ませ ん 。 こんな 時 、 有線 放送 で 「 夜間 使用 禁止 の 注意 を 守り ましょう 」 と 呼び掛けて もらえたら 非行 防止 に も つながる でしょう 。 十二 月 二十三 日 の 本欄 「 シルバーシート まで 占拠 」 を 読んで 一言 申し上げ ます 。 電車 の 中 で 、 女子 高校 生 が シルバーシート まで 完全に 占拠 、 お 年寄り が 前 に 立って も 知らん顔 を して いた 、 と いう こと です が 、 投稿 者 が その 様子 を 見た 時 、 なぜ “ 知らん顔 ” を して いた 高校 生 に 「 お 年寄り に 席 を 譲って あげて 」 と 声 を 掛ける こと が でき なかった のでしょう か 。 その 一言 で 、 彼女 たち の 行動 が 変わった かも しれ ませ ん ね 。 彼女 たち は 夢中に なって 小 冊子 を 読んで いた ようです から 、 シルバーシート に 座って いる こと が 、 意識 の 中 から 離れて いた の かも しれ ませ ん 。 あなた の 一言 で 「 すみません 」 と か 「 どうぞ 」 と 言って 席 を 立った かも しれ ませ ん 。 他人 に 声 を 掛ける の は ためらい がちです が 、 社会 の 中 で 目 に とまる 腹立たしい こと に は 、 私 たち は 勇気 を もって “ 一言 ” 声 を 掛ける 努力 を し たい もの です 。 親 と 子 、 本当に 似て くる もの だ と 思い ます 。 兄 に 「 母 に 似て きた な 。 顔 だけ で なく 、 動作 が そっくりだ 」 と 言わ れ ました 。 自分 で は まだまだ 若い つもり です が 、 ウインドー に 映った 姿 は どこ か お ばあさん です 。 母 は 八十一 歳 で 亡くなり ました が 、 財布 に は 自分 の 住所 、 氏名 、 年齢 、 電話 番号 を 書いた メモ を 入れて い ました 。 また 、 頂いた もの に は 、 すぐに だれ から 、 いつ など の メモ を して あり ました 。 今 、 私 が 同じ こと を して い ます 。 何と 不思議な こと でしょう 。 自然に やって いる のです 。 母 は 昔 、 和裁 を して いた ので 、 私 は 教えて もらって い ました が 、 直さ れる の が 嫌で たまり ませ ん でした 。 しかし 、 そんな 時 に いつも 「 見る は 末代 、 直す は 一 時 」 と 言わ れた こと を 思い出して い ます 。 私 も 針 を 持った 時 、 いつも 口ずさみ ます 。 母 から 教え られた いい 言葉 だ と 、 思って い ます 。 「 見る は 末代 、 直す は 一 時 」 晴天 に 恵まれた 元日 、 車 で 初もうで に 出かけた 。 お 正月 に して は 暖かく 、 人々 の 熱気 で ムンムン と して いる 境内 。 一 年 の うち で 最も 書き入れ時 で 、 露店 が 並び 、 いい 香り が 漂って いた 。 しかし 、 足元 を 見て がっくり 。 食べた 後 の 容器 や つまようじ 、 ティッシュ など が いたるところ に 散乱 して いて 、 何とも 見苦しい 。 ごみ箱 が 設置 さ れて いる のに 、 悲しい こと に そこ へ 捨て ない 人 たち が 多い らしい 。 ごみ は ごみ箱 へ 、 と いう こと は だれ でも 知っている 。 しかし 、 それ を 実行 し ない こと に は 知ら ない の も 同然である 。 特に 、 小さい 子 に は 親 が 手本 を 示して 、 ごみ箱 へ 捨てる ように 指導 を 徹底 さ せ たい 。 初もうで の ように 、 家族 が 一緒に 出かける 機会 に 、 公衆 道徳 を 教える の は よい チャンス である 。 小さい ころ に 公衆 の マナー を 身 に つけた 子 は 、 大きく なって も 、 決して 車 の 窓 から 空き缶 を 投げ捨てる ような 大人 に は なら ない 。 科学 技術 庁 の 新 官房 長 の 更迭 は 当然である 。 同氏 は 通産 省 に 戻った そう な ので “ せんべつ の 言葉 ” を 贈り たい 。 その 言葉 は 、 同氏 が 田中 真紀子 長官 に 言った 言葉 を 少し だけ 訂正 した もの だ 。 すなわち 「 霞が関 の 役所 は 公器 であり 、 役人 の 私物 で は ない 」 と 。 しかし 、 同氏 の 言 は 多く の 高級 官僚 の 心底 を はからずも 露呈 した もの だ 。 「 省 益 あって 、 国益 なし 」 の 官僚 を なんとか 駆逐 し たい 。 そして 、 真に 国 を 憂える 気鋭の 官僚 の 台頭 を 心から 待ち望み たい 。 高級 官僚 の 任免 は 閣僚 の 権限 と 聞く 。 閣僚 は 、 国民 的 課題 の 行政 改革 に 及び腰 の 官僚 を 、 どんどん すげ替えて ほしい 。 田中 長官 を 見習って ほしい 。 それ が でき ない の は 、 閣僚 が 不 勉強 で 、 官僚 に 操ら れて いる から だ 。 村山 富市 首相 も 韓国 の 大統領 を 見習って ほしい 。 行革 に 不 熱心な 閣僚 は 官僚 ともども 更迭 す べきである 。 身近な 地方 選 を 目前 に 控えて 、 政治 家 の 動き も 活発に なって きた 。 私 の 友人 は 政治 家 の 後援 活動 に も 選挙 運動 に も 無縁だ が 、 年 に 四 回 開か れる 地元 の 市 の 定例 議会 を 欠かさ ず 傍聴 して いる 。 市長 や 市議 の 政治 姿勢 が 手 に 取る ように 分かる と 、 足 を 運ぶ 意義 を 強調 する 。 毎回 熱心に 質問 する 市議 は 、 二十数 人 の うち 四 、 五 人 だけ 。 四 年間 に 一 度 も 質問 し なかった 市議 が 半分 も いる と いう から あきれる 。 その 人 たち は 当然 、 人 の 質問 や 市長 の 答弁 を メモ する こと も ない らしい 。 議会 中 に 人 の 質問 を やじったり 、 居眠り したり する の は 国会 と 同じ ようだ が 、 休憩 時間 に 議員 たち の おしゃべり を 聞いて いる と 、 がっかり する と 嘆く 。 有権者 は 税金 が 高い 、 だれ を 選んで も 政治 は 変わら ない と あきらめ がちだ が 、 投じる 一 票 を 慎重に 行使 し 、 また 、 当選 した 人 の 日ごろ の 活躍 や 行動 を チェック する 姿勢 を 心掛け なければ いけない と 、 彼女 の 話 を 聞いて 思った 。 「 円高 是正 、 産業 空洞 化 阻止 緊急 集会 」 を 開催 した 鉄鋼 労連 。 ひとごと で なく 、 わが 街 も 鉄鋼 業 を 含む 二 大 企業 に よる 典型 的な 企業 城下 街 で 、 ほか に 見る べき 産業 も なく 、 企業 サイド の 人員 整理 を 主体 の リストラ のあらし が 吹き荒れ 、 企業 内 失業 は 増加 の 一途 。 先行き 不透明 の 不安に おびえて いる の が 現状 だ 。 狭小な 国土 に 膨大な 人口 の 資源 小国 。 戦後 、 勤勉 と 英知 で 、 いまや 貿易 黒字 千三百億 ドル に も 及び 海外 投資 に も 積極 的な 経済 大国 。 なのに 国家 財政 は 二百兆 円 を 超す 国債 発行 高 。 いま 、 国 も 国民 も オール ローン の “ 操業 ” 。 一方 、 近隣 の アジア 新興 工業 国 ・ 地域 の 急追 で 、 ある 意味 で は 国家 存亡 の 危機 な のに 政治 家 は 多額の 血税 を はみ ながら 、 利権 絡み の 離合 集散 に うつつ を 抜かして おり 、 これ で は 経済 戦争 は 玉砕 だろう 。 与野党 は 小異 を 捨てて 大同 団結 、 国家 百 年 の 計 を 立て 国民 に 希望 を 持た せて ほしい 。 十一 月 に 大阪 で 開か れる アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 出席 の ため 台湾 の 李 登輝 総統 が 強く 訪 日 を 希望 して いる 旨 報道 さ れて いる 。 この 訪 日 問題 が 取り上げ られた の は 、 これ が アジア 外交 の 上 で 今年 の 注目 課題 と なる かも しれ ない から であろう 。 李 総統 は 昨年 十 月 、 広島 アジア 大会 の 時 に も 訪 日 を 熱望 し ながら 、 断念 せ ざる を 得 なかった 。 台湾 の 人 たち は こぞって 憤激 した と いう 。 アジア の 人々 は この 一事 を 見て 日本 を どう 思った であろう か 。 最近 、 マスコミ で アジア 各国 の 日本 不信 が しきりに 指摘 さ れ 、 アジア と の 心から の 友好 の 重要 性 が 叫ば れて いる 。 大阪 APEC は 確かに 日本 の 対 アジア 友好 の 姿勢 を 示す よい 機会 であろう 。 この際 、 少なくとも アジア 大会 に 見 られた ような 、 非 友好 的な こと が 再び あって は なら ない 。 李 総統 訪 日 の 実現 に よって 、 今秋 、 大阪 で 各国 各 地域 代表 が そろって 会する 姿 が 見 られる よう 今 から 期待 し たい 。 先日 、 テレビ で 輸入 農産物 の 安全 性 に ついて 放映 して い ました 。 日本 が 年間 に 輸入 する 野菜 の 量 は 百七十万 トン 、 国 内 消費 量 の 約 一 割 だ そうです 。 水 不足 の 時 も 、 輸入 に よって たくさんの 野菜 が スーパー に 並び ました 。 でも 、 それ は 本当に 安全な のでしょう か 。 ポストハーベスト の 問題 は 以前 から 言わ れて い ます が 、 問題 は 基準 です 。 番組 で は ジャガイモ に 「 クロルプロファム 」 と いう 発がん 性 が ある と 言わ れて いる 農薬 を 収穫 後 に かけて い ました 。 発芽 を 抑える ため の 農薬 だ そうです 。 日本 で の 基準 は 三 年 前 、 大幅に 緩和 さ れ ました 。 アメリカ の 基準 に 合わせ 、 輸入 を スムーズに する ため です 。 製品 の 残留 農薬 も 測って い ました が 、 平均 の 残留 量 は 今 の 基準 以下 です が 、 前 の 基準 の 約 六 倍 と 言い ます 。 北海道 で は 、 長 期間 芽 を 出さ ない 品種 が ある そうです が 、 収穫 量 が 少なく 割高で 、 出回って い ない ようです 。 消費 者 は 、 安全で 、 おいしい 物 を 求めて いる のです 。 ロシア 政府 は チェチェン 共和 国 へ の 進攻 後 、 親 ロシア の 「 国民 再生 政府 」 を 樹立 した が 、 依然 共和 国民 の 多数 は ドゥダエフ 政権 を 支持 して おり 、 ロシア 政府 の 思惑 通り の 秩序 回復 に は 程遠い 混乱 状況 に ある 。 ドゥダエフ 大統領 は 一 時 消息 が 分から ず 、 死亡 説 も 伝え られた 。 ロシア 政府 は 八 日 、 大統領 が ボディー ガード と 一緒に 首都 グロズヌイ を 脱出 した と 発表 した が 、 現在 も 首都 に とどまって いる と の 情報 も ある 。 ロシア の 軍事 関係 者 に よる と 、 ドゥダエフ 政権 は 首都 の 一部 で ロシア と の 戦闘 を 掌握 して いる が 、 地方 で は 各地 の 武装 勢力 が ばらばらに 戦って いる 状態 だ 。 その 半面 、 大国 ロシア と 妥協 せ ず 徹底 抗戦 を 続ける 大統領 は 今や 「 民族 の 英雄 」 と みなさ れ 、 人気 が 上昇 して いる 。 「 独裁 者 」 など マイナス の イメージ は 消え つつ あり 、 現 時点 で 大統領 選 が 行わ れれば 再選 確実 と 見る 人 が 多い 。 一方 、 ロシア 政府 は 正常 化 第 二 段階 に 向け 国民 再生 政府 樹立 を 公表 した 。 同 政府 の 閣僚 も 任命 さ れ つつ ある が 、 支持 基盤 は 今 の ところ 北部 の ナドチェレチヌイ 地区 周辺 に 限定 さ れて いる 。 ロシア の かいらい 政権 と みる チェチェン 人 の 反発 は 根強く 、 新 政府 が 国民 的 支持 を 得る の は 至難の 業 だ 。 この ため ロシア 側 は 軍事 的 制圧 に 成功 して も 、 その後 の 正常 化 過程 で チェチェン 人 から 抵抗 を 受ける の は 必至で 、 正常 化 できる か どう かも 疑問 な 状況 に ある 。 ジョハル ・ ムサエビッチ ・ ドゥダエフ 。 1944 年 4 月 15 日 、 チェチェン ・ イングーシ 共和 国 の ペルボマイスコエ 村 に 生まれた 。 生まれた 年 に 一家 は カザフスタン へ 強制 移住 さ せ られた 。 ガガーリン 空軍 アカデミー 卒業 。 空軍 で は 爆撃 機 部隊 で 経歴 を 重ね 、 エストニア 駐留 爆撃 機 部隊 司令 官 を 最後に 90 年 退役 。 空軍 少将 。 同年 チェチェン 民族 統一 議会 議長 と なり 政界 へ 転身 した 。 91 年 10 月 27 日 、 国民 の 相当 数 が ボイコット した 国民 選挙 で 大統領 に 選出 さ れた 。 一貫 して ロシア の 帝国 主義 的 政策 を 非難 、 チェチェン の 植民 地 的 地位 から の 脱却 を 訴えた 。 91 年 11 月 に ロシア 人 ジャーナリスト と の インタビュー で 「 もし 突然 チェチェン 国民 が あなた に 失望 し 、 大統領 の 職 を 失ったら どう する か 」 と 聞か れ 、 「 草花 の 世話 が できたら 幸せだ と 思う 。 私 は もともと 争い を 好む 人間 で は ない 。 これ まで の 人生 で 、 私 は いつも 小さな 庭 付き の 家 を 持てたら 、 と 思って いた 。 そこ で 庭いじり でも やり たい もの だ 」 と 答えて いる 。 妻 の アレフチナ ・ フョードロブナ は 画家 。 2 男 1 女 の 父 。 チェチェン 軍事 進攻 は エリツィン ・ ロシア 大統領 の 政治 的 将来 に 暗い 影 を 落として いる 。 国民 の エリツィン 離れ の 加速 、 支持 基盤 の 崩壊 に 加えて 大統領 の 指導 力 、 権力 掌握 に 疑問 が 出て きた から だ 。 ロシア 内政 は 早くも 来年 六 月 の 大統領 選 に 向かって 動きだした 。 一九九三 年 十 月 の 議会 砲撃 、 同 十二 月 の 総 選挙 、 新 憲法 承認 を 経て 九四 年 が 国民 意識 を 政治 から 経済 中心 に 向かわ せた の に 対し 、 進攻 を めぐる 今回 の 論議 沸騰 は 国民 の 目 を 再び 政治 に 引き戻す 効果 を もたらした 。 一般 大衆 の 政治 へ の 無関心 は 結果 的に 政権 側 に 有利に 働いて きた 。 しかし 、 国民 意識 の “ 政治 化 ” は 、 政権 が 弱体 傾向 を 示す 時 に は 、 なおさら 政治 的 緊張 を 生み出す 下地 を 作る 。 その 意味 で エリツィン 大統領 を 取り巻く 政治 環境 は 厳しい 。 昨年 十 月 の 政府 不 信任 案 は 主に 経済 政策 を めぐる 政府 と 議会 の 対立 だった 。 十一 日 に 再開 さ れる 議会 で は 進攻 の 妥当 性 、 グラチョフ 国防 相 解任 を 含めた 政府 の 責任 追及 が 中心 と なる 。 明確に 大統領 辞任 を 迫った の は ヤブリンスキー 連合 だけ 。 進攻 前 まで エリツィン 与党 で 軍事 進攻 を 厳しく 批判 して いる 「 ロシア 民主 選択 党 」 は 、 国防 相 など の 解任 を 要求 して いる が 、 大統領 辞任 まで は 求めて い ない 。 共産党 は 進攻 以来 、 比較的 静観 を 続け 、 政権 側 の 失点 拡大 を 待って いる 。 ジリノフスキー 氏 率いる 自由民主党 だけ が 進攻 作戦 の 全面 支持 を 続けて いる 。 今後 の 情勢 の 推移 に も よる が 、 大統領 選 繰り上げ と いう こと で は 各派 の 足並み が そろう 可能 性 が ある 。 最近 、 政界 周辺 で は 、 エリツィン 大統領 が 大統領 選挙 を 延期 する ので は ない か と の 見方 が 出始めて いる 。 九三 年 十二 月 に 承認 さ れた 新 憲法 で は 議員 は 一期 に 限り 任期 二 年 と 規定 さ れ 、 今年 十二 月 に 改選 と なる 。 この ため 議員 心理 を 読み 込んで 、 大統領 選 だけ で なく 議員 選挙 も 抱き合わせ で 二 年間 延期 する と いう もの だ 。 ただ 大統領 選 延期 は 自ら の 再選 見通し が ない こと を 認めた ような もの で 、 かえって 政権 の 命取り に なる 可能 性 も ある 。 チェチェン 問題 を ロシア の 内政 問題 と して 不 介入 の 姿勢 を とって いた 西欧 も 強い 懸念 の 声 を 上げ だした 。 市民 殺傷 へ の 懸念 だけ で なく 、 ロシア の 民主 主義 そのもの が 殺さ れる 危険 を 感じ始めた から である 。 ロシア 軍 の チェチェン 攻撃 に 抗議 して 、 デンマーク が ロシア と の 防衛 協力 協定 の 一 時 停止 を 決め 、 欧州 連合 は 、 ロシア と の 貿易 協定 署名 を 一 時 見合わせた 。 こうした 圧力 に 加えて EU は 、 全欧 安保 協力 機構 を 通じて の 調停 を ロシア に 提案 して いる 。 西側 が チェチェン 問題 に 発言 し 始めた の は 、 ロシア の 対 チェチェン 政策 の 失敗 と その 将来 の 影響 に 懸念 を 持ち 始めた ため 。 数 日間 で チェチェン の 首都 陥落 と いう 軍事 指導 部 の 甘い 見通し に エリツィン 大統領 が 乗った だけ で ない 。 「 激しい 抵抗 が 予想 さ れ ながら 無能力な 部隊 を 送った 軍 指導 部 の 大 失策 」 が あり 、 しかも その 軍 指導 部 を 抑え 切れ ない エリツィン 大統領 の 指導 力 欠如 が あらわに なった と 見る 。 これ に よって 民主 主義 の 擁護 者 、 改革 の 担い手 と いう エリツィン 大統領 へ の 希望 は 絶た れ 、 ロシア そのもの が 不安定 化 する 可能 性 が 大きく なった と いう の が 西側 の 一般 的 受け止め 方 である 。 英 エコノミスト 誌 は 言う 。 「 今や 希望 は 死に つつ あり 、 かつて 改革 の 実力 者 だった エリツィン 氏 は 改革 ロシア の 指導 者 と して 不 適切な 人物 と なった 」 だが 西欧 に とって 困る の は 、 ロシア 軍 が チェチェン 作戦 に 勝利 すれば 、 ロシア 内 の 強硬 派 を 勢いづける だろう し 、 逆に 軍事 的に 失敗 すれば 、 ロシア 連邦 内 の 分裂 を 加速 化 し かね ない のだ 。 どちら も 西欧 の 望む ところ で は ない 。 軍事 衝突 が できる だけ 早く 終止 し 、 話し合い 解決 に よって 、 ロシア が 安定 化 し 、 改革 路線 に 立ち戻る こと こそ 西欧 の 利益 と なる 。 と いって 西欧 は 、 ロシア に 話し合い を 強制 さ せる 手段 を 持た ない 。 だから 「 強い 懸念 を 表明 する 」 か 、 貿易 協定 署名 一 時 停止 と いった 生ぬるい 手 しか ない 。 そこ に 西欧 の いらだち が ある 。 「 こけおどし は 何の 効果 も もたらさ ない 。 ロシア が 依然と して 軍事 超 大国 である こと を 忘れて は なら ない 」 チェチェン に 軍事 介入 した ロシア に 対して 制裁 措置 を 実施 す べきだ と の 強硬 論 を 、 コール 独 首相 は 必死に なだめる 。 「 ナポレオン に しろ ヒトラー に しろ 、 ロシア を 追い込もう と した 者 は 負けて いる 。 ドイツ は ロシア を 追い込ま ず 、 ロシア が 西側 と の 関係 を 強化 する こと を 助ける 。 それ が 欧州 、 ひいては ドイツ の 安全に つながる 」 と いう の が コール 首相 の 歴史 に 基づいた 信念 であり 、 外交 戦略 で も ある 。 昨年 五 月 、 ボン の 首相 府 と モスクワ の クレムリン と の 間 に ホットライン を 開設 。 しかし 、 今月 四 日 に ホットライン の 受話器 を 握った コール 首相 は 「 チェチェン へ の 軍事 介入 の 規模 が 大き すぎ ます よ 」 と 言う の が 精いっぱい だった と いう 。 ロシア に 気 配り を する コール 首相 だった が 、 その後 に 政府筋 から 流れる 情報 は 独 露 関係 の 冷却 化 を 伝える もの ばかり 。 一 月 中 に も 予定 さ れて いた コール 首相 の ロシア 訪問 は 延期 さ れる 見通し が 強まり 、 ロシア 側 から は 西側 諸国 と の 共同 軍事 演習 の 中止 が 通告 さ れた 。 ワイゲル 蔵 相 は 「 ドイツ が ロシア に 支援 した 膨大な 援助 は 民主 化 に 結びつか ねば なら ない 。 エリツィン 大統領 一 人 に 託する こと で は ない 」 と コール 政権 の 閣僚 と して は 初めて 「 見限り 論 」 を 口 に する など ドイツ 国 内 で エリツィン 大統領 へ の 批判 は 強まって いる 。 しかし エリツィン 大統領 が 追い込ま れれば 、 コール 首相 も 追い込ま れる 。 一九九〇 年 の ドイツ 統一 以来 、 民主 化 支援 と 友好 強化 を 柱 に して きた ドイツ の 対 露 外交 は 厳しい 局面 を 迎えて いる 。 少数 民族 問題 を 抱える イスラム 諸国 に とって 、 ロシア の チェチェン 政策 批判 は もろ刃 の 剣 の 性格 を 持ち 、 自国 に はね返って くる 可能 性 が ある 。 チェチェン 紛争 は イスラム 対 欧 米 文化 と いう 基本 的 対立 構造 を 含んで おり 、 イスラム 諸国 は いずれ チェチェン 支援 の 決断 を 迫ら れる こと に なろう 。 イスラム 諸国 で ロシア 非難 の 急 先ぽう に 立つ の は 、 トルコ と イラン 。 いずれ も 中央 アジア に 地理 的に 隣接 し 、 旧 ソ連 崩壊 後 、 同 地域 で の 覇権 確立 を 目指して いる ため だ 。 また 、 政府 高官 を 含め 、 約 一万 人 の チェチェン 人 が いる ヨルダン は 昨年 暮れ 、 議会 で ロシア 非難 を 決議 、 抗議 行動 が 続いて いる 。 五十二 の 国家 ・ 機構 で 構成 する イスラム 諸国 会議 機構 は 九 日 、 ロシア の 武力 行使 を 非難 する 声明 を 出し 、 チェチェン 指導 者 と の 政治 対話 を 呼びかけた 。 ただ 、 こうした ロシア 批判 は 、 リビア を 除けば 人道 的 立場 を 強調 して いる の が 特徴 だ 。 イスラム 諸国 は 、 いずれ も イスラム 過激 派 勢力 を 国 内 に 抱え 、 強権 で 抑えつけて いる の が 実態 だ 。 チェチェン 問題 は その 意味 で 、 イスラム 諸国 に とって 自国 の 問題 であり 、 現 時点 で は 慎重な 対応 を 取ら ざる を 得 ない の が 実情 だ 。 ロシア の 軍事 介入 に より チェチェン 紛争 が 泥沼 化 、 当初 「 ロシア の 内政 問題 」 と 静観 や 沈黙 を 決め込んで いた 国際 社会 も 何らか の 対応 を 迫ら れて いる 。 エリツィン 政権 を 支えて きた 米 、 独 、 さらに は 欧州 、 イスラム 世界 の 反応 を まとめて みた 。 チェチェン 紛争 を めぐる クリントン 米 政権 の 対応 に 焦燥 感 が 目立って きた 。 米国 は 米 露 間 の 現実 的な 戦略 的 利益 に 立って エリツィン 政権 を 支持 せ ざる を 得 ず 、 「 エリツィン の ジレンマ は クリントン の ジレンマ 」 と いう 状況 に 置か れて いる ため だ 。 昨年 末 、 米 政権 は エリツィン 大統領 の 武力 進攻 決定 を 「 やむ を 得 ない 措置 」 と 、 寛容な 支持 を 示して きた 。 ところが 、 紛争 が 泥沼 化 の 様相 を 示す と 「 空爆 は 大きな 誤り だ と 警告 して おいた のに 」 と 、 微妙に エリツィン 政権 に 距離 を 置き 始めた 。 これ ら は 必ずしも エリツィン 大統領 へ の 個人 的 信頼 感 を 基盤 に して おら ず 「 初 の 民選 大統領 と して 民主 化 を 支持 する に すぎ ない 」 と いう の が 本音 だ 。 米国 の 欧州 ・ ロシア 戦略 は 、 ロシア の 脅威 を 骨抜き に した 状態 で 米 露 核 軍縮 を 推進 し 、 同時に 旧 東欧 諸国 へ の 北 大西洋 条約 機構 拡大 を 目指して いる 。 ロシア 民主 化 の 継続 に あたる 有力 後継 者 が 見当たら ぬ 現在 、 エリツィン 政権 が 最小 限 の 人 的 犠牲 で 紛争 を 解決 する よう 期待 する 以外 に ない の が 現状 だ 。 だが 、 米 議会 保守 派 や 民主党 内部 に も 「 エリツィン 支持 一本やり 」 に 対する 疑問 が 政権 内部 でも 浮上 し つつ ある 。 ローマ 法王 ヨハネ ・ パウロ 二 世 も 出席 する カトリック教会 主催 の 「 世界 青年 デー 」 の 年次 大会 が 十 日 、 マニラ で 始まり 、 主 会場 の ルネタ 公園 で 約 百 カ国 の 代表 を 含む 約 二十万 人 が 参加 して オープニング の ミサ が 行わ れた 。 今回 の 大会 に は 一九五一 年 以来 、 バチカン と 国交 の ない 中国 の 代表 十五 人 も 初めて 参加 、 バチカン と の 関係 改善 を 印象づけた 。 ローマ 法王 は 十二 日 に マニラ 入り の 予定 だ が 、 この 訪問 に 反対 する 福音 派 の プロテスタント 約 八百 人 の デモ が 十 日 、 世界 青年 デー の 会場 近く で 行わ れた 。 人権 問題 に 関心 の 高い 法王 の 注目 を 引く ため 、 マニラ の 刑務所 に 収容 の 政治 犯 が 釈放 要求 の ハンスト を 続行 。 イスラム 原理 主義 を 掲げる 南部 の 武装 組織 「 アブ ・ サヤフ 」 の テロ 計画 も 伝え られる など 、 十四 年 ぶり の 法王 の 訪 比 は 比 国 内 に さまざまな 波紋 を 広げて いる 。 米国 の 繊維 産業 が 先細り の なか 、 テキサス 州 の メキシコ 国境 の 町 エルパソ で は 、 ジーンズ 産業 を 中心 に 成長 が 続いて いる 。 北米 自由 貿易 協定 で 繊維 議員 たち は 「 米国 の 繊維 産業 は 壊滅 する 」 と 主張 した 。 だが 、 ジーンズ の 大手 、 ラングラー 社 は 工場 の メキシコ 移転 を 計画 した もの の 、 結局 とりやめた 。 エルパソ で 増産 体制 を とった のだ 。 「 なんといっても メード ・ イン ・ USA だ から 、 ジーンズ は 売れる 。 メキシコ で 生産 した んで は その メリット が ない から ね 」 と 同社 は いう 。 それ だけ で は ない 。 製造 コスト に 占める 人件 費 の 割合 は 二〇 % に 過ぎ ない 。 あえて メキシコ に 移る 理由 が ない のだ 。 この ため 、 エルパソ の 繊維 産業 の 雇用 は 一九九四 年 で 二万四千 人 と 過去 最高 。 八六 年 より 五〇 % 以上 の 増加 と なった 。 だが 、 こうした 低 賃金 産業 の 「 繁栄 」 が 、 逆に この 地区 を いつまでも 貧しく して いる 。 エルパソ 地域 の 平均 賃金 は 全 米 の 六 割 に とどまり 、 街並み は 寂れて 、 本当の 「 繁栄 」 を 感じ させ ない 。 エルパソ は 今 、 もっと 高 賃金 の プラスチック 産業 の 誘致 ・ 育成 に 懸命だ 。 マクロ の 数字 で 見れば 、 NAFTA が 米国 経済 に プラス だった の は 明らかだ 。 ブラウン 商務 長官 は 「 対 メキシコ 輸出 は 週 十億 ドル の 歴史 的 規模 に 達した 。 前年 比 二一 % 増 である 」 と 誇らしげに 発表 した 。 「 対 メキシコ 貿易 は 十八億 ドル の 黒字 と なった 」 と カンター 米 通商 代表 部 代表 は いう 。 米 政府 は NAFTA の 「 成功 」 を 踏まえ 、 メキシコ 以南 へ の NAFTA 拡大 に 次の 照準 を 当てて いる 。 十二 月 に マイアミ で 開か れた 米州 首脳 会議 で 、 その 第 一 弾 と して 、 チリ の 加入 交渉 開始 が 宣言 さ れた 。 しかし 、 長い 景気 後退 に 痛めつけ られた 米 国民 の 間 に は 依然 、 「 南 」 へ の 雇用 の 流出 不安 が 強い 。 エルパソ の ジーンズ 産業 は いわば 例外 。 繊維 産業 を はじめ と する 衰退 産業 は 、 「 南 」 と の 自由 貿易 が 拡大 すれば 、 衰退 に 拍車 が かかる の は 否定 でき ない 。 「 その 代わり に 新しい 輸出 産業 が 雇用 を 生み出す 」 と いって も 、 自由 貿易 に よる 激動 は 、 雇用 不安 を 呼ば ず に おか ない 。 クリントン 政権 は チリ 加入 に 向けた 貿易 交渉 権限 を 議会 に 求める が 、 難航 必至 だ 。 対 メキシコ 協定 で は 、 雇用 と 環境 問題 に ついて 付属 協定 を 結び 、 労組 や 環境 保護 派 が 異議 申し立て できる 「 紛争 処理 手続き 」 を 決めた 。 しかし 手続き は 複雑 。 これ まで 四 件 の 申し立て が あった が 、 米国 内 の 審査 段階 で いずれ も 却下 。 協定 反対 派 は 「 インチキ 」 と 騒いで いる 。 これ に 加えて 、 年 末 以来 の メキシコ の 通貨 不安 で NAFTA 拡大 へ の 慎重 論 が 強まる の は 避け られ ない 。 メキシコ に 投資 した 米 企業 は いずれ も 膨大な 含み損 を 計上 、 メキシコ 戦略 の 練り 直し を 迫ら れて いる 。 米国 の 国論 を 二 分 した NAFTA 論争 が 再燃 し そうだ 。 インド 北東 部 メガラヤ 州 の 警察 当局 は 10 日 まで に 、 精製 途中 の ウラニウム 「 イエロー ・ ケーキ 」 3・5キロ を 不法に 所持 して いた 5 人 組 を 逮捕 した 。 英 内務 省 は 10 日 、 ロンドン 駐在 の ロシア の テレビ 特派員 、 アレクサンドル ・ マリコフ 氏 に 対し 、 国 外 退去 を 命じた と 発表 した 。 「 国家 安全 保障 上 の 理由 」 と して いる が 、 これ は 通例 スパイ 行為 を 指す 。 十 日 の ラオス 国営 通信 に よる と 、 ラオス の 民族 解放 闘争 を 指導 、 “ 赤い プリンス ” と 呼ば れた スファヌボン 元 大統領 が 九 日 、 心臓 発作 の ため ビエンチャン の 自宅 で 死去 した 。 八十七 歳 。 スファヌボン 氏 は 一九〇七 年 、 古都 ルアンプラバン の 王家 の 生まれ 。 フランス 留学 後 、 四五 年 、 自由ラオス 軍 を 率いて 反 仏 民族 解放 運動 を 指導 。 五〇 年 「 自由ラオス 臨時 政府 」 を 樹立 し フランス から 独立 を 勝ち取った 。 その後 、 親 米 右派 政権 と の 内戦 を 経て 七五 年 、 社会 主義 政権 を 樹立 した 。 ノーベル 文学 賞 作家 の ナギブ ・ マフフーズ 氏 襲撃 事件 を 審理 して いた エジプト の 軍事 法廷 は 十 日 、 二 人 を 死刑 、 十一 人 を 終身 刑 から 懲役 三 年 と する 判決 を 下した 。 事件 から 三 カ月 足らず の スピード 判決 だった 。 死刑 判決 を 受けた の は 、 電気 技師 の ムハンマド ・ ムスタファ と 学生 の ムハンマド ・ マハラウィ 両 被告 。 十六 人 の 被告 の うち 、 三 人 は 無罪 と なった 。 判決 に よる と 、 被告 は いずれ も イスラム 過激 派 の 「 イスラム 集団 」 メンバー 。 リベラル 派 、 親 中 派 など 香港 返還 を にらんだ 各 勢力 の 激しい 戦い が 繰り広げ られて いる 。 九 日 の 立候補 受け付け 開始 後 、 各 勢力 は 一斉に 選挙 戦 に 突入 した が 、 最終 的に は 親 中 派 の 民主 建港 連盟 は 十五 人 、 リベラル 派 の 民主党 は 三十三 人 が 立候補 する 予定 。 小 選挙 区 制 の ため 、 親 中 派 と リベラル 派 の 一騎打ち と なる 選挙 区 が 少なく ない 。 ローマ 空港 で 白タク の 標的 に さ れる 日本 人 観光 客 が 急増 して いる 。 その 日本 人 の “ 甘 さ ” に 目 を つけた の が 、 仲間 から 「 セナトーレ 」 と 呼ば れて いる 男 だった 。 セナトーレ は “ 部下 ” 約 二十 人 に 、 いかに 日本 人 が いい 標的 か を 説明 する 。 日本 から 直行 便 で 来た 観光 客 は 、 時差 の 関係 で ぼんやり して いる こと が 多い 、 日本 人 は 旅先 で 受ける “ 親切 心 ” に 弱い 、 日本 人 は カネ を 持って いる ―― など だ 。 セナトーレ に たたき込ま れた これ ら 悪い ヤツ 、 日本 から 直行 便 が 着く と 、 到着 出口 に 殺到 する 。 出て 来た 日本 人 に 「 タクシー ? 」 なんて 聞く の は まだ 善良な 方 。 「 タクシー を 待って いる 人 が 多い から 、 私 の 車 の 方 に 」 「 特別 サービス で ローマ 市 内 の ホテル まで お 送り し ます 」 と いった 具合 だ 。 飛行機 の 疲れ で 頭 が ボンヤリ して いる と 、 こんな 甘い 言葉 に 思わず ひっかかって しまう もの らしい 。 空港 から ローマ 市 内 まで の タクシー 料金 は 普通 、 六万 リラ 前後 だ が 、 網 に かかった 日本 人 観光 客 は 、 二十万 ― 三十万 リラ を 請求 さ れる 羽目 に 。 ほとんど の 日本 人 は 、 言葉 の 問題 も あって 泣き寝入り だ 。 “ 親分 ” の セナトーレ 、 これ に すっかり 増長 し 、 この ほど ひっかかった 日本 人 に は 十 倍 の 六十万 リラ を 請求 。 さすが に 頭 に 来た その 日本 人 、 車 の 番号 を 控えて 警察 に 通報 、 セナトーレ は 逮捕 さ れた 。 警察 は 「 決して あきらめ ず 、 番号 ぐらい 控えて おいて 」 と 、 日本 人 観光 客 に 呼び掛けて いる が 、 第 二 、 第 三 の セナトーレ は 依然 、 後 を 絶た ない 。 パレスチナ解放機構 の アラファト 議長 と イスラエル の ペレス 外 相 は 九 日 、 パレスチナ 先行 自治 区 ガザ 地区 の エレツ 検問 所 で 会談 を 行った 。 双方 は パレスチナ の 自治 拡大 交渉 で 進展 が あった 、 と 発表 した 。 会談 は 、 今月 初め の イスラエル 軍 と パレスチナ 警察 の 銃撃 戦 に よる 相互 不信 の 解消 が 狙い 。 ガザ から の 報道 に よる と 、 ペレス 外 相 は 会見 で 「 我々 は 第 二 の 段階 の 入り口 に いる 。 困難 は ある が 、 合意 できる だろう 」 と 述べた 。 アラファト 議長 は 「 有益な 会談 だった 」 と だけ 語った 。 会談 に 出席 した パレスチナ 先行 自治 政府 の シャース 計画 相 に よる と 、 双方 は 、 パレスチナ 人 政治 犯 の 釈放 問題 で 合同 委員 会 を 設立 する こと で 合意 。 また 、 先行 自治 区 の ガザ と エリコ の 往来 が 、 数 日 中 に 可能に なる と いう 。 アラファト 議長 と ペレス 外 相 の 会談 は 先月 二十一 日 以来 。 トップ 級 会談 で 、 相互 の 不信 感 を 払しょく し たい 意向 だ が 、 イスラエル は 右派 が 、 パレスチナ は イスラム 過激 派 が 、 それぞれ 強行 策 を 主張 。 双方 と も 容易な 妥協 は でき ず 、 しばらく 緊張 状態 が 続く 情勢 に ある 。 韓国 国家 安全 企画 部 の 権 寧海 ・ 新 部長 は 十 日 、 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 の 金 正日 書記 が 五 月 ごろ 、 国家 主席 に 選出 さ れる 可能 性 が 高い 、 と 語った 。 聯合 通信 に よる と 、 権 安企 部長 は 同日 の 国会 情報 委員 会 で 最近 の 北朝鮮 の 動向 を 報告 した 際 、 このような 見通し を 明らかに した 。 北朝鮮 で は 国会 に 相当 し 国家 主席 の 選出 機関 で も ある 最高 人民 会議 が 今春 、 代議員 の 改選 期 を 迎える 。 五 年 前 の 前回 と 同じ 経過 を たどる と すれば 、 四 月 に 選挙 を 実施 、 五 月 に 招集 の 最高 人民 会議 で 主席 を 選出 と いう 手順 に なる 。 主席 の 任期 も 五 年 で 区切り は よい 。 こうした 判断 に 基づく 四 月 ないし 五 月 の 「 就任 説 」 が 韓国 で は 現在 、 最も 有力で 、 権 安企 部長 の 見通し も 同様の 根拠 に よる と み られる 。 ただ 北朝鮮 憲法 は 不可避の 事情 に よる 最高 人民 会議 代議員 の 選挙 遅延 と 任期 延長 を 認めて おり 、 権 部長 は 「 主席 選出 は 労働 党 創 党 五十 周年 と なる 十 月 十 日 まで 遅れる 可能 性 も ない こと は ない 」 と 語った と いう 。 信頼 できる 北京 の 消息筋 が 十 日 語った ところ に よる と 、 中国 の 最高 実力 者 、 トウ 小平 氏 の 長男 、 トウ 樸方 ・ 中国 身障 者 連合 会 主席 は 九 日 夜 、 北京 で パーティー に 出席 し 、 父親 の 健康 状態 に ついて 「 良好である 」 と 述べた 。 世界 最大 の コンピューターメーカー 、 米 IBM は 九 日 、 二 人 の 副 社長 を 解任 、 新たに 二 人 の 責任 者 を 指名 した ほか 、 ソフトビジネス を 統合 、 販売 部門 の 国際 、 国 内 の 仕切り を 取り払う など 、 大掛かりな 人事 ・ 組織 の 改革 を 発表 した 。 二 年 前 に 異 業種 の 大手 食品 会社 から 移籍 、 会長 に 就任 した ルイス ・ ガースナー 氏 が 行った 初 の 本格 的な 刷新 。 同 会長 は 従業 員 に あてた 手紙 で 「 市場 競争 に 勝つ ため 」 と 説明 して いる が 、 今後 、 重要な ソフト 、 販売 戦略 を 側近 に 取り仕切ら せる こと が 狙い と の 見方 も ある 。 解任 さ れた の は 米国 ・ カナダ の 販売 責任 者 、 ロバート ・ ラバント 副 社長 と ネットワーク 製品 の 責任 者 、 エレン ・ ハンコック 副 社長 。 ラバント 氏 は ガースナー 会長 と 折り合い が 悪く 、 女性 の ハンコック 氏 は 慎重 すぎて 保守 的 と の 評 が あった 。 ガースナー 会長 は 、 国際 販売 担当 副 社長 だった ネッド ・ ロウテンバック 氏 を 国際 、 国 内 を 統合 した 販売 部門 の 責任 者 に 、 大規模 システム と 一部 の ソフトビジネス の 担当 責任 者 だった ジョン ・ トンプソン 氏 を 新しい ソフト 部門 の 責任 者 に 決めた 。 両氏 と も ガースナー 会長 の 右腕 と いわ れる 人物 。 同 会長 は さらに 経営 陣 を 側近 で 固めて いく と の 観測 も ある 。 日本 エアシステム は 10 日 、 1995 年度 の 事業 計画 を 発表 した 。 関西 空港 ― 福岡 、 山形 、 三沢 線 を 新設 、 関西 空港 ― 青森 、 花巻 線 を 増便 する 。 これ に より 、 関西 空港 発着 便 は 、 1 日 当たり 12 路線 17 便 から 15 路線 23 便 に 増える 。 この ほか 、 福岡 ― 名古屋 、 女満別 、 旭川 線 を 新設 する 。 シャープ は 、 英文 文書 を 自動 作成 する ワープロ 「 書院 WD ― Y 390 」 = 写真 = を 20 日 発売 する 。 案内 状 や あいさつ 状 など 89 種類 の ひな型 が あらかじめ 登録 さ れて おり 、 質問 に 答える 形 で 英文 を 作りあげる 仕組み 。 約 100億 通り の 文書 が 作成 できる 。 14万5000 円 。 「 保険 業界 は 、 戦後 50 年間 、 規制 に 守ら れて きた が 、 大 清算 、 大 転換 の 年 を 迎えた 」 と いう の は 、 日本 生命 の 伊藤 助成 社長 規制 緩和 の 流れ の 中 で 、 生保 業界 も 気持ち を 新たに す べきだ と 強調 、 「 今年 の 干支 の 亥 は 『 骨格 を 作る 』 と いう 意味 だ そうで 、 日本 も 生保 業界 も 日生 も 、 骨格 を 作ら なければ なら ない 」 と 意気込む 。 サッポロビール は 10 日 、 1995 年度 から 複数 銘柄 の 低 価格 輸入 ビール を 販売 する 方針 を 明らかに した 。 国産 ビールメーカー で 直接 、 輸入 ・ 販売 に 踏み切る の は 同社 が 初めて 。 販売 する 銘柄 や 価格 は 未定 と いう が 、 北米 産 の 地域 限定 販売 ビール が 有力 候補 に なって いる 。 日本 証券 業 協会 は 十 日 、 国 内 の 外国 株 の 市場 活性 化 対策 を 論議 する 研究 会 の 設置 を 決めた 。 国 内 証券 会社 を 通じた 外国 市場 で の 売買 や 、 外国 証券 会社 を 通じた 機関 投資 家 の 売買 の 実態 を つかみ 、 外国 株 取引 を めぐる 問題 点 を 洗い出し 、 活性 化 策 を 検討 する 。 また 、 “ 店頭 市場 外国 部 ” 創設 の 可能 性 など に ついて も 研究 し 、 六 月 に 結論 を 出す こと に して いる 。 住友 銀行 の 証券 子会社 の 住友 キャピタル 証券 は 十 日 、 住友 商事 が 発行 する 百億 円 の 普通 社債 の 主幹 事 と なった こと を 発表 した 。 引き受けシンジケート 団 を 都市 銀行 系 証券 だけ で 組んだ 初 の ケース 。 株式 の 引き受け 主幹 事 の 大和 を はじめ 既存 証券 は 引き受けシ 団 に 入ら ず 、 逆に 都 銀 系 証券 子会社 は すべて 入れた 。 松下 電器 産業 は 十 日 、 一九九六 年 三 月 まで に 、 家電 製品 の 地域 販売 子会社 の 営業 体制 を 見直す など 販売 組織 の 簡素 化 を 狙い と した 営業 改革 に 取り組む 考え を 明らかに した 。 全国 に 二十一 ある 販売 子会社 に 自主 責任 経営 を 徹底 さ せ 、 物流 の 仕組み や 、 量販 店 と 系列 小売 店 の 重点 の 置き 方 など 、 それぞれ の 地域 の 実情 に あった 営業 形態 を 取り入れる こと で 、 販売 コスト の 圧縮 に 結びつける 。 また 、 家電 販売 の リビング 営業 本部 の 統括 部門 を 現在 の 六百 人 から 九五 年度 中 に 半減 し 、 組織 の 簡素 化 に 取り組む 。 ポケット ベル でも 三 月 一 日 から 、 加入 者 が 端末 機 を 自由に 選んで 買い取れる 「 売り切り 制度 」 が 導入 さ れる の に 伴って 、 NTT 移動 通信 網 など グループ 三 社 は 十 日 、 郵政 省 に 月額 の 基本 使用 料 を 、 五百 円 ― 千百 円 引き下げる 申請 を した 。 これ まで 含ま れて いた 機器 使用 料 を 除いた 形 で 、 基本 使用 料 を 設定 する の が 目的 。 この 日 申請 した の は 、 関東 甲信越 を エリア と する NTT ドコモ の ほか 、 中国 、 九州 の グループ 三 社 。 今後 、 NTT ドコモ グループ と 新規 参入 会社 を 合わせて 、 全国 に 計 四十 社 ある ポケット ベル 会社 が 順次 申請 する 。 いずれ も 、 電気 通信 審議 会 の 答申 を 得て 同 省 が 認可 、 三 月 一 日 から 実施 さ れる 。 ポケット ベル の 基本 使用 料 は 、 企業 や 地域 に よって 異なる 。 今回 の 値下げ が 認可 さ れる と 、 NTT ドコモ の 東京 都 市 圏 の ワイドエリアサービス の 場合 、 二千三百 円 だった 「 呼び出し 専用 型 」 は 千八百 円 に 、 また 二千七百 ― 三千三百 円 だった 「 数字 表示 型 」 は 二千二百 円 に 、 それぞれ 引き下げ られる 。 なお 、 端末 機 を 買い取ら ず 、 これ まで 通り レンタル を 続ける 加入 者 は 、 新しい 基本 使用 料 と 、 別に 定める レンタル 料 を 合わせて 支払う 仕組み に なる 。 売り切り 制 の 導入 に よって 、 ポケット ベル の 端末 機 は 一万 ― 二万五千 円 程度 で 売り出さ れる と み られ 、 電機 メーカー など 多く の 企業 が 参入 する こと で 、 電子 手帳 と 組み合わせた もの など 、 従来 なかった 機種 が 投入 さ れる と み られ 、 さらに 普及 に 拍車 が かかり そうだ 。 経営 が 破たん した 東京 都 内 の 東京 協和 、 安全 の 両 信 組 を 救済 する ため 十三 日 に 設立 さ れる 新 銀行 に 、 民間 金融 機関 で は 全国 銀行 協会 連合 会 会長 行 の 住友 銀行 だけ が 他行 に 先行 、 九億 円 を 単独 で 出資 する こと が 十 日 、 明らかに なった 。 同行 は 今月 初め 、 取締 役 会 を 開き 、 出資 を 承認 。 この 結果 、 新 銀行 設立 当初 の 出資 金 は 、 日本銀行 二百億 円 、 全国 信用 協同 組合 連合 会 六億 円 、 住友 銀行 九億 円 の 合計 二百十五億 円 と なる 。 新 銀行 は 十三 日 の 設立 発起人 集会 で 設立 を 決議 。 二十 日 まで に 出資 金 の 払い込み を 受け 、 大蔵 省 の 設立 認可 を 受けて 登記 する 。 また 、 新 銀行 の 社長 に は 両 信 組 の 理事 長 を 兼務 する 野口 寿康 氏 が 横滑り する こと に なり 、 十三 日 の 発起人 集会 で 内定 する 。 日 米 包括 経済 協議 の 金融 サービス 分野 交渉 が 十 日 合意 に 達した 。 公的 年金 市場 の 開放 を めぐって 交渉 が 難航 して いた だけ に 、 譲歩 を 重ねた 大蔵 省 で は 、 ワシントン で 十一 日 行わ れる 日 米 首脳 会談 で 「 日 米 経済 関係 の 修復 を アピール できる 」 と 胸 を なでおろして いる 。 今回 の 交渉 が 決着 の 運び と なった 背景 に は 、 公的 年金 市場 に ついて の 米国 の 強い 市場 開放 圧力 に 加えて 、 規制 緩和 が 国 内 経済 政策 の 焦点 と なる なか 、 厚生 省 など 国 内 から も 開放 要求 が 出た こと が 挙げ られる 。 米 側 が 参入 を 求めて いた 投資 顧問 会社 は 、 株式 運用 を 得意 と する だけ に 、 大蔵 省 は 「 年金 資金 は 安全 運用 が 第 一 」 と 反発 して いた 。 しかし 、 米国 は 交渉 中盤 から 「 高 利回り の 運用 を 許さ ない の は 日本 国民 に とって 不利益な 規制 だ 」 と 日本 の 規制 緩和 機運 に 乗った 。 一方 、 厚生 省 が 高い 利回り が 見込める 投資 顧問 会社 へ の 委託 一任 の 解禁 を 求めた の も 、 開放 促進 に 効いた 。 厚生 省 所管 の 年金 福祉 事業 団 の 運用 実績 は 逆 ザヤ 状態 で 、 同 省 は 大蔵 省 に 運用 市場 の 開放 を 求めて いた 。 生命 保険 、 信託 銀行 側 は 、 「 公的 年金 は 安全 、 確実な 運用 を 重視 す べきだ 」 と して 投資 顧問 会社 の 参入 に は 反対の 立場 を とって いた だけ に 、 「 残念 」 と して いる 。 ただ 「 投資 顧問 会社 の シェア が 急激に 拡大 する と は 考え にくい 」 うえ 、 米国 に 対する 譲歩 の 可能 性 も 指摘 さ れて いた ため 「 やむ を 得 ない 」 と の 声 も 上がって いる 。 「 メキシコ ・ ペソ は 少し 過大に 評価 さ れて いた ので は ない です か 」 。 九 日 ニューヨーク を 訪れた 行天 豊雄 東京 銀行 会長 は 、 講演 の あと 、 メキシコ 通貨 危機 の 背景 に ついて こう 発言 した 。 先月 下旬 から の 通貨 危機 で 、 メキシコ ・ ペソ は 約 四〇 % ダウン した 。 メキシコ 企業 の 多く は 米 ドル建て の 負債 を 多く 抱え 、 米国 の 企業 、 個人 も メキシコ に かなり の 投資 を して いる だけ に 、 この 間 の 動き は 、 一 時 パニック 的で すら あった 。 ただ 客観 的に 見る と 、 メキシコ は 一九九二 年 末 現在 で 千六十億 ドル の 対外 債務 を 抱え 、 インフレ 率 も 約 一二 % と 高い 。 また 、 国 内 の 波乱 材料 に も こと欠か ず 、 カントリーリスク は もともと 高かった 。 だが 、 米国 から 見れば 、 メキシコ は すでに 貿易 相手 国 と して 、 カナダ に 次いで 二 番 目 の 位置 を 確保 した 。 米国 の ビジネス 界 は 、 北米 自由 貿易 協定 発効 で これ まで 「 メキシコ ブーム 」 に 酔いしれて いた 。 これ が 同国 へ の 過大な 幻想 に つながった 。 かつて 大蔵 省 財務 官 時代 に 「 通貨 マフィア 」 と 呼ば れた 行天 会長 の 目 に は 、 この 「 ペソ 狂想曲 」 が もともと 現実 離れ して いた と 映った のだろう 。 八 日 付 の 米 ニューヨーク ・ タイムズ 紙 の コラム は 、 「 メキシコ は いずれ 繁栄 する 。 しかし そんなに 早く で は ない 」 と 書いた 。 米国 の ビジネス 界 は 、 メキシコ に 対する 冷静 さ を ようやく 取り戻し つつ ある ようだ 。 全国 銀行 協会 連合 会 が 十 日 発表 した 一九九四 年 十二 月 の 預金 ・ 貸金 速報 に よる と 、 都市 銀行 十一 行 の 十二 月 末 の 貸出 金 残高 は 九三 年 末 比 一・五 % 減 の 二百二十一兆一千四百八十六億 円 だった 。 貸出 金 残高 が 前 年末 比 で 減少 した の は 、 五四 年 に 統計 を 開始 して 以来 初めて 。 企業 向け 貸し出し が 設備 、 運転 資金 ともに 低調だった こと に 加え 、 個人 向け 貸し出し も 住宅ローン 、 個人 ローン と も 伸び悩んだ 。 日本 輸出入 銀行 は 十三 日 、 南アフリカ共和国 の 黒人 居住 区 向け 発電 ・ 送電 網 整備 費用 と して 三億 ドル の アンタイドローン を 供与 する 契約 に 調印 する 。 国際 金融 筋 が 十 日 、 明らかに した 。 同行 は これ まで 日本 の 南ア 向け 輸出 企業 に 融資 した 前例 は ある が 、 南ア へ の 直接 融資 は これ が 第 一 号 と なる 。 計画 に よる と 、 融資 の 対象 と なる の は 、 南アフリカ 電力 公社 が 一九九四 年 から 三 カ年 計画 で 実施 して いる 送配 電 網 整備 計画 。 同 計画 は 黒人 居住 区 など を 対象 に 年間 三十万 戸 を 電化 する こと に して おり 、 国 内 の 経済 格差 是正 と ともに 、 外資 導入 で 黒人 の 雇用 確保 を 図る の が 狙い 。 日本 と 中国 の 航空 輸送 力 問題 を 話し合う 日中 航空 交渉 が 、 二 月 八 ― 十 日 に 北京 で 開催 さ れる こと に なった 。 同 交渉 は 、 昨年 三 月 に 東京 で 行わ れて 以降 開か れて おら ず 、 約 一 年 ぶり の 再開 と なる 。 主な 交渉 テーマ は 、 成田 、 関西 空港 と 北京 、 上海 間 など 主要 空港 間 の 輸送 力 増強 と 、 日本 エアシステム が 要望 して いる 広州 など 中国 内 の 新 地点 へ の 乗り入れ 問題 。 昨年 三 月 の 交渉 で は 、 関西 空港 ― 青島 線 、 仙台 ― 大連 ・ 北京 線 の 新 路線 開設 は 決まった が 、 輸送 力 増強 問題 は 合意 に 至らなかった 。 米 労働 省 が 十 日 発表 した 昨年 十二 月 の 米 卸売 物価 指数 は 一二六・二 と なり 、 昨年 一 年間 の 上昇 率 は 一・七 % に なった 。 九三 年 の 〇・二 % 上昇 を 大幅に 上回り 、 九〇 年 以来 四 年 ぶり の 高い 上昇 率 と なった 。 日本 自動車 輸入 組合 が 十 日 発表 した 一九九四 年 の 輸入 車 新車 販売 台 数 は 前年 比 四九・六 % 増 の 三十万一千三百九十一 台 と なった 。 二 年 連続 で 前年 実績 を 超え 、 九〇 年 を 大きく 上回る 史上 最高 記録 と なった 。 円高 を 受け 、 日本 の メーカー が 海外 で 生産 した “ 逆 輸入 車 ” を 増やした の に 加え 、 欧 米 メーカー も 値下げ など を 実施 した ため 。 九四 年 の 国産 車 も 含めた 新車 販売 台 数 の 全体 に 占める 輸入 乗用車 の シェア は 八・一 % で 過去 最高 と なった 。 日本 メーカー の 逆 輸入 車 は 前年 比 二・三 倍 の 八万三千七百八十 台 、 純粋な 輸入 車 も 三二・三 % 増 の 二十一万七千六百十一 台 と なった 。 国別 販売 台 数 で は 、 ドイツ が 前年 比 二三・六 % 増 の 十二万一千三百八十八 台 と なり 、 米国 の 猛追 を かわして 首位 を 死守 した 。 全国 軽 自動車 協会 連合 会 が 十 日 まとめた 一九九四 年 の 軽 自動車 販売 台 数 は 、 前年 比 二・二 % 増 の 百六十一万六千三百十六 台 と なり 、 四 年 ぶり に 前年 実績 を 上回った 。 九四 年 の 登録 車 販売 も 四 年 ぶり に プラス に 転じて おり 、 この 結果 、 軽 を 含めた 九四 年 の 自動車 販売 総 台 数 は 前年 比 〇・九 % 増 の 六百五十二万七千九百六十七 台 で 、 四 年 ぶり に プラス と なった 。 背中 に ちょこんと 、 小ぶりの ミニリュック を のせる 若い 女性 の 姿 が 目 に つく 。 機能 性 が 特長 の 普通 サイズ に 対し 、 かわいらし さ 、 活動 的な 面 が 受けて いる 。 東京 ・ 池袋 の 会社 に 勤める 松島 あおい さん は 昨年 十二 月 から 、 通勤 用 に 幅 二十 センチ 、 高 さ 二十五 センチ ほど の 茶色 の ミニリュック を 使って いる 。 「 小柄な ので 、 スーツ を 着て ショルダーバッグ を 持つ と 重い 感じ だ し 、 普通 サイズ の リュック で は 重たく 見えて バランス が 悪い んです 。 革 な ので 会社 に も 持って 行け ます 」 。 気持ち が きびきび して 、 若返り 効果 も 。 ただ 、 通勤 定期 券 など の 出し入れ が 面倒で 、 財布 など 貴重 品 を 背負う 不安 は ある と いう 。 西武 百貨店 池袋 店 の バッグ 売り場 の ミニリュック コーナー に は 十代 後半 から 二十 代 前半 の 女性 が ひっきりなし 。 同 店 販売 主任 の 斉藤 敦夫 さん に よる と 、 リュック が はやり 始めた の は 三 年 ほど 前 。 布 製 、 スポーツ 用 しか なかった リュック に 革 製 など かっちり した タイプ が 登場 、 中高 生 から 子育て 中 の 母親 、 四 、 五十 代 の 主婦 に 広がった 。 さらに 、 昨秋 から 「 ミニリュック 」 が 出始めた 。 「 流行 して いる ダウンコート が かさばり ます から 、 その上 に 背負う と 小さ さ が 強調 さ れて 、 より かわいく 見える 」 と いう 。 小さい ので 白 や ピンク と いった 膨張 色 の パステルカラー が 映え 、 価格 も 革 で 七千八百 ― 一万八千 円 と 、 二万 円 台 の 普通 サイズ より 安い 。 厚み が 少ない ので 邪魔に なら ない こと から 、 通勤 に 使う 人 も 多い と いう 。 メーカー の ヨシナガ は 「 デパート や 消費 者 の 要望 が 強く 、 春 物 から ミニリュック を 出し ます 。 リュック は 女性 の 社会 進出 など を 背景 に 定着 した が 、 ミニリュック も ポーチ 感覚 で 人気 が 続く ので は 」 と みて いる 。 ガス 調理 の 最中 、 セーター の そで口 に 火 が つき 燃えあがる と いう 事故 が 起きて いる ようです 。 空気 も 乾燥 して い ます 。 急いで 調理 を して いる 時 に は セーター に 注意 を ! コープ こうべ の 商品 検査 室 の 再現 テスト に よる と 、 繊維 の 種類 に よって 燃え 方 に は 2 通り あり 、 ( 1 ) 綿 など で 、 表面 が 毛羽だった 繊維 の 場合 その 表面 だけ を 火 が 走り 、 一瞬 びっくり し ます が 、 火元 から 離れれば 火 は 消え ます 。 毛玉 の で きやすい 繊維 、 とくに アクリル や アクリル と の 混紡 の 場合 、 1 度 火 が つく と どんどん 燃え広がり 火元 から 離れて も 消え ませ ん 。 あわて ず に 水 を 掛ける など 迅速な 対応 が 必要です 。 十万 円 が 当たった 。 暮れ に 息子 が 買った ジャンボ 宝くじ の 二十 枚 連番 の 一 枚 である 。 昨日 、 息子 は テレビ で の 当選 番号 と 照らし合わせ ながら 、 「 三千六百 円 に なる から 、 お 母さん に あげる 」 と 言って いた 。 今朝 、 念のため 、 夫 が 新聞 を 広げ 、 一 けた の 番号 から 数字 を 追って 行く と 、 なんと 十万 円 が 当たって いる で は ない か 。 確率 は 十万 分 の 六 と か 。 新年 早々 、 うれしい お年玉 が 舞い込んで 来た のだ 。 正午 近く 、 起きて 来た 息子 に 伝える と 、 「 へえー 、 おれ も その 番号 は ちょっと 気 に は して いた んだ けど 」 。 「 それ でも くれる ? 」 と 聞き返す と 、 「 うん 、 お 母さん の 身 に つける もの を 買う のだったら ね 」 と いう 。 普段 地味 に 過ごして いる 私 に 、 もっと 派手に 若く 装って 欲しい の か 、 毎日 家事 と 寝たきり の 介護 に 明け暮れて いる 私 を 哀れに 思った の か 。 「 それとも 、 旅行 でも して きたら 」 と も 言って くれた 。 欲 の ない 話 である 。 苦労 し ないで 入手 する お 金 は 、 この 程度 しか 価値 の ない もの か 、 と も 思う 。 言葉 に 甘えて 、 すてきな 指輪 と 靴 でも 買って おしゃれ しよう かしら 。 息子 の 名義 で 割 の 良い 公社 債 投資 信託 でも 買って おこう かしら 。 それにしても 、 十万 円 は ともかく 、 可愛い お 嫁 さん の ほう が 私 に とって どんなに うれしい こと か 。 息子 よ 、 早く 連れて 来て 。 お 嫁 さん を 。 男 だって 白 を 着る ―― 「 透け ない 白 」 の 女性 水着 が 昨年 流行 した が 、 ここ へ きて 男性 に も 波及 して きた 。 健康 、 若 さ を 意識 して 、 と 関係 者 は みて いる 。 スイミングクラブ の 増加 や 海外 旅行 など で オールシーズン 用品 と なった 水着 だ が 、 昔 の 「 海水パンツ 」 は 遺物 ? 東京 ・ 神田 の スポーツ用品 店 エスポートミズノ 。 先月 初め 、 白 を 使った ビキニ 型 男性 水着 を 八 タイプ 売り出した 。 紫 や 黄 など 派手な 色 と の 組み合わせ や 、 後ろ が 全面 白 、 中 に は ブリーフ の ような 白 一色 も 。 「 ファッション に うるさ そうな 、 スタイル が いい 」 二十 代 前半 の 男性 が 多く 買い求めて いく と いう 。 同 店 で は 、 女性 の 白 が 話題 に なった 昨夏 、 白 が ベース の プリント 柄 男性 用 を 仕入れた 。 「 女性 用 の 白 の 三 倍 の 売れ行き 」 で 今回 、 オリジナル を 出した と いう 。 「 十数 年 前 、 生地 を 二 重 に して 白 一色 の 男性 用 を 出した が 、 透ける の が ネック に なって 、 その後 は 作ら れ なかった 。 今回 は いずれも 好評 で 人 と 違った もの を 着 たい 気持ち に マッチ した ようだ 」 と 同 店 。 東京 ・ 新宿 の 伊勢丹 でも 「 透け ない 白 」 が 「 新しい 感覚 で 、 変化 を 求める 男性 」 に 売れて いる と いう 。 「 ゴルフ 用 ポロシャツ の 売れ 筋 は 、 夏 は 五 割 が 白 です から 、 水着 も 白 を と いう 潜在 需要 は あった ので は 」 。 先月 第 二 週 の 海外 旅行 用 需要 の ピーク 時 も 、 この 傾向 は 変わら なかった 。 中高年 も 負けて は い ない 。 「 健康 の ため フィットネスクラブ で 泳ぐ 人 が 増えた こと から 、 おしゃれな 水着 に 目 を 向けて い ます 」 と 東急 百貨店 。 従来 の スタンダード 型 から 、 若者 に 人気 の 丈長 タイプ へ の 買い替え が 多く 、 昨夏 は もも が 隠れる くらい の セミロング が 主流 に 。 今年 は さらに ロング へ 移り そうだ と いう 。 当地 の キングファハド スタジアム で 行わ れて いる サッカー の インタコンチネンタル 選手 権 で 、 日本 は 予選 2 連敗 で 姿 を 消した 。 苦戦 は 必至 と み られて いた が 、 世界 と の 差 を 痛感 さ せ られた 。 アルゼンチン 戦 で は 厳しく 速い 相手 の プレス の 前 に 、 日本 の 長年 の 弱点 が 露呈 して しまった 。 ボール を 持って も 全く 展開 でき ない 。 パス の 相手 を 探して いる うち に 、 アルゼンチン の プレス の えじき に なった 。 シュート らしい シュート は 2 本 だけ 。 1 本 は 得点 と なった 三浦 の FK だ から 、 実質 1 本 と いって いい 。 加茂 監督 は 「 消極 的な プレー に 終始 した 」 と 言い 、 柱谷 主将 も 「 アルゼンチン の プレス を 怖がった 若手 も いた 」 と 、 不満 を あらわに した 。 攻撃 で 脅威 を 与え られ ない から 、 相手 は 守り を 薄く して 攻め を 仕掛けて くる 。 アルゼンチン の DF チャモ が 、 左 サイド を 攻め 上がって 、 5 点 の うち 3 点 に 絡んだ の が いい 例 だ 。 Jリーグ で は 、 攻撃 を 作る の も 、 シュート を 決める の も 外国 人 選手 と いう 場合 が 多い 。 だが 、 日本 代表 に 外国 人 選手 は い ない 。 キープレーヤー が 育って こ ない と 、 強く なれ ない だろう 。 日本 は 二 月 に 香港 で 行わ れる ダイナスティカップ で アジア 勢 と 、 六 月 に は イングランド で ブラジル など 再び 世界 の トップ と 戦う 。 いつまでも ラモス 、 三浦 に 頼る ので は 、 次期 ワールドカップ 出場 は 難しい 。 東京 体育 館 で 開か れて いる 第 三 回 地球 ユース 卓球 選手 権 大会 第 二 日 の 十 日 、 日本 は ユース 男子 団体 D 組 で 高校 三 冠 王 の 遊沢 亮 が 活躍 、 準 決勝 で スウェーデン を 4 ― 2 で 破り 、 団体 戦 で 初めて 決勝 戦 出場 を 決めた 。 第 三 日 の 十一 日 、 韓国 と 、 ともに 初 優勝 を かけて 対戦 する 。 ユース 女子 団体 は 昨年 同様 中国 と 韓国 の 決勝 と なり 、 韓国 が 4 ― 3 で 中国 の 三 連覇 を 阻み 初 優勝 した 。 魁皇 と 武双山 。 今年 の 相撲 界 で 最も 将来 を 嘱望 さ れる 二 人 が 早くも 激突 した 。 立ち合い 魁皇 は 武双山 の もろはず押し を 踏み込んで 受け 、 突き放し に 出た 。 魁皇 の 突っ張り に 武双山 は 土俵際 まで 追い込ま れた が 、 左 から の いなし 。 目標 を 失った 魁皇 は 勢い 余って たたら を 踏んだ 。 しかし 、 足腰 の 良 さ を 発揮 して 向き直り 、 武双山 の 頭 から の 当たり を 胸 で 受け止めた 。 だが 、 守勢 に 回り 、 武双山 に 許して は なら ない 右 上手 を がっちり と 引か れて しまった 。 武双山 は 上手 投げ で 崩し 、 左 はず押し から 息つく 間 も 与え ず 寄り切った 。 左 の 相 四 つ 。 魁皇 は 角界 一 、 二 を 争う 怪力 の 持ち主 で 特に 右 が 強い 。 武双山 は 初日 、 二 日 目 いずれ も 右 上手 投げ で 貴乃花 、 浜ノ島 を 破って いる 。 勝敗 の 分岐 点 は 「 右 上手 」 を めぐる 攻防 に あった が 、 武双山 の 思い切り の 良い 攻勢 が 魁皇 の 攻め を 上回った 。 武双山 は 先 場所 五 日 目 、 魁皇 の 速攻 に 抵抗 でき ず 、 わずか 4 秒 で 寄り切ら れ 、 初 の 負け越し を 味わった 。 「 ずるずる 負ける と 苦手 意識 が できる ので 、 きょう あたり で 止め たかった 」 と 武双山 。 これ に 対し 、 「 最初 は 攻めた し 、 負けて も 次に つなげれば と 思った 」 と 魁皇 。 相手 十分に さ せ ない 技術 面 ばかり で なく 、 勝負 へ の 気迫 に も 差 が あった 。 二 人 は ともに 二十二 歳 。 体重 は 同じ 163キロ 。 身長 も 185 センチ の 魁皇 が 1 センチ 高い だけ 。 体形 は 似通って いて も 、 評価 に やや 開き が ある の は 、 この 日 の 一 番 が 象徴 して い ない か 。 魁皇 を ライバル と して 意識 する か 、 と 聞か れて 武双山 は ためらい なく 「 そうです ね 」 と 言う 。 魁皇 は 口 に こそ し なかった が 、 この 気持ち は 同じ はず 。 「 大関 」 を めざして 二 人 の 戦い は さらに 激し さ を 増す だろう 。 世界 最高峰 の ヨット レース 、 アメリカズカップ は 十二 日 から 米国 ・ サンディエゴ 沖 で 開幕 、 5 カ月 に 及ぶ 熱戦 を 展開 する 。 十四 日 スタート の 挑戦 艇 シリーズ に 出場 する ニッポンチャレンジ は 十 日 、 スキッパー を 南波 誠 に する こと を 明らかに した 。 144 年 の 歴史 を 持つ 大会 で 日本 人 が 艇長 と なる の は 初 。 一九九二 年 大会 に 続いて 2 度 目 の 参加 と なる ニッポンチャレンジ は 、 サンディエゴ で 最後 の 調整 を し ながら 、 スキッパー 選考 を 進めて いた 。 その 結果 、 日本 の マッチ レース 第一人者 ・ 南波 に 決まった 。 南波 は 前回 セール を 出し入れ する メーンシートトリマー と して 活躍 、 主将 と して も チーム を まとめて きた 。 昨年 十 月 の IACC 世界 選手 権 で は 、 日本 人 クルー で ただ 一 人 、 艇 の 後部 に 位置 する 頭脳 集団 アフタ ガード と なり 、 ナビゲーター を 担当 。 今回 は 全体 を 指揮 し ながら かじ を 取る スキッパー を 務める こと に なった 。 南波 は 「 8 年間 ニッポンチャレンジ と 歩み 、 ひとつひとつ の 積み重ね が こういう 形 に なって うれしい 。 気持ち を 新たに して 120 % の 力 を 出し切り たい 」 と 語った 。 他の クルー に ついて は 、 試合 前日 か 当日 朝 の 発表 と なる 。 ニッポンチャレンジ が クルー 登録 した ヘッド コーチ の ピーター ・ ギルモア の 資格 に ついて 、 チーム ・ ニュージーランド と フランス の デフィ 95 が 抗議 して おり 、 十三 日 に も アメリカズカップ 実行 委員 会 が 審判 を 下す こと に なって いる 。 アメリカズカップ は 十二 日 から 米国 の 3 シンジケート に よる 防衛 艇 シリーズ が スタート 。 ルイ ・ ヴィトン カップ は デフィ ・ フランス が 欠場 を 申し入れて きた ため 日本 、 豪州 など 5 カ国 7 シンジケート が 出場 して 十四 日 に 開幕 する 。 三 月 上旬 まで に ラウンドロビン を 4 回 行い 、 4 チーム が 三 月 中旬 から の 準 決勝 へ 進出 、 四 月 の 決勝 を 経て 優勝 チーム が 五 月 六 日 から の アメリカズカップ で 米国 艇 に 挑む 。 自動車 の グラナダ ― ダカール ・ ラリー は 九 日 、 モーリタニア の ズエラト ― シンゲッティ 間 で 第 八 ステージ を 行い 、 四 輪 部門 で 篠塚 建次郎 が 三 位 と なり 、 総合 で 首位 から 2 時間 38 分 4 秒 差 の 三 位 に 浮上 した 。 桑田 真澄 投手 が 十 日 、 東京 都 千代田 区 の 球団 事務 所 で 一 回 目 の 契約 更改 交渉 を 行い 、 5500万 円 増 、 タイトル 料 込み の 1億4300万 円 で 更改 した 。 リーグ MVP 、 最多 奪 三振 の タイトル を 獲得 、 優勝 の 原動力 と なった だけ に 桑田 は 「 2億 円 は 譲れ ない 」 と 交渉 前 に 宣言 。 それ が 、 倍増 に も 満たない 額 で サイン を した 。 腹壁 のうよう の ため 東京 都 板橋 区 の 帝京大 付属 病院 に 入院 して いた 女子 柔道 48キロ 級 世界 チャンピオン の 田村 亮子 選手 が 10 日 、 退院 した 。 12 月 26 日 に 患部 から うみ を 出す 処置 を 受けた 同 選手 は 経過 も 順調 。 ただ 、 「 復帰 まで 最低 1 カ月 かかる 」 そうで 、 「 世界 選手 権 へ の ステップ に 」 と 意欲 を 示して いた 2 月 の フランス 国際 へ の 出場 は 微妙な 状況 と なった 。 七 日 、 福岡 市 で 開か れた 第 三 回 アジア テレビ 映像 祭 で 「 アジア の 元気 」 を 物語る ような 優れた ドラマ 、 ドキュメンタリー が 紹介 さ れた 。 会場 は 近県 から の 大勢 の 一般 観衆 で 立ち見 も 出る ほど の 盛況 。 「 善悪 と いった 二元論 で は 描き切れ ない 」 アジア 的 視点 に いま 熱い 視線 が 注が れて いる 。 「 思い 続けて いれば 夢 は いつか かなう と いう こと が 描き たかった 」 アジア 部門 で グランプリ を 受賞 した インド の B ・ ダスグプタ 監督 は 語る 。 ドラマ 「 鳥 よ はばたけ 」 は 、 小鳥 を 捕って それ を 売って は 生活 の 糧 に して いた 男 が 、 その ため に 苦しみ 、 ついに は 妻 を ほか の 男 に 奪わ れて しまう 物語 だ 。 私 たち の 目 に は 、 出演 して いる 色とりどりの 小鳥 の 多 さ が 驚異 だ が 、 監督 は 「 鳥 を じっと さ せて おく の は 大変だった 。 鳥 の 調教 師 に 訓練 して もらった 」 と 明かす 。 失わ れ つつ ある 自然の 貴 さ 、 鳥 を 売る こと に 罪悪 感 を 禁じ 得 ない 男 の 優し さ が 伝わって くる 。 ネパール の ドラマ 「 壁 」 は 、 カースト制 の 最 下層 に 置か れた 人々 の 絶望 的な 貧困 を 描いた 意欲 作 だ 。 制作 した の は ネパール の 若い 世代 を 代表 する 二十五 歳 の アチュット ・ K ・ タムラカル さん 。 原作 は 亡き 父親 の 小説 と いう 。 「 作品 は この 映像 祭 の あと に テレビ 局 に 持ち込む つもりです 。 差別 を 断ち切る べきだ と いう メッセージ は 革命 的な ので 」 と タムラカル さん 。 トルコ の 「 汗 と 絨毯 」 は 、 トルコ 東南 部 の 町 、 ウルファ で 昔ながら の 方法 で 絨毯 を 作る 職人 たち を 追った ドキュメンタリー だ 。 音楽 が ある だけ で 、 ナレーション や インタビュー など は ほとんど ない が 、 蒸し ぶろ の なか で 、 丸めた 絨毯 を 石 の 床 に 打ち付ける 姿 は 感動 的だ 。 海外 の 招待 作品 の 中 で 最も 注目 さ れた もの だった 。 審査 員 の 一 人 で ミュージカル 作家 の 藤田 敏雄 さん は 「 これ まで の 三 回 の 中 で 今回 が 最も 充実 して いた 。 日本 の 作品 も 含め 、 アジア で の ドキュメンタリー 制作 が 着実な 歩み を 遂げて いる こと を 示して いる 」 と 評価 する 。 日本 部門 で 優秀 賞 と なった NHK クリエイティブ と 制作 会社 テムジン 制作 の 「 黄土 の 民 は いま ―― 中国 革命 の 聖地 ・ 延安 」 は 、 経済 改革 に 取り残さ れた 延安 で 行わ れた 農地 使用 権 の 競売 と 、 一人っ子 政策 に 反して 二 番 目 の 子供 を ひそかに 産もう と する 一族 に 密着 取材 した 。 テムジン の 池谷 薫 ディレクター は 「 豊か さ 、 金 と は 何かと いう こと を 学ば せて もらった 」 と 語る 。 テレビ 静岡 の 「 愛新覚羅 顕 〓―― 清朝 王女 の 奮闘 記 」 は 、 数奇な 運命 を 経て いま 北京 で 子供 向け の 日本語 学校 を 経営 する 顕 〓 さん を 追う 。 読売 テレビ の 「 我が ふるさと は ―― 在 日 韓国 朝鮮 人 二 世 の ニッポン 」 で は 、 たくましく 明るい 在 日 二 世 の 姿 が 印象 的だった 。 上映 後 の シンポジウム で 、 若い 公務 員 の 男性 は 「 人間 を 善悪 など で 類型 化 せ ず に 、 表面 で は 分から ない 部分 が ある のだ 、 と いう アジア 的な 部分 が 分かった 」 と 感想 を 述べ 、 多く の 人 の 意見 を 代弁 した 。 また 映画 評論 家 の 佐藤 忠男 さん は 「 作品 は 元気 が よく 、 制作 者 も 若い 。 それ を 知った の は 収穫 」 と 講評 した 。 宇宙 開発 事業 団 は 十 日 、 搭載 する 衛星 の 故障 の ため 打ち上げ を 延期 して いた H 23 号 機 を 、 来月 二十二 日 午後 五 時 十五 分 、 鹿児島 県 ・ 種子島 宇宙 センター から 打ち上げる と 発表 した 。 同 センター から の ロケット 打ち上げ は 地元 漁協 と の 取り決め で 、 二 月 と 八 月 に 限定 さ れて おり 、 時間 的に 厳しい スケジュール を 強い られる こと に なった 。 今回 の 打ち上げ は 当初 、 二 月 一 日 に 予定 さ れて いた 。 北海道 立 札幌 医科 大学 で 、 全 医局 の 約 半分 に 当たる 十八 の 医局 が 、 学 内 の 審査 委員 会 の 承認 を 受け ないで 製薬 会社 と 受託 研究 契約 を 結び 、 一九九四 年 三 月 まで の 三 年間 で 総額 二億三千万 円 の 報酬 を 受け取って いた こと が 、 十 日 分かった 。 未 承認 契約 の 大部分 は 、 市販 医薬 品 の 症例 報告 。 大学 は 、 研究 性 が 乏しい など と して 許可 して い なかった が 、 「 もぐり 契約 」 が 慣例 化 して いた と み られる 。 同 大 は 九〇 年 十一 月 、 医学 部長 ら 五 人 で 構成 する 「 受託 研究 費 審査 委員 会 」 を 設置 。 医局 が 製薬 会社 など と 契約 を 結ぶ 際 は 、 同 委員 会 の 審査 を 経て 、 学長 の 承認 を 受ける 手続き を 義務付けた 。 関係 者 に よる と 、 大学 当局 は 昨年 末 、 三十九 の 全 医局 を 対象 に 九一 ― 九三 年度 に 病理 検査 など を 含めて 外部 から 受け取った 報酬 を 内部 調査 。 その 結果 、 三十七 医局 で 約 千四百 件 の 契約 が あり 、 うち 臨床 系 を 中心 に した 十八 の 医局 が 製薬 会社 と 結んだ 七百六十 件 は 未 承認 の 契約 だった こと が 分かった 。 特に 外科 系 医局 の 一 つ は 百十五 件 の 契約 の うち 、 百九 件 が 未 承認 だった 。 未 承認 契約 に よる 報酬 は 、 製薬 会社 から 各 医局 か 医局 責任 者 の 個人 名義 の 銀行 口座 に 振り込ま れ 、 研究 費 の 補充 に 充て られた ほか 、 医師 の 学会 出張 や 医局 で 雇用 する アルバイト へ の 給与 、 飲食 代 など と して 支出 さ れる ケース が 多かった 。 委員 会 の 審査 基準 に よる と 、 受託 研究 は 臨床 治 験 など 市販 前 の 医薬 品 を 対象 に 承認 して いる が 、 市販 後 の 医薬 品 を 対象 と した 症例 報告 など の 契約 は 「 大学 研究 と の 見地 から 適当で は ない 」 と して 、 申請 が あって も ほとんど 承認 して い ない 。 今回 発覚 した 「 もぐり 契約 」 は 、 これ ら 対象 外 の 市販 後 調査 が 大部分 を 占めて いた 。 同 大 に 医薬 品 を 納入 して いる ある 製薬 会社 の 医療 情報 担当 者 は 、 毎日新聞 の 取材 に 対して 「 症例 報告 は 、 カルテ を 転記 する 程度 の もの で 、 医師 へ の 報酬 は 一例 に 付き 一万 ― 三万 円 が 相場 。 薬 を 売り込む ため の 謝礼 的な 意味 で 支払う ケース も 多い 」 と 打ち明けて いる 。 NTT の 名 を かたった 手数 料 詐欺 事件 で 、 福岡 県警 と 北海 道警 の 共同 捜査 本部 は 十 日 まで に 、 福岡 市 博多 区 博多 駅 東 三 、 「 日本 電話 情報 センター 」 経営 、 山崎 賢 容疑 者 を 詐欺 容疑 で 逮捕 した 。 被害 者 は 全国 約 一万 人 、 被害 総額 は 約 五千万 円 に 上る と み られる 。 調べ で は 、 山崎 容疑 者 は NTT の 事務 用 電話 基本 料金 が 住宅 用 より 八百 円 から 四百 円 割高な の に 着目 。 種別 変更 は 無料 で できる のに 、 一九九三 年 六 月 から 昨年 五 月 の 間 、 「 電話 局 の 者 だ 。 農業 用 の 電話 が 住宅 用 に 変更 できる 。 五千 円 で 手続き を 代行 する 」 と 電話 勧誘 し 手 数 料 名目 で 約 百三十 人 に 計 約 六十五万 円 を 為替 口座 に 振り込ま せ ながら 、 ほとんど 変更 手続き を し なかった 疑い 。 海上 保安 庁 は 十 日 、 昨年 一 年間 の 船舶 の 海難 事故 と 、 海 や 浜辺 で の 人身 事故 発生 状況 を まとめた 。 船舶 海難 事故 は 、 昨年 末 に 二 人 が 死亡 、 十六 人 が 行方 不明に なった 静岡 県 御前崎 沖 の 漁船 ・ 第 25 五郎竹丸 の 遭難 など 大 事故 が 目立った が 、 事故 の 発生 総 件数 、 死亡 ・ 行方 不明 者 総数 は 、 それぞれ 一九五一 年 の 調査 開始 以来 最も 少なかった 。 一方 、 猛暑 の 影響 で 、 遊泳 中 の 事故 に よる 死者 ・ 行方 不明 者 は 最近 五 年間 で 最多 を 記録 した 。 同 庁 に よる と 、 日本 周辺 海域 で 救助 を 必要 と する 海難 事故 に 遭った 船舶 は 千七百二十六 隻 で 前年 より 六十五 隻 減 。 また 要 救助 船 で の 死亡 ・ 行方 不明 者 数 も 前年 より 二十七 人 少ない 百七十七 人 だった 。 事故 船舶 の 内訳 は 漁船 が 四二 % で 最も 多く 、 次いで モーターボート など プレジャーボート 、 貨物 船 の 順 。 一方 、 遊泳 中 に 事故 に 遭った 人 は 前年 より 百一 人 増 の 三百八十 人 、 うち 死者 ・ 行方 不明 者 は 同 八十 人 増 の 二百七 人 。 ゼネコン 汚職 に からむ 株主 代表 訴訟 で 先月 二十二 日 、 東京 地裁 から 贈賄 額 に 相当 する 千四百万 円 を 会社 へ 賠償 する よう 命じ られた 大津 留孝 ・ 元 ハザマ 常務 取締 役 東 関東 支店 長 は 控訴 期限 の 十 日 まで に 手続き を 行わ ず 、 敗訴 が 確定 した 。 十 日 午後 一 時 五十 分 ごろ 、 東京 都 豊島 区 南大塚 三 、 国民 銀行 大塚 支店 で 、 男 が 窓口 の 女子 行員 に 包丁 を 突きつけ 、 「 カネ を 出せ 」 と 脅した 。 男 は 現金 約 百五十万 円 を 奪い 、 店舗 前 に 止めて いた 乗用車 で 逃走 した 。 巣鴨 署 は 、 約 二十 分 後 に 現場 から 約 六百 メートル 離れた 路上 で 、 男 が 乗り捨てた 車 を 発見 した 。 調べ で は 、 若い 男 で 、 身長 約 一八〇 センチ 。 外務 省 邦人 保護 課 に 十 日 まで に 入った 連絡 に よる と 、 南米 エクアドル の チンボラソ 山 に 単独 で 登って いた 神奈川 県 海老名 市 の 会社 員 、 岡本 成夫 さん が 昨年 十二 月 末 から 行方 不明に なり 、 七 日 から エクアドル 軍 と 登山 ガイド 計 六 人 に よる 捜索 活動 が 続いて いる 。 株 取引 など で 得た 五億八千万 円 余 の 所得 を 隠し 、 約 一億二千万 円 を 脱税 した と して 、 東京 地検 特捜部 は 十 日 、 第 二 東京 弁護 士 会 に 所属 して いた 井上 智治 元 弁護 士 を 所得税 法 違反 の 罪 で 在宅 起訴 した 。 昨年 九 月 以降 、 特捜部 に 起訴 さ れた 弁護 士 や 元 弁護 士 は これ で 五 人 に なった 。 起訴 状 に よる と 、 井上 元 弁護 士 は 食肉 卸 会社 の 株 を 売却 して 、 十四億二千万 円 余 の 利益 を 得た が 、 いったん 売却 して 高く 買い戻した ように 帳簿 操作 する など して 売却 益 を 圧縮 。 弁護 士 報酬 千五百万 円 を 加えた 一九九〇 年 分 の 所得 計 五億八千三百万 円 を 申告 し なかった 。 井上 元 弁護 士 は 起訴 事実 を 認めて いる と いう 。 井上 元 弁護 士 は 東大 法学部 卒 。 八〇 年 に 弁護 士 登録 し 、 リッカー の 商法 違反 事件 や 平和 相互 銀行 事件 など を 担当 した 。 国 の 天然 記念 物 オオワシ が 、 北海道 根室 管 内 別海 町 と 釧路 管 内 鶴居 村 で 相次いで 射殺 さ れて いた こと が 、 十 日 まで に 分かった 。 いずれ も 密猟 者 に 撃た れた らしい 。 オオワシ は 「 絶滅 の 恐れ の ある 野生 動植物 の 種 に 関する 法律 」 で 希少 種 に 指定 さ れて いる 。 道 自然 保護 課 は 、 北海道 猟 友 会 など を 通じて 巡視 を 強化 する 。 別海 町 で は 九 日 昼 、 床丹 沖 約 百 メートル の 海上 に 死がい が 浮いて いる の を 住民 が 見つけ 、 回収 した 。 根室 支庁 自然 保護 係 が 十 日 、 解剖 して 死因 など を 調べて いる が 、 オオワシ は 体長 約 一 メートル 、 翼長 約 二・一 メートル 、 体重 約 八・三キロ で 性別 は 不明 。 左 胸 に 直径 一 センチ 弱 、 深 さ 五 センチ ほど の 猟銃 で 撃た れた ような 傷 が ある が 、 レントゲン検査 で 弾丸 は 発見 さ れ なかった 。 一方 、 鶴居 村 でも 四 日 、 釧路 湿原 国立 公園 内 の 鳥獣 保護 区 の 森 の 中 で 、 弾丸 の 貫通 した 跡 の ある オオワシ の 死がい を 通行人 が 見つけた 。 死がい は カラス など に 食べ られた 状態 で 、 発見 者 は 付近 の 川 に 死がい を 流した と いう 。 環境 庁 東 北海道 国立 公園 ・ 野生 生物 事務 所 の 広野 孝男 ・ 総括 湿原 管理 官 は 「 明らかに 鳥 そのもの を 狙って おり 、 非常に 悪質だ 」 と 話して いる 。 東宝 砧 作品 「 天晴 一心 太助 」 が 封切り に なった 。 脚本 ・ 黒澤 明 、 監督 ・ 佐伯 清 、 主演 ・ 榎本 健一 。 「 新春 吉例 エノケン 大 張り切り 爆笑 篇 」 。 朝日新聞 は 「 阿呆らしくて 見る に 堪え ない 。 今頃 、 かかる 桁外れの 粗悪 品 を 作って いる から 映画 界 は 指弾 さ れる 」 と 書いて いる 。 新聞 の 「 官 」 の 発想 、 文化 も 殺す 。 北海 道警 保安 課 と 警視 庁 保安 課 銃器 対策 室 など は 十 日 まで に 、 ライフル 銃 など を 不法に 所持 して いた と して 札幌 テレビ 放送 の ラジオ 番組 ディスクジョッキー で 企画 会社 経営 、 工藤 竜男 容疑 者 を 銃刀 法 と 火薬 類 取締 法 違反 の 疑い で 逮捕 した 。 調べ に よる と 、 工藤 容疑 者 は 一九九二 年 二 月 上旬 、 自分 の 所有 する イタリア 製 ライフル 銃 と 実弾 四十九 発 を 、 札幌 市 豊平 区 平岸 四 の 一六 、 漫画 家 、 花輪 和一 被告 に 譲り渡す 目的 で 花輪 容疑 者 の 自宅 に 預けて いた 疑い 。 この ライフル 銃 は 射撃 用 で 輸入 は 許可 さ れ ない 。 工藤 容疑 者 は 「 ライフル 銃 は 九〇 年 ごろ 、 小樽 港 で ロシア 人 から 入手 した 」 と 供述 して いる と いう 。 成田 空港 の 未 買収 用地 内 に 住み 、 これ まで 国 側 と の 接触 を 一切 拒否 して きた 三里塚 ・ 芝山 連合 空港 反対 同盟 小川 派 の 有力 者 が 十 日 、 「 国 の 謝罪 」 を 求める 手紙 を 村山 富市 首相 と 亀井 静香 運輸 相 あて に 内容 証明 で 出した 。 「 話し合い 解決 」 の 糸口 も なかった 小川 派 内 の 動き だけ に 、 国 側 の 回答 に よって は 成田 空港 問題 は 新たな 局面 を 迎え 、 成田 空港 の 将来 構想 を 大きく 左右する こと に なる 。 手紙 を 送った の は 、 同 空港 で 現在 使用 して いる A 滑走 路 に 並行 する B 滑走 路 予定 地 内 に 住む 小川 喜平 さん で 、 小川 派 代表 の 小川 嘉吉 さん の 弟 。 小川 派 は B 滑走 路 用地 の 未 買収 地 約 一五 ヘクタール の うち 約 八〇 % に 当たる 一一・五 ヘクタール を 所有 。 反対 同盟 の 熱田 、 北原 、 小川 派 の 中 で 最大 の 地権 者 組織 で 、 これ まで 「 農地 死守 。 一切 の 話し合い 拒否 」 を 闘争 方針 と して きた 。 手紙 は 内容 証明 用紙 四 枚 。 小川 さん は その 中 で 、 一九六六 年 六 月 二十一 日 、 テレビニュース で 空港 建設 予定 地 内定 を 突然 知って 以来 の 苦悩 を 明かし 、 「 農民 に 一言 の 相談 も なく 空港 の 位置 を 決め 、 反対 する 農民 の 人権 を 無視 して 強引に 空港 建設 を 進めて きた 国 側 は 、 非 を 認めて 謝罪 して いただき たい 」 と 求めて いる 。 その 方法 に ついて 「 国 は 『 閣議 で 決まった のだ から いくら 反対 して も 無駄 』 と 進めて きた のだ から 、 閣議 の 了解 を 得て 政府 から 謝意 を 示す べきだ 」 と して いる 。 成田 空港 は 六六 年 七 月 の 閣議 で 位置 と 規模 が 決まり 、 その 直後 に 反対 同盟 が 結成 さ れて いる 。 手紙 は 約 三十 年間 の 対立 を 経て 出さ れた 。 これ に ついて 小川 さん は 「 もう 七十 歳 に 手 が 届く 年齢 。 このまま で は 自分 の 人生 が 何 だった の か 。 国 の 真意 を 聞こう と 思って 書いた 」 と 話して いる 。 麻薬 など 五 種類 の 薬物 を 大量に 不法 所持 して いた と して 警視 庁 薬物 対策 課 と 赤羽 署 は 十 日 まで に 、 東京 都 足立 区 青井 六 、 ヤリ ・ ハッサン 、 埼玉 県 川越 市 東田 町 、 ゴジャール ・ アリ ・ アキバル の 両 容疑 者 ら イラン 人 の 男 四 人 と 日 系 三 世 ペルー 人 の 女 の 計 五 人 を 麻薬 取締 法 違反 など の 疑い で 逮捕 、 コカイン 四〇〇 グラム 、 覚せい 剤 五七〇 グラム 、 大麻 樹脂 七一〇 グラム など 薬物 計 一・七キロ を 押収 した 。 同 課 は 新宿 を 拠点 に 麻薬 など を 密売 して いた と みて いる 。 長野 県 が 天然 記念 物 に 指定 して いる 珍獣 ・ ハクビシン が 増え 、 農作物 に 被害 が 出て いる ため 、 県 教委 は 十 日 、 天然 記念 物 指定 を 解除 する よう 県 文化 財 保護 審議 会 に 諮問 する こと を 決めた 。 現存 する 動物 を 指定 解除 する の は 県 内 で は 初めて で 、 文化 庁 記念 物 課 も 「 こうした ケース は 全国 的に も 聞いた こと が ない 。 個体 数 と 価値 は 別 」 と 首 を かしげて いる 。 ハクビシン は ジャコウネコ 科 の 夜行 性 の 動物 で 、 胴長 約 五〇 センチ 、 尾 の 長 さ 約 四〇 センチ 。 在来 種 説 と 帰化 動物 説 が ある 。 東南 アジア に 分布 し 、 じゃ こう 臭 を 発する 。 以前 は 県 南部 に ごく 少数 生息 して いた だけ で 、 狩猟 から 保護 する ため 、 一九七五 年 に 県 天然 記念 物 に 指定 した 。 当時 は 長野 県 を 含め 八 県 で 生息 が 確認 さ れた だけ だった 。 しかし 、 ハクビシン は 予測 を 超える ペース で 年々 増加 。 夜行 性 の ため 確認 し にくく 生息 数 は 不明だ が 、 県 北部 まで 分布 。 さらに 三十七 都道府県 に 生息 地域 が 広がって いる 。 これ に 伴い 、 食害 も 増えた 。 民家 の すぐ 近く まで 来て 、 リンゴ 、 モモ など の 農産物 を 食い荒らし 、 一昨年 の 県 内 で の 被害 は 千八百万 円 に 上った 。 この ため 、 毎年 現状 変更 許可 が 出さ れ 、 十三 年間 で 二百十八 匹 が 捕獲 さ れた 。 県 文化 課 は 「 指定 当時 の 状況 と は 著しく 変化 した 」 と 、 今回 、 県 天然 記念 物 の 指定 解除 を 求めた 。 二十 日 の 県 文化 財 保護 審議 会 で 認め られる 見通し 。 一方 、 国 の 天然 記念 物 の 指定 を 受けて いる ニホンカモシカ も 県 内 で は 増加 して いる 。 被害 も 県 内 だけ で 年間 六億五千万 円 に も 上って いる が 、 文化 庁 は 「 生息 数 の 増加 と 学術 的 価値 は 別 」 と して 、 指定 を 解除 して い ない 。 国 、 県 の 行政 の 違い から ハクビシン に しわ寄せ が いった 形 だ 。 埼玉 県 内 の 愛犬 家 連続 失跡 事件 を 調べて いる 埼玉 ・ 群馬 両 県警 合同 捜査 本部 は 十 日 まで に 、 同県 大里 郡 江南 町 板井 、 犬 猫 販売 業 、 関根 元 容疑 者 の 自宅 兼 ペット 会社 本社 から 、 行田 市 の 会社 役員 、 川崎 明男 さん ら 四 人 の 殺害 に 使わ れた と み られる 「 硝酸 ストリキニーネ 」 と ラベル 表示 さ れた もの を 含め 薬品 類 多数 を 押収 した 。 また 、 関根 容疑 者 は 犬 売買 代金 の 返却 を 口実 に 川崎 さん を 熊谷 市 内 の 駐車 場 に 呼び出し 、 自分 の キャンピングカー 内 に 誘い込んで 計画 的に 殺害 した こと を 突き止めた 。 殺害 計画 に は 、 前後 の 状況 や 当日 の 行動 から 元 妻 、 風間 博子 容疑 者 が 関与 した 可能 性 も ある と みて 、 殺人 容疑 に ついて も 風間 容疑 者 を 追及 する 。 調べ に よる と 、 関根 容疑 者 と 川崎 さん は 当時 、 大型 犬 売買 代金 千百万 円 の 返却 を めぐって もめて いた 。 関根 容疑 者 は 、 川崎 さん 失跡 前日 の 一昨年 四 月 十九 日 、 川崎 さん に 代金 の 一部 の 返却 と 、 川崎 さん が 犬 の 購入 代金 ねん出 の ため 売却 した 四 輪 駆動 車 の 代車 提供 を 約束 。 川崎 さん は 二十 日 、 関根 容疑 者 らしい 男 から 勤務 先 に 二 度 電話 を 受け 、 午後 六 時 ごろ 退社 し 、 熊谷 市 内 の 駐車 場 の 方向 に 向かった 。 十 日 午後 八 時 四十五 分 ごろ 、 滋賀 県 伊香 郡 木之本 町 の 北陸 自動車 道 上り線 の 木之本 インター 北 約 一キロ 付近 で 、 京都 府 相楽 郡 精華 町 の 京和 運送 の ライトバン が 横転 、 次々 に トラック 、 高速 バス 、 乗用車 が 追突 し 、 計 二十八 台 が 関係 する 玉突き 事故 が 起きた 。 県警 の 調べ で は 、 金沢 発 名古屋 行き の 名 鉄 バス の 定期 高速 バス の 運転手 ら 三 人 が 死亡 、 約 二十 人 が 重 軽傷 を 負った 。 現場 は 橋上 で 、 路面 が 一部 凍結 。 十 日 午前 三 時 十 分 から 速度 五〇キロ 規制 、 同日 午後 五 時 十 分 から チェーン 規制 が 敷か れて いた 。 現場 付近 で 北陸 自動車 道 は 上下 線 と も 通行 止め と なり 、 十一 日 午前 一 時 現在 、 復旧 の めど は たって い ない 。 金沢 発 名古屋 行き の 定期 高速 バス に 乗って いた 名古屋 文理 短大 二 年 、 大坂 裕子 さん は 「 ぶつかる 寸前 、 運転 席 から 『 もう だめだ 』 と いう 運転手 の 大声 が 聞こえた 途端 、 衝突 した 。 乗客 の 男性 が 『 落ちつけ 』 と 励まして くれ 、 その 男性 が アイスボックス で 後部 非常 ドア の ガラス を 破り 、 十六 人 ほど の 乗客 全員 が 自力 で 脱出 した 」 と 話し 、 「 道路 に しゃがみ込んで いる 最中 に も 、 後ろ の 方 で 『 ドン 』 と 衝突 する 音 が 聞こえ 、 生きた 心地 が し なかった 」 と 青ざめて いた 。 東京 都 足立 区 梅島 三 、 無職 、 田口 英一 さん 方 が 十 日 未明 全焼 、 妻 キク さん が 焼死 した 火事 で 、 重体 だった 田口 さん も 同日 午後 死亡 した 。 県警 の 調べ で は 、 福井 県 河野 村 、 トラック 運転手 、 清水 常雄 さん ▽ 福島 県 郡山 市 大槻 町 、 木材 会社 社員 、 鈴木 源三郎 さん ▽ 名古屋 市 北 区 、 名鉄 バス 運転手 、 坂本 勝則 さん の 三 人 が 死亡 、 二十 人 が 重 軽傷 を 負った 。 調べ に よる と 、 横転 した ライトバン に トラック 二 台 が 玉突き 衝突 、 これ を 避けよう と して 十四 台 が 次々 に 衝突 、 さらに 後方 の 四 カ所 で 計 十一 台 が ぶつかった 。 名鉄 バス に は 、 乗客 十六 人 が 乗って いた と いう 。 けが を した の は 、 この バス の 乗客 ら で 、 木之本 町 の 湖北 総合 病院 に 七 人 、 同県 長浜 市 の 市立 長浜 病院 に 七 人 、 長浜 赤十字 病院 に は 六 人 が 運ば れた 。 現場 付近 で 北陸 自動車 道 は 上下 線 と も 通行 止め と なった 。 第 六十七 回 センバツ の 開幕 を 前 に 阪神 甲子園 球場 で 、 七十一 年間 の 史上 初 の 大規模な グラウンド 整備 工事 が 行わ れて いる 例年 、 シーズン オフ に は グラウンド の 水はけ を よく する ため 内 外野 の 表土 の 黒土 を 深 さ 約 三〇 センチ まで を 掘り起こして いる 。 今年 は さらに 外野 の 約 一 、 三〇〇 平方メートル に ついて 深 さ 一 メートル の 所 に 敷きつめた 石 まで 入れ替えて いる 。 整備 は 今月 下旬 まで で 、 期間 中 に 掘り起こさ れる 土 や 小石 の 量 は 、 大型 ダンプカー で 五十 台 分 に 達する と いう 。 工事 関係 者 は 「 遺跡 を 発掘 して いる 気分 です 」 。 統一 地方 選 の 年 の トップ を 切って 行わ れた 岡山 県 勝田 郡 勝北 町 の 町議 選 で 今月 八 日 、 開票 作業 中 に 百二十二 枚 も の 偽造 投票 用紙 が 見つかった 。 カラー コピー を 使う 新しい 手法 で 、 一見 した だけ で は 本物 と 見分け は つか ず 、 一 度 は 正規の 得票 と して 集計 さ れた 。 一方 で 、 得票 総数 が 投票 者 数 を 上回った こと から 発覚 する など ズサンな 点 が 目立つ 。 過去 の 選挙 でも 白紙 が まぎれこんだ こと が あり 、 投票 用紙 の 売買 の うわさ まで ある 。 しかし 町 選管 は 、 今回 の 事件 を 警察 に 告発 する こと を 見送った 。 中国 山地 の 山あい の 町 で 、 何 が 起きて いる の か を 探った 。 ◆ 20 年 前 から 町議 選 の 開票 を めぐる 不可解な “ 事件 ” は 、 今回 が 初めて で は ない 。 投票 用紙 に 似せた 白紙 の 紙 が 大量に 見つかった こと が 過去 に あった 。 町 総務 課 に よる と 一九七五 年 一 月 の 選挙 で は 候補 者 名 の ない 投票 用紙 サイズ の 白紙 が 百五十 枚 も 見つかった 。 八七 年 に も 数十 枚 交じって いた 。 いずれ の 場合 も 町 選管 は 、 この 紙 を ゴミ 扱い の 「 異物 」 と して 処理 した と いう 。 選挙 の 公正 さ を 疑わ せる 話 も ある 。 「 昭和 四十 年 代 以後 、 投票 せ ず に 持ち帰った 白紙 の 投票 用紙 の 売買 が 横行 して いた 。 投票 した ように みせかける ため に 、 ワラ半紙 や 新聞 紙 など を 投票 箱 に 入れて いる こと も あった 」 。 町 職員 と して 選挙 事務 の 経験 も 長い 元 町長 の 福原 達夫 さん は 証言 する 。 今回 の 選挙 でも 、 ある 選 対 関係 者 は 「 ベテラン の 人 から “ 投票 用紙 を 売りつけ に 来る 人 が いる 。 気 を つけろ ” と 注意 さ れた 。 値段 は 一万 、 二万 で は きか ない と 聞いた 」 と 話し 、 「 コピー 票 は 売買 さ れた ので は 」 と 推測 して いる 。 一方 で 、 偽造 用紙 に 書か れた 候補 者 の 名前 が 十一 人 に も のぼる こと や 、 すぐに 発覚 する ような 手口 から 「 特定 候補 の 当選 を 目的 と した もの で なく 、 悪質な いたずらで は 」 と みる 関係 者 も いる 。 ◆ 及び腰 の 選管 こうした 経過 が ある に も かかわら ず 、 町 選管 の 対応 は 及び腰 と いえ そうだ 。 七五 年 、 八七 年 も 原因 究明 を 行わ ず 、 不正 投票 の 可能 性 を 問題 に した 議会 質問 でも 「 不正 は 行わ れて い ない と 信じて いる 」 と 答弁 する だけ 。 今回 の 偽造 事件 でも 、 県警 が 公選 法 違反 容疑 で 捜査 を 始めた の に 対し 、 町 選管 は 「 偽造 票 は 取り除いて 集計 し 、 選挙 結果 に 影響 し なかった 」 と して 、 刑事 告発 を 見送って いる 。 ◆ ツケ の 表れ 今回 の 町議 選 は 定数 一六 に 対し 十七 人 が 立候補 し 、 少数 激戦 だった 。 特に 新人 が 六 人 と 多く 、 これ に 現職 陣営 も あおら れ 、 いつ に も 増して 選挙 が 過熱 ぎみだった と いう 。 昨年 秋 の 議会 でも 、 不正 再発 を 心配 する 声 が あった のに 、 町 選管 は 適切な 手だて を とら ないで いた 。 結局 は 、 従来 から 不可解な 事件 に 対して あいまいな 態度 を 取り 続けた ツケ が 、 大量の 偽造 投票 と なって 表れた と いえ そうだ 。 ◆ 室井 力 ・ 名古屋 経済 大 教授 の 話 選管 が 厳しい 態度 で 真相 究明 に 臨め ないで いる の は 、 町 と いう 共同 体 の 和 を 乱し たく ない と いう 気持ち の 表れ で は 。 しかし 、 公務 員 に は 犯罪 に 気付いたら 告発 する 努力 義務 が あり 、 告発 し ない の は おかしい 。 法学部 、 経済 学部 は 昼夜 開講 制 に 。 法学部 法学 科 二百八十五 人 、 経済 学部 経済 学科 二百八十六 人 に 改組 。 NKK の 三好 俊吉 社長 は 10 日 、 福山 製鉄 所 で 記者 会見 し 、 1996 年度 末 まで に 5800 人 を 減らし 、 鉄鋼 部門 で 2000億 円 の コスト 削減 を 目指す リストラ 計画 に ついて 、 「 95 年度 中 に 計画 の 70 % を 達成 し たい 」 と 強調 。 しかし 、 「 景気 が 緩やかな 回復 に 入った と 言わ れる が 、 円高 など で 民間 設備 投資 の 活性 化 は まだ 期待 でき ない 」 と 先行き を 警戒 して おり 、 社 内 体制 を 引き締めて いる 。 ヤマハ 発動 機 は 10 日 、 ベトナム で 二輪 車 生産 の 準備 を 進めて いる こと を 明らかに した 。 同国 政府 の 認可 が 下り 次第 、 現地 企業 と の 合弁 会社 を 設立 する 。 早ければ 来年 に も 、 ハノイ 市 近郊 で 現地 組み立て を 開始 する 。 車種 は 排気 量 70 ― 100 CC 程度 の 小型 車 が 有力で 、 生産 規模 は 当初 、 年 4万 台 前後 と なる 見込み 。 リクルート は 3 月 22 日 、 大人 向け の ゲームソフト 月刊 誌 「 寿現夢 」 を 創刊 する 。 32 〓 ゲーム 機 の 登場 や パソコンゲームソフト の 充実 など で 、 テレビ ゲーム を 楽しむ 層 が 大人 に も 広がって いる こと に 注目 し 、 従来 の ゲーム 雑誌 で は 物足りない 10 代 後半 から 20 代 前半 以上 の 年齢 層 を ターゲット に する 。 毎 号 1500 種類 の ゲームソフト を 紹介 する など 情報 量 を 多く して いる の が 特徴 で 、 480 円 。 大阪 銀行 は 10 日 、 懸賞 金 付き 定期 預金 を 17 日 から 発売 する と 発表 した 。 商品 は 一 年 物 スーパー 定期 で 、 10万 円 に つき 一 回 の 抽選 権 が ある 。 懸賞 金 は 5万 円 ― 3000 円 。 当選 率 は 4・28 % 。 販売 目標 は 500億 円 。 「 できたら 中間 配当 を やり たい 」 と 2 期 連続 の 無配 から 95 年度 の 復配 に 意欲 を 見せる の は 川崎 製鉄 の 濤崎 忍 社長 2100億 円 の コスト 削減 を 目指す リストラ 計画 に ついて も 「 目標 の 1995 年度 に 十分 達成 する だけ で なく 、 もう 少し 積み 増す こと が できる 」 と 自信 を 見せて いる 。 販売 価格 の 改善 も 見込ま れる が 、 春闘 の 見通し に ついて は 「 ベア どころ で ない 」 と 途端 に 厳しい 表情 。 インドネシア の 首都 ・ ジャカルタ の 中心 部 から 高速 道路 で 約 三十 分 。 丸紅 が 開発 した MM 二一〇〇 工業 団地 の 一角 で 鍛造 部品 メーカー 、 福山 技 研 インドネシア の コバルトブルー の 屋根 がわら が 熱帯 の 青空 に 映えて いた 。 親会社 の 福山 技研工業 は 人手 不足 から 、 豊富な 労働 力 を 求めて 初めて 海外 進出 、 昨年 五 月 、 操業 を 開始 した 。 水成 社長 は 「 中国 も 検討 した が 、 自由 経済 の 伝統 、 政策 の 安定 性 など から インドネシア を 選んだ 」 と 語る 。 石油 、 天然ガス など の 一 次 産品 輸出 に 依存 して きた 同国 は 東南 アジア 諸国 連合 の 中 で 最も 投資 自由 化 が 遅れて いた が 、 昨年 五 月 、 外資 一〇〇 % 企業 の 解禁 、 最低 投資 額 制限 の 撤廃 など 画期的な 自由 化 政策 を 決定 した 。 昨年 十一 月 、 ジャカルタ で 開か れた 「 日本 インドネシア ビジネス 会合 」 で 、 ギナンジャール 国家 開発 企画 相 は 「 規制 緩和 は 大統領 以下 政府 の 一致 した 方針 。 政権 が 交代 して も 変わら ない 。 我々 の 姿勢 を わかって 欲しい から APEC を 開催 した 」 と 政策 の 継続 性 を 強調 した 。 他の ASEAN 諸国 も ここ に きて 自由 化 の 推進 と 政策 の 安定 度 を 競って いる 。 フィリピン は 一九九一 年 に 外国 投資 法 を 制定 、 昨年 十 月 に は 福岡 市 で の 投資 セミナー で ナバロ 貿易 ・ 産業 相 が 新たに 十三 分野 の 投資 優遇 策 を 発表 した 。 タイ は 部品 産業 に 代表 さ れる すそ野 産業 誘致 の ため に 各種の 優遇 策 を 打ち出した 。 早く から 自由 化 に 着手 した シンガポール 、 マレーシア は 現在 、 企業 が 東南 アジア 地域 統括 本部 を 自国 に 設置 する よう 、 税制 面 など で 優遇 して いる 。 なぜ 、 こう も 各国 が 自由 化 を 競う の か 。 スタンフォード 大学 の ポール ・ クルーグマン 教授 が 指摘 する ように 、 この 地域 の 経済 成長 が 労働 人口 の 増加 と 投資 増大 に 依存 して おり 、 投資 増大 の ため に は 自由 化 が 不可欠だ から だ 。 インドネシア の アリウィボウォ 工業 相 は 昨年 秋 、 毎日新聞 など と の インタビュー で 「 年率 六・二 % の 経済 成長 達成 の ため 今後 五 年間 に 三千億 ドル の 投資 が 必要 」 と ばく大な 数字 を あげた ほど だ 。 また 、 ギナンジャール 大臣 は 「 主要 インフラプロジェクト に 五 年間 で 五百二十億 ドル の 投資 が 必要 。 政府 の 資金 は 限ら れて おり 、 民間 企業 に 期待 する 」 と 語る 。 外国 資本 に とって も 魅力 的な この 地域 。 問題 は 産業 基盤 整備 が 経済 成長 の スピード に 追いつく か どう か だ 。 「 世界 の 資金 状況 は ひっ迫 して いる 。 インドネシア 政府 は 資本 の 流れ を 阻害 する すべて の 障害 を 除去 する 」 と の 決意 は 、 ASEAN 諸国 の 高 成長 路線 維持 の 表明 だ 。 自由 化 の 目標 年限 を 定めた ボゴール 宣言 は 途上 国 に とって 楽な もの で は ない 。 にもかかわらず 、 自由 化 を 選択 する 。 ASEAN 各国 は いまや 自由 化 で 生きて いく しか なくなって いる のだ 。 大阪 市 は 十 日 、 今秋 開か れる アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 の 会場 に なる 新 「 大阪 城西 の 丸 庭園 内 休息 所 」 の 完成 予想 図 を 公表 した 。 京都 ・ 二条城 の 城郭 御殿 風 を 模した 平屋建て の 和風 建築 。 広 さ は 六八五 平方メートル で 、 会議 用 の 大部屋 を 二 部屋 設けた 。 室 内 は 、 ヒノキ を 使って 木 の 温かみ を 出し 、 障子 戸 や 格子 模様 の 格 天井 を 採り 入れた 。 総 事業 費 は 約 十二億 円 で 、 今月 中 に 着工 、 九 月 中旬 に 完成 予定 。 APEC は 十一 月 十六 ― 十九 日 に かけて 開か れる 。 毎日 放送 の 斎藤 守慶 社長 は 十 日 、 同 市 内 で 新年 の 記者 会見 を 行い 、 同 局 開局 四十五 周年 記念 番組 ・ 事業 を 発表 した 。 その 中 で 同 市 北 区 堂島 一 の 旧 毎日 ホール を 十億 円 かけて 改装 、 “ MBS シアター ” と して ウォルト ・ ディズニー 社 と 劇団 四季 の 提携 に よる ミュージカル 「 美女 と 野獣 」 を 公演 する ほか 、 吹田 市 の 同 局 千里丘 放送 センター 敷地 内 に 天然 温泉 施設 を 建設 する こと を 明らかに した 。 改装 は 所有 者 と 賃貸 契約 を 結んで 行わ れ 、 劇団 四季 の 技術 陣 の 協力 を 得て 六 、 七 月 まで に 終了 。 こけら落とし は 劇団 四季 の ミュージカル 「 オペラ 座 の 怪人 」 を 予定 。 その後 、 十二 月 か 来年 一 月 に 「 美女 と 野獣 」 を 公演 、 最低 一 年 の ロング ラン と なる 。 天然 温泉 施設 は 泉 温 三一 度 の 温泉 を 生かす 。 十二億 円 かけ 露天 ぶ ろ など 建設 、 十一 月 末 オープン 予定 。 入浴 料 は 大人 千二百 円 。 大阪 府立 成人 病 センター 第 三 外科 の 野口 真三郎 医師 ら の グループ は 、 若い 女性 の 乳房 の しこり で 自然に 治る もの と 、 切除 手術 が 必要な 腫瘍 と を 判別 する 方法 を 十 日 まで に 初めて 開発 した 。 判別 可能に なった の は 線 維 腺腫 と 葉状 腫瘍 。 細胞 内 に ある 遺伝子 の 本体 、 DNA を 解析 する 方法 。 二 つ の 症例 は 細胞 組織 が 似て おり 、 これ まで は 判別 でき ず 切除 の 必要 が ない 線 維 腺腫 も 手術 する ケース が 多かった と いう 。 野口 医師 ら に よる と 、 どちら の 症状 も 最初 は 直径 二 、 三 センチ の しこり が できる 。 しかし 、 線維 腺腫 は ホルモン の バランス が 崩れた 一時的な もの で 自然に 小さく なって 消える 。 これ に 対し 葉状 腫瘍 は どんどん 大きく なり 、 悪性 化 して 肺 に 転移 し 命取り に なる こと も ある 。 女性 は 細胞 内 に 二 つ の X 染色 体 を 持つ が 、 同 グループ は 活性 化 して い ない ほう の DNA を 解析 した 。 腫瘍 は 一 つ の 細胞 が 異常 増殖 した もの で 、 単なる しこり は 複数 の 細胞 が それぞれ 増殖 し 、 解析 に よって その 違い を 見て 判別 する 。 平安 時代 の 宮中 で 流行 した 遊び 「 打 毬 」 が 今月 十五 日 、 勝運 を 呼ぶ 神様 と して 知ら れる 京都 市 伏見 区 の 藤森 神社 で 午後 一 時 から 再現 さ れる 。 木 の 杖 で 木 毬 を 打つ 打 毬 = イラスト = は 、 現在 の ゲートボール に 似た 遊び 。 当日 は ゲートボール の 勝運 向上 を 祈願 する 神事 も 行う 。 打 毬 は 「 毬杖 」 と 呼ば れる 木 の 杖 で 、 まんじゅう の 形 を した 木 毬 を 打ち 、 地面 に 埋め込んだ 木枠 に 入れ ながら 遊んだ と さ れる 。 江戸 時代 に 復活 した もの の 、 その後 すたれ 、 伝わって い ない 。 日本書紀 の 中 に 、 中大兄 皇子 と 中臣 鎌足 ら が 飛鳥 の 法興寺 で 打 毬 を 行った と の 記述 が あり 、 書紀 の 編さん 者 の 舎人 親王 が 同 神社 の 祭神 の 一 人 である こと から 、 再現 する こと に なった 。 用具 や 競技 方法 が よく わかって い ない ため 、 書紀 や 万葉 集 の 記述 、 打 毬 の 様子 を 伝える 「 打 毬 楽 」 と いう 舞楽 など を 参考 に 、 毬杖 や 木 毬 を 復元 した 。 ◆ 「 商売 繁盛 で ササ 持ってこい 」 の 掛け声 が 響いた えべっ さん 。 景気 回復 は 市民 の 願い です が 、 その昔 、 事件 記者 が 縁起もの の ササ を 持ち帰った ところ 、 直後 に 事件 が 連続 発生 して 休み も 取れ ない ほど の 忙し さ に 。 取材 相手 の 捜査 員 から 「 こんな 繁盛 は 願い下げ 」 と 総スカン を くらった こと が あり ます 。 ◆ 「 得票 数 が 投票 者 数 を 上回って い ます ! 」 。 投票 偽造 事件 が 明るみ に でた 岡山 県 ・ 勝北 町議 選 の 開票 場 から の 報告 に 、 耳 を 疑い ました 。 結局 、 ニセ 投票 用紙 を 除外 して 未明 に 確定 し ました が 、 当選 組 も 「 喜び に 水 を 差さ れた 」 と カンカン 。 今春 に 控える 統一 地方 選 の ため に も 、 徹底 的な 究明 が 求め られ ます 。 大阪 港 に 西 日本 一 の 高 さ を 誇る 「 大阪 ワールド トレード センター ビルディング 」 が この ほど 完成 、 四 月 二十 日 に 開業 する 。 高 さ 二百五十二 メートル 、 地上 五十五 階 、 地下 三 階建て 。 最 上階 の 展望 台 から は 市街 地 や 大阪 湾 周辺 が 一望 できる 。 市 が 第三セクター方式 で 一九九一 年 に 着工 、 総 工費 約 千百億 円 。 全日空 は 10 日 、 3 月 26 日 に 関西 国際 空港 ― 大連 ― 北京 路線 を 開設 する こと を 運輸 省 に 申請 した 。 B 767 ― 300 型 機 で 週 1 便 運航 する 。 関西 から の 同社 の 中国 直行 便 は 昨年 9 月 就航 の 青島 便 に 次ぐ もの 。 電子 制御 横 編み 機 の 大手 、 島 精機 製作 所 の 島 正博 社長 は 10 日 、 和歌山 市 加太 の 関西 国際 空港 用 の 土 取り 跡地 に 、 年間 を 通して 滑走 可能な 西 日本 初 の ドーム 式 屋内 人工 スキー 場 を 建設 する 計画 を 明らかに した 。 すでに 企画 管理 会社 、 和歌山 ドーム を 設立 して おり 、 8 月 に も 着工 、 1997 年 春 の オープン を 目指す 。 県 土地 開発 公社 など が 所有 する 260 ヘクタール の 土砂 採取 跡地 の うち 、 約 15 ヘクタール を 買収 。 自然の 斜面 を 利用 して 延べ 床面積 5 ― 6 ヘクタール の 人工 スキー 場 を 建設 。 ゲレンデ の 長 さ は 350 メートル 、 幅 40 ― 80 メートル 。 屋内 スキー 場 で は 、 千葉 県 船橋 市 の 「 ザウス 」 に 次ぐ 規模 と いう 。 総 事業 費 約 100億 円 、 年間 60万 人 の 入場 者 を 見込んで いる 。 人工 雪 は 、 新 開発 の 吸水性 が 高い 特殊 アクリル を 使用 。 気温 20 度 でも 滑る こと が できる 。 土砂 採取 の 跡地 に は 当初 、 民間 主導 の 開発 事業 「 コスモパーク 加太 」 を 計画 して いた が 、 バブル 崩壊 で 進出 が なく 、 昨年 初め 、 公共 主導 へ 変更 した 。 雪 が 凍結 し アイスバーン 状 に なった 北陸 自動車 道 で 十 日 夜 起きた 玉突き 事故 は 、 冬 の 高速道 の 怖 さ を 見せつけた 。 チェーン 規制 さ れて いた が 、 二十八 台 が 次々 に 激突 する 惨事 。 追突 した 車両 の 中 に は 定期 高速 バス も あり 、 運転 席 から は ぶつかる 寸前 に 「 もう だめだ 」 の 悲鳴 が 車 内 に 響いた 。 乗客 の 女子 学生 ら が 懸命 の 脱出 。 救急 車 の サイレン と ともに けが人 が 次々 と 搬送 さ れ 、 病院 は 手当て に 追わ れた 。 金沢 発 名古屋 行き の 定期 高速 バス に 乗って いた 名古屋 文理 短大 二 年 、 大坂 裕子 さん は 「 ぶつかる 寸前 、 運転 席 から “ もう だめだ ” と いう 運転手 の 大声 が 聞こえた 途端 、 衝突 した 。 乗客 の 男性 が “ 落ちつけ ” と 励まして くれ 、 その 男性 が アイスボックス で 後部 非常 ドア の ガラス を 破り 、 十六 人 ほど の 乗客 全員 が 自力 で 脱出 した 」 と 話し 、 「 道路 に しゃがみ込んで いる 最中 に も 、 後ろ の 方 で “ ドン ” と 衝突 する 音 が 聞こえ 、 生きた 心地 が し なかった 」 と 青ざめて いた 。 同じ バス の 乗客 で 、 金沢 から 愛知 県 安城 市 の 実家 に 帰省 途中 、 事故 に 遭い 長浜 赤十字 病院 に 搬送 さ れた 女子 学生 は 「 後ろ から 二 番 目 の 座席 に 座り ウトウト して いたら 、 いきなり ドスン と ぶつかり 鼻 を 打った 。 車 内 の 乗客 から は 事故 の 瞬間 、 ギャー と いう 悲鳴 が あがった 。 運転手 が 座席 に はさま れ ぐったり して いた 」 と 恐怖 の 模様 を 語った 。 滋賀 県 北部 から 福井 県 に かけて の 同 自動車 道 は 冬期 間 、 積雪 や 路面 凍結 の ため 、 スリップ 事故 が 多く 発生 する 。 乗用車 を 運転 中 、 事故 に 遭遇 、 後続 の トラック に 追突 さ れる 前 に 車 外 に 逃げ出した 石川 県 小松 市 中海 町 、 会社 員 、 北 浩平 さん は 「 まるで スケートリンク の 上 を 走って いる ようだった 」 と 話した 。 本 戎 の 十 日 、 各地 の 「 えべっ さん 」 は 夜 に 入り 、 にぎわい は 最高潮 に 。 大阪 市 浪速 区 の 今宮 戎 神社 で は 深夜 まで 「 商売 繁盛 で ササ 持って来い 」 と おはやし が 鳴り響いた 。 境内 を 埋めた 参拝 客 は 「 この 熱気 で 今年 こそ 景気 回復 を 」 と 冷え込み も 忘れ 、 一心に 祈った = 写真 。 約 三十 畳敷き の ジャンボ さい銭 箱 に は 「 ¥ 2951 」 と 縁起かつぎ の 金額 を 書き入れた 小切手 や 、 千 円 札 など が 次々 に 投げ込ま れた 。 夫 と 鉄工 所 を 経営 する 八尾 市 老原 、 森 豊子 さん は 「 もみくちゃ に さ れて 体 が ほっかほか 。 今年 こそ いい 商売 を し たい 」 と 縁起物 の 福 ザサ を 持ち帰った 。 この 日 の 人出 は 同 神社 が 三十八万 人 で 昨年 より 一万五千 人 減 。 大阪 市 北 区 の 堀川 戎 神社 は 六万 人 で ほぼ 昨年 並み 。 藤岡 信雄 ・ 大阪 市議 の 政治 団体 「 ふじ岡 後援 会 」 が 大阪 府 選管 に 提出 した 一九九二 年 分 の 政治 資金 収支 報告 書 の 記載 の うち 会費 を 納めた 個人 の 数 を 訂正 して いた こと が 九 日 付 の 大阪 府 公報 で 明らかに なった 。 当初 の 千六百二十四 人 を 三 倍 近い 四千六百二十四 人 に 改めた 。 会費 総額 は 九百七十四万四千 円 の まま だ が 、 会費 は 「 年間 一 人 一口 」 の 原則 に 照らす と 、 一 人 平均 約 七 口 に も なり 、 まだ 不自然 さ を 残して いる 。 訂正 の 届け出 は 毎日新聞 が 昨年 十二 月 中旬 に 「 虚偽 記載 の 疑い が ある 」 と 報道 した 後 に 行わ れた らしい 。 毎日新聞 の これ まで の 調べ で は 、 ふじ岡 後援 会 は 、 地元 の 浪速 区 内 の 個人 会員 を 中心 と した 政治 団体 。 訂正 前 だ と 、 会費 は 一 人 平均 二十 口 に も 上って いた 。 後援 会 幹部 は 「 会計 報告 は 行わ れた こと が ない 」 と 話して おり 、 同 後援 会 の 会計 処理 の 不明朗 さ を 浮き彫り に して いる 。 藤岡 市議 は 、 別の 政治 団体 「 一政 会 」 の 政治 資金 疑惑 で 大阪 地検 に 告発 さ れて いる 。 一政 会 も 毎日新聞 が この 疑惑 を 報道 した 直後 に 府 選管 に 訂正 を 申し立てて いる 。 打 毬 楽 錦 の 縁 の ついた 装束 、 冠 を かぶった 4 人 が 向かい合って 舞う 。 5 色 に 彩ら れた 玉 を 使い 、 それぞれ が 右手 に 毬杖 を 持つ 。 平安 時代 に 歌 合わせ の 会 や 競い 馬 など の 際 に 舞わ れた 記録 が ある 。 インド 北部 で は 連日 異常 寒波 が 続いて おり 、 北西 部 ジャムカシミール 州 ラダーク 地方 の ドラス で は 十 日 、 セ氏 氷点下 六〇 度 を 記録 した 。 インド の UNI 通信 に よる と 、 同 州 の 平野 部 と 山岳 地帯 を 結ぶ 約 三百キロ の 幹線 道路 は 三 日 連続 で 通行 止め と なり 、 同 州 スリナガル 向け の 生活 物資 を 積んだ 車両 千五百 台 や 市民 三千 人 が 足止め さ れて いる と いう 。 岡山 県警 は 十 日 、 建設 会社 の 社員 を 装って 健康 保険 証 を 不正 取得 、 使用 して いた と して 岡山 市 東山 二 、 同 市議 、 佐々木 清巳 容疑 者 と 、 知人 の 同 市 福泊 五 、 建設 会社 社長 、 高橋 桂三 容疑 者 を 健康 保険 法 違反 と 詐欺 の 疑い で 逮捕 、 岡山 市 役所 の 市議 控室 など を 捜索 した 。 調べ で は 、 佐々木 市議 は 高橋 社長 と 共謀 、 一九九一 年 八 月 に 同社 に 雇用 さ れた と 偽って 健康 保険 被 保険 者 証 の 交付 を 受け 、 虚偽 の 書類 を 岡山 西 社会 保険 事務 所 に 提出 。 九二 年 一 月 から 昨年 十 月 まで に 岡山 市 内 の 内科 医院 で 計 百十九 回 、 五十五万 円 相当 の 治療 給付 を 受けて いた 疑い 。 金 泳三 大統領 に よる 文民 政権 発足 後 、 韓国 軍 で 士気 の 低下 や 規律 の 乱れ が 表面 化 して いる が 、 今度 は 陸軍 の 現役 エリート 将校 が 銀行 強盗 を 働く 事件 が 発生 、 韓国 社会 に 衝撃 を 与えて いる 。 九 日 午後 三 時 半 ごろ 、 ソウル 市 城東 区 の 銀行 出張 所 に 自動 小銃 を 持った 男 が 侵入 。 銀行 員 ら を 脅して 現金 など 約 六百万 ウオン を 奪って 逃げよう と した が 、 その場で 取り押さえ られた 。 男 は 陸軍 士官 学校 卒 の 現役 中尉 で 、 銃 は 同 士官 学校 から 盗み出した もの だった 。 韓国 で は 、 昨年 九 月 に 将校 ら に よる 集団 脱走 事件 が 起きた ほか 、 同 十 月 に も 第 三 士官 学校 長 が 政界 や 軍 首脳 を 批判 する 演説 を 行う など 規律 の 乱れ が 表面 化 して いる 。 ハンガリー 通信 に よる と 、 全欧 安保 協力 機構 の ギャルマティ 議長 特使 は 十 日 、 モスクワ で コズイレフ ・ ロシア 外 相 と 会談 し 、 チェチェン 紛争 の 早期 解決 を 要請 した 。 同 特使 は 会談 後 、 紛争 調停 に 向けた OSCE 代表 団 の 派遣 に ついて 、 人道 援助 、 人権 擁護 、 選挙 監視 など が 活動 範囲 に なる と 説明 した が 、 「 具体 的な 決定 は ウィーン で 十二 日 開催 さ れる OSCE 常設 理事 会 の 判断 に よる 」 と 述べた 。 ロシア ・ チェチェン 共和 国 の 首都 グロズヌイ で は 、 十 日 夜 に 入って 、 これ まで に ない 静けさ が 訪れて いる 。 砲撃 は やみ 、 銃声 が 静寂 を 破る こと は めったに ない 。 狙撃 兵 が まだ 展開 して いる ため 、 通り に 出る の は 危険だ が 、 物音 が し ない の に 驚いた 人々 は 建物 の 地下 室 から 外 に 姿 を 現し 、 負傷 者 や 遺体 が 運び込ま れて いる 近く の 広場 に は 、 かなり の 数 の 人々 が 集まって きた 。 十一 日 の 東京 外国 為替 市場 は 持ち 高 調整 の ため の ドル 売り が 強まり 、 午前 九 時 の 円 相場 は 、 前日 午後 三 時 半 時点 と 比べ 二一 銭 円高 ・ ドル安 の 一 ドル = 九九 円 九二 銭 で 取引 。 「 ドル高 から 円高 の 地 合い に 変わった と みる の は 時期尚早 」 と の 見方 が 強い 。 ジュリアーニ ・ ニューヨーク 市長 は 十 日 、 同 市 の 禁煙 条例 に 署名 し 、 九十 日 後 の 四 月 十 日 から 市 内 の レストラン や 職場 から たばこ が 追放 さ れる こと に なった 。 新 条例 で は 、 客席 が 三十五 以上 ある レストラン の 食事 エリア は 全面 禁煙 。 バー に ついて は 仕切ら れた 食事 エリア から 最低 百八十 センチ 以上 離れて いる 場合 か 、 別室 に なって いる バー で のみ 喫煙 が 許可 さ れる が 、 その 場合 でも 店 内 面積 全体 の 二五 % 以下 に 限定 。 ヤンキー ・ スタジアム など で は 仕切ら れた 個室 席 か 指定 喫煙 場所 のみ 。 ビル の オフィス で は 、 独立 した 換気 装置 を 備えた 喫煙 室 が 各 階 に 一 部屋 だけ 設置 可能 。 また 、 幼稚園 、 小 中 高校 も 換気 装置 の ある 喫煙 室 だけ に 限定 し 、 保育 所 は 建物 ・ 敷地 全体 が 完全 禁煙 に 。 この 条例 を 個々 の 店舗 に 適用 する と 、 有名 レストラン を はじめ 日本 料理 店 も す し カウンター も ほぼ 全面 禁煙 。 喫煙 が 可能な の は 食事 エリア の ない バー 、 つまり 純粋な 酒場 だけ に なる 。 すでに 空港 など の 公共 施設 は 州 法 や 自主 規制 で 全面 禁煙 の 場合 が 多い 。 村山 富市 首相 は 十 日 午後 、 ワシントン に 隣接 する アーリントン 墓地 を 訪れ 献花 、 第 二 次 世界 大戦 など の 戦死 者 の めい福 を 祈った 。 戦後 五十 年 の 今年 は 日 米 両 国 で 第 二 次 世界 大戦 を 記念 する 行事 が 予定 さ れて いる が 、 米国 の 原爆 記念 切手 問題 など 両 国 の 国民 感情 に 触れる 問題 が 再燃 し かね ない 。 この ため 、 最初の 日程 と して 同 墓地 を 訪問 した 。 米 政府 高官 は 十 日 、 九 月 二 日 の ハワイ で の 太平洋 戦争 終結 五十 周年 記念 行事 を めぐる 「 日本 側 の 敏感な 気持ち 」 と 「 だれ が 参加 する か に ついて の 懸念 」 に 対する 理解 を 示す と ともに 、 「 これ ら の すべて を 考慮 に 入れた うえ 、 決定 する こと に なる 」 と 語った 。 これ は 、 平和 条約 が 締結 さ れて い ない ロシア と 日本 の 首脳 が 戦争 終結 記念 行事 に 同席 する こと へ の 抵抗 が 日本国 内 に 強い こと から 、 海外 から の 招待 者 の 選定 、 式 の 性格 など に ついて 、 十分 考慮 する 姿勢 を 示した もの だ 。 労働 省 は 十一 日 、 婦人 少年 問題 審議 会 に 、 病気 の 両親 など を 介護 する ため 休暇 を とって も 職場 に 復帰 できる 介護 休業 制度 導入 を すべて の 企業 に 義務付ける 「 育児 ・ 介護 休業 法 」 案 要綱 を 諮問 した 。 今月 下旬 に 答申 を 受け 、 来月 上旬 に も 通常 国会 に 育児 休業 法 改正 案 と して 提出 する 。 成立 すれば 、 一九九九 年度 から 制度 導入 が 義務付け られる 。 介護 休業 の 対象 者 に ついて 、 労働 省令 で 定める 父母 および 子 と 同様の 関係 に ある 肉親 に ついて 認める と して おり 、 同居 の 祖父母 や 兄弟 まで 範囲 は 広げ られる 見通し 。 介護 休業 を 申請 し ない 場合 も 、 勤務 時間 の 短縮 など を 連続 して 三 カ月 要求 する 制度 を 就業 規則 に 入れる こと を 義務付けて いる 。 介護 休業 制度 は 、 昨年 九 月 から 国家 公務 員 に も ほぼ 同じ 内容 で 実施 さ れて いる が 、 導入 さ れて い ない 現業 四 分野 の 国家 公務 員 と 地方 公務 員 に も 九九 年度 から 適用 さ れる 。 一方 、 介護 休業 制度 を 導入 する 事業 主 へ の 奨励 金 支給 など 国 や 地方 公共 団体 など の 支援 措置 は 、 今年 十 月 から 施行 する 。 1 、 一九九九 年度 から 介護 休業 を 認める こと は 事業 主 の 義務 2 、 対象 範囲 は 配偶 者 、 父母 および 子 、 配偶 者 の 父母 および 労働 省令 で 定める 人 3 、 取得 できる 期間 は 連続 する 三 カ月 、 回数 は 対象 と なる 家族 一 人 に つき 一 回 4 、 介護 休業 を 申請 し ない 労働 者 の ため に 、 連続 する 三 カ月 の 勤務 時間 短縮 制度 を 就業 規則 に 盛り込む 5 、 介護 休業 制度 を 導入 する 事業 主 へ の 奨励 金 支給 など 国 、 地方 公共 団体 など の 支援 措置 など に ついて は 今年 十 月 から 実施 クリストファー 米 国務 長官 は 十 日 、 河野 洋平 副 総理 ・ 外 相 と の 会談 の 冒頭 、 記者 団 に 対し 、 日 米 自動車 協議 で 「 早期 合意 」 の 必要 性 を 強調 、 日本 側 に 迅速な 市場 開放 措置 を 求めた 。 同 長官 は 「 日 米 包括 経済 協議 で 多く の 合意 に 達した が 、 一段 の 進展 が 必要だ 。 今月 下旬 再開 さ れる 自動車 協議 は 重要で 早期 合意 を 期待 して いる 」 と 述べた 。 河野 洋平 副 総理 ・ 外 相 は 十 日 夕 米 国務 省 で クリストファー 国務 長官 と 会談 した 。 太平洋 戦争 終結 五十 年 の 行事 に ついて 河野 外 相 は 「 感情 的に なら ず 、 理性 的に 対処 す べきだ 」 と 指摘 。 クリストファー 長官 も 「 日 米 が 協調 して 五十 年 の 年 を 過ごす こと が 重要だ 」 と 述べ 、 太平洋 戦争 の 記念 行事 が 両 国 の 国民 感情 に しこり を 残さ ない よう 慎重に 対応 する こと を 確認 した 。 五十 年 問題 に 関連 し 河野 外 相 は 、 日 米 関係 強化 の ため 米国 から の 留学 生 受け入れ 拡大 を 表明 。 クリストファー 長官 も 実現 を 求めた 。 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 の 軽水 炉 転換 問題 で 、 二 月 中 に 朝鮮 エネルギー 開発 機関 の 設置 を めざし 協力 する こと を 確認 。 外 相 は 「 日 米 は 同じ 船 に 乗って いる 」 と 述べ 、 応分の 協力 を 行う 意向 を 示した 。 クリストファー 長官 は 、 核 拡散 防止 条約 の 無 期限 延長 、 中東 開発 銀行 の 設置 でも 日本 の 支援 を 要請 した 。 チェチェン 共和 国 へ の ロシア 軍 の 進攻 問題 で は 、 河野 外 相 が 「 改革 派 が エリツィン 大統領 を 批判 する 状況 は 憂慮 す べきだ 」 と 指摘 。 クリストファー 長官 は 「 少数 民族 の 人権 、 自由 を 守ら なければ なら ない 」 と 述べ 、 強い 調子 で ロシア 側 に 自重 を 求めた 。 進攻 は 少数 民族 へ の 人権 侵害 と の 認識 を 強調 した もの で 、 「 国境 は 外 から の 力 で 変えて は なら ない 。 早く 停戦 が 実現 する こと を 望む 」 と 指摘 した 。 河野 外 相 は ハイチ の 民主 化 支援 の ため 一千万 ドル の 資金 拠出 を 約束 した 。 外貨 不足 へ の 対応 など の ため の 資金 。 五十嵐 広三 官房 長官 は 十一 日 午前 の 記者 会見 で 、 中国 の 李 鵬 首相 が 村山 富市 首相 の 訪 中 を 招請 した こと に ついて 「 三 月 十九 日 から 二十一 日 の 間 の 連休 か 、 五 月 連休 に なる の か 調整 して いき たい 」 と 述べ 、 実現 さ せる 方針 で 調整 を 進める 考え を 示した 。 新 首相 が 誕生 する と 「 この 食べ物 は 嫌い 」 「 塩分 は 控えめに 」 と いった 注文 が 、 首相 秘書 官 や 首相 夫人 から 首相 官邸 調理 室 に 伝え られる 。 「 ウエート コントロール さ せ たい から 、 あまり 肉 を 出さ ないで 。 出れば 食べちゃ い ます から 」 と 指示 さ れた こと も あった 。 村山 富市 首相 は 「 好き嫌い は ない ので 調理 室 に お 任せ 」 と 古田 肇 秘書 官 。 出さ れた もの は 残さ ず 食べる 。 配ぜん 担当 の ボーイ に 「 食べて いい です か 」 と 声 を 掛け 、 「 ごちそうさま 」 と はし を 置く 。 「 普通の 人 と 全く 変わら ない 。 かえって 新鮮 、 と ボーイ が 感心 して いた 」 と 渡辺 政豊 ・ 官邸 調理 室長 は いう 。 こんな ところ に も トン ちゃん らし さ が にじみ出る 。 羽田 孜 前 首相 も 、 出さ れた もの は 何でも 食べた 。 注文 を つけた の は 一 度 だけ 。 国会 答弁 の ため 、 終日 、 座って いた 日 の 昼食 に ステーキ が 出た 。 「 国会 が 終わって から 『 腹 が もた れる 』 と 言う ので 、 調理 室 に 『 ステーキ だけ は やめて くれ 』 と 言った こと が ある 」 と 北沢 英男 秘書 は 思い出す 。 細川 護煕 元 首相 は 「 焼き魚 が 好き 」 。 だが 「 嫌いな もの は なく 、 出さ れた もの を 食べる 」 と 勝見 圭 太 秘書 。 三 時 の おやつ に は ケーキ 、 果物 、 紅茶 を 楽しんだ 。 体格 の いい 武村 正義 元 官房 長官 は 大食 漢 。 ご飯 を 大盛り に したり 、 好物 の ラーメン を 特別に 付けたり した 。 イタリア で 生活 して いる と 、 絶えず 「 文化 と は 一体 何 だろう 」 と いう 思い が つきまとう 。 北 イタリア の アドリア 海沿 岸 の 町 ラベンナ に 入った 時 の こと である 。 突然 、 「 ラベンナ の 宝石 」 と いう 曲 の 名前 を 思い出した 。 モーツァルト か ショパン だった か 、 だれ の 作品 だった の か 全く 記憶 に なかった が 、 その 旋律 の あまりに も 悲しく 美しい 運び が 印象 に 残って いた 。 ラベンナ は 、 今 は 外見 的に は 何の 変哲 も ない 静かな 町 だ が 、 かつて は 西 ローマ 帝国 の 首都 、 続いて ビザンチン帝国 の イタリア 行政 区 の 首都 だった ところ だ 。 この 町 に ある ガッラ ・ プラチーディア の 廟 に 入った 。 西 ローマ 帝国 最後 の 皇帝 の 娘 が 五 世紀 に 、 自ら を 祭る ため に 作った ビザンチン美術 の 最高 傑作 の 一 つ と いわ れて いる 。 廟 の 外見 は 赤茶けた 簡素な レンガ 造り だ が 、 中 に 入って 思わず 目 を 疑った 。 円 天井 から 四方 の 壁 を 覆い つくす モザイク 壁画 の 息 を のむ ほど の 美し さ 。 円 天井 は 深い 青 を 地 に 金色 の 石片 を ちりばめ 、 それ こそ 満天 の 星空 を 思わ せる 。 中 に いる と 、 小さな 窓 から 入って くる 柔らかい 光線 で 夢 の ような 世界 が 広がる 。 ラベンナ に は このような 見事な モザイク 壁画 を 施した 教会 建築 が 幾 つ も ある 。 モザイク 美術 で は ヨーロッパ 最高 の 美し さ と いう 人 も いる くらい で 、 確かに その 美し さ は 「 宝石 」 と いう 名 に ふさわしい 。 建築 物 外部 が おしなべて 簡素な の は 、 内部 の 精神 世界 の 輝き を より 強調 する ため だろう 。 むしろ 東洋 の 香り が ラベンナ に 息づいて いる ような 感じ すら する 。 イタリア の 文化 を 語る 時 すぐ 口 に 出て くる 都市 は ローマ であり 、 フィレンツェ であり 、 ベネチア かも 知れ ない 。 しかし 、 ラベンナ の ような 地方 の 中小 都市 が それぞれ の 風土 に 芽生えた 独自の 文化 を 受け継ぎ 、 大切に 後世 に 伝えよう と して いる エネルギー に は よく 驚か さ れる 。 そして 、 それぞれ の 文化 が 決して 「 絶対 」 と いう こと は 主張 せ ず 、 お互い の 「 違い 」 を 尊重 し 合って いる 。 「 ラベンナ の 宝石 」 の あの 美しい 旋律 は 、 文化 に 対する 処し 方 を 我々 に 教えて くれる 。 日本 の テレビアニメ は 、 テレビ ゲーム と 並んで 世界 に 広く 浸透 した 「 日本 文化 」 だ と 言わ れる 。 ただし 、 海外 で 受けた 作品 は もっぱら ロボット や 動物 もの 。 日本 そのもの が 舞台 と なる ような 作品 に は これ まで 抵抗 が あった が 、 最近 に なって 「 日本 色 の 強い 作品 」 も 受け入れ られ 始めた 。 「 フランダース の 犬 」 など 一九七〇 年 代 から 名作 もの を 輸出 して きた 日本 アニメーション は 、 現在 「 ちび まる子 ちゃん 」 を 売り出す ため 、 カナダ の 子供 を 対象 に モニター 調査 を して いる 。 「 日本 の 子供 と ほとんど 同じ 笑い や 反応 が 見 られた 」 と 国際 部 の 黒須 正雄 さん 。 「 日本 的な 作品 が 売れ なかった の は 、 ディズニー に 染まった 各国 プロデューサー に 抵抗 感 が あった せい だ 。 実際 、 子供 の 視聴 者 は 柔軟で 先入観 も ない から 、 日本 的な もの が 広がる 余地 は 十分 ある 」 と みる 。 恋愛 コメディー 「 めぞん 一刻 」 が 大 ヒット した フランス で は 、 さらに 男 が 弱い 現代 日本 の 家庭 が 描か れる 「 ツヨシ しっかり し なさい 」 の 放映 が 決まった 。 輸出 元 フジエイト の 園部 幸夫 さん は 「 ビデオ 販売 で は 、 日本 で しか 売れ ない と 言わ れ 続けた 『 オタク もの 』 が 世界中 に 広がって いる 。 何 が 売れる か 一概に は 言え ない 時代 、 日本 色 は ダメ と いう 先入観 は 薄まり つつ ある 」 と いう 。 日本 の 子供 番組 、 アニメ の 輸出 が 始まった の は 七〇 年 代 前半 。 今では 人気 作品 の 大半 は 海外 に 流れる が 、 その 主流 は 圧倒 的に “ 無 国籍 もの ” 。 七十 作品 以上 を 輸出 して きた 東映 動画 国際 部 に よる と 「 動物 が 主人公 の 『 メープルタウン 物語 』 や 『 ドラゴンボール Z 』 など は よく 出る が 、 日本 色 の 強い 作品 は 難しい 。 せいぜい 日本 語 の 看板 や お はし を 使う 場面 が 時々 出て くる 『 セーラームーン 』 程度 」 と いう 。 米国 で は 日本 人 の 顔 だけ でも 抵抗 が ある 。 ゲームキャラクター が 主人公 の 「 メガマン 」 で は 「 主人公 の 顔 は 白人 風 に 変わった 」 と 輸出 元 の 「 カプコン 」 は いう 。 大 人気 の 「 パワーレンジャーズ 」 も 米 俳優 が 代演 して いる 。 「 ちび まる子 ちゃん 」 が 放映 さ れたら 反応 は どう か 、 気 に なる ところ だ 。 子供 の ころ の テレビ 番組 は いつまでも 心 に 残る 。 メキシコ 大使 館 の ギジェルモ ・ エギアルテ 公使 は 今 でも メキシコ に 帰る たび に 友人 に こう 聞か れる 。 「 ところで 、 コメット さん は 元気だった ? 」 三十 代 の メキシコ 人 が 日本 と 聞いて まず 思い浮かべる の は クロサワ でも ミシマ で も ない 。 メキシコ の 大学 講師 の オスカル ・ アルバレス さん は 「 再 放送 を 四 回 は 見た 。 主人公 の タケシ と コージ が 持って る おもちゃ や 優しい 両親 が うらやましくて さ 、 二 段 重ね の ベッド に も あこがれた し ね 」 と 懐かし そうに 語る 。 メキシコ の ほとんど の 子供 が この 番組 に 夢中に なった 。 エギアルテ 公使 は 「 当時 、 日本 に ついて は 忍者 と 芸者 が 空手 を して いる と いった 認識 しか なかった 。 あの 番組 を 見て 『 日本 人 も 普通の 人間 な んだ 』 と 知った 人 は 多い 」 と いう 。 日本 作品 の 受け入れ られ 方 は 地域 に より 大きく 異なる 。 スペイン 、 フランス 、 イタリア など 欧州 ラテン 圏 で は 、 七〇 年 代 から 日本 の 作品 が ゴールデンタイム に 流さ れ 、 常に 人気 の 上位 に 食い込む が 、 同じ 欧州 でも 英国 、 ドイツ 、 北欧 圏 で は ほとんど 放映 さ れ ない 。 「 マンガ の 国 ニッポン 」 を 著した ドイツ 人 美学 者 、 ジャクリーヌ ・ ベルント さん は 「 農耕 社会 が 近代 まで 残って いた ラテン 圏 は 日本 と 同じく 図像 文化 が 発達 した が 、 言語 文化 が 中心 の アングロ 、 ゲルマン 圏 は そもそも 漫画 、 アニメ に 抵抗 が ある 。 個人 主義 の ドイツ や 英国 は 、 南欧 に 比べ 家族 関係 は 冷めて いる ので 、 感傷 的な 日本 の ファミリー もの は 国民 性 に 合わ ない 」 と 語る 。 日本 ・ スペイン 二 カ国 語 雑誌 「 ディアロゴス 」 の フェデリコ ・ サンチョ 編集 長 も 似た 意見 だ 。 「 ラテン 圏 の メンタリティー は 日本 と よく 似て いる 。 家族 や 隣 近所 と の 付き合い 、 一応 威厳 を 保つ 父親 と いった 共通 点 も 多く 、 日本 の 笑い や ジョーク が 違和感 なく 受け入れ られ やすい 」 と みて いる 。 交通 費 5,870 円 昼食 かに すき 用 の カニ = 8,750 円 さい銭 、 おみくじ = 神戸 「 住吉 神社 」 200 円 ワインオープナー = 神戸 「 アラックス 」 1,500 円 交通 費 440 円 さい銭 、 おみくじ 交通 費 210 円 紅茶 = 同 「 キリンシティ 」 500 円 ココア おみやげ 交通 費 13,170 円 夕食 交通 費 290 円 交通 費 150 円 馬券 交通 費 320 円 新 年会 年賀 状 病院 代 = 「 鵜の木 診療 所 」 300 円 食事 は 寮母 さん に 作って もらう 》 銭湯 = 沼部 「 花 の 湯 」 350 円 6 日 から 3 日間 で 体重 が 3キロ 減った 》 11 月 に 香港 で 買い物 を した 引き落とし が ある ため 、 今週 は あまり 使わ ない ように した けれど …… 。 合計 45,385 円 国際 原子 力 機関 報道 官 は 十 日 、 「 イラン が 核 兵器 を 製造 して いる と いう 証拠 は ない 」 と 言明 した 。 ペリー 米 国防 長官 と ラビン ・ イスラエル 首相 が 九 日 、 「 イラン は 七 日 から 十五 日間 で 核 兵器 を 製造 できる 」 と 述べた こと に ついて 、 毎日新聞 に 答えた 。 同 報道 官 は 「 イラン は 三 カ月 おき の 核 査察 を 実施 して おり 、 核 拡散 防止 条約 を 順守 して いる 」 と 強調 した 。 インドネシア 政府 は この ほど 、 各 企業 経営 者 に 「 わいろ を 使う な 」 と 呼びかけた 。 政府 は 労働 者 の 基準 最低 賃金 の 引き上げ を 発表 、 各 企業 経営 者 に 「 最低 賃金 順守 」 を 指導 して いる が 、 “ わいろ ” の 負担 が 大きく 賃上げ すら でき ない と いう 企業 側 の 実態 が 浮き彫り に なった ため だ 。 アブドル ・ ラティフ 労 相 は 「 ビジネスマン は 官庁 職員 の わいろ 要求 を 断固 拒否 する 勇気 を 持ち 、 支出 の 無駄 を 省いて ほしい 。 そう すれば 労働 者 に 払う 賃金 が 上がる だろう 」 と 経営 者 ら に わいろ 拒否 を 訴えた 。 インドネシア で は 昨年 、 九十六 人 が 最低 賃金 支払い 違反 で 裁判 に かけ られて おり 、 百 人 以上 の 役人 が 収賄 など の 容疑 で 罰せ られて いる 。 コズイレフ ・ ロシア 外 相 は 十 日 、 欧州 連合 現 議長 国 フランス の ジュペ 外 相 と の 電話 会談 で 、 チェチェン 情勢 の 全欧 安保 協力 機構 に よる 和平 調停 に 協力 する 姿勢 を 明らかに した 。 仏 外 相 は EU の 対 ロシア 経済 協力 協定 凍結 の 動き は 時期尚早 と 語った 。 ウルジー 米 中央 情報局 長官 は 十 日 、 上院 情報 委員 会 で ロシア の エリツィン 政権 の 命運 に 対する チェチェン 紛争 の 影響 に ついて 証言 し 、 「 民主 派 が 勝つ か 保守 派 が 勝つ か の 問題 だけ で なく 、 政権 が 不幸な 混乱 に 陥る 可能 性 が ある 」 と 、 第 三 の 危険に ついて 警告 した 。 チェルノムイルジン ・ ロシア 首相 は 十 日 、 モスクワ 在住 の チェチェン 人 代表 と 会談 、 チェチェン 共和国 情勢 に 関し 戦闘 行為 の 終結 、 紛争 の 政治 的 解決 の 重要 性 を 訴える と ともに 、 問題 解決 に 向け 特別 グループ を 内閣 に 設置 した こと を 明らかに した 。 チェチェン 人 代表 は ドゥダエフ 同 共和 国 大統領 と エリツィン 大統領 に よる 首脳 会談 で 紛争 解決 を 図る よう 要求 した 。 国連 難民 高等 弁務 官 事務 所 は 十 日 、 ロシア の チェチェン 共和 国 に 向かう 専門 家 十 人 が 三 日間 に わたって モスクワ の 空港 で 足止め 状態 に なって いる こと を 明らかに した 。 チェチェン 共和 国 の 避難 民 救援 の 大幅な 遅れ に 国連 組織 の 不満 が 募って いる 。 メキシコ 南部 チアパス 州 で 十 日 、 武装 した 先住 民 ・ 農民 約 三百 人 が 警官 隊 と 衝突 し 、 先住 民 四 人 と 警察 の 正副 署長 ら 三 人 の 計 七 人 が 死亡 した 。 同 州 で 昨年 ほう起 した 武装 組織 サパティスタ 民族 解放 軍 と は 別 組織 と み られる が 、 緊張 が 高まって いる 。 先住 民 を 中心 と する 農民 は マチェテ や 棒 を 持って 同 州 チコムセロ 村 役場 を 占拠 した 。 警備 の 警官 隊 が 発砲 。 農民 側 も 副 署長 を 山刀 で 切り殺し 、 さらに 副 署長 の 銃 を 奪って 署長 を 射殺 した 。 警官 隊 は 逃走 し 、 占拠 は 同日 夜 も 続いて いる 。 州 当局 は 警察 の 発砲 は 空 に 向けた 威嚇 だった と 発表 した 。 4 月 9 日 の ペルー 大統領 選挙 と 同時に 実施 さ れる 国会 議員 選挙 の 立候補 届け出 が 9 日 締め切ら れ 、 同国 中央 選管 が 10 日 まとめた ところ に よる と 、 定数 120 議席 を めぐり 23 政党 から 計 2760 人 が 立候補 を 届け出た 。 フジモリ 大統領 と 別居 中 の スサーナ 夫人 も 名 を 連ねて いる 。 同 夫人 は 当初 、 大統領 選 へ の 出馬 を 目指した が 、 署名 簿 の 不備で 認め られ なかった 。 国連 教育 科学 文化 機関 は 十 日 、 一九九四 年 の ユネスコ 平和 賞 を カーター 元 米 大統領 と フアン ・ カルロス ・ スペイン 国王 の 二 人 に 贈る こと を 決めた 。 選考 委員 会 委員 長 の キッシンジャー 元 米 国務 長官 は 「 カーター 氏 は 世界 の さまざまな 地域 で の 平和 の 達成 に 貢献 。 フアン ・ カルロス 国王 は 危機 状況 に あった スペイン に おける 民主 化 の 推進 に 大きな 役割 を 果たした 」 と 説明 した 。 イタリア の スカルファロ 大統領 は 十 日 、 政治 危機 収拾 の 調停 を 再開 し 、 ベルルスコーニ 首相 と 会談 した 。 ベルルスコーニ 氏 は 依然 「 議会 解散 ― 総 選挙 」 を 強硬に 主張 し 、 調停 は 難航 して いる 。 大統領 は 十二 日 に も 暫定 政権 の 首相 を 指名 し 議会 に 承認 を 求める 考え だ が 、 場合 に よって は 政権 不在 が さらに 長期 化 する 懸念 も 出て いる 。 スカルファロ 大統領 は 風邪 で 調停 を 中止 する 前 から 「 議会 の 大勢 は 総 選挙 に 反対 して いる 。 議会 の 意思 は 尊重 し なければ なら ない 」 と して 、 暫定 政権 発足 を 目指して いた 。 しかし 、 十 日 の 会談 でも ベルルスコーニ 首相 は 、 「 総 選挙 で 国民 から 負託 さ れた 現 政権 が 崩壊 した 以上 、 総 選挙 で 国民 の 意思 を 改めて 確認 する の が 民主 主義 の 原則 」 と いう 考え を 強く 主張 した 。 さらに 、 ベルルスコーニ 氏 が 率いる 「 フォルツァ ・ イタリア 」 や 「 国民 同盟 」 など の 与党 代表 は 「 総 選挙 あるいは 総 選挙 を 前提 に した 暫定 政権 で 、 その 場合 の 首相 は ベルルスコーニ 氏 が 続投 する こと 」 と 大統領 に 要望 した 。 結局 、 この 日 の 調停 で は 暫定 政権 発足 に 向けた 前進 は なかった 。 スカルファロ 大統領 は 十一 日 、 残り の 政党 代表 と 協議 し 、 調停 を 同日 中 に は 終え 、 十二 日 午後 に も 暫定 政権 の 首相 指名 を 行う 考え だ 。 しかし 、 ベルルスコーニ 与党 側 は 十 日 、 大統領 が 暫定 政権 発足 を 図る 場合 は 、 暫定 政権 に 反対 して いる 一部 野党 と 協力 し 、 議会 で 反対 投票 に まわる こと を 明らかに する など 、 暫定 政権 絶対 反対 を 鮮明に した 。 米 上院 本 会議 は 十 日 、 ルービン 大統領 補佐 官 の 財務 長官 指名 を 全会 一致 で 承認 した 。 昨年 十二 月 に 辞任 した ベンツェン 前 財務 長官 の 後任 と なる 。 十一 日 に 宣誓 式 を 経て 財務 長官 に 就任 する 。 ルービン 氏 は 十 日 、 上院 財政 委員 会 で 開か れた 指名 承認 の ため の 公聴会 で 、 共和党 議会 と 協力 して 大統領 の 経済 計画 を 実現 して いく 方針 を 示した 。 共和党 は 保守 色 の 濃い 法案 を 次々 に 提示 して おり 政府 の 経済 政策 の スポークスマン と して の 責任 は 重い 。 クリントン 米 大統領 を 取り巻く ホワイトウォーター 疑惑 で スター 特別 検察 官 は 、 一昨年 七 月 に ワシントン 郊外 で 遺体 で 発見 さ れた ホワイトハウス の ビンセント ・ フォスター 副 法律 顧問 の 死因 や 関係 書類 の 処理 を めぐって 再 捜査 に 乗り出し 、 十 日 、 公園 警察 関係 者 ら を ワシントン の 連邦 大 陪審 に 召喚 した 。 フォスター 氏 の 死 に ついて は 前任 の フィスク 特別 検察 官 が 「 自殺 」 と の 結論 を 出して いる 。 児童 文学 者 協会 会員 の 大町 正 さん = 写真 、 東京 都 杉並 区 = が 「 子ども が おりなす 胸 に ジーンと くる 話 」 を 出版 。 子供 を めぐる 暗い 世相 に 一 灯 を ともして いる 。 大町 さん は 都 内 など で 三十五 年間 、 小 ・ 中学校 の 教員 生活 。 本 は その 中 でも 忘れ られ ない エピソード を 紹介 して いる 。 ある 年 、 受け持った 学級 で 作文 を 書か せたら 、 一 人 の 女の子 が 「 クラスメート から 無視 さ れて いる 。 死に たい 」 と つづった 。 学級 会 で 、 クラスメート たち は 「 鈍重な 子 と 思って いた けれど 、 物事 を 慎重に 進める ところ が 長所 な んだ 」 と わかり 仲良し に 。 「 その後 に 書いた 作文 で その 女の子 は 『 私 の 心 は 長 さ 一 センチ に 縮んで いた けれど 今 は 一 メートル に も 広がった 』 と 喜び を 。 このような 子供 の 輝き も ある んだ と いう こと を 、 世に 伝え たかった 」 と 、 大町 さん は 話す 。 「 たかが 果物 され ど 果物 」 「 美味しい もの は 美しい 」 を テーマ に 、 東京 ・ 新宿 の 高野 ビル 4 F コニカ フォトギャラリー で 十四 日 から 二十 日 まで 開く 写真 展 「 創作 くだもの 料理 」 。 二十五 年 前 、 知り合った 写真 家 の 佐藤 洋一 さん と 料理 研究 家 の 家中 あい さん が “ 食 の 美 を 追求 する 立場 ” に 意気 投合 。 以来 、 家中 さん の 創作 料理 の 数々 を 佐藤 さん が 写真 に 撮って きた 。 今回 は 「 おいしい 果物 に 出合った 時 の 幸福 感 に は 格別な もの が ある 」 と いう 家中 さん が 、 いろいろな 果物 を 生 で かじったり 、 煮たり 、 焼いたり 、 凍ら せたり 、 ジュース に したり した の を 、 佐藤 さん が アングル や ライティング 、 素材 の 組み合わせ 、 盛り付け に 工夫 して 美しい 写真 に 仕上げた 。 佐藤 さん は 「 ありきたりな 料理 写真 で は なく 、 絵本 的な 楽し さ に 出来た と 思う 」 と いう 。 ネーミング も 「 氷上 の ゴンドラ 」 「 沈む 夕日 」 など 夢 が あって 楽しい 。 入場 無料 。 ▼ 一九三五 年 に 地上 三 階 、 地下 一 階 の 劇場 に 新装 改築 した もの の 四五 年 三 月 の 大 空襲 で ほとんど 焼失 し ました ね 。 − − 残った の は 劇場 の 玄関 と 楽屋 、 別館 食堂 の 一部 と いった ありさま でした 。 戦後 の 復興 は 国 内 の どの 分野 でも 大変だった でしょう が ね 。 祖父 の 後 を 継いだ 父 栄一 ら が それ こそ 役所 など に 日参 して 四七 年 、 地下 一 階 、 地上 三 階 の 鉄筋コンクリート造り の 劇場 が 完成 し ました 。 十 月 五 日 に こけら落とし の 興行 を して い ます 。 東西 で 戦災 に 遭った 大 劇場 の 復興 は 大阪 ・ 中座 が 四八 年 一 月 、 新 橋 演舞 場 が 三 月 、 明治 座 が 五〇 年 十一 月 、 東京 歌舞伎 座 が 五一 年 一 月 です から 全国 的に も 御園 座 が 一 番 早く 復興 した わけです 。 ▼ 六一 年 に は 奈落 付近 から 出火 して 舞台 を 中心 に 焼け落ち 、 また 、 建て直し …… 。 − − 火災 の 翌日 、 二 月 二十八 日 が 定時 株主 総会 で 、 すぐ 再建 動議 が で ました 。 地上 八 階 、 地下 二 階 、 鉄筋コンクリート の 御園 会館 が 出来た の は 六三 年 八 月 三十一 日 でした 。 ハンブルク の ミュージックホール の 形式 を 採用 した ソフトな 座り 心地 の スーパーシート 、 舞台 両わき の 大臣 柱 など 不要の 時 は 全部 つり上げ 、 広く 舞台 全面 が 活用 でき 、 花道 を 使わ ない 時 は 油圧 沈降 式 で 客席 に なる スーパーステージ 、 劇場 左右 に 出入り口 が あり 、 通路 に 段差 が なく フラットに した スーパー サービス 、 この 三 つ が 自慢 でした 。 回り 舞台 、 舞台 照明 、 音響 装置 も 工夫 して い ます 。 楽屋 など 後 に 国立 劇場 が モデル に した と 聞いて い ます 。 客席 、 舞台 、 舞台 裏 が それぞれ 三 分 の 一 に 配分 さ れ 、 日本 の 小屋 の 基本 に なって いる 。 なかなか 出来 ない こと です が 。 ▼ 併設 した ボウリング 場 も 東海 地方 で は 初めて だった と か 。 − − 東京 や 大阪 に は あった のです が 、 名古屋 で は 「 うまく いく か な 。 危ない 」 と 二の足 を 踏んで いた んです 。 で 、 造って みる と 大 繁盛 で あちこち に 出来て 、 今度 は 造り 過ぎて 共倒れ に なった 。 また 、 食堂 街 や 貸 事務 所 も 造って 経営 の 安定 を 図ったり し ました 。 芝居 だけ で なく 、 先 へ 先 へ の 考え は ずっと あった ようです 。 新 国劇 の 沢田 正二郎 さん が 「 大衆 より 一 歩 前 に 出て は いか ん 。 半 歩 前 に 出て 楽しんで もらう 」 と 言って い ました が 、 常に 先取 の 精神 を 忘れ ない んです ね 。 経営 に も すごく あてはまる こと です 。 父 から は 歴史 を 知って 、 そこ から いい もの を 自分 で 作れ と 「 温故 知新 」 を 教え られ ました 。 半 歩 前進 が やっと 見えて きた ところ です 。 ヒト の フェロモン 入り の 香水 が 、 日本 でも 売り出さ れて いる 。 開発 した の は 米 ユタ 大学 など の 研究 者 。 ヒト の 皮膚 の 培養 細胞 から フェロモン を 抽出 し 、 人工 合成 した 。 男性 用 香水 に は 女性 フェロモン 、 女性 用 に は 男性 フェロモン が 入って いる と いう 。 早速 、 輸入 元 の テクノロジー ・ インター リンク ・ マネジメント 社 に 聞いて みた 。 「 身 に つける と 、 つねに 異性 に 囲ま れて いる ような ホンワカ 気分 、 ストレス から の 解放 感 、 自信 に 満ちた 気分 に なり ます 」 。 でも 「 媚薬 と か 、 ほれ 薬 と は 違い ます よ 」 と キッパリ 言わ れた 。 フェロモン は 、 昆虫 から ほ乳 類 まで の いろいろな 動物 が 、 仲間 に 情報 を 伝える ため に 体 外 に 分泌 する 化学 物質 だ 。 自分 の 体 内 で 分泌 、 作用 する ホルモン と は 違う 。 カイコガ の 雌 が 雄 を 誘引 する 時 に 出す 物質 ボンビコール は 、 とくに 雌雄 間 に 働く 性 フェロモン と して 有名だ 。 フェロモン に は 臭覚 で 感じる ような におい は なく 、 ほ乳 類 の 場合 は 鼻 の 中 の 鋤 鼻 器官 で 無意識 の うち に 感知 する 。 ヒト の 鋤 鼻 器官 は 痕跡 だけ と 考え られて いた が 、 最近 、 フェロモン の 受容 器官 と して 働いて いる こと が 分かって きた 。 ユタ 大 で 共同 研究 した 分子 バイオフォトニクス 研究 所 の 渡辺 昭彦 博士 は 、 「 ヒト の 鋤 鼻 器官 の 電極 反応 を 調べたら 、 確かに フェロモン だけ の 刺激 を 受けて いた 。 無意識 の うち に 自律 神経 系 に 作用 して 皮膚 の 電気 抵抗 も 変化 し 、 体 が ほてる 感じ に なった 」 と いう 。 ヒト の 場合 、 長 期間 、 異性 から 離れて いる と 精神 状態 が 不安定に なり 、 行動 も 粗暴に なったり する 。 異性 の におい に 非常に 敏感に なる 臭覚 異常 も 起きる と いわ れる 。 異性 の フェロモン が 、 ギスギス した 人間 社会 の 緩和 剤 と なる かも しれ ない 。 しかし 、 みんな が “ ホンワカ 人間 ” に なる の も 困りもの 。 魅惑 の 香水 に 引か れる の も また 、 人間 臭い ところ だ が …… 。 やや 旧聞 に なる が …… 。 昨年 大みそか の レコード 大賞 は 、 三十六 年 の 歴史 で 初めて 「 大賞 受賞 者 不在 」 の フィナーレ に なった 。 大賞 の ミスター ・ チルドレン が オーストラリア へ 出掛けて いた ため である 。 ただ 、 本人 たち が い なくて も 『 映像 』 は ある し 、 今回 は TBS スタジオ から の 放送 だった から “ 支障 ” は なかった が 、 大賞 の 対象 者 が い ない レコ大 は 初めて だ 。 しかし 、 一 年 の 総括 を する レコード 界 で 、 これ は 、 むしろ 本来 の 在り 方 で は ない か 。 テレビ 出演 の 有無 で 賞 の 行方 が 左右さ れる と 、 演歌 部門 が 重視 さ れ 、 レコ大 なら ぬ 「 演歌 大賞 」 に なって しまう 。 舞台 裏 を 披露 する と 「 出 られ ない もの に 大賞 を 与える の は 」 と いう 見方 も あった 。 その 一方 で 「 年度 賞 の 意味 で 、 ミスチル の 活躍 は 見逃せ ない 」 の 声 も あり 、 結果 は ミスチル 六 票 、 桑田 佳祐 、 藤 あや子 各 三 票 で 、 彼ら の 受賞 に なった 。 アルバム 大賞 に なった 桑田 も 、 公演 先 の 横浜 から の 中継 だった 。 数 年 前 、 米 ロサンゼルス で 、 グラミー 賞 の ステージ を 見た 。 レコ大 と ほぼ 同じ 歴史 を 持つ が 、 世界 的な 権威 を 持つ イベント だ 。 だが 、 この 時 「 ソング ・ オブ ・ ジ ・ イヤー 」 に 選ば れた 該当 者 は 「 ヨーロッパ 公演 中 」 と いう こと で 、 スタッフ だけ の 受賞 に なった 。 しかし 、 それ でも グラミー の 権威 は いささか も そこなわ れて は い なかった 。 音楽 番組 の 減少 と ともに 年 末 の 賞 レース も 少なく なった 。 “ 出来 レース ” と いわ れる こと も ある 。 だが 、 本来 の 『 賞 』 は 、 音楽 界 の 活性 剤 に なる こと も 確かだ 。 そうした 意味 で 、 昨年 の レコ大 は 、 エポック を つくった と みる 。 四 半 世紀 を 客船 乗組員 と して 過ごし 、 世界 六十 カ国 、 二百 余り の 港 に 寄港 した 現役 の チーフパーサー が 、 推理 小説 の 本 を 出した 。 商船 三井 客船 の 森岡 邦彦 さん で 、 本 の 名 は 「 航跡 の 果て に 」 。 五十 年 ぶり に マレーシア から 里帰り した 元 日本 兵 が 殺さ れる 。 事件 は 連続 殺人 に 発展 。 登場 人物 それぞれ の 戦前 、 戦後 の 重い 人生 模様 が 描き出さ れ 、 犯人 像 が 絞ら れて いく …… 。 学生 時代 から 文章 を 書く の が 好きで 、 船 関係 の 雑誌 に エッセー を 寄せる など して きた 。 二 年 前 、 勤務 の 合間 に 書き上げた の が 、 五百三十 枚 の この 小説 。 「 構想 が ヒラメイて すぐ に 書いて しまった 。 その後 、 推敲 を 重ね ました が …… 」 と 森岡 さん 。 船 の 専門 知識 が 随所 に 取り入れ られて いる の も 魅力 だ 。 アメリカ 南部 の 豪快で 泥臭い ロック の 影響 を 受け つつ 新 境地 を 開拓 して いる 。 代表 曲 の 数々 が 、 生き の いい バンド と の 熱く 気迫 あふれる 演奏 で よみがえる 本 作 は 、 94 年 の 全 米 ツアー の 記録 。 厳し さ と 優し さ と を 併せ持つ ジョン の 野太い ヴォーカル が 印象 的 。 私信 の ように 秘密 め いた 内容 を 変化 に 富む サウンド で ドラマティックに 歌いあげて いる 。 抑揚 の ある メロディー を 独特の 節回し で 歌う 彼 の 歌手 と して の 魅力 に 注目 。 ラップ を 聞く 10 代 の 子供 たち に とって の 隣 の 女の子 と いう コンセプト で 売り出し 成功 した 。 第 2 弾 も デビュー 作 と 同じ 路線 で 、 この 路線 は アメリカ の R&B シーン に おける メインストリーム だ 。 今 のり に のって いる ダラス ・ オウスティン ら の プロデュース で 重量 級 の ファンク を 縦横無尽に 操る 。 当時 の 熱気 あふれる プリンス の ファンク 魂 が 、 7 年 の 時代 を 越えて よみがえる 。 マイケル ・ ジャクソン の MJJ レーベル から の デビュー で バック ・ アップ 体制 も 万全だ 。 アリーヤ 、 R ・ ケリー など 勢い の ある アーティスト を 満載 。 松竹 百 年 の 初 芝居 。 大 顔合わせ の 座組 で 、 昼夜 に 人気 の 高い 江戸 狂言 を 並べて いる 。 例年 以上 に 華やかで 、 舞台 も 充実 して いる 。 昼 の 最初 は 「 曽我 対面 」 。 羽左衛門 の 工藤 が 座頭 らしい 風格 を 見せ 、 菊五郎 の 端正な 十郎 、 団十郎 の 力強い 五郎 、 宗十郎 の 古風な 舞鶴 、 以下 田之助 、 藤十郎 ら 役 ぞろい の 大舞台 だ 。 続く 「 勧進 帳 」 は 吉右衛門 の 弁慶 。 芝居 上手 らしく 「 判官 おん 手 を 」 あたり に 情 の 深 さ を 見せる が 、 半面 歌舞伎 十八 番 らしい 直線 的な 味わい は 乏しい 。 梅玉 の 富樫 は 風姿 、 せりふ と も 上々 、 雀右衛門 の 義経 に 品位 が ある 。 最後 は 「 白浪 五 人 男 」 。 「 浜松 屋 」 と 「 勢揃い 」 で 菊五郎 の 弁天 が 鮮やかで 、 羽左衛門 の 駄右衛門 、 団十郎 の 南郷 、 時蔵 の 赤星 、 左団次 の 忠信 以下 、 アンサンブル の とれた 舞台 だ 。 夜 の 最初 は 「 毛抜 」 で 猿之助 。 明るい 芸風 が 役 に 合って いる 。 菊五郎 、 権十郎 、 宗十郎 、 段四郎 、 彦三郎 ら が わき に 出演 、 それ が 舞台 の 厚み に なった 。 中幕 が 幸四郎 、 染五郎 の 「 連 獅子 」 で 、 実の 親子 である こと が 作品 の 内容 と 重なりあい 、 二 人 と も 格調 高く 踊って いる 。 最後 が 団十郎 の 「 助六 」 。 むきみ 隈 が ぴったりの 男 ぶり と おおらかな 芸風 が 生かさ れて 、 華やかで 大きい 。 雀右衛門 の 揚巻 が 立女形 の 風格 と 色気 を 見せ 、 左団次 の 意休 も 立派 。 宗十郎 、 幸四郎 、 勘九郎 、 松江 、 東蔵 、 染五郎 、 新之助 ら 新旧 の スター が そろい 、 祝祭 劇 らしい 楽しい 舞台 に なった 。 27 日 まで 。 東京 の 舞台 で 昨年 目立った の が ホモセクシュアル を 扱った 芝居 だった が 、 今年 も その 傾向 が 続き そうだ 。 その トップ を 切って 東京 ・ 渋谷 の パルコ 劇場 で 三十 日 まで 上演 中 な の が 、 ゲイ ・ コメディー と 銘打った 「 ジェフリー 」 。 映画 や テレビ で 人気 の 陣内 孝則 が 七 年 ぶり に 舞台 出演 、 主役 の ジェフリー を 演じる ほか 、 その 親友 に 小 劇場 の 名 女形 と して 定評 の ある 篠井 英介 、 「 恋人 」 の バーテン に 元 夢 の 遊眠社 の 若手 人気 俳優 、 羽場 裕一 ら 、 いかにも パルコ 好み の 配役 が 並んで いる 。 ニューヨーク に 住む 、 売れ ない 俳優 の ジェフリー は ゲイ である が 、 エイズ が 恐ろしくて セックス を やめよう と 決意 する 。 この ジェフリー を 巡って 、 笑い いっぱいに ニューヨーク の 性 状況 が 描か れ 、 オフ ・ ブロードウェイ で 大 ヒット 。 この 夏 に ハリウッド で 映画 化 さ れる 予定 だ そうだ 。 作者 の ラドニック は 、 映画 「 アダムス ・ ファミリー 」 シリーズ の 脚本 を 書いた 若手 人気 作家 。 今年 三十六 歳 。 演出 の シーマン は 、 現在 二十 代 後半 と いう 若 さ で 、 米国 の 「 ジェフリー 」 公演 で 演出 補 を 担当 、 将来 が 嘱望 さ れる 有望 株 だ 。 歯科 や 病院 を 開業 して いる 、 予備 校 生 の 父母 に 私立 の 医科 歯科 系 大学 へ の 裏口 入学 を 持ちかけて 多額の 現金 を だまし 取った と して 、 岐阜 県警 捜査 二 課 と 岐阜 中 署 は 十 日 、 神奈川 県 座間 市 ひばりケ丘 、 元 予備 校 経営 、 谷本 融 容疑 者 ら 四 人 を 詐欺 の 疑い で 逮捕 した 。 四 人 は 他の 生徒 九 人 に も 同様の 手口 で 裏口 入学 を 持ちかけて おり 、 同 課 は 被害 額 は 一億数千万 円 に 上る と みて いる 。 逮捕 さ れた の は 谷本 容疑 者 の ほか 、 福岡 市 早良 区 飯倉 、 予備 校 経営 、 中島 一美 ▽ 兵庫 県 芦屋 市 楠町 、 元 予備 校 理事 、 上田 竜己 ▽ 東京 都 品川 区 上大崎 、 自動車 販売 業 、 井上 巧 の 三 容疑 者 。 調べ で は 、 谷本 容疑 者 は 一九九三 年 五 月 上旬 ごろ 、 当時 経営 して いた 名古屋 市 東 区 泉 の 大学 受験 予備 校 「 名古屋 ゼミナール 」 に 通う 生徒 の 親 で 、 岐阜 県 内 の 医師 夫婦 を 呼び出し 、 東海 地方 の 私立 大 を 挙げ 、 「 理事 長 と 懇意な ので 口利き を して あげる 。 寄付 金 五百万 円 と 運動 費 三百万 円 で 合計 八百万 円 必要 。 返事 は 急いで 」 と 架空の 裏口 入学 を 持ちかけ 、 同月 下旬 、 校長 室 で 現金 八百万 円 を だまし 取った 。 さらに 十二 月 に も 手数 料 の 名目 で 現金 二百万 円 を だまし 取った 疑い 。 生徒 は この 大学 を 受験 した が 合格 し なかった 。 さらに 、 中島 容疑 者 ら は 翌 九四 年 四 月 中旬 、 金 を 返す ように 請求 して きた この 医師 夫婦 を 名古屋 市 内 の ホテル の 喫茶 店 に 呼び出し 、 「 いま の 相場 は 二千二百万 円 ぐらい 。 これ だけ 準備 すれば 昨年 の ような こと は なく 、 確実に 話 が 付け られる 。 どれ だけ でも よい から 用意 でき ない か 」 と 持ちかけ 、 数 日 後 に 愛知 県 西春日井 郡 の 名古屋 空港 ターミナルビル 内 で 現金 七百五十万 円 を だまし 取った うえ 、 下旬 に も 中島 容疑 者 の 銀行 口座 に 三百十万 円 を 振り込ま せた 疑い 。 インド洋 に ある オーストラリア 領 クリスマス 島 で 先週 、 日本 人 男性 二 人 が チョウ を 密猟 した と して 計 九千 豪 ドル の 罰金 刑 を 受けた こと が 、 十 日 まで に 明らかに なった 。 オーストラリア 自然 保護 局 に よる と 、 二 人 は 六 日 、 昆虫 や は虫類 など の 採取 が 禁止 さ れて いる クリスマス 島 の 自然 公園 内 で 、 チョウ を 採取 して いる ところ を 監視 員 に 発見 さ れ 、 身柄 を 拘束 さ れた 。 二 人 は 容疑 を 認め 、 即日 、 同 島 の 治安 裁判 所 で それぞれ 罰金 四千五百 ドル の 判決 を 受けた 。 十四 、 十五 の 両日 行わ れる 大学 入試 センター 試験 を 前 に 、 十一 日 午前 、 全国 四百七十四 の 試験 会場 と 、 東京 ・ 駒場 の 大学 入試 センター の 実施 本部 を 結ぶ 専用 電話 、 ファクス の 送受信 テスト が 行わ れた 。 出題 ミス や 雪 の 影響 で 試験 時間 を 遅らせる など の 緊急 連絡 や 、 試験 終了 の 報告 など に 使わ れる もの で 、 この 日 は 与謝野 馨 文 相 も 、 同 センター を 訪れ 、 送受信 テスト の 会場 など を 視察 した 。 テスト で は 同 センター と 各 会場 を 結ぶ 専用 電話 二百八十六 台 、 ファクス 五百七十五 台 に ついて 、 通話 状況 や 、 ファクス の 送受信 状況 など を チェック 。 試験 会場 と なる 国 公 私立 の 各 大学 長 に あてた 与謝野 文 相 名 の 激励 文 も 送信 さ れた 。 今年 の センター 試験 は 過去 最多 の 五十五万七千四百 人 が 出願 して いる 。 JR 西 日本 は 、 朝夕 の ラッシュ 時 に 、 電車 内 で の 不正 乗車 の チェック を 始めた 。 調べる 側 も 身動き が とれ ず 、 “ キセル を して も 安心 ” と 言わ れる 満員 電車 で の 特別 改札 は 、 国鉄 時代 も 含め 全国 で 初めて 。 同社 は この ため の 特別 部隊 を 編成 、 一度に 十 人 も の 係員 が 乗り込み 乗降 の 際 に できる 一瞬 の 空間 を 利用 して 乗客 に 声 を かける など 、 満員 電車 の 問題 点 を クリア する 方法 を 考案 した 。 昼間 と 同様 、 キセル に つながり そうな 切符 の 使い 方 が 見つかって おり 、 今後 も ラッシュ 時間 帯 の 抜き打ち 改札 を 続ける 。 JR 西 日本 管内 の 不正 乗車 は 、 昨年 三 月 まで の 半年 間 に 、 見つかった だけ で 千三百八十六 人 。 しかし 「 不正 乗車 に よる 損害 は 年 百億 ― 二百億 円 」 と も いわ れ 、 全体 像 を つかもう と 、 昨夏 から 昼間 を 中心 に 近畿 圏 の 電車 内 で 特別 改札 を 行い 、 さらに 「 乗客 の 多い ラッシュ 時間 帯 の 調査 が 不可欠 」 と して 、 鉄道 業界 で は 「 不可能 」 が 常識 だった ラッシュ 時 の 調査 に 踏み切った 。 乗り降り で 立ち 客 が 少なく なった すき を 見計らって 声 を かけ 、 「 混雑 で 身動き でき なく なったら 中止 」 など の 原則 も 決めた 。 最初の 特別 改札 は 昨年 十 月 、 東海道 線 の 京都 ― 大阪 駅 間 の 新 快速 ・ 快速 電車 を 対象 に 朝夕 各 三 時間 程度 実施 した 。 いずれ も 一 両 あたり 定員 を 大きく 超える 二百 人 前後 の 乗客 だった 。 係員 は 「 機動 改札 」 と 書いた オレンジ色 の 腕章 を して 、 乗客 一 人 ずつ に 声 を かけ 切符 を 確認 。 各 編成 ごと に 約 三 分 の 一 の 乗客 に ついて 調査 できた 。 その 結果 、 正規の 切符 以外 で 乗車 して いた 人 が 、 各 時間 帯 一 両 あたり 複数 おり 、 多い 編成 で は 一 両 に 五 、 六 人 に も 。 こうした 例 から 推定 する と “ キセル 乗車 ” が 一 編成 で 数十 人 いる 計算 に も なる 。 内訳 を みる と 、 下り で は 正規の 定期 券 で 乗車 した もの の 乗車 区間 を 乗り越して いる ケース が 目立ち 、 逆に 上り で は 最低 区間 切符 で 乗車 し 乗り越して いる ケース が 半数 以上 に 上って いた と いう 。 乗客 の 中 に は 文句 を 言う 人 も いた が 、 大半 は 他人 の 目 も あって か 、 快く 切符 を 示した と いう 。 私 は 彼 に 最後 の 別れ を 告げた ―― 昨年 十一 月 に アルツハイマー病 を 公表 した ロナルド ・ レーガン 米 元 大統領 の 病状 が さらに 進行 し 、 人物 認識 が ほぼ 不可能に なって いる こと を 、 同 大統領 の 伝記 を 執筆 中 の 作家 エドマンド ・ モリス 氏 が 雑誌 「 ニューヨーカー 」 最新 号 で 明らかに した 。 それ に よる と 、 モリス 氏 は 一九八五 年 から 元 大統領 の 伝記 取材 ・ 執筆 を 続けて いる 。 レーガン 氏 が モリス 氏 を 認識 でき なく なり 始めた の は 約 六 カ月 前 で 「 私 に も 、 もはや レーガン 氏 と は 思え ない 」 と いう 。 それ でも モリス 氏 は つい 最近 まで レーガン 氏 と 会い 、 伝記 の 取材 を 進めた が 「 存在 感 は 感じ られ なかった 」 と 記述 して いる 。 モリス 氏 が 執筆 中 の 伝記 は 来年 、 出版 さ れる 予定 。 中国 で は 旧正月 「 春節 」 の 連休 が 31 日 から 始まる 。 帰省 ラッシュ に よる 旅客 輸送 量 は 、 前年 より 6 % 増えて 、 延べ 13億 人 に なる 見通し 。 毎年 、 「 民 工 」 と 呼ば れる 農村 部 から 都市 部 へ の 出稼ぎ 労働 者 数千万 人 が 一斉に 里帰り して 、 各地 の 列車 は パンク 状態 と なる 。 昨年 2 月 、 湖南 省 で は 大 混乱 する 駅 で 乗客 が 将棋倒し に なり 、 50 人 以上 が 死亡 する 大 惨事 も 。 この ため 、 鉄道 省 で は 、 「 秩序 維持 」 が 今年 の 最 重要 任務 。 3 月 1 日 まで を 「 春節 輸送 期間 」 に 設定 して 、 列車 を 増便 する ほか 、 「 民 工 」 の 大 移動 に は 専用 の 列車 や バス を 運行 する 。 玄界灘 に 浮かぶ 福岡 県 新宮 町 の 相ノ島 に 、 古墳 時代 の 大規模な 積石塚 群 が ある こと が 十 日 まで に 同 町 教委 の 調査 で 分かった 。 これ まで に 百六十一 基 を 確認 、 二百 基 を 超す と み られる 。 町 教委 に よる と 、 積石塚 群 は 島 の 北東 部 の 海岸 線 に あり 、 幅 約 二十 メートル 、 長 さ 約 五百 メートル 。 塚 の 半分 は 円形 で 、 墳 丘 の 直径 は 約 三 ― 十七 メートル 。 発掘 調査 した 二 基 の うち 、 横穴 式 石室 から 、 五 世紀 ごろ の もの と み られる 鉄製 の 刀剣 一 本 と 鉄鏃 の 破片 など が 出土 した 。 発掘 を 担当 して いる 町立 歴史 資料 館 の 西田 大輔 さん は 「 島民 古来 の 墓 か 対岸 から 運んだ 遺体 を 埋葬 した こと など が 考え られる 」 と 話して いる 。 紳士 録 へ の 掲載 と 購読 を 求める ダイレクトメール を 送り 、 同封 の 申込 書 を 巧妙に 返送 さ せ 、 代金 を 請求 する 通信 販売 へ の 苦情 が 国民生活センター に 相次いで いる 。 申込 書 の 購読 継続 欄 に 線 を 引か せ 、 相手 に 断った つもり に さ せる 一方 で 、 購読 契約 に 同意 する 欄 が 併記 さ れて いる ため 、 結果 的に は 購読 希望 に なって しまう と いう 一種 の 錯覚 商法 。 高齢 の 大学 教授 、 会社 役員 ら 著名 人 が 対象 で 、 被害 は 三十七 都道府県 、 総額 二千万 円 を 超えて いる 。 同 センター に よる と 、 ダイレクトメール を 送って いる の は 東京 都 内 の 業者 。 実在 の 有名 シンクタンク 名 を 使って 信用 さ せて いる 。 業者 は 、 紳士 録 へ の 氏名 掲載 の 同意 と 購読 申し込み の 「 予約 確認 書 」 を 入れた ダイレクトメール を 送った 後 に 電話 を 入れ 、 契約 を 断る 場合 は 「 次回 以降 の 購読 継続 」 欄 の 「 致し ます 」 に 線 を 引いて 送り 返す よう 依頼 する 。 しかし 確認 書 に は 「 購読 を 申し入れ 、 個人 会員 に 入会 致し ます 」 と 書いた 別の 欄 が あり 、 これ に 気づか ず 返送 した 人 に は 請求 書 が 届き 、 業者 は 予約 確認 書 を たて に 購読 、 入会 料 計 二十八万 円 を 請求 。 購読 料 や 和解 料 と して 一 人 平均 十七万 円 支払って しまう と いう 。 苦情 は 昨年 一 月 から 寄せ られ 、 十一 月 まで に 百三十三 件 に 達した 。 大学 教授 や 会社 役員 、 シンクタンク 幹部 ら が 多く 、 五十 歳 以上 が 九 割 以上 を 占める 。 予約 確認 書 の 裏面 に は 「 購読 の 意思 が ない 場合 は 破棄 する ように 」 など と 書いて いる が 、 字 が 細かく 、 つい 読み 過ごす らしい 。 今 の ところ 「 紳士 録 が 送ら れて 来 ない 」 と の 苦情 は ない が 、 同 センター は 「 不審な 申込 書 は よく 読んで 簡単に 返送 し ない ように 」 と 注意 を 呼び掛けて いる 。 特定 郵便 局 から 約 一億一千七百万 円 分 の 収入 印紙 など を 取り込んだ と して 、 警視 庁 捜査 二 課 と 武蔵野 署 は 十一 日 、 東京 都 武蔵野 市 吉祥寺東 町 一 、 元 コンビニエンス 店 経営 、 松本 行正 容疑 者 を 詐欺 の 疑い で 逮捕 した 。 調べ で は 、 松本 容疑 者 は 一九九〇 年 二 月 に コンビニエンス 店 を 開き 、 同 市 の 吉祥寺南 町 郵便 局 から 印紙 類 を 購入 、 販売 して いた が 、 経営 不振 で 店 を 閉める 直前 の 昨年 十一 月 上旬 、 三 回 に わたり 、 収入 印紙 計 約 三千 枚 と 郵便 切手 計 約 二万五千 枚 を 同 郵便 局 から 小切手 で 購入 し 、 だまし 取った 疑い 。 松本 容疑 者 の 銀行 口座 に は 支払える 残高 は なく 、 小切手 は いずれ も 不渡り に なった 。 クリントン 政権 発足 直後 の 米 ホワイトハウス で 、 UPI 通信 の ヘレン ・ トーマス 記者 が 、 ステファノプロス 報道 官 に 激しい 言葉 を 浴びせる 現場 を 目 に して しまった 。 「 ここ は 、 メジャーリーグ な の よ 。 アーカンソー の マイナー リーグ の 記者 と は わけ が 違う の よ 」 ホワイトハウス で は 、 記者 会見 の 際 に は 必ず 最 年長の トーマス 記者 が 冒頭 に 質問 する の が 慣例 だった 。 ところが 、 クリントン 大統領 は 最初の 会見 から トーマス 記者 を 無視 し 、 他の 記者 に 質問 さ せた のだった 。 ステファノプロス 報道 官 は 、 取材 慣例 を 次々 変更 した 。 だが 、 記者 団 の 強い 反発 で 更迭 さ れた 。 クリントン 大統領 も 、 トーマス 記者 に 最初の 質問 を うながす ように なった 。 後任 の マイヤーズ 報道 官 も 、 ホワイトハウス 記者 団 の 信頼 を 獲得 でき ず 、 昨年 末 辞任 に 。 三十 歳 そこそこ の 二 人 に 、 百 戦 錬磨 の 記者 団 を 相手 に さ せた の が 間違い だった 。 新任 の マカリー 報道 官 と は 、 国務 省 報道 官 時代 に よく 顔 を 合わせた 。 国務 省 が いやがる 情報 も 、 隠さ なかった 。 クリストファー 国務 長官 の 不 人気 と 失敗 を 、 記者 団 と の 信頼 関係 で 補って いた 。 だが クリントン 大統領 の 人気 回復 に は 、 彼 の 手腕 を して も 、 遅 すぎる かも しれ ない 。 