電子情報通信学会誌の今月号(2010年1月号)に, 前に書いたノンパラメトリック
ベイズの講座が載りました。図を沢山入れてわかりやすく書きましたので,
ご興味のある方はどうぞ。
信学会の規定でLaTeXの原稿はアップできないらしく, 学会からPDFを購入すると
見れるとのお話を久保さんから聞いたので, 後で購入してPDFを見れるようにする
予定です。
今回は第III回ですが, 第I回の久保さんの階層ベイズモデルのイントロダクションは
10月号に載っていて,
久保さんのページ
でPDFが見られるようです。
僕の記事はもともとLaTeX 6ページに収めるつもりで図を2 columnに入れるように
ギリギリまで圧縮して書いたのを, 1コラムに展開されてしまったので, 図が僕の意図
より若干大きくなってしまっているのが残念です。その他, 「分かる」が漢字になって
いるとか, 「尤度」がひらがなになっているなども信学会の編集の結果のようです。
国際会議の査読が必ずしも高品質とは限らないわけですが
*1
,
Ken Church
が2005年に Computational Linguistics に
"Reviewing the Reviewers"
という4ページの記事を書いていることを知り, 読んでみました。
別にNLPに限った話ではないので, 他の分野の方が読んでも充分に面白いと思います。
基本的な主張は, よい論文を落とさない(recallを上げる)にはいくつかの方法があるが,
一番なのは Acceptance rate を上げることだ, ということ。rate が20%を割ると,
明らかに良い論文が落ちるようになるらしく, それを簡単な数値実験とともに
示しています。
面白いのは, committee の評価基準として, 「クロスバリデーション」, つまり,
committee を入れ替えてみて, 同じ論文が通るかの precision と recall を測る
ことができる, という話。実際にどれくらい実行できるかはわからないですが,
「真に良い論文」が埋もれている可能性があり, それを客観的に評価することができる
という視点は面白いと思います。他の分野の方にもお薦めです。
*1: 今回の僕のACLの査読はかなりレベルが高くて的確な指摘が多かったですが,
後で聞いてみると, 基本的にレビューアを割り当てたのは鈴木さんらしい。
なるほどすぎる。。