mots quotidiens.
Daichi Mochihashi (持橋大地) daichi <at> ism.ac.jp by hns, version 2.10-pl1.

先月 2007年08月 来月
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

2007年08月06日(月) [n年日記]

#1 波の文字

Bessel関数について調べていて(言語学を突きつめるとベッセル関数に至るって どうよ..), 三井造船昭島研究所 で, 水面に波で自由に文字が描ける技術 [PDF] が開発されているのを知った。 面白すぎ。 *1 希望の合成波形が t=t0で得られるように, 波形を逆算して複数の造波器で波を生成するのだそう。

今回の技術のポイントは, 極座標(r,θ)で表示した波形関数をrとθに関して 級数展開する代わりに, 「集中点」を造波するような, 第1種と第2種Bessel関数を使った級数展開を考えて, 文字を点の集まりとして描画することで, 造波器の数を増やさなくとも 複雑な文字を波で表現できる, ということらしい。

こういうのを見ると, 日本の技術は世界一yyyyyyyyyyy! とか思ってしまう。(笑)
言語の人には僕も含めてあまり馴染みがないですが, ATRで聞いた話では, 音声の方では少し似た感じで音場を制御する話は色々あるようです。 個人的には, 1音しか鳴らせないX68000のADPCMと非力なCPUで, 8音までオンラインで合成して鳴らしてしまうとてつもない音源ドライバ, PCM8.X みたいなものを思い出しました。
*1: 昭島研究所はもともと三井造船の研究所だったが, 今はいちおう独立の会社らしい。

2007年08月13日(月) [n年日記]

#1 ISMワークショップ

少し前に stats ML に流れましたが, 来週の8/21(火)に行われる, 松井さん 主催の 統計数理研究所のワークショップ で話すことになりました。
僕の話は先日の無限マルコフモデル(=可変長n-gram)をもう少し丁寧に, 一般的に話すという感じです。それより, 上田さんのノンパラメトリックベイズの チュートリアルや, SMC本 で有名な Arnaud Doucet 氏のTalkもあったりして 誰でも無料で参加できるようなので, 興味のある方はどうぞお越しください。

#2 SVM2007終了

SVM 2007 お疲れ様でした。というか, 上品に終わりすぎという気が..。(w

今回印象的だったのは, 僕はこの研究室に5年もいたはずなのに, 研究のセンスが もう全然違うなあ, ということ。 (ウィーナー過程の話をしている時点でもう全然違うわけですが..(笑))
途中, パージングの話で Shift-Reduce 法の使い方について松本先生がコメントして 長々と議論になるということがありましたが (去年も同じようなことがあった), こういうのは僕のセンスではないなあ, と聞いていて思ってしまった。 *1

何が違うのかというと, 少し考えてみましたが, やはり理学と工学のセンスの違い のような気がする。 *2 松本研のメインはやはり工学で, SVMのようなある種の artifact を持ってきて 色々と工夫すると言語データがうまく処理できる, というのに喜びを見出すの だろうなあ, と思う。 一方, 僕はできるだけ自然で, 無理のない仮定や道具を 使って言語をモデル化したい, と思っているので, その辺りのセンスが全然違う ように思う。
僕にとっては, もしある言語現象をウィーナー過程の言葉で記述することができたら, それほど嬉しいことはないのですが, そういう風に色々な角度から光を当てて 言語を理解することに喜びを見出すというのはこちらの見方なのであって, *3 上のような工学的な立場から見ると, そんなことを言われてもそもそも知らない というか, それで性能がどう上がるの, みたいに思う可能性もあるのではないか, と。
もちろん, 松本研はメインだけでなく, 色々な立場の人が共存しているのが よい所なので(メインの方が成功しやすい, という気はしますが), これは個人的な感想なのですが。


*1: 念のため, D山さんの発表は面白かったです。
*2: こういう区別を否定する人もいますが, 現実には工学よりの理学や 理学よりの工学がある (というか, 良い研究は往々にして両方の要素を持っている)とは いえ, だからと言ってその二者の区別がないということにはならないと 僕は思っています。
*3: 無意識ですが, 学部教育 の影響も結構あるかも知れない。

2007年08月22日(水) [n年日記]

#1 帰京

ISMのワークショップが終わって, 京都に戻ってきました。
夏バテで力があまり入らず, 予想より人数が多かったこともあり, スライドをもっと気合いを入れて作ればよかったと後悔。 (東京に行ってからもデニーズで夜中に頑張ったんですが..。)
広尾でおいしいお鮨をいただいて, 夜中の0:30頃に自宅に帰ってきました。 ワークショップのページ からスライドが全て見れますのでどうぞ。

とりあえず, Doucet氏 も左利きだった!というどうでもいい情報はともかく(w, Particle MCMCの話が面白かったです。
折角なので書こうと思いますが, Particle Filterのチュートリアルとしては, Doucet氏の1998年のテクニカルレポート "On Sequential Simulation-Based Methods for Bayesian Filtering" が非常にわかりやすくて, お薦めです。 一般には ArulampalamのTutorial が有名なようですが(特に音声系?), 上の方がわかりやすいと思います。 "Sequential Monte Carlo Methods in Practice" は中級者向けで, 導入があまり 丁寧でないので, テクニカルレポートを読んで導出を理解してから本を読むのが いいのではないか, と思います。
それと実は, "The Unscented Particle Filter" の スライド が超おすすめだったりします。導出についても図が多くて直感的で, まずこれを読んで から, 論文に入るのが一番かもしれません。


2007年08月26日() [n年日記]

#1 広重

久しぶりに大阪に行って, 難波の淳久堂書店に寄って本を眺めていたら, 今月8/1に発行されたばかりらしい 広重の「江戸百景」の本 があったので思わず買ってしまった。 9800円だが, そこは独身貴族パワーでまぁへいっと。
帰り, 英國屋でお茶を飲みながらずっと眺めていたが, 名画の連続すぎだろ常識的に考えて…。 中学校や高校の美術で, 西洋画家の名前を覚えさせるとか意味不明な ことをするのを止めて, この中から好きなものを選んで模写させる, というような ことをすればいいのに, と帰りに思った。
必ずしも有名な絵だけが名画なわけではなく, 一般に知られていない絵に多く, これぞ日本的な美学, と呼べるようなものが多くあると思う。 ちょうど広尾に行ったところなので, トップ絵を 広尾 にしようかと最初思いましたが, 地味なので品川にしてみました。 (本当はちょっと色合いが違いますが, 派手目ということで。)


4 days displayed.
タイトル一覧
カテゴリ分類
 なかのひと
Powered by hns-2.10-pl1, HyperNikkiSystem Project