日本 向け の 高 レベル 放射 性 廃棄 物 の 海上 輸送 に 反対 する 日本 の 市民 グループ 代表 と パナマ の 環境 団体 メンバー ら 約 百 人 が 十 日 、 パナマ 市 の 日本 大使 館 前 で 抗議 デモ を 行った 。 廃棄 物 を 積んだ 輸送 船 は 二 月 に フランス を 出港 、 パナマ 運河 を 通過 する と いわ れ 、 地元 マスコミ で は 反対 運動 が 大きく 取り上げ られて いる 。 日本 から の 参加 者 は 被爆 者 の 沼田 鈴子 さん ら 「 プルトニウム ・ アクション 広島 」 の 三 人 と 米国 籍 で 京都 在住 の アイリーン ・ スミス さん 。 同 大使 館 に 輸送 停止 を 求める 要望 書 を 提出 した 後 、 地元 大学生 ら で 組織 する 「 核 物質 の 輸送 に 反対 する 国民 連合 」 = 代表 、 ミヤ ・ ロドリゲス さん = と ともに 同 大使 館 前 で 抗議 集会 を 開き 「 パナマ に 死 の 灰 は いら ない 」 など と 訴えた 。 輸送 さ れる 高 レベル 放射 性 廃棄 物 は 日本 の 原子 力 発電 所 の 使用 済み 核 燃料 を フランス で 再 処理 し 、 プルトニウム を 回収 した 後 に 出る 。 パナマ 紙 は 連日 一面に 情報 を 掲載 し 、 与党 国会 議員 も 反対 運動 に 乗り出して いる 。 十 日 午後 十一 時 ごろ 、 埼玉 県 蓮田 市 黒浜 、 畳 店 経営 、 大野 達雄 さん 方 一 階 から 出火 、 木造 二 階建て 住宅 一 棟 一九八 平方メートル を 全焼 し 、 西側 に 隣接 する 車庫 兼 作業 所 六六 平方メートル も 全焼 した 。 住宅 一 階 東側 の 居間 から 、 大野 さん の 両親 の 貞一 さん 、 あき さん 夫妻 と み られる 焼死 体 が 見つかった 。 岩槻 署 の 調べ で は 、 火 は 貞一 さん 夫妻 が 寝て いた 居間 から 出た らしい 。 隣 の 部屋 で テレビ を 見て いた 長女 が 気づき 、 家族 と ともに 二 人 を 助けよう と した が 火 の 回り が 早く 救い 出せ なかった 。 十一 日 早朝 、 東京 都 内 で 三 件 の 火事 が 相次ぎ 、 計 四 人 が 死亡 、 三 人 が 重 軽傷 を 負った 。 東京 で は 四 日 連続 で 乾燥 注意 報 が 出さ れて いる 。 午前 七 時 ごろ 、 墨田 区 横川 二 の 「 安田 アパート 」 から 出火 、 木造 二 階建て 延べ 一一二 平方メートル を 半焼 した 。 一 階 に 住む 無職 、 石黒 美佐子 さん と 、 二 階 の 同 、 田渕 民子 さん の 二 人 が 焼死 体 で 見つかり 、 ホテル 従業 員 、 小林 陽子 さん が のど に やけど 。 周辺 の 人 の 話 で は 、 焼死 した 二 人 は ともに 足 が 不自由で 、 歩く の が やっと だった と いう 。 また 、 午前 六 時 すぎ 、 江戸川 区 西瑞江 三 、 自転車 店 経営 、 野々山 精二 さん 方 から 出火 、 木造 二 階建て 店舗 兼 住宅 延べ 約 一五〇 平方メートル を 半焼 した 。 野々山 さん の 妻 順子 さん と 孫 の 山口 勝 ちゃん が 焼死 体 で 見つかった 。 小松川 署 の 調べ で は 、 野々山 さん 方 は 一 階 が 店舗 で 二 階 が 住居 。 順子 さん が 散歩 から 帰り 火事 に 気づいた が 、 二 階 に いた 勝 ちゃん を 助けよう と して 煙 に まか れた らしい 。 一方 、 午前 六 時 四十五 分 ごろ 、 葛飾 区 亀有 四 の 「 都営 亀有 四 丁目 アパート 」 二 号 棟 、 会社 員 、 吉田 栄二 さん 方 から 出火 、 天井 など を 焼いた 。 吉田 さん の 母 武子 さん が 煙 を 吸って 重体 、 おば の セン さん も のど に やけど 。 埼玉 県 内 の 愛犬 家 連続 失跡 事件 を 捜査 中 の 埼玉 ・ 群馬 両 県警 合同 捜査 本部 は 十一 日 まで に 、 埼玉 県 行田 市 の 会社 役員 、 川崎 明男 さん の 遺体 が 切断 さ れた 群馬 県 利根 郡 片品 村 の 犬 繁殖 場 の ふろ 場 と 排水溝 から 人骨 の 粉 を 押収 、 鑑定 を 急いで いる 。 埼玉 県 大里 郡 江南 町 板井 、 犬 猫 販売 業 、 関根 元 容疑 者 は 一昨年 に 失跡 した 主婦 ら 三 人 の 殺害 ・ 遺棄 も 自供 して おり 、 捜査 本部 は 骨粉 に 主婦 ら の もの が 含ま れて いる 可能 性 が ある と みて いる 。 捜査 本部 が 片品 村 の 山林 で 押収 した 人骨 は 焼損 が 激しく 、 人物 特定 は 困難だ が 、 ふろ 場 で 押収 した 骨粉 は 焼か れて い ない ため 、 血液型 鑑定 や DNA 鑑定 が 可能 と み られる 。 骨粉 は 関根 容疑 者 が 川崎 さん ら の 遺体 の 骨 を 包丁 など で 切断 した 際 に 生じた らしい 。 ここ に 居住 して いた 山崎 永幸 容疑 者 は 事件 後 、 この ふろ 場 を 使って い なかった ため 、 骨粉 が 残って いた 。 さらに 捜査 本部 は 、 川崎 さん と み られる 骨 と ともに 押収 した 山林 の 土 を 分析 。 十一 日 まで に 川崎 さん が 失跡 時 に 身 に 着けて いた 衣類 や 時計 と み られる 破片 を 見つけた 。 人骨 が 川崎 さん である こと を 裏づける 有力な 証拠 と みて いる 。 また 関根 容疑 者 は 牛 など を 解体 する 牛刀 を 用意 し 、 山崎 容疑 者 の 犬 繁殖 場 に あった 包丁 も 使って 川崎 さん の 遺体 を 切断 して いた こと も 分かった 。 包丁 は 山崎 容疑 者 が 「 埼玉 県 内 の 関越 自動車 道 から 捨てた 」 と 供述 。 捜査 本部 は 遺体 切断 が 計画 的だった こと を 裏づける 証拠 と みて 発見 に 努めて いる 。 捜査 本部 は 十一 日 、 熊谷 市 内 の 関根 容疑 者 の 旧 自宅 と 犬 舎 を 死体 遺棄 容疑 で 捜索 した 。 戦局 悪化 。 1 月 11 日 の 大阪 毎日新聞 は 国民 の 声 を 特集 。 「 最低の 生活 を 保障 さ れれば いい 。 特配 や 月給 で 甘やかさ れる の は 真っ平だ 」 、 「 黙って 作り 黙って 供出 しよう 。 闇 で 肥ろう など とんでもない 」 、 「 多 すぎる 賃金 は 返上 しよう 。 がむしゃらに 働き 抜こう 」 。 本音 だった のだろう か 。 大阪 府 知事 選 を めぐり 、 左藤 恵 ・ 新進党 大阪 府 連合 準備 会 会長 と 中山 太郎 ・ 自民党 大阪 府 連 会長 が 十一 日 午前 、 大阪 市 内 の ホテル で 意見 交換 を 行った 。 裏 献金 事件 で 足元 の 揺れる 中川 和雄 知事 の 推薦 問題 に ついて 、 現 知事 与党 の トップ に よる 正式な 会談 は 初めて 。 両者 と も 中川 知事 で は 知事 選 は 厳しい と の 認識 で 一致 した が 、 左藤 会長 は 今後 さらに 社会党 と も 会談 する など 、 協議 を 重ねる 予定 。 各 党 の トップ 会談 は 、 非 共産 オール 与党 体制 の 枠組み が 維持 できる か どう か を 探る 場 と も なり 、 知事 選 問題 は 今月 中 に も 山場 を 迎え そうだ 。 この 日 の 会談 は 、 新進党 府 連合 準備 会 の 府 知事 選 対策 チーム に よる 「 知事 選 へ の 意思 統一 に 向け 、 幅広い 情報 交換 を 」 と の 意見 に 基づいて 、 左藤 会長 が 中山 会長 に 申し入れた 。 会談 は 二 人 だけ で 、 約 四十 分間 に わたって 行わ れた 。 両氏 に よる と 「 どちら の 党 に とって も 情勢 は 極めて 厳しい 」 と いう 認識 だった が 、 「 あくまで 情報 交換 。 自民党 側 は 十 日 に 行った 女性 から の 意見 聴取 の 内容 など を 、 新進党 は 旧 四 党 の 考え 方 など の 情報 を 交わした 」 と 話し 、 知事 選 問題 で 具体 的な 進展 は なかった と して いる 。 左藤 会長 は 、 今週 中 に も 福間 知之 ・ 社会党 大阪 府 本部 委員 長 と 会談 の 予定 。 十八 日 に は 新進党 の 第 二 回 府 連合 準備 会 が 開か れ 、 会談 の 内容 を 報告 、 互いに 意見 を 出し合う 。 準備 会 を 受け 、 左藤 会長 と 中山 会長 は 再度 、 会談 する 方針 。 連合 の 芦田 甚之助 会長 は 十一 日 、 金沢 市 で 記者 会見 し 、 社会党 内 で の 「 民主 リベラル 新党 」 結成 の 動き に 対し 「 政党 の 支持 は 各 労組 に 一任 して いる 」 と 述べ 、 連合 と して は 一定 の 距離 を 保って 対応 する 姿勢 を 示した 。 政局 の 見通し に ついて 「 政党 の 離合 集散 は 今後 も 続く 。 いちいち 連合 が 深入り する の は いかがな もの か 」 と 語った 。 12 年 に 一 度 、 イノシシ や 獅子 の 置物 や 民芸 品 など 所蔵 品 約 400 点 を 公開 する 「 獅子 展 」 が 、 京都 市 右京 区 梅ケ畑宮ノ口 町 の 平岡 八幡宮 で 31 日 まで 開か れて おり 、 権 宮司 の 佐々木 俊輔 さん は 「 うち は シシ と は 縁 が 深い んです 」 。 獅子 の 姿 を した 「 山 の 神石 」 が 境内 に 鎮座 し 、 神殿 に は 唐 獅子 牡丹 の 絵 も 。 「 山 から イノシシ も やってき ます 」 。 コレクション の 由来 は 、 先代 宮司 の 祖父 が 正月 に 置物 を 並べ 、 ボタン なべ に 舌つづみ を 打ち ながら シシ の 俳句 を 詠む “ シシ づくし の 会 ” を 開いて いた こと 。 「 昔 の 人 の 遊び心 に は 感服 し ます 」 と 笑う 。 関西 国際 空港 対岸 の りんくう タウン に 一九九七 年 春 、 新築 移転 する 市立 泉佐野 病院 が 、 国 内 で 初めて 会議 室 を 救急 病室 に 転用 できる よう 酸素 や 圧縮 空気 の パイプ を 会議 室 に も 張りめぐらせたり 、 屋上 に 救急 用 ヘリポート を 設けて 一刻 を 争う 患者 や 移植 臓器 の 搬送 を 行える よう 計画 を 進めて いる 。 元 国立 循環 器 病 センター 副 院長 の 藤田 総長 ら の アイデア 。 航空 機 事故 の 際 の 拠点 と して は もちろん 、 関西 空港 と 結ぶ ヘリコプター の 活用 で 「 アジア の 拠点 病院 」 を 目指す 。 現在 の 市立 泉佐野 病院 の 老朽 化 と 関西 空港 開港 に 伴い 、 総 工費 約 二百億 円 で 建て られる 新 病棟 は 地上 九 階建て 延べ 約 三万六千 平方メートル 。 九四 年 十 月 に オープン した 府立 泉州 救命 救急 センター に 併設 する 。 航空 機 事故 など の 際 、 多数 に 上る 重傷 者 を 収容 する ため 、 新 病棟 は 三 階 の 会議 室 と 研修 室 、 計 約 二百十 平方メートル に 酸素 、 圧縮 空気 、 吸引 用 の 配管 を 張り巡らせる 。 こうした 転用 だけ で 、 重傷 者 の 収容 を 最大 三十 人 増やせる と いう 。 同 規模 の 病院 は 普段 から 空き ベッド が 少なく 、 航空 機 事故 の 際 は 「 最 前線 の 病院 」 と して 機能 さ せ たい 考え だ 。 また 、 空港 と ヘリポート の 活用 で 重症 患者 や 移植 臓器 の 国 内 外 搬送 拠点 に なる こと が できる 。 心臓 血管 外科 、 臓器 移植 が 専門 で も ある 藤田 総長 は 「 日本 人 が 海外 で 臓器 移植 を 受ける こと の 是非 論 は 別に して も 、 医療 の ボーダーレス 化 は 現実 の もの に なって いる 。 アジア を 医療 圏 と して 見渡せる 拠点 病院 構想 を 進め たい 」 と 話して いる 。 運動 嫌い で インスタント 食品 好き の 女性 は 「 骨 の 密度 」 が 低い ―― 。 今年 成人 式 を 迎える 女性 を 対象 に した 辻 学園 栄養 専門 学校 と 大阪 大 医学部 産婦人科 の 共同 調査 で 、 食 生活 など の ライフ スタイル と 骨 の 密度 に 深い かかわり が ある こと が 分かった 。 骨 の 密度 が 低い 人 は 将来 、 ス が 入った ように 骨 が もろく なる 「 骨 粗 しょう 症 」 に なり やすく 、 広田 孝子 ・ 同 専門 学校 教授 は ライフ スタイル の 改善 を 呼びかけて いる 。 調査 対象 は 一九七四 年 四 月 二 日 から 七五 年 四 月 一 日 まで に 生まれた 同 専門 学校 の 女子 学生 百一 人 。 昨年 一 年間 で 腰つい など の 骨 密度 を エックス線 で 測定 し 、 同時に 食 生活 や 健康 状態 など に ついて アンケート 調査 。 測定 の 結果 、 百一 人 の 平均 密度 は 一平 方 センチ あたり 一・一五 グラム 。 五十 代 の 女性 並み の 「 低 密度 者 」 が 九 人 、 逆に 二十 代 の 男性 並み の 「 高 密度 者 」 が 十六 人 いた 。 アンケート に 基づく 低 密度 者 と 高 密度 者 の ライフ スタイル 比較 で は 、 「 クラブ 活動 など で の 運動 歴 」 が 低 密度 者 が 平均 一・六 年 な のに 対し 、 高 密度 者 は 倍 以上 の 三・八 年 。 また 「 インスタント 食品 を 食べる 回数 」 は 低 密度 者 が 一・四 回 と 高 密度 者 の 一・一 回 より 多い こと が 分かった 。 この ほか 、 骨 の 密度 の 低い 人 に は 、 スナック 菓子 や ファストフード 好き ▽ 海そう 類 、 緑黄色 野菜 が 嫌い ▽ 睡眠 不足 気味 など の 人 が 目立った と いう 。 広田 教授 は 「 将来 に 備えた ライフ スタイル を 確立 して ほしい 」 と 話して いる 。 昨年 夏 の 異常 渇水 で 最大 十六 時間 断水 など の 被害 に 見舞わ れた 岡山 県 西部 の 高梁 川 水系 の 倉敷 市 と 、 東 隣 の 旭川 水系 の 岡山 市 が 渇水 時 に 相互 に 水道 水 を 供給 し 合う 連絡 管 を 敷設 する こと に なり 、 十二 日 に 両 市長 が 知事 立ち会い の もと で 最終 合意 する 。 河川 の 水 そのもの を ポンプ など で 融通 し 合う の は 水利 権 者 の 同意 が 難しい が 、 上水 道 だけ なら 、 水道 事業 者 同士 の 合意 は 可能な こと に 着目 した 。 水系 の 違う 都市 間 で 水道 連絡 管 を 設置 する の は 極めて 珍しく 、 厚生 省 水道 整備 課 は 「 モデルケース に なる 事業 」 と 評価 して いる 。 水島 コンビナート など 企業 が 集中 する 高梁 川 水系 は 利水 率 が 高く 、 下流 域 の 倉敷 市 など 十三 市町村 で は 、 昨年 の 渇水 で 八 月 九 日 から 九 月 二十九 日 まで の 五十二 日間 、 最高 十六 時間 の 断水 が 続き 、 市民 生活 を 直撃 。 一方 、 旭川 水系 の 岡山 市 で は 断水 は なかった 。 この ため 、 両 市 境 の 水道 管 を 約 百 メートル 程度 の 連絡 管 で つなぎ 、 水道 水 を 相互 融通 し 合う もの で 、 今年 春 まで に 三 カ所 、 その後 も 順次 、 工事 を 行って いく と いう 。 奈良 県警 天理 署 は 十一 日 、 政治 資金 を 工面 する ため 手形 二 通 の 支払 期日 など を 書き換え 、 これ を 担保 に 融資 を 受けた と して 、 同県 天理 市 の 村田 正幸 市議 を 、 有価 証券 変造 、 同 行使 容疑 で 書類 送検 した 。 村田 市議 は 二億 円 近い 借金 を 抱えて 自己 破産 、 昨年 六 月 まで 一 年 近く 議会 を 欠席 し 、 批判 さ れた 。 調べ で は 、 村田 市議 は 一昨年 七 月 ごろ 、 天理 市 内 の 不動産 業者 が 振り出した 約束 手形 の うち 、 支払 期日 の 過ぎた 手形 二 通 の 振出 日 、 支払 期日 を インク消し で 消し 、 ゴム の スタンプ で 、 支払 期日 が 過ぎて い ない ように 書き換えた 。 さらに 、 この 手形 二 通 を それぞれ 知人 二 人 に 裏書 さ せたり 、 手形 を 担保 に 計 一千万 円 の 融資 を 受けた 疑い 。 これ まで の 調べ に 対し 、 村田 市議 は 「 変造 した 期日 まで に 金 を 返す つもりだった 」 と 供述 。 変造 に 使った スタンプ は 処分 した と いう 。 近鉄 を 退団 、 任意 引退 選手 と なり 、 米 大リーグ 入り を 目指す 野茂 英雄 投手 は 十一 日 、 東京 ・ 神宮 外苑 で 自主トレーニング を 開始 した 。 代理人 の ダン 野村 氏 を 通じて シアトル ・ マリナーズ と 任意 引退 前 に 接触 して いた と の 報道 に ついて 、 野茂 投手 は 「 接触 が 明らかに なったら 、 米国 に 行け ない こと は 知っていた ので 協定 違反 の 事実 は 全く あり ませ ん 」 と 、 事前 接触 を 強く 否定 した 。 吉国 コミッショナー が 協定 違反 に 当たる か どう か 調査 する 意向 を 示した こと に ついて は 「 近鉄 から 頑張れ と 言わ れ 送り出さ れた のに 、 コミッショナー は 球団 の 意向 を 無視 して いる 」 と 語った 。 また 、 入団 先 の チーム は 未定で 渡 米 時期 も まだ 決まって い ない と した 。 登記 上 「 宅地 」 と なって いる 兵庫 県 芦屋 市 の 土地 を 担保 に 、 大阪 府 内 の 金融業 者 が 所有 者 に 五千万 円 を 貸し付けた 。 ところが 、 実際 は 家 を 建てる こと など 不可能な 道路 。 金融業 者 は 「 登記 の 不備に つけこんで 担保 価値 が ある ように 見せかけた 」 と して 、 十一 日 まで に 、 所有 者 を 詐欺 容疑 で 兵庫 県警 に 告訴 。 所有 者 と 担保 設定 手続き を 代行 した 司法書士 を 相手 に 損害 賠償 請求 訴訟 を 起こした 。 芦屋 市 南宮 町 の 幅 四・五 メートル 、 長 さ 約 二十 メートル の 土地 で 、 生活 道路 と して 使わ れて いる 。 一九八三 年 に 西宮 市 の リース 会社 が 、 この 土地 と これ に 続く 生活 道路 約 九十 メートル 、 計 三八八 平方メートル を 購入 。 十数 軒 の 住宅 を 「 コ 」 の 字 型 に 囲む 形 で 、 南東 の 一部 を 九〇 年 八 月 に 社長 の 知人 の 女性 に 転売 した 。 訴え に よる と 、 女性 は 買収 直後 、 金融業 者 に 近く の 無関係 の 空き地 を 見せ 「 この 土地 です 」 と 紹介 。 金融業 者 は これ を 信じて 五千万 円 を 融資 した 。 担保 設定 手続き や 融資 金 の 一部 受け取り は 、 女性 が 指定 した 神戸 市 内 の 司法書士 が 行った 。 司法書士 は リース 会社 から 女性 へ の 所有 権 移転 手続き も 代行 して おり 、 金融業 者 は 「 司法書士 も 事情 を 知っていた 」 と 主張 。 これ に 対し 、 裁判 で 女性 は 訴え の 事実 を すべて 認めて いる が 、 司法書士 は 「 土地 の 実態 を 知ら なかった 」 と 反論 して いる 。 滋賀 県 伊香 郡 木之本 町 の 北陸 自動車 道 上り線 で 十 日 夜 、 死者 三 人 を 出した 玉突き 事故 は 、 県警 の その後 の 調べ で 、 計 二十九 台 が 関係 し 、 重 軽傷 者 は 二十七 人 に 上る こと が 分かった 。 事故 当時 、 チェーン 規制 と 速度 規制 が 行わ れて いた が 、 チェーン を 装着 し なければ なら ない 普通 タイヤ の 車 すべて が 着けて い なかった うえ 、 車 間 距離 を 十分 保って い なかった こと が 、 大規模な 玉突き 事故 に つながった と して 、 県警 は 道交法 違反 と 業務 上 過失 致死 傷 の 疑い で 捜査 を はじめた 。 事故 直後 から 通行 止め に なって いた 木之本 インター ― 福井 ・ 敦賀 インター 間 は 十一 日 午前 八 時 五 分 、 上下 線 と も 開通 した 。 最初に スリップ した ライトバン の 運転手 は 、 県警 の 事情 聴取 に 対し 「 時速 六〇 ― 七〇キロ で 走行 中 、 ハンドル を とら れて 追い越し 車線 に 入った 」 と 話して いる と いう 。 調べ で は 、 現場 は 黒田 橋 の 中央 部分 で 、 スリップ 事故 が 起きる “ 魔 の 地点 ” 。 最高 速度 を 五〇キロ に 規制 し 、 事故 の 約 四 時間 前 から チェーン 規制 も 敷か れ 、 敦賀 インター で 福井 県警 と 日本 道路 公団 が タイヤ チェック 。 スノータイヤ 以外 の 普通 タイヤ に は チェーン を 装着 さ せた と いう が 、 二十九 台 の うち 普通 タイヤ の 八 台 は 着けて い なかった 。 県警 は 、 雪 が ほとんど 積もって い なかった ため 、 現場 手前 の サービスエリア で 外した 、 と みて いる 。 現場 は 凍結 し やすく 雪 が 解け にくい と いう 橋上 の 難点 に 加え 、 上り線 は 滋賀 ・ 福井 県 境 の 山間 部 から 平野 部 に 向け 、 緩やかな 下り坂 に なって いる 。 漫画 嫌い だ 。 嫌い と いう より 、 子供 の ころ から 夢中に なった 記憶 が ない 。 漫画 を 読む くらい なら 本 を 読め と 、 親 に いわ れた わけで は ない が 、 いつ の ころ から か 自分 で そう 思い 続けて きた 。 漫画 より 「 活字 」 の 方 が 重い のだ と 勝手に 思い込んで いた ふし が ある 。 漫画 は 読ま ない けれど 漫画 家 の 書く 文章 は よく 読む 。 五 日 に 亡くなった 福地 泡介 さん の も 好きだった 。 漫画 の 代表 作 「 ホースケ 君 」 は 頭 に 明確な 画像 が 浮かんで こ ない が 、 愛読 した 「 麻雀 交友 録 」 など の 軽妙な 味わい は 忘れがたい 。 画家 に 名文 家 は 数知れない 。 漫画 家 に も 文章 の 達人 を あげたら きり が ない 。 「 描く 」 こと と 「 書く 」 こと の 間 で 、 独特の 人間 観察 眼 や 時代 センス が 培養 さ れて いる の かも 知れ ない 。 年明け に 兵庫 県 宝塚 市 の 手塚 治虫 記念 館 へ 行った 。 子供 たち に 交じって “ 手塚 宇宙 ” に 浸る こと 三 時間 。 漫画 の 魅力 に 触発 さ れ 、 「 火 の 鳥 」 でも 読んで みよう か と いう 気 に なって いる 。 漫画 に 関して ついでに おせっかいで いわ せて もらう 。 通勤 電車 で 漫画 雑誌 を 読みふける 若者 を 見かける 。 漫画 が おもしろい の は 分かる が 、 朝っぱら から 読む もん じゃ ない と 思う よ 。 骨 粗 しょう 症 更年期 後 の 女性 に 多く 、 骨 が 曲がり やすく 、 折れ やすく なる 。 たんぱく質 や カルシウム 、 ビタミン の 補給 と 適度の 運動 で 予防 が 可能 。 岡山 県 勝田 郡 勝北 町 の 町議 選 開票 中 に カラー コピー と み られる 偽造 投票 用紙 百二十二 枚 が 見つかった 事件 で 、 岡山 県警 は 十一 日 まで に 、 町 選管 から 偽造 用紙 の 任意 提出 を 受け 、 鑑定 を 始めた 。 今後 、 指紋 検出 の ほか 、 県警 科学 捜査 研究 所 で 紙質 や インク など を 特定 し 、 入手 経路 など 本格 的 捜査 に 乗り出す 。 偽造 投票 用紙 は 本物 と 同じ 薄い 緑色 だ が 、 紙 が やや 薄 めで 朱色 で 印刷 さ れた 文字 や 公印 が 不鮮明 。 一見 した だけ で は 見分け が 難しい が 、 手 に 取って みる と 区別 できる 。 大阪 府警 生活 経済 課 と 富田林 署 は 十一 日 午前 、 金剛 生駒 国定 公園 に 近い 大阪 府 南河内 郡 太子 町 の 山林 で 建築 廃材 など を 無 許可 で 処分 して いた と して 廃棄 物 処理 業 「 竹田 商店 」 経営 、 竹田 正夫 容疑 者 と 従業 員 の 中尾 三徳 容疑 者 の 計 二 人 を 廃棄 物 処理 法 違反 容疑 で 逮捕 。 同社 の 処理 場 など 数 カ所 を 捜索 した 。 調べ で は 、 竹田 容疑 者 ら は 、 府 知事 や 大阪 市長 の 産業 廃棄 物 処分 業 など の 許可 を 受け ず に 昨年 十一 月 十六 日 から 先月 十三 日 に かけて 大阪 市 内 の 家屋 解体 業者 など 四 社 から 約 二十五 トン の 建築 廃材 など の 処分 を 十二万三千 円 で 請け負い 、 同社 の 処分 場 で 焼却 した 疑い 。 現場 は 同 国定 公園 の 北西 約 二百 メートル 。 地球 から 二千万 光年 かなた に ある りょうけん 座 の 渦巻き 銀河 の 中心 に 、 太陽 の 三千六百万 倍 の 質量 の 巨大な ブラック ホール が 存在 する 証拠 を 国立天文台 と 米国 の 共同 研究 グループ が 発見 した 。 銀河 の 中心 に ブラック ホール が ある こと を 示す 傍証 は これ まで も あった が 、 確証 を 得た の は 初めて で 、 十二 日 付 の 英 科学 誌 「 ネーチャー 」 に 発表 した 。 国立天文台 の 三好 真 助手 、 中井 直正 助教授 、 井上 允 教授 の グループ は 、 長野 県 ・ 野辺 山 の 四五 メートル 電波 望遠 鏡 を 使い 、 りょうけん 座 の 渦巻き 銀河 NGC 4258 の 中心 部 に 異常な 高速 運動 を して いる ガス が ある こと を 一九九二 年 に 発見 した 。 ブラック ホール が 存在 する 可能 性 が ある ため 、 米国 内 の 電波 望遠 鏡 十 基 を 組み合わせた VLBA システム を 利用 し 、 非常に 分解 能 の 高い 観測 を 行った 。 この 結果 、 中心 核 に 秒速 約 千キロ の 超 高速で 回転 する 外径 一・六 光年 、 内径 〇・八 光年 の 分子 ガス 円盤 が ある こと が わかった 。 さらに 回転 運動 の 特徴 から 、 円盤 の 内側 に 太陽 の 三千六百万 倍 も の 質量 が 存在 する こと が 明らかに なった 。 もし 質量 が 星 に よる もの と する と 、 星 同士 が すぐに 衝突 して しまう ほど の 高 密度 であり 、 研究 グループ は 、 中心 に 存在 する 天体 は ブラック ホール 以外 に 考え られ ない と 結論づけた 。 ブラック ホール 自体 の 大き さ は 、 ガス 円盤 の 内径 の 数十万 分 の 一 以下 と 理論 的に 推定 さ れる 。 国立天文台 の 小平 桂一 台長 は 「 これ だけ はっきり した ブラック ホール の 証拠 を つかんだ の は 初めて 」 と 話して いる 。 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら の 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 は 十一 日 、 通常 国会 召集 前 の 新党 結成 を 見送って 新 国会 内 会派 を 結成 、 その後 に 新党 を 結成 する 二 段階 旗 揚げ 方針 を 固めた 。 十七 日 に 会派 届け出 を 提出 する 。 村山 内閣 支持 の 新 会派 結成 で 参加 者 を 増やす 狙い 。 久保 亘 書記 長 は 事態 収拾 策 を まとめる 十二 日 の 中央 執行 委員 会 で 新 会派 を 事実 上 、 党 が 目指す 新党 の 「 先行 集団 」 と 位置付ける 見解 を 示す と み られる 。 しかし 、 党 内 に は 「 社会党 会派 の 離脱 者 は 従来 通り 除名 す べきだ 」 と の 意見 が 根強く 、 局面 は 次第に 緊迫 して きた 。 山花 氏 は 十一 日 、 国会 内 で 社会党 の 田辺 誠 元 委員 長 、 森井 忠良 国会 対策 委員 長 と 会談 し 、 十六 日 に 新党 準備 会 の 議員 総会 を 開いて 新 会派 結成 を 正式に 決定 し 、 十七 日 に 会派 届け を する こと で 意見 が 一致 した 。 十二 日 に も 最初の 議員 総会 を 開く 構え 。 山花 氏 は 通常 国会 前 の 新党 結成 を 目指し 、 新党 準備 会 を 発足 さ せた が 、 準備 期間 が 短 すぎ 、 新 会派 結成 を 選んだ 。 山花 氏 ら は 除名 処分 を 行わ ない よう 執行 部 に 働きかけて いる 。 久保 氏 は 、 処分 問題 を 事実 上 棚上げ し 、 春 の 統一 地方 選 後 に 党 本体 が 結成 する 新党 に 山花 氏 ら が 合流 する 見解 を 検討 中 。 しかし 、 野坂 浩賢 建設 相 ら 党 出身 閣僚 と 村山 富一 首相 支持 派 幹部 は 十一 日 夜 の 会談 で 新 会派 参加 者 は 党 規約 に 基づき 除名 す べきだ と の 認識 で 一致 、 久保 書記 長 の 柔軟 方針 に 真っ向 から 反対 する 構え 。 十二 日 と 会派 結成 後 の 十九 日 の 中執 委 で 対立 が 激化 した 場合 、 久保 氏 が 進退 を 含めた 重大な 決意 を する 可能 性 も 残さ れて いる 。 自民党 は 二十 日 召集 の 通常 国会 から 衆 参 両院 の 会派 名 を 現在 の 「 自由民主党 」 から 「 自由 民主 連合 」 に 変更 する 。 これ は 、 柿沢 弘治 旧 自由党 党首 ら に よる 新党 「 自由 連合 」 など 新進党 に 参加 し なかった 議員 の 取り込み を 図る と ともに 、 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら の 新党 準備 会 発足 に よる 与党 勢力 へ の 影響 を 最小 限 に 抑える 狙い も ある 。 自民党 は 昨年 暮れ から 柿沢 氏 や 大内 啓伍 元 民社党 委員 長 ら 自由 連合 の メンバー に 統一 会派 結成 を 働きかけて きた 。 十 日 夜 に は 、 自由 連合 の 新 年会 に 自民党 から 森 喜朗 幹事 長 、 島村 宜伸 国 対 委員 長 ら が 出席 した 。 自由 連合 内部 で は 「 統一 会派 を 組んだ 方 が 、 自民党 から 選挙 協力 が 受け やすく なる 。 新進党 から の 新たな 離脱 も 望める 」 と の 意見 が 大勢 で 、 山花 氏 と 行動 を ともに する 楢崎 弥之助 衆院 議員 を 除く 七 人 が 統一 会派 に 参加 する と み られる 。 自由 連合 は 十八 日 の 議員 総会 で 最終 結論 を 出す 予定 。 訪 米 中 の 村山 富市 首相 と クリントン 米 大統領 と の 日 米 首脳 会談 が 十一 日 午前 十一 時 過ぎ から ホワイトハウス で 始まった 。 終戦 から 半 世紀 が 過ぎ 、 新たな 日 米 関係 を 構築 する ため 村山 首相 は 両 国 が 「 創造 的な パートナーシップ 」 を 構築 する よう クリントン 大統領 に 提案 する 。 「 創造 的な パートナーシップ 」 は ブッシュ 前 大統領 が 示した 「 グローバル ・ パートナーシップ 」 に 代わる 日 米 の 新たな 目標 を 提示 する もの 。 地球 的 規模 の 問題 に 日 米 が 協調 して 取り組む グローバル ・ パートナーシップ の 考え から 、 冷戦 後 の 国際 環境 の 変化 を 踏まえ 、 二十一 世紀 に 向け 、 状況 対応 型 から 抜け出し 創造 的な 日 米 関係 を つくり上げる こと を 目指して いる 。 村山 首相 は 日 米 だけ で なく アジア ・ 太平洋 地域 を にらんだ 安全 保障 面 で の 日 米 の 協力 の 重要 性 を 表明 する 。 また 、 経済 問題 に ついて は 日本 経済 の 構造 変革 の ため 規制 緩和 に 積極 的に 取り組む と 訴える 。 この ほか 、 今年 十一 月 に 大阪 で 開か れる アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 首脳 会議 の 議長 国 と して 、 貿易 ・ 投資 の 自由 化 の 進展 に 向け 具体 策 の 取りまとめ に 努める 考え を 表明 。 さらに 、 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 の 原子 炉 の 軽水 炉 へ の 転換 問題 に ついて も 日 米 韓 三 国 が 協調 し ながら 、 日本 と して 主体 的に 資金 協力 を 行う こと を 示す 。 日 中 友好 協会 の 訪 中 団 は 中国 首脳 と 会談 した 後 の 十一 日 、 李 鉄映 国務 委員 が 二 月 に も 訪 日 する と 明らかに した 。 また 喬 石 全人代 常務 委員 長 や 胡 錦涛 党 政治 局 常務 委員 ら の 訪 日 情報 も 出て おり 、 十一 月 に 大阪 で 開く アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 出席 を 含め 、 中国 首脳 の 訪 日 ラッシュ と なり そうだ 。 李 氏 は 外務 省 と 同 協会 など の 招き で 訪 日 する もの 。 日本 鉄道 建設 公団 は 十一 日 、 整備 新幹線 の 北海道 新幹線 に ついて 、 ルート 公表 に 向けた 函館 市 と 小樽 市 付近 の 調査 に 一 月 下旬 から 着手 する と 発表 した 。 調査 は 、 整備 新幹線 建設 費 と は 別枠 の 、 建設 推進 準備 事業 費 三十億 円 の 中 で 行わ れる 。 北海道 新幹線 に 関する 地形 ・ 地質 調査 など 基本 的な 調査 は 七三 年 から 行わ れて きた が 、 今回 は 具体 的な ルート を 公表 する ため の 第 一 歩 。 同 新幹線 の 全線 に わたり 地元 と の 調整 など の 準備 が 整った ため 、 ルート の 中 でも 中核 的な 二 市 付近 を まず 選定 した 、 と して いる 。 五十嵐 広三 官房 長官 は 十一 日 午後 の 記者 会見 で 、 成田 空港 建設 を めぐり 国 側 と の 接触 を 拒んで いる 三里塚 ・ 芝山 連合 空港 反対 同盟 小川 派 の 小川 喜平 さん が 村山 富市 首相 ら に 国 の 謝罪 を 求める 手紙 を 出した こと に ついて 、 「 大変 胸 に 迫る もの が あった 。 今後 の 対応 は 運輸 省 で 誠意 を もって 検討 する が 、 内閣 と して も その 考え を 十分に 踏まえ 、 首相 と 相談 し 適切に 誠意 を もって 対応 し たい 」 と の 見解 を 表明 した 。 自民党 は 十一 日 、 党 の 愛称 を 「 JF 」 と 内定 した 。 党 の イメージ アップ を 狙って 新設 する 。 一新 する シンボルマーク と ともに 十九 日 の 党 大会 で 正式 発表 する 。 愛称 は 同 党 の 国会 議員 や 職員 が 出し合った アイデア の 中 から 森 喜朗 幹事 長 ら 執行 部 が 選んだ 。 特定の 英 単語 の 頭文字 を 取った もの で は なく 「 『 ジャパン ・ フリーダム 』 でも 『 ジャンプ ・ フレッシュ 』 でも 、 好きな イメージ を 当てはめて 呼んで ほしい 」 と いう 。 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 が 十七 日 に 新 会派 を 結成 する 問題 は 、 参加 者 数 と ともに 参加 者 の 除名 問題 が 焦点 に なって きた 。 山花 氏 ら は 新 会派 が 社会党 新党 の 「 先行 集団 」 だ 、 と して 除名 処分 を 避け たい 考え 。 しかし 、 党 内 に は 「 会派 を 離脱 すれば 直ちに 除名 」 と の 意見 が 強い 。 この 問題 の 扱い いかん で 新 会派 参加 者 数 が 左右さ れる の は 確実 。 十二 日 の 中執 委 で この 問題 を 正面 から 取り上げる か どう かも 含めて 、 水面 下 で 両 派 の 緊迫 した せめぎ合い が 続いて いる 。 同 党 の 規約 で は 会派 離脱 に は 中執 委 の 承認 が 必要 。 これ まで 会派 離脱 者 が 出る と 中執 委 は 規律 委員 会 に 処分 を 付託 、 規律 委 は 除名 処分 に して きた 。 「 社会党 だけ で 三十二 人 」 と も いわ れる 新党 準備 会 参加 者 に は 「 新 会派 に 入る の は 離党 と 同じ 」 と して 、 除名 処分 覚悟 の 議員 も いる もの の 、 「 準備 会 参加 と 離党 は 別 」 と する 議員 も 少なく ない 。 離党 より 会派 離脱 の ほう が 党 に 与える 影響 は 小さい と の 判断 や 「 党 ぐるみ の 新党 結成 の 先行 部隊 」 と いう 自負 を 議員 が 持って いる から だ 。 党 幹部 の 新党 準備 会 参加 者 は 「 除名 すれば 党 分裂 が 鮮明に なり 村山 政権 の 基盤 が 揺らぐ 。 除名 さ れれば 新 会派 は 野党 に 回ら ざる を 得 ない 」 と けん制 する 。 また 、 小森 龍邦 衆院 議員 が 昨年 十一 月 十 日 に 出した 会派 離脱 届 を 中執 委 が まだ 了承 して い ない こと から 、 山花 氏 周辺 に は 今回 も 除名 処分 の 決定 まで 時間 が かかり 、 その 間 に 情勢 が 変わる ので は ない か 、 と の 期待 感 も ある 。 しかし 、 山花 氏 ら の 動き を 批判 して いる グループ は 「 離脱 者 に 明確な けじめ を つけ ない と 、 新 会派 参加 者 が 相次ぐ 」 と 危機 感 を 強めて おり 、 過去 の 例 に 従って 除名 処分 を 強く 求める 方針 。 両 派 の 対立 は 一層 深まる 見通し だ 。 外務 省 幹部 は 11 日 、 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 の 軽水 炉 支援 の ため の 「 朝鮮 エネルギー 開発 機関 」 に ついて 、 「 当面 は 日 、 米 、 韓 の 3 カ国 で 発足 する 」 と の 見通し を 明らかに した 。 小沢 一郎 新進党 幹事 長 が 14 日 訪 米 する 。 スタンフォード 大学 アジア ・ 太平洋 研究 所 主催 の 15 日 の 「 アジア ・ 太平洋 円卓 会議 」 に 出席 、 日本 の 政治 や 外交 に ついて 講演 する 。 会議 に は アジア ・ 太平洋 各国 の 政治 家 が 参加 する 。 17 日 帰国 予定 。 小沢 氏 は 昨年 7 月 と 11 月 に も 米国 、 欧州 を 訪問 し 、 今回 も 「 持病 の 心臓 病 の 診察 で は ない か 」 と の 見方 が 出て いる が 、 小沢 氏 側 は 「 まっすぐ 帰国 する 」 と 、 こうした 見方 を 否定 して いる 。 〇 … 訪 米 初日 の 10 日 、 村山 富市 首相 は 時差 調整 を 兼ね 、 ワシントン 市 内 の 視察 の ほか 留学 生 の 交流 に 努めた フルブライト 元 上院 議員 の 訪問 に 充てた 。 首脳 会談 に 向けて 英気 を 養う ため だ が 、 ワシントン 市 内 の 第 16 代 リンカーン 大統領 の 記念 堂 を 訪問 した 首相 は 「 リンカーン は 信念 の 人 。 南北 戦争 の 最中 に も 敵 を 作ら なかった 。 だれ に 対して も 悪意 を 抱か ず 、 と いう こと じゃ 」 と の 感想 。 そこ で 記者 団 が 「 日本 でも そう か 」 と 尋ねる と 、 首相 は 「 どなた に 対して も じゃ 」 。 新党 結成 を めざす 山花 貞夫 前 委員 長 ら に も 「 悪意 を 抱か ず 」 と 、 自ら 言い聞かせて いる ようだった 。 政府 の 行政 改革 推進 本部 の 規制 緩和 検討 委員 会 は 十一 日 、 金融 ・ 証券 ・ 保険 業務 に ついて 協議 。 席上 、 大蔵 省 の 金融 行政 に ついて 「 大蔵 行政 は 金融 システム を 破たん さ せ ない こと を ベース に して きた が 、 こうした 考え 方 は 今後 維持 でき ない ので は ない か 。 『 失敗 すれば 倒産 する 』 と いう 発想 転換 が 必要 」 「 大蔵 省 の 規制 は 行政 指導 や 業界 内 の 自主 規制 を 求める 形 で 行う 例 が 多い ので は ない か 」 など と の 批判 が 続出 した 。 また 、 金融 など 行政 全般 に ついて 異 業種 間 の 相互 参入 自由 化 など の 規制 緩和 を 求める 意見 が 出さ れた 。 社会党 の 久保 亘 書記 長 は 十一 日 、 東京 都 内 で 開か れた 「 社会党 と 連帯 する 労組 会議 」 の 緊急 単産 委員 長 会議 で あいさつ し 「 各 党 が 候補 者 を 三百 小 選挙 区 で 決定 すれば 、 風速 が 増す 。 今年 は 総 選挙 を 含めた 三 大 選挙 が 行わ れる 可能 性 が 高い 」 と 述べ 、 年 内 に 解散 ・ 総 選挙 が あり 得る と の 見通し を 示した 。 行政 改革 委員 会 は 十一 日 、 総務 庁 で 第 二 回 会合 を 開き 、 年度 内 に 行革 推進 方策 に ついて 政府 に 意見 具申 する こと を 決めた 。 規制 緩和 五 カ年 計画 や 特殊 法人 見直し など の 政府 とりまとめ 作業 が 年度 内 に 大詰め を 迎える の を 踏まえた もの 。 飯田 会長 は 会合 後 の 記者 会見 で 「 三 月 まで に 行革 委 が 何も 言わ ない と 存在 価値 が なくなる 。 言い たい こと だけ は きちんと 間に合う ように 言い たい 」 と 語った 。 行政 改革 委員 会 の 飯田 庸太郎 会長 は 十一 日 、 新進党 の 海部 俊樹 党首 を 都 内 の 事務 所 に 訪ね 、 行政 改革 推進 へ の 協力 を 要請 した 。 海部 氏 は 「 自民党 に いる と 改革 が 出来 ない ので 、 出て きた 」 と 改革 推進 の 立場 を 強調 した 。 海部 氏 は 通常 国会 の 衆院 本 会議 各 党 代表 質問 や 予算 委 論戦 で 新進党 の 行革 案 を 提示 する 予定 。 自治労 は 十一 日 、 東京 都 内 の ホテル で 全国 委員 長 会議 を 開き 、 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら に よる 新党 準備 会 は 支持 し ない と の 中執 見解 を 了承 した 。 見解 は 「 通常 国会 前 の 新党 結成 に ついて の 根拠 と 理由 は 国民 を 納得 さ せる もの で は なく 、 理解 でき ない 。 社会党 の 分解 のみ が 進み 、 三 極 の 一 極 を 占める 、 すそ野 の 広い 政治 勢力 形勢 に 逆行 する こと を 危ぐ する 」 と の 内容 。 旧 公明党 から 分かれた 地方 議員 中心 の 「 公明 」 は 十一 日 、 政党 助成 法 に 基づく 今年 分 の 政党 交付 金 を 受け取る ため の 届け出 を 自治 省 に 行った 。 届け出 は 公明 が 初めて 。 届け出 期限 の 十七 日 まで に は 同 制度 反対 の 共産党 以外 の 九 政党 も 届け出る 見通し 。 公明 は 、 地方 議員 と 今年 の 参院 選 で 非 改選 の 十一 人 と 新進党 に 参加 し なかった 一 人 の 計 十二 人 の 参院 議員 が 所属 。 最終 的な 交付 額 は 届け出 が 終わら ない と 計算 でき ない が 、 五億 円 程度 と み られる 。 七 月 の 参院 選挙 まで 衆院 の 解散 ・ 総 選挙 が ない 場合 、 公明 へ の 七 月 二十 日 の 第 一 回 交付 額 は 年間 額 の 半分 の 約 二億数千万 円 に なる 。 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 に 参加 し 、 社会党 を 離党 する 構え を 見せて いる 社会党 議員 と 新進党 と の 間 で 次期 衆院 選 の 選挙 協力 を 進める 動き が 水面 下 で 進んで いる 。 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 は 「 非 自民 ・ 非 新進 の 純粋 第 三 極 を 目指す 」 と 強調 して いる が 、 参加 議員 の 多く は 選挙 区 事情 や 支援 労組 と の 関係 も あって 新進党 と の 選挙 協力 に 生き残り を かけて いる と み られる 。 一方 、 新進党 側 は こうした 動き で 村山 政権 を 揺さぶり たい 考え だ 。 与党 側 から 「 民主 リベラル 新党 は 新進党 の 別動隊 」 など の 指摘 が 出て いる 。 しかし 、 新進党 議員 と 選挙 区 が 競合 して いる 新民連 議員 も 多い ため 、 新進党 の 選挙 対策 委員 会 は 九 日 の 幹事 会 など で 社会党 議員 が 離党 した 場合 、 新進党 側 の 候補 者 を 別の 小 選挙 区 や 比例 代表 に 回す など の 方法 で 選挙 協力 を 進める 方針 を 確認 した 。 新進党 の 選 対 幹部 に よれば 、 すでに 昨年 末 から 選 対 幹部 が 新民連 の 佐藤 観樹 副 会長 ら と 水面 下 で 接触 。 愛知 新 九 区 から の 立候補 を 目指して いる 佐藤 氏 の 場合 、 現状 で は 新進党 の 海部 俊樹 党首 と 競合 する が 、 別の 選 対 幹部 は 「 佐藤 氏 が 実際 に 離党 すれば 、 党首 クラス は 比例 代表 に 回る と いう 新進党 の 基準 に 従って 海部 氏 に 要請 する 」 と いう 。 海部 氏 は 小選挙区 立候補 の 構え を 崩さ ず 、 さらに 新進党 内 で 江崎 鉄磨 氏 と の 調整 も 残って いる が 、 他の 選挙 区 で 「 比例 代表 転出 など 候補 者 側 の 内諾 を 得て いる ケース も ある 」 。 同様の 選挙 協力 の 動き は 兵庫 県 や 長野 県 でも 進んで おり 、 新進党 は 今後 さらに 全国 的に 働きかけ を 強める 方針 だ 。 新進党 は 昨年 末 、 党 内 で 地盤 が 競合 し ない 百二十 程度 の 衆院 小 選挙 区 第 一 次 公認 決定 の 予定 だった が 、 「 社会党 離党 議員 に 門戸 を 開く 」 狙い から 二 月 末 に 先 送り した 。 民主 リベラル 新党 準備 会 に は 新進党 の 川端 達夫 衆院 議員 も 呼び掛け 人 に 名 を 連ね 「 今後 さらに 旧 民社党 から 同調 者 が 出て 新進党 を 離党 する 可能 性 も ある 」 の も 確か 。 新進党 に とって 「 両刃 の 剣 」 だ が 、 スキャンダル など 村山 政権 を 追い込む 手掛かり が ない 中 「 村山 政権 を 揺さぶる 政界 流動 化 は 歓迎 」 と の 見方 が 強い 。 党 内 に は 「 新進党 と の 連携 は 将来 の 連立 政権 組み替え 時 に 組んで もらえれば よい 」 と の 期待 が 早くも 出て いる 。 社会党 の 久保 亘 書記 長 は 十一 日 、 東京 都 内 の ホテル で 「 社会党 と 連帯 する 労組 会議 」 の 主要 労組 である 自治労 、 全 電通 、 全逓 など 七 単産 の 委員 長 ら と 会談 した 。 この 中 で 全 電通 の 梶本 幸治 委員 長 は 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら が 発足 さ せた 新党 準備 会 に ついて 「 先行 部隊 と して 、 党 と して 認知 する 方法 は ない か 」 と 提案 、 自治労 の 後藤 森重 委員 長 が 強く 反発 した 。 新党 結成 を めぐる 労組 間 の 亀裂 を うかがわ せた 。 昨年 十二 月 二十六 日 から 同 三十一 日 まで 自治 省 ・ 中央 選挙 管理 会 で 衆院 比例 代表 選挙 で 紛らわしい 政党 名 に よる 混乱 を 避ける ため の 名称 保護 届け出 と は 別の 届け出 が 行わ れた 。 衆院 の 小選挙区 立候補 者 と 比例 代表 の 名簿 登載 者 の 選定 手続き 等 の 届け出 だ 。 同様の 手続き は 参院 比例 代表 選挙 でも 行わ れて いる 。 東京 高裁 判決 は 、 旧 日本 新党 が 届けた 党則 の 中 の 除名 規定 に ついて 「 極めて ずさん 」 と 指摘 した のだ 。 衆院 比例 代表 選挙 は 基本 的に 参院 の 例 を 踏襲 して いる 。 つまり 、 候補 者 選定 手続き 等 は 国民 の 負託 を 受けた 政党 が 自主 的に 決め 、 それ に 「 間違い あり ませ ん 」 と いう こと を 党首 が 証明 した 宣誓 書 を 添付 して 届け出る 。 自治 省 は 国 が こうした 手続き ・ 規則 に 介入 する こと は 憲法 に 定め られた 結社 の 自由 を 侵す こと に なり 、 必要 書類 が そろって いる か など 形式 的 審査 だけ で パス さ せる 、 と いう 。 しかし 、 判決 は これ に ついて 事実 上 、 「 ノー 」 の 判断 を 下した 。 旧 日本 新党 は 新進党 に 合流 した が 、 新 制度 でも 政治 団体 が 定数 の 二 割 以上 の 候補 を 立てれば 比例 代表 選挙 に 臨める 。 一定 の 得票 で 議席 を 占めた 後 に 今回 と 同様 「 除名 」 など の 騒動 が 起きれば 、 自治 省 ・ 中央 選管 の 責任 が 問わ れる 可能 性 も ある 。 最高裁 の 判断 が 待た れる が 、 事 は 国民 が 選んだ 議員 の 身分 に 関する こと で 、 これ また 政党 ・ 政治 団体 の 良識 が 求め られる 。 公 私立 の 赤字 病院 は 全国 で 七 割 を 超え 、 中でも 自治 体 病院 は 九二 % が 赤字 経営 に なって いる こと が 十一 日 、 病院 団体 の 全国 公私 病院 連盟 が 行った 「 病院 運営 実態 分析 調査 」 で 分かった 。 同 連盟 は 「 診療 報酬 の アップ 率 が 、 人件 費 の 伸び に 追いつか ない の が 最大 の 原因 」 と して いる が 、 固定 資産 の 売却 損 など バブル 時代 の つけ も 尾 を 引いて おり 、 病院 の 厳しい 経営 状態 は まだ 続き そうだ 。 調査 は 昨年 六 月 、 国 内 の 全 病院 の ほぼ 一 割 に あたる 千百十四 病院 を 対象 に 実施 。 内訳 は 自治 体 病院 六百八十四 、 日赤 、 済生 会 など 公的 病院 二百十一 、 民間 病院 二百十九 。 国立 病院 と 大学 付属 病院 は 調査 に 入って い ない 。 それ に よる と 、 赤字 病院 は 全体 の 七四・一 % 。 経営 別 で は 、 自治 体 病院 は 赤字 病院 が 九二・四 % で 最も 高く 、 民間 病院 は 四五・七 % 、 公的 病院 は 四四・一 % 。 前年 の 調査 に 比べる と 、 民間 、 公的 病院 は 改善 が 進んだ が 、 自治 体 病院 は 依然 、 悪化 が 続いて いる 。 総 支出 額 の 半分 近く を 占める 医師 、 看護 婦 ら の 給与 費 は 六・二 % 増えた 。 また 固定 資産 の 売却 損 や 法人 税 の 追徴 課税 など 特別 損失 も 前年 比 で 六・八 % も 増えた 。 調査 結果 に ついて 湯沢 一男 ・ 同 連盟 事務 局長 は 「 不 採算 部門 を 多く 抱える 自治 体 病院 は 依然と して 苦しい 。 診療 報酬 の 大幅 アップ を 厚生 省 に 要望 し たい 」 と 主張 して いる 。 一方 、 厚生 省 健康 政策 局 指導 課 は 「 公立 と いえ ども 経営 を 重視 した 対応 が 求め られて いる 」 と して いる 。 中小 企業 従業 員 を 対象 に 退職 金 を 支払う 中小 企業 退職 金 共済 制度 が 、 金利 低下 の ため に 運用 で 赤字 に 追い込ま れた 。 労 相 の 諮問 機関 、 中小 企業 退職 金 共済 審議 会 は 運用 利回り の 利率 を 五・五 % から 四・五 % に ダウン さ せる こと を 柱 と した 改革 案 を 十一 日 提言 した 。 すでに 加入 して いる 約 四十万 社 に も 一九九六 年度 から 適用 さ れる 見通し 。 加入 時 より 利率 が ダウン さ せ られる の は 初めて 。 同 制度 は 、 九三 年度 末 現在 で 、 約 三十九万八千 社 が 加入 、 対象 従業 員 は 約 二百七十五万 人 。 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 が 今年 四 月 末 に 平壌 で 開く 「 平和 の ため の 国際 体育 ・ 文化 祭典 」 に 日本 から の 一般 観光 客 四千 人 を 受け入れる に あたり 、 査証 に 代わる 「 観光 証 」 発行 を 日本 交通 公社 に 委託 する 覚書 を JTB と 取り交わして いた こと が 十一 日 明らかに なった 。 日 朝 関係 筋 が 明らかに した 。 北朝鮮 は この 祭典 に 在 日本 朝鮮 人 総連 合 会 を 通じ この ほか 三千 人 を 受け入れる 計画 で 、 外国 人 観光 客 総数 は 二万 人 を 予定 。 外務 省 も こうした 動き を 注視 、 金 正日 後継 体制 が 確立 し つつ ある 傍証 の 一 つ と みて いる 。 また この 祭典 に 併せ 金 正日 書記 の 国家 主席 選出 の 可能 性 も ある と 分析 して いる 。 この 祭典 は 四 月 二十八 、 二十九 、 三十 の 三 日間 開か れる 。 プロ レスラー で 参院 議員 の アントニオ 猪木 氏 ら も 参加 、 公演 する 。 祭典 に 合わせて 観光 客 を 誘致 する 計画 で 、 JTB や 関係 者 の 話 に よる と 昨年 末 に 北京 で 朝鮮 国際 旅行 社 と JTB と の 間 で 観光 証 発行 委託 の 覚書 を 交わし 、 すでに 十二 月 に JTB 担当 者 六 人 が 平壌 入り して 現地 を 下見 した 。 ホテル の 収容 能力 に 限界 が ある ため 、 対象 期間 は 祭典 開催 時 だけ で なく 、 四 月 二十 日 から 五 月 五 日 まで に なる と いう 。 また 宿泊 も 外国 人 向け ホテル だけ で は なく 、 世界 青年 学生 祭典 の 際 の 宿舎 、 ホームステイ も 検討 さ れて いる 。 JTB に よる と 計画 は 昨年 初め から 進んで おり 、 外務 、 運輸 両 省 に も その 都度 報告 。 今月 下旬 に は 先遣 隊 を 派遣 する と いう 。 今回 の 目的 の 一 つ は 外貨 獲得 と み られる 。 国立天文台 など 日 米 共同 研究 グループ が 銀河 中心 に 巨大 ブラック ホール が ある 確証 を 発見 した 。 宇宙 の ブラック ホール に は 大きく 分けて 二 種類 ある と 考え られて いる 。 ひと つ は 大きな 恒星 が 進化 の 果て に 大 爆発 を 起こした 後 に できる ブラック ホール で 、 スケール は 星 と 同 程度 だ 。 もう ひと つ が 活動 的な 銀河 の 中心 核 に ある 巨大 ブラック ホール で 、 太陽 の 数千万 から 数十億 倍 の 質量 を 持つ と 考え られる 。 物質 や 光 さえ も 脱出 でき ない 超 高 密度 の 天体 で 、 直接 観測 する こと は でき ない 。 この ため 今回 、 日 米 グループ が 回転 円盤 を 利用 した ように 、 狭い 領域 に 閉じ込め られた 巨大な 質量 が 引き起こす 現象 から 証拠 を つかむ しか ない 。 ポイント と なる の は そこ から 推定 さ れる 天体 の 密度 。 星 など で は 説明 でき ない ほど 高い と ブラック ホール だ と いう 証拠 に なる 。 星 スケール の ブラック ホール と して は 、 はくちょう 座 X ― 1 など の 有力 候補 が ある が 、 これ ら も 密度 の 高 さ が 証拠 の 一 つ と さ れる 。 一方 、 銀河 中心 の 巨大 ブラック ホール は 理論 的に は 予測 さ れて いる が 、 観測 から 得 られる 証拠 が いまひとつ だった 。 例えば 昨年 、 米国 の ハッブル 宇宙 望遠 鏡 が お とめ 座 の 銀河 M 87 の 中心 に ブラック ホール の 存在 を 示唆 する 円盤 状 の ガス 雲 を 発見 した が 、 今回 の 観測 に 比べる と 密度 が 低く 、 星 の 集合 体 である 可能 性 も 否定 でき なかった 。 日 米 グループ は ガス 円盤 に 含ま れる 水分 子 が 発する 電波 を 観測 し 、 円盤 の 構造 と 運動 を 明らかに した 。 円盤 は きれいな 高速 回転 運動 を して おり 、 中心 に 向かう ほど 回転 速度 が 速かった 。 この こと から 、 太陽 系 の 惑星 が 太陽 の 周り を 回って いる の と 同様に 、 円盤 の 中心 に 巨大 質量 が あり 、 これ に 引か れて 回転 して いる こと が 確かめ られた 。 銀河 中心 の ブラック ホール の 起源 は よく 分かって おら ず 、 詳しく 調べれば 銀河 の 起源 や 進化 を 考える うえ で 重要な 要素 と なる 。 日経連 の 永野 健 会長 は 十一 日 の 記者 会見 で 、 今年 の 春闘 に 対する 経営 側 の 方針 に ついて 「 日本 の 雇用 を 維持 する ため 、 定昇 も 含めて 労働 コスト が 上がって は 困る 」 と 述べ 、 賃上げ ゼロ で 臨む 厳しい 姿勢 を 示した 。 永野 会長 は 、 賃上げ を すれば 空洞 化 に 拍車 が かかる と の 観点 から 、 ベース アップ だけ で は なく 定昇 、 賞与 、 住宅 手当 など 現金 給与 以外 の 付加 給付 を 含めた 総 枠 と して の 労働 コスト に ついて 「 上がる こと が 許さ れる 状況 に ない 」 と 指摘 した 。 今年 も 成人 式 が 近づき ました 。 二十 歳 に なれば 選挙 権 が 得 られ ます 。 今年 は 選挙 の 年 、 政治 に は 無関心で おれ ませ ん 。 早く から この 日 を 待ち望んで いた 若者 も いる と 、 投書 で 見 ました 。 成人 式 に は 来賓 の 祝辞 や 有名 人 の 講演 など ある でしょう が 、 参加 者 全員 に 憲法 の パンフレット を 配ったら どう か と 思い ます 。 政治 の 原点 である 憲法 は 学校 で 習った と 思い ます が 、 この際 もう 一 度 読み 直して 、 認識 を 新たに する 必要 が ある ので は ない でしょう か 。 自衛 隊 は 合憲 、 海外 派遣 は 容認 と いう より 、 率先 する に 至った 政府 の 行動 を 、 じっくり 憲法 に 照らし合わせて みる べきだ と 思い ます 。 国連 安保理 常任 理事 国 入り も 提唱 さ れて い ます 。 この こと が 日本 を 背負う 若者 に とって 果たして 良い の か 悪い の か 。 その 判断 の 基準 と なる 憲法 は 、 古く なった の か 、 このまま で いい の か 、 しかと 考える 時 です 。 正月 用 の しめ飾り は 、 これ まで 市販 品 を 買って 飾って い ました 。 また 、 立派な しめ飾り は 高価な ので 、 いつも 安い 小さな 物 で 済ませて き ました 。 しかし 、 別に 見え を 張る ような こと で は ない ので 何でも よい と 思って い ました が 、 なんとなく 味気ない 気持ち も して い ました 。 そこ で 今年 は 家族 と 相談 して 、 思い出 に 残る 正月 を 迎え 過ごす ため 、 自分 たち で しめ飾り を 作る こと に し ました 。 手作り と いって も 全く の 素人 な ので 、 市販 品 を 見本 に して 自分 たち の アイデア を 加えた オリジナルな もの を 目指し ました 。 松 の 枝 を 探して 取って きたり 、 飾り に 使う リボン は 廃物 利用 を したり 、 折り紙 で 作った いろいろな 形 の もの を 組み合わせて 、 しめ飾り が 出来上がり ました 。 出来 栄え は いまいちでした が 、 今 まで と は 違い 、 風情 と いう もの を 味わった ような 気 が し ました 。 本紙 家庭 面 連載 の 「 スカート を はく 男 たち 」 を 読んで 、 近年 の 女性 の 自立 から 、 男性 の 変革 が 求め られて いる こと を 実感 し 、 男らし さ に ついて 考え 、 男女 共生 を 模索 して いく べき 時 だ と 思った 。 六 日 に は 、 その 横 に あった 「 小さな 愛 の 物語 」 を 読んで 思った こと が ある 。 若い 女性 の 書いた その 文中 に は 、 恋人 が 暴力 団 風 の 男 に からま れて いて 、 男 は 逃げる 。 「 これ が 現代 風 日本 男子 か …… 」 と あった が 、 これ が 女性 と 男性 が 逆であったら どう な のだろう か 。 決して 同じ ような 感想 は 出 ない だろう 。 変革 を 求め られて いる 男性 は 、 また 理想 と して “ 強い 男 ” を も 依然と して 求め られて いる 。 そこ を 窮屈に 感じて いる 男性 は 多い ので は ない だろう か 。 そういう ところ に も 「 男らしく あり 続ける ため に …… 心 の 見え ない 部分 で 一層 の 無理 を 強い られて いる 」 が あてはまる と 思う 。 男女 共生 を 目指して いる 現代 に 、 “ 男 は 強くて 当たり前 ” と 男性 に 求める の は 酷 と いう もの で は ない だろう か 。 新年 を 迎えれば 当然 、 カレンダー も 新しく なる が 、 考えて みる と 、 この カレンダー も ある 種 の 紙 の 無駄遣い である 。 月日 は 周期 的に 変化 する わけである から 、 何 年 か に 一 度 は 同じ 曜日 の 配分 に なる 。 例えば 、 今年 は 一九八九 年 と 同じで 、 従って この 年 の カレンダー が 再 利用 できた のである 。 しかし 、 実際 に そんな こと は だれ も して い ない 。 結局 、 大変な 量 の 紙 が カレンダー に 消費 さ れた わけである 。 これ が 毎年 、 繰り返さ れて いる と 考えたら 、 空恐ろしい こと で は ある まい か 。 来年 分 以降 の カレンダー に は 省 資源 の 発想 を もっと 取り入れて ほしい もの だ 。 同じ 曜日 配分 の 年 を 列挙 して 複数 回 利用 できる ように する と か 、 日付 と 曜日 の 組み合わせ を 任意に 設定 可能な 万 年 カレンダー に する など である 。 最低 限 、 表裏 に 印刷 して 紙 の 使用 量 を 半減 さ せる くらい の 工夫 は する 必要 が ある と 考える 。 昨年 七 月 十二 日 の 本欄 に 「 僕 の 通学 して いる 中学校 は 丸刈り が 原則 です 」 と 投稿 し ました が 、 ついに 僕たち の 学校 でも 、 この 新 学期 から 丸刈り 校則 が 廃止 さ れる こと に なり ました 。 一昨年 、 昨年 と PTA 総会 で 否決 さ れた こと は 、 前回 の 投書 で 書き ました が 、 なぜ 今回 の 総会 で は 可決 さ れた のでしょう か 。 先生 に 理由 を 尋ねて み ました 。 中学校 生活 最後 な ので 、 生徒 会 と 一緒に 頭髪 校則 改正 を 推進 して きて 、 このような 結果 に なって 、 とても うれしく 思い ます 。 政府 ・ 与党 の 国会 議員 たち が 四 日 、 相 携えて 伊勢 神宮 に 参拝 した が 、 村山 富市 首相 は 意 が あって か 、 風邪 を 理由 に 参拝 を し なかった と か 。 伊勢 神宮 は 皇 大 神宮 と も いい 、 国家 中心 に 基づく 、 人 より も 国家 を 主 と する 点 で 、 宗教 と して は 世界 的に は なじみ にくい だろう 。 しかし 、 奈良 の 法隆寺 は 「 和 を もって 貴し 」 と する 現代 世界 の 希求 する 平和 思想 を 先取り した 聖徳太子 の 開基 創建 と 伝え られ 、 救世 観音 の 立像 を 安置 して いる 寺 である 。 政治 家 たち は 伊勢 神宮 参り を する より は 、 むしろ 法隆寺 へ 参拝 する 方 が よほど 現代 的であり 、 アジア 諸国 から 見て も 信頼 さ れる と 思う 。 伊勢 神宮 へ 参った ので は 戦前 の 日本 に 復帰 して の 侵略 や 、 経済 戦略 を 夢みて いる ので は ない か と いう 疑問 を 持た れる 恐れ も あり 、 現 与党 に も 日本 に も 好ましく ない こと に なる ので は ない か 。 一九九五 年度 予算 案 で 、 村山 内閣 の 防衛 費 〇・八五五 % 増 に は 全く の 期待 は ずれ だった 。 今回 こそ は 大幅な 削減 を と 願って いた のに 。 細川 政権 時 と 比べ やや 減 に なった が 、 ドイツ や 米国 、 英国 が 連続 で 国防 予算 を 減らして いる のに 、 日本 は いまだに 伸び 率 が 増加 して いる 。 終戦 五十 年 。 とにかく 日本 は 戦争 を 放棄 した 。 と いう こと は 戦争 は でき ない 、 いや 、 して は なら ない のに 、 なぜ 自衛 隊 が 必要で 何 を 防衛 する と いう のだろう 。 確かに 、 機動 力 が ある ので 、 災害 後 の 救助 活動 、 復興 に は 大きな 力 を 発揮 する が 、 こと 戦争 に 対する ジェット機 や 戦車 など の 装備 は 全く 不必要だ と 思う 。 大いに 削減 して 、 その 代わり に 救助 用 の ヘリコプター 、 巡視 艇 など に 重き を おき 、 国 内 の 福祉 は もちろん 、 世界 に 目 を 大きく 向け 、 飢餓 、 難病 に 苦しむ 難民 の 救済 活動 など に 貢献 す べきで は ない だろう か 。 元日 の 朝 の こと 。 突然 、 義母 が 「 耳 が 痛い 」 と 言い出した 。 耳 の 中 が 化のう した らしい 。 あわてて 消防 署 に 当直 医 を 尋ねた が 、 あいにく と 耳鼻科 の 当直 医 は 三が日 は ない と の こと 。 それ でも 当直 医 の 一 つ の 総合 病院 に 「 何とか 診て もらえ ない か 」 と 頼んで みた もの の 「 担当 の 科 が ない 」 と 断ら れて しまった 。 そこ で 仕方なく 、 無理 は 承知 で 近く の 耳鼻科 医院 に 電話 を した 。 かかりつけ で ない ので 断ら れて もともと と 思い ながら お 願い して みる と 、 すぐ 快く 受けて 下さり 「 すぐ 来て 下さい 」 と 言って くれた 。 正月 休み に も かかわら ず 急患 を 受けて くれ 、 本当に ありがたく 思った 。 その うえ 、 帰り際 に は 「 どんな 時 でも 急患 は 受ける の が 医者 の 務め 。 休み でも 遠慮 なさら ず 連絡 して 下さい 」 と 言って くれた 。 おかげ で 、 義母 の 耳 の 痛み は 大事に は 至らなかった 。 今回 の こと で 、 医療 は 技術 で は ない 、 どんな 場合 でも 患者 の こと を 思って くれる 心 だ と つくづく 思った 。 選挙 の 年 の 幕開け です 。 政党 助成 法 で カネ は 入る し 、 財界 で は また 企業 献金 再開 を 決める し 、 「 こいつ は 春 から 縁起 が いい わ 」 と 、 懐勘定 し ながら ほくそ笑んで いる の は 、 政治 家 さん だけ 。 ただ 、 共産党 は 助成 金 固辞 の 自前 選挙 は ご 立派 。 日本 新党 解党 式 の 記者 会見 で 細川 護煕 元 首相 が 「 聖職 者 に 求める の と 同じ こと を 政治 家 に 求める の は いかがな もの か 」 と 、 堂々と おっしゃった 。 裏を返せば 、 聖職 者 は 清く 生きよ 、 政治 家 と も なれば 汚れた カネ に まみれて も 見逃さ れて いい のだ 、 と いう ふうに 聞こえ ました 。 聖職 者 と は どの ジャンル に 属す 人 たち を 指して いる の か 不明だ が 、 あの 時 、 ブラウン管 に 映る 細川 さん の ネクタイ が よれ よれ に 見えた もの です 。 政党 助成 金 、 企業 献金 …… まだまだ 。 カネ は いくら あって も 足りない ? 選挙 費用 、 政治 と カネ の 意識 改革 が 徹底 し ない 限り 、 国民 の 望む 「 浄化 」 など あり 得 ない でしょう 。 七 日 の 本紙 「 ひと 」 欄 に 、 サッカー 王国 の アルゼンチン から 、 日本 の 子供 たち に サッカー を 教える ため 、 ホルヘ ・ アルベルト ・ オルテガ さん 一家 が 鳥取 県 倉吉 市 に 移住 、 と あった 。 本国 で 何 不自由 なく 暮らして いた であろう 人 が 、 遠い 異国 で 生活 する こと は 並大抵の こと で は ない と 思う 。 条件 など 詳細 は 分から ない が 、 本紙 に よる と 、 ボランティア 同様 だ と か 。 何より 素晴らしい と 思う の は 、 本人 の 「 子供 の 役 に 立つ と 思えば 、 ばかな 決断 で は ない と 思って いる よ 」 の 一言 。 自分 の 夢 に かけた 彼 と 、 それ を 理解 した 奥さん や 子供 たち 。 しかし 、 これ から の 苦労 は 大変だ と 思う 。 そこ で 私 から の お 願い 。 倉吉 市民 の 皆さん 、 自治 体 と 一体 に なって 、 オルテガ さん 一家 に 、 できる 限り の 支援 を して あげて 。 彼 が 五 年間 の 滞在 を 終える 時 は 、 「 ビエン 日本 」 と 思って 帰って くれる こと を 。 多く の 立派な サッカー 選手 が 育つ こと を 祈り たい 。 チェチェン 共和 国 で 十 日 夜 、 ドイツ 「 シュテルン 」 誌 の ヨヘン ・ ピースト 記者 が 銃撃 を 受け 、 死亡 。 同行 して いた ロシア 紙 「 ロシスカヤ ・ ガゼータ 」 の ウラジーミル ・ ソロキン 記者 も 足 を 撃た れ 負傷 した 。 チェチェン 紛争 で の ジャーナリスト の 死者 は 三 人 目 。 インタファクス 通信 など に よる と 、 現場 は 首都 グロズヌイ の 北東 二十五キロ に ある チェルブレナヤ 駅 付近 。 ロシア 軍 が 占領 する 駅 に 突入 して きた チェチェン 側 決死 隊員 の 銃撃 を 受けた 。 近代 ビル が 建ち 並ぶ 首都 メキシコ 市 を 出て 国道 を 北 に 向かう と 突然 、 視界 が 広がり 、 サボテン と 麦畑 の 大地 が 飛び込んで くる 。 左手 に 巨大 ピラミッド を 見 ながら 約 一 時間 半 。 メキシコ ・ コマツ の 小沼 敏二 社長 は 毎日 、 約 九十キロ 離れた オフィス 兼 工場 に 車 を 走ら せる 。 北米 自由 貿易 協定 が 発効 した 昨年 、 同社 は 無 借金 経営 に 転じ 、 十二 年 ぶり に 収支 台帳 に 黒 の 数字 を 書き入れた 。 ブルドーザー 、 ショベルカー の 本体 は 日本 で 、 先端 部分 は メキシコ で 生産 して 米国 に 輸出 する 連携 体制 を 敷いて いる 。 NAFTA 圏 内 の 米 、 カナダ で 調達 できる 安価な 鋼板 を 米国 の 五 分 の 一 の 労働 力 で 加工 。 輸送 は 、 米国 から メキシコ に 商品 を 運ぶ コンテナ の 帰り の 空便 を 利用 する 。 さらに 円高 の 影響 で 、 日本 に 比べ 一 割安 の コスト で 生産 が 可能に なった と いう 。 「 技術 が 自慢 」 と いう 小沼 さん の 夢 は 「 プレス 機械 の 中南米 市場 を 開拓 し たい 」 と 膨らむ ばかりだ 。 だが 、 同社 や 米国 境 沿い の マキラドーラ に 展開 する 輸出 型 の メーカー と は 違い 、 市場 を メキシコ に 求める 企業 は 笑って は い られ ない 。 メキシコ に 三 カ所 の 工場 を 持ち 、 ツル など 三 車種 を 生産 する メキシコ 日産 は 、 二一 % 以上 の シェア を 誇る に も かかわら ず 一九九四 年 は 大幅な 赤字 に なる 見通し だ 。 理由 は 三 つ 。 昨年 前半 の 景気 回復 の 遅れ 、 円高 、 そして 突然の 通貨 切り下げ だ 。 同社 は 過去 四 年間 に 一千億 円 以上 を 投資 して 生産 能力 を 拡大 、 九三 年 から は 日本 向け に 商用 車 輸出 も 開始 した 。 だが 堀江 優 夫 社長 は 「 二 つ の 為替 パンチ に 見舞わ れた 」 と 言う 。 部品 の 四 割 を 日 米 から の 輸入 に 頼ら なければ なら ない の が 悩み の 種 だ 。 それ でも 、 堀江 さん は 強気だ 。 メキシコ は 人口 八千九百万 人 。 その 南 に は 四億 人 を 超える 市場 が ある から だ 。 現在 、 生産 量 で 六十万 台 の 自動車 産業 は 五 年 後 に 百万 台 に 膨れ 、 輸出 分 で さらに 百万 台 の 生産 拠点 に なる と 見込ま れる 。 日本 から は 本田 技研工業 が 、 欧州 から も BMW 、 ベンツ が 近く 生産 開始 の 予定 だ 。 韓国 の 自動車 メーカー も メキシコ 進出 を 狙って いる 。 昨年 末 から の 通貨 危機 で 、 メキシコ の 先行き に 不安 を 抱く 企業 は 多い 。 セディジョ 政権 に 「 裏切ら れた 」 と みる 投資 家 も いる 。 一方 で 、 米州 自由 貿易 圏 の 結成 など 中南米 全体 を にらんだ 長期 的 視点 を 強調 する 声 も 根強い 。 日産 は 「 中南米 市場 は アジア より 具体 的な 市場 に なる 」 と みて 、 積極 的な 戦略 を 実施 する 計画 だ 。 域 内 三 カ国 の 全 品目 の 関税 が 全廃 さ れる の は 発効 から 十五 年 後 。 「 世界 の 経済ブロック 化 が 進行 して いる その 時 、 アジア から 攻める か 。 中南米 の 中 に 入って 攻める か 」 。 メキシコ 日本 商工 会議 所 の 加藤 隆平 事務 局長 は 、 今 こそ 決断 の 時 と 指摘 する 。 昨年 十 月 の 米 朝 合意 に 基づき 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 へ 供給 さ れる 重油 の 船積み が 十一 日 、 韓国 南部 の 麗川 に ある 湖南 精油 の ふ頭 で 始まった 。 重油 は 第 一 回 引き渡し 分 五万 トン の うち の 二万四千 トン 。 クロアチア の バレンティッチ 首相 は 十一 日 、 訪問 先 の 北京 で 記者 会見 し 、 クロアチア 領 内 セルビア 人 地区 「 クライナ 」 で の 国連 防護 軍 駐留 の 来月 以降 の 更新 に は 応じ ない 、 と 言明 した 。 イタリア の 政治 危機 乗り切り の 調停 を 進めて いる スカルファロ 大統領 は 十二 日 午後 、 暫定 政権 の 首相 を 指名 する 見通し に なった 。 同 大統領 は 十 日 の ベルルスコーニ 首相 及び 同 与党 代表 と の 協議 で 、 ベルルスコーニ 陣営 から の 譲歩 を 引き出す こと に 失敗 。 これ 以上 の 政治 空白 を 避ける ため 「 早急な 暫定 政権 発足 が 必要 」 と する 判断 を 固めた 模様 だ 。 現在 名前 が 挙がって いる の は コシガ 前 大統領 、 モンティ 現 欧州 連合 委員 ら 。 チェチェン 共和 国 の ドゥダエフ 大統領 が 十一 日 、 およそ 二 週間 ぶり に 姿 を 見せ 、 首都 グロズヌイ 郊外 の ヘルスセンター で 記者 会見 した 。 ドゥダエフ 大統領 は 元気な 様子 で 、 戦闘 の 停止 と 交渉 の 再開 を 呼びかけた と いう 。 パキスタン 訪問 中 の ペリー 米 国防 長官 と パキスタン の ミラニ 国防 相 は 10 日 、 パキスタン の 核 開発 問題 を きっかけ に 1990 年 以降 、 中止 さ れて いた 安全 保障 と 軍事 協力 に 関する 定期 協議 の 再開 で 合意 した 。 協議 は ワシントン と イスラマバード で 交互に 開催 する 。 カンボジア の ラナリット 第 一 首相 が 15 日 から 3 日間 の 日程 で ベトナム を 訪問 する こと が 11 日 、 決まった 。 新 内閣 発足 後 の 昨年 8 月 の 訪問 以来 、 2 度 目 の 訪問 と なる 。 両 国 の 友好 強化 の ほか 、 国境 線 の 画定 問題 、 新 入国 管理 法 に より 不法 滞在 者 の 形 と なって いる 約 13万 人 の ベトナム 系 住民 の 問題 など を 話し合う 。 ロシア 軍 の チェチェン 共和 国 進攻 に 最も 神経 を とがら せて いる 東欧 各国 政府 だ が 、 一様に 公式 コメント を 避けて いる 。 東欧 諸国 は 米 、 西欧 各国 の 出方 を 見極めた うえ で 対応 を 決める 方針 と み られる が 、 ロシア の 軍事 活動 の 突出 に 動揺 は 隠せ ない の が 実情 。 チェチェン 紛争 は 、 東欧 諸国 の 北 大西洋 条約 機構 へ の 加盟 要求 を 一層 高める こと に なろう 。 東欧 諸国 は 冷戦 崩壊 後 も 、 軍事 超 大国 と して の ロシア へ の 警戒 感 を 緩めて い ない 。 ポーランド 外務 省 筋 は 、 「 ロシア が 民族 紛争 に 介入 する 過程 で 、 軍事 活動 の 正当 化 の 範囲 を なし崩し 的に 拡大 する 恐れ が ある 」 と みて いた 。 ロシア の 軍事 介入 が ロシア 連邦 内 から 旧 ソ連 諸国 、 さらに は 東欧 に 及ぶ こと へ の 警戒 感 が 東欧 外交 関係 者 に は 根強く 、 それ が NATO へ の 加盟 要求 の 背景 に あった 。 東欧 各国 の 間 で は 、 チェチェン 紛争 の 混迷 化 は 「 冷戦 後 の 新たな 『 制限 主権 論 』 を 生み出し かね ない 」 と の 懸念 が 生まれて いる 。 「 社会 主義 諸国 の 共通 利益 の ため に は 一 国 の 主権 も 制限 さ れ 得る 」 と の 旧 ソ連 時代 の いわゆる ブレジネフ ・ ドクトリン が 姿 を 変えて 東欧 を 縛る ので は 、 と の 意見 だ 。 しかし 各国 は ロシア 連邦 の 領土 保全 を 前提 と した 解決 を 求める 米 欧 の 見解 の 枠 を 超える 批判 を 自制 し 、 表面 的に は 事態 静観 の 立場 。 ロシア と の 政治 的 摩擦 を 回避 して いる 。 ただ 、 全欧 安保 協力 機構 議長 国 ハンガリー の ギャルマティ 特使 が 九 日 、 ロシア 政府 に 「 人権 侵害 は 内政 問題 と は いえ ない 」 と あえて 言及 した 背景 に は 、 ロシア 軍 の “ 暴走 ” に 対する 東欧 の 懸念 表明 を 込めた 狙い が ある 。 チェチェン 情勢 を 討議 する ロシア 下院 の 臨時 議会 が 十一 日 、 モスクワ で 始まった 。 軍事 進攻 を 進めた エリツィン 政権 へ の 激しい 批判 が 予想 さ れた が 、 改革 派 「 ロシア の 選択 」 が 要求 した 軍事 行動 制限 法案 の 審議 は 否決 さ れ 、 議会 も 大統領 の 強硬 策 を 黙認 する 形 と なった 。 反戦 機運 の 高まり を 背景 に 政権 へ の 揺さぶり を かけよう と した 改革 派 の 狙い は 失敗 した 。 ガイダル 元 第 一 副 首相 を 代表 と する 改革 派 会派 「 ロシア の 選択 」 が 提案 した の は 、 ロシア 国 内 で の 軍事 力 行使 を 制限 する 法案 など 三 法案 。 いずれ も チェチェン へ の 軍事 進攻 を 進めた 政権 の 強硬 路線 に 歯止め を かける 狙い 。 反戦 改革 派 の ほか 一部 保守 ・ 中間 派 の 支持 も 当て込んで いた が 、 採決 の 結果 、 議題 から 外さ れた 。 一方 で 中間 ・ 保守 派 の 無 所属 議員 で つくる 会派 から 出さ れた 、 今回 は 政府 に 方針 変更 を 迫る ような 具体 的な 決定 は せ ず チェチェン 情勢 の 討議 に とどめる 、 と する 提案 を 承認 、 議会 の 及び腰 を 露呈 した 。 また チェチェン 問題 の 原因 究明 委員 会 を 下院 に 設置 する 提案 が 議題 と して 承認 さ れた 。 イスラエル 外務 省 当局 者 は 十一 日 、 オマーン 政府 が 同国 と の 外交 関係 樹立 を 遅らせる 方針 を 伝えて きた こと を 明らかに した 。 両 国 関係 は 、 イスラエル の ラビン 首相 が 昨年 十二 月 、 オマーン を 訪問 、 今月 中 に オマーン の 外 相 が イスラエル を 訪れ 、 外交 関係 樹立 に 向けた 利益 代表 部 の 相互 開設 を 発表 する 運び だった 。 インタファクス 通信 に よる と 、 エリツィン 大統領 は 十一 日 、 首相 、 上下 両院 議長 と の 四 者 会談 で 、 ロシア 軍 参謀 本部 を 国防 省 から 独立 さ せて 大統領 の 直属 と し 、 軍 の 再 編成 を 委託 する 決定 を 下した 。 また 国防 省 は 戦闘 能力 の 向上 に 専念 する こと を 決めた 。 シュメイコ 上院 議長 が 会談 終了 後 、 同 通信 に 語った 。 組織 再編 の 真意 は 明らかで は ない が 、 今回 の チェチェン 進攻 に あたって 軍 の 戦闘 能力 の 低下 や 部隊 間 の 協調 不足 が 指摘 さ れて おり 、 これ に 懸念 を 抱いた 大統領 の 決断 と み られる 。 しかし 、 この 決定 は グラチョフ 国防 相 の 権限 縮小 に つながり 、 進攻 作戦 の 不成功に 対する 大統領 の 同 国防 相 へ の 不信 感 の 表れ と も 取れ 、 事実 上 の 解任 に 近い 。 二 年 目 を 迎えた 北米 自由 貿易 協定 に ついて 、 メキシコ 国民 の 評価 が ほぼ 二 分 して いる こと が 同国 の 日刊 紙 レフォルマ など が 実施 した 世論 調査 で 明らかに なった 。 十 日 付 の 同 紙 に よる と 、 過去 一 年 の NAFTA の 実績 に ついて 「 非常に 悪い 」 と 評価 した 人 が 八 % 、 「 悪い 」 と 答えた 人 が 二八 % いた 。 これ に 対し 「 非常に 良い 」 は 三 % 、 「 良い 」 は 二七 % 。 「 変わら ない 」 「 分から ない 」 も 計 三四 % だった 。 北京 の 消息筋 は 11 日 、 5 月 に 中国 天津 市 で 開か れる 第 43 回 世界 卓球 大会 に 北朝鮮 チーム が 参加 する と 明らかに した 。 北朝鮮 の スポーツ の 国際 舞台 へ の 出場 は 、 金 日成 主席 の 死去 後 、 初めて 。 北朝鮮 は 昨年 秋 の 北京 で の 障害 者 スポーツ 大会 や 広島 アジア 大会 は 不 参加 だった 。 また 3 月 に ソウル で 開か れる 東 アジア 大会 の 連絡 会議 に も 、 北朝鮮 関係 者 が 北京 経由 で 参加 する と の 情報 も 出て いる 。 「 ホワイトハウス の 内側 」 と 題する 本 が 十四 日 、 米国 で 発売 さ れる 。 歴代 大統領 と 関係 者 を こきおろして おり 、 話題 に なる の は 間違い ない 。 「 ワシントン ・ ポスト 」 紙 など で 長年 、 調査 報道 を して きた ロナルド ・ ケスラー 氏 の 新著 。 例えば 次 の ような 内容 だ 。 ニクソン 大統領 の 夫人 は 「 エア ・ フォース ・ ワン 」 の 最 前部 に 自分 の 個室 を つくる よう 指示 した 。 フォード 大統領 は 専用 機 に 自分 の 好きな ビール を いつも 山積み に して いた 。 カーター 大統領 は 地元 の ジョージア 州 に いる 時 、 大統領 が 常に 携えて いる べき 「 核 の ボタン 」 を 持つ の を 拒否 した 。 レーガン 大統領 の 息子 は 自分 の 子供 を 虐待 して いた 。 そして 現職 大統領 。 「 いつも ぶらぶら して 時間 を 過ごし 、 散髪 に 二百 ドル も かけ 、 ささいな こと で かんしゃく を 起こす から 、 スタッフ は 大統領 の 嫌がる 情報 を 伝え ない 」 。 ヒラリー 夫人 。 「 大統領 専用 シェフ が 米国 式 料理 を 作る の を 拒否 した ので カンカン に なり 、 料理 の 本 三十 冊 を 持ってきて 『 ヘルシーで 軽く 、 生 野菜 や パスタ 主体 の 料理 に し なさい 』 と 指示 」 。 「 夫妻 は よく 大声 で 口論 し 、 夫人 が 大統領 めがけて 本 を 投げ付けた こと も 」 夫妻 の 反応 が 見もの だ 。 国連 安全 保障 理事 会 は 新 ユーゴスラビア 連邦 に 対する 経済 制裁 部分 解除 を さらに 百 日間 延長 する こと で 合意 し 、 十二 日 に 延長 決議 を 採択 する 。 イラン の モハメド ・ ラフサンジャニ 外務 次官 は 11 日 、 訪問 先 の クウェート で 、 イラン の 核 開発 疑惑 を 否定 した 。 クウェート 市 から の 報道 に よる と 、 同 外務 次官 は 「 イラン の 原子 力 開発 は 軍事 目的 で は ない 。 我々 は 核 兵器 の 存在 し ない ペルシャ 湾岸 の 隣人 であり 、 核 開発 疑惑 は 米国 の 言い掛かり である 」 と 語った 。 米 国務 省 の シェリー 報道 官 は 10 日 、 クリストファー 長官 が 近く 辞任 する と の 報道 に 対し 「 あり 得 ない こと 」 と 否定 した 。 米 ボストン ・ グローブ 紙 の 報道 に 反応 した もの で 、 同 報道 官 は クリストファー 長官 が 共和党 主導 下 の ヘルムズ 上院 外交 委員 長 ら 議会 幹部 と 積極 的に 協議 して いる こと など を 挙げ 、 「 辞任 を 考えて いる ような 人物 ならば 考え られ ない こと 」 と 否定 した 。 香港 の 中立 系 紙 「 明報 」 は 十一 日 、 中国 共産党 が 食料 など の 物価 高騰 対策 が 不十分だった と して 張 皓若 ・ 国 内 貿易 相 ら 責任 者 の 更迭 を 決定 した と 伝えた 。 張 氏 の 後任 に は 陳 邦柱 ・ 湖南 省 長 が 起用 さ れる 見通し と いう 。 張 氏 が 推進 した 国営 商店 の 民営 化 、 売却 など の 改革 の 結果 、 国営 商店 を 通じた 物価 調整 が 通用 し なく なった 。 また 国 内 貿易 省 の 余剰 人員 が 商品 取引 を 始め 、 流通 に 混乱 を もたらした など と 批判 さ れて いた と いう 。 ジャカルタ の ディスコ や カフェー 、 テレビ の 音楽 番組 で 、 米国 の ラップミュージック が 人気 を 集めて いる 。 若者 の 間 で の 急速な 流行 と ともに 、 ラップ を めぐる 国 内 論争 も 熱く なって きた 。 論争 の 始まり は 「 インドネシア 文化 に ラップ は そぐわない 。 禁止 す べきだ 」 と いう ハビビ 研究 ・ 技術 担当 国務 相 の 発言 。 同 国務 相 は 大みそか の 夜 、 テレビ の 音楽 番組 で ラップ を 見た そうで 「 退廃 的 と は 言わ ない が 、 わが国 の 文化 と は 相いれない 」 と 、 おかんむり 。 これ に 対し 、 芸術 家 連盟 の クスモ 代表 が 「 ラップ は 若者 へ の メッセージ だ 。 若者 を 熱狂 さ せる が 、 危険な もの で は ない 。 批判 する より 理解 する 努力 を 」 と 反論 した 。 シンガポール を 訪問 中 の 南アフリカ の ジョー ・ モディウ 国防 相 は 十 日 、 リー ・ ブンヤン 国防 相 ら と 会談 し 、 武器 輸出 、 共同 演習 、 軍人 交流 など 、 両 国 の 防衛 関係 強化 に ついて 意見 を 交換 した 。 シンガポール から の 報道 に よる と 、 南ア は シンガポール に 地雷 探知 機器 や 軽量 武器 など を 輸出 し たい 意向 。 リー 国防 相 は 「 南ア と 防衛 技術 交流 など を 進める こと で 、 両 国 の 防衛 面 で の 結び付き を 有益な もの に し たい 」 と 述べた 。 在 フィリピン 日本 大使 館 が 昨年 、 フィリピン 人 と 結婚 した 日本 人 に 発給 した 婚姻 要件 具備 証明 書 は 、 5323 件 と 過去 最高 を 記録 し 、 日本 人 の 国際 結婚 の 相手 と して 、 フィリピン 人 が 最も 多かった こと が 分かった 。 同 大使 館 に よる と 、 同 証明 書 を 取得 した 日本 人 の 99 % は 男性 だった 。 結婚 相手 の フィリピン 人 女性 は 、 日本 で エンターテイナー と して 働いた 経験 者 が 多く 、 フィリピン の 自治 体 と 姉妹 提携 を 結んで いる 日本 の 農村 に 嫁いだ 女性 も 少なく ない と いう 。 一方 、 日本 政府 が 昨年 、 フィリピン 人 に 発給 した 興行 ビザ は 5万4057 件 を 数え 、 過去 最高 の 1991 年 を 若干 下回った もの の 、 一昨年 より は 9700 件 も 増えた 。 日本 大使 館 は 「 比 政府 が 昨年 10 月 から エンターテイナー 認定 の 審査 を 厳しく した ため 、 駆け込み 申請 が 多かった 。 日本 の 景気 が 持ち 直した の も 一因 で は ない か 」 と 分析 して いる 。 韓国 の 与党 ・ 民 自党 の 代表 である 金 鍾泌 氏 の 去就 が 注目 さ れて いる 。 金 代表 は 、 日 韓 基本 条約 の 締結 に 奔走 する など 、 朴 正煕 政権 時代 から 第一線 で 活躍 して きた 代表 的な 保守 政治 家 。 しかし 、 党 内 刷新 、 世代 交代 を 主張 する 勢力 に 押さ れ 、 「 引退 」 の 文字 も ちらつき 始めた 。 昨年 末 、 金 泳三 大統領 の 側近 である 崔 炯佑 議員 ら が 、 党 指導 体制 の 改革 を 提言 した 。 これ は 事実 上 、 金 代表 の 代表 職 離脱 を 勧告 した もの で 、 これ を 契機 に 金 代表 の 第一線 から の 引退 問題 が 、 与党 の 内紛 を も はらんだ 政治 テーマ と して 浮上 した 。 金 代表 は 九〇 年 春 、 共和党 の 総裁 と して 、 民正党 、 民主党 と の 三 党 合同 に よる 民自党 創設 に 参加 。 前回 の 大統領 選挙 で は 、 候補 者 選定 を めぐり 党 内 が 一 時 混乱 した 際 、 「 三 党 合同 の 経緯 から みて 、 金 泳三 氏 に チャンス を 与える の が 筋 だ 」 と 表明 。 これ を 機 に 、 金 大統領 と の 関係 が 深まり 、 与党 代表 を 務めて きた 。 しかし 、 党 運営 の 主導 権 を とり たい 旧 民主 系 議員 に とって は 「 目の上のコブ 」 的な 存在 。 再三 、 代表 交代 を めぐり 揺さぶり を かけた が 、 その たび に 政局 の 安定 を 志向 する 金 大統領 が 沈静 化 さ せて きた 。 今回 の 「 引退 勧告 」 の 波紋 が 以前 と 違う の は 、 民 正 系 議員 の 一部 も 支持 して いる 点 だ 。 その 理由 は 、 今年 六 月 、 約 三十 年 ぶり に 行わ れる 知事 ・ 市長 選挙 で は 、 ソウル 市 、 大邱 市 など の 重要 都市 で 与党 の 敗北 が 懸念 さ れて いる から だ 。 また 、 省庁 統廃合 など の 改革 が 進行 中 で 「 党 の 改革 が なければ 、 時代 に 対応 でき ない 」 と の 意見 が 高まって いる の も 背景 に ある 。 金 大統領 は 、 金 氏 の 自発 的な 第一線 引退 と 顧問 職 など へ の 就任 を 望んで いる と 推測 さ れて いる が 、 明言 を 避けて いる 。 一方 、 金 代表 は 、 「 確かな の は 任期 中 は 国会 議員 である こと だ 」 と はぐらかして いる 。 同 党 は 、 二 月 に 党 大会 を 開く 予定 で 、 金 代表 の 「 引退 か 続投 か 」 に ついて 、 なんらか の 結果 が 出 そうだ 。 「 黄金 の 三角 地帯 」 を 拠点 と する 麻薬 王 クン ・ サー が 、 精製 ヘロイン の 搬出 ルート を インド に シフト して いる こと が 分かり 、 インド と ミャンマー 政府 は 共同 捜査 態勢 を 敷く こと に なった 。 中国 人 と 少数 民族 シャン の 混血 と いわ れる クン ・ サー は 、 タイ 、 ラオス 、 ミャンマー の 黄金 の 三角 地帯 で ケシ の 栽培 、 精製 を 手掛け 、 三 カ国 の 警察 ・ 軍 の 懸命 の 捜索 に も かかわら ず 地下 に 潜った まま 行方 が 知れ ない 。 精製 ヘロイン は これ まで バンコク 、 香港 ルート で 密輸 さ れて いた 。 しかし 、 この ほど ヤンゴン で 開か れた インド と ミャンマー の 合同 警察 会議 で ミャンマー 当局 が 、 クン ・ サー が インド ルート を 完成 さ せた こと を 明らかに した 。 北京 に 届いた 中国 広東 省 の 夕刊 紙 「 羊城晩報 」 が この ほど 報じた ところ に よる と 、 四川 省 の 蕭 秧 省 長 が 対立 が うわさ さ れる 謝 世杰 ・ 同 省 党 委員 会 書記 を 意識 した 幹部 批判 を 行い 、 「 中央 の 権力 闘争 の 反映 で は 」 と 評判 を 呼んで いる 。 蕭 秧 省 長 は 「 一部 幹部 は 、 党 と 行政 の 関係 が どうのこうの と 、 一 日 中 議論 を もてあそんで いる 。 省 政府 の 活動 は 、 党 委員 会 の 決定 を 実現 さ せる ことだ 」 と 発言 した 。 これ は 行政 部門 の 中 に 、 党 の 指導 に 抵抗 する 官僚 が いたり 、 党 と 行政 の 権限 を めぐって 争い 、 議論 する 官僚 が いる こと を 示す と み られる 。 蕭 秧 省 長 は 、 トウ 小平 氏 に 近い と さ れる 改革 に 積極 的な 人物 。 一方 の 、 謝 世杰 ・ 省 党 委 書記 は 最近 、 李 鵬 首相 に 接近 して いる と さ れ 、 先月 中旬 の 李 鵬 首相 の 四川 視察 も 取り仕切った 。 こうした こと から 関係 者 は 、 背景 に ある 蕭 秧 、 謝 世杰 の 両 勢力 に よる 確執 、 中央 の 権力 闘争 が 浮かび上がって くる 、 と 指摘 して いる 。 ローバー ジャパン は ステーションワゴン タイプ の 小型 車 「 ローバー 416 トゥアラー 」 を 13 日 に 発売 する 。 1・6 リットル DOHC 16 バルブエンジン を 搭載 した 4 速 オートマチック 車 で 、 エア バッグ や 、 急ブレーキ を 踏んで も タイヤ が ロック し ない ABS 装置 を 標準 装備 。 259万 円 。 第 一 勧業 銀行 は 、 1 月 から 行 内 サービス 活動 と して 「 サービス トップ マスター 制度 」 を 導入 した 。 各 支店 備え付け の 「 ご 意見 カード 」 など を 通じて 顧客 から ほめ られた 行員 や 、 同僚 、 上司 から 推薦 を 受けた 行員 に 、 奥田 正司 頭取 が 「 マスター 」 の 認定 証 と バッジ を 授与 する 。 都 銀 で は 初 の 試み 。 日本 航空 が 十一 日 発表 した 一九九五 年度 の 事業 計画 に よる と 、 国際 線 は ホノルル 、 欧州 線 を 強化 し 、 国 内 線 は 関西 空港 ― 鹿児島 、 大分 線 の 二 路線 を 新設 する など 、 関西 空港 発着 路線 に 力 を 入れる 。 また 、 地上 職 の 採用 を 九三 年度 以来 三 年 ぶり に 再開 、 八十 人 を 募集 する 。 しかし 、 正規 スチュワーデス の 採用 再開 は 、 現在 行って いる 時給 ・ 契約 制 スチュワーデス の 採用 状況 を 見 ながら 今後 検討 する 。 国際 線 は 、 福岡 ― ホノルル 、 札幌 ― ホノルル 、 成田 ― アムステルダム 線 を 増便 し 、 それぞれ 一 日 一 便 に する 。 名古屋 ― マニラ 線 を 九 年 ぶり に 再開 、 関西 空港 ― ホーチミン 線 は 現在 の 週 二 便 から 週 三 便 化 を 検討 。 国 内 線 は 関西 空港 ― 鹿児島 、 大分 線 新設 の ほか 、 関西 空港 ― 長崎 、 熊本 線 、 名古屋 ― 帯広 線 を 一 日 一 便 の 運航 に する 。 日本 電信 電話 の 児島 仁 社長 は 十一 日 の 記者 会見 で 、 マルチメディア 時代 に 向けた NTT の 行動 計画 の 概要 を 明らかに した 。 中途 採用 や 年俸 制 導入 の 促進 など の 社 内 人事 制度 改革 や 、 一定 料金 で いくら でも 回線 を 利用 できる 「 定額 料金 制度 」 の 導入 が 主な 内容 。 計画 は 三 月 末 まで に 最終 決定 する 。 人事 制度 改革 は 、 マルチメディア 時代 に 対応 できる 人材 を 確保 する ため に 、 これ まで 毎年 春 の 新卒 採用 に 偏って いた 採用 方針 を 転換 、 中途 採用 や 外国 人 の 採用 に 力 を 入れる 。 年間 五十 人 程度 。 さらに 従来 の 給与 体系 より はるかに 高い 年俸 を 支払う 「 契約 社員 」 の 形 で 、 技術 者 を 採用 する こと も 想定 して いる 。 マルチメディア 時代 に は 、 通信 ネットワーク を 使って 、 画像 を 伝送 する など の 新 サービス が 利用 できる ように なり 、 利用 時間 が 飛躍 的に 増える ので 、 現在 の 従 量 制 の 電話 料金 で は 利用 者 の 負担 が 膨らむ 。 この ため 、 サービス の 種類 に よって は 回線 の 利用 時間 に かかわら ず 支払い が 一定 に なる 「 定額 料金 制度 」 を 導入 する ように 検討 する 。 サッポロビール は 十一 日 、 米国 第 四 位 の ビール メーカー 「 ストロー 」 社 と 業務 提携 し 、 今春 から 同社 の 発泡 酒 と 低 価格 ビール を 輸入 販売 する 方針 を 明らかに した 。 国 内 ビール メーカー が 、 税制 上 安く できる ビール タイプ の 発泡 酒 や 低 価格 ビール を 輸入 する の は 初めて 。 流通 業界 に 対抗 して 国 内 メーカー が 低 価格 戦争 に 参入 する ため 、 今年 は 価格 競争 に さらに 拍車 が 掛かり そうだ 。 輸入 販売 する の は いずれ も 三五五ミリ リットル 缶 で 、 希望 小売 価格 の 価格 帯 は 、 発泡 酒 が 百四十 ― 百四十五 円 、 ビール が 百七十五 ― 百八十 円 を 予定 して いる 。 発泡 酒 は アルコール 飲料 だ が 、 麦芽 使用 率 が 六五 % 以下 の ため 、 日本 の 酒税 法 の 分類 で は ビール と 見なさ れ ず 、 通常 の ビール より 低い 税率 が 適用 さ れる 。 この ため 、 販売 価格 を 低く できる と いう 特徴 が ある 。 サントリー が 昨年 十 月 、 希望 小売 価格 が 三五〇ミリ リットル 缶 で 百八十 円 の 国産 発泡 酒 を 発売 した 。 国産 ビール より 四十五 円 安く 、 好調な 売れ行き を 見せて おり 、 業界 で 注目 を 集めて いた 。 また 、 サッポロ は 輸入 ビール に ついて は 、 一九八三 年 から 米国 第 二 位 の ビール メーカー 「 ミラー ・ ブリューイング 」 社 と 提携 。 通常 価格 の 製品 を 輸入 販売 して いた 。 ところが 、 大手 スーパー など に よる 低 価格 の 輸入 ビール 販売 が 盛んに なり 、 国 内 メーカー に 対して 一般 小売 店 側 から 低 価格 製品 へ の 対応 を 求める 声 が 出て いた 。 ミ社 と の 契約 上 、 同社 以外 の 米国 産 ビール が 輸入 でき ない ため 、 昨年 末 に 契約 を 解消 、 低 価格 ビール の 輸入 先 を 探して いた 。 サッポロ は 今後 、 欧州 メーカー 複数 社 から の ビール 輸入 も 検討 して おり 、 輸入 ビール の 品ぞろえ を 増やし たい 考え 。 また 国産 発泡 酒 も 発売 する 方針 だ 。 東レ は 11 日 、 業界 で 初めて 新 合繊 を 使った 「 浴衣 」 を 「 モア ・ バカンス 」 の ブランド で 夏 から 発売 する 、 と 発表 した 。 繊維 の 毛細 管 機能 で 汗 を 布地 の 外側 に 吸い出す ため 、 肌触り が さらっとして いる の が 特徴 。 値段 は 従来 より やや 高 めの 4万 円 程度 。 紳士 服 の 安売り で 脚光 を 浴びる アオキインターナショナル が 十一 日 、 オーストラリア の ジーロン で 開か れた 羊毛 競売 で 極細 羊毛 を キロ 当たり 一万三百 豪 ドル と いう 史上 最 高値 で 競り落とした 。 過去 最高 は 藤井 毛織 の 一九八九 年 二 月 の 同 約 三千 豪 ドル で 、 羊毛 関係 者 ら は 「 安売り だけ で は ない と いう イメージ アップ を 狙って いる 」 と 推測 して いる 。 株価 、 出来高 ともに 低迷 して いる 東 証 一部 と は 対照 的に 、 店頭 株式 市場 が 昨年 中ごろ から 活況 を みせて いる 。 十一 日 の 店頭 の 出来高 は 、 三千二百三十二万 株 で 、 過去 最高 だった 一九八九 年 三 月 十 日 の 三千百九十八万 株 を 抜いて 最高 記録 を 更新 した 。 売買 代金 は 五百四十九億 円 で 、 東 証 一部 の 売買 代金 の 二五 % に 達した 。 今回 の 店頭 市況 の 活況 に ついて 証券 界 で は 「 値 動き が 小さく 魅力 の 乏しい 東 証 一部 を 逃げ出した 個人 資金 が 流入 して いる 」 と みて いる 。 大和 銀行 が 10 日 付 で 発令 した 人事 で 、 都市 銀行 で は 最 若手 と なる 1980 年 入 行 の 支店 長 が 誕生 した 。 五反田 支店 次長 から 八潮 パークタウン 支店 の 支店 長 に 昇格 した 熊沢 仁彦 さん で 、 支店 の 行員 13 人 の トップ に 立つ 。 他の 都 銀 で は 現在 、 77 年 入 行 の 支店 長 が 最も 若い が 、 同 行 は 組織 を 活性 化 さ せる 狙い から 今回 で 9 年 連続 して 都 銀 最 年少の 支店 長 を 誕生 さ せて いる 。 熊沢 さん は 、 支店 や 本店 業務 部 、 融資 部 など を 幅広く 経験 して おり 、 「 お 客 さま に 愛さ れる 明るい 店 づくり の ため に 頑張って いき たい 」 と いう 。 三菱 地所 の 福沢 武 社長 は 英国 の 政治学 者 、 E ・ H ・ カー の 「 平和 の 条件 」 に 若い とき 強い 感銘 を 受けた と いう 。 「 ドイツ の 猛爆 で 英国 が 危機 に 陥った 最中 に 、 防空 ごう の 中 で 戦後 世界 の 平和 の あり 方 を 探って いる 。 だから 我々 も 目先 ばかり に 振り回さ れて は ダメだ 」 と 説く 。 では 「 不況 克服 後 の 不動産 業界 の 姿 は 」 と 問う と 「 それ が 分から ない のだ 」 と 嘆く 。 社 内 で は 「 意識 改革 と 、 デベロッパー の 基本 の 追求 を 」 と 訴えて いる が 、 社員 に は 「 意識 改革 は どう やる の か 」 と 聞か れる そうで 、 会社 の 「 成長 の 条件 」 が 整う の は まだ 先 の ようだ 。 本田 技研工業 は 11 日 、 1999 年 まで に 年間 80万 台 の 国 内 販売 を 目指す と 発表 した 。 現在 策定 中 の 第 6 次 中期 計画 に 盛り込む 。 世界 各地 で の 生産 体制 づくり が 一巡 した ため 、 国 内 販売 強化 に 重点 を 移す 。 新 日本 製鉄 は 十一 日 、 四 月 から 実施 する 管理 職 の 人事 ・ 給与 制度 改革 を 発表 した 。 業績 主義 を 導入 する こと が ポイント で 、 月給 は 室長 クラス 以上 で は 資格 別 の 積み上げ 給 を 廃止 する こと に より 、 三十 代 後半 から は 部長 クラス 以上 と 同様の 年俸 制 と なる 。 ボーナス 制度 も 見直し 、 基準 賞与 の ほか に 業績 に 応じて 加算 する 「 期間 業績 賞与 」 を 新設 する 。 投資 家 は 企業 の 成長 力 より 収益 力 を 重視 す べきだ ―― 。 富士 総合 研究 所 が この ほど まとめた 報告 書 で 、 こんな 提言 を して いる 。 一九七〇 年 代 以降 の 企業 金融 の 実態 を 探った この 報告 書 は 、 今後 、 株価 が 企業 業績 を 離れて 高く なる こと は 期待 でき ない と 指摘 。 企業 に 対して も 、 エクイティ ・ ファイナンス に よる 安易な 自己 資本 調達 は やめ 、 銀行 の 借り入れ など ROE を 高める 方向 で 財務 対策 に 取り組む よう 求めて いる 。 報告 書 に よる と 、 主要 企業 の フローベース で みた 資金 調達 は 、 七〇 年 ごろ から 外部 資金 調達 に ついて は 、 借入 金 から エクイティ ・ ファイナンス へ の 傾斜 が 強まった 。 これ は 時価 発行 増資 に よる 企業 の 資金 調達 コスト が 小さく なった ため で 、 八〇 年 代 に は 転換 社債 や ワラント債 を 低い 金利 で 発行 できる ように なった 。 しかし 、 九〇 年 の 株価 の 暴落 で 、 それ まで の 株価 上昇 は 「 企業 の 成長 神話 」 に 基づいた もの で 、 企業 業績 に よる 裏付け が ない こと が 表面 化 。 エクイティ ・ ファイナンス が 株価 と 企業 業績 を かい離 さ せる 要因 と なった 。 増資 は 九〇 年 に 大蔵 省 の 指導 で 事実 上 停止 。 同 省 は 昨年 、 ROE が 一〇 % 以上 など の 条件 を 満たした 企業 に 限って 、 増資 の 再開 を 認める こと に した が 、 そのような 企業 は 限ら れ 、 増資 は 現在 、 ほとんど 行わ れて い ない 。 報告 書 で は 、 銀行 借り入れ など 負債 に よる 調達 に は 、 ROE を 引き上げる 「 テコ の 効果 」 が ある と 指摘 。 負債 に は 節税 効果 も ある こと から 、 負債 や 普通 社債 など を 組み合わせて 、 合理 的に 財務 対策 を 行う こと が 必要 と 提言 して いる 。 小さい とき から アインシュタイン に あこがれて いた 。 「 ちょうど 素粒子 論 で 湯川 秀樹 が ノーベル 賞 を とって 、 物理 学 が ブーム でした 。 相対 性 力学 に 興味 を もち ました 」 数学 者 ジョージ ・ ガモフ が 高校 生 向け に 書いた 科学 全集 。 電 総研 の 中島 秀之 さん は エンジニア の 叔父 から プレゼント さ れた この 本 を 読んで 本格 的に 「 科学 」 に のめり込んだ 。 兵庫 県 西宮 市 で 育った 。 灘 高校 時代 、 ノート を とった こと が ない 。 授業 中 百 % 理解 できる こと だけ を 覚えた 。 わから ない こと は 先生 を 質問 攻め に した 。 物理 に あこがれた 少年 は 、 大学 で コンピューター に 魅せられた 。 東大 教養 学部 二 年 の 時 、 森口 繁一 教授 に 出会った の が きっかけ だった 。 「 1 」 から 「 9 」 まで の 数字 を 認識 する プログラム を つくった 。 パズル の ような コンピューター の 世界 が 無性に 楽しかった 。 今 、 理系 離れ が いわ れて いる 。 「 理系 人間 を 育て ない と 、 技術 で 生きる 日本 の 存在 意義 が なくなって しまう 」 と 文部 省 は 躍起 。 「 文部 省 が いくら 実験 の 授業 を 多く して も 、 理系 好き は 増え ない 。 理系 が どうも 苦手 と いう の は 、 先生 の 教え 方 が 下手だ から 。 まず 先生 の 給料 を 倍 に して 質 を 上げる の が 先決 」 と 中島 さん は 思う 。 順風満帆 の 中島 さん だ が 「 挫折 した こと は いくら で も ある 」 と いう 。 しかし 、 深刻に は なら ない 。 「 人工 知能 を やって る と 、 人間 の 力 の 大き さ を 痛感 する んです 。 人間 が 毎日 悩む こと は ちっぽけな こと 。 そう 思って 気 を 取り 直し ます 」 そういう 中島 さん が 一 番 嫌な 瞬間 。 それ は 何 か を あきらめる 時 。 今 まで やってきた 研究 を 一 から やり 直す 。 「 努力 」 で は なく 「 あきらめる 」 。 だが 、 そこ に こそ 、 奇想天外な 発想 の かぎ が ある 、 と 信じて いる 。 先進 七 カ国 は 各国 の 情報 通信 基盤 を 相互 接続 し 、 図書 館 の ネットワーク や 海 を 越えた 遠隔 医療 システム の 構築 など 、 十 件 近く の 国際 プロジェクト に 共同 で 取り組む 。 政府筋 が 十一 日 明らかに した もの で 、 二 月 二十五 、 二十六 日 に ブリュッセル で 開か れる G7 情報 通信 担当 閣僚 会議 で プロジェクト の 推進 を 決議 し 、 早ければ 一九九五 年度 から 具体 化 作業 に 入る 。 二十一 世紀 を にらんだ 世界 規模 の 情報 社会 を 築く ため 、 先進 分野 で 国際 協力 を 行う 。 G7 が 本格 的な 多 国 間 ネットワーク の 構築 に 取り組む の は 初めて である 。 政府筋 に よる と 、 プロジェクト は 、 地球 規模 の 情報 通信 基盤 の 利用 方法 を 確立 する の が 目的 。 図書 館 ネットワーク は 各国 の 代表 的な 図書 館 を つないで の 文献 検索 システム 、 遠隔 医療 システム は 最新 医療 情報 の 交換 や 緊急 医療 時 の 支援 体制 の 構築 など に 活用 さ れる 。 現 段階 で 固まって いる プロジェクト は 六 件 だ が 、 最終 的に は 十 件 近く に なる 見込み 。 また G7 だけ で なく 、 途上 国 など に も 情報 網 を 広げる こと を 目指す もの に も なる と いう 。 日本 は 、 この うち 「 図書 館 など の 情報 ネットワーク 」 と 「 中小 企業 の 電子 決済 システム 」 の 事前 調査 を 担当 する こと に なって おり 、 通産 、 郵政 両 省 が 中心 と なり 、 需要 予測 調査 など を 進めて いる 。 同様に 、 欧 米 各国 も ほか の プロジェクト の 細部 を 詰め 、 情報 サミット 終了 時 の 議長 総括 など に プロジェクト 全体 の 推進 を 盛り込む 方針 だ 。 G7 情報 サミット で は 、 光ファイバー 網 や 衛星 通信 を 組み合わせた 地球 規模 の 情報 通信 基盤 構想 を 実現 する ため の 、 世界共通の 八 原則 に ついて 合意 する 見通し だ 。 情報 サミット は 、 昨年 七 月 の 先進 国 首脳 会議 で 開催 が 決まった 。 日本 から は 橋本 竜太郎 通産 相 、 大出 俊 郵政 相 が 出席 する ほか 、 情報 通信 関連 の 民間 企業 トップ ら も 多数 参加 する 。 日本 電子 機械 工業 会 が 11 日 に 発表 した 昨年 11 月 の カラーテレビ ・ VTR 統計 に よる と 、 国 内 出荷 台 数 は 、 カラーテレビ が 前年 同月 比 7・8 % 増 の 81万8000 台 、 VTR は 12・0 % 増 の 51万7000 台 で 、 ともに 4 カ月 連続 して 前年 実績 を 上回った 。 画面 が 横長の ワイドテレビ は 、 22万9000 台 で 同 4・5 倍 に 急増 した 。 十一 日 の 東京 外国 為替 市場 の 円 相場 は 、 米国 投機 筋 の ドル 売り が 集中 し 、 一 時 一 ドル = 九九 円 七〇 銭 まで 円高 ・ ドル安 が 進み 、 昨年 十二 月 三十 日 以来 、 約 二 週間 ぶり に 一 ドル = 一〇〇 円 を 突破 した 。 国 が 過去 に 発行 した 国債 の 償還 財源 と して 積み立てて いる 国債 整理 基金 の 残高 が 、 一九九五 年度 中 に も 底 を ついて しまう 危機 的な 状況 に 陥って いる 。 大蔵 省 が 十一 日 まで に まとめた 試算 で 明らかに なった 。 九五 年度 の 予算 編成 で 、 歳出 入 の ギャップ を 埋める ため に 一般 会計 から 同 基金 へ の 定率 繰り入れ を 停止 した こと など が 、 基金 の 懐具合 を 急速に 悪化 さ せた 形 。 国 の 借金 返済 に あたる 国債 の 償還 に 支障 を 来す 可能 性 も ある だけ に 、 二十 日 に 開会 する 通常 国会 の 予算 委員 会 でも 論議 を 呼び そうだ 。 大蔵 省 に よる と 、 九四 年度 末 の 国債 整理 基金 の 残高 は 約 二兆二千億 円 と なる 見通し 。 九五 年度 中 に 予定 さ れて いる 国債 の 償還 に 必要な 資金 は 三兆一千億 円 で 、 単純 計算 で は 基金 が 底 を ついて 九千億 円 分 の 国債 償還 は 賄え なく なる 。 この ため 、 九五 年度 の 政府 予算 案 で は 、 NTT 株 の 売却 益 活用 事業 に 対する 融資 の 繰り上げ 償還 で 、 一兆一千億 円 を 同 基金 に 繰り入れる こと に した 。 また 、 政府 が 保有 して いる NTT 株 と JT 株 の 売却 益 六千二百七十五億 円 も 基金 に 積み立て 、 国債 の 償還 に は なんとか 支障 を 来さ ない ように した 。 しかし 、 株式 市場 の 低迷 で 、 NTT 株 や JT 株 を 売却 できる か どう か は 不透明な 状況 で 、 国債 整理 基金 へ の 繰り入れ が 確実に 見込める の は 一兆一千億 円 だけ 。 この 結果 、 国債 償還 の 財源 を 差し引いた 九五 年度 末 の 基金 残高 は わずか 二千億 円 と なる 可能 性 が 大きい 。 一方 、 税収 動向 は 低調で 、 九四 年度 決算 で は 歳入 不足 と なる 事態 も 予想 さ れる 。 その 場合 は 、 穴埋め 資金 を 国債 整理 基金 から 調達 し なければ なら ず 、 大蔵 省 は 同 基金 と 財政 全体 の 双方 の 破たん の 危機 に 直面 する 。 メキシコ 政府 が 東京 銀行 など 邦 銀 四 行 に 求めて いる 支援 の 内容 が 十一 日 明らかに なった 。 支援 要請 額 は 一行 あたり 最低 二億 ドル で 、 金利 は 市場 金利 に 一・五 % 上乗せ し 、 融資 期間 は 今年 十二 月 末 まで 。 取りまとめ 役 の 米 シティバンク が 伝えて きた もの で 、 メキシコ 側 は 十二 日 まで の 回答 を 求めた 。 来 日 中 の メキシコ の グリア 外 相 は 十一 日 の 記者 会見 で 、 年 末 から 続く 通貨 ペソ の 下落 に ついて 「 為替レート は これ まで メキシコ 経済 が 抱える 唯一 の 問題 だった が 、 是正 した こと で 今後 は 安定 に 向かう 」 と の 楽観 的な 見通し を 示した 。 さらに 「 メキシコ は 過去 十 年間 で 教育 の 向上 、 インフラ 整備 、 市場 開放 を 積極 的に 進め 、 国際 市場 で 十分な 競争 力 を 備えて いる 」 と 語り 、 債務 支払い 不能 に 陥った 一九八〇 年 代 と 今回 の 「 通貨 危機 」 と は 環境 が 違う 点 を 強調 した 。 不動産 サービス の アットホーム が この ほど 、 首都 圏 の 独身 サラリーマン ・ OL 百五十 人 を 対象 に 「 賃貸 住宅 に 関する アンケート 」 を 実施 した 。 それ に よる と 、 環境 面 で 重視 する 点 は 、 一 人 暮らし 、 結婚 の どちら が 目的 の 部屋 探し も 、 第 一 位 は 「 コンビニ が 近く に ある 」 こと で 、 市 役所 や 郵便 局 など の 公共 施設 、 病院 など を 大きく 上回った 。 女性 は 、 結婚 の ため の 部屋 探し で 「 コンビニ 」 重視 が 七六・九 % も いて 、 男性 の 六六・七 % より 多く 、 結婚 後 も 「 コンビニ 」 願望 が 強い 。 女性 の 第 二 位 は 「 公共 施設 」 の 五一・三 % 、 第 三 位 は 「 病院 」 の 四一・〇 % 。 「 大家 さん が 離れて いる 」 も 七・七 % おり 「 レンタル ビデオ 店 が 近い 」 と 並び 第 四 位 。 希望 する 住宅 機能 ・ 設備 で 最も 多い の は 、 「 独立 した バス ・ トイレ 」 で 約 八 割 。 次いで 「 収納 スペース 」 「 備え付け の 冷暖房 」 「 洗濯 機 置き場 」 の 順 。 一 人 暮らし の 男性 で は 「 備え付け の ファクス 」 も 五・九 % いた 。 できれば 欲しい もの は 、 男性 は 「 バルコニー 」 、 女性 で は 「 オートロック 」 が 上位 を 占め 、 「 衛星 放送 」 も 希望 が 多かった 。 一九九五 年度 政府 予算 が 昨年 十二 月 末 に 決まり 、 住宅 投資 が 引き続き 積極 的に 行わ れる 。 今年 の 住宅 の 需給 動向 は どう なる の か 。 関係 者 の 見方 を まとめる と 、 金利 は 当面 落ち着き 、 住宅 価格 下落 は 続いて 、 お 客 に とり 買い時 が 続き そうだ 。 まず マンション 供給 は 、 九四 年 が 推定 十六万 戸 、 うち 首都 圏 は 八万 戸 だった の が 、 今年 は 前年 を やや 下回る 販売 量 と なり 、 価格 も 実質 値下がり と なり そうだ 。 長谷 工 総合 研究 所 の 調べ だ と 九四 年 一 ― 十 月 の 首都 圏 マンション 平均 価格 は 四千四百三十二万 円 、 広 さ は 六十八・七 平方メートル で 、 前年 より 五十六万 円安 、 一・七 平方メートル 狭く なって いる 。 不動産 経済 研究 所 の 九五 年 予測 で は 、 首都 圏 の マンション 供給 は 七万四千 戸 、 価格 は 四千二百万 円 前後 だ 。 マンション 市場 は 昨年 秋 から 契約 率 が 落ちて いる 。 供給 ラッシュ から お 客 の 人気 は 首都 圏 三十キロ 、 駅 から 十 分 以内 に 集中 し 、 顧客 の 都心 回帰 が 目立つ 。 他方 で 郊外 型 マンション は 売れ行き の 優劣 が 表れ 、 一部 に 値崩れ が 出て いる 。 この ため 、 マンション メーカー が 今年 一 ― 三 月 の 結果 を 見て 来 年度 の 供給 計画 を 下方 修正 し そうで 、 市場 変調 が 供給 戸数 全体 に 影響 を 及ぼし そうだ 。 また 、 新規 供給 価格 は 、 商業 地 の 地価 下落 が 続き 、 資材 価格 も 安定 して いる ため 、 なおも 下がり そうだ 。 その 半面 、 中古 マンション は バブル 時代 の 高値 の もの を 含め 、 四 年 連続 で 下落 して おり 、 これ が 中古 を 売って 大型 物件 へ 買い替える 動き の 障害 に なって いる 。 「 億ション 」 は 、 九四 年 は 五百 戸前 後 で 、 今年 も 同 程度 と なり そうだ 。 昨年 は 「 恵比寿 ガーデンプレイス 」 の ような 人気 物件 と 、 不 人気 の 色分け が はっきり した 。 「 億ション 」 の 潜在 需要 は 多い と 見 られる が 「 どこ に いる の か わから ない 」 と いう の が 悩み だ 。 持ち家 、 公共 住宅 など を 合計 した 新規 住宅 着工 総数 も 昨年 同様に 百五十万 戸 程度 に なり そうだ 。 ただ マンション 供給 が 秋 以降 減る と 見 られる ため 、 年度 ベース で みる と 弱 含む 。 建設 省 や 民間 機関 ともに 、 今 年度 より 十万 戸 以上 減り 百四十万 戸 台 前半 と みて いる 。 うち 一戸建て は 前年 並み の 四十三万 戸 程度 と なり そう 。 注目 さ れる 定期 借地 権 付き 住宅 は 、 一戸建て の 場合 は 各 住宅 メーカー の 商品 が 出そろい 、 かなり の 数 が 出 そうだ 。 しかし 、 定 借 マンション は 五十 年 後 の 土地 返還 や 区分 所有 など の 問題 で 不透明な 部分 が 多く 、 多く の 企業 は 消極 的だ 。 輸入 住宅 は 、 円高 値下げ で 徐々に 人気 を 高め 、 昨年 は 三千 戸 弱 を 販売 した 。 今年 は 新規 参入 企業 も あり 、 五千 戸 の 大台 に 乗る こと も 予想 さ れる が 、 需要 の 伸び は 、 コスト アップ の 元凶 である 規制 の 緩和 次第 だ 。 しかし 、 今年 の 住宅 需要 全体 に ついて 言える こと は 「 最大 の カギ と なる 金利 の 動向 が なかなか 読め ない 」 こと だ 。 政府 日銀 の 見通し どおり に 着実に 景気 が 回復 すれば 、 今年 後半 、 金利 の 上昇 は 必至 と なる 。 これ が 住宅 需要 全体 に ブレーキ を かける の は 間違い ない 。 住宅 金融 公庫 の 融資 戸数 は 来 年度 も 今 年度 当初 並み の 六十三万 戸 と 決まった 。 今 年度 は 低 金利 と 景気 対策 の 追い風 で 、 九十九万 戸 に まで 拡大 した 。 仮に 貸付 金利 が 現在 の 四・三五 % から 大きく 上がれば 申込 者 は 今 年度 より かなり 減る と 予想 さ れる 。 貸し付け 条件 も 、 昨年 八 月 に 自己 資金 の 二〇 % 確保 の 原則 が 打ち出さ れて おり 、 これ に 加えて の 金利 の 引き上げ は 住宅 需要 の 逆風 と なる 。 毎日新聞社 で は 、 住宅 に 関する 情報 を より 充実 する ため 「 役立つ 住宅 情報 」 の 面 を 毎週 木曜日 に 連載 して い ます 。 下記 の アンケート に お 答え いただいた 方 の 中 から 、 抽選 で 10 人 の 方 に 特製 テレホンカード を さしあげ ます 。 〒 100 東京 都 千代田 区 一ツ橋 1 の 1 の 1 、 毎日新聞社 内 毎日 企画 サービス 「 役立つ 住宅 情報 係 」 まで 。 米国 の 代表 的な 現代 建築 家 、 シーザー ・ ペリ の 展覧 会 「 アーキテクチュア ・ オブ ・ レスポンス 」 が 13 日 から 3 月 13 日 まで 、 フジタヴァンテ ・ ミュージアム で 開催 さ れる 。 今年 完成 する NTT 新宿 本社 ビル 、 来年 完成 予定 の 超高層ビル 、 クアラルンプール ・ シティ ・ センター = 完成 予想 写真 、 ワシントン ・ ナショナル 空港 新 ノース ・ ターミナル など 、 模型 25 点 、 写真 100 点 など 計 340 点 を 展示 。 その 建築 コンセプト を 紹介 する 。 午前 10 時 から 午後 6 時 まで 。 木曜 と 2 月 19 日 は 休館 。 一般 800 円 、 大 高 中 生 600 円 。 小学生 以下 無料 。 ミサワホーム 総合 研究 所 は 「 住宅 の 中 の 安全 対策 」 を テーマ に 、 一昨年 9 月 から 1 年 に わたって 発行 して きた 「 ミサワ ・ セーフティ ・ リポート 」 を 近く 、 1 冊 の 本 に まとめ 、 書店 で 販売 する 。 A 4 判 、 64 ページ 。 特に 、 家庭 内 で の 子供 の 事故 に 重点 を 置いて 、 事故 の 検証 結果 から 安全 対策 まで を リポート した 。 建物 を つくる 側 の 技術 的 配慮 だけ で なく 、 住む 側 、 利用 する 側 の 使い 方 や 心得 に ついて も 、 解説 して いる の が 特徴 。 設計 者 や 小児 科 医 、 母親 、 ベビーシッター ら の 経験 、 体験 も 編集 段階 で 生かす ように した と いう 。 付録 で は 、 事故 が 起きた 場合 の 応急 措置 の 方法 や 手配 に ついて 記載 さ れて いる 。 1 月 中 に も 発売 する 予定 だ が 、 価格 は 未定 。 建材 メーカー の トステム は 5 日 から 、 大型 アルミ 玄関 ドア 「 ポルト 23 」 シリーズ に 、 新たに 8 デザイン を 追加 し 、 全国 で 発売 した 。 ドア 本体 に タテ長の ガラス を 組み込み 、 ドア の 大き さ を 強調 する と ともに 、 室 内 へ の 採光 量 を 増やした の が 特徴 。 欄間 部分 まで 通した 高 さ 2.33 メートル の 大型 ドア で 、 子 扉 を 組み合わせて 両 開き に する こと も できる 。 価格 は 31万7500 円 から 49万9500 円 まで 。 親子 が 実験 を 通して 科学 に 接し 、 不思議 を 楽しむ 第 一 回 「 サイエンス シアター 」 が 四 月 、 早稲田 大 国際 会議 場 ・ 記念 ホール で 開か れる 。 中学 に なる と 途端 に 始まる 理科 嫌い に ストップ を 、 と 国立 教育 研究 所 物理 教育 研究 室長 の 板倉 聖宣 さん が 企画 した 。 合言葉 は 「 ぼくら は ガリレオ 、 わたし も ファラデー 」 。 板倉 さん は 仮説 実験 授業 研究 会 の 代表 と して 、 理科 教育 を 研究 して きた 。 子供 の 「 理科 離れ 」 傾向 が 指摘 さ れる が 、 「 その 理由 は 受験 の ため 目先 の 知識 に とらわれ 、 科学 本来 の 楽し さ を 知ら ない ため 」 と 、 今春 退官 する の を 機 に シアター を 考えた 。 初回 は 偏光 板 や 分光 器 など を 使い 、 光 と 電波 の 世界 を 探る の が 狙い 。 開幕 に 向けて 先月 、 東京 の 科学 技術 館 で リハーサル を 行った 。 豆 電球 、 手回し 発電 機 二 台 、 プラスチック 製 の 一億 倍 分子 模型 、 三十 倍 光源 つき 顕微 鏡 など 一 人 計 二万五千 円 かかった が 、 親子 三百二十 人 が 参加 。 ハンドル 式 の 発電 機 を 使った 実験 で は 、 つないだ 豆 電球 を 点灯 さ せ ながら もう 一 人 が 電球 を ソケット から 外す と 、 途端 に ハンドル は 軽く なり 、 再び ソケット に 入れる と 、 ガクン と 手応え が 強く なった 。 豆 電球 四 個 を つないで 点灯 さ せる に は 、 一 個 より ずっと 力 が いった 。 三十 人 の スタッフ が 、 電線 の 接続 など 疑問 点 に 答え 、 指導 し 、 子供 も 大人 も 一緒に なって 手応え の 変化 を 予想 し 、 アレッ と いう 顔 で エネルギー に 好奇心 を 向けた 。 板倉 さん は 「 気 が 向いたら 家 でも 実験 する 。 なぜ そういう 結果 に なる か を 家族 に 教える 。 他人 に 教える の が 好きに なる やり 方 です 。 科学 を 楽しみ 、 夢中に なる 子供 を 少しずつ でも 増やし たい 」 と 話す 。 市民 参加 の 有料 の 科学 講座 は 、 一七〇〇 年 代 の 英国 に 始まり 、 科学 を 楽しむ 人 が 増えた と いう 。 サイエンスシアター の 名 は 、 英国 の 科学 者 ファラデー が 、 王立 研究所 内 の シアター と 呼ば れる 大 講義 室 に 聴衆 を 集めて 実験 した こと が 由来 だ 。 初回 定員 は 四百五十 人 。 実験 器具 は 実費 で 、 参加 費 は 二万五千 ― 三万 円 。 申し込み は 小林 光子 さん 。 遠山 真 学 塾 が 14 日 午前 10 時 ― 正午 、 東京 都 武蔵野 市 境 1 の 2 の 1 、 丸十 ビル 5 階 の 同 塾 で セミナー 「 障害 を 持つ 子ども の 権利 と 教育 の 現状 」 を 開く 。 子ども の 権利 条約 に は 、 障害 児 の 権利 条項 が ある 。 普通 教育 と 特殊 教育 に 分ける 日本 の 学校 は 条約 に 反して い ない か 検討 、 現場 で 条約 の 趣旨 を 根付か せる 道 を 考える 。 会費 千 円 。 問い合わせ 、 申し込み は 同 塾 。 学校 図書 館 の 現状 を 報告 し 合い 、 図書 館 に 専任 の 担当 者 が いる 意味 を 考える 集い が 22 日 午前 10 時 ― 午後 4 時 、 東京 都 北 区立 荒川 小学校 で 開か れる 。 小 ・ 中学校 図書 館 に 人 を ! 関東 の つどい 実行 委員 会 の 主催 。 午前 は 、 小学校 教師 や 学校 司書 の 実践 報告 。 午後 は 5 分科 会 に 分かれ 、 学校 図書 館 の 設置 意義 や 図書 館 に 求め られる 人 、 学校 図書 館 と 公共 図書 館 の 連携 など に ついて 話し合う 。 資料 代 千 円 。 問い合わせ は 広瀬 さん 。 勉強 の 苦手 意識 は 小学校 の 低 学年 から ―― 。 学業 不振 児童 ・ 生徒 に 関する 研究 会 が 昨年 三 月 、 千葉 県 内 の 公立 中 二 年生 千五百十九 人 に 小学校 時代 を 振り返って もらった ところ 、 三 、 四 年生 まで に 一 割 以上 が 苦手 意識 を 持って いた 。 「 授業 が よく わから ない 」 「 苦手だ なあ 」 と の 気持ち が 強く なった 時期 は 、 算数 ・ 数学 で は 、 小学 一 ・ 二 年 四・八 % 、 三 ・ 四 年 一〇・二 % と 、 計 一五 % に なった 。 五・六 年のころ と した 生徒 は 二二・五 % 。 中学 一 、 二 年 に なって から も 各 二〇 % 以上 。 国語 、 社会 も 同じ 傾向 で 、 小学 三 ・ 四 年生 まで に 一〇 % 強 が 苦手 意識 を 持って いた 。 一方 、 この 苦手 意識 に 「 すぐ 気づいて くれた 」 親 は 三五・一 % だった の に 対し 、 教師 は 一二・七 % と 、 親 の 方 が 敏感だった 。 苦手 意識 を きっかけ に 塾 通い を 始めた 子供 は 七 割 近く いた 。 同 研究 会 メンバー の 明石 要一 ・ 同 大 教育 学部 教授 は 「 これ まで 学業 不振 と いえば 、 中 、 高校 生 の 問題 と さ れ 、 小学校 低 学年 まで さかのぼって 調べる こと は なかった 。 学業 不振 、 苦手 意識 と は 、 その 教科 が 嫌いに なる こと 。 小学 低 学年 で 五 % の 子供 が 算数 嫌い など と 意識 して いる と は 驚き 。 親 は ますます 子供 の 勉強 に 敏感に なった 一方 、 教え 方 は 一層 難しく なって いる 」 と 話して いる 。 フレネ 教育 で は 子供 の 興味 を 大切に し 、 教師 は 興味 を 育てる わき役 に 徹する 。 一斉 授業 と いう 方法 を 取ら ず 、 子供 の 好きな 手 仕事 や 自由 作文 など を する の が 特徴 。 フランス で 生まれ 、 欧州 に 広がった フレネ 教育 の 現場 を 描いた 。 イタリア ・ フィレンツェ の ある 学校 で 、 著者 は 小学 1 、 2 年生 の グループ に よる 「 サーカス 」 を 主題 に した ドラマ づくり を 見学 する 。 子供 たち が ライオン に なったり 、 クマ に なったり と 身体 表現 を する のに 、 人まね を しよう と する 雰囲気 が 全く し ない こと に 感心 する 。 「 個 」 の 主張 や 表現 が 当然 と 認め られて いる ところ に 不満 は 蓄積 し ない だろう と 考え 、 同時に 日本 型 強制 教育 の 問題 点 を 明らかに して いく 。 幸せだった 人生 の 中 で うれしい の は 、 大切な 三 人 の 恩師 が そろって 八十三 歳 で いま も お 元気な こと である 。 小学校 五 、 六 年 の 時 の 担任 の 福島 先生 は 若かった 。 時折 黒板 に 「 闘志 満々 」 と か 「 破邪 顕正 」 と か 難しい 言葉 を 書き ながら の 熱弁 に 、 私 は いつも 身じろぎ も せ ず 聞き入って いた の を 思い出す 。 店 を やって いた 私 の 家 の 倒産 と 女学校 入学 が 重なり 、 先生 に は 随分 お 世話に なった 。 結婚 の 時 は 仲人 も して いただいた 。 女学校 の 時 の 名越 先生 は 、 一 年 おき の ささやかな 私 たち の クラス 会 に 必ず お 姿 を 見せて くれる 。 昨年 は 前回 に 続き 、 わが家 で 楽しい 一 時 を 過ごして もらえた 。 部屋 に は いつの間にか 、 まだ 小学生 の 二 人 の 孫 が いたり する 和やかな 会 であった 。 そして 私 が 大好きな 小学校 の 教師 に なり 、 初めて 高 学年 を 受け持った 時 の 主任 が 、 池ノ内 先生 だった 。 先生 は 子ども たち の 前 で 余り 多く を 話さ ず 、 静かだった 。 が 、 温かく 、 無上の 存在 感 が あり 、 先生 の クラス の どの 子 も ごく 自然に 、 心から 信頼 して いる の が 良く 分かった 。 まだ 若かった 私 に 、 本当の 教育 の 姿 を 感じ させて くれた ご恩 は 生涯 忘れる こと が 出来 ない 。 今 の 私 の 願い は 、 三 人 の 先生 の 米寿 の お 祝い を さ せて いただく こと である 。 その 日 の 来る の を 心 に 祈り つつ 、 私 も 元気で 頑張ろう と 思う 。 「 『 平和 の 手 』 は カトリック 大阪 教区 内 の 平和 運動 から 生まれた 団体 です 。 全国 的な 組織 に なり ました が 、 発足 後 三 年 が 経過 して みる と 、 カトリック 側 と して は 、 もっと 大阪 教区 内 に ひきつけて おき たい 。 一方 、 教会 と いう 枠 を 超えて 日本 の 市民 運動 と して 脱皮 し たい と いう 人 も 数多い 。 『 平和 の 手 』 から 発展 的に 分かれた の が 『 地 に 平和 』 です 」 「 四十 年 を 超す 被 支配 下 で 自前 の 経済 活動 が でき ない 、 一 度 も 国 を 持った こと が ない 人 たち 、 抵抗 運動 しか した こと の ない 人 たち が 政府 と いう もの を つくって いか なければ なら ない 。 四十 年間 、 将来 の 展望 なし に 生きて きた と いう こと も 精神 的に 大きな 傷跡 を 残して い ます 」 「 しかし 、 ナチ から 生きのびた ユダヤ 人 、 イスラエル の 人 たち が 他 民族 を 犠牲 に して は いけない こと を よくよく 承知 して い ながら 、 それ でも パレスチナ 人 を 押し込めて 自分 の 国 を つくら ざる を え なかった と いう こと に も 日本 人 は 留意 する 必要 が あり ます 」 「 国 内 的に は 、 市民 が それぞれ 独立 した 人間 に なる ため の 、 国際 社会 の 責任 ある 一 市民 に なる ため の 勉強 会 を 全国 的な 規模 で 展開 して いき たい と 思って い ます 」 連絡 先 は 〒 107 東京 都 港 区 南青山 3 の 3 の 10 「 地 に 平和 」 太田 道子 代表 。 全国 の 20 代 女性 の ヘアスタイル を 花王 が 昨春 、 街頭 調査 した 。 ストレート が 57 % と 相変わらず 多い もの の 、 毛先 に 段 を 入れた レイヤーカット が 1993 年 春 の 6 % から 13 % へ 増加 、 東京 だけ とって みる と 22 % に 。 一方 、 91 年 春 は 43 % だった ウエービー が 、 30 % に 減った 。 長 さ で みる と 、 ロング 49 % 、 セミロング 36 % 、 ショート 15 % で 90 年 代 に 入って 初めて ロング が 5 割 を 下回り 、 逆に 90 年 春 に 25 % だった セミロング が 増え 、 セミロング の レイヤーヘア が 流行 の 兆し 。 地域 別 で は 、 ロング が 多い の は 大阪 、 名古屋 、 広島 で 、 セミロング は 札幌 、 東京 、 ショート 派 は 博多 、 金沢 、 仙台 で 目立った 。 新 横綱 ・ 貴乃花 が 3 連勝 を 決めた 後 の 結び の 一 番 。 仕切り 前 、 「 ウォー 」 と 大きく ひと ほえ した 先輩 横綱 ・ 曙 が 「 貴乃花 よ 、 これ が 横綱 相撲 だ 」 と ばかり に 、 琴錦 を 力まかせの 相撲 で ねじ伏せた 。 琴錦 は 、 金星 を 挙げた 昨年 春 場所 の 再現 よろしく 、 仕切り線 から 離れた 立ち合い で かく乱 戦法 を 狙った 。 曙 は あわて ず 、 強烈な ぶち かま し を 一 発 。 土俵際 まで 飛ばして おいて 、 素早く 左 上手 を 取った 。 琴錦 も 頭 を つけて 十分な 体勢 に 持ち込んだ が 、 善戦 も ここ まで 。 曙 が 右 すくい投げ を 打つ と 、 琴錦 の 体 が 崩れ落ちた 。 平然と した 表情 で 支度 部屋 に 引き揚げた 曙 は 「 相手 の 体 を 起こして 胸 を 合わせよう と したら 、 倒れて しまった 」 。 両ひざ の 故障 で 2 場所 全休 した 後 、 先 場所 は 10 勝 どまり 。 今 場所 の 好調な 出足 の 原因 は 、 もちろん ひざ の 復調 、 相撲 カン の 戻り など も ある が 、 最大 の 要因 は 貴乃花 に 対する ライバル 意識 。 横綱 土俵 入り でも 、 同じ 雲竜 型 の 貴乃花 と 違い を 出す ため に 、 今 場所 から 両足 の 開き 幅 を 今 まで より 広く 変えた ほど だ 。 「 何事 も 新 横綱 と 比べ られる から 、 負け られ ない よ 。 完全 復活 ? 見えて きた 。 3 連続 優勝 の ころ の 自分 の 相撲 イメージ に 近づき つつ ある 」 と 力強く うなずいて 支度 部屋 を 後 に した 。 自信 から な の か 、 その 足取り も 、 日に日に 大また に なって きて いる ように 見えた 。 ○ 若乃花 ・ 浜ノ島 ● 持病 の 腰痛 で けいこ 不足 を 懸念 さ れた 若乃花 が 、 本 場所 土俵 で 勝負 勘 を 取り戻して いる 。 じっくり と 仕切る 浜ノ島 に 、 若乃花 は 眼光 鋭く 応じた 。 目 の 色 は 「 どこ から でも かかって こい 」 と いわんばかり 。 浜ノ島 の 突き放し を 下 から はね上げ ノド 輪 で 応戦 する と 左 から つかまえ に 出た 。 ともに 両 まわし を 取れ ず 一 度 体 を 離して 右四つ に 組み替えた 。 若乃花 は 十分に 下手 を 引き 、 浜ノ島 の 右 差し手 を 抱えた 。 浜ノ島 も 自分 の 左手 を ひざ に 当てて 若乃花 の 差し手 を 殺し 、 攻勢 を しのぎ ながら 巻き替え に 出た 。 これ が 浜ノ島 の 命取り 。 「 勝負 どころ 」 と 読んで の ためらい の ない 出足 は 、 若乃花 に とって なにより だった だろう 。 ベルマーレ 平塚 は 十一 日 、 新 外国 人 選手 と して ブラジル の ポルトゲーザ から シモン = 182 センチ 、 70キロ = の 獲得 を 発表 した 。 シモン は 代表 歴 こそ ない が 、 攻撃 に 絡める 守備 的 MF と して 定評 が ある 。 第 二十一 回 全 日本 スプリント 選手 権 は 十三 、 十四 の 両日 、 長野 県 岡谷 市 の やまびこ 国際 スケートリンク で 行わ れる 。 世界 スプリント 選手 権 の 選考 会 を 兼ね 、 男子 43 人 、 女子 38 人 が 参加 。 五百 メートル 、 千 メートル を 2 回 ずつ 滑り 、 合計 ポイント で 優勝 を 争う 。 男子 は 堀井 学 の 好調 ぶり が 目立つ 。 帯広 で 行わ れた ワールドカップ で は 五百 メートル で 2 勝 。 先週 の 全 日本 実業 団 選手 権 でも 36 秒 台 を マーク 。 リレハンメル 五輪 銅 メダリスト の 貫録 を 見せて いる 。 五輪 五 位 の 清水 宏保 は インカレ も 2 種目 を 制して おり 、 堀井 に どこ まで 迫る か 。 千 メートル は 宮部 行範 の 安定 感 が ずば抜けて いる 。 女子 は 混戦 模様 。 五百 メートル で は 今季 好調 の 岡崎 朋美 が 注目 さ れる 。 浅間 選抜 で 2 種目 優勝 、 全 日本 実業 団 でも 五百 メートル を 制した 。 三宮 恵利子 も 調子 を 上げて いる 。 千 メートル は 楠瀬 志保 が W杯 2 勝 の スペシャリスト 。 テニス の ニューサウスウェールズ ・ オープン は 十一 日 、 豪州 の シドニー で 行わ れ 、 女子 シングルス 二 回 戦 で 沢松 奈生子 は ガブリエラ ・ サバチーニ に 敗れた 。 11 日 付 の ブラジル 有力 紙 エスタド ・ デ ・ サンパウロ は 、 昨年 の サッカー の ワールドカップ 米国 大会 で 活躍 した ブラジル 代表 の FW ベベト が 10 日 まで に 、 Jリーグ の 鹿島 アントラーズ に 移籍 する こと が 正式に 決まった と 報じた 。 パス 料 と して 鹿島 は 所属 して いる スペイン の ラコルニャ に 350万 ドル 支払う こと で 合意 した と いう 。 が 、 なぜ か ただ ひと り 優勝 に 見放さ れて いる 。 足りない の は 立ち合い の 厳し さ と いわ れて 久しい が 、 今 場所 も 相変わらず 、 引っ張りこむ 相撲 で 白星 を 稼いで いる 。 わき の 甘い 久島海 に 差さ れた が 、 強引に 小手 投げ 。 一 発 で 決まら ない と 見る や 、 右足 を 相手 の 左足 の 内側 に 掛け 、 体 を 後ろ に 反って 倒す 河津 掛け を 繰り出した 。 「 押し込ま れる 相撲 ばかり 。 まわし が 全然 取れて い ない 」 と 、 いまひとつ 釈然と し ない 表情 。 五 日 目 は 好調 武双山 と の 全勝 対決 。 「 前半 戦 の ヤマ場 、 思い切って いく しか ない 」 と 、 どちら が 大関 か わから ない コメント 。 労使 交渉 決裂 後 も ストライキ が 続く 米 大リーグ は オーナー 側 が 代替 選手 に よる シーズン 開催 を もくろんで いる が 、 対象 と なる マイナー リーグ の フリーエージェント 選手 の 半数 は 代替 選手 と して プレー する 意思 が ある こと が 、 十 日 付 の 米 全国 紙 USA トゥデー の 調査 で 明らかに なった 。 この 調査 は 同 紙 が マイナー リーグ で 自由に 契約 できる 権利 を 持つ FA 資格 者 416 人 の うち 125 人 を 対象 に 実施 。 大リーグ の 代替 選手 と して 契約 する 可能 性 に ついて 、 「 確実に プレー する 」 と 答えた 選手 は 25 % 、 「 たぶん プレー する 」 も 24 % に 達した 。 昨 シーズン 、 2 A の トゥルサ で 月給 45万 円 で プレー した 三十 歳 の ロブ ・ ネルソン 内野手 は 「 選手 会 の 立場 は 分かる が 、 底辺 の 選手 も 家族 を 養ったり し なければ なら ない 」 と 代替 選手 を 選択 する 意思 を 示して いる 。 シーズン 開催 に は 28 球団 で 700 選手 が 必要だ が 、 オーナー 側 は 選手 会 の スト が 続く 場合 、 マイナー リーグ や 大学生 、 元 大リーガー ら を 集めて 春季 キャンプ を 強行 する 狙い で 、 代替 選手 契約 の ガイドライン 作り が 週明け に も 終了 する 予定 だ 。 近鉄 を 退団 、 米 大リーグ を 目指す 野茂 投手 は 十一 日 、 東京 ・ 神宮 外苑 で 自主トレーニング を 開始 、 午後 は 都 内 の トレーニング ジム で 汗 を 流す など 、 目標 の 大リーグ 入り に 向けて 体調 整備 から スタート した 。 また 、 プロ 野球 コミッショナー 事務 局 は 同日 、 野茂 投手 が 任意 引退 と なる 前 に 、 代理人 の ダン 野村 氏 を 通じて シアトル ・ マリナーズ と 接触 して いた と の 報道 に 関し 、 大 リーグコミッショナー 事務 局 に 対し 調査 を 依頼 する 文書 を 送った 。 野球 協約 73 条 は 球団 の 保留 選手 が 他の 球団 と 契約 交渉 を 行う こと を 禁止 して いる 。 野茂 投手 は 「 接触 が 明らかに なったら 大リーグ に 行け ない こと は 知っている から 違反 の 事実 は ない 」 と 全面 的に 否定 。 マリナーズ の オスト 広報 部長 も 「 九 日 、 野村 氏 から 通知 が あった 」 と 接触 は 認めた もの の 、 事前 交渉 は 否定 した 。 NHK の 関連 団体 である 日本 放送 出版 協会 の 月刊 誌 「 放送 文化 」 が 一 月 号 で NHK の ドラマ 批判 を やってのけた 。 しかも 同じ 号 の 編集 後記 で 「 …… 小 誌 の 編集 コンセプト および 記事 に ついて NHK から 何ら の 干渉 も 掣肘 も 受ける もの で は あり ませ ん 。 放送 文化 の ため に は 今後 と も NHK へ の 批評 を つづけ ます 」 と まで 言い切った 。 さぞや “ 親会社 ” から 非難 の 矢面 に 立た さ れて いる だろう と 想像 して いたら 「 いえ 、 全然 。 編集 後記 を 書いた せい か 、 何も 言って き ませ ん ねえ 」 。 一九四六 年 創刊 の 季刊 「 放送 文化 」 を 全面 リニューアル する ため 一昨年 四 月 、 出版 社 の 「 文芸 春秋 」 から 引き抜か れて 「 放送 の こと は まったく 素人 」 ながら 編集 兼 発行 人 に なった 。 「 強烈な 活字 人間 でした ね 。 電波 なんて あんまり 程度 の いい もん じゃ ない と 思って た から 、 テレビ も 見 なければ ラジオ も 聴いて い なかった 」 それ が 職場 を 移って から は 四六時中 テレビ を 付け っ放し 。 そうして テレビ を 見る と 「 昔 思って いた こと が いよいよ 確信 に 近付いた 」 。 「 小説 だったら みんな ボツ 。 こんな の まかり通る なんて 冗談 じゃ ない 」 と 手厳しい 。 と いって 雑誌 作り と なる と 批評 ばかり で は 売れ ない 。 「 連載 小説 を 載せて いる の も そうした 狙い から 。 テレビ ドラマ に なり やすい 中身 を 作家 に お 願い した 」 「 これ まで こういう 分かり やすい 放送 批評 は どこ も やって い なかった し 、 この 手 の 雑誌 は なかった 。 この先 は 放送 界 以外 の 一般 の 人 が 読んで 面白い 放送 批評 に して いき たい 」 と 当面 の 抱負 を 語る 。 「 もう 少し 続ける と 、 放送 界 の 話題 だけ で は 済まなくて 、 放送 から 見た 政治 、 経済 、 社会 現象 を とらえる 総合 雑誌 に なら ざる を 得 ない と 思い ます ね 」 と も 言う 。 「 川口 さん に 『 放送 の 文芸 春秋 を 作り ます よ 』 と 言ったら 喜んで 下さった 。 “ 文芸 ” 春秋 が 政治 や 経済 の 記事 を 載せる の を 読者 が 不思議に 思わ ない なら “ 放送 ” 文化 が 放送 以外 の こと を 書いて も 別に おかしく ない わけでしょう 。 まだ 先 の 話 です が …… 」 民放 の 番組 を 切り 、 返す刀 で NHK を 切る 、 読んで 面白い ヒューマン インタレスト ストーリー など 、 編集 長 の 意気込み が 伝わって くる 誌面 だ が 、 売れ行き が 今一つ な の が 発行 人 と して 頭 の 痛い ところ 。 「 当初 、 甘く 見て いた か な と いう ところ が あり ます ね 」 と 、 これ ばかり は 反省 しきり 。 二十五 日 テレビ 朝日 で 放送 の 「 第 2 回 全 日本 天才 キッズ 歌謡 音楽 祭 」 は 、 昨年 秋 に 放送 して 話題 と なった 企画 の 第 二 弾 。 登場 する の は 四 歳 から 十三 歳 まで の 十七 組 。 平均 十一 歳 の バンド や 、 八 歳 と 六 歳 の 外国 人 カップル に よる ラブ ・ バラード と 、 バラエティー に 富んだ 顔ぶれ だ 。 前回 は 歌唱 力 に 加えて 、 ファッショナブルな 衣装 が 評判 だった 。 今回 も 全国 規模 の オーディション が 何 回 も 行わ れた 。 歌う の は 、 昨年 の ヒット 曲 を 中心 に した ナンバー で 、 全曲 歌詞 スーパー 入り 。 司会 は 前回 と 同じ 田代 まさし = 写真 = と 研 ナオコ の コンビ に 内海 光司 が 加わる 。 1 月 から の ドラマ は 、 漫画 が 原作 に なった もの が 多い が 、 これ も その ひと つ 。 新宿 駅 を 舞台 に 、 都会 の 人間 模様 を 描いて いく 。 JR 東 日本 の 全面 協力 に よる 演出 、 吉田 栄作 に 松村 邦洋 の とりあわせ 、 CM アイドル の 中谷 美紀 、 京野 ことみ が 出演 する の も チェック 。 主題 歌 は 人情 もの に 合う J―WALK で 決まり 、 だ 。 日本 テレビ 系 ドラマ 「 ステイション 」 出演 : 吉田 栄作 、 松村 邦洋 、 田辺 誠一 、 財前 直見 原作 : 大石 賢一 、 はしもと みつお ◆ 1 月 14 日 土曜 夜 9 時 スタート J―WALK 「 言え なかった 言葉 を 君 に 」 作詞 : 知久 光康 作曲 : 中村 耕一 編曲 : 杉田 裕 & J―WALK 発売 元 : メルダック 1 月 21 日 発売 MEDR ― 11030 谷川 浩司 王将 に 羽生 善治 名人 が 挑戦 する 第 四十四 期 王将 戦 七 番 勝負 の 第 一 局 は 十二 、 十三 の 両日 、 滋賀 県 彦根 市 の 「 彦根 プリンスホテル 」 で 行わ れる 。 羽生 は 現在 、 七 タイトル の うち 六 冠 を 保持 。 王将 戦 に 前人 未到 の 全 冠 制覇 が かかる 。 谷川 は 前期 三 連覇 を 達成 、 何と して も 最後 の とりで を 守り たい ところ 。 今後 の 将棋 界 を 占う 重要な 戦い に なる 。 立会人 ・ 長谷部 久雄 八 段 、 解説 ・ 淡路 仁茂 八 段 、 記録 係 は 石塚 徹 初段 。 午前 九 時 、 対局 開始 、 午後 六 時 に 手番 の 者 が 封じ手 を 行い 、 指し 掛け と なる 。 両 対局 者 はじめ 関係 者 は 十一 日 夕 、 現地 入り 。 両者 の 熱戦 を 期待 する 前夜 祭 が 同 ホテル で 行わ れた 。 中国 の 南京 城壁 を 日 中 協力 で 修復 する 計画 に 関し 、 画家 で 日 中 友好 協会 会長 の 平山 郁夫 さん は 十一 日 、 北京 で 会見 し 「 五 月 二十四 日 、 南京 で 日 中 の 若者 ら が 集い 、 城壁 の レンガ を 磨き 、 修復 する 第 一 回 の 作業 を 行う 」 と 発表 した 。 戦後 五十 周年 の 記念 で 「 日 中 不 再戦 の 象徴 に 」 と 平山 さん は 呼び掛け 、 七 月 から は 南京 など の スケッチ 展 を 日本 で 開き 、 カンパ に 充てる 。 南京 城壁 は 明 代 に 出来 、 日 中 戦争 当時 、 日本 軍 の 砲撃 で 破壊 さ れた 個所 も 残る 。 修復 は 中国 政府 、 ユネスコ と 同 協会 が 協力 し 、 日本 で は 同 協会 本部 に 実行 委員 会 を 設置 する 。 一口 三千 円 の カンパ を 募る ほか 、 現地 で の 作業 奉仕 も 行う 。 カンパ 者 の 名前 は 城壁 の 一部 に 飾る 計画 だ 。 南京 でも 市長 を トップ と する 委員 会 が スタート して いる 。 十一 日 午後 四 時 四十八 分 ごろ 、 北海道 から 東北 に かけて 地震 が あった 。 気象 庁 の 観測 に よる と 、 震源 地 は 浦河 沖 で 、 震源 の 深 さ は 六〇キロ 、 地震 の 規模 は マグニチュード 5・3 と 推定 さ れて いる 。 各地 の 震度 は 次の 通り 。 震度 3 浦河 、 広尾 ▽ 震度 2 釧路 、 苫小牧 、 帯広 ▽ 震度 1 むつ 、 八戸 、 盛岡 、 小樽 、 岩見沢 、 森 十一 日 午後 零 時 四十 分 ごろ 、 水戸 と 白河 で 震度 1 を 記録 する 地震 が あった 。 気象 庁 の 観測 に よる と 、 震源 地 は 茨城 県 沖 で 、 震源 の 深 さ は 推定 三〇キロ 。 理論 的な 予測 に 基づいて 酵素 の 構造 を 一部 変え 、 目的 の 化学 反応 を 起こり やすく する 新しい 酵素 を 作る こと に 世界 で 初めて 成功 した と 、 NEC と 江崎 グリコ の 共同 研究 チーム が 十一 日 、 発表 した 。 酵素 は 五千 以上 もの 原子 から なり 、 構造 が 複雑な ため 、 こうした 理論 予測 は 難しかった 。 有用な 化学 物質 を 効率 よく 作れ 、 医薬 品 や 食品 など の 分野 に 応用 でき そうだ 。 実験 した の は 「 ネオプルラナーゼ 」 と いう 酵素 。 でんぷん など を 有用な オリゴ 糖 に 変える 反応 と 、 でんぷん など を 分解 する 「 加水 分解 」 の 、 両方 の 反応 を 促す 。 効率 よく オリゴ 糖 を 作る 酵素 を 得る ため 、 酵素 の 立体 モデル を コンピューター グラフィックス で 画像 化 。 反応 の 途中 で 、 酵素 分子 が 一時的に でんぷん など 他の 分子 と 結び付いて いる 様子 を 画面 上 で 表現 する こと に 成功 した 。 北海道 立 札幌 医科 大 の 十八 医局 が 、 製薬 会社 と 「 もぐり 契約 」 を 結んで 受託 研究 費 を 受領 して いた 問題 で 、 大学 が 承認 した 研究 も 含め 、 製薬 会社 と 受託 研究 契約 を 結んだ 医局 は 消費 税 を 全く 納付 して い なかった こと が 、 十一 日 わかった 。 札幌 国税 局 は 一九九四 年 三 月 期 まで の 過去 三 年 分 の 報酬 の 計 約 七億一千万 円 に ついて 消費 税 の 申告 漏れ を 指摘 し 、 同日 まで に 過少 申告 加算 税 、 延滞 税 を 含めて 計 七百万 円 を 追徴 課税 した 。 調査 結果 に よる と 、 製薬 会社 と 受託 研究 契約 を 結んで いた の は 全 三十九 医局 の うち 三十七 医局 で 、 研究 報酬 は 大学 が 承認 した 研究 と 、 未 承認 の まま の 研究 を 含めて 計 千四百 件 。 報酬 は 計 約 七億一千万 円 に 上る 。 公立 の 医科 系 大学 の 受託 研究 報酬 は 、 地方 公共 団体 の 収入 に なる ため 所得 税 は 原則 的に 非 課税 扱い だ が 、 ガス や 水道 料金 など と 同じく 消費 税 が かかり 、 納入 し なければ なら ない 。 今回 の ケース で は 、 報酬 が 直接 、 医局 に 入り 、 大学 の 正式な 会計 を 経由 せ ず 、 大学 側 と して も 消費 税 の 算定 が 事実 上 でき なかった と いう 。 同 大 で は 、 同 国税 局 の 指摘 に 基づき 「 受託 契約 額 に 応じて 各 医局 の 追徴 金 を 割り当て 、 すでに 全額 納付 して いる 」 と して いる 。 消費 税 に ついて は 同 国税 局 の 指導 に 基づき 、 同 大 医学 振興 会 を 通じて 今 年度 分 から 支払う こと に して いる 。 報酬 に 対する 消費 税 の 納入 は 税法 上 の “ 盲点 ” に なって いる 。 今春 卒業 予定 の 大学 ・ 短大 生 で 、 就職 を 希望 して いる のに 、 昨年 十二 月 一 日 現在 で 内定 が 取れて い ない 者 が 約 十二万七千 人 に 上って いる こと が 、 十一 日 、 文部 省 の 推計 で 分かった 。 全国 の 国 公 私立 の 大学 、 短大 、 高等 専門 学校 計 八十五 校 の 学生 約 五千 人 を 対象 に 昨年 十二 月 一 日 現在 の 内定 率 を 調べた 。 昨年 十 月 一 日 現在 の 内定 率 調査 に 続いて 二 度 目 。 その 結果 、 全体 で 大学生 は 八五・四 % 、 短大 生 は 六三・三 % 、 高等 専門 学校 は 九五 % と 大学 、 短大 で は 一 ― 二 割 増えた 。 しかし 、 男女 別 で 見る と 、 大学生 で は 男子 八九 % に 対し 、 女子 は 七七・八 % 。 短大 女子 は 六三・四 % に とどまり 、 依然と して 女子 に 厳しい 状況 と なって いる 。 前回 調査 と 比べて 女子 は 大学生 で 一六・三 ポイント 増 、 短大 生 で 二〇・七 ポイント 増 。 上田 哲 ・ 前 社会党 衆院 議員 は 十一 日 、 「 衆院 事務 局 が 『 国会 対策 委員 長 の 承認 が 必要 』 と の 不当な 理由 で 、 国民 投票 法案 の 受理 を 拒絶 した の は 憲法 違反 」 と して 、 百万 円 の 国家 賠償 を 求めて 東京 地裁 に 提訴 した 。 記者 会見 した 上田 前 議員 は 「 憲法 で 保障 さ れた 議員 立法 権 を 侵害 する 密室 的な 国会 運営 を 法廷 で 明らかに し たい 」 と 話した 。 空 の レジャー と して 最近 人気 が 出て いる 超 軽量 動力 機 の 事故 が 多発 して おり 、 運輸 省 と 財団 法人 日本 航空 協会 は 十一 日 まで に 、 初 の 実態 調査 に 乗り出す こと を 決めた 。 技量 認定 を 受け ず に 操縦 したり 、 許可 空域 の 外 を 飛ぶ など の 違法 飛行 が 目立って おり 、 昨年 一 年間 で 四 人 が 死亡 した 。 同 省 は 調査 結果 を もと に 今秋 に も 監視 体制 の 強化 など 対策 を 打ち出す こと に して いる 。 実態 調査 は 、 全国 の 愛好 者 クラブ の 代表 者 ら 約 百 人 を 対象 に アンケート 方式 で 十五 日 ごろ から 実施 。 各 発着 場 の 安全 管理 体制 や 指導 員 の 配置 人数 、 飛行 状況 など を 調べる 。 今月 末 に 集計 し 、 対策 の 検討 に 入る 。 航空 法 は 、 ウルトラライトプレーン を 操縦 する ため に 同 協会 の 学科 試験 と 技量 認定 に 合格 する こと を 義務付け 、 飛行 空域 も 運輸 相 の 許可 を 受けた 発着 場 から 半径 二キロ 以内 に 限定 して いる 。 だが 、 同 省 航空 事故 調査 委員 会 の 調べ で は 、 事故 の 半数 以上 が 許可 空域 外 で 発生 、 一昨年 一 月 に 滋賀 県 で 起きた 死亡 事故 の 操縦 者 は 技量 認定 も 受けて い なかった 。 ウルトラライトプレーン は 、 ハンググライダー に 車輪 を 付けた だけ の もの から 、 軽 飛行機 そっくり の 形 の 機 まで 多種 だ が 、 一 人 または 二 人 乗り で 、 重量 が 百五十 ― 百八十キロ 以下 、 燃料 容量 が 十九 リットル 以下 など の 条件 が ある 。 飛行 する ため に は 、 日本 航空 協会 の 型式 認定 を 受けた 後 、 機体 を 登録 し 、 運輸 省 の 地方 航空 局 に 申請 する 。 ウルトラライトプレーン は 日本 で は 一九七〇 年 代 から 知ら れ 出した 。 技量 認定 を 受けた 人 は 九四 年 春 現在 、 五千三百二十五 人 。 訓練 費用 は 二十万 ― 五十万 円 、 機体 も 普通 自動車 並み の 百万 ― 二百万 円 で 買える 。 しかし 愛好 者 の クラブ 組織 は 登録 義務 が なく 、 全国 で 飛んで いる ウルトラライトプレーン の 数 も 「 協会 の 型式 認定 を 受けた 約 千五百 機 の 二 倍 の 三千 機 以上 」 と み られ 、 野放し 状態 に なって いる 。 サッポロビール は 十一 日 、 サントリー が 二 月 上旬 に リニューアル 発売 する ビール 「 モルツ 」 の 缶 と 瓶 の ラベル デザイン が 、 サッポロ の 「 黒 ラベル 」 に 極めて 似て いる と して 、 サントリー に 抗議 文書 を 送付 した こと を 明らかに した 。 同 文書 で サッポロ は 、 「 『 黒 ラベル 』 と いう 当社 の 主力 製品 に 浸透 した イメージ が 分散 さ れる 」 点 を 強調 し 、 ラベル デザイン の 変更 を 要求 。 サントリー の 対応 次第 で は 、 「 商標 法 、 不正 競争 防止 法 に 基づいて 法的 措置 を 取る 」 と 強硬な 姿勢 を 示して いる 。 サントリー の 新 ラベル は 、 黒字 に 金 の 縁取り 、 金 の 商品 名 と いう 配色 。 サッポロ の 「 黒 ラベル 」 も 以前 から 同様の 配色 を 採用 して いる 。 一方 、 サントリー で は 「 味 を 改良 した 新 モルツ に ふさわしい デザイン に した 。 サッポロ を 意識 した もの で は ない 」 と 説明 して いる 。 埼玉 県 内 の 愛犬 家 ら 失跡 事件 を 捜査 して いる 埼玉 ・ 群馬 両 県警 合同 捜査 本部 は 十一 日 まで に 、 一昨年 失跡 した 四 人 の 毒殺 を 自供 した 埼玉 県 大里 郡 江南 町 板井 、 犬 猫 販売 業 、 関根 元 容疑 者 の 動機 に ついて 、 金銭 問題 で 追い詰め られた ため 、 と の 見方 を 固めた 。 関根 容疑 者 は 一昨年 、 実質 的に 経営 する ペット 販売 会社 の 社屋 建設 を 請け負った 施工 者 に も 、 代金 約 五千万 円 を 払わ ず トラブル に なった 。 施工 者 は 「 最後 は 暴力 団員 に 脅さ れ 、 身 の 危険 を 感じた 」 と 証言 。 言葉巧みに 金銭 的 負担 を さ せ 、 返済 を 迫ら れる と 殺害 も 辞さ ない 関根 容疑 者 の 姿 が 浮き彫り に なって いる 。 栃木 県 佐野 市 に 住む 建築 デザイナー 、 A さん は 四 人 と 同じく 、 関根 容疑 者 に 金銭 絡み で 危険な 状態 に 置か れた 。 一九九三 年 夏 、 A さん は 関根 容疑 者 から 自宅 改装 や 本社 社屋 の 設計 を 受注 。 「 税金 対策 で 契約 上 だけ 施工 者 に なって くれ 」 と 頼ま れ 、 実際 に 施工 する 業者 と の 間 に 入る 約束 を した 。 しかし 、 関根 容疑 者 は 工事 代金 約 五千万 円 の 支払い を 再三 延ばし 、 A さん は 下請け 業者 に 工事 代金 を 払え なかった 。 同年 暮れ 、 関根 容疑 者 の 知り合い の 暴力 団員 が 、 A さん が 十 年 前 に 発行 した 約 九百万 円 分 の 小切手 と 借用 書 を 見せて 、 「 知人 から 取り立て を 頼ま れた が 、 利息 を 含め 五千万 円 以上 に なって いる 」 と 、 工事 代金 名目 で 関根 容疑 者 あて の 五千万 円 の 領収 書 を 要求 した 。 渋る A さん に 、 暴力 団員 は 「 おれ を なめ ん の か 」 と 大声 を 上げ 、 A さん は 「 身 の 危険 を 感じて 」 領収 書 を 書いた と いう 。 この後 、 関根 容疑 者 は この 領収 書 を たて に 、 下請け 業者 に 「 工事 代金 は A さん に 払った 」 と 主張 。 それ でも 支払い を 迫る 業者 に は 「 おれ は 二 人 やった こと が ある 。 いざ と なれば お前 だって 」 と 脅した と いう 。 パチンコ 店 で 顔見知り の 中国 人 男性 を ら致 し 、 その 兄 から 身代金 六十万 円 を 取った と して 、 神奈川 県警 捜査 一 課 と 加賀 町 署 など は 十一 日 、 横浜 市 中 区 弥生 町 一 、 無職 、 呉 国明 ▽ 同 、 同 、 呉 国飛 の 両 容疑 者 を 身代 金 誘拐 容疑 で 、 同 区 、 パチンコ 店員 、 林 同云 と 同 区 大和 町 一 、 無職 、 川島 辰雄 の 両 容疑 者 を 恐喝 容疑 で 逮捕 した 。 林 、 川島 両 容疑 者 も 、 送検 段階 で 身代金 誘拐 に 容疑 を 切り替える 。 調べ に よる と 、 四 人 は 共謀 して 九 日 午後 六 時 ごろ 、 東京 都 内 の パチンコ 店 で 板橋 区 常磐台 一 、 電気 工事 業 手伝い 、 林 昌勇 さん を ら致 し 三百万 円 を 要求 、 兄 から 六十万 円 を 取り 、 さらに 百七十万 円 を 要求 した 疑い 。 笠井 正人 氏 の 社葬 = 元 コパル 社長 ・12 月 28 日 死去 = 31 日 午後 1 時 、 東京 都 文京 区 大塚 5 の 40 の 1 の 護国寺 桂昌殿 で 。 葬儀 委員 長 は 河島 宏資 コパル 会長 。 喪主 は 長男 健一 氏 。 十一 日 午後 八 時 二十五 分 ごろ 、 横浜 市 緑 区 東本郷 町 四 、 「 キヌヤスーパー 東本郷 町 店 」 の 事務 所 に 、 ナイフ と けん銃 の ような もの を 持った 男 が 押し入った 。 男 は 「 カネ を 出せ 。 死に たく ない だろう 」 と 脅し 、 男性 五 人 、 女性 二 人 の 従業 員 を 持ってきた ビニールテープ で 互いに 縛ら せ 、 売上 金 約 七十万 円 を 奪って 逃げた 。 男性 従業 員 の 一 人 が 、 男 に ナイフ を 持った 手 で 殴ら れ 、 左 耳 付近 に 軽い 傷 を 負った 。 緑 署 は 強盗 事件 と して 捜査 して いる 。 連合 大阪 の 柴田 範幸 会長 は 十一 日 、 近畿 二 府 四 県 の 連合 で 結成 する 新しい 政治 団体 「 リベラル 近畿 」 に 参加 する 近畿 選出 の 社会 、 旧 民社 両党 の 衆 ・ 参 両院 の 国会 議員 数 が 一 人 増え 、 計 十九 人 に なった こと を 明らかに した 。 また 、 十 日 に 近畿 の 各 連合 から 、 両党 の 府県 議 と 市町 村議 に 対し 、 参加 を 呼びかける 文書 を 発送 。 ほとんど の 議員 が 賛同 する 見込み 。 来月 四 日 に 予定 さ れて いる 創立 総会 で 、 確定 会員 総数 など は 公表 さ れる 。 柴田 会長 は 「 地方 主権 の 時代 。 地方 議員 から の 政界 再編 を 果たし たい 」 と 話して いる 。 社会党 福井 県 本部 は 11 日 、 次期 衆院 選 福井 3 区 に 現職 の 辻 一彦 氏 を 公認 候補 と して 党 本部 に 申請 する こと を 決めた 。 滋賀 県 伊香 郡 木之本 町 の 北陸 自動車 道 上り線 で 十 日 夜 発生 した トラック 、 乗用車 など 二十九 台 が 関係 する 玉突き 事故 は 、 死者 三 人 、 重 軽傷 者 二十七 人 を 出し 、 「 冬 の 高速 道路 」 の 怖 さ を 改めて 見せつけた 。 速度 規制 と チェーン 規制 が 敷か れて い ながら 、 大 事故 が 起きた 背景 に は 、 現場 の 路面 の 特殊 性 と 、 ドライバー の 注意 不足 が あった と 思わ れる 。 今回 の 事故 の 特徴 の 一 つ は 、 路面 の 特殊 性 。 現場 は 南北 に 全長 約 六百 メートル 、 高 さ 約 七 メートル の 陸橋 部分 の 中央 付近 。 陸橋 と なって いる ため 地熱 を もた ず 、 雪 が 解け にくく 、 見た目 に 雪 は なくて も 解けた 水分 が 寒風 で 凍結 し やすい 。 事実 、 十 日 未明 から 断続 的に 降った 雪 は 事故 当時 に は ほとんど 残って い なかった が 、 気温 零 度 前後 と 冷え込み 、 橋 の 路面 は 凍結 して いた 。 また 、 現場 が 緩やかな 下り坂 カーブ で スピード が 出 やすく なって いる 。 約 一 年 前 に も 現場 の 約 百 メートル 北 で トラック など 計 十二 台 が からむ 四 件 の 玉突き 事故 で 十二 人 が 死傷 して いる 。 スリップ 事故 が 起き やすい 危険 区間 と 言える 。 日本 道路 公団 と 滋賀 ・ 福井 両 県警 は 、 雪 が 降り出した 同日 未明 から 最高 速度 を 五〇キロ に 規制 し 、 事故 発生 の 約 四 時間 前 に は チェーン 規制 を 実施 。 事故 現場 南側 約 一キロ に ある 木之本 インター から 同 北側 約 二十キロ の 福井 ・ 敦賀 インター の 間 で 、 チェーン 装着 か スノータイヤ の 車 以外 は 本線 に 入れ ない よう 規制 して いた 。 しかし 、 事故 車両 二十九 台 の うち スノータイヤ 以外 の 普通 タイヤ だった 八 台 は チェーン を 着けて い なかった 。 この 理由 に ついて 、 滋賀 県警 は 、 冬 道 の “ 落とし穴 ” を 指摘 する 。 ドライバー の 話 に よる と 、 上り線 で は 敦賀 あたり から 雪 が なくなって いた と いう 。 この ため 、 チェーン を 着けて 走行 する と 車 が 振動 して 乗り 心地 が 悪く 、 ドライバー 心理 と して チェーン を 外し たい と いう 気持ち が 起きる 。 両 インター 間 に ある サービスエリア 、 パーキングエリア で チェーン を 外す 運転 者 が 多かった と いう 。 しかし 、 現場 の 橋 に 差し掛かった ところ から 凍結 して アイスバーン 状 に なって おり スケートリンク を 走って いる ような 状態 だった 。 亡くなった 三 人 の 車 の 前後 付近 に 普通 タイヤ の 車 が 集中 して いた の も 偶然で は な さ そうだ 。 雪道 の 交通 工学 に 詳しい 加来 照俊 ・ 北海道 大 工学部 教授 は 、 チェーン 装着 に 加え 「 速度 制限 を 守り 、 十分な 車 間 距離 を 守って いたら 、 事故 は 防げた かも 知れ ない 」 と 指摘 する 。 一般 的に 時速 八〇キロ で 走行 した 場合 、 約 百 メートル の 車 間 距離 が 必要 と さ れる が 、 凍結 路面 だ と その 二 倍 が 必要 と いう 。 負傷 者 の 話 を 総合 する と 、 ブレーキ を かけた 途端 に ぶつかったり 、 追突 さ れたり して いる 。 また 、 最初に スリップ した ライトバン の ドライバー は 「 時速 六〇 ― 七〇キロ で 走行 して いた 」 と 話して いる 。 これ は 、 現場 に 行き着く まで 路面 の 凍結 が なかった ため 、 ドライバー の 注意 が 低下 、 制限 速度 を オーバー し 、 車 間 距離 も 十分で なかった こと を 示して いる 。 冬季 、 特に 凍結 し やすい 夜間 の 安全 は 、 ドライバー の 意識 に かかって いる 。 日本 産 リンゴ の カナダ 向け 輸出 が 今月 十五 日 から 解禁 さ れる こと に なった 。 農水 省 が 十一 日 発表 した 。 当面 は 一九九七 年 一 月 十四 日 まで の 試験 的 輸出 で 、 問題 が なければ 本格 解禁 と なる 。 国産 リンゴ の 海外 輸出 は ニュージーランド 、 米国 向け に 続き 三 件 目 。 「 生まれる の も 早かった が 、 育つ の も 早い 健康 優良 児 だ よ 」 ―― オーストラリア ・ シドニー 中心 部 の 高層 ビル の 個人 事務 所 で 、 ロバート ・ ホーク 前 豪州 首相 は ボゴール 宣言 の 成果 に 相好 を 崩した 。 ホーク 氏 は APEC の 生みの親 。 一九八九 年 一 月 に 提唱 し 、 その 年 の 十一 月 に 早くも 第 一 回 の 閣僚 会議 が 開か れた 。 「 首脳 会議 も こんなに 早く 開ける と は 思わ なかった 」 と 述懐 。 「 オーストラリア の 未来 は アジア に ある 」 と の 信念 が 、 二〇二〇 年 の アジア ・ 太平洋 域 内 貿易 ・ 投資 自由 化 に 向けて 、 現実 の もの と して 動き出した こと に 満足げだ 。 豪州 政府 の 試算 で は 、 自由 化 が APEC 域 内 に 与える 経済 効果 は 今年 一 月 に 発効 した ウルグアイ ・ ラウンド の 三 倍 に も 上る 。 豪州 に とって は 生産 が 年率 三・八 % 増加 し 、 約 七万 件 の 新規 雇用 創出 を もたらす “ 打ち出 の 小づち ” 。 目標 年次 の 明記 を 訴え 、 各国 を 行脚 した ポール ・ キーティング 首相 が 宣言 後 の 会見 で 「 アジア ・ 太平洋 の 勝利 、 オーストラリア の 勝利 」 と 喝さい した の も 無理 は ない 。 八〇 年 代 の 経済 改革 に 成功 した 同国 の 九〇 年 代 の 課題 は アジア 化 政策 。 地理 的に も 近く 、 世界 の 人口 の 約 四 割 、 GDP の 約 五 割 を 占める アジア ・ 太平洋 地域 、 なか でも 「 世界 の 成長 センター 」 である アジア に 、 約 千八百万 人 の 国民 の 繁栄 を 託す の が 最善 の 道 と の 考え だ 。 宗主国 ・ 英国 が 七三 年 、 欧州 共同 体 に 加盟 した こと で 、 疎外 感 を 感じて いた 豪州 の 必然 的な 選択 と も 見える 。 もっとも 、 豪州 経済 は すでに どっぷり アジア に 組み込ま れて いる 。 輸出 の 六 割 、 輸入 の 四 割 を アジア が 占める 。 脱 欧 入 亜 政策 は 、 実は こうした 冷静な 分析 に 基づいて いる のだ 。 ボブ ・ マクマラン 貿易 相 は ボゴール 宣言 の 約 一 週間 後 、 シドニー で 講演 。 「 次 は 行動 計画 の 策定 だ 」 と 意気込み 、 策定 に 当たって の 重要 ポイント 五 つ を 挙げた 。 同国 の 読み は 、 行動 計画 が いったん 作ら れれば 、 目標 年次 を 待た ず に 自由 化 は 進展 し 、 同国 経済 に 利点 が 多い と いう もの で 、 「 日本 と の 緊密な 関係 」 を テコ に 、 大阪 会議 で この 五 要素 の 実現 を 議長 国 ・ 日本 に 迫る 構え だ 。 豪州 政府 は 昨年 十一 月 、 七 年 ぶり に 国防 白書 を 発表 。 安全 保障 面 から も アジア ・ 太平洋 地域 重視 を 打ち出した 。 これ を 受けて 、 キーティング 首相 は 同 十二 月 、 メルボルン で 開か れた 第 二 回 全 豪 貿易 ・ 投資 展望 会議 で 明言 した 。 「 この 地域 の 経済 発展 は 地域 の 安定 に も 重要 」 と 。 豪州 の 脱 欧 入 亜 政策 は 後戻り が きか ない 段階 に まで きて いる 。 松下 電器 産業 と 傘下 の 米国 娯楽 企業 、 MCA 社 の 最高 経営 会議 が 十一 日 、 松下 電器 本社 で 開か れた 。 両 社 の 対立 の 焦点 と なって いる 経営 の 裁量 権 を めぐる 話し合い は なかった が 、 松下 電器 は この 問題 に ついて 「 今後 、 両 社 で 検討 する 機会 を 設ける 」 と する コメント を 発表 した 。 ワッサーマン 会長 ら MCA 幹部 の 任期 が 今年 十二 月 に 迫って おり 、 松下 電器 は 近く 、 こうした 人事 問題 を 含む 決断 を 迫ら れる こと に なる 。 小西 酒造 は 、 健康 志向 の 強い 若者 ら を ターゲット に した 低 アルコール の 日本 酒 「 白雪 12 ゜ 」 を 二十四 日 から 全国 で 発売 する 。 アルコール 度数 の 減少 に よる 酒税 の 減少 に 加え 、 流通 段階 で の リベート 廃止 など で 従来 製品 に 比べ 低 価格 に 抑えた 。 円高 など で 低 価格 化 して いる ワイン や ビール から 消費 者 を 呼び戻そう と の 戦略 だ 。 ダイエー は 今月 から 4 月 末 に かけて 、 自社 ブランド 「 コルティナ 」 で 羽毛 掛け 布団 、 羊毛 混 敷布団 、 羽毛 まくら の 3 点 セット 9000 組 を 販売 する 。 掛け 布団 と まくら は 羽毛 の 買い付け から 縫製 まで 中国 で 一貫 生産 し 、 3 点 セット で 1万9800 円 と 、 2万 円 を 切る 価格 に なって いる の が 特徴 。 底 だけ で なく ふた に も IH を 採用 、 上下 から 加熱 する IH ジャー 炊飯 器 「 にっぽん 炊き 」 が 来月 1 日 、 松下 電器 産業 から 発売 さ れる 。 価格 は 従来 機種 から 据え置いた 。 上下 から の 加熱 で 火力 を 高める こと で 、 ふくらみ や 張り が あり 、 甘み の 多い ごはん に 仕上がる 。 低 めの 温度 で おいし さ を 保つ 「 いきいき 保温 」 機能 も 新たに 採用 した 。 自動車 教習 所 で 最近 、 模擬 運転 の できる 「 ドライビング ・ シミュレーター 」 を 見かけ ます 。 どういった もの でしょう か 。 車 の スピード を 競う テレビ ゲーム と 似て い ます が 、 安全 運転 を 習得 する もの な ので 、 視界 が 立体 的である など 、 実際 の 運転 感覚 に 近い もの です 。 昨年 五 月 の 道路 交通 法 の 改正 で 、 危険 予測 走行 と 高速 道路 走行 が 免許 取得 の 教習 課程 に 義務付け られ ました 。 いずれ も 実技 が 必要です が 、 ドライビング ・ シミュレーター で 代用 できる ため 、 大きな 教習 所 を 中心 に 導入 が 進んで い ます 。 メーカー の 一 社 、 新 明和 工業 の 製品 は 、 三 次元 コンピューター ・ グラフィックス を 応用 。 パソコン と シミュレーター の 本体 を つなぎ 、 どういった 画像 を 送る か パソコン で 指令 し ます 。 運転 シート の 前 に は 三 台 の カラーモニター が あり 、 中央 は 三十六 インチ 、 左右 に は 二十九 インチ の 画面 が あり ます 。 視界 は 一一七 度 で 相当 リアルです 。 運転 操作 も 実際 の 車 と 全く 同じ 。 ギア も オートマチック 、 マニュアル が あり ます 。 高速 など で スピード を 出したり 、 ぬれた 路面 など を 走る と ハンドル の 感触 も 軽く なり ます 。 一 回 当たり の コース は 十五 分 。 反対 車線 を 走る オートバイ が 右折 して 来たり 、 子供 が 路地 から 飛び出したり 、 また 、 高速 道路 で は 追い越し や 横風 を 受け ながら の 走行 など 、 さまざまな パターン が 設定 でき ます 。 その 種類 は 「 危険 予測 」 で 四十五 、 「 高速 道路 」 で は 二十一 あり ます 。 例えば 、 オートバイ など と 衝突 する と 、 その 時点 で 映像 が ストップ 、 スピード メーター も 止まり 、 何 キロ 出して いた か 分かり ます 。 状況 を 再現 する プレー バック 機能 で は 、 危険 場面 を 繰り返して 見 られる ほか 、 上空 など から 客観 的に 再生 し 、 衝突 の 原因 など 自分 自身 で 分析 でき ます 。 一 台 約 千五百万 円 と 高価で 、 幅 、 長 さ が 各 二 メートル と 場所 を とる 点 など が ネック です が 、 教習 所 に とって 高速 料金 や ガソリン 代 など 経費 削減 など に つながり 、 学習 効果 も 高まる と して 、 普及 率 は 高まって い ます 。 導入 台 数 は 一九九三 年 で 約 百 台 に 過ぎ ませ ん でした が 、 九四 年 に は 約 四百 台 へ 急増 、 今年 は 六百 台 を 超える と 予測 さ れて い ます 。 メーカー 側 は 今後 、 夜間 走行 など ソフト の 拡充 や 運転 ぶり を 診断 する システム など を 考案 し たい 、 と して い ます 。 ドイツ 生まれ の 陶製 食器 「 ローゼンタール 」 が 好評 だ 。 世界 的 アーチスト の 独創 的な デザイン が 人気 の 秘密 。 イタリア の ファッション デザイナー 、 ジャンニ ・ ベルサーチ も ローゼンタール の デザイン を 手掛けて いる 。 ギリシャ神話 の 主人公 、 古い 建築 物 、 歴史 的 人物 を モチーフ に した 「 バロック 」 「 メドゥーサ 」 「 ロアソレイユ 」 「 マルコポーロ 」 の 四 シリーズ が あり 、 それぞれ 、 飾り 皿 、 平皿 、 コーヒー 碗 皿 が そろって いる 。 赤 、 黄色 と いった 原色 を ふんだんに 用い 、 飾り 模様 を あしらった デザイン で 、 インテリア と して 部屋 に 潤い を 与えて くれ そう 。 飾り 皿 二万 円 、 コーヒー 碗 皿 二万 円 。 高島 屋 大阪 店 六 階 ローゼンタール 売り場 で 。 経営 難 や 移転 問題 に 揺れる フィリップス 大 日本 校 は 十一 日 、 四 月 から 経営 主体 を 学校 法人 京都 科学 技術 専門 学園 を 母体 と する 株式 会社 フィリップス ・ ジャパン から 米 オクラホマ 州 の 本校 に 移管 、 キャンパス を 京都 市 中京 区 の 賃貸 ビル へ 移転 する こと を 明らかに した 。 同 校 は 一九八九 年 四 月 、 英 米 文学 、 国際 関係 、 芸術 、 科学 技術 の 四 学部 を そろえ 大阪 市 の 天満 、 京橋 両 校舎 で 開校 。 翌年 から 広い キャンパス を 求め 現在 の 借地 に 移転 。 しかし 、 経営 難 に 陥り 再び 移転 話 が 出る など トラブル 続き 。 学生 数 は ピーク 時 の 千八百 人 が 、 現在 五百 人 足らず 。 今 年度 は 学生 募集 を 打ち切った 。 同 校 で は 、 科学 技術 、 芸術 学部 を 二 年 後 に 廃止 する 方針 。 同 校 は 「 英会話 など 社会 人 対象 の 夜間 コース を 充実 、 学生 の 確保 を 図り たい 」 と いう 。 中川 和雄 ・ 大阪 府 知事 の 後援 会 に よる 裏 献金 事件 の 影響 で 知事 選挙 を めぐる 混迷 が 続いて いる が 、 西尾 正也 ・ 大阪 市長 は 十一 日 、 社会党 府 本部 旗 開き の あいさつ で 「 私 の 支援 母体 から も 先日 、 支持 の 言葉 が あった 」 と 知事 へ の エール と も 取れる 発言 を した 。 事件 発覚 後 、 西尾 市長 が 知事 問題 に 触れる の は 初めて と あって 注目 を 集めた 。 西尾 市長 は 「 知事 選 に ついて コメント する 立場 に ない が 」 と 前置き した うえ で 発言 。 