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Daichi Mochihashi (持橋大地) daichi <at> ism.ac.jp by hns, version 2.10-pl1.

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2008年11月04日(火) [n年日記]

#1 IBIS 2008終了

IBIS 2008 が無事終わって, 京都に帰ってきました。 今年のIBISは参加者160人くらい, 懇親会にも80人以上の参加があって, 東京以外の開催なのに大成功だったそうです。 (自然言語処理の人が少なかったのは残念でしたが..)
来年のIBIS 2009は竹内先生のおられる九州大学(伊都キャンパス)で開催で, 僕は準備委員にご指名を受けたので, 来年も参加確定っぽいです。

ノンパラメトリックベイズは僕的にはかなり頑張ってわかりやすくしたつもり なのですが, 全体に企画セッションが例年より薄かったという声もあるので, どうかな..というところ。 30分という時間の中で, CRPやSBPをきちんと説明しようとすると ディリクレ過程混合モデルだけで終わってしまって, それだけではノンパラベイズの 面白さが全然!伝わらないよ!(松岡修造風)ということで, 最先端の風景を 後半はできるだけ話すようにしたため, 前半の説明はかなりあっさりにならざるを得なかった.. というところもあります。
もう少しすると公式ページからリンクが張られると思いますが, とりあえずスライドと オープニングは 論文のページ に置いておきました。

今回は論文集を出すと, 既発表ということで国際会議に出せなくなるということを 非常に気にして, 一切論文集が出ませんでした。そうすると時間がなくて見れな かったポスターも見れないし, 話の深い所もわからないということで, 多くの方が 指摘されているように確かにデメリットも多く, 来年の課題な気がします。 *1
というか, 日本の国内ワークショップで話した内容ぐらい国際会議にはノーカウント にしてくれよ, と個人的には思わなくもないのですが..。

仙台で開催ということで, 新幹線や飛行機で行ってもよかったのですが, これは乗るしか!ということで, 前から知っていた 太平洋フェリー の名古屋―仙台航路 で, 船で仙台に行ってきました。
以下, 旅行記のようなもの。

・ 10/26(日)

名古屋-仙台航路は19:00名古屋港発, 翌日16:40仙台港着の21時間40分です (船内は快適なクルーズで有名)。ただ, 一日おきで27日の便がないため, 29日(水) からのIBISに参加するには, 日曜日の便に乗る必要が。
名古屋までは時間があれば, 鈴鹿山脈を延々越える関西本線(単線)で行くと2000円台で 行けるのでできればそうしようと思っていたのですが, ギリギリまでスライドを準備していたため, 結局京都から新幹線で行くことに。 *2
名古屋駅から名古屋港は専用バスもあるようですが, 間に合わなかったため, あおなみ線 (名古屋臨海高速鉄道)に初めて乗って, 18:10ごろ野跡駅着。タクシーに乗って, 無事乗船できました。

いしかり号は19:00に, 音もなく出帆。船の後部にある豪華なレストランでエレガントに ごはんを食べているうちに, 名古屋港を出て伊良湖水道から太平洋に出ました。

伊良湖岬から太平洋に出るところ。いわき市沖を仙台に向かう 「いしかり」デッキの風景

上はiPhoneでいくつか写真を撮ったもの。 こういう場所には書いていないですが, 個人的に今年の7月に鳥羽から船で伊勢湾を 渡って伊良湖岬のホテルに泊まるという旅行をしたので, そう時間の経たないうちにその時自分が渡った航路 を横切ることになりました。暗がりの中で明滅する伊良湖岬灯台が幻想的です。

・ 10/27(月)

夜はアトラクションの歌手の方の童謡を聴いてまったりしているうちに (注: 平日なので年配の方が多い), 就寝。大浴場も航海中入り放題で, 夜中の2時頃に 入って完全独占状態でした。微妙に揺れること以外は, 水も豊富で どうみてもホテルとしか思えません..。

翌日は起きると犬吠崎〜銚子の辺り(だったはず)。平日のため客も多くないため, 朝の光の中でレストラン「カリブ」でゆっくり朝食を食べて, 自分の一等船室で二度寝したり(w していると, すぐにお昼に。デッキに出ると, 外の風景は上の右の写真のような 感じです (ただし40km/h位で航海しているので, 風が強い)。
船室はたまたま船の先頭にあるため, さすがに外洋なので微妙に揺れて本が読み にくいので, 午後は船内にあるヨットクラブ(カフェ)でコーヒーとケーキを食べながら ゆっくり読書。そうこうしているうちに, 無事仙台港に午後4時ごろ着きました。
仙台港からは乗り継ぎのバスで仙台市内まで, 40分くらい。

・ 10/28(火)

この日はDEX-SMIの情報理論のセッションがIBISとは別にあったのですが, 前日 疲れていて(ギリギリまでスライドを準備していたので), 起きるのが遅かったので, ホテルでゆっくりお昼を食べて, 午後はかの有名な「トンペー工学部(東北大工学部)」 を観に行くことに。
仙台駅から青葉通りをまっすぐ散歩して, IBIS会場の国際会館を過ぎてさらに歩くと 東北大のキャンパスがあり, 法学部や文学部の前を抜けてさらに歩くと, 山道が。 この先に本当に大学が..? と思って人のいない坂を歩いて登っていくと,
数歩踏み出したところにいきなり大学が!

