「ポスト経験主義の言語処理」が特集で載っている人工知能学会誌 2012年5月号が,
いつの間にかポストに届いていた。
辻井先生, 僕, 宮尾さん, 渡辺さん, 戸次さん, 大熊・増市さん, 飯田君, 黒田さん
の順で(僕はもう少し後ろかと思っていましたが), どれも非常に力の入った内容で
ビックリ。特に辻井先生の内容はかなり長くて非常に面白く, 凄まじい読み応えなので,
全体的にものすごくお薦めです。他の方はわりと, 自分の分野のテクニカルな内容を詳しく
書いていて, 僕も
自分の内容
をもっとガッチリ書けばよかったと少し反省。
なお, 辻井先生の流石の内容の中で, 経験主義では見えない構造を考慮しないように
見えますが, ベイズの人がやっているのは, まさにそうした見えない構造を学習しよう
というもので, 単に見える素性で
*1
分類するような経験主義とは違っているかと思います。ただその時に, 闇雲に単純な
事前分布を仮定するのではなく, 言語的に意味のある分布を仮定するべき, という点が,
本当は合理主義から導かれるべきではないかと感じました。
他にも, 2012年5月号は前半が湊先生や宇野さん, 河原さん等の離散構造の話だったり,
何気に佐藤君のトピックモデルの文献案内が載っているとか, 実は裏表紙がCS研の
オープンハウス案内だったりとか, 学会誌としては稀にみる物凄い読み応えなので,
*2
これだけ買っても充分元がとれる, という風に思ってしまうほどの内容でした。
*1: 最近は Conditional Neural Fields のような話もあるので, 分類といえども,
見える素性だけで行うものではなくなっていると思います。
*2: 人工知能学会の会員ではないのに, 書かれている人のほとんどが知り合いでした。