今月 五 日 、 市長 の 有力 支援 母体 、 大阪 市 労働 組合 連合 会 の 旗 開き で 知事 を 支持 する 発言 が あった こと を 紹介 。 会場 で は 「 知事 へ の エール だ 」 と 受け止める 声 も 多く 、 この後 の あいさつ で 「 市長 から 知事 へ の 応援 演説 が あった 」 と 感想 を 述べる 府議 も いた 。 ◆ 「 景気 回復 の 実感 は 全く ない 」 と 言う 経営 者 が 多い 。 つい 数 年 前 に すさまじい バブル 景気 を 体験 した のだ から 感覚 的に は そう かも しれ ない 。 しかし 、 経済 記者 的に いろいろ 数字 を 眺める 限り 景気 は じわじわ と だ が 、 良く なって いる 。 安定 成長 と いう の は こんな もん だ 。 どうも 、 経営 者 の 頭 の 転換 が 必要な ようだ 。 ◆ インフルエンザ が 大 流行 と か 。 我が家 でも 社 内 でも ゴホン ゴホン 。 3 つ の タイプ の 混合 流行 です が 、 娘 を 診察 した 医師 は 「 風邪 と の 区別 も つき にくい 」 と 。 流感 は 学校 で は 欠席 扱い に なら ない のです が 、 会社 勤め で は そう も いきま せ ん 。 摂生 と 予防 ある のみ 。 それ が 一 番 の 難物 です が 。 感染 性 医療 廃棄 物 1989 年 ごろ 、 清掃 作業 員 が その 収集 作業 中 に 負傷 し 、 2 次 感染 する 事故 が 多発 した 。 京都 市 内 で 発見 さ れた 偽造 千 円 札 「 千 D ― 13 号 」 事件 で 、 同じ 特徴 の 偽札 一 枚 が 大阪 市 内 でも 見つかり 十一 日 、 大阪 府警 南 署 に 届け出 が あった 。 これ で 偽 千 円 札 は 計 九 枚 に なった 。 新たに 見つかった の は 、 富士 銀行 難波 支店 が 昨年 十二 月 三十 日 から 今月 四 日 まで の 間 に 集め 、 同 銀行 大阪 支店 を 通じ 日本銀行 大阪 支店 に 入金 した 八百万 円 の うち の 一 枚 。 彫り師 で も ある 暴力 団 組員 が 、 中学 三 年生 の 家出 少女 に 覚せい 剤 を 注射 した うえ 背中 など に 入れ墨 を して いた と して 、 兵庫 県警 少年 課 と 兵庫 署 は 十一 日 、 この 組員 を 覚せい 剤 取締 法 、 青少年 愛護 条例 違反 の 疑い で 書類 送検 した 。 神戸 市 中央 区 南本町通 五 、 北田 進 被告 = 別 の 覚せい 剤 所持 で 既に 起訴 。 調べ で は 昨年 十 月 、 二 日間 に わたって この 少女 に 覚せい 剤 を 数 回 注射 し 、 左 胸 の 一部 と 背中 全体 に 牡丹 や チョウ など の 入れ墨 を した 疑い 。 入れ墨 が 未完成の まま 少女 が 自宅 へ 帰り 、 家族 が 同 署 に 通報 した 。 調べ で は 、 北田 被告 は 約 七 年 前 から 自宅 で 、 主に 組員 相手 に 彫り師 を して いた が 、 暴力 団 対策 法施 行 後 、 客 が 減少 。 以前 、 自分 が 手がけた 入れ墨 の カラー 写真 を 東京 の 出版 社 が 発行 する 月刊 誌 に 投稿 、 掲載 さ れた 時 に 客 が 増加 して 月収 が 約 三百万 円 に なった こと から 、 今回 も 投稿 目的 で 入れ墨 の 女性 モデル を 探して いた ところ 、 知人 から この 少女 を 紹介 さ れた と いう 。 インドネシア の メルパティ 航空 に よる と 10 日 午前 9 時 すぎ 、 東部 スンバワ 島 の ビマ から フローレス 島 の ルトゥング に 向かって いた 国 内 線 旅客機 が 離陸 後 まもなく 行方 不明 と なった 。 同 機 に は 乗員 ・ 乗客 14 人 が 乗って おり 、 11 日 現在 、 機体 は 発見 さ れて い ない 。 ジャカルタ の 日本 総 領事 館 に 入った 連絡 で は 乗客 に 日本 人 は い ない 模様 。 自民党 の 森 喜朗 幹事 長 、 社会党 の 久保 亘 書記 長 、 さきがけ の 鳩山 由紀夫 代表 幹事 は 十二 日 朝 、 国会 近く の ホテル で 会談 し 、 次期 衆院 選 で の 与党 間 選挙 協力 に ついて 協議 した 。 近く 、 実務 者 レベル で 、 選挙 協力 対象 区 の 検討 など を 始める 。 会談 で 、 久保 氏 は 「 自民党 が すでに 公認 内定 して いる 候補 を 社会党 、 さきがけ が 応援 する こと も 含めれば 、 選挙 協力 区 は 四十五 に も 五十 に も なる 」 と 、 選挙 協力 拡大 に 意欲 を 示した 。 社会党 は 十二 日 午前 、 中央 執行 委員 会 を 開き 、 新党 結成 に 向けた 臨時 党 大会 を 二 月 十一 日 に 開催 する こと を 正式 決定 した 。 また 、 十二 日 午後 、 新党 の 理念 など を 定める 「 九五 年 宣言 」 の 扱い など を 決める 「 活動 方針 起草 作業 委 」 を 開く こと も 決めた 。 これ に より 、 同 宣言 は 、 党 大会 で 討議 さ れる こと が 確実 と なった 。 焦点 に なって いる 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら の 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 に よる 独自の 国会 内 会派 結成 問題 は 、 準備 会 参加 の 同 党 議員 ら の 処分 問題 を 含め 、 この 日 は 議論 し なかった 。 中執 委 が 山花 氏 ら の 処分 問題 を 議論 し なかった の は 「 具体 的な 行動 が ない 段階 で 、 処分 問題 を 討議 する 必要 は ない 」 と の 筋 論 から だ が 、 準備 会 参加 議員 の 多く が 党籍 を 残した まま 、 新 会派 に 加わり たい 意向 を 示す なか で 、 処分 問題 を 討議 すれば 、 党 の 亀裂 が 決定 的に なる 可能 性 が あり 、 混乱 を 避ける 狙い も ある と み られる 。 谷川 の 四 連覇 か 、 羽生 の 七 冠 制覇 か ―― 。 谷川 浩司 王将 に 羽生 善治 名人 が 挑戦 する 第 四十四 期 王将 戦 七 番 勝負 の 第 一 局 は 十二 日 午前 九 時 、 滋賀 県 彦根 市 の 「 彦根 プリンス ホテル 」 で 始まった 。 羽生 に とって 王将 戦 は 初めて だ が 、 昨年 十二 月 に は 公式 戦 八 連勝 、 今年 に 入って も 棋聖 戦 を 防衛 する など 、 満 を 持して の 挑戦 だ 。 一方 の 谷川 も 好調 を 維持 、 王将 の 面目 に かけて も 、 羽生 独走 に 歯止め を かけ たい ところ だ 。 定刻 の 十 分 前 、 まず 谷川 が 、 まもなく 羽生 が 入室 。 両者 と も さわやかな 表情 。 先手 に 決まった 羽生 は しばらく 黙想 し 、 2六 歩 と 一 手 目 を 指した 。 背筋 を 伸ばし 少 考 の 後 、 応じる 谷川 。 緊張 が 高まって きた 。 十三 日 夜 に は 第 一 局 の 決着 が つく 見通し 。 政府筋 は 十二 日 午前 、 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 の 金 正日 書記 の 国家 主席 就任 が 故 金 日成 主席 の 命日 である 七 月 八 日 が めど に なる と の 見通し を 明らかに した 。 同 筋 は 在 日本 朝鮮 人 総連 合 会 筋 の 情報 である と 述べ 、 金 書記 が 国家 主席 就任 に ついて 「 まだ 国民 の 悲しみ が いえて い ない 」 と 語った こと を 根拠 と して 示した 。 村山 富市 首相 と クリントン 米 大統領 は 十一 日 正午 前 から 、 ホワイトハウス で 首脳 会談 を 行った 。 村山 首相 は 「 アジア ・ 太平洋 地域 の 安定 の ため に も 日 米 安全 保障 体制 は 重要だ 」 と 指摘 し 、 安全 保障 面 で の 日 米 の 協力 を 強化 す べきだ と 強調 した 。 また 、 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 の 原子 炉 の 軽水 炉 転換 支援 問題 で 、 首相 は 「 意味 の ある 財政 的 役割 を 果たす 意図 を 持って いる 」 と 述べて 、 資金 面 で の 積極 的な 貢献 を 約束 した 。 クリントン 大統領 は 首相 の 表明 を 評価 した が 、 経済 問題 で は 「 自動車 ・ 自動車 部品 の 問題 が 残って おり 、 解決 に 努力 して いく べきだ 」 と 指摘 し 、 日 米 包括 経済 協議 で 未解決の 自動車 ・ 自動車 部品 分野 の 早期 解決 を 求めた 。 会談 は 予定 を 上回り 約 二 時間 に わたって 行わ れ 、 日本 側 は 河野 洋平 副 総理 ・ 外 相 ら 、 米 側 は ゴア 副 大統領 ら が 同席 した 。 村山 首相 は 戦後 五十 年 を 踏まえ 、 「 未来 に 向け 日 米 両 国 が 創造 的な パートナーシップ を つくる こと が 重要だ 」 と 述べた 。 安全 保障 問題 に ついて クリントン 大統領 は 在 日 米軍 駐留 経費 へ の 日本 の 負担 に 感謝 を 表明 し 、 「 沖縄 の 問題 を 解決 する よう 指示 した 」 と 述べて 那覇 軍港 の 返還 など の 問題 の 解決 に 努める こと を 表明 。 村山 首相 は 、 日 米 安保 が 日 米 両 国 だけ で なく アジア ・ 太平洋 地域 で 果たして いる 役割 は 大きい と 積極 的に 評価 した 。 首相 は 、 支援 は 韓国 を 中心 と し 国際 的な 協力 を 求める と し ながら も 、 「 意味 の ある 財政 的 支援 」 と の 従来 より 踏み込んだ 表現 を 使い 、 日本 が 積極 的な 貢献 を 行う こと を 表明 。 大統領 は 米国 が 引き続き 主導 的な 役割 を 果たし 、 新たな 財政 負担 も 行う 考え を 示した 。 経済 問題 で は 、 クリントン 大統領 が 、 政権 に 就いて 以来 、 金融 サービス 分野 を 含め 「 これ まで 日本 と 十四 の 協定 を 結んだ 」 と 述べ 、 協議 が 進展 して いる こと を 指摘 した 。 しかし 、 米 側 が 最も 重視 して いた 自動車 ・ 自動車 部品 問題 が 未解決である と し 、 「 貿易 不均衡 の 六 割 を 占めて おり 、 努力 して いく べきだ 」 と 語って 、 日本 政府 の 努力 を 改めて 促した 。 また 、 十一 月 に 大阪 で 開か れる アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 の 首脳 会議 に 向け 、 大統領 は 、 貿易 ・ 投資 の 自由 化 計画 の 具体 化 に 日本 が 積極 的に 取り組む よう 求めた 。 一 、 村山 首相 は 朝鮮 エネルギー 開発 機関 へ の 「 意味 ある 財政 的 役割 」 を 果たす と 言明 。 クリントン 大統領 も 財政 的 貢献 の 用意 を 表明 。 一 、 日 米 安保 体制 堅持 を 確認 。 大統領 は 沖縄 米軍 基地 の 整理 ・ 統合 へ の 努力 を 表明 。 一 、 大統領 は 包括 経済 協議 の 自動車 ・ 同 部品 に ついて 改善 を 要請 。 一 、 二十一 世紀 に 向け 日 米 協調 関係 強化 を 確認 。 首相 は 「 創造 的 パートナーシップ 」 を 提唱 。 一 、 途上 国 の 女性 支援 強化 で 一致 。 日 米 首脳 会談 を 終えた クリントン 大統領 は 十一 日 午後 の 記者 会見 の 最後に 、 米国 ワシントン 州 産 の リンゴ を 盛った かご を 村山 富市 首相 に プレゼント した 。 日本 で 米国 産 の リンゴ が 店頭 に 並んだ が 、 大統領 は 「 首相 が 日本 に 入った 米国 の リンゴ を 試す チャンス が なかった と 言って いた ので 」 と プレゼント の 理由 を 説明 。 さらに 、 「 米国 の 市場 も 日本 の リンゴ に 開放 さ れる 」 と 述べる と 、 首相 は 「 日本 人 は 米国 産 リンゴ を 喜んで おり 、 米国 人 も 日本 の リンゴ の 味 を 楽しんで ほしい 」 と 、 日本 の リンゴ 農家 へ の 配慮 から か 日本 産 リンゴ も PR して いた 。 村山 富市 首相 は 十一 日 、 ドール 共和党 上院 院 内 総務 、 ギングリッチ 下院 議長 ら 米 議会 の 両党 指導 部 と 会談 した 。 首相 は 北朝鮮 と 米 の 核 合意 を 高く 評価 し 、 合意 履行 に 日本 が 積極 的に 協力 して いく 考え を 議会 側 に も 明らかに した 。 ギングリッチ 議長 が 外国 の 首脳 と 会う の は 、 四 日 に 議長 に 就任 して から 初めて 。 同 議長 は 首相 に 、 核 合意 履行 で 日本 が 果たす 役割 に 期待 を 表明 する と ともに 、 日 米 の 貿易 不均衡 が 続く こと に 懸念 を 示した 。 日 米 両 国 は 十一 日 、 首脳 会談 を 機 に 「 地球 的 展望 に 立った 協力 の ため の 共通 課題 」 に 関する 報告 書 を まとめ 、 両 首脳 に 提出 した 。 包括 協議 の 中 で 、 地球 的 規模 の 問題 に どう 日 米 協力 が できる か 積み上げて きた もの 。 両 首脳 は 会談 で 前向きの 日 米 関係 の あかし と して 重要 性 を 強調 して いく こと で 合意 。 また 、 日本 側 提案 で 「 途上 国 の 女性 問題 支援 」 を 追加 する こと に なった 。 村山 富市 首相 と クリントン 大統領 は 首脳 会談 終了 後 の 十一 日 午後 、 ホワイトハウス 内 で 記者 会見 した 。 九 月 二 日 に ハワイ で 行う 戦後 五十 周年 の 記念 式典 問題 で クリントン 大統領 は 「 何 を する か に 関して は 細かい こと は 決めて い ない 」 と 述べ 、 首相 の 式典 出席 に 消極 的な 日本 側 に 配慮 を 示した 。 「 費用 が かかり 過ぎる 」 「 内容 が 煩雑 」 と 自動車 ユーザー に 悪評 で 、 日 米 包括 経済 協議 でも ヤリ玉 に 挙げ られた 自動車 検査 制度 。 規制 緩和 の 流れ の 中 、 7 月 に 制度 が 改正 さ れ 、 検査 が 大幅に 簡素 化 さ れる こと に なった 。 ユーザー の 意識 も 変わり 、 自分 で 点検 ・ 整備 して 車検 を 受ける ユーザー が 急増 して いる 。 運輸 省 自動車 交通 局 に よる と 、 一九八九 年 に 九万二千 台 だった ユーザー車検 は 九三 年 に は 四 倍 近い 三十五万二千 台 に はね上がった 。 車検 に 出さ れた 車 は 全国 で 二千五十万 台 も ある から 、 まだ 全体 の 一・七 % で しか ない が 、 「 車検 は 業者 まかせ 」 と いう ユーザー の 常識 に 明らかな 変化 が うかがえる 。 最近 の 車 は 性能 が よく なって 故障 が 減った 。 それなのに 「 車検 の 費用 が かかり 過ぎる 」 と いう 根強い 不満 が 背景 に ある 。 「 愛車 の 管理 は ユーザー が 」 と 運輸 技術 審議 会 の 答申 が 出た の が 九三 年 。 車検 簡素 化 の 流れ を 先取り して 、 これ まで ボンネット を 開けた こと の なかった 人 たち も 、 ユーザー車検 に 挑戦 し 始めた 。 九三 年 秋 に 四百五十 人 だった 「 ユーザー車検 友 の 会 」 の 会員 は 一 年 で 八百 人 以上 に 増えた 。 七 月 に 車検 が 簡素 化 さ れれば 一〇 % 以上 に 増える と 「 友 の 会 」 で は 予想 して いる 。 「 家計 を 預かる 妻 に 連れ られて 来る お 父さん が 多い んです よ 」 と 「 友 の 会 」 の メンバー 工場 「 カーピット KOWA 」 の 整備 士 、 山家 信利 さん が 笑う 。 「 カーピット 」 で は 点検 ・ 整備 、 書類 作成 、 車検 の 実際 を 教えて おり 、 「 ディーラー 系 の 整備 業者 より 五万 円 以上 安く 済む 」 と いう 。 運輸 省 の 試算 で は 、 定期 点検 項目 の 削減 で 、 一四〇〇 ― 一八〇〇 CC の 乗用車 の 二十四 カ月 点検 の 整備 料 は 六万七千 円 から 五万九千 円 に 、 十二 カ月 点検 は 二万二千 円 から 一万八千 円 に 減る 。 しかも ユーザー が 自分 で やれば 、 現在 でも 二十四 カ月 点検 は 四万 ― 五万 円 安く なる と いう 。 整備 業者 を 通す と 一五〇〇 CC の 乗用車 だ と 重量 税 と 自賠責保険 料 を 含めて 平均 十二万五千 円 程度 かかる 。 「 まだ 使える 部品 まで 交換 する 過剰 整備 の せい 。 整備 で 調子 が 悪く なった と 怒る お 客 さん も いる 。 一方 で 、 自分 で 車検 を した 人 は 車 が かわいく なった と 言って い ます 」 と 山家 さん 。 「 友 の 会 」 副 会長 の 渡辺 武夫 さん は 「 今 まで は 整備 業者 の 利益 が 優先 さ れて きた が 、 ようやく 欧 米 並み の ユーザー 尊重 主義 に なる 」 と 言う 。 日本 自動車 整備 振興 会 連合 会 に よる と 、 九二 年 の 車検 の 市場 規模 は 二兆三千六百十億 円 で 、 自動車 整備 売り上げ の 三七 % 強 を 占めて いる が 、 検査 の 簡素 化 に より 収益 は 数 % ダウン する と 運輸 省 は 予測 。 業者 間 の 競争 も 激しく なる と み られ 、 関西 で は 六 、 七万 円 だった 点検 ・ 整備 料金 を 二万 円 に 下げた ディーラー 系 業者 も 現れた 。 同 連合 会 の 小林 誠 理事 は 「 作業 効率 を 上げる こと で コスト を 下げたり する 営業 努力 が 必要 」 と 言う 。 ユーザー車検 代行 業者 も 増えて いる 。 「 一万五千 円 と いう 低 料金 で 客 を 集め 、 洗車 だけ して 車検 場 に 持ち込む 業者 も いる 」 と 山家 さん 。 運輸 省 も 「 ユーザー車検 の 六 割 は 代行 で 、 その ため か 不 合格 が 三 割 以上 ある 。 指導 を 強める が 、 同時に オーナー 自身 の 管理 意識 を 啓発 して いく 」 と いう 。 簡素 化 は ユーザー に も 意識 改革 を 迫る 。 渡辺 さん は 「 日ごろ の 点検 が あれば こそ 車検 も 簡単に 済む わけで 、 簡素 化 に あぐら を かいて 何も し ない の は 無責任 」 と 自覚 を 訴え 、 「 ユーザー 教育 が 必要 。 部品 の 小売 商 が 勤め 帰り の お 父さん に メカニック を 教える 米国 など は お 手本 に なる 」 と 語る 。 「 常盤家 」 は その昔 、 高級 料亭 だった 。 戦争 中 は 政治 家 、 高級 官僚 、 軍人 ら が 利用 し 、 戦後 も 鳩山 一郎 氏 を 中心 に した 日本 自由党 の 設立 準備 懇談 会 が 開か れる など 、 政治 の 重要な 舞台 と なった 。 戦後 初 の 総 選挙 で 自由党 が 第 一 党 と なって 政権 を 取った 。 組閣 寸前 の 鳩山 自由党 総裁 に 連合 国軍 総 司令 部 から 「 公職 追放 」 命令 が 出さ れた ため 、 ピンチヒッター と して 吉田 茂 氏 が 総裁 に なり 首相 に 就任 。 この 時 の 縁 で 当時 「 常盤家 」 の 支配人 だった 渡辺 豊隆 氏 が 「 首相 官邸 調理 室 代表 者 」 と して 、 吉田 首相 と ともに 官邸 入り した 。 現在 、 渡辺 氏 は 「 常盤家 」 社長 と なり 、 二男 の 政豊 氏 が 首相 官邸 調理 室長 を 務める 。 官邸 = 写真 = の 中庭 側 から 見る と 、 正面 の 一 階 が 食堂 。 配ぜん 室 を はさんで 左隣 に ある 約 百 平方メートル の 調理 室 に は ガス 台 八 基 、 オーブン 六 基 が 据え られて いる 。 スタッフ は 室長 の ほか 和食 専門 の 板前 二 人 、 洋食 専門 の コック 二 人 、 皿洗い 二 人 、 フロント 三 人 の 計 九 人 だ 。 メニュー は 和食 ならば 、 お 通し 、 焼き物 、 おわ ん もの 、 ご飯 、 果物 、 日本 茶 。 洋食 なら スープ 、 肉 または 魚 の メーンディッシュ 、 サラダ 、 パン または ライス 、 デザート 、 コーヒー と いう の が 一応 の パターン に なって いる 。 週 末 は 、 ほとんど 馬場 へ 通う 。 母校 である 慶応大 の 馬術 部 コーチ に なって 約 4 年 。 馬 の 調教 と 学生 の 指導 の 両方 を 任さ れて いる 。 馬 に 乗った 2 歳 の ころ の 写真 が ある が 、 正式に 始めた の は 高校 1 年 の とき 。 乗馬 好き の 祖父 に 勧め られた の が きっかけ だった 。 関東 学生 選手 権 大会 で 個人 優勝 する など 華々しい 成績 を 収め 、 社会 人 に なって から も いく つ か の 大会 で 入賞 した 。 馬 は 「 友達 と いう か 、 良い パートナー 。 決して ペット で は あり ませ ん 」 。 試合 で 勝つ と 、 自分 で は なく 馬 と の ペア で 勝った のだ と 感じる と いう 。 「 体重 の かけ 方 や 手足 の ちょっと した 動き で 、 心 を 通じ 合う こと が 出来る 。 乗馬 は 、 意思 を もつ 馬 と の 話し合い 」 障害 を 飛び越えたり 、 高原 で 走る とき は 日常 を 忘れて しまう 。 「 乗り手 を 信頼 して 従って くれる 馬 と の 一 体感 が 魅力 です 」 ごろ 合わせ の JR 切符 、 パワーストーン 、 掴み 綱 …… 。 入試 シーズン に なる と 、 いろいろ 出て くる の が “ 合格 グッズ ” だ 。 効果 の ほど は さておき 、 主だった もの を 紹介 する と 。 東京 都 新宿 区 高田馬場 の 早稲田 ゼミナール 入り口 に つるさ れて いる 「 掴み 綱 」 。 長 さ 1 メートル 30 センチ 、 太 さ 20 センチ ほど で 、 後ろ の 壁 に は 「 掴む あなた に 幸 多かれ 」 と 書か れた 張り紙 が 。 「 おぼれる 者 は わら を も つかむ 、 と 言い ます が 、 この 綱 で 引き上げ られて 合格 、 と いう しゃれです 」 綱 を つかんで いた 一 浪 の 同 予備 校 生 は 「 風邪 を 引か ない ように ビタミン 剤 を 飲み 、 健康 管理 に 気 を 使って い ます 」 。 同 校 は 、 今月 28 日 に 「 合格 し マス 」 と 書いた マス で 豆 を まく 。 「 綱 に しろ マス に しろ 、 生徒 は 口 で は 『 こんな もの 』 と 言い つつ 、 結構 願 を 掛けて ます 」 豊島 区 の 学習 塾 「 桐杏 学園 」 で は 、 理事 長 の 斎藤 和平 さん が 直筆 の 「 合格 色紙 」 を 中学 受験 の 小学生 に 手渡して いる 。 「 書道 の 心得 は ない が 、 何 か 子供 たち の 支え に なる もの を 」 と 10 年 以上 前 から 始めた 。 毎年 約 2000 枚 も 書く ので 、 手 の 感覚 が なくなる ほど 疲れる が 「 やめて 急に 合格 率 が 落ちたら 、 と 思う と 怖くて 」 続けて いる と いう 。 同 校 で は 開成 中学 を 受験 する 生徒 に 、 小田急 線 開成 駅 の 入場 券 を 「 合格 切符 」 と 称して 渡す 。 試験 日 の 日付 入り の 小人 切符 と 、 発表 日 の 大人 切符 1 枚 ずつ 。 合格 して 、 発表 日 に は もう 大人 の 中学生 、 と いう わけ 。 「 合格 グッズ で 受かる わけで は ない けど 、 子供 たち を 安心 さ せる 演出 。 これ で 落ち着いて 勉強 して くれれば 成功 」 と 斎藤 さん は 狙い を 明かす 。 JR の 切符 で 人気 な の は 徳島 県 川島 町 に ある 「 学 」 駅 の 入場 券 。 5 枚 の 入場 券 と 駅名 で 「 ご 入学 」 に なる から だ 。 切符 5 枚 が お守り 袋 に 入って 700 円 。 東京 ・ 日本橋 の 「 JR 四国 ワーププラザ 」 、 新宿 の 京王 百貨店 で 買える 。 「 パワーストーン 」 なる 石 に すがる 受験 生 も いる 。 種類 は いろいろ ある が 、 西武 百貨店 池袋 店 ロフト で 売れて いる の は タイガーアイ 。 「 目標 達成 」 の ご利益 が ある と の ふれこみ で 、 この 石 を 使った キーホルダー は 中高 生 に 受けて いる と いう 。 お守り も 根強い 人気 だ 。 学問 の 神様 、 菅原 道真 を まつる 湯島 天神 。 お守り は 1 月 だけ で 約 3万 個 売れる 。 土 、 日曜日 に は 300 人 から 500 人 の 受験 生 が おはらい を 受け に くる 。 入試 直前 。 最後 の 神頼み と いう わけだろう が 、 湯島 天神 の 境内 に は 「 合格 祈願 」 なら ぬ 「 合格 折 願 」 と 書か れた 絵馬 も 。 願 が 折れて しまったら …… 受験 で 頼れる の は 、 コネ を 除けば やはり 自分 だけ 。 ドイツ の 自動車 メーカー 「 フォルクスワーゲン 」 は 十一 日 、 メキシコ で の 生産 を 二十三 日 から 一 週間 、 停止 する と 発表 した 。 メキシコ 経済 の 混乱 に よる 市場 の 冷え込み を 懸念 した 「 生産 調整 」 と み られて いる 。 先週 は イタリア の 「 フィアット 」 が 進出 を 断念 した ばかりで 、 日 米 企業 へ の 影響 波及 も 予測 さ れて いる 。 「 ワーゲン 」 は シェア 二五 % を 維持 し 、 一 週間 に 約 八千 台 を 生産 する メキシコ 最大 の 自動車 メーカー 。 同国 に は 日本 の 日産 と 米 三 大 メーカー の 計 五 社 が 生産 拠点 を 持ち 、 さらに 本田 技研工業 など が 進出 を 予定 して いる 。 村山 富市 首相 は 、 日 米 首脳 会談 後 の 共同 記者 会見 で 日 米 安全 保障 条約 に ついて 「 単に 日 米 だけ の 問題 で は なく 、 アジア ・ 太平洋 全体 の 安定 の ため 大きな 役割 を 果たして いる 」 と 積極 評価 を 示した うえ で 、 その 強化 も 明言 した 。 冷戦 終結 を 踏まえて 日 米 の 事務 当局 間 で は 安保 条約 の 意義づけ の 見直し が 始まって いる 。 村山 首相 の 発言 は 、 その 動き に 対する 政治 レベル の 確認 であり 、 これ を 機 に 日 米 間 で 再 規定 の 作業 が 正式に スタート する 。 日本 の 安全 保障 政策 が 曲がり角 に 入った と いえる 。 日 米 安保 は 冷戦 下 で の ソ連 の 脅威 を 対象 に した もの であり 、 ソ連 崩壊 と ともに 、 その 意義づけ 、 内容 の 見直し を 迫ら れて いた 。 昨年 秋 以来 、 非公式 折衝 が 行わ れ 、 十一 月 の ナイ 国防 次官 補 訪 日 時 に 「 アジア ・ 太平洋 の 安全 保障 に 寄与 する 」 と の 方向 で の 再 規定 に 事務レベル で 合意 した 。 具体 的 内容 の 作業 は これ から 始まる が 、 安保 条約 の 幅 を 広げる こと で の 共通 認識 が あり 、 日 米 安保 の 変質 は 避け られ ない 。 しかし 再 規定 へ の 首相 の 考え と 外務 ・ 防衛 当局 の 思惑 に ズレ が ある と 伝え られる 。 この 日 の 会談 で 首相 が 今後 どういう 形 で リーダーシップ を 発揮 する か は 見えて こ ない 。 村山 首相 らし さ が 発揮 さ れた の は 沖縄 の 米軍 基地 の 整理 ・ 統合 問題 だ 。 日本 側 の 意向 を くむ 形 で クリントン 大統領 が 「 沖縄 の 三 つ の 問題 を 両 国 で 努力 して 解消 する よう モンデール 駐 日 大使 に 指示 し たい 」 と 提案 し 、 首相 は 「 今 まで 以上 の 努力 を 」 と 求めた 。 事務レベル で 大筋 合意 して いる 読谷 補助 飛行 場 の 返還 など が 促進 さ れる の は 確実で 、 首相 の “ 得点 ” と なる が 、 那覇 軍港 移転 など は 移転 先 の 同意 と いう 難題 も 抱える 。 クリントン 米 大統領 は 十一 日 の 村山 富市 首相 と の 首脳 会談 で 、 貿易 不均衡 改善 の ため 、 「 努力 を 倍増 」 する よう 求め 「 とりわけ 再開 さ れる 自動車 ・ 同 部品 協議 で 一段 の 進展 が 必要だ 」 と 強調 した 。 しかし 、 同 分野 で の 不均衡 解消 は 構造 的に 困難で 、 今後 の 大きな 火種 を 残した 。 自動車 ・ 同 部品 交渉 は 、 日 米 包括 経済 協議 の なか で 最後 まで 打開 でき ず 、 しこり を 残して いる 問題 。 同 大統領 は 首脳 会談 後 の 記者 会見 で 、 包括 協議 で これ まで に 十四 、 昨年 だけ で 八 つ の 合意 が できた こと を 歓迎 した 。 しかし 「 日本 の 景気 後退 も あって 、 経常 黒字 は なお 過大だ 」 と 指摘 。 「 本物 の 結果 が でる ような 約束 の 実行 」 を 求める と ともに 、 「 対 日 赤字 の 大部分 を 占める 自動車 ・ 同 部品 で 一段 の 進展 が 必要だ 」 と 述べた 。 「 米国 が 財政 節度 を 守る こと 」 「 対 日 赤字 の 六〇 % を 占める 自動車 ・ 同 部品 で の 進展 」 が 不可欠 と の 見方 を 示した 。 ロシア 南部 チェチェン 共和 国 へ 進攻 した ロシア 軍 に 激しい 抵抗 を 続ける ドゥダエフ 大統領 は 十一 日 、 首都 グロズヌイ 近郊 で 記者 会見 し 、 ロシア 軍 の 進攻 以来 約 一万八千 人 の 一般 市民 が 死亡 した こと を 明らかに した 。 また 「 紛争 の 軍事 解決 に チャンス は ない 」 と 述べ 、 和平 交渉 の 再開 を 呼びかけた 。 インタファクス 通信 に よる と 、 同 大統領 は 「 流血 を 防ぐ ため に 対話 の 席 に 着き 、 一気に 問題 を 解決 する こと は 可能だ 」 と 述べ 、 停戦 を 前提 に 交渉 に 応じる 用意 が ある こと を 表明 。 「 物理 的に ロシア に 立ち向かう こと は 不可能で も 、 自由 を 求める 民族 の 精神 は 、 アラー の ほか に は だれ も 奪う こと は でき ない 」 と 述べ 、 ロシア 側 が 軍事 力 で 制圧 して も 抵抗 を 続ける 意思 を 示した 。 しかし 、 ロシア 政府 は すでに チェチェン の 武装 勢力 が 統率 を 失い 、 同 大統領 の 影響 力 は 少ない と 判断 して おり 、 この 提案 を 黙殺 する 構え だ 。 現地 から の 報道 で は 首都 中心 部 の 大統領 官邸 へ の ロシア 側 の 攻撃 は 十一 日 夜 も 続いて おり 、 ロシア 政府 も 同日 、 チェチェン 側 の 攻撃 に 対する 「 応戦 」 を 認めた 。 一方 、 ロシア 上院 の 報道 官 は 十一 日 、 エリツィン 大統領 と 首相 、 上下 両院 議長 と の 四 者 会談 で 、 近く 首相 が 「 状況 視察 と 経済 復興 準備 作業 の ため 」 現地 を 訪問 する と 発表 した 。 戦後 五十 周年 の 節目 に 日 米 同盟 関係 の 意義 を 再 確認 する 場 と さ れた 十一 日 の 日 米 首脳 会談 は 、 日本 側 の 意気込み と は 裏腹に 米 側 の 冷めた 対応 が 目立ち 、 両者 の 熱気 の 落差 が 浮き彫り に なった 。 首脳 同士 で 日 米 の きずな の 重要 性 を うたい上げた と は いえ 、 ほとんど 一般 米国 民 の 関心 を 引か なかった 今回 の 首相 訪 米 は 、 市民 レベル で の 「 同盟 意識 」 の 育成 と いう 、 より 大きな 課題 に 手 を つけ ず に 終わった 。 落差 の 象徴 は 、 米 側 が 首脳 会談 に できる だけ マスコミ の 注目 を 集め させ ない ように した ことだ 。 会談 場所 は 大統領 執務 室 で は なく 閣議 室 。 会談 冒頭 の 報道 陣 から の 質問 も 一 つ だけ しか 許さ れ ず 、 会談 後 の 共同 記者 会見 は テレビ 中継 さえ なし 。 参加 者 も 日 米 双方 と も 二十 人 程度 に 制限 さ れた 。 共和党 主導 の 議会 が 支配 権 を 握る 中 、 クリントン 大統領 は 財政 問題 や 行政 改革 など あらゆる 内政 懸案 で 守勢 に 立た さ れ 、 再選 に 向け 最大 の 政治 的 危機 の さなか に ある 。 二十四 日 の 一般 教書 演説 を 控え 、 内政 優先 と 議会 重視 の 姿勢 を 取ら ざる を 得 ない 大統領 に とって 、 この 時期 の 日 米 首脳 会談 が 追い風 に なる もの で は なかった こと は 間違い ない 。 クリントン 大統領 に とって 政治 的に 唯一 プラス と なる と 想定 さ れた の は 、 北朝鮮 へ の 軽水 炉 転換 支援 で 日本 から 財政 負担 の 言質 を とり 、 消極 的な 議会 ・ 共和党 へ の 説得 材料 と して 活用 する こと 。 大統領 の 関心 は この 問題 に 注が れ 、 日本 側 が 提唱 した 「 創造 的 パートナーシップ 」 と いう キャッチフレーズ に ついて は 、 会談 後 に 米 政府 高官 が 「 そんな 言葉 が あった ような 気 が する が 、 確認 さ せて ほしい 」 と 語った ほど だった 。 ホワイトハウス の こうした 「 露出 回避 」 に 加え 、 日本 側 が 首脳 会談 の 一 月 開催 に こだわり ながら 、 これといった 「 演出 」 を し なかった こと が 、 今回 の 会談 を 大衆 効果 の 薄い もの に した 。 米 マスコミ の 質問 も 相変わらず 経済 問題 中心 で 、 通商 関係 の 側面 で しか 日 米 関係 を とらえ ない 米 の 傾向 は これ まで と 同じだった 。 米 政府 は 十一 日 、 チェチェン 共和 国 に 対する ロシア 軍 の 軍事 進攻 が 「 全欧 安保 協力 機構 加盟 諸国 間 の 信頼 醸成 を 定めた 『 ウィーン 文書 94 』 及び 『 政治 ・ 軍事 安全 保障 に 関する 行動 規範 』 に 違反 して いる 」 と 断定 、 厳しく 非難 する 声明 を 明らかに した 。 正式に は 十二 日 ウィーン で 開か れる OSCE 常設 理事 会 で 発表 さ れる が 、 クリントン 政権 が チェチェン 問題 で エリツィン 政権 を 正面 から 非難 する 声明 は 初めて で 、 米 露 関係 へ の 影響 が 懸念 さ れる 展開 と なり 始めた 。 国務 省 の シェリー 報道 官 が 十一 日 の 会見 で 明らかに した もの で 、 十二 日 、 ウィーン で 開か れる OSCE 常設 理事 会 の ブラウン 米 常駐 代表 に 「 最も 強い 懸念 を 表明 し 、 問題 を 討議 する よう 訓令 した 」 と 発表 した 。 ◆ 僕 は きょう も 口笛 を 吹く / 彼女 の 家 を 通り過ぎる 時 / 傷心 の 思い で 口笛 を 吹く ―― 北朝鮮 で 「 イデオロギー 的に 有害 」 と して 放送 禁止 に さ れて きた ラブ ソング が 11 日 解禁 さ れ 、 中央 ラジオ で その 軽快な メロディー が 流れた 。 韓国 の 内外 通信 が 伝えた 。 この 歌 は 1990 年 に 北朝鮮 の 歌手 チョン ・ ヘヨン さん が 歌い 、 大 ヒット した 「 口笛 」 。 男性 の 片思い の 恋 を 歌った 内容 で 、 社会 主義 の メッセージ を 含ま ない 北朝鮮 で は 初 の ラブ ソング 。 韓国 でも ヒット した が 、 北朝鮮 の 検閲 当局 に よって 放送 禁止 と さ れた 。 「 口笛 」 の 解禁 は 韓国 当局 を 驚かせ 、 非 社会 主義 の あらゆる 事物 を 厳しく 拒否 して きた 北朝鮮 が 、 その 姿勢 を 緩和 する 可能 性 が ある と の 見方 も 出て いる 。 村山 富市 首相 と クリントン 米 大統領 に よる 日 米 首脳 会談 は 、 アジア ・ 太平洋 地域 の 安定 の ため に 日 米 が 安全 保障 面 で の 連携 を 強化 する こと や 、 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 の 原子 炉 の 軽水 炉 転換 支援 問題 など 日 米 の 協力 が 強調 さ れた 。 昨年 二 月 の 細川 護煕 首相 の 訪 米 の 際 に 、 日 米 包括 経済 協議 に ついて 会談 が 決裂 し 、 クリントン 大統領 が 細川 首相 に 冷たい 視線 を 向けた 時 と は 全く 違う 展開 と なった 。 戦後 五十 年 の 年頭 に 日 米 首脳 会談 を 開いた の は 、 原爆 切手 の ような 両 国 の 感情 的な 摩擦 を 避ける ため の 危機 管理 の 一環 で 、 会談 が 無難に 終了 した こと で 、 この 目的 は 達成 さ れた 格好だ 。 しかし 、 会談 が “ 円満 ” に 終わった 背景 に は 、 両 国 の 国 内 事情 も ある ようだ 。 米 議会 が 共和党 優位 と なる 中 で 、 日 米 の 対立 が 強調 さ れる と クリントン 大統領 に とって また 一 つ 失点 が 増える 。 また 、 自民党 と の 連立 を 組む 中 で 社会党 の 分裂 と いう 問題 を 抱える 村山 首相 に とって 、 外交 で の 失点 は 避け なければ なら ない 。 ともに 政権 基盤 が 弱い クリントン 大統領 と 村山 首相 は 、 相手 の 立場 に 配慮 し 合う 必要 が あった 。 会談 の 冒頭 、 米人 記者 団 から 「 日本 の 政局 が こういう 状態 で 会談 の 成果 が ある と 思う か 」 と 聞か れた 大統領 は 「 日本 人 記者 が 来れば 『 米国 の 政局 が こういう 状態 で 会談 の 成果 が ある と 思う か 』 と 聞く だろう なあ 」 と ジョーク で 答えた が 、 両 首脳 の 置か れた 今 の 状況 を 象徴 する 一幕 だった 。 しかし 、 互いに 傷 を かばい 合う 首脳 会談 は 、 大統領 と 首相 が 当事 者 能力 を 発揮 でき ない と いう こと で も ある 。 特に 日本 の 場合 は 、 政治 、 経済 問題 で 国 内 の 抵抗 を 抑える ため 米国 から の 外圧 を 利用 する 手法 を とって きた だけ に 、 今回 の 首脳 会談 を 成功 と 単純に 受け止めて いい の か 、 疑問 が 残る ところ だ 。 ソ連 時代 の 反 体制 作家 で 民族 主義 的な 発言 で 知ら れる ロシア の 作家 、 ソルジェニーツィン 氏 が ロシア 週刊 紙 「 論拠 と 事実 」 と の インタビュー で 、 「 ロシア は チェチェン 共和 国 の 独立 を 認める べきだ 」 と の 持論 を 展開 、 十二 日 発売 の 同 紙 最新 号 に 掲載 さ れた 。 この 中 で 同氏 は 、 エリツィン 政権 の チェチェン へ の 軍事 進攻 を 「 重大な 政治 的 過ち 」 と 厳しく 批判 。 軍事 介入 は カフカス 全域 の 内戦 を 招く 恐れ が ある と して 、 「 彼ら が 望む なら 独立 さ せれば よい 」 「 直ちに 国境 を 閉鎖 し 、 ロシア へ の 入国 に は ビザ を 義務づけ 、 ロシア の チェチェン 人 は 外国 人 扱い す べきである 」 と 述べた 。 また チェチェン 共和国 領内 に は 、 ロシア 人 コサック も 数多く 住んで いる と 指摘 。 コサック の 居住 地 を 指定 して ロシア 領 と し 、 その他 の 地域 に 限って 独立 を 認める べきだ 、 と の 条件 を つけた 。 同氏 は ソ連 時代 に 国 外 追放 さ れ 昨年 五 月 、 二十 年 ぶり に 帰国 して いる 。 ロシア の エリツィン 大統領 は 十一 日 、 チェルノムイルジン 首相 、 上下 両院 議長 と 会談 し 、 早急に 軍 の 改革 に 取り組む 必要 が ある と の 認識 で 一致 した 。 シュメイコ 上院 議長 に よる と 、 参謀 本部 を 国防 省 から 独立 さ せて 大統領 の 直属 と し 、 軍 の 再 編成 を 委託 する 可能 性 も 検討 さ れた と いう 。 昨年 末 に 始まった チェチェン 共和 国 へ の 軍事 進攻 で は 、 軍 の 戦闘 能力 の 低下 の ほか 、 国防 省 と 内務 省 など 組織 系統 の 異なる 部隊 間 の 協調 の 欠如 など が 、 作戦 遂行 の 遅れ を もたらした と の 指摘 が 強く 、 大統領 が これ に 懸念 を 抱いた ため と み られる 。 しかし 、 参謀 本部 が 大統領 直属 に なれば 、 国防 相 の 権限 は 大幅に 縮小 さ れる こと に なり 、 軍 内部 の 混乱 を 招く こと も 予想 さ れる 。 この 提案 に ついて コレスニコフ 参謀 総長 は 同日 、 「 全く 予期 して い なかった こと 」 と 表明 した 。 米国 で の 昨年 の 「 特許 取得 競争 」 は 、 前年 に 引き続き 米 IBM が トップ の 座 を 守り 、 日本 勢 の 首位 奪還 は なら なかった 。 IBM が 独自の 集計 で 十一 日 まとめた もの で 、 昨年 一 年間 の 米国 で の 特許 取得 は 千二百九十八 件 。 一九九二 年 の 千八十七 件 を 大幅に 上回る 新 記録 で 、 第 一 位 と なった 。 二 位 は 九一 年 まで トップ だった キヤノン の 千九十九 件 、 以下 日立 九百九十九 件 、 三菱電機 九百九十二 件 、 東芝 九百八十三 件 、 GE 九百七十一 件 の 順 。 上位 十 社 の うち 日本 企業 が 六 社 を 占めた が 、 八六 年 に 統計 を 取り始めて 以来 、 日本 企業 の 独壇場 だった 特許 取得 も 、 「 日 米 再 逆転 」 の 様相 が はっきり して きた 。 モンデール 駐 日 大使 は 十一 日 開か れた 日 米 首脳 会談 後 の 記者 会見 で 、 ブリヂストン の 米国 子会社 ブリヂストン ・ ファイアストン の 労使 紛争 問題 に ついて 、 「 示唆 が なされた 。 昼食 の 時 に 外交 的な アプローチ が あった 」 と 述べ 、 米 側 から 懸念 が 表明 さ れた こと を 明らかに した 。 ロシア の 民間 世論 調査 機関 は 十一 日 、 エリツィン 大統領 の 支持 率 が 過去 最低 の 一一 % に 下がった と 発表 した 。 調査 は 七 日 、 国 内 の 千三百四十一 人 を 対象 に 行った もの で 、 不 支持 は 六六 % 。 昨年 十二 月 初め に 行った 前回 の 調査 より も 、 支持 率 は 三 ポイント 下がって おり 、 チェチェン 進攻 に 対する 国民 の 強い 不満 を 反映 した 結果 と なって いる 。 戦後 から 日本 絵画 の 一翼 を 担って きた 杉 全直 が 逝って 、 この 二十三 日 で まる 一 年 に なる 。 すでに 昨年 から 同じ 画廊 で 、 年代 順 に その 足跡 を たどる 回顧 展 が 催さ れて きた 。 しかし 、 今回 それ に 続いて 公開 さ れた 未 発表 の 水彩 素描 四十五 点 に 接して 、 その 絵画 の 成り立ち が いっそう 鮮明に つかめる ように なった と ともに 、 まるで 泉 の ように わき出る 表現 の 多彩 さ 、 多様 さ に 深い 感銘 を 誘わ れた のである 。 第 二 次 大戦 を はさんで 、 シュールレアリスム から 出発 した 杉 全 は 、 戦後 の 五〇 年 代 から 抽象 に 転じ 、 のち に 六 角形 を 基調 と した 「 きっこう 」 シリーズ など で 地歩 を 築いた 。 欧 米 の 表現 を 受容 し 消化 し ながら 、 その 影響 を 断ち切って 独自の 表現 を 模索 した その 軌跡 は 、 まさに 日本 の 戦後 美術 の あり よう に 一 つ の 範 型 を 示した と いって も いい 。 そして 今回 公開 さ れた 水彩 群 は 、 さらなる 新 展開 を 期した 晩年 の 油彩 作品 の 、 いわば 原形 に あたる もの だ 。 なるほど 描か れた 画面 を 見る と 、 晩年 の モチーフ と なった 六 角形 や ひし形 、 円 、 あるいは ヒモ や 帯状 の 形態 が 随所 に 発見 さ れる 。 だが 、 それ ばかり で は ない 。 形態 が 崩れて 、 もっと 自在に 色彩 や 線 が 遊動 し 不可知 の イメージ を ふっと つなぎ止めた ような 画面 を 、 いく つ も 数え上げる こと が できる 。 それ ら は 水絵 特有 の 透明 感 と あわい にじみ を はらみ ながら 、 絶え間 なく 息づいて なお 何 か に 脱皮 して いく ような 生成の 劇 を 繰り返す 。 だから 理路 に 従い 手順 を 踏んで 、 構成 さ れ 肉づけ さ れた 油彩 画 の 窮屈 さ と は 、 対照 的な まで の 解放 感 を 印象づけて やま ない のである 。 発表 の つもり も ない 構想 スケッチ だった と して も 、 画家 の 内面 と 手先 から 噴きこぼれて くる もの は 、 そこ に 満々と たたえ られて いる 。 たぶん 油彩 と は 別個の 表現 世界 に 向き合って いる と いった 方 が 実感 に 近い のだろう 。 同時に 並んだ 七〇 年 代 の パリ で 制作 さ れた コラージュ 作品 と ともに 、 杉 全 作品 へ の 視野 は 、 これ で また うんと 広がって きた ような 気 が する 。 27 日 まで 東京 ・ 銀座 6 の 6 の 7 、 UCP ギャラリー 上田 。 作家 の 大庭 みな子 さん と 、 批評 家 ・ 詩人 の 水田 宗子 さん の 二 人 が 往復 詩 を 交わし 始めた の は 一昨年 秋 の こと だ 。 「 わたし の からだ の 中 から / 物 の 怪 が 脱けだして ゆく / 灰色 の マント を ひらひら さ せて 」 と 、 いかにも 大庭 さん らしい 書き出し で 、 短い 詩 が 水田 さん に 送ら れる 。 彼女 は 応える 。 大庭 さん の 体 の 中 から 、 行方 も さだかで は なく 、 紡ぎ 出さ れる 物語 と いう 「 物 の 怪 」 の 正体 を 確かめる ように 、 また 、 自ら の 来歴 を たどり 直す か の よう に 。 「 むかし 湖 だった と いう / ネブラスカ の 草原 で 石 を 拾った 」 米国 の 内陸 部 、 原始 的 自然の 面影 を 残す この 場所 は 、 水田 さん が 青春 期 を 過ごした ところ 。 その 石 の 来歴 を めぐる ところ から 、 二 人 の 詩 は 、 女性 の 表現 と 物語 の あり よう を 、 根底 から 考え 直す かたち で 進め られて ゆく 。 昨年 の 「 中央 公論 文芸 特集 ・ 夏季 号 」 から 掲載 さ れた 往復 詩 は 、 昨年 末 発売 の 「 冬季 号 」 で 第 三 回 を 迎えて いる 。 また 、 二 人 の 対談 集 『 < 山姥 > の いる 風景 』 が 、 新春 に 刊行 さ れた ばかり 。 この 書 で まえがき は 大庭 さん が 、 あとがき は 水田 さん が それぞれ 書く かたち と なって いる が 、 大庭 さん は 「 対談 集 と 往復 詩 は わたし が 水田 さん と 共に 同時 代 を 生きた 証 と して 対 に なる もの だろう 。 めぐり逢った 魂 と の 対話 と して 久方ぶりの 妙な 興奮 と 愉悦 を 与えて くれた 」 と 述べて いる 。 大庭 さん の アラスカ 。 水田 さん の ネブラスカ 。 二 人 が 青春 期 を 過ごした 場所 は 、 それぞれ の 物語 と 批評 の 原 風景 と なって いる 。 故郷 で も あり 、 また 、 異郷 で も あった 。 アラスカ は 、 「 他者 の クニ 」 だ 。 さまざまな 民族 の 人 が 移り 住む 。 ネブラスカ は 、 もとより 砂嵐 に 石 の 殺が れる ところ 。 異郷 で 偶然に 出会った 二 人 は 物語 と 批評 の 立場 を 超えて 、 交差 する 精神 の 風景 を 見つめ あう 。 彼女 ら の 異郷 から ヒロシマ 、 アウシュビッツ を 語り 、 歴史 の 根底 に 目 を やり ながら 、 女性 と いう 存在 、 母 と は 何かと いう 問い を 発し 続ける 。 二 人 に 共通 する 異邦 人 性 は 、 男性 より も 制度 を 超える 存在 と して 女性 の 表現 と 生 の 問題 を 浮き彫り に する 。 「 体制 、 国家 、 共同 体 、 企業 、 学校 、 家庭 、 あらゆる 社会 集団 が これほど 不確かに なった とき 、 やはり 個 的な 身体 に 立ち戻る ほか は ない 」 と すれば 、 二 人 の 発信 は より 刺激 的な 風 を 運んで くる 。 ※ この 欄 は 隔週 木曜日 に 掲載 し ます 。 十八 日 午後 六 時 から 東京 ・ 永田 町 の 都立 日比谷 高校 星陵 会館 で シンポジウム 「 語ろう 時代 ―― わが 全共闘 体験 と 表現 行為 」 が 開か れる 。 『 全共闘 白書 』 が 昨年 刊行 さ れて 話題 に なった 。 全共闘 運動 体験 者 に アンケート した 結果 の 一部 を まとめた もの で 、 今回 の シンポジウム は 、 この アンケート の 世話人 と なった 全共闘 世代 の 集まり 「 プロジェクト 猪 」 が 、 『 白書 』 を めぐる 論評 を ふまえ 、 「 全共闘 文化 論 」 を 検証 する ねらい で 企画 した 。 評論 家 の 吉本 隆明 氏 の 講演 の 後 、 シンポジウム 。 参加 費 千 円 。 連絡 先 は 「 プロジェクト 猪 」 。 地中海 学会 が 十四 日 午後 一 時 から 東京 ・ 永田 町 の 砂防 会館 シェーンバッハ ・ サボー で シンポジウム 「 地中海 世界 ―― 文明 の 過去 と 未来 」 を 開く 。 パネル ・ ディスカッション で は 、 島田 誠 氏 「 古典 古代 の 地中海 体験 」 ▽ 板垣 雄三 氏 「 イスラム が みた 地中海 」 ▽ 長尾 重武 氏 「 ルネサンス 芸術 家 に とって の 地中海 」 ▽ 小林 一宏 氏 「 地中海 と 大西洋 へ の 視野 」 ▽ 浜名 優美 氏 「 F ・ ブローデル の 地中海 」 の 小 報告 を 受けて 総合 討論 が ある 。 参加 費 一般 千 円 。 問い合わせ は 地中海 学会 事務 局 へ 。 暖かい 一 月 の ある 朝 、 駅 に 向かう 道 を 、 紳士 が 一 人 すたすた 歩く 。 年のころ は 四十 の 終わり から 五十 の はじめ 。 小 太り を 青みがかった グレー の 背広 に 包み 、 会社 の 部 次長 か 役所 の 課長 か 。 いかにも 通い 慣れた 感じ で 歩 を 進める 。 ポケット から ティッシュ を 出して 、 口 を ぬぐい ます 。 で 、 それ を 丸めて 、 歩道 わき の 植え込み に ポイ 。 ついで 、 取り出した の は たばこ の 箱 、 いじって いた と 思ったら 、 セロハン と 銀紙 を 破って 、 これ は 歩道 に ポイ 。 たばこ 吸い つつ 、 やがて 駅 に 近づく 。 と 、 短く なった 吸い殻 を 、 駅 入り口 そば で ポイ 。 たまたま 、 その 直後 を 歩いて いた もの で 、 逐一 見た わけです が 、 べつに この 人 、 だいそれた 事 を やって る わけで は ない 。 こう やって 、 「 ポイ 、 ポイ 」 と 、 ことさら 書く もの だ から 、 すごい 感じ です が 、 朝 の 通勤 途次 、 だれ でも やり そうな 事 です 。 しかし 、 しかし です 、 それ を 見 ながら 考えた の は 、 彼 の ような サラリーマン 、 ばかり で なく 、 ほか の 職業 の 人 が 、 何千万 人 も いる と いう こと です 。 その みんな が 日常 茶飯事 、 何気なく ポイ して ない か 。 かの 紳士 に して も 、 捨てた の は 、 ティッシュ 一 枚 に たばこ 箱 の ちぎれ 紙 、 そして 吸い殻 一 つ 。 たいした 量 じゃ ない 。 しかし 、 それ に かける 何千万 人 。 しかも 毎日 、 と なる と 、 これ は 容易な こと じゃ ない 。 ゴミ 問題 が 、 具体 的に 見えた 感じ が し ました 。 もちろん 、 後ろ を 歩き ながら 、 ただ 憂える ばかり 、 捨て られた ポイ の 一 つ も 拾わ なかった 自戒 も 含めて 、 で は あり ます が 。 ▼ 御園座 入社 が 一九六二 年 。 一 番 の 思い出 は ? − − 歌舞伎 など 感銘 を 受けた 人 は 多く 、 話せば 長い こと に なり ます が 、 美空 ひばり さん を 初めて 呼んで き ました 。 新宿 コマ劇場 や 新 歌舞伎 座 で 大入り 満員 の 六四 年 十 月 、 新 歌舞伎 座 の 楽屋 に 訪ねて いって 。 翌年 四 月 、 初 出演 して もらった が 、 後 で 聞く と 関西 歌舞伎 の 元老 、 林 又一郎 さん ら に 「 出て いい 劇場 か どう か 」 相談 した ようです 。 林 さん が 「 僕 も 一緒に 行って いい よ 」 と 。 以後 、 歌謡 ショー が 続く ように なり ました 。 ▼ 演劇 図書 館 を 造って 一般 に も 公開 して い ます が 。 − − 七三 年 から 一般 に も 貸し出して い ます 。 演劇 関係 が 一万五千九百 冊 、 文学 ・ 歴史 書 など が 六千九百 冊 。 そのほか 舞台 写真 、 レコード 、 ビデオテープ 、 映画 フィルム 、 隈取り 、 絵 番付け 、 芝居 絵 、 俳優 色紙 など で 、 演劇 文化 の 資料 と して 残して おか ない と 消えて しまう ので 。 年間 七千二百 人 、 二十 年間 で 十二万 人 の 利用 が あり ました 。 ▼ 全国 的に も 数 少ない ので は ? − − 早大 の 演劇 博物 館 、 国立 劇場 の 資料 室 、 松竹 の 大谷 図書 館 程度 で 、 民間 の 劇場 併設 は 全国 で 例 が ない 、 と 思い ます 。 レファレンス ・ サービス に も 問い合わせ が 多い です よ 。 ▼ 演劇 関係 書 の 出版 も あり ます ね 。 − − ここ 三十 年 で 「 日本 演劇 書目 解題 」 「 現代 の 歌舞伎 芸談 」 「 名作 歌舞伎 の 舞台 鑑賞 」 など を 出したり 、 機関 紙 は 年 二 回 発行 して ます 。 また 、 演劇 教室 を 開いて 結構 、 好評 を 得て い ます 。 百 回 を 超え ました よ 。 ▼ 改装 オープン は 今年 の 四 月 。 出し物 は ? − − 中村 富十郎 、 坂東 玉三郎 、 中村 勘九郎 、 市川 左団次 、 中村 福助 ら で 花形 大 歌舞伎 と 銘打って 「 白浪 五 人 男 」 、 英国 など 海外 で 評判 に なった 玉三郎 の 「 鷺 娘 」 など です 。 最高の 顔合わせ に よる 狂言 が そろった 。 百二十 % 満足 頂ける と 思い ます 。 十 月 の 吉例 顔見世 と 並んで 恒例 に し ます 。 年 二 回 の ローテーション 入り する のに 十八 年 かかり ました が 。 その 間 は どう さ れ ます ? − − 名古屋 市 内 の ホール を 借りて コンサート を 開いたり 、 西郷 輝彦 さん の 全国 縦断 公演 を し ます 。 収入 の 道 が ない の は 困る 。 この際 、 いろいろ 経験 して うち で つくった もの を 全国 に 持って いける 体制 を 、 と の 夢 も あり ます 。 名古屋 仕立て で 興行 を 打ち たい もの です ね 。 中央 大学 の 経済 学 部長 など を 務めた 島崎 晴哉 教授 = 写真 、 社会 政策 専攻 = が 定年 を 迎え 、 「 社会 政策 と 私 ― 戦後 50 年 の 節目 に 」 と 題した 最終 講義 を 、 東京 都 八王子 市 の 同 大 大 教室 で 行った 。 安川 加寿子 さん に 師事 し 、 スウェーデン と 米国 を また に かける ジャズ 演奏 家 、 ケイコ ・ マクナマラ さん が 日本 公演 を 終え 、 「 母 と 一緒に 元日 を 迎えた の は 久しぶり 。 東洋 の 正月 は しっとり と して 、 心地よい もの 」 と 、 オ トソ 気分 を 満喫 した 。 公演 の パートナー は 、 ソウル シンガー の オセア ・ バーンズ さん = 同 右 。 都 内 など で 朗々と した コントラアルト で クリスマスソング など を 歌い 、 聴衆 を 魅了 した が 、 「 歌う の は 神 に 近づく ため 。 宗派 の 押しつけ 合い が 戦争 に なり ます 」 。 ケイコ さん は 「 今年 は 六 カ国 で 演奏 し ます 」 と 元気に ストックホルム へ 戻った 。 野鳥 の 細密 イラスト で 知ら れる 谷口 高司 さん が 「 野鳥 画 の 世界 ―― 野鳥 図鑑 の 原画 展 」 を 東京 都 上野 公園 緑 の 相談 所 で 開催 中 。 二十 日 まで 、 無料 。 谷口 さん は 日本 野鳥 の 会 の ベストセラー 「 山野 の 鳥 」 「 水辺 の 鳥 」 など 、 野鳥 画 、 野鳥 図鑑 を 手掛け 、 今回 の 原画 展 は 、 英語 版 で 刊行 さ れた アジア 水鳥 図鑑 の 原画 が 中心 。 谷口 さん は 、 子供 の ころ から 野鳥 に 親しみ 、 理髪 店 を 一 人 で 切り盛り する 傍ら 、 野鳥 の イラスト 画 に 取り組んで いる 。 原画 展 は 初めて で 、 「 絵 を 見て 、 野鳥 の 種類 を 見分け られる ように なって ください 」 と 呼び掛けて いる 。 西武 、 意地 の V 。 巨人 も 連覇 ―― 今年 の プロ 野球 ペナントレース を 初夢 ふう に 予測 する と 、 こんな 結果 と なった 。 「 なあんだ 、 夢 が ない 」 と 、 読者 の 反発 の 声 が 聞こえ そうだ が …… 。 パ ・ リーグ は 今年 も 混戦 。 王 新 監督 を 迎え 、 西武 から 石毛 、 工藤 を 取る など 金 に 糸目 を つけ ぬ ダイエー が 話題 の 軸 に なる が 、 優勝 に は 「 ? 」 が つく 。 いい 商品 を 仕入れた が 、 売れる ため の マーチャンダイザー 、 すなわち ポジション の バランス に 疑問 が 。 王 監督 が 選手 気質 を 把握 する 時間 も いる 。 王国 崩壊 の 危機 に 立つ 西武 だ が 、 むしろ 選手 は 燃える ので は ない か 。 広岡 、 森 と 続いた 管理 野球 から 開放 的で 兄貴 分 の 東尾 監督 に 代わって 、 伸び伸び やり そう 。 また 、 復帰 の デストラーデ に 加え 、 新 外国 人 獲得 で 攻撃 力 アップ 。 ダイエー 移籍 組 へ の 意地 、 反発 心 も ある だろう 。 村田 、 前田 両 投手 に も 期待 して V を 予測 。 オリックス も V レース に 加わり 、 新生 ・ ロッテ が グッと 浮上 。 セ ・ リーグ は 巨人 と 中日 の 争い 。 巨人 は FA で 広沢 を 獲得 、 新 外国 人 マック も 決定 。 一見 、 攻撃 力 が 飛躍 的に アップ した ように 見える が 課題 の 守り 、 走力 は 改善 さ れて い ない 。 とはいえ 、 即戦力 の 河原 に 、 川口 の 加入 で 投手 力 は 文句なしの 12 球団 随一 。 中日 は ホール を とり 、 大豊 、 パウエル で 組む クリーンアップ は 巨人 に ひけ を とら ない 。 投手 陣 で 与田 、 鶴田 が 復活 し 、 新鋭 ・ 平田 が 出て くれば 巨 倒 も 。 広島 は 野手 陣 は 良い が 川口 、 北別府 の 抜けた 投手 陣 が コマ 不足 。 ヤクルト は 若い 新 戦力 が 期待 薄 。 10 日 「 海 を 渡った 浮世 絵 展 」 の 会期 「 二十八 日 まで 」 は 「 二十二 日 まで 」 の 誤り でした 。 ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル で は 、 20 日 ― 29 日 まで 、 1 階 オールデイ ・ ダイニング 「 マリンカフェ 」 で 、 フィンランド 料理 フェア 「 ア ・ テイスト ・ オブ ・ フィンランド 」 を 開催 。 ヘルシンキインターコンチネンタルホテル から 3 人 の シェフ が 来 日 し 、 フィンランド 式 の バイキング料理 や 本格 的な メニュー を 。 ランチ メニュー で は セット メニュー 「 オーロラ 」 2800 円 、 ブッフェ メニュー 「 ヘルシンキ 」 3500 円 を 、 ディナー メニュー で は ブッフェ メニュー 「 ホワトナイト 」 4000 円 など が 楽しめる 。 問い合わせ は 同 ホテル 。 雄大な 北 アルプス を 望む 長野 県 梓川 村 は 、 梓川 の 清流 で はぐくま れた リンゴ の 産地 。 1984 年 に は 天皇 賞 を 受賞 し 、 その 味 に は 定評 が ある 。 無 袋 栽培 で 糖度 が のった リンゴ は 、 格別の おいし さ 。 村営 宿泊 施設 「 梓水苑 」 で は 、 この リンゴ を 使った フレッシュジュース 作り を 25 日 〜 26 日 と 2 月 8 日 〜 9 日 の 2 回 実施 する 。 当日 は 、 リンゴ 農家 の 指導 の もと 、 おいしい リンゴ の 見分け 方 や ジュース 作り を 体験 。 2 日 目 に は 安曇 野 や 松本 へ の 観光 も ある 。 参加 料 13000 円 。 問い合わせ 0263・78・5550 。 年明け に 解禁 に なった 茅ケ崎 、 平塚 沖 の 白 ギス が 快調 。 型 も 20 センチ 級 が 2 ― 3 割 混じって 盛期 並み 。 5 カ月間 の 禁漁 効果 も ある が 、 秋 に 台風 が なかった の と 、 高 水温 が 続いた せい らしい 。 いまだに 17 ― 19 度 の 日 が 多く 、 例年 の ように 深場 へ 落ち ないで 、 10 メートル 前後 の 浅場 に 居ついて いる ようだ 。 釣り 場 も 盛期 同様 、 茅ケ崎 ― 大磯 沖 と 広く 、 各 港 から 5 ― 10 分 と 近い 。 仕掛け は 図 の 通り 。 ハリス の 長い の が 特徴 。 潮 具合 で 、 投げる 場合 は 長 め 、 足元 を 釣る とき は 短 めに する 。 サオ は 穂先 が やわらかく 、 胴 へ くる ような もの が 食い込み いい 。 道糸 は ナイロン が 最適 。 新 素材 の 場合 は 、 ナイロン の 先糸 を 5 メートル ぐらい 結ぶ と いい 。 エサ の ジャリメ は 1 匹 ごと に ハリ いっぱい に 刺し 、 ハリ 先 を 出して おく 。 大きい の は 2 つ に 切る が 、 その分 動き が 鈍く なる ので 、 むしろ ハリ を 1 ― 2 ランク 上げ 、 1 匹 刺し に する と 効果 が ある 。 ポイント を 広く さぐる ため 、 出来る だけ 遠く へ 投げる 。 そして 、 ごく ゆっくり 引いて くる 。 アタリ は ブル 、 ブルッ と くる 。 この 時期 は 、 ごく 小さい の が 普通だ が 、 今年 は 珍しく 、 はっきり 出る 。 すぐ アワセ ず に ワン テンポ 遅らせ 、 ゆっくり サオ を 立てる と 、 向こう アワセ で ハリガカリ する 。 これ が 最大 の コツ 。 船 は 速報 欄 の 「 庄三郎 丸 」 と 「 沖右衛門 丸 」 など 。 乗り合い 料金 は 、 エサ 1 パック つき 7000 円 。 追加 エサ 有料 。 出船 は 7 時 。 きれいな 青い 海 、 おいしい 空気 いっぱい の 豊かな 環境 を 誇る 長崎 県 五島 列島 。 そこ で 育った 磯 の 香り 高い 漁協 製 の 自然 食品 「 五島 あご じまん 」 は 、 五島 近海 で 捕れる 飛魚 を 新鮮な まま 独自の 製法 で 加工 し 、 動物 性 たんぱく質 、 カルシウム など の 栄養素 を そのまま ティーバッグ 型 に した もの 。 あっさり した ダシ が とれ 、 いろいろな 料理 に 利用 できる 。 「 五島 あご す〜ぷ 」 は 、 新鮮な 飛魚 に 、 ワカメ 、 ゴマ など を 入れ 、 特殊な 製法 で か粒 状 に した もの で 、 お湯 を 注ぐ だけ で 手軽に スープ が 味わえる 。 「 五島 の 幸 」 は 、 新鮮 は 飛魚 を 姿 の まま 焼いて 乾燥 さ せた もの 。 地元 で は 、 これ を ダシ と して 幅広く 料理 に 使って きた 。 電話 0959・55・3131 。 平安 建都 千二百 年 の イベント も 終わり 、 冬 の 京都 は 静寂に 包ま れて いる 。 観光 客 の 少ない この 季節 は 、 京 の 魅力 再 発見 の いい チャンス だ 。 年間 、 一千万 人 が 訪れる と いう 京都 も 海外 旅行 に 押さ れ 、 ここ 数 年 、 横ばい の 状態 が 続いて いる 。 「 建都 千二百 年 は 、 観光 客 誘致 に 多い に 役立った 。 知り尽くさ れて いる 京都 だ が 、 ポスト 千二百 年 の 観光 の 目玉 は 、 昨年 十二 月 に 、 世界 文化 遺産 に 指定 さ れた 十七 寺社 。 じっくり 良 さ を 味わって 欲しい 」 と 、 伊藤 哲夫 ・ 京都 市 観光 協会 事務 局長 。 世界 文化 遺産 に 登録 さ れた の は 、 金閣 、 銀閣 、 竜安 、 清水 各 寺 など 十七 寺社 の 「 古都 京都 の 文化 財 」 。 三 月 十八 日 まで 観光 協会 が 実施 する キャンペーン 「 京 の 冬 の 旅 」 に も 弾み が ついた 。 通常 は 公開 さ れて い ない 十二 寺社 の 文化 財 を 特別 公開 する もの で 、 四十 年 ぶり に 公開 さ れる 金閣寺 ・ 方丈 を はじめ 、 初 公開 の 銀閣寺 書院 、 国宝 の 西 本願寺 ・ 虎渓 の 庭 、 竜安寺 ・ 西 の 庭 など 、 見どころ が たくさん ある 。 銀閣寺 へ の 道 の 両側 に は 土産物 屋 が 軒 を 連ね 、 どこ か 鎌倉 の 小町通り を 思わ せる 。 だが 、 山門 を 一 歩 入る と 、 にぎわい は うそ の よう 。 足利 義政 が 愛した 、 わび 、 さび の 世界 が 広がる 。 訪れる 人 も まばら の 今 、 さまざまな 角度 から ゆっくり と 拝観 が できる 。 初 公開 さ れる 銀閣寺 書院 は 、 昨年 新築 さ れた ばかり 。 ヒノキ の 香り の する 大広間 に は 、 明治 期 を 代表 する 画家 ・ 富岡 鉄斎 の 大作 「 大江 捕 魚 図 」 の 襖絵 が 、 見る 者 を 圧倒 する 。 併せて 本堂 で は 、 与謝 蕪村 作 の 「 叭叭鳥図 」 、 池 大雅 と 蕪村 の 合作 の 「 十便十宜図 」 など も 特別 観賞 できる 。 四十 年 ぶり に 公開 さ れた 金閣寺 ・ 方丈 から の 眺め は 格別だ 。 池 の 水面 に 映る “ 逆さ 金閣寺 ” を と 、 カメラ を 向ける と 「 午後 二 時 過ぎ で ない と 無理 」 と 同 寺院 の 話 。 だが 、 義満 が 植えた と 伝え られる 「 陸 舟 の 松 」 越し に 見る 、 金閣寺 も これ まで 見慣れた 表情 と は 趣 を 異にする 。 この 機会 を 逃せば 、 いつ 見 られる か ―― 。 京都 と いえば 、 楽しみな もの に 食べ物 が ある 。 冷えた 体 に は 、 名物 の アツアツ 湯豆腐 が たまらない 。 竜安寺 塔 頭 の 一 つ 西源院 の もの は 、 彩り が 美しい 七草 湯豆腐 。 特注 品 の 豆腐 は きめ が 細かく 、 まろやか 。 ニンジン 、 エノキ 、 シイタケ 、 ミツバ など 季節 の 京 野菜 や 山菜 、 花ふ など が 入り 、 ボリューム たっぷり 。 この 湯豆腐 と 、 あえ 物 、 ごま 豆腐 、 おひたし など の 精進 料理 で 、 体 の しん まで ポッカポカ 。 さらなる 新 発見 の 旅 へ の 意欲 が わいて くる 。 ☆ あし … JR 東海 の 「 京 の 冬 遊々 きっぷ 」 が 得 。 京都 まで の 往復 と 京都 市営 地下鉄 、 市バス 及び 京都 バス に 希望 する 日 に 、 一 日 乗り 放題 の 「 京都 観光 一 日 乗車 区間 」 が 付いた 便利な 切符 。 特別 公開 中 の 寺社 を 回る に は 、 定期 観光 バス 特別 コース を 利用 する の が 便利 。 大人 九千 円 。 同 九千 円 。 同 九千五百 円 。 ☆ 問い合わせ … 京都 市 観光 協会 075・752・0225 。 東京 ・ 虎ノ門 の ホテル オークラ で は 、 31 日 まで の 17 時 半 ― 21 時 半 、 本館 5 階 の オーキッドルーム で 、 「 新年 ・ オン ・ テーブル ブッフェ 」 を 行う 。 これ は 、 各 テーブル に 人数 分 セット さ れた 盛り合わせ 料理 を 自由に 取り 、 ゆっくり 楽しめる と いう もの 。 料理 は 前菜 ・ スープ ・ 特選 牛 ヒレ 肉 の ソテー 赤ワイン ソース など 約 10 品 と 飲み物 で 1 人 9000 円 。 予約 は 5 人 以上 から 。 予約 ・ 問い合わせ は 同 ホテル オーキッドルーム 。 千葉 県 浦安 の 東京 ベイ ヒルトン で は 、 ウイークデー だけ で なく 週 末 も ナイター も 利用 できる 「’ 95 テニス & ランチ 、 ディナー ・ パッケージ 」 を スタート した 。 1 時間 の テニス レッスン に 加え 、 1 時間 の コート 利用 、 1 階 コーヒー ショップ 「 キャラセル 」 で の セット ランチ または 、 インド 料理 「 チャンドゥー 」 の ディナーブッフェ 、 フィットネスセンター 内 室 内 プール 、 サウナ 、 ジャグジーバス 、 エアロビクス ・ クラス の 利用 が 含ま れる 。 テニス レッスン は 昼間 10 時 ― 16 時 、 夜間 17 時 ― 22 時 、 セット ランチ は 11 時 半 ― 15 時 、 ディナー ブッフェ は 17 時 半 ― 21 時 45 分 。 料金 は 昼間 2 人 1万4000 円 、 夜間 ・ 週 末 1万6000 円 。 予約 ・ 問い合わせ は 同 ホテル 。 東京 ・ 九段 の ホテル ・ グランドパレス で は 、 22 日 10 時 ― 18 時 、 2 階 ダイヤモンドルーム ほか で 披露宴 料理 、 婚礼 衣装 など 挙式 から ハネムーン まで 、 婚礼 に 関する すべて を 取りそろえた 「 ’ 95 年 春 の ブライダルフェア 」 を 開催 する 。 婚礼 衣装 コーナー で は 打掛 、 ウエディングドレス など の 試着 が 、 披露宴 料理 試食 会 で は 、 特別 料金 で 披露宴 料理 の 試食 が できる 。 来館 者 に は 当日 有効 の レストラン 優待 券 を 。 遠方 から の 人 に は 、 お 得な 宿泊 プラン も 用意 。 予約 ・ 問い合わせ は 、 18 日 まで に 同 ホテル 宴会 予約 係 。 最近 の 日本 映画 は 「 生活 」 を 描く こと が 減って いる 。 考えて みれば 、 「 生活 」 ぐらい 身近で 映画 の 題材 に 向く テーマ は ない のだ が 、 スケール 感 が 小さく なる こと を おそれて か 、 あまり 手 を 出さ なく なって いる 。 もっぱら テレビ ドラマ が その 代役 を 果たして いる のだ が 、 「 東京 兄妹 」 は 映画 の 中 に 日本 人 の 生活 実感 を 見事に 取り込んで いる 。 日本 映画 で 生活 を 描いた 代表 的な 監督 に 小津 安二郎 が いる 。 そういう 意味 で 「 東京 兄妹 」 を 小津 監督 へ の オマージュ と 見る こと も できる 。 しかし 、 この 映画 の 市川 準 監督 に とって 、 小津 路線 の 継承 と 取ら れる こと は 意 に そわ ない だろう 。 市川 監督 ならでは の 独特な 視点 が 光る 作品 な のだ から 。 都電 が 走り 、 鬼子母神 の 境内 が ある 東京 の 下町 に 住む 兄 と 妹 の 日常 生活 を 淡々と 描写 して いる 。 この 兄妹 は 、 父母 に 死な れ 二 人 だけ で 古い 木造 の 家 に 住んで いる 。 兄 は 古本 屋 に 勤め 、 妹 は 高校 を 卒業 する と 駅 の DP ストア で 働く 。 兄 は 豆腐 の 冷ややっこ が 好物 。 一 日 の 勤め が 終わる と ビール を 飲み 、 冷ややっこ を 食べる 。 まるで 夫婦 の ような 生活 だ 。 「 そんな 地味な もの を 撮った 映画 が おもしろい の か 」 と 問わ れれば 、 「 おもしろい 」 と 答え たい 。 何より も 人間 を 見詰める 視線 が しっかり と して いる から だ 。 兄 は 恋人 が いる のだ が 、 妹 を 一 人 に する の が しのびなくて 、 結婚 を ずるずる 延ばし 、 相手 に 去ら れて しまう 。 妹 は 兄 と の きずな を 断ち たくて 家出 を する 。 こんな ささやかな エピソード で すら 、 観客 の 胸 を 熱く せ ず に は おか ない 。 日本 家屋 の 撮り 方 も 優れて いる 。 スペクタクル ばかり が 映画 の おもしろ さ で は ない こと を 再 認識 さ せて くれる 。 兄 は 豆腐 を 買い に 行く とき 、 アルミ の 鍋 を 下げて いく 。 そんな 描写 一 つ が 、 妙に 懐かしい 思い を かき立てる 。 東京 と いう と 高層 ビル ばかり が 思い浮かぶ が 、 どっこい 人々 は 地べた の 上 で たくましく 生きて いる 。 東京 人 に 対する 応援 の 気持ち が 感じ られる 。 1925 年 3 月 22 日 、 第 1 声 を 発した NHK は 9 年 後 の 34 年 1 月 12 日 、 第 1 回 アナウンサー 採用 試験 を 実施 した 。 不定期 採用 を 定期 に し 、 各 中央 放送 局 単位 だった 試験 を 東京 一括 採用 に した の は 「 アナウンサー は 標準 語 を 使う べきだ 」 と する 声 が 高まり 、 専門 職 と して 養成 に 力 を 入れる こと に なった から だ 。 1 次 試験 に は 728 人 が 応募 、 音声 テスト 、 常識 ・ 作文 など で ふるい に かけ 、 最終 合格 者 は 25 人 。 女性 は 全滅 と いう 結果 が 残って いる 。 合格 者 は 「 アナウンサー 学校 」 と 呼ば れた 養成 所 で 3 カ月 の 教育 を 受け 、 23 人 が 全国 の 放送 局 に 配属 さ れた 。 いわゆる NHK アナウンサー の 第 1 期生 である 。 この 中 に は 、 のち に NHK を 代表 する アナウンサー と なる 和田 信賢 、 放送 討論 会 の 司会 で 鳴らした 浅沼 博 、 玉音 放送 で 知ら れる 山村 恒雄 ら が いた 。 若手 が 活躍 する 初 芝居 だ が 、 中身 が 濃く 面白い 。 最初 は 「 鎌倉 三 代 記 」 。 義太夫 物 の 大作 で 、 父 を 裏切り 敵 方 の 武将 三浦 之助 に 走った 時姫 の 一途な 恋 と 、 知将 佐々木 高綱 の 変身 を 描いて いる 。 福助 が 出色の 出来 栄え である 。 とかく だれ がちに なる 前半 を 義太夫 に のって 巧みに 動き 、 恋 一筋 に 生きる 女 の 大胆 さ と 哀れ を 表現 した 。 しかも 舞台 が 大きく 華やか さ も ある 。 八十助 は 辛抱 の 役 だ が 、 イキ の 詰んだ 演技 で 色男 の 優雅 さ を 見せた 。 橋之助 は 後半 本性 を 現して から が 、 大柄な 風姿 が 生きて 立派だ 。 が 、 義太夫 の せりふ 術 に さらに 工夫 が 欲しい 。 吉之丞 の 長門 以外 の わき役 は 演技 の 水準 が 低い 。 中幕 は 近松 門左衛門 原作 、 戸部 銀作 脚色 、 藤間 勘祖 振り付け の 舞踊 劇 「 日本 振袖 始 」 。 ヤマタノオロチ の 物語 で 、 オロチ が 悪女 で 、 美女 に しっと する あまり いけにえ に する と いう 設定 が 面白い 。 作曲 と 振り付け が 良く 、 芝翫 が 次第に 酒 に 酔って いく オロチ の 姿 を たっぷり と 演じて 、 見応え が ある 。 後半 は オロチ の 七 つ の 分身 が 現れる スペクタクルで 、 橋之助 が スサノオ を 豪快に 、 丑之助 が 稲田姫 を かれんに 演じた 。 最後 が 黙阿弥 の 「 因果 小僧 」 。 久しぶりの 上演 で 因果 を キーワード に 、 思いがけ ぬ 運命 に 流さ れて いく 庶民 像 を 描いて いる 。 三津 五郎 の 見世 物師 が 、 善悪 を 兼ねた 皮肉な 老人 を うまく 見せ 、 せつな 的な 楽しみに 生きる 八十助 と 福助 の 現代 風 の 若者 と の 対照 が 効いて いる 。 団蔵 、 橋之助 、 辰之助 、 愛之助 ら 周り も そろった 。 28 日 まで 。 五 年 ぶり に NHK 紅白 歌合 戦 に 出場 し 新作 「 ハロー 」 を 熱唱 、 その 豪華な 歌いっぷり に 「 ジュリー 健在 なり 」 と 感じた ファン も 多かった に 違いない 。 昨年 末 に 紅白 曲 と 同じ タイトル の アルバム を 一 年 ぶり に 発表 。 現在 、 二 カ月 に わたる 全国 ツアー の 真っ最中 。 四十六 歳 ・ 沢田 研二 の 元気 が いい 。 新譜 は 、 ロック ・ ポップス の ヒット ・ メーカー 後藤 次利 が プロデュース 。 作詞 に も 秋元 康 、 松井 五郎 ら を 迎えた 。 「 シンプルな ギターサウンド を 中心 に 据えた 生々しい ロック に しよう 、 と 考えた 。 コンピューター 音楽 は 退屈で しようがない し …… 」 と キャリア に 裏付け さ れた 企画 意図 を 語る 。 一九七一 年 、 ソロ デビュー し 、 この アルバム で 三十一 枚 を 数える 。 最近 は ほぼ 一 年 一 枚 の ペース で 新作 を 発表 し 、 新鮮な 音楽 状況 に 身 を 置く こと を 忘れて い ない 。 「 歌手 の あかし な んです 。 意地でも 新作 を 出し 続ける こと が 。 自分 で 音楽 を やって いる 、 燃えて いる 、 と いう 充実 感 が ある の は 新作 な んです 。 もう ひと花 咲か せる ため に は 継続 して なきゃ だめな んです よ 」 沢田 研二 は 『 スター 』 と いう 懐かしい 響き を 持つ イメージ を 携えた 数 少ない パフォーマー である 。 この 位置 を 維持 する ため に は 、 やはり 売れ なければ なら ない と ? 六〇 年 、 七〇 年 代 ブーム に 乗って 過去 の ヒット の 焼き直し や セルフ ・ カバー など で 自分 を 売る こと を 潔し と し ない 。 とことん 『 今 』 に こだわる 。 「 常に その 時代 に 向けて 発信 して なきゃ 、 今 、 生きて いる 意味 が ない 」 と まで 言いきり 、 「 自分 自身 、 歌手 と して 終わって ない と 思う し 、 絶対 また 来る ぞ 、 と 信じて る 」 と 自信 を のぞかせる 。 “ 前線 ” に 立ち 続ける こと で 、 自ら の 力量 を 確認 する 。 名 を 成した 芸能 人 に とって は 、 相当な 難行 に 違いない が 、 沢田 は 、 あえて それ を やり 続ける こと で スター の 実像 を 与える 。 「 板 の 上 が 好きな んです 。 『 オレ は かっこいい よ な 』 と 思える 瞬間 が …… 」 二十三 日 に 愛知 厚生 年金 会館 、 二 月 十三 、 十七 日 に 大阪 フェスティバルホール で 公演 する 。 ユニークな 企画 に よる 語り と 尺八 の 会 が 相次いで 開催 さ れる 。 語り は 「 古屋 和子 ひと り 語り 」 。 古屋 は 早稲田 小 劇場 、 横浜 ボート シアター を 経て 、 今 は 語り の 芸 を 追究 して いる 。 今回 は 「 語り 」 に 入る きっかけ と なった 水上 勉 の 「 越前 竹 人形 」 に 始まる これ まで の 語り の 作品 を 日替わり で 十 演目 語る 。 作品 は 近松 、 鏡花 、 M ・ ユルスナール など 多岐に わたって いる 。 問い合わせ は 045・433・4363 へ 。 尺八 の 会 は 「 集大成 ・ 鶴 の 巣篭 」 。 尺八 の 大曲 と して 知ら れる 「 鶴 の 巣篭 」 を 各 流派 で 伝承 さ れて いる 形 で 演奏 、 その 全容 を 探る と いう 会 。 海童 道 道曲 の 中村 明一 の 企画 で 「 この 曲 は 各 流派 に あり ながら 、 別の 曲 の ように なって 伝わった 。 その 違い を 演奏 を 通じて 確かめ たい 」 と いう 。 八 流派 から 代表 的な 演奏 者 が 出演 する 。 問い合わせ は 03・3413・1111 へ 。 東京 ・ 井の頭 公園 で バラバラ 遺体 で 見つかった 近く の 一 級 建築 士 、 川村 誠一 さん に 似た 男性 が 、 川村 さん の 行方 不明 直後 、 通勤 に 利用 して いた JR 吉祥寺 駅前 で 二 人 組 の 男 に 暴行 さ れて いた こと が 、 十二 日 まで に 分かった 。 同 公園 内 で は 遺体 を 捨てて いた と み られる 二 人 組 が 目撃 さ れて おり 、 警視 庁 三鷹 署 捜査 本部 で さらに 詳しく 調べて いる 。 川村 さん は 昨年 四 月 二十一 日 午後 十一 時 半 過ぎ 、 知人 と JR 新宿 駅 で 別れて から 行方 が 分から なく なり 、 翌々日 、 井の頭 公園 の ごみ箱 から バラバラ 遺体 で 発見 さ れた 。 調べ で は 、 同 二十二 日 午前 零 時 十五 分 ごろ 、 吉祥寺 駅 北口 の 近鉄 百貨店 正面 玄関 付近 で 、 男性 が 二 人 組 の 男 に 殴ら れて いた の を 、 女子大 生 が 目撃 した 。 男性 は 駅 方向 から 連れ出さ れた 様子 で 二 人 組 は 約 五 分間 の 暴行 後 、 女子大 生 に 気付く と 、 男性 を ひきずる ように して 百貨店 の 路地 裏 に 入った 。 二 人 組 は 三十 ― 四十 歳 で 、 ば声 を 浴びせ ながら 一方的に 男性 を 殴って いた と いう 。 チャールズ 英 皇太子 の 愛人 カミラ ・ パーカー ・ ボールズ 夫人 が 離婚 を 発表 した こと で 、 カミラ 王妃 が 実現 する か 、 と の 先走った 憶測 が 英 マスコミ の 話題 を さらって いる 。 チャールズ 皇太子 と ダイアナ 妃 と の 離婚 は ほぼ 確実 と の 予測 から 、 皇太子 が カミラ 夫人 と 再婚 する か 、 再婚 した 場合 は 国王 に なれる か 、 と いった 議論 が 出て いる のだ 。 パーカー ・ ボールズ 夫妻 の 弁護 士 は 十 日 、 夫妻 が 互いに 離婚 に 同意 した と 発表 した 。 離婚 は 数 週間 以内 に 実現 する 模様 だ 。 この ニュース は 、 別居 中 の チャールズ 皇太子 夫妻 の 離婚 を 加速 さ せる 、 と の 見方 を 強めた 。 この ため バッキンガム 宮殿 当局 は 「 離婚 に ついて 、 二 人 は いかなる 話し合い も して い ない 」 と 発表 し 、 離婚 の うわさ を 消す の に 必死 。 だが 二 人 は 、 昨年 十二 月 で 別居 期間 が 二 年間 を 過ぎ 、 法律 的に は 一方 の 請求 で いつでも 離婚 が できる 状態 に ある 。 「 もはや 離婚 する か し ない か で は なく 、 いつ 離婚 する か 、 と いう 段階 」 と の 受け止め 方 が 一般 的だ 。 憲法学 者 セント ・ ジョン ・ オブ ・ フォーズリー 卿 は 、 憲法 上 は 皇太子 が 離婚 して も 、 離婚 経験 者 と 再婚 して も 国王 に なれる 、 と 主張 する 。 だが 、 エドワード 八 世 が 離婚 経験 者 の シンプソン 夫人 と 結婚 する ため に 退位 し なければ なら なく なった 例 を 引き 、 チャールズ 皇太子 が 離婚 して も 国王 に なれる が 、 カミラ 夫人 と 結婚 すれば 国王 に なれ ない 、 と の 意見 も ある 。 再婚 と なれば 国論 を 二分 する 議論 が 沸き起こり 、 英 王室 は 危機 に 陥る 。 すでに 危機 的 状況 と の 判断 も ある 。 フリーエージェント 制 の 資格 条件 など を めぐって 選手 会 と オーナー 側 が 対立 、 全 試合 中止 の 可能 性 も あった 北米 アイスホッケー リーグ が 来週 開幕 する こと に なった 。 オーナー 側 が 最終 案 と して 示した 労使 協定 案 を 、 選手 会 が 十一 日 受け入れた ため で 、 昨年 十 月 一 日 から 始まった ストライキ は 、 約 百 日 ぶり に 解決 した 。 学習 研究 社 の 小学生 向け 学習 漫画 「 世界 の 歴史 」 シリーズ の 第 七 巻 で 、 イスラム 教 の 創始 者 マホメット の 顔 が 漫画 で 描か れて いる こと に 宗教 団体 が 抗議 し 、 同社 は 謝罪 し 、 第 七 巻 を 全国 の 書店 から 回収 して いる こと が 明らかに なった 。 この 第 七 巻 は 一九九二 年 に 発行 さ れ 、 「 イスラム 帝国 と 預言 者 マホメット 」 が テーマ 。 表紙 と 本 の 前半 に ターバン を 巻き 、 ひげ を たくわえた マホメット が 登場 して いる 。 昨年 十二 月 、 宗教 法人 イスラミックセンター ・ ジャパン など イスラム 教 の 二 団体 が 「 イスラム 教 は 偶像 崇拝 を 禁じて おり 、 漫画 で 描く こと は 信仰 を 傷つけて いる 」 と 抗議 した 。 西島 襄治 ・ 同社 広報 室長 に よる と 、 同社 は 「 無理解に よる もの 」 と 謝罪 し 、 同月 十三 日 から 第 七 巻 の 出荷 を 取りやめ 、 流通 して いた 約 千 部 は ほぼ 回収 し 終えた 。 大正 から 昭和 に かけて 大衆 文化 を 担った 竹久 夢二 、 高畠 華宵 、 蕗谷 虹児 の 三 人 の 人 と 業績 に 焦点 を 当てた 「 大正 ・ 昭和 の ロマン 画家 展 」 が 、 十二 日 、 日本橋 高島屋 で 始まった 。 二十四 日 まで 。 会場 に は 、 三 人 の 肉筆 画 、 水彩 画 を はじめ 、 当時 を しのばせる ゆかり の 品々 など 約 三百五十 点 を 展示 。 三 人 を 紹介 する ビデオ も 放映 して いる 。 プロ の 盆栽 作家 の 作風 を 競う 「 第 20 回 日本 盆栽 作風 展 」 が 十二 日 、 JR 東京 駅 八重洲 口 の 大丸 東京 店 十二 階 で 始まった 。 会場 に は 熱心な ファン が 訪れ 、 内閣 総理 大臣 賞 の 「 黒松 」 を はじめ 、 入賞 ・ 入選 の 作品 の 見事 さ に 感激 して いた 。 十三 日 午後 に は 盆栽 作家 、 木村 正彦 氏 に よる 実技 の デモンストレーション が 行わ れる 。 同 展 は 十七 日 まで 。 入場 料 六百 円 。 谷川 浩司 王将 に 羽生 善治 名人 が 挑戦 し 、 滋賀 県 彦根 市 の 「 彦根 プリンスホテル 」 で 十二 日 始まった 第 四十四 期 王将 戦 七 番 勝負 の 第 一 局 は 、 お互いに 飛車 先 の 歩 を 突く 相がかり の 展開 と なった 。 快晴 の 琵琶 湖畔 で の 対局 。 両者 は 和服 で 姿 を 現した 。 記録 係 の 石塚 徹 初段 が 振り駒 を 行い 、 羽生 の 先手 が 決まった 。 そのまま 五 分間 の 沈黙 が 流れる 。 関係 者 が 見守る 中 、 午前 九 時 、 立会人 の 長谷部 久雄 八 段 が 「 羽生 名人 の 先手 で 始めて 下さい 」 と 開始 を 告げた 。 双方 、 少 考 を 繰り返し ながら の 序盤 戦 が 続いた 。 羽生 は 21 手 目 7七 桂 と 指し ヒネリ飛車 の 構え を とった 。 羽生 が 三十 一手 目 を 考慮 中 の 午後 零 時 半 、 昼食 休憩 に 入った 。 持ち 時間 各 八 時間 の うち 消費 時間 は 羽生 一 時間 四十九 分 、 谷川 一 時間 二十三 分 。 同 一 時 半 再開 。 日 米 共同 で 開発 を 進めて いる 航空 自衛 隊 の 次期 支援 戦闘 機 の 試作 機 が 十二 日 、 愛知 県 豊山 町 の 三菱重工業 小牧 南 工場 で 初 公開 さ れた 。 航空 産業 の 将来 も 絡んで 日 米 間 の 防衛 摩擦 の 「 象徴 」 に なって きた うえ 、 開発 費 も 当初 見積もり の 二 倍 近い 三千二百七十四億 円 に 膨らんだ 「 金 食い 機 」 。 今夏 に 初 飛行 を 行う など 試験 を 重ね 、 一九九八 年度 末 に 開発 を 終了 する 予定 だ 。 しかし 、 冷戦 構造 の 崩壊 も あり 、 生産 機数 など 量産 化 に ついて は 、 なお 曲折 が 予想 さ れる 。 FSX は 国産 F1 の 後継 機 。 当初 は 業界 と 二人三脚 で 「 日の丸 FSX 」 を 目指した が 、 米国 の 圧力 に 押し切ら れ 、 一九八七 年 、 米 ゼネラル ・ ダイナミックス社 = 現 、 ロッキード ・ フォートワース社 = 製 の F1 6 を ベース に した 日 米 共同 開発 で 決着 した 。 主 契約 会社 の 三菱重工 を はじめ 日 米 企業 が 開発 に 当たった 。 公開 さ れた 試作 機 は 全長 十六 メートル 、 全幅 十一 メートル 、 全高 五 メートル 、 最大 重量 二十二 トン と F1 6 より わずかに 大きい 。 機体 を 傾け ず に 上下 左右 に 移動 したり 、 「 カニ の 横ばい 」 の ような 運動 が できる CCV 機能 を 備えて いる の が 大きな 特徴 。 試作 機 は 計 六 機 製造 して 地上 、 飛行 試験 を 行う 。 宿泊 客 五 人 が 死亡 した 福島 市 の 飯坂 温泉 「 若喜 旅館 本店 」 の 火災 で 、 飯坂 署 と 同 市 消防 本部 は 十二 日 まで に 、 出火 場所 の 新館 四 階 大広間 の ステージ 二 カ所 から 灯油 成分 を 検出 した 。 ステージ 周辺 に は ストーブ など の 暖房 器具 は なく 、 不自然な 状態 である こと から 、 灯油 を まいて 放火 した 可能 性 も ある と みて 調べて いる 。 灯油 成分 が 検出 さ れた の は 、 焼けた ステージ の 左右 の 端 。 付近 の 壁 に 灯油 が 燃えた 時 に 出る 特有の スス が こびりついて いた 。 灯油 が 少量 なら スス は 残ら ない ため 、 ステージ 周辺 に は かなり 大量の 灯油 が あった と 考え られる と いう 。 大広間 で は 午後 八 時 ごろ まで 宴会 が 開か れて いた が 、 暖房 は エアコン で 、 ストーブ や 石油 ファンヒーター など は 置いて なかった 。 灰皿 は あった が 、 終了 後 、 従業 員 が 後片付け を し 、 午後 九 時 半 ごろ 、 従業 員 が 最終 の 見回り を した 際 に は 、 灰皿 の 中 は 空 だった 。 また 、 宴会 客 の たばこ の 火 の 不 始末 の 疑い も 浮上 した が 、 その後 の 調べ で ステージ は たばこ の 火 など で は 燃え にくい 材質 である こと も 分かった 。 飯坂 署 と 同 市 消防 本部 は 、 出火 から 燃え広がる まで が 不自然な ほど 短 時間 であった こと と 合わせ 、 放火 の 疑い を 否定 でき ない と して いる 。 この 火災 は 十二 月 二十一 日 午後 十 時 五十 分 ごろ に 発生 、 旅館 二 棟 を 全 半焼 し 、 宿泊 客 五 人 が 逃げ遅れて 死亡 して いる 。 十二 日 朝 の ラッシュ 時 、 首都 圏 の JR 線 が トラブル など で 遅れ 、 通勤 客 ら 五万四千 人 の 足 が 乱れた 。 十二 日 午前 八 時 ごろ 、 東京 都 三鷹 市 の JR 中央 線 で 、 豊田 発 東京 行き 上り 快速 電車 が 、 三鷹 駅 に 進入 する 際 、 ドア が 閉まった こと を 知らせる 運転 席 の ランプ が 突然 消えた 。 同 電車 は 現場 に 停車 して 点検 を 行い 、 約 十二 分 後 に 運転 を 再開 。 上下 六 本 が 運休 し 、 二十六 本 が 最高 二十一 分 遅れ 、 約 二万七千 人 に 影響 が 出た 。 午前 八 時 四十一 分 ごろ に は 、 JR 山手 線 内回り の 代々木 ― 原宿 間 を 走行 中 の 電車 でも 、 運転 席 の ランプ が 消え 、 点検 の ため 約 六 分間 停車 。 二十 本 が 最高 十 分 遅れ 、 約 二万一千 人 に 影響 した 。 また 、 午前 八 時 十 分 ごろ 、 JR 常磐 線 の 新 松戸 ― 馬橋 間 で 、 線路 内 に 男性 が 立ち入った ため 、 上り 電車 が 現場 に 四 分 停車 し 、 上下 八 本 が 最高 六 分 遅れた 。 ゴルフ 会員 権 を 乱売 した うえ 倒産 、 事実 上 の オーナー の 脱税 や 詐欺 事件 の 舞台 と なった 「 茨城 カントリークラブ 」 に ついて 、 茨城 県 の 工事 完了 検査 が 十二 日 、 行わ れた 。 県 から 検査 済み 証 が 交付 さ れれば 、 破産 管財人 は ゴルフ 場 を 売却 し 会員 権 を 購入 した 被害 者 に 返済 する 方針 だ が 、 ゴルフ 場 の 資産 価値 は 計画 当初 より 下がって おり 、 被害 者 の 完全 救済 は 厳しい と み られる 。 被害 救済 弁護 団 の 瓦葺 隆彦 団長 は 「 今 は とにかく 早く 高く ゴルフ 場 を 売却 して 、 被害 者 に 少し でも 多く 資産 を 配分 し たい 」 と 話す 。 だが 、 水野 健 被告 の 在 米 資産 の 回収 が 遅れて いる うえ 、 ゴルフ 場 の 売却 価格 は 百四十億 円 程度 と み られる など 、 救済 を 待つ 被害 者 に とって は 厳しい 状況 だ 。 十二 年 前 、 東京 都 江戸川 区 の 食品 会社 専務 、 加瀬 和夫 さん を 保険 金 目当て に 殺した と して 殺人 罪 に 問わ れた 元 妻 の 緒方 文代 被告 に 対し 、 東京 地裁 は 十二 日 、 懲役 十五 年 を 言い渡した 。 共犯 の 暴力 団 幹部 、 千坂 繁 被告 は 懲役 十五 年 、 元 暴力 団 組員 、 丹谷 茂男 被告 は 懲役 十 年 と さ れた 。 日本 船舶 振興 会 の 本部 ビル 改修 工事 に 絡んで 百七十六万 円 相当 の 電気 製品 を 受け取った と して モーターボート 競走 法 違反 に 問わ れた 元 事務 局長 の 吉松 昌彦 被告 に 対し 、 東京 地裁 は 十二 日 、 懲役 一 年 六 月 、 執行 猶予 三 年 、 追徴 金 五万三千五百 円 を 言い渡した 。 矢村 宏 裁判 長 は 「 公益 法人 である 振興 会 の 職務 の 公正 を 害し 、 非難 に 値する 」 と 指摘 した 。 贈賄 側 の 飛島 建設 元 東京 支店 建築 部 現場 作業 所長 、 小畠 克明 ▽ 三橋 建築 設計 事務 所 元 管理 部 次長 、 平山 文男 の 二 被告 も 懲役 一 年 、 執行 猶予 三 年 と さ れた 。 判決 に よる と 、 吉松 元 事務 局長 は 一九九一 年 七 月 から 九 月 に かけて 六 回 に わたり 、 ビル 改修 工事 の 業者 選定 など で 飛島 建設 と 三橋 建築 設計 事務 所 に 便宜 を 図った 謝礼 と して 、 電子 レンジ など 十四 点 の 電気 製品 を 受け取った 。 三 被告 は 警視 庁 が 摘発 した 捜査 段階 から 贈収賄 の 事実 を 全面 的に 認めて おり 、 矢村 裁判 長 は 「 すでに 社会 的 制裁 を 受け 、 十分に 反省 して いる 」 こと を 執行 猶予 の 理由 に 挙げた 。 一 枚 の 写真 を 見て い ます 。 写真 説明 に は 「 孫 たち を 再び “ 施政 権 下 ” に 入れよう と 、 今 も 頑張る 」 と あり ます 。 お 父上 に 抱か れた 末 の お嬢さん 。 ゴルフ 焼け した おじい ちゃん の 、 ゆるんだ 顔 も さること ながら 、 赤い セーター に 目 が 留まり ました 。 ヒジ が 薄く なり 、 白い ブラウス が 透けて みえ ます 。 お 姉さん の 「 おさがり 」 です ね 。 田中 家 の 堅実な 家風 が うかがえ ます 。 私 は 田中 内閣 の 発足 から 退陣 まで 、 「 田中 番 」 でした 。 ご 意見 番 と いわ れた 西村 英一 さん から 、 退陣 前夜 、 身重 の あなた に 呼ば れ 「 子 と して の 心情 を 泣いて 訴え られた 」 こと を 聞き ました 。 めったに 人 を ほめ ない の に 「 賢い 子 だ 」 と 感心 して い ました 。 肉声 に 接した の は 、 父上 の 葬儀 で の あいさつ でした 。 少し 気負い が 見え ました が 、 見事な もの でした 。 多く の 角栄 門下 生 が 参列 し ました が 、 本当の 秘蔵っ子 は あなた だ と 思い ました 。 「 政治 に 生活 者 の 声 を 反映 さ せ 、 弱者 の 意見 を 引き出す 」 と いう あなた の 信条 に は 共感 を 覚え ます 。 一 つ 提案 が あり ます 。 「 ねむ の 木 学園 」 の おしのび 参観 です 。 園長 の 宮城 まり子 さん は 、 全国 の 施設 の 子 の 高校 進学 を 直訴 、 四 カ月 後 に 実現 さ せた 父上 の こと を 忘れ られ ませ ん 。 年間 約 二万 人 が 訪れ ます が 、 今 、 あなた の 来園 を 切望 して い ます 。 五十嵐 広三 官房 長官 は 十二 日 午前 の 記者 会見 で 、 日 米 首脳 会談 で 米国 の クリントン 大統領 が 沖縄 の 米軍 基地 の 整理 ・ 統合 へ の 努力 を 表明 した こと に ついて 「 首相 の 帰国 後 、 適切な 指示 が ある だろう 。 解決 に 向けて 努力 し たい 」 と 述べ 、 日本 政府 と して も 同 問題 に 積極 的に 取り組む 姿勢 を 強調 した 。 包括 協議 の 中 で 、 地球 的 規模 の 問題 に どう 日 米 協力 が できる か 積み上げて きた もの だ が 、 通商 問題 の カゲ に 隠れて 目立た なかった 。 「 えべっ さん 」 の 三 日間 で 約 百万 人 が 参拝 した 大阪 市 浪速 区 の 今宮 戎 神社 で 十二 日 朝 、 さい銭 勘定 が 始まった 。 不況 脱出 へ の 願い を 込めて か 、 一万 円 札 も 多く 交じり 、 同 神社 関係 者 は 「 景気 回復 の 流れ は 本物 」 。 午前 九 時 から 、 拝殿 で 勘定 の 開始 を 告げる 神事 「 賽 物 勘定 奉告 祭 」 の 後 、 法被 姿 の 銀行 員 十四 人 が 白い 布 を ひいた 台 の 上 に さい銭 袋 を 勢い よく あけ 、 仕分け を 始めた 。 勘定 に は 十 日 近く かかる が 、 額面 「 二千九百五十一 円 」 の 小切手 や 景気 の バロメーター と さ れる 一万 円 札 も 例年 より 百 枚 以上 多い 約 四百 枚 交じって おり 、 総額 は 昨年 の 約 四千五百万 円 を 超える 見込み と いう 。 日 仏 両 国 政府 の 支援 を 受け 兵庫 県 が 淡路島 に 建設 する 「 日 仏 友好 の モニュメント 」 の くわ 入れ 式 が 12 日 、 竹下 登 ・ 日 仏 友好 議員 連盟 会長 、 ドゥニ ・ グェール 駐 日 フランス 公使 ら 約 220 人 が 出席 して 、 建設 地 の 津名 郡 淡路 町 の 明石 海峡 を 見下ろす 丘上 で 行わ れた 。 大阪 府 茨木 市 ― 豊中 市 間 で 大阪 モノレール を 営業 して いる 大阪 高速 鉄道 は 十二 日 、 現在 工事 中 の 万博 記念 公園 ― 大阪 大学 病院 前 間 を 、 茨木 、 箕面 両 市 に またがる 丘陵 地 で 開発 中 の 国際 文化 公園 都市 まで 六・四キロ 北伸 さ せる 運輸 事業 特許 を 申請 した 。 申請 区間 内 に は 豊川 、 西 センター 、 中部 、 東 センター の 四 駅 を 設置 。 開業 予定 は 二〇〇四 年 、 建設 費 は 七百四十億 円 。 登記 上 「 宅地 」 と なって いる 兵庫 県 芦屋 市 の 生活 道路 を 担保 に 、 所有 者 の 女性 が 五千万 円 の 融資 を 受けて 詐欺 容疑 で 告訴 さ れた 問題 で 、 同様に 「 宅地 」 と さ れた 隣接 の 生活 道路 も 、 所有 する 同県 西宮 市 の リース 会社 が 計 一億三千万 円 を 限度 と する 融資 の 担保 に して いた こと が 十二 日 、 分かった 。 告訴 さ れた 女性 は 「 会社 が 道路 を 宅地 と して 融資 を 引き出した の を 知って 自分 も まねた 」 と 話して いる 。 「 宅地 」 道路 は 幅 四・五 ― 一・五 メートル 、 長 さ 約 百十 メートル で 「 コ 」 の 字形 。 宅地 だった 区画 の 中央 部 に 住宅 が 建った ため 、 周縁 部分 が 生活 道路 と なった が 、 登記 は 「 宅地 」 の まま 。 リース 会社 が 一九八三 年 購入 、 九〇 年 に 南東 部 の 長 さ 約 二十 メートル を 女性 に 転売 した 。 担保 に なって いた の は 残り 約 九十 メートル の 会社 所有 地 。 八三 年 に 西宮 市 の 男性 が 限度 額 三千八百万 円 ▽ 八八 年 、 大阪 市 の 不動産 会社 が 同 九千二百万 円 の 根 抵当 権 を 設定 して いた 。 会社 の 説明 で は 、 不動産 会社 から 約 三億 円 、 男性 から 約 九百万 円 を 借りた 際 の 担保 の 一部 と いい 、 同社 社長 は 「 宅地 と 説明 した が 、 登記 簿 通り で 、 うそ で は ない 」 と 釈明 して いる 。 不動産 登記 法 で は 、 登記 地目 と 現状 が 違う 場合 、 所有 者 に 届け出る よう 義務づけ 、 違反 は 罰金 対象 だ が 、 「 チェック する 人手 が なく 、 罰金 が 科さ れた 例 は ない 」 と いう 。 ある 週刊 誌 が かつて 「 どんな 人 の 死に 方 に あこがれる か 」 と いう アンケート を した こと が ある 。 その 回答 で いま も 印象 に 残って いる の は 過半数 の 人 が 永井 荷風 を 挙げた ことだ 。 一九五九 年 、 だれ も みとる 人 が い ない 裸 電球 の 六 畳 間 で 、 万 年 床 に 洋服 姿 の まま 七十九 歳 で 絶命 した 荷風 。 軍国 主義 の 世に 超然 と し 、 市井 の 隠遁 者 と して の 生涯 を 貫いた 文学 者 の 孤独な 死 に 共感 が 集まった の かも しれ ない が 、 驚いた の は 二千数百万 円 と いう 巨額な 預金 を 残して いた こと だった 。 その 荷風 が どえらい 落とし物 を して いた こと を 最近 知り 、 ホーッ と 思った 。 亡くなる 五 年 前 の 五四 年 、 国電 の 中 に 額面 三千万 円 の 預金 通帳 入り 手提げ 鞄 を 忘れた と いう のだ 。 米 兵 に 拾わ れ 二 日 後 に 戻った もの の 、 いま なら 数億 円 に なろう か と いう 額 。 そんな 鞄 を 手 に 荷風 は どんな 気持ち で 好物 の 天丼 を 食べ歩いて いた のだろう か 。 自身 は この てんまつ を 日記 「 断腸 亭 日乗 」 に 感情 を 交え ず 淡々と 記して いる 。 バブル に 踊らさ れ 世紀 末 消費 社会 に どっぷり つかった 身 に は この 文豪 の 行動 は 理解 し 難い もの が ある が 、 カネ に 拘泥 し ない 一 つ の 生き 方 を 我々 に 示して いる の かも しれ ない 。 大阪 府 泉大津 市 の 阪神 高速 湾岸 線 で 先月 十七 日 朝 、 タクシー が スリップ して 側壁 に 衝突 する 物損 事故 が 連続 して 二 件 あり 、 阪神 高速 道路 公団 の 十二 日 まで の 調べ で 、 隣接 する 製鋼 工場 の 煙突 から 出た 水蒸気 が 路面 の ジョイント 部分 で 凍結 して スリップ を 引き起こした 極めて 珍しい 事故 の 可能 性 が 強まった 。 今後 、 大 事故 に つながる 恐れ も ある こと から 、 公団 は この 日 、 現場 に 監視 カメラ を 新設 する など 対策 を 始めた が 、 公団 から 水蒸気 の 飛散 防止 を 要望 さ れた 工場 側 は 「 四十 年 以上 も 前 から 操業 して おり 、 いまさら 移転 も でき ない し …… 」 と 頭 を 抱えて いる 。 大阪 府警 高速 道路 交通 警察 隊 や 公団 に よる と 、 事故 は 十二 月 十七 日 午前 五 時 五 分 ごろ 、 下り 線 を 走行 中 の 空車 の タクシー が 、 泉大津 インター の 入 路 と 本線 の 合流 地点 で 車線 左 の 側壁 に 衝突 。 運転手 に けが は なかった 。 直後 の タクシー も 側壁 の ほぼ 同じ 場所 に 衝突 した が 、 こちら も 空車 で 、 運転手 も 無事だった 。 周囲 を 点検 した ところ 、 道路 の 東 約 二十 メートル に ある 製鋼 工場 の 煙突 から 水蒸気 が 出て いる こと が 判明 。 この 水蒸気 が 風 に 乗って 路面 に 運ば れ 、 寒 さ で 凍結 した と の 見方 が 強まった 。 この ため 、 事故 翌日 から 本線 上 の テレビ カメラ で 監視 したら 、 同 二十八 、 二十九 日 の 早朝 に も 水蒸気 が 風 に 乗り 、 路面 を ぬらして いた こと が 分かった と いう 。 工場 は 「 道路 を 設置 した 段階 で 、 工場 が ある こと は 分かって いた はず 。 水蒸気 が 出 ない ように と 施設 の 改良 など を 要望 する の は 筋違いで は 」 と 話して いる 。 広島 県警 捜査 二 課 と 西条 署 は 十二 日 、 今春 の 統一 地方 選 を 前 に 昨年 十二 月 、 有権者 に 贈り物 を した と して 、 東広島 市 八本松東 七 、 同 市議 、 川元 秀徳 容疑 者 を 公選 法 違反 容疑 で 逮捕 、 市議 の 自宅 など 七 カ所 を 捜索 した 。 一九九〇 年 の 公選 法 改正 で 、 寄付 行為 の 適用 が 社交 の 範囲 に まで 拡大 さ れて 以来 、 同 容疑 で の 逮捕 者 は 初めて 。 警察 庁 は 「 今春 の 統一 地方 選 に 絡む 逮捕 者 は ほか に 聞いて い ない 」 と して いる 。 調べ で は 川元 市議 は 、 今春 の 統一 地方 選 で 行わ れる 同 市議 選 に 関連 し 、 昨年 十二 月 七 日 と 九 日 の 両日 、 広島 市 内 で 購入 した 生 うどん の 詰め合わせ セット を 、 東広島 市 内 の 有権者 約 三百八十 人 に 対し 、 広島 市 内 の 郵便 局 から 郵便 小包 で 一 人 当たり 一 ― 三 セット 、 計 約 四百 個 を 贈った 疑い 。 小包 に は 市議 の 名 で 「 年 末 に あたり 心ばかり の 品 を 贈り ます 。 過去 の 経験 を もと に 市政 発展 の ため 努力 し ます 。 今後 と も ご 指導 の ほど お 願い し ます 」 と 選挙 支援 を 依頼 する あいさつ 状 を 同封 して いた 。 調べ に 対し 川元 市議 は 「 自分 が 郵送 した 」 と 容疑 を 認めて いる と いう 。 歌会始 の 儀 宮中 の 儀式 の 1 つ で 、 天皇 、 皇后 両 陛下 ら 皇族 が 臨席 。 1869 年 以降 は 毎年 1 月 中旬 に 実施 。 1874 年 から 国民 の 詠進 歌 を 募集 し 、 その後 秀作 を 披露 する ように なった 。 製薬 会社 が 一般 消費 者 や 医療 関係 者 向け の 相談 窓口 を 設置 する 例 が 増えて いる が 、 一般 消費 者 から の 抗がん 剤 へ の 問い合わせ の 答え 方 に 苦慮 して いる 。 抗がん 剤 など の 問い合わせ が あった 場合 、 がん 告知 が まだ 一般 化 して い ない 現状 で 、 効用 を 答えて しまう と がん 告知 に なって しまう 恐れ も ある ため で 、 他の 精神 病 や エイズ の 治療 薬 など も 含めて 製薬 メーカー が どこ まで 責任 を 持って 薬品 の 説明 を する べき か 新たな 問題 と なって いる 。 一九九四 年 七 月 、 厚生 省 は 医薬 品 副 作用 被害 救済 ・ 研究 振興 調査 機構 内 に 薬 に 関する 相談 窓口 を 創設 した 。 また 、 製薬 会社 も 健康 ブーム で 医薬 品 へ の 関心 が 高まって いる こと も あり 、 同様の 相談 窓口 作り が 九四 年 に 相次いだ 。 大手 八 社 の うち 塩野義製薬 、 藤沢 薬品 工業 、 山之内 製薬 、 三共 が 相談 窓口 を オープン 、 一 月 中 に も 田辺 製薬 が 開設 する 。 エーザイ は 九二 年 に 開設 して おり 、 武田 薬品 工業 や 第 一 製薬 でも 専門 窓口 は ない が 受け付けて いる 。 製薬 メーカー に よる と 、 消費 者 から の 質問 や 相談 は 「 医者 に もらった が 、 何の 薬 か 」 「 効能 は どう か 」 「 併用 して 問題 は ない か 」 など 。 問題 に なる の は その 薬 が 抗がん 剤 だった 場合 。 製薬 メーカー 側 は 「 分から ない 」 「 うち の 製品 で は ない 」 と 回答 を 避ける ケース も ある が 、 抗がん 剤 が 自社 の 製品 だった 場合 「 分から ない 」 で は 不自然 。 だが 「 質問 者 が 告知 を 受けて い ない 場合 、 抗がん 剤 と 告げて 、 もし 自殺 でも さ れたら だれ が 責任 を 取る の か 大 問題 」 と 、 各社 頭 を 抱えて いる 。 年間 二万 件 以上 の 相談 が ある エーザイ の 勝又 輝信 商品 情報 センター 長 は 「 本人 が 服用 して い ながら 『 家族 が 飲んで いる 』 と 質問 する 人 も おり 、 対応 が 難しい 。 抗がん 剤 だけ で なく 、 精神 病 薬 、 エイズ 治療 薬 など の 説明 も 課題 だ 」 と 話す 。 第 一 製薬 は 「 『 メーカー は 黙って 薬 の 説明 を しろ 』 と いう 質問 者 も いる が 、 告知 は 基本 的に 医師 と 患者 の 問題 。 現状 で は 、 製薬 メーカー が その 間 に 勝手に 入れ ない 」 と 話し 、 当分 、 解決 法 は 見つかり そうに ない 。 コロンビア から の 報道 に よる と 、 乗員 ・ 乗客 五十三 人 を 乗せた インターコンチネンタル航空 DC ― 9 が 十一 日 夜 、 首都 サンタフェデボゴタ の 北 約 八百キロ の 地点 に 墜落 した 。 十 歳 の 少女 の 生存 が 確認 さ れて いる が 、 ほか の 生存 者 や 日本 人 乗客 が いた か どう か は 不明 。 埼玉 県 の 愛犬 家 ら 失跡 事件 で 、 同県 行田 市 の 会社 役員 、 川崎 明男 さん の 死体 遺棄 容疑 で 逮捕 さ れた 犬 猫 販売 業 、 関根 元 容疑 者 の 元 妻 、 風間 博子 容疑 者 が 十二 日 、 埼玉 ・ 群馬 両 県警 合同 捜査 本部 の 調べ に 対し 容疑 を 認める 供述 を 始めた 。 同 本部 は これ で 死体 遺棄 容疑 は 固まった と して 、 拘置 期限 が 切れる 十六 日 に も 、 川崎 さん 殺害 容疑 で 関根 、 風間 両 容疑 者 を 再 逮捕 する 。 同 本部 に よる と 、 これ まで 黙秘 を 続けて いた 風間 容疑 者 は この 日 、 川崎 さん の 死体 遺棄 に ついて 、 自分 から 話す こと は ない もの の 、 捜査 員 の 質問 に 「 そう です 」 など と 答え 、 関根 容疑 者 と 共謀 した こと を 認め 始めた と いう 。 この 結果 、 逮捕 さ れた 三 容疑 者 は すべて 死体 遺棄 容疑 を 認めた 。 同 本部 は 、 関根 、 風間 両 容疑 者 が 共謀 して 川崎 さん の 殺害 ・ 死体 遺棄 計画 を 立案 。 関根 容疑 者 が 毒 入り ドリンク剤 を 川崎 さん に 飲ま せて 殺害 した と みて いる 。 十二 日 の ニューヨーク 外国 為替 市場 は ドル 売り が 進み 、 一 時 一 ドル = 九八 円 九〇 銭 まで 値 を 上げた 。 この 日 は 、 これといった 材料 が ない もの の 、 ドル 売り 戻し の 動き が 強まった 。 ドル の 損 売り も 加わって 円上 昇 が 加速 。 九八 円 台 を つけた の は 昨年 十一 月 三十 日 以来 、 約 四十 日 ぶり 。 厳冬 期 の 八ケ岳 連峰 で 自然 が 作り出す 氷 の 芸術 が 見 られる 。 長野 県 南牧 村 に 面した 硫黄岳 。 霧氷 が 樹木 を 白く 縁取る 原生 林 を ぬけ 、 大きな ザック を 背負った パーティー が 息 を 切ら せて 到着 する 。 登山 者 が 石 を 積み上げた ケルン が 並ぶ 山頂 で は 、 山ろく から 雪 と 共に 吹き上げる 強風 が エビ ノ シッポ を かたどり 、 奇妙な 造形 が 登頂 者 を 出迎える 山頂 の 寒 さ も 、 いよいよ 本番 を 迎えて いる 。 村山 富市 首相 は 十一 日 夜 、 ワシントン 市 内 の ホテル で 同行 記者 団 と 懇談 し 、 社会党 の 新 民主 連合 に よる 新 会派 結成 問題 で 焦点 と なって いる 処分 問題 に ついて 「 今 、 断定 的に 言う 状況 で は ない 」 と し ながら も 「 今 まで の 例 で は 除名 して きた 」 と 述べ 、 新民連 所属 議員 が 新 会派 結成 に 踏み切った 場合 は 除名 処分 も ある こと を 示唆 した 。 社会党 と さきがけ の 統一 会派 結成 に ついて は 「 機 が 熟せば 、 そういう こと も やり遂げて いき たい と 思う 。 そういう 努力 も して いか なければ なら ない 」 と 意欲 を 示した 。 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら の 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 の 支援 労組 の うち 最も 積極 的な 全逓 が 、 昨年 十二 月 下旬 の 地方 本部 委員 長 会議 で 、 新党 が 結成 さ れれば 新進党 と 選挙 協力 を 進める と の 認識 の もと に 新党 を 支援 する 方針 を 確認 して いた こと が 十二 日 、 明らかに なった 。 山花 氏 は 全逓 の 組織 内 議員 で 、 会議 直後 から 準備 会 発足 に 向けて 動き出した が 、 今月 六 日 に 準備 会 参加 を 呼びかけた 際 に は 、 「 非 自民 ・ 非 新進 」 の 立場 を とる と 説明 して いた 。 会議 で は 、 四 月 の 統一 地方 選 から 新党 で 戦う と いう 認識 で 一致 。 地方 ごと に 新党 参入 へ の 時期 に ずれ が 生じる 場合 を 考慮 し 、 本格 的な 新党 と して の 活動 は 七 月 の 参院 選 と 次期 衆院 選 から 取り組む こと を 確認 した 。 その 場合 の 選挙 協力 は 、 新進党 を 想定 。 高頭 進 書記 長 は 「 従来 、 新進党 に 加わった 旧 公明 、 旧 日本新 、 旧 民社 各 党 と 選挙 協力 を 行って おり 、 今後 も 続け ざる を 得 ない 」 と 説明 して いる 。 「 ただし 、 新進党 は 分裂 の 要素 を 含んで いる ので 変わる 可能 性 も ある 」 と 話して いる 。 また 、 高頭 書記 長 は 、 昨年 夏 の 全国 大会 で 決めた 参院 選 候補 者 の 擁立 に ついて 「 社会党 から の 立候補 は ない 。 三役 と して 伊藤 委員 長 に 、 民主 リベラル 新党 から の 立候補 を 要請 した 」 と 報告 、 了承 さ れた 。 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら に よる 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 は 十二 日 、 呼びかけ 人 会議 と 社会党 を 中心 に した 議員 集会 を 開いた 。 社会党 から の 準備 会 参加 者 は 衆院 二十 人 、 参院 七 人 が 確定 、 さらに 衆 参 二 議員 の 参加 を めぐり 、 労組 を 巻き込んだ 多数 派 工作 と 切り崩し が 続いて いる 。 準備 会 が 十七 日 の 新 会派 結成 ・ 届け出 を 了承 した こと で 、 今後 は 社会党 参加 議員 の 除名 問題 を めぐり 、 準備 会 側 と 、 山花 氏 ら の 動き を 批判 する 村山 富市 首相 に 近い グループ と の せめぎ合い が 本格 化 する 。 呼びかけ 人 会議 に は 、 山花 氏 の ほか 川端 達夫 、 海江田 万里 両 衆院 議員 、 粟森 喬 参院 議員 が 出席 。 集会 に は 、 社会党 から 田辺 誠 元 委員 長 ら 衆院 議員 十二 人 と 参院 議員 四 人 が 出席 、 川端 氏 と 楢崎 弥之助 衆院 議員 も 出席 した 。 12 日 の 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 の 議員 集会 に 出席 した 議員 は 次の 通り 。 川端 達夫 楢崎 弥之助 日経連 は 十二 日 、 東京 都 内 で 臨時 総会 を 開き 、 一九九五 年 春闘 で 経営 者 側 の 基本 方針 と なる 労働 問題 研究 委員 会 報告 を 採択 した 。 「 わが国 の 賃金 は ドル ベース で みる と 世界 最高 水準 に あり 、 これ 以上 の 賃上げ は 国 内 雇用 の 空洞 化 に つながる 」 と の 厳しい 認識 を 示し 、 「 雇用 維持 が 最 優先 で 、 賃上げ の 余地 は ない 」 と 「 賃上げ ゼロ 」 の 姿勢 を 明確に した 。 一方 、 連合 は 同日 、 東京 都 内 で 開いた 第 一 回 拡大 中央 闘争 委員 会 で 「 ベア ゼロ を はね返す 」 と の 見解 を 表明 する と ともに 、 三 月 二十二 、 二十三 の 両日 を 春闘 の 最大 の ヤマ場 に する こと を 決め 、 今 春闘 が 実質 的に 幕 を 開けた 。 日経連 が ベースアップ ゼロ を 打ち出す の は 三 年 連続 。 平均 一万四千 円 の 要求 水準 を 設定 して いる 連合 と の 隔たり は 大きく 、 厳しい 交渉 に なる 。 報告 書 で は 、 「 景気 の 本格 回復 に 至ら ず 国民 経済 レベル で 生産 性 の 向上 も み られ ず 、 賃上げ の 余地 は ない 」 と 主張 。 「 生産 性 、 支払い 能力 の 差 に 応じて 、 企業 別 、 産業 別 に 賃上げ の 差 が 出て きて 当然 」 と 、 横 並び 方式 の 見直し を 強く 打ち出して いる 。 競争 の 少ない 公益 企業 など が 金属 産業 など に 追随 して 賃上げ を する こと で 、 国 内 物価 の 上昇 を 招く と いう 悪 循環 を 断ち切る 必要 性 を 強調 して いる 。 村山 富市 首相 が 十一 日 に 行った 内政 懇談 の 要旨 は 次の 通り 。 二 月 十一 日 の 大会 は 新党 を 目指す 大会 に する 。 統一 地方 選 へ 向けて 新党 へ の 追い風 を 作る 。 新民連 の 人 たち も 統一 して 協力 して もらえれば いい 。 政局 へ の 影響 は あまり ない と 思う 。 政党 支持 の ない 人 が 半分 くらい いる 。 そういう 人 たち を 糾合 できる 党 を 作る 必要 が ある 。 新しい 顔 を 入れ ない と 魅力 ある 新党 に は なら ない 。 僕 は 古い んじゃ ない か と 思う 。 いつでも 捨て石 に なって も いい 。 必要 が あれば 会う の は やぶさかで は ない 。 新党 へ の 発展 の 必要 性 に ついて は あまり 違い は ない 。 しかし 、 通常 国会 前 に 決着 を つけ なければ なら ない と いう の は 僕 に は 分から ない 。 村山 政権 の 基盤 が 強化 さ れる と も いう が 、 そう なる か 分から ない 。 もう 少し 話 を 聞いて み ない と 分から ない 。 中執 委 で 議論 して 決める こと 。 今 まで の 例 で は 除名 と して きた 。 状態 に 応じて 判断 する こと で 、 中執 委 に 任せて いる 。 今 、 断定 的に 結論 めいた こと を 言う こと は でき ない 。 そういう 事態 は 想定 して い ない 。 党 の 執行 部 人事 と 内閣 は 関係ない 。 改造 は 考えて い ない 。 一切 考えて い ない 。 機 が 熟せば 、 そういう こと も やり遂げて いき たい と 思って いる 。 連立 の 中 で 信頼 感 が 出て くる 。 三 党 連立 を 組み 、 チームワーク が うまく いって いる 。 三 党 が こういう 状況 なら 政局 は 安定 できる 。 意気込み を 申し上げた のだ と 思う 。 それ くらい の 気持ち で まとめ ねば なら ない と の 決意 を 述べた と 思う 。 その 決意 は 全く 同じだ 。 日 中 関係 は 大事 。 できる だけ 早く 行き たい 。 中国 側 の 事情 も あり 、 いつ と は 決めて い ない 。 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 の 呼びかけ 人 四 人 は 十二 日 、 記者 会見 し 、 山花 氏 は 社会党 から の 離党 に ついて 「 会派 の 離脱 届 から 出す の が 順番 だ 」 と 述べ 、 ただちに 離党 は せ ず 、 党籍 を 残した まま の 会派 結成 を 中執 委 が 認める こと へ 期待 感 を 表明 した 。 また 、 川端 達夫 衆院 議員 は 、 新 会派 と 村山 政権 の 関係 に ついて 「 結集 する 人 に は 予算 編成 を した 責任 が ある 。 その 範囲 で 協力 する 責任 が ある 」 と 語り 、 来 年度 予算 が 成立 する まで は 新 会派 が 与党 的 立場 に 立つ の は やむ を 得 ない と の 考え を 示した 。 一方 、 粟森 喬 参院 議員 は 、 自ら の 新 会派 参加 に 関し 「 結論 は 出して い ない 。 さまざまな 条件 の 中 で 検討 する 」 と 明言 を 避けた 。 社会党 は 十二 日 、 今年 分 の 政党 助成 金 交付 を 求め 政党 助成 法 に 基づく 届け出 を 自治 省 に した 。 算定 基準 と なる 所属 国会 議員 数 は 衆 参 両院 計 百三十六 人 。 内訳 は 衆院 が 土井 たか子 衆院 議長 を 含め 七十一 人 、 参院 が 赤 桐 操 副 議長 を 含めて 六十五 人 。 交付 金 は 年額 約 六十六億 円 の 見込み 。 玉沢 徳一郎 防衛 庁 長官 は 十二 日 、 次期 支援 戦闘 機 初 公開 式典 出席 の ため 訪れた 愛知 県 豊山 町 で 記者 会見 し 、 日 米 首脳 会談 で クリントン 米 大統領 が 沖縄 基地 の 整理 ・ 縮小 に 努力 表明 した こと に ついて 「 大変 意義 が ある 。 日本 と して も やる べき こと を 適切に やっていく 」 と 述べた 。 さらに 米軍 那覇 軍港 返還 、 読谷 補助 飛行 場 返還 、 県道 104 号 越え の 射撃 訓練 停止 の 主要 三 事案 に ついて は 「 戦後 五十 年 の 節目 に 一 つ でも 成果 を 上げる よう 積極 的に 努力 する 」 と 年 内 の 最終 決着 を 目指す 考え を 表明 した 。 また 、 「 代替 地 も 米 側 から 提示 さ れて おり 、 それ を 含めて 検討 する 」 と 述べ 、 射撃 訓練 の 静岡 県 ・ 東 富士 演習 場 へ の 移転 など これ まで の 交渉 で 提示 さ れた 米 側 の 意向 に 沿う 方向 で 調整 を 進める 考え を 示した 。 FSX の 量産 化 に ついて は 「 今後 、 日 米 間 で 話し合う 問題 だ が 、 量産 化 は 当然 する 。 FSX が 新しい 防衛 力 の 在り 方 の 中 で どういう 役割 を 果たす か を 踏まえて 取り組み たい 」 と 意欲 を 示した 。 社会党 は 12 日 の 中執 委 で 、 福岡 県 など 3 知事 選 と 札幌 市 など 3 政令 指定 市長 選 の 推薦 候補 を 決めた 。 推薦 候補 は 次の 通り 。 三 月 に 期限 切れ と なり 、 政府 が 通常 国会 に 提出 する 市町村 合併 特例 法 の 改正 法案 に ついて 、 自治 省 の 遠藤 安彦 財政 局長 は 十二 日 、 静岡 市 で 開か れた 「 地方 分権 の 動向 と 静岡 県 中部 の まち づくり 」 シンポジウム で 、 その 骨子 を 明らかに した 。 住民 投票 で 五十 分 の 一 の 賛成 が あれば 合併 の 前提 と なる 合併 協議 会 の 設立 を 住民 が 自治 体 に 要求 できる 「 住民 発議 制度 」 など を 盛り込んで いる の が 特徴 。 参院 の 新進党 、 新 緑風 会 、 公明 の 野党 三 会派 は 十二 日 、 通常 国会 前 に 統一 会派 を 結成 する 方針 を 固めた 。 十九 日 に 所属 議員 に よる 総会 を 開き 、 結成 する 予定 。 会派 名 は 「 新 緑風 会 」 で 調整 して いる 。 所属 議員 に 参加 の 意思 確認 を して いる が 、 全員 が 参加 すれば 六十三 人 と なり 、 自民党 の 九十五 人 、 社会党 ・ 護憲 民主 連合 の 六十八 人 に 次ぐ 第 三 会派 と なる 。 社会党 の 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 に 参加 する 参院 議員 の 加入 も 想定 して おり 、 社会党 を 上回る 可能 性 も ある 。 自民党 群馬 県連 は 12 日 、 総務 会 と 県議 団 総会 を 開き 、 同県 内 5 小 選挙 区 の 候補 者 調整 を 党 本部 に 一任 する こと を 決めた 。 県 内 全 区 の 候補 者 調整 を 一任 する の は 、 全国 の 都道府県 連 で 初めて 。 同県 内 の 同 党 現職 議員 は 、 小渕 氏 や 中曽根 康弘 元 首相 ら 定数 を 2 上回って 7 人 いる うえ 、 現職 全員 が 小 選挙 区 から の 立候補 の 意向 を 表明 、 県連 段階 で の 調整 は 困難 と 判断 した 。 ○ … 村山 富市 首相 の 訪 米 で もう ひと つ 注目 さ れた の は 、 米 政界 の リーダー と なった 共和党 の ドール 上院 院 内 総務 、 ギングリッチ 下院 議長 と の 接触 。 同席 した モンデール 駐 日 米 大使 に よる と 、 両氏 は 日本 と の 良好な 関係 が 共和 、 民主 両党 の 超 党派 的 関心 事 だ と 強調 。 米 議会 と して も 対 日 関係 を 重視 する 立場 を 表明 した と いう 。 保守 派 の ギングリッチ 議長 は 「 社会 主義 者 の 日本 の 首相 と どういう 価値 観 を 共有 する か 」 と 記者 から 問わ れ 、 「 我々 は ともに 自由 主義 を 信奉 して いる 」 と 応じ 、 「 元 」 社会 主義 者 の 問題 は 一 件 落着 。 自民党 の 小渕 恵三 副 総裁 、 森 喜朗 幹事 長 、 加藤 紘一 政調会 長 ら は 十二 日 、 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら に よる 新 会派 結成 へ の 対応 を 協議 、 「 新民連 が 新 会派 を 作る なら 離党 であり 、 与党 と は 認め ず 厳しい 態度 で 臨む 」 と の 認識 で 一致 した 。 加藤 政調会 長 は 「 全逓 は すでに 新進党 支持 を 決めて いる 。 新民連 の 正体 が 分かった 。 新進党 と 一緒に やっていく と はっきり いった 方 が いい 」 と 批判 した 。 社会党 の 十二 日 の 中執 委 は 、 二 月 十一 日 の 臨時 党 大会 開催 と 「 九五 年 宣言 」 の 採択 を 目指す こと を 決める に とどまり 、 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら の 会派 離脱 問題 は 議論 し なかった 。 村山 富市 首相 の 訪 米 中 は 亀裂 が 決定 的に なる の を 避ける 、 と の 配慮 から 「 先 送り 」 を した もの 。 山花 氏 ら は 十七 日 に 国会 内 会派 の 届け出 を する 方針 を 崩して おら ず 、 十三 日 の 首相 帰国 後 が ヤマ場 と なる 。 山花 氏 が 同日 の 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 の 議員 集会 で 会派 旗 揚げ を 確認 した こと から 、 会派 結成 後 の 十九 日 の 定例 中執 委 で は 、 山花 氏 ら の 除名 問題 が 議題 と さ れる の は 必至だ 。 山花 氏 ら の 除名 問題 は 、 久保 亘 書記 長 が 中執 委 に 先立つ 三役 懇談 会 で 「 山花 氏 から 『 除名 し ないで ほしい 』 と 頼ま れた 、 と の 報道 が あった が 、 そういう 事実 は ない 」 と 発言 。 中執 委 で 取り上げ ない こと が 決まった 。 準備 会 参加 を 表明 して いる 森井 忠良 国 対 委員 長 ら も 準備 会 に 関する 発言 は 一切 せ ず 、 反 新民連 の 中執 委員 も 追及 し なかった 。 「 今 、 準備 会 参加 者 ら を 刺激 する の は 得策 で は ない 」 と の 判断 が 働いた ため だ 。 しかし 、 この 日 の 中執 委 は 、 昨年 十一 月 に 党籍 を 残した まま の 会派 離脱 を 申請 した 小森 龍邦 衆院 議員 に 対し 「 除名 が 相当 」 と の 意見 を 付して 規律 委員 会 に 付託 する こと を 決めた 。 反 新民連 の 中執 委員 ら は 「 これ で 、 会派 離脱 は 除名 だ と いう こと が はっきり した 」 と 、 けん制 して いる 。 村山 富市 首相 は 十二 日 午前 、 ワシントン 郊外 の アンドルーズ 米 空軍 基地 を 出発 し 帰国 の 途 に 就いた 。 二十一 世紀 に 向けた 日 米 の 新たな 関係 を 構築 する と ワシントン に 乗り込んだ 首相 だ が 、 米国 の 関心 は 低く 、 新聞 の 扱い も 地味だった 。 それ でも 首相 は 、 社会党 内 の 新 会派 結成 の 動き を にらみ ながら 、 訪 米 成果 を 弾み に 特殊 法人 見直し や 規制 緩和 など 行政 改革 に 取り組み 、 新進党 誕生 後 、 初 の 国会 を 乗り切る 構え だ 。 今回 の 首脳 会談 を 首相 は 、 六 月 の 先進 国 首脳 会議 、 十一 月 の 大阪 で の アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 開催 と 続く 首脳 外交 の 始め と 位置付けて いた 。 クリントン 政権 を 相手 に 、 首相 は 安全 保障 問題 など で 日本 の 考え を 提示 し 、 日本国 内 へ の 存在 感 アピール を 狙った 。 米国 で 首相 を 迎えた の は 無関心だった が 、 昨年 二 月 の 細川 護煕 首相 の 訪 米 で 冷却 した 日 米 関係 が 、 村山 首相 訪 米 で 修復 した 形 と なった の は 、 新進党 相手 の 国会 論戦 に 臨む 首相 の 成果 だろう 。 米国 の 日本 へ の 関心 は 薄く 、 議会 の 共和党 主導 、 閣僚 の 辞任 など で 求心力 が 低下 した 米 政権 の 状態 は 、 特殊 法人 の 見直し など 行政 改革 の 推進 など で 、 米国 の 「 外圧 頼み 」 と いう 従来 の 手法 が 通用 し にくく なった こと を 意味 する 。 また 、 米国 と の 協調 を 重視 して APEC 首脳 会議 で 貿易 ・ 投資 の 自由 化 計画 の 具体 化 に 積極 的に 取り組む こと を 約束 した 。 しかし 、 ワシントン の 関心 を 集める メキシコ で の 通貨 危機 は 、 米国 主導 の 性急な 投資 と 貿易 の 自由 化 が 背景 に ある 。 急速な 自由 化 の 受け入れ を 拒む マレーシア など アジア 諸国 の 反発 を 抑え つつ 、 米国 を も 納得 さ せる 方策 を まとめ られる か 、 首相 の 手腕 が 問わ れる 。 日本国 内 向け に は 日 米 関係 の 新たな 役割 を 強調 した が 、 その 代償 と して の 課題 も また 抱え込む こと に なった 。 衆 参 両院 選挙 の 候補 者 を 公募 する 新進党 の 「 新人 候補 者 適性 コンテスト 」 応募 状況 が 十二 日 の 党 役員 会 で 報告 さ れた 。 七 日 で 締め切った が 、 応募 は 百五十 人 を 超え 、 最終 的に は 二百 人 程度 と なる 見通し と なった 。 二 月 中旬 以降 に 面接 審査 など を 行い 合格 者 を 決定 。 合格 者 は 今後 の 衆 参 両院 選挙 の 候補 者 と なる 資格 を 得る 。 合格 者 は 主として 次期 衆院 選 小 選挙 区 で 空白 区 の 候補 者 に 充てる 方針 。 社会党 は 十二 日 、 小森 龍邦 、 伊東 秀子 両 衆院 議員 を 「 除名 相当 」 と して 党 規律 委員 会 に 付託 した こと に 伴い 、 衆院 会派 「 社会党 ・ 護憲 民主 連合 」 から の 両氏 の 除名 を 衆院 事務 局 に 届け出た 。 これ に より 、 衆院 の 新 勢力 分野 は 、 自民党 200 ▽ 新進党 178 ▽ 社会党 ・ 護憲 民主 連合 70 ▽ さきがけ 21 ▽ 共産党 15 ▽ 自由 連合 8 ▽ 民主 新党 クラブ 4 ▽ 無 所属 12 ▽ 欠員 3 と なった 。 自治労 の 後藤 森重 委員 長 は 十二 日 夜 、 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 に 関連 し 「 田口 健二 ・ 社会党 衆院 議員 は 準備 会 に いったん 申込 書 を 出した が 、 撤回 して いる 。 党 内 の 自治労 議員 は 準備 会 に 一 人 も 入って い ない 」 と 語った 。 警察 庁 は 十二 日 まで に 、 円滑な 交通 の 流れ と 安全に 支障 が ない こと を 条件 に 、 都市 の 中心 部 を 除く 住宅 地 で は 駐車 禁止 を 解除 する こと など を 柱 と する 駐車 規制 の 見直し を 全国 の 警察 本部 に 通達 した 。 画一 的に なり がちな 駐車 規制 を 、 地域 の 実情 に 合わせて 再度 見直し 、 ドライバー の 利便 性 の 向上 を 図る こと が 狙い 。 各 都 道 府 県警 は 通達 を 受け 、 地域 の 事情 を 考慮 、 緩和 を 検討 する 。 駐車 禁止 規制 見直し の 対象 地域 は 、 都市 の 中心 部 を 除く 住宅 地 の ほか 、 幹線 道路 の うち 山間 部 など 駐車 需要 の 少ない 場所 、 パーキング ・ メーター の 設置 区間 で 、 同 メーター の 運用 時間 終了 後 も 駐車 禁止 と なって いる 場所 など 。 外務 省 幹部 は 十二 日 、 日 米 首脳 会談 で 、 村山 富市 首相 が 北朝鮮 の 軽水 炉 転換 支援 に 「 意味 の ある 財政 的 役割 を 果たす 」 と 表現 した こと に ついて 、 従来 の 「 応分の 負担 」 と いう 政府 の 立場 より も 積極 的 姿勢 を 示した もの である こと を 認めた 。 また 、 クリントン 米 大統領 が 朝鮮 エネルギー 開発 機関 へ の 財政 負担 を 表明 した こと に ついて 、 KEDO 設立 経費 や 重油 供給 の ほか に 軽水 炉 建設 へ の 負担 も 含む と の 認識 を 示した 。 連合 は 十二 日 、 「 不況 下 で 組合 員 の 実質 賃金 は 低下 し 続けて いる 一方 で 大 企業 は 内部 留保 など を 増やし 、 着実に 体力 を つけて いる 」 と した 「 白書 」 を まとめた 。 春闘 本番 を 前 に 賃上げ 要求 の 有力な 根拠 に しよう と 、 組合 員 の 生活 実態 や 経営 側 の 分析 を した 。 主要 五十 社 の 内部 留保 の うち 「 別途 積立 金 」 は 、 一九九四 年 三 月 期 で 前年 より さらに 三千五百五十億 円 積み 増し さ れ 十二兆六千億 円 に 。 この 合計 額 は 同じ 五十 社 の 百二十三万 人 の 人件 費 総額 の 一・二八 倍 に も 達して いる 。 次期 の 全国 総合 開発 計画 策定 の ため 、 国土 審議 会 は 計画 部会 を 設置 、 その 初 会合 が 十二 日 、 開か れた 。 現在 の 四 全 総 に 代わり 二〇一〇 年 を 目標 年次 と する 新 計画 の ため の 審議 が スタート した 。 日経連 が 十二 日 の 総会 で 賃上げ 抑制 の 姿勢 を 示した の に 対し 、 労働 側 は 反発 して いる 。 同日 、 都 内 で 開か れた 連合 の 第 一 回 拡大 中央 闘争 委員 会 の 冒頭 あいさつ に 立った 芦田 甚之助 会長 は 、 日経連 の 「 労働 問題 研究 委員 会 報告 」 に 対し 「 ベア ゼロ を はね返す こと が サラリーマン の 生活 を 守り 、 日本 経済 を 内需 主導 型 に 転換 さ せる 大きな きっかけ に なる 」 と 反論 した 。 この 日 決まった 春闘 方針 に よる と 、 闘い の 最初の ヤマ場 を 三 月 十五 、 十六 日 、 最大 の ヤマ場 を 同月 二十二 、 二十三 日 と する 。 まだ 決まって い ない が 、 自動車 、 鉄鋼 、 電機 など の 労組 が 結集 、 春闘 相場 に 大きな 影響 力 を 持つ 金属 労協 の 集中 回答 日 は 二十三 日 と する 方向 で 調整 中 。 日経連 が 十二 日 採択 した 労働 問題 研究 委員 会 報告 は 、 横 並び 、 世間 相場 重視 と いう 春闘 方式 の 見直し を 今 まで 以上 に 鮮明に 打ち出して いる の が 特徴 だ 。 永野 健 会長 は 臨時 総会 の あいさつ で 「 労使 交渉 も 構造 改革 を 必要 と する 時期 に 来て いる 」 と 語り 、 賃上げ 方式 の 見直し に 強い 意欲 を 示した 。 背景 に は 、 産業 別 の 生産 性 格差 を 無視 した 横 並び の 賃上げ が 賃金 を 世界 一 の 水準 に 引き上げ 、 自動車 、 電機 と いう 基幹 産業 が 国際 競争 力 を 失って 海外 生産 を 加速 、 国 内 雇用 の 空洞 化 が 深刻に なって いる と の 分析 が 働いて いる 。 永野 会長 は 「 定期 昇給 、 賞与 、 フリンジ ・ ベネフィット を 含めた 総 枠 と して の 労働 コスト が 上がる こと は 許さ れる 状況 に ない 」 と 語り 、 定昇 分 も 抑制 の 対象 に なり 得る と の 厳しい 認識 を 示す 。 これ に 対し 、 労働 側 は 「 積極 的な 賃上げ で 内需 を 拡大 し 、 景気 回復 を 着実に する 必要 が ある 」 と して 昨年 以上 の 賃上げ を 要求 、 労使 の 主張 は 真っ向 から 対立 する 。 産業 の 空洞 化 、 国 内 雇用 の 確保 など 、 日本 経済 の 進む べき シナリオ も 含めた 熱 の こもった 議論 が 展開 さ れる こと に なり そうだ 。 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 の 軽水 炉 転換 支援 計画 を めぐり 日 米 両 首脳 は 十一 日 、 双方 と も 財政 負担 の 用意 が ある と 明言 する 一方 、 朝鮮 エネルギー 開発 機関 に 幅広い 国際 参加 を 求める こと で 合意 した 。 しかし 、 財政 負担 は 両 国 と も 国 内 事情 から なかなか 決断 し きれ ず 、 国際 参加 の 見通し も 立って い ない 。 村山 富市 首相 は 、 日本 側 が 財政 支援 に 「 意味 の ある 役割 」 を 果たす と 述べた 。 日本 は これ まで 「 応分の 負担 」 と 言って きた が 、 関係 者 に よれば 「 意味 の ある 」 と いう 言葉 は 積極 的な イメージ が あり 、 踏み込んだ 意思 表明 に なる と いう 。 核 合意 に 懐疑 的な 議会 ・ 共和党 を 説得 する うえ で クリントン 政権 に は プラス であり 、 日本 側 の 「 貸し 」 と なった 。 しかし 、 これ は 日本 の 負担 額 を 約束 した もの で は ない と いう の が 日本 側 の 見解 だ 。 首相 は 現地 調査 へ の 協力 や KEDO の 事務 局 経費 の 負担 も 検討 中 だ と 述べ 、 軽水 炉 建設 費 だけ を 指した 「 意味 ある 負担 」 で は ない こと を 示唆 した 。 KEDO へ の 国際 的 参加 呼びかけ は 、 ウクライナ の 核 解体 に 資金 を 拠出 して いる 日本 が 「 アジア の 核 管理 に 欧州 も 公平に 資金 参加 す べきだ 」 と 主張 して 米 も 日本 の 顔 を 立てた 。 ガルーチ 核 問題 大使 が 今月 下旬 に 欧州 、 中東 を 訪問 する が 、 参加 の めど は 立って い ない 。 一方 、 クリントン 大統領 が 「 米 も 財政 支援 する 意図 が ある 」 と 述べた の は 、 資金 負担 を 日 韓 に 押し付ける ので は と の 日本 の 懸念 を 払しょく する 狙い が あった 。 だが 、 資金 負担 に は 事務 局 経費 など 多く の 側面 が あり 、 軽水 炉 建設 費 は ほとんど 日 韓 まかせ が 米 の 本音 と の 指摘 も ある 。 国鉄 清算 事業 団 の 資産 処分 審議 会 は 十二 日 、 同 事業 団 保有 の 土地 を 中心 と する JR 品川 駅 東側 再 開発 地区 に ついて 、 JR 東海 が 計画 する 東海道 新幹線 ・ 品川 新 駅 建設 の ため に 必要な 土地 利用 計画 の 変更 を 了承 した 。 十二 日 に 開か れた 日経連 の 臨時 総会 と 連合 の 拡大 中央 闘争 委員 会 で 、 一九九五 年 の 春闘 が 実質 的に 始まった 。 国 内 産業 の 空洞 化 に 直面 し 、 「 雇用 を 守る ため に 」 と 三 年 連続 で 「 ベア ゼロ 」 を 主張 する 経営 側 。 景気 が 穏やかに 回復 して いる 中 で 、 「 消費 拡大 の ため 積極 的な 賃上げ 」 を 求める 組合 側 と の 隔たり は 大きく 、 激しい 攻防 が 続き そうだ 。 鉄鋼 労連 は 、 物価 上昇 分 と して 二千 円 の 統一 ベア 要求 を する が 、 高炉 大手 五 社 が 従来 の 「 統一 回答 」 方式 を 継続 する か どう か が 焦点 と なる 。 企業 間 の 業績 格差 が 広がった 結果 、 業界 横 並び 方式 が 現実 的で なく なって きた から だ 。 経営 側 は 「 リストラ で 人員 削減 して いる 最中 に 、 残った 社員 を 対象 に ベース アップ する の は おかしい 」 と ガード を 固めて いる 。 これ に 対し 組合 側 は 、 年間 粗鋼 生産 量 が 一億 トン に 迫る 回復 を 見せ 、 工場 も 繁忙 に なって いる こと など を ベア 要求 の 根拠 と して いる 。 しかし 大手 組合 の 一部 で は 経営 再建 を 優先 する ため 、 ベア 要求 に は 消極 的な 空気 も 残って いる 。 この ため 組合 側 は 、 業績 が 好調な 企業 だけ でも ベア 実現 を 目指したり 、 ベア ゼロ を 受け入れる かわり に 一 時 金 の 上積み など で の “ 配慮 ” を 求める 個別 交渉 戦略 を 選ぶ 可能 性 も ある 。 昨年 の 春闘 で は 、 十四 年 ぶり の ストライキ 突入 寸前 まで もつれこんだ 末 、 連合 平均 の 三・一 % を 下回る 三・〇五 % で 決着 した 電機 業界 。 今年 は 電機 連合 が 組合 員 平均 で 五 % 、 三十五 歳 標準 モデル で 一万三千五百 円 の 賃上げ を 求める 方針 だ 。 半導体 の 好調に 加え 、 昨夏 の 猛暑 に よる エアコン 販売 の 急増 で 、 大手 各社 と も 決算 内容 を 改善 して いる こと から 、 組合 側 は 強気の 構え を 見せて いる 。 一方 、 経営 側 は 「 今 まで の ペース で 上げて いたら 、 雇用 問題 を 引き起こす 恐れ が ある 」 など 、 定期 昇給 部分 まで 切り込もう と いう 厳しい 姿勢 を 示して いる ため 、 交渉 は 難航 し そうだ 。 自動車 業界 は 、 昨年 半ば から 業績 が 回復 基調 に ある もの の 、 今 年度 の 経常 利益 が 二千億 円 に 達する トヨタ自動車 から 、 六百億 円 の 経常 赤字 が 見込ま れる 日産自動車 まで 、 各社 の 業績 は 大きく 開き そうだ 。 自動車 総連 は 昨年 まで と 同様に 、 統一 要求 基準 を 設定 し 、 組合 員 平均 で 一万二千 円 の 賃上げ を 求める が 、 日産 が 昨年 同様に トヨタ と の 差 を 八百 円 に とどめる の は 困難な 情勢 で 、 企業 間 格差 が さらに 拡大 する 公算 が 大きい 。 日経連 の 「 ベア ゼロ 」 論 に ついて は 「 実力 以上 の 円高 で 賃金 は 高く なって いる が 、 豊かな 生活 は できて い ない 」 など と 否定 的な 声 が 強い 。 メージャー 英 首相 は 十一 日 、 太平洋 戦争 終結 五十 周年 記念 式典 を 八 月 十九 、 二十 の 両日 、 ロンドン など 英国 各地 で 挙行 する と 正式に 発表 、 「 日本 の 代表 は 招待 し ない 」 方針 を 確認 した 。 同 首相 は 「 日本 側 と 十分 相談 した 結果 であり 、 日本 側 も すべて 納得 して いる 」 と 述べ 、 意図 的に 日本 を 排除 した 決定 で は ない 点 を 強調 した 。 日 米 科学 技術 協力 協定 に 基づく 日 米 合同 高級 委員 会 が 十二 日 、 東京 で 開か れ 、 オゾン 層 破壊 の 解明 に つながる 北極 圏 上空 の 大気 観測 を 日 米 共同 で 行う こと を 新たに 決めた 。 委員 会 に は 日本 から 田中 真紀子 科学 技術 庁 長官 、 米 側 から ジョン ・ ギボンズ 大統領 補佐 官 ら が 出席 した 。 静岡 は ミカン の 産地 で 、 終戦 直後 に は 、 ミカン が 紙幣 に 見える と 言わ れた こと も あった のに 、 今 、 黄色く 色付いた ミカン 山 は 草 に 覆わ れ 、 ヒヨドリ が ついばんで いる の が 見 られる 。 なぜ 、 このような こと に なった のだろう か 。 結局 、 果物 の し好 の 多様 化 、 輸入 品 を 含めて 食料 が 豊富に なった こと など さまざまな 原因 が 考え られる が 、 農村 人口 の 老齢 化 と 雇用 賃金 高 が 決定 的 要因 で 、 コメ 、 麦 など と 同様 、 農業 の 将来 を 暗示 して いる ように 思う 。 果樹 類 は 、 野菜 など と 違って 、 経済 的 収穫 量 に なる に は 年月 が かかり 、 植え 替え 、 転作 に して も 労力 を 要し 、 労働 力 不足 は 時代 の 流れ と は いえ 、 荒廃 を もたらして いる 。 現在 放置 さ れて いる ミカン 畑 は 、 管理 し なくて も 毎年 実 を 結ぶ と なれば 、 地域 の 学童 ら に 収穫 さ せ 、 プレゼント して やれば 、 喜ば れる ので は ない だろう か 。 私 が つけて いる の は 十 年 日記 。 一 冊 で 十 年 分 つけ られる のです 。 一 日 分 は 四 行 分 しか あり ませ ん が 、 ダラダラ と 長く 書か なくて も よい ので 楽です 。 天気 と ちょっと した 出来事 を さっさと 書けば 、 もう いっぱいです 。 すぐ 上 の 行 に は 前 の 年 の 同月 同日 の こと が 書いて ある ので 、 ああ 昨年 は こう だった の か 、 と 一目 で 分かる の も よい 点 です 。 つけ 始めて まだ 三 年 です が 、 三 年 分 の 記録 が 書き込ま れた 大切な 一 冊 。 重くて ずしっと した 手応え です 。 友人 の 住所 や 電話 番号 、 贈答 品 、 行事 など も 書き込んで あり ます 。 美術 展 や 会 など の 招待 券 の 切れはし 、 パンフレット の 一部 も はさみ こんで あり 、 スクラップノート も 兼ねて い ます 。 カレンダー も もちろん 十 年 分 載って い ます から 、 一目 で 全部 分かり 、 うれしい 限り です 。 あと 七 年間 使える この 日記 、 大事に し たい です 。 十二 月 二十四 日 の 本欄 「 注意 散漫な ガソリン スタンド 」 を 見て 、 この 作業 員 は 、 危険 物取 扱 者 の 基本 を おろそかに し 、 資格 を 持って いる が ため の 危険 人物 と 言い たい 。 ガソリン が いかに 引火 燃焼 速度 の 速い もの か 、 取り扱い 資格 を 持つ 者 は 熟知 して いる はず 。 給油 時 に 栓 を はずし 、 給油 が 終われば 密栓 する こと は 液体 の 漏れ 、 気化 を 防ぐ 策 であり 、 当然の 作業 手順 である 。 危険 物取 扱 者 は 社会 の 安寧 秩序 を 守る 使命 感 と 責任 を 持た なければ なら ず 、 その 責任 も 使命 感 も ない 作業 員 であれば 、 いつ 大 事故 を 起こして も 不思議で なく 空恐ろしい 。 私 は 規制 緩和 に よる スタンド の セルフ サービス は 、 時期尚早だ と 思って いる 。 一般 ドライバー が ガソリン に 対する どれ だけ の 知識 を 持って いる か 疑問 に 思う から だ 。 かつて 工場 で 塗料 ・ シンナー や ガソリン 、 重油 など の 取扱 者 であった ため に そう 思う 。 私 は 六十 歳 の 時 、 無 雪 期 の 千畳敷 を 登り 、 空木 岳 まで 縦走 した こと が ある 。 その 地形 を 見て 、 冬 は 雪崩 の 危険 が ある が 、 春 は スキー に 絶好 だ と 思った 。 ここ で 先日 、 雪崩 遭難 が あった 。 新聞 報道 に よる と 、 遭難 の 前日 まで は 気温 が 低かった が 、 翌日 は 少し ゆるみ 、 新雪 が 降った と ある 。 「 こういう 時 は 午前 十 時 ごろ から 午後 三 時 ごろ まで の 間 に 新雪 表層 雪崩 が 起こる 」 と 、 山 の 教科 書 に 書いて ある 通り の 状況 である 。 亡くなった 方々 に は 気の毒だ が 、 あまりに も 経験 不足 の 行動 で は なかろう か 。 どうしても その 日 の うち に 下山 し たい なら 、 午前 四 時 起床 、 五 時 半 出発 、 九 時 前 まで に は ケーブル 終点 に 着く べきだった 。 二 人 、 四 人 と かたまって 発見 さ れた と ある が 、 こういう 場所 は 数 メートル の 間隔 を あけて 下り 、 全員 が 四 周 に 目 を 配り 、 兆候 を 見つけたら 大声 で 知らせ 、 山側 に 逃げる の が 常識 である 。 改めて 冬山 の 危険 性 に ついて 注意 を 喚起 し たい 。 とにかく 忙しい 。 リストラ の 対象 に さ れた 管理 職 から ひっきりなしに 相談 の 電話 が 入る 。 その 合間 を 縫って 、 今年 初め 設立 する 予定 の 新 会社 の 準備 。 「 管理 職 ユニオン の 行方 は 新 会社 が 握る 」 と ゲキ を 飛ばす 。 元気 を なくして 久しい 日本 の 労働 運動 。 その 中 で わずか 組合 員 九十三 人 と は いえ 、 今 、 一 番 輝いて いる リーダー の 一 人 かも しれ ない 。 一九九三 年 末 、 管理 職 ユニオン を 旗揚げして から 、 にわかに マスコミ の 脚光 を 浴びた 。 行き場 の ない 管理 職 から の 相談 が 殺到 した 。 この 一 年 余 、 ほとんど 休み も なく 分 刻み の スケジュール に 追わ れた 。 それ まで は 中小 未 組織 の 運動 ひと 筋 に 三十 年 近く 。 ほとんど 解雇 、 争議 事件 ばかり 。 日 の 当たら ない 、 報われる こと の 少ない 仕事 だった 。 慶大 在学 中 に 学生 運動 から 労働 運動 に 。 社会 主義 の 未来 を 夢見て いた 。 二十 年 過ぎて 気づいた 。 「 個々 の 労働 者 の 自立 が ない 限り 、 砂地 に 水 を まく ような もの で は ない か 」 と 。 その 模索 の 果て に たどりついた の が 管理 職 ユニオン だった 。 「 管理 職 と いう 自立 した 労働 者 の 運動 体 が でき ない か 」 と いう 狙い だった 。 「 これ から が 正念場 。 既成 の 労働 運動 を 揺るがす 力 に し たい 」 と 志 は 高い 。 どこ か 、 ゲームソフト の 「 スーパーマリオ 」 を 思わ せる 、 陽気で 頼りがい の ある オジさん だ 。 一九九五 年度 予算 政府 案 に 一言 。 伸び 率 の 抑制 ばかり を 強調 する けれど 、 実額 四兆七千億 円 余 も の 防衛 費 が 必要 か 。 八千億 円 超 の 正面 装備 は もとより 、 固定 経費 が 多い と いう の なら 、 冷戦 後 の 今 、 そこ に こそ メス を 入れる べきで は ない か 。 アジア の 軍拡 も 問題 に する が 、 兵器 購入 に 走る 各国 に 武器 を 売り込んで いる の は だれ か 。 地続き に ある これ ら 各国 と は 地政学 的に 相違 する うえ 他国 の 攻撃 の 標的 と なる 何の 理由 も ない 日本 が 、 浪費 の お付き合い を する 理由 は ない 。 漠然と 「 必要 最小 限 」 と か 「 極東 の 安全に 必要 」 と か で は なく 、 それ が なければ どのような 脅威 が 生じる か 、 政府 は 国民 に 明らかに す べきだ 。 「 壮大な チャンバラ ごっこ 」 続行 の 半面 、 元 従軍 慰安 婦 へ の 国家 補償 は 見送ら れた 。 「 すでに 決着 済み 」 と の 外交 方針 継続 が 絶対 なら 、 「 鬼畜 米 英 」 の 方 は どう なった のだろう 。 彼女 たち は いつまで 待た さ れる の か 。 田中 真紀子 科学 技術 庁 長官 の 言動 に は へきえき して いる 。 以前 に も 、 衛星 の 軌道 乗せ が 失敗 に 帰す や 、 庁 内 の コミュニケーション 不足 を 、 いきなり マスコミ に ぶち上げた が 、 同 庁 の 最高 責任 者 が 自分 である こと を 忘れた 愚行 と 思って いた ところ 、 今度 は 行革 に ついて の 同 庁 高官 の 発言 を 後ろ向き と して 、 やり玉 に 上げた 。 高官 の 発言 が よい と は 言わ ない が 、 官僚 が 行革 に 消極 的な の は 分かりきった ことだ 。 抵抗 する 者 を 納得 さ せる の が 長官 の 任務 であろう に 、 それ を 尽くさ ず に 、 その 高官 を やり玉 に 上げ 、 更迭 する の は どう か と 思う 。 村山 内閣 は 行革 に 対する 後ろ向き 姿勢 を 猛省 す べきである 。 同 内閣 は 消費税 率 は さっさと 上げて 、 行革 の 具体 策 に ついて は 何ら 明らかに して い ない 。 今回 の 件 は 、 一向に 行革 が 具体 化 し ない 村山 内閣 に 対する 国民 の 目 を 意識 した 田中 長官 、 村山 内閣 の スタンド プレー に 思えて 仕方 が ない 。 特殊 法人 の 見直し 問題 は 古くて 新しい 問題 だ が 、 世の中 は 常に 動いて いる 。 その 変化 へ の 対応 が 的確で なければ 、 ムダ 、 ムラ 、 ムリ が 生じ 、 効率 的な 行政 が でき なく なる こと は 自明の 理 である 。 企業 の 現状 を 見よ 。 生きて いく ため に は 、 死にものぐるい で リストラ を やって いる で は ない か 。 官僚 だけ が 、 のほほんと して いい わけ が ない 。 行政 は 国民 の 血税 の 上 に 成り立って いる こと を 、 官僚 の 諸君 は 肝 に 銘じて ほしい 。 範 を 国民 に 示す べきだ 。 今回 の 科技 庁 官房 長 の 更迭 は 当然である 。 官僚 の 思い上がり は 許せ ない 。 この 機会 に 閣僚 に も 一言 。 官僚 の 説明 を うのみ に せ ず に 、 現下 の 情勢 で は 、 どのような 行政 組織 が 国民 の ため に 最善 か と いう 観点 から 、 大所 高所 に 立った 判断 を して 、 指導 力 を 発揮 して 頂き たい 。 旧態依然と した 体質 に は 決別 して は どう か 。 国民 の ため に 汗 を 流して ほしい 。 柔道 の 田村 亮子 選手 の 手記 を 読んだ 時 、 ドーピング 検査 に ひっかかる ので 風邪 薬 が 飲め ない の が つらい と の こと に 、 びっくり し ました 。 検査 で は 、 筋肉 増強 剤 の ような もの と 風邪 薬 の 識別 も つか ない のでしょう か 。 過酷な 練習 を 重ねて いる 一 級 の 選手 が 、 現代 医学 の 恩恵 に あずかれ ない こと を 知って がく然と した のです 。 中国 の ドーピング 違反 が 問題 に なり ました 。 検査 の 強化 と 、 それ を くぐり抜ける 薬物 の 開発 は 、 いたちごっこ だ と 聞き ます 。 規則 を 作る から 違反 が 出 ます 。 私 は 、 人間 本来 の 力 で 出した 記録 に 権威 を 持た せる こと こそ が 大事だ と 思い ます 。 指導 者 が 選手 に 黙って 薬物 を 与える こと も あった と か 。 素質 を 持ち ながら 選手 生命 を 断た れる の は 残念です 。 薬物 に よって 体 を つくる など 、 健康に いい はず が あり ませ ん 。 世界 の スポーツ 関係 者 の 方々 、 人間 本来 の 力 で 勝負 して 、 私 たち を 魅了 して ください 。 お 金 の 無駄遣い の こと を “ 湯水 の ごとく 使う ” と いう 例え が ある が 、 思う存分 使う こと の でき なく なった 福岡 の 水 。 水 は 無尽蔵に ある と 思って いた が 、 いつまでも ない こと が 分かった 福岡 県民 。 本当の ところ 、 私 も 、 海 の 水 が 蒸発 し 、 それ が 雨 と なって 降って くる もの と 思って いた 。 ところが 、 オーストラリア の 一 地方 で は 、 七 年間 全く 雨 の 降ら ない 所 が ある こと を 知って 、 定期 的 循環 に よって 天 の 恵み が ある ので は ない こと が よく 分かった 。 すると 、 常日ごろ から 徹底 した 節水 を 心掛け ない と 戦争 以上 の 悲惨な 目 に 遭わ ない と も 限ら ない 。 洗車 の 時 でも 不要な 水 を 出し放し に して いる 姿 を よく 見受ける が 、 やめ たい もの だ 。 水道 局 も 水 は 商品 と 考えて 干ばつ の 時 は 高い 水道 料金 を 課す システム 作り が 急が れる ので は ある まい か 。 ごみ の ポイ 捨て と 同じで 、 水 の 無駄遣い に も 罰金 を 科す ぐらい の こと を 考え なければ なら ない ので は ない か 。 新車 の 販売 数 も ようやく 上昇 に 転じた ようで 、 自動車 産業 に 携わる 人 たち に は 、 やや 明るい 年明け かも しれ ない 。 しかし 、 最近 発売 に なった 車 に は 魅力 的な もの が ない ように 思う 。 いや 、 事実 発売 後 、 生産 が 間に合わ ない ほど 好調で 、 販売 台 数 を 伸ばして いる もの も ある じゃ ない か と いわ れる かも しれ ない 。 しかし 、 今 好調 と いわ れる 車 も 、 市場 の 人気 が 高まって いる 車種 へ の 新型 車 の 投入 に すぎ ない 。 西暦 二〇〇〇 年 を 目指した 計画 も 発表 さ れる が 、 依然と して 生産 台 数 が 第 一 に 掲げ られて いる 。 一方 、 ヨーロッパ の 各社 から は 、 次 世代 へ の 小型 車 が 提案 さ れて いる 。 これ ら の 車 の 完成 度 が 高い か 低い か は ともかく と して 、 現在 、 社会 が 抱えて いる 諸 問題 の 解決 に 、 どちら が より よく 応えて いる だろう 。 製造 業 の 基幹 産業 と して 、 現在 を 、 そして 未来 を 見据えて 、 真剣に 解決 策 を 考える 時 な ので は ない だろう か 。 スカルファロ ・ イタリア 大統領 は 十二 日 、 急きょ 大統領 府 に ベルルスコーニ 首相 を 呼び 、 協議 した 。 両者 の 協議 は 「 政治 空白 」 が 起きて から 三 回 目 で 、 大統領 は この 日 の 協議 で ベルルスコーニ 氏 に 首相 続投 の 可能 性 を 打診 した 模様 だ 。 スカルファロ 大統領 は 同日 中 に も 暫定 政権 の 首相 を 発表 する と み られて いた が 、 政党 間 の 抗争 で 困難に なった 。 暫定 政権 か ベルルスコーニ 続投 か の 最終 決着 まで に は まだ 曲折 が あり そうだ 。 全欧 安保 協力 機構 は 十二 日 、 ウィーン で 常設 理事 会 を 開き 、 「 加盟 国 は チェチェン の 悲劇 的 事態 と 特に 人権 、 人道 的 国際 法 に 対する 深刻な 侵害 に 深い 懸念 を 表明 する 」 と した 議長 声明 を 採択 した 。 同 声明 は 、 事実 関係 を 調査 する OSCE 代表 団 を ロシア に 派遣 する 方針 を 明らかに し 、 ジャルマティ 議長 特使 は 今週 中 に も 再び モスクワ で ロシア 政府 と 調整 を 図る こと に なった 。 十二 日 付 の 有力 アラビア語 紙 「 アルハヤト 」 は 、 パレスチナ解放機構 の アラファト 議長 が 十 日 、 エジプト の イスラム 原理 主義 組織 「 ムスリム同胞団 」 本部 を 訪れ 、 幹部 と 会見 した と 伝えた 。 パレスチナ の イスラム 原理 主義 組織 ハマス と の 仲介 を 要請 した もの と み られる 。 一 カ月 に わたる ロシア 軍 の 進攻 に 激しく 抵抗 して いる ドゥダエフ ・ チェチェン 政権 の 兵器 が 旧 ソ連 軍 の 残した もの で 、 ドゥダエフ 大統領 と の 兵器 引き渡し 交渉 に 、 グラチョフ ・ ロシア 国防 相 が あたって いた こと が ロシア で 問題 化 して いる 。 十 日 の イズベスチヤ 紙 に よる と 、 チェチェン 共和 国 が 独立 宣言 した 一九九一 年 十一 月 以降 も 旧 ソ連 軍 の 第 十二 自動車 化 狙撃 教育 師団 が 現地 に 残った 。 ドゥダエフ 大統領 は 共和国 内 に ある 兵器 を 接収 する こと を 主張 。 この ため 九二 年 四 月 に グラチョフ 国防 次官 が 現地 で ドゥダエフ 大統領 と 交渉 し 、 兵器 を ロシア 軍 と チェチェン 軍 で 半々 に 分ける と いう 合意 が 成立 した 。 しかし 、 その 段階 で は 兵員 が すでに 引き揚げた 後 で 物理 的に 兵器 を 撤収 する こと が でき ず 、 結果 と して 「 師団 保有 の 兵器 と ドゥダエフ 政権 が 管理 する 兵器 は 一致 する こと に なった 」 と 同 紙 は 伝えた 。 グラチョフ 国防 相 は チェチェン 進攻 の 実戦 指揮 を 執って いる 。 日 の 昇る 勢い だった ブレア 英 労働 党 党首 が 、 党綱 領 改正 問題 で 党 内 の 抵抗 に あって いる 。 企業 の 国有 化 を 規定 した 綱領 第 四 条 を 変えよう と 準備 中 な のに 、 左派 が 反対 運動 を 開始 した ため だ 。 同 党首 は 党 近代 化 の ため に は 、 綱領 改正 は 不可欠 と 徹底 的に 戦う 姿勢 だ 。 昨年 十 月 の 党 大会 で 、 ブレア 党首 は 突然 、 四 条 改正 を 表明 。 条文 を 書き換えて 三 月 の 党 中央 執行 委員 会 で 認め させ 、 四 月 末 の 臨時 党 大会 で 承認 を 受ける 手はず を 整えて いた 。 しかし 老 闘将 トニー ・ ベン 下院 議員 を 中心 と した 左派 が 下院 で 四 条 改正 阻止 に 向けて 反対 運動 を 開始 した 。 また 九 日 に 労働 党 の 欧州 議会 議員 三十 人 以上 が ガーディアン 紙 に 意見 広告 を 出して 改正 反対 を 訴えた 。 ブレア 党首 は 十 日 ブリュッセル で 、 意見 広告 を 出した 議員 を 批判 し 、 「 歴史 から 学ば ず 、 歴史 の 中 に 生きて いる だけ である 。 労働 党 は 貯蔵 する 党 で は ない 」 と 述べた 。 四 条 改正 騒ぎ は 、 改めて 労働 党 の 左右 対立 が 根強い こと を 示した 。 保守 党 が これ を 機 に 、 古い 体質 を 抱えた 労働 党 攻撃 を 行う こと は 確実だ 。 アルジェリア で 、 軍部 主導 の 暫定 政権 が 発足 して から 十四 日 で 丸 三 年 が たつ 。 暫定 政権 は 、 複数 政党 制 に よる 初 の 総 選挙 で 圧勝 した イスラム 原理 主義 政権 の 誕生 を 阻止 した もの の 、 イスラム 勢力 を 抑える こと が でき ず 、 国 内 は 事実 上 の 無 政府 ・ 内戦 状態 に 陥って いる 。 欧 米 諸国 は イスラム 原理 主義 を 警戒 する あまり 現 政権 支援 を 続け 、 泥沼 の 内戦 に 突入 する 危険 性 が 高い 。 アルジェ から の 報道 に よる と 、 東部 の 都市 バトナ で 十一 日 、 イスラム 過激 派 に バス が 襲撃 さ れ 、 乗客 ら 十五 人 が 死亡 、 七 人 が 負傷 した 。 こんな 惨事 が アルジェリア で は 日常 に なって いる 。 過去 一 年間 の 死者 は 一万 人 を 超え 、 三 年間 で は 一万五千 人 以上 と いわ れる 。 しかし 、 正確な 数字 は 政府 も 把握 して い ない 。 選挙 で 八 割 以上 の 議席 を 取った 「 イスラム 救国 戦線 」 は 民間 人 へ の テロ を 否定 する 。 しかし 、 アフガニスタン 紛争 帰り の 兵士 を 中心 に 組織 さ れた 過激 派 「 イスラム 武装 集団 」 は 、 外国 人 に 国 外 退去 を 求め 、 誘拐 、 テロ を 行い 、 昨年 末 に は エールフランス 機 を 乗っ取る 事件 を 引き起こした 。 都市 の 治安 部隊 兵士 は 覆面 を 着用 する 。 過激 派 に 顔 を 覚え られる の を 恐れて いる から だ 。 軍 の 若い 兵士 が GIA に 加わる ケース も 多く 、 年間 数千 人 に 上る と いう 。 アルジェリア の 専門 家 は 、 今 選挙 を 行えば 、 FIS が 第 一 党 に なる こと は 確実 と みる 。 失業 率 は 三 割 を 超し 、 何 年 も 無職 の 男性 が 多い 。 イスラム 原理 主義 勢力 は 、 政府 の でき ない 社会 福祉 を モスク を 拠点 に 実施 して いる 。 貧困 層 は 教育 、 医療 でも イスラム 勢力 に 頼ら ざる を 得 ない の が 実情 だ 。 また 、 FIS は 知識 人 層 の 支持 も 厚い 。 大学 教授 ら が 地下 に 潜って 、 ファクス で 連絡 を 取り合い 、 地方 の 組織 の 活動 を 支えて いる 。 アルジェリア の 現状 は 、 西側 や 他の アラブ 諸国 が 原理 主義 政権 の 誕生 を 恐れ 、 選挙 結果 を 尊重 し なかった こと に 起因 する 。 結果 的に 、 GIA の ような テロ 集団 が 育ち 、 テロ が 日常 と なった 現在 で は 、 公正な 選挙 を 行う こと すら でき ない 。 アルジェリア は その 行方 が 見え ない まま 、 暫定 政権 は 四 年 目 に 入る 。 ルワンダ から の 報道 に よる と 、 ルワンダ 旧 政府 軍兵 士 約 50 人 が 11 日 、 ルワンダ 南西 部 キブ 湖畔 の 村 に 上陸 、 政府 軍 と 銃撃 戦 の あと 撃退 さ れた 。 ルワンダ 領 内 へ の 本格 的な 攻撃 は 初めて 。 双方 の 兵士 に 死傷 者 は なかった が 、 村人 6 人 が 行方 不明に なった 。 ボスニア・ヘルツェゴビナ から の 報道 に よる と 、 同国 の 紛争 三 派 は 十一 日 、 首都 サラエボ 近郊 の 非 武装 地帯 から の 政府 軍 撤退 の 検証 と 、 セルビア 人 勢力 が 封鎖 して いる サラエボ へ の 補給 路 の 再開 を 、 いずれ も 十四 日 まで に 実施 する こと で 合意 した 。 これ に より 、 現在 発効 中 の 四 カ月 停戦 の 履行 手順 に 関する 交渉 の 障害 は 取り除か れた 。 停戦 履行 に 関する 交渉 は 、 サラエボ 南方 イグマン 山 の 非 武装 地帯 から の 政府 軍 撤退 の 検証 が 先 か 、 サラエボ へ の 補給 路 再開 が 先 か で 政府 ・ クロアチア 人 勢力 側 と セルビア 人 側 が 対立 し 、 暗礁 に 乗り上げて いた 。 ペリー 米 国防 長官 は 12 日 、 パキスタン から ニューデリー に 到着 し 、 チャバン 内 相 、 マリカルジュン 国防 担当 国務 相 、 軍 首脳 と 会談 した 。 同 長官 は この後 、 米国 と インド の 合同 軍事 演習 や 兵器 共同 生産 を 含む 7 項 目 の 軍事 協力 合意 文書 に 調印 した 。 ロシア の エリツィン 大統領 が 、 チェチェン 共和 国 へ の 軍事 進攻 で 戦力 の 低下 を 露呈 した 軍 の 改革 に 着手 した 。 十一 日 の 首相 、 上下 両院 議長 と の 会談 で は 、 参謀 本部 の 大統領 直属 と いう 大胆な 再編 成案 も 検討 さ れた 。 しかし 、 早急な 再編 は チェチェン 進攻 で 表面 化 した 軍 内部 の 亀裂 を 深め 、 戦力 向上 へ の 動き が 欧 米 諸国 の 懸念 を 招く 恐れ も ある 。 軍事 専門 家 ら は 早く から 、 ソ連 解体 後 の 国防 費 削減 に よる 兵員 の 訓練 不足 や 兵器 の 更新 不能 と いった 戦力 の 低下 を 指摘 。 軍人 の 社会 的 地位 の 低下 も 重なった 兵士 の 士気 低下 を 苦戦 の 最大 の 理由 に 挙げて いた 。 今回 の 進攻 で 動員 さ れた の は 旧式 戦車 であり 、 兵士 の 大半 は 兵役 一 年 未満 の 若者 で 訓練 不足 だった 。 旧 ソ連 軍 で 訓練 を 積んだ チェチェン 側 兵士 の 激しい 抵抗 に 対抗 でき ず 、 戦闘 の 長期 化 が さらに 士気 の 低下 を 招く と いう 悪 循環 に 陥った 。 インタファクス 通信 は 十二 日 、 軍事 筋 の 情報 と して ロシア ・ チェチェン 共和 国 の 首都 グロズヌイ 制圧 を 目指す ロシア 軍 が 十三 日 ないし 十四 日 に 「 新たに 決定 的な 大 攻勢 」 に 出る と 報じた 。 海兵 隊 や 内務 省 特殊 部隊 が 首都 掌握 に 備えて 同 共和 国 へ 派遣 さ れ 始めて おり 、 中心 部 の 大統領 官邸 を 死守 する ドゥダエフ 政権 部隊 の 「 陥落 」 も 間近 と の 見方 も 出始めた 。 現地 から の 報道 に よる と 、 ロシア 政府 の 一方的 停戦 が 失効 した 十二 日 午前 八 時 過ぎ から 、 大統領 官邸 の ある 首都 中心 部 で 激しい 砲撃 戦 が 始まった 。 先月 三十一 日 の 首都 大 攻勢 に 失敗 した ロシア 軍 は 、 小規模の 部隊 に 再 編成 し 、 一気に 中心 部 を 攻め ず に 各 地区 を 逐次 制圧 する 陣地 戦 に 切り替えた 。 ロシア ・ マスコミ に も 、 この 作戦 が 成功 に つながり 、 ロシア 側 の 勝利 は 目前 と の 論調 が 出始めて いる 。 また 官邸 に 立てこもる チェチェン 側 部隊 と ロシア 軍部 隊 将校 と の 交渉 が 行わ れて いる と の 未 確認 情報 も 伝え られて いる 。 インタファクス 通信 に よる と 、 モスクワ の 内務 省 特殊 部隊 が すでに 現地 へ 派遣 さ れた ほか 、 北方 艦隊 、 太平洋 艦隊 、 バルト 艦隊 の 海兵 隊 が 十一 日 夜 、 チェチェン へ 向け 出発 した 。 また 十一 日 夜 から 十二 日 朝 に かけて 、 大量の 装甲 車 や 軍用 車両 が 鉄道 で グロズヌイ に 到着 した 。 中国 外務 省 報道 官 は 十二 日 、 一部 報道 機関 が 伝えて いる トウ 小平 氏 の 健康 悪化 説 に ついて 「 トウ 小平 氏 の 身体 は 健康である 」 と 、 これ を 否定 した 。 しかし 、 これ まで 同様 、 春節 の 時期 に 、 テレビ など を 通じて 顔 を 見せる の か と の 質問 に は 「 予測 でき ない 」 と 答えた 。 なお 、 外務 省 は 同日 、 朱 鎔基 副 首相 が 十八 日 から ポルトガル と スペイン を 、 銭 其シン 副 首相 兼 外 相 が 十七 日 から ザイール 、 コンゴ など を 訪問 する と 発表 した 。 トウ 小平 氏 の 長女 で 画家 の トウ 林 さん が フランス 、 二女 の トウ 楠 ・ 国家 科学 技術 委員 会 副 主任 が 韓国 を 訪れる こと も 明らかに さ れて いる 。 トウ 小平 氏 が 実際 に 重体 に 陥った 場合 、 家族 や 有力 指導 者 が 外遊 を 取りやめる 可能 性 が ある が 、 現 時点 で は そのような 兆候 は ない ようだ 。 パナマ 政府 は 11 日 、 ペレス ・ バジャダレス 大統領 暗殺 計画 を 摘発 し 10 人 を 逮捕 した と 発表 した 。 元 兵士 、 警官 ら の グループ で 、 大統領 が 地方 視察 の 際 、 実行 する 計画 だった 。 フィリピン の カトリック 教徒 の 若者 約 五万 人 が ローマ 法王 歓迎 の 贈り物 と して 「 婚前 交渉 は し ない 」 と の 誓約 書 を 法王 に 手渡す こと に なった 。 「 世界 青年 デー 」 大会 の 参加 者 に よる と 、 この 贈り物 は 「 愛 の 表明 」 と 名づけ られ 、 全国 の 若者 約 五万 人 の 署名 と 、 結婚 式 まで の 性 的 抑制 を 誓う 声明 文 が 添え られて いる 。 「 英国 風 の 家 に 住み 、 フランス 人 の コック を 雇い 、 そして 日本 人 女性 を 妻 と する 」 と いう の が 、 ドイツ 人 男性 の 幸せ と いわ れて きた 。 しかし 、 最近 は 「 男性 に 尽くす 」 と いう 日本 人 女性 の 「 神話 」 も 崩れ 、 欧 米 男性 に 甘い と いわ れる タイ 人 女性 に 人気 が 移り 始めた 。 しかし 時 に は 、 その 理想 の タイ 人 女性 に も 思わぬ 危険 が 潜んで いる 。 外科 医 の その 男性 、 三 年 前 に 休暇 で バンコク に 行き 、 そこ で 美しい タイ 人 女性 の 、 愛称 「 リー 」 さん に 一目ぼれ 。 ドイツ に 連れ帰って 甘い 結婚 生活 を 始めた 。 しかし 、 夫 は 子供 が 欲しい のに 、 妻 は 子供 の 話 を 避け た がった 。 不審に 思った 夫 が 妻 の 持ち物 を 点検 した ところ 、 男性ホルモン を 抑制 する 薬 が 大量に 出て きた 。 リー さん は 「 男 」 だった のだ 。 三 年間 も だまさ れた 夫 は 、 もちろん リー さん と 離婚 した が 、 ショック で 仕事 も 手 に 着か ない 。 それ でも 愛 は 不可思議 。 「 まだ リー を 愛して いる 」 と 未練がましい 姿 が 哀れ を 誘って いる 。 ドイツ の マスコミ に よる と 、 バンコク に は 性 転換 手術 を 請け負う 約 三十 の 医院 が あり 、 美しい 女性 に 変身 して 金持ち の 男性 と 結ばれ たい と いう 若い 男性 が 殺到 。 この タイ の 「 女性 たち 」 、 ドイツ だけ で 、 すでに 数百 人 が 入国 して いる と いう 。 ローマ 法王 ヨハネ ・ パウロ 二 世 は 十二 日 午後 、 アジア ・ 太平洋 四 カ国 歴訪 の 最初の 訪問 地 である フィリピン に 到着 した 。 法王 の 同国 訪問 は 十四 年 ぶり 。 国民 の 八 割 以上 が カトリック 教徒 だけ に 、 マニラ の 国際 空港 から 宿泊 先 まで 約 十キロ の 沿道 に は 百万 人 以上 の 市民 が 並び 、 歓迎 した 。 イスラム 過激 派 が テロ を 計画 して いる と の 情報 も ある ため 、 法王 は 防弾ガラス に 覆わ れた 特製 車 に 乗り 、 大通り を パレード 沿道 を ぎっしり 埋めた 市民 は 「 ビバ 、 サント ・ パパ 」 「 お 達者で 」 など と 絶叫 。 涙 を 流す 信者 も いて 「 法王 フィーバー 」 が 展開 さ れた 。 法王 は 十六 日 まで マニラ に 滞在 する 。 西松 建設 は 十二 日 、 柴田 平 社長 が 会長 に 就任 し 、 後任 に 金山 良治 副 社長 が 昇格 する 人事 を 内定 した と 発表 した 。 経営 陣 の 若返り と 組織 の 活性 化 が 狙い 。 六 月 末 の 株主 総会 後 の 取締 役 会 で 正式 決定 する 。 金山 良治 氏 1953 年 徳島 大 工 卒 、 西松 建設 入社 。 93 年 6 月 から 副 社長 。 徳島 県 出身 、 65 歳 。 昨年 暮れ の メキシコ ・ ペソ の 暴落 に 続いて 、 南欧 通貨 も 急落 、 カナダ ・ ドル も 対 米国 ドル で 八 年 半 ぶり の 安値 を つける など 、 世界 的に 通貨 市場 が 揺れて いる 。 経済 運営 の 行き詰まり や 、 政局 不安 など 、 個別 要因 に よる もの だ が 、 ドル や 円 へ の 波及 を 懸念 する 声 も 出始め 、 二 月 上 ・ 中旬 に 開か れる 予定 の 先進 七 カ国 蔵 相 ・ 中央 銀行 総裁 会議 の 主要 議題 と して 、 為替 安定 策 が 急 浮上 して きた 。 イタリア ・ リラ は 年初 に 一 マルク = 一〇四〇 リラ を つけた あと 急落 、 一 時 は 史上 最低の 一〇六二 リラ を つけ 、 低迷 が 続いて いる 。 スペイン ・ ペセタ も 年頭 の 一 マルク = 八四 ペセタ 台 から 八七 ペセタ 台 に 落ち込む など 、 最 安値 を 更新 した 。 イタリア 、 スペイン 両 政権 へ の 不信 感 から 、 ドイツ ・ マルク に 資金 が 集中 する と いう 「 マルク 高 ・ 南欧 通貨 安 」 が 最大 の 特徴 。 ただ 、 「 欧州 通貨 統合 の 二 段階 論 が 加速 した 」 と の 指摘 も あり 、 便乗 した 投機 筋 の 売り 圧力 が 拍車 を かけて いる 。 フランス ・ フラン や イギリス ・ ポンド など に 飛び火 する 懸念 も ある 。 一方 、 メキシコ ・ ペソ の 下落 に は 、 米国 の 金利 上昇 で ドル 資金 が 米国 内 に 還流 して いる と いう 事情 も あり 、 メキシコ の 経済 実態 以上 に 買わ れ 過ぎた ペソ から 、 資金 が 逃げ出して いる 。 円 は マルク 高 に 連られた 形 で 対 ドル で やや 高 めで 推移 して いる もの の 、 いま の ところ 大きな 不安 材料 は 見当たら ない 。 欧州 の マルク 買い の 背景 に ついて は 「 メキシコ ・ ペソ を バックアップ して いる ドル に 対する 不信 感 が ある 」 と の 理由 から 、 通貨 市場 の 動揺 は 連鎖 して いる と の 見方 も ある 。 経営 が 破たん した 東京 協和 信用 組合 と 安全 信用 組合 の 事業 を 引き継ぐ 新 銀行 の 行 名 が 「 東京 共同 銀行 」 と なる こと が 十二 日 明らかに なった 。 十三 日 の 設立 発起人 集会 後 に 設立 登記 を 行う 。 アップル ・ コンピュータ は 十二 日 、 次 世代 の パソコン 用 基本 ソフト 「 漢字 トーク 7・5 」 を 来月 上旬 から 発売 する と 発表 した 。 最大 の 特色 は 、 同社 の マッキントッシュ 上 で 、 NEC 「 PC ― 98 シリーズ 」 用 の OS や マイクロソフト の 「 ウインドウズ 3・1 」 上 で 作成 さ れた データ が 読み書き で きる ように なった 点 で 、 ユーザー の 使用 可能 データ が 飛躍 的に 拡大 する 。 価格 は 平均 三万 ― 五万 円 台 に なる と み られる 。 新 OS で は こうした データ 交換 の ほか 、 初心 者 の ため 、 データ 入力 や パソコン通信 、 印刷 など の 全部 の 操作 手順 を 画面 で グラフィック 表示 する 「 ガイド 機能 」 を 装備 して いる 。 シャープ は 、 携帯 情報 端末 「 液晶 ペンコム ・ ザウルス 」 の 廉価 モデル 「 PI ― 4500 」 を 25 日 から 発売 する 。 国語 、 漢和 、 英和 、 和英 辞書 を 内蔵 して 文書 作成 に 便利な ほか 、 別 売り の モデム を 装着 して パソコン通信 も できる 。 価格 は 6万8000 円 。 電通 総研 と 余暇 開発 センター は 十二 日 、 「 世界 価値 観 調査 」 結果 を 発表 した 。 三十七 カ国 が 調査 に 参加 、 日本 は 「 意識 と 行動 が 分離 」 「 柔軟 だ が 確固たる 価値 観 が 希薄 」 など と 分析 さ れ 、 「 大江 健三郎 氏 が ノーベル 文学 賞 受賞 講演 で 触れた ように 、 “ あいまいな 日本 人 ” と いう 印象 が 浮かび上がった 」 と 指摘 して いる 。 