大通りが東西に走っているキャンパスが山の上にいきなり広がっていて, 驚きました。しかもこれが全部「工学部しかない」というのが凄い。
僕がやったように歩いて来れないこともないようですが, 実際はほとんど車かバスで 通学するようで, 「工学部中央」バス停からは10分おきくらいにバスが出ていて 仙台駅までの交通は(少なくともNAISTに比べると)かなりいい感じでした。
工学部中央の側には 青葉記念会館 *3 というひときわ高いビルがあって, 東北大工学部のOB組織である青葉工業会の寄付で 建てられたらしく, まるでよくある医学部の記念会館のようで, 工学部すげーというか, 東北地方に東北大工学部OBの力が浸透しているんだろうなあ, と思わせる瞬間でした。
それだけでなく, キャンパスも緑が多くて実に綺麗で, いいところだなと。
とりあえず購買部に行っておみやげを買ったり, キャンパスを情報科学研究科の方まで 散歩したり, 生協でごはんを食べたりして満喫して帰りました。
もう「理系万歳!」という感じで, 素晴らしいなあと。(ただし逆に, 他の学部の人 との接点がなさすぎるという欠点がもしかするとあるのかも知れません。)

ちなみに, 有名な RIEC (東北大学電気通信研究所)はここではなく, 平地の川内キャンパスにあるのだそう で, そちらは見ることができませんでした。学部の頃からSKKでお世話になっているので 一度見てみたかったのですが, 残念。

・ 10/29(水)-10/31(金)

ここからは通常のIBISの日程なので, 特別に長々と書く必要はないかもしれません。
何だかんだ言って牛タンを食べたり, 仙台駅前にある 鯛焼きの店 で買った鯛焼きがおいしかったりとか(w, 色々ありましたが, ポスターセッションは 時間が足りないくらいだったかもしれません。

ほかに, 個人的に地方に行った時にはその地方の一番の知的中心を見に行くことに しているので(上で東北大工学部に行ったのもそれが理由), 文化的な仙台市の一番の中心だと思われる 仙台二高 を見にいってきました。 (注: 仙台二高>仙台一高)
福井に行ったときには福井大学を見学したついでに, 近くにある 藤島高校(旧制福井中学)を見に行ったりしてるので, 同じような感じです。 アカデミック・ミーハー?
仙台二高は文教地区にあるIBIS会場の仙台国際センターの近くで, 美術館なども 近く, ものすごくいい環境でした。
みんな言っていましたが, 仙台は緑も多く, かなり都会で, 洗練されていて非常に 素晴らしい所だなあというのが全体的な感想でした。
もっとも自然言語処理や機械学習がそれほど強い気もしないので (音声は強いかもしれません), 僕がどうとか いうことではないですが, そこらへんを充実させるにはどうしたらいいんでしょう, のような話を京大のT先生と話しながら最終日の新幹線で京都に帰ってきたのでした。


*1: ただし, メールが行っているように後で公式ページからリンクが提供されているので, 資料を公開される方はそこで見られる, ということにはなっています。
*2: 京都のCS研〜名古屋間は, JR関西本線(2000円台, 5時間), JR米原回り(3000円台, 4時間), 近鉄特急(4000円台, 3時間), 新幹線(6000円台, 2時間)と, 非常ーにわかりやすい 交通対費用になっています。
*3: SKKはこれを一発で変換できました。さすが東北大で開発されたSKK..。

2008年11月15日() [n年日記]

#1 IBIS 2008 (2)

下で書き忘れたこと。(どうして今頃書いているかというと, しばらく風邪を引いていて 余裕がなかったからですが..。)
招待講演も含めて, 14日(金)に資料の締め切りがあったので, 招待講演のページ でスライドがほぼ見れるようです。

・ 自然言語処理セッション

初日の午後に, 松本先生に「機械学習における自然言語処理の諸問題」という タイトルで講演をしていただきました。(一応僕はオーガナイザーなので..)
スライドはIBIS2008のページに上がっていますので, 全部読めます。 [PDF]
今回のIBISには自然言語処理の人があまり来ていなかったので残念だったのですが, かなり力の入った内容で, 文の構造解析を中心にどんな問題があるのか, どうやって 解かれてきたのか等のお話でした。教科書等には全然書かれていない内容なの で, 特に修士や学部など自然言語処理に入ったばかりの人が読むととてもいい内容 なのではないかと..。
個人的には, 局所的な情報を用いた分類では大域的な構造が(まだ)考慮できない ということが問題とされていますが, これは計算の途中で分類を確定的に考えている からで, BPや, 中川君がやっていたようなGibbsのような方法で実はわりと自然に解ける のではないか, という感想を持ちました。(松本研ではEMやBPやGibbsを使っている人 がほとんどいないので, あまり意識されていないのではないかと。)

・ 技術的なメモ

今回自分のLaTeXのスライドの絵を描く時に, (ついに)Tgifをやめて Inkscape を使ってみました。 これまでtgif2texを使ってTeXの数式を入れていましたが, *1 Inkscape+TexTextで全く普通の図形として数式が入れられるようになりました。 ブラボー。
以下少しメモ。

*1: さらにその前は, Psfrag を使ってダミーの文字列を書き替えるのが普通だったらしい。

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