東京 都 内 の 東京 協和 、 安全 の 二 信用 組合 の 経営 破たん 問題 で 、 高橋 治則 ・ 東京 協和 前 理事 長 が 十二 日 、 「 私財 を 提供 する 」 と する 自筆 の サイン 入り 速達 を 各 報道 機関 に 郵送 して きた 。 二 信 組 は 、 高橋 前 理事 長 が 関係 する 企業 に 理事 会 の 承認 なし に 巨額 融資 を し 、 合わせて 一千億 円 を 上回る 不良 債権 を 抱えた 。 その 二 信 組 を 救済 する 新 銀行 に 日銀 や 民間 銀行 が 出資 する こと に 批判 が 出て おり 、 捜査 当局 も 乱脈 融資 に 関心 を 持って いる と いわ れ 、 こうした 批判 を かわす パフォーマンス で は ない か と の 声 が 上がって いる 。 東京 都 、 日銀 は 水面 下 で 高橋 氏 の 個人 保証 を 求めて きた が 、 手紙 に ついて は 「 まったく 知ら なかった 」 と 驚き の 表情 。 新 銀行 に 出資 や 収益 支援 を 求め られて いる 銀行 は 「 情実 融資 で 破たん した のだ から 、 道義 的に 私財 提供 は 当たり前の 話 。 財産 が どれ だけ ある の か わから ない うえ 、 コメント 一 枚 で 済まそう と いう のであれば 、 金融 機関 の 経営 者 の 資質 以前 の 問題 だ 」 と 指摘 して いる 。 ミサワホーム 系 の 調査会 社 、 MRD 全国 不動産 情報 センター は 十二 日 、 一九九四 年 十二 月 一 日 時点 の 四 大 都市 圏 の 地価 調査 結果 を まとめた 。 住宅 地 の 価格 は いずれ の 都市 圏 も 前年 同期 より 安く なって おり 、 下落 率 は 首都 圏 で 七・三 % 、 近畿 圏 で 二・六 % 、 中京 圏 で 四・五 % 、 福岡 ・ 北九州 圏 で 一・七 % 。 下げ 幅 は 近畿 圏 が 前年 調査 時 より 小さく なった もの の 、 ほか は 前年 並み 。 近畿 圏 は 五 年 連続 、 ほか は 四 年 連続 の 値下がり と なった 。 調査 は 各地 の 不動産 業者 に 住宅 地 の 店頭 表示 価格 を 聞き 、 一 平方キロ ごと の 売値 相場 を もと に 平均 値 を 算出 した 。 首都 圏 で 下落 率 が 最も 大きかった の は 東京 都 で 九・〇 % 。 次いで 千葉 県 八・六 % 、 神奈川 県 五・八 % 、 埼玉 県 五・六 % 、 茨城 県 四・五 % の 順 。 日産自動車 は 、 小型 乗用車 「 ブルーバード 」 の 新 モデル ・ SV シリーズ 5 車種 を 12 日 から 発売 した 。 運転 席 の エア バッグ や カセットデッキ など を 標準 装備 。 価格 は 、 「 1800 タイプ ツーリング ・ SV 」 が 170万2000 円 。 市場 低迷 に 悩む 東京 証券 取引 所 が 、 店頭 公開 企業 や 、 未 上場 企業 を 対象 に 「 株式 上場 セミナー 」 を 開く こと に なった 。 新規 上場 を 増やし 、 市場 を 活性 化 さ せる ため 、 初めて 東証 が 主催 する もの で 、 日程 は 来月 2 、 6 、 9 の 3 日間 。 問い合わせ は 東証 上場 審査 室 まで 。 財政 と 金融 は 景気 政策 の 両輪 である が 、 経済 が 成熟 する に つれて 、 財政 出動 の 効果 は 小さく なり 、 効果 の 発現 も 遅く なって いる 。 それ は 、 土地 が 買え ない ・ 買えれば 土地 代 に 食わ れる ・ 公共 事業 の 比重 が 低下 して いる 等 の 事情 に よる 。 一九九五 年度 予算 は 景気 に 対し 、 ほぼ 中立 的だ 。 内需 拡大 の ため 公共 事業 の 追加 補正 を して も 、 時間 的に 間に合わ ない だろう 。 財政 に 残さ れた 手段 は 、 所得 減税 の 再 拡大 である が 、 国債 発行 残高 が 二百兆 円 を 超えた 現 時点 で 、 さらなる 減税 = 赤字 国債 増発 に 踏み切る の は 無謀だ 。 国債 と は 税金 の 前借り であり 、 いま の 政党 に 財政 再建 の ため の 増税 など 、 できる わけ が ない 。 景気 回復 を 急が ない と 、 年 内 に も 米国 景気 の 後退 が 始まり 、 中国 経済 に 異変 が 生じたら 大変な こと に なる 。 不良 債権 処理 の メド が 立た ない うち に 、 輸出 が 失速 し 、 ダンピング 的 輸入 が 急増 したら 、 緩慢な 景気 回復 が 短命に 終わって しまう 。 その リスク を 避ける に は 、 円安 政策 を とる しか ない 。 円安 さえ 進めば 、 企業 収益 増加 → 設備 投資 増額 → 景気 回復 本格 化 と なる 。 円安 に する ため 、 当面 長期 国債 の 発行 を 半減 し 、 短期 国債 で 代替 する ことだ 。 それ に より 長期 金利 が 下がれば 、 諸 外国 は ユーロ円債 の 発行 に 殺到 する 。 ユーロ円債 の 手 取り 金 は 直ちに 外貨 に 変わる から 円安 要因 に なる 。 あと 、 即効 的な 景気 対策 は 、 金融 を 用いる しか ない 。 日銀 は 、 その コントロール の 下 に ある 短期 金利 を 下げる べきだ 。 日本 の 実質 金利 が 高い から 、 銀行 貸し出し も マネーサプライ も 伸び悩んで いる 。 コール市場 に 滞留 する 四十兆 円 の カネ は 、 実質 金利 が 下がれば 外債 に 向かわ ざる を 得 ない 。 それ で 円 は 在る べき 水準 まで 安く なる 。 短期 金利 低下 → 円安 進行 → 景気 回復 加速 ―― と いう 好 循環 が 発生 したら 、 さっさと 短期 金利 を 戻せば よい のだ 。 金利 政策 の 機動 性 ・ 弾力 性 が 、 いま ほど 問わ れて いる 時 は ない 。 メキシコ 政府 が 東京 銀行 、 富士 銀行 など 邦 銀 四 行 に 一行 あたり 二億 ドル の 支援 を 求めて いる こと に ついて 、 邦 銀 四 行 は 回答 期限 の 十二 日 「 現 時点 で は 回答 でき ない 」 と の 返事 を 国際 銀行 団 幹事 の シティ ・ バンク に 対して 伝えた 。 各 行 は 今月 下旬 を めど に 結論 を 出す 。 日本 セメント と 三菱 マテリアル は 十二 日 、 ベトナムセメント 公社 と 合弁 で 現地 に セメント 工場 を 建設 する 契約 書 に 二十 日 、 調印 する と 発表 した 。 総 投資 額 は 三億四千七百万 ドル 。 米国 は 対 アジア 外交 の スタンス を 経済 から 安全 保障 の 重視 に 移して いる 。 中間 選挙 の 大敗 で 日本 と の 協調 関係 を 深める こと が 民主党 の クリントン 大統領 に 欠かせ ない と いう 政治 情勢 も ある 。 村山 首相 の 訪 米 は その 意味 で は タイムリーであり 、 大統領 と 前向きの 協力 関係 を 強調 し えた こと も 評価 出来る 。 だが 、 日本 の 膨大な 対 米 貿易 黒字 が これ で 免責 さ れた わけで は なく 、 日本 側 に 黒字 減らし に 向けた マクロ 政策 面 で の 努力 目標 の 明示 が なかった こと は 残念だ 。 懸案 の 包括 経済 協議 は 日本 の 規制 緩和 の 行方 と 大きく 絡む が 、 これ も 現 段階 で は 余り 成果 は 期待 出来 そうに ない 。 日本 は 不況 から の 回復 過程 に あって まだ 十分に 自信 を 取り戻して い ない と は いえ 、 経済 の 強者 である こと に 変わり は ない 。 その 意味 で は 日本 は 米国 に もっと 具体 的な 提案 を する べきだった 。 両 首脳 が 協調 を 打ち出した アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 の 貿易 ・ 投資 自由 化 の ため の 行動 指針 に 向け 、 日 米 が どう 動く かも 重要な 問題 だ 。 アジア 諸国 に は 、 対 米 依存 が 濃厚な 日本 に 対する 根深い 不信 感 が あり 、 米国 の 対 アジア 戦略 だけ に 乗った 指針 策定 で は 諸国 の 反発 を 受ける の は 確実 。 アジア 固有 の 経済 哲学 と も いう べき 、 環境 や 市民 と の 共生 の 理念 を どう 行動 指針 に 盛り込める か 。 日本 が どんな 哲学 で APEC を リード する か が 問わ れて いる 。 三 人 の 候補 者 が 三つどもえ の まま 、 世界 貿易 機関 発足 後 も 決まら ない 事務 局長 人事 に 「 第 四 の 男 」 が 登場 した 。 注目 を 集めて いる の は ニュージーランド の バードン 商工 ・ 国営 企業 ・ 鉄道 相 。 本人 が 十一 日 、 三 人 の うち 一 人 に 一本化 でき ず 、 人事 が 完全に 行き詰まった 場合 に は 事務 局長 ポスト を 引き受ける 意思 を 表明 した 。 通産 相 の 諮問 機関 である 総合 エネルギー 調査 会 都市 熱エネルギー 部会 の 分科 会 が 十二 日 開か れ 、 ガス 料金 制度 見直し の 方向 を 了承 した 。 コスト を 積み上げて 料金 を 算定 する 「 総括 原価 方式 」 の 基本 的 枠組み は 維持 し ながら も 、 ガス 会社 が 経営 効率 化 目標 を 申告 する 方式 を 導入 する 。 細部 を 詰め 二 月 一 日 に 中間 報告 を まとめる 。 幹部 の 人事 を めぐって 昨年 、 通産 省 が 揺れた 。 ちまた で は 解体 論 まで 出た 。 通産 省 に 所属 する 電 総研 の 研究 者 五百 人 は 、 霞が関 の 激震 を 傍観 した 。 中島 秀之 さん も その 一 人 だった 。 「 政治 家 が 官僚 を 更迭 する の は 正論 だ と 思う が 、 日本 の 政治 家 自身 に その 能力 が 十分 備わって いる の か どう か …… 」 国立 研究 所 研究 員 の 立場 で 、 日本 の 官僚 システム の 弊害 を 感じる こと が ある 。 とりわけ 予算 折衝 で 戸惑う 。 通産 省 本省 や 大蔵 省 主計 局 に 予算 説明 を する 際 の 殺し 文句 は 「 米国 でも 同じ ような 研究 を やって い ます 。 今 、 日本 が やら ない と たちまち に 立ち遅れ ます 」 。 予算 の 単 年度 主義 で 研究 が 前 に 進ま ない こと も 多い 。 予定 より プログラム が 早く 進んで も 、 次 年度 に なら ない と 予算 が 出 ない 。 その 間 、 ブラブラ して いる しか ない 。 国立 研究 所 の 宿命 だ 。 これ に 比べて 、 米国 の 国立 研究 所 で は 総額 方式 を 採用 。 たとえ 、 その プロジェクト が 何 年 かかろう が 、 プロジェクト 全体 に お カネ が 総額 支給 さ れる 。 「 好きな こと を やれる んだ から 仕方ない かも しれ ませ ん が 、 民間 と 国立 機関 で は 四十二 歳 の 私 の 年齢 で 年収 で 二百万 円 の 差 が あり ます 」 。 大学院 時代 の 仲間 も 民間 企業 に 就職 した 方 が 多い 。 「 しょせん 、 民間 企業 は もうけて なんぼ の 世界 。 研究 に 制約 を 受ける こと も 多々 ある 」 と 、 仲間 から 不平 も 聞く 。 旧態依然と した 学会 組織 と は 違い 、 コンピューター 、 心理 学 、 言語 学 、 哲学 など 横断 的に 人工 知能 を 研究 する 組織 「 日本 認知 学会 」 が ある 。 集団 で 力 を 合わせる 日本 流 の やり 方 で とてつもない 新しい 技術 が 、 日本 から 発信 できる かも しれ ない 。 中島 さん ら 若い 学者 に は 「 象牙 の 塔 」 は 似合わ ない 。 韓国 政府 は 十二 日 、 来週 中 に “ 先進国クラブ ” と いわ れる 経済 協力 開発 機構 に 対して 加盟 申請 する こと を 明らかに した 。 郵政 省 の 江川 晃 正 放送 行政 局長 は 十一 日 、 ニューヨーク の ジャパン ・ ソサエティー で 講演 し 、 放送 の デジタル化 に ついて 「 ハイビジョン 放送 で デジタル化 を 採用 して い ない の は 日本 だけ 。 アナログ と いう 過去 の 遺産 を 背負って いる 人 が いる から で 、 遺産 を どう 整理 する か が ポイント 」 と 語った 。 郵政 省 の 「 爆弾 男 」 と 異名 を とる 江川 局長 は 、 昨年 ハイビジョン で デジタル化 を 主張 、 NHK など と 衝突 し 発言 を 事実 上 撤回 した 経緯 が ある 。 郵政 省 で は 現在 、 民間 有識 者 に よる 懇談 会 で デジタル化 問題 を 審議 して おり 、 三 月 末 に 答申 を 出す こと に なって いる 。 日 米 包括 経済 協議 の 自動車 ・ 同 部品 分野 交渉 が 月 末 に 再開 さ れる の を 受け 、 カンター 米 通商 代表 部 代表 と モンデール 駐 日 米 大使 が 十二 日 、 デトロイト で 米 三 大 自動車 メーカー と 全 米 自動車 労組 の 首脳 と 会い 、 今後 の 交渉 の 進め 方 に ついて 協議 する こと に なった 。 クリントン 大統領 の 日本 問題 を めぐる ソフト 路線 へ の 転換 に 対し 、 疑念 の 目 を 向けて いる 自動車 産業 に 気配り した もの 。 会談 の 議題 は 明らかに さ れて い ない が 、 その 結果 が 自動車 協議 に 反映 さ れる の は 確実だ 。 クリントン 大統領 は 政権 発足 時 に 業界 首脳 と 何度 か 懇談 を 重ね 、 対 日 強硬 姿勢 が 形成 さ れた 。 自動車 産業 は 「 これ まで に ない 大統領 」 と 高く 評価 し 、 みつ月 関係 を 築いて きた 。 一九九六 年 の 再選 を めざす クリントン 大統領 に とって 、 米 自動車 産業 、 特に 労組 の 支持 は 不可欠 。 是が非でも 友好 関係 を 維持 し なければ なら ない 。 村山 富市 首相 と の 首脳 会談 でも 、 通商 関係 の 前進 を 評価 し ながら も 、 自動車 ・ 同 部品 問題 を 取り上げ 、 強く 早期 解決 を 迫る こと を 忘れ なかった 。 自動車 協議 は 通産 省 と 商務省 が 担当 する が 、 商務省 は 通産 省 が 消極 的な ため 、 日本 車 メーカー と 直接 交渉 し 、 外国 製 部品 調達 の 「 自主 」 計画 の 上積み を 求める 構え だ 。 すでに 駐 日 大使 館 を 通じ 、 日本 メーカー に 協議 を 申し入れて いる 。 クリントン 政権 の 対 日 関係 改善 の 意向 は はっきり して いる が 、 大統領 選 を 考えれば 、 殊に 自動車 問題 で は 甘い 顔 が でき ない ようだ 。 ドイツ 連邦 統計 局 の 十二 日 の 発表 に よる と 、 昨年 の 同国 の 実質 GDP は 暫定 で 前年 比 二・八 % の 増加 と なり 、 一九九三 年 の 一・一 % 減 から プラス に 転じた 。 プラス 成長 は 九二 年 以来 二 年 ぶり 。 日本 自動車 工業 会 の 豊田 達郎 会長 と モンデール 駐 日 米 大使 の 会談 が 、 今月 下旬 の 日 米 包括 経済 協議 の 再開 前 に 実現 する こと に なった 。 自工会 は 「 新年 あいさつ の ため 十九 日 に 東京 の 米 大使 館 を 訪れる もの 」 と 説明 して いる が 、 米 政府 は 、 交渉 の 対象 外 と なった 米国 製 自動車 部品 の 購入 計画 に ついて 、 日本 の 自動車 メーカー に 対して 直接 上積み を 要求 する 姿勢 を 見せて おり 、 購入 計画 に ついて 意見 交換 が 行わ れる こと に なり そうだ 。 アレルギー 患者 が 最も 関心 を 寄せる の は 「 同じ 悩み を 持つ 、 ほか の 患者 が どういう 治療 を して いる か 」 だ 。 この 本 は 患者 の 相談 など を 行って いる 友 の 会 が 各地 の 患者 約 50 人 の 体験 談 を まとめた 。 アトピー性皮膚炎 を 紫外線 療法 、 漢方 、 絶食 、 こまめな スキン ケア など で 克服 した ナマ の 体験 が 語ら れて いて 、 説得 力 が ある 。 主な 病院 の リスト も 掲載 さ れて いる 。 専門 医師 の 講演 記録 を 集めた 「 専門 医 に 聞く アトピー ・ ぜんそく 最新 治療 法 」 も 同時 発行 した 。 贈る べき か 、 贈ら ざる べき か …… バレンタイン デー に 職場 で 配る 義理 チョコ を めぐって 、 女性 が 、 ハムレット の ように 悩む 季節 が やってくる 。 ボランティア に 関する 電話 相談 を 行って いる ダイヤル サービス の 「 ボランティア ・ アクティビティ ・ ホットライン 」 で は 、 義理 チョコ や 、 その お返し を 買う 資金 で 、 社会 貢献 に つながる 贈り物 を しよう 、 と 提案 して いる 。 同 ホットライン で は 、 福祉 作業 所 や 発展 途上 国 で 作ら れ 、 ボランティア 団体 が 扱って いる 商品 の うち 、 バレンタイン デー や ホワイト デー の 贈り物 に 合い そうな お 菓子 や 小物 の 紹介 、 入手 方法 など の 情報 を 提供 する 。 期間 は 3 月 14 日 まで 。 電話 番号 は 03・3423・0011 。 月曜日 から 金曜日 の 午前 10 時 から 午後 4 時 まで 受け付けて いる 。 「 結婚 なんて 」 と いって いる 人 たち に 、 私 は 自慢 し たい 。 私 は 二十二 歳 で 結婚 し 、 二十三 歳 、 二十四 歳 に 出産 した 。 いわゆる 早婚 だ 。 が 、 昨年 の 夏 に 病気 を 患い 、 島 に 幼い 子 を 残し 、 都心 で 入院 生活 を 続けて いる 。 子 を 持つ 親 なら 、 私 の 気持ち は 分かって もらえる と 思う が 、 本当に 毎日 毎日 、 胸 が はりさけ そうな くらい 、 せつなかった 。 そんな 時 、 支え に なって くれた の が 主人 だった 。 ただ で さえ 大変な 子ども の 世話 を 、 頑張って やって くれる 。 月 に 一 度 、 子ども を 連れて 、 島 から 見舞い に 来て くれる 。 何も 言わ ない けれど 、 その 態度 に は 優し さ が あふれて いる 。 私 は 病気 の せい か 、 《 いつか 見捨て られる ので は ―― 》 など と 考えたり して 、 だれ か に すがり たかった 。 結婚 して から これ まで 、 こんなに も 感じた こと が ない 主人 へ の 愛 が 、 心 の 支え だ 。 主人 に は 大きな 借り を 作って しまった が 、 感謝 の 気持ち で いっぱいだ 。 これ から 先 、 もし 倒れたり した と して も 、 一生懸命 尽くして あげ たい と 思う 。 結婚 なんて と 思って いる 人 たち も 、 人間 が 窮地 に 立た さ れれば 、 何 が 一 番 大事 か が よく わかる でしょう 。 一 人 で は 、 結局 、 生き られ ない のだ から 。 私 は 、 結婚 して 幸せだ 、 と 自慢 できる 。 「 喫煙 と 喫煙 女性 会議 」 は 二十八 日 に 「 職場 の 煙害 一一〇 番 」 を 受け付ける 。 「 職場 の たばこ の 煙 に 悩んで いる 」 「 禁煙 し たい が でき ない 」 など 、 喫煙 に 関する 相談 に 応じたり 情報 を 提供 する 。 集まった 声 は 記録 集 に まとめ 、 煙 に 悩ま さ れ ない 職場 づくり を 行政 など に 訴えて いく 。 電話 番号 は 03・3360・4531 で 、 午前 十 時 から 午後 四 時 まで 。 ( 1 ) 阿部 一弘 順位 点 1・0 石垣 潤 2・0 小川 貴夫 3・0 ( 1 ) 本田 真由美 1・0 山崎 愛里彩 2・0 武者 愛 3・0 プロ 野球 の 野茂 英雄 投手 が 近鉄 を 「 引退 」 、 大リーグ 入り を 表明 した 。 決断 に 至った 理由 は いろいろ ある のだろう が 、 「 より 大きな 世界 で 勝負 を して み たい 」 と いう 気持ち が 一 番 な のだろう 。 現在 、 日本 で は 野球 、 サッカー 、 バスケットボール など 多く の 競技 で 外国 人 選手 が プレー して いる 。 彼ら は 、 日本 で プレー し たい と いう より 、 純粋に 、 お 金 の ため と 割り切って いる のだ と 思う 。 これ に 比べて 日本 の 選手 の 場合 は どう か 。 サッカー の 三浦 知良 選手 の ように 収入 は 下がって も 自分 を 試し たい と いう 考え 方 は プロ と いう より アマチュア に 近い 。 経済 大国 ・ 日本 ならでは 、 の 考え 方 で は ない だろう か 。 野茂 投手 は ある インタビュー で 「 海外 で は 自己 主張 が できる から いい 」 と いう 内容 の こと を 話して いた 。 確かに その 通り だ と は 思う が 、 物事 に は 表 が あれば 裏 が ある もの 。 自己 主張 できる と いう こと は 、 その分 、 実力 重視 、 結果 のみ の シビアな 世界 である と も いえる のだ 。 日本 で は 結果 が すべて の スポーツ 界 と は 言い ながら 「 情 」 は 存在 する し 、 これ に よって 救わ れて いる 選手 たち も 多い ので は ない だろう か 。 三浦 、 野茂 両 選手 に 関して は まだ 結果 は 出して い ない に も かかわら ず 、 と いう より も 結果 は どう あろう と 挑戦 した こと 自体 を 大きく 評価 して いる 。 この 評価 を 彼ら が 海外 まで 引きずって い なければ いい と 思う 。 日本 の マスコミ の 扱い 方 に よって 、 いまだに スター 意識 を 持って 「 ダメだったら 日本 に 帰れば 何とか なる 」 と 思って いたら どう だろう 。 そんな 気持ち だ と 成功 する もの も し なく なる し 、 何より 行った 先 の 地元 に も 受け入れ られ なく なる 。 結果 が 出 ない うち から スター 扱い で は 、 チーム の 中 でも 浮いて しまう 。 裕福な 日本 選手 に とって は 夢 へ の 挑戦 でも 、 世界 の プロ たち に とって は 食う か 食わ れる か 、 生活 そのもの な のである 。 周囲 が 静かに 見守って やる こと も 優し さ だ と 思う 。 こんな 心配 が 生まれて しまう の は 、 日本 の プロ スポーツ が 世界 と 比較 して 「 実力 」 と 「 収入 」 の レベル が 一致 して い ない こと が 原因 だ と 思う 。 この ズレ が わずか なら 問題 ない が 、 あまりに も 懸け離れて いる 競技 も ある 。 日本 は 日本 で 独自の 道 を 行く のだ から 、 と 割り切る の なら それ で いい 。 だが 、 好む と 好ま ざる と に かかわら ず 世界 の 力 が 見えて しまう 競技 で は 、 実力 が 伴わ ない プレー に は ファン も しらけて しまう 。 一 度 上がって しまった 報酬 の レベル を 下げる の は 難しい から 、 ファン を 引き付ける ため に 選手 は 実力 を 上げて いく しか ない 。 実力 を 上げる に は 、 まず 海外 で 、 と いう 発想 に なる のだろう が 、 ちょっと 待って ほしい 。 戦後 50 年 を 過ぎた 今 でも 、 日本 人 は 欧 米 に 対する あこがれ と コンプレックス が 抜け ず に 、 何でもかんでも 向こう の 方 が 上 だ と 考えて いる ところ が ある 。 しかし 、 少なくとも スポーツ に ついて は 、 施設 、 練習 環境 、 社会 的 評価 など を 総合 的に みて 、 日本 ほど 恵まれて いる 国 は 少ない 。 こういった 環境 の こと も 、 選手 が 理解 して 努力 して こそ 生きて くる もの である 。 これ を 当然 と 受け止めて いたら 、 ただ ぬるま湯 に つかって いる の と 同じだ 。 今後 も 海外 へ 挑戦 する 選手 は 増える と 思う が 、 その 前 に まず 日本 で この 環境 に 見合う だけ の 結果 を 出した の か どう か を 考えて ほしい と 思う 。 3 月 に 英国 ・ バーミンガム で 行わ れる フィギュア スケート の 世界 選手 権 最終 選考 会 を 兼ねた 第 63 回 全 日本 選手 権 大会 が 13 日 から 3 日間 、 神戸 市 の ポートアイランド スポーツセンター で 行わ れる 。 代表 枠 は 女子 3 、 男子 2 。 女子 は 八木沼 純子 が 好調 。 昨年 11 月 の アジア 選手 権 で 2 位 、 12 月 の NHK 杯 で は フリーで トリプルルッツ を 成功 さ せ 3 位 と 、 上位 入賞 が 続き 波 に 乗って いる 。 リレハンメル 五輪 代表 の 井上 怜奈 、 前回 の 全 日本 選手 権 3 位 の 小岩井 久美子 が 後 に 続く 。 NHK 杯 9 位 の 横谷 花絵 の 滑り に も 期待 が かかる 。 男子 は 鍵山 が プロ 転向 、 前回 優勝 の 及川 忠弘 が 学業 に 専念 する ため に 欠場 と 、 有力 選手 が 抜け 優勝 争い は 混とんと して いる 。 ジャンプ に 自信 を 持つ 岡崎 真 は 西 日本 選手 権 優勝 。 全 日本 ジュニア 選手 権 を 制した 重松 直樹 は 世界 ジュニア で は 8 位 と 健闘 して いる 。 また 、 NHK 杯 で 8 位 の 鈴木 誠一 や 相吉 学 、 天野 真 の 明大 コンビ も 上位 を うかがう 。 昨年 十一 月 の リレハンメル 合宿 で 練習 中 に 転倒 して 鎖骨 を 骨折 し 、 今月 八 日 の 雪印 杯 全 日本 ジャンプ 大会 で 復帰 した 葛西 紀明 選手 が 十一 日 、 札幌 市 の 大倉山 競技 場 ラージヒル で 練習 中 に 再び 転倒 し 、 肩 など に 全治 3 ― 4 週間 の けが を 負った 。 入院 は 必要 ない が 、 骨 を 固定 して いる ボルト が 曲がった 。 今季 の 競技 復帰 は ほぼ 絶望 的 。 日本 ボクシング コミッション から 引退 を 義務づけ られて いる 前 世界 ボクシング 評議 会 バンタム級 暫定 王者 の 辰吉 丈一郎 が 、 世界ボクシング協会 の 最新 世界 ランキング で 一 位 に 、 WBC でも 二 位 に ランク さ れて いる こと が 十二 日 、 明らかに なった 。 世界 戦 に 敗れた 選手 が ランク 上位 に とどまる の は 異例 。 世界ボクシング協会 ジュニアバンタム級 十 位 の 田村 知範 が 二 月 二十五 日 に 韓国 の 釜山 で 同級 チャンピオン の 李 炯哲 に 挑戦 する 。 協栄 ジム が 十二 日 、 発表 した 。 田村 は 世界 初 挑戦 。 貴ノ浪 は 現役 日本 人 関取 ナンバーワン の 長身 だ 。 公称 は 197 センチ 。 しかし 実際 は 2 メートル ある 。 身体 測定 で は 背筋 を 丸く して はかり に 乗って いる 。 「 2 メートル も ある なんて 、 怪物 みたいで 嫌じゃ ない です か 」 。 体格 に 似合わ ず 、 控えめな ところ が 人間 味 の よ さ と なって いる が 、 相撲 内容 は 少しずつ だ が 攻撃 的に なって きた 。 「 前半 戦 の ヤマ場 」 と 自ら 語って いた 武双山 戦 。 猛然と 突っ張って くる 相手 に 突き返して 応戦 。 「 絶対 に 下がら ない ぞ 、 と 思った 」 。 前 へ の 圧力 が あった 分 、 続く 突き落とし が 効果 的に 決まった 。 相手 の 体 が 崩れた ところ を 、 素早く 左 を 差し 、 すくい投げ 。 後ろ向き に なった 武双山 は 、 窮余 の 「 一本背負い 」 を 見せた が 、 足 を うまく 運んで 慎重に 送り 倒した 。 初日 の 大善 戦 以外 は まわし を 取れ ず に いる が 、 それ でも 懐 の 深 さ で 負け ない 。 一 時 は 、 「 もっと 前 に 出 なければ 」 と いう 周囲 の 声 が 逆に プレッシャー に なって いた が 、 今 場所 は 「 引っ張り込んで も 攻める 気持ち が あれば 、 攻める 相撲 に 徐々に 変われる 」 と 発想 を 転換 、 リラックス して 相撲 を 取って いる 。 昨年 名古屋 場所 から 3 場所 連続 12 勝 。 3 大関 の 中 で は 最も 安定 した 成績 を 残し ながら 、 優勝 でき ないで いる の は 、 中日 前 まで に 取りこぼし が ある から だ 。 「 どんどん 印象 が 薄く なる から 、 頑張ら ない と ね 」 と 、 日増しに 気迫 が 出て きた 。 残る 課題 は 技術 面 。 同じ 右 で 引っ張り込む に して も 、 小手 で は なく 、 上手 を 取る 形 に 持っていく ことだ 。 それ が できれば 、 貴乃花 を しのぐ 横綱 に なる こと も 夢 で は ない 。 巨漢 と 小兵 の 勝負 と いう の も 大相撲 の だいご味 で は ある が 、 曙 と 舞の海 で は あまりに も その 差 が あり すぎ 、 桟敷 席 の 「 おしつぶさ れちゃ う 」 の 声 も むべ なる か な 。 本 場所 前 の 出羽 一門 の 連合 げいこ に 曙 が 足しげく 通う ように なり 、 舞の海 に も 「 打倒 横綱 」 研究 の 余地 は あった はずだ が 、 立ち合い に こう まで にらみすえ られて は 奇 策 を ろうし よう も なかった 。 それ でも 舞の海 は 仕切り線 で 曙 の 足元 から 顔面 へ と 視線 を 移し 、 敢然と 曙 の 懐 に 飛び込む と 、 横 から の 崩し を 意図 して 左 で 前みつ を 探り 、 曙 の 右 腰 に 取り付いた 。 しかし 、 曙 の 大きな 手 で 首根っこ を つかまれて 動き を 封じ られ 、 背中 を 押さえ付け られ 押しつぶさ れた 。 「 ムチウチ に なっちゃ う 」 と いう 桟敷 の 悲鳴 。 力士 は それほど やわじゃ ない 。 五 日 目 の 武蔵丸 戦 で 押し倒し で 敗れた 際 、 左足 首 を 負傷 した 。 国技 館 内 の 診療 所 で 診察 した 結果 は 、 左足 首 の ねん挫 で 、 骨 に は 異常 なし 。 六 日 目 以降 の 出場 は 、 13 日 の 朝 の 様子 を 見て 決める 。 J リーグ の 横浜 マリノス は 十二 日 、 静岡 ・ 清水 商 高 の FW 安永 聡太郎 = 178 センチ 、 68キロ 、 群馬 ・ 前橋 育英 高 の DF 松田 直樹 = 180 センチ 、 70キロ = ら 新人 9 選手 の 入団 を 発表 した 。 安永 は 抜群の 得点 感覚 を 持つ ストライカー で 、 松田 は 一 対 一 に 強 さ を 見せる ストッパー 。 ともに U ― 19 日本 代表 に 選ば れた 超 高校 級 選手 。 2 戦 全敗 で 予選 敗退 した 日本 代表 チーム は 十二 日 未明 、 リヤド を 出発 し 帰国 の 途 に 就いた 。 ロンドン 経由 で 日本 時間 十三 日 午前 、 成田 到着 の 予定 。 日本 代表 は いったん 解散 し 、 韓国 や 中国 など と 争う 二 月 の ダイナスティカップ の 前 に 再び 集合 する 。 サッカー の インタコンチネンタル 選手 権 は 十三 日 午後 八 時 から 、 当地 の キングファハド スタジアム で 、 アルゼンチン ― デンマーク の 決勝 を 行う 。 アルゼンチン が 勝てば 一九九二 年 の 第 一 回 大会 に 続く 連覇 と なる 。 優勝 チーム に は 150万 ドル が 贈ら れる 。 アルゼンチン は 、 昨年 の W杯 米国 大会 から 大幅に メンバー が 若返った 。 残った の は FW バティストゥータ 、 MF オルテガ ら 4 人 だけ 。 しかし 、 前線 から の 厳しい プレス 、 最終 DF ライン の 固 さ と 、 世界 トップ レベル の 力 は 変わら ない 。 攻撃 の 中心 に なる の は 二十 歳 の オルテガ 。 小柄で マラドーナ を 細く した ような 選手 。 ドリブル から 相手 を 崩し 、 FW へ ラストパス を 送る 。 左 サイドバック の チャモ の 攻撃 参加 も 鋭い 。 FW に は 得点 力 ある バティストゥータ 、 俊足 の ランベルト を そろえる 。 デンマーク は ベストメンバー と は 言いがたい 。 GK シュマイケル 、 MF ビルフォート が けが で 参加 せ ず 、 FW ストゥルダル も 第 一 戦 で 負傷 した 。 メキシコ 戦 で は 終了 間際 に 空中 戦 で 高 さ を 生かし 同点 と した が 、 内容 は メキシコ が 上回った 。 決勝 でも アルゼンチン が 優位に 試合 を 進め そうだ 。 二〇〇二 年 の ワールドカップ 大会 開催 を めざす 日本 サッカー 協会 が 、 インタコンチネンタル 選手 権 の 場 で 、 招致 活動 を 展開 して いる 。 今 大会 に は 、 長沼 健 ・ 日本 サッカー 協会 会長 、 岡野 俊一郎 ・ 同 副 会長 、 小倉 純二 専務 理事 ら 協会 幹部 を はじめ 、 事務 局員 を 含める と 9 人 も が 現地 入り した 。 「 サウジアラビア が 主催 して いる 大会 だ から 、 失礼に あたる 」 と パーティー など 目立った イベント こそ ない が 、 ホテル に ブース を 設け 、 会場 に は 英文 の パンフレット を 置き 、 フィールド に は 宣伝 看板 を 出した 。 今回 から 国際サッカー連盟 承認 の 大会 と なり 、 5 大陸 の 関係 者 が 集まって いる ため 、 「 ロビー 活動 」 に は 絶好 の 機会 。 初日 から 長沼 会長 が アベランジェ 会長 と 1 時間 半 に わたって 会談 し 、 FIFA の 要望 や 意見 を 聞いた 。 開催 地 決定 の 投票 権 を 持つ FIFA の 理事 たち に も 、 改めて あいさつ して 回って いる 。 昨年 末 に なって 急きょ 名乗り を 上げた メキシコ 協会 の 副 会長 、 専務 理事 と も 接触 。 まだ 開催 の 政府 保証 を 受けて い ない こと や 、 南米 諸国 と も 話し合って い ない こと を 確認 。 小倉 専務 理事 に よる と 、 メキシコ 関係 者 は 「 過去 2 回 の 開催 経験 が あり 、 施設 も ある ので 、 長い 準備 期間 は 必要 ない 」 と 話して いた と いう 。 一方 、 日本 の ライバル である 韓国 も 、 大会 に 出場 して い ない に も かかわら ず 、 鄭 夢準 ・ サッカー 協会 会長 ら が 当地 入り 。 舞台 裏 で 動き回って いる ようだ 。 J リーグ の 清水 エスパルス は 十二 日 、 新 監督 に 前 鹿島 アントラーズ 監督 の 宮本 征勝 氏 が 就任 する と 発表 した 。 契約 期間 は 1 年 。 第 六十七 回 選抜 高校 野球 大会 の 第 二 回 運営 委員 会 は 十二 日 、 大阪 市 北 区 梅田 の 毎日新聞 大阪 本社 で 開か れ 、 予算 案 、 推薦 校 など を 承認 。 開 、 閉会 式 の 入場 行進 曲 は 男性 6 人 の 人気 グループ 、 SMAP の ヒット 曲 「 がんばり ましょう 」 に 決めた 。 大会 本部 事務 局 に は 全国 47 都道府県 の 高校 野球 連盟 から 昨年 より 1 校 少ない 140 校 の 推薦 書類 が 届け られて おり 、 この 中 から 出場 32 校 と 補欠 校 を 選ぶ 選考 委員 会 を 二 月 一 日 午前 十 時 から 毎日新聞 大阪 本社 で 行う 。 候補 8 曲 の 中 から 入場 行進 曲 に 決まった 「 がんばり ましょう 」 は 小倉 めぐみ 作詞 、 庄野 賢一 作 ・ 編曲 。 永野 慶 作 ・ 前 大阪 市 音楽 団長 に 行進 曲 へ の 編曲 を 依頼 し 、 二 月 八 日 に 録音 さ れる 。 大会 は 三 月 二十五 日 から 10 日間 、 兵庫 県 西宮 市 の 阪神 甲子園 球場 で 開催 。 組み合わせ 抽選 会 は 二十三 日 に 西宮 市 鳴尾 浜 の 兵庫 県立 総合 体育 館 で 行わ れる 。 SMAP の メンバー は 感激 気味に 話した 。 分かり やすい メロディー に コミカルな 歌詞 で 中高 生 ら の 人気 を 集めた この 曲 は 、 昨年 九 月 十九 日 の チャート で 初 登場 一 位 に なり 、 シングル 売り上げ も 65万 枚 を 記録 。 SMAP は この 曲 で 昨年 末 の NHK 紅白 歌合 戦 に 出場 した 。 女子 テニス の タスマニア 国際 オープン は 十二 日 、 豪州 の ホバート で シングルス 準 々 決勝 を 行い 、 神尾 米 が タミ ・ ジョーンズ を 6 ― 2 、 1 ― 6 、 6 ― 3 で 破り 、 ベスト 4 に 進出 した 。 体重 193キロ の 琴別府 を 正面 から 受け止め 一 歩 も 引か ず 、 まわし を 取って 得意の 左 上手 投げ を 決めた 。 「 重い と は 感じ なかった 」 と いう 言葉 に 、 好調 さ が うかがわ れる 。 一昨年 初 場所 で は 小結 を 務めた 実力 者 だ が 、 同じ 年 の 九州 場所 で 右 ヒザ を 痛めて 持ち味 の 動き の 良 さ を 失い 、 一 時 は 幕ジリ 近く まで 落ちた 。 しかし ヒザ も 回復 し 「 勝てる 時 に 勝って おか ない と 。 そして 地力 の ある 安定 した お 相撲 さん と 呼ば れ たい ね 」 。 日本 野球 連盟 の 第 十九 回 指導 者 研修 会 が 十二 日 、 静岡 県 熱海 市 内 の ホテル に 全国 111 チーム の 監督 、 コーチ ら 約 180 人 を 集めて 行わ れた 。 アトランタ 五輪 アジア 予選 を 九 月 に 控えた 全 日本 の 川島 勝司 監督 が 、 昨年 の 国際 大会 の 戦い ぶり を 報告 。 全 日本 の 現 段階 の チーム 完成 度 を 「 投手 陣 30 % 、 野手 陣 70 % 」 と 位置付け 、 八 月 完成 まで の 強化 スケジュール を 示した 。 そして 「 最大 の ライバル と なる 韓国 の 強力な 投手 陣 を 打ち崩す ため 、 攻撃 力 を 優先 した 編成 に し たい 」 と 方針 を 述べた 。 自動車 の 95 グラナダ ― ダカール ・ ラリー は 11 日 、 第 10 ステージ を 行い 、 四 輪 部門 で は 連覇 を 目指す ピエール ・ ラルティーグ が 6 時間 39 分 58 秒 の トップ タイム で 総合 首位 を 守った 。 総合 3 位 に つけて いた 篠塚 建次郎 は タイム が 伸び ず 、 首位 から 3 時間 58 分 21 秒 差 の 4 位 に 後退 した 。 米 女子 プロ ゴルフ ツアー の 今季 開幕 戦 、 トーナメント ・ オブ ・ チャンピオンズ は 十二 日 から 4 日間 、 当地 の グランド サイプレス ・ リゾート コース で 行わ れる 。 大会 は 過去 2 年間 の ツアー 優勝 者 ら 40 人 が 参加 、 日本 の 小林 浩美 = 写真 = も 出場 する 。 八 日 に 三十二 歳 を 迎えた 小林 は 、 米 ツアー 参戦 6 年 目 。 一昨年 は 2 勝 を 挙げた が 、 昨年 は 二 位 止まり で 、 未 勝利 に 終わった 。 それだけに 、 今年 は 「 とにかく 勝つ こと 。 常に トップテン に 入り 、 優勝 争い を 続けて いき たい 」 と 闘志 を 燃やす 。 昨年 は 勝負どころ で パット の 不調に 泣いた 。 「 ショット は 問題 ない 。 今年 も パット 次第 だ と 思う 」 と 課題 克服 に 余念 が ない 。 日本 から 自宅 の ある アトランタ に 戻った の は 昨年 十二 月 二十四 日 。 以後 、 スイング チェック や 打ち込み で 開幕 戦 に 備えた 。 「 練習 期間 は 2 週間 しか なかった が 、 ずっと 日本 の 試合 に 出て いた ので ブランク は 感じ ない 」 と いう 。 今年 は 新たな 日本 の クラブ メーカー と 正式 契約 を 結び 、 「 自分 に あった クラブ が そろい 、 リフレッシュ して やれ そう 」 と も 。 気分 も 新たに した 小林 に 期待 でき そうだ 。 二十二 日 に NHK 総合 テレビ で 放送 の 「 ときめき 夢 サウンド 」 は 、 「 ボサノバ の 巨匠 へ の レクイエム 」 と して 、 昨年 十二 月 八 日 に 死去 した ブラジル の 作曲 家 、 アントニオ ・ カルロス ・ ジョビン を しのぶ 。 ジョビン は 「 イパネマ の 娘 」 や 「 黒い オルフェ 」 など の 名曲 を 作曲 、 ブラジル の ローカルな 音楽 であった ボサノバ を 世界 的な 音楽 に した 。 番組 は ボーカル の 大橋 純子 、 ギター の 渡辺 香津美 、 フルート の 赤木 りえ 、 コーラス の ロス ・ インディオス ら を ゲスト に 、 「 イパネマ の 娘 」 「 オルフェ 」 や 「 ウェイブ 」 など ジョビン の 代表 曲 を 紹介 する 。 宗教 団体 「 オウム 真理 教 」 は 十二 日 、 山梨 県 西八代 郡 上九一色 村 に 多数 の 信者 の 住民 票 を 転入 さ せる こと を 明らかに した 。 規模 は 八百七十 人 以上 と なる 見込み 。 同村 の 人口 の 半数 以上 で 教団 は 「 信者 の 住民 と して の 権利 を 守る ため 」 と して いる 。 谷川 浩司 王将 に 羽生 善治 名人 が 挑戦 し 、 滋賀 県 彦根 市 の 「 彦根 プリンスホテル 」 で 始まった 第 四十四 期 王将 戦 七 番 勝負 の 第 一 局 は 十二 日 午後 六 時 、 谷川 王将 が 四十四 手 目 を 封じて 一 日 目 を 終えた 。 持ち 時間 各 八 時間 の うち 、 消費 時間 は 羽生 名人 三 時間 五十九 分 、 谷川 王将 三 時間 三十八 分 。 二 日 目 は 午前 九 時 に 同所 で 再開 する 。 午後 に 入り 、 羽生 名人 は 7六 飛 と 最近 流行 の ヒネリ飛車 に 。 序盤 から 中盤 へ の 岐路 に さしかかり 、 双方 に 長考 が 目立つ ように なった 。 「 これ から が 難所 。 一 歩 間違う と 作戦 負け に なる 。 封じ手 は 5四 銀 、 4三 銀 あたり が 普通でしょう か 」 と 解説 の 淡路 仁茂 八 段 は 予想 した 。 日本 将棋 連盟 は 王将 戦 第 1 局 の 速報 会 を 13 日 午後 6 時 、 東京 ・ 千駄ケ谷 の 東京 将棋 会館 で 開く 。 一般 1000 円 、 女性 ・ 学生 800 円 。 高速 増殖 炉 の 核 燃料 リサイクル 技術 を 確立 する ため 、 動力 炉 ・ 核 燃料 開発 事業 団 が 計画 して いる 「 リサイクル 機器 試験 施設 」 の 着工 式 が 十二 日 、 茨城 県 東海 村 の 東海 事業 所 で 行わ れた 。 この 施設 は 、 核 兵器 に 利用 できる 高 純度 の プルトニウム を 回収 できる こと から 議論 を 呼んで おり 、 この 日 も 国際 的な 環境 団体 グリーンピース ・ ジャパン や 地元 の 反 核 団体 など が 、 同 事業 所 正門 前 で 抗議 行動 を した 。 発電 し ながら 消費 した 以上 の プルトニウム を 生成 できる 高速 増殖 炉 の 実用 化 に あたって は 、 使用 済み 核 燃料 を リサイクル する 再 処理 技術 が 欠かせ ない 。 しかし 、 扱い が 難しい プルトニウム の 含有 量 が 多い こと など から 、 従来 の 再 処理 技術 で は 対応 でき ず 、 新たな 技術 開発 が 必要 と なって いる 。 第 百十二 回 芥川 ・ 直木 賞 の 選考 委員 会 は 、 十二 日 夜 、 東京 ・ 築地 の 「 新喜楽 」 で 行わ れ 、 芥川 賞 、 直木 賞 と も 該当 作 なし と 決まった 。 一方 の 賞 が 選ば れ なかった こと は これ まで に も たびたび ある が 、 両 賞 と も 該当 作品 が なかった の は 一九三五 年 に 両 賞 が 始まって 以来 四 回 目 。 最近 で は 七一 年 上期 以来 の こと 。 十二 日 夜 、 東京 都 港 区 の 東京 プリンスホテル で 行わ れた 東映 の 新春 パーティー で 毎日新聞 に 連載 さ れた 宮尾 登美子 さん 原作 の 小説 「 藏 」 の 映画 化 が 初めて 公式 に お披露目 さ れた 。 舞台 に は 烈 役 の 宮沢 りえ さん = 写真 右 、 その 父親 役 の 松方 弘樹 さん = 同 左 、 降旗 康男 監督 が 立ち 「 頑張り ます 」 と あいさつ した 。 映画 は 二 月 クランクイン 、 十 月 公開 の 予定 。 午前 3 時 38 分 、 愛知 県 幡豆 郡 を 中心 に 地震 。 新聞 は 「 12 月 7 日 の 地震 の 余震 」 と 伝えて いる が 、 実は 「 三河 大 地震 」 。 民間 の 研究 者 、 飯島 定之 さん に よる と マグニチュード 7.1 の 直下 型 。 死者 2306 人 。 家屋 の 全 半壊 2万4000 。 東京 で は だれ も 「 大 地震 」 に 気 が 付か なかった 。 シンナー を 吸って 家庭 で 暴れた 長男 を 殺害 した と して 殺人 罪 に 問わ れた 東京 都 杉並 区 、 元 会社 役員 、 新井 哲太郎 被告 の 第 十 回 公判 が 十二 日 、 東京 地裁 で 開か れ 、 検察 側 は 懲役 五 年 を 求刑 した 。 新井 被告 は 最終 意見 陳述 で 、 聖書 の 一節 を 引いて 「 私 と して は できる だけ の こと を やった つもりだ 。 子供 に は パン や 魚 を あげた つもりだった が 、 息子 に とって は 石 であり 、 へび だった かも しれ ない 」 と 述べ 、 結審 した 。 判決 は 三 月 七 日 に 言い渡さ れる 。 ふ化 した オタマジャクシ を 、 成体 の 形 に なる まで 背負い 続ける カエル 「 ピパ 」 の 赤ちゃん が 、 三重 県 鳥羽 市 の 鳥羽 水族 館 で 誕生 した = 写真 。 ピパ の ふ化 は 国 内 で は 初めて 。 ピパ は 南米 の 淡水 に 生息 。 この 珍しい 繁殖 の 習性 から 「 子守ガエル 」 の 別名 が ある 。 親 の 体長 は 一三 ― 二〇 センチ 。 同 水族 館 で は オス 一 匹 、 メス 二 匹 を 一九九三 年 から 飼育 して いる 。 昨年 十一 月 、 飼育 員 が メス 一 匹 の 背 に 約 八十 個 の 卵 を 確認 。 オタマジャクシ を “ 卒業 ” した の は 三 匹 で 体長 約 二 センチ 。 「 カエル の 子 は カエル 」 で 、 親 と 同じ 体形 を して 新しい 門出 。 埼玉 県 の 愛犬 家 ら の 失跡 事件 で 、 関根 元 容疑 者 が 一昨年 殺害 した と さ れる 四 人 に ついて 、 関係 者 に 生存 して いる ように 思わ せる ため ウソ を ついて いた “ 偽装 工作 ” の 全容 が 十二 日 まで に 、 埼玉 ・ 群馬 両 県警 捜査 本部 の 調べ で ほぼ 明らかに なった 。 また 同 容疑 者 は 、 四 人 殺害 の ため 硝酸 ストリキニーネ の ほか に 、 別の アンプル 入り 毒物 も 埼玉 県 熊谷 市 内 の 獣医 師 に 要求 して いた こと が 、 この 獣医 師 の 証言 で 分かった 。 調べ で は 、 関根 容疑 者 は 同県 行田 市 内 の 主婦 が 失跡 して 四 カ月 後 の 一昨年 暮れ 、 ペット 店 従業 員 だった 主婦 の 二男 に 「 無事 を 知らせる 電話 が あった 、 と オレ の 弁護 士 に 証言 して くれ 」 と 依頼 。 弁護 士 は 二男 の 言葉 に 従い 上申 書 を 作り 、 県警 に 提出 して いた 。 実際 に 電話 は なく 、 二男 は 「 関根 容疑 者 が 暴力 団 と 付き合って いる の を 知っていた し 、 自分 を 含め 家族 に 迷惑 が かかる の が いやで 従った 」 と 話して いる 。 また 、 同 市 の 会社 役員 、 川崎 明男 さん に ついて は 失跡 五 カ月 後 の 同年 九 月 、 川崎 さん と 親しい 同 市 内 の 住職 に 「 明男 です 」 と 男 の 声 で 電話 が あり 、 住職 が 「 どこ に いる の 」 と 聞いた ところ 、 電話 は 切れた と いう 。 同 本部 は いずれ も 関根 容疑 者 自身 に よる 偽装 工作 と みて いる 。 同年 七 月 に 行方 不明 と なった 同県 大里 郡 江南 町 の 暴力 団 幹部 と その 運転手 に ついて も 、 幹部 が 七 月 以降 、 韓国 に いる など 「 うわさ 」 が 関係 者 に 流れた が 、 埼玉 県警 は 、 複数 の 「 うわさ 」 の 出所 が 関根 容疑 者 だった こと を 確認 して いる 。 愛犬 家 事件 の 関根 元 容疑 者 が 、 関東 信越 国税 局 の 税務 調査 を 受け 、 一九九二 年 まで の 三 年間 に 計 約 六千万 円 の 所得 隠し を 指摘 さ れ 修正 申告 して いた こと が 、 十二 日 まで に 分かった 。 追徴 税額 は 重 加算 税 や 延滞 税 を 含め 約 四千万 円 と み られる 。 関係 者 に よる と 、 関根 容疑 者 は 犬 を 販売 して 得た 実際 の 売り上げ から 総額 約 六千万 円 を 申告 せ ず 銀行 口座 など に 隠して いた と さ れる 。 熊谷 市 内 の 獣医 師 は 十二 日 、 弁護 士 を 通じて 毎日新聞 の 取材 に 応じ 、 関根 容疑 者 に 硝酸 ストリキニーネ を 渡した 経緯 など を 詳しく 説明 した 。 それ に よる と 、 硝酸 ストリキニーネ を 関根 容疑 者 に 渡した の は 九二 年 九 月 と 十一 月 の 二 回 。 いずれ も 関根 容疑 者 から 「 犬 処分 用 の 薬 が 欲しい 」 と 電話 連絡 が あった 後 、 ペット 店 従業 員 が 取り に 来た 。 獣医 師 の 診療 所 から 退院 した ばかりの 犬 など 「 四 匹 を 処分 し たい 」 と 言わ れ 、 一 匹 分 ずつ 硝酸 ストリキニーネ を 薬包紙 に 包んで 渡し 、 二 度 目 も 同様に 繁殖 障害 の 犬 など 三 匹 分 を 渡した 。 効果 を 確実に する ため 致死 量 より 多 めに 処方 した と いい 、 量 は 合計 して 数 グラム だった 。 これ は 成人 数十 人 分 の 致死 量 に 当たる 。 その後 、 犬 を 処分 した か 、 薬 を 残して ない か 電話 で 確認 した ところ 関根 容疑 者 に 「 残して い ない 」 と 言わ れた と いう 。 さらに 、 九三 年 四 月 から 六 月 に かけ 、 ペット 店 従業 員 が 突然 、 診療 所 を 訪れ 、 「 犬 を 安楽 死 さ せる アンプル 入り の 薬 が 欲しい 」 と 要求 。 従業 員 は 外 で 待って いた 関根 容疑 者 に 聞き に 戻った 後 、 指 で 五 、 六 センチ の 大き さ を 示した が 、 獣医 師 は 「 薬 の 名前 や どの 犬 を 処分 する の か 分から なければ 渡せ ない 」 と 拒否 した と いう 。 高知 県立 坂本 竜馬 記念 館 で 一昨年 五 月 、 「 ふるさと 創 生 事業 」 に よって 制作 さ れた 純金 カツオ 像 が 盗ま れた 事件 で 、 奈良 県警 捜査 一 課 は 十二 日 午後 、 別の 窃盗 事件 で 起訴 さ れ 、 拘置 中 の 和歌山 県 有田 市 初島町浜 、 無職 、 上田 尚喜 被告 と 愛知 県 小牧 市 間々原 新田 、 無職 、 坂口 睦夫 被告 を 、 カツオ 像 を 盗んだ 窃盗 容疑 で 再 逮捕 した 。 埼玉 県 志木 市 の ほぼ 全 住民 に 当たる 約 六万三千 人 の 住民 基本 台帳 データ が 、 都 内 の 名簿 業者 に 出回って いた こと が 十二 日 、 分かった 。 同 市 に よる と 、 流出 情報 が 寄せ られた の は 昨年 十二 月 中旬 。 市 が コピー の 一部 を 調べた ところ 、 データ は 同 市 情報 管理 課 で コンピューター 入力 。 市民 課 で 保管 して いる 印刷 物 と 同一である こと が コピー に ある 氏名 など から 確認 さ れた 。 台帳 に は 住所 、 氏名 、 生年 月日 、 性別 が 記載 さ れ 、 年 五 回 更新 さ れて いる 。 流出 データ は 昨年 六 月 末 に 作成 さ れた もの で 、 同 九 月 まで 閲覧 に 使用 さ れて いた 。 情報 管理 課 は 「 コンピューター で データ 出力 した 場合 は 記録 が 残る はずだ が それ は ない 」 と いい 、 原本 を 管理 する 市民 課 の ロッカー から も 原本 は なくなって い ない と いう 。 市 は 「 何者 か が 原本 を ロッカー から 持ち出し 、 コピー 後 に 戻した こと も 考え られる 」 と して 台帳 の 管理 を 徹底 する ため 、 更新 さ れた 後 の 旧 台帳 は 即日 処分 する こと に した 。 昨年 十 月 、 叙勲 廃止 論 に 言及 した 井出 正一 厚 相 あて に 、 右翼 団体 代表 が 引責 辞任 など を 求める 公開 質問 状 を 送って いた こと が 十二 日 まで に 明らかに なった 。 質問 状 は 昨年 十一 月 上旬 、 衆院 第 一 議員 会館 内 の 会議 室 で 、 右翼 団体 代表 が 市川 源太郎 厚 相 秘書 官 に 直接 手渡し 、 厚 相 側 も 警視 庁 に 警備 を 依頼 して いた 。 井出 厚 相 の 発言 は 「 国 が その 人 の 一生 を 番号 付け する の は いかがな もの か 」 など の 内容 。 公開 質問 状 を 送った 右翼 団体 代表 から の 電話 が 数 回 に 及び 、 同 省 関係 の 陳情 を 含めて 面会 を 求めて きた ため 、 十一 月 上旬 、 厚 相 秘書 官 と 二 人 の 厚生 省 担当 者 が 同席 し 、 衆院 衛視 の 立ち会い で 応対 した と いう 。 質問 状 に は 「 その 軽率 さ を 恥じて 引責 辞任 す べきである 」 「 自己 の 信念 に 基づく 発言 ならば 、 生存 中 叙勲 を 辞退 し 遺言 状 に も 明記 す べきである 」 など と 書か れて いる 。 市川 秘書 官 は 「 発言 は 天皇 制 を 尊重 した うえ で 、 戦後 五十 年 を 機 に 等級 付け の 現在 の 叙勲 制度 見直し を 意味 する もの で 、 発言 を 撤回 する 考え は ない と 答えた 」 と 話して いる 。 右翼 代表 は 「 反 天皇 的な 気持ち で 発言 した か どう か を 確かめ たかった 」 と 述べて いる 。 東京 都 品川 区 社会 福祉 協議 会 は 十二 日 、 高齢 者 ら に 代わって 自治 体 など が 預貯金 の 出し入れ や 家賃 の 支払い を 代行 する 「 財産 保全 ・ 管理 サービス 」 で 、 痴ほう 症 など で 判断 力 が なくなった あと も サービス を 継続 する 全国 で 初めて の 特約 制度 の 導入 を 決めた 。 同種 の 代行 サービス は 都 内 の 十二 の 区 や 市 で 実施 さ れて いる が 、 本人 の 意思 が 確認 でき なく なった 時点 で 打ち切ら れて いる 。 実施 要綱 に よる と 、 対象 は 六十五 歳 以上 の 高齢 者 と 、 体 の 不自由な 人 や 知的 障害 者 、 精神 障害 者 。 会員 制 で 年会 費 三千 円 。 ほか に 管理 サービス 料 が 月 千 円 、 保全 サービス 料 が 年 千 円 と なる 予定 。 具体 的な サービス 内容 の プラン を あらかじめ 組み 、 契約 を 結んで サービス 開始 と なる 。 「 品川 方式 」 の 特徴 は 、 将来 に 意思 能力 が 失わ れた 場合 も 、 契約 時 に 存続 を 希望 して いれば 、 事前 プラン に 従って 続け られる こと 。 また 、 知的 障害 者 の 場合 に 親 が 契約 者 と なって 契約 、 希望 すれば 親 の 死亡 後 も サービス が 受け られる 。 大手 石油 会社 「 出光興産 」 が 東京 国税 局 の 税務 調査 を 受け 、 中東 から の 原油 の 輸入 価格 など を めぐり 一九九三 年 三 月 期 まで の 三 年間 に 約 三十二億 円 の 申告 漏れ を 指摘 さ れて いた こと が 十二 日 、 分かった 。 同 国税 局 は 同社 に 対し 重 加算 税 など を 含め 約 十七億 円 を 追徴 する 更正 処分 を 行った 。 関係 者 に よる と 、 出光興産 は 九〇 年 に 起きた 湾岸 戦争 など の 影響 で 原油 価格 が 高騰 した 際 、 それ 以前 に 輸入 した 分 も 高騰 後 に 輸入 した ように 仕入れ 価格 を 水増し する など して 計上 、 差額 を 海外 の 子会社 に 移す など して いた と いう 。 松尾 道彦 ・ 運輸 事務 次官 は 十二 日 の 記者 会見 で 、 成田 空港 建設 を めぐり 国 側 と 接触 を 拒んで いる 三里塚 ・ 芝山 連合 空港 反対 同盟 小川 派 の 小川 喜平 さん が 村山 富市 首相 と 亀井 静香 運輸 相 に 謝罪 を 求める 手紙 を 出した こと に ついて 「 相手 の 気持ち は 非常に よく わかる 。 政府 と して 誠意 ある 回答 を し なければ なら ない と 思う 」 と 述べ 、 来週 中 に も 小川 さん に 謝罪 の 手紙 を 出す 方針 を 明らかに した 。 さらに 松尾 次官 は 「 運輸 大臣 が 最終 責任 を 持つ 。 小川 さん は 『 空港 の 位置 決定 は 閣議 で 決めた のだ から 、 回答 も 閣議 に 諮った うえ で 』 と 書いて いる が 、 私 ども も その 意思 を 尊重 し たい 。 できる だけ 早く と 考えて いる 」 と 語った 。 小川 派 の 他 の 三 戸 など へ の 対応 に ついて は 「 検討 して み たい と 思って いる 」 と 答えた 。 小川 さん は 「 謝罪 の 内容 を 見 ない 限り 何も 言え ない 」 と 話して いる 。 コロンビア 北部 カルタヘナ 近郊 で 十一 日 午後 七 時 半 ごろ 、 インテルコンチネンタル 航空 の 国 内 線 DC 9 が 墜落 。 乗客 の 九 歳 の 少女 一 人 が 救助 さ れた だけ で 、 十二 日 朝 まで に 四十一 人 が 遺体 で 確認 さ れた 。 残り の 乗員 、 乗客 の 生存 は 絶望 視 さ れて いる 。 救助 さ れた の は エリカ ・ デルカド さん 。 事故 機 の 残がい の 近く の 沼地 で 、 気 を 失って 倒れて いる の を 発見 さ れた 。 機 外 に 投げ出さ れた が 、 沼地 が ショック を 吸収 した らしい 。 関西 の 二十一 世紀 戦略 を 練る 産 官学 の シンクタンク の 設立 を 検討 して きた 「 二十一 世紀 の 関西 を 考える 会 」 は 十二 日 まで に 、 シンクタンク へ の 衣替え 後 の 初代 代表 委員 に 佐治 敬三 ・ サントリー 会長 を 充てる こと を 内定 した 。 代表 委員 の もと に 置く 六 人 の 委員 に は 、 財界 から 小林 庄一郎 ・ 関西電力 会長 、 新宮 康男 ・ 住友 金属 工業 会長 、 川勝 堅二 ・ 三和 銀行 相談 役 が 、 学界 から は 京都 大 、 大阪 大 、 神戸 大 の 三 学長 が 就任 する こと が 固まった 。 来月 開か れる 関西 財界 セミナー で 正式 決定 する 。 中川 和雄 ・ 大阪 府 知事 の 後援 会 に よる 裏 献金 事件 で 保留 して いる 今春 の 知事 選 の 推薦 問題 に ついて 、 福間 知之 ・ 社会党 大阪 府 本部 委員 長 は 十二 日 、 「 態度 変更 は 考えて い ない 」 と 言明 した 。 事件 発覚 後 、 政党 が 公式 に 推薦 を 表明 した の は 初 。 左藤 恵 ・ 新進党 大阪 府 連合 準備 会 代表 と の トップ 会談 後 の 記者 会見 で 述べた 。 両氏 は 中川 知事 に ついて 厳しい 意見 が ある こと は 確認 し ながら 、 四 年間 の 実績 を 評価 する 点 で は 認識 が 一致 。 左藤 代表 は 現 時点 で 新 候補 擁立 を 検討 して い ない こと も 明らかに した 。 会談 は 同日 午後 、 社会党 府 本部 で 約 二十五 分間 行わ れた 。 両氏 は 、 中川 知事 が 再選 の 強い 意欲 を 持って いる と いう 共通の 理解 を 確認 。 また 、 中川 知事 の 支持 母体 「 21 世紀 に はばたく 平和で 自由な 大阪 を つくる 府 民 連合 」 の 動向 を 見守る 考え でも 一致 した と いう 。 府 民 連合 は 事件 発覚 前 、 団体 加盟 して いる 連合 大阪 を 軸 に 自民 、 社会 、 公明 、 民社 など が 共闘 を 確認 して 発足 した が 、 事件 発覚 後 は 休眠 状態 。 今後 、 改めて 府 民 連合 が 知事 与党 各 党 に 話し合い の 場 を 持つ こと を 提案 する と み られ 、 一部 に 「 新 候補 を 立てる べきだ 」 と の 意見 が ある 自民 、 公明 の 対応 が 注目 さ れる 。 左藤 代表 は 十一 日 に 自民党 府 連 の 中山 太郎 会長 と 会談 。 新進党 側 で は 今月 十八 日 の 府 連合 準備 会 で 会談 内容 が 報告 さ れ 、 協議 が 始まる が 、 左藤 代表 は 「 今後 も 各 党 と の 情報 交換 を して いき たい 」 と して いる 。 一方 、 裏 献金 事件 を 追及 して いる 小山 広明 ・ 泉南 市議 が 十二 日 まで に 、 独自の 知事 候補 擁立 に 向け 、 府 内 自治 体 の 無党派 議員 ら と 協議 を 始めた 。 議員 ら が 事務 局 を つくり 、 市民 の カンパ で 供託 金 や 運動 費用 を ねん出 。 市民 の 立場 に 立つ こと を 条件 に “ 草 の 根 ” 候補 の 選定 を 進める 方針 で 、 府 民 から どれ だけ 支持 が 集まる か 注目 さ れる 。 小山 市議 は 、 市民 グループ 「 市民 選挙 監視 委員 会 」 の メンバー 。 同 会 は 昨年 十二 月 、 事件 に 絡み 知事 本人 と 後援 会 代表 者 の 佐治 敬三 ・ サントリー 会長 を 政治 資金 規正 法 違反 に あたる と して 府警 に 告発 する など 運動 を 続けて きた 。 同 市議 の 呼びかけ で 、 既に 他の 無党派 議員 六 人 と 選挙 運動 の 進め 方 など に ついて 話し合って おり 、 一 人 一万 円 ずつ 五百万 円 を 目標 に カンパ を 集め 、 三百万 円 を 供託 金 に 、 残り の 二百万 円 を 選挙 運動 費用 に 充てる 。 大阪 府 堺 市 家原寺 町 に ある 奈良 時代 の 高僧 、 行基 の 生家 、 家原寺 は 、 全国 から 訪れる 受験 生 で にぎわって いる 。 かつて は 本堂 や 柱 に チョーク で 志望 校 を 書く 「 落書き 寺 」 。 壁 の 傷み が ひどく なり 、 十五 年 前 から 朱印 を 押した ハンカチ に 合格 祈願 を 書いて 押し ピン で 板壁 に 張りつける ように なった 「 ○○ 大学 合格 祈願 」 「 国家 試験 合格 」 など と 、 四十 センチ 四方 の 布 に 切実な 願い が 込め られて いる 。 寺 は 、 センター 試験 最 終日 で も ある 十五 日 午後 四 時 から の 大 とんど で 、 昨年 納め られた ハンカチ を 焼く 。 大阪 大 レーザー 核 融合 研究センター と 電子 ・ 光学 メーカー 「 浜松 ホトニクス 」 は 、 世界 最高 レベル の 出力 と エネルギー 変換 効率 を 持つ 半導体レーザー の 開発 に 成功 した 、 と 十二 日 発表 した 。 これ に より 、 国産 技術 で 原型 の 核 融合 炉 製作 の 前提 条件 の 一 つ と さ れる 広域 の 高温 、 高 密度 状態 を つくり やすく なる が 、 当面 は 、 自動車 加工 、 通信 など へ の 応用 が 期待 さ れる と いう 。 半導体レーザー は 、 半導体 の 中 に 多量の 電流 を 流して 、 光 に 変えて 放射 する 装置 。 今回 、 アルミニウム 、 ガリウム 、 ヒ素 など の 均質な 材料 を 用いて 発光 部分 を 製作 。 この ため 、 照射 する 光 の エネルギー 密度 を 、 米国 、 ドイツ 、 フランス で 作ら れて いる レーザー 並み に 高める こと が できた 。 また 、 発光 を 妨げる 熱 を 除去 する 構造 を 開発 し 、 電流 から 光 へ の エネルギー 変換 効率 は 、 既存 の 三五 % から 五〇 % に 向上 した と して いる 。 同 センター 長 の 中井 貞雄 教授 ら は 「 波長 を 変えれば 、 鉄 を 切る こと も でき 、 幅広い 応用 が 可能 。 米国 で は 軍事 分野 で 注目 さ れて いる が 、 こちら は 非 軍事 」 と 話して いる 。 ミサワホーム 系 の 調査会 社 、 MRD 全国 不動産 情報 センター は 十二 日 、 大 都市 圏 の 地価 調査 結果 を 発表 した 。 それ に よる と 近畿 圏 の 一九九四 年 十二 月 一 日 時点 の 宅地 地価 は 一 年 前 より 二・六 % の 値下がり で 、 九〇 年 以来 五 年 連続 の 下落 と なった 。 ただ 、 下落 率 は 九三 年 末 時点 の 五・九 % より 縮まって いる 。 また 、 地価 水準 の 高い 地域 で は 下落 幅 が 大きく 、 周辺 地域 は 横ばい 傾向 が 増えて おり 、 中心 部 と 周辺 部 の 価格 差 は 縮小 して きて いる 。 この 調査 は 昨年 十二 月 一 日 現在 で 、 近畿 、 首都 、 中京 、 福岡 ・ 北九州 の 大 都市 各 圏 の 優良 住宅 地 千三百三十九 地点 の 不動産 業者 の 表示 価格 を 調べた もの 。 近畿 圏 で は 二 府 三 県 の 三百四十六 地点 が 対象 。 地価 が 前年 を 上回った 地域 は なかった 。 府県 別 の 下落 幅 は 、 奈良 県 が 六・一 % と 最も 高く 、 兵庫 県 三・七 % 、 滋賀 県 二・四 % 、 大阪 府 一・三 % 、 京都 府 一・一 % の 順 。 大阪 市 、 神戸 市 、 兵庫 県 西宮 市 の 一部 など 三・三 平方メートル 当たり の 地価 が 百五十万 円 以上 の 高 価格 帯 の 地域 や 奈良 市 、 奈良 県 生駒 市 と 割高 感 が ある 地域 で は 五 ― 一〇 % 程度 下落 して いる 。 これ に 対し 、 兵庫 県 川西 市 、 北摂 地域 、 神戸 市 北部 の ニュータウン で は 横ばい 傾向 に なった 。 同時に 近畿 圏 の 不動産 業者 百七十六 社 に 行った アンケート で は 、 今後 一 年間 の 地価 の 見通し は 「 下がる 」 が 前年 の 一七 % から 二九 % に 急増 。 「 上がる 」 は 七 % 、 「 横ばい 」 は 六四 % だった 。 日本 エアシステム は 十二 日 、 米国 の ノースウエスト 航空 と 、 関西 国際 空港 発着 便 の 接続 を 中心 に 業務 提携 交渉 を 進めて いる こと を 明らかに した 。 JAS は 一九九五 年度 に 国際 線 の 成田 ― シンガポール 線 を 一 時 休止 し 、 関西 空港 発着 便 を 一 日 十一 路線 十六 便 から 十五 路線 二十三 便 に 増やす など 、 関西 空港 を 中心 と する 国 内 線 強化 策 を 打ち出して いる 。 中国 ・ 上海 で の ビジネス チャンス を 探る 「 上海 浦東新 区 開発 シンポジウム 」 が 二 月 十五 日 、 大阪 市 中央 区 の マイドーム おおさか で 開か れる 。 上海 浦東 地区 で は 、 インフラ 整備 など 国家 開発 プロジェクト が 進んで おり 、 日本 企業 の 進出 の 現状 や 課題 など を 明らかに する 。 小島 朋之 ・ 慶応大 教授 の 基調 講演 の 後 、 姚 錫棠 ・ 浦東 総合 研究 院長 、 王 新奎 ・ 上海 対外 貿易 学院 副 院長 が 上海 の 市場 や 浦東 地区 開発 の 見通し など に ついて 講演 、 続いて パネルディスカッション を 行う 。 定員 百 人 で 参加 費 は 一 人 一万五千 円 。 問い合わせ は 三菱 総合 研究 所 ・ 社会 公共 政策 研究センター 。 大阪 工業 会 は 12 日 、 ナビゲーション 技術 を テーマ に した 国際 ハイテク ・ フォーラム 大阪 95 を 3 月 6 、 7 の 両日 、 大阪 市 内 の ホテル で 開く 、 と 発表 した 。 カーナビゲーション の 普及 や 盲導犬 代わり の 介助 ロボット など 福祉 機器 へ の 応用 研究 が 始まって いる こと を 背景 に 、 海外 の 研究 者 を 交えて 最新 技術 を 紹介 する 。 主催 は 大商 、 関経連 など で 構成 する 開催 委員 会 で 、 参加 費 は 2万5000 円 。 住友 銀行 は 、 今年 11 月 に 迎える 創業 百 周年 を 記念 し 、 クマ を モデル に した オリジナルキャラクター を 採用 する 。 オリジナルキャラクター を 導入 する の は 都 銀 で 初めて と いう 。 2 月 から 新聞 、 テレビ など に 登場 さ せ 、 「 親しみ やすく 身近な 銀行 」 を アピール する 。 キャラクター の 愛称 は 「 くま の バンクー 」 。 CM プランナー ・ 佐藤 雅彦 氏 が 企画 した 。 不動産 経済 研究 所 は 十二 日 、 昨年 の 近畿 圏 マンション 市場 動向 を 発表 した 。 年間 発売 戸数 は 前年 比 八七・五 % 増 の 三万八千九百五十七 戸 と 、 一九八八 年 の 二万八千三百九十九 戸 を 上回り 、 七三 年 の 調査 開始 以来 過去 最高 と なった 。 売れ行き を 示す 契約 率 も 八三・〇 % と ブーム の 指標 と さ れる 八〇 % を 超えた 。 しかし 上期 八六・八 % に 対し 、 下期 七九・八 % 。 とくに 十二 月 は 七五・一 % と 低下 傾向 に ある 。 供給 過多 の うえ 、 優良な 一 次 取得 者 の マンション 購入 が 一 段落 した ため 。 同 研究 所 で は 今年 の 発売 戸数 は 昨年 より 増える もの の 、 契約 率 は 低下 する と みて おり 、 販売 動向 は 不透明だ 。 年間 の 一 戸 当たり の 平均 価格 は 前年 比 五・六 % 減 の 三千六百六十二万 円 。 一 平方メートル 当たり も 同 一・一 % 減 の 五十二万五千 円 。 年間 の 地域 別 の 発売 戸数 は 、 京都 市部 一九二・二 % 増 、 大阪 市 を 除く 大阪 府 一四七・七 % 増 、 大阪 市部 一四〇・五 % 増 など 。 価格 下落 に 伴い 、 本来 マンション が 立地 する 都心 部 で 発売 が 増える 「 Jターン 現象 」 が 起きて いる 。 なお 、 同時に 発表 さ れた 首都 圏 の 年間 発売 戸数 は 前年 比 八〇・五 % 増 の 七万九千八百九十七 戸 で 、 過去 最多 だった 七八 年 の 五万四千七百 戸 を 上回った 。 大阪 証券 取引 所 は 十二 日 、 平和 建設 の 市場 新 二 部 へ の 株式 上場 承認 を 大蔵 大臣 に 申請 した 。 上場 予定 日 は 二 月 十四 日 。 同社 は 上場 に 際し 、 五十万 株 の 新 株式 を 発行 、 うち 四十五万 株 を 一般 競争 入札 で 募集 する 。 入札 日 は 一 月 三十一 日 。 空気 の 汚れ を 感知 して 自動 的に 作動 する 室 内 用 空気 清浄 器 「 MS ― R 750 」 を 松下 電器 産業 が 来月 20 日 に 発売 。 新 素材 フィルター の 採用 で 、 同社 の 従来 製品 に 比べ 、 集じん 性能 が 約 2 割 向上 、 脱臭 スピード は 約 3 倍 に なった 。 5万 円 。 ◆ 12 月 28 日 朝刊 「 年 末 ジャンボ 宝くじ ・ 駆け込み 換金 人生 模様 」 の 記事 が 、 外国 通信 社 AFP を 通じ 海外 へ も 打電 さ れ ました 。 1億2千万 円 を 当て ながら 、 「 離婚 した 妻 に 慰謝料 と して 取ら れる 」 など と 換金 を ためらう 面白い 話題 。 ただし 、 海外 で は 「 金満 ニッポン 」 を 一層 印象付けた ので は 、 と 心配です 。 ◆ 高知 の 純金 カツオ 像 盗難 は 、 奈良 で 1 年 8 カ月 ぶり に 2 容疑 者 が 逮捕 さ れ ました 。 思い出す の は 、 先代 の 純金 製 サッカー W杯 「 ジュール ・ リメ 杯 」 が 、 永久 授与 さ れた ブラジル で 盗ま れた 事件 。 昨年 、 11 年 ぶり に 首謀 者 が 逮捕 さ れた のに 、 現物 は 行方 不明 。 カツオ ともども 、 地金 に 変身 して い ませ ん ように 。 大阪 名物 「 駐車 違反 」 の 汚名 返上 を 目指す 大阪 府警 南 署 は 十二 日 、 違法 駐車 を 繰り返した 大阪 市 中央 区 の 住宅 機器 製造 販売 会社 の 営業 用 車 一 台 を 、 道交法 に 基づき 二十 日間 の 運転 禁止 処分 に した 。 迷惑 駐車 の “ 最 前線 ” に ある 同 署 で 初 。 十一 月 に 大阪 で 開催 さ れる APEC を 控え 、 関西 国際 空港 の 表玄関 で の クリーン 化 の ため の 強硬 措置 だ 。 同 署 に よる と 、 昨年 は 約 三 平方キロメートル の 管 内 に 常時 約 三千三百 台 の 違法 駐車 を 確認 。 苦情 は 毎月 平均 六百 件 に のぼり 、 前年 より 約 二千 件 増 の 一万八千三百二十 件 を 摘発 した 。 道交法 で は 、 二 回 以上 駐車 違反 した 車両 は 、 都道府県 の 公安 委員 会 から 所有 者 へ の 改善 命令 が 出た 後 、 一 年 以内 に 三 回 、 駐車 違反 すれば 運転 禁止 処分 に できる と 規定 。 今回 処分 を 受けた 営業 用 車両 は 、 昨年 三 月 に 改善 命令 を 受けた 後 、 三 回 駐車 違反 。 所有 する 会社 は 昨年 、 他 に も 三 台 が 改善 命令 を 受ける など 駐車 違反 が 常態 化 して いた 。 同 署 管 内 で は 一九九一 年 の 道交法 改正 以降 、 昨年 末 まで に 約 百八十 人 が 不法 駐車 の 改善 命令 を 受けて おり 、 同 署 は 悪質 ドライバー や 事業 所 に は 車両 の 運転 禁止 処分 を 含む 厳しい 姿勢 で 臨む 。 大阪 市 は 12 日 、 花博 記念 公園 鶴見 緑地 整備 の 一環 と して 、 ホテル など 都市 型 リゾート 施設 を 民間 企業 に 建設 、 運営 さ せる 計画 を 発表 した 。 コンペ 方式 で 整備 ・ 事業 計画 案 を 公募 。 最 優秀 提案 者 に 設置 許可 を 与え 、 1996 年度 末 の 完成 を 目指す 。 同 施設 は 、 公園 南側 の 市営 地下鉄 鶴見 緑地 駅前 の 敷地 2.4 ヘクタール に 建設 。 ホテル に 加え 、 温水 を 利用 した 健康 増進 施設 など を 併設 する 。 大阪 府 内 で 唯一 、 し尿 処理 場 が なく 、 和歌山 県 ・ 潮岬 沖 に し尿 海洋 投棄 を 続けて いる 阪南 市 は 十二 日 、 同 市 鳥取 中 地区 で 十 年 越し で 進めて きた 処理 場 建設 を 断念 する こと を 明らかに した 。 同 地区 住民 の 反対に よる もの で 、 一九六三 年 から 七 カ所 も 予定 地 が 転々 と した 計画 は 、 また 振り出し に 。 同 市 は 「 関西 国際 空港 の おひざ元 な のに 、 イメージ が 悪く なる ので は 」 と 頭 を 抱えて いる 。 市 に よる と 現在 の 予定 地 は 八五 年 に 決定 。 総 事業 費 約 四十五億 円 で 田畑 約 一万九千 平方メートル を 買収 し 、 処理 場 の ほか 、 芝生 広場 や スポーツ 施設 を 設ける 計画 だった 。 九一 年 に は 七千八百 平方メートル の 売買 契約 を 地 権者 十 人 と 結び 、 買収 額 の 三 割 に 当たる 五億三千万 円 を 手付金 と して 支払った 。 しかし 、 その後 の バブル 崩壊 に よる 地価 下落 で 買収 は 難航 。 地元 自治 会 や 水利 組合 は 「 迷惑 施設 は 困る 」 「 地元 の 建設 同意 なし に 計画 を 進めた 」 など と 反発 を 強め 、 住民 説明 会 も 開け ない 状態 が 続いた 。 阪南 市 は 七五 年 から 一 日 約 七〇 トン の し尿 を 潮岬 の 約 二六〇キロ 沖 に 投棄 して いる 。 和歌山 県 と 大阪 府 の 協定 に 基づく もの で 、 協定 は 毎年 更新 さ れる 。 市 は 十一 日 、 同県 に 建設 計画 の 断念 を 説明 、 県 水産 課 は 「 法的な 問題 は ない が 、 計画 を 練り 直し 、 処理 場 を つくって ほしい 」 と 市 に 要請 した 。 阪南 市 は 今後 、 既に 払った 手付金 の 返還 を 地 権者 に 求め 、 新たな 予定 地 選定 に 入る 。 しかし 、 難航 は 必至 。 成子 芳昭 市長 は 「 見通し が 甘かった 」 と 苦渋 を 浮かべて いる 。 京都 の 公 私立 大学 ・ 短大 で つくる 「 京都 ・ 大学 センター 」 は 十二 日 、 他 大学 で の 受講 を 卒業 単位 と 認める 「 単位 互換 制度 」 で 、 女子 学生 の 受講 だけ を 認めて いた 同志社 女子大 など 三 女子大 が 新 年度 から 男子 学生 に も 開放 する と 発表 。 女子大 の 枠 を 超えた 単位 互換 が より 本格 化 する こと に なった 。 同 センター に よる と 、 互換 制度 は 今 年度 から 始まり 、 新 年度 に は 加盟 四十五 校 の うち 三十一 校 が 実施 。 女子大 で 男子 学生 に 受講 を 認めて いた の は 、 聖母女学院 短大 の 「 キリスト教 教育 学 」 講座 だけ だった 。 他の 十二 女子大 ・ 短大 で は 、 「 学 内 合意 が 受け られて い ない 」 など を 理由 に 男子 に は 開放 して い なかった 。 新たに 門戸 を 開く の は 、 同志社 女子大 、 京都 橘 女子大 、 ノートルダム 女子大 の 三 校 で 、 聖母女学院 短大 を 加え 、 計 四 女子大 ・ 短大 の 八 講座 。 し尿 海洋 投棄 環境 庁 に よる と 、 投棄 場所 は 高知 、 山口 沖 など 全国 4 カ所 。 潮岬 沖 に は 23 自治 体 が 年間 約 20万 トン 投棄 。 一昨年 十 月 、 乗客 二百十五 人 が 負傷 した 大阪 市営 新交通システム 「 ニュートラム 」 の 暴走 事故 で 、 大阪 府警 捜査 一 課 の 住之江 署 捜査 本部 は 十二 日 まで に 、 大阪 市 交通 局 が 事故 の 二 年 前 の 一部 無人 化 運転 移行 以前 に 起きた 数 件 の オーバー ラン ・ トラブル を 駅務 日誌 から 故意 に 削除 して いた こと を つかんだ 。 交通 局 側 が 、 無人 化 を 遅らせ まい と 、 組織 的に もみ消した と み られる 。 捜査 本部 は 、 こうした ずさんな 対処 が 暴走 事故 に つながった と 判断 、 近く 行う 交通 局 幹部 ら の 事情 聴取 で 、 一昨年 の 事故 と の 関連 を 含めて 聴く 方針 。 捜査 本部 は 一昨年 の 事故 以来 、 過去 に 起きた 同種 の オーバー ラン を 調べた 。 その 結果 、 一九九一 年 五 月 、 同じ 列車 が ATO の リレー 故障 から 約 二十 メートル オーバーラン した 記録 以外 に 、 同 時期 に 数 件 の オーバー ラン が あり 、 いずれ も 発生 直後 に 運行 現場 の 運転 指令 室 や 全 駅 の 日誌 から ほとんど 削除 、 事故 報告 さ れて い なかった こと を つかんだ 。 これ ら は 当日 の 当務 助役 ら の 指示 で 削除 さ れた と み られ 、 日誌 に は 記録 が ペン で 線引き さ れた うえ で 「 助役 の 指示 で 抹消 」 と 書か れたり 、 修正 液 で 消さ れて いた ケース も あった 。 駅 に よって は 指示 が 徹底 さ れ ず 、 事故 状況 が 一部 そのまま 日誌 に 残って いた 。 また 、 オーバー ラン 以外 に も 、 電車 の ブレーカー が 働き 電源 が ストップ する など 小さな トラブル 約 十 件 も 報告 さ れて い ない こと が 捜査 本部 の 調べ で 判明 した 。 当時 、 ニュートラム は すべて 有人 運転 。 約 半年 後 に 一部 無人 化 運転 へ の 移行 を 控えて いた 。 トラブル が 表ざた に なった 場合 は 、 運輸 省 近畿 運輸 局 の 臨時 監査 など も 予想 さ れ 、 無人 化 運転 が ずれ込む おそれ も あった 。 この ため 職員 ぐるみ で もみ消し 工作 を した と み られる が 、 オーバー ラン など の トラブル の 原因 も 究明 し ない まま だった 。 捜査 本部 の 指摘 に 対し 、 当時 の 関係 助役 ら は 改ざん の 事実 を 認めた と いう 。 高橋 清 ・ 市 交通 局 運転 課長 は 「 事故 報告 書 や 駅務 日誌 は 警察 に 押収 さ れて おり 、 事実 関係 を 確認 でき ない が 、 小さな 事故 も 報告 さ れて いる はずだ 。 まして “ もみ消し ” が ある など 信じ られ ない 」 と 話して いる 。 女性 の 顔 を 殴って けが を さ せた と して 警視 庁 麻布 署 は 十二 日 、 バスケットボール 日本 リーグ 一部 の アンフィニ 東京 ブロンコス 所属 の 米国 人 選手 、 ハーバード ・ ジョンソン 容疑 者 を 傷害 の 現行 犯 で 逮捕 した 。 調べ に よる と 、 ジョンソン 容疑 者 は 同日 午前 四 時 四十五 分 ごろ 、 港 区 六本木 の ビル 四 階 で 女性 三 人 が エレベーター に 乗ろう と した の を 邪魔 し 、 うち 一 人 の 顔 を 殴って 十 日間 の けが を さ せた 疑い 。 昨年 12 月 以来 、 京都 、 大阪 で 相次いで 見つかって いる 偽造 千 円 札 「 千 D ― 13 号 」 と 同一 と み られる 偽札 2 枚 が 三菱 銀行 大阪 事務 センター など で 見つかり 、 12 日 まで に 府警 に 届け出 が あった 。 この うち の 1 枚 の 記 番号 は 、 富士 銀行 難波 支店 で 見つかった もの と 同じ 「 HA 397048 C 」 。 偽 千 円 札 は 、 大阪 市 内 3 枚 、 京都 市 内 8 枚 の 計 11 枚 に なった 。 岡山 県 勝田 郡 勝北 町 で 今月 八 日 、 町議 選 の 開票 中 に カラー コピー 機 で 印刷 さ れた と み られる 偽造 投票 用紙 百二十二 枚 が 見つかった 事件 で 、 告示 後 に 各 陣営 の 事務 所 に 投票 用紙 の 売買 を もちかける 電話 が 度々 入って いた こと が 岡山 県警 の 十二 日 まで の 調べ で 分かった 。 なにも の か が 大量に コピー した 偽造 用紙 を 、 本物 の 投票 用紙 と 偽って 候補 者 に 売り付けよう と して いた と みて 調べて いる 。 調べ で は 、 三 日 の 告示 後 、 複数 の 候補 者 事務 所 に 男性 の 声 で 電話 が かかり 、 候補 者 自身 が 出る と 「 投票 用紙 を 一 枚 五 、 六万 円 で 買わ ない か 」 と 持ち掛け 、 候補 者 以外 が 電話 に 出る と 、 すぐに 切れる と いう 不審な 電話 が あった と いう 。 また 、 電話 を 受けた 陣営 の 関係 者 が 、 指定 さ れた 場所 に 様子 を 見 に 行く と 、 三十 歳 過ぎ の 女性 が 現れた と の 情報 も あり 、 詳しく 調べて いる 。 京都 府 亀岡 市 の 市立 つつじケ丘 小学校 で 昨年 三 月 、 同 小 一 年 の 長沢 武 ちゃん が ごみ 焼却 炉 に 転落 、 焼死 した 事件 で 、 亀岡 簡裁 は 十二 日 まで に 、 安全 管理 に 手落ち が あった と して 業務 上 過失 致死 罪 で 略式 起訴 さ れて いた 松岡 憲一 校長 に 対し 、 罰金 三十万 円 の 略式 命令 を 出した 。 十三 日 午前 零 時 二十 分 ごろ 、 岡山 市 駅前 町 一 、 「 竹乃 旅館 」 の 二 階 部分 から 出火 、 木造 二 階建て の 同 旅館 約 三百 平方メートル を 全焼 した 。 旅館 に は 当時 、 十 人 の 宿泊 客 が いた が 、 一 人 が 焼死 体 と なって 発見 さ れた 。 現場 は JR 岡山 駅 から 北東 約 三百 メートル の ダイエー 岡山 店 など の 商店 街 や ビル の 密集 地 。 東京 外国 為替 市場 の 円 は 十三 日 午前 九 時 、 前日 午後 三 時 半 現在 比 九五 銭 円高 ・ ドル安 の 一 ドル = 九八 円 八五 銭 の 取引 と なった 。 東京 市場 で の 九八 円 台 は 、 昨年 十二 月 一 日 以来 、 一 カ月 半 ぶり 。 マルク 高 に つられて 円 が 急騰 した ニューヨーク 市場 の 流れ を 受けた もの 。 市場 で は メキシコ ・ ペソ の 急落 が アジア に 飛び火 する と の 懸念 から 一段 の 円高 の 可能 性 も ある と みて いる 。 山口 鶴男 総務 庁 長官 は 十三 日 の 閣議 で 、 一九九四 年度 版 の 「 青少年 問題 の 現状 と 対策 」 を 報告 した 。 今年 は 「 ボランティア 活動 と 青少年 」 と 題した 特集 を 組み 、 青少年 期 の ボランティア 活動 の 現状 や 問題 点 を 紹介 して いる 。 一方 、 大きな 社会 問題 に なって いる いじめ や 、 それ に 伴う 自殺 の 問題 に ついて は 「 小 ・ 中学校 で は 減少 して いる 」 と の 簡単な 記述 に とどまって いる 。 同 庁 は 「 大きな 問題 と なった の が 昨年 暮れ と 遅かった ため 、 編集 の 都合 で 間に合わ なかった 」 と 説明 して いる 。 白書 は 九三 年 に 総務 庁 が 全国 の 青少年 三千 人 を 対象 に 行った 調査 など の 例 を 引き ながら 、 青少年 の ボランティア 活動 に 対する 意識 を 紹介 。 ボランティア 活動 に ついて 「 楽しみ ながら 気楽に できる 身近な 活動 」 と いう 考え 方 が 、 従来 の 奉仕 、 貢献 と いった 概念 を 上回り 、 活動 分野 も 伝統 的な 社会 福祉 だけ で なく 、 自然 ・ 環境 保護 など 多岐に わたって いる と 分析 して いる 。 また 、 ボランティア 活動 を 行って いる 青少年 は 五・三 % 、 社会 的 活動 に 充てる 時間 も 一 日 二 分 に 過ぎ ない 現状 も 指摘 。 青少年 参加 を 可能に する 環境 整備 など を 目標 に 掲げて いる 。 コロンビア 北部 カルタヘナ 近郊 で 十一 日 起きた インテルコンチネンタル 航空 国 内 線 DC 9 の 墜落 事故 で 、 奇跡 的に 救助 さ れた 少女 エリカ ・ デルカド ちゃん は 、 腕 など 数 カ所 を 負傷 した だけ で 、 病院 で 手当て を 受けて いる 同 機 は 爆発 、 炎上 し 沼地 に 墜落 、 ほとんど 原形 を とどめて い ない = 同 ・ ロイター 。 残る 五十一 人 の 遺体 は 身元 確認 が 困難な ほど 損傷 が 激しい だけ に 捜索 関係 者 は 奇跡 に 驚いて いる 。 エリカ ちゃん の 話 に よる と 墜落 直後 、 割れた 窓 から 母親 に 機 外 に 投げ出さ れた 。 母親 は 逃げ遅れて 焼死 した と いう 。 エリカ ちゃん は 一家 四 人 で 、 クリスマス 休暇 を 利用 し 首都 の 親類 を 訪ねた 帰り 。 十二 日 朝 、 医師 から 家族 の 死 を 聞か さ れた が 、 泣く ばかりだ と いう 。 野坂 浩賢 建設 相 は 十三 日 の 閣議 後 の 記者 会見 で 、 社会党 の 新民連 に よる 新 会派 結成 問題 に ついて 「 社会党 会派 を 離脱 して 新 会派 に 入れば 、 離党 、 除名 に なる 」 と 述べた 。 さらに 新党 結成 に 関して は 「 おそらく 党 中央 執行 委員 会 で 、 新党 の 準備 会 の ため の 機関 を 事前 に 作ら なければ なら ない 」 と 指摘 した 。 モンデール 駐 日 米 大使 は 十二 日 、 米 自動車 産業 トップ と 意見 交換 の ため 訪れた デトロイト で 、 再開 さ れる 日 米 自動車 ・ 同 部品 交渉 に ついて 、 「 日本 車 メーカー が 三 月 まで に 、 海外 部品 の 調達 自主 計画 の 積み 増し を し なければ 、 重大な 事態 を 招く だろう 」 と 警告 した 。 米 側 は 部品 調達 の 上積み を 、 再開 さ れる 交渉 でも 最 重点 項目 と して いる が 、 日本 側 は 「 政府 の 権限 外 」 と して 話し合い を 拒否 。 この ため 、 米 商務省 は 日本 車 メーカー と の 直接 交渉 を 打ち出した が 、 日本 車 メーカー は 突っぱねて いる 。 同 大使 は 三 月 が 年度 末 である こと を 指摘 し 、 「 その 気 が ある なら 、 それ まで に 計画 を 改定 する はずだ 。 米国 は 十分 我慢 して きて おり 、 行動 の 時 だ 」 と 述べた 。 また 、 対 日 政府 間 交渉 で は 、 さまざまな 要求 項目 の うち 「 外国 車 の ディーラー の 数 」 に 重点 を 置く 考え を 明らかに した 。 部品 調達 自主 計画 の 上積み も ディーラー の 数 も 、 これ まで 日本 が 完全 拒否 して きた 争点 。 米 側 が 蒸し返せば 、 交渉 の 見通し は 暗い 。 通産 省 は 米 政府 と 日本 の 自動車 メーカー と の 直接 交渉 自体 に は 反対 し ない 構え ながら 、 「 日本 の メーカー を 差別 したり 、 部品 購入 計画 の 上積み を 強制 する もの に なった 場合 は 強く 抗議 する 」 と して いる 。 また 、 メーカー 側 は 「 政府 と 民間 が 交渉 する と いう の は 異常 。 民間 同士 で は これ まで も 協議 して おり 、 政府 と 民間 と いう の は 場違いだ 」 と 反発 して いる 。 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新民連 会長 は 十三 日 午前 、 参院 議員 会館 で 久保 亘 同 党 書記 長 と 会談 、 超 党派 の 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 が 十七 日 に 国会 内 会派 を 届け出る こと を 正式に 伝えた 。 新 会派 に は 、 準備 会 参加 の 同 党 衆 参 両院 議員 の うち 中央 執行 委員 三 人 を 除く 二十四 議員 が 加入 する こと を 名簿 を 示して 明らかに した 。 中執 委員 の 関山 信之 、 田中 昭一 、 森井 忠良 の 三 氏 は その後 、 合流 する 見通し 。 会談 で 山花 氏 は 「 まとまった 数 が 党 の 方針 に 従って 行動 する こと を 冷静に 判断 して ほしい 」 と 述べ 、 新 会派 参加 議員 を 除名 処分 に し ない よう 要望 した 。 これ に 対し 久保 氏 は 「 これ から 党 の 機関 で 相談 する 。 首相 に も 報告 し なければ なら ない 」 と 答えた 。 また 、 山花 氏 は 久保 氏 に 手渡した 報告 書 で 、 新 会派 を 「 党 が 目指す 新党 結成 の パイオニア 」 と 規定 、 「 党 方針 を 実践 に 移し 、 全党 が 合流 する まで 、 民主 リベラル 新党 の 旗 を 守り抜く 」 と 、 党 が 作る 新党 の 「 先行 集団 」 である こと を 強調 した 。 山花 氏 は 会談 後 、 記者 会見 し 「 新党 準備 を 同時 並行 的に 進める 。 近く 旗 を 立て 、 政党 届 も 出し たい 」 と 語り 、 来月 上旬 に も 同 会派 を 母体 に した 新党 を 結成 する 方針 を 強調 した 。 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 が 十三 日 、 久保 亘 書記 長 に 示した 社会党 から の 新 会派 参加 者 名簿 は 次の 通り 。 経営 が 破たん した 東京 協和 、 安全 の 両 信用 組合 を 救済 する 新 銀行 に ついて 、 日本銀行 は 十三 日 午前 、 政策 委員 会 を 開き 、 新 銀行 へ の 二百億 円 の 出資 を 承認 した 。 大蔵 省 の 認可 後 、 設立 発起人 集会 を 都 内 で 開き 、 行 名 を 「 東京 共同 銀行 」 と する こと など を 決め 、 同日 中 に 払い込み を 終え 、 設立 登記 する 。 新 銀行 に は 日銀 の 二百億 円 の ほか 、 全国 信用 協同 組合 連合 会 が 六億 円 、 全国 銀行 協会 連合 会 会長 行 の 住友 銀行 が 九億 円 を 出資 。 発起人 集会 に は これ ら 出資 メンバー が 出席 、 新 銀行 の 頭取 に 両 信 組 の 理事 長 を 兼務 する 野口 寿康 氏 を 決める 。 二 月 十一 日 の 株主 総会 を 経て 、 両 信 組 から 営業 譲渡 を 受けた あと 、 三 月 二十 日 を めど に 営業 を 開始 する 。 毛利 衛 さん 、 向井 千秋 さん に 次いで 、 宇宙 開発 事業 団 の 若田 光一 さん が 今秋 、 スペースシャトル に 搭乗 する 。 毛利 さん ら ペイロード ・ スペシャリスト と 違って 、 若田 さん は ミッション ・ スペシャリスト と いう 、 宇宙 遊泳 も できる 日本 人 初 の 本格 的な 宇宙 飛行 士 だ 。 MS と PS の 任務 や 訓練 は どう 違う の か 。 「 簡単に 言う と 、 PS は ただ の お 客 さん だ けど 、 MS は シャトル 運航 と いう 任務 を 持って い ます 」 と 一九九二 年 に 宇宙 飛行 した 毛利 さん は 言う 。 米 航空 宇宙 局 の スペースシャトル に は 船長 、 パイロット と それぞれ の ミッション を 行う MS が 搭乗 、 時に PS が 搭乗 する 。 PS は 科学 実験 を 行い 、 シャトル の 運航 に は 関係 し ない 。 毛利 さん は 約 三十 種 の 実験 を こなした 。 訓練 の 内容 も 違う 。 PS は 実験 器具 の 操作 など の 訓練 が 多く 、 一方 、 MS で は シャトル 運航 の ため の システム 操作 など が 最 優先 さ れる 。 最も 違う の が T 38 ジェット機 に よる 飛行 訓練 。 PS は 三 回 乗れば よい が 、 MS は 、 原則として 年間 百 時間 以上 搭乗 し なければ なら ない 。 シャトル の パイロット と ペア で 乗り 、 さまざまな 状況 で パイロット や 地上 の 管制 官 と の コミュニケーション を 学ぶ 。 若田 さん は 「 最初の ころ は 英語 に 苦労 した 。 訓練 の ため 、 わざと 通信 の 音 を 悪く して 、 うまく 聞こえ ない ように なって いる んです 」 と いう 。 宇宙 遊泳 に は MS の 資格 が 必要だ 。 MS は 将来 の 宇宙ステーション 建設 を 視野 に 入れた 訓練 を 行って おり 、 船 外 作業 は 不可欠だ 。 訓練 は 宇宙 遊泳 用 の 宇宙 服 を 着て プール で 行う 。 おもり や 浮袋 で 無 重量 に 近い 状態 を つくり 、 宇宙ステーション 建設 の ため の 機具 操作 を 練習 する 。 「 宇宙 服 が 内部 の 圧力 の 違い で パンパンに 膨れる 。 風船 が 体 に 密着 して いる 感じ で 動き にくい 」 と 若田 さん 。 緊急 時 の サバイバル 訓練 も 重要な 課題 だ 。 シャトル の 不時着 訓練 は 、 毛利 さん の 場合 、 海上 だけ だった が 、 若田 さん は 砂漠 へ の 不時着 を 想定 した 訓練 も 行った 。 約 一 週間 、 救助 隊 が 来る まで 非常 用 の 食料 で 生き延び なければ なら ない 。 打ち上げ 時 に エンジン の 一 つ が 点火 し ない 、 姿勢 制御 コンピューター が 故障 した 、 システム トラブル で 宇宙 に 飛び 立て ず 不時着 ―― 。 次 から 次に 起きる 故障 、 緊急 事態 に 即座に 対応 し なければ なら ない 。 「 ただし 、 九七 % は 起こり 得 ない 事故 だ と 思う 」 と 若田 さん は 話す 。 若田 さん の 飛行 は 、 日本 が 打ち上げる 無人の 宇宙 実験 システム 「 宇宙 実験 ・ 観測 フリーフライヤー 」 の 回収 が 主な 任務 。 「 これ から は マジックアーム で SFU を つかむ 訓練 が 多く なる でしょう 。 ヘリウム を 入れた 軽い 風船 を 練習 台 に して 行う はず 」 と 毛利 さん は 予想 する 。 プレス 対応 訓練 も ある 。 「 宇宙 飛行 士 の イメージ を 傷つけ ず 、 人前 で 上手に 表現 できる ように 行う 」 。 「 即興 スピーチ で は 、 かご から テーマ を 書いた 紙 を 取り 三十 秒 考え 、 十 分間 話す 。 私 の テーマ は 宇宙 予算 と UFO だった 」 。 それ だけ で は 済まない 。 「 朝 の 訓練 前 、 いきなり テレビ クルー が 来た 。 突撃 リポーター って 感じ 。 日本 は 宇宙 の 国際 協力 に どう 貢献 する か 聞か れた 」 。 後 で その ビデオ を 同期 生 や 教官 と 見て 討論 した 。 訓練 で は 私的な 質問 は タブー 。 搭乗 が 決まった 時 の 本当の 記者 会見 で は 「 好み の 女性 は 」 と 聞か れ 、 「 いい 話し相手 に なって くれて 、 切磋 琢磨 して いける 相手 」 と そつ なく 答えた 。 メキシコ 市 に 赴任 して 三 カ月 に なる 。 少し は この 街 の 暮らし に も 慣れた つもりだ が 、 我慢 でき ない もの も ある 。 運転 者 の マナー 。 これ だけ は 、 どうにも 腹 が 立って 仕方 が ない 。 歩行 者 優先 など と いう の は 夢 の 世界 。 青 信号 で 横断 歩道 を 渡る 時 、 曲がって くる 車 に 注意 し ない と 事故 に 遭う の は 、 中南米 の 大抵 の 大 都市 なら 当たり前 。 ところが 、 相手 が 赤 信号 で 突進 して くる と なる と 話 は 違う 。 市民 の 多く は 信号 を 守ら ない 。 もちろん 、 歩行 者 など クラクション で け散らす だけ の 対象 だ から 、 道 を 渡る の も 命懸け 。 いつまでも 歩道 に 立ちつくし 、 車 の 列 が 途切れる の を 涙 を 流して 待つ こと に なる 。 別に 悲しい わけで は ない 。 大気 汚染 で 目 が 染みる のだ 。 運転 者 も むちゃな 割り込み なんか で 驚いて は い られ ない 。 片側 四 車線 の 道路 を 走って いて 、 交差 点 に 近づいたら 一 番 右 に 車線 変更 しよう 。 でないと 一 歩 も 前 に 進め なく なる 。 左側 の 三 車線 は 左折 の 車 で 埋まって しまう のだ 。 後ろ の 車 に 迷惑 が 及ぼう が 、 対向 車 の 左折 進路 を ふさごう が 、 救急 車 が 来よう が お構いなし 。 思わず ののしり 言葉 の 一 つ も 吐き たく なる と いう もの だ 。 だが 、 ある メキシコ 紙 の 記者 は 「 征服 者 の 血 だ 」 と 解説 する 。 スペイン 人 の 侵略 と 混血 以来 、 メキシコ 人 は 他人 を 差別 し 、 征服 し た がる 民族 に なった のだ と いう 。 別に 戦争 を する わけで は ない 。 征服 者 の 血 が “ われ 先 優先 ” の 運転 に つながって いる と いう のだ 。 逆に 精神 的 征服 は さ れ たく ない から 、 行く手 を 遮る 車 に は 罵声 ばせい を 浴びせ 、 また 、 米国 に 対して は 人一倍 の 嫌悪 感 を 持つ 。 半面 、 先住 民 や 貧困 層 、 経済 力 の より 低い 中米 諸国 など は 差別 と 優越 感 の 対象 に なる のだ と いう 。 分かった ようで 分から ない 説明 だ が 、 彼 の 運転 の ひど さ だけ は 確かである 。 大 食堂 は 政府 与党 首脳 連絡 会議 など に 使わ れる 。 首相 が 出席 する 会議 に は 和食 、 洋食 の フルコース が 出さ れる 。 第 三 の 食堂 は 、 首相 官邸 調理 室 の 隣 の 物置 を 改造 した 狭い 部屋 。 ここ で 官邸 職員 、 SP 、 官邸 周辺 を 警備 する 警視 庁 麹町 署員 、 官邸 詰め の 新聞 記者 ら が 食事 を 取る 。 この 食事 も 官邸 調理 室 が つくる 。 メニュー は 首相 ら と は 全く 違う が …… 。 SP や 記者 は 、 首相 が 小 食堂 で 昼食 を 取る わずか 二十 分 ほど の 間 に 食堂 に 駆け込む 。 注文 が 殺到 し 、 調理 室 は 修羅場 と なる 。 速く できる カレー 、 ハヤシライス と 二 種類 の 日替わり 定食 が 人気 だ 。 ここ の メニュー の 価格 は 、 官邸 の 七不思議 と いわ れる ほど ユニーク 。 ポークライス は 二百七十 円 だ が 、 チャーハン は 五百三十 円 。 はっきり 言って 味 は あまり 変わら ない 。 カレー は 三百 円 だ が 、 サラダ は 三百十 円 する 。 カツ どん は 二百八十 円 と 安い が 、 ポークカツ ・ ライス 付き は 七百 円 。 「 カツ どん は ほとんど カツ が 入って い ない から 」 と いう 理由 らしい 。 職員 や SP 、 記者 向け の 昼食 は 一 日 約 百三十 食 、 首相 ら VIP 向け の もの は 約 十 食 出る 。 これ だけ で は 当然 、 採算 は 取れ ない 。 そこ は 首相 主催 の 「 桜 を 観る 会 」 など 内輪 の パーティー で 何とか 息 を ついて いる と いう 。 ただ 「 解散 が ある と 、 首相 はじめ 、 みんな 地方 遊説 へ 出掛けて しまう ので 売り上げ が なくなる 」 と 渡辺 政豊 ・ 首相 官邸 調理 室長 。 官邸 の 食堂 に も 「 解散 の 時期 は 大きな 関心 事 」 だ 。 最近 「 茶髪 」 に し ました 。 気分 を 変え たくて 、 市販 の ブリーチ 剤 で クリ色 に した のです 。 周囲 の 反応 は さまざまでした が 、 ある 男性 に 「 どこ の アバズレ 姉 チャン か と 思った よ 」 と 言わ れた とき に は 正直 、 驚き ました 。 自分 だけ で なく 同性 すべて が 侮辱 さ れた ような 気 が し ました 。 こんな 小さな 変化 で 、 どうして そんな こと を 言わ れ なければ なら ない のでしょう 。 私 は セクハラ さ れた 経験 は あり ませ ん が 、 普段 より 少し メーク が 派手だったり 、 ちょっと スカート が 短かったり した だけ で 、 過剰な 意味 の 付加 と いう か 、 勝手な 解釈 を さ れて 嫌な 目 に 遭った 女性 が 多い ので は ない か と 思う のです 。 茶髪 で 思い出す の が 、 亡くなった 干刈 あがた さん の 小説 「 黄色い 髪 」 。 これ に は 、 髪 を 脱色 して “ いい 子 ” を はみ出す こと で 自分 を 保とう と する 子供 たち が 出て き ます 。 私 に とって 、 今 も 涙 なし に は 読め ない 本 の ひと つ です 。 たかが 髪 、 しかし 思い が 込め られて いる こと だって ある のです 。 そんなこんな で 「 ええい 、 茶髪 の 1 つ や 2 つ ! 」 と 意気込む 私 …… 。 それほど の ポリシー が あって 試した わけで は ない んです けど ね 。 トイレ 。 だれ も が 毎日 使って いる 割に は 、 知ら れ ざる 側面 も 多い 。 新たに 登場 した “ ファミリートイレ ” の 紹介 も かねて プライベートゾーン の ドア を 開け 、 あれこれ 調べて みた 。 神奈川 県 平塚 市 の JR 平塚 駅ビル ・ ラスカ 、 4 ― 5 階 の 踊り場 に ある トイレ は ユニークだ 。 男女 の 入り口 は 別だ が 、 一 歩 中 に 入る と 、 休憩 スペース で つながって いて 、 そこ に 子供 用 トイレ が 設置 さ れて いる 。 これ なら 、 早く 用 を 済ませた 子供 は お 父さん 、 お 母さん の どちら の ところ へ も 行ける し 、 手 の あいて いる 方 の 親 が 子供 の 面倒 を みる こと も 出来る 。 休憩 スペース に は ベンチ や 絵本 も 。 名づけて 、 家族 ぶろ なら ぬ 「 ファミリートイレ 」 。 と いって も 、 大人 用 の 男女 トイレ に は それぞれ ドア が ついて いる うえ 、 子供 用 トイレ など が 遮へい 物 の 役目 も 果たして いる ので 、 のぞか れる 心配 は ない 。 昨年 10 月 の 駅ビル 改装 オープン に あわせ トイレ も 改造 。 その 際 、 同 駅ビル の 管理 会社 「 平塚 ステーションビル 」 の 女性 社員 が プロジェクト を 組んで アイデア を 出し合った と いう 。 この トイレ 、 乳幼児 の ベッド 付き 個室 の ほか 、 熱湯 が 出る 授乳 コーナー も ある 。 社会 の 変化 と ともに 「 多 目的 、 多様 化 、 快適 性 が 求め られて いる トイレ 」 。 千葉 県立 衛生 短大 の 小野 清美 助教授 も 、 今後 多様な スタイル の トイレ が 増える だろう と 予想 。 高齢 化 社会 を 踏まえ 「 老人 介護 に 適した トイレ の 開発 など も 求め られて いる 」 と 指摘 する 。 トイレ の 装置 と して 急速に 普及 して いる の が 「 音姫 」 だ 。 男 の 人 に は あまり 知ら れて い ない ような ので 紹介 する と 、 衛生 陶器 最 大手 の TOTO が 発売 して いる 擬音 装置 で 、 ボタン を 押したり 、 手 を かざす と スピーカー から 流水 音 が 流れる もの 。 トイレ 内 で 女性 は 音 を 消す ため に 水 を 流す こと が 多く 、 ほとんど 習慣 に なって いる 。 TOTO の 調査 で は 、 トイレ の レバー を 1 回 押して 流れる 水量 は 通常 約 15 リットル 。 女性 は 平均 で 2・5 回 流し 、 約 38 リットル も の 水 を 使って おり 、 「 音姫 」 は 節水 効果 を 狙った もの だ 。 同社 東京 広報 室 の 加藤 早智代 さん に よる と 「 大学 や オフィス 、 デパート など を 中心 に 月 に 4000 台 の ペース で 設置 さ れて いる 」 と いう 。 音 の カムフラージュ は 江戸 時代 から あった らしい 。 大名 の お姫様 など が “ 個室 ” に 入って いる 時 、 お供 の 女性 が ひしゃく で 水 を 流し 続けて いた と いう 。 「 トイレ は 笑う 」 に 出て くる 話 で 、 昔 から 女性 は 消音 に 苦労 して いる のだ 。 公共 トイレ に 入って 選ぶ の は 洋式 か 和式 か ―― 。 TOTO の 調査 で は 、 約 7 割 の 女性 が 和式 派 。 確かに 、 使用 後 流せる 紙 の 便座 シート が あれば 洋式 トイレ でも 抵抗 なく 使う が 、 シート が なければ 、 並んで 待って も 和式 を 使う 女性 は 多い 。 「 だれ が 使用 した か 分から ない 便座 に は 座り たく ない 」 と いう 理由 から だ が 、 小野 助教授 は 「 使用 頻度 が 低い のだ から 、 洋式 の 方 が きれいに 決まって いる 。 それなのに 和式 に こだわる の は 面白い 」 と 話して いる 。 男性 は どう な のだろう か 、 この 調査 、 女性 だけ を 対象 に 実施 した ので 比較 出来 なかった 。 クロアチア の ツジマン 大統領 は 十二 日 、 ガリ 国連 事務 総長 に クロアチア 領 内 の 国連 防護 軍 撤退 を 求める 書簡 を 送った 。 ガリ 事務 総長 は 同日 、 訪問 先 の ストックホルム で 「 ツジマン 大統領 が 翻意 する よう 説得 し たい 」 と 述べ 、 国連 軍 の 駐留 延長 を 働きかける 方針 を 表明 した 。 ザグレブ から の 報道 に よる と 、 大統領 書簡 は クロアチア 領 内 の 国連 防護 軍 が 三 月 三十一 日 で 駐留 を 終了 し 、 六 月 末 まで に 撤退 する よう 正式に 要請 。 国連 軍 の 駐留 に ついて は 「 クロアチア 領 の 三 分 の 一 を 占める セルビア 人 勢力 支配 地域 の 現状 凍結 に つながって いる 」 と 批判 。 さらに 「 国連 軍 の 被 占領 地 で の 活動 は 和平 進展 に 著しく 逆行 する もの だ 」 と 述べ 、 国連 軍 撤退 を 主張 した 。 国連 防護 軍 は 一九九二 年 三 月 から 、 首都 ザグレブ に 本部 を 置き 、 旧 ユーゴ 地域 で の 平和 維持 活動 を 開始 。 現在 、 クロアチア に 一万二千 人 、 ボスニア に 二万二千 人 を 配置 する など 、 総 要員 数 約 四万 人 に 上る 史上 最大 の 平和 維持 軍 を 構成 して いる 。 ツジマン 大統領 は 書簡 の 中 で ザグレブ 本部 の 存続 は 認める 、 と 伝えた 。 同 大統領 は 十二 日 、 国民 向け テレビ ・ ラジオ 演説 を 行い 、 国連 へ の 書簡 に 関連 して 「 われわれ は 平和 的 領土 奪回 を あきらめた ので は なく 、 和平 交渉 を 継続 して いく 」 と 言明 した 。 しかし 、 国連 軍 撤退 要求 は クロアチア 領 内 の セルビア 人 勢力 や 連携 関係 に ある ボスニア の 同 勢力 、 その 後ろ盾 である セルビア 本国 を 刺激 する の は 間違い なく 、 戦闘 拡大 を 懸念 する 声 が 出て いる 。 韓国 各紙 は 十三 日 、 金 泳三 大統領 が 与党 ・ 民 自党 の 金 鍾泌 代表 に 対し 、 党務 の 第一線 から の 退陣 を 求めた 、 と 報じた 。 金 大統領 が 総裁 を 務める 民自党 は 、 二 月 の 党 大会 を 機 に 党 名 変更 も 含め 機構 ・ 人事 の 全面 改編 を 行う が 、 党 ナンバー 2 である と 同時に もともと 金 大統領 の 政敵 だった 長老 、 金 鍾泌 氏 を 新設 の 名誉 職 に 祭り上げる 実質 排除 策 が 実現 する か どう か が カギ 。 同氏 は これ に 強く 抵抗 して おり 、 与党 陣営 内 の 確執 が 一気に 表面 化 し そうだ 。 各紙 が 引用 した 民自党 高位 関係 者 に よる と 、 金 大統領 は 十 日 、 極秘 裏 に 金 代表 を 青瓦台 に 招き 、 昼食 を 共に し ながら 、 金 代表 の 党務 第一線 から の 退陣 不可避 と の 姿勢 を 通告 した と いう 。 青瓦台 も 金 代表 も 公式 に は 確認 して い ない が 、 韓国 政局 は この 通告 を 前提 と して 動き始めた 。 民自党 は 、 盧 泰愚 大統領 が 少数 与党 の 非力に 苦しんで いた 一九九〇 年 、 民正党 、 民主党 、 共和党 の 三 党 合同 に より 創建 。 曲折 の 末 に 金 泳三 氏 が 民正党 系 の 一部 を 取り込み 、 金 鍾泌 氏 の 支持 も 得て 政権 を 手 に した 。 金 大統領 は 九三 年 二 月 の 就任 以来 、 政権 基盤 の 危う さ を 不正 腐敗 根絶 政策 など に よる 高 支持 率 で カバー 。 しかし 五 年 任期 の 中盤 を 迎えて この 支持 率 に も 陰り が 見え 始め 、 民自党 を 完全な 「 金 泳三 党 」 に 固め 直す 必要に 迫ら れて いる 。 一方 、 金 鍾泌 代表 は 朴 正煕 政権 の スタート から 三十 年 余り 権力 の 中枢 に かかわって きた 経歴 と 、 金 泳三 政権 誕生 へ の 寄与 も あって 、 民 自党 ナンバー 2 の 座 を 確保 。 政権 トップ へ の 夢 を 捨てて い ない と いわ れる 。 イタリア の スカルファロ 大統領 は 次期 首相 の 選出 を めぐる 政治 危機 で 十二 日 、 ベルルスコーニ 首相 と 三 度 目 の 会談 を 行った が 、 ベルルスコーニ 氏 続投 問題 を 含めて 危機 打開 策 を 見いだす に は 至ら ず 、 会談 は 失敗 した 。 これ に より 政局 は 混迷 の 度合い を 一気に 深め 、 政権 不在 の 「 政治 空白 」 が さらに 長期 化 する の は 確実な 情勢 に なって きた 。 十二 日 の 会談 は 、 大統領 が 目指した 暫定 政権 構想 が 各 政党 間 の 抗争 の エスカレート で 暗礁 に 乗り上げた こと から 、 危機 乗り切り の 緊急 避難 策 と して ベルルスコーニ 氏 の 続投 問題 を 協議 する ため に 急きょ 行わ れた 。 関係 筋 の 話 に よる と 、 会談 で は ベルルスコーニ 氏 の 信任 案 を 議会 に 諮った 場合 、 信任 に 必要な 過半数 の 票 を 取れる か どう か が 焦点 と なった 。 ベルルスコーニ 氏 は 信任 は 確実 と して 、 辞表 は 提出 した もの の 大統領 の 指名 が あれば 、 続投 する 意思 を 強く 表明 。 しかし 、 同氏 が 挙げる 信任 確実 の 根拠 が 大統領 を 説得 する に は 至ら ず 、 会談 は 何の 進展 も ない まま 終わった 。 調停 役 の スカルファロ 大統領 は 再び 、 「 暫定 政権 」 か 「 議会 解散 ― 総 選挙 」 か の 選択 を 検討 せ ざる を 得 なく なった が 、 この 二 つ の 道 は 既に 三 週間 に わたり 、 関係 者 と 協議 して きた だけ に 再 検討 して も 難航 は 必至だ 。 クロアチア の ツジマン 大統領 が 十二 日 、 国 内 の 国連 防護 軍 撤退 を 要求 した 書簡 は 、 旧 ユーゴ 紛争 の 和平 交渉 を めぐる 妥協 回避 を 狙った かく乱 策 が 込め られて いる 。 同国 に 影響 力 を もつ 米国 、 ドイツ は 大統領 の 決定 に 強く 反発 して いる が 、 クロアチア へ の 圧力 行使 に は 曲折 が 予想 さ れる 。 クロアチア 政府 は いま 、 米 欧 主要 国 に よって 、 二 つ の 大きな 譲歩 を 迫ら れて いる 。 第 一 点 は 、 クロアチア 領 内 の セルビア 人 勢力 の 地域 行政 権 を 認める いわゆる 「 高度な 自治 権 」 の 容認 だ 。 これ は 事実 上 、 「 国土 分断 を 追認 する 」 と の 批判 が クロアチア 国 内 で は 根強い 。 第 二 は 、 ボスニア 最終 分割 和平 案 の 土台 である イスラム 教徒 ・ クロアチア 人 連邦 国家 確立 の 支援 。 しかし 、 実際 に は 「 もともと 両 勢力 の 協力 関係 は 疎遠な もの 」 であり 、 クロアチア 本国 政府 も ボスニア の クロアチア 人 勢力 も 、 本音 は “ 拡大 クロアチア 国家 ” の 再現 だ 。 こうした ジレンマ に 直面 する ツジマン 大統領 は 、 国連 軍 駐留 延長 の 承認 を 交渉 材料 に する こと に よって 、 旧 ユーゴ 和平 交渉 で の 発言 権 を 強め 、 自国 に 有利な 展開 を 図る もの と み られる 。 「 国連 軍 を 使った 打算 的 駆け引き 」 と の 見方 が 根強い が 、 同 大統領 の 決定 は 国 内 世論 の 支持 を 受けて いる だけ に 、 交渉 の 行方 は 予断 を 許さ ない 。 ポーランド 国営 通信 に よる と 、 ロシア 軍 の チェチェン 共和 国 進攻 に 抗議 する 市民 団体 約 千 人 が 十二 日 、 ワルシャワ の ロシア 大使 館 前 で デモ 行進 し 、 「 チェチェン に 自由 を 」 と 訴えた 。 参加 者 は ろうそく に 明かり を ともし 、 チェチェン 紛争 の 犠牲 者 を 追悼 した 。 また ポーランド 赤十字 社 や 地元 民間 グループ は チェチェン 市民 救済 の ため の 募金 活動 を 呼びかけて いる 。 クリントン 米 大統領 は 十二 日 、 ルービン 財務 長官 、 グリーンスパン 米 連邦 準備 制度 理事会 議長 、 ドール 共和党 上院 院 内 総務 ら 議会 指導 者 と 通貨 危機 の メキシコ 支援 策 に ついて 協議 し 、 「 メキシコ に 対する 金融 上 の 信認 を 回復 する ため 、 可能な 限り の こと を 行う こと で 合意 した 」 と の 声明 を 発表 した 。 支援 の 詳細 は 発表 さ れて い ない が 、 米 政府 に よる 総額 二百五十億 ― 四百億 ドル の 対 メキシコ 信用 保証 が 中心 と なる 見通し 。 メキシコ 政府 は 現状 より 低い 金利 で 市 中 借り入れ が 可能に なる 。 国連 安保理 は 12 日 、 イラク 問題 で 非公式 協議 を 開き 、 1990 年 8 月 に 発動 さ れた 石油 禁輸 など 同国 に 対する 経済 制裁 措置 の 継続 を 決めた 。 チェチェン 情勢 は 、 首都 グロズヌイ の 大統領 官邸 を 完全 包囲 して いる ロシア 軍 が いつでも 総 攻撃 を かけ られる 態勢 が 整った 模様 だ が 、 官邸 内 に は ロシア 兵 捕虜 が 人質 と なって いる だけ に 、 ロシア 軍 は 難しい 判断 を 迫ら れて いる 。 インタファクス 通信 は 十二 日 夜 、 ロシア 軍 情報 と して 、 同 官邸 地下 室 に は 約 四十 人 の ロシア 兵 捕虜 が 閉じこめ られて いる と 伝えた 。 十一 階建て の 官邸 ビル は 砲撃 と 火災 で ほとんど 壊れて いる が 、 その 中 に は ドゥダエフ 政権 の 決死 隊 が 千 人 規模 で 立てこもって おり 「 最後 まで 戦う 」 構え を みせて いる 。 ドゥダエフ 大統領 は すでに 官邸 を 脱出 した もの の 、 首都 制圧 の 象徴 と して 大統領 官邸 占拠 の 態勢 を 敷く ロシア 軍 が 総 攻撃 を かければ 、 ロシア 兵 捕虜 の 運命 も 含め 双方 に 多大な 犠牲 が 出る こと が 予想 さ れる 。 政府 は 十三 日 の 閣議 で 、 一九九五 年度 税制 改正 要綱 を 決定 した 。 租税 特別 措置 を 国税 で 九 件 廃止 、 二十七 件 を 縮減 する こと など に 伴い 、 増収 効果 は 合計 三百九十億 円 に なる 。 初年度 の 九五 年度 は 、 激変 緩和 措置 が あり 、 増収 は 二百八十億 円 。 廃止 さ れる の は 、 下請 中 小企業 振興 準備 金 など 法人税 関連 など 。 個人 向け で は 、 住宅 取得 促進 税制 の 適用 対象 者 の 年間 所得 を 現行 の 三千万 円 以下 から 二千万 円 以下 に 引き下げる 。 米 国防 総 省 は 12 日 、 シャリカシュビリ 統合 参謀 本部 議長 が 15 日 から 日本 と 韓国 を 訪問 する と 発表 した 。 ロシア の タス 通信 は 12 日 、 クチマ ・ ウクライナ 大統領 が 3 月 中旬 に 日本 を 公式 訪問 する 予定 だ と 伝えた 。 クチマ 大統領 訪 日 の 目的 は 、 貿易 を 中心 と した 2 国 間 関係 の 強化 だ と いう 。 ニッサン は 新型 スカイライン GT ― R を 発売 した が 、 これ に 合わせて スカイライン 全 車 の 仕様 を 見直し 、 内外 装 の 変更 、 ターボエンジン の 改良 など を 行った 。 とりわけ 全 車 に SRS エア バッグ を 標準 装備 した の が 注目 。 また 4 ドア セダン に 人気 の 高い 「 GTS 25 Type G 」 を ベース に した 「 GTS 25 Type GSE 」 と 4WD システム を 搭載 した 「 GTS ― 4 Type G 」 を 追加 バリエーション と した 。 価格 は 写真 の 4 ドア セダン 2 WD 「 GTS Type G 」 で 221万8000 円 。 本欄 で 「 車 会 学 」 を 執筆 中 の 自動車 評論 家 ・ 岡崎 宏司 さん が 、 「 自動車 新 時代 を 問う 」 を テーマ に 「 自動車 の 危機 」 と いう タイトル の 本 を 著した 。 ちくま 新書 で 、 サブタイトル に は 「 クルマ は 生き残れる か 」 と ある 。 クルマ が 登場 して 1 世紀 、 今 ほど 、 クルマ を 取り巻く 環境 が 大きく 変化 した こと は ない 、 と いう の が 岡崎 さん の 時代 認識 。 とりわけ 、 世界 の トップ に 立った 日本 の 自動車 産業 の 危機 は 深い 、 と 主張 して いる 。 この 危機 を 乗り切る ため に は メーカー の 責任 も 重大だ が 、 ユーザー も 大きい もの 、 高級な もの 、 高価な もの を 求める の を やめて 、 ライフ スタイル に 合った クルマ 選び を する 必要 が ある 。 F1 カムバック が 確実 視 さ れて いる 鈴木 亜久里 が あす 14 日 から 16 日 まで 鈴鹿 サーキット で 行わ れる 「 モーター スポーツ 感謝 デー 」 で ティレル 無限 を ドライブ する 。 鈴木 が F1 マシン を ドライブ する の は 93 年 の 日本 GP 以来 、 1 年 半 ぶり 。 鈴木 は 95 シーズン から リジェ 無限 で の F1 復帰 が 確実 と さ れて おり 、 この テスト ドライブ が カムバック へ の ファーストステップ と なる 。 鈴木 の テスト ドライブ は 15 日 の 午後 1 時 から 2 時 に 予定 さ れて いる 。 フェラーリ が グランプリ ・ レース で 勝った 時 の イタリア の 人々 の 喜び 方 は 、 相当に 派手な もの らしい 。 みんな で 町 に 出掛けて 行って 、 クルマ で 走り回り 、 あるいは フェラーリ の 旗 を 振って 練り歩き 、 手 に 持った エアホーン を 鳴らす 。 ことに フェラーリ の 地元 である モデナ の 町 など で は 、 こうした お祭り騒ぎ が 深夜 まで 続け られる と いう 。 イタリア で は 毎年 、 グランプリ ・ レース が 2 つ 行わ れて いる 。 初夏 の サンマリノ GP と 秋 の イタリア GP で 、 どちら も 多数 の 観客 が 集まる 。 ところが ほとんど の 人 たち が レース を 見 に くる ので は ない 。 フェラーリ だけ を 見 に くる のだ 。 その 証拠 に レース 開始 早々 に フェラーリ が リタイア でも しよう もの なら 、 彼ら は 残り の レース など 見よう と も せ ず 帰って しまう 。 それ だけ 、 イタリア の 人 たち に とって は 、 フェラーリ が あこがれ であり 、 希望 の 星 であり 、 ヒーロー である のだろう 。 フェラーリ は 第 二 次 世界 大戦 が 終わって レース が 再開 さ れた 時 から 、 クルマ を 製作 し 、 チーム を 作って レース に 参加 して いる 。 その後 、 現在 に 至る まで 1 年 と して 休んだ こと は ない 。 その フェラーリ が クルマ を 作る ように なる 以前 、 すなわち 1920 年 代 や 30 年 代 に 、 ちょうど この 現代 の フェラーリ の 役割 を 果たして いた の が 、 アルファ ・ ロメオ だった 。 ことに その 最 盛期 に は 、 ヴィットリオ ・ ヤーノ と いう 名 設計 者 が いて 、 当時 の レース で 大 活躍 した クルマ を いく つ も 作り上げた 。 写真 の アルファ ・ ロメオ も その ころ の モデル で 、 ミッレ ・ ミリア と いう ロードレース で は 、 敵 を 寄せ付け ない ような 性能 を 誇った 。 これ は レース 用 である と 同時に 公道 を 走る こと の できる 最高の スポーツカー で も あった から 、 今日 で 言えば 、 フェラーリ F 40 に 相当 する かも しれ ない 。 その ころ 、 アルファ ・ ロメオ は 会社 自体 で は レース に 参加 せ ず 、 別の チーム に ゆだねて いた 。 それ を 行って いた の が 、 スクーデリア ・ フェラーリ で 、 それ を 率いて いた の が エンツォ ・ フェラーリ な のである 。 戦前 の アルファ ・ ロメオ の 栄光 は 、 こうして 戦後 の フェラーリ に 受け継が れて いる 。 AFC 、 NFC と も 七 日 と 八 日 に 準 決勝 各 2 試合 を 行い 、 AFC は チャージャーズ と スティーラーズ が 、 NFC は カウボーイズ と 49 ers が 勝ち上がった 。 十五 日 に 両 カンファレンス の 決勝 が 行わ れ 、 スーパーボウル 進出 チーム が 決まる 。 アメリカン フットボール の 米 大学 チャンピオン は 、 ランキング 制度 に よって 選ば れる 。 今季 は ネブラスカ 大 が 13 戦 全勝 で 全 米 一 に 輝いた が 、 ランキング 二 位 の ペンシルベニア 州立 大 も 12 戦 全勝 。 この ため 、 主観 に よって 決まる 王者 の 価値 に 疑問 が 投げ られて おり 、 野球 や バスケットボール と 同様に 真 の 王座 を 争う 選手 権 試合 待望 論 が 再燃 して いる 。 ランキング は 、 AP 通信 に よる 記者 投票 と USA トゥデー 紙 ・ CNN 放送 が まとめる コーチ 投票 の 2 本 柱 。 最 終戦 の オレンジボウル を 制した ネブラスカ 大 は 両 ランク で 一 位 と なり 、 全 米 王者 と して 認定 さ れた 。 しかし 、 ニューヨーク ・ タイムズ 紙 の 独自 コンピューター ・ ランキング で は 、 ローズボウル を 制した ペン 州立 大 が 一 位 。 所属 リーグ が 異なる 両 校 は 今季 の 直接 対決 が なく 、 パターノ ・ ペン 州立 大 監督 も 「 チャンピオン は わが 校 だ 。 一 位 と 二 位 に どんな 違い が ある の か 」 と 主張 。 これ に 対し 、 ネブラスカ 大 の オズボーン 監督 も 「 一 位 と 二 位 は 対決 す べきだ 」 と の 考え だ 。 「 昔 、 遊牧 民 は こんな ところ で 生活 して いた んだろう な 」 。 砂漠 で は ない が 、 荒涼たる 平地 が 続き 、 日本 の ように 山影 が 視界 に 入って くる こと は ない 。 バス で サウジアラビア の 首都 、 リヤド 市 内 から 約 20 分 、 こつ然 と 大きな 遊牧 民 の テント が 見えて きた 。 と 思ったら 、 サッカー の インタコンチネンタル 選手 権 が 行わ れて いる キングファハドスタジアム だった 。 いく つ も の テント の ような もの が スタンド を 覆って いる 。 芝生 の 緑 と 、 テント を 模した 覆い の 白 さ が 、 強い 日差し に よく 映えて いる 。 収容 人員 7万5000 人 。 どの 席 から も 見える ように 電光 掲示板 は ふた つ 。 内部 に は テレビ ・ ラジオ の スタジオ 、 トレーニング 室 、 手術 も できる と いう 医療 設備 も ある 。 駐車 場 は 2万 台 。 「 巨大で 美しい スタジアム と 言えば 、 人々 は この スタジアム を 挙げ なければ なら ない だろう 」 と 、 自慢 する の も うなずける 。 サッカー は サウジアラビア で もっとも 人気 の ある スポーツ だ 。 全国 に は 153 の クラブ が あり 、 協会 に は 1万7000 人 の 選手 が 登録 さ れて いる 。 毎年 、 全国 規模 で 8 大会 が 開催 さ れ 、 日本 の J リーグ に あたる トップリーグ は 10 チーム で 構成 さ れて いる 。 その ひと つ 、 日本 チーム の 練習 会場 と なった アル ・ ヒラルクラブ を 訪れた 。 芝 の サッカー 場 が 2 面 あり 、 屋内 運動 場 など 施設 が そろって いる 。 大会 プレスルーム の 電話 係 と 話 を したら 「 おれ も メンバー だ よ 。 サッカー を やって いる んだ 」 と 、 名門 クラブ へ 所属 して いる こと に 自慢げだった 。 残念 ながら 、 選手 権 で は 、 サウジアラビア は 日本 と ともに 予選 リーグ 敗退 。 試合 途中 から 、 押さ れ っ放し の 自国 に 激しい ブーイング が 浴びせ られた 。 相手 に は 称賛 の 歓声 。 特に 、 ドリブル で サウジアラビア DF を 手玉 に とった B ・ ラウドルップ へ は 、 名前 の 連呼 。 片手 を 上げて 応える と 、 大きな 拍手 が 沸き起こった 。 アルゼンチン に 大敗 した 日本 は ブーイング に 見舞わ れて しまった 。 夏 に は 50 度 近く なる 気温 。 アラビア 半島 に 広がる 砂漠 。 厳しい 自然 環境 で 生活 して きた 遊牧 民 の 血 は 、 強者 を 求めて 熱狂 的だ 。 5 連覇 を 達成 した 本因坊 栄寿 が 1966 年 の 第 21 期 に 迎えた 挑戦 者 は 藤沢 秀行 九 段 。 高川 秀格 本因坊 に 挑戦 以来 、 6 年 ぶり の 七 番 勝負 登場 だった 。 63 、 64 年 の 名人 戦 七 番 勝負 を はじめ 、 好勝負 を 展開 した 大正 生まれ の 両者 。 だが 、 藤沢 は 必勝 の 第 4 局 を ポカ で 落とし 、 4 連敗 を 喫した 。 坂田 が 6 連覇 を 達成 、 通算 で は 七 番 勝負 14 連勝 を 果たした 。 藤沢 は 後 に 77 年 から 棋聖 位 6 連覇 を 達成 、 一躍 時 の 人 に なった 。 しかし 、 本因坊 戦 に は 相性 が 悪かった の か 、 挑戦 は 前記 2 回 しか ない 。 リーグ は 16 期 在籍 、 歴代 棋士 で 7 位 の 成績 を 残して いる 。 坂田 は 碁 界 の 頂点 を 守った が 、 時代 の 流れ は 速く 、 若い 才能 が 次々 と 芽生え 始めて いた 。 翌 67 年 から 新旧 対抗 時代 に なる 。 二十 歳 に なる 瞬間 は 、 心 に 何 か 特別な 感情 が 起こる はずだ と 思って いた 。 そこ で 、 十代 最後 の 元日 の 夜 、 部屋 の 明かり を 消し 、 布団 の 上 に ゴロリ と 大 の 字 に なり 、 目 を 閉じて 自問 して みた 。 「 お前 は もう 二十 歳 、 大人 に なる のだ 。 さあ 、 大人 に なる と いう こと に 、 一体 何 を 感じる ? 」 しかし 、 期待 と は 裏腹に 、 込み上げて くる もの は 何も なかった 。 なぜ だろう 、 どうして 何も 感じ なかった のだろう 。 今 まで 生きて きた 二十 年間 を 振り返って みる と 、 長い ようで 短い もの であった 。 小学生 の ころ から 中学生 に かけて は 、 時間 の 流れ が 非常に 緩やかだった 。 朝 起きて 夜 寝る まで 、 時間 が たっぷり ある ような 気 が し 、 一 日 々々 が とても 長く 感じ られた 。 そんな わけ で 、 二十 歳 と いう 年齢 は 、 自分 と は 関係 の ない 遥 か 遠い 世界 の こと だ と 思って いた 。 しかし 、 高校 に 入って から の 時間 は 瞬く間に 流れ 、 気 が つけば その 二十 歳 。 年々 、 時 が 早く 過ぎて いく ような 気 が する 。 そんな 時 の 流れ に ついて いけ ない の か 、 今 、 自分 を 見つめる と 年齢 相応 の 自覚 を 持て ず に いる の が 、 よく わかる 。 こんな こと を 言う と 、 ここ 数 年 言わ れて いる 「 三十 歳 成人 説 」 や 「 成人 式 七五三 」 の ように 、 自立 できて い ない 若者 と たたか れ そうだ が …… 。 その 意識 が ある 点 で 、 私 は 大人 に なりきれて い ない と 思う 。 だから 、 布団 の 上 で 自問 して も 、 何も 感じ なかった のだろう 。 今 、 大人 と 子供 の 中間 に いる 私 。 二十 歳 は 大人 に なる ため の 通過 点 、 今 まで 生きて きた 過去 を 振り返る ため の きっかけ に すぎ ない 。 これ から 、 どのような 人々 に 出会う の か 、 どんな 経験 を 積む の か 。 そして 、 それ ら に よって 自分 が どう 変わって いく の か ? 大人 へ の 道 を 歩き 続けて いる であろう 数 年 後 の 自分 は 、 どんな 人間 に なって いる か 、 楽しみである 。 あす 十四 日 から 、 いよいよ センター 試験 。 一九九五 年 の 入試 シーズン の 幕開き だ 。 今年 は 十八 歳 人口 の 減少 三 年 目 で 、 大学 受験 生 は 昨年 の 百十六万五千 人 から 百十二万五千 人 と さらに 減少 する 見込み 。 この 冬 の 時代 を 乗り切ろう と 、 各 大学 で は 学生 獲得 競争 に あの手この手 。 そんな 中 で 新たに 「 持ち込み 可 」 「 得意 科目 優遇 」 など “ 型破り ” な 入試 が 登場 して きた 。 東京 ・ 神田 の 駿台 予備 学校 に よる と 、 教科 書 や 参考 書 など 「 持ち込み 可 」 の 入試 を 今年 から 行う の は 、 駿河台 大 文化 情報 学部 、 東京 工科 大 、 山口 東京 理科 大 基礎 工学部 。 東京 工科 大 は 「 二 期 募集 A 方式 」 と いい 、 英語 、 数学 、 理科 の 科目 ごと A 4 判 内 の 教科 書 や ノート を 一 冊 だけ 試験 場 に 持ち込める 。 山口 東京 理科 大 は 物理 、 化学 、 理科 2 の 教科 書 を 各 一 冊 ずつ 持ち込める 。 「 なんでも あり 」 が 駿河台 大 。 「 ユニーク 方式 」 と “ 命名 ” 、 冊数 も 「 段ボール 一杯 持ち込んで も OK 。 それ も 受験 生 の 熱意 の 表れ だ から 」 と 制限 なし 。 それ なら ノート 型 パソコン は どう か 。 同 大学 入試 事務 室 は 「 キー を たたく 音 が 他 に 迷惑 を かけ なければ 規制 し ませ ん 。 ただし 電源 は あり ませ ん が 」 と の こと 。 この 方式 を 導入 した 狙い に ついて は 「 大学 に おける 学習 、 研究 は 資料 を 参照 し ながら の 作業 が 中心 に なり ます 。 そういった 状況 に 適した 学生 を 入学 さ せ 、 キャンパス の 活性 化 を 図る こと が 目的 」 と して いる 。 一方 、 受験 生 が 得意 科目 を 指定 できる 「 得意 科目 重視 型 」 の 入試 を 行う の は 、 東海 大 の 文 、 政経 、 法 、 理 、 工 など 教養 、 体育 、 第 二 工 、 医学 を のぞく 各 学部 と 、 専修 大 法学部 法律 学科 。 「 得意 科目 ウエート 配点 制度 」 と 呼ば れる 東海 大 の 場合 、 各 学部 受験 科目 は 三 科目 だ が 、 受験 生 は 出願 時 に 得意 科目 を 一 ― 二 科目 指定 できる 。 指定 した 科目 の 得点 は 、 一 科目 の 場合 は 一・六 倍 に 、 二 科目 の 場合 は 一・三 倍 ずつ に 、 指定 し ない 場合 は 三 科目 と も 一・二 倍 ずつ に して 採点 し 、 総合 点 で 判定 する 。 専修 大 法律 学科 の 入試 は B 方式 、 通称 「 カフェテリア 方式 」 と いう 。 英 、 国 必須 、 数 、 社 の うち 一 科目 選択 の 三 科目 。 受験 生 は この うち 得意 科目 を 一 科目 、 出願 時 に 登録 する 。 その 科目 を 百五十 点 、 残り の 二 科目 は それぞれ 百 点 満点 と いう 傾斜 配点 で 採点 さ れる 。 そして 、 募集 定員 の 二〇 % に ついて は 、 得意 科目 の 結果 のみ で 合格 と なる 。 残り の 定員 は 三 科目 の 総合 点 で 判定 さ れる 。 東海 大 入試 企画 課 は 「 学科 ごと 入学 後 の 勉強 が 違う 。 学生 が 科目 を 選べる こと で 学科 の 特性 の 高い 生徒 が 入学 して くる 」 と いう 。 また 、 専修 大 入試 事務 課 は 「 学部 がら 英 、 国 、 数 、 社 、 それぞれ の 特性 が 生かせる ので 、 それ に 適した 学生 を 入学 さ せ たい 」 と 説明 。 受験 生 の 反応 は 「 持ち込み は 、 今 まで の 積み重ね が 壊れる ようで いや 」 、 「 従来 の 方式 で 勝負 する ほう が 有利 」 と 批判 も ある が 、 一 番 多かった の は 「 それ ら の 大学 を 受験 し ない から 、 どうでも いい 」 と いう 声 。 自分 の 志望 校 以外 の こと は あまり 関心 が ない 様子 だ 。 これ ら の 入試 に ついて 駿台 予備 学校 は 「 全体 的に みれば 、 大学 の 意図 した 学生 が 入って くる だろう が 、 一方 で は 基本 的 学力 の 欠落 した 学生 が 入学 して しまう こと も ある 」 と 弊害 の ある こと も 指摘 して いる 。 春 は もう すぐ やって 来る 。 がんばれ ! 受験 生 。 正月 、 凧 揚げ の シーズン が めぐって くる と 、 いつも の ように 凧 の 歴史 の 第 一 ページ に 現れる 「 蛸 旗 」 と いう 妙な 言葉 を 思い出す 。 『 日本書紀 』 に よる と 、 斉明 女帝 の 四 年 七 月 の こと 。 東北 ・ 渟代 郡 の 蝦夷 二百 人 が 飛鳥 の 都 を 訪れ 、 みつぎ物 を 献上 した 。 この とき 、 リーダー の 渟代 郡 長官 サニグナ ら に たまわった の が 、 先 の 「 蛸 旗 」 。 「 蛸 旗 」 と は 何 か 、 昔 から 諸説 紛 々 。 「 旗 の 頭 が 蛸 の ようだ から 」 と か 「 まつろ わ ぬ もの を 鎮める 一種 の 呪具 」 と か 、 いや 「 軍旗 だ 」 など など 。 どうやら 凧 で は な さ そうだ が 、 いつしか 私 は 「 メドゥーサ の 面 を 描いた 旗 で は ない か 」 と 想像 する ように なった 。 糸 の 切れた 凧 の ような 空想 を 、 正月 酒 に 免じて お 許し ねがう と ―― 。 メドゥーサ は 、 ご存じ の とおり 、 ギリシャ神話 に 出て くる 恐ろしい 魔女 。 丸い 顔 に は ひげ が 生え 、 髪 の 毛 は 蛇 、 体 は イノシシ 、 手足 は 青銅 。 大きく 裂けた 口 から 、 イノシシ のきば を のぞかせ 、 長い 舌 を 垂らす 。 鋭い 目 で にらま れた 者 は 、 たちまち 石 に 変わる 。 ギリシャ神話 に よる と 、 英雄 ペルセウス が 、 神々 の 助け を 借りて メドゥーサ 退治 に 成功 。 恐ろしい 首 は アテナ 女神 に ささげ られ 、 盾 の 飾り に さ れた 。 歴史 の 上 でも 、 メドゥーサ の 首 は 、 地中海 沿岸 から 中央 アジア に わたる 各地 の 民族 の 間 で 、 魔よけ の 印 と して 盛んに 用い られた 。 昨年 、 なら ・ シルクロード 国際 交流 財団 の 調査 隊 が 発見 した シリア ・ パルミラ の 地下 宮殿 でも 、 二 世紀 の メドゥーサ の 彫刻 が みつかって いる 。 実は 、 この メドゥーサ 、 シルクロード を 渡って 日本 に も 伝わり 、 古代 の 仏像 の 胸 飾り に 用い られた ―― と は 、 美術史 家 ・ 田中 しげひさ さん の 、 天馬 空 を 行く 壮大な 仮説 である 。 その 驥尾 に 付して 、 私 は 考える 。 古代 の 日本 人 は 蛇 髪 の メドゥーサ を 八 本 足 の タコ に 見立てた 。 「 蛸 旗 」 と は 、 おそらく 蛇 髪 の メドゥーサ を 旗 に 仕立て 、 魔よけ に した もの で は ない か 。 「 蛸 旗 」 が 授け られる ちょうど 一 年 前 の 六五七 年 七 月 、 乾豆 波斯 達阿 と 名乗る トカラ 人 一行 が 、 筑紫 に 漂着 し 、 飛鳥 の 都 に 迎え られた 。 イラン 学 の 井本 英一 さん と 伊藤 義教 さん に よる と 、 トカラ 人 たち は ササン朝 ペルシャ の 王族 。 「 乾豆 から 来た 波斯 の 達阿 」 の 一行 だ 。 六五一 年 、 ササン朝 が 新興 の イスラム 軍 に 滅ぼさ れた とき 、 大勢 の 王族 ・ 貴族 が シルクロード を 経て 唐 の 長安 に 亡命 した 。 日本 に 来た ダーラー も また 、 その なか の 有力 王族 だった 、 と いう 。 一行 は 、 ペルシャ 産 の ブランド や モード ばかり か 、 物語 ・ 美術 ・ 宗教 など を もたらした 。 私 の 見る ところ 、 その なか に お守り ・ 魔よけ の メドゥーサ も 含ま れて いた らしい 。 飛鳥 の 朝廷 で は 、 さっそく 翌年 、 蝦夷 の リーダー たち に メドゥーサ を 描いた 「 蛸 旗 」 を 授けた …… 。 「 蛸 旗 」 ゆかり の 秋田 県 能代 市 に 、 べろ を 出した 愛くるしい 童児 絵 の 凧 が ある 。 「 べらぼう 凧 」 の 名 で おなじみ だ が 、 最 高 一万 円 、 それ こそ べらぼうな 凧 ―― と いう より 、 いま は 床 の 間 の 飾り物 。 能代 凧 の ルーツ は 、 八 世紀 末 、 坂上 田村麻呂 が 蝦夷 を 攻めた とき 、 目印 に 揚げた と いわ れる ほど 古い が 「 べらぼう 凧 」 そのもの は 江戸 時代 以後 に つくら れた 。 現在 ただ 一 軒 、 能代 凧 を 作って いる 北萬 凧 製作 所 の 話 に よる と 「 江戸 から 能代 へ 下がって きた < 傘張り 浪人 > の ような 侍 が 、 作り はじめた ので は ない でしょう か 」 と いう 。 したがって 「 べらぼう 凧 」 は 、 七 世紀 の 「 蛸 旗 」 や メドゥーサ に 直接 つながる もの で は ない し 、 べろ 出し は 偶然 の 一致 に すぎ まい 。 けれど 、 伏流水 の ように 能代 の 地 に 伝わった 「 蛸 旗 」 の イメージ と 、 江戸 下り の < 傘張り 浪人 > が もたらした 浮世 絵 の 技法 と 、 この 二 つ が 合わさって 「 べらぼう 凧 」 が 生まれた ―― と 想像 さ れる のである 。 「 赤城 の 子守唄 」 や 「 憧れ の ハワイ 航路 」 と いった “ 純正 ナツメロ ” で は なく 、 30 〜 40 代 の 人々 が 「 あっ 、 懐かしい な 」 と 感じる 曲 の こと 。 テレビ CM で は 、 最近 この 感じ の イメージソング が 多い 。 ユーミン や 竹内 まりや ら 国 内 もの は もちろん 、 ディープ ・ パープル の 「 スピード ・ キング 」 や T ・ レックス の 「 20 センチュリー ・ ボーイ 」 と 、 日本 で は アルバム 収録 曲 と して 知ら れる 曲 まで 流れて きた 。 制作 側 と して は 、 商品 の 販売 対象 の 世代 に 訴える 曲 を 、 の ねらい が ある のだろう が 、 その 下 の 世代 に も この 種類 の 曲 は インパクト が ある ようだ 。 70 年 代 は いろいろな 意味 で 「 いい 時代 」 だった のだろう か 。 昨年 から 「 Q 盤 」 と 呼ば れる 懐かしい 曲 の シリーズ が 発売 さ れ 、 30万 枚 を 超えた もの も ある 。 長寿 は 人類 の 長年 の 夢 だった のだ から 、 人生 八十 年 時代 を 実現 した 私 たち は 、 もっと 喜んで いい はずである 。 ところが 、 高齢 化 社会 に ついて の 人々 の イメージ は 、 必ずしも 明るい もの で は ない 。 「 特に 、 中高年 の 男性 サラリーマン に ついて は 、 高齢 期 を いかに 自分 の ため に 有意義に 使う か に ついて 戸惑い すら み られる 」 と いう 。 社団 法人 長寿 社会 文化 協会 の 田中 尚輝 常務 理事 と 話して いたら 、 それ は 日本 の 男性 の 多く が 「 会社 人間 」 で 、 男性 マイナス 会社 イコール ゼロ の 生き 方 を して いる から だ と 指摘 さ れた 。 「 会社 人間 」 であれば ある ほど 、 その後 の 人生 を クリエーティブに 生きる 気迫 に 欠ける 傾向 が ある と 田中 さん は 手厳しい 。 確かに 、 定年 後 は 健康に 注意 して ゴルフ や テニス 、 園芸 など の 趣味 、 学習 活動 や 旅行 など を 楽しみ たい と いう サラリーマン は 多い 。 だが 、 もっと アクティブに 社会 と かかわら ないで 、 二 周 目 の 人生 と いわ れる ほど 長く なった 定年 後 を 意義 ある もの に する こと が できる だろう か 。 問題 は 人生 八十 年 時代 に ふさわしい 社会 システム が 構築 さ れて い ない こと に ある 。 とすれば 、 高齢 者 自身 が 社会 変革 の 主体 と なって 、 その 実現 に 乗り出す 必要 が ある だろう 。 六十五 歳 以上 の 高齢 者 は 一七五七万 人 、 全 人口 の 一四・一 % を 占め 、 今後 も 確実に 増え 続ける 。 つまり 、 高齢 者 は 一 大 社会 勢力 な のだ 。 その 自覚 と 責任 を 持って 、 もう 少し 積極 的に 社会 に 注文 を つけて いい はずである 。 アメリカ で は 市民 団体 の 「 グレイ ・ パンサー 」 や 中高年 組織 「 全 米 退職 者 協会 」 が 大きな 影響 力 を 持って いる 。 わが国 も 、 二十一 世紀 に は 組織 的な 高齢 者 運動 の 時代 を 迎える ので は ない か 。 そんな 予感 が する 。 京都 に 拠点 を 置き 、 黒人 男性 を まじえた ダム ・ タイプ と いう 集団 が 、 東京 ・ 青山 の スパイラル ・ ホール で 十六 日 まで 「 S / N 」 と 題する 作品 を 上演 して いる 。 これ が ユーモラスで も あり 、 美的で も あり 、 グロテスクで も あり 、 官能 的で も あり 、 そして 感動 的な メッセージ を 含んで いて 素晴らしい 。 古典 的な 演劇 観 から は 、 はみ出す ような パフォーマンス で 、 映像 など の ハイテク が 駆使 さ れ 、 たたきつける ごとき 、 はじける ごとき 音楽 に 乗って の 舞踊 的な 動き が あり 、 即興 らしき やりとり が はいり 、 時に 哲学 めいた アフォリズム が 映写 さ れる 。 エイズ と 同性 愛 を モチーフ に して 、 人間 の 根源 的な 自由 の あり 方 と 生き 方 を 、 静かな 声 で 語りかける 。 衝撃 的 と も いえる の は 、 構成 ・ 演出 を 担当 し 、 パフォーマー と して も 登場 する 古橋 が 、 自分 が 同性 愛 者 である のみ なら ず 、 エイズ ・ ウイルス に 感染 して いる こと を 公 に する こと から 作品 作り を して いる ことだ 。 舞台 で エイズ や 同性 愛 が 扱わ れる こと は 今では さほど 珍しく ない が 、 ここ まで 踏み込んで スタート した 作品 は わが国 で は 「 S / N 」 以外 に は ない ので は ない か 。 しかも コブシ を 振りかざして の もの で は まったく なくて 、 これ 以上 に は ない 自然 体 で 展開 さ れる 。 大詰め の 「 アマポーラ 」 の 甘美な 旋律 が 流れる 中 、 高い 塀 の 上 の 台 に よこたわった 全裸 の 女性 が 、 下半身 から 次々 と 万 国 旗 を 繰り出し ながら ゆっくり 横切って 行く ように 見える 場面 が 、 ことに 鮮烈 。 今後 要注意 の 、 大いに 期待 し たい グループ である 。 個展 の ほか さまざまの グループ 展 でも 近年 、 必ず と いって いい ほど 、 その 名 を 見かける ように なった 。 彫刻 ・ 立体 や インスタレーション 、 映像 など 他 メディア に 押さ れ がちな 絵画 界 で は 、 貴重な 新進 の 一 人 と いえる 。 銀座 ・ 京橋 の 十 画廊 に よる 若手 作家 支援 プロジェクト 「 新 世代 の 視点 ’ 93 」 展 で 、 その メンバー に 選ば れた の に 続いて 、 今年 は 同じ 画廊 の 年頭 展 を 飾る こと に なった 。 その こと から も 美術 界 の 期待 の 度 が うかがえる が 、 本人 は 「 個展 や 展覧 会 に 声 が かかる の は 光栄だ けど 、 本当 は もっと 自分 が 納得 の いく まで 時間 を かけて 仕事 を し たい んです 」 と あくまで 控えめだ 。 四国 の 徳島 出身 。 もともと 絵 の 好きな 少年 だった が 、 まわり に 美術 的な 環境 が 乏しかった ぶん 、 絵画 へ の 思い が 余計 つのった のだろう 。 やがて 美 大 の 油絵 科 に 進む 。 だが 、 そこ の カリキュラム は 印象 派 以前 を 基本 と した もの で 、 現代 アメリカ 美術 に 心酔 して いた 目 に は 、 旧態依然と して 耐えがたかった ようだ 。 結局 、 在学 中 は 絵 を 描か ず 、 立体 作品 の 方 に 熱中 して しまう 。 「 木 や 鉄 や 石 など を 使って 、 不満 を 吐き出す みたいに 、 いろんな もの を 作った 。 でも 立体 って 、 初め から 最終 的に イメージ する かたち が 決まって いて 、 一直線 に そこ へ 進んで いく しか ない 。 その 作業 が だんだん つまらなく 思えて きた んです 。 試行 錯誤 し ながら 、 新しい 何 か を 発見 して いく 絵画 が 、 やっぱり 自分 に 似合って いる んだ 、 と 」 新作 三 点 は 、 混沌と した 生成 感 を たたえた 従来 の 画風 を 基調 と し ながら も 、 一 点 ごと に その 性格 を 描き 分けよう と する 苦心 の 跡 が 伝わって くる 。 「 絵 づくり が どう だ と いう 前 に 、 もっと 表現 を 個人 的な もの に して いき たい 」 と いう の が 、 年頭 の 抱負 だ 。 一九六三 年 生まれ 。 新作 展 は 21 日 まで 、 銀座 3 の 4 、 ギャラリー 21 + 葉 で 。 文楽 の 三味線 方 で 作曲 家 と して も 才能 を 発揮 した 野沢 松之輔 が 、 1975 年 の この 日 死去 した 。 72 歳 。 和歌山 県 の 生まれ 。 本名 西内 重男 。 16 年 に 六 世 野沢 吉兵衛 に 入門 、 吉左 の 芸名 で 初 舞台 。 42 年 に 松竹 の 白井 松次郎 社長 から 松 の 字 を 贈ら れ 、 松之輔 と 改めた 。 世話物 の 名手 で 「 沼津 」 や 「 引窓 」 「 揚屋 」 など に 特色 を 見せ 、 72 年 に 人間 国宝 に 選ば れた 。 その 一方 、 作曲 家 と して も 優れた 才能 を 発揮 した 。 55 年 に 西亭 の 名前 で 長らく 上演 の 絶えて いた 「 曽根崎 心中 」 を 脚色 、 作曲 し 近松 門左衛門 作品 の 復活 に 成功 した の を はじめ 、 以後 「 鑓 の 権 三重 帷子 」 「 女殺 油 地獄 」 「 長町 女 腹切 」 「 ひ ぢ りめん 卯月 紅葉 」 など を 次々 に 復曲 して 、 文楽 に 近松 作品 と いう 新しい 演目 を 定着 さ せた 。 新作 で は 「 お 蝶 夫人 」 「 明治 天皇 」 など を 作曲 、 映画 「 楢山 節 考 」 の 音楽 も 担当 して いる 。 十三 日 午前 八 時 二十九 分 ごろ 、 伊豆 諸島 を 中心 に 地震 が あった 。 気象 庁 に よる と 、 震源 地 は 三宅島 の 西側 の 近海 で 、 地震 の 規模 は マグニチュード 4・9 、 震源 の 深 さ は 約 一〇キロ 。 各地 の 震度 は 次の 通り 。 イタリア の ベネチア 市 は 十二 日 、 非 居住 者 が 同 市 で 結婚 式 を 挙げる 場合 に 百万 リラ の 特別 税 を 徴収 する 方針 を 明らかに した 。 同 市 の 財政 赤字 の 補てん に 使わ れる 。 「 結婚 式 は 華麗な 水 の 都 で 」 と 、 最近 急増 する 日本 人 カップル が ターゲット 。 市 当局 に よる と 、 昨年 、 同 市 で 挙式 した 非 居住 者 は 二百五十 組 で 、 その ほとんど が 日本 人 。 観光 客 が 必ず 訪れる ドゥカーレ 宮殿 で 総督 の 貸衣装 を 着る と いう 演出 も 人気 が ある 。 地元 紙 は 業者 の 話 と して 「 日本 人 は 言う だけ 払う 。 日本 人 相手 の ビジネス は おいしくて やめ られ ない 」 と 伝えて いる 。 いじめ ・ 登校 拒否 問題 を 考える シンポジウム 「 子ども たち の 声 、 聞こえ ます か 。 ストップ ・ ザ ・ いじめ ―― 今 、 私 たち に できる こと 」 が 十四 日 午後 一 時 から 東京 ・ 四谷 の 主婦 会館 で 行わ れる 。 引きこもり や 登校 拒否 問題 に 取り組む フリースクール 「 フレンドスペース 」 の 富田 富士也 代表 、 「 いじめ 撃退 マニュアル 」 の 著者 、 小寺 やす子 さん 、 教育 評論 家 の 藤田 恭平 さん 、 岡崎 トミ子 ・ 文部 政務 次官 、 西沢 清 ・ 日教組 副 委員 長 ら が 出席 。 問い合わせ は 03・3592・7507 へ 。 スパイク ・ リー 監督 の 映画 で 話題 に なった 黒人 指導 者 、 マルコム X の 娘 が 十二 日 、 父 の 政敵 だった 黒人 急進 組織 「 ネーション ・ オブ ・ イスラム 」 代表 の ルイス ・ ファラカン 師 の 殺害 を 企てた 罪 で 起訴 さ れた 。 マルコム X の 遺族 は 三十 年 前 の 暗殺 事件 に ファラカン 師 が 関与 して いた 疑い を 持ち 続けて おり 、 その “ 報復 ” を 図ろう と した と み られて いる 。 起訴 さ れた の は ミネソタ 州 ミネアポリス に 住む キュビラ ・ シャバズ 被告 。 六五 年 二 月 二十一 日 、 ニューヨーク の ハーレム で の 演説 中 に 父 が 凶弾 に 倒れる の を 母 や 姉 たち と 目の当たり に して いた 。 検察 当局 に よる と 、 シャバズ 被告 は 昨年 七 月 から 八 月 に かけて ファラカン 師 殺害 の ため に 雇った ヒットマン と 八 回 に わたって 電話 で 連絡 。 報酬 の 一部 を 前払い した 。 殺害 は ファラカン 師 の 住む イリノイ 州 で 計画 さ れた が 、 結局 、 実行 に 移さ れ なかった 。 有罪 が 確定 すれば シャバズ 被告 は 最高 九十 年 の 懲役 と 二百二十五万 ドル の 罰金 を 宣告 さ れる 。 東京 都 内 で 出る 粗大 ごみ の 中 から 、 まだ 使える 品物 を 集めて 希望 者 に 無料 で 提供 する 都 の 「 京橋 リサイクルセンター 」 が 十三 日 、 オープン した 。 都 は 、 一九九〇 年 に 大田 区 内 に 初 の リサイクルセンター を 設置 。 七 カ所 の センター を 運営 して いる が 、 「 京橋 リサイクルセンター 」 は 、 中央 区 が 設けた 「 リサイクルハウス かざぐるま 」 と 併設 さ れた 初めて の 施設 。 約 一〇〇 平方メートル の フロア に 、 同 センター の 専門 職員 が 修理 、 清掃 した たんす や テーブル 、 テレビ や ミシン など 計 六十 点 あまり が 展示 さ れて いる 。 希望 者 は 欲しい もの を 登録 して 、 毎月 末 に 抽選 し 、 当選 者 に は 無料 で 引き渡さ れる 。 開館 時間 は 、 原則として 月曜日 から 土曜日 の 午前 九 時 半 から 午後 三 時 まで 。 田中 真紀子 科学 技術 庁 長官 は 十三 日 の 閣議 後 会見 で 、 田中 角栄 元 首相 の 五億 円 へ の 課税 問題 で 東京 国税 局 が 昨年 十二 月 、 異議 申し立て を 棄却 する 決定 を 出した こと に 対する 、 不服 審査 請求 を 十一 日 付 で 東京 国税 不服 審判 所 に 出した こと を 明らかに した 。 三陸 はるか 沖 地震 に 関連 して 、 田中 真紀子 科学 技術 庁 長官 は 十三 日 、 政府 の 地震 予知 推進 本部 の 緊急 幹事 会 を 十八 日 に 開く こと を 明らかに した 。 同 本部 は 建設 、 運輸 、 通産 など 関係 八 省庁 で 構成 さ れ 、 十八 日 は 担当 課長 レベル で 、 同 地域 に おける 地震 の 予知 が 技術 的に 可能 か どう か を 検討 する と いう 。 来月 予定 さ れて いる 高 レベル 放射 性 廃棄 物 の フランス から 日本 へ の 海上 輸送 計画 を めぐり 、 米 ハワイ 州 選出 の 下院 議員 や カリブ 海 ・ 太平洋 地域 の 米 領 の 準 議員 ら 計 六 人 が 「 安全 性 に 疑問 が ある 」 と して 計画 の 延期 など を 求める 書簡 を 十 日 付 で クリントン 米 大統領 に 送った 。 書簡 は 同 大統領 に 対し 、 日本 、 フランス 両 国 政府 へ 計画 延期 を 働き掛ける よう 要望 して いる 。 要請 に ついて 田中 真紀子 科学 技術 庁 長官 は 十三 日 の 閣議 後 会見 で 、 「 具体 的に 情報 を 把握 して い ない ので 、 コメント でき ない 。 日 英 両 国 で タイミング を みて いる 」 と 述べた 。 「 三陸 はるか 沖 地震 」 で の 死者 は 、 青森 県 消防 防災 課 が 十二 日 正午 現在 で まとめた 報告 で 一 人 増え 、 三 人 と なった 。 死亡 した の は 同県 三戸 郡 五戸 町 に 住む 七十六 歳 の 女性 。 二 日 後 の 昨年 十二 月 三十 日 に 急性 心筋 こうそく で 死亡 して いた 。 谷川 浩司 王将 に 羽生 善治 名人 が 挑む 第 四十四 期 王将 戦 七 番 勝負 の 第 一 局 は 、 十三 日 午前 九 時 、 滋賀 県 彦根 市 の 「 彦根 プリンスホテル 」 で 二 日 目 の 戦い が 始まった 。 前日 と 変わり 曇天 の 琵琶 湖畔 。 立会人 の 長谷部 久雄 八段 が 谷川 の 封じ手 を 開封 、 「 4三 銀 です 」 と 告げた 。 ゆっくり と 谷川 が 銀 を 上げ 、 戦い が 再開 さ れた 。 コマ 組み も ほぼ 終わり 、 中盤 に 向け 、 にらみ合い が 続いた 。 谷川 が 五十 八手 目 を 考慮 中 の 午後 零 時 半 、 昼食 休憩 に 入った 。 持ち 時間 各 八 時間 の うち 残り 時間 は 羽生 二 時間 三十一 分 、 谷川 二 時間 三十二 分 。 同 一 時 半 再開 。 亀井 静香 運輸 相 は 十三 日 朝 の 閣議 後 の 記者 会見 で 、 成田 空港 建設 を めぐり 国 側 と 接触 を 拒んで いる 三里塚 ・ 芝山 連合 空港 反対 同盟 小川 派 の 小川 喜平 さん から 手紙 で 謝罪 を 求め られた こと に ついて 「 切々と した 本当の 気持ち を 率直に お 伝え いただいた と 感じた 。 きょう 帰国 する 総理 の 指示 を いただき 、 国 と して どう 受け止めた か お 伝え し たい 」 と 述べた 。 また 謝罪 文 の 伝達 方法 は 「 私 が お 会い して も いい が 、 手紙 で いただいて いる ので 、 代わり の 者 が お 届け する 形 に なる と 思う 」 と 話した 。 亀井 運輸 相 は さらに 、 東峰 十字 路 事件 当時 、 警察 庁 の 総括 責任 者 と して 現場 で 捜査 指揮 に あたった 自身 の 体験 に ついて 触れ 、 「 当時 から 国 側 が 関係 者 に 対して 誠意 を もって 対応 した と 受け取ら れ ない 面 が あり 、 反省 す べき と 考えて いた 。 だから うなずける 点 が あった 」 と 語った 。 イタリア で 体 外 受精 を した 妻 が 死んだ 後 、 その 受精 卵 を 夫 の 妹 が 代理 母 と なって 受け継ぎ 、 この ほど 無事 出産 した 。 しかし 、 「 これ で は 事実 上 の 近親 相姦 だ 」 「 体 外 受精 技術 の 行き過ぎ で は ない か 」 と いう 大 論争 に 発展 、 死んだ 妻 の 夫 と 代理 母 に なった 妹 の 夫 の 「 二 人 の 父親 」 は 反響 の 予想外の 大き さ に 困惑 して いる 。 生まれた 赤ちゃん の 実の 父親 は ローマ の 会社 員 、 ルイジ さん で 、 ルイジ さん は 妻 の エリザベッタ さん と の 間 に 子供 が なく 一九九二 年 に ローマ の 病院 で 夫 の 精子 を 使った 体 外 受精 の 治療 を 受けた 。 しかし 、 エリザベッタ さん は その 年 の クリスマス に 交通 事故 で 死亡 。 それ でも 自分 の 子供 が 欲しかった ルイジ さん は 、 自分 の 妹 で 既に 結婚 して 六 歳 の 男の子 を 持つ エレナ さん に 相談 。 その 結果 、 エレナ さん は 病院 に 凍結 保存 さ れて いた 受精 卵 の 代理 母 と なる こと を 承諾 し 、 その 治療 を 受けた 。 エレナ さん は 今月 初め 、 女 の 赤ちゃん を 無事 出産 した 。 ところが この ニュース を 十一 日 の テレビ や 有力 各紙 が 「 体 外 受精 技術 の 行き過ぎ で は ない か 」 と 報道 、 論争 に 発展 した 。 国家 生命 倫理 問題 委員 会 の イシドロ 委員 長 は 「 受精 卵 を その 女性 が 死んだ 後 も 凍結 して 保存 し 、 使う の は 恐ろしい こと だ 。 これ で は 人間 は スーパー の 冷凍 食品 と 同じ もの に なって しまう 」 と 嫌悪 感 を 表明 。 体 外 受精 技術 に 歯止め を 設ける ため 、 法規 制 を 検討 する こと を 明らかに した 。 一方 、 八六 年 の ノーベル 医学 生理 学 賞 を 受賞 した リタ ・ レビモンタルチーニ 氏 は 「 死に よって 途絶 した 母親 へ の 願望 が 家族 愛 で 実現 した のだ から 素晴らしい こと で は ない か 」 と 、 この 出産 を 称賛 した 。 赤ちゃん は 代理 母 が 自分 の 子供 と して 届けた 。 法務 省 は 「 法律 的に は 代理 母 が 母親 に なり 、 その 夫 が 父親 に なる 」 と 説明 。 実の 父親 の ルイジ さん は 「 早急に 養子 縁組 の 法的 手続き を とり たい 」 と 言って いる が 、 その 場合 、 妹 の 夫 の 父権 放棄 が 必要 。 ところが 、 妹 の 夫 は 赤ちゃん に 強い 愛情 を 示して おり 、 二 人 の 「 父親 」 の 困惑 は 続き そうだ 。 現地 から の 報道 に よる と 、 毎晩 5000 人 以上 の 男女 が 集まり 中国 ・ 上海 で 最大 だった 「 JJ ディスコ 」 が 、 安全 対策 の 乏し さ と 火災 の 危険 性 を 理由 に 、 警察 から 閉店 処分 を 受けた 。 過去 に 同じ 理由 で 1 カ月 の 営業 停止 処分 を 受けて いた のに 、 基準 を 満たさ ず 、 ダンスフロア は 混雑 を 極めて いた 。 また 、 売春 婦 や その 客引き を 店 内 に 引き込んで いた と も 伝え られて いる 。 警察 は 同 店 の 経営 方針 を 見直す よう 指導 して いる が 、 再開 を 許可 する 時期 に は 触れて い ない 。 JJ ディスコ は 昨年 暮れ 、 北京 に 2 号 店 が できて いる 。 十三 日 朝 、 首都 圏 の JR 線 が トラブル など で 遅れ 、 六万九千 人 の 足 が 乱れた 。 午前 八 時 十 分 ごろ 、 東海道 線 の 横浜 ― 川崎 駅 間 で 、 小田原 発 東京 行き 上り 普通 電車 が 走行 中 、 ドア が 閉まって いる こと を 知らせる 運転 席 の ランプ が 消えた 。 同 電車 は 現場 に 停車 し 点検 。 十一 分 後 に 運転 を 再開 した が 、 上下 三 本 が 運休 、 十四 本 が 最高 二十 分 遅れ 、 一万五千 人 に 影響 が 出た 。 危険 を 知らせる 無線 信号 が 発せ られた ため 、 近接 する 京浜 東北 、 横須賀 、 山手 の 各 線 も 一 時 止まり 計 十 本 が 運休 、 三十二 本 が 遅れた 。 午前 八 時 十五 分 ごろ に は 東京 都 千代田 区 の 総武 線 で 秋葉原 駅 に 入って きた 電車 の 運転 席 の ランプ が 消え 、 四 分間 停車 。 八 本 が 最高 十 分 遅れた 。 一方 、 午前 七 時 五十 分 ごろ 、 昭島 市 の 青梅 線 の 西 立川 駅 ― 東 中神 駅 間 に ある 村山 街道 踏切 で 、 障害 物 を 探知 する 装置 が 作動 し 、 運行 が 六 分間 ストップ 。 中央 線 も 含め 上下 十二 本 が 運休 、 二十四 本 が 遅れた 。 東京 都 内 で 十三 日 早朝 、 二 件 の 火事 で 三 人 が 死亡 、 一 人 が 軽傷 を 負った 。 都 内 で は 八 日 から 六 日間 連続 で 乾燥 注意 報 が 出て いる 。 十二 日 朝 に も 三 件 の 火事 で 四 人 が 死亡 した ばかりで 、 東京 消防 庁 で は 注意 を 呼び掛けて いる 。 十三 日 午前 四 時 半 ごろ 、 江戸川 区 南小岩 五 、 無職 、 小高 国松 さん 方 から 出火 、 木造 二 階建て 住宅 一 棟 と 西 隣 の 木造 二 階建て アパート 「 ハイツ 緑 」 を 全焼 した うえ 、 会社 員 、 大谷 嘉彦 さん 方 の 住宅 を 半焼 、 さらに アパート 三 棟 と 住宅 一 棟 の 一部 など 計 七 棟 約 四五〇 平方メートル を 焼いた 。 小高 さん 方 から 男女 二 人 の 焼死 体 が 見つかり 、 小高 さん と 妻 の あき さん と みて 、 小岩 署 で 確認 を 急いで いる 。 また 、 大谷 さん が 避難 の 際 に 煙 を 吸い込み 、 のど に 軽い けが 。 小岩 署 と 東京 消防 庁 の 調べ に よる と 、 小高 さん 方 の 一 階 から 出火 した らしい 。 小高 さん は 高齢 の うえ 、 心臓 が 悪く 、 寝たきり だった と いう 。 また 、 同 五 時 半 ごろ 、 大田 区 西六郷 三 、 アパート 「 いさみ 荘 」 二 階 七 号 室 の 会社 員 、 伊東 孝二 さん 方 から 出火 、 六 畳 間 の うち 、 こたつ 付近 約 一 平方メートル を 焼いた 。 室 内 に 倒れて いた 伊東 さん は 消防 隊 に 救助 さ れた が 、 約 一 時間 後 、 死亡 した 。 蒲田 署 と 東京 消防 庁 の 調べ に よる と 、 死因 は 一 酸化 炭素 中毒 。 伊東 さん は 一 人 暮らし で 同日 午前 三 時 半 ごろ 、 酒 に 酔って 帰宅 、 アパート の 家主 に 合いかぎ を 借りて 部屋 に 入った 。 こたつ の 中 に 電気ストーブ を 入れた 跡 や 、 伊東 さん の 左足 に やけど が ある こと から 、 こたつ に 入って 眠り こんで いる 間 に 出火 した らしい 。 埼玉 県 内 の 愛犬 家 ら の 連続 失跡 事件 で 、 死体 遺棄 容疑 で 逮捕 さ れ 黙秘 を 続けて いた 風間 博子 容疑 者 が 十三 日 まで に 、 同県 行田 市 の 会社 役員 、 川崎 明男 さん の 死体 遺棄 容疑 を 認める 供述 を 始めた 。 風間 容疑 者 が 口 を 開いた こと で 、 捜査 は 殺人 容疑 で の 再 逮捕 に 向け 新たな 段階 に 入った 。 捜査 本部 は 、 風間 容疑 者 の 供述 が 事件 の 全容 解明 の カギ に なる と みて 、 全面 供述 引き出し に 力 を 注いで いる 。 捜査 本部 に よる と 、 風間 容疑 者 は 死体 遺棄 容疑 に ついて 固く 口 を 閉ざして いた 。 逮捕 直後 から 「 テレビ の インタビュー を 受ける ように 」 供述 を 始めた 関根 元 容疑 者 と は 対照 的で 、 「 まるで 関根 容疑 者 へ の 忠誠 を 心 に 誓って 黙秘 して いる ようだった 」 と いう 。 風間 容疑 者 は 、 消防 署 勤務 の 父 と 洋裁 上手な 母 の 長女 と して 、 同県 熊谷 市 に 生まれ育った 。 銀行 員 と の 離婚 後 、 関根 容疑 者 と 知り合い 、 一九八三 年 十 月 に 結婚 。 一緒に 犬 の 販売 や 繁殖 の 仕事 を 始めた 。 九一 年 に 離婚 した が 、 二 人 は 一男 一女 と 一緒に 暮らして いた 。 九二 年 に 出版 した 自著 「 愛し の アラスカン ・ マラミュート 」 で 、 「 動物 は 飼い主 次第 。 親しみ と 愛情 が 共に 生活 する うえ で 一 番 必要な こと 」 と つづった 。 取り調べ で ペット 店 本社 に 残して きた 犬 の 話題 が 出る と 、 下 を 向いて 涙ぐむ と いう 。 一方 、 関根 容疑 者 は 逮捕 時 、 殺害 容疑 で の 逮捕 と 勘違い して いた 。 思いつく まま 容疑 事実 に ついて 話し始め 、 床 に 土下座 し 涙 を 流し ながら 四 人 の 毒殺 を 認めた 直後 、 前言 を 翻す など 、 動揺 を 隠せ ない 様子 と いう 。 映画 初期 から 美人 女優 と して 活躍 した 入江 たか子 さん が 十二 日 午前 八 時 三十一 分 、 肺炎 の ため 東京 都 江東 区 越中島 一 の 三 の 一 の 一〇一 の 自宅 で 亡くなった 。 八十三 歳 。 葬儀 ・ 告別 式 は 十七 日 午後 一 時 半 、 港 区 芝公園 三 の 六 の 一八 の 聖 アンデレ 教会 で 。 喪主 は 長男 東坊城 美行 氏 と 長女 で 女優 の 入江 若葉 さん 。 一九一一 年 に 東京 で 、 元 子爵 の 東坊城 家 に 生まれた 。 二七 年 文化 学院 卒業 後 、 すでに 俳優 に なって いた 兄 の 誘い で 舞台 に 出演 。 同年 日活 に 入社 して 内田 吐夢 監督 の 「 けちんぼ 長者 」 で 映画 デビュー 。 その 美し さ と 華族 出身 の 経歴 が 話題 に なり 、 岡田 時彦 、 小杉 勇 ら と 共演 して お姫様 女優 と して スター と なった 。 「 生ける 人形 」 「 都会 交響 楽 」 「 滝 の 白糸 」 「 明治 一 代 女 」 など に 出演 した 。 また 「 月 より の 使者 」 など の メロドラマ に も 数多く 出演 した 。 戦後 は 一転 して 怪談 映画 に 出演 、 “ 化け 猫 女優 ” と いわ れた 。 黒沢 明 監督 の 「 椿 三十郎 」 に 家老 の 奥 方 役 で 出演 。 近年 は 大林 宣彦 監督 の 「 時 を かける 少女 」 など に 出演 した 。 東京 都 新宿 区 大久保 三 の 早稲田 大学 理工 学部 で 、 今年 に 入って 二 回 、 十一 件 の 連続 放火 事件 が 起きて いる こと が 新宿 署 など の 調べ で わかった 。 いずれ も 授業 時間 中 の 出火 で 、 同 署 は 内部 に くわしい 人物 の 犯行 と みて いる 。 放火 が あった の は 九 日 と 十二 日 。 九 日 は 午後 四 時 すぎ から 午後 六 時 まで の 間 に 、 理工 学 総合 研究センター と 研究 室 の ある 五十五 号 館 で 三 、 四 、 五 、 七 、 八 階 の エレベーターホール の 金属 製 ゴミ 箱 の 紙 が 燃えて いる の を 火災 報知 器 や 廊下 に 出た 学生 ら が 発見 、 消火 器 で 消し止めた 。 東京 消防 庁 など で 調べた ところ 、 階段 の 手すり など 二 カ所 に 火 で あぶって 焦げた 跡 が あった 。 また 十二 日 午前 九 時 半 から 十 時 ごろ に かけ 、 同 学部 事務 所 本部 と 研究 室 の 入った 五十一 号 館 八 階 掲示板 と 、 五十五 号 館 七 階 廊下 の 段ボール 、 八 階 の ゴミ 箱 、 四 階 の ポスター が 燃えた が 、 いずれ も 学生 、 職員 ら が 消し止めた 。 同 署 で は 五十五 号 館 と 五十一 号 館 が 約 五十 メートル しか 離れて おら ず 、 いずれ も ゴミ 箱 内 の 紙 など に ライター で 火 を つける 手口 である こと など から 、 同一 人物 の 犯行 と みて いる 。 理工 学部 で は 九 日 に 今年 の 授業 を 開始 、 二十四 日 から の 試験 期間 まで 平常 の 授業 、 ゼミ 、 研究 活動 など が 行わ れて いる 。 同 学部 で は 夜間 閉門 後 に 教職 員 が 建物 内 を 巡回 する など 、 警戒 を 強めて いる 。 昨年 九 月 の 沖縄 県 宮古 郡 伊良部 町 の 町議 選 無 投票 工作 に 絡む 買収 疑惑 を 捜査 して いる 沖縄 県警 捜査 二 課 と 宮古 署 の 特別 捜査 本部 は 十三 日 午前 十一 時 四十五 分 、 佐久川 茂 町長 を 公選 法 違反 容疑 で 逮捕 。 町 役場 や 町長 の 自宅 など を 家宅 捜索 した 。 同 事件 で は 町議 会 議長 の 豊見山 恵栄 容疑 者 、 同 副 議長 の 仲間 頼信 容疑 者 ら 町議 十五 人 を 含む 二十三 人 が 逮捕 さ れて おり 、 行政 と 議会 の 長 が 逮捕 さ れる 異常 事態 と なった 。 調べ に よる と 、 議員 ら が 二十万 円 から 五十万 円 を 出し合って 集めた 買収 資金 は 計 五百五十万 円 。 佐久川 町長 の 後援 会長 で 建設 業 の 手登根 勝 容疑 者 = 既に 逮捕 、 送検 = が 仲介 役 と なり 、 告示 日 に いったん 町 選管 に 立候補 を 届け出 ながら 、 取りやめた 元 町議 で 農業 の 長嶺 晴治 容疑 者 に 四百五十万 円 を 、 残り 百万 円 を 新人 で 出馬 予定 だった 会社 員 、 大浦 暁江 容疑 者 と 夫 の 会社 代表 、 貞治 容疑 者 の 二 人 に 手渡した こと が 分かって いる 。 佐久川 町長 自身 も 、 選挙 が 回避 さ れる と 経費 が かから ない など の 理由 で 一連の 買収 工作 に 関与 した 疑い 。 佐久川 町長 は 町 助役 から 昨年 八 月 の 町長 選 で 初 当選 した ばかり 。 国連 決議 に よる 「 世界 の 先住 民 の 十 年 」 が スタート 、 各国 で 民族 文化 を 伝承 する 動き が 進んで いる 。 国連ボランティア と して アフリカ に 滞在 した 神戸 市 外大 大学 院生 、 船田 さやか さん が この ほど 、 ジンバブエ の 芸術 村 活動 の 様子 を 毎日新聞 に 伝えた 首都 ハラレ から 車 で 約 三 時間 の テンゲネンゲ 村 。 道 の 両側 に 人 、 鳥 、 羊 を デザイン した 石彫 群 が 並ぶ 。 住民 は 農業 を し ながら 石 を 彫り 、 作品 を 一 点 五百 円 から 数万 円 で 売って 、 臨時 の 現金 収入 に して いる 。 「 価格 破壊 」 を 防ぐ ため 、 押し売り や 作者 と の 直接 交渉 は 禁止 。 ジンバブエ の 国名 は 「 石 の 家々 」 の 意味 。 十一 世紀 から 十八 世紀 に かけて 巨大 石造 遺跡 が 作ら れ 、 その 伝統 を 受け継ぐ ショナ 族 の 間 で 石彫 芸術 が 盛んだ 。 他の アフリカ 諸国 も 雇用 確保 の 狙い で 芸術 村 活動 を 取り入れる 国 が 多い と いう 。 十四 日 から の 大学 入試 センター 試験 を 前 に 、 大阪 市 淀川 区 の 大阪 北 予備 校 は 、 十三 日 午前 九 時 半 から 予備 校 近く の 神津 神社 で 入試 直前 激励 会 を 行った 。 生徒 約 千五百 人 が 参加 。 生徒 代表 四十四 人 が おはらい を 受けた あと 、 生徒 全員 が 「 絶対 合格 」 など と 寄せ書き した 縦 約 二・五 メートル 、 横 約 二 メートル の ジャンボ 絵馬 を 奉納 した 。 笹岡 敏郎 学校 長 の 激励 の 言葉 に 応えて 、 生徒 代表 の 津高 仁志 さん と 三重野 真由 さん が 「 受験 生 精神 に のっとり 、 正々堂々と 受験 に 立ち向かい ます 」 と 宣誓 。 全員 で 「 エイ 、 エイ 、 オー 」 と 鬨 の 声 を 上げた 。 一方 、 試験 会場 と なる 各 大学 は 十三 日 、 準備 に 追わ れた 。 四千五百五十九 人 が 受験 予定 の 大阪 府 豊中 市 の 大阪 大豊 中 キャンパス に は 、 建物 の 入り口 に 「 センター 試験 会場 」 と 書か れた 看板 が 掲げ られ 、 職員 ら が 机 に 受験 番号 を 張る など の 作業 を 行った 。 約 六千八百 人 が 受験 する 予定 の 神戸 市 灘区 の 神戸 大学 に は 、 朝 から 下見 の 受験 生 が ぽつりぽつり 。 医学部 を 目指す 寺川 太一郎 さん は 「 二 回 目 な ので 落ち着いて い ます 。 これ から 予備 校 に 行って 、 予想 問題 に 挑み ます 」 。 米 海洋 大気 局 は 12 日 、 年次 気象 報告 を 発表 、 太平洋 の 熱帯 域 の 水温 が 上昇 する エルニーニョ 現象 が 今年 も 起きて いる こと を 明らかに し 、 「 北 半球 は 現在 、 異常 水温 の 影響 を 被って いる 」 と の 観測 分析 を 示した 。 「 心 の こもった 音楽 や 」 。 大阪 を 拠点 に 活動 して いる ロック 歌手 、 桑名 正博 さん は 刺激 的な サウンド に ショック を 受けた 。 視覚 障害 者 の ロックバンド 「 シャンテ 」 の 演奏 だ 。 彼ら と の 出会い を 機 に 、 桑名 さん は 大阪 市 内 に 障害 の ある ミュージシャン の CD 制作 会社 設立 を 決意 、 音楽 仲間 に 募金 の 協力 を 呼びかけて いる 。 シャンテ は その 第 一 弾 と して 、 今春 に も CD デビュー を 果たす 予定 だ 。 八 年 前 、 桑名 さん の 友人 が 突然 、 クモ 膜 下 出血 で 倒れ 、 半身 不随 に 。 車 いす に 寄り添い 、 散歩 に 出た 桑名 さん は 「 屋外 は 階段 ばかり 」 の 実態 に 驚いた 。 障害 者 福祉 に 関心 を 持ち 、 一九九二 年 六 月 、 自ら 企画 した チャリティー コンサート で 、 シャンテ と 出会った 。 視覚 障害 者 三 人 と 手話 通訳 兼 ボーカリスト の 女性 の 四 人 組 は 「 障害 者 から 笑 涯 者 に なろう 」 と けなげだった が 、 練習 場所 の 確保 、 スロープ の ない ライブハウス で の 出演 など 、 制約 ばかり 。 プロ の 歌手 ら が CD を 制作 する 場合 、 機材 の レンタル 料 など で 一 時間 の レコーディング に 十万 円 以上 は 必要 と いう 。 一 曲 の レコーディング が 一 日 がかり だ と アルバム 制作 に 一千万 円 以上 かかって しまう 。 「 障害 の ある 歌手 の CD 制作 に 協力 を 」 と 、 桑名 さん は 募金 を 呼びかけ 、 シングル CD の 制作 に 最低 限 必要な 五十万 円 を 集めた 。 友人 の 俳優 、 渋谷 天外 さん も 支援 を 約束 。 昨年 秋 、 桑名 さん が 音響 スタッフ と して 参加 し 、 バラード 調 の 代表 曲 「 シャンテ 」 の シングル を 録音 した 。 三 月 に も 発売 の 予定 。 シャンテ の リーダー 、 熊野 伸一 さん = 大阪 府 高槻 市 、 写真 = は 「 初めて の CD 録音 。 最高に 気分 が 良かった 」 と 話す 。 桑名 さん は 「 世に 出る 機会 が 少ない 障害 者 の 音楽 家 の 記録 を CD と して 随時 発表 し たい 」 と 意欲 的だ 。 連絡 先 は 大阪 市 中央 区 高津 一 、 栄光 ビル 401 号 。 米 大リーグ ・ コミッショナー 事務 局 は 十二 日 、 近鉄 を 退団 した 野茂 英雄 投手 が シアトル ・ マリナーズ と 接触 して いた と さ れる 問題 で 、 日本 から 依頼 さ れた 事実 確認 の 調査 を 開始 した 。 同 事務 局 の スーパーバイザー 、 シスター 氏 は 時事通信 の 取材 に 対し 、 「 調査 の 対象 球団 が 一 つ か 、 複数 か は 言え ない が 、 野茂 投手 の 件 で 何 が あった か を 問い合わせて いる 。 報告 を 待って いる 段階 だ 」 と 語った 。 野茂 投手 側 は 大リーグ 球団 と の 事前 交渉 を 全面 否定 して いる が 、 日本 の コミッショナー 事務 局 は 接触 の 事実 に よって は 近鉄 の 保有 権 を 侵した 可能 性 も ある と して 十一 日 、 大リーグ 側 に 調査 を 依頼 した 。 新春 恒例 の 「’ 95 毎日 現代 書 関西 代表作 家 展 」 が 十三 日 、 大阪 ・ 阿倍野 の 近鉄 アート 館 で 始まった 今年 で 十 回 目 を 迎える 同 展 で は 、 毎日 書道 展 で 活躍 して いる 関西 の 代表 的な 作家 百八十九 人 の 漢字 、 かな 、 近代 詩 文書 、 一 字 書 、 篆刻 、 刻字 、 前衛 書 の 多彩な 分野 の 秀作 を 展示 。 文化 勲章 受章 者 の 金子 鴎亭 氏 、 毎日 芸術 賞 受賞 者 の 稲村 雲洞 氏 ら に よる わが国 最高 級 の 新作 が 賛助 出品 さ れる 。 十八 日 まで 。 一般 五百 円 、 大 高 中 生 四百 円 、 小学生 以下 無料 。 コミューター 米国 で 都市 間 の 通勤 手段 に 航空 機 が 使わ れて から 、 近距離 区間 の 航空 路線 を 指す 。 日本 でも 、 地方 の 高速 交通 網 と して 1980 年 代 から 整備 が 進め られて いる が 、 採算 の 面 で 課題 も 多い 。 大阪 府 大東 市 の 国道 170 号 で 、 一昨年 十一 月 、 車 の クラクション を めぐる トラブル の 仲裁 に 入った 同 市 北 楠の里 町 、 建設 会社 社員 、 藤原 孝 さん ら 四 人 が 殺傷 さ れた 事件 で 、 傷害 致死 罪 など に 問わ れた 元 暴力 団 幹部 、 岡本 竜二 被告 の 判決 公判 が 十三 日 、 大阪 地裁 であり 、 栗原 宏武 裁判 長 は 懲役 五 年 を 言い渡した 。 ヒット 映画 「 メジャー ・ リーグ 2 」 の 石橋 貴明 は 「 うぉっしゃーあ 」 と わめき ながら 外野 フェンス に 突撃 する カミカゼ 選手 だった 。 「 ミスター ・ ベースボール 」 の 高倉 健 は 、 満塁 の チャンス で 外国 人 大砲 に 犠牲バント を 求める 精神 論 監督 に 描か れた 。 どうせ ハリウッド 流 の 偏見 、 誇張 と 笑って いた が 、 いま 考える と なかなか 鋭い ところ を 突いて いる 。 アンビリーバブルな 日本 野球 の 見本 が 、 今度 の 野茂 騒動 だ 。 四 年 連続 リーグ 最多 勝 、 最多 奪 三振 と いえば 、 文字通り プロ 球界 の 至宝 。 それ を 「 チーム の 顔 じゃ ない 」 と まで 言っちゃ あ お しまい 。 結局 は 、 スター の 存在 感 より チーム の 和 、 組織 の 団結 を 優先 する ムラ 社会 の 論理 。 仕事 は できる が 理屈 も 多い 「 駄々っ子 に 手 を 焼いて 」 じわじわ 外堀 を 埋め 、 飛び出さ ざる を 得 なく した ので は なかった か 。 野茂 クン に しろ 、 バレー の 素子 さん に しろ 、 スポーツ の 国際 化 と もてはやす 向き も ある けれど 、 実は テイ の いい 業界 ぐるみ の 厄介 払い 。 日本 式 人情 と 和 を 解する いい 子 ばっかり で 、 ちん まり 不思議 の 国 の 野球 を やり ます か 。 ねえ 、 鈴木 さん 。 東京 ・ 上野 の 不忍池 で 、 無残な 姿 の 鳥 が 目立つ 。 片足 が 切れた ユリカモメ 釣り糸 を 引っ掛けて 取れ なく なって 、 そのうち に 足 を 切断 して しまう ケース が 多い 。 竹 ぐし が 右 の 首 に 突き刺さった ユリカモメ も = 同 。 くし が 十 センチ ほど 体 の 外 に のぞく 。 水面 に 浮かんだ ゴム が 絡み付き 、 もがく うち に 首 まで 入って しまった らしい 。 上野 動物 園 の 野本 浩司 普及 指導 係長 は 「 いずれ も 海 や 川 、 池 など の 水辺 に 捨て られた ごみ など が 引き起こした 可能 性 が 高い 」 と 話して いる 。 村山 連立 政権 の 最 重要 政策 課題 に なって いる 特殊 法人 の 整理 ・ 合理 化 で 、 通産 省 は 日本 貿易 振興 会 と アジア 経済 研究 所 を 統合 する 方針 を 固めた 。 関係 筋 が 十三 日 明らかに した もの で 、 海外 経済 の 研究 ・ 調査 機関 と して 機能 が 重複 する こと など が 理由 。 今後 、 職員 の 処遇 など 細部 を 詰めて いく 。 ジェトロ は 輸出 振興 を 目的 に 一九五八 年 に 設立 さ れ 、 輸入 促進 に 向けて の PR や 海外 経済 の 情勢 報告 、 対 日 投資 を 目指す 海外 企業 支援 など の 事業 を 行って いる 。 職員 は 八百九十 人 。 アジア 研 は 途上 国 経済 の 研究 ・ 調査 を 目的 に 六〇 年 に 設立 さ れ 、 職員 は 二百五十 人 。 ともに シンクタンク 的な 機能 を 持つ こと から 、 統合 に よる 効率 化 が 期待 さ れて いる 。 同 省 の 特殊 法人 は 計 十三 あり 、 所管 省庁 別 で は 運輸 省 に 次いで 多い 。 この ため 、 橋本 竜太郎 通産 相 は 「 全 法人 を 対象 に 見直し を 進める 」 と 表明 、 同 省 事務 当局 と 検討 を 進めて きた 。 同 省 で は この ほか 、 中小 企業 信用 保険 公庫 と 中小 企業 金融 公庫 の 一部 統合 など の 案 も 検討 して いる 。 村山 富市 首相 が 二十 日 召集 の 通常 国会 冒頭 に 行う 施政 方針 演説 の 骨格 が 十三 日 、 固まった 。 「 改革 から 創造 へ 」 を 新たな キャッチフレーズ に 、 「 政権 の 最 重要 課題 」 と 位置づける 行政 改革 で 公約 の 特殊 法人 年度 内 見直し を 断行 する 姿勢 を 強調 する 。 また 、 首相 が 年頭 所感 で 明らかに した 経済 構造 改革 など 政権 ビジョン の 理念 の 具体 化 を 進める と ともに 、 地方 分権 推進 法案 の 通常 国会 で の 成立 に 意欲 を 表明 する 。 「 経済 社会 」 で は 行政 改革 や 経済 構造 改革 を 中心 に 規制 緩和 など に 重点 的に 取り組む 考え を 示し 、 「 やさしい 社会 」 で は 学校 で の いじめ 問題 へ の 対策 づくり の 必要 性 に 言及 する 。 外交 で は 、 日 米 首脳 会談 で 示した 「 創造 的 パートナーシップ 」 を 改めて 説明 して 会談 の 成果 を 強調 。 「 戦後 五十 周年 」 を 節目 に 、 戦後 処理 問題 に 引き続き 取り組む 考え を 示す 。 村山 富市 首相 と さきがけ 代表 の 武村 正義 蔵 相 に よる 社会 ・ さきがけ 党首 会談 が 、 外遊 中 の 武村 蔵 相 の 帰国 後 の 十五 日 に も 行わ れる 見通し に なった 。 社会党 の 分裂 状況 が 加速 して いる 中 で 、 両党 の 連携 強化 を 確認 する と み られる 。 社会党 筋 は 十三 日 夜 、 両党 の 統一 会派 結成 を 検討 する 協議 会 設置 構想 が 浮上 して いる こと を 明らかに した 。 首相 は 十三 日 、 訪 米 から 帰国 後 、 さきがけ 幹部 と 電話 で 会談 し 、 新進党 と の 連携 を 探る 山花 貞夫 新民連 会長 へ の 対抗 策 と して 、 社会 、 さきがけ 両党 の 連携 を 深める 必要 が ある と の 認識 で 一致 した 。 一九五二 年 以来 の 不平等 が 続いて いる 「 日 米 航空 協定 」 の 平等 化 を 実現 する ため 、 政府 が 米 側 に 、 米 航空 会社 の 新規 路線 開設 を 今後 認め ない 強硬 方針 を 通告 して いた こと が 、 十三 日 明らかに なった 。 航空 業界 の 競争 激化 で 、 これ 以上 日本 の 航空 会社 が 不平等に 耐え難く なった の と 、 独 仏 など も 最近 相次いで 米国 と の 不平等 解消 に 成功 した 事情 を 受けた もの 。 昨年 十一 月 の アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 の 際 行わ れた 日 米 首脳 会談 で 、 米 大統領 が 村山 富市 首相 に 米 貨物 航空 会社 の 新規 乗り入れ 便 の 認可 を 求めて いた こと も 判明 。 今回 の 通告 は 、 この 米 大統領 の 要求 を 拒否 した 形 で 、 新たな 日 米 摩擦 を 巻き起こす の は 確実だ 。 米 運輸 省 関係 者 の 証言 など を 総合 する と 、 強硬 方針 が 通告 さ れた の は 昨年 十二 月 二十八 日 。 米 大使 館 の 担当 者 が 日本 の 運輸 省 に 呼ば れ 、 「 十一 月 に 申請 さ れた 米 ノースウエスト 航空 の シアトル ― 関西 国際 空港 便 の 認可 を 最後に 、 今後 の 新規 路線 は 認め ない 」 と 通告 さ れた 。 この際 、 日本 の 運輸 省 幹部 は 「 航空 権益 の 不平等 拡大 は 認め られ ない 」 と 述べ 、 米 運輸 省 も 日本 側 の 趣旨 を 米 航空 各社 に 通知 した 。 日本 の 運輸 省 幹部 も こうした 事実 を 認めて いる 。 米 運輸 省 関係 者 は 「 日本 側 が 不平等 条約 の 解消 を 狙った 強硬 方針 を 出した 」 と 受け止めて いる 。 一方 、 関係 者 に よる と 、 APEC の 日 米 首脳 会談 で クリントン 大統領 は 、 テネシー 州 メンフィス に 本社 が ある 米貨 物 航空 会社 「 フェデラル ・ エクスプレス 」 の 成田 ― フィリピン ・ セブ 線 を 早期 に 認可 せよ と 圧力 を かけて きた 。 しかし 運輸 省 は 認可 を 拒否 した 。 日 米 航空 協定 は 五二 年 に 締結 。 当時 、 日本 は 航空 権益 に 対する 発言 権 は なく 、 ほぼ 米 側 の 主張 の まま 協定 を 結んだ 。 日本 側 に は 制限 さ れて いる 「 以遠 権 」 が 、 米 側 に は ほぼ 無制限に 認め られて いる 点 や 、 米 側 に 増便 が 簡単に 認め られる 航空 会社 が 多い など 、 日 米 の 権益 に は 著しい 差 が ある 。 七二 年 の 沖縄 返還 時 に 「 五 年 後 に 見直す 」 と いう 合意 が なされ 、 七六 年 から 包括 的な 改定 交渉 が 始まった 。 しかし 、 八二 、 八五 、 八九 年 の 三 回 に わたる 「 暫定 合意 」 で 、 その場しのぎ の 解決 が 図ら れた だけ で 、 協定 そのもの の 改定 に は 至って い ない 。 一方 、 他国 は ここ 数 年 、 米国 と の 不平等 航空 協定 の 解消 に 成功 して いる 。 仏 は 九三 年 五 月 に 不平等 協定 を 破棄 。 独 は 九四 年 五 月 に 不平等 を 解消 した 。 中国 は 「 互恵 平等 」 主義 を 盾 に 協定 締結 時 から 平等 を 保って いる 。 社会党 を 離党 した 伊東 秀子 衆院 議員 は 十三 日 、 札幌 市 で 記者 会見 し 、 今春 の 北海道 知事 選 へ の 立候補 を 正式に 表明 した 。 自民 、 さきがけ 、 自由 連合 の 推薦 を 受け 、 無 所属 で 立候補 する 。 社会党 は 前 副 知事 の 堀 達也 氏 の 推薦 を 決めて おり 、 共産党 推薦 で 立候補 表明 して いる 北海道 勤労 者 医療 協会 副 専務 理事 、 甲斐 基男 氏 を 加え 、 三つどもえ に なり そうだ 。 今年 の 正月 、 東京 都 内 の 小学 4 ― 6 年生 が もらった お年玉 は 平均 2万7171 円 で 、 前年 比 アップ 額 は 過去 最高 の 2000 円 強 と なった 。 第 一 勧業 銀行 が 13 日 、 お年玉 実態 調査 を まとめた もの で 、 母親 の 中 に は 「 多額の 金 を 一度に 持た せる の は 好ましく ない 」 と する 堅実 論 も あった が 、 同行 は 「 お年玉 は 景気 の 先行 指標 。 回復 の 兆し が 出て きた 」 と 歓迎 して いる 。 調査 は 今月 5 、 6 日 、 小学 高 学年 の 男女 児童 と その 母親 507 組 を 対象 に 行わ れた 。 お年玉 の 合計 額 は 、 3 年 連続 で 最高 記録 を 更新 。 1 人 から もらった 金額 は 、 前年 の 3765 円 から 3813 円 へ と 、 ほぼ 横ばい だった の に 対し 、 もらう 相手 は 6.7 人 から 7.1 人 に 増えた 。 お年玉 を くれる ベストスリー は 「 親せき 」 「 お ばあさん 」 「 お 父さん 」 で 、 前年 と 同じ 。 「 お 母さん 」 は 38.7 % から 46.4 % に 増え 、 母親 の 財布 の ひも が 緩く なった 。 使い道 は 「 おもちゃ 」 「 まんが 」 「 食べ物 」 「 遊び 」 の 順で 、 5 番 目 に やっと 「 文房具 ・ 学用 品 」 が 登場 。 ただ 、 8 割 強 の 子供 が 貯金 を 予定 し 、 貯金 額 は お年玉 の 4 分 の 3 に 相当 する 2万591 円 と 、 堅実 派 が 多い 。 村山 富市 首相 は 十三 日 、 帰国 後 ただちに 首相 公邸 で 社会党 の 久保 亘 書記 長 と 会談 し 、 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら の 新 会派 結成 問題 へ の 対応 を 協議 した 。 首相 は 「 会派 離脱 の 過去 の 例 は 除名 だ 」 と 述べ 、 前例 を 引き合い に 新 会派 参加 者 の 除名 は やむ を 得 ない と の 考え を 重ねて 示唆 した 。 しかし 、 久保 氏 は 同日 夕 の 記者 会見 で 、 首相 が こうした 意向 を 示した こと に ついて 「 先例 を 言った だけ で 、 今回 の 問題 へ の 考え を 述べた わけで は ない 」 と 説明 、 処分 問題 で の 認識 の 違い を うかがわ せた 。 同氏 自身 の 具体 的な 見解 は 示さ なかった 。 会談 で 首相 は 「 困った もん だ 」 と 不 快感 を 示し 、 「 中執 委 で 適切に 対応 して ほしい 」 と 党 機関 で 対応 策 を 検討 する よう 指示 した 。 これ を 受け 、 同 党 は 同日 夕 、 緊急の 三役 懇談 会 を 開き 、 十七 日 に 山花 氏 ら の 会派 離脱 を 認める か どう か を 協議 する 臨時 の 三役 懇談 会 と 中執 委 を 開く こと を 決めた 。 臨時 中執 委 など で は 、 山花 氏 ら が 発足 さ せた 超 党派 の 新党 準備 会 が 、 党 の 方針 に 沿った もの か どう か が まず 議論 に なる 。 この 問題 の 結論 に 基づいて 新 会派 参加 議員 の 除名 問題 が 討議 さ れる 運び だ 。 山花 氏 は 、 新 会派 参加 議員 を 除名 し ない よう 求めて いる が 、 中執 委 で 山花 氏 に 批判 的な グループ が 、 党 規約 に 基づき 除名 する よう 主張 する こと は 確実だ 。 山花 貞夫 ・ 新民連 会長 ら の 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 は 十三 日 、 旗揚げする 新 会派 名 を 「 民主 連合 」 と する こと を 内定 した 。 早ければ 十六 日 に 開く 総会 で 政策 など と ともに 決める 。 日 米 両 政府 は 13 日 、 太陽エネルギー など の 開発 に 関する 日 米 エネルギー 研究 開発 協力 協定 の 5 年間 の 延長 議定書 に 調印 した 。 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら は 十七 日 に 衆 参 両院 で 新たな 国会 内 会派 を 届け出る こと を 党 に 通告 した が 、 新 会派 結成 の ため に は 、 まず 、 現在 の 社会党 会派 から の 離脱 手続き が 必要 。 山花 氏 ら に とって は 、 社会党 が 離脱 を 認める か どう か が 、 最初の 関門 と なる 。 しかし 、 実際 の 離脱 手続き を 行う 同 党 の 代表 者 は 、 衆院 の 場合 、 新民連 幹部 の 森井 忠良 国会 対策 委員 長 である こと から 、 事情 は さらに 複雑だ 。 国会 内 会派 に ついて は 、 国会 慣例 上 も 社会党 規約 上 も 「 一 人 が 、 同時に 二 会派 に 所属 でき ない 」 が 原則 と なって いる 。 山花 氏 ら の 場合 、 現在 、 衆 参 両院 で 、 社会党 が 結成 して いる 「 社会党 ・ 護憲 民主 連合 」 に 所属 して おり 、 新 会派 を 結成 する 場合 に は 、 「 二 重 会派 籍 」 を 防ぐ ため 、 「 社会党 ・ 護憲 連合 」 から の 離脱 が 前提 と なる 。 実際 の 離脱 届 は 、 会派 代表 が 議長 に 対して 行う こと と なって おり 、 その 代表 が 衆院 で は 森井 氏 と なって いる わけだ 。 一九五九 年 に 「 社会クラブ 」 が 社会党 から 離脱 した 際 、 社会党 の 離脱 届 が ない に も かかわら ず 、 会派 結成 届 が 受理 さ れた 例 が あった が 、 「 今 ほど 取り扱い が 厳密で は なく 、 時間 が ずれて しまった ので は ない か 」 と いう 。 今回 の 場合 、 社会党 が 山花 氏 ら の 離脱 を 認める か どう か が 第 一 の ポイント 。 除名 処分 問題 を めぐり 、 党 内 が 混乱 した 場合 に は 、 離脱 届 が 、 直ちに 提出 さ れ ない 可能 性 が あり 、 新 会派 結成 が 宙 に 浮く こと も 考え られる 。 十三 日 の 閣僚 懇談 会 で 、 与謝野 馨 文 相 が NTT の 分割 論 と 郵便 、 郵 貯 事業 の 見直し 問題 を 取り上げ 、 野中 広務 自治 相 が 「 こういう 話 が 出る の は 政治 道楽 が 過ぎる から だ 」 と 社会党 の 新 民主 連合 の 山花 貞夫 会長 ら の 新党 結成 を 支援 する NTT の 労組 ・ 全 電通 と 郵政 職員 の 労組 ・ 全逓 の 両 労組 を 批判 する 一幕 が あった 。 文 相 は 行政 改革 の 一環 と して 、 両 労組 の 死活 問題 に なり かね ない NTT 分割 と 郵政 事業 見直し に 対する 郵政 省 の 対応 強化 を 促した 。 新民連 問題 の 深刻 化 に 伴い 、 黒幕 的 存在 の 両 労組 に 対する 自民党 内 の 反感 が 強まって いる こと を 浮き彫り に した 。 これ に 対し 、 担当 閣僚 の 大出 俊 郵政 相 は その後 の 記者 会見 で 不 快感 を 表明 。 社会党 閣僚 と して 、 自分 たち が 労組 批判 の タテ に なって いる こと を アピール する と ともに 、 両 労組 を けん制 し たかった ようだ 。 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら に よる 国会 内 会派 結成 が 秒読み 段階 に 入った 。 十三 日 、 山花 氏 が 久保 亘 同 党 書記 長 に 提出 した 名簿 に よれば 、 中央 執行 委員 三 人 を 除いた 二十四 議員 が 参加 意思 を 表明 して いる 。 しかし 、 参加 者 の 除名 問題 の 展開 次第 で は 、 参加 者 の 増減 も 予想 さ れる 。 社会党 の 分裂 と いう 事態 に なれば 政局 流動 化 は 必至 。 現 段階 で 想定 さ れる パターン を 検討 して みた 。 ★ ケース 1 山花 氏 ら の 動き に 批判 的な グループ が 強硬 方針 を 貫く 場合 だ 。 党 規約 で は 、 別 会派 は 認め られて おら ず 「 当然 、 除名 の 対象 」 と いう わけだ が 、 党 分裂 は 決定 的に なる 。 この 場合 、 除名 者 が 多ければ 「 心情 的に は 山花 氏 に 近い 」 と いわ れる 久保 書記 長 が 、 党 内 混乱 ― 分裂 の 責任 を とる 形 で 辞表 を 提出 する 可能 性 が 大きい 。 村山 富市 首相 が 慰留 に 努める の は 確実だ が 、 辞意 が 固く 辞任 と いう 事態 に なれば 、 政局 は 一気に 流動 化 。 村山 内閣 総 辞職 や 衆院 解散 ・ 総 選挙 も 考え られる 。 ★ ケース 2 山花 氏 ら の 主張 が ほぼ 受け入れ られる ケース 。 中執 委 が 集団 会派 離脱 を 認め 、 山花 氏 ら は 党籍 を 置いた まま 新 会派 を 結成 する と いう 「 一 党 二 会派 」 状態 に なる 。 来月 上旬 に は 新党 が 結成 さ れる こと に なる が 、 これ は 社会党 が めざす 新党 の 「 先行 部隊 」 と 位置付け られる 。 臨時 党 大会 で は 、 党 と して の 新党 準備 会 の 設置 を 決め 、 統一 地方 選 後 の 五 月 に も 社会党 は 解党 して 「 山花 新党 」 に 合流 する こと に なる が 、 これ は 事実 上 、 首相 に 近い グループ の 全面 譲歩 に なる こと から 、 首相 の 党 内 指導 力 の 低下 は 避け られ ない 。 また 処分 を 見送った まま で は 「 党 大会 が もた ない 」 と の 見方 も あり 、 円満 決着 に なる か どう か は 微妙な ところ だ 。 ★ ケース 3 中執 委 が 当面 の 決定 的な 対立 を 回避 する ため 、 会派 離脱 ・ 除名 問題 を 先 送り する 場合 だ 。 引き続き 党 内 は 混乱 、 その 中 で 党 大会 まで に 何らか の 妥協 策 を 模索 する こと に なる 。 しかし 、 もし 打開 案 が 見つから ない と 、 党 大会 が 混乱 する こと は 避け られ ない 。 地方 機関 を 巻き込んだ 「 大 分裂 」 の 可能 性 も あり 、 久保 氏 辞任 、 政局 大 混乱 の 引き金 に なり かね ない 。 ★ ケース 4 首相 に 近い グループ の 切り崩し 工作 が 奏功 。 新 会派 参加 者 が 極端に 少ない ケース だ 。 二十四 人 の 中 に は 、 「 除名 は ない 」 と の 判断 から 参加 を 決めた 議員 も いる と いわ れ 、 中執 委 が 「 新 会派 へ の 参加 は 除名 」 と いう 原則 を 打ち出す と 、 参加 取りやめ 、 と いう 議員 が 少なからず 出る 可能 性 も ある 。 仮に 強硬 論 が 通れば 、 山花 氏 が 新党 結成 に こぎつけて も 規模 は 小さく 、 当面 、 政局 へ の 影響 は ほとんど ない 。 亀井 静香 運輸 相 は 十三 日 、 東京 都 千代田 区 の 経団連 会館 で 開か れた 日本 民営 鉄道 協会 の 賀詞 交歓 会 で あいさつ し 、 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 の 新 会派 結成 の 動き に 関して 、 「 出て もらった 方 が すっきり する 。 出て も 三 党 は がっちり スクラム を 組んで やる 」 と 述べ 、 連立 政権 の 基盤 は 揺るが ない と の 認識 を 示した 。 参院 社会党 は 十三 日 の 議員 総会 で 、 参院 選 前 に 新党 結成 を めざす こと など を 柱 に した 「 参院 三役 見解 」 を 承認 、 一致 して 行動 する こと を 確認 した 。 総会 で は 鈴木 和美 参院 国 対 委員 長 が 「 二 月 十一 日 の 臨時 党 大会 まで は 全党 挙げて 行動 を 取る ように 」 と 、 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら の 提唱 する 新党 準備 会 に 参加 して いる 議員 に 離党 を 思いとどまる よう 求めた 。 さきがけ の 鳩山 由紀夫 代表 幹事 は 十三 日 、 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら に よる 国会 内 会派 結成 問題 に ついて 「 新たな 会派 が できた 場合 、 新 会派 に 与党 内 で の 行動 を 期待 し たい 」 と 、 新 会派 に 与党 の 枠 内 に とどまる よう 求めた 。 新進党 の 小沢 一郎 幹事 長 は 十三 日 の 記者 会見 で 、 日 米 首脳 会談 で 村山 富市 首相 が 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 の 軽水 炉 転換 支援 に 対する 財政 負担 を 明言 した こと に 関連 し 「 日本 が 大きな 金 を 出す 以上 、 米 朝 交渉 の 内容 を 確認 し 、 納得 した うえ で 国民 の 負担 を 求める べきで は ない か 」 と 強調 、 米 朝 交渉 で の 北朝鮮 の 核 問題 解決 を 日本 が 確認 した うえ で 財政 支援 を す べきだ と の 考え を 示した 。 日 米 首脳 会談 の ため 訪 米 して いた 村山 富市 首相 は 十三 日 午後 二 時 前 、 政府 専用 機 で 羽田空港 に 到着 した 。 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新民連 会長 が 十三 日 、 久保 亘 書記 長 に 提出 した 「 民主 リベラル 新党 結成 に 向けた 新 会派 設立 に かかわる 報告 」 の 要旨 は 次の 通り 。 社会党 は 、 大会 ・ 中央 委員 会 で 社会 民主 主義 勢力 、 民主 リベラル 勢力 の 結集 を 機関 決定 し 、 中執 、 先 の 全国 代表 者 会議 など で は 民主 リベラル 新党 結成 を 全党 的に 確認 して いる 。 しかし 、 その 具体 化 は いまだに 図ら れて い ない 。 私 たち は 保守 ・ 新 保守 に 対抗 する 非 自民 ・ 非 新進 の 純粋な 民主 リベラル の 第 三 の 極 形成 の ため に 民主 リベラル 新党 を 結成 、 現実 的 タイミング は 通常 国会 前 である こと など を 訴え 、 党 外 の 同志 へ の 働きかけ 等 に 努力 して きた 。 いまだに 党 方針 が 具体 化 、 実践 の 運び と なって い ない こと を 憂慮 する 。 仮に 地方 選 後 に 新党 を 実現 しよう と すれば 、 国会 開会 中 に 大 激論 を 巻き起こす こと に なり 、 政局 運営 と 選挙 準備 の 双方 に 重大な 支障 を もたらす 。 参院 選 後 で は 、 民主 リベラル 勢力 の 結集 は ますます 困難に なる 。 従って 私 たち は 、 党 が めざす 新党 結成 の パイオニア と なり 、 党 方針 を 実践 に 移す こと を 決意 した 。 党 外 の 同志 と ともに 通常 国会 に 民主 リベラル の 新しい 会派 で 臨み 、 速やかに 新党 結成 を 図り 、 全党 が 合流 する まで 民主 リベラル 新党 の 旗 を 守り抜く こと を 表明 する 。 現 内閣 の 政権 合意 推進 を 支持 し 、 協力 し 、 かつ 政界 に 第 三 の 極 の 姿 を 明示 し たい 。 自民党 、 新進党 、 さきがけ 、 護憲 リベラル 、 二院クラブ の 五 党 は 十三 日 、 政党 助成 法 に 基づく 届け出 を 自治 省 で 行った 。 これ で 助成 対象 の 十一 政党 の うち 同日 まで に 七 党 が 届け出 を 済ませた 。 残る 四 党 の うち 政党 助成 制度 に 反対 して いる 共産党 を 除いて 自由 連合 、 民改連 、 スポーツ 平和 の 三 党 も 締め切り 期限 の 十七 日 に は 届け出る と み られる 。 自由 連合 は 十三 日 、 「 民主 リベラル 新党 」 に 参加 する 意向 を 明らかに して いる 楢崎 弥之助 衆院 議員 の 会派 離脱 を 衆院 に 届け出た 。 これ に より 衆院 の 新 勢力 分野 は 自民党 200 ▽ 新進党 178 ▽ 社会党 ・ 護憲 民主 連合 70 ▽ さきがけ 21 ▽ 共産党 15 ▽ 自由 連合 7 ▽ 民主 新党 クラブ 4 ▽ 無 所属 13 ▽ 欠員 3 と なった 。 自民党 の 加藤 紘一 政調会 長 は 十三 日 、 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら に よる 新 会派 結成 問題 に ついて 「 山花 さん ら は 新進党 と 政治 行動 を ともに する と いわ れて いる 。 政策 や 政治 戦略 を 一緒に 語れる はず が ない 。 社会党 は すっきり した パートナー であって ほしい 」 と 述べ 、 社会党 執行 部 は 山花 氏 ら の 除名 を 含め 厳しく 処分 す べきだ と の 考え を 示した 。 村山 富市 首相 は 十四 日 、 札幌 市 で 横路 孝弘 北海道 知事 と 会談 する 。 混迷 を 深める 社会党 の 党 内 問題 の 収拾 策 や 、 伊東 秀子 衆院 議員 の 出馬 で 揺れる 北海道 知事 選 に ついて 協議 する と み られる 。 首相 の 北海道 訪問 は 社会党 北海道 本部 主催 の 会合 へ の 出席 が 目的 で 、 五十嵐 広三 官房 長官 が 同行 する 。 バブル が はじけ 、 不況 が 長引き ながら も 、 依然と して 国民 の 七 割 が 中流 意識 を 持って いる こと が 昨年 十二 月 の 毎日新聞社 の 世論 調査 で 分かった 。 生活 程度 を 「 上 」 「 中 の 上 」 「 中 の 下 」 「 下 の 上 」 「 下 の 下 」 の 五 つ の 層 に 分けて 質問 した ところ 、 中流 と 思って いる 人 は 七六 % だった 。 前回 調査 から 四 ポイント 増えた 。 これ に 対し 、 下流 は 同 四 ポイント 減 の 二〇 % 。 過去 十 年間 の 階層 意識 の 推移 を グラフ で みる と 、 今回 は バブル が 始まった 翌年 の 八八 年 十二 月 調査 の 水準 に 近い 。 しかし 、 「 上 」 は 八八 年 当時 三 % で 、 上向き 傾向 だった が 、 今回 は 一 % 。 九二 年 と 比べ 一 ポイント 減 で 下向き 傾向 、 と いう 違い が ある 。 「 中流 意識 」 を 細かく 分析 する と 、 「 中 の 上 」 で は 男性 より 女性 の 方 が 、 「 中 の 下 」 は 女性 より 男性 の 方 が それぞれ 五 ポイント 前 後 多い 。 二 、 三十 代 の 女性 の 「 中 の 上 」 は 三 割 台 で 、 九二 年 と 比べ 約 一〇 ポイント 高い の が 目立つ 。 調査 は 昨年 十二 月 二 日 から 三 日間 、 有権者 四千 人 を 対象 に 、 調査 票 を 預けて 記入 して もらう 留め置き 法 で 実施 。 回収 率 は 六八 % 。 遺伝 性 の 重い 神経 疾患 である 脊髄 性 筋 委縮 症 の 原因 と 思わ れる 遺伝子 を 日本 と カナダ の 国際 共同 研究 グループ が 発見 した 。 SMA の 診断 や 治療 に 結び付く 成果 で 、 十三 日 付 の 米国 の 論文 誌 「 セル 」 に 発表 した 。 SMA は 常 染色 体 劣性 の 遺伝 性 疾患 で 、 脊髄 中 の 神経 細胞 が 障害 を 受けて 筋肉 が 委縮 し 、 手足 の まひ や 呼吸 障害 が 起きる 。 出生 時 に 発病 する 重症 の タイプ 1 、 幼児 期 から 小児 期 に 発病 する タイプ 2 、 思春期 ごろ に 発病 する 進行 の 遅い タイプ 3 が ある 。 患者 は 六千 人 に 一 人 と いわ れる 。 発見 した の は 新 技術 事業 団 創造 科学 技術 推進 事業 「 池田 ゲノム 動態 プロジェクト 」 に 取り組んで いた 東海 大 の 池田 穣衛 教授 ら の グループ 。 SMA 家系 を 使った 解析 で 、 第 五 番 染色 体 に 原因 遺伝子 が 存在 する こと を 確認 。 池田 さん ら が 開発 した 未知の 遺伝子 の 分離 方法 など を 使って 、 患者 に 異常 が ある この 遺伝子 を 発見 、 NAIP と 名付けた 。 遺伝子 の 一部分 は 細胞 が ある 時期 に なる と 死ぬ 「 プログラム 死 」 を 防ぐ 働き の ある 既知 の 遺伝子 と よく 似て いた 。 SMA 家系 の 百十 人 の 患者 を 調べた ところ 、 タイプ 1 で 四五 % 、 タイプ 2 、 3 で 一八 % の 人 が 細胞 死 に 関係 が ある と 思わ れる NAIP の 一部 を 欠損 して いた 。 自治 省 は 十三 日 付 で 一九九三 年度 の 都道府県 の 普通 会計 決算 の 概要 を 発表 した 。 景気 低迷 の あおり で 地方 税 収入 が 戦後 初めて 二 年 連続 前 年度 を 下回って 十五兆六千百五十九億 円 と なる 一方 、 地方 債 の 発行 額 は 前 年度 より 三九・七 % 増 の 七兆二千四百九億 円 に 膨れ上がり 、 自治 省 は 「 地方 財政 の 前途 は 厳しい 状況 」 と して いる 。 歳入 総額 は 五十兆九百八十四億 円 で 前 年度 比 四・四 % 増 、 歳出 額 は 四十九兆二千五百八十億 円 で 同 三・八 % 増 だった が 、 それぞれ 前 年度 の 伸び 率 を 下回った 。 地方 税 が 最も 落ち込んだ の は 東京 都 で 二千六百三十九億 円 減 、 次いで 大阪 府 の 千三百八十八億 円 減 だった 。 一 月 一 日 に 施行 さ れた 政党 助成 法 第 一 条 は 「 議会 制 民主 政治 に おける 政党 の 機能 の 重要 性 に かんがみ 、 国 が 政党 に 対し 政党 交付 金 に よる 助成 を 行う 」 と 規定 。 「 政治 家 と カネ 」 の 不透明 さ を 解消 さ せる ため 欧州 で 最初に 政党 へ の 公費 助成 が 始まった 。 わが国 の 場合 、 一九九〇 年 の 政府 の 第 八 次 選挙 制度 審議 会 の 答申 で 「 導入 が 必要 」 と し 、 翌年 海部 内閣 が 国会 に 法案 を 提出 。 一連の 議論 を 経て ようやく 施行 に 。 対象 は 所属 国会 議員 五 人 以上 など の 条件 を 満たす 「 政党 」 で 、 総額 三百九億 円 が 国庫 = 税金 から 交付 さ れる 。 国民 一 人 当たり 二百五十 円 の 負担 は 民主 政治 を 育てる コスト と して 高い か 安い か 。 政党 助成 を 行う 主要 国 の 例 は ドイツ が 年間 約 百五十億 円 で 国民 一 人 当たり 百八十四 円 ▽ フランス 約 百五億 円 、 同 百八十三 円 ▽ スウェーデン 約 十九億 円 、 同 二百十七 円 ―― など だ 。 政党 に 属さ ない 議員 は 助成 を 受け られ ず 、 納税 義務 が あり ながら 参政 権 が ない 在 日 外国 人 も 助成 金 を 負担 する など 矛盾 点 も 抱える 。 政党 交付 金 は 、 所属 国会 議員 数 と 直近 の 国政 選挙 の 得票 数 に 応じて 各 政党 に 配分 さ れる 。 日経連 の 永野 健 会長 と 連合 の 芦田 甚之助 会長 が 十三 日 、 都 内 の ホテル で 開か れた 新春 労使 トップ セミナー に 出席 、 春闘 を めぐり 公開 討論 会 を 行った 。 永野 会長 は 「 これ 以上 の 賃上げ は 日本 の 国際 競争 力 を 失わ せ 、 産業 空洞 化 を 進める だけ 」 と 語り 、 改めて 「 ベア ・ ゼロ 」 論 を 主張 。 芦田 会長 は 「 連合 の 要求 基準 の 一万四千 円 は 率 で は 五 % 。 うち 、 定期 昇給 、 物価 上昇 を 除いた 純粋な 賃上げ は わずか 二 % 程度 」 と 反論 。 「 ベア ・ ゼロ 」 論 に は 応じ られ ない と の 姿勢 を 明確に した 。 台湾 中央 通信 に よる と 、 旧 日本 軍兵 士 ・ 遺族 ら で 作る 「 中華 台湾 籍 元 日本 軍人 ・ 軍属 ・ 遺族 協会 」 は 十三 日 、 軍事 郵便 貯金 など 日本 統治 時代 の 台湾 の 確定 債務 に ついて 、 日本 政府 が 額面 の 約 百二十 倍 の 補償 を 決めた こと を 不満 と して 、 来月 に も 代表 団 を 日本 に 送り 、 抗議 活動 を 進める こと を 明らかに した 。 郵政 省 は 十三 日 、 政府 の 規制 緩和 策 の 一環 と して 、 民間 放送 局 へ の 出資 比率 を 一〇 % 以下 と 制限 して いた 「 マスメディア 集中 排除 原則 」 を 緩和 、 二○ % 未満 まで 拡大 する 方針 を 明らかに した 。 放送 と 通信 の 融合 時代 を 迎え 、 マルチメディア 事業 に 必要な 資金 を 、 放送 局 が 集め やすく する の が 目的 。 民放 が 四 局 以下 と 少ない 十三 県 でも 、 出資 制限 緩和 で 、 開局 し やすい 条件 を つくる こと も 狙って いる 。 集中 排除 原則 は 、 特定の 個人 や 企業 ・ 団体 が 複数 の 放送 局 を 支配 する こと を 禁じた もの 。 現在 は 、 ある 放送 局 に 一○ % を 超えて 出資 して いる 企業 は 、 その 放送 局 を 「 支配 して いる 」 と 認定 さ れ 、 他の 放送 局 へ は 小口 の 出資 しか 許さ れ なかった 。 今回 の 規制 緩和 で 、 既存 の 放送 局 へ の 出資 が 二○ % 未満 ならば 、 他県 の 放送 局 を 主導 権 を 持って 開設 できる ように なる 。 また 、 二○ % 未満 なら 何 局 でも 出資 が 可能に なる 。 同 省 は 二十 日 の 電波 監理 審議 会 に 、 この 原則 を 定めた 「 放送 局 の 開設 の 根本 基準 」 の 改正 を 諮問 し 、 三 月 に も 答申 を 得て 四 月 から 実施 する 。 私 が 日記 を 書き始めた の は 、 小学 三 年生 の ころ だった 。 宮古 島 に 生まれた 私 は 、 沖縄 本島 の 悲惨な 戦禍 も 知ら ず 、 少年 時代 を 豊かな 自然の 中 で 過ごした 。 当時 の 絵 日記 に は 青い 海 、 白い サンゴ礁 など を 描いて いた こと を 覚えて いる 。 十 歳 の 時 に 家族 全員 で 本島 に 渡った 。 戦争 で 父 を 亡くし 、 生活 が 苦しかった から だ 。 私 も 靴磨き を し 、 その お 金 で 貸し 本屋 から 少年 向け の 文学 全集 など を 借りて は 読みふけって いた 。 日記 に は 、 小説 の 読後 感 や 将来 へ の 夢 、 希望 など を つづる ように なり 、 高校 生 に なる と 、 大学 受験 の こと 、 沖縄 に おける 政治 の 矛盾 など も 書く ように なった 。 受験 に 失敗 し 、 就職 の ため 上京 して から の 日記 に は 「 人生 いかに 生きる べき か 」 と いう 人生 観 の 問題 に 触れる 内容 が 多く なった 。 結婚 して から も 日記 を 書き 続け 、 厳しい 現実 生活 の 悩み を 深刻に つづる こと が 増えた 。 東京 に 出て きて から 三十 年 。 就職 、 結婚 、 子供 の 誕生 、 転職 、 妻 の 大病 と 、 さまざまな 出来事 が あった が 、 新しい 世界 へ 、 広い 世界 へ と 私 の 人生 は 開けて きた 歳月 であった ような 気 が する 。 日記 帳 を めくる と 、 あの 日 、 あの 時 の こと が パノラマ を 見る ように 脳裏 に 浮かんで くる から 不思議である 。 特に 苦悩 に 打ち沈んで いた 日々 は 最も 真剣に 生きた 日々 に 思わ れる 。 出産 後 に 里帰り し 、 実家 で ふと 見た ノート 。 驚いた 。 確かに 弟 の 書いた 文字 である のに 、 マス の 中 に きちんと 並んで いる 。 いくら 教えて も 大きな 文字 しか 書け なかった のに 。 精神 薄弱 者 の 彼 、 上手に なった 、 と うれしく なり 母 に 笑って 話した 。 毎日 、 肉屋 の 冷蔵 庫 で 働いて つらい だろう と 同情 し ながら も 、 不景気な 折 、 どうか 解雇 さ れ ない ように と 祈る ように 心配 して いる 。 そんな 昨年 の 暮れ に 、 弟 は お しり の ところ を 血だらけに して 帰って きた 。 のろまな 働き の 弟 に 、 同僚 の 男の子 が 冗談 で 肉 切り 包丁 を 当てた のだ 。 なんという こと 。 ハンディ を 持って いる のだ から 要領 が 悪い の は 仕方がない と 思って しまう の は 、 やはり 肉親 だ から だろう か 。 その 時 、 弟 は 騒が ず 、 周り の 人 に も 何も 言わ なかった 。 気づいた 人 は い なかった と いう 。 その 男の子 に いつも から かわ れて いた と ポツリ と 言った 。 すごく 悲しい 出来事 だった 。 しかし 、 それ は 同時に 、 いい 転機 と なった 。 その 時 の こと を 根掘り葉掘り 聞こう と する と 「 終わった こと や 」 と 相手 に して くれ ない 。 今 、 弟 は 元気に 仕事 に 通って いる 。 思考 力 は 人並みで ない が 、 弟 の 優し さ を 理解 して くれる 人間 が また 一 人 増えた 。 私 は 子供 を 持つ 身 と なり 、 少しずつ 発育 して いく 息子 と 弟 を 、 重ねて 見て いる 瞬間 が ある 。 アメリカ 産 の 輸入 リンゴ が 出回り 始めた 。 面白い の は 、 だれ も が 「 試しに 一 個 」 と 言って 、 ほんの 少し 食べて みた だけ な のに 、 「 アメリカ 産 は おいしい 」 と か 、 「 アメリカ 産 は 好きで は ない 」 など と 言って いる こと 。 日本 の リンゴ だって 一 つ ひとつ 味 が 違う ように 、 果物 は 一 つ ずつ 特徴 が ある のに 、 一 つ 食べて 「 もう 買わ ないで おこう 」 など と 言う の は 、 早合点 と いう もの で は ない だろう か 。 けれど 、 皆 が それぞれ の 感想 を もって 、 買う か どう か 決める の は 個人 の 自由だ 。 ただ 、 青森 の リンゴ 生産 者 が テレビ の インタビュー に 「 アメリカ 産 の リンゴ は 、 リンゴ と は 認め られ ない 」 と 言った の は 理解 でき なかった 。 仮に その 人 の 口 に 合わ なかった と して も 、 それ を 不愉快 そうに 言う の は 大人げない 。 今度 は 日本 産 が アメリカ に 輸出 さ れる と いう 。 世界中 の 好きな 果物 が どこ でも 食べ られる 、 このような 輸出入 の 広がり は 私 に とって うれしい こと だ 。 山花 貞夫 氏 を 中心 と する 新党 結成 の 動き が 勢い を 増して いる 。 現在 の 社会党 は 自民党 と の 握手 に よる 村山 富市 首相 の 誕生 以来 、 党 内 が ギスギス して いた が 、 昨年 末 以降 の 早期 新党 結成 派 と 、 そう で ない グループ と の 対立 が 鮮明に なった 。 村山 首相 は 、 それ まで の 社会党 の 方針 を 「 時代 の 変化 に 応じて …… 」 と いう ような 名 の 下 に 次々 と 放棄 して 、 社会党 委員 長 が 首相 を 務めて いて も 、 実態 は 自民党 と 変わら ない 形 で 連立 政権 を 担当 して いる の が 実情 である 。 これ に より 支持 者 の 批判 、 脱落 が 相次いだ の は 当然である 。 早期 の 新党 結成 に 反対 して いる の は 村山 首相 、 社会党 出身 の 現 閣僚 と 、 それ に つながる 議員 たち である ように 思わ れる 。 内紛 が 長引けば 国民 に 見放さ れ 、 支持 者 は ますます 離れて いく だろう 。 名目 だけ の 政権 に しがみついて いる こと なく 、 時代 が 社会党 を 押し流して いる のであれば 、 潔く 解党 して ふんぎり を つける べきであろう 。 やけど を した 者 は 火 を 怖がる 。 私 は 幼い 日 、 大火 の 体験 が ある ので 、 先月 の 福島 ・ 飯坂 温泉 、 大阪 の 新聞 販売 店 の 火事 に 驚がく した 。 続いて 東京 で は ビル の 爆発 炎上 が あった 。 窓 から の 猛 炎 と 黒煙 、 多数 の ポンプ 車 、 ハシゴ 車 の 身 を ていして の 消火 活動 。 テレビ で 悲惨な 画面 を 見て いる と 、 心身 が 冷たく なった 。 冬季 の 火災 多発 は よく ある ことだ が 、 短日 時 の 間 の 大 火事 発生 は 偶然 と は いえ 、 それぞれ 多く の 死傷 者 を 出し 、 物心 両面 に 多大な 悲痛 と 損失 を 出した 。 亡くなら れた 方々 の ご めい福 を 祈る と ともに 関係 者 の ご 回復 と 再起 を 祈念 して やま ない 。 警察 、 消防 関係 者 で 調査 中 だ が 、 その 原因 は 前もって 防止 できた こと も あった と 思わ れる 。 地震 、 雷 と 火事 は 異 次元 の 問題 で 、 火事 は 意識 や 態度 の 変革 と 徹底 で ゼロ 化 も 夢 で は ない 。 「 火 の 用心 」 の 原点 回帰 を 願う 。 埼玉 県下 で 起きた 、 犬 の 売買 に 関する トラブル に よる 殺人 事件 が 連日 紙面 を にぎわせて いる 。 その 報道 の 頭 に 、 常に 「 愛犬 家 事件 」 と 書か れて いる が 、 大変 不愉快である 。 世の中 に は 高額な 犬 を 買う 人 が いる と みえ 、 欲 に かられて 、 犬 で カネ も うけ を 企てる 人 が いる 。 彼ら は 決して 犬 を 愛して いる ので は なく 、 単に 生きもの の 命 を カネ の 対象 と して みて いる に 過ぎ ない 。 その 証拠 に 、 売れ そう も ない 犬 は 平気で 殺 処分 する 。 今回 の 事件 で はからずも 表面 化 した 通り 、 常に 生きもの を 殺す 薬品 を 所持 して いる のだ 。 カネ もうけ に なら ない と みれば 平気で 犬 を 殺す 日常 に 慣れて いる のだ から 、 不利 と なれば 人間 を も と 思って も 不思議で は ない の かも しれ ない 。 商売 の ため に 命 を 粗末に 扱い 、 事件 まで 引き起こす 人 たち を 「 愛犬 家 」 など と 呼ば ないで もらい たい 。 「 愛犬 家 」 と は 、 犬 と の 間 で 互いに 無償 の 愛 を 持ち合う 人 たち の こと を 言う のだ 。 先日 、 目 の 不自由な 知人 と 話して いる と 、 「 紙幣 の 点字 は 何の 役 に も 立た ない 。 新札 なら まだしも 、 古く なる と ほとんど 分から ない 」 と 言う 。 「 それ に 比べる と 、 この 切り込み はがき は 便利 」 と 渡して くれた はがき に は 左 下 に キップ を 切った 後 の ような 切り込み が ある 。 それ が 盲人 用 の 福祉 はがき だ と 知った 。 そして 、 「 盲人 が はがき を 書く 時 、 裏表 の 区別 に 困る ので 何 か 印 を 」 と ラジオ の “ 私 の 意見 ” で 声 を 上げた 人 が いて 、 この はがき が できた こと を 話して くれた 。 私 は 、 紙幣 を 改めて 見る と 、 なるほど 千 円 札 の 左 下 に 直径 五ミリ ほど の 丸 が 一 つ 押さ れて ある 。 同じ ように 、 五千 円 札 に は 縦 に 丸 二 つ 、 一万 円 札 は 横 に 二 つ 並んで いる が 、 切り込み はがき ほど 、 触って すぐに は 識別 でき ない 。 結局 は 紙幣 の 大き さ も 比べて 識別 する ようだ が 、 大き さ も 長 さ が 五ミリ ずつ しか 違わ ない 。 なんとか もっと 、 目 の 不自由な 人 たち が すぐ 識別 の つく 紙幣 に なら ない もの か 。 社会党 の 山花 貞夫 氏 の 新党 結成 の 動き に 懸念 を 抱く 。 自民党 、 新進党 など 保守 二 極 体制 に 対し 、 民主 リベラル 勢力 の 結集 に より 第 三 極 を 結成 し 三 極 体制 を 目指す と の こと だ 。 私 は この 考え 方 は 理解 する 。 保守 二 大 政党 制 が 最善 と 思わ ない から だ 。 民主 リベラル を 結集 し 、 第 三 極 と して 重責 に ある の は 社会党 と 思う 。 しかし 、 山花 氏 の 一連の 動き は 、 その 核 と なる 社会党 の 力 を 弱 め こそ すれ 、 強める と は 言い難い 。 社会党 の 内紛 と 私 たち の 目 に 映る 。 これ 以上 、 社会党 の 力 が 弱まる こと に なれば 、 山花 氏 の 意図 、 志 に 反し 、 広く 民主 リベラル の 結集 が でき なく なり 、 その 結果 、 保守 二 極 化 に 収束 さ れる と 思う 。 そのような 結果 に なれば 、 山花 氏 の 目指す 第 三 極 と して の 民主 リベラル の 結集 も でき ない 。 社会党 の 力なく して 民主 リベラル の 結集 は ない 。 社会党 の 力 を 弱体 化 する ような 動き は 自重 す べきだ 。 今年 から 人種 差別 の ない 十二 年間 の 無料 義務 教育 を 始める こと に なって いた 南アフリカ の 公立 学校 で 、 新 学年 の 始まった 十一 日 、 受け入れ の 余裕 が ある のに 黒人 児童 の 入学 を 拒否 する 学校 が 相次いだ 。 ヨハネスブルク 北部 の 旧 白人 地域 の 学校 を 中心 に 入学 を 拒否 さ れた 父母 から 教育 庁 へ の 苦情 電話 は 三百 件 に 上った 。 ヨハネスブルク 周辺 の ハウテン 州 教育 庁 に よる と 、 父母 から 入学 拒否 の 訴え が あった の は 、 「 モデル C 」 と 呼ば れる 白人 中心 校 の 二十 校 に 上った 。 同 教育 庁 は 「 拒否 の 理由 が あいまい 。 受け入れ の 余裕 が あれば 拒否 でき ない 」 と して 、 調査 の うえ 強制 命令 を 出す 見通し だ 。 南ア で は 五 年 前 に 集団 地域 法 が 廃止 さ れる まで は 、 法的に も 白人 と 黒人 の 居住 地域 が 分離 さ れ 、 学校 も 人種 別 だった 。 同法 廃止 後 も 、 概して 人種 ごと に 収入 が 違う こと から 人種 別 の 居住 地域 は 続いて おり 、 白人 地域 の 学校 の 方 が 施設 が 整備 さ れ 、 教育 水準 が 高い 。 これ を 解消 しよう と した マンデラ 新 政権 は 無料 教育 制度 を 導入 し 、 すし詰め の 黒人 学校 を 敬遠 した 黒人 児童 が モデル C 校 に 押し寄せた 。 モデル C 校 の ある 校長 は 「 英語 を 理解 し ない 児童 は 受け入れ がたい 。 当 校 に 来る 前 に 語学 学校 に 行って ほしい と 要請 した 」 と して いる 。 「 新 紙幣 を 発行 する とき に は 、 金額 ごと に 大き さ や 色 を 変えて 」 ―― 。 全 米 科学 アカデミー の 調査 委員 会 は 視覚 障害 者 に 配慮 した 紙幣 発行 を 求める 報告 書 を この ほど 米 財務 省 に 提出 した 。 同 省 が ニセ札 づくり 防止 の ため に 来年 から 計画 して いる ドル 紙幣 の モデル チェンジ に 合わせた 提案 で 、 「 諸 外国 で は 金額 ごと に 異なる の が 一般 的 」 と 指摘 して いる 。 計画 は 昨年 七 月 に 同 省 が 明らかに して いた もの で 、 一九九六 年 から 二〇〇一 年 に かけて 百 ドル 、 五十 ドル 、 二十 ドル 、 十 ドル 、 五 ドル 、 一 ドル の 順で デザイン の 見直し を 図る 。 これ まで も 視覚 障害 者 の ため の 見直し の 必要 性 は 指摘 さ れて いた が 、 コスト 面 で 実現 し なかった 。 ドイツ に 不法に 滞在 する ベトナム 人 の 帰還 問題 を めぐり 冷却 して いた 独 越 関係 が 、 正常 化 に 向けて 動き出した 。 ドイツ 政府 が 十三 日 まで に 明らかに した ところ に よる と 、 約 四万 人 の 不法 滞在 者 の 帰還 を ベトナム 政府 が 認める 代わり に 、 凍結 状態 だった 同国 に 対する 経済 援助 を ドイツ 側 が 再開 する こと で 両 国 政府 は 同意 した 。 ドイツ に は 十万 人 の ベトナム 人 が いる が 、 この うち 四万 人 は 東独 へ 国家 間 契約 で 派遣 さ れ 、 ドイツ 統一 後 に 滞在 期限 が 切れた 労働 者 か 、 旧 東側 諸国 から の 経済 難民 。 ベトナム 人 は 現在 も ドイツ に 流入 し 、 移住 希望 者 は 一九九三 年 で 約 一万 人 、 昨年 で 三千四百 人 に 上る 。 一部 は 密輸 組織 に 加わる など して 右翼 の 外国 人 排斥 運動 の 火種 に なり 、 「 冷戦 終結 が 生んだ 負 の 副 産物 」 と いわ れた 。 これ ら の ベトナム 人 の 多く が 、 ドイツ の 自由 社会 に なじみ 、 共産党 独裁 の 本国 に 反感 も 持って いる こと や 、 帰還 者 の 雇用 問題 に 負担 を 感じる ベトナム 政府 は ドイツ の 強制 送還 措置 に 反対 。 この ため ドイツ は 昨年 九 月 に ベトナム へ の 政府 間 援助 を 一 時 凍結 した 。 しかし 、 経済 成長 の 著しい 東南 アジア 市場 へ 進出 を 図り たい ドイツ は 、 冷却 した ベトナム と の 関係 を 打開 する ため 、 新たな 経済 援助 と して 今年 と 来年 に 一億 マルク ずつ 提供 する こと を ベトナム 側 に 提示 。 ベトナム も 軟化 し 、 向こう 四 年間 に 二万 人 の 本国 帰還 を 認める こと に した 。 メキシコ ・ チアパス 州 に 展開 する 武装 組織 。 1994 年 元日 、 政府 に 「 戦争 」 を 宣言 して ほう起 。 サンクリストバル の 陸軍 基地 や 市庁 舎 など を 次々 に 攻撃 した 。 戦闘 で 双方 合わせて 145 人 以上 が 死亡 した 。 全員 が 覆面 姿 。 先住 民 で 組織 し 、 規模 は 500 人 と も 3000 人 と も 言わ れて いる 。 同 州 内 に 15 の 訓練 所 を 持つ と さ れ 、 過去 10 年間 、 決起 の 機会 を うかがって きた と いう 。 マルコス と 名乗る 副 司令 官 が 表 に 出て くる が 、 実際 の 司令 官 は 不明 。 また 作戦 行動 が あまりに 巧妙で 、 しかも ライフル や 機関 銃 など 新品 の 武器 や 無線 設備 を 取りそろえて いる ため 、 指導 者 は ニカラグア革命 や グアテマラ の 左翼 ゲリラ 関係 者 で は と の 憶測 も 。 メキシコ に は 、 農地 改革 に 尽力 した エミリアノ ・ サパタ と いう 伝説 的 英雄 が いる 。 1919 年 に ゲリラ 戦 で 死亡 し 、 常に 反 政府 運動 の シンボル と なって きた 。 サパティスタ も その サパタ の 名 から とった 。 新年 に 入って ドカ雪 に 見舞わ れた スイス ・ アルプス で 、 雪崩 救助 犬 へ の 期待 が 高まって いる 。 昨年 末 まで の 暖冬 で いったん 解けて 固まった 雪 の 上 に 、 年 が 明けて から 一 メートル 以上 の 降雪 が あり 、 二 層 に 分かれた 雪 が 雪崩 を 起こし やすい 最悪の 状態 。 この ため スキーヤー の 巻き起こす 振動 に 誘発 さ れた 雪崩 で 、 一 月初め の 五 日間 で の 死者 が 七 人 に 達する 非常 事態 と なった 。 ここ で 活躍 する の が 雪崩 救助 犬 。 現在 スイス に は シェパード を 中心 に 三百 頭 以上 の 救助 犬 が スイス ・ アルペン ・ クラブ に 登録 さ れ 、 雪崩 発生 と 同時に 最も 近く に いる 犬 が 現場 に 急行 する 。 それ でも 現場 到着 まで に は 三十 分 近く かかる が 、 発生 から 四十五 分 以上 経過 する と 生存 の 可能 性 が ほとんど なくなる ため 、 犬 の 鼻 を 頼り に した 迅速な 救助 が 不可欠な わけだ 。 昨 シーズン は 十二 回 出動 し 、 十一 人 を 発見 。 平均 でも 毎年 二 人 以上 が 救助 犬 に よって 雪 の 下 から 生還 して いる 。 「 犬 も 訓練 士 も すべて ボランティア 。 でも 犬 に とって は 一種 の 宝 探し ゲーム で 、 ご ほうび の 特大 ソーセージ 目指して 必死に なる 」 と 救助 犬 訓練 プログラム の 隊長 は 、 好 成績 の 秘密 を 披露 する 。 「 緊急 発信 機 など 最 先端 機器 が 開発 さ れて いる が 、 持って いる 人 は まれ 。 犬 が 最善 の 救助 法 と いう 時代 は 当分 続き ます 」 中国 の 最高 実力 者 、 トウ 小平 氏 の 娘 の 蕭榕 さん は 十三 日 付 の 米 紙 ニューヨーク ・ タイムズ と の インタビュー で 、 トウ 氏 の 健康 状態 は ここ 数 カ月間 で かなり 悪化 して おり 、 立つ こと も 歩く こと も でき なく なって いる と 語った 。 蕭榕 さん は 、 トウ 氏 の 健康 状態 は 日ごと に 悪化 して いる もの の 、 入院 は して おら ず 、 北京 市 内 の 自宅 に いる こと を 明らかに した 。 蕭榕 さん は また 「 人々 は 彼 が 現在 九十 歳 だ と いう こと を 理解 し なくて は いけない 。 いつか は この世 を 去る 日 が 来る 」 と 話した 。 蕭榕 さん に よる と 、 トウ 氏 は 昨年 の 今ごろ は 一 日 に 二 回 、 三十 分間 歩けた が 、 それ も でき ず 、 支える のに 二 人 の 手助け が 必要に なって いる 。 トウ 氏 は 車 いす を 使う の を 拒否 して おり 、 蕭榕 さん は 「 彼 は 車 いす に 座ったら 二度と 立ち 上がれ なく なる と 思って いる 」 と 述べた 。 トウ 小平 氏 の 三女 蕭榕 さん が 父親 の 健康 状態 の 悪化 を 認めた こと で 、 十三 日 の 香港 株式 市場 は 株価 が 急落 した 。 蕭榕 さん は トウ 氏 の 個人 秘書 的 存在 で 、 トウ 氏 の 動向 を 最も 良く 知り 得る 立場 に ある 。 親族 や 中国 当局 者 は これ まで 、 トウ 氏 の 健康 状態 に ついて 「 良好 」 と の 発言 を 繰り返して きて おり 、 歩行 が 不能に なった こと など 、 健康 悪化 を 認めた 発言 は 初めて だ 。 蕭榕 さん が 入院 説 を 否定 した こと で 「 当面 、 生死 に かかわる ような 状態 に は ない 」 と も み られて いる が 、 九十 歳 の トウ 氏 が 日に日に 衰弱 して いる こと が 親族 の 口 から 直接 語ら れた こと へ の 反響 は 大きい 。 「 昨年 の 国慶節 当時 の 写真 公表 と 蕭榕 さん の 発言 は 、 恒例 と なって きた 春節 で の テレビ 登場 が でき ない こと を 見越して の 布石 で は ない か 」 と の 見方 も 浮上 して いる 。 十三 日 付 の 北京 日報 は 、 江 沢民 国家 主席 が 「 万 衆 一心 」 と 書いた 書 を 一面 トップ で 扱った 。 また 中国 主要 紙 は 同日 、 昨年 十 月 の 国慶節 を 祝う 記念 写真 集 に 、 トウ 小平 氏 の 写真 が 登場 して いる と 報じた が 、 写真 そのもの は 掲載 して い ない 。 写真 集 は 主要な 書店 で は まだ 売ら れて い ない 。 北京 の 消息筋 は 「 入院 した と の 話 は 聞いて い ない 。 トウ 氏 の 家族 ら が 外遊 して いる 状況 を 見れば 、 緊迫 した 健康 状態 に は ない 」 と 見て いる 。 ベルルスコーニ 首相 辞任 で 表面 化 した イタリア の 政治 危機 解決 の ため 、 スカルファロ 大統領 は 十三 日 午後 、 大統領 府 に ディーニ 国庫 相 を 呼び 、 暫定 政権 の 首相 就任 を 要請 し 、 同氏 は これ を 受諾 した 。 ディーニ 国庫 相 は イタリア 中央 銀行 の 副 総裁 から 、 ベルルスコーニ 政権 の 国庫 相 に なった 無党派 の テクノクラート 。 議会 の 反対 も 少なく 、 来週 に は 戦後 イタリア 五十四 代 目 の ディーニ 政権 が 発足 する 見通し だ 。 ディーニ 氏 は フィレンツェ 出身 で 、 国際 通貨 基金 イタリア 代表 の 後 、 中央 銀行 副 総裁 など 重要な 経済 ・ 金融 ポスト を 歴任 。 ベルルスコーニ 首相 に 請わ れて 政権 入り した が 、 経済 政策 で は 歯 に きぬ 着せ ぬ 形 で 首相 に 直言 して きた 。 十三 日 午前 、 スカルファロ 大統領 は ベルルスコーニ 首相 と 四 回 目 の 協議 を 行い 、 「 政治 危機 に よる 社会 、 経済 の 混乱 を 乗り切る ため 、 一刻 も 早い 暫定 政権 の 発足 が 必要だ 」 と いう 点 で ようやく 一致 を みた 。 ベルルスコーニ 氏 は 暫定 政権 の 発足 に は 「 早急な 総 選挙 の 実施 」 と いう 条件 を つけ 、 新 政権 は 「 総 選挙 まで の 実務 型 暫定 政権 」 と いう 枠組み で 合意 した 。 ディーニ 氏 は 暫定 政権 の 首相 候補 と して 名前 が 出た 際 、 「 私 は 政治 家 で は ない し 、 政治 抗争 の 犠牲 に なる つもり は ない 」 と 、 首相 就任 の 意思 は ない と して いた 。 しかし 、 首相 候補 の 人材 難 と 政治 抗争 の エスカレート で 大統領 の 調停 工作 が 難航 し 、 大統領 は ディーニ 氏 に 翻意 を 求めて 首相 就任 を 要請 した 。 韓国 野党 ・ 民主党 の 李 基沢 代表 は 十三 日 、 済州 島 で 韓国 記者 団 と 懇談 し 、 「 どんなに すばらしい 人材 でも 、 時 が 来れば 第一線 から 退か ねば なら ない 」 など と 述べた 。 同 党 内 に 強い 影響 力 を もつ 金 大中 ・ アジア 太平洋 平和 財団 理事 長 に 対し 「 完全 引退 」 を 促し 、 自ら の 権限 確立 を 狙った もの と み られる 。 李 代表 は 、 党 大会 の 早期 開催 を 主張 して 、 金 大中 氏 の 影響 下 に ある 勢力 と 対立 。 李 代表 は 、 金 大中 氏 を 民主党 の 「 実質 的 オーナー 」 と 指摘 し 、 金 大中 氏 も 側近 ら に 李 代表 に 対する 強い 不満 を 漏らした と 伝え られて いた 。 米 連邦 通信 委員 会 は 十二 日 、 衛星 を 利用 して 全 米 どこ でも 聞く こと の できる ラジオ放送 に ゴーサイン を 出した 。 ワシントン 、 ニューヨーク など の 四 社 から 申請 の あった 周波 数 帯 を 認めた もの で 、 一九九八 年 に も 音質 の よい 衛星 放送 ラジオ が 誕生 する 。 リスナー を 奪わ れる こと を 心配 する 従来 の 地上 ラジオ 局 は 猛 反対 して いる 。 衛星 放送 ラジオ は ニュース や スポーツ ・ コンサート 中継 、 音楽 番組 など を 軌道 上 の 衛星 を 使って 提供 。 契約 を 結んだ 聴取 者 は 特別な ラジオ と 小さな ディスク 型 アンテナ で 受信 する 。 デジタル 音 が 売り物 で 、 移動 する 車 の 中 でも 常に 同じ 放送 が 聞ける 。 同 委員 会 は 四 年 越し で 、 四 社 から の 申請 を 審査 して きた 。 北 アイルランド の 警察 軍 を 指揮 する アネズリー 王立 アルスター 警察 長官 は 十二 日 、 英 軍 兵士 が 十五 日 から 主要 都市 で の 警備 を 日中 は 行わ ない と 発表 した 。 チェチェン 共和 国 の 首都 グロズヌイ で は 十三 日 も 朝 から ロシア 軍 と ドゥダエフ 政権 部隊 の 間 で 激戦 が 行わ れた 。 インタファクス 通信 に よる と 、 ロシア 軍 は 大統領 官邸 の ある 中心 部 と 南部 地区 で 激しい 集中 砲火 を 浴びせた 。 しかし 、 ドゥダエフ 政権 側 も 頑強に 抵抗 を 続けて いる 模様 だ 。 ロシア 政府 は 十三 日 の 戦況 発表 で 「 チェチェン 側 は 内部 対立 を 起こして いる 。 ドゥダエフ 大統領 は 部隊 の コントロール 能力 を 失って いる 」 と の 見方 を 示した 。 チェコ の ハベル 大統領 は 十二 日 、 ドイツ の ラジオ 局 と の インタビュー で 、 ロシア 軍 の チェチェン 進攻 を 東欧 諸国 の 首脳 と して 、 初めて 公式 に 批判 。 大統領 は 「 多数 の 民間 人 の 犠牲 者 を 出した 。 ロシア 軍 の 無 思慮 と 危険 性 が 問題 な のだ 」 と 述べた 。 保守 色 を 強めた 共和党 主導 の 米 新 議会 は 四 日 開幕 、 任期 二 年 を 残した クリントン 政権 下 の 米国 に さまざまな 変化 の 風 が 吹き始めて いる 。 国民 の ムード は どこ へ 向かう の か 、 来年 に 迫った 大統領 選 の 動向 は ―― 。 内政 ・ 外交 に 、 米国 政治 の 転換 期 を 象徴 する 顔 を 紹介 する 。 「 報復 行為 は し ない 。 互い の 友情 と 協力 精神 で 仕事 を する よう 誓い ます 」 ―― 。 昨年 十一 月 、 四十 年 ぶり に 共和党 の 上下 両院 支配 が 決まった 中間 選挙 の 数 日 後 、 国務 省 の クリストファー 長官 室 に こんな 親書 が 届け られた 。 差出人 は 新 上院 外交 委員 長 の ジェシー ・ ヘルムズ 議員 。 一九七三 年 以来 の ベテラン 議員 歴 に 加えて 「 レーガン 元 大統領 以上 の 超 右翼 」 「 一言 居士 」 など と 形容 さ れる ように 、 米 政界 の 保守 、 リベラル の 双方 が そろって 一目 置く 存在 である 。 同 議員 が 議会 外交 の カジ 取り を 担う こと こそ 、 米 政界 の 新しい 風向き を 端的に 象徴 して いる 。 国務 省 の エリート 外交 官 たち を 「 リベラル 臭い 官僚 ども 」 と 呼び捨てる 同 議員 が 、 なぜ 長官 に 神妙な 手紙 を 出した の か ? 同 議員 は 、 中間 選挙 が 開票 さ れた 翌朝 、 韓国 訪問 中 の クリストファー 長官 から 外交 政策 で 協力 を 懇請 する 国際 電話 を 受けた 、 と 語って いる 。 ことし 七十 歳 の 長官 と 同 議員 は 同 世代 。 思想 も 政党 も 正反対だ が 、 カーター 政権 時 に も さまざまな 政策 対立 で やりあった 「 古き 良き ケンカ 仲間 」 だけ に 、 若手 が 目立つ クリントン 政権 閣僚 で 最 長老 格 と なる 長官 に 、 お返し の 親書 で 敬意 を 払った のだった 。 強硬 一本やり の イメージ の 一方 で 、 好敵手 へ 信義 を 立てた “ 浪花節 気質 ” が 表れて いる 。 だが 、 実際 の 政策 論争 で は 衝突 が 必至の 情勢 だ 。 「 反共 愛国 」 「 反 国連 」 「 米 外交 の 縮小 」 を 原則 に 掲げ 、 国防 強化 や 軍人 の 誇り を 重視 する 同 議員 は 、 米 外交 を 思い切って 右 旋回 さ せよう と 試みる はず 、 と 多く の 人 が 予想 する 。 地元 ノースカロライナ 州 デューク 大学 の フリッツ ・ メイヤー 教授 は 「 同 議員 を 理解 する に は 州 の 政治 風土 を 知る 必要 が ある 」 と 指摘 した 。 南北 戦争 で 最大 の 戦死 者 を 出し 、 北部 の 介入 を 極度に 嫌う 同 州 の 南部 気質 の 中 で 育った 同 議員 は 、 黒人 少数 派 へ の 雇用 優先 政策 で は 「 逆 差別 を 認める な 」 と 訴えて 、 白人 労働 者 や 農村 階級 の 絶大な 支持 を 誇る 。 軍部 の 信頼 も 厚い 。 ベトナム 戦争 で 兵役 を 忌避 し 、 軍 の 同性 愛 を 公認 した クリントン 大統領 嫌い は 有名だ 。 年 末 に 「 クリントン は 国軍 最高 司令 官 に ふさわしく ない 」 「 ノースカロライナ に 来る なら 、 ボディー ガード を 雇った 方 が いい 」 と 放言 騒ぎ を 起こした 際 も 、 地元 で は 「 よくぞ 言った 」 と たたえる 声 が 多かった 。 戦略 兵器 削減 条約 批准 問題 や 朝鮮 民主 主義 人民 共和 国 と の 核 問題 合意 など で 外交 委員 長 が どういう 判断 で 臨む か 、 国務 省 は 戦々恐々 だ 。 四十九 歳 まで 民主 党員 だった が 、 民主党 の リベラル 化 に 愛想 を つかして 共和党 に くら替え した 。 地元 紙 記者 や トーク ショー 番組 の ホスト を 長く 務めた 経歴 から 「 庶民 の 心 の ツボ を 見抜く の は 得意 」 と 、 ポピュリスト 的な カン の 良 さ に 政敵 も 舌 を 巻く 。 筋金 入り の 「 反 リベラル 」 に 対抗 する クリントン 政権 の 持ち ごま は 少ない 。 親書 の やりとり が 示す ような 国務 長官 の “ 年 の 功 ” に かける しか ない だろう 。 シリア の サルマン 情報 相 は 12 日 、 ペレス ・ イスラエル 外 相 が パリ で シリア の 高官 と 極秘 会談 した と の イスラエル 紙 の 報道 を 否定 した 。 インドネシア の 旧 ポルトガル 領 東 ティモール で 13 日 、 独立 運動 を 続ける 東 ティモール 独立 革命 戦線 と インドネシア 軍 が 銃撃 戦 と なり 、 革命 戦線 の メンバー 6 人 が 射殺 さ れた 。 現場 は 州都 ディリ から 80キロ 西 の ガウアナ ・ コンプレックス 村 付近 。 香港 紙 ・ 明報 は 13 日 、 信頼 できる 消息筋 の 話 と して 、 3 月 5 日 から 始まる 第 8 期 全国 人民 代表 大会 第 3 回 会議 で 、 党 中央 書記 局 の 呉 邦国 、 姜 春雲 両 書記 が 副 首相 に 選任 さ れる 見込み だ と 報じた 。 イスラエル の ラビン 首相 は 12 日 、 アンマン を 訪問 し 、 ヨルダン の フセイン 国王 と 首脳 会談 を 行った 。 双方 は 25 日 まで に 観光 、 貿易 面 で の 諸 問題 を 解決 し 、 平和 条約 を 実質 的な もの に する こと で 合意 した 。 NEC は 18 日 から 、 パソコン通信 「 PC ― VAN 」 で 世界 最高峰 の ヨット レース 「 アメリカズカップ 」 の 情報 提供 を 始める 。 12 日 から 始まった 予選 の 速報 や 、 日本 代表 ヨット の クルー の プロフィル など を 紹介 。 5 月 6 日 から 始まる 本 戦 も 、 速報 で 戦評 を 紹介 する 。 スズキ の 軽 自動車 販売 台 数 が 12 日 、 過去 40 年間 の 累計 で 国 内 初 の 1000万 台 を 突破 した 。 同社 は 1955 年 10 月 に 国 内 初 の 軽 自動車 「 スズライト 」 を 発売 。 55 年 から の 30 年間 で 513万 台 を 販売 した が 、 市場 で の 人気 上昇 に 伴い 、 85 年 から の 10 年間 で すでに 487万 台 を 記録 して いる 。 マツダ は 、 多 目的 乗用車 「 アンフィニ MPV 」 に 、 2・5 リットル 直列 4 気筒 エンジン 搭載 車 2 車種 を 13 日 、 発売 した 。 どちら も 4 速 オートマチック 車 で 、 5 人 乗り の タイプ C 1 が 229万8000 円 、 7 人 乗り の C 2 が 239万8000 円 。 流通 業界 主導 に よる 国産 ビール の 価格 破壊 、 低 価格 輸入 ビール の 急増 など 、 国 内 ビール メーカー は 、 急激な 環境 変化 に 見舞わ れて いる 。 昨年 は 猛暑 で 出荷 数量 が 前年 比 四・九 % 増 と 絶好調で 、 価格 低下 の 問題 点 は 水面 下 に 隠さ れた が 、 今年 も 猛暑 と いう 保証 は ない 。 「 業界 の 試練 は 今年 」 。 メーカー 各社 の 動向 に 注目 が 集まる 。 ◆ 低 価格 製品 ◆ 希望 小売 価格 で の 販売 が 当然だった 国産 ビール は 大手 スーパー の 安売り 参戦 で 昨年 、 一気に 値引き 競争 が 激化 した 。 「 免許 行政 下 で 一 物 一 価 だった ビール が 、 一 物 多 価 の 時代 に 突入 した 」 節目 の 年 だった 。 「 ビール を 希望 小売 価格 で 売る 小売 店 は 今や 二 ― 三 割 程度 」 。 サントリー の 佐治 信忠 副 社長 は こう 嘆く 。 低 価格 ビール の 開発 に 「 積極 的に 取り組んで いく 」 と 、 オリオンビール が 昨年 、 西友 と 組んで 発売 した プライベートブランドビール 「 ビール ・ オー 」 と 同様の 商品 の 発売 を 目指す 。 値引き 競争 の 現状 は 小売り と 卸 の 間 の 綱引き 。 「 現在 の メーカー 出荷 価格 を 見直す つもり は ない 」 と 上位 メーカー は 強気の 姿勢 だ が 、 既存 の 流通 ルート を 通さ ず に 低 価格 を 実現 する “ 流通 破壊 ” ビール は 、 下位 メーカー が 順次 発売 する こと に なり そうだ 。 ◆ 発泡 酒 ◆ サントリー は 昨年 十 月 、 麦芽 使用 率 を 六五 % に 抑え 、 酒税 法 の 分類 上 「 発泡 酒 」 と する こと で 酒税 を 低く した 新 商品 「 ホップス 」 を 発売 した 。 通常 の 国産 ビール より 四十五 円 安く 人気 は 上々 。 同社 は 今年 、 一千万 ケース の 出荷 を 目標 に して いる 。 この 人気 ぶり に 上位 メーカー も 、 まず サッポロ が 今年 から 輸入 製品 の 発泡 酒 で 市場 参入 、 アサヒ も 開発 試験 を 繰り返して いる 。 発泡 酒 製造 に 必要な 雑酒 免許 を 持た ない キリン も 、 「 免許 取得 だけ は して おき たい 」 と 言い出した 。 昨年 の 一 大 ブーム 、 低 価格 輸入 ビール は 、 各社 と も 今年 は 量的な 伸び に 懐疑 的だ が 、 サッポロ は 今年 自社 輸入 ・ 販売 に 踏み切る 。 ◆ さて 今年 は ? ◆ 今年 の ビール 総 需要 を 各社 は 、 前年 並み か 一 % 程度 の 微増 を 予想 して いる 。 しかし 、 各社 別 の 販売 目標 と なる と 話 は 別 。 アサヒ は 、 今年 も 販売 量 一〇 % 増 、 サントリー は 七 % 増 、 サッポロ も 四・五 % 増 と 自社 だけ 増える 見通し だ 。 販売 量 が 多い キリン は 自社 販売 量 の 伸び を 一 % 弱 程度 と 予想 して いる が 、 パイ が 増え なければ 、 シェア 争い の 激化 は 必至だ 。 証券 不況 の 中 、 業界 団体 の 統廃合 など 業務 の 見直し を 審議 して いた 団体 業務 検討 委員 会 は 13 日 、 政策 提言 機関 の 証券 団体 協議 会 を 日本 証券 経済 研究 所 に 統合 する と ともに 、 東京 と 大阪 で 経理 ・ 運営 など を 別々に 行って いる 同 研究 所 に ついて も 東西 組織 を 統合 して いく など の 対策 案 を 決めた 。 昨年 は 過去 最高 の 三十万 台 に 乗せ 、 国 内 市場 で 急増 を 続ける 輸入 車 ―― 。 そんな 新 時代 を 迎え つつ ある 輸入 車 の 一九九五 年 モデル を 一堂 に 集めた 「 95 東京 輸入 車 ショー 」 が 十三 日 、 東京 ・ 晴海 の 東京 国際 見本市 会場 で 開幕 した 。 一般 公開 は 十四 ― 十六 の 三 日間 。 今年 の テーマ は 「 なるほど 、 新 時代 」 で 、 ゼネラル ・ モーターズ など 米 ビッグスリー など の 欧 米 車 や 日本 メーカー の 海外 生産 車 を 合わせて 八 カ国 の 三十六 メーカー から 二百十五 台 が 展示 さ れて いる 。 期間 中 二十三万 人 の 来場 を 見込んで いる 。 四十三 年 余り の 銀行 生活 から 離れ 、 シンクタンク の トップ に 。 「 専門 家 集団 が いて 、 常時 二千 近い プロジェクト を 走ら せて いる 。 私 自身 それ に 関与 できる 知識 も ない ので 、 力 を 発揮 し やすい 環境 を 作り 、 総合 力 を 高めて いく こと が 役目 」 と 控えめに 語り 、 「 これ から 勉強 です 」 と 繰り返す 。 戦後 の 混乱 が 落ち着いた ころ 、 三菱 銀行 に 入った 。 「 昔 の 銀行 は お 金 の 配給 会社 みたいな もの で 、 経営 は そう 難しく なかった が 、 この 十 年 、 金利 や 業務 の 自由 化 、 国際 化 が 急激に 進んだ 。 各 行 の 優劣 が これ から 出て くる 」 。 語り口 は 穏やかで 、 にこやかな 表情 を 崩さ ない 。 総研 の 仕事 の 柱 は 国土 開発 や 事業 計画 に 関する 調査 、 環境 予測 、 コンサルティング など 。 「 うち は 官公庁 に 強く 、 受注 の 六 割 を 占める が 、 景気 の 影響 で 需要 が 落ちて きた 。 しかし 、 役 に 立つ サービス を すれば 収益 は ついてくる 」 毎月 の ように 歌舞伎 見物 に 出かける 。 「 近ごろ は 名 わき役 が 減り 、 役者 が 手薄に なって きた せい か 、 出し物 が 固定 して いる 」 の が 不満だ 。 = 1951 年 東大 法 卒 、 三菱 銀行 入 行 。 89 年 から 副 頭取 。 94 年 12 月 から 三菱 総合 研究 所 社長 。 福井 県 出身 、 65 歳 。 東芝 は 、 奥行き 30 センチ と 従来 製品 に 比べ 置き 場所 を 取ら ない 省 スペース 型 の 食器 乾燥 機 「 VD ― 40 HF 」 を 3 月 1 日 発売 。 平均 的 サイズ の 調理 台 ならば 、 乾燥 機 の 前 に まな板 を 置いて 調理 できる スペース を 確保 できる 。 乾燥 時間 は 45 ― 60 分 。 5 ― 6 人 分 の 食器 の 乾燥 が 可能 。 1万1800 円 。 年間 8万 台 販売 の 予定 。 日本 自動車 販売 協会 連合 会 が 十三 日 発表 した 一九九四 年 の 中古 車 販売 台 数 は 、 前年 比 二・六 % 増 の 五百三十九万九千七百八十 台 と なり 、 過去 最高 と なった 。 景気 回復 で 新車 販売 が 増加 基調 と なった こと を 背景 に 、 二 年 ぶり の 前年 比 増 。 台 数 の 大半 を 占める 乗用車 も 過去 最高 の 四百六十一万四千二十五 台 を 記録 した 。 車種 別 で は 、 乗用車 は 二 年 ぶり の 前年 比 増 。 うち 普通 車 は 同 二五・五 % 増 の 七十七万六千七百十七 台 と 五 年 連続 の 二 ケタ 増 だった が 、 小型 車 は 同 一・〇 % 減 の 三百八十三万七千三百八 台 と 二 年 連続 の マイナス 。 トラック は 同 一・九 % 増 の 七十万二千二百四十 台 で 、 過 積載 規制 強化 に よる 買い替え など で 四 年 ぶり の プラス 。 自販連 で は 今年 の 見通し に ついて 「 新車 販売 の 緩やかな 伸び に 対応 し 、 中古 車 販売 も 安定 して 推移 」 と 予測 。 年間 販売 台 数 は 五百五十万 台 程度 と なり そうだ 。 新エネルギー ・ 産業 技術 総合 開発 機構 は 13 日 、 岩手 県 葛根田 地域 で 、 地熱 資源 を 取り出す 4000 メートル 級 の 地熱 坑 井 の 本格 掘削 を 開始 した 。 今回 の 掘削 は 1997 年度 まで の 通産 省 ニューサンシャイン 計画 の 一環 。 ビール 業界 五 社 の 一九九四 年 の 年間 出荷 量 が 十三 日 に まとまった 。 年間 出荷 量 は 史上 最高 を 記録 。 前年 比 四・九 % 増 の 五億七千二百万 ケース だった 。 業界 トップ の キリン の 出荷 量 は 二億八千八十九万 ケース で 、 前年 比 四・二 % の 伸び 。 主力 の ラガー が 好調で 、 同 二 % 増 の 一億五千五百万 ケース 、 四 年 ぶり に 出荷 減少 に 歯止め を かけ 「 ブランド 力 が 回復 した 」 。 缶 ビール が 好調な アサヒ は 同 一二・三 % 増 。 スーパードライ は 十七 カ月 連続 前年 実績 を 更新 、 現在 も 六 カ月 連続 で 二ケタ の 伸び を 示して いる 。 アサヒ は 地域 限定 ビール も 好調で 、 五 種類 合計 が 業界 の 地域 限定 ビール 全体 の 七 割 に 達した 。 サッポロ は 「 エビス 」 が 順調に 伸び 、 同 二 割 増 の 四百十万 ケース 。 同社 は 「 品質 の 良 さ が 消費 者 に 受け入れ られた 」 と 分析 する 。 サントリー は 一昨年 に 主力 の ひと つ バドワイザー の 販売 権 が 他社 に 移った ため 対 前年 比 九〇・二 % に とどまった 。 コーセー は 、 今春 に 卒業 予定 の 高校 生 を ターゲット に 、 化粧 品 の お 試し セット 「 ルシェリ スターターキット 」 を 16 日 に 限定 発売 する 。 ファンデーション や スキン ケア など 計 6 品 が ポーチ に 入って 3800 円 。 通常 価格 に 比べ 、 3000 円 と ポーチ 分 が 割安 。 同日 以降 、 小売 店 ごと に 期間 を 定めて メーキャップ 指導 も 実施 。 新卒 者 と 母親 に 化粧 品 の サンプル を プレゼント する 。 愛用 の 真っ赤な 二五〇 CC バイク で 北海道 の 学会 に 出席 した 。 東京 から 苫小牧 まで フェリー に 乗り 、 その後 は 札幌 まで バイク を 飛ばす 。 通産 省 に も 茨城 県 つくば 市 の 電総研 から バイク で 行く 。 霞が関 で 何度 と なく 宅配 バイク と 間違え られた 。 専門 バカ は よく ない 。 広く 浅く 、 なん に でも 好奇心 を もつ こと が 電総研 の 中島 秀之 さん 流 の 生き 方 だ 。 電総研 の 研究 者 を 紹介 した 通産 省 の 本 で 「 幸福 を 感じる とき は いつか 」 と いう 項目 に 中島 さん は こう 答えて いる 。 一 位 、 夜 ふとん に 入った とき ▽ 二 位 、 セスナ で 飛んで いる とき ▽ オートバイ に 乗って いる とき ▽ サウナ に 入った とき ▽ 庭いじり を して いる とき ▽ 酔った とき 。 米国 留学 中 セスナ の 免許 を 取った 。 子ども の 時 から 空 を 飛ぶ の が 夢 だった 。 日本 で は 免許 取得 に 五百万 円 かかる 。 半ば あきらめて いた 。 免許 が 取れる まで 半年 かかった 。 日本 帰国 の 飛行機 が 離陸 する 八 時間 前 に やっと 念願 が かなった 。 囲碁 初段 、 カメラ 、 鉄道 模型 …… 今 まで 熱中 した 趣味 を 数え上げたら きり が ない 。 人 の やって い ない こと を やる の が 好きだ 。 しかし 、 ある 一定 の レベル まで 達する と 急に 冷めて しまう 。 目下 夢中に なって いる の は テニス と エアロビクス 。 週 末 に なる と ピアニスト の 妻 と スポーツクラブ に 通う 。 「 元気じゃ ない と 新しい 発想 が 生まれ ない 」 。 遅くて も 夜 十 時 に は 最も 幸福 を 感じる ふとん に 入る 。 午前 六 時 から 九 時 の 間 に 起きる 。 「 完ぺき を 目指さ ず 、 行き当たり ばったり の 研究 が 、 長い 目 で みたら 必要 」 この 中島 流 行き当たり ばったり 人生 が 、 いつか 鉄腕 アトム に 生まれ変わる 日 が 来る 。 「 残念 ながら 私 の 生きて いる うち は 無理です けど ね 」 と 宙 を 見て 笑った 。 モンデール 駐 日 米 大使 が 「 日本 の 自動車 メーカー が 三 月 まで に 、 部品 購入 自主 計画 の 積み 増し を し なければ 重大な 事態 を 招く 」 と 発言 した こと が 、 通産 省 や 業界 に 波紋 を 広げて いる 。 今 の ところ 「 大使 の 発言 の 真意 が 不明 」 と して 、 米 政府 の 正式な 態度 表明 を 見守る 考え だ 。 しかし 「 米 政府 が 制裁 を ちらつかせて 迫って くる なら 、 自動車 ・ 同 部品 協議 は メチャクチャに なる 」 と の 警戒 感 も 出て いる 。 昨年 末 に ロンドン で 行わ れた 岡松 壮三郎 通産 審議 官 と の 会談 で 、 ガーテン 米 商務 次官 が 「 購入 自主 計画 に ついて 直接 、 日本 の 業界 と 話し合い たい 」 と の 意思 を 伝えた 。 これ に 対し 、 橋本 竜太郎 通産 相 は 、 今年 初め の 会見 で 「 話し合い まで とめ ない が 、 計画 の 上積み を 強制 する もの であって は なら ない 」 と クギ を 刺した ばかり 。 米 政府 と 日本 の 自動車 メーカー の “ 協議 ” は 、 同 大使 と 豊田 達郎 ・ 日本 自動車 工業 会 会長 の 十九 日 の 会談 から 始まる が 、 同 工業 会 は 「 会談 は あくまで 年始 の あいさつ 。 部品 購入 計画 の 上積み を 前提 と した 交渉 なら 応じ られ ない 」 と 反発 して いる 。 ただ 、 大使 の 発言 は 米 政府 が 自動車 部品 問題 を 重視 して いる こと を 改めて 示した 形 だけ に 、 補修 部品 の 規制 緩和 など を 扱う 包括 経済 協議 も 含め 、 難航 が 予想 さ れる 。 日銀 が 十三 日 発表 した 一九九四 年 十二 月 の 国 内 卸売 物価 指数 は 、 前月 比 〇・一 % 上昇 の 九六・五 と なった 。 国 内 卸売 物価 が 前月 比 で 上昇 した の は 九二 年 七 月 以来 、 二 年 五 カ月 ぶり 。 鶏卵 、 肉類 の 値上がり と 非 鉄 金属 、 化学 ・ 繊維 製品 の 海外 相場 上昇 の 影響 が 出た ため で 、 日銀 は 「 一 月 に は 季節 要因 が はげる 可能 性 が あり 、 年明け 以降 は しばらく 横ばい で は 」 と して いる 。 韓国 証券 取引 所 の 総合 株価 指数 は 十三 日 、 終値 で 前日 より 二四・一八 ポイント 低い 九七六・五九 ポイント と なった 。 下げ 幅 は 五 日 の 二〇・九五 ポイント を 上回り 、 今年 に 入って 最大 。 日 中 両 国 政府 は 一九九四 年度 分 の 円 借款 供与 を 千四百三億 円 と する こと で 合意 し 、 十三 日 、 北京 で 書簡 を 交換 した 。 対象 は 火力 発電 所 、 鉄道 の 整備 など 十五 案件 。 条件 は 金利 二・六 % で 償還 期間 は 三十 年 。 総額 八千百億 円 が 供与 さ れる 予定 の 第 三 次 円 借款 の 一環 。 「 わが 社 は メキシコ 通貨 危機 で いかなる 大きな 悪 影響 も 受けて おら ず 、 将来 深刻な 問題 が 生じる こと も 予想 して い ない 」 ブリュッセル の 欧州 委員会 報道 官 は 十三 日 、 今年 の 日本 車 対 欧 輸出 自主 規制 枠 に 関する 日 欧 自動車 交渉 を 、 二 月 十六 、 十七 日 に 東京 で 行う と 発表 した 。 欧州 連合 が 十五 カ国 に 拡大 して 初 の 交渉 と なる 。 昨年 は 欧州 市場 で の 乗用車 の 売れ行き 回復 を 受け 、 規制 枠 を 若干 上方 修正 した が 、 今年 に ついて は 「 昨年 の 新車 登録 台 数 集計 を 踏まえて 対応 し たい 」 と 慎重 姿勢 だ 。 大蔵 省 は 十三 日 、 累積 債務 国 など に 対する 融資 の 回収 が 難しく なる こと に 備えて 銀行 が 積み立てて いる 特定 海外 債権 引当金 に ついて 、 その 対象 国 から メキシコ を 除外 する 方針 を 決め 、 非公式に 民間 銀行 に 伝え 始めた 。 通貨 危機 に 陥って いる メキシコ に 対して は 米 政府 が 十二 日 、 大幅な 追加 支援 を 決めて いる 。 同 省 は 引当金 の 積み立て 義務 を 外す こと で 、 民間 銀行 の 積極 的な 支援 を 促す こと に した 。 同 省 は 一九九五 年 三 月 期 決算 から 実施 する 考え 。 この 結果 、 日本 の 民間 銀行 が メキシコ 支援 の 一環 で 新たに 融資 した 場合 でも 、 特定 海外 債権 引当金 を 積み立て なくて も 済む ように なる 。 同 引当金 は 、 メキシコ を はじめ と した 中南米 の 累積 債務 危機 が 深刻 化 した 八三 年 三 月 期 決算 から 適用 さ れた 。 民間 銀行 に よる 累積 債務 国 向け の 融資 が 焦げ付いた 場合 など に 、 大蔵 省 が 引当金 対象 国 と して 特定 、 民間 銀行 は 債権 の 一部 を 積み立てる 義務 を 負う 制度 。 大蔵 省 は 、 「 メキシコ を 引当金 の 対象 国 と した まま で は 、 民間 銀行 の メキシコ 支援 を 阻害 する こと に なり かね ない 」 と 判断 。 民間 の メキシコ 支援 を 間接 的に 促す ため 、 対象 国 から 外す こと に した 。 当地 を 訪問 中 の 武村 正義 蔵 相 は 十三 日 午前 、 首相 府 で マハティール 首相 、 アンワール 副 首相 兼 蔵相 と それぞれ 会談 した 。 武村 蔵 相 は 、 大阪 で 十一 月 に 開く アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 非公式 首脳 会合 に 関し 、 貿易 ・ 投資 自由 化 の 具体 策 取りまとめ に 向け 、 議長 国 と して 協力 を 要請 。 これ に 対し 、 首相 は 「 参加 し たい 」 と 応じた もの の 、 「 事前 に 十分な 準備 が 必要 」 と 注文 を つけた 。 マレーシア は 、 昨年 秋 の APEC ジャカルタ 会合 で 「 大国 と 小国 が 公平な 競争 を する の は 難しい 」 と 主張 、 「 二〇二〇 年 に 域 内 の 貿易 自由 化 」 の 目標 を 打ち出した ボゴール 宣言 に ついて 態度 を 「 保留 」 。 今年 の 大阪 会合 でも 、 米国 の 早急な 自由 化 の 主張 に 対し 、 途上 国 の 立場 を 強調 する 考え を 示して いる 。 中国 も マレーシア と 同様の 立場 と み られる ため 、 日本 は 議長 国 と して 難しい かじ取り を 迫ら れる こと に なった 。 また 、 蔵 相 は マレーシア など が 提唱 して いる 東 アジア 経済 会議 構想 に 関して は 、 ブロック 化 と して 警戒 して いる 米国 に 対し 「 機会 が あれば 説得 に 応じ たい 」 と 述べた 。 メキシコ に 端 を 発した 中南米 の 通貨 市場 の 動揺 は 、 南欧 、 カナダ から 十三 日 に は 、 アジア へ と 拡大 した 。 市場 で は 「 メキシコ ・ シンドローム 」 と の 言葉 まで 登場 、 各国 通貨 の 続落 へ の 懸念 が 増幅 し 、 安全な ドル に 乗り換える 動き が 出て いる 。 マニラ の 外国 為替 市場 は 同日 午前 、 同国 通貨 の ペソ が 一 ドル = 二四・八五 ペソ まで 急落 。 同 市場 で は 、 上下 各 一・五 % 以上 変動 した 場合 、 一時的に 市場 を 閉鎖 する こと に なって おり 、 実施 さ れた 。 メキシコ ・ ペソ の 暴落 と の 関連 に ついて は 「 直接の 因果 関係 は ない 」 と の 見方 が 強い 。 ただ 、 二 年 前 から 外国 企業 の 投資 が 急増 、 海外 の 出稼ぎ 労働 者 から の 送金 も 増えて 、 ドル が だぶつき 、 ペソ が 急騰 して いた ところ へ 、 メキシコ や 南欧 の 市場 の 動揺 が 心理 的 要因 と して 足 を 引っ張った と み られる 。 タイ の バーツ や 、 インドネシア ・ ルピア 、 シンガポール ・ ドル も 急落 した 。 タイ 中央 銀行 の ウィニット 総裁 は 、 通常 取引 終了 後 も ドル 売り ・ バーツ 買い に 出動 する 用意 が ある 、 と 言明 する など 、 相場 の 鎮静 化 に 向けて 懸命だった 。 経営 が 破たん した 東京 協和 、 安全 の 両 信用 組合 を 救済 する 新 銀行 が 十三 日 、 発足 した 。 行 名 は 「 東京 共同 銀行 」 、 資本 金 は 二百十五億 円 で 、 頭取 に は 両 信 組 の 理事 長 を 兼ねる 野口 寿康 氏 が 内定 した 。 実際 に 業務 を 開始 する の は 、 両 信 組 が 営業 譲渡 した あと の 三 月 二十 日 の 見通し で 、 日銀 ・ 大蔵 省 が 「 不良 債権 処理 の 集大成 」 と 意気込む 。 しかし 、 増資 へ の 協力 を 要請 さ れて いる 金融 機関 から は 「 乱脈 経営 の ツケ を 負担 さ せ られる の は 筋違い 」 と の 不満 も 聞か れる 。 ◆ 急いだ 体制 固め 同日 午後 、 日銀 内 で 開か れた 発起人 会 に は 、 増渕 稔 ・ 日銀 信用 機構 局長 、 西川 善文 ・ 住友 銀行 専務 ら 、 出資 者 代表 の 三 人 が 出席 。 設立 決議 後 、 初めて の 取締 役 会 で 役員 構成 を 決定 。 出資 金 の 払い込み 後 、 大蔵 省 の 設立 認可 を 受けて 設立 登記 し 、 二 度 目 の 取締 役 会 で 増資 手続き に 入る 、 と いう 慌ただし さ だった 。 こうした 展開 は 、 大蔵 省 と 日銀 が 新 銀行 設立 を 既成 事実 化 する ため 、 体制 固 め を 急いだ と の 見方 が 強い 。 巨額の 不良 債権 を 抱えて 経営 危機 に 陥って いる 中小 金融 機関 は 多く 、 今回 の 新 銀行 が とん挫 すれば 、 日銀 が 描いて いる 金融 界 再生 の 構図 が 崩れ かね ない 。 ◆ 新 銀行 の 中身 新 銀行 は 十七 日 に 大蔵 省 の 銀行 免許 を 取得 、 二 月 上旬 まで に 増資 して 資本 金 を 四百億 円 と し 、 三 月 二十 日 を めど に 、 開業 する 。 新 銀行 の 本店 は 東京 都 港 区 の 現 安全 信用 組合 の 本店 に 置く 。 新 銀行 頭取 に 内定 した 野口 氏 は 、 二 月 中旬 に 両 信 組 が 解散 する まで は 顧問 と して 入る 。 役員 構成 で は 、 宮田 喜八郎 ・ 日銀 考査 役 が 代表 取締 役 専務 に 、 安田 由和 ・ 富士 銀行 融資 企画 部 指導 役 と 矢野 悟 ・ 住友 銀行 検査 役 が 取締 役 に 就任 した 。 ◆ くすぶる 批判 新 銀行 設立 の きっかけ は 東京 協和 の 高橋 治則 ・ 前 理事 長 が 、 自ら 代表 を 務めて いた イ ・ アイ ・ イ ・ グループ に 対し 、 両 信 組 を 通じて 巨額の 融資 を 行い 、 焦げ付いた こと 。 「 金融 秩序 維持 の ため の 緊急 避難 的 措置 」 であり 、 「 苦渋 の 決断 だった 」 と は いえ 、 結果 的に 、 乱脈 経営 の ツケ を 日銀 の 公的 資金 と 全国 の 金融 機関 に 押し付けた 形 だ 。 最終 的に 各 金融 機関 は 増資 に 応じる と 見 られる が 、 経営 に 失敗 して も 当局 が 救って くれる と いう 「 モラル ・ ハザード 」 が 広がる 、 と の 批判 が くすぶって いる 。 ◆ 都 議会 の 焦点 に 最も 苦しい 立場 に 立た さ れる の は 、 東京 都 。 監督 官庁 と して の 責任 が あり 、 不良 債権 処理 を 目的 と した 債権 回収 機関 に 、 約 二百億 円 の 収益 支援 を し なければ なら ない 。 都議 会 は 二 月 七 日 に 開会 予定 だ が 、 支援 策 を 盛り込んだ 議案 に 対し 、 与党 の 公明党 や 社会党 が 厳しく 追及 する 構え だ 。 都議 会 公明 の 大木田 守 ・ 政調会 長 は 「 この 二 組合 だけ に 支援 する 必然 性 が ない 。 支援 に は きちんと した 基準 、 ルール が 必要だ 」 と 批判 して いる 。 一方 、 二十 日 に 召集 さ れる 通常 国会 でも 追及 の 動き が 出て いる 。 永田 町 で は 、 早く から 高橋 前 理事 長 と 有力 政治 家 、 政府 高官 ら と の 関係 が 、 救済 銀行 設立 を 後押し した と の 憶測 が 流れて おり 、 司法 当局 の 動き と 絡んで 関心 を 集めて いる 。 東京 都 世田谷 区 の 会社 員 、 家村 勉 さん 宅 の リビング に は 、 一・三五 メートル 四方 の 大きな ガラス 製 の テーブル が ある 。 「 これ を 置ける 空間 を 作り たかった 」 と いう の が 、 改築 した 大きな 理由 だった 。 改築 の 三 年 ほど 前 に 購入 した が 、 前 の 間取り で は 置け ず 、 親せき に 預けて いた 。 家村 さん 宅 は 一九八三 年 に 新築 で 入居 。 五 階建て の 五 階 で 約 五十五 平方メートル の 三 DK だった 。 だが 、 夫婦 二 人 の 生活 で は 、 細かい 間仕切り は 必要 ない 。 仕切り が 多い こと で 部屋 が 暗く なる の も 解消 し たかった 。 「 初め は 寝室 も 含め ワンルーム に …… と いう こと だった んです が 、 一 人 が 眠り たい 時 に 、 もう 一 人 が テレビ を 見 たい と いう こと も あり ます から 、 やはり 独立 さ せた 方 が いい 、 と アドバイス し ました 。 その代わり 、 リビング と の 間 の 壁 は すりガラス に して 採光 は 確保 し ました 」 と 担当 した モローズ の 秦 ゆき子 さん 。 寝室 は 布団 を 二 つ 敷く だけ の スペース と 布団 を 入れる クロゼット と いう 最小 限 に し 、 あと は キチンと も 続いた リビング 一 部屋 に 改築 した 。 壁 に 沿って 奥行き 六十 センチ の クロゼット を 造り付け 、 衣類 から 本 まで を 収納 した 。 真ん中 に は ガラス テーブル が リビング の “ 顔 ” と して 、 食事 に も 仕事 に も …… と 、 多目的に 活用 さ れて いる 。 妻 の 真知子 さん も 編集 の 仕事 を して おり 、 昼間 は い ない 。 週 末 は 夫婦 で 家 を 空ける こと も 多い 。 その ため 、 キチン は 使い 勝手 を 考えた コンパクト な もの に した 。 生 ゴミ を 冷凍 して 保管 する ダストフリーザー も 組み込んだ 。 「 ゴミ 出し まで の 間 、 におい に わずらわさ れる こと が ない ので 、 快適です 」 と 真知子 さん 。 「 改築 まで は 、 玄関 を 上がった 廊下 など に 置いて いた 」 と いう 二 人 の 趣味 である ロードレーサー 二 台 は 、 玄関 を 入り 右側 に 作った 二 段 の オープン 棚 に 収まった 。 自分 たち の 生活 に 合わせた 空間 を 上手に 作り 、 より 満足 度 の 高い 改築 を した 好例 だろう 。 リビング 部分 の 改築 費用 は 約 五百万 円 。 足 に ぴったり 合う 靴 を 見つける の は 難しい 。 靴 が 合わ ない ため に 靴 ずれ を 起こしたり 、 女性 に 多い 外反母趾 を 招いたり する だけ で なく 、 健康 を 損なう もと に も なる 。 「 シュー ・ フィッター 」 と は 1 人 ひと り の 足 に ちょうど いい サイズ の 靴 を 選ぶ 技術 者 で 、 研究 会 が 養成 、 認定 し 1985 年 に 誕生 した 。 現在 1385 人 が 認定 さ れて いる 。 この 本 で は 、 同 研究 会 が 保有 して いる 男女 約 7万5千 人 の 足型 を もと に 「 足長 は 大きく 足囲 は 細い 」 「 左足 の 方 が 大きい 人 が 若干 多い 」 と いった 日本 人 の 足 の 特徴 と 変化 を 解説 。 全国 の シュー ・ フィッター の 氏名 と 連絡 先 が 地区 別 に 掲載 さ れて いる 。 希望 者 は 1340 円 分 の 少額 切手 を 添え 、 同 研究 会 へ 。 「 足 が むくんで 筋肉 に 力 が 入ら ず 、 だるい 」 「 疲れ やすく 手足 が しびれたり 、 ひざ が ガクガク する 」 ―― 。 医師 に このような 症状 を 訴える 若者 が 西 日本 の 九州 、 中国 地方 を 中心 に 散発 した 。 今 から 二十 年 前 の 七〇 年 代 半ば の こと である 。 病名 は 「 多発 性 神経 炎 」 。 末梢 神経 の 障害 に より 運動 や 感覚 機能 が 低下 する この 病気 は 、 遺伝 、 感染 症 、 代謝 異常 、 内分泌 疾患 、 栄養 障害 など に よって 引き起こさ れる と いわ れて いる 。 ところが 患者 は 主に 十代 から 二十 代 の 男性 で 、 学校 で 運動 部 に 所属 し 、 スポーツ で 鍛えた 立派な 体 の 若者 や 肉体 労働 の 頑丈 そうな 青年 が 多く 、 とても 栄養 不良 に よる もの と は 見受け られ ない 。 しかも 夏場 に 集中 して 起きて いる ところ から 、 なんらか の 流行 病 で は ない か と 疑わ れた 。 「 調べて みれば 何の こと は ない 、 ビタミンB 1 の 欠乏 に よる 多発 性 神経 炎 、 つまり 『 かっけ 』 だった のです 」 と 、 お茶の水 女子大 教授 の 五十嵐 脩 さん は 笑う 。 「 かっけ 」 は 稲作 が 普及 して きた 奈良 、 平安 時代 から 発症 の 記録 が 残さ れて おり 、 平安 の 風雲 児 、 平 将門 、 戦国 の 武将 、 上杉 謙信 など 「 かっけ 」 に 野望 を 砕か れた 歴史 上 の 人物 も 多い 。 とくに B 1 を 含む 米ぬか を 落とす 精米 技術 が 進んだ 江戸 時代 に は 「 江戸 患い 」 と 恐れ られた 。 明治 時代 に は 天皇 まで も 患った 。 大正 末期 に は 年間 の 死者 二万七千 人 に のぼり 、 戦前 まで 「 国民 病 」 と いわ れた 。 「 当時 の 日本 人 は 栄養 補給 を 主食 の 米飯 に 頼って おり 、 これ が 『 かっけ 』 の 原因 に なって いた こと は 、 皆さん 学校 で 習った はず 。 では 栄養 十 分 に 見え 、 スポーツ で 鍛えた 現代 の 若者 たち が なぜ 『 かっけ 』 に なった のでしょう 。 実は 若者 たち の 生活 に 二 重 の 落とし穴 が あった のです 」 異常 を 訴えた 若者 たち は インスタント 食品 や 清涼 飲料 、 砂糖 たっぷり の コーヒー 、 紅茶 など が 大好き 。 しかも 親元 から 離れて 寮 や 下宿 暮らし の 者 が 多く 、 外食 中心 で 肉 や 野菜 など を あまり 食べ ない 。 エネルギー源 は 糖質 や 炭水化物 に 偏って いた のだ 。 「 まず 第 一 の 落とし穴 を 説明 し ましょう 。 砂糖 や でんぷん など の 炭水化物 は 消化 吸収 さ れる と 、 大部分 は ブドウ 糖 に 変え られ ます 。 この ブドウ 糖 が エネルギー に 変わる とき 、 どうしても ビタミンB 1 が 必要な のです 。 つまり 炭水化物 に エネルギー を 頼る と 、 それ だけ B 1 を 消費 し ます 」 「 第 二 の 落とし穴 は 、 私 たち の 神経 は エネルギー を ブドウ 糖 に 頼って おり 、 B 1 の 欠乏 が 神経 に 重大な 障害 を もたらす こと です 。 スポーツ 選手 や 激しい 肉体 労働 に 従事 する 人 たち は 、 普通の 人 より 四 、 五 倍 から 十 倍 も の B 1 が 必要です 。 偏食 がちの 若者 たち が 神経 に 障害 を 起こす の は 当然の 帰着 だった のです 」 問題 の 若者 たち は 、 知らず知らず の うち に 一 升 メシ に 栄養 供給 を 頼って いた ころ と 、 実質 的に 同じ ような 食 生活 を して おり 、 エネルギー代謝 の 激しい 夏場 に 発症 して いた と いう の が 真相 だった 。 私 たち の 食 生活 は 二十 年 前 と そんなに 変わった わけで は ない 。 逆に インスタント 食品 や 清涼 飲料 は 食 生活 に すっかり とけこんで いる 。 「 その後 の 調査 で 、 地域 や 性別 に 関係なく B 1 が 潜在 的に 不足 して いる 若者 たち が 大勢 見つかって い ます 。 私 たち も ある 女子大 の 学生 を 調べた ところ 、 多く の 学生 に 潜在 性 ビタミンB 1 欠乏 症 が 発見 さ れ びっくり し ました 」 神経 の 慢性 的な 疲労 、 根気 の 欠如 、 無力 感 、 脱力 感 、 軽い 皮膚 炎 など が その 症状 だ が 、 さて 、 あなた は ? 価格 破壊 が 社会 の 合言葉 に なり 、 スーパー の 店頭 でも 売値 が グンと 下がった 商品 が 目立つ ように なり ました 。 こうした 値引き 商品 を より 賢く 活用 する ため に 底値 表 を 作って み ませ ん か 。 底値 表 と は チラシ 広告 や 店頭 の 特売 の 値段 を チェック し 、 商品 の 一 番 安い 時 の 値段 を 記録 し 一覧 表 に した もの です 。 買い物 に 行く 時 に は この 表 を 持っていき 、 底値 または 底値 に 近い 値段 の 時 に まとめ 買い して おき ます 。 特に 、 ケチャップ 、 チーズ 、 しょうゆ など 加工 食品 や ティッシュペーパー など の 消耗 品 に は とても 有効です 。 ただ 、 魚肉 類 、 野菜 など は 品質 に 違い が ある ので 、 一概に 値段 だけ で は 判断 でき ませ ん 。 孫娘 が 成人 式 を 迎える ので 、 晴れ着 の リハーサル を した 。 振りそで に ふくらすずめ に 結んだ 帯 、 しぼり の 帯 揚げ 、 共色 の 帯 締め 。 入念に 着付ける と 、 まさに 大 変身 。 花 の 二十 歳 の かれんで お しとやかな 晴れ姿 だ 。 普段 の ジーパン 姿 と は 別人 の よう 。 でも 、 この 着物 と 帯 、 そして 小物 に いたる まで 、 すべて この 娘 の 母親 が 二十 歳 を 祝った 時 の お下がり 。 ひと昔 前 の もの です 。 似合う よ 、 似合う よ 。 まるで ママ の 若い 時 の よう よ …… 。 幼い 時 から おべべ が 大好きだった 孫娘 は 、 母 が 着た 着物 で 迎える 式 を 心待ち に して い ました 。 思い返せば この 一 年間 、 どこ で 調べた の か 、 毎日 の ように 、 成人 式 用 の 着物 の カタログ 攻勢 を 受けた 。 それ に 加えて 電話 で の ご 案内 で 、 断る の に 必死だった 。 ある 着物 店 から の 電話 の 声 の 主 は 「 まあ 、 お 母 様 の 衣装 を お召し に なる のです か 。 今 の 若い 方 は とても 承知 なさい ませ ん よ 。 第 一 、 柄 も 古い です し 」 と 、 まるで 見た ような 口ぶり 。 こちら は ある もの で 間に合わ せよう と 決めて いる のに 、 よくも 言って くれる で は あり ませ ん か 。 こうして 母親 の 物 を 身 に 着けた 孫娘 は 、 若き 日 の 母親 の ように 美しい 姿 と なった 。 娘 が 着けて から 二十数 年 、 再び 孫 に 着せて 、 一生 に 一 度 だけ の 成人 式 。 年 を 重ねて 来た 私 の 心 の 中 で 、 また 光り輝いて くれる のです 。 豪 タスマニア 州 で 開催 さ れて いる 女子 テニス の タスマニアン ・ オープン で 13 日 、 神尾 米 は シングルス 準 決勝 で レイラ ・ メスキ に 2 ― 6 、 3 ― 6 で 敗れ 、 決勝 進出 を 逃した 。 ダブルス 準 決勝 で は 長塚 京子 、 杉山 愛 組 が ビート ・ ラインシュタドラー 、 バーバラ ・ シェット 組 に 6 ― 3 、 6 ― 3 で 快勝 、 決勝 進出 を 決めた 。 世界 最高峰 の ヨット レース 、 アメリカズカップ の 防衛 艇 シリーズ は 十二 日 から 当地 の サンディエゴ 沖 で 開幕 する 予定 だった が 、 濃霧 の ため 中止 、 十三 日 から 始まる こと に なった 。 また 、 ニッポン チャレンジ が 出場 する 挑戦 艇 シリーズ は 十四 日 から ラウンドロビン 1 が スタート する 。 ブラジル 遠征 中 の 全 日本 大学 サッカー 選抜 チーム は 11 日 、 コパ ・ サンパウロ ・ フットボール ジュニア 大会 の 予選 リーグ 第 2 戦 で 、 グレミオ と 対戦 、 4 ― 3 で 勝った 。 日本 は 1 勝 1 敗 。 今季 から ガンバ 大阪 の 指揮 を 執る ジークフリート ・ ヘルト 新 監督 が 13 日 、 ヨシップ ・ クゼ 、 フリードリッヒ ・ コンシリア 両 新 コーチ と 新 加入 の FW ハンス ・ ヒルハウス 、 MF スクリーニャ ・ ビエツコスラブ と ともに 来 日 した 。 関西 国際 空港 内 で 記者 会見 した ヘルト 監督 は 「 トレーニング で 鍛え 、 J リーグ で の 優勝 を 目指し たい 」 と 抱負 を 語った 。 23 日 に 始まる チーム 初 練習 から 合流 の 予定 。 一九九九 年 に 開か れる ラグビー の 第 四 回 ワールドカップ の 開催 地 に ついて 、 オーストラリア が 日本 、 ニュージーランド と 共同 で 立候補 する こと が 十三 日 、 決まった 。 英国 など 他の 有力 立候補 国 へ の 対抗 上 、 オーストラリア が 共同 開催 を 提案 して いた 。 日本 から は 金野 滋 ・ 日本 ラグビー 協会 副 会長 ら が 出席 した 。 3 カ国 は 、 二 月 十四 日 まで に 国際 ラグビーボード に 正式に 立候補 を 届ける 。 開催 地 は 三 月 中旬 に 決定 さ れる 。 けが は し ない に 越した こと は ない 。 けれども 、 それ が 勝ち に 結びつく こと も ある から 、 勝負 は 面白い 。 琴錦 は 前日 の 武蔵丸 戦 で 左足 首 を 痛めた 。 最初の 診断 で は ねんざ だった が 、 部屋 に 帰って から 詳しく 診察 した ところ 、 関節 の 骨 も ズレて いた 。 整体 師 に ズレ は 治して もらった が 、 この 日 の 朝 げいこ は 欠場 。 休場 こそ し なかった もの の 、 グルグル と 巻か れた テーピング が 痛々しかった 。 ところが 、 この 負傷 が 琴錦 から 迷い を 消した 。 「 負けて もともと だ から 、 いつも より 落ち着いた 。 それ に 横 に 振ら れたり 、 下がったら 残せ ない から 、 いっぺんに 真っすぐ 持っていく しか ない と 思った んです 」 。 いつも は 動き すぎて 墓穴 を 掘る こと の 多い 琴錦 が 、 この 日 は 一気の 出足 だけ を 心 に 決めて かかって いた 。 逆に 迷った の は 若乃花 の 方 だった 。 あの 足 で 出足 は ある の か 、 立ち合い で 何 か やってくる んじゃ ない か …… 。 「 考え 過ぎて しまった 。 相手 の 足首 の こと は 忘れよう 、 忘れよう と 思った んだ けど ね 」 。 それ が 中途半端な 立ち合い に つながった 。 いつも 相手 の 機先 を 制する 若乃花 な のに 、 フワッと 立って 、 胸 で 受けて しまった 。 そこ へ 琴錦 が 最高の 出足 で 突っ込み 、 左右 を 差す 。 あと は 右 から おっつける ような 形 で 一直線 に 前 へ 。 こう なる と 、 体重 の 軽い 若乃花 は もろい 。 あっけなく 土俵 を 割った 。 「 自分 が いけない 。 立った 時点 で 『 あー 、 ヤバイ 』 と 思った 。 向こう の 流れ に 入って しまった んだ 」 と 悔やんだ 若乃花 。 大関 の 抜群の 相撲 カン と うま さ を 、 琴錦 の 負傷 が 曇らせた 。 これ ぞ 「 けが の 功名 」 である 。 大リーガー を 目指す 野茂 英雄 投手 に 米 大リーグ の 労使 対立 が 大きな 障害 と なって いる 。 昨年 八 月 に 始まった ストライキ が 解除 さ れ ない 限り 、 入国 査証 が 発給 さ れ ない こと が 明らかに なり 、 進路 が 決まら ない まま 中ぶらりんの 状態 が 続き そうだ 。 野茂 投手 は 十三 日 、 コミッショナー 事務 局 に 電話 を かけ 「 日 米 野球 選手 に 関する 協定 」 に ついて 説明 を 受け たい 、 と 希望 した 。 しかし 10 分 後 に 「 野球 協約 を よく 読んで から に し ます 」 と 同日 の 訪問 を 取りやめた 。 電話 を 受けた 金井 事務 局長 は 「 生活 が かかって いる 、 と いう ような こと を 話して いた 」 と 語って おり 、 現状 に 不安 を 感じて いる ようだ 。 大リーグ オーナー 側 は 選手 会 に 所属 し ない マイナー リーグ や 中南米 を 中心 に した 外国 人 選手 を 集めて 、 開幕 を 図って いる 。 何らか の 手段 で ビザ を 手 に 入れた と して も 、 いま 球団 と 契約 すれば 、 代替 選手 に よる リーグ に 参加 する こと に なる 可能 性 が 強い 。 選手 会 側 は 「 代替 選手 」 に なら ない よう 、 中南米 の 選手 を 説得 して 回って いる 。 将来 、 解決 した 場合 でも 「 スト破り 」 した 選手 は 当然 選手 会 に は 入れ ず 、 実質 的に 大リーグ から 排除 さ れる の は 確実だ 。 事態 が 収まる まで マイナー リーグ 球団 に 入る こと に も 問題 が 残る 。 ビザ が 発給 さ れる か どう か は 微妙だ し 、 年俸 など の 条件 面 で は 格段に 落ちる 。 米国 で 野球 を する に は 単独 で トレーニング し ながら じっと 解決 を 待つ しか ない の が 現状 だ 。 北米 アイスホッケー リーグ は 3 カ月 で 解決 した が 、 今回 の 大リーグ の 対立 は めど が つか ない ほど 泥沼 化 。 1 、 2 年 かかる 、 と の 見方 も ある 。 マウンド に 立つ こと を 優先 する なら 、 近鉄 が 了承 すれば 、 三 月 十 日 以降 、 近鉄 へ 復帰 した うえ で トレード で 他 球団 に 移籍 する 方法 も 残って いる 。 全 日本 学生 スキー 連盟 は 十三 日 、 来月 十八 日 から スペイン ・ ハカ で 開催 さ れる ユニバーシアード 冬季 大会 の 日本 代表 選手 を 次の 通り 発表 した 。 川口 城二 下村 泰則 滝沢 宏臣 伊藤 薫 竹田 高広 坂田 誠 神津 正昭 蛯沢 克仁 畔上 大地 竹田 良和 太田 勝久 工藤 博 上杉 宏樹 吹田 幸隆 笠間 法考 山本 哲也 森 卓也 鈴木 幸保 工藤 貢太郎 山田 和由 大竹 太志 二星 謙一 山川 純子 皆川 安寿香 伴 さやか 横山 寿美子 竹田 優子 平野 正美 内山 文 後藤 鹿子 バスケットボール の アンフィニ 東京 は 十三 日 、 米国 出身 の ハーバード ・ ジョンソン を 解雇 し 、 日本 リーグ の 登録 を 抹消 した 。 ジョンソン は 、 十二 日 午前 四 時 四十五 分 ごろ 、 東京 都 港 区 六本木 の ビル で 、 女性 3 人 が エレベーター に 乗ろう と した の を 邪魔 し 、 1 人 の 顔 を 殴って 10 日間 の けが を さ せ 、 警視 庁 麻布 署 に 傷害 で 現行 犯 逮捕 さ れた 。 フィギュア スケート の 世界 選手 権 の 代表 最終 選考 会 を 兼ねる 第 六十三 回 全 日本 選手 権 は 十三 日 、 神戸 市 の ポートアイランド スポーツセンター で 開幕 。 開会 式 の 後 、 アイス ダンス の コンパルソリー の 2 課題 を 行い 、 都築 奈加子 ・ ユーリス ・ ラズグリャエフ 組 が 首位 に 立った 。 十四 日 は 、 アイス ダンス の オリジナルダンス と 男女 各 シングル の ショート プログラム が 行わ れる 。 ( 1 ) 都築 奈加子 ・ ユーリス ・ ラズグリャエフ 順位 点 0・4 河合 ・ 田中 0・8 羽吹 ・ 小泉 1・4 渡辺 ・ 木戸 1・4 米 大リーグ は 労使 紛争 解決 の 見通し が 立って い ない が 、 十二 日 付 の 米 全国 紙 USA トゥデー は 、 大リーグ 40 人 枠 の 登録 名簿 に 載って いる 外国 人 選手 は 選手 会 の ストライキ 中 、 就労 用 の ビザ が 発給 さ れ ず 、 大リーグ ばかり で なく マイナー リーグ でも プレー 不可能 と 報じた 。 この 40 人 枠 に は シアトル ・ マリナーズ で 大リーグ 昇格 を 目指して いる 日本 の 鈴木 誠 投手 も 登録 さ れて おり 、 同 投手 も スト の 影響 を 受ける こと に なる 。 同 紙 に よれば 、 マイナー リーグ の 場合 は 短期 労働 者 用 の ビザ の 取得 で プレー できる が 、 その 場合 は 大リーグ の 40 人 枠 から 抹消 さ れ 、 ウェーバー の 対象 選手 と なって しまう 。 昨年 十二 月 の 世界 ボクシング 評議 会 バンタム級 王座 統一 戦後 に 左手 首 を 骨折 した 元 同級 王者 、 辰吉 丈一郎 の 診断 結果 が 十三 日 明らかに なり 、 「 3 カ所 の 疲労 骨折 で 全治 5 カ月 」 と 判明 した 。 西 小結 ・ 武双山 = 本名 ・ 尾曽 武人 、 水戸 市 出身 、 武蔵川 部屋 = が 、 六 日 目 の 貴闘力 戦 で 左 肩 関節 を 脱きゅう 、 七 日 目 から 休場 する こと に なった 。 十四 日 朝 、 日本 相撲 協会 に 休場 届 を 出す 。 一九九三 年 初 場所 の 初 土俵 以来 初 の 休場 。 武双山 は 昨年 秋 巡業 でも 左 肩 を 痛めて おり 、 「 しっかり 治す こと に し ます 」 と 脱きゅう が くせ に なら ない よう 、 完治 に 努める こと に した 。 師匠 の 武蔵川 親方 は 「 この先 長い ので 無理 せ ず 、 休場 さ せ ます 」 と 話した 。 近鉄 球団 の 上山 善紀 オーナー は 十三 日 、 野茂 投手 に ついて 、 「 出て いった 以上 は 援助 し ない し 、 関係ない 」 と 静観 する 考え を 示した 。 野茂 は 任意 引退 が 公示 さ れた 今月 九 日 から 60 日 後 に 日本 プロ 野球 界 へ 復帰 する こと も 可能だ が 、 上山 オーナー は 「 それ は その 時 検討 する 。 国 内 の トレード は 考えて い ない し 、 うち に 戻る の が 当然 」 と 話した 。 野茂 投手 の 相談 役 である ダン 野村 氏 は 十三 日 、 「 コミッショナー 事務 局 に 問い合わせた ところ 、 米国 から 身分 照会 が 来て いる 」 こと を 明らかに した 。 しかし 、 コミッショナー 事務 局 で は 「 現在 調査 中 な ので 、 来て いる と も 、 い ない と も 、 具体 的な こと は 言え ない 」 と して いる 。 大リーグ 球団 が 野茂 投手 と 交渉 する 場合 は 、 「 日 米 野球 選手 に 関する 協定 」 で 、 日本 の コミッショナー 事務 局 を 通じて 身分 照会 する こと に なって いる 。 米 大リーグ ・ コミッショナー 事務 局 は 十二 日 、 近鉄 を 退団 した 野茂 英雄 投手 が シアトル ・ マリナーズ と 接触 して いた と さ れる 問題 で 、 日本 から 依頼 さ れた 事実 確認 の 調査 を 開始 した 。 巨人 の 落合 博満 内野手 は 十三 日 、 契約 更改 交渉 を 行い 、 現状 維持 の 3億6000万 円 で サイン し 、 日本 人 選手 最高 年俸 の 座 を 守った 。 劇団 四季 の 「 キャッツ 」 が 三 日 、 東京 ・ 品川 の 専用 劇場 で 開幕 した 。 東京 で は 八 年 ぶり 三 度 目 の ロング ラン に なる が 、 すでに 六 月 末 まで の チケット は 完売 、 初日 まで に 向こう 一 年間 の 切符 を 売り出す と いう 人気 である 。 こんなに 爆発 的な 人気 を 呼ぶ と は 当の 四季 でも 考えて い なかった 。 この 現象 は 「 キャッツ 」 が すでに 伝説 と なった こと を 示して いる 。 「 キャッツ 」 と いう 作品 は 、 初演 から 演劇 界 の 革新 児 の 性格 を 持って いた 。 この 作品 が ロンドン で 開幕 した の は 一九八一 年 五 月 である 。 T ・ S エリオット の 詞 を もと に アンドリュー ・ ロイド = ウェバー が 作曲 、 トレバー ・ ナン が 演出 した ミュージカル だ が 、 登場 する の は すべて 猫 と いう 意表 を ついた 作品 である 。 猫 の 世界 の 話 だ から 、 美術 も 猫 の 目 から 見た サイズ に なって いる 。 俳優 も 猫 に なる こと を 求め られる 。 従って 、 劇場 そのもの が キャッツワールド で なければ なら ない 。 つまり 、 専門 劇場 が 必要な のである 。 日本 初演 は 八三 年 だった が 、 スタート は 新宿 に 「 キャッツ ・ シアター 」 を 建設 する こと であった 。 それ が まず 大 冒険 であった 。 当時 の 金 で 劇場 建設 費 が 二億五千万 円 ほど かかった が 、 もし 失敗 すれば 元 も 子 も ない 。 劇団 代表 の 浅利 慶太 は 後 に 「 失敗 すれば 劇団 解散 する まで の 覚悟 」 と 語って いる 。 公演 は 成功 して 一 年間 、 四百七十四 回 の ロング ラン を 達成 した 。 八五 年 に は 大阪 に 場 を 移して 公演 、 これ も 一 年 一 カ月 の ロング ラン を 記録 した 。 この後 、 再び 東京 、 名古屋 、 福岡 、 札幌 、 大阪 と 上演 を 重ねて 通算 八 回 目 の 今回 の 公演 に 至った わけだ が 、 前回 まで に 公演 数 二千六百七十四 回 、 観客 数 約 二百七十万 人 を 記録 して いる 。 一 作品 の 上演 記録 と して は もちろん 最高である 。 各地 で の ロング ラン の 成功 は それ まで の 演劇 界 の 常識 を 大きく 変えた 。 一 つ は ミュージカル の 観客 層 に 地域 差 は ない こと を 証明 した こと である 。 それ まで は 札幌 、 福岡 など で は 長期 公演 は 無理だ と 考え られて いた のである 。 二 つ 目 は 作品 と 舞台 の レベル が 高ければ 知名度 の 高い スター は 不要である こと を 示した 。 これ だけ の 回数 の 公演 を 限ら れた 俳優 で こなす こと は 不可能で 、 各 役 が 複数 の 俳優 の 交代 出演 に なった が 、 観客 は それ を 納得 した 。 以後 は 四季 に 限ら ず 東宝 の ミュージカル でも 、 オーディション に より 出演 者 を 選ぶ ように なった 。 三 つ 目 は ハイテク ・ ミュージカル と 呼ば れる 大がかりな ミュージカル が 続々 日本 で 上演 さ れる ように なった こと である 。 「 オペラ 座 の 怪人 」 「 レ ・ ミゼラブル 」 「 ミス ・ サイゴン 」 など だ が 、 大きな 投資 を して も 興行 と して 成立 する こと が 分かった のである 。 波及 効果 は 他の ジャンル に も 及んだ 。 演劇 界 が 活気づいた のである 。 とくに 若い 観客 を 対象 に した 舞台 が 急速に 人気 を 集めて きた 。 八六 年 に 市川 猿之助 の スーパー 歌舞伎 「 ヤマトタケル 」 が 初演 さ れて 大 ヒット した 。 東宝 の 「 レ ・ ミゼラブル 」 の 初演 は 八七 年 である 。 永らく 不振 を 続けて きた 大阪 の 歌舞伎 が 人気 を 取り戻した の も この 年 であった 。 仁左衛門 を 上 置き に 孝夫 、 勘九郎 ら 人気 役者 が 出演 した 夏 の 中座 の 歌舞伎 に 観客 が 詰めかけた 。 宝塚 歌劇 の 「 風 と 共に 去り ぬ 」 の 再演 は 八八 年 である 。 これ ら の 公演 は 別々に 企画 さ れ 、 それぞれ 独自の 観客 を 相手 に して いた 。 しかし 、 観客 層 が 重なりあった のである 。 舞台 と いう なま の 魅力 に 若い 人々 が 目 を 向け 始める 現象 が 起こった のである 。 「 キャッツ 」 の 観客 が 「 ヤマトタケル 」 の 観客 に なった の か 、 あるいは その 逆な の か は 正確に は 分から ない が 、 これ まで 無縁だった ジャンル の 観客 が 相互 乗り入れ を 始めた のである 。 それ が 演劇 界 の 変化 に つながって いった 。 「 キャッツ 」 は すでに 伝説 の 舞台 に なり 、 その 公演 は 爆発 的な 人気 に 支え られて いる 。 = 敬称 略 < 水落 潔 ・ 編集 委員 、 題字 は 小林 抱牛 > 小林 桂樹 主演 の テレビ朝日 系 「 土曜 ワイド 劇場 ・ 牟田 刑事 官事 件 ファイル 」 が 、 二十八 日 の 放送 で 二十 作 目 を 迎える 。 「 十二 年 かかって 二十 作 に なり ました 。 原点 に 戻った 気 が し ます 」 と 語る 。 今回 は 、 姿 なき 狙撃 者 に 狙わ れた 牟田 刑事 官 が 、 執念 の 捜査 で 犯人 を 追い詰める と いう 話 。 寒い 中 の 夜間 の 収録 が 多かった が 、 小林 は 連日 タフに こなし 、 若手 共演 者 も 感心 して いた 。 「 初めて 銃 で 狙わ れたり 、 負傷 したり と 、 やや ハードな 感じ でした が 、 この 年 で 頑張って い ます 」 と 意欲 十分 。 房総 信用 組合 は 十三 日 、 年間 平均 残高 十万 円 に つき 最高 五万 円 の 懸賞 金 が つく 年金 振り込み 普通 預金 を 設ける と 発表 した 。 普通 預金 で の 懸賞 金 は 全 国初 。 「 懸賞 金 付き 福祉 預金 」 と 名付け られ 、 年金 振り込み の 口座 と する の が 条件 。 九 月 十 日 まで の 平均 残高 が 十万 円 以上 の 場合 に 懸賞 の 抽選 権 資格 が 得 られ 、 十万 円 ごと に 抽選 権 が 一 本 つく 。 抽選 権 五千 本 に つき 特等 五万 円 四 本 、 一 等 三万 円 五 本 、 二 等 五千 円 二十五 本 など で 、 五 等 は 千 円 二百五十 本 。 抽選 日 は 十二 月 十五 日 。 宇宙 開発 事業 団 は 十三 日 、 日本 の 第 一期 宇宙 飛行 士 と して 選ば れて いた 土井 隆雄 さん が 今年 三 月 から 米国 で 始まる ミッション ・ スペシャリスト の 訓練 に 参加 する と 発表 した 。 約 一 年 の 訓練 終了 後 に は 、 宇宙 遊泳 など が できる 本格 的な 宇宙 飛行 士 と して 、 宇宙 飛行 へ の 参加 が 期待 さ れる 。 土井 さん は 毛利 衛 さん 、 向井 千秋 さん ら と ともに 一九八五 年 八 月 、 ペイロード ・ スペシャリスト に 選ば れた 。 毛利 さん 、 向井 さん は 宇宙 に 飛び立った が 、 土井 さん は 適当な 実験 計画 が なかった 。 史上 最多 の 五十五万七千四百 人 が 臨む 大学 入試 センター 試験 が 十四 日 から 二 日間 の 日程 で 始まる 。 初日 の 十四 日 は 午前 十 時 から 外国 語 、 午後 から 数学 A 、 数学 B 、 理科 A の 順で 実施 さ れる 。 ことし の 交通 安全 運動 の 標語 を 決める 「 交通 安全 年間 スローガン 募集 」 で 内閣 総理 大臣 賞 を 受賞 した 三 人 の 表彰 が 十三 日 午後 、 東京 都 千代田 区 の 日比谷 公会堂 で 開か れた 第 三十五 回 「 交通 安全 国民 運動 中央 大会 」 で 行わ れた 。 表彰 式 に は 受賞 者 の 金原 美樹 さん = 静岡 県 磐田 市 見付 、 会社 員 ▽ 川嶋 孝夫 さん = 埼玉 県 上尾 市 久保 、 公務 員 ▽ 竹内 志織 さん = 岡山 市 平井 、 市立 平井 小学校 四 年 = が 出席 。 五十嵐 広三 官房 長官 から 内閣 総理 大臣 賞 の 賞状 と 賞金 が 贈ら れた 。 十三 日 午後 三 時 十六 分 ごろ 、 三宅島 近海 の 深 さ 約 二〇キロ を 震源 と する 地震 が あった 。 各地 の 震度 は 次の 通り 。 震度 3 神津島 ▽ 震度 1 三宅島 秋田 県 山本 郡 二ツ井 町 が 全国 から 募った 「 恋文 コンテスト 」 の 入選 作品 百一 点 が 十三 日 発表 さ れ 、 秋田 市 楢山 、 無職 、 柳原 タケ さん の 手紙 が 大賞 に 選ば れた 。 「 天国 の あなた へ 」 と 題した 夫 あて の 恋文 は 便せ ん 二 枚 。 「 娘 を 背 に 日の丸 の 小旗 を ふって 、 あなた を 見送って から 、 もう 半 世紀 が すぎて しまい ました 。 たくましい あなた の 腕 に 抱か れた の は 、 ほんの つかの間 でした 」 で 始まる 。 夫 淳之助 さん は 結婚 後 わずか 二 年 で 徴兵 さ れ 、 二 年 後 の 一九三九 年 、 中国 で 戦死 した 。 三十二 歳 だった 。 手紙 は 「 私 は 傘寿 を 迎える 年 です 。 お そば に 行った 時 、 おまえ は どこ の 人 だ なんて 言わ ないで ね 。 よく 来た と 言って 、 あの ころ の ように 寄り添って 座ら せて 下さい ね 」 と 、 今なお 胸 に 残る 恋心 を つづって いる 。 審査 員 の 一 人 で 同県 出身 の 脚本 家 、 内館 牧子 さん は 「 私 が 今 書いて いる ドラマ の 資料 より 迫力 が ある 」 と 絶賛 。 柳原 さん は 「 仏壇 に 『 お土産 が でき ました 』 と 報告 し ました 」 。 副賞 は ベストセラー 小説 「 マディソン 郡 の 橋 」 の 舞台 、 米 アイオワ 州 へ の ペア 招待 。 「 東京 の 一 人 娘 と 一緒に 」 と 喜んで いた 。 二ツ井 町 の 景勝 地 「 き み まち 坂 」 に は 、 明治 天皇 が 東北 を 旅行 した 際 、 皇后 から の 手紙 を 待った と の エピソード が あり 、 町 は これ に ちなんで コンクール を 実施 。 全国 から 七千三十五 通 の 恋文 が 寄せ られた 。 十三 日 午後 零 時 四十 分 ごろ 、 群馬 県 佐波 郡 境町 境 、 県立 境 高校 で 、 同県 伊勢崎 市 内 に 住む 一 年 の 女子 生徒 が 校舎 四 階 の 廊下 の 窓 から 十二・五 メートル 下 の コンクリート 側溝 に 飛び降り 、 病院 に 運ば れた が 約 二 時間 後 に 死亡 した 。 境 署 の 調べ で は 、 女子 生徒 は 学級 委員 長 で 、 この 日 の ホームルーム で 来月 開か れる 「 三 年生 を 送る 会 」 で の クラス の 出し物 を 話し合った 。 しかし 自分 の 提案 が 通ら なかった ため 泣き出し 、 十 分 後 に 突然 、 教室 を 飛び出し 飛び降りた と いう 。 「 全 国初 の 女性 知事 」 を 掲げ 、 伊東 秀子 衆院 議員 が 十三 日 、 北海道 知事 選出 馬 を 表明 した 。 自民党 道連 が 社会党 から 現職 国会 議員 を 担ぐ と いう 複雑な 構図 で 、 伊東 氏 自身 「 自民党 の コペルニクス 的 転換 」 と 評した 。 前 副 知事 の 堀 達也 氏 を 推す 社会党 は 、 伊東 氏 支援 の 「 造反 議員 」 も 現れ 、 分裂 状態 。 知事 選 「 北 の 陣 」 は 一気に 熱 を 帯びて きた 。 「 本日 、 私 は 北海道 知事 選挙 に 出馬 する こと を 表明 いたし ます 」 。 札幌 市 内 の ホテル の 会見 場 。 伊東 氏 の 声 が 響いた 。 隣 に は 擁立 の 立役者 、 自民党 道連 の 佐藤 孝行 会長 の 姿 が あった 。 佐藤 氏 は 昨年 十一 月 会長 に 就任 。 わずか 一 カ月 後 の 昨年 末 、 伊東 氏 擁立 を 決めた 。 昨年 夏 から 伊東 氏 に 出馬 打診 して いた と 言わ れ 、 村山 政権 の 連立 の 枠組み を 背景 に 社会党 の 分断 を 図った 形 だ 。 佐藤 氏 の トップ ダウン の 伊東 氏 擁立 に 、 道連 内 に は 不満 も くすぶる 。 「 なぜ 社会党 の 女性 を 担が なければ なら ない の か 」 と いう 党 内 の 批判 に 、 佐藤 氏 は 「 応援 し ない 場合 は 反 党 行為 と みなし 、 離党 勧告 も 辞さ ない 」 と ニラミ を 利かす 。 「 ロッキード 事件 で 有罪 が 確定 した 佐藤 氏 に 推さ れた こと を どう 思う か 」 。 会見 で 質問 を 受けた 伊東 氏 は 「 未来 永ごう 腐敗 の レッテル を 張る より 腐敗 防止 の システム を つくる こと が 大事 」 と かわした 。 伊東 氏 の 「 身内 の 反乱 」 に 、 かつて の 支持 組織 は 「 裏切り 」 と 憤り を あらわに する 。 社会党 道 本部 の 大平 盛雄 書記 長 は 「 自民党 の 党利 党略 を 信頼 した 伊東 氏 は 哀れ 」 と 非難 する 。 しかし 深夜 テレビ の 番組 に 度々 登場 し 、 高い 知名度 を 持つ 伊東 氏 は 「 強力な 対抗 馬 」 。 現在 の 伊東 氏 の 議席 は 横路 孝弘 知事 から 受け継が れた 。 堀 氏 を 推す 横路 知事 は 夫人 や 実母 も 伊東 氏 の 選挙 を 応援 して きた だけ に 「 かなり カッカ きて いる 」 。 知事 選 の 行方 は 政界 再編 で 第 三 極 の 形成 を 目指す 横路 知事 の 中央 復帰 に も 影響 する と み られる 。 五 人 が 犠牲 と なった 昨年 十二 月 の 福島 市 ・ 飯坂 温泉 「 若喜 旅館 本店 」 の 火災 で 福島 県警 捜査 一 課 と 飯坂 署 は 十三 日 まで に 、 容疑 者 不詳の まま 現住 建造 物 放火 容疑 で 令状 を 取り 、 同日 、 改めて 現場 検証 を 行った 。 また 同 旅館 の 国分 善俊 会長 と 国分 キミ 社長 から も 事情 聴取 した 。 県警 は 当初 、 業務 上 過失 致死 傷 容疑 の 令状 で 現場 検証 して いた 。 未来 の ショッピング は 、 家庭 に いながら パソコン で ―― 関西 文化 学術 研究 都市 の 光台 ニュータウン で マルチメディア 実験 を 進めて いる 郵政 省 の 外郭 団体 「 新 世代 通信 網 利用 高度 化 協会 」 は 、 百貨店 や スーパー 、 都市 銀行 など の 協力 を 得て 、 家庭 の パソコン 端末 を 操作 して 買い物 が でき 、 同時に 銀行 口座 から 代金 を 自動 的に 引き落とせる ホーム ショッピング 実験 を 今秋 に も 開始 する 。 パソコン で 代金 を 支払って 実際 に 買い物 が できる システム の 開発 は 国 内 で 初 の 試み 。 同 協会 は 、 光台 の 約 三百 世帯 を モニター に して 、 光ファイバー を 敷設 。 各戸 に パソコン など を 設置 して 、 好きな 時 に 見 たい 映画 など が 見 られる ビデオ ・ オン ・ デマンド や テレビ電話 実験 など を 昨夏 から 三 年 計画 で 実施 して いる 。 ホーム ショッピング は 、 この 三百 世帯 に つないで いる パソコン 端末 を 利用 。 利用 者 は 、 バーチャル ・ リアリティー を 利用 し コンピューター ・ グラフィックス で 描か れた 「 仮想 百貨店 」 の 売り場 を 実際 に 歩いて いる ような 感覚 で 画面 を 眺める 。 商品 の 情報 を 知り たければ 、 端末 操作 する と 、 その 商品 の 品質 や サイズ 、 値段 など が 表示 さ れ 、 気 に 入れば その場で 申し込める 。 同時に 、 自分 の 銀行 口座 を 打ち込む と 、 代金 は 自動 的に 引き落とさ れる 仕組み 。 三 月 まで に 計画 の 詳細 を 決め 、 十一 月 に 大阪 市 で 開催 さ れる アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 で デモンストレーション を 披露 する 予定 。 ホーム ショッピング は 、 やはり 関西 学研 都市 で マルチメディア 実験 を 進めて いる 「 新 世代 通信 網 実験 協議 会 」 が 、 映像 の 電子 カタログ を 用いた 通信 販売 システム の 開発 に 取り組んで いる が 、 自動 支払い 機能 に は まだ 着手 して い ない 。 碓井 裕二 ・ 新 世代 通信 網 利用 高度 化 協会 実験 推進 部長 は 「 実際 に 現物 を 見たり 触ったり し ないで 、 端末 操作 だけ で 買う か どう か 、 どのような 需要 が ある か など を 実験 を 通して 調べ 、 本格 的 実用 化 を 目指し たい 」 と 話して いる 。 インタファクス 通信 に よる と 、 ロシア 国防 省 は 十三 日 、 チェチェン 共和 国 の 首都 グロズヌイ に 進攻 して いる ロシア 軍 が 同 共和 国 政府 ビル を 制圧 、 「 首都 中心 部 を 事実 上 完全に 掌握 した 」 と 述べた 。 激しい 攻防 が 続いて いる 大統領 官邸 に ついて は 触れて い ない 。 自民党 滋賀 県連 と 連合 滋賀 が 先月 、 今夏 の 参院 選 滋賀 選挙 区 で 同県 草津 市長 の 高田 三郎 氏 を 統一 候補 に する こと に 決めた 「 選挙 共闘 」 は 、 液状 化 する 政界 事情 の なか でも 際立った 異変 だ 。 反 自民 の 立場 を 貫いて きた 連合 と 、 六 年 前 の 参院 選 で 連合 旋風 に 煮え湯 を 飲ま さ れた 自民 が ここ で 手 を 握った 背景 に は 、 双方 の “ お家 の 事情 ” が ある 。 自民党 県連 は 昨年 七 月 、 高田 氏 へ 「 公認 候補 」 を 打診 。 高田 氏 は 幅広い 支援 を 得る ため 、 八 月 半ば に 連合 滋賀 の 東郷 栄司 会長 に 相談 した 。 連合 滋賀 が 推す 前 民主 改革 連合 代表 の 中村 鋭一 参院 議員 は 衆院 くら替え の 意向 。 連合 滋賀 は 参院 の 議席 を 死守 する ため 、 高田 氏 に 「 連合 公認 候補 なら 支援 する 」 と の 条件 で 十 月 末 に 擁立 を 決めた 。 そこ で 自民党 県連 は 党 本部 から 「 連合 と 組む なんて …… 」 と も 言わ れた と いう 。 最終 的に 自民 、 連合 の 県 トップ 会談 で 、 ともに 公認 を 外す こと で 合意 した 。 この 経緯 に は 双方 の 組織 防衛 の 姿勢 が 見え隠れ する 。 自民党 は 県 内 の 国会 議員 七 人 の うち 六 人 を 占めた 時期 も あった が 現在 、 宇野 宗佑 元 首相 一 人 だけ 。 県議 の 奥村 展三 氏 擁立 を 決めた 新党 さきがけ 県 本部 の 幹部 は 「 自民 は 今 、 完全な 人材 難 。 これ まで なら 、 敵 だった 連合 が アプローチ する 人物 と 知れば 、 完全に 取り込んで しまう か 、 別の 候補 を 立てた だろう 」 と 解説 する 。 一方 、 連合 滋賀 が 高田 氏 に こだわる の は 小 選挙 区 制 で の 次期 衆院 選 が ある から だ 。 近畿 の 各 連合 は 近く 政治 団体 「 リベラル 近畿 」 を 結成 し 、 それぞれ 支援 して きた 国会 議員 の 受け皿 づくり と して 連合 新党 の 結党 を 模索 して いる 。 滋賀 で は 山元 勉 、 川端 達夫 の 両 衆院 議員 を 抱える 。 小 選挙 区 で 勝つ ため の 布石 と して 、 参院 選 は 首長 と して 知名度 、 実績 の ある 高田 氏 で 戦い 、 有権者 や 支持 団体 に 連合 の 存在 を アピール する 。 その うえ で 、 衆院 選 を 有利に 戦う ―― と の 筋書き だ 。 そこ に は 次期 衆院 選 で 保守 二 党 だけ に なれば 、 これ まで 社会 、 民社 を 中心 に して 勤労 者 の ため の 勢力 に なって きた 連合 の 存在 意義 が 問わ れる 、 と の 危機 感 も ある ようだ 。 一方 、 共産党 県 委員 会 の 国政 対策 委員 長 、 川内 卓 氏 を 擁立 する 同 委員 会 は 「 なれ合い 政治 の 典型 」 と 批判 する 。 滋賀 で は 一九八〇 年 の 参院 選 から 、 共産 を 除く 社 公民 の 三 党 が 労働 団体 と 連携 して 「 連合 型 選挙 」 を 展開 。 その後 の 参院 選 は 五 回 と も 実質 的に 「 自民 対 連合 」 の 戦い と なり 、 連合 候補 が 三 勝 し 、 “ 連合 神話 ” が 今 も 残る 。 自民 と 連合 の “ 呉越 同舟 ” が 選挙 協力 に とどまる の か 、 それとも 「 組織 協力 」 に 発展 する の か 。 政治 情勢 の 先 が 見え ない 時期 だけ に 、 滋賀 から 目 が 離せ ない 。 在阪 の 報道 各社 が 加盟 する 関西 プレスクラブ 主催 の 講演 会 が 十三 日 、 大阪 市 北 区 の ホテル で 開か れ 、 兵庫 県 の 貝原 俊 民 知事 が 「 地方 分権 と 文化 首都 “ 関西 ” 」 と 題して 講演 した 。 「 地方 分権 と は 単に 中央 の 権限 を 地方 に 移す だけ で は なく 、 官僚 主導 の 政策 決定 も 改め 、 住民 が 参加 する メカニズム の 中 に 政策 を 求める べきだ 」 と 持論 を 展開 。 特に 教育 、 福祉 、 環境 問題 は 全国 一律 の 制度 や 規制 で は なく 、 地域 に 合わせた 施策 が 必要 、 と 説いた 。 子供 が 父親 から 認知 さ れた 途端 に 児童 扶養 手当 を 打ち切る よう 定めた 児童 扶養 手当 法 施行 令 は 、 非 嫡出子 に 対する 差別 だ と して 、 関西 の 「 婚外 子 差別 と 闘う 会 」 など 三 団体 が 十三 日 、 厚生 省 に 施行 令 の 改正 を 求める 要望 を した 。 香港 の 輸出入 の 拠点 、 ビクトリア 港 を 隔てた 九 龍 半島 と 香港 島 の 両側 で いま 、 埋め立て 工事 が 急ピッチで 進め られて いる 。 香港 が 中国 に 返還 さ れる 一九九七 年 に 開港 予定 の 新 空港 関連 の 鉄道 や 道路 、 商業 用地 を 確保 する 工事 で 、 これ ら を 含めた プロジェクト の 総額 は 二兆 円 に のぼる 。 こうした 追い風 を 受け 香港 は 九五 、 九六 年 も 実質 五 % 台 の 安定 した 経済 成長 が 見込ま れて いる 。 同時に 、 香港 経済 の 原動力 と なって いる の は 関税 も 投資 規制 も 原則 ゼロ と いう レッセフェール 政策 である 。 それだけに 、 二〇二〇 年 まで に 域 内 の 貿易 ・ 投資 自由 化 を 達成 する と いう 昨年 の アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 の 非公式 首脳 会議 の 結果 は 、 願って も ない 展開 だ 。 「 自由 貿易 が 拡大 する ほど 、 香港 が 得意 と する 金融 、 情報 、 サービス など の 機能 を 生かせる 」 から だ 。 香港 貿易 発展 局 の 羅 永燦 ・ 専務 理事 は 「 自由 貿易 が 十八 カ国 ・ 地域 の リーダー に よって 保証 さ れた 意義 は 大きい 。 まだ 枠組み が 決まった だけ で 、 今年 の 大阪 会議 で 実務 面 を 詰める 必要 が ある が 、 目標 は 予定 より 早く クリア 出来る だろう 」 と 意気込む 。 香港 が これほど 意欲 的な 姿勢 を みせる 背景 に は 、 中国 と の 経済 統合 が 加速 して いる と いう 現実 が ある 。 香港 の 製造業 者 は 近年 、 賃金 上昇 や 人手 不足 など に より 、 隣接 する 中国 ・ 広東 省 へ の 移転 を 進めて おり 、 四 社 に 三 社 が 同 省 に 生産 拠点 を 持って いる と いわ れる 。 当然 、 香港 経済 は 中国 情勢 に 強く 影響 さ れる 。 株式 市場 が いい 例 だ 。 年明け の 香港 株式 市場 は 、 株価 動向 を 示す ハンセン 指数 が 初 取引 の 三 日 に は 三四六・九 ポイント も 下落 し 、 その後 も 低迷 を 続けて いる が 、 知的 所有 権 を めぐる 米 中 の 争い の ため だ 。 こうした 不安定な 状態 を 回避 する うえ でも 、 「 中国 を 国際 的な 枠組み の 中 に 取り込む こと 」 が 香港 に とって 不可欠の 課題 だ 。 その 意味 で 、 米 中 日 の 大国 が 参加 する APEC は 絶好 の 舞台 である 。 香港 が 「 中国 の 世界 貿易 機関 加盟 を 全面 的に 支援 して いる 」 の も 同じ 狙い から だ 。 一方 、 香港 や 中国 が 入ら ない 北米 自由 貿易 協定 や 、 東南 アジア 諸国 連合 自由 貿易 地域 など 、 垣根 が 見え隠れ する 地域 経済 統合 の 動き に は 神経 を とがらす 。 主要な 貿易 相手 である 北米 や 東南 アジア で 保護 主義 が 台頭 すれば 、 香港 の 産業 へ の ダメージ は 計り知れない から だ 。 香港 政庁 貿易 局 の 黎高 穎怡 ・ 副 局長 は 「 APEC の ボゴール 宣言 で 、 内 向き の 貿易 ブロック へ の 反対 を 表明 した こと を 忘れ ないで ほしい 」 と 言葉 を 強める が 、 これ は NAFTA や AFTA など が 閉鎖 的に なら ない よう 注意深く 見守って いく こと を 意味 して いる 。 このように 世界 的な 開放 体制 の 確立 に 向け 、 APEC を 最大 限 に 活用 しよう と いう の が 香港 の 戦略 。 大阪 会議 で は 自由 化 推進 で 、 香港 は これ まで 以上 に 重要な 役回り を 演じる こと に なり そうだ 。 JTB 海外 旅行 関西 支店 は 、 アメリカ 永住 権 ビザ 取得 の 申込 代 行業 、 PNS 社 と 業務 提携 し 、 13 日 から グリーンカード 申し込み の 受け付け 業務 を 始めた 。 応募 者 の 中 から 無作為の 抽選 で 資格 者 が 選ば れる 。 JTB で の 申し込み 締め切り は 2 月 20 日 。 料金 は 2万600 円 。 問い合わせ は 同社 海外 旅行 関西 支店 まで 。 泉州 銀行 は 2 月 1 日 から 3 月 末 まで 、 旅行 券 の 当たる 定期 預金 を 発売 する 。 預 入 額 10万 円 で 一 本 の 抽選 権 が あり 、 賞品 は 一 等 5万 円 、 二 等 3万 円 、 三 等 1万 円 の 旅行 券 。 「 ワンカップ 大関 」 の 人気 の 秘密 を マンガ で まとめた 「 ワンカップ 大関 の 秘密 、 長寿 商品 を 生んだ サクセスストーリー 」 が この ほど チクマ秀版社 から 発刊 さ れた 。 1300 円 。 開発 の 経緯 、 販売 戦略 など 、 物語 風 に 分かり やすく まとめた 。 神鋼 商事 は 十三 日 、 巨額の 株式 含み損 を 抱える 関連 会社 の エスエフシー に 対する 貸付金 の うち 、 四十五億 円 を 特別 損失 と して 計上 する と 発表 した 。 株式 売却 益 で ほぼ 同額 の 特別 利益 を 計上 し 損失 を 相殺 する 予定 。 コンピューター 機器 製造 の 「 ソレックス 」 は この ほど 、 ダム の 工事 現場 に たまった 水 を 乾かす ホーバークラフト 「 スーパージェットドライヤー 乾太郎 」 を 総合 建設 業 「 フジタ 」 と 共同 開発 、 一 月 から 販売 を 始めた 。 ダム 工事 で は 雨 が 降る と 地面 が 乾燥 する まで 次の 工事 に 進め ず 、 これ まで 自然 乾燥 を 待つ か 、 人海 戦術 で バケツ で くみ出す しか 方法 が なかった 。 「 乾太郎 」 は 前後 に 取り付けた 二 台 の ファン が 毎秒 三〇 メートル の 強風 を 吹きつけ 、 一〇〇 平方メートル の 水たまり なら 二 分 以内 で 乾かす こと が でき 、 乾燥 作業 を 大幅に 短縮 できる と いう 。 全長 五・八 メートル 、 幅 二・二 メートル 、 高 さ 一・六 メートル 。 作業 速度 は 三キロ で 、 前後 走行 が 可能 。 価格 は 千五百万 ― 二千万 円 。 同社 は 「 将来 は 運動 場 や 競技 場 に も 用途 を 広げて いき たい 」 と 話して いる 。 ファッション 用 木製 ハンガー 製造 で 国 内 トップ シェア の 「 中田 工芸 」 が この ほど 、 独自 ブランド 「 但馬 クラフト 」 を 企画 、 木製 生活 雑貨 品 の 製造 ・ 販売 に 乗り出した 。 主力 商品 の ハンガー は 年間 二百五十万 本 以上 を 出荷 して いる が 、 「 木 の ある 衣食住 」 と して 事業 拡大 を 図る もの 。 地域 に 拠点 を 置く 企業 と して 、 本社 と 工場 の ある 但馬 地域 から ネーミング した 。 木 の ぬくもり を 生かした 皿 や クシ 、 手鏡 など の 生活 用品 から 、 ミニカー や 積み木 、 パズル など の オモチャ 、 CD ラック など 幅広く 展開 。 東急 ハンズ など で は 、 ユニーク 商品 と して 人気 を 呼んで いる と いう 。 象印 マホービン の 市川 博邦 社長 は 13 日 、 香港 の 家庭 用 電器 メーカー 、 シマテレックス と 今年 3 月 に 合弁 会社 を 設立 し 、 中国 国 内 で 炊飯 器 と 電子 ジャー の 生産 を 始める と 発表 した 。 急激な 円高 に 対応 する ため 、 中国 で の 生産 で 人件 費 など コスト 削減 を 図る 。 合弁 会社 名 は 象印 シマテレックス で 資本 金 は 2億 円 。 生産 開始 は 今年 7 月 ごろ の 見込み 。 クラレ は 、 テーマパーク や カラオケボックス など アミューズメント 施設 向け に 、 山本 寛斎 の デザイン の ユニホーム を 企画 、 ユニホーム メーカー 3 社 を 通じて 2 月 15 日 から 発売 する 寛斎 スーパースタジオ が デザイン を 担当 。 カラフルな 刺しゅう と ダーク カラー の 組み合わせ など で 、 楽しく 華やかな 場面 で の 着用 を 意識 した 。 ジャケット 、 ベスト 、 スカート 、 キュロット 、 スラックス 、 シャツ 、 ネクタイ が あり 、 男子 用 ジャケット の 小売 価格 は 1万8500 ― 3万5800 円 。 高 成長 を 続ける サービス業 の 中堅 企業 は 、 北陸 、 関東 、 九州 など に 多く 、 近畿 は 低調な こと が 、 ニッセイ 基礎 研究 所 の まとめた リポート 「 一九九五 年度 主要 産業 の 展望 」 で わかった 。 民間 信用 調査 機関 の データ を もと に 全国 約 四十八万 社 を 分析 した 。 九三 年度 の 売上高 が 前期 比 五 % 以上 増加 し 、 従業 員 が 二千 人 未満 の 会社 を 成長 企業 と 位置づける と 、 約 一万八千 社 が 該当 した 。 各 都道府県 ごと の 成長 企業 の 割合 を 見る と 、 五 % を 超える の が 岩手 、 福岡 、 鹿児島 。 次いで 、 福井 、 長野 、 佐賀 、 東京 、 新潟 、 富山 、 広島 など で 、 四・三 % 以上 。 逆に 低い の が 、 香川 、 和歌山 、 徳島 、 愛媛 など で 二 % 台 後半 に とどまった 。 近畿 も 振るわ ず 、 大阪 、 京都 、 兵庫 など すべて 三 % 台 だった 。 業種 別 で は 、 エレクトロニクス 企業 の 割合 は 東北 、 東京 、 奈良 で 高い 。 また 、 成長 力 の 高い サービス 型 企業 は 東京 や その 周辺 、 九州 に 多かった 。 世界 三 大 テノール 歌手 の 一 人 、 ホセ ・ カレーラス さん が 被爆 五十 周年 前夜 の 今年 八 月 五 日 、 宮島 の 厳島 神社 に ある 国宝 ・ 平 舞台 で 、 野外 リサイタル 「 世界 平和 祈念 ― 原爆 五十 周年 に 祈る 」 を 開く 。 神社 創建 千四百 年 祭 の 記念 イベント で 、 瀬戸内海 に 浮かぶ 美しい 舞台 で オペラ 界 の スーパースター が 歌う 異色の 公演 に なり そう 。 スペイン 出身 の カレーラス さん は 一九八七 年 七 月 、 パリ で 映画 「 ラ ・ ボエーム 」 の 撮影 中 、 リンパ球 性 白血 病 で 倒れて から スペイン や 米国 の 病院 を 転々 。 米 シアトル で 骨髄 移植 を 受け 、 奇跡 の 復活 を 果たした 。 八八 年 夏 に は 出身 地 バルセロナ で の 復帰 コンサート で 十五万 人 を 集め 、 病気 克服 を 支えた 市民 に 感謝 、 母国 に 国際 白血 病 財団 を 設立 した 。 被爆 者 の 多く が 白血 病 で 亡くなって いる こと を 知り 、 広島 公演 を 強く 希望 して いた 。 厳島 神社 は 、 創建 千四百 年 祭 の 今年 、 超 一流 の 歌舞伎 、 能 など の イベント を 予定 して いる 。 今回 の コンサート の 曲目 や 料金 など 詳細 は 未定だ が 、 カレーラス さん は 「 被爆 地 ヒロシマ で いま も 精神 的 、 肉体 的に 痛み を 持ち 続ける 市民 を 前 に 、 平和 の 歌 を 歌い たい 」 と 念願 の 公演 実現 を 喜んで いる と いう 。 ◆ 近鉄 を 退団 した 野茂 投手 の 大リーグ 入り に 暗雲 が 。 「 今 が 挑戦 の 時 」 と 語って いた の に 「 飛べ ない エース 」 で は かわいそう 。 一方 、 混迷 深まる 社会党 の 「 飛び たい 山花 ・ 新民連 」 。 村山 首相 は 「 ドクター K 」 が 夢見る 米国 の 空 から 「 今 まで の 例 で は 除名 して きた 」 と 足 を 引っ張る 。 新 天地 へ の 道 のり は 険しく 遠い 。 ◆ CD は 音楽 ばかり で は あり ませ ん 。 毎日新聞社 でも 1 年 分 の 記事 を 1 枚 に 収めた もの など 、 いく つ か の データベース を 出版 して い ます 。 専門 店 を のぞく と 、 原色 の CD が あふれ 、 中年 世代 に は ちょっと 気恥ずかしい 思い も 。 互換 性 の ない 2 つ の 方式 が 競り合う ところ も 、 ビデオ が 登場 した とき と よく 似て い ます 。 関西 学院 大学 で 、 法学部 教授 が 実際 に は 取得 して い なかった 博士 学位 を 肩書 に して いた と して 、 同 学部 教授 会 が 同 学院 理事 会 に 懲戒 免職 を 申請 した 問題 で 十三 日 、 同 学院 理事 会 が 開か れた が 、 三浦 澄雄 ・ 法学 部長 が 経緯 を 説明 した だけ で 、 結論 は 出 なかった 。 大阪 弁護 士 会 は 十三 日 、 来 年度 の 会長 に 上原 洋允 氏 を 選出 した 。 任期 は 四 月 一 日 から 一 年間 。 上原 氏 は 一九五七 年 、 関西 大 法学部 卒 。 六一 年 に 弁護 士 登録 。 大阪 弁護 士 会 副 会長 、 近畿 弁護 士 会 連合 会 理事 、 日弁連 司法 問題 対策 委員 長 など を 歴任 。 新 副 会長 は 、 牛田 利治 ▽ 高坂 敬三 ▽ 石丸 悌司 ▽ 針谷 紘一 ▽ 小山 章松 の 各氏 。 二十二 日 投 開票 の 愛媛 県 知事 選 で 、 同県 選管 が 県 教委 の 協力 で 県 内 に ある すべて の 公立 、 私立 の 幼稚園 、 小 、 中学校 の 児童 、 生徒 ら に 保護 者 へ の 投票 を 呼びかける 啓発 ビラ を 家庭 に 持ち帰ら せて いた こと が 十三 日 分かった 。 県 教職 員 組合 は 同日 、 「 子供 たち を 道具 と して 利用 する もの だ 」 と 県 教委 に 抗議 、 改善 を 申し入れた 。 県 選管 は 昨年 十二 月 二十一 日 付 で 、 啓発 ビラ 計 約 二十一万 枚 を 県 内 七十 市町村 の 選管 に 発送 。 同時に 各 選管 委員 長 あて に 、 今月 十七 日 まで に 児童 ら 全員 に 配る よう 各校 に 指示 を 求めた 文書 も 送付 。 県 教委 を 通じて 学校 側 の 協力 も 求めた 。 ビラ は B5判 で 「 投票 日 に は 、 ご 近所 へ 声 を かけあって 必ず 投票 し ましょう 」 など 棄権 防止 を 呼びかけた 内容 。 園児 に は 別に 「 お とうさん 、 お かあさん 、 とうひょう して ね 」 と 書いた ラベル 付き の 啓発 折り紙 も 手渡して いる 。 これ に 対し 、 県 教組 の 田中 明治 書記 長 は 「 子供 を 巻き込んで 投票 を 呼び掛ける こと は 教育 の 政治 的な 中立 性 を 侵す 」 と 批判 。 県 選管 は 「 選挙 啓発 は 責務 。 前回 の 知事 選 でも 子供 たち に 協力 して もらった 経過 も あり 、 子供 たち に も 選挙 に 触れて もらう いい 機会 だ と 思う 」 と 話して いる 。 文部 省 地方 課 は 「 社会 科 の 授業 に も 選挙 の 単元 を 設けて いる こと も あり 、 ビラ の 内容 が 、 単に 投票 を 啓発 する もの なら 直接 問題 は ない と 思う 」 と コメント 。 同 知事 選 の 投票 率 は 前回 、 四五・八六 % と 過去 最低 を 記録 した 。 神戸 地検 は 十三 日 まで に 、 不倫 相手 の 男性 の 妻 が 勤める レストラン に 約 二千 回 の 嫌がらせ 電話 を かけた と して 、 神戸 市 西 区 の 女性 会社 員 を 偽計 業務 妨害 罪 で 起訴 した 。 起訴 状 など に よる と 、 女性 会社 員 は 一九九三 年 二 月 から 十二 月 に かけ 、 公衆 電話 や 自宅 から 相手 の 妻 が 勤める 同 市 内 の レストラン に 嫌がらせ の 電話 を かけ 続け 、 同 店 の 営業 を 妨害 した 。 ほとんど は 無言 電話 だった が 、 不倫 相手 と の 電話 で の 会話 の 録音テープ を 流したり し 、 一 日 で 百 回 以上 かけた こと も あった と いう 。 女性 会社 員 は かつて アルバイト を して いた 自動車 販売 会社 で 男性 と 知り合って 八六 年 から 交際 。 九二 年 ごろ から 男性 の 自宅 へ 電話 し 、 妻 に 男性 と 別れる よう 持ちかけて いた が 、 電話 番号 を 変え られた ため 、 妻 の 勤め先 へ かける ように なった 。 レストラン の 電話 予約 に 支障 を きたす など の 被害 を 受けた と いう 。 世界 三 大 テノール 歌手 競演 の ’ 94 W杯 サッカー ・ ライブ CD は クラシック と して は 異例の ベストセラー 。 十三 日 午後 七 時 五十 分 ごろ 、 兵庫 県 西宮 市 甲子園口 三 、 飲食 店 経営 、 真野 雅弘 さん 方 一 階 から 出火 、 鉄筋 二 階建て 住宅 延べ 約 一五〇 平方メートル の うち 、 一 階 約 五〇 平方メートル を 焼いた 。 真野 さん の 母 、 李 照英 さん が 遺体 で 見つかった 。 現場 は JR 甲子園口 駅 西 約 二百 メートル の 住宅 密集 地 。 パチンコ の 景品 買い取り 業務 を 行って いる 財団 法人 「 大阪 身障 者 未亡人 福祉 事業 協会 」 の 女性 従業 員 五 人 が 「 休憩 時間 中 も 働か さ れ 、 時間 外 手当 など も 労働 基準 法 に 定め られた 額 より も 少ない 」 と して 、 同 協会 に 対し 過去 二 年間 の 未払い 賃金 計 約 五百万 円 の 支払い を 求める 訴え を 十三 日 、 大阪 地裁 に 起こした 。 訴えた の は 、 大阪 市 都島 区 毛馬 町 二 、 大永 トシエ さん ら 五 人 。 訴状 に よる と 同 協会 の 就業 規則 で は 、 勤務 は 「 早番 」 と 「 遅番 」 の 二 交代 で 、 この 間 、 一 時間 の 休憩 時間 が 定め られて いる 。 南 重男 氏 の 合同 社葬 29 日 午後 1 時 、 大阪 府 吹田 市 桃山台 5 の 9 の 千里 会館 で 。 五ツ木 書房 、 アイデス の 合同 葬 。 葬儀 委員 長 は 教育 研究 所 社長 、 尾崎 進 氏 。 喪主 は 長男 で 五ツ木 書房 社長 、 啓造 氏 。 本格 的な 大学 入試 シーズン の 幕開け と なる 大学 入試 センター 試験 が 十四 日 、 全国 四百七十四 会場 で スタート した 。 大学 入試 センター に よる と 、 外国 語 の 受験 者 数 は 約 五十一万八千二百四十四 人 で 史上 最多 。 志願 者 に 対する 受験 率 は 九三 % 。 女子 の 四 年 制 大学 志向 の 高まり 、 不況 に よる 国公立 大 人気 の 復活 、 受験 生 集 め の 一環 と して 私大 の 参加 が 増えて いる こと など が 原因 だ 。 センター 試験 を 利用 する の は 国立 九十五 大学 、 公立 四十八 大学 、 私立 百四 大学 の 計 二百四十七 大学 六百七十五 学部 。 志願 者 を 試験 利用 大学 の 定員 で 割った 志願 倍率 は 四・三 倍 で 、 過去 最高 と なった 。 積雪 の ため 島根 、 信州 、 新潟 大学 の 試験 会場 で 試験 開始 時間 を 遅らせた 。 インタファクス 通信 に よる と 、 ロシア 国防 省 は 十三 日 夕 、 チェチェン 共和 国 に 進攻 した ロシア 軍部 隊 が 首都 グロズヌイ 中心 部 の 共和 国 政府 ビル を 制圧 した こと を 明らかに した 。 大統領 官邸 で は 依然 ドゥダエフ 政権 部隊 の 抵抗 が 続いて いる 模様 だ が 、 政府 ビル は 大統領 官邸 に 近い 「 重要 拠点 」 であり 、 ロシア 軍 が 首都 中心 部 を 「 事実 上 完全に 」 掌握 した と いう 。 肺炎 で 療養 中 の 大白 勝 ・ 最高裁 判事 は 十四 日 まで に 任期 途中 で 辞任 する 意向 を 草場 良八 ・ 最高裁 長官 に 伝えた 。 最高裁 は 後任 を 同じ 弁護 士 出身 者 から 内閣 に 推薦 する 方針 で 、 日弁連 と 調整 を 始めた 模様 だ 。 大白 氏 は 定年 退官 まで に 二 年 九 カ月 の 任期 を 残して いる 。 運輸 省 は 十四 日 、 帝都 高 速度 交通 営団 の 民営 化 を 、 二 月 十 日 に 予定 さ れて いる 総務 庁 へ の 特殊 法人 見直し 報告 に 盛り込む 方針 を 固めた 。 営団 地下鉄 は 、 ネットワーク 完成 後 に 民営 化 する こと が 、 一九八七 年 の 行政 改革 審議 会 の 答申 に より 既定 方針 に なって いる が 、 今回 の 政府 に よる 特殊 法人 の 整理 ・ 合理 化 を 機 に 、 明確 化 する こと に した もの だ 。 現在 建設 ・ 計画 して いる 四 線 の 建設 が 終わる 十 年 後 を めど に 民営 化 する 。 営団 地下鉄 は 、 特殊 法人 の 形 を とる こと で 、 財政 投融資 に よる 低利 融資 や 、 補助 金 を 受ける 対象 に なり 、 建設 が 促進 する メリット が ある 。 しかし 、 建設 中 の 7 号 線 、 11 号 線 、 計画 中 の 8 号 線 、 13 号 線 が 完成 すれば 、 ほぼ 首都 圏 の ネットワーク は 出来上がり 、 特殊 法人 の 形 を とる 意味 は 薄れる 。 クリントン 米 大統領 は 十三 日 、 クリーブランド で 開か れた 中 欧 通商 投資 会議 で ロシア の チェチェン 紛争 に ついて 演説 、 「 武力 衝突 を 即時 終結 し 、 和平 に 向かう べきだ 」 と し ながら も 「 チェチェン は ロシア 連邦 の 一部 であり 、 連邦 の 領土 保全 を 支持 する 」 と エリツィン 政権 支持 の 姿勢 を 改めて 明らかに した 。 同 大統領 は 先週 、 エリツィン 大統領 あて に 和平 交渉 開始 を 呼びかける 親書 を 送って 以来 、 同 政権 に 対する 変わら ぬ 支持 を 表明 した の は 初めて で 、 同 紛争 に かかわら ず エリツィン 政権 と の 米 露 関係 を 推進 する 政策 を 強調 した 。 クリントン 大統領 は 「 ロシア を 含む 旧 ソ連 圏 の 民主 化 は 一 朝 に して 実現 でき ない 。 紛争 の ように 悲劇 や 波乱 に 満ちて いる の は 避け られ ない 」 と 指摘 、 「 ロシア が 直面 する 個別 問題 に いちいち 早急に 反応 する の は 誤り だ 」 と 議会 共和党 の 対 露 強硬 派 に 警告 。 長期 的 視野 に 立って ロシア を 支援 する 必要 性 を 訴えた 。 同 大統領 は 「 我々 は ロシア の 安定 と 民主 化 の 成功 に 大きな 期待 を かけて おり 、 忍耐 と 責任 ある 民主 化 支持 政策 から 米国 が 逸脱 する こと は あり 得 ない 」 と 、 エリツィン 政権 の 民主 化 路線 を 今後 も 一貫 して 支持 する 姿勢 を 明示 した 。 来週 の ジュネーブ 米 露 外 相 会談 で は 、 交渉 解決 を 強く 求める 一方 で 、 米 露 関係 全般 に ついて は 紛争 と 切り離して 進める 意欲 を 示す こと に なり そうだ 。 高村 正彦 経済 企画 庁 長官 は 十三 日 、 ワシントン で タイソン 大統領 経済 諮問 委員 会 委員 長 と 会談 した 。 高村 長官 が 三 月 に とりまとめる 規制 緩和 策 に ついて 説明 した が 、 タイソン 委員 長 は 「 規制 官庁 が 提案 する 緩和 策 で は 効果 が ない ので は ない か 」 と 懐疑 的な 見方 を 示した 。 十三 日 の メキシコ 証券 取引 所 の 株価 は 、 米国 に よる 最大 四百億 ドル の 追加 支援 の 動き が 伝え られた の を 好感 して 上伸 し 、 平均 株価 指数 は 二二一六・五五 と 前日 終値 比 九七・七三 ポイント の 大幅 高 で 引けた 。 チェチェン 共和 国 で ドゥダエフ 政権 部隊 と 戦闘 を 続ける ロシア 軍 の 作戦 本部 が ある 北 オセチア 第 二 の 都市 モズドク は 、 激しい 戦況 を そのまま に 反映 して いた 。 前線 に 向かう 戦車 や 大型 トラック の 車 列 。 負傷 者 や 戦死 者 を 乗せて 戻って 来る 装甲 車 。 若い 兵士 たち は 戦時 下 の 緊張 で 顔 が ひきつって いた 。 モズドク は 激戦 が 展開 さ れて いる 首都 グロズヌイ から 約 百キロ の 距離 に あり 、 北西 部 の 軍用 空港 に ロシア 軍 作戦 本部 が 設置 さ れ 、 グラチョフ 国防 相 ら が 陣取って いる 。 自動 小銃 を 提げた 警備 兵 から 許可 を もらい 基地 内 に 入る と 多数 の 戦車 、 装甲 車 が 目 に 飛び込む 。 ほとんど が 泥まみれだ 。 そば に は テント の 列 。 そこ で は 兵士 が 寝起き して いる 。 気温 は 三 度 前後 。 ぬかるんだ 基地 内 を 泥 を 跳ね 上げ 戦車 、 装甲 車 が 次々 に 出入り して いる 。 グロズヌイ 方面 から 戻って きた 装甲 車 に は わき腹 から 血 を 流して いる 兵士 や 顔面 を 包帯 で ぐるぐる巻き に した 負傷 者 の ほか 、 遺体 も 積ま れて いた 。 戦場 が そのまま 持ち込ま れた 様子 だ 。 忙しく 立ち働く 兵士 に 話 を 聞こう と する と 、 「 上官 から 何も 言う な と 言わ れて いる 」 と 固く 口 を 閉ざす 。 基地 周辺 の 警戒 に 当たる 警察 官 の 一 人 の 話 で は 、 緊張 と 恐怖 を まぎらす ため か 、 ロシア 軍兵 士 が 酔っぱらって 基地 周辺 で 自動 小銃 を 発砲 し 死傷 者 が 出た こと も あった と いう 。 モズドク 地区 中央 病院 に は チェチェン の 戦闘 の 巻き添え に なり 負傷 した 市民 四十七 人 が 入院 中 。 チェチェン 人 の タマーラ さん は グロズヌイ で 被弾 し 、 十一 日 に ヘリ で 運び込ま れた ばかり 。 彼女 は 悪夢 の ような 体験 を 一気に 語り だした 。 タマーラ さん の 話 で は 、 ロシア 軍 の 空爆 や 砲撃 が 間断 なく 続き 、 遺体 は 路上 に 放置 さ れた まま 。 飢えた 犬 が それ を 食いちぎって いた 。 「 何 人 の 市民 が 死んだら 戦争 が 終わる の か 」 と 言った まま 泣き伏した 。 戦後 イタリア 五十四 代 目 の 首相 へ の 就任 要請 を 受諾 した ディーニ 国庫 相 は 、 十三 日 の 記者 会見 で 「 政党 の 利害 を 超越 した 実務 テクノクラート 中心 の 専門 家 の 内閣 を 作る 」 と 述べた 。 ディーニ 氏 は 遅く と も 来週 半ば ごろ まで の 組閣 完了 を 目指し 、 十四 日 から 各 政党 の 協力 を 求める ため の 協議 に 入る 。 今回 の 場合 は ディーニ 氏 が 無党派 の 経済 ・ 金融 テクノクラート である ため 、 最大 野党 の 旧 共産党 の 「 左翼 民主党 」 も 同氏 の 首相 就任 に は 反対 し ない こと を 明らかに して おり 、 議会 の 承認 手続き に ついて は 問題 ない と さ れて いる 。 しかし 「 フォルツァ ・ イタリア 」 と 「 国民 同盟 」 が 「 選挙 管理 暫定 政権 」 と して 早期 総 選挙 を 主張 して いる の に 対し 、 「 北部 同盟 」 や 、 「 左翼 民主党 」 など は 早期 選挙 に 反対 して いる 。 自民党 の 小渕 恵三 副 総裁 は 十四 日 、 和歌山 市 内 で 記者 会見 し 、 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新民連 会長 ら の 新 会派 結成 問題 に ついて 「 いやしくも 首相 を 出して いる 政党 が がたがた して いる の は 不安 と 憂慮 なし と し ない 」 と 懸念 を 表明 した 。 ブリヂストン の 米 子会社 ブリヂストン ・ ファイアストン 社 は 13 日 、 昨年 7 月 から 同社 5 工場 ・ 施設 で 続いて いる スト の 収拾 を 目指し 、 18 日 に 全 米 ゴム 労組 代表 と 交渉 する こと を 明らかに した 。 交渉 は 連邦 調停 員 の 立ち会い の 下 、 シカゴ で 行わ れ 、 賃上げ 案 など に ついて 話し合う 見込み だ 。 東 ティモール 問題 に 関する ジュネーブ で の ポルトガル 外 相 と の 会談 を 終えて 帰国 した インドネシア の アラタス 外 相 は 十三 日 、 スハルト 大統領 に 会談 の 結果 を 報告 する と ともに 、 今後 の 会談 に 東 ティモール 人 代表 が 参加 する 可能 性 を 示した 。 アラタス 外 相 は 大統領 へ の 報告 を 終えた 後 、 記者 団 に 対し 「 和解 を 目指す こと を 第一義 と し 、 東 ティモール の 現在 の 政治 体制 を 容認 する 」 と の インドネシア の 基本 的 立場 を 尊重 する と の 条件 付き ながら も 、 東 ティモール 人 の 代表 を 今後 の 会談 に 参加 さ せる 意向 を 明らかに した 。 東 ティモール 人 代表 に は 併合 反対 運動 の 指導 者 の 一 人 で 現在 亡命 中 の ラモス ・ ホルタ 氏 の 名 を 挙げた 。 九 、 十 の 両日 行わ れた ジュネーブ 会談 の 成果 と して 当事 者 など を 含めた 拡大 会談 の 開催 が 決まった が 、 アラタス 外 相 は 「 この 拡大 会談 は 国連 事務 総長 の リーダーシップ で 行わ れる もの で は なく 、 東 ティモール 人 自身 の 前向きな 姿勢 で 可能 と なる もの である 」 と 強調 し 、 五 月 十九 日 に ニューヨーク で 開く 次の 会談 に ホルタ 氏 の 参加 を 促した 。 日本 テレビ 系列 各社 が 参加 し 、 日本 の 現実 を 鋭く 見据える 力作 を 送り出して きた 「 NNN ドキュメント 」 が 満 25 周年 を 迎え 、 これ を 記念 して 15 日 深夜 0 時 15 分 から 4 週 連続 で 大型 企画 「 アジア から の メッセージ ・ おかしい ぞ ! ニッポン 」 を 放送 する 。 この 25 年間 、 多岐に わたる テーマ を 扱って きた 「 NNN ドキュメント 」 が 一貫 して 取り上げて きた の が 戦争 、 人権 、 環境 、 食糧 ・ 農業 の 4 大 テーマ 。 今回 は アジア から の 視点 で これ ら 4 つ の テーマ を 見つめ 直し 、 日本 と アジア の 過去 、 現在 、 未来 を 考える 。 NNN 系 6 社 が 共同 制作 、 55 分 の 拡大 枠 で 放送 する 。 15 日 は 第 一部 「 アジア が 支える 飽食 ニッポン 」 。 日本 向け の 食糧 生産 基地 と なって いる 台湾 、 タイ など を 訪ね 、 日本 人 の 食 を 賄う 人 たち と 土地 で 今 何 が 起こって いる か を 検証 、 日本 の 食糧 ・ 農業 の あるべき 姿 を 考える 。 第 二 部 以降 は 次の 通り 。 女 の 厄年 を テーマ に した ドラマ が 、 15 日 から フジテレビ 系 で 三 週 連続 で 放送 さ れる 。 タイトル も ズバリ 「 女 の 厄年 」 。 制作 は 関西 テレビ 。 第 一 話 は 高橋 ひとみ 主演 の 「 結婚 ! ? 夫 は いら ない 」 結婚 は 嫌だ が 、 容姿 が 良くて 、 IQ の 高い 子供 が 欲しい と 考えた OL の 美佐 が 、 偶然 出会った 見知らぬ 男 と 子 作り の 契約 を する と いう 話 。 以下 、 22 日 に 斉藤 慶子 主演 で 「 恋 が 欲しい 」 、 29 日 は 東 ちづる 主演 の 「 離婚 ! ? 夫 が 逃げた 」 。 演じる 高橋 、 斉藤 が 三十三 歳 。 東 が 三十四 歳 と 、 ドラマ の ヒロイン に 近い 。 第 一 話 の 高橋 は 「 私 自身 は 、 番組 の タイトル と は 逆に 夫 は 欲しい 。 結婚 し たい 気持ち も あって まだ 焦って い ます 」 と 複雑な 心境 を 語って いた 。 「 七〇 年 代 」 が ブーム だ と いう 。 ファッション 、 音楽 など 若者 風俗 に 、 確かに さまざまな 影響 は 見受け られる 。 が 、 フィルター を 通して 毒 が 抜けた ような 表層 的 ブーム に は 、 同時 代 を 生きた 人々 は 、 どうも ノリきれ ない ところ が ある ようだ 。 「 それほど 洗練 さ れて た 訳 じゃ なかった よ ね 」 と 。 さらに 、 何かしら 今 の ブーム で は 見えて こ ない 、 妙な エネルギー 感 が あった ような 気 が する から に 違いない 。 そこ の ところ を 証言 して くれ そうな の が 、 この ビデオ 。 昨年 秋 から 冬 に かけ 全 三 巻 が 発売 さ れた 。 ここ に は 全部 で 二十四 組 の 若々しい 「 日本 の ロッカー 」 が 登場 し 、 大きな ウブ声 を 上げる 。 全 日本 フォーク ・ ジャンボリー の ライブ や フジテレビ で 放送 して いた ニュー ミュージック ・ スペシャル から の 映像 で 、 単なる ミュージック ・ クリップ と も いえる のだ が 、 七〇 年 代 若者 文化 の 貴重な ドキュメンタリー と も 見る こと が できる 。 乱暴で ラフだったり 、 気弱だったり の 音楽 家 の 姿 に オジさん オバさん は 自ら を 顧みて 、 身 もだえ する ので は ない か 。 若者 に は “ 本物 ” の におい が かげ て 吉 。 カルメン ・ マキ 、 矢野 顕子 、 めんたんぴん 、 ティン ・ パン ・ アレー 、 外道 、 四 人 囃 …… すごい でしょう 。 一 巻 四千二百 円 。 漫画 家 、 蛭子 能収 が 日本 の 22 倍 と いう 広大な オーストラリア の 魅力 を 違った 角度 から 紹介 する オーストラリア の 動物 と いえば カンガルー や コアラ を 連想 する が 、 いきなり 遭遇 した の が 4.8 メートル の 巨大 ミミズ 。 長 さ 40 メートル に も なる 3 両 編成 の 大型 トラック 、 ロードトレイン に 便乗 して 大 乾燥 地帯 を 行く 蛭子 。 先住 民族 アボリジニー と 出会い 、 ブーメラン 競争 で 意気 投合 。 自然 と 共存 して 暮らす 民 の 偉大な 知恵 と 文化 を 学び 、 ボディーペインティング で 交流 した 。 「 アフリカ の 人 たち と 違って テンション が あんまり 高く ない 。 ゆっくり と 歩いたり する ので 、 すごく 親しみ を おぼえ ました 」 ビート たけし に ウォンバット に 似て いる と 言わ れ 続け 、 ウォンバット を 漫画 の キャラクター か 何 か だ と 思って いた と いう 。 「 本物 を 見て やっぱり ちょっと 似て る か な と 思い ました 」 と 、 苦笑い して いた 。 「 久しぶりに “ 出演 し たい 作品 ” に 出さ せて いただき ました 。 私 の 役 は 松本 清張 さん の 母親 の 役 です 。 感情 を 込めて 演技 が でき ました 」 と 泉 ピン子 が 張り切って いる 。 「 父系 の 指 」 は 、 作家 ・ 松本 清張 の 少年 時代 を 描く 。 貧乏に さいなま れた 父 と 母 の 暮らし ぶり を 、 少年 ・ 清張 の 目 で 追って いく 。 泉 は 清張 に は 特別な 思い入れ が ある 。 「 子ども の ころ 、 本 を 読ま なかった 私 に 、 父 が 買い 与えて くれた の が 『 点 と 線 』 でした 。 それ 以来 、 清張 さん の とりこ に なって 、 サスペンス 、 昭和 史 、 古代 史 と 、 手当たり次第 に 読み あさり ました 。 清張 さん の 作品 は たくさん ドラマ に なって いる のに 、 一 度 も 出演 の 機会 が あり ませ ん でした 。 やっと いただいた 役 です から 、 それ は もう 頑張り ました ね 」 「 夫 に テープ を 見せたら 、 泣き ながら 見て い ました 。 これ なら 大丈夫 と 思って い ます 」 。 ドラマ の 夫 は 米 相場 に 手 を 出す 。 女 を つくる 。 そして 無一文の 生活 。 ケンカ を し ながら 、 どこ か で 夫 を 支える 妻 を 泉 が 、 ジワッと 演じて いる 。 「 カミさん の 悪口 2 」 が 始まった 。 会社 の 開発 本 部長 ・ 田村 正和 と 常務 ・ 橋爪 功 、 社長 室長 ・ 角野 卓造 の 3 人 が 、 女房 の 悪口 を 言い合う シーン が 毎回 あって 、 これ が 男性 視聴 者 の 人気 である 。 第 1 回 は 19 % の 高 視聴 率 を あげた 。 「 僕 と カミさん と の 夫婦 ゲンカ も 、 どんどん エスカレート して いき ます 。 カミさん は 、 どうも 本気で 怒って いる らしい んです ね 。 とても ドラマ と は 言え ない 迫力 です ね 」 と 、 無口な 田村 が ニヤッと 笑って いる 。 篠 は 、 本当に 顔 を 真っ青に して 怒って いる 。 それでは 、 田村 の 方 は 、 冷静に “ 演技 ” して いる の か と なる と ノー である 。 「 ケンカ だ から 、 脚本 通り と いう わけに は いきま せ ん ね 」 と 、 ご 本人 は 口数 が 少ない が 、 アドリブ も 混ぜ合わせて 、 真剣な ケンカ ぶり だ 。 「 ドラマ の カミさん が 、 実生活 の 女房 だったら 、 僕 は 、 とっくに 離婚 して ます ね 」 昭和 歌謡 史 の 1 ページ を 飾る スター 山口 百恵 。 実は 演歌 歌手 ・ 藤 あやこ は 、 彼女 の 存在 に よって 芸能 界 入り を 決めた ほど の 大 ファン 。 百恵 に ヒット 曲 を 多数 提供 した 宇崎 竜童 と ともに 百恵 ヒットナンバー を 熱唱 する 。 藤 は 、 少女 時代 は 「 ギンギン の ハードロック ・ ファン で 、 キッス や エアロスミス を 追いかけて いた 」 と 言う 洋楽 派 。 自分 でも エレキギター を 弾こう と して いた ほど 。 そんな 藤 が のめりこんだ の が 百恵 で 、 「 新曲 が 出る たび に 買って 、 だれ より も 早く 覚えて 歌って いた 」 と 思い出 を 語る 。 「 百恵 さん は 私 に とって の “ スタンダード ” な の かも しれ ない 」 と 位置付け 、 歌手 生活 に 入る きっかけ の ひと つ に なった スター と 言う 。 番組 で は 、 ファン ・ 藤 が 、 スター 百恵 と ともに 歩んだ 宇崎 に 当時 の 熱狂 的 状況 を 聞き ながら 、 「 横須賀 ストーリー 」 「 曼珠沙華 」 など ヒット を 歌い つづる 。 太平洋 戦争 当時 、 紙 風船 爆弾 の 発射 基地 だった 千葉 県 長生 郡 一宮 町 が 、 戦後 五十 年 の 今年 、 平和 の メッセージ を 込めた 紙 風船 を 飛ばす こと を 計画 して いる 。 風船 爆弾 は 一部 が 米国 に 到達 して 被害 を 与えた が 、 今度 は 「 平和 の 風船 」 と して 両 国 の 友好 に 一役 買おう と いう もの 。 風船 一 個 の 製作 費 は 二千万 円 に も なる ため 、 スポンサー 探し に 躍起に なって いる 。 紙 風船 爆弾 は 直径 一〇 メートル 。 軍需 物資 が 乏しかった ため 苦肉の策 と して 和紙 と コンニャク のり で 作ら れ 、 この ため 全国 的に コンニャク が 不足 した と いわ れる 。 一九四四 年 十一 月 から 四五 年 三 月 に かけ 、 一宮 町 の 発射 場 だけ で 約 二千五百 個 、 全国 で 計 一万 個 が 発射 さ れ 、 偏西風 に 乗って 米国 本土 に 二百八十 個 が 到達 、 一部 に 被害 を 与えた 。 捕獲 さ れた 紙 風船 の 一 つ は 、 今 も ワシントン の スミソニアン 博物 館 に 展示 さ れて いる と いう 。 同 町 は 、 発射 場 の 跡 も なくなり 、 紙 風船 爆弾 の 記憶 も 風化 し つつ ある こと から 、 終戦 五十 周年 式典 を 予定 して いる 今年 秋 、 「 確実に 米国 まで 到達 さ せる ため 、 最低 五 個 は 飛ばし たい 」 と 民間 の 歴史 家 と 協力 して 再現 を 計画 。 風船 に は 「 PEACE 」 と 大きく 文字 を 描き 、 平和 へ の メッセージ を 町民 から 募って 風船 に 託す こと も 検討 して いる 。 ただ 、 実物 の 再現 に は 一 個 二千万 円 、 計 一億 円 かかる こと が 判明 した ため 、 町 は スポンサー 探し に 乗り出した 。 若菜 孝 ・ 同 町政 策 推進 室長 は 「 紙 風船 爆弾 で 被害 を 受けた 米国 人 も いる ので 、 この 節目 に 平和 の メッセージ を 出す こと は 大きな 意味 が ある と 思う 。 他の 自治 体 や 企業 の 協力 も 求め 、 実現 し たい 」 と して いる 。 大相撲 西 小結 の 武双山 = 本名 ・ 尾曽 武人 、 水戸 市 出身 、 武蔵川 部屋 = は 十四 日 、 日本 相撲 協会 に 休場 届 を 提出 。 同日 の 初 場所 七 日 目 から 休場 した 。 武双山 の 休場 は 一九九三 年 初 場所 の 初 土俵 以来 初めて 。 武双山 は 六 日 目 の 貴闘力 戦 で 転倒 した 際 、 昨年 故障 した 左 肩 を 再び 痛めた 。 東京 タワー の 展望 台 入場 者 が 十四 日 、 一九五八 年 の オープン 以来 、 日本 の 人口 と ほぼ 同じ 一億二千万 人 に 達した 。 一億二千万 人 目 の 入場 者 は 静岡 市 曲金 四 、 会社 員 、 小野寺 督 夫 さん の 長男 で 幼稚 園児 の 幹夫 君 。 家族 三 人 で 訪れた 。 「 心 の こもった 音楽 や 」 。 大阪 を 拠点 に 活動 して いる ロック 歌手 、 桑名 正博 さん は 刺激 的な サウンド に ショック を 受けた 。 視覚 障害 者 の ロック バンド 「 シャンテ 」 の 演奏 だ 。 「 スタジオ へ の 移動 だけ でも 大変 や 。 僕ら も 協力 しよう 」 。 彼ら と の 出会い を 機 に 、 桑名 さん は 大阪 市 内 に 障害 が ある ミュージシャン の コンパクトディスク 制作 会社 設立 を 決意 、 音楽 仲間 に 募金 の 協力 を 呼びかけて いる 。 シャンテ は その 第 一 弾 と して 、 今春 に も CD デビュー を 果たす 予定 だ 。 八 年 前 、 桑名 さん の 友人 が 突然 、 クモ膜 下 出血 で 倒れた 。 植物 状態 から 脱した が 、 半身 不随 に 。 車 いす に 寄り添い 、 散歩 に 出た 桑名 さん は 「 階段 ばかり 」 の 実態 に 驚いた 。 障害 者 福祉 に 関心 を 持ち 、 一九九二 年 六 月 、 自ら 企画 した チャリティー コンサート で 「 シャンテ 」 の メンバー と 出会った 。 視覚 障害 者 三 人 と 女性 ボーカリスト の 四 人 組 は 「 障害 者 から 笑涯者 に なろう 」 と けなげだった が 、 練習 場所 の 確保 など 制約 ばかり 。 桑名 さん は 、 がく然と した 。 プロ の 歌手 ら が CD を 制作 する 場合 、 機材 の レンタル 料 や スタジオ ミュージシャン の 雇用 など で 一 時間 の レコーディング に 十万 円 以上 は 必要 と いう 。 一 曲 の レコーディング が 一 日 がかり だ と アルバム 制作 に 一千万 円 以上 かかって しまう 。 桑名 さん は 募金 を 呼びかけ 、 シングル CD の 制作 に 最低 限 必要な 五十万 円 を 集めた 。 昨年 秋 、 桑名 さん が 音響 スタッフ と して 参加 し 、 バラード 調 の 代表 曲 「 シャンテ 」 の シングル を 録音 した 。 三 月 に も 発売 予定 。 「 シャンテ 」 の リーダー 、 熊野 伸一 さん は 「 初めて の CD 録音 。 最高に 気分 が 良かった 」 と 話す 。 桑名 さん は 「 世に 出る 機会 が 少ない 障害 者 の 音楽 家 の 記録 を 随時 発表 し たい 」 と 意欲 的だ 。 連絡 先 は 大阪 市 中央 区 高津 一 、 栄光 ビル 401 号 。 米 西部 の ロッキー 山系 から 六十 年 前 に 姿 を 消した ハイイロオオカミ が 十三 日 、 全 米 最古 の ワイオミング 州 イエローストーン 国立 公園 の 保護 区 に 放た れ 、 復活 の 第 一 歩 を 踏み出した 。 ハイイロオオカミ は 米 ロッキー 山系 北部 に 広く 生息 して いた が 、 酪農 家 が 乱獲 し 、 約 六十 年 前 に 地域 的に 絶滅 した 。 この ため 、 ハイイロオオカミ の 米 復活 を 進める 魚類 野生 動物 局 が カナダ で 捕獲 した 野生 の 十二 匹 を 空輸 。 反対 する 酪農 家 を 説得 し 、 十三 日 、 同 国立 公園 に 八 匹 を 移住 さ せた 。 残る 四 匹 も 数 日 中 に 隣接 する アイダホ 州 で 放た れる 。 雪 に 埋まる 厳冬 の ロッキー に 移送 さ れた 十二 匹 は 、 環境 に なれる まで の 間 は え付け する が 、 その後 は 強い 生命 力 と 野生 の 本能 のみ が 頼り 。 移住 計画 に 一部 酪農 家 は 今 も 反発 し 、 連邦 裁判 所 に 計画 中止 を 訴えて いる が 「 生き延びる こと が できる か どう か は 不明 」 と の 見方 も あり 、 十二 匹 に とって は 「 運命 の 越冬 」 が 始まった 。 埼玉 県 内 の 愛犬 家 ら 四 人 の 殺害 を 自供 した 犬 猫 販売 業 、 関根 元 容疑 者 が 四 人 の 失跡 前 、 関東 信越 国税 局 に 所得 隠し の 追徴 金 四千万 円 を 納めて 資金 繰り に 窮し 、 本社 社屋 の 建設 を 中断 して いた こと が 十四 日 まで に 関係 者 の 証言 で 分かった 。 埼玉 ・ 群馬 両 県警 合同 捜査 本部 は 、 関根 容疑 者 と 風間 博子 容疑 者 は 念願 の 本社 建設 実現 の ため 、 追徴 金 納付 で 破たん した 資金 繰り の 打開 を もくろみ 、 四 人 から 次々 と 金銭 を 引き出して 殺害 した と の 見方 を 強めて いる 。 関係 者 の 話 や 登記 など に よる と 、 関根 容疑 者 は 一九九二 年 九 月 、 自己 資金 五千万 円 と 金融 機関 から の ローン 四千万 円 で 、 江南 町 板井 に 自宅 と ペット 店 本社 の 敷地 約 一八〇〇 平方メートル を 取得 。 九三 年 一 月 、 自宅 と 犬 舎 の 新築 工事 を 始めた 。 ところが 前年 暮れ の 税務 調査 で 約 六千万 円 の 所得 隠し を 指摘 さ れ 、 九三 年 三 月 に 追徴 税額 約 四千万 円 を 支払い 、 資金 繰り が 一気に 苦しく なった と いう 。 この ため 工事 を 請け負った 群馬 県 の 知人 に 手付金 以外 に 代金 を 払え ず 工事 は 中断 。 本社 社屋 の 建設 計画 も 、 同年 秋 、 栃木 県 佐野 市 の 建築 デザイナー に 発注 する まで 進め られ なかった 。 行田 市 の 会社 役員 、 川崎 明男 さん ら 四 人 が 失跡 した の は 、 ちょうど 資金 繰り が 苦しく なった この 時期 。 九三 年 四 月 に は 川崎 さん が 、 七 月 に 江南 町 の 暴力 団 幹部 と その 運転手 が 、 八 月 に は 行田 市 の 主婦 が 二百七十万 円 を 持って 相次いで 失跡 した 。 これ まで の 調べ で 関根 容疑 者 は 、 川崎 さん と は 大型 犬 の 売買 代金 千百万 円 の 返済 を めぐり 、 また 暴力 団 幹部 と は 三千万 円 の 借金 を もと に した ペット 店 本社 の 譲渡 話 で 争い に なった ほか 、 主婦 に は ペット 店 の 株主 に なる 話 を 持ち掛けて いた こと が 分かって いる 。 捜査 本部 は 、 両 容疑 者 が 税務 調査 で 追い詰め られ 、 何とか 資金 を 得よう と 川崎 さん に 大型 犬 繁殖 の もうけ 話 を 持ち掛けた の を 手始め に 、 詐欺 まがい の 手口 で トラブル に なり 、 四 人 を 殺害 した と みて いる 。 両 容疑 者 は 九三 年 一 月 に 離婚 、 三 月 に 関根 容疑 者 が 社長 だった ペット 店 を 解散 、 風間 容疑 者 を 社長 に 新 会社 を 設立 した が 、 捜査 本部 は 国税 局 の 追及 を 逃れる 工作 だった と みて いる 。 当地 の キングファハドスタジアム で 開か れて いる サッカー の インタコンチネンタル 選手 権 は 最 終日 の 十三 日 午後 八 時 から 決勝 戦 を 行い 、 欧州 チャンピオン の デンマーク が アルゼンチン の 連覇 を 阻止 して 初 優勝 、 優勝 賞金 150万 ドル を 獲得 した 。 三 位 決定 戦 は PK戦 の 末 、 メキシコ が ナイジェリア に 勝った 。 デンマーク は 前半 8 分 、 M ・ ラウドルップ が PK を 決めて 先制 。 中盤 を 厚く する 布陣 で アルゼンチン の 攻撃 を 跳ね返し 、 後半 29 分 に は 、 左 サイド の B ・ ラウドルップ の ドリブル 突破 から 、 中央 の ラスムッセン が 2 点 目 を 挙げて 突き放した 。 十四 日 午前 二 時 十五 分 ごろ 、 千葉 県 中部 を 震源 地 と する 地震 が あった 。 気象 庁 に よる と 、 地震 の 規模 は 3・7 、 震源 の 深 さ は 二〇キロ 。 震度 は 千葉 、 勝浦 で 震度 1 だった 。 十四 日 午前 十一 時 四十五 分 ごろ 、 八丈島 近海 を 震源 と する 地震 が あった 。 気象 庁 に よる と 地震 の 規模 は 4・1 、 震源 の 深 さ は 三〇キロ 。 震度 は 八丈島 で 震度 2 。 ヨット レース の アメリカズカップ は 十三 日 、 当地 の サンディエゴ 沖 で 防衛 艇 シリーズ が 一 日 遅れ の 開幕 、 史上 初 の 女性 チーム ・ アメリカキューブ が チーム ・ デニス ・ コナー を 破り 1 勝 を 挙げた 。 また 、 十四 日 スタート の 挑戦 艇 シリーズ の 組み合わせ 抽選 会 が 同日 行わ れ 、 ニッポン チャレンジ は 第 一 日 に ワン ・ オーストラリア と 対戦 する こと に なった 。 太平洋 側 が 晴天 、 日本 海 側 が 大雪 と いう 天気 の 中 、 十四 日 始まった 大学 入試 センター 試験 。 今年 も 志願 者 は 過去 最多 を 更新 した が 、 これ に 「 貢献 」 した の が 高 学歴 志向 を 背景 に した 女子 の 進出 。 「 氷河 期 」 と まで いわ れた 女子大 生 の 就職 難 を 反映 して 、 資格 取得 や 将来 の 給与 まで 見通した 現実 的な 進路 選択 が 目立つ 一方 、 通訳 や 日本 語 教師 など 国際 化 時代 の 職業 へ の 夢 を 語る 受験 生 も 多い 。 東京 都 文京 区 の 東京 大学 で は 午前 八 時 半 、 正門 前 に 出来た 三十 人 ほど の 列 を 職員 が 整理 し ながら 開門 した 。 この 朝 の 東京 の 最低 気温 は 一・四 度 。 一 月 に 入って から 二 番 目 の 冷え込み 。 かぜ が 流行 して いる ため か 、 マスク を した 受験 生 も 多かった 。 東京 大学 で 受験 した 千葉 県 流山 市 の 福島 えりか さん は 都 内 の 国立 、 私立 大 を 志望 。 「 大学生 の 姉 が 一 人 暮らし で 仕送り が 大変だ から 、 自宅 から 通える ところ に しろ と 両親 から 言わ れて いる 。 今 は 合格 する こと しか 考え られ ない 」 国立 大 医学部 志望 と いう 同県 松戸 市 の 山田 桃子 さん は 「 医師 に なり たい ので 、 不況 と か 就職 難 は 関係ない 。 女子 の 受験 者 数 が 多い の は 知っている が 、 点数 が よければ 男女 の 別なく 合格 できる のだ から 、 頑張る だけ です 」 。 渡辺 寛治 さん は 現在 富山 大 三 年 だ が 、 獣医 師 に なり たくて 地方 国立 大 の 獣医 学科 を 目指す 。 「 獣医 学科 は もともと 女子 の 志望 者 が 多い 。 優秀な 女子 の 受験 生 が 少ない 方 が ありがたい 」 金沢 大 で は 、 午前 九 時 現在 四一 センチ と 今冬 一 番 の 積雪 。 北陸 線 の 列車 は 十五 分 前後 の 遅れ が 出た が 、 大きな 混乱 は なかった 。 地元 の 国立 大 志望 の 石川 県立 小松 高 三 年 の 東川 比奈子 さん は 「 中国 文学 を 学び たかった が 、 技術 を 身 に つけ ない と 就職 でき ない と 思い 、 工学部 で コンピューター の 勉強 を する こと に し ました 」 。 同 高 三 年 の 舛谷 真弓 さん は 「 一般 企業 は 入社 する 時 、 お 給料 の 面 でも 不当な 性 差別 が あり そう 」 と 、 小学校 教員 の 養成 学部 に 絞った 。 また 、 国 内 で 日本 語 教師 に なり たい と いう 私立 北陸 学院 高 三 年 の 中村 美樹 さん は 「 国 外 で ない と 需要 が 少な そうな ので 、 国文 学科 で 正式に 日本 語 を 学ぶ こと に した 」 と いう 。 今年 の センター 試験 の 志願 者 を 男女 別 に 見る と 、 五十五万七千四百 人 の うち 、 女子 は 十九万八百九十一 人 。 昨年 に 比べ 、 男子 は 二・九 % 増 な のに 対し 、 女子 は 九・二 % 増えた 。 都道府県 別 に 見て も 、 ほとんど の 自治 体 で 女子 の 増加 率 が 男子 を 上回り 、 佐賀 県 は 前年 比 一八・三 % 増 で 全国 一 。 石川 県 、 三重 県 、 東京 都 など 一 割 を 超える 増加 率 に なった 県 は 十 県 以上 に 上る 。 背景 に ある の は 女子 の 高 学歴 志向 。 大学 ・ 短大 へ の 現役 志願 率 は 、 男子 が 横ばい な のに 、 女子 は 伸び 続けて おり 、 一九九三 年度 に 初めて 女子 が 男子 を 抜いた 。 今 年度 は 五四 % 。 浪人 を 含めた 女子 の 大学 進学 率 も 二一 % で 初めて 二〇 % 台 を 突破 。 一方 、 短大 へ の 進学 率 は 二四・九 % 。 八四 年度 に は 女子 の 大学 進学 率 は 一二・七 % 、 短大 進学 率 は 二〇・一 % で 、 高 学歴 化 が 進んで いる こと が 分かる 。 十四 日 午前 九 時 ごろ 、 東京 都 千代田 区 神田 駿河 台 一 、 明治 大学 創立 百 周年 記念 大学 会館 五 階 の 男子 トイレ と 湯沸かし 場 の 計 二 カ所 で 、 爆竹 の ような もの が 燃えた 。 同 大 で は 一部 の 学生 が 学費 値上げ 反対 闘争 を 行い 、 大学 当局 と 交渉 中 で 、 昨年 十二 月 に は 同 会館 の ドア ガラス が 割ら れる 事件 も あり 、 神田 署 は 悪質な いたずら と みて 調べて いる 。 調べ で は 、 燃えた の は 爆竹 の ような もの だけ で 、 建物 の 被害 は なかった 。 それぞれ の 現場 で 、 乾電池 や コンデンサー など が ついた 十 センチ 四方 の プリント 基 板 が 落ちて おり 、 同 署 は 時限 発火 装置 を 使った 可能 性 が ある と みて いる 。 同 会館 に は 考古 学 博物 館 、 刑事 博物 館 、 師弟 食堂 など が 入って おり 、 騒ぎ が あった 五 階 に は 、 大学 を 運営 する 学校 法人 の 事務 室 が ある 。 この 日 は 別の 校舎 で 通常 の 授業 が 行わ れて いた が 、 学生 に 混乱 は なかった 。 神戸 地検 は 十四 日 まで に 、 不倫 相手 の 男性 の 妻 が 勤める レストラン に 約 二千 回 の 嫌がらせ 電話 を かけた と して 、 神戸 市 西 区 の 女性 会社 員 を 偽計 業務 妨害 罪 で 起訴 した 。 女性 会社 員 は アルバイト 先 の 自動車 販売 会社 で 男性 と 知り合って 八六 年 から 交際 。 九二 年 ごろ から 男性 の 自宅 へ 電話 し 、 妻 に 男性 と 別れる よう 持ちかけて いた が 、 電話 番号 を 変え られた ため 、 妻 の 勤め先 へ かける ように なった と いう 。 レストラン の 従業 員 が 電話 で 心労 が 重なったり 、 店 の 電話 予約 に 支障 を きたす など の 被害 を 受けた と いう 。 十三 日 午後 十一 時 半 ごろ 、 福島 県 石川 郡 平田 村 鴇子 の レストラン 駐車 場 で 、 中学生 の 五 人 グループ と 高校 生 ら の 四 人 グループ の ケンカ が あり 、 同村 永田 、 土木 作業 員 、 佐藤 松樹 さん が 金属バット で 頭 を 殴ら れ 、 病院 に 運ば れた が 脳 挫傷 で 間もなく 死亡 した 。 石川 署 の 調べ に よる と 、 九 人 は 同村 の 中学 の 先輩 後輩 に 当たり 、 高校 生 ら が 、 普段 から 言葉 遣い など を めぐり 折り合い の 悪かった 男子 中学 三 年生 五 人 を 相手 に ケンカ した 。 中学生 の うち の 一 人 が 佐藤 さん の 頭 を 金属バット で 数 回 殴打 し 、 佐藤 さん が 倒れ込んだ ため 、 仲間 が 一一九 番 通報 した 。 同 署 は 傷害 致死 の 疑い で 、 中学生 グループ から 詳しい 事情 を 聴いて いる 。 十四 日 午前 七 時 二十 分 ごろ 、 東京 都 目黒 区 大岡山 一 、 無職 、 山川 とし さん 方 から 出火 、 木造 二 階建て 住宅 一七八 平方メートル の うち 一 階 三〇 平方メートル を 焼いた 。 玄関 の 焼け跡 から 山川 さん が 焼死 体 で 見つかった 。 長野 、 新潟 両 県 の 山岳 地帯 は 十三 日 夜 から 十四 日 朝 に かけて 大雪 と なり 、 JR 信越 線 は 脱線 事故 や 架線 切断 が 相次ぎ 、 特急 を 含む 計 七 本 の 列車 が 十四 日 昼ま で 最寄り 駅 で 立ち往生 した 。 連休 の 初日 と あって 、 列車 は スキー 客 ら 約 千 人 が 乗って いた が 、 駅 構内 や 列車 内 で 眠れ ぬ 一夜 を 明かした 。 十三 日 午後 七 時 三十五 分 ごろ 、 両 県 境 の JR 信越 線 黒姫 ― 妙高高原 駅 間 で 、 妙高高原 駅 発 の 普通 列車 の 先頭 車両 が 、 線路 上 に 積もった 新雪 に 乗り上げて 脱線 。 乗客 二 人 が 車 内 に 閉じ込め られた 。 乗客 に けが は なく 、 約 一 時間 後 に 除雪 車 で 救助 さ れた 。 しかし 、 激しい 雪 の 影響 で 復旧 作業 は 進ま ず 、 直江津 発 上野 行き の 特急 「 あさま 38 号 」 が 妙高高原 駅 で 停車 した まま と なった の を はじめ 、 計 七 本 が 長野 、 新潟 両 県 内 の 駅 で 立ち往生 。 さらに 十四 日 午前 二 時 四十五 分 ごろ に は 、 妙高高原 駅 構内 で 寒 さ の ため 架線 が 切れる など 、 トラブル が 相次いだ 。 妙高高原 駅 で は この 日 行わ れた 大学 入試 センター 試験 の 受験 生 七 人 の ため 、 タクシー 二 台 を 手配 し 、 試験 会場 の 上越 教育 大学 まで 振り替え 輸送 した 。 新潟 地方 気象 台 に よる と 新潟 ・ 長野 県 境 付近 の 十四 日 午前 零 時 の 積雪 量 は 約 一三五 センチ 。 十三 日 午後 六 時 以降 六 時間 の 積雪 だけ でも 約 二〇 センチ を 記録 した 。 山梨 県 南都留 郡 河口湖 町 船津 、 会社 社長 、 柏木 昭男 さん 殺人 事件 で 、 甲府 地検 は 十四 日 まで に 、 富士吉田 署 が 殺人 容疑 で 逮捕 した 男性 = 当時 、 同県 富士吉田 市 在住 = を 不 起訴 処分 に 、 証拠 隠滅 容疑 で 逮捕 した 女性 を 起訴 猶予 処分 に した 。 柏木 さん は 一九九○ 年 、 オーストラリア の ホテル で バカラ とばく を して 約 二十九億 円 、 米国 の カジノ でも 約 九億五千万 円 を それぞれ かせいだ こと で 話題 に なった が 、 九二 年 一 月 三 日 夜 、 自宅 で 全身 数十 カ所 を 刃物 で 切ら れ 、 殺さ れて いる の が 発見 さ れた 。 富士吉田 署 の 捜査 本部 は 二 月 一 日 、 二 人 を 殺人 と 証拠 隠滅 で それぞれ 逮捕 、 送検 。 しかし 、 甲府 地検 は 同月 二十二 日 、 「 物証 も なく 、 犯行 を 認める 供述 が 得 られ ず 起訴 は 困難 」 と して 処分 保留 の まま 釈放 して いた 。 日本 人 は 「 一 番 」 と か 「 初モノ 」 が ほんとに 好きだ 。 街 中 を 歩いて いて も 、 観光 地 など に 出かけて も 、 あるいは 新聞 など を 読んで いて も 「 世界 一 」 と か 「 日本 一 」 あるいは 「 世界 で 初めて 」 など の 形容 句 に 、 よく お目にかかる 。 この ところ 京浜 地区 で は 、 その 「 世界 一 」 の ラッシュ である 。 例えば 、 暮れ に 開通 した 首都 高速 の 湾岸 線 。 わずか 十六・四キロ の 距離 に 、 二 つ も 「 世界 一 」 が ある のだ から びっくり する 。 まず 「 鶴見 つばさ 橋 」 。 景観 は すばらしい 。 だが 、 それほど 長大 と いう わけで は ない 。 世界 一 と いう の は 「 一面 吊り 斜 張 橋 」 と して の 長 さ な のである 。 また 「 多摩川 トンネル 」 、 「 川崎 航路 トンネル 」 も 世界 一 。 無論 、 長 さ で は ない 。 陸上 の ドック で 作った 四角い 函 を 船 で 架設 場所 まで 運び 、 それ を 海底 に 埋める 工法 で 造った のだ が 、 その 「 沈埋函 」 の 大き さ が 世界 一 な のだ と いう 。 いずれ も 限定 詞 つき の 世界 一 。 この 極端な 「 差異 化 」 好き は 、 もしかしたら 、 むしろ 「 同一 化 」 に 傾く 癖 の 裏返し な の かも 知れ ない 。 初もうで など で 、 喜々と して 、 長蛇 の 列 に 並ぶ 自分 を 考えたら 、 そんな 気 が する 。 インド と の 国境 に 近い バングラデシュ 北部 の ディナジプル 地区 ヒリ 市 で 十三 日 夜 、 旅客 列車 同士 が 正面 衝突 し 、 これ まで に 少なくとも 死者 十九 人 、 負傷 者 二百 人 が 確認 さ れた 。 死者 が 百 人 に 達する 恐れ も 出て いる 。 事故 の 詳細 は 不明 。 十四 日 午前 一 時 三十五 分 ごろ 、 東京 都 世田谷 区 代沢 二 の 区 道 で 、 乗用車 が 電柱 に 衝突 して 逃げた 、 と 一一〇 番 通報 が あった 。 北沢 署 で あて 逃げ 事件 と みて 捜査 した ところ 、 前部 が 壊れた 乗用車 を 発見 。 逃走 した ため パトカー が 追跡 、 運転 して いた 男 を 取り押さえた 。 運転 して いた の は 俳優 の 坂上 忍 容疑 者 で 、 酒酔い 状態 だった ため 、 同 署 は 道路 交通 法 違反 の 現行 犯 で 逮捕 した 。 坂上 容疑 者 は 二 週間 の けが 。 同乗 の 女優 に けが は なかった 。 自民党 の 森 喜朗 幹事 長 は 十四 日 、 金沢 市 で 記者 会見 し 、 社会党 内 の 新党 結成 の 動き に ついて 「 新 年度 予算 の 成立 や 日 米 関係 の 新 構築 など 、 課題 が 目前 に ある 現在 、 分 党 行動 は 国民 に 理解 さ れる はず が ない 」 と 批判 。 社会党 と の 選挙 協力 に ついて も 「 社会党 の 国会 議員 である こと が 大 前提 」 と 新党 参加 の 動き を 見せる 社会党 議員 を けん制 した 。 若い 女性 に 人気 の 高級 ブランド 「 ルイ ・ ヴィトン 」 の 偽物 を 国 内 で 露天 販売 して いる イスラエル 人 の 元締め を 十四 日 まで に 大阪 府警 など 捜査 当局 が ほぼ 特定 した 。 「 ベンジャミン ・ シュライザー 」 と 名乗る 人物 と み られ 、 短期 ビザ で 来 日 中 の イスラエル 人 を 常時 、 数十 人 アルバイト で 雇い 、 グループ を 組ま せ 各地 の 繁華街 など で 販売 さ せて いた 。 売上 金 は 大阪 市 内 の 都市 銀行 の 口座 に 入れ 、 この 数 カ月 で 七千万 円 を 韓国 に 送金 。 同国 内 で 作ら れた 偽 商品 を 仕入れて いた こと も 分かった 。 捜査 当局 は 商標 法 違反 容疑 で この 人物 の 行方 を 追及 、 密輸 方法 など 全容 解明 を 急ぐ 。 イスラエル 人 に よる 偽 ルイ ・ ヴィトン の 露天 販売 が 始まった の は 一九九三 年 ごろ から 。 大阪 、 名古屋 、 福岡 など の 繁華街 に 姿 を 見せ 、 各 府 県警 が メンバー を 摘発 。 しかし 、 言葉 の 問題 など も あり 、 販売 網 など 組織 の 解明 は 難航 して いた が 、 押収 資料 の 分析 から 、 最近 に なって 元締め を 割り出した 。 かつて は 国 内 に 元締め が 三 人 いた が 、 現在 は この 人物 だけ に なって いる こと も 分かった 。 元締め は 、 大阪 市 内 の 都市 銀行 支店 に 口座 を 開設 。 東京 、 仙台 、 香川 、 松山 、 博多 など 全国 各地 で の 売り上げ を この 口座 に 振り込ま せて いた 。 偽 商品 は 韓国 で 作ら れ 、 その 仕入れ の ため ここ 数 カ月間 だけ でも 二 回 に わたって 計 約 七千万 円 が 韓国 ・ ソウル 市 に 送金 さ れて いた 。 捜査 当局 は 、 現地 の 買い付け 役 が この 金 を 受け取って いた と みて いる 。 国 内 で 直接 品物 を 販売 して いる イスラエル 人 は 大半 が 観光 目的 など で 来 日 した アルバイト 。 常時 、 数十 人 いて 数 グループ に 分かれ 、 売り上げ に 応じて 日当 を 受け取って いた 。 国 内 の イスラエル 人 の 間 で は 「 金 に なる アルバイト 」 と して 口コミ で 広まって いた と いう 。 これ まで に 逮捕 さ れた メンバー の 供述 など に よる と 、 捜査 当局 に 偽 商品 を 押収 さ れて も 二 、 三 割 が 売れる だけ で 採算 が とれる と いう 。 元締め から 直接 商品 を 買い取り 、 独立 して 販売 したり 、 地元 の 暴力 団 に ショバ 代 を 支払って トラブル を 避ける グループ も あった 。 偽 の 商品 は 、 L と V の 文字 を 組み合わせた ルイ ・ ヴィトン の 商標 に 似た マーク を 付け 外観 は 本物 と 酷似 。 しかし 、 金具 の 金 メッキ が はがれ やすく 、 縫製 部分 も 弱い など 粗悪な 品物 が 多い 。 こうした 偽 商品 を 国 内 で 売り 、 捜査 当局 に 摘発 さ れた の は 昨年 一 年間 で 約 九十 人 。 うち イスラエル 人 は 四 分 の 一 に 上って いる 。 国 内 で 出回って いる 偽ブランド商品 は 、 ルイ ・ ヴィトン の ほか 、 シャネル 、 ハンティングワールド など が ある 。 いずれ も 韓国 製 が 多く 、 昨年 大阪 府警 阿倍野 署 が 摘発 した 露天 商 は ハングル 文字 の カタログ を 持って いた 。 中でも 、 ルイ ・ ヴィトン は 数 が 多く 、 昨年 一 年間 だけ でも 全国 で 五千 点 以上 が 捜査 当局 に 押収 さ れて いる 。 これ ら の 品物 は 各地 の ディスカウントショップ など でも 販売 さ れて いる 。 大白 氏 は 京大 法学部 卒 で 司法 修習 六 期 。 神戸 弁護 士 会 会長 、 日弁連 副 会長 など を 歴任 して 一九九三 年 四 月 、 最高裁 判事 に 就任 、 第 一 小 法廷 に 所属 した 。 定年 退官 まで に 二 年 九 カ月 の 任期 を 残して いる 。 昨年 十 月 に 上告審 判決 が 言い渡さ れた 「 長良 川 水害 訴訟 」 など の 裁判 長 を 務めた が 昨年 十二 月 に 肺炎 で 入院 。 年 内 に は 退院 した が 「 ロッキード 事件 丸紅 ルート 」 の 大 法廷 審理 から はずれた ほか 、 自ら 裁判 長 を 務める 「 撚糸 工 連 事件 」 の 上告審 でも 同月 十二 日 に 予定 した 弁論 期日 を 延期 して いた 。 JICA 二 国 間 援助 の うち 、 無償 資金 協力 や 技術 協力 の 実施 機関 と なり 、 日本 から 専門 家 や 青年 海外 協力 隊 の 派遣 も 行う 。 受験 生 に 試練 の 季節 が やってきた 。 十四 日 、 日本 海 側 が 大雪 に 見舞わ れた なか 始まった 大学 入試 センター 試験 。 今年 の 受験 者 は 女子 が 大幅に 増える など 過去 最多 と なった 。 センター 試験 を 利用 する 私立 大 が 増えた こと や 四 年 制 大学 志向 の 高まり が 理由 と み られ 、 「 就職 難 な ので 資格 を 取れる 学部 に 」 など 、 長引く 不況 を 反映 した 受験 生 の 声 も 聞か れた 。 京都 市 左京 区 の 京都 大 で は 未明 に 降った 雪 が うっすら と 残る キャンパス を 受験 生 が 次々 と 会場 へ 。 東京 大 理科 1 類 が 志望 の 一 浪 生 、 草場 周作 さん は 「 理系 は 最近 、 まじめで 成績 優秀な 女子 の 志願 者 が 増えて いる けれど 、 必要 以上 に 気 に して も しようがない 。 試験 で は 自分 の 実力 を 出し切る だけ 」 。 大阪 府 豊中 市 の 大阪 大 法学部 会場 で 受験 した 予備 校 生 、 木林 ありさ さん は 大阪 大 人間 科学 部 志望 。 「 私立 も 二 校 受け ます が 、 私立 文系 の 女子 学生 は 就職 が 厳しい ので 、 なんとか 第 一 志望 に 合格 し たい 」 。 予備 校 生 、 太田 菜穂 さん は 「 薬学 部 に 進んで 、 薬剤 師 に なり たい 。 資格 が あれば 就職 に も 有利です から 」 と 話した 。 女子 受験 生 が 増えた こと に ついて 、 吹田 市 の 大阪 大医 学部 会場 で 予備 校 生 、 上野 純平 さん は 「 女の子 は あまり 遊ば ず まじめ 。 知人 の 女の子 は 予備 校 で 一 番 の 成績 で 、 女子 受験 生 の 増加 は 脅威 だ 」 と 話して いた 。 また 、 大阪 市立 大 文学部 志望 の 同 府立 吹田 東 高 三 年 、 山本 和子 さん は 「 私 は 文学部 志望 だ けど 、 博物 館 の 学芸 員 の 資格 を とり たい 」 と 話して いた 。 十三 日 午後 十一 時 二十 分 ごろ 、 大阪 府 泉南 市 泉州 空港 南 一 、 関西 国際 空港 内 に ある 第 一 輸出 貨物 ビル の ユナイテッド 航空 関西 国際 空港 保税 蔵置 場 一 階 ごみ 置き場 から 出火 、 段ボール箱 の 一部 を 焼いた 。 現場 は ターミナル ビル 南 約 五百 メートル で 、 航空 機 の 運航 に 支障 は なかった 。 泉佐野 市 消防 署 空港 分署 に よる と 、 関空 で の 火事 は 初めて 。 同 府警 関西 空港 署 は 、 たばこ の 火 の 不 始末 が 原因 と みて 調べて いる 。 岡山 県 勝田 郡 勝北 町議 選 の 投票 用紙 偽造 事件 で 、 同 県警 は 十四 日 まで に 、 投票 用紙 の コピー に 関与 した と み られる 複数 の 人物 を 絞り 込み 、 近く 事情 聴取 する 方針 を 固めた 。 背後 に 暴力 団 関係 者 が いる と の 情報 も ある と いう 。 調べ で は 、 告示 後 の 今月 五 、 六 の 両日 、 隣接 の 津山 市 内 の 印刷 会社 を 不審な 男 たち が 三 度 に わたって 訪れ 、 本物 の 投票 用紙 らしい 紙 を 渡し 、 計 百数十 枚 を コピー さ せた 。 投票 用紙 と 同種 の 薄緑 色 で 同じ 大き さ に 裁断 さ れた コピー 用紙 は 男 たち が 持参 した 。 大阪 から 長野 や 新潟 方面 へ の スキー バス は 、 積雪 の ため 北陸 道 で 交通 渋滞 に 巻き込ま れた 。 JTB 系 の 旅行 代理 店 「 サンアンドサン 関西 」 に よる と 、 現地 の 到着 は 最高で 五 時間 ほど 遅れて いる と いう 。 中央 道 経由 で 白馬 方面 に 向かう バス も 四 時間 ほど の 遅れ が 出て いる と いう 。 この 雪 を 歓迎 して いる の は 各地 の スキー 場 。 滋賀 県 高島 郡 マキノ 町 の マキノ スキー 場 は 標高 が 一三〇 メートル と 低い ため 、 十三 日 まで 積雪 が 二〇 センチ ほど しか なく 、 滑走 不能 だった 。 ところが 、 同日 夕方 から 雪 が 本格 的に 降り はじめ 五〇 センチ に なり 、 連休 初日 の 十四 日 に 滑り込み オープン 。 マキノ スキー 協会 副 会長 の 青谷 佐智男 さん は 「 ここ 数 年 の 暖冬 で 、 成人 式 オープン も 危なかった が 、 ホッと し ました 。 売店 や 貸し スキー 店 も 開店 準備 に 大わらわです 」 と ホクホク 顔 だった 。 十四 日 午前 八 時 五十 分 ごろ 、 富山 県 新湊 市 立町 の 川 で 同 市 八幡 町 、 無職 、 清水 正一 さん が 漁船 「 裕高丸 」 の 雪下ろし を して いた ところ 、 船 ごと 川 に 水没 。 清水 さん は 市 内 の 病院 に 運ば れた が 、 約 一 時間 四十 分 後 に 死亡 した 。 新湊 署 は 船 に 積もった 雪 の 重み に 清水 さん の 体重 が 加わり 水没 した と みて いる 。 西 日本 各地 に 十三 日 夜 から 十四 日 朝 に かけ 、 本格 的な “ 冬 将軍 ” が 到来 した 。 鉄道 の 遅れ や 高速道 で 渋滞 する など の 影響 が 出た が 、 この 日 から 三 連休 の 人出 を 期待 する 各地 の スキー 場 は ホクホク 顔 。 東海道 、 山陽 新幹線 は 、 滋賀 県 米原 市 や 山口 県 徳山 市 付近 の 積雪 の 影響 で 十四 日 始発 から 、 新大阪 ― 名古屋 など の 一部 区間 で 時速 一二〇 ― 一七〇キロ の 徐行 運転 。 博多 発 東京 行き のぞみ 4 号 が 名古屋 駅 に 二十八 分 遅れて 到着 した の を 最高に 、 同日 正午 まで に 上下 線 で 計 七十 本 が 平均 約 十 分 遅れ 、 約 四万五千 人 に 影響 した 。 高速 道路 でも 十四 日 午前 、 舞鶴 道 、 中国 道 、 北陸 道 の 一部 が チェーン 規制 さ れた 。 正午 ごろ に は 、 金沢 市 清水谷 町 の 北陸 自動車 道 で 、 大型 トラック や 乗用車 二 、 三 台 が 凍結 した 坂道 を 上れ なく なって 立ち往生 した 。 この ため 、 同 自動車 道 は 午後 零 時 十 分 から 上り線 が 金沢 東 ― 小矢部 間 、 下り 線 は 金沢 西 ― 小矢部 間 で 通行 止め と なった 。 大阪 府 泉大津 市 の 阪神 高速 湾岸 線 で 先月 十七 日 早朝 、 隣接 の 製鋼 工場 から 発生 した 水蒸気 に より 路面 の 金属 製 ジョイント 部分 が 凍結 した の が 原因 と み られる スリップ 事故 で 、 阪神 高速 道路 公団 は 十四 日 、 泉大津 インター の 入 路 と 本線 の 合流 地点 付近 の ジョイント 部分 を 覆う 特殊な 舗装 工事 を した 。 日本 道路 公団 に よる と 、 ジョイント 部分 の 舗装 は 雪 の 多い 地方 でも 例 が ない と いう 。 舗装 した の は 、 合流 地点 から 南 に 約 九十 メートル 間 の ジョイント 三 カ所 。 湿潤 緩和 舗装 と 呼ば れる 工事 で 、 この 日 午前 八 時 から 、 幅 五十 センチ の 金属 部分 と その 前後 三 メートル の 路面 計 六・五 メートル に 、 樹脂 と 砂 の 混合 物 を 厚 さ 三 ― 五ミリ で 段差 の ない ように 付着 さ せた 。 公団 は 事故 後 、 ひんぱんに 路面 の 点検 を 行い 、 本線 上 に 水蒸気 の 監視 カメラ を 新設 。 工場 に 対し 、 水蒸気 の 飛散 を 抑える よう 要望 して いる 。 表彰 式 の 後 、 広い 花園 ラグビー 場 を 探し回った 。 神奈川 の 相模台 工 が 二 年 連続 優勝 を 飾った 今年 の 全国 高校 ラグビー 大会 。 やっと 見つけた 相模台 工 の ベトナム 人 の ロン 君 は 、 同じ 補欠 選手 三 人 と いっしょに ラグビー 場 を バック に して 記念 写真 を 撮って いた 。 「 どう だった 。 空中 に 舞った 感想 は 」 と ロン 君 に 聞いた 。 グラウンド で 歓喜 する フィフティーン が 監督 や 校長 先生 ら を 胴上げ した あと 、 その 輪 の 中心 に 呼び寄せた の が ロン 君 だった 。 二 度 、 三 度 と はね上げ られた ロン 君 は 固く こぶし を 握りしめ 、 ガッツ ポーズ して いる ように も 見えた 。 難民 で 日本 に 来て 、 小学校 に 入る 時 は 三 年生 の 年齢 。 言葉 も 字 も わから ない ので 、 一 年生 から 入学 した 。 相模台 工 で ラグビー を 始め 、 フルバック の レギュラー ポジション を つかんだ 。 しかし 、 全国 大会 規定 の 年齢 制限 の ため 、 この 大会 の 予選 から 補欠 に 回り 、 スタンド で 応援 、 戦い を 見つめて きた 。 「 みんな が 僕 の こと を 思って いて くれた の が 、 すごく うれしかった 。 一 番 の 思い出 に なり ます 」 と ロン 君 は 言った 。 憎たらしい ほど 強い 相模台 工 で は あった が 、 チームメート を 愛する 心 が 連覇 を 運んだ 、 と 確信 する 。 十四 日 午前 十 時 四十五 分 ごろ 、 大阪 市 此花 区 高見 一 の 淀川 左岸 で 、 人間 の 腕 が 浮いて いる の を 近く の 会社 員 が 見つけ 、 府警 此花 署 に 届け出た 。 調べ で は 、 右腕 で 性別 は 不明 。 事件 と 事故 の 両面 で 調べて いる 。 「 重力 に 逆らう いけない 物体 」 が キャッチフレーズ の この おもちゃ は 、 基本 は コマ 回し だ が 黒い 盤 と コマ の 両方 に 磁石 が 仕込んで ある の が ミソ 。 盤 の 上 に ガラス 板 を 乗せ 、 コマ の 軸 に 金属 製 の おもり を 取り付ける と セット 完了 。 板 上 で 普通の コマ 回し の 要領 で 回す 。 難しい の は コマ を 空中 に 浮か せる 「 浮遊 」 。 盤 の 角度 を 変える ため の クサビ の 差し込み 方 や 取り付ける おもり の 数 を 根気 よく 調整 して いく と 磁力 と 重力 の 微妙な バランス で コマ が 浮く 。 ちなみに 、 売り場 担当 者 は この 写真 撮影 の ため に コマ を 浮かび上がら せる まで 約 40 分 かかった 。 3980 円 。 キデイランド 大阪 梅田 店 1 階 で 。 買わ なければ なら ない もの が なくて も 月 に 一 度 や 二 度 は 釣具 店 を のぞく の が 長年 の 習慣 。 釣 行 できる 日 の 少ない この 季節 は とくに 回数 が 増える 。 釣り は 魚 を ハリ に 掛けて 取り込む だけ が 釣り で は ない 。 「 道具 選び も 釣り の うち 」 「 仕掛け づくり も 釣り の うち 」 ―― 筆者 は そう 思う 。 まず 足 の 向く の が サオ の コーナー 。 専門 の 船 釣り で は 中 通し が 最近 の ブーム 。 メーカー に よって ネーミング は いろいろだ が 、 実売 価格 で 一万 円 以下 の もの も 出て 買い やすく なった 。 筆者 も 昨秋 、 3・6 メートル の 振り出し を 購入 して 使って いる 。 調子 は なかなか 、 糸 絡み の ない の も 確かに 便利 。 しかし 、 こ すれ に よる イト の 傷み は 従来 の 外 ガイド 式 に 比べる と 多い ようだ 。 リール は 電動 や 、 マイコン で 深度 を デジタル 表示 する もの が 最近 の 流行 。 タナ で 自動 停止 する の も ある 。 メーカー と して は いろいろ 付加 価値 を 付けて も うけよう と いう 魂胆 。 深場 釣り の 全 盛期 に は 電動 も よく 使った が 、 今では 押し入れ で ほこり を かぶって いる 。 中 、 小物 志向 の 筆者 と して は 無くて も そう 困ら ない 。 深度 カウンター も イト が 染め 分けて あれば こと 足りる 。 年寄り は どうしても 新しい もの に は 点 が 辛い 。 昔 から 「 釣り の 六 物 」 と いう 。 六 物 と は 、 サオ 、 イト 、 ウキ 、 オモリ 、 ハリ 、 エサ の こと 。 魚 を 釣る に は この 六 つ が 必要 と いう わけだ が 、 この ほか テンビン 、 マキエカゴ 、 クッション の ゴム 、 サルカン と いった 小物 類 、 さらに カラフルな ウエア 類 と 、 見て いく と 時間 の たつ の を 忘れる 。 そして 当面 必要の ない もの まで 買って しまう の が オチ 。 ゲーセン や ファミコン 時代 の 悪役 ドンキーコング に 夢中だった 古くから の ファン に は 、 涙 もの の キャラクター が 帰って きた 。 あの ころ ドンキーコング は 荒れて いて 、 やたらに 樽 を 投げて いた っけ 。 この ゲーム で は 、 元祖 の お じいさん ゴリラ と いう 枯れた わき役 で 登場 。 時代 を 感じ させ ます 。 大 小 2 頭 の ゴリラ が 主役 で 、 盗ま れた バナナ を 取り戻す 旅 に 出る 設定 。 グラフィック が 非常に 美しく 「 スーパー ファミコン の 映像 が これ で 完成 した 」 と ベタ ほめ して も よい 。 これ だけ の 美しい 画面 なら 、 まだまだ 他社 の テレビゲーム ハード 機 に 負け ない んじゃ ない の 。 特に 雪 の 降る 場面 なんて ご 丁寧に も 天候 まで 変わって いく 凝り よう 。 海中 の 場面 だって 海遊館 に 負けて い ませ ん 。 ゴリラ の 動き も リアル 。 40 コース すべて を クリア して も ゲーム 達成 度 は 約 50 % で 、 なかなか レベル は 上がら ず 。 隠し エリア の ため 進め ず イライラ 。 樽 の 大砲 から 打ち出さ れ 、 別の 樽 に 移る 際 は 、 手 に 汗 ドキドキ 。 そんな ボク を 笑う か の よう に 、 身近な 子供 ら は 2 日 で 全 コース を クリア し 「 クロクトバス の 海 」 で 裏面 を 発見 して 大騒ぎ 。 「 うるさーい 、 ボク は コング を 大昔 から 知っている んだ ぞ ! 」 と 説得 力 の ない 言い訳 を して 笑われて いる 。 トホホホ 。 「 プロ 野球 に 入った 時 から 大リーグ で やる 夢 を 持って いた 」 と 、 近鉄 バファローズ を 任意 引退 。 大リーグ へ の 挑戦 を 明らかに し 、 去就 が 注目 さ れて いる 。 大阪 府立 成城 工 高 を 卒業 後 、 社会 人 野球 の 新日鉄 堺 を 経て 1990 年 、 近鉄 入り 。 打者 から 背番号 が 読み取れる ほど 振りかぶる 「 トルネード 投法 」 を 武器 に 、 三振 の 山 を 築き 「 ドクター K 」 の 異名 を 取った 。 入団 以来 4 年 連続 の 最多 勝利 を 獲得 した が 、 昨 シーズン は 肩 を 痛め 、 8 勝 に とどまって いた 。 小学校 の 卒業 文集 で 早くも 「 プロ 野球 の 選手 に なって タイトル を とり たい 」 と つづった ほど 野球 一筋 。 実直な 性格 で スキャンダル と も 無縁だった 。 ストレート と フォーク で 勝負 する スタイル を かたくなな まで に 守り 続ける 頑固 さ も 。 夫人 は 元 社会 人 野球 東芝 チーム の マスコットガール だった 紀久子 さん 。 電子 部品 販売 会社 「 日本 バリアント 」 が 、 「 株 を 店頭 公開 する 。 株価 は 十 倍 以上 に 値上がり する 」 など と 偽り 、 店頭 公開 する 予定 の ない 未 公開 株 を 高額で 販売 して いた と して 、 警視 庁 捜査 二 課 と 深川 署 は 十四 日 、 バ社 社長 、 中川 秀一 = 東京 都 大田 区 南千束 一 ▽ 中川 社長 の 妻 で 元 同社 専務 、 文子 ▽ 元 同社 役員 、 木村 慶 市 の 三 容疑 者 を 詐欺 の 疑い で 逮捕 した 。 バ社 の 宣伝 パーティー を 収録 した ビデオ に は 井出 正一 厚 相 や 複数 の 有力 政治 家 も 登場 して いた 。 被害 は 全国 四十二 の 都道府県 の 千五百 人 余 、 約 七十三億六千万 円 に 上る と み られる 。 調べ や 関係 者 の 話 で は 、 中川 容疑 者 ら は 未 公開 の 同社 株 を 高額で 売る こと を 計画 。 知人 の 広告 会社 社長 に 株 の 販売 を 依頼 し 、 一九八九 年 十 月 ごろ から 九二 年 九 月 ごろ の 間 に 、 福岡 、 岐阜 、 山梨 など 全国 の 投資 家 千五百 人 余 に 対し 「 二 、 三 年 後 に 店頭 公開 する 」 と 、 うそ の 投資 話 を 持ち掛け 、 額面 五万 円 の 株 を 三十万 ― 四十万 円 で 、 十 株 を 一口 と して 販売 、 約 七十三億六千万 円 を 集めて いた 疑い 。 この うち 逮捕 容疑 は 、 九二 年 三 月 から 六 月 の 間 に 、 岐阜 県 の 主婦 から だまし 取った 六千四百万 円 の 件 。 販売 方法 は 、 広告 会社 社長 ら が 、 知人 を 集めて 会社 説明 会 を 開催 、 その場で 株 購入 を 勧め 、 購入 した 投資 家 が 、 さらに 知人 を 勧誘 する と いう 仕組み 。 広告 会社 社長 に は 同社 から 一七 % 、 販売 を 「 孫 請け 」 した 投資 家 に は 広告 会社 社長 から 七 、 八 % の 販売 手数 料 が 支払わ れて いた 。 広告 会社 社長 は 、 同社 から 約 八億三千万 円 を 受け取った と いう 。 中川 容疑 者 は 、 同社 が 優良 企業 である ように 装う ため 、 事業 報告 書 など 投資 家 に 配布 する 書類 を 偽造 。 会社 説明 会 で は 、 「 米国 の 上場 会社 と 合併 する 」 など と 偽り 、 また 、 井出 厚 相 ら 政治 家 を 映した 宣伝 ビデオ で 投資 家 を 信用 さ せて いた と いう 。 同社 は 八四 年 、 電子 部品 ・ 機械 製品 販売 業 と して 設立 さ れた 。 当初 資本金 一千万 円 。 発行 済み 株 数 は 約 一万四千 株 に まで 伸ばして いた 。 井出 事務 所 は 「 後援 者 の 紹介 で 顔 を 出した だけ だ 。 社長 と は 会った こと も なく 、 謝礼 も 一切 もらって い ない 」 と 説明 して いる 。 中川 容疑 者 が 詐欺 の 手口 に 使った 「 店頭 株式 市場 」 は 、 東京 証券 取引 所 の 上場 株 と は 異なり 、 取引 所 で は なく 日本 証券 業 協会 が 登録 を 受け付け 、 取引 を 扱って いる 。 “ 上場 予備 軍 ” 的な 性格 を 持つ が 、 株式 公開 基準 が 上場 より も 緩やかな こと など から 、 最近 は 、 東証 一 、 二 部 が 株価 、 出来高 ともに 低迷 して いる の と は 対照 的に 、 今月 十一 日 に は 史上 最高の 出来高 を 記録 する など 、 活況 を 見せて いる 。 スキー ジャンプ の 新星 、 船木 和喜 選手 が 今季 国 内 試合 に 初 出場 。 十四 日 、 札幌 市 の 大倉山 で 行わ れた 純 飛躍 の HTB 杯 で 一 回 目 に バッケンレコード に あと 八 メートル と 迫る 百二十七 メートル の 大 ジャンプ で 最長不倒距離 を マーク する など 、 二 回 と も K 点 越え の 豪快な ジャンプ を 見せ 、 優勝 を 飾った 。 船木 選手 は 昨年 、 小樽 北照 高 を 卒業 した 社会 人 一 年生 で 四 月 で 二十 歳 。 今季 、 ワールドカップ に 初 参加 。 七 戦 して 二 勝 を 挙げて 現在 、 W杯 総合 優勝 争い の 二 位 に つけて いる 。 快晴 の 会場 に は 約 八千 人 の 観客 。 船木 選手 は 「 人 より 練習 した から 、 負ける の が 悔しい んです 。 国 内 で 初めて 勝てて うれしい 」 と 、 初々しい 笑顔 を 見せた 。 村山 富市 首相 は 十四 日 、 札幌 市 で の 会見 で 、 社会党 と さきがけ の 統一 会派 結成 問題 に ついて 「 前向きに 積極 的な 姿勢 で 応じて いき たい 」 と 述べた 。 しかし 、 同時に 「 政策 合意 や 人間 的な 信頼 関係 を 深めて から 、 機 が 熟した 時 に 考える べきだ 」 と も 語った 。 首相 は 十五 日 に も 、 さきがけ 代表 の 武村 正義 蔵 相 と 会談 し 両党 の 連携 に ついて 協議 する 。 新党 の 結成 時期 に ついて は 「 統一 地方 選 の 結果 も 見 ながら 準備 を して いき たい 」 と 述べた 。 長野 冬季 五輪 で 正式 種目 と して 採用 する か 否 か が 焦点 と なって いる スノーボード の 問題 で 、 スキー の アルペン 会場 の 一 つ 、 長野 県 下高井 郡 山ノ内 町 が 十四 日 まで に 、 スノーボード 会場 と して 立候補 する 方針 を 固めた 。 十七 日 に 同 町 役場 で 開か れる オリンピック 競技 ・ 運営 施設 検討 委員 会 で 町内 会場 地 を 決定 し 、 今月 末 まで に 正式に 立候補 する 。 長野 冬季 五輪 組織 委員 会 は 昨年 十二 月 、 スノーボード 採用 に ついて 地元 の 意思 を 尊重 する と して おり 、 この 種目 の 実現 は 確実 と なった 。 会場 地 に は 、 志賀高原 の 焼額 スキー 場 と 上林 温泉 スキー 場 の 分散 開催 が 有力 視 さ れて いる 。 村山 富市 首相 は 十四 日 午後 、 札幌 市 内 の ホテル で 記者 会見 し 、 社会党 の 新 民主 連合 が 新 会派 結成 方針 を 確認 した こと に ついて 「 新 会派 結成 は 国会 の 手続き から する と 、 社会党 が 認め なければ 受理 さ れ ない 。 扱い を どう する か 、 執行 部 で 十分 審議 する こと が 必要だ 」 と 語った 。 これ は 、 山花 貞夫 新民連 会長 ら の 新 会派 結成 に 必要な 社会党 会派 から の 離脱 手続き を 拒否 、 当面 は 山花 氏 ら の 説得 に あたる 選択肢 も あり 得る こと を 示唆 した もの と み られる 。 首相 は この後 、 横路 孝弘 北海道 知事 と 会談 。 横路 氏 は 新 会派 が 結成 さ れて も 「 除名 処分 と は せ ず 、 将来 的な 再 結集 の 可能 性 を 探る こと が 必要で は ない か 」 と の 考え を 示し 、 首相 は 党 機関 中心 に よる 社民 ・ リベラル 勢力 結集 の 必要 性 を 指摘 した 。 海外 経済 協力 基金 の 円 借款 の 貸付 残高 が 一九九四 年 末 で 八兆 円 を 突破 した こと が 十四 日 、 同 基金 の まとめ で 明らかに なった 。 この 額 は 世界 最大 の 援助 機関 である 世界 銀行 の 貸付 残高 の 四 割 に も 達する もの で 、 米州 開発 銀行 、 アジア 開発 銀行 、 アフリカ 開発 銀行 、 欧州 復興 開発 銀行 の 世界 四 大 開発 銀行 すべて を 合わせた 七兆二千五百七十八億 円 を 大きく 上回った 。 日本 の 政府 開発 援助 の 柱 と なる 円 借款 が 、 開発 途上 国 の 産業 開発 、 経済 安定 など に 大きな 位置 を 占めて いる こと が 改めて 浮かび上がった 。 同 基金 は 六六 年 六 月 、 韓国 と の 間 に 初めて 借款 契約 を 締結 して 以来 、 開発 途上 国 の 政府 や 政府 機関 など に 資金 を 直接 融資 する 円 借款 業務 を 行って きた 。 その後 約 三十 年 の 間 に 、 ODA 拡充 の ため の 五 次 に わたる 中期 目標 を 掲げ 、 円 借款 貸付 残高 を 増大 さ せて きた 。 九四 年 十二 月 末 現在 の 残高 は 八兆二百六十億 円 。 これ は 世界 銀行 の 十九兆一千三百四十二億 円 の 約 四 割 に のぼる 。 貸付 残高 が 最も 多い 地域 は アジア で 、 全体 の 八 割 を 占める 。 次いで アフリカ 、 中東 、 中南米 、 東欧 と 続く 。 国別 で は インドネシア が 一兆五千二百三億 円 で 最も 多く 、 以下 中国 一兆五百八十二億 円 、 フィリピン 七千四百九十九億 円 、 インド 六千四百七十二億 円 と なって いる 。 分野 別 で は 運輸 、 電力 ・ ガス 、 通信 の 経済 インフラストラクチャー が 四四・二 % と 最も 高い 。 新進党 の 小沢 一郎 幹事 長 は 十四 日 、 日本 テレビ の 報道 番組 に 出演 し 、 衆院 総 選挙 に ついて 「 筋 論 と して は 早く やった 方 が 良い 。 ただ 選挙 の 最終 責任 者 と して は 、 選挙 の 態勢 が 整って から やられる の なら 、 なお 良い 」 と 述べ 、 早期 の 解散 ・ 総 選挙 を 必ずしも 求め ない 考え を 明らかに した 。 社会党 の 久保 亘 書記 長 は 十四 日 、 鹿児島 市 内 で 開か れた 同 党 鹿児島 県 本部 執行 委員 会 に 出席 、 二 月 十一 日 に 開催 予定 の 臨時 党 大会 に ついて 「 党 分裂 が 予想 さ れる ような 状況 に なれば 、 党 大会 は 開か ない 」 と 語った 。 これ は 、 山花 貞夫 ・ 新民連 会長 ら に よる 新 会派 結成 に 絡み 、 離党 ・ 除名 問題 で 党 内 亀裂 が 決定 的に なれば 、 党 ぐるみ で 新党 を めざす 党 大会 自体 が 開催 でき なく なる 、 と の 認識 を 示した もの で 、 山花 氏 ら と 対立 する グループ の 双方 に 過激な 行動 を とら ない よう けん制 した もの と み られる 。 メキシコ の アカプルコ で 開か れて いる アジア ・ 太平洋 議員 フォーラム に 出席 中 の 中曽根 康弘 元 首相 は 13 日 、 市 内 の ホテル で セディジョ 大統領 と 懇談 した 。 この 中 で 中曽根 元 首相 は 、 最近 の メキシコ 経済 危機 に ついて 「 混乱 は ファンダメンタルズ で は なく 、 投機 的な 動き が 原因 だ 。 日本 企業 は 危機 が 一時的な もの と 理解 して いる し 、 近く 投資 が 流入 する はずだ 」 と 述べた 。 渡辺 幸治 駐 ロシア 大使 は 十四 日 、 ソスコベツ 第 一 副 首相 と 会談 、 チェチェン 共和 国 問題 に ついて 「 ロシア の 内政 問題 」 と し ながら も 、 平和 的 解決 を 望む と の 日本 側 の 立場 を 伝えた 。 同 副 首相 は チェチェン へ の 軍事 進攻 に ついて 、 やむ を 得 ない もの だった と の 見解 を 示し 、 チェチェン の 復興 に 力 を 注ぐ と 述べた 。 自民党 の 森 喜朗 幹事 長 は 十四 日 、 金沢 市 で 記者 会見 し 、 社会党 内 の 新党 結成 の 動き に ついて 「 新 年度 予算 の 成立 や 日 米 関係 の 新 構築 など 、 課題 が 目前 に ある 現在 、 分 党 行動 は 国民 に 理解 さ れる はず が ない 」 と 批判 。 社会党 と の 選挙 協力 に ついて も 「 社会党 の 国会 議員 である こと が 大 前提 」 と 新党 参加 の 動き を 見せる 社会党 議員 を けん制 した 。 また 、 村山 内閣 へ の 支持 は 広がって いる と した うえ で 、 「 現在 は 予算 成立 に 全力 を 尽くす べきだ 」 と 早期 解散 を 否定 した 。 「 堀 さん 、 どうか 頑張って 下さい 。 立候補 する からに は 勝利 を 」 。 社会党 北海道 本部 の パーティー 出席 の ため 十四 日 、 札幌 市 を 訪れた 村山 富市 首相 は あいさつ で 、 北海道 知事 選 に 社会党 など の 推薦 で 出馬 する 堀 達也 前 北海道 副 知事 を 強い 口調 で 支持 した 。 首相 に 対して は 、 社会党 を 離党 して 自民党 の 推薦 で 知事 選 に 出馬 する 元 側近 の 伊東 秀子 衆院 議員 に 同情 的 、 と の 見方 が 根強く あった だけ に 首相 は 態度 を 明確に した ようだ 。 首相 は 十三 日 に 訪 米 から 帰国 した ばかりで 、 周辺 に は 体調 不安 や 疲労 を 考慮 して 札幌 行き は 見送る べきだ と の 意見 が 強かった 。 だが 、 堀 氏 の 事実 上 の 決起 集会 の パーティー 出席 を 見送れば 「 自 社 さ 政権 づくり に 功績 が あった 伊東 氏 へ の 配慮 と 受け取ら れる の は 確実 」 と あって 、 首相 自ら 札幌 行き を 選択 した 。 同行 した 五十嵐 広三 官房 長官 は 「 聞いて いて 涙 が 出た 」 と 持ち上げた が 、 伊東 氏 に 厳しい 姿勢 を 示す こと で 「 新 会派 結成 で 政権 を 揺さぶる 新民連 を けん制 した 」 と の 見方 も 。 新進党 の 小沢 一郎 幹事 長 は 十四 日 午後 八 時 前 、 成田 空港 発 の ユナイテッド 航空 機 で 米国 ・ サンフランシスコ に 出発 した 。 小沢 氏 は 、 十五 日 に カリフォルニア 州 の リゾート 地 ペブル ・ ビーチ で 開か れる アジア ・ 太平洋 指導 者 円卓 会議 に 出席 する 。 会議 へ の 出席 は 、 旧知 の ブラドリー 上院 議員 や 同 大 名誉 教授 の アマコスト 前 駐 日 大使 、 シュルツ 元 国務 長官 の 招待 に よる もの で 、 アジア ・ 太平洋 地域 各国 の 閣僚 クラス の 政治 家 ら と 日本 の 政治 など に ついて 意見 交換 、 新進党 結成 の 意義 など に ついて アピール し たい 考え だ 。 新進党 結成 以来 、 初めて の 党 幹部 の 外国 訪問 で 、 十七 日 午後 帰国 する 。 社会党 の 久保 亘 書記 長 は 十四 日 、 鹿児島 市 内 で 開か れた 同 党 鹿児島 県 本部 執行 委員 会 で 、 山花 貞夫 ・ 新民連 会長 ら の 新 会派 結成 問題 に 関連 して 「 十六 日 に 東京 に 帰り 、 新 会派 へ の 参加 を 通告 した 議員 と 個別 の 話し合い を 始める 。 その うえ で 、 対応 を 考え たい 」 と 述べた 。 横路 孝弘 北海道 知事 は 十四 日 、 札幌 市 内 で の 村山 富市 首相 と の 会談 で 「 社会党 の 中央 が 分裂 した 時 に は 積み重ね が ある 。 道 民 の 期待 に 応えて いか なければ なら ない 」 と 述べ 、 社会党 が 分裂 した 場合 の 「 北海道 新党 」 結成 の 可能 性 に 公式 に 言及 した 。 総務 庁 は 十四 日 、 成人 の 日 を 前 に この 一 年間 に 新たに 成人 に 達した 人 が 二百一万 人 と の 推計 を 発表 した 。 新 成人 人口 は 一九八四 年 以降 、 丙午 の 影響 で 出生 が 減少 した 八七 年 を 除き 増加 傾向 に あった が 、 今年 は 昨年 比 五万 人 減 と なり 、 再び 減少 に 転じた 。 第 二 次 ベビー ブーム の ピーク だった 七三 年 生まれ が 昨年 新 成人 を 迎えた ため で 、 今後 新 成人 の 数 は 減り 続け 、 十 年 後 の 二〇〇五 年 に は 百五十万 人 を 下回る と み られる 。 「 沖縄 帰ら ず して 、 戦後 終わら ず 」 は 故 佐藤 栄作 首相 の 言葉 である 。 就任 間 も ない 一九六五 年 八 月 、 戦後 の 首相 と して 初めて 沖縄 の 土 を 踏んだ 時 の 第一声 だった 。 七二 年 の 沖縄 返還 と ともに 佐藤 政権 は 幕 を 閉じる 。 同 政権 は まさに 沖縄 に 始まり 沖縄 で 終わった 。 「 戦争 で 失った 国土 を 、 平和 裏 に 、 外交 交渉 で 取り戻す こと に 成功 した の は 政府 の 努力 と 全 国民 の 協力 に 負う もの である 」 と 琉球 新報 は 沖縄 返還 の 日 の 社説 に 書いた 。 返還 を 成し遂げた 佐藤 首相 の 粘り腰 は やがて ノーベル 平和 賞 を もって 評価 さ れる 。 が 、 光 に は 影 が つきまとう ように 、 栄光 の 裏 に 幾 つ か の 暗部 が あった 。 その 一 つ が 首相 の 抜け目 ない マスコミ 利用 と その 破たん だった 。 首相 は その 師 ・ 吉田 茂 氏 と 同様 マスコミ 嫌い だった 。 それ は 政権 最後に 露呈 する のだ が 、 しかし 一方 で 優れた マスコミ 操縦 家 だった 。 「 本土 並み 返還 」 と いう 言葉 の ムード で 事 の 本質 を 隠して しまった こと など は その 最たる もの である 。 ■ 佐藤 首相 の 戦略 佐藤 首相 が 「 核 付き 早期 返還 か 、 遅れて も 核 抜き か 」 の 二 者 択一 を 国民 に 突きつけた の は 、 六八 年 十一 月 だった 。 佐藤 三 選 阻止 を 叫んで 外 相 を 去った 三木 武夫 氏 と 論争 を 展開 、 翌 六九 年 一 月 末 の 施政 方針 演説 でも 同様の 考え を 示した 。 ところが 、 首相 は 国会 論戦 を 通じて 少しずつ 「 核 抜き 」 に 軸足 を 移して いく 。 国民 は その こと で ホッと する のだ が 、 それ こそ 国民 を 幻惑 さ せる 首相 の 戦略 だった 。 その 時 すでに 沖縄 へ の 核 兵器 配備 は 絶対 条件 で は なく なって いた から である 。 ライシャワー 元 駐 日 大使 が 六七 年 一 月 の 米誌 に 発表 した “ ライシャワー 三 原則 ” と いう の が ある 。 外務 省 が 当時 「 核 付き 返還 」 論 を しきりに 流した の も 、 この 論文 が 下敷き に なって いた 。 しかし その後 、 米国 は 中ソ対立 を にらんで 対 アジア 政策 を 転換 する 。 潜水 艦 発射 弾道 ミサイル の 改善 で 長 距離 爆撃 機 に 頼ら ず と も 核 の 傘 を 維持 できる 体制 も 整え つつ あった 。 ライシャワー 氏 は 六八 年 二 月 の 米 議会 で 「 この 地域 の 安全 は 、 沖縄 に 核 を 置か なくて も 可能 」 と 証言 して いる 。 三 原則 の うち 残る は 一 つ 、 日本 国民 の 防衛 認識 の 成熟 だった 。 佐藤 首相 は 二 者 択一 論 を 突きつける こと で 、 国民 の 核アレルギー に 挑戦 した 。 そして 「 本土 並み 」 を 小出し に する こと で 「 本土 並み と は 日 米 安保 下 の 日本 の こと 」 と 黙認 さ せ 、 国民 を 安保 肯定 論 に 誘った 。 その 「 安保 下 の 日本 」 と は 、 ずばり 「 本土 の 沖縄 化 」 だった 。 六九 年 十一 月 、 ワシントン で 日 米 首脳 会談 が 行わ れ 「 核 抜き 、 本土 並み 、 七二 年 返還 」 が 約束 さ れた 。 日本 の 新聞 が 喜び で 沸き返って いる とき 、 ニューヨーク ・ タイムズ 紙 は 二十二 日 「 在 日 米軍 基地 の 使用 制限 が 沖縄 協定 で 緩め られた 」 と の 見出し で 次 の ように 報じた 。 「 沖縄 の 日本 返還 の 基本 条件 に 、 比較的 自由な 在 沖 米軍 の 利用 規定 が 含ま れて いる 。 この 規定 は 日本 本土 の 米軍 の 展開 に も 適用 さ れる だろう 。 これ まで の 在 日 米軍 の 出動 は 同国 を 防衛 する とき だけ に 限ら れて いた 」 この 報道 は 翌 七〇 年 一 月 、 国務 省 高官 の 米 議会 秘密 聴聞 会 証言 で 裏付け られる 。 同 八 月 に その 内容 が 漏れる が 、 九 月 の 日 米 外 相 会談 で うやむやに して しまう 。 「 本土 並み 」 の あいまいな 用語 に 、 日本 の 大半 の マスコミ は ほんろう さ れた のだった 。 佐藤 首相 は 返還 交渉 を 側近 で 固め 、 役所 に かん口令 を 敷いて マスコミ を 手玉 に とった 。 交渉 過程 で さまざまな 裏 取引 が 行わ れた が 、 情報 は うわさ の 域 を 出 なかった 。 特殊 部隊 の 居残り 、 VOA の 存続 、 対 米 請求 権 の うやむや ―― が それ だった 。 ところが 上手の 手 から 水 が 漏れた 。 外務 省 から 極秘 電 が 漏れた のである 。 それ は 米国 が 沖縄 の 地主 に 支払う 見舞 金 四百万 ドル は 、 日本 側 が 肩代わり する こと を 約束 して いた 。 対 米 請求 権 を めぐる 不透明な うわさ を 証拠づけて いた 。 七二 年 三 月 二十七 日 、 この 機密 電 が 国会 で 横路 孝弘 衆院 議員 に よって 暴露 さ れる 。 佐藤 首相 は 激怒 、 外務 省 は 慌てふためいた 。 うそ が ばれた こと より 、 機密 電 が 漏れた こと に 、 だった 。 首相 は 同 省 に 徹底 調査 を 厳命 した 。 ■ 知る 権利 の 攻防 犯人 は 外務 審議 官 付 の 女性 秘書 だった 。 彼女 は 親しい 毎日新聞 の 西山 太吉 記者 に 手渡し 、 それ が 横路 氏 に 流れた 。 女性 秘書 と 西山 記者 は 国家 公務 員 法 違反 で 逮捕 さ れた 。 世論 は 沸騰 した 。 政府 が 一方的に 機密 と した こと を 取材 ・ 報道 した だけ で 逮捕 さ れる ようで は 国民 の 「 知る 権利 」 は どう なる の か 。 毎日新聞 は 四 月 五 、 七 の 両日 「 記者 逮捕 は 知る 権利 の 侵害 」 「 報道 の 自由 は 民主 政治 の 基本 」 と の 社説 を 掲げて 政府 を 攻撃 した 。 朝日新聞 も 「 国 の 『 機密 』 と は なに か 」 「 民主 主義 に 挑戦 する 佐藤 首相 」 と 同調 、 読売 新聞 も 「 知る 権利 は 議会 民主 制 の 根幹 」 「 国民 の 知る 権利 と 国家 機密 」 と 砲列 を そろえた 。 が 、 同 十五 日 、 二 人 が 起訴 さ れた 段階 から 世論 の 空気 は 微妙に 変わる 。 起訴 状 の 中 の 「 ホテル に 誘って 、 情 を 通じた あげく 」 と いう 文言 の せい だった 。 女性 秘書 は 人妻 だった 。 西山 記者 も 妻子 が いた 。 週刊 誌 の 興味 を そそる 話題 が 、 そこ に あった 。 毎日新聞 は 同日 夕刊 で 「 取材 に 当たって は 、 道義 的に 遺憾な 点 が あった 」 と 「 本社 見解 と おわび 」 を 掲載 した 。 知る 権利 の 闘争 意識 は 起訴 を 境 に 、 うそ の ように 引いて いった 。 佐藤 政権 の 作戦 勝ち だった 。 二 人 は 有罪 判決 を 受けた 。 女性 秘書 は 依願 免 、 西山 記者 は ペン を 折った 。 何事 も なかった ように 沖縄 返還 は 完了 した 。 外務 省 幹部 は 一時的な 処分 を 受けた もの の 栄達 を 極めた 。 が 、 佐藤 首相 は 退陣 記者 会見 で 、 「 テレビ は どこ だ 。 新聞 は 出て いけ 」 と わめいて 醜態 を さらす 。 マスコミ 操縦 に たけた 首相 も 最後に 、 とうとう 本音 を 現した 。 「 いま の 成人 式 は 、 いまだに 成人 に なりきって い ない 人 の 集い 。 大人 に なった こと を 祝う 式 に なって い ない 」 と 町澤 さん は 言う 。 どこ の 民族 に も 昔 から 大人 に なる ため の 通過 儀礼 が あった 。 日本 に も 、 かつて は 各地 に 若者 宿 など 大人 に なる ため の 生活 上 の 知恵 や 技術 を 教える 場 が あった 。 いま 、 それ が ない 。 生活 が 便利に なる 中 で 、 むしろ 成熟 し たく ない 若者 が 増えて いる 、 と 町澤 さん は 指摘 する のだ 。 一方 、 片岡 さん は 音楽 活動 など を 通じて 出会った 若者 を 見て いて 、 感性 の 豊か さ や 、 国境 を 超えて 他人 の ため に 尽くす 生き 方 に 感心 する 。 そして 「 テクノロジー を 使いこなして 新しい 文化 と 社会 を 築く 担い手 に なる だろう 」 と 高く 評価 する 。 二 人 の 指摘 は 、 今日 の 科学 技術 文明 社会 に 生きる 若者 の 姿 を 明 と 暗 の 両面 から 浮き彫り に して いる 。 その 「 暗 」 の 部分 を できる だけ 減らし 、 「 明 」 の 部分 を 育て 伸ばして いく こと が 、 私 たち 大人 に 求め られよう 。 「 暗 」 を つくり出して いる の は 、 町澤 さん に よれば 、 少子 化 に よる 母子 密着 であり 、 子ども 時代 の 集団 遊び の 不足 など だ 。 これ ら は 条件 整備 や 教育 の 力 で 解決 は 可能であろう 。 「 明 」 の 部分 を 育てる に は 、 大人 たち が 、 若者 の 言動 を 理解 し 、 言い分 に 耳 を 傾け 、 支援 して やる ことだ 。 片岡 さん が 指摘 した ように 、 いま の 若者 の 中 に は 、 管理 社会 に 人間 性 を からめ取ら れる こと を 拒否 して 、 ボランティア 活動 や 、 人権 ・ 平和 の ため に 尽くす 者 が 増えて いる の は 確かだ 。 そこ に 注目 し たい 。 こうした 若者 の 生き 方 が 、 これ まで の 経済 至上 主義 の 社会 を 、 人間 性 重視 の 価値 観 に 基づいた 新しい 社会 システム に 変えて いく 可能 性 を 秘めて いる ので は ない か 、 と 私 は 思う のだ 。 いつ の 時代 でも 、 若者 は 未来 を 指し示す 「 進取 性 」 を 持って いる 一方 で 「 病理 」 を 抱えて いる 。 その 病理 は 社会 の ゆがみ の 反映 で も あろう 。 さて 、 平成 の 若者 は 、 どのような 両面 を 持って いる のだろう か 。 「 成人 の 日 」 に あたり 、 詩人 に 「 明 」 を 、 精神 医学 者 に 「 暗 」 を 語って もらった 。 街角 で 、 見知らぬ 若者 から 神 や 幸福 、 祈り に ついて 話しかけ られる こと が ある 。 先日 の こと 。 「 幸せ の ため 祈り を 」 の 言葉 に 、 六十 歳 前後 の 男性 が 怒り出した 。 「 バカに する な 。 その ため 働き 続け で 苦労 して きた 。 君 も 若い の に もっと 働け 」 。 祈る か 汗して 働く か 。 どちら も まじめ だけ に 、 平行 線 が 続いた 。 新しい 宗教 が 若者 の 関心 を 呼んで いる 。 宗教 で は ない が 臨死 状態 や 前世 を 体験 さ せる と いう 講座 も 大 はやり だ 。 身体 から 抜け出た 自分 が 、 自分 を 眺めて いる 。 そんな 状態 は 、 伝統 宗教 の 決死 の 荒行 や 、 チベット 仏教 の 激しい 修行 でも 生じる こと が 報告 さ れて いる 。 しかし 、 いま 流行 の 霊 体験 は まことに インスタント 。 一種 の 催眠 療法 の ほか 、 ハイテク で 音楽 や 光 を 駆使 する 例 も ある 。 「 何となく 行き詰まって 」 など 、 軽い 気持ち の 受講 も 目立つ と いう 。 しかし 突き詰める と 、 宗教 であれ 霊 体験 であれ 、 寄って くる 若者 に 共通 する の は 「 心 の 豊か さ 、 安定 」 へ の 願い だろう 。 時代 の ニーズ が 生む 新しい 「 教え 」 。 食べる 苦労 は ない が 、 心 満たさ れ ぬ 若者 たち の 姿 が 見えて くる 。 動機 や 手段 が 軽くて も 、 入る と 驚く ほど の 熱心 さ を 発揮 し 、 心配 する 家族 や 周囲 と の 間 に 摩擦 も 生じる 。 祈る 暇 など ない 、 食べる ため 懸命に 働き 、 幸せ を つかんだ 。 そんな 思い の 中高年 世代 と 、 熱心な 若者 信徒 の 街角 で の 出会い 。 幸せ の イメージ も 違う 。 議論 の 平行 線 は 続き そうだ 。 「 まだ 大学生 の ように フレッシュ 」 と 言わ れる 童顔 と 、 他人 に 警戒 心 を 抱か せ ない ような 柔らかな 語り口 が 、 この 若々しい 男 の 最大 の 武器 だ 。 ラルフ ・ リード 氏 。 共和党 保守 派 最強 の 集 票 マシン と いわ れる 「 クリスチャン ・ コアリション 」 の リーダー と して 、 昨年 の 中間 選挙 を 踏み台 に 反 リベラル 運動 の 最 前線 に 躍り出て きた 。 タイム 誌 の 年 末 特集 で は 、 将来 の 米国 の 指導 者 五十 人 の 一 人 に 選ば れて いる 。 キリスト教 の 国 である 米 でも 、 宗教 活動 に 熱心な 人々 は これ まで 政治 の 世界 で は 異端 視 さ れる こと が 多かった 。 神学 的 価値 観 を 持ち込む ので は 、 と 警戒 さ れた ため だ 。 しかし 、 リード 氏 は 「 日曜日 に 欠かさ ず 教会 に 行き 、 毎日 聖書 を 読んで 暮らして いる 人間 が 、 なぜ 二 級 市民 に 甘んじ なければ なら ない の か 」 と 声 を 上げる 。 米 政治 の 異端 から 主流 へ と 歩 を 進める こと 。 それ が 、 発足 して 六 年 の キリスト 教徒 連合 の 原点 だ 。 学生 時代 から 共和党 候補 の 選挙 を 応援 して きた リード 氏 だ が 、 一九八九 年 一 月 、 ブッシュ 大統領 就任 パーティー で テレビ 伝道 師 の パット ・ ロバートソン 氏 と 偶然 隣り合わせ と なり 、 チャンス を つかんだ 。 ロバートソン 氏 から キリスト 教徒 連合 設立 の 話 を 聞き 、 事務 局長 役 を 頼ま れる 。 若い リード 氏 を 前面 に 押し立て 、 単なる 宗教 組織 から 一般 政治 組織 へ と イメージ チェンジ を 図る の が 狙い だった 。 発足 当初 の 会員 二十五万 人 を 百五十万 人 に 急 成長 さ せた 原動力 が 「 倫理 より 現実 重視 」 と いう リード 氏 の 路線 に あった こと は 間違い ない 。 中絶 や 同性 愛 反対 と いった キリスト教 的 倫理 観 を 基本 に 据え ながら も 、 強制 や 押しつけ は やめ 、 むしろ 財政 赤字 削減 や 犯罪 防止 など を 主要 政策 に 掲げて きた 。 中間 選挙 で は 上院 選 で オリバー ・ ノース 候補 を 担いで 勝利 の 手前 まで いき 、 キリスト 教徒 連合 は 今 、 共和党 固定 支持 票 の 三 分 の 一 を 占める に 至った と さえ いわ れる 。 共和党 支配 の 議会 が 開幕 した 年明け 早々 、 リード 氏 は 「 クリントン 大統領 は 我々 の まともな 相手 で は なく なった 。 彼 に は 米国 民 に 争点 を 示す 力 は もう 残って い ない 」 と 言い切った 。 躍進 の 自信 が 「 有権者 は もはや 我々 へ の 偏見 を 捨てた 」 と の 言葉 に 表れて いる 。 リード 氏 は 、 次の 目標 は 黒人 層 の 取り込み だ と 言う 。 保守 的 白人 だけ を 基盤 に した 組織 は 、 やがて 行き詰まる から だ 。 「 家族 の きずな など 伝統 的 価値 へ の 願望 は むしろ 黒人 に 強い 」 。 奴隷 廃止 を 唱えた 共和党 が ニューディール の 民主党 に 黒人 層 を 奪わ れた 歴史 を 、 再び 逆転 さ せよう と 野心 を 燃やす 。 米国 民 に は 、 キリスト 教徒 連合 を 「 国民 を 憲法 で なく 宗教 で 色分け する 組織 」 と して 遠ざける 空気 が まだ 強い 。 これ に 対し 、 リード 氏 は 各地 の 教育 委員 会 など に 候補 者 を 送り込み 、 支持 を 浸透 さ せる 戦略 を 描く 。 新しい 「 米国 の 草 の 根 」 を 作り 出せる か どう か 。 リード 氏 は 時間 を かけ ながら 、 夢 の 実現 を 待つ 構え だ 。 カンボジア の 反 政府 組織 ポル ・ ポト 派 を 非合法 化 する 法律 が きょう 十五 日 、 発効 する 。 一九九一 年 の パリ 協定 以来 、 わずかに 開いて いた 同派 と の 「 話し合い 和解 」 の 道 は 完全に ふさが れる 。 一 度 は 政権 を 樹立 し 、 虐殺 の 暗い 過去 を 持ち ながら も 、 勢力 を 保持 し 続けて きた 同派 も かつて の 勢い は なく 、 山岳 地帯 の 少数 ゲリラ 勢力 に 追い込ま れて いく 。 同法 は 昨年 七 月 、 カンボジア 国会 で 可決 さ れた 。 ポル ・ ポト 派 を 非合法 団体 と 認定 。 兵士 や 構成 員 は 国家 転覆 、 破壊 活動 扇動 行為 など の 取り締まり 対象 と なる ほか 、 国 内 外 の 同派 資産 は 凍結 さ れる 。 政府 は 同法 に 反対 する シアヌーク 国王 の 顔 を 立てて 、 指導 者 を 除く 兵士 、 構成 員 に 対し 、 六 カ月間 の 投降 猶予 期間 を 設置 して きた 。 しかし 、 発効 後 は 恩赦 を 除き 降伏 や 帰順 の 道 しか 残さ れ ない こと に なる 。 これ に 対し 、 ポル ・ ポト 派 は 法案 可決 後 、 キュー ・ サムファン 議長 を 中心 と する 「 救国 暫定 政府 」 の 樹立 を 発表 した 。 しかし 、 国民 の 支持 は 得 られ ず 、 逆に 内部 から の 投降 が 始まった 。 政府 に よる と 、 昨年 以来 の 投降 兵士 ・ 民兵 数 は 五千 人 を 数え 、 家族 を 含める と 一万 人 。 今月 に 入って も 百 人 単位 の 投降 が 続き 、 組織 力 は 半減 以下 に なって いる 。 一方 、 シアヌーク 国王 も 今月 五 日 に 北京 から 帰国 、 政府 首脳 と の 会談 を 繰り返して いる が 、 「 国王 が 投降 猶予 期間 延長 を 提案 した の に 対し 、 フン ・ セン 第 二 首相 が 拒否 して いる 」 と いう 。 ポル ・ ポト 派 は 一昨年 実施 さ れた 国連 カンボジア 暫定 統治 機構 主宰 の 選挙 に 不 参加 を 表明 。 シアヌーク 国王 派 や ソン ・ サン 派 と も たも と を わかち 、 国民 和解 を 模索 する 道 から 離脱 した 。 中核 部隊 は 依然 、 一枚岩 と 見 られる が 、 ポル ・ ポト 氏 ら 老 幹部 が 実権 を 堅持 する 同派 へ の 国民 の 反発 は 根強く 、 「 ポル ・ ポト 派 の 歴史 は 終局 に 向かい つつ ある 」 と の 声 が 強い 。 インドシナ 共産党 の 流れ を 受け 、 1963 年 発足 した カンボジア 共産党 を 前身 と する 武装 組織 。 ポル ・ ポト 氏 が 書記 長 に 就任 して 以降 、 民族 主義 色 を 強め 、 76 年 に は 民主 カンボジア 政府 を 樹立 。 政権 時代 に は 約 200万 の 人々 が 虐殺 さ れた と さ れる 。 79 年 の ベトナム の 侵攻 以後 は 武装 抵抗 闘争 を 展開 。 91 年 に パリ 和平 協定 に 調印 した が 、 国連 主宰 の 選挙 から は 離脱 した 。 チェチェン 共和 国 に 隣接 する グルジア で 13 日 、 キトバニ 元 国防 相 ら の 武装 勢力 が 、 同国 から の 独立 を 主張 する アブハジア 自治 共和 国 に 対し 武力 介入 の 動き に 出た が 、 シェワルナゼ 最高 会議 議長 の 反対で 阻止 さ れた 。 フィリピン を 訪問 中 の ローマ 法王 ヨハネ ・ パウロ 二 世 は 十四 日 、 マニラ が ローマ ・ カトリック教会 の 大 司教 管区 に 昇格 して から 四百 周年 を 記念 する ミサ を 催した 。 法王 の 訪 比 後 初 の 野外 ミサ と あって 、 全国 から 百万 人 近い 信者 が 出席 、 国際 会議 場 広場 の 会場 に は 入り きれ ない 信者 が 近く の 大通り に あふれ 、 車 が 大 渋滞 する 騒ぎ に なった ミサ に は プロテスタント の ラモス 比 大統領 も 出席 、 国民 の 熱い カトリック 信仰 に 配慮 を 見せた 。 ボスニア・ヘルツェゴビナ から の 報道 に よる と 、 同国 紛争 各派 が 11 日 に 調印 した 合意 に 基づき 、 セルビア 人 勢力 は 14 日 、 首都 サラエボ へ の 補給 路 封鎖 を 解除 した 。 ベルルスコーニ 政権 の 国庫 相 から 、 戦後 イタリア 五十四 代 目 の 首相 に 転身 する こと に なった ディーニ 氏 は 十四 日 、 組閣 に 向けた 各 政党 と の 協議 に 入った 。 ディーニ 氏 は 特に 経済 閣僚 に ついて は 、 政党 人 で は なく 実務 専門 家 の 抜てき を 明らかに して いる ため 、 協議 で は 閣僚 人事 を めぐって の 各 政党 間 の “ 綱引き ” も し烈 を 極め つつ ある 。 ディーニ 氏 は イタリア 中銀 出身 の 経済 通 だけ に 財界 ・ 金融 界 は おしなべて 好感 を 寄せて いる 。 十四 日 の 有力 各紙 も 、 これ まで の 政治 腐敗 に ほとほと うんざり して いた こと も あって 、 同氏 の クリーンな 人柄 を たたえて いる 。 しかし 、 政界 の 受け止め 方 は 複雑だ 。 新 政権 は ベルルスコーニ 政権 崩壊 の いきさつ から 極右 の 「 国民 同盟 」 から 旧 共産党 の 「 左翼 民主党 」 まで を 含めた 国民 連合 戦線 型 に なら ざる を 得 ない 。 この ため 、 「 国民 同盟 」 の フィニ 書記 長 は 早くも 「 コミュニスト の 政権 参加 に は 絶対 反対 する 」 と けん制 。 さらに ディーニ 氏 に 近い ベルルスコーニ 氏 が 党首 を 務める 「 フォルツァ ・ イタリア 」 の 首脳 は 「 外交 の 継続 から 外 相 は フォルツァ ・ イタリア が 担当 す べきだ 」 と 主張 する など 、 各 政党 の 人事 の 売り込み が 過熱 して おり 、 組閣 工作 は 波乱 含み の 出だし と なった 。 ソマリア の 首都 モガディシオ で 援助 活動 を 続ける 国連 機関 や 非 政府 組織 は 十三 日 、 すべて の 活動 を 停止 した 。 フランス の 援助 団体 員 一 人 が 誘拐 さ れて いる こと に 伴う 措置 で 、 活動 停止 は 釈放 まで 続け られる 。 モガディシオ から の 報道 に よる と 、 誘拐 さ れて いる の は 仏 の 援助 団体 「 国際 反 飢餓 行動 」 の ルディー ・ マーク さん 。 昨年 十二 月 十七 日 に 路上 で 誘拐 さ れ 、 以来 一 カ月 近く 拘束 さ れて いる 。 犯人 側 は 「 八 カ月 前 に 殺害 さ れた 息子 と 盗難 車 の 補償 金 」 と して 約 五百二十万 円 相当 を 要求 して いる が 、 同 団体 は マーク さん の かかわり を 否定 して いる 。 ノンフィクションライター 、 久田 恵 さん の 「 フィリッピーナ を 愛した 男 たち 」 が ひところ 日本 で 話題 に なった 。 日本 に 出稼ぎ に 来た フィリピン 人 女性 に 魅了 さ れた 日本 人 男性 の 悲喜 こもごも を 描いた 作品 だ が 、 日 比 の 国際 結婚 は その後 も 激増 。 在 比 日本 大使 館 に よる と 、 フィリピン 人 と 結婚 する 日本 人 へ の 婚姻 関係 書類 の 発行 は 、 昨年 も 一昨年 に 続き 、 五千 件 を 突破 した 。 その カップル の 九 割 以上 は 日本 人 男性 と フィリピン 人 女性 の 組み合わせ 。 しかし 、 その 逆 、 フィリピン 人 男性 と 日本 人 女性 の カップル も マニラ で は 少なく ない 。 「 フィリピーノ を 愛した 女 たち 」 。 自分 たち の こと を そう 呼ぶ 日本 人 女性 十 人 の 集い が 、 この ほど マニラ の 飲食 店 で 開か れた 。 フィリピン 人 の 夫 も 同伴 した が 、 いずれ も 優しく 、 妻 に 献身 的 。 妻 の 行き たい 所 なら 、 どこ に でも 車 を 運転 して 送り届ける 。 炊事 はじめ 家事 の 手伝い も い とわ ない 。 そして 、 おおむね 日本 語 が 達者で 、 逆の 組み合わせ の カップル に 比べ 、 全般 に 意思 の 疎通 が より スムーズな ように 見えた 。 その 一方 で 夫 の 収入 だけ で は 家計 を 支え 切れ ない カップル が 多い 。 この ため 女性 たち は 在留 邦人 相手 の 日本 食 販売 、 日本 人 旅行 者 の ガイド など 、 ほぼ 例外 なく 働いて いる 。 英語 、 フィリピノ 語 は もちろん 、 中国 系 の 家庭 に 嫁いだ 女性 は 中国 語 も 操り 、 たくましい 生活 力 の 持ち主 ばかり 。 日本 の 若い 女性 の 間 で は 、 高 学歴 、 高 収入 、 高 身長 の 「 三 高 」 の 男性 が 人気 らしい が 、 「 フィリピーノ を 愛した 女 たち 」 は 、 「 三 高 」 と は 別の もの を 求めて いる ので は ない か ―― 。 アルジェリア の 軍事 政権 打倒 に 向け ローマ で 協議 して いた 同国 の 八 反 政府 組織 は 十三 日 、 反 政府 組織 を 統一 して 民主 主義 政権 樹立 を 目指す こと を うたった 「 共同 平和 文書 」 に 調印 した 。 この 合同 協議 に は アルジェリア 軍事 政権 下 で 非合法 化 さ れて いる イスラム 救国 戦線 など 、 ほぼ すべて の 反 政府 組織 が 結集 した 。 調印 さ れた 文書 は 、 「 民主 主義 選挙 実現 に 向けた 広範囲な 過渡 的 暫定 政権 実現 の ため 、 現 政府 と 直ちに 交渉 に 入る 用意 が ある 」 と し 、 今後 は 八 反 政府 組織 が 統一 して 現 軍事 政権 に 働きかけて いく こと に なった 。 これ まで ザイール 領 内 に 亡命 して いる ルワンダ 旧 政府 軍 を 支援 して きた フランス 政府 が 十二 日 、 「 今後 は ルワンダ 国 内 の 新 政権 へ の 支援 を 進める 」 と 方針 転換 を 発表 した 。 パリ から の 報道 に よる と 、 昨年 末 就任 した デブレ 対外 協力 相 は 「 ルワンダ へ の 完全な 政策 転換 を 進める 。 ルワンダ と の 正式 国交 を 樹立 、 大使 館 を 再開 し 、 民間 援助 も 増額 する 」 と 述べた 。 13 日 の 新華社 電 に よる と 、 1979 年 の 中 越 戦争 の 時 に 仕掛け られた 地雷 を 除去 する ため 、 中国 人民 解放 軍 が 広西 チワン族 自治 区 の ベトナム 国境 地帯 で 進めて いた 「 地雷 処理 作戦 」 が 終了 、 対人 地雷 から 対戦 車 地雷 まで 70万 個 以上 を 処理 した 。 米 クライスラー 社 に よる 小型 車 「 ネオン 」 の 対 日 輸出 計画 が 順調に 進行 して いる 。 右 ハンドル 型 の 試作 車 が この ほど 完成 、 同社 は 一九九六 モデル 年度 型 を 来年 から 日本 で 発売 する 予定 だ 。 ネオン は 日本 車 キラー の 異名 を 持つ 。 通貨 ペソ の 急落 で メキシコ 政府 が 邦 銀 四 行 に 一行 二億 ドル 、 総額 で 八億 ドル の 支援 を 求めて きた 問題 で 、 都 銀 上位 四 行 を 加え 八 行 と し 、 支援 額 を 一行 一億 ドル に 軽減 する 方向 で 調整 が 進め られて いる こと が 十四 日 、 明らかに なった 。 メキシコ へ の 包括 的 支援 百八十億 ドル の うち 、 国際 銀行 団 は 三十億 ドル を 分担 する 計画 。 邦 銀 に は 、 銀行 団 の 幹事 役 の 米 シティ バンク が 東京 、 富士 、 住友 、 日本 興業 の 四 行 に 支援 を 要請 して いる が 、 各 行 は 回答 を 保留 して いる 。 四 行 から 八 行 へ の 拡大 で は 、 三和 、 三菱 、 第一勧業 、 さくら の 四 行 の 名前 が 挙がって いる 。 「 不況 に 強い 」 パチンコ 業界 が 注目 さ れて いる 。 一九九三 年 の 売上高 は 十七兆五千億 円 。 チェーンストア に 匹敵 する 成長 産業 だ 。 プリペイドカード や 半導体 など 、 関連 産業 が 幅広く 、 換金 合法 化 の 追い風 を 受け 、 大手 スーパー など の 異 業種 が 参入 し つつ ある 。 十七兆 円 余 は 通産 省 の 外郭 団体 の 余暇 開発 センター が 「 レジャー 白書 」 で 明らかに した 「 貸玉料 」 の 数字 で 、 機械 類 は 含ま れ ない 。 個人 消費 の 約 六 % 、 競馬 など 他の ギャンブル を 合計 した 九兆三千六百億 円 を 軽く 上回り 、 二〇一〇 年 に は 二十四兆 円 まで 拡大 する と 予想 して いる 。 警察 庁 など に よる と 、 九三 年 末 の パチンコ ホール 数 は 一万七千二百四十二 店 、 企業 数 で 約 七千 、 就労 人口 は 二十万 ― 三十万 人 。 所得 の 申告 漏れ で は 十 年 連続 トップ の 業界 だ が 、 産業 と して 認知 しよう と の 動き も 出て いる 。 昨年 十 月 に は 警察 庁 生活 安全 局長 の 私的 勉強 会 が 、 景品 買い取り の 第三者 機関 設置 を 条件 に 、 景品 の 換金 を 認める 報告 書 を まとめた 。 売り上げ 透明 化 に つながる プリペイドカード の 導入 店 も 二 割 近い 。 同 業界 に は 東武 鉄道 や 京成 電鉄 、 バス 会社 など が 参入 、 最近 に なって 西友 系 の アミューズメント 会社 が 千葉 県 松戸 市 で パチンコ 業 を 開始 した 。 ホール 経営 そのもの で は ない が 、 商社 や 電機 大手 は カード システム や 液晶 表示 、 両替 機 など の 分野 に 力 を 入れて いる 。 パチンコ 機械 メーカー の 平和 は 東 証 二 部 上場 、 SANKYO は 九四 年 三 月 に 店頭 から 東 証 二 部 に 昇格 する 見通し だ 。 ホール で は 、 九一 年 九 月 、 オータ など 、 株式 公開 を 目指す 大手 六 社 が 遊技 業 株式 公開 準備 協議 会 を 結成 。 野村 証券 系 の 日本 合同 ファイナンス が 出資 したり 、 山一 、 日興 、 三洋 など の 大手 、 準 大手 証券 は 同 業界 に ついて の リポート を まとめた 。 ヘーゼルタイン 英 貿易 産業 相 は 二十八 日 から 一 週間 、 日本 を 訪問 する 。 村山 富市 首相 や 橋本 竜太郎 通産 相 、 武村 正義 蔵 相 ら と 会談 し 、 日本 へ の 輸出 、 投資 の 拡大 を 求める 。 ケーブル ・ アンド ・ ワイヤレス の ロード ・ ヤング 会長 ら 経済 人 五十 人 が 同行 し 、 官民 挙げて の 売り込み 作戦 だ 。 英 政府 は 昨年 四 月 から 、 対 日 輸出 促進 の 「 アクション ・ ジャパン ・ キャンペーン 」 を 実施 して いる 。 一九八八 年 に 始めた 三 年 計画 の 三 回 目 。 九三 年 に 二十六億 ポンド だった 輸出 額 を 、 九六 年 まで に 三十五億 ポンド に 拡大 する の が 目標 だ 。 「 目 に 見える 成果 が 必要 」 。 貿易 産業 省 の 担当 者 は 最近 この 言葉 を 頻繁に 使い 始めた 。 この 言葉 に は 聞き覚え が ある 。 日 米 交渉 で 米国 が 何度 と なく 使った 言葉 だ 。 結果 重視 は 米国 の 専売 特許 だった はずだ が 、 訪 日 が 迫る に つれて 、 具体 的 成果 を 求める 英国 側 の 気持ち は 強まる ばかり 。 日 英 関係 は 良好だった はずだ 。 しかし 、 英国 の 姿勢 が 変わり 始めて いる 、 と 指摘 する 日本 側 関係 者 は 多い 。 米国 と 違って 良好な 関係 を 保って みた もの の 、 米国 の ように 日本 たたき を し ない と 効果 が ない 、 と 英 政府 が 考え 始めた ので は ない だろう か 。 貿易 産業 省 は 、 対 日 キャンペーン で 金 を 使い ながら 成果 が 上がって い ない 、 と 英国 内 で 批判 に さらさ れて いる 。 産業 界 から の 突き上げ も ある と いう 。 外圧 を 嫌った 英国 が 柔軟 路線 を 捨て 、 外圧 に 走る か どう か は 、 日本 の 対応 次第 だ 。 東京 株式 市場 の 今後 の 動向 の 決め手 と なる 外国 人 投資 家 。 その 資金 源 と して 気 に なる 今年 の ニューヨーク 市況 に ついて 「 経験 則 から 言って 強気 相場 と なる ので 大丈夫 」 と の 市場 関係 者 に とって 頼もしい リポート を 日興 リサーチ が まとめた 。 それ に よる と 、 ニューヨーク 株式 市場 の 歴史 を ひもとく と 、 過去 110 年間 、 11 回 あった 5 で 終わる 年 に 、 株価 は 1 度 の 例外 も なく 、 上昇 トレンド に あった と いう 。 「 どうして 5 の 年 に 高い か は わから ない が 、 とにかく 1995 年 の NY は 堅調 」 と いう 。 もう 一 つ の 理由 は 「 米国 の 株価 は 中間 選挙 の 年 に 底 と なり 、 翌年 は 大幅に 上昇 する 」 と の 経験 則 。 さらに 「 第 2 次 大戦 後 、 過去 12 回 あった 弱気 相場 の 持続 平均 は 10 カ月 。 ニューヨーク ・ ダウ平均 は 昨年 1 月 末 の 3978 ドル を ピーク に 弱気 相場 に 入って おり 、 今月 で 12 カ月 目 。 今後 二 段 底 が あった と して も 近い 将来 に は 上昇 する 」 と 、 なにがなんでも 上昇 する データ を 100 年 以上 さかのぼって 集め まくった 情熱 に 拍手 。 清涼 飲料 用 など の 新 タイプ の スチール 缶 が 、 生産 を 伸ばし つつ ある 。 缶 の 内側 と 外側 に 樹脂 フィルム を 張った 「 TULC 缶 」 と 呼ば れる もの で 、 缶 の 底 が 銀色 で は なく 白い の が 特徴 。 フィルム の おかげ で 缶 の “ 鉄 臭 さ ” が 飲料 に 移ら ない ため 、 味 や 香り を 特に 重視 する 緑茶 や 紅茶 で 需要 が 拡大 。 製缶 過程 で 水 を あまり 使わ ない ので 廃棄 物 が 減り 、 環境 に も 優しい と いう 。 アルミ 缶 と シェア を 競って いる スチール 缶 に とって 、 TULC 缶 は 強い 武器 に なって きた 。 「 TULC 缶 」 は 東洋 製罐 が 開発 、 一九九二 年 に 本格 製造 を 始めた 。 帝人 が 供給 する ポリエステルフィルム を 、 新 日本 製鉄 など で 鉄 に 張り付け 、 東洋 製罐 で 缶 に 成型 する 。 採用 さ れて いる の は 、 日本 コカ・コーラ 系 ボトラー が 扱う コーラ の 一部 や 伊藤園 、 サッポロビール など の 緑茶 、 サントリー の 「 モルツ 」 ビール の 一部 など 。 業界 に よる と 、 TULC 缶 は 九二 年 の 生産 が 二億 缶 強 だった が 、 九四 年 は 十数億 缶 と 推定 さ れ 、 国 内 飲料 缶 市場 の 五 % 前後 まで 拡大 する と み られる 。 国 内 の 飲料 缶 市場 は 、 スチール 缶 が 三 分 の 二 で 、 残り 三 分 の 一 が アルミ 缶 。 主力 商品 別 で は 、 コーヒー 飲料 の ほとんど が スチール 缶 、 ビール の ほとんど が アルミ 缶 で 占め られて いる 。 通産 省 は 十四 日 、 NEC 、 東芝 、 松下 電器 産業 など 電機 メーカー 七 社 と 共同 で 、 デジタル ・ ビデオディスク 関連 の ソフトウエア 開発 の ため の 研究会 社 「 デジタル ・ ビジョン ・ ラボラトリーズ 」 を 三 月 末 に 設立 する こと を 明らかに した 。 神奈川 県 平塚 市 の 平塚 農業 高校 の 生徒 たち が 、 てんぷら など 台所 から 出る 使い古し の “ 廃 食油 ” を 使った 肥料 作り に 三 年 がかり で 成功 した 。 学校 の 畑 で ダイコン や ハクサイ など を 栽培 した 結果 、 市販 の 肥料 と 大差 ない 成果 も 得 られた 。 廃 食油 の 再 利用 は これ まで せっけん 作り が 中心 だった が 、 最近 で は ディーゼル車 の 燃料 も 注目 を 浴びて いる 。 廃 食油 を 肥料 に 変身 さ せる 試み に 挑んだ の は 平塚 農高 の 園芸 科学 班 十八 人 と 教諭 の 松山 明彦 さん 。 「 水質 汚染 の 一因 に なって いる 廃 食油 を 家庭 で もっと 簡単に 再 利用 する 方法 は ない の か 」 。 生ごみ に 含ま れる 油 も 、 たい肥 に して 土 に 返せば 、 肥料 に なる こと に ヒント を 得て 、 肥料 化 の 実験 を 始めた 。 最初 は 廃 食油 と 米ぬか を 混ぜた あと イースト菌 で 分解 さ せる 試み を 行った が 、 温度 管理 が 難しくて 失敗 。 米ぬか と 油 の 混合比 率 を 変え ながら 、 市販 の 生ごみ 分解 微 生物 など を 加えて 実験 した 結果 、 油 百ミリ リットル に 米ぬか 二百五十 グラム と 少量 の 重曹 を 混ぜて 発酵 さ せた あと 、 砂 を 加えて 生ごみ 分解 用 の 微 生物 を 入れて やる と 、 さらさら した 肥料 に なる こと が 分かった 。 この 方法 は 家庭 でも できる 。 米ぬか と 油 の 混合 発酵 物 と 同量 の 砂 を ポリ袋 など に 入れて 、 市販 の 生ごみ 分解 用 微 生物 を 少量 加え 、 約 三○ 度 の 部屋 に 約 一 カ月間 置く と 油 かす 肥料 に なる 。 市販 の 化学 肥料 に 比べ 、 窒素 分 は 少ない が 、 リン 、 カリウム は 同じ くらい 含ま れて いる 。 同 高校 で ダイコン 、 ハクサイ 、 ナス 、 モロヘイヤ など を 栽培 した 結果 、 市販 の 化学 肥料 と 大差 ない 成果 が あった 。 一 年 から 実験 に 取り組んで きた 三 年生 の 土屋 治美 さん は 「 油 を 分解 する 微 生物 と して 、 汚れ を 分解 する 酵素 入り の せんたく 用 洗剤 を 少量 加えて も 、 良質の 肥料 が できる こと も 分かった 」 と 話す 。 二 年 の 原藤 真紀 さん は 「 花 や 樹木 へ の 効果 も 調べて み たい 」 と 意欲 的だ 。 松山 さん は 「 土壌 で 油分 が 完全に 分解 した か どう か を 調べる の が 今後 の 課題 」 と さらに 研究 を 進めて いく と いう 。 一方 、 廃 食油 を 精製 した ディーゼル 燃料 も 普及 し 始めた 。 東京 都 墨田 区 の 油 回収 業者 、 滋賀 県 環境 生協 、 グリーン コープ かごしま で は 昨年 から 、 廃 食油 を 使った 燃料 で ディーゼル車 を 走ら せて いる 。 「 グリーン コープ かごしま 」 は 「 二 台 の 商品 配送 トラック に 使って いる が 、 これ まで 何の トラブル も ない 」 と 話して いる 。 観 葉 植物 は 冬 の 間 、 ほぼ 休眠 状態 。 だからといって 水 やり を し なくて いい わけで は あり ませ ん 。 生長 は 止まって い ます が 、 呼吸 を して 生きて いる のです 。 土 が 乾いたら 、 晴れた 日 の 午前 中 に 鉢 底 から 流れ出る ように 鉢 全体 に まんべんなく 水 を やって 下さい 。 受け皿 に たまった 水 は 必ず 捨て ます 。 水 の 温度 に も 注意 が 必要です 。 眠り から 目覚め させ ない よう 室温 より 少し 高 めの ぬるま湯 で 。 また 室 内 の 植物 は 驚く ほど ほこり が たまり ます 。 見苦しい だけ で なく 、 植物 に とって も 葉 の 気孔 が ふさが れ 息苦しい のです 。 時々 葉 の 両面 の 汚れ を ふき取り 、 水 を スプレー する と ずっと 生き生き し ます 。 大江 健三郎 さん と その 家族 を 描いた ドキュメンタリー 「 響き あう 父 と 子 ―― 大江 健三郎 ・ 光 の 三十 年 」 を 制作 した NHK 広島 放送 局 の 山登 義明 プロデューサー が 、 ノーベル 賞 授賞 式 に 出席 した 大江 さん 一家 を 密着 取材 した 番組 を 制作 した 。 ETV 特集 「 大江 健三郎 ・ ノーベル 賞 の 旅 」 前編 「 日本 人 の 祈り 」 は 、 昨年 十二 月 七 日 の 大江 さん の ノーベル 賞 受賞 記念 講演 を 中心 に 、 その 意味 を インタビュー で 解き明かす 。 後編 「 新しい 方 へ 」 は 、 小説 執筆 を 中断 して 読書 生活 に 入る 大江 さん の 今後 の 創作 活動 の 展望 など を 追跡 した 内容 だ 。 山登 さん は 八 年 前 、 愛媛 ・ 大瀬 の 母校 で の 大江 さん の 講演 を 収録 した 番組 を 作って 以来 、 大江 さん と 公私 に わたって 親交 が ある 。 今回 も プライベートな 会合 を 含め 、 授賞 式 など 公式 行事 でも 「 友人 と して 同席 」 と いう 恵まれた 条件 で 取材 して いる 。 「 大江 さん の 変わら ない 部分 に ひか れる 。 いって みれば 大江 さん の 磁場 に 入って やけど が 続いて いる ような 状態 です 。 三 年 前 、 広島 に 転勤 して 広島 と 大江 さん を 結びつける 番組 を 、 と 思って 『 響き あう …… 』 を 作った 。 ノーベル 賞 が 決まって 、 これ は 記録 し なければ と 真っ先 に 手 を 挙げた 」 と いう ほれ込み よう だ 。 山登 さん は カメラマン と 二 人 で 取材 、 音声 や 照明 の 役割 も 兼務 した 。 いつも そう だ が 、 大江 さん から 取材 の 制限 は 何も なかった 。 「 ディーセント で ない ところ を 自主 的に やめる と いう 程度 」 。 大江 さん は 十 日間 の 旅 の 間 、 気丈に 予定 を こなして いた が 、 無理 を して いた こと は 、 カメラマン の 小高 文夫 さん が いち早く 気付いた 。 「 目 の 下 に 暗い クマ が できて いて 、 気の毒でした 。 責任 感 が 強い 人 だ から 外 で は 決して 弱音 は 吐か なかった 」 と 山登 さん 。 岩波書店 社長 の 安江 良介 さん が 自ら を 「 大江 文学 の 同行 者 」 と 書いた の を 新聞 で 見た 職場 の 同僚 たち が 、 山登 さん を 「 大江 さん の 追っかけ 」 と 呼ぶ ように なった 。 山登 さん は 「 これ から も ずっと 大江 さん を 追っかけ たい 。 大江 さん は いま 、 ぼくら に とって 何 が 大事 か の 軸 を 示して くれて いる と 思う 」 と 語る 。 今年 後半 に 向け 、 新しい 企画 も 計画 中 だ 。 03・3351・4175 1 回線 、 24 時間 約 300 人 特に なし オンライン ・ サイン アップ 「 友人 と の 会話 を 楽しむ 、 学校 の 休み 時間 の ような 感覚 を 大切に し たい 」 アトホームな ネットワーク 。 あまり 大きな ネット は 苦手 、 と いう 人 や 初心 者 に は うってつけ 。 現在 、 会社 員 の シスオペ が 大学生 時代 に 仲間 同士 で 作って いた ネットワーク を 約 2 年 前 、 一般に オープン化 した 。 他 愛 の ない 話 が できる フリートーク の 2 つ の ボード が 中心 。 男性 メンバー が ほとんど で 、 初心 者 が 大半 を 占める が 、 高校 生 から 大人 まで 共有 できる 話題 が 多く 、 盛り上がる 。 最近 の いじめ 問題 も テーマ と なり 、 積極 的な 意見 が 交わさ れた 。 日本 テレビ の 料理 番組 「 3 分 クッキング 」 が 、 「 ギネスブック 95 」 の 日本 の 記録 部門 で 、 日本 一 の 長寿 テレビ 料理 番組 と 認定 さ れた 。 番組 は 1963 年 1 月 21 日 に スタート 。 以来 、 プロデューサー も スポンサー も 変わら ない 。 昨年 の 大みそか で 、 放送 回数 は 9814 回 に なって いる 。 担当 する 日本 テレビ の 中村 寿美子 チーフディレクター も 、 番組 スタート 時 から 制作 に 携わって いる 。 80 年 代 前半 まで は 、 1 回 4 人 前 で 1000 円 程度 の 予算 を 目安 に して いた が 、 その後 、 食 生活 の 多様 化 に 伴って 、 その 枠 を 取り払い 自由に メニュー を 考える ように した 。 ごちそう の 価値 観 も 変化 し 、 「 昔 は ステーキ が ごちそう でした が 、 今 は 若い 人 は 自分 が 作れ ない こと も あって 煮魚 」 と いう 。 谷川 浩司 王将 に 羽生 善治 名人 が 挑む 将棋 の 王将 戦 七 番 勝負 が 始まった 。 二十四 歳 の 羽生 名人 に は 、 史上 初 の 七 冠 王 が かかって いる だけ に 、 将棋 ファン 以外 から も 関心 が 持た れて いる 。 今夜 放送 の NHK スペシャル 「 対決 」 は 、 羽生 名人 が 六 冠 を 制した 竜王 戦 第 六 局 に スポット を 当てる 。 対局 相手 の 佐藤 康光 前 竜王 も 二十五 歳 。 若い 棋士 の 熱戦 を 通じて 、 将棋 の 世界 の 「 最 先端 」 を 描く 。 というのも 、 百三十四 人 いる プロ 棋士 の なか で 、 通算 勝率 の 上位 九 人 まで が 二十 代 だ から である 。 その 理由 の 一 つ は 、 最近 の 将棋 は 情報 戦 時代 に 突入 。 コンピューター を 駆使 して 情報 戦 に 対応 できる 若手 が 優位 に なって いる から だ 。 佐藤 と 羽生 は 一緒に 将棋 を 研究 して きた 仲間 同士 。 番組 で は 、 山形 県 天童 市 で の 対局 室 に 四 台 の リモコンカメラ を 入れ 、 二 日間 、 十六 時間 に およぶ 勝負 を 生々しく 伝える 。 最終 種目 の 千 メートル 。 ゴール した 清水 は 精 も 根 も 尽き 果てた 表情 だった 。 1 分 16 秒 85 の 平凡な タイム だった が 、 「 力 は 出し切った 」 と 清水 。 表情 に 後悔 の 影 は 全く 見え なかった 。 前日 の 五百 メートル で 転倒 、 優勝 争い の 圏 外 に 去った 。 だが 清水 は 、 1 種目 め で 三十五 位 と いう 屈辱 的な 順位 から 、 「 1 人 でも 多く 抜いて やる 」 と いう 気持ち で 、 残り 3 レース に かけた 。 この 日 の 五百 メートル は 宮部 保範 、 行範 の 兄弟 が 36 秒 台 を マーク した 後 の 滑走 。 アウト スタート から 低い 姿勢 で グングン 加速 する 。 100 メートル の 通過 は 最も 速い 9 秒 77 。 格 下 の 同 走者 を クロスゾーン 手前 で あっという間 に 抜き去る と 、 第 二 カーブ は 半円 形 に 並ぶ ポイント を なぞる 無駄 の ない コース を 取った 。 36 秒 79 。 完ぺきな 滑り に みえた 。 しかし 、 清水 自身 は 「 よく なかった 。 勝ち を 意識 して 、 ぎこちなかった 」 と 話し 、 「 36 秒 5 は 出し たかった 」 と 付け加えた 。 前日 は 転倒 後 の 千 メートル を 大会 新 の 1 分 14 秒 60 で トップ 。 今季 、 千 メートル で は 日本 選手 に 負け 知ら ず の 宮部 行 に 土 を つけた 。 総合 順位 は 八 位 で 、 27 人 を 抜いた こと に なる 。 「 何 人 抜ける か 、 かえって 楽しかった 」 と 話す 清水 は 、 失敗 を バネ に 力 を 出し切る と いう 前向きな 心 の 持ち 方 を 、 身をもって 示して いた 。 五百 メートル で 五 位 に 終わった リレハンメル 五輪 から 、 すでに 1 年 近く 。 昨秋 から 、 当時 の ビデオ を やっと 見る ように なった 。 「 硬い です ね 。 ガチガチ で 、 ただ 走り抜けて いた 」 と 振り返る 言葉 から は 、 大舞台 で の 失敗 を 糧 に 、 着実に 成長 した 姿 が 見て取れる 。 「 漏れて も 悔い は ない 」 と 思って いた 世界 スプリント 選手 権 の 代表 権 も 手 に した 。 大きな 仕事 を し そうな 気配 が ある 。 国 内 より 一 足先 に 海外 で 素質 を 開花 さ せた 十九 歳 の 新鋭 、 船木 。 その ジャンプ は 2 回 と も まるで 空気 を ナタ で 切り裂く ように 豪快で 、 パワフルな 飛行 だった 。 船木 は 、 昨年 まで ひざ が 割れて 腰 が 落ちる 欠点 が あった 助走 を 、 安定 した 低い 姿勢 で 走り抜けた 後 、 時速 86キロ 前後 で けり出す ような 踏み切り 。 ジャンパー に して は 骨太の 174 センチ 、 63キロ の 体 を 前方 の 空中 に 飛ばした 。 やや 上方 へ 踏み切る パラレル 飛行 と は 明らかに 違う V 字 スタイル 独特 の 踏み切り 。 スキー 先端 を V 字 に 開き 姿勢 を 完結 さ せる の は どの 選手 より も 早かった 。 脚力 と 腹筋 の 強 さ を 証明 する ように 多少 の 横風 に も 影響 さ れ ず 空気 を 強引に 切り裂く ように 落ちる 。 ピクリ と も 動か ない お しり に 乗せた 左手 が 「 ガマン 」 と 言い聞かせる よう 。 粘り腰 の 着地 で K点 を 越えた 。 年間 400 本 だった 高校 時代 と 違って 昨年 夏場 だけ で 600 本 飛んだ と いう 練習 量 と 研究 熱心 さ 、 重圧 に 強い 精神 力 と 負けず嫌いの 性格 と 、 W杯 勝利 で 得た 自信 ―― 。 一九八〇 年 レークプラシッド 五輪 銀 メダリスト で 高校 の 先輩 、 八木 弘和 ・ デサント 監督 は 船木 の 急 成長 の 原因 を 話し 、 ほめた 。 今季 から 飛び 過ぎ に よる 危険 防止 の ため 、 翼 の 役目 を 果たす スキー 板 の 留め具 から 先 の 長 さ は 全体 の 57 % 以内 に 規制 さ れた 。 パラレル から V 字 へ の 技法 変換 、 留め具 や 板 の 長 さ 制限 など 次々 に 出る 新たな 問題 へ の 対応 に 苦悩 する ベテラン 勢 を よそ に 若 さ で いとも 簡単に 順応 する 船木 。 ちょっと の 不調で は 大 崩れ し そう も ない 。 「 今日 の ジャンプ で は 総合 一 位 の ゴルトベルガー に は 10 メートル の 差 を つけ られる 。 自分 は まだ 単発 。 最高の ジャンプ を 何 本 も 続け られる ように し たい 」 と いう 船木 。 しっかり 課題 を 口 に する ところ は 四 月 に 二十 歳 に なる と は 思え ない 落ち着き を 感じ させた 。 黒 鷲 旗 全 日本 都市 対抗 九 人 制 バレーボール 男女 優勝 大会 の 組織 委員 会 が 14 日 、 大阪 市 で 開か れ 、 第 6 回 大会 の 日程 など を 決めた 。 大会 は 6 月 8 日 から 11 日 まで 、 大阪 府 立体 育 会館 に 男女 各 58 チーム が 出場 して 開か れる 。 組み合わせ 抽選 会 は 5 月 13 日 。 当地 の キングファハドスタジアム で 開か れて いた サッカー の インタコンチネンタル 選手 権 は 十三 日 、 欧州 チャンピオン の デンマーク が アルゼンチン を 2 ― 0 で 降して 初 優勝 。 大会 の 幕 を 閉じた 。 残念 ながら アジア の レベル は まだまだ 、 と いう の が 第 一 印象 だ 。 昨年 の ワールドカップ で 、 サウジアラビア が 決勝 トーナメント に 進み 、 韓国 も 一 次 リーグ で 健闘 。 アジア の レベル は アップ した と 言わ れた が 、 差 は 依然 、 大きかった 。 日本 と 同じ 予選 2 連敗 の サウジアラビア は エース の オワイラン が 不調 。 W杯 で 威力 を 発揮 した カウンター 戦法 も 、 相手 に 警戒 さ れて 不発 に 終わった 。 日本 は 、 個人 能力 の 差 を 、 組織 で カバー しよう と した が 、 新 チーム に なって 1 週間 ほど の 準備 で は 及ば なかった 。 印象 に 残った の は 、 アルゼンチン と メキシコ だ 。 まだ 少年 の 面影 を 残す 選手 の 多い アルゼンチン だ が 、 FW ランベルト の スピード 、 MF オルテガ の ボール コントロール など 楽しみな 選手 を そろえて いる 。 ナイジェリア 戦 で は 、 攻撃 さ れ ながら も しっかり と 試合 を コントロール して いた DF は 、 さすが 南米 と 、 思わ せた 。 三 位 の メキシコ は 昨年 の W杯 メンバー で 出場 、 チーム の 完成 度 で は 一 番 だった 。 確かな ボール コントロール を 土台 に 、 長短 の パス を 使い分けた サッカー は 、 小気味 が いい 。 DF 、 MF の 連携 が よく 、 忠実な 守備 の カバー リング も 光った 。 優勝 した デンマーク は 、 試合 運び に したたか さ が あり 、 ナイジェリア は 一 戦 ごと に 、 各 選手 が 能力 の 高 さ を 発揮 した 。 日本 が 世界 の トップ レベル と 公式 戦 を 行える チャンス は 少ない 。 大会 に 出場 できた の は 、 一九九二 年 に 広島 で 行わ れた アジアカップ に 優勝 した から で 、 アジア で 勝つ こと の 大切 さ を 痛感 した 。 この 経験 を 、 次回 W杯 の アジア 予選 に 生かして ほしい 。 ○ … デンマーク が 、 若い アルゼンチン を うまく 術中 に はめた 。 前半 8 分 、 左 サイド から B ・ ラウドルップ が ドリブル で 中央 へ 。 兄 の M ・ ラウドルップ を 経て J ・ ホエ に つながる と 、 突破 を 許した アルゼンチン DF は たまら ず 反則 、 PK の 笛 が 鳴った 。 アルゼンチン は 縦 へ 縦 へ と 急いで 、 厚い 布陣 で 待ち構える デンマーク の 網 に かかって しまった 。 後半 29 分 、 カウンター から B ・ ラウドルップ が 左 サイド を 抜き 、 ラスムッセン へ センタリング 。 アルゼンチン の 息 の 根 を 止める 2 点 目 を 奪った 。 デンマーク が 一九九二 年 の 欧州 選手 権 に 優勝 した 時 の メンバー は B ・ ラウドルップ ひと り 。 「 スター 選手 は い ない 。 だが 、 みんな が チーム の ため に プレー して いる 。 チーム が スター な のだ 」 と メラー 監督 。 次回 九六 年 欧州 選手 権 の 予選 で は 、 1 勝 1 敗 1 分け 。 欧州 連覇 へ 立ち直り の きっかけ と し たい 優勝 だ 。 144 年 の 伝統 を 誇る ヨット レース の アメリカズカップ に また 新たな 歴史 が 加わった 。 米国 3 チーム で 争う 防衛 艇 シリーズ は 十三 日 、 サンディエゴ 沖 で 開幕 した が 、 史上 初 の 女性 だけ の クルー で 臨んだ アメリカキューブ が 、 ミスター ・ アメリカズカップ の 異名 を 持つ デニス ・ コナー 率いる スターズ & ストライプス に 快勝 した 。 スタート 直後 、 右舷 から の 風 を 受ける 状態 だった アメリカキューブ に 左 から の 風 を 受けて いた スターズ & ストライプス が 接近 、 優先 権 は アメリカキューブ に あった もの の スターズ & ストライプス が 避け ず に いた ため 反則 と みなさ れ 270 度 の 転回 を 強い られた 。 これ で 第 一 レグ だけ で 1 分 40 秒 の 差 が つき 、 最終 的に 1 分 9 秒 差 で アメリカキューブ が 逃げ切った 。 レース 後 、 「 ペナルティー は 納得 でき ない 」 と コナー は 不満 を 口 に した が 、 審判 艇 が 下した 判断 だけ に あと の 祭り 。 それ より も 、 運 が あった と は いえ 風上 に 向かう 3 つ の レグ で いずれ も コナー 艇 より 速い タイム を マーク した 女性 クルー の 技量 に みる べき もの が あった 。 コナー は 一九八三 年 の 大会 で 豪州 に 敗退 、 米国 から カップ が 初めて 他国 に 持ち出さ れた こと から 「 カップ ・ ルーザー 」 と して ニューヨーク を 追わ れた が 今度 は 女性 チーム に 初 の 敗戦 。 「 また ルーザー と 言わ れる だろう 」 と 、 無念 そうな 表情 を みせて いた 。 サッカー の 日本 、 豪州 、 韓国 、 デンマーク の 各 五輪 代表 が 参加 した 豪州 国際 大会 は 十四 日 、 シドニー で 開幕 して 予選 リーグ の 2 試合 を 行い 、 日本 は 韓国 に 0 ― 1 で 敗れた 。 前園 、 小倉 、 服部 ら で メンバー を 組んだ 日本 は シュート 数 で 圧倒 し ながら 追いつけ なかった 。 大会 は 一 回 戦 総当たり の リーグ 戦 を 行い 、 二十一 日 に 上位 2 カ国 が 決勝 、 下位 2 カ国 が 三 位 決定 戦 を 行う 。 日本 は 十六 日 に デンマーク と 対戦 する 。 サッカー J リーグ で 連覇 を 達成 した ヴェルディ 川崎 の 松木 安太郎 監督 の 退団 が 十四 日 、 決まった 。 後任 に は ヘッドコーチ の ネルシーニョ 氏 が 昇格 する 。 これ で 、 一昨年 五 月 の 開幕 時 に J リーグ の 監督 を 務めた 10 人 は 、 リーグ 3 年 目 で 全員 が 入れ替わる こと に なった 。 川崎 は 昨年 末 の 天皇 杯 敗退 後 から 松木 監督 と 来 季 の 契約 に ついて 話し合った 際 に 、 クラブ 側 は 「 ネルシーニョ 総 監督 、 松木 監督 」 を 提案 した 。 アメリカズカップ の 実行 委員 会 は 十三 日 、 ニッポン チャレンジ の ヘッド コーチ 、 ピーター ・ ギルモア の クルー 登録 を 認め ない 審判 を 下した 。 レース の 出場 クルー に 関する 国籍 条項 で は 「 大会 開幕 まで の 2 年間 以上 当該 国 に 居住 した もの 」 と 規定 さ れて いる 。 ニッポンチャレンジ は 条項 を 「 2 年間 、 日本 チーム の 活動 に 加わって いた もの 」 と 解釈 。 クルー と して 登録 した が 、 ニュージーランド 、 フランス など が 抗議 、 同 委員 会 が 審議 の 末 、 裁定 を 下した 。 ニッポンチャレンジ は 、 ギルモア を レース に 関する 口出し や 行動 の 取れ ない “ 17 人 目 の クルー ” と して レース艇 に 乗せる こと に して いる 。 通常 チームオーナー ら が 乗る ため 、 17 人 乗る こと は 認め られて いる 。 日本 プロ 野球 OB クラブ の 通常 総会 が 十四 日 、 東京 ・ 九 段 会館 で 行わ れ 、 一九九五 年度 の 事業 と して 、 五 月 五 日 の こどもの日 に 47 都道府県 で 一斉に 少年 野球 教室 を 開催 する こと を 決めた 。 文部 省 の 協賛 を 得て 実施 する もの で 、 地元 出身 選手 を 中心 に OB 100 ― 200 人 が 参加 する 。 将来 、 プロ 、 アマ 一体 と なって 夏 休み に 「 野球 の 日 」 を 設けて 子供 と 接する こと を 考えて おり 、 その さきがけ と いう 。 また 、 茨城 県 稲敷 郡 桜川 村 から 「 総合 運動 公園 内 の 野球 場 を OB クラブ 指定 球場 と し 、 野球 教室 や 指導 者 研修 会場 に 利用 して ほしい 」 と 要請 が あり 、 前向きに 検討 。 事業 拡大 、 事務 経費 増 から 年間 5000 円 の 会費 を 徴収 する こと に した 。 1 分 48 秒 の 大相撲 は 、 力 と 力 の 渡り合い で 館 内 を おおいに 沸かせた 。 三 日 目 あたり から 魁皇 に どことなく 気合 の 薄 さ を 感じ 、 気 に なって いた のだ が 、 武蔵丸 と の 一 番 は 人 が 違った よう 。 目標 が 大きかった ぶん 魁皇 も 思い切って 飛び 込めた のだろう 。 武蔵丸 も 負け じ と 踏み込んで 魁皇 の 当たり を 止め 、 一気に 黒房 下 に 走った 。 魁皇 は よく こらえて 土俵 中央 に 押し戻し 、 左四つ 。 魁皇 の 強烈な 上手 投げ が 1 、 2 発 。 これ は 武蔵丸 も 十分に 予期 して おり 、 足 を 運んで しのいだ 。 惜しむらくは 、 魁皇 に 左 から の 揺さぶり が なかった こと 。 上手 を 引き付け 、 繰り出した 右 内掛け は 魁皇 に とって 悪手 。 投げ の 打ち合い も 武蔵丸 の 下手 投げ が 勝り 、 魁皇 も 力尽きた 。 陸上 競技 女子 走り幅跳び で 日本 歴代 七 位 の 記録 を 持つ 高松 仁美 が 埼玉 大 を 休学 して 渡 米 、 米国 の 大学 の 留学 生 と して 競技 を 始めた 。 五 月 の 全 米 学生 選手 権 へ の 出場 、 八 月 の 福岡 ユニバーシアード 大会 へ の 「 がい旋 帰国 」 、 さらに は 五輪 出場 と 夢 を 大きく ふくらま せて いる 。 高松 が 留学 した の は 、 バージニア 州 の ジョージ ・ メイソン 大 。 昨年 十二 月 に 入学 試験 に 合格 して 二 年生 に 編 入学 した 。 成績 優秀 者 と して 奨学 金 も 受けて いる 。 埼玉大 一 年 だった 一昨年 夏 、 日本 陸 連 の ジュニア チーム の 米国 遠征 に 参加 した 際 、 同 大学 の コーチ が 才能 を 認めて 誘った の が きっかけ 。 だが 、 スポーツ の 成績 で は 編入 学 は 受け入れ ない ため 、 一般 の 留学 と 同じに TOEFL を クリア した 後 、 大学 の 入試 を 受けた 。 寮 で 生活 し 、 今月 下旬 から 授業 が 始まる 。 日本 の トップ 選手 が 外国 の 大学 など で 短 期間 指導 を 受ける こと は 多い が 、 高松 の ように 正式に 入学 して 長 期間 滞在 する の は まれ 。 父 の 喜代 さん に よる と 、 高松 は 七 日 に 同 大学 で 行わ れた FR ダイヤモンド 記念 室 内 大会 で 初 の 公式 戦 に 挑み 、 6 メートル 16 を マーク して 優勝 。 「 頑張った よ 」 と 電話 で 声 を 弾ま せた と いう 。 五 月 の 全 米 大学 選手 権 参加 標準 記録 の 6 メートル 25 の 突破 を めざす 。 2 度 目 の 防衛 戦 を 控えた 世界 ボクシング 評議 会 ジュニアバンタム級 王者 の 川島 郭志 が 十四 日 、 東京 ・ 目白 の ヨネクラジム で 公開 スパーリング を 行った 。 若手 2 人 と 計 3 ラウンド 。 上体 の 動き と ステップワーク の バランス の 良 さ は 相変わらず 。 川島 は 余裕 の 表情 で 、 ブエノ も 調子 いい と 聞いて 「 相手 が 強く ない と こっち も 面白く ない 」 と 話した 。 六 日 目 の 貴闘力 戦 で 左 肩 関節 を 脱きゅう した 武双山 が 休場 した 。 全治 2 カ月 。 公傷 が 認め られ 、 春 場所 を 全休 して も 夏場 所 は 平幕 中位 に とどまる が 、 大関 へ の 挑戦 は 振り出し に 戻った 。 武双山 は 脱きゅう が クセ に なって いる 。 脱きゅう を 克服 した 力士 で 真っ先 に 思い浮かぶ の が 千代の富士 。 左 肩 10 回 、 右 肩 2 回 。 強引な 上手投げ に 頼る 相撲 を 前ミツ を 取って 一気に 走る 速攻 に 変えて 克服 した 。 九重 親方 は 、 武双山 に 「 肩 の 筋肉 を つける トレーニング を する こと 。 そして 、 脱きゅう し ない ような 取り口 に 変える こと 」 と アドバイス 。 「 相手 に 攻め られる 前 に 自分 から 当たって 先手 を 取ら ない と 、 また ケガ を する 」 と 言い 、 立ち合い の ぶち かま し を 磨き 、 肩 へ の 負担 を 減らす ため 、 左 上手 を 避け 、 下手 を 取って 走る 取り口 に 改造 する こと を 勧める 。 武双山 も 今 は 「 いい 休養 の 場 」 と 考え 、 自分 を 信じて 地道に リハビリ を 積んで もらい たい 。 そして 、 夏場 所 で ひと 回り 成長 した 相撲 を 見せて ほしい 。 イスタンブール の 旧 市街 に 建つ ブルーモスク は 、 六 本 の ミナレット を 持つ オスマン 時代 の 代表 建築 インドネシア は 世界 最大 の イスラム 教 国 で 、 人口 一億九千万 人 の 八八 % 、 約 一億六千七百万 人 の イスラム 教徒 が 暮らして いる 。 しかし 一方 で オランダ 植民 地 時代 の 影響 など で 約 一〇 % の キリスト 教徒 も おり 、 活発な 宗教 活動 を して いる 。 中部 ジャワ の 都市 スマラン から 北 に 約 二十キロ 、 花 の 市場 で 有名な ウンガラン の 市 内 に インドネシア 全土 から プロテスタント の 熱心な 信者 が 集まる 「 ブキット ・ ドア 」 が ある 。 ここ の 特色 は 丘 の 斜面 に 横穴 を 掘って 作ら れた 幅 一 メートル 、 奥行き 二 メートル 、 高 さ 一 メートル の 祈り の 部屋 。 部屋 は 全部 で 三十一 あり 、 十字架 一 つ が 壁 に 掛け られた 質素な 部屋 の 中 に こもって 信者 は ひたすら 神 へ の 祈り を 捧げる 。 ジャカルタ から 夜行 列車 で 来た と いう エディ ・ ニョンカワトゥエ さん は 「 一 カ月 に 一 度 は 来て いる 。 いつも 家族 、 親戚 の 幸福 を 祈って いる が 、 ここ は 奇跡 の 地 と して も 有名な んです よ 」 。 足 の 不自由な 人 が この 丘 で 熱心に 祈って いた ところ 、 ある 日 突然 歩ける ように なった 話 が 一九九二 年 に 地元 紙 で 紹介 さ れて 以来 、 体 に 障害 の ある 人 や がん の 患者 が “ 奇跡 ” を 求めて ここ を 訪れる ように なった と いう 。 イスラム 教 の 国 だけ に 街 の あちこち に ある モスク から は コーラン を 読む 朗々と した 声 が 流れて くる が 「 部屋 に 入れば 全然 気 に なら ない 。 祈り に 集中 できる 」 と エディ さん 。 「 祈り の 丘 」 事務 局 の 職員 に よる と この 土地 は もともと ドイツ の 病院 が あった が 、 一九八〇 年 に 教会 、 集会 所 、 祈り の 部屋 など から 成る プロテスタント の 財団 施設 と なった 。 正式に は 「 ゲッセマネ 公園 」 と いわ れ 、 約 三万三千 平方メートル の 敷地 に は 宿泊 施設 も あり 、 訪れる 人 に は 二十四 時間 開放 さ れて おり 、 食事 も 宿泊 も 無料 。 何 日 も 泊まり込んで 祈る 人 も 多い と いう 。 「 奇跡 の 報道 が 影響 した の か 、 いま で は インドネシア 全土 は もちろん 、 豪州 や 香港 など 海外 から も 信者 が 来る ように なり ました 。 最近 は 一 日 平均 四十 人 が 祈り の 丘 に “ 救い ” と “ 幸福 ” を 求めて 訪れて ます 」 と 話す 。 各種の 講演 会 、 セミナー 、 聖書 を 読む 会 など を 開催 する クリスチャン ・ センター も 併設 さ れて おり 、 「 祈り の 丘 」 は インドネシア ・ プロテスタント に とって 現在 で は 重要な 宗教 施設 、 活動 拠点 と なって いる 。 エチオピア の アラミス 地区 で 発掘 さ れた 440万 年 前 の 最古 の 人類 化石 で 、 エチオピア で 見つかり 、 これ まで 最古 と さ れて いた アファール 猿人 より 約 100万 年 人類 史 を さかのぼる 。 天皇 、 皇后 両 陛下 は 14 日 、 東京 都 千代田 区 の 東京 逓信 病院 で 健康 診断 を 受けた 。 宮内 庁 病院 以外 で の 検診 は 初めて 。 両 陛下 と も 還暦 を 過ぎ 、 全身 を より 詳細に 検査 する ため 、 MRI に よる 診断 を 行った 。 十四 日 午前 、 東京 都 内 で 新進党 国会 議員 ら の 「 都 知事 選 連絡 協議 会 」 が 開か れた 。 独自 候補 擁立 を 探る 七 回 目 の 会合 だった が 、 会 の メンバー で 同 党 側 の 有力 候補 と ささやか れて きた 鳩山 邦夫 ・ 前 労 相 の 姿 は なかった 。 初めて の 欠席 だった 。 ここ に きて 、 都 知事 選 の 候補 者 選び は 、 都議 会 与党 六 会派 に よる 一本化 の 動き が 強まり 、 協議 が 続く 。 その 成否 の カギ を 握る と さ れる 都議 会 公明党 の 藤井 富雄 団長 が 十 日 に 粕谷 茂 ・ 自民党 幹事 長 代理 、 十二 日 に 新進党 の 中西 啓介 ・ 選 対 事務 局長 と 会談 に 乗り出した 。 粕谷 氏 は 「 今回 は 自 、 公 で 別々の 行動 を とる こと は やめよう 」 と 藤井 団長 に 伝えた 。 石原 信雄 ・ 官房 副 長官 や 鳩山 氏 、 岩國 哲人 ・ 島根 県 出雲 市長 ら が 話題 に 上った と いう 。 粕谷 、 藤井 両氏 の 顔合わせ は 前回 の 分裂 選挙 以来 、 四 年 ぶり 。 粕谷 氏 は 当時 の 小沢 一郎 幹事 長 率いる 党 本部 に 対抗 して 鈴木 俊一 知事 の 四 選 を 支援 。 一方 の 藤井 氏 は 、 鈴木 知事 に 直接 引退 を 勧めた が 、 拒否 さ れ 、 分裂 ・ ねじれ 選挙 に 突入 した 。 いわば 「 因縁 」 の 二 人 が 会談 した こと で 、 都議 会 内 に 「 自民 、 公明 の 連携 が 強まった 」 と の 見方 が 強まった 。 また 、 中西 氏 は 、 新進党 側 で の 独自 候補 擁立 に は 執着 し なかった と さ れる 。 こうした 情勢 の 中 、 鳩山 氏 の 周辺 で 「 不 出馬 か 」 と の 観測 が 広まって いる 。 同氏 は 「 私 は 基本 的に 衆院 選一 直線 」 と 語った 。 この ため 、 もう 一 人 の 有力 候補 、 石原 氏 の 名前 が 改めて クローズアップ さ れて いる 。 都議 会 自民党 で は 、 「 今月 中 に 候補 者 選考 を 行い たい 」 と して おり 、 候補 者 問題 は いよいよ 大詰め を 迎える 。 横浜 家裁 の 裁判 官 が 少年 事件 の 審判 で 、 裁判 実習 の 司法 修習 生 に 許可 を 与え 、 少年 に 直接 質問 さ せて いた こと が 十四 日 、 関係 者 の 話 で 明らかに なった 。 一般 の 刑事 裁判 で 弁護人 の 役割 を する 付添 人 の 弁護 士 が おら ず 、 少年 の 防御 権 の 確保 も 疑問 視 さ れて いる 。 同 家裁 は 「 関係 者 の 了解 を 得た 」 と して いる が 、 修習 生 に よる 本人 質問 は 法的 根拠 が なく 、 審判 を 非 公開 と する など 少年 の 人権 に 配慮 して いる 少年 法 の 精神 に 背く と の 指摘 が 出て いる 。 また 、 司法 修習 を めぐる 問題 が 表面 化 して いる が 、 最高裁 の 司法 研修 所 は 独自に 、 来春 の 実施 に 向け 二十四 年 ぶり に 司法 修習 指針 の 全面 見直し に 着手 した 。 関係 者 や 横浜 家裁 の 説明 に よる と 、 いずれ も 少年 が 非行 事実 を 認めて いる 軽微な 事件 で 、 四十六 期 修習 生 三十八 人 が 三 班 に 分かれて 同 家裁 で 裁判 修習 した の は 一九九三 年 二 月 下旬 から 同 十一 月 の 間 。 この 裁判 官 は 、 少なくとも 二 回 に わたって 一部 の 修習 生 に 質問 を 許可 した と いう 。 愛知 県 小牧 市 の 公共 工事 に 絡んだ 汚職 事件 で 収賄 容疑 で 逮捕 さ れた 同 市長 、 佐橋 薫 容疑 者 が 十四 日 午前 、 市長 の 辞職 願 を 小川 錠一 ・ 同 市議 会 議長 に 提出 した 。 これ を 受理 した 小川 議長 から の 通知 を 受けて 、 同日 午後 開か れた 市 選挙 管理 委員 会 は 、 市長 選 の 日程 を 二 月 十九 日 告示 、 同 二十六 日 投 開票 と 決めた 。 14 日 午後 9 時 21 分 ごろ 、 東北 地方 北部 で 地震 が あった 。 仙台 管区 気象 台 の 観測 で は 、 三陸 はるか 沖 地震 の 余震 で 、 各地 の 震度 は 、 震度 2 盛岡 ▽ 震度 1 秋田 、 青森 、 大船渡 。 岡山 県 勝田 郡 勝北 町議 選 の 開票 中 に 偽造 投票 用紙 が 見つかった 事件 で 、 県警 は 十四 日 まで に 、 用紙 を 偽造 して いた と して 同 町 大吉 、 造園 業 手伝い 、 斉藤 清政 と 同 町 新野 東 、 建築 業 、 寺坂 学 の 両 容疑 者 を 公文書 偽造 の 疑い で 逮捕 した 。 二 人 は 容疑 を ほぼ 認めて いる と いう 。 県警 は 偽造 用紙 が 各 陣営 に 売買 さ れ 、 投票 に 使わ れた と みて 捜査 本部 を 設置 、 公選 法 違反 の 疑い で 町議 から も 事情 を 聴く 。 また 、 二 人 の ほか に 首謀 格 の 男性 と 、 受け渡し 役 の 女性 の 存在 を つかみ 、 行方 を 追って いる 。 十四 日 スタート した 大学 入試 センター 試験 が 、 史上 最多 の 受験 生 が 挑む “ マンモス 試験 ” と なった の は 、 長引く 不況 の 影響 で 、 家計 の 負担 を 軽減 する ため 、 国公立 大 人気 に 拍車 が かかって いる こと が 一因 だ 。 景気 回復 の 兆し が 見え ない 中 、 受験 生 たち は どんな 思い で 試験 に 臨んだ の か 。 不況 が 進路 決定 に どう 影響 した の か 。 各地 の 試験 会場 で 受験 生 に 聞いた 。 「 不況 も ある けど 、 うち は 会社 員 の 母 一 人 で 余裕 が ない から 予備 校 に も 行か なかった 」 と いう の は 、 北海道 の 二 浪 男子 。 山口 大学 医学部 が 志望 だ が 、 「 関東 の 国立 大 に 行って いる 兄 へ の 仕送り が 六万 円 。 自分 も その くらい しか もらえ ない から 、 家庭 教師 の アルバイト を する 。 私立 なんて とんでもない 」 と 神妙な 表情 。 浪人 組 に は 、 それ だけ で 親 に 負担 を かけて いる と いう 負い目 が ある ため か 、 家計 へ の 配慮 が 目立った 。 「 二 浪 も した ので 、 これ 以上 お 金 を かける わけに は いか ない 」 と いう 大阪 府 の 男子 は 、 すでに ふろ 、 トイレ 共同 の 一万五千 円 程度 の 下宿 を 物色 済み で 、 「 生活 費 は 月 六万 円 で 抑え 、 家庭 教師 も して 補い たい 」 。 獣医 を 目指して 名古屋 市 の 予備 校 で 寮生 活 を 送る 福井 市 出身 の 浪人 生 も 「 親 は 勉強 する なら いくら でも 金 は 出す と いう が 、 やはり 負担 を 考える と 、 志望 は 国立 。 下宿 は 一万 円 程度 の ところ で 十分 。 バイト は 肉体 労働 も い とわ ない 」 と けなげな 心掛け を みせる 。 十四 日 行わ れた 大学 入試 センター 試験 の 数学 2 の 問題 で 、 数学 2 の 学習 指導 要領 に は 記載 さ れて い ない Σ 記号 が 出題 さ れて いた こと が 分かった 。 全国 的な 模試 を 実施 して いる 福武書店 の 指摘 で 判明 した と いう 。 この ため 、 大学 入試 センター は 、 「 問題 中 に Σ 記号 が ある の は 不 適切だった 。 記号 を 知ら ない 受験 生 に は 不公平に なる 恐れ が ある 」 と し 、 特別の 処置 を する こと を 決定 した 。 この 問題 は 数学 2 の 試験 問題 [ 2 ] の 【 1 】 。 Σ を 使って 解く 「 ウ エ 」 の 解答 に ついて は 、 正解 は 得点 でき 、 「 ア 」 、 「 イ 」 が ともに 正解 の 場合 に 限って 、 「 ウ エ 」 が 不 正解 、 あるいは 空欄 でも 七 点 加算 さ れる 。 政治 家 や 有名 人 の あいさつ を 収録 した 宣伝 ビデオ に 、 巧みな 話術 。 未 公開 株 を 高額で 販売 し 、 約 七十三億 円 余り を だまし 取った と して 警視 庁 捜査 二 課 と 深川 署 に 詐欺 容疑 で 逮捕 さ れた 電子 部品 販売 会社 「 日本 バリアント 」 の 社長 、 中川 秀一 容疑 者 ら の 商法 は 、 バブル の 残り香 を ふりまき ながら 、 多く の 一般 投資 家 を 犠牲 に した 。 「 公開 時 の 株価 は 、 史上 最 高値 を 記録 する かも しれ ませ ん 。 億万 長者 も 夢 で は あり ませ ん 」 。 会社 説明 会 を 頻繁に 開き 、 ある はず も なかった 「 値上がり 確実な 株 」 を 繰り返し 、 不正 販売 を 続けて いた 。 同社 の 会社 説明 会 は 、 バブル 経済 崩壊 直前 の 一九九一 年 二 月 ごろ から 始まり 、 ピーク 時 に は 、 週 に 一 度 の ペース で 、 一流 ホテル など を 会場 に 開催 さ れた 。 会場 で は 、 同社 作製 の PR ビデオ が 放映 さ れた 。 いずれ も 社長 が いかに 政 財界 や 芸能 界 に 顔 が 広い か を 誇示 する もの だった 。 「 日 米 共同 プロジェクト 」 と 題する ビデオ で は 、 米国 企業 を 招いた パーティー に 出席 した 複数 の 衆院 議員 や 元 国立 大学 学長 ら の 姿 を 収録 して いた 。 あいさつ の 部分 を 都合 よく 編集 した もの で 、 井出 正一 厚 相 は 「 社長 に は 、 おやじ 以来 大変 お 世話に なって いる 」 と 語って いた 。 伊藤 公 介 衆院 議員 の スピーチ は 「 社長 の 奥様 は 、 大学 の 後輩 」 と まるで 関係 の 深 さ を 強調 する か の よう に 聞こえる 。 太田 誠一 衆院 議員 は 「 社長 の ビジネス 拡大 に ご 協力 を 」 など と あいさつ して いた 。 小沢 一郎 ・ 新進党 幹事 長 の 秘書 も 出席 して いた 。 パーティー へ の 出席 に ついて 、 井出 事務 所 と 太田 氏 は 「 後援 者 の 紹介 で 行った が 、 社長 と は 面識 は ない 」 と 釈明 、 伊藤 氏 は 「 社長 夫人 が 、 『 大学 の 後輩 』 と 言って 頼み に 来た ので 出席 した だけ だ 」 と 、 バ 社 と の 特別な 関係 を 否定 して いる 。 また 、 「 福岡 支店 ビル 竣工 記念 パーティー 」 の ビデオ で は 、 有名 女優 ら が あいさつ を した ほか 、 首相 経験 者 や 当時 の 自民党 幹部 ら から 寄せ られた 花 など が クローズアップ さ れて いる 。 会社 説明 会 は 虚偽 で 塗り固めた ような 内容 だった と いう 。 会場 で は 、 同社 の 会社 案内 、 決算 書 、 目論見 書 、 新株 発行 要領 など 、 同社 の 業績 が 良好である こと を 示す 書類 が 配布 さ れた 。 しかし 、 これ ら の 書類 は 「 すべて 改ざん さ れた 虚偽 の 書類 」 。 「 だれ でも 買える と いう 株 で は ない 。 社員 の 縁故 株主 と して 特別 皆さん に だけ 提供 する 」 「 当社 は 、 世界 レベル の 電子 部品 技術 を 持って いる 」 と 巧みな うそ を 重ねて いた ほか 、 説明 役 の 東京 都 豊島 区 内 の 広告 会社 社長 は 「 元 新聞 社 経済 部 デスク 」 と いう ニセ の 肩書 を 持って いた 。 中川 容疑 者 も 「 有名 私立 大学 卒業 」 「 大手 商社 入社 」 「 大手 セラミック 会社 に 十 年間 在籍 」 など と 経歴 を 詐称 して いた 。 バ 社 株 を めぐって は 、 投資 家 ら で 結成 した 「 被害 者 の 会 」 の メンバー 三百三 人 が 九二 年 から 九三 年 に かけ 、 社長 ら を 相手取り 、 株 購入 代金 総計 十二億八千二百万 円 の 返還 を 求める 損害 賠償 の 訴え を 、 東京 地裁 に 起こして いる 。 中川 容疑 者 は 逮捕 前 、 毎日新聞 の 取材 に 対し 、 「 私 は 上場 の 時期 を 特定 した こと は ない 。 広告 会社 社長 ら が 勝手に 株主 を 集めた 。 決算 書 の 虚偽 記載 など も して い ない 」 と 話して いた 。 千葉 県 松戸 市 西 馬 橋 の ファミリー レストラン で 昨年 十一 月 二十 日 、 アルバイト の 女子 短大 二 年 、 永沼 早知子 さん が 強盗 に けん銃 で 頭 を 撃た れ 、 死亡 した 事件 で 、 同 県警 松戸 署 捜査 本部 は 十四 日 まで に 、 住所 不定 で 四十 代 の 無職 男性 を 強盗 致死 の 容疑 で 逮捕 状 を 取った 。 捜査 本部 は 、 千葉 県 内 の ほか 、 東京 、 埼玉 で 同じ 手口 の ファミリー レストラン を 狙った 強盗 事件 に 注目 し 、 複数 の 現場 で レンタカー を 使用 した 人物 を 対象 に 身辺 捜査 した 。 その なか で 、 松戸 市 の 事件 で 逃走 に 使わ れた レンタカー の 目撃 証言 など から 、 この 中年 男性 を 突き止めた 。 事件 は 十一 月 二十 日 午前 二 時 半 ごろ 、 松戸 市 西馬橋 二 の ファミリー レストラン 「 CASA 松戸 馬橋 店 」 で 閉店 後 、 二 階 事務所 内 で 従業 員 四 人 が 帰宅 準備 を して いた ところ 、 男 が 事務 所 入り口 から 押し入り 、 従業 員 ら に けん銃 を 突き付け カネ を 要求 した 。 男 は 金庫 内 の 売上 金 など 現金 約 五十二万五千 円 を 奪い 、 さらに 永沼 さん ら を 粘着 テープ で 縛る 際 に けん銃 で 永沼 さん の こめかみ を 撃って 逃走 した 。 永沼 さん は 十二 月 六 日 、 入院 先 の 松戸 市 内 の 病院 で 死亡 した 。 14 日 朝刊 23 面 「 恋文 日本 一 」 の 記事 で 、 小説 「 マディソン 郡 の 橋 」 の 舞台 が 「 米 イリノイ 州 」 と ある の は 「 米 アイオワ 州 」 の 誤り でした 。 午前 1 時 ごろ 、 福島 県 小浜 町 で 大火 。 新聞 に は 「 164 戸 が 全焼 。 郵便 局 、 食料 営団 事務 所 、 巡査 派出 所 、 旅館 4 戸 、 バス 4 台 、 白米 200 俵 を 焼出 、 死者 は 1 人 」 と ある 。 この 記事 に 比べ 、 一昨日 の 「 三河 大 地震 」 の 報道 は 皆無 。 東海 地方 に は 軍需 工場 が 多く 、 米国 に 「 被害 」 が 漏れる の を 恐れた 報道 管制 。 大学 入試 センター 試験 で 同 センター が 公表 して い ない 枝 問 部分 の 配点 に ついて 、 福武書店 ・ 進研 模試 は 次 の ように 推定 して いる 。 第 3 問 の A は 各 設問 と も 両方 正解 の とき のみ 6 点 。 ほか は すべて 設問 配点 を 解答 数 で 割る 。 第 3 問 の チ ツ テ が 8 、 2 、 8 の 場合 は 2 点 。 ほか は すべて 正解 の とき のみ 得点 を 与える 。 第 2 問 の ニ ヌ が 既約 分数 で ない 場合 は 2 点 。 第 3 問 の ア イ 、 ウ エ 、 シ ス セ 、 ソ タ チ ツ テ が 既約 分数 で ない 場合 は 各 3 点 。 第 2 問 の 解答 番号 5 、 6 は 各 3 点 。 第 3 問 の 解答 番号 19 は 3 点 。 20 は 4 点 。 21 は 4 点 。 22 は 2 点 。 ほか は すべて 設問 配点 を 解答 数 で 割れば よい 。 東雲 の 時 に 押さ れて 、 姫君 、 男君 の 手 に 身 を ゆだねる こと 男 の 匂い は 、 冷たく 熱く 鋭く 、 そして 若々しく 豊かに 、 姫君 の 閨 の 内 に 立ち篭めて おり ました 。 なに か 言葉 で も ある の か と 思う その内 に 、 男 の 手 が 姫君 の お手 を 取り ました 。 幾重にも 重ね られた 衣 の 上 で 、 若い 男 の 手 は 、 逸る 思い を 更に つのら せて いく ようで ございました 。 姫君 の お手 は 、 その 若い 男 の 手 を 冷たい もの と お 感じ に なり ました 。 その 冷た さ は 、 幾重にも 重ね られた 衣 の 中 で 逃げ場 を 失って いる 熱い 昂り の お 心 に とって 、 救い の ような 心地よ さ で ございました 。 「 この 時 を 、 どれほど お 待ち して いた か ―― 」 若い 男 の 声 は 、 まるで 熱 に 浮かされた ようで 、 少し しわがれて 聞こえ ました 。 「 この 方 は 私 を 思って くださる ―― 」 姫君 は 、 熱 に 浮かされた 男君 の 声 を 、 そのように お 聞き に なり ました 。 「 あなた は つれない 」 男 の 声 は 若く たどたどしく 、 しかし 姫君 の お召物 を まさぐる 男 の 手 は 性急で ございました 。 「 あなた は つれない 」 と 、 声 ばかり が なぶり ます 。 その 声 を 聞いて 、 姫君 の お 心 は 羞じらい ます 。 「 私 は つれない 、 悪い 女 な のだろう か ? 」 と 。 その 途方 に くれる ような 姫君 の お 心 を やすらわ せ ます ように 、 若い 男 の 手 は 姫君 の お 体 の 上 を あちこち と さまよい ます 。 厚く しっとり と した 、 濡れて 輝く ような 絹 の 上 を 、 若く 力強い 男 の 手 は あちこち と さまよって 、 その 中 で しっとり と 濡れ 輝いて いる 、 白い 絹 より も なお 白く 、 人 の 手 に よって 擣ち 出さ れた 絹 の 艶 より も なお なお 豊かな 輝き を 持った 姫君 の お 体 を 確かめよう と して おり ました 。 「 あなた は つれない 、 あなた は つれない 」 と 、 男 の 声 は 何度 も 繰り返し 、 若い 男 の 手 は 姫君 の お 体 を 覆って おり ます 厚い 衣 の 中 へ 忍び寄って まいり ます 。 姫君 は 、 男 の 声 に 答える の も 忘れ 、 その お 心 は 、 ただ 「 つれない 」 と 責める 若々しい 男 の 声 に 追わ れる ように して 、 どこまでも さまよって 行か れ ます 。 夜 の 帳台 の 中 に は 、 もう 姫君 の お 体 を 支える 床 と いう もの は なくて 、 無限に 続く 恋 の 闇 に 漂い 出す 姫君 の お 体 を 支える もの は 、 ただ 若い 男君 の 力強い 腕 ばかり で ございました 。 夜 の 奥 に は 鋭い 痛み が ございます 。 夜 は なだらかに 一色 で は なく 、 男 と 女 が 出逢い ます 時 に 必須の 、 鈍い 違和 の 痛み が ございます 。 それ に 出逢って 、 ですけれども 、 姫君 の 熱い お 心 は 、 それ を 堪えよう と いたし ました 。 それ は 痛い ので は なく 、 熱い のである と 、 姫君 は その 初めて の 恋 の 痛み を お とらえ に なり ました 。 忍び や かな 絹 の 音 も 、 慌ただしい 息遣い も 、 男 と 女 の 衣 に 薫きしめ られた それぞれ の 香 の 匂い も 一 つ に なって 、 そこ に は ただ 生々しい 恋 の 一夜 が ございました 。 男 は 、 女 の 顔 を 知り ませ ん 。 夜 の 中 で 、 自分 の 思い 的 が 、 自分 を 待って そこ に ある こと を 知って 、 引き絞ら れた 思い の 矢 は 、 ただ 力強く 放た れ ました 。 女 は 、 男 の 心 を 知り ませ ん 。 ただ 、 訪れた 熱い 息遣い が 、 自分 自身 の 熱い 思い の 分身 の ように 思えて 、 見え ない 心 に すべて を ゆだねて しまい ました 。 帳台 の 中 に 光 は なく 、 油 の 切れた 灯台 の 灯火 も 消えて 、 帳台 の 外 に も また 、 光 と いう もの は ございませ ん でした 。 まだ 夜 は 明け ませ ん 。 まだ 明け ぬ 夜 の 中 で 、 恋 の 闇 ばかり は 続いて おり ます 。 もう 少し すれば 、 東 の 空 に 曙 の 光 が 宿り ます 。 人 の 姿 を 見顕わす ような 朝 の 光 が 宿って 、 恋 の 時間 は 終わり ます 。 その 東雲 の 時 の 訪れる より 早く 、 暗い 母屋 の 内 に 、 左京 の 姿 が ございました 。 「 間もなく 、 夜 が 明け ます 。 なにとぞ ―― 」 その 声 が 対 の 屋 の 内 に 響き渡る ようで 、 帳台 の 外 に 控え ます 左京 は 身 を 震わせ ました 。 人 の 気配 は ございませ ん 。 起き出 す 人 の 様子 も ございませ ん 。 まだ 鳥 さえ も 声 を 発して おり ませ ん 、 冷たい 闇 の 中 で ございました 。 帳台 の 内 に は 、 人 の 熱 が 篭って おり ます 。 緩んだ 帯紐 が 、 そのまま 恋 の 後 の しどけな さ を 教える ばかりで ございます 。 「 私 は 、 もう 行か なければ なり ませ ん 」 男 は 申し ました 。 「 あなた と 離れる の は つらい 。 ですけれども 、 私 は もう 行か なければ なり ませ ん 。 私 が どんなに あなた を 愛して いる か 、 それ を あなた に 申し上げる こと が 出来 なくて つらい 。 ですけれども 、 私 は あなた を 愛して いる のです 」 「 はい 」 と 、 それ に 答える 女 の 声 が いたし ました 。 「 ああ 、 やっと お 声 を 聞か せて くださった 。 あなた は 私 の もの です 。 あなた は 私 の もの に なった ―― 。 あなた は ―― 」 それ を 聞く 女 は 、 自分 を 思う 男 の 声 が 喜び に 逸って いる の を 、 「 嬉しい 」 と 思って 聞き ました 。 「 あなた は 私 の もの だ 。 私 が あなた の もの である ように ―― 。 あなた は 、 私 の もの な のです 」 女 は 、 闇 の 中 で 頬 を 染めて 、 ただ 「 はい 」 と だけ 答え ました 。 女 の 声 が 男 の 逸る 心 に 火 を つけて 、 思わず 男 は その 声 の 主 を 抱きしめ ました 。 嬉しい と 思う 女 は 、 その 男 の 腕 の 中 で 、 やっと 安堵 の 熱い 息 を 吐き ました 。 “ ロマンティック ” 。 小説 の 中 で この 言葉 を 無自覚に 使用 する 作家 は 、 おそらく ひと り も い ない ように 思い ます 。 それほど 、 手垢 の つき すぎた 言葉 です 。 しかし 、 言葉 が どう であれ 、 ロマンティック と いう 魔力 に 眩惑 さ れた こと の ない 人 は 、 ほとんど い ない と 言って いい でしょう 。 どんなに 無骨な 男 でも 、 恋 に 落ち 、 胸 が ときめいて いる 時 は 、 日頃 の 態度 と は 違った 面 を 見せる もの です 。 非 現実 な 立ち振る舞い が 、 現実 の もの に なる 。 まさに 、 これ が ロマンティックな 瞬間 な のです 。 ロマンティックな 行為 の 典型 的な 例 は 、 好きな 女性 に 花 を 贈る ことだ と 思い ます が 、 本当の こと を 申し まして 、 私 は 、 恋人 に 花 を 贈った こと は 一 度 も ございませ ん 。 お定まり の やり 方 の ような 気 が し 、 花屋 に 足 が 向か なかった のです 。 夜景 の 見える ホテル の バー 、 薔薇 の 花 、 甘い 囁き …… 。 多く の 女性 が 、 この 手 の 舞台 背景 や 小道具 に 弱い の は 分かって い ます 。 しかし 、 日本 男児 は 、 西洋 人 が やる ように 、 はっきり と した 態度 や 言葉 で 、 ロマンティックな ムード を 作って いく の が 苦手です 。 奥ゆかしく 控え目に しか 表現 でき ない のです 。 ですから 、 背景 が 重要な もの と なり ます 。 一杯 呑み屋 の カウンター より は 、 夜景 の 見える ホテル の バー 、 鮨屋 より も フランス料理 屋 の 方 が よそゆき の 感じ が する ので 、 非 現実 を 現実 的に 見せる 場所 と して は 向いて いる のです 。 しかし 、 西洋 的な 雰囲気 の する 場所 だけ が ロマンティックな ムード を 作り出す と は 限り ませ ん 。 たとえば 、 高倉 健 と 倍賞 千恵子 の ような 俳優 を 頭 に 置いて 、 一 杯 呑み屋 で の “ 告白 ” シーン を 想像 して み ましょう 。 暖簾 を 下ろした 小さな 呑み屋 。 倍賞 が おでん の 火 なんか 見 ながら 、 「 明日 は 雪 か も ね 」 と つぶやき ます 。 高倉 は 生 返事 を した だけ で 、 ぐっと 日本 酒 を あおり ます 。 そして 、 唐突に 、 擦り切れた 革ジャン の ポケット から リボン で 結ばれた 小さな 包み を 取り出し 、 汚れた 皿 の 積み上げ られた カウンター に 置き ます 。 「 千恵 ちゃん 、 これ 」 「 何 よ 、 それ …… 。 私 に ? 」 「 明日 、 誕生日 だろう 」 高倉 は そっけなく 言う のです 。 この リボン の ついた 小さな 包み だけ が 、 薄汚れた カウンター に とって は 、 非 現実 な のです 。 この 場合 は 、 夜景 の 見える バー より も 、 呑み屋 の カウンター の 方 が ずっと ロマンティックな ように 思え ます 。 カミさん に 言わ せる と 、 私 は あまり ロマンティックな 人間 で は ない ようです 。 三 回 目 の デート ぐらい まで は 、 それなり に 演技 を して いた ようです が 、 すぐに 地 が 出て 、 ロマンティック と は ほど遠い 人間 に 変わった そう であり ます 。 そう 言えば 、 昔 、 或る 女 の 人 が 言って い ました 。 「 黙って る と 、 少し は ロマンティックな 人 に 見える のに 。 冗談 ばっかり 言って る から 、 ムード なし 」 と 。 しかし 、 私 が ロマンティックだろう が なかろう が 、 カミさん と は 、 もう 絶対 に ロマンティックな 関係 に は なれ ない でしょう 。 私 の せい だけ で は あり ませ ん 。 十 年 も いれば 、 カミさん の 態度 だって 変わり ます 。 私 たち は 、 相手 の 誕生日 の 日 だけ は フランス料理 を 食べ に 出かけ ます 。 しかし 、 そこ の 料理 が まずかったり する と 、 カミさん は こっそり と こんな こと を 言う のです 。 「 家 に 帰って さ 、 ラーメン 食べよう よ 」 これ で は 、 ムード も へったくれ も あり ませ ん 。 どんなに いい 夫婦 関係 を 結んで いる 男女 でも 、 ロマンティックな 雰囲気 を 味わい たかったら 、 新たな 異性 を 相手 に する しか ない のです 。 これ は 、 ロマンティック と いう もの の 宿命 な のであり ます 。 もしも 私 に 、 そんな 状態 が 訪れたら 、 今度 こそ は 、 寡黙に 振る舞おう と 思い ます が 、 きっと 三 日 も 持た ない かも しれ ませ ん ね 。 まだ 幼 さ を 残した 顔立ち が 「 今 まで 生きて 来た 中 で 一 番 うれしかった 」 と 語り 、 日本 中 が ほのぼの と した 笑顔 に 包ま れた 。 熱狂 と 興奮 の あの バルセロナ 。 その 主役 は 、 だれ より も キョトンと して 、 金 メダル の 重み を 噛みしめて いた ようだった 。 世界 一 。 それ まで の 努力 の 裏 に あった もの は 「 お 母さん が 、 頑張ったら 自転車 買って あげる って 言った から 」 。 超 高級 外車 が 副賞 に なる 時代 だ 。 しかし 、 屋根 の ない シート に も 、 こんな 場合 は 大きな 価値 が ある 。 流行り の 服 や TV ドラマ に 敏感で 、 小さな 声 で ポソポソ 喋り 、 時折 ビシッと 決める 言葉じり に 「 強 さ 」 を のぞかせる 。 太陽 の 国 から 戻って 来た 彼女 と 再び 会った 時 、 “ 逆 パンダ ” の ように かわいらしかった ゴーグル 焼け は 、 もう なかった 。 少し 髪 も 伸びた が 、 それ だけ で は ない 。 “ 大人っぽく なった な ” と いう 印象 を 受けた 。 それ が 彼女 の 競技 者 と して の 苦しみ に つながる と は …… 。 この 時期 、 少女 は 日一日 と 女性 に 変わって ゆく 。 身体 の 線 も 丸み を 帯びて 、 大人 に なる のだ 。 どんなに 激しい 節制 を もって して も 、 その 成長 は なかなか 止め られ ない 。 パワー より も テクニック と 言わ れる 平泳ぎ で は 、 わずかな 体形 の 変化 が 大きく タイム に はね返る 。 上半身 と 下半身 の バランス と タイミング は 、 力 技 で は ごまかせ ない 。 自分 で は 何ら 変わら ぬ 感覚 で 泳いで いる つもり でも 、 今 まで と は 違う 現象 が 起きて くる 。 そこ で 初めて 、 自分 の 身 に 生じて いる 出来事 に 戸惑う のである 。 避けて 通れ ない 成長 と いう 自然の 過程 は 、 世界 より も 大きく 彼女 の 前 に 立ちはだかった 。 過去 、 この 戦い に 敗れた “ 惜しい 逸材 ” は 数多い 。 なじんだ 泳法 に 別れ を 告げて 、 岩崎 恭子 さん は 新たな 自分 の 型 を 探して いる 。 恋愛 に も 大いに 関心 の ある 年ごろ だ が 、 そちら の パートナー より も 先に 見つけ なければ なら ない もの が ある ようだ 。 世界中 の ファン が 、 「 新生 ・ イワサキ 」 の 復活 を 待ち望んで いる 。 今度 は どんな 表情 で 、 メダル を 手 に する のだろう か 。 古代 日本 人 に は 暦 と いう もの が なかった 。 月 の 満ち欠け に よって 暦 の 代用 を して いた 。 遠い 遠い 昔 に は 、 正月 の 十五 日 の 満月 の 夜 を 、 一 年 の 始まり と した 。 その 日本 に 中国 から 暦法 が 入って きた の は 、 欽明 天皇 の 十五 年 の こと 、 百済 から 暦 博士 が 渡来 して 初めて 伝えた 。 そして 正式に 使用 し はじめた の が 聖徳太子 で 、 推古 天皇 の 十二 年 。 これ に ともなって 正月 行事 の うち 、 公 の もの は 元旦 に 移さ れ 、 内輪 の もの が 十五 日 の 小正月 に 残さ れた らしい 。 ちなみに 、 今年 の 旧 元旦 は 一 月 三十一 日 。 もちろん 、 暦法 と いっしょに さまざまな 年中 行事 も 中国 から 輸入 さ れて きた 。 最初 は 宮中 や 貴族 の 間 だけ で 行わ れ 、 ほぼ 行事 の 形 が きまった の が 平安 時代 。 やがて 民衆 の ほう に まで 風習 が 下りて きて 、 江戸 時代 に 完全な 民間 行事 と なる 。 桃 の 節句 、 端午 の 節句 、 重陽 の 節句 から 七夕 、 更衣 エトセトラ 、 念のため に 書く が いずれ に せよ 旧暦 の 季節 に 合わせて つくら れて いる 。 ところが 、 明治 五 年 十一 月 に 従来 の 太陰暦 を 廃し 、 西欧 諸国 と 同じ ように 太陽暦 を 用いる と 、 ウム を いわ せ ず 明治 政府 が きめた のである 。 その ため に 天皇 の 詔書 まで が でて いる 。 その 結果 、 明治 五 年 十二 月 三 日 が 明治 六 年 一 月 一 日 と なった 。 つまり 明治 五 年 の 十二 月 に は 一 日 と 二 日 だけ あって 、 三 日 以降 は なかった のである 。 これ を 知ら ず に 小説 なんか で 「 彼 は 明治 五 年 の 大晦日 生まれ である 」 なんて やる と 、 大 恥じ を かく こと に なる 。 お 先走り の 西洋 好き の 福沢 諭吉 が 『 改暦 弁 』 と いう 啓蒙 書 を だして 、 太陽暦 が いかに 利便である か を 説いて いる 。 日輪 と 地球 と を 照らし合わせて 一 年 の 日数 を 定め たる もの ゆえ 、 「 春夏秋冬 寒暖 の 差 、 万 年 異なる こと なく 、 何 月 何 日 と いえば 丁度 去年 の その 日 と 同じ 時候 にて 、 種子 を 蒔く に も 稲 を 刈る に も 、 態々 暦 を 出して 節 を 見る に 及ば ず …… 」 と 、 政府 の 政策 に 賛成 して 太鼓 を 叩いた 。 ところが 、 もと を 正せば 日本 は 農業 本位 の 国 であった 。 日本 人 は 天体 の 動き なんか より も 、 雪月花 あるいは 花鳥 風月 など を 目安 に して 季節 の 移り変わり を 知った 。 伝統 的な 暦 は 自然 暦 。 それだけに 生活 の 営み と 季節 の 変化 と は うまく 一致 して いた 。 それ を 西洋 に 合わせよう と いう のである から 、 もう やたらに 無理 が でる 。 新年 が 春 の 到来 で ない こと は 事実 で 、 謹賀 新春 と か 賀春 と 年賀 状 に かくも の の 、 寒風 いよいよ 吹きすさぶ の 候 な んである 。 雪国 なんか で は 新年 の 初 仕事 が 屋根 から の 雪 おろし 。 と いう わけで 、 戦争 中 に 、 季節 を 無視 した 太陽暦 に 反対 、 改むる べきである と いう 運動 が 、 国文学 者 を 中心 に 起こった こと が ある の を 、 読者 は ご 記憶 であろう か 。 「 わが国 の 生活 は 季節 と 極めて 深い 関係 を もち 、 これ を 軽視 する と は 、 わが国 の 伝統 精神 の 一部 を 破壊 する もの である 」 こんな 戦争 中 の 国文学 者 たち の 性急な 日本 主義 は 、 いまに なる と 一場 の お 笑い 草 に しか なら ない 。 されど 、 まわり から 季節 感 が どんどん 失わ れて いく われら の いま の 生活 を 想う と 、 「 わが国 の 伝統 精神 」 の 一部 どころ か 根本 まで が 「 破壊 」 さ れて しまって いる こと を 、 ちょっぴり 憂え たく も なって くる 。 季節 感 は いまや 俳句 の 歳時 記 の なか に だけ やっと 存在 して いる 。 それ で 昨今 の 俳句 ブーム が ある の かも しれ ない が 。 いや 、 歴史 探偵 と して 書こう と 思って いる の は 、 季語 の 話 なんか で は なかった 。 旧暦 から 新暦 へ の 強引な 転換 で 、 さぞ さまざまな 混乱 が あったろう と 、 その こと が 気 に なって 調べて みた 結果 の 報告 である 。 第 一 に 十二 月 分 の 給料 は どう なった か 。 たった の 二 日間 で は ある が 十二 月 と いう 月 が ある 以上 、 一 カ月 分 の 給料 を 払え ―― と いう 月給 とり の 言い分 に 、 太政官 は これ を 突っぱねた 。 なんの こと は ない 、 日割り 計算 も なく 二 日 分 は ただ働き な のである 。 また 、 改暦 に よって 、 時間 の 数え 方 も 変わった 。 そして 太政官 は さらに 親切に も こう 指示 した 。 いったい どこ が “ 親切 ” な の か と 疑問 に 思わ れる 人 も 多かろう 。 改暦 まで は 、 三 時 、 四 時 と 記す 場合 、 三 字 、 四 字 と 「 字 」 の 文字 を 使って きて いた 。 「 願い出 で は 十字 限り 」 「 いかなる 練達 の 文人 と いえ ども わずか 十 個 の 文字 にて よく 情実 を 尽し 得 ん や 」 と 抗議 を くったり した から である 。 いま は なんでもなく 使って いる 「 時 」 に も そんな 裏話 が あった のである 。 「 山 に こもり 、 修行 する こと 三 年 八 カ月 ! 」 。 司会 役 が 紹介 する と 、 ご 本人 は 「 いや 、 三十五 年 八 カ月 だ 」 と 訂正 した 。 寒風 が 吹きすさび 、 宣伝 の ノボリ が ちぎれ ん ばかりに はためき 、 ガマ の 人形 など 小道具 類 が 次々 に 吹き飛ぶ 。 「 ガマ の 油売り 」 の 演技 で 、 休日 の たび に 全国 を 駆け巡る 工藤 竹美 さん は 昨年 暮れ 、 商店 街 の イベント に 招か れ 群馬 県 太田 市 に いた 。 実は 工藤 さん は 、 山 で 修行 した どころ か 理工 系 の 大学 を 出て 機械 設計 会社 に 就職 、 途中 から 設計 製図 学校 を 経営 して いた 技術 者 である 。 就職 した 時 の 新人 歓迎 会 で 、 先輩 が 余興 で 披露 した ガマ の 油売り の 口上 が 忘れ られ ず 二十 年 ほど 前 、 落語 の レコード に 口上 が 含ま れて いる の を 知り 見よう見まね で 始めた 。 近所 の 飲み屋 で ほろ酔い で 演じた ところ 拍手 喝さい 、 五 年 前 から 製図 学校 を 息子 さん に まかせ 、 大道 芸人 を 各地 に 派遣 する 会社 に 所属 し 、 プロ に なって しまった 。 芸名 は 「 工藤 左衛門尉竹美 」 。 「 さーて 、 お 立ち会い … 一 枚 の 紙 が 二 枚 、 二 枚 が 四 枚 、 四 枚 が 八 枚 … 六十四 枚 が 一 束 二十 、 八 枚 と 切れた 。 上 へ 吹き上げれば 、 比良 の 暮雪 か 嵐山 に は 落花 の 舞い 。 かよう に 切れる 業物 でも 、 差し 裏 、 差し 表 に ガマ の 油 を 一 付け する とき は 鈍刀 同然 、 白紙 一 枚 容易に 切れ ない …… 」 「 エーイッ 、 エーイッ ! 」 。 耳 を つんざく 大声 が 響き 、 刀 で 腕 を 切る と 、 絵の具 の 赤い 血 が タラーリ と 流れた 。 うそ だ と 分かって いて も 観客 は 思わず 身 を 乗り出し 、 緊張 する 瞬間 だ 。 演技 が 終わる と 、 パラパラッ と 拍手 が わいた 。 ガマ の 油売り は 、 どこ か インチキ 臭い 。 工藤 さん と その 周囲 に は 、 だまし 、 だまさ れ 、 昔 懐かしい 大道芸 を 心から 楽しむ 雰囲気 が 漂って いる 。 かつて 、 物売り の 大道 商人 が 実際 に 客寄せ に 演じた 芸 は もう 遠い 過去 の 話 。 しかし 、 工藤 さん は その 芸 を 受け継ぎ 、 自宅 が ある 東京 都 杉並 区 の 各種 行事 に 参加 する ほか 、 旅 芸人 よろしく 「 南京玉 すだれ 」 や 「 バナナ の たたき売り 」 など を 演じる 仲間 と ともに 各地 を 転々 と して いる 。 工藤 さん は 「 物売り 芸 を 覚え 、 会社 の 販売 政策 の 一助 に なれば と も 思い始めた が 、 病みつき に なった 。 ガマ の 油売り は 、 うさん臭 さ を 出さ ない と 面白く ない 。 また 、 古くから ある 口上 に 加え 、 例えば 政治 の 混乱 など を からめ 、 時代 も 含め 自己 表現 できる の が 最大 の 魅力 。 でも 、 普段 の 生活 でも 声 が 大きく 、 内証話 が でき なくて 困り ます 」 と 笑う 。 その 工藤 さん は 、 「 大道芸 “ がま の 会 ” 」 の 会長 で も ある 。 好き 者 同士 四 人 が 集まり 、 十 年 ほど 前 から 始めた 。 現在 、 会員 は 高校 一 年生 から 八十二 歳 の お 年寄り まで 三十五 人 。 毎月 一 回 、 杉並 区 内 の 集会 所 で 練習 して いる 。 演目 は ガマ の 油 、 バナナ 、 薬草 、 万年筆 、 七味唐辛子 、 アメ など 、 かつて 道端 で 見 られた 物売り の 口上 が 中心 だ 。 練習 の 時 、 まず 、 全員 で 「 結構 毛 だらけ 、 ネコ 灰 だらけ 。 見上げた もんだ よ 屋根 屋 の フンドシ …… 」 と 、 映画 の 中 で 渥美 清 ふんする 「 フーテン の 寅 さん 」 が 話す 口上 を 発声 訓練 して から 、 各人 の 演目 に 入る 。 古い もの へ の 郷愁 から な の か 、 入会 希望 者 が 後 を 絶た ない 。 当の 工藤 さん は 目下 、 ガマ の 油売り に ついて の 本 を 執筆 中 だ 。 地上 絵 で 知ら れた ペルー の ナスカ である 。 もともと は ナ・ナスカ と 呼ば れ 、 ケチュア 語 で 「 痛み が ある 」 と いう 意味 だ そうだ 。 現在 の ナスカ の 町 が ある ところ は 、 ソイ ・ ソンコ と いう 地名 であった 。 ソイ は 「 壊れた 」 で 、 ソンコ は 「 心 」 である 。 心 が 壊れて しまって 、 痛い のである 。 悲しい 言葉 ばかり で できて いる 。 生きる の が つらかった の かも しれ ない 。 パンパ と 呼ば れる 大 平原 は 、 見渡す かぎり 茫漠たる 乾燥 した 荒地 だ 。 パンパ と いう と 豊かな 語感 さえ ある が 、 要するに 砂漠 である 。 これほど 乾燥 した 水 の ない ところ で 生きる の が 、 つらく ない はず は ない 。 苛酷な 自然の 中 で 、 悲しい 人 たち が 、 つらい 暮らし を して いた のである 。 数百 メートル も ある ような 動物 の 絵 を 地上 に なぜ 描いた の か 、 今では わから なく なって いる 。 実際 に この 荒地 に 立って みる と 、 人々 は 天 に 向かって 祈った のだ と いう 気 が する 。 つらい 暮らし を 少し でも 安穏に と 、 悲しい 人 たち が パンパ に 線 を 刻み 、 最高の 神 である 太陽 に 祈った のであろう 。 パンパ に は 遺跡 が たくさん 残って いる 。 その ひと つ カワチ は 、 宗教 都市 であった 。 カワ と は 「 見え ない もの 」 で 、 チ は 「 場所 」 である から 、 神 や 霊 など 見え ない もの を 祈り の 中 で 見よう と した 聖地 な のである 。 頭 だけ が 切り離さ れた 遺体 が たくさん 出土 し 、 いけにえ に 捧げ られた のだろう と いわ れて いる 。 日干し 煉瓦 の 壁 など が 残って いる ばかりだ が 、 遮る もの の ない 強い 太陽 光線 の 中 を 、 千五百 年 たって も 生々しい 霊魂 が 飛び交って いる ような 気 が する のだった 。 カワチ の 入口 に は 日干し 煉瓦 で 小さな 家 が つくら れ 、 監視 人 が いた 。 いつも にこにこ 笑って いる 七十 歳 の アンドレス ・ パレート さん だ 。 ナスカ と いえば 古代 の 陶器 が あまりに も 有名で 、 乾いた 砂 の 中 から まるで 昨日 焼いた ような 壷 や 酒器 など が 出土 する 。 これ は 大変 価値 が ある 。 同じ ように 砂 の 中 から でて くる 織物 と ならんで 、 高価な 宝物 な のだ 。 したがって 盗掘 人 が 絶え ない 。 インカ の 前 の 文明 を プレ ・ インカ と いいならわす が 、 それ ら の 諸 文明 も インカ も 、 出土 品 の 現物 は ある が データ が ない と いう こと が 多い 。 小高い 丘 に なった カワチ を 歩く と 、 盗掘 の 掘り 跡 が いたるところ に ある 。 監視 人 の パレート さん は 、 この あたり の 地下 の こと なら なんでも 知っている 。 考古学 者 より も 詳しい 。 神殿 の 位置 、 墓 の 位置 も よく 知っている 。 私 たち を 案内 して くれる 道すがら 、 パレート さん は 笑顔 を たやさ ず に 話して くれる 。 事情 が 深く わかって いる のだ から 、 一 番 いい 監視 人 であろう 。 だが 現在 でも 盗掘 は 絶え ない そうだ 。 なにしろ 遺跡 は あまりに も 広い のである 。 他の 場所 で は 、 掘りださ れた ミイラ が 散乱 して いる こと も ある 。 千 年 以上 も 前 の ミイラ な のに 、 乾いた 気候 の せい か 、 地上 に あって も 同じ 状態 で いる 。 だが そう 見える の も 短い 時間 だけ で 、 急速に 風化 して いく に 違いない 。 地下 の 安定 した 暗闇 と は 違う のである 。 心 が 壊れた 悲しい 人 が 、 千五百 年 以上 たって も ミイラ と なって 肉体 を 残し 、 地上 に いる 。 ミイラ と なる と 、 ますます 悲し そうだ 。 壮絶な のであった 。 年神 に 供える 供物 を 「 節供 」 と いう 。 それ ら 神 に 捧げる いわゆる 「 節供 料理 」 を わたし たち は 略して 「 おせち 」 と 呼び 、 神 と ともに 「 共 飲 共食 」 する こと に よって 、 心 と 身体 の 連鎖 を はかり 、 若がえろう と して きた 。 「 ハレ 」 の 日 の 供物 や 食べ物 の 歴史 を 眺めて いる と 、 そこ に 日本 人 の 原初 の 精神 史 を うかがう こと が できる と も いえる 。 たとえば 、 さきに 述べた 「 鏡餅 」 を はじめ と して 、 次に 「 御神酒 」 を 飲む 。 それ を 「 屠蘇 」 と いう 。 屠蘇 は 、 いう まで も なく 中国 から 伝え られた 酒 と 伝承 である 。 唐 の 時代 に 、 屠蘇 庵 に 住んで いた 孫思 〓 と いう 医者 が 、 年 末 に 風邪 の 予防 の ため に 知人 に 贈った 薬 が 、 大変 おいしくて 評判 と なり 広まって いった もの と いわ れる 。 屠蘇 と は 「 鬼気 を 屠絶し 、 人魂 を 蘇生 さ せる 」 と いう 意味 である と いう 。 そして 元日 の 朝 に 「 雑煮 」 を 食べる 。 雑煮 と いう 言葉 は 、 中世 に 漢語 が 入って から の 言葉 であろう と 柳田 国男 は 推測 し 、 それ 以前 は 「 餅なほらひ 」 と 呼んだ と 述べて いる 。 まさに 神 と の 「 共 飲 共食 」 の 元 の 姿 が ここ に は うかがわ れよう 。 その 膳 に は 当然の こと と して 「 おせち 」 料理 が 並ぶ 。 「 三 つ 肴 」 と 呼ば れる 「 おせち 」 である 。 関東 で は 、 黒豆 ・ 数の子 ・ 五万米 、 関西 で は 、 黒豆 ・ 数の子 ・ 敲き 牛蒡 が 三 つ 肴 である 。 黒豆 は 、 黒 の 色 が 道教 に おける 邪 除け の 色 と して 尊重 さ れる ところ から 使わ れて きた と いわ れる 。 数の子 は 、 鰊 の 子 であり 、 鰊 は 「 かど 」 と も いわ れ 、 それ が なまって 「 数の子 」 と 呼ば れ 、 子孫 繁栄 を 意味 して 膳 に のぼった のだった 。 五万 米 は 「 田 作り 」 と も いわ れ 、 肥料 に したら 豊作 だった こと から 、 豊年 を 祈る 意味 から 使わ れた と いう 。 そして 黒い 牛蒡 は 聖なる 色 と して 珍重 さ れた のであった 。 一九九〇 年 十二 月 。 シャンソン の 殿堂 、 パリ の オランピア 劇場 で リサイタル を 開いた 。 日本 人 で 初 の 快挙 である 。 公演 の 一 カ月 ほど 前 から 、 体中 に じんましん が できた ほど プレッシャー を 感じた が 、 舞台 は 大 成功 だった 。 満員 の 観客 の 中 に は 、 イブ ・ モンタン 、 ジャクリーヌ ・ フランソワ ら 、 そうそうたる シャンソン 歌手 たち の 姿 も あった 。 盛大な 拍手 の 音 を 聞き ながら 、 四十五 年 前 の 敗戦 の 年 の 秋 、 初めて の 舞台 で 歌った 「 ドリーム 」 と いう 歌 を 思い浮かべて いた 。 聖書 の 中 に ある この 言葉 は 、 東京 音 大 を 卒業 後 、 自立 して ずっと 生きて きた 、 石井 さん の モットー である 。 のち に 衆院 議長 も 務めた 石井 光次郎 氏 を 父 に 、 裕福な 家庭 で 育った 。 が 、 独立 心 は おう盛だった 。 戦後 ジャズ 歌手 に 。 その後 、 シャンソン を 志し 、 五一 年 から 六 、 七 年 、 勉強 の ため に パリ へ 。 そこ で 暮らした 時 も 、 レビュー など の 仕事 を やり ながら 自活 して いた 。 「 当時 、 父 が 大臣 だった から 、 大臣 の 娘 が なんで 送金 も 断って 外国 で 頑張る の か 、 と いう 人 も いた みたいだ けど …… 。 私 は 、 人間 は 成人 したら 独立 す べきである 、 と 思い込んで 育って きた んです 」 この 自立 心 が 、 石井 さん の 活動 の 源 な のだ 。 その分 、 息抜き も うまい 。 多忙な スケジュール の 合間 に 、 サッと 外国 旅行 を したり 、 料理 を 作って 人 を もてなしたり 。 水泳 は マスターズ 大会 優勝 の 実力 。 二 年 前 から 、 「 動け なく なった 時 の 楽しみ の ため に 」 コントラクトブリッジ を 習い始めた 。 人生 の 楽しみ 方 も 積極 的だ 。 歌手 生活 は 今年 で 五十 年 に なる 。 三十 代 の 終わり に 音楽 事務 所 と 結婚 生活 を スタート さ せ 、 しばらく 歌 から 遠ざかって いた 。 心機 一転 、 再び 歌 に 全力 投球 し 始めた の は 、 夫 を 亡くした 五十 代 から である 。 「 この 十五 年 ぐらい は 、 生きる か 死ぬ か 、 と いう 気 で 歌って いる わ ね 。 一生懸命 やれば やる だけ 、 年 取って も その 効果 は 出る 、 と 思って いる んです よ 」 今 も 、 平均 して 月 の 三 分 の 一 ぐらい は 舞台 に 立つ 。 「 芭蕉 は 死ぬ 時 に 、 『 辞世 と 思わ ないで 詠んだ 句 は 一 つ も ない 』 と 言った んです 。 私 の 年 に なる と 、 それ が 身 に しみて わかる わ ね 。 いつまで 歌える か わから ない 。 声 が 出 なくて 、 明日 辞める かも しれ ない し 。 だから 今 、 一 回 一 回 の 歌 が 自分 の 辞世 、 と いう 心境 ね 」 ステキに 年 を 重ねて いる 人 は 、 陽気に そう 語る 。 歌手 。 1922 年 生まれ 。 91 年 に は 私財 を 投げ打ち 日本 シャンソン 協会 設立 。 後進 育成 に も 尽力 。 Q 義父 母 と 1 日 中 、 顔 を 合わせて いる 嫁 です 。 親 が 昔風な 考え 方 を する ため 、 使用人 扱い さ れ 勤め に も で られ ませ ん 。 小遣い も もらえ ず 、 家事 、 育児 、 言葉遣い も 干渉 さ れ 、 自由 が 一切 あり ませ ん 。 いっそ 幼子 を 連れて 家 を で たい のです が 、 後 が こわくて 勇気 が で ませ ん 。 しかたなく 服従 して 毎日 、 モンモンと 過ごして い ます 。 夫 は 親 の 肩 を 持ち 、 親 に 反論 でき ませ ん 。 このまま 我慢 した 方 が いい か 、 思いきった 方 が いい か 悩んで い ます 。 『 3 歳 と 1 歳 の 子 を 持つ 母 』 A 勇気 を 出して 出ちゃ い なさい よ 。 このまま だ と あなた は 、 自分 を 大切に 思え なくて ノイローゼ に なっちゃ う よ 。 女性 は 、 「 彼 」 と 結婚 した と 思って いる けれど 、 彼 や 彼 の 親 は 「 うち の 家 の 嫁 に きた 」 と しか 思って い ない と いう 相談 は よく 受け ます 。 あなた は 自分 の こと を 「 変わって いる 」 と か 、 「 わがままだ 」 と か 「 母親 失格 だ 」 と か 思う 必要 は 全く あり ませ ん 。 「 自由 が 一切 ない 」 と いう 「 奴隷 状態 」 が 耐え られ ない と いう あなた の 気持ち は 、 当然の こと じゃ ない です か 。 こういう とき の 私 の 役割 は 、 「 ガケ の 上 から 突き落とす 」 じゃ なかった 、 「 どーんと 背中 を 押す 」 こと に ある と 思う ので 、 どーんと どついて 励まし たい 。 家 を 出る のに 、 夫 と 一緒に 出て 、 「 三 世 代 同居 」 を 避けて 、 「 共存 」 を はかる と いう 方法 と 、 夫 もろとも 置いて 出る と いう 方法 の 二 つ が ある と 思う 。 どちら を とる か は 、 あなた が 夫 の こと は まだ 好きだ けれど 、 「 彼 の 家 」 は イヤ と 思う か 、 「 彼 の 家 」 に 従属 し きって いる 彼 に は もう ほとほと 愛想 が つきた と 思って いる か に よる でしょう ね 。 最近 、 つくづく 「 女 は 何度 も 生きかえる 」 と 思って いる 。 そういう 女 の 人 に 多く 会う から かも しれ ない けれど 、 「 一生懸命 」 自分 に 忠実に 生きて いる 限り 、 そして 、 自分 の 人生 を 自分 で 大切に して 、 他人 に 責任 を なすりつける ような 生き 方 を し ない 限り 、 そんなに 変な 不本意な 人生 に は なら ない と 思う 。 嫌だ 、 嫌だ と 思って 生きて 、 将来 、 子ども に 「 あなた たち が いた から 離婚 でき なかった の よ 」 と 、 どなったり する より 、 とび出した 方 が いい 。 でも 問わ れて いる の は 、 これ から の 長い 人生 どう やって 生きて いく か と いう こと 。 経済 的に どう やっていく の か 、 必死で 考えて みて 。 長期 計画 で いい から 、 努力 して 楽しく やって 下さい 。 福井 市 の 中心 から 足羽 川 を 上流 へ 十キロ たどる と 、 そこ は もう ひなびた 農村 の たたずまい と なる 。 その 一乗 谷 と 呼ば れる 最 大幅 五百 メートル しか ない 谷 筋 の 田畑 の 下 から 、 武家 屋敷 や 町屋 の 柱 跡 など が 次々 に 現れ 、 朝倉 氏 五 代 百 年 の 戦国 城下町 が 姿 を 現した 。 遺跡 は 国 の 史跡 に 指定 さ れる 。 この 城下町 は 天正 元年 八 月 、 信長 軍 の 放火 に よって 一宇 の 民家 さえ 残さ ず 灰 と 化し 、 この 谷 に 花 開いた 京風 文化 も また 、 朝倉 義景 の 自害 と 共に 滅んだ のだった 。 『 朝倉 始末 記 』 は 、 近衛 殿 の 息女 を 「 容色 無 双 」 と 賛美 する 。 近衛 家 は 平安 の 昔 から 常に 貴族 の 最 高位 に あった 。 そして 近衛 の 息女 は 、 上洛 した 上杉 謙 信 と 意気 投合 し 、 関白 の 職 に あり ながら 越後 に 下った 前久 の 、 妹 と も 娘 と も さ れる 。 前久 は 公家 で あり ながら 、 戦国 を 生き抜く ため に 、 武家 に なる こと を 模索 した 、 公家 の 枠 を 超えた 人物 であった 。 その 前久 と 義景 で は 、 義景 が 三 つ 年上 である こと から 、 十中八九 、 義景 に 嫁いだ の は 、 娘 で なく 妹 であろう 。 だが 義景 の 美貌 の 妻 へ の 愛 は 長続き し なかった 。 彼女 に 懐妊 の 気配 は いつ に なって も なかった から だ 。 義景 は 嫡子 が 欲しかった 。 実は 彼女 は 二 人 目 の 妻 だった 。 最初 は 細川 晴元 の 娘 を めとった が 、 女の子 を 産む と すぐに 死んで しまって いた 。 周辺 は 子息 の ない 義景 を 心配 し 、 側室 捜し を 始める 。 やがて 義景 の 母 ・ 広徳 院 に 仕える 小宰相 に 白羽 の 矢 が 立つ 。 彼女 の 父 は 朝倉 氏 の 要職 に ある 鞍谷 刑部 少輔 副知 だった 。 小宰相 は 広徳 院 の 侍女 を 外さ れ 、 福岡 石見 守 の 屋敷 に 移る 。 義景 は 足しげく 小宰相 の もと に 通う 。 たちまち 女の子 二 人 を 産んだ 。 「 早く 子息 を 」 、 義景 の 期待 は ふくらんで 行く 。 『 朝倉 始末 記 』 は いう 。 近衛 殿 の 御息所 へ の 義景 の 気持ち は 、 秋 の 森 の 梢 の 葉 の ごとく 、 日々 に 薄く なって 、 夫婦 の 語らい も なくなった 。 御息所 は 館 の 窓 に 向かい 、 春 の 日 の 暮れ がたし を 嘆き 、 秋 の 夜長 を 恨んで 沈み 、 訪れる 人 も なくなって 、 におい 袋 の 香り も 消えて 、 暗き 夜 の 軒 を 打つ 雨音 に 、 流れる の は 涙 だけ であった 。 召使い たち が 互いに 嫉み あい 、 「 御息所 が 小宰相 を 呪って いる 」 と の 噂 が たった 。 義景 二十八 歳 の 永禄 三 年 の 年 と 思わ れる 。 怒った 義景 は つれなく も 、 御息所 を 京都 に 送り 返し 、 彼女 が いた 館 を 壊し 、 さらに その 地 を 一 メートル 掘って 、 土 を 入れ替えた 上 に 新しい 館 を つくる 。 この かつて の 近衛 の 息女 の 嘆き の 地 に 、 小宰相 を 住まわ せて 寵愛 した 。 小宰相 は 翌年 、 待望 の 子息 ・ 阿 君 を もうけた 。 だが 小宰相 は 阿 君 を 産む と すぐ 、 あっけなく 死んで しまう 。 悲痛な 義景 。 しかも 阿 君 に も 悲劇 が …… 。 だが これ は 来週 ふれる こと に し 、 今週 は 京都 に 送り 返さ れた 御息所 の 後 半生 を 追う こと に する 。 徳川 三 代 将軍 家光 の 乳母 ・ 春日局 が 生まれた 屋敷 と さ れる 丹波 黒井 の 黒井 城 下館 は 、 コ の 字 型 の 水 堀 に 、 高い 石垣 を 配し 、 いま は 興禅寺 と なって いる 。 春日 町 文化 財 審議 委員 会長 の 村上 完二 さん に よれば 、 ここ が 近衛 屋敷 と 呼ば れた 時期 が あり 、 現在 の 興禅寺 に 近衛 家 息女 の 位牌 が あって 、 興禅寺 の 開基 は 彼女 の 夫 だった 荻野 悪右衛門 直正 だ と いう 。 朝倉 氏 を 離縁 さ れた 息女 は 、 今度 は 奥 丹波 に 勢力 を 張り 、 信長 の 部将 ・ 明智 光秀 の 丹波 攻略 に 猛然と 反抗 した 黒井 城主 の 悪右衛門 の 妻 に なった のだった 。 その 経緯 は 不明である 。 悪右衛門 も また 反 信長 の 同胞 、 波多野 氏 の 女 を 妻 に して いた が 死別 して いた 。 ともに 再婚 だった 。 彼女 は ここ で 女の子 を 産んだ 。 また 地元 に 、 化粧 料 を まかなった 「 姫 田 」 の 伝承 地 が ある 。 だが 彼女 の 足跡 は 何も 伝わら ない 。 ただ 兄 前久 の 足跡 が 、 彼女 と 一体 と なって 残る 。 先に 黒井 城 下館 を 近衛 屋敷 と 呼ぶ と 記した が 、 これ も 妹 夫婦 を 頼って 、 流浪 の 前久 が 二 年 ほど 逗留 した ため だ と 、 村上 さん は 語る 。 前久 は 信長 が 戴き 上洛 、 十五 代 将軍 と なった 足利 義昭 と そり が 合わ ず 出奔 し 、 大坂 本願寺 に いた 後 に 黒井 へ 来る 。 義昭 と の 確執 から 、 信長 に 恨み は なかった が 、 自然 と 反 信長 陣営 に 立った 。 だが 義昭 と 信長 が 敵対 した ため 、 信長 の 求め に 応じて 、 天正 三 年 六 月 に 前久 は 京 に 帰った 。 兄 が 去った 二 カ月 後 の 八 月 二十一 日 、 妹 は 死んで いる 。 この 時 に 前久 は 四十 歳 だ から 、 彼女 は 三十 代 と 思わ れる 。 夫 も 三 年 後 に 死に 、 この あと 黒井 城 は 光秀 に 滅ぼさ れた 。 興禅寺 の 夫婦 連記 の 位牌 に 、 彼女 は 「 渓 江 院 殿 月下 笑 光 大姉 」 と 刻ま れる 。 しかし 不思議な こと が ある 。 彼女 は 黒井 で は 死な ず 、 悪右衛門 の 死後 であろう 、 さらに 大和 の 国人 、 古市 播磨 守 胤栄 の 妻 に なった と いう のである 。 彼女 こそ 前久 の 娘 と いう 説 も ある が 、 橋本 政宣 著 『 関白 近衛 前久 の 京都 出奔 』 に よれば 、 元和 元年 に 死ぬ この 女 の 戒名 は 「 桂 光 院 月 可 性 高 」 で 、 文字 は 違う が 、 音 は すべて 興禅寺 の 位牌 と 一致 する 。 なぜ な の か 、 それ は 現在 の ところ 分から ない 。 ★ 次回 は 「 広徳 院 」 タラ の おいしい 季節 。 ナベ ばかり で なく 、 蒸して みる と 、 また 違う 味 の 発見 が あり ます 。 デザート に は からだ の 温まる 甘酒 。 お 試し を 。 ※ 真ダラ の 切り身 もろ み 蒸し お 皿 に 真ダラ を 整列 さ せ 上 から 、 パック し ましょう 。 パック クリーム は 多種 の “ 生薬 ” を 配合 し ます 。 ボウル に 豚 の 背 脂 、 ニンニク 、 ショウガ 、 ネギ の みじん切り を 入れ 、 彩り の 赤 ピーマン も 加え ます 。 こしょう 少々 、 老酒 、 しょうゆ 、 それ に 、 もろみ 。 もろみ は 、 サラダ 油 で 同量 の ニンニク の みじん切り を いためた 後 、 やはり 同量 の 大豆 を 発酵 さ せた 豆 〓 の 粗 みじん切り を いため 合わせた 物 。 豆 〓 だけ だ と すぐに 乾燥 して しまい ます が 、 これ だ と オイル が 入って いる ので 作り置き 可 。 以上 を よく 混ぜ 混ぜ し 、 真ダラ の 上 に 十分に ぺたぺた 。 そして 、 湯気 の たつ サウナ 室 で 六 分間 ほど 蒸し ます 。 パック の 成分 が 染み渡ったら 、 お 皿 ごと 取りだし ます 。 お 皿 に にじみ出た 蒸し 汁 プラス スープ で 半 カップ と し ナベ に あけ 、 たまりじょうゆ 小さじ 一 、 老酒 大さじ 一 、 こしょう 少々 で 味 を つけ 、 水溶 き 片栗粉 で 薄く とろみ を つけ ましょう 。 二 、 三ミリ に カット した 葉 ニンニク を 混ぜ 、 お 魚 の 上 から ザザァ 。 豚 の 背 脂 入り の パック の せい でしょう 、 こう 言っちゃあ なん です が 、 枯れた 味わい の はずの タラ が 、 二十 歳 は 若返って はつらつと した おいし さ に 変身 し ます 。 ※ 黒 ゴマ あん 入り 白玉 団子 の 甘酒 仕立て 黒 ゴマ の あんこ は 香ばしくて 本当に おいしい です ね 。 多 めに 作って も いい でしょう 。 八〇 グラム の 黒 ゴマ を いって 、 すって 、 すって 、 すって 、 あたって 、 あたって 、 あたって …… ドロドロに なったら 、 ミンチ 状 に した 豚 の 背 脂 一〇〇 グラム と 上白糖 一二〇 グラム を 加え 、 全体 を 練り合わせ ます 。 冷蔵 庫 に 寝かせて 固まったら 、 一 つ 五 、 六 グラム の あんこ 玉 を 丸め ます 。 白玉 は 白玉粉 、 ラード 、 上白糖 、 水 を こね こね 混ぜ合わせ ます 。 一六 個 に わけ 、 一 つ を 丸く 広げ 、 あんこ 玉 を 包む ように 丸め ます 。 お湯 を 沸かし 、 三 分間 ほど の バス タイム 。 お 次 は 酒 〓 。 市販 さ れて い ます が 、 作り 方 は 簡単です から 作って み ましょう か 。 もち米 一キロ グラム を 洗って 蒸し ます 。 粘り を 取る ため に ざっと 洗い 、 麹 二〇〇 グラム を ほぐして 混ぜ 、 日本 酒 一・二 リットル を 加えたら ラップ を かけ 、 台所 の 隅 で 三 、 四 日 。 甘く なったら 同量 の 水 を 加え 温め 、 白玉 団子 を 浮かば せ フィニッシュ 。 そうそう 、 あれば キンモクセイ の シロップ 漬け を パラリ 散らす と 、 オッシャレー 。 写真 ・ 谷田貝 高幸 構成 ・ 佐藤 陽 デパート の 駅弁 大会 が ピーク を 迎えた 。 中でも 、 今年 30 回 目 に なる 東京 ・ 新宿 の 京王 百貨店 の 大会 は 、 例年 約 130 種 と 、 伝統 と 規模 を 誇る 。 今年 は 20 日 から 開か れる が 、 昨年 の 売り上げ トップ は 北海道 ・ 森 駅 の 「 いかめし 」 で 5万6000 個 余 。 2 位 の 「 峠 の 釜 めし 」 の 倍 以上 だった 。 森 駅 を 全国 で 有名に した いかめし を 製造 販売 して いる 「 いかめし 阿部 商店 」 に よる と 、 年間 売り上げ 80万 個 近く の うち 、 駅 で 売れる の は わずか 0.5 % 。 残り は ほとんど が 駅弁 大会 で の もの で 、 それ も 1 〜 3 月 に 集中 して いる と いう 。 うるち 米 2 に 対し もち米 1 の 割合 の ご飯 を 生 いか の 身 に 詰め 、 口 を ようじ で とめて 、 砂糖 と しょうゆ で 甘辛く 炊き上げる 。 「 ポイント の 一 つ は 、 いか の 身 の 3 分 の 1 強 に 米 を 入れる こと 。 多い と いか が はじけ 、 少ない と しぼんだ 感じ に なって しまう 」 と 2 代 目 社長 の 今井 俊治 さん は いう 。 もう 一 つ は ニュージーランド 産 の いか を 使う こと 。 「 近海もの は 刺し身 に は いい が 、 煮る と 硬く なって しまう 。 煮て も 軟らかい の が ニュージーランド 産 。 値段 は 近海もの と 変わり ませ ん 」 と 今井 さん 。 この いかめし 、 会長 夫人 の 阿部 静子 さん が 森 の 海岸 で 手づかみ で 取れる いか を 利用 して 炊き出し に 出したら 好評 だった ので 、 1941 年 に 駅弁 と して 売り出した 。 値段 も 手ごろで 、 駅弁 と いう と すぐ 浮かぶ 有名 駅弁 も 、 食 材 は 時代 と ともに 変わって いる ようだ 。 学校 から 、 面談 の アンケート 用紙 を もらって き ました 。 そこ に は ○ 年 △ 組 □ 番 「 お 子 様 の お 名前 」 と 書か れて いた ので 、 母 は 考えた 末 、 「 お 」 や 「 様 」 を 消し 、 「 子 の 名前 」 に して しまい ました 。 少し オーバーだった でしょう か 。 私 は 、 この 年 まで 一 回 も 医者 に かかった こと が あり ませ ん 。 小さい 時 は 体 が 弱かった んです よ 。 結婚 後 は 夫 が 病気 がちだった ため 、 童話 や 雑文 を せっせと 書き 、 出版 社 に 現金で 買って もらい 私 が 生計 を たてて い ました 。 私 が 病気 に なったら 、 一家 総 倒れ です から 毎日 毎日 が 闘い の 連続 でした 。 そんな 緊張 感 は いまだに 続いて い ます し 、 年 を とって も 元気で い られる 理由 の 一 つ です 。 それ に 加え 、 土 に 触れる 生活 も 大きい でしょう ね 。 つい 最近 まで 天気 が いい と 、 畑 で 土 を 耕し 、 野菜 を 作って い ました 。 土 に 触れて いる と 、 なにもかも 忘れ られ 無心な 気持ち に なる こと が でき ます 。 食事 も 健康に は 影響 して いる かも しれ ませ ん ね 。 美食 は いたし ませ ん 。 新鮮な 野菜 と 、 牛久 沼 の 魚 を 少し 食べ ます 。 お てんとう さん の 光 を いっぱい あびた 食べ物 が 体 に 悪い はず が あり ませ ん 。 精神 的な もの と して は 、 世の中 から 差別 を なくし たい と いう 一念 が 、 私 を 終始 支えて くれた と 思って い ます 。 六 歳 の 時 、 住井 さん が 暮らして いた 大和 に 天皇 が 大 演習 の ため 来訪 。 帰った 後 、 近所 の 人 たち が 急ぎ 、 厠 に 行き 大便 を 持ち帰り 家宝 に して いる の を 目 に し 、 疑問 を 持った 。 自分 が ウンコ を する こと に 、 ずっと 劣等 感 を もって いた ので 、 天皇 も 同じだ と 知った 時 、 だまさ れ た 気 が した 。 それ から 二 年 後 に 幸徳 事件 が 起き ました 。 富 の 平等 分配 、 権力 の 否定 を 訴えて 死刑 に なる ん なら 、 そんな 世の中 に 仇討ち して やろう 、 幸徳 秋水 の かたき を うって やる ぞ 、 と 。 私 の 生 へ の 原動力 です 。 私 の 住んで いた 大和 に は 被 差別 部落 が 点在 して い ました し 、 そこ から 女学校 に 二 人 、 通って 来て い ました 。 貴賎 の 作りごと 、 この 仕組み の ため に 部落 の 人 が どれ だけ の 涙 を 流して きた こと か 。 もし 、 私 が 部落 に 生まれて いたら 十五 歳 まで しか 生き られ ない ぐらい の 屈辱 が あり ました 。 何より 人間 性 を 大切に する 社会 で あり たい 。 でないと 、 人間 は 平等だ と いう 意識 が どこまでも 育た ない 。 崇める 代わり に 、 いやしめる 人 を つくり 、 軽蔑 を 生み出す ような 社会 は おかしい と 声 を 上げ ない と だめです 。 その 思い で ずっと 仕事 を 続けて き ました が 、 世の中 は なかなか 変わり ませ ん 。 このまま で は 人間 、 どこ に 行き付く の か 、 最近 不安に なって きて い ます 。 ご 近所 の おじさん が 釣って きた ハマチ を いただき 、 お 正月 に 握りずし を 作る こと に なり ました 。 私 と 母 が 慣れ ない 手つき で すし飯 を 握り 、 ワサビ を 乗せ 、 その上 に ハマチ を 置いて 何とか 握りずし が でき上がり ました 。 味 は 、 涙 が 出る ほど おいしかった です 。 ワサビ を 少し 入れ 過ぎた ようでした 。 主人 が まだ 手 を 通して い ない お気に入り の 新しい セーター を 、 私 は ひそかに 買い物 に せっせと 着て いた のです 。 ある 日 、 主人 が うれし そうに その セーター を 初めて 着よう と したら 、 4 歳 の 息子 が 一言 「 お 父さん 、 お 母さん の セーター 着ちゃ ダメだ よ 」 。 私 は そそくさ と 買い物 に 出かけ ました 。 里帰り した 孫 たち に お年玉 を 渡し ました 。 もう すぐ 2 歳 に なる 孫 息子 が うれし そうに ポチ袋 を 開けた とたん 、 大声 で 「 お年玉 が 入っとら ん 」 。 エッ 、 絶対 に 間違い なく 入れた のに … 。 続けて 孫 が 「 お 金 しか 入っとら ん 」 と 叫び ました 。 お年玉 って 、 どんな 玉 が 入って いる と 思った のでしょう か 。 柏崎 の 駅 に 行った 時 の こと 。 3 歳 くらい の 可愛い 女の子 が 、 お 父さん から 少し 離れて 改札口 を くぐり抜けたり して 遊んで い ました 。 最初 は 「 パパ 、 パパ 」 と 呼んで い ました が 、 お 父さん は 離れた 所 で 見守って いる だけ 。 すると 女の子 は 、 両手 を 口 に 当てて 「 あなた 」 と 大きな 声 で 呼んだ のです 。 お 父さん は 、 あわてて 女の子 の ところ へ 行き ました 。 主人 と 私 は 笑い が 止まり ませ ん でした 。 1 歳 半 の 娘 と 電車 に 乗った 時 の こと 。 娘 は 突然 「 ワンワン 」 と 大喜びで 叫んで い ます 。 犬 なんて 乗って ない の に おかしい な と 思い 、 ふと 前 を 見る と 江口 洋介 みたいな 髪 の 長い お 兄さん が 座って い ました 。 娘 は 「 ワンワン 」 を 連発 する ので 、 その お 兄さん は 自分 の こと だ と 気付き 、 照れくさ そうに 隣 の 車両 へ 行って しまい ました 。 4 歳 の 孫 を 連れて お そば 屋 さん へ 入り ました 。 鍋 焼き うどん を 取って 2 人 で 食べ ました 。 孫 は 必死に なって 食べ ました が 、 とても 食べ 切れ ませ ん 。 悲壮な 顔 で 私 を 見上げて 言い ました 。 「 おばあ ちゃん 、 これ 残して も 同じ 値段 ? 」 日曜日 の 楽しみ は 何と言っても 「 ののぐらむ 」 。 星 5 つ に 挑戦 して いた のに 家族 が うるさくて 集中 でき ず 、 途中 で 寝て しまい ました 。 次の 日 、 始めよう と 新聞 を 広げる と 、 四角の 図 の 上 に 「 むずかしい 」 と 5 歳 の 娘 の 字 で 書いて あり ました 。 なかなか 解け ない 私 を 見て 、 難しい のだろう と 思った みたい 。 笑って しまい ました 。 アクセサリー 教室 で 作った 彫金 の 指輪 が 、 コンクール で 入賞 した 。 新聞 社 から 電話 で 写真 を とり たい と 連絡 が あり 、 舞い上がって しまった 私 は 、 へそくり を はたいて デパート の 婦人 服 売り場 へ 走り 、 帰り は 美容院 で 最高の おめかし を した 。 数 日 後 、 新聞 に 載った 写真 を 見たら 、 私 の 左 の 指先 に 輝く 自作 の 指輪 だけ が 写って いた 。 板場 の 夫 は おせち 料理 作り で 年 末 は 帰宅 でき ず 、 元日 の 明け方 に 疲労 困ぱい で 帰宅 し ます 。 「 おせち 料理 は 高い し 、 量 は 少ない 」 の 声 を 聞く と 悲しく なり ます 。 材料 も 一 品 の もの を 使い 、 日持ち する よう 調味料 の 加減 も 工夫 し 、 汗 と 技量 代 で そのような 値段 に なる のだ と 思い ます 。 この お 正月 は 、 良く 味わって おせち 料理 を 食べて いただけた でしょう か 。 裸 の 若者 が 魔よけ の 護符 を 奪い合う 伝統 行事 「 どやどや 」 が 十四 日 、 大阪 市 天王寺 区 の 四天王寺 であり 、 約 三千 人 の 見物 客 で にぎわった 。 五穀 豊穣 を 祈願 する 修正 会 法要 結願 日 の 締めくくり の 儀式 。 江戸 時代 に 周辺 の 農民 が 豊作 を 祈願 して 始めた と さ れ 、 「 どやどや 」 は 顔 を 合わせた 際 に 近況 を 尋ね 合う 「 どう や 」 と いう 言葉 が 語源 と いう 。 私立 清風 高校 の 生徒 ら 約 七百 人 が ふんどし に 鉢巻き 姿 で 境内 を 練り歩き 、 六 時 礼讃 堂 前 に 集合 。 護符 が まか れる と 、 「 わっしょい 」 の かけ声 と ともに 紅白 に 分かれ 、 激しい 奪い合い を 演じた 。 大阪 は 最高 気温 が 六・〇 度 と 、 この 冬 一 番 の 冷え込み 。 境内 に は 小雪 が 舞い 、 ひしゃく で 水 を 浴びて 赤く 染まった 体 から 湯気 が 上がり 、 ムード は 最高潮 に 滋賀 県 草津 市長 の 高田 三郎 氏 は 14 日 、 今夏 の 参院 選 に 滋賀 選挙 区 から 無 所属 で 立候補 する こと を 正式 表明 した 。 自民 、 社会 、 滋賀 民社 、 連合 滋賀 が 推薦 。 国政 選挙 で 、 自民 と 連合 が 共闘 する の は 全 国初 。 村山 富市 首相 は 十四 日 、 札幌 市 内 で の 記者 会見 で 、 動力 炉 ・ 核 燃料 開発 事業 団 が 北海道 留萌 管 内 幌延 町 に 計画 して いる 高 レベル 放射 性 廃棄 物 施設 建設 に ついて 「 核 に 絡む 問題 な ので 、 全体 的 立場 から 見直し 、 関係 者 で 十分 議論 して ほしい 」 と 述べ 、 エネルギー政策 の 見地 から 計画 を 見直す べきだ と の 見解 を 初めて 明らかに した 。 この 問題 で は 、 五十嵐 広三 官房 長官 が 昨年 九 月 、 見直し を 表明 して おり 、 首相 も 同調 した 形 だ 。 この 計画 は 、 幌延 町 の 誘致 で 一九八四 年 に 浮上 した が 周辺 自治 体 の 反対で 計画 は 進んで い ない 。 今月 十 日 、 京都 商工 会議 所 会頭 の 稲盛 和夫 ・ 京セラ 会長 が 、 就任 あいさつ に 大阪 商工 会議 所 を 訪れた 。 出迎えた 大西 正文 会頭 は 「 APEC で 関西 の 力 を 合わせ ましょう 」 と 呼びかけ 、 稲盛 氏 も 「 やり ましょう 」 と 力強く 答えた と いう 。 阪本 龍兒 ・ 奈良 商工 会議 所 会頭 も 協力 に 前向きの 姿勢 を 見せて いる 。 関西 は かつて 大手 商社 の 本社 が 軒 を 並べて いた 。 一九五八 年 、 輸出 促進 を 目的 に 設立 さ れた 日本 貿易 振興 会 の 初代 理事 長 に も 杉 道助 ・ 大阪 商工 会議 所 会頭 が 就任 する など 、 貿易 の 中心 地 と して 君臨 して いた 。 しかし 、 今 は 商社 の 本社 機能 は 東京 に 移り 、 その 面影 も ない 。 APEC 大阪 会議 は 、 大阪 府 、 大阪 市 、 関西 財界 が 官民 一体 で 、 熱心な 誘致 活動 を 続けた 結果 、 実現 した 。 関西 財界 は 「 これ まで 大きな 国際 会議 は 東京 で 開か れて きた 。 大阪 で 行う こと に 大きな 意義 が ある 。 関西 は 大手 メーカー だけ で なく 、 東京 に は ない すそ野 が 広い 一面 が ある 。 アジア の 人々 に たいへん 参考 に なる だろう 」 と 手放し で 評価 する 。 関西 経済 界 と いって も 、 大阪 、 神戸 、 京都 など で 、 とかく 利害 が 対立 し がちだ が 、 こと APEC に ついて は 、 足並み が そろって おり 、 支援 態勢 は 整い つつ ある 。 大阪 府 、 大阪 市 、 関係 経済 団体 で 構成 する 「 APEC 閣僚 会議 等 地元 協力 準備 事務 局 」 は 京都 府 、 兵庫 県 に も 協力 を 呼びかけ 、 近く 地元 協力 協議 会 に 格上げ さ れる 。 現在 約 十五 人 の スタッフ も 五十 人 程度 に 増やさ れる 。 会場 整備 、 関西 を アピール する イベント 、 地元 主催 レセプション 、 地元 住民 へ の PR を 実施 する 予定 で 、 関西 財界 も 府 、 市 と ともに 「 相応の 負担 」 を 行う 。 さらに 会議 と ほぼ 連動 した 形 で 開く APEC 加盟 国 の 商工 会議 所 が 参加 する 「 アジア 太平洋 ビジネス ネットワーク 」 でも 、 関西 財界 は 中心 的な 役割 を 担う 。 APEC 大阪 会議 の 宣伝 に も 力 が 入って いる 。 関西 経済 連合 会 は 今年 三 月 十二 日 から 十一 日間 、 川上 哲郎 会長 を 団長 に した 「 アセアン 使節 団 」 を タイ 、 マレーシア 、 シンガポール 、 インドネシア の 四 カ国 に 送りだす 。 マレーシア の マハティール 首相 、 インドネシア の スハルト 大統領 など この 地域 の 有力 指導 者 に 大阪 会議 の 意義 を アピール する 予定 と なって いる 。 現地 の 経済 団体 と も APEC に 向けて 民間 協力 の あり 方 を 話し合う 。 関西 は 昨年 九 月 の 関西 国際 空港 開港 で 、 「 世界 の 成長 センター ・ アジア の 表玄関 」 と して の 地位 が 確かに 高まった 。 大阪 南 港 に 世界 最大 級 の 卸売り マート 、 アジア 太平洋 トレードセンター も 昨年 四 月 、 オープン 。 今年 四 月 に は 国際 ビジネス 拠点 と なる 「 大阪 ワールドトレードセンタービルディング 」 も 開業 する 。 メキシコ 、 ニュージーランド など APEC 加盟 国 の 領事 館 が 開設 さ れる など 、 国際 都市 ・ 大阪 復活 の 下地 は 整い つつ ある 。 ただ 、 これ も 黙って いて 実現 する わけで は ない 。 三野 重和 ・ 大阪 工業 会 会長 は 「 民間 と して は 、 関西 の 滞在 が 便利で 素晴らしい と いう 印象 を 持って もらえる ように 協力 して いく 」 と 今年 の APEC こそ が 、 カギ を 握って いる と の 見方 を 示す 。 APEC を 成功 さ せ 、 「 国際 都市 ・ KANSAI 」 を 認知 さ せよう と いう のだ 。 二〇〇〇 年 に は 関西 で 先進 国 首脳 会議 が 開催 さ れる 可能 性 も ある 。 今年 の APEC で 関西 が アジア に 、 世界 に 何 を 発信 できる の か が 問わ れて いる 。 = おわり ひな祭り に 向けて 、 百貨店 など で は ひな人形 の コーナー が 早くも お目見え 。 本格 的な 段 飾り に 加え 、 洋風 の 部屋 に も なじむ 家具 調 の もの など 生活 スタイル に 合わせた バリエーション が そろって いる 。 高島屋 大阪 店 は 今月 十一 日 から ひな人形 の 特設 会場 を 設置 七 段 飾り の 豪華版 が 目 を 引く が 「 販売 数 の 六 割 は 親王びな だけ の セット 」 。 ひな祭り が 終われば 家具 と して 使える アクリル 板 の 飾り 台 に 人形 を 並べた 新 商品 も 好評 。 「 今年 の 販売 目標 は 金額 ベース で 昨年 の 一〇 % 増 」 と いう 。 先週 は 米国 の 雇用 統計 など を 受けて 円 相場 は 1 ドル = 101 円 台 前半 と 堅調に 始まった 。 しかし 、 週 末 に メキシコ の 金融 不安 が アジア の 通貨 に 飛び火 する と の 懸念 が 広がり 、 1 カ月 半 ぶり に 1 ドル = 98 円 台 を つける など 円高 で 取引 を 終えた 。 今週 は 日本 の 輸出 企業 が ドル 売り の 動き を 強めて いる こと や 、 米 駐 日 大使 の 発言 に 日 米 通商 摩擦 再燃 の 兆し が みえる こと も あり 、 ドル の 上値 は 重く なり そう 。 十四 日 付 の 英 有力 紙 インディペンデント は 、 第 二 次 世界 大戦 中 に 旧 日本 軍 の 捕虜 と なったり 、 強制 労働 を 強い られた 旧 連合 国 の 元 兵士 や 民間 人 二万 人 以上 が 今月 三十 日 に 、 日本 政府 を 相手取り 、 東京 地裁 に 損害 賠償 訴訟 を 起こす と 報じた 。 これ は 、 日本 と 英 政府 間 の 基金 設立 構想 が 失敗 した の を 受けた もの で 、 英国 、 米国 、 オーストラリア 、 ニュージーランド の 退役 軍人 団体 が 一 人 当たり 一万五千 ポンド の 賠償 を 求めて 集団 で 提訴 に 踏み切る 。 請求 総額 は 三億 ポンド 以上 に なる 。 ◆ 日本 海 側 が 寒波 に 見舞わ れた 14 日 、 兵庫 県 豊岡 市 も 5 年 ぶり の 大雪 に 。 暖冬 に 慣れた 身 に は 支局 で の 雪かき が こたえ ます 。 但馬 各地 の スキー 場 は 「 これ で 連休 は 客 が いっぱい 」 と 大 歓迎 です が 、 市民 の 多く は 迷惑 顔 の よう 。 とりわけ 今日 の 成人 式 で 晴れ着 の お嬢さん は 足元 に 気 を つけて 。 老婆 心 ながら 。 ◆ 地方 自治 を テーマ に 本紙 朝刊 で 連載 中 の 「 列島 ロジー 」 「 自治 の かたち 」 に ついて 「 興味深く 拝読 して いる 」 と 橋本 基弘 ・ 高知 女子大 助教授 から お 手紙 。 「 政府 の 地方 分権 論議 は 自治 体 へ の 権限 移譲 に 終始 し 、 住民 自治 の 視点 が ない 」 と の 指摘 も 。 新聞 づくり も 同じ 。 暮らし に 根ざした 記事 が 大切 と 。 大阪 市 此花 区 の 淀川 左岸 で 十四 日 午前 、 見つかった 右腕 は 、 大阪 府警 此花 署 の 調べ で 切断 後 約 一 カ月 経過 して いる こと が 分かった 。 調べ で は 、 腕 は 二の腕 の 真ん中 から 指先 まで あり 、 性別 は 不明 。 断面 など から 水死 体 が 船 の スクリュー に 巻き込ま れ 切断 さ れた 可能 性 も ある と して 、 事件 、 事故 の 両面 で 引き続き 調べる 。 西洋 ワサビ 日本 に は 明治 初め に 流入 した 。 根 に 辛み が あり 、 刺し身 、 そば など に つける 粉 わさび の 原料 。 別名 ワサビダイコン 。 静岡 県 など で 名産 の 日本 産 ワサビ と 比べ 、 安価だ が やや 香り に 欠ける 。 調べ で は 、 斉藤 容疑 者 ら は 投票 用紙 を 偽造 、 売買 しよう と 共謀 。 告示 後 の 今月 五 、 六 の 両日 、 隣接 の 津山 市 内 の 印刷 会社 を 三 度 に わたって 訪れ 、 あらかじめ 不在 者 投票 で 入手 した 本物 の 投票 用紙 を 原本 に 、 持参 した 同種 の 薄緑 色 で 同じ 大き さ に 裁断 さ れた 紙 を 渡し 、 計 百六十二 枚 を コピー さ せ 偽造 した 疑い 。 同 事件 で は 、 告示 後 に 「 山本 」 と 名乗る 男 の 声 で 「 投票 用紙 を 一 枚 、 五 、 六万 円 で 買わ ない か 」 と 持ちかける 電話 が 複数 の 陣営 に あった 。 過去 の 選挙 でも 「 投票 用紙 が 一 枚 数万 円 で 売買 さ れて いた 」 と の うわさ が あった 。 同 町議 選 は 町長 選 と ダブル で 実施 さ れ 、 定数 一六 に 対し 十七 人 が 立候補 。 偽造 用紙 は 百二十二 枚 見つかり 、 書か れて いた 候補 者 名 は 十一 人 に のぼって いた 。 町議 選 で は 有権者 五千八百四十七 人 の うち 、 五千五百七十五 人 が 投票 。 うち 五百 人 近く が 町 役場 など で 不在 者 投票 して いる 。 14 日 午後 6 時 半 ごろ 、 兵庫 県 尼崎 市 道意 町 7 、 県 尼崎 港 管理 事務 所 前 の 水道 管 付け替え 工事 現場 で 水道 管 が 破裂 し 、 近く の 工場 が 断水 、 約 5000 世帯 で 濁り 水 が 出た 。 15 日 未明 に 復旧 の 見込み 。 阪神 水道 企業 団 に よる と 、 老朽 化 した 水道 管 の 付け替え の ため 矢板 を 埋める 作業 を して いた 。 近畿 地方 は 十四 日 、 この 冬 一 番 の 寒波 に 見舞わ れ 、 雪 の ため 鉄道 の 遅れ や 事故 、 高速 道路 の 通行 規制 など 交通 機関 が 混乱 した 。 一方 、 三 連休 の 初日 と あって 、 雪国 に 向かう スキー 列車 や バス は 若い スキー 客 の 熱気 で 包ま れた 。 JR 東海道 、 山陽 新幹線 は 滋賀 県 米原 町 付近 の 積雪 で 始発 から 時速 一二〇 ― 一七〇キロ の 徐行 運転 。 この ため 同日 午後 六 時 まで に 計 二百三十三 本 が 最高 三十二 分 遅れ 、 約 二十万 人 に 影響 が 出た 。 同日 午後 七 時 四十五 分 ごろ 、 京都 府 船井 郡 和知 町 の 山陰 線 安栖里 駅 西 約 百 メートル の 踏切 で 、 雪 で 動け なく なった 京都 市 西京 区 の タクシー 運転手 、 木村 達弥 さん 運転 の 乗用車 に 、 倉吉 発 京都 行き 特急 「 あさしお 10 号 」 が 衝突 。 木村 さん は 車 から 逃げ出し 、 列車 の 乗客 約 八十 人 に も けが は なかった 。 列車 は 燃料タンク に 亀裂 が できた ため 、 同 駅 で 運転 を 打ち切り 、 乗客 は 後続 の 列車 に 乗り換えた 。 名神 、 北陸 自動車 道 で は 、 滋賀 県 内 で 通行 止め が 続いた 。 中国 自動車 道 は 同日 夜 から 兵庫 県 の 福崎 ― 佐用 間 で 、 播 但 連絡 道路 も 神崎 南 ― 生野 北 間 で 通行 止め 。 関西 国際 空港 で は 開港 以来 、 初めて の 雪 。 午後 二 時 過ぎ から 約 三十 分間 雪 が 舞い 、 展望 デッキ の 見物 客 ら は 、 幻想 的な 白く かすんだ 滑走 路 に 歓声 を 上げた 。 ダイヤ の 乱れ は なかった 。 ◆ 一方 、 スキー 客 は ルンルン JR 大阪 駅 は 大勢 の スキー 客 で ごった返した 。 午後 九 時 五 分 大阪 発 の 「 シュプール 妙高 ・ 志賀 1 号 」 で 、 新潟 県 の 赤倉 スキー 場 へ 向かった 大阪 市 天王寺 区 の 看護 婦 、 松並 和子 さん は 「 これ だけ 雪 が 降れば 十分 」 と にっこり 。 大阪 市 浪速 区 の 旧 大阪 球場 前 から 赤倉 へ 向け 、 スキー バス に 乗り込む 奈良 県 北葛城 郡 上牧 町 の 薬剤 師 、 吉田 征人 さん は 「 吹雪 の 中 でも ガッツ で 滑り たい 」 と 意気 盛ん 。 各地 の 積雪 は 、 高野山 で 二〇 センチ ▽ 京都 ・ 福知山 の 山間 部 で 九〇 センチ ▽ 彦根 三〇 センチ ▽ 滋賀 ・ 今津 五六 センチ など 。 大阪 で は 今冬 初めて 風雪 注意 報 、 滋賀 全域 に 大雪 警報 が 出さ れた 。 大阪 管区 気象 台 に よる と 、 西 日本 上空 に 氷点下 三〇 度 近く の 強い 寒気 が 入り込んで おり 、 十五 日 に かけて も 大雪 の 恐れ が ある と いう 。 長野 県 南安曇 郡 安曇 村 の 北 アルプス ・ 前穂高 岳 に 登山 した まま 消息 を 絶った 大阪 市 西成 区 北津守 、 会社 員 、 瀬川 輝秋 さん ら 「 関西 お たっしゃ くらぶ 大阪 同人 」 の 男女 三 人 の 捜索 活動 は 十五 日 以降 、 雪崩 の 危険 を 避ける ため 地上 から の 捜索 を 中断 し 、 ヘリコプター に よる 捜索 に 絞って 行う こと を 、 豊科 署 が 決めた 。 文部 省 宇宙 科学 研究 所 は 十五 日 午後 十 時 四十五 分 、 回収 型 無人 宇宙 実験 衛星 を 搭載 した M3S2 ロケット 8 号 機 を 鹿児島 県 内之浦 町 の 鹿児島 宇宙 空間 観測 所 から 打ち上げた 。 第 三 段 と 第 四 段 エンジン の 点火 は 確認 さ れ なかった が 、 約 一 時間 半 後 、 衛星 から の 電波 を 受信 した 。 宇宙 研 に よる と 、 打ち上げ は 順調に いった が 、 ロケット の 軌道 が やや ずれた ため 、 一 時 、 地上 から の レーダー 追跡 が でき なかった 。 しかし 衛星 は 分離 さ れ 、 地球 周回 軌道 に 入った 。 今後 、 衛星 の 軌道 を 計測 し 、 予定 の 実験 が できる か 判断 する と いう 。 同 衛星 は 順調に いけば 約 五 日 半 、 地球 の 周回 軌道 を 回り 、 大気 圏 に 再 突入 。 豪州 南部 の 砂漠 地帯 で 回収 さ れれば 、 再 突入 と 地上 で の 回収 は 米国 、 ロシア 、 中国 に 次いで 四 番 目 と なる 。 M3S2 は 四 段 式 固体ロケット で 全長 約 二十八 メートル 、 今回 が 最後 の 打ち上げ に なる 。 上下 角 七六 度 で 真 東 に 発射 。 七 分 二十八 秒 後 に 衛星 を 分離 、 だ円軌道 に 乗った 。 宇宙 分野 で は 初 の 日 独 共同 プロジェクト 。 衛星 は ドイツ が ロシア に 依頼 して 開発 。 日本 が ロケット を 提供 した 。 十四 日 、 当地 の サンディエゴ 湾 沖 で 開幕 した ヨット の アメリカズカップ 挑戦 艇 シリーズ で 、 ニッポンチャレンジ は IACC 世界 選手 権 の 覇者 ワン ・ オーストラリア に 1 分 6 秒 差 で 快勝 。 第 一 レグ から風 を うまく つかんだ ニッポンチャレンジ の 「 JPN ― 30 」 は その後 も 相手 と の 差 を 広げ 、 最大 2 分 の リード 。 6 レグ 18・55 マイル を 2 時間 32 分 4 秒 で ゴール した 。 同 シリーズ で は 、 チーム ・ ニュージーランド 、 オーストラリアン ・ チャレンジ が 勝ち 、 それぞれ 1 ポイント を 挙げた 。 防衛 艇 シリーズ 二 日 目 は 、 チーム ・ デニス ・ コナー が アメリカキューブ を 破った 。 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら に よる 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 の 新 国会 内 会派 旗 揚げ 問題 で 、 旗 揚げ に 必要な 山花 氏 ら の 社会党 会派 離脱 申し出 を 中執 委 と して 受け付け ない と の 対応 策 が 十五 日 、 有力に なった 。 村山 富市 首相 が 十四 日 の 記者 会見 で 示唆 した 方策 。 首相 に 近い グループ に 加え 右派 系 勢力 の 一部 も 同調 姿勢 を 強めた 。 この 場合 、 山花 氏 ら が 衆 参 両院 に 新 会派 を 正式に 届け出る ため に は 離党 しか 方法 が なくなる 。 久保 亘 書記 長 は まだ 考え を 表明 して おら ず 、 同氏 の 判断 が 注目 さ れる 。 離脱 申し出 の 門前払い 方針 は 、 山花 氏 ら 新 会派 参加 議員 の 離脱 届 を 党 と して 受理 し ない まま 、 二十 日 召集 の 通常 国会 を 迎える と いう もの 。 離脱 を 認めれば 除名 し ない 限り 「 一 党 二 会派 」 と いう 不自然な 状態 を 生み出す 。 大量の 新 会派 参加 議員 除名 と なれば 、 党 内 の 混乱 、 分裂 を 決定 的に する 可能 性 が 強い 、 と の 判断 に よる 。 また 、 離党 の 決断 を ただちに 参加 議員 に 迫る こと で 、 山花 氏 へ の 同調 者 を 減らし 、 党 の 混乱 を 最小 限 に 食い止める 狙い も ある 。 一方 、 山花 氏 は 十五 日 、 都 内 で 海江田 万里 衆院 議員 と 会い 、 海江田 氏 が 離党 を 求めた の に 対し 「 私 個人 は いつでも 離党 する が 、 仲間 と 一緒に 行動 し たい 」 と 述べた 。 海江田 氏 は 山花 氏 が 離党 し ない 限り 、 新 会派 に は 参加 し ない 可能 性 が ある こと を 伝えた 。 村山 富市 首相 は 十六 日 昼 、 首相 公邸 で 、 さきがけ 代表 の 武村 正義 蔵 相 と 会談 、 今後 の 社会 、 さきがけ 両党 に よる 連携 強化 や 社会党 の 新 民主 連合 に よる 新 会派 結成 問題 に ついて 協議 する 。 両党 間 で は 統一 会派 結成 論議 が 浮上 して おり 、 社会党 で は 首相 の ほか 、 久保 亘 書記 長 も 十五 日 に 積極 姿勢 を 表明 した が 、 さきがけ に は 慎重 論 も 根強い 。 この ため 、 首相 は 具体 的 論議 に は 至らなくて も 十六 日 の 会談 を 両党 に よる 第 三 勢力 結集 論議 を 本格 化 する ため の 契機 と し たい 考え だ 。 久保 氏 は 十五 日 の 鹿児島 市 内 で の 記者 会見 で 、 統一 会派 構想 に ついて 「 第 三 極論 で は 私 と 武村 代表 の 考え は 非常に 近い と 感じる 」 と 発言 。 「 今後 の 両党 の 関係 を 話して み たい 」 と 述べ 、 武村 氏 と の 会談 に 意欲 を 示した 。 さきがけ で は 武村 氏 が 最近 、 統一 会派 構想 に 柔軟 と も 受けとら れる 姿勢 を 示唆 。 一方 で 田中 秀征 代表 代行 は 十五 日 の 長野 市 内 で の 記者 会見 で 「 社会党 が 生まれ変わった あと の 問題 」 と 語り 、 慎重 姿勢 を 示した 。 この ため 、 首相 も 「 機 が 熟して から 実現 す べき こと 」 と 性急な 論議 は 避ける 考え だ が 、 新進党 と の 連携 を 深める 山花 貞夫 ・ 新民連 会長 に よる 新党 運動 の 社会党 内 へ の 浸透 を 食い止める ため に も 新 勢力 結集 に 向けた 論議 自体 は 早期 に 開始 し たい 考え を 強めて いる 。 野党 の 九 党派 が 大同 団結 して 昨年 十二 月 十 日 に 結成 さ れた 新進党 内 で は 「 ねじれ だけ は 避け たい 」 と いう 悲鳴 が 上がって いる 。 旧 公明党 は 国会 議員 の ほとんど が 新進党 に 参加 する 一方 、 地方 組織 ・ 議員 は 「 公明 」 を 結成 。 旧 民社党 も 各地 に 「 民社 協会 」 など の 形 で 地方 組織 を 残した 。 新進党 と 「 公明 」 や 「 民社 協会 」 が 別 候補 を 擁立 すれば 「 同志 」 だった 国会 議員 と 地方 議員 が 争う 事態 に なる 。 それ が 早速 、 二十二 日 投票 の 愛媛 県 知事 選 で 現実 に なった 。 「 公明 」 と 「 えひめ 民社 協会 」 は 現職 の 伊賀 貞雪 氏 へ の 支持 と 推薦 を 決めて いる が 、 新進党 が 十 日 の 選挙 対策 委員 会 で 新人 の 福西 亮 氏 へ の 支持 を 決定 。 中央 と 地方 と の 間 で ねじれた 旧 公明党 と 旧 民社党 出身 の 新進党 議員 は 選 対 委 でも 「 了解 する が 、 以後 このような こと が ない ように して ほしい 」 と クギ を 刺した 。 ねじれ は 統一 地方 選 の 焦点 である 東京 都 知事 選 でも 心配 さ れて いる 。 新進党 内 に 「 村山 政権 へ の 対決 姿勢 を アピール しよう 」 と の 声 が 根強い 半面 、 都議 会 で 自民 、 社会 両党 など と 与党 を 形成 して いる 「 公明 」 は 共産党 を 除く 各 党 相乗り に よる 候補 者 擁立 を 目指す 。 旧 公明党 の 新進党 幹部 も 「 新進党 の 枠組み で 勝った と して も 、 都議 会 が もた ない 。 地方 で 代理 戦争 を やろう と いう の は 邪道 だ 」 と 語り 、 ねじれ を 生じ させ かね ない 主戦 論 を けん制 する 。 候補 者 と して 石原 信雄 内閣 官房 副 長官 や 岩國 哲人 ・ 島根 県 出雲 市長 、 鳩山 邦夫 前 労 相 、 作家 の 堺屋 太一 氏 ら の 名前 が 浮かんで いる が 、 前提 と なる 政党 の 枠組み が 決まら ない ため 、 調整 は 難航 。 かぎ を 握る 「 公明 」 の 意向 を 反映 して 一本化 の 動き が 強まって いる 。 戦後 五十 年 の 節目 の 年始 め 、 村山 富市 首相 と クリントン 米 大統領 の 首脳 会談 が ワシントン で 行わ れた 。 首相 に 就任 して から 三 回 目 の 会談 だ が 、 首相 が ワシントン に 出向く の は 初めて だ 。 しかし 、 首相 を 迎えた 米国 マスコミ の 扱い は 極めて 地味だった 。 会談 後 の 共同 会見 は 中継 せ ず 、 三 大 テレビ の うち 、 会談 の 模様 を 取り上げた の は ABC と NBC だけ 。 ワシントン ・ ポスト 、 ニューヨーク ・ タイムズ 両 紙 の 扱い も 小さかった 。 米国 議会 も 開会 した ばかり と いう タイミング の ほか 、 首脳 同士 が 政治 決断 し なくて は なら ない 深刻な 対立 材料 も これ と いって 見当たら なかった こと が ある の かも しれ ない 。 かつて 自民党 単独 政権 時代 、 政権 が 交代 する 度 に 党 は 大 デレゲーション を ワシントン に 送り 、 「 参勤 交代 」 と まで 揶揄 さ れた 。 訪 米 は 一 大 行事 だった 。 政権 担当 者 は 首脳 会談 に 向け 懸案 が あれば 知 米 派 議員 、 あるいは 民間 人 を ひそかに 米国 に 送り込み 、 議会 の 根回し 工作 を さ せた 。 国 内 でも 族 議員 に 代表 さ れる 政治 家 を 使って 官僚 に 圧力 を かけ 、 政治 的 妥協 を 図った 。 冷戦 時代 、 良好な 日 米 関係 を 維持 し 、 「 日 米 基軸 」 を 合言葉 に 米国 の 外交 方針 に 追随 する こと は 、 国 内 で の 政権 保持 に つながった 。 日 米 間 の 亀裂 は 、 国 内 の 政権 基盤 を 大きく 揺るがし 政局 に 直結 する 事態 だった 。 政権 担当 者 に とって 日 米 関係 で の 失敗 は 許さ れ なかった 。 一九八一 年 の 日 米 首脳 会談 。 鈴木 善幸 首相 は レーガン 大統領 と の 共同 声明 に 明記 さ れた 「 同盟 関係 」 に 軍事 的 側面 が 含ま れる か 否 か を めぐって 伊東 正義 外 相 ら 外務 省 当局 と 対立 。 これ が 米国 議会 で の 反発 を 生み 、 その後 鈴木 首相 が 政権 を 投げ出す 大きな 要因 に なった 。 日 米 関係 は 、 日本 の 経済 力 が 増した こと や 、 冷戦 の 終結 で 大きく 変化 した 。 首脳 会談 も 今回 で 六十三 回 を 数える が 、 その 度 に うたいあげ られる キャッチフレーズ を みて も 分かる 。 いつしか 「 イコール ・ パートナー 」 から 「 グローバル ・ パートナーシップ 」 に なり 、 今回 は 「 創造 的な パートナーシップ 」 だ 。 それ と ともに 、 首脳 会談 が 持つ 重み に も 変化 が 生じ 始めた と いう こと だろう か 。 かといって 日 米 関係 の 重要 性 を 否定 する わけで は ない 。 事 ある ごと に 電話 一 本 で 相談 する 欧 米 の 首脳 レベル に 日本 は まだ 達して い ない 。 世界 の GNP の 三 分 の 一 強 を 占める 日 米 の 首脳 が これといった 懸案 が なくて も 会い 、 両 国 問題 や 世界 情勢 、 冷戦 後 の 新たな 秩序 確立 に 向け 率直に 意見 交換 する の は 言う まで も ない 。 昨年 二 月 の 日 米 首脳 会談 で 包括 協議 が 決裂 。 細川 護煕 首相 は 共同 会見 で 、 両 国 を 「 成熟 した 関係 」 「 大人 の 関係 」 と 形容 した が 、 その後 の 両 国 関係 は 最悪の 事態 に 追い込ま れた 。 会談 で は 何も 大ミエ を 切る 必要 は ない 。 ところで 、 訪 米 した 首相 の 多く は ホワイトハウス の 門 を くぐる まで は ものすごく 緊張 する が 、 会談 を 終えて 出て くる と 急に 自信 を つける 、 と いう 。 村山 首相 も 会談 当日 は 午前 三 時 半 に 目 が 覚めた 。 だが 、 会談 終了 後 は 「 いい 意味 で 理解 を 深めて きた 」 と 記者 団 に 明るい 表情 を 見せた 。 もっとも これ が 本物 の 自信 に 裏打ち さ れた もの か どう か は 間もなく 明らかに なる 。 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら が つくる 超 党派 の 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 は 十六 日 夕 、 都 内 の ホテル で 準備 会 参加 議員 に よる 全体 会議 を 開き 、 新しい 国会 内 会派 結成 を 決める 。 これ を 受け 、 山花 氏 ら 社会党 の 参加 議員 は 十七 日 午前 、 執行 部 に 社会党 会派 から の 離脱 届 を 提出 する 構え だ 。 山花 氏 は 、 社会党 から 中執 委員 三 議員 を 除く 二十四 議員 、 民主 新党 クラブ など 他 党派 から 六 議員 が 新 会派 に 参加 する と 見込んで いる 。 しかし 、 同 クラブ の 海江田 万里 衆院 議員 は 十五 日 の テレビ朝日 の 報道 番組 で 、 山花 氏 が 社会党 執行 部 に 対し 参加 議員 を 除名 し ない よう 求めて いる こと に ついて 「 話 に なら ない 。 新 会派 を つくる 時点 で 社会党 を 離党 す べきだ 」 と 、 不 快感 を 表明 した 。 新進党 の 小沢 一郎 幹事 長 は 十四 日 正午 前 、 ユナイテッド 航空 機 で サンフランシスコ 空港 に 到着 した 。 十五 日 午前 に スタンフォード 大学 の 研究 所 が 主催 する 「 アジア ・ 太平洋 指導 者 円卓 会議 」 に 出席 する の が 目的 。 国 内 で 党 の 運営 体制 確立 と 結束 固め に 力 を 注いで いる 小沢 氏 が 、 新進党 結成 を アピール する 海外 で の 初 仕事 と なる 。 小沢 氏 は 「 サンフランシスコ 総 領事 館 で 仮眠 を 取った 」 後 、 会議 会場 の ホテル に 入り 、 早速 、 会議 提唱 者 の ブラドリー 米 上院 議員 の 基調 報告 と 質疑 応答 に 参加 。 この 中 で 小沢 氏 は 米国 の 国連 平和 維持 活動 関与 に ついて 「 米国 が 消極 的に なって いく ならば 、 好ましい こと で は ない 。 世界 の 平和に 対する 米国 の 貢献 は 非常に 大事な ので は ない か 」 と 持論 を 展開 。 さらに 、 共和党 が 圧勝 した 昨年 の 米 中間 選挙 に ついて 「 米国 の 政治 に は 社会 的 平等 ・ 公正 を 確保 する 考え 方 と 、 個人 の 能力 を 生かす こと で 社会 の 活力 を 生み出す と いう 二 つ の 行き 方 が ある が 、 中間 選挙 に 象徴 さ れる 動き は 『 リベラル 』 の 方向 で は ない 方向 に 向かって いる の か 」 と 質問 。 日本 政治 に も 関連 する 「 大きな 政府 、 小さな 政府 」 の 動向 に 関心 を 示した 。 今回 の 会議 に は シュルツ 元 米 国務 長官 、 エバンズ 豪 外 相 を はじめ 、 フィリピン 、 韓国 、 台湾 、 タイ 、 シンガポール など 八 カ国 の 大物 政治 家 が 参加 。 小沢 氏 は 「 日本 と アジア 」 と 題する スピーチ を 行う 。 小沢 氏 は 「 新進党 の 考え 方 や 目指す 方向 に ついて 言い たい 」 と 語って おり 、 新進党 誕生 に ついて 「 政権 担当 能力 の ある 政党 が 一 つ しか ない 体制 を 打破 した 」 と 日本 政治 史上 の 意義 を 強調 。 その うえ で 国際 協調 の ため の 積極 的な 努力 と 、 国 内 の 規制 緩和 を 実現 する 考え を 表明 する と み られる 。 松浦 市長 15 日 告示 、 山口 洋平 氏 が 無 投票 で 再選 。 串木野 市長 15 日 告示 、 前 助役 の 冨永 茂穂 氏 が 無 投票 で 初 当選 。 伊予 市長 15 日 告示 、 立候補 届け出 を 締め切り 、 農業 、 増野 英作 氏 が 無 投票 で 初 当選 。 社会党 の 久保 亘 書記 長 は 十五 日 、 鹿児島 市 内 で 記者 会見 し 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら の 新 会派 結成 問題 に ついて 「 新党 構想 の 実現 を めぐって 意見 が 対立 し 、 党 を 離れる 形 で 新しい 政治 勢力 が できれば 、 社会党 が 分かれた と 言う べきだ 」 と 述べ 、 新 会派 結成 は 党 分裂 に なる と の 認識 を 明らかに した 。 また 「 責任 を 取る べき 事態 に なれば 、 当然に 取る べき 責任 を 取る 」 と 述べ 、 党 分裂 の 場合 は 書記 長 を 辞任 する 意向 を 改めて 示した 。 一方 、 自民党 幹部 が 社会党 に 山花 氏 ら の 新 会派 参加 者 を 除名 する よう 求める 発言 を して いる こと に ついて 「 他党 から 介入 さ れる 問題 で は ない 。 内政 干渉 に あたる 」 と 不 快感 を 表明 した 。 外務 省 は 十五 日 まで に 、 イラン 向け の 円 借款 を 継続 して 実施 する 方針 を 固めた 。 約 四百六十億 円 の 供与 を 近く 決める 。 米国 から は 、 イラン が イスラム 原理 主義 組織 を 支援 して いる と して 円 借款 の 中止 を 求め られて いた が 、 「 テロ 関与 の 明確な 証拠 が ない と 中止 でき ない 」 と して 独自 路線 を 続ける こと に した 。 東京 協和 、 安全 の 両 信用 組合 が 抱える 千百億 円 の 不良 債権 に 対し 、 東京 都 が 行う 金融 支援 策 の 概要 が 十五 日 、 明らかに なった 。 三百億 円 を 十五 年間 に わたって 低利 融資 し 、 総額 で 百八十億 円 分 の 損失 を 穴埋め する 。 民間 金融 機関 から の 支援 は 、 大半 が 一 回 限り の 「 贈与 」 で 行う と み られる が 、 両 信 組 へ の 監督 責任 が ある 都 は 支援 額 が 大きく 、 負担 を 長期 に “ 分散 ” する こと に なった 。 両 信 組 の 不良 債権 は 、 十三 日 に 設立 さ れた 東京 共同 銀行 が 、 いったん 全額 を 引き継いだ 後 、 四百億 円 に ついて は 、 東京 都 信用 組合 協会 内 に 設置 する 債権 回収 機関 に 簿価 で 譲渡 、 処理 する 。 同 機関 へ の 都 の 三百億 円 の 低利 融資 は 市場 の 実勢 金利 より 年利 で 四 % 低く 設定 。 年間 十二億 円 、 十五 年間 で 百八十億 円 の 支援 と なる 。 両 信 組 の 経営 破たん は 、 高橋 治則 ・ 前 東京 協和 信 組 理事 長 自身 が 代表 を 務めて いた イ・アイ・イ ・ グループ へ の 「 乱脈 融資 」 が 原因 だ が 、 金融 界 全体 で 不良 債権 処理 に 協力 、 新 銀行 の 信用 維持 を 図る 方法 が 取ら れて いる 。 債権 回収 機関 を 通じて の 支援 は ほか に 、 イ・アイ・イ ・ グループ の メーンバンク だった 日本 長期 信用 銀行 が 二百億 円 余り を 負担 。 回収 機関 以外 で は 、 預金 保険 機構 が 一括 贈与 の 形 で 四百億 円 を 、 全国 信用 共同 組合 連合 会 が 約 百億 円 、 その他 の 民間 金融 機関 が 約 二百五十億 円 を 分担 する こと が 固まって いる 。 法務 省 は 民法 の うち 家族 法 の 改正 に ついて 国民 から の 意見 を ファクス で 受け付ける 「 家族 法 ホットライン 」 を 十七 日 正午 から 設置 する 。 期間 は 三 月 末 まで 。 今回 の 改正 対象 は 選択 的 夫婦 別 姓 制度 の 導入 や 、 非 嫡出子 の 法定 相続 の 在り 方 など 国民 の 生活 に 深く かかわる ため 、 広く 意見 を 募り 、 法 改正 の 参考 に する 。 民法 改正 は 法制 審議 会 民法 部会 で 審議 中 。 同 省 は 昨年 七 月 に 「 婚姻 制度 に 関する 民法 改正 要綱 試案 」 を 公表 、 各界 の 有識 者 に 意見 照会 を して いる 。 ファクス の 設置 は その 一環 。 「 ホットライン 」 の 電話 番号 は 03・3592・7786 。 二十一 知事 ・ 政令 指定 市長 選 の 主な 立候補 予定 者 で 各 陣営 の 推薦 ・ 支持 基盤 を 見て みる と 山梨 、 愛知 、 熊本 、 福岡 各 県 と 広島 、 北九州 、 札幌 各 市 の 計 七 カ所 で 共産 以外 の 各 党 が 相乗り 。 愛媛 と 北海道 で は 中央 政界 と の 「 ねじれ 」 現象 が 起こって いる 。 自民 、 新進 、 社会 、 共産 の 四 党 がっぷり 組んで の 対決 は 青森 、 岩手 。 島根 は さきがけ が 独自 候補 を 推薦 し 自民 、 公明 推薦 候補 と 一騎 打ち の 様相 。 大阪 は 当初 の 枠組み が 崩れた まま 。 八 つ の 選挙 で 現職 など が 立候補 を 予定 して いる だけ で 対立 候補 が 未定 。 「 トックビル は こう 書いて い ます 。 『 高貴な 人間 は なかなか い ない 。 町 の 法律 屋 や 商売人 や 、 時に は 下層 階級 の 人 は いる が 』 と 」 今月 四 日 、 米 新 議会 の 開会 式 で 下院 議長 に 選出 さ れた ギングリッチ 氏 は 、 就任 演説 に 十九 世紀 の フランス の 政治 家 ・ 歴史 家 である トックビル の 言葉 を 引用 して 言った 。 「 だが 私 は 議員 諸君 の 出自 は 問題 に し ない 。 全員 が 有権者 に 選ば れた 米 市民 だ から です 」 これ を 聞いて いた ある 共和 党員 は 言った 。 「 また 彼 だ 」 彼 と は 、 共和党 の 若き 戦略 家 で 「 キッシンジャー 以来 の 切れ者 」 と いわ れる ウイリアム ・ クリストル 氏 。 同氏 が ハーバード 大 で 書いた トックビル に 関する 博士 論文 が 、 新 議長 の 演説 で 引用 さ れた 、 と 共和 党員 は 直感 した のである 。 昨年 、 クリントン 大統領 が 提案 した 健康 保険 制度 の 改革 を 共和党 が つぶし に かかった 時 、 その ヤマ場 と なる 全 米 知事 会議 で 共和党 の ドール 上院 院 内 総務 は 演説 した 。 「 健康 保険 制度 は 、 完全 と は いえ ない が 世界 で ベストな もの 。 手直し は 必要 かも しれ ない が 、 全面 的 見直し や 、 連邦 政府 の 介入 は まったく 不要だ 」 これ も クリストル 氏 が 全 共和 党員 に 配布 した 「 健康 保険 制度 の 改革 を つぶせ 」 と の メモ を 引用 した もの だった 。 そして クリントン 改革 は とん挫 した 。 共和党 が 圧勝 した 昨秋 の 中間 選挙 は 、 クリストル 戦略 の 勝利 と さえ いわ れる 。 「 米国 が 史上 最も 豊かな 国 と なり 、 世界 最強 の 軍事 力 を 誇る のに 、 なぜ 国民 の 三 分 の 二 が ハッピーで ない と 感じて いる の か 」 と クリストル 氏 は 言う 。 「 教育 、 福祉 、 犯罪 対策 、 家族 の 大切 さ 。 こうした 中間 層 が 重視 する もの を 、 政府 が ないがしろに して きた ため だ 」 その 判断 から 、 連邦 政府 の 権限 縮小 、 議員 の 任期 制限 、 予算 均衡 、 所得 税 平準 化 と いった 、 中間 層 を ターゲット と する 共和党 の 選挙 公約 「 米国 と の 契約 」 を まとめ 、 これ が 中間 層 の 心 を つかんだ 。 学生 時代 、 ドイツ 生まれ の 哲学 者 シュトラウス に 心酔 した クリストル 氏 は 、 道徳 や 伝統 を 重視 する 保守 主義 者 。 世界 を 急速に 良く する こと は でき ない と 思う 現実 主義 者 で も ある 。 ハーバード 大 助教授 だった 時 、 後 の 教育 長官 ベネット 氏 に 見初め られて ブレーン に なり 、 次いで クエール 前 副 大統領 の ブレーン に 。 そして 今 「 共和党 の 未来 の ため の プロジェクト 」 と いう シンクタンク を つくり 、 党 全体 の 戦略 を 練る 。 二 年 後 に 共和党 が 政権 を 奪還 した 場合 、 大統領 補佐 官 就任 が 有力 視 さ れる まで に なった 。 「 政治 は ゲーム であり 、 攻撃 と 敵 の 粉砕 が 肝心 」 と 常々 言う 。 クリントン 政権 と の 妥協 は 誤り で 、 それ を 倒す こと を 共和党 は 目標 に す べきだ と いう のだ 。 クリントン 政権 と の 政策 的 妥協 が 可能な 場合 でも 拒否 す べし 、 と の 同氏 の 主張 に 、 危ぐ を 抱く 党員 も いる 。 挫折 を 知ら ず 、 強気 一 本 の 戦略 家 の 前途 に 、 落とし穴 が 待ち受けて い なければ よい が 。 アルジェリア の 八 反 政府 組織 が 現 政権 と の 交渉 など を うたった ローマ 合意 に ついて 、 アルジェリア 国営 放送 は 十三 日 、 ローマ 合意 は イスラム 原理 主義 の 非合法 政党 「 イスラム 救国 戦線 」 の 存在 を 認めた に 過ぎ ない 、 と 合意 を 非難 した 。 有力 アラビア語 紙 アルハヤト は 十四 日 、 アルジェリア の 情報 筋 の 話 と して 、 ローマ 合意 後 、 ゼルーアル 暫定 大統領 が 軍 幹部 ら と 対応 を 協議 した と 報じた 。 この 協議 で 、 ローマ 会議 出席 者 の 旅券 没収 など が 決まった と いう 。 しかし 大統領 は 、 合意 の 条件 の 一部 なら 受け入れる 方針 と も いわ れ 、 政権 内部 でも 強硬 意見 と 柔軟 路線 が 対立 して いる 模様 だ 。 ドイツ の 日曜 紙 「 ウェルト ・ アム ・ ゾンターク 」 は 十五 日 付 の 紙面 で 、 チェチェン 共和 国 の ドゥダエフ 大統領 と 十四 日 朝 に 衛星 電話 回線 で インタビュー した 記事 を 掲載 した 。 大統領 は 「 この 戦い は アフガニスタン 戦争 より も 長く なる 」 と ロシア 軍 に 対する 徹底 抗戦 を 強調 した 。 ロシア 軍 の 攻撃 に ついて 大統領 は 「 激しい 砲撃 や 空爆 を 加え られて いる が 、 われわれ は 家々 や 街路 で の 接近 戦 で 健闘 して いる 。 すでに ロシア 軍将 校 四十七 人 を 捕虜 に した 。 ロシア 兵 は 士気 が 低下 して いる 。 装備 も 悪い 」 と 述べた 。 また イスラム 諸国 から 支援 を 受けて いる こと を 認め 、 特に カフカス 諸 民族 が 応援 に 駆けつけて いる と いう 。 フィリピン を 訪問 中 の ローマ 法王 ヨハネ ・ パウロ 二 世 は 十五 日 、 マニラ の ルネタ 公園 の 「 世界 青年 デー 」 ミサ に 出席 した が 、 参加 者 三百万 人 以上 と いう 法王 出席 の ミサ と して も 記録 的な 大 集会 と なった 。 分派 活動 など で 指導 力 が 低下 し つつ あった 比 カトリック教会 の 威信 回復 に も つながる 催し と なった 。 法王 は 信者 を 前 に 、 性 の 乱れ など に 警告 を 発し モラル の 回復 を 訴えた 。 参加 者 は 「 法王 、 万 歳 」 「 我々 は パウロ 二 世 を 愛す 」 と 繰り返し 合唱 。 前夜 、 会場 に 野宿 した 信者 も 数万 人 は いて 、 疲れ や 脱水 症状 で 、 約 千 人 が 医師 の 手当て を 受ける 騒ぎ に なった 。 十四 年 ぶり の 法王 の 訪 比 で 注目 さ れた の は 、 プロテスタント の ラモス 大統領 が 推進 し 、 地元 カトリック教会 が 猛 反発 して いた コンドーム など の 人工 的 避妊 策 。 法王 は 前日 、 比 カトリック 司教 と の 会合 で 、 中絶 は もちろん 避妊 に も 反対の 立場 を 表明 。 さらに 「 余りに も 多く の 家族 が 耕す 土地 や 住む 家 も ない まま で いる 」 と も 述べ 、 フィリピン を 念頭 に 置いた と み られる 社会 的 不 公正 を 批判 した 。 ラモス 大統領 は 、 フィリピン の 統一 と 平和 を 訴える 法王 の メッセージ を 強調 。 訪問 に 合わせて 政治 犯 十四 人 を 釈放 する など 、 イスラム 教徒 、 共産 主義 者 など 国 内 反乱 派 と の 和平 交渉 の ばね に しよう と もくろんだ 。 だが 、 法王 から 政策 批判 を 浴び 、 むしろ 受け身に 立た さ れた 。 人工 避妊 推進 政策 など は 今後 、 見直し を 迫ら れ そうだ 。 フィリピン の カトリック 教徒 は 人口 の 八三 % を 占める が 、 近年 「 ポップ ・ カトリシズム 」 と 呼ば れる 新 宗派 が 組織 さ れ 、 ローマ ・ カトリック教会 を 脅かす 存在 に なり つつ ある 。 その 代表 格 が 「 エル ・ シャダイ 」 で 、 現在 、 公称 六百万 人 以上 に 組織 を 拡大 。 その 背景 と して 、 比 カトリック教会 の 最高 指導 者 、 シン 枢機卿 の 人気 低下 を 指摘 する 向き も あった 。 しかし 法王 訪 比 の 大 成功 は 「 次期 法王 」 の 下馬評 も ある シン 枢機卿 の 指導 力 回復 に つながり 、 枢機卿 の ラモス 政権 批判 に も はずみ が つき そうだ 。 ロシア 南部 チェチェン 共和 国 の 首都 グロズヌイ 制圧 を 目指す ロシア 軍部 隊 は 十五 日 、 前日 に 続き 首都 中心 部 へ の 激しい 砲撃 を 再開 した 。 ドゥダエフ 政権 部隊 の 抵抗 の 象徴 と なって いる 大統領 官邸 は 、 一 時 ロシア 軍 の 突入 が 伝え られた が 、 依然と して チェチェン 側 が 占拠 して いる 模様 だ 。 グロズヌイ から の 報道 に よる と 、 ロシア 軍 の 攻撃 は 十四 日 夜 に いったん 休止 した が 、 十五 日 朝 再び 激しい 砲撃 が 行わ れた 。 九 階建て の 大統領 官邸 は 、 十四 日 の ロシア 軍 の 砲撃 で 上層 階 が 破壊 さ れ 、 炎上 して いる 。 ロシア の 独立 テレビ は 十四 日 、 「 官邸 内部 で 戦闘 が 発生 した 模様 」 と 伝えた が 、 これ まで ロシア 軍 の 突入 を 確認 する 情報 は ない 。 南アフリカ の 政権 党 ・ アフリカ民族会議 は 、 アパルトヘイト 時代 の 人権 犯罪 の 調査 を 進めて いた が 、 当時 の フロック 法 秩序 相 など 治安 担当 官 三千五百 人 が すでに 免責 さ れて いる こと が 明らかに なった 。 オマー 司法 相 が 「 昨年 四 月 の 選挙 直前 に 、 当時 の フロック 法 秩序 相 ら 治安 担当 官 三千五百 人 が アパルトヘイト 制度 時代 の 罪 の 免責 を 申請 、 承認 さ れて いる こと を 初めて 知った 」 と 発表 した もの で 、 同 司法 相 は 同 免責 措置 は 不当 と して 再 調査 を 指示 した 。 同 司法 相 が 十三 日 公表 した 免責 者 リスト に よる と 、 フロック 元 法 秩序 相 の ほか 、 マラン 元 国防 相 、 ファンデルメルウェ 警察 庁 長官 ら 、 ANC が 「 アパルトヘイト 時代 の 政治 弾圧 の 首謀 者 」 と する 大物 が 含ま れて いる 。 ラマポーサ 書記 長 は 「 免責 事項 に ついて は 昨年 選挙 前 、 前 政権 と 『 和解 と 統一 に 寄与 する 形 で 慎重に 進める 』 と 合意 して いた 。 彼ら は この 合意 を 無視 し 、 極秘 に 免責 を 実施 した 」 と 強い 憤り を 表明 。 前 政権 の 大統領 だった デクラーク 現 副 大統領 を 強く 非難 した 。 これ に 対し 、 同 副 大統領 は 「 殺人 罪 など 重要 犯罪 は 調査 した が 、 それ 以外 に ついて は 政治 的 干渉 の 及ぶ 余地 の ない 一般 手続き で 処理 さ れた 」 と して 、 免責 措置 決定 過程 で の 合法 性 を 主張 して いる 。 免責 措置 は 昨年 選挙 の 三 日 前 に 官報 で 公布 さ れた が 、 当時 は 選挙 で 忙しく 問題 と なら なかった 。 今回 、 公 と なった の は 、 一九八八 年 に 起きた 教会 爆破 事件 の 被害 者 遺族 が 、 「 犯人 は 当時 の 南ア 警察 」 と して フロック 元 法 秩序 相 を 告訴 した の が きっかけ 。 調べた ところ 、 すでに 免責 措置 が 取ら れ 刑事 責任 が 問え ない こと が 明らか と なった 。 ベトナム から の 報道 に よる と 、 カンボジア の ラナリット 第 一 首相 が 十五 日 、 ハノイ 入り し 、 政府 ゲスト ハウス で ボー ・ バン ・ キエト 首相 の 歓迎 を 受けた 。 ラナリット 首相 は 三 日間 の 日程 で 滞在 し 、 ボー ・ バン ・ キエト 首相 と 首脳 会談 を 行う 。 ポーランド から の 報道 に よる と 、 オレホフスキ 外 相 は 13 日 、 辞任 の 意向 を 表明 した 。 ロッシ 仏 産業 ・ 対外 貿易 相 と 鄒 家華 ・ 中国 副 首相 は 北京 の 釣魚台 で 15 日 、 仏 企業 と の 間 で 中国 広東 省 の 大亜湾 第 2 原子 力 発電 所 建設 に 関する 契約 書 に 調印 した 。 契約 額 は 28億3000万 ドル で 、 仏 企業 は 100万キロ ワット 原子 炉 2 基 を 建設 する 。 大亜湾 の 第 1 原発 も 仏 企業 が 建設 した 。 中国 の 最高 実力 者 、 トウ 小平 氏 は 、 昨年 夏 に 健康 状態 が 急に 悪化 し 、 それ 以降 、 動作 や 言葉 が 不自由に なる など 思わしくない 状態 が 続いて いる こと が 、 十五 日 まで に 複数 の 消息筋 の 話 で 明らかに なった 。 大阪 の コリアンタウン ・ 旧 猪飼野 で 生まれ 、 育った 。 冠婚 葬祭 に は 、 親族 が 大勢 集まり 、 侃々諤々 の 政治 談議 。 「 南 だ 」 「 北 だ 」 が 、 あげく に 殴り合う 光景 も 、 子供 の ころ に は 普通だった 。 「 それ が 、 学生 時代 に 統一 運動 を やる と 、 もう 若い 人 を ひきつけ なく なって いた 」 。 対立 する 統一 政策 に 、 あまりに 政治 が 持ち込ま れ すぎて いる 。 「 ならば 、 対立 で は なく 交流 を 。 それ に は 『 38 度 線 』 の ない 日本 で 、 しかも 『 お祭り 』 の 場 で 集まろう 」 こうして 大阪 を 舞台 に 始めた 音楽 祭 が 「 ワンコリア ・ フェスティバル 」 。 「 『 統一 』 は 手あか が ついて しまった から 『 ワンコリア 』 。 ワン は ハングル で ハナ 。 ハナ は 花 、 ハナ から 始める 、 に も 通じる 」 統一 政策 を 批判 ・ 代弁 し ない 、 を 大 原則 に 、 以来 十 年 。 白竜 さん ら ロック 、 ジャズ の ミュージシャン だけ で なく 、 画家 、 舞踊 グループ 、 そして 在 日 から 日本 人 へ と 参加 者 は 広がった 。 周り の 人 を ほっとか せ なく する 、 やんちゃ 。 昨年 は 初めて 東京 で 開催 し 大 成功 。 その 時 、 さまざまな ジャンル の 人 が 寄せて くれた 文章 を 記念 出版 、 書店 回り に 追わ れる 。 「 いつまでも 被害 者 の 運動 で は 、 反発 と 同情 しか 生まれ ない 。 未来 志向 の 大切 さ を わかって くれた ので は 」 。 そして 今年 は 解放 五十 年 。 「 ワンコリア から ワン アジア へ 。 アジア 共同 体 を 世界 に 発信 し たい 」 最近 、 幼い 子 に 早く から 文字 や 数字 を 強制 的に 教える 母親 が 増えて いる と 聞き ます 。 先日 も 、 三 歳 くらい の 子供 に 数字 を 書か せ 、 出来 ない と しかって いる 親 を 見かけ ました 。 そんな ひま が ある なら 、 絵本 を 読んで あげたり 、 童謡 を 歌って あげれば いい のに 、 と 思い ます 。 私 は 、 落ち込んだ 時 など 、 いつも 心 に 浮かぶ もの が あり ます 。 それ は 、 小さい ころ 祖母 が 歌って くれた 童謡 や 、 寝る 間際 に 母 が 読んで くれた 絵本 です 。 私 に とって 、 知識 より も ずっと 大切な 宝物 です 。 文字 や 数字 など 、 いわば 頭 の 教育 は 、 学校 が 嫌というほど して くれ ます 。 しかし 、 心 の 教育 は 親 が する しか ない と 思い ます 。 非行 に 走る 人 、 いじめ を する 人 など は 、 この 心 の 教育 が 足りなかった 人 でしょう 。 だから 、 今 、 小さい 子供 を もつ 人 は 、 絵本 を 読んだり 、 童謡 を 歌って あげたり 、 ぎゅっと 抱きしめて あげて ください 。 それ が 、 思いやり の ある 人間 に なる ため に 一 番 必要な こと だ と 思い ます 。 今年 は 日 独 の 敗戦 から 五十 年 の 節目 に 当たる 。 戦勝 国 は これ を 記念 して 、 昨年 、 仏 は D デー に 盛大な 式典 を 挙行 した 。 英国 は 、 五 月 八 日 の 欧州 、 八 月 十五 日 の 対 日 戦勝 記念 を 祝して 式典 を 行う 。 また 米国 は 、 九 月 二 日 の ミズーリ 艦上 で の 降伏 調印 式 を 記念 して 式典 を 行う と いう 。 戦後 半 世紀 たって も 、 勝者 と 敗者 の 明暗 は 歴然と し 、 前者 は 戦勝 記念 祝典 を 、 後者 は いま 戦後 処理 に 悩んで いる 。 何百万 人 と いう 貴い 人命 を 失い 、 膨大な 賠償 を 支払い 、 戦争 を 知ら ない 子孫 の 時代 に なって も なお 後遺症 が 残り 、 戦争 の 悪夢 は 消え ない のである 。 核 兵器 時代 に 入り 、 戦争 は 一 国 を 壊滅 さ せる だけ で なく 地球 の 破壊 に も つながる 。 絶対 に 第 三 次 世界 大戦 を 起こさ せて は なら ない 。 しかし 、 現在 、 世界 各地 で 内戦 や 紛争 が 起こり 硝煙 は 絶え ない 。 この 時 に 当たり 、 日本 は 国会 で 「 不戦 の 誓い 」 を 決議 し 、 最大 限 の 償い を して 世界 の 平和 と 繁栄 に 貢献 す べきだ と 思う 。 一九九五 年度 政府 予算 案 で 、 ミニ 規格 で 計画 さ れて いた 東北 新幹線 の 盛岡 ― 沼宮内 間 を フル 規格 に 昇格 さ せて 来 年度 に 着工 し 、 富山 、 熊本 両 駅 の 着工 に も 巨額 を 計上 して いる 。 かつて 、 政治 の 力 で 国鉄 の 意思 と は 関係なく 無理やり つくった 政治 路線 が 、 収益 が 上がら ず に 国鉄 の 分割 ・ 民営 化 へ の 引き金 と なった こと は 、 遠い 昔 の こと で は なく 、 二度と 再び 同じ てつ を 踏んで は なら ない 。 仮に 、 整備 新幹線 が 開通 した と すれば 、 そこそこ 客 は 乗る だろう 。 しかし 、 総体 の 旅客 人数 は 格別 増える わけで は ない ので 、 在来 線 の 客 が 減り 、 悪く すれば 廃止 と いう こと が 考え られ 、 痛手 を 受ける の は 地域 住民 な のである 。 整備 新幹線 へ 投入 する 予算 が ある の なら 、 在来 線 を 改良 する など して 、 高速 化 を 推進 し 輸送 力 増強 を 図れば よい 。 関係 地域 から の 要望 が ある と は いえ 、 わずかの 所要 時間 短縮 の ため に 、 多額の 予算 を 投じて の 新幹線 の 延伸 は 必要 が ない 。 「 私 は 成人 式 の ため の 晴れ着 は いら ない 。 その かわり に インド 旅行 と 自動車 の 免許 を 取り たい ので 、 経済 的 援助 を お 願い し たい 」 と いう 申し入れ が 娘 から あった 。 どこ か の ニュース で 聞いた ような 話 に 驚く と ともに 、 ついに 我が 娘 も 成人 式 を 迎える 年 に なって しまった の か 、 と いう 何とも 言え ない 不思議な 気持ち に なって しまった 。 小さい とき に 、 近所 の 男の子 に からかわ れて 泣いて 帰って きたり 、 中学 時代 に は 「 お 父さん 、 もう 勉強 し なさい なんて いわ ないで 」 と 抗議 を した 長女 が 成人 式 を 迎える 。 現在 、 大学 の 勉強 に も 興味 を 持ち出し 、 世界 へ 羽ばたこう と もがいて いる 。 現在 の 日本 は 、 国連 安保理 常任 理事 国 入り や 、 アジア で の リーダー と して の 役割 に 代表 さ れる 国際 化 、 経済 大国 と いう 勲章 の 代償 と して 産業 空洞 化 など 、 多く の 課題 を 抱えて いる 。 決して 明るい 将来 が 約束 さ れて いる わけで は ない が 、 自分 の 個性 を 磨いて 、 充実 した 人生 を 歩んで ほしい と 願う 。 今年 は 「 資産 公開 条例 」 制定 の 期限 の 年 である 。 三 年 前 に 制定 さ れた 「 国会 議員 資産 公開 法 」 に 基づき 、 各 自治 体 で 首長 や 指定 都市 の 議員 を 対象 に 毎年 、 資産 公開 を 行う こと を 義務づけた 。 さっそく 県庁 に 出向き 「 条例 」 の モデル 案 を 入手 、 中身 を 検討 した 。 しかし 、 モデル 案 で は 市民 に 認め られて いる の は 資産 等 報告 書 の 閲覧 だけ で 、 コピー が でき ず 、 正しい か どう か 確かめる の も 容易で は ない 。 先行 した 大阪 府 堺 市 の 政治 倫理 条例 に は 、 市民 参加 の 審査 機関 と 疑義 を 生じた 場合 の 調査 請求 権 が 認め られ 「 政治 監視 の 道具 」 と して 成果 も 上がって いる と いう 。 ほか に も 厳しい 基準 を 採用 して いる ところ も ある が 、 各 自治 体 で モデル 案 が 単純に 採用 さ れる ようで は 「 市民 の ため の 」 政治 監視 の 制度 に は なら ない 。 戦後 五十 年 を 地方 自治 元年 と して 歴史 に 刻む ため に も 、 条例 の 動向 に 注目 して いき たい 。 山花 貞夫 氏 の 「 民主 リベラル 新党 」 の 誕生 を 期待 して い ます 。 昨年 、 村山 富市 社会党 委員 長 の 首相 就任 の ショック を 、 いまだに いやし 難い この 気持ち 。 山花 氏 の 人柄 を 見込んで 頑張って ほしい と 切望 し ます 。 自民党 が 、 社会党 の 、 それ も 左派 と 称さ れる 委員 長 を 首相 に 据えた 、 その 政権 奪還 の ため に は 手段 を 選ば ぬ やり 方 を 今もって 許す こと が でき ませ ん 。 また 、 それ に 乗った 社会党 委員 長 が 「 時代 は 変わった 」 「 世の中 変わった 」 と おっしゃって も 、 今 まで の 社会党 は いったい 何 だった の か 。 おいそれと 私 の 気持ち まで 変える わけに は いか ず 、 いまだに 現 政権 に 対し 胸 に つかえる もの が あり ます 。 それだけに 、 山花 氏 の 新党 構想 を 支持 し 、 その 気 に なって いる 人々 の 集合 で 民主 リベラル 新党 が 誕生 する こと を 心から 期待 して い ます 。 本格 的な マルチメディア 時代 の 到来 を 前 に 、 活字 時代 に 生きた 学者 、 研究 者 、 出版 人 など 十三 人 の “ データベース 人間 ” の 業績 を 改めて 振り返り 、 その 現代 的な 意義 を 探ろう と いう 『 日本 博覧 人物 史 』 が 刊行 さ れた 。 著者 は 評論 家 の 紀田 順一郎 氏 。 日本 語 を 博物 学 的 視点 から 検証 し 話題 を 呼んだ 『 日本 語 大 博物 館 』 の 姉妹 編 だ 。 登場 する 人物 は 、 いずれ も 一 冊 の 事典 、 一 つ の 事業 に 生涯 を 費やした 巨人 たち 。 ページ を くって 気づか さ れる の は 、 著者 なら ず と も 、 ローマ は 一 日 に して 成ら ず と の 感 である 。 例えば 、 江戸 時代 に わが国 初 の 百科 事典 の 元祖 と も いえる 『 群書 類従 』 を 編んだ 塙 保己一 は 、 刊行 まで に 四十 有 余年 の 歳月 を かけた 。 塙 は 全盲 と いう ハンディ を 背負い ながら 、 である 。 しかも 塙 が 生前 果たす こと の でき なかった 続編 が 活字 本 と して 完成 した の が 昭和 初期 。 その 息 の 長い 歴史 を 追って いる 。 文献 資料 、 植物 図鑑 や 英和 辞典 づくり など に 取り組んだ 十三 人 の “ データベース 人間 ” の 知的 資産 集積 へ の 執念 に は 目 を 見張る 。 たしかに 出版 が “ 活字 から 電子 へ ” と 変わって 行く 中 、 「 創造 的 知 の 集積 」 に ついて の 温故 知新 が 求め られて いる のだろう 。 著者 は ある 情報 誌 へ の 特別 寄稿 で 「 いま メディア の 一 大 転換 期 を 迎え 、 心ある 出版 人 が のぞんで いる こと は 、 本来 の 意味 に おける 書物 の 伝承 ― 創造 的 知 の 集積 を いかに 次代 に 伝える か と いう こと である 」 と 結んで いる 。 先人 が 情熱 を 込めて 積み重ねて きた 活字 情報 の 膨大な 蓄積 を 、 今 しっかり と 電子 情報 化 して おく こと の 重要 さ を も 教えて くれる 書物 である 。 1918 ― 1937 、 敗戦 に より 「 魔女 の 厨 の 大 鍋 と 化し 、 武力 と イデオロギー を 呑み込んで 、 逆巻き 沸き立 」 った 国 が 、 「 一 ドル が 九千 マルク と なる 、 重病 人 の 体温 さながら 」 の 苦境 に 喘ぎ つつ ワイマル 小康 期 を 経て 、 ヒトラー と いう 新たな 旋風 、 「 死に 瀕し つつ ある ドイツ の 零細なる 中産 階級 が 感染 した 熱病 現象 」 を 迎える に 至る まで が 、 含蓄 ゆたかな 一 対 の 眼 に よって 克明に 観察 さ れて ゆく 。 街角 に こだま する 銃声 に 「 まるで ヴェルディ の オペラ の ような 世界 に 我々 は 暮して いる のだ 」 と 呟いたり 、 俗物 共和 主義 者 の 集会 を 覗いて 「 おお ブルータス よ 、 ロベスピエール よ 、 あなた 方 の 流した 血 で 守ら れて いる の は こんな 連中 だった のです ぞ 」 と 嘆じたり 。 請わ れれば 時 に は 外交 実務 の 突端 に 立つ もの の 、 むしろ ヨーロッパ 各国 の サロン を 舞台 に 幅ひろい 知己 と 交遊 する ほう を 好んだ この 伯爵 の 眼 は 、 リアルタイム の 厳しい 現実 を 描写 し ながら も 、 どこ か ひとごと の ように 眺めて いて 、 そんな たっぷり した 心 ぐみ が ゆかしかった 。 = 松本 道介 訳 冷戦 の 時代 、 二 つ の 巨大 国 が 高い 塀 を 建てて にらみ合って いた 。 その 間 に 挟ま れた 小国 は 、 体 を すくめて 黙る しか なかった 。 冷戦 が 終わった 今 、 隣人 同士 が 殺し 合って いる 。 第 三 世界 だけ で ない 。 世界中 の 大 都会 でも 起こって いる 。 著者 は 、 そこ に 共通 する 分母 を 見る 。 「 行為 者 の 自己 閉鎖 的な 性格 」 と 「 行為 者 が 破壊 と 自己 破壊 と の あいだ を 区別 でき ず に いる こと 」 である 。 つまり 、 現在 の 内戦 に おいて は 「 およそ 行為 を 正当 化 し うる もの は 、 きれいさっぱり 揮発 して しまって いる 」 のだ 。 著者 は この 内戦 の 時代 を 、 経済 から 政治 から イデオロギー から と さまざまに 考えて は みる が 、 すべて 袋小路 に ぶつから ざる を 得 ない 。 メディア が 、 憎悪 の 文化 に 対する 催眠 状態 を 醸しだして いる こと は 確か と して も 。 訳者 も あとがき で 指摘 して いる ように 、 本書 に は これ まで に なく ヨーロッパ 中心 主義 が 色 濃く 出て おり 、 内戦 の 背後 に ある ヨーロッパ の 責任 に ついて 逃げ と も とれる 発言 が 眼 に つく 。 著者 も 老いた のだろう か 。 = 野村 修 訳 一九三〇 年 代 、 反 ファシズム の 同人 誌 「 世界 文化 」 の 常連 執筆 者 で フランス 文学 研究 者 で も あった 新村 猛 氏 の 業績 の 全容 を 初めて 集大成 した 『 新村 猛 著作 集 』 の 刊行 が 三一 書房 の 手 で 始まって いる 。 児童 文学 者 の 今江 祥智 氏 ら 編 。 全 三 巻 で 各 巻 一万 円 。 新村 猛 氏 は 言語学 者 、 新村 出 氏 の 二男 と して 生まれ 、 父 の 「 広辞苑 」 の 編集 に 携わる 一方 、 戦前 から 終始 、 言論 に よる 抵抗 運動 を 貫き 一九九二 年 、 八十七 歳 で 生涯 を 閉じた 。 「 世界 文化 」 は 軍国 主義 時代 、 ファシズム に 抵抗 した わが国 で は 数 少ない 同人 誌 。 第 一 巻 の 「 ロマン ・ ロラン 」 に 続いて この ほど 第 二 巻 「 世界 文化 〜 三十 年 代 の 政治 思想 的 証言 」 が 刊行 。 第 三 巻 「 ヨーロッパ 文明 と の 対話 」 は 五 月 に 刊行 さ れる 予定 。 発展 途上 国 に 無償 の 技術 援助 協力 を 行って いる 国際 機関 、 国連 開発 計画 は 一九九〇 年 以来 、 「 人間 開発 報告 書 」 を 発行 して いる が 、 この ほど 初めて の 日本 語 版 『 人間 開発 報告 書 1994 』 が 古今 書院 から 発売 さ れた 。 三六〇〇 円 。 同 報告 書 は 、 UNDP が 依頼 した 専門 家 チーム が 毎年 、 編集 する もの で 、 とくに 発展 途上 国 の 開発 問題 や 南北 格差 の 現状 、 貿易 、 社会 開発 など を 知る に は 欠かせ ない 資料 と なって いる 。 最大 の 特徴 は 、 寿命 、 成人 識字 率 と 平均 就学 年数 、 生活 水準 の 数値 を 組み合わせた 人間 開発 指標 を 各国 別 に 算出 して いる こと で 、 人間 を 中心 に した 開発 の 進み 方 を 概観 できる 。 また 、 ポスト 冷戦 時代 の 新しい 概念 と して 同 グループ が 提唱 する 「 人間 の 安全 保障 」 に ついて の 説明 など も 掲載 。 日本 の 出版 業界 最大 の 国際 見本市 「 東京 国際 ブック フェア ’ 95 」 が 来月 八 日 から 四 日間 、 千葉 市 中瀬 二 の 幕張メッセ で 開か れる 。 新 刊本 から 新 技術 ・ 新 製品 まで 出版 業界 の あらゆる 情報 が つかめる ほか 、 業界 関係 者 と の ビジネス 促進 、 人 的 交流 や 海外 の 出版 社 と の 著作 権 取引 、 共同 出版 、 輸出入 など 国際 ビジネス の 推進 も 主催 者 側 の 狙い 。 造本 装丁 コンクール 展 や 洋書 バーゲン など の イベント も 併催 さ れる 。 入場 料 は 千 円 。 問い合わせ 先 は 東京 国際 ブック フェア 事務 局 。 寝殿 造り を 鳥かん した 構図 の 上 を 優美な オナガ が 飛び 、 周囲 に は 淡い スミレ の 花 が 咲く 。 「 ひと目 で 平安朝 の 雰囲気 が 分かる ように 」 と 装画 を 担当 した 岡田 嘉夫 さん 。 この 意味 を 上手に すくい取る ように 装丁 者 の 中島 かほる さん が みやびやかな 表題 づくり を して いる 。 画家 と 装丁 者 の 呼吸 が ピッタリ 。 藤沢 周平 全集 が 完結 した 。 この 解説 を 全巻 ひと り で 担当 した の が 向井 敏 。 その 全 解説 を まとめた 本書 は 、 周到に して 愛情 あふれる 藤沢 文学 論 。 文章 の 端正 、 物語 上手 、 時代 考証 の 確か さ 、 下級 武士 や 市井 の 人々 へ の 優しい 視点 、 英雄 嫌い など 藤沢 周平 の 魅力 を 次々 に 解き明かして いく 。 どちら か と いえば 暗 さ が 強調 さ れる この 作家 は 実は おっとり と した ユーモア の 感覚 が ある こと 、 市井 もの に 冴え を 見せる 一方 剣客 もの も 得意 と し 、 考え 出した 剣 技 剣法 は 五十 に 余る など の 指摘 は これ まで あまり 論じ られ なかった 。 とくに 吉川 英治 ら の 剣 技 描写 に 比べ 、 藤沢 の それ が いかに リアルで 細密 か を 、 文章 を 引いて 比較 した くだり は 鮮やか 。 藤沢 の 魅力 は 何より も 文章 の よ さ 、 「 凛と して 端正 」 に ある こと が よく わかる 。 同じ 市井 もの も 山本 周五郎 と 違って 説教 、 人生 論 が 微塵 も ない と いう 指摘 も 納得 する 。 多作 に も かかわら ず 駄作 が ほとんど ない の が 藤沢 周平 の 凄 さ だ が 本書 も 二十二 本 、 みごとに 乱れ が ない 。 大部分 の 写真 は すでに 公表 済み であり 、 取りたてて 珍しい もの で は ない が 、 これ だけ 多く の 数 を 各 方面 から 集め 系統 的に 配列 した 大冊 の 写真 集 を 手 に とれば 、 改めて 日本 が 中国 侵略 戦争 で 何 を した か の 無数の 証拠 の まえ に 立ちすくみ 、 自己 の 醜 さ を 鏡 で 見せ られて 油汗 を 流す の 感 が あり 、 日本 人 の 一 人 と して 中国 人民 に たいし 慙愧 に たえ ない 。 惜しむらくは 、 明らかに 日本 軍 の 残虐 行為 を 写した もの と は いいがたい 写真 や 日本 軍 から の 捕獲 兵器 の 写真 と は 認め がたい 写真 が 、 日本 軍 の もの と の 説明 つきで かかげ られて いたり 、 説明 文 の 内容 が 事実 に 反する もの であったり と いう 例 が 少なく ない 。 編著 者 が 戦後 生まれ であり 、 抗 日 戦争 当時 の 日中 両軍 に 関する 軍事 の 常識 に 精通 して い ない の は やむ を え ない と して も 、 「 日本 語 版 」 を 名のる 以上 は 日本 人 に 説得 力 を 発揮 できる 内容 の もの であって ほしかった 。 写真 記録 の あらがい がたい 実証 力 と 迫力 は 、 収録 した 写真 の 精選 と 説明 文 の 厳密 さ に 依存 する 。 この 数 年 、 知る 人 ぞ 知る 、 ライカ ・ ブーム である 。 若い 人 は 並行 輸入 の M 6 を 肩 から 下げて 街 を 歩き 、 中高年 は アメリカ 輸入 、 中古 の 3 f 、 M 3 を 手 に 入れ 、 若き 日 の 夢 を みたす 。 老 壮 青 三 世 代 、 この ライカ ・ マニア の 影 の 指南 番 が 、 本書 の 著者 、 田中 長徳 氏 である 。 チョートク 先生 は 、 ご存知 、 プロ の 写真 家 、 そして 、 カメラ ・ エッセイスト 、 月刊 『 カメラジャーナル 』 の 主筆 である 。 著者 は いう 。 「 ライカ 人類 」 から みれば 、 ライカ は 「 カメラ の 名誉 市民 」 であり 、 「 写真 を 撮る と いう 実用 機能 以外 の ある 機能 を 併せ持って いる 。 」 それ は 「 この世 に カメラ は 二 種類 しか ない 。 ライカ と ライカ で は ない カメラ だ 」 と 断定 する 幸福 感 の 保証 である 。 ライカ 人類 の 常識 と 非常識 を 説き 、 三万 円 コース から 始まる 「 予算 別 買い物 ガイド 」 で 中古 品 の 個人 輸入 を すすめ 、 最後に 「 二〇二四 年 フォトキナ 現地 レポート 」 で M 3 再 登場 の 夢 を 語る 三百九 頁 。 マニア 世界 の 、 なんとも おいしい 本 です 。 昨年 の 雑誌 販売 部数 は 、 「 出版 月報 」 12 月 号 の 94 出版 動向 に よる と 十三 年 ぶり の 前年 割れ と なり そうだ と の こと です 。 その なか で 好調だった の は わずかに パソコン 誌 や ゲーム 誌 など でした が 、 ちょっと 目 を 引く の は 若者 向け の 芸能 誌 も 活発な 動き を 見せた と いう 話 です 。 低迷 の 続いて いた 芸能 誌 と して は 六 年 ぶり と いう 売れ行き 急 上昇 で 、 「 Myojo 」 は 八〇万 部 突破 、 他の 芸能 誌 も 二〇万 部 近い 増 部数 に なって いる と いう のです から 、 やはり 単なる 偶然 と は いえ ない 一種 の 「 ブーム 」 な のでしょう 。 そう いえば 昨年 は 、 音楽 CD を めぐって 「 見え ない ミリオンセラー の 時代 」 と いわ れ ました 。 一 年 に なんと 二十三 点 も の ミリオンセラー CD が 生まれながら 、 ひと昔 前 の 大 ヒット の ように 世代 を 超えて 知ら れる 曲 が なく 、 お 父さん たち が 題名 も 聞いた こと の ない 歌 が 次々 に 百万 枚 以上 も 売れ 続けた わけです 。 CD 、 アイドル 芸能 誌 、 そして カラオケBOX 通い …… リッチな 女の子 ・ 男の子 の エンターテインメント 市場 は 、 今年 も ますます その 親 たち の 目 に は 見え ない ところ で 元 気づいて いる ようです 。 マルチメディア の 本 は 溢れて いる が 、 米国 で 進み始めて いる この 情報 化 の 新しい 形態 に ついて 、 その 真実に 迫って いる もの は 少ない 。 著者 は 、 情報 化 を 本質 から とらえる 論 の 展開 を 早く から 進めて おり 、 米国 に おける 情報 革命 の 軌跡 を 、 九二 年 、 九三 年 、 九四 年 と この 三 年 に ついて 年 を 追って 正確に 把握 して 報告 して いる 。 とくに インターネット 、 NII に ついて 詳しく 、 ネットワーク の 進展 を 重視 して いる 。 なお 、 日本 で ようやく ブーム に なろう と して いる インターネット の 利用 者 を GNP と の 比率 で 見る と 、 本書 の 表 に よれば 、 日本 は 世界 で 三六 番 め であり 、 クロアチア の 一 つ 下 だ 。 日本 は 情報 革命 に 取り残さ れる の か 。 米国 は GII を 提唱 して いる と いう のに 。 第 三 次 産業 革命 、 第 三 次 社会 革命 と して の とらえ 方 も 、 著者 の ユニークな 論 だ 。 文明 論 に まで 広げて おり 、 ネットワーク の 中 に 生きる ネティズン と いう 言葉 が 目新しい 。 ユニークな 両親 の ようだ 。 一九八八 年 春 、 絵林 さん が 高校 に 合格 した ばかりの とき に 、 千葉 県 長生 郡 に あった 家 を たたんで 「 オーストラリア に 行く ぞ 」 と 一家 を あげて シドニー へ 移住 して しまった のだ 。 父 は パッケージ デザイナー 、 母 は 人形 作家 。 一 歳 年下 の 弟 は 中学 三 年 に なる ところ だった 。 「 私 や 弟 の 中学 生活 を 見て いて 、 両親 は 日本 の 教育 制度 や 教育 の あり 方 に とっても 疑問 を 持った ようです 。 田舎 の 普通の 公立 中学 だった けど 、 私 は 周り と 一緒に 行動 し ない ので 、 変な 子 だ と いわ れて いた 。 友だち は いっぱい いた けど 、 何 か 違う 感じ で 。 それ で 、 このまま 高校 、 大学 と 進めて いい の か と いう 思い が あった ような んです 」 しかし 、 シドニー で の 高校 生活 は つまらなかった 。 二 年 を 終えて 中退 。 絵 を 学ぼう と 美術 学校 に 移り 、 フランス の 国立 美術 上等 学校 受験 の ため パリ へ 。 この 本 は 、 モスクワ 経由 で パリ に 着き 、 パリ に 滞在 した 九二 年 五 月 から 九三 年 七 月 まで の 一 年 余り に 母親 や 家族 に 出した 手紙 の 中 から 四十 通 を 選んで 編んだ もの だ 。 絵林 さん は 、 パリ で ベビーシッター や 家事 手伝い の 仕事 を 見つけて 自活 し 、 たくさんの 友人 や 知人 を つくり 、 青春 を おう歌 する 。 将来 の 進路 に ついて 思い悩み 、 自力 で 考え 、 行動 し 、 納得 でき なくて あがく 。 両親 の 突然の 別れ話 に 心 を 痛め も する 。 気負い も 、 焦り も 混乱 も いっぱいだ 。 そんな 青春 の ただ中 を 突っ走る ように 生きる 姿 が 何とも すがすがしい 。 「 本 に なる と 思ったら 、 こう は 書け なかった です ね 。 自分 の 気持ち を ぶつけた 日記 みたいな もの です もの 」 自立 へ の 気概 が すごい 。 学生 だ から と いって 、 親 に 頼ら ない 。 日本 で こんな 青春 を 送って いる 青年 が 、 どれ くらい いる だろう か と 考えて しまった 。 「 六 年 ぶり に 中学 時代 の 友人 と 会って 思う の は 、 彼ら は すべて 限定 さ れて いて 、 自分 が 何 を し たい と か 、 何 が できる と か 、 何 を 求めて いる と か 、 そういう こと を 考える 余地 が ない 感じ だって こと です 。 自分 が いま いる 世界 が すべて じゃ ない のに 、 これ しか ない と 思って る みたい 。 若い の に 安定 を 求めて いて 、 窮屈だ なあ と 思う んです 」 絵林 さん は 、 いま 首都 キャンベラ に ある オーストラリア 国立 大学 で 美術 を 学ぶ 。 二十二 歳 に なった 。 両親 は 離婚 し 、 家族 四 人 が オーストラリア と 日本 に 離れて それぞれ 独立 して 暮らす 。 「 こういう かたち に なって 、 かえって 会話 が はずむ 。 不思議な もん だ なあ と 思い ます 」 両親 の 選択 は 誤って い なかった ようだ 。 1 月 4 日 付 の 本紙 特集 「 水 と 語ろう 」 の 「 水 クイズ 」 で 、 深海 の 温度 を 問い 、 約 4 度 C が 正解 と 書いた ところ 、 花輪 公雄 東北 大 教授 から 適切で は ない と の 指摘 が あった ▼ 花輪 さん に よる と 、 フィリピン 海溝 で の 実測 値 は 水深 4500 メートル で 1.65 度 C 。 圧力 が より 高い 水深 約 1万 メートル で は 2.49 度 C だった ▼ 正解 を 約 4 度 C と した の は 、 この 温度 の 水 が 密度 最大 と なり 、 下 に 沈む ため 。 ところが 、 これ は 真水 で の 話 。 塩分 が 溶けた 海水 で は 、 密度 最大 の 温度 は もっと 低く なる ▼ 高校 の 地学 の 教科 書 でも 、 深海 の 水温 が 約 4 度 C だ と 記述 して いる 例 が ある 。 新しい 科学 的 知見 が 教科 書 に 取り入れ られて い ない 。 花輪 さん は 「 専門 家 の 啓発 の 努力 が 不足 して いる 」 と 自戒 する が 、 一知半解 だった 筆者 も ただただ 自戒 。 科学 技術 庁 と 宇宙 開発 事業 団 は 来年 1 月 から 、 日本 版 スペースシャトル の 無人 宇宙 往還 機 「 HOPE 」 開発 の ため の 実験 を 、 オーストラリア 南部 で 行う 方針 を 決めた 。 日本 の 宇宙 開発 で 海外 に 実験 地 を 設置 する の は 初めて の 試み 。 同国 政府 と 安全 性 や 技術 的 課題 など に ついて 本格 的な 交渉 に 入る 。 HOPE は 国産 の H 2 ロケット の 先端 に 取り付け られ 、 宇宙 に 向かう 。 全長 約 16 メートル で 、 将来 建設 さ れる 宇宙ステーション に 物資 を 運ぶ 荷物 専用 の シャトル と なる 。 使い捨て 型 で は なく 再 利用 が 可能で 、 93 年 に 開発 構想 が まとまった 。 地球 に 帰還 する とき に は 、 グライダー の ように 滑空 して 着陸 する が 、 この 技術 を 得る の が 小型 自動 着陸 実験 機 。 同 事業 団 で は 93 年 から 、 この 実験 機 の ため に 1000 メートル 以上 の 滑走 路 を 持つ 国 内 外 の 100 カ所 以上 の 飛行 場 を リスト アップ し 、 実験 地 を 選んで いた 。 条件 は 風 が 穏やかで 晴天 の 日 が 多い こと 、 実験 中 に 滑走 路 を 貸し切り に でき 、 周囲 6キロ から 14キロ 以内 を 立ち入り 禁止 に できる こと など 。 結局 、 周囲 が 砂漠 の オーストラリア ・ ウーメラ 飛行 場 を 第 一 候補 に した 。 実験 機 は HOPE の 約 3 分 の 1 の 大き さ 。 ヘリコプター で 上空 1500 メートル まで 吊り上げ 、 地上 の 自動 操縦 に より 着陸 さ せる 。 来 年度 予算 で 約 25億 円 が 認め られて いる 。 同 庁 に よる と 、 オーストラリア 政府 も 実験 の 実施 を 好意 的に 受け止め 、 今年 夏 に も 正式 決定 する と いう 。 人間 の 全 遺伝 情報 解明 を めざす ヒト ゲノム 計画 の 進展 に 伴って 、 病気 に 関連 する 遺伝子 の 解明 が 進んで いる 。 中でも 、 遺伝子 診断 で 将来 の 発病 を 予測 する 発症 前 診断 は 、 新たな 倫理 問題 を 生み出す 可能 性 が ある 。 この ほど 、 東京 で 開か れた 国際 シンポジウム 「 ゲノム 解析 と 発症 前 診断 」 に は 、 最近 、 重要な 疾患 遺伝子 を 発見 した 研究 者 が 顔 を そろえ 、 遺伝子 診断 の 行方 など を 議論 した 。 遺伝 性 疾患 を はじめ と する 遺伝子 病 が いつ 発病 する か は 、 病気 に よって 異なる 。 親 から 疾患 遺伝子 を 受け継いで も 、 赤ちゃん や 子供 の ころ に 発病 する もの と 、 大人 に なって から 発病 する 病気 が ある 。 発症 前 診断 は 疾患 遺伝子 の 有無 を 確かめ 、 数 年 から 数十 年 先 の 発病 が 予測 できる 点 で 、 従来 の 診断 と は 大きく 異なる 。 すでに 、 ハンチントン舞踏病 や 一部 の がん など で 発症 前 診断 が 可能に なり 、 今後 、 ますます 増えて いく と 予想 さ れる 。 老年 痴呆 の 一種 である アルツハイマー病 の 発病 に 関連 する 遺伝子 は 、 これ まで に 3 個 知ら れる 。 この うち 2 つ は 家族 性 アルツハイマー病 の 原因 と 考え られ 、 一部 は 家系 内 で の 発症 前 診断 が 可能だ が 、 患者 全体 に 占める 割合 は わずかだ 。 米 デューク 大 の アレン ・ ロージズ 博士 は 、 1993 年 に アポ E 4 と いう たんぱく質 が 家族 性 で は ない アルツハイマー病 に も 関係 する 危険 因子 である こと を 発見 し 、 注目 を 集めた 。 3 タイプ ある アポ E の うち アポ E 4 を 持つ 人 は 発病 率 が 高く 、 患者 全体 の 80 % に 関係 して いる と いう 。 だが 、 アポ E 4 遺伝子 を 持って いる から と いって 必ず 発病 する わけで は なく 、 「 危険 率 」 が 高い と 言える に 過ぎ ない 。 この ため 、 確実な 発症 前 診断 に は 使え ない が 、 米国 で は 既に 、 アポ E の タイプ 判定 テスト を 売り出して いる 会社 が ある と いう 。 ロージズ 博士 は 、 アポ E が 発病 に 果たす 役割 の 解明 に 取り組んで おり 、 「 発病 を 予防 する 薬 の 開発 を めざして いる 」 と いう 。 がん は 複数 の 遺伝子 の 異常で 起きる こと が 分かって きた が 、 そのうち 5 ― 10 % が 遺伝 性 だ と 考え られる 。 東大 医科 学 研究 所 の 中村 祐輔 教授 に よる と 遺伝 性 の がん の 原因 遺伝子 と して 、 がん 抑制 遺伝子 が 9 個 、 がん 遺伝子 が 1 個 、 DNA の 修復 に 関係 する 遺伝子 が 2 個 発見 さ れて いる 。 世界 の 研究 者 が 追いかけて いた 遺伝 性 の 乳がん の 抑制 遺伝子 、 BRCA 1 を 昨年 発見 した チーム の 一 人 、 米 ユタ 大 の 三木 義男 博士 は 「 いつ 見つかって も いい 状況 で 、 ラッキーだった 」 と 言う 。 これ で 一部 の 乳がん は 遺伝子 診断 が 可能に なる と 期待 さ れる が 、 問題 も ある 。 遺伝 性 の 乳がん の うち BRCA 1 が 原因 と 考え られる の は 半分 で 、 乳がん 全体 から みる と 2・5 % に 過ぎ ない 。 しかも BRCA 1 に 異常 が あって も 発病 する の は 米国 の データ で は 8 割 で 、 BRCA 1 に 異常 が ない から がん に なら ない と は 言え ない 難し さ が ある 、 と 三木 さん は 指摘 する 。 また 、 遺伝子 の 特許 の 権利 を めぐって 、 大学 と 大学 関連 の 会社 、 共同 研究 者 である 米 国立 衛生 研究 所 の 間 で さまざまな 論議 が ある と いう 。 ポルトガル ・ サントアントニオ 病院 の ペドロ ・ コスタ 博士 は 、 重篤な 遺伝 性 疾患 である 家族 性 アミロイドポリニューロパシー の 組織 的な 発症 前 診断 に ついて 調査 結果 を 紹介 した 。 FAP は 30 歳 以降 に 発病 、 アミロイド と 呼ば れる 特殊な たんぱく質 が 体 に たまり 、 神経 障害 を 起こす 。 日本 の 患者 数 は 500 人 程度 と 推定 さ れる 。 同 博士 ら は 10 年 前 に この 病気 を 発症 前 診断 する 方法 を 開発 し 、 全国 的な スクリーニング ・ プログラム を 実施 した 。 85 年 から 94 年 の 間 に 2993 人 を テスト し 、 1323 人 の キャリア を 発見 した 。 85 年 から 86 年 に テスト を 受けた 人 に ついて テスト に よって 出産 行動 など に 影響 が 出た か どう か を 調べた 結果 、 キャリア でも キャリア で ない 人 と 行動 は 変わら ず 、 出産 したり 、 出産 を 希望 したり して いた 。 これ ら の こと から 、 同 博士 は 発症 前 診断 は 出産 行動 を 変化 さ せる 効果 は ない こと 、 陽性の 結果 は 不安 感 を 増大 さ せる こと など を 指摘 した 。 一方 、 荒木 淑郎 ・ 熊本 大 名誉 教授 が 数 年 前 に 患者 11 人 と 家族 30 人 を 対象 に 実施 した 調査 に よる と 、 遺伝子 診断 を 希望 する 人 は 全体 の 半分 だった と いう 。 科学 技術 庁 は 来月 6 、 7 日 に 国立 京都 国際 会館 で 開く 「 核 燃料 リサイクル に 関する 国際 円卓 会議 」 の 一般 傍聴 者 約 30 人 を 募集 する 。 会議 に は 日 、 米 、 仏 など 16 カ国 から 、 推進 、 反対 など の 立場 の 原子 力 の 専門 家 約 40 人 が 参加 。 プルトニウム 利用 や 核 不 拡散 など を 7 つ の 分科 会 で 話し合う 。 最終 日 に は 一般 参加 者 から の 質疑 応答 も 受け付ける 。 申し込み は 、 往復 はがき に 住所 、 氏名 、 年齢 、 電話 番号 、 所属 を 書き 、 〒 100 東京 都 千代田 区 霞が関 2 の 2 の 1 、 科学 技術 庁 原子 力 局 核 燃料 課 まで 。 参加 費 は 無料 で 、 20 日 の 消印 有効 。 問題 略 。 正解 は 大学 入試 センター 発表 。 問題 略 日本 アイスホッケー 連盟 は 15 日 、 審議 委員 会 を 開き 、 新 王子 製紙 の DF 、 成田 誉 を 20 試合 の 出場 停止 処分 に する こと を 決めた 。 成田 は 昨年 12 月 4 日 に 北海道 ・ 苫小牧 で 行わ れた 雪印 戦 で 、 フカミ に 対し 、 後ろ から 勢い を 付けて チェック を 行い 、 顔面 に 約 2 カ月 の 骨折 を 負わ せた 。 また 、 J ・ ディック の 5 試合 、 奥山 、 フジタ の 2 試合 の 出場 停止 も 発表 さ れた 。 風向き が 定まら ない 風速 10 メートル 前後 の 雪 まじり の 突風 が 大倉山 シャンツェ の 山肌 を 間断 なく 襲った 。 いつ 中止 でも おかしく ない 気象 条件 。 1 回 目 、 22 選手 が 飛んだ ところ で 中断 、 スタート 場所 を 一 段 下げて の やり 直し に 。 「 やって られ ない 」 と 吐き捨てる 選手 が 出る ほど の 状況 で 、 船木 は 淡々と 自分 の 順番 を 待った 。 やり 直し 17 番 スタート の 伊藤 が 「 競技 は 1 回 で 終わる 。 風 は 怖かった が 度胸試 し の つもり で 一 発 勝負 に かけた 」 と 二十五 歳 の 中堅 らしい 読みで 102 メートル 。 直後 に 続く 船木 は 「 攻め の 気持ち で 飛んだ 。 風 、 怖く なかった 。 けが 、 そんな こと 考え も し ない 」 。 強風 に 対する 周到な 心構え と 、 向こう意気 の 強 さ で 伊藤 を 追い抜いた 。 若い 杉山 も 飛び 直し で 「 一 発 狙い の チャンス を うまく 生かせた 」 と 二 位 に 食い込んだ 。 小野 学 ・ 全 日本 ヘッドコーチ は 「 危険だ が 無謀で は ない 。 海外 の ワールドカップ など で は 競技 を 行って いた 」 。 船木 ら を 指導 する 八木 弘和 コーチ も 「 怖い なんて 言って きたら 最初 から 競技 に 出さ ない よ 」 と 話した 。 どんな 条件 下 でも 最善 を 尽くす 、 の 気持ち が なければ 、 世界 は おろか 国 内 の 表彰 台 に も 上がれ ない こと を 船木 、 杉山 、 伊藤 の 飛距離 が 如実に 示した 。 昨年 暮れ 、 ノルウェー 合宿 で 船木 と 帯同 した 伊藤 は こう 言った 。 「 船木 は W杯 に 勝って 二 回り 成長 した 。 風 を 恐れ ない 今日 の ジャンプ も すごかった 。 今 シーズン が 終わる ころ に は ベテラン の 域 に 達する ので は …… 」 圧倒 的な 強 さ を 見せつける の に 開始 3 分 と かから なかった 。 15 トライ 、 100 点 ゲーム の 爆発 的 日本 一 。 神戸製鋼 は 、 新日鉄 釜石 が 営々と して 築いた 7 年 連続 日本 一 の 大 記録 を 、 事もなげに 、 まるで 攻撃 練習 を 繰り返す ような トライ ラッシュ で 達成 した 。 右 ひざ を 痛めた ラトウ が 前日 に なって 欠場 を 決めた 大東大 は 攻防 の 軸 を 欠いて いた 。 井沢 主将 の 奮闘 が あった に せよ 、 攻撃 パターン が 作れ ない 。 スクラム 、 ライン アウト で 、 圧力 を かけた 神鋼 FW は 、 モール ラッシュ の せき を 切り 、 ラック 支配 に 熟練 の 技 を 見せた 。 積極 的に 先手 々々 と 仕掛け 、 FW が 密集 を 押し込んで から サイド を 突き 、 大東大 バックス を 巻き込んで から 展開 。 平尾 の 速い パス に 合わせ 、 元木 、 吉田 が 切り込んで WTB 、 FB を 走ら せる 。 連覇 の 過程 で 磨き上げた 理詰め の 攻撃 パターン を 、 防御 側 が 息つく 間 も ない 超 スピード で 連続 し 、 前半 22 分 の 4 つ 目 の トライ で 勝利 は 確実に なった 。 社会 人 大会 の 準 決勝 、 決勝 は 後半 20 分 まで に 勝利 を 決めて いた が 、 学生 相手 なら 、 わずか 20 分 で 勝負 あった 、 である 。 前半 終了 時 に は 堀越 が 薮木 と 交代 し 、 後半 20 分 すぎ から は 足 を 痛めた 平尾 が 首藤 に 代わった 。 HB 総 入れ替え でも 、 さらに 5 トライ 。 元木 は 「 平尾 さん が 倒れた 後 は 、 私 が サイン を 出して いた が 、 ただ 回した だけ 」 と 平然 。 「 チーム が どんどん 良く なって いる 。 元木 も 吉田 も 積極 的に 攻めた 。 ミス して も ボール が 切れる こと なく つながる 。 これ が 強 さ 」 と 、 平尾 は 神鋼 ラグビー の 継承 に 自信 を 見せた 。 大八木 、 大西 ら ベテラン 以上 に 、 伊藤 剛 が 勢い の ある 突進 で 好機 を 作った 。 FW 戦 で の 圧倒 が 、 元木 や 吉田 の 意欲 的な 攻め を 引き出した 。 しかも 、 どん欲で 、 一 歩 も 受け に 回ら ない 。 連覇 を 貫いた 姿勢 を 、 仕上げ の ゲーム に 徹底 さ せた 。 FW の ボール 確保 術 や 状況 判断 、 バックス の 攻防 の 早い 切り替え など 、 経験 が 大きく モノ を いう プレー は 少なく ない 。 「 社会 人 と やる と 互角の 状態 の ボール が 取れ ない 」 と 鏡 ・ 大東大 監督 は 嘆いた が 、 社会 人 でも 若い 選手 が 身 に つける に は 時間 が 必要だ 。 新旧 交代 の 難しい 条件 で も ある 。 しかし 、 継承 に 積極 さ を 持った 神鋼 の カラー は 難問 克服 を 予感 さ せる 。 大きな 通過 点 に 驚異 的な 勢い で 到達 した 神鋼 は 、 新しい 個性 を 開花 さ せ ながら 、 さらに 連覇 の 道 を 進む 。 神戸製鋼 は 、 若い 大東大 を 上回る 積極 果敢 さ を 存分に 発揮 、 大会 史上 最多 得点 へ と トライ を 積み上げた 。 前半 2 分 の 先制 トライ が 象徴 的 。 PG が 狙える 位置 の PK から 速攻 を 仕掛けて ラック を 制し 、 平尾 が タックル を かわして トライ 。 その後 も FW が 動き 勝って ボール を 継続 支配 。 前 に 出て スピーディーに 作る ポイント から 間髪を入れず に バックス に 回し 、 大東大 を ほんろう し 続けた 。 大東大 は トンガ ・ コンビ の 一角 で 攻守 の 柱 と なる ラトウ を 故障 で 欠き 、 FW の 破壊 力 は 半減 。 主将 の 井沢 の 突進 は 孤立 し 、 オト の 強 さ と スピード も 生かせ なかった 。 後半 2 トライ を 返した が 、 防御 の 集中 力 を 保ち 続ける の は 難しかった 。 出番 前 、 支度 部屋 で 同郷 の 武蔵丸 、 小錦 ら と おどける 曙 の 姿 が あった 。 一見 、 リラックス ムード 。 だが 、 実は そう で も なかった 。 必要 以上 に 高ぶる 気持ち を 抑える こと が でき ず 、 横綱 が 落とし穴 に はまった 。 貴闘力 は 苦手の 一 人 。 昨年 夏場 所 は 引き落とさ れた 際 に 両ひざ を 痛め 、 翌日 から 3 場所 連続 休場 。 手痛い 金星 を 配給 した 。 復帰 直後 の 先 場所 も 物言い 取り 直し と 苦しめ られて いる 。 「 嫌がって いる の が 目 を 見て 分かった 」 と 貴闘力 。 敵 は 合口 の 悪 さ ばかり で は なかった 。 目 の 前 で 新 横綱 ・ 貴乃花 が 敗れた 。 「 関係ない 」 と 曙 は 言った が 、 仕切り に 表れた 動揺 は 隠し よう も なかった 。 にらみ 上げる 貴闘力 を 負け じ と 見下ろす 曙 。 最後 の 仕切り で は 、 相手 の 誘い に 立ち かけ 、 途中 で やめる ほど エキサイト 。 相手 を 待つ 余裕 も なく 、 塩 を 取る と さっさと 仕切り線 の 前 に 。 前日 まで の 落ち着き は 影 を ひそめて いた 。 乱れた 心 は 巨体 を 縛った 。 立ち合い の 出足 が ない 。 突き出した 右腕 を 手繰ら れる と 、 前 のめり に 土俵 に 落ちた 。 「 狙って 引いた わけじゃ ない 。 たまたま 取った の が 相手 の 手 だった 」 と 貴闘力 。 横綱 の 独り 相撲 だった 。 曙 は 「 乗ら ない ように して いた が 、 仕切って いる うち に だんだん …… 。 だめ ねえ 」 と 貴闘力 の 心理 作戦 に 、 して やられた 、 の 表情 を 浮かべた 。 久しぶりに 東西 そろった 両 横綱 が 両 陛下 観戦 の 日 に まくら を 並べて 討ち死に した の は 何とも 皮肉だ が 、 これ も 相撲 協会 の 取組 編成 の 妙 か 。 後半 戦 に 向け 、 優勝 争い が 、 が然 面白く なった 。 16 日 から メルボルン で 始まる 全 豪 オープン テニス の 賞金 総額 は 620万 米 ドル と なった 。 男子 テニス の インドネシア ・ オープン は 十五 日 、 ジャカルタ で 決勝 が 行わ れ 、 ダブルス で ロナルド ・ アジェノー と 組んだ 松岡 修造 は 第 一 シード の デビッド ・ アダムス 、 アンドレイ ・ オルホフスキー 組 に 5 ― 7 、 3 ― 6 で 敗れた 。 シングルス は パウル ・ ハールイス が 優勝 した 。 「 外 に 飛び出そう 。 スポーツ を 楽しもう 」 と 、 車 いす の 青年 が 編集 長 に なって 日本 で 初めて と いう 障害 者 の ため の スポーツ 雑誌 が 発行 さ れる 。 将来 は 、 スポーツ を 通じて 障害 者 と 健常 者 と の 交流 を 図る の が 狙い だ 。 スポーツ に 汗 を 流す 障害 者 たち は 「 限ら れて いた 情報 を 交換 できる 」 と 期待 を 寄せて いる 。 この スポーツ 雑誌 は 「 アクティブジャパン 」 。 季刊 誌 で 、 今月 三十 日 発行 の 第 一 号 は 「 車 いす テニス 新 世代 チャンピオン 誕生 ― 斎田 悟司 ジャパンカップ 松本 、 平和 カップ 広島 連覇 」 「 フェスピック 北京 大会 ― 日本 健闘 メダル 獲得 総数 88 個 」 「 ジャパン パラリンピック ― 日本 の 頂点 を 目指す 熱い 闘い 」 など の 内容 。 「 車 いす 競技 と いう と 暗い イメージ が あり ます が 、 とんでもない 。 激しく 、 すごく 、 健常 者 が 見て 十分 楽しい 」 と 編集 長 の 山崎 泰広 さん 。 「 東京 ・ 立川 の ハーフ マラソン は 健常 者 が 車 いす で 出場 し 、 障害 者 と レース を 競う 。 車 いす テニス に は 健常 者 と 障害 者 が ペア で プレー する ニュー ミックス と いう 種目 も あり ます 。 将来 は こうした 、 障害 者 と 健常 者 と を 結ぶ 、 スポーツ 情報 誌 を 目指し たい 」 と 抱負 を 語る 。 山崎 編集 長 も 障害 者 。 米 マサチューセッツ 州 の 高校 に 留学 中 の 一九七九 年 、 寮 の 三 階 から 下 の コンクリート に 転落 、 奇跡 的に 命 は 取り留めた が せき髄 を 損傷 し 車 いす の 生活 が 始まった 。 小学生 の ころ から 水泳 、 スキー 、 スケート 、 剣道 など なんでも やる スポーツ 少年 で 、 高校 で は アメフット 、 レスリング の 選手 。 下半身 の 自由 が 奪わ れ 、 絶望 感 に さいなま れた と いう 。 「 ベッド の 中 で 手 に した の が 障害 者 の ため の スポーツ 誌 でした 。 車 いす テニス や マラソン の 写真 を 見て 、 ああ 、 車 いす でも スポーツ は できる んだ ! と 、 目 の 前 が 一度に 明るく なった 」 と 語る 。 その後 も 、 テレビ の 天気 予報 の 女性 解説 者 が 車 いす である の を 発見 して 喜び 、 弁護 士 など さまざまな 分野 で 障害 者 が 働いて いる の に 勇気付け られて きた 。 帰国 し 、 日本 は アメリカ と 比べて 障害 者 を 取り巻く 環境 が 大きく 遅れ 、 障害 者 の ため の 情報 が 不足 して いる こと を 痛感 。 車 いす の 輸入 会社 を 創設 した が 、 好きな スポーツ で 障害 者 と 健常 者 が 交流 できる 新しい 雑誌 の 創刊 を 念願 に して きた 。 新しい 雑誌 の 発刊 準備 は 昨年 の 春 から 。 障害 者 たち も この 雑誌 が 楽しみ 。 パラリンピック で スキー の 日本 代表 に も なり 、 水泳 でも 数々 の 優秀な 記録 を 持って いる 、 左足 が 義足 の 敷根 泉 さん は 「 いま まで 障害 者 の スポーツ の 場 は 東京 で は 、 都立 の 二 つ の 施設 に 限ら れ 、 そこ で 情報 を 求める しか なかった 。 新しい 雑誌 の 編集 長 は 同じ 障害 者 で 私 たち の 気持ち も よく わかり 、 これ から は 新しい 情報 交換 が できる 」 と 話して いる 。 気 に し ながら も せ ず じまい の 虫干し を 、 快晴 の 今朝 、 思い付いた 。 小幅 帯 や しごき を 部屋 中 に 掛け渡し 、 ひとえ 物 から 順に 広げて ゆく と 、 淡い 冬 の 光 の 中 に しょうのう の 香 が 漂い 、 数々 の 思い出 を 手繰り寄せて 来る 。 母 の 目 を 盗んで すそ 長 の 着物 を かぶって お化け と 騒いだり 、 お 嫁 さんご っこ を した 懐かしい 幼い 日 。 着物 と いえば わが家 で は 父 の 方 が 母 より も 上 で 、 選ぶ の も 得手だった 。 商用 で 京都 に 出向く と 、 家中 の 女 たち に 京 友禅 や 銀ぱく の 帯 など を 際限 なく 買い込み 、 財布 を 空 に して 帰る の が 常だった 。 また 、 呉服 屋 を 寄せて 、 分家 の 嫁 や いとこ 、 お 手伝い さん など に も 選ば せる ので 、 母 は その 支払い に 苦労 した そうだ 。 私 に は とくに 甘くて 、 身分 不相応な 高価な 衣装 まで 調えて くれた 。 それ も 長い 間 に 、 大方 は 失って しまった が 、 十三 の 参り に 丹後 ちりめん に 描か せた 万朶ばん だの 桜 や 蛍 色 の 地 に 乱れ 咲く 秋草 の 柄 など 、 目 を つむれば あえ かな 絹 の 感触 が まざまざ と よみがえって くる 。 今 は もう 、 冠婚 葬祭 で さえ 洋服 で 済ませ 、 着物 は めったな こと に は 着 ない 。 従って わが家 の 虫干し も 、 昔 母 が 幾 部屋 に も 掛け渡した たくさんな 数 に は ほど遠い 。 それ でも 襟 を ふき 、 アイロン を 掛け 、 たたみ 終えたら 、 冬 の 日 は とうに 落ちて 、 季節 外れ の 作業 は ようやく 終わり を 告げた 。 障害 者 の スポーツ 大会 は 年間 を 通じて さまざまな 大会 が 全国 各地 で 開か れて いる 。 三 月 まで の 障害 者 の 主な スポーツ 大会 は 次の 通り 。 スポーツ は 好き好き 。 だが 、 種目 ごと に 盛んな 地域 が 偏在 する 。 ブーム や 個人 の 問題 で は 片付け られ ない 地域 差 。 汗 と 涙 の 向こう に 見え隠れ する 「 政治 」 が 気 に 掛かる 。 黒い ゴミ 袋 を まとった 異様な 一団 が 、 ひざ まで 雪 が 積もった グラウンド を 駆け回る 。 毎年 二 月 下旬 、 秋田 県 東由利 町 で 開か れる 全県 選抜 雪上 野球 大会 。 冬 の 間 、 運動 不足 で ウズウズ して いた 野球 好き が 集合 する 。 ボール は 雪 に 映える 黄色 の 硬式 テニス 用 。 「 ベース に は 必ず 滑り込む 」 と いった 特別 ルール は ある が 、 ほか は 野球 と 同じ 。 ゴミ 袋 は 滑り を よく する 小道具 だ 。 役場 チーム で 出場 する 同 町 総務 課 の 小松 長敬 さん は 「 それ だけ 野球 が 好きだ と いう こと でしょう か ね 」 と 言って 笑う 。 「 大会 名 を 挙げたら きり が ない 」 と いう ほど 同県 内 の 野球 熱 は すさまじい 。 「 少年 野球 発祥 の 地 」 を 自任 する 神岡 町 は 今年 四 月 、 自治 体 で は 珍しい 野球 博物 館 を 開設 する 。 全県 おはよう 野球 大会 は ローカル 局 が テレビ 中継 。 軟式 チーム は 千百 を 超え 、 七十 歳 以上 が 集まる 古希 チーム も ある 。 一九七八 年 に 始まった 雪上 野球 も 、 こうした 下地 に 支え られる 。 総務 庁 の 社会 生活 基本 調査 報告 に よる と 、 一 年間 に 野球 を した 十五 歳 以上 の 人 が 占める 割合 は 同県 が 一七・七 % で トップ 。 次いで 沖縄 、 岩手 、 神奈川 、 千葉 県 の 順 。 逆に 参加 率 の 最低 は 七・五 % の 高知 県 。 長崎 、 愛媛 、 徳島 、 和歌山 と 四国 、 九州 を 中心 と した 西 日本 の 各 県 が 続く 。 なぜ か 、 高校 野球 の 「 強豪 県 」 が ずらり 並ぶ 。 全 日本 アマチュア 野球 連盟 の 山本 英一郎 副 会長 は 「 太陽 の 恵み に 慣れっこな 南 の 地方 より 、 雪 に 閉ざさ れる 北国 の 方 が 野球 熱 が 高い と いう こと だろう 」 と 風土 の 影響 を 指摘 。 六 位 の 埼玉 県 、 七 位 の 茨城 県 など 関東 南部 に は 、 野球 が 早期 に 普及 した 伝統 が ある と いう 。 球場 の 数 に も 関係 する 。 秋田 県 内 の 公共 の 球場 数 は 百四 カ所 で 人口 比 で は 全国 一 の 多 さ 。 同県 軟式 野球 連盟 の 後 条 孟 理事 長 は 「 青少年 の 健全 育成 など の 大義 名分 も ある し …… 」 と 行政 が 野球 熱 を 背景 に 、 球場 建設 を 政策 的に 進めて きた こと を 否定 し ない 。 スポーツ 振興 と 政治 の 密着 ぶり も 浮かび上がる 。 一方 、 参加 率 最低 の 高知 県 は 球場 数 でも 十八 カ所 で 全国 最少 。 地理 的 条件 も 無視 でき ない が 、 長崎 県 は 三十九 カ所 、 愛媛 県 も 二十六 カ所 と かなり 少なく 、 野球 参加 者 の 多少 は 球場 数 と 相関 が あり そうだ 。 同じ 調査 で 、 V リーグ 発足 で 話題 を 呼ぶ バレーボール の 参加 率 は 宮崎 県 が 二一・六 % で トップ 。 同県 は 熱 の 入れ 方 が 違う と 言わ れ 、 特に 都城 市 は 「 行政 が ブーム を あおって いる 」 と 他県 の 関係 者 の 目 に 映る ほど 。 同 市 内 の 中学校 に は 体育 館 が 二 つ あり 、 一 つ は 地区 住民 用 。 バレー に 使わ れる こと が 圧倒 的に 多い と いう 。 「 胃腸 病 対策 が バレー の 始まり 」 と 元 県 バレーボール 協会 理事 長 の 鈴木 利信 さん 。 五四 年 、 家事 や 農 作業 で 前かがみ に なる こと が 多い せい か 、 農村 の 女性 に 胃腸 病 や 肩こり 、 腰痛 が 目立った ため 、 背筋 を 伸ばして プレー する バレー を 主婦 に 勧めた 。 田んぼ に ネット 代わり の 縄 を 張って 手ほどき したら 「 女房 が 突き指 して 仕事 に なら ん 」 と 苦情 が 出る ほど 盛んに なった 。 鹿児島 県 が 二 位 、 沖縄 、 熊本 県 が 四 、 五 位 と 九州 で の 人気 が 目立つ 。 東 日本 トップ は 全国 三 位 の 福島 県 。 六四 年 の 東京 五輪 で 優勝 した 女子 バレー に 刺激 さ れ 、 県 が 翌年 考案 した 独自の 八 人 制 バレー が 浸透 した 。 参加 率 が 低い の は 七・三 % の 東京 都 を はじめ 大阪 、 高知 、 奈良 、 愛知 の 順で 大 都市 圏 の 府県 が 目立つ 。 筑波 大 の 杤堀 申二 教授 は 「 都市 部 で は 人間 関係 が 薄く 、 チーム スポーツ より 個人 で 楽しむ 傾向 が 強い 」 と 指摘 。 東京 都 、 大阪 府 の 両 バレーボール 協会 は 「 多様な スポーツ が 楽しめる 都会 に 比べ 、 地方 で は 種類 が 少ない 。 運動 施設 も 公共 体育 館 など に 限ら れ 、 バレー へ の 志向 が 強い 」 と 口 を そろえる 。 今や 水泳 は 都市 型 スポーツ の 代表 格 。 参加 率 は 神奈川 県 が 三一・八 % で トップ 、 東京 都 、 大阪 府 が 続く 。 スポーツ クラブ 「 セントラル ・ スポーツ 」 の 綿貫 道雄 常務 は 「 運動 不足 を 解消 し たい サラリーマン 、 ダイエット 目的 の 女性 が 多い 」 と 話す 。 全国 百五十五 クラブ の 八 割 が 三 大 都市 圏 に 集中 。 都会 人 は 健康 維持 の ため せっせと 泳いで いる 様子 。 硬式 テニス も 同様 。 一八・三 % の 神奈川 県 、 東京 都 、 千葉 県 の 順で 、 九 位 まで を 三 大 都市 圏 で 占める 。 神奈川 県 テニス 協会 理事 長 の 岩淵 元 さん は 「 テニス 伝来 の 地 は 横浜 。 明治 以来 、 他 に 先駆けて 盛んに なった 土壌 が ある 」 と 話す 。 九州 は 低く 、 下位 九 位 に 八 県 すべて が 入る 。 長崎 県 体育 保健 課 は 「 硬式 テニス 部 の ある 中学校 は 県 内 に は 一 校 も ない 。 指導 者 自体 少ない 」 と 話す 。 この 四 種目 に スキー や ゴルフ など の 三十六 種 を 加えた スポーツ 全体 の 参加 率 で は 、 八四 % の 神奈川 県 が トップ 。 埼玉 、 東京 、 千葉 、 山梨 など 三 大 都市 圏 が 上位 を 占める 。 水泳 や 硬式 テニス など の 数字 の 高 さ が 全体 を 押し上げて いる ようだ 。 神奈川 県 の スポーツ 事情 に 詳しい 鳴海 正泰 ・ 関東 学院 大 教授 は 「 温暖な 気候 や 高い 所得 水準 など スポーツ の 環境 が 整って いる 。 横浜 が 欧 米 文化 の 窓口 に なった ため 、 新しもの好きな ところ も ある 」 と 説明 する 。 逆に 、 最少 は 高知 県 で 六七・八 % 。 青森 、 和歌山 、 秋田 、 長崎 と 四国 、 九州 、 東北 の 各 県 が 続く 。 高知 県 体育 協会 の 弘末 将明 さん は 「 スポーツ 施設 の 整備 が 不十分 」 と 、 財政 力 に 原因 を 求める 。 菊 幸一 ・ 奈良 女子大 助教授 は 「 都市 部 で は 、 フラストレーション を 吸収 する スポーツ が 盛んに なる 。 行政 主導 の 施設 建設 や 学校 開放 も 積極 的 」 と 指摘 。 「 逆に 人口 が 減る と 、 地域 社会 の 基盤 が 失わ れ 、 スポーツ も 行い にくく なる 。 行政 の 施策 も 遅れ がち 」 と 解説 する 。 15 日 の 14 面 「 『 大江 文学 』 撮り 続け 」 の 記事 で 、 岩波書店 社長 が 「 安井 良介 さん 」 と ある の は 「 安江 良介 さん 」 の 誤り でした 。 おわび して 訂正 し ます 。 また 、 大江 さん の 母校 が 「 香川 ・ 大瀬 」 と ある の は 「 愛媛 ・ 大瀬 」 の 誤り でした 。 ご存じ 、 一昨年 十 月 から 「 スペース J 」 の キャスター 。 この ところ 、 なぜ か ロシア に ツイて いる 。 昨年 春 、 二 週間 モスクワ に 滞在 して 「 ロシア の 新興 宗教 」 を 取材 した 。 日本 の 教団 も 含めて 、 いく つ も の 新興 宗教 が 弱者 を 相手 に 根 を 広げて いる 実態 を 五 月 四 日 に リポート した 。 現地 で 会った 新興 成り金 は 不動産 ・ 金融 業 を 営む 元 医師 、 広告 代理 店 の 女性 社長 など 。 自由 経済 移行 期 の 間げき を 突いて 大金 を もうけた 人 たち だ 。 「 ロシア で は 一億 円 の 高級 別荘 の 建築 が 進み 、 ベンツ の 高級 車 が 世界 で 一 番 売れる と 言わ れて いる んです 」 二 度 の 取材 で 感じた こと は 、 この 国 で は 貧富 の 差 が ますます 大きく なって いる と いう こと だった 。 「 それ に 加えて 、 今回 は 人々 の 関心 事 が 『 治安 』 に ある こと が 分かり ました 」 。 モスクワ 市警 の 統計 で は 、 昨年 一 月 から 十一 月 まで に 、 市 内 で 発生 した 殺人 事件 は 千七百五十 件 に 達する と いう 。 NHK の 「 ニュース 21 」 や 「 サンデー スポーツ 」 の キャスター を 務めた あと 、 TBS に “ トラバーユ ” 。 「 民放 の 視聴 率 戦争 の 厳し さ を 肌 で 感じて い ます 」 と いう 。 「 スペース J 」 は 、 昨年 十 月 から ベテラン アナウンサー の 山本 文郎 が キャスター に 加わって 重み が 出て きた 。 「 山本 さん は 、 ちょうど 父親 の 年齢 です から 、 何でも 相談 できて 頼りがい が あり ます 。 『 長男 の 嫁 』 と 言って 可愛がって くれ ます 。 何といっても 、 私 が 生まれる 前 から アナウンサー を やって おら れる わけです から 、 生き 字引 みたいです ね 。 あの 方 は 」 四 月 に は 自伝 的 エッセー 集 を 出版 する 計画 。 「 大みそか の 夜 まで かかって 三百 枚 書き ました が 、 どうも うまく いか なくて 」 。 正月 は 久しぶりに 故郷 の 松江 に 帰って 親孝行 。 リフレッシュ して 張り切って いる 。 毎日新聞社 と ぼけ 予防 協会 の 電話 相談 「 ぼけ 110 番 」 は 、 今週 は 十六 日 が 成人 の 日 の 振り替え 休日 の ため 十九 日 のみ 。 午前 十 時 から 午後 三 時 まで 受け付ける 。 電話 は 03・3215・1166 。 米 カリフォルニア 州 で 過去 十 日間 続いた 季節 外れ の 暴風 雨 に より 河川 の 洪水 が 広がり 、 これ まで に 死者 十一 人 、 家屋 その他 に 推定 三億 ドル の 被害 が 出て いる 。 一方 、 米 東部 は 暖冬 異変 と なり 、 いく つ か の 地域 で この 時期 と して は 史上 最高の 気温 を 記録 した 。 ニューヨーク ・ タイムズ 紙 に よる と 、 この 全 米 の 異常 気象 は エルニーニョ 現象 に よる もの と さ れて いる 。 エルニーニョ 現象 と は 、 赤道 付近 の 東部 太平洋 の 海水 の 温度 が 異常に 上昇 する 現象 で 、 北米 や 南米 の 気象 など に 大きな 影響 を 与える 。 同 紙 に よれば 、 今冬 は この エルニーニョ 現象 が 亜熱帯ジェット気流 の エネルギー と 湿気 を 強め 、 カリフォルニア 州 から 南部 メキシコ 湾岸 地帯 に 大雨 を もたらす 一方 、 北東 部 諸 州 の 上空 に は 異常な ほど の 暖気 団 を 生み出して いる 。 この 結果 、 サクラメント 川 の はんらん など で カリフォルニア 州 の 半分 以上 が 災害 地域 に 指定 さ れた の に 対し 、 ボルティモア や 首都 ワシントン で は 十三 日 に セ氏 二二 度 と 、 同日 と して は 史上 最高 気温 を 記録 。 ニューヨーク でも 過去 二 ― 三 日間 、 同 一六 度 前後 の 春 の ような 陽気 が 続いて いる 。 埼玉 県 内 の 愛犬 家 ら 連続 失跡 事件 を 捜査 中 の 埼玉 ・ 群馬 両 県警 合同 捜査 本部 は 十七 日 、 行田 市 の 会社 役員 、 川崎 明男 さん の 遺骨 や 遺品 の 一部 が 群馬 県 利根 郡 片品 村 の 遺骨 発見 現場 以外 に も 捨て られた 疑い が 強まった と して 、 隣 の 同 郡 川場 村 の 川 沿い 数 カ所 を 捜索 する 。 捜索 地点 は 、 片品 村 花咲 の 山崎 永幸 容疑 者 の 犬 繁殖 場 から 西 へ 約 五キロ の 川場 村 木賊 の 仙ノ橋 を 中心 に した 薄根川 上流 一帯 。 捜査 本部 は 、 事件 の 中心 人物 と み られる 犬 猫 販売 業 、 関根 元 容疑 者 = 埼玉 県 大里 郡 江南 町 板井 、 同 = や 山崎 容疑 者 の 供述 から 、 川崎 さん の 遺体 は 関根 容疑 者 が 犬 繁殖 場 の ふろ 場 で 複数 の 包丁 を 使い 切断 、 山崎 容疑 者 に 手伝わ せて 庭先 の ドラム缶 で 焼き 、 山崎 容疑 者 が 灰 を 捨てた 、 と みて いる 。 遺骨 は 犬 繁殖 場 から 約 一キロ 東 の 国有 林 で 衣服 の 切れ端 や 時計 の 破片 と ともに 発見 さ れた 。 山崎 容疑 者 は 「 遺体 や 遺品 を 川場 村 の 橋 から も 捨てた 」 と 供述 。 発見 さ れた 骨 も 成人 一 人 分 より 少ない ため 、 捜索 に 踏み切る こと に なった 。 関根 元 、 風間 博子 両 容疑 者 の 逮捕 で 、 埼玉 県 大里 郡 江南 町 板井 の ペット 店 本社 に 残さ れた アラスカンマラミュート や シーズー など 約 五十 匹 の 犬 と 猫 は 、 知人 の 手 で 育て られて いる 。 世話 を して いる の は 、 関根 容疑 者 の 十 年 来 の 知人 と いう 夫婦 。 今月 五 日 の 逮捕 後 、 両 容疑 者 から 捜査 本部 の 刑事 を 通じて 頼ま れた 。 「 一 銭 も もらって い ない し 、 ボランティア です 」 と 妻 。 同県 熊谷 市 の 店 に いた 犬 十 匹 、 猫 二 匹 も 引き取った 。 飼育 担当 の 従業 員 三 人 は 昨年 秋 に 全員 やめて おり 、 夫婦 は 毎日 、 車 で 約 一 時間 かけて エサ を やり に 訪れて いる と いう 。 夫婦 は 「 犬 は 保健 所 送り に 、 と いう 人 も いる が 、 そんな こと を する 人 は 愛犬 家 じゃ ない 。 たとえ 動物 愛護 協会 が 引き取り に 来て も 渡さ ない 。 資金 が 続く 限り 面倒 を 見 たい 」 と 話して いる 。 格安の 家電 製品 、 衣服 、 洗剤 など が 市場 に 出回る 「 価格 破壊 」 現象 に ついて 国民 の 約 六六 % が 好ましい と 思って いる こと が 、 総理 府 が 十五 日 付 で 発表 した 「 物価 問題 に 関する 世論 調査 」 で 明らかに なった 。 バブル 経済 崩壊 を 契機 と した 大 都市 消費 者 の 低 価格 志向 が 「 価格 破壊 」 に 拍車 を 掛けた と 言え そうだ 。 調査 は 昨年 十 月 に 全国 三千 人 を 対象 に 実施 。 有効 回収 率 は 六八・七 % 。 「 価格 破壊 」 を 「 好ましい 」 と 考えて いる 人 は 六六・二 % 。 「 好ましい と 思わ ない 」 と 答えた 人 は 一八・七 % 。 歓迎 の 割合 は 大 都市 ほど 高い 傾向 。 町村 レベル で は 六一・四 % 、 東京 都 区部 で は 八二・九 % だった 。 職業 別 で は 大 都市 圏 の サラリーマン は 歓迎 して いる が 、 自営 業 主 、 家族 従業 者 は 否定 的な の が 特徴 。 「 好ましい 」 と する 回答 者 に 「 価格 破壊 」 を 今後 も 進展 さ せる ため に 何 が 必要 か 、 聞いた ところ 「 消費 者 が 低 価格 商品 を 選択 する ように する 」 が 最も 高く 、 続いて 「 企業 や 流通 部門 が コスト を 削減 する 」 、 「 政府 が 規制 緩和 を 積極 的に 推進 する 」 の 順 。 一方 、 「 好ましい こと だ と は 思わ ない 」 理由 は 「 価格 の 低下 より も 品質 や 機能 を 重視 す べきだ 」 など 。 十四 日 の 中国 紙 、 解放軍報 に よる と 、 中国 公安 省 は 十三 日 、 昨年 全国 で 密 出航 者 六千八百三十八 人 と 「 蛇 頭 」 と 呼ば れる 密航 手配 者 約 二百 人 を 逮捕 した と 発表 した 。 逮捕 者 の 数 は 前年 比 で 二三 % 増 に 達した 。 また 逮捕 者 の うち 偽造 旅券 の 保持 者 が 百八十二 人 も 見つかった 。 九 日 連続 で 乾燥 注意 報 が 発令 中 の 東京 都 内 で 十五 日 、 体 の 不自由な 老婦 人 が 焼死 、 今年 に 入って の 焼死 者 は 十六 人 と なった 。 昨年 同期 の 二 倍 で 、 東京 消防 庁 は 、 火 の 扱い に 厳重な 注意 を 呼び掛けて いる 。 十五 日 午前 十一 時 十五 分 ごろ 、 杉並 区 清水 一 、 アパート 経営 、 細谷 あきの さん 方 から 出火 。 布団 と 周辺 を 焼き 、 布団 の 上 から 細谷 さん が 焼死 体 で 見つかった 。 荻窪 署 の 調べ で は 、 細谷 さん は 一 人 暮らし で 、 足 が 不自由だった 。 布団 の そば に 引いた ガス コンロ に なべ が かけた まま の 状態 で 、 なべ の 柄 が 焼けて いた 。 十五 日 行わ れた 大学 入試 センター 試験 の 日本 史 の 問題 に 、 毎日新聞 に 掲載 さ れた 短歌 が 出題 さ れた 。 これ は 一九七〇 年 九 月 五 日 付 の 毎日新聞 紙上 の 「 毎日 歌壇 」 に 寄せ られた もの で 、 当時 、 奈良 県 在住 の 読者 の 作 。 水俣 病 に 侵さ れた ネコ が 死んで いく 様子 を 詠んで おり 、 選者 から 特選 を 受けて いる 。 大学 入試 センター 試験 で 同 センター が 公表 して い ない 枝 問 部分 の 配点 に ついて 、 福武 書店 ・ 進研 模試 は 次 の ように 推定 して いる 。 すべて 設問 配点 を 解答 数 で 割る 。 解答 番号 22 、 23 は 各 3 点 。 解答 番号 1 、 2 、 6 、 8 、 11 、 13 、 15 、 19 、 20 、 21 、 23 、 25 、 28 、 29 、 32 、 33 、 34 、 36 は 各 2 点 。 他 は すべて 各 3 点 。 解答 番号 1 、 2 、 5 、 8 、 9 、 13 、 14 、 15 、 19 、 21 、 22 、 23 、 28 、 29 、 32 、 33 、 34 、 36 、 37 、 40 は 各 2 点 。 他 は 各 3 点 。 文芸 春秋 の 新年 号 発売 。 50 銭 。 特集 は 「 学徒 兵 の 手記 」 。 劇作 は 人気 の 横光 利一 、 舟橋 聖一 。 新聞 に 「 政府 保証 戦時 金融 債券 売出 」 の 広告 。 発行 総額 8千万 円 。 利率 4 分 2 厘 。 期限 12 年 。 発行 元 、 戦時 金融 金庫 。 債券 引き受け は 、 日本 勧業 、 日興 、 大和 、 野村 、 山一 。 現在 の 大手 証券 が 顔 を そろえて いる 。 電子 部品 販売 会社 「 日本 バリアント 」 未 公開 株 販売 に 絡む 詐欺 事件 で 、 逮捕 さ れた 同社 社長 、 中川 秀一 容疑 者 ら が 、 公共 工事 など の 架空の 契約 書 を 作成 する など して 、 売上高 を 四 年間 で 約 四百三十八億 円 も 水増し し 、 多い 年 に は 二十六 倍 に も 決算 を 粉飾 して いた こと が 十五 日 、 警視 庁 捜査 二 課 の 調べ で 分かった 。 バ 社 の 監査 役 は 元 日弁連 副 会長 の 弁護 士 が 務めて いた が 、 粉飾 を 見抜け ず 、 優良 企業 と 信じ込んだ 投資 家 の 間 に 被害 を 広げる 結果 に なった 。 バ 社 の 事業 報告 書 に よる と 、 一九八八 年度 から 九一 年度 まで の 四 年間 の 売上高 は それぞれ 約 七十三億 円 、 約 百四億 円 、 約 百三十二億 円 、 約 百五十八億 円 と 年々 急増 した こと に なって いる 。 ところが 、 同 課 の 調べ に よる と 、 同社 の 各 年度 の 実際 の 売上高 は 六億 ― 九億 円 だった 。 決算 で は 十二 ― 二十六 倍 の 水増し が 行わ れて いた こと に なる 。 この 粉飾 は バ 社 の 会計 担当 役員 だった 木村 慶市 容疑 者 が 担当 して いた と さ れる 。 木村 容疑 者 が 関係 者 に 語った ところ に よる と 、 未 公開 株 販売 が 本格 的に 始まった 九一 年 三 月 ごろ 、 中川 容疑 者 から 「 決算 に 上げる 売り上げ が 足りない から 、 建築 と 物品 販売 を 半々 程度 に して 百億 円 ぐらい 材料 を 用意 して くれ 」 と 依頼 さ れ 、 自分 で 粉飾 した と いう 。 粉飾 の 手口 は 、 知人 の 会社 や 架空の 会社 と の 間 に 、 ニセ の 契約 書 を 作成 したり 、 公共 事業 の 受注 契約 書 を でっち上げる もの だった と いう 。 バ 社 の 内部 資料 に よる と 、 九一 年 六 月 、 仙台 市 内 の 会社 から 宇都宮 市 内 の 地盤 改良 工事 を 約 六億九千万 円 で 、 同 七 月 、 杉並 区 内 の 会社 から 千葉 県 市原 市 内 の ゴルフ 場 造成 工事 を 約 四億九千万 円 で 受注 した こと に なって いる 。 しかし 、 いずれ も 架空の 受注 だった 。 さらに 、 同 年度 に は 長崎 県 発注 の ダム 工事 を 九十億 円 で 受注 した と して いる が 、 同県 に よる と 「 そのような 工事 は 発注 して い ない 」 と いう 。 この 当時 、 同社 の 監査 役 は 元 日弁連 副 会長 で 、 東京 弁護 士 会 会長 も 歴任 した 弁護 士 が 務めて いた 。 中川 容疑 者 ら が 未 公開 株 販売 を 始めた 八九 年 十 月 に 監査 役 に 就き 、 疑惑 が 問題 化 した 九二 年 六 月 に 辞任 して いる 。 弁護 士 自身 も 知人 に 株 購入 を 呼び掛けて いた と いう 。 弁護 士 は 、 関係 者 に 対し 「 売上高 が 粉飾 さ れて いる こと は 知ら なかった 。 監査 役 と して 名前 を 貸した が 、 経営 に は 関与 して い ない 」 と 釈明 して いる と いう 。 捜査 二 課 は 十五 日 、 中央 区 の バ社 本社 や 大田 区 の 中川 容疑 者 の 自宅 など 十数 カ所 を 家宅 捜索 。 バ 社 本社 に は 午前 十 時 四十五 分 に 捜査 員 十数 人 が 入り 、 二 階 事務 所 の 窓 の ブラインド を 下ろして 捜索 を 続けた 。 十五 日 午後 零 時 十五 分 ごろ 、 NHK 総合 テレビ と 衛星 第 二 放送 、 ラジオ 第 一 放送 で 、 放送 が 一 時 途切れる トラブル が あった 。 NHK 広報 室 に よる と 、 午後 零 時 十五 分 に 始まる 「 のど 自慢 」 番組 の 冒頭 から 映像 、 音声 が 切れ 、 同 十六 分 四十四 秒 に 放送 が 再開 さ れた 。 この 日 は 広島 県 府中 市 の 体育 館 から の 生 中継 で 、 ここ から 広島 放送 局 まで は 電波 が 送ら れて いた 。 同 放送 局 から 東京放送 センター に 映像 と 音声 を 送る 運行 装置 に 不 具合 が あった らしく 、 詳しい 原因 を 調べて いる 。 十五 日 午後 三 時 四十五 分 ごろ 、 新潟 県 南魚沼 郡 湯沢 町 湯沢 、 ガーラ 湯沢 スキー 場 の コース 外 の 斜面 で 、 東京 都 港 区 南麻布 二 、 会社 員 、 二木 基 さん が 上半身 を 雪 の 中 に 突っ込む 状態 で 死んで いる の を 同 スキー 場 の 警備 員 が 見つけた 。 六日 町 署 の 調べ に よる と 、 コース 右側 の フェンス が 倒れて おり 、 二木 さん は 一 人 で 滑って いる うち に 誤って 斜面 に 落ち 、 雪 に 突っ込み 窒息 死 した らしい 。 群馬 県警 沼田 署 に 十五 日 、 同県 利根 郡 川場 村 谷地 の 川場 スキー 場 に 行った 埼玉 県 上尾 市 小敷谷 、 会社 員 、 秋田 律 さん が 帰宅 予定 の 十四 日 に なって も 帰ら ない と 妻 から 届け出 が あった 。 同 署 は 秋田 さん が 遭難 した 可能 性 も ある と みて 、 十六 日 朝 から 付近 の 山 域 を 捜索 する 。 十五 日 午前 九 時 五十五 分 ごろ 、 滋賀 県 坂田 郡 伊吹 町 甲津原 の 「 奥 伊吹 スキー 場 」 で 、 ゲレンデ の リフト 六 基 が 、 停電 で 突然 ストップ 。 小学生 を 含む スキー 客 約 三百五十 人 が 宙づり に なった 。 スキー 場 の 従業 員 が 誘導 して 約 一 時間 半 後 に 全員 を 救助 、 けが人 など は なかった 。 客 同士 が 「 停電 らしい 」 と リレー 式 で 伝えて いった ため 、 パニック 状態 に は なら なかった 。 米原 署 の 調べ で は 、 スキー 場 から 南 約 八キロ の 同 町 吉槻 に ある 送電 線 が 、 雪 の 重み で 倒れた 杉 で 切断 さ れ 、 停電 した 。 正月 の しめ飾り など を 燃やす 「 どん ど 焼き 」 が 各地 で 行わ れた 十五 日 、 東京 都 内 で 火 の 中 に あった お神酒 の 瓶 が 、 約 三 メートル 宙 を 飛んで 女性 に あたり 、 けが を する 事故 が あった 。 午前 十一 時 半 ごろ 、 世田谷 区 鎌田 一 の 多摩川 河川敷 の 公園 で 、 地元 町会 の 「 どん ど 焼き 」 を 見物 して いた 目黒 区 の 女性 会社 員 の 顔 に 、 突然 火 の 中 から 飛んで きた 酒 の ガラス 瓶 一 本 が あたり 、 額 を 約 二 センチ 切る 軽い けが 。 成城 署 は 、 火 の 中 に 投げ込ま れた 空き瓶 に 残って いた アルコール が 気化 し 内圧 が 急激に 増して ふた を 吹き飛ばし 、 これ が 推進 力 に なって 飛んだ ので は ない か と みて いる 。 現場 で は 午前 十一 時 ごろ 、 しめ飾り など を 約 五 メートル 積み上げて 点火 、 周囲 に 約 百 人 が 集まり 酒 を 飲む など して いた 。 福岡 県 山田 市 の 山田 中学校 で 、 県警 上嘉穂 署 が 学校 側 の 要請 を 受け 連日 、 敷地 内 を 制服 姿 の 警察 官 や パトカー が 巡回 して いる こと が 十五 日 まで に 分かった 。 学校 側 は 「 学校 の 指導 に は 限界 が あり 、 やむ を 得 ない 処置 だ 」 と 話して いる 。 同 校 は 昨年 十一 月 中旬 、 生徒 六 人 が 教諭 二 人 に 暴行 を 加え けが を 負わ せた 事件 が あり 、 上嘉穂 署 は 六 人 を 傷害 容疑 で 書類 送検 。 生徒 が 紙 に つけた 火 で 武道 場 の マット から 火 が 出る ボヤ 騒ぎ が あった ほか 、 今年 に 入って から も 、 下級 生 から 三万 円 を 脅し取った 疑い で 生徒 一 人 から 事情 を 聴いて いる 。 駐車 場 の 車 へ の いたずら 、 上級 生 に よる 下級 生 へ の 恐喝 など 、 荒廃 が 日常 化 して いる 。 教諭 や 保護 者 ら が 校舎 を 巡回 して きた が 、 効果 は なかった 。 この ため 、 武藤 校長 が 昨年 十二 月 上旬 、 上嘉穂 署 に 学校 の 警戒 を 要請 。 同 署員 が 毎日 、 昼 休み や 放課後 など に 敷地 内 の 巡回 を 続けて いる 。 見回り 中 の 警察 官 が 通り過ぎた あと 、 火 の ついた たばこ が 校舎 から 落ちて きた こと も あった 。 武藤 校長 は 「 学校 だけ で は 生徒 の 指導 に 限界 が ある 。 警察 を 含め 関係 機関 や 地域 住民 と 協力 して 、 正常 化 を 図り たい 」 と 言う 。 また 文部 省 中学校 課 は 「 詳しい 事情 が 分から ない ので 即断 でき ない が 、 学校 が 警察 など 部 外 の 協力 を 仰ぐ こと は 十分 あり 得る 。 正常 化 へ 向けて の 過渡 的な 措置 な のだろう と 考えて いる 」 と 話して いる 。 がん の 闘病 中 に 、 川 の 自然 と 安全 性 を 同時に 実現 する 「 多 自然 型 川 づくり 」 を テーマ に した 「 大地 の 川 」 など を 執筆 した 前 建設 省 河川 環境 対策 室長 、 関 正和 さん が 十四 日 午後 六 時 四 分 、 急性 肺炎 の ため 千葉 県 市川 市 の 病院 で 死去 した 。 四十六 歳 。 河川 改修 の エキスパート で 、 堤防 を 鉄 、 コンクリート で 補強 後 、 土 で 覆い 自然の 復元 を 目指す 手法 を 提唱 。 四国 ・ 四万十川 の 治水 計画 も 担当 した 。 直腸 がん など で 入院 中 の 昨年 春 、 「 大地 の 川 」 と 闘病 記 「 天空 の 川 」 を 執筆 した 。 葬儀 ・ 告別 式 は 十九 日 午前 十一 時 、 横浜 市 青葉 区 青葉台 二 の 一八 の 六 の セレモニー ホール 大成 第 二 ホール で 。 自宅 は 同 市 都筑 区 すみれが丘 三九 の 一三 。 喪主 は 妻 繁子 さん 。 中国 雲南 省 昆明 市 の 昆明 百貨店 で 十四 日 午後 四 時 十五 分 ごろ 、 爆発 事件 が 起き 、 一 人 が 死亡 、 七 人 が 重体 、 数十 人 が 負傷 した 。 原因 は 調査 中 。 省 の 幹部 が 続々 と 被害 者 を 見舞って おり 、 単純な 事故 で は ない ので は 、 と の 見方 が 広がって いる 。 中国 で は 最近 、 北京 の 繁華街 を 走って いる バス でも 爆発 事件 が 起きて いる 。 「 通し 矢 」 の 名 で 知ら れる 「 第 四十五 回 三十三間堂 弓道 大的 全国 大会 」 が 十五 日 、 京都 ・ 東山 の 三十三間堂 で 開か れ 、 晴れ着 姿 の 新 成人 八百三十四 人 を 含む 千三百四十三 人 が 、 新年 の 引き 初め を 行った 。 三十三間堂 西側 の 約 百二十 メートル の 軒下 を 使い 、 武士 たち が 射 通した 矢 の 数 を 競った こと に ちなんだ 成人 の 日 の 恒例 行事 。 時折 、 小雪 の ちらつく 特設 射場 で は 、 振りそで に 白 だすき 、 紺 の はかま を 着けた 女性 ら が 、 六十 メートル 先 の 遠的 を めがけ 、 次々 と 矢 を 放って いた 。 近畿 中央 病院 の 小瀬戸 昌博 ・ 医師 ら は 十五 日 まで に 、 猛毒 物質 の ダイオキシン が 、 免疫 機構 の 主役 である リンパ球 の 細胞 を 通常 の 百 倍 以上 の ペース で 自殺 に 追いやる こと を 動物 実験 で 突き止めた 。 ベトナム 戦争 で 枯れ葉 剤 と して 使用 さ れ 、 発がん 性 、 催奇性 が 問題 に なって いる ダイオキシン が 体 の 防御 システム を 破壊 する こと が 具体 的に 立証 さ れた の は 初めて 。 リンパ球 は 体 内 の 胸腺 と いう 組織 で 成熟 する が 、 小瀬戸 医師 ら は マウス の 胸腺 の 一部 を 取り出して 顕微 鏡 で 観察 した 。 ダイオキシン を 体重 一キロ グラム 当たり 六〇 マイクログラム の 割合 で 投与 した の と 、 投与 し ない の を 比べる と 、 投与 した ほう は 、 細胞 の 核 が 完全に つぶれた リンパ球 が 百 倍 も 多く 見つかった 。 場所 的に は 、 未熟な リンパ球 を 選別 して 育てる 「 胸腺 上皮 細胞 」 と いう 組織 の 周辺 で 集中 的に 見 られた 。 この 細胞 核 の つぶれる 現象 が 「 細胞 の 自殺 」 で 、 アポトーシス と 呼ば れる 。 正常な 細胞 に も 遺伝子 に プログラム さ れ 、 スイッチ が 入る と その メカニズム が 働く 。 例えば 指 が 五 本 に 分かれる の は 元 は 一 つ の 組織 細胞 の ある 部分 が 計画 的に 死ぬ ため と いわ れ 、 アポトーシス は 人間 の 形態 形成 に 欠かせ ない 機能 と さ れる 。 ダイオキシン の 枯れ葉 剤 が 大量に 散布 さ れた 旧 南 ベトナム 地域 の 住民 の 間 で は 、 体 内 に 侵入 した 病原 菌 など を 排除 する 免疫 機構 が 狂う 自己 免疫 疾患 が 目立つ と いう 報告 が ある 。 小瀬戸 医師 は 「 従来 は 目 に 見える 異常に 注目 が 集まった が 、 今後 は 免疫 系 を 中心 に 目 に 見え ない 異常 も 追跡 調査 する べきだ 」 と 話して いる 。 ◆ アポトーシス に 詳しい 山田 武 ・ 東邦大 医学部 教授 の 話 ◆ アポトーシス が 働か なくて も 、 働き すぎて も 体 に は 悪い 。 この 研究 は 働き 過ぎた 場合 に 免疫 異常 を 起こす こと を 示した 一例 と 言える 。 住宅 メーカー 最 大手 の 積水ハウス は 十五 日 まで に 、 グループ 会社 の 積水ハウス 木造 を 八 月 一 日 に 吸収 合併 し 、 木造 住宅 事業 に 進出 する 方針 を 固めた 。 今週 開か れる 取締 役 会 で 決定 する 。 合併 比率 など 細部 は 調整 中 。 四 月 の 定時 株主 総会 で 合併 の 承認 を 得た 後 、 両 社 で 合併 委員 会 を 設立 する 。 一戸建て 注文 建築 は 国 内 で 根強い 需要 が あり 、 今回 の 合併 で 積水ハウス は 積水ハウス 木造 の 技術 力 を 生かして 市場 拡大 を 図る 。 積水ハウス 木造 は 、 関西 が 地盤 の 木造 住宅 メーカー で 注文 建築 が 主力 。 発行 済み 株式 の 四二・四 % を 積水ハウス が 所有 して いる 。 一九九四 年 一 月 期 の 売上高 は 百八十六億二百万 円 。 従業 員 約 三百 人 。 積水ハウス は 鉄骨 系 プレハブ住宅 が 中心 。 合併 後 、 木造 注文 住宅 事業 を 担当 する 事業 部 を 設立 。 五 年 後 を めど に 木造 注文 住宅 部門 の 年間 売り上げ 一千億 円 を 目指し 、 将来 的に は 鉄骨 系 プレハブ住宅 と 並ぶ 一戸建て 住宅 事業 の 中核 に 育てる 。 日本 の 注文 建築 は 国 内 市場 の 約 七 割 で 、 米国 の 約 一 割 と 比べて 比率 は 高い 。 事業 者 の 大半 は 従業 員 数 三 、 四 人 の 中小 工務 店 が ほとんど で 、 全国 で 十万 社 を 超える 。 この ため 、 一兆 円 企業 の 積水ハウス の 参入 は 業界 に 大きな 影響 を 与え そうだ 。 西 日本 は 15 日 も 寒波 の 影響 で 冷え込み 、 最低 気温 が 大阪 で 氷点下 0.2 度 、 神戸 でも 同 0.9 度 を 記録 し 、 今季 初めて 最低 気温 が 0 度 を 超え ない 冬日 に 。 ともに 昨年 より 1 日 早い 。 鳥取 や 島根 の 日本 海 側 や 山間 部 で は 、 雪 が 断続 的に 降り続いた 。 雪 で JR 東海道 新幹線 は 夜 まで 乱れ 、 上下 138 本 が 最高 35 分 遅れ 、 約 67000 人 に 影響 した 。 舞鶴 自動車 道 は 舞鶴 西 ― 福知山 間 で 終日 通行 止め 、 名神 と 北陸 自動車 道 でも 一 時 、 通行 止め と なった 。 大阪 管区 気象 台 に よる と 、 16 日 は 冬型 の 気圧 配置 が 緩み 、 天気 は 下り坂 に なる と いう 。 ◆ 「 あなた の 余命 は ○○○○ 日 」 。 こんな データ が 出る 寿命 予測 ゲーム 機 が 受けて いる と か 。 自分 の 生年 月日 を 告げ 、 食 習慣 や 性格 、 健康 度 など の 質問 に 答える と 、 機械 が 予定 命日 、 享年 など を 記載 した 「 生存 証明 書 」 を 発行 する 仕組み 。 若者 に は ブラック ユーモア かも しれ ませ ん が 、 中高年 に は ねえ …… 。 ◆ 西 日本 で 初めて 「 地 ビール 」 づくり の 免許 を 受けた 愛媛 県 の 清酒 メーカー が 、 先日 、 初 の 仕込み に 。 規制 緩和 で ビール 業界 に 参入 した もの で 、 すでに 全国 で 4 社 が 製造 中 。 今後 どんどん 増え そう 、 と いい 、 愛媛 で は 4 月 末 に も ゴクリ 、 ゴクリ と やれ そう 。 「 お とそ 気分 が 抜け ない うち から 」 と 支局 員 は あきれ顔 。 十五 日 午後 八 時 十 分 ごろ 、 兵庫 県 尼崎 市 内 の 会社 員 方 の 一 階 洗濯 干し 場 で 、 中学 三 年 の 長男 が 、 犬 の 鎖 を かもい に 結び 、 首 を つって いる の を 家族 が 発見 。 近く の 病院 に 運ば れた が 、 間もなく 死亡 した 。 尼崎 東 署 は 、 自殺 と みて 調べて いる が 、 遺書 など は なかった 。 学校 の 話 で は 、 この 生徒 は 、 おとなしい 性格 で 、 前日 登校 した 際 も 特に 変わった 様子 は なかった と いう 。 担任 の 男性 教諭 は 「 動機 の 心当たり は ない 。 いじめ など も なかった 」 と 話して いる 。 十五 日 午後 七 時 十五 分 ごろ 、 和歌山 市 太田 、 JR 紀勢 線 地蔵 前 踏切 南 約 五十 メートル で 、 同 市 内 の 中学 三 年 の 女生徒 が 天王寺 発 紀伊 田辺 行き の 普通 電車 に はね られ 、 即死 。 この 事故 で 列車 は 現場 に 約 二十 分間 停車 。 後続 の 列車 に 影響 は なかった 。 和歌山 東 署 の 調べ で は 、 運転 士 が 線路 上 に 人影 が 走り 出た の に 気付き 、 ブレーキ を かけた が 間に合わ なかった と いう 。 女生徒 は 高校 進学 など で 悩んで いた と いい 、 自殺 で は ない か と みて 調べて いる 。 遺書 は 見つかって い ない 。 女生徒 は この 日 、 大阪 府 内 の 高校 受験 の ため 下見 に 行った と いう 。 十五 日 午前 二 時 五十 分 ごろ 、 大阪 市 東住吉 区 湯里 四 の 「 ローソン 湯里 四 丁目 店 」 で 、 黒い 革 ジャンパー 姿 の 男 が 、 店番 を して いた 店長 と アルバイト 店員 を ナイフ の ような もの で 脅し 、 現金 約 七万 円 を 奪って 、 自転車 に 乗って 逃走 した 。 また 、 同日 午後 五 時 十 分 ごろ 、 同 市 平野 区 長吉 出戸 六 の 「 ローソン 長吉 出戸 六 丁目 店 」 でも 、 黒 ジャンパー 姿 の 男 が 店長 に ナイフ を 突きつけ 、 約 十一万六千 円 を 奪って 、 自転車 で 逃走 。 両 店 と も 、 けが人 は なかった 。 大阪 府警 東住吉 署 と 平野 署 の 調べ で は 、 男 は ともに 二十 歳 代 で 、 身長 約 一八○ センチ 。 二 つ の 現場 が 三・五キロ しか 離れて い ない こと や 、 服装 や 年 格好 、 手口 が 似て いる こと など から 、 同一 犯 に よる 強盗 事件 の 可能 性 も ある と みて 捜査 して いる 。 惨敗 に 肩 を 落とす 大東大 フィフティーン の 中 に 、 ただ 一 人 入って いった の は 神戸製鋼 ・ 大八木 淳史 選手 だった 。 だれ かれ と なく 、 肩 を たたく 。 「 よく 頑張った な 」 と 声 を かける 。 十五 日 の ラグビー 日本 選手 権 で 、 新日鉄 釜石 の 持つ 七 連覇 に 並んだ 神戸製鋼 。 偉業 達成 の 満足 感 を だれ より も かみしめた の は 、 センス あふれる チーム に あって 、 野性 味 たっぷり の プレー で 異彩 を 放つ 大八木 選手 だった 。 大八木 選手 は 前半 36 分 、 平尾 誠二 選手 が 相手 ゴール に けり込んだ ボール を 追い 、 ドロップ アウト に よる プレー 中断 中 、 相手 選手 に 強烈な タックル 。 審判 に 注意 さ れる と 、 一九〇 センチ の 巨体 を 折り曲げ 、 両手 を 合わせて 謝り 、 スタンド が どっと 沸いた 。 単に 強い だけ で なく 、 大八木 選手 の 愛きょう が ちりばめ られて いる ところ に 、 神鋼 の 魅力 が ある 。 閉会 式 で は 優勝 カップ を 新人 の 中道 紀和 選手 に 向け 、 数 メートル も パス して また スタンド の 笑い を 誘う 。 敗戦 に ふさぎこむ 相手 選手 を ほって おけ ない 優し さ が 、 ラフ プレー を 愛きょう に 変えて いる 。 初 優勝 した 六 年 前 から 連覇 を 支えて きた が 、 神鋼 は 新人 六 人 が 加わり 、 世代 交代 期 。 引退 か 現役 続行 か で 気持ち は 揺れて いる 。 「 今季 は 一 戦 々々 が 記念 試合 の つもり で 戦った 。 目標 を 果たし スカッと した 気分 だ けど 、 引退 は 一 人 で は 決め られ ない し ね 」 。 悩み は しばらく 続き そうだ 。 十五 日 午前 八 時 四十 分 ごろ 、 滋賀 県 彦根 市 川瀬 馬場 町 の JR 東海道 線 河瀬 駅 構内 の 踏切 で 、 トラック が 脱輪 。 同 駅員 が JR 西 日本 新大阪 総合 指令 室 に 通報 、 現場 に さしかかった 長浜 発 網干 行き の 快速 電車 を 緊急 停止 さ せた 。 この ため 、 東海道 線 は 上下 計 十三 本 が 運休 した 。 県警 鉄道 警察 隊 の 調べ で は 、 踏切 が 凍結 し 、 トラック は スリップ した らしい 。 谷川 浩司 王将 に 羽生 善治 名人 が 挑戦 して いる 第 44 期 王将 戦 7 番 勝負 第 1 局 は 谷川 の 先勝 で 終わった 。 だが 、 将棋 界 初 の タイトル 7 冠 制覇 に 挑む 羽生 と 王将 4 連覇 を 目指す 谷川 の 厳しい 戦い は 始まった ばかり 。 勝つ か 負ける か ―― 将棋 の 世界 の この 厳し さ の 中 で トップ に 立つ こと が いかに 難しい か 。 図 を 見る と 、 よく 分かる 。 タイトル を 何度 も 獲得 した 棋士 は 数 人 しか い ない 。 羽生 は 、 勝率 と デビュー から 9 年間 の 勝ち星 で トップ 。 7 冠 を うかがう 強 さ が はっきり 出て いる 。 しかし 、 谷川 とて 引け を とら ない 。 同じ 1 勝 でも タイトル 戦 や リーグ 戦 と なる と 価値 は ぐっと 高い 。 デビュー 9 年間 の 成績 で 谷川 の 負け 数 が 多い の は 、 谷川 が 早く から タイトル 戦 や リーグ 戦 で 活躍 して いた こと を 示す もの で も ある 。 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 が 十六 日 発表 した 新 会派 参加 予定 者 は 次の 通り 。 大畠 章宏 、 田辺 誠 、 大木 正吾 、 山花 貞夫 、 嶋崎 譲 、 堀込 征雄 、 松前 仰 、 佐藤 泰介 、 網岡 雄 、 佐藤 観樹 、 赤松 広隆 、 左近 正男 、 中村 正男 、 土肥 隆一 、 永井 孝信 、 後藤 茂 、 吉岡 賢治 、 川端 達夫 、 海江田 万里 、 牧野 聖修 、 大矢 卓史 、 楢崎 弥之助 種田 誠 、 前畑 幸子 、 本岡 昭次 、 山田 健一 、 北村 哲男 、 堀 利和 、 川橋 幸子 、 粟森 喬 村山 首相 と 武村 蔵 相 と の 会談 は 首相 公邸 で 行わ れ 、 新 民主 連合 の 新 会派 結成 を 中心 に 意見 交換 。 通常 国会 乗り切り へ 両党 の 連携 を 強化 する と 同時に 、 武村 氏 が 社会 、 さきがけ 両党 議員 に 学者 、 文化 人 も 加わった 政策 研究 会 発足 を 提案 した 。 首相 も 基本 的に 賛意 を 示し 、 早期 の 協議 開始 で 一致 した 。 研究 会 は 両党 に 限定 せ ず 、 幅広い 勢力 の 結集 を 図る 狙い と み られる 。 会談 に は 五十嵐 広三 官房 長官 、 田中 秀征 さきがけ 代表 代行 ら が 同席 。 首相 は 社会党 の 党内 情勢 を 説明 した うえ で 、 さきがけ の 協力 を 要請 した 。 さきがけ 側 は 通常 国会 に 向け 、 政策 や 国会 運営 を テーマ と する 協議 機関 を 両党 に 設置 する こと を 提案 した 。 また 、 両党 の 統一 会派 構想 も 取りざた さ れて いる が 、 武村 氏 は 「 統一 会派 構想 は 議員 レベル に とどまる が 、 二 党 間 に こだわる べきで ない 。 学者 、 文化 人 も 加えて 日本 の 将来 を 考え 、 党 を 超えた 論議 を す べきで は ない か 」 と 政界 再編 問題 を 討議 する 政策 研究 会 の 設置 を 提案 。 首相 も 「 ユニークな 考え だ 。 久保 亘 書記 長 と 相談 して 欲しい 」 と 応じ 、 十七 日 に も 武村 氏 と 久保 氏 が 会談 する こと に なった 。 さきがけ 幹部 は 十六 日 、 来週 に も 再編 論議 を 開始 する 意向 を 示した 。 会談 は 新民連 に よる 新党 が 新進党 と の 連携 を 深める 形 で 進んで いる こと を けん制 する 意味 も あった 。 新進党 の 川端 達夫 衆院 議員 は 十六 日 、 山花 貞夫 氏 ら と の 新 会派 結成 の ため 、 十七 日 に 同 党 に 離党 届 を 提出 する こと を 決めた 。 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 総会 後 、 記者 団 に 語った 。 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら に よる 超 党派 の 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 は 十六 日 夕 、 東京 都 内 の ホテル で 総会 を 開き 、 衆 参 両院 で 新 会派 の 結成 を 決めた 。 衆院 で は 海江田 万里 衆院 議員 ら の 「 民主 新党 クラブ 」 と 統一 会派 の 形 を 取る 。 山花 氏 に よる と 新 会派 参加 者 は 衆院 二十二 人 、 参院 八 人 。 社会党 から の 参加 者 二十四 人 の ほぼ 全員 が 離党 届 を 山花 氏 に 預け 、 扱い を 一任 。 山花 氏 は 十七 日 、 全員 の 会派 離脱 届 を 執行 部 に 提出 、 受理 さ れ ない 場合 は 同日 中 に も 離党 届 を 提出 する 見通し で 、 社会党 は 分裂 の 危機 に 直面 した 。 一方 、 村山 富市 首相 は 十六 日 、 さきがけ 代表 の 武村 正義 蔵 相 と 首相 公邸 で 会い 、 両党 の 連携 強化 と 政界 再編 に 向けた 政策 研究 会 の 設置 でも 合意 、 緊迫 した 局面 と なった 。 総会 に は 社会党 など から 計 二十四 人 が 出席 。 会派 名 を 衆院 で は 「 民主 連合 ・ 民主 新党 クラブ 」 に する こと を 決めた 。 参院 会派 名 は 民主 改革 連合 と の 関係 を 詰めて から 決定 する 。 海江田 氏 は 、 山花 氏 ら の 新 会派 に ただちに 合流 せ ず 、 統一 会派 結成 に とどめ 、 距離 を 置いた 。 総会 直前 まで 山花 氏 と 協議 した が 、 山花 氏 ら 社会党 議員 の 離党 を 確認 する 意向 だ 。 山花 氏 は 、 社会党 議員 ら から 同 党 会派 離脱 届 、 新 会派 参加 届 、 離党 届 を 取り付けた 。 当初 の 予定 通り 、 十七 日 に 会派 離脱 届 を 党 中執 委 に 提出 する 方針 。 中執 委 が これ を 了承 し ない 場合 、 同日 中 に も 離党 届 提出 に 踏み切る 構え で 、 中執 委 は ぎりぎりの 判断 を 迫ら れる こと に なる 。 山花 氏 は 総会 後 の 記者 会見 で 、 「 離党 は 全員 の 問題 だ 」 と 語り 、 自身 が 先行 して 単独 で 離党 届 を 出す こと に は 否定 的な 考え を 示した 。 また 、 総会 で は 、 新 会派 の 村山 政権 へ の 態度 に ついて 予算 関連 法案 に は 基本 的に 協力 する が 、 個々 の 政策 課題 に 関して は 全面 的に 賛成 する わけで は ない 、 と の 立場 を 確認 した 。 締まり の ない 社会党 騒動 を みて いる と 、 だんだん 腹 が 立って くる 。 同じ 党員 同士 な のに 、 もっと 上手な 話し合い が でき ない もの か 。 村山 富市 委員 長 が 「 なぜ 急ぐ の か 、 まったく 理解 でき ない 」 と 山花 貞夫 新 民主 連合 会長 に 言い切って いる 。 最高 責任 者 が 分から ない ので は 、 これ は もう 話 に なら ない 。 われわれ 国民 に 分かろう はず も ない 。 しかし 、 実際 は 分かって いて も 、 口 に だせ ない こと が 多い のだろう 。 腹 を 割った 話し合い が できて い ない から だ 。 ここ 数 日 の テレビ 討論 を 聞いて いる と 、 「 倒閣 」 「 いじめ 」 「 石頭 」 「 口さき 」 「 保身 」 「 不満 分子 」 など と 、 激しい 言葉 の 投げ合い に なって きた 。 双方 の 不信 感 、 敵意 が むき出しに なって いる 。 不信 の 具体 例 と して 、 山花 や 久保 亘 書記 長 ら が 持ち出して いる の が 、 昨年 春 、 自 社 連立 政権 を 謀議 した 「 浅草 密約 事件 」 である 。 すでに 森 喜朗 自民党 幹事 長 、 村山 側近 の 山下 八洲夫 社会党 中執 委員 ら が 証言 ずみ の こと で 、 と いう もの だ 。 この 時期 は 、 四 月 早々 の 細川 護煕 首相 退陣 表明 から 羽田 孜 首相 誕生 、 社会党 の 政権 離脱 を 経て 六 月 の 羽田 退陣 と めまぐるしく 動いた ころ だ が 、 少なくとも 謀議 が 始まった 時点 で 、 社会党 は 細川 政権 与党 の 一員 だった 。 久保 ら は 当時 、 その こと を まったく 知ら ない 。 左派 独走 に よる 自社 連立 工作 である 。 だから 、 いま 、 「 裏切り だ 」 と 久保 ら が 怒る の は 分から ないで は ない が 、 なに が やられて も おかしく ない シーズン で も あった 。 その 当否 より も 、 村山 ・ 山花 会談 で 、 山花 が この 「 浅草 密約 」 に 触れて いる の は 、 自 社 連立 出生 の いきさつ に 不 快感 を 示した もの で 、 政権 自体 へ の 批判 に つながって いる と 受け取ら ざる を 得 ない 。 ところが 、 山花 は 「 村山 支持 」 と 言い 続けて きた 。 自社 政権 批判 が 社会党 内部 に ある の は 、 むしろ 当然な のだ 。 それ を 正面切って 言わ ない の は 政治 配慮 に よる のだろう が 、 支持 する と 言う 以上 は 、 新党 を 急ぐ の は 理屈 に 合わ ない 。 山花 側 は 「 非 自民 ・ 村山 支持 」 など と まぎらわしい 方針 を 掲げ 、 自 社 政権 論 を あいまいに して きた ため に 、 内外 から 「 分から ない 」 の 大 合唱 が 起きた のだ 。 こんな 混迷 期 だ から 、 リーダー は 極力 分かり やすく 発言 し なければ 、 世間 の 共感 は 得 られ ない 。 山花 、 久保 の 発言 は 分かる ところ も ある が 、 肝心な 点 が ぼやけて いる 。 自 社 政権 論 と もう 一 つ 、 第 三 極論 に ついて 、 次の 二 人 の リーダー の 分かり やすい 発言 に 、 山花 ら は 明快な 回答 を 用意 した ほう が いい 。 「 もともと 社会党 自体 が 第 三 極 の 考え 方 な のだ から 、 何も 党 を 割ら なくて も いい ので は ない か 。 次の 総 選挙 で 新進党 と 手 を 握り たい 人 は 、 第 三 極 など と 言わ ず に 正直に そう 言えば いい 」 「 小さく 分かれて いく の は 賛成 でき ない 。 まとまって いか ない と 第 三 極 に なら ない 。 意見 の 違い は ある が 、 方向 性 で は なく 手順 の 問題 な ので 話 を すれば 一致 できる はずだ 」 とりわけ 、 横路 発言 が 大事である 。 世論 は 、 第 三 極 に 賛意 を 示して いる が 、 大きく まとまら なければ 意味 が ない 、 と も 思って いる 。 その 可能 性 を 秘めて いる のに 、 なぜ あわてて 小さく 刻もう と する の か 。 山花 は 第 三 極 の パイオニア に なる と いう 。 パイオニア と 自爆 は 紙一重 だ 。 橋本 竜太郎 通産 相 が 「 片山 内閣 に ついで 、 また 社会党 の 内紛 で 政権 を つぶす ので は 、 国民 に 申しわけない ので は ない か 」 と 言った の が 、 一 番 分かり やすい 。 村山 富市 首相 と 武村 正義 さきがけ 代表 の 十六 日 の 会談 で 、 さきがけ が 政策 研究 会 設置 提案 と いう 形 で 両党 を 軸 に した 再編 に 向けた 協議 に ゴーサイン を 出した 。 これ まで の 慎重 姿勢 を 転換 した の は 、 社会党 の 混乱 が 加速 する 状況 を 放置 すれば 、 村山 政権 を 揺るがし 、 第 三 勢力 の 結集 論 が 新進党 と 連携 を 深める 山花 貞夫 ・ 新民連 会長 主導 で 進む こと を 警戒 した から と み られる 。 社会党 内 に は 、 さきがけ と の 再編 論議 が 進展 し ない こと が 、 山花 氏 ら の 活動 が 加速 した 一因 、 と の 見方 が 強い 。 この ため 、 具体 的な 論議 に は 至らなくて も 、 研究 会 の 設置 を 確認 する こと で 将来 的な 結集 の 可能 性 を 示し 、 山花 氏 ら を けん制 し たかった ようだ 。 しかし 、 さきがけ は 社会党 と の 統一 会派 結成 に は 依然と して 慎重 姿勢 を 崩して い ない 。 再編 協議 の 開始 に ついて 武村 氏 は 「 二 党 間 に こだわる べきで ない 」 と 説明 して いる が 、 その 背景 に は 、 さきがけ に 社会党 の 労組 依存 体質 へ の 拒否 感 が 強く 、 両党 の 合併 方式 に よる 再編 に は 否定 的 と いう 事情 が ある 。 この ため 、 研究 会 が 発足 して も 再編 論議 が 急速に 進展 する 可能 性 は 低く 、 当面 は 学者 ・ 文化 人 も 参加 した ゆるやかな 連合 体 を 目指す 可能 性 が 大きい 。 来週 中 に も 勉強 会 を 開く 予定 だ が 新 勢力 結集 へ の 展望 が 示せる か は 不透明だ 。 外務 省 が 検討 して いた 旅券 法 改正 案 の 内容 が 十六 日 まで に 固まった 。 同 省 は パスポート の 有効 期間 を 現行 の 二 倍 の 十 年 に 延長 する こと を すでに 決めて いる が 、 延長 の 対象 と なる の は 二十 歳 以上 が 申請 した 場合 で 、 取得 ・ 更新 手数 料 は 一万五千 円 と する 方針 。 同 省 は 通常 国会 に 改正 法案 を 提出 し 、 今年 十一 月 に 実施 する 考え 。 山花 貞夫 ・ 新民連 会長 は 十六 日 の 記者 会見 で 、 村山 富市 首相 ら 社会党 執行 部 と さきがけ が 連携 強化 を めざした 問題 に ついて 「 私 たち の 行動 が 新しい 政界 の 動き を 作った と いえる 。 統一 会派 を 超えて 将来 の 日本 の 政治 の 在り 方 を 考える と いう のであれば 、 そういう 議論 に 加わる こと も ある 」 と 述べた 。 しかし 、 「 協議 に 自民党 まで 入る と なれば 、 第 三 極 と は 何かと いう 点 から どうか と 思う 」 と も 述べ 、 自民党 も 含めた 動き に は 参加 し ない と の 姿勢 を 示した 。 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 は 十六 日 の 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 総会 で 、 同 党 から の 新 会派 参加 者 二十四 人 ほぼ 全員 の 離党 届 を 取りまとめ 、 十七 日 に も 提出 する 態勢 を 整えた 。 山花 氏 は とりあえず 、 社会党 会派 から の 離脱 届 を 中執 委 に 提出 する が 、 「 離脱 が 了承 さ れ なければ 、 同日 中 に 離党 届 提出 だ 」 と の 強硬 論 も あり 、 山花 氏 は 背水 の 陣 を 敷いた 形 だ 。 新 会派 参加 者 の 大半 は 山花 氏 に 同調 する 可能 性 が 高く 、 同 党 は 分裂 の 方向 に 向かって いる 。 山花 氏 は 、 党 が 新党 結成 の 方針 を 決める 臨時 党 大会 が 二 月 十一 日 に 開か れる に も かかわら ず 、 「 通常 国会 前 に 核 を つくら ない と 、 新党 は でき ない 」 と 主張 。 新 会派 結成 に 突っ走った 。 しかも 、 新 会派 結成 後 も 社会党 参加 議員 の 党籍 を 残し 、 除名 処分 は し ない よう 執行 部 に 求めた 。 これ は 、 国会 召集 前 に 会派 を 結成 し ない と 他 党派 から の 参加 が 難しく なる と の 判断 に 加え 、 新 会派 を 社会党 に よる 新党 の 「 先行 集団 」 と 位置付ける こと で 、 「 賊軍 」 扱い さ れる の を 避ける ため だ 。 山花 氏 と して は 、 「 離党 ― 新 会派 結成 の 方 が 分かり やすい 」 と 批判 さ れて も 、 超 党派 の 結集 を 実現 し 、 巧妙に 生き残り を 図る に は 、 この 方法 しか なかった 。 しかし 、 民主 新党 クラブ の 海江田 万里 氏 ら は 会派 結成 の 前提 と して 山花 氏 ら に 離党 を 強く 迫った 。 海江田 氏 に は 山花 氏 が 社会 党籍 に こだわり 、 新 会派 を 結成 して も 、 本当に 離党 する の か どう か 不明 と 映った から だ 。 もし 、 民主 新党 クラブ の 衆院 議員 三 人 が 会派 参加 を 拒む と 、 新 会派 は 衆院 で 十九 人 に とどまって 、 さきがけ を 下回り 、 第 三 極 の 主導 権 は 握れ なく なる 。 この ため 、 山花 氏 は 海江田 氏 に 十九 日 まで の 離党 を 約束 せ ざる を 得 なく なった 。 一方 、 村山 富市 首相 は 十六 日 、 武村 正義 さきがけ 代表 と 両党 の 連携 強化 を 確認 、 山花 氏 が 独自の 新党 結成 を 急ぐ 「 大義 名分 」 を なくす 動き を 強めた 。 このまま 山花 氏 ら の 新 会派 構想 が しりすぼまりに なれば 、 「 新党 結成 」 を 主張 し 続けた 山花 氏 は 政治 生命 が 絶た れる ため 、 社会党 参加 議員 の 離党 届 を 集め 、 新党 に かける 決意 の 固 さ を 党内 外 に 示す こと に なった 。 新進党 の 小沢 一郎 幹事 長 は 十五 日 午前 、 当地 で 開か れた 「 アジア ・ 太平洋 指導 者 円卓 会議 」 で 基調 報告 。 昨年 の 新進党 結成 の 背景 や 目的 など を 説明 した 。 小沢 氏 は 新進党 に ついて 、 その 性格 を 「 生活 者 に 重き を 置き 、 都市 に 住む 人 の 気持ち を しっかり つかんだ 政党 だ 」 と 解説 。 都市 部 有権者 を 主な 支持 基盤 に し たい と の 狙い を 語った 。 また 、 新進党 の 結成 に は 「 日本 社会 の 変革 の 流れ 」 が 根底 に ある と 指摘 。 「 政権 担当 能力 の ある 政党 は 自民党 だけ だった が 、 新進党 は その 能力 が ある 。 選挙 制度 が 変わる ので あいまい さ は 許さ れ ず 、 二 つ の 大きな 流れ に なる と 思う 」 と 述べ 、 小 選挙 区 選挙 導入 も あり 日本 の 政治 体制 が 二 大 政党 制 に 向かう 条件 が 整った と の 見方 を 述べた 。 「 自 社 連立 政権 は こうした 脱皮 が でき ない 」 と 力説 する と ともに 与野党 間 で は 「 改革 か 現状 維持 か 、 改革 か 守旧 か が 最大 の 違い に なる 」 と 語った 。 質疑 で は 、 東 アジア 経済 会議 に 対して 「 もっと 実効 性 、 誠意 の ある 方法 が 日本 外交 に は 必要 。 政治 、 経済 的に 東 アジア だけ で ひと つ の 単位 を 形成 する よう なら 賛成 でき ない 」 と 消極 姿勢 を 示した 。 会議 に は シュルツ 元 米 国務 長官 、 エバンズ 豪 外 相 ら アジア ・ 太平洋 地域 八 カ国 の 政治 指導 者 が 出席 した 。 シャリカシュビリ 米 統合 参謀 本部 議長 が 16 日 夜 、 米 空軍 横田 基地 に 到着 した 。 同 議長 は 17 日 に 河野 洋平 副 総理 ・ 外 相 、 玉沢 徳一郎 防衛 庁 長官 、 西元 徹也 統合 幕僚 会議 議長 ら と 会談 。 日 米 安保 体制 や 国連 平和 維持 活動 で の 連携 強化 など に ついて 意見 交換 する 。 アジア ・ 太平洋 地域 の 平和 ・ 安定 に 向けた 両 国 の 協力 態勢 の あり 方 の ほか 、 米 側 が 要望 して いる 物品 ・ 役務 相互 融通 協定 の 締結 問題 、 自衛 隊 の PKO 派遣 に 対する 米軍 の 輸送 協力 態勢 など が 話題 に なる と み られる 。 米 統合 参謀 本部 議長 の 来 日 は 1991 年 11 月 の パウエル 議長 以来 。 自民党 の 森 喜朗 幹事 長 は 十六 日 、 山形 県 村山 市 内 で 講演 し 、 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら に よる 民主 リベラル 新党 結成 の 動き に ついて 「 第 三 極 の 柱 に しよう と いう 考え は 、 私 も 正しい と 思う し 声援 も し たい 」 と 理解 を 示し ながら も 、 「 タイミング が 問題 だ 。 国民 は 政局 の 安定 を 望んで おり 、 何より も 次期 国会 で 予算 案 を 通さ ねば なら ない 」 と 強調 、 「 この 時期 に 急いで 新党 を 作る 必要 は ない 」 と 批判 した 。 参院 の 民主 改革 連合 は 十六 日 夕 の 議員 総会 で 、 粟森 喬 氏 が 同 会派 を 離脱 し 、 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら と 新 会派 「 民主 連合 ・ 民主 新党 クラブ 」 を 結成 する こと を 了承 した 。 ただ 、 粟森 氏 は 政党 と して の 民 改 連 に は 引き続き とどまる 。 粟森 氏 は 「 新党 が できた 時 は 、 民 改 連 と して 参加 して ほしい 」 と 呼び掛けた が 、 参加 者 から は 慎重な 意見 も 出さ れた 。 日本 と 東南 アジア 諸国 連合 六 カ国 が 、 経済 協力 や 政治 ・ 安全 保障 問題 に ついて 話し合う 日本 ・ ASEAN フォーラム が 十八 、 十九 の 両日 、 バンコク で 各国 の 外務 次官 級 代表 が 出席 して 開か れる 。 今年 は 十一 月 に 大阪 で アジア ・ 太平洋 経済 協力 会議 非公式 首脳 会議 が 予定 さ れ 、 ASEAN 内 の 安保 論議 も 活発に なって いる ため 、 各国 は この 政策 対話 を 重視 して いる 。 経済 問題 で は APEC の ほか 、 ASEAN が 二〇〇三 年 まで に 域 内 関税 の 撤廃 を 目指す 自由 貿易 地域 、 世界 貿易 機関 発足 後 の 協力 態勢 、 日 米 経済 摩擦 など が 議題 。 安全 保障 問題 で は 今年 七 月 、 ブルネイ で 開催 さ れる ASEAN 地域 フォーラム の 議題 に ついて 意見 が 交換 さ れる 。 貿易 自由 化 の 原則 や 範囲 に ついて 、 さまざまな 意見 が 噴出 して おり 、 「 ASEAN 側 の 最大 公約数 を つかみ取る こと が 狙い 」 と さ れて いる 。 第 二 次 大戦 中 に 旧 日本 軍 の 捕虜 と なった 米 、 英 、 ニュージーランド および オーストラリア 人 計 約 二万 人 の 代表 が 今月 末 、 日本 政府 を 相手取り 、 東京 地裁 に 一 人 当たり 二百万 円 以上 の 損害 賠償 請求 訴訟 を 起こす こと に ついて 、 オーストラリア の シアッカ 国防 相 代行 は 十六 日 、 同国 政府 は この 訴訟 を 支援 でき ない と の 見解 を 示した 。 同 代行 は 国営 オーストラリア 放送 委員 会 に 対し 、 政府 は 一九五一 年 の サンフランシスコ 条約 に 束縛 さ れて おり 、 関与 する こと は でき ない と 言明 した 。 法隆寺 に 代表 さ れる 日本 古来 の 木造 建築 の 良 さ を 生かし ながら 、 集成材 と ガラス を 組み合わせて 強度 と 耐火 性 を 高めた 「 ウッディ ・ オフィス 」 建設 構想 を 、 ゼネコン 大手 の 大林 組 が この ほど まとめた 。 オフィス ・ オートメーション 機器 の 配線 類 を 木造 の 二 重 床下 に 収納 する など 機能 的に は 鉄筋コンクリート の 超高層ビル に 劣ら ず 木 の 材質 感 が 心理 面 に 与える 優し さ が 特徴 と いう 。 構想 で は 、 立地 場所 を 水辺 に 設定 、 幅 四三・二 メートル 、 長 さ 二五〇 ― 三八〇 メートル の 六 階建て オフィス 六 棟 を 、 桟橋 状 に 水面 に 突き出す 形 で 建設 する 。 柱 は 、 間伐 材 を 材料 に した 集成材 を 組み合わせ 、 接合 部 は 、 鋼 棒 や ボルト 、 樹脂 で 補強 する 。 欧州 の オフィス 建築 の 新 潮流 である 個室 中心 の 様式 を 採用 。 五・四 メートル × 五・四 メートル の 個室 を 基本 単位 に 、 共用 スペース など と の 間 を 透明の 強化ガラス で 仕切る 。 ほか に 散歩 用 の デッキ など も 設け 、 「 うるおい 」 を 重視 した 設計 に なって いる 。 木造 と いう と 耐久 性 が 疑問 視 さ れ がちだ が 、 最近 の 集成材 は かなり の 強度 を 持って いる 。 また 、 波 に 洗わ れる 基礎 部分 は 、 京都 の 清水寺 の 舞台 に 似た 構造 に し 、 水中 部分 の 耐水 性 も 確保 する と いう 。 防火 対策 で は 、 木材 中心 の 内装 材 に する こと で 、 有毒 ガス の 発生 を 防ぐ 一方 、 表面 に できる 炭化 層 の ため に 火 の 回り が 遅く なる 、 断面 の 大きな 木材 を 防火 扉 に 採用 する 。 問題 は 、 ある 程度 の 水準 以上 の 木材 を 大量に 確保 し なければ なら ない こと 。 宮 大工 の ような 腕 の 良い 建設 担当 者 も 大勢 集め なければ なら ない 。 大林 組 は 建設 費 を 明らかに して い ない が 、 現状 の 供給 、 流通 システム の 下 で は 、 コスト が 最大 の 難関 と いえ そうだ 。 特殊な 建築 材料 や 構造 に ついて は 、 建築 基準 法 三八 条 で 、 建設 相 が 強度 など に ついて 問題 ない と 認定 すれば 使用 、 採用 できる こと に なって いる 。 木造 建築 見直し ブーム で 、 鹿島 が 大型の 木造 ドーム を 設計 したり 、 木造 の ジェットコースター が 登場 したり して いる 。 政党 交付 金 は 党 の 前年 収入 額 から 借入 金 など を 除いた 額 の 三 分 の 二 を 上限 に 毎年 一 月 一 日 を 基準 日 と して 算出 さ れる 。 七 月 に 二 分 の 一 、 十 月 に 残額 の 二 分 の 一 、 十二 月 に 残額 を 交付 する 。 衆院 総 選挙 か 参院 通常 選挙 が 行わ れた 場合 、 選挙 基準 日 まで の 月 を 月割り 額 で 交付 し 、 それ 以降 は 新たに 計算 し 直して 月割り 額 で 交付 する 。 今年 は 七 月 の 参院 選挙 まで に 衆院 総 選挙 が なければ 一 月 一 日 時点 で の 議員 数 など を 基 に 決め 、 十 月 、 十二 月 の 交付 額 は 参院 選 結果 を 加味 して 再 算定 。 年 内 に 衆院 選 が あれば 勝敗 が 交付 額 に 跳ね返って くる 。 実際 に 政党 が 交付 金 を 受け取る ため に は 、 政党 助成 法 と 同時に 施行 さ れた 政党法 人格 付与 法 に 基づき 七 月 の 第 一 回 分 の 交付 金 請求 時 まで に 法人 登記 する こと が 義務付け られた 。 これ まで 政党 は 「 権利 能力 なき 社団 」 と いわ れ 法律 上 、 権利 ・ 義務 の 帰属 主体 と して 位置付け さ れて おら ず 、 町内会 や 同窓 会 と 同じで 土地 や 建物 の 登記 が 出来 ない など 責任 が 不 明確だった 。 それ が 今回 の 改正 で 法人 格 を 備える こと を 義務付け 、 権利 関係 を はっきり さ せた 。 国会 議員 五 人 以上 など の 政党 要件 を 満たす 政党 が 新たに 誕生 した 場合 、 国政 選挙 時 に 届け出 を すれば 助成 を 受け られる 。 例えば 七 月 の 参院 選挙 前 に 既成 政党 に 所属 し ない 国会 議員 を 集めて 「 新党 」 を 結成 した 場合 、 参院 選挙 結果 を 受けた 議員 数 や 得票 率 に 応じて 交付 金 を 受け取れる 。 今回 の 回収 型 宇宙 実験 衛星 の 失敗 で 、 日本 の 人工 衛星 打ち上げ は 昨年 八 月 の 宇宙 開発 事業 団 の 技術 試験 衛星 「 きく 6 号 」 に 続く 黒星 と なった 。 ロケット の 機種 や 打ち上げ 主体 が 違う ため 同列 に は 論じ られ ない が 、 信頼 性 を 売り物 に して きた 日本 の 宇宙 関連 技術 へ の 打撃 は 少なく ない 。 日本 の 衛星 打ち上げ は 、 科学 衛星 を 担当 する 文部 省 宇宙 科学 研究 所 と 気象 衛星 など 実用 衛星 を 担当 する 宇宙 開発 事業 団 の 二本立て 。 宇宙 研 の 主力 ロケット が 今回 の M 3 S 2 で 、 宇宙 開発 事業 団 は 「 きく 6 号 」 を 打ち上げた H 2 ロケット だ 。 M 3 S 2 は 一九八五 年 一 月 に ハレーすい星 探査 機 「 さきがけ 」 を 打ち上げて 以来 、 七 回 の 打ち上げ に 成功 した 自慢 の ロケット 。 固体 燃料 を 使い 今回 が 最後 の 打ち上げ で 、 次 から は 打ち上げ 能力 を アップ した M 5 ロケット に 交代 する 。 一方 、 H 2 は 液体 燃料 を 使う 新型 ロケット で 、 打ち上げ は まだ 二 回 。 斎藤 成文 ・ 東大 名誉 教授 は 「 失敗 が 続いた と いって も 、 ロケット が 違う から 関連 は ない 」 と 分析 する 。 しかし 、 事業 団 が 小型 衛星 打ち上げ 用 に 開発 中 の J 1 ロケット が 、 今回 トラブル を 起こした M 3 S 2 の 二 ― 三 段 目 を 使う こと に なって おり 、 何らか の 影響 は 避け られ そうに ない 。 さらに 、 今回 は 宇宙 開発 分野 で 初 の 日 独 共同 プロジェクト だった 。 両 国 の 取り決め に より 、 ドイツ は 日本 に 損害 賠償 は 請求 でき ない 。 しかし 、 失敗 の 責任 は 免れ ない 。 斎藤 名誉 教授 は 「 相手 国 の 気持ち を 考えれば 、 残念で 申し訳ない 。 徹底 した 原因 追及 を して ほしい 」 と 話して いる 。 今年 も 受験 シーズン が やってきた 。 我が家 で は 、 一九九〇 年 の 長男 の 高校 受験 に 始まり 、 今春 は 長女 の 大学 受験 と 六 年間 続いて いる 。 長男 の 時 は 、 都立 高校 を 第 一 志望 と して いた もの の 、 難関 と 思わ れて いた 私立 高 に 合格 。 結局 、 本人 の 希望 で そちら に 進学 した 。 都立 へ 行って も 塾 へ 通えば かえって 教育 費 が かかる から と 思った もの の 、 下 の 二 人 の 子供 も 私立 高校 に 進み 、 教育 費 は 年々 かさむ 一方 である 。 長女 の 受験 校 は 二 、 三 校 に 絞って と 相談 して いたら 、 担任 の 先生 から は 十 校 ぐらい が 普通 と いわ れた と の こと 。 せめて 教育 だけ は と 思って も 、 限ら れた 収入 の 中 で やりくり する の は 至難の 業 。 高 すぎる 教育 費 に ため息 を ついて いたら 、 ある 朝 の テレビ で は 「 某 野球 選手 が たった 五百万 円 アップ で サイン 」 と 。 不況 で ベース アップ も ままならない 身 に とって 、 つくづく うらやましい と 思った 。 在職 十四 年 目 の フランソワ ・ ミッテラン 氏 の 後継 者 を 選ぶ フランス 大統領 選挙 が 今春 、 実施 さ れる 。 仏 の 政党 、 有権者 が 目 の 色 を 変え 、 「 七 年 に 一 度 の 仏 政治 の 総 決算 」 と 表現 して も 、 日本 人 に は ピンと こない かも しれ ない 。 だが 、 ポスト 「 五五 年 体制 」 の 未 体験 ゾーン を 航行 中 の 日本 に とって 、 参考 に なる 点 が 多い ように 思える 。 「 英国 、 ドイツ の 大学 院生 の レベル は 数 歩 進んで いる 。 仏 は 過去 の 科学 王国 の 上 に あぐら を かき 過ぎて きた 」 隣国 から の 電子 科 院生 仲間 の 研究 の 進み 具合 に パリ 大学 工学部 博士 課程 の ベルナール ・ スラー さん は 頭 を 抱える 。 一九九三 年 一 月 の 欧州 共同 体 の 市場 統合 を きっかけ に 加盟 各国 内 で は 研究 者 、 院生 の 交流 は もとより 、 医師 、 薬剤 師 、 建築 士 など 一定 の 免許 取得 者 の 交流 が 盛んに なって いる 。 「 ミッテラン 氏 が 大統領 に なった 八一 年 以来 、 象牙 の 塔 の 民主 化 の 掛け声 の 下 、 研究 施設 は なおざり の まま で 学位 が 乱発 さ れて きた 。 このまま で は 基礎 、 応用 研究 と も 他の 欧州 諸国 に 引き離さ れる 一方 だ 。 人道 援助 、 民族 紛争 の 調停 も 結構だ が 、 今度 の 選挙 で は “ フランス の 活性 ” を 唱える 保守 に 入れる 」 一方 、 アラブ 系 、 黒人 の 多い パリ 十一 区 は 住民 の 三 分 の 一 近く が 失業 中 だ 。 昼間 から 酒 臭い 息 の 男 たち が 薄暗い カフェー の 片隅 の ゲーム 機 に むらがる 。 現在 の バラデュール 内閣 は 、 九三 年 春 の 総 選挙 で の 保守 、 中道 の 大勝 を 受けて 発足 した 。 内閣 は 九五 年 に 本格 的な 景気 回復 が 始まり 、 国 内 総 生産 の 伸び を 三・一 % と 予測 して いる 。 この 掛け声 に も かかわら ず 、 失業 率 は 過去 最高 の 一二・六 % で 高 止まり し 、 中流 層 の 上 、 下 へ の 分解 が 急 進展 して いる 。 「 東側 陣営 が 崩壊 した と いう のに 、 やれ 、 核 兵器 の 更新 だ 、 他国 と の 共同 防衛 だ 、 と 軍事 予算 は 減らさ ず に 据え置か れた まま 。 軍需 産業 は 保守 と の 結び付き が 強い から だ 。 保守 と 結び付き の 弱い 産業 は ほったらかし だ 。 革新 の 大統領 に 社会 正義 を 後押し して もらわ ない と 」 カフェー は 男 たち の 不満の 合唱 に なった 。 昨年 十二 月 、 ルモンド 紙 の 世論 調査 で 十一 年 前 に 比べ 、 二七 ポイント も 多い 六三 % が 仏 社会 の 両極 分化 の 加速 化 を 指摘 して いる 。 月収 二千五百 フラン 以下 の 低 所得 層 が 五百万 人 に も 膨れ上がって いる 。 ホームレス は 四十万 人 と も 、 その 倍 と も いわ れて いる 。 かつて 、 仏 の 人口 統計 専門 家 、 エマニュエル ・ トッド 氏 は 著書 「 新 ヨーロッパ 大全 」 で 仏 の 有権者 を 宗教 、 地域 、 家族 形態 など で 分類 、 投票 結果 の 予想 に 驚く ほど の 威力 を 発揮 した 。 しかし 今回 、 大統領 選 で この 分析 が 役立つ か どう か 、 疑問 視 さ れて いる 。 なぜなら 、 昨年 六 月 の 欧州 議会 議員 選挙 で 従来 の 既成 政党 の 枠 に とらわれ ない 保守 「 もう 一 つ の 欧州 」 、 革新 「 急進 的 エネルギー 」 の 二 つ が 合わせて 二五 % も の 支持 を 獲得 した から である 。 保守 も 革新 も 既成 政党 が “ 金属 疲労 ” に あえぎ 、 相次いで 汚職 の 疑惑 を 突き付け られて いる 。 そんな 中 で 、 四十 代 の 若手 の 党首 が フットワーク よく 有権者 の 願い を 吸い上げて いる の が 、 二 つ の 新 政党 の 特徴 だ 。 その後 の 世論 調査 でも 、 極右 と 並び 、 一〇 % 以上 の 支持 を 集めて 、 今回 の 大統領 選 でも 台風 の 目 に なる の は 確実だ 。 「 官僚 機構 も 政党 も 肥大 し 過ぎた 。 大統領 に とって 重厚な 政治 哲学 も 大切だ が 、 正しい と 判断 すれば 、 すぐに 実行 に 移す 行動 力 が 一 番 求め られて いる 」 。 「 もう 一 つ の 欧州 」 の 支持 者 の 一 人 である 高校 教員 の 指摘 だ 。 社会 の 二 極 分化 の 顕在 化 の 中 で 有権者 は 大統領 と の 間 で 直接 的で 迅速な やりとり を 希望 し 始めて いる 。 フランス の 大統領 は ドゴール 大統領 の 提唱 に より 、 六二 年 の 国民 投票 で 選挙人 団 に よる 間接 選挙 から 有権者 の 直接 選挙 へ と 変わった 。 核 の ボタン を 持ち 、 理由 を 示す 必要 なく 国会 を 解散 し 、 国会 の 制定 した 法律 を 国会 へ 差し戻して 再 審議 を 要求 できる など 、 フランス 大統領 の 権限 は 先進 主要 国 中 で 最大 だ 。 これ まで の 十四 年 弱 の 大統領 任期 中 、 八六 ― 八八 年 と 現在 の 二 回 、 大統領 = 革新 、 内閣 = 保守 ・ 中道 の 共 住 政権 が できて いる 。 議院 内閣 制 と 大統領 制 と 基本 制度 は 異なる もの の 、 現在 の 日本 の 首相 = 社会党 、 内閣 主体 = 自民党 と 似た 構図 を 仏 国民 は 目下 、 再 経験 中 と も いえる 。 仏 社会党 は 既に 、 核 抑止 論 を 受け入れ 、 企業 の 国有 化 に 固執 し ない 。 ミッテラン 氏 は 十四 年 前 、 大量 生産 、 大量 消費 の 工業 化 社会 の 行き詰まり の アンチテーゼ と して 登場 し 、 さらに 環境 、 反 原発 勢力 を も 糾合 した 。 今回 の 仏 大統領 選 は 、 整理 して みる と 、 欧州 連合 内 で の 将来 の 仏 の 姿 、 失業 、 移民 問題 を 縦軸 に 、 国 内 産業 の 強化 、 ほの見える 米国 一 極 支配 体制 に どう 対処 して いく か 、 など が 主要 争点 と して 絡まる 。 世界 的に 、 総 内 向き 思考 が 支配 的に なる 中 で 昨年 秋 の 米国 中間 選挙 で 示さ れた ように 、 国 内 景気 に 争点 の 重心 が 傾いて いる の は 仏 でも 確かだ 。 「 二 世紀 前 の 仏 革命 で その後 の 世界 の 手本 と なる ような 国 と 個人 の 姿 の 理想 を 追求 し 、 ミッテラン 大統領 も ソ連 ・ 東欧 の 軟 着陸 と いう 歴史 的 作業 に 一役 買った 。 しかし 、 今回 は 手堅い 手腕 で 小さな 幸せ を もたらす ような 大統領 が 選ば れる だろう 。 なぜなら 、 有権者 が 大きな 話 を 望ま なく なった から だ 」 。 シュフェール ・ フィガロ 紙 論説 委員 の 指摘 である 。 順調に いけば 五 月 七 日 に 答え が 出る 。 久しぶりに 映画 「 男 は つらい よ 」 「 釣り バカ 日誌 」 の 最 新作 を 見て 、 共通 した ある メッセージ に 気 が ついた 。 今 、 離婚 の こと を 「 バツ 」 と いい 、 「 バツ 一 」 と か 「 バツ 二 」 と か 、 あたかも 離婚 が トレンディー と いわ ん ばかりの 風潮 だ 。 テレビ 番組 でも 、 離婚 歴 の ある 女優 が 面白おかしく その 体験 を 語ったり する 。 そりゃ 、 芸能 人 の 場合 、 それ を 肥やし に して 芸 の 魅力 を 増す こと も ある だろう が 、 私 たち 庶民 に は 犠牲 が 大き すぎる 。 その 第 一 は 、 二 人 の 間 に できた 子供 だ 。 「 男 は つらい よ 」 で は 、 忙し すぎる 夫 に 愛 を 感じ なく なった 写真 家 の 妻 。 「 釣り バカ 日誌 」 で は 、 夫 の 一 度 の 浮気 が 許せ なくて 別れた 妻 。 この 二 人 が 気 を 取り 直して 再び 夫 と 子供 の ところ に 帰る 。 離婚 を 悪く 言う わけで は ない が 、 最近 は やや 行き過ぎ と 気づか さ れた 、 いい 映画 だった 。 日曜日 の 昼時 は 、 特に 好きな 番組 も ない こと から 、 テレビ は NHK の のど 自慢 で 過ごして いる が 、 この ところ 外国 人 の 出演 者 が 目立つ ように なった 。 八 日 に も 米国 人 と 日 系 ブラジル 人 三 世 の 出演 が あった 。 感心 した の は 、 「 合格 」 し なかった 米国 人 である 。 この 米国 人 は 、 我が国 の 演歌 が たまらない ほど 好きだ と いう 。 司会 者 が その 理由 を 質問 した ところ 「 演歌 に は 心 が ある が 、 ポップス に は その 心 が ない から …… 」 と 答えた のである 。 この 言葉 を 聞いた 私 は 、 思わず 胸 の 熱く なる の を 覚えた 。 ポップス に 心 が ある か ない か は 分から ない が 、 確かに 、 演歌 に は 心 と 密着 した ところ が 十分に ある と 思う 。 私 も 演歌 は 大好きだ 。 だが 、 その 演歌 も この ところ ポップス に 押さ れ 気味だ 。 先日 の 民放 で 、 力士 の 部屋 別 対抗 歌合 戦 が あった が 、 演歌 は 、 最後 まで 一 曲 も 歌わ れ ず 終わって しまった 。 実に 残念だった 。 デパート の 一万 円 の 福袋 の 中身 が テレビ の 報道 特集 で 公開 さ れた 。 ブラウス や ハンドバッグ など 一 袋 に 十 点 ほど の もの が いろいろ 入って いる 。 サイズ や 趣味 など が 合う のだろう か 。 雨 の 降る 早朝 から 寒い 中 に 立って 開店 を 待つ 人 たち 、 寝袋 に 入って 徹夜 する 人 も いる の に は あきれ返る 。 開店 に なれば 押すな押すなの 長い 列 。 売れ残って 倉庫 に 眠って いる 品 を 福袋 に 詰め込んで 売る 方 も 売る 方 なら 買う 方 も 買う 方 。 自主 性 が ある と は 思え ない 。 お 正月 の 年中 行事 で 、 福袋 を 買わ ない と お 正月 の 気 が し ない の かも しれ ない が 、 見て いる と 情けない 風景 である 。 時間 と 労力 の 無駄 は いう に 及ば ず 、 お 正月 早々 不 用品 の 山 が できる ので は ない だろう か 。 一万 円 で 自分 の 欲しい もの を 一 つ 買う 方 が 合理 的で は ない か と 思う 。 「 そんな 夢 の ない こと で どう する 」 と しから れる かも しれ ない が 、 夢 は もっと すてきな ところ で 持ち たい 。 今年 こそ 消費 者 は 賢く なって 、 ごみ を 少なく し なければ と 思う 。 先日 来 、 いじめ が 大きな 社会 問題 と なって いる が 、 私 は 基本 的に は 子供 の 話 を よく 「 聞く 」 環境 が 整って い ない こと に いじめ の 起きる 大きな 原因 が ある ので は ない か と 思う 。 不 登校 児童 の 問題 も 、 いじめ の 問題 も 、 「 聞いて もらえる 」 と いう 受容 の 経験 不足 から くる もの が 多い ように 思わ れて なら ない 。 アメリカ で は 、 「 聞き 方 の 理論 」 が 成り立って いる くらい 「 聞く こと 」 が 重要 視 さ れて いる のに 、 我が国 で は 、 戦後 「 話す こと 」 に 力点 が 置か れ すぎ 、 相手 の 話 を 忍耐強く 聞く 力 が 国民 に ついて い ない の が 実情 である 。 その ため 、 今ごろ の 親 も 教師 も 聞き 方 が 分から ない し 、 また 、 聞こう と する 姿勢 を 保つ こと が 苦手の ように 思える 。 子供 が 幼い とき から 、 親 や 教師 が 忍耐強く その 話 を 「 聞く 」 環境 づくり に 努力 して いけば 、 子供 と の 間 に 共感 的 人間 関係 が でき 、 不 登校 や いじめ も 早く 発見 さ れ 、 適切な 対応 が できる ので は ない か と 思う 。 先日 、 寒風 を 避けて 、 建物 の 陰 や 地下 通路 で 生活 する 人 たち が テレビ で 映し出さ れ 、 胸 が 痛んだ 。 バブル 崩壊 後 は その 数 を 増し 、 特に 高齢 者 が 目立つ 。 大阪 で インタビュー に 応えて いた 人 は 「 高齢 者 は 高所 で の 作業 は 危なく 、 重 労働 も 無理 」 と 雇って もらえ ず 、 行政 側 が 用意 した 軽 作業 は 希望 者 殺到 で ありつけ ず 、 それ も 二 月 で 打ち切り と いう 。 また 、 東京 の 地下 の 段ボール ハウス の 住人 は リストラ で 失職 した 中年 男性 。 段ボール の 囲い の 中 に は テーブル や いす 、 書籍 も 並ぶ 。 「 全部 、 ただ で 拾って きた もの ばかり 」 と 意外に 明るい 表情 に 救わ れた 思い だ が 、 これ から 寒 さ は 厳しく なる 。 この 人 たち の 健康 を 案じて 声 を かける の は ボランティア の 人 たち である 。 ホームレス は 外国 の 話 で は なく 、 経済 大国 日本 に 存在 して いる 。 政治 は どう あろう と 弱者 の 存在 を 忘れて は いけない 。 今年 が 希望 の 見える 年 である ように 願う 。 目前 に 迫って いる 二十一 世紀 、 日本 で は 、 世界 で は 、 どんな こと が 最大 問題 に なる の か 。 本紙 が 実施 した 「 戦後 五十 年 」 全国 調査 に よる と 、 国 内 で は 「 高齢 化 社会 」 が 五七 % で 一 位 。 二 位 以下 の 「 資源 ・ エネルギー 」 など は 一 ケタ 台 で 、 いかに 高齢 化 問題 に 関心 が 集中 して いる か を うかがわ せて いる 。 長寿 国 ・ 日本 。 だが 、 手放し で は 喜べ ない 。 海外 諸国 でも 例 を 見 ない 短 年間 で の 急速な 高齢 化 。 二 、 三十 年 後 に は 六十五 歳 以上 が 四 人 に 一 人 の 割合 に 達する と 推測 さ れ 、 大きな 不安 を 投げかけて いる 。 世界 で は 、 ますます 深刻 さ を 加えて いる 「 環境 」 が 、 二一 % で トップ 。 次いで 「 高齢 化 社会 」 「 資源 ・ エネルギー 」 の 順 。 来 世紀 、 最大 問題 と 予想 さ れる 日本 の 「 高齢 化 社会 」 と 、 世界 の 「 環境 」 。 いずれ も 、 もはや 猶予 は 許さ れ ない 状況 下 に ある 。 調査 結果 は 、 国 を 挙げて 世界 を 挙げて 全力 投球 で 取り組め と 叫んで いる と いって も よい だろう 。 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 ら は 当初 、 通常 国会 前 の 新党 結成 を 目指し 「 民主 リベラル 新党 準備 会 」 を 発足 さ せた が 、 通常 国会 に は 、 新 会派 で 臨む こと に なった 。 それにしても 、 山花 氏 は なぜ こう も 短兵 急に 事 を 運ぼう と して いる のだろう か 。 表向き は 「 村山 政権 を 支えて いく 」 と 言明 して いる もの の 、 新進党 と の 選挙 協力 話 が 出る など 、 行動 は 不可解である 。 やはり 、 自 社 さ 連立 を めぐって の 党 内 で の 感情 的 しこり を はじめ 、 社 党 の お家 事情 の 内紛 の 表面 化 であろう か 。 とはいえ 「 党利 党略 」 と いう より 「 個 利 個 略 」 で 、 個人 の 利害 が 正面 から ぶつかり合って いる 感じ が あり 、 政界 の 動揺 は 当分 続き そうだ 。 しかし 、 われわれ 国民 の 側から いって 、 年初 から 株式 市場 も 連続 して 値下がり する など 景気 の 明る さ が 今一つ の 現在 に あって 、 いたずらに 政局 の 不安定 要因 を 誘発 さ せる こと だけ は 、 厳に 慎んで もらい たい 。 以前 から 一部 の 週刊 誌 、 日刊 紙 の 性 表現 に 不快 を 感じて い ました 。 ある 週刊 誌 に 「 ヘアヌード 断 筆 宣言 」 が 出て い ました 。 期待 に 胸 を ふくらま せて 読み ました が 、 「 ヘアヌード 」 と いう 言葉 は 使わ ない が 、 ヘアヌード は 掲載 続行 と いう 内容 で 、 大変 残念に 思い ました 。 女性 の 多く は 、 エスカレート し 続ける 性 表現 に 心 が 深く 傷ついて い ます 。 モデル は 女性 で は ない か 、 と 反論 さ れる かも しれ ませ ん が 、 良識 の ある 女性 は ヘアヌード は やめて もらい たい と 思って い ます 。 しゅう恥心 が なくなる と 、 人間 は 動物 化 する と いわ れて い ます が 、 ソドム と ゴモラ の ような 世界 で は 、 健全に 子供 を 育てて いく こと は でき ませ ん 。 男性 も 、 自分 の 愛娘 が 色情 に 満ちた 世の中 に 染まって いく こと を 決して 望ま ない はずです 。 良識 ある 新聞 社 が 批判 を 出さ れて いる 中 、 今回 の 週刊 誌 の 断 筆 宣言 は 、 言葉 の ごまかし である と 思い ました 。 京都 で は 平安 建都 千二百 年 を 記念 して 立派な 庭園 を 造った 。 そして さらに 、 記念 プロジェクト と して 和風 迎賓館 の 建設 が 予定 さ れ 、 一九九五 年度 の 国 の 予算 に 基本 計画 策定 費 一億数千万 円 が 認め られた そうである 。 完成 は 二〇〇〇 年 前後 と の こと だ が 、 外国 人 VIP が 対象 の 迎賓館 建設 に 驚く ほど の 巨費 を 投じる 必要 が ある の か 、 と 疑問 に 思う 。 管理 運営 母体 が 国 と は いえ 、 維持 費 や 人件 費 など 諸々 の 経費 増 も 見逃せ ない だろう 。 東京 ・ 赤坂 の 迎賓館 の 年間 利用 度 は わずか 三十数 日 と いう こと から すれば 、 京都 の 迎賓館 とて 例外 で は ない と 思う 。 建設 予定 地 は 、 現在 、 一般 市民 に 開放 さ れて いる グラウンド が 充て られる と の こと だ が 、 効率 の よく ない 迎賓館 より 、 市民 中心 の プロジェクト に 転換 して ほしい もの である 。 イタリア の 政界 に 華麗に デビュー した ベルルスコーニ 首相 は 昨年 暮れ 、 あっけなく 退陣 した 。 常に バレンチノ の ダーク スーツ を 着こなし 、 ヨット 、 テニス 、 そして スキー で 日焼け した 顔 に は 、 いつも ベルルスコーニ ・ スマイル を 絶やさ ず 、 これ まで の 政治 指導 者 と は 違った カッコよさ を 漂わせて いた 。 昨年 一 月 、 イタリア 国民 は 泥沼 化 した 政治 腐敗 に ほとほと うんざり して いた 。 そこ へ ベルルスコーニ 氏 が 「 クリーン 政治 」 「 イタリア の 回生 」 を 掲げて 実業 界 から 政界 入り を 表明 。 率いる 党 の 名称 も 、 自ら が オーナー で イタリア 最強 の サッカー チーム 「 AC ミラン 」 の 応援 の 掛け声 である 「 フォルツァ ・ イタリア 」 を 借用 。 政治 的 常識 を 度外 視 した 、 型破りな ベルルスコーニ 氏 の 登場 だった 。 国民 が 新鮮な 期待 を かけた の は 当然だったろう 。 昨年 暮れ 、 野党 や 与党 の 一部 から 不 信任 案 を 突きつけ られる と 「 敗北 の 屈辱 より 潔 さ を 選ぶ 」 と 辞任 。 昨年 五 月 の 政権 発足 から わずか 七 カ月 の 短命 政権 だった 。 ベルルスコーニ 首相 が 誕生 した 時 、 ある 政治 評論 家 が 「 カッコよさ だけ で 政治 が 出来たら こんな 楽な こと は ない 」 と 解説 して いた が 、 その 通り に なった 。 それ を 機 に イタリア 名物 の 「 政治 危機 」 が 再燃 。 結局 、 ベルルスコーニ 政権 で 国庫 相 を 務めて いた ディーニ 氏 が 首相 に 転身 する こと に なった が 、 閣僚 人事 を めぐって 各 政党 間 の 思惑 が 早くも 衝突 、 どのような 色合い の 政権 と なる の か 予測 が つか ない 。 イタリア の 政界 で は 何 が 起きて も 不思議で は ない から だ 。 例えば 、 ベルルスコーニ 政権 の 最大 与党 だった 「 北部 同盟 」 が 、 野党 の 「 人民党 」 と 不 信任 案 提出 で 共闘 。 「 人民党 」 と いえば 、 かつて は 「 北部 同盟 」 が 政治 攻撃 の 最大 の 対象 に して いた 「 キリスト教 民主党 」 の 後身 政党 である 。 また 年明け に は 、 旧 共産党 の 最大 野党 「 左翼 民主党 」 と 「 人民党 」 の 共闘 が ささやか れ 始めた 。 イタリア の 戦後 政治 史 は 「 キリスト教 民主党 」 と 「 共産党 」 の 対決 の 歴史 だった と いえる が 、 今度 は その 二 政党 が 手 を 結ぶ と いう のだ 。 ベルルスコーニ 氏 は 「 北部 同盟 」 が 野党 勢力 に 加担 した 時 、 同 党 の ボッシ 書記 長 を 「 政治 的 節操 の ない 裏切り者 」 と 批判 した 。 これ を 、 ある 政治 関係 者 は 「 政治 と は 本来 こういう もの 」 と 突き放し 、 ベルルスコーニ 氏 の 批判 を 笑った 。 イタリア は マキャベリ を 生んだ 国 である 。 裏切り 、 ひょう変 、 中傷 など は むしろ 政治 の テクニック であり 、 悪い の は それ を 仕掛けた 方 で は なく 、 仕掛け られた 方 である と いった 風土 すら ある 。 まさに その テクニック の 展開 の 仕方 は 「 芸術 的 」 と いって いい 。 時に は 華麗 かつまた 不 整合 、 不合理であり 、 それでいて その 政治 ドラマ を 見る 「 観客 」 を 飽き させ ない 。 まさに イタリア が 生んだ バロック の 精神 文化 そのもの で は ない か 。 ベルルスコーニ 氏 は 自ら が あまりに も バロック 的であり 過ぎた が 故 に 、 バロック の 持つ 「 落とし穴 」 に 気付か なかった の かも しれ ない 。 時代 精神 と して の バロック は 華麗で 、 技巧 に 走り 過ぎ 、 その くど さ から 次第に 活力 を 失った 。 しかし 、 バロック に 彩ら れた イタリア の 「 政治 危機 」 は むしろ 、 新しい 時代 の 政治 潮流 を 模索 する 実験 的 試み の 始まり と 位置づけ たい 。 中国 の 対 米 輸出 が 急増 して いる 。 昨年 の 対 米 貿易 黒字 は 前年 比 27.7 % 増 、 過去 最高 の 290億 ドル に 達する 勢い だ 。 衣服 、 靴 、 おもちゃ など の 従来 の 品目 に 加えて 、 最近 で は 機械 、 自動車 部品 や 電化 製品 、 パソコン など の 高 付加 価値 製品 の 輸出 が 急激に 伸びて いる こと が 主な 原因 だ 。 この ほか 、 米国 の 好 景気 で 、 比較的 良質で 安価な 中国 製品 の 需要 が 米国 で 高まって いる こと も 背景 に ある 。 大手 小売り チェーン の ウォルマート は 、 昨年 1 年 で 10億 ドル 相当 の 商品 を 中国 から 輸入 して いる 。 また 、 スポーツ用品 大手 の ナイキ が 、 自社 ブランド 製品 の 約 30 % を 中国 で 生産 して いる ように 、 米 企業 が 中国 現地 生産 の 比率 を 高めて いる こと も 輸出 増 の 原因 と なって いる ようだ 。 中国 の 対 米 黒字 は 日本 に 次いで 世界 第 2 位 。 日 米 経済 摩擦 の 陰に 隠れて いて 、 大きな 問題 と なって い なかった が 、 今年 1 月 から 米 議会 の 主導 権 を 握る 共和党 が 、 自由 貿易 主義 の 建前 から 、 中国 の 輸出 攻勢 を 問題 に し 、 中国 の 世界 貿易 機関 加盟 問題 に も 絡めて 、 市場 開放 を 迫る ように なる の は 必至だ 。 リュリコフ ・ ロシア 大統領 補佐 官 は 十六 日 、 エリツィン 大統領 が チェチェン 問題 の ため 、 今月 末 に スイス の ダボス で 開か れる 世界 経済 フォーラム 出席 を 断念 した と 発表 した 。 戦火 で 顔 が 真っ黒 の 男性 、 学校 の かばん を 提げた 児童 、 土 の 上 に へたりこむ 老婦 人 ―― 。 北 オセチア 共和 国 の モズドク に たどりついた 隣国 チェチェン 共和 国 の 首都 グロズヌイ から の 避難 民 に は 、 死 の 危険 から 逃れ られた 安ど の 表情 と ともに 、 残して きた 家族 や 親類 を 気遣う 気持ち が 交錯 して いた 。 モズドク 北西 部 に ある 中央 駅 に 十四 日 夕 、 ロシア 軍 の 大型 トラック が 三 台 到着 した 。 同日 朝 、 グロズヌイ で 避難 民 を 集めて 戻って きた トラック だ 。 各 車両 から 約 五十 人 が ぞろぞろ 降りて きた 。 チェチェン 側 の 攻撃 を 避けて 回り道 を した ため 、 大半 が 七 時間 も 立ち 詰め だった 。 家族 連れ が 多く 、 女性 や 子供 の 姿 が 目立つ 。 記者 が 避難 民 から 話 を 聞こう と する と 、 自動 小銃 を 提げた ロシア 軍兵 士 に 追い払わ れた 。 駅 構内 に は 四 両 の 列車 が 停車 、 その 中 に 避難 民 約 三百 人 が 寝泊まり して いた 。 避難 して きた もの の 、 行く あて の ない 人々 が 仮泊 して いる のだ 。 ロシア 人 の ボロマエワ さん は 病気 の 息子 と 一緒に 十一 日 、 ロシア 軍 の トラック で 避難 して きた 。 ロシア 軍 の 無差別 砲撃 で 家 を 破壊 さ れ 、 幼稚園 の 地下 に 隠れて いた が 、 脱出 できる 最後 の 機会 と 聞き 、 避難 した と いう 。 ボロマエワ さん は 「 外 へ 出れば アフガン 雇い 兵 や エストニア の 女性 狙撃 手 に 狙わ れ 、 生きた 心地 が し なかった 」 と 、 ロシア 、 チェチェン 双方 から 命 を 狙わ れて いた 恐怖 を 語る 。 「 グロズヌイ に 残して きた 身障 者 の 夫 の 安否 が 心配だ 」 と 言い ながら 、 感きわまって 泣き出した 。 四 日 正午 すぎ 、 鳴りやま ぬ 拍手 に 送ら れ 登壇 した ニュート ・ ギングリッチ 新 下院 議長 は 、 就任 式 に 臨む 大統領 の ように 顔 を 紅潮 さ せ ながら 、 何度 も 「 歴史 的な 瞬間 」 と いう 言葉 を 口 に した 。 共和党 が 最後に 議長 ポスト を 握った 時 、 まだ 十一 歳 の 少年 だった 新 議長 の 表情 に は 、 四十 年 に 及ぶ 野党 生活 の 屈辱 を 一気に 晴らす 日 が きた 、 と でも 言いたげな 色 が 浮かんで いた 。 ギングリッチ 議長 は 、 家族 が 幸せに 暮らす こと に 最大 の 価値 を 置き 、 勤勉で 自立 した 市民 に よる 米国 の 再生 を 目指して いる 。 米国 社会 を だめに した の は 、 民主党 リベラル に よる 高 福祉 ・ 高 負担 政策 だ 、 と いう 固い 信念 が ある のだ 。 だが 、 ギングリッチ 氏 の 前 半生 は 、 同氏 の 夢見る 「 古き 良き アメリカ 」 と は 裏腹に 、 家庭 的に は 波乱 続き だった 。 私生児 だった 十九 歳 の 父 と 十七 歳 の 母 の 間 に 生まれた が 、 両親 は すぐ 離婚 。 三 歳 で 母 が 再婚 する 。 自身 も 十九 歳 で 七 つ 上 の 女性 と 結婚 し 二女 を もうける が 、 下院 当選 後 間 も ない 一九八一 年 に 離婚 し 、 すぐに 今 の マリアンヌ 夫人 と 再婚 した 。 複雑な 家庭 環境 が 、 ギングリッチ 氏 に 家族 の きずな の 大切 さ を 植え付けた こと は 想像 に かたく ない 。 その 半面 、 同氏 に は 「 人間 の 歴史 に 興味 は あって も 、 人間 そのもの に は 興味 の ない 人物 」 と いう 突き放した 見方 も つきまとう 。 未婚 の 母 へ の 福祉 手当 打ち切り を 主張 し 、 子供 は 「 孤児院 に 入れば いい 」 と 言い切った こと も あった 。 こうした 「 自助 の 論理 」 は 、 同じ ように 恵まれ ない 家庭 に 育った こと が 、 逆に リベラル 主義 に 走る 要因 と なった クリントン 大統領 と は 好 対照 だ 。 ギングリッチ 議長 は かつて 、 日本 人 スタッフ を 雇おう と した こと が ある 。 日本 に 対する 関心 は 高い 、 と 議会 関係 者 は 話す 。 四 日 の 委員 会 証言 でも 「 日本 の 力 を 甘く 見る な 」 と 述べ 、 米 で 広がり つつ ある 「 日本 軽視 論 」 に クギ を 刺した 。 だが 、 日本 側 に は 親 日 家 だった フォーリー 前 議長 の 退陣 を 惜しみ 、 ギングリッチ 氏 の 登場 を 警戒 する 空気 が 強い 。 あまりに 闘争 的な 政治 手法 に 、 米国 人 で すら 五二 % が 「 ギングリッチ 氏 を 指導 者 と して 信頼 でき ない 」 と 世論 調査 に 答えて いる 。 好感 度 は 二〇 % 台 に とどまり 、 クリントン 大統領 以上 の 不 人気 ぶり だ 。 それ でも ギングリッチ 氏 が 、 政界 で 圧倒 的な リーダーシップ を 示す こと が できる の は なぜ か 。 共和党 の 有力 スタッフ は 「 揺るぎない 政治 信条 を 持ち 、 それ を エネルギッシュに 実現 しよう と する 力強 さ が 、 ほか の 政治 家 に 欠けて いる から だ 」 と 言う 。 混とんと した 時代 の 英雄 論 に 通じる もの が ある の かも しれ ない 。 ギングリッチ 議長 誕生 に 最も 困惑 して いる の は 、 次期 大統領 選 に 最後 の 政治 生命 を かける ドール 共和党 上院 院 内 総務 だ 、 と うわさ さ れて いる 。 このまま いけば 「 共和党 の 真 の リーダー は どちら か 」 と いう 論争 に 発展 し かね ない から だ 。 新 議長 の 派手な 立ち回り は 、 共和党 に とって 、 両刃 の 剣 の 危う さ を はらんで も いる 。 = つづく ロシア 軍 に よる チェチェン 進攻 が 泥沼 化 する 中 、 ジュネーブ で 十七 、 十八 の 両日 、 米 露 外 相 会談 が 開か れる 。 クリストファー 米 国務 長官 は 、 紛争 の 早期 交渉 解決 と ロシア 民主 化 の 継続 など を 条件 に 、 エリツィン 大統領 を 支援 し 続ける 政策 を 表明 する と み られ 、 今後 の 米 露 関係 へ の 影響 も 含めて 、 ロシア 側 の 対応 が 注視 さ れる 。 クリストファー 長官 は ジュネーブ へ 出発 する 前日 の 十五 日 、 チェチェン へ の 軍事 進攻 が 「 ロシア 民主 化 と 経済 ・ 政治 改革 に とって 深刻な 後退 を もたらした 」 と 指摘 。 コズイレフ 露 外 相 に 戦闘 の 即時 停止 と チェチェン 人 の 民族 感情 に 配慮 した 和解 を 実現 する よう 申し入れる 意向 を 明らかに した 。 同時に 同 長官 は 「 エリツィン 大統領 は ロシア の 権力 を 掌握 して おり 、 改革 へ 向けて 正しい 方向 に 進む かぎり 、 米国 は 同 政権 を 支持 して いく 」 と 語り 、 民主 化 の 継続 と チェチェン 紛争 解決 を 条件 に 、 対 露 経済 支援 も 進める 姿勢 を 強調 した 。 だが 、 米 議会 の 主導 権 が 対 露 強硬 派 の 多い 共和党 に 移った 一方 で 、 ロシア 国 内 でも 議会 の 民族 派 が 勢い を 増す など 、 米 露 両 国 が ともに 議会 で 難問 を 抱える 状況 に 陥って いる ため 、 ロシア が チェチェン 問題 を 何らか の 形 で 早急に 決着 を つけ ない と 、 米国 内 世論 に 対する 説得 が 難しく なる 。 両 外 相 会談 で は こうした 互い の 国 内 情勢 も 話し合い つつ 、 チェチェン 紛争 の 早期 解決 の 努力 を 通じて 、 米 露 関係 全体 を 正しい 軌道 に 戻す よう 努力 する こと に なり そうだ 。 インドネシア を 訪問 中 の クロアチア の バレンティッチ 首相 は 16 日 、 スハルト 大統領 と 会談 し 、 経済 協力 問題 や ボスニア・ヘルツェゴビナ 問題 に ついて 協議 。 同 首相 は 、 非 同盟 諸国 会議 の 議長 である スハルト 大統領 に 和平 達成 に 重要な 役割 を 果たして ほしい と の 期待 を 表明 した 。 中米 ホンジュラス の 軍 司令 官 は 15 日 、 40 年間 に わたり 管轄 して きた 警察 部隊 を 文民 の 指揮 下 に 置く と 発表 した 。 中国 で 話題 に なって いる 金持ち 家庭 の 子ども を 集めた 「 貴族 学校 」 が 、 禁止 さ れる こと に なった 。 けた外れの 授業 料 、 寄付 金 を 集めて の エリート 教育 が 、 教育 社会 に 混乱 を もたらして いる ため と いう 。 李 嵐清 副 首相 は この ほど 、 政治 協商 会議 で 演説 し 「 いわゆる 貴族 学校 を 経営 して いる 場合 、 経営 者 に 運営 の 趣旨 を 変更 さ せる よう 支援 し なければ なら ない 。 さもなくば 取り締まる べきだ 」 と 述べた 。 「 貴族 学校 」 は 、 上海 など に 続々 誕生 して いる 私立 の 小 中学校 の 一部 。 金持ち や 党 幹部 の 子弟 を 対象 に した もの で 、 授業 料 が 公立 校 の 数十 倍 、 多額の 寄付 金 も 必要 と さ れて いる 。 能力 主義 で 生徒 の 力 を 伸ばす と いう 触れ込み に 、 受験 応募 者 が 殺到 。 中国 の 新しい 表情 と して 内外 に 紹介 さ れた 。 メキシコ 南部 チアパス 州 の 先住 民 武装 組織 「 サパティスタ 民族 解放 軍 」 と メキシコ 政府 の 和平 交渉 が 十五 日 、 再開 さ れた 。 本 交渉 を 開く ため の 予備 会談 だ が 、 両者 が テーブル に 着く の は 約 十 カ月 ぶり 。 セディジョ 新 政権 の 発足 後 は 初めて に なる 。 交渉 は 、 全国 調停 委員 会 の ルイス 司教 の 仲介 で 同 州 内 で 行わ れ 、 解放 軍 側 から は 実質 的 指導 者 である マルコス 副 司令 官 、 政府 側 から は モクテスマ 内 相 が 出席 した 。 交渉 終了 後 、 内務 省 は 「 交渉 再開 は 建設 的で 実り ある もの だった 」 と の 声明 を 発表 した 。 次回 の 交渉 日時 など は 不明だ が 、 両者 は 近く 本 交渉 に 入る と み られ 、 政府 軍 と 解放 軍 が 衝突 する と いう 最悪の 事態 は 避け られた 。 しかし 、 解放 軍 側 は 選挙 に 不正 が あった と して チアパス 州 知事 の 退任 など を 要求 。 同 知事 は 辞任 の 条件 に 解放 軍 の 武装 解除 を 挙げて おり 、 和平 達成 まで に は 曲折 が 予想 さ れる 。 ビール 瓶 の ラベル や 缶 へ の アルコール 度数 の 表示 を 禁じた 連邦 法 を めぐって 、 米国 内 で 口角 “ 泡 ” を 飛ばす 論争 が 起きて いる 。 連邦 法 が 制定 さ れた の は 一九三七 年 。 コロラド 、 カリフォルニア 、 マサチューセッツ など 十 州 を 除き 、 米国 内 の ビール 製造業 者 は 禁酒 法 廃止 直後 に できた この 古色そう然と した 法律 に しばら れて きた 。 酒屋 で 確かめて みる と 、 なるほど 、 大部分 の 製品 は アルコール 度数 の 表示 なし 。 しかし 、 最近 は 米国 でも アイス ビール や ライト ビール の 新 製品 ラッシュ 。 いかに して 特徴 を PR する か 、 頭 を 悩ま す 製造業 者 が 「 度数 表示 解禁 」 を 求めて 連邦 政府 を 相手 に 訴訟 に 踏み切った のだ 。 一 、 二 審 と も 製造業 者 側 の 勝訴 。 連邦 政府 が 上告 し 、 先日 、 連邦 最高裁 で 弁論 が 開か れた 。 「 度数 表示 が ある と 、 消費 者 は 店頭 で 見比べて 、 より 強い ビール を 選ぼう と する 」 と 、 あくまで 禁止 に こだわる 連邦 政府 の 代理人 。 一方 の 業者 側 は 「 最近 は カロリー 控えめ で 口当たり の いい 低 アルコール ビール の 方 が 人気 。 消費 者 に は 重要な 情報 が 隠さ れて おり 、 連邦 政府 の 言い分 に は 根拠 が ない 」 と 激しく 応酬 。 九 人 の 最高裁 判事 の 質問 も いつ に なく 熱 を 帯びた 。 判決 は 、 この 夏 前 。 ビール が 一 番 おいしい 季節 だ 。 バチカン 政府 スポークスマン は 十六 日 、 ローマ 法王 ヨハネ ・ パウロ 二 世 が 出席 した 前日 の マニラ で の ミサ 参加 者 が 約 五百万 人 で 、 ヨハネ ・ パウロ 二 世 が 法王 に 就任 した 一九七八 年 以来 、 最大 の 人出 だった と 発表 した 。 法王 は 同日 、 次の 訪問 地 である パプアニューギニア の 首都 ポートモレスビー に 到着 した 。 ロシア 南部 チェチェン 共和 国 で 首都 グロズヌイ 制圧 を 目指す ロシア 軍 は 十六 日 、 首都 中心 部 を 死守 する ドゥダエフ 政権 部隊 と 激しい 戦闘 を 続けた 。 先月 三十一 日 、 今月 七 日 に 続き 、 三 度 目 の ロシア 側 に よる 首都 攻略 作戦 も 難航 して いる 。 グロズヌイ から の 報道 に よる と 、 大統領 官邸 周辺 の 砲撃 戦 は 十五 日 夜 から 断続 的に 続き 、 十六 日 朝 に は 新たな 火災 が 発生 。 しかし 官邸 は 依然と して チェチェン 側 の 支配 下 に ある 模様 だ 。 また 、 隣接 する 北 オセチア 共和 国 の ウラジカフカス に 十五 日 夜 、 国連 難民 高等 弁務 官 事務 所 から 初 の 緊急 人道 援助 物資 が 到着 した 。 しかし 、 ロシア 軍 当局 は 物資 の 搬送 に 随行 する 国連 職員 の 人数 や 行動 を 厳しく 制限 し 、 国連 側 の 反発 を 呼んで いる 。 中国 の 江 沢民 国家 主席 は 十六 日 、 訪 中 した キッシンジャー 元 米 国務 長官 と 会談 し 、 台湾 と チベット 問題 に 言及 し 「 米国 は 共同コミュニケ に 違反 して いる 」 と 非難 する 一方 、 「 両 大国 の 協調 は 世界 の 安定 に 重要だ 」 と 呼び掛けた 。 また 同日 、 北京 で は 科学 技術 協力 の 米 中 間 二 協定 が 締結 さ れ 、 昨年 末 、 台湾 入り した ペニャ 米 運輸 長官 の 訪 中 拒否 で 揺れた 米 中 関係 は 、 実務 面 で は 一応 修復 の 方向 に 向かった 。 中国 共産党 機関 紙 ・ 人民 日報 は 十六 日 、 「 トウ 小平 氏 の 理論 で 思想 を 統一 する こと が 最も 基本 だ 」 と する 評論 員 論文 を 一面 トップ で 掲載 、 江 沢民 国家 主席 の 言葉 を 引用 し ながら 、 トウ 理論 の 学習 を 強調 した 。 健康 不安 説 の 絶え ない 最高 実力 者 ・ トウ 氏 亡き後 に 備え 、 党 内 の 結束 を 固める 狙い が 色 濃い 。 欧州 連合 蔵 相 理事 会 が 十六 日 当地 で 開か れ 、 先週 の スペイン 通貨 ペセタ の 急落 など で 混乱 が み られた 欧州 通貨 制度 の 為替 相場 メカニズム に ついて 協議 、 各国 は 当面 の 危機 は 回避 さ れた と の 認識 で 一致 した 。 欧州 委員 会 の クリストファーセン 副 委員 長 は 、 記者 団 に 対し 「 ERM に 危機 的な 状況 は 見当たら ない 」 と 言明 した 。 週明け 十六 日 の ロンドン 外国 為替 市場 の 円 相場 は 、 マルク 高 に つれて 上伸 、 午後 三 時 時点 で は 一 ドル = 九八 円 一五 ― 二五 銭 と 前 週末 午後 三 時 の 水準 比 五〇 銭 の 円高 ・ ドル安 と なった 。 転職 。 日本 の サラリーマン 社会 で は 、 かつて マイナス イメージ が あった が 、 もはや 珍しく は ない 。 三井造船 大分 事業 所 鉄構 工場 工務 部 課長 の 内田 一章 さん は 三 月 末 で 二十四 年間 勤めた 同社 を 退職 、 新しい 職場 に 移る 。 内田 さん の ケース が 少し ばかり 変わって いる の は 、 大分 県 別府 市 の 課長 職 、 つまり 地方 公務 員 へ の 転身 と いう 点 だ 。 昨年 七 月 、 内田 さん は ある 新聞 記事 に 目 を とめた 。 別府 市 が 民間 企業 の 管理 職 経験 者 を 公募 ―― 。 「 へえ 、 面白い こと を 考える もん だ 」 。 それ 以上 の 関心 は なかった 。 「 団塊 の 世代 の ごく 普通の 会社 人間 。 仕事 に 不満 は なく 、 転職 は 考えた こと も なかった 」 から だ 。 しかし 、 ふと 「 受けて みる か な 」 と の 思い と 、 「 大変な 倍率 だろう し 、 どうせ 通り は し ない 」 が 交錯 した 。 妻 範子 さん に 言う と 、 目 を 輝か せ 「 頑張って よ 」 と 励まさ れた 。 早速 、 参考 書 を 買って 勉強 を 始めた 。 もちろん 会社 の 上司 や 同僚 に は 内証 だった 。 自動車 メーカー や 電力 会社 など 有名 企業 の 社員 も 含め 全国 から 三十四 人 が 応募 した 。 試験 に は 年休 を 取って 臨んだ 。 子供 の ころ 吃音 に 悩んだ 内田 さん は 、 手のひら の ツボ を 押さえて 心 を 落ち着か せ 「 転勤 が 続いた ので 、 そろそろ 落ち着き 、 地域 に かかわる 仕事 を し たい 」 と 動機 を 話した 。 十二 月 十三 日 午前 、 範子 さん から 職場 へ の 電話 で 合格 を 知った 。 が 、 喜び に 浸る 暇 は なかった 。 市 は すぐに マスコミ に 発表 する と いう 。 急いで 上司 に 報告 。 周囲 の 顔 に は 、 ただ 、 驚き が 張り付いて いた 。 内田 さん が 転身 を 真剣に 考えた 訳 は 、 面接 で 訴えた 言葉 に 尽きる 。 サラリーマン の 宿命 と も 言える 転勤 は 、 内田 さん と 家族 に とって 、 目 に 見え ない フラストレーション と なって 蓄積 さ れて いた のだ 。 韓国 外務 省 高官 は 十六 日 、 メキシコ の 通貨 危機 を 受けて 経済 協力 開発 機構 へ の 加盟 申請 を 三 月 以降 に 延期 する こと を 決めた と 記者 団 に 語った 。 同 高官 に よる と 、 大統領 府 など と 協議 の うえ 決定 した もの で 、 加盟 に 伴う 国 内 金融 市場 へ の 影響 を さらに 検討 する 時間 が 必要な ため 。 インド 訪問 中 の ブラウン 米 商務 長官 は 十六 日 、 ムカジー 商業 相 と の 間 で 、 両 国 の 民間 企業 の 交流 促進 など を 目的 と した 米 印 通商 連盟 の 設立 に 関する 覚書 に 調印 した 。 同 連盟 は 電気 通信 、 発電 、 運輸 、 食品 加工 など の 分野 で 、 民間 経済 交流 の 進め 方 など を 協議 する もの で 、 期間 は 二 年間 。 訪 印 の 具体 的 成果 と して 、 モトローラ 社 に よる 携帯 電話 事業 など 、 十 件 、 総額 十四億 ドル に 上る 契約 が 結ばれた 。 真っ白な コピー 用紙 よ 、 さようなら ―― 。 民間 企業 が 集まって 古紙 を 回収 、 独自に 再生 トイレットペーパー の 販売 も 行って いる 東京 の 「 オフィス 町内会 」 が 、 日本 青年 会議 所 と 手 を 組み 、 古紙 を 使った コピー 用紙 の 使用 拡大 運動 を 始めた 。 オフィス 町内会 で は 四 年 前 から 各 職場 で 古紙 の 分別 回収 を 行い 、 民間 業者 に 有料 で 引き渡す こと で 、 ごみ 処理 経費 の 節減 効果 を 上げて いる 。 年々 回収 量 を 増やし 、 九三 年 に は 約 六千 トン の 古紙 を 回収 した 。 「 オフィス 町内会 」 と いう 名 の 再生 トイレットペーパー の 販売 を 、 昨年 から デパート の 「 三越 」 で 始めた が 、 さらに 古紙 の 再 利用 を 伸ばす 方法 と して コピー 用紙 に 目 を つけた 。 国 内 で 使わ れる コピー 用紙 は 年間 約 九百億 枚 に も なる 。 この うち 古紙 を 使った コピー 用紙 は 約 二 割 しか なく 、 木材パルプ を 原料 に した 真っ白な コピー 用紙 が 圧倒 的に 多い 。 古紙 を 使った コピー 用紙 も 漂白 して 、 より 白く して いる の が 現状 だ と いう 。 オフィス 町内会 事務 局 の 半谷 栄寿 さん は 「 白 さ に こだわって いる 限り 、 古紙 の 使用 は 増え ず 、 用紙 の コスト も 高く なる 」 と 日本 青年 会議 所 と 手 を 結び 、 古紙 混入 の 比率 が 高い コピー 用紙 の 拡大 運動 を 始めた 。 半谷 さん は 「 古紙 を 七 割 使った 紙 でも 十分に 通用 する 」 と 使う 側 の 意識 革命 も 訴えて いる 。 同 町内会 が 昨年 、 古紙 を 使った もの と 、 使わ ない もの の 合計 三 種類 を 首都 圏 の 企業 、 自治 体 約 二百七十 団体 で 使用 実験 して もらった 結果 、 七 割 が 「 古紙 を 使った もの でも 十分 」 と 回答 して いる 。 この 動き に 大手 の 「 日本 製紙 」 は 「 古紙 を 七 割 使った もの でも よければ 、 新聞 や 古本 でも 十分に 使える 。 安定 した 需要 が あれば 、 コスト も 安く なる 」 と 歓迎 の 意向 だ 。 日本 青年 会議 所 ・ 専務 理事 の 村岡 兼幸 さん は 「 東京 の 本部 で は すでに 再 利用 の コピー 用紙 を 極力 使って いる 。 今後 、 六万五千 人 いる メンバー の 協力 も 得て 、 さらに この コピー 用紙 を 使う 流れ を つくって いき たい 」 と 話して いる 。 一方 、 富士ゼロックス は 昭和 電工 と の 共同 開発 で 一 枚 の コピー 用紙 に 何 回 も コピー が できる 方式 を 編み出した 。 通常 の 複写 機 に 青色 の 専用 トナー を セット して コピー する 。 この コピー 用紙 を 消色 機 に 入れる と 字 が 消えて 再び コピー が できる と いう もの 。 消色 機 の 価格 は 約 二十五万 円 。 青い トナー セット は 三万五千 円 。 使用 者 が 用紙 に メモ が できる ように と 青 と 赤 の 消色 ボールペン も 作った 。 同社 は 「 紙 が ごわごわして くる 五 、 六 回 まで なら 、 繰り返し コピー が できる 。 古紙 混入 七〇 % の 再生 紙 だ から 、 紙 資源 の 節約 に も なる 」 と 話して いる 。 ラベンダー 、 バラ など の 植物 から 抽出 した 精油 を 使った 民間 療法 アロマセラピー に 関心 が 高まって いる 。 英国 や フランス で 普及 し 、 日本 でも 美容 ・ 健康 法 と して 楽しむ 人 が 増える 一方 、 香り が 心身 に も たらす 作用 に 注目 し 、 医療 施設 も 取り入れ だした 。 人間 は 数千 年 前 から 洋 の 東西 を 問わ ず 、 植物 の 芳香 や 薬 と して の 効果 を 利用 して きた 。 現在 の アロマセラピー は 今 世紀 の 初め 、 フランス の 化学 者 が ラベンダー の 精油 が やけど の 治療 に 効果 が ある の に 驚き 、 研究 した こと から 始まった 。 アロマセラピー は 「 芳香 療法 」 と も 呼ば れる 。 植物 の 種子 、 花 、 葉 、 根 、 実 など から 抽出 さ れ 、 香り の よい 純度 一○○ % の 精油 を 用い 、 香り を かいだり 、 マッサージ を して 心身 の 調子 を よく する 効果 を 狙った 。 精油 は 約 二百 種類 ある が 、 ラベンダー 、 ローズマリー 、 カモマイル 、 ネロリ 、 バラ など が 、 安全で 入手 が 容易な ため 、 よく 使わ れる 。 精油 を ふろ に そのまま たらしたり 、 マッサージ を する 場合 は そのまま で は 強 すぎる ので 、 キャリア オイル と 呼ば れる 植物 油 で あらかじめ 薄めて 使う 。 精油 は ハーブショップ など で 売ら れて いる 。 こうした 香り に 沈静 、 興奮 の 作用 が ある こと は 、 鳥居 鎮夫 ・ 東邦 大学 名誉 教授 が 脳波 の 実験 から 証明 して いる 。 この ほか ▽ 血行 や リンパ 液 の 循環 を よく する ▽ 肌 を 滑らかに する ▽ 筋肉 の 疲れ や 凝り を とる ▽ 頭痛 、 神経 痛 など を とる ―― など の 効果 も ある と いう 。 心身 の 状態 に 合わせて 精油 を 調合 し 、 マッサージ を 施す アロマセラピスト の 資格 を 英国 で 取得 した 高山 絵美 さん は 「 精油 の パワー を もらって 、 心 も 体 も 生き生き さ せて くれ ます 」 と 、 その 魅力 を 語る 。 横浜 市 女性 協会 の 嘱託 職員 、 亀山 みつ子 さん は 約 二 年間 、 東京 都 内 の ハーブショップ が 行う アロマセラピー 教室 で 基本 を 学んだ 。 バラ の 精油 が 特に お気に入り で 、 他 に 数 種類 の 精油 を 組み合わせて 、 ふろ に 入れたり 、 クリーム に 混ぜて 、 かさつき がちな 手足 に 塗ったり も する 。 「 アロマセラピー は 生活 の 中 で さまざまに 楽しみ ながら 、 健康 づくり に 役立つ の が いい 」 と 話す 。 アロマセラピー に 関して 国 内 に は 統一 的な 団体 や 資格 は なく 、 最近 で は 個々 の エステティックサロン や 鍼灸 治療 院 で 受け られる ように なって きた 。 東京 都 品川 区 の エステティックサロン 「 アンジェリカ 」 で は 二 年 前 から アロマセラピーマッサージ を 始め 、 昨年 夏 ごろ から 人気 が 高まった 。 スタッフ は 約 三十 分間 の 面談 で 受ける 人 の 体調 や 精神 状態 を 把握 した うえ で 、 精油 を 選び 、 マッサージ を する 。 代表 の 西田 康恵 さん は 「 幅広い 年齢 層 の 女性 が 、 ストレス 、 腰痛 、 肩凝り 、 生理 痛 、 冷え性 など の 症状 を 抱えて 来 ます 。 生理 学 や 解剖 学 の 知識 も 参考 に 精油 を 選び 、 香り と マッサージ で 精神 的に リラックス さ せ ます が 、 内臓 の 働き を よく する 効果 も あり ます 」 と いう 。 アロマセラピー を 治療 に 用いる 医療 機関 も ある 。 熱川 温泉 病院 で は 、 抑うつ症 患者 の リハビリテーション と して 、 ラベンダー の 香り で 気分 が 落ち着く 効果 を 得て いる 。 この ほか 、 清水 歯科 医院 の 清水 英寿 さん は 、 ラベンダー 、 ミント 、 桐 、 ユズ など の 香り を 診療 前 の 患者 に かが せ 、 不安 を 取り除き 、 精神 的に 沈静 さ せる ため に 使って いる 。 ・ カモマイル 4 滴 ・ ラベンダー 6 滴 ・ キャリアオイル 25ミリ リットル ・ ローズマリー 5 滴 ・ レモン 5 滴 ・ キャリアオイル 2525ミリ リットル 高山 絵美 著 『 香り で きれいに なる ! 』 から お 正月 を 迎えて の この 季節 は 、 のんべえ を 夫 に もつ 妻 たち は 気 が 気 で は あり ませ ん 。 これ から 桜 の 散る まで 、 新 年会 、 送別 会 、 歓迎 会 、 お 花見 と お 酒 に 付き合う 行事 が 続き ます 。 皆さん は どのように 乗り切って いる のでしょう か 。 若くて 健康な 体 なら 多少 飲み 過ぎて も 翌日 つらい くらい で 済む のでしょう が 、 大酒 のみ は どこ か 健康 を 害して いる 人 が 多い ので は 。 肝臓 病 や 糖尿 病 、 高 血圧 など 。 これ ら は とても 怖い 病気 です が 、 症状 が 軽い うち は 油断 し がちです 。 でも 飲酒 に よって 、 確実に 悪化 し ます 。 どうして 程々に 出来 ない のでしょう 。 のんべえ は 一 滴 でも 多く 飲み たい もの だ よ 、 と 、 やはり 酒好きの 父 が 私 に 言った こと が ある 。 勧め られる だけ やって しまう 。 自分 の ペース で 楽しむ こと の でき ない 日本 の 宴会 に も 問題 が ある 。 お 酒 を 控え なければ なら ない 人 の ため の 、 それ と はっきり わかる バッジ で も あれば いい のに 、 と 思う 。 酒量 を わきまえ ない 人 は 、 その 体 は 自分 ひと り の もの で は ない のだ 、 と いう 自覚 が あり ませ ん 。 今日 も 新 年会 から 帰り 、 高いびき で 眠る 夫 を 見て いる と 、 家族 を 愛して い ない の かしら 、 と 思って しまう 。 全国 の のんべえ さん 。 どうか 、 健康 を 考えた 飲み 方 を して 。 家族 を 悲しま せ ないで 下さい 。 新王子 は サドンデス の 延長 戦 6 分 過ぎ 、 ゴール 裏 を 左 から 右 に 回り込んだ 百井 が センタリング 。 ゴール 正面 で 引木 浩 が 放った スラップショット は GK 岩崎 の 懸命な セーブ も 及ば ず 、 ゴール ネット に 。 今季 3 試合 で 2 敗 1 分け と コクド 戦 に 勝て なかった 新王子 が 雪辱 を 果たした 瞬間 だ 。 ラインズマン へ の 暴行 で 昨季 、 出場 停止 だった 引木 浩 は 「 試合 に 出 られる の が うれしかった 」 と 控えめに 喜んだ 。 新王子 は 、 第 一 ピリオド に コクド を 10 本 上回る シュート を 打ち 、 先手 を 奪った 。 しかし 、 第 二 ピリオド 以降 は コクド が 反撃 。 それ でも 新王子 は 、 アタッキングゾーン から 早 めの チェック を 心掛けた 。 最 優秀 選手 に 輝いた 平野 も コクド が 打った 44 本 の シュート で 、 わずか 3 失点 だった 。 小館 正利 ・ 新王子 監督 は 「 一生懸命 戦って くれた 選手 に 感謝 して い ます 」 と 興奮 気味 。 若手 を 伸ばそう と 、 日 系 外国 人 選手 を 導入 せ ず 前期 は 低迷 した が 、 「 この 優勝 で 後期 も 優勝 と いき たい 。 選手 も そういう 気持ち に なって いる 」 と 小館 監督 は 手応え を 感じて いた 。 スタート の 出来 が 勝利 を 左右する と いわ れる ヨット レース 。 海上 は 15 ノット の 強風 が 吹き荒れて いた 。 最初の 風上 に 向かう 第 一 レグ で 優位 に 立つ ため に は スタート で 前 に 出る の が 鉄則 。 ニッポンチャレンジ は スタート の 直前 に ミス した 。 ジブセール の 引き込み の 遅れ が 原因 。 タグ ・ ホイヤー より 15 秒 遅れた 。 「 最初に 遅れる と 、 相手 の 艇 に 風 を 妨げ られ ない ため に 大きく コース を とら ざる を 得 ない 」 など 不利 。 逆に 世界 の マッチレーサー 、 ディクソン は その辺 を 計算 し ながら 艇 を 操り 、 ニッポンチャレンジ の 追随 を 許さ なかった 。 それ でも 、 3 年 前 は ディクソン が い なければ 初 挑戦 すら 危ぶま れた ニッポンチャレンジ が 、 「 先生 」 を 相手 に 堂々と 戦った 。 南波 は 今後 に 手応え を 感じ取った と いう 。 ヨット の アメリカズカップ は 十五 日 、 サンディエゴ 沖 で 挑戦 艇 シリーズ と 防衛 艇 シリーズ が 行わ れた 。 2 日 目 を 迎えた ルイ ・ ヴィトン カップ で ニッポンチャレンジ は 前回 一九九二 年 大会 で ニッポン の スキッパー を 務めた クリス ・ ディクソン 率いる タグ ・ ホイヤー ・ チャレンジ と 対戦 、 スタート で 出遅れた の が 響き 57 秒 差 で 敗退 した 。 挑戦 艇 シリーズ は この 日 、 チーム ・ ニュージーランド と オーストラリアン ・ チャレンジ が 勝ち 、 それぞれ 2 ポイント と なり トップ 。 ニッポンチャレンジ は 1 勝 1 敗 と なり タグ ・ ホイヤー と ともに 1 ポイント で 三 位 に つけて いる 。 米国 の 3 チーム で 争う シチズンカップ の 3 日 目 は 、 初 登場 の パクト 95 が アメリカキューブ に 逆転 勝ち し 、 レース の なかった チーム ・ デニス ・ コナー と ともに 1 ポイント ずつ の 三つどもえ 。 米 ナショナル ・ フットボール ・ リーグ の プレーオフ 最 終戦 が 15 日 行わ れ 、 アメリカン ・ カンファレンス で は サンディエゴ ・ チャージャーズ 、 ナショナル ・ カンファレンス で は サンフランシスコ ・ フォーティナイナーズ が それぞれ 優勝 。 29 日 、 全 米 王者 を かけて マイアミ で 開催 さ れる 第 29 回 スーパー ボウル は 初めて カリフォルニア 州 の チーム 同士 の 決戦 に なる こと が 決まった 。 AFC プレーオフ は ピッツバーグ ・ スティーラーズ を 17 ― 13 で 破った チャージャーズ が 初 の スーパー ボウル 出場 。 一方 、 49 ers は 史上 初 の スーパー ボウル 3 連覇 を 狙って いた ダラス ・ カウボーイズ に 38 ― 28 で 勝ち 5 年 ぶり 5 度 目 。 「 こんな 日 も あり ます よ 」 。 船木 は 3 連勝 を 逃した 悔し さ を 笑顔 で 押し殺した 。 2 日 続き の 荒天 。 選手 の 飛ぶ 間隔 が 長く なる 一方 の 状況 で 1 回 目 最後 の 選手 と して スタート 位置 に ついた 。 しかし 、 踏み切り 台 の 側 に 設置 さ れた スタート を 示す シグナル の 赤 ランプ が なかなか 青 に 変わら ない 。 ようやく 青 に なって 動作 を 始めたら 、 シグナル が 赤 に 戻って しまった のだ 。 すでに 、 アプローチ 態勢 に 入った 船木 は そのまま カンテ に 向かって 進む しか なかった 。 「 どうした ん だろう 」 。 強 心臓 の 船木 でも 平常 心 で 滑り 降りる の は 不可能 。 踏み切った 速度 は 78キロ 前半 。 安崎 ら から 約 1キロ も 遅かった 。 踏み切った 瞬間 に 右横 から 巻き込む 風 の 不運 も 重なって 体 は 大きく 左 に あおら れ ながら 着地 。 79・5 メートル と いう 不本意な 距離 で 十二 位 の 成績 に 終わった 。 2 回 目 は 、 持ち前 の アプローチ と 空中 姿勢 で 94 メートル を マーク した が バッケンレコード 更新 と 3 連勝 の 夢 は 消えた 。 船木 の 所属 チーム の 監督 で も ある 八木 ・ 全 日本 コーチ は 「 1 回 目 は 仕方ない 。 それ より 、 助走 の クラウチング 姿勢 で 足 が 遅れて いた の が 気 に なる 。 疲れて きた の か なあ 」 と 、 後輩 を 気遣った 。 十 日 に W杯 遠征 から 帰国 して すぐ の 3 連戦 。 連勝 した こと で 期待 が 予想 以上 に 膨らみ 、 プレッシャー も 感じて いた に 違いない 。 幸い 「 ジャンプ そのもの は 変わって い ない 」 と いう 。 「 また 、 頑張り ます 」 。 旋風 を 巻き起こした 「 フナキ 」 は 二十一 日 から 世界 の 強豪 を 迎え撃つ W杯 札幌 大会 に 向けて 気合 を 入れ 直した 。 両者 の 気合 が 充実 して 時間 前 に 立った 相撲 は 長く なった 。 貴闘力 が 小錦 の アゴ の 下 に 頭 を 埋め 、 双差し で 両 まわし を 引く 。 小錦 は 両方 から 抱えた が 、 貴闘力 の 差し手 が 深くて きめ られ ない 。 「 時間 の こと は 全然 分から なかった 」 と 小錦 。 貴闘力 も 「 前 に 行く こと だけ 考えて いた 」 と 必死に 攻めよう と して いた が 、 二 人 と も 動け ない 。 4 分 を 超えて 水 が 入った 。 水入り 後 、 小錦 から 仕掛けた 。 左 を 巻き替え に いって 下手 を 取ろう と した が 果たせ ず 、 右 から 引いた 。 残した 貴闘力 は 右 で 小錦 の 胸 を 押し ながら 出て 小錦 を 土俵際 に 押し込んだ 。 あと 一 歩 だ が 、 疲労 も 加わって これ が 精いっぱい 。 「 重い 」 と 精根 尽きた ように 左 に 重心 が 傾いた ところ を 小錦 が 右手 を 振り上げ 、 貴闘力 の 背中 を 振り払う ように 落とす と 変則 的な 「 突き落とし 」 が 決まった 。 計 5 分 12 秒 の 「 熱闘 」 だった 。 「 貴闘力 も もう 少し 力 が あれば 押せる んだ が 」 と 報道 陣 相手 に 「 漫談 調 」 に 話す 小錦 は もちろん だ が 、 「 1 週間 分 ぐらい 相撲 取った 。 疲れた 」 と 言う 貴闘力 に も 笑顔 が あった 。 「 気合 」 「 力 の 限り 」 「 必死 」 。 小錦 は 大関 を 陥落 して から 逆に 相撲 の 神髄 が 分かった か の ような 感 を 抱か せる 。 曙 が 言った 。 「 あの 相撲 に 感動 し ました 」 ブラジル 遠征 中 の 全 日本 大学 サッカー 選抜 チーム は 十四 日 、 コパ ・ サンパウロ ・ フットボール ジュニア 大会 の 予選 リーグ 第 三 戦 を 行い 、 カピバリアーノ に 1 ― 2 で 惜敗 。 1 勝 2 敗 で 三 位 と なり 、 決勝 トーナメント 進出 は 成ら なかった 。 J リーグ の ジュビロ 磐田 は 十六 日 、 新 外国 人 選手 と して 昨夏 の ワールドカップ 米国 大会 で 優勝 した ブラジル 代表 の 主将 、 MF ドゥンガ と 契約 した こと を 明らかに した 。 契約 期間 は 六 月 から 2 年間 。 3 週間 前 、 同じ 都大路 の 高校 女子 駅伝 で 圧勝 した 仙台 育英 の 勢い を 再現 する 宮城 の 快走 劇 だった 。 前回 二 位 だ が 、 今回 は 高校 長 距離 の トップ ランナー 、 菅原 を 体調 不良 で 欠く うえ 、 広島 アジア 大会 千五百 メートル 代表 の 斎藤 も 右 太もも を 痛めて 練習 不足 。 暗雲 を 振り払った の は 一 区 の 高橋 だった 。 序盤 から 飛ばした 。 「 後半 の きつい 上り坂 を 踏んばれる ように 、 思い切って いき ました 」 と 高橋 。 社会 人 1 年 目 だ が 、 若柳 中 、 聖和 学園 高 を 通じて 6 年 連続 の 出場 で 、 全国 高校 駅伝 を 含める と 5 回 目 の 一 区 。 コース は 知り尽くして いた 。 高橋 の 区間 新 の 快走 は 故障 の 斎藤 の 好走 を 呼び 、 レース の 半分 を 終えた 六 区 へ の 中継 時 に は 差 は 1 分 10 秒 に 開いて いた 。 中学 、 高校 、 大学生 と 社会 人 の 歯車 が がっちり かみ合い 、 前回 の タイム を 2 分 近く 短縮 。 女子 駅伝 の ニューウエーブ を 強く 印象づける 宮城 の 初 優勝 だった 。 西 関脇 の 琴錦 = 本名 ・ 松沢 英行 、 群馬 県 ・ 箕郷 町 出身 、 佐渡ケ嶽 部屋 = は 16 日 、 日本 相撲 協会 に 休場 届 を 提出 し 、 9 日 目 から 休場 した 。 琴錦 の 休場 は 1984 年 春 場所 の 初 土俵 以来 初めて 。 琴錦 は 8 日 目 の 栃乃和歌 戦 で 土俵 に 崩れた 際 、 左 ひざ を 痛めた 。 診断 書 に よる と 、 左 ひざ 内側 側 副 じん帯 損傷 で 全治 2 カ月 で 公傷 が 認め られた 。 映画 、 テレビ を 見て いて 急に 興ざめに なる の は 、 下手な 方言 に よる セリフ が 飛び出た 時 である 。 大阪 に 生まれ育った ので 、 関西 を 舞台 に した もの は 特に 気 に なる 。 昨年 暮れ の 映画 「 四十七 人 の 刺客 」 で は 、 ある 女優 の 京都 弁 に イライラ し 通し だった 。 その 地方 の 言葉 に 通じて い なければ 感じ ない こと だ が 、 「 違う んだ な 」 と 何度 も 胸 の 内 で 叫んで いる と 、 場面 が どんどん 遠のいて いく 。 日本 最大 級 の 縄文 遺跡 「 青森 市 三内 丸山 遺跡 」 が 昨年 秋 以降 、 テレビ でか なり 報道 さ れた 。 どの アナウンサー も 「 さん ない 」 の 「 さん 」 に アクセント を 置いて いる が 、 津軽 弁 で は 四 文字 を 平 っ たく 発音 する 。 「 どうも 感じ が 出 ない 」 の 声 が 出て 、 地元 紙 の 東奥 日報 の 投書 欄 で 特集 的に 取り上げ られ 、 「 方言 論争 」 を 呼んだ 。 NHK 青森 放送 局 も 共通 語 と して 「 ・ さん ない 」 と 前 に 力 を 込める 発音 を して いた が 、 初めて 全国 放送 に のせた 時 、 東京 の アナウンサー は 戸惑った らしく 、 逆に 津軽 弁 に 近い 平板な 読み 方 を した 。 地元 で は なかなか 好評 だった のだ が 、 青森 放送 局 が 文書 を 流し 、 統一 用語 と して 「 さん 」 を 強める 読み 方 に した と いう 。 アクセント と は 別だ が 、 十二 月 二十八 日 夜 、 青森 県 八戸 市 を 震度 6 の 烈震 が 襲った 地震 は 「 三陸 はるか 沖 地震 」 と 命名 さ れた 。 「 はるか 」 は 音声 でも 、 文字 でも どうも 感じ が 出 ない のだ が …… 。 PAH 01162 ある 雑誌 に 「 電子メディア の すご さ は 自分 で 簡単に 作れる ことだ が 、 だれ も が 作る こと で 、 価値 の ある 情報 が 価値 の ない 情報 の 中 に 完全に 埋没 して しまう 」 と いう 話 が あった 。 その 策 の かなめ は 電子 読者 だろう 。 活字 文化 の 場合 、 本 は 売れ なければ 淘汰 さ れて きた 。 電子 出版 で は 必ずしも その メカニズム は 働か ない 。 例えば フリーソフト 。 多く の 通信 ソフト が ある が 、 価値 ある ソフト が 完全に 埋没 して は い ない 。 使う に 値する もの は 、 きちんと 区別 さ れて いる 。 その 人気 は オピニオンリーダー 的な ユーザー の 評価 に よって 左右さ れて いる ようだ 。 電子 出版 の 成否 も 結局 、 「 電子 読者 」 に かかって いる が 、 読者 は 少なく 、 読者 同士 の 意見 交換 も めったに ない 。 問題 の 行方 を 左右する カギ は 「 電子 レビュー 」 の ような もの かも しれ ない 。 「 第 五 回 かすみがうら マラソン 大会 兼 第 一 回 全国 盲人 マラソン かすみがうら 大会 」 が 十六 日 、 霞ケ浦 湖畔 の 日本 陸連 公認 コース で 行わ れ 、 六千六百十五 人 が 参加 した 。 盲人 マラソン 大会 の 開設 は 、 かすみがうら マラソン 大会 の 五 回 大会 を 記念 して の もの 。 全国 から 集まった 視覚 障害 者 九十二 人 が 五キロ 、 一〇 マイル 、 フルマラソン の 三 部門 に 参加 した 。 スタート は 午前 十 時 。 気温 三・五 度 、 風速 三 メートル 以上 と やや 厳しい コンディション だった が 、 選手 たち は 伴走 者 が 持つ ロープ を 握りしめ 、 ゴール 目指して 走り出した 。 冷たい 向かい風 だった が 、 沿道 から の 声援 に 選手 ら は 力走 。 男子 フルマラソン の 部 で は 、 佐賀 市 の 柳川 春己 選手 が 外国 人 招待 選手 の ドウラニ ・ カルロ さん に 次いで ゴール の テープ を 切った 。 記録 は 2 時間 58 分 0 秒 。 柳川 選手 は 2 時間 52 分 0 秒 の 日本 記録 保持 者 。 「 記録 の 出 やすい コース な ので 最初 から 飛ばした が 、 三十キロ を 過ぎて 足 が 動か なく なった 」 と 話して いた 。 埼玉 県 行田 市 の 会社 役員 、 川崎 明男 さん の 死体 遺棄 容疑 で 逮捕 さ れた 関根 元 容疑 者 は 、 財産 トラブル の あった 暴力 団 幹部 の 殺害 を 自供 する など 、 周囲 に は 暴力 団 の 影 が つきまとう 。 金銭 関係 で もめた 取引先 に は 「 オレ は ヤクザ と 付き合い が ある 」 と 威圧 し 、 山崎 永幸 容疑 者 に は 「 全国 に 殺し屋 が いる 。 断れば 親 兄弟 も ただ じゃ 済まない 」 と 脅して 川崎 さん 遺棄 を 手伝わ せた と さ れる 。 埼玉 ・ 群馬 両 県警 合同 捜査 本部 は 、 暴力 団 と の 付き合い が 事件 の 呼び水 に なった と みて いる 。 関係 者 の 話 を 総合 する と 、 関根 容疑 者 は 同県 秩父 市 の 中学 を 卒業 。 職 を 転々 と した 後 、 一九七二 年 に 同 市 内 で ペット 店 を 開店 。 生家 が 暴力 団 事務 所 に 近かった こと から 、 暴力 団 と の 付き合い を 深めて いった 。 この 時 知り合い 「 兄貴 」 と 慕った 暴力 団 関係 者 = 八四 年 二 月 失跡 、 当時 五十一 歳 = に は 八三 年 十 月 に 風間 博子 容疑 者 と 結婚 する 際 、 前妻 と の 離婚 を 仲介 して もらった 。 熊谷 市 に 店 を 移した 関根 容疑 者 は 高級 犬 や トラ の 販売 で 地元 暴力 団 と の 関係 を 一層 強めた らしい 。 八九 年 に は 暴力 団 組長 が 購入 した トラ が 逃げ 、 射殺 さ れる 事件 も あった 。 この 組長 が 属する 暴力 団 の 幹部 と 運転手 は 一昨年 七 月 失跡 。 この 幹部 は 当時 、 国税 当局 から 所得 隠し を 指摘 さ れ 、 修正 申告 して 金繰り に 困って いた 関根 容疑 者 に 三千万 円 の 融資 も 仲介 。 高利 で トラブル に なった が 、 失跡 の 数 日 前 に 組長 が 間 に 入って 争い を 収めた 。 同時に 幹部 は 「 ペット 店 本社 の 土地 と 建物 が 手 に 入る 」 と 知人 に 話し 、 二 人 の 間 で 何らか の 取引 が あった こと を 示唆 して いた 。 愛犬 家 事件 で 、 死体 遺棄 容疑 で 逮捕 さ れた 江南 町 板井 、 犬 猫 販売 業 、 関根 元 ▽ 同居 の 元 妻 で ペット 店 社長 、 風間 博子 の 両 容疑 者 は 十六 日 、 さらに 十 日間 の 拘置 延長 が 認め られた 。 十六 日 午後 七 時 十二 分 ごろ 、 伊豆 諸島 の 神津島 で 震度 3 の 地震 が あった 。 気象 庁 の 観測 に よる と 、 震源 地 は 三宅島 近海 で 深 さ 一〇キロ 、 地震 の 規模 は マグニチュード 3・2 と 推定 さ れる 。 十六 日 午後 八 時 三十五 分 ごろ 、 長野 県 上田 市 前山 、 会社 役員 、 桜井 正明 さん 方 から 「 車 が 燃えて いる 」 と 一一九 番 通報 が あった 。 上田 署員 が 駆けつけた ところ 、 桜井 さん の 庭先 に 止めて あった 軽 乗用車 が 燃えて おり 、 車 内 から 大人 一 人 、 子供 二 人 の 焼死 体 を 発見 した 。 桜井 さん も 顔 など に やけど を 負った 。 桜井 さん と 同居 して いる 両親 の 話 に よる と 、 桜井 さん は 妻 まち子 さん 、 長女 真奈美 ちゃん 、 二女 美雪 ちゃん の 家族 三 人 と 一緒に 自宅 を 出た 。 同 署 は 焼死 体 は 母子 三 人 と みて 桜井 さん から 事情 を 聴く 。 正午 から 東京 ・ 日比谷 公会堂 で 大日 本 言論 報国 会 主催 の 「 伊勢 豊 受 大 神宮 の 空襲 に 報復 する 」 1億 総 憤激 大会 が 開か れた 。 黒龍会 の 葛生 能久 主幹 は 「 切腹 など で は 済まさ れ ぬ ことだ 。 戦争 に 勝つ こと だけ が 、 お 詫び の 道 」 と 力説 。 参加 者 は 「 断固 報復 」 の 旗 を 先頭 に 二重橋 まで 行進 、 雄叫び を あげた 。 歌舞伎 俳優 で 人間 国宝 の 中村 鴈治郎 さん が 十六 日 、 大阪 ・ 道頓堀 の 中座 で 「 曽根崎 心中 」 の お 初 役 上演 千 回 を 達成 、 ファン から 祝福 を 受けた 。 一九五三 年 、 東京 で 近松 門左衛門 の 作 を 復活 初演 し 、 扇 雀 ブーム を 起こして から 四十二 年 。 歌舞伎 の 役 で 千 回 を 超す 記録 は 、 尾上 梅幸 さん の 「 藤 娘 」 など が 有名だ が 、 伝統 の 型 に よら ず 、 役者 自身 が 作り出した 役 で 千 回 を 超した の は 、 鴈治郎 さん の お初 が 初めて 。 場 内 は 満員 。 終演 後 の 舞台 で 、 「 成駒 屋 」 の 掛け声 の 中 、 鴈治郎 さん は 「 愛する お初 さん に 会えた の が 私 の 人生 を 変え ました 。 お 客 様 の おかげ です 。 上方 歌舞伎 の ため 生涯 を かけ ます 」 と 涙ぐみ 、 大きな 拍手 を 浴びた 。 「 日本 バリアント 」 未 公開 株 販売 に 絡む 詐欺 事件 で バ社 社長 、 中川 秀一 容疑 者 ら が スリランカ に 建設 する インテリジェントビル の 費用 と して 、 バ社 の 予算 から 約 九億 円 を 支出 し ながら 、 実際 に は 一億数千万 円 しか 使って い ない こと が 十六 日 、 警視 庁 捜査 二 課 の 調べ や 関係 者 の 話 で 分かった 。 差し引き 七億数千万 円 の 使途 が 分から ず 、 同 課 は 中川 容疑 者 ら が 隠し 財産 と して プール して いる 可能 性 が 強い と みて 追及 して いる 。 バ社 の 内部 資料 など に よる と 、 中川 社長 は 一九九一 年 、 現地 法人 と して スリランカ に 「 ランカバリアント ・ プライベートリミテッド 」 を 設立 。 自ら 社長 に 就き 、 八 階建て の インテリジェントビル 「 バリアントビル 」 の 建設 を 計画 した 。 中川 社長 は 建設 費用 と して 約 九億 円 を バ社 の 予算 に 組み 、 実際 に ランカバリアント に 支出 した と いう 。 ところが 、 この ビル の 建設 を 担当 して いた 元 バ社 役員 に よる と 、 実際 の 試算 で は 、 この ビル の 建設 費用 は 約 三億五千万 円 だった と いう 。 さらに 、 ビル 工事 は 、 バ社 が 現地 の 業者 など に 人件 費 や 資材 費 を 支払わ ない うえ 、 テナント が 集まら ない ため 計画 自体 が 途中 で とん挫 した 。 実際 に は 、 一部 出来上がった 工事 に 一億数千万 円 を 投資 した だけ で 、 差額 の 七億数千万 円 の 行方 が 分から ない と いう 。 同 課 は 十六 日 、 中川 社長 、 中川 社長 の 妻 で 元 バ 社 専務 、 文子 、 元 同社 役員 、 木村 慶市 の 三 容疑 者 を 、 詐欺 容疑 で 送検 した 。 日本 下水 道 事業 団 発注 の 電気 設備 工事 を めぐる 官製 談合 事件 で 、 公正 取引 委員 会 は 十六 日 まで に 、 同 工事 の 営業 担当 者 や 談合 専門 と さ れる 社員 名 など を 明かす ように 求めた 報告 命令 に 対して 、 電機 メーカー 側 から 回答 を 得た 。 これ まで メーカー 側 は 、 調べ に 黙秘 する など 非 協力 的だった が 、 同 命令 が 罰則 を 伴う ため 応じた と み られる 。 回答 に より 、 公取委 は 談合 の 実行 行為 者 に ついて 特定 した と み られ 、 独占 禁止 法 違反 容疑 で の 告発 へ 向け 、 審査 は 大詰め を 迎えた 。 電機 メーカー から の 回答 は 昨年 十二 月 に 公取委 が 各社 に 出した 報告 命令 に 対して 行わ れた もの 。 立ち入り 検査 後 の 昨年 九 月 に も 同じ 命令 を 出して いた が 、 この 時 は 、 各社 が 「 命令 に 伴う 罰則 は 、 黙秘 権 など と の 絡み で 法律 上 問題 が ある 」 など と 異議 を 述べて 、 回答 を 拒否 して いた 。 各社 は 回答 の 中 で 、 「 表 」 と 呼ば れる 電気 設備 工事 の 営業 担当 の 部 課長 クラス 数 人 の ほか 、 「 調査 部 」 「 計画 部 」 など 社 に よって 名称 は 異なる が 、 「 裏 」 と 呼ば れ 談合 を 専門 に 行う 部 の 責任 者 の 氏名 、 簡単な 経歴 など に ついて も 文書 で 明らかに して いる 。 公取委 の これ まで の 調べ に よる と 、 談合 に かかわった の は 日立製作所 、 東芝 、 三菱電機 、 富士 電機 、 明電舎 の 大手 五 社 と 、 安川 電機 、 日新 電機 、 神鋼電機 、 高岳製作所 の 中堅 四 社 。 同 事業 団 は 、 大手 五 社 七五 % 、 中堅 四 社 二五 % の シェア 枠 を 指示 。 予算 決定 後 に 、 九 社 に その 年度 の 工事 内容 や 予算 を 詳細に 伝え 、 メーカー 側 は この 直後 に 、 「 ドラフト 会議 」 を 開催 、 シェア 枠 内 で 工事 を 割り振って いた 。 告発 対象 に なる の は この 九 法人 と 各社 の 担当 者 だ が 、 公取委 は 同 事業 団 が 談合 を 指導 した 行為 に ついて も 告発 時 に 関与 を 明らかに する 模様 だ 。 公取委 は これ まで の 審査 で 、 「 表 」 の 担当 者 に ついて は ほぼ 把握 して いた が 、 「 裏 」 に ついて は 未 解明 の 部分 も あり 、 今回 の 回答 に より 談合 に かかわった 個人 を 割り出した 。 今後 、 こうした 担当 者 が 「 ドラフト 会議 」 など で どのような 役割 を 果たし 談合 が 行わ れた か が 焦点 に なり 、 告発 後 、 検察 当局 が 本格 捜査 に 入る 。 松方 正信 氏 の 社葬 2 月 6 日 午後 0 時 45 分 、 東京 都 港 区 南青山 の 青山 葬儀 所 で 。 葬儀 委員 長 は 二見 富雄 日野 自動車 工業 社長 。 喪主 は 長男 正隆 氏 。 自民党 千葉 県連 幹事 長 の 井手口 魁 県議 の ファミリー 企業 が 、 千葉 市 ・ 幕張 新 都心 の 土地 転売 あっせん を めぐり 「 コンサルタント 料 」 名目 で 一億数千万 円 を だまし 取った と して 県警 捜査 四 課 は 十六 日 まで に 、 詐欺 容疑 で 強制 捜査 に 着手 。 同県 我孫子 市 内 の 井手口 幹事 長 後援 会 事務 所 や 自宅 など を 家宅 捜索 した 。 この ファミリー 企業 は 井手口 幹事 長 の 義弟 が 社長 を 務める 「 レイク 商事 」 。 我孫子 市 に 本社 が あり 、 ゴルフ 練習 場 の 経営 や 保険 代理 業 など を 営んで いる 。 調べ で は 、 この 義弟 は 一九八九 年 ごろ 、 同県 内 の 不動産 業者 に 「 幕張 新 都心 の 土地 の 転売 を あっせん する 」 と 言って 「 コンサルタント 料 」 一億数千万 円 を 小切手 で 数 回 に 分けて だまし 取った 疑い 。 この 土地 は 結局 、 転売 さ れ なかった ため 、 この 業者 は 昨年 十 月 、 義弟 を 詐欺 容疑 で 県警 に 告訴 して いる 。 井手口 幹事 長 は 毎日新聞 の 取材 に 対し 、 自宅 など を 家宅 捜索 さ れた こと を 否定 して いる が 、 「 この 土地 取引 を めぐる 金銭 問題 で トラブル に なって いる 。 義弟 を 信用 して いる ので 、 ない と 信じて いる 」 と 話した 。 北九州 市 小倉南 区 の 城野 医療 刑務所 で 一九九二 年 八 月 、 受刑 者 の 男性 が 当時 の 看護 士長 から 暴行 を 受け 、 翌日 死亡 して いた こと が 十六 日 まで に 分かった 。 看護 士長 は 翌年 、 暴行 罪 で 略式 起訴 さ れ 罰金 二十万 円 の 処分 を 受け 、 懲戒 免職 さ れて いる 。 しかし 同 刑務所 は 当時 、 男性 の 死因 を 急性 心 不全 と 検察 庁 に 報告 。 今 も 「 暴行 と 死亡 の 直接 的な 関係 は なかった 」 と して いる 。 法務 省 福岡 矯正 管区 など に よる と 、 暴行 が あった の は 同年 八 月 二十八 日 午前 十一 時 ごろ 。 精神 障害 で 入所 中 の 男性 が 刑務所 内 の 診察 室 で 医者 に 暴言 を 吐いた と して 、 元 看護 士長 と 職員 一 人 が 待合室 に 連行 。 抵抗 した ため 元 看護 士長 が 腹 など を 数 回 けった と いう 。 男性 は 翌日 、 容体 が 悪化 し 死亡 した 。 刑務所 で 受刑 者 が 死亡 した 場合 、 通常 は 検察 官 が 検視 する が 、 福岡 地検 小倉 支部 は 刑務所 に 代替 検視 を 依頼 。 所長 が 検視 して 、 死因 は 「 高 血圧 症 、 糖尿 病 に よる 急性 心 不全 」 と 報告 。 しかし 翌年 三 月 、 暴行 を 告発 した 匿名 の 文書 が 所 内 に 張ら れた ため 、 同 管区 と 刑務所 が 調査 。 元 看護 士長 が 暴行 を 認めた ため 刑務所 は 六 月 、 元 看護 士長 を 福岡 地検 小倉 支部 に 書類 送検 した 。 しかし 、 「 協議 に 自民党 まで 入る と なれば 、 第 三 極 と は 何かと いう 点 から どうか と 思う 」 と 、 自民党 も 含めた 動き に は 参加 し ない と の 姿勢 を 示した 。 田川 亮三 ・ 三重 県 知事 の 後継 候補 問題 で 、 新進党 衆院 議員 の 坂口 力 氏 ら が 十六 日 深夜 、 津 市 内 の ホテル で 記者 会見 し 、 同 党 の 知事 候補 と して 北川 正恭 氏 の 擁立 を 発表 した 。 会見 した 坂口 力 氏 に よる と 、 この 日 、 北川 氏 を 交え 、 同 党 の 地元 選出 衆院 議員 ら で 話し合った 結果 、 北川 氏 擁立 で まとまった 。 一方 、 自社 側 は 、 尾崎 彪 夫 副 知事 の 擁立 を すでに 決めて いる 。 この 結果 、 自 社 対 新進 の 中央 政界 構図 そのまま の 選挙 戦 に 突入 する 公算 が 大きく なった 。 日本 海 側 初 の プロ ・ オーケストラ と して 、 石川 県 や 金沢 市 が 設立 した 「 オーケストラ ・ アンサンブル 金沢 」 が 赤字 で 揺れて いる 。 二億五千万 円 に のぼる 累積 赤字 が 表面 化 し 、 「 金 食い 虫 だ 」 「 文化 に 金 は かかる 」 と 論争 が 続いて いる 。 昨年 十一 月 に は 運営 の 見直し 案 が まとまった が 、 「 活動 が 後退 する ので は 」 と 危ぐ する 声 も 強い 。 OEK は 一九八九 年 、 県 や 金沢 市 が 出資 した 「 石川 県 音楽 文化 振興 事業 団 」 を 母体 に 設立 さ れた 。 岩城 宏之 氏 を 常任 指揮 者 に 、 世界中 から 団員 を 募集 。 六 年間 で CD 四 枚 を 出し 、 海外 公演 でも 「 日本 を 代表 する 室 内 管弦 楽団 」 と いう 評価 が 定着 し つつ ある 。 昨年 九 月 県議 会 で OEK の 事務 局 が 、 累積 赤字 が 二億五千万 円 に 達し 、 運用 益 を 利用 する はずの 基金 まで 取り崩して いる こと を 明らかに した 。 議員 から は 「 放漫 経営 」 「 文化 の 名 に 甘えて いる 」 と いった 批判 が 続出 した 。 結局 、 事務 局長 の 事実 上 の 更迭 と ともに 、 チェック 機能 の 強化 ▽ 収支 を 重視 した 演奏 活動 ―― など の 運営 見直し が 、 十一 月 の 理事 会 で 承認 さ れた 。 オーケストラ は 本来 、 慢性 的な 赤字 体質 と 言って いい 。 四十 人 編成 を 例 に とる と 、 団員 の 年収 を 五百万 円 と して 、 賞与 を 含めれば 、 人件 費 だけ で 三億 円 近く 。 指揮 者 の ギャラ 、 備品 代 など を 加える と 、 年間 の 総 経費 は 四 ― 五億 円 に のぼる 。 一方 、 オーケストラ の ギャラ が 一 回 二百万 円 と して 、 年 百 回 の 演奏 会 を こなして も 二億 円 に しか なら ない 。 では 赤字 を どう する か と なる と 、 欧州 で は 自治 体 から の 助成 、 米国 で は 民間 から の 寄付 が 頼り だ 。 文化 団体 に 対する 企業 の 寄付 が 少ない 日本 で は 、 自治 体 から の 助成 が 主流 。 OEK の 赤字 の 根底 に は 、 この 公的 助成 の 絶対 的な 不足 が ある 。 OEK の 総 収入 に 占める 公的 助成 は わずか 二二・四 % 。 京都 市 交響 楽団 の 七九・九 % 、 大阪 センチュリー 交響 楽団 の 六四・九 % は もちろん 、 国 内 の 公的 オーケストラ の 平均 の 四四・二 % に も 遠く 及ば ない 。 「 金 を 出さ ないで 赤字 だけ 責め られて も …… 」 と いう 声 に は 説得 力 が ある 。 もう 一 つ の 問題 は 、 「 運営 の プロ 」 の 不足だ 。 OEK の 事務 局 は 、 県 や 県 教委 出身 者 ばかり で 、 議会 でも 「 素人 集団 で 収支 の 見通し が 甘かった 」 と 陳謝 した ほど 。 九一 年 に 創設 さ れた 大阪 センチュリー 交響 楽団 が 当初 から 、 他 楽団 で 経験 を 積んだ 人材 を スカウト した の と 対照 的 。 今回 、 承認 さ れた 運営 の 見直し は 、 県庁 から 経理 の 専門 員 を 招く など 「 財政 管理 」 の 色彩 が 濃い 。 また ギャラ 値上げ など 、 客 離れ に つながり かね ない 内容 も 含ま れて いる 。 何より 、 収支 を 重視 した 演奏 と いう 方針 は 、 創造 的な 活動 に 重い 足かせ と なり かね ない 。 好 景気 時 に 誕生 した オーケストラ が 、 地域 の 文化 と して 根づく の か どう か 、 「 文化 の 現場 」 に 対する 自治 体 の 理解 が 問わ れて いる 。 米 西部 の ロッキー 山系 から 姿 を 消した ハイイロオオカミ が 十六 日 まで に 、 ワイオミング 州 イエローストーン 国立 公園 の 保護 区 に 放た れ 、 復活 の 第 一 歩 を 踏み出した 。 ハイイロオオカミ は 米 ロッキー 山系 北部 に 広く 生息 して いた が 、 酪農 家 が 家畜 被害 防止 の ため 乱獲 し 、 約 六十 年 前 に 地域 的に 絶滅 した 。 この ため 、 ハイイロオオカミ の 米 復活 を 進める 魚類 野生 動物 局 が カナダ で 捕獲 した 野生 の 十二 匹 を 空輸 。 十三 日 、 同 国立 公園 に 八 匹 を 移住 さ せた 。 残る 四 匹 も 数 日 中 に 隣接 する アイダホ 州 で 解放 する 。 両 地区 と も オオカミ の 獲物 の ヘラジカ など が 数多く 生息 して いる 。 雪 に 埋まる 厳冬 の ロッキー に 移送 さ れた 十二 匹 は 、 環境 に なれる まで の 間 は え付け する が 、 その後 は 強じんな 生命 力 と 野生 の 本能 のみ が 頼り 。 一部 酪農 家 は 今 も 反発 し 、 連邦 裁判 所 に 中止 を 訴えて いる が 「 生き延び られる か は 不明 」 と の 見方 も 。 十二 匹 に とって は まさに 「 運命 の 越冬 」 が 始まった 。 同居 して いる 両親 の 話 に よる と 、 桜井 さん は 「 カセットテープ を 買って くる 」 と 言って 、 妻 まち子 さん 、 長女 真奈美 ちゃん 、 二女 美雪 ちゃん の 家族 三 人 と 一緒に 自宅 を 出た 。 直後 に バーン と いう 音 が した ため 外 を 見る と 車 が 燃え上がって いた と いう 。 同 署 は 焼死 体 は 母子 三 人 と みて 、 桜井 さん から 事情 を 聴く 。 岡山 県 勝田 郡 勝北 町 の 投票 用紙 偽造 事件 で 、 同 町 内 の 農業 、 平田 安男 さん が 町議 選 の 選挙 結果 を 無効 と して 十七 日 、 公選 法 二〇二 条 に 基づき 町 選挙 管理 委員 会 に 異議 を 申し出る 。 落選 候補 の 陣営 も 近く 同様の 申し出 を 行う 。 この 事件 で 、 捜査 の 動き と は 別に 、 町民 から 選挙 の 効力 そのもの を 問う 動き は 初めて 。 北九州 市 小倉南 区 の 城野 医療 刑務所 で 一九九二 年 、 受刑 者 の 男性 が 看護 士長 から 暴行 を 受け 、 死亡 して いた こと が 十六 日 まで に 分かった 。 看護 士長 は 翌年 、 暴行 罪 で 略式 起訴 さ れ 罰金 二十万 円 の 処分 を 受け 、 懲戒 免職 と なった 。 しかし 同 刑務所 は 、 男性 の 死因 を 急性 心 不全 と 検察 庁 に 報告 。 精神 障害 で 入所 中 の 男性 が 刑務所 内 の 診察 室 で 医者 に 暴言 を はいた と して 、 元 看護 士長 と 職員 一 人 が 待合室 に 連行 。 元 看護 士長 が 腹 など を 数 回 けった と いう 。 所長 が 検視 して 、 死因 は 「 高 血圧 症 、 糖尿 病 に よる 急性 心 不全 」 と 報告 した 。 しかし 翌年 三 月 、 暴行 を 告発 した 文書 が 所 内 に 張ら れ 、 同 管区 と 刑務所 が 調査 。 元 看護 士長 が 暴行 を 認めた ため 刑務所 は 六 月 、 元 看護 士長 を 福岡 地検 小倉 支部 に 書類 送検 。 十一 月 、 小倉 区 検 が 暴行 罪 で 略式 起訴 した 。 死因 と 暴行 と の 因果 関係 は 問わ れ なかった 。 その後 同 管区 は 元 看護 士長 を 懲戒 免職 、 当時 の 刑務所 長 を 減給 、 担当 部長 など を 厳重 注意 処分 と した 。 再発 防止 の ため 、 医療 部長 を 補充 。 職員 を 監督 する 管理 職 も 一 人 増員 した と いう 。 ゴイサギ 日本 でも 各地 に 生息 し 、 樹上 に 営巣 し 、 昼 は 木陰 で 休み 、 夕方 に 川 や 池 で 魚 を 取る 。 通常 は 浅瀬 しか 潜ら ない 。 大阪 市 天王寺 動物園 内 の 樹木 で 、 自然 界 で 暮らして いた 野鳥 の ゴイサギ が 繁殖 、 毎夕 、 フンボルト ペンギン の 園舎 に 舞い降りて は 、 エサ の 横取り を 続けて いる 。 この ゴイサギ 、 姿形 や 羽毛 の 色 まで ペンギン に そっくり 。 予期 せ ぬ “ 共生 ” に 、 「 空 飛ぶ ペンギン 」 と 思い込む 入園 者 も おり 、 同 園 は 「 この際 、 園舎 に ゴイサギ の 解説 看板 も 付ける か …… 」 。 ゴイサギ が 同 園 に 住みつく ように なった の は 約 二 年 前 。 今では 園 全体 で 約 三十 羽 が 樹上 に 巣 を 作り 、 繁殖 を 続けて いる 。 被害 を 受けて いる フンボルト ペンギン の 園舎 は 屋外 に あり 、 周囲 は 手すり で 囲ま れて いる だけ 。 エサ は 、 コアジ など の 生魚 で 、 午前 と 午後 の 一 日 二 食 。 ゴイサギ が エサ を 狙って 現れる の は 、 午後 四 時 の 夕飯 時 で 、 九 羽 の フンボルト ペンギン の 輪 の 中 に 、 四 、 五 羽 が 舞い降りて は 、 深 さ 約 七〇 センチ の 水中 に 潜って 捕らえたり 、 ペンギン が くわえた アジ を 奪ったり 。 ところが 、 困った の は 両 種 の 姿形 が あまりに 似通って いる こと 。 ペンギン の 羽毛 が 黒 と 白 な のに 対し 、 ゴイサギ は 黒 と グレー 。 大き さ は もちろん 、 体形 まで そっくりで 、 樹上 の ゴイサギ を 見つけた 市民 や 入場 者 から 「 飛ば ない はずの ペンギン が 木 の 上 に いる 」 と 、 通報 が 寄せ られる ほど だ 。 ゴイサギ を 指した 母親 が 、 「 ほら 、 変わった ペンギン が いる でしょう 」 と わが子 に 教える ケース も よく み られる と いう 。 岡山 県警 は 十六 日 、 投票 用紙 偽造 の 主犯 格 と み られる 同 町 大吉 の 竹中 保弘 容疑 者 を 公文書 偽造 容疑 で 指名 手配 した 。 大阪 市 内 で 十五 日 に 発生 した コンビニ 強盗 事件 で 、 大阪 府警 東住吉 署 は 十六 日 、 同 市 東住吉 区 照ケ丘矢田 三 、 無職 、 松清 健治 容疑 者 を 強盗 容疑 で 逮捕 した 。 調べ で は 、 松清 容疑 者 は 十五 日 午前 二 時 五十 分 ごろ 、 東住吉 区 湯里 四 の 「 ローソン 」 に 侵入 、 現金 約 八万六千 円 を 奪った 疑い 。 十五 日 夕 に 起きた 同 市 平野 区 長吉 出戸 六 の ローソン 強盗 に ついて も 犯行 を 認めて いる 。 16 日 午前 11 時 55 分 ごろ 、 島根 県 益田 市 安富 町 の 国道 9 号 で 、 同 市 須子 町 、 会社 員 、 平野 利久 さん 運転 の トラック の 助手 席 側 ドア から 、 平野 さん の 二男 駿 ちゃん が 転落 し 左 後輪 に ひか れ 、 約 1 時間 後 に 死亡 した 。 益田 署 の 調べ で は 、 平野 さん は 助手 席 の ドア ロック を して おら ず 、 駿 ちゃん が 誤って 開閉 レバー を 引っ張り 、 ドア が 開いた らしい 。 社会党 の 山花 貞夫 ・ 新 民主 連合 会長 は 十七 日 午前 、 新たに 結成 する 新 会派 に 参加 する 同 党 所属 国会 議員 二十四 人 の 「 日本 社会党 ・ 護憲 民主 連合 」 から の 離脱 届 を 森井 忠良 国 対 委員 長 に 提出 した 。 党 執行 部 は これ を 受け 、 三役 懇談 会 を 開き 、 扱い の 協議 に 入った 。 午後 改めて 中執 委 を 開き 、 党 と して の 対処 方針 を 検討 する 。 山花 氏 は 会派 離脱 が 了承 さ れ ない 場合 は 、 遅れて 離党 する 前畑 幸子 、 山田 健一 両 参院 議員 を 除く 二十二 人 の 離党 届 を 同日 夕 提出 する 方針 を 固めて いる 。 三役 懇 で は 、 近畿 地方 の 地震 対策 が 議論 の 中心 に なり 、 山花 氏 ら の 離脱 届 の 扱い に ついて は 突っ込んだ やり取り は なかった 。 中執 委 の メンバー の 間 で は 、 党籍 を 残した まま 別 会派 に 所属 する 「 一 党 二 会派 」 は 認め られ ない 、 と の 意見 が 根強い 。 しかし 、 二十 人 を 超える 議員 が 集団 離党 し 、 除名 と いう 事態 に なれば 、 党 の 分裂 が 決定 的に なる 。 この ため 、 会派 離脱 届 を 出した 各 議員 から 個別 に 事情 を 聴き 、 この 間 に 打開 策 を 模索 する 案 も 検討 さ れて いる 。 気象 庁 に よる と 、 十七 日 午前 十 時 まで に 起きた 余震 の うち 有 感 地震 は 延べ 百五十七 カ所 で 三十二 回 あり 、 神戸 で 三 回 、 奈良 で 一 回 、 震度 4 を 記録 した 。 十七 日 午前 五 時 四十六 分 ごろ 、 近畿 地方 を 中心 に 、 西 日本 から 東海 地方 に かけて の 広い 範囲 で 強い 地震 が あった 。 震度 6 の 烈震 を 記録 した 兵庫 県 神戸 市 や 尼崎 市 など を 中心 に 家屋 ・ ビル が 多数 崩壊 。 火事 も 相次ぎ 、 陸 、 海 、 空 の 交通 網 は 寸断 さ れ 、 京 阪 神 の 都市 機能 は 一部 まひ 状態 に 陥った 。 近畿 の 都市 部 の 被害 と して は 戦後 最大 級 で 、 死者 は 大半 が 兵庫 県 内 で 大阪 府 内 と 合わせ 四百三十九 人 。 負傷 者 は 六 府県 で 計 八百 人 以上 に 上って いる 。 大阪 管区 気象 台 に よる と 、 震源 地 は 淡路島 。 震源 の 深 さ は 約 二〇キロ 。 地震 の 規模 は マグニチュード 7・2 。 気象 庁 は 十七 日 午前 、 今回 の 大 地震 を 「 平成 七 年 兵庫 県 南部 地震 」 と 命名 した 。 兵庫 県 警察 本部 に 入った 連絡 で は 、 神戸 市 内 で 建物 の 崩壊 が 相次ぎ 、 多数 が 生き埋め に なって いる 。 西宮 市 や 尼崎 市 でも JR 甲子園 口 駅 北側 の 雑居ビル が 崩れる など 多数 の マンション が 倒れ 、 生き埋め が 出て いる 。 新幹線 や 大阪 環状 線 など の 在来 線 は ほぼ 全面 ストップ 。 東海道 ・ 山陽 新幹線 は 新大阪 ― 西明石 駅 間 の 五 カ所 で コンクリート の 高架 が 陥没 し 崩壊 した 。 在来 線 で は 山陽 線 西 ノ 宮 ― 須磨 駅 間 など で レール が 曲がる など し シュプール 号 など 八 本 の 列車 が 脱線 した 。 伊丹 駅 で は 駅舎 の 一部 が 倒壊 し 、 阪神 電鉄 住吉 駅 で は 車両 が 横転 した 。 阪神 高速 道路 は 神戸 市 東灘 区 の 神戸 線 や 湾岸 線 の 高架 が 落ちた 。 大阪 市 の 環状 線 で は 七 カ所 で 橋げた の ジョイント 部分 に 最大 五十 センチ の 段差 が 出来た 。 高速 道路 は すべて 通行 止め に なって いる 。 近畿 管区 警察 局 など の まとめ に よる と 、 地震 の 被害 は 次の 通り 。 兵庫 県 = 死者 四三六 人 、 負傷 者 六一〇 人 、 生き埋め を 含む 行方 不明 者 五八〇 人 以上 ▽ 大阪 府 = 死者 三 人 、 負傷 者 四三四 人 以上 ▽ 京都 府 同 六 人 ▽ 和歌山 県 同 四 人 この ほか 、 兵庫 県 内 で 八八〇 棟 以上 の 家屋 が 全 半壊 した の を はじめ 、 大阪 府 内 でも 三 棟 の 家屋 が 倒壊 。 また 、 奈良 、 滋賀 両 県 内 でも 家屋 被害 が 出て いる 。 大阪 管区 気象 台 に よる と 各地 の 震度 は 次の 通り 。 衆 参 両院 の 災害 対策 特別 委員 会 は 十七 日 、 兵庫 県 南部 地震 の 被害 状況 を 聴取 して 委員 派遣 など を 検討 する ため 、 十九 日 に 理事 懇談 会 を 開く こと を 決めた 。 また 、 土井 たか子 衆院 議長 は 十七 日 、 閉会 中 でも 災害 特別 委 を 開く 準備 を して おく よう 、 中村 正三郎 衆院 議 運 委員 長 に 要請 した 。 十七 日 の 東京 外国 為替 市場 の 円 相場 は 、 午前 九 時 現在 、 十三 日 午後 三 時 半 比 一二 銭 円高 ・ ドル安 の 一 ドル = 九八 円 六〇 銭 と なった 後 、 円 の 高値 警戒 感 から やや 円 が 売ら れ 、 一 ドル = 九九 円 を はさむ 取引 と なって いる 。 武村 正義 蔵 相 は 十七 日 午前 、 閣議 後 の 会見 で 関西 地区 の 大 地震 に よる 深刻な 被害 に 対して 「 災害 へ の 財政 的な 手当て に ついて は 、 緊急の こと で も あり 最善 を 尽くし たい 」 と 述べ 、 大蔵 省 と して 被災 者 の 救済 や 災害 復旧 に 全力 を 挙げる 考え を 明らかに した 。 同 長官 は 、 「 非常 災害 対策 本部 の 会議 後 、 すみやかに 現地 に 入り 、 同日 中 に も 村山 首相 に 被害 状況 と 現地 住民 の 意見 を 報告 する 」 と 述べた 。 政府 は 、 この 報告 を 受けた 後 、 状況 に 応じ 、 建設 相 、 運輸 相 、 厚 相 の 現地 派遣 を 検討 して いる こと も 明らかに した 。 また 、 田中 真紀子 科学 技術 庁 長官 は 同日 の 閣議 後 会見 で 、 十八 日 に 開く 政府 の 地震 予知 推進 本部 の 緊急 幹事 会 で 、 同 地域 に おける 地震 予知 に ついて も 検討 する こと を 明らかに した 。 村山 富市 首相 は 十七 日 朝 、 「 被害 に 遭わ れた 方々 に 心から お 見舞い 申し上げ ます 。 今後 、 被害 の 状況 に 応じ 万全の 対策 を 講じ ます 」 と の 談話 を 発表 した 。 新進党 の 川端 達夫 衆院 議員 は 十七 日 、 米沢 隆 同 党 副 党首 に 会い 、 山花 貞夫 ・ 新民連 会長 ら と 新 会派 を 結成 する こと を 報告 、 離党 届 を 提出 した 。 政府 は 十七 日 午前 の 閣議 で 、 近畿 地方 で 発生 した 強い 地震 へ の 対応 の ため 「 平成 七 年 兵庫 県 南部 地震 非常 災害 対策 本部 」 と 、 全 閣僚 に よる 対策 会議 の 設置 を 決めた 。 小沢 長官 を 同日 中 に 現地 に 派遣 する ほか 、 村山 富市 首相 が 十八 日 に も 現地 入り する 。 閣議 で 村山 首相 は 「 緊急に 迅速に 対策 を 取る よう 」 各 閣僚 に 指示 した 。 政府 は 同日 午前 、 国土 庁 で 災害 対策 関係 省庁 連絡 会議 、 非常 災害 対策 本部 の 初 会合 を 相次いで 開き 、 対策 を 協議 した 。 首相 は 記者 団 に 「 大変な 状況 だ 。 現地 を 調査 して 被災 地 の 状況 を 把握 し なければ なら ない 。 夜明け前 の 地震 な ので 被害 が 広範囲に 広がって いる 。 密集 地 だ から 」 と 語った 。 防衛 庁 ・ 自衛 隊 は 十七 日 午前 十一 時 過ぎ 、 玉沢 徳一郎 防衛 庁 長官 を 本 部長 と する 災害 対策 本部 を 設置 した 。 貝原 俊民 兵庫 県 知事 から の 災害 派遣 要請 を 受け 、 陸上 自衛 隊 姫路 駐屯 地 の 第 三 特科 連隊 など 三 部隊 計 約 三百 人 を 神戸 地区 など に 派遣 。 偵察 ヘリコプター 二 機 で 災害 地上 空 を 偵察 、 海上 自衛 隊 から は 輸送 艦 三 隻 を 淡路島 周辺 に 派遣 した 。 ロシア の チェルノムイルジン 首相 は 十六 日 夜 、 オスタンキノ ・ テレビ を 通じ チェチェン 共和 国 で の 停戦 を 実現 する ため 「 すべて の 当事 者 ・ 勢力 」 に 即時 交渉 開始 を 提案 した 。 ロシア 政府 は これ まで の 強硬 姿勢 を 少し 和らげ 、 本格 的な 和平 解決 に 向けて 動く 意向 を 示した もの と み られる 。 首相 は 「 エリツィン 大統領 の 委任 に より 国民 に 呼び掛ける 」 と 前置き し 、 「 現在 の 最大 の 課題 は 流血 の 惨事 を 防止 する ことだ 」 と 指摘 。 軍事 行動 の 凍結 、 重 火器 の 使用 停止 、 休戦 地帯 の 創設 、 市民 へ の 食料 供給 など に ついて 協議 する よう 提案 した 。 さらに 首相 は 、 民主 選挙 実施 まで の 暫定 政権 設立 に 向けて の 幅広い 討議 を 呼び掛け 、 選挙 後 に ロシア 連邦 の 範囲 内 で 、 チェチェン 共和 国 の 地位 に 関し 協議 に 応じる 意向 を 明らかに した 。 ロシア 政府 は これ まで 、 ドゥダエフ 政権 を 非合法 政権 と 決め付け 、 共和 国 の 地位 に ついて は 一切 交渉 に 応じ ない と の 強硬 姿勢 を 貫いて きた 。 ドゥダエフ 政権 が この 提案 を 受ける か どう か 不明 。 また 、 ロシア 国防 省 指導 部 など 強硬 派 が 提案 を 支持 して いる か どう かも はっきり せ ず 、 前回 の 休戦 提案 同様 、 無視 さ れる 可能 性 も 残さ れて いる 。 ロシア の 与党 「 ロシア の 選択 」 の ガイダル 代表 は 十六 日 、 プラハ で 開か れた 政治 討論 会 に 出席 し 、 チェチェン 進攻 を 強行 した エリツィン 大統領 を 厳しく 批判 した 。 同 代表 は 「 大 連立 グループ を 結成 し 、 次期 大統領 選 候補 擁立 の ため に 議会 選挙 で 勝利 する 」 と 述べ 、 エリツィン 政権 と は たもと を 分かつ 方針 を 示した 。 ガイダル 代表 は 「 エリツィン 大統領 は ドゥダエフ ・ チェチェン 共和 国 大統領 を 武力 に よって 押さえつけ られる と 考えて いた が 、 それ は 間違って いた 」 と 指摘 。 同 代表 は 「 もはや 、 民主 勢力 だけ で なく 民族 主義 者 、 共産 主義 者 の いずれ の 勢力 も エリツィン 大統領 を 支持 して い ない 」 と 強調 した 。 ロシア の コズイレフ 外 相 は 十六 日 夜 、 米 露 外 相 会談 の ため に ジュネーブ に 到着 。 チェチェン 人 側 が 平和 解決 を 阻害 して いる と の 立場 を 表明 し 、 「 チェチェン 紛争 に よって 米 露 関係 が 損なわ れる こと は ない 」 と 述べた 。 外 相 は 「 チェチェン 紛争 は 悲劇 であり 、 米国 も ロシア も 最も 避け たい 事態 だ と 思って いる 」 と 述べ 、 「 両 国 関係 は より 強固だ と 信じる 」 と 、 チェチェン 紛争 が 米 露 関係 に 影 を 落とす こと は ない と の 認識 を 示した 。 国連 安全 保障 理事 会 の 改革 具体 案 を 検討 する 安保理 改革 作業 部会 が 十六 日 、 国連 本部 で 始まった 。 昨年 に 次ぐ 第 二 ラウンド で 、 国連 創立 五十 周年 の 今年 中 に 具体 案 が まとめ られる か どう か が 注目 さ れる 。 この 日 の 会議 の 冒頭 で 、 作業 部会 議長 の インサナリー 国連 総会 議長 は 、 できれば 今 総会 中 に 何らか の 具体 案 を 煮詰め たい 意向 を 示唆 した 。 今後 、 毎週 一 回 の ペース で 部会 を 開催 。 安保理 メンバー の 拡大 を 前提 に 、 「 常任 理事 国 」 「 非 常任 理事 国 」 「 その他 の 理事 国 」 「 拒否 権 」 「 理事 国 総数 」 を 議題 に 改革 案 を 継続 する 。 十七 日 午前 の 東京 株式 市場 は 、 近畿 圏 の 地震 の 影響 が 広がる 中 で 、 生 損保 株 など を 中心 に 値下がり し 、 東証 の 平均 株価 は 先週 末 終値 比 百四十五 円 七十八 銭 安 の 一万九千百八十五 円 三十九 銭 で 午前 中 の 取引 を 終えた 。 東証 一部 の 出来高 は 九千四百万 株 と 薄商い 。 地震 で 大阪 証券 取引 所 の 株式 や 先物 取引 が 一 時 停止 さ れた ため 、 模様ながめ で 取引 が 始まり 、 関西 に 本拠 を 置く 大林 組 など 建設 や 土木 、 道路 、 港湾 、 薬品 、 通信 の 、 いわゆる 「 地震 」 銘柄 が 軒並み 値上がり した 。 しかし 、 被害 が 大規模に 及ぶ こと が 明らかに なる に つれて 、 損保 や 生保 など を 筆頭 に 値下がり する 銘柄 が 増えた 。 大手 証券 の 神戸 市 内 など の 店舗 は 、 職員 が 出勤 でき ず 、 シャッター を 閉めた まま の ところ も 。 東京 と の 電話 回線 も 通じて い ない 。 大和 証券 は 同日 午前 、 顧客 業務 に 支障 が 出 ない ように する ため 、 対策 委員 会 を 設置 した 。 高村 正彦 経済 企画 庁 長官 は 、 十七 日 午前 の 月例 経済 報告 閣僚 会議 で 、 一 月 の 景気 に ついて 「 企業 設備 等 の 調整 が 続いて いる もの の 、 緩やか ながら 回復 基調 を たどって いる 」 と の 景気 判断 を 示した 。 これ は 十二 月 と 同じ 表現 だ が 、 企業 収益 に ついて 、 前月 の 「 持ち 直し の 兆し 」 から 「 改善 の 動き が み られる 」 と 表現 を 一 歩 先に 進めて おり 、 景気 の 回復 基調 が より 確かに なった と の 認識 を 強調 した 。 企業 収益 は 、 一九九四 年 十一 月 調査 の 日銀 企業 短期 経済 観測 で 、 主要 企業 の 九四 年度 上期 実績 が 前期 比 一四・七 % 増 、 下期 予測 で 同 三二・一 % 増 と プラス に 転じた こと など から 、 表現 を 上方 修正 した 。 一方 、 懸念 材料 と して 為替 相場 の 動き を 挙げて いる 。 これ は 、 メキシコ ・ ペソ の 通貨 不安 など が 米国 の 金利 動向 に 影響 を 与える 可能 性 が ある ため 。 大阪 証券 取引 所 は 十七 日 の 現物 株 、 カントリー ファンド 、 債券 の 取引 を 終日 中止 した 。 先物 と オプション取引 に ついて は 前場 のみ 中止 、 後場 から 開始 。 取引 が 終日 中止 に なった の は 初めて と いう 。 各 証券 会社 社員 が 営業 店 に 到着 して い ない ため 、 大証 は いったん 午前 の 取引 を 中止 した が 、 午後 に なって も 状況 は 好転 せ ず 午後 も 取引 は 不可能 と 判断 した 。 一方 、 大阪 繊維 取引 所 も 取引 を 終日 中止 に した 。 小豆 、 大豆 など を 取引 する 関西 農産 商品 取引 所 は 午前 の 取引 を 中止 した 。 通産 省 に 十七 日 午前 十一 時 半 まで に 入った 連絡 に よる と 、 発電 所 の 被災 は 、 関西電力 の 発電 所 が 八 基 停止 した ほか 、 変電所 が 九 基 停止 した 。 同 電力 管 内 で の 停電 は 六十六万 世帯 。 福井 県 に 集中 立地 して いる 原子 力 発電 所 に は 大きな 被害 は ない 。 中国 電力 、 四国 電力 から は 発電 所 関連 の 被災 情報 は 入って い ない 。 両 電力 管 内 の 停電 は 五千 戸 と いう 。 都市ガス で は 、 大阪ガス など の ガス 製造 工場 から の 被災 情報 は 入って い ない 。 ガス の 供給 状況 に ついて は 調査 中 。 コンビナート や 石油 精製 、 鉱山 関係 で は 被害 情報 は 入って い ない 。 同 省 は 同日 午前 八 時 、 近畿 通産 局 に 災害 対策 本部 を 設置 、 被害 状況 の 把握 に 努めて いる 。 橋本 竜太郎 通産 相 は 同日 の 閣議 後 会見 で 「 被災 地 の 神戸 、 大阪 は 日本 経済 の 中心 地 の 一 つ で 影響 が 懸念 さ れる 。 中小 、 零細 企業 など の 被災 も 心配 さ れる 」 と 語った 。 都市 銀行 など の 金融 機関 は 、 兵庫 県 、 大阪 府 を 中心 に 支店 の 業務 が 大きく 影響 を 受けて いる 。 三菱 銀行 本店 に よる と 、 十七 日 午前 十一 時 現在 、 近畿 地区 に ある 五十 支店 の うち 、 開店 した の は 十三 支店 に 過ぎ ず 、 二十七 支店 が 開店 を 見合わせて おり 、 十 支店 は 電話 が つながって い ない と いう 。 大阪 市 中央 区 に 本店 が ある 大和 銀行 の 東京 本部 でも 、 「 本 支店 に 出勤 して いる 行員 が 少なく 、 営業 できて い ない 支店 が ある が 、 状況 把握 が まだ できて い ない 」 と 言って いる 。 大和 銀行 の オンライン の ホスト コンピューター は 大阪 府 内 に ある が 、 正常に 作動 中 で 、 局地 的に 切断 さ れて いる か どう か 調査 を して いる 。 神戸 市 に 本部 が ある さくら 銀行 の 東京 本店 で は 、 「 支店 や 神戸 本部 へ の 連絡 が 取り にくく 、 状況 が つかめて い ない 」 と して いる 。 日本 興業 銀行 は 大阪 府 内 に 三 支店 、 神戸 市 内 に 一 支店 ある が 、 いずれ も 行員 が 出勤 でき ず 、 開店 して い ない 。 関西 地区 工業 地帯 の 神戸製鋼 所 で は 兵庫 県 内 に ある 神戸 、 加古川 の 両 製鉄 所 が 操業 を 全面 停止 。 この うち 加古川 製鉄 所 で は 原料 置き場 の 運搬 クレーン が 倒壊 した 。 新 日本 製鉄 で は 堺 製鉄 所 の 製鉄 ライン が 、 停電 など の ため 停止 した 。 旭硝子 で は 高砂 工場 の 原料 供給 ライン が 停止 し 、 テレビブラウン 管 用 ガラス の 生産 が ストップ した が 、 夕方 まで に は 復旧 の 見通し 。 住友 金属 工業 で は 、 和歌山 製鉄 所 で 二 基 稼働 して いる 高炉 の うち の 一 基 で 、 配管 に 亀裂 が 発生 。 この 高炉 の 操業 を 見合わせて いる 。 復旧 は 十八 日 夕 の 見通し 。 新進党 は 十七 日 、 政権 準備 委員 会 を 開き 、 海部 俊樹 党首 を 本 部長 と する 兵庫 県 南部 地震 の 災害 対策 本部 を 設置 、 二階 俊博 氏 ら 同 党 の 国土 ・ 交通 政策 担当 者 を 被災 地 の 兵庫 県 と 大阪 府 に 派遣 する こと を 決めた 。 二階 氏 は 同日 午後 、 現地 入り する 。 また 総合 調整 担当 の 西岡 武夫 氏 は 同日 、 防衛 庁 に 対し 生き埋め と なった 市民 の 救助 の ため に 自衛 隊 を 派遣 する よう 要望 した 。 共産党 も 同日 、 寺前 巌 国 対 委員 長 を 本 部長 と する 「 近畿 地方 震災 対策 本部 」 を 設置 した 。 自民 、 社会 、 さきがけ の 与党 三 党 は 十七 日 午前 の 与党 責任 者 会議 で 、 「 兵庫 県 南部 地震 」 の 合同 対策 本部 を 設置 を 決めた 。 午後 に 初 会合 を 開く 。 本 部長 は 久保 亘 社会党 書記 長 で 、 同日 午後 に も 調査 団 を 現地 に 派遣 する 。 チェチェン 共和 国 へ の 進攻 作戦 の 中 で 一 時 捕虜 と なり 、 釈放 さ れた ロシア 軍兵 士 ら が 十六 日 夕 、 モスクワ で 記者 会見 し 、 無謀な 軍事 進攻 を 強行 した 軍 幹部 や 政権 の 決定 を 批判 した 。 十二 月 三十一 日 から 今月 一 日 に かけて の 首都 グロズヌイ へ の 総 攻撃 で 捕虜 と なった ユーリ ・ コロプツォフ 中佐 は 「 作戦 は 完全に 準備 不足 だった 」 と 語り 、 首都 の 地図 も ない まま 突入 を 命じ られ 、 武装 した 住民 に 挟み撃ち さ れて 退路 を 断た れた 経緯 を 明らかに した 。 また ロシア 政府 が 「 首都 制圧 」 を 発表 して いた こと を 数 日 後 に 新聞 で 知った が 「 空爆 に よる 破壊 を 免れた 建物 は すべて チェチェン 側 が 支配 して いた の が 現実 だ 」 と 当局 へ の 不信 感 を あらわに した 。 また 十二 月初め 、 チェチェン 東部 で 武装 した 住民 に 捕らわれ 、 グロズヌイ の 大統領 官邸 地下 で 約 一 カ月 を 過ごした 内務 省 歩兵 部隊 の イワン ・ オゴリチン さん は 「 チェチェン 側 の 兵士 は 親切で 、 恐怖 は 感じ なかった 」 と 語り 、 「 敵 は 犯罪 者 集団 」 と の ロシア 側 の スローガン へ の 疑問 を 口 に した 。 兵役 に 就いて 一 年 の オゴリチン さん は 、 十二 月 三十一 日 の 総 攻撃 の 直前 、 息子 を 救出 する ため 官邸 に 乗り込んだ 母親 ら の 嘆願 で 釈放 さ れた 。 グロズヌイ に ついて は 捕虜 の 大半 が ほとんど 予備 知識 が なかった と いう 。 今回 の 進攻 に ついて 「 チェチェン が ロシア 領 なら ロシア 軍 は 同胞 を 撃った こと に なる し 、 独立 国家 だ と すれば 侵攻 に なる 。 こんな おかしな 戦争 を 仕掛けた の は 政治 家 の 罪 だ と 思う 」 と 語った 。 過去 数十万 年 の 間 に 、 同じ 場所 で 何度 も 岩盤 が ずれ 、 地震 発生 を 繰り返して きた 断層 。 場所 に よって 数百 ― 数千 年 の 間隔 で 地震 が 起きて おり 、 歴史 上 に 記録 が なくて も 、 いつ 地震 が 起きて も おかしく ない 断層 も ある 。 日本 の 活断層 は 北海道 から 九州 まで 全国 に 分布 して おり 、 主な もの だけ で 約 千五百 カ所 ある 。 活断層 の 活動 で 起きた 最近 の 主な 地震 と して は 、 一九四八 年 の 福井 地震 、 七四 年 の 伊豆 半島 沖 地震 、 七八 年 の 伊豆 大島 近海 地震 など が ある 。 第 三十六 回 毎日 芸術 賞 の 贈呈 式 が 十三 日 、 東京 ・ 一ツ橋 の 如水 会館 であった 。 芸術 各界 から 同 賞 に 輝いた の は 、 四 氏 と 一 氏 ・ 一 団体 。 賞 を 受けた あと 、 それぞれ 次 の ような 受賞 の あいさつ を 述べた 。 東京 交響 楽団 は 長い 苦難 を 乗り越えて 今日 に 至り ました 。 第 四百 回 定期 演奏 会 、 秋山 和慶 音楽 監督 就任 三十 周年 の 記念 と して 取り上げた シェーンベルク の 「 モーゼ と アロン 」 の 公演 は 経済 的に も 技術 的に も 大変でした が 、 その 心意気 を 、 最も 権威 ある 毎日 芸術 賞 に 評価 して いただいて 、 感激 して おり ます 。 これ を 機 に さらに 精進 して 日本 の 演奏 水準 を 高める べく 努力 致し ます 。 今日 、 アメリカ で 指揮 を して いる 秋山 、 団員 に 変わって ごあいさつ いたし ます 。 焼き物 を 始めて 四十八 年 、 土 と の 闘い を ずっと 続けて まいり ました 。 長い 試行 錯誤 を し ながら 面 の 象嵌 技術 に 挑戦 して きた から こそ 、 今日 の 私 が ある と 思って おり ます 。 その 成果 を 平安 建都 千二百 年 や 、 アジア 大会 を 記念 して 、 それぞれ 京都 、 広島 で 発表 できた だけ で なく 、 この 栄え ある 賞 まで いただいて 、 まるで 夢 の ような 気持ち です 。 本当に 幸せ 者 で ございます が 、 これ から も 初心 に 帰って 、 土 と 語り合い ながら 、 精進 に つとめて いき たい と 思って おり ます 。 一葉 さん が 亡くなって 来年 で 百 年 に なり ます 。 その 前年 に こんな 大きな 賞 を 頂き 感激 して い ます 。 朗読 を 始めて 四十 年 、 舞台 で 一葉 作品 を 読み 始めて 二十 年 。 今 でも 、 どう 読んで いい の か 手探り で 迷い っぱなし の 毎日 です 。 一歩一歩 、 あゆんで いく だけ です 。 一葉 さん は 決して 古い 忍従 の 人 で は なく 、 近代 的な 女性 でした 。 一 人 で とぼとぼ と 歩き 続けて きた 私 が 、 思い も かけ ぬ 毎日 芸術 賞 を 頂けた の は 、 一葉 さん の おかげ です 。 ありがとう ございました 。 昨年 の 秋 、 銀座 の 画廊 で ささやかな 個展 を いたし ました 。 それ が この 賞 を いただける と は 、 自分 でも 大変 びっくり して おり ます 。 モノ を 確かめる ため に 、 たとえば 鉄 を 切ったり 、 曲げたり 、 ふくらま せたり して 何とか 形 に もっていく の が 私 の 仕事 です 。 一 つ の 型 を 守って それ を 繰り返し 、 深化 さ せて いく の は 不得手で 、 その つど の 好奇心 に 従って 作品 は 変わって き ました 。 そして 、 これ から も 一つ一つ の 作品 と ともに 、 私 自身 も また 作り 変えて いき たい と 思い ます 。 ぼく は 視覚 的に 表現 できる もの なら 何でも やってき ました 。 特定の 職業 に とらわれ たく ない ので 、 画家 であり デザイナー であり ビデオ ・ アーチスト である と 思って きた んです 。 ところが この 賞 の 発表 紙面 で 、 亀倉 雄策 氏 が 「 横尾 は 画家 でも デザイナー で も ない 」 と 書か れて いる の を 見て 、 そう か 、 自分 は どれ で も なかった んだ 、 横尾 でも 人間 で も ない んだ と 気づき ました 。 だから 、 この 賞 を いただいて も 枠 に しばら れ ず 、 何 を やって も いい んだ と 考えて おり ます 。 今日 の 美術 界 に あって 、 入江 比呂 は ほとんど 忘れ られた 存在 に 等しかった 。 しかし 、 戦前 の プロレタリア 美術 運動 、 戦後 の シュールレアリスム を 経て 九〇 年 代 に 至る まで 、 前衛 美術 の 可能 性 を 求めて やま なかった その 軌跡 は 決して 消える こと は ない だろう 。 没後 一 年 半 、 美術 家 ・ 門田 秀雄 の 尽力 に よって 実現 した この 試み は 、 入江 芸術 の たんなる 歴史 化 に とどまら ず 、 それ が 未来 へ と 受け継が れる べき たくさんの モチーフ を はらんで いた こと も 教えて くれる 。 制作 歴 は 六十 年 を 超す が 、 立体 七十 点 、 絵画 ・ 素描 三十 点 と いう 展示 数 が 物語る ように 、 残った 作品 は 意外 と 少ない 。 戦争 時 の どさくさ で 行方 知れ ず に なったり 、 自分 で 破棄 したり 、 自然 崩壊 して しまったり した ため だ 。 ここ で は 戦前 の 貴重な 彫像 や 素描 も 並ぶ が 、 展示 の 中心 は 保存 環境 の できた 六〇 年 代 以降 の アッサンブラージュ 作品 である 。 そして 、 それ ら こそ 、 まさしく 入江 芸術 の 中核 を なす もの であった 。 その アッサンブラージュ も 時代 に よって 微妙に 変化 して いく が 、 固めた セメント に よる 形態 と 、 日常 現実 から 収集 さ れた 廃物 廃材 の 組み合わせ は 終始 一貫 して いる 。 この 素材 の 選び 方 は テキスト で 門田 も 明快に 指摘 して いる ように 、 美術 と 社会 と の 通路 を 求めよう と した 意識 の 現れ と いって いい 。 もっと いう なら 、 それ は 美術 の 変革 と 社会 変革 の ため の 美術 と を 結び付けよう と する 意識 が 、 必然 的に 導いた 素材 だった はずである 。 しかし 、 注目 す べき は 人体 像 であれ 、 もっと 異形の 何 か であれ 、 その 表現 の はらむ 特異 さ の 方 だ 。 政治 情勢 や 社会 風俗 へ 向けて の 風刺 を 秘め ながら も 、 決して 一義的な メッセージ に 拘束 さ れる こと が ない 。 露呈 した 物体 の 生々しい 表情 、 不 連続 に それ ら を 折り 重ねた 果て の 崩壊 感覚 。 まるで きまじめな 言葉 を のみ込む ように 、 広大な ユーモア の 波 が せり上がって くる 。 それ は 破産 した かつて の 教条 主義 的な 芸術 を 乗り越えよう と した 精神 の 輝かしい 刻印 で も あったろう 。 2 月 24 日 まで 、 東京 ・ 六本木 5 の 10 、 ストライプハウス 美術 館 。 「 文化 立国 ・ 文化 省 設立 を 推進 する 会 」 が 十九 日 午後 六 時 半 から 東京 ・ 新宿 の 京王 プラザホテル で 第 一 回 総会 と 懇親 パーティー を 開く 。 この 会 は 昨年 九 月 、 指揮 者 の 朝比奈 隆 、 歌舞伎 俳優 の 中村 歌右衛門 、 映画 監督 の 黒沢 明 、 俳優 の 森繁 久弥 の 各氏 ら が 代表 世話人 に なって 発足 した 。 昨年 十 月 まで に 個人 会員 九百四十七 人 と 百五十一 団体 が 加入 して いる 。 事務 局 は 03・3464・8029 。 二 月 に 公開 が 予定 さ れて いる 映画 「 フランケンシュタイン 」 の 監督 ・ 主演 を した ケネス ・ ブラナー が 来 日 した 。 ブラナー は 「 から 騒ぎ 」 など の シェークスピア 原作 映画 を 製作 する など 、 活発な 創作 活動 を 続けて いる 。 「 フランケンシュタイン 」 は フランシス ・ フォード ・ コッポラ の 製作 、 ロバート ・ デ ・ ニーロ の 主演 と いう 面 でも 見逃せ ない 。 「 フランケンシュタイン に ついて は 、 小説 を 読んで い なかった し 、 ボリス ・ カーロフ 主演 の 映画 ぐらい しか 知識 は なかった 。 この 仕事 を する ので 小説 を 読んで みたら 、 意外に ロマンチックで シェークスピア 的な スケール の 大き さ が ある ので 気 に 入った 。 テーマ も 今日 的な もの が ある 。 脚本 は なるべく 原作 に 忠実に 書いて もらった 。 とくに 強調 し たかった の は 、 ヴィクター ・ フランケンシュタイン と 彼 が 作った クリーチャー と の 間 に あった 愛 、 それ に ヴィクター の 家族 の 話 だ 」 「 クリーチャー 役 の デ ・ ニーロ は 暴力 的だ が やさしい 面 も 出せる 人 と いう こと で お 願い した 。 ボリス ・ カーロフ に 挑戦 する の は 、 彼 と して も 勇気 が いった こと だろう 。 凝り 性 の 彼 は メーク など に 完ぺきに のめり込んで くれた 」 「 俳優 と 監督 で は 、 俳優 を やって いる ほう が 断然 楽しい 。 監督 は 事務 的な こと が 多くて 大変な んだ 。 とにかく この 映画 は 現代 の 人々 に 古典 を どう 見て もらう か と いう 模索 であり 、 チャレンジ だった 。 シェークスピア の 映画 化 と も 共通 する よ 」 米 レコード 音楽 界 最大 の 栄誉 である グラミー 賞 の 候補 アーチスト ・ 作品 が ロサンゼルス で 発表 さ れた 。 日本 人 関係 で は 、 ジャズ ピアニスト 、 作曲 家 の 秋吉 敏子 が ビッグ バンド ジャズ 、 アレンジ の 両 部門 で ノミネート さ れた ほか 、 喜多郎 が 「 マンダラ 」 で 、 坂本 龍一 が 「 リトル ・ ブッダ 」 で 、 武満 徹 が 「 ファンタズマ / カントス 」 で 候補 に 入って いる 。 授賞 式 は 三 月 一 日 、 当地 で 行わ れる 。 お 子 さま 向け 活劇 シリーズ 「 パワー ・ レンジャー 」 が 、 アメリカ で 翻案 TV 化 さ れ 、 土曜日 朝 に フォックス TV 系列 で 放送 さ れ 高 視聴 率 を あげて いる 。 早速 、 製作 費 四千万 ドル を かけた 劇場 映画 の 製作 が 発表 さ れた 。 これ に 気 を 良く した 東映 と アメリカ で の 製作 会社 サバン は 、 今度 は 「 仮面 ライダー 」 を 製作 する 。 一方 「 ウルトラマン 」 三十 周年 を 記念 して 円谷 プロ も 、 新 シリーズ を アメリカ 市場 向け に 製作 する 。 新作 「 クイズ ・ ショウ 」 で 高い 評価 を 得た ロバート ・ レッドフォード が 、 次回 作 を 製作 発表 した 。 ジャック ・ フィニー 原作 の 「 ふりだし に 戻る 」 の 映画 化 で 、 レッドフォード は 二十五 年 も 企画 を 温めて いた と いう 。 十九 世紀 と 現在 を 自由に 行き来 できる タイム ・ トラベラー の 話 だ 。 この ほか に ラブ ・ ストーリー 「 ホース ・ ウィスパーズ 」 の 監督 ・ 主演 も 決まって いる 。 また 「 クイズ ・ ショウ 」 に 続いて TV を 舞台 に 、 女性 キャスター の 伝記 映画 に も 出演 する 。 キャスター 役 は ミシェル ・ ファイファー で 、 三 月 から 撮影 が 開始 さ れる 。 十六 年 ぶり の 新派 に よる 初 芝居 である 。 昼 は 勘九郎 、 夜 は 吉右衛門 を ゲスト に 招き 、 藤山 直美 、 国広 富之 が 参加 した 一座 。 昼 は 川口 松太郎 作品 二 本 で 最初 は 「 新橋 つきぢ 川 」 。 新橋 の 花柳界 で 生きる 三 人 の 女性 と その 愛人 や 恋人 たち の 物語 で 、 この 町 が 好きで たまらない と いう 人 たち の 人情 を から っと 描いた 作品 だ 。 この 作者 独特 の しゃれた 味わい が 見どころ で 、 久里子 、 紅 、 直美 の 三 女優 が 持ち味 を 発揮 した 。 男優 陣 で は 老け 役 の 勘九郎 が 観客 を 楽しま せて いる 。 国広 、 青山 も 役どころ 。 二 番 目 が 「 鶴八 鶴次郎 」 で 新派 十八 番 と も 言える 作品 。 良重 の 鶴八 、 勘九郎 の 鶴次郎 で 、 愛する ゆえ に けんか し 、 愛する ゆえ に 別れた 男女 の 切ない 心 を みごとに 描いて いる 。 昼夜 を 通して 最高の 出来 栄え だ 。 ただし 大詰め の 鶴次郎 の 述懐 は 声 が 張り 過ぎ だ 。 抑えた ほう が 悲しみ が 伝わる 。 菅原 の 佐平 以下 、 青山 、 柳田 、 加納 、 青柳 、 伊井 ら ベテラン が 好 助演 。 夜 の 最初 は 松竹 百 年 を 祝う 舞踊 で 、 次 が これ も 有名な 「 湯島 境内 」 。 久里子 初役 の お 蔦 は 、 喜び が 一転 して 悲しみ に なる 女 の 心 を 抑制 の 効いた 演技 で 表現 、 吉右衛門 が 心ならずも 恋しい 女 と 別れる 主税 の 切な さ を 見せる 。 明治 の 男女 に なって いる の が 二 人 の 腕 だ 。 次 が 花登 筐 作 の 「 春風 物語 」 。 明治 の 娘 義太夫 の 人気者 豊竹 呂昇 を 主人公 に した 芸道 物 で 、 前半 は 面白く 出来て いる 。 が 、 後半 は この 作者 特有 の ひねり が 、 うまく 行って い ない 。 良重 が すべて を 捨てて 芸 に 生きる 呂昇 を 全力 で 演じ 、 菅原 、 国広 、 直美 、 一条 ら が いい 助演 を 見せて いる が 、 作 が 弱い 。 26 日 まで 。 洋画 雑誌 「 スクリーン 」 の 94 年度 洋画 ベストテン が 次の 通り 発表 さ れた 。 ( 1 ) ピアノ ・ レッスン さらば 、 わが 愛 / 覇王 別 姫 日 の 名残り ショート ・ カッツ シンドラー の リスト ギルバート ・ グレイプ スピード パルプ ・ フィクション エイジ ・ オブ ・ イノセンス / 汚れ なき 愛 トリコロール / 赤 の 愛 長野 冬季 五輪 で 正式 種目 へ の 採用 が 確実 視 さ れて いる スノーボード 会場 地 へ の 立候補 に 名乗り を 上げて いた 長野 県 下高井 郡 山ノ内 町 は 十七 日 、 同 町 役場 で オリンピック競技 ・ 運営 施設 検討 委員 会 を 開き 、 会場 候補 地 を 志賀高原 ・ 焼額 スキー 場 と 同 ・ 上林 温泉 スキー 場 に 決めた 。 兵庫 県 ・ 淡路島 を 震源 地 と する マグニチュード 7・2 の 地震 は 「 直下 型 地震 」 の 恐怖 を 改めて 見せ付けた 。 安全である と み られて きた 高速 道路 や 、 新幹線 の 橋げた が なぜ こんなに 簡単に 倒壊 した の か 。 「 ああー 」 。 東京 ・ 霞が関 の 建設 省 。 倒壊 した 阪神 高速 道路 の 無残な 姿 が テレビ 画面 に 映さ れる たび に 各 部署 から 悲鳴 に も 似た 声 が 上がった 。 「 アメリカ など 海外 の 道路 と 違って 日本 の 高速 道路 は 関東 大 震災 級 の 地震 が きて も 絶対 に 崩れ ない 」 と 建設 官僚 が これ まで 胸 を 張って きた 日本 の 高速 道路 。 その 神話 が もろくも 崩れた 瞬間 だった 。 日本 の 高速 道路 の 建設 費 は 海外 の 高速 道路 に 比べて 工事 費 が 三 ― 五 割 も 高い こと は 有名 。 理由 と して は 「 綿密な 地盤 調査 に 加え 耐震 構造 に 万全 を 期して いる ため に どうしても 割高に なる 」 と さ れて きた 。 建設 省 で は 海外 で 大規模な 地震 が 発生 し 道路 が 崩壊 する たび に 視察 団 を 派遣 して いた が 、 帰国 後 に は 「 日本 の 高速 道路 は 大丈夫 」 と 繰り返して いた だけ に ショック は 大きい 。 高速 道路 を 含め 道路 全体 の 被害 状況 を まとめる 建設 省 道路 防災 対策 室 は 「 日本 の 高速 道路 が 崩壊 した の は 初めて 。 驚いて いる 。 今 は 状況 の 把握 に 追わ れて いる ので 、 高速 道路 の 構造 に 問題 が あった か 、 地盤 の 問題 か など 今 は 考えて いる 余裕 は ない 」 と 言葉 が 少ない 。 一方 、 高速 道路 の 工事 を 請け負った ゼネコン は 現地 支社 、 事務 所 など と 連絡 を 取り ながら 、 東京 から も 十七 日 中 に 本社 から 続々 と 技術 者 ら が 現地 入り する 。 準 大手 ゼネコン 取締 役 は 「 大きな 地震 だった と は いえ 、 崩壊 を 目の当たり に する と 言葉 も 出 ない 。 崩壊 した 部分 は 地盤 の 軟弱 の 部分 と いう こと が 考え られる が 、 とにかく 調査 を 急ぐ 」 と して いる 。 鹿島 技術 研究 所 第 一 研究 部 の 大保 直人 ・ 第 二 研究 室長 は 「 最近 の 都市 の 高速 道路 や 橋りょう は 、 関東 大 震災 レベル の 地震 でも 機能 を 保持 する 耐震 設計 が 一般 的に なって いる が 、 今回 の 被害 の 大き さ に 驚いて いる 。 直下 型 の 地震 で 、 最初に かなり の 上下 動 が あり 、 被害 が 広がった ので は ない か 。 当社 が 施工 した 構造 物 も かなり ある と み られる ので 、 できる だけ 情報 収集 して 現地 に 向かい たい 」 と 話す 。 近畿 一帯 を 直撃 した 大 地震 は 米 東部 時間 十六 日 夕 、 CNN など が 臨時 ニュース で 一報 を 流し 、 その後 、 NHK など の 生 中継 画像 で 炎上 する 神戸 市 内 の 模様 など も 伝えた 。 ニューヨーク 周辺 に は 京 阪 神 地区 から 赴任 して いる ビジネスマン も 多く 、 衝撃 的な 映像 に パニック 。 近畿 方面 へ の 国際 電話 回線 は パンク 状態 。 都 内 の 私立 高校 で 十七 日 、 推薦 入試 が 始まった 。 東京 の ほか 、 神奈川 、 千葉 、 埼玉 など 近県 から の 受験 生 が 志望 校 で 面接 や 作文 、 適性 検査 など の 試験 を 受けた 。 都 学事 部 に よる と 、 推薦 を 実施 する の は 百六十一 校 で 、 この 日 は 百五十九 校 が 試験 を 実施 。 成田 空港 建設 で 三里塚 ・ 芝山 連合 空港 反対 同盟 小川 派 の 小川 喜平 さん から 手紙 で 謝罪 を 求め られた こと に ついて 亀井 静香 運輸 相 は 十七 日 の 閣議 後 の 記者 会見 で 「 総理 から 『 運輸 省 で とりあえず 対処 を 』 と 指示 さ れた 。 二十 日 の 閣議 で 対応 方針 の 了解 を 得た 後 、 午後 、 小川 さん に 手紙 を お 届け し たい 」 と 述べた 。 小川 派 の 他 の 農民 ら に 対して も 同じ 内容 の 文書 を 送る こと も 明らかに した 。 「 地球 環境 時代 」 に 対応 した 国 の 基本 方針 の 在り 方 に ついて 協議 して きた 首相 の 私的 諮問 機関 「 21 世紀 地球 環境 懇話 会 」 は 十七 日 、 「 新しい 文明 の 創造 に 向けて 」 と 題する 提言 を まとめた 。 政府 は 、 具体 化 に 向けた 関係 省庁 、 非 政府 組織 など と の 協議 を 本格 化 さ せる 。 吉川 仁 ・ 防災 都市 計画 研究 所 主任 研究 員 は 「 近代 都市 で 関東 大 地震 の 時 と 同じ ような 火災 の 光景 を 見る と は ショック だった 。 これ まで の 地震 対策 は 東京 中心 に 偏って おり 、 関西 は 行政 も 市民 も 無防備に 近く 、 その 盲点 を つかれた 形 だ 。 高速 道路 や 建造 物 の 倒壊 は 老朽 化 した 所 、 地盤 が 弱い 所 で 必ず 起きる 。 行政 が 普段 から 注意 して いれば 被害 を 小さく できた はずだ 」 と 話す 。 また 力武 常次 ・ 財団 法人 地震 予知 総合 研究 振興 会 理事 は 「 意外 と 被害 が 大きく 、 驚いて いる 。 新しい 建物 は 大丈夫 の ようだ が 、 古い ビル や 上部 が 重い かわら屋根 の 家 に 被害 が 集中 した ようだ 。 高速 道路 の 落下 は 、 ロサンゼルス 地震 の 教訓 が 生かせ ない こと を 証明 した 」 と 言う 。 東京 都 防災 会議 の 専門 委員 を 務める 中田 慎介 ・ 建設 省 建築 研究 所 第 四 研究 部長 は 「 高速 道路 の 橋脚 は 、 関東 大 震災 規模 の 地震 が 起きて も 落ち ない ように 設計 さ れて いる 。 今回 の 壊れ 方 を 見る と 、 関東 大 震災 を 超える 地震 の 横揺れ が 局部 的に 起きた ので は ない か 」 と 話して いる 。 岡田 恒男 ・ 東大 生産 技術 研究 所 教授 に よる と 、 一九七八 年 の 宮城 県 沖 地震 で 東北 自動車 道 の 一部 で 橋脚 に ひび が 入った 事故 例 は ある が 、 今回 の ように 地震 で 高速 道路 の 橋脚 自体 が 落下 した の は 国 内 で 初 の ケース 。 米国 で は 八九 年 に サンフランシスコ を 襲った ロマ ・ プリータ 地震 で 橋脚 が 落下 した が 、 原因 は 軟弱な 地盤 と 構造 上 の 欠陥 だった 。 同 教授 は 、 今回 の 落下 は 「 軟弱な 地盤 」 が 最大 の 原因 と みる 。 「 日本 の 高速 道路 は 、 米国 に 比べて 強固に 造って ある が 、 軟弱 地盤 の 個所 に マグニチュード 7・2 の 直下 型 大 地震 が 起きた ため 、 耐え 切れ なく なった のだろう 」 と 説明 。 「 地質 の 問題 は 難しい が 、 東京 でも 改めて 高速 道路 の 調査 を 行い 、 最新 の 技術 を 使って 見直し を し なければ なら ない 」 と 指摘 する 。 また 、 近代 都市 で これ だけ の 被害 が 出た 地震 は 初 の ケース と いう 。 岡田 教授 は 「 大 都市 で は 建築 後 二十 ― 三十 年 たった 建物 の 五 ― 一〇 % は 倒壊 の 恐れ が あり 、 補強 の 必要 が ある 」 と 話す 。 余震 で 建物 が 崩れ 、 被害 が 拡大 する ケース が 考え られる だけ に 、 神奈川 、 静岡 、 東京 など で 進め られて いる ような 、 地震 直後 に 建物 の 被害 程度 を 検査 する 判定 員 の 制度 充実 が 必要だ と して いる 。 十七 日 の 地震 は 、 北海道 東方 沖 地震 など 北海道 、 東北 地方 で 続いて いる 昨年 から の 一連の 地震 と 関係 が ある の か 、 茂木 清夫 ・ 地震 予知 連 会長 に 聞いた 。 茂木 会長 は 北海道 ・ 東北 地方 の 地震 と の 関係 に ついて 「 詳しい データ が まだ 入って きて い ない ので 何とも 言え ない 」 と し ながら も 「 予知 は でき なかった が 、 西 日本 地方 は 陸 側 で 中 規模 の 地震 が 発生 して も おかしく ない 時期 に 来て いた 」 と 語る 。 茂木 会長 に よる と 過去 、 西 日本 地区 で 発生 した マグニチュード 8 級 の 地震 は 、 一九四四 年 十二 月 七 日 に 愛知 、 和歌山 、 三重 県 など で 死者 ・ 行方 不明 九百九十八 人 を 出した 「 東南 海 地震 」 と 、 四六 年 十二 月 二十一 日 に 和歌山 、 徳島 県 など で 死者 ・ 行方 不明 千四百四十三 人 を 出した 「 南海 道 地震 」 の 二 つ が ある が 、 こうした M 8 級 の 大 地震 は 百 年 に 一 回 の ペース で 起きて いる こと が 分かって いる 。 この 二 つ の 大 地震 から 約 五十 年 たって おり 、 前回 放出 した 地震 エネルギー が 蓄積 さ れて 中 規模 地震 が 発生 する 可能 性 が 高まって いた ため 、 北海道 ・ 東北 地震 だけ に 目 を 奪わ れ ない よう 西 日本 地区 の 地殻 変動 など の 地震 データ に 注目 して いた と いう 。 しかし 「 地震 予知 に 結びつく ような データ は なかった 」 と いう 。 また 浅田 敏 ・ 東海 大 教授 も 「 今回 の 地震 は 陸 型 地震 な ので 北海道 地震 と は 関係ない ので は ない か 」 と 話して いる 。 今後 に ついて は 「 余震 が 続く ので 被害 が 拡大 し ない よう 注意 が 必要 」 と 呼びかけて いる 。 飛行機 が 、 昔 から 好きだった 。 小学生 時代 に は 、 本屋 で 航空 雑誌 を 立ち読み し 、 新旧 の 航空 機 の 性能 を 暗記 したり 、 開発 秘話 に 熱中 した 。 先週 、 名古屋 の 三菱重工業 工場 で 、 次期 支援 戦闘 機 の 試作 機 が 公開 さ れた 。 「 チャンス 」 と ばかり 、 早朝 の 新幹線 で ノコノコ 出かけた 。 新鋭 機 は 、 米 空軍 の F1 6 を ベース に 日 米 が 共同 開発 した もの だ が 、 F1 6 より も 運動 性能 、 格 戦闘 力 が 格段に 優れる 。 ただただ 速く 飛び 、 戦う ため に 磨きあげ られた 精かんな 機体 。 思わず 「 カッコいい 」 と 、 昔 の 口癖 が 出た 。 ところで 、 一 記者 と して FSX を 見る と 、 話 は ちょっと 変わる 。 開発 費 三千二百七十四億 円 は いかにも 高く 、 量産 機 は 世界 一 高価な 戦闘 機 に なり そうだ 。 空中 戦 で 生き残る に は 数 が 物 を いう と 「 ランチェスター の 法則 」 は 説いて いる 。 支援 機 を いかに 多数 そろえる か が 問題 だ 。 一方 で 、 防衛 費 削減 は 財政 再建 上 の 課題 で も ある 。 自衛 隊 も ポスト 冷戦 で リストラ が 必要な 時代 。 戦前 の 宇垣 軍縮 で は 師団 を 減らして 装備 を 近代 化 した と いう 。 FSX の 量産 に 際し 、 原価 低減 に さらに 努力 す べきだろう 。 逆風 の なか で 飛び立つ FSX 。 今夏 の 初 フライト の 成功 を 、 と 一 航空 ファン は 願う 。 高層 住宅 が 崩壊 し 、 住民 が 多数 生き埋め 。 鉄道 の 脱線 、 新幹線 や 高速 道路 の 橋げた が 各所 で 落下 、 火災 、 ガス 漏れ が 相次ぎ 、 まるで 戦災 の 惨状 ―― 。 十七 日 早朝 、 近畿 を 中心 に 西 日本 を 襲った マグニチュード 7・2 の 大 地震 は 京 阪 神 を 直撃 、 都市 部 と して は 戦後 最大 の 被害 を 出し 、 都市 機能 は まひ した 。 被災 者 は 神戸 市 と 阪神 間 の 各 市 、 淡路島 など に 集中 。 都市 直下 型 地震 の 恐ろし さ を 見せつけた 。 関西 は これ まで 地震 被害 が 少なかった だけ に 防災 体制 の 早急な 見直し が 迫ら れた 。 兵庫 県警 芦屋 署 に よる と 、 管 内 六十九 カ所 で 民家 など が 倒壊 、 約 二百 人 が 下敷き に なって いる と いう 。 さらに 、 西宮 市 の JR 甲子園 口 駅 近く でも 、 木造 家屋 数十 軒 が 倒壊 。 着のみ着のまま で 路上 に 飛びだした 人 たち が 「 人 が いる 。 助けて ! 」 と 大声 で 泣き叫び 、 パニック 状態 。 廃虚 の 中 から は うめき声 が 漏れて くる もの の 、 手 の 施し よう が なく 、 同 駅 近く の 西宮 署 派出 所 に 住民 数十 人 が 殺到 した が 、 「 人 を 出す 余裕 が ない 。 みんな で 協力 して 助け出して 下さい 」 と 答える の が 精いっぱい だった 。 また 、 伊丹 市 北野 一 で は 、 五 階建て マンション 二 棟 の 一 階 部分 が 倒壊 。 西宮 市 津門 大塚 町 の 十一 階建て マンション も 半 倒壊 、 多数 の 死傷 者 が 出て いる 模様 。 芦屋 市 の 毎日新聞 販売 店 に よる と 、 JR 芦屋 駅前 を 中心 に 民家 数百 世帯 が 倒壊 。 同 駅 の ホーム も 崩れ 、 線路 側 に 落ちた 。 また 、 同 市 内 で は 、 新聞 配達 中 の 女性 配達 員 が ブロック塀 の 下敷き に なって 、 死亡 した と いう 情報 も ある 。 西宮 市 の JR 甲子園口 駅 周辺 で は 、 約 二十 世帯 が 入居 して いる 駅 北側 の 七 階建て 雑居ビル 「 ホーキビル 」 が 上 から 押しつぶさ れ 、 原形 を とどめ ない ほど で 、 数十 人 が 生き埋め に なって いる 模様 。 神戸 市 長田 区 の 市立 西 市民 病院 で は 、 鉄筋 七 階建て の 五 階 の 西 半分 が つぶれ 、 入院 して いた 内科 患者 五十 人 と 看護 婦 三 人 が 生き埋め に なった 。 レスキュー隊 を 要請 して いる が 、 付近 は 道路 渋滞 で 、 到着 が 遅れて おり 、 病院 側 が 午前 十一 時 まで に 患者 三 人 を 救助 した が 、 残り 五十 人 の 安否 は 不明 。 また 、 病院 付近 の 火災 や 家屋 の 倒壊 で 負傷 した 住民 が 百 人 以上 押し寄せ 、 処置 室 に 入り きれ ない 患者 が ロビー を 埋めつくした 。 住んで いた アパート が 全壊 した 男性 は 、 目 と 手 に けが を 負った 母 を 連れて きた 。 「 突然 家 が 崩れ 、 着のみ着のまま 飛びだした 。 生きて いる の が 不思議 」 と 話した 。 震度 6 を 記録 した 神戸 市 中央 区 港島中 町 の 人工 島 ・ ポートアイランド で は 突然 、 激しい 揺れ が 住民 の 眠り を 破った 。 中心 部 と 島 を 結ぶ 唯一 の ルート 、 神戸 大橋 が 路面 の 亀裂 など で 全面 ストップ 。 約 一万五千 人 の 住民 は 、 暗やみ の 中 で 不安 そうに 夜明け を 待った 。 二十四 ― 十四 階 の 高層 マンション が 建ち 並ぶ 一角 は 、 特に 被害 が 大きかった 。 食器 棚 や たんす など が 倒れ 、 下敷き に なったり 、 ガラス の 破片 で けが を した 人 が 続出 。 エレベーター は 停電 で ストップ した ため 、 高層 階 から 着のみ着のまま で 、 階段 を 駆け下り 、 公園 に 避難 する 人 が 相次いだ 。 建物 の 外壁 や 柱 に は 、 至る所 に ひび割れ が 走り 、 道路 の ほか 、 舗道 に 敷きつめた ブロック など が 隆起 。 特に “ 液状 化 現象 ” で 路面 に 泥水 が 噴き上がり 、 住民 の 恐怖 感 を 募ら せた 。 車 で 避難 しよう と した 住民 も 、 海 沿い の 道路 が 冠水 した ため 、 Uターン 。 住民 の 中 に は 「 津波 は 大丈夫だろう か 」 と 不安 を 抱く 人 も おり 、 情報 が 閉ざさ れる 中 、 人工 島 の もろ さ を 見せつける 形 と なった 。 被害 の 大きかった 神戸 市 東灘 区 本山南 町 周辺 で は 、 道路 の 舗装 が 至る所 で めくれ上がり 陥没 。 コンクリート の 電柱 が 真ん中 から ポッキリ と 折れて いた 。 木造 家屋 が ペチャンコに なり 、 「 助けて くれ 、 生き埋め に なって いる 」 と の 声 が 飛び交う 。 大阪 市 中心 部 の 御堂筋 や 中之島 周辺 で は 、 通り 沿い の ビル の ガラス が 割れ 、 路上 に 散乱 。 あちこち で 水道 管 が 破裂 し 、 断水 の 被害 が 相次いだ 。 市営 地下鉄 は 全線 不通 。 マイカー に 切り替えた 通勤 の 会社 員 ら で 、 道路 は 大 混雑 と なった 。 大阪 市 淀川 区 の 十三 大橋 で は 、 北端 の 一部 が 陥没 。 この ため 橋 を 通る 国道 176 号 が 通行 止め と なった 。 大阪 市 市民 局 安全 対策 課 に よる と 、 同 市 内 で は 午前 九 時 半 現在 、 水道 の 漏水 が 二十 カ所 以上 、 ガス 漏れ も 百二十 カ所 以上 に 上る と いう 。 この ため 、 同 市 で は すべて の 市立 小 、 中 、 高校 、 保育 所 が 休み と なった 。 NTT 関西 支社 に よる と 、 午前 九 時 半 現在 、 交換 機 の 故障 で 、 神戸 市 内 の 長田 、 須磨 区 と 兵庫 県 竜野 地域 で 電話 の 発着 信 が 一部 不能に なって いる 。 京都 市 右京 区 の 広隆寺 で は 、 国 の 重要 文化 財 の 木造 の 仏像 三 体 が 陳列 台 から 落下 し 、 平安 時代 に 作ら れた 「 聖観音 立像 」 の 右腕 が 折れた 。 埼玉 県 内 の 愛犬 家 ら 連続 失跡 事件 で 、 埼玉 ・ 群馬 両 県警 合同 捜査 本部 は 十七 日 午前 九 時 から 、 埼玉 県 行田 市 の 会社 役員 、 川崎 明男 さん の 遺骨 や 遺品 が 捨て られた 疑い が 濃い 、 と して 群馬 県 利根 郡 川場 村 の 数 カ所 で 捜索 を 始めた 。 現場 は 、 遺体 が 切断 、 焼却 さ れた 片品 村 の 犬 繁殖 場 から 西 へ 約 五キロ 。 JR 西 日本 に よる と 、 山陽 新幹線 は 新大阪 ― 西明石 駅 間 に かけて の 兵庫 県 内 八 カ所 で 高架 の 橋げた が 落下 。 また 五 カ所 で 橋げた が ずれ 、 二 カ所 で 線路 が 陥没 する など 完全に 運行 不能 と なった 。 この うち 同県 西宮 市 で は 、 新幹線 下 を 交差 する 阪急 今津 線上 に 橋げた が 落ち 、 二 重 事故 と なった 。 また JR 東海 に よる と 、 東海道 新幹線 は 京都 ― 新大阪 駅 間 で 、 高 架橋 の コンクリート が はがれる など 約 十 カ所 で 破損 が 確認 さ れた 。 この うち 大阪 府 高槻 市 内 の 三 カ所 で は 高架 の 柱 の 鉄筋 が 露出 する ほど 損傷 が 激しい と いう 。 東海道 ・ 山陽 新幹線 は 地震 直後 に 米原 ― 岡山 駅 間 が 停電 。 この ため 両 新幹線 は 名古屋 ― 広島 駅 間 が 不 通に なり 、 東京 ― 名古屋 駅 間 、 広島 ― 博多 駅 間 で それぞれ 「 こだま 」 を 中心 に 折り返し 運転 を して いる 。 兵庫 県 内 の JR 在来 線 は 、 神戸 線 で 八 本 の 列車 が 脱線 。 この うち 神戸 駅 付近 で 脱線 した スキー 列車 「 シュプール 号 」 の 乗客 約 二百 人 は 歩いて 同 駅 に 避難 した 。 この際 、 男性 客 一 人 が 骨折 した 模様 。 また JR 貨物 の 東灘 信号 場 ― 神戸 港 駅 間 で 線路 が 宙づり に なって いる 。 阪急電鉄 で は 、 伊丹 線 伊丹 駅 の 駅舎 が 崩れ落ち 、 留置 車両 が 脱線 。 この ほか 神戸 線 三宮 駅 、 今津 線 宝塚 南口 駅 、 宝塚 線 宝塚 駅 など で 脱線 する 電車 が 続出 し 、 この うち 宝塚 南口 駅 付近 で の 脱線 で 、 乗客 七 人 が 打撲 など で 負傷 した 。 神戸 市 内 の 阪神 高速 神戸 線 で は 、 大 音響 と ともに 高架 部分 が 約 五百 メートル に わたって 崩壊 。 同 高速 湾岸 線 や 名神 高速 など でも 各地 で 橋げた が V 字形 に 落下 したり 、 接ぎ目 ごと に 路面 が 波打った ように 屈曲 し 、 直下 型 地震 に 対する 都市 交通 の もろ さ を 露呈 した 。 同 高速 神戸 線 の 直下 に は 国道 43 号 が 通って おり 、 高速 を 走って いた 乗用車 など が 相次いで 転落 した ほか 、 走行 中 の 衝突 事故 や 橋げた の 下敷き に なる など して 数十 台 が 巻き込ま れ 、 車 内 に 閉じ込め られた 運転手 ら が 救助 を 待って いる 模様 。 神戸 市 内 の 同 国道 で は 、 トラック が 炎上 、 積み荷 が 散乱 した 。 関西 国際 空港 で は 、 交通 機関 が ストップ した ため 、 大阪 市 内 で 宿泊 して いる 乗員 の 到着 の めど が 立た ず 、 エアーニッポン の 高知 行き の 便 が 欠航 に なった ほか 、 日本 エア システム も 搭乗 手続き を 見合わせる など 、 ダイヤ が 乱れて いる 。 一九九二 年 、 東京 都 国立 市 で 主婦 を 刺殺 して 現金 を 奪い 、 強盗 殺人 罪 など に 問わ れた 足立 区 大谷田 、 塗装 工 、 岡 敏明 被告 に 対し 、 東京 地裁 八王子 支部 は 十七 日 、 求刑 通り 死刑 を 言い渡した 。 豊田 健 裁判 長 は 「 あまりに 執ようで 冷酷 非情な 犯行 。 自ら の 生命 を もって 償う しか ない 」 と 述べた 。 豊田 裁判 長 は 「 死刑 は 究極 の 刑 で 、 生命 の 貴 さ は 被告人 に も 与え られる 原理 だ が 、 犯行 は 法 の 予想 する 最も 重い 部類 に 属する と 言わ ざる を 得 ない 」 と 述べた 。 米 サウスカロライナ 州 で 昨年 十 月 、 母親 が 二 人 の 息子 を 車 ごと 池 に 沈めて 殺害 、 その後 「 カー ジャック に 遭った 」 と 狂言 を 演じた 事件 で 、 検察 当局 は 十六 日 、 スーザン ・ スミス 被告 に 死刑 を 求刑 する こと を 明らかに した 。 昭和 20 年 1 月 16 日 、 B29 一 機 が 京都 を 初めて 爆撃 。 17 日 の 新聞 に よる と 「 憎む べき 敵機 は 16 日 夜 京都 市 に 侵入 、 無差別 爆撃 の 本性 を 発揮 し 若干 の 爆弾 を 投下 し 遁走 した 」 と いう 。 被害 は 「 民家 に 若干 の 損害 」 。 しかし 、 「 負傷 者 の 一部 を 収容 」 「 罹災 者 に 朝食 の 炊きだし 」 と あり 、 「 若干 の 損害 」 で は な さ そう 。 震度 6 の 烈震 を 記録 した 兵庫 県 神戸 市 や 芦屋 市 など を 中心 に 家屋 ・ ビル が 多数 崩壊 した 。 陸 、 海 、 空 の 交通 網 は 寸断 し 、 京 阪 神 の 都市 機能 は 一 時 マヒ 状態 に 陥った 。 近畿 の 都市 直下 型 の 地震 と して は 戦後 最大 級 。 死者 は ほとんど が 兵庫 県 で 大阪 府 と 合わせ 四百三十九 人 。 負傷 者 は 近畿 二 府 四 県 で 千三百 人 以上 、 生き埋め を 含む 行方 不明 が 五百八十 人 以上 に 上って いる 。 死者 ・ 行方 不明 者 数 と して は 最近 で は 一九四八 年 六 月 二十八 日 の 福井 地震 に 次ぐ 。 大阪 管区 気象 台 に よる と 震源 地 は 淡路島 。 震源 の 深 さ は 約 二十キロ 。 津波 は 観測 さ れて い ない 。 近畿 で 震度 6 を 記録 した の は 一九二七 年 三 月 七 日 の 北 丹後 地震 以来 。 M 7 以上 は 四六 年 十二 月 二十一 日 の 南海 道 地震 以来 。 気象 庁 は 17 日 、 近畿 地方 を 襲った 地震 を 「 平成 七 年 兵庫 県 南部 地震 」 と 名付けた 。 兵庫 県警 本部 の 調べ で は 、 神戸 市 の 市立 西 市民 病院 で ビル の 一部 が 倒壊 、 内科 の 患者 、 看護 婦 計 五十三 人 が 生き埋め に なった の を はじめ 、 西宮 市 や 芦屋 市 など でも マンション や 雑居ビル など 建物 の 崩壊 が 相次ぎ 、 二百 人 以上 が 生き埋め に なって いる 。 阪神 高速 道路 神戸 線 の 深江本 町 本線 で 約 五百 メートル に わたって 高架 が 落ち 、 約 二十 台 の 車 が 転落 する など して 五 人 が 死亡 。 湾岸 線 など でも 各地 で 高架 が 落下 、 死者 が 相次いだ 。 大阪 市 の 環状 線 でも 七 カ所 で 橋げた の ジョイント 部分 に 約 五〇 センチ の 段差 が 出来る など し 、 京 阪 神 の 高速 道路 の 大半 で 通行 止め と なった 。 東海道 ・ 山陽 新幹線 は 新大阪 ― 西明石 間 の 五 カ所 で コンクリート の 高架 が 陥没 し 崩壊 。 在来 線 で は シュプール 号 など 八 本 の 列車 が 脱線 。 阪急 伊丹 駅 で は 駅舎 の 一部 が 倒壊 、 阪神 電鉄 住吉 駅 で は 車両 が 横転 した 。 ◆ 余震 32 回 記録 大阪 管区 気象 台 に よる と 、 各地 の 震度 は 次の 通り 。 今回 の 兵庫 県 南部 地震 は 、 東北 や 北海道 で 最近 起きた プレート 境界 の 地震 と は 違い 、 典型 的な 都市 直下 型 で 、 明石 海峡 付近 の 地下 を 通る 活断層 の 一 つ が 動いた と み られる 。 震源 付近 は 、 六甲 断層 帯 や 山崎 断層 を はじめ 非常に 多く の 活断層 が 走って いる こと が 知ら れる 。 どの 断層 が 動いた か は 、 今後 の 現地 調査 など に より 明らかに なる と み られる が 、 将来 の 巨大 地震 と の 関連 を 指摘 する 専門 家 も おり 、 警戒 が 必要だ 。 京都 大 理学部 の 尾池 和夫 教授 に よる と 「 今回 の 地震 は 四国 から 近畿 地方 に かけて 走る 中央 構造 線 北側 の 西南 日本 内 帯 で 起きた 。 ここ に は 小さい 活断層 が 集中 して おり 、 地震 は 都市 部 の 直下 型 に なる 傾向 が 強く 、 被害 が 大きく なる の が 特徴 。 内地 で の 地震 は 一九四八 年 の 福井 地震 が 最後 で 、 広域 に わたり 地震 エネルギー が ため込ま れて いた と 考え られる 」 と いう 。 個々 の 活断層 は 千 年 から 五千 年 に 一 度 と 活動 の 周期 が 長い が 、 西 日本 の 地震 活動 全体 から 見る と この 地域 の 地震 は 、 紀伊 半島 から 四国 ・ 九州 沖 で もぐりこんで いる フィリピン 海 プレート の 運動 に よる 巨大 地震 と 密接な 関係 が ある と み られる 。 地震 予知 連絡 会 の 茂木 清夫 会長 に よる と 、 西 日本 の 地震 活動 は 同 プレート に よる 巨大 地震 に 支配 さ れ 、 巨大 地震 発生 前 に 内陸 部 の 地震 活動 が 活発 化 する パターン が み られる 。 過去 の 地震 の パターン から みる と 、 巨大 地震 が 起きた 後 に 余震 が 起き 、 これ が 収まって から 四 、 五十 年 は 静かな 状態 が 続く 。 その後 周辺 地域 で 地震 活動 が 活発に なり 、 さらに 数十 年 して 次の 巨大 地震 が 起きる と いう 。 一九四六 年 に 起きた 同 プレート に よる 南海 道 地震 でも 、 その 前 二十 年間 に は マグニチュード 6 以上 の 地震 が 周辺 で 起きて いる が 、 七三 年 から 九三 年 の 二十 年間 に は 、 マグニチュード 6 を 超える 地震 は 同じ 地域 で ひと つ も 起きて い ない 。 現在 、 南海 道 地震 から 五十 年 近く が たって おり 、 茂木 会長 は 「 周辺 の 地震 活動 が 活発 化 する 時期 に 入った 可能 性 が ある 」 と 指摘 。 今後 も 地震 活動 が 活発 化 する 可能 性 が あり 、 「 西 日本 一帯 は 注意 が 必要 」 と 呼び掛ける 。 数十 年 後 に は 再び 同 プレート に よる 巨大 地震 が 発生 する 恐れ が ある 。 このような パターン で 西 日本 の 地震 活動 が 活発 化 する 可能 性 は 、 地震 予知 連 の 地域 部会 の 昨年 十一 月 の 報告 でも 指摘 さ れて いた 。 建設 省 は 十七 日 午前 、 一九九五 年 兵庫 県 南部 地震 建設 省 非常 対策 本部 を 設置 し 、 野坂 建設 相 ら が 同日 午後 、 調査 の ため 現地 入り する こと を 決めた 。 また 応急 対策 と して 仮設 住宅 の 建設 能力 を 確認 、 一 カ月 で 五千 戸 の 建設 が 可能である こと を 確認 した 。 ◆ 通勤 直撃 市営 地下鉄 は 全線 不通 と なった ため 、 豊中 市 方面 から 大阪 市 内 へ 向かう 新 御堂筋 など 市 内 の 主要 道路 は マイカー に 切り替えた 通勤 サラリーマン ら で 、 大 混雑 と なった 。 橋 を 通る 国道 176 号 が 通行 止め と なった 。 出勤 時間 帯 と 重なった ため 、 国道 は 大 渋滞 と なった 。 ◆ 銀行 さくら 銀行 で は 神戸 市 内 など 近畿 各地 の 支店 オンライン が ダウン 、 現金 の 出し入れ が でき なく なり 、 一部 の 支店 で “ 臨時 休業 ” 。 また 、 阪神 間 を 中心 に 主要 銀行 の オンライン は 正常に 稼働 して いる が 、 建物 の 損壊 など で 営業 を 開始 でき ない 支店 が 続出 して いる 。 三和 銀行 は 、 神戸 地区 中心 に 午前 九 時 四十五 分 現在 、 十 店 前後 が 営業 不能 。 住友 銀行 は 午前 十一 時 現在 、 阪神 間 の 九 店 で 営業 状況 が 把握 できて い ない 状態 。 同 行 西宮 支店 は 、 浸水 の ため 十七 日 の 窓口 営業 の 中止 を 決めた 。 ◆ 大証 大阪 証券 取引 所 は 十七 日 の 現物 株 、 カントリー ファンド 、 債券 の 取引 を 終日 中止 に した 。 先物 と オプション取引 に ついて は 前場 のみ 中止 、 後場 から 開始 した 。 一方 、 小豆 、 大豆 など を 取引 する 関西 農産 商品 取引 所 と 大阪 繊維 取引 所 も 取引 を 終日 中止 に した 。 ◆ 高速 道路 兵庫 県 西宮 市 高潮 町 の 「 新川 」 上 を 通る 阪神 高速 神戸 線 の 上下 線 の 橋げた が 長 さ 約 十 メートル に わたって 橋脚 部分 から 「 く 」 の 字形 に 約 八 メートル 下 の 国道 43 号 上 に 落下 。 同 国道 の 上り 車線 を 走って いた 乗用車 と ライトバン が 橋げた の 下敷き に なった ほか 、 神戸 線 の 下り 車線 を 通行 中 の ワゴン 車 が 急 傾斜 を 滑り落ち 、 橋脚 に 激突 し 、 後続 の 鮮魚 運搬 用 トラック が 追突 。 四 台 の 車 は 大 小破 した 。 ライトバン の 運転手 ら 数 人 が 死傷 した 模様 で 、 近く の 病院 に 収容 さ れた 。 ◆ 大阪 市 内 大阪 市 市民 局 安全 対策 課 が 午後 零 時 現在 で まとめた 被害 は 、 淀川 区 東三国 の マンション で 、 六十五 歳 の 男性 が タンス の 下敷き に なって 死亡 、 此花 区 伝法 の カバヤ 食品 大阪 工場 の 煙突 が 倒れ 、 四十五 歳 の 男性 作業 員 が 下敷き に なって 死亡 した 。 地震 直後 、 火災 が 民家 や 工場 など 市 内 十四 カ所 で 発生 、 火傷 など で 八 人 が 負傷 した 。 此花 区 酉島 で 道路 が 約 二百 メートル に わたって 陥没 、 十三 大橋 でも 淀川 区 側 で 五 ― 十五 センチ の 段差 が できた 。 水道 も 二十 カ所 以上 で 漏れ 、 ガス 漏れ も 百二十六 カ所 で 起きた 。 また 、 市 内 の すべて の 市立 小 、 中 、 高校 、 保育 所 が 休校 に なった 。 ◆ 鉄道 山陽 新幹線 は 兵庫 県 伊丹 市 、 尼崎 市 など で 高架 が 崩壊 する など 各地 で 寸断 、 復旧 まで に は かなり の 時間 が かかる と み られる 。 阪急電鉄 は 伊丹 駅舎 が 半壊 した ほか 、 神戸 市 の 三宮 駅 近く や 西宮 市 の 門戸厄神 駅 構内 、 宝塚 南口 駅 構内 で 脱線 。 また 、 今津 線 は 、 西宮 北口 ― 門戸厄神 駅 間 で 線路 上 を またぐ 国道 171 号 が 落下 、 線路 を ふさいだ 状態 に なって いる 。 また 、 阪神 電鉄 でも 、 神戸 市 内 の 高架 の 車両 庫 が 崩壊 、 一 階 の 駐車 場 を 押しつぶした ほか 、 住吉 駅 で は 、 強い 揺れ で 電車 が 脱線 。 高架 から 上り 車両 二 両 が 落ち かけて いる ほか 、 同 駅 北側 一帯 で は 火災 も 発生 した 。 関西 国際 空港 連絡 橋 で は 、 南海 電鉄 の 午前 五 時 四十五 分 関西 空港 発 難波 行き 急行 が 同 四十七 分 ごろ 橋上 で 停車 。 乗客 四 人 は 約 四 時間 後 に 係員 の 誘導 で 線路 の 上 に ある 道路 部分 に 移り 、 無事 救出 さ れた 。 ◆ 京都 京都 市 右京 区 の 広隆寺 で は 、 霊宝 殿 に 安置 して いた 国 の 重要 文化 財 の 木造 の 仏像 三 体 が 陳列 台 から 落下 し 、 平安 時代 に 作ら れた 「 聖観音 立像 」 の 右腕 が 折れた ほか 、 鎌倉 時代 の 作 と さ れる 「 聖徳太子 十六 才 像 と 侍者 」 の 侍者 像 の 左手 首 が 欠けた 。 また 同 市 東山 区 の 高台寺 で は 国 の 重文 指定 建造 物 「 開山堂 」 の 内部 の 丸柱 と 接する 白壁 の 一部 が 長 さ 約 二 メートル 、 幅 約 二 センチ に わたり はがれ 落ちた 。 京都 府 の 調べ で は 、 午前 十 時 現在 、 計 十四 社寺 で 文化 財 被害 が 出て いる 。 旧知 の クラシック 歌手 が ぼやく 。 先月 開いた リサイタル の チケット 売りさばき の こと だ 。 知り合い や 後援 会員 も 引き受けて くれた が 、 最後 は やはり 、 本人 が 直接 頼む の が 一 番 と か で 、 頭 を 下げた 人 は 一 カ月 に 百 人 を 下ら ず 。 「 この 時間 を 練習 に 充て られたら 、 と 何 回 思った こと か 」 と 。 クラシック の 世界 で 今 、 苦労 なく チケット が 売れる の は 、 コンクール に 入賞 した ばかりの 若手 の 美人 演奏 家 と 、 「 巨匠 」 と 言わ れる 人 ぐらい と いう 。 巨匠 と いって も 、 六十 歳 で は まだまだ 。 七十 、 八十 で ない と 駄目 らしい 。 四十 歳 の この 友人 も 、 毎年 ヨーロッパ の 舞台 に 立ち 、 自治 体 の 文化 賞 など 受賞 歴 は 多い が 、 この 世界 で は まだまだ ひよっこ 。 リサイタル の 収支 は 、 五百 人 程度 の 会場 が いっぱいに なって トントン と いう のだ から 、 自ら チケット 販売 に 力 を 入れ ざる を 得 ない 。 練習 より も まず 、 三流 政治家 なみ の おじぎ と 握手 。 企業 が 文化 活動 を 支援 する 「 企業 メセナ 」 と いう 言葉 も 、 不況 と ともに たちまち 見かけ なく なった この 国 で 、 ひよっこ が 羽ばたく とき が 来る の か 。 話 を 聞いて いる うち に 、 気 が 重く なって きた 。 マグニチュード 記号 M で 表す 。 地震 の エネルギー と 対応 して おり 、 地震 波 の 最大 振幅 を 基 に 算出 する 。 6 以上 に なる と 、 被害 が 発生 し やすく なる 。 一方 、 震度 は 揺れ の 強弱 を 表す